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汎用スレpart1

147 ◆Tg./UqnJ52:2013/04/11(木) 18:30:58 ID:XFdLKgxM
>>146
見た目通り、ヴィグリーズはかなり広い艦であった。
アルプ・トラウムへの物資の積み込み作業が始まろうとしている向こう側では、何かの哨戒任務があるのかVTOL戦闘機の離着艦が相次ぎ、
その横で例の月と狼のエンブレムが肩に入った、黒い量産型ゲシュペンストMk−Ⅱ改が五機ほど膝を突いて駐機しており、メンテナンスを受けている。
集積された物資コンテナが占めているスペースは控えめに言っても狭くはないのだが、それだけのスペースを費やしてもまだ、
あれだけのことが余裕で出来るだけの場所がヴィグリーズの後部飛行甲板にはあった。

「こちらです。段差にお気を付けください」

そうこうしているうちに飛行甲板を抜け、艦の中央に鎮座する砲台のような艦橋部にたどり着く。
ユージンに続いて中に入れば、こうした艦船にしては広めの通路に出るだろう。
中にはユージンと同じような黒い軍服に身を包んだ男女が歩き回り、ユージンとレイナ一行とすれ違う度に軽い敬礼をしてくる。
彼らの軍服にも艦にあったのと同じ、月と狼のエンブレムがあった。どうやら隊を象徴するそれらしい。
そうして通路を右へ左へと抜け、階段による階層移動こそ無かったものの、ようやく一行は艦の応接室に到着した。
飛行甲板、アルプ・トラウムとの接舷部から結構な距離を歩いた。下手をすればアルプ・トラウムの全長ほどに歩いたかも知れなかったが、
案内役のユージンは何事もなかったかのような顔で、応接室のドアをノックした。

「隊長、ユージンです。レイナ様ご一行をお連れしました」
「うむ、入れ」

他の部屋のドアとは違い、控えめながら装飾の入った木製のドアをユージンが開ける。
中は赤い絨毯が敷かれ、大きめのテーブルを黒革の一人用チェアが囲む形の応接室。
テーブルを挟んで向こう側には、壁にはめ込まれたスクリーンで何かの状況を確認している、長い銀髪と黒い軍装マントの後ろ姿。

「来たか。待っていたぞ、夜より暗き魔の王、レイナ・カーマイン」

バサリと大きくマントを翻して、部屋の主、尼子統久が振り返る。

「私が影を征く魔狼の主、尼子統久だ。今日の邂逅を喜ぶべきかな? それとも、運命の悪戯として呪うべきかな?」

不敵に笑う統久の周囲が陽炎のように揺らめいて、彼女の放つ威圧感を助長する。
実はこれはレイナが「そういう病気」であることを見越した統久が念動力で作った演出であり、先の言動もそれに起因している。
レイナに対するちょっとしたサービスのようなものであるが、果たしてレイナ達の反応やいかに。

148 ◆zwG.6Bg2jY:2013/04/11(木) 23:25:39 ID:OAFqu.Ww
>>146
>「ちょっと、何で小田原なんかであの女が出て来る?あ……まさかあいつまたナメタ真似をぉ……」

「えっ?あ、そっち?」

何か聞き返してきたと思ったら、尼子統久の事でも襲撃の事でもなくライトと飯を食べていた事だった。
ヒツギからしてみたら『ただご飯食べていただけ』だがなにやらレイナはお冠のご様子
ここでそんな事を言ったら蹴る叩くの光景が目に見えている、ちょっと冷や汗が出てきた。

>「小田原で蜜月とか……しかも相手はあの洗濯板とか。許し難い」

「いや小田原でご当地グルメのフェスタをやってたんだよ?
 途中まではユウセイも居たんだぜ?誘ったけどアスト博士の手伝いがあるからって断られたんだ
 で、しかも付いてからは現地で偶然アカリンとリリー少尉と出くわしたりしたし・・・」

しかも食べたのはラーメン、蜜月って言うか花月って言うか
問い詰められた言い訳みたいなことになっているが嘘は言っていない・・・はずだ。

>>145

>「レイナ・カーマイン様ご一行ですね? 私は尼子統久特尉の秘書官、ユージン・フォートセリア中尉です。
>私が艦内の応接室までご案内させていただきます。今日は少し風が出ておりますので、足下にはご注意下さい。
>では、こちらへ」

(助かった・・・?)

レイナから詳しく問いただされる前に尼子統久の部下が迎えに来てくれたことで何とか流す事が出来た。
風に目を細めつつ胸を撫で下ろし、彼女の後ろをついてゆく

149 ◆zv577ZusFQ:2013/04/12(金) 07:25:19 ID:1twZuzWk
>>147
【「こちらです。段差にお気を付けください」】
「改めて見ても大層な設備だよ。欧州のお坊ちゃん連中とは別口で軍にはまだこんな余力が有ったのね?」

広い甲板エリアを抜けての感想である。
どうやらこのシャドウ・ウルブズという特殊部隊はかなりの期待を背負って立っているのだろう。
存在する艦載機もエース向けの最新鋭機ゲシュペンスト改型で揃えられており、所属パイロット達の力量の高さも読み取れる。

もしくは同じ連邦軍内にて欧州の独裁を阻止する為のカウンターとして存在するのかもしれない。
レイナはそんな思いを巡らせていた。

そして艦内部に入ると、行き交う黒服の隊員達が皆一様に律儀に敬礼をとってくれたりする。レイナもそれらに対していちいち立ち止まり怪しげな魅力ポーズを決めるものだからきりがない。
だが、尼子統久の待つ応接室に向かうにはまだまだそこから先も長かった。
レイナは行動的で活発なのでそこいらのお嬢様とは比べられないぐらい体力面でも自信有りなのだが、
相当な運動嫌いで怠け癖の染み付いたカナメ・ライブラを一緒に連れて来ていたら歩けない。おんぶして運べとか無理を言っていたかも知れない。
もし彼女がついてきていたら男二人は大変だった事だろう。

【「隊長、ユージンです。レイナ様ご一行をお連れしました」
「うむ、入れ」】

「では、案内ありがとうな中尉」

悪魔的ウインクにてユージン中尉のここまでの案内を労い、応接室へ入る。
するとそこにはあの女が居た。

【「来たか。待っていたぞ、夜より暗き魔の王、レイナ・カーマイン」】

「ふふ。いいじゃないか尼子統久……。いかにも、私がレイナ・カーマインだ」

真っ黒なマントを翻し、スタイリッシュに決めてくる尼子統久の持て成しに大いに感心したレイナ。
それに応える為にレイナも全身全霊で表現。ドーン!とかダーン!だかの何らかの効果音が入りそうな奇妙な立ちポーズを返した。

頑張って付いて来いよ眷属ども。

【「私が影を征く魔狼の主、尼子統久だ。今日の邂逅を喜ぶべきかな? それとも、運命の悪戯として呪うべきかな?」】

「な!?………ふふ…ふっふっふ。その禍々しい蒼炎のオーラ。魔狼の主よ、貴様既に覚醒していたか」

尼子統久がやって見せた洒落た念動力の応用に目を輝かせ物凄くワクワクし、テンションが上がる。
そして自分にこのパフォーマンスが出来ない事がかなり悔やまれた様だ。

「……クックック。ここには契約に従い出向いただけだが、正解だった様だ」

尼子統久の目論見通りレイナに対する掴みはばっちりだった。

150 ◆Tg./UqnJ52:2013/04/14(日) 22:45:09 ID:O0/Dvnss
>>149
サービスが成功し、レイナのテンションが目に見えて上がったのを見た統久は、
もし滑れば威厳も何もなかったネタだけに、成功したことを内心で安堵した。

「目覚めたなどと。私は「始めからこう」であっただけの話。
……さておき、レイナ・カーマインよ。今はお互い、浮き世の立場に戻る時間だ。この会合は、そのためのもの。
好きな場所に座りたまえ。護衛で来た君らもな」

レイナと一緒についてきたレオンハルトとヒツギにも目線をやり、背の低いテーブルを囲む黒革椅子を指し示す。

「お飲み物をご用意いたします。リクエストが有れば仰って下さい。大抵の物はご用意できるかと存じます」

横で控えていたユージンが、統久の言葉に重ねて言う。
彼女の後ろには木製で横長の棚があり、その上にはティーポットやカップ等が乗っている。ここで用意してもらえるようだ。

151 ◆zv577ZusFQ:2013/04/15(月) 08:18:44 ID:wdiR6SZg
>>150
【「お飲み物をご用意いたします。リクエストが有れば仰って下さい。大抵の物はご用意できるかと存じます」】

「では私は紅茶をいただこうかしら。それからそこの男共にはバナナ系飲料を」

尼子統久の用意していた椅子にどしっと座り込み、ユージン中尉にオーダーする。
しかもまだヒツギとレオンハルトがバナナが大好物だと思い込んでいるので良かれと思って勝手に彼らの分も注文した。
そんなものまで備えているかどうかはわからないが。

「さてと。会談を始めましょうか」

152 ◆Tg./UqnJ52:2013/04/15(月) 14:00:54 ID:G5PWbWPs
>>151
「ああわかった。紅茶と……おん? ば、バナナ……?」

先ほどまでの演技を忘れ、素に戻った統久が、ちらりとユージンの方を見る。
その視線に対し、ユージンは心配ないとでも言うように微笑んで、

「バナナ牛乳のストックがありますので、そちらをお出ししましょう」
「え、あるの」
「はい♪」

ユージンの良い笑顔を前にして、統久は考えることをやめた。
レイナ達とテーブルを挟んだ向かい側の椅子に座った統久は、ガーターストッキングに包まれた足を組み、軽く手を組んだ。
彼女の立場と、先ほどの念動力のパフォーマンスの相乗効果で、そこはかとないカリスマを感じさせる姿……のはずなのだが、
バナナ云々のやりとりが、完全にそれを台無しにしていた。

「……おほん。まずは私との取引に応じてくれたことを感謝しよう、レイナ・カーマイン嬢。
我々は裏方専門で、動かせる戦力に限りがある。それを割かなくて良くなったのは、我々にとって大きなプラスだ。
今回の件について、何か訊いておきたいことはあるか?」

153 ◆zv577ZusFQ:2013/04/16(火) 10:05:27 ID:CgYqM0j6
>>152
【「……おほん。まずは私との取引に応じてくれたことを感謝しよう、レイナ・カーマイン嬢。
我々は裏方専門で、動かせる戦力に限りがある。それを割かなくて良くなったのは、我々にとって大きなプラスだ。
今回の件について、何か訊いておきたいことはあるか?」】

「ああ、それに対しては問題無いが、そうだな……。
何故か欧州の連中からは強い敵意を向けられてる様だけど、逆にあなた達は私をどう思ってるのか?」

馴染み深い甲斐を撃沈させてまで逃げ延び、今こうして日の目を見られない様な不自由な生活を皆に強いている訳だが、
自分の取った行動が本当に正しかったのか本当は少々疑問に思っていた様だ。

「ふっ……。取引が成立した暁には件の超機神にて一目散に私を懲伏するつもりかしら?」

準備された温かい紅茶を一口頂き、その優しき芳香にホッと一息つくも、
次にはさらっとロクでもない事を口にする。万が一そうなったとしたら堪ったものじゃない。

154 ◆Tg./UqnJ52:2013/04/16(火) 14:21:23 ID:rjmfgxsU
>>153
「君のこと、か。ふむ……。
私は君が何を思って連邦に弓引くことになったのかを知らない。君が今言ったように、欧州にその原因があるのかも知れない。
それがわからない以上、私に言えることは何もないよ。我々のボスである安全保障委員会からも、君たちに関しては何のお達しもないしな。
ただ個人的なことを言わせてもらえば、私はあの欧州が嫌いだ。いち軍閥が台頭し、軍を我が物顔で牛耳るなど、暗愚のやることだ。
こういう形の軍だからこそ、尚更な。
運が良ければ……いや「悪ければ」、欧州を打倒する戦列に、君と私が轡を並べることもあろう」

ニヤリ、と統久は悪戯っぽい笑みを浮かべる。

「そういう未来があるかもわからんから、超機人で君らを撃滅するという選択肢は、今のところ無いな。
地球の安全に対する挑戦者ならば、その展開しかありえんのだが」

このあたりは、統久の属している安全保障委員会の性格が色濃く出たゆえの回答だろう。
反地球連邦組織、というだけでは彼女らの敵とはなり得ないが、地球圏に対する重大な敵対行為に至った場合、
シャドウ・ウルブスは容赦なくその牙を剥く。
欧州はその対象かどうかを、密かに、厳しく委員会に監視されているはずだ。

155 ◆zv577ZusFQ:2013/04/16(火) 18:47:41 ID:CgYqM0j6
>>154
「それを聞いてとりあえず一安心と言ったところかしらね。私としてもそれは願ったりよ」

やはり欧州の過激派集団が連邦軍に巣食う癌の様だ。彼らをなんとかしない事にはレイナの疑いも晴れない事だろう。

「……そしてあの連中を崩す為のネタを集めているのだけれど、流石に決定的なモノは見つからないわね」

レイナ達もただ逃げているだけでも無かった様だ。調子に乗る欧州の立場を危うくさせ、いずれは返り咲く事を狙っている。

「で、ヒツギ達は何かあるかしら?」

ずっと黙って仕えているヒツギとレオンハルトにも尼子統久と会話する時間を設ける。なかなか無い機会だろう。

156 ◆zwG.6Bg2jY:2013/04/16(火) 20:43:55 ID:gcj34BA2
>>155
>「で、ヒツギ達は何かあるかしら?」

「え、俺?」

突如声をかけられたことで壁を背に立っていたヒツギがきょとんとした顔をする。
二人の会話の内容はツギからしてみればチンプンカンプンな所も多々あり口を挟めなかった
以前から何処となく察していた派閥争い的なものに巻き込まれてレイナが敵対することになったのは分かる
しかしながら一般人上がりの彼からしてみれば突っ込んだところは全く分からない。

「えー・・・っと」

>>154

「お久しぶりです?」

言葉尻が疑問系なのはそういう風に言っていいものなのか微妙だとヒツギ自身が判断したからだ

「質問・・・質問ねぇ」

特に言うこともないというのが彼の本心、現状では相手は殆どカードを切っていない
感じとしてはお互いの敵を再確認したといった程度なのだろう、今のところバナナ好きじゃありません位しか言うことがない
しかしながら出されてしまった手前いりませんとは言えない、悲しいかな

(待てよ・・・?)

ふと彼の中にある疑問が湧き上がる
彼女は一般の連邦とは別の機関が主導で動いている、これは彼女自身が言っていたことだ
そして彼女とこちらが交渉を行っているのは連邦からしてみれば黒に近い
そうまでしてその超機人が必要なのだろう。

そうなった理由である『制御不能に陥った兵器』とは何だ?

「俺からは特に無いかな」

この疑問は聞くべきではないと彼は判断したらしい
手を噛まれる・・・で済まなくなる可能性があると判断したのだろう

157 ◆NcltM1gQ/Q:2013/04/23(火) 20:14:30 ID:6c7W00Rw
>>151
【「お飲み物をご用意いたします。リクエストが有れば仰って下さい。大抵の物はご用意できるかと存じます」
「では私は紅茶をいただこうかしら。それからそこの男共にはバナナ系飲料を」】
>>152
【「バナナ牛乳のストックがありますので〜】
「ああ、それで頼むよ」

程なくしてレオンの前に用意されたタンブラーにはバナナ牛乳であろう乳白色の液体がなみなみと注がれている

>>155
【「で、ヒツギ達は何かあるかしら?」】
『ヒツギ達』一応、年長者であるレオンにとって、この部分はもっと気にかけるべきなのだが、そもそも重要性の低い物事には反応が鈍いのだ
飲み物をストローで吸いつつも尼子統久の話す姿に集中していた

>>154
一度飲み物を置き視線を統久にただし

「そうだな…兵器のことも気になるが…」

少し間を置いてから微かに笑いかけ

「個人的にはつねひーとクレマチアッカリンとの関係が気になるかなぁ」

視線を一度外してから、おどけてみせる

「…まぁ、正直なとこ。連邦にお宅みたいなのが、もう少し要ればって思ってたところさ」

158 ◆Tg./UqnJ52:2013/04/25(木) 20:50:25 ID:qzuzwYQQ
>>155
「欧州に関してはそちらが頑張ってくれ、としか言いようがないな。
こちらとしても、彼らは今のところは大きな問題のない味方、といった立場だからな」

今の統久、と言うよりシャドウ・ウルブスには積極的に欧州と敵対するだけの材料がない。
欧州がその勢力規模に物言わせて無茶をやらかさない限り、未だ統久たちにとって欧州は味方の範疇にある。

>>156
レイナに話題を振られ、反応した護衛のひとり。
「お久しぶり」と言ってきた彼に、統久は見覚えがあった。

「やあ、君はあのときの。
このような場所で会うとは、奇妙な縁もあったものだな?」

確かあのときはエンジェルフェザーの士官と一緒に居たはずなのだが、
どういうわけか彼は今、反逆者であるレイナの元に居る。
その経緯には興味があったが、まだそれを聞けるだけの関係の構築はできていないとして、統久はそのあたりを突っ込まなかった。

>>157
自分を「つねひー」と呼んだレオンの言動に、統久は少しキョトンとする。
その呼び方もそうだが、そこに出てきた「クレマチアッカリン」とは一体誰のことか。
頭の上にクエスチョンマークを浮かべていると、隣に控えていたユージンが統久に耳打ちする。

「隊長、リスト8番の彼女のことではないかと」
「8……? ああ、「超速度反射能力保持者」か。こんな場所で聞く名前ではないと思うのだが……。
君、その質問の意図を訊きたいな」

直接関係のない相手との関係について言及されるのは妙な話だ。
何故その人物と自分が並べられるのか。統久は純粋な興味と少しの疑念でもって質問した。

159 ◆NcltM1gQ/Q:2013/04/25(木) 22:43:21 ID:JqVgyB2E
>>158
(リスト8?)
【「8……? ああ、「超速度反射能力保持者」か。こんな場所で聞く名前ではないと思うのだが……。
君、その質問の意図を訊きたいな」】

「ああ、そうだな…まず一つは以前に俺達が交戦したジガンタイプ…ただし運用テストが終わるか終わらないかの試作機。まぁ完成度は高かったけどな」

経久に人差し指を振りながら続ける

「アレはレイナ達を追撃、討伐を考慮するに当たってはあまりにも『連邦らしく』なかった。確かに急ごしらえだからこそ、それもSKのエリート士官を中心とした小規模部隊で鎮圧に成功出来れば、より連中の連邦軍に置けるイニシアチブも高くなる…」

座ったまま経久を見据えたまま続ける

「とは言えアルプトラウムの戦力は把握していた筈。艦裁砲を想定したにしては、あのジガンは連邦にしても、取り分けSKにしては臆病過ぎると思った…
いっそ分かり易いグルンガストを持ってきそうな所だろ?
…で、いざこのジガンと戦って見たところ…」

腕を組んだ状態から指をならし

「なんとパイロットがアッカリンの友達、本来だったら情報解析と通信を担当する筈の彼女が部隊の中核機に乗り込んでいたんだ。彼女の適性は置いといても連邦に対する貞操を示させるにしては良く見ても高く買いすぎているし悪く見ても警戒し過ぎだ」

レオンの眼光が強くなる

「…土壇場であんなモノをねじ込めるのは極東ではもう限られてる。
仮に、あのジガンをお宅が回したとしていたら、彼女を乗せていた事とつねりんが俺達と接触出来てる事について辻褄が合う、というのが一番の理由…かな」

160 ◆Tg./UqnJ52:2013/04/27(土) 23:07:46 ID:NI5btEmg
>>159
足を組んで座ったままレオンの話を聞いていた統久だったが、彼の話の途中から口元がニヤつき始めており、
話が終わった途端、

「くくっ……は、ははははははは!! 何だ、そんなことか!
いやぁ、もう少し別なことかと思っていたが……くくくっ……。
つまりそれは、「この会談はあの時点から仕込みが入っていたのではないか?」ということだろう?
これは異な事を言う。こんな会談が「仕組まれていない」わけがないではないか!」

顔半分を手で覆いながら、統久は笑いの余韻を堪えている。

「お察しの通り、あのジガンスクード・アンジェを送り込み、君たちの逃避行の出だしをハードモードに仕立て上げたのは私だよ。
アレは元々、我々がこのヴィグリーズの防衛用にイスルギに発注した、特注の一品でな。
ロールアウトしたての物を伊豆基地で一時、預かってもらっていたのだ。
今はこの艦の格納庫で塗装作業を受けている。前部ハンガーで作業が行われているが……何なら見ていくか?」

再び背もたれに身を預けた統久の表情は、面白がる者のそれに他ならない。

「まあしかし……ハードモードとは言ったが、それを加味してもあの程度の障害をどうこうできないのであれば、所詮君らの運命もその程度だったということ。
十字の走狗共々、「ふるい」としては最適だったのだ。それを突破して見せたからこそ、今の君らと私の関係がある。
これが偶然だというのならば、私は運命の神に対して盛大なブーイングを仕掛けなくてはならないな」

161 ◆NcltM1gQ/Q:2013/04/27(土) 23:38:32 ID:4YWVbvAU
>>160
「ハード?まぁ通りで…で一番気になるのはアカリン達とはどんな関係?」

ニヤニヤしながら経久の様子を見ながら

「まぁ…あと、ついでに今回の兵器の詳細もお願いするよ」

162 ◆Tg./UqnJ52:2013/04/28(日) 00:14:56 ID:vuOPayqo
>>161
「その「関係」に対する質問の答えは、「何もない」だな。
私との関係があるのはむしろ、ジガンスクードの「中身」の方だ。
それにしたって、そんなに複雑なものでもない。興味があるのなら、そこのレイナ嬢に訊いてくれ」

複雑でないのならばすぐに言えそうなものだが、統久はあえて、レイナに水を向けた。
その真意を汲み取ろうにも、統久の表情は未だ面白がっているばかりである。

「それと、今回の兵器の話だったか?
悪いが、その話はいわゆるところの極秘情報でな。おいそれと公にして良い話ではないのだ。よって、それは教えられない。
まあ、どうしてもと言うのであれば、私にひとつ「貸し」を作ることになるな。
……ああ、君個人ではなく、「君ら」、レイナ嬢を頭とした集団が、私に「貸し」を作るんだ。大事なことだから強調しておいたぞ?」

163 ◆NcltM1gQ/Q:2013/04/29(月) 17:50:53 ID:Fz4d3Jnw
>>162
経久の話から察するに件の兵器は連邦軍内部でも非常にデリケートなモノである
と言うことだけは判った
>>156
経久の視線をそれとなくかいくぐり(別に聞かれても問題ないが)ヒツギに小声で話し掛ける
(この流れ…もしかすると新兵器のテストかな〜?)

経久達の視線を受けて思わずテーブルに手をつき立ち上がる

「貸し…つまりは、経久から(俺たちを含む)レイナへのおねだり…!」

固唾を呑んで目を見張ってみせるレオン

「ゴクリ…凄く、気になります」

164 ◆Tg./UqnJ52:2013/05/09(木) 22:01:39 ID:mOKm6WnI
>>163
レオンがヒツギへと耳打ちし、レイナが黙って紅茶を飲んでいるのを見て、
もうあちら側からの発言が無いと見て取った統久は、組んでいた足を戻し、スッと立って、

「よし、話はそれくらいか? ならば後は、そちらの準備ができ次第、作戦を始めることにしよう。
……と、儀式をするのは私だから、昼行灯というわけにもいかぬな。ユージン、何か残っていたか?」

封印の島の防御兵器を引きつける役目をレイナ達に負ってもらうにしても、まさか統久が生身で単身、島に乗り込むわけにもいかない。
当然、そこまで突破できるだけの力、つまるところ何らかの機動兵器が統久にも必要となる。
ユージンへの質問はそういう意味を孕んでいた。訊かれた方のユージンは、記憶をひっくり返すかのように小首を傾げて、

「現在、全てのゲシュペンストとレリオン、FV−2VTOL戦闘機は哨戒任務に就いておりますね」
「残っていないのか」
「ええ。そもそもの絶対数が多くありませんから。
今出せる機体と言えば、塗装及び改修作業中のジガンスクード・アンジェと、
Sプロジェクトのデータ収集のために取り寄せていたVTX−000……ミロンガの二機に限られますね」
「ミロンガ? ……ああ、ウォン重工のアレか。
前に、ツェントルの試作五号機をベースにすると言っていなかったか?」
「今でもその路線は変わらないようなのですが、超高速戦闘機動を行う機体のデータも欲しいと、如月博士が。
もうデータの収集は終わったのですが、その後この機体をどうするかは決めていなかったらしく……」
「やれやれ、如月の奴め。まあいい。件の「欠陥」も私ならば問題無かろう。そいつを後部甲板に引っ張り出しておいてくれ」
「了解しました」

ユージンがテーブルの向こうにある内線電話の受話器を手に取る。
それを見届けた統久はユージンからレイナ達へ顔を戻して、

「すまんな、レイナ嬢。そういうわけだから、機体を一機、そちらの艦に乗せてもらいたい。
そちらのランチか何かを借りるハメにならなくて良かったよ」

165 ◆zv577ZusFQ:2013/05/11(土) 08:43:43 ID:laZ180pU
>>164
【「すまんな、レイナ嬢。そういうわけだから、機体を一機、そちらの艦に乗せてもらいたい。
そちらのランチか何かを借りるハメにならなくて良かったよ」】

「いいだろう。ご自由にどうぞ」

尼子統久の機体をアルプ・トラウムに乗せる事を承諾する。

「もう補給も済んでいる事だろう。すぐにでも行動可能だわ」

いただいた紅茶を綺麗に飲み干し、レイナは立ち上がる。

166 ◆zwG.6Bg2jY:2013/05/11(土) 14:40:58 ID:e.vI7rNw
>>163
(逃げ出した側の新兵器とテストさせるつもりで俺たちを呼んだ・・・って訳か)

確かにレオンが語るような可能性は存在している
だがヒツギはその逆の可能性を感じていた

(・・・どちらかというと超機人のテストなのかも知れない)

>>164>>165
どうやら統久をこちらに乗せることに決まったらしい
VTXといえば件の事件を引き起こした機体のはず、その現物がよく残っていたものだ

直感的に統久の・・・いや、統久の後ろ側にキナ臭さを感じていたヒツギではあったが
彼女自身に悪い印象はない、彼も歓迎するように頭を下げた

167 ◆Tg./UqnJ52:2013/05/14(火) 19:11:17 ID:aV4xwWFM
>>165-166
レイナから承諾の意を得た統久は「うむ」と納得するような相づちを打って、

「では行動を開始するとしよう。……ただその前に、レイナ嬢と二人で詰める話があるな。
ユージン、護衛の二人と一緒に、しばし外してくれ」
「わかりました。ではシュナイダー様、ハヤセ様、こちらへ」

内線の受話器を置いたユージンが、応接室の入り口付近に立ち、部屋の外を指し示した。

168 ◆zv577ZusFQ:2013/07/13(土) 08:10:19 ID:o5DmaPIk
「…いやぁ、超機人は強敵でしたね」

ある一人のメイドが能天気にそんなことを呟いている。
まぁそんな軽い口を叩けるのもなんとか無事に今回の依頼を達成?出来たからなのであるが。

「ま、まったくです。要件が済んだなら一目散にここを去らないと、派手にやっちゃいましたし……」

別のメイドが返す。
実際は山中にてかなりの激戦が繰り広げられたはずなのだが、それはこの際振り返らない事にする。

「では、お嬢様。艦の進路をどちらへ取りましょうか?」

操舵を務める他、艦の主だった機能を単独で抱えるイクリプスは、今回のことが有った後も普段変わらぬ至って涼しい顔をしていた。
……彼女にしてみればこの死線も中の下程度の仕事だったと評価している。

そして、いついかなる時でも動ける様、主の言葉を待ち受けている。

「ふむ……オーストラリアの屋敷に残して来たアレの様子が気がかりだ。欧州の外道どもの手にかかるのも不快極まりない。さっさと回収しに行かねばならないわ」

アレとはなんぞ?と気になるだろうが
次の目的地は決まっていた様だ。世界のお尋ね者となったアルプ・トラウムはその身をステルス潜行にて隠しつつ、オーストラリアへと向かう。

