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科学と疑似科学とを判別する(2)

1diamonds8888x:2021/03/06(土) 19:44:21 ID:Qix9q/lA
「科学と疑似科学とを判別する」のバート2です。1000件越えたら、こちらにどうぞ。

184Ken:2021/10/03(日) 23:28:35 ID:l3c2r2bk
私の意図が通じていないのでは、と思われる部分を、明らかにしておきます。以下の点に回答をいただければ、>>181>>182で語られた問題にも答えられるでしょう。

>>183
>第2法則が過去に成立しなかった、なんてわかってるはずありません。

diamonds8888xさんの主張は、過去に熱力学第2法則が成立しなかった場合には、基準05違反ではない、ということですよね。「わかってるはずがありません」では困ります。基準違反でなくなるには、過去における第2法則の不成立が、必要条件のはずです。

そこで質問です。

(1)それはdiamonds8888xさんの、きわめて特異な考えなのか、それとも、同様の主張をする人が、「世間一般」と表現できるほど、多くいるのですか?

>起源問題は大いに議論されていると書いたでしょ。

起源問題を議論するだけでは、同じ主張とは認められません。>>169で紹介された文献も、起源問題を論じていますが、エントロピーを外に捨てるだけでは、冷蔵庫と変わるところがなく、第2法則の不成立にもならないし、起源問題を解決して、P∧¬P状態を脱することもできないからです。

問題の本質は「熱力学第2法則の不成立」です。宇宙を冷蔵庫に見立てることではありません。

(2)起源問題を認識しても、第2法則の過去の不成立を語らない人は、起源問題を解決できない、基準05に違反した理論を述べているのですか?

具体的には、ファインマン、アジモフ、そして>>169で紹介された文献の著者のことです。

(3)熱力学第2法則は、「閉鎖系のエントロピーは増大する」ではなく「「閉鎖系のエントロピーは増大も減少もする」と言いなおすべきでは?

「P∧¬P」でなくなるには、現在の第2法則が成立しない、エントロピーが減少する事象が必要なのですから。


>(Sun1)でも(Sun2)でもない何も付帯条件のつかない太陽矛盾理論とは? 具体的に述べてください。

「太陽が昇る∧太陽が昇らない」というだけでは、(Sun1)と(Sun2)のどちらに該当するか分からないのだから、正しくない科学として排除できないのではありませんか、ということです。

>使われる言葉は通常の意味に解釈されます。太陽とは我が地球に見える世界中で一個しかない太陽であり、その位置や角速度は同時にただ一つの値を取ります。

それは、実観測という、基準05とは別の判定基準ですよね。基準05とは、純数理的な判定ではなかったのでしょうか? >>157で、

>1) 例えば、基準01-06
>2) 例えば、観測事実と一致するか否か?
>3) 例えば、メカニズムを説明できるか否か?

と分けられたはずですが、1)の判定は2)の影響を受けるのですか?

185Ken:2021/10/04(月) 20:26:28 ID:l3c2r2bk
私は、べつに、diamonds8888xさんがおっしゃる「Ent1」、第2法則が成立しない時期が過去にあったから基準違反ではない、という考えに反論してはいません。本スレッドでは、diamonds8888xさんの基準にしたがうと、何度もくりかえしています。

ただ、それを主張されるなら、確実に、そして正確に、語っていただきたいと思います。

>第2法則が過去に成立しなかった、なんてわかってるはずありません。

のような言い方では困ります。基準05違反ではないと、diamonds8888xさんのロジックに沿って結論するには、第2法則が適用されず、エントロピーが減少した時期が、過去に必ずあったはずです。

私の質問は、その前提にもとづくものです。

(1)同じ主張をする人は他にもいますか
(2)過去の法則不成立を語らない人は、基準05に違反していますか
(3)第2法則は「閉鎖系のエントロピーは増大も減少もする」が正しい表現ではないですか

>>184でも言いましたが、

熱力学第2法則が成立しない
エントロピーを外に捨てる

この2つは全く異なるものです。

186diamonds8888x:2021/10/09(土) 05:42:41 ID:Qix9q/lA
>>184,>>185
 Kenさんは盛んに自分の意図が通じないと言いますが、私は理解した上で、その誤りを指摘しているのです。Kenさんの目的は私が説明する「世間一般の正しいアプローチ」を理解して、それに沿った理論展開を学ぶことであり、感覚的に納得することではありません。

 それで[>>181]およびそこからの参照発言等で理論にフィルターをかける過程を示しましたがKenさんは理解していません。

 なにせKenさんの理論展開というものに「世間一般の正しいアプローチ」からずれたものがあるのですから。以下は、その最悪の例です。まさか、こんなとんでもないことを主張するとは意表を突きますね。

>「太陽が昇る∧太陽が昇らない」というだけでは、(Sun1)と(Sun2)のどちらに該当するか分からないのだから、正しくない科学として排除できないのではありませんか、ということです。

 どちらに該当するか分からないのは表現が2義的で曖昧だということです。何を言いたいのか曖昧な理論など評価する以前に書き直しです。
 文学なら掛詞などの多義的表現は常套手段ですが、科学では不正確な表現でしかありません。
 むろん通常は(Sun1)と解釈されるのであり、(Sun2)は「位置を2つ持つ」などという独特の仮定をしたときだけです。


>私は、べつに、diamonds8888xさんがおっしゃる「Ent1」、第2法則が成立しない時期が過去にあったから基準違反ではない、という考えに反論してはいません。本スレッドでは、diamonds8888xさんの基準にしたがうと、何度もくりかえしています。

 (Ent1)は「第2法則が成立しない時期が過去にあったから基準違反ではない」という主張ではありません。さらになんらかの基準でもありません。「diamonds8888xさんの基準」とやらが指すのは、今の所は基準01-06だけのはずですが?? 基準01-06にしたがうのなら何を文句言ってるのです?==>([>>177]の【第1の論点】参照)

>基準05違反ではないと、diamonds8888xさんのロジックに沿って結論するには、第2法則が適用されず、エントロピーが減少した時期が、過去に必ずあったはずです。

 私が一体、【何が】「基準05違反ではない」と結論したのでしょうか?
 「エントロピーが減少した時期が過去にあった」のならば、まさに熱力学第2法則(Ent2)は矛盾し破綻しています。
 ただし「エントロピーが減少した時期が、過去に必ずあったはず」というのはKenさんの独断であり、多くの物理学者は、それ以外の理論で起源問題に挑んでいるということです。もちろんKenさんのこの理論も可能な理論のひとつではありますよ。

187Ken:2021/10/09(土) 20:17:07 ID:l3c2r2bk
整理しましょう。まず、熱力学第2法則の矛盾について。

起源問題に対するdiamonds8888xさんの回答は、第2法則がいついかなる時にも成立する、(Ent2)を考えるから矛盾を生じるので、過去に成立しない時期があったと考えれば、つまり(Ent1)の前提でエントロピー減少を想定すれば、矛盾にはならず、基準05はパスするというものだったはずです。>>167で、

>(Ent1)はパスします。

と言われたのがそうでしょう。

そこで、私は尋ねています。

(1)同じ主張をする人は他にもいますか
(2)過去の法則不成立を語らない人は、基準05に違反していますか
(3)第2法則は「閉鎖系のエントロピーは増大も減少もする」が正しい表現ではないですか


太陽の2つの速度について。

>むろん通常は(Sun1)と解釈されるのであり、

「通常」は、なぜ「通常」なのでしょうか? なぜ「世間一般の正しいアプローチ」では、(Sun1)になるのですか?

それは、人類が記憶する限り、太陽は1つの位置で1つの速度しかもたなかった、という観測の結果ですよね。

でも観測にもとづくなら、熱力学第2法則は(Ent2)を想定するべきでしょう。人類が記憶する限り、酒に水を加えれば混じりあって薄い酒になります。熱いものと冷たいものが接触すれば、前者が冷たく後者が熱くなります。太古からそうでした。1つの例外もなく。

ファインマンのように起源問題を指摘する人も、(Ent2)を想定すればこそ、問題を指摘したはずです。(Ent1)が「通常」なら、初めから起源問題はありません。

「通常」の想定に限定するなら、第2法則は(Ent2)に、太陽は(Sun1)になります。その場合、第2法則も「太陽が昇る∧太陽が昇らない」も基準05違反です。

「通常」でない想定を許すのなら、第2法則は(Ent1)に、太陽は(Sun2)になり、ともに基準05をパスします。

いずれにせよ、「エントロピーは不可逆的に増大する」と「太陽が昇る∧太陽が昇らない」に差をつけ、一方のみが基準05違反と結論するのは、不可能ではありませんか。

188ミケ:2021/10/10(日) 01:39:08 ID:liYNNt7Y
独り言ですが

たとえばy=e^xのグラフは、xが増加するにしたがって必ずyは増加しますが
それでいてxをいくら小さくしてもyはゼロにはなりません。

こういうグラフが実際にあるということは
「x(時間)を無限に遡っていけば、どこかで必ず右肩下がりの場所があるはず」
(「エントロピーが減少した時期が、過去に必ずあったはず」)
と考える論理的正当性はどこにもないわけですね。

すなわち

>「エントロピーが減少した時期が、過去に必ずあったはず」というのはKenさんの独断(>>186

というわけですね。


それにしても、

基準05「P∧¬Pは間違いである(無矛盾律)」を否定するために矛盾(とKenさんが思っている部分)を指摘してみたり
角速度が二つあれば矛盾にならないという論理を展開してみたりと、

無矛盾律を排除するために無矛盾律に沿って考えてしまっているところがなかなか哲学的に深い。

189diamonds8888x:2021/10/10(日) 07:27:45 ID:Qix9q/lA
>>187
[>>186]の重要課題はスルーですか?
>どちらに該当するか分からないのは表現が2義的で曖昧だということです。何を言いたいのか曖昧な理論など評価する以前に書き直しです。


さてまず「熱力学第2法則の矛盾について」の質問は、(Ent1)と(Ent2)をひとつにした意味不明の理論を前提にしている点、私の主張を誤解している点、から回答不能。

Kenさんのずれたアプローチ(トンチンカンな論法)の数々=>[>>141,>>164]

純粋数理、純粋数学、純粋論理等への変なこだわり
 [>>173]基準05は物理考察以前の、純粋数理によるフィルターという前提に立って


さて、説明した「世間一般の正しいアプローチ」について

理論は4つあることの強調=>[>>175,>>171,>>167]
(Ent1) 矛盾はない
(Ent2) 矛盾する可能性はあり
(Sun1) 矛盾する
(Sun2) 言葉の定義が曖昧で正確な表現になっていない([>>170]注1)

 以上の詳細は=>[>>179,>>170,>>167,>>157]

(単に)第2法則
 (Ent1)も(Ent2)も可能性あり。どちらかに断定はされない。
  =>[>>181,>>177,>>170,>>168,>>167]

(単に)「太陽が昇る∧太陽が昇らない」
 通常(Sun1)と解釈=>[>>181,>>170]
  [>>170](Sun2)は「既知の自然科学理論とは異なる仮定」を取り入れています。

-----------
「通常(Sun1)」についての追加説明

 使う言葉は通常に解釈される。位置という言葉は、通常は2つの値を持つ量とは解釈されない。

 「位置が2つの値を持つ」はSun1には直接言及されていない別の理論である。=>[>>170,>>171]
 第2法則が過去に成立したかどうかは、直接言及された理論の適用範囲がどこまでかという話であり、どんな理論でも常に意識される話である。=>[>>170,>>171]

190diamonds8888x:2021/10/10(日) 07:44:19 ID:Qix9q/lA
>>188 ミケさんへ
 無限への妙なこだわりを見ると、漸近線を理解できてるのかどうか疑問ですね。純粋数学で正しくても自然科学ではそうとは言えない、とか駄々こねるんでしょ。

 ログを読み直すと見過ごしてたトンチンカンが見つかってきて扱いに困ります。恐竜の力学での議論当時は、多少不注意なだけで数学もちゃんとわかる普通に論理的な人物だと思ってたのに、これほどトンチンカンだったとはびっくりです。

 意表を突く悪手、というのも初めはおもしろいけど、一向に改まらないと疲れます。悪手どころか桂馬を後ろに進めて平然としてるんだから。どういう学びをすれば論理を平然と無視するような思考を天然で正しいと思い込めるんでしょうね。

 たまにミケさんやゲジゲジさんのコメントが入ると癒やしになってありがたいです。

191Ken:2021/10/10(日) 19:43:22 ID:l3c2r2bk
>どちらに該当するか分からないのは表現が2義的で曖昧だということです。何を言いたいのか曖昧な理論など評価する以前に書き直しです。

>>186のこれは直前の、

>「太陽が昇る∧太陽が昇らない」というだけでは、(Sun1)と(Sun2)のどちらに該当するか分からない

を受けたものですが、思い出してください。基準05違反の例として、(Sun1)でも(Sun2)でもない「太陽が昇る∧太陽が昇らない」を挙げられたのはdiamonds8888xさんです。検索すると、旧スレッドの884で、

>*太陽は東に昇る
>*太陽は東に昇らない



>No。徹底的にNo。この2つの並立は「P∧¬P」です。

とも言われています。「東に」と入ってますが、おなじことでしょう。

私が問うているのは、2義的に解釈できる「太陽が昇る∧太陽が昇らない」のような表現でも、それはそれで、基準の判定対象になるのでは、ということです。だから、ご自身で違反例に挙げられたのでしょう。

さらに、2義的で曖昧であるなら、この段階で基準05のフィルターで排除できないのでは、とも問うています。もしかすると(Sun2)が正しく、「太陽が昇る∧太陽が昇らない」という表現が復活するかもしれません。

おそらく、最初に違反例として挙げられたときには、(Sun1)を想定されていたのでしょう。その説明が、

>位置という言葉は、通常は2つの値を持つ量とは解釈されない。

であると思われますが、それは、ものの位置は量子でもないかぎり1つしかないという、これまでの観測によるもので、必ずそうであるべき理由はありません。私はstar_Xで、1つの太陽が2つの位置をもつ具体例を出しました。star_Xの2つの位置は「位置」としての要件を満たしませんか? 確率関数で表現される量子の位置はどうですか?

>「熱力学第2法則の矛盾について」の質問は、(Ent1)と(Ent2)をひとつにした意味不明の理論を前提にしている

第2法則の矛盾は、私が示した形で、現実に問題提議されています。意味不明ではなく、ファインマンもアジモフも、>>169で紹介された著者も、普通の教科書に載る(Ent2)を前提にしています。そうでなければ、初めから起源問題を提議する意味も、「エントロピーを外に捨てる」という解(?)を出す意味もありません。

>第2法則が過去に成立したかどうかは、直接言及された理論の適用範囲がどこまでかという話であり、どんな理論でも常に意識される話である。

その主張は承知してますが、上で挙げた、起源問題を論じる人の誰も、適用範囲の話をしないのです。結果的に「P∧¬P」状態を解消できないのだから、そういう人たちは、基準05違反の理論を語っていませんか、というのが、私の質問の(2)になります。

あとの2つは、

(1)第2法則に適用範囲があるという言説を、他に見たことがありますか?
(3)「エントロピーは増大する」ではなく「エントロピーは増大も減少もする」が正しいのではないですか? 適用範囲外があるなら。

192diamonds8888x:2021/10/15(金) 06:44:05 ID:Qix9q/lA
>>191

>>186のこれは直前の、〜〜中略〜〜量子の位置はどうですか?

 私の示したのはSun1。Sun2の可能性を考えるのは世界中でKenさんだけ。
 仮にSun2を考えるなら、「太陽が昇る∧太陽が昇らない」の意味は不明確で評価の前に書き直し。=>旧940に至るまでの議論など。
 Sun1の場合は意味は明確で基準05違反。


> 第2法則の矛盾は〜〜中略〜〜適用範囲外があるなら。

 どんな法則も未観測領域では成立しない可能性はある。ゆえに万有引力や静電力がどんな条件でも成立するかどうかの基礎研究も連綿とやられている。結果、例えばかなりの近距離でも万有引力定数は既知の値と一致することが確認されている。
 自然科学理論に適用範囲外がある【可能性が常にある】というのは常識的すぎてテキストでわざわざ言及などされない。
 
----補足
>2義的に解釈できる〜〜中略〜〜だから、ご自身で違反例に挙げられたのでしょう。

 私の表現は2義的ではない。ひねくれ解釈しない限り。

>2義的で曖昧であるなら、この段階で基準05のフィルターで排除できないのでは、とも問うています。

 曖昧であるなら、基準05以前に書き直し。2義的ならSun1とSun2のように別理論としてそれぞれを評価する。
 なお2義的なのは理論どころか位置という概念そのもの<=大問題。

>もしかすると(Sun2)が正しく、「太陽が昇る∧太陽が昇らない」という表現が復活するかもしれません。

 意味不明、説明求む。(Sun2)が正しい場合に「太陽が昇る∧太陽が昇らない」という表現が曖昧になって使えなくなるのである。=>旧940に至るまでの議論など。
 (Sun1)想定なら「太陽が昇る∧太陽が昇らない」という表現は明確であり使える。

193Ken:2021/10/15(金) 20:01:23 ID:kO6xaTt.
>Sun2の可能性を考えるのは世界中でKenさんだけ。

それはそうでしょう。「太陽が昇る∧太陽が昇らない」は可能かという問いかけなどなかったのだから、Sun2を出す必要もありません。

そして、その点がSun2とEnt1の違いなのです。遠い過去のエントロピー極小状態は、いかにして生じたのかを考える人は、ファインマンをはじめ何人もいますが、第2法則に適用範囲があるという解を出す人は、diamonds8888xさんの他に、私は知りません。

ですから、第2法則の適用範囲外を想定して、第2法則が「P∧¬P」に該当しないと主張する人が、他にもいるのですか、というのが、私の質問の(1)になります。

あとの2つは、

(2)では、第2法則の適用範囲を言わない人は、「P∧¬P」を解消できないのだから、基準05に違反した理論を語っていますか?
(3)「エントロピーは増大する」ではなく「エントロピーは増大も減少もする」と言い直すべきではありませんか?

>自然科学理論に適用範囲外がある【可能性が常にある】というのは常識的すぎてテキストでわざわざ言及などされない。

それは、エンジンを設計するような熱力学の一般的な応用の場合で、起源問題となると「言及されない」では済まないはずです。適用範囲外が「P∧¬P」を逃れる解なのですから。しかし私が見る限り、ファインマンもアジモフも、>>169で挙げられた著者も、適用範囲に言及せず起源問題を論じています。ゆえに上記の(2)の質問になります。

194diamonds8888x:2021/10/16(土) 09:49:29 ID:Qix9q/lA
>>158,>>159,>>161,>>184
 Kenさんが議論での根拠として「暗黙の、しかし根本的な基準[>>58]」と思い込んでいて、しかも「世間一般」では使われない根拠が様々出てきてますが、重大な2つにつき説明を求めます。これまで話をあわせて私なりの理解で解釈して対応してきましたが([>>118]など)、それではやはりKenさんの示すものが不明瞭ですので、この際明確にしておきたい。

 事例として、わかりやすい古典力学の場合、現在テーマ事例である熱力学、については特に明確にしてください。他にわかりやすい事例があるなら使ってください。もちろん一般化した説明も望ましい。

 1.メカニズムとは何か?
  ・仮説と違う点は何か?
  ・メカニズムとして認めうる条件は何か?
  ・例えば[>>49,>>50,>>58,>>64]で具体的であるらしいメカニズムが何かとか。

 2.純粋数理と自然科学との使い分けについて
 2-1.以下の違いは何か? 説明や例示求む。
  ・純粋数理論と自然科学理論
  ・純粋数理的概念と自然科学的概念
  ・純粋数理的実体と自然科学的実体=>使わないなら無用
  ・純粋数理的メカニズムと自然科学的メカニズム=>使わないなら無用
 2-2.純粋数理論は自然科学理論の中でどのように使われるのか?
  ・純粋数理論の正しさが自然科学理論の正しさの根拠(の一部)となるのはどんな場合か?
 2-3.純粋ではない数理論とは?=>2-1で説明可能ならそれでいい

---------------補足
例えば[>>49,>>50,>>58,>>64]で具体的であるらしいメカニズムが何かとか。
 そのメカニズムに従えば、波動は回折するはずだし、真空を伝わらないはずであるから
 古典力学でメカニズムが解明された粒子
 「熱力学第2法則は「P∧¬P」に該当します」の根拠となるメカニズム
 「質量が移動する∧質量が移動しない」が矛盾であることの根拠となるメカニズム

科学史上のメカニズム(私が最も思い浮かべるもの)
 ニュートンの万有引力のメカニズムとして考え出された「重力を説明する古典力学的理論」
 かくてニュートンは「我は仮説を作らず」と述べた。ここの仮説とは万有引力を「説明できない」と批判した者達が提案しうまくいかなかったメカニズムの数々を指す。これ以降、科学理論ではメカニズムという概念を使う必要が失せた。仮説で十分。

195diamonds8888x:2021/10/16(土) 09:53:23 ID:Qix9q/lA
>>193
 ところで「基準05違反」を多用して、私も合わせてますが、意味に混乱はありませんか?
  [>>89,>>90]「正しい科学的方法に従わない」にすることで同意
  [>>94]却下。基準違反では意味が変わってしまいます。
  [>>115]「世間一般の正しい科学的方法」「世間一般の正しいアプローチ」を提案=>返答なし

 Kenさんの議論の進め方で混乱を招くのが以下の点。
  ・基準01-06の適用時期
  ・基準01-06の適用対象

基準01-06の適用対象(基準05を例とする)
 1.理論そのもの :通常はあからさまな「P∧¬P」はないはず
 2.理論そのもの+既知理論 :「P∧¬P」があり得る。あれば違反。
   ただし、この既知理論を否定する仮説もあれば違反ではない。
 3.理論そのもの+既知観測事実 :「P∧¬P」があり得る。あれば違反。
   ただし、多くの場合はないはず。
   実際に相手にされる理論の多くは既知の観測事実を説明する試みだから。
 4.理論そのもの+未知の観測事実 :「P∧¬P」があり得る。
   ただし、「正しい科学的方法に従わない」のではない。「基準違反」でもない。
    「世間一般の正しい科学的方法」「世間一般の正しいアプローチ」である。
   未知の観測事実と一致するか否かは今後の仕事だから。

基準01-06の適用時期(基準05を例とする)
 1.理論を提案
 2.既知理論や既知事実との整合性検討、矛盾がないか検討
 3.理論が予測する未知の観測事実の検証

 基準01-06の適用時期は1.と2.であり3.ではない。
 ただし2.で「基準違反」と非難すべきかどうかは程度によるし、人により違うかも知れないが、詳細は今は省略。基準01-06は道具として使う=>{[>>85]特に「〇〇理論は✕✕と矛盾している」という論法は、まさに基準05を使ったものです。}


---------------第2法則
 第2法則の矛盾(「P∧¬P」となること)は「人類が記憶する[>>187]」以前の未知の観測事実との整合性を論じるものである。つまり、「4.理論そのもの+未知の観測事実」を適用対象とし、「3.理論が予測する未知の観測事実の検証」のときに適用するものである。ゆえにそもそも「世間一般の正しいアプローチ」であり「基準違反」でもない。

 Kenさんの「第2法則は基準05違反」との主張は、「人類が記憶する[>>187]」以前のどこかの時点で第2法則と矛盾する観測事実があったはずだ、との理論的予測と同等です。違いますか? これは、「人類が記憶する[>>187]」以前のどこかの時点は第2法則の適用範囲外である、という主張と同等です。違いますか? 自分で主張しながら、次の言葉は何言ってるの?

