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闘争の系統 〜ネタバレノート〜

1ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/06/21(土) 16:38:22
こちらは、闘争の系統に在籍するSS執筆者さんたちが、
温めてあるネタがあるけれど、シナリオ進行上の順番の問題や、
今現在まだテレビで番組が放送中などで、ルール上まだ本編に
投稿できないなど、披露したいけれどできない構想をここで
明かしちゃおうというスレッドです。

ここはタイトル通り、ネタバレ上等なスレッドです。
物語の核心に関わる事実に触れられる場合もありますので、
ネタバレが嫌いな方は、閲覧にはくれぐれもご注意を!

■設定資料集(まとめサイト)
ttp://www.geocities.jp/oa002843/index.html

2ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/06/21(土) 22:54:54
これはまだ、牧村光平が天凰甲シグフェルに改造される前のお話…。

***海防大学付属高校***

東京湾岸メガロシティにある、海防大学付属高校。
将来の外交や通商、国防、そして海洋科学のエリートを育成する名門校である。
老朽化した教養学科校舎の代わりとして、建設中の新校舎は
3月末には完成予定であり、4月からの新入生の学び舎となる。

とりわけ、その新校舎は直線距離で3kmはあり、
内部は4つのゾーンに仕切られている。
全ての空間の通路はアトリウム様式の通路で
繋がれている。

明日の完成記念式典を前に、今日は完成部分が在校生徒に一足早く、
お披露目される日であった。

慎哉「…にしても、なんで実際の完成より早く
 完成記念式典を行うんだろうな」
光平「たぶん明日のK国大統領の来日に
 合わせてるんだと思うぜ」

牧村光平と朝倉慎哉――二人とも同じ海防大付属に通う高校2年生。
部活も同じテニス部という親友同士であり、
訳あって光平は慎哉の朝倉家に居候している身である。

話に上ったK国大統領とは、昨年病にて急死した前大統領に代わって
新しく就任した人物であり、それまで続いていた軍事政権から
民主政治へと転換した切れ者と評判の人物だ。
新校舎完成記念式典の一番のVIP招待客でもある。

光平「50年以上続いていた軍事政権から民政に移管した
 大統領は、次の仕事に教育面を考えたんだよ。それで
 日本の教育制度を参考にしたいと日本政府に打診してきたのさ」
慎哉「でもなんでわざわざウチの学校なんだろう」
光平「K国大統領は、ウチの学校の理事を務める
 後原元外務大臣と昵懇の仲だからな。たぶん後原氏が
 勧めてきたんじゃないのかな」
慎哉「やけに詳しいじゃんか?」
光平「フィリナからの受け売りさ。昨日もメールで
 やり取りしたばっかだし」
優香「光平くん! 朝倉くん!」

一人の女子生徒が、セミロングの髪を揺らしながら
光平と慎哉の二人の姿を見つけて側に駆け寄ってきた。

沢渡優香――光平や慎哉と同じく海防大付属高に通う2年生。
同校の生徒会副会長を務め、女子陸上部きってのエースでもある。
ちなみに光平と優香はつきあっており、自他共に認める
お似合いのカップルとなっている。

慎哉「あっ、沢渡」
光平「よっ、優香」
優香「二人とも随分探したわよ。ここにいたのね」
光平「新校舎は広いからな。迷うのも無理ないよ」
慎哉「じゃ、お邪魔虫は退散するよ。お二人ともごゆっくり♪」
優香「あ、朝倉くん…!?」
光平「ま、待てよ慎哉!」

慎哉はニヤニヤ笑いながらその場を去る。

光平「…ったく、慎哉のやつ、余計な気回しやがって」
優香「どうするのこれから?」
光平「せっかくだからホールの方まで回ってみるか」

巨大な吹き抜けで外光が入るアトリウム廊下の下を歩む光平と優香。
途中で休憩スペースの自販機で、光平は二人分のコーヒーを購入する。

光平「はい、優香」
優香「ありがとう」

二人でコーヒーを飲んでいると、ふと光平は
廊下の向こうの隅で何やら話し込んでいる
白衣を着た研究室男性職員と大人の女性の姿が目に留まった。

研究室職員「………」
セーラ「………」

光平「………(一見すると、さえない中年の研究室職員と
 美人教師の図か。でもあんな奇麗な人、ウチの学校にいたか?)」
優香「どうしたの、光平くん?」
光平「…あ、いや、別に」

3ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/06/21(土) 22:55:31
その時、反対方向から何やらざわめき声が…。

生徒A「おい見ろや」
生徒B「あの男、なんか妙なものでこっちを狙ってるぞ」
生徒C「近くでサバゲーでもやってるのかな?」

光平「どうしたんだ?」

光平が窓から外をのぞくと、そこには大筒を抱えて
こちらを伺う怪しいサングラスの男が…!

光平「――(本物のロケットランチャー!?)」

次の瞬間、ロケットランチャーの砲口が火を吹いた!

                  ,..._
          ,.r-、 ,ry   ヒ;;;::}
      ィt:、 ,:'::::// '''´   ,、.、  ,..,..._
      {:::}::}/::::r'ノィー::、   ヾ、゙、//::::jr;::、
     ,rヾ''"ゞ=' 'ヾ.....⊃'   ヽ''ヾ:、::;' `''",.=-、
     ー'’._ ,r'う {::jj ,.、、 _,...::::::''ヽ  ,.,´  {{::::::::ヽ.
    ,;'"'" ̄ヾ´,.., r::';;〃l'l::::;;:::::::f'_ ヾ'〃) `ヾ::::::/
   〈::::::::/ノ ヾ,jヽ='. ,,ヽへ-(ヾ::゙、 ゞ',.,.、 //::::/
    ヾ:::::゙、゙、 {{) {:::jj' ",,,,、 c;、ヽ='  ゙、::゙;ヾヾ/_
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     r:::、、ヾ-''n.く:::;:::゙、゙、 ヾー' { ̄:::::ノ!,ィ'r':::|
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4ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/06/21(土) 22:56:32
***内閣府***

土橋「冴島さん! メガロシティの海防大付属高校の新築校舎で
 爆破事件が起きたとの緊急連絡がたった今――」
冴島「やはりスメルスの工作員ですか?」
土橋「おそらく九分九厘…」

内閣府の危機管理センターにいる土橋竜三・内閣安全保障室長と
冴島十三・内閣危機管理監の許に情報が届いたのは、実際に爆破事件が
起こってから3分後の事だった。

冴島「土橋さん、申し訳ないが私に代わって現場の指揮をお願いしたい」
土橋「わかりました。それで冴島さんはどちらに?」
冴島「元外務大臣・後原代議士のところですよ」

冴島はエレベーターへと乗り込み、地下の駐車場へと向かった。


***海防大学付属高校・新校舎第一ゾーン***

光平「優香! 怪我はないか?」
優香「…光平くん。ううん…私なら大丈夫よ」

光平は、爆風で床に伏せていた優香をゆっくりと抱え起こす。

光平「いったいアイツは何者だったんだ!?
 学校にテロなんかしかけてどうするんだよ!」

すると、先ほどの爆撃で床に開いた穴に、
一人の女性が必死に摑まりながらぶら下がっている
光景を目にした。さっき研究室の中年職員と
何やら話し込んでいた女性だ。

セーラ「くっ……」

光平「俺はあの人を助ける。ここは危ないから
 優香は一刻も早くここから外に出るんだ!」
優香「でもっ!」
光平「いいから早くしろっ!!
 俺も後から必ず行くから!」
優香「…わかった。でもきっとよ!」