169エミリー ◆jclrQ5ykSY:2016/05/09(月) 22:06:10 ID:iOsjHfGA
「サイラス3…」
救援任務…私はその内容を愛機を載せた輸送機内で聞いていた。
サイラス3…何故あんな僻地に帝国軍が…
あそこには国防軍の補給基地が存在するって聞く。
だけど、その基地は帝国も知らないとか…

「ユウセイ、ライオ…帝国軍がサイラス3に攻撃を仕掛けたらしいわ。
帝国軍の侵攻は兎に角、どうしてあんな所に…
救援は私が向かうから、到着前にサイラス3に何があったのか調べて欲しいの…
そうね…後は国防軍が迎撃中の戦闘記録とか、国防軍の機体とか…
国防軍が私達“オーダー”に情報をくれるとは思えないし…
敵機のデータについては後で私が送るから…
よろしくね!」
私が音声メッセージを送った先は同胞、ライオ・グライワードとハヤミ・ユウセイ。
ライオは国防軍から出向して来た騎士だから、
何か知ってるかもしれない。
そしてユウセイ…彼は騎士団で分析とメカニックを任されている。
そして、彼は諜報機関に居た男だ。
国防軍に状況を聞くより、彼らに調べてもらった方が情報を得やすいと考えて、私は出撃前に彼らにメッセージを送っておいた。

170 ◆JryQG.Os1Y:2016/05/10(火) 10:36:22 ID:GSdjo3kw
))「ユウセイ、ライオ…帝国軍がサイラス3に攻撃を仕掛けたらしいわ。
帝国軍の侵攻は兎に角、どうしてあんな所に…
救援は私が向かうから、到着前にサイラス3に何があったのか調べて欲しいの…
そうね…後は国防軍が迎撃中の戦闘記録とか、国防軍の機体とか…
国防軍が私達“オーダー”に情報をくれるとは思えないし…
敵機のデータについては後で私が送るから…
よろしくね!」

「人使いが荒いことで…まぁいいですけど」
ユウセイはグロースリーから帰還後
出向命令により元いた諜報機関にいた
ある程度の情報を把握後
エミリーに通信を入れる
「エミリーか?ユウセイだ、先程の件だが
どうやら帝国側の追撃戦らしい。
どうやらどこかの遊撃部隊がヘマをしてサイラス3に逃げ込んだところを仕掛けてきたと見える
味方の機体はいつも通りの低コストの如何にも共和国的な機体スチュパリデスmark2
だ。
あ、多分殆どやられてる。それと」
「重要なお知らせが一つ、サイラス3ではどうやら、フェアリーフォースプロジェクトが進行していたらしい…ん?」
サイラス3のデータを再度洗い直すと
「あ、エミリーできるだけ早く向かったほうがいい。フェアリーフォースの全3機
既に発進してる
正直パイロット練度はあまりよろしくない

データを送るから頭に入れといて!
何かわかったらまた連絡するから」
そう言うと通信を切り
エミリーに三機体とパイロットのデータを送った
…(さてとここで培ったものはちゃんと生かさないとね)
再びデバイスと睨めっこしだす

171エミリー ◆jclrQ5ykSY:2016/05/13(金) 21:50:17 ID:L9p4Cup.
>>170
「フェアリーフォースってあの…」
国防軍の精鋭部隊…
三機で結成された精鋭を操るのは民間人からの選抜だとか…
大々的に披露された機体は私も見た事はあるけど…

「パイロットの練度が足りないって事は、まだ延びるかもって事でしょ?」
確かに…民間人からの選抜では、実戦経験を期待する事は出来ないだろう。
だけど…実戦経験が無いって事はどんなパイロットかも解らない訳だ。


「あ、ミック少佐…」
ユウセイからの通信が切れた後、上官であるミックから通信が入る。

「はい…はい…あの二人に関してはサイラス3に関しての情報を…えぇ…私も直ぐに…ですが…えぇ!?」
私はミック少佐と交信し、通信を切るが、ミック少佐の一言に驚愕する。
ミック少佐は先行すると言っている。
だけど、あの人の手元には人型に対抗出来る兵器が無い。
だけど、ミック少佐は問題無いみたいだ。
確かに、あの人の強さは尋常じゃ無い。
私も剣を交えた事はあるけど、私は変わった技を相手に手も足も出なかった…
とは言え、人型の兵器も無い状態で帝国軍の兵器にどうやって…

172 ◆tb48vtZPvI:2016/06/10(金) 22:52:51 ID:rh.b.qwg
>>82
機体中央を貫かれたサイクロプス散華!「グワーッ!」
更にばらまかれるソーサー! 縦横無尽にランダム軌道を描くソーダーの動きは、サイクロプスのパイロットはもちろんのこと機体のCPUにも読めない!
「チクショウ!」一機のサイクロプスがソーサーを撃ち落とそうとするが…SLASHSLASHSLASH!四肢切断の憂き目を見て撃破!「アバーッ!」
「クソッ、案外やるぞこいつら!」「奴らを呼べ!」
サイクロプス一機がボウガンに信号弾を装填し発射した。幾つかの光の球がそれぞれの色で宇宙に咲いた

「オイ、新手が来たそうだぞ」
防衛艦隊を掃討中だったモーターオニのパイロットが、スチュパリデスMk-2の残骸を弄るジ・オーガのパイロットに告げた。
「ちょうどええ、おらもムシをプチプチするのはあきてきたところだァ。…なんと、あのむすめっこのヒトガタににとるだなァ!」
ジ・オーガのパイロット…ブグ・ラドブグは醜い顔に貪欲そのものの笑みを浮かべた。2機は揃って苦戦する自軍の方へ向かった。

173ユウセイ ◆JryQG.Os1Y:2016/06/12(日) 23:04:52 ID:9mfdGjjI
戦闘スレ >>105
「こいつは…資料にあった、だが」
出撃許可が出ないことにイライラしながら、サイラス3の衛星中継や通信記録を再度洗い直しながら
表向きのディランに関しての資料ではこの機体はなかった
だが、裏向きつまり極秘情報によるとディランはその出身の星に関わっている特殊な機体を持っているといわれている
「だが、あれは…特機なんかより寧ろ、巨人だ。」
益々、気になるところでアニーシャの中継が切れ
更にイライラしながら情報を集めていく。

174エミリー ◆jclrQ5ykSY:2016/07/01(金) 21:56:47 ID:HVSKKX1E
【艦内、食堂にて】

「色々あったなぁ…」
サイラス3への遠征から、やっと自由時間を貰えた私は、ドナール准将が用意してくれた艦艇の食堂で休息を取る。
長かった気がするが今回のミッションはサイラス3の援護から始まり、次は移送の護衛。
ただそれだけ…まだ次の出撃だってありえる。
まだ始まったばかりなんだ…
なのに何故…?長い遠征の途中みたいな気分になる…
理由は解っている。色々な事が起きてるからだ…

「フェアリーフォース…」
国防軍が設立したチーム。
ツバサってコ…あのコはさっきの戦いで大きな成長を見せている。
潜在能力の開花…それにしても早い…
だけど他の二人は…
ミレニアお嬢様…
ノルヴァ家…共和国の貴族のお嬢様だったか…
あれがリーダーとは…
そしてアニーシャ…
あのパフォーマンス…アイドルにでもなるつもりか…
何れにせよ、三人には未だ大きな壁が…

「ガバノイド…」
セレニアンの天敵…
彼女たちはあのガバノイドから辱めを受けている。
彼女たちがあのガバノイドを倒さない事には…
それに、彼女達があのガバノイドを倒せば、セレニアンを呪われた歴史から解放する第一歩になるかもしれない。
それを期待して、私はあのガバノイドを逃したんだけどね!

「ディラン…」
私とミック少佐がサイラス3のサイクロプスを撃退してから到着した騎士。
さっきのミッションでは、ミック少佐のサポートを務めていた。
あんな支援機で…ミック少佐の動きについていけてるって事だ。凄いセンスだ…
だけど、途中でコクピットからディランは何処かに姿を消していた。
一体何処へ…?

「巨人…」
そして突然現れた謎の巨人…
騎士団には古くから伝わる神話が幾つかあるけど…
あれもそうなのか…?
だったら何故現れたんだ…
あの巨人は一体…?
そう言えば巨人が現れたのって、ディランが消えた後…
だとしたら巨人とディランに何か関係が…?

「………」
私はテーブルに缶ビールを何本か置き、そのビールを飲みながら今まで起こった事を思い出す。

175 ◆JryQG.Os1Y:2016/07/02(土) 00:40:05 ID:jRQhKRBI
ユウセイは戦闘後暫くして護衛任務の名目上、コスミックオーダーに合流していた。
「エミリー…!」
エミリーのことだから戦闘後は呑んだくれているだろうと思っていたが予想どうりであった
そして、彼女が知りたいこともなんとなく理解していた。
「来て本当に良かった、その様子じゃ操縦は無理だな。これ、一応ディランの表側の資料ね」
あえて表側の資料と言ったのは裏もあるということ
「そしてこれが…」
タブレットでとあるファイルを開くそこには
諜報部が独自に調べた巨人のデータが書かれてあった
「俺もあまり詳しいことはわからないが、少なくともあれはロストロギアつまり、失われた技術だ、…ディランはどこに?」
ユウセイとしては一刻も早く巨人の解析を進めたいのだが
果たしてそううまくいくかどうか

176エミリー ◆jclrQ5ykSY:2016/07/02(土) 23:29:58 ID:fK4qAUeg
>>175
「あれ〜ユウセイじゃない…」
誰かと思えば、ユウセイじゃないか。
彼はコズミックオーダーの同志だ。
護衛任務の名目で来たのだろう。
それにしても、酔いがまわる…
気分がハイになる。
疲れ切った身体に酒を入れてるからだ…

「気が効くね〜。さっすがユウセイ!」
ユウセイが持ち込んだタブレットにはディランの資料と巨人の資料…
ディランはアルケイン家の騎士…
田舎者だけど、あのセンスは確かだ…
それにしても表側か…
ディラン・アルケイン…彼は一体…?
それにしても…

「失われた技術か…」
巨人…やはり神話の一つか…
タブレットには巨人に関するデータが書かれてるけど、酔いのせいか…
文字を読んだだけで頭が痛くなる…
だけど、諜報部が独自に調べた…?
私は神話とか歴史とか、そう言うのは苦手だから詳しくは解らないけど…
あの巨人のデータは極秘なのか…?
詳しい事まではユウセイでも解らないみたいだ。
だからと言って、私も詳しく考えるつもりは無い。
余計に頭が痛くなりそうだからね…
そう思いながらタブレットの画面をなんと無く見てると…



「あれ〜お嬢様〜…お疲れ様でぇ〜す。」
機体にリンクさせていた私のタブレットに通信が入って来た。
ミレニアお嬢様からだ…

「廃コロニーですか〜?心配しなくてもぉ〜
大丈夫ですよぉ〜」
ビールを飲みながら通信を返してるけど…
廃コロニーから救援?不自然だ…
嫌な予感する。酔っていても解る…
明らかに罠…
ミレニアお嬢様め…疑う事を知らないのか?
違う…

「ユウセイ〜救援信号だけどぉ〜廃コロニーだってぇ…でもぉ、コズミックオーダーは〜、関与するなって〜」
焦っているんだ…
コズミックオーダーの関与を認めないのは、
手柄が欲しいからだろう…
事実…フェアリーフォースは二度にわたってコズミックオーダーに助けられている。

「どうする〜?フェアリーフォースのリーダーは〜、ノルヴァ家のお嬢様だよ〜」
ノルヴァ家…共和国内でも地位の高い、大きな権力を持った貴族だ。
そしてこの艦艇はドナール准将の用意した物…
ドナール准将がミレニアお嬢様より下の立場である以上、この艦艇はミレニアお嬢様のモノも同然…
ミレニアお嬢様の権限は確かだ…!
コズミックオーダー用のブロックを用意したのはその為か…!やられた…!
酔いに任せていれば多少の事にはムカつかないと思ったが、気が付けば飲み干した缶ビールを握り潰している。

177 ◆JryQG.Os1Y:2016/07/02(土) 23:44:33 ID:yPvrRk6c
「…廃コロニーか」
情報を見るとかなり昔に破棄されているコロニーのようだ。
「待ち伏せにはもってこいだな…俺らの介入を許さないということは素直に考えれば手柄が欲しいんだろうな
さすがに名家だ、罠だとわからないはずもあるまい」
それに
【捕まったら捕まったでこちらにとっては都合がいい】
となるとコスミックオーダーにとって最大の利益にするには
「放っておけ、果報は寝て待てだ。後…」
エミリーの酒を取り上げ
「暫くしたら出撃命令が来る、酔いを覚ましてきて」
そういい、エミリーからラスト一本を取り上げ自分で飲みつつ、食堂で軽食を頼む。

178 ◆tb48vtZPvI:2016/07/03(日) 17:46:24 ID:IE8T1x.Y
調整が一段落ついたところでミックは騎士研修生たちに呼集をかけた。エミリー、ディラン、ユウセイ。ミックはオーダーに与えられた一室で全員の顔を見渡した。
「ドーモ、ジン・ミックです」ミックはディランへ単刀直入に尋ねた。「早速だが、ディラン=サン、オヌシのガイア・セイヴァーについて訊きたい。あれは一体何物だ?」
古代遺物、ロストロギア、ブラック・テック、オーパーツ…過去に存在した文明が遺した技術やそれにまつわるアーティファクトに関する呼称は多い。しかし、間近に見た者の勘ではあるが、ガイアはそれらとは異なるものという気がする。
また、一刻も早くガイアを純粋な騎士団の戦力に数えたいという欲もあった。今の騎士団に特機級の戦力はないのだ。国防軍も軍縮傾向にあり(まだ戦争は継続中だというのに!)、特機・準特機の保有数は減少傾向にある。当然騎士団に回される特機はない。
ミックとしては期待と不審という感情をディランへ向けてしまう。

179エミリー ◆jclrQ5ykSY:2016/07/03(日) 22:02:40 ID:Emn05G3I
>>178
「ミック少佐ぁ〜お疲れ様で〜す」
上官であるミック少佐の招集に従い、
私は足をフラフラさせながらミック少佐の下へ赴く。
まさか出撃命令よりも前に招集命令があるとは…
酔いは未だ醒めてない…

「巨人…やっぱり〜あの巨人は〜ディランと関係が〜?」
ミック少佐はディランに巨人に関して聞いている。
確かに、巨人が現れたのはディランが消えてからだ…
そして質問の内容…いや、聞き方と言ったところか…
ディランのガイア・セイヴァー…
あれはディランの特機なのか…?
それならどうして最初からあれを使わなかったのか…?
ディランが最初に載ってたのは国防軍の支援機だ。
ディランが出し惜しみをする人とは思えない…
何か理由が…

「ところでぇ〜フェアリー・フォースなんですけど〜」
廃コロニーの救援信号…
明らかに罠だ。
だけど、ミレニアお嬢様はオーダーの関与を禁じてきた。

「ミレニアお嬢様の権限は本物ですよ〜
逆らえないって言うか〜
簡単には出撃出来ませんよ〜」
お嬢様はノルヴァ家の娘だ。
そして此処はドナール准将が准将が用意した艦艇…
事実上、この艦艇はミレニアお嬢様の指揮下と言う事だ。
だけど、後に出撃命令が出るとユウセイは言っている。
あのプライドの高いお嬢様が私達に助けを乞うとは思えない。

180 ◆HU7XfvOYA2:2016/07/04(月) 13:07:17 ID:8SkPovpo
>>178
「そうですね……一言で言うと解りません。ただ…少なくとも、味方かと。」
ミックの挨拶に「ドーモ、ディランです。」とキッチリと返すが、続く追求には困ったような表情を浮かべ、曖昧な言葉を返し右腕に装着されたブレスレットを左手でそっと撫で。
「こいつは…私の父から授けられた物ですが、ガイアを呼び出すことが出来るとは教えられていませんでした…此方に来る前に一度、偶然呼び出せただけです。」
今現在では、三人に伝えられる事はあまりにも少ない。自分も、殆ど理解出来ていないのだ。そう三人に告げて。

181 ◆tb48vtZPvI:2016/07/04(月) 23:26:43 ID:7.ZUvi4o
>>180
「確か、オヌシの御尊父は行方不明であったな」
軽い失望を覚えながらミックは言った。ガイア・セイヴァーについては「詳しいことは何もわからない」ということがわかっただけだった。
「…待て、ここに来る前に一度呼び出せた、と言ったか?」

182 ◆HU7XfvOYA2:2016/07/05(火) 10:52:03 ID:qO1NUvoQ
>>181
「故郷が襲撃された際に、偶然ですが……それ以来、うんとも寸とも反応が無かったんですよ。」
ミックの問いに肩を竦めて応えるディラン、現在オーダーに提供されているガイア・セイヴァーのデータはその際に観測出来た物である。

183 ◆tb48vtZPvI:2016/07/06(水) 02:19:59 ID:B5gc5UY6
>>182
「故郷の襲撃か…」
ミックは呻いた。それが召喚(この表現が正しいのかさえわからないというもどかしさよ!)のキーか?
しかし、それならばコロニー防衛ミッション発動時点で呼び出せてもおかしくはないはずだ。
検証・判断を行うにはどうにも材料が足りない…

184三姫VS邪神① マヤVSグレートハウンド級 ◆h9Hr5c.eFE:2018/01/30(火) 19:33:27 ID:I/B3CgQE
都市部から遠く離れた山岳地帯の上空を、一機の輸送機が通過しようとしていた。
陽光に照らされて銀色に輝く機体は、G系・H系PTを3〜4機積載できる程度のキャパシティを備えており、しばしば短距離間の空輸手段として、ヒュッケバインMK-IIなどの移送に用いられていた。
しかし、今日に限っては積み荷はPTではなく、とびきり厄介な代物だった。
「……暑い」
「は?」
頓狂な声を上げたパイロットのシートめがけて、後ろから情け容赦ないキックが叩き込まれた。
「暑いって言ってんの! 何とかしなさいよ!」
後部シートに腕組みをしてふんぞり反っているのは、パステルピンクのレオタードのような衣服に身を包んだブロンドの美少女――マヤ・ランベリーだった。
「だ、だから言ってるでしょうランベリーさん? 空調が壊れてるんですから、少しの間我慢してくださいよ……」
「ったく、何で予め知らせないのよ!そうすれば別の機体を手配させて、焔姫を載せ替えておくことだってできたのに! んっとに使えないわねっ!」
次から次へガシガシと足蹴りをシートの背もたれに叩き込まれ、中年のパイロット、オスカー・モーリスは暑さによるものとは別の嫌な汗をかいていた。
「そんなことできやしませんよ。運航にも段取りってもんがあるんですから……」
ちなみにこんな様子だが、二人は数十分前に顔を合わせたばかりの、正真正銘の初対面である。
欧州支部に接収されて久しいマヤと焔姫だったが、この度シルヴィエ・クロイツ主導のもと、両者を正式に部隊編成に組み込むための機体改修が敢行された。
背部にリフターユニット「斑鳩・焔」を増設されて生まれ変わった焔姫は、これより晴れて演習場に向かい、その性能についての評価試験を受けるのである。
命令という命令に悉く反抗し、上官に手を焼かせてばかりのマヤだが、愛機の強化改修には目に見えて気を良くしており、評価試験そのものについては意欲的だった。
「あの、ランベリーさん……到着までには、ちゃんと元の格好に着替え直しておいてくださいよ?」
「は? なんでよ?」
「いやその、挨拶やら手続きやらありますし、規律というものを多少は意識していただかないと……」
今彼女が身に付けているのは、焔姫の操縦に用いられる『LDMLスーツ』という専用パイロットスーツだった。
ニューロンファイバーを内包した生地はパイロットの挙動を忠実にメカに伝達する機能を備え、破れても機体内の調整槽で修復が可能という高性能な装備なのだが、いかんせん見た目が水着か下着か、それ以上に際どい何かにしか見えないのが難点であり、とても改まった場に相応しい格好とは言えなかった。
一応マヤは軍服(趣味によってかなり生地を削ったものだが)を着てこの輸送機に乗り込んだのだが、空調が壊れていることを知るや、「こっちの方が涼しい」と、機内でさっさとこのスーツに着替えてしまったのだった。
「ふーん。あっそ。じゃあ、到着が近くなったら教えてよね。あたし寝るから」
言うや否や、マヤは両足を組んで、シートに深く身を沈めた。
傲慢不遜な言動に思うところが無いわけではなかったが、これでやっと静かになるだろうと考え、モーリスは素直に「了解」と返事をした。
フライトはつつがなく進んでおり、日没までには目的地に到着する段取りである。
この鬼のような小娘とももう間もなくおさらばだ。そう思うと俄然活力と前向きな気持ちが甦ってくるというものだ。
モーリスは意欲を奮い立たせ、提示報告のための無線を開いた。
「こちらC-14便。間もなくポイント300を……」
その時であった。
突如として、猛烈な衝撃が機体を揺るがした。
何かが後方から激突してきたかのような振動を受け、後部座席で眠りこけようとしていたマヤも思わず飛び起き、声を上げた。
「なっ、なな、何!? 何なのっ!?」
「わ、わかりません! メインスラスターに損害……!?」
機内にガタガタという異音が響き渡り、各種計器の数値が急激に低下。急激なGと振動に、さすがのマヤも青ざめていた。
「何だこれは!? ビーム砲撃でも掠めたっていうのか!?」
「はあああ!? ちょっと、何とかしなさいよ! あたし死にたくない!!」
「やってます! やってますから、シートベルトを締めて大人しくなさい!!」
輸送機は炎を上げながらも辛うじて航行補助用のテスラドライブで姿勢を制御し、険しい山脈の中腹へと落ちていく。

「……」
そんな機影を、地表に屹立する断崖の上から見詰める異形の影があった。
『彼』は後方に控える部下達に、低く唸って合図をする。
その口腔は著しい高熱を帯び、黒煙をもうもうと立ち昇らせていた……

185三姫VS邪神① マヤVSグレートハウンド級 ◆h9Hr5c.eFE:2018/01/30(火) 19:34:44 ID:I/B3CgQE
輸送機は辛うじて胴体着陸に成功した。モーリスの判断によって切り離されたスラスターユニットは直後に空中で爆発四散。一瞬でも判断が遅れれば、取り返しの付かない事態になっていただろう。
しかし、最悪の展開こそ免れたとはいえ、状況は深刻そのものだった。輸送機は完全に推力を喪失。加えて、落下時の衝撃で内部の電気系統が断線を起こした結果、中継衛星との通信システムが使用不能となり、友軍に状況報告はおろか、現座標を伝えることすらできない状況に陥っていた。墜落地点は切り立った大山脈の只中であり、自力での脱出は困難を極める。
そして、識別不明の熱源反応が5つ、不時着地点に向けてじりじりと接近しつつあった。何らかの火器によって砲撃を仕掛け、輸送機を撃墜した張本人かその一味と捉えるのが妥当だろう。
機体底部の貨物室内で予備電源を立ち上げながら、モーリスは焦燥に駆られて声を荒げた。
「嘘だろ……何でこんな便が狙われるんだ!? 大した積み荷なんて積んでないのに!」
ガンッ! と輸送機に衝撃が走る。
といっても目下2000m先にいる敵から攻撃を受けたのではない。目の前で『彼女の愛機』が貨物室の内壁を叩いた衝撃だった。
「もっかい言ってみ? だぁれが大した積み荷じゃないって?」
焔姫は無事起動に成功したようだった。実際に稼働している所は初めて見たが、成程これがダイレクトモーションリンクの力だろう。壁に手を突き、威圧するようにこちらを見下ろす少女型ロボットの仕草は、まさにマヤの生き写しだった。
「てか、まだなわけ? 支度ぐらいさっさと済ませててほしいんだけど?」
「ほ、補助電力の立ち上げ完了しました。これを利用すれば通信ユニットへのバイパスは可能と思われます……しかしランベリーさん、本当に……」
「ハッチ」
「え?」
「ちっ……ハッチ開けなさいって言ってんの!グズグズしてんじゃないわよこのノロマ!」
焔姫の尖ったヒールがモーリスのすぐ脇の床をガツンと踏みつける。彼は慌てて手にした端末にコマンドを打ち込んだ。
「ろ、ロック、解除しました! 非常用ハッチ開放します!」
エアチェンバーの二重ゲートがけたたましい音をたてて開き、貨物室に風が吹き込む。
「ったく……わかってると思うけど、あたしが発進したらすぐここを閉じて、静かに閉じ籠ってなさいよ。
余計な援護とか気遣いとか、そういう邪魔くさいのは一切なし。いいわね?」
敵の移動速度を鑑みるに、会敵まではまだ十分な時間があった。
マヤが自ら敵集団に突撃して輸送機から距離を取った地点で応戦し、その間にモーリスが通信システムを回復させ救援を待つ。一連の対応はマヤの提言によるものだった。
敵性反応の接近を知るや、彼女は迷いなくこの判断を下し、機体に飛び乗っていた。
その勇気と決断力、自分に対する不言の気遣いに対し、モーリスはマヤ・ランベリーという少女に対する認識を少なからず改めた。そして、民間人上がりの彼女に頼らざるを得ない自らの非力を恨めしく思った。
「……可及的速やかに通信システムを復旧します。ご無理はなさらず、耐え凌ぐことだけを考えてください」
「はぁ? たかが雑魚5匹にこのあたしが防戦? なめないでほしいんだけど。
5分足らずで全滅させてやるっての」
焔姫が機体の外へ踏み出す。ツインテールにウサギ耳の可憐な機体の後ろ姿が、今のモーリスには不思議と勇ましく、頼もしいものに思えた。
「こっちはもう、どっかのポンコツとは違うエアコンの効いた快適な輸送機に乗り換えて、むこうでシャワー浴びてのんびりするとこまで考えてんのよ。わかったら、さっさと仕事に取りかかんなさい」
「了解です……どうかご武運を!」
「…ふん」
左手を背中越しにひらひらと振ってみせると、焔姫は猛然と地を蹴り、目的のポイントを目指して駆け出した。

186三姫VS邪神① マヤVSグレートハウンド級 ◆h9Hr5c.eFE:2018/01/30(火) 22:47:40 ID:I/B3CgQE
マヤは得物の大剣、ブルーティッシュ・ブレードを右肩に担ぎ、断崖の上に立ち並ぶ敵集団を一瞥した。
「…こいつら、ひょっとしてウワサの…」
砲撃を警戒しながら歩を進めた先で彼女が遭遇したのは、全く予想外の存在――黒色の「四足獣 」の群れであった。
犬やオオカミであれば顔と呼ぶべき部位には、赤い光球が等間隔で6つ並んでおり、耳や鼻らしきものは付いていない。
どこか骨格のバランスに違和感を覚える身体を注視すれば、体表には毛も一切映えていないらしく、安物のゴム手袋のような質感の皮膚が剥き出しである。
この種の生物としては冗談のように巨大であることを差し引いても、およそ地球の生態系に属する生物の容姿とは思えない。
「……ブッサイクなワンコロどもね。ちっとも可愛くないわ」
その中でも一際目を引くのは、マヤから見て真正面、群れの中央に鎮座している個体だった。
焔姫のセンサーが、他の個体の全長を15メートル前後と解析している中で、一体だけその2〜3倍はあろうかという巨躯を持ち、微動だにせずに整然と焔姫を見下ろしている。後ろ脚を伸ばして立ち上がりでもすれば異様な大きさであろう。
「ったく。この焔姫パワードの初お披露目の相手がこんなのだなんて、サイアクの気分だけど……」
睨み合う両者の間に、ピリピリと張り詰めた空気が漂う。
「ま、いいわ。あんたがボス犬でしょ? だったら話が早いわよね。即叩き切って、周りの雑魚どもに身の程ってヤツを弁えさせてあげるから。
さあ、さっさと降りてきなさ……」
そこまで言いかけたとき、当の巨獣が僅かな動きを見せた。右隣の個体に、何かを鼻先で促すような仕草ーー
間髪入れず、指示を受けた一体が飛び出してくる。
「!」
落下するかのごとき勢いで絶壁を下るその身のこなしは、まさにイヌ科の獣そのもので、サイズを考えれば異様な光景といえる。
だが、そんなことを考える間もなく、獣は「口」らしき部位を開き、鋭利な牙を剥き出しにして焔姫に飛びかかってきた。
「こいつっ!」
反射的に重心を大きく沈めて身をかわすと同時に、ブレードを横凪ぎに一閃。マヤの一挙手一投足を淀みなくトレースした焔姫の反撃は、しかし虚しく空を切った。
(速い!)
獣は焔姫の背後に着地するや、すぐさま身を翻して二撃目に転じる。
「はっ! ワンコロに易々と噛みつかせてなんか……」
迎え撃たんとした焔姫の眼前で、不意に獣の前肢が‘’割れた‘’。

