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汎用スレpart1

221三姫VS邪神② VSドラゴン級 ◆h9Hr5c.eFE:2018/08/17(金) 02:15:09 ID:RLbjpI.6
「つばめ…? つばめっ!? ……くぅぅっ! こんのぉぉぉッッ!!」
ブルーティッシュ・ブレードの刃が火を吹きながら、超高速で弧を描く。
「グフッ」
滞空していた小型ドラゴンは、ひらりとそれを避ける。僅かに翼の角度を変え、剣が帯びる風圧を利用して身をかわしたのである。
「てぇぇあッ!!」
焔姫は剣の重量に振り回されるのに任せて、後ろ回し蹴りを放つ。マヤが得意とする二段構えの攻撃だったが、ドラゴンは僅かに首をひきながら口を開くと、迫り来る脚をガキッ! と歯で受け止める。
「!?」
そのまま両翼を広げ、大きく羽ばたくドラゴン。砂塵と共にその体躯が宙に舞い上がる。
「う、うぁぁぁッ!?」
必然的に焔姫はそれに付き合わされ、逆さ吊りで上空に引っ張り上げられた。上昇速度は速く、一瞬にして地表が遠のいていく。
「っ!!」
咄嗟に両腕のファランクスを展開し、構える焔姫。拘束された危機的状況だが、同時に至近距離で攻撃を加えるチャンスでもある。
相手はたかが、いち邪神属の肉体の切れ端。本体の何十分の一かそこらの戦力しか持たない末端である。
ならば、早々に撃破して他の二人を救出に行かなければ!
「くら、えぇっ…! きゃあぁっ!?」
攻撃の気配を察知してか、ドラゴンは空中で急旋回し、焔姫を思い切り振り回した。
遠心力で両腕が、特にブレードを持った右腕が頭上へと跳ね上がってしまい、ファランクスはあらぬ方向へと発射される。
「あぐ、あああぁ…っ!!?」
翼を巧みに操り、ドラゴンはぐんぐん回転速度を増しながら焔姫を振り回す。さながら空中ジャイアントスイングとも言うべき行動に対し、マヤは為す術がない。
「こいっ、つっ…!? なんて、馬鹿力…ッッ!? うぁ…!!」
ドラゴンは唐突に歯による拘束を解いた。
「きゃあああああああッ!!?」
ほとんど真っ逆さまに近い角度に向かって、弾丸のような速度で放り出される焔姫。このまま地面に激突すれば只では済まない。
反射的にマヤは脳波コントロールでウィングを展開。スラスターを全開で吹かしてブレーキングを試みる。
「止まれ! 止ま……っ!!?」
その行動も折り込み済みだったのだろう。空中で静止しようとする焔姫をめがけ、上方に位置するドラゴンは、あろうことか口腔に自身の全長を上回るサイズの、特大の電磁弾をチャージしていた。
(嘘…っ!?)
目視できても、充分な距離があっても、全力で制動をかけていた焔姫にはそれを裂ける術がなかった。
ボシュゥゥゥンッ!!
「…ぅあ゛はぁぁぁぁあ゛ンッッ!!?」
渦巻く電光に包まれ、叩き落とされる焔姫。衝撃と電撃が一瞬にしてマヤの体を貫き、苛烈なダメージフィードバックをもたらす。
「はあぁ゛ン゛ンンッッ!!? あッひい゛ィィィィィンンッッッッ!!!?」
グッシャァァッ!!!
焔姫が地面に到達し、砂中へ頭から勢いよく突き刺さったのは、スーツが自壊作用によって爆裂する直前のタイミングだった。
「ぉ゛ン゛……〜〜ッ!!!?……〜〜ッッッッ!!!!?」
ばっちぃぃぃぃんっ!!
上半身を砂に埋没させた焔姫の中で、限界を超えたダメージに悶絶するマヤ。冗談のように砂から突き出た焔姫の下半身がガクッ! ガクッ! と跳ね、両脚の付け根からリンゲル液が断末魔のごとく、壮絶な勢いで噴出する。ぶしゃああっ!!
「ッッッッ〜〜!!! ?………!!!!…………」
爪先までビンと張り詰めたまま震えていた二本の脚は、やがて力なくぐにゃりと弛緩し、M字を象ったような珍妙なオブジェか、あるいは噴水台に変わり果てた。
じょろじょろと流れ出ていたリンゲル液も程なくして止まり、焔姫は完全な沈黙を迎えた。


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