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戦場スレpart2
521
:
ヴィルヘルム@エフゼロ
◆E8ckRIIdug
:2013/02/15(金) 22:10:37 ID:I07A.ZCE
『時にヴィルヘルム少佐、今から関空まで来れるかね?』
「今度は何ですか、河嶋大佐」
『この後、諏訪の事で京都大学のマーガレット・ウィルマース博士と落ち合うんでね、迎えに』
『是非ともいや是が非でも迎えに行って首に縄かけて確実にメグをひっ捕らえて下さい』
その名が出た途端、レミーが泣きついた。何という信頼感。
522
:
レミー・タイデグリーもしくは謀略の輩(ともがら)
◆E8ckRIIdug
:2013/02/17(日) 09:29:38 ID:8VK/EyDI
さて、祭りの会場の避難区画、ウー・グリソム大佐の死体の傍ら。
エレミーラ・タイデグリー中尉はやってきた地元警察に死体の始末を託すとその場を離れ、一人になれる場所を探した。
近くの林の中に分け入り、周囲に人影がないのを確認して握りしめていた手のひらを開く。
あの瞬間弾けながらも奇跡的に形をとどめていた、ウーの片目。
それを、彼女は飲み込んだ。
「ふ、ふふふ、見える……観えるぞ……さすがは“遍在する者”だ、よく視える……」
523
:
リリー
◆Tg./UqnJ52
:2013/02/17(日) 22:23:45 ID:ZBe47WeY
【伊豆基地:第一会議室】
戦闘の後始末を伊豆基地の歩兵大隊に任せ、ブラインと名乗る謎の人物を伴って基地に帰還したライトとカイオウ戦隊の面々は、
一時間の小休止を挟んで、基地の会議室で改めてブラインの話を聞くこととなった。
敵組織に関する重要な情報ということで、直接戦闘したライトやカイオウ戦隊の面々はもちろんのこと、
基地の責任者たるカイオウ大将や、その参謀である河嶋大佐にもコールがかかっている。
が、そこから一人、早々と脱落者が出てしまった。アカリだ。
戦闘中、リリーが死んだものと勘違いして大暴れした彼女であったが、
そのときの影響で彼女の身体に何らかの異変が起きたらしく、謎の頭痛に襲われ、現在医務室に居るとのことであった。
「……と、いうわけなので、クレマチ伍長はお休みです。
えー、出席をとっていないので他にも居ない人がいるかもわかりませんが、時間なので始めます」
会議室の一番入り口に近い場所で、額と左手に包帯を巻いた状態のリリーが開始を宣言する。
頭痛に襲われて来られなくなったアカリの代わりのように、会議室の壁に背を預けている統久をチラリと見てから、
リリーは無表情のまま小さくため息をついて、
「皆さんも知っての通り、我々は今回、新たな異世界の敵と遭遇しました。
敵の多い我々地球人にとっては非常にバッドなニュースですが、良いニュースもあります。
なんと、彼らと戦ってくれる協力者が現れ、我々に件の敵の情報を話してくれるというのです。
ですが、先方のたっての要望で、素顔は明かせぬとのことですので、そのあたりはご容赦ください。
……では、彼の話を聞くことにしましょう。ブラインさん、どうぞ、お入り下さい」
ブラインが控えている、会議室の扉の向こうへ、リリーが声をかける。
524
:
レミー中尉他
◆E8ckRIIdug
:2013/02/17(日) 22:36:51 ID:8VK/EyDI
>>523
まあ色々処理を済ませて基地に戻ってきたレミーは、怪しい虚無僧を連れてきていたが、さすがに別室に控えさせている。
マデリーンは後から改めて処分が言い渡されるという事で大人しく座っている。
出張から戻った河嶋大佐はヴィルヘルムやメグと一緒に入室した。
そして、ラウディと五味によってメグは別室に移動させられる。
そして、協力者の入室を待っている。
525
:
ユウセイ
◆JryQG.Os1Y
:2013/02/17(日) 22:56:44 ID:5GxjzVpE
>>520
「では、ハヤミユウセイです。以後宜しくお願いします。ブライン」
あんまりにも、フレンドリーだ、という突っ込む気も失せたので、
せっせと、戻ることにした。
>>543
「失礼します。」
リリー少尉、河嶋大佐などとは、若干遅れて、会議室に入った。ユウセイとアスト
勿論、スクリーンとかの用意をしようとしたためである。
526
:
次元刑事ブライン
◆Iny/TRXDyU
:2013/02/18(月) 07:37:53 ID:0jJR..xE
>>523
「…失礼します」
会議室の扉を開けて入った人物
その人物は、おそらく皆の不信を煽るであろう奇抜な格好をしていた
簡単に言おう、『一昔前の特撮ヒーロー』であった
色合いも微妙で、見た目に不完全な印象な拭えない
「…私の所属する組織名は次元警察組織、まぁ次元ポリスなど、省略してもかまわない。
もう既に知っていると思われるが、私の名前はブライン、この組織からここに派遣されてきた、『刑事(デカ)』です。
ただ知ってほしいのは、警察とは言っても、皆さんとは少し違うかもしれない、そこは後で言います」
と、言って一礼する、見た目はともかく、動作等は自然だ。
ハッキリとした声で信憑性も高いだろう。
「…、私の言っていることを信じられるかどうか、口で言うよりも見た方が早いでしょう、これを」
右腕のブレスレットらしきものの横にあるねじりを捻ると、ブレスレットが淡い光をだす。
するとそこから大画面のモニターらしきものを出す。
触れることができず、明らかにこちらとは違う技術だというのが分かる。
「…、さて、ではまず、我々の存在についての事を伝えます」
と、言うと、一度深呼吸をする
「我々はいわゆる、出身を失った者、つまり宇宙から放り出された存在です。
私の中身はあなた方のように人型ですが、我々の組織では貴方達が思い描くような…,まぁ人それぞれですが、足が触手、上半身が馬の様な方もいます。
そしてほとんどの組員が、自分の世界を持ってはいません。
私も、あるとき、自分の出身していた宇宙を破壊されてしまいましてね。
…、話を戻したましょう、宇宙の外側には次元があります。
これを見てください」
と、言うと剣を取り出す。
「フゥ〜ッ…、セイッ!」
と、言うと掛け声とともに空中に向けて振る、すると『空間が裂けた』
中からは…、なんともいえない、不安定なナニカが見える。
ブラインは手でその裂け目を広げる。
「見えますか?、これが宇宙の外側です」
と、言うとその裂け目を閉じる。
「次元の中は、どんな生物だろうが生きられます。
息も必要ない、重力も何故かその体に最適な重力を与え、足場もないのに歩くこともできます。
…、まぁ、基本はなにもないですが」
と、少々声を暗くすると
「さて、まず知ってほしいのは我々は『警察』と、名乗っているが実際には貴方がたで言うところの『軍隊』にひとしい。
私の世界では『ここでの』軍隊は、『私の世界では』警察と呼ばれて、逆に『ここでの』警察は『私の世界では』軍隊と呼ばれていました。
…、ここまでに何か質問等はありますか?、わかる範囲なら教えます、次元に関しては我々もまだ知らないことが多いので申し訳ありませんがご控えください」
527
:
明智ライト
◆zv577ZusFQ
:2013/02/18(月) 15:29:39 ID:h356m8FY
>>523
「この会談の議事録を採らせていただきますので。どうぞ話を進めてください」
几帳面なライトは率先して記録係を買って出た。後で欧州へ提出するらしい。
彼女に任せれば抜かりは無いだろう。一応、無粋ながらCCDカメラも備えてブラインの入室を待っている。
>>526
「なるほど。そういった科学技術では我々の理解の上を行っているのですね。
そして、それはゲルシャドー側でもポピュラーな戦術の様です」
いきなりブラインが抜刀しだした時は少々びっくりしてしまったが、落ち着いて一応、彼の話を信用した前提で聞いている。
528
:
ヴィルヘルム他
◆E8ckRIIdug
:2013/02/18(月) 21:58:49 ID:zr2kELRg
>>526
その男は、見るからに“戦士”であった。
『少佐、見るからに歴戦だな』
『少佐、テックレベルをどう思いますか?』
初見で左右の大佐と中尉からメモを廻されたが、ヴィルヘルムはとりあえずその紙を握り潰した。
「……宇宙外生命体(Outer Space Ones)か……」
ブラインが裂いた“次元”を見た中尉の呟きの不穏当なのも聞かなかった事に。
「次元の外というか常識の外だな」
「……あれね」
「……あれよ」
大佐の一言で女二人はドローン戦の転送を思い出し、メモに数式など書き連ねてやり取りを始めた。
「ヴィルヘルム・エッシェンバッハ少佐だ。
一つ、今ので気になったんだが、“君の生まれた世界”では“軍隊(army)”と“警察(police)”の用語が逆に使われていたという意味か?」
なんだか意味深に言い添えたので、気になって確認を取る。
529
:
次元刑事ブライン
◆Iny/TRXDyU
:2013/02/19(火) 17:08:36 ID:XsChR6KQ
>>528
(…どうやら理解はしてくれているみたいだ)
健二は内心、ヒヤヒヤとしていた
一応、こういった司会等を中学校のころ何度かやったことがあるが
こういった司会は初めてなのだ
しかし、よほど心理学等を極めていないと内心は分からないだろう
それほどまでに健二は表側では完璧であった
>「ヴィルヘルム・エッシェンバッハ少佐だ。
一つ、今ので気になったんだが、“君の生まれた世界”では“軍隊(army)”と“警察(police)”の用語が逆に使われていたという意味か?」
(…日本名?、英語名?、どっちだろう…まぁいいや)
「えぇ、そうです、名前こそは”この世界”と同じですが、意味等は正反対です。
…ですがご安心ください、我々は他の世界に踏み込み過ぎる事等はしません。
私のように軍隊が警察と扱われるところもあれば、私の同僚では”この世界”と同じ意味合いのところもあります。
…簡略化すれば”警察と軍隊が混ざり合った組織”と言ったところです。
…続けますね」
と、言うと
「我々は”絶対に”他者の世界に向けての攻撃は致しません。
これだけは約束できます!」
勢いをつけて言う、少なくともその言葉は信じられそうだ。
「…これを偽善ととるかどうかは構いません。
意味は同じでしょう、…私はこれを”正義”と思っています。
…話がそれましたね」
落ち着いて言いはじめる
「我々、次元ポリスのほとんどが出身世界、いや、”出身宇宙”を失った者です。
一部は出身している場所がある人もいますが…。
…我々の話はこれでいいでしょう。
次にゲルシャドーの話をしますが、これまでに質問等はありますか?」
530
:
ユウセイ
◆JryQG.Os1Y
:2013/02/19(火) 18:48:14 ID:g2blGQmI
>>629
「アスト•カーマインです。少し質問。しても宜しいですか?」
「ブラインさんは、この世界に攻撃しない。つまり介入しないと、言うことで良いんですね。それと」
「ゲルシャドー以外のアンノウンはどう対処するのですか?」
ユウセイは、的を射ていると思った。
ブラインって奴は、この世界に干渉しない。つまり
この世界に攻撃しない。
綺麗な言葉に聞こえるが。ようは
おまえ等が、ゲルシャドー以外の、攻撃を受けても、こちらは、手伝いませんよ。
と、言っているみたいなもんだ。
531
:
ヴィルヘルム他
◆E8ckRIIdug
:2013/02/20(水) 00:14:39 ID:0ZowkPtk
>>529
「うん、だいたい分かったよ」
とりあえず、“次元を越える破壊者”に復讐するための組織だと認識した。モラルは高そうだ。
>>530
大佐と少佐が、ほうとかなるほどとか見直した風な相づちを打った。
「アスト・カーマイン、いいところに目を付けたな」
「ゲルシャドーの時だけ来るという事になりそうだな」
もちろん、それでは戦力として考えるわけにいかない。
532
:
◆zv577ZusFQ
:2013/02/20(水) 08:36:31 ID:Nwcbc2.E
てすと
533
:
◆zv577ZusFQ
:2013/02/20(水) 09:45:32 ID:Nwcbc2.E
>>529
>>530
【「ブラインさんは、この世界に攻撃しない。つまり介入しないと、言うことで良いんですね。それと」
「ゲルシャドー以外のアンノウンはどう対処するのですか?」】
「確かにそうですね」
博士の弁はもっともだ。ブラインには悪いが、ライトも賛同する。
……だがしかし。何故この様な子どもがここに!?
などと、あの昭和風次元刑事とやらは思っているかもしれない。
確かに、ブラインへ直球を投げたアスト博士のあの姿は一見して10歳前半ぐらいにしか見えない。
これが初見ならライトも凄く驚いたかも知れないが、既にメディアに露出される程の天才博士の為、彼女に対するそこそこの知識を有していた。
(……しかも。あのカーマインの一族)
聞くだけでもうんざりな名である。
レイナ・カーマインの親族の一人らしい。
534
:
◆ehmeRCjCRw
:2013/02/21(木) 23:14:57 ID:mH.gTu92
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535
:
◆ehmeRCjCRw
:2013/02/21(木) 23:15:37 ID:mH.gTu92
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536
:
◆ehmeRCjCRw
:2013/02/21(木) 23:16:08 ID:mH.gTu92
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537
:
◆ehmeRCjCRw
:2013/02/21(木) 23:18:40 ID:mH.gTu92
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538
:
◆ehmeRCjCRw
:2013/02/21(木) 23:20:18 ID:mH.gTu92
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539
:
次元刑事ブライン
◆Iny/TRXDyU
:2013/02/25(月) 22:09:35 ID:WqG0I.TM
>>530
>「アスト•カーマインです。少し質問。しても宜しいですか?」
(……幼い…いや、こういう風な技術がこの世界にあるのかもしれないな)
「どうぞ」
>「ブラインさんは、この世界に攻撃しない。つまり介入しないと、言うことで良いんですね。それと」
「このさいハッキリ言いましょう。
その通りです」
>「ゲルシャドー以外のアンノウンはどう対処するのですか?」
「…すべての世界には歴史があります。
後世では書きかえられていても、その歴史があった場所を書き換えること自体は不可能です。
…そのアンノウンが、次元を通って出てきた、もしくは、我々がなんらかの原因で出てきた場合。
…我々が駆除しましょう、必ず」
自信を持ってブラインは応える。
「さて、では次は『ゲルシャドー』ですね。
まずこれは言っておきましょう、…我々がゲルシャドーと呼ぶ理由。
それは簡単です…奴らは必ず、必ず、その次元を滅ぼす際に名乗っていくからです。
…なにを、とはこれを見てください、…我々が、救うことができなかった次元の消滅間際の映像です」
と、言うと先ほどブラインが見せたホログラムから、映像が浮かび上がる
そこには割れている空、もはや言うのすら拒まれるほどの死体の数々。
そして見えるあのついさっき戦った怪物の大群、軽くこの星を覆い尽くせるほどの物量。
よく見ると、核兵器らしき跡を幾つもあるのが分かる
そして目の前にいるのは翼をはやした、…人型の怪物。
しかも赤い服らしきものまで着ている。
『私達は次元犯罪組織、ゲルシャドー、私達の目的は単〜純、目に入った次元をかたっぱしから破滅していくこと〜』
物凄く不快な声が耳に入る、だが聞かなければならない。
『今回で200個めね、おめでとう、ちょうどいい数だから〜ん、さっさと壊してあげるわ』
…その怪物の口調、見た目、何もかもが不快に感じる、今すぐにでも殴り殺したいくらいに。
しかもやけに耳に残る。
そして映像が終わる。
「……短いでしょうが、わかったでしょう。
…奴らは、『自ら』そう呼んでいるのですからね…。
…因みにいまの映像で喋っていた奴は、階級があるかどうかわかりませんが、いわゆる幹部…みたいな奴だと我々は思っています」
心理学等を学んだり、それなりの経験者ならわかるだろう。
例え、そういったものがなくとも、雰囲気で分かるものもいるだろう。
…ブラインが、怒っていることに、憎しみを抱いていることに。
それを無理やり抑えているのが、…深い、深い、その辺に転がっている憎しみで動く復讐者達がもっている憎悪も
今ブラインが持っている憎悪の方が数倍上であったことに。
ブラインは、それを我慢していることに。
「…この映像は、私が次元ポリスに入る、本部での時間で、2年前の物…です。
…申し訳ないとは思いますが、なにか壊していいものはないですか?、できればとても硬いものを」
540
:
ヴィルヘルム
◆E8ckRIIdug
:2013/02/25(月) 22:52:01 ID:r0KERC3k
>>539
その要求に、とりあえず応える事にした。
「……ラウディ、その辺のジャンクヤードから装甲の破片を一つ持ってこさせてくれ。ここに持ち込める、出来るだけ大きいのを」
電話をかけてオーダーする。
「……ところで、君や奴等の言う“次元”はどの程度の範囲を指すのかな?
自分の感覚で“次元”と言われると、最低でもこの宇宙に現存する全ての天体や天体集合体、ひいては全ての時間軸を内包しているように思えるのだが」
541
:
リリー
◆Tg./UqnJ52
:2013/02/25(月) 23:25:54 ID:lKJbJRIE
>>539
「待ってください、ブラインさん」
怒りのやり場を要求してきたブラインに対し、横で聞いていたリリーが「待った」をかけた。
何かを思い出して、ふつふつと怒りを募らせている次元刑事に対しても、物怖じせず相も変わらず無表情のまま、
「件のゲルシャドーやらがハッピーデストロイヤーなのは理解しましたし、その魔の手が我々に向いていることも理解しました。
問題なのはあなた方です。あなたは今、「救えなかった」と仰った。
つまりあなた方は、かの犯罪組織の目的を阻止できるほどの力を、その時点では持っていなかったことになります」
ブラインのトラウマをほじくり返しているような気はしているが、これは大事なことだ。
「今はどうなのですか?
今のあなた方は、ゲルシャドーの脅威を取り除けるほどの力を持っているのですか、それとも持っていないのですか?
意気込みなどの話ではなく、客観的な事実を話して下さい」
持っているのであれば、その筋の専門家であるブラインらに任せておけば良いが、
持っていないのであれば、必然的に矢面に立つのは自分たち地球連邦軍ということになる。
敵の戦闘単位を構成する怪物のスケールに対して差し向けられた、高い性能を持つパワードスーツを着た「個人」、
最後の怪物を撃退した際のブラインの歓喜の様子、映像で示唆された敵の物量、事情聴取に現れないブライン以外の次元刑事。
判断材料は既にいくつか出ていたが……この時点で、リリーは嫌な予感がしていた。
542
:
ユウセイ
◆JryQG.Os1Y
:2013/02/26(火) 18:29:55 ID:EkGyBus.
>>539
>>「この際、はっきりはっきり言いましょう。その通りです」
ブラインの言葉に、ただ頷く。アスト
(アンノウンだけ、使えると思ったけどそうでもないわね。)
(この世界に、介入しない。技術提供も絶望的ね。)
(こちらから、揺らしてみようかな。)
>>541
(無いわね。恐らく)
アストは、確信を得ていた。
あのパワードスーツがまだ試作品で有ること。
そして、リリーに続くように
「必殺技みたいなのは無いの?さっきの戦闘を見ていたけど、貴方一人じゃ、勝てそうになかったわよ?」
「そのパワードスーツ。まだ改良の余地が有るんじゃないの?」
(このまま、揺らして向こうからの協力依頼を受け、なんとしても、あのスーツを調べる!)
変な、野望を持ちながら、アストは、ブラインを問いつめてみた
543
:
明智ライト
◆zv577ZusFQ
:2013/02/26(火) 18:52:43 ID:LxMpo4Go
>>539
【「…この映像は、私が次元ポリスに入る、本部での時間で、2年前の物…です。
…申し訳ないとは思いますが、なにか壊していいものはないですか?、できればとても硬いものを」】
「……今、事情聴取中ですよ。物に八つ当たりしたいだけなら控えてください。
まだ聞き出さねばならない事は山ほど有りますよ」
議事録用のメモ書きをさらさらと書き綴りつつ、顔はあちらに向けずにただ淡白に異義だけを申し出る。
今、わざわざ物を壊す事に何の意味が有るのか全く理解出来ないライトは出来るだけスムーズな会議の進行を望んでいた。
リリーの問いに対する彼の返答も実に気になる。
544
:
次元刑事ブライン
◆Iny/TRXDyU
:2013/03/01(金) 19:33:35 ID:osBZFj46
>>540
「時間、生命の終わり等、何もかもごちゃ混ぜにしたもの。
つまり貴方の想像道りです…」
と、少し沈んだ声を言う。
「でも今は、そんな事はどうでもいいんです。今は重要な事じゃないですよ」
…なんとなく霧がかかった気がする。
>>541
>>543
(きたか…)
この質問は、当然考えられたものであった。
これまでのことからそれを察することは当然である。
「…おそらく貴方達のほとんどが察しているでしょう。
…現段階では、まだ持っていません」
ハッキリと、そう宣言した。
>>542
「…必殺技?」
よくわからず、思わず聞き返してしまう。
>「そのパワードスーツ。まだ改良の余地が有るんじゃないの?」
「…鋭いですね。
…その通りです、このスーツは見た目通り、まだ試作品状態です」
正直に白状する。
「…一応、完成品の目処とその量産ももう既に計画しているのですが…
なにぶん、材料と技術は十分なんですが、人手不足なもので時間が足らないんですよ……
あっ!」
と、言った瞬間、口を抑える。
とんでもないことを言ってしまった。
こちら側の内部事情を、思わず口に出してしまったのだ。
545
:
アスト
◆JryQG.Os1Y
:2013/03/01(金) 19:55:48 ID:OtyYv9oc
>>「…必殺技?」
「うん、そうよ決め技がないのよ貴方には。」
ブラインの弱点を容赦なく突く。
>>「…鋭いですね。そのとうりです。」[以下略]
(やはりね。じゃあ)
「じゃあ、完成の予定h」
と、アストが聞こうとした瞬間
この男、自分から真実を話した。
「ふぅん、人が足りないのね?」
此処まで、来たら後は簡単なはず。
思わず、少し含み笑いをしてしまう。
アストは、唐突に
「じゃあ、取引をしません?」
と、言い始めた
「私が、そのパワードスーツの調整に協力する代わりに、
あの、ゲルシャドー以外のアンノウンと戦って欲しいのよ。」
「そうしたら、そちらも、先頭データが、取れて開発も楽になるとは思うわ。」
「まぁ、プライバシーの観点は、問題ないわ。私、個人の研究所でやるから。」
「その点を、踏まえて、あなたの上の人と相談していただけない?」
アストは、只、ブラインの事が調べたいだけだった。
ただの、研究者としての欲求に従った結果だった。
546
:
◆zv577ZusFQ
:2013/03/02(土) 06:48:37 ID:ZOJm9JC.
>>544
【「…おそらく貴方達のほとんどが察しているでしょう。
…現段階では、まだ持っていません」】
「あなた方だけで対処出来ないのなら我々、軍が動く他ありません。
不干渉などと言わず、全面的に協力してしかるべきなのではありませんか?
敵の力は強大です。両者総力を結集してそれらの脅威に備えなければ」
日和見主義を唄っていないで、そちらの手の内を全て晒せと淡々とストレートに言い放つ少女。
それは次元警察を連邦軍に取り込み、軍事的、技術的にこちら側の完全なコントロール下に置く事を意味する。
そして、もちろんそれらを統べる者は欧州であるべきだと今のライトは一切にぶれる事無くそう思っている。
547
:
ヴィルヘルム
◆E8ckRIIdug
:2013/03/02(土) 22:53:51 ID:r62C3b.o
(どうやら、手札を切るタイミングは悪くなさそうだな)
何やら考えている。
>>543
「ちょっとした見せ物だ。見逃してくれ」
>>544
「想像通りかよ、と言うかそこはとても重要だよ。
いいかね、時間軸の概念を破壊するという事は、その“次元”即ち存在する可能性を破壊し、“始めから無かった事にする”という事だ。
君たちは、“どうやって”惨劇を認識し、その記憶を保持出来るのだね?
……だから、哲学戦闘をさせるなと」
何やら自分でダメージを受けている。
>>545
『失礼します、言われた通りに持ってきました』
装甲の欠片を抱えてきたラウディは、ブラインのとはまた別のタイプの強化服を着ていた。
「では、紹介しよう。
私が先日まで籍を置いていたローランド社が子会社の一つであるAn.i.e社と共同開発した、Type-401スニーキングスーツだ。
パイロットスーツとしても使えるし、パワーアシストもしてくれる。軍の特殊部隊にも配備が始まっているな」
それは、性能はともかく“完成品”であった。
「どうだね?
そのスーツを“完成させる”ために役立つと思うが」
つまりは、アスト博士と同じ事だ。
548
:
次元刑事ブライン
◆Iny/TRXDyU
:2013/03/05(火) 19:02:45 ID:9gFV9Wik
>>545
>>546
「えと…その…」
言葉に詰まる。
協力関係にしようとした途端にこちらが下側扱いになるような要求を受けてしまったのだ。
こうもなるのは当然である
(俺のバカ…ちくしょう)
>>547
>「では、紹介しよう。
私が先日まで籍を置いていたローランド社が子会社の一つであるAn.i.e社と共同開発した、Type-401スニーキングスーツだ。
パイロットスーツとしても使えるし、パワーアシストもしてくれる。軍の特殊部隊にも配備が始まっているな」
「…!」
これは…、と健二は考える。
性能等は間違いなくこちらに劣るが、しかし、これほどまでに
”完成”されたスーツは作られていない
「…、申し訳ありませんが、それは私の一存では決められません」
と、グッと言いたい言葉を心の中にしまう。
そして装甲を受け取る。
>「想像通りかよ、と言うかそこはとても重要だよ。
いいかね、時間軸の概念を破壊するという事は、その“次元”即ち存在する可能性を破壊し、“始めから無かった事にする”という事だ。
君たちは、“どうやって”惨劇を認識し、その記憶を保持出来るのだね?
……だから、哲学戦闘をさせるなと」
「…」
雰囲気が…変わる。
まるで時間が凍ったような感覚がする
「…私の組織にね、そのように疑問に感じた人がすくなからずいたんです」
”いた”、つまり過去形である
「しかしね…その人たちは、そのことについて疑問を感じて独自にそのことについて研究を始めたんです。
数日後、どうなったと思います?」
白い、白い、この言葉を聞くたびに心が凍るような感覚を受ける。
「…全員、発狂しました。
そのことについて疑問を感じたものは、一人残らず…ね」
「忠告しておきましょう。
これを疑問に思い、答えを見つけようとしてはいけません。
…絶対に、ね。
でないと…”帰ってこられなく”なりますよ…」
低い、今度はドス黒い物が心に覆われたような、そして、とても気分が悪く感じただろう。
「…スゥー」
息を吸いながら右腕を覆うスーツの部分が素肌になる。
肌色で5本指、そして手を握りしめている。
「…せぇいっ!!」
その装甲を空中に放り投げ、その装甲に向けて一発、右腕でせいけん突きを入れる。
パァン!!
という音がして、装甲がはじけ飛んだ
スーツに何か機能があるならわかる、スーツを覆っていればまだ理解はできた。
しかし、”素手”で彼はその装甲を粉みじんに破壊した…それもたった一発で
「…フゥ、装甲、ありがとうございます」
549
:
ヴィルヘルム
◆E8ckRIIdug
:2013/03/05(火) 22:22:32 ID:qHDMrb1s
>>548
「……その程度で発狂とか、随分とまぁ、脆弱なものね」
レミーがぽつりと呟く。ミラーシェードの下の素顔は伺えない。
「とんだ“観察の法則”だな。
ひょっとして、より上位の組織から禁じられていたり?」
嫌がる割に瞑想しそうなヴィルヘルム。
そして、ブラインは“素手で”装甲を粉砕する。
「……そら、スーツの完成度が上がらないわけだ」
ぼそっと河嶋大佐が口に出した。
「……若?」
ラウディがヴィルヘルムに何やら言いたいが言葉にならない。
そしてヴィルヘルムは……考えるのをイヤになりそうだった。
550
:
明智ライト
◆zv577ZusFQ
:2013/03/05(火) 23:13:34 ID:Jj5cipcU
>>548
【「…スゥー」「…せぇいっ!!」】
「ちょ!?待って!」
まさか今ここで装甲を潰すのか。とライトはツッコミたかった。
だが、もうブラインには届かなかった。
人間の力を超越した様な拳撃により、大きな破砕音の後に装甲材はバラバラに破砕され、飛び散ってしまった。
「……きゃっ!?!?」
不幸な事に座っていたライトの目の前にも小さめな破砕片が散って来た様だ。
びっくりして恥ずかしながら小さい悲鳴をあげてしまったでは無いか。
……まぁ砂利程の形状だったので当たってもそんなに痛くは無かったのだが。
「……っ。やるならせめて誰も居ない所でやってください。
それで気が済みましたよね?では、会談を続けましょう。どうぞ」
ムスッとした表情で件の実行犯の事を見上げている。ちょっと怒っている様だ。
「……あるいは、これ以上になるとそちら側の責任者を呼んだ方がスムーズに事が運ぶとは思いますよ」
所詮末端の一人であるブラインだけでは協力要請などの件では話にならないと今までの流れから少女は見極めた。
それに、彼に答えられない事も上の人間ならば解釈可能かもしれない。
彼は少し直情的過ぎてこう言った事には向いていない様に思える。
551
:
リリー
◆Tg./UqnJ52
:2013/03/06(水) 02:15:35 ID:G/Z7c93E
>>544
,
>>546
,
>>548
,
>>550
ゲルシャドーと対等に渡り合えるだけの力がない。なのに、その世界の戦乱には介入しない。敵とするのはあくまでかの犯罪組織のみ。
ブラインの返答を聞いているうちにチンプンカンプンな感じになってきたリリーの脳裏は、クエスチョンマークで埋め尽くされた。
次元を破壊するという犯罪組織に対抗すべく、その世界で最も力のある「だろう」組織――すなわち地球連邦軍のことだが――に接触してきたのはわかる。
だが先頃、この地球はエアロゲイターという、より強大な相手に襲われて辛勝した経緯を持つ。
次元そのものを破壊するというのなら、彼らエアロゲイターとて他人事ではないはずだし、地球のどの組織よりも力を持っているはずだ。
ならば我々ではなく、エアロゲイターに接触すれば良いのではないのか……?
「………………」
考えが止まってしまったリリーは、目を閉じて長く細い息を吐いた。
そのあたりは彼ら次元ポリスの技術的な問題によるものなのかも知れないし、エアロゲイターの振る舞いが次元ポリスの哲学に合わなかったのかも知れない。
そう考えてその疑問は放り投げたが、放り投げられない疑問もある。
その世界の問題には介入しない。これが一番の問題だ。
おそらく、そうは思っていないブラインは、ラウディが持ってきた装甲材を粉砕して鬱憤を晴らしている。
細かな破片と破砕の際に生じた小さな衝撃波が、横にいたリリーの髪を揺らしていく。向こうでは、ライトが悲鳴を上げていた。
しかしやっぱり、リリーは無表情のままだった。
「お話はよくわかりました、ブラインさん。
そのお話を聞いた上でのことですが、先ほど、明智大尉があなた方は我々に全面協力すべきだと仰ってましたね? 私もその意見に賛同します。
あなた方の、他の世界には干渉しない、という……「正義」ですか、その理屈はよくわかります。
ですがそれは、あなた方が単体で、ゲルシャドーと対等な力を持っている時に語られる「正義」だと、私は考えます。
確認になりますが、あなた方だけでゲルシャドーに対抗できない以上、我々地球連邦軍がメインでゲルシャドーと戦わなくてはなりません。
ですが我々が敵としているのはゲルシャドーだけではないのです。ドローンと呼ばれるアンノウン、DC残党……それ以外にも居ます。
次元を破壊するなどという犯罪組織には全力で、もしくは全力に近い状態で当たらねばなりませんが、この敵の多い状況ではそれも難しい。
私は、あなた方には我々に全面協力を約束していただき、共にこれら地球上の問題を叩いて欲しいと考えています。
そうすれば、その分我々にも余裕ができ、より力を持った状態でゲルシャドーに当たれます。勝率が上がるのです。
……こう言われてもまだ、あなた方はあなた方の「正義」を持ち続けますか?
あなた方のしたいことは何です? 「正義」を貫き通すことですか? それともゲルシャドーを倒すという本懐を遂げることですか?
二つに一つ、共存は不可能です。そのあたりを、よくあなた方の指揮官と話し合ってください」
彼ら次元ポリスはこの矛盾を抱えながら、これまで戦ってきた。彼らはゲルシャドーを破壊するための組織でありながら、自らに「正義」という枷を填めている。
それゆえに、先ほど見せられた次元崩壊の姿もこの矛盾を解決できていればあるいは、可能性があったのかも知れない……とリリーは考えずにはいられなかった。
リリーの表情はずっと無かったが……今このときばかりは、彼女の瞳にはトゲの含んだ疑念が宿っていた。
552
:
◆JryQG.Os1Y
:2013/03/06(水) 08:31:06 ID:UnMY32D2
>>546
(ライトちゃん、そんなんじゃ、話聞いてくれいないって高圧的すぎる)
たかが、小娘に、ここまで、言われると、イラつくのも当たり前だ。
アストが
(あーあ、せっかくの計画が。あの刑事をパイプとした。私の研究所の独占がぁ)
まぁ、こんな感じで、アストの野望は潰えた(笑)
若干、後悔してるらしい。
>>548
「そんなんで、発狂するとか。ないわね」
たかが、研究だけで、発狂とか
逆に、その人間を調べたいわ(笑)
>>「せいっ。」
「壊した。凄い戦闘能力」
アストは、久々にこんなバトルスーツを見た
>>549
それを見たアストはレミーに
「こんど、パワードスーツを作る時は、壊されないようにゾルオリハルコニウム使ったら?」
そんな、メモを、送ってみる。まぁ挑発ではない。
553
:
レミー中尉
◆E8ckRIIdug
:2013/03/08(金) 23:15:02 ID:MV555yAY
>>552
そのメモを読んだレミーは、フッと笑みを浮かべた。
ローランド社にはゾルオリハルコニウムを調達する力は無い、だから軍の力で用意してやれば優位に立てるだろう。
法務局の憲兵達の中にもこのスーツなどで武装する計画はあるが、その辺りも色々と……
だから、幾分の走り書きを添えて河嶋大佐にも見せた。
それはそれとして、次元ポリスの対応から一つの可能性が浮かんだ。
どうやら大佐もそう考えているらしい。
554
:
g
:2013/03/10(日) 20:13:18 ID:mj3LsX5U
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h ttp://tutlyuyhk.blog.fc2.com/
555
:
次元刑事ブライン
◆Iny/TRXDyU
:2013/03/11(月) 18:42:12 ID:8vQQMKC.
>>549
>「とんだ“観察の法則”だな。
ひょっとして、より上位の組織から禁じられていたり?」
「まさか!、そんなのいるわけないじゃないですか」
と、言うと
「…まぁ、そういったことに昔、私も疑問に思って上司に聞いたんです。
そしたら今私の言ったことと同じことを言われましてね、そんでこのことを聞いたらこの話をしろ
って言われたのでね…実際真相はわからないんですよ、その辺はウチの上の人(?)達に聞いてください」
と、言うと無理やりきりあげる
>>550
>「……あるいは、これ以上になるとそちら側の責任者を呼んだ方がスムーズに事が運ぶとは思いますよ」
「えぇ、わかってますよ、私は『この地球の状態』を見る為に来ましたから」
>>551
「…」
長い、長い沈黙が走る…が
「まぁ、その辺もウエの連中と話してください」
と、だけ言う
「ただ、私個人としてはゲルシャドーを倒す事が本望ですよ。
ほとんどの局員はそうだと思いますね」
「…貴方の言ってることは正しいですよ」
>>552
>「そんなんで、発狂するとか。ないわね」
「私もそれを疑問に思いましたよ、本当に」
「さて、ではそろそろ、私は戻ります」
と、言うとまたさっきと同じように空間を開く
そして片足を突っ込むと一同に振り返る
「あぁそうそう…、こちら側に貴方達と協力しないという手段はとれないに等しい。
その辺をよく覚えていてください」
と、去り際に言うと、空間が元に戻る
556
:
河嶋大佐
◆E8ckRIIdug
:2013/03/11(月) 22:06:35 ID:cOnad/DE
>>555
「……あ、連絡方法は!?
屋上からブラインマークをサーチライトで映し出すのか!?」
分かったような分からないような事を言い出すが、ブラインは行ってしまった。
「……行ったな……」「行きましたね」「と言うか、帰った……」「多分次は直接ここに来るわ」
その他四人が口々に愚痴る。
まともな軍人ならブラインを危険視する事も選択肢に入れるような事が起きたのだから。
後、河嶋大佐がチタンブレード(チタン系合金製の日本刀型刀剣)の鯉口を戻したのは見なかった事にしてもよい。
「……とりあえず、新たにゲルシャドーなる敵が現れた、ここまではいいな。
そして、次元ポリスなる組織はゲルシャドーに対してのみ敵対する事を目的としている……
……個人的には、彼らの言う“正義”は我々の“復讐”とほぼ同義では無いかと思うがね。
つまり“復讐”だから、『奴等を倒すのは我々だけだ』と、本当は言いたいのではないかと」
なかなか怖い事を口にする大佐であった。
557
:
◆zv577ZusFQ
:2013/03/12(火) 07:32:53 ID:5K1.wRhU
>>555
【「さて、ではそろそろ、私は戻ります」】
「……は!?な、何を勝手に話を!ちょっと、待ちなさい!まだ」
ライト達の制止も聞かずに、次元の裂け目から立ち去ってしまうブライン。
しかし、まるでそこに誰も居なかったかの様に一瞬の内に彼は姿を消していた。
「なんてこと……」
まだ何もかもが不十分だった会談。
こちらはスケールの大きな話にただ驚くばかりで、彼らの知る敵のデータや対策すら見出だせていない。
これではまるで、
未知の敵が君達の星を狙っている。だけど我々の力では対処出来ない。申し訳ないが滅びてくれ。さらば!HAHAHAHAHA!!
と言ってるみたいなものである。
地球は馬鹿にされているのだろうか?
「なんなのですか彼は?これでは問題点が大量に増えただけです」
そんな事はみんなもわからない。
くっきり青筋を浮かべたライトはブラインの消えて行った点を睨み、苦虫を噛み潰した様な顔をしていた。
「こう言う結果になった以上、ゲルシャドーへの対抗策を緊急に練る必要が有りますね。
もし、自由にピンポイントな次元転移が可能ならば、次の一手を撃たれた時に対応出来ない可能性が有ります」
ただでさえ、反連邦勢力の相手に日夜追われている状況。
万が一、同時多発的に戦力が手薄なところを虚を突かれ強襲されでもしたら、結果は想像したくもない。
(やはり。早急に地球圏を一つの巨大な力として束ねなければ……)
彼女は真っ直ぐ使命感に燃えていた。
そして、そうならば尚更、ここに来たもう一つの重要な目的を必ず果たさなければならないと強く思ったのだった。
558
:
リリー
◆Tg./UqnJ52
:2013/03/12(火) 08:24:56 ID:6zmwP88.
>>555
正義か勝利か、という問題。
古典モノのヒーロー刑事のような外見と振る舞いのブラインにとって、非常に悩ましい問題であることを理解しながらも、
指摘せざるを得ない事情から、リリーはその問題を突いたのだったが……返ってきたのは、次に来るであろう指揮官と、
「我々が」その問題について話すべきだという…………何とも肩透かし感バリバリの回答だった。
こんな姿をしていても、所詮は組織の末端の人間ということか。リリーはため息をつく。
相手側の事情を考えればごく当然の話ではあるのだが、見た目と言動が、それとは違うのではないか?という考えを、
密かにリリーに思い起こさせていた。肩透かし感があるのはそのためだろう。
そんなふうに考えているうちに、ブラインは空間の向こうへと帰ってしまった。
こちらが何か言う前にそそくさと居なくなってしまったものだから、場には若干の「何だったんだ感」が漂っている。
やれやれ……と思いつつ、リリーはさきほどまでブラインが居た位置に立ち、
「えー……情報提供者が帰ってしまったので、これにて公聴会を終えます。皆さん、お疲れ様でした。
以降の退出などはご自由にどうぞ」
と、少し強引に締めくくった。こうでもしないと、この空気は破れないだろう。
>>557
どことなく傍若無人感のあるブラインの去り際に、真面目なライトなどは怒っているのではないか、と思ったリリーが、
視線を移動させて見たものは、予想通りに柳眉を逆立てた彼女の姿であった。
蛇が居るとわかっている藪を突くようなものだが、議事録を作成していた彼女と話をしないわけにもいかない。
まあ、ライトのことだから、そんなに理不尽な怒り方はしないだろう……という予想をたてながら、リリーはライトの元へ向かった。
「明智大尉もお疲れ様でした。議事録のほうはどうですか?
中々、その……「ユニーク」な内容になっているとは思いますが、全地球的問題に発展しそうな話ですし、
連邦首都のパリにも持ち込まなければならないでしょうから……。
もしお手伝いできることがあるのなら、遠慮無く仰ってください」
今回のことは極東支部の勢力下で起きた事件であるが、ブラインの話の通りであれば、この事件は地球圏全てに影響がある問題となる。
ただ、リリー自身は今回の事件と、この議事録だけでは連邦政府の腰を持ち上げるだけの力は持ち得ないと考えていた。
ともすれば、これは荒唐無稽と切り捨てられても不思議ではない事だ。説得力がまるで足りていない。
559
:
◆zv577ZusFQ
:2013/03/12(火) 09:59:12 ID:5K1.wRhU
>>558
【「明智大尉もお疲れ様でした。議事録のほうはどうですか?
中々、その……「ユニーク」な内容になっているとは思いますが、全地球的問題に発展しそうな話ですし、
連邦首都のパリにも持ち込まなければならないでしょうから……。
もしお手伝いできることがあるのなら、遠慮無く仰ってください」】
「ええ。そちらも進行役お疲れ様でした、リリー少尉。
こんなものを提出したら、私も曹長に格下げされてしまうんじゃ無いかと」
珍しく面白く無い冗談を言っている辺り、実際、本当に困っているのだろう。
ライトの優秀な耳とタイピング速度で議事録は会談と平行した状態で完成していた様だ一応は。
議事録の最後はちなみに今こんな感じとなっている。
・ブライン氏、怒りをぶつける為に装甲板を素手で砕く。
・ブライン氏、上司陣との面会を口約束した後に次元の切れ目を空けて退出。
なぁこの行間に何があったんだ?ちゃんと書いて来いよ。
と、呆れた上層部から失笑されるに違いないだろうが、事実だとしか言い様が無いわけで。
後は録音したものを実際に聴いてもらうしか……。
「エアロゲイターなどの前例も有りますから流石に無視は出来ないとは思いますが、厳しいですねこれでは。
我ら欧州支部はそんな油断は微塵も有りませんが、各セクション動くのが大打撃を受けてからなんて愚かな事になるかも知れませんね」
これ以上議事録に書ける事は何も無いと割り切り、帰り支度を始めるライト。
560
:
アスト
◆JryQG.Os1Y
:2013/03/12(火) 17:04:09 ID:yvaodNXA
>>559
「ありゃー、これじゃあそう信頼は得られないかなぁ」
ライトの、書類を拝借(勝手に)したアスト
「まぁ、家と、一緒に出せば信頼性は増すでしょ。」
そう、ライトに助け船を出してみる
561
:
◆zv577ZusFQ
:2013/03/12(火) 18:33:05 ID:5K1.wRhU
>>560
【「まぁ、家と、一緒に出せば信頼性は増すでしょ。」】
「いえ……。この件で博士のお力を借りる訳にはいきません」
少し考えた挙げ句、アスト博士の申し出を遠慮した。
これからライトが行おうとしている事を思えば、カーマインの血筋の者に協力してもらうのは気が引けてくるのだ。
それは許されない。
「ですが我々、欧州のフリードリヒ・マクシミリアン様にはこれを理解して頂けると思っています。
そして連邦本部へ発言力を持つあのお方からならば、やはり無視は出来ないかと」
ライトの心酔して止まない欧州のトップの人物の事である。
誇らしげに語るライトの眼はキラキラとしていた。どこか狂信的に。
562
:
k
:2013/03/13(水) 23:42:09 ID:aRUZTGJ.
美少女エロ画像
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563
:
アルバトロス一行
◆NcltM1gQ/Q
:2013/03/14(木) 22:25:14 ID:VVNlkmjY
>>561
ライトは格納庫内のキャリアーへと向かう途中、自身のキャリアーとは別の大型のキャリアーと複数の新型…アシエルの機影も確認出来た
キャリアーの正面では同じ服装の強面の男達が周囲に目を光らせていた
白装束に紅抜きの十字架。その制服は親衛隊員である事を示していた
???「これは、これはエンジェルフェザーの明智大尉では?」
男達の向こう側から声が聞こえる
???「…ええい!気の利かん奴らよ!そこをどけぃ!!」
正面の二人をこじ開けようとする手が見えた時、即座に二手に別れる親衛隊員
「ぬぉ!?貴様等ッ!!おっ!とっ!…ふぅ」
明智ライトの正面までつんのめり衝突寸前の所でなんとか持ちこたえる
その男は上級士官用の外套と襟元には中佐を示す階級章が在る
アルバトロス「わざわざご苦労だったな。俺の警護も、せめてお前のような奴にやらせて貰いたかったがな?」
自身の護衛達を一目見てからライトの方へと視線を移す
アルバトロス「まぁ、そんな事より例の件はどうなっている?」
例の件とはユウセイのことである
マメなライトである定時報告は受けている筈だ
564
:
明智ライト
◆zv577ZusFQ
:2013/03/14(木) 23:19:30 ID:mnwFDFsA
>>563
【???「これは、これはエンジェルフェザーの明智大尉では?」】
「……?」
男達の向こう側から声が聞こえる。
ライトは空耳かと首を傾げている。
【???「…ええい!気の利かん奴らよ!そこをどけぃ!!」】
「ぬぉ!?貴様等ッ!!おっ!とっ!…ふぅ」】
「え……大丈夫ですか?」
ライトの正面に現れたはいいが、不様にも転びそうになっている男。
確かに見覚えがあった。というかよく存じている。正確には彼の父親の事を。
一応、労りの言葉を掛けておく。なにせ、相手の階級は中佐。
まぁ、本当に実力で勝ち取ったかは怪しい地位なのだが。
【アルバトロス「わざわざご苦労だったな。俺の警護も、せめてお前のような奴にやらせて貰いたかったがな?」】
「はっ。マクシミリアン中佐こそ、この様な僻地まで御苦労様です」
ずびしっ!と姿勢正しくお手本の様な敬礼をするライト。
目の前の男はライトの尊敬して止まない欧州支部のトップ。フリードリヒ・マクシミリアン卿。その嫡男である。
流石に無礼な素振りは見せられない。
【アルバトロス「まぁ、そんな事より例の件はどうなっている?」】
「ハヤミ二等兵以下数名の引き抜きの件でしょうか?
異動という形で正式に通達が行われるはずですが、あまり良い感触は得られておりません」
ヒツギ、ユウセイの二人を面接してでの正直な進捗状況を伝える。
考えさせてくれの一点張りであったので、乗り気で無い事は明らかだった。
今にして思えばライトには彼らが渋る理由は全く理解出来ない。
「それに失礼ですが。
確かに彼らの個の実力は評価しますが、
あの協調的で無い自由な振る舞いは我々、欧州の害にしかならないと進言します」
一つ断りを入れてからアルバトロスに意見する。
これまで2回の戦闘を共にしたライトの感想。
特にユウセイ二等兵やヒツギ少尉は扱いにくい駒と言う印象しか無い。
何故、彼らに固執するのかライトには全くわからない。
これでは、他をスカウトする案を強行した方が良い。
565
:
アルバトロス
◆NcltM1gQ/Q
:2013/03/15(金) 00:16:12 ID:nc9E55N6
>>564
【「ハヤミ二等兵以下数名の引き抜きの件でしょうか?
異動という形で正式に通達が行われるはずですが、あまり良い感触は得られておりません」】
「ほう」
【「それに失礼ですが。
確かに彼らの個の実力は評価しますが、
あの協調的で無い自由な振る舞いは我々、欧州の害にしかならないと進言します」】
良い終えるライトに不敵な笑みを浮かべて応える
「なに、お前が案ずるには及ばん。何故ならば…」
手のひらを天に掲げライトの天井を見据えて言い放つ
「彼らも、また選ばれし者達であるからな!フッフッフッ…ふはははははは!!!」
天に翳した手で握り拳を作ると同時に格納庫に響く高笑いを始める。…本当にエリートであろうか?
「ふん。実の所、此処へ来る際に秘策を授けられてな」
蝋で封のされた手紙をライトにちらつかせる
「ユウセイ・ハヤミについては兎も角、ヒツジなんちゃらは確かに疑問ではあるが、もののついでだ。
それから協調性についても何ら問題にはなるまいよ
一流の教育が彼らを変えてくれるであろう」
手紙を仕舞い込み天を仰ぐ
「…俺の様にな!ふはははははは…フッ…俺には及ばんか
まぁ貴様は吉報を待っているが良い」
護衛の者達を引き連れ、その場を去ろうとするアルバトロス一行
566
:
◆zv577ZusFQ
:2013/03/15(金) 04:54:33 ID:atCdAxTY
>>565
【「なに、お前が案ずるには及ばん。何故ならば…」】
「何故ならば?」
【「彼らも、また選ばれし者達であるからな!フッフッフッ…ふはははははは!!!」】
「あの。あまり意味が……」
そう言われても、やはりまるで意味が解らんのだが……。
耳に響くやかましい高笑いが何だか妙にウザったい。
あんまり五月蝿くしているとメガビーム・ランチャーと共に恐ろし罵声を浴びせられやしないか心配になってくる。
【「ふん。実の所、此処へ来る際に秘策を授けられてな」】
「秘策……ですか。もしかしてですが、フリードリヒ様が」
アルバトロス中佐はライトに手紙をちらちら見せびらかしている。
いったい中身は何なのだろうか?
ユウセイ達への正式な異動通知とかなのだろうか?
【「ユウセイ・ハヤミについては兎も角、ヒツジなんちゃらは確かに疑問ではあるが、もののついでだ。
それから協調性についても何ら問題にはなるまいよ
一流の教育が彼らを変えてくれるであろう」】
「ヒツギ・ハヤセ少尉です、中佐。(ハヤセさん……カーマイン邸を抑える際に面倒な事にならなければ良いけれど)」
アルバトロス中佐が言い間違えたのをほぼノータイムで訂正した。
確かにヒツギは尉官とは言え、軍属とは言えないイレギュラーな扱いだ。
彼とバルクレイスの手綱は未だにレイナ・カーマインが握っている状態であり、レイナを通してバルクレイスの専属テストパイロットとして連邦軍に協力しているに過ぎない。
「…俺の様にな!ふはははははは…フッ…俺には及ばんか
まぁ貴様は吉報を待っているが良い」】
「はっ。了解致しました。(…しかし、単なる親の七光りが何を)」
結局、見せびらかしただけで手紙の内容は教えてくれはしなかった様だ。
ライトはきびきびとした敬礼でアルバトロスとその護衛達を見送るも、内心ではとても酷い事を思っていた。
まぁ、秘策を授けられ、有頂天となっている今のあほ(アルバトロス中佐)はそんな事とは気付けもしないだろう。
567
:
明智ライト
◆zv577ZusFQ
:2013/03/15(金) 18:53:53 ID:atCdAxTY
【第七話プロローグ】
〜伊豆基地:尉官宿舎〜
明智ライトは簡素なデスクにつき、上司との文書のやり取りをしていた所だった。
この度、極東方面まではるばるやって来た彼女だったが、彼女に与えられた使命はヒツギやユウセイ達、人材のスカウトの他にもうひとつ重大な任務があった。
(レイナ・カーマイン嬢。兵力の威圧だけで降伏してくれれば楽に済むのだけれど。
まさか、それが通用する様な弱腰な人間じゃ無いか……)
それは伊豆に大屋敷を構えるカーマイン家の令嬢レイナ・カーマインの捕縛及びその全ての保有戦力の強制接収である。
前々からレイナ個人の行きすぎた戦力保有は問題視されており、
更に今回、異星人や月に現れた不振人物との極秘裏の接触疑惑も浮かび上がり、レイナの立場をより危うくする事となった。
それに連邦の手を離れ行方を眩ましているクロガネと独自のパイプを持ち、物資の援助を図っているという情報も諜報部が掴んでおり、
そのつもりならばクロガネと結託し、すぐにでも政府と戦争でも起こし兼ねないイレギュラーとして認識されている。
(戦闘は避けられない)
月での一件から、イサム・カイオウ極東方面司令が半ば失脚した。
レイナの後ろ盾として働いてくれていた大きな邪魔者が消えた事により、欧州支部は一息に強攻策へと売って出る。
欧州の物言いに丸め込まれた政府は、特務隊を差し向けてでもカーマイン邸を完全制圧する事を許可していた。
(……出る杭は打たれるのよ。秩序を乱す歪みは、より良き指導者によって正しく統制されなければならない)
それを先導する者こそが我々欧州の人間。と言いたいらしい。
ライトの思想は、完全に欧州の掲げる思想へと染まってしまっている。
(レイナ・カーマイン、あなたの遊びもこれで終わりなのよ)
今までまがいなりにも連邦側に協力して来た実績が有るはずのレイナを、
大部隊にて大人気なく攻め立てる事にもはや何の躊躇いも無い様子のライトだった。
むしろ、この制圧作戦の指揮を任された時から明智ライトは張り切っていた。
なにせ、初顔合わせからいちいちこちらに突っ掛かって来て、気に入らなく思っていたあの娘を泣かせ、屈服させるまたとない機会なのである。半分は私情。
(……だけれど、あのコントロールの効かない伊豆基地の人達には本当に困ったものね。
これまでの様に私の任務を全う出来ない様なら、もう彼らには頼らない)
極東支部にはライトの思惑通りに動かせない不穏な駒がいくつも存在する。
そんな彼らをアテにし過ぎるのは良くない。二度の彼らとの共闘で嫌と言う程味わった大切な事である。
だから今回は万全過ぎるぐらいに万全を期した。
わざわざ欧州エンジェル・フェザー隊の戦力を自前で用意してきたのである。
欧州へ直々に増援要請を出し、特殊装備のレリエルを積んだ輸送隊を手配していた。
それらは既に先程見送りしたアルバトロス中佐と共に極東入りをしている。
「……そういえば。シルバーバレット隊の他に新型を一機寄越してくれるとのフェイト少佐からの通達が有ったね」
ライトは部隊リストを全て読み通す。
すっかり見落としそうになっていたが、上司からの文書にはインセイオンという新型機体とそのパイロットの少年兵のデータも添付されていた。
完全に現地で実戦テストをするつもり前提での投入だろう。
やはり、上もレイナがおとなしく降伏するとは一切考えには入っていない様だ。
(T-Linkシステムを搭載したインセイオン。そしてパイロット。念動力者のハーゲン・クルーゼ少尉か。
念動力持ち。……ま、まぁ欧州から直々の増援ならば……ハヤミ一等兵の様な心配は無いはずよね??)
一瞬、嫌な予感がその平坦な胸を過る。
ユウセイの影響からかライトの中では念動力者=一種のサイコパスな異常者という印象を植え付けられそうになっていた。
だがしかし、今回は欧州からの配属という事でなけなしの安心感を持ってみる。
これらに加え、さらに過度な期待はしないが斐の戦力を加えるとなると、制圧部隊の規模はもはや過剰。
たかがレイナなどひとたまりも有るまい。
(……甲斐の皆さんが命令に従わなかった場合を想定してでも勝率はそう変わらない。逃がしはしないわ)
ライトは何通りもの勝利をシミュレートするが、やはり負けは考えられない。
頭の中ではレイナと遭遇から捕縛までが綺麗にイメージ出来ていた。
それに満足したのか、余裕そうにホットミルクを飲んで一息つく。
……だが、例え勝率99%だろうと油断してはならない。
ライトには解らないだろうが、皆様方にならよく解っていただける事だろう。
568
:
伊豆基地所属竹富中隊
◆E8ckRIIdug
:2013/03/15(金) 21:48:14 ID:Yf3srLHA
ジョニー・竹富大尉はかつて欧州支部にいた頃のライトの先輩に当たる。
現在は極東支部で中隊長をしているがその思想は欧州中心のままであり、今回のレイナ・カーマイン邸制圧作戦では先鋒を買って出た。
彼の中隊は欧州でも知られた“神聖騎士団”の流れを汲む精鋭揃いであり、優秀な前衛打撃部隊でもある。
強固なダメージ吸収力を持つ第一小隊が前に立ち、長射程大火力の第二第三小隊が弾幕を張るという戦法に彼は自信を持っていた。
「はっはっは、もうすぐ生まれる子供に、いい土産話が出来るぜ」
「今朝のステーキは事の他旨かったな」
「パインサラダもなかなか……」
「しょせん小娘じゃないか」
作戦開始前と言う事で隊員たちの口も軽かったが……
「……!