>>193
>ですから、第2法則の適用範囲外を想定して、第2法則が「P∧¬P」に該当しないと主張する人が、他にもいるのですか、というのが、私の質問の(1)になります。

 Kenさん以外の他の人は、「人類が記憶する[>>187]」以前のどこかの時点で第2法則と矛盾する観測事実があったはずだ、との主張は必ずしも正しいとは認めていないのです。

196diamonds8888x:2021/10/16(土) 10:01:47 ID:Qix9q/lA
>>193
>しかし私が見る限り、ファインマンもアジモフも、>>169で挙げられた著者も、適用範囲に言及せず起源問題を論じています。ゆえに上記の(2)の質問になります。

 法則が破綻しない仮説を考案しているから当然。単に破綻するという主張をしているのはKenさんくらい[>>195]。

 「人類が記憶する[>>187]」以前の未知の時点ではいかなる自然科学理論も、成立するか成立しないかのどちらか。破綻しているか破綻していないかのどちらか。この当たり前の事実を一般化したものが正しい論理法則の「P∨¬P」(Pまたは¬P)。

197diamonds8888x:2021/10/16(土) 10:05:24 ID:Qix9q/lA
>>193
>適用範囲外が「P∧¬P」を逃れる解なのですから。

 意味不明。支離滅裂。
 「P∧¬P」となることを適用範囲外と言う。

198diamonds8888x:2021/10/16(土) 10:30:52 ID:Qix9q/lA
>>196,>>193
 「人類が記憶する[>>187]」以前の未知の時点ではいかなる自然科学理論も、成立するか成立しないかのどちらか。破綻しているか破綻していないかのどちらか。
 重力定数が時間的に変化するという理論はまじめに提唱されていた。

 人類が未観測の未知の宇宙領域ではいかなる自然科学理論も、成立するか成立しないかのどちらか。破綻しているか破綻していないかのどちらか。

 人類が未観測の高密度エネルギー状態(ビッグバン時点など)ではいかなる自然科学理論も、成立するか成立しないかのどちらか。破綻しているか破綻していないかのどちらか。
 4つの力が区別できなくなると予測されてるから、現在の重力理論は破綻すると予測されてることになるのだけども。

 これらの当たり前の事実を一般化したものが正しい論理法則の「P∨¬P」(Pまたは¬P)。

 「¬(P∧¬P)」を条件付きでしか認めないKenさんにはここまで言わんと理解できないのか、やれやれ。

199diamonds8888x:2021/10/16(土) 20:00:07 ID:Qix9q/lA
>>198,>>196,>>193
この言及の件は【疑似判別1】でも回答済だった。

旧827〜830
ふたつ)a1,b1に言及することは、その否定であるa2,b2にも言及することになる。P∨¬Pなのだから。子供でもわかる当たり前の話。

なおa1,b1,a2,b2とは旧807の以下。tps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/study/5329/1524257541/807
 a1) 過去のどの時点でも第2法則が成立する(無限の過去まで)
 a2) 過去のある時点では第2法則は成立しない
 b1) 過去は無限である(世界は無限の過去から存在していた)
 b2) 過去は有限である(世界は過去のある時点から始まった)

言うまでもなく、Kenさんはa2)を主張し、ゆえに第2法則は基準05違反だと主張してきた。そして起源問題を論じる人達の著書には、確かにこのような主張はない。

200diamonds8888x:2021/10/17(日) 10:13:40 ID:Qix9q/lA
>>195
 [>>195]以前にはフィルタをかける過程をきちんと明示していませんでしたので、ここで【一般化して】明示します。

 1.理論を提案
   どんな理論でも可能=>[>>157,>>151,旧877]  ただし〜以下後述
 2.既知理論や既知事実との整合性検討、矛盾がないか検討
   基準01-06等のフィルタをかける。他のフィルタもある。
 3.理論が予測する未知の観測事実の検証
   これまで理論と観測事実との一致などとしてきた段階
   未知を付け加えたのは、既知事実との整合性は2.の段階でのはずだから

 観測事実との一致の検証に失敗した理論は「間違った理論」ではあるが、「正しい科学的方法に従わない」理論ではない。=>Kenさんも理解したはず。同意は不明。
 観測事実との一致の検証に使う論理フィルタは「¬(P∧¬P)」のみ。基準05のみは使うが他は使わないと言える。

 2.の段階で基準01-06等のフィルタをかける。パスしなかった理論は観測事実での検証にかける価値のない理論である。明らかにパスしない理論を正しい可能性がある、観測事実での検証にかける価値があると言い張るのは「正しい科学的方法に従わない」態度である。
 パスしないことが明らかでなければ、パスしたとみなしてさらに検討するのは「正しい科学的方法」である。トンデモさんには、明らかにパスしないことが理解できない人も多いだろうけれど。


 理論提案の段階ではどんな理論も可能。人の脳内や夢の中のようなもの。だが、他人に提案する段階ではさすがにフィルタが必要。

 1.理論が含む各概念が明確であり、内容が明確であること。[>>181]
  (多義的用語は複数の異なる理論の並立になってしまう)

 2.少なくともひとつの既知の観測事実または既知の理論予測を、予測または説明している。
  さもないと検討する価値がない。<=私もはっきり意識できていなかった

 既知の観測事実または既知の理論予測を予測または説明していない事例
  ・魔法の働くメカニズムの理論
    既知の観測事実と結びつけて魔法という概念が定義されていればOKだが。
  ・土星が消滅したメカニズムの理論  そんな既知の観測事実がない
  ・太陽が2つの位置を持つ理論  予測できる既知の観測事実がない

201diamonds8888x:2021/10/17(日) 10:17:45 ID:Qix9q/lA
>>200,>>195

 さて科学理論には大きく分けて、経験則と仮説演繹法による理論に分けられます。

 ・経験則:既知の観測事実に成り立つ規則(パターン)をそのまま採用する理論。
   いわば帰納法による理論。パターンの発見に才能と努力を要することもある。

 ・仮説演繹法:仮説からの演繹により既知の観測事実を予測または説明する理論


 経験則は事実をそのまま述べているだけで論理を使った推論はしていません。ゆえに基準01-06等のフィルタは初めからパスしています。残るは未知の観測事実との一致のみです。基準01-06等のフィルタがかけられるのは仮説演繹法による理論のみです。

 以下、両者の実例です。

 ・経験則
   メンデレーフの周期律 ボイル・シャルルの法則(気体の状態方程式)
   熱力学マクロ版(観測事実を定量表現したもの)
 ・仮説演繹法
   原子核の陽子中性子理論 気体の分子論
   統計熱力学(熱力学マクロ版を分子運動論から演繹した)

 ・経験則
   天体運行の規則、ケプラーの法則、惑星のボーデの法則(Titius–Bode law)
   ケプラーの多面体太陽系モデル(パターン当てはめだけなら)
 ・仮説演繹法
   天球理論:恒星は天球に固定されているという理論
   プトレマイオスやティコ・ブラーエの天動説(周転円モデル)
   ニュートンの万有引力理論
   ケプラーの多面体太陽系モデル(多面体を実在とするなら)

202Ken:2021/10/21(木) 23:46:26 ID:l3c2r2bk
>メカニズムとは何か?

旧スレッドで、私が、過去のエントロピー減少を想定されるのなら、どうすれば、そんなことが起こりえますか、と尋ねた時、それを説明するのは「人間業では不可能」と回答がありました。説明不可能とされたのがメカニズムの例で、あの時、何を説明不可能とされたのかを、思い出してもらえればよいのでは。

ちなみにエントロピー増大のメカニズムは確率の法則です。確率の法則は熱力学に限らず広汎な分野で事象を支配することが確認され、特に熱力学が扱うような、対象の物体(分子、原子、宇宙論なら素粒子?)の数が巨大な場合は、非常に正確な予測が可能です。だからエントロピーが増大する合理的な説明として納得され、メカニズムとして通用するのでしょう。

>純粋数理と自然科学との使い分けについて

これは4色問題が好例ではありませんか? 塗り分けに5色が必要な地図を作ろうとしても作れない。あるいは、あの時いわれたように、10万の国の中に見つけようとしても見つからないなら、それは不可能という理論を立てられるのが自然科学、立てられないのが数学、と考えます。数学理論には、ひとたび証明されたら、未来永劫覆らないことが求められますから、自然科学とは別種の厳密さが必要です。

>純粋数理論は自然科学理論の中でどのように使われるのか?

観測事実を、できるだけ簡潔に表現するのが数式と考えます。例えば、重力の働きを観察した結果を、重力は質量の積に比例し、距離の2乗に反比例する「GMm/d²」で表現します。このように数理論が自然科学で使われるのは、初めに観測事実があり、それを説明する数理論が考え出されるので、数理論が先にあって、それだけで正しい自然科学理論が決まる、あるいは数理論と整合しないという理由で、特定の自然科学理論を誤りと決めることもできないと思います。

>純粋ではない数理論とは?

数理論は数理論だけで完結しており、数理論以外の影響を受けません。よって数理論はすべて「純粋」だと思います。今の場合、メカニズムや観測事実の影響を受けないともいえるでしょう。


尋ねられれば上のような質問にも答えますが、今の根幹課題はこれですよ。↓

>「熱力学第2法則は「P∧¬P」に該当します」の根拠となるメカニズム

これを徹底して明らかにすることで、今回発言された多くの点に回答が出るはずです。順を追って説明しますが、まず、第2法則はいついかなる時にも成立するというEnt2を想定します。diamonds8888xさんが、その立場をとらないのは承知してますが、説明の順序のためと考えてください。

エントロピーが時間に沿って不可逆的に増大するなら、過去に行くほどエントロピーは小さかったはずで、どこかの時点でゼロになります。

ここで重要なことは、S=0になるのは「無限」の過去ではない、ということです。「無限」の過去なら、Sの変化量がΔS=0に収束せねばなりませんが、第2法則が語るのはその反対です。ΔSは熱量移動/温度ですから、エントロピーが小さいほど、つまり熱平衡から遠いほど、ΔSは大きくなります。縦軸がS、横軸が時間tのグラフを描くと、過去に行くほどグラフの勾配は大きく、やがて垂直に近くなって、S=0つまり「ボルツマン定数×ln(状態数)」の状態数が1の状態になります。S=0状態から現在までの時間差は有限値なのです。

ということは、時間そのものは、さらなる過去があることになります。では、その「さらなる過去」には何が起こったのでしょうか?

エントロピーがマイナスにならない限り、つまり状態数が1より小さい端数という意味不明の状態にならない限り、さらなる過去では、時間に沿ってエントロピーが減少するか、少なくとも不変であるはずです。

結局、「エントロピーは増大する」から出発すると、論理を連ねてゆくだけで「エントロピーは増大しない」という結論に至ります。私が「P∧¬P」とするのは、このためです。

最初に断ったように、以上はEnt2を前提にしています。ここまでは、問題はありませんか? 問題がなければ、「適用範囲外」を含むEnt1の話をします。

203ミケ:2021/10/23(土) 14:52:44 ID:liYNNt7Y
物理はとんと詳しくないのですけど
KenさんはΔSとdS/dtを混同しているように見えますがどうなんでしょう。
※tはT(温度)ではなく時間

ΔSは、あくまで二つの状態におけるそれぞれのSの差分ですよね。
エントロピー(の差分)の定義(>>113あたり)では
二つの状態の熱・温度は出てきますが、時間は出てきません。

ΔSが大きく(小さく)なるのは
二つの状態の間の熱・温度(熱平衡に関するパラメータ?)がどれだけ離れているか
が関係しているのであって
二つの状態の時間(t)の差分はここでは関係ないのではありませんか?
二つの状態がどれだけ時間で離れているかは指定されていません。

言い換えれば、
ここでのΔSの話は
Sを縦軸、(熱平衡に関する?)時間ではないパラメータを横軸にとった傾きであって
時間を横軸にとった場合には
有限の過去でエントロピーがゼロになるとは限らないわけです。
tを無限に遡っても、シグモイド曲線のように最小値に漸近するだけかもしれない。
ΔSは、dS/dtではないから。


さて、ところで今Kenさんがやっている
個別事例を挙げて
「基準Xについて、科学理論Yは違反しているのではないか?その基準は間違いではないのか」
というやりかたなんですが

科学理論Yについての理解が間違っていて、
基準違反でないのに基準違反と思い込む(あるいは言いがかりをつける)ことがありうるわけです。

科学理論と言うのはほんとうに無数にありますから
「基準Xが間違いに違いない」という信念のもと
基準Xに違反していそうな科学理論を探し
基準Xに違反しているかのようにその理論を誤解し
延々と「この理論は違反ではないか」と言い続けることが可能なわけですね。

議論(というか、diamonds8888xさんが科学的に正しいと考えるルールの列挙・説明)が収束して
その先(科学的に適正なID論)の展開を期待していらっしゃるゲジゲジさんには酷な話かもしれませんが、
Kenさんがこの方法論を採る限り
永久に(正確には、世に無数にある全ての科学理論について言い尽くすまで)その時は訪れないと私は思いますね。

守備範囲外の分野について調べたり考え直すきっかけにはなるので
今の第一掲示板よりは読みがいはありますが。

204ミケ:2021/10/23(土) 15:13:41 ID:liYNNt7Y
ちなみに

>結局、「エントロピーは増大する」から出発すると、論理を連ねてゆくだけで「エントロピーは増大しない」という結論に至ります。

Wikipediaでエントロピーの項目の
「エントロピー増大則」の項を見ると
最終的に「ΔS大なりイコール0」とあるので
この記述を信頼するならば
「変わらない(ΔS=0)」はエントロピー増大則の否定にならないわけです。

トンデモさんはしばしば
論理を重ねるところのどこかで見落としや飛躍などで間違った論理に進みます。
diamonds8888xさんが>>201で触れた「仮説演繹」の「演繹」の部分ですね。

205diamonds8888x:2021/10/31(日) 17:39:22 ID:Qix9q/lA
>>202
>>メカニズムとは何か?

 さっぱり要領を得ない。まあいいです。説明の難しいような概念で「メカニズムが必要だ」という論拠はやめてもらえばいいです。今後、言いたい時に、その時のメカニズムとは何を意味するのをはっきりしてもらえばそれでいいです。

>>純粋数理と自然科学との使い分けについて

 使い分けを訪ねているのだけど?

>>純粋数理論は自然科学理論の中でどのように使われるのか?
>数理論が先にあって、それだけで正しい自然科学理論が決まる、あるいは数理論と整合しないという理由で、特定の自然科学理論を誤りと決めることもできないと思います。

 それは正しい。けれど、
 自然科学理論がその中で使う数理論に間違いがあってはいけない。あったら理論自体間違い。
 数理論を使った他の自然科学理論で正しいとされる既知の理論との整合性は必要である。

>>純粋ではない数理論とは?
>よって数理論はすべて「純粋」だと思います。

 数や幾何学図形などの数学的対象に自然科学的対象を当てはめて表現した理論などは数理論ではない、ということでいいですか? ゜ならば、自然科学理論には(純粋)数理論は含まれていない。すると「数理論と整合しない」とかなんとか気にする必要もないのでは?
 数理論を使った他の自然科学理論で正しいとされる既知の理論との整合性は必要ですけど。

>>「熱力学第2法則は「P∧¬P」に該当します」の根拠となるメカニズム
>ここで重要なことは、S=0になるのは「無限」の過去ではない、ということです。〜S=0状態から現在までの時間差は有限値なのです。

 Sは宇宙が閉鎖系と仮定したときの宇宙全体のエントロピーですよね?
 ΔSは2つの状態のエントロピーの差ですが、その2つとはどんな状態のことですか?
 このΔSに使う温度はどこの温度ですか? 宇宙全体の平均温度とか?

 縦軸がS、横軸が時間tのグラフを描く根拠が不明です。熱力学の第1法則と第2法則だけでは、変化の速度は導けません。変化の速度は化学反応なら反応障壁とか、物理的混合なら拡散速度とか、熱力学とは別の科学法則から決まるもので予測するしかありません。

[>>203]より
> KenさんはΔSとdS/dtを混同しているように見えますがどうなんでしょう。
> ※tはT(温度)ではなく時間

 なお、ここでのメカニズムというのは、説明・根拠・演繹・推論とは何が違うのですか? 言い換えると、わざわざメカニズムという不思議な言葉を使う理由はなんですか? 説明・根拠・演繹・推論ではカバーできない意味を伝えたいからではないのですか?

206Ken:2021/11/01(月) 00:07:14 ID:l3c2r2bk
まず、熱力学第2法則を決着させましょう。

熱量移動が大きくΔSが大きい条件ではdS/dtも大きくなると思いますが、なによりも重要な点を確認します。

S=0状態が「無限の」過去であるためには、過去にゆくほど、Sの変化速度がdS/dt=0に収束せねばなりませんが、diamonds8888xさんはそれを想定されているのでしょうか? そうでないのなら、S=0状態は有限の過去になり、さらなる過去が存在します。問題の要はそこです。

私の理解は、以下のようになります。

化学反応であれ、物理的混合であれ、平衡の反対、つまり不均衡の勾配が大きいほど、ΔSもdS/dtも大きいでしょう。勾配が大きいとは、化学反応なら、反応式の両辺で、分子やイオンの濃度差が大きいことを意味し、それがが反応速度を支配するのは、ご承知のとおりです。濃度差が混合速度に影響するのは物理的混合も同じです。

反応障壁や拡散速度の影響を受けるとしても、それぞれの条件下において、平衡状態に近づくほど、変化は遅くなります。言い換えると、平衡から遠いほど変化が早いということです。


以上の説明に同意されるにせよ、同意されないにせよ、最も重要な冒頭の問題提議を繰り返します。

S=0になるのは、有限な過去なのか、それとも無限の過去なのか?


「メカニズム」の問題は、「太陽が昇る∧太陽が昇らない」を考察するのに必要なので、その時に明らかにしましょう。

207diamonds8888x:2021/11/07(日) 08:02:52 ID:Qix9q/lA
>>206
> S=0になるのは、有限な過去なのか、それとも無限の過去なのか?

 どちらもあり得る。「なる」と書くと過去に向かって時間が進行してるような錯覚をしそうだから書き直すと、以下のいずれか、もしくは他の可能性?
 ・宇宙全体でS=0の状態が無限の過去から続いていて、ある時増加し始めた。
    例えばビックバンの時点から増加とか。
 ・ある時以前は第2法則が成立せず、S=0からS=0へ変化していた。
    膨張と収縮を繰り返す宇宙モデルではどうなるんでしょうね。
 ・過去は無限ではない。
    変化がなければ時間は存在しない、という考えもありますね。
    そもそも我々が時間の矢を意識できるのは第2法則のおかげという考えもある。

 上記は私の主張というのもおこがましく、単に可能性を列挙しただけ。誰でも考えればこうなるというだけのもの。もっと大事な点が以下。

 この件についてのKenさんの主張が不明確な点がありますので、確認しておきたいのです。以下はKenさんの主張と合ってますか?

  1.熱力学第2法則(と既知の諸々の理論)により、「有限の過去でS<0だった」と推論される(演繹される)。
  2.S>=0(Sは0以上)である(Sは下限値を持つ) <== 統計熱力学からのSの定義からの帰結
  3.ゆえに熱力学第2法則(と既知の諸々の理論)により「P∧¬P」となる。

 ここまでは確実に合ってますね?

  4.「P∧¬P」となる、すなわち熱力学第2法則は矛盾している(矛盾をはらんでいる)。

 という主張ですね? もしかして違う? 「P∧¬P」と矛盾を使い分けてます?

 さて熱力学第2法則は矛盾している(「P∧¬P」となる)と確信したKenさんは、この事態に物理学者たちはどうすべきだと主張したいのですか?

  ・矛盾している第2法則は間違いだから修正すべきである。
  ・矛盾しているけれど間違いとは言えないから修正する必要はない。何も対処しなくていい。
   (矛盾(「P∧¬P」)は純粋数理だから自然科学理論には必ずしも当てはまらずともよい)
  ・間違いとは言えないけれど矛盾しているのも困るから、何らかの対処は必要。
   (例えば、どうするの?)
  ・その他
  ・基準05を無闇に適用してはいけない(この主張があるのは確実だよね?)

 なお私の「破綻している」という言葉は上記の矛盾している(「P∧¬P」となる)と同じ状態を意味していますので。私の文でKenさんの主張と一致する部分に変に反論して混乱させないでくださいね。

208diamonds8888x:2021/11/07(日) 09:39:15 ID:Qix9q/lA
>>207

> ・ある時以前は第2法則が成立せず、S=0からS=0へ変化していた。

【訂正】・ある時以前は第2法則が成立せず、S>0からS=0へ変化していた。


> 上記は私の主張というのもおこがましく、単に可能性を列挙しただけ。誰でも考えればこうなるというだけのもの。

 列挙した可能性の中の特定の可能性を、これこれの理由で正しいはずだ、と言うなら主張と言えるし、「これこれの理由」を説明すべきでしょう。でも単に列挙しただけでどれかに肩入れしてもいないのに、いずれかの根拠とかメカニズムなるものを説明する責任は私にはない。
 そうだよ、私が何にいらついているかがひとつ言葉にできましたね。
 説明責任は各可能性に肩入れして主張している人達のものだよ。

 Kenさんはメカニズムなるものを示さないと可能性の示唆さえできないと考えてるらしい。ぶさけんな。熱力学第2法則が有限の過去に破綻すると強く強く主張しているのはKenさんであって私ではない。なのになぜ私が、熱力学第2法則が有限の過去に破綻するメカニズムなるものを説明しなきゃいけないの?

