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汎用スレpart1
147
:
◆Tg./UqnJ52
:2013/04/11(木) 18:30:58 ID:XFdLKgxM
>>146
見た目通り、ヴィグリーズはかなり広い艦であった。
アルプ・トラウムへの物資の積み込み作業が始まろうとしている向こう側では、何かの哨戒任務があるのかVTOL戦闘機の離着艦が相次ぎ、
その横で例の月と狼のエンブレムが肩に入った、黒い量産型ゲシュペンストMk−Ⅱ改が五機ほど膝を突いて駐機しており、メンテナンスを受けている。
集積された物資コンテナが占めているスペースは控えめに言っても狭くはないのだが、それだけのスペースを費やしてもまだ、
あれだけのことが余裕で出来るだけの場所がヴィグリーズの後部飛行甲板にはあった。
「こちらです。段差にお気を付けください」
そうこうしているうちに飛行甲板を抜け、艦の中央に鎮座する砲台のような艦橋部にたどり着く。
ユージンに続いて中に入れば、こうした艦船にしては広めの通路に出るだろう。
中にはユージンと同じような黒い軍服に身を包んだ男女が歩き回り、ユージンとレイナ一行とすれ違う度に軽い敬礼をしてくる。
彼らの軍服にも艦にあったのと同じ、月と狼のエンブレムがあった。どうやら隊を象徴するそれらしい。
そうして通路を右へ左へと抜け、階段による階層移動こそ無かったものの、ようやく一行は艦の応接室に到着した。
飛行甲板、アルプ・トラウムとの接舷部から結構な距離を歩いた。下手をすればアルプ・トラウムの全長ほどに歩いたかも知れなかったが、
案内役のユージンは何事もなかったかのような顔で、応接室のドアをノックした。
「隊長、ユージンです。レイナ様ご一行をお連れしました」
「うむ、入れ」
他の部屋のドアとは違い、控えめながら装飾の入った木製のドアをユージンが開ける。
中は赤い絨毯が敷かれ、大きめのテーブルを黒革の一人用チェアが囲む形の応接室。
テーブルを挟んで向こう側には、壁にはめ込まれたスクリーンで何かの状況を確認している、長い銀髪と黒い軍装マントの後ろ姿。
「来たか。待っていたぞ、夜より暗き魔の王、レイナ・カーマイン」
バサリと大きくマントを翻して、部屋の主、尼子統久が振り返る。
「私が影を征く魔狼の主、尼子統久だ。今日の邂逅を喜ぶべきかな? それとも、運命の悪戯として呪うべきかな?」
不敵に笑う統久の周囲が陽炎のように揺らめいて、彼女の放つ威圧感を助長する。
実はこれはレイナが「そういう病気」であることを見越した統久が念動力で作った演出であり、先の言動もそれに起因している。
レイナに対するちょっとしたサービスのようなものであるが、果たしてレイナ達の反応やいかに。
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