邸宅敷地内に反応が!?これは……」
試作指揮管制車両を引っ張りだして全体の運用をサポートするよう命じられた五味中尉の警告が飛ぶ、が、その反応は……
「う、うわー!もうダメだァー!?」
かくして、竹富大尉の絶叫を最後に中隊の通信は途絶えた……
569
:
◆zv577ZusFQ
:2013/03/16(土) 13:46:24 ID:vjNOTFPE
>>568
レイナ・カーマインの住まう伊豆の屋敷に夜襲を掛けた欧州と極東のレイナ・カーマイン討伐隊だったが、
瞬く間にその圧倒的有利と思われた甘い認識を考え直す結果になってしまう。
「……愚かな。その程度の物量では、この悪夢の要塞は止まらないわよ」
何やら少女の声が連合軍の耳に聞こえてくる。
そして湖のほとりまで進撃していた討伐隊は、黒い巨大なモノが水中から浮上するのを目撃する。
それはまさしく機動戦艦と呼べる代物。
まず何故こんなものが用意出来たのだろう、話が違う等とそれを目にした者は口々に不平を漏らした。
こんなものはライトのシナリオには存在していなかった。
【反逆者側:旗艦アルプ・トラウム出現】
「お嬢様。主砲のエネルギーチャージが完了しています。撃ちますか?」
そう艦長らしき人物に告げる燕尾服を優美に着こなすブロンドの麗人。
「面倒でしょ?……ここは拡散弾で一網打尽するのが、楽チンで良いわ」
気だるそうにデスクに突っ伏しているやる気の無さそうなピンク髪の少女も居る。夜襲され着替えもせずに出て来たのか、何故かパジャマ姿。
瞼を重そうに擦り、戦闘中であるにも係わらず緊張感が感じられ無い。
「もちろん。ではちょっと可哀想だけれど、その身でとくと味わっていただこうかしらね?
……クックック、天上より降り注ぐ、黒き悪魔の落涙。これが悪魔の断罪よ!ブラッディ・レイン!!」
二人の意見をとり入れ、それを承認するのは無駄に豪華な玉座にふんぞり返る赤のツインテールの少女。
彼女がこの黒船の指揮者である。
何やら少女の痛々しい台詞と共に、黒き戦艦から黒い球状のエネルギーの塊が撃ち出された。
それは形を維持したまま密集陣形を組んで集まっていた機動兵器達の真上まで来て、やっと弾ける。
それは頭上から降り注ぐ黒い豪雨となり、機動兵器群は余すこと無く全身にそれを被ってしまう。
【「う、うわー!もうダメだァー!?」】
密集などしていたからか、その黒い豪雨に潰され、彼らは戦闘を行える者を1機たりとも残さず爽快に全滅していた。
「ふっ……クックック。貴様達が攻め寄せて来る事は既に私には見えていた。
たかが人間風情が何をやってもお見通しなのよ、この私の『邪王真眼』にはねぇ!」
不敵な笑みに不思議なポーズで極めるのは、久々登場のあの少女だ。
モニターにて、不調でリタイアしたとは思えない絶好調?な様子を敵味方問わず見せびらかしている。
それは後詰めで出撃待機していたライト達へも中継されており、部隊は動揺し、ざわつき始める。
「やぁ明智クン。お前ごときが連合部隊総大将とはこのレイナ・カーマインも随分と舐められたモノだわ」
黒船のハッチから赤いゲシュペンストタイプの機体が新たに発進した。
それは悪魔の翼を威嚇する様に目一杯広げたあれはレイナの愛機アイゼルネ・ブルートに間違い無い。
待ちきれず自ら名乗りを上げたが、黒い戦艦にて混乱を引き起こしたのはやはりレイナ・カーマインその人だった。
当然、降伏勧告等には応じず、逆に大きな力による想定外の反撃を初手で連邦軍に与えて来たのだ。
【反逆者側:アイゼルネ・ブルート/レイナ出撃】
「……っ……き!甲斐を出して!必ず、あの黒い艦を沈めて見せます!」
天敵からの手痛いプレゼントにキッと顔を強ばらせる明智ライト。
しかし所詮、今の先発部隊はライトにとっては捨て駒。
戦力の見積もりを計算し直し、次いでは自らが乗り込む甲斐を前線に押しやり、直々に叩き潰す事とする。
「シルバーバレット隊はまだ待機していて下さい。レイナ・カーマインを誘き寄せしますのでそこを狙うとしましょう」
【連邦軍:ガブリエル/ライト出撃】
570
:
ハーゲン
◆zwG.6Bg2jY
:2013/03/16(土) 17:54:00 ID:bv9mkTig
狭い球体の中、中央に置かれたシートの上で空を仰ぐ人の姿があった。
両の腕は対照的に重力に従ってだらりと地面へ垂れ下がっている
寝ていた訳ではない、覚醒状態を維持できる最小限の睡眠で彼にとっては十分だった。
時間と空間から完全に隔離されていたそこを外界へ引き戻すかのように、シートの真正面の壁に四角く窓が映りこむ。
その奥には慌しく動くものと、こちらに向かってしどろもどろになりながら何かを伝えようとするものが見えていた
『少尉!既に戦闘を開始している模様です!』
「知ってる」
映像による光に照らされた人物は余裕あるゆったりとした雰囲気すら感じる言い回しで、しかし間髪いれずに返答する。
この言葉に間抜けな返事をして疑問符を浮かべているのを余所に、落としていた右腕を持ち上げそのまま操縦桿を掴んだ
壁一面に光が灯り、まるで宙に浮いている椅子に腰掛けている様な風景
「耳鳴が鬱陶しかったからね・・・」
黒味が混じった、しかし色素が薄い髪の毛と、そんな物よりももっと薄い肌の色
一見すると女性の手か指と見間違えるような線の細さ。
薄目よりは大きいだろうが開いているとは言いがたい目つき・・・その全てをまとめれば、この少年の印象は『脆い』であろう
「このまま出撃する、これじゃ遅すぎる」
目的地付近で合流する予定だったハーゲンの乗る輸送機は、予定よりも遅れが出ていた
確かに彼の言うとおり輸送機で向かうよりは確実に早く着くだろう。
だがハーゲンはパイロットスーツすら着ていない、スクランブルもいい所だ
『しかし少尉、まだ準備も何も・・・』
「いいから、ぶち抜くよ」
ぶち抜くものは当然貨物室の扉、容姿とは食い違った過激な発言に通信も思わず目を丸くしていた。
冗談の様には見えないはずだ、本当に冗談ではないのだから
黙り込んだまま頷くとそのまま通信が切れ、次の瞬間にはスクランブルを告げるサイレンが響く。
直に扉が開き、室内へ冷たい空気が強風となって入り込んでくる
その様がさぞ滑稽とでも言わんばかりに、ハーゲンは目つきはそのまま口元を歪めた
「フフッ・・・発進」
漏れた笑いとハーゲンの短い言葉だけを残して白い機体が空へと飛び出す
そのまま輸送機を追い越し、彼と使い魔か小天使かの姿をした『インセイオン』は目的地であるカーマイン邸に真直ぐ向かっていった
571
:
アルプ・トラウム艦橋
◆zv577ZusFQ
:2013/03/16(土) 21:29:12 ID:vjNOTFPE
「ではカナメ、この艦の指揮は君に任せるわ。あの甲斐にウチの実力、タップリと見せ付けてやるのよ♪」
自ら前線に押し出たレイナの代わりに艦を指揮する者が必要となってくる。
それはレイナ側のブレインにしてこの艦アルプ・トラウムの製作者である悪友に任される事となった。
「ん。……まぁ、イクリプスが一人居ればこっちは大丈夫でしょ。
レイナも病み上がりなんだし、適当に切り上げた方が良いよ」
やる気の無さそうな返事を返した桃色の寝癖少女。
寝惚けた様なぼけーっとした締まりの無い顔をしているが、レイナとは互いに信頼し合う深い仲である。
それに、この艦の事は誰よりも知り尽くしている。
【反逆者側:アルプ・トラウム操縦者変更/レイナ→カナメ】
「うん……じゃね。メイド隊は退路の確保にほとんど回ってもらうわね」
「「かしこまりました」」
艦長代行のカナメの覇気の無い指示を聞き入れ、艦載機の十数機のゲシュペンストタイプが飛び立って行った。
既にレイナ達は四方を固められており、その一角を抑える為に、こちらもなけなしの数を用意して対抗する様だ。
「そんで。静香、マヤ、つばめはレイナの護衛を頼むわ。
レイナはやる気満々だけれど、三人とも無理しない様に……zz」
次いでカナメは、格納庫でスタンバっている静香達への指示を下す。
月で味方につけた三人組もアルプ・トラウムで待機しているらしく、善意で出番待ちをしてくれている。
しかし、本当に女の子成分の多いかしましい職場である。
572
:
ゼバスチャン
◆oR45XRwhpI
:2013/03/17(日) 00:06:25 ID:Otg.6qCQ
>>567
初めて伊豆基地にやってきてから数日 甲斐の中を見学したり、上官に挨拶したりと忙しい日々を送っていたころ、その作戦は言い渡された
自分の頭の仲で把握した限りでは、軍属出ないにもかかわらず、独自の戦力を持つレオナ・カーマインなる人物が住まう館に進軍、無条件降伏を勧告すること
(勧告に従わない場合は武力による介入も已む無しってか・・・レオナ・カーマイン 一体どれだけの戦力を抱き込んでいるのやら)
ドロワナのコクピット内、パイロットスーツ・・・ではなく、前を大きく開けた軍服の大男、ゼバスチャンは頬杖をつきながらブリーフィングの内容を反芻していた
何せ連邦欧州支部の精鋭を盛り込んだ過剰戦力だ、ひょっとすると出撃はないかもしれない
そう思った矢先だった
>>567-568
突如聞こえてくる聞き覚えのある少女の声、湖から浮上する黒い戦艦?
しかも射撃準備は万端と着たもんだ
「誰かと思ったら・・・ありゃ初めて伊豆基地にやってきた時のバニーちゃんじゃないか!!
てっきり軍関係者だと思ったら・・・!」
その姿に唖然とするばかり、武力介入の相手が顔見知りだったことにも驚きだったが、その相手が何の躊躇いもなく艦砲射撃をかましてきたことにも驚きを隠せていない
だが、やるべき事は決まった
「オーケイ トリガーを引いたってことは、敵対する意思があるってことだな?
上等だ!!ここ最近ぶっ放してないんで鬱憤が溜まってたところだ!!遠慮なく行かせてもらおうか!!」
一つ声を張り上げ、操縦桿を握る
「出撃するぞ!! 道を開けろ!! 邪魔するなら踏み潰しちまうぞ!!」
メカニックがいるかどうかわからないが、中尉を呼びかけてから、重装甲の爆撃機がカタパルトに向かって進む
カタパルトに脚部を固定すると最終確認
「燃料よし 弾薬よし システムオールグリーン ・・・問題なし
ゼバスチャン軍曹!! ラーズアングリフ・ドロワナ!! 出るぞ!!」
その言葉と共にカタパルトが起動 ドロワナを空中に放り出す
【連邦軍:ラーズアングリフ・ドロワナ/ゼバスチャン 出撃】
「イィィィィイイイイイイイイヤッホォォォォォォォォ!!!!!」
すぐさまテスラ・ドライブシステム及びスラスターを起動させ 今ここに継ぎ接ぎの機体が空を舞った
>>連邦軍サイド参加者
「通信回線をオープンにっと・・・こちらゼバスチャン・クルト・ヴェルナー・リューデル軍曹!! コールサインは『ボマー3』火力支援が必要な時はいつでも呼んでくれ!!」
念のため今一度自己紹介を行うと、前方 斃すべき敵機を睨む
「然しなんなんだあのゲシュペンスト・・・趣味悪っ」
今日のお前が言うなスレはここです
573
:
エッシェンバッハ一家
◆E8ckRIIdug
:2013/03/17(日) 01:26:11 ID:rfo0g7p6
さて、時間を少々巻き戻そう。
欧州からの増援が到着するのと前後して、伊豆基地に一機の大型輸送機が来ていた。
ローランド社所属のその機体の目的は、五機の新型主戦用PT、“アルゴス”を納品する事だ。
「……では、確かにお引き渡ししました……
皮肉なものですね。最初の予定じゃ先輩がいや少佐が奥様に受け取りを求めていたはずなのに」
「……言うな、アルファ」
軽口一つ残して輸送機が帰ると、ヴィルヘルムは郎党であるラウディと共に、機種転換訓練に取りかかった。
ヴィルヘルムがスカウトタイプ、ラウディはランチャータイプ。この二人の機体以外は伊豆基地配備。
そして当日。
マデリーンの謹慎はまだ明けていない……
574
:
◆JryQG.Os1Y
:2013/03/17(日) 09:58:38 ID:YSz6PHes
>>
「腕の付け換えも何とか終わったし、しばらく、平穏な日々が送れそうだな。」
と、呟いていた矢先、その作戦が言い渡された。
(レイナ嬢……何やってんだあの人)
しかも、相手は欧州支部、しかも確実に戦力の差がある。
(流石に、従うかな?)
そう思ってた。が、作戦当日その予想を直ぐに撤回することになる。
それと、アスト博士
(あの人、大丈夫かな、レイナ嬢のことで心痛めてるだろうな。)
おとなしく、レイナ嬢が従うといいけど、本気でそう思っていた
>>568-569
「余裕で勝てると思ってたら、どこの、宇宙戦艦だよ。」
突然、湖から、巨大な、恐らくスペースノア級
「まさか、とは思ってたけどさ」
しかも、
>>「う、うわー!もうだめだぁー!?」
「殺る気満々だな。しょうがねえ。」
先鋒は、全滅いよいよ、こちらも出るときが来た。
「T-linkシステム異常なし、テスラドライブ正常稼動
システム異常なし アルブレード出る。」
「さてと、状況確認ついでに」
>>572
「アルブレードより、ボマー3左腕の、ゲシュペンストの稼動確認をねがいます。テスト済みですが、念の為」
そう、言っておく。
「さてと………あの三人娘がいるだ、と?」
敵勢の中に、この前助けたあの三人娘がいる
「そういえば、あの人達レイナ嬢の客人扱いを受けてたな。」
「向こうから仕掛けてくるのを待ちますか。」
そう言い、突撃は暫くはしない予定である。
「それと、ヒツギだな。」
この際、裏切るとか無いだろうな。そう思いもしていた。
575
:
レイナ&カナメ
◆zv577ZusFQ
:2013/03/17(日) 12:41:16 ID:H2JE3lCU
>>574
>>572
少しずつ、甲斐の面子が出て来はじめたのが解る。ヴァルキュリアシリーズの改造機みたいなのはともかく、アルブレードを見て確信した。
敵として討たねばならないが、レイナ側はまだ手は出さない。
「……カナメ、ラーゼン隊は何故下がったのよ?これでは彼らを熱烈接待してあげられないのだけれど?」
レイナのアイゼルネ・ブルートに続いて続々と出撃したメイド隊のアイゼルネ・ラーゼンだったが、
彼女らはレイナの君臨する方には寄って来ずに一目散に後方へ飛んで行く。
この事に対して、レイナは艦長代行へ異を唱え出した。
「……ん。そりゃ、まともに全部を相手するのは流石に分が悪いからね。メイド達はアルプ・トラウムの退避経路を作ってくれているのよ。
……それにねぇ。馴染みの彼らを死なせる様な真似は避けたいと言ったのはどこのレイナだっけ……?」
「は!?ばか、ヤメ!」
レイナが狼狽える。
実は裏ではそんな事情が有ったらしい。明らかに好戦的だった先程の欧州の連中はともかくとして、
あちらの部隊には時間を共有していたヒツギやアカリ……ああ。ついでにユウセイさん等々愉快な人も居たっけ。
そんな相手だからこそ、口では厳しく禍々しい言葉をいくら吐いたとしても非情に徹する事は出来ない。
レイナ・カーマインは甘い人間なのだ。
「…こほん。けどね、恩を仇で返す様な不届き者には痛い目、見てもらうわよ。
邪王真眼の力は最強。トラウマ刻んでしまうかもね♪
アルプ・トラウムも、もっとやる気出しなさい。どうせここを突破するには甲斐を無視して通る事は出来ない」
「はいはい……。じゃあイクリプス、アイゼルネ・ブルートに例の武器を。ミサイルコンテナから射出する様に出来てるわ」
面倒臭そうな生返事だが、ちゃんとやる事はやってくれるはずだ。カナメは。
何やら武器なるものを用意している辺り、馬鹿には出来ない。
「かしこまりました。ではお嬢様、例のなんとかデストロイヤーを射出します。
空中で受け取って下さい」
操舵をしている筈の使用人イクリプスだったが、それと平行して火器類の砲撃も担っているらしい。
オーバーワークだろうが、彼女は顔色一つ変える事は無い。
「違うわ。我が吸血鬼専用の魔装具。デアボリック・エクスキューショナーじゃない。一字も合ってないわよ」
イクリプスのコントロールにてアルプ・トラウムから撃ち出された兵装コンテナは苦もなくレイナのアイゼルネ・ブルートの手元に届く。
その中身から抜き取ったのは、穂先に槍と斧を組み合わせた様な刃を持つトマホークランサーといった代物。
「あら、いいじゃない♪あの犬っころから頂いた棒っきれが、こんな感じになるのね」
そのデアボリック・エクスキューショナーの原型は元々、所属不明機から奪い取ったハープーンだ。
後々それを解析して、ただの武器では無くナノマシン抑制プロトコルにて再生を禁ずる特異なものであった事が解る。
そして元々、そのナノマシン抑制プロトコルの理論とはそこで半分寝かけているカナメ・ライブラが産み出したものである。本当だよ?
「まぁね。でもこれを実用化してる連中が居るのは問題ね。(…けど、面倒ぃからそれはまた今度)」
軽く頭の片隅に有ったものを思い出して作り直してみたらしい。
自らの研究成果が悪用されているのはとりあえず考えないでおく。
【アイゼルネ・ブルート:武装追加】
576
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2013/03/17(日) 14:26:36 ID:YRm5ckP.
甲斐のカタパルトハッチが開き、発進用の射線の調整が行われる
そしてレールの上、発射装置にその両足を乗せる機体の姿があった
色は暗い赤と黒で塗りつぶされ、そこに白のラインが走る。
右足と左腕に取り付けられたその存在を主張する実体剣―――ゲシュペンストMk-2 S/B
この機体の登場となれば、パイロットなどこの場にいる誰もが語らずとも理解できただろう
大半の人間は彼はこの戦いに参加しないだろうと考えていた
ヒツギとレイナの関係、そして他者の考えるヒツギ像から推測すれば当然の結論といえる。
発進へのカウントダウンが始まる、コックピットに居るヒツギの表情は何時になく険しい
その胸中に抱え込んだ煮え切らないものを押し殺し機体のペダルに足をかける。
「・・・ゲシュペンスト、ハヤセ機出るぞ!!」
射出によるGがヒツギの体を襲い、ゲシュペンストは宙に放たれた。
>>575
「・・・レイナ」
彼女と彼からしてみたら最悪の邂逅だったかもしれない
あの時交わした契約は破棄されたままに、横に並ぶのではなく相対する事となってしまった。
ヒツギの躊躇は目に見て取れる、攻めてくる気配がまるでない
戦うべきか戦わぬべきかヒツギの内で鬩ぎ合い、それを上から押しつぶそうと葛藤しているのだ。
あの時ヒツギが突出したばかりにレイナがそれを庇い倒れた。
その空気をそのまま持ってきたかのような沈黙が両者の間を埋め尽くす
「・・・・・・」
どう声をかければいいのか、むしろ声をかけざるべきなのか。
何時ものヒツギで何時もの関係ならばこの問いに対する回答等すぐに出てきただろう
今はそれも難しい、敵味方と割り切れるほどヒツギは大人ではないのだから
577
:
レイナ・カーマイン
◆zv577ZusFQ
:2013/03/17(日) 15:45:57 ID:H2JE3lCU
>>576
「ふん、ヒツギか。そんな所で何をしている?お前の居場所は……」
立ち塞がったゲシュペンストのパイロットへの言葉を続けようとして、そう言えば彼に絶縁を切り出した事を思い出した。
なので、それ以上その言葉は紡がれる事は無い。
「ダメです、ハヤセ少尉。その“反逆者”を逃がさないで!!」
動揺が見てとれるヒツギに檄を飛ばすのは本作戦の指揮官、明智ライトだ。
愛機のガブリエルは、アイゼルネ・ブルートとヒツギのゲシュペンストを割って割く様に、レーザを次々と撃ち込んで行く。
「……くっ、お邪魔虫め」
内心ではヒツギを諦めきれていないのか、唇の端を歯噛みして苛立つレイナ。
飛び退いてガブリエルのレーザー射撃を回避するアイゼルネ・ブルート。
ライトのガブリエルの執拗な射撃はレイナがヒツギへと接触するのを絶対に認めないとする意志が見て取れた。
見る見る内に分断されてしまう。
「他の皆さんも続いてください!のこのこと対して技量も無い癖に自ら前線に出て来た今が絶好のチャンスなのです!」
ユウセイやゼバスチャンにも攻撃に参加してもらう様に、ライトは号令する。
いくら予知能力みたいな超常の力が有ろうが、人間の能力の限界などたかが知れている。
何機もの凄腕パイロット操る機体を相手にそう長く持ちこたえられる筈は無い。と、ライトは判断した。
「くっくっくっ。恐れぬならば、私に挑み倒してみろ」
もう馴れ合いは無しで良いだろう。デアボリック・エクスキューショナーを頭上で振り回し、決めポーズでそれをライト達に突き付け宣戦布告とする。
578
:
◆JryQG.Os1Y
:2013/03/17(日) 16:36:47 ID:YSz6PHes
>>577
「大尉がその気なら、俺も行こうか。」
ユウセイの機体も、突っ込むように、レイナ嬢に向かっていく
「最初から、あのでかい武器は迅雷じゃ受け止められるか解んないし」
「ブレードトンファー、セット」
ブレードトンファーをセットし、突撃する。
(ヒツギの奴、まだ割り切れてねぇな。時間を稼ぎますか。)
アイネルゼに、軽く、トンファーで、肩に連撃を加える。
579
:
◆h9Hr5c.eFE
:2013/03/17(日) 16:52:57 ID:YZHgpLEg
>>578
アイゼルネに迫るアルブレード。
しかし、両者の間に割って入るようにガトリングの火線が走り抜けた。
「薄情なもんね! 昨日までは仲間同士だったくせにさ!」
地上で巨大な機関砲を構えているのは焔姫だ。
その後方では、雷姫と風姫が臨戦態勢で控えている。
「……いいのですね、マヤさん?」
「ふん……あの女にはムカつくことに、いくつか借りが出来たからね。
借りを借りのまんまにしとくのは、あたしの性分に合わないのよ」
不機嫌そうに答えるマヤ。
その表情はどこか苦々しげだ。
580
:
ハーゲン
◆zwG.6Bg2jY
:2013/03/17(日) 17:41:52 ID:YRm5ckP.
遠方から飛行して接近してくる機影が1つ、識別コードは連邦軍・・・それも欧州のものだ
事前に全員が受け取っていたデータから、それは今作戦に合流予定であった機体のものだと判別できる。
表示されているコールは・・・『ケルビム1』
「どうやら間に合ったらしいね」
ケルビムという名前から想像する姿形といえば幾多の大きな翼を重ねた大天使だろう。
そのコードネームを持つ以上、機体の姿もそれに近しいもの・・・では無かった。
18mというMサイズにしても小型なボディと丸みを帯び段モールドが数多彫られた装甲
全身に取り付けられた半透明の球体は鮮やかなピンク色であり、ボディの白と相まって神々しさよりも可愛らしさが前面に出てしまっている
極めつけは『翼が無い』ということ。
頭部左右から機体全長と同等の長さを持つ翼らしきものは生えているが、どちらかと言えば動物の様な垂れ下がった巨大な耳だろう。
・・・ケルビムというよりはその周囲に居る『小天使』か、肩に乗っていそうな『使い』の方があっていた。
事前に情報を持っていたライトでも肩透かしを食らうだろう。
見た目もそうだが武器もスッキリしている、逆にスッキリしすぎて何も持っている様子は無いのだ。
恐らくは内臓兵器を使用するのだろうが、ゴテゴテと武器を装備しまくるユウセイとは対照的に見目から兵器と判断できる要素は一切無い
「輸送機の遅れから到着に支障が出ると判断し単機で来た
連邦軍欧州支部所属ハーゲン・クルーゲ少尉だ」
通信から聞こえてくる声は若い、いや幼いとすら感じる男性の声。
映像を見るとその線の細さ、髪と肌の色の薄さは希薄さすら感じさせるほどだった
>>578
ハーゲンは波紋のような物をアルブレードから感じ取る。
それが念動力者同士の共鳴であることは一瞬にして判断できた
事前情報からこの部隊に所属している念動力者がただ1人で、感じた念がその情報からハーゲンが持ったイメージそのままだった事で
パイロットがユウセイであることも同時に理解できた。
(へぇ・・・)
瞼も瞳も表情筋すら1mmも動くことの無いまま、言葉は発さず内心でのみそう呟く。
これは関心したから漏れ出した言葉では無く、むしろ蔑みや嘲笑から出たものだった
(イサム・カイオウが入れ込んでいると聞いていたけど・・・ねぇ?)
彼がユウセイに対して押した烙印は『微妙』、溜息すら笑い出して仕舞う肩透かしだ。
当然この思考はユウセイの念で読み取るなど出来る訳が無い、ハーゲンの念はユウセイの軽く上を言っている。
だが塗り潰すのが巧いからこそ、ユウセイはそれを悪寒や不安のような漠然とした何かで感じ取ることが出来たかもしれない
581
:
ゼバスチャン
◆oR45XRwhpI
:2013/03/17(日) 18:07:08 ID:Otg.6qCQ
>>574
「了解アルブレード 動作チェックを行う」
左腕はシールドをもつ重要なアーム、動きませんシールド持てませんじゃ戦闘の継続性に支障が出る
暫し肩をまわしたり、腕を曲げ伸ばししてみる
・・・どうやら異常は起きていない
「動作チェック完了 何処も異常なし、メカニックに感謝 以上通信終り」
簡単な礼を述べて通信を切った
>>577
>>579
「了解だ!! ボマー3!! エンゲージ!!」
その言葉と共に最前線へと到着、交戦に入る
すぐ近くを飛んでいたアルブレードもまた交戦に入ろうとするも
地上からの砲撃により中断を余儀なくされている
「いい仕事をしてくれたメカニックのお手伝いと参ろうかね!! ボマー3よりアルブレード!! これより火力支援に入る!!」
通信を入れると、右腕のリボルバーカノンのシリンダーが回転 発射体制に入る
「これでも・・・喰らえ!!」
トリガーを引を引き、火薬の発火と共に弾頭が連続発射され、焔姫を蜂の巣にしようと、真っ直ぐに飛んでいく
582
:
◆JryQG.Os1Y
:2013/03/17(日) 18:50:37 ID:YSz6PHes
>>579
「あくまでも、遮るか。」
攻撃を、遮った。ガトリングその先には、見覚えのある三人娘
>>「薄情なもんね!昨日までは仲間同士だったくせにさ!」
「黙れ、余所もんが、お前等こそ、この前まで、連邦に協力してただろ。」
「俺だって、こういう事はしたくないが、」
「俺にも、目的がある。邪魔するなら、命は取らないがその機体、破壊する。」
迅雷を抜き、戦闘態勢に入る。
が、
>>580
「!………今の、何だ?」
明らかに、首筋に変な悪寒がした。
「気のせいか、まぁ良い。」
今の事は忘れることにした。
>>581
>>「動作チェック確認完了 何処も異常なし、メカニックに感謝 以上通信終り」
「アルブレード了解。」
何とか、旨くいった。
そして、お礼とばかりに、
>>「これでも…喰らえ!!」
三人娘の、突撃に砲撃が加えられる。
「このチャンス、逃さん!」
残りの、雷姫、風姫が気を取られている隙に
「まず、一人。」
雷姫の、右肩に、迅雷の一撃が走る。
583
:
◆zv577ZusFQ
:2013/03/17(日) 19:20:44 ID:H2JE3lCU
>>578
>>579
「あなたなら余計な事は考えずに来ると思っていたわ。ユウセイクン」
単純なこの男ならば、遠慮なんか見せずこちらを攻撃してくれるはず。と、期待?の様な物を持っていた。
予想通りにアルブレードはアイゼルネ・ブルートへとトンファーで攻撃する体勢に入っている。
遠慮なんかされたら、こちらも戦いにくくて仕方が無い。ユウセイのおかげでレイナも要らない気を遣わなくて済む。
【「ブレードトンファー、セット」】
ユウセイの気合いのこもった一打が今回は敵となってレイナを襲う。
その踏み込みの鮮やかさや見事。言うだけの実力は有る。
「でも、届かないわね」
しかし、レイナは目を閉じたままアイゼルネ・ブルートは未だに微動だにしない。
このままでは肩をやられてしまうが、何故黙ったままなのだろうか?
【「薄情なもんね! 昨日までは仲間同士だったくせにさ!」】
アルブレードの突撃に備えて、焔姫からの横槍が入った。
当然、レイナにはそれが解っていた訳でユウセイへの先程の対応であった。
「あら、よくやったわね駄メイド。ちゃんとサポート出来るじゃない♪」
その汚名はマヤの事らしい。そりゃあつばめや静香はともかく、マヤが大人しくメイドなんてしているとは思えないが。
「こちらの勝手な事情に付き合わせて悪いけど、ここで奴らに屈する訳にはいかない。
……何だろうとアテにさせてもらうわ」
マヤ達の世界の事。置かれた状況。それを目覚めてからだいたい聞いているレイナは、よその世界の揉め事に彼女らを巻き込んでいる事を謝罪。
それでもレイナ側に協力してくれる三人娘に対して心が熱くなる。……無論、恥ずかしいので口にはしないが。
>>582
「家臣を守るのも王の務めなのよ」
雷姫、風姫までたどり着ける訳が無い。ユウセイは既にレイナのマークの内にいる。
レイナが先に立ち塞がった。
「今度はこちらのターン!……追われるものが余裕を持ち、追う者の心が焦りに縛られる。今の私と君がまさに追う者、追われる者!
そしてユウセイ、これが追われる者の力だ!……アブソリュート・パワーフォース!!」
ガトリングの火線から飛び退いたアルブレードの回避動作にあわせ、手持ちのデアボリック・エクスキューショナーで下半身を削ぎ落とさんばかりに斬りかかる。
何か不可解な攻撃名を叫んでノリノリなレイナだが、このユウセイとのデュエルを前にして絶対にやろうと事前に決めていたらしい。
>>580
【「輸送機の遅れから到着に支障が出ると判断し単機で来た
連邦軍欧州支部所属ハーゲン・クルーゲ少尉だ」】
「欧州支部所属エンジェルフェザーの明智ライト大尉です。ターゲットのレイナ嬢はあのゲシュペンストタイプに乗っています。
生け捕りにします。参加してください」
ライトもその線の細い病弱そうな少年兵へ挨拶を返す。
大丈夫。これならばどっかの誰かと違って制御下におけそうだとライトは安堵。
(……しかし奇妙な機体。ただの丸腰じゃない?……レリエル派生では無いから、余裕なハードポイントが無いの?)
機体の方も何やらシンプル過ぎて一撃で撃ち抜かれやしないかと心配である。
584
:
◆JryQG.Os1Y
:2013/03/17(日) 20:49:55 ID:YSz6PHes
>>583
>>「家臣を守るのも王の務めなのよ」
「ちっ、やっぱあの目は厄介だな。」
すでに、アイゼルネの攻撃範囲に入っていた。
>>「今度はこちらのターン!(中略)アブソリュート・パワーフォース!」
「ふっ、さすがレイナ嬢、隙を遠慮なくついてきますね。だが、」
迅雷で、デアボリック・エクスキューショナーを払いのけてみせる。
勿論、しっかり回避行動をとりながらだ。
「ところで、少し聞きたかったんですけど」
迅雷を構え、突撃しながら
「アスト博士はどうしてます?」
「いや、ただ、単純にアドバイザーを失いたくない。と思っただけで」
そう聞きながら、アイゼルネに切りかかる。
585
:
◆zv577ZusFQ
:2013/03/17(日) 21:31:15 ID:H2JE3lCU
>>584
【「ところで、少し聞きたかったんですけど」】
「あら、何かな?」
アルブレードの迅雷とこちらの魔槍の激突は両者、押す事が出来ない拮抗状態に陥った。
そんな最中、随分と余裕綽々のユウセイが質問を切り出して来る。
こちらは必死だと言うのに。
【「アスト博士はどうしてます?」
「いや、ただ、単純にアドバイザーを失いたくない。と思っただけで」】
「アスト叔母様は関係無いわ。これは私という個人に対しての当て付けでしょ?
だいたい、連邦のこのやり方。少しでも汚ないとは思わないかしら?」
「……かしらーZZZ」
レイナはユウセイの良心へ問う。ついでにカナメ女史のやる気の無いまったりしたエコーも加わる。
いつしか切り結ぶ最中、レイナには後方のアルプ・トラウムからミサイルの援護射撃が、ユウセイにはレイナを狙うガブリエルがサポートに入る事になり、両者どちらからとも無く武器を引っ込める事になる。
「ハヤミ中尉!反逆者の言葉にたぶらかされ無いでください!!」
メンタルの弱さに定評の有るユウセイの心を持って行かせまいとライトはユウセイへも渇を入れる。
しつこいガブリエルの射撃の幾つかはアイゼルネ・ブルートを確実に捕らえ、その装甲を焼き焦がす。
「あら!?逆にユウセイクンを中尉に上げて飼い慣らしてるのはそっちよ」
レイナも黙ってやられる訳にはいくまい。アイゼルネの蝙蝠型小型ユニットが白く神聖なるガブリエルに群がっている。
「行くのよサーバント達!肉付きは貧しいけれどその天使を食べてしまいなさい」
「う、うるさいですよ!」
ライトは自分の貧相なボディを貶され、挑発に乗せられている。
しかし、この蝙蝠を引き剥がすのには結構、手こずる筈だ。しばらくは五月蝿い事は言ってこれないだろう。
【アイゼルネ・ブルート:レーザーガンが命中/残りHP85%。徐々に回復中】
【ガブリエル:ナイト・フライヤーが命中/残りHP90%】
586
:
ヴィルヘルム@アルゴス
◆E8ckRIIdug
:2013/03/17(日) 22:00:33 ID:rfo0g7p6
今回、欧州支部サイドにとっては有利な状況が色々重なっている。
イサムの失脚に加え軌道艦隊から来たマデリーンの暴走で河嶋まで大人しくせざるを得ない。
マデリーンの夫のヴィルヘルムは元々欧州支部に在籍していたため敵対的になる可能性は低い。
かねてより暗躍していた目の上のタンコブであるウー・グリソムは死んだ。
そう言うわけでシルバー・バレット隊が大きな顔をしているが、ヴィルヘルム・エッシェンバッハ少佐は飄々と新型機の習熟に努めていた。
今回のミッションにも口を挟んだりせず、ライトの指揮に従っている。
今日もまた、ここ数日ですっかり見慣れた白いType-315パイロットアーマーでコクピットにいた。
「こちらハンター1、これより出撃する」
『ハンター2、続いて発進準備にかかります』
カタパルト上の“スカウト”も、その近くにいる“ランチャー”も、“葉桜E-2”とM950マシンガン、スプリットミサイルを装備。
加えてスカウトには修理装置、ランチャーには補給装置を振り分けてある。これは、『お前たちは支援に回れ』というシルバーバレット側の意向だろうと何となく察していた。
587
:
◆JryQG.Os1Y
:2013/03/17(日) 22:11:05 ID:YSz6PHes
>>585
>>「アスト叔母様(中略)思わないかしら?」
>>「………かしらーZZZ」
「エコーは、何だかしりませんけど、まぁ少しぐらいは同感ですけど」
そこで、言葉を切り、
「連邦軍の前線部隊を叩いた時点で、貴女たちは敵です。」
後ろに、少し飛び、居合いの状態に入る。
「そういうことを言うなら、清廉潔白の身で、言ってください、な!」
そこから、迅速の型を放つ。
588
:
◆zv577ZusFQ
:2013/03/17(日) 23:12:21 ID:H2JE3lCU
>>587
【「連邦軍の前線部隊を叩いた時点で、貴女たちは敵です。」】
「ふうん。敵ねぇ私達が」
レイナはさも興味を失ったかのようにユウセイでは無く蝙蝠達と戯れてらっしゃった連邦の軍師殿の姿を見ている。
「ハヤミ中尉、それで良いのです。あの反逆者どもは武装解除を迫る武富大尉の部隊を撃ち落としました。
それはこちらに対する悪意敵意の現れにしか考えようが有りません」
レイナの言葉はユウセイには届かない。
それを良いことに更にライトはユウセイをそそのかす。
(……なんだ、捨て駒の先発部隊も思わぬ所で役に立つものね。武富大尉、あなたもこれで少しは私に先輩面出来た事でしょ)
ライトはここに来てようやくユウセイを上手く制御しつつ有った。
そしたら思わず、勝ち誇った顔をコクピットで浮かべていた。
【「そういうことを言うなら、清廉潔白の身で、言ってください、な!」】
等と話す機会すら与えようとしない連中がよくも言ってくれたものである。
(……その無駄な動作)
やはり後ろに飛び、刀を仕舞い居合いの状態に入る。その後ろに跳びのくその動作こそ命取りである。
「……傀儡が。やれ、カナメ!」
アルブレードがバックステップから着地する瞬間を見据え、レイナはアルプ・トラウムへ冷淡に指示を出した。
「あー……はいはい。アストせんせぇの助手に手を出すのは忍びないけれどね?
……まぁ適当に当たってギブアップしちゃいなさい」
アルプ・トラウム側も寸分違わぬタイミングでレイナの合図に応える。
艦体からホーミングミサイルの連続発射が行われた。
着地の瞬間をドンピシャに狙われたアルブレードは、これで無理な体勢を強いられるに違いない。
そうなれば……!
【アルプ・トラウム:ホーミングミサイルでアルブレードをカウンター攻撃】
589
:
レオン
◆NcltM1gQ/Q
:2013/03/17(日) 23:14:10 ID:usPXYdu.
レイナ邸包囲より某所にて
「始まったか…!!」
此処は過去ある組織がある目的の為に建造し来たるべき時のために秘匿され『連邦』からは忘れられし兵器保管庫
レオンはその保管庫のカタパルトと思しき場所に黒い標準サイズの戦闘機に既に乗り込んでいた
コンソールをせわしなく操作しつつ通信を開く
「…微調整程度なら後で良いだろ?」
その声はやや苛立たしげだ
『そんなに急かさな〜い。あの子のインターフェースは確かにあのシステムと相性は良いけど〜…』
あの子とは、あのアホウドリ部隊から強奪したアシエルの事だ
しかし、変装にも気が付かないとは
(だが、やはり…)
『調整ギリの新型なんかよりエフゼロで〜とか思ってる?ダメよ〜?』
「!」
コンソールをいじる手が止まる
『はいそこサボらない。向こうも反逆者討伐は建て前。その実態は…』
「解っている。取り分け演習の意味合いが強い。新型…あるいは強化兵の投入…』
『エクセちゃんが本調子でも多分…無理。さ、これで戦える』
レオンのコクピット内部にステータスが表示される
…万全では無いが戦闘を行うには支障はない
前進翼に機体左右と下部に取り付けられた三面カナードの黒い戦闘機は脈を打つかのように紅い光が装甲の内側で明滅する
後部に配置されたテスラ・ドライブが解放の刻を待っていた
「じゃあ…行ってくる」
『いってらっしゃい』
続け
590
:
◆h9Hr5c.eFE
:2013/03/17(日) 23:36:30 ID:0rs51FK6
>>582
>>583
「だぁれが駄メイドよ!! あんまり憎たらしいこと言ってると、あんたも撃ち落とすわよ!」
実際のところ、ここ数日のメイドとしてのマヤの働きは酷いものだったが、それはまた別の話である。
物騒なことを言いつつも、火力支援の手は止めない。
雷姫を目掛けて斬り込もうとしたアルブレードカスタムはレイナが抑えてくれた。
ならば、ここは彼女に負担がかからないよう、近辺から迫る敵に牽制をかけるのが定石だろう。
>>580
「静香、つばめ! 降下してくるあの白いのを迎撃!」
「了解!」
風姫のビームキャノン、雷姫のマシンキャノンによる対空射撃がインセイオンを出迎える。
>>581
そのとき、側面から飛んできた実体弾が焔姫の構えたガトリングを直撃した。
「うあ…!」
咄嗟のバックステップにより、機体に被害は受けなかったものの、
ガトリングは砲身をひしゃげられ、無惨に地に転がった。
「くっ、あのときのムキムキオヤジ! よくもやってくれたわね!!」
只では済まさないとばかりに、両腕を振りかざす焔姫。
アームファランクスが火を吹き、無数の弾丸がドロワナを目掛けて放たれる。
591
:
◆NcltM1gQ/Q
:2013/03/17(日) 23:45:04 ID:usPXYdu.
>>589
よりつづき
>>587
>>586
>>585
>>576
>>579
最前線ではないヴィルヘルムのスカウトのレーダーに僅かながらの反応…しかし、その僅かな反応に気を配れたかは定かでは無いが
ただ、確かなことはセバスチャンの随伴機数機のシグナルが消えていたことだった
そして直後、焔姫の正面の木々と地表が突風により粉々となる
ドロワナから焔姫に向けて放たれていた銃弾は必然的に黒い暴風の球体に向けて吸い込まれると同時に火花と化して銃弾達が姿を消した所で周囲に爆風の如き衝撃を走らせながら、ようやく静止する
その削れた地表の中心には紅い目を光らせた、黒色の人型の姿が見える
背部に刀剣を納めた鞘状のデバイス、肘から肩付近まで延びた紅い稲光が走り続けるブレード状の物質が目を引いた
ディテールこそ大分異なるが、背部の子機格納ユニットがアシエルのものを彷彿とさせる
黒い機体はドロワナを余所にヒツギのゲシュペンストに語り掛ける
「よう。随分と元気がないな?バナナが足りなかったか?」
592
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2013/03/18(月) 00:37:22 ID:LVF3Nr/M
>>581
>>584
レイナの事をまるで知らないゼップが攻撃するのは分かる
だがユウセイやライトが容赦無く引き金に指を掛ける、ヒツギにとってこの戦場は異常に見えた。
(何で躊躇無く撃てるんだよ・・・!!)
>>577
>「ふん、ヒツギか。そんな所で何をしている?お前の居場所は……」
「レイナ、俺はお前と・・・」
レイナが何かをヒツギに言いたかったように、ヒツギもまたレイナに対して何か言いたげだった
今回ゲシュペンストはG・リボルヴァーを搭載した完全接近戦仕様
腰のハードポイントに備えられたリボルヴァーを引き抜くと、一瞬戸惑ったかのような動作を見せた後に銃口はレイナへと向けられる。
パイロットであるヒツギは眉を潜ませ、力強く閉じられた口からは歯軋りの音が聞こえてきそうなほどだった
銃口を向けるのがやっとと言った様子で、火を噴く様子はまるで無い。
>「ダメです、ハヤセ少尉。その“反逆者”を逃がさないで!!」
硬直していたレイナとヒツギの間に割って入ってきたのはライト。
その言葉に完全に無意識を持って反応し、その銃口を下げてしまう
("反逆者"だって!?逆だ!この状況じゃまるで・・・!!)
そこから先の言葉はヒツギの理性が押しとどめさせた
いっそどうすればいいかを誰かに尋ねてしまいたい、投げ出してしまいたいとすら思える。
だがこの戦場に出ることを志願したのはヒツギ自身だ
嫌だったのだ、レイナが誰かに落とされるところを無視するのが
自分の手で落としたいと言う訳ではない、ただ納得できる理由も無く『嫌だった』のだ
>>591
連邦側に合流した白い機体に対して、レイナ側に突如として現れた黒い機体。
機体自体のデータバンクにその存在に対しての情報はゼロ、ヒツギ自身アシエルを見たことが無い為どんな兵器であるかも分からない
だがその機体から投げかけられた声にヒツギは驚愕した
>「よう。随分と元気がないな?バナナが足りなかったか?」
「・・・! レオン!」
間違いなくレオンの声、ドロワナの攻撃を防いだということはレイナ側
正規階級を持つ連邦ではなく、レオンは敵であるそちら側に付いたということだ。
苦虫を噛み潰したかのような表情と震える声、それはレオンに向けられたものではない。
むしろヒツギ自身に対して向けられたものだった。
『軍人』では無く、それで居て『一般人』でもないヒツギがこの状況に対して解答を出すことは難しい
どちらにしても仲間に対して撃つ結果になるのだから
「お前もレイナ側に付くのか・・・!!」
593
:
ヴィルヘルム@アルゴス
◆E8ckRIIdug
:2013/03/18(月) 00:52:41 ID:vUAXZLck
>>591
「何かっ……来たっ」
背面にマウントした、E-WAC用のV字レードームが反応を拾い、警告するも間に合わない。ベテランの戦闘機乗りである彼をしても追い切れぬ速度で数機の反応が消えた。
「あれは……識別無し、敵かっ!?」
ヴィルヘルムは気付かなかったが、ラウディは声に聞き覚えがあった。
『敵に……回る!?』
594
:
ハーゲン
◆zwG.6Bg2jY
:2013/03/18(月) 01:19:30 ID:LVF3Nr/M
>>583
>ターゲットのレイナ嬢はあのゲシュペンストタイプに乗っています、生け捕りにします。参加してください」
「生け捕りね・・・フフ、なるほど了解した」
虫も殺せぬといった爽やかさすら感じさせる表情と共に笑いを零しライトからの指令を受け取る
どの機体かなんて情報はまったく持って見ていなかった、むしろ見る必要が無かった。
敵対している機体の中で発する念が大きく異なるものが1つだけ存在していた、彼がそれに気づかないわけが無い
「他の機体や戦艦も同一の対応でいいのかい?」
>>590
「おっと!」
ライトとの状況の確認を行っている最中、地上からの攻撃を察知したハーゲンは機体を翻すような動作でその奇襲をかわす。
攻撃してきたのは・・・事前に受け取っていたデータにあった、風姫と雷姫と言う機体らしい
データ上だと保護対象として処理されているが、どうやらレイナ側に加勢しているようだ
「敵なら仕方ない、仕方ないね」
地上に居る風姫・雷姫に対して両手それぞれを向けて広げると、そこに備えられたピンク色の球体に光が走る。
その状態から地上へと真っ直ぐに急降下しつつ、手の平から数多の閃光が放たれた
フェザーバレット、打ち出したエネルギー弾の形状がまるで羽のようであることから名づけられた兵器。
一般的なビーム兵器と同一のようなものらしいが羽と言うだけあって撃ち出しが軽い
またライフルよりはマシンガンとしての性質に近いらしく、集弾性も良くは無い様で広範囲にばら撒くといった感じだ
>>591
(あれは・・・極端に改造されているとは居え間違いない、ベースはアシエルか)
攻撃を行いながら、しかも急降下をしている最中だというのに余裕を持ってレオンが持ってきた機体に視線をよこす。
データには無いがハーゲンの頭の中には類似する機体が該当していた。
アシエル・・・自身も所属するSK指揮官クラスに配備される機体であり、そう易々と行き渡るものではない
レイナが所有していたとは考えづらい、つまりあれはレイナに協力的な
且つSKとある程度近しい距離にある組織からやってきたということ。
ハーゲンは既に察しが着いていた、が周囲の反応を見るに他のパイロットとは顔見知りだったらしく伝えるまでも無いと判断したらしい
595
:
姫&リリー&アカリ
◆Tg./UqnJ52
:2013/03/18(月) 02:51:10 ID:l3BVNSVw
>>569
,
>>588
小田原での戦闘があってから数日が経ったことで、甲斐の艦体のダメージは全て回復し、フォトンブラスターも使用可能となっている。
が、復活した甲斐の復帰後の初戦闘は、かつての仲間を討ちにいくという、何とも気分の乗らないものとなった。
名目の上ではレイナ・カーマインを危険分子と判断したことによる強制執行……となってはいるが、
(多分それだけじゃないって思っているのは、私だけではないでしょうね……)
艦長席に座っている武田・姫は、とりあえずの指示を出し終えた後に、そう思案する。
甲斐は現在、艦載機の出撃を終え、味方部隊の後方に控えている状態だ。
艦砲射撃で相手の戦力を減らした後に艦載機を出撃させるのがセオリーだが、今回の事情、及び相手の展開速度から、
早くも戦場はPT同士による白兵戦へと移行していた。
前方は敵味方が入り混じったフィールドとなっており、艦砲射撃が使える状態ではない。姫に思案の時間が出来たのは、だからこその話。
(こんなとき、スノウフェイル少尉だったら何て指示しているんでしょうか……)
ちらりと艦長席の隣を見るが、そこに立っているはずの副長、リリーの姿はそこには無かった。
なんでも、「ちょっとしたサプライズがあるので、後で合流する」とのことだったが……。
「艦長! 敵艦のミサイル発射管が開きました! アルブレードを狙っています!」
と、敵艦に動きがあったようだ。
味方が展開しているのは向こうも同じではあるが、距離関係で言えば、こちらが切り込んでいる状態。
先遣隊を蹴散らしたあの艦砲は使用できずとも、対空ミサイルくらいは使えるということか。
何とかしてやりたいところだが、甲斐の武装ではそれもままならない。ユウセイの近くにいる味方機に期待するしかないか……?
『あれはこちらに任せて下さい』
そう思った矢先、そんな抑揚を欠く声を乗せた通信と共に甲斐の下方向から2条の巨大な青いビームが飛来し、
アルブレードとアイゼルネを分かつような軌道でミサイル群を薙ぎ払った。
それから一呼吸分遅れて、甲斐の後方からフライヤーモードのビルトラプターが凄まじい速度で駆けていって、
『墜ちろぉっ!!』
そのままの速度でPT形態へ変形し、手持ちのランチャーで先ほどのビームが撃ち漏らしたミサイルを撃墜していった。
>>587-588
「おいしいタイミングだったようですね」
PTのものよりもかなり広いコクピット内で、カチューシャ型のヘッドセットを装着したリリーが、いつもの調子でそう言った。
対する姫は驚きを隠せないようで、
『り、リリー少尉ですか? その機体は一体……?』
「ああ、艦長、遅くなって申し訳ありません。ですが、言ったとおりにサプライズだったでしょう?」
姫が驚いているのは、本来甲斐の副長であるリリーが機動兵器に乗っていることももちろんだったが、
その機体のインパクトのほうが、理由として大きかった。
全高60メートル超級の重厚な鈍色の機体と、両腕に装着されたぶ厚い盾。肩から伸びる2門の巨大な砲……インパクトを受けるな、
と言うほうが難しいその機体は、その名をジガンスクード・アンジェという。
鋼龍戦隊で運用されている「巨大な盾」ジガンスクードのデータを元に新造された、もうひとつの「盾」であった。
「まあ、クレマチ伍長と一緒に遅れた分は働きますよ。全体の指揮は明智大尉が執っているんでしたっけ?」
『ええ、そうです。今はガブリエルに乗って、前線に』
「了解です。まずは、少しの間あの艦を黙らせることにしましょう」
緊急展開用の大型ブースターを使ってアルプ・トラウムよりやや低い高度まで上昇したジガンスクードは、
両肩の砲をその黒い艦に向け、先ほどと同じ巨大なビームを続けて2発、発射した。
スペースノア級の主砲となっている連装衝撃砲と同じ力を持つビームだ。さすがに無視はできまい。
「明智大尉、聞こえますか? こちらスノウフェイル、遅れて申し訳ありません。このジガンスクード・アンジェの調整に少し時間がかかりまして。
エスコートのクレマチ伍長共々、これよりそちらの指揮下に入ります。
この機体は文字通りの「盾」であり、Eフィールドジェネレーターも装備しています。上手く活用して下さい」
アルプ・トラウムに衝撃砲を撃ちかけながら、リリーはライトに対してそう通信を入れる。
596
:
レイナ
◆zv577ZusFQ
:2013/03/18(月) 06:35:48 ID:U8jCKvyI
>>591
【「よう。随分と元気がないな?バナナが足りなかったか?」】
「ふっ……やっと来たわね。遅いわよレオンハルト。今まで何処をウロチョロしていたのか、まぁ詳しくは聞きはしないわ」
見たことも無い黒い機体に乗っているが、レイナには彼が味方だと確信していた。
本来、眷属とはこうあるものなのだ。それなのに……。
「そんな。あれ……あれはアシエル?何故反逆者側に?」
ライトには訳が解らなかった。アシエルと言えばシルヴィエ・クロイツの指揮官達が愛用する最新鋭機。
邪悪に黒く塗装されて少しは外観に相違は見られるがライトの眼はそれを見抜く。
>>594
【「他の機体や戦艦も同一の対応でいいのかい?」】
「いや、レイナ・カーマイン以外は生死は問いません。あまり抵抗が激しいなら見せしめにいくつかに消えてもらっても別段、問題はありません」
……何を言っているのだ彼女は。酷く独裁的なこの思想。今までの彼女はそうだっただろうか?
