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汎用スレpart1

217三姫VS邪神② VSドラゴン級 ◆h9Hr5c.eFE:2018/08/17(金) 02:03:03 ID:RLbjpI.6
「か…かっ…勝てない…たすけてぇぇ…!」
「姉さま…お、落ち着いてください…!」
彼らの存在が人類に知れ渡る頃には、既に多くの個体が地球圏に潜伏し、それぞれ思い思いのポイントに『縄張り』を構築してしまっていた。
そして、付近に接近する獲物を感知すれば、空間干渉能力によって自らの眼前へと転移させ、エナジードレインという捕食行為を行う。
マヤ達は今日に至るまで、既に10回以上、邪神属の縄張りへと足を踏み入れてしまっていた。その都度様々な邪神による襲撃に晒され、応戦するもことごとく敗れ、餌食としてエナジーを搾取されてきた。
「ふ…二人とも、まだ…動けるわよね…?」
ズン、ズンと砂を介して振動が伝播する。ドラゴン級は悠々と歩を進め、三人へとにじり寄ってくる。
「無理ですっ! あんなのと戦えっこないっ!」
うつ伏せのまま、ぶんぶん首を横に振る静香。三人の中で一番の年長者ではあるが、目に涙を溜め、憔悴しきったその表情にはもはや微塵の威厳も感じられない。
「わぁってるわよ!! だから逃げるって言ってんの!!」
雷姫が風姫に肩を貸し、ゆっくりと助け起こす。
「か、関節が砂を噛んじゃって、ちょっと固いですけど…動けます…!」
「いい? 一番強いあたしがあれを引き付けて逃げ回るから、あんたたち二人は別の方向に走って、助けを呼びにいく!」
度重なる交戦の中で、邪神属は空間干渉の応用による、強力な通信妨害能力を獲得していた。
三姫は強制転移による拉致を受けても、遮断圏内にいる限り本隊に居場所を知らせる事ができず、速やかに救援を呼ぶことができなくなり、結果的に苛烈な拘束とエナジードレインを長時間受けることが常態化しつつある。
オクトパス級に敗れた際は水中で絡み付かれたまま半日に渡って好き放題にエナジーを吸われ続け、モール級の群れに捕らわれた際は、半舷休息中の母艦の直下にいながら助けを呼ぶ声が届かず、丸一晩凌辱され続け……
彼女らの雇い主の「特殊能力」による探知が無ければ、もはや生還すら不可能かもしれない。
通信妨害を免れる術はただ一つ。邪神から距離を取り、遮断フィールドの外に出ることのみである。
「いいわね!」
「し、しかしそれではマヤさんが…」
「あんた達じゃ囮も務まんないでしょ! それにあいつ、見たところ素早くは動けない。あたしの焔姫なら捕まる心配はないわ!」
確かに焔姫は3機の中でも卓越した突進力、即ちスラスター推力を有している。直線的な移動スピードが郡を抜いているのは事実だ。そして、今まさに歩み寄ってくるドラゴン級の挙動が、非常に鈍重であることも確かである。
「…か、必ず…すぐに皆さんを読んできます! お願いします、マヤさん!」
雷姫が背部ウィングを展開し、焔姫とドラゴン級に背を向ける。
「マヤさん! どうか、ご無事で…!」
風姫も同様にフライトユニットを展開し、雷姫とは別の方向へ向かって逃走する準備を終える。
「じゃあ、行くわよ…! せーのっ!!」


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