187三姫VS邪神① マヤVSグレートハウンド級 ◆h9Hr5c.eFE:2018/01/30(火) 22:50:51 ID:I/B3CgQE
「えっ…?」
そうとしか認識できないマヤの左の脇腹に、次の瞬間鋭い衝撃が走り抜けた。
「くぁんッ!?」
ぱちぃん! と音を立てて、淡いピンク色のLDMLスーツが破れ飛んだ。
激感を堪えて辛うじて目で追った先で、獣は先程までとは様相を一変させていた。
「腕」が生えている。
前肢の付け根から枝分かれするようにして、三本の巨大な鉤爪を備えた筋肉隆々の副腕が一対、高々と掲げられていた。
鉤爪の又の間にはバチバチと青白い電流が迸っている。すれ違いざま、あの爪で腹部を掠められたのだ。
「ちぃっ……! んっとに気持ち悪いイヌ畜生ねっ!!」
悔しさも露わにそう叫ぶや、左前腕のアームファランクスを展開し、斉射する。
獣は地面を、断崖の壁を縦横無尽に跳ね回りながらそれを回避していく。
「このっ! このっ! ……このぉっ!!」
ブレードを持ったままの右手からもファランクスを展開し、乱射と表現するべきレベルで両腕から弾幕をバラまき続ける焔姫。
獣はその中を猛然と掻い潜り、再び焔姫の脇を掠めるようにして、副腕のクローを振るう。
「あぅッ!?」
焔姫の胸部装甲が火花を上げ、衝撃のトレースを受けたマヤのGカップバストがぶるんっと跳ねる。しかし当たりは浅く、塗装が僅かにめくれ上がった程度だった。
獣は軽業のごとく転身し、後方から左右の副腕で焔姫を追撃する。
「くッ、あッ、ふぁッ!? こ、のっ……!!」
ブレードで攻撃を捌きつつ、前蹴りを放つ焔姫。しかし獣は身を低くして回避し、そのまま掬い上げるようなタックルを見舞う。
「ぅあッ!?」
転倒する焔姫。その上にのしかかるや、獣は焔姫の喉笛に食らいつかんと大口を開いた。
焔姫は迫り来る顎をブレードの腹でどうにか押し止め、耐えしのぐ。
「んぐッ…! …こ、こいつ……っ!」
頬の皮を裂くようにして露になった口腔には、スタンガンのように電流を迸らせる二対の鋭利な牙が見えた。
「ぁんッ!?」
バチン! と電流が弾ぜ、焔姫越しにマヤの首筋に鋭い刺激を与える。地に押さえつけられたままビクン! と身をくねらせる焔姫。
パワーで上を行くのは獣。このままの体勢では押し切られることは明白だった。
「くぅぅぅ……っ! 調子、乗んなぁっ! レーザーキャノンっ!」
マヤの声が指令として機体に伝達する。一瞬の後、背部の斑鳩ユニットの上面カバーが展開。小口径のレーザー砲が現れ、脳波コントロール照準により、ギリギリまで出力を絞った一撃を獣の顔面に照射した。
眼のいくつかを焼かれ、ギャンッという叫び声と共に身を仰け反らせて跳びすさるその隙を、マヤは逃がさない。

188三姫VS邪神① マヤVSグレートハウンド級 ◆h9Hr5c.eFE:2018/01/30(火) 22:55:29 ID:I/B3CgQE
「…ブルーティッシュ・ブレード、イグニッションっ!!」
手にした大剣の峰に並べられた5門のスラスターが火を吹き、たちまち持ち主たる焔姫の体勢を立て直させると、弾丸の如く一直線に加速させる。
「でえぇぇやあああああああああッ!!」
半ば前方の崖に突っ込むようにして、焔姫は勢い任せにブレードを獣に叩き付けた。
「グギィィィィィィッ!!」
獣は断崖に激突するや胴から真っ二つになり、醜悪な断末魔を発する。砕け散る岩盤と共に、墨汁のような黒い体液が盛大に吹き上がった。
「……うっわ…なるほど。やっぱり『邪神属』ってヤツだったのね。話には聞いてたけど、ほんっと薄気味悪い……」
崖に深々と刺さった剣を引き抜き、忌の際といった体でピクピク痙攣する獣の上半身を、ふん、と鼻を鳴らして一瞥すると、マヤは勝ち誇ったようにその首筋をヒールで思いきり踏みつけ、崖の上に立つ巨獣を再度仰ぎ見た。
「…!」
しかし、マヤの目に飛び込んできた光景は、およそ彼女の期待に反するものだった。
だんまりを決め込んだままの取り巻き三匹の後ろで、巨獣はそっぽを向いて大きく口を開き、「オォォォォ……」という弱々しい唸りを発していた。
欠伸のように見えた。先程までマヤに向けて投射していたような敵意、あるいは警戒のようなものがもはや微塵も感じられない、間延びしきった態度。どうやら決着の瞬間すら目にしていなかったらしい。
野性の勘とも言うべき第六感でそれを感じ取ったマヤは、ひどく気分を損ねた。
「……あんたねぇ!! こんな雑魚一匹けしかけて、このあたしを値踏みでもしたつもり!?」
ビッ、とブレードの切っ先を向け、怒声を上げる。
音声は外部出力にしてあるため、外耳がないのが少々不安ではあるが、ハッキリと巨獣の聴覚にも届いているはずだ(そもそも獣に人語が理解できるのか? という疑問はマヤには無いようだった)。
「このマヤ・ランベリーちゃんと! パワーアップした焔姫が直々に相手をしてやるって言ってんの! エラそうに見下してないで、さっさと降りてきなさいよっ!!」
恫喝の意を込めて左のファランクスを放つ。巨獣の足下で火花が弾け、欠けた岩石が飛び散ったが、それでも巨獣は身じろぎ一つせず、無感動にきょろきょろと周囲を見渡していた。
「……〜っ!! なめてんじゃないわよッ!!」
いよいよ痺れを切らしたマヤは、斑鳩のブースターを点火し、自ら巨獣の元へと突撃せんとする。

189三姫VS邪神① マヤVSグレートハウンド級 ◆h9Hr5c.eFE:2018/01/30(火) 23:00:36 ID:I/B3CgQE
だが、その行動が良からぬ展開を招いた。
ボスへの攻撃の気配を察知したのだろう。両脇に控えていた三匹の獣が、一斉に動きを見せたのだ。
「!」
スラロームのような挙動を見せつつ、高速で崖を下る二匹。残る一匹はブースターで上昇開始した直後の焔姫目掛けて、矢のように突っ込んできた。
「きゃぁッ!?」
体制を崩し、背中から地面に叩きつけられる。
「……っにすんのよっ!!」
慌てて身を起こすと、3匹の獣はターゲットを中心として等間隔を保ちながら逆時計回りで駆け巡り、繰り返し旋回を始めていた。
「……ハッ、みっともなくキャインキャイン鳴いて逃げれば、叩っ斬られなくて済んだってのにね……」
焔姫は腰を落とし、ブレードを正眼に構え直す。
「このあたしに楯突いたこと、全員まとめて後悔させてやるわ!」
大胆不敵な言動とは裏腹に、マヤの頬を冷や汗が伝う。
1匹でも『それなりに』手応えのあった獣を3匹同時に相手取らねばならない。となれば、物を言うのは鋭敏な反応と対処である。まずはこの包囲網から脱し、各個撃破を可能とする必要がある。
マヤは神経を研ぎ澄まし、周囲180°の気配を読み取らんとする。
視界の左前方、10時方向に差し掛かった一体が、ガバッと肩口から副腕を展開する。
(来た!)
天性の動体視力と反射神経に突き動かされ、即座に迎撃態勢を取るマヤ。
「見逃さないってのっ!」
鉤爪で切りかかってくるその喉元を目掛けてカウンターのブレードを一文字に走らせ、その勢いのまま包囲網をーー

190三姫VS邪神① マヤVSグレートハウンド級 ◆h9Hr5c.eFE:2018/01/30(火) 23:04:22 ID:I/B3CgQE
「……ふぁんッ!?」
背中に衝撃が走り、よろける焔姫。
飛び掛かって来たのは副腕を展開した個体ではなく、後方の一体だった。目前の個体は軽快なバックステップから円運動を再開する。まんまとフェイントに嵌められたのだ。
「くぅっ……! な、何よこいつら! 生意、気、っふあッ!? くッ、はうッ!?」
悪態をつく間もなく、次々に攻撃を仕掛けてくる獣達。左の太股と右肩を立て続けに斬りつけられ、LDMLスーツの生地が爪痕型に引き裂かれる。
「こん、のッ……あうッ!? きゃあっ、あんッ!?」
時には死角から、時には正面から、高速の円運動を不規則に切り上げながら、予測不能の連撃を一矢乱れぬチームワークで仕掛けてくる。
想像以上の危機的状況に置かれ始めていることを悟りマヤは冷や汗をかき始めた。一体の時とは違う。こいつらには群れとして高度に連携し合う知性がある。
「ちぃっ…! 斑鳩、ブーストっ!!」
背面にリボンのように折り畳まれていた大小二対のウィングが展開し、スラスターが点火する。焔姫パワードのパワードたる由縁、フライトユニット斑鳩によって上空へと逃れようとする焔姫。
だが獣の一頭がそれを見透かしていたかのように、崖肌を蹴って焔姫の上を取り、重いタックルを仕掛ける。
「うあああんッ!?」
またも離陸に失敗して地表に激突する焔姫。その背部の翼を目掛け、地上に待機していた二匹が口腔からビュルルッ! と黄色く濁った粘液を勢いよく放った。
「ひゃあぁッ!? あ、熱ッ…!? なっ……えっ!?」
コックピット内のホロスクリーンに、斑鳩ユニットの損傷を訴えるアラートが表示される。
強酸性の溶解液を浴びせられたのだ。美しい紅に彩られた翼は一瞬にしてボロボロに溶解し、もはや揚力を得ることは不可能な状態と化していた。
膝をついた焔姫の周囲を、獣たちが取り囲み、円運動を再開する
「……こっ……こいつら……こいつらぁっ……!!」
たまらずファランクスを乱射する焔姫。だが、当たらない。
規則的なサイクルに見える獣達の挙動だが、弾丸は掠りもせず、程なくして装弾の尽きたファランクスはカラカラと音を立てて空転する。
「そんなっ!? 」

191三姫VS邪神① マヤVSグレートハウンド級 ◆h9Hr5c.eFE:2018/01/30(火) 23:40:09 ID:I/B3CgQE
その瞬間を見計らって、正面に飛び込んできた個体の副腕が、斜め下からアッパーの軌道で猛烈に焔姫を打ち据える。
「…ッはぁぁぁぁぁぁんッ!!」
よろめく焔姫の背中に、更に縦一文字の斬撃が降り下ろされる。
「んあぁあんッ!?」
すかさず左右からの挟撃。腹部に×字の爪痕が走る。
「ひぁッ!? うぁぅンッ!?」
胴体を庇おうとする両腕は無情にも跳ね退けられ、鳩尾へと爪撃のストレートが叩き込まれる。
「あはああぁあうッ!?」
そこへ後方から腰骨をえぐるようにクローを突き入れられ、焔姫は海老反りになって悶絶する。
「くぁあぁぁぁぁんッ!! ぅぁはあぁぁぁぁぁあんッ!?」
これまでが小手調べだったとでも言わんばかりの怒濤の連続攻撃が四方八方から襲い来る。
「はぁんッ! ぁんッ!! あッ、あぁぅッ!? はんッ、あんッ、あんッ、あぁんッ!? あぁんッ!? 」
鋭い鉤爪が縦横無尽に走り、焔姫の装甲を、マヤの纏うスーツをなます切りにしていく。一撃一撃がかなりのスピードと重みを伴い、かわすことも受け止めることもままならない。
「ぁぁあぁん!! はあぁん!! はあぁん!? んあッ!? ああんッ、ふあんッ、あんッ、ぁあんッあんッあんッ!? あんッあんッあんッあんッ!?」
間断の無い攻撃は次第に加速し、激しさを増していく。あまりの攻撃密度に機体が右に左に回転させられながら徐々に宙に浮き上がり、コクピット内のマヤは拘束されたかのように身を強ばらせる。豊満なバストだけがばるんぼるんと冗談のように暴れ回っている。
「――焔姫、聞こえますか!?」
不意に無線から男性の声――輸送機パイロットのモーリスの声が聞こえた。
それはPTキャリアの通信システムの回復を、事態の好転を意味するが――
「あんッあんッあんッぁんッあんあんあんあんふぁッぁッあッあッあッあッあぅぁぅあぅんッ!? ふあうあぅんッぅあんッあんッあんッあんあんあんッ!! ああぅんッ!? あぁぅんッ!? あぁぅんあぁぅん!? ぅぅんッふぅんッふぅッはぁんぁぅんぁぅんあッあッあッあッぁッあッぁッあッあッ!!」
「…!? どうしました!? ランベリーさん、聞こえますか!?」
「ぁッあッあッあんッあんッあんッ!! あんぁんあんッ!?」

192三姫VS邪神① マヤVSグレートハウンド級 ◆h9Hr5c.eFE:2018/01/30(火) 23:44:45 ID:I/B3CgQE
聞こえてはいても、とても応答のできる状況ではなかった。
やがて縦横無尽に跳び回る黒犬たちの爪が、バチバチッ! と一斉に青白く電光を帯びる。
「ぁんッぁんッあッぁッあッあッ……!? っひゃあ゛あぁあぁあぁぁッ!!? 」
一閃と共に激しくスパークが走り、焔姫は衝撃にガクンと身を仰け反らせた。マヤの悲鳴が腹の底から絞り出すような、悶絶と評して差し支えないトーンに変わる。
「えぁッぁッあ゛ッあ゛ッあ゛ぁあうッ!? んあ゛ぁうッ!? ひゃあ゛うあ゛あうンうんッ!! うんッ!! ふう゛ぅぅうんッ!?」
帯電クローが乱れ飛び、哀れな回転独楽を弄ぶ。美しく彩られた装甲にたちまち無数の裂傷が走り、伴ってマヤのスーツが全身至る所でぱぁん! ぱちぃん! と音を立てて破断を始めた。
「ひッ、やッ!? んあ゛ぁぁぁあッ!?」
腹部が弾ぜ、へそが露にされる。
「あ゛ひッひィんッ!? いぁあ゛ぁああんッ!?」
ハイレグの切れ込みがさらに深々と引き裂かれ、鼠径部が晒される。
「ランベリーさん、どうしました!? 状況報告を!」
「やぶッ、れちゃッ!? やぶれッ、ぅあッひッ、ひあ゛ッぁあぁぁんッ!? あひィィィィんッ!! 」
胸元がはち切れ、まろび出た柔肌に伝線した生地がギチギチと食い込む。
「やぶれ…? い、いったい何が起きてるっていうんだ!? 応答を願います!」
「ぃやあ゛んッ! やぁあ゛ッ!! やめッ、やうぇッあ゛ぅッ!? やめぇうぁ゛ぅッ!? あ゛はぁぅあ゛ぅあぅあ゛ぅあぅあ゛ぅあぅあ゛ぅあ゛ッひィィんッ!?」
モーリスには具体的な状況は理解できなかった。スピーカー越しに聞こえてくるのは、マヤの哭き叫ぶような悲鳴と、ぱん! ぱちぃん! という破裂音だけである。
それでも、焔姫が敵の猛攻に晒され、蹂躙されている最中だということは想像に難くなかった。

193三姫VS邪神① マヤVSグレートハウンド級 ◆h9Hr5c.eFE:2018/01/30(火) 23:46:04 ID:I/B3CgQE
「あ゛ひぃんッ!?あ゛ひ あ゛ひあ゛ひィんッ!? あ゛んッ!! あ゛んッ!? ああんあ゛あんああんああんッあ゛んッあ゛んッあ゛んッあ゛んッ!!」
吹き荒れる黒い暴風の中、ガクガクと無様な舞を躍るように嬲られる焔姫の姿は、その外観もあって狼の群れに追い立てられる雌兎のようにも見える。
「あ゛んッあ゛んッあ゛んッあ゛んッあんあんあ゛んッ……!!……ッ……ぁ……ッ……」
と、怒濤のような猛攻が唐突に止んだ。
「ッッぁ……はぁぁ……んッ…」
意識を半ば吹き飛ばされたマヤの挙動を忠実に反映して、焔姫はふらふらと千鳥足で踊った末、仰向けにばったりと倒れ付した。
「ぁッ……ぁッ……ッ……」
4体の獣が、痙攣する焔姫を囲んだ状態でぴたりと静止していた。
「……ッ…?」
マヤは一瞬状況が理解できずに呆然とする。
――4体?
「…ランベリーさん! 応答願います! 大丈夫ですか!?」
「はぁっ……はっ……え……!? だっ……」
震える身体に渇を入れるようにして、ブレードを杖代わりにヨロヨロと立ち上がる。
「……だっ……大丈夫……よ…っ…!」
息も絶え絶えの裏返った声だったが、ようやくまともな応答が得られたことで、モーリスは安堵した様子だった。
「よ、よかった! 通信システム、正常に回復! 救援要請を受けて援軍が来ます!」
希望的なその言葉を受けて、思考能力がすっと回復していく。
「はぁ……はぁ……っ、よくもっ……」
すると、自らを囲む獣らの様子がはっきりと認識できるようになった。
「……!?」
4体の獣のうち、正面に位置する一体の胴を凝視して、マヤは言葉を失った。

194三姫VS邪神① マヤVSグレートハウンド級 ◆h9Hr5c.eFE:2018/01/30(火) 23:51:21 ID:I/B3CgQE
腹部を取り巻くように、赤黒い裂傷が深々と走っていた。蒸気を吹き上げ、黒い体液をボタボタと滴らせる傷口は、しかしグロテスクに蠢きながら、みるみるうちに癒着し始めている。
間違いなく、先程一刀両断に捨てたはずの個体だった。まさか、あの状態から再生したとでも言うのか。
「劣勢の状況なのでしょう。ご無理はなさらず、しばし防戦に徹してください!」
「グフ、グフ……」
獣たちが奇怪なうめき声を発し始めた。
「グフグフ…」
「グフッ」
「グググフッ、グフッ…」
口角から粘液を滴らせながら、どう聞いても『嘲笑』としか取れないような声を上げ始める四頭の獣。
「あ……あ……」
想像以上に得体の知れない敵の生態を前に、マヤは動揺を隠せない。
直後、ビャッ! と何かが空を裂いて迸り、無防備だった焔姫の胸部装甲を直撃する。
「っ、熱ッ…!?」
でろりと胸元に貼り付く粘液の感覚。おぞけの走るようなそれは、獣の一匹が放った強酸性唾液弾だった。
斑鳩ユニットを溶かしたそれと比べて濃度が低いのか、機体への損傷は装甲表面を焼かれる程度に留まったが、獣達は変わるがわるそれを矢継ぎ早に放ち、いたぶるように焔姫の外装を汚していく。
「あぅ、っくっ…!? こ、このっ…! ひぁぅッ!?」
必死でもがきながらもかわしきれず、次第に粘液にまみれていく焔姫。もはや両者の力関係は明白だったが、その事実を受け入れてしまえば、急激に沸き上がりつつある恐怖に押し潰されてしまいそうだった。
やがて胴周りに傷を持つ一体だけがおもむろににじり寄りながら、びゃっ!ずびゃっ! と酸の塊を吐きかけてくる。
あたかも彼女を挑発するような、一対一での第二ラウンドを強いるかのような、そんな素振りだった。
「くぅっ!」
血相を変えて酸弾を避けようとするが、敵わずことごとく被弾し、焔姫のボディは粘液にデコレートされていく。
「し……死に損ないの……くせしてぇぇっ!!」
ただれた鉄塊と化していた背部の斑鳩ユニットがパージされ、ガシャンと音を立てて地に落ちる。
機体を軽くすることで攻勢に転じようというせめてもの試みだった。

195三姫VS邪神① マヤVSグレートハウンド級 ◆h9Hr5c.eFE:2018/01/30(火) 23:52:46 ID:I/B3CgQE
「ランベリーさん!?」
「てぇああああぁっ!!」
一体だけならば先程のように渡り合えるはず。そう考えたマヤは獣目掛けて全速力で踏み込みながら、点火させたブルーティッシュ・ブレードを横一文字に振るう。が、獣は軽快なフットワークでそれをかわし、焔姫の後ろに回りながら背中を蹴り飛ばす。
「あはぅッ!? くぅぅぅッ!!」
つんのめりながら、180度後方へと無理矢理剣を振る。刃は容易くかわされ、がら空きの腹部に爪を叩き込まれる。
「はひぃ゛んッ!?」
どうやら、獣は先の交戦を通して、焔姫の挙動を完全に読みきってしまったらしい。
「……っ、こっ……このおぉぉ゛〜ッ!!」
左脚を高々と振り上げて踵落としを見舞おうとするが、即座に副腕で受け止められる。
「あ…あぁッ!?」
天地が180度入れ替わる感覚。焔姫は人形のように軽々と持ち上げられ、逆さ吊りにされてしまった。
「くっ…! は、離せっ!!」
目前の獣の鼻面を睨みながら、自由の効く方の足でげしげしと爪を蹴りつけるが、びくともしない。
ずびゃっ!
「あふんッ!?」
酸が焔姫の顔面に直接吐きかけられる。やはり加減をしているのか、頭部が溶解してしまうようなことはなかったが、ツインアイを保護していた透明バイザーが溶け落ち、マヤの顔面をでろりと熱い感触が伝う。
ずびゃっ! ずびゅっ! びちゃちゃっ!
粘液が何度となく叩きつけられる。
「あく、ッ!? や、やめ…ッ! …やめなさッ、んひっ!? ひッ!?」
屈辱と嫌悪感に眉を潜めながら、マヤはブレードの重量で垂れ下がった右腕に力を込め、上体を起こして反撃に転じようと試みる。
「ッひ……!い、いい加減にッ……」
バリィィッ!!
「ふやあ゛ぁぁぁあぁあぁああッ!!?」
全身を走り抜ける激感に、焔姫のボディがマヤの意思とは真逆の方向に反り返った。右脚を掴む鋭爪から電撃を流し込まれたのだ。
「かッ、ぁッ、ぁ゛ッ…!? ……ふひゃぁぁあ゛ぁぁぁんッ!? はひぃぃッ!? ……はひぃ゛ぃぃぃィィィんッ!!?」
爪が断続的に電流を帯びるたび、マヤは激しく身をよじって苦悶した。対する獣は微動だにせず、焔姫を弄ぶように断続的に電流を送り込んでいる。
「こッ、こ、こんらッ! こんらやづにぃッ、 んぅぅ、ンッ!? ふぅぅ゛ンッ!?」

196三姫VS邪神① マヤVSグレートハウンド級 ◆h9Hr5c.eFE:2018/01/31(水) 00:09:03 ID:Hj8.LwRQ
獣の服腕がぐっと膨張するたび、焔姫は壊れたマリオネットのようにぐねぐねと全身を引き吊らせ、暴れ狂う。
「ん゛ぅぅぅうんッ!? ふぅん゛んんン゛ッ!? あ゛ぇぅッ!? あぇえ゛ぇえぇぇえ゛ッ!?」
獣は暫しの間、その奇嬌なダンスを楽しむように放電をを繰り返していたが、唐突に「もう飽きた」とでも言うかのごとく、勢いを付けた逆の電撃爪をフルスイングし、焔姫を打ち据えた。
ガギィィッ!!
「んあ゛ぁぁあはあ゛ぁぁぁぁあ゛ぁぅッ!!?」
弾き飛ばされ、錐揉み回転しながら横合いの崖肌に激突する焔姫。衝撃で取り落とされたブルーティッシュ・ブレードが鈍い音を立てて地に転がる。
すかさず追いすがるや、獣は両の複腕の筋肉をメリメリと膨脹させる。そして、完全な無防備になった焔姫の背部を目掛け、凄まじい速度と電流を伴う拳打のラッシュを開始した。
ドドドド、ズドドドドッ!!
「はぁああ゛ぁんッ!? あんッあ゛んッ!! あひッひあ゛ぅひぁぅあ゛ぅんあ゛ぅんあぅん゛あぅん゛あ゛ぅん゛ッ!! あ゛ひぁひぁひぁひぁひぁひぁひ!?」
敵に背を向けた体勢で、間断ない攻撃で断崖に押し付けられたまま身動きが取れない焔姫。酸で脆弱化した装甲が粘土のように崩れ、激しく飛び散る。もはや戦いにすらなっていない一方的な蹂躙だった。
破裂音と共に、先程まで斑鳩に守られていた焔姫の背面装甲、そしてマヤのスーツの背面が瞬く間にズタズタに張り裂けていく
「くッ、苦っ、ひッ、ひィ゛ン!? ひィンひィンッ!! ぁひンぁひぁひぁひひィンひィ゛ンッ!?」
猛る獣性が背後からマヤを責め立て続ける。打撃は呼吸を圧迫する重圧と共に、意識を失いそうなほどのダメージ電流となってLDMLスーツのニューロンファイバー内を荒れ狂い、マヤの神経を焼き焦がす。
「ぁ゛ひッあ゛ひィィんッ!! ぁひィ゛ン!? あ゛ひッ、ひィん!! ひィンひィんぁ゛ひィィ゛ンッきゃひンきゃひィンきゃィィ゛ン!! きゃィ゛ィンきゃィンきゃィンきゃィンきゃィン゛きゃインきゃィン゛ッきゃィンッきゃィン゛ッ!?」

197三姫VS邪神① マヤVSグレートハウンド級 ◆h9Hr5c.eFE:2018/01/31(水) 00:13:55 ID:Hj8.LwRQ
顔を真っ赤に上気させ、背を反り返らせて絞り出すような嬌声を上げ続けるマヤに対し、獣は一見猛烈な攻撃を加えつつも、端から見れば全力を振るっていないことは明白だった。致命傷を与えないよう爪に与える力をコントロールしながら焔姫を弄び、敗北感を刻み込むかのように嬲り続ける。
「きゃィ゛ンきゃィンきゃィ゛ンきゃィンきゃィ゛ン!? きゃひィ゛ィィンンッ!? ……ッひッ……」
やがて拳打の礫は止んだ。が、
「……ン゛ンッ!!? ッひぃぃィィィやあ゛ぁぁああああぁぁぁ〜〜ッ!!?」
右の爪が焔姫を崖肌に縫い止めるように背中に突き立てられたままになり、容赦なく電流が注がれる。
バリバリジジバリバリバリッ!!
「あ゛ッッ!! あ゛ぁあ゛ん!! あ゛ぁあンあ゛ぁあ゛ぅン!! あ゛ィッ!! あ゛あ゛、あ゛、あ゛お゛、お゛ひィひィィ゛ィィィィ゛〜〜ッ!!」
ぐりぐりと嗜虐的にねじ込まれる爪の動きと、緩急を付けて送り込まれる電撃に翻弄されるがまま、焔姫は全身を跳ねくねらせる。
「ひぃィィィィ゛!! ひぎッ!! ひィッ!! ひッ、くッ…くおォォ〜〜ンッ!!?」
口腔から突き出した舌から、圧迫をトレースして押し潰されるように変形した胸元へと、だらだらと絶え間なく唾液が滴り落ちる。マヤの瞳から意識の灯火が消え始めている。
「くおォォォ〜ッ!? くおォォォ゛ォォ〜〜ンッ!! ォひィ、ィィ゛……!? …ッひッ…ひッ!? ……ィ〜ッ……!!!??」
と、焔姫は突然両脚をガニ股に開いて持ち上げ、潰れたカエルのような体勢でガクンッ! と折れんばかりに背筋を反り返らせた。
「……ィ……ッう゛ッ!!!! ……いぎ、う゛ッッ……!!!! え゛ぅッ……!!!?? ……ぇう゛ッッ〜〜ッッッ!!??」
体を突き抜ける激感はもはや臨界を超えていた。眼を見開きながら繰り返しガクン、ガクンと痙攣するマヤ。
「う゛ッ……!!? う゛ッ……!!? お゛ッ……!!? う゛ッ……!!? んぇ゛ッ……ぅ…ッ……!!!!??」
その様を一頻り見届けた獣は、意気揚々と爪を引き抜いた。電流がピタリと止む。
「……ぇ゛ぁ……ぉ゛ッ……はぁあ゛ぁあぁ゛んッ……」
脱力した焔姫が、ずるりと崖肌を滑り落ちるようにしてうつ伏せに崩れ落ちる。
「くっ……」
マヤの絶叫はモーリスの元にも届いていた。彼は惨状を察してか、歯噛みするような沈痛な声を漏らした。
獣は複腕を伸ばし、巨大な爪で焔姫の後頭部をがっちりと掴むと、そのまま機体を高々と持ち上げ、再び吊し上げた。ボロ雑巾のような有り様に成り果てた焔姫、裏腹にもはや獣の胴の損傷は完全に塞がり、皮膚の表面には傷ひとつさえ見られない。