優香は光平に一喝され、
不安を隠しきれない様子ながらも走り去っていく。

光平「さてと…」

優香が無事にこの場を離れたのを確認した光平は、
穴へと近寄り、ぶらさがっていた女を引っ張り出す。

光平「よっと…」
セーラ「ありがとう…と言いたいところだけど、
 君、早く私から離れなさい! 敵に私の存在が
 バレたのよ! さっき廊下がロケットランチャーで
 吹き飛ばされたのはそのせいよ!」
光平「敵…?? いったいなんのことだよ?」
セーラ「キミ、名前は?」
光平「人に名前を聞く時は、まず自分から名乗る
 もんじゃないですか?」

この非常時にも妙に落ち着き払った光平の態度に、
女――セーラ・深町は内心呆れつつも、どことなく興味を覚える。

セーラ「…OK、わかったわ。私の名はセーラ深町。
 東亜新聞社会部の記者よ」
光平「セーラ・フカマチ…? 日系人の方だったんですか?
 俺は牧村光平、ここの高校2年生です」
セーラ「光平、ゆっくり説明している暇はないわ。
 今の爆発で道案内役の男も吹き飛ばされたわ」
光平「……(道案内役…? さっきまで一緒にいた研究室職員の男か)」
セーラ「キミもまだその若さで死にたくはないでしょう?
 さあ!早くここから立ち去りなさい!」

???「そうはいかんぜ、CIAのお嬢さん!」

5ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/06/21(土) 22:57:02
気がつくといつの間にか、光平とセーラ深町は
清掃業者の制服を着た男たちに完全に周りを取り囲まれていた。
そしてその男たちの手には銃が握られ、その銃口は
光平とセーラの二人を狙っている…。

光平「清掃業者の人……じゃないよな(汗」

男A「女狐め、ゆっくりと手を挙げろ」
男B「そして後ろを向け。小僧、お前もだ!」

セーラ「…(光平、合図したら伏せるのよ)」
光平「…(えっ?)」
セーラ「…(グットラック!!)」

セーラは大人しく両手を挙げるとみせかけつつ、
男たちに聞こえないように小声で光平に合図し、
自身の髪の中に隠していた超小型爆弾を男たちに投げつけた!

セーラ「伏せて!」
光平「うわ!」

ドオオオンッッ!!!!

爆発と共に炎上し、残った跡には
男たちの爆死体が転がっていた。

セーラ「やったわ…」
光平「さっきCIAとか言ってましたよね。
 やっぱりタダのブン屋さんじゃないんでしょ?」
セーラ「そこまでよ。それ以上無用な詮索をすると、
 私はキミのこともこのまま帰すわけにはいかなくなるわ」
光平「………」

その時、轟音と共に天井ドームのシャッターが閉じ始めた。

セーラ「なにっ!?」
光平「きっと今の爆発を警報装置が感知して、
 シェルターシステムが作動したんだ!」


***同校舎正面玄関前・外***

慎哉「いったい何がどうなってんだ!?」

建物の外に避難していた慎哉は、新築校舎全体が
巨大なシェルターに包まれていくのを目の当たりにしていた。
そこへ、優香が泣きじゃくりながらすがる様に
慎哉のところへ駆け寄る。

慎哉「…沢渡!? 光平は?…光平はどうしたんだよ!?
 泣いてちゃわかんないだろ! しっかりしろ!」
優香「光平くんが…光平くんがまだあの中に!!」
慎哉「なんだって!!」

6ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/06/21(土) 22:57:49
***海防大学付属高校・新校舎第一ゾーン・正面玄関前***

正面玄関の出入り口は、完全に壁で閉ざされていた。

この新校舎は災害などの非常時に、近隣住民の避難所としても活用するため
完全シェルターシステムが導入されていた。核攻撃にも耐えられるという設計である。
今や新校舎部分は完全に鉄壁によって隔離されていたのである。

セーラ「完全に閉じ込められたわね…」
光平「これからどうするんです? セーラさん」
セーラ「この緊急事態によく笑っていられるわね」
光平「そりゃあ、一人ぼっちで閉じ込められたならともかく、
 二人ならまだできることもいろいろありますからね。
 よかったなあ。もし俺一人だけだったらどうしようかとか思ってさ」
セーラ「………」

光平の言葉に苦笑するセーラ。絶体絶命の危機に直面しても、
希望を捨てずに楽観的態度を保っていられる――
――そんな人間を、セーラ深町も決して嫌いではなかった。

セーラ「しかたないわね、ついてらっしゃい!
 その代わり、私の足を引っ張ったら承知しないわよ」
光平「はい!」


***同校・新校舎第二ゾーン***

セーラ「さっき私たちを襲ったのはスメルスの工作員よ」
光平「スメルスって、あの多国籍企業の?」

多国籍企業とはあくまで表向きの顔、
その実態は、世界の武器売買の約60%のシェアを持つ、
死の商人スメルス。

スメルスは各国に違法な兵器売買ルートを幾つも抱えているが、
数ヶ月前にCIAによってその大手のものを潰された。
しかし最近になって別ルートができたという情報が流れたのである。

光平「それってまさか日本!?」
セーラ「半分当たりよ。正確には日本を中継点にして
 K国へと繋がるルートよ」
光平「K国だって!? あそこは新任の大統領の力で
 民主化したんじゃ!?」
セーラ「50年以上続いた体制がそんな簡単にひっくり返るわけがないじゃない。
 国際政治の世界はそんなに単純じゃないわ」
光平「………」
セーラ「それに今の大統領は、実は軍部と裏で手を組んでいるって話よ。
 民主化自体が、国際社会からの非難から目を逸らすための茶番だったってとこかしら」

スメルスは国際社会の監視の目を掻い潜って兵器を輸出するために、
スパイ天国と呼ばれている日本を中継点として利用するつもりだという。
K国大統領は一日だけ尤もらしい理由をつけて来日し、ブツを受け取って
何食わぬ顔で自国へと戻る段取りらしい。

光平「明日の式典を利用するつもりなのか!?」
セーラ「日本の内調との合同捜査の結果、例のブツは
 この新校舎の第三ゾーンの東側壁近くの柱の中に
 隠してあるという確かな情報を掴んだのよ」
光平「そのブツっていうのは?」
セーラ「新型ミサイルの集積回路よ。ANS対艦ミサイルよりも
 さらに改良されたものよ。低コストで破壊力は2倍に跳ね上がるわ」

7ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/06/21(土) 22:58:33
光平「急ごう、セーラさん! 少し回り道になるけど、
 2階を通って第三ゾーンへ――」
男C「待て、ブツのところへは行かせん!」
男D「さっきはよくもやってくれたな女狐。
 倍にして返してやるぜ」
セーラ「――!!」

他のスメルス工作員たちに見つかってしまう光平たち。

光平「よせっ!!」
セーラ「光平!?」

光平は必死の形相で身を挺して、男たちの銃口から
セーラを庇おうとする。その時、辺り一帯に
コンピューターの音声が鳴り響いた。

電子音声「キケンキケン!!…銃器反応有リ。
 スミヤカニ対処セヨ…」
男E「なにっ!?」
男F「ぎゃあああ!!!!」

突然天井の警報装置からレーザーのような光線が発射されて、
工作員たちを残らず焼き殺してしまった。
あまりの惨状を目撃して呆然となる光平。

光平「どうなってるんだ…」
セーラ「シェルター化でコンピューターの反応が敏感になってるのよ。
 これはもう使わない方がよさそうってことね…」

セーラは自分の持っていた銃を床に投げ捨てた。


***同校舎正面玄関前・外***

土橋「おおー、君たちか!」
慎哉「あれっ、もしかして土橋さん?」

現場で指揮を執るべく到着した内閣安全保障室長・土橋竜三。
光平たち3人は、光平の父親の仕事の関係で、土橋とは以前から面識を持っていた。

土橋「慎哉君、優香ちゃん、光平君の姿が見えないがどうしたんだ!?」
優香「土橋さん! 光平くんがまだあの中に!」
土橋「なんだって! そりゃマズイな…」
慎哉「どういうことですか!?」
土橋「今専門家から報告を受けたばかりなんだが、
 どうもあの新校舎には手抜き工事の疑いがある」
優香「…手抜き工事!?」

