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汎用スレpart1

194三姫VS邪神① マヤVSグレートハウンド級 ◆h9Hr5c.eFE:2018/01/30(火) 23:51:21 ID:I/B3CgQE
腹部を取り巻くように、赤黒い裂傷が深々と走っていた。蒸気を吹き上げ、黒い体液をボタボタと滴らせる傷口は、しかしグロテスクに蠢きながら、みるみるうちに癒着し始めている。
間違いなく、先程一刀両断に捨てたはずの個体だった。まさか、あの状態から再生したとでも言うのか。
「劣勢の状況なのでしょう。ご無理はなさらず、しばし防戦に徹してください!」
「グフ、グフ……」
獣たちが奇怪なうめき声を発し始めた。
「グフグフ…」
「グフッ」
「グググフッ、グフッ…」
口角から粘液を滴らせながら、どう聞いても『嘲笑』としか取れないような声を上げ始める四頭の獣。
「あ……あ……」
想像以上に得体の知れない敵の生態を前に、マヤは動揺を隠せない。
直後、ビャッ! と何かが空を裂いて迸り、無防備だった焔姫の胸部装甲を直撃する。
「っ、熱ッ…!?」
でろりと胸元に貼り付く粘液の感覚。おぞけの走るようなそれは、獣の一匹が放った強酸性唾液弾だった。
斑鳩ユニットを溶かしたそれと比べて濃度が低いのか、機体への損傷は装甲表面を焼かれる程度に留まったが、獣達は変わるがわるそれを矢継ぎ早に放ち、いたぶるように焔姫の外装を汚していく。
「あぅ、っくっ…!? こ、このっ…! ひぁぅッ!?」
必死でもがきながらもかわしきれず、次第に粘液にまみれていく焔姫。もはや両者の力関係は明白だったが、その事実を受け入れてしまえば、急激に沸き上がりつつある恐怖に押し潰されてしまいそうだった。
やがて胴周りに傷を持つ一体だけがおもむろににじり寄りながら、びゃっ!ずびゃっ! と酸の塊を吐きかけてくる。
あたかも彼女を挑発するような、一対一での第二ラウンドを強いるかのような、そんな素振りだった。
「くぅっ!」
血相を変えて酸弾を避けようとするが、敵わずことごとく被弾し、焔姫のボディは粘液にデコレートされていく。
「し……死に損ないの……くせしてぇぇっ!!」
ただれた鉄塊と化していた背部の斑鳩ユニットがパージされ、ガシャンと音を立てて地に落ちる。
機体を軽くすることで攻勢に転じようというせめてもの試みだった。


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