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科学と疑似科学とを判別する(2)
252
:
Ken
:2022/10/10(月) 00:05:37 ID:0EvyfUus
[総括編第2回]
「メカニズムを説明できない仮説を唱えてもよい」と言葉でいうと、解釈によっては受け入れられることもあるでしょう。
例えば、重力は4種類の力(重力、電磁気力、強弱2種の核力)の中で、最も早くから知られ、17世紀のニュートンによって、
重力 = (重力定数) × (質量1) × (質量2) ÷ (距離の2乗)
と、性質が明らかになりました。他の3つの力の法則が明らかになるのは、それよりずっと後のことです。ところが、最も早くから知られていたのに、重力が働くメカニズムは4つの中で最後まで解明ができていません。たとえば、重力だけはそれを伝える素粒子を確認できません。それでも、多くの観測から上記式の形で重力が働くことは分かっているし、この法則に基づく事象の予測はできますから、重力仮説はメカニズムが不明のまま支持されます。
あるいは、また、メンデルの法則を考えましょう。メンデルは、マメ科の植物の個体群の中で、背丈の高い個体と低い個体を交配させても中間的な背丈の個体は生じず、高いか低いかのどちらかになるような事象を観測し、生物の特徴を支配する、互いに混ざることがない因子があることに気づきました。遺伝子の存在が知られたわけですが、遺伝子が働くメカニズムは、染色体やDNAの実態が明らかになるまで数十年も謎でした。それでも観測事象に基づいて遺伝の法則は帰納的に確立されたわけです。
一方で、観測事実はないが、既知の理論から推測されることもあります。宇宙のエントロピーが増大を続ければ、やがて宇宙全体の「熱的死」にいたることは熱力学第2法則で予測されますが、むろん宇宙の熱的死を観測した人はいません。観測事実はなくても、演繹的に結論にいたる場合です。
このように、観測事象から帰納するか、既知の理論から演繹するか、少なくともどちらか一方を根拠に、仮説は提唱されるわけです。
ところが、今回「メカニズムを説明できなくてもよい」例に挙げられたのは、熱力学第2法則の適用範囲外があるという主張でした。この主張には観測事実もないし、既知の理論から導くこともできません。帰納もなければ演繹もない。通常の考察で要求される根拠はなにもないのです。
この「適用範囲外」を主張する根拠はただ1つ。第2法則が「P∧¬P」になることを避けるためです。でも、考えてみてください。その論法自体がおかしくありませんか?
基準05は、科学と疑似科学を判別する基準です。特定の理論を検証してみたら「P∧¬P」になるから、その理論は疑似科学とするのが基準05のはずです。ところが、その判定を覆すだけの理由で、帰納も演繹もない想定をしてもよいなら、あらゆる理論が基準05をパスしてしまい、基準の意味がなくなるではありませんか。
基準違反の例に挙げられた「太陽が昇る∧太陽が昇らない」を考えてみてください。一般的な知識体系ではこれは「P∧¬P」になります。量子ならともかく太陽のような物体が2つの位置に存在することは観測事象でも理論的演繹でも支持されないからです。ところが、もし次のような議論がなされたらどうなりますか?
「太陽が昇る∧太陽が昇らない、は実現可能です」
「なぜそんなことが可能なのですか?」
「そのメカニズムは説明不要です」
こんな強弁が通りますか。
要するにdiamonds8888xさんは、論理矛盾の排除を正しい科学の基準に掲げながら、論理矛盾の実例が示されると、論理矛盾であることを否定するために、「説明不要」と論理を断ち切っているのです。ある意味これこそ正真正銘の「P∧¬P」ではありませんか? 「P∧¬P」を疑似科学とする基準を主張しながら、結局はご自身が「P∧¬P」に該当する主張をされています。
以上の理由により、基準05は、科学と疑似科学を判別する基準としては不適当と考えます。
(続く)
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