209Ken:2021/11/07(日) 16:49:06 ID:l3c2r2bk
私が>>202の後半で述べたことを思い出してください。今は、熱力学第2法則がいかなる時にも成立するという「Ent2」を前提にしています。まず、この前提での結論に合意ができれば、「Ent1」に話を進めると言いました。ゆえに、

>・宇宙全体でS=0の状態が無限の過去から続いていて、ある時増加し始めた。
>  例えばビックバンの時点から増加とか。
>・ある時以前は第2法則が成立せず、S=0からS=0へ変化していた。
>   膨張と収縮を繰り返す宇宙モデルではどうなるんでしょうね。
>・過去は無限ではない。
>   変化がなければ時間は存在しない、という考えもありますね。
>   そもそも我々が時間の矢を意識できるのは第2法則のおかげという考えもある。
>【訂正】・ある時以前は第2法則が成立せず、S>0からS=0へ変化していた。

以上は、今の前提から外れます。

最後まで「Ent2」を支持してくださいとは言ってません。「Ent2」を前提におけば、どういう結論になるかを明らかにし、その次に「Ent1」を考察しようということです。その場合でも、「Ent1」が成立する「メカニズム」の説明を求めることはありません。

>Kenさんはメカニズムなるものを示さないと可能性の示唆さえできないと考えてるらしい。

diamonds8888xさんが不要と言われる以上は、本スレッドではメカニズムの説明を求めません。不要と聞いてからは、1度も要求したことはないはずです。

今は、「Ent2」を前提にするなら、

>4.「P∧¬P」となる、すなわち熱力学第2法則は矛盾している(矛盾をはらんでいる)。

という結論にいたるのか、にフォーカスしましょう。

210<削除>:<削除>
<削除>

211diamonds8888x:2021/11/10(水) 05:29:06 ID:Qix9q/lA
>>209

>私が>>202の後半で述べたこと

 「「熱力学第2法則は「P∧¬P」に該当します」の根拠となるメカニズム」を徹底して明らかにするのが当面の目標ということですね。これはYesかな?

> 今は、「Ent2」を前提にするなら、
> >4.「P∧¬P」となる、すなわち熱力学第2法則は矛盾している(矛盾をはらんでいる)。
> という結論にいたるのか、にフォーカスしましょう。

 フォーカスして何かを主張するのはご自由にどうぞ。人にわかるようにね。
 そのためには、さっさと>>207に答えてください。

> この件についてのKenさんの主張が不明確な点がありますので、確認しておきたいのです。以下はKenさんの主張と合ってますか?

212Ken:2021/11/10(水) 22:29:48 ID:l3c2r2bk
>そのためには、さっさと>>207に答えてください。

>>207で挙げられた例から選ぶなら、

・基準05を無闇に適用してはいけない(この主張があるのは確実だよね?)

が、現時点での私の考えになります。

ですが、何度も繰り返してきましたが、本スレッドは私の主張を披露する場ではありません。過去にやったではないか、と思われるかもしれませんが、それらは、diamonds8888xさんの要求に応じたものです。上記の回答も、その例です。

これも繰り返していますが、本スレッドで私がやっているのは、diamonds8888xさんが提示する基準を明らかにすること、なによりも具体化することです。「P∧¬Pはありえない」のような抽象的文言で済ませるのではなく、これによって「正しくない科学」と判定される理論に、どのようなものがあるのか、その具体例を明らかにしようとしています。

その中で、熱力学第2法則が基準05に違反するのではと、問いかけました。それに対して、この法則には適用範囲があるとする「Ent1」と、いかなる条件でも適用されるとする「Ent2」を区別して考えるべき、という指摘がありましたので、今は、Ent2を前提とする第2法則が「P∧¬P」に該当するのかにフォーカスしています。

213diamonds8888x:2021/11/14(日) 05:46:25 ID:Qix9q/lA
>212
>今は、Ent2を前提とする第2法則が「P∧¬P」に該当するのかにフォーカスしています。

 それを明らかにする上で、[>>207]の問で残り4つのいずれなのかが重要です。答えてください。
 どの道が正しいと考えるかで「P∧¬P」に該当するのか否かの考え方が変わると思いますよ。

214<削除>:<削除>
<削除>

215Ken:2021/11/14(日) 12:12:13 ID:l3c2r2bk
>[>>207]の問で残り4つのいずれなのかが重要です。

以下の4つのどれか、ということですか?

>・矛盾している第2法則は間違いだから修正すべきである。
>・矛盾しているけれど間違いとは言えないから修正する必要はない。何も対処しなくていい。
>  (矛盾(「P∧¬P」)は純粋数理だから自然科学理論には必ずしも当てはまらずともよい)
>・間違いとは言えないけれど矛盾しているのも困るから、何らかの対処は必要。
>  (例えば、どうするの?)
>・その他

もし、Ent2を前提にした第2法則が「P∧¬P」に該当し、ゆえに基準05に照らして「正しくない科学」と判定され、それを回避するためにEnt1を想定するのなら、

>・矛盾している第2法則は間違いだから修正すべきである。

になるのでしょう。それを確認するために、私は何度も尋ねてきました。

(3)「閉鎖系のエントロピーは増大する」ではなく「「閉鎖系のエントロピーは増大も減少もする」と言いなおすべきでは?

むろん、閉鎖系のエントロピーがどうすれば減少するのか、私たちには見当もつきませんが、そういうメカニズムは考えなくてもよい、という前提があるのですから。

216ゲジゲジ:2021/11/14(日) 13:24:20 ID:8nFsTek.
久しぶりにヨコからです。
ちょっと、噛み合っていない気がして、???と思ったので。

>>213
>それを明らかにする上で、[>>207]の問で残り4つのいずれなのかが重要です。答えてください。

207でdiamonds8888x様は3つの質問をされていると思います。

【質問1】(以下引用)
-------------------------------------------
この件についてのKenさんの主張が不明確な点がありますので、確認しておきたいのです。以下はKenさんの主張と合ってますか?

  1.熱力学第2法則(と既知の諸々の理論)により、「有限の過去でS<0だった」と推論される(演繹される)。
  2.S>=0(Sは0以上)である(Sは下限値を持つ) <== 統計熱力学からのSの定義からの帰結
  3.ゆえに熱力学第2法則(と既知の諸々の理論)により「P∧¬P」となる。

 ここまでは確実に合ってますね?

  4.「P∧¬P」となる、すなわち熱力学第2法則は矛盾している(矛盾をはらんでいる)。

 という主張ですね?
----------------------------------------------
(引用ココまで)

つまりKen様が
>「P∧¬P」となる、すなわち熱力学第2法則は矛盾している(矛盾をはらんでいる)。
と考える、その論理構成を確認しようとしていますよね。



【質問2】
>もしかして違う? 「P∧¬P」と矛盾を使い分けてます?

つまりKen様にとって、「P∧¬P」と「矛盾している」と理論が「破綻している」を使い分けているのか否か?
diamonds8888x様にとっては同じ状態を意味するとの事ですが。
(尚、私も同じ状態を意味すると思います。)



【質問3】
>さて熱力学第2法則は矛盾している(「P∧¬P」となる)と確信したKenさんは、この事態に物理学者たちはどうすべきだと主張したいのですか?
(以下略)



さて、Ken様は[>>212]で【質問3】に答えていますが、【質問1】と【質問2】への答えはありません。
私としては「肝心の質問をスルー?」と思って見ていたのですが、
[>>213]でdiamonds8888x様から
>それを明らかにする上で、[>>207]の問で残り4つのいずれなのかが重要です。答えてください。
とありました。

【質問1】と【質問2】はもうよいのでしょうか?

また、Ken様は既に[>>212]で【質問3】には答えていると思いますが・・・
>・基準05を無闇に適用してはいけない(この主張があるのは確実だよね?)

要するに基準05に違反している理論の中に定説とされる熱力学第2法則があるのだから、基準05は理論が科学的に正しいアプローチか否かを判定するには使えない、あるいは使えるとしても限定的である、というのがKen様の主張でしょう?



最後に、論点とは少し外れますが、私だったらKen様のこの質問にこう答えます。
>(3)「閉鎖系のエントロピーは増大する」ではなく「「閉鎖系のエントロピーは増大も減少もする」と言いなおすべきでは?

敢えて言い直すなら「閉鎖系のエントロピーは起源以降増大する」でしょう。
更に、より正確に言い直すなら「閉鎖系のエントロピーは起源以降、相当の未来まで増大する」でしょう。
無限の未来まで無限に増大するかどうか、「無限」を明確に定義できないので分からないのでは?
少なくとも「現在の知見では『無限の未来』と言って差し支えないほど遠い未来」までは増大するのでしょうけれど。

217ミケ:2021/11/20(土) 21:31:50 ID:liYNNt7Y
宇宙全体のエントロピーの増加(および過去のエントロピー)に関して、掲示板を見ている方に参考情報です。

>>203では控えめな言い方をしていましたが、
この見解が間違いではないとほぼ確証を得たのでKenさんが間違っている部分を分かりやすく解説しておきます。

Kenさんは、エントロピーの定義(>>112参照)から
「宇宙全体のエントロピーの増加速度(時間当たりの増加量)は、必ず過去に行くほど大きい
(エントロピーの増加速度は常に減少し続けてきた)」
と勘違いしています。(>>202>>206など参照)

上記Kenさんの考え
「宇宙全体のエントロピーの増加速度(時間当たりの増加量)は、必ず過去に行くほど大きい
(エントロピーの増加速度は常に減少し続けてきた)」
が正しい場合、
エントロピーを縦軸、時間を横軸にとってグラフにしたとき、
その形状が「常に右上がり」かつ「常に上に凸」となります。(y=log(x)のような形)
>>202でのKenさんの表現を借りるなら
「過去(グラフの左側)に行くほど、グラフの勾配が急」になります。
そして、過去に、つまりグラフを左側にさかのぼっていけば、
グラフは、エントロピー=0という横軸と交わることになります。

これが勘違いであることを分かりやすく示していきます。

では手始めに。

A simple treatment of complexity: cosmological entropic boundary conditions on increasing complexity.

検索で上記タイトルの論文を探し、
その最初のFigure(Figure 3.1もしくはバージョンによってはFigure 1)を見てください。(※注)

この図は、
いくつかの宇宙論における、宇宙全体のエントロピーの時間的変化
つまりエントロピーを縦軸、時間を横軸にとったグラフです。
どのグラフも「常に右上がり」ではありますが、「常に上に凸」のグラフになっていませんね。
「過去に行くほど勾配が急」になっていません。

Kenさんの
「宇宙全体のエントロピーの増加速度(時間当たりの増加量)は、必ず過去に行くほど大きい
(エントロピーの増加速度は常に減少し続けてきた)」
という予想と矛盾しています。

はい、まずは掴みとして
「エントロピーを縦軸、時間を横軸にとってグラフにしたとき、
そのグラフの形状は必ず「常に右上がり」かつ「常に上に凸」となる」
の反例を示しました。

この論文の著者が間違っているという可能性もありますが
掲示板読者の皆さんは、Kenさんがどこかで勘違いを起こしている可能性も
直観的に理解できたと思います。

で、実際にKenさんは勘違いしているわけです。

ではどう勘違いしているかを、これらのグラフを見ながらもう少し詳しく考えてみましょう。

>>203でも触れましたが、
Kenさんは
エントロピーの定義(ΔS=熱量移動/温度)(>>112参照)
に出てくるΔSとdS/dt(tは時間)を混同しているわけです。

エントロピーの定義(>>112参照)でのΔSとは、二つの状態におけるS差分です。(※注)
グラフで言うならば、ある点におけるSと別の点におけるSの、「縦軸の差」のことです。
これを、「グラフの勾配」(すなわちdS/dt)と混同しているわけです。

「熱平衡から遠いほど、ΔSが大きい」
というのは、単に
「グラフ上の左側(過去)にある点ほど
グラフ上の右側の特定の点(たとえば現在)との「縦軸の差」が大きい」
ということでしかありません。
これをΔSという表現に引っ張られて、
左に行くほどグラフの「傾き」が大きいと勘違いしたのがKenさんの>>202>>206というわけです。

で、
「グラフ上の左側(過去)にある点ほど
グラフ上の右側の特定の点(たとえば現在)との「縦軸の差」が大きい」
というのは、
要するにグラフが単調増加していることを示すにすぎません。
これは要するに、
【エントロピーは常に増大する(正確には、「変わらない」も含む)】の言い換えです。

Kenさんは、
ΔS(単なる縦軸の差)とdS/dt(グラフの傾き)とを混同したために
単に【エントロピーは常に増大する】と言っているだけの記述(定義の数式)を
【エントロピーは常に増大し、かつその時間当たりの変化量は過去にさかのぼるほど大きい】
と読み違えて勘違いしてしまったわけです。


(※注)この論文本文や、2番目のFigureで「ΔS」という記述が出てきますが
ここのΔSはおそらくエントロピーの定義に出てくるΔSではなく、
宇宙全体でとりうる最大のS(Smax)と実際のS(Suni)との差のことです。おそらく関係ないのでご注意。

218ミケ:2021/11/20(土) 21:35:30 ID:liYNNt7Y
>>217で示したように
「宇宙全体のエントロピーの増加速度(時間当たりの増加量)は、必ず過去に行くほど大きい
(エントロピーの増加速度は常に減少し続けてきた)」
はKenさんの勘違いであり、
Kenさんはその勘違いを根拠に色々話を進めていますが(>>209参照)
勘違いをもとに進めたところでまともな結論には至りません。

トンデモさんはしばしば、論理を重ねる過程のどこかで見落としや論理の飛躍を起こして
おかしな結論に進んでいってしまいます。
Kenさんも、ひとつの言明や理論から何重にも推論を重ねすぎて
どこかしらで見落としや飛躍を起こして誤った結論に至る傾向にあります。
まあ、これは科学的思考の訓練を受けていない人はしばしば陥りがちな傾向でもありますが。

理論から演繹・推論を重ねてそれについて考察すること自体は、議論のために必要なことでしょう。
しかし、Kenさんは上記のような誤解や論理の飛躍傾向を持っているので
演繹にするにしても
まず地に足をつけて
「そこで言われていることだけ」(他の法則はとりあえず考えない)
「過不足なく読み取って」(余計な誤解・曲解をしない)
演繹する、
というところから訓練が必要なレベルだという感じがします。

最近はあまりのアレっぷりにdiamonds8888xさんの苛立ちも見え始めましたが、
むしろ
こういう状況の人だからこそ
科学的思考の訓練を受けていない中学生に教えるようなやり方・心持ちで対応する必要が感じられます。


ぶっちゃけた言い方をすると、分かると期待するから苛々するのだと思います。
diamonds8888xさんの参考になれば。

219ミケ:2021/11/20(土) 21:42:50 ID:???
>>217における「>>112」は「>>113あたり」と読み替えておいてください。

220diamonds8888x:2021/12/07(火) 05:40:31 ID:Qix9q/lA
ゲジゲジさん >>216
>さて、Ken様は[>>212]で【質問3】に答えていますが、【質問1】と【質問2】への答えはありません。

 うーん、>>215での以下で答えたのだと解釈してましたが・・。「なるのでしょう」とか「それを確認」というのが意味不明ですけど。
> >・矛盾している第2法則は間違いだから修正すべきである。
> になるのでしょう。それを確認するために、私は何度も尋ねてきました。


Kenさん >>215
 今回は「主張」の意味が食い違ったらしい。はっきりさせときましょう。

 「本スレッドは私の主張を披露する場ではありません」[>>209]とかいいつつ、[>>202,>>206]以降はしっかりとKenさんの主張を披露してる。

>最初に断ったように、以上はEnt2を前提にしています。ここまでは、問題はありませんか? 問題がなければ、「適用範囲外」を含むEnt1の話をします。

 この【主張】に問題があるから質問したんだけど[>>207]。で、「・矛盾している第2法則は間違いだから修正すべきである。」との主張で間違いないですよね?

 ま、これはまともだとしても、「Ent2を前提とする第2法則が「P∧¬P」に該当する」というKenさんの主張は世の中の誰も認めていないし、私も認めるつもりはありません。だから、ひとまずおいといてEnt1を前提としたらどうなるのかという主張を展開してみてください。
 両方みないと、Kenさんが何を言いたいのかわかりませんからね。

 私には、「「Ent1」に話を進める」ためになぜ、「Ent2を前提とする第2法則が「P∧¬P」に該当する」ということを前提にする必要があるのかが理解できません。

221diamonds8888x:2021/12/07(火) 05:46:13 ID:Qix9q/lA
>>218, >>219
ミケさん、情報をありがとうございます

 いや、宇宙全体では最大エントロピーが変動してもいいというのは、色々と考えられるものですね。やっぱりプロには敵いませんね。
 それと宇宙起源以前はキッパリと無視しているという点は、無限の過去にこだわってる人に学んでもらいたい。

 うん、今はこれくらい。

222Ken:2021/12/07(火) 22:58:05 ID:l3c2r2bk
>「Ent2を前提とする第2法則が「P∧¬P」に該当する」というKenさんの主張は世の中の誰も認めていないし、私も認めるつもりはありません。

Ent2が「P∧¬P」に該当する理由は、>>202の後半で説明し、>>206で補足しました。私のロジックに誤りがあるのなら、具体的な指摘をいただけますか? >>207で挙げられた点は、過去に第2法則が成立しなかった話になっており、Ent2とは異なります。

>・宇宙全体でS=0の状態が無限の過去から続いていて、ある時増加し始めた。
>   例えばビックバンの時点から増加とか。
>・ある時以前は第2法則が成立せず、S=0からS=0へ変化していた。
>   膨張と収縮を繰り返す宇宙モデルではどうなるんでしょうね。
>・過去は無限ではない。
>   変化がなければ時間は存在しない、という考えもありますね。
>   そもそも我々が時間の矢を意識できるのは第2法則のおかげという考えもある。


>「Ent1」に話を進める」ためになぜ、「Ent2を前提とする第2法則が「P∧¬P」に該当する」ということを前提にする必要があるのかが理解できません。

本スレッドの目的は、diamonds8888xさんの基準に照らし「正しくない科学」と判定される理論を具体化することです。最初は、熱力学第2法則が「P∧¬P」ではと尋ねましたが、Ent1とEnt2を区別するべきという指摘がありましたので、それではEnt2は違反例になりますか、という話です。ここはまず、Ent2を考えましょう。Ent1に話が及ぶかは、その結果次第です。

223Ken:2021/12/11(土) 12:02:46 ID:l3c2r2bk
本当にEnt2の前提で、つまり第2法則が成立する条件で、起源問題を解決する理論があるのなら、是非うかがいたい。それだけでも、本スレッドの話を続けてきた甲斐があります。

私が知る限りで、起源問題に取り組んだ人は、たしかに、みなEnt2を前提にしています。その結果、だれも矛盾を解消できていません。

まず思いつくのはファインマンです。彼は、我々が観測する宇宙の外から、エントロピーの小さい状態が入ったかもしれないと述べました。また>>169で紹介された須藤という人は、外部にエントロピーを捨てると表現しました。表現は異なっても本質は同じでしょう。考察対象は宇宙全体ではなく、その一部を切り取ったもので、外部にさらなる空間があり、エントロピーやエネルギーが移動するというものです。

ですが、これでは矛盾の解消になりません。外部を含めた全体系のエントロピーはなぜ減ったのかと、問題を先送りしたに過ぎないからです。部分空間のエントロピーが減るだけなら、宇宙論を持ち出すまでもなく、冷蔵庫がそれをやっています。

>>207で挙げられたような、S=0が続くとか、過去は無限ではなく、ある時点から時間が始まる等も、部分空間の話をしているなら、むろん可能です。しかしそれはEnt1ではありません。そういうことが、部分ではない全体系で起こるのがEnt1で、「P∧¬P」を解消するには、それが必要であると思います。

224diamonds8888x:2022/01/09(日) 16:55:30 ID:Qix9q/lA
>>222,>>223
 [>>189]およびソノリンク参照。「(Ent2) 矛盾する可能性はあり」と述べた。
 矛盾しない場合の可能性のうち、わかっているものは。
  1.過去は有限  
  2.Sは漸近的にゼロに近づいている。(ミケさん推奨の理論)
   観測精度、いやそもそも揺らぎを考慮すれば、単にある時点(はっきりした点ではないけど)
   より過去ではS=0と言ってるのと同じでしょうね。
   エントロピー増加こそ時間の源という考え(まともに提唱されてる理論)から見れば
   過去が有限と言ってるも同然。
  3.我々が観測する宇宙の外が存在する(Kenさん紹介のファインマン他の理論)
   ちなみに宇宙の外でも第2法則が成立している保証は何もありません。
  4.その他、我々の知らない理論

 1-4を認めるのがいやだったら「Ent2を前提とする第2法則が「P∧¬P」に該当する」ということにしといていいですよ。ファインマン他は1-4に希望を託して頑張ってるのですけどね。
 これでEnt1に進める?

 ちなみに、遠い過去であれ、宇宙の外であれ、未観測領域ではあらゆる既知の理論は正しいかも知れないし間違いかも知れない。そんなのは観測しない限り決められない、というのがベーコン以来の経験主義の原則です。

 むろん、理論内部でどうあっても解消できない矛盾が生じるということでも話は同じで、それが「Ent2を前提とする第2法則」の話。だからKenさんが「1-4を認めるのがいや(理論的に間違っているとしか思えない)」として「P∧¬P」に該当する」という結論に至るのだとしたら。そこで「Ent2を前提とする第2法則」は間違っているという結論になります。されでも現在および観測的証拠のある過去では第2法則の破綻という観測はされていませんから、第2法則の破綻という現象は未観測である遠い過去で、または未観測である宇宙の外で起きていた/起きている可能性が高いという推論に至ります。

 Kenさんは「「Ent2を前提とする第2法則」は間違っている」と結論づけるのですよね?
> >>220
> うーん、>>215での以下で答えたのだと解釈してましたが・・。「なるのでしょう」とか「それを確認」というのが意味不明ですけど。
> > >・矛盾している第2法則は間違いだから修正すべきである。
> > になるのでしょう。それを確認するために、私は何度も尋ねてきました。

225diamonds8888x:2022/01/09(日) 16:56:33 ID:Qix9q/lA
 [>>195]で少しふれた適用時期の話。[>>200,>>201]も参照。

 趣旨としては基準01-06などは理論提唱時に適用してフィルタリングするものだけれども、後の推論や議論のときにも「世間一般の正しいアプローチ」に従うのは当然です。実際に定説に反するトンデモさんたちは基準02に反した議論を振り回すことがありますしね。

 そして観測事実と矛盾するという場合は、別に基準05に違反と認定するわけではなく、単に実際とは違っていてアプローチは正しいけど間違ってたね、ということにしています。では既知の正しい理論と矛盾していた場合はどうかというと、ちと微妙な点はあります。

 そもそも新規な理論とは既知のなんらかの理論に対立している、否定していることも多いのです。物理化学分野だと既知理論が完全否定されることなどほとんどありませんが、生物ではそうでもないし、歴史学ともなればいくらでもある。ま、理論というより既知の観測事実と考えられていたことが覆るというべきかも知れませんけど。

 とはいえ、生物学の新理論が物理化学の既知の法則に反していたらトンデモ扱いはされるでしょう。

 ということで、後の推論や議論で正しく議論するための基準01-06などについては、次のコメントで。

226diamonds8888x:2022/01/09(日) 17:00:00 ID:Qix9q/lA
>>225,>>220
【基準03-06の本質の話】
 「「Ent2を前提とする第2法則が「P∧¬P」に該当する」というKenさんの主張は世の中の誰も認めていないし[>>220]」については[>>195]も参照。

 私の主張といえば一貫して、「世間一般の正しい科学的方法」では基準01-06は守られるものだ、ということです。中でも基準03-06は推論は論理的に正しく行わねばならない、という当然のことばかり。実は基準02もそう。

 まず、以下の言葉にはKenさんは賛成でしょうか?