土橋の話によると、新校舎のセキュリティコンピューターは
予算を削ったせいで中古の欠陥品が使われ、中の人間よりも
まずシェルターそのものを守ることを最優先に作動するという。

土橋「…つまりだね。言いにくいんだが、中の人間を殺してでも
 シェルターだけは守れというコマンドが動き出している状態なんだ」
慎哉「なんだって……」

今の話を聞き、呆然となり立ち尽くす慎哉。

優香「土橋さん!お願いです!光平くんを助けてください!!」
土橋「優香ちゃん、落ち着くんだ!」
慎哉「…土橋さん、指令車のコンピューターをお借りできますか?
 それと新校舎の正確な見取り図を…」
土橋「どうするつもりかね?」
慎哉「いいから早くっ! 光平の命がかかってんだ!!」

8ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/06/21(土) 22:59:19
***同校・新校舎第三ゾーン***

セーラ「あったわ、集積回路よ」

セーラ深町は、柱の隠し扉から集積回路の納められた小箱を取り出す。

光平「こんな小さなものが兵器に…?」
セーラ「世界一のミサイルが出来るわ。これがK国軍部の手に渡ったら
 間違いなく西側の安全保障は脅かされたでしょうね」

これでセーラ深町の任務は完了――となるはずであったが、
二人ともさっきから妙な息苦しさを感じていた。

セーラ「おかしいわね…。少し目眩がするわ」
光平「妙だなあ、換気はちゃんとされてるのに…」

換気扇の方を見やる光平。換気扇は確かに作動している。
…いや、作動しているとは言っても、それは急激に中の空気を
外へ吸い出しているように見えた!?

光平「まさか!」
セーラ「どうしたの?」
光平「シェルター内の空気が凄い勢いで外に排出されているんだ!
 道理で息切れするはずだ! このままだと俺たちは窒息する!」
セーラ「そんなバカな!」
光平「きっとコンピューターが狂って誤作動を起こしたんだ。
 さっき第二ゾーンのところで銃を持った男たちをレーザーが
 狙って焼き殺しただろ。正常なら怪我をさせる程度で済ます事だって
 出来たはずなのに」
セーラ「今のセキュリティシステムは私たち人間より
 シェルターそのものの方を守ることを最優先されてるってことね」
慎哉@館内放送「その通りだ、光平!」
光平「――慎哉!?」

いきなり館内放送で鳴り響いた親友の声に驚く光平。

慎哉@館内放送「よかった。俺の声が聞こえるんだな?」
光平「慎哉、今どこにいるんだ?」
慎哉@館内放送「土橋さんに指令車を借りて、災害緊急回線を使って
 館内放送を利用して話してる」
光平「土橋さんもそこに来てるのか?」
土橋@館内放送「いいかね光平君、君たちのいる空間は
 あと20分ほどで空気がなくなる。その前になんとしても
 脱出してくれ。第一ゾーンでの火災のせいで、
 コンピューターが導き出した結論が、全館エアーの排出だ」
光平「やっぱり…」
慎哉@館内放送「第四ゾーンの天井裏に回転空調がある。
 その空調システムにこっちから割り込んで一分間だけ停止させる。
 空調用のプロペラが停止したら、そこから外に出るんだ!
 時間は今から10分後、4時5分ジャストだ!」
光平「わかった。今から回転空調に向かう。
 慎哉、信じてるぜ…!」
慎哉@館内放送「ああ、任せとけって!」
セーラ「急ぎましょう。あと9分30秒しかないわ!」

9ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/06/21(土) 23:00:41
***同校・新校舎第四ゾーン天井裏***

必死に走った光平とセーラ深町は、
なんとか時間内に梯子を登って目的地へと到着した。

セーラ「あそこが回転空調ね…」
光平「ハァ…ハァ…」
セーラ「キミには悪いことをしたわね。
 ただの学生なのにこんなことに巻き込んでしまって…」
光平「そういう話だったら、無事にここから出た後に
 ゆっくり聞きますよ」
セーラ「まだ4時2分。3分も余裕があるわ。
 どうやら間に合いそうね。行きましょう」

その時、銃声が響き、セーラ深町がその場に倒れこんだ。
左肩からは血が流れている。

セーラ「…くっ、私としたことが油断したわ。
 まだ敵が残っていたなんて…」
光平「セーラさん!?」
セーラ「光平、これを!」

セーラ深町は集積回路の入った小箱を
光平に投げて渡した。

セーラ「それを持ってあなただけでも逃げるのよ!」
光平「ここまで来て何言ってんだよ…」
セーラ「怪我をして動けなくなったのは、諜報員としての私のミスよ。
 私の事はもういいわ! 時間がないのよ! 集積回路を持って脱出を!
 私の代わりに使命を果たすのよ!」
光平「うるせえ! 使命なんざ知るか! 俺はアンタと一緒に脱出する!!
 いいから黙ってろ!!」
セーラ「…光平」

光平は怪我をしたセーラ深町を抱きかかえて脱出しようとする。

セーラ「光平、後ろ!!」
光平「――!!」

光平は背後から襲いかかってきたスキンヘッドの大男を
すかさずキックで蹴り飛ばす。

男G「ぐわあああ!!」
光平「セーラさん、悪いけど一人で先に空調のところに行っててくれ。
 時間がない。俺はコイツをなんとかする…」
男G「バカめ、逃げられると思っているのか!
 お前たちはここで一緒に死ぬんだ!」

光平はスキンヘッド男と殴り合いの死闘を展開する。

光平「……ったく、酸欠寸前だっていうのに
 アクションはきついぜ」
男G「小僧、学生の分際でなかなかやるな…。
 格闘技の心得でもあるのか?」
光平「少々ね…」
男G「だがそこまでだ!」

スキンヘッド男はがっしりとした両手で光平の首を掴み、
ぐいぐいと締め上げていく。

光平「うわあああ…!!」
セーラ「光平!」
光平「…セーラさん、来るな!…行くんだ!」

その時、4時5分ジャスト、空調の大型プロペラが止まった。
隙間からは充分人間が潜り抜けられるほどの大きさである。
プロペラが止まっている時間は60秒間だけ…。

光平「…慎哉のやつ、やったんだな。セーラさん、
 そこから早く脱出しろ…!!」
男G「人の心配よりまず自分の心配をしたらどうだ…?」
光平「いーかげんに…はなせ…こいつぅぅっっ!!!!」
男G「なっ? ぐわあああ!!!!」

光平は残された渾身の力を振り絞り、
スキンヘッド男にパンチをお見舞いして振り解くと、
脱出口へと走る!

セーラ「光平、急いで、あと10秒よ!」

10……9……8……7……

男G「………」

倒れていたスキンヘッド男がむっくりと立ち上がる。
そして追ってくる!

