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科学と疑似科学とを判別する(2)

269Ken:2022/12/11(日) 22:31:29 ID:YSF90CS6
誤解があってはいけないので、明確にいっておきましょう。

世界が量子のような離散的な要素で構成されることは、シミュレーションであることの証明にはなりません。しかし既知の技術でシミュレーション世界を作るには、その世界は離散的な要素で作らねばなりません。だから、なぜ世界が量子でできてるのかを考えた時、シミュレーションだから、という説明は1つの候補になるということです。もしかしたら、これまでに提示された唯一の候補かもしれません。

問題は、世界が意思をもつ神に作られたとして、それは検証可能であるかです。最も説得力のある根拠になるのは、やはりお告げでしょう。プログラマからAIへの直接的な言葉でもよいのですが、すこしひねった形のメッセージを提唱したのはカール・セーガンで、彼は『コンタクト』の中で、円周率に創造主のメッセージを見つけるというプロットを用いました。円周率は、

π = 4 × (1 - 1/3 + 1/5 - 1/7 + 1/9 . . .) = 3.1415926535 . . .

と、小数点以下を無限に計算できますが、計算を続けてゆくと、数字の並びの中に明確なメッセージが現れるという話です。なるほど、最も根源的に宇宙を創造した存在でもなければ、円周率の数値を操作はできないでしょう。もっとも私自身は、これはセーガンの勇み足で、全能の創造主といえども数学の結果は変えられないと思うのですが。それよりもティレルが言うように、離散的な要素が世界を構成することがコンピュータ・シミュレーションの特徴と考えるほうが、まだしも理にかなってます。

繰り返しますが、天地創造論や世界5分前仮説といえども、それが真相である可能性はあるのです。そのメカニズムはシミュレーションで、その根拠は量子、というのがティレル理論です。そして肝心なことは、それなら検証可能だということです。検証不能の例として世界5分前仮説を考案した人は、考えが足りなかったというしかありません。もし厳密な反対証明は不可能という意味なら、それはそうですが、厳密な反証なら熱力学も自然選択も、その他多くの理論も反証不能です。

それにしても疑似科学の代表格とされる天地創造論が真実かもしれないなら、疑似科学と称するにふさわしい理論などありうるのでしょうか? 次回はその話をしましょう。

(続く)


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