198三姫VS邪神① マヤVSグレートハウンド級 ◆h9Hr5c.eFE:2018/01/31(水) 00:25:30 ID:Hj8.LwRQ
>>197
【一部訂正あり】
「ぁ゛……ぁ゛……ぁ゛ぁ、ぁ゛……」
混濁する意識の中で、マヤは眼前にブルーティッシュ・ブレードが転がっているのを見た。すがり付くように震える手を伸ばし、どうにかその束を握る焔姫。
獣は構わずに複腕を伸ばし、巨大な爪で焔姫の後頭部をがっちりと掴むと、そのまま機体を高々と持ち上げ、再び吊し上げた。ボロ雑巾のような有り様に成り果てた焔姫、裏腹にもはや獣の胴の損傷は完全に塞がり、皮膚の表面には傷ひとつさえ見られない。
「…はぁ゛っ……ぁ゛ぁぁぁ…っ……ひ……ぅ、ぁあぁぁ……」
小刻みに震えながら、呆けたような声を漏らしていたマヤだが、次の瞬間、
「…えひい゛ィィィィィィッ!!?」
再び強烈な衝撃に全身を戦慄かせる。焔姫を捕らえている獣がもう一方の電撃爪で背中を思いきり突き上げたのだ。
電撃は一瞬で止んだが、獣は爪を押し付けては離し、押し付けては離しを執拗に、断続的に繰り返した。
「あッひィイイ゛イイィィィッ!!? ひっ! ひッ、はひぃィイイイイィィィッ!!? ひぃ゛ンッ!? …ひぃイ゛イイイイイイイィィィンッ!?」
その度にマヤは高圧電流の猛威に襲われ、宙吊りの全身を弓のようにのけ反らせて悶える。
「ひィィイイイイッ!!? ぅ゛あぁひぃい゛ィイイ゛イイ゛〜〜ッ!!?」
朦朧としていた思考がたちまち恐怖に支配され、全身の毛穴から汗が止めどなく噴出する。
勝てない。どうしようもない。このままでは間違いなく嬲り殺しにされてしまう。いや、それ以前に、全身を襲うあまりの激感に気がどうにかなってしまいそうだった。
「か、カットッ!! せつッ、せつぞッ、あ゛んッ!? せつぞひゅッ、カッとぉッ!!」
懇願するように音声認識インターフェイスに呼び掛けるが、目前に投射されたホロスクリーンには無情にも『音声が不明瞭なため、リクエストを認識できません』との文言が浮かぶ。
「…なんッ!? なんれ!!? なんれぇッ!!? かっとらってばッ!! かっとぉ!! せつぞふッ…ひいぃィ゛ィ゛んッ!!?」
やがて獣の爪は速度と勢いを増し、装甲が陥没する程の力で、幾度となく焔姫の背を突き上げはじめる。
ガンッ! ガンッ! ガンッ! ガンッ! ガン!
「あ゛ッ!? ぁッ!? あ゛ッ!? あひィ゛ン!? ひィ゛ンひィ゛ン!? ィ゛ひッひィ゛ン!? ひきッ、やめッ、やめひぇえ゛ゃぃ゛ン゛ッ!? きゃィ゛ン゛ッ!? あひィンひゃィィン゛ッ!? きゃィィン゛きゃィィ゛ン゛ッ!?」
機体を振り子のように前後に揺さぶられる焔姫の姿は、まさしく文字通りのサンドバッグだった。
「ランベリーさん、耐えしのいでください!!援軍の到着まで推定……15分です!」
「じゅッ、じゅうごっ、じゅうごふンッ!!? そっ、そんら゛っ、むりっ!? むりィィィッ!! ンぃ゛ィィィィィィ゛ンッ!?」
「すみません……! どうか、耐え凌いでください!!」
「そんらあ゛ぁあぁあぁッ!? ひッ!? あひィ゛ひひひィ゛ィィィィィン゛ッ!? きゃひッ!! きゃひン゛ッ!! あひ、あひ、あひ、あ゛ひ、ひィ゛ィィィィィンッ!?」
今にも消し飛ばされそうな意識を必死で繋ぎ止めながら、マヤはひたすら耐え続ける。

199三姫VS邪神① マヤVSグレートハウンド級 ◆h9Hr5c.eFE:2018/01/31(水) 00:32:33 ID:Hj8.LwRQ
電撃爪による苛烈な責めが止む事はない。全身をくねらせて悶絶する焔姫の挙動と、次第に甲高く激しくなっていく声と息遣いから、マヤがもはや限界に近付きつつあることは明白だった。
ガンッ! ガゴンッ! ガゴンッ!
「ィィィィィ゛ンッ!! ひィィ゛ン!! あィィ゛ン!? ひいィ゛いィひひいィ゛ひひひィィィ゛〜ン゛ッ!?」
恫喝するような荒々しい突き上げは、いつしかマヤの心をへし折り、意志と理性を打ち砕いてしまっていた。
最早援軍が到着するまでの15分を、恐怖と五体がバラバラになるような激感におののきながら待ちわびるしかない。それまで耐えなければ。耐えなければ。耐えなければ――
唐突に爪の打ち付けが止まり、衝撃と電流が止む。

「っ、かっ、……はひ……ッっあッ……ッあッ……ぁぁッあッぁッ……」
しばしの静寂に、責め苦から解放された焔姫がカクカクと肢体をおののかせる。
「……たっ……たえッ…たぇ、なきゃ…ぁッ…」
吊り下げられた焔姫が内股のまま膝を擦り合わせ、もぞもぞと身じろぐ。ブルーティッシュ・ブレードを辛うじて握りしめていた右手に、最後の悲壮な覚悟と共に、ぐっと力が込められる。
「て、てッ、てい…こぅッ…するのッ……てい、こ…」
ドゴォォッ!!!!
「くぁぁぁ゛ひィイ゛イ゛イ゛イ゛ーーーーーッ!!?」
が、ブレードはガシャンと音を立て、掌からあっけなく地に零れ落ちた。
「ランベリーさん!?」
帯電クローが腰部の装甲をぶち破り、機体内部まで深々と突き入れられていた。
3本のクローが、焔姫の神経ネットワークの中枢であるスパイン・フレーム、即ち背骨をがっしりと掴み……
「お゛ッ!? あ゛、あ゛ッ、あ゛あッ!? うぞッ!? そんら゛ッ、そッ……!!?」
カクカク、カクカクと奇嬌に痙攣する焔姫の惨状を省みることもなく、バリィッ!! と容赦なく電流が流し込まれる。
「あ゛い゛ィィィィィィンッ!? あイ゛ッ!? あ゛ッ、あィッイ゛うイうイ゛うッ!! ぁうぁぅあうあう゛あ゛うあうあうあ゛うあうあィ゛ィィィィィ゛ッ!?」
全身の装甲の損傷部から噴水のように火花を吹き上げ、焔姫は激流に呑まれて溺れるかのごとく、手足を猛烈にバタつかせて無様にもがき狂う。
「ぃあ゛ッぁッあッあイ゛ッィッイッィッゃッやッ駄ッあ゛ッらえッ!! らえッ!! らえッ!? ゃ゛ッ!? やぁうあ゛うあうあうあう!? あ゛うあ゛うあ゛うあ゛うあ゛うあ゛う゛ぅうう゛…!!」

200三姫VS邪神① マヤVSグレートハウンド級 ◆h9Hr5c.eFE:2018/01/31(水) 00:41:19 ID:Hj8.LwRQ
肉体を垂直に突き抜ける容赦ない激感に串刺しにされたマヤは、最早為す術がない。舌を目一杯に突き出して吠える。反り返った喉元を唾液と涙がとめどなく流れ落ちる。
被虐に悶絶するマヤの精神に呼応するかのごとく、機体内を循環していたリンゲル液が激しく沸騰し、全身の損傷部から機体外へ吹き出す。
ビシャ、ブシャァアアァッ!!
「あえ゛うあ゛ぇうあ゛うッ!!? ぁ゛う゛ッあ゛うンッあぇう゛ンッあ゛うあ゛う゛ッ!!!?」
傷だらけの機体が軋みを上げながら暴れ、ガクン、ガクンと折れんばかりに反り返るたび、爪を突き立てられた傷口から、ポンプ作用のように黄色い飛沫が噴出し、獣の顔面にびちゃっ、びちゃっと吹きかかった。
「し…しっかり…! ランベリーさん…!! 」
「たぇ゛ッ!! たえ゛らぇるわげなひィィひィィィィィィィ゛ッ!? ひんじゃうッ! ひんじゃぅッ、ひんじゃぅ゛ッ!! ひんり゛ゃうょお゛ぉぉぉ゛ッ!!!!?」
取り巻きの三匹の獣は、グフグフと嘲けるような笑いを漏らしながらその光景を眺めている。いよいよ最期の時だ。
「だッ、だっしゅッ!! だっしゅ ふぅ゛ンッッ!? らっしゅつぅッ!!…ひッ、ひッ!!」
『音声が不明瞭なため、リクエストを認識できません』
「だッ!!! しゅッ!! づッッッ!!!!!」
『音声が不明瞭なため、リクエストを認識できません』
「 …なんれぇぇッ!!? だっしゅづさせてよぉぉぉッ!!? もぉ゛やらのお゛ぉぉぉッ!! ゆるひでッ!! やめひぇぇえ゛ひィィッ!? ゆるひでぇぇぇえ゛ーーーッ!!」
情の通わない音声認識システムにも、敵対する獣にもそんな哀願が聞き入れられる筈もなく、やがて獣は無慈悲にも右の副腕、すなわち焔姫の頭を掴んでいる方の副腕に力を込め――
バリバリ、バチィィッ!!
「 ッぇ゛ひひひィ゛ィいぃィィィ゛〜〜〜〜ッ!? あぎゃンッ!? あぎゃィィひいい゛ィィィ゛〜〜〜〜〜〜 ッッ!!? 」
そして、背骨を掴む左副腕の筋肉がメリメリと、異様なまでに膨張し、一際巨大な雷のごとき電流が、バリィィィィッ!! と焔姫の脊髄に注ぎ込まれる。
「やぅぇ゛っ!! てっ!! ゅるひぇ゛ィィィィ゛ッ〜〜!!? ふぎぃえ゛ゥ゛ッひィ゛ィィィィィィィィィ゛ーーーーッ!!!!!」
脳脊髄の全てを焼き尽くす暴力的激感。全身にぎゅうぎゅう詰めにされた炸薬が一斉に発破するかのような衝撃を味わい、マヤは空をかけずるようにバタバタとせわしなく動かしていた両脚をガクンッ!! とガニ又に掲げ、またも潰れたカエルのようなポーズで、ぶるぶるぶるぶると激しく痙攣する。その様はまさに邪神に捧げられた、串刺しの生け贄のようだった。
「あ゛ぅッえう゛え゛うえ゛うえ゛いぃィィィン゛ッッ!!? ィィィィ゛ンッ!!? あィ゛ィィィィ゛ンッ!!!? ィ゛ィッぎゅッ!!!?? ひィ゛ッひひッいィィッぎゅう゛う゛う゛ゥゥゥ゛ゥッッ〜〜〜〜〜ッッッッ!!!!!??」
バシバシィィンッ!! という炸裂音と共に、焔姫は全身の破損部から花火大会のクライマックスの如く、壮絶なスパークを立て続けに迸らせた。

201三姫VS邪神① マヤVSグレートハウンド級 ◆h9Hr5c.eFE:2018/01/31(水) 00:45:59 ID:Hj8.LwRQ
「ぁ゛あぁィィぅあ゛ぅぅぁぁあ゛〜ッ!!! あ゛ひッ、ぁ゛ひッ!!! ぁ゛ィッ!! あ゛ィィィィ゛ッあィ゛ッ!? あィ゛ッ!? あ゛ィ゛ッ!? ぁィ゛ッ!? ぁィ゛ッあィ゛ッ!?」
M字にクランクされた両膝を、裏返った声と共にリズミカルにガクンッガクンッと曲げ伸ばしする焔姫は、さながら壊れた玩具のようだった。
「ランベリーさん……!?」
「ぁィ゛ッ!? ぁィ゛ッ!? ぁ゛ィッ!? あ゛ィッ!? ぁィ゛ッ!? ぁィ゛ッ!? ぁィ゛ッ!!? あィ゛ッ!!? あィ゛ッ…!!?」
トドメの電流はものの数秒で止んだ。しかし、全身を余韻に犯される余りにそんな恥態を10秒余りも晒してから、焔姫は全身をぐぐぐ…っと縮み上がらせ、
「……う゛ッ!!!!! ん……んふぅぅうぅぅぅン゛ンんン゛ッ!!!!!!?」
揺り返す激感によってアンコールのごとく全身から再び火花を吹き散らし、それからようやく指の先までをぐたっと弛緩させ、沈黙した。
「……ッ……、かは、かッ……ッ……ッ……」
ビクン、ビクンと断続的に痙攣するのみとなった宙ぶらりんの両脚を、漏れ出したリンゲル液が伝い、地表に滴る。
「ら、ランベリーさん……?」
「ッ……ッ……ひッ……はッ……は……はぁぁあ゛ぁぁぁ……」
輸送機に送られていたけたたましい絶叫は鳴りを潜め、代わりにぷちゃ、じょろろろろ……という小さな水音が回線を伝った。
「……なんて……ことだ……」

リンゲル液にまみれた惨めな残骸をぞんざいに地に打ち捨て、獣が吠える。この世のものとは思えぬおぞましい遠吠えには、まだまだ旺盛な熱情と、満たされぬ嗜虐心が込められているように聞こえた。
そして、一部始終を断崖の上で微動だにせず眺めていた巨獣が、ゆっくりと立ち上がる。
そう、彼らの本当の『宴』はまだ始まってさえいないのである……

202名無しさん:2018/02/05(月) 20:14:00 ID:Lz.puIuo
あいつ

203名無しさん:2018/04/20(金) 16:29:08 ID:OAuCXoFs
宴の本番はいつ始まるんだ

204三姫VS邪神① マヤVSグレートハウンド級 ◆h9Hr5c.eFE:2018/05/13(日) 22:28:29 ID:wTlxFmK6
パリッ、と頭に電流が走るような感覚がマヤを目覚めさせた。
「……っ……?」
覚醒したばかりのぼんやりした思考の中で、マヤがまず感じたのは違和感だった。身体がうつ伏せの、それもかなり息苦しい体勢にある気がする。
視界には何も映らず、一面の闇が広がっている。
夢を見ているのだろうか? マヤは自らの肉体の状態に意識を巡らせ――
「……ん、んんっ……!?」
そして、それを把握した途端、自分が置かれている状況に驚愕した。
焔姫は獣の一匹に後ろからまたがられ、副腕によって両腕をガッシリとホールドされ、頭を地に押し付けつつ、お尻を高々と突き出すような格好を強要されていた。
「はぁぁ!? ちょっ……なっ、何これぇぇ!? 」
信じがたい状況に裏返った声を発しつつも、押し潰されたバストを包む穴だらけのスーツを視認することでマヤは先程の無様な敗北を(理性を飛ばされる前の、再生した獣との再戦に臨む辺りまでではあるが)思い出したマヤは、まず真っ先に有り余る屈辱を感じ、顔を真っ赤に上気させた。
「は、離してッ! 離せっ…離しなさいよッ!! このあたしに、こんな、仕打ち……っはぁっ……くぅッ……うぅ…ッ!!」
必死でもがいて見せるが、獣の副腕の力は強靭であり、とても振りほどけそうになかった。
「こっ、こんな……こんな……イヌ畜生なんかにぃぃっ……!!」
あまりの悔しさに目に涙を滲ませながら、マヤは、自分を押さえ付ける獣を睨み付ける。

205三姫VS邪神① マヤVSグレートハウンド級 ◆h9Hr5c.eFE:2018/05/13(日) 22:29:16 ID:wTlxFmK6
その時、視界の片隅で、何かがぞわぞわと蠢いていることに気付いた。
「……え……?」
獣の腹部、犬ならばへそがある辺りから、ゴムホースのような白い管が四本伸び、ウネウネと波打っていた。
「なっ……何……それ……?」
その先端がゆっくりと、焔姫の腰に穿たれた穴に向かって伸びてきている。
グフッ、グフッ、グフグフッ、と背後の獣が奇怪な吠え声を上げ始めた。
「……!」
両脇に立つ二匹は、開け放たれた口腔からじゅるじゅると溶解液を滴らせ、大好物を前に「待て」をかけられた飼い犬のような、熱気に満ちた眼差しで焔姫を凝視している。
マヤは不意に本能的なおぞけを覚え、同時に獣たちに対する恐怖が脳裏に甦るのを感じた。いっそう必死で拘束を解き、逃れようとするが……
「く、くそイヌッ! ……はっ、離れろっ! はな、れ……ひ、やっ……あ……あ゛ああああああああぁ〜ッ!?」

206三姫VS邪神① マヤVSグレートハウンド級 ◆h9Hr5c.eFE:2018/05/13(日) 22:30:07 ID:wTlxFmK6
4本のチューブが焔姫の腰部に、ズブリと一斉に突き入れられた。
マヤは神経を串刺しにされるような凄まじい異物感を覚えたが、直後にそれ以上の衝撃に襲われ、四肢を強張らせた。
「はひっ、ひっ…………ひィぃぃぃぃぃィィンッ!? はひぃぃィ゛ィィィィィィィィンッ!?」
チューブが蠕動を始める。ドクン! ドクン! と音を立てて、焔姫の側から獣の側へと、チューブの外壁越しに鮮やかなピンクの光を漏らす“何か”が吸い出され、膨らみを伴って移動していく。
「らっ、らにっ!? らッ、に、こ、れ、えッ、ぇぇぇぇッ!?」
そのたびに焔姫は、押さえ付けられた機体を軋ませながら悶絶した。
「あはあ゛ぁぁぁあンッ!? んあ゛ああぁンッ!? でっ、出ちゃっ、れちゃうっ……!! れぢゃうううううぅぅぅ〜〜ッ!!?」
何をされているのか、何が出ていってしまうのか自分でもわからないが、とてつもない恐怖感と、それ以上の激感がマヤの全身を駆けずり回っていた。
「ぅあ゛はぁンッ!! ひやああ゛あンッ!!! あぁあ゛ンッ!? あンッ!? あッぁッ……あぁはあ゛ぁぁぁぁぁぁぁぁンッ!!!」
マヤの絶叫と共に、焔姫の装甲の裂け目からバシバシと火花が散る。
と同時に、コクピット内で不可解な現象が起こる。
マヤの体を包み込む穴だらけのDMLスーツのうち、チューブ状器官との接触箇所がブビュビュビュ! と泡立つ。焼けるような熱さと共にえも言われない感覚が駆け抜け――
「はッ、ふぁッ……ふはぁぁあぁあぁ゛あぁん……ッ……!?」
マヤが思わず喉元を反り返らせると同時に、ぶちゅっ! と生々しい音を立てて、スーツの生地の一部が勢い良く“飛び散った”。
「ッ、熱……ぅ!?」
高熱の白濁液と化したそれはマヤの火照った肢体に、艶やかなブロンドのツインテールに噴きかかり、でろりと滴り落ちる。

207三姫VS邪神① マヤVSグレートハウンド級 ◆h9Hr5c.eFE:2018/05/13(日) 22:30:52 ID:wTlxFmK6
「……えっ……!? ぇっ、ぇっえ゛っ!?」
今だかつて体験したことのない現象に、マヤは混乱するばかりだった。
合計10回のポンプ運動が繰り返されると、獣はチューブを焔姫の腰から勢いよく引き抜く。
「はぅン゛ッ!?」
そして、びくびくと痙攣する焔姫の尻には見向きもせず、何事も無かったかのように離れていく。
「はぁーっ、はーっ、はーっ、はぁぁ、はぁーっ……!?」
チューブを機体の、というよりも肉体の奥底に突き入れられ、『何か』を吸い出された。
得体の知れない体感を、マヤの本能は極めて危険な、恐るべき行為として認識していた。
「ぁっ、ぁっ、あっ、あぁ…ぁぁぁ……」
危機感に促されるまま、もはや戦意などどこへやら、組み伏せから解放されるや一目散に逃走を試みるマヤ。
「こっ、こんらの、…き、きいて……」
と言っても、立ち上がって走り出したりすることは無理だった。
腰が抜けてしまっている。のろのろと、尻を突き出した四つん這いの状態で這い進むのが精一杯だった。
そして、そんな動作でこの狩場から逃れられる筈もなく、今度は別の個体が後方からのしかかり、体重をかけて焔姫を押さえ付けた。
「やぁっ、やらっ……やらっ、やらっ!! ……ひぃィィィィィィィンッ!?」

208三姫VS邪神① マヤVSグレートハウンド級 ◆h9Hr5c.eFE:2018/05/13(日) 22:31:48 ID:wTlxFmK6
再びチューブが腰に打ち込まれ、蠕動を始める。一回、二回、三回……
「やッやめっ、やめッぁあンッ!? あううン!! あううン!! あううン!! あううン!! あう゛ンッ!! あうぁう゛ッ!! ああ゛うンッ!! ……ぁぁあああ゛ぁう゛ぅぅうぅぅぅンッ!!」
またしても最後の瞬間、焔姫は背筋を弓なりにして体中からド派手に火花を吹き散らした。
ぶぢゅぅっ、と液化したスーツが飛散し、コクピットの床とマヤの身体にびちゃびちゃと降り注ぐ。
ちょうど十回目の蠕動を終えると、やはり二匹目の獣もあっさりと焔姫の上から離れた。
そういう生態なのか、それとも群れの中でのルールなのだろうか?
そんなことを考える余裕は、もはやマヤには無かった。
「ひっ、ひぃっ……ひっ、ひ、ひ、ひ……っ」
またしてものたくたと這いながら逃走を試みる焔姫。明らかに無駄な抵抗であり、最初の地点から10mも動けていない。
「……ひぃぃぃっ!?」
ドカッと勢い良く、三匹目が嬉々とした様子で焔姫の背に飛び乗った。
「やぁっ…! もっ、もぉ゛やらっ! もぉれないっ!! もぉ゛れないからっ!! やっやッ……やあ゛あ゛あああああああ〜〜ッ!!」
ドスドスと4本のチューブが挿入され、またしてもマヤからピンク色の『何か』を搾り取り始める。
「ンぁッひい゛ぃンッ!? ひィンッ!! ひぃンッ! きゃひぃィンッ!! きゃひィンきゃぃィンキャひィンきゃひィィンッ!!」
だらしなく涎を垂らし、腰をカクカクと震わせながら狂ったように嬌声を上げるマヤ。
『何か』を奪われるのと引き換えに与えられる感覚はあまりに激烈かつ暴力的であり、瞬く間に彼女の精神を粉々に打ち砕いてしまった。
「きゃィンきゃィンきゃィンきゃィィンきゃィィンきゃひぃッひひッ……きゃひぃい゛ィィィィィ゛ィィィンッ!!?」
バシバシと機体から迸る火花。飛び散る粘液がマヤの背と後頭部を叩きつけるようにびちゃびちゃと汚す。10回のポンプ運動を終え、三匹目が離れていく。

209三姫VS邪神① マヤVSグレートハウンド級 ◆h9Hr5c.eFE:2018/05/13(日) 22:44:09 ID:HpTjydzY
そして、当然のごとく後ろに控えていた4匹目が、焔姫の腰を掴んで自らの腹下に引きずり込む。
「む、む゛りらよぉぉお゛ッ!!? もお゛無理ィィィッッ、ひイ゛ィィィィィぃぃッッ!!?」
言い訳無用とばかりにチューブがねじ込まれ、ドクン! ドクン! と吸引が始まる
1回、2回、3回、4回…
「んぐィィィィィッッ!!? イ゛!!! イ゛ィィィィィンッッ!!!!!?」
5、6、7、8…
「イ゛ッぎゅゥゥゥゥッ!!? イ゛ぎゅッ!!! イ゛ぎゅ!!? イ゛ッぎゅううゥゥゥゥッッ!!!」
9、10。
ずぼっ! ぶちゃっ!!
「イ゛ッッ……ぁひゃァ゛ァァァああああ゛ッッ!!!?」
ぷッ、ちょろ、じょろろろろっ……

210三姫VS邪神① マヤVSグレートハウンド級 ◆h9Hr5c.eFE:2018/05/13(日) 22:45:27 ID:HpTjydzY
「……ひぃ゛んっ……ひっ、う゛ぁ゛ぁぁぁ、ふぅンっ、んぅぅぅう゛ン……」
もはや這う気力すら残っていないのだろうか。マヤは無惨に押し潰された体勢のままで、突き上げられた腰をヒクヒクと震わせるだけになってしまった。
髪を汚した粘液が顔にまで伝い落ちてくるが、ぬぐうことさえできない。思考回路が激しくショートを起こし、意味のあることが考えられない。
そんなマヤの耳に、ズシン、ズシンと地鳴りのような音が聞こえてくる。
そして間もなく、焔姫の上に機体を軽々と覆うほどの巨大な影が落ちた。
「……ひ、ひぃぃぃぃぃぃ……っ!!?」
つい先刻まで、マヤがあんなにも雌雄を決したがっていた巨獣だった。
残された最後の力で身じろぎする焔姫。仰向けになって巨獣を押し退けようとするが、対する巨獣は悠々と副腕を展開し、焔姫の両手首を地に押さえ付けた。身動き一つ許さないほどの怪力が、マヤをガッチリと縛る。

211三姫VS邪神① マヤVSグレートハウンド級 ◆h9Hr5c.eFE:2018/05/13(日) 22:46:42 ID:HpTjydzY
「やぁらっ! やっ、やらっ、やらぁぁぁぁぁぁっ!?」
その腹部ではチューブ状器官がにゅるにゅると躍り狂っている。
数えきれないほどのおぞましい本数であるばかりか、一本一本が配下の獣たちの3倍は太く、更にその先端では銛のような『刃先』が備え付けられていた。
「やめひぇぇ……やめひぇえ゛ぇぇ……」
これから起こるであろう出来事を推察し、ぷるぷると首を横に振り、か細い声を漏らすマヤ。そんな懇願をかき消すように、チューブ先端の刃がギュイイイインッ!! とドリルのように高速回転を始める。
「ひぃぃぃッ!!?」
そして、その全てが次々に、焔姫の装甲めがけて容赦なく叩き込まれる。
ドカドカドカドカッ! ドカドカッ!!
「ッッぁ゛あ゛ーーーッ!!? ひぁ゛ッ、あ゛ッ、ぁはぁぁぁぁぁああンッ!? はぎッ、ぎッッッひゅィィィ゛ィィィィぃぃぃぃぃぃンッ!!?」
腰に、腹に、鳩尾に、腋に、所構わず凶悪な形状のドリルをドカドカと打ち込まれる感覚だけで、マヤは意識を消し飛ばされそうになる。
「ッッッ〜〜〜〜!!!!」
全開にされた口腔からだらだらと唾液が流れ落ちる。体がただ焼けるように熱く、最早痛いのか苦しいのか気持ちいいのか、泣いていいのか笑っていいのかマヤにはわからなかった。

