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科学と疑似科学とを判別する(2)

275Ken:2022/12/29(木) 21:54:53 ID:royALY2s
しかし最大の問題は、木に登ったり、飛び降りたり、雌を引き付けるだけが、生活行動ではないことなのです。基本が地を走る生物なのに、その機能を犠牲にする体形の変化ではないでしょうか? 人間に置き換えてみれば分かることです。たとえば高い所から降りるのにハンググライダーがあれば役立ちますが、1日中つけたままでは生活ができません。

つまり進化途上の代償が大きすぎるということです。2本の足で走るのと、2本の腕を翼として飛ぶのでは、要求される体構造が違いすぎるので、飛行の進化は走行の劣化から始めねばなりません。

地を走るには太くて長い脚が必要ですが、他の部位の発達は空気抵抗を増やすだけです。とりわけ飛行に不可欠な、空気を押す形態の羽毛(翼)は、地を走る時は大きな空気抵抗を受けるパーツになります。一方、走るための脚は空を飛ぶときは余分な重量でしかなく、とりわけ飛行能力が未熟な段階では障害になるはずです。

走行に有利 = 長く強い脚 & 小さく柔軟な翼 = 飛行に不利
飛行に有利 = 細く軽い脚 & 大きく堅牢な翼 = 走行に不利

飛行へ向かう進化が、翼を大きく脚を小さくすることなら、飛行生物になる前に、淘汰される走行生物になってしまいます。

結局、力学的な合理性をもつ説明は、樹上モデルなのです。それも、地上生物が木に登ることもある、という中途半端な形ではなく、地を走るという前提自体を外すことです。ムササビのような樹上生活者がジャンプする生活様式にこそ、飛行へいたる道があるでしょう。しかし化石から判断される体構造では、鳥の先祖は地上を走る恐竜となってます。だからこそ知恵を絞って、駆け上がりモデルや飛びかかりモデルを考えたのでしょうが、解決案として不十分なことを説明しました。

代案としてのIDを考える理由はここにあります。IDの利点は、特定の変異でなぜ選択圧が働いたのかという、自然選択に要求される説明の必要がなくなることです。この点で、惑星の複雑な動きの説明を不要にするために地動説が考えられたことと共通点があります。天動説で説明が難しいなら地球が中心という前提を外せばよい。同様に、光波動説で説明が難しいなら波という前提を外せばよい。その時点では地動説や粒子説の証拠がなくても、です。では自然選択では説明が困難な事象が観測されたら? 自然選択という前提を外せばよい。それだけのことです。しかも人類が実行してきた品種改良という実例があるのですから。

IDの物証は見つかりうるでしょうか? ID実行者が残した記録が見つかれば、これに優るものはないでしょう。もし過去の生物のDNAを解明できれば、異常なレベルの近親交配の証拠が見つかるかもしれません。あるいは特定の個体を優先的に繁殖させるため、去勢や不妊が施された痕跡がみつかるかもしれません。品種改良には、私たちに馴染みの手段がいくつもあります。

(続く)


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