[
板情報
|
カテゴリランキング
]
したらばTOP
■掲示板に戻る■
全部
1-100
最新50
|
1-
101-
201-
この機能を使うにはJavaScriptを有効にしてください
|
汎用スレpart1
219
:
三姫VS邪神② VSドラゴン級
◆h9Hr5c.eFE
:2018/08/17(金) 02:05:07 ID:RLbjpI.6
「はぁっ、はぁっ…」
三姫のフライトユニットは長距離巡航を想定しておらず、小型のウィングで得られる揚力は十分ではない。
必然的に放物線状の飛行と着地を連続的に繰り返すこととなり、着地から再度のジャンプまでは数秒間ユニットの冷却が必要となる。
ぱたぱたと砂上を走る雷姫。コックピットではつばめが、あどけない顔立ちと不釣り合いの豊かなバストを揺らしながら、必死で両脚を動かしている。
(おそらく、あと1000mも走れば通信遮断圏の外に出られる…頑張らなくっちゃ…!)
スラスターの冷却が完了した。再度のブーストジャンプのために、つばめは息が上がる苦しさをこらえ、ぐっと足腰に力を込める。
「つばめ!! 静香!!」
その時、スピーカー越しに聞こえてきたのは、切迫した雰囲気のマヤの叫び声だった。
「マヤさん…!?」
思わず足を止め、後方を振り向く雷姫。
「ごめん、二匹そっち行った! 振り切って!!」
「二匹…? に、二匹って、いったい何が… 」
問いただそうとした矢先、センサーが適性反応の接近を捉えた。
「速い…!? こ、これ…まさか!?」
顔を上げれば、上空に不審な黒い点が一つ。つばめは反射的にカメラをズームさせ、対象の姿を確認する。
「…ひっ!?」
黒光りする鱗に覆われた体表。グライダーのように開かれた翼膜。牙を剥き出しにした頭部には眼がないが、不思議なことに“目が合った”という体感を得てしまい、つばめは背筋を凍らせた。
「こ、こちら風姫! 小型のドラゴンに追い付かれました! 応戦しま…っきゃあぁぁぁぁあぁッ!?」
「姉さま!!」
「うぁああッ!? あはぁあああああッッ!!?」
静香の絶叫に気をとられたのも束の間、黒い影が猛スピードで雷姫の真横を通り抜ける。
「っ!?」
ドドッ! という轟音と共に、それは塵を巻き上げて、背後の砂地に着陸した。
おずおずと振り向いたつばめが目にしたものは、両翼を畳みながら地に伏し、雷姫の顔を見上げる小さなドラゴン級。
「分裂したのよ! 体の一部を切り離すみたいにして、ちっさなドラゴンを生んだ!!」
先程まで対峙していた個体と比べて遥かに小さく、雷姫とのサイズ比は人間と中型犬のそれに近い。頭が大きく、体幹や四肢は細く、さながらドラゴンの「幼体」のような姿をしていた。
けっこう、可愛い。混乱する意識の中で、つばめは一瞬そんな錯覚を覚えた。にじり寄るドラゴンは、これまで対峙した邪神属の中でも飛び抜けて小さく。一見脅威とは感じられないが……
「ぁあ゛ぁおぉぉぉオ゛ォォォォッッ!!?」
「!?」
静香の声だ。
「や、やめぇえ゛ぇ…ッ!? ひィ゛ィィィィーーーーッッ!!?」
「姉さま!? ど、どうしたんですか!? 姉さま!!」
「こ、こいつら、ナリは小さいくせに…っ!! くぁ、はあんッ!?」
「マヤさんっ!!」
二人とも、目の前にいるものと同様の小型のドラゴンと交戦しているのだ。状況は恐らく劣勢。というか、静香に関してはもう――
「吸わないでぇぇぇッッ!? 吸わッッ!? すゎないれえ゛ぇぇぇぇぇッッ!? いやいやい゛やッ!! い゛やイヤあ゛ァァッォォォォオ゛ぉぉぉッッ!!?」
「ひぃぃ…!?」
一瞬のうちに顔を蒼白にしながら、つばめは二振りの小太刀を抜き、構えた。
新着レスの表示
名前:
E-mail
(省略可)
:
※書き込む際の注意事項は
こちら
※画像アップローダーは
こちら
(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)
スマートフォン版
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板