212三姫VS邪神① マヤVSグレートハウンド級 ◆h9Hr5c.eFE:2018/05/13(日) 22:47:35 ID:HpTjydzY
「ぇあッ、あ゛っああっあッあ……ぃっ、ひあっあ゛っ、ぁあ゛〜〜……!!」
そんなマヤを気遣う素振りもなく、巨獣がおもむろに下腹部に力を込める。
――ボゴンッ!!
「ぃッーーーー!!!!!?」
ボゴンッ!! ボゴンッ!!
「い゛ぃぃ゛ぃぃぃあああああああッ!!!? あひゃあ゛ああぁああ゛あぁあンン゛ッ!!!?」
鉄板を殴り付けて凹ませるような音は、巨獣のチューブ状器官の蠕動音であった。
無数の管が次々と不規則に脈打ち、『何か』を包んだ巨大なコブが巨獣の腹部へと飲み込まれていく。
ボゴンッ!! ボゴゴン!! ボゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴンッ!!
「いぎッ!!!? いぃッぎいぎッぐッ!!!? いぐィぐィぎゅぅうンン゛ぁあ゛あああああッ!? あ゛はあぁぁぁぁあぁあぁあ゛ぁぁぁぁぁぁンッッ!!! あ゛ひィンッ!!? あひン゛!!! ンぁあ゛ッひぃぃぃぃぃぃぃい゛ィィィィッぐぅうぅぅゥゥゥゥ〜〜ッッ!!!!?」
バシバシッ! バシッ! バシバシィィッ!!
焔姫の全身から、それまでとは比較にならない激しさで火花が噴き出すと共に、コックピット内ではLDMLスーツが所構わず破断、液化、沸騰し、ぶちゅるるっ! びちゅっ!ぐぢゅうっ! と絶え間なく飛び散って、マヤの全身を滅茶苦茶に汚していった。
「ひィンッひッひひい゛ィィィンッ!!? ぁ゛んあんぁ゛ン゛ああ゛ンッ!!? れちゃう゛ッ!!! れちゃッ、れぢゃうッ!! れぢゃうれぢゃうれぢゃうぅぅう゛ンッ!!! ぜんぶれぢゃう゛よぉぉぉぉお゛ぉおぉお゛ッ!!!! あ゛ぁあッひぃい゛ィィィィィンッ!!!? 」
もはや火花と粘液の噴出が片時も止まらない。焔姫は背骨を折れんばかりに反り返らせ、脳天を激しく地に擦り付けながら悶え狂った。
バシバシバシバシッ!! ぶぢゅるる、ぶちゅっ! ぶちゃっ、ぶぢゅぅぅっ!!
「れちゃうれぢゃうれぢゃうれぢゃうれぢゃうれぢゃうれぢゃうれぢゃう゛ぅぅぅぅぅぅゥゥゥッ!!!! きゃィンきゃィい゛ンきゃひひひい゛ィィィッ!!? きゃひい゛ィィーーンッッ!!? ひゃひひい゛ィィィィィィィンッッッ!!!?」

213三姫VS邪神① マヤVSグレートハウンド級 ◆h9Hr5c.eFE:2018/05/13(日) 22:48:28 ID:HpTjydzY
ヴオオオオオーーッ!! と巨獣も雄叫びを上げる。犬や狼のそれとは似ても似つかない咆哮であったが、その声音は心なしか猛りと恍惚を帯びているように聞こえた。
「ひィ゛ィィィィぃ゛ンッ!! ひッ、ひッ、ひイィッッーーーー…ッッ…!! ……ッッ……」
しかし、そんな熱狂はすぐに止んでしまった。
「…………ぁ゛っ……ぁ゛っ……ぁ゛っ……」
張り詰めていた焔姫の肢体は、いつの間にか完全に地面に崩れ落ち、時折ビクン、ビクンと痙攣を繰り返すのみとなっていた。
マヤが意識を失ったのだ。
「……ぁ゛っ……ぁ゛、ぁ゛っぁ゛ッ……」
そのせいなのか、吹き上がる火花も、猛烈な勢いで『何か』を吸い上げていたチューブの蠕動も衰え、間もなく止まってしまった。
「っ……ぁ゛っ……」
「オオォォォ……」
巨獣が低く唸り声を上げながら首を揺らす。あからさまに不満げな仕草だった。
やがて巨獣は右の副腕を焔姫のツインテールを象った頭部に伸ばすと、鉤爪を押し当て、肘から先の筋肉をぐぐっと膨張させた。
バリバリバリッ!!
「…ッ…!!! ぇゃあ゛ぁぁぁあああッ!!? ひッ、ひみッ、ひみィッみ゛ぃぃぃい゛ィィィィッ!!?」
頭部に高圧電流を送り込まれたマヤは、目を白黒させながら舌を突き出してのたうち回った。ぷちゃっ、ぷじょろろろろろぉ…っ!!
彼女が意識を取り戻したと見るや、巨獣はすぐさまチューブに力をみなぎらせ、吸引行動を再開した。
ボゴンッ!! ボゴゴゴゴゴゴゴンッ!!
「ひい゛ぃぃぃぃい゛ィィィィィィィーーーーッ!!!? やめひぇ゛ぇぇッ!!? やめひぇや゛めひぇやめひぇえ゛ぇぇぇぇぇえぇぇッ!!!! んあンあンあ゛ンあ゛ぁぁあぁあぁぁぁあああッひぃ゛ぃイィーーーーーッ!!!??」

214三姫VS邪神① マヤVSグレートハウンド級 ◆h9Hr5c.eFE:2018/05/13(日) 22:49:13 ID:HpTjydzY
仰向けで悶え狂う焔姫を前に、巨獣が再び歓喜の雄叫びを上げる。
焔姫を蹂躙し尽くし、征服し尽くし、マヤを心身共に完全敗北に追い込んでなお、その獣性と欲求は止まるところを知らないようだった。
そして巨獣はそのまま副腕による拘束を解き、身を起こした。
マヤは解放されたのだろうか?
否、そんなことはなかった。
全身に無数のチューブを打ち込まれたままの焔姫は、巨獣の腹部にぶら下げられる格好となった。
その間にも無情な吸引行為は続けられ、チューブ状器官がボゴン、ボゴンと間断なく脈打ち続けている。
「あ゛ーーッ!!! あ゛ッあ゛ッあ゛ッ!! あ゛ーッあ゛ーッ!!? あひッあ゛ひあひあ゛ひッ、はゃあ゛ゃあひゅン゛ぅンぅンン゛ッ!!!? ゆッ、ゅゆっゆるひでぇえッ!! ゆる、ゆるひ、ひィッ!! ひい゛ィィィィィンッ!! ひんじゃあ゛ぅッ、ひんじゃうう゛ぅぅぅッ!! ひんじゃうよ゛ぉおおおぉお゛ォォォォォッ!!!!」
自由になった両腕でチューブの一本を掴み、必死で引き抜こうと試みる焔姫。無駄な抵抗を意にも介さず、巨獣が悠々と歩きだす。三匹の配下もそれに従う。

215三姫VS邪神① マヤVSグレートハウンド級 ◆h9Hr5c.eFE:2018/05/13(日) 22:52:10 ID:HpTjydzY
「あ゛ひゅううゥゥゥゥッッ!!!」
ガクン! と衝撃におとがいを反らした瞬間、向かう先に視線を合わせたマヤは、ついにその光景を目にしてしまった。
「……ン゛あッ……? ……あッ……あ゛ぁぁぁあぁ……ッ……!?」
逆さになった視界いっぱいの、この世のものとは思えぬ暗黒の中に、無数の赤い光点が浮かんでいる。それが全て自分を見据える「視線」であることを本能で悟り、マヤは心底から恐怖し、絶望した。
マヤは“外敵“として認められるだけの力は示せなかったが、“獲物”としての味見には叶ったのだ。
「あ゛っあ゛ッ!!? やッ、やらッやらやらぁぁ……たっ……たひゅけでぇ……!!」
彼らにとってこれまでの行為はほんの前哨にすぎない。本当の愉しみはこれから遠大な時間をかけて、『巣』の中で待つ同胞たちを交えて行われるのだから。
「たひゅッ、けッ…いやぁあ゛ッ!!! いやッ、やッ、たひゅ……ひぃ゛ィィィッ…!! だひゅけでぇぇぇぇぇぇぇッ……!!」
バタバタと焔姫が暴れ続けることが不快になったのか、巨獣は全てのチューブ状器官を一斉に、ボゴン!! と力強く蠕動させた。
「ァ゛ぇ゛ッ……!!!!!?? 」
そのたった一撃に打ちのめされ、マヤはまたも意識を失い、五体をだらりと垂れ下がらせたまま、“主人”と共に闇の中へと沈み、消えていった。

数分後、救援要請を受けた増援部隊が山岳地を訪れた時、
すでに焔姫と邪神属の姿はなく、その装備品であった大剣と、黄色い粘液にまみれてどろどろに溶解したブースターの残骸だけが断崖の下に転がっていた。
半径3000kmから焔姫の反応は観測されず、夜を徹しての捜索の後、マヤ・ランベリーはMIA、作戦中行方不明と認定されることとなった……

216三姫VS邪神② VSドラゴン級 ◆h9Hr5c.eFE:2018/08/17(金) 02:02:29 ID:RLbjpI.6
「きゃああああッ!!」
「あはぁぁぁぁあッ!?」
舞い上がる多量の砂塵と共に、雷姫、風姫が軽々と吹き飛ばされる。
彼女らと対峙しているのは、平坦な砂漠のただ中に鎮座する異形の生物。その長大な尾が後方180度の地を凪ぎ、二姫を打ち据えたのである。
「こ、こいつ…っ!!」
唯一上空に逃れることに成功した焔姫が、両腕に抱えた大型ガトリングガンを発砲する。
着弾と共に激しい火花が散るが、物々しく黒光りする甲殻はその尽くを弾き返し、傷一つ付いていない。
「静香! つばめ! 大丈夫!?」
ジャミングの影響により、この近距離でも回線の接続状況が芳しくない。安否を確かめるべく、倒れ伏した二姫へと視線を移すマヤ。
その一瞬の隙を突くかのごとく、怪生物はぐるんと首を反り返らせるや、口腔からべびゃっ!と不快な音を立てて何かを放出した。
「うあッ!?」
予想外の反撃に対応できず、炎姫はそれを頭から浴びてしまった。
「ど、泥…!?」
粘性のある灰色の液体。以前に対峙したハウンド級が吐いたような強酸性のものではないようだが、直後、焔姫のモニターにガトリングガンの動作不良を告げるアラートが点灯した。
「砲身が!?」
液体は空気に触れるや、瞬く間に硬化し、ガトリングガン全体をガチガチに固めて砲身をロックしてしまった。怪生物が体内で砂と己の体液を練り上げて生成した、超速乾性の油土のような物質だった。
動きを封じられたのは武器だけではない。それを手にしていた焔姫の上半身もまた、油土の硬化と共に石像のように固まりついてしまう。
「う、動け、な…!? …うッ、うあぁぁぁあ…!?」
マヤの目の前で、怪生物の頭が高々と掲げられ、堅牢な顎がハンマーのごとく打ち下ろされる。
「…あはあ゛ぁぁぁぁッ!!?」
軽快な音を上げて砕け散る油土とガトリング。打ち据えられた焔姫は猛烈な勢いで地に叩き付けられる。
「ぁが……ッ!! …あ゛ぅ゛、ぐッ…!?」
仰向けのまま全身を引きつらせ、口をぱくぱくさせながら悶絶するマヤ。LDMLスーツのダメージトレースと、コクピットへの衝撃の二重の責め苦が彼女を苛んでいる。
もっとも、仮に足元が柔らかな砂地でなかったら衝撃だけで即死していた可能性もあるため、相変わらず悪運にだけは恵まれていたといえるだろう。
「マヤさん!」
「今助けます、マヤさん!!」
涙で滲む視界に、駆け寄ってくる風姫、雷姫の姿を確認して、マヤは声を絞り出して叫ぶ。
「く、来ん…なっ!! ぃ、いま来たら…ッ!?」
その瞬間、二姫の頭上でストロボのような強烈な閃光が瞬いた。
「…えっ?」
「!?」
「…ふ、二人とも! 避けてッ!!」
反射的に空を仰いだ二人が目にしたものは、夜空の中心に煌々と輝く光の球体。月はおろか真昼の太陽さえも明るく眩いそれは、怪生物の口元に咥えられ、バチバチと白蛇のごとき電光を迸らせている。
「ひぃっ…!!?」
「くぅぅッ!!」
竦み上がる風姫をめがけ、焔姫がスラスターを全開にしてボディタックルを見舞った一瞬の後、ドラゴンの口から放出された電磁球が地表に激突した。
ビッシャアアアンッ!!!
「うぁあはああぁぁああ゛ッ!?」
「ふゃぁぁぁぁあ゛ぁぁあぁッ!?」
「はくッッぁあ゛あああぁぁあぁあッ!?」
凄絶な爆風と共に、電磁乱流の嵐が八方に乱れ飛ぶ。直撃を免れた三姫だったが、その余波が機体を打ち据え、吹き飛ばし、更には切り刻むように責め立てる。
「お゛あォお゛ぉォォォォォォォォッッ!??」
「ひゃぃい゛ィィいィィィィィィィッッ!!?」
「くあ゛ぅぁあぁあぁあ゛ンンッ!!?」
激しく地を転がる三姫のコックピットの中で、パイロット達のLDMLスーツがボロボロに破れ、生地の破片が四散する。
「ぁ…はぁぁ゛ッ…」
「んぅ…ぅッ…ぅ゛ッ…」
「……う…ぁ゛…ぁ…ンッ…」
降り積もる砂に埋もれ、散り散りに崩れ落ちた三姫を見下ろして、怪生物がグフグフと嘲笑する。
太く逞しい大蛇のような体幹から生えた、鋭い爪を備えた四肢。背中には、広げれば空を覆い尽くしてしまいそうな巨大な翼が折り畳まれている。
その様相はまさしく神話や伝説に語られる『ドラゴン』そのものであったが、唾液を溢しながら悦に入るその顔は、やはり目鼻が無く、艶のない漆黒の体組織に覆われている。
「く…っ…そ…ぉぉ…ッ!!」
邪神属。その醜い容貌を前に、マヤたちの胸に暗い感情が渦巻く。
それは生理的嫌悪感のみならず、再三に渡って刻み付けられた敗北感と屈辱感。あるいは被征服感。そしてこれから繰り広げられるであろう凌辱劇、人智を超えた名状しがたい激感への――

217三姫VS邪神② VSドラゴン級 ◆h9Hr5c.eFE:2018/08/17(金) 02:03:03 ID:RLbjpI.6
「か…かっ…勝てない…たすけてぇぇ…!」
「姉さま…お、落ち着いてください…!」
彼らの存在が人類に知れ渡る頃には、既に多くの個体が地球圏に潜伏し、それぞれ思い思いのポイントに『縄張り』を構築してしまっていた。
そして、付近に接近する獲物を感知すれば、空間干渉能力によって自らの眼前へと転移させ、エナジードレインという捕食行為を行う。
マヤ達は今日に至るまで、既に10回以上、邪神属の縄張りへと足を踏み入れてしまっていた。その都度様々な邪神による襲撃に晒され、応戦するもことごとく敗れ、餌食としてエナジーを搾取されてきた。
「ふ…二人とも、まだ…動けるわよね…?」
ズン、ズンと砂を介して振動が伝播する。ドラゴン級は悠々と歩を進め、三人へとにじり寄ってくる。
「無理ですっ! あんなのと戦えっこないっ!」
うつ伏せのまま、ぶんぶん首を横に振る静香。三人の中で一番の年長者ではあるが、目に涙を溜め、憔悴しきったその表情にはもはや微塵の威厳も感じられない。
「わぁってるわよ!! だから逃げるって言ってんの!!」
雷姫が風姫に肩を貸し、ゆっくりと助け起こす。
「か、関節が砂を噛んじゃって、ちょっと固いですけど…動けます…!」
「いい? 一番強いあたしがあれを引き付けて逃げ回るから、あんたたち二人は別の方向に走って、助けを呼びにいく!」
度重なる交戦の中で、邪神属は空間干渉の応用による、強力な通信妨害能力を獲得していた。
三姫は強制転移による拉致を受けても、遮断圏内にいる限り本隊に居場所を知らせる事ができず、速やかに救援を呼ぶことができなくなり、結果的に苛烈な拘束とエナジードレインを長時間受けることが常態化しつつある。
オクトパス級に敗れた際は水中で絡み付かれたまま半日に渡って好き放題にエナジーを吸われ続け、モール級の群れに捕らわれた際は、半舷休息中の母艦の直下にいながら助けを呼ぶ声が届かず、丸一晩凌辱され続け……
彼女らの雇い主の「特殊能力」による探知が無ければ、もはや生還すら不可能かもしれない。
通信妨害を免れる術はただ一つ。邪神から距離を取り、遮断フィールドの外に出ることのみである。
「いいわね!」
「し、しかしそれではマヤさんが…」
「あんた達じゃ囮も務まんないでしょ! それにあいつ、見たところ素早くは動けない。あたしの焔姫なら捕まる心配はないわ!」
確かに焔姫は3機の中でも卓越した突進力、即ちスラスター推力を有している。直線的な移動スピードが郡を抜いているのは事実だ。そして、今まさに歩み寄ってくるドラゴン級の挙動が、非常に鈍重であることも確かである。
「…か、必ず…すぐに皆さんを読んできます! お願いします、マヤさん!」
雷姫が背部ウィングを展開し、焔姫とドラゴン級に背を向ける。
「マヤさん! どうか、ご無事で…!」
風姫も同様にフライトユニットを展開し、雷姫とは別の方向へ向かって逃走する準備を終える。
「じゃあ、行くわよ…! せーのっ!!」

218三姫VS邪神② VSドラゴン級 ◆h9Hr5c.eFE:2018/08/17(金) 02:03:48 ID:RLbjpI.6
勢いよく散会する三姫。ドラゴン級から見て雷姫は右へ、風姫は左へ、そして焔姫は側面へと回り込みながら、アームファランクスを猛然と乱射する。
「こっち向け! クソドラゴンっ!!」
激しい着弾音が響く。彼女の目論見どおり、ドラゴン級はくぐもった唸り声を上げながら、首を曲げて焔姫を注視する。ダメージを与えられている様子はないが、充分なリアクションである。
視界から雷姫、風姫の噴射炎の光が消えていくのを見届け、マヤは勝ち誇ったようにほくそ笑んだ。
「はん! 図体がでかい分お腹が空くでしょうに、ご馳走に逃げられて可哀想にね!」
ファランクスによる牽制を続けながら、焔姫もまたウィングを展開、後方へ大きくジャンプする。
ドラゴン級はのそのそと四肢を動かして方向転換し、焔姫を正面に捉えた。
着地と共に踵を返し、一目散にブーストを開始する焔姫。あとは推進剤の残量に気を使いつつ、付かず離れずの距離を維持して駆け回るのみだ。
(よし……さあ、あたしを追ってこいっ!)
冷や汗をかきながらも、囮作戦に活路を見出だしたマヤは、ある種の余裕と優越感を胸にドラゴン級を振り返る。
が。
「……え……!?」

219三姫VS邪神② VSドラゴン級 ◆h9Hr5c.eFE:2018/08/17(金) 02:05:07 ID:RLbjpI.6
「はぁっ、はぁっ…」
三姫のフライトユニットは長距離巡航を想定しておらず、小型のウィングで得られる揚力は十分ではない。
必然的に放物線状の飛行と着地を連続的に繰り返すこととなり、着地から再度のジャンプまでは数秒間ユニットの冷却が必要となる。
ぱたぱたと砂上を走る雷姫。コックピットではつばめが、あどけない顔立ちと不釣り合いの豊かなバストを揺らしながら、必死で両脚を動かしている。
(おそらく、あと1000mも走れば通信遮断圏の外に出られる…頑張らなくっちゃ…!)
スラスターの冷却が完了した。再度のブーストジャンプのために、つばめは息が上がる苦しさをこらえ、ぐっと足腰に力を込める。
「つばめ!! 静香!!」
その時、スピーカー越しに聞こえてきたのは、切迫した雰囲気のマヤの叫び声だった。
「マヤさん…!?」
思わず足を止め、後方を振り向く雷姫。
「ごめん、二匹そっち行った! 振り切って!!」
「二匹…? に、二匹って、いったい何が… 」
問いただそうとした矢先、センサーが適性反応の接近を捉えた。
「速い…!? こ、これ…まさか!?」
顔を上げれば、上空に不審な黒い点が一つ。つばめは反射的にカメラをズームさせ、対象の姿を確認する。
「…ひっ!?」
黒光りする鱗に覆われた体表。グライダーのように開かれた翼膜。牙を剥き出しにした頭部には眼がないが、不思議なことに“目が合った”という体感を得てしまい、つばめは背筋を凍らせた。
「こ、こちら風姫! 小型のドラゴンに追い付かれました! 応戦しま…っきゃあぁぁぁぁあぁッ!?」
「姉さま!!」
「うぁああッ!? あはぁあああああッッ!!?」
静香の絶叫に気をとられたのも束の間、黒い影が猛スピードで雷姫の真横を通り抜ける。
「っ!?」
ドドッ! という轟音と共に、それは塵を巻き上げて、背後の砂地に着陸した。
おずおずと振り向いたつばめが目にしたものは、両翼を畳みながら地に伏し、雷姫の顔を見上げる小さなドラゴン級。
「分裂したのよ! 体の一部を切り離すみたいにして、ちっさなドラゴンを生んだ!!」
先程まで対峙していた個体と比べて遥かに小さく、雷姫とのサイズ比は人間と中型犬のそれに近い。頭が大きく、体幹や四肢は細く、さながらドラゴンの「幼体」のような姿をしていた。
けっこう、可愛い。混乱する意識の中で、つばめは一瞬そんな錯覚を覚えた。にじり寄るドラゴンは、これまで対峙した邪神属の中でも飛び抜けて小さく。一見脅威とは感じられないが……
「ぁあ゛ぁおぉぉぉオ゛ォォォォッッ!!?」
「!?」
静香の声だ。
「や、やめぇえ゛ぇ…ッ!? ひィ゛ィィィィーーーーッッ!!?」
「姉さま!? ど、どうしたんですか!? 姉さま!!」
「こ、こいつら、ナリは小さいくせに…っ!! くぁ、はあんッ!?」
「マヤさんっ!!」
二人とも、目の前にいるものと同様の小型のドラゴンと交戦しているのだ。状況は恐らく劣勢。というか、静香に関してはもう――
「吸わないでぇぇぇッッ!? 吸わッッ!? すゎないれえ゛ぇぇぇぇぇッッ!? いやいやい゛やッ!! い゛やイヤあ゛ァァッォォォォオ゛ぉぉぉッッ!!?」
「ひぃぃ…!?」
一瞬のうちに顔を蒼白にしながら、つばめは二振りの小太刀を抜き、構えた。

220三姫VS邪神② VSドラゴン級 ◆h9Hr5c.eFE:2018/08/17(金) 02:08:34 ID:RLbjpI.6
その動きを開戦の合図と見なしたかのように、小型ドラゴンが口を開き、べびゃっ! と油土を吐きかける。
「はぁうッ!?」
顔にその直撃を受け、怯む雷姫。カメラシールドのほとんどが汚れに覆われてしまい、視界が潰される。
「うっ、く…! …う、うぁぁーっ!!」
半ば錯乱し、闇雲に前方へ向けて突進しながら小太刀を振り回す雷姫。手応えはなく、空しく刃が空を切る。
ビシィッ!
「ひぃんッ!?」
左手首に鋭い衝撃を受け、小太刀の一振りを取り落としてしまう。
ドラゴンが勢いよく尻尾を振り上げ、雷姫を攻撃したのだ。
ピッ! ビシッ! ピシィッ!!
「はぁッ! ふぁッ!? ふぁんんッ!?」
鞭のように振り回される尻尾が雷姫を打ち据え、右に左に弄ぶ。変則的な攻撃に、つばめには敵の居場所すら掴めない。
「はぁッ! ひ、ひぅうぅっ…!!」
残された右手の小太刀をがむしゃらになって振り回すが、ただ虚空を切るばかりだった。
ドラゴンはそんな反撃などお構い無しに、更に勢いを付けた鞭打ちを加える。
ビシッ! ビッ、ピシッ! バシィィッ!!
「ふぁう!? ふあぅあぅあぅんッ!? ひゃああ゛んッ!!」
一際強烈な一撃を胸部に受け、雷姫はたまらず転倒してしまう。
「はぁっ、ひっ…!!」
左マニピュレータの甲でカメラシールドを拭うが、硬化した油土は一向に剥がれない。雷姫は指先で引っ掻くようにして、何とかそれをこそぎ落とす。
「み、見え…ッ!?」
取り戻した視界は、白一色の閃光に包まれていた。つばめが見たものは、雷姫の間近に迫ったドラゴンが大口を開け、その内部で激しくスパークさせている電磁球の洩光だった。
「……ぁ…」
ビシャアアアアッ!!
「ひぁあ゛ぁぁぁぁあぁあああ゛んんッッ!!??」
直撃を喰らい、吹き飛ばされる雷姫。衝撃にセンサーが、硬質樹脂の装甲が砕け散る。つばめの肉体を電流の責め苦が駆け巡り、LDMLスーツが所構わず滅茶苦茶に破れ散る。
ばちばちばちん!ぱちぃいんっ!
「ぁ゛ぁんんはぁぁあ゛ぁぁあぁあぁ……ッ…!!」
ゴロゴロと砂上を転がっていく雷姫。そこへ正確に狙いを定めると、ドラゴンは無慈悲にも第二射を撃ち放った。
ビシュッ! ドシャアアアッ!!
「ふゅゅぁあ゛ィィィい゛ィィィィィんんん゛ッッッッ!!?」
雷姫がゴム毬のように跳ね上がり、崩壊した装甲が空中で砕け飛ぶ。ダメ押しの一撃にセーフティ機能であるスーツの自壊が追い付かず、つばめの体内では想像を絶する激感が爆発する。
「ひィィィィィぎィィィい゛ィィッッ!!? イ、イ゛ッゃう゛ぅぅぅぅう゛ッッッッ!!??」
ぶしゃああっ!! とおびただしいリンゲル液を全身から空中にぶち撒け、大破した雷姫は砂地に叩きつけられた。
「…ぁ…ぁふぁ……ふぁぁ、ぁぁぁ゛ッ…」
衝撃の余韻に身を撃ち震わせながら、程なくしてつばめは意識を喪失した。

