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科学と疑似科学とを判別する(2)

251Ken:2022/10/03(月) 00:19:48 ID:0EvyfUus
例えば、アジモフが1972年に発表した「The Beginning and the End」というエッセイでは、宇宙の起源を考察していますが、ビッグバンでエントロピーの増大が、言い換えれば時間が、始まったのなら、ビッグバン以前はどうだったのかを最初に論じています。この「宇宙卵」では時間が止まっていたのか? なぜそんなことが可能なのか? 時間が止まっていたとして、それならなぜビッグバンは起こったのか? それを考えるとビッグバンを否定せねばならないが、観測事実はビッグバンを示すから、矛盾を回避できないと結論づけています。このエッセイはオンラインで公開されているので、該当の頁を紹介します。
archive.org/details/beginningend0000asim/page/132/mode/2up

右側の頁のFigure 3の直前の「We are stuck with its paradoxes」とあるのがそれです。結局アジモフは、ビッグバンで時間そのものが始まったという考えをあきらめ、エッセイの残りは、宇宙が膨張と収縮を繰り返すような、時間は過去にも未来にも無限に続くモデルを考察するわけですが、むろんこれでは起源問題の解にはなりません。宇宙が膨張しようが収縮しようが、マルチバースの間で影響を及ぼしあおうが、熱平衡は進行し、エントロピーは増大するからです。

アジモフは矛盾を回避するためになにをしたのか? 適用範囲外を想定したのか? それとも第2法則自体を否定したのか? 答えはどちらもNOです。それなら矛盾を容認したとしか解釈ができません。

ファインマンは矛盾という言葉は使いませんでしたが、適用範囲外を想定せず、起源問題を解決できないのはアジモフと同じです。また>>169で紹介された須藤という人は、

>膨張によって生み出された膨大な空間にエントロピーを捨てることで、自身のエントロピーを下げ秩序を形成する領域の誕生(ただし全系のエントロピーは増える)

と、部分空間のエントロピーが減少するメカニズムを提唱しましたが、「全系のエントロピーは増える」と述べています。この人も適用範囲外を持ち出すことはなく、起源問題の矛盾を残したままです。

そうなると、diamonds8888xさんが仰る「常識」に従う人はどこにいるのでしょうか? もし、どこにもいないのなら、常識から外れているのはdiamonds8888xさんではないのですか?

このことを考えると、今回の議論の中で私が最も驚いた主張を問題にせざるをえません。「メカニズムを説明できない仮説を唱えてもよい」というものです。次回は、これを語りましょう。

(続く)


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