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【個】『学生寮 清月館』

707七篠 譲葉『リルトランク』:2021/09/07(火) 20:46:12
>>706

「ありがとうございます。
 協力してもらえたら本当に助かります」
「……そうなんです、少ない人数でちまちまっとやっても街全体が『クリスマス』にはならないですし、
 『冬』にするにもとても足りないんです…」

 そしてふむふむと大神のアイデアを聞きながら七篠はいつの間にかカバンから取り出したらしい『手のひら大の付箋』にメモを取り始めた。

「『マスコミ』、第四の権力ですね」
「『ラジオ局』は他の人と話してるときに案に上がったんですけど、
 『街中』となると『町内放送』みたいなのじゃないと難しいんじゃないかって話になったんです。
 でも、0より1ですし問い合わせてみるのもいいのかもしれないです」
「『新聞』…。『校内新聞』ってそういえば見たことがあるかも…。
 確か学園に『新聞部』がありましたよね。
 学生から広めればそこから家族やバイト先なんかに『クリスマスブーム』が広がっていきそうですね…!」

 七篠は一つ一つメモに起こし、アイデアをまとめていく。

「お手伝いしてくれそうな大人の人が私が知る限り2人います。
 今、いろんな人が連絡して回ってくれてるみたいなので、もしかしたらもっと増えてるかもしれません。
 いろんな人の力を借りたら…『荒唐無稽な夢物語』も『現実』になるかもしれないです…!」

 七篠の言う大人の人は芦田と小石川のことのようだ。

 七篠はちらりと時計を見た。
 『寮』に到着してからだいぶ時間が経ってしまっていることに気付いたのだろう。小石川が『学校』に来ると言っていたことを考えるとそろそろ動き出さなければ待たせることになると考えているのかもしれない。
 七篠は残りのプリンをすこしペースアップして食べ始めた。
 
「あ、そうだ…。
 大神さん、もしよければ連絡先交換しませんか?」


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