221三姫VS邪神② VSドラゴン級 ◆h9Hr5c.eFE:2018/08/17(金) 02:15:09 ID:RLbjpI.6
「つばめ…? つばめっ!? ……くぅぅっ! こんのぉぉぉッッ!!」
ブルーティッシュ・ブレードの刃が火を吹きながら、超高速で弧を描く。
「グフッ」
滞空していた小型ドラゴンは、ひらりとそれを避ける。僅かに翼の角度を変え、剣が帯びる風圧を利用して身をかわしたのである。
「てぇぇあッ!!」
焔姫は剣の重量に振り回されるのに任せて、後ろ回し蹴りを放つ。マヤが得意とする二段構えの攻撃だったが、ドラゴンは僅かに首をひきながら口を開くと、迫り来る脚をガキッ! と歯で受け止める。
「!?」
そのまま両翼を広げ、大きく羽ばたくドラゴン。砂塵と共にその体躯が宙に舞い上がる。
「う、うぁぁぁッ!?」
必然的に焔姫はそれに付き合わされ、逆さ吊りで上空に引っ張り上げられた。上昇速度は速く、一瞬にして地表が遠のいていく。
「っ!!」
咄嗟に両腕のファランクスを展開し、構える焔姫。拘束された危機的状況だが、同時に至近距離で攻撃を加えるチャンスでもある。
相手はたかが、いち邪神属の肉体の切れ端。本体の何十分の一かそこらの戦力しか持たない末端である。
ならば、早々に撃破して他の二人を救出に行かなければ!
「くら、えぇっ…! きゃあぁっ!?」
攻撃の気配を察知してか、ドラゴンは空中で急旋回し、焔姫を思い切り振り回した。
遠心力で両腕が、特にブレードを持った右腕が頭上へと跳ね上がってしまい、ファランクスはあらぬ方向へと発射される。
「あぐ、あああぁ…っ!!?」
翼を巧みに操り、ドラゴンはぐんぐん回転速度を増しながら焔姫を振り回す。さながら空中ジャイアントスイングとも言うべき行動に対し、マヤは為す術がない。
「こいっ、つっ…!? なんて、馬鹿力…ッッ!? うぁ…!!」
ドラゴンは唐突に歯による拘束を解いた。
「きゃあああああああッ!!?」
ほとんど真っ逆さまに近い角度に向かって、弾丸のような速度で放り出される焔姫。このまま地面に激突すれば只では済まない。
反射的にマヤは脳波コントロールでウィングを展開。スラスターを全開で吹かしてブレーキングを試みる。
「止まれ! 止ま……っ!!?」
その行動も折り込み済みだったのだろう。空中で静止しようとする焔姫をめがけ、上方に位置するドラゴンは、あろうことか口腔に自身の全長を上回るサイズの、特大の電磁弾をチャージしていた。
(嘘…っ!?)
目視できても、充分な距離があっても、全力で制動をかけていた焔姫にはそれを裂ける術がなかった。
ボシュゥゥゥンッ!!
「…ぅあ゛はぁぁぁぁあ゛ンッッ!!?」
渦巻く電光に包まれ、叩き落とされる焔姫。衝撃と電撃が一瞬にしてマヤの体を貫き、苛烈なダメージフィードバックをもたらす。
「はあぁ゛ン゛ンンッッ!!? あッひい゛ィィィィィンンッッッッ!!!?」
グッシャァァッ!!!
焔姫が地面に到達し、砂中へ頭から勢いよく突き刺さったのは、スーツが自壊作用によって爆裂する直前のタイミングだった。
「ぉ゛ン゛……〜〜ッ!!!?……〜〜ッッッッ!!!!?」
ばっちぃぃぃぃんっ!!
上半身を砂に埋没させた焔姫の中で、限界を超えたダメージに悶絶するマヤ。冗談のように砂から突き出た焔姫の下半身がガクッ! ガクッ! と跳ね、両脚の付け根からリンゲル液が断末魔のごとく、壮絶な勢いで噴出する。ぶしゃああっ!!
「ッッッッ〜〜!!! ?………!!!!…………」
爪先までビンと張り詰めたまま震えていた二本の脚は、やがて力なくぐにゃりと弛緩し、M字を象ったような珍妙なオブジェか、あるいは噴水台に変わり果てた。
じょろじょろと流れ出ていたリンゲル液も程なくして止まり、焔姫は完全な沈黙を迎えた。

222魔の闘技場〜アニーシャ・オン・ステージ ◆h9Hr5c.eFE:2019/01/12(土) 20:01:21 ID:GYBRk.lo
「…このっ! このぉっ!!」
自らを追い立てる2機の重装型サイクロプスに、ケット・シーは後退しながら、レーザーマシンガンによる必死の牽制射撃を繰り返す。
『亡国フェネシアの威信を背負うアイドル、アニーシャ・チェレンコフ! 我らが同胞を寄せ付けまいと華麗なフットワークで善戦中! 果たして逃げ切れるのかぁ!?』
機体相性は最悪。決定打を与えられないばかりか、突進の勢いを削ぐことすらできない。まさにジリ貧の状態に追い込まれている。対する敵は最早遊び半分なのか、発砲すらせずに対レーザーシールドで射撃を弾き、小動物でも狩るかのようにアニーシャを追い立てている。
「フィーヒヒヒ!」
「フィーヒヒヒ!」
「…っ…! このぉぉっ!!」
『頑張れ、リトルフェアリー! 今日こそ勝利の栄冠を掴み、再び美しく羽ばたく姿を見せてくれ! 自由は目の前だぁ!!』
実況の白々しい煽りに『コロシアム』全体がどっと湧く。
「今何連敗だぁ?」
「9…いんや、これでちょうど10連敗だなあ!」
それに反して、アニーシャの表情はますます険しくなり、焦りの色を強くする。
「誰がっ…!! ふざけないでよねっ!!」
後方への回避運動を取っていたケット・シーが、不意に何かに激突したかのように体を硬直させる。
「ッ!?」
ケット・シーの背後で光学迷彩を解除し、末端から徐々にその全貌を露にしたのは、電子戦能力を強化されたオニシリーズのバリエーション機、インビジブルクロオニだった。
『あーっと! 挑戦者アニーシャ、ここで不運にもトラップに衝突だぁ!!』
「しまっ…!? ひゃあぁッ!!」
反応が一瞬遅れた結果、クロオニの巨大マニピュレーターの指先で右足首をつまみ上げられ、たちまち逆さ吊りにされてしまうケット・シー。
「は、離してっ! 離してってばっ!」
自由の効く右足でクロオニの指を蹴り付けるが、びくともする様子はない。やがてその右足すらもクロオニのもう片方の腕に捕らわれ、ケット・シーは脚をV字に開いた状態で空中に固定された。
「…っあ…ッ…!」
「ぐひひひ! い〜い眺めだなあ!」
クロオニのパイロットらしきガバノイドの濁った声。相槌を打つように客席が色めき立つ。

223魔の闘技場〜アニーシャ・オン・ステージ ◆h9Hr5c.eFE:2019/01/12(土) 20:04:37 ID:GYBRk.lo
彼女の姿は、コクピット内に配置されたカメラ郡を介して、巨大なホログラフとして会場の中央に投影されてしまっている。その声と息遣いもスピーカーによって筒抜けである。
戦闘を繰り広げるケット・シーとサイクロプスではなく、なぜアニーシャの肢体ばかりを執拗に中継するのか。それはこの『コロシアム』がガバノイド主催の施設であることを踏まえれば納得が行くであろう。
「くぅぅっ…!」
アニーシャは敵を睨み付け、反射的に腹筋力で上体を起こし、マシンガンでの反撃を試みるが…
「調子に、乗んっ…っ!? ひゃあああっ!?」
ドスを効かせていたアニーシャの声が、途端に甲高く綻んだ。地上に待機していたサイクロプスの一機が、タイミングを合わせてケット・シーの尾をぐにっ! と握り締めたのだ。アニーシャは起こそうとしていた上半身をむしろ逆に反り返らせ、身悶えする。
「ふ、ふぁッ!? やっ、にぁあ゛ッ、はぅッ、はぇあぅッ!?」
指先でグニグニと尻尾を揉みしだくサイクロプス。アニーシャのスーツのフレームがたちどころに帯電し、握力の緩急に合わせた振動と電流が彼女を責め立てる。
バチッ! バチバチッ!
「はぅッ! はぁん! はぁんッ!?」
先程までの気迫はどこへやら、アニーシャは目を潤ませ、媚びるよう腰をくねらせながら上ずった嬌声を上げる。
「ずるいぞ、おまえ! オラにもやらせろ!!」
もつれ合う三機の攻防に加わらんと、駆けつけざま尻尾に手を伸ばすもう一機のサイクロプス。
ぎゅむ! ぐりっ!
「んんゃぁあぁあぁああッ!!?」
総毛立つような強い刺激が立て続けに流れ込み、アニーシャは思わず手にしたウェポンデバイスを取り落としてしまう。
ゴトンと地に落下するツインマシンガン。股裂き状態で身動きの取れないケット・シーの尾を、2人のガバはそれぞれ好き放題に圧迫し、捻り、捏ね回してきた。
「はぇ゛ッ!? にゃ゛ぁッ!? こッ、こい、つ、らッ!? ひぇぁッ!?はんっ! あんっ! あんッ!?」
不規則な刺激に翻弄されながら、アニーシャは目尻に涙を浮かべ、舌を突き出して身悶えする。尻尾を使って投擲せねばならないチャクラムは使えず、自力では両脚を締め付けるクロオニの怪力を振りほどけない。
そんな彼女の無様な姿は、肌を伝う汗の一滴までも、余さずホログラフで観客たちの前に仔細に投影されてしまっている。
「あんッ!? にぁ、あんッ、あぁんッ!? あぁんッ!? ぁあんッ!?」
「結局いつものパターンじゃねえかあ!」
「なぁにがフェアリー・フォースだ馬鹿馬鹿しい!」
「よせよ! アイドル部隊の三下隊員ちゃんが可哀想だろォ!」
「違ッ…あ、アニーたちはッ…!!」
「ヒューッ! ビクンビクンしてるぞお!」
「ホントに弱点なんだなあ!? それそれえ!」
ぐにぐに、ごり、ごりゅっ!
「ひゃあンッ!? やめッ、ぅぁんッ!?、ひゃぁんッ!! ふぁあッ……!? だッ、らめッ!? んぁっぁっあっあっあっ…はぁっ、はぁん! はぁぁあん、はぁぁぁん! はぁあぁぁあん…!!」

224魔の闘技場〜アニーシャ・オン・ステージ ◆h9Hr5c.eFE:2019/01/12(土) 20:07:07 ID:GYBRk.lo
アニーシャの声が裏返り、震えながら次第に甲高くなっていく
「はッ! はッッ!! はぁン! はぁぁン! はぁぁンッ! ぁぁンッ! はぁあンッ!!」。
「でもって…」
「はぁあッ……ひ、ひっ!?」
「これだあ!」
サイクロプスの一機が、左手のスタンナックルを起動し、ケット・シーの腹部へと押し付ける。
「んンぁあ゛ぁぁああぁぁあぁぁぁッ!?」
じゅぶぶ、ぶちゅっ! ぶばっ!
T-スキンが下腹部から一気に破断し、弾むFカップの下乳を露にしながら液化、飛散する。絶叫するアニーシャの顔面へと白濁が降り注ぐ。
「ひぁ、あぁはぁあ゛ぁンッ!? やッ、やらぁあ゛ぁあッ!?」
背骨を折れんばかりに反り返らせ、必死で電撃から逃れようとするケット・シー。だが無情にももう一機のサイクロプスがスタンナックルを起動し、その背部へと叩きつける。
「オラアアアッ!!」
バリバリバリバリィッ!!
「あ゛ぁぁぁぁあ゛ひぃい゛ィィィィィッ!?」
背中に更なる電撃が加わる。コクピット内では噴水のように白濁のシャワーが飛び散り、ピンクブロンドの美しい髪を一瞬でドロドロにコーティングしてしまった。アニーシャは押し寄せる激感、彼女にとって最も耐え難い感電の責め苦にサンドイッチにされ、全身の筋肉を強ばらせて絶叫を上げる。振り乱されるツインテールから粘液が糸を引いて迸る。
『ケット・シー! 身動きが取れなくなってしまったぁ! だが挑戦者はあのリトルフェアリー・アニーシャ!! ここから逆転劇の幕開けなるか!?』
「ひィにゃあぁ゛あッ!! ひぃィッ!? ひに゛ィィィィィィィィい゛ッ!?」
首をぶんぶん横に振るケット・シー。アニーシャの表情は許しを乞うような色を帯び、『今夜も』心が折れてしまったことを物語っている。
「こっちの方もお留守にゃしないぜえ! オラッオラッ!」
ごりゅ、ぎりり、ぐに、ぐにっ!
「にひゃぁあ゛ぁッ!? しっぽ、しっぽッ!? しっぽッ!! いまッ、いじッ!? いじッ、いじめられたらぁ゛ぁああぁッ!!?」
「いじめられたらあ? どうなるんだあ?」
モータークロオニの額から二本の角らしきものが伸展する。平行に揃った板状のそれは、次の瞬間バチン!! と狭間にスパークを迸らせる。
「ひぃぃい゛ーっ!!?」
ケット・シーの両脚が無理矢理180°近くまで開かされ、怯えるアニーシャも大股開きを強要される。
「ひひひひひ!!」
クロオニは身体を前屈させ、無防備なケット・シーの下腹部へとボルトホーンを突き立てた。
「そおら、いけいけいけぇぇ!!」
ズバリバリバリバリビリイィッ!
「えひぃい゛ぃィィィッッッ!!? ひぎィうぅううぅうぅうッッーー!!!?」
サイクロプスのそれを遥かに上回る苛烈な電圧の責めが加わる。ケット・シーは巨腕と3つの電極によって完全に空中に固定された。広げられた両脚がびんと張り詰め、見事なT字のシルエットを形作る。
「り゛ゃぁァあ゛めぇぇェェエェェエェッ!!!」
ホログラフ投影されたアニーシャのT-スキンがたちまちシチューのごとくグツグツ泡立ち、ぶちゃああっ! と音を立てて派手に爆裂する。
「ぁあ゛ひィィィッ!? あひゃぁあ゛ぁぁぁあ゛ぁぁぁあッ!!!」
激感にぶるぶると震える柔肌が露になると共に多量の粘液が乱れ飛び、全身をぐちゃぐちゃにデコレーションしていく。
「あッぁッぁッあ゛ッぁッぁあ゛ッ!? らッ、らぇッ!? らえ゛ぇえぇッ!!? もぉ゛らめッ、らぇッ、こッこッこんらッ、はひイ゛ぃぃぃイ゛ィィィィッ!!?」

225魔の闘技場〜アニーシャ・オン・ステージ ◆h9Hr5c.eFE:2019/01/12(土) 20:11:03 ID:GYBRk.lo
『これはピーンチ!! どうした挑戦者アニーシャ、呂律が回らなくなっているぞぉ!』
客席からどっと、嘲笑とも熱狂ともつかない歓声が上がる。
「フーンク!」
「フーンク!」
ごりごりぐにぐにゅぐにゅっ、ごりゅっ!
「にゃはぁあ゛ァァァァッ!!!? お゛ッ!!? おぉ゛ッ、おかひぐなっひゃうううゥゥゥッ!!!?」
「仕上げだ! きょうだい!」
「おおっ! フーンク!!」
ガバノイドたちは一斉に、スタンナックルの出力を最大まで引き上げた! ズガガガガバリバリバリバリバリッ!!
「に゛ぁお゛ぉオォォォォォッ!!?? ひに゛ゃオ゛ッ!! に゛ゅえぇあおォォォォオ゛〜〜ッッ!!?」
白液にまみれ、被虐と絶望に歪んだアニーシャの顔はもはやアイドルのそれでも、国防軍のエースパイロットのそれでも無かった。クロオニの屈強なマニピュレーターすら揺るがす勢いで両脚がガクンッ! ガクンッ! と激しく痙攣を始める。
『あーっと! これはまずい! これはもしや!?』
「そーれ…… フィニッシュ!!」
そして、下腹部を責め立てていた二本のボルトホーンが勢いよく閉じ、あろうことか万力のごとくケット・シーの尻尾を締め上げる。
ガチンッッ!!
「いゅ゛ぅ゛う゛ゅいイ゛ィィィィィィッ!!!!??」
グギッ、ギュギリリリ…ッ!!!
「!!!!! ……にぁ、ぉ゛、ォ、ォ゛…ッッ!!!?」
ギリリ…バリバリバリバリィッ!!!
「…ッッッぉおお゛ォォォ〜〜ッ!!?? くぉお゛ォォ〜ッ!!?? くお゛ぉォォォォ゛ほォぉぉぉお゛〜〜〜〜ッッ!!!!!?? 」
ぷっしゃあぁぁぁぁっ!!
明らかに先程までの責めとは異なる反応を前に、ガバたちはアニーシャが早くも限界に達しようとしていることを悟った。
「ほお゛ぉォォォォッ!!? お゛ほォォお゛ォォォォ〜〜〜ッッ!!!!? 」
「…っと、ここで壊しちまったらいげねえ。ストップだおまえら!」
「チッ…へいへい」
クロオニの角と二基のスタンボルトが放電を止め、さっと退散する。
同時に実況が勝ち誇ったように宣告する。
『勝負あったーっ! 敗者、アニーシャ・チェレンコフ!! 』
「…ほぁあ゛ぁあぁ、ぁあぁあ゛ぁ……ふゅゅ゛ぁ、あ゛ぁあぁ、あぁあ゛ぁ…ッ…」
股裂き逆さ吊りの刑に処されたまま、虚ろな目から涙を流して身を震わせるアニーシャ。バケツでぶちまけられたかのような白液にまみれ、ツインテールの先端からボタボタと糸引く滴を落としながら、恍惚とした声を発している。
「こいつぁ逸材だからなあ。少しでも『長引かせる』ようにとのボスのお達しだぁ」
「ふぁあぁぁぁ……ぁ、ぁ、ぁあぁぁぁぁあぁぁぁ……」
『あのフェネシアの美しき妖精が、変わり果てた無惨な姿を晒している! この 展開を誰が予想できただろうかーっ!?』
会場を包み込む割れんばかりの嬌笑の中、狩人に仕留められた獲物のごとく、右足首を捕まれたまま高々と掲げられるケット・シー。肢体を力なく弛緩させたまま、電撃の余韻にビクビクとうち震えるアニーシャの姿もまた、会場の中心にありありと投影されていた。

226魔の闘技場〜アニーシャ・オン・ステージ ◆h9Hr5c.eFE:2019/01/12(土) 20:15:29 ID:GYBRk.lo
帝国軍が共和国領への一斉侵攻を開始したその日、フェアリー・フォースは首都フェネシアにて、帝国に与するガバノイドの軍勢に立ち向かうも、巨大機動兵器『ギガント』の猛威の前に為す術なく惨敗を喫した。
アニーシャが意識を取り戻した時、既にフェネシアは帝国の領土と化しており、彼女もまた機体共々捕らえられ、虜囚の身となっていた。
同僚のツバサ、ミレニアとは離ればなれにされ、今やその動向を掴む術はない。
奴隷として身を滅ぼされた母と同じ立場に置かれたことに、アニーシャは絶望を覚えた。セレニアンの血を引く自らもすぐに商品として売買され、買い手によって心身を蹂躙され、人としての生を終えるものと考えた。
しかし、ガバノイド達はアニーシャをこの『コロシアム』――デブリ帯に隠された旧水資源プラント跡地の闇施設に監禁したまま、今日に至るまで半月の間、直接的な危害を加えようとはしなかった。
監禁といっても檻に鎖で繋がれるようなことはなく、個室と過不足のない食事が与えられた。室内には浴室と姿見の鏡、化粧品すら据え付けられており、外出を禁じられていることを除けば、不自由は何一つなかった。
それどころか、この施設を牛耳っているガバノイドは、アニーシャに対して釈放のチャンスを与えるとすら言い出した。条件はいたって単純明快、『コロシアム』で行われる戦いに出場し、10勝すること。そうすればアニーシャは晴れて自由の身になれると語ったのだ。
あまりに胡散臭く、裏があるとしか思えない待遇だったが、アニーシャはそれに乗るしかなかった。断れば即座に奴隷として処分されることは想像できたし、自力でここを脱出する方法は到底考え付かなかった。
かくしてアニーシャは覚悟を固め、命を懸けて夜毎行われる『コロシアム』での戦いに臨み――

227魔の闘技場〜アニーシャ・オン・ステージ ◆h9Hr5c.eFE:2019/01/12(土) 20:21:19 ID:GYBRk.lo
「はーっ、はーっ、はーっ…! …っく、くぅぅぅ…ッ!」
連日、いたずらに敗北だけを繰り返していた。
通算13戦目。ボロボロにされた胸部装甲を庇うように両腕で包み、ケット・シーが後ずさる。
事前に睨んだ通り、闘技場には常にアニーシャに不利な仕掛けが施されていた。半径75mの武舞台は、触れれば高圧電流を放出する半球状の電磁シールドで覆われており、ケット・シーは持ち味の機動力を発揮できずに、絶えずジリジリと追い詰められる形となる。
「イ゛ヤ゛ーッ!!」
ヒュッ、ガキィィンッ!!
「くぁあっ!?」
放たれた特殊兵装クサリ・フンドがケット・シーの右腕をぐるぐる巻きに固めた。
対戦相手は、既存の帝国系機動兵器の基礎設計に、ニンジャ・フレームの機体データを落とし込んで開発された新型兵器。デミ・ニンジャフレーム『ゲニン』3機。
そのスペックはニンジャソウルの力によって稼働するオリジナルと比較すれば、ニュービーの操る低ランクの機体にさえ遠く及ばない。しかし、優れた運動性と様々な戦局に対応する多彩な特殊武装により、投入された戦場では常に少数で国防軍の大部隊を撹乱・圧倒していた。
フェアリー・フォースもまたこの機体を駆る精鋭部隊と遭遇し、翻弄され尽くした末に凄惨な敗北を喫した経験があった。
「イ゛ヤ゛ーッ!!」
カラテシャウトの猿真似のような、不愉快極まりないガバの咆哮。
「ひゃああああああッ!?」
ゲニンがその膂力を以てケット・シーを仰向けに引き倒す。更に残る二体が連携して鎖を放ち、左腕、両脚を次々に緊縛。
「ひゃ、う、ひぎぃッ!?」
鎖が全力で引き絞られるや、ケット・シーは大の字の姿勢で宙に浮かされ、拘束されてしまう。
『なんということだーっ! ケット・シー、完全に自由を奪われてしまったぁ! 対するゲニン部隊、試作兵器ランページ・カミナリサマを一斉に作動!!』
「そッ、そんなッ…!? …にぁぁあ゛ぁぁぁあああああ゛ぁぁあ゛ッ!!?」
対峙する敵は全て、当然のように電撃武器を装備していた。一度捕縛されてしまえばもはやアニーシャに勝機はなく、衆人環視の元で一方的な蹂躙が開始される。
バリバリバリバリバリッ!!
「あぎィィィィッ、ぃひィィィィぃ゛いイイイイッ!!?」
じゅびびっ、ぶばっ! ぶちゅっ! ぷしゃあぁぁぁぁっ!!
「い゛やぃやい゛やいやぃ゛やぁあ゛ぁぁあぁッッ!!! とめてとめてぇえ゛ぇぇぇェェェェーーッッ!!?」
数分に渡る叫喚の末に、もはやお馴染みとなった実況が轟く。
『敗者、アニーシャ・チェレンコフ!!』

228魔の闘技場〜アニーシャ・オン・ステージ ◆h9Hr5c.eFE:2019/01/13(日) 00:05:48 ID:inXrEUOo
14戦目。敵は通常型のサイクロプス5機。
「ひぎゅあ゛にゃあ゛ぁぁぁぁぁッッッ!!!!?」
スパイダーネットで指一つ動かせないほどに雁字絡めにされ、一斉に電流を流し込まれて失神した。

16戦目。
「ひゃい゛!!? ひゃひッ!!? ひにゃぃ゛ひッ!! ひッ!!? ひひゃンッ!! ひゃンッ!! ひゃン゛ッ!! ひゃンひゃンひゃンひゃン゛ッッッ!!!?」
サイクロプス4機による電磁鞭の滅多撃ちを受け、無様なダンスを踊らされた。
「ひゃンひゃン゛ひゃンひゃンひゃンッ!! あンッッ!!? あンぁンぁンぁあ゛ぁぁぁンッッ!!」

18戦目。
「に゛ぁぁぁあお゛ォォォォォォォォッッッ!!!?」
四足獣型ロボットは、アニーシャを瞬殺するや『悪夢のおしおきマシーン』へと変形。
ケット・シーを背部シートに仰向けに括り付け、無数のマシンハンドによる苛烈な責めを開始した。
ギュルルルルルルッ!!
「ゃお゛ぉぉぉぉはあ゛ぁぁぁぁあッ!!?」
『回転グラインダー・アームが急所を責め立てる! ケット・シー、ピンチ!!…あーっと、更にダメ押しのスタンスティック・アームが迫る!!』
「ひい゛ィィィィ!!?」
バチバチバチバチバチバチッ!!
「あぎッ!? はッぎゃあ゛イぃぃぃぃッ!!?」
ガチンッ!
「!!??」
『おっと!? 超振動アームがあらぬ場所を挟み込んだぁ!! 』
「だ……め゛…ぇぇえ…!?」
ヴッ…ヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴ!!!
「えイ゛ッッッ……!!? ……ッぎゅいぎゅいぎゅ!!? イギゅゥゥゥゥッッッ!!!?」
ヴヴヴヴヴっぷしゃ、ぶしゃあっ!!
「イぃぎゅうぁあ゛ンにゃ゛ぁぁぁああ゛あぁーーーッッ!!!??」
ぷぢゅ! ぷしゅああっ!!びちゃびちゃびちゃっっ!!
『早くも勝負あったーっ!! 敗者、アニーシャ・チェレンコフ!! 』

229魔の闘技場〜アニーシャ・オン・ステージ ◆h9Hr5c.eFE:2019/01/13(日) 00:09:20 ID:inXrEUOo
そして迎えた、計20戦目の夜。
「……」
いつものようにコックピットで薬液のシャワーを浴び、いつものようにT-スキンのフレームに股下を潜らせる。
腰に巻き付く冷たい感覚に、以前より少しゆとりを感じる。
痩せたのだろうか? ガバ達へのせめてもの精神的抵抗として、美貌を衰えせないことには躍起になっていたアニーシャだったが、日に日に濃くなっていく疲労の色は隠しようがなかった。
ひたすらに敗北を重ね、衆人環視の下で醜態を晒し、意識が飛ぶまで凌辱され、数時間後にベッドの上で目を覚まし、這々の体でテーブルに置かれた食事に手を付ける。ルーチンワークのような毎日だった。
ネックユニットからとろりと垂れ落ちた粘液が、フレームの磁力によって滞留し、アニーシャの体の表面に極薄の皮膜を形成する。
――またショーが始まるのだ。
「昨日のより…キツくないといいな…」
ぽつりと口をついて漏れてしまった言葉。
数秒後、はっと我に返ったアニーシャは、両掌でぱちんと(跡が残らないよう細心の注意を払って)頬を打った

「違うでしょアニーシャ…今日は勝つの……今日からは…勝つ!」
ひりひりと走る痛みが、彼女に瞳の輝きと、冷静な思考を取り戻させる。
思い返せばこの数日間、全く納得のいく動きができていなかった。無意識に敗北を受け入れ、凌辱の恐怖にすくんでいた自分がいた。
少なくとも昨日の対戦相手――悪趣味にも繰り出してきたスチュパリデスの改造機などは、完全な『舐めプ』だ。物々しい装飾と手にした拷問具に怯まなければ十分に勝機はあったはずである。
「こんな疲れた顔してちゃダメ…! 本当のあたしは…アニーシャ・チェレンコフはもっと、もっと…!」
(――今のアニーシャちゃん、とってもキラキラしてます!!)
フェネシアの式典でパフォーマンスを共にした際、親友の授けてくれた言葉が脳裏に甦る。
どれほど打ちのめされても心が折れなかったのは、この下らない施設を脱出し、必ずや彼女の無事を確かめるという決意があるからだった。
そして絶望を、呪縛を打ち破るために、アニーシャは今一度自らの『原点』に立ち返ることを選んだ。
「目にもの見せてやるんだからっ…!!」