6……5……4……

セーラ「飛んで!」
光平「うおおおおっっっ!!!!!」

3……2……1……

男G「ギャアアァァ――!!!!」

光平「………」
セーラ「…助かったわ」

無事に外へと脱出したセーラ深町と牧村光平の二人。
しかし、スキンヘッド男だけは間に合わず、
高速回転を再開したプロペラの餌食となり、
無残なミンチ状に…。

光平「………」
セーラ「……気にすることはないわ。下手をしたら
 私たちが殺されていたのよ」
光平「はい…」

新校舎の屋外へと出て地上へと降りた光平とセーラを、
涙で顔を濡らした慎哉と優香、そして土橋竜三が温かく出迎えた。

10ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/06/21(土) 23:01:51
***元外務大臣・後原惟継邸***

後原「海防大学付属高校で破壊工作が起きた?」
冴島「はい」

衆議院議員・後原惟継(うしろばら・ただつぐ)。
野党第一党である主民党の現・副代表であり、
主民党政権時には外務大臣も歴任していた、政界の大立者である。

冴島「後原先生は明日、この学校の新校舎の式典セレモニーに
 出席なさると伺っておりますが?」
後原「冴島君、わざわざそんなことを報せに来たのかね?
 内閣危機管理センターも暇なようだね。秘書に電話してくれれば
 済むことなのに」
冴島「………」
後原「だいたい私はあの高校に理事として確かに名を連ねているが、
 実態としては名義を置いているだけでね。新校舎や式典にも
 ほとんど関心はないんだ。K国大統領がどうしても出席したいと
 仰るので、それに随行するだけでね。私にとってはその後の
 大統領との会食の方が重要なんだ」
冴島「新校舎のシェルター建設における我々が計算した総経費と、
 先生が建築会社に発注した見積もりには随分と差額があります。
 よくあそこまで安く見積もれましたね?」
後原「何が言いたいのかね?」

急に後原の顔つきが変わった。

冴島「浮いた分の不明金、次の選挙の資金にでもしましたか?
 それともまだどこかにプールしてあって、明日来日予定の
 K国大統領への手土産になさいますか?」
後原「君、妙な言いがかりはやめてもらおう。
 名誉毀損で訴えるぞ!」
冴島「この上は単刀直入に申し上げます。
 K国へのこれ以上の接触・介入はやめていただきたい」
後原「それは命令かね?」
冴島「貴方のためです」

冴島は話を続ける。

冴島「K国の民主化は表向き。実際は裏で大統領が軍部と今も癒着している。
 そのために最新兵器をスメルスから直に安く購入したいと考えた」
後原「………」
冴島「それで白羽の矢を立てたのが日本。K国は日本を経由して
 スメルスと取引するつもりです。そのブツはすでに我々が回収しました」
後原「なっ…!?」
冴島「貴方の外交手腕は剣総理も大変買っておられます。
 こうして野党に転じられた今も、貴方は国際政治に多大な影響力をお持ちだ」
後原「くっ……」
冴島「ですから自重していただきます。貴方に拒否権はありません。
 こちらはいつでも新校舎建設の使途不明金における件を
 地検特捜部に提出できる用意はできておりますからな」

後原代議士はがっくりと無言で崩れ落ち、
それを見届けた冴島十三は後原邸を後にした。

11ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/06/21(土) 23:02:47
***メガロシティ署***

今回の事件を無事に切り抜けた光平たち。
慎哉は「感謝状がもらえるかも」と期待していたが、
現実はそう甘いものではなかった。

慎哉「なんだって!?」
セーラ「今日見聞きしたことは、一切全て
 きれいさっぱりと忘れなさい」
慎哉「なんだよそれ! あれだけ人を巻き込んでおいて、
 出てくる言葉がそれかよ!」
セーラ「忘れなさい!」
慎哉「うっ…」

セーラの一喝でたじろぐ慎哉。

光平たち3人は、当事者として警察の取調室に呼ばれ、
事件の事は一切部外者に口外しないよう圧力を加えられていた。

優香「私たちは事件には一切関わらなかったことにしろと言うことですか?」
セーラ「その通りよ。それがあなたたち自身のためでもある」
光平「慎哉、仕方ないよ。言うとおりにしよう」
慎哉「光平…」
光平「セーラさん、今日は大変だったけど
 一緒にいられて楽しかったですよ。
 またお会いできる日を楽しみにしています」
セーラ「私もあなたに会えて本当によかったわ、光平。
 でも二度と会うことはないでしょうね。それがあなたたちの
 ためでもある…」

署の玄関で、解放されて帰宅する光平たちを見送るセーラ深町。
そこへ車に乗ってやってきた冴島十三が降りてくる。

冴島「セーラくん」
セーラ「冴島危機管理監、どうやらそちらは終わったようですね」
冴島「ああ、たった今全てを片付けてきた。明日来日する予定だった
 K国大統領も、急遽来日を取りやめたそうだ」
セーラ「そうですか。今日、とても勇敢なジャパニーズボーイに
 会いましたわ」
冴島「…ジャパニーズボーイ?」
セーラ「もう二度と会うことはないだろうと伝えましたけど、
 不思議ですね。あの少年にはなぜかまたどこかで再会するような
 気がするんです…」

12ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/06/21(土) 23:03:35
翌朝。

朝の登校風景…。
自転車に乗った光平と慎哉は、通学路の途中で優香と合流し、
学校へと向かう。

慎哉は昨日の警察署での事がまだ不満らしく、
膨れっ面である。

慎哉「それにしてもあのセーラ深町とかいう女。
 本当にムカつくぜ。顔を思い出しただけでも腹が立つ!」
光平「まだ怒ってるのか慎哉。いい加減許してやれよ。
 あの人だって仕事なんだからさ…」
慎哉「光平はホント人が良すぎるよ」
優香「………」
光平「…優香?」

光平は、先ほどから暗い表情で押し黙っている優香を気遣い声をかける。

優香「昨日、光平くんや朝倉くんがあんなに頑張っていたのに、
 私…ただ見ているだけで何も出来なかった」
光平「そんなことを気にしてたのか。気にすんなよ。
 普通あういう状況に巻き込まれたら、何かできる人の方が
 少数派だと思うし、俺だってただがむしゃらに突っ走ってた
 だけなんだからな」
優香「光平くん…」

光平の励ましをあり、笑顔を取り戻す優香。
そうこうしているうちに学校へと到着して校門をくぐり、
自転車を置き、3人で元気に笑いあいながら登校する。
いつもの繰り返される日常である。

その様子を2階の生物室から、じっと不気味に凝視している一人の女がいた。

理乃「………」

東条寺理乃――海防大学付属高校に勤務する生物担当の女教師。
管理教育的傾向が極めて強く、一般生徒たちの評判はすこぶる芳しくない。
今、この女の周辺で、何人かの女子生徒が行方不明になっているという
噂が流れていた…。

理乃「沢渡優香さん…次の私の実験材料には貴女になって
 もらおうかしら。フフフッ…」

天凰甲シグフェル――ブレイバーズにも属さず、
堕神の手先イーバに敢然と戦いを挑む謎のヒーロー。
これは、そのシグフェルが地上に初めて姿を現す
およそ三ヶ月前の出来事である…。

13ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/06/21(土) 23:04:40
○牧村光平→K国と死の商人スメルスの秘密取引に絡む爆破事件に巻き込まれる。
 セーラ深町と共に事件を解決し、無事に生還。
○朝倉慎哉→シェネター内に閉じ込められた光平とセーラ深町を救うため、
 得意のハッキング技術で新校舎のセキュリティシステムに介入。
 光平とセーラの脱出に一役買う。
○沢渡優香→自分の知らぬ間に、東条寺理乃に狙われている。
●後原惟継→K国と死の商人スメルスの秘密取引を仲介していたが、
 冴島十三にきついお灸をすえられる。
●東条寺理乃→沢渡優香をモルモットとして狙っている。

△セーラ深町→K国と死の商人スメルスによる秘密取引を内偵中、牧村光平と出会う。
○土橋竜三→海防大学付属高校で起こった新校舎爆破テロ事件で、対策のため陣頭指揮を執る。
○冴島十三→CIAと合同でK国と死の商人スメルスの秘密取引を内偵していた。