 「科学的推論や科学的議論は論理的でなくてはならない。」

 自身でたびたび似たようなことを書いていたようなので、言葉自体には賛成だと推察します。しかし、Kenさんの考える論理的という意味が「世間一般の正しい言葉の意味」とはずれているので、食い違いが起きているのです。具体的にどうはずれているのかは、私とてぶつかってみなければ
わからず、ぶつかっても理解しづらいので困惑しているというわけ。
 「世間一般の正しい言葉の意味」、つまり現在の自然科学者(いや社会科学でも歴史学でも心理学でも基本的に)の使う言葉の意味では、論理的とはいわゆる「正しい論理法則」に従って推論することとほぼ同義です。これは意識しなくても自然にそうなるもの。基準03-06は、まさにその「正しい論理法則」をそのまま表現しただけ。正しい論理に文句をつけるなんて、時たま顔をだしてたfnorderさんがあきれるのも無理はない。


 まず、「¬P∧P(P∧¬Pはありえない)」のような論理式または論理法則を「抽象的文言」「抽象的数式」のような一言で否定するという姿勢が、「世間一般の正しいアプローチ」とずれている点のひとつ。

 ベーコン以来の自然科学における「世間一般の正しいアプローチ」からすれば、自然科学や数学において正しいとされる理論や法則や定理や(なんなら公理でさえも)、試してみたら観測的に正しかったから正しい、のです。Kenさんの言うところの「一般化」とは別物であるような理論や法則や定理はないのです。

  ・四則演算が正しいのは、具体的物体などの個数の取り扱いで正しいことを一般化したものだから。
  ・論理法則が正しいのは、具体的推論において正しいことを一般化したものだから。

 以上のことは子供が数学や論理を学んだ頃を考えれば納得できるはず。体験的に正しいと納得できたから四則演算も論理法則も正しいと納得できたはず。
 個数の扱いでは四則演算は正しくても、1個が割れるとかで「いわば個数保存則」の前提が崩れたりして正しくなくなることもある、なんてのも体験的に納得してるはず。
 論理法則もベン図を見れば一目瞭然。そして論理法則とはあらゆる推論そのものに適用される法則なので、外れるような推論があったら・・・、それは「間違った推論」と認定されるよね?

-----------
【学習の参考】
 論理法則の正しさを実感したかったら、簡単な啓蒙書はいくらでもあるから詠んで見ること。妥当な推論をするために必要な論理法則は限られているしね。
[ttps://blog.goo.ne.jp/diamonds8888x/e/4c5f6c6a7f50cae23239de011eb5ad0b]
 「論理体系の解剖-1.1- 妥当な推論法則」1〜3のグループの法則までが必要なもの。

 高校数学では年度によっては学んでいない人もいるみたい。公理論的方法の項目がなかった時期もあるので。
 [ttps://blog.goo.ne.jp/diamonds8888x/e/8184666a7f2e606f568b6839b69b938d]
「数学的実在とは-幾何学-4--原論と基礎論(2):エウクレイデス〜学校数学〜ヒルベルト」末尾を参照。

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*) 「論理はそれ自体正しい」という見方もあるし理解はする。いわゆるプラトン主義という見方。「論理は具体的観測より確実」という数学教科書、特に初等幾何学の初めにでてくるご宣託もある意味で、とてもとても正しいことも理解する。しかし経験主義を徹底する見方を取ると上記のようになり、一貫してくるので便利だよ。

227diamonds8888x:2022/01/09(日) 17:46:49 ID:Qix9q/lA
>>226
 ちなみに執拗にEnt2の前提の根拠??を要求するのも妥当な論理法則が使えていない証。
[>>223]
>本当にEnt2の前提で、つまり第2法則が成立する条件で、起源問題を解決する理論があるのなら、是非うかがいたい。それだけでも、本スレッドの話を続けてきた甲斐があります。

 「単に可能性を列挙しただけ」[>>207,>>208]と明言したのにわかってない。
 単に「P∨¬P」という妥当な推論をしたに過ぎない

 しかし¬P、つまり遠い過去で第2法則が成立しないことがわかったとしても、それだけでは新たな理論にはならない。理論がない状態でしかない。もともと第2法則とは、「散らばった分子などは元に戻らない」などの現象をエントロピーという量を導入して定量的に議論できるようにしたもの。逆の現象など観測されていない以上は定量的理論も作ることができない。

 それでも、まず全ての可能性を列挙するのは漏れなく推論するための必須のテクニック。プロクグラムなら、IF文やCASE文の最後にELSE文を付けておけば暴走しない。根拠がなければELSE文を付けないなんて言うかね?

228Ken:2022/01/09(日) 23:51:58 ID:l3c2r2bk
>1-4を認めるのがいやだったら「Ent2を前提とする第2法則が「P∧¬P」に該当する」ということにしといていいですよ。

私の問いかけに対応する形で答えていただけませんか?

Ent2から出発して「P∧¬P」に至る論理のステップは、>>202>>206で説明しています。diamonds8888xさんご自身は「P∧¬P」にはならないと考えられるのなら、私のステップのどこかに誤りがあるはずです。「1-4」を用いることで誤りを指摘できるのなら、まずそのことからお願いします。

ちなみに、私は、現時点では、Ent2、つまり第2法則が成立する条件では、S=0が続くとは考えられません。エントロピーの増加が停止するのは熱平衡に達したときで、S=0はその対極だからです。

229Ken:2022/01/10(月) 01:50:53 ID:l3c2r2bk
誤解を避けるために、補足します。>>224で挙げられた1、2、3について。

過去にS=0が続き、ゆえに時間の経過もなく、結果的に過去が有限という主張は、第2法則と矛盾します。エントロピーの増大が止まるのは、熱平衡に達したときというのが、第2法則ですから。よって、S=0の想定はいかなる時も第2法則が成立するEnt2の前提をはずれるでしょう。

一方、観測される宇宙の外からの影響を受けるのなら、第2法則との矛盾はありません。たしかにEnt2を前提にした話になります。ですが、これは問題提議そのものと外れてしまいます。外の世界を含めた全体系において、エントロピーの極小状態はなぜ生じたのか、が元々の課題なのですから。部分空間を論じても無意味です。

230Ken:2022/01/12(水) 23:09:13 ID:l3c2r2bk
もしかして、混乱の原因はここですか?

>ちなみに執拗にEnt2の前提の根拠??を要求するのも

Ent2前提の根拠は求めていません。第2法則に適用範囲外があるというEnt1を、メカニズムの説明なしに想定してもよいというのがdiamonds8888xさんの主張ですよね。それは分かりましたから。

私は、diamonds8888xさんの想定とは異なることを承知の上で、もしEnt2を前提とするなら「P⋀¬P」になるのか。つまり「太陽が昇る⋀太陽が昇らない」が基準05違反であるように、Ent2もまた基準05違反の具体例なのかを明らかにしたいだけです。

231diamonds8888x:2022/02/04(金) 05:08:20 ID:Qix9q/lA
>>228,>>229,>>230

 要するに[>>224]の4つは全て否定するという前提ですね。

「S=0の想定はいかなる時も第2法則が成立するEnt2の前提をはずれる」=>1,2の否定
「外の世界を含めた全体系において、エントロピーの極小状態はなぜ生じたのか、が元々の課題なのですから。」=>3の否定

 それなら確かに「P⋀¬P」に至ります。ではどうぞ次へ。
 まあ「P⋀¬P」に至ったということは、以下のどちらかであるということと同値ですが。それが論理的推論というものです。
   Ent2は間違っている
   [>>224]の4つを全て否定することは間違っている


[>>226]は無視ですか? 2週間以上も時間があったのに?
>>202
> ちなみにエントロピー増大のメカニズムは確率の法則です。確率の法則は熱力学に限らず広汎な分野で事象を支配することが確認され、特に熱力学が扱うような、対象の物体(分子、原子、宇宙論なら素粒子?)の数が巨大な場合は、非常に正確な予測が可能です。

 論理法則は確率の法則よりも、もっと広汎な分野で事象を支配することが確認されてますよ。それをなぜ否定するの?

>まず、以下の言葉にはKenさんは賛成でしょうか?
>「科学的推論や科学的議論は論理的でなくてはならない。」

232diamonds8888x:2022/02/04(金) 05:09:09 ID:Qix9q/lA
【Kenさん以外の人向けです】

「外の世界を含めた全体系において、エントロピーの極小状態はなぜ生じたのか、が元々の課題なのですから。」=>3の否定

 4はどうした? という話もあるでしょうが、さすがに「未知の理論があるかも知れない」と言ってたら何も否定も肯定もできませんからね。「どこまで外の世界を想定しても第2法則は成立する」というのがEnt2だと定義するなら、これでOKです。「P⋀¬P」に至ることで問題ないし。ゆえにこの想定は間違いだという結論にもなります。つまり「どこまで外の世界を想定しても第2法則は成立する」とか「外の世界を含めた全体系において第2法則は成立する」とかいう理論は矛盾するから間違いに違いないとの結論に至る。ただそれだけの話。
 経験主義からみても無茶な理論ですけどね。未観測の外の世界なんてものを想定したら逆さ廻りの世界だってあるかも知れないのだから。

「S=0の想定はいかなる時も第2法則が成立するEnt2の前提をはずれる」=>1,2の否定

 Kenさんは理解しようともしないだろうから、わかったわかったで済ませましたが、実は間違い。

[>>202,>>206]より
 >さらなる過去では、時間に沿ってエントロピーが減少するか、少なくとも不変であるはずです。
 >結局、「エントロピーは増大する」から出発すると、論理を連ねてゆくだけで「エントロピーは増大しない」という結論に至ります

 わかってるじゃん。だから宇宙開闢まではS=0の状態がずーーーーっと続いていて、その間は「エントロピーは増大しなかった」。これは別に熱力学第2法則には反していません。熱力学第2法則は閉鎖系ではエントロピーは減少しないとしているだけで、増加しない状態は禁止してはいませんから。

 とはいえ、現実の観測事実はといえば、完全な断熱閉鎖系の内部でない限りは熱平衡状態にはなっておらず、結果としては熱平衡状態に向かってエントロピーが増加します。つまり現実には「熱平衡状態でない限りはエントロピーは増加している」というのが観測事実ですので、Kenさんの間違いも、起源問題の本質に関わるような間違いでもないのです。

 むしろ不思議なことは、ビッグバン以前の状態が一見熱平衡状態にしか見えないこと。それが膨張に従い不均一な構造が生じて来たというのは、まさしくエントロピー減少のようにも見えます。まあ体積膨張というか密度減少というのがエントロピー増加になるので局所的なエントロピー減少を補っているのでしょうけど。じゃあ、どこに体積膨張の余地があったのかというのが、なかなかにわかりにくい。そして、膨張が始まるまでは無限の過去からずーーーーっと狭い空間での熱平衡状態が続いていたのか? それがなぜ特定の時点で膨張が始まったのか?

 ブレーンが衝突とかして初期宇宙の泡が誕生したなどという理論は、まさに外の世界の想定で無限の過去のパラドックスを消したのだとも言えるでしょう。この外の世界は複数のブレーンが飛び交う低エントロピーの世界です。では、その外の世界の過去の起源は? とか無限に続けるのも無理筋にも見える。突き詰めると、「無限の過去という想定自体が論理的に矛盾だ」という理論なら検討の価値がありそうにも見えます。宇宙が空間的に無限というのとはちょっと違いそうな。

233diamonds8888x:2022/02/04(金) 05:16:58 ID:Qix9q/lA
【Kenさん以外の人向けです】
>>203
ミケさん、ちょっとコメントをします。

 漸近的接近の可能性をKenさんが理解してないのも確かですが、漸近的接近の事例では説得力不足な面もあります。現実の物理量は理想的数学関数とは違って揺らぎがあるからです。エントロピーが極大に達する未来の状態がわかりやすいと思いますので、それを例に取ります。

 一番簡単なモデルでホルツマンの自殺の原因とも噂のある(^_^)宇宙の熱的死では、エントロピーが極大に達し、これはつまり全ての素粒子(それが何かは不明だけど)が均一に散らばっている状態に達するわけです。この熱的平衡状態では各粒子の位置や速度はもちろん固定されているわけではなく常に変動しています。というか、そういう変動する状態の数の多さこそがまさに統計力学的エントロピーが極大であることに通じるのでしょう。
 では、熱的平衡状態に極めて接近した状態とは・・・、たぶん熱的平衡状態そのものと区別できません。揺らぎの範囲に収まったら、それはもう熱的平衡状態に達したということです。つまり宇宙の熱的死が起きるとしたら、それはいかに漸近的な速度であろうと有限の時間内に起きてしまい、それ以降は、時間が消失するとも定義できるということです。

 [>>217]で紹介していただいた Charles H. Lineweaver "A simple treatment of complexity: cosmological entropic boundary conditions on increasing complexity." では、この未来のことをテーマにして極大エントロピー量をグラフにしていましたね。

 結局、起源問題に関するKenさんの思考の問題点は、時間が有限である可能性を頑なに否定していることです。自分の感性だけを根拠にしてなんですが、そのことには気づいていない。つまり自分の感性が絶対の真理だと勘違いしていることが問題点なんです。論理は疑うくせにね。

[>>206]>そうでないのなら、S=0状態は有限の過去になり、さらなる過去が存在します。問題の要はそこです。

 未来の熱的死状態から類推して、過去のずーーーーっと続いた初期状態、時間が消失した状態とは、例えば超高密度の熱平衡状態みたいなのを思い浮かべるのですが、熱平衡状態とはエントロピー最大状態ではなのいか? と、

 ではS=0の状態とはどんなものなんでしょうか? 統計力学的エントロピーの定義からはたったひとつの状態だけとっている状態・・? 高度に秩序だった・・。どんなんだよ、それ? やっぱり狭い範囲で熱的平衡状態というのが納得しやすいけれど。宇宙全体がたったひとつの素粒子だけ、とかならあり得るでしょうかね?


なお、
> 「基準Xが間違いに違いない」という信念のもと
> 基準Xに違反していそうな科学理論を探し
> 基準Xに違反しているかのようにその理論を誤解し
> 延々と「この理論は違反ではないか」と言い続けることが可能なわけですね。

 まことにおっしゃる通り。

234Ken:2022/02/04(金) 22:27:39 ID:l3c2r2bk
>以下のどちらかであるということと同値ですが。それが論理的推論というものです。
>  Ent2は間違っている
>  [>>224]の4つを全て否定することは間違っている

そうですよね。そしてdiamonds8888xさんは、Ent2が間違っていると主張されていると理解します。

私自身はEnt2の否定には反対ですが、反対の根拠は、第2法則が適用範囲外になるメカニズムが考えられないというものですから、「メカニズムの説明が不要」と聞いて以後は、それが本スレッドで取るべき立場と認識しています。

よって、Ent2が正しくEnt1は誤りとは言いませんし、S=0が過去に続いたという主張にも反論しません。あるいは反論したと思われるかもしれませんが、それは、Ent2から出発するならそうなる、ということで、Ent2が基準05違反と確認するための仮定です。

整理します。diamonds8888xさんの論点は、

(1)第2法則に適用範囲外はないというEnt2からは「P∧¬P」が導かれてしまう
(2)しかし、正しい科学の中で「P∧¬P」を含む理論は許されない
(3)ゆえに、第2法則に適用範囲外があるEnt1を想定し、過去にS=0が続いたと考える
(4)どうすればEnt1がありうるのか、というメカニズムの説明は不要である

以上でよろしいですか?

235diamonds8888x:2022/02/08(火) 06:34:00 ID:Qix9q/lA
>>234
>そしてdiamonds8888xさんは、Ent2が間違っていると主張されていると理解します。

 その理解は間違いです。[>>224]の4つを全て否定して、Ent2が「P∧¬P」に該当すると主張しているのはKenさんです。そして、「Ent2は「P∧¬P」に該当するが、間違ってもいない」というのがKenさんの主張のように思えますが、そうなんですか?

 私は「(Ent2) 矛盾する可能性はあり」とは述べました。[>>224,>>189]。
 さらに[>>183]でも、こう述べました。
 >一応はEnt2を期待するかもしれないけれどもEnt1の可能性は常に心に留めるのが、世間一般の研究者の感覚です。

>それは、Ent2から出発するならそうなる、ということで、Ent2が基準05違反と確認するための仮定です。

 ここの「そうなる」とは、どうなることを指しているのですか? 仮定だとおっしゃる「反論したと思われるかもしれません」というのは具体的にどの文章部分を指しているのですか? どの話のことかわからないのですが? 「反論したと思われる」部分はたくさんありますから。


> (1)第2法則に適用範囲外はないというEnt2からは「P∧¬P」が導かれてしまう
> (2)しかし、正しい科学の中で「P∧¬P」を含む理論は許されない
> (3)ゆえに、第2法則に適用範囲外があるEnt1を想定し、過去にS=0が続いたと考える
> (4)どうすればEnt1がありうるのか、というメカニズムの説明は不要である

 (2)と(4)は私の主張です。

 前述の通り、(1)はKenさんの主張であり私の主張ではありません。今はひとまずKenさんの主張を受け入れて、その後の推論を知ろうとしているだけです。さっさと自分の主張を進めてください。

 (3)は2つのことを言ってて意味不明です。
 「第2法則に適用範囲外があるEnt1を想定し」
   私はEnt1もEnt2も可能性ありという立場です。
 「過去にS=0が続いたと考える」
   Kenさんの論理に従えばそうなることは認めた、という話であり、「必ずそうなる」というのは私の主張ではありません。


 繰り返すようですが、(2)を否定して、「「P∧¬P」を含む間違っていない理論があり得る」、具体的には「Ent2は「P∧¬P」に該当するが、間違ってもいない」というのがKenさんの主張のように思えますが、そうなんですか?

236Ken:2022/02/08(火) 22:57:27 ID:l3c2r2bk
>その理解は間違いです。[>>224]の4つを全て否定して、Ent2が「P∧¬P」に該当すると主張しているのはKenさんです。

やはり、この部分で同意がえられませんか? これまでの経緯を整理しましょう。

はじめに、Ent2が前提なら「P∧¬P」に行き着くと主張したのは私です。私の主張ですから説明責任は私にあります。

それを説明したのが>>202の後半と>>206で、要約すると、第2法則のもとではエントロピーは不可逆的に増大し、しかもエントロピーが小さいほど、つまり温度であれ濃度であれ他の何であれ、不均衡の勾配が大きいほど増大は速いから、S=0になるのは有限な過去で、それより前では、Ent2と矛盾する「エントロピーは増大しない」が導かれると述べました。

この私のロジックに誤りがあると主張されるなら、誤りを具体的に指摘する責任が、今度はdiamonds8888xさんに生じます。それをされたのが>>224の1-4でしょう。もっとも4の「その他、我々の知らない理論」は具体論ではありませんので、指摘したことになりません。

残りは3つですが、1の「過去は有限」の理由は、2で言われた「エントロピー増加こそ時間の源」でしょうから、1と2は同じことを言っているのでしょう。つまりS=0が続いてもEnt2と矛盾しないというもの。3は「ファインマン他の理論」つまり外部の影響を受けたというものです。

これに対して、私は、それでは>>202>>206で示したロジックの誤りの指摘にはなりませんと>>229で説明しました。その結論が>>231でまとめていただいた

>「S=0の想定はいかなる時も第2法則が成立するEnt2の前提をはずれる」=>1,2の否定
>「外の世界を含めた全体系において、エントロピーの極小状態はなぜ生じたのか、が元々の課題なのですから。」=>3の否定

になります。具体的な理由を語った上で、上のように主張しました。

これに対して、diamonds8888xさんから再反論が出ていないのです。再反論を出すか、もしくは下記の点に同意をいただかねばなりません。
> (1)第2法則に適用範囲外はないというEnt2からは「P∧¬P」が導かれてしまう


>「Ent2は「P∧¬P」に該当するが、間違ってもいない」というのがKenさんの主張のように思えますが、そうなんですか?

何度も繰り返してきましたが、本スレッドは私の主張を論じる場ではありません。

むろん、S=0は続かない、といったテクニカルな考証は述べますよ。これは第2法則はどういうものかの話だから、明らかにしなければ話が進みません。ですが、「正しい科学」に求められる基準については、diamonds8888xさんの主張を、そのまま受け入れると言っています。私の今の関心はEnt2が「P∧¬P」に該当するかです。該当するなら、Ent2は間違った理論になるでしょう。

237diamonds8888x:2022/02/11(金) 17:07:48 ID:Qix9q/lA
>>238
>私の今の関心はEnt2が「P∧¬P」に該当するかです。該当するなら、Ent2は間違った理論になるでしょう。

 了解。「Ent2は「P∧¬P」に該当するが、間違ってもいない」とは考えていないということですね。良かった。

再反論を出すか、もしくは下記の点に同意をいただかねばなりません。
> (1)第2法則に適用範囲外はないというEnt2からは「P∧¬P」が導かれてしまう

 だから、[>>231]で、「[>>224]の4つは全て否定するという前提ならばそうなるよ」、だからさっとと「それなら確かに「P⋀¬P」に至ります。ではどうぞ次へ。」と書いたでしょ。

 でも私自身は[>>224]の4つは全て否定するのは無理だと考えてますから、Ent2が間違っているとの主張はしません。つまり「diamonds8888xさんは、Ent2が間違っていると主張されていると理解します」との理解は間違いです。[>>224]の4つは全て否定するのは無理、ということをKenさんが理解しようとするかどうか、理解できるかできないかは関係ありません。

 でもKenさんの主張は、「[>>224]の4つは全て否定できる」ということだから、その主張を憂いれるならば「それなら確かに「P⋀¬P」に至ります。ではどうぞ次へ。」ということ。こういう意味でなら「下記の点に同意」はしてますよ。

 だからあ、早く次に進んでくださいな。


 私の主張、というよりも現在のKenさんへのお勧めは、「納得できるかどうかは置いといて、まず基準01-06は受け入れてみたらどうよ?」ということです。受けて入れた上で、Kenさん独自のデザイナー理論だかなんだかを展開していき、その中で基準01-06をどのように使うのかを学べばいいんですよ。慣れれば理解も深まりますから。

238Ken:2022/02/11(金) 20:32:34 ID:l3c2r2bk
>でも私自身は[>>224]の4つは全て否定するのは無理だと考えてますから、Ent2が間違っているとの主張はしません。

問題は、なぜ否定は無理かの説明がないことなのです。繰り返し尋ねているのに。

>[>>224]の4つは全て否定するという前提ならばそうなるよ

否定できない理由を示されないなら、否定は「前提」ではなく論理的帰結で、diamonds8888xさんにも同意していただかねばなりません。私の方は否定の理由を具体的に述べたのですから。

1,2:熱平衡以外でエントロピー増大は止まらない
3:部分空間の話でしかない
4:具体性がない

>まず基準01-06は受け入れてみたらどうよ?

