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科学と疑似科学とを判別する(2)

278Ken:2023/02/05(日) 21:52:20 ID:royALY2s
ログを見ると、diamonds8888xさんの最後の投稿が2022/02/20だから、もうじき1年が経ちます。私の総括が完了してからもひと月以上が経ってますし、もはや本スレッドに復帰されることは期待できません。よって、ここからは、相手のない独白になるかもしれませんが、私が言い残したことを、思いつくままに書きましょう。まず、天地創造論について言うことがあります。

創造論を支持する人の論点は一様ではありませんが、聖書の記述だから信じるという原理主義を別にすれば、最も頻繁に挙げられる根拠は、この世界は都合よくできすぎている、ということではないかと思います。

生物の発生や進化は複雑系すぎて偶然の産物とは思えないから、意思をもつ創造者がいたに違いないというのがそうです。生物の原料となる炭素、酸素、水素、窒素等の元素が、都合よくそろいすぎてるという論点もあります。

さらに、それらの元素が作られるには、物理法則に絶妙のバランスが必要になるといいます。たとえば、原子核の中で働く核力に対して電磁気力がいま少し強ければ、大半の元素が放射性物質として崩壊することでしょう。いや、その前に、それらの元素を作る核融合が容易に進行しないはずです。また、重力定数が、今より大きくても小さくても、太陽の実態と地球への影響は完全に異なるものになり、生物の発生も進化も期待できません。

かといって、それらの物理法則自体に必然性はないから、これは生命の発生を意図した創造主がそう決めたのだという主張です。物理法則が原因で、結果として生命が発生したのではなく、生命を発生させる目的が最初にあり、そこから逆算して、必要な物理法則が設定されたというわけです。

このような創造論への反論として、よく見るのが、創造主を想定しても、問題を先送りするだけというものがあります。複雑系の自然発生がありえないなら、より複雑な創造主の発生はなおさらありえない、というものです。実は、創造主が被造物より複雑であるかは議論の余地があり、たとえば、人間が作ったAIが人間より複雑で高度な知性になりうるのですが、それにしても、創造主の起源を説明できないなら、問題の解決にならないという主張は筋が通ってます。

これに対して、私たちが学校で教わる理論は、創造主(神)を想定しない形で構成されます。生物の進化を起こすのは、遺伝子の変異と、表現型に働く選択圧となってます。多様な元素の存在は、核融合と超新星と原子核崩壊で説明されます。

そして最も肝心な、物理法則が都合よすぎる事実の説明として提唱される理論に「マルチバース説」があります。私の理解が正しいなら、ビッグバンで生じたのは1つの宇宙(ユニバース)ではなく多くの宇宙(マルチバース)であり、個々のユニバースにおける物理法則は偶然の産物だが、ユニバースの数が膨大なので、中には「都合の良い」ユニバースがあってもおかしくない、というものです。ミチオ・カクの著書『Parallel Worlds』で、天文学者マーティン・リースの言葉が紹介されてるので、原文のまま引用しましょう。

"What's conventionally called 'the universe' could be just one member of an ensemble. Countless other ways may exist in which the laws are different. The universe in which we've emerged belongs to the unusual subset that permits complexity and consciousness to develop."(第1章4節)

このような事象を想定するなら、創造主を想定せずとも、観測される世界は説明されるでしょう。


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