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【個】『学生寮 清月館』

568赤月『サクソン』:2021/06/29(火) 22:56:21
>>567

「う・・・・ん・・・・・・っ」

赤月が目を覚ました時、部屋には誰もいなかった
自分にかけられたタオルケットとポケットの中に入れられた『メモ』の存在から
どうやら、この部屋の主『御影』の世話になったという事を知る

「・・・・・・・しまった」

時計を見るとあれから数時間が経っているようだ
一瞬だけ、『敵』の存在が頭をよぎるが、すぐにその発想を打ち消す
久しぶりに不安に苛まれずに安眠したため、心に物事を考える余裕が生まれていたからだ

「違う・・・・大丈夫、大丈夫だ・・・・
 御影がいなくなったのは外出する用事があったから・・・・『奴ら』に襲われたわけじゃない」


「・・・・そうだ」

深い休息で頭が回るようになったおかげか、一つの考えが頭に浮かんだ
その考えを実行するべく、近くにあったボールペンを『仕込み刀』に変えて、自分の手の甲を切る

痛みはあるが・・・・すぐにその痛みは和らいだ・・・・
『サクソン』の能力が発動しないという事は、
この部屋に『目撃者』がいないという事だ

「クッ・・・・・! こんな簡単な事に気づかなかったなんて!
 ずっと私は・・・・・居もしない『幻影』に苦しめられていたのか・・・・・いや」

「ずっと休息も取らずに余計な気を張っていたのは私の方か・・・・
 ちゃんと休んで、頭が働いていればわかったはずの事だ
 憩わせてもらった御影には・・・・本当に感謝をしないといけないな」

改めて『メモ』を読む
簡潔ながら、こちらへの気遣いを感じさせる文章だ
赤月はそれを丁寧に折りたたむと、大事そうにカバンの中に仕舞った

「ありがとうございました」

この場にいない『部屋の主』に一礼をして
自室へと戻っていった


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