何度も言ってるように、受け入れていますよ。受け入れた上で、Ent2は基準05に違反しますか、と尋ねています。

239diamonds8888x:2022/02/15(火) 05:11:53 ID:Qix9q/lA
>>238
> >まず基準01-06は受け入れてみたらどうよ?
> 何度も言ってるように、受け入れていますよ。

 いつどこで「受け入れていますよ」などと言いましたか?
 受け入れているのなら、何のためにこれまで議論してきたの? 受け入れ難いから、納得の上で受け入れようとして、色々と質問してきたのでしょ?
 受け入れているなら、その基準に従ってさっさと自分のやりたい進化論をやればいいじゃないですか?

 「受け入れている」の意味が違うのかな? どういう意味?

240Ken:2022/02/15(火) 22:13:12 ID:l3c2r2bk
今回はEnt2への言及がありませんが、P∧¬Pに該当することは了解されたのでしょうか?


基準を受け入れるとは、提示された基準は正しい、という前提から出発するという意味です。

ただし「P∧¬Pはありえない」のような文言を棒暗記してすませるのではありません。基準によって「正しくない科学」と判定される理論を具体化せねば、基準として役にたちませんから。その考えに同意されたからこそ「太陽が昇る∧太陽が昇らない」という具体例を挙げられたのですよね?

そして私の一番の関心は、よく知られた理論が基準でどう判定されるかで、その例に熱力学第2法則を出しました。基準は受け入れるのだから、あとは第2法則を突き詰めるだけで、違反するしないの結論が出るはずです。

私が受け入れられないのは基準05ではなく、第2法則の扱いなのです。ゆえに>>224の4つも否定せざるをえません。

1と2は、S=0のままエントロピーが変わらないという → 間違い
3は、部分空間を問題にしている → 筋違い
4は、具体論ですらない

もし私が正しく、>>224の1-4が否定されるのなら、Ent2は基準05違反の具体例になるはずです。それとも、やはりEnt2は基準05違反ではないと主張されるのなら、上に挙げた私の否定理由への再反論があるべきでしょう。

基準自体に反論していないことは、納得いただけますか?

241diamonds8888x:2022/02/20(日) 08:37:00 ID:Qix9q/lA
>>240
>今回はEnt2への言及がありませんが、P∧¬Pに該当することは了解されたのでしょうか?

 取り敢えずOKでもいいんだけど、いくらKenさんには理解が難しくても嘘もつけないからねえ。

 Ent1とEnt2については[>>167,>>168,>>169]で説明しましたが再掲します。

 熱力学第2法則1(Ent1)
  1)熱力学第2法則。閉鎖系のエントロピーは減少しない。
  2)熱力学第2法則は、過去には成立しない時があった。

 熱力学第2法則2(Ent2)
  1)熱力学第2法則。閉鎖系のエントロピーは減少しない。
  2)熱力学第2法則は、どれぼど遠い過去でも成立する。

 で、[>>224]の4つで外部世界の話がでたので、特にEnt2の方をもう一度定義し直すのがいいでしょう。

 熱力学第2法則2a(Ent2a)
  1)熱力学第2法則。閉鎖系のエントロピーは減少しない。
  2)熱力学第2法則は、現宇宙のどれぼど遠い過去でも成立する。
  2a)現宇宙の外部の宇宙がもし存在するとして、熱力学第2法則はいかなる外部宇宙でも全時間軸で成立する。

 熱力学第2法則2b(Ent2b)
  1)熱力学第2法則。閉鎖系のエントロピーは減少しない。
  2)熱力学第2法則は、どれぼど遠い過去でも成立する。
  2b)現宇宙の外部の宇宙がもし存在するとして、外部宇宙には熱力学第2法則が成立しない部分(空間的または時間的領域)を持つものがある。


 【さて回答。】(Ent2a)はP∧¬Pに該当します。これならまあ嘘じゃないな。
 [>>231]とほぼ同じことですから。
> 要するに[>>224]の4つは全て否定するという前提ですね。
>  〜中略〜
> それなら確かに「P⋀¬P」に至ります。ではどうぞ次へ。

242diamonds8888x:2022/02/20(日) 08:42:26 ID:Qix9q/lA
>>240
 もう、国語問題はうんざりなんだけど。

>基準によって「正しくない科学」と判定される理論を具体化せねば、基準として役にたちませんから。その考えに同意されたからこそ「太陽が昇る∧太陽が昇らない」という具体例を挙げられたのですよね?

 話の順序が逆です。
 具体例に役立てたいから基準01-06がある。本来の目的の具体例とは進化論でありクリエイター理論。
 Kenさんは基準01-06に納得してないから、もしくは(使い方が?)よく理解できないから、わかりやすい具体例で理解しようとしている。
 「太陽が昇る∧太陽が昇らない」なんてわかりやすい例だから出した。が、なぜかKenさんはそれでも混乱して納得できなかった。
 実際には、それ自体が最先端の物理学者も悩むほどの難しい熱力学第2法則とか、量子論とか持ち出して、生兵法でさらに混乱しているのが現状。さらに自分が理解不足だと認識していないのが事を難しくしている。

>私が受け入れられないのは基準05ではなく、第2法則の扱いなのです。

 いつの間に物理学のスレになったのさ? 第2法則に興味があるから議論したいというなら、ちゃんとそう宣言しなさいよ。

>基準自体に反論していないことは、納得いただけますか?

 私の定義では反論してるけど、Kenさんの定義では反論じゃないということは理解しました。
 いや、この趣旨だと、今後は基準01-06はきちんと使うという意味? もともと今は基準05だけとか言ってなかったっけ?

[>>238]
> >まず基準01-06は受け入れてみたらどうよ?
> 何度も言ってるように、受け入れていますよ。

基準01-06は受け入れてるんだよね? いつの間に? 今は基準05だけとか言ってなかったっけ?

 どうでもいいや。要するに、今現在は、純粋に「熱力学第2法則の謎」に興味があるんだよね? それならそれで私も興味はあるけどね。基準01-06を踏みにじるような変な論理は振り回さないでくれると嬉しいけど。

243diamonds8888x:2022/02/20(日) 09:14:28 ID:Qix9q/lA
【Kenさん以外の人向けです】
 [>>241]でおわかりの通り、KenさんはEnt2は「この宇宙の遠い過去全て」のみならず「外部宇宙の全て」でも第2法則が成立しないと決めつけていたのですね。{>>240,>>236,>>202,>>206]で「部分空間の話」と書いてる通り。観測もしてないのに、そんなのわからんだろ。

 初歩的というには難しい話も出てきたのでブログにまとめてみたものを紹介しておきます。

確率論は純粋数学ではない点について [ttps://blog.goo.ne.jp/diamonds8888x/e/a357b488ba86c4887e2a1eca81a81f00]

2つの位置という属性について [ttps://blog.goo.ne.jp/diamonds8888x/e/2d29c4bfb8fbbb29920b86012ce8d472]
 [ttps://blog.goo.ne.jp/diamonds8888x/e/beb6f904c7c6886afcf1f98477a8f361]

失敗したメカニズム論について
 [ttps://blog.goo.ne.jp/diamonds8888x/e/f13791d1c47040fc8a79b132854772f6]

244Ken:2022/02/20(日) 11:29:20 ID:l3c2r2bk
>【さて回答。】(Ent2a)はP∧¬Pに該当します。これならまあ嘘じゃないな。

なるほど。では、確認します。私は>>234で、diamonds8888xさんは以下の論理ステップを考えておられるのかと尋ねました。

(1)第2法則に適用範囲外はないというEnt2からは「P∧¬P」が導かれてしまう
(2)しかし、正しい科学の中で「P∧¬P」を含む理論は許されない
(3)ゆえに、第2法則に適用範囲外があるEnt1を想定し、過去にS=0が続いたと考える
(4)どうすればEnt1がありうるのか、というメカニズムの説明は不要である

上は正しくないが、以下のとおりなら正しいと考えるわけですね?

(1)第2法則には時間的にも空間的にも適用範囲外はないというEnt2aからは「P∧¬P」が導かれてしまう
(2)しかし、正しい科学の中で「P∧¬P」を含む理論は許されない
(3)ゆえに、時間的な適用範囲外があるEnt1もしくは空間的な適用外があるEnt2bを想定する
(4)どうすればEnt1やEnt2bがありうるのか、というメカニズムの説明は不要である

これでよろしいですか?

245ミケ:2022/02/23(水) 22:05:52 ID:liYNNt7Y
diamonds8888xさん

なんだか話が進んでしまっていて恐縮ですが、
私へのコメント等あったところに関してと、現状について。

まず、
>>224にて
>2.Sは漸近的にゼロに近づいている。(ミケさん推奨の理論)

とのことですが、
私は「Sは漸近的にゼロに近づいている。」を推奨したわけではありませんよ。

いや、確かに>>188
「x(時間)を無限に遡っていけば、どこかで必ず右肩下がりの場所がある(そうでなければゼロと交わる)はず」
の反例として、
「たとえば」と、左側がゼロに漸近するy=e^xを挙げましたけど、

単に、常に右上がりでかつ左にさかのぼっても絶対に特定の値以下にならないグラフの例として
たまたま特定の値が「ゼロ」となるy=e^xを出しただけであって、
特定の値は5でも100でも構わないわけでしょう。(たとえばy=5+e^xなど)

平衡とか揺らぎとかそういう広げた話はまず置いといて、純粋な論理(数学)の話として、
「変化した場合に常に右上がり」から、
「左にさかのぼればいつか必ず0にたどり着く」
は、論理的に導けないという話です。

※エントロピーの式から必ず有限の時間でS=0にたどり着くと演繹した
>>206の演繹が間違っているというのは、
本人は読んでいないでしょうが、>>217の後半部分で具体的に指摘しています。

一応、エントロピーの経時的変化に関して他にもざっくりネットで検索したところ
QuaraのQ and Aくらいしか見つからずちょっと自信がありませんが
エントロピーの変化速度は、途中の経過やいろいろな条件に依存し、
一概には言えないという私の認識で合ってそうな雰囲気でした。

エントロピーの法則で規定されるのは
あくまで
状態Aから状態Bへ不可逆変化した場合の変化量(変化速度ではない)ΔSがゼロ以上であること、
そして状態Aから状態Bへ移行する際の変化の過程(どれだけ、何種類の状態を経由するか等)は関係ない
ということですから
宇宙全体のエントロピーの上昇速度が過去に行くほど大きいはずだというのは
特に論理的根拠がないことになります。

ああ、Kenさんはこれや>>217は読まないだろうし、
もし彼に説明するのでしたらdiamonds8888xさんが翻訳してくださいね。

246ミケ:2022/02/23(水) 22:11:17 ID:liYNNt7Y
diamonds8888xさん
次に>>233のコメントに関しまして

>漸近的接近の事例では説得力不足な面もあります。現実の〜

現実の〜という文面からふと気付いたと言いますか、

えーっと、
もう話が進んでしまって遅いかもしれませんが今更ながら、
その理論(エントロピーの法則)内の矛盾と
その理論と他の既知の理論・事実との矛盾を区別された方がよろしかったかと思います。

「基準」は、まず理論の内部で矛盾があるかどうかでフィルターをかけ、
理論の内部で矛盾があるのならば科学理論として成立しない、ということですよね。

その上で(科学理論として提出されたうえで)、
理論と他の既知の理論・事実と矛盾があるかどうかが検証されるわけですね。
他の既知の理論・事実と矛盾がある科学理論はいくつも提出されており、
その理論はそれによって反証されたり、
逆に他の既知の理論や事実を塗り替えたり修正したりするわけですが、
この過程は科学と非科学を分けるフィルターではありません。

時間に始まりがあるのかとか、
揺らぎがあるからどうのとかは、エントロピーの法則の理論内の話ではないですよね。

エントロピーの法則は

Aという平衡状態からBという平衡状態への不可逆変化起こったとき
エントロピーは上昇する
(このときの変化量ΔSはかならず0以上で、AとBのみに依存し、途中経過は関係ない。「時間」の記述もない。)

この論理内で矛盾があるかどうかというのは
これがいついかなるときでも必ず成立するかとか
成立しないなら矛盾だとか
そういう話ではなくて
たとえば式展開していくと数式に矛盾が生じるとかそういう話で。

この式展開のようなノリで、
特定の理論に、別の理論や勝手な前提を組み入れて演繹して、
「ほら理論が言ってることと反対のことになったー矛盾だー」とやっているのがKenさんの>>206など。

そしてdiamonds8888xさんの言及しておられる
時間の矢や宇宙に始まりがあるのか等も、、、

エントロピーの法則と関連する話ではありますが、
エントロピーの法則が理論の内部に矛盾を抱えるかとはまた別問題ですね。
ペースに乗せられていると言いますか。

どうにも議論の進み方が
かっちり理屈を詰めているように見えるのに理系っぽくなくてなんだか大変です。

247Ken:2022/04/20(水) 22:22:13 ID:0EvyfUus
今日は4月20日です。私が最後の投稿(>>244)をしたのが2月20日だから、2ヶ月が経ちました。diamonds8888xさんの投稿にこれほどの間隔があくのは初めてなので、確認をさせてください。

この「科学と疑似科学とを判別する」というスレッドを、今後も続けてゆく意思はありますか?

間隔があきすぎているので、「基準05」に関するこれまでの経緯を整理しておきます。

基準05は「P∧¬P」つまり、ある命題とその否定命題が同時に成立するという主張を含む理論は「正しくない科学」であるというものです。そして私が本スレッドでやっているのは、提示される基準に違反する具体例を明らかにすることなので、私が知っている理論の中から熱力学第2法則を基準05違反の検証課題に挙げました。

熱力学第2法則とは、閉鎖系のエントロピーが減少することはないし、熱平衡でない限りは増大するというものです。そこには「不可逆性(ファインマンがいうirreversibility)」があり、不可逆変化であるなら、初期状態がなぜ生じたのかという起源問題が生じます。

「熱平衡でなければエントロピーは増大する」から出発すると、結局「熱平衡でなくてもエントロピーは増大しない」という結論に達してしまうのが第2法則で、ゆえに「P∧¬P」に該当するのでは、というのが私の問題提議でした。

議論を重ねてきた結果、>>241にて、第2法則には時間的にも空間的にも適用範囲外がない、つまりいかなる時も、いかなる場所でも第2法則が成立する「Ent2a」を想定するなら、たしかに「P∧¬P」に該当するという同意がdiamonds8888xさんから得られました。

本スレッドの主旨に関わる大切な点なので、念のために、それで間違いありませんか、と尋ねたのが>>244で、それへの回答を2ヶ月待っています。

248ゲジゲジ:2022/07/18(月) 17:26:49 ID:4uwYJKbA
ヨコからになりますがすみません。
diamonds8888x様は議論を途中で投げ出すような方だとは私には思えません。
とすると、何か書き込めないご事情(事故とか重いご病気とか・・・)ができたと考えざるを得ません。ブログの方も拝見しましたが、5月29日で更新が止まっていました。

さて、そこでKen様にご相談なのですが、私の以下の質問に答えて頂くことはできないでしょうか?

 >Ken様のID論が疑似科学である理由 投稿者:ゲジゲジ 投稿日:2018年 1月 2日(火)21時42分24秒
 >Ken様が、突然変異と自然選択では説明できなくて、
 >IDならすっきりと説明できると考えていらっしゃる具体的事例を挙げて頂けますか?


この質問に対する、当時のKen様の答えは以下でした。

 >ゲジゲジ様 投稿者:Ken 投稿日:2018年 1月 2日(火)23時28分9秒
 >申し訳ありませんが、diamonds8888xさんとの今の議論に結論を出すことを優先させていただけますでしょうか。
 >人間以外の存在が地球生物の進化に干渉したことを示す直接の証拠はありません。ですからID仮説を提唱する理由は、自然選択では説明できない進化があるという、それしか今はないのです。
 >ですから、そのような議論の進め方自体を認めない方と個別の進化を論じても、そもそも議論が成り立ちません。


というわけでKen様からの回答を4年半、お待ちしている状態です。
本来であればdiamonds8888x様との議論が終わるのを10年でも20年でもお待ちするべきところですが、議論が5ヶ月近くストップしており、この先再開されるのかどうかも難しそうに思える事からのご相談です。

もし、お答えを頂けるのでしたら、別スレッドにした方が良いかと思います。
このスレッドはこのまま、diamonds8888x様との議論再開の可能性がゼロでない以上、残しておかれるべきでしょう。

尚、上記の通り2018年の時点では私も「疑似科学」という言葉を使っていますが、お2人がこのスレッドでやられてきた議論を踏まえ、「疑似科学」という言い方はしないつもりです。
また、「自然選択では説明できない進化がある」というだけの理由でID仮説を提唱することが「正当な科学の手続」に該当するのか否か、といった論点には入り込まないよう、私の方も配慮するつもりです。

如何でしょうか?
どうかご検討を頂けますよう、よろしくお願い致します。

249Ken:2022/09/03(土) 11:22:00 ID:0EvyfUus
9月になりました。diamonds8888xさんの最後の投稿から半年以上も経っています。なぜ投稿をされなくなったのかは分かりません。本スレッドを続ける気がなくなったのか。何かの理由でネットへのアクセスができないのか。そもそもまだ存命しておられるのかも、私には判断のしようがありません。そう考えて、これまで待ってきましたが、無限に待つことはできませんので、このまま回答がないことを前提にして、ここまで続けてきたスレッドを総括しようと思います。

総括とは、提示された「科学と疑似科学を判別する基準」が、本当に基準となりうるのかです。ただし、最初に明らかにしておく点があります。

私は、diamonds8888xさんが提示される基準を検証するに際して、それらの基準は正しいという前提に立ってきました。基準自体に反論はせず、その基準から出発すると、具体的にどういう自然科学理論が「疑似科学」と判定されるのかを明らかにするためです。その目的は、もうお分かりと思います。

提示される基準が、本当は正しい科学理論を疑似科学と誤判定することはないのか。それを確認するため、近代以降の科学史で広く受け入れられた理論が、基準で「正しい科学」と判定されるのかを明らかにしようとしました。「熱力学第2法則」や「光の正体論争」は、その検証例に挙げたものです。

そして、もしdiamonds8888xさんとの議論がここで終わってしまうのなら、提示された基準では、広く受け入れられた理論が「疑似科学」と判定されると結論するしかありません。すると論理的な選択肢は2つです。

1つは、「基準」はあくまでも正しく、したがって熱力学第2法則も、かつての「光粒子説」も「光波動説」も、すべて「疑似科学」である、というものです。ID論もまた疑似科学でしょう。

もう1つは、これらを疑似科学と判定する「基準」の方が間違っているので、例に挙げた理論はどれひとつ疑似科学ではない、というものです。私自身は、熱力学のような現在の教科書で教えられる理論は正しいと考えますので、こちらの立場をとります。言い換えれば、もう提示された基準は正しいという前提には立ちません、ということです。

注意をいただきたいのは、もしこのままdiamonds8888xさんからの投稿が無ければ、私への反論もならず「言われっぱなし」になってしまうことです。だからこそ、半年、待ってきました。

もしも、それは容認できないのでしたら、本スレッドを継続することを希望します。まずは、>>244で尋ねたこと。

(1)第2法則には時間的にも空間的にも適用範囲外はないというEnt2aからは「P∧¬P」が導かれてしまう
(2)しかし、正しい科学の中で「P∧¬P」を含む理論は許されない
(3)ゆえに、時間的な適用範囲外があるEnt1もしくは空間的な適用外があるEnt2bを想定する
(4)どうすればEnt1やEnt2bがありうるのか、というメカニズムの説明は不要である

の論理ステップに同意をいただけるのかの回答をお願いします。

なお、付け加えますと、これまでdiamonds8888xさんの要請に従い、「疑似科学」ではなく「正しくない科学」といってきました。しかしその理由は「疑似科学」という表現が不正確だからではなく侮蔑的であり、感情的な反発を引き起こすから、というものでした(>>87)。ですが、そのような配慮はこれ以上の必要を認めません。「疑似科学(pseudoscience)」という表現は世に溢れていますし、diamonds8888xさんが決められた本スレッドのタイトルも「科学と疑似科学を判別する」ですから、以後は疑似科学と呼称します。

このまま総括に入れば、まずは、やりかけの基準05を決着させ、次に保留になった基準01、最後に、まだ議論に入っていない基準02の話をします。どの基準も、世間で受け入れられる理論を疑似科学と判定してしまう結論になるでしょう。

250Ken:2022/10/03(月) 00:18:33 ID:0EvyfUus
さらにひと月待ちましたが、回答がありませんので、私の総括を始めます。ここまで待ったうえで始めるのですから、総括は最後まで行います。もし議論に復帰されるのでしたら、ひととおりの総括を終えた後でお願いします。

[総括編第1回]

まず熱力学から考えた起源問題を整理しましょう。最初にこの問題を持ち出したのは旧スレッドの674(jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/study/5329/1524257541/674)でした。熱力学第2法則が正しいなら過去にエントロピー極小状態(S=0)があったと考えるしかないが、第2法則が正しいならそんな状態は生じえないのだから、第2法則は「P∧¬P」つまり基準05違反に該当するではないかというものです。「P∧¬P」を回避するには、diamonds8888xさんが仰るとおり第2法則の「適用範囲外」を想定するしかありません。

むろん、熱力学を用いる大半の場面では、適用範囲外を考える必要はないでしょう。適用範囲外ならニュートン力学にもありますが、原子レベル以下の微小な対象(量子力学が支配)や、非常な高速(特殊相対論が支配)等の条件がなければ、ニュートン力学で十分です。たとえば自動車の開発には相対論も量子論も必要ありません。ちなみに私は機械工学科の出身ですが、相対論や量子論の講義はあっても必修科目ではありませんでした。(その後の技術動向を考えると、機械技術者といえども、量子力学は必修になったかもしれません)

熱力学にしても、自動車のエンジンを設計したり、効率の良い電池を開発したり、昨年のノーベル賞のように気候変動の解析で用いるには、適用範囲外を考慮する必要はありません。

では、第2法則の適用範囲外を無視できないのはどういう場合かといえば、起源問題を考える時であるはずです。そして、私の問いかけは、適用範囲外を主張をする人は他にもいるのか、ということでした。それを最初に尋ねたのは>>180だと思います。

>diamonds8888xさん御自身以外の文章で、第2法則が過去に成立しなかったから、起源問題はないという記述を、見たことがありますか?

