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汎用スレpart1

229魔の闘技場〜アニーシャ・オン・ステージ ◆h9Hr5c.eFE:2019/01/13(日) 00:09:20 ID:inXrEUOo
そして迎えた、計20戦目の夜。
「……」
いつものようにコックピットで薬液のシャワーを浴び、いつものようにT-スキンのフレームに股下を潜らせる。
腰に巻き付く冷たい感覚に、以前より少しゆとりを感じる。
痩せたのだろうか? ガバ達へのせめてもの精神的抵抗として、美貌を衰えせないことには躍起になっていたアニーシャだったが、日に日に濃くなっていく疲労の色は隠しようがなかった。
ひたすらに敗北を重ね、衆人環視の下で醜態を晒し、意識が飛ぶまで凌辱され、数時間後にベッドの上で目を覚まし、這々の体でテーブルに置かれた食事に手を付ける。ルーチンワークのような毎日だった。
ネックユニットからとろりと垂れ落ちた粘液が、フレームの磁力によって滞留し、アニーシャの体の表面に極薄の皮膜を形成する。
――またショーが始まるのだ。
「昨日のより…キツくないといいな…」
ぽつりと口をついて漏れてしまった言葉。
数秒後、はっと我に返ったアニーシャは、両掌でぱちんと(跡が残らないよう細心の注意を払って)頬を打った

「違うでしょアニーシャ…今日は勝つの……今日からは…勝つ!」
ひりひりと走る痛みが、彼女に瞳の輝きと、冷静な思考を取り戻させる。
思い返せばこの数日間、全く納得のいく動きができていなかった。無意識に敗北を受け入れ、凌辱の恐怖にすくんでいた自分がいた。
少なくとも昨日の対戦相手――悪趣味にも繰り出してきたスチュパリデスの改造機などは、完全な『舐めプ』だ。物々しい装飾と手にした拷問具に怯まなければ十分に勝機はあったはずである。
「こんな疲れた顔してちゃダメ…! 本当のあたしは…アニーシャ・チェレンコフはもっと、もっと…!」
(――今のアニーシャちゃん、とってもキラキラしてます!!)
フェネシアの式典でパフォーマンスを共にした際、親友の授けてくれた言葉が脳裏に甦る。
どれほど打ちのめされても心が折れなかったのは、この下らない施設を脱出し、必ずや彼女の無事を確かめるという決意があるからだった。
そして絶望を、呪縛を打ち破るために、アニーシャは今一度自らの『原点』に立ち返ることを選んだ。
「目にもの見せてやるんだからっ…!!」


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