ライトの頭は欧州フリードリヒ・マクシミリアンに与えられた使命を果たそうとする事で一杯となっている。
そんな訳で、敵の生死は問わない等と一番最悪で最低な選択を取る。
そしてそれを告げたのは最も危険な存在。
>>595
「カナメ様、甲斐が出ました。こちらの進路上です」
「……んにゃ。私らの退路の上に。すごく邪魔なんだけれど。一旦、艦を止めて」
イクリプスの一報を受け、心底面倒臭そうに顔をしかめるカナメ艦長代行。
ブリッジクルーのメイド達も甲斐との邂逅にざわざわとしている。
このまま突破するにはあの主砲が邪魔だ。流石にこちらのバリアでも損害必死。
【『墜ちろぉっ!!』】
「……アカリぃっ!」
一方、こちらユウセイを仕留めようとするホーミングミサイル。
それは突如突撃して来たビルトラプターにて到達せず全弾撃ち落とされていた。レイナが与えたあの機体が今はレイナに皮肉にも牙を剥いて来る。
出来れば彼女には敵になって欲しくは無かったのだ。
「速い!?」
しかし居合い抜きを未然に阻止する為に撃ったミサイル。それがユウセイに届かないとなれば、次に迫るのは完璧な状態から繰り出される神速の居合い。
爆風の中を抜け、アルブレードがアイゼルネ・ブルートを一閃。
「やるじゃないかユウセイクン」
レイナの反応では今からでは回避不能として機体のダメージを最小限に止める防御の体勢に入るレイナ。
結果的に胴体を斜めに切りつけられてしまう事になり、何故か血飛沫の様な赤いものが装甲の切り口から飛び散った。
派手にいかれた様だが、ダメージは薄皮一枚といった所で有り、マシンセルならばオートモードで修復可能な範囲だ。
逆に、居合い抜きの後の隙を付き、こちらも万全な状態で反撃出来てしまう。
【アイゼルネ・ブルート:神速の型が命中。残りHP65%。徐々に回復中】
「ユウセイ、私は半身と話が有るんだ、しばらくあっちに行っててくれ」
アイゼルネの右腕が伸びて行き、攻撃後のアルブレードへと巻き付こうと迫る。
この拘束攻撃が成立したならば邪魔にならない様にアルブレードを全力で別方向へと投げ捨ててしまうつもりだ。
レイナが見据える先はアカリ。
【アイゼルネ・ブルート:アルブレードへデモンズ・バインドで攻撃】
597
:
◆zv577ZusFQ
:2013/03/18(月) 06:41:17 ID:U8jCKvyI
【「了解です。まずは、少しの間あの艦を黙らせることにしましょう」】
「……んもう。特機タイプも所持しているなんてぇ」
次々と立ち塞がる大きな壁にため息が出てしまうカナメ。
「気を付けて。あれはドゥロとは違って砲撃特化っぽいわ」
遅れて現れたジガンタイプから砲撃されるアルプ・トラウム。高機動が売りの当艦はイクリプスの絶妙な舵取りにて艦体を反らす事に成功する。
しかし、それでも艦の主砲クラスの強い砲撃はアルプ・トラウムが発生させる赤いバリアを難なく突破し、艦体に砲撃の与波をかすらせる。
それはブリッジにも衝撃を伝え。
「「きゃあぁー!」」
ブリッジのメイド達が悲鳴。
「目が……目が回る〜」
そして、ふしだらな二つの果実を縦横無尽に揺らしながら、艦長のカナメはフラフラになっていた。
「失礼しましたカナメ様。厄介ですね、あの砲台」
アルプ・トラウム側もこのまま撃ち続けさせる訳には行かない。
1人涼しい顔のイクリプスは、慌てずナイト・フライヤーをジガンへと射出する。
アイゼルネ・ブルートのモノと同じ名称の蝙蝠型の自動攻撃子機である。ただ、大きさは艦に搭載する際にそれ相応の大きさとなっており、強力になっている。
ずんぐりした巨体に群がり、その牙、その翼にて切り裂かんとする。
【アルプ・トラウム:残りHP90%。ナイト・フライヤーでジガンスクード・アンジェに反撃を行う】
【「明智大尉、聞こえますか? こちらスノウフェイル、遅れて申し訳ありません。このジガンスクード・アンジェの調整に少し時間がかかりまして。
エスコートのクレマチ伍長共々、これよりそちらの指揮下に入ります。
この機体は文字通りの「盾」であり、Eフィールドジェネレーターも装備しています。上手く活用して下さい」】
「スノウフェイル少尉?……しかしその機体はどこから……いいえ、そんな事はあの反逆者どもに勝利してからで良いか。
あてにさせてもらいますよ。このままあの艦を沈めて下さい」
欧州、極東でも無い別陣営の介入を怪しむが今はそんな事はどうでも良い。
勝たなければ意味が無い。そのライトの目はあたかも何かに取り憑かれたかのようにギラギラとしていた。
「……クレマチ伍長、しばらく後に撃墜された振りをしてレイナ・カーマインをこちらのオープンスペースまで誘導して下さい。
彼女はあなたに拘っている。話を聞く振りでもしていれば、必ず誘き寄せられるはず」
ライトがプライベート回線でアカリへと不思議な指示を出す。
この際、外道な手段などとも言っていられない。レイナを突出させ、こちらの隠し玉のシルバーバレット隊にて袋叩きにしてしまう予定だ。
当初は、ヒツギにこれを頼む予定であったが彼をレイナに近付けるのは予想以上に危険と判断した為の代案。
598
:
◆JryQG.Os1Y
:2013/03/18(月) 10:49:04 ID:gft2ET8E
>>588
>>「……まぁ、適当に当たってギブアップしちゃいなさい」
「ほんとに、殺す気か。あの人は」
回避は、不可能に近い、なら、防御を、と思った矢先
>>595
>>「墜ちろぉっ!」
「ビルドラフター、クレマチ伍長か、助かりました。流石は、レイナ嬢の半身」
礼は、言っておく。
「この完全な体勢のまま、放つ。」
神速の居合いは、アイゼルネに当たったが
>>「やるじゃないか、ユウセイクン」
「薄皮一枚か、となると、」
当然、反撃が来た、しかも拘束型の
「恐らく、クレマチ伍長と二人で話がしたいのか。じゃあ大人しく捕まりますか。」
特にといった、抵抗もせず、大人しく捕まる。
599
:
◆zv577ZusFQ
:2013/03/18(月) 11:56:44 ID:U8jCKvyI
>>598
「ヒットよ。じゃあ君はあちらでお友達と仲良く遊んでいるが良いわ」
アイゼルネはその名前に似つかわしく無いもの凄い怪力でホールドしたアルブレードを勢い良く放り投げた。
アルブレードはまるでプラスチック製のオモチャの様にふっ飛んで行き、その投げる先にはレイナがここで最も危惧するべきと読んだあの者の機影が見える。
(……気に入らないわね、このプレッシャーみたいなもの。正直、つばめと静香で何とかなるとは思えないな)
ユウセイがふき飛ばされたのはシルヴィエ・クロイツの念動力者の機体の元。
まるでツインテールの様な妙な頭部をした白い簡素な機体だ。
レイナはこの機体に不気味な違和感を覚え先程からチラチラ気にしていた。
念動力者であるユウセイを利用して、そのツインテールの何らかの反応を見られる物かとの抜擢である。
(……それに。何だかんだ情に厚いユウセイクンが居れば最悪、奴に静香達が殺されてしまう様な事は無いと思うからね)
そこに最低限の保険をかけておいた。
今は敵だがレイナはどうか期待通りに動いておくれよと願っておいた。
600
:
◆JryQG.Os1Y
:2013/03/18(月) 18:27:35 ID:gft2ET8E
>>599
「ああ、やっぱ吹っ飛ばされんだ。」
勢いよく、吹っ飛ばされた、
「激突は、避ける。」
ユウセイは、機体をそらし、逆にブーストをかけることで、落ちることを阻止する。
(待てよ、もしかして、)
明智大尉は、ピッドに阻まれている。
ヒツギも、戦意を喪失して、戦えない。
おまけに、レオンバルトもいる。
「多勢に無勢、俺が行っても、背後から彼奴等がくる。」
なら、そう思い、軍用回線を開く
「アルブレードより、ケルビル1へ、エンジェル9明智ライト大尉の援護をして貰っていいですか?、あの二人は俺がやりますから」
そう、連絡を入れる
601
:
ゼバスチャン
◆oR45XRwhpI
:2013/03/18(月) 21:42:47 ID:Wt3wSd0w
>>590
命中を確認 あの物騒な対空砲火を一つ、無残な鉄くずに変えてやった
然し間髪いれず行われたのは、視界一杯に広がるといって差し支えないほどの弾幕
「コイツはいい!! こいつはいいぞ!!」
その中でこの男は、シールドを構えて笑っていた
けたたましい轟音、背筋を凍らせる死の気配、被弾を知らせる無数の警報
その全てが、あの懐かしき最前線、碌に制空権も取れてない中、電話一本でアヴェンジャーを届けた激戦区を思い出させてくれる
ソレを体現しているのは、ただのAM一機だというのだ
「やぁ久しぶりバニーちゃん!! さっきの戦艦にいたのは人違いだったようだな!!
熱烈な歓迎どうもアリガトウ!! これでこそ戦場!! 懐かしき我が家へただいまだ!!」
シールドに小さな穴が幾つも開き、覆い切れない箇所の装甲を容赦なく削り取って行く対空砲火
だが致命傷には程遠い、程遠いなら 反撃は十分に可能なのだ
ウィングに搭載されたロケットランチャー スタンバイ
トリガーを引き、発射される
「今度はイテェじゃすまねぇかもしれねぇぞ!!」
敵機ないし、地表に当たれば炸裂する榴弾が計4発 焔姫に向けて発射された
>>591
そんなご機嫌な戦場で一つの小さな異変が起こる
何のことはない レーダーに映る随伴機体が全て消えうせたのだ
「なんだ? いつもの故障か?」
ステルス性のその機体に気付くことも出来ず、ただ味方のみが消えたとなれば
その原因をレーダーの故障と考えるのも無理はないだろう
なに 何時もの事と拳を振り上げ、レーダーのディスプレイに一撃、壊れた機械はこうやって直す
だが幾多の機械を直してきた鉄拳も、正常なものを直すと言う高等技術は持ち合わせておらず
「なん・・・・攻撃だと!?」
ここで初めて自身が攻撃を受けたことを自覚する 自分の見える範囲全てに視線を向け、やがて発見する数瞬までそこにいなかったはずの黒い機体
型式は・・・不明、見たこともない、その風貌に薄気味悪さすら覚える
武装から近接特化型と判断をつけたその黒い機体は、すぐ近くの自分には目もくれずに、ヒツギへとコンタクトを取っている
いざとなったら援護に移るか? 焔姫とのタイマン中、ソレは中々骨の折れる援護だと、知らずの内に汗で濡れた掌を軍服で乱暴に拭い、今は焔姫への攻撃に専念する
602
:
その頃、諏訪
◆E8ckRIIdug
:2013/03/18(月) 21:54:14 ID:vUAXZLck
「レ、レイナが襲われている……何という事を!」
「はぁ、欧州の派閥が何やら。色々とガタガタしているようで」
諏訪大社。
激烈な弾幕戦の末に破れて“諏訪法性(の一つ。複数が現存している)”を奪われた、その当事者を調査中、マーガレット・ウィリアム=ウィルマース博士は……
「何とかしてレイナに救援を……法師、今こそ」
「ひょっとして、開祖普化の超機人とか期待してません?拙僧はそんな話聞いた事無いでござる」
虚無僧とは禅宗の一種“普化宗”に属する特殊な行脚僧だが、開祖である普化には色々胡散臭い話がある。
メグがつい期待するのも無理からぬ事だが、そうそう出てくる訳がない。
「しゅーん……」
「ああもう仕方がないでござるなっ!
気休め程度ならやってみるでござるよ」
>>592
ヒツギの脳裏に、声が聞こえる。
数日前に出会った、あの少女の声だ。
『レイナのそばにいてあげて……』
『よろしくお願いします……』
「……あの少年が、どれだけあなたの言葉を思い出せるか、為すべき事を為せるかまでは、分からないでござるよ……」
603
:
レオン
◆NcltM1gQ/Q
:2013/03/18(月) 22:16:28 ID:6mwQhHz6
>>590
>>592
>>601
黒い機体の腰部と肩部に備えられた計四つのマルチポッドからそれぞれ円筒状の物体が射出、一定距離を飛来すると灰色の煙を発し破裂
煙は忽ち焔姫達三機を覆い隠す。マヤ達に対して念の為、状況と相手の情報を伝える
「その煙幕には赤燐の成分が含まれている。赤外線も遮断するから相手の主兵装の威力は半減したと言って良い…まぁ煙幕内は漏れなく見えなくなるのが難点だが…少しの間は凌げるはずだ」
【「お前もレイナ側に付くのか・・・!!」 】
ヒツギのゲシュペンストの挙動は明らかに迷いを孕んでいた
無理もない
言ってしまえばヒツギがあんな機動兵器を駆るハメになったのは成り行きだ
如何にレイナを守る事を誓ったとして、それは極個人的な事情だ
そして頭にクソが付くほどの真面目さからの行動に対する責任、望まれるべく使命とで雁字搦めになる事は少し考えてみれば当然であった
「…まず、俺はお前を先に解放すべきだったかも知れない…が」
煙幕内で前傾、脚部が地表を踏みしめると脚部を中心に紅い稲光が発せられると同時に、そこには蹴りだした際に穿たれたであろう窪みを残すのみ
その姿はドロワナから射出されたロケットの上、射出された先から瞬時にその上を飛び移ると後に残された弾頭は時間差で破裂
その勢いを更に加速させドロワナの脇を抜ける
セバスちゃんの目に映ったその機体の足底部からはブレードが延びていた
ドロワナの後方の地表に着地すると同時に衝撃波と共に姿を消す
ヒツギの駆るゲシュペンストの目の前にムラマサの右腕部からの斬撃が迫る
その斬撃が衝突するかの刹那
衝撃波と僅かに削れた大地がその道なりを示していた
604
:
◆h9Hr5c.eFE
:2013/03/18(月) 22:43:31 ID:NgQeLKcs
>>594
フェザー・バレットが軽快な発射音と共に降り注ぐ。
風姫と雷姫は素早く左右に散開してそれを回避した。
「…エクリプスさん達が退路を確保するまで、あの機体は私達が抑えましょう!」
「はい、姉さま!」
インセイオンが降下してくるポイントに向けて駆け出す両者。
「スラッシュリッパー、発射!」
風姫のスカートアーマーから、四基の手裏剣状の攻撃端末が撃ち出され、
四方からインセイオンに襲いかかる。
>>601
「何が我が家よ! ニヤニヤしてんじゃないわよ、この戦闘狂!!」
状況が状況だけに、ゼハスチャンの朗らかな態度はマヤの気に障った。
苛立ちながらもドロワナの様子を見やれば、やはりアームファランクスでは大した被害を与えられていなかった。
(…このまま遠距離戦を続けるのは不味い…だったら!)
こういうときに決断を迷わないことこそがマヤの長所であり、強みである。
すぐさま焔姫のブーストを最大にし、向かい来る弾頭を掻い潜るようにしてドロワナへと真っ直ぐに接近していく。
ロケット弾のうち一発が、焔姫の胴へと直撃するかに思われた瞬間、マヤは背に負ったブルーティッシュ・ブレードを勢いよく抜刀した。
「せぇっ!!」
そしてその切っ先を、なんと地面目掛けて突き刺し、自身は高々と跳躍した。
さながら棒高跳びの要領。ロケット弾は焔姫の足元をすり抜け、遥か後方へと飛んでいった。
その勢いのまま剣を引き抜き、前方のドロワナへと突撃する焔姫。
「もらったぁぁ!!」
ブレードの峰に並んだスラスターが点火するや、その機体は一気に加速。
踏み込みと共に、横薙ぎの斬撃を浴びせにかかる。
605
:
ヴィルヘルム@アルゴス
◆E8ckRIIdug
:2013/03/18(月) 22:44:22 ID:vUAXZLck
>>603
「ちっ、弱いところをっ」
明らかに精彩を欠くヒツギを狙っている。
ラウディやレミーが事前に話すのを聞くと、ヒツギとレイナがカップル未満だとか何とか。そこに迷いがあるのだから、生粋の軍人であるレオンが突かずにいられないのは分からないでもない。
「やっぱり前に出るんだった……」
このくらいになるとその急な加速に対処して当てるのは簡単だ。だが、有効打になるかは別だ。
辛うじてラウディのアルゴス・ランチャーの長射程ミサイルが届くが……今度は命中の可否が別問題だ。
606
:
◆h9Hr5c.eFE
:2013/03/18(月) 22:55:22 ID:NgQeLKcs
>>603
「その声、レオンハルトさんですね!」
スモーク・ディスチャージャーという奴だろうか。
煙幕が立ち込め、辺りを覆い隠していく。
「援護ありがとうございます! これなら持ちこたえられそうです…!」
物理的な保護効果はもとより、視界を遮る煙は、自動追尾武器のスラッシュリッパーを主力とする風姫にとって追い風となり得る。
事態は好転している。静香にはそう感じられた。
607
:
ゼバスチャン
◆oR45XRwhpI
:2013/03/18(月) 23:30:28 ID:Wt3wSd0w
>>604
「俺はトリガーハッピーだ!! 戦闘狂と一緒にするな!!」
そこは妙なこだわりがあるようで、マヤに叫び返す
だがそのタイマンにケチをつける機影あり
先ほどまでヒツギにコンタクトを取っていた黒い正体不明機
発射したロケットランチャーを踏み台にこちらへと向かってくる
脚部パーツに取り付けられたブレードを見れば、確かにアノ機体は近接特化型なのだろう
問題はすでにこちらの射程圏内の内側に入り込んでいること
「クソッタレがぁぁぁああああああ!!!!」
何とかドロワナと敵機の間にシールドを滑り込ませ 蹴り脚をブロック
シールドの表面に深く長い切り傷が刻まれる
>>604
一難は去った、確かに通り過ぎた
だがあと一難が舞っていたことに このときまだ気付いてなかった
ロケットランチャーの爆風の中 飛び立つ機影が一機
別の機体が接近中であるアラームが鳴り響く
「誰だ!? ・・・あのバニーちゃん!!?」
見た限りあの機体は地上用として作られた機体であった
それゆえに空中から砲撃と言うアドバンテージを持って無力化しようというシナリオだった
何をどうしたか分からないが、黒い機体の一撃に対処した結果、焔姫に背を向けてしまうと言う愚を冒してしまった
スラスターによる姿勢の制御、精一杯の悪あがき、長刀が煌き通り過ぎた
「ウィング一部欠損!! テスラドライブシステム異常!! ロケットランチャー片方ロスト!! マトリクスミサイルも一部失ったか!!」
背負ったウィングを両断され、ソレによる姿勢制御に異常、成すすべなく地上へ落下して行く、致し方ない 緊急着陸へと移行する
>>603-604
「ボマー3より各機!! 近接特化2機に張り付かれて劣勢!! 誰か救援を頼む!! 援護する側が救援を呼ぶか・・・!!」
通信をオープン、援護を要請 劣勢が続けば嬲り殺しにされるのは明白
「せめて着陸ぐらいは自力で頑張りますかね!!」
墜落するのは初めてではない、スラスターを駆使して姿勢を制御するが、敵が指を咥えてみているはずもない
「マトリクスミサイル!! ファイア!!」
黒い敵機に向けて大型のミサイルを射出、一定の飛行の後にガワが外れ、中の小型ミサイルが黒い正体不明機に向けて飛んでいく
そして焔姫に対しては右腕のリボルバーカノンを起動 弾幕を張って牽制を行う
608
:
ハーゲン
◆zwG.6Bg2jY
:2013/03/19(火) 00:03:08 ID:NQVK3JuM
>>603
>「…まず、俺はお前を先に解放すべきだったかも知れない…が」
>ドロワナの後方の地表に着地すると同時に衝撃波と共に姿を消す
>ヒツギの駆るゲシュペンストの目の前にムラマサの右腕部からの斬撃が迫る
「!!」
瞬時に放たれた斬撃を察知し左腕のブレードを斜に構えて受け、腕を広げる動作と共に後方へ流す
ヒツギからして見たら本気で攻撃してくるなど夢にも思っていなかったはずだ。
瞬時に体が反応し、攻撃に対して防御体勢をとったのだろう
(やっぱり撃ってきたか・・・!)
だが切っ先を向けられることに対処は出来ても、逆にヒツギが切っ先を向けられるかは別の問題だ
しかしながらヒツギはレオンがそんな甘っちょろいことを言って居られる様な相手ではなく
ましてや言わせてくれるような人物でないことも知っている。
少なくとも現状のように防御に徹していては削られるのが目に見えている
「・・・クソッ!!」
横方向に動き間合いを取りながらGリボルヴァーの銃口がムラマサへと向けられると
一瞬の迷いの末に引き金が引かれシリンダーの回転と共に撃鉄が動く。
発砲による反動で軽く右腕が跳ね上がり、銃口からは薄く煙があがる
(今ほど自分の射撃の才能の無さを嬉しく思ったことは無ぇよ!)
ヒツギの射撃能力を考えれば、いくらリボルヴァーが比較的高火力と言えども命中精度は高が知れていた
さらに何時ものヒツギならば引き金を引きながら前に出たところだろう・・・が、今は横に逃げた
下がる訳でもなく前に出る訳でもない、ヒツギの心理状況をそのままに写し取ったものだと言えよう
609
:
レオン
◆NcltM1gQ/Q
:2013/03/19(火) 01:09:12 ID:Lj.Md1m6
>>606
>>607
>>608
【「その声、レオンハルトさんですね!」】
レイナはさておき、機体がここまで違っていても知るもの達には完全に特定されるとは、口角が思わず上がってしまう
先ほど脇を抜けた敵機ドロワナが思惑通りにこちらを向いて追撃
わざわざ無駄になるかも知れない砲撃を行う必要はないからだ
ミサイルコンテナから小弾頭達が解放される直前
こちらの攻撃に対して一瞬間が開いてからの横飛び、そして銃撃
ヒツギにとってもっとも適性の高いクロスレンジでの反撃の選択にしては余りにも
「中途半端な…」
ムラマサの上体を反らせる
ゲシュペンストから放たれる弾丸を避ける為ではない
弾丸は完全に飛び退いた方向へと逸れていたからだ
小型ミサイルの群が一斉にこちらに向けて迫る
反らした体制から倒立、脚部のブレードを展開し体を捻りつつ弧を描きながら飛び退くと切断された弾頭がムラマサとゲシュペンストとの間まで飛来
ムラマサの着地と同時に破裂した
立ち込める煙からムラマサのカメラアイの光だけが見える
「そんな半端な心構えじゃ…死ぬぞ?」
レイナを守って行くにせよ、実質連邦政府の人質である家族の為にせよ
ヒツギがこのままならば生き残ることさえ難しいだろう
そのいずれを選ぶにしても生き延びる事を考えさせる必要がある
ヒツギが仕掛けてこないならこの煙に乗じて敵部隊を攪乱、あわよくば数を減らすまでだ
610
:
ハーゲン
◆zwG.6Bg2jY
:2013/03/19(火) 01:59:14 ID:NQVK3JuM
>>596
>「いや、レイナ・カーマイン以外は生死は問いません。あまり抵抗が激しいなら見せしめにいくつかに消えてもらっても別段、問題はありません」
この時ハーゲンは珍しく少しだけ驚いたような表情をしていた。
データ上だけで判断した明智ライトの口からは絶対に出てこないであろう過激な発言だと感じたからだ。
あの姫3機は所属不明な上に身元不明、利用する方法などいくらでも思いつく。
現に保護及び観察目的で手元に置かれていた程だ、一緒に戦っていたライトがそれを知らなかった訳ではあるまい
どちらかといえば穏健派の官僚タイプ・・・そう判断していたのだが。
もしかしたら正常常な思考状態ではなのかも知れない
「そう、そういうことならそれも良いね
それじゃあお言葉に甘えさせてもらうよ」
ハーゲンはその目を細め、口を三日月形に吊り上げて笑みを浮かべる。
どちらにせよ結果が変わるだけでハーゲンが行おうとしていた工程そのものに違いは殆ど無い
むしろ楽になったというものだ
>>599
>>600
「邪魔」
飛ばされてきたユウセイの動向を確認することも無く
ましてや援護を求めることも無い、完全に介入してきただけの邪魔な存在としてのぞんざいな扱い。
戦闘真っ最中に突然やってくれば当然の対応ともいえるが、ハーゲンはそれとは少し違っているように感じた。
言うなれば邪魔ものとしての扱い以前に、その範疇にすら入っていないとでも言うべきなのだろうか
おそらくユウセイがこの場で帰艦したとしても引きとめもしない・・・そんな風な
>>603
>「その煙幕には赤燐の成分が含まれている。赤外線も遮断するから相手の主兵装の威力は半減したと言って良い…
>まぁ煙幕内は漏れなく見えなくなるのが難点だが…少しの間は凌げるはずだ」
「余計なことを・・・」
相手の放ったスモークがただのスモークで無いこと等瞬時に看破していた。
しかしながらビームの減衰を促す効果をあえて選択したようだが、相手がインセイオンのデータを持っているたは考えづらい
この機体の武装及びシステムは同じSK所属の人間ですら一部を除いて知らないのだから
となると見た目から実弾兵器は所有していないと瞬時に判断したということか
(流石はレオンハルト・シュナイダー・・・と言えばいいのかい?)
>>604
>>606
>風姫のスカートアーマーから、四基の手裏剣状の攻撃端末が撃ち出され、
>四方からインセイオンに襲いかかる。
インセイオンの掌にある球体、先ほどフェザーバレットを放ったそれが再び発光する
その輝きは一律ではなく、まるで脈打つように躍動し、発光を強めるとそれは輪となって両の手に齎された。
形状は天使が頭にでも乗せていそうな、光で出来た輪としか言いようが無い代物
両腕を翻せば掌に吸い付いているかのように追従すし、風切り音を響かせる。
その保持方法と見目から判断して、『チャクラムシューター』ではなく実在する円月輪『チャクラム』に程近い性質であろうか
持っていたスライサーをマニピュレーターの人差し指と中指で挟み、新たにもう2枚のスライサーを生み出して今度は中指と薬指で挟み込む
これで風姫の放ったリッパーと同じ4枚、こちらは機械による誘導ではなく念動力による遠隔操作
先ほどのチャクラムと言う例えが適切であれば、この兵装は・・・
「オービタルスライサー・・・誘導兵器対決なら受けたってあげるよ!」
両腕を振りかぶり、その勢いのまま4枚のスライサーが放たれる。
スモーク化では風姫に対しての有効打にはならずとも、リッパーを迎撃する程度の火力は持ち合わせているはずだ。
その通りに襲い掛かるリッパーと正面から衝突する形でスライサーが激突し4つの爆炎が上がる
「折角のプレゼントだから僕も使わせて貰おうじゃないか」
赤く照らされたインセイオンは、その機動力のままにスモークの中に突っ込んでくる。
あえて視界が悪い中に突っ込んでくるなど正気の沙汰とは思えないかもしれないが、ハーゲンの能力を考えれば無謀な選択肢ではない
念動力者としての素質を持つ彼はスモーク化でも気配を感じることが可能
先ほどスライサーでリッパーを打ち落とせた理由もこれだ、迎撃しようにもリッパーの位置を把握しなければ意味が無い
しかしリッパーの気配を感じることが出来ればある程度の予測が出来る・・・出来たと言うべきか
だがこの状況、実は未だ顔を出していない雷姫の存在があった
611
:
リリー&アカリ
◆Tg./UqnJ52
:2013/03/19(火) 04:35:28 ID:f71h2lmc
>>597
戦艦と言えば、火力と防御力に優れ、機動力の低いもの……リリーの砲撃も、そのセオリーに則って行われたものであったが、
アルプ・トラウムの挙動はそのセオリーを完全に超越していた。まさか、あの砲撃群をかすめただけで済ますとは。
だが驚いている暇はない。敵艦から射出された自動攻撃子機がこちらを狙っている。姿形からして、アイゼルネのものをスケールアップしたものだろう。
縦横無尽に動き回るフライヤーに対し、ずんぐりとしたアンジェでは、対処が難しい……。
「……とでも、思いましたか? その幻想をぶち壊します」
外付けされていた大型ブースターを切り離すアンジェ。
固められていた増槽とブースターから開放された背部には、十本の長剣のようなデバイスが装着されており、五対になるように設置されたそれは、天使の羽のように見える。
「ロング・ソードブレイカー、迎撃!」
無論、それは飾りで付いているものではない。ロング・ソードブレイカー。ナイト・フライヤーと同様の、独立攻撃端末。
勢いよく射出されたソードブレイカーはそれぞれに飛び回り、それぞれに迫り来るフライヤーに狙いを定めると、
迷いのない軌道を描き、高速でフライヤーへとその切っ先でもって突撃した。
これによってフライヤーを押し返したソードブレイカーは、さらにその身を縦に割り、内蔵されている砲身を露出させると、
フライヤーの内部機関へゼロ距離射撃を浴びせた。
大型化され、アイゼルネのものよりも強力になっているとはいえ、内部に射撃を食らってはひとたまりもない。
爆砕したフライヤーたちの爆炎の中から、ソードブレイカーたちは悠々と戻ってきて、アンジェの近くに滞空する。
「高速艦と解った以上、隙を見せるのはいけませんね。
甲斐、こちらスノウフェイル。敵艦をスキャンし、テスラ・ドライブを探して下さい。
高速艦と言えど、揚力機関を失えば航行できないはずです。そこを突きます」
『こちら甲斐、了解しました』
甲斐にスキャンを依頼したリリーは、再び両肩の衝撃砲でアルプ・トラウムに向けて2、3度砲撃する。
あの機動を見る限り、この砲だけで艦を無力化することは難しいだろうが、それでも進攻の妨げにはなるはずだ。
そうして砲撃を加え、敵艦を足止めしていたリリーの元に、ライトから返信が届いた。
どうやら遅れたことに対するお叱りは無いようで、少しホッとする。だが、どこか彼女の様子はおかしかった。
レイナと相性が悪い上、エリート部隊であるエンジェルフェザーを隊で送り込んだこの作戦において、
総指揮を勤める彼女が気負うのは無理からぬ事だとは思ったが、それを抜きにしても、あのギラつきっぷりは普通ではない。
姫と同様、リリーもこの戦いに疑問を抱いている一人だったが……ライトの様子がその疑問に拍車をかけたのは言うまでもなかった。
「…………っ、了解、しました」
だが、そんな様子のおかしいライトの指示に、多少救われた者も居る。アカリだ。
ユウセイに迫るミサイルの残りを撃墜した彼女は、そのままビームランチャーの銃口をアイゼルネに向けてはいたが、
指がどうしても動かず、トリガーを引けずにいた。
おかげでユウセイがアイゼルネに捕まって、どこかに投げ捨てられてしまったが、それでもトリガーにかかる指は凍ったように動かない。
次は自分が投げ捨てられるのか? ライトの言うようにこちらに接触してくるのか? 撃つべきか? 撃たざるべきか?
「レイナさん……」
ぐるぐると回る思考が、アカリの精神を加速的に削っていく。
612
:
リリー
◆Tg./UqnJ52
:2013/03/19(火) 04:36:33 ID:f71h2lmc
>>605
,
>>607
「む、救援要請ですか……」
ドロワナからの救援要請と、戦況モニター確認したリリーは、アンジェの近くに滞空していた五基のソードブレイカーに指示を与えた。
長剣の姿をした独立攻撃端末たちはそう時間をかけずにトップスピードにまで加速し、手負いのドロワナを追撃しにかかるであろう焔姫を横から急襲した。
鋭い実体剣の切れ味を持つソードブレイカーだ、回避するか、何か防御手段を講じない限り、狩る側と狩られる側が逆転するのは必至。
「リューデル軍曹、そのまま焔姫に射撃を加えつつ、後方へ退避してください。すぐに援護機をまわします」
ソードブレイカーが焔姫に有効打を与えるか、それとも防御されるかはさておき、これで行動は阻害されるはず。
そう判断したリリーは、次にヴィルヘルムとラウディに通信を繋ぎ、
「ヴィルヘルム少佐、あなたの機体には修理装置が搭載されていましたね? 中破したラーズアングリフを後方に下げますので、応急修理をお願いします。
クーリマン軍曹、後方に下がるラーズアングリフの援護にまわってください。焔姫は突破力に優れた機体ですが、火力に優れたガトリングは既に破壊されています。
弾幕を展開しつつ、ラーズアングリフと共に後退してください。それだけで、かなり焔姫の進攻を阻害できるはずです。
こちらからも、ソードブレイカーによる妨害を行います」
二人の機体は新型のようだが、修理装置と補給装置を積んでいるのはこの状況では素直にありがたい。
上手くドロワナを援護し、応急修理を行えば、ドロワナを甲斐に帰艦させて、本格的な修理・補給を行うことができるだろう。
613
:
◆zwG.6Bg2jY
:2013/03/19(火) 06:43:12 ID:NQVK3JuM
>>609
>反らした体制から倒立、脚部のブレードを展開し体を捻りつつ弧を描きながら飛び退くと切断された弾頭がムラマサとゲシュペンストとの間まで飛来
>ムラマサの着地と同時に破裂した
ゲシュペンストとムラマサの間を激しい熱と光、音が分かつ。
ヒツギは切断されたミサイルを当たらないと踏んでいたらしく、怯んだ様子は無かった
>「そんな半端な心構えじゃ…死ぬぞ?」
「んな事は分かってんだよ!!」
半端な心構え、揺らいだ意志では自分の身を守るどころか誰かが犠牲になってしまう。
理解しているどころか既に経験済みだ、むしろこの経験が今のヒツギの立場を生んだといえる
そんな事が脳裏によぎったヒツギは目を丸くしてハッと何かに気づく。
『変わっていない』という事実に
この身動きが取れない絡め取られたかのような状況が、あの戦いの延長線上に存在しているならば
それはつまり何も変わっていない、何も払拭出来ていないという事に他ならない。
先ほどヒツギは分かっていると言った、むしろ分かっている気になっていた
自分は変わった、変わろうとしていたと。
守るために強くなるために努力をしていたと。
だが本当の意味で分かったのはたった今、こんな取り返しが付かない状況に陥って初めてだ
「俺はッ・・・!如何すれば良い・・・!!」
血を吐くような言葉はレオンへ問いかけたようにも聞こえて、自問自答にも取れた。
レイナとレオンと・・・ヒツギが彼らに出会ってから
初めて曝け出したであろう『弱さ』を具現にした言葉だった。
614
:
ヴィルヘルム@アルゴス
◆E8ckRIIdug
:2013/03/19(火) 07:08:11 ID:05M2PD0s
実のところ、一発も撃たずに話を終わらせるのがヴィルヘルムたちの理想だったがもう無理。
>>612
「了解(アイアイ、マム)、リューデル機を下げる……下げられるのかね?」
まだ不慣れだが、ビームコートやジャマー、シールド装備のこの機体なら多少の弾幕は凌げると思いたい。後はカウンターで撃ち返す。
『了解しました、焔姫を牽制します』
ラウディ機の背中のハードポイントに取り付けられたミサイルポッドから、合計20発のミサイルが放たれた。
【ヴィルヘルム、《集中》を使用してからゼバスチャンに隣接、修理装置を使用】
【ラウディ、《狙撃》を使用してから5連長射程ミサイル×4で焔姫を攻撃】
615
:
◆zv577ZusFQ
:2013/03/19(火) 09:19:30 ID:.k4n23yk
>>600
【「アルブレードより、ケルビル1へ、エンジェル9明智ライト大尉の援護をして貰っていいですか?、あの二人は俺がやりますから」】
「いいえ。ケルビム1はこのまま雷姫、風姫を殲滅してください。
こちらは気にしないで良いですよ」
ガブリエルに追従して来た鬱陶しい蝙蝠達は、今しがた振り払った。
ユウセイの様に突出した能力は無いが、ライトもぺーぺーと言う訳では無かった。
一応、パイロット面でもちゃんとしたゼネラリストである。
(……それに。ハヤミ中尉の甘さが命取りになるかも知れないしね。気心の知れないハーゲン少尉が機械的に仕留めた方が良いに決まっている)
最新鋭の部隊と人材。それが揃いも揃って攻めあぐねている現状。士気の面でも頭数をすぐにでも減らしたい。
これ以上レイナ一行を調子に乗せてたまるものか。ならば愚かな仲間の死を持ってしてこの流れを断ち切ろうと試みた。
>>606
「静香、つばめ。あのツインテの機体には必要以上に気を付けなさい。まだ詳しくは説明不可能だけれどこの邪王真眼が危険と判断しているわ」
上手く立ち回っているつばめと静香に主からの未来のお告げが下される。
まだインセイオンのプレッシャーの根拠は見えていないので、レイナもアドバイスをしてやりにくい。
「でも命を張る必要は無いし許さない。危なくなったらレオンハルトを呼びなさい。回収に向かわせる。
悪いけど、私の方はそれどころでは無くなるから」
こちらに加勢してくれる貴重な存在が勝手に死なれては困るし、彼女らもこんな他所の世界で終わるのは嫌なはずだ。
そして蛇足な感じで自分に降りかかる災厄も見えているかの様な事を言い残した。
>>611
「…あら。意外と芸達者な。もー……老骨のジガンのくせに」
ジガンタイプに遠隔操作されるソード・ブレイカーの鋭利な刃にこちらの蝙蝠の群れは凪払われてしまった。それもまたあっさり。
カナメは相手機体を好き勝手に貶しつつもメカニズム的に見て理に叶った見事な仕上がりだと実は称賛していた。
「ふむ……これじゃあ甲斐を突破するにはまだ無理っぽいか。レイナ達も手一杯みたいだしね。長居は嫌なんだけれど」
甲斐のスキャンにより、アルプ・トラウムが調べられているのを察知。まぁ甲斐の事はこちら側も知り尽くしているのでようやくおあいこと言ったところか。
「それでいてこちらはあのジガンタイプに有効的な手が殆どありませんから。こう張り付かれては厄介ですね、実際。
こちらをよく理解してらっしゃる」
敵の手並みに苦笑いするイクリプス。
ジガンタイプの衝撃砲での妨害を艦船離れした機動にて何とか直撃せずに凌いでいるが、流石にイクリプスの手を持ってしてもこれではいずれ無茶が出る。
こちらも対空迎撃用のホーミングレーザーをジガンスクードへ照射するが、あの盾には焼け石に水かも知れない。
【アルプ・トラウム:残りHP80%】
>>611
【「レイナさん……」】
「アカリ。それで私を撃たないのか?反逆者を倒す絶好のチャンスなのだがね」
すでにビルトラプターにビーム砲を向けられているが、物怖じせず堂々とした口調をもってして会話に突入する。
この様子ならアカリは連邦のやり方に迷いや疑いを持っているのだろうか?
もしそうならば、出来れば彼女を我が物としたい。
「半身と認めたあなたとは銃を向けずにちゃんと話がしたかったわ。今でもそれは変わらないけれど、どうしよう?
私は、あなたが欲しいわ。……あなたとなら災厄の未来を変える事だって」
まるで告白でもするかの様な紛らわしい台詞に、通信を傍受していたライトの方が一瞬ドキリとする。
しかし、この展開はライトにとって正に望ましい展開。
ライトの思惑通りにレイナはアカリを勧誘しにかかったのだ。
『グッド……。では一芝居打ちましょう。内通疑惑により、あなたのビルトラプターを撃ち落とすといった陳腐な物です。
クレマチ伍長の反応速度なら見せかけのトリックが可能でしょう。
後は仕上げにレイナ・カーマインの気を引くような台詞を残し、森林地帯に誘導願います。大丈夫必ず彼女は釣られます』
そしてライトは今後のレイナとアカリの信頼という物を完全に壊し、引き裂くような醜悪な三文芝居を引き起こそうとしている。
いったい、小田原フェスタに参加していた時の様な誠実で何処か委員長っぽい彼女はどこに行ってしまったのか?
616
:
◆h9Hr5c.eFE
:2013/03/19(火) 20:46:19 ID:X2HUs0Bc
>>607
ダメージを負い、地表に降りるドロワナの姿に目を光らせるマヤ。
「チャンス! このまま一気にっ…!!」
リボルバーカノンの弾丸は剣の腹で受け止める。
うち一発が肩をかすめて火花を上げたが、マヤは怯まない。
【HP85%】
>>612
しかし、事はそう上手くは運ばなかった。
「……なっ!?」
死角から飛び出してきたのは、ブルーティッシュ・ブレードをも上回るサイズの巨大な剣。
ソードブレイカーによる援護攻撃は、完全にマヤの間隙をつく形で焔姫に命中した。
「うあぁぁっ!」
反射的に急所は外したものの、大きく吹き飛ばされる焔姫。
砂煙を巻き上げながら、どうにか2本の足で着地する。
結果的にドロワナとの距離は一気に開いてしまっていた。
【HP70%】
「くぅっ、逃げられた!!」
>>614
次の瞬間には、また別の機体から放たれた四基のミサイルが迫り来る。
「ちょっと、なんであたしばっか狙ってくるのよ!?」
駄々っ子のように叫びながらも、即座にファランクスを連射。
ミサイルは一基残らず叩き落とされ、進路半ばで爆散した。
「あーもう……レイナ! こっちに援護とか回せないワケ!」
そう口にした瞬間、マヤは少し後悔した。
これではまるであの高慢ちきな邪気眼女に助けを求めているようで、不本意極まりないではないか。
>>610
「くっ…!」
スラッシュリッパーはチャクラムに弾かれ、すごすごとスカートアーマーに戻ってきた。
敵側もまた誘導兵器を持っている。
これでは、スラッシュリッパーはさしたるアドバンテージとも言えない。
しかし敵機が無謀にも煙幕の中に突入したことを察知したことに、静香は勝機を見た。
「つばめ! 今よ!」
「はいっ!」
インセイオンの後方から、黒煙を破って飛び出したのは雷姫。
「チャクラム・シューター!!」
「はあっ!!」
正面に待ち構える風姫を交え、鮮やかな挟撃が放たれる。
薙刀と電撃チャクラムが、一寸違わぬタイミングでインセイオンを討たんと迫る。
>>615
「はい。ですが、何とか抑えて見せます! レイナさんは引き続き甲斐の相手を!」
慢心があるわけでも、油断があるわけでもない。
しかし、静香達はまだ気付いていなかった。
目の前の敵が秘めた恐るべき力に……
617
:
◆JryQG.Os1Y
:2013/03/19(火) 21:41:00 ID:UalR53dY
>>610
>>「邪魔」
(邪魔言うなよ。)
その、言葉を必死に押さえながら、
ほっとくことにした。
あの二人の反撃からして、十分な対抗は出来る。
そう、ユウセイが判断してしまったのが、彼女達の運の尽きだった。
>>615
>>「こちらは、気にしなくても良いですよ」
(明智大尉め、意外と、しぶとい。)
味方なのに、そんな酷い事を考えてしまうユウセイ。
(T-linkで、バレッド隊の情報を使えないかな。)
全ては、彼奴等を、生き残らせるために、
必死に策を考えている。ユウセイ
>>516
「まずは、彼奴から行くか。T-link」
念を収束させ、刀の形へ形成させていく。
「突撃娘、先ずは、お前からだ。」
(あの大剣を潰せれば、殆ど彼奴の武装はない。)
左肩を狙いほむら姫に、迅速の型の、衝撃波を放つ
618
:
ゼバスチャン
◆oR45XRwhpI
:2013/03/19(火) 22:55:23 ID:aRhznTnw
>>612
>>614
>>616
姿勢制御 着地
高度からの強制着陸にハンパない振動がコクピットを揺らす
牽制の弾幕をものともせず突っ込んでくる焔姫、進退窮まったかと冷や汗が吹き出る
だがありがたいことに援護の手、何処からか飛んできた長剣がドロワナと焔姫を引き離す
見れば空にそびえる鉄の城・・・というわけではないが、見るものを圧倒する巨体
宇宙では忌まわしき存在と称されるジガンスクード
それが遠隔操作で長剣を放ったのだ
弾き飛ばされた焔姫を待ち受けていたのは、これまた援護の手 アレは量産機か何かだろうか?
20発のミサイルを放った後、近接して修理を行おうとする
「こちらボマー3!! 助かった 後で一杯奢らせてくれ
あと修理は手すらドライブ・ユニットを復活させて欲しい!!」
マズは礼を言うのが礼儀 その後に修理に入る量産機へと要請を出す
「了解だ量産機、一端後方に下がる だがあのバニーちゃんにはお返しをしてやらねばな!!」
弾き飛ばされた焔姫を睨み、不敵な笑みを浮かべる 背中にマウントされたガトリング砲が回転すると共にドロワナの頭部が同体内へと収納されていく
「ボマー3より各機へ!! これより敵アーマード・モジュールに対し スーパーアヴェンジャーによる集中砲火を仕掛ける
付近の味方機は、射線上からの退避をお勧めする!! 警告はしたぞ、後での文句は一切聞かん!!」
無線で中尉を呼びかける、回転したガトリング砲は収納された頭部の上に装着、恐ろしく巨大な七砲身が焔姫に向けられる
「機首と・・・」
その砲身が円を描く、敵を討ち滅ぼさんとする下準備
「同軸ッ!!」
轟音を持って紡がれる歌は滅びへの賛歌、今ここに物理的な消滅を
「アヴェンジャアアアァァァァァアアアアアアアア!!!!!!」
その瞬間 放たれた弾頭は死を呼ぶ彗星
右腕に括りつけられたリボルバーカノンとは比較にするのも馬鹿らしい
ラーズアングリフ・ドロワナが持つ最強の兵器が、焔姫へ炎を吹き上げた
619
:
ゼバスチャン
◆oR45XRwhpI
:2013/03/19(火) 23:05:19 ID:aRhznTnw
>>618
修正
>手すらドライブ・ユニット ×
テスラドライブ・ユニット ○
ついでに追加を
>>609
こちらが発射したマトリクスミサイルをこともなげに対処してなお、ヒツギへとコンタクトを取る正体不明機
「クソッタレ・・・ナニモンなんだアイツは」
なにやら行動を開始しようとしているらしいが、今は焔姫への攻撃を優先
警戒を怠らぬようちゅういしながら、焔姫への攻撃を続行する
620
:
レオン
◆NcltM1gQ/Q
:2013/03/20(水) 00:59:06 ID:JCr4r.06
>>610
『一般的な機動兵器にとっての完全な暗闇』に敢えて突き進む趣味的とも言える不気味なフォルムのソレの行動から
奴には熱光学、赤外線及び電磁波に依らない感知システムと対応した攻撃システムが存在するという根拠にしておくには充分過ぎていた
(しかし、俺の身も一つ。ここはしばらく二人に任せる他はないか)
>>613
【「んな事は分かってんだよ!!」】
…この余裕のない反応を見る限り、どうやらライト…いやSKの闇とでも言うべきか
『かつて』のチョロい彼女を扱うが如く、簡単に出し抜ける状況では無い事を告げている
ならば、『こちらも』カードを切るべき時だ
【「俺はッ・・・!如何すれば良い・・・!!」】
ミサイルによる煙幕は衝撃波と共に霧散したと同時に、その向こう側に居たはずのムラマサは背部にマウントされていた小太刀、ムラマサブレードを抜き放つと瞬時にゲシュペンストの真正面から激突
辺りに響く衝突音と共にゲシュペンストの胸部、コクピットの真上を刃先が紅く煌めく黒い刀身の小太刀が貫いていた
「聞こえるかヒツギ。今ナノマシンを介して、お前の機体に有線で通信している」
ヒツギ側のディスプレイに表示されるステータスは致命傷を負っていることを告げており、この状況は甲斐の方にも既に行き渡る情報である
しかし、それは偽報だ
ムラマサに使用された特殊なナノマシン
これは通常、切断の再に刀身に触れている部位に浸食し攻撃、また刀身に付着した物質を分解する事でムラマサのエネルギーとするものだが
通常の機械や一般的な機動兵器に向けて使われた場合
コンピューターを破壊せずに回路に接触することで有線接続を行うことが出来
またダミーサーバを作成し内蔵電池の許す限り各種電子的な妨害を行うことをも可能としていた
実のところヒツギのゲシュペンストにはダメージは無いも同前と言える
「お前のじーさんな。顔が広くてな。ある理由でお前は後ろを心配する必要は無い。後は…解るな?」
もう少し話しておくべきなのだが、状況が許してはくれない
接続を解除し、ゲシュペンストから刀を抜き、背を向けつつ振り払ってから切っ先を鞘へ滑り込ませ、セーフティーの動作を確認
621
:
レオン
◆NcltM1gQ/Q
:2013/03/20(水) 00:59:41 ID:JCr4r.06
>>620
続き
鞘にセーフティーが赤から青へと切り替わり完全に刀が収まった事を知らせると同時にゲシュペンストが仰向けに崩れ落ちる
>>616
ほぼ同じ戦場に居る筈の焔姫に攻撃が集中している!
こちらのステルス性能と高速格闘による自衛力が返って彼女に負担を掛けるているという事か
「数が足りていない状況なら使わざるを得ない」
ムラマサの右腕を左肩の後方まで持っていき何かを掴むように握りしめ引き抜くような動作と共に背部から短剣状の物体が8基、等間隔で数珠繋ぎのように現れるとムラマサを取り囲む様に展開浮遊する
>>612
ジガンタイプの攻撃子機の迎撃をプログラムするとムラマサの周囲の子機達は周囲にとけ込み見えなくなる
>>617
ヒツギとは打って変わっての殺る気のオーラがダダ漏れしているのは念動力者でない俺でも判った
「まったく…これこそが奴らが欲する理由だからな」
ヒツギとの接触の為に来た道を同じ様に引き返す
アルブレードがその刀を抜き放つと焔姫にその狂気が接触せんとした。そのとき
「うおおおおおおおおおおおお!!!」
爆音と共に衝撃波が伴い黒い機影を中心に地殻を削り、周囲の木々は木っ端微塵に爆ぜる
焔姫とアルブレードの衝撃波の間にはムラマサが立ちふさがっていたのだ
衝撃波に対して、その妖刀で防ぎ支える。尚も喰いちぎらんとするその狂気とシノギを削る
カメラアイが一層、光を増すと全身の装甲の隙間から紅い光がこぼれ出す
「ぬぅおおおおお!!!波ぁ!!!!!」
ムラマサブレードの輝きが最高潮に達したであろう、その時、衝撃波を押し切りその刀身が振り抜かれると斬り裂かれた衝撃波と振り下ろされたムラマサブレードにより大きく大地が隆起し津波の様な体を示す
「まただ!!」
隆起した大地を高速で駆け上がり、その先端に到達するや否や姿を消すと
ムラマサはアルブレードの脚を掴み空中ブランコの様に回転
「墜ちろぉぉ!!!」
>>619
ドロワナの射線を遮る様にアルブレードを投げつける!
622
:
◆zwG.6Bg2jY
:2013/03/20(水) 04:09:09 ID:mGUEQ9JA
>>616
>「つばめ! 今よ!」
>「はいっ!」
「しまった、後ろに・・・」
前から迫る風姫の薙刀、後方からは伏兵としての雷姫のチャクラム
虚を付かれただけではない、その武装の大半が光学兵器であろうツインテールの機体は
このスモークの中では満足に攻撃もできまい、流石の状況にハーゲンは狼狽えた
>正面に待ち構える風姫を交え、鮮やかな挟撃が放たれる。
>薙刀と電撃チャクラムが、一寸違わぬタイミングでインセイオンを討たんと迫る。
「・・・って言って上げたいんだけどねぇ!」
薙刀を手に迫る風姫の右側面からスモークが巻き上がる、何らかの物体が下から掬い上げるようにスモークを掻き分けている。
空気どころか地面ごと削り飛ばしながら迫ってきているそれには、視線を移して見えるのは壁、白い壁にピンク色の刃が1、2・・・5つ
それぞれの基部にどこかで見たような半球対があり、壁の中心にはそれらを一回り大きくしたかのようなものが備えられ合わせて6つ。
「所がそんなに上手くいかないんだよねぇ!!」
この壁の正体は後方から迫る雷姫ならば用意に理解できたはずだ、なぜならその全貌が丸々見えているのだから。
真正面から激突し火花を散らす電撃チャクラムなど意にも介さず、雷姫の元へ一直線に伸びてくるそれ
『腕』だ、それも雷姫を鷲掴みにできる程に巨大な・・・特機ですら搭載しないような狂った大きさの。
その腕が繋がっているのは目の前の白い機体の後頭部。
そう特徴でもあった『ツインテール』がそのまま腕に切り替わったのである
最初から擬態させていたのだ、その大きすぎる腕を、インセイオンの持つメインウェポンを
斬艦刀等に称される超巨大兵器に対して素手によって対抗するという馬鹿げた代物。
それらに正面から打ち合えるように、強度と出力に極限まで特化させた結果として
斬艦刀に渡り合う為に斬艦刀クラスの大きさまで巨大化してしまった『化け物の腕』である。
「ククッ・・・アッハハハハハ!」
その狂気の一振りで風姫を横殴りにして吹っ飛ばそうと、雷姫はその人外の豪腕で足を掴み取ろうというのだ
623
:
◆zv577ZusFQ
:2013/03/20(水) 07:36:42 ID:j8atmGe.
>>616
【「あーもう……レイナ! こっちに援護とか回せないワケ!」】
「このウツケモノめ。君は戦闘ぐらいでしか役に立たないんだから情け無い事言わないの。もっと粘りなさい。ね?」
つばめや静香に対しての態度とはまた違い、このマヤに対しては何かと神経を逆撫でする様な口調になりがちなレイナ。
でも、あえてこのぐらい言った方がこのマヤ・ランベリーという娘は燃え上がるかも知れない。
実際、出撃可能な余剰な戦力は無い。
戦闘可能なアイゼルネ・ラーゼン隊の面々は左右と背後の敵の軍勢を抑えている。
彼女らが防衛線を張っていなければ今頃、うじゃうじゃ敵の増援がこの場に押し寄せて来ていただろう。それは理解して欲しい。
>>620
ライトの見ているガブリエルのモニターでも確認出来るが、ヒツギのゲシュペンストからは危険を意味するレッドシグナルが発生していた。
「ハヤセ少尉が討たれた!?」
肉眼で確認すればすぐに解るちんけなペテンだが、その場とはかけ離れているライトはレオンハルトの思惑通りにその偽の情報に乗せられてしまった。
「ハヤミ中尉、黒いアシエルを破壊してください!縦横無尽で大変危険です!」
ゲシュペンストをやったアシエルもどきをライトはすぐに掃討する指示を出す。
丁度、暇そうにサボっていたユウセイを見かけ、レオンハルトへぶつける。
>>621
アシエルもどきことムラマサとの交戦開始後アルブレードはまたしてもプラスチック製玩具の様に他所に投げつけられた。
しかも今度は味方ラーズ・アングリフの一斉射撃の最中へ射線内へと入れられ邪魔をしてしまうのだった。
「……何をしてるんですか?」
ユウセイにはしれっと冷たいライトの呆れた様な失望した様な声が聞こえるだろう。ちょっと怖い。
624
:
◆zwG.6Bg2jY
:2013/03/20(水) 09:14:24 ID:mGUEQ9JA
>>620
>ミサイルによる煙幕は衝撃波と共に霧散したと同時に、その向こう側に居たはずのムラマサは
>背部にマウントされていた小太刀、ムラマサブレードを抜き放つと瞬時にゲシュペンストの真正面から激突
「!」
ヒツギの体が自然に反応する、どれだけ追い詰められていたとしても経験から導き出される反射は絶対の物だ。
相手に対して逆に踏み込み、真正面からの突きを下から上に払い上げるように弾く。
通常の刀だったならこれで至近距離に入り込み、刃渡りが邪魔をして刀を振るうことが困難になる
だがムラマサの武器は小太刀。
この技術は相手が一般的な刃渡り以上の長さを持つ刀を使っていることを前提とする
それは至近距離で扱うことを前提に作られた刀剣の場合、逆手持ちという手法によって容易く看破されるからだ
「しまった!!」
小太刀だと最初から気づいていれば対応もまた違っただろう、だがそれはもう遅い
弾き上げたはずのムラマサの刃は瞬時に下向きに変わり、打ち下ろすようにゲシュペンストのコックピット上を貫く。
瞬間的なレオンの切り返しを受け、死んだとヒツギは確信していた・・・居たが・・・
「・・・あれ?」
コックピット内の機器からは警報が鳴り響いてはいるが、実際付近に致命打を受けたはずのコックピットは爆発もショートも破損も起こっていない。
切断されたであろう回路を考えればメインカメラの機能に支障があっても可笑しくない筈だが、きちんと写っている
(刺さってるっていうより・・・くっ付いてる?)
>「聞こえるかヒツギ。今ナノマシンを介して、お前の機体に有線で通信している」
「レオン!?有線ってことはまさかその刀を通して・・・」
有線での会話ということは秘密通信を用いなければならなかったと言う事
つまりヒツギ以外の人間には聞かせなくないということに他ならない。
本当に壊れたのか機体の動作確認をしようと考えていたのだが、欺く必要があると判断した為にそれを取りやめる。
敵同士という立場でワイヤーをつないで会話するのは不可能、そこで特殊な武器を突き刺して送り込んでいるということか
「なんて滅茶苦茶を・・・」
>「お前のじーさんな。顔が広くてな。ある理由でお前は後ろを心配する必要は無い。後は…解るな?」
「!! じーちゃんが・・・って待て、おい!!」
ヒツギの祖父であるコウゼン・ハヤセの存在を何故かレオンの口から受ける
その内容からして祖父の身、いや家族の身柄に関係しているのだろうが事の詳しい内容を聞く前にレオンはゲシュペンストから離脱してしまう。
小太刀が引き抜かれると同時にゲシュペンストの足が崩れ、そのまま大地に膝を尽いてしまった。
だが機能が停止した訳ではなさそうだ。
一応システムが再起動しているがかなりの負荷を受けたらしく処理が重く、また偽装する為に中身もしっちゃかめっちゃかにされてしまったらしい
再起動中に画面を見ているだけでも、機体の固定識別信号どころか開放している通信チャンネルに至るまでご丁寧に全部書き換えられている。
連邦からしてみたら一切の連絡や確認が取れない、つまり『死んでいるようなもの』で
つまり今のゲシュペンストは文字通り亡霊、もし今歩いたら死んだのに動くゾンビか何かの様なものとなるだろう
625
:
◆JryQG.Os1Y
:2013/03/20(水) 11:52:52 ID:z/IW14OY
>>618
「やばっ、あれって」
アヴェンジャーだっけ?
発射態勢に入ってる。
ほむら姫が、撃破 いや、最悪、死ぬ。
しかし、生憎こちらも迅速の型を放った後
体勢を立て直すには、時、既に遅し
>>621
「へっ?衝撃波を、叩き落とした?」
「それと、」
あの、黒い機体は、一気にこちらに突撃する。
「まずっ、」
そのまま、投げ飛ばされた。
「邪魔してごめん、ゼバスチャンさん。」
>>524
>>「…何をしてるんですか?」
「あー、その、投げ飛ばされた。としか説明が付きません。」
説明を、するにはこれしかないが、説明になってない。
「まぁ、ほむら姫に攻撃はしたんですけどね。効果あるか分かんないですけど」
投げ飛ばされた時に、ほむら姫にロシュセイバーを投げたのだ。
その証拠に、ほむら姫の両肩と、頭に、刺さってるものがある。
「それと、ヒツギは、まだ。生きてます。ロストしてますけど、亡霊とか言わないであげてくださいよ。」
>>624
「ヒツギ、生きてるよな。おい」
通信が、繋がらない。プライベート通信も
「システムを、書き換えられたか。」
あらと、あらゆるシステムを、書き換えている途中、
恐らく、今は再起動のスタンバイ、
「何をするか解んないな。」
とりあえず、ヒツギの動向にも最新の警戒を払うことにした。
626
:
◆h9Hr5c.eFE
:2013/03/20(水) 12:46:19 ID:iEdYsKyo
>>617
「くっ!」
衝撃波を素早く跳躍してかわす。
太刀筋さえ見えるなら、ダイレクトモーションリンクの機体には難しくない芸当だった。
「なんなのよもうっ!! あたしに斬られたい奴は一列に並べっ!!」
>>618
などと無茶苦茶を言っていると、視界の片隅に遠ざかっていたドロワナが、何やら大仰な動作を図っていることに気付いた。
注視すれば、背負っていた特大のガトリング砲を前方へと展開し、焔姫に向けて狙いをつけているではないか!