もしも、diamonds8888xさんの主張が、仰るような世間の常識なら、適用範囲外の話をする人は世に溢れているはずです。なにしろ、起源問題を論じる人は、ファインマンやアジモフをはじめ何人もいるのですから。ところが私自身は、そんな主張を見聞したことがないのです。私が見たのは、この矛盾は解決不可能として、そのままにしておく話ばかりでした。

251Ken:2022/10/03(月) 00:19:48 ID:0EvyfUus
例えば、アジモフが1972年に発表した「The Beginning and the End」というエッセイでは、宇宙の起源を考察していますが、ビッグバンでエントロピーの増大が、言い換えれば時間が、始まったのなら、ビッグバン以前はどうだったのかを最初に論じています。この「宇宙卵」では時間が止まっていたのか? なぜそんなことが可能なのか? 時間が止まっていたとして、それならなぜビッグバンは起こったのか? それを考えるとビッグバンを否定せねばならないが、観測事実はビッグバンを示すから、矛盾を回避できないと結論づけています。このエッセイはオンラインで公開されているので、該当の頁を紹介します。
archive.org/details/beginningend0000asim/page/132/mode/2up

右側の頁のFigure 3の直前の「We are stuck with its paradoxes」とあるのがそれです。結局アジモフは、ビッグバンで時間そのものが始まったという考えをあきらめ、エッセイの残りは、宇宙が膨張と収縮を繰り返すような、時間は過去にも未来にも無限に続くモデルを考察するわけですが、むろんこれでは起源問題の解にはなりません。宇宙が膨張しようが収縮しようが、マルチバースの間で影響を及ぼしあおうが、熱平衡は進行し、エントロピーは増大するからです。

アジモフは矛盾を回避するためになにをしたのか? 適用範囲外を想定したのか? それとも第2法則自体を否定したのか? 答えはどちらもNOです。それなら矛盾を容認したとしか解釈ができません。

ファインマンは矛盾という言葉は使いませんでしたが、適用範囲外を想定せず、起源問題を解決できないのはアジモフと同じです。また>>169で紹介された須藤という人は、

>膨張によって生み出された膨大な空間にエントロピーを捨てることで、自身のエントロピーを下げ秩序を形成する領域の誕生(ただし全系のエントロピーは増える)

と、部分空間のエントロピーが減少するメカニズムを提唱しましたが、「全系のエントロピーは増える」と述べています。この人も適用範囲外を持ち出すことはなく、起源問題の矛盾を残したままです。

そうなると、diamonds8888xさんが仰る「常識」に従う人はどこにいるのでしょうか? もし、どこにもいないのなら、常識から外れているのはdiamonds8888xさんではないのですか?

このことを考えると、今回の議論の中で私が最も驚いた主張を問題にせざるをえません。「メカニズムを説明できない仮説を唱えてもよい」というものです。次回は、これを語りましょう。

(続く)

252Ken:2022/10/10(月) 00:05:37 ID:0EvyfUus
[総括編第2回]

「メカニズムを説明できない仮説を唱えてもよい」と言葉でいうと、解釈によっては受け入れられることもあるでしょう。

例えば、重力は4種類の力(重力、電磁気力、強弱2種の核力)の中で、最も早くから知られ、17世紀のニュートンによって、

  重力 = (重力定数) × (質量1) × (質量2) ÷ (距離の2乗)

と、性質が明らかになりました。他の3つの力の法則が明らかになるのは、それよりずっと後のことです。ところが、最も早くから知られていたのに、重力が働くメカニズムは4つの中で最後まで解明ができていません。たとえば、重力だけはそれを伝える素粒子を確認できません。それでも、多くの観測から上記式の形で重力が働くことは分かっているし、この法則に基づく事象の予測はできますから、重力仮説はメカニズムが不明のまま支持されます。

あるいは、また、メンデルの法則を考えましょう。メンデルは、マメ科の植物の個体群の中で、背丈の高い個体と低い個体を交配させても中間的な背丈の個体は生じず、高いか低いかのどちらかになるような事象を観測し、生物の特徴を支配する、互いに混ざることがない因子があることに気づきました。遺伝子の存在が知られたわけですが、遺伝子が働くメカニズムは、染色体やDNAの実態が明らかになるまで数十年も謎でした。それでも観測事象に基づいて遺伝の法則は帰納的に確立されたわけです。

一方で、観測事実はないが、既知の理論から推測されることもあります。宇宙のエントロピーが増大を続ければ、やがて宇宙全体の「熱的死」にいたることは熱力学第2法則で予測されますが、むろん宇宙の熱的死を観測した人はいません。観測事実はなくても、演繹的に結論にいたる場合です。

このように、観測事象から帰納するか、既知の理論から演繹するか、少なくともどちらか一方を根拠に、仮説は提唱されるわけです。

ところが、今回「メカニズムを説明できなくてもよい」例に挙げられたのは、熱力学第2法則の適用範囲外があるという主張でした。この主張には観測事実もないし、既知の理論から導くこともできません。帰納もなければ演繹もない。通常の考察で要求される根拠はなにもないのです。

この「適用範囲外」を主張する根拠はただ1つ。第2法則が「P∧¬P」になることを避けるためです。でも、考えてみてください。その論法自体がおかしくありませんか?

基準05は、科学と疑似科学を判別する基準です。特定の理論を検証してみたら「P∧¬P」になるから、その理論は疑似科学とするのが基準05のはずです。ところが、その判定を覆すだけの理由で、帰納も演繹もない想定をしてもよいなら、あらゆる理論が基準05をパスしてしまい、基準の意味がなくなるではありませんか。

基準違反の例に挙げられた「太陽が昇る∧太陽が昇らない」を考えてみてください。一般的な知識体系ではこれは「P∧¬P」になります。量子ならともかく太陽のような物体が2つの位置に存在することは観測事象でも理論的演繹でも支持されないからです。ところが、もし次のような議論がなされたらどうなりますか?

「太陽が昇る∧太陽が昇らない、は実現可能です」
「なぜそんなことが可能なのですか?」
「そのメカニズムは説明不要です」

こんな強弁が通りますか。

要するにdiamonds8888xさんは、論理矛盾の排除を正しい科学の基準に掲げながら、論理矛盾の実例が示されると、論理矛盾であることを否定するために、「説明不要」と論理を断ち切っているのです。ある意味これこそ正真正銘の「P∧¬P」ではありませんか? 「P∧¬P」を疑似科学とする基準を主張しながら、結局はご自身が「P∧¬P」に該当する主張をされています。

以上の理由により、基準05は、科学と疑似科学を判別する基準としては不適当と考えます。

(続く)

253Lurker:2022/10/22(土) 01:32:39 ID:???
ゲジゲジさんの質問には答えないのですか?

254Ken:2022/10/23(日) 23:37:33 ID:/6TLb.aE
[総括編第3回]

次は、途中で保留になった基準01です。最初に言及されたのは旧スレッドの56でした。世界5分前仮説等を例に挙げ、観測事実で反証される可能性のない仮説は、疑似科学と判定されるというものです。
jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/study/5329/1524257541/56

これについては、旧スレッドの742から747で、現実に支持されている多くの理論も反証不能ではないかと述べました。

jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/study/5329/1524257541/742
jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/study/5329/1524257541/743
jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/study/5329/1524257541/744
jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/study/5329/1524257541/745
jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/study/5329/1524257541/746
jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/study/5329/1524257541/747

ここでは、もう少し深掘りと整理をしましょう。反証不可能な理論には2種類があります。1つは、観測自体が不可能なものです。

まだ第1掲示板にいた頃、私はブラックホール内部で起こる(とされる)事象は絶対に観測不可能だから、反証も不可能ではないかと述べました。ブラックホールの中心には特異点があるとか、ブラックホールの種類によっては他の宇宙への出口があるなどと主張されているようですが、観測ができないのだから検証も反証もやりようがありません。
en.wikipedia.org/wiki/Black_hole#Singularity

宇宙の熱的死も同様です。いかなる観測者であれ、熱的死が達成された状態を観測するのは絶対に不可能です。なぜなら熱的死では、あらゆる事象が止まるのだから、生物であれ機械であれ、観測者自身も活動はできません。要するに「観測」も1つの事象なのだから、一切の事象が起こらない熱的死では観測は不可能だし、観測ができる間は熱的死になってません。ゆえに、宇宙に熱的死が訪れるという理論を、検証も反証もできません。

そして、反証不可能なもう1つの種類が、上に挙げた、旧スレッドの投稿で説明したものです。一見反証に見える事象も、実は反証ではない条件があるかもしれず、それを反証と証明するには、そんな条件は存在しないという悪魔の証明をやらねばなりません。

具体例を想像すれば納得できることです。たとえば熱力学第2法則を反証する観測事象とはどういうものですか? 高温の物体と低温の物体が接触して、温度差がさらに拡大したら、反証とみなすのですか? その事象を目にしたとき、本当に第2法則を自分の中で否定されますか? 自然選択はどうでしょうか? 街並みが黒くなる中で、白い蛾が増えるのを観測したら、自分の中で自然選択を否定しますか? このような例をいくつも挙げてきました。

(続く)

255Ken:2022/10/30(日) 23:30:57 ID:/6TLb.aE
[総括編第4回]

基準01に議題が戻ったら確認しようと思ってましたが、この第2種の反証不可能については、厳密な証明でなくてもよいと言われるのかもしれません。「塗り分けに5色が必要な地図」を否定するような数学の問題とは異なり、対象の仮説に疑問を呈する程度のことができれば、反証とみなしてもよいのでしょうか? 例えば、低温の物体から高温の物体に熱が移動し、かつ冷蔵庫やエアコンのような原因が見つからなければ、それが見つかるまでは第2法則の反証とみなすのですか?

でも、そんなゆるい反証でよいのなら、一転してあらゆる理論が反証可能になり、結局、科学と疑似科学を判別する基準ではなくなるでしょう。一体、どんな理論が反証不可能なのでしょうか? 天地創造論ですか? それともID論でしょうか?

天地創造論とは、神が天と地と、動植物と、人間を創造したというものですね。旧約聖書の中で、その根拠とされるのは、何人もの預言者(ノア、アブラハム、モーセ、ヨブ等)に神が語ったとされる「お告げ」です。では、そのような天地創造論は、どうすれば反証できるでしょうか?

簡単です。神のお告げがあればよいのです。

神を自称する存在からコンタクトがあり、「天地を作ったのは私ではない」というお告げがあれば、天地創造論は否定されます。世界5分前仮説はこれの同類ですね。「世界ができたのは5分前ではなく150億年前だった」というメッセージがくればよいのです。

ID論はどうでしょうか? ID論の一番の根拠とされるのは、必要最小限の複雑さ(irreducible complexity)というものです。比喩的な例に挙げられるのが時計で、時計の歯車、ぜんまい、針など複雑な機構がそろわねば存在の意味がありません。そして、生物の体機構にも、部分的に完成しても、それだけでは選択圧に反応しないものがあるといいます。1例に挙げられるのが鞭毛で、機械でいえば軸や歯車やクランクやモータに相当する部品から構成されるが、個々の部品が突然変異で生じても何の役にも立たないのだから、全部がそろった形の鞭毛が作られたというものです。では、その反証はどういうものでしょうか?

これも簡単です。化石なり、その他の物証を調べて、各部品の登場に時間差があることを示せばよいのです。

結局、反証に厳密な証明を求めるなら、定説を含めて多くの理論が反証不能になるし、厳密な証明でなくてもよいのなら、反証不能な理論はなくなってしまいます。世界5分前説やID論は反証不能だから疑似科学という人は、ダブル・スタンダードを用いているのです。

(続く)

256ミケ:2022/10/31(月) 20:18:00 ID:???
総括途中ですが一応、議論当事者のdiamonds8888xさんKenさん以外の読者向け(多くないと思いますが、検索等で読み始めたひとも含む)

Kenさん自身が、diamonds8888xさん以外の投稿は読まないと言っておられるので
Kenさん宛てに書くことは無駄ですが、一応第三者に示しておく必要があると思ったので書いておきます。

>>255でKenさんが述べた部分

>ID論の一番の根拠とされるのは、必要最小限の複雑さ(irreducible complexity)というものです。(中略)
>1例に挙げられるのが鞭毛で、機械でいえば軸や歯車やクランクやモータに相当する部品から構成されるが、
>個々の部品が突然変異で生じても何の役にも立たないのだから、全部がそろった形の鞭毛が作られたというものです。

ベーエ(Behe)がirreducible complexityであると主張した
「鞭毛」「血液凝固系」は、反証可能であり、【既に反証されています。】

鞭毛にしても血液凝固系にしても、
「より単純な系」「前駆的な形質の存在」が存在していることが明らかになっています。
また、既にKenさんに対して指摘されています(後述※>>256)。

根拠が反証されているので科学的には「退場」ですね。(Kenさん自身のご意見参照)
しかもBehe教授もその支持者も、そしてKenさんも(後述※>>256)、この指摘を知っているはずなのに
まったく修正することなく
血液凝固系や鞭毛はirreducible complexityだと、IDの証拠だと主張する。
これは証拠の偽証、騙す行為です。ペテンと言える行為です。

Kenさん自身、「ペテン」は疑似科学だとおっしゃっているので(Kenさん自身のご意見参照)、
Kenさん定義で考えると、ID論、
少なくともアメリカでBeheの主張を根拠に教科書に載せろと喚いていた連中のID論は、
疑似科学ということになります。

参考
Kenさん自身のご意見
Kenさんの2011/02/27(日) 14:49:16の投稿
ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/study/13443/1659071428/3432
>たしかに、irreducible complexity(つまりダーウィニズムの穴)だけを根拠に、IDが正しいんだとして、問題を最終決着させたら、ひどい話です。
>研究が進めば、irreducible complexityがirreducible complexityでなくなるかもしれない。
>しかし、そうなったら、そのときに仮説としてのIDを退場させればよいのではないでしょうか?

Kenさん自身のご意見
Kenさんの2018/04/18(水) 19:26:37の投稿
ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/study/13443/1659071428/10470
>私自身は上で述べたように、疑似科学とは騙すこと、ペテンと定義するべきで、
>検証できないからといって疑似科学に(「半科学」にも)ならないと考えております。

257ミケ:2022/10/31(月) 20:19:11 ID:???
※Beheがよりどころにしたirreducible complexityは反証されている)については、
Kenさんが初めてこのサイトを訪れた際に既に指摘されています。

たとえば
7$¥ナナシーさんの2011/02/22(火) 02:15:26の投稿
ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/study/13443/1659071428/3382
>血液凝固については「忘却からの帰還」ですでに取り上げられていますね。
>他の2点についても探せば見つかるかもしれません。
>ttp://www24.atwiki.jp/kumicit/pages/229.html

shinok30さんの2011/02/24(木) 18:27:07の投稿
ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/study/13443/1659071428/3410
>「血液凝固系は還元不可能に複雑である」というID論者の主張は具体的なデータによって反論されています
>Doolittle RF, Jiang Y, Nand J. Genomic evidence for a simpler clotting scheme in jawless vertebrates. J Mol Evol. 2008 Feb;66(2):185-96.
>Michal B. Ponczek, David Gailani and Russell F. Doolittle. Evolution of the Contact Phase of Vertebrate Blood Coagulation. J Thromb Haemost. 2008 November; 6(11): 1876?1883.
>ID論者が「還元不可能に複雑な最小単位があること」をID論の根拠にするなら,
>「真に還元不可能な最小単位」を確認し,
>さらにその最小単位を構成する遺伝子が単体では有害でしかありえないことを示す必要があります

shinok30さんの2011/02/27(日) 18:45:03の投稿
ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/study/13443/1659071428/3436
>「忘却からの帰還」でも紹介されているように,
>鞭毛にしても血液凝固系にしても「還元不可能に複雑である」という主張は
>「より単純な系」「前駆的な形質の存在」という事実によって反論されています

なお、このとき、Kenさんは、
shinok30さんやナナシーさんのこれらに対して具体的な応答はしませんでした。
Kenさんが読み逃した可能性はありますが、その後数年経って再びこのサイトを訪れた際、
diamonds8888xさんが、
しっかりとshinok30さんの投稿の日時を指定しつつ言及しています。
ペテンの批判は逃れえません。

diamonds8888xさんの2017/12/31(日) 06:25:50の投稿
ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/study/13443/1659071428/8594
>十分に議論が尽くされていたではありませんか。どこらへんがまだ納得できないのでしょうか?
>・自然選択説で【説明ができそうにない現象】は見出されていない。
>・ゆえに説明しなきゃいけないことが増えるような【介入者仮説(ID論など)】の必要性はない。
上記、shinok30さんの発言への言及もありました。

258ミケ:2022/10/31(月) 20:23:42 ID:???
ちなみについでなので。
自然選択が反証不能であるかどうかについてはこの掲示板の「トンデモネタに対する突っ込み用情報ソース備忘録」に書いてあります。
ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/study/5329/1138967290/108-116
余談ですが、Kenさんが>>255にて、必要最小限の複雑さ(irreducible complexity)の反証可能性を挙げておられるのに違和感を持った人もいるでしょう。おそらくは「ID論が反証不能ゆえに疑似科学である」という言及を意識してのことでしょう。だから「ID論(の根拠)は反証不能だよ」と主張しているのだと思います。
しかしながら「ID論が反証不能」というのは、「どうやって」「どのように」「いつ」をまったく指定していないで、「何でもできる何者かが、どこかの段階で、どうにかして進化に介入した」
という論理構造のことを述べているのであって(上記自然選択の「反証」と比較してみてください)必要最小限の複雑さ(irreducible complexity)が反証不能だと述べている人はいません。
実はBeheの述べた必要最小限の複雑さ(irreducible complexity)は後付けで、科学的でないと言われたID論が科学を装うために後から証拠として(実は証拠にならないのだけど)ひり出したものなのですが、それはそれとして、必要最小限の複雑さ(irreducible complexity)が反証不能だと述べている人はいません。というか実際反証されていますね(>>256-257参照)。
さて、あらためましてKenさん自身のご意見

Ken:2011/02/27(日) 14:49:16
ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/study/13443/1659071428/3432
>たしかに、irreducible complexity(つまりダーウィニズムの穴)だけを根拠に、IDが正しいんだとして、問題を最終決着させたら、ひどい話です。研究が進めば、irreducible complexityがirreducible complexityでなくなるかもしれない。しかし、そうなったら、そのときに仮説としてのIDを退場させればよいのではないでしょうか?そうなる前に排除しようという考えが、どうしても納得できません。

だから、IDを擁護していたと。しかし、研究が進んで、Beheの述べたirreducible complexityは、irreducible complexityでなくなりました。というかKenさんがこれを書いている時点で既にirreducible complexityではなかった。ですから、仮説としてのIDは退場してOKですね。Kenさん自身がそうおっしゃっているので。
「それ(Beheが主張するirreducible complexityをよりどころにしたID論)を教えよ」という主張は既に仮説として退場していたがゆえに排除された。
「仮説として退場する前に排除された」という、Kenさん自身が「納得できない」と妄想した事実はどこにもなかったわけです。
さて、Kenさんは、ID論を考える前に、何が疑似科学なのかはっきりさせたいと述べ、diamonds8888xさんとの議論(というか、科学の基準を質問)をはじめ、いよいよ総括し、彼にとってID論を考える下地ができました。
しかし、Kenさん自身が「納得できない」と妄想した事実はどこにもなかった。Kenさん自身の考えによれば、「ID論は退場」のはずである。
それなのに「科学の授業でID論を教えること」に固執するとすれば、おそらくは宗教的な背景があるのでしょう。要注目ですね。

259Ken:2022/11/13(日) 22:02:01 ID:/6TLb.aE
[総括編第5回]

次は基準02です。最初に提示されたのは、基準01と同じく旧スレッドの56でした。

>基準02. 理論Aと対立する理論Bを否定しても理論Aの検証にはあまりならない。
>   *)検証になる特殊な場合はある。

基準02は議論にも入っておらず、具体的にどういう理論が違反例なのかも、まだ示されていません。それに上記の言い方も「検証にはあまりならない」とか「検証になる特殊な場合はある」と、えらく曖昧な表現で、どこまでが対象なのかが分かりません。ですから、ここでは「Aと対立するBの否定がAの検証とされる」事例が、特殊でもなんでもなく、世にありふれていることを説明します。まず、地動説の話から始めましょう。

私は、地動説が支持を集めてきた歴史的経緯には、3つのステップがあったと考えます。

むろん最初はコペルニクスです。地動説が出版されたのは1543年ですが、コペルニクスは16世紀の初めから地動説を主張していたといわれます。コペルニクスの根拠は、観測される惑星の動きでした。火星や木星は「行きつ戻りつ」のような複雑な動きを見せますが、当時の天動説は、それぞれの惑星が周回運動をしており、その周回の中心自体が地球を周回するという想定をしていました。図で表すとこうなります。
en.wikipedia.org/wiki/Geocentric_model#/media/File:Ptolemaic_elements.svg
これに対してコペルニクスは、地球を中心に据えるからそんな複雑な系になるので、太陽が中心で各惑星は太陽を単純に周回すると考えれば、そんな複雑な動きを考えなくてもよいと主張しました。コペルニクスが考えたのは、こういうモデルです。
en.wikipedia.org/wiki/Copernican_heliocentrism#/media/File:Copernican_heliocentrism_diagram-2.jpg

第2のステップを進めたのはケプラーでした。1609年から発表された「惑星運動の法則」で、惑星はコペルニクスが想定した円軌道ではなく、太陽を1焦点とする楕円軌道を描き、かつ太陽からの距離と惑星の速度には厳密な関係がある、というものでした。ケプラーの法則が登場したことで、天体位置の予測精度で、地動説は天動説に明確な差をつけるようになったのです。コペルニクスのモデルでは天動説に差をつけることはできませんでした。ここで地動説への支持が一気に拡大します。ちなみに、私は、この時代に地動説を支持した罪でガリレオを裁いた教会の人々も、内心では地動説が正しいと知ってたと考えます。

第3のステップは1851年に行われたフーコーの実験です。高い天井から吊り下げた振り子が時間の経過とともに振れる方向が変わってゆくのは、地球が自転していることの証明です。振れる方向が変わる速度は、実験が行われたパリの緯度から予測されるとおりでした。

以上のステップを経て地動説は支持されてきましたが、では、この中で基準02に違反しない「正しい科学」の手法に沿っているのはどれでしょうか? 天動説の否定ではなく、その仮説自体の証拠があるのはどれでしょうか? 最も決定的なのはフーコーの実験でしょう。これは天文観測にも依存しない力学解析の結果ですから。

常識的な考えをする人なら、ケプラーの段階で地動説を確信するはずです。この理論で行われた精密な予測が的中するのですから、証明として十分です。

問題は、ケプラーより1世紀前に現れたコペルニクスの主張です。この時点で地動説を支持する理由は、天動説では複雑な惑星運動を想定せねばならないという、天動説の難点だけでした。これは基準02に違反するのではありませんか? 近代科学の始まりといわれるコペルニクスの地動説は、じつは疑似科学だったのでしょうか?