230魔の闘技場〜アニーシャ・オン・ステージ ◆h9Hr5c.eFE:2019/01/13(日) 00:12:15 ID:inXrEUOo
いつものようなどす黒い熱気と悪臭に包まれたコロシアム。いつものような皮肉と悪意たっぷりの入場アナウンス。
20戦の間何一つ変わりのなかった試合前の風景の中で、今夜はただひとつ決定的に違うものがあった。
「…ガバノイドのお兄さんたちーっ!! こーんばーんはーっ!!」
アニーシャである。
このコロシアムに招き入れられて以来、さらに遡ればフェネシア陥落の日からずっと険しい顔をしていた彼女が、フェアリー・フォース健在の頃に見せていた、アイドル気取りの堂々たる態度で現れたのだ。
観衆は呆気に取られ、一時的に静まり返った。
「あれあれー? どうしたのかなー? お兄さんたちぃ、みーんなアニーの応援に来てくれてるんじゃないのー?
ほらぁ、おっきな声でお返事して! こーんばーんはーっ!!」
『…こ、これは挑戦者アニーシャ・チェレンコフ! いつにも増して絶好調の様子! 明らかに我々を挑発しているぞーっ!』
取り乱しながらも実況担当のガバが、場の空気を整えようと声を貼り上げる。
「そうだよっ! 今日からは手加減ナシで本気のアニーを見せちゃうから! 対戦者さんはボッコボコにされて泣いちゃうかも〜! ごめんなさ〜い☆」
アニーシャはぺろりと舌を出しながら、内心でしてやったりとほくそ笑んだ。
勝利の第一歩を確実に踏み出した。会場の圧を、自らに纏い付いていた負け犬のオーラを完全に吹き飛ばした。
それを感じて、途端に体が軽くなったような気がした。暗雲のように頭上を覆っていた敗北のビジョンが取り払われ、光が射す。
左手で指鉄砲を作るアニーシャ。上体を少し後ろに傾けて、さりげなく胸を強調しながら、可愛く――
ケット・シーはその挙動を忠実に踏襲し、『運営席』の方角めがけて真っ直ぐ人差し指を突き出す。
「……ばんっ☆」
渾身の決め顔と決めポーズ。「誰にも負けない自分」で自分を武装したアニーシャは、もはや敗北を恐れてはいなかった。
(さあ! ここからがほんとの勝負…!! かかってきなさ…)
『おイタが過ぎるなぁ…お仕置きが必要か…』
唐突にぞくっ、と背筋の冷えるような感触を覚えた。
嫌になるほど聞いてきた実況担当の声だが、こんなに低いトーンの「ガバノイドらしい」声は初めて聞いた。
「…おっ、お仕置きが怖くて、アイドルなんてやってられな…」
『皆様! 挑戦者絶好調につき、本日はサプライズイベントを決行します! 初のレベル2エネミーとの交戦!! スーパーアイドル、アニーシャ・チェレンコフが繰り広げる白熱の一戦をお楽しみあれ!!』
気が付けば、アニーシャは指鉄砲を構えた体制のまま硬直していた。
……レベル2エネミー?
混乱を解きほぐそうと、アニーシャは首を回して会場を一瞥する。
そして、いつもとは違う――否、いつもよりなお強い「圧」が、自分を目掛けて投射されていることをにわかに感じ取った。
(……??)
誰も固唾を飲んで沈黙してなどいなかった。観衆は皆一様に邪悪な笑みを浮かべ、舌舐めずりをしている。幼いアニーシャは自らの行為が、単にガバノイドたちの嗜虐心を煽っただけに過ぎないという事実に、にまだ気付かない。
その時、地震の如くぐらぐらと足元が揺れる感覚を覚えた。

231三姫VS邪神② VSドラゴン級(Bパート) ◆h9Hr5c.eFE:2019/02/05(火) 21:28:24 ID:On2btdtU
ぼごっ、ずぼぐぼん! ぼごっ! ぼごっ!
「ひゃぁぁぁッ!! イひゃッ!!? ひゃひぃい゛ィィィィッ!!?」
「あお゛ォォォォォッ!! お゛っぉっお゛っお゛ッ、くぉお゛ォおお゛ォォォォ〜ッ!!?」
「あぁン!! はぁン!! はぁンッ! あぁン、あぁンッ! はぁぁンッ!! はン、はぁあ゛んッ、あぁン、あはぁあ゛ぁンッ!?」

手綱を付けられた馬が勒を並べるかの如く、上空ではドレインチューブに繋がれた雷姫、風姫、焔姫が、横一列に並んで小型ドラゴン級にエナジーを搾取されていた。
ぼご、ぼごっ! ぼじゅじゅ! ぼぢゅっ!!
「ひぃんッ!!? ひッ!? ひぁッ! ぁッ!? あん、あ゛んッ!!?」
「お゛ッお゛ッお゛ッお゛ッお゛ッお゛ッお゛ッお゛ッ!?」
「ぁンッ!? あ゛ンぁあンッ!? ンあぁあ゛ぁンッ!!?」
三者一様に背後から両手首を掌握され、両膝の内側から後ろ脚を絡ませられ、強引に四肢を大の字に開かれた状態で拘束されている。
「ぁうッ、はぁん!! ぁッ! ぁあッ!? くあんッ、ふぁぁあぁぁあッ!?」
「あお゛ッ!! ぉあ゛おッ、あ゛ああ゛ぉお゛ぉッッ!!」
「あンッ! あ゛ンッ! あ゛ンッ! ぁン……んぁッ、んぁッ、ぁ……?」
ぼごぢゅぼぼごっ!!
「あ゛ンあ゛ンあ゛ンあ゛ンあ゛ンあ゛ンッッ!!!?」

232三姫VS邪神② VSドラゴン級(Bパート) ◆h9Hr5c.eFE:2019/02/05(火) 21:29:24 ID:On2btdtU
腰にはそれぞれ4本のドレインチューブが深々と突き立てられており、その表面がボコン! ボコン! とリズミカルに蠕動するたび、三人のパイロットは破断・液状化したLDMLスーツにまみれた肢体を激しくくねらせる。
ぼぢゅッ!
「あお゛ッ! くぉ゛、オ゛ッッ…!!!?」
ぼごっ…ぼごんっ!!
「…くぅう゛ぉお゛ォォォお゛ォォォォォォオ゛〜ンッッ!!!」
静香が計10度目の限界に達し、風姫は全身の関節から火花を吹き散らした。
「ねえ゛、さまぁッ…!」
「し、静、香ぁ…ンあ゛ぁンッ!!」
「ォ゛ッ…! たす、げ、たずげでぇ…もぉ、もぉ無理です、むりですッ、むり、むり゛でッ……ずぅぅううう゛ぅッ!!?」
懇願するような訴えの甲斐もなく、風姫からのエナジー吸引は依然として止まらなかった。
ぼちゅ! ぼご、ぼごぢゅんッ!!
「お゛ォォォぁあ゛ぁぁあ゛ぁだずげでえ゛え゛ぇ゛ッ!! だッ、だれがぁ゛ァァァァォォォォッ!!?」
「たぇ゛、あ゛ンッ!? た、耐え゛る、の゛ッ、たッ、助けが、ぅンッ!? くる、はぅン゛ッ、くッ、くゅまでぇえ゛…ッ!! 」
焔姫の腰に刺さったドレインチューブがごりいっ!! とさらに奥までねじ込まれる。
「え゛ひぃぃィイ゛ッ!!? だ、ダメぇえ゛ッ!!? 」
衝撃から逃れるべく腰を反り返らせた焔姫を逃がすまいと、ドラゴンはその両腕を思い切り後ろに引っ張りながら下腹を叩き付け、一気にエナジーを吸引した。
ずぱんっ! じゅぼごぉッ!!
「…だぁ゛あ゛めぇェェぇぇえ゛ッ!!? あ゛ひゃあ゛ぁあ゛ぁぁァァァァあ゛ンン゛ッッ!!!?」
弓のように肉体を引き絞られながら、マヤもまた限界を迎えた。焔姫が撒き散らした火花とリンゲル液が、砂漠の夜空に大輪の花火のごとく炸裂する。
「ンはぁ、ンはぁ゛あぁ゛…ぇあぁあッ…ま゛ッ、ま゛け、まけな゛ぃぃッ…!! ま゛けな゛」
ごりりぃっ!!
「イ゛ィィィィィィィィィイ゛ッ!!? らぁ゛めぇえ゛ェェェえ゛ッ!!?」
言葉とは裏腹に、マヤはあっさりと立て続けに限界に導かれた。
「ぃひぇあ゛ぁぁあ゛あぁッ!?」
雷姫を貪っていたドラゴンも、隣で景気よく行われる『食事』に触発されたのか、同じように雷姫の両腕を引き絞り、チューブをごりごりとねじり込む。。
「うひゅ゛!? イひゅぁあううぅう゛ううッ!!? も、もぉかんにんしてくらひゃあ゛ぁあぁあ!!!? ぁ゛ッぁ゛ッぁッあ゛ッ!?」
ごりごりっ!ボゴンボゴンッ!!
「あ゛ぁあ゛ぁあッ!! あぁんッ!! き、きちゃッ、きひゃう、きひゃう゛ぅううう゛ゥゥゥゥゥッッ!!?」
非力なつばめは身じろぎひとつできないまま、おぞましい激感の波に飲み込まれていく。

233三姫VS邪神② VSドラゴン級(Bパート) ◆h9Hr5c.eFE:2019/02/05(火) 21:31:22 ID:On2btdtU
ガリッ! ギュイイッ!
風姫を捉えていたドラゴンは、ポニーテール型のスタビライザーを口に咥え、ひきちぎらんばかりの勢いで引っ張る。
「ひッ!!!?? き……ッぁぁあ゛ぁお゛アァァァァあ゛お゛ォォォォッ!!!? ひ、ひぐッ!? お゛ひィひィ゛ィィィィィーーーーッッ!!!」
首を限界まで後ろに倒され、絞り出すような絶叫を上げる静香。口腔から垂直に伸びた舌が天を突く。
同時に、焔姫は急激に激しくなったチューブの脈動によって、腰を前後にガクンガクンと揺すられていた。
「ぁ゛ンッ!! あ゛ンッ!! あ゛ンッ!! あ゛ンッ!! あ゛ンッ!!あ゛ンッ!! あ゛ンッ!!あ゛ンッ!! あ゛ンッ!!? ま゛けッ、ま゛ッ、けッ、に゛ゃぁ…ぁあ゛あぁあ゛ァァァァあ゛ぁああ゛ぁンッッ!!? まッて、まってッ!? でちゃッ…!? …うぅッぅううう゛ーーッッ!!?」
スパートを開始するドラゴンたちの動きに合わせ、三姫が一斉に猛烈な火花を噴出する。
「ひゅあ゛ぁああぁあんッ!! あぅッ!!? ぅぁぁあ゛あぁぁぅぁあ゛ぁ〜〜ッ!!!?」
「あお゛ォォォォォオ゛ンッ!!? あォッッ!!? あオ゛ォオ゛ォオオォォォォッッ!!!?」
「でちゃぅでちゃぅでちゃぅでちゃぅ!!? で…ぢゃッ…!!? ぅぅうう゛ぅぅう゛ぅぅうぅーーンッッ!!!? 」
バシバシバチィッ!! ビシャァッッ!!
「ふゅゆ゛ぁぁあぁ゛ぁあぁあ゛ぁーーーーッッ!!!?」
「ォ゛ォォオォォォォンッ!!!? ォオォ゛ォォォォォォォォォォォオ゛ンッッ!!!?」
「ィぎィあ゛ぁはあ゛ぁぁぁぁあ゛ぁぁぁぁあぁあ゛ーーンッッ!!!?」
リンゲル液の飛沫が恵みの雨のごとく、ひっきりなしに乾いた砂の上に降り注ぐ。
「……お゛…っ…ぉ゛んッッ…んお゛ん゛ッ……ッ」
「ふゅ゛…ッ…ふゅ゛ゅあぁあぁぁ、ふゃぁぁあ、ぁあぁあぁぁ……ッ……」
やがて風姫と雷姫は、僅かな痙攣以外の挙動を見せなくなった。コックピット内では静香が白目を剥き、つばめが虚ろな視線を宙に漂わせながら失神している。
「…はぁ゛ーッ、はぁ゛ーッ、ンはぁあ゛ぁぁ、ンッ、ンぎッ、ンぎぃィッ…!」
唯一マヤだけが、涙と汗と唾液でベタベタの顔を苦しげに歪め、歯を食い縛って意識を繋ぎ止めていた。

234三姫VS邪神② VSドラゴン級(Bパート) ◆h9Hr5c.eFE:2019/02/05(火) 21:32:18 ID:On2btdtU
「し、しッ、しず、かぁ…つば、めぇッ、し、しッかりッしひぇえ…」
「グフゥ…」
白く霞む視界に、ドラゴンたちに手放された雷姫と風姫がリンゲル液に尾を引かせながら地表へと自由落下し、無様に砂に叩き付けられる様が映り込む。
そして、焔姫に組み付いたドラゴンもまた、強靭な四肢による両手、両脚の拘束をあっさりと解いた。機体を支える力が失われ、必然的に自由落下を開始する焔姫。
(……ま…っ…まんぞく、した……? たす…かった……?)
ふわりとした浮遊感と余韻に身を打ち震わせながら、恍惚とした頭に希望的観測とも、懇願とも取れるような言葉をよぎらせる。責め苦は終わり、この気の狂うような激感の嵐から解放される。その後の逃走方法などには全く思考が及ばないが、今は一時の救いですら何物にも代えがたい喜びだった。
――ガクンッッ!!!
「…くへぇ゛えッッッ!!?」
が、焔姫を待っていた待遇は他の二機とは違うものだった。
戒めを解かれたかに思えた焔姫だったが、風姫、雷姫とは異なり、その腰部にはドレインチューブが突き立てられたままだった。
チューブの靭性はさながら超硬質ワイヤーのごとく、焔姫はバンジージャンプのように機体を跳ね上げられながら、やがてドラゴンの下腹部から『ぶら下げられた』ブランコのような状態となる。
「えぁ…?ぁ…あ…?」
そして、風姫と雷姫を放り捨てた二体のドラゴンは、バサバサと翼をはためかせながら高度を下げ、焔姫を前後から挟み込もうと接近してくる。
「ぇッ…? えッぇッえ…!?」
目前に迫り来るドラゴンの顔。その下でぞろぞろと蠢くドレインチューブ。
『空中戦』は終わらず、第二ラウンドへと移行する。マヤの顔色はたちまち蒼白となった。
「ぅそ……うそッ!? うそぉぉぉ゛ッ!?」
ガッ!と骨盤を掌握される感覚。後方のドラゴンが焔姫の腰部を両前肢で掴み、完全に固定してしまう。マヤの肉体に圧覚がトレースされ、禍々しい指形が尻肉にぎちりと食い込む。
「ンひぃいッ!!?」
前方のドラゴンは焔姫の眼前でホバリングしながら、その鼻面を寄せてまじまじと焔姫の顔を眺めている。
「グフ、グフ…」
スクラップ寸前のダメージを負った頭部ユニット越しに、絶望に歪んだ自らの顔を見透かされているような感覚。
「ぁ…ぁ…」
ドラゴンの口から伸びた長い舌が焔姫のフェイスをべろりと舐め上げた。
恐怖、屈辱、無力感、敗北感、被征服感。一瞬のうちに様々な感情が脳裏を駆け巡った結果、パニックに陥ってフリーズする思考とは裏腹に、マヤの肉体は脊髄反射的に抵抗の姿勢を示した。

235三姫VS邪神② VSドラゴン級(Bパート) ◆h9Hr5c.eFE:2019/02/05(火) 21:33:09 ID:On2btdtU
「ぁ…あぁあ…… ぅ、うああぁあーッ!!?」
焔姫の右腕、強固なガントレットを纏った拳がドラゴンのこめかみに叩き込まれた。
「あぐぅぅう!!?」
続けざまに左のフックが顎を直撃する。
本能のままに全力の抵抗を試みるマヤ。左右の拳が交互に、勢いよく風を切ってドラゴンの頭骨を打ち据える。
ゴツ、ゴツッ!! ガツン!! ゴツッ!!
「あ、あぁああーーっ!!? うああぁああーーっ!!?」
鬼気迫る形相で上体を右に左に捻りながら、何発もの拳を放ち続ける。激しい打撃音が幾度となく、乾いた空気の中に木霊する。
「うぅっぐ!! うあ!! うぁああああああーーっ!!?」
悲しいのはマヤの剣幕と裏腹に、ドラゴンが何十発と拳を打ち込まれてもびくともしていないことだった。腰を不自然に固定された状態で、ましてや浮遊している敵を相手にまともな威力の拳打など繰り出せるはずがないのだ。
ズブン!!
「ァひゅ゛ンッッ!!?」
無意味な抵抗を諌めるかのように、後方のドラゴンが下腹部へとチューブの一本を突き立てた。マヤの最後の拳がへろへろと虚しく空を切り、落ちる。
「…た……たぁッ…たす、ひぇッ…! つばめぇ…し、ず…ッ」
眼下に横たわる風姫と雷姫は、応答はおろか、もはや微動だにする様子がなかった。
ドスッ!! ドスンッ!! ズボォッ!!
「ンぐッ!!? ひンッ!? ひイ゛ッ!!? 」
後方のドラゴンが残る3本のチューブを、焔姫の下半身に不規則に撃ち込む。
ぐぐっ…!!
「ぁ…ゃッ……ぃやぁぁッ…!?」
…ごぼんっ!! ごぼちゅぢゅぢゅぢゅっ!!
「ゃひイ゛ィィィィィィッッ!! ィゃあ゛ぁ、ああぁあ゛ぁああぁッ!!?」
チューブを引き抜こうとする焔姫の両腕を、前方のドラゴンが脇の下から前肢を回し、拘束する。肩が完全にロックされ、一切の抵抗が効かない。
ドスッ!! ドスドスンッ!!
「あひぇえ゛ッッ!!?」
胸元に前方のドラゴンが伸ばしたチューブ3本が突き刺さる。これから何が始まるのかはもはや明白だ。
「無理ッ!!? むり゛ィィィィィィッ!! つばめッ!! つばめッ、たすけてッ!! たすけてえ゛ぇぇぇぇッ!!!」
メギャッ!!
「ぉ゛ごッ!? ぉ゛…ッ!!? ンごぉおぉおぉぉぉ…ッ!!?」
巨大な衝撃。突如としてマヤの顎が外れんばかりに開け広げられ、だらだらと唾液が滴り落ちる。自らの意思ではない。『内側からの厚覚』によって無理やり押し広げられたのだ。
「ぉご…!? ぉお゛ォォォォッ!!?」
前方のドラゴンの最後のチューブは、焔姫のフェイスマスク中央を貫通し、喉元までを一直線に貫いていた。外観上三姫の顔に『口』は存在しないが、ちょうどそれにあたる位置だった。
(うそぉ゛ッ!!? こんなッ、こんなこと、できるわけ…!!?)
口にねじ込まれたゴムの塊のような感触に舌を押さえ付けられる。邪神属との接触が、また一つダイレクト・モーション・リンクの未知の領域を知らしめる。
ごぼん!! ごぼん!!
「お゛ッッ〜!!? ぉ゛…ご……う゛ふィ゛ッッ…お゛ごお゛ォォォォーーーッ!!!?」

236三姫VS邪神② VSドラゴン級(Bパート) ◆h9Hr5c.eFE:2019/02/05(火) 21:34:11 ID:On2btdtU
喉の奥から、肉体の内壁から直接エナジーを吸い出される。これまで13種もの邪神属から凌辱を受けてきたマヤにとってさえ、それは想像を遥かに超えた体感だった。
ごぼぼぎゅ、ごぼぼぎゅ、ごぼぼぎゅ!!
「ンォォォォ゛ッ!!? ンぉごッ!!? おッご!!? おッご!!? おッご!!? おッごォッごォッご!!? 」
(イッ、イ゛ッ!!? イキ、ィきッ、いきができなイッッ!!!?)
前後から押し寄せる暴行に、既に精神をぺしゃんこに押し潰されていたマヤへと、更なる追撃が襲いかかる。
ボッゴンッ!!
「ほォッッごぉ゛ぉ゛ォォォォン!!!?」
最初から焔姫にチューブを突き入れていたドラゴン、上方に位置する一匹が、エナジードレインを再開したのだ。
「ォお゛ッご!!? おご!!? お゛ッ!! ぉッお゛ッ!! ンごンぉごンッ!!?」
前後の二匹が焔姫を支える格好となったためか、上方のドラゴンは降下して焔姫の背中の上に覆い被さり、機体を抱き抱えるように回り込ませた前肢で胸ぐらを乱暴にぐぎゅっ! と掴んだ。
「ひぇイ゛ィィィィィィッ!!?」
重力に身を委ねていたIカップのバストが、その直径よりも小さな手形に揉みしだかれ、右に左に激しく歪められる。
「ン゛ッぅ゛ッンぉ゛ッぅッうンッ!! ふぅン!! ふぅぅ゛ンッ!?」
左右に広げられた両腕の指先、垂れ下がる足の爪先にまでビンビンに力を込めながらも、焔姫はもはや微塵の抵抗すらできない。
全身を暴れ狂う逃れようのない圧倒的激感。全開状態の口腔から泡立った唾液が滝のようにとめどなく垂れ落ちる。
「おごォォォォッ!! や゛うぇ゛ぇえ゛へぇぇぇえ゛えッ!!? ンぉ゛、ン゛ぉンッン゛ッン゛ンンンン゛ンンン゛〜〜ッッ!!!?」
ぐじゅぼぢゅごぼんごぼんぼごぼごぐぼんぐぼんッ!!!
十二のチューブがそれぞれ不規則に脈動し、焔姫の、マヤの内から洪水のように溢れ出すエナジーを余さず吸い上げていく。
「ん、ご、ぉ、ぉ゛、ォ、ォ、ォ、ォ、オ゛ッ!!!オ゛ッ、ごッ、ォォォォオ゛ォォォォ!!! オ゛ォォォォオ゛ごオオ゛オ゛ッ!!?」
ぼぢゅるぢゅるぢゅるっ!!ごぼん! ごぼぉッ!!
秒間に搾取されるエナジー量は先程までの比ではなく、ドラゴン達にとってはある種のフィーバータイムに突入したと言っていいだろう。
(しぬ、しぬ、しぬッ!! しぬッ!!! ほんとぉに、しんじゃぅッ!!?)
「ぐぉ゛ほぉごぉォォォォ!! おごぉンぉ゛ンお゛ぉンぉ゛ンお゛ぉンぉ゛ンお゛ぉンぉ゛ンぉ゛ぉ゛ォォォォン…!!??」
視界が照明のON・OFFを繰り返すかの如く激しく明滅し、やがて瞳が裏返るように、勝手にぐるんと上を向く。
(……ぅ、そッ……!? ……イ……イ゛…ッ……!!?)

237三姫VS邪神② VSドラゴン級(Bパート) ◆h9Hr5c.eFE:2019/02/05(火) 21:34:54 ID:On2btdtU
「ぉ、ごッ……!! ィ゛ッ……ぎッ、うぅ゛ゥゥゥゥゥッッ〜〜〜〜〜〜ッッッ!!!!??」
ブシャアッ!! バシバシバシィィィッ!!
「グギッ!?」
焔姫の全身から、群がるドラゴン達が怯むほどの猛烈な勢いで火花が噴出する。
ぶっしゃあああっ!! びちゃちゃちゃちゃちゃ!!
「うぅ゛ゥゥゥゥゥッ!!!!?? うぅ゛うう!!! うぅ゛ゥゥゥゥゥう゛ゥゥゥゥゥッッッ!!!? 」
直後、極限の緊張状態にあった四肢が一挙に力を失い、ぐにゃりと弛緩して垂れ落ちた。
「…ぅッ…ぅッ……おぶぉ…ほふぉ、ほッ……ンごッ…ふぅ、ンッ…ンッ…」
「…グフゥ…」
ずるぅぅっ …と焔姫の顔面からチューブの一本が引き抜かれる。
「ぁえ゛…ぁ゛…」
コックピット内のマヤの口腔からも「何か」が引き抜かれ、絡み付いていた唾液の太い糸が二条、どろりと顎の下に垂れ下がる。
「か、は…ッ…あ゛…ぁ…ぁ゛ぁあぁ゛…ぁ゛ぁぁへあ゛ぁ゛ぁ…」
じょろ、ぢょろろろろ…
白眼を剥き、プラプラと四肢を揺らすその姿には、すでに理性の欠片も残されてはいなかった。
ドラゴン達もその様子に『やり過ぎた』ことを理解したのか。グフゥ…と口々にため息を漏らす。
そして、11本のチューブがほぼ同時と言ってもいいタイミングで、次々に引き抜かれる。
ずるずるずるズボォッずるずるずるずぼずるズボォッ!!
「ンえぅぇゥうゥえ゛ぅぉぅンぇう…おぅン゛ッ!!」
じょろろろ、びちゃちゃっ!
過負荷によってマヤが失神してしまっては、エナジーの搾取は望めない。それゆえに焔姫を押し潰すように密集していたドラゴン達は翼をはためかせ、しぶしぶ焔姫のもとから離脱していく。
――背後の一体を覗いて。
ズブブ…メリメリメリィッ!!
「…ィィぐぁあ゛ぁぁぁぁひィィィーーッ!!?」

238三姫VS邪神② VSドラゴン級(Bパート) ◆h9Hr5c.eFE:2019/02/05(火) 21:36:04 ID:On2btdtU
焔姫のみぞおちを中心に、またしても4本のチューブが突き入れられる。
骨盤を掴んでいたドラゴンの掌がひょいっと焔姫を放り上げ、脇腹をがっしりと掴み直す。
「あ゛ぎッ、あ゛ぎッ…!!? あ゛ひッぁひッ、あ゛ひひヒ……!!! ?」
焔姫は逆さまに対面した状態で、両脚をドラゴンの両肩に預けるような格好となる。
行為がまだ続くことに錯乱するマヤをよそに、チューブに力が込められ、膨張を開始する。
ぼこっ!!
「うあはぁぁああ゛ーーンッ!!!??」
その圧迫感一つが、マヤの心を容赦なくへし折る。自由の効く両手でチューブを掴み引き抜こうとするも、例によって例のごとく、びくともしない。
「ひい゛ぃいッ!? ひッ、ひい゛ィィッ!? ま゛っでッ!? もうやめでぇ!! だめ゛ッ、だめらの゛ッ、だめだめだめらめらめらめらめえッ…!!!?」
愛くるしく裏返った声で懇願するが、聞き入れられるはずもない。
ごぼんっ!!!
「…ら゛めりゃ のぉ゛ォォォォォォォォッ!!? !!?」
バッシィィンッ!!
焔姫が吹き出した火花をまるで競技開始の合図と見なしたかのように、残る三本のチューブも次々に吸引を開始する。
ずぼごごごんっ!! じゅぼんぼぼぢゅっ!! ぼごぼぢゅるぅっ!!
「イぎゃあ゛ああああッッ!!? む゛り゛ッ!!? む゛り゛ィィィィィィ!! あ゛ぁあン!!? ぁあンぁんぁ゛ンあンあ゛ンあンぁんぁ゛んあンあ゛ンあンぁンあンぁンあ゛ンあーッあ゛ーッぁーッあ゛ー゛ッ!? ぁッあッぁッぁッぁッぁッぁッあ゛ッあッあ゛ッぁッあッぁッあ゛ッぁッあッあッぁッあ゛ッあ゛ッ!!!?」
ぼじゅぼぢゅぼじゅぼぢゅぼっじゅぼっぢゅぼっじゅぼっぢゅ!!
「あ゛ッあ゛ッあ゛ッぁッあ゛ッぁッあ゛ッあ゛ッあ゛ッあ゛ッあ゛ッあ゛ぅあ゛ぅあ゛ぅあ゛ぅあ゛ぅあ゛ぅあ゛ぅあ゛ぅあ゛ぇッあ゛え゛ッ!!? あ゛え゛ぇぇえ゛ぇイ゛ィィィィィイ゛ッ!!??」
ごぐぼごごぐごごごぼごごぼごぼごっ!!
「イ゛ィィぃぃぃッッ!!? ィ゛ッ!!?? イ゛ィイッッぎゅゥゥゥ〜〜〜ッッ!!!?? ぅうう゛ぅ゛う゛〜〜〜〜〜〜ッッッ!!!!?!?!?」
焔姫の両脚がシンクロナイズドスイミングのごとくV字に伸び、貼り詰めて震える。断末魔の絶叫と共に、またも意識と理性が消し飛び、美しい碧眼がぐるんと裏返る。
瞬間、ドラゴンのエナジードレインがピタリと止んだ。例のごとく、マヤが失神寸前であることを察知したためである。
「……ッッぁッッッッ…ッッひぃ゛ッッ…ッ…ンィ゛ッッッ…」
じょろ、じょろろろろろろろ……
焔姫はガクンッ! ガクンッ! と両脚を強張らせ、リズミカルに躍動させているが、単に搭乗者の筋肉の痙攣を反映しているだけであり、抵抗や反撃の意思を持った動きではない。バンザイをするようにだらりと真下に垂れ下がった両腕がその証佐である。
「…ッッ、ッイ゛ッッ…ッぇッ、ひ、イ゛ッ…ッ……? ぎッ!!?」
ずるずるずるずるッ!!
「ぃぎイぎィぎィぐッ!!?」
唐突にチューブが4本揃って引き抜かれる。脇腹を捉えていた前肢がぱっと離れ、焔姫の脇腹はあっさりとドラゴンの指から解放された。
「…ぁ…ぁ、は…ッ」
朦朧とした意識の中で安堵感に涙すら流すマヤだが、自らがすでに背後から別のドラゴンに組み付かれていることには全く気付いていなかった。