「ちょ、ちょっ…! 仕返しにしたってそれはやり過ぎでしょ!?」
視覚情報に頼る限りでも、その口径は焔姫の対特機ガトリングを大幅に凌いでおり、威力の程は優に想像がついた。
集中攻撃を受けて身動きの取れないこの体勢では、どうしたって直撃は免れないだろう。
>>623
「あんたに期待したあたしがバカだったよーっ!」
ほとんど涙声で叫び返すマヤであった。
>>625
あわやスーパーアヴェンジャーの火力が焔姫を蜂の巣にするかと思われたそのとき、
両者の間を遮るように、突然何かが
吹っ飛んできた。
「はっ!?」
アルブレードだ。
どういう理由かはわからないが、何か尋常ではないパワーで射線上に放り込まれてきたらしい。
苦しい体勢から無理矢理ロシュセイバーを投げて攻撃してきたが、反射的に切り払うことができた。
「な、何だか知らないけど、とりあえずラッキー!」
結果的に難を逃れたマヤは、踵を返して後退する。
これで複数機に囲まれている状況だけは何とか打開できるだろう。
627
:
◆h9Hr5c.eFE
:2013/03/20(水) 12:58:45 ID:iEdYsKyo
>>622
連携のタイミングは完璧だった。
前後から放たれた攻撃はインセイオンの四肢を破壊し、戦闘能力を奪うことができる……はずだった。
「…!?」
つばめは目を疑った。
斬り込む風姫の側面から、煙を引き裂くように、何か巨大な物体が迫っている。
それが“腕“だと認識するのとほとんど同時に、つばめは叫んでいた。
「…姉さま、避け…!」
「えっ…?」
だが、遅かった。
目の前の機体のサイズからはおよそ想像できないような巨大な腕が、風姫に激突し、吹き飛ばしたのだ。
「あああああぁぁっ!?」
煙幕の外へと、勢いよく飛び出していく風姫。
「姉さま…! あ、ああっ!?」
そして、それに樹を取られたが最後。
雷姫は片足を、異形の腕にガッチリと掴まれていた。
628
:
◆zwG.6Bg2jY
:2013/03/20(水) 14:49:18 ID:mGUEQ9JA
>>627
「緑の子はそこで休んでいるといいよ」
弾き飛ばした風姫に声を投げかけると、スモークの色が周囲の空気と混ざり段々と薄く広がってゆく
インセイオンの巨大な腕が空気を丸ごとかき混ぜたのだ、未だ濁った空気の中に複雑に浮かび上がるピンク色に発光したライン
そしてインセイオンの姿が、その事実が日の下へと晒された
丸みを帯び細身に見えていた体つきはどこに消えたのか
段モールドに見えたそれらは全て装甲の継ぎ目、スライドし位置を変えたのであろう装甲は盛り上がり一回り太く大きく見える。
それによって露出した内部のフレームは体中に付けられた球体を繋ぐ様に全身を走り
念動力が垣間見せる緑とはまったく違う、生々しい肉かと思わせるようなピンク色に発光していた
そして頭から生えた巨大な腕・・・それは装甲のスライドによって一回り大きくなったはずのインセイオンの全長22mを遥かに超える大きさで
巨大な掌は勿論、前腕の半分まで引き摺るという表現すらできそうな程に大きく余らせていた。
爪は一本一本が起動兵器の腕一本に匹敵するのではないかと思わせる巨大さ
スラスターの排出口に見えた部分が丸ごと折りたたまれた爪だったのである。
側面にある噴出口は擬態している際はサブスラスターに思われたが
この巨大すぎる腕を高速で制御するためのサイドスラスターの仮の姿だったようだ。
手の甲や前腕に当たる部位は複数のピンク色の球体が見え、またハンマーを思わせるような分厚い装甲に覆われていた。
こんな馬鹿げたものを武装ではないと何故判断したのか疑問にすら感じるような変貌、
化け物の左腕に片足を絡め取られた雷姫を、タロットの吊るされた男を髣髴とさせるままに宙吊りにして自らの眼前へと持ってくる。
「クックッ・・・後ろからの攻撃なんて僕には無意味だよねぇ」
上下が反転した雷姫の頭部に自らの頭部を近づけ、まるで嘲笑うかの様に指を傾ける
直後そのインセイオンの頭に中央から縦一文字に亀裂が走る、それは左右に割れてフードでも脱ぐかのように後ろへと降ろされた
なんと顔であると思っていたものは実際は頭部を多い囲っていただけの代物、ヘルムのようなものだった
バックパックについていた左右のユニットが開き、腕の基部となっているそれが接続されると
まるでパズルのピースでもはめた様に、顔に見えていた面影など一瞬にして消滅した
その本当の顔といえば・・・球、もっというならば半球型、人型兵器の頭部とは思えない非常にシンプルな姿。
だが三日月型にくり貫かれ内部のピンクフレームが露出している部位は
長方形の格子状に線が走っている事もあり、ニヤニヤと大きく開いて歯を露出させた口にしか見えない
そして球体の上部には小さな六角形の集合体が広がっていた。
六角形の集合体に視線を合わせていると、それぞれの中心にある小さな点が動いたように見えた。
いや確かに動いている、それぞれが前後左右バラバラに、無作為に、ギョロギョロと、グチャグチャと
そしてそれらの動きがピタリと止まったかと思うと、一斉に雷姫の方へと向けられる
虫の複眼を思わせるような大量の眼、100は優に超えているであろう数。
後ろからの攻撃が効かないと言ったのも頷ける、上も後ろも横も死角になぞなる筈が無い
その異形の姿は人型兵器の範疇を超えていた、小天使等では、ましてや智天使ですらない。
インセイオンの名の通り、狂気が塊となって生み出されたかのような存在だ
ぶら下けられた雷姫のもう片足を化け物の右腕が掴んだかと思えば
足るんだ糸でも伸ばすかのように、そのまま左右に思い切り引っ張り開かれた
「股から裂こうかと思ったけれど・・・女の子相手にそういうのは良くないよね
僕はフェミニストだから君を殺したりしないよ、安心してくれていい」
この異常な状況を感じさせない、天使のような笑顔をつばめへと向けた
//まだまだ続くんだよねェ!
629
:
◆zwG.6Bg2jY
:2013/03/20(水) 15:25:43 ID:mGUEQ9JA
>>628
の続き
「それに勿体無いじゃないか、見せしめにするのに死んじゃったら」
「泣いて喚いて叫んでのた打ち回って生きて貰わないと、そうすれば助ける為に人員が割かれて戦列が崩れる
何よりその様に怯えて動きが鈍る、見せしめに消せなんて・・・彼女も生易しい事を言うよね」
この男が笑顔で吐き出す言葉は狂っているようにも聞こえるが、戦場に置いて導き出された正しい理論に基づく内容だった。
古来よりわざと生かさず殺さずで斬り捨て、苦痛に跳ね回る様を見せる事で敵の士気を殺ぎ
また危険な兵器といわれる対人用地雷も、調整された威力によって体の一部だけを吹き飛ばし同様の効果を与える
過去幾度も実用されてきた術なのである
インセイオン本体の右手、オービタルリッパーを生成して見せたあの球体が輝き再び光の輪が形成される。
だがそれは輪というには太く大きすぎる、そして刃物というには形状が乱雑すぎた
チャクラムだったら刃になるであろう外周が一切整えられていなかったのだ
そんなものは尻目に光の輪を備えた手首をスナップを効かせ回す様に振ると・・・
ギギャアアアアァァァァァ!!
戦場に劈くような音が木霊する、輪が高速回転を始めたのだ
回転が空気を巻き込んで引き裂き、歪だった形状が真円に見えるほどの速さ。
光で形作られたこの物体、誰しもが一度見たことがあるはずだ
・・・鋸、中でも丸鋸と呼ばれるそれを彷彿とさせた
だとすれば、あの不均一な形状もノコギリの刃としての役割を持たせるためのものだと納得がいく
「鋸っていうのは刃物とは少し違うんだよ、刀とかの刃物は細胞をほぼ変形させないで切るんだ
だからそういう切り傷って言うのは縫合で治せる、でもねぇ・・・」
丸鋸を自身の化け物の右腕装甲にほんの少しだけ接触させる
すると耳を塞ぎたくなる様な音と共に鮮やかな火花が咲いてみせる。
その行動は切れ味を確かめているかのように見えた
「鋸は違うよ、肉に刺さった小さな刃がそのまま引き千切る
細胞もグチャグチャで切断面も一定にならない、だから切り落とすしかなくなっちゃうんだよねぇ」
口元に笑みを浮かべながら喜々としてハーゲンは語る、つばめの恐怖を煽る為だけに
インセイオンは右腕を高く掲げ、すると刃は月の光すら切り裂いて乱反射させた
想像できるはずだ、この後インセイオンが取るであろう行動の全てが
「それじゃ、元気良く宜しく」
身動きが取れない逆さになった雷姫に向かって、何の躊躇もなく光の鋸が真っ直ぐに振り下ろされた
コックピットに命中せず且つ機体が大破しないギリギリの深さに
つまりハーゲンが先ほど話した通り、死なない殺さないに『手加減』をしているという事だ
だが鋸である以上そこには傷跡が残るだろうか?
例えるならそれは、上から下へ装甲ごとグチャグチャに引き裂かれたような・・・
630
:
◆h9Hr5c.eFE
:2013/03/20(水) 16:25:56 ID:TUI4lK4k
>>628
>>629
「え、ぁ……ひっ…!?」
煙が晴れ、その異様な姿が白日の元に晒されたとき、つばめは喉に息を詰まらせた。
先程まで自分達が対峙していた白色の、ともすれば可愛らしくすらあった機体の影はどこにもなかった。
そこに立っているのは、偽りの人型を捨て去り、禍々しい巨腕を大きく広げた怪物。
その信じがたいまでに醜悪な素顔が現れ、雷姫を視界に捉えるまでの一部始終を、つばめは見た。
見てしまった。
「あ……ぁ……」
静香に呼び掛けようとするも、声が出ない。
過去の激戦からも感じたことのないような恐怖が全身を凍てつかせ、逆さ吊りにされている違和感すらも忘れさせていた。
「う、うあぁ! 痛ぁっ…!!」
無理矢理に両脚を目一杯まで開かれる雷姫。
コクピット内のつばめも同様の姿勢を強要され、股関節をねじ切られるような痛にに苦悶の声を上げた。
>「股から裂こうかと思ったけれど・・・女の子相手にそういうのは良くないよね
> 僕はフェミニストだから君を殺したりしないよ、安心してくれていい」
その言葉通り、つばめはほどなくして苦痛から解放された。
目に涙を滲ませ、荒い呼吸を整えながらも、つばめはようやく反撃を意図する余裕を得る。
(なんとかしなくちゃ…なんとか…!)
雷姫は、自由になっている両腕をインセイオンの狂喜じみた顔へと向ける。
そして、腕部マシンキャノンのトリガーを引こうとした……そのときであった。
>「それに勿体無いじゃないか、見せしめにするのに死んじゃったら」
>「泣いて喚いて叫んでのた打ち回って生きて貰わないと、そうすれば助ける為に人員が割かれて戦列が崩れる
> 何よりその様に怯えて動きが鈍る、見せしめに消せなんて・・・彼女も生易しい事を言うよね」
>ギギャアアアアァァァァァ!!
おぞましい程に暴力的な音色が、つばめをすくませた。
新たに視界に現れたのは、光輪。
単純なリングではなく、凶悪な“刃“を備えた回転ノコギリのようなものが、雷姫に向けられていた。
>「鋸っていうのは刃物とは少し違うんだよ、刀とかの刃物は細胞をほぼ変形させないで切るんだ
> だからそういう切り傷って言うのは縫合で治せる、でもねぇ・・・」
>「鋸は違うよ、肉に刺さった小さな刃がそのまま引き千切る
>> 細胞もグチャグチャで切断面も一定にならない、だから切り落とすしかなくなっちゃうんだよねぇ」
このひとはなにをいっているんだろう。
迫り来る丸鋸を前に、つばめはそんなことを思った。
この青年の云わんとしていることは只一つ。頭ではその恐ろしさを、冷静に理解できている。
しかし、だったら何故彼はこんなにもにこやかなのだろう。
どうして穏やかに、微笑みさえ浮かべていられるのだろう。
凍りついていく思考とは裏腹に、つばめの体はカタカタと力なく震えていた。
>「それじゃ、元気良く宜しく」
「ぁ……ぁ……や、やめっ……」
言葉は破壊的な、あまりに残虐な音色に遮られた。
「ひやあ“ぁぁぁぁぁあああぁぁあっ!!!」
丸鋸は雷姫の下腹部に突き刺さると、肩口へ向かって走りながら、ギャリギャリとその装甲を引き裂いていった。
「ぁふぅぅッ!? ひぃっ、ひ、ひぃぃぃあぁぁぁあッ!!!」
つばめの纏うスーツの該当箇所に激しいスパークが走り、引き裂けるように破れていく。
それは致死レベルのダメージが機体に与えられていることを示す。
631
:
レイナ&ライト
◆zv577ZusFQ
:2013/03/20(水) 16:31:16 ID:j8atmGe.
>>628
>>629
>>630
「随分と……好き勝手に触ってくれるじゃないか」
インセイオンの風姫、雷姫への狂気じみた行為をレイナは目撃してしまう。
レイナの右目は感情の高ぶりを現す様にいつもより一層禍々しく光っており、普通では無い事が良く解る。
自分の所有物をあれ程痛め付け、晒し者にし、嘲笑っているあいつが憎い憎い憎い。
憎いが、無策にもあのインセイオンに立ち向かう事はしなかった。代わりに
「……もう戦いが長引くのは不味いか。ここはこの主自ら、あの薄っぺらな天使の首を取って来て皆を鼓舞してやらねば」
ユウセイ、アカリ、ヒツギと三回の勧誘を失敗してしまったレイナはいよいよ自分のカリスマ性を疑い始めた。
交渉が上手く行かないのなら、この戦場に長居は無用。指揮系統を混乱に陥れ、すぐに甲斐を正面突破する事を決める。
それには総大将であるライトをまず叩き、次いでアルプ・トラウムを抑えるジガンスクードを撃退。
ジガンのパイロットの正体は解らないが、ゲームメイクの絶妙さや多方面への援護等、ライト同様に戦術指揮官の才を有するパイロットだと断定した。
アイゼルネ・ブルートはライトの駆るガブリエルを探し出す。
すると、呑気に後方の安全圏で指揮に専念している姿を確認。
護衛は三機も侍らせており、何とも卑怯な奴だとレイナは不満を訴える。
「随分と偉くなったもんだ。あんな頭のおかしいゲスを配置し、自身は高見の見物とはな……明智ライト!」
ライトの本陣を強襲したアイゼルネ・ブルートは、いきなりその手の魔槍の邪悪な一撃で護衛のレリエルを一機両断。
更に他の二機が反応するよりも速く、胸部のハウリング・スマッシャーにて二機をもろともに破壊。
そして、ビシッとすぐ前方にて孤立するガブリエルへとその魔槍を向ける。
この時、既にレイナの目はこの先の危険を訴えていたが、早く仲間達を救おうと焦るレイナは今回はそれを払拭し、ならば一息で勝負を決しようとガブリエルへと突撃した。
632
:
レイナ&ライト&時々カナメ
◆zv577ZusFQ
:2013/03/20(水) 16:33:01 ID:j8atmGe.
「くっくっく。チェックme」
「王手をかけさせてもらうわよ!シルバーバレット隊は降下を!」
レイナがチェックメイトを掛けるつもりだったが、それはライトが意気揚々と発した王手により遮られる事になる。
レイナはまんまとライトの用意した罠にかかってしまったのだ。
「……ぁ……え?」
何とも情けない言葉を紡ぐのはレイナ。まだ状況をよく理解していないらしい。
「戦力の乏しいレイナ・カーマインの軍勢は、まず真っ先に指揮官を狙いにかかるのは最初から解ってたわ。
しかも演出に拘る馬鹿なあなたは、それを自らの手で執行しなければ気が済まない。これも当たりだった」
意気揚々と律儀にレイナの疑問を答えてやるライトは勝ち誇った顔をしている。
実は予知能力でこちらを看破して来る可能性も考えられたが、心配して損をした。
そしてライトは決め付けた。彼女の今の予知能力は万能には程遠いと。
「終わりよ、レイナ・カーマイン。強制連行の前にあなたには我らエンジェルフェザーの裁きを下す」
遥か上空。ステルスを施した輸送機から特殊装備仕様のレリエルが12機レイナの地点目掛けて降下して来る。
それらは、アイゼルネ・ブルートの周りを完全に包囲し尽くす。
【連邦軍増援:レリエルSB/エンジェルフェザー隊員×12機】
「見事……なんて言わないわ。たかがレリエルごときでこのアイゼルネを何とか出来るはずも無い。無駄だよ」
確かに罠にかかって悔しいが、ライトが寄越したのはたかがレリエル。
自在に傷の再生が可能なアイゼルネ・ブルートを倒すには役不足極まりない。
だが、ライトはまだ余裕の表情を変える事は無い。
いままでのパターンと違い、逆にレイナの方がライトの掌の上に居た。レイナにとってそれは不気味で仕方がない。
「私達の部隊はその様なバケモノを潰すのに特化されている。すぐにわかるわ。
シルバーバレット隊、どうぞ!」
ライトのガブリエルは狙撃銃の様な物を、その他の12機は肩に担いでいる大砲をアイゼルネ・ブルートへと合わせる。
『レイナ、それはナノマシン抑制プロトコルの兵器よ。1発当たれば、アイゼルネはその不死身の能力を失ってしまうわ』
レイナにアルプ・トラウムのカナメから通信が入る。のんびりしているカナメだが、今回は柄にも無く早口で声を大にしてレイナに危険を伝えている。
「もう遅い!シルバーバレット一斉砲火」
13発の聖なる銀の銃弾が吸血鬼アイゼルネ・ブルートを浄化するべく、天使達から発射される。
「が……それでも、邪王真眼は最強よ。なめるなよ、この私を!!」
レイナの集中力もこの瀬戸際にて極限まで研ぎ澄まされていた。
予知の眼が見せるヴィジョンも鮮明。……だが、それでもまだ足りない。
技術が。反応速度が圧倒的に!
(……駄目だ。格好悪いな……私は)
回避を維持出来なくなったアイゼルネ・ブルートは足に掠り、肩を貫通し、脇腹へ傷を残し、背を射抜かれと袋叩き。
次々と高価な銀の銃弾を再装鎮し、一方的な惨たらしい殺戮が引き起こされていた。
次第に体勢を崩し、立つ足がもつれ、地にひれ伏した今のこの王の姿のどこにカリスマなどが残っているだろう。
【アイゼルネ・ブルート:残りHP??%。再生封印】
「っふ……随分と粘りましたが、ここまでです。最後にその醜い四肢をバラバラにしてあなたへの裁きを終えましょう」
実際、レイナはライト達の想像以上に足掻いてみせた。
各機がそれぞれ4発の銃弾を持ち、全機ともそれらを最終的に撃ち切らした模様。
だが、それでも健闘を称えるなんて事は無慈悲な天使の少女には有りもしない。
もう一種の魔女狩り武装である聖騎士のランスの様な塊が13。右腕の複合型兵装から射出されて行く。
(……駄目だ。……ごめん、ユナ)
命まで取られる事は無いらしいが、もしかしたらまた過去の様に実験で身体を壊されるかも知れない。
だが、アイゼルネはもう動かない。
最後に何者かの名前を呟いて謝罪した
633
:
◆h9Hr5c.eFE
:2013/03/20(水) 16:34:48 ID:TUI4lK4k
>>629
「う、くっ……」
吹き飛ばされて地を転がった風姫は、ふらつきながらも体勢を立て直した。
そして煙幕の中から現れたものを目にし、静香もまた絶句した。
異形の怪物が雷姫を吊し上げ、恐ろしい凶器で責め苦を与えている。
あまりの光景に一瞬頭が真っ白になり、体がわなわなと痙攣する。
しかし今は、目の前でつばめが痛め付けられていることへの憤りが恐怖に勝った。
「つ……つばめを離しなさい! 下朗っ!!」
課税は薙刀を手に、つばめを吊しているアームへと斬りつける。
634
:
◆zwG.6Bg2jY
:2013/03/20(水) 17:10:32 ID:mGUEQ9JA
>>630
>「ぁ……ぁ……や、やめっ……」
>「ぁふぅぅッ!? ひぃっ、ひ、ひぃぃぃあぁぁぁあッ!!!」
「あれ・・・? まさか本当に死んでないよね?」
サーキュラーソーによるショーが終わった時、つばめの苦しみ方に不安でも覚えたのかハーゲンはその為の確認手段を取ろうとする。
化け物の左手を足から離し、右足だけで吊るされた雷姫を高く持ち上げると
100を超える瞳が一斉に、その状態を確認する為に舐る様に凝視する
「ま、確かめてみればいいか」
ハーゲンは口元に笑みを浮かべて不穏な言葉を零す。
>>633
>「つ……つばめを離しなさい! 下朗っ!!」
化け物の右腕に向かって踏み込んできた風姫の薙刀は、自由になった化け物の左腕が受け止めた
憤慨し怒りを露にしている静香に対して張本人であるハーゲンは飄々と、むしろその表情に淀みすら見受けられない。
「大丈夫大丈夫、そんなに焦らなくても生きてるのを確認したら返してあげるから」
そのまま棒か布か人形でも扱うかのように、地面へと真っ直ぐ振り下ろしたではないか
それも静香の目の前で、ハーゲンは戦闘中の2機の動向・コンビネーションから知人友人である事を見抜いていた。
また戦場で甲斐甲斐しく戦っている赤い機体もこの2機と同じ、友人である可能性が高い
そして見抜いていたのはそれだけではない・・・
つばめが『生きている』事も分かっていたのだ。
念動力者であるハーゲンが、ましてブースターを起動し接触状態なのだから分からないわけが無い
つまり分かっているのに地面に叩き付けんと言うのだ、死に掛けに鞭打ちどころの騒ぎではない
サディスティックで済む話でもない、この状況を間違いなくこの男は楽しんでいた
635
:
◆h9Hr5c.eFE
:2013/03/20(水) 17:30:57 ID:TUI4lK4k
>>634
装甲をズタズタにされた雷姫は、だらしなく両腕を垂らし、ピクピクと痙攣するばかりであった。
「あっ…あぁっ…ひぁぁぁぁ……」
「つばめ、しっかりして! つばめ!」
懸命に呼び掛ける静香の目の前で、インセイオンは更なる凶行に及んだ。
布切れでも振り回すかのようにして、雷姫を思いきり地面に叩き付けたのだ。
「っあ、あはぁぁぅっ!!」
「……~っ!!!」
声にならない声を上げる静香。
その一撃のもと、雷姫の総身は土埃にまみれ、頭部から伸びるツインテールが無惨にも根本から歪められていた。
「や……やめて! もうやめてください!
後生ですから! 私が代わりになりますから、どうか……!!」
一方的な暴力の行使を前に、もはや静香の胸中には戦意も何もあったものではなかった。
自身を捉える左腕にすがり付き、悲痛な声で訴える。
果たしてこのパイロットがそんな懇願を聞き入れるだろうか?
636
:
◆zwG.6Bg2jY
:2013/03/20(水) 17:52:15 ID:mGUEQ9JA
>>632
レイナが突っ込んでいく映像が見える、そして距離があるからこそレイナを待ち受ける結果も見抜くことが出来た。
レーダーに映りこまないステルス状態で、既にシルバーバレット隊が待機している
シルバーバレットにはマシンセルの能力を強制停止させる作用がある
つまりは――――――
ゲシュペンストのシステムが再起動に成功した瞬間、その足が跳ねるように飛び上がり背からは炎が噴出した
真っ白になった頭の中で、ヒツギの体は勝手に動いていた。
先ほどまで身動きが出来ないほど絡みつき悩んでいたのはどこへ消えてしまったのか
鎖など最初から無かったかのように、重さ等勘違いだったかのように手足が軽く動く
「うぉぉぉおおおお!!」
その速さはゲシュペンストが出せる限界速度を軽く超えている、それでも尚加速を続ける
衝撃波が大地を巻き上げ、ゲシュペンストの周囲に薄いリング状の雲が生み出される。
これはベイパーコーンを例に持つ、周囲の空気が加速に伴い高温化し
しかし音速に到達した時点で温度が急低下する際、露点を下回った場合それらが雲になるという現象から起こった。
高速戦闘機体ではないゲシュペンストのコックピットに居るヒツギにかかるGは・・・考えるだけでおぞましい程だ
>もう一種の魔女狩り武装である聖騎士のランスの様な塊が13。右腕の複合型兵装から射出されて行く。
>(……駄目だ。……ごめん、ユナ)
レイナに迫る銀の閃光は、光は途絶える。
それは死によって視界がブラックアウトしたからではない
目の前には腕に、足に、胴に、頭に・・・串刺しになっている姿がそこにあった
それはこうならなければレイナがなっていたであろう光景、レイナへとシルバーバレットは掠りもしなかった。
赤いゲシュペンストが盾となって全てを受け止めたのだ、死んだと思われていたヒツギ機が
「借り、嫌いなんだ・・・これで、フェアってことでどうよ・・・?」
こんな状況で、こんな状態で、オープン回線で聞こえてくるヒツギの言葉。
初めて出会ったときと同じ事を、悪態を付くかのように茶化した声色が伝えてくる
コックピットの機器がバチバチとスパークを起こし、黒煙と共に火を噴く。
真正面から受け止め、それで居てヒツギは無事だった事を考えると奇跡に近い
だが機体のダメージは限界を超えていた、盾になった状態のままゲシュペンストはその活動を停止する。
ゲシュペンストS/B HP0% 撃墜
637
:
◆zwG.6Bg2jY
:2013/03/20(水) 18:08:15 ID:mGUEQ9JA
>>635
>「っあ、あはぁぁぅっ!!」
「あぁ良かった、ちゃんと生きてて」
ハーゲンは胸を撫で下ろす、それはつばめの命を心配してのことではない
自身が取った『殺さない』という行動が、きちんと成功していたことに対する物だ。
>「や……やめて! もうやめてください!
>後生ですから! 私が代わりになりますから、どうか……!!」
目の前で行われた凶行に完全に戦意を喪失し、縋る様に声をかける静香をインセイオンはその100を超えた眼でギョロリと一斉に見下ろす。
口のように見える頭部の露出したフレームが、さらに釣り上がりにやけ笑っているかのようにすら見えた。
「何を言ってるんだい、身代わりなんて」
ハーゲンの声からは呆れが感じ取れた、まるで的外れな事を言っていると言う風な。
静香を身代わりにする提案など受けるわけが無い、そう予想するものも居た筈だ
だが彼がそう言った様に『上手くはいかない』のだ、彼女が想像しているよりも酷な言葉がその口から放たれる
「ハァ・・・自分がまるで当事者じゃないように
僕は君を休ませる気しか無かったからね、見逃すなんて一言も言っちゃぁいないんだよねぇ・・!」
それは頼まれずとも最初から静香も同様の状態に至らしめるつもりだった事を意味する。
つまり交渉という土俵に上がる以前の問題だったのだ、ハーゲンにとっては
右手に持っていたものを軽く後方に払い捨てると同時に
薙刀と受け止めていた左腕が素早く風姫の腕を握り潰す・・・否、掴みかからんと動いた
638
:
◆h9Hr5c.eFE
:2013/03/20(水) 18:24:41 ID:SUVi/UuU
>>637
「え……?」
静香はつばめの身を案じるあまり、自らの立場を半ば忘れていた。
彼はなにも、つばめだけを痛め付けることを目的としていたわけではない。
「あ、ああっ!?」
その事実を思い知らせるように、インセイオンの巨大な掌が風姫の右腕を捕らえた。
その雷姫を軽々と吊り上げたその圧倒的なパワーが、今度は風姫の腕部を締め付ける。
「う、くぅぅぅ! くぁ……!」
たちまちに薙刀を取り落としてしまう風姫。
一方、インセイオンは逆の手から雷姫を投げ捨てた。
土煙を上げて地に落ちた雷姫。アイカメラを砕かれ、腹部の傷からは白濁したリンゲル液を垂れ流している。もはや戦闘を継続できる状態ではない。
「ね……ねえ、さま……」
しかし、それでも身を引きずるようにして風姫の元へ向かおうとする雷姫。
苛烈な責め苦の只中に在っても、二人の絆は強く結び付いていた。
639
:
◆JryQG.Os1Y
:2013/03/20(水) 18:24:50 ID:z/IW14OY
>>629
(おいおい、やり過ぎだろ。)
そう、思うしかない、それほどの、惨殺
「シルヴェ・クロイツって、予想以上に、エグいグループなのかな。」
そう、判断せざるを得なかった。
>>635
「生きてるよ。」
静香が、慌てふためいている中言い放つ。
(あの男は、恐らく、生かさず、殺さず、苦しまさせることを目的としている。)
「まぁ、戦場内では、効果のある戦術の一つだがな。」
だが、この勝利がほぼ確定しているなかで、この戦術を使用する、この男
恐ろしいぐらいに、戦闘を楽しんでいる。
そう感じたのが、ユウセイの印象だった。
>>632
「チェックメイト。これでおしまいか。」
(まぁ、損害は、無く、これで終わりだな。)
そう思ってたら
>>636
「ヒツギ、止めろ。」
システムの暴走、いや違う。完全なる意志の行為。
「対Gが、相当、致死量に近いぞ。」
この距離からは、止めることは不可能。
そして、ユウセイは、ヒツギがなにをやりたいか。一瞬で察しがついた。
「最悪だ。まさかの最後で、ヒツギが」
本当に、亡霊になった。
そして、ゲシュペンストは、活動を停止する。
「明智大尉!」
直ぐに、無線を入れ
「ヒツギ少尉の、回収を、死にますよ。いやっ、もう死んでるかも。」
ユウセイは、最悪の場合を考えていた。
640
:
◆zwG.6Bg2jY
:2013/03/20(水) 18:52:10 ID:mGUEQ9JA
>>638
>「ね……ねえ、さま……」
この状況になって尚、未だ静香のことを思うつばめの態度にハーゲンは震えるものを覚えた
恐怖ではない、歓喜に打ち震えていたのだ
そのしぶとさ、献身・・・ハーゲンの嗜虐心が満たされる。
だがこの男は満足などするはずが無かった、むしろその行動が更なる渇望を呼ぶ
「そういえば、これはまだ見せていなかったね」
インセイオンの各所に付けられた桃色の球体、それらが輝いたかと思うと突如として何本もの鋭い棘が飛び出してくる。
念によって生成されたスパイク、生々しい光を放ちギラつくそれが手を伸ばそうとしてた雷姫を行く手を塞いだ
そしてもう1つ、この事がある事実を連想させる・・・あの半球体はある箇所にも付けられている
それは――――
「ククッ、僕の念は自分の機体を傷つけたりはしないんだよねぇ・・・!」
あの時風姫を弾き飛ばした掌・・・そこにも同じ球体は取り付けられていた
6つ、それも中央の1つは最も大きかったはずだ。
想像していたであろう事が起こる、風姫の腕を掴んでいる手が発光を始めたのだ
次の瞬間にはその腕に念の棘が突き刺さっているであろう。
完全に密閉された状態での串刺し、それは拷問器具『鉄の乙女』を連想させる―――
>>639
T-Linkを全開放している今のインセイオンから伝わってくるはずだ。
一点の曇りも歪みも無い、飲み込んでそのまま咀嚼でも起こしそうな狂気の念
無理やり生み出されているものとは違う、純粋なままの生きた念が。
強化された訳でもなく、操作されたわけでもない。
ハーゲン・クルーゲが振りかざす念は最初から狂気によって形作られたものなのだ
641
:
◆h9Hr5c.eFE
:2013/03/20(水) 19:14:46 ID:SUVi/UuU
>>640
見せ付けるように、全身の半球から鋭利な刺を隆起させるインセイオン。
まさか、と静香が息を飲んだその瞬間、いくつもの刺が風姫の右腕を指し貫いていた。
「うあああああああぁ……ッ!!」
上体を仰け反らせ、苦悶を顕にする風姫。
「姉さま!!」
やっとの思いで立ち上がった雷姫が、風姫に駆け寄ろうとする。
しかし、風姫は左腕を振り上げてそれを制した。
「だ、大丈夫……大丈夫よ……
私がこの機体を引き付けていられるうちに、早く、逃げなさい……ッ!」
静香は苦痛と恐怖に身を震わせながらも、どうにか持ちこたえている。
時間を稼ぐつもりでいるのだ。
「こ……こんなもので終わりですか?
この程度…この程度は苦痛のうちに入りません…!」
敵パイロットへ向けて、敢えて挑発するような言葉をぶつける。
全ては、敵の注意を雷姫から逸らすために……。
642
:
◆zwG.6Bg2jY
:2013/03/20(水) 20:00:22 ID:mGUEQ9JA
>>641
>「こ……こんなもので終わりですか?
>この程度…この程度は苦痛のうちに入りません…!」
「ふぅん・・・そうか」
その風姫の態度に突如としてハーゲンの反応が鈍いものに変わった。
彼の思考も態度も急激に冷めていくのが分かる、倦怠感すら感じさせるほどだ
全身から伸びていた棘が消えると、片腕を掴んだまま左手は低い位置を下ろされる。
「そうだね、もう飽きたし・・・じゃあ鳴いてくれたら何処にでも行けばいいよ
動物みたいにさ、這い蹲って・・・ね」
口元を歪めるが先ほどのように大きくは釣り上がらない
腕を下げたのはそのポーズが取れるようにと言う事だろう
643
:
レイナ&ライト
◆zv577ZusFQ
:2013/03/20(水) 20:27:42 ID:j8atmGe.
>>636
迫り来る聖なる槍。それら13本は一本たりとも逃さず突き刺さり、赤いゲシュペンストタイプを針ネズミの様な刺々したフォルムへと変えた。
【「借り、嫌いなんだ・・・これで、フェアってことでどうよ・・・?」】
確かに赤いゲシュペンストタイプを串刺しにしたが、それは悪魔の羽を持つアイゼルネ・ブルートの姿では無い。
もう一機の赤い亡霊。ヒツギの操るゲシュペンストMkーⅡのSタイプであった。
レイナ、それにライトの両人も第三者の乱入に言葉を失う。
「いいわよ……ヒツギ。ついでに先程の格好悪く情けない私の姿は忘れなさい。
こんなのは、全然わたしらしく無い。お前達の指針でなければならないからね」
感謝しなければいけないのだろうが、今更そんな事は態度に出してやらない。
ヒツギと再び心を通わせられた様で、気分は正にレイナちゃん大勝利!
と言うべき喜ばしい物だが、未だに動けない筈のアイゼルネ・ブルートである。
動揺と魔女狩り武装の使い切りにより、多少の間は与えられるだろうが、大ピンチには何も変わらない。
だが、レイナは全く諦めていなかった。
「ハヤセ少尉!!何故、何故、敵を庇うんですか!?意味わからない……!なんであなたが穴だらけなんですか!?」
そしてライトはヒツギを持って行かせまいと、何度も呼び掛けているが聞こえているだろうか?
ここで裏切れば反逆者の烙印を押され、ずっと追われ続けなければならない。それだけのリスクを背負うものが、彼女には有るのか?有ってたまるものか。
ライトはヒツギに弁解する間を与える。返答次第ではあの優しい彼を敵として撃たなければならない。
>>639
【「ヒツギ少尉の、回収を、死にますよ。いやっ、もう死んでるかも。」】
「し……し、死んで。死んでたぁ。死んでたのに!なな、何で、何で死に体になってまで、違反を犯してんの!?
それで……そして何故、敵を助けたの!?……わけがわからないよ」
そんな間に状況に気付いたユウセイがライトに通信をかけてくる。
だが気が動転しているのか、ライトは意味不明な供述をぶつぶつ言うばかりだ。
ヒツギを自らが串刺しにしてしまった事とヒツギがレイナ側に寝返った事のショックから来る軽い錯乱状態に何らかの要因が重なったが為の症状だろう。
644
:
リリー
◆Tg./UqnJ52
:2013/03/20(水) 20:42:14 ID:b3LjzZjY
>>615
高い機動力で衝撃砲のビームを紙一重で回避し続けているアルプ・トラウムから、大量のレーザーがこちらに向かって飛んでくる。
回避行動で砲の照準もままならず、ソードブレイカーが健在の間はナイト・フライヤーも無意味と悟っての行動なのだろうが、
こちらの展開する高強度Eフィールドの前にはあまりにも無力。レーザー達はフィールド境界面に反応の黄色い光を残しただけで霧散していった。
(……他の戦線は膠着気味ですが、母艦を墜とせばそれも終わる。
カーマインさん、それがあなたの運命の限界なのですか……?)
リリーは出撃する前に統久と交わした会話を思い出す。
元々このジガンスクード・アンジェは統久が率いる特殊部隊に納品されるために、一時伊豆基地預かりになっていたものであったが、
今回の戦闘が発生するに際し、統久がリリーに対し、これに乗っていけと言ってきたのだった。
その理由を問うと、統久は髪の一房を指で弄びながら、
「上手くは言えないのだが、あのレイナ・カーマインはこのようなことで終わるような娘には見えんのだ。
運命の加護を得ている、とでも言えば良いのかもわからん。ともかく、そんな予感がするのだよ」
「尼子特尉にしては随分と曖昧な言葉ですね。念動力者ゆえの感覚、と捉えたらよろしいので?」
「まあ、そうだな。今回の戦い、そのあたりを占う一戦となろう。
もし仮にあの娘が、私の感じるように運命の加護を得ているのなら……こんな「盾」一枚、どうという影響も受けんだろう」
「分厚い誤差もあったものですね」
「フフ、そうだな。このジガンスクードのコクピットは世界で……あー、50番目くらいに安全な場所だ。
そこからレイナ・カーマインの行く末を見定めるのも一興だと思うが?」
「その興でこんな分厚いのを障害とせねばならないカーマインさんには、さすがに同情を禁じ得ませんよ」
レイナの運命を見定める。そのために出撃したこのジガンスクード・アンジェであるが……このままの状態が続けば、いずれ遠からず、
この機体の砲はアルプ・トラウムを沈めるだろう。
(誤差では済まなかったようですよ、特尉)
趨勢は決しつつある。となれば、これ以上双方の被害が増える前に、一気に決めてしまうのも慈悲か。
「甲斐、こちらスノウフェイル。敵艦のスキャンはどうなっていますか?」
『こちら甲斐。敵艦テスラ・ドライブの位置は未だ不明のままですが、あの機動性能から言って、相当高出力のドライブを搭載している可能性が濃厚です。
となると、動力のスムーズな供給のため、リアクターからあまり離れた場所には設置されていない、と推察されます』
「ふむ……わかりました。これより、敵の機動を大きく乱します。全ミサイル発射管にカルナック3を装填し、こちらの攻撃と同時に敵艦に向けて発射してください」
『了解しました』
甲斐との通信を終えたリリーは、護衛のために周囲に滞空していたソードブレイカーをラッチに戻した。
それとほぼ同時に、アンジェの胸部が四つに割れて展開し、装甲の裏側に存在していた巨砲を露出させる。
エネルギーがチャージされていくにつれ、内部から漏れる光を強くしていくそれは、ギガ・ワイドブラスター。元となった機体にも装備されている超大型熱線砲である。
だが、エネルギーが蓄積されていっているのはブラスターだけではなく、両肩の衝撃砲も同じであった。
それらエネルギーチャージが限界まで蓄えられ、あとは開放を待つのみとなり、
「三位一体砲。これで終わりにしましょう。……トリニティ・ブラスト!」
トリガーが引かれ、三つの砲は、その全てのエネルギーを開放した。
ギガ・ワイドブラスターの放った大きな白い光に衝撃砲の青い光が混ざり、光達はその身を肥大化させ、超極太のビームと化す。
直径100メートル超過の広大な面制圧力を持ったビームは、アルプ・トラウムの艦首方向を薙ぎ払う。
もちろん、そのままの進路であればこの巨大なビームに飲み込まれるが、おそらくは回避される。
だが、これだけの面制圧力を持ったビームを回避するとなれば、大きく回避せねばならない。そうなれば、流石の高速艦とて、その体勢を立て直すのはすぐには難しい。
そこに飛び込んでくるのが、甲斐の全ミサイル発射管から発射された、夥しい量のカルナック3中型対艦ミサイルの雨である。
(さあ……この二つの攻撃、どういなしますか?)
645
:
◆h9Hr5c.eFE
:2013/03/20(水) 20:58:42 ID:SUVi/UuU
>>642
「……?」
あまりにもあっさりと解放された。
遅い来る苦痛を覚悟していた分、呆気に取られた静香だったが、
様子を伺うようにそろそろと後退すると、雷姫の腕を肩に回して支える。
「……いきましょう。アルプ・トラウムまで下がらないと」
「は、はい……」
敵パイロットの考えが計り知れない点は不気味だが、ここで反抗したところでどうにもならない。
風姫のスラスターによって地表を跳点々と跳びながら、二体の姫はインセイオンから遠ざかっていく。
つばめはぼんやりと、「お礼を言った方が良かったのかな」などと考えていた。
646
:
◆JryQG.Os1Y
:2013/03/20(水) 21:13:50 ID:z/IW14OY
>>643
「落ち着いてください、まず深呼吸してください。」
テンパってる大尉でも、解るように言葉を選びながら、
「さっきの、ロストは、死亡ではなく、只のフェイク。恐らく目を欺くため。」
「また、先ほどのゲシュペンストの再起不能は、再起動、そうしむけたのは恐らく、あの黒い機体」
「そして、奇跡的に再起動ができ、後は機体を見るかヒツギに聞かないと」
「ともかく、ヒツギは、まだ生きているかもしれないんです。早く、生死確認を!」
647
:
リリー&アカリ
◆Tg./UqnJ52
:2013/03/20(水) 21:33:15 ID:b3LjzZjY
>>614
,
>>618
,
>>621
ソードブレイカーと2機のアルゴスの援護によって、ドロワナは窮地を脱したようだった。
「リューデル軍曹、テスラ・ドライブの修理が終わったら、そこに居るクーリマン軍曹から新しい武装の補給を受けるか、
一度甲斐に戻って本格的な修理・補給を受けてください。どちらにするかは、あなたの判断に任せます。
ヴィルヘルム少佐、クーリマン軍曹、そのまま攻撃を続けて焔姫を撃破してください」
援護にやっていたソードブレイカーを引き戻し、リリーは各機に指示を出す。
焔姫は3姫の中でも一番攻撃性能の高い機体であるが、複数機体に囲まれてはその性能を活かせるはずもない。
ましてや、焔姫と対しているのはどれも射撃戦を得意とする機体。濃密な弾幕を展開すれば、近づく前に蜂の巣にできるだろう。
あちらはあれで大丈夫か。そう思った矢先、アンジェの戦況モニターが信じがたい報告をしてきた。
なんと、先ほど介入してきた黒い機体が、ヒツギのゲシュペンストを撃破したとのことだった。
ヒツギの安否が気遣われるが、それとは別に、あの戦域での連続介入を許せば、焔姫に対応しているあの3機が横から襲われるのは火を見るよりも明らかだ。
>>615
ビームランチャーの銃口を向けられても、いつもの調子でこちらに話しかけてくるレイナに、アカリは少なくない驚きを得た。
旗の色は明らかに敵であるのにもかかわらずに、だ。
「私だって、こんなことになる前に、きちんと話をしてもらいたかった……!
どうしてっ……どうしてこんな形に私達は分かれて……!」
いつもと同じ話し方で、いつもと同じ余裕を感じる態度で、レイナはこちらを説得してきている。
作戦が発動する前、レイナたちがどういう罪状でこんな扱いを受けるのかの説明は受けた。だが、それを鵜呑みにすることは、アカリにはどうしてもできなかった。
その疑念が、レイナの普段通りの調子を受けて、頭の中を加速し始める。
ああ、やはりレイナは敵ではなかった。何かの陰謀でこうなっただけで、本当は私達の味方――――。
あと一言二言、レイナから言葉をかけられていれば、そういう思考に傾き、アカリはレイナの側についたかも知れない。だが運命はそれを良しとしなかった。
『クレマチ伍長、急いであの黒いアシエルタイプの迎撃に向かって下さい。ハヤセ少尉が……撃墜されました』
「え!?」
レイナに銃口を向けたまま逡巡するアカリの耳に、リリーからの迎撃要請が飛び込んできた。それも、ヒツギ機の撃墜という、信じられない事実を携えて。
「え……あ……?」
どういうことだ。レイナはヒツギと深い縁で繋がれていたのではなかったのか。
それが撃墜された? こうして自分が迷っている間に?
「…………くっそぉ!!」
アカリはその場でラプターを変形させると、スロットルを全開にし、ムラマサの迎撃に向かった。
置き去りにしたレイナに後ろ髪を引かれる思いは感じるが……ひとまずそれは脇に追いやった。
『黒い機体はそのままリューデル軍曹たちを襲うものと考えられます。急いで!』
「了解……!!」
弄ばれている。機首を戦域に向け、加速を続ける中、アカリはそう感じた。
何か大きな意志のようなものに、自分は弄ばれている。わからない。何もわからない。エンジェルフェザー。明智ライト。レイナ・カーマイン。
真実は誰が握っているのだ? 誰が? 誰が?
アカリの思考は混濁し、そこに小さな痛みを感じる。だからアカリは、目の前で起こっている現実にのみ、目を向けることにした。
648
:
ゼバスチャン
◆oR45XRwhpI
:2013/03/20(水) 21:50:40 ID:25inMKCg
>>621
>>625
これから至高のトリガーハッピータイムへと移るはずだった
この世で一番素晴らしい時を思い切り堪能するつもりだった
「アヴェンジャアアアァァァァァアアアアアアアア!!!!!!」
言葉と共に引き金を引いたその直後
「あ?」
コクピットに一つの警報音 その音は、味方機接近を知らせる音
レーダーには迷うことなく一直線に射線へと突っ込んでくる味方識別反応
ディスプレイに移ったのは、アルブレード
「ワァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!」
先ほどとはまったく違う雄叫び 後での文句は一切聞かないとは言ったものの
本当に味方機を撃墜するわけには行かず、薄いカバーに覆われた非常停止スイッチを渾身の力で叩く
スイッチが起動し緊急ストッパーが回転する砲身を無理やり停止させる
過負荷に砲身が悲鳴を上げ、ガトリング砲に異常を示す警告文がディスプレイを埋める
「・・・・・・・・」
ゼーハーと荒い息をつきながら呆然と前方を見やる
どうやら済んでの所でフレンドリーファイアを避けることが出来たようだ
「・・・・・・ッ バカヤロォォォ!!! 死にてぇのか!!!?」
最高の時を邪魔されたのと、とんでもない非常事態を引き起こしたユウセイに
腹の底から怒鳴るゼバスチャンであった
>>626
そんなこんなで焔姫へとい行われた砲撃は、予定の1割にも満たない極少数に留まり
しかも非常停止した砲身をすぐに動かすことも出来ず
結果として焔姫を逃す結果となった
「チッ・・・発射機関がイカレてないだろうな?」
逃してしまったのは仕方がない、とりあえずシステムチェックを始めた
>>627-635
システムチェック完了、流石に緊急停止のダメージは大きく、無理の利かない状態であることが判明した
「無傷とはいかなかったか・・・クソッタレ、ユウセイには新品同様になるまでメンテしてもらうとsッ!! なんだ!?」
ガトリングを背部にマウントし 頭部が胴体からせり出したとき、通信機器から響く尋常じゃない悲鳴
画面に出てきたのは、戦闘ではない 一方的な 虐殺だった
「こちらボマー3 ブリーフィングの限りじゃ、目的は敵基地の征圧!! 殲滅とは聞いてねぇぞ!! 戦闘の中断を要請する」
通信をオープンに そして味方機全員に向けて叫ぶ
>>636
一方的な虐殺が行われる現場 そこに飛び込んだゲシュペンスト
アレはヒツギの乗る機体ではなかったか?
「アイツ・・・動け・・・動けってんだこのポンコツ!!」
未だエラー残るテスラドライブシステムに鉄拳を見舞い 強制起動
片方のウィングを失ったまま離陸し、全速力で現場へと向かう
【精神コマンド:加速 使用】
649
:
◆zv577ZusFQ
:2013/03/20(水) 21:53:02 ID:j8atmGe.
>>644
ギガワイドブラスターに左右の砲のエネルギーも重ね合わせた三重の広範囲攻撃。トリニティブラストとやらがアルプ・トラウムの正面の空間を呑み込んで行く。
「敵、ジガンタイプの範囲兵器来ます!」
「甲斐より更にミサイル来ますけど!」
「あわわわ!そんなぁ〜!」
ブリッジクルーのメイド達は口々に状況をご丁寧に知らせてくれる。
まだまだ教育が足りていない様だ。取り乱す者もその中には居る。
「(レイナの帰って来る場所をやらせるわけには行かない。後で面倒くさいし)
イクリプス、あの極太ビームは通しちゃ駄目よ絶対。ミサイルの迎撃はホーミング・レーザーで何とかするわ。CIWSに定評が有るのは何も甲斐ばっかりじゃ無いし」
「かしこまりました。少々、荒っぽくなりますが御容赦を」
リリーの思惑通りに、アルプ・トラウムは破壊の光を掠めながらトリニティブラストの下方へと潜り抜けた。どうやら艦首は破壊されていない。これは後々、甲斐を沈黙させるのに重要だ。やらせはしなかった。
しかしこれで、予想通りにアルプ・トラウムの自慢の足に無理が祟った。
【アルプ・トラウム:残りHP65%】
「レーザー撃って迎撃ね。……で、お次はいよいよ主砲を使うわ。圧縮型の単体攻撃に適したモードをね。
ジガンタイプの次の砲撃には間に合わせるわよ」
広域バリアのダークネス・オーラとレーザーのミサイル迎撃を合わせた防御能力で甲斐から降り注ぐ雨の様なミサイル攻撃を何とかやり過ごす。
そして、やる気無さそうなカナメもいつまでも黙ってばかりは要られない。
恐らく相手にはこの主砲が乱戦で使えない御飾りに見えている事だろう。
「お返しするわ。目標はあのずんぐり君よ。適当に喰らって落ちちゃいなさいな」
非常に締まらない発射シーケンスとなったが、威力には関係の無いこと。
沈黙していたアルプ・トラウムの砲に赤黒い光が集まりに集まり、スパークを帯びた球状の塊を勢い良く吐き出す。
先程、先遣隊を壊滅させた時のものとは特性が異なり、まず弾速は大幅に速く、それでいて今回の弾はエネルギーを圧縮した威力重視の弾け飛ばない仕様。
レイナが名付けたのはデアボリック・フレア。珠の形そのままに火の玉、あるいは火山弾の様なものが、ジガンスクード・アンジェに迫る。
【アルプ・トラウム:ジガンスクード・アンジェに煉獄のデアボリック・フレアを放つ】
>>647
お互いの悲しい行き違いにより、今回はわかりあえずに、奇妙な別れとなってしまった。
アカリとレイナは別々の方向へ飛び立って行った。
でもいつか、先の告白の答えを聞かせて欲しいなとレイナは思う。
650
:
◆zv577ZusFQ
:2013/03/20(水) 22:12:36 ID:j8atmGe.
>>646
「……でも、でも、見てこれ!?わわ、グサッと!槍が!123456789101112、13本も!!死んでる!絶対死んでる……ねぇ私の槍、解ります!?胸部貫いてるぅぅ!」
そう。ライトのランスは何ともラッキーなことか、胴体をグッサリと貫いていた。
こんな時に命中精度をアピールしてどうなる?笑ってしまいそうだ。
味方殺しなど、有ってはならないエリートである者にあってはならない汚点。
「無理無駄無茶無謀!さっきから答えてくれません!絶〜対、死んでる!!私が討ち取った……」
明智ライトの豹変ぶりに、シルバーバレット隊の面々も気味悪がって誰も彼女の相手を出来ずにいた。ユウセイはこの頭がおかしい女の相手をしてくれる辺り、やはり優しいようだ。
これでもし仮にレイナを逃がしたとか言うならライトは誰かさんの様に大降格間違い無しだ。
651
:
ヴィルヘルム@アルゴス
◆E8ckRIIdug
:2013/03/20(水) 22:16:28 ID:nRhJdVQw
>>643
「明智大尉!指揮官が取り乱すな!
戦場では常に最悪を想定し、最善を尽くすものだよ」
とは言え、ヒツギがレイナをかばうまでは考えていたがここまで劇的にとまで分かるものか。
>>647
「……いや、焔姫とやらは俺一人で充分だ」
なんか言い出した。
「ラウディ、お前はリューデル軍曹のフォローに回れ。
若しくは、あれだ、軌道艦隊式海兵戦術」
『無理ですっ!?』
ラウディが即座に拒否した“軌道艦隊式海兵戦術”とは、修理装置や補給装置を係留索代わりにして敵艦に切り込むというものだ。
複数の意味で出来る気がしないのでゼバスチャンの援護に回る。
一方のヴィルヘルム。
右手にスナイパーライフル、左手にマシンガン装備だが、内心では遅延戦闘を仕掛けるつもりだったりする。
(……全てを連中の思い通りにされてたまるか。引き延ばしてる間に逃げてくれよ?)