(続く)

260GB:2022/11/14(月) 22:44:30 ID:tid4WkII
どのように科学理論が形作られていくのか、という見地から、プトレマイオスの天文学とコペルニクスの地動説を、理論A 対 理論Bとして捉えること自体に違和感を覚えます。

コペルニクスが出発したのは、「天空は完璧な円を描いて動き続ける」(アリストテレス)や、「惑星は天球に貼りついている」という考えが「常識」である時代です。
迷いますよね。地球ではなく太陽が中心である証拠を、どのように求めるべきか。

「コペルニクスは惑星の軌道の大きさが公転周期の順序にも当てはまることに気がついた。もっとも大きな円を描く土星は30年で1周し、最も内側にある水星は3か月しかかからなかった[35]。太陽は365日で地球のまわりを回る。これは火星の687日と金星の225日の間である。そこでコペルニクスは地球の円軌道を火星と金星の間に置いてみたが。こうしてすべての惑星が太陽のまわりを回ることになった[35]。コペルニクスは後に『天球の回転について』で「他のどんな配置にも、軌道の大きさと周期の間にこれほどの調和に満ちた確かな関係を見いだすことはない」と、この発見について書いている[6]。」(Wikipedia「コペルニクス」)

ケプラー、そしてフーコーへとつながる、確認できた事実に基づく解釈と理論構成の積み上げ、それが科学の営みってもんだと思います。

ダーウィンに関わる経緯とも通じますね、コペルニクスがなかなか地動説を公表しなかったことも含めて。
両者ともに、いわゆる「ヨーロッパ人達の精神界の不可避なコペルニクス的転回」だったこと…
カントの言うコペルニクス的転回が、人間社会に受け入れられるまでにはどうしても時間がかかるということも含めて。

さて、以上はもちろんKenさんに宛てたものではなく、私のひとり言です。

261Ken:2022/11/20(日) 22:26:49 ID:/6TLb.aE
[総括編第6回]

今回のスレッドでは、17世紀に始まる光の正体論争を論じました。最初に結論をいうと、「光粒子説」も「光波動説」も17、18世紀には基準02違反だったと、私は考えます。波動説が違反でなくなったのは19世紀で、粒子説は20世紀に違反でない形で復活しました。その歴史を語りましょう。

まず、基準02違反ではない、粒子説や波動説の証拠とは何でしょうか? 私は旧スレッドの687で「粒子は離散的なもの、波動は周期的なもの」と定義しました。
jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/study/5329/1524257541/687

光を観測して、そこに離散性を観測できれば粒子の証拠になるし、周期性を観測できれば波動の証拠になります。

まず、光の周期性が一般に認められたのは1801年のヤングの実験でした。1つの光源の光が2つのスリットを通ると、スクリーンに縞模様を作ります。これはまごうことなき周期性の現れですから、誰もが光は波動と信じるようになりました。

光の離散性が認められるのは20世紀になってからです。旧スレッドの688で述べたように、日光で日焼けしたり、光が目に見える事象は、光を離散的な「かたまり」と考え、「かたまり」の単位でもつエネルギーが、特定の範囲になければなりません。
jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/study/5329/1524257541/688

では、それらの観測が無かった、18世紀までの光粒子説と光波動説には、どんな証拠があったのでしょうか? 粒子説の根拠は、まず光が常に直進し、音のように障害物の背後に回り込まないことでした。衝立の反対側の人物と会話はできても姿は見えません。ゆえに光は波ではないというものです。これで分かるように、粒子説のこの根拠は離散性とは関係なく、波動説の否定にすぎません。もう1つの根拠だった光が宇宙空間を伝わる事象も、真空の宇宙には媒質がないのだから波動ではありえないという、対立説の否定でした。多くの人がこれに納得したので、この時代は粒子説が広く支持されたのです。

では18世紀までの、光波動説の根拠はなんだったのでしょうか? 一番の根拠は光同士がすり抜けることでした。例えば2人の人物が向き合って互いの顔を見るとします。特に相手の目を見るということは、相手の目からの光が自分の目に届いたということです。同時に自分の目も相手に見えているのだから、両者の目からの光は同じ軌道を反対方向に進むことになり、光が粒子なら衝突して散乱するはずというのが波動説の根拠でした。これも、粒子説という対立仮説を否定しただけです。

一方で17世紀のグリマルディは光では起こらないと考えられた回折が実は起こることを発見したといいます。またニュートンはプリズムによる分光を発見しました。今の私たちはこの2つは本来の定義による波動の証拠と知ってますが、当時の大半の人には理解されませんでした。ニュートンは自分が分光を発見し、グリマルディの発見も知ってましたが、彼は一貫して粒子説を支持しました。

結局、18世紀までの光の正体論争では、

粒子説の根拠は、波動説で説明できない現象
波動説の根拠は、粒子説で説明できない現象

であり、波動説の否定の方が強かったので粒子説が支持されるという、基準02違反をやってたことになります。

(続く)

262Ken:2022/11/27(日) 22:42:08 ID:/6TLb.aE
[総括編第7回]

基準02の違反事例として、コペルニクスの地動説と18世紀までの光の正体論争を挙げましたが、今度は継続中の論争を例にとります。私はIDで進化した可能性が最も高いのは鳥の飛行能力の獲得と考えてますが、今それは措いて、自然選択がこれをどう説明してるかを語りましょう。情報源はウィキペディアの記事です。
en.wikipedia.org/wiki/Origin_of_avian_flight

ここで語られる飛行能力にいたる仮説は4つです。まず「走行モデル(Cursorial model)」では鳥の先祖は地上を走る小型恐竜で、ときどき跳躍し、跳躍時に羽毛を持つ腕をはばたいて推進力を加えていたのが、進化を重ねて飛行能力にいたったというものです。たしかに始祖鳥の骨格に地上を走る2足恐竜との共通点が多いことは指摘されてますから、そのような恐竜が鳥に進化したと考えるのは合理的です。この仮説には体の特徴という根拠があるから基準02違反ではありません。

問題はこのモデルでは力学的な無理があることで、「Cursorial model」の項目の後半でそれが語られています。足で走る動物は足で地を蹴る回数を増やし空気抵抗を減らすことで加速するので、翼を広げて跳躍すれば瞬時に減速するしバランスも保持できません。本物の飛行能力を獲得すればよいとして、それまでは跳躍も羽ばたきも障害にしかなりません。もし何かの理由で跳躍しても、翼はできるだけたたんで空気抵抗を減らすのが合理的です。加えて、走るときの前肢は交互に動くが、飛ぶときの翼は左右同じ動きをするから、後者は前者の進化の結果とは思えません。

この走行モデルの対立仮説として提唱されるのが「樹上モデル(Arboreal model)」で、ムササビのように木から木へ飛び移ったり地上に落下するときに、羽根があれば距離を延ばしたり運動を制御できるので、それを利点として進化を重ね飛行能力にいたったというものです。これなら走行モデルのような力学的な無理はありません。

では、樹上モデルの証拠はなんでしょうか? 鳥の先祖が樹上生物なら樹上生物としての特徴をもつのでしょうが、始祖鳥と構造的な共通点があるのは地上を走る2足恐竜なのです。また樹上モデルの根拠になりうる観測事象として樹上にあったことを示す巣が考えられます。恐竜の中には巣が発見されているものがありますから、明らかに樹上にあった巣がみつかり、その生物が鳥につながる構造をもっていれば樹上モデルの証拠になりますが、そんな巣は発見されてません。

結局、走行モデルの証拠に匹敵するような、樹上モデルの証拠は見つかっていないのです。鳥と同構造の翼を持つのは始祖鳥で、始祖鳥と同構造の骨格を持つのが地上を走る恐竜だから、恐竜→始祖鳥→鳥という進化のラインが想定されるのに、あえて樹上モデルを唱える理由は上記の力学にあります。

でも物証がある走行モデルに難点があるから、物証のない樹上モデルを唱えるなら、あきらかに基準02違反でしょう。

263Ken:2022/11/27(日) 22:42:47 ID:/6TLb.aE
第3の仮説は「駆け上りモデル(wing-assisted incline running)」というものです。地上を走る恐竜が捕食者に追われると木の幹を駆け上がり、その際に今の鳥とは反対に翼を羽ばたき上げて下向きの力を得たというのです。その力で足が木の幹をしっかりと捉え効率よく駆け上がることができたといいます。やがて翼と翼を動かす機構が進化して飛行能力につながったという話です。

このモデルを考えた人は頭がよいというべきでしょう。骨格から判断すれば鳥の先祖は地上を走る恐竜であるはずだが、地上生物が木に登ることはありえます。走行モデルの力学的問題も、樹上モデルの体構造の問題も解決できるのですから。

ですが、この仮説の証拠がないのも事実なのです。たとえば恐竜の足跡が残る木の化石とかあればよいのですが、見つかってません。少なくとも記事に記載はありません。

4つ目の仮説は「飛びかかりモデル(Pouncing Proavis model)」です。高い所から獲物に飛びかかった羽毛恐竜が、羽根を利用して飛びかかる動作を制御するうちに、より能動的な羽根の用い方をするようになり、ついには飛行能力をもったというものです。駆け上がりモデルと同じく、始祖鳥の骨格と一致するし力学的合理性もある理論でしょう。記事ではこれが最初に紹介されています。

ですが第2、第3の仮説と同様で、その証拠は見つかってません。これまた他の仮説の問題点を回避できるのが、この仮説を支持する理由です。

結局、飛行能力の獲得に至る4仮説を整理すると、

走行モデル:根拠は化石から分かる体構造
樹上モデル:根拠は走行モデルの力学的問題がなくなること
駆け上がりモデル:根拠は走行モデルの力学的問題も樹上モデルの体構造の問題もなくなること
飛びかかりモデル:駆け上がりモデルと同じ

となります。要するに物証があるのは走行モデルだが、力学的に無理があるので、想像を働かせて他のモデルを考えたのでしょう。ですが、基準02に照らせば走行モデルだけが違反せず、残る3つは違反してますから、樹上モデルや駆け上がりモデルを主張する人は疑似科学者ということになります。

(続く)

264とりあえず:2022/11/28(月) 22:49:18 ID:WubdfMmI
鳥の飛翔起源については別の場所で色々語り合ったことがあるので、ちょっと横からニュルっと

恐竜→始祖鳥→鳥

と言う流れで考えるから難しいのだと思います。
始祖鳥は地上生恐竜と飛翔鳥類の中間種ではなく、二次的に地上生に適応した鳥類への流れの傍流です。
まぁ、私は始祖鳥は半樹上生と思ってますが…

樹上生活に適応しているであろう鳥類と恐竜の中間的な生物でしたらミクロラプトルがいます。
地上生恐竜より湾曲した鉤爪や同系統の種より長い比率の尾、対抗した趾が構造的樹上生の証拠と言えます。

ミクロラプトルは中間種そのものではありませんがそう言う奴が実在しました。
同様の形質を持った祖先種がいたことは確実です。そいつを始祖鳥の部分に当てはめれば樹上モデルはなかなか良い仮説だと思います。

265Ken:2022/11/29(火) 21:50:33 ID:/6TLb.aE
とりあえずさんへ、
もしかすると本スレッドをよくご存じないかもしれないので、1回だけ投稿します。

この「科学と疑似科学を判別する」はdiamonds8888xさんとの1対1の意見交換の場です。私は複数の人を相手にした議論はやらないことを最初に断ってスレッドを始めました。ただしdiamonds8888xさんが誰と意見を交わすのも自由ですから、第三者の投稿はすべてdiamonds8888xさんに向けたものとみなします。

最初にそのことを指摘したうえで、例外的にとりあえずさんに回答するのは、上記の経緯をご存じないかもしれないからです。もしも今回の投稿がdiamonds8888xさんに向けたものでなく、一般問題として鳥の進化を議論されたいのでしたら、別スレッドを立ち上げられることをお勧めします。私自身が鳥の進化には関心があるので、もしかしたらそちらに参加できるかもしれません。

ただし本スレッドの総括にまだ数週間を要すると思うので、参加できるとしてもその後になるでしょう。また、今後もしdiamonds8888xさんが本スレッドに復帰されたら、そちらの対応を優先するので、なかなか参加はできないかもしれません。

もし参加できた場合には、今回の投稿を受けて、ミクロラプトルに関する2つの質問をすることになるでしょう。

(1)ミクロラプトル(または近縁種)を今の鳥の先祖と考える理由はなにか
(2)ミクロラプトル(または近縁種)を樹上生物と考える理由はなにか

正確にいうと(1)は始祖鳥よりもミクロラプトルを優先する理由です。(2)は、私のミクロラプトル理解と相反するからです。私の情報源はウィキペディアの記事で、記事の後半に「wings and flight」という項目があります。
en.wikipedia.org/wiki/Microraptor#Wings_and_flight

いくつかの段落に分かれてますが、2つめの段落に注目してください。ミクロラプトルは当初は樹上生物と考えられたという書き出しで始まりますが、最後の結論で、体構造が明らかになると、地上を走る鳥と同じもので、木登りをできるような骨格を持ってないことが分かったと語られます。参考文献として2011年と2016年の論文が紹介されてるようです。


もしも、とりあえずさんの今回の投稿がdiamonds8888xさんに向けたものでしたら、上記の提案は無視してください。

266とりあえず:2022/11/30(水) 22:02:41 ID:U4DToi3s
失礼しました。
とりあえずの横からニュルッとでた独り言として流して結構です。

鳥の飛翔の進化は私も興味があるので是非語り合いたいですね。
こちらが一段落したら別スレでも立ててチョコチョコお話ししましょう。
その時は宜しくお願いします。

267ミケ:2022/12/05(月) 23:45:26 ID:9/qn5aAA
一応、ここを読む第三者宛てのメモとして。

このスレッドはKenさんに対して、diamonds8888xさんが、科学的に正しいと考えるルールを挙げていくことになったもの。(Kenさん自身が、複数人から言われると処理しきれないと言ったため、diamonds8888xさんを指名)
ここでKenさんが述べている「基準02」とは、Kenさんにdiamonds8888xさんが科学の基準を教えてあげている中で出てきた基準の中の一つ、
基準02. 理論Aと対立する理論Bを否定しても理論Aの検証にはあまりならない。(ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/study/5329/1524257541/56)
この基準は、ID論が自然選択説を否定することによってしか自説を正しいと言えないことに関連しています。

Kenさんは、理論Bを否定すること(のみ)によって理論Aを正しいとしようとするこの「基準02」と、
理論Aの予測と理論Bの予測を比較し、理論Bに当てはまらず、理論Aにより当てはまる通常の科学的な検証を区別できていなようです。
Kenさんが違反例として挙げたものの大半は後者に当たります。

この総括のあと、進化論の批判あるいは自分のID論の開陳などにつなげ、diamonds8888xさん以外の意見にも目を通し始めるのでしょうが、
上記「基準02」への誤解のように最初からねじれて理解しているパターンが随所にあるため、理解してもらうのはとても大変だと思います。

268Ken:2022/12/11(日) 22:30:33 ID:YSF90CS6
[総括編第8回]

基準03、04、06はまだ論じてませんが、基準03〜06をまとめて「論理的な矛盾を含む理論は疑似科学」とすれば、熱力学第2法則が該当するとしてよいでしょう。結局、提示されたどの基準でも、正しい科学と認知される理論を疑似科学と判定してしまいます。

でも本当に疑似科学なのか? 私はそうは思いませんし、これらの理論を研究する人や教える人も同じでしょう。それなら間違ってるのは提示された基準の方になります。

私に言わせれば、これは当然すぎることです。自然科学に限らず、人間が何かを真剣に探求する時、知恵を絞って「あの手この手」を考え、そのアプローチは非常に多様な形をとるし、時には破天荒にみえる発想をします。コペルニクスの地動説などよい例でしょう。そうやって構築されてきたのが今の知識体系で、特定のアプローチは正しい形式をふんでないから疑似科学などと言い出せば、科学探求そのものを阻害するのは明らかです。現実の問題に取り組む人は、そんな空虚な評論家的なことを言いません。

よい機会なので、ここはひとつ疑似科学の代表格とされる天地創造論を語りましょう。ただし、疑似科学としてではなく、実は合理的なメカニズムと根拠を示すことができる仮説としてです。

創造論は、意思をもつ何者かが、自分で考えたとおりの世界を作り、その世界を支配する法則を定め、その世界の生物を作るという理論ですが、これについて大半の人が気づいてないことがあります。それは、このような天地創造は奇跡でもなんでもなく、私たちの周囲の日常茶飯事ということです。

端的な例が、コンピュータ・シミュレーションが作る仮想世界です。その世界の構造も、世界を支配する法則も、プログラマが自由に決められるし、意思をもつAIを住民として住まわせることも可能です。プログラムを起動した5分後の仮想世界では、まさしく「世界5分前仮説」が実現しています。住民であるAIは、世界は昔から続いている記憶を持つでしょうが、プログラマがAI住民と交信して、実は世界は5分前に出現したという「お告げ」を降すこともできます。

むろん、世にいう天地創造論は、私たち自身の世界が神に作られたという主張ですが、私たちが仮想世界を作るのなら、私たちの世界も何者かのシミュレーションかもしれないと想像することに論理の飛躍はありません。そして、そのとおりのことを主張したのが、ティレルという人です。旧スレッドで紹介したように、この人の主張は動画で見ることができます。
www.youtube.com/watch?v=3KH95YCSP_c
www.youtube.com/watch?v=QZj1kYRT-fw

ティレルが、私たちの世界をシミュレーションと考える根拠は、量子がシミュレーション要素になってるというものでした。たしかに、私たちに既知の技術で仮想世界を作るには、離散的な要素ですべてを構成せねばならない点で、ティレルの主張には一理があります。ただし、量子のように確率の支配を受け、計算だけで状態を確定できない存在を要素にするのは、プログラミングとして可能でも稚拙すぎると思いますので、私自身はティレル説に同意しませんが、可能性は否定できません。

269Ken:2022/12/11(日) 22:31:29 ID:YSF90CS6
誤解があってはいけないので、明確にいっておきましょう。

世界が量子のような離散的な要素で構成されることは、シミュレーションであることの証明にはなりません。しかし既知の技術でシミュレーション世界を作るには、その世界は離散的な要素で作らねばなりません。だから、なぜ世界が量子でできてるのかを考えた時、シミュレーションだから、という説明は1つの候補になるということです。もしかしたら、これまでに提示された唯一の候補かもしれません。

問題は、世界が意思をもつ神に作られたとして、それは検証可能であるかです。最も説得力のある根拠になるのは、やはりお告げでしょう。プログラマからAIへの直接的な言葉でもよいのですが、すこしひねった形のメッセージを提唱したのはカール・セーガンで、彼は『コンタクト』の中で、円周率に創造主のメッセージを見つけるというプロットを用いました。円周率は、

π = 4 × (1 - 1/3 + 1/5 - 1/7 + 1/9 . . .) = 3.1415926535 . . .