【今回の新規登場】
○牧村光平=天凰甲シグフェル(闘争の系統オリジナル)
 海防大学付属高校・法科英文コースに通う高校2年生。17歳。クラブはテニス部に所属。
 父・光一郎は、主に中東で活躍していた日本の外交官。母・エメリアは、
 アルジェリアの石油王一族の令嬢。二人は駆け落ちの末に結ばれ、光平はその間に生まれた
 日本人とアルジェリア人のハーフという事になる。両親は光平が小学生の頃に、
 海外でテロに遭い死亡。その後は父の仕事の縁で朝倉家に引き取られた。
 海外の紛争地域での和平調停活動などに奔走していた父の影響で、
 差別や争いごとといった事には敏感に反応し、正義感も強い。
 後に天凰甲シグフェルとなり、ブレイバーズとも大きな関わりを持っていくことになる少年である。

○朝倉慎哉(闘争の系統オリジナル)
 海防大学付属高校・情報処理技術科に通う高校2年生。17歳。クラブはテニス部に所属。
 牧村光平の幼馴染み。家族構成は父(大手商社マン)、母(専業主婦)、姉(OL)。
 両親は仕事の都合でニューヨークに在住。姉も既に社会人となり家を出て独立しているため、
 日本の自宅で一人留守を守っている。父の仕事の縁で、光平を自宅に居候させている。
 実は優れたハッカー技術を持ち、過去に「守護者/ゴールキーパー」や
 「電子の女帝/サイバーエンプレス」といった名だたるネット上の伝説的大物に
 ハッキング勝負を挑み、あと一歩のところで惜敗している。

○沢渡優香(闘争の系統オリジナル)
 海防大学付属高校・総合学科に通う高校2年生。17歳。生徒会副会長。
 クラブは陸上部に所属。牧村光平のガールフレンドである。

●東条寺理乃=ラミアクィーンイーバ・スネイザ(闘争の系統オリジナル)
 堕神の大審官アークシセイザーの命令で動く堕神の幹部。
 海防大学付属高校に勤める生物担当の女教師であり、父親はマッドサイエンティストとして非難され
 学会から追放された、東条寺宗晴博士。父親の憤死をきっかけとして前世の記憶が甦り、
 堕神として覚醒した。

●後原惟継(闘争の系統オリジナル)
 元外務大臣で、野党第一党・主民党に所属する大物代議士。
 海防大学の理事でもある。K国や多国籍企業のスメルスと癒着していた。
 尚、今シナリオ限りのオリジナルキャラクターであり、
 冴島十三に釘を刺された今となっては、もう今後再登場する予定はない。


△セーラ深町(真・仮面ライダー 序章)
 財団の改造兵士製造計画を調査していたCIAの工作員。内偵を進める最中に、
 風祭真=仮面ライダー・シンと出会う。任務には忠実で非情ではあるが、
 結果的に却下されたものの、CIA上層部に真の助命を具申していた。

14ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/06/22(日) 02:00:09

ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/anime/411/1204624503/232の続き。

ぬいぐるみに隠されていたフロッピーの中身を解析し、
魔道師バルゴグの正体と、両親の死の真相に辿り着いた光平。
しかしフロッピーの存在に気がついたアルハザードは、
美人秘書NとRに命令して優香を誘拐。
彼女を人質に、フロッピーディスクとの交換を要求してきた。
勿論、ブレイバーズの仲間には知らせず一人で来いとの脅し文句も忘れずに…。

アルハザードの脅迫に従い、一人で指定された港はずれの廃船へと赴く光平。
案の定ピンチに陥るが、後から慎哉の通報で駆けつけて来た
メタルダーとトップガンダーに助けられ、辛くもピンチを脱出。
無事に優香を救い出し、罠を張っていたバルゴグとネロス軍団を退けた。

しかしその後、光平を待っていたのは国際政治の厳しい現実であった。

***首相官邸***

桃太郎「それはできん」
光平「そんな…なぜですか!?」

直ちにフロッピーの中身を公表してくれるように
日本政府に頼む光平だったが、内閣総理大臣・剣桃太郎からは
意外な返事が返ってきた。

桃太郎「今サラジアという国は、アルハザード一人によって
 保っているといって過言ではない。そのアルハザードを失脚に追い込み
 退けたらどうなると思う。サラジアは瞬く間に内乱状態に陥り、
 その影響は近隣の中東諸国や石油経済にも影響を及ぼすだろう。
 下手をすれば中東戦争さえ起こりかねないのだ。
 それだけは絶対に避けなければならん」
光平「それじゃあ、父のしたことは無駄だったって言うんですか!?」
桃太郎「………」
土橋「光平君、悔しいだろうが、ここは堪えてくれ。
 君のお父さんは私にとっても友人だった。私も総理も辛いんだ…!」
光平「土橋さん…ブレイバーズはたとえ相手がどんな悪党だって
 決して見逃さない正義の組織じゃなかったんですか!?」
土橋「それは……」
光平「……失礼します!」

総理執務室を出て行く光平。その両目は悔し涙に溢れていた。
廊下では剣流星とトップガンダーが待っていた。

流星「光平君!」
光平「………」

部屋から出てきた光平は、流星とトップガンダーを一瞥すると、
何も言わずに足早に立ち去っていった。

流星「待つんだ、光平君!」
トップガンダー「放っておけメタルダー!」
流星「しかし…!」
トップガンダー「今はそっとしておいてやるしかない。
 時間が経てばきっと光平も心の整理はつくはずだ」
流星「………」

15ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/06/22(日) 02:00:53
***成田空港***

翌日、アルハザード一行は何食わぬ顔で離日することになった。
その見送りに出向いた剣桃太郎。

アルハザード「これはこれは、剣総理にわざわざ
 お見送りいただけるとは光栄ですな」
桃太郎「どういたしまして。これからも日本とサラジアの
 友好のために、どうぞお元気で」
アルハザード「こちらこそ」

握手を交わす桃太郎とアルハザード。
しかし桃太郎は握ったアルハザードの手を
なかなか放そうとしない。

アルハザード「…!?」
桃太郎「ああ、そうそう。実は私にはまだ駆け出しの一年生議員だった頃、
 大変お世話になった一人の外交官がおりまして、その外交官のご子息が
 昨日、貴殿のところで大変お世話になったそうで…」
アルハザード「…なんのことですかな?」
桃太郎「忙しく世界各地を飛び回っている貴殿だが、
 あまり火遊びが過ぎると、この次はお命に関わりますぞ…」
アルハザード「ハハハ…仰っている意味がよくわからないが、
 せっかくのご忠告、肝に銘じて起きましょう」

桃太郎は光平のために、アルハザードにしっかり釘を刺すことを忘れなかったのだ。
そそくさと飛行機に乗り込むアルハザード。表面上は冷静を装ってはいたが、
桃太郎の放つ鋭い殺気を受けて、その顔に冷や汗が流れるのを隠すことはできなかった…。

アルハザード「剣桃太郎め、脅しのつもりか!
 やれるものならやってみるがいいっ!」


***首相官邸***

官邸へと戻った剣桃太郎は、日米直通のホットラインで
アメリカのマイケル・ウィルソンJr大統領と電話会談。

マイケル「それで、ボーイは泣いていたかい?」
桃太郎「ああ。光平には気の毒なことをしたよ」
マイケル「今、サラジアには着実に民主化の動きは芽吹いているよ」

マイケル・ウィルソンJrの話によれば、
サラジア国内では、ある女性民主活動家が反体制運動を展開しているという。
まだ若いながらも長い獄中生活にも屈せず、国民からの信望も集まりつつ
あるらしい。

マイケル「今はまだ早いが、いずれそのフロッピーが役に立つ日が必ず来る。
 ボーイの父親のしたことは決して無駄にはならんさ」
桃太郎「俺もそう願っているよ」

この後、その女性活動家が光平の亡き母・エメリアに瓜二つだったり、
女性活動家の命を狙うバルゴグと、それを守らんとするシグフェルとの攻防が
あったりするのだが、それはまた別のお話…。

16ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/06/29(日) 22:18:56
***秩父山中***

人通りの少ない奥秩父の寂しい山道。
ここで仮面ライダー1号・本郷猛と同じく仮面ライダー2号・一文字隼人の二人は、
ある人物たちと待ち合わせをしていた。

本郷「来たか…」
一文字「………」

現れたのは数人の部下を率いた二人の男女。
それはアンチショッカー同盟日本支部のリーダーである
木暮精一郎と石神千恵だった。
後ろ盾だった南雅彦が失脚し、アンチショッカー同盟は現在、
活動規模の縮小を余儀なくされている。
本郷や一文字とは、ゲルショッカーとの戦いの時
以来の再会である。

木暮「お久しぶりです。本郷さん、それに一文字さん」
千恵「それともこうお呼びした方がいいかしら。
 伝説の仮面ライダー1号、2号と…」
一文字「俺たちの正体はとうの昔に知ってるってわけだ」
本郷「それならば話は早い。悪いことは言わない。
 ロゴスなどとは一刻も早く縁を切ることだ」
木暮「…もし断れば、今すぐこの場で我々を逮捕して
 袋のネズミというわけですか?」

そこへ、周囲一帯をくまなく調べていた
アンチショッカー団員の一人が木暮にそっと耳打ちする。

アンチショッカー団員「木暮さん、周囲には警察官は一人もいません」
木暮「なにっ!?」
一文字「やれやれ、俺たちも随分と信用されてないな」
木暮「本郷さん、一文字さん、どうやら我々は
 あなた方を誤解していたらしい…」
本郷「では、復讐のための戦いからは身を退いてくれるんだな?」
千恵「残念ですけどそうはいきませんわ」
一文字「おいおい…!」
木暮「私たちにはそう言うが、本郷さん、一文字さん、
 あなた方は自分の身体を勝手に機械に変えたショッカーへの
 復讐が目的ではないんですか?」
一文字「確かに俺たちの中にも復讐心がこれっぽっちもないと言えば
 嘘になるがな。でも復讐のための戦いなんてやめとけ。
 経験者が言うんだ。復讐の闘いなんてろくなもんじゃないぞ!」
千恵「ご心配頂かずとも、もうすでに私たちはロゴスとは縁を切りました」
本郷「なにっ?」
木暮「向こうは我々を利用していたつもりかもしれないが、
 我々の方も地球至上主義者の連中を利用していたんです。
 実は聖居に近いさる御方が私たちの新たな飼い主となって
 くれましてね。しばらくはそこに世話になるつもりです」
本郷「それは聖天子様付きの首席補佐官・天童菊之丞のことか…?」
木暮「――!!」
千恵「――!!」

本郷の指摘に木暮と千恵の表情が変わる。

本郷「その反応から見て、図星のようだな」
一文字「おい本郷、誰だその天童菊之丞ってのは?」
本郷「いや、俺も直接会った事はない。天童菊之丞――
 ――あの江田島平八氏と肩を並べるほどの実力者でもある
 日本を代表するフィクサーの一人だ」
木暮「さすがは本郷さん、何もかもお見通しのようですな」

17凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2014/07/11(金) 23:26:57
南太平洋のただ中に浮かぶブリアン島。
ここでは、ブレイバーズに所属する少年少女達の交流と訓練を目的として、
夏休みを利用したキャンプが行なわれていた。


***ブリアン島・東の平原***

キャンプ二日目の午後はトレーニングの時間。
講師として招かれた大人達が、これから戦いに身を投じるブレイバーズの子供達に
強くなるためのレッスンをする。

名護「イクササ〜イズ!!
 悪と戦うためには、強い体でなければならない。
 この動きは、強い体を作るための基礎だ」

まずは準備運動から。
「753」のTシャツを着た名護啓介がお手本役として皆の前に立ち、
強引に訓練メニューに入れさせた我流のエクササイズをやって見せる。

名護「腕振りなさ〜い! 振りなさい!
 速くしなさい跳びなさい!」
イサミ「何か変なエクササイズ〜!」
トシ「いや、でもこれ、結構きついぞ〜」
ソウシ「侮り難し、名護さんのイクササイズ…」
名護「走りなさい! 走りなさい!
 敵を追って走りなさい!
 走りなさい! 走りなさい!
 未来へ向かって走りなさ〜い!!」

イクササイズで体をほぐした後はより本格的な筋力トレーニングという事で、
高校生ながらミスリル所属の軍人でもある相良宗介が皆の前に立ったが…。

宗介「では、続いて筋力トレーニングに移る。
 このブートキャンプではお前達の肉体のみならず、根性をも徹底的に鍛え直す。
 いいか、お前達は○○○だ。
 お前達は△△△の×××で……あだっ!」

「マオ姐さんの新兵訓練罵り手帳」を片手にお下劣な隠語による罵倒を始めた宗介の頭を、
千鳥かなめはハリセンで思い切り引っ叩く。

宗介「痛いじゃないか」
かなめ「バカ! 良い子のみんなに向かって何つー下品な言葉を…!
 大体、小学生にそんなスラングが分かるわけないでしょう」
宗介「しかし、新兵は皆こういう言葉を浴びながら心身共に強くなっていくのだが」
かなめ「これはブートキャンプじゃなくてレクリエーションなんだから、
 そこまでしなくてもいいの! この戦争ボケ!」

講師は強制退場させられてしまったが、
ともかくも腹筋や背筋、スクワットなどの筋力運動を、
大人達が効果的なやり方を細かく指導しながら子供達にさせていく。

宗介「仕方がない。俺はその間に、キャンプ場の設営をさせてもらう」
かなめ「は? 設営ならこの通りもうちゃんと終わってるじゃない」
宗介「いや、肝心の防御機能がまだ構築されていない。
 このキャンプ場はこのままでは丸腰だ。
 だから全体を鉄条網で囲い、有刺鉄線を張り巡らせて敵の侵入を……いでっ」

どこからか巨大な柱と有刺鉄線を取り出した宗介に、
かなめのハリセンが再び炸裂した。

基礎体力をつける訓練の後は実戦の技術指導。
今回は忍術からそれを学ぶという事で、
隠流の鶴姫と瑠美乃流の高木はるかが指南役となりレクチャーする。

鶴姫「忍者八門とは、忍術の全ての流派に共通する、
 忍者になるための基本となる八種類の必修科目の事です。
 今日はその中の一つ、素手で相手と戦う骨法術について皆さんにお稽古します」
はるか「巨大ロボットを操縦して戦う皆さんにも、
 格闘のイメージトレーニングをしておく事はきっとためになるはずよー」

一通りのレッスンを終了した後は、いよいよ練習試合。
学んだ事を活かしながら、各自、任意の相手を選んで手合わせする。

トシ「かつ姐さん、リベンジマッチお願いします!」
葛城「いいわよ。いらっしゃい!」

月影トシは半蔵学院での修行で戦って負けた葛城に再戦を挑んだ。
今度は雑念に惑わされず「龍の目」をしっかりシュートしたトシ。
葛城はそれを跳ね返し、勝負はもつれる。

18凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2014/07/11(金) 23:30:39
***ブリアン島・東の平原***

夜は巨大な焚き火を囲んでキャンプファイヤー。
皆で手を繋いでマイムマイムを踊りながら楽しく過ごすが、
途中で空模様が怪しくなり、ぽつりぽつりと雨が降り始める。

吼児「…雨だ」
仁「ちぇっ、せっかく盛り上がってるのにな」
学「残念だが、キャンプファイヤーは中止だ」
はるか「みんな、急いでテントに入って〜!」

慌ただしくキャンプファイヤーは撤収。
そうこうしている間に、雨はどんどん勢いを増して大降りになった。


***ブリアン島・西の岬***

その頃…。山を挟んだ島の反対側では、
ジャガーバンを主将とするショッカー&ネオショッカーの怪人達が
密かに基地を建設し、気象コントロール装置の実験を行なっていた。