652
:
レオン
◆NcltM1gQ/Q
:2013/03/20(水) 22:18:14 ID:JCr4r.06
>>618
>>648
衝撃波の余波をかわす焔姫
そこを狙う巨大なガトリング砲と化したドロワナから放たれる夥しい程の銃弾、否、もはや砲弾と言うべき彗星達はその獲物を喰い尽くすべく、大型の薬莢をばらまきマズルファイアとの鋼の咆哮と同時に吐き出される
ドロワナの砲弾達は焔姫に向かう途上の木々と大地とを容赦なく貪りながらいよいよ本命の獲物にありつく…ハズだった
砲弾達は焔姫に割り込む形で飛び込んだ(投げ込まれた)アルブレードにその牙を向ける
>>635
ヒツギのゲシュペンストの熱源反応が急速に下がっていく
直ぐ側のレイナの反応と周囲の敵性反応から考えれば……
「……」
ヒツギに対して戦士として敬礼を行うのも束の間
状況は更に悪化していた
>>644
>>649
直援がほぼ無力となった母艦に波状攻撃が仕掛けられる
「間に合えよ!」
アルブレードを放り投げて間も無く航空機形態へと姿を変えてアルプトラウムとの合流を試みる…が
>>644
敵ジガンタイプの砲撃がアルプトラウムに照射されてしまう
「せめてミサイルを!」
その時に警告音が響く敵からの照準用レーザーを受けていたのだ
(俺もまだまだだな)
レーザー照射元を確認した先は…アカリのビルト・ラプターだった
653
:
◆JryQG.Os1Y
:2013/03/20(水) 22:36:49 ID:z/IW14OY
>>648
渾身の一斉射を邪魔された、ゼバスチャンは、お怒りのようで
「ごめん、本当にごめん。」
潔く、謝る。
でも、ちょっと
(幸せを、邪魔されたから、キレたんだろうな、)
とか、思ってたりもする。
「でも、いったいな。こっちもそれなりのダメージを受けたな。」
勢いよく、邪魔して、緊急停止したものの、
アヴェンジャーは、途中で止まり
こちらも、ジャケットアーマーが、中破している。
(残り、79%)
>>650
「だから、解んないったら、何度言ったら解るんですか!」
ついに、ユウセイが吼えた。
まぁ、ここまで、来たんだ。少しぐらい吼えたって良いじゃんそう思った故の判断だ。
「そんなに、生きてる可能性を否定するなら、見てみますか。」
アイゼルネは、行動不能
あの黒いのも、クレマチさんが押さえてくれる。
654
:
リリー&アカリ
◆Tg./UqnJ52
:2013/03/20(水) 23:14:01 ID:b3LjzZjY
>>649
トリニティ・ブラストとミサイルの雨……アルプ・トラウムはこの二つの攻撃に対し、強引な機動と対空防御システムでもって対応した。
改めて敵艦の性能にリリーは舌を巻くような心持ちだったが、やはりこれまで蓄積されてきたダメージは艦の足回りを蝕んでいたようで、
メインエンジン付近に不調が見られるようになった。
(終わりましたか。あの機動力さえ低下すれば、あとは衝撃砲だけでも仕留められるはずです)
火力は混戦で封じられ、その驚異的な機動力にも傷が付いた。対するこちらは無傷の戦艦とジガンスクード。どう見ても、敵に勝ちの目は無さそうだった。
……が、敵艦はここで予想していなかった行動に出た。目の前に飛び出してくる、赤黒いエネルギー球。主砲を使ったのだ。
この状況で、と思ったが、レイナがどこかへ行ってしまったので、この戦域だけで言えば、両者の間に邪魔になる味方機は存在していない。
読みが一手遅かったか。
「受け止める……!」
エネルギー球は明らかにこちらを狙っていたが、ここで避けては後ろにいる甲斐に被害が及ぶ。
こちらは「盾」を称する機体だ。ならばその名前の通りに、あの球体を受け止めてやろうではないか。
前に出張っていた衝撃砲のバレルを背部に畳み、Eフィールドを前方集中展開、両腕の盾を前方に突き出し、アンジェは防御態勢に入る。
そこへ、赤黒い球体が激突する。エネルギーを圧縮して形成された球体は易々とEフィールドを突破し、突き出された盾諸共、アンジェの装甲を灼く。
だがアンジェの盾と装甲も伊達ではなかったようで、球体はそれらに阻まれてその身を引き裂かれ、赤黒い塵となって周囲に消えていった。
新型の装甲材を用いた盾は何事もなかったかのようにその威容を保ち、盾で守りきれなかった部位の装甲は熱を持ち、白い煙を上げていたが、
目立った外傷はどこにも見あたらない。「盾」の面目躍如といったところだ。
【ジガンスクード・アンジェ:残りHP90%】
しかし、見た目無傷だからといって、内部までそうとは限らない。
アンジェの機体自体は分厚い装甲に守られ無事だったが、背部に露出したままの衝撃砲の回路が、今の熱でオーバーロードを起こしていた。
「く……どうにかなったようですけど、衝撃砲がおかしくなってしまいましたか。砲の耐久性に難あり、ですね」
『少尉、大丈夫ですか?』
「ええ。ですが背部衝撃砲にダメージを負いました。回路のバイパス作業が完了するまで100セコンド程度、といったところです。
敵艦の攻撃はこちらで受け止めますので、甲斐は主砲とミサイルで、攻撃を受け持って下さい」
『了解。主砲1番2番装填。発射管にカルナック3を装填します』
アンジェの主武装である衝撃砲は少しの間使えなくなったが、後方には無傷の甲斐が控えている。
アルプ・トラウムが主砲を使えるということは、甲斐も使えるのと同義である。
アンジェに守られながら、甲斐の前部主砲とミサイル発射管が、アルプ・トラウムを攻撃し始めた。
>>652
黒い機体がゼバスチャンたちを襲わずに、アルプ・トラウムを追い詰めているアンジェに向かってきていたのは、リリーにとって予想外であった。
だが、どちらにしてもこちらからの対応は変わらない。そう、アカリのビルトラプターによる迎撃である。
「誰よあんた、好き勝手暴れてくれてさぁ!!」
レーザー照準を黒い機体にあわせたアカリは、機体の下部に懸架されたメガ・ビームランチャーを連射した。
3発の青いビームが、黒い機体目がけて飛んでいくが……。
655
:
◆zwG.6Bg2jY
:2013/03/21(木) 01:47:45 ID:ZHdKhqkk
>>643
>>647
>>646
>>648
>>652
「に・・・よ―――人を勝手に殺すんじゃねぇよ」
ノイズ混じりの通信から、確かに声が聞こえてくる
コックピットのハッチが開・・・かない、中途半端な位置で停止してしまう。
が、何者かの足がそれを内側から蹴り付けて無理やりに開いた
思い切り亀裂の入ってしまったヘルメットを放り出し、ヒツギは自力で這い出てきたのだ
この脱出はまさに奇跡による産物だった。
ムラマサがコックピット上部を貫いていたという点・・・何のダメージも無いといったが実際は違った。
そこにはブラスターキャノンが格納されている、ムラマサの一撃がブラスターキャノンを切断していたのだ
そしてこの穴があったからこそ、バレットが刺さって変形する際に最初から穴が開いていた胸部側が先に変形した・・・つまりコックピットは無事だったのである
2つ目に突き刺さったシルバーバレット
ジェネレーターを寸分の狂いもなく打ち抜いていた。
さらにミサイルコンテナにも命中せず、むしろ誘爆の可能性があったコンテナを機体から取り落としてくれたほどだ
ヒツギは緊急降下用のワイヤーをスーツに引っ掛け、そのまま飛び降りる。
短い間だったが、デーモンの代わりに戦ってくれていたヒツギのパートナーであった事に違いは無い。
もう動かなくなってしまった戦友をヒツギは見上げると、その心中で敬意と礼を述べていた
「悪い皆、俺やっぱりこういう敵味方とか『ダメ』だ」
死にかけたとは思えないあっけらかんとすっきりとした様子で、笑いすらその表情に浮かんでいるほどだ。
何故レイナを助けたのかに対する回答なのだろうが
その言葉は謝罪でもあり、また離反を意味する内容でもあった。
とはいえヒツギの機体はもう無い、これ以上戦闘に参加するのは不可能に思えたが―――
656
:
◆zv577ZusFQ
:2013/03/21(木) 06:32:46 ID:ClPZAMAw
>>655
【「に・・・よ―――人を勝手に殺すんじゃねぇよ」】
「死んでる訳無いじゃない。それが信じられなかった時点でお前は駄目駄目よ」
レイナはヒツギが死んだ等と微塵も思っていなかった。信じて疑わなかった。
こんなもの、眼を使うまでも無い。
倒れ伏したアイゼルネの中でいて、余裕の表情をしていた。
「ハヤセ少尉が……生きてる」
流石に本人の姿を目の前にしてこれは幽霊だ!等とは言い出さなかった。
そしてようやくニュートラルに“近い”状態に落ち着いたライト。
これで何の心配も無くレイナを拘束出来るな。と安堵した。
安堵した故に次のヒツギの言葉はまともな精神状態で聴かされる羽目になる。
【「悪い皆、俺やっぱりこういう敵味方とか『ダメ』だ」】
「だからと言って……意味が解りませんよ。じゃあどうするんですか……?何が出来るのですか……?」
未練がましくヒツギを非難するライト。
だが、もう彼がこちらの命令を聞く事は無いという拒絶が認めたくも無いが明らか。
「善とか悪とかくだらないのよ。この坊やをそんな小さな枠に当てはめるな」
だが、まだヒツギはレイナと共に行動して行くとは一言も言っていない。
契約を破棄したのも彼女からだ。
このまま待っていても彼の口からは決して出て来ないだろう。
これだけは、レイナが自分から切り出さねばならない。そして意を決した。
「ヒツギ、私と再契約して。今度は絶対に私が死ぬまで未来永劫私の眷属として……。
そして。もし私が契約を裏切る様な事が有れば罪を背負う。……この右目の邪王真眼を抉り抜いて、君に差し出そう」
恥ずかしげも無い厨二病患者の台詞は時としてとても頼もしい武器になる。
「ずっと私の側にいて」なんてまともにはむず痒くてとても言えた物じゃ無い。
そのせいで、より悪魔的な契約らしくなって来た。
>>654
「悔しいけど、逃げ出す準備が出来るまで今は我慢の子よね。(……レイナ、何をやってるの?)」
ミサイルはレーザーで迎撃を続け、衝撃砲はこの際、甘んじて受ける。ジガンスクードが機能不全に陥っているのが幸いだった。
こちらもデアボリック・フレアで甲斐を狙うが、前には盾が立ち塞がっている。
【アルプ・トラウム:残りHP55%】
『やぁカナメ、ちゃんと艦長してる?
まぁそれより、格納庫に残ったアレに火を入れておいてくれ。彼には必要だから』
そんな最中、レイナの方からアルプ・トラウムに連絡が来た。
レイナは、まだピンチのままだが、決して自らを助けろ等とは言わなかった。
「う〜ん。一応準備だけはしておく。……面倒臭くて仕方ないわ。
それよりもそっちはどうなの?アイゼルネは離脱できそうなの?」
『いや、まだ一歩も動けない。でも私は臣下の期待に答えなければならない。
……カナメとの約束破って悪いけど、あの忌まわしい力を使わせて貰うわ』
「駄目……やめなさい。あなたの身体はもうあんな物を受け付けられない。良く解っているはずよ?」
『解らないわね。私を信じられない親友の心が。なに、絶対に大丈夫よ、私はまた死ねなくなったからね♪』
カナメとレイナの間で何やら物騒なやり取りが行われているが、イクリプス以外のメイド達には何の事やらである。
カナメの否定的な発言から、何かしらレイナが大きなリスクを背負うものだとは予想出来る。
「レイナ……」
しかしカナメの意見を無視し、レイナは一方的に通信を終える。
言っても聞かないのだ、昔から。
657
:
◆zwG.6Bg2jY
:2013/03/21(木) 09:01:31 ID:ZHdKhqkk
>>656
>「だからと言って……意味が解りませんよ。じゃあどうするんですか……?何が出来るのですか……?」
「何が出来るかどうかなんて分からない、実は今も迷ってるよ」
ライトの問いかけにヒツギは自分の心中をそのまま言葉として伝え始めた。
今も迷っている、結局どちらかに立っても敵と味方に割れるのは決まっているのだ
その証拠に先ほどまでヒツギは二者択一に悩まされまともに戦う事も出来ない状況だった。
だが、今こうして立っているという事はその答えを出したという事を物語っている。
「・・・『仲間』とは戦いたくない、でも『仲間』を守るためなら戦える」
一見すれば矛盾している様でいてその心理を読み解けば矛盾している訳ではない言葉
ヒツギが出した答えがこれだった
彼が取ったのは善悪という立場ではなく、それを超越した仲間という繋がりだったのだ
>「ヒツギ、私と再契約して。今度は絶対に私が死ぬまで未来永劫私の眷属として……。
>そして。もし私が契約を裏切る様な事が有れば罪を背負う。……この右目の邪王真眼を抉り抜いて、君に差し出そう」
「その契約は成立しない、釣り合わないからだ」
ヒツギが意外にも出した否定的な言葉に肝が冷えたが、その後に続く言葉が負を全て吹き飛ばした
「その内容なら見返りもその眼も必要ない・・・そういうもんだろ?」
対価が釣り合わないのはレイナ側ではなくヒツギ側の話。
たったそれだけの為に受け取る事なんて出来ない、対価など得られずとも当然の事なのだから
とんだ正直者の悪魔が居たのもである
『明智少尉、何をちんたらと・・・
君は少なくともこの戦場では指揮官なんだよ、離反者にご高説を聴いてどうするつもりなんだい?』
ライトの機体に通信がかかる、それはこの戦場に居る智天使からのものだった。
この状況で動きを止めてしまったライトを見かねたらしい
いや、煽り立てていると言った方が正しいか・・・その目的こそ不明だが
658
:
レイナ&ライト
◆zv577ZusFQ
:2013/03/21(木) 09:38:30 ID:ClPZAMAw
>>657
【「何が出来るかどうかなんて分からない、実は今も迷ってるよ」
「・・・『仲間』とは戦いたくない、でも『仲間』を守るためなら戦える」】
「それはおかしい。矛盾してます!」
今のライトには何を言っているのかまるで理解していない。仲間など単なる駒だ。
それが解らない以上、完全にライトが入り込める余地は無いか。
【「その契約は成立しない、釣り合わないからだ」】
(やっぱり……駄目か?)
レイナは珍しくただの少女の様にしゅんと落ち込んだ。何が足りない?
【「その内容なら見返りもその眼も必要ない・・・そういうもんだろ?」】
「そう……ああ。びっくりしたじゃないか。本当にね」
だが、断られたかと思ったのはどうやら勘違いだった様だ。
対価が釣り合わないのはレイナ側ではなくヒツギ側だと言う話。
【『明智少尉、何をちんたらと・・・
君は少なくともこの戦場では指揮官なんだよ、離反者にご高説を聴いてどうするつもりなんだい?』】
「……く。解っていますよ。待ってなさい、すぐに戦いを終わらせて見せますから。反逆者を始末してですね」
こんな気味の悪い機体がどうして欧州から?と割とまともに戻った今更ながら思いもしたが、今は気にしない。
目の前では、奴らが再び結託し、再契約とやらをしてしまったらしい。
「ヒツギ、ここは私が何とかする。して見せる。まだ戦う元気が有るなら、君も何とかして私達のアルプ・トラウムへ行け。
我が盟友が悪魔を甦らせたぞ」
ヒツギやレオンハルト、つばめに静香にあとついでにマヤ。これらの命を預かった以上、主人はその家臣達を護らなければならない。
その為ならもう何も恐れる事は無い。皆の。それに最愛の妹の未来を切り開く為に、固唾を飲んでレイナはコクピット内の管の束と繋がったアームカバーみたいな機材へ、その白く細い指先を通していった。
これはレイナに苦痛を刻む特殊な装置。だが、この機能により死に体のアイゼルネ・ブルートに何かが起きる。
「そんなの絶対に許しません!シルバーバレット隊は予定を変えずレイナ・カーマインの拘束をただちに!」
そんなものを目の前で共通の回線で流された側として認める訳にはいかない。
ライトはレイナに負けたく無いのだ。特にあの少年の関わる事なら尚更に。
ライトはシルバーバレット隊へと再び、命令を出す。
動かぬ的となったアイゼルネ・ブルートを拘束すると言う簡単な作業。
しかし、いつまでたっても誰一人として動こうとする者が居なかった。一体、何故なのだろうか?
「……」
659
:
◆zv577ZusFQ
:2013/03/21(木) 09:46:32 ID:ClPZAMAw
「な、な、な!?何だ、今確かに!?」
今、一瞬。動けないはずのアイゼルネ・ブルートがビクリと動いた。
それに気付いたエンジェルフェザーの新米隊員己の眼を疑った。
【アイゼルネ・ブルート:残りHP5%】
「お、おい!こいつ、動くぞ!」
今度はまたしても微妙な変化。立ち上がろうと膝を曲げている。
目が?それともカメラがおかしいのか?と機械を疑ってかかる
【アイゼルネ・ブルート:残りHP15%】
「ぇぇい!まだ!死してなお、君臨するのか!?」
三人目はアイゼルネがだらーんとした体勢にて、ゾンビの様に立ち上がっている傷だらけの姿を見た。
【アイゼルネ・ブルート:残りHP45%】
「そ、それどころか!穴!穴が!銃弾でついた穴が!治って無いか!?」
醜い程にズタズタのボコボコに痛め付けられた筈のアイゼルネ・ブルートのボディが徐々に元の綺麗な状態に戻って行くのを四人目は目撃してしまう。
「あ、ああ、悪魔の所業やぁ〜!!」
アイゼルネは穴だらけにされた筈の大きな悪魔の翼をばさーっと大きく広げ、禍々しくも美しい威嚇する。当然、穴は何も空いていない。
【アイゼルネ・ブルート:残りHP75%】
「馬鹿な。シルバーバレットのリミットはまだ有効な筈よ!……それに、あんなみるみる内に再生が追い付く訳が」
ようやくライトも気付いたらしく、だがどうしてアイゼルネ・ブルートが治って行くのかがまるで解らない。さっきは確かにシルバーバレット弾は有効な結果を出した筈だ
そして、数秒前まで死に体だった筈のアイゼルネ・ブルートは何の枷も無いかの様に飛翔し、月を背に十字のポーズを取っている。
【アイゼルネ・ブルート:HP100%】
660
:
BGM変更
◆zv577ZusFQ
:2013/03/21(木) 09:47:45 ID:ClPZAMAw
「ぅ……に……ゃっ……ぁ…ぁん」
アイゼルネのコクピット内では何が起きているのだろうか今の段階で誰にも知る事は出来ない。
しかし、機体の修復と反比例するかの様にレイナ自身には激しい動悸と熱っぽい吐息。汗にまみれる身体、そして誰にも見せないが目には涙すらうっすらと見られる。
のたうち回ってそのまま倒れてしまえれば楽になるのに。
だが、レイナは必死に唇を噛み締め、声を圧し殺しその痛みと苦しみを誰にも見せない。知らせない。
そして、いつもの様に高らかに、相対する者達を見据えて偉そうに笑ってみせる。
「くっくっく。……明智ライト、お前は本当に私を怒らせた。この代償は、今すぐその身体で払って貰うからな」
その十字のポーズのまま、胸部のハウリング・スマッシャーでの全体を襲う攻撃により、逃げ遅れた愚かなガラクタを排除。
やはり良い装備を付け、多少の性能は上がったものも、所詮はレリエル。
バケモノを前にし、戦意を欠いている者達になど耐えられるはずも無い。
シルバーバレット隊は皆殺しとは行かないまでも総崩れとなる。
そして、勢いの付いたレイナとアイゼルネは、月をバックにガブリエルを強襲。
「や、やらせると思うか!?あなたみたいな者に!落ちなさい!」
ホーリーランスを再装鎮し、迫るアイゼルネに対してこちらから撃って出る。
だが、その突きは単調。ヒツギの事や先程の臨死復活からの動揺を見抜かれ、呆気なくライトの攻撃は空を切る。
と、直後に激しい衝撃。後ろから機体ががっちりと固定されていた。
気付いた時にはガブリエルはもの凄い力でアイゼルネの手元へ手繰り寄せられていた。
「は、はなしなさい!」
ライトは機体を無理矢理にでも動かそうとするがアイゼルネの拘束は外れない。
そして、聡い彼女はこの状況に背筋がぞくっとする嫌な感覚を覚える。
「ふむ……やっぱり美味しくなさそうねぇ。その貧相な肢体は。でも、まぁたまにはこう言うスキモノも有りかもね」
レイナは何を言っているのだろう。
何をアイゼルネにやらせるつもりだろう。
アイゼルネ・ブルートのマスクだった部分が外れ、中からはおぞましい程の魔性の犬歯を揃えた裂ける様な邪悪な口が姿を現した。
それはさながら本当の吸血鬼の様であり
「その実、アイゼルネ。彼女も興奮しているみたい。よく解らないけど?
じゃ。お前のはじめてを……貰うわ」
本当にアイゼルネはガブリエルの首筋にかじり付いた。一心不乱に。
かじり付いた直後に、ガブリエル側に見てとれる様な異常が発生する。
ビリビリとガクガクとボディが勝手に震え始め、電撃が暴れまわる。
これはガブリエル自身の電力。アイゼルネからの干渉により、強制的に放電が行われている。
「ぁ……あひぃ!!?ぐぅぁ!んががぁァァァ!?ああああああ!?!?」
突然、ライトが狭いコクピット内で暴れ出した。本人にとっても最初、意味がよく解らなかった。身体がおかしくなった。
(いやあぁぁ!……かかか!感電!感電してりゅうぅぅ!?!?)
だが、すぐに理解する。その電撃はコクピット内で守られている筈のライト自身にも浸透し、その身体に脳が焼き付く程の直接的ダメージを与えていたのだ。
(こんなの、はじめての体験!頭が……身体がぐちゃぐちゃになるぅぅ!!)
少女の忍耐には限界があった。もう何も考えられない。恐い痛い熱い暗い眩しいそして何より悔しい何だかの屈辱感。
もはや言葉になっては出てこないが。
「なんて情けない。……つばめと静香が受けた苦痛に比べれば、命令を下したお前にはこんなもんじゃ生温い。
少し、頭を冷やしてよく考えてみなさい。あんなものが軍のやる事なのか」
レイナは静かに。だが確かに怒っていた。
アイゼルネはこの吸血鬼攻撃により、ガブリエルの全エネルギーを奪い取る事が可能。
電撃が次第にガブリエルの機能をショートさせ、爆発させ、パイロットを追い詰める。
ライトは飛び上がりそうになるほど、身体を弓なりに浮かせて苦痛を受ける。
「……ひゅ……ひゅぅ……が……ぁあ」
そして、ついに目の前が真っ暗になり、ぐったりと身体を弛緩させ糸が切れたパペットの様に失神してしまった。
失神。しかも大勢の味方が見ている前で上司の期待に応えられず、ライトはこんな辱しめを受けた。もう終わりだ。何もかも。
【ガブリエル:HP0/EN0】
そして、アイゼルネ・ブルートは最後に機能停止したガブリエルの頭をヴァンパイア・クロウで切断した。
「敵将!討ち取った……!」
それを誰の目にも耳にもライトの敗走が解る様に天高く掲げ上げ高らかに宣言した。
661
:
◆JryQG.Os1Y
:2013/03/21(木) 10:35:14 ID:uPcLb5xo
>>655
>>「に•••よ___人を勝手に殺すんじゃねぇよ。」
「はぁ、無茶しやがって、馬鹿か。お前は」
>>「悪い皆、俺やっぱりこういう敵味方とか『ダメ』だ。」
「どういう事だ?」
>>657
>>「『仲間』とは、戦えない。でも『仲間』を守るためなら戦える。」
「それは、お前、俺たちを傷つけるつもりか。
お前は、茨の道を進む覚悟があるのか?」
そう、言うしか無かった。
ヒツギに、話せる言葉がそれしか、出てこなかった。
>>659
「まっ、まさか、マシンセルによる再っ生」
ここから見ると、ただの悪鬼にしか見えなかった。
にしても、スピードが早すぎる、しかも魔女殺しを食らってもなお
回復した。
「危険だ。明智大尉今すぐ、撤退を」
だが、レイナの攻撃の方が早かった。
>>660
アイゼルネから、放たれる砲撃
ユウセイは、念動フィールドを、展開+シールドで防げたが
>>「じゃ、お前の初めてをもらうわ。」
「えっと、何だあれ?」
マスクがはずれ、なんか犬歯が出てくる。
「あれは、吸血?、いやまさか放電」
ユウセイは、それを強制放電とみた。
>>「敵将!討ち取った……!」
「マジで、やられちゃったよ。」
ガブリエルが、人形みたいにぐにゃりとなっている。
「リリー少尉、その船への攻撃を中断して甲斐に一任できますか。
もしできるようでしたら、直ぐに、アイゼルネを止めてください。
ジガンなら、止められるかもしれない。代わりに俺がいきます。ジガンよりは、脆いですけど、それなりには、堅いですよ」
「それと、ケルビル1次は、恐らく貴方が狙われるかもしれませんよ?予告は一様しときましたからね。」
これ以上の、損害は許されない。
そう思い、迅雷を構え、あの黒い戦艦に向かう
662
:
レオン
◆NcltM1gQ/Q
:2013/03/21(木) 21:14:48 ID:sAfTe19E
>>654
【「誰よあんた、好き勝手暴れてくれてさぁ!!」】
軸を友軍のジガンに合わせぬよう上手くこちらを狙い撃っている
放たれた光の柱を翼が自然に逃げていく様な形でロールし初撃を回避。光学センサーから機体右翼上部から先端すれすれを通り抜けていく
続く二射目には下降しつつ急旋回して対応、こちらは大きく外れる
機首をラプターの方向へ向けつつ
「大気圏内での空力特性の差…というか制空戦で対艦砲は大胆だな」
そう言った矢先、モニターが光に覆われる
三撃目はこちらの機動を見越してのもの、しかしこの短い時間で正確に補正するには並大抵なら誘い込んで予めヤマを張って撃つ
だがアカリであればインターフェースさえ良い物を使えば高速で動く相手に砲撃を当てる離れ業も比較的現実的になる
「なんとぉ!」
迫る三射目、光の柱の下に潜り込むようにギリギリを飛翔
更にバレルロールしてこの光の柱に張り付くように螺旋を描きそのままラプターの真上を逆さまに通り抜け
「残念だったな。でお前はこの戦いで何が得られる?何を求めてる?」
アカリの攻撃には躊躇がみえない。だが恐らくは今尚俺が向かっているジガンタイプだろう。まだ距離はある
「あれを守る事がお前の理由か?」
>>661
そんな折りアルプトラウムを狙うアルブレードの姿が見える
(あいつは何故戦えるんだ?)
ちょっとした悪巧みが頭をよぎる
663
:
ヴィルヘルム@アルゴス
◆E8ckRIIdug
:2013/03/21(木) 22:17:34 ID:UZ2tjdac
>>558-560
「やれやれ、今日の明智大尉はどうもな……結局痴話喧嘩になって……痴話喧嘩?」
嗚呼、もしもマデリーンがいたなら、即座に回線を強制的に切断した上でお説教なのだが。
「なるほど、明智君、君はハヤセ君に惚れてたのか」
嗚呼、言っちゃった。
>>661
「……よし、この場は俺が、ヴィルヘルム・フォン・エッシェンバッハ少佐が預かろう!」
しばらく軍から離れていたので遠慮していたのだが……
「ハヤミ君、レイナ嬢ちゃんは任せた。
分かってるだろうが生け捕りにしたい。それから喰われない程度に頑張ればいいぞ」
まだ、その真意は……
>>657
「ハーゲン!聞いた通りだ、敵艦に向かえ!
ラウディ、そっちの援護に回れ。
後は……ふむぅ、目の前の敵に向かえばいい」
ライトが倒された穴を埋めようとしている。と言うか、指揮権を乗っ取ろうと。
>>662
「……伍長に任せるか」
ぼそっと呟いた。
664
:
◆JryQG.Os1Y
:2013/03/21(木) 22:45:27 ID:0zb5NNu6
>>663
>>「なるほど、明智君、君はハヤセ君に惚れていたのか。」
(大尉は仕事しかできない、ダメ女だと思ってたけど、恋とかするんだ。)
クソ無礼な事を思ってた、ユウセイ。その見返りとばかりに、
>>「ハヤミ君、レイナ嬢ちゃんは任せた。
分かっているだろうが生け捕りにしたい。それから喰われないように頑張ればいいぞ。」
(無茶言うなぁぁぁ!!!!)
ユウセイは、心の中で絶叫した。
でも、上司の命令は絶対だ
「了解、でも死にたくないんで、保険でリリー少尉もらっていきますよ。」
貰うという表現に特に意味はない。
そして、リリーに通信を入れ
「少尉、予定変更します、俺が、前から牽制しますから、挟撃の体制に入ってください。」
そう連絡を入れる
「あっ、これって、」
たまたま、近くの死骸から、
「残ってて良かった♪」
その手に、シルバーバレッドを手に取り、
「宝の持ち腐れかもしれないけど、無いよりは増しだ。」
それを、腰にマウンドする。
「止めにいくか、死ぬ気で」
迅雷を構え、アイゼルネに向かっていく
665
:
◆zwG.6Bg2jY
:2013/03/22(金) 02:42:01 ID:C4o9g0Oc
>>658
>「ヒツギ、ここは私が何とかする。して見せる。まだ戦う元気が有るなら、君も何とかして私達のアルプ・トラウムへ行け。
>我が盟友が悪魔を甦らせたぞ」
「蘇らせた・・・アルプ・トラウムってあの戦艦だろ?あんなとこにどうやっていけって・・・」
見上げると夜空には絶賛戦闘中の戦艦が見える、戦闘による爆発か宛ら花火の様だ
機体が破壊されたヒツギにあそこまで向かう手段は無い
>ようやくライトも気付いたらしく、だがどうしてアイゼルネ・ブルートが治って行くのかがまるで解らない。さっきは確かにシルバーバレット弾は有効な結果を出した筈だ
>そして、数秒前まで死に体だった筈のアイゼルネ・ブルートは何の枷も無いかの様に飛翔し、月を背に十字のポーズを取っている。
「傷が・・・再生してる」
今までアイゼルネは幾度と無く戦闘中に回復していた、それはヒツギも知るところだ
だが破壊された状態から瞬時に復活するとなると・・・あの時みた以来、2連続だ
>その十字のポーズのまま、胸部のハウリング・スマッシャーでの全体を襲う攻撃により、逃げ遅れた愚かなガラクタを排除。
「うぉおい!!」
下に居たヒツギの元にも炎をまとったレリエルの残骸が降り注ぐ、流石に戦闘中真っ只中に生身で居るのは危険すぎたらしい。
ダッシュで走るヒツギの前に、ダメージを受け姿勢維持を出来なくなったレリエルがそのまま落ちてくる
「これは・・・使えるかも」
カメラアイにはまだ光が宿っている、武装は先ほどの攻撃で破壊されたらしいが・・・駆動系動力系はそのまま生きているようだ
コックピットハッチが開き、中からパイロットが出てくる。
「悪い」
その瞬間に横から延びてきた手がヘルメットのしたの隙間に滑り込み、そのまま前方へと引っ張られる
ヘルメットに指が滑り込んだ事で首の部分に隙間が出来る倒れこませるのと同時にその部位へと拳槌による横一線がめり込んだ
悶絶しているパイロットを尻目に、レリエルに乗り込むと機体状況を確認
右腕と・・・スタビライザーかウィングが片方やられているらしい、落ちてきた理由はこれだ
多少無茶な飛行になるが、アルプ・トラウムまではギリギリたどり着けるだろう、無理でも向かうしかないのだが
「頼むぜ・・・!」
レリエルは左手を支えに立ち上がると、そのままアルプ・トラウムへと一直線に高く飛び上がっていった
片側に傾いてフラフラとしているが無事に飛行できている。
後はアルプ・トラウム周囲での戦闘を気合で突っ切れば・・・!!
666
:
◆zwG.6Bg2jY
:2013/03/22(金) 16:12:21 ID:C4o9g0Oc
>>660
「チッ・・・」
ああいうが、ハーゲンの行動も強ち無意味だった訳ではない
あれが無ければ単機で突撃をすることは無かっただろう
アカリやリリーが相手の動きを止め、ハーゲンの行動が激情を煽り、ライトは目標を沈黙させるまで至った
途中までの経過を見ればレリエルもどきの登場というアクシデントを含めてもまさに狙い通り、追い風だったはずだ。
ところがヒツギ・ハヤセが裏切った事で完全に崩壊した、ライトが動揺しそれが相手に付け入る隙となった
ハーゲンはライトを無能とまでは言わない、だが見通しやツメの甘さで評価が割れる
彼女がどうなるかは分からないが、個別機関に近いエンジェルフェザーの問題は彼ら自身の裁量で決まることだ
そんなことよりもハーゲンが興味をそそられたのはレイナ・カーマイン。
派手な吸血攻撃・・・ではなく、その前に行っていた瞬間的な超回復能力
説明を受けていた限りではマシンセルによるものであることは間違いない、だがそれを抑制するはずの銀の銃弾を受けて尚回復した
そもそもこの戦闘の動機も怪しいものだ、嫌うのは良いがわざわざ敵対し戦闘までする理由は薄い
つまり連邦の配下に入りたくない説明出来ない理由があるのだ
この事がハーゲンにある事実を予感させた。
あれ程の回復速度、前例もある『特殊な管理システム』の直接影響下でも無ければ不可能。
つまりは・・・
しかしハーゲンはそれに興味をそそられなかった、むしろ『逆』だ
「ふぅん・・・」
>>663
(状況から言えばもっとも階級が高い武田中佐が取るべきなのだろうが・・・)
機体は一切動かず、頭部の目の一部が甲斐に視線を移す。
置物としての扱いが強い彼女が指揮権を持ったとしても、最終的な配置を決めるのはリリー・スノウフェイルかこの女かだろう
ハーゲン自身も指揮を取れない訳ではないが、甲斐に元々所属していたメンバーが言うことを聞いてくれる等と考えていない
>「ハーゲン!聞いた通りだ、敵艦に向かえ!
> ラウディ、そっちの援護に回れ。
> 後は……ふむぅ、目の前の敵に向かえばいい」
「了解した」
ここで従わなかったら瓦解した前線がさらに崩れる、大局を判断できない程無能ではない
レイナ・カーマインを直接捕獲するのが不可能ならば、在り来たりだが身動きを取れなくするべきだ。
こんな状況では特殊な作戦や奇策よりもシンプルな方が統率しやすく、また落ち着けやすい
「残ったシルバーバレット隊は再編成、ツーマンセル
この数でレイナ・カーマインに構うな、敵戦艦を狙え、負傷者および機体の回収も許可しない
足さえ無ければ持久力で押しつぶせるだろうしねェ・・・」
「おや・・・?」
破損したシルバーバレット隊のレリエルが先行して敵戦艦に向かっている
指示を送ったタイミングを考えても早すぎる、何よりも欧州連邦の兵にしては無謀すぎる。
「ククッ・・・なるほどねェ!!」
インセイオンがその巨大すぎる両手を高く掲げ、大地へと振り下ろす
地に隆起を起こしながら亀裂が走り、インセイオンはと言えば高く飛ぶのではなく跳び上がっていた。
アームのパワーを利用してその反動で跳躍したのだ、その速度を維持し両腕を後方へと垂れ下げ全身のブースターを唸らせながら飛ぶ
あのレリエルのパイロットは連邦の兵士ではない、おそらくはこの状況の引き金を引いてくれたヒツギ・ハヤセだ
敵戦艦と合流するつもりらしいが・・・
「遅すぎるよねぇ!流石にさァ!!」
『!! しまった!』
一見すればフレンドリーファイアにすら見えるこの行動
レリエルをまるで羽虫か何かとして、叩き潰すかのように後方から振るわれた巨腕は・・・
667
:
リリー&アカリ
◆Tg./UqnJ52
:2013/03/22(金) 17:52:25 ID:qm5xMPuE
>>656
,
>>660
,
>>661
,
>>663-665
アルプ・トラウムからまたあの赤い球体が飛んでくるが、今度は甲斐を狙っているようだ。
「盾」を駆る以上、それを通すわけにはいかない。先ほどと同じ防御態勢で、球体を受け止める。盾も装甲もまだまだ健在だが、
(あともう3、4撃食らったら、装甲が融解を始めますね、これは。フィールドが機能していれば違ったのですが……)
そんな折、突然ガブリエルのシグナルがロストした。戦況モニターを見れば、アイゼルネを包囲していたエンジェルフェザー隊も半壊状態だ。
一体何が起こったのだ、この一瞬で。想定外過ぎる事態にリリーは驚きを隠せなかった。
それだけならまだ良い。ガブリエルが撃墜されたということは、総指揮を執っている者が居なくなったということ。戦場の混乱は必至。
何故かこちらを引き込んでアイゼルネを叩こうとしてるユウセイ……は元々無軌道だから良いとしても、
どういうわけかヴィルヘルムが指揮権の乗っ取りを始めた。彼はこの状態で戦闘を続けようとしているが……。
「ヴィルヘルム少佐、この状況での戦闘続行は無謀です!
エンジェルフェザーは私達とは別系統の指揮で動いており、その指揮を出していた明智大尉が撃墜された以上、敵方の部隊を抑えていた味方の動きは硬直する!
すぐに味方が崩れて、ここに敵の部隊がなだれ込んできますよ! これ以上はただの掃討戦になる! それも敵側の!
今ならまだ余力があります! 被害を受けた部隊を援護しつつ、後退しなければ!」
アルプ・トラウムを損傷させ続けているとはいえ、敵艦は未だ健在。
ここで一気に攻勢をかけて敵艦を墜とし、戦況を逆転させることを考えるよりも、味方の被害を最小限に抑えたい。リリーはそういう傾向の考え方をする士官だった。
そのためには、「盾」である自分が抑えに回らなければならない。
回路切り替えの済んだ衝撃砲を構え、アルプ・トラウムを再び防戦一方に追い込もうと思った矢先、敵艦に近づく一機のレリエルに気がついた。
ふらふらと危なっかしい飛び方で、今にも墜ちそうだ。あのままこの戦域に介入するつもりなのだろうか。正気の沙汰ではない。
「そこのレリエル! 何をしているのですか!? そんな状態では砲撃戦に巻き込まれるだけですよ! 後退して下さい!」
味方が居ては砲を撃つことはできない。この状況で出てくるなど、どんなパイロットだ。
>>662
こちらの放ったランチャーによる射撃は、全て回避されてしまった。
元々敵の進攻を遮るための射撃であるので、回避されるのは別に構わなかったのだが、その回避パターンに、アカリは引っかかるものを感じた。
(この感じ、どこかで……)
こちらの上をすれ違っていった黒い機体を追撃するために、逆噴射で速度を落とし、人型形態へ変形。
盾にマウントされていたビームランチャーを掴み、その銃口を黒い機体に向ける。そして引き金を引こうとしたその時、敵機からの通信が入る。
……道理で引っかかると思った。覚えのあるその声で語られる言葉を聞いて、アカリは驚きと納得と悲しみと……小さくない反感を抱いた。
「……レオンさん、でしたか。なるほど…………と、言うしかありませんね、これは。
得るもの、求めるもの、ですか。何となくですけど、あなたらしい質問だって、思いました」
アカリはパイロットスーツのヘルメットを取った。纏めていた髪がばらけ、アカリの肩に落ちる。
「それ」が来るときに、いつも邪魔になるヘルメットをシートの脇に引っかけて、細く長い深呼吸をする。
「…………じゃあ答えるわ。そんなものは「こんな戦い」に有りはしないわよ!」
レイナに銃口を向けていた時に凍っていた指が、何の問題もなく動き、再び2度3度、トリガーを引いた。
以前に乗っていた機体よりも速い機体のようではあるが……「そんなことは知ったことか」と、アカリの中の特別な回路が、静かに吠えた。
超速度反射能力。こんなに静かな感じの発動は、初めてだった。
黒い機体を後ろから追いかける形になったラプターのランチャー銃から、青白いビームが飛ぶ。
後方に居るからこそ出来る、バーニアの挙動を見た上での偏差射撃。反射能力が有るが故の曲芸じみた射撃である。
668
:
◆zv577ZusFQ
:2013/03/22(金) 18:47:16 ID:t4uACBjE
>>667
「……となれば次はお前なのだよ!」
レイナはアルプ・トラウムへと戻る最中、艦に大打撃を与えている原因であるジガンタイプの特機と遭遇する。
「まだやるなら、ここからは私が相手をするよ。明智クンの同僚か何かは知らないけれど、主人の留守中をよくも狙ってくれたわね?」
手に持ってて邪魔だったガブリエルの頭をジガンタイプへ投げつけ、宣戦布告。
ヒツギのレリエルがフラフラしているせいで相手側からの砲撃が来なくなったのを良い事に、
有無を言わさずアイゼルネ・ブルートはジガンスクードへと飛び掛かる。
相手は特機、ましてやあの取り回しの難しそうな図体である。レイナはそこを容赦無く狙って行く。
「死と絶望こそが我が刃!渦巻け、シャドウ・イロージョン!」
また訳の解らない言葉を喋り出した。
両手持ちにして力を籠めたデアボリック・エクスキューショナーを突き出す。その槍の部分でジガンの強大な盾を突き破ろうとするが。
【アイゼルネ・ブルート:射程1〜2の近距離からジガン・アンジェにデアボリック・エクスキューショナーで攻撃】
「待たせたわね、カナメ。イクリプスもメイドの諸君もご苦労様。さぁさ、ここから逆転するわよ♪」
どうやら、まだ勝つつもりで、ここから生きて生還する気で居るらしい。
ようやく合流を果たした皆の主は今まで艦を持たせたクルー達の功を労った。
「ご無事で何よりでございます」
「やったね♪これで勝つる♪」
アルプ・トラウムのクルー達はレイナの無事を知り、皆一様にざわざわとお喋りを始め、ハイタッチ等を決めて歓喜している。
こちらは士気高揚しているらしい。
「ご無事で、お嬢様。恥ずかしながら私めの操舵の不手際で艦のテスラ・ドライブが不調を起こしております。
現在、対応しておりますが、完全に機能が回復するのにもう暫くお時間を下さいませ」
レイナ一番の従者イクリプスはレイナ達の会話が良い感じに終わるのを待ち構え、艦の被害報告を上げる。
カナメの指摘により、回復の兆しは既に見えた様であり、現場では指示を受けたメカニックメイド達が作業に取り組んでいる。
「いいや、ご苦労。じゃあ、また時間をかせいでやるとするか」
もう一頑張り。当然の如くレイナは前線で艦を護ろうとする。
「あほ……レイナ。止めたのに何故、瞬間再生を使ったのよ。これでは……またあなたの時間は」
ただ、ピンピンしているアイゼルネの凱旋に対し、頬を膨らませて(おとなげ無い)イマイチ嬉しく無さそうな者が若干名。
カナメは自分の忠告を無下にしてまたしても勝手に無茶をした事に対して拗ねていた。
結果的に明智ライト達の包囲を打ち破る事が出来たが、どうも手放しで喜べた物じゃないらしい。
「ストップよ。……心配をかけさせて、悪かったわね、カナメ。でも私の心には後悔なんて微塵も無い。
この埋め合わせはちゃんとするから、そう睨みなさるな?」
これ以上余計な事は言わせまいとカナメの言葉を遮った。
当のレイナは一切後悔していない。必要な事だからやったまでだと。
それに、そもそも身体には何もリスクなど及んでいないとさえ見える程に今のレイナは好調そうだ。
少なくとも素人目にはそう見えるだろう
>>666
【一見すればフレンドリーファイアにすら見えるこの行動
レリエルをまるで羽虫か何かとして、叩き潰すかのように後方から振るわれた巨腕は・・・】
「ふふん。無粋にも程が有るな。“今はまだ”引っ込んでなさい」
だが、その巨腕は何も掴む事も出来ずに、空振りした。
アイゼルネ・ブルートが召喚した闇の使い魔ナイト・フライヤーの大群がその半壊状態のレリエルを奪い去って行ったからだ。
「ヒツギ、君にはいつも闇が憑いている。安心しなさい」
ただ、サポート出来るのはこのぐらいだ。
669
:
リリー
◆Tg./UqnJ52
:2013/03/22(金) 19:37:30 ID:qm5xMPuE
>>668
普段とは違って余裕のない表情で後退を説くリリーの耳に、アンジェの装甲が何かを弾く音が飛び込んできた。
何かと思ってみてみると、装甲に跳ね返って回転しながら落ちていくガブリエルの頭部だった。その後ろには、その首の主を撃破した黒い吸血鬼の姿。
エンジェルフェザー隊を半壊させたアイゼルネが、今度はこちらに牙を剥いてきたのを見て、リリーは苦々しい表情で呻いた。
「次はこちらの番ということですか……! 当然ではありますが!」
両手で構えたトマホークランサー、その切っ先でもって突撃してくるアイゼルネ。
「ここで墜ちたら、「盾」の意味がありません! この子の「神盾」を舐めないでくださいよ……!」
後退をするにしても、このまま攻勢をかけるにしても、拠点となる甲斐を守るこのアンジェが墜ちては話にならない。
突き出される穂先の前に、アンジェの右腕の盾が立ち塞がる。
デアボリック・エクスキューショナーと呼ばれるそのトマホークランサーも強力な武器ではあったのだが、「神盾」を破るにはまだ力不足。
ランサーの穂先を表面でがっちり受け止め、そのまま押し返した。
「やれやれですね! 指揮官が墜ちて総崩れなんですから、外様のこっちくらい見逃してくれたって良いでしょうに!
……ソードブレイカー! 追い払いなさい!」
背部ラックに戻って充電を完了していた十基のロング・ソードブレイカー、そのうちの二基が射出され、
押し返されて体勢が崩れたであろうアイゼルネを両側から刃の突撃で襲う。
670
:
◆zwG.6Bg2jY
:2013/03/22(金) 20:00:49 ID:C4o9g0Oc
>>667
>>668
>「ふふん。無粋にも程が有るな。“今はまだ”引っ込んでなさい」
「助かったぜ、レイナ!」
インセイオンの腕からすり抜ける様に消えてしまうレリエル
レイナの撃ち出したナイト・フライヤーがレリエルを守るように蠢き、そのまま押し出してくれたのだ
『チッ・・・!!』
ハーゲンの舌打ちが聞こえてくる、レリエルを追おうとするも戦艦からの砲撃が完全に道を塞いでしまった。
この状況からレリエルに対して警告を送っていたリリーにも誰が乗っていたか理解できただろう
しかしながらハーゲンのように躊躇無く撃てと言うのが無理な話だ。
アルプ・トラウムのハンガーにヘッドスライディング宛らで入ってきたレリエル。
いくらナイト・フライヤーが優しく運んでくれたとしても武器は武器、ダメージを受けたのは仕方が無い
コックピットをこじ開けてヒツギが飛び降りる、今回のヒツギはこんなことばかりだ
(レイナの言葉を信じるなら・・・・・・!)
それはそれとして、ヒツギはレイナの語っていたモノを探し始めた
彼女の言葉通りならここにはいる筈なのだ。
そう――――デーモンが
671
:
◆zwG.6Bg2jY
:2013/03/22(金) 20:44:43 ID:C4o9g0Oc
>>667
>すぐに味方が崩れて、ここに敵の部隊がなだれ込んできますよ! これ以上はただの掃討戦になる! それも敵側の!
>今ならまだ余力があります! 被害を受けた部隊を援護しつつ、後退しなければ!」
(ま、言ってることは理解できるんだけどねぇ・・・)
心配を煽るような言葉である為に一般兵には聞こえていないだろう通信に対し、ハーゲンは珍しく頭を抑えていた
『この戦い』に置いてはもう勝敗などという言葉はない、そもそも勝敗はアイゼルネがシルバーバレットの効果を超越した時点で終わっていた。
だが『これを含めた戦い』を見れば意味が変わってくる。
新造戦艦に最新鋭機やカスタム機、さらには複数の部隊というこれだけの戦力・設備を投資しているという事は
レイナ・カーマインの確保に本気になっている、レイナ・カーマインの持つ戦力を危険視しているという証拠だ。
それに『この戦い』が長期化すれば分はこちらにあるとハーゲンは判断していた、敵は最終的に『逃げる』必要がある
ここでこちらを倒したとしても逃げることが、そして補給までの戦いを乗り切ることが可能なだけの戦力が無ければ意味が無いからだ。
こんな敵地ど真ん中の施設で立て篭もるとはとても思えない、故に長期化が予想された段階で敵が逃走を考える可能性が高い
つまり『この戦い』は負けようが『この次に行われる戦い』を無傷で成功させられる算段がつく
であれば十分な価値を持っていると考える事が可能、それが実際に銃を持つか舌戦になるかはハーゲン達の知るところではない
戦いは『敵の戦力を可能な限り削る』という方向にシフトしているのだ
・・・が、先ほども言ったがリリーが言っていることも十分理解できる。
損失を抑えるべきだという意見はハーゲンも同意するところだ、つまり・・・
>>668
インセイオンの頭部にある瞳がグリグリと周囲すべてを確認した
敵のラーゼン隊の位置は大体確認できた。
機体の性能もパイロットの錬度も悪くは無い、軍人顔負けといってもおかしくないだろう
「さて・・・と、まぁ全部は無理だろうねェ・・・」
インセイオンの全身に走る露出したフレーム・・・回路に光が眩しいほどに発光する。
それらは瞬時に同じく全身いたるところに取り付けられたオーブへと収束を始めた
集められたエネルギーがまるで脈打つかのように点滅し、視界が歪むほどの念が纏まって行く
「フフ・・・アッハッハッハッハ! 誼みとして尻拭いくらいはしてあげようじゃないか!」
目が痛くなるような閃光を迸らせると、黒い空をキャンパスにでも見立てたかのように無数の桃色の線が走りだした
その全てはインセイオンのオーブから太い柱のように放たれ、広範囲に広がったかと思うと―――
信じられないような急角度で屈折する、それぞれが完全にバラバラの方向へと
機械的な追尾機能ではない、生き物のように不規則且つ無意味な屈折を挟みながら。
よく見るとそのビームの先端は牙を従え、大きく口を開いた獣のように見える
それぞれが標的としたラーゼン隊へと迫り、蛇のような不規則な動きと鮫のような獰猛さを持って襲い掛かるではないか。
672
:
ヴィルヘルム@アルゴス
◆E8ckRIIdug
:2013/03/22(金) 22:28:39 ID:/kCxaP5w
>>664
,667
「リリー君、“その程度”でこの部隊は崩壊するのか?」
謎を一つ、かける。
「何、ハヤミ君にも言ったが“死なない程度”に頑張ればいいから」
まさか、“落とさなくてもいい”とは口には出来ないから。
>>665-666
,670-671
「……あの機体……ハヤセかっ!?あのジジイの孫だけあるっ!」
知ってるらしい。
「まぁ、彼が生きてるなら……ハーゲン?」
どこかで裏目音が鳴る。
艦を攻撃させていれば随伴を無視してどうにかとの判断が裏目に出てしまった。今更何も言えないので、一撃で落ちない事を、魔手に捕まらない事を祈る。内心で。
「さて、こうなると俺も仕事をしないとな……」
目の前の焔姫をかいくぐり、何とか隙をついて敵艦に乗り込もうと試みる。
673
:
レオン
◆NcltM1gQ/Q
:2013/03/23(土) 00:28:39 ID:452vUXKY
>>667
【「…………じゃあ答えるわ。そんなものは「こんな戦い」に有りはしないわよ!」】
アカリの答えに思わず口角があがる
実戦も経歴も全然なのに言うことは一端の戦士のもの
言葉にひっかかりを感じはしたもののアカリの様な時期の者にここまで言わしめるのは異常だ
「ハハッ!そうだな!そして戦いでさえもない。その答えが一過性のものである事を祈るよ」
エルロンロールを行いつつも僅かに右へ傾けるビーム光が先ほどよりも更に際どい所を掠めていく
矢継ぎ早に延びる二射目に対し先ほどとは逆回転にロールするとこちらは大きく外れる…
(さぁ勝負だ!)
前回より更に精度を増した三射目が機体の後部を掠めると、その部位がオレンジ色に染まった後、煙が登り高度が下がっていく(HP90%)
「その位置から追いつけるかい?」
失速したと思われたムラマサの推進部から登ってみえるのは煙幕だった
空力を得て更にアンジェに向けて加速する
>>669
【……ソードブレイカー! 追い払いなさい!」】
二機のソードブレイカーが射出されたその影から、それよりも小さなソードブレイカーがそれぞれ4基ずつ取り囲んでいた
ずっとアンジェの周囲を見張っていたムラマサの攻撃子機である
ロング・ソードブレイカーに対しレーザーと突撃による波状攻撃を仕掛ける
そしてトマホークランサーを耐えたアンジェに加速して全身が紅い刃と化したムラマサがその上を斬り裂くべく、接近その脇を抜けつつ急上昇
アンジェの頭上高くを奪うと人型へと姿を変え背中の妖刀を抜き放つ
「その盾、叩き割らせてもらう!」
太陽を背にした状態から急降下からの兜割りを狙う
674
:
◆zv577ZusFQ
:2013/03/23(土) 09:03:10 ID:m0ZIETOI
>>669
【「ここで墜ちたら、「盾」の意味がありません! この子の「神盾」を舐めないでくださいよ……!」】
「これを止められたのか……硬い!」
その神盾にぶつかり、あまりにもの硬度に逆に攻撃した側が崩される。
勢い余って弾き飛ばされるアイゼルネ・ブルート。そのやられっぷりは無防備。
【「やれやれですね! 指揮官が墜ちて総崩れなんですから、外様のこっちくらい見逃してくれたって良いでしょうに!
……ソードブレイカー! 追い払いなさい!」】
「あ……あ!!あーあ、その楽しく無さそうな喋り方。お前はあの時、甲斐の指揮権をジャックしたCICのちびっ子だな?」
リリーの声が聞けた事でようやくパイロットの正体を看破。あの異空間での戦闘の時、彼女はいずれ大物になるなと覚えておいたが、彼女ならばレイナも納得だ。
「成程な。どおりでこの勇猛なる闇の軍団が圧勝出来ないわけだ。
だが、こちらもお嬢ちゃんの噛ませ犬になるつもりは無い。ここは退いて貰うわよ」
ちなみに、今、ジガンの攻撃子機が両サイドから迫り、アイゼルネを狙って突撃をしようとしている様だが、レイナは吹き飛ばされながら一切の防御手段を取っていなかった。
決してなめてかかっている訳では無い。
だが、その余裕は何を意味するのか?
>>673
【二機のソードブレイカーが射出されたその影から、それよりも小さなソードブレイカーがそれぞれ4基ずつ取り囲んでいた】
「私には優秀な家臣達が居るからね。信じていたさ」
よってアイゼルネ・ブルートの装甲にはソード・ブレイカーが届かない。
リリーに対して、自慢気にご高説する。
ありがたい何者かのサポートはレイナには後ろを見ずとも解っていた。
【「その盾、叩き割らせてもらう!」
アイゼルネの背を抜け、頭上高くからレオンハルトのムラマサが機体の名称通りの妖刀でジガン・スクードの神盾を打つ。
「まだよ、私も合わせる!断罪のブラッディ・クロス!」
また謎の必殺技名を叫んでいる。
ムラマサの縦一文字に重ねて、アイゼルネはデアボリック・エクスキューショナーの斧部分の刃で横一文字に神盾を凪ぐ。
二機の斬撃は赤い十文字の様である。
「でも、アカリを無視して無理に動くのは失策だね。
なめてると落とされるのは、どっちか解らないわよ」
お礼はやっぱり言わないった。お兄様ありがとー(はぁと)なんて言わない、絶対。
礼の代わりに一つ忠告する。テクニックでは彼が上回っているかも知れないが、
アカリのあの超常能力は底知れない。レオンハルト程の手練れならそれを肌で感じ取っているはずだ。
675
:
◆zv577ZusFQ
:2013/03/23(土) 09:03:55 ID:m0ZIETOI
>>670
ハンガーに侵入したヒツギの真正面には懐かしき悪魔の姿が有った。
不足していたゾルオルハルコニウム合金も入手し、完璧に改修されている模様。
「はぁ……はぁ。……ひゅ?あー!!あなたがヒツギ様ですね?お嬢様から話は聞いてますよ!
ああ!良かった〜この機体の修復が無駄にならなくて!」
ハンガーのヒツギの元にやかましいメイドが一人駆け寄って来た。
来るとも解らぬパイロットの為に律儀にバルクレイスの準備をしてくれていた様だ。なので既に灯は入っている。すぐにでも飛び立つ事が可能だ。
「あ、でもちょっと待って下さいネ!カナメ様が何か言う事が有るとか!今、お呼びしますので!」
急ぎたいヒツギをちょいと引き止め、タブレット端末の画面をヒツギに向けた。
『……やぁ、はじめましてかな。私はレイナの幼なじみのカナメ・ライブラ。バルクレイスの製作に関わった者の一人よ?
あなたがバルクレイスのヒツギ君よね…え〜とね……ふわぁっと……ああ、ごめん』
タブレットの画面には癖が付きハネハネの桃色の髪をした少女の姿が映し出された。
伸びきった前髪の端からは眠そうに垂れた金色の目が微かに見える。
わざわざヒツギを引き止めたと言うのに開口早々にマイペースにあくびするそのとぼけっぷりは急ぐヒツギを焦らせる。
『えーとね……SCI。分かる?あれが何故あなたに動かせるのか、ちょいと色々調べたいの。逐一バイタルとか脳波を勝手にチェックさせてもらうけど、気にしないでね』
未だにロジックがよく解らないらしいシンクロ・コード・インターフェイスの解明にメスを入れようと提案する。
もちろん、コクピットに器機は積んでしまったので拒否権は最初から無いのだが。
『だから、撤退の準備が整うまで全力で暴れて来て良いよ。レイナの出番がもう無いくらいにね。……え〜と。ぶち殺れ〜』
それを言うと端末の映像が切れた。
この変な女なりにエールを送ったつもりであるが、気力が逆に下がり兼ねない。
「機体は準備オッケーです!いつでもどうぞ〜!」
代わりに名も無き元気メイドがヒツギをちゃんと送り出す。
>>671
【「フフ・・・アッハッハッハッハ! 誼みとして尻拭いくらいはしてあげようじゃないか!」】
「敵のレーザー攻撃により、アイゼルネ・ラーゼンの4割が被弾しました」
「後方の敵勢力、抑えきれません!」
「左右も徐々に押されつつあります」
インセイオンが放った全周囲攻撃により、左右後方で敵の増援と悶着している味方部隊がかなりの被害を受けた。
たった一撃で動かなかった均衡が少しずつ崩れ始めている。
「まぁ彼女達は皆、揃って丈夫でしぶといですから無事に脱出しているはずですが、このままですと」
メイド達の教育担当のイクリプスのお墨付きなので、間違いないだろう。
その内にひょっこり帰って来るはず。
「も〜、もう少し待ってってば。もうあとちょっとなんだから〜」
メイドに修復を指揮するカナメは締め切りに追われた作家の様に、見苦しい言い訳をする。
やはり戦いが長引けば負ける様だ。カナメ達は一刻も早くテスラ・ドライブを復旧させなければいけなくなった。
676
:
◆JryQG.Os1Y
:2013/03/23(土) 11:03:44 ID:iketT3Ew
>>673
>>674
「後ろから、失礼。迅雷」
迅速の型をまず一発レオンに放つ。
「そして、レイナ嬢には。」
そのまま、背後から急接近し
「外からの一撃が、無理なら中まで刺して、マシンセルの制御機関を潰してやれば、」
(とわいえ、迅雷が、折れたら失敗なんだけどね。)
アイゼルネの首元にに、迅雷を突き刺しにかかる
677
:
◆zwG.6Bg2jY
:2013/03/23(土) 13:14:46 ID:LA3/GkeA
>>675
>ハンガーに侵入したヒツギの真正面には懐かしき悪魔の姿が有った。
>不足していたゾルオルハルコニウム合金も入手し、完璧に改修されている模様。
「・・・『デーモン』」
赤黒い巨人が自身を見下ろしている、期間にしてみれば離れていたのは限りなく短い。
だが久しくその姿を見ていなかったような懐かしさすら感じる
>「はぁ……はぁ。……ひゅ?あー!!あなたがヒツギ様ですね?お嬢様から話は聞いてますよ!