239三姫VS邪神② VSドラゴン級(Bパート) ◆h9Hr5c.eFE:2019/02/05(火) 21:37:11 ID:On2btdtU
ズブズブドスンドスンッ!!
「ふぎィィィィィィィ゛!!?」
チューブを挿入される衝撃が彼女を残酷な現実に引き戻す。
ドラゴンは抱え込むように焔姫を抱きすくめ、前肢でまさぐるようにして胸元を探り当てる。
先程真上から覆い被さっていた個体だろう。よほどその感触を気に入ったのか、あるいはそこが「弱点」であることに感付いたのか。マヤの胸にまたもギチギチと小さな指型が食い込む。
「くぁ、ぅあひい゛ィィ!!? だッ!? ら゛めえ゛ぇえッ!!?」
反射的にドラゴンの前脚を掴み、引き剥がそうとする焔姫。敗北を重ねるにつれて加速度的に膨張し、布の摩擦にすら過敏に反応するようになってしまった肉体の一部。そこを今乱暴に弄ばれてはどうなるか、マヤ自身が最もよく理解していた。
「グフゥ! グフッ!」
そんな危惧を尻目に、さながら焼き菓子の生地でも捏ね回すかのように、左右の指が縦横無尽に暴れ狂う。
ぐにっむにっぎにゅもにぐにっ! むに、ギギッ、きゅっ!
「はうぅ゛ン!? はンッ!? ぁあ゛ン!? ぁあ゛ンッ!? はぁ゛ンッ!! ふぁ、ぁはぁああン゛ッ!!?」
まるでそれが操縦悍であるかのように、焔姫はびくびくと機体を打ち震わせ、レスポンスの鋭敏さを身をもって示してしまう。
「やッ、やうぇッ、あぅンッ!? あ゛ぅンッ!? ふぁあ゛ッ!? はンッ!? はン、はンッ!? ふぁ、ふぁぅぅッ!? ふぁひッ、ひィ…ッ…い、イッ…!! ……イ゛……ッ!!!!」
ぎゅうううううう!!!
「…ぐゥッッッ!!!!」
くねくねと身悶えしていた焔姫は、突如として背筋を反り返らせ、全身を強張らせる。
その瞬間を見計らって、ドラゴン4本のチューブに一気に力を込めた。
ボゴォォッ!!
「ぅゥあ゛はぁあぁあ゛あぁあぁぁぁああ゛ンン゛ッッッ!!!??」
焔姫が火花とリンゲル液を噴出する。その姿はもはや、果汁を根こそぎ搾り尽くされる果実のようだった。
「ッぁーッ!? 、ぁーッ!? ぁーッ、ぁーッ…!?」
ぐぎゅううう!!!
「……ッッくゥぅゥンッ!!!!!」
ぶぢゃっ!! …ビュルルルルッ!!
過剰な圧力を受けた胸元のスキンが液化し、トレースされたドラゴンの指型の隙間から、三股に三股に勢いよく噴出する。
「くぅぅぅゥンッッ!!? くぅ゛んッ!!? きゅぅゥう゛ンッッッ!!!!?」
ビュルルッ!! ビュルルッ!! ビュルルッ!!
指の力の緩急に合わせて白液が飛び散る。ドラゴンはマヤの反応をひとしきり楽しむと、パッと前肢を焔姫の胸元から離し、最後に思い切りチューブに力を込めた。
ぎゅるる、ごぼんっ!!!
「ィきィゅイぅうぅああ゛ぁはぁあぁああ゛ンンン゛ッッッ!!!?」
ずぼんっ! と自重でチューブから抜け落ち、自由落下していく焔姫。
「ぁう゛、ぁう゛ッッッ!!!」
ぶしゃあっ!! と宙にリンゲル液を撒き散らし、そのまままっ逆さまに落下して地表に到達する。
(ぁ…ぁ……?)
――かに思われたその機体は、すんでの所で滑空してきた別のドラゴンにキャッチされた。
「…ぃいや゛ぁぁぁぁあ゛ッッッッ!!!?」
ベビードラゴンたちは知恵を働かせたのだ。こうしてマヤを活かさず殺さず『回し』続けることで、より長時間食事を楽しむことができるのだ。

嬲れば嬲るほどに味を増していく極上の食事を――。

240三姫VS邪神② VSドラゴン級(Bパート) ◆h9Hr5c.eFE:2019/02/26(火) 21:32:57 ID:xbXalhoU
「ぅ…ぁ…ぅ…?」
網膜に差した微かな刺激は、東の方角から昇る赤い陽によるものだった。
(…あれ…? わたし…寝ちゃってた…?)
つばめは仰向けの体勢のままで、ゆっくりと瞼を開く。
(どこだろ、ここ…)
朝焼け空に鳥のような黒い影が三つ、輪を描くようにして飛び回っている。
ぱしゃっ、と頬に何か液状のものが落ちてきた。
「んっ…」
無意識にそれを拭おうと手を動かしたことで、つばめは気付いた。右手がボロボロに破断したLDMLスーツの長手袋に覆われていることに。
はっと息を飲み、上空の影を凝視する。黒い影が、三つ。そのうちの一つだけが、何か異なる影を組みしだいているのがわかる。
「ぇぎゃあ゛ぁぁぁあ゛あぁあ゛ぁぁぁぁンッ!! へっぎゃ、へぎゃンッ!! へぎゃあ゛ぁぁぁぁあぁぁぁあ゛ンッ!!」
耳鳴りに閉ざされていた聴覚が回復したことで、今度こそつばめは完全に意識を取り戻した。
(マヤさん…!!)
ベビードラゴン級の一体が、向かい合った焔姫の脚を下から抱き抱え、肩口を掴んで肉体を密着させている。
脇腹に撃ち込まれたチューブが律動するたびに、焔姫はビクビクと機体を震わせ、機体にわずかに残ったリンゲル液をぴちゃぴちゃと垂れ流す。
雷姫の頬に滴ったのはその一滴だった。
「ゃすませてぇえ゛!! おねがッ!? イッ!! イ゛ッ…!? ぉねがィィィィッ!! とめ、とめてぇええぇぇえ゛ッ!!?」
「ま……マヤさ――」
大声で彼女の名を呼ぼうとしたとき、口元をさっと何かが塞いだ。
(つばめ、静かに…!!)
(姉様…!?)
雷姫の隣に、うつ伏せに倒れ伏していた風姫の手だった。
(今声を上げてはダメ…気付かれてしまうわ…!)
(で、でも、マヤさんが…!)

241三姫VS邪神② VSドラゴン級(Bパート) ◆h9Hr5c.eFE:2019/02/26(火) 21:34:54 ID:xbXalhoU
「と、め…え゛、ぇえ゛ェェェェッ!!! えひゃひゃひい゛ィィ!!? ひイ゛ィィィィィィィィィッッ!!!?」
びちゃびちゃと滴り落ちてくる飛沫を、つばめと静香は息を殺し、恐怖に震えながら浴びた。
ドラゴンがぐったりと四肢を弛緩させた焔姫を、バスケットボールのパスのような所作で別のドラゴンに投げ渡す。
「…ッ…もッ、もぉ、ゅる、ひて…ゆるひてぇ…ゅるひてくらひゃ、ゅるひて、ゅるひッ、ひッ…!!?」
ドスドスドカドボッッ!!
「ゆ゛る゛ひでえ゛えええぇぇえ゛ぇぇッッ!!!?」
焔姫は全身粘液にまみれ、至るところに爪痕と歯形を刻まれた酷い様相だった。
自分達が意識を失って以降、ずっとああして休みなく、絶え間なくエナジードレインを受け続けていたのか――。
(助けなきゃ!!)
(無理よ! 私たちでは時間稼ぎにすらならない…!)
(でも…!)
(だから助けを呼びにいくの! 気付かれないように…意識がマヤさんに集中しているうちに!)
「だぁめ゛ぇ゛ぇえ゛ッ!! そこッッ、そこぁ だめ゛ッ!! はッぇええ゛ッふンッ!!? ふぁ゛ン!! はぅン、はう゛ンはう゛ンふぁぅあぅあぅンッ、ひきッ、ひきッ、ひい゛ィィッにゅ…! …う゛ぁンッ!? ィぎゅぅぅあ゛ぁぁぁぁあ゛ぁぁぁッッ!!!!!? 」
(…っ…!!)
今にも壊れてしまいそうなマヤの悲鳴に心を貫かれながらも、つばめは慎重に身を伏せ、雷姫に匍匐前進の体勢を取らせた。
(二手に別れて…バラバラに逃げるのよ…!)
(わかりました…姉様…)
「ひッ、ひんぢゃうッ!!? ひんぢゃうひんりゃうひんりゃう゛ひんぢゃう゛ぅッッ!!? ひンり゛ゃぅよお゛ォォォォォお゛ッッ!!!」
(くっ…マヤさん…!!)

242三姫VS邪神② VSドラゴン級(Bパート) ◆h9Hr5c.eFE:2019/02/26(火) 21:35:45 ID:xbXalhoU
彼女を囮にする罪悪感が重くのし掛かる。それはつばめも、言葉にはしないが静香も同じことだった。
しかし、今自分達に取れる手段はこれしかない。感情に任せて突撃したところで勝機は万に一つもない。
マヤを救いだすためにも、今は這って逃げ出すより他にないのだどれだけ惨めで、酷薄であろうと。
(できることなら…)
できることなら、一時だけでも替わってあげたい――。脳裏によぎったそんな言葉を、つばめは慌ててかき消した。
そのときだった。
ドシャァァッ!!
「!?」
風姫、雷姫の目前に、何かが落ちてきた。
もうもうと立ち込める砂塵越しであっても、二人ともそれが何であるかははっきりと理解できた。
「…ぇ…?」
「……ぁ…」
ぐちゃぐちゃに濡れそぼった白と赤のボディに、夥しい砂が付着している。ジャンクのような様相に成り果てながらも、痙攣を繰り返す姿が、まだ『息がある』ことを物語っている。
「……ぁ…ぁ……っ」
「ひ……」
つばめと静香は、どちらからともなく、ガタガタ、ガタガタと小刻みに震え始めた。
赤い陽光が後方から三つの巨大な影を投射し、地を這う雷姫と風姫、無惨に崩れ落ちた焔姫を覆い隠す。
バサッ、バサッ、と渇いた羽音が近付いてくる。
「ちがっ…ちがうんです…ちがうんです…」
口を吐いて出た弁明は、身代わりになりたいという心の声に対するものか、それとも無残な姿となった親友に対するものか。つばめ自身にもそれは分からなかった。
「ひ…… ひぃぃぃぃぃーーっ!!」
風姫が起き上がり、両腕を振り回すようにして遮二無二に駆け出す。しかし、直後に砂に足を取られて激しく転倒し、その上にベビードラゴンの一体が素早く覆い被さった。
「いやあ゛ああぁぁぁ!! 助けてッ!! 助けてえ゛ぇぇぇぇぇッ!!?」
懇願も虚しく、風姫は上空に連れ去られていく。
ガッ! とつばめの尻に凶悪な指型が食い込む。
「ちがうんです…ちがう、ちがうんです、ちがうんです…!! やめッ、やめてッ…!!」
ドスドスガスドスッ!!!
ズブズブズズブゥッ!!!

243三姫VS邪神② VSドラゴン級(決着パート) ◆fS7y4AIQR2:2021/07/12(月) 01:29:01 ID:L4A00PKg
ぼごんっ!! ゴボゴボッ!! ずぱんっ! ぱんっ! ずぱんっ!
「ッひゃああ゛ぁあお゛ォォォォオ゛ォォォッ!!?」
「くひぃィィィッ!? ひゅぎ、ひきぃぃぃぃい゛イィィッッ!!」
捕縛されてからどれほどの時間が流れただろうか。
上空では、背後からドラゴンの小さな掌に腕を掌握された風姫と雷姫が、突き込まれたドレインチューブの律動に合わせ、機体をみしみしと軋ませて悶えていた。
「うぁお゛!! うぁお゛!? うぁお゛!? うぁお゛!? ぅぁお゛ぅあオ゛ッ ォ゛ッォ゛ッォ゛ッ!!? 」
「ね゛ぇッ、さま゛ッ!! ねぇ゛さま゛ッ!! ねえ゛さま゛ぁぁぁぁあ゛ッ!! 」
二体のドラゴンは完全に高度を合わせ、互いに向かい合わせの体勢で食事を楽しんでいる。
あたかもそれぞれの獲物に、パートナーの陵辱される姿をまざまざと見せつけるかの如く――風姫と雷姫は頭部を間近に突き合わされながら、延々と激感を伴うエナジードレインを繰り返されていた。
ずぼぐぼ…ぼこっ!!
「ぉ゛ひィィ゛!? …ひいぃィ゛ッ…!!?」
「やッ、やめてくだひゃッ…!?」
チューブが固く、太く膨張する感触に、静香とつばめは眼を見開き、恐怖の表情を浮かべる。もう何度目になるかわからない、陵辱者たちのスパート開始の合図だ。
…ずぱんずぱんずぱんっ!! じゅぱ っ! じゅるるぐちゅっ!! ごぽんっ!!
「ひゅぇ゛あ゛ぁあ゛ぁぁぁッ!!? ねッ、ねぇさま゛ッ!! たすけてぇ゛ッ!! ねぇさま゛ッ!! ねぇさまッ!! ねぇ゛さまぁッ!!!」
ぱんっぱんっぱんっぱんっずぱんっ!! ずぼごぽぐぽごぼゴボッ!!
「つばめッ!? つばめッ!! つ、ばッぁあ゛あ゛あああ゛お゛ぉッォォォォお゛ォォォォォオ゛ォォォン゛ッッ!!?」
実体ならば息がかかるような距離で、二人は顔を向かい合わせて咆哮する。

244三姫VS邪神② VSドラゴン級(決着パート) ◆xktxGp1oaw:2021/07/12(月) 01:30:03 ID:L4A00PKg
「グフッ」
「グフフ…」
その瞬間、ドラゴンたちは示し合わせたかの如く、二姫の腕の拘束をぱっと解いた。無論下半身に繋いだチューブはそのままで、ひっきりなしに脈動を続けている。
「へあ゛ッ!? ぁ゛ッ!? ぁッ!? ぁッ!? …ねぇさまッ!! ねぇさま゛ッ!!」
「ォ゛ぉんッ!!? つば、めッ!! つばめぇ゛ぇえ…!!」
両者はどちらともなく、互いを求めるように両手を前方に伸ばし、無茶苦茶に振り回した。
溺れるようにせわしなく空を掻き続ける二姫のマニュピレータは、しかし数秒後、互いの指先を確かに捉え合った。
「…ぁ…ぁ…あッあ゛…ぁあ゛ぁぁ〜ッッ…!」
触れあう指をくねらせ、掌に掌を密着させながら、つばめは言いようのない安堵感に包まれていた。
例えるならば、迷子の幼子が母親を見つけ、手を繋いだ時の情動だろうか。状況はなにひとつ好転していないのに、ただ手と手が接触しただけなのに、堰を切ったように脳から幸福物質が溢れだし涙と甘え声が止まらなくなる。
「ひぐっ…ねぇさまッ…ひっ… ねぇ、さまあ゛ぁぁ…ッ!」
それは静香も同じだった。モニター超しのつばめの憔悴しきった表情と、消え入るようなか細い泣き声を前に、絶望と恐怖、激感に打ちのめされきっていた心の中に、小さな火が灯るのを感じた。
「ぉ゛ッ、はへぇッ、へぁ゛…!! だい、じょぶです…! つば、め…ッ! わ、わたッ、わたひがッ!」
「ひっ……ひッ…!」
守らなければ。幼き頃からこの子に姉と慕われてきたのは、自分ただ一人なのだから。
「ぃまッ…んン゛ッ!! たっ、たすけてッ…ぁげます……た、す…」
ずぼおおおおぉぉぉぉっ!!
「けてゃげげぎゃィ゛んッ!!?」
「あひゃひい゛ィィィィッ!!?」
後方から信じがたい衝撃に突き上げられ二人は同時に頓狂な声を張り上げた。
ドラゴンたちは腰を叩きつけると共に、翼を大きく羽ばたかせ、全力で前進していた。
ガキガギッ!! と軋みを上げて、風姫と雷姫の上体がぶつかり合い、押し潰されながら垂直にせり上がる。
「っくォ゛、ひッ…!!?」
「あ゛ひッ、ひ、ひッ!?」
もはや掌だけでなく、つばめと静香は全身で互いの肉体の感触を認識していた。
二人の豊満なバストは互いの圧力で押し潰しあい、胸元から下腹部に至るまでが密着。混乱にバタつく脚が激しく絡み合う。
それらすべての感覚がダイレクトモーションリンクのインターフェースを伝道し、体温や息遣い、鼓動の一つすら漏らさぬほどの生々しく高密度な情報が交感される。
「グフゥ」
「ぁ…あ…?」
「やめ゛ッ…!」
そして、ほんの一時緩められていたエナジードレインのスパートが、一層の激しさを持って再開された。
じゅぼずぼずぼずんぐぽごぽっ!! ずぽんずばんずぱんっ!!
「はお゛ぉお゛お゛お゛お゛お゛オオ゛オオ゛ン゛ッ!!!?」
「あ゛あ゛ひゃ゛ひゃあ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁぁッ!!!?」
密着した二着のスーツを駆け巡るダメージ信号が共鳴しあい、二頭のドラゴンの息のあったポンピングが、一つの巨大な衝撃となって二人の肉体を前、後、前、後と交互に突き抜ける。
「ォ゛ッォッォッ゛ォッ゛ォッォッッ!!? う゛ォ゛んッッ!!? ゛うお゛ぉォォォォオ゛オ゛ンッッ!!?」
ばづんっ!! ばづんっ!! ばづんっ!! ばづんっ!!
「はあ゛ぁぁッひぃイ゛ィィイィィンッッ!! ひにゃあ゛あああ゛ぁあ゛ぁぁぁッ!!?」
ずぐんっ!! ずぐんっ!! ずぐんっ!! ずぐんっ!!
「ん゛ん゛ン゛オ゛ォ゛ォ゛オ゛ォ゛ォ゛オ゛〜〜ッッ!!!?お゛ォ゛ォォォ゛〜〜〜ン゛ッ!!!?」
「ぇひゃあ゛ぁぁーッ!!? ひッ、ひい゛ぃィィ゛ィィ゛ィィィィーーッッ!!!?」
ぶしゃああっ!! バチバチバチンッ、ぶしゅああっ!!
絞り出すような二人の嬌声と共に、風姫、雷姫の全身からスパークとリンゲル液が噴出した。
万力に押し潰された二つの果実が勢いよく弾け、一面に果汁をぶちまけるかのような光景だった。
じょろ、じょろじょろっ、じょろろろっ!!
「ぉ゛ッ!! ぉオ゛…ォ…オ゛ンッッ…ォオ゛ン゛ッ…!!?」
「ひィッ…ひっひィッ…ひィ゛ッ…ひィィィぃぃ…」
炸裂し続ける激感の中で、絡み合う脚と脚に伝い落ちる熱い感触を感じながら、静香とつばめの意識は限界を迎え、真っ白く塗りつぶされていった。

245三姫VS邪神② VSドラゴン級(決着パート) ◆xktxGp1oaw:2021/07/12(月) 01:32:43 ID:L4A00PKg
もつれあう二人と二匹の下では、ラッコの背泳ぎのような姿勢で、もう一匹のベビードラゴンが悠々と滞空していた。
腹の上に自身よりも大柄な焔姫を仰向けの体勢で器用に寝そべらせ、その四肢を四本のチューブで大の字に広げさせたまま拘束している。
加えて、その両掌はもう数時間、ある場所をしきりにまさぐり続けていた。
ぐにむに…ぐにぃっ!!
「〜〜ッッッ!!!? …ぇひぃイ゛〜〜〜〜ッッ!!?」
バストに食い込む爪の感触に、マヤは背筋を反り返らせ、舌を付き出して叫んだ。
同時に焔姫の腰が高らかに屹立し、ドラゴンの腹の上から逃れようと全身の筋力でもがくが、両膝の拘束のため、ふりふりと骨盤を左右に揺らすことしかできない。
「や、やぅぇッ!!? やうぇてッ!!? もぅやらっ!! もうやらのッ!!!? おっぱッ! ぉっぱひしちゃらめッ、ぉっぱ、ひぃィィィィイ゛ーーーーッ!!!?」
ぐぎゅっ! ぐにっ!! もにゅ、むに、すりすりっ! むにゅ、ぎゅっ!
「ひィンッ!! ぁひッ!? ぁンッ!? ひきゃッ!? ひきゃひきゃンッッ!!? うぁンあ゛ンあ゛んはンあ゛んぁ゛ンッ!!?」
「グフッ、グフッ」
指先の力加減ひとつで焔姫が奇嬌に躍り狂う様が余程愉しいのか、ドラゴンは巧みに緩急を付けて両胸をさすり、揉みしだく。
その指遣いは休むことなく、むしろ段階的にマヤの反応を見極めてより激しく、より効果的な嬲り方を次々に編み出し続けている。
つんっ!
「きゅあ゛ぅッッ!!?」
両胸を絞り上げるように動いていたドラゴンの人差し指が曲がり、爪の先で変形した乳房の先端を小突く。
「ッあーッ……ッあーッ…!?」
切なげに細く荒い息を漏らしながら、マヤは恐れ戦き、その二点を凝視する。
間もなくドラゴンの小さな指先が、微弱な圧力を加えながら、低速の円運動を開始した。
くる…くり…くり…こりっ…
「…ッッぁ、あ、ぁ、あ、ぁあ…ッ!! …ぁああ゛ぁあ゛ぁあ゛ぁあ゛ぁあ゛〜〜〜〜ッッ!!!?」
きわめて静かなドラゴンの動きとは裏腹に、マヤは涙を貯めた両目をぎゅっと閉じて背筋をのけ反らせ、全身をぶるぶる震わせて絶叫していた。
こり、こりっ、くる、こりっ…
「ぁ、あぁ、あ゛ぁン!? あ゛ぁあぁ〜ッッッ…!!!? やッ、やらあ゛ッ!? ゆっぐりッ、くりゅくりゅしないれ゛ぇッ!!? だッッ……だめ゛え゛ぇええ゛え〜ッ!!?」
ツインテールをブンブン振り回しながら懇願するマヤ。
直後、ドラゴンはまるでその声を聞き受けたとばかりに静から動に転じ、全ての指に一気に力を込めた。
ぐぎゅっ!!!
「きゃ゛ひィィィ゛ィイ゛ーーーーン゛ッ!!!??」
鋭い悲鳴と共に焔姫の腰がガクンッ!! と大きく弾み上がり、全身が跳ね橋のような鋭角のブリッジを形成する。
マヤの胸元に辛うじて残るLDMLスーツのの生地が破断・液化しビュルルッ! と吹き上がる。

246三姫VS邪神② VSドラゴン級(決着パート) ◆xktxGp1oaw:2021/07/12(月) 01:33:41 ID:L4A00PKg
ドラゴンの指は力を漲らせたまま激しく波打ち、なおもマヤを責め立て続ける。
「ひイ゛ッッ!!? ィぎッ、イ゛ッゃ゛ぅう゛ゥゥゥゥッ!!!?」
ぐりゅごりゅぐにぐにぐにぃっ!!
「ひィ゛ッ!!? ひッひィ゛ンッ!!? ひみ゛ッ、ひみ゛ぃイ゛ィィィィーッッ!??」
ビュルルッ!! ビュルルルッ!!
胸元から白液を迸らせながら、マヤはもう今晩何度目とも知れない限界が間近に押し寄せているのを感じた。
エナジーを吸い出される瞬間の激感を堪えようと――とても堪えられる衝撃では無いのだが、それでも堪えようと、歯を食い縛り、体幹を強張らせる。
ぐにっ、ぐにっ! ぐりぐりぐり、ぐぎゅぅうっ!! …ぐぎゅうううううっ!! こりっ!!
「ひみぃ゛ッ!? ィう゛ッッ!!? ひィ゛ンッ!! ? ひィッくぁひぃイ゛ンッッ!!? ィ゛うッ!!? ィ゛ぅィ゛ぅィ゛ぎゅ゛ィィィィィ゛ぎゅ゛ぅゥーーーッッ!!!? 」
極限まで反り返った焔姫の機体から、残り僅かのはずのリンゲル液が、それでもなお猛烈な勢いで迸る。
ぶしゃあっ! びちゃちゃちゃっ!ぼた、ぼたぼたたた…
「ィィ゛ッぐぎィぐッ…!? ィぎッ…!! ィ゛ッ…!!… ぎゅッ…!?」
ガクンッ、ガクンッと数度の激しい痙攣を繰り返した後、張り詰めていた焔姫の腰骨が、ドラゴンの腹の上にどさりと落ちた。
「ッッ…ぅ゛…ッ!! …ンぅッ!! …ッ…ッ…!!」
唾液にまみれた舌を突き出したままの口元。涙に濡れた虚ろな目の瞳孔は縮み、頬は真っ赤に紅潮しきっている。その惨憺たる表情からは、どれだけ力を込めても衝撃を堪えられなかった様がまざまざと伝わってくる。
失神と覚醒を幾度も繰り返し続けた末に、いつしかマヤの肉体と脳の芯は激感に揺さぶられたまま戻って来られず、何も考えることができない状態となっていた。
「もッ、もぉ゛…ッ、ゆる…して゛ッ…もぉゆる゛してッ…もぉゆるしでっ…! もぉ吸わなぃれッ…もぉ吸わッ…」
ぞろぞろぞろぞろっ!
「……ぇ……ぁ…?」
「グフフ…グフ…」
涙に霞む視界に映り込んだ、4筋の赤黒い紐状の物体。
マヤは荒く息をつきながら、目を丸くしてその先端を見詰めていた。
「…ぁ……ぁ……?」
4本のチューブはガッチリと焔姫を拘束してはいるが、その先端は挿入されていなかった。
いつも自分達に地獄の責め苦を与えてくるドレインチューブの先端が、機体に突き刺さっていなかった。
「……」
その意味が理解できずにフリーズするマヤの思考回路。
だって、自分は今、確かに達したのだ。いつもチューブで肉体を蹂躙され、エナジーを吸い尽くされる瞬間に等しい絶頂を覚えたのだ。
この数時間、何度も、何度も、数分に一度のペースであの激感を叩きつけられ続けて――
きゅっ。
胸元を鷲掴みにするドラゴンの指にほんの微かな力が込められる。
「はぁあ゛ぁ゛あぁンッッ!!!?」
その瞬間、焔姫はその何百倍も激しい動作で、稲妻に撃たれたようにもんどり打った。
それが答えだった。
「……ぅっ……ぅ……そ……? それじゃわたッ、わたひ…ッ…むね…だけで……ッ??」
驚愕と恐怖、羞恥に凍りつき、顔を引き吊らせながら、マヤは急激に理性を回復させた。
「いつ…から…? …ねぇ…!? いッ、いつから抜いてたのよッ!! ねぇッ!? ね…っ!?」
ズドドドドッ!!
「ぇへひい゛ィ゛ンッッッ!!?」
下腹部に一気に4本のチューブが撃ち込まれ、ドラゴンは『一時間ぶり』に食事を再開した。


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