モグラング「おお、雨が降って来た!」
ムササビードル「気象コントロール実験は成功だな!」
アルマジーグ「Gショッカーの偉大な科学力をもってすれば、当然の事よ」
カニバブラー「我らショッカーとネオショッカーの力を合わせた合同プロジェクト、
 何があろうと失敗させるわけには行かんのだ!」
ジャガーバン「天候を自在に操る事ができれば、
 世界各地に大雨による洪水、日照りによる旱魃、
 そして大雪による氷河期を巻き起こす事ができる。
 人間どもの文明は荒れ狂う大自然の力によって壊滅するのだ!」

パラボラアンテナ型の装置から空へ向かって発せられるエネルギー波によって
雨足はどんどん強まり、土砂降りの豪雨となって島を洗う。

ジャガーバン「そろそろいいだろう。天候を元に戻せ!」
アリコマンド「ジャガーバン様、計器に異常発生です!」
ジャガーバン「何だと!?」
ショッカー戦闘員「気象コントロール装置が暴走しています。
 エネルギー波の放射を制御できません!」
ジャガーバン「何という事だ。
 すぐに装置をストップしろ! ええいどけ!」

ジャガーバンが自ら装置を動かそうとしたその時、
激しい地鳴りが起こった。

モグラング「地震か!?」
アルマジーグ「あ、あれを見ろ!」

窓の外を指差すアルマジーグ。
そこにはこちらを覗き込む、巨大な怪獣の目玉が爛々と光っていた。
四つ足の黒い怪獣は尻尾の一振りで基地を破壊し、戦闘員達を瓦礫の下敷きにする。

マグネドン「グゥォォォ――!!」

カニバブラー「怪獣だ!」
ゲバコンドル「基地が破壊される!」
ジャガーバン「こちらブリアン島。緊急事態発生!
 魔神提督、応答願います! 魔神提督――!」
アリコマンド「駄目です! 通信機も異常をきたしています!」

強い磁気を帯びた磁力怪獣マグネドンの接近により通信は機能せず、
気象コントロール装置も狂って暴走を始めた。
天候に働きかけるエネルギー波が際限なく放射され、
どんどん雨は強まって嵐になっていく。

マグネドン「グォォ――!!」

マグネドンは遂に気象コントロール装置を踏み潰し、完全に破壊した。
エネルギー波を浴びた空には黒雲が渦巻き、雷鳴が轟き、
制御不能となった凄まじい暴風雨が荒れ狂った。

19凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2014/07/11(金) 23:35:24
翌朝――。
一晩中、荒れ狂った嵐は太陽が昇る頃には止んでいた。
代わりに雲一つない晴天が訪れる。
元々、熱帯のブリアン島は高温多湿の気候ではあるのだが、
それにしてもこの日の蒸し暑さは異常だった。

名護「起きなさい! 朝はラジオ体操の代わりにまたイクササイズだ。
 早く着替えて外に集合しなさい!」

起床したキャンプの参加者達が外の野原に集合し、
名護がまたイクササイズを始めようとした瞬間、
山の方から断続的な地鳴りが聞こえてきた。

ドォン…! ドォン…!

虎太郎「な、何の音だ!?」
鷹介「地面が揺れてる…!」
名護「お、落ち着きなさい!」

何かが咆えるような声がキャンプ場に響く。
次の瞬間、岩山の陰から巨大な怪獣が姿を覗かせた。
胴体が太く頭が小さい流線形の体型、全身を覆う蛇腹のような凹凸…。
怪獣の中でも特に激しい凶暴性で知られる、どくろ怪獣レッドキングである。

レッドキング「キシャ――ォ!!」

イサミ「怪獣〜!?」
トシ「レッドキングだ!」
学「みんな、逃げろ!」

咆え猛りながらレッドキングはキャンプ場の方へ向かって来る。
星川学らの大人達は子供達を誘導し、避難させた。
テントを踏み潰し、キャンプ場を我が物顔で蹂躙するレッドキング。
だがその時、レッドキングの足元の地面が盛り上がり、
レッドキングの片足をすくって転倒させた。

バラゴン「ガォォ――!!」

地中から、地底怪獣バラゴンが顔を出したのである。
巨体を地上に現したバラゴンは雄叫びを上げ、レッドキングに戦いを挑んだ。

文也「あれはバラゴン…!」
鵺野「バラゴンは肉食で、人間を食べる怪獣だ。
 レッドキングといい、随分まずい手合いが現れたな…」

激怒してバラゴンに挑みかかるレッドキング。
四足獣のバラゴンが後ろ脚で立ち上がり、レッドキングと組み合った。
バラゴンはレッドキングの腕に噛み付き、流血させる。

20凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2014/07/11(金) 23:40:00
レミ「どういう事?
 事前の調査では、この島に怪獣なんていなかったのに」
文也「昨日の嵐と、この異常な暑さが関係しているのかもな」
数美「確かに、今日の猛暑は今までのデータから考えてもおかしいわ」
学「島に何かが起こったんだ。
 異常気象が発生して、眠っていた怪獣達が一斉に目を覚ました」
健「こうなったら、ファイブロボでやっつけようぜ」
学「よし…。ファイブマシン、発進!!」

腕のVチェンジャーブレスで巨大メカを呼び出そうとする学だが、
どういうわけか通信が繋がらない。

文也「どうしちまったんだ。通信ができない!」
レミ「ブレイバーベースとも連絡が取れないわ!」
数美「きっと磁気の影響だわ。
 この島全体が、強烈な磁気に覆われているのよ」
健「でも、昨日はそんな事なかっただろ!」

そうしている間にも、レッドキングとバラゴンの壮絶な死闘は続く。

レッドキング「キシャ――ォ!!」
バラゴン「ガォォ――!!」

傷を受けて逆上したレッドキングは太い腕をバラゴンの首に回し、
ヘッドロックで締め上げると、
そのままフェイスバスターの要領で顔から地面に叩きつける。

バラゴン「グォォ……!!」

怯んだバラゴンは尻尾でレッドキングを殴って倒れさせると、
その隙に地面を掘って逃亡した。
胸を力強くドラミングして勝利の雄叫びを上げるレッドキング。

健「とにかく、こうなったらこんな島からは一刻も早く逃げるに限るぜ」
学「ああ。キャンプは中止だ。
 全員、直ちに船まで撤収して島を離れよう」
はるか「どうやら、それしかなさそうですね…」

引率の大人達はキャンプ中止の判断を下した。
数百メートル先の海には港があって、ここへ来るのに使った船が停泊している。

学「みんな、船まで走って逃げるんだ!
 荷物は全部置いて、とにかく走れ!」
健「まごまごしてると、怪獣に喰われちまうぞ!」

一同は船へ向かって必死に走った。
しかし海へ出てみると、そこにも怪獣がいたのである。

エビラ「キェ――!!」

ザリガニのような巨大な鋏を持った大海老怪獣エビラが、
海中から半身を持ち上げて船に迫る。

鵺野「まずい、船が壊される!」

エビラは鋏で船を真っ二つにへし折り、
そのまま体当たりでバラバラに破壊してしまった…。

21ユガミ博士 ◆uV/51FXesE:2014/07/18(金) 10:37:44
ブレイバーズ発足に伴い、少年少女のメンバーによるキャンプを
南の島・ブリテン島で行われる事になった。港には、参加する
ブレイバーズの少年少女や、保護者となる大人達が出発する為
集まっていた。