>ああ!良かった〜この機体の修復が無駄にならなくて!」
「あんたがセッティングしてくれたのか! ありがとう、おかげで直ぐにでも・・・」
その言葉にヒツギの顔に笑みが浮かぶ、この機体の修復費は馬鹿にならないはずだ。
各種の作りや接続は共有部分があったとしても、フレームは元より間接系は特機タイプを改修したものでほぼ専用なはず
それでも尚ここに完全な形であるということを考えると、レイナの思いが伝わってくるようった
>「あ、でもちょっと待って下さいネ!カナメ様が何か言う事が有るとか!今、お呼びしますので!」
自らの愛機の元へと近寄って乗り込もうと手を伸ばしたその時
出迎えてくれた女の子(?)がどこからかタブレット端末を取り出すと、モニターでも持つかのようにこちらにそれを示してきた。
そして画面の中に、一人の女性の顔が現れる
>『……やぁ、はじめましてかな。私はレイナの幼なじみのカナメ・ライブラ。バルクレイスの製作に関わった者の一人よ?
>あなたがバルクレイスのヒツギ君よね…え〜とね……ふわぁっと……ああ、ごめん』
写る全体的にふわふわした女性は軽い自己紹介をヒツギへとすませた。
戦闘中の、しかも現在進行形で攻撃されている戦艦のクルーとは思えない落ち着きようもそうだが
何よりもデーモンの開発関係者だということがヒツギを驚愕させた。
彼の脳内で、こんなものを作るのは世界征服を考えるような卓球が趣味の科学者か
孫に神にも悪魔にもなれるよ!なんて無茶苦茶なプレゼントを贈るような人間くらいだと考えていた
>『えーとね……SCI。分かる?あれが何故あなたに動かせるのか、ちょいと色々調べたいの。
>逐一バイタルとか脳波を勝手にチェックさせてもらうけど、気にしないでね』
「え、あぁ別に構いません、いつものことだし」
S.C.I関係でそういった機器を取り付けられていることはバルクレイスに乗ってから何度もあった。
そもそもヒツギはここに入ってから特殊な機器を付けた記憶は無いのだから、コックピットに直接付けられているのだろう
断る理由も無ければ断ることも出来ない
>『だから、撤退の準備が整うまで全力で暴れて来て良いよ。レイナの出番がもう無いくらいにね。……え〜と。ぶち殺れ〜』
>「機体は準備オッケーです!いつでもどうぞ〜!」
随分と間の伸びた応援ではあったが、ニッと口元を歪ませると親指を立ててそれに答えた
「さぁ・・・行くぞデーモン!!」
//長いので続く
678
:
◆zwG.6Bg2jY
:2013/03/23(土) 13:15:18 ID:LA3/GkeA
>>677
の続き
アルプ・トラウムが動く、ほんの少しだけだったが。
回避行動を取ったようには見えない、むしろそれは射線を確保するかのようなそれ
次の瞬間――――
>>676
アルプ・トラウムから赤い砲弾が打ち出される、それはユウセイの元へと真っ直ぐに
だがユウセイとの接触直前にして砲弾は突如としてホップする。
いやホップするという言葉では生温い、なぜならば90度近い角度でそれは跳ね上がったからだ
その様はツバメが身を切り返す様を髣髴とさせるような、瞬きすら許さない動き
すれ違い様、その砲弾は下方から巻き上げるようにユウセイへと刃を向けていた、まるでツバメの名を冠した剣技の如く。
砲弾ではない、そもそもそれを発射したであろう砲身はカタパルトなのだ
上空まで紅の閃光として尾を引きながら一直線に駆け上がっていくそれ。
纏っていた衣でも脱ぎ捨てるかのようにその身を回転させる、闇夜の月に重なるように弾け赫々とした色が月光の輝きを上から塗り潰す。
久しく動かしていなかった四肢がギチギチと唸る
待ちに待っていた抑え込まれていた力を解放できる瞬間に喚起したかのように、全身に付けられたブースターが爆発でも起こしたかのように炎を吐き出す
それらは獣の雄たけびの如く戦場に木霊した
長く隆々とした両の腕を唸らせる
鋭い爪を従えたかのような足先に力を込める
4つ並んだ眼を穿つ様に滾らせる
その体を包む数多の刃が血の流れの如く赤く脈動する
巨大な2つの角を天高くへと掲げる月下に移りこむ影は、世に描かれる『悪魔』そのもの
己が半身の帰還によって戦場に舞い戻ってきたバルクレイスの、デーモンの姿だった
「・・・全員そろい踏みって訳だ、これでな!」
カナメのモニタリング画面に映し出されているグラフ
機体の動作直後は一般的なPTと同様であった機体側の操作受付からラグが、S.C.Iの起動を確認した段階から急激に短縮されていた。
その追従速度たるや機械よりも生き物と比較するべきだと思ってしまうほどだ
なんらかの機構が与えられた命令をその場で別のシグナルに変換しているとしか考えられない
それとも通常の操縦による操作の受付とは別の処理を平行して行っているのだろうか?
ヒツギ・ハヤセ側が何か特別なことをやった様子は無い
機体のOS立ち上がりの際に確認がスキップされた箇所も気になる、内容はバルクレイス側の許容量不足
試作機という観点から見ればテストベットとして詰まれていてもおかしくは無いのだろう
だが問題はS.C.Iのブラックボックス内にこの『テストベット』が丸々入ってることだ、現状では解析しきれない
679
:
◆zwG.6Bg2jY
:2013/03/23(土) 14:53:04 ID:LA3/GkeA
>>675
(チッ・・・流石に維持したまま連射するのは無理か・・・)
インセイオンの桃色の光に揺らぎが見られる
出力の問題もそうだがテレキネシス・シンクロ・ブースターを維持したまま長時間の戦闘の方にも問題がある
ハーゲンは自他共に認める天才だ、性格に問題はあってもその実力自体は指折り尽き。
だがシステムは名の通りに同調し増幅させているこれは、パイロット側の繊細で精密な操作と高い能力が必要になる
ハーゲンといえどこれの長時間維持は必要以上の負荷がかかる
その瞬間、インセイオンを通してハーゲンへと走る感覚。
眼がその赤い姿を追う、どうやらやっとお出ましになったらしい
所在がつかめないと思ったらレイナ・カーマインが持っていたとは・・・
成程、『本気』になる理由の1つはこれか
「フフッ・・・Xゲシュペンスト!」
680
:
ゼバスチャン
◆oR45XRwhpI
:2013/03/23(土) 21:58:50 ID:7q0LMDPc
>>653
「!!!!!!!!」
妙にクールな謝罪をするハヤミに怒りが収まらないのか、通信機からふじこふじこしているゼバスの声が聞こえますが
シナリオの進行上一切関係がないので全カット
―――しばらくお待ちください
「ふぅ すっきりした こんなことをしている場合じゃないか」
改めて現場へと急ぐ
>>655
そのとき、聞き取りづらいながらも確かに聞こえてきたのは 蜂の巣になったはずのヒツギからの通信
「よぅ大将 機体と同じく幽霊にでもなっちまったかと思ったよ
この世のものだったら回収部隊でも回してやろうか?」
どうやら命に関わる大事には至ってないようだ、少し安堵したような表情で通信を返す
「俺にはよく分からんが、戦えないのならそこに座ってろ 後は俺ら、軍人の仕事だ」
>>659-660
やっとこさ現場に到着 そこで待っていたのは
「・・・・・・・・・・・オイオイ この戦場は何時からこんなにメルヘンチックになっちまったんだ?」
呆然とした表情で呟く
針の筵になった敵機が噂に聞く超機人とやらのように再生し
こちらの指揮官に喰らい着いたかと思えば、その機体を再起不能にしてしまった
「敵将討ち取ったって・・・どうすんだこりゃ・・・!!」
見たところ敵の損害は、丸鋸でスプラッタされた一機
こちらはヒツギと指揮官の明智の二機がやられてしまった
「何が過剰戦力だ、敵さん互角以上に張り合っていやがる」
認識を改めた、確かに軍以上の戦力を持つこいつらは危険だ
>>661-679
戦局は混迷を極めたといっていい
指揮系統は崩壊し、敵味方入り乱れての乱戦、しかも戦局は敵側に傾いている
「落ち着け・・・考えろ 今すべきことはなんだ・・・?」
味方劣勢の状況 必要なことは 損害が出すぎる前に撤退し 損害を最小限にとどめること
それには戦艦が生き残っていることが絶対条件、帰る家を失えば、前線の味方は殲滅される
目をつけたのは、甲斐を守るジガン(
>>669
)と その盾を叩き割ろうとするヴァンパイアもどき(
>>673
)と不気味な黒い機体(
>>674
)だった
「よし・・・行くぞ!!」
己に活を入れ、ブースターが火をつき 全力で後退する
【精神コマンド:加速・突撃】
俊敏性に欠ける機体を精一杯飛ばし 射程内に敵機が入る
すぐに地面へ着陸、素早くマウントした機関砲を展開
>>669
「ボマー3より・・・え〜っとジガン!! これより敵機に対し、スーパーアヴェンジャーを使って火力支援を行う!!」
短い通信を入れると、砲身を回転 慈悲なき七砲身パンチ、炸裂
「く た ば り やがれぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」
>>673-674
に対し、死を呼ぶ彗星が放たれ、先ほどの集中砲火とは異なる、濃密な弾幕が展開された
【スーパーアヴェンジャー 掃射】
681
:
ラウディ@アルゴス
◆E8ckRIIdug
:2013/03/23(土) 22:28:30 ID:5gKAOmvA
>>679
「……自分、援護の必要無いですかね?」
その斜め後ろにつけて。
>>678
「バ、バルクレイス……」
そもそも自身がこの部隊に来る少し前からの僚機、その力はだいたい分かっている。
「だからって、やらないわけにもいかないか」
背中のポッドが、5×4=20発の長射程ミサイルを悪魔めがけて吐き出し、納豆のような煙をひいていく。
682
:
そして、諏訪
◆E8ckRIIdug
:2013/03/23(土) 22:41:33 ID:5gKAOmvA
「どうやら、ヒツギ殿は無事にレイナ殿と合流された模様」
「……そう。ありがとう」
メグは、安堵していた。
その異能のあるが故に世間から白眼視される友人が、半身と呼びうる異性と出会えた、そして分かたれた絆が結ばれようとしている事に。
「ところで法師、いえ、かの“陰謀大佐”ウー・グリソムが懐剣、“三眼法師”百鬼丸さん。
あなたは何故、私と?」
「いや、単にタイデグリー中尉に依頼されたからなので、陰謀大佐みたいな目でこちらを見るのは……その……」
683
:
◆zv577ZusFQ
:2013/03/24(日) 00:39:03 ID:YJ6Ed0RM
>>676
「……君もこんな所で命令に振り回され、無駄な事ばかりに力を使ってる状況では無いと思うのだが、どう思っている?何を考えているの?
何でも良いけど私達は何としても先に進ませて貰うぞ」
改めてユウセイの未来を憂いて助言を下すが、聞く耳は持ってくれるだろうか?
>>678
【アルプ・トラウムから赤い砲弾が打ち出される、それはユウセイの元へと真っ直ぐに
だがユウセイとの接触直前にして砲弾は突如としてホップする。】
「フッ。ようやく来たか」
【いやホップするという言葉では生温い、なぜならば90度近い角度でそれは跳ね上がったからだ
その様はツバメが身を切り返す様を髣髴とさせるような、瞬きすら許さない動き
すれ違い様、その砲弾は下方から巻き上げるようにユウセイへと刃を向けていた、まるでツバメの名を冠した剣技の如く。】
「ユウセイ、今の私達、闇の軍勢を止められると思うなよ。退け……!」
バルクレイスがカットに入って来たが為に、レイナの首を取ろうとしたアルブレードの強襲は断念せざるを得ない。
レイナはせめてもの慈悲にと、ユウセイに退却する事を勧める。
【カナメのモニタリング画面に映し出されているグラフ】
「んにゃ……。レスポンスが速いのは解ってたけどこれって。……え〜っと。まるで本当に機械と一体化したみたいな敏感肌。
どうやって信号を送ってるんだろ」
カナメが実際に生のデータを見たのはこれが初回だったが、やはり機体と一体化した様な追従性を生むらしい。
それも、考えていた以上に異常に。
研究者の共通性癖なのだろうか、この無気力女であってもメグやアストと同じように目をキラキラさせていた。
「ヒツギ君自体がSCIに適合する何かを持っているのかも知れないわね……本当は」
すぐに解る事は殆んど無かったが、乙女の勘はそんな投げ槍な仮定に至った。
>>680
【「く た ば り やがれぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」】
「王は家臣を護らなければならない。護る事は攻める事よりも難しい。しかし、それを成し遂げてこそ王」
それがレイナの選択。見るからに脆そうなムラマサの盾となる為に、アイゼルネ・ブルートが前面に出ていく。
「全部受け止めてあげる。残さず吐き出しなさい」
集束され、狂った様に弾を吐き出すガトリング砲をアイゼルネ・ブルートは我が身を盾にして小細工一切無しで受け続ける。
尋常じゃ無い無数の銃弾が機体を貫いて行くが、怯む素振りは更々無い様だ。
実際は、掠めさせたり爆発を起こさない様に微妙に着弾点を反らしていたりと極力攻撃を受け流す工夫が成されていた。
【アイゼルネ・ブルート:残りHP65%。徐々に再生中】
684
:
◆JryQG.Os1Y
:2013/03/24(日) 12:28:40 ID:gs2sxvu2
>>680
「あー、解った解った。本当にすみませんでした。」
様々な、罵声を浴びせられ、本気で気をつけよ。と思った。
>>683
「んな、事知ってるっつーの。」
レイナの問いにそう答える。
「でも、連邦には色々、世話になった人がいる。」
「まず、それが裏切れない理由の一つ、そして」
「俺は、ある奴を潰したい。その時どうしても、連邦軍が必要になる。あと、一つ」
「俺は、余計な敵は、作らない主義です。」
(もう、作っちゃったけどな)
そう、心の中で、セルフツッコミをし、
「だから、レイナ嬢、貴女の所へは、いけません。でも、」
「ヒツギの事は、羨ましいです。ああいう風に、仲間のために純粋に戦える。彼奴が」
その、言葉を言った瞬間
>>678
横から、急速に接近する未確認の砲撃?のようなものが来た
(これが、狙いか、レイナ嬢、卑怯な)
とっさに、防御しようとするが、玉の方から、避けてくれた。
かと、思いきや
「化け物みたいな動きを、するな。あの機体は」
それは、正しくバルグレイグスだった。
後ろから、しっかりと刃を付きつけられている。
>>「ユウセイ、今の私達、闇の軍勢を止められると思うなよ。退け……!」
「生憎、一人で、逃げるほど臆病じゃないんで拒否します。」
「逃げさせたいなら、武田中佐にでも言ったらどうですか?」
レイナ嬢との、通信を強制的に切り
こんどは、ヒツギに繋げる。
「ヒツギ、後悔は無いか?お前、名実ともに、連邦の敵になったんだぞ」
「下手したら、欧州以外の敵も出てくるかもしれないぞ。その茨の道を通る覚悟はあるのか?」
再確認程度に、もう一度聞いてみる。
迅雷は、しまいある用意をする。
685
:
◆zv577ZusFQ
:2013/03/24(日) 14:34:29 ID:YJ6Ed0RM
【「生憎、一人で、逃げるほど臆病じゃないんで拒否します。」】
「そう言わずにさっさと帰りなさいよ。こっちは君達には用が無いんだ。それにね」
撃たせるな傷付けさせるな。などと加えたかったが、それは相手に対する甘さを悟られる事となる為に、口には決して出さない。
味方をしてくれる者達にもそんな事では示しがつかない。
……とは言え。こちらの都合も状況もろくに考えず、欧州の快楽主義者と同乗して暴れに暴れ、挙げ句に生意気な口をたたき、自身に反論して来たこの目の前の分からず屋を殴るぐらいはしても良いんじゃ無いだろうか?
【「逃げさせたいなら、武田中佐にでも言ったらどうですか?」】
「それもそうね。じゃあヒメに言っといて。君達の敗北は既に私には見えているわよ……ってね。
時間的に言えばあと……そうね。5分と言った所かしら?」
赤の右目が一層に怪しく光る。
これが狂言で無ければ、あと5分でこの場を収めてみせると宣言したのだ。もちろん、連邦側の敗北という形で。
あえてご親切にそれを伝えたのは、手遅れになる前にこの辺で本当に引き返して欲しかったからだが、どうせ理解しないんだろう。レイナは呆れていた。
【勝利条件変更】
・5ターンの経過
・甲斐の撃墜
【敗北条件変更】
・アルプ・トラウムの撃墜
・アイゼルネ・ブルートの撃墜
686
:
◆zwG.6Bg2jY
:2013/03/24(日) 16:20:52 ID:OIaGipF2
>>683
月下に赤く輝く機体、天に在る赤星ですらその力強さを体現することはできない
その姿はまるでアメリカンコミックから抜け出してきたダークヒーローかのような
ドロワナのデータベースにも機体情報が入っているはずだ、特徴はヒツギが語っていた試作機と合致している
つまりあの機体こそヒツギの本当の乗機、そしてそのパイロットも――――
>>681
>背中のポッドが、5×4=20発の長射程ミサイルを悪魔めがけて吐き出し、納豆のような煙をひいていく。
放たれたミサイルは空中に白い線を引きながら迫る。
その数は2、4、8・・・20、数が少し数が多いがヒツギにはこの機体ならば可能だと直感していた
バルクレイスは全身に付けられた赤く沸騰した刃を怒髪が如く逆立てる
そして来る魚影に対し体を捻ると、接触寸前にその力を解放する。
力を全身に浸透させたことで、それは片足を中心軸とした『回転』となった
回転に飲み込まれるかのように入り込むミサイルは爆炎も黒煙も上げることはなく、一瞬だけ火花を散らしデーモンの後方へと流れた
1、2、3回転
気づけばバルクレイスの前にあったミサイルはすべて後ろに流れていた
その数を『倍』に増やして
>>684
>「ヒツギ、後悔は無いか?お前、名実ともに、連邦の敵になったんだぞ」
>「下手したら、欧州以外の敵も出てくるかもしれないぞ。その茨の道を通る覚悟はあるのか?」
「プッ・・・あっはっはっ!!」
まるで達観したかのようなユウセイの言葉に対し、ヒツギは答えるより先に笑い声を上げていた
何が可笑しいというのか、ヒツギは気を落ち着かせると言葉を返した
「後悔しない生き方とか、我が生涯に一片の悔い無しとか・・・そんなの俺にできると思ってねぇよ」
自分の性格はある程度分かっているつもりだ、その上で行動の結果を悔いるなというのは無理な話
ヒツギだって自分が命を狙われるような未来は怖いし怯えてしまいそうだ
だがそれが、『後悔』の二文字が・・・行動しない理由とイコールではない、ただそれだけなのだ
「そういう小難しいことなんて、いざ走ってみたら小さいもんなんだよ・・・多分な」
687
:
◆JryQG.Os1Y
:2013/03/24(日) 16:54:03 ID:gs2sxvu2
>>685
>>「そう言わずにさっさと帰りなさいよ。こっちは君達に用は無いんだ。それにね」
「それにね?何です?」
その先が、聞けなかった。
(レイナ嬢、もしかして明智大尉はともかく、俺たちを潰したくなんじゃ?)
(まぁ、意見求めるだけ無駄かもしれないけど。)
「タイガー1、応答願う。艦長に繋いでくれ。」
武田中佐だけじゃ、正確な指示がだしにくく、リリーさんも呼びたいが、忙しそうなので、しょうがない
「レイナ・カーマインより、メッセージです。内容は五分以内に我々の敗北です。」
「わざわざ、向こうから予告をするって事は、こちらに、慈悲をかける
つまり、撤退を求めているようです。」
「如何致しましょう。中佐」
指示を仰ぐ。穏和な性格な中佐なら、なんとかなるかもしれない。
>>686
「何が、おかしい?」
こっちは、真剣なのに、笑われて腹が立つ。
>>「後悔しない生き方とか、我が生涯に一遍の悔い無しとか・・・そんなの俺にできると思ってねぇよ。」
「そうか。それなら良ぃいが!」
迅速の型をさっき、バルクレイスの返した。ミサイルの群に横からぶつけ、
返した、ミサイル味方に当たらないようにする。
>>「そういう小難しいことなんて、いざ走ってみたら小さいもんなんだよ・・・多分な」
「ふっ、お前らしい。それだけは言える。」
「なぁ、甲斐のみんなをどう思っている。そしてヒツギお前は、かつての仲間を傷つける覚悟はあるのか。」
そう、言う。武田中佐が、指示を出すまで、しばらくこれが続く予定だ。
688
:
ヴィルヘルム@アルゴス
◆E8ckRIIdug
:2013/03/24(日) 21:41:01 ID:xFZwNH4Y
>>686
(なるほどな。ラウディじゃ無理か)
心の中で呟くと、次の手を模索する。
「ラウディ、対艦戦だ」
>>679
「ハーゲン、雑魚の相手はもういい、アルプ・トラウムに全力を注げ」
改めて、指図する。
>>687
(ほぅ、引き延ばしにかかったか)
バルクレイスは機会があれば戦ってみたい相手であった。
だがユウセイは、まだその時では無いと言わんばかりの態度だ。あまつさえ、中佐に指示を仰いだ。
(参ったな、彼女が主導権争いに加わるとか)
だが、こうなってはいかんともし難い。
「ハヤミ、そいつは任せた」
それだけ言ってレイナの方にスナイパーライフルの銃口を向けた。
689
:
リリー
◆Tg./UqnJ52
:2013/03/24(日) 22:14:27 ID:Y9UyPN0o
>>673-674
こちらに取り付いたアイゼルネを追い払うべく、ソードブレイカーによる迎撃を行おうとしたリリーであったが、
それは予想外の方向から妨害されてしまった。
レオンハルトの乗る黒い機体、ムラマサが放った小型の攻撃端末が、アンジェのソードブレイカーの軌道を逸らしたのだ。
その隙を突いてムラマサがアンジェの盾に斬りかかり、追い払えなかったアイゼルネがそれに斬撃を重ねる。
勢いの乗った2撃ではあったが……アンジェの盾に刻まれたのはひっかき傷のような浅い傷だった。
十字の斬撃の交差点は他の場所よりも深い傷だろうと予測され、実際にその通りではあったものの、盾の表層をやや削るに留まっている。
「この盾を侮ってもらっては困りますね。
耐久実験においてフルパワーの零式斬艦刀と打ち合い、ポッキリと斬艦刀を折った……「エイジス」の名は伊達ではないのですよ。
それはそうと、カーマインさん。お久しぶりですね。まさか場末の12歳児でしかない私を覚えていてくださったとは思いませんで。
私はリリー・スノウフェイルといいます。まあ適当にお見知りおきを。
エンジェルフェザーの総大将がやられた今、もう戦闘の意味はあんまり無いと思うので、私も帰りたいのですが……。
甲斐の副長ではあっても、私は所詮一介の少尉。あなた方を倒そうとがんばってる皆さんには付き合わなければならないのです」
状況は不利どころではない。ライトが墜ち、味方だったヒツギが敵に寝返り、戦線を張っていた味方も総崩れ。
撤退したいというのはリリーの偽らざる本心であった。だが、それを許さないものがこの場には多かった。
であれば、せめて味方が、仲間が帰る甲斐だけは守らなくてはならない。リリーとアンジェという盾に課せられたのは、そういう義務であった。
>>673
ビームランチャーの三射目がムラマサの後部をかすめる。
かすめた箇所から煙が上がり、アカリは「足を殺したか」と思い、追撃に入ろうとした。
すると、その次の瞬間、煙を突き破ってムラマサが飛び出し、あろうことかリリーの乗るアンジェに向かっていくではないか。
「ブラフ!? ……っく、リリーはやらせない!」
その場でフライヤーモードに転じたラプターは、メインブースターから大きなフレアを吹き出し、一気に加速する。
ムラマサは背中にマウントされていた刀で、アンジェの盾に一撃を加えたようだったが……盾もアンジェも健在。
そのことにホッとするのも束の間、アカリはアンジェの下方向に抜けたムラマサに追いすがり、
「このぉ!」
主翼に懸架されていた空対空ミサイルを2発、ムラマサに向かって放った。
おそらく迎撃されるか回避されるかのどちらかであろうが、少なくともこれでアンジェへの追撃は無くなるはずだ。
690
:
レオン
◆NcltM1gQ/Q
:2013/03/24(日) 23:10:33 ID:KJb2id0Q
>>674
【「でも、アカリを無視して無理に動くのは失策だね。
なめてると落とされるのは、どっちか解らないわよ」】
「だろうな。と言っても数が足りてない上に実は向こうのチェック・メイトだったけど」
アンジェに赤い十字が刻まれるも、その橋から元の色へと戻っていく
(まだ『開く』ことが出来ない…か。ま、稼働時間からすれば上々かな)
アンジェのデータは知っている。故に『盾に』切り込んだのだ
そう。零式程度なら越える算段があった…が結果はこの通り
しかし正直な所、通らなくて正解だったと思う自分が居る。詰まるところ迷っていたのが原因だ
>>676
【「後ろから、失礼。迅雷」】
アンジェの間近で張り付いたまま、その斬撃を僅かに身を反らせてやり過ごす
>>687
バルクレイスに向けてオープンチャンネルで
「殺すなよ?」
>>680
茶化すのも束の間、ドロワナから例のガトリング弾が飛来する
「く た ば り やがれぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」
流星群の中を両腕のブレードをアクティブに
機体をリズミカルに高速で転身、あるいは空中で跳躍しその弾雨を片っ端から斬り飛ばす
>>689
流星群の中を舞う中でレイナに向けて挨拶をするリリー
内容は撤退の申し出と取れるものだ
攻撃の手も止まぬ、その最中
【「このぉ!」】
ラプターから放たれた二機のミサイルが接近する
右足からブレードを突き出しながら、その場で宙返りすると紅い三日月が生じ、ミサイルの内の一基が両断、破砕する
僅かな爆風と共に消えるムラマサ
「その盾、次はぶった斬るぜ?またな」
その姿は残ったミサイルの上に在る
ヒツギ機に対して行った要領で操作しているのだ
ドロワナの射程外まで回遊した後にユウセイに向けて、そのミサイルを蹴り込んだ
691
:
◆zv577ZusFQ
:2013/03/24(日) 23:11:45 ID:YJ6Ed0RM
>>688
(だから……見えているってのよ)
ライフルの銃口に気付いたので、神の盾に弾かれる最中、ごく自然にジガン・スクードをブラインドにする様に立ち位置を調え直していた。
>>689
【「この盾を侮ってもらっては困りますね。
耐久実験においてフルパワーの零式斬艦刀と打ち合い、ポッキリと斬艦刀を折った……「エイジス」の名は伊達ではないのですよ。】
「確かに盾をほざくだけの事はある」
レオンハルトとの連繋であっても神の盾に傷を付ける事以上の事は出来なかった。
無理が祟ってデアボリック・エクスキューショナーを失うのも格好がつかない。盾を叩き割るのは厳しいと判断。考え無しに三撃目に移るのは控える。
【「それはそうと、カーマインさん。お久しぶりですね。まさか場末の12歳児でしかない私を覚えていてくださったとは思いませんで。
私はリリー・スノウフェイルといいます。まあ適当にお見知りおきを。
エンジェルフェザーの総大将がやられた今、もう戦闘の意味はあんまり無いと思うので、私も帰りたいのですが……。
甲斐の副長ではあっても、私は所詮一介の少尉。あなた方を倒そうとがんばってる皆さんには付き合わなければならないのです」】
「ではリリーとやら。甲斐に取り次いでヒメにこの場から即座に帰れと伝えなさい。
もうユウセイ君にも仄めかしてあるが、既にこちらの艦のテスラ・ドライブは治っているわ。沈みたく無かったら……ぅ?……っ!」
もうこれ以上自主的に戦う気は無いとの言葉を聞き、ようやくそれを聞いて安心する。
なら後はあの弱気な武田姫をレイナが舌で圧すれば良いだけだ。それでもうこんな最悪な戦闘は終わるのだ。
だが、まだリリーへ言葉を投げ掛けている途中だが、急にうめき声を洩らすレイナ。
これを奴等に悟られまいとまず通信機能をすぐに切った。
コクピット内では独り胸をかき抱いて震えている姿が痛々しい。
これは先程にカナメが忠告していたリスクとやらなのだろうか?
「ああ……いや、失礼した。急に謎の組織から妨害電波が入った様だ。で、沈みたく無かったら早くヒメに言った方が良いよ」
一瞬後に、訳の解らない言い訳をしつつ、何事も無かったかの様に再びリリーに声を返した。返答はいかがだろうか。
『レイナ、下がるのはあなたの方よ。これ以上は私が許さない。もしこれを聞いてくれないなら、お姉さん怒るよ?』
「…………」
カナメからレイナに秘匿通信が入った。ドクターストップだ。レイナの身体の事情は本人以上に把握出来ている。
レイナはこんな壊れた自分の身体の不甲斐なさが悔しくて、無言で唇を噛みしめる。
【先程の宣告から1分が経過した】
692
:
レオン
◆NcltM1gQ/Q
:2013/03/25(月) 00:05:33 ID:B5SPwlo.
>>690
の修正
攻撃の手も止まぬ、その最中
【「このぉ!」】
ラプターから放たれた二機のミサイルが接近する
「!むぅ!」
ミサイルがドロワナの段幕に巻き込まれた為に弾筋を見失う
爆風は決して大きな物ではなかったが弾丸の姿を消すには充分であろうか
初速はさておき、その僅かの間で実質的に近距離で撃たれるのと体感的には変わらない流星群が煙から顔を出す
「チッ!保てよ相棒!」
やむを得ず機関部と先ほどと打って変わりブレードを保護すべく、その弾雨に受けて立ち…アンジェ達の居た位置から自らが彗星となって墜落
砂埃を勢いよく上げ木々を弾き飛ばしながらも、その大地を大きく吹き飛ばした所で妖刀を突き立てて膝を付く黒い機体。肩と背中の攻撃子機用の充電システムがひしゃげている
「即興にしては…良い連携だな」
紅い眼を光らせて向こう側のドロワナを睨みつける
693
:
ゼバスチャン
◆oR45XRwhpI
:2013/03/25(月) 01:07:02 ID:i9aby6zo
>>683
「・・・・・・・・・・・・・・・ッ!!」
一度非常停止を行ったとはいえ、威力は決して衰えてはいなかった
今までどれほどの敵機を消滅してきただろう?
どれほどの基地を蜂の巣にしてきただろう?
己が最も頼りにする、古より受け継がれてきたアヴェンジャーの名を冠するガトリング砲は
この戦場において、ただの敵機1つすら屠れずにいた
大質量の弾丸は、確かにアイゼルネの機体を捕らえていた 途中から弾幕ではなく、一点集中させながら
捕らえてなお、再生する 削ったその瞬間から修正されていく
ディスプレイにはアヴェンジャーの弾数が残り少ないことを指し示している
残り20% 10% 8% 4% そして・・・
なおも異音を放ちつつ回転する巨大なガトリング その先端から放たれ続ける炎が・・・消えた
銃身の回転はそのままに、吐き出される彗星が姿を消した
「クソッタレ!!」
屈辱に震える拳をコクピットに叩きつける
【スーパーアヴェンジャー 残弾数0】
斃せなかった 渾身の打撃を与えて 斃せなかった
弾無しの銃身を背部にマウントし 頭部がせり出してくる
「まだだ・・・!! 与えられた任務は、足止めだ!!」
バーニアを蒸かし アイゼルネに接近 リボルバーカノンとロケットランチャーを発射し アイゼルネの装甲を削らんとする
>>690
スーパーアヴェンジャーを打ちつくし、なおも足止めを行おうとするドロワナが アイゼルネへと接近していく
>>686
軽口を叩いた相手 ヒツギはその瞬間連邦の敵となった
「・・・・・・・・・・・・。」
ユウセイの問いに笑うヒツギを身ながら 一抹の寂しさを感じる
伊豆基地に来たとき、最初に対応してくれたのはヒツギだった
愛称で呼んでくれたのもまた同じく
そんな彼を命令次第では撃たねばならない、ソレは悲しいものであった
だがそんな寂しさ哀しさに浸っている暇はない 今は戦艦甲斐を護るために戦うのみであった
694
:
◆zwG.6Bg2jY
:2013/03/25(月) 15:24:27 ID:KsvyH9Dk
(S.C.Iが起動しているって言うのは本当みたいだねぇ・・・
こちらが一切解析しきれなかった起動コードをどうやって・・・)
Xゲシュペンスト・・・バルクレイスの動きから見てS.C.Iが起動しているのは間違いない
製作段階において何人かが起動できるかのテストに選出され、アレに搭乗した。
当然欧州からも選出された人物がいる、それはハーゲンとは別人なのだが
その起動コードが生体認証であることは中途段階で発覚したものの
性別・年齢・出生・血液型・人種・・・バラバラの人材を揃えただが誰も起動まで至っていなかった
(特別な能力の問題か、ヒツギ・ハヤセを最初からパイロットに設定してあったのか
あるいは何かテストしきれなかった別の起動方法があったのか・・・)
だが起動できるモノがいたことは大きい、S.C.Iの中身には彼も・・・いや彼らも興味が尽きないのだ
(本当に入っているんだろうかねェ、『ティターン・プロジェクト』の雛形が・・・さ)
>>688
(チッ・・・)
バルクレイスと一戦交えたいと思っていたところにこれである
確かに今手が空いている中で敵戦艦にもっとも近いのは自分だ
しかしレイナ・カーマインが言う5分で決着がつくというその言葉、真に受けるなら5分以内で倒せというのは無茶が過ぎる
相手側もそう、5分でこちらを全て破壊する大量破壊兵器を発動する・・・とは考えづらい。
そうだとするならば敵戦艦はすでに脱出に取り掛かっているはず
仮にその大量破壊兵器が特定の機体だけを破壊する物・・・というのも考えづらい。
あのアシエルもどき、レオンハルト・シュナイダーはレイナ・カーマイン側から見ても突然の来訪者
この時点でホワイトリスト制はありえない、ブラックリスト制もインセイオンとジガンスクード・アンジェはデータにない機体の筈
だとすれば5分でこちらが全滅するということか?
いやそれもない、少なくとも『ハーゲン自身』は5分以上持つ自信がある・・・
>>691
アルプ・トラウムに対し、ラーゼンを襲ったのと同じ桃色の閃光が襲い掛かる。
暗い空を縦横無尽に駆け抜けるそれだったが、出力が先ほどに比べて低下している
それどころかダークネス・オーラが強い部位に狙いが絞られてしまっているらしい
ハーゲンの運が悪いのか、オーラの展開が上手かったのかは定かではないが・・・
695
:
◆zwG.6Bg2jY
:2013/03/25(月) 16:00:20 ID:KsvyH9Dk
>>687
>>693
>「なぁ、甲斐のみんなをどう思っている。そしてヒツギお前は、かつての仲間を傷つける覚悟はあるのか。」
「はぁ・・・」
ヒツギは鬱陶しそうにため息を吐いた、それも当然のことだったのだ。
『仲間と戦いたくはない』というヒツギの既望、しかし『仲間を守る為なら、それば別の仲間であったとしても戦える』という覚悟
ユウセイが聞いてきたことについて、ヒツギは当に・・・というよりは最初に答えていたのだから
バルクレイスの巨大なバックパックが開く、それは恰も獣が顎門を開けるような動きで
中から顔を出したのは山ほどの推進機関とPTに搭載するにはオーバースペック過ぎるであろう大きさのテスラ・ドライブ
それらが火を噴けば、夜空に一直線の赤い線を描き赤いデーモンは加速した。
アルブレードの・・・横を華麗に通り過ぎてドロワナの元に向かってくる紅の閃光
一般的な高機動機体がレーシングカーの類だとするならば、これは直線のみを競うゼロヨンマシン
曲がるという言葉を知らないかのように安定性などというものを度外視し、加速力と最高速のみを追求したもの
その直線の速さは、地鳴りの如きブースターの咆哮に混ざって聞こえる爆発するような音からも確認できた
これは所謂ソニックブーム・・・その速さが生み出した破裂音だ
「ゼップ・・・悪いが!!」
ゼバスチャンが覚悟を決めているように、ヒツギもその覚悟を決めている
その流星の如き勢いのままに、悪魔は足を蹴り出してきた。
ステークを用いらない純粋な飛び蹴り、だがその速度を計算に入れれば威力と衝撃は馬鹿にならない
そしてヒツギにはステークを使わない明確な理由があった
バルクレイスの胸部左右に取り付けられたほぼ半円に近い円錐状のユニット
そこに走るラインへと真っ赤な光が迸り、周囲の星々の輝きを食ってしまったのではないかと勘違いするほどに発光していた。
圧縮されたエネルギーはその開放の瞬間を待ち、稲光を周囲に従えている
ドロワナを蹴り付けると同時に機体を急停止させて、その衝撃と威力だけをドロワナに送り付けんとする。
且つその反動を利用して悪魔は、上体から反り返りながらも圧縮された赤い濁流『オーバースマッシャー』を放った
それは例えるならば突如として闇夜に現れた真っ赤な光の柱
根元であるバルクレイスの動作に追随して動き、その柱は入り込む全てをなぎ払いながら上から振り下ろされる。
その直線状には先ほど通り過ぎたはずのアルブレード
なんとドロワナに対しては自身の速さと重さを最大限に活かした飛び蹴りを
アルブレードに対しては後から放ち上から落ちてくるオーバースマッシャーという非常にトリッキーな同時攻撃を仕掛けたのだ
696
:
◆Tg./UqnJ52
:2013/03/25(月) 22:06:48 ID:uqQIgQYA
>>687
,
>>691
「帰れ、ですか。そうですね……あの武田中佐ならばもう撤退を考えていても良いとは思うのですが……」
学習の機会に恵まれていなかっただけで、姫自体は決して無能な左官ではない。
彼我の戦力を見比べ、当然撤退も視野に入れているとは思うが、
「まずそもそもの前提として、このジガンスクード・アンジェでさえ満足に傷つけられていないのに、
五分で我々を敗北させるとはどういうことですか? どう贔屓目に見ても大言壮語の範囲を出ないのですけれど……」
この場での連邦側の完全勝利は無くなった。それは確かだ。だがそれは、連邦側の敗北を即座に意味しない。
先ほどリリーが言ったようにほぼ無傷のアンジェやまったく無傷な甲斐を始めとする余力があり、、
民間の組織としては巨大な戦力を持つ、といった程度でしかないレイナ一派に、引き分けならばまだしも、
負ける、などというのはあまりに幻想が過ぎる。
「この状況を見て、私はてっきりそちらが撤退してくれると思っていたんですが。
であれば、戦力の疲弊から言って追撃はかなり難しいと思いますよ?」
勝てないことは認める。だが少なくとも、勝利を与えることを考える状況ではない。
抑えであるアンジェと甲斐が存在している限り、味方は潰走を免れるし、相手はそれを追撃できない上に、勝利を掴めない。
戦場は混乱しており、味方は押すも退くも決めかねている状態だが、どちらにするにせよ、ここでのアンジェと甲斐の撤退はありえないだろう。
それがリリーの考えであり、ユウセイに対する姫の回答でもあった。
アンジェが墜ちるか行動不能になるのであれば、また話は違ってくるのだろうが……。
>>692
空対空ミサイルとスーパーアヴェンジャーの偶然の連携で、ムラマサは少なくないダメージを負った様子だった。
だが、この縦横無尽に暴れ回るレオンの機体を大人しくさせるには、まだまだ攻撃が足りない。
それがわかっているからこそ、アカリはスロットルを緩めはしなかったし、攻撃の手を休めることもしなかった。
再び人型形態へと変形したラプターは、地面に片膝を突くムラマサに対してランチャー銃を向け、
「何をするにしても足を潰さないと……!」
ムラマサの背部ブースターを狙い、引き金を引いた。
敵は機動力で撹乱するタイプのようだが、それは逆に言えば、機動力が死ねばその力は6割以上死ぬということだ。
697
:
ヴィルヘルム@アルゴス
◆E8ckRIIdug
:2013/03/25(月) 22:33:15 ID:aj2/dWqY
>>691
「ちっ……」
狙いを定める事も出来ず封じられる。
「ランチャーをこちらに回して曲射だったか……」
撃った後の誘導をリリーに任せるとか、後からならどうとでも言える。
「とすると……」
長物は引っ込め、こちらもレイナから見えないような角度でジガンに取り付くと“お肌の触れ合い通信”を試みる。
>>696
「少尉、彼女らについては君の方が詳しいはずだ。
押すにしろ引くにしろどのタイミングが一番良いか分かるか?」
リリーにだけ伝わるように話しかける。
「けしかけたハーゲンが手傷を負えば良し、ラウディに回収させる。
落とせるならそれで良し。
さもなくば、彼女をとっつかまえて、だな」
まだ、考えがまとまらないうちの頭の中を小出しにする。
まだ、“本気で”仕掛けるには早いだろうし。
698
:
◆JryQG.Os1Y
:2013/03/25(月) 23:11:19 ID:Dw0v.OzM
>>696
「了解です。」
どうやら、願いは聞いてくれない。
「まぁ、流石にそうか。」
と、ぼやいていると
>>695
「あっ、待て」
行ってしまった。猛スピードで、
「上から、攻撃。まさか、」
確かに、ドロアナに攻撃はけしかけている。
が、直ぐに、正体は知れ。直ぐに回避行動もとれた。が、
「ったく、念動フィールドを叩き割る。ってどんな威力だよ。」
念動フィールドを叩き割られたが、フィールドを張ったことにより、ギリギリ直撃は免れた。
(彼奴の、スピードに追い付くには。)
ユウセイは、あるボタンに手をかける。
「テスラ・ドライブリミット解除。」
リミットが、外れたことを知らす。表示がでる。
「良し、迅雷」
迅雷を用意し、バルクレイスに突撃する。
流石に、バルクレイスほどのスピードは、出せないが、リミットを外した。アルブレードカスタムを更にそれを改造したもの
「バルクレイスの突撃スピードもなかなかだけど、こいつも、馬鹿にできないよ」
一気に、バルクレイスの懐に、飛び込み。
迅速の型を放つ
699
:
◆zv577ZusFQ
:2013/03/25(月) 23:23:02 ID:iSPXn56U
>>693
【「まだだ・・・!! 与えられた任務は、足止めだ!!」】
「ふん…っ。何発でもどうぞ」
アイゼルネ・ブルートを攻撃するのに甲斐メンバーで唯一と言って言い程、何の躊躇も無く任務をこなすラーズ・アングリフ。
景気の良い事を返すが、先程の弾の嵐による傷がまだあまり塞がってはいない。
その無骨な継ぎ接ぎ機体はガトリング砲を撃ち尽くした後にも、続け様に消耗するレイナに追撃をかけて来る。
(……この忌まわしい身体。まだ皆の前では強くいさせてよっ!)
更には瞬間再生のリスクとやらのせいで身体的にもかなりガタが来ている。
でも戦いを終わらせる為にはそんな不調を悟られる訳には行かない。
背から射出した蝙蝠型の自動攻撃子機に命じ、迫るロケット弾の方を切り裂き、もろともに爆ぜた。
「良いよ。肉などくれてやる……!」
更に別の追撃。すれすれのリボルバー・カノンが上体を捻るアイゼルネの肩装甲の上部を貫いて行く。
あえて避けなかった風を装った。だが、単純に判断が遅れ避けられなかったのだ。悔しいかぎりだが。
しかもこちらは大した反撃は出来ず、目眩ましを兼ねたブラッド・ディスチャージャーを苦し紛れに発射するだけに終わった。
弾が炸裂するとたちまちドロワナとの視界は赤い霧の様なものに遮られる。
これで僅かながら時は稼げるかも知れない。
【アイゼルネ・ブルート:残りHP55%。徐々に再生中】
>>694
「ジャイアント・ハンドから先程のレーザー来ます!」
取り敢えず敵の名称を付けた様だ。そのまんまで捻りは一切無い。
敵の攻撃は先程、メイド隊を半壊に追いやったロングレンジ攻撃。それが今度は艦体に迫る。避けれはしない。
「う〜!?あれ……あれれ?ダークネス・オーラが効いてますよ?」
着弾。だが、ダークネス・オーラで無事に防げるレベルだとは思っていなかった。
オペレーターのメイドは不思議で仕方ないと言った困った顔をしていた。
「……あーあ、残念でした。そう簡単に連続使用は出来ないよね〜?前の攻撃より出力が落ちてるもの」
カナメは一人納得していたが、つまりそういう事なのだろう。
艦には全くと言ってダメージは無し。バリアを貫けてもいなかった。
【アルプ・トラウム:バリアで無効化。残りHP変わらず65%】
>>696
【「帰れ、ですか。そうですね……あの武田中佐ならばもう撤退を考えていても良いとは思うのですが……」】
「もちろんそうだろう。物分かりが良くて助かる」
【「まずそもそもの前提として、このジガンスクード・アンジェでさえ満足に傷つけられていないのに、
五分で我々を敗北させるとはどういうことですか? どう贔屓目に見ても大言壮語の範囲を出ないのですけれど……」】
「目に見える形で分かると思うよ。何もお前達を全滅させるとは言ってない」
【「この状況を見て、私はてっきりそちらが撤退してくれると思っていたんですが。
であれば、戦力の疲弊から言って追撃はかなり難しいと思いますよ?」】
「そうか。別にそっちでも良いけど。でも……その逃がしてやったぞ?みたいな上から見た対応は気に入らないのよ。まずはこちらに詫びを入れて貰う」
せっかくの相手の譲歩案を断り、疲弊して満身創痍の身体にムチを打ち、またアンジェと名の付いたジガンへ向かって行く。
しかし次は盾が突破出来ないと理解した為に別の手を練る必要が有る。
今回は性懲りも無く神の盾に槍をぶつけるフェイントを入れ、本命は左腕での拘束。アイゼルネの蛇の様な伸縮自在の腕がジガンの脚へと迫る。
特機相手に掴み合いになっても負けない程のパワーで脚部に腕を巻き付けたなら、そのままもろともに甲斐から引き離すつもりだ。
【デーモンズ・バインドでジガン・アンジェを攻撃】
700
:
◆Tg./UqnJ52
:2013/03/26(火) 16:06:23 ID:mUi9lEFg
>>697
アイゼルネと取っ組み合っている最中に、ヴィルヘルムのアルゴスがアンジェに取り付いてきた。
「少佐、邪魔です。あっち行って下さい」
格闘型の機体ではないとはいえ、PTとの戦闘中に取り付かれてしまっては邪魔なことこの上ない。
ヴィルヘルムはどうやらタイミングを聞くためにこんなことをしたようだが、別に普通の通信で良かったのではないのか。
「タイミングなんてわかりませんよ。私はカーマインさん達とそれほど親交があったわけではありませんし、
彼女ら一派の全ての力を見たわけでもありませんから。
そういうのに精通している人は、みんなあちら側についてしまいましたし、こちら側から切れるカードも限られている。
そのあたりの判断は少佐がやって下さい。それを織り込んでたからこそ、前線の指揮を引き継いだのでしょう?
あと、クルーゲ少尉をけしかけて手傷を負えば良い、とはどういうことです。
わけのわからないこと言っていないで、彼の援護でもしてください。アイゼルネ一機ならば、こちらは大丈夫ですから」
ヴィルヘルムの真意がいまひとつわからない。
押すことも考えていると思いきや、味方をあえて疲弊させるようなことも言っている。
彼はマデリーンの夫だという話だが、なるほど、このわけのわからなさは彼女とどっこいだ。
>>699
撤退すれば少なくともこの戦闘はここで終わる、とリリーは言ったつもりで、それは正しくレイナに伝わったようだったが、
それが彼女のプライドを傷つけたらしい。
別に上からものを言ったわけではないのだが、彼女の貴種然とした性格が、「撤退」を勧められたことをどうやら侮辱と取ったようだった。
「難儀な性格の人ですね、まったく!」
攻撃モーションに入るアイゼルネ。
あの斧槍がこちらの盾に振るわれようとしているのを見たリリーは、またか、と思いつつも防御行動に入る。
だが、それは敵のフェイントだったようだ。鞭のようにしなってアイゼルネの左腕が伸び、こちらの脚部をがっちりと捕まえる。
「!? しまった……!」
アイゼルネはサイズからしてみればあり得ないほどのパワーを誇る機体だ。
グルンガストタイプの機体よりも重いアンジェが、ギリギリと引きずられていく。
「ならば、こうするまでです!」
敵が何を思ってこちらを拘束したかはわからないが、それは逆に言えば、相手の動きが止まり、攻撃しやすくなったということでもある。
アンジェの両腕の盾、その先端が鋏のように展開し、こちらを拘束しているアイゼルネを掴みにかかる。
701
:
◆zv577ZusFQ
:2013/03/26(火) 18:45:56 ID:9U5MwjKI
『このまま盾を甲斐から引き離すわ。あいつが邪魔だったんでしょ?』
レイナがジガン・アンジェを引き離したのは甲斐に対して何か仕掛ける算段が有った為であった。
「レイナ、そんなことより。早く戻りなさい。あなたの身体は……!」
『まだよ。まだやれるわ……!それより折角、邪魔者をどけてやったんだ。じゃあ、いつ仕掛けるの?』
特機とタイマンを張れる様な状態じゃない事を指摘するも、全くカナメの心配など受け入れず何やら振ってきた。
「いつ仕掛けるのか……今でしょ?」
もはや反射的にそう返してしまった。
レイナの身を案じるなら、もはや最速で仕掛ける他無い。
カナメはクルー達を見渡す。
「「「イエス・ユア・マジェスティ!!」」」
イクリプスをはじめ、クルー達は皆、一様に賛同した。
「これより、甲斐に仕掛けるわ。テスラ・ドライブ再始動、んで艦橋、ミサイルコンテナを順次格納」
>>700
【「難儀な性格の人ですね、まったく!」】
「良く言われる。私は面倒臭い女よ」
自分でもそれは自覚している。
屈折しまくった挙げ句、こんな妙な性格になってしまったらしい。
【「!? しまった……!」】
「ちょっとは良い声が出てきたじゃないか!このまま付き合ってもらうぞ!?」
ガッチリとホールドしたジガン・アンジェ諸とも、錐もみ回転しながら地表へとダイブする。
【「ならば、こうするまでです!」】
「んん!?」
あの神の盾の先端部分が鋏の形状となり、それにアイゼルネ・ブルートは拘束され返してしまう。
そして感じるイヤな予感。レイナは先程電撃処刑した明智ライトの間抜けな様を思い出していた。
702
:
◆zwG.6Bg2jY
:2013/03/26(火) 20:48:32 ID:YQxlUrg.
>>699
「エンジェルフェザー隊、指定するポイントを攻撃しろ
ただしランサーは使うな、シルバーバレットかレーザーでのみ攻撃を許可する・・・いいね?」
アルプを攻撃しているエンジェルフェザー隊のレリエルに対し、ハーゲンが送った指示がこれ。
指定したポイントというのは先ほどハーゲンが攻撃し、オーラで弾かれたポイントだ
おそらくレリエル隊が攻撃しても弾かれてしまう算段が高い
ランサーを使えば簡単に突破できるはずだと考える隊員もいるだろう
きっとハーゲンはそれらに対して「意味がわからないなら頷いてればいいんだよ、君たちは」と答える
そう・・・意味があるのだ、この状況では
むやみやたらに攻撃させるよりはこの方が『効く』はずだ
>>701
レリエル達に支持を送っていたハーゲンは状況が動き始めたのを察知
つまりタイムリミットが迫ってきているということ、ハーゲンはここにきて打って出てくる。
インセイオンが桃色に強く輝くと、その光を線として従えながらアルプ・トラウムのブリッジへと突っ込んでくる
その巨大な掌にもっと巨大な光輪を携えて。
あれは雷姫を切断した兵器と同等のものであろう、だがその規模がまるで違う
思えばあれは『人の手』から生み出していたものだ、『化け物の手』から生み出せば大きさも出力も上がることは想像がつく
そしてその性質から考えてバリアの類を文字通り切り裂いてくるに違いない
だが、そんなことは杞憂で終わった。
インセイオンの軌道上を赤い濁流が遮ってしまったからだ
「チッ・・・! Xゲシュペンストォ!!」
バルクレイスのそれは2体同時攻撃ではなく、なんと3体同時攻撃。
ハーゲンの突撃もうやむやにされてしまった
おそらく何度同じような行動をとろうとも、止めにくる敵が変わるだけでただ無駄に時間を浪費することになりかねない。
やはり先ほどの作戦の方が『可能性』がある
インセイオンは走らせていたエネルギーを球体に集めると、再びチェイサーブラストを放ってくる。
だが結果は同じ、レリエルと同じくダークネス・オーラに弾かれるだけだろう
703
:
レオン
◆NcltM1gQ/Q
:2013/03/26(火) 21:42:03 ID:PjdHvASs
>>696
【「何をするにしても足を潰さないと……!」】
吹き飛ばされた先のムラマサに即座に追撃を図るラプター
左腕のシールドに備えられたガトリング砲が唸りをあげる
その間にも湖上を滑るような美しい弧を描くような軌道で背後を狙いつつも右腕の長物の準備を進める
「熱烈だねぇ俺にもやっとモテ期とやらが来たのかな…っと」
ガトリング弾の着弾を示す噴煙がムラマサに迫り、これを側転して避ける
側転し直地の直前を狙い澄ましたラプターの銃口から光が零れる
狙いは背部推進システム…か。
「もう少し空で遊びたかったけどな」
ラプターからムラマサの間近に真っ直ぐ延びる雷光
ムラマサの背部、既に機能を失った充電システムとメインスラスターを光の柱に喰い破られ前のめりに吹っ飛ばされるも地面を掌底で突き、その宙返りして着地する。そんな矢先にレイナ達のやり取りが聞こえる
>>700
【「難儀な性格の人ですね、まったく!」】
からかう様に
「そうかもな。でも可愛いだろ?」
(…ラプターもそうだがランド・グリーズを上手く抑えるには…)
704
:
ゼバスチャン
◆oR45XRwhpI
:2013/03/26(火) 23:54:28 ID:pyNxFoOk
>>695
>>699
ゼバスチャンは戦艦甲斐のメンバーの中で唯一と言っていいほど、レイナの眷属とは交流が少ないメンバーである
ソレがいいことか悪いことかはさておき、リボルバーカノンとロケットランチャーの弾幕を浴びせ続ける
そんな中、一つの警報、敵接近のお知らせ
やってきたのはヒツギの乗るバルクレイス、その圧倒的な加速力で急接近、とび蹴りを放ってきた
「なんのこれしk」
受け止めようと大盾を構える が戦闘中酷使してきた大盾は その威力を受け止めきれず、レオンの機体につけられた傷からぱっくりと2つに割れ
衝撃をその中の本体に加える
「おとっとぉ!!?」
威力に押され、一歩二歩と後退する そこに現れたブラッド・ディスチャージャーが炸裂、視界を赤く染め上げる
「ととっ・・・と!!!」
その衝撃も手伝って、バランスを崩し 機体がしりもちを着く
「くそったれが!!」
リボルバーカノンによる弾幕を放つが 視界も利かない中の砲撃ゆえに あたり一面にばら撒くように放った銃弾に密度はないに等しかった
705
:
◆Tg./UqnJ52
:2013/03/27(水) 04:13:54 ID:1FF01gMw
>>701
錐もみ状態で落下する二機は、アンジェを下にして地表に落下することで、その墜落を止めた。
アイゼルネはこれで甲斐の前からアンジェをどかすことに成功したわけではあるが、その代わりのように、
アンジェの両腕の盾、その先端の鋏がアイゼルネの両肩、胴体との接続部をがっちりと掴む。
それと同時に、鋏の根本から太い針が3本ずつ飛び出し、アイゼルネの装甲を叩いた。
電撃兵装シーズサンダー。鋼龍戦隊の機体にも搭載されていた、超高圧電流を流し込む強力な武器である。
自己再生能力のあるアイゼルネを倒すのは非常に手間だが、電撃で機体の電装部品を全てダウンさせれば、簡単に無力化できるはず。
「捕まえましたよ。さあ、これで…………っ、ぁ!?」
この戦闘に幕を引こうとしたリリーの身体を、静電気のような感覚が駆け抜けていって、リリーは身体を抱いて思わずうめき声をあげた。
リリーはこのアンジェを、先の戦闘で搭乗した量産型ヒュッケバインと同じようにシステムの完全ジャックによるマスタースレイブモードで動かしていた。
それはリリーの身体を構成する、彼女のためだけに作られた改良型マシンセル「ビヴロスト・セル」の力であり、
今のアンジェは彼女の身体の延長のようなものであった。
脚部に巻き付いたアイゼルネの左腕と、相手の機体を捉えたシーズサンダー機構。
盾を隔てていた時とは違い、それらの要因によってマシンセルの塊であるアイゼルネと直接接触したために、
アンジェを構成するシステムのマスターであるリリーと、アイゼルネ……いや、その中のレイナとの間に、微弱ながら、
数ラインのバイパスによって互いのセル同士の共鳴現象が起こった。リリーを襲った電流のような感覚は、これに起因する。
「こ、れは…………同じ……? いや、違う……『かみ合ってない』…………そんな、カーマインさん、あなたは……?」
シーズサンダーのトリガーを引くことを忘れ、寒さに耐えるように身体を抱いたまま、リリーはうわごとのような言葉を口にする。
初めて味わう奇妙な感覚と、共鳴により感じ取った、レイナの『歪さ』……その二つによる精神的なショックが、リリーの行動を止めていた。
動きを止めたアンジェ。その上空では、アルプ・トラウムの様子がおかしいことに気付いた甲斐が、敵艦の正面から逃れるべく、回避行動を取り始めていた。
706
:
◆zv577ZusFQ
:2013/03/27(水) 08:51:41 ID:71sq9CFM
>>702
「更にレリエルのレーザー攻撃来ます。でもこんなのは……」
「バリアが有効です。突破される事は有りませんよ?」
「苦し紛れ……なんですかネぇ?」
メイド達が言うようにアルプ・トラウムはレリエル部隊のレーザー・ガンなど問題にしていない。同じ所を何度も何度も狙ってはバリアに阻まれを繰り返すばかりだ。
「……いや。流石に妙よね。EN切れを狙ってるのか、何か。ともかく……今はバリアに任せて迎撃はしない。敵艦が動く前にこのまま仕掛けるわ」
確かに嫌な予感はしたが、迷いを払拭し、奇襲攻撃を成功させる事に専念する。
【レリエル達に指示を送っていたハーゲンは状況が動き始めたのを察知
つまりタイムリミットが迫ってきているということ、ハーゲンはここにきて打って出てくる。】
「あ!?ぶ、ブリッジ前にジャイアント・ハンド!取り付かれました!」
巨大な光輪を具現化させ、あれでブリッジを真っ二つとするつもりだろう。
奇襲への準備の為にブリッジを収納状態へと移行していた最中であった。本当に運が悪かった。今すぐに切り刻むつもりなら到底間に合いそうも無い。
「イクリプス〜切り払いは?」
「申し訳ございませんが今、操舵中の身ですので表には出られません……」
流石のとんでも人間にも不可能らしい。匙を投げられる。
「……まずー。……ねぇ、艦橋はまだ収納出来ないの?駄目駄目ね。誰よこれ造ったやつ」
(((全部カナメ様じゃないですか〜!)))