と、小数点以下を無限に計算できますが、計算を続けてゆくと、数字の並びの中に明確なメッセージが現れるという話です。なるほど、最も根源的に宇宙を創造した存在でもなければ、円周率の数値を操作はできないでしょう。もっとも私自身は、これはセーガンの勇み足で、全能の創造主といえども数学の結果は変えられないと思うのですが。それよりもティレルが言うように、離散的な要素が世界を構成することがコンピュータ・シミュレーションの特徴と考えるほうが、まだしも理にかなってます。

繰り返しますが、天地創造論や世界5分前仮説といえども、それが真相である可能性はあるのです。そのメカニズムはシミュレーションで、その根拠は量子、というのがティレル理論です。そして肝心なことは、それなら検証可能だということです。検証不能の例として世界5分前仮説を考案した人は、考えが足りなかったというしかありません。もし厳密な反対証明は不可能という意味なら、それはそうですが、厳密な反証なら熱力学も自然選択も、その他多くの理論も反証不能です。

それにしても疑似科学の代表格とされる天地創造論が真実かもしれないなら、疑似科学と称するにふさわしい理論などありうるのでしょうか? 次回はその話をしましょう。

(続く)

270Ken:2022/12/18(日) 23:23:02 ID:royALY2s
[総括編第9回]

今回提示された基準では科学と疑似科学を判別できないとなると、本当の意味で疑似科学とみなすべき理論はあるのでしょうか? 私は、理論自体の内容でそれを決めるのは不可能と考えます。

もし疑似科学とみなすべき科学理論があるとしたら、それはペテンのたぐいでしょう。提唱者自身がその仮説を信じておらず、意図的な嘘をつくものです。むろん、提唱者が自分で信じてるかは窮極的には本人にしか分かりませんから判別は困難ですが、それでもほぼペテンとみなせる事例はあります。

1912年に発見が報告されたピルトダウン人はその典型ですね。また、歴史上何度も、永久機関を発明したと発表し、機械の実演までやる人が現れました。実物の機械を動かしたのなら、そこには何かのトリックがあるとしか考えられません。私たちが知ってる物理法則が根本から覆らない限りは。

それよりも興味深い例を紹介しましょう。

ガリレオが地動説支持を公言したのは1610年ごろですが、1616年には教会が地動説を異端と認めて主張を禁じました。もっとも1600年にはブルーノが火刑に処せられてますので、ガリレオ以前から地動説は異端だったはずです。いわゆるガリレオ裁判でガリレオが自説の撤回に追い込まれたのは1633年でした。ところが、同じ時代にユーラシア大陸の反対側では、もう1つの事件が起こっていたのです。

当時のローマ教会は世界中に宣教師を派遣して布教に努めてました。日本にもフランシス・ザビエルたちが来て、多くの信者を獲得したことは知られてますが、宣教師は中国にも送られてました。布教自体は成功しませんでしたが、西欧の科学知識とりわけ中国で重視された天文学の知識をもたらしたことで、朝廷の高官に支持者が現れました。そのことから、中国の天文学者との対立が生じ、ついに両者で技術を競うことになりました。

時は1629年。ブルーノの処刑から29年後、地動説の異端公認から13年後、そしてガリレオ裁判の4年前になります。この年の5月に日食があることが予測されており、中国の天文学者と西洋の宣教師のどちらが正確な予測をするかを比べることになったのです。結果は宣教師たちの完勝でした。日食の時刻を正確に予測したのみか「北京では二分食、華南では皆既食、長城の北では日食なし」という精密な予測を的中させ、中国の天文学者に決定的な差をつけてみせました。

私はこの話を、中公文庫世界の歴史第9巻『最後の東洋的社会』で読みました。私の蔵書では323頁にあります。残念ながら、宣教師たちがどういう計算をしたのかは、この本には書かれてませんが、今の私たちの知識体系で判断すれば、天動説でそんな予測をできるはずがありません。宣教師たちは地動説それも1609年に発表されたケプラーの法則を利用したと考えるのが妥当でしょう。ブルーノの処刑や地動説の異端認定を中国にいた宣教師も知ってたはずなのに。

ローマ教会は本国のイタリアでは権力者であり、反対意見を暴力で封じることができましたが、それが通用しない国へ行けば、自分たちが本心から信じることを頼るしかありません。ことに中国で政治闘争に敗れると、ブルーノの火焙りなど比較にならない凄惨な処刑を受けたことでしょう。窮地に立たされた宣教師たちは、地動説に運命を託したことになります。これは言い換えれば、本国では自分たちが信じてもいない天動説を唱え、万人に強制したということです。これこそペテン、疑似科学の端的な例ではありませんか。

271Ken:2022/12/18(日) 23:23:44 ID:royALY2s
もっと微妙な例を挙げます。私はBBCのミニシリーズ「The Ascent of Man」の第12話で知りました。動画が公開されてるのでリンクを貼ります。メンデルの事績が語られますが、特に動画の15分からの2分間に注目してください。
archive.org/details/theascentofman12generationupongeneration

メンデルはマメ科の植物を研究して遺伝の法則を見つけました。彼は、各個体の背丈や豆の色や形など、合計7種の特性に注目して結果を得たのですが、重要な結論に、それぞれの遺伝は独立してることがあります。たとえば背丈が高いか低いかと、豆の色が緑色か黄色かは、別個の遺伝子が支配するという結論です。

ところがメンデルの時代には知られてませんでしたが、対象のマメには7対の染色体があり、彼が観察した7種の特徴を支配する遺伝子は、すべて異なる染色体にあることが、後世あきらかになったのです。もし同じ染色体に7つのどれか2つでもあれば、メンデルが認識した遺伝子の独立性は崩れていたはずです。あるいは、もし8番目の特徴に注目したら、7つのどれかと関連が見られたはずです。ちなみに、各染色体が同数の遺伝子を含むと仮定すると、7つの遺伝子が7つの染色体に分かれる確率は、

7! / 7⁷ = 5040 / 823543 ≈ 0.006

染色体の大きさが不均一なら確率はさらに低くなります。動画では「こんな幸運を神が授けるはずがない」と言ってますが、要するにメンデルは、遺伝子が独立して働く観測結果だけを報告するという、作為的なデータ操作をした可能性が大なのです。メンデルの功績は偉大ですが、彼には疑似科学者の側面もあったことになります。

(続く)

272ミケ:2022/12/25(日) 01:54:23 ID:9/qn5aAA
メモです。「総括」が終わったあとではタイミングが遅いのと、問題の書き込みの直近に書いておきたいので。

(>>69)1629年に宣教師たちが日食の場所と時期を正確に予測できたので彼らは天動説ではなく地動説で予測したに違いない。(だから彼らは天動説を信じていなかったのだ)
→ダウト。そもそも日食については、要するに太陽と月それぞれの(地球からの見た目上の)軌道の予測であり、惑星の運行よりも予測しやすく、天動説であろうと普通に予測できていたことでした。(※1)

(>>70)メンデルが実験で用いた七つの形質を支配する遺伝子は、全部で七つある染色体のうち、すべて別々の染色体上にある。(確率的に偶然選ぶなんてありえないからメンデルは都合よく別の染色体上にあるものを選んだのだ)
→ダウト。メンデルがエンドウマメの実験で用いた七つの形質のうち、いくつかの組み合わせはそれぞれ同一の染色体上にある可能性が高い(※2)と分かっています。少なくとも1970年代には(※3)。

Kenさんの議論は、前提の時点で良く調べずに思い込みで間違っている部分が非常に多いです。

※1中国の学者と差が出たのは、ちょっと調べたところ暦法の違いによるものだそうです。用いたモデルはティコ・ブラーエの天動モデルだったようです。
※2同一の染色体であっても染色体上の離れた位置にある場合はその間で交叉が起こるので独立に近い様態を示す場合があります。
※3Kenさん紹介の動画は1970年代に製作されたものなので、製作者が専門家でなかったゆえに当時の最新知見を追い切れていなかったのかもしれません。が、動画の製作者はともかく、それを現在の知見であるかのように紹介する人に擁護の余地はありません。ちょっとは調べてほしいものです。

273ミケ:2022/12/25(日) 02:01:16 ID:9/qn5aAA
>>272にアンカーミスがありました。
言及したかったのは69ではなく>>270、70ではなく>>271でした。

274Ken:2022/12/29(木) 21:54:13 ID:royALY2s
[総括編第10回]

本スレッドの発端になったID論を語っておきましょう。地球史の中で、人類以外の何者かが、特定の進化を意図的に導いたという仮説への私の立場は、次のようになります。

正しいかもしれないし、間違いかもしれないが、疑似科学ではない。

疑似科学でない理由は説明したとおりです。正しいかどうかは、スレッドの主題を外れますが、参考資料として述べておきます。

私がIDの可能性を一番に見てるのは、鳥が飛行能力を獲得したことです。根拠は自然選択で説明するには難点があることなので、基準02が正しいならこれは疑似科学になるでしょう。しかし、先に説明したとおり、基準02が正しいとは思いませんので、鳥の進化をIDで解するのは、正否はともかくとして、真っ当な考察と考えます。

前述のように、飛行能力の獲得には、
(1)走行モデル
(2)樹上モデル
(3)駆け上がりモデル
(4)飛びかかりモデル
が提唱されてますが(1)は力学的な無理があり(2)は化石に見られる体構造と合わないことを説明しました。

(3)と(4)はその難点を克服するアイデアなのでしょうが、私は納得できません。

(3)についてですが、木の幹を駆け上がる補助動作なら、未発達の翼をはばたくより、幹を掴めばよいではありませんか。記事では、現存する鳥の雛にはばたきながら駆け上がるものがあると説明されてますが、完全な鳥に進化した生物の子供と、進化する前の生物を、同列に扱うのはおかしいのではないでしょうか。鳥の先祖の恐竜には、今の鳥にはない前肢があったはずです。

(4)は、この中では最も合理的だと思いますが、やはり問題があります。獲物に飛びかかるとき羽を広げれば、軌道を修正する前に減速します。このモデルを考えた人が、地上の獲物を襲う現在の猛禽類から連想したのなら、これも進化を完成させた鳥と、そうなる前の生物を混同してます。

ウィキペディアの記事にはありませんが、性選択の可能性もあります。雌へのアピールとして、大きな翼と強い筋肉を発達させることです。これ自体は雄にとっての利点にしかなりませんが、変化した遺伝子は雌にも伝わるでしょう。

275Ken:2022/12/29(木) 21:54:53 ID:royALY2s
しかし最大の問題は、木に登ったり、飛び降りたり、雌を引き付けるだけが、生活行動ではないことなのです。基本が地を走る生物なのに、その機能を犠牲にする体形の変化ではないでしょうか? 人間に置き換えてみれば分かることです。たとえば高い所から降りるのにハンググライダーがあれば役立ちますが、1日中つけたままでは生活ができません。

つまり進化途上の代償が大きすぎるということです。2本の足で走るのと、2本の腕を翼として飛ぶのでは、要求される体構造が違いすぎるので、飛行の進化は走行の劣化から始めねばなりません。

地を走るには太くて長い脚が必要ですが、他の部位の発達は空気抵抗を増やすだけです。とりわけ飛行に不可欠な、空気を押す形態の羽毛(翼)は、地を走る時は大きな空気抵抗を受けるパーツになります。一方、走るための脚は空を飛ぶときは余分な重量でしかなく、とりわけ飛行能力が未熟な段階では障害になるはずです。

走行に有利 = 長く強い脚 & 小さく柔軟な翼 = 飛行に不利
飛行に有利 = 細く軽い脚 & 大きく堅牢な翼 = 走行に不利

飛行へ向かう進化が、翼を大きく脚を小さくすることなら、飛行生物になる前に、淘汰される走行生物になってしまいます。

結局、力学的な合理性をもつ説明は、樹上モデルなのです。それも、地上生物が木に登ることもある、という中途半端な形ではなく、地を走るという前提自体を外すことです。ムササビのような樹上生活者がジャンプする生活様式にこそ、飛行へいたる道があるでしょう。しかし化石から判断される体構造では、鳥の先祖は地上を走る恐竜となってます。だからこそ知恵を絞って、駆け上がりモデルや飛びかかりモデルを考えたのでしょうが、解決案として不十分なことを説明しました。

代案としてのIDを考える理由はここにあります。IDの利点は、特定の変異でなぜ選択圧が働いたのかという、自然選択に要求される説明の必要がなくなることです。この点で、惑星の複雑な動きの説明を不要にするために地動説が考えられたことと共通点があります。天動説で説明が難しいなら地球が中心という前提を外せばよい。同様に、光波動説で説明が難しいなら波という前提を外せばよい。その時点では地動説や粒子説の証拠がなくても、です。では自然選択では説明が困難な事象が観測されたら? 自然選択という前提を外せばよい。それだけのことです。しかも人類が実行してきた品種改良という実例があるのですから。

IDの物証は見つかりうるでしょうか? ID実行者が残した記録が見つかれば、これに優るものはないでしょう。もし過去の生物のDNAを解明できれば、異常なレベルの近親交配の証拠が見つかるかもしれません。あるいは特定の個体を優先的に繁殖させるため、去勢や不妊が施された痕跡がみつかるかもしれません。品種改良には、私たちに馴染みの手段がいくつもあります。

(続く)

276Ken:2022/12/31(土) 22:59:42 ID:royALY2s
[総括編第11回]

総括の最後に、diamonds8888xさんに提案したいことがあります。このスレッドがこれからも続くのなら、ご自身のスタンスを少し修正されてはどうでしょうか?

スレッドの後半に顕著になりましたが、私たちの間で話がもつれると、diamonds8888xさんは私(Ken)の不見識が原因と決め込み、罵倒を投げることが多かったと思います。私に問題があるのなら改善の努力をしますが、スレッドを省みる限りでは、むしろdiamonds8888xさんに基礎的な素養が欠落していたと思うのです。それを示す投稿を何度も目にしました。

例えば旧スレッドの795で

>エントロピー(ln[Ω])は増加することはない
>(平衡状態でなければ一般には減少する)

と書かれたのがそうです。802で「ポカです」と弁解されましたが、エントロピーが減少するなど「ものが下から上に落ちる」というのに等しく、物理の基礎を知る人なら、ポカでもそんなことを言いません。どこかの学生がこんなことを言えば、指導教官は、学生が意味も分からず公式だけを棒暗記しており、その挙句のポカと考えるでしょう。

第2法則はとりわけ難物でした。>>94にてエントロピーは

>エネルギー/温度、です。分子は正確には熱量変化

と言われ、私が>>99で、それはエントロピーではなくエントロピー変化、と指摘すると>>100

>ΔS=Δe/T
>  つまり、S=e/T でしょ?

と回答されました。これも物理的意味を理解せず、公式だけを棒暗記する典型のように私にはみえます。そもそも、エントロピーの概念がなぜ考案されたかを知ってれば、エントロピー変化とエントロピーを同義と考えるはずがありません。

この世は不均衡から均衡に向けて進むという理解が最初にあり、その「均衡」を数値化したのがエントロピーです。それなら均衡に近づくほど変化は収束することは直ちに理解されるはずではありませんか。エントロピー(S)は増大するが、エントロピー変化(ΔS)は減少し、最終到達点がSは最大でΔSはゼロの熱的死です。

たとえば、等量の0度の水と100度の水を混ぜると50度の水になります。0度と50度を混ぜると25度になります。前者の方が初期状態の不均衡は大きく、つまりエントロピーが小さく、水温を50度変化させる熱量が移動しました。一方後者は、初期状態の不均衡が小さく、つまりエントロピーが大きく、温度を25度変化させる熱量しか移動しませんでした。

Sが大きいとΔSは小さく、Sが小さいとΔSは大きいのです。エントロピーとエントロピー変化は同義どころか、不可逆変化の反対方向を示す指数にほかなりません。これが分かってないから、エントロピーが減少するなんて「ポカ」を言うのではありませんか? そういえば、過去へゆくほどエントロピー変化の勾配が大きいこともなかなか納得されませんでしたね。

277Ken:2022/12/31(土) 23:00:27 ID:royALY2s
とにかく、大学初年度で教わるような話が、さっぱり通じないケースが多すぎました。

旧スレッドで波動の定義は周期性と私がいうと、690で以下の例は該当するのかと質問がありました。

>・天体の日周運動や年周運動
>・氷河期の繰り返し
>・動かない縞模様(トラや豹の模様など)

私は692で、包括的な回答として、

>重要な点は、周期的な波動を起こすのは単振動で、単振動を起こすのは釣り合い位置からの変位に比例する復元力ということです。氷河期や縞模様の出現にそのようなメカニズムがあると明らかになれば、どちらも波動と見なせるでしょう。

と述べました。普通の学生なら、これ以上の説明は不要のはずです。なぜなら振動と波動の関係を教わってるからです。

たとえば、ばねで吊り下げたおもりの振動を考えましょう。ばね定数がkならつり合い位置からの変位xに比例した復元力kxが働きます。その力で加速度を生じ、また復元力は変位と反対方向に働くから、おもりの質量をm、加速度をaとすると、

kx = -ma

加速度は変位を時間で2度微分して得られるから、

kx = -m d²x/dt²
∴ -(k/m) x = d²x/dt²

この微分方程式の解は、

x = A cos ωt + B sin ωt ただしω = √(k/m)

という波を表す関数になります。この基礎知識があれば、私の上記の回答だけで意味が伝わるはずなのに、694を見ると明らかに伝わってない。だからトラの模様はどうだとまだ尋ねてくる。

また>>113で、私は「無限」という観測不可能の概念が力学計算で利用される例に、脱出速度の算出を挙げました。

地球の半径をR、質量をM、重力定数をGとすると、質量mの物体が地上から距離hまで登った時の位置エネルギーは、∫ GMm/x² dx で、積分範囲はRからhだから、GMm(1/R - 1/h)。

この結果にh=∞を代入すると、GMm/R。これが物体が地球に絶対戻ってこない距離の位置エネルギーで、射出時の運動エネルギーと等しくおくと、脱出速度が得られます。私は計算過程に∞が含まれるといいたかっただけなのです。こんなの高校物理ですよ。

それなのに、それに続く議論では、上限だの下限だのと見当違いの方に話が飛んでしまい、本来の意図がさっぱり通じません。なぜ通じないのかと首をひねってましたが、今おもえば、なんのことはない。脱出速度の計算方法すら知らないのですね。

最初の提案を繰り返しますが、議論の相手から期待した回答がなかったとき、相手の不見識が原因と信じ込む前に、もしかしたら教養がないのは自分かもしれないと反省してみてはどうでしょうか? スレッドをかえりみれば、思い当たるケースが見つかると思いますよ。


これにて、私の総括を終了します。

278Ken:2023/02/05(日) 21:52:20 ID:royALY2s
ログを見ると、diamonds8888xさんの最後の投稿が2022/02/20だから、もうじき1年が経ちます。私の総括が完了してからもひと月以上が経ってますし、もはや本スレッドに復帰されることは期待できません。よって、ここからは、相手のない独白になるかもしれませんが、私が言い残したことを、思いつくままに書きましょう。まず、天地創造論について言うことがあります。

創造論を支持する人の論点は一様ではありませんが、聖書の記述だから信じるという原理主義を別にすれば、最も頻繁に挙げられる根拠は、この世界は都合よくできすぎている、ということではないかと思います。

生物の発生や進化は複雑系すぎて偶然の産物とは思えないから、意思をもつ創造者がいたに違いないというのがそうです。生物の原料となる炭素、酸素、水素、窒素等の元素が、都合よくそろいすぎてるという論点もあります。

さらに、それらの元素が作られるには、物理法則に絶妙のバランスが必要になるといいます。たとえば、原子核の中で働く核力に対して電磁気力がいま少し強ければ、大半の元素が放射性物質として崩壊することでしょう。いや、その前に、それらの元素を作る核融合が容易に進行しないはずです。また、重力定数が、今より大きくても小さくても、太陽の実態と地球への影響は完全に異なるものになり、生物の発生も進化も期待できません。

かといって、それらの物理法則自体に必然性はないから、これは生命の発生を意図した創造主がそう決めたのだという主張です。物理法則が原因で、結果として生命が発生したのではなく、生命を発生させる目的が最初にあり、そこから逆算して、必要な物理法則が設定されたというわけです。

このような創造論への反論として、よく見るのが、創造主を想定しても、問題を先送りするだけというものがあります。複雑系の自然発生がありえないなら、より複雑な創造主の発生はなおさらありえない、というものです。実は、創造主が被造物より複雑であるかは議論の余地があり、たとえば、人間が作ったAIが人間より複雑で高度な知性になりうるのですが、それにしても、創造主の起源を説明できないなら、問題の解決にならないという主張は筋が通ってます。

これに対して、私たちが学校で教わる理論は、創造主(神)を想定しない形で構成されます。生物の進化を起こすのは、遺伝子の変異と、表現型に働く選択圧となってます。多様な元素の存在は、核融合と超新星と原子核崩壊で説明されます。

そして最も肝心な、物理法則が都合よすぎる事実の説明として提唱される理論に「マルチバース説」があります。私の理解が正しいなら、ビッグバンで生じたのは1つの宇宙(ユニバース)ではなく多くの宇宙(マルチバース)であり、個々のユニバースにおける物理法則は偶然の産物だが、ユニバースの数が膨大なので、中には「都合の良い」ユニバースがあってもおかしくない、というものです。ミチオ・カクの著書『Parallel Worlds』で、天文学者マーティン・リースの言葉が紹介されてるので、原文のまま引用しましょう。

"What's conventionally called 'the universe' could be just one member of an ensemble. Countless other ways may exist in which the laws are different. The universe in which we've emerged belongs to the unusual subset that permits complexity and consciousness to develop."(第1章4節)

このような事象を想定するなら、創造主を想定せずとも、観測される世界は説明されるでしょう。

279Ken:2023/02/05(日) 21:53:25 ID:royALY2s
しかし、これらを含む、現代科学が想定するあらゆる事象には、それが起こるための必須条件があります。それは、原初にエントロピー極小状態が存在したことなのです。あらゆる物理事象は、不均衡から均衡へ向かう、エントロピー増大に他ならないからです。

天地創造論は森羅万象の根源は神と考えますが、神の起源は説明できません。
現代科学は森羅万象の根源は極小エントロピーと考えますが、極小エントロピーの起源は説明できません。

天地創造論と現代科学は、同じ構造問題を内包することが理解されるでしょうか?

創造論を唱える人に「神はなぜ生じたのか」と尋ねれば、多くの場合、それは神秘の領域で、人智の及ぶところではないという回答があることでしょう。

現代科学を支持する人に「極小エントロピーはなぜ生じたのか」と尋ねたら、神秘という回答は、おそらく来ないでしょう。しかし、それを説明できないのみか、どういう研究をすれば解明されるという見通しもないなら、同じことです。

マルチバースの中の1つのユニバースでエントロピーが減少することならありえます。他のユニバースからエネルギーが入ることです。>>169で紹介された須藤の説は、つまるところ、これを言ってるのではありませんか?

しかし、私たちのユニバースがマルチバースの1つで、他のユニバースの影響を受けるのなら、私たちのユニバースだけを考えても無意味です。極小エントロピーの起源はマルチバース全体で説明されねばなりません。しかし、私が知る限りで、この問題を解決するどころか、正面から取り組んだ人すらいません。物理学の明快な説明で万人を魅了したファインマンですら、「外部からエントロピーの小さい状態が入ったかもしれない」といって、お茶を濁してます。つまり「外部」を含めた全体系の問題は、最初から匙を投げているのです。

なにも私は、天地創造論と現代科学が同じ価値しかもたないと言うのではありません。現代科学には具体事象を予測できる利点があります。熱力学第2法則も広範に応用されますから、根源的な矛盾があっても、物理や化学を学ぶ学生の必修科目になっているのです。

ただし、現代科学を受容する一方で、神の起源を説明できないという理由で創造論を排除するのは、整合性を欠くと言ってます。

280GB:2023/02/06(月) 21:55:28 ID:tid4WkII
>現代科学には具体事象を予測できる利点があります。

創造論はそれができないのは何故でしょう。そこが大事なところだと思います。

281ミケ:2023/02/06(月) 23:18:52 ID:RbySXTFU
「diamonds8888xさんとの議論を総括した」のなら、
そろそろ
他の方の意見に対して目を閉じ耳を塞いでいる状態を解除しないんですかね。

特にゲジゲジさんは>>248
「diamonds8888xさんとの議論に集中したいと言われたから、
質問への回答を4年も待っているが、
diamonds8888xさんとの議論が数か月もストップしているので、
別スレッドで回答いただけないか」
と真摯に質問をしていますが、それすら無視し続けるのでしょうか。

複数人相手では整理できないからdiamonds8888xさん以外に対して返答しない
というスタンスだったはずなのに
diamonds8888xさんが書き込んでいない現状、
しかも議論終結を自分で宣言した後でもそれを続ける理由があるのでしょうか。

282Ken:2023/02/07(火) 00:00:02 ID:royALY2s
>>280

>創造論はそれができないのは何故でしょう

正確には、今はできていない、というべきです。
もしも、ご質問の意味が、

創造論は創造論であるがゆえにできない
未来永劫できない
本質的に科学の対象になりえない

ということなら、それは私の考えとは異なります。

283GB:2023/02/07(火) 22:50:00 ID:tid4WkII
>本質的に科学の対象になりえない

そう考えています。
科学という方法論、つまり人が確認できることから論理を組み立て、修正を繰り返すというやり方の背景には、人の認識能力の限界を知るという大切な理解があります。
創造論は人の信念をもとに展開されており、客観的な事柄とは関係をもたないうえに、修正や廃棄をすることも難しい作業になります。

>正確には、今はできていない、というべきです。

ファンダメンタルな創造論、かつての創造科学、現代のインテリジェントデザイナー論、いずれも人の信念の表明と捉えるべきだと思いますし、
将来の科学が神の存在を実証するかも、なんていう主張はまるで意味がないでしょう。


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