しかし、冗談を言っている場合では無い。流石にあの凶器ならダークネス・オーラごとあっさりと破られてしまうだろう。
アルプ・トラウム万事休すか……
【「チッ・・・! Xゲシュペンストォ!!」】
「ふえ……バルクレイス?」
泣きべそを書いていたメイドが、何者かの乱入に気付き、顔を上げる。
「「「バルクレイスだ〜!」」」
メイド達が皆一斉にそれの名を呼ぶ。
バルクレイスがジャイアント・ハンドを吹き飛ばしたおかげで、艦は間一髪で無事に守られた。それからすぐ後にアルプ・トラウムの艦橋は内部に収納される。
「……ないすだよ、ヒツギ君。みんな死に体にならなくて済んだわ」
ぐっど。と親指を立てて勝算するカナメ艦長代理であった。
レイナが聞いていたら恐ろしいが、本人そんな暇は無かった。
その後に繰り出された苦し紛れの攻撃も何の苦も無く弾ききり、アルプ・トラウムは甲斐に艦首を向ける。
「カナメ様。よろしいですか?」
さぁ、準備は整った。後は……
【アルプ・トラウム:変わらず残りHP65%】
>>703
【「そうかもな。でも可愛いだろ?」】
「ちょっと!何でそうなる!?」
デビルイヤーはそれを聞き逃さない。
悪い気持ちでは無いが、こう言われてしまうと拍子抜けしてしまうではないか。
>>704
【「くそったれが!!」】
ゼバスチャンの視界が晴れた頃には、そこにアイゼルネ・ブルートの姿は既に無く、今はリリーのジガンスクードと仲良く地面にダイブしていた所であった。
【アイゼルネ・ブルート:リボルバー・カノンを回避。徐々に再生中。残りHP65%】
707
:
◆zv577ZusFQ
:2013/03/27(水) 08:52:08 ID:71sq9CFM
>>705
「抱き締めたいなぁ、お嬢ちゃん!」
いつの間にかアイゼルネのフェイス・マスクがオープンされ、凶悪な牙を光らせている。
ライトを失神させたあの攻撃を仕掛けるつもりだ。リリーみたいな小娘相手に。
心無しか背徳感でテンションが上がっている辺り、レイナは特殊な趣味が有ると疑われるかも知れない。
だが、中身は確かに幼女だが取り抑えたジガン・スクードはとてつもも無く、男らしく硬くて大きかったりする。
そして油断していたら
【アンジェの両腕の盾、その先端の鋏がアイゼルネの両肩、胴体との接続部をがっちりと掴む。
それと同時に、鋏の根本から太い針が3本ずつ飛び出し、アイゼルネの装甲を叩いた】
「やってみろ。その前にお前のも吸わせて貰うがね!」
どうやら、この疲弊しきった身体で我慢比べをするつもりだ。
普通の幼女相手と対等に張り合うぐらいの体力と精神力も残っているかすら怪しい。
アイゼルネも強引に自らの腕が引き千切れんばかりに力任せに動き、ジガンの肩を捉え、牙を一刺し。
【「捕まえましたよ。さあ、これで…………っ、ぁ!?」】
「あああっ!……はっ…な、なに……なんなの、これぇっ。……ぁぁ!?」
お互いが同時に接触し電流が身体を伝う瞬間、途端に身体が動かなくなる。
甲高い声と共にレイナは胸を抑えてうずくまる。呼気も先程超速度の再生を行った時の様に酷く荒く、珠の様な汗が身体から滴り落ちていた。
しかし身体の不調以上にこの戸惑う様に不可解な、まるで何者かに身体を精神を覗き見られた様な不愉快な感覚。
そしてリリー側にもこちらと同じ事が起きているはず。同じ様にリリーという少女を覗き見てしまったレイナにはそれが解る。
【「こ、れは…………同じ……? いや、違う……『かみ合ってない』…………そんな、カーマインさん、あなたは……?」】
「嫌だ嫌だ……もう、いい。……やめて……そんな目で私を見ないで。知らないで……」
レイナはその心から闘志が萎えてしまい、目の前の幼女に有ろう事か怯えていた。
自分の心に入って来た雪妖精。彼女はレイナと似て異なる物という事が分かる。
何かに例えるならばリリーを純粋な商品とするなら、それに対してレイナは不良品。ゴミに棄てられ行くもの。
レイナはリリーから逃げ出そうとした。虚勢された情けない牙を引き抜き、ジガンの鋏から這い出ようと胴体を蹴る蹴る蹴る。
【レイナ・カーマイン:気力50に低下】
708
:
◆zwG.6Bg2jY
:2013/03/27(水) 09:56:30 ID:mb1eVimE
>>698
>「テスラ・ドライブリミット解除。」
「・・・オペレーションシフト、モードTH起動・・・リミット解除!!」
ユウセイがその呪文を唱えたとき、ヒツギも呪文を唱えていた。
デーモンの背にあるパンドラの箱が動く
パンドラに格納された災厄・・・背負ったユニットはどれだけの加速を見せようが通常の段階ではリミッターがかかっている。
そもそも一般的なPTサイズであるバルクレイス
その用途から逆算してみても、1回り・・・いや2回りは大きい、PTの胴体を背負っているのとほぼ同一の大きさだ
今までの動きが制御できる範囲に留められている物としても不思議ではない
リミッターの解除を受け、ユニットの側面装甲がせめてもの姿勢維持にと短いウィングとして横一文字に広がる
全体のロックが順次開放されて行き、もっとも大きな拘束具であった下部フィルターが外れる
パンドラの箱は横に割れ、満を持して開かれた
内蔵された目まぐるしい程の量の推進装置が全て露出する、その中心に備わった大きすぎるテスラドライブがブーストドライブを使用するためにうねりを上げる
それは強烈な閃光となり白い尾として伸びる、彼方まで伸びる
対照的にバルクレイス本体は赤星が地上に落ちたのかと見間違うほど真紅に輝いていた
全身の高周波ブレードをウィング代わりにする為に、全てにエネルギーが伝達されているのだ。
負荷限界ギリギリまで高められた刃はその周囲をエネルギーによって歪ませる
しかし歪みの原因は恐らくそれだけではない、S.C.Iを通してヒツギの覇気や闘気が間違いなく具現化しているのだ
燃え上がるヒツギとは対照的に、周囲の温度と光度は何故か落ちていく
デーモンに張り付いた結露は次第に氷へと変わる、暗く冷たい灰色の世界でただ赤い悪魔だけが輝く
悪魔が周囲から、世界から熱と光を奪っているのだ
その証拠に両腕はデーモンのどこよりも強く、大きく光を放っていた
>迅雷を用意し、バルクレイスに突撃する。
「コード・・・ タイラントハート!!」
同時にデーモンもアルブレードに向かって突撃する
その速度による余波はデーモンの表面についた氷の幕など全て吹き飛ばし、周囲を嵐の如き烈風が吹き荒れる
バルクレイスもまた触れるものが風であれ雲であれ薙ぎ払い、白い尾を真っ直ぐに引いていた
直線状の全てを塵芥へと返す『弾丸』に変わっていたのだ
>一気に、バルクレイスの懐に、飛び込み。
>迅速の型を放つ
ユウセイが振るった刀とヒツギが振るった右拳が正面から激突する。
相対するエネルギーが赤と緑の光を放って周囲へと放出される、この状態互いに一歩も譲らないであろう
だが――――ヒツギには、悪魔にはまだ左腕が残っている
「この一撃で・・・ッ!」
左腕に集まった全エネルギーをブレードに送り込む、維持しきれないエネルギーが溢れだし伸びる
それに伴い剥離式多層高周波ブレードが特有の反応を起こす、表面が言葉通り剥離をはじめたのだ
エネルギーの中を金属片が跳ね回り踊り回る、その結果生み出されたのは実体でもエネルギーでもない巨大な刃
「決まりだぁぁぁぁぁあああ!!」
直進方向を無理やり上方へと切り替える
それと同時に全身を思い切り捻り、左腕を下から捲り上げるかのように振り上げる
刃がアルブレードを襲いながらも赤い悪魔は天へと昇る、そしてその天をも切り裂くだろう
709
:
◆zwG.6Bg2jY
:2013/03/27(水) 10:17:08 ID:mb1eVimE
>>706
(バリアを展開した状態を維持している・・・射撃兵器じゃないって事かい!)
射撃系実弾兵器でないことはすでに分かっていた、実弾ならば5分なんてもったいぶったことを言う必要はない。
斜線上からジガンが消えた段階で撃てばいい、だがそうでなかったという事と指定された時間・・・これはチャージに要する時間だと判断した。
となると可能性としてはエネルギーを利用する射撃兵器か――――格闘兵器かのどちらかだ
実はハーゲン、出力をかなり調整していた。
バリアであればギリギリ守れる程度にだ、そうでなければ横からカットが入る可能性も、敵艦が回避行動に移る可能性もあったからだ
先ほどあげた2種の兵器、どちらにしてもエネルギーを食う
つまりハーゲンはバリアの展開によるエネルギー切れを狙っていなかった訳ではない。
だがそれ以上に、仮に『射撃兵器』であればバリアの展開を一時的に解除する可能性があると考えていたからだ
全体を解除する必要がなかったとしても、斜線上に遮蔽物があるということは変わらない
例えば一部に穴を開ける為の前兆も起こりえるはず、それらを即座に確認するためには攻撃の手を緩めるわけには行かない
既に撃沈させることは不可能だと判断していた、だが――――
>>705
「今すぐ切れるだけ舵を切れ!!早くだ!!」
甲斐に対して緊急回線で割り込んでくるハーゲン
間に合いは・・・しない、そんな予感が既に彼の中にあった
710
:
◆zv577ZusFQ
:2013/03/27(水) 14:17:36 ID:71sq9CFM
>>705
「カナメ様。よろしいですか?」
イクリプスは念の為、艦長の確認を取る。
彼女はいつもの如くとても涼しげでごく自然体と言った風である。
「うん。よろしいわよ、さくっとやってさっさと終わらせる。わたしもみんなも疲れてるでしょ。
あ。……んで。くれぐれも前方確認は怠らない様に。VIPを轢き逃げなんてしたら笑えないからね?
目標、甲斐の艦首バスターモジュール。ブーストの解放と同時に徐々にダークネス・オーラを前面に向けてずらして。あの掌君はそれを狙う気みたいだけど……もうおそいっ」
けたたましい騒音を上げて、アルプ・トラウムは躍り出た。一気に前方の甲斐に目掛けて突撃。
主砲で何か打開策を練る物だと判断されていたかも知れないが、こちらの本命は対艦体格闘戦を仕掛ける事。
艦橋やミサイルコンテナを衝突から護る為に全てを内側に収納し、突撃に適したシャープな形が出来上がる。
「え〜と、今よりそちらさんのテスラ・ドライブとあとバスターモジュールをぶち壊しに行きます。
当たれば大変面倒臭いので、あと20秒ぐらいまでに艦首モジュールとか可能なの全部、切り離しておいてね。お姉さんと約束よ」
今から艦をぶつけようとする甲斐の武田姫やクルー達に向かい、脱力感たらたらのボイスで呼び掛けるアルプ・トラウム艦長。
この勧告はレイナ予ての希望で行われたものであり、言ってしまえば甘え。
ぶつけると言う事実は変わらず、所詮只の気休めにしかならない。
「目標、クロスレンジ!」
甲斐の雨霰の様な対空弾幕に一切たりとも怯まずに近寄り、最高速となったアルプ・トラウムはその飛び出た左右の艦首にフィールドの密度を集約して行く。
「艦首ツインブレイド、甲斐の艦首モジュールにぐちゃりとエンゲージします!」
やや上方からフォークボールの感じで落ちる様に降り注いで来たアルプ・トラウムは、その赤く黒いオーラに包まれた艦首の大型剣にて甲斐のバスターモジュールに接触。
今回は良心からか撃たずにいてくれた甲斐のあの凶悪な破壊の力。フォトンブラスターを撃たせない様にする。
破壊を確認するなど悠長な事はせず、バスターモジュールを切り抜け、勢いのまま甲斐の艦底に潜り込む。
「まだよ。イクリプス、そのまま艦首を90度傾けて今度はテスラ・ドライブを止めるのよ」
「至極簡単に言いますよねカナメ様は」
主に負けない人使いの雑さに悪態をつきながらも、ハイスペック使用人はリクエストにお答えしてスピードそのままに艦を上向きに持って来る。
そこから今度は艦首ブレイドが天を突くような勢いで甲斐の艦底からテスラ・ドライブを狙って切り抜けようとしている。
【アルプ・トラウム:天地開闢レイナ(中略)プレッシャーで甲斐を攻撃する】
「あんがと…。今まで私の友達が本当にお世話になったわ。あなた達、強いから次は敵じゃない事を願うわ。ばいばい」
カナメは甲斐の連中に本当に感謝してるのか良く解りにくい淡白な口調でそう言い残す
甲斐の下方から抜け出し、完全に甲斐のマークから逃れたアルプ・トラウムはそのままの勢いでそそくさと撤退を始める。
「アイゼルネ・ラーゼン隊、包囲を脱して順次帰還しています。撃破された子達もお互いフォローしあって帰って来ます」
目眩ましの煙幕を散布しながらハーゲンの魔の手から逃げ延びたアイゼルネ・ラーゼンの残りが甲斐をすり抜け、アルプ・トラウムへと合流して行く。
「じゃ、静香達を呼び戻して。ヒツギ君とあとレイナの叔父さんも来るでしょ?」
信号弾を上げて、静香、マヤ、つばめ、ヒツギ、レオンハルト、レイナに撤退の合図を送る。
空を飛べない風姫、焔姫。更にもう殆ど動けない雷姫には手透きのアイゼルネ・ラーゼン部隊が飛行サポートに入る。
「レイナ……何やってるのよあの子。ヒツギ君、レイナの叔父さん。悪いけれどアイゼルネをこっちに一緒に連れ帰って。もう駄目だわあの子」
そして、未だジガン・スクードと組み合ったままアクションを起こさないレイナの身の危険を案じ、過保護にもヒツギとレオンハルトの2名までをも差し向ける。
本当はせめてもっと早くレイナを戦場から退かせるつもりだった。
それを出来なかったカナメは責任を感じている。
711
:
レオン
◆NcltM1gQ/Q
:2013/03/27(水) 18:30:21 ID:HPFgr3sI
>>705
機動力を奪ったと確信しているのかこっちへの追撃の気配を見せないラプター
…まぁ、潰し合う意味が無いこと等、お互いに判ってはいたことだが
>>710
【「レイナ……何やってるのよあの子。ヒツギ君、レイナの叔父さん。悪いけれどアイゼルネをこっちに一緒に連れ帰って。もう駄目だわあの子」】
「…そう、らしいな。」
レイナの愛機はジガンタイプと組み合ったまま不気味に沈黙している
心なしか意識が無い
…そう感じるや否や、その姿はアンジェ達の直ぐ間近に在った
背部を撃ち抜かれても、妖刀は鞘もろとも歪みも削れもしていない
サポートアームベルトが、その刀の柄を右肩へと運び、それを右手で掴むと
紅い眼がより一層煌めくや同時に青眼に構えていた
抜き放たれた黒の刀身は艶を増し刃先に至ってはムラマサの挙動と共に炎がゆらめいているようにさえ映る
その抜刀からの一連の動作はアカリでもってしても、その切っ先がアンジェの鋏部分を通り過ぎた事を確認出来ただろうか…
火花を散らしながら落ちる鋏とアイゼルネ
アイゼルネを受け止め抱きかかえると接近してきた時と同じように影となり細い紅い光が尾を引いたところを僅かに残して姿を消すと
ラプター抗戦地域から続く衝撃波の嵐がアンジェの姿を飲み込むも切断された箇所以外は何事もなかったかのように佇んでいた
712
:
ユウセイ
◆JryQG.Os1Y
:2013/03/27(水) 20:54:18 ID:qMrXCq1s
>>708
>>「コード・・・タイラントハート」
「まじかよ、向こうからも突撃を」
予想外の展開
>>「この一撃で・・・ッ!」
「クッ・・・」
慌てて、シールドと、念動フィールドを展開するが
>>「決まりだぁぁぁぁぁあああ!!」
「しまった。」
バルクレイスの一撃が、アルブレードを引き裂く
「落ちるっ、でも、何も動かねぇから、なんにもできねぇや。」
そのまま、地に落ちる。
「アルブレードより、タイガー1 戦闘続行不可能回収頼む。」
「状況を、簡単に言うとテスラ・ドライブが動かん。破損はされてない。」
言葉足らずなので、正確に言うと、アルブレードの正面が、下から、ヘッドまで、真っ二つになってる。
「あと、気をつけろあの船の狙いは、テスラ・ドライブd………」
そう、言った後、通信は途切れた。
713
:
ヴィルヘルム@アルゴス
◆E8ckRIIdug
:2013/03/27(水) 21:42:05 ID:q1Ow89Yg
>>700
「ふむ、なれ合ってるわけでは無いようだな」
なんと、そんな事を危惧していたようだ。
その後はラウディ共々ハーゲン達の対艦攻撃を援護していたが……
>>705
,707
「……しまった!こっちの援護だったか!?」
外からでは分からないが、初期不良の類かもしれない。すぐそばにいれば修理装置を使えたかもしれないが裏目っぱなし。
>>710-712
「ハヤミっ!
ええいっ……」
もはや躊躇っている場合ではなかった。
その銃口を黒い機体に向け、これまでに無いまでの冷酷さが解き放たれる。
それは、傷ついた少女を荷物として抱え、羽ばたきの鈍る怪鳥を射抜くための一矢である。
【《集中》《熱血》《狙撃》を使用】
【BSR“葉桜E-2”でレオンを攻撃】
714
:
リリー
◆Tg./UqnJ52
:2013/03/27(水) 22:52:22 ID:1FF01gMw
>>707
身体を抱いてうずくまるリリーの耳に、アンジェの装甲を何度も何度も蹴りつける音が飛び込んでくる。
特別な機構も無ければ勢いもないその蹴りで、アンジェの分厚い装甲がどうこうなることはなかったが、その必死さに、明確な拒絶を感じる。
どうやらリリーを襲ったあの感覚は、向こうにも影響しているようだ。
アイゼルネの必殺攻撃らしい吸血攻撃を、途中までやってから止めたのは、それが関係しているのだろう。もっとも、こちらも身体が震えて戦闘どころではないが……。
「……っく…………ぅ」
震える手でコクピットのコンソールに手を伸ばしたリリーは、アンジェのシステムを強制シャットダウンしにかかる。
「なる、ほど……っ……そういう、事情、でしたか……。あの人、こうなるの、わかってたんじゃないでしょう、か……。
だから、あんな…………」
リリーがアンジェを受け取る際に、尼子統久が言ったことがもう一つあった。
『もし仮に、レイナ・カーマインの一派がお前達を撃退するようなことがあれば、可能であれば彼女らに私の情報を渡せ。
それだけの力があるのなら、少し取引がしたい』
あくまでついで、といった体で話された言葉だったが……強力な念動力者である統久が何らかの予感を得ていたとしても不思議ではない。
事ここに至って、リリーは余計にそう感じた。
アンジェのシステムを落とす前に、リリーはアイゼルネとの間に接触回線を開き、
「カーマイン、さん……。我々を打ち破った、あなた方と……っぅ……取引、したいという人が、居ます……。
今は、詳しくは話せません、が……『桃饅頭』と、『蛇の牙』……この二つの、キーワードを覚えておいて、ください。
あと、出来ることなら、明日の夜、だけ……バルクレイスの通信機能を、開いておいてください」
それだけを伝えると、リリーはシステムの強制シャットダウンを行った。アンジェのコクピットが真っ暗になり、リリーとシステムとのリンクが絶たれる。
それに伴ってセルの共鳴現象も収まり、アンジェの機体から力が抜ける。今ならアイゼルネのパワーでもってすれば、簡単に鋏から逃れられるはずだ。
「ふぅ……」
コクピットシートにぐったりと身を預けたリリーは、いつの間にか額に浮かんでいた脂汗を拭うと、大きく息をついた。
レイナとの共鳴で感じた、彼女の身体の、あの歪な感じ。どう考えても、彼女が自分で望んだとは言い難い。
自分はマシンセル技術で命を救われたが……同時にあのようなケースもあることを思い知らされる。
「まったく……業が深いというか、なんというか……ですね」
強い疲労感をにじませたリリーの声が、暗闇に溶けていった。
715
:
◆zwG.6Bg2jY
:2013/03/27(水) 23:25:02 ID:mb1eVimE
>>712
>「落ちるっ、でも、何も動かねぇから、なんにもできねぇや。」
沸騰していたバルクレイスの血潮が冷め始め、その輝きが落ち着きを取り戻してきたのが分かる
一撃を打ち付けてきたユウセイに対し、ヒツギの攻撃は言わばそれを読んだ二撃
しかしユウセイの一撃はバルクレイスの右拳を中央までパックリと割る深い傷を残していた
あの瞬間の攻防、少しでも遅かったら右拳からそのまま両断されていた可能性もあった、ということ
「・・・悪いな、ユウセイ」
ヒツギの仲間を守るために仲間を討つ覚悟、その答えをユウセイは受け取っただろう
当然気分がいいものではない、ヒツギ自身を最初から分かっていたつもりだ。
そしてそれを口に出してはならないという事もヒツギには分かっていた・・・
>>710
>>714
>「レイナ……何やってるのよあの子。ヒツギ君、レイナの叔父さん。悪いけれどアイゼルネをこっちに一緒に連れ帰って。もう駄目だわあの子」
「分かった」
ユウセイを討った直後、アルプからの通信を受けるヒツギ
元よりレイナを守るためにこちら側についたのだ、二つ返事で頷くとすぐさま地上へと切り替えした。
見ればジガンとアイゼルネが組み合ったまま動こうとしない。
いや違う、よく見ればアイゼルネの方は動いているもがいている様にも見えるが・・・
>「嫌だ嫌だ……もう、いい。……やめて……そんな目で私を見ないで。知らないで……」
「・・・泣いてるのか?」
その様子を見たヒツギはコックピットの中で1人静かに溢した、誰にも聞こえぬ呟きを
当然レイナの呟きなどヒツギには聞こえていない、ただ直感的にそう感じただけなのだ
脱出しようと蹴っているのならばそれは攻撃だ、だがこの行動はそれとは逆―――何かを守るために行っているように見えた
何かを否定しているようにも見えた・・・見えたが、ヒツギはそこに触れない
「リリー少尉、レイナは返して貰うぜ・・・」
既に戦う様子の無い2機の間に割り込むと
バルクレイスはジガンのツメを掴み握りつぶさんばかりに力を込めてこじ開ける
滑り落ちるアイゼルネを左腕で上半身を受け止め、右腕で足を持ち上げる形で抱きかかえた。
「・・・ありがとう、レイナ」
本当はもっと言いたい言葉があった、何故泣いているのかを聞きたいとも思った
だがレイナがヒツギに言った言葉を思い出す、そして今のレイナは恐らく『格好悪く情けない私』なのだろう
だから触れない、その輪郭にどれだけ指を伸ばしたいと思ったとしても、ヒツギは触れられない
レイナが見せてくれない痛みを理解したいと、感じたいと彼が望んでいたとしても・・・だ
「・・・レイナを回収した、すぐに帰艦する」
716
:
◆Tg./UqnJ52
:2013/03/27(水) 23:58:22 ID:1FF01gMw
>>710
五分で決着を付ける。その言葉のヒントは、変形を始めたアルプ・トラウムが握っている。
こちらが装備するバスターキャノンと同じ、戦略級の特装砲が飛んでくる可能性が高い。
姫はそう判断し、甲斐に回避行動を取らせたのだが……敵艦の予想外の攻撃方法が、その対処の上を行った。
艦体にエネルギーフィールドを纏い、艦そのものを超大型ブレードと化して、こちらに突撃してきたのだ。
敵艦が艦首に接触する前に、警告のような通信が来ていたが、20秒程度では大したことは出来ない。
「G・ウォール、艦首に最大展開! 全艦、衝撃に備えて!!」
辛うじてG・ウォールを展開させたものの、やはり、それは焼け石に水といった程度の効果しかもたらさなかった。
艦同士が衝突する激しい振動と、艦体が上げる悲鳴のような破砕音がブリッジを支配し、そのあまりの衝撃に、姫は艦長席から身を投げ出される。
姫を始めとしたクルー全員が悲鳴を上げ、衝撃に翻弄されている間に敵艦は甲斐の艦首から艦底に抜け、
あろうことかその状態から艦首を上げて、今度は艦尾を破砕しにかかった。
こちらのテスラ・ドライブを沈黙させるのが目的だったらしいが、戦艦並みの大きさのブレードが突撃してきては、
テスラ・ドライブどころかそれを含むメインエンジン・モジュールを斬り砕かれるのは自明の理であり、実際にそうなった。
横から見て、鈍角のV字型に艦体を抉られた甲斐は、その巨大すぎる傷口から大きな爆炎を上げて、高度を落とし始める。
艦首側、艦尾側を問わず艦体から誘爆を連続させながら、真っ黒な煙に後ろ半分を包まれ、滅茶苦茶になった艦首を下に向けて墜落し続ける。
下が海だったのは幸か不幸か。旧世紀の戦艦の形をした戦闘母艦は、艦の全高をも超える巨大な波しぶきを周囲に撒き散らし、無様な着水を果たした。
「…………ったたた……ひ……被害、被害は……?」
ブレードによる攻撃と墜落に伴う衝撃であっちこっちを打ちつけた姫は、腕を庇いながらよろよろと立ち上がり、艦長席のコンソールに向かう。
艦橋の外は黒い煙で何も見えない。艦の状態を見る唯一の方法はコンソールモニターだけに限られていたが、そのダメージ表示を見て、姫は青ざめた。
「か……艦長、ご無事、ですか…………」
艦長席に比較的近いオペレーター席の陰から、弱々しい足取りでオペレーターの一人が現れる。
頭を強く打ちつけたらしく、頭から血を流している彼女に姫は小走りで近づき、肩を貸してやる。
「すみません……艦は、どうなりました?」
「良くない、ですね。リアクターの制御は、ここから行えますか?」
「可能です。ただ、私ではどうすることもできません。ファーストエンジニアの無事を確かめないことには……」
「わかりました。あなたはここで、少し休んでいて下さい」
オペレーターコンソールに負傷したオペレーターの身を預けさせた姫は、微妙に斜めに傾いた艦橋のロウアーフロアに駆け下り、ファーストエンジニア席に駆け寄る。
エンジニアはコンソールに突っ伏したまま気を失っていたが、姫が数回、呼びかけながら揺さぶると、うめき声と共に覚醒した。
「くそ……頭がふらふらする……。艦長ですか? 俺らはまだ、生きてるんですよね?」
「ええ、間違いなく生きています。ですが今は、そんな悠長なことを論じている場合ではありません。
大至急、リアクターを緊急停止させてください。このままだと、艦を中心にして半径数㎞が吹き飛びます」
「そりゃいけませんね……つつ、回路が生きているのを祈るばかりですよ」
ややノイズの走るモニターに流れる情報を目で追いながら、エンジニアがコンソールを叩いていく。
そう時間を置かずに、リアクターを示すアイコンに×印が付いた。
「リアクターにスクラムをかけました。これで、少なくともリアクターの爆発で俺たちが死ぬことはありません。ですが、こりゃあ……」
「ええ。甲斐はもう、お終いでしょう。全艦に退艦命令を出します。周りのクルーの確認をお願いできますか?」
「はいよ……っと」
エンジニアが席から立つのを確認した姫は小走りで艦長席に戻り、コンソールを操作して全艦に退艦命令を発令した。
けたたましいサイレンと共に、退艦命令が発令されたことをアナウンスする機会音声が、艦内に響き渡った。
717
:
ゼバスチャン
◆oR45XRwhpI
:2013/03/28(木) 00:16:50 ID:bkvfyjzM
>>706
>>714
視界が赤い 満遍なく赤い
どうやら至近距離でスモークを炊かれたようだ、とりあえず出弾幕を形成しているが、ソレが功を奏しているかもわからず
視界が開けてきた、すぐに敵機を確認 するとジガンと敵大将が組み合っているではないか
何故かジガンを敵大将がけりつけているが、分厚い装甲が邪魔をしてダメージらしいダメージを与えていない様子
「ジガン!! おい返事をしろ!! ジガン応答しろ!!」
だが敵大将8にスモークを炊かれている間に何かが起こったのか、ジガンからの応答はない
>>712
>>714
及び連邦サイド全員
この戦いの勝敗は確定した、そう断定しても過言ではない
敵側の戦力に欠損なく、むしろヒツギという新戦力を抱きかかえて増強している
大して連邦軍は対象が討ち取られ、ジガンは通信不可能、アルブレードもスモークが炊かれている間にやられてしまった
語蹴るのは自分を含め数えるほど、その自分も最大威力のスーパーアヴェンジャーは弾切れ、マトリクスミサイルが一発とリボルバーカノン・ロケットランチャーが残弾僅か
これでは戦うことも難しい、とりあえず割かし近くにいたアルブレードを回収しようとするだろう そして回線で
「ボマー3より各機!! 作戦は失敗だ!! 各自撤退を開始せよ!! 繰り返す!! 作戦は失敗だ!! 各自撤退を開始せよ!!」
これ以上の戦闘は、無駄な犠牲を増やすだけそう判断し 周りの味方機に告げる
「回収部隊!! ジガンを甲斐に押し込めろ!! ドロワナじゃパワーが足りない!! 明智ってぇ御大将の救助は!?
これ以上の戦闘はムダだ!! 人命救助を最優先しろ!! 敵戦艦は攻撃を防御しつつ可能な限り無視しろ!!」
軍曹と言う下士官の発言ではないだろう、だが味方を殺さないためにも 身の丈に合わない指示をあちこちに飛ばしている
718
:
◆zwG.6Bg2jY
:2013/03/28(木) 01:16:26 ID:HjaAOo4s
>>710
>>716
>>717
『……ちら…ゲン…こちらハーゲン、明智ライトを回収した』
ノイズ交じりの通信が甲斐へと送られてくる
確認するとどうやらインセイオンがライトの乗ったガブリエルを肩に担いでくれているらしい
『回収についてはもう基地に要請しておいた、その船を捨てるならジガンの方へ集合してくれるのがありがたいよ
アレを動かすのは不可能じゃあないけど・・・少し骨が折れるからさ』
船が残っているならインセイオンのパワーを以て無理やり荷担しただろうが、退艦命令が出ている以上そういう訳ではなさそうだ
となると逆にジガンを動かすのではなく、ジガンの元に集めるというのは中々効率的だ
『後は艦の損傷箇所の情報と消火用ユニット・・・それと医療キットを持ってきてくれ
全員が退艦次第、外部から切り離し処理を行う、発火するのはやだしね』
この男からは敗戦の余韻を感じない、敗戦に慣れている・・・という様子は無い
どちらかといえば敗戦であろうと気にしていないというのが正しいのかもしれない
しかし何故医療キットまで所望したのか、それには当然理由があった
(まぁ・・・貴重なんだよねぇ、念動力者はさ)
ユウセイから感じる微弱な念が、怪我をしていることをハーゲンに伝えていたのだ。
念動力は才能だ、ひと一人を覆すアイゼンティティと言っていい
パイロットの性能は度外視しても『念動力者』というだけで、それがどんな方向性であろうと価値があるのだ
719
:
レオン
◆NcltM1gQ/Q
:2013/03/28(木) 08:25:17 ID:njPSfYWM
>>713
>>715
アイゼルネを抱えながら音速を超えて尚も障害物を軽快に飛び越しながらアルプトラウムを目指すムラマサ
アルブレードを下し駆けつけるバルクレイスが視界の端に映った
そのとき抱えていた筈のアイゼルネが脚部側からずり落ちそうになる
「…たく。そんなに点数が欲しいかよ」
アルゴスの放つ一筋の閃光がムラマサの左肩を通り抜け、その先は失われ鮮血のような内溶液が吹き出していた
回避を兼ねるこの機動…とは言え向かう先さえ判ってしまえば確かに命中させる事もできるだろう
「ヒツギ!」
残った右腕でアイゼルネの胴体をしっかり抱えた上で加速を殺さぬよう大地を踏み込み、全体を大きく捻りながらアイゼルネ・ブルートをバルクレイスに向けて放り投げる
「じゃあな」
バランスは崩れたままアイゼルネを投げた為、そのまましばらく地面を転がった後、取り残される形となる
720
:
◆zv577ZusFQ
:2013/03/28(木) 13:18:16 ID:CLgZrR92
>>714
【「カーマイン、さん……。我々を打ち破った、あなた方と……っぅ……取引、したいという人が、居ます……。
今は、詳しくは話せません、が……『桃饅頭』と、『蛇の牙』……この二つの、キーワードを覚えておいて、ください。
あと、出来ることなら、明日の夜、だけ……バルクレイスの通信機能を、開いておいてください」】
「っ……モモマンジュウ?……蛇の牙?
何のつもりよ。まるで……意味がわからない。…ぁ…っ……!お前は私達をみすみす見逃す上に、塩を贈るって言ってるの?」
リリーの示した謎の単語。これらが何を意味しているのかは今の所全く頭に浮かんで来ない。
先程の不愉快な接触も有り、子供相手に真剣に凄む程にレイナの余裕の無さが顕著となっている。
「それよりもだ……!お前を弄ったのはいったい何処の誰だ!?言え!!答えろ!!」
レイナの激昂した問いかけも虚しく、リリーとの肉を超越した様な互いの繋がりは既に途切れてしまっていた。
恐らくは向こう側が引き起こしたシステムカットが原因だろう。
それに、レイナの方も自身の秘密を幾つかさらけ出してしまった。これ以上悪趣味に繋がり合うのは避けたかったに違いない。
「……リリー・スノウフェイル」
>>711
>>715
カナメからレイナの回収を依頼されたレオンハルトとヒツギの二人は待ち合わせたかの様に二体同時にレイナの元へ駆け付けた。
レイナの眷属二人はそれぞれアイゼルネ・ブルートの両肩を捕縛していたジガン・スクードのハサミを抉じ開け、拘束状態から引きずり出した。
【「・・・泣いてるのか?」】
「いや……見くびってくれるなよ」
流石に感情むき出しに泣きはしなかった。残されたプライドがそれを許さなかった。
平静を装っていつもの様に強気に返す。
【「・・・ありがとう、レイナ」】
「ふむ?……礼はいらないさ。」
そしてアイゼルネはひょいとムラマサに担がれて、ジガン・スクード・アンジェの目前から連れ戻されて行く。
一瞬、二機の救いを受け入る事を拒んだ様に見えたが気のせいでは無かろう。
今のリリーとの間に起きた一連の出来事は彼らには絶対に知って欲しくない。
この醜い本質を知られてしまえば……こういった良好な関係は崩壊してしまうから。
【「・・・レイナを回収した、すぐに帰艦する」】
『ありがとう。それじゃ帰還を待っているわねお二人さん』
カナメはレイナが置き去りにならず、ひとまず安堵。いつも気を抜いてばかりいた気もするが一層、安堵した。
>>719
が、それを邪魔する者がまだ居た。
射撃音が聞こえると同時に担がれていたアイゼルネもぐらりと体勢が崩れる。
【「ヒツギ!」】
「う……あ!?」
必死の思いでアイゼルネを追従するバルクレイスへと託したムラマサ。
だが、無理にアイゼルネを救おうとしたが為にムラマサは体勢を崩した。
【「じゃあな」】
「よせ!もういいから!」
動きを止めたムラマサはその場に取り残されてしまった。このままでは連邦軍の追撃が迫って来てしまう。
レイナは諦めずに呼び掛ける。
>718
(……負けた。……私の部隊が。エンジェルフェザーが……あんな素人に)
中盤からみっともなく失神していたライトも、今先程意識を取り戻した。
だが、余程甲斐の撃沈までの光景がショックだったのだろうか生気は失せ去り、何もしようとしない。ていうか吸血攻撃のエネルギー吸収機能によりあらゆる物を根刮ぎ奪われてしまったため、もはや脱出装置すら作動せずハッチも壊れ開かない。当然コクピットの灯りも点かず、ライトは狭い箱の中に取り残されていた。
721
:
◆zwG.6Bg2jY
:2013/03/28(木) 19:48:25 ID:HjaAOo4s
>>720
>「いや……見くびってくれるなよ」
アイゼルネから、恨み言のような言葉が返ってくる
完全に独り言で呟いたつもりだったので反応がくるとは思っていなかったらしく
この時のヒツギの心中はといえば「やっべ聞かれてたのか」と意味も無くあせっていた
「いやなんというかそんな感じがしただけっていうか俺が勝手に思っただけというか・・・!!
ってそうじゃなくて・・・」
>「ふむ?……礼はいらないさ。」
ヒツギが述べた『ありがとう』という言葉に対し、疑問符を浮かべるレイナ
このありがとうには2つの意味が込められていた
「いやさ、デーモンの修復をしてくれたこと・・・お陰でこうして言った事を嘘にしないで済んだ」
バルクレイスの修理を指示したのはレイナだと聞いている
結果としてこうなったが、もしかしたらヒツギがレイナ側につかなかった可能性だってある。
彼女の予知能力を持ってすればそれすら分かっていたのかもしれないが・・・それで片付けてしまうのは野暮というものだ
「でも言った事を嘘にしないで済んだってのも
まぁホントは適当にカッコつけただけで実際は体が勝手に動いただけなんだけどさ。
・・・でもお陰で踏ん切りがついたし、あれが自分の本心だって気づけた」
「ってよく考えたらピンチになってありがとうっておかしいよな、悪い悪い」
2つ目の意味は今の自分の立ち場を決めた理由となってくれたこと
こちらが『ありがとう』の内容を大半を占めているといっても過言ではない。
レイナからしてみればこちらについては何もしていないと思ってもおかしくは無いだろう
だがヒツギからしてみれば後押しをしてくれたのは間違いないのだ
>>719
>「ヒツギ!」
「うぉっとと!?」
レオンからレイナを受け取るも、それはPT一機分の重量が加算されるの同義だ
一瞬空中で右にバランスを崩すも、機体をそのまま右に1回転させ迎えに行くような形でバランスを取り直す
受け取りが成功したことを伝えるためにバルクレイスが小さく頷いた
「ん・・・レオン!?」
・・・がレーダー上のレオン機の影が動こうとしない
その異変に気づくも切り替えしが間に合わず、追い越してしまったヒツギは急いで振り返る
>「じゃあな」
「じゃあなって、まさかお前!」
レイナが気づいているかは怪しいが、実はヒツギは有効な射撃武器が無い
アイゼルネを抱きかかえたままでは当然スマッシャーは打てない、ではプロージョンガンはどうか?
実はこれももう撃てないのだ、その両手でレイナを抱えて居るように見えるが実際は違った。
掌が動いているのは左だけ、右は先ほどアルブレードに中央までバッサリ切り込まれいる
故に背中を支えているのは左で足を持ち上げているのが右、この形にも意味があったのである
右手の指は既に保持する能力を殆ど有していなかったのだ。
「だからってお前の機体も右腕が・・・!!」
ヒツギもレオンもかなりの速度を出していたはずだ、その中で損傷を見抜いたということ
その上で右腕を失った自らの機体と、右手が動かないバルクレイスどちらが安定してレイナを運べるかを天秤にかけ―――
722
:
ヴィルヘルム@アルゴス
◆E8ckRIIdug
:2013/03/28(木) 22:52:04 ID:f0SBxH0A
>>719
着弾を確認。
そしてヴィルヘルムは止めていた息を大きく吐き出す。
今のはもう一度やれと言われても出来るものでは無い。
「……追撃は止そう、機体はともかく俺がガス欠だ」
一つ呟くと自機をジガンの近くまで飛ばした。うかつに近寄ってカウンターで斬られる事を警戒しての判断だ。
>>718
,720
「……ラウディ、補給装置でガブリエルの様子をみてやってくれ。俺はジガンに修理装置を使う」
『……了解しました』
通信機の向こうで不満そうな声がする。
何が何だか分からないままにかつての仲間が敵に回ったのだ、不満というか何というか。
クーリマン軍曹のアルゴスがインセイオンの方に向かうのを横目で確認しつつ、自分はジガンの正面へ。
723
:
ゼバスチャン
◆oR45XRwhpI
:2013/03/28(木) 22:58:01 ID:bkvfyjzM
>>716
体感命令を出した彼には、状況があまり見えてなかったのかもしれない
気付いたときには敵戦艦が甲斐へと特攻を仕掛け、衝角によって甲斐を一刀両断
誰の目でも分かるほどの致命傷を受けて轟沈した
「・・・・・・・・・・・・」
ここまで徹底的に潰されてはまともに声も出ない
民間人相手に壊滅的損害を出した、これは歴史に残る大敗になるだろう
「・・・ドチクショウ」
己の無力さを噛み締め ただ一言漏らした
>>712
>>718
「了解ハーゲン ジガンを旗印に集合する」
応答にちっとも反応しないアルブレードを担ぎ上げて ジガンの元に集まる
「医療キットは割り増しで頼む こっちにも怪我人が居やがる」
今日はもう疲れた、これ以上敵さんが突っかかってこないことを祈るだけだ
724
:
◆zv577ZusFQ
:2013/03/30(土) 10:21:15 ID:yLSGSISA
>>716
「うわっ、えぐっ……。ちょっとやりすぎだったのかもしれません」
「Vの字斬りみたいに綺麗にかつ豪快にいったッスからねぇ。こっちは逆に全く持って何とも無いんだからびっくりっすよ」
「どどどど、どうしよう」
「ていうか下手したら……みんな死んでるんじゃ……筆頭もカナメ様もやり過ぎ」
「「「しーっっ!!」」」
メイド達がガヤガヤ騒ぎ立てる。話題はどうやら先程の突撃の事についてだ。
当初、予想していた以上に向こう側に被害を与えてしまったので敵対していながら甲斐の乗組員の無事を考えてしまう。
「……ん?全くいい身分ねあなた達。ちょっと間違っていたら、今頃撃沈して泣きわめいてたのはこっちの方だったのよ?」
敵サイドがアルプ・トラウムの特性を全く知らなかったからこそすんなり成功しただけであって次からは同じ手は通用しない。
「んにゃ……まだ敵が背にいるんだから、真面目に仕事しなきゃ駄目じゃない。状況はどーなってるの?」
ふしだらに弛めたパジャマ姿でまったり隙だらけの人間にだけはメイド達も言われたく無いだろう。
「焔姫、風姫、あと雷姫は特に酷くやられてしまってますが既に帰還してます。操者のつばめさんの方もああ見えて心身ともにえらく頑丈な様でして、あんな事された後なのにピンピンしていますよ。
むしろ、損傷機体の修理を手伝うと張り切っていまして。念の為、安静にする様に言っておきます」
何故か戦闘中はあんなに恐怖し、痛そうな声をあげていたのにも関わらず、いざ終わって見れば割と平気だったらしい。これはカナメでもロジックがわからない。
(頼むわ……早くあの子に薬を与えないといけないのよ)
アルプ・トラウムはいつでも離脱可能な位置にまで到達した。カナメは後のブリッジの指揮をイクリプスにぱっぱと引き継ぎ、老婆の様な丸い猫背の姿勢でブリッジから颯爽と退出した。
後はレイナ、ヒツギ、レオンハルトの帰還を待つばかりだ。
>>721
【「いやさ、デーモンの修復をしてくれたこと・・・お陰でこうして言った事を嘘にしないで済んだ」】
「べつに……ただのキマグレだ。たまたま自分の所有物を治しただけだし、変な詮索は無しよ」
なんて事は無いんだからねと、ぶっきらぼうに言い放った。
ただ真意はそれだけでは無いのは簡単に解るだろう。
【「でも言った事を嘘にしないで済んだってのも
まぁホントは適当にカッコつけただけで実際は体が勝手に動いただけなんだけどさ。
・・・でもお陰で踏ん切りがついたし、あれが自分の本心だって気づけた」】
「その覚悟は受け取った。我々はもう後戻りは出来ない運命だ。なので……私が死ぬまでは、あなたの事を縛り付ける」
ここで勝利してしまった以上、これからは反連邦勢力として完全に追われる身となる。
此度の連邦の完敗さえも都合良く改竄された上で、利用される事だろう。
レイナ達は今後、どれだけ世間から反逆者として迫害を受けるのかわからない。それはとても悲しい事だ。
だが、彼らとなら……
【「ってよく考えたらピンチになってありがとうっておかしいよな、悪い悪い」】
「己のピンチすら華麗に演出し、鮮やかな逆転にて不利を返し、皆のカタルシスを掴む。これが王の戦術よ」
大見得を切っているが、今回は本当にレイナの眼の力を越える展開の数々であった。
少なくとも、レイナの身と精神にはダメージが強く有りすぎた一戦となった。
それはコクピットでヒツギ相手に執念で余裕を“演じる”レイナから見て明らかか。
だが、ここで止まる事は出来ない。未来を切り開いてみせなければならない。
725
:
◆Tg./UqnJ52
:2013/03/31(日) 04:33:47 ID:LGk/DTbk
>>720
システムが切断され、通信が切れる間際に届いたレイナからの問い。
いつもと違って余裕のない口調で放たれたその問いに、リリーは答えられる回答を持っていない。
「私を「こういう形」で救ったその人は……残念ながらカーマインさん、私も知らないのですよ。
トライアローという名前も記号でしかありえませんし……」
腕で瞼を覆い、独りごちるリリー。
トライアロー。今でも文通のようなやりとりのある人物。しかしながら、リリーはその正体の一片すら掴めていない。
男なのか、女なのか。老人なのか、若者なのか。それすらわかっていない。
ただ、手がかりが全くないというわけではない。まずマシンセル技術の総本山、アースクレイドルとの繋がりがある、ということは明白。
リリーに対する連邦軍内での便宜があったことから、連邦軍、もしくはそれに関係する人物で、それなりの地位があるだろうことも予想が付く。
「そしてあの『契約』からして、義姉さんと関係があるのも間違いないでしょう……。
……ふう、あの様子だと、次に会ったら執拗にそのあたりを訊かれそうですね。
お互い不幸なことになりそうですし、もう会わない方が良いのでしょうが……」
そうして思考を巡らせていると、突然、何か大きなもの同士が激突したような轟音が響き、続けて大きな水音が聞こえた。
「……っと、何事でしょうか?」
その音によって現実に引き戻されたリリーは、コクピットのコンソールを操作し、アンジェのシステムに再起動をかけた。
強制シャットダウンで何か異常が起きていないかを確認していることを示す文字列がモニター上を流れていき、
それらが流れていった後少しして、アンジェのシステムが再起動、モニターと計器に明かりが灯った。
光を取り戻したモニターに映っていたのは、炎と黒煙を盛大に上げて海の上に骸を晒している甲斐の姿だった。
「五分の意味はこれでしたか。しかし、何が起きたのでしょう……?」
とりあえずアンジェを立ち上がらせる。
自分の方に向かって味方の識別信号が集まりつつあるのも疑問と言えば疑問だ。誰か状況を説明して欲しいところだが……。
726
:
◆Tg./UqnJ52
:2013/03/31(日) 04:34:24 ID:LGk/DTbk
>>718
,
>>723
「艦長、エンジェルフェザーのクルーゲ少尉とリューデル軍曹が、共に医療班の出動を要請しています。
何でも、前線の味方にも負傷者が出ているとか」
退艦命令を発令し、残ったブリッジクルーの安否を確認していた姫の元に、
脱出の準備が整うまでの間に通信を傍受していたオペレーターからの報告が入る。
「わかりました。ただ、こちらも艦の損傷による負傷者が多数で、手一杯ですので、出動は一班が限度でしょう。
そう伝えて下さい。他には何か?」
「はい。クルーゲ少尉から墜落したスノウフェイル少尉のジガンスクードを旗印に集結することを提案されています。
それと、消火用の機材と艦の損傷箇所の情報も求められています」
「このような大規模火災に発展した以上、艦に備え付けのものでは焼け石に水ですし、何より脱出の荷物になります。
持ち出す努力はしますが、量は期待しないようにと。艦の損傷箇所については、ありのままを伝えて下さい。
スノウフェイル少尉のジガンスクードについてですが、少尉から連絡は?」
「ありました。機を再起動し、こちらにコールをかけています。応答を?」
「はい、繋いで下さい。艦長席で取ります」
艦長席に戻った姫は、席のアームレストに備え付けてある受話器を取る。
「武田です。スノウフェイル少尉?」
『はい、こちらスノウフェイル。ずいぶんと派手にやられましたね。艦はもう放棄されるのですか?』
「ええ、この損傷具合ではやむを得ないでしょう……」
オペレーターからハーゲンにも伝えられていることだが、艦はまさに致命傷と呼べる損傷を負っている。
艦首バスターキャノンモジュールと艦尾メインエンジン区画が全壊、PTハンガーもほぼ全壊し、リアクタールームにも大規模な変形が見られていた。
リアクターは先ほどスクラムをかけたが、損傷箇所からは大きな火の手が上がり、既にPTハンガーの弾薬庫に引火、艦首側で連鎖的な爆発が起こっている。
燃料庫や艦砲用の弾薬庫にはまだ火の手が及んでいないようだが、引火するのも時間の問題。それらに引火したが最後、甲斐は断末魔の炎を上げて海の藻屑となるだろう。
『……なるほど、状況は理解しました。艦長達はこれから、艦橋の緊急脱出用ランチで脱出を?』
「そうなりますね。少尉の機体は大きく、旗印として最適ですので、その場を動かないで下さい。信号弾は装備されていますか?」
『2発だけ、装備しています』
「ではそれを撃って、味方の集結を助けて下さい。私達も、すぐにそちらに向かいますので」
『了解、お待ちしていますよ』
その通信からすぐに、アンジェから上空に向けて信号弾が放たれた。ピンク色の炎の玉がゆっくりと下降しながら、燃えさかってその存在を誇示する。
煙で前方が遮られている甲斐の艦橋からは見えないが、おそらくリリーはやってくれただろう、という予測を立て、
姫たちも負傷したクルーを助けながら艦橋裏手にある脱出用ランチに急ぐ。
727
:
◆zwG.6Bg2jY
:2013/03/31(日) 13:57:35 ID:U3Io9Vd.
>>720
>>722
「明智ライトは・・・思ってたよりは丈夫みたいだよ」
ラウディとヴィルヘルムの会話にあわせ、ライトの無事を確認しはじめた
とは言え主な観測方法はハーゲン自身の直感だが・・・外れはしないだろう
ジガンの側まで運び終えるとそのまま地面に置き、ラウディに譲渡する
>>723
>>726
>「このような大規模火災に発展した以上、艦に備え付けのものでは焼け石に水ですし、何より脱出の荷物になります。
>持ち出す努力はしますが、量は期待しないようにと。艦の損傷箇所については、ありのままを伝えて下さい。
「量については期待していないよ、火を止めるんじゃなくて起こさない様に必要なだけだからね」
火の手を止める事は実際不可能と割り切っているが、誘爆については話は別だ
外部からのブロック切り離しを行い誘爆の危険を未然に排除する、所謂破壊消火に近い
だがダメージを受けた箇所を切り離す際、損傷の関係から無茶な切り離し方をする必要も出てくるだろう
そういった場合に発火しないよう並行して使用するつもりなのだ
「リリー・スノウフェイル少尉には悪いけど、処理が終わるまで脱出艇の盾になって貰うから」
実のところ集合場所にジガンを選んだ主な理由はこれだったりする。
万が一・・・いや億が一に致命的な爆発が起こった際、損傷している機体や脱出艇を庇う盾が必要だ
その役割はジガンが受け持つのがもっとも効率的、適材適所だ
逆にインセイオンは巨大な質量を持ち上げるだけのパワーと念動力によるダイレクトなフェードバックがあり
さらに念動フィールドと緊急時の特殊な機動システムもある。
パワーが無ければ切り離し処理を行ったとしても退かす事が出来ないし、精密性が無ければそもそも切り離し処理そのものが難しい。
装甲と機動力は億が一の時に必要になってくる
離脱・装甲・パワー・精密性とこの場のどの機体を見ても処理を行うに適した能力だ
「まぁ・・・何とか形は残るように努力はするけどね
怨まないでよ、失敗してもさァ?」
728
:
レオン
◆NcltM1gQ/Q
:2013/03/31(日) 17:17:29 ID:0AhphCVc
PTでも霞んで見える程、遠巻きにジガンタイプを見据える
直援からの追撃の気配は感じない
オープンチャンネルで無線を開く
「またな。連邦の兄弟」
刀を鞘に滑らせつつ、アルプトラウムへときびすを返して駆け抜ける
回線を切り替え
「アルプトラウムへ。着艦許可を貰いたい」
729
:
◆zwG.6Bg2jY
:2013/03/31(日) 18:09:31 ID:U3Io9Vd.
>>724
>「べつに……ただのキマグレだ。たまたま自分の所有物を治しただけだし、変な詮索は無しよ」
「照れんなって、よし・・・ついたぞ」
アイゼルネを抱えた状態のままアルプの甲板へと着地する
そのまますぐにアイゼルネを降ろし横たわらせた
>「己のピンチすら華麗に演出し、鮮やかな逆転にて不利を返し、皆のカタルシスを掴む。これが王の戦術よ」
「カタルシス・・・ね、まぁ俺はこんなんじゃ満足できないけどな」
茶化すようなヒツギの言葉だが、本心を言えばこうして立っている事に心底安心していた
観客がいればピンチからの硬直、そして逆転と面白いように演出された戦いだっただろう。
「ほんと・・・よかった」
実際にレイナの言うような演出だったとしてもヒツギ自身の中では戦いは生き物だ、そういった考え方は無い
つまりこうして立っていられるのは1人1人の力と意思が起こした結果・・・だと信じたい
バルクレイスは立ち上がり戦場を見据える、夜明けか何かでも待つかのように
>>728
こちらに攻撃が飛んでこなかったことを考えると、敵が追撃を諦めたかレオンが止めていてくれたかのどちらかだ
後方を確認すると甲斐の部隊からの追撃は無い、あの被害から戦闘続行は不可能だと判断したのだろう
もう1つ、視界の中にこちらに接近してくる影がある
「レオン!!」
こちらへ真っ直ぐ向かってくるムラマサへ目掛け、広げた自身の左腕を伸ばした
730
:
レオン
◆NcltM1gQ/Q
:2013/03/31(日) 19:32:02 ID:0AhphCVc
>>729
アルプトラウムのカタパルトはどうやら着艦体制にあったようだ
その先端には見慣れた赤い悪魔の姿がそこで左腕を伸ばしていた
【「レオン!!」】
ムラマサの地面を蹴り出す速度が徐々に増しアルプトラウムとの距離を縮め
「とぅっ!」
瞬時に身を屈め両足で大地を踏み込み一気に解放
バルクレイスめがけてクルクルとムーンサルトからヒツギから見て機体を真横からのボディアタックで飛びかかる
「どうやら吹っ切れたらしいな!」
731
:
ヴィルヘルム@アルゴス
◆E8ckRIIdug
:2013/03/31(日) 22:04:40 ID:69.XRehk
>>723
『……こちらは五味、竹富中隊は負傷者多数なれど全員無事。
これから仮設診療所を設営する予定だが、なんならジガンタイプの近くまで移動して?』
そんな声が聞こえてきた。どうにか生きていたらしい。
>>725
「どうやら、生きてたな。
修理装置を使うから自己診断のデータを回してくれ……機密に引っかかるかな?」
少佐からの通信が飛ぶ。やっぱり何を考えたか読みにくい。
>>727
「では、確かに預かりました……預かるというのは表現としてどうなんでしょうね?」
そんな事を言いつつ、補給装置で機体を再起動させようと試みる。
732
:
◆zv577ZusFQ
:2013/04/01(月) 07:59:53 ID:Zd3NDhYc
>>727
【「明智ライトは・・・思ってたよりは丈夫みたいだよ」】
(……こんなの。……こんなの全然わたしのシナリオ通りじゃない)
しかし、ライトのその瞳はまるで生気を無くしたかの様な虚ろなものとなっていた。涙の跡もある。
レイナより自信に満ち溢れた彼女のエリート心は、ガラス細工の様に容易く折られてしまっていた。
>>728
>>729
【「アルプトラウムへ。着艦許可を貰いたい」】
【「照れんなって、よし・・・ついたぞ」】
「お嬢様方、三機無事に帰還しました!」
「お疲れ様でした皆様。アルプ・トラウムは直ちにステルス・シェードを張りつつこの場を離脱します。海上へ出ましょう」
これで全機体を収用したはずだ。
アルプ・トラウムはハッチを締め切る。そして鮮やかに速やかに離脱していった。
しばらくは屋敷に戻る事は出来ない。いつか戻るべく何か手を打たないといけないが、今は諦めるしか無い。
【アルプ・トラウム撤退につき戦闘終了】
733
:
◆zv577ZusFQ
:2013/04/01(月) 08:58:02 ID:Zd3NDhYc
着艦したレイナは、よろよろとアイゼルネ・ブルートのコクピットから何とか自力で這い出る事が出来た。
そして、ヒツギやレオンハルト達の目に付かない様にメイドに肩を借り、こそこそと艦内の医務室を目指した。
その室内の更に奥には隠し扉があり、レイナは命からがらそこに入っていった。
「……あほレイナ。無理に肉体を酷使し過ぎよ。この状態は不味いよ。すぐに注射を打って侵食を防がないと」
中ではカナメが待ち構えていた。手には怪しげな注射器を持っている。
「……はぁ……はあ。たのむ……っ」
注射器を目にしたレイナは一瞬とても嫌そうなげんなりした顔をした。が、いよいよ覚悟を決める。
レイナは用意された寝台に倒れ伏した。ヒツギ達の前では気を張っていたが、限界なのだろう。
「行くわよ……耐えてね」
カナメは馴れた手つきでレイナの首へと注射針を刺し入れる。
それの与える苦痛や如何なものか
「ひ!……ぐっぐ!!っ……ああぁぁぁん!!ふ!ふああ!!ァァァ!?ひうっ!」
その薬剤の接種は呆れる程の苦痛を伴う。レイナはベッドが壊れふすのじゃないかと思われる程に苦痛にのたうち回った。
「可哀想な……レイナ。生きるのよ……ううん。あなたは私が生かす絶対に」
カナメは苦痛に暴れ回るレイナを母の様に優しく抱き止め、頭を撫でる。レイナが侵食に負けぬ様にと正気を保たせている。
「あァアァアっっ!!……ユナ……ユナァァァ!?」
カナメにみっともなくすがる様に抱き付き必死に耐える。脳内を駆け巡るのは最愛の……レイナの生き甲斐である者の姿。無意識にそれの名前を呼ぶ。叫ぶ。
これは皆が知らないレイナの裏の顔。晒してはならない脆弱さ。
この壊れた身体は本当なら戦わせて良い状態では無かったのだ。無理を通してそれでもマシンセルの力を行使し、成さねばならない事がレイナには会った。
734
:
◆zwG.6Bg2jY
:2013/04/01(月) 20:24:48 ID:4jy09NmQ
>>730
>瞬時に身を屈め両足で大地を踏み込み一気に解放
>バルクレイスめがけてクルクルとムーンサルトからヒツギから見て機体を真横からのボディアタックで飛びかかる
「うおぉい!?」
不意打ちのボディアタックに見事やられてバランスを崩し、片足でピョンピョンと跳ねながら甲板の上から横に流される
その先はまさかの外――――
「セー・・・フ!」
の寸前で見事に止まり、野球の審判かの様に両腕を水平に広げた
>「どうやら吹っ切れたらしいな!」
「あっぶねぇなおい! ・・・まぁ、な」
食って掛かろうと勇み足で近づいてきたが、その言葉に毒気を抜かれてしまった
心の枷が1つ取れたからだろうか、寂しさはあるものの何となく心地よい
だからだろうか、ヒツギは思わず笑っていた
>>732
>>733
>「お疲れ様でした皆様。アルプ・トラウムは直ちにステルス・シェードを張りつつこの場を離脱します。海上へ出ましょう」
「分かった、今後のことは落ち着いてから話しあうことにしよう」
戦いが終わったばかりだが、こちらの立場を考えたらすぐに今後の予定を考えるべきかもしれない
・・・が、正直この艦のクルーも含め大人数が奔走していたはずだ、少しくらい心身を落ち着けても良いだろう
>そして、ヒツギやレオンハルト達の目に付かない様にメイドに肩を借り、こそこそと艦内の医務室を目指した。
コックピットから降りてきたヒツギはキョロキョロと周囲を見渡す
(レイナは・・・居ないか)
ぱっと見た限りではレイナの特有の影は見当たらない
アイゼルネを見ればコックピットが既に開いており、何人かのメイドが整備を始めようというところだ
(疲れてたみたいだし休んでるのかもな)
レイナは今回の戦い特にハードだった、疲れが溜まっているのだろう
自室か医務室で体を休ませているに違いない。
そう思うヒツギも心労から暖かい飲み物でも飲んで休みたいと思っていたところだったのだが
735
:
ゼバスチャン
◆oR45XRwhpI
:2013/04/03(水) 23:31:25 ID:pzcbDVtA
>>731
「あの攻撃を受けて全員無事か・・・運がいいやつらもいたもんだ
今ユウセイを連れてジガンの元に向かっている」
ぼろ屑となったアルブレードを抱えたドロワナがジガンの元に向かう
「診療所にはユウセイをぶち込んでおくから、俺の期待に弾薬を詰め込んでくれ
やれDCやらアンノウンだかに攻め込まれても困る 今は戦える駒が少ないから
ドロワナはこのまま待機する この程度の被弾なんざ良くあることさ」
そうこうしているうちに ジガンの巨体の元にたどり着いた
アルブレードを下ろし 宣言どおりコクピット内で待機する模様
736
:
◆Tg./UqnJ52
:2013/04/06(土) 19:49:15 ID:oCzIaJzo
【地球連邦軍極東支部 牡鹿基地】
レイナ・カーマインとその一派の引き起こした衝撃的な逃亡劇、書類の上で「伊豆事変」と呼ばれているこの事件から三日。
レイナと結託していたイサム・カイオウ大将が編成した伊豆の独立戦隊、所謂「カイオウ戦隊」も大将の失脚により解散され、
伊豆事変後、その隊員のうち、連邦軍に残留した人員は連邦に対し叛意が無いかどうかを判断されるまで軟禁されることとなった。
とはいえ、カイオウ大将の影響下にありながら連邦側についた彼らに対する軍上層部の目はそこまで厳しいものではなく、
どちらかと言うと「巻き込まれた」感の強いものとして、その処分は多少、同情的なものとなった。
連邦側についた人員の軟禁先が、懲罰的なそれではない、同じ極東、日本の牡鹿基地となったのもその「同情的な処分」の一環である。
今回の事件を知った、旧カイオウ戦隊の隊員のうちの一人、アカリ・クレマチ伍長の元上官であるところの深堂鏡子少佐と、
少佐の所属している牡鹿基地司令である桜川重三中将の二人が提言したこの処分が、
極力この事件に関する欧州の介入を防ぎたい極東支部の思惑と合致したという事情もあるにはあるのだが、それを踏まえても寛大なそれと言えるだろう。
「……と、いうわけじゃ。君らにも思うところはあると思うが、事情が事情じゃ。現状、君らにしてやれるのはこちらとしてもこれが精一杯。
基本的に基地の外には出られなくなる等、色々な不自由を強いると思うが、まあわかってくれい」
旧カイオウ戦隊の面々は、髪はもちろんのこと、眉も、長く伸びた髭までもが白い、
どう見てもおじいちゃんな桜川中将からそうした説明を受けた後、解散の流れとなった。
牡鹿基地は伊豆基地と比べて小さい基地である。
牡鹿半島、石巻湾に面する狐崎浜一帯を整備し、埋め立て地による土地の拡張を経て完成したこの基地は、東北地方太平洋側を守る基地のうちのひとつであるが、
この基地の役割はどちらかというと新人PTパイロットの教練が主であり、PT教育連隊が設置されている。
それ故に、現在、量産機の主流となっている量産型ヒュッケバインや、世代遅れながらもTC−OS周りが充実している量産型ゲシュペンスト、
AM系統の基本となるリオンなどの姿があちこちで見られ、それらに乗って訓練を受けているであろう年若いパイロットも多く見られた。
「……なんというかこう、若い汗と言いますか、キャピっとしてると言いますか、とりあえず若いオーラの感じる場所ですねぇ」
牡鹿に着くまで伊豆からの移動の準備やら何やらで忙しく、昼食を逃していたという理由で、午後2時頃を指す時計を尻目に、
旧カイオウ戦隊の面々は食堂にて遅い昼食を取っていた。上の発言は、大盛りチャーシュー麺をすすっている、リリーの感想である。
「まあそういう場所ですから、この基地は。つい数ヶ月前まで、私もあの中にいましたし……」
こちらはリリーの隣でコロッケ定食の味噌汁に息を吹きかけているアカリである。
「自分は若いというアピールですか。いやですねぇ、アカリ伍長は」
「そんなこと言ってません!」
アカリのツッコミに、「はいはい」といった感じでリリーはひらひらと手を振った。
737
:
エッシェンバッハ夫妻
◆E8ckRIIdug
:2013/04/06(土) 22:25:44 ID:aozPdHtc
喫煙室。
エッシェンバッハ夫妻は並んで紫煙をくゆらせていた。
「……悪いのは、私たち?」
ピースの空箱を握り潰す妻と、
「……俺は何もしてないぞ」
MoroMoroの吸い差しを灰皿に押しつけた夫。
今は、我慢の時である。
738
:
ユウセイ
◆JryQG.Os1Y
:2013/04/06(土) 23:31:01 ID:zPjGEVxM
>>736
「まぁ、落ち着いたと言っちゃあ、落ち着いたのでしょうか。」
上の発言は、リリー少尉の向かい側の席に座り大盛りチャーハンを食べながらのユウセイの発言。
>>「……なんというかこう、若い汗と言いますか、キャピっとしていると言いますか、とりあえず若いオーラの感じる場所ですねぇ」
「ですねぇ。ここにはPT教育連隊があるそうですし、まぁ、若いパイロットも多そうですし……………少尉がそんな事言うとはつーか、未成年の俺より若い、少尉が言うのもなんだと思うのだが」
危うく、変なことに、気づくのを忘れていた。
>>「まあそういう場所ですから、この基地は。つい数ヶ月前まで、私もあの中にいましたし……」
「クレマチ伍長は、ここの出身なんですね。」
適当に、相づちを打つ。
「というか、少尉、結局俺たちは、どうなったんでしょう。
ほら、明智大尉は、行っちゃいましたし、
このまま、新たな部隊として活動するのでしょうか。」
エンジェルフェザーの軍の指揮、
甲斐の部隊の敗北
総責任は、あの明智大尉にある。
相当な、責任を問われることになるであろう。
そして、ユウセイが心の中で疑問に思っていることがあった。
それは、
アスト研が、何の被害も受けていない事だ。
アジエルの類似機体の事の責任を問われることになったが
特に何も、無かったらしい。
アスト博士に、
アイゼルネの技
マシンセルとレイナ嬢の関係
あの、アジエルの類似
しかし、すべての質問に、ノーコメント
それが、アスト博士の答えだった。
739
:
◆Tg./UqnJ52
:2013/04/07(日) 05:39:00 ID:MXPK2yY6
>>738
「ここの出身……そうですね。実家は秋田の方にあるんですけど、東北の新人PT乗りは、大体ここに送られてきますから」
テーブル備え付けのサウザンドレッシングのボトルを振りながら、アカリが答える。
一方、発言の違和感を指摘されたリリーは、レンゲでスープを啜っている。
「ふーむ、三陸沖の漁場が近くにあるだけあって、魚介のダシが利いてますね。
……で、何の話でしたっけ。私がロリババアっぽいという話でしたか?」
「いや、そんな話はしてませんけど」
「おや、そうでしたか。でもまあ良いじゃないですか。このところのドタバタを振り返れば、少しくらい老け込んだところで。
ここでゆっくりしつつ若いオーラを吸収してもとの若さを取り戻せば良い話ですよ。幸か不幸か、しばらくこの基地から外には出られないんですし」
いつもの無表情よりは若干ゆったりしたような(本当に若干程度ではあったが)表情で放たれたリリーの言葉は、
ユウセイの二つ目の質問にもかかっている。
「ハヤミ中尉、桜川中将の話、聞いてました?
式典の校長挨拶みたいな眠気を誘う話ではありましたけど、私達は軍人なんですから、ちゃんと聞かなくては。
今の私達は隊としての編成、活動を許されていない状態です。
カーマインさんとの繋がりが途絶え、カイオウ大将のように連邦に対して後ろ暗いことを持っていないことが解るまで、
私達はこの基地でのんびりすることを…………することを、強いられているんだ!」
「急にネタが浮かんだからって、強引にねじ込むのやめましょうよ、リリー少尉」
「……おほん。まあそういうわけなので、私達はこの基地に閉じこめられたまま、強制的な休暇を与えられている、と解釈すればOKです。
読書をして過ごすなり、身体を鍛えるなり……好きにこの「休暇」を楽しんでみてはいかがですか?
アカリ伍長、何か、この基地なりの余暇の楽しみ方はありますか?」
リリーの質問に、アカリは目を閉じてこめかみに人差し指を当て、記憶を探る。
「そうですねぇ……。まず、こういう海に面してる基地ですから、釣りなんかをする人は多かったですね。夏は泳いだりしました。
日本三景の松島が近くにありますし、買い物や観光に出ることもありましたが……あー、それは今できないんでしたっけ。
それじゃ……うーん、ああ、アレがありましたね、バーニングPTの筐体。PT教練の助けになるんで、普通に置いてますよ。
もちろんタダでプレイできますし、ネットのを含めた対戦も出来ます。
あとは……何したっけなぁ…………とりあえず、そんなところでしょうか?」
740
:
ゼバスチャン
◆oR45XRwhpI
:2013/04/07(日) 23:05:37 ID:ib1jqDDU
>>737
「悪いのは俺らだろ? 上官の不始末は部下の不始末だ」
隣で赤マルを取り出し、咥える
鏡のように磨き上げられたジッポーが開く澄んだ音が喫煙室に響いた
「幸いなことに上層部が同情的らしいじゃねぇか ニッポンを観光できねぇのはちと残念だが
基地の設備も中々のもんだぜ? 休暇だと思ってゆっくりしていこうじゃねぇの」
タバコに火をつけ、ジッポーをテーブルに置く
暫しの間、紫煙をくゆらせ
「さぁ〜て飯だ こっちに来てからってぇものの 飯が上手くて楽しみにしてるんだよな〜
酒がないのが実に残念だ」
灰皿にタバコを押し付け、火をもみ消すと 食堂へと向かっていった
だがジッポーのことをすっかり忘れ テーブルに置いたまんまである
>>738-739
「いよぅ諸君 相席構わんかね?」
山盛りのラーメンをテーブルに置き、イスに座る 返答? 知ったことではありません
「上官殿は今頃尻拭いに躍起になってんじゃねぇの? 何せ非戦闘員にここまで記録的な損害を出しているんだ
前例のない損害に右往左往してるんじゃね?」
木の棒(割り箸)を手に取り、辺りを見回して この珍妙奇天烈な食器をどうやって使うのか確認中
どうやら切れ込みが入っていて、二つに割るらしい
「然しニッポンのラーメンとやらを食うのは初めてなんだ ダチが随分と絶賛していたんだガ・・・これどうやって食うんだ?」
そしてズルズルと音を立てて麺を啜っている所を見てビックリ
恐る恐る割り箸に麺を持ち上げ(ちゃんとした持ち方ではく、鷲掴みにした棒に麺を引っ掛ける形)
「ズルル・・・ブッ!! ゲホッゲホッ!!」
意を決して麺を啜るも、案の定気管に入れて思い切りむせる
「こいつぁ・・・なんていうか・・・よくみんな咽ないんだな」
ひとしきり咽た後 平気な顔で食べてる周りを見ながら言った
741
:
◆Tg./UqnJ52
:2013/04/08(月) 22:05:43 ID:1HIv5MQo
>>740
急に大盛りのラーメンを持って席に着いたかと思ったら、間違った箸の使い方で麺をかきこみ、結果むせ始めるゼバスチャン。
箸が使えないのはまあ良いとしても、ああいったヌードル系の料理を食べたことの無いような感じなのは珍しい。
「あー、大丈夫ですか? 箸に慣れてないのなら、コレ使って下さい、リューデル軍曹」
苦しそうにしているゼバスチャンにアカリが渡したのは、何のことはない、ただのフォークであった。
「ラーメンの食べ方に明確な作法なんてありませんから、自分の食べやすいようにした方が良いですよ。
ただ、あんまり時間をかけてると伸びて風味が落ちますけど」
初めての料理を大盛りとは中々チャレンジャーだ。無謀と紙一重、とも思うが。
隣では、リリーがうんうんと頷いている。いつの間にか、その丼は半分以上が無くなっていた。
「伸びたラーメンは不味いですからね。
それはそれとして軍曹、今回、非戦闘員に被害は出てませんよ。戦艦一隻墜ちて多数のクルーが亡くなったのは事実ですけど、彼らはみんな軍人ですから。
……まあ、軍人としては無駄な命の使い方をされましたが」
「そうですよね……軍に居る以上、命令に従って戦って、死ぬことは当たり前に起きることですけど……その、今回のことは……」
「はっきり言って内輪もめですからね。
何かの意図が有るのが明白な欧州、十分な説明無しに姿を消したカイオウ元大将とカーマインさん達……なんだかなぁって感じです。
実際、旧戦隊の人達の中には、それを恨みに思っている人も少なくないようですよ」
「リリー……少尉は、どうなんです?」
「さぁて、真相もわからずに結論を出すのもどうかって感じもしますが……」
コップに入った水を飲み干すリリー。変わらない無表情にも見えたが、先ほどまでの穏やかさが抜け落ちていた。
「これで反感を覚えない聖人を、私は見たことがありませんね。皆さんに、心当たりあります?」
「………………」
リリーの質問に、アカリは押し黙った。
742
:
エッシェンバッハ夫妻
◆E8ckRIIdug
:2013/04/09(火) 00:18:30 ID:s3y/U3Zk
>>740
「……言い切ったな」
眉をしかめた夫。
数年軍の外で暮らした彼は、“上司の仕事は部下の責任を取る事”という考え方もある事を知っている。
少なくとも、今回自分のした事に問題があったなら下に押しつける気は無い。
「言い切ったわね。でも、それを受け入れる気はあるのかしら?」
妻は妻で、軍の考え方が絶対でないのは知っている。
その上で、専業主婦まで選択肢に含んではいる。
「……一つ言えるのは、今のアイツの趣味は悪くない、って事か」
忘れ物のジッポを手にとり、ヴィルヘルムは腰を上げた。
743
:
ゼバスチャン
◆oR45XRwhpI
:2013/04/10(水) 22:49:06 ID:TM3h4Sko
時間は多少前後する
>>742
「言い切ったさ、だってソレが軍の『真理』 違うか?」
確かに軍の外には上司が部下の責任を取る、そのような概念もあるだろう
しかしここは軍隊であり、我らは軍人 上官への服従は絶対条件である
「そしてこれは個人の感情の外にある事柄だ、まぁあえて個人の感情を入れるのなら
『嫌に決まってんだろボケ』こんなところだな」
と言った後で
>「さぁ〜て飯だ・・・・・
の件に続くだろう もちろんジッポーは喫煙室に忘れたまま
そしてその後、食堂でラーメン相手に咽るゼバスチャンであった
>>741
ヌードル系云々の字の分を実際に口に出したとしたら、迷うことなくこう応えただろう
人間肉とジャガイモ 多少のキャベツと多量のビールがあれば生きていける と
「いや結構・・・魔だ負けてはいない・・・!!」
フォークを差し出すアカリ、だがこの男はソレを受け取らなかった というか食事に勝ち負けがあるのだろうか?
「このまま引き下がれん!! 男の維持を見よ!! ズルz(ry」
―――しばらくお待ちください
「ゴメン やっぱり貸して」
あっさり負けを認めた男 おとなしくフォークでラーメンを食べる図
啜るのも諦めて口いっぱいに頬張り、そのまま咀嚼する戦法を取った模様
「モグモグ・・・うん こいつぁいけるな、このラーメンとやらを紹介してくれたダチには感謝の意を伝えておこう」
とここで話しは重たい方向へ とりあえず食事を一端中断する
「・・・そういえばあいつらは、俺が始めて伊豆基地に来たときも格納庫に居たなぁ
カイオウ戦隊のメンバーであるリリーやアカリ、それに寝返ったヒツギ きっとみんなあの子らと仲がいいんだろう」
「これはあの子たちと出会ってから日が浅い、あの子たちのことを殆ど何も知らない1人の軍人としての意見だ
俺は今回の作戦 決して理解できないものではないと考えている」
きっとこの子達の反感を買うだろう、だがここは言わせてもらう
「確かにあの子たちは軍人ではない、だが一般人にカテゴリーするには戦力を持ちすぎている
あの吸血鬼AMを見たか? 別にスーパーアヴェンジャーで仕留められなかった相手は初めてじゃない」
「だがスーパーアヴェンジャーの餌食にならなかったヤツってのは、捕らえきれないほどのスピードで逃げ回ったり
分厚い装甲や強力なバリアを持っていたりした だがあの機体は、あんな華奢なのに、真正面からぶつかって、しかも再生して見せた
あの機体は脅威以外の何者でもないよ」
「軍隊としてはこれほど面白くないヤツもいないだろう、もしも一国の軍隊並の力を持つ者達が自分たちに反旗を翻したら?
もしそうなったら、この国は内乱状態に陥る そうなる前に潰しておきたいと考えるのは極自然なことだ」
メンマをフォークで突き刺し、口に運んで咀嚼する
「実際はもっと違う、どす黒い思想の元行われたのかもしれんがね そういう考えもあったってのは知ってほしいかな?ってところだ
気を悪くさせたのなら申し訳ないね」
744
:
ヴィルヘルム
◆E8ckRIIdug
:2013/04/11(木) 21:48:12 ID:dmZCi6oQ
>>743
「限りなく黒に近い灰色ではあるんだがな」
食堂の入り口に立って、壁にもたれ掛かって、そんな声をかける。
「財界人の端くれとしてもレイナ・カーマインが何故敵視されるようになったのかの発端について知りたいし、イサム・カイオウが本気で“鋼龍戦隊の再現”に取り組んでいたのか、も。
後、超機人関連のアクションもあるな。
マーガレット・ウィリアム=ウィルマースが捕まらないとの情報は届いているか?
レイナと親しくウィルマース財団の中枢に近い彼女の動向も不安だ」
そんな事を言いつつちかより、
「それはそれとして、忘れ物だ」
リューデルの前にジッポを置いた。
745
:
ユウセイ
◆JryQG.Os1Y
:2013/04/12(金) 18:26:49 ID:PrDiKf9A
>>741
「つまり、暗い陰が払拭されるまで、のんびりしなければ、生き残れないと。・・・まぁ、どうのんびりすれば良いんだろうな。」
こちらも、ネタを入れてみた。反省はしてない。
話を聞いていて、クレマチさんが、アイデアを色々だしてくれた。
「バーニングPTか。久しぶりにやってみようかな。
あっ、なんか、面白いPTとかあるか。それは興味ある。」
そんなこととかを話していると
>>740
>>743
ゼバスチャンさんが、来て同席を求めているらしい。
「どうぞ。」
にこやかな笑顔で、そう言う。
どうやら、ラーメンを箸で食べてみるらしい。
そして、
(蒸せたな。まぁそりゃそうか。)
だって、正式な食べ方じゃないもん。
クレマチさんたちが、フォークで、食べろと、言うが全く応じず。
>>「このまま引き下がれれん!! 男の意地を見よ!! (ry」
(ひでぇ、)
まぁ、大人しくフォークで、食べるらしい。本当に良かった。
まだ挑戦したら、スープがえらいことに
「軍曹の言うことは確かです。」
ゼバスチャンの言うことは確かに、
私的に、軍を持っているしかもかなりの
「ですが、これまでにも、俺達に力を貸してくれました。その事実は変わりません。
欧州は、連邦軍を、何か一つにまとめようとしている。」
「目障りな存在は、速めに消したいか。または別の問題か。」
「まぁ、いずれにせよ、今、俺達が、動けないという事実には、変わらないんだけどね。」
そう言い、またチャーハンを一口口に入れる。
746
:
◆Tg./UqnJ52
:2013/04/14(日) 23:50:48 ID:O0/Dvnss
>>743
「さあて、それはどうですかね」
丼を持ち上げてスープを空にしたリリーが、口の周りをハンカチで拭きながらゼバスチャンの言葉に反応した。
「確かにアイゼルネや敵に回ったバルクレイス、どこからか現れたアシエルタイプなどの機動兵器や、
カーマインさんの所有していたあの黒い母艦は通常の物より高い性能を有しているとは思いますが、それ自体はそんなに脅威じゃないと、私は考えています。
だってそうでしょう? いくら性能が高かろうが、彼女らは所詮、「集団」の域を出ない。
連邦軍という「巨大な組織」の前に現れたところで、圧殺されるだけなのは目に見えてます。
彼女らも馬鹿じゃないのでその辺はわかっていると思いますから、あなたの言う内乱の心配も皆無でしょう。
そもそも彼女らが利用できるだけの、内乱の火種がありませんけど」
口を拭いたハンカチを畳みながら、リリーは淡々と言う。
「少し性能の高い兵器を有する「集団」でしかない彼女らが、あの場で降伏せず我々を突破した。
問題になってくるのはその真相でしょう。単なる悪の一団の悪あがきなのか、なにがしかの陰謀から身を隠すためのものなのか。
……ま、ハヤミさんの言うとおり、どちらにせよ謹慎を食らっている我々が関与できる余地はまったくありませんね」
リリーの物言いは冷たい、と言うよりは興味がないと言った方が正しいトーンで放たれている。
今回逃亡を図った面子とは余り交流の無かった、どちらかと言うとゼバスチャンの立場に近い彼女だからこその言いようであった。
>>745
「面白いPTですか? うーん、アシュセイヴァーとラーズアングリフのデータが導入されたのは知ってますけど、それ以来触ってませんからねぇ……。
自作のカスタムデータなんかも読み込めるので、それがあればデフォルトのラインナップに機体を追加できますよ。
ハヤミ中尉はT−LINKの関係者なので、SRX計画系の機体のデータ、持ってるんじゃないんですか?」
牡鹿基地の筐体はあくまでPT教練の一環として設置されているものなので、
一般に出回っているそれとは機体のラインナップが違い、軍用PTやAMのデータが登録されている。
元々、自分でカスタムしたPTを戦わせるゲームであるバーニングPT本来のスタイルとは違うが、自作のデータを使えないほど狭量な場所でもないのだ。
747
:
整備兵甲乙
◆E8ckRIIdug
:2013/04/16(火) 21:30:43 ID:9KM.EsMo
そんな中、入ってきたのは甲斐から部隊に付いてきた整備兵コンビ。
便宜上、のっぽを甲、小太りを乙とする。
「そういや、見たか?あの胡散臭い虚無僧」
「あ?ひょっとして伊豆基地にタイデグリー中尉が連れて来たという?」
「なんか、この基地の周辺で虚無僧がうろついてたって目撃談が」
「聞いた聞いた。
警備の人たちが追いかけたけど捕まえられなかったって」
「そろそろ射殺命令が出たりしてな」
「さすがにそれは無いだろう」
何やら噂話が。
748
:
ゼバスチャン
◆oR45XRwhpI
:2013/04/18(木) 00:55:17 ID:NpzD8eHE
>>744
「おや? そういえば忘れてたっけ?」
テーブルに置かれたジッポーは間違いなく自分のもの、手に取りポケットに収めた
「鋼龍戦隊ねぇ・・・話には聞いてるけど」
カスタム・ワンオフが結集したトンデモ部隊
1戦隊で戦局すら代えかねない力を持った集団
「ソレが俺らだって言うのかね? 確かに見た感じワンオフも多いけど・・・」
果たして彼らの代わりを自分が勤められるのだろうか?
>>744-746
とまぁ自分なりの解釈を述べてみる
多少の反論も有るが、いえることは一つ
「結局、俺らに出来ることは憶測だけ
本当に脅威だったのか、そうでなかったか 真理は一帯どこにあるのやら?ってか」
スープをゴクゴクと飲み干し 箸を置く
>>747
食事が終了したところで なにやら整備士の話が聞こえてくる
「コムソウ・・・? コムソウ・・・って なんだ?」
嗚呼ジェネレーションギャップ ゲルマンにはコムソウが分かりませんでした
「なぁ お前らコムソウって知ってるのか?」
辺りに居る
>>744-746
に話題を振る
749
:
ヴィルヘルム
◆E8ckRIIdug
:2013/04/18(木) 23:29:26 ID:Q43jQxzU
>>748
「別にワンオフ集めりゃいいってものでもあるまいに」
イサムの考えはさておいても彼の運用思想は、
「機体がどうこうじゃなく、中の人間の問題だろう。
均一化された、つまり同じような人間を集めたらある局面で同じようなトラブルに同じような失敗が積み重なる。
だから、違ったタイプを復層的に配置する事で運用に厚みや幅を持たせるってわけ。
鋼龍戦隊はたまたま個性を活かすための機材にもヴァリエーションを持たせる事が出来たのさ」
まぁ、この論法だと彼自身も変人のはしくれに聞こえるのだが。
「それはそれとして、虚無僧……ああ、あの、籠を被ったブッディストか。
レミーが連れてきたからにはある程度のクリアランスを持っているはずだから……彼女はどうしたんだ」
そう、エレミーラ・タイデグリー中尉もまた、姿を消していた。
甲「あれっきり?」
乙「伊豆事変の前の日は中尉もいましたよね?」
「……親父の部下の割に胡散臭いなぁ……」
750
:
ゼバスチャン
◆oR45XRwhpI
:2013/04/26(金) 00:07:54 ID:uIr8f7Fs
>>749
「つまり俺らは『個性的』って言いたいわけか、なるほど否定は出来んな」
理解したうえで否定をしない、つまり自分が変人であることを認めているということだ
「籠をかぶったってぇ・・・あぁアレか」
そういえば伊豆基地に到着したときに籠をかぶった変人が居たなぁと、記憶を掘り起こしてみる
「アイツのことはよく分からんが、射殺命令ってのは拙くないか? オイどうなんだ?」
拙いのなら命令を中止するよう要請せねばならないだろうが、自分はあの籠人間と仲がいいわけでない
ここはヴィルヘルムの判断を聞いて判断しよう
751
:
ヴィルヘルム
◆E8ckRIIdug
:2013/04/26(金) 00:38:20 ID:UWBsbGHA
>>750
「だろ?」
ユウセイやリリーは特に個性的であり。
そして甲乙は(自分達を除く)と言いたげにしていたり。
「別に、俺が命じる訳じゃ無いが……警備兵に捕まえられないと言う事はそれなりの訓練を積んでいるという事だな。
タイデグリー中尉の部下で俺達の様子を密かに見に来たって言うならいいんだが、目立つ姿の意味が分からない。
分からないと言う事はそれ単体で十分撃ってしまう理由になるだろうよ」
「いや、軽口で言った自分が軽率でした」
甲が発言を撤回した。
752
:
ユウセイ
◆JryQG.Os1Y
:2013/04/27(土) 13:58:07 ID:HHZDKgS6
>>745
「アジュセイヴァーか。それは良いな。」
アジュセイヴァーと、ラーズアングリフが納入してると聞いて驚いた。
(軍に入ってから、親しく触ってないからな。)
そう、完全にバーニングPTをやると決めたユウセイ
「あと、クレマチ伍長、念動力者だからといって、SRX計画に参加しているとは、限らないぞ。
まぁ、ART-1のテストには参加して、バーニングPT用のデータも頂いたが。」
素で、そんなことを言う。
「ああ、それも、気になってけど俺が気になるのは現実のPTな。」
現実のPTも、見てみたいそれが、ユウセイ
期待を込めた眼差しで、クレマチを見つめる。
>>749
「俺達が、異端ね。まぁ、そうだけどさ」
念動力者+ブースデットな君が言うなって言う突っ込みは無しな。
753
:
◆Tg./UqnJ52
:2013/04/27(土) 23:54:09 ID:NI5btEmg
>>747-752
「盛り上がっとるとこ、すまんなぁ。ちょっとええか?」
アカリがユウセイに応えかけ、腹の膨れたリリーがあくびを噛み殺そうとしたその時、一人の女性士官が皆に呼びかけてきた。
ブルーのロングヘアにベレー帽を乗せた、若干ツリ目の女性だ。襟章は少佐であることを示している。
皆にとっては初見の人物であるが……一人だけ、椅子を蹴るようにして立ち上がった者が居た。アカリだ。
「きょっ、きょ、教官! お久しぶりです!」
「ああ、紅町か。そこまで長く会っとらんわけじゃないんやし、お久しぶり、はおかしないか?」
「うえ!? あー……えーっと…………すいません?」
「ダアホ、謝るとこでもないやろ。慌てん坊やなぁ」
腰に手を当て、呆れたような視線をアカリに向ける女性士官。
と、横にいたリリーが小さくなっていたアカリの袖を引っ張って、
「旧交を温めているところ申し訳ないのですが、そろそろ私達に彼女を紹介して下さいませんか?」
「あ、はい。
……えっと、ご紹介します。彼女はこの牡鹿基地でPT教育連隊の隊長を務めている深堂鏡子少佐です」
アカリに紹介された女性士官、鏡子は背筋を伸ばして、ピッとしっかりした敬礼をし、
「地球連邦軍極東支部牡鹿基地所属、深堂鏡子。階級は少佐や。
今、そこの紅町がウチをPT教育連隊の隊長って言うたけど、今はもう、その任からは解かれとる」
「え? じゃあ今は何を?」
「君らの面倒を見るように言われて来た。
第4特別編成小隊……つまり、君らのことやけど、この部隊の隊長になるよう言われた。
この小隊名、字面は真面目やけど、ぶっちゃけこれ扱いは懲罰部隊と何にも変わらへん」
「懲罰部隊……そんな……」
アカリはショックを受けた様子ではあったが、頭の中では解っていた。
あえて考えないようにしていたが、桜川中将の説明の時点で、自分たちがそういう扱いになっていることは明白であった。
754
:
ヴィルヘルム
◆E8ckRIIdug
:2013/04/28(日) 14:25:54 ID:PyV.v30w
>>752
「仕方が無いよなァ。一番マトモなのがうちのラウディか?」
次点であかりん。
>>753
「自分は、ヴィルヘルム・エッシェンバッハ少佐であります。
色々とお手数をおかけします……小隊?」
※自分
※ユウセイ
※あかりん
※ラウディ
※ゼバスチャン
「……中隊には足りないか」
人数を数えて。
755
:
ゼバスチャン
◆oR45XRwhpI
:2013/04/29(月) 15:38:17 ID:ky2Co.JM
>>751
>>754
「だがこの場で一番の常識人の座は譲る気は無いぞ!!」
どうやら自分が常識人だといいたいらしい、だがラウディなる人物に会った事がないようなので本当のところはどうなのやら?
さぁ、この常識人対決はどっちに軍配が上がるだろうか?
「とりあえず相手側の目的も分からんし、警備隊に任せるか」
>>753
「自分はゼバスチャン・クルト・ヴェルナー・リューデル軍曹であります
懲罰部隊の隊長への異動、大変ご苦労様であります」
ショックを受けるアカリに対し 調子を変えることなく敬礼してみせる
実際のところ前いた場所はその劣悪な環境から、懲罰部隊と大して変わらない環境だった為だ
「そいで? 好みが綺麗に刷るまで最前線で消耗兵ごっこしていればいいのですかな少佐どの?
ここへは只のご挨拶? それとも早速この基地から出る機会を持ってきてくださったとか?」
この基地から出る切欠 つまり打って出る前線へ放り込まれるか? ということだ
756
:
ユウセイ
◆JryQG.Os1Y
:2013/05/01(水) 22:35:46 ID:TtXxccHE
>>「話してるところに、すまんなぁ。ちょっとええか?」
「どうぞ、って、クレマチ伍長?」
ユウセイとアカリが、話しているところに、一人の女性士官が来た。
それを、見たアカリは急に、立った。
「伍長、この方は?」
>>「あ、はい。
……えっと、ご紹介します。彼女はこの壮鹿基地でPT教育連隊の隊長を務めている新堂鏡子少佐です。」
少佐と言うことで、ユウセイは、慌てて立ち、
「自分は、ハヤミ・ユウセイ中尉であります。」
と、敬礼してみせる。
新堂少佐の話を聞くと、どうやら、懲罰部隊となるらしい。
「懲罰部隊、ですか。」
(確かに、戦艦一隻落としてしまったからな。)
納得しようとしたが、
(そもそも、明智大尉が、指揮とってたし、責任は欧州の方にあるんじゃ?)
そんな事を、考えるが今は
「しばらくの間、宜しくお願いします。」
深々と、頭を下げた。
757
:
◆Tg./UqnJ52
:2013/05/10(金) 00:23:19 ID:zWjiy6AU
>>754-756
三者三様、それぞれの個性を持った返答に、鏡子は二、三度深く頷いて、
「うん、元気があるのはええことや。
……で、ウチがここに来たのは顔合わせのためでもあるんやけど、
そこのおっきいゼバスチャンが言うたように、「懲罰部隊としての仕事」があることを伝えに来たっちゅうんが、一番やな。
とりあえず、こいつを見てくれへんか」
そう言って鏡子がテーブルの上に置いたのは、二次元ホログラムを表示する端末であった。
鏡子が端末を操作すると、端末から映像が浮かび上がる。
それは牡鹿基地周辺を表示した地図情報で、基地から北へ数十㎞行った部分に赤い光点が表示される。
「今日、この基地に到着予定の輸送機が一機、「ゲシュペンストの部隊に襲われとる」言うて、救援要請を出してきた。
敵は輸送機からの情報を信じるんならただの量産型ゲシュペンストなんやけど、
輸送機が山地の上を逃げ回ったにも関わらず、そいつらはただのゲシュペンストらしからぬ山地踏破性能を発揮したようなんや。
DCの残党か何かが、そういう機能をこいつらに追加したんやと思う。無論、それだけやないと思うけど、普通と違うんでハッキリしとるんはこれだけやな。
輸送機の飛行速度、ルートからして、今から出れば、おそらく南三陸町付近で接敵することになる。
数は12機。数の上やとあっちの圧倒的勝利やけど、こっちの機体はまあ、性能がええからなぁ。
ま、五分以下の戦いにはならんやろ」
最初に表示された赤い光点から、輸送機のアイコンと、それを追う青い12個のアイコンが動き、鏡子の説明を補足する。
それらのアイコンはしばらく動いた後、現時点での座標で停止し、輸送機のアイコンから十何㎞か南へ行った場所に大きな赤い丸が表示された。
鏡子の言った、接敵予想地点だろう。
「懲罰部隊とは言うたけど、君らは別に連邦に叛意があったわけやないしな。
ゼバスチャンが言うたみたいに、ひとつ間違えたら死ぬ、みたいな、そんなガチの懲罰任務はまわって来んようになっとる。
やから、そう心配せんと、気楽に構えとき。と、ここまでで何や、質問はあるか? 無いなら、即出撃やで」
758
:
ヴィルヘルム
◆E8ckRIIdug
:2013/05/10(金) 21:56:18 ID:VyyW0VOw
>>755
「まあそれはそれとして」
それとして。
>>757
「……数は不安だが、そのあたりは仕方がないか」
なお、整備兵二人はすでに格納庫に急いでいます。
「さて、大事な質問です。
輸送機の積み荷は何ですか?この重要度で敵の練度や対応を推測出来ると思いますが」
759
:
ゼバスチャン
◆oR45XRwhpI
:2013/05/10(金) 23:24:12 ID:spuuzHhw
>>757
「ゲシュペンストねぇ・・・」
ゲシュペンストはいい機体だ、自分も一時期乗っていたことがある
ハロウィン・プランで延命措置を施されたのにも納得が行く、ただゴキゲンな実弾武器が揃ってないのだけが(個人的に)不満箇所でもアル
「機体のカラーリングは? 目立つエンブレムの有無は? 目立ったカスタマイズはされているか?
山地踏破・・・となると、空を飛んでない? ならば飛行の出来ない量産Mk-Ⅱか? プラズマ・ステークの形状で判断できるはずだが」
もしもハロウィン・プランによって蘇ったMk-Ⅱ改ならばテスラ・ドライブによる飛行が出来るはずである
量産Mk-Ⅱなら着脱の出来ないステークであり 改ならば着脱可能なバックラーになっているはずである
「性能がいいって言ったって、相手の機体にも寄るんだガなぁ・・・何はともあれ仕事だ 軍人はギャースカ騒がず出撃するのみってか?」
質問は以上である 返答を聞いたら機体に乗り込むだろう
760
:
ユウセイ
◆JryQG.Os1Y
:2013/05/11(土) 19:12:01 ID:kpSU1hns
>>757
「………ゲシュペンスト」
ゼバスチャンが、性能を、思い浮かべている。間
ユウセイは、アスト研での事件を思い出していた。
(まさかな。あいつじゃ)
超人機のコアを回収していったリガシン等、
(最近、活発に活動してると言うし、警戒は怠らないようにしないと。)
「性能差は、何とかなると思います。兎も角、行きましょう。」
質問は、特にないので、返答を聞き次第出撃である。
761
:
◆Tg./UqnJ52
:2013/05/14(火) 19:06:09 ID:aV4xwWFM
>>758
「輸送機の積荷? たしか、こん基地でトライアルする予定の試作機って話らしいで。
無論、その話はウチの基地と送り主の間にしか交わされてへんのやけど、それを傍受かなんかして追ってきたにしては、
連中、段取りがお粗末やで?
試作機、新型機乗っけた輸送機の襲撃をこの東北方面軍の庭先でやらかそうっていうんに、戦力はゲシュペンスト12機だけ。
当然、奪取も考えられるけども、奪取した機材を運ぶための母艦らしき影も見つからん。
正直何したいんかわからん連中や。けど、こないな迂闊な行動に出とる時点で、練度なんぞ考えるだけ無駄やと思うで、ウチは。
練度の高い反連邦政府がヤケんなって玉砕覚悟で出てきたっちゅう乱暴な意見もあるにはあるけど、そんなん鼻で笑う話や。
故に言うたんや、「五分以下にはならん」てな」
>>759
ヴィルヘルムにそんなふうに話していると、横からゼバスチャンが口を出してきた。
どうやら敵の情報をもっと詳しく知りたいらしいが……。
「ゼバスチャン、二言目のお前の台詞、ブーメランなっとるで……。
……まあええ。敵の機体の情報やな? しかし、言うてもさっき話したこと以上のことはわかっとらんで?
敵は改型でも何でもない、ただの量産型ゲシュペンスト、ただし山地踏破性能に向上が見られる。
所属を示すようなカラーリングも、目立った改造も無い、まっさらブルーのゲシュペンストや。
……わかっとることを過不足無く伝えたつもりやけど、前の職場じゃ情報も満足に得られんかったんか?」
762
:
ヴィルヘルム@scof
:2013/05/14(火) 22:24:48 ID:77/2bwic
>>761
「想定しうる最悪のパターンだと、実は運んできたのは爆弾で、基地に着いたらドカン!か。
その次くらいに来るのが、試作機の中に敵パイロットが入り込んでて、“我々”相手の性能テスト?」
往々にして、最悪の斜め下は良くあるのだが。
「とは言え、誘いだとしても乗らないわけにはいかないな。
マデリーン!」
「軌道艦隊のユーティライネンがデータリンク支援の要請に応じてくれたわ。
あ、はじめまして。私はマデリーン・ダンディ・エッシェンバッハ少佐です。よろしくお願いします、新堂少佐」
何時の間にか来てたマデリーンが報告と挨拶。
「……速いな……とにかく、出撃か」
763
:
ゼバスチャン
◆oR45XRwhpI
:2013/05/15(水) 02:34:56 ID:GymBBVk2
>>761
「情報も碌に得られなかったかって? まったくもってその通りであります隊長殿
基本的に何処其処を爆撃して来いでしたんでね、何か聞き漏らしてないか躍起だった癖が抜け切っておりません」
実はそれほど深く作戦内容を聞いてなかったとは言えないので、適当に理由をでっち上げてみた
「これ以上の情報はなし 了解であります、これより出撃準備に入りマスであります」
そういって敬礼一つ ラーメンの器を返してハンガーに向かう
764
:
ラウディ
◆6EgzPvYAOI
:2013/07/03(水) 00:22:52 ID:o01AfIRg
一方その頃、ハンガーにて。
「……まぁ、色々ありましてスプリットミサイルはアーマーブレイカーに差し替えます。
後は目立った変更点はありませんね」
ラウディはアルファ主任から、アルゴスの仕様変更に関するレクチャーを受けていた。
「そもそも短射程ミサイルと長射程ミサイルを両方装備とか中距離ががら空きだ」
「上もそう考えたから、今回の始末でしょうよ」
765
:
◆zv577ZusFQ
:2015/02/18(水) 11:05:54 ID:vuMjMuBM
何者かの悪意有る策略にハマり、地球連邦軍から付け狙われる立場となってしまったとある資産家の令嬢レイナ・カーマインとその同士達一向は、連邦の追撃を逃れ隠れ潜む日々を強いられていたのだった。
そんな最中、突然のレイナ自身の強い要望により一同はオーストラリア大陸へと進路を取っていた。
メルボルンのはずれにはカーマイン家当主の怒りを買ったあまり、故郷を追放され、身を隠す父と妹が生活している。
今回のイザコザで彼らの身柄を万が一にでも連邦軍に抑えられ人質として利用されてしまう事を恐れたレイナは、高速艦アルプ・トラウムをすぐさま向かわせた。
しかし、生憎にもレイナ達が到着するよりも遥か前にメルボルンの住居にはいずこから情報を得たのだろう連邦軍の特種工作部隊の強襲により、応戦した父と従者共は滅ぼし尽くされた。
「おねえ……ちゃん、ごめんなさい」
更には一人残された小さな妹ユナ・カーマインまでもが兵士に取り押されられ無理矢理に連れ去られてしまう。
「……ユナさま非力な私を……許してくだ……さい」
連れ去られてゆくユナの恐怖とそれと同等の自責の念を深く感じ取った死に体となり果てたメイド隊最後の一人は、ムダで有ろうとも連れて行かせまいと最後まで主君であるユナへと手を伸ばし続けた。
766
:
◆zv577ZusFQ
:2015/02/18(水) 11:22:50 ID:vuMjMuBM
そして、ようやくオーストラリア大陸が見えてきたレイナ達の前に厚い防衛線を張り巡らせていた連邦軍欧州支部所属エンジェルフェザー隊が襲いかかって来る。
まさか手遅れだったのか?と嫌な予感を拭いきれぬまま出撃する同士達。
繰り出される練度の高いPT部隊を指揮する三つ首を持つヒリュウ型戦艦とそこから出撃する神々しさを放つ大天使級特機と呼ばれる強大な敵を相手に苦戦を強いられる一行。
各機が奮戦するも全ては事なきこと。ユナ・カーマインを抑えられている段階でこの戦いに勝機など初めから無かった。なんとも無駄な足掻きである。
こんな見るに忍びない戦いを終わらせようと隊長格と思われる大天使級特機がレイナ達へトドメの一撃を加えようと右腕で十字を切るモーションをとった。
「レイナ・カーマイン嬢。無駄な争いはそろそろ終わりにしよう。これで悔い改めると良い」
レイナ達一行に向け、ある種の憂いの表情を浮かべるブロンドの貴公子然のその男。
彼の操る大天使級特機の掌から放たれた天を穿つ青い浄化の光の一閃がアルプ・トラウムの展開する紅い禍々しい障壁を突破し、艦尾テスラ・ドライブを的確に撃ち抜いた。
航行不能になり、瞬く間に着水を余儀無くされるアルプ・トラウム。
その内部クルー達にも少なくない衝撃が襲いかかって来る。
どん臭い何人かのメイドは床を転がった
「……無駄な争いだと?……き、貴様ら、まさかもう既にユナを!?」
玉座から立ち上がり、紅いツインテールの少女レイナはきつく大天使級特機を睨む。
どうやら察しの良い彼女は妹がもはや無事では無い事を理解した。
「なんとか言いなさい!」
彼女は瞳を怒りで燃え上がらせる。が敵の大天使は答えない。
『あららそんなに知りたいですか?それではリンスロット少佐に代わりまして今すぐ映像を中継してあげますよー』
代わりに聴こえて来たのは謎の回線への割り込み。底無しに明るくこの場に似つかわしく無い女性の声。
「えっ?な、なんなの!回線が無理矢理乗っ取られて!?モニタも?なんで?」
「ハッキングじゃないの?なんとかブロックしないと」
「そんな。じゃあカナメ様は?……ああさっきの揺れで延びてるし」
全てのモニターが制御不能で砂嵐になり、メイド達が軽くパニックになっている。
『エンジェルフェザー隊のマスコットにして旗艦バハムートの指揮中枢装置。電子の妖精のラファールです。デフォルメ姿ですが失礼しますよ』
モニターにはにこにことイタズラに笑うデフォルメアニメチックな2.5頭身程の銀髪美少女の姿が写し出されていた
あまりに突然の出来事に唖然となるアルプ・トラウムクルー達
767
:
◆zv577ZusFQ
:2015/02/18(水) 11:28:45 ID:vuMjMuBM
『くふふふふ。あー良い反応ですねーみなさん。おっとと、レイナさんはダメですねー、そう怖い顔で睨まないで下さいよ?』
「そういうのはいいからはやく妹を出しなさい!!」
疑似人格ラファールのふざけた態度に目に見えてイラつくレイナ。だが、艦を止められ何も出来ないのが歯がゆい。
『そうでしたそうでした。……ではでは悪魔の反逆徒レイナ姫様とその罪深い妹ユナ様との感動の再開劇場のはじまりはじまり』
舌をペロッと出してパチパチと一人拍手をすると画面が暗転する。
そして次に画面に写し出されていたのは
どこかの屋敷の一室だろうか?ソファーには一人、小柄な少女がしゅんとした表情を浮かべ腰掛けていた。
「ユナ!!ユナ!?」
レイナは画面に向かって吠えた。駆け出し画面にすがりつきたい気分だった。
だって目の前に居るのは最愛の
768
:
◆zv577ZusFQ
:2015/02/18(水) 11:30:44 ID:vuMjMuBM
色素の薄い青色に緩いウェーブのかかったショートヘア。服装の方はホットパンツにへそ出しTシャツとラフな物で身を包む実に健康的な子供らしい少女。ただし左目には眼帯が当てられており、子供っぽさとのアンバランスさが見てとれる。
そんな彼女こそがレイナの最愛の妹ユナ・カーマインであった。
『ムダですよ聴こえてません。あちらの監視カメラの映像を拾って来ただけですので妹君は気付いていませんよ』
「ねえ……だからユナをどこにやったのか言えってば!」
『いやいやーわたしなどには知りもしない場所ですので、残念ながら。ただまあ五体満足で元気そうだから良いじゃないですか。生きてりゃきっといいことありますって♪』
もはや血の気の退いてしまったレイナに対してデフォルメされたゲス顔でどこまでも煽っていくスタンスの疑似人格。
「ユナに手を出すのはやめて!あの子は関係ないわ!」
『いやーこちらとしてはあくまで少女を保護したに過ぎませんので出来るなら穏便に済ませたいですよ。ただまあ……妹さんのこと。全てはあなたの身の振り方次第じゃないかなぁと。……間違えちゃうと、哀れで情けなく愚かなあなた達のお父様の後を追う形になるかなぁなんて……テヘペロ』
「貴様、待ってろ!アイゼルネで今すぐ叩き斬ってやる!」
父がユナを守り、討たれたのには薄々気付いていたが、いざはっきり告げられるとこみ上げて来るものもある。
『あのー立場解ってますか?……そう高圧的なのやめた方がいいと思います。あなたの妹さんだけならず、この場のお仲間さん全員の命をあなたは背負っているのですから。
……んーですから、まずは態度で示してもらうというか……ええと全国のお茶の間の皆さんに向けて土下座でもします?あは!泣きながら謝罪会見なんかも』
「……っ」
もはやプログラムされたデータの枠を越えたかの様な悪趣味な台詞の数々。
エンジェルフェザーなどとよくも名乗れたモノだ。
そして背負うものの大きさを改めて思い知らされたレイナは思わず押し黙る。
いったいどうすれば……
『で、あなたはどうするんですかこの状況?どう切り抜けるのか見せてくださいよ』
「…………さい」
ラファールに煽られるのをしばし黙って聴いていただけのレイナだったが、ついに行動を起こす。
「……ご……さい」
屈辱に肩をワナワナと震わせ、力無くぼそりと蚊の鳴くような声でレイナが何やらはき捨てたようだ。
『ふむ……?なんか言いましたか?』
耳が遠い老婆の様に耳に手を当てる仕草をするラファール。本当は聴こえていたが。
「だからごめんなさいっ!!なんでもわたしが代わりになんでもしますからユナを!妹を返してください……っ!!」
本当に画面の前のちゃちなデフォルメキャラ相手に地に頭をこすりつけて土下座してしまうレイナ。
自らを慕ってくれるメイド達の目の前だと言うのに今まで造り上げて来た唯我独尊なキャラを捨てて情けなく泣きすがった。
この場を誰も死なずに切り抜けるにはこうするしか思い付かなかった
769
:
◆zv577ZusFQ
:2015/02/18(水) 11:41:46 ID:vuMjMuBM
『これにて悪魔のお嬢様の物語は終わり。悪は聖なる光によって滅びたのでした。めでたしめでたし♪』
無様なレイナの姿を見て満足したのかラファールは可愛らしくウィンクをしてみせ、そのすぐあとにモニターの映像は消え去り通常の映像に戻った。
レイナ直々の敗北宣言を受けて、残った味方機もそれぞれ抵抗をやめ武装解除をするもの、レイナに失望し上手く逃げ延びたもの、あるいは撃墜され散って行ったもの。様々だったが、もはや誰が今どうなっているのか実のところ定かでは無い。
少なくともアルプ・トラウムに乗り合わせていたレイナ・カーマイン、カナメ・ライブラ、イクリプスら及びそのメイド達は連邦軍に大人しく連行されて行った。
そして数ヵ月後には連邦軍の優秀な手駒に成り下がり権力に尻尾を振っていようとはレイナ・カーマインを知る者達にはどうしても考えられ無かった。
770
:
名無しさん
:2021/06/08(火) 08:28:24 ID:IHVjary6
数の暴力で世界を制す。
『独裁国家』第7章開幕。
Steam(PC)戦争略奪
マルチプレイサバイバルゲーム
『ラスト』シーズン7:第2話
『RUST Part7 #2(衛門参加)
手加減無しで加藤純一王国を作る。初日』
(22:12〜1:03放送)
htts://www.youtube.com/watch?v=629XMXwA-fM
Max/79154人視聴
htts://i.imgur.com/FLERSF0.png
771
:
名無しさん
:2021/06/12(土) 22:12:07 ID:Emua1EI6
加藤純一(うんこちゃん)
Youtubelive
Steam(PC)架空戦争略奪
マルチサバイバルゲーム
『ラスト』シーズン7・第4話
"ヨーロッパ制圧編"
『RUST. #24
手加減無しで加藤純一王国を作る。本当の一日目』
(21:36〜放送開始)
htts://www.youtube.com/watch?v=aEQn1hxROVc
772
:
名無しさん
:2021/06/13(日) 21:11:47 ID:r7V6Ab3Y
『RUST. #25
手加減無しで加藤純一王国を作る。本当の二日目』
(20:32〜放送開始)
htps://youtu.be/rZgAGsYh6tQ
773
:
名無しさん
:2021/06/15(火) 16:18:40 ID:VEdmms12
Steam(PC)架空戦争
マルチサバイバルゲーム
『RUST(ラスト)』
シーズン7/ファイナル(第6話)
『RUST#26(視聴者参加)決戦。dcN』
(21:20〜7:05放送)
htt://www.youtube.com/watch?v=9FB_tadjEKs
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