あきら「おいおい、あの人ってロックバンドの栄斗じゃね?」
ヨッパー「本当かよ!?」

地球防衛組の一員で、ロックファンの今村あきらは向こうにいる
眼鏡を掛けた人物に指差して、ヨッパーこと小川よしあきに言う。
栄斗とは、人気ロックバンドのボーカルだったが、メジャーデビュー寸前
に突如として、消えた人物である。しかし、彼の真の姿は地上の平和と
女神アテナを守る聖闘士の一人、狼座の栄斗なのである。

クラマ「栄斗じゃん、お前も参加するのか!?」
栄斗「クラマ、こっちこそ久しぶりだな!」

栄斗に声を掛けてきたのは、ガイストと呼ばれる金属生命体から
人々を守る組織「GCG」のガイストギア装着要員、真銅クラマである。
栄斗もクラマも忍者の家系であり、幼馴染だった。

栄斗「...所で、気づいたか?」
クラマ「ああ、半蔵学院の姉ちゃん達だろ?こりゃ、面白くなるっつーの!」

家の関係上、半蔵学院の生徒達とも2人は顔馴染みだった。
そこへ2人に数名の少年達が近づいてきた。

レッカ「クラマ、そいつ誰だ?」
栄斗「誰だ?」
クラマ「こいつはレッカ、後ろにいるのはハヤト、シレンで、俺の仲間だ。
    で、こっちは栄斗っていう俺の幼馴染だっつーの」
シレン「それじゃあ、君がクラマの言っていた伝説の聖闘士の一人か?」
ハヤト「なるほど、ゴールデンだな!」
栄斗「ゴールデン?俺は青銅(ブロンズ)だぞ」
クラマ「いやいや、これはこいつの口癖だっつーの!」

クラマは他の仲間のガイストクラッシャーを紹介する。仲間の一人である
ハヤトは何でもゴールデンと例える癖があるので、栄斗は自分がブロンズ
なのに、ゴールドと言われたと勘違いしたので否定したが、クラマは
口癖だと訂正した。

レッカ「なぁなぁ、あんたも忍者なんだろ?ニンニンとかござるとか言うのか?」
クラマ「だから、言わねぇっつーの!」

レッカは自分の思う忍者のイメージを栄斗がするのか聞いてみたが、
クラマが否定する。

22ユガミ博士 ◆uV/51FXesE:2014/07/18(金) 12:12:46
>>20の続き

エビラに船を壊され、呆然とする一同。そこへレッドキングが
迫り来る。

アトム「こうなったら、僕が...」

日本が誇る最高のスーパーロボット、アトムは服を脱ぎ捨てて
足をジェットを噴射して空へ飛び上がって、指からビームを放つ
もののレッドキングには効かなかった。

アトム「うっ...何だろう力が入らない」
健「様子がおかしいぞ?」
文也「そうか、アトムもロボット。地磁気の影響で、回路に異常が起きたんだ!」

アトムも地磁気に影響で、ボディに搭載されている電子回路に
異常が起きてしまう。そして、レッドキングによるパンチで
アトムは吹き飛ばされ、海の中へと沈んでいってしまった。

吼児「アトムが!」
剣「なら、俺がライガーを呼び出すぜ!」
レッドキング「ギャオオオオ!」
剣「うわぁ!」

剣はライガーを呼び出そうとするが、レッドキングによる地響きで
剣は地面に倒れ、頭を打ってしまう。

ゆい&まい「「剣」」
伊達「...大丈夫だ、気絶しているだけだ。エリちゃん、手当てを頼む!」
エリ「分かりました、伊達先生」

医療スタッフとして参加した、医者である伊達明が剣が気絶しているだけ
と判断し、保険医をしている護星天使のエリに介抱を任せた。

23ユガミ博士 ◆UMgG0HhEo2:2014/07/26(土) 11:19:52
***日本海溝・ブレイバーベース***

子供達が、ブリアン島へキャンプに行ってから、数日が過ぎた。
しかし、一向に連絡が無い事に佐原博士を始めとする上層部は
何かあったのでは無いかと話し合っていた。

佐原「...子供達がブリアン島へ行ってから数日。とっくに
   帰ってきていてもおかしくない筈なのだが」
ギルモア「何かあったのじゃろうか?」
エルファ「佐原博士、ギルモア博士に加していた
      アトムが海を漂っている所を発見されました!」
佐原&ギルモア「「何だって!」」

話し合っていた所に、エルファからアトムが海を漂っていた所を
近くの漁船に発見され、回収された事を知らされた。
回収されたアトムは、レッドキングのパンチの衝撃を受けた事で
所々破損個所があり、すぐ様科学省長官であるお茶の水博士を
呼んで修理作業が行われた。

それからしばらくして、無事修理作業が終わりベッドで
寝かされていたアトムが目を覚ます。

アトム「ん...ここは?」
お茶の水「ブレイバーベースの内部にある医療施設じゃよ、アトム。
      お前さんは海を漂流していたのを回収され、ボロボロじゃった
      から修理したんじゃよ」
アトム「お茶の水博士!?そうか、レッドキングのパンチで...」
佐原「目が覚めたばかりで済まないが、何があったのか教えてくれないか
   アトム君」

目覚めたアトムは状況を確認した後、お茶の水博士達にブリアン島
にレッドキングやエビラといった怪獣が目覚めてキャンプに参加している
子供達に危険が迫っている事を教える。

ギルモア「何という事だ!?」
佐原「すぐに出撃メンバーを揃えて、救出に向かうのだ!」

アトムから島の状況を知らされ、佐原博士は救出に向かう
メンバーの編成を始める。

アトム「僕も...!」
お茶の水「お前さんは、まだ修理したばかりじゃ!おとなしく
      寝ていなさい」
アトム「いいえ、博士!あそこには新しく出来た友達がいるんです。
    行かせて下さい!」

修理したばかりのアトムに寝ているように言うお茶の水博士だが、
アトムは友達を助けたいと真剣な眼差しでお茶の水博士に言う。

お茶の水「...はぁ〜、分かった。わしの方から佐原博士に
     救出メンバーに加えてもらえるように言っておこう」
アトム「博士!」
お茶の水「その代わり、無茶をするんじゃないぞ!」

そしてアトムは、再調整を手早く済ませて救出メンバーに
加わった。

24凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2014/07/28(月) 23:09:20
クモンガが巣を張っている谷へ迷い込んでしまったブレイバーズの子供達。
特務エスパーの明石薫らがクモンガを足止めしている間に、
花丘イサミ達は何とか洞窟まで逃げる事に成功したが…。

イサミ「はぁ…。ここまで来れば、もう安心かな」
トシ「明石さん達、大丈夫かなあ」
ソウシ「やっぱりレディを置いて逃げるなんて駄目だ。
 僕らも戻って戦おう」

その時、洞窟の奥から唸り声のような音が聞こえて来た。

イサミ「何だろう?」
ソウシ「この奥からだ…」
トシ「よし、行ってみようぜ」

洞窟の奥で三人が見たものは、
巨大な黒い亀のような怪獣の姿だった。

ソウシ「あれは…」
トシ「ガメラだ!」

冷たい岩の上でうつ伏せになったまま、
ガメラは目を閉じて昏々と眠っている。
ガメラの吐く寝息が洞窟に反響し、唸り声のように聞こえる。

イサミ「どうしてガメラがここに…?」
ソウシ「きっとゴジラと戦って傷を負ったんだ。
 この洞窟に身を隠しながら、エネルギーの回復を待っているんじゃないかな」

ソウシの推測通り、大戸島でゴジラと戦い負傷したガメラは
ブリアン島に逃れ、傷が癒えるのを待ちながら眠っていたのである。

トシ「なあ…。このガメラを起こしたら、
 俺達のために戦ってくれないかな」
ソウシ「無茶だ! これ以上怪獣の数が増えたら手に負えないよ」
イサミ「でも、ガメラは子供の味方なんでしょ?
 きっと無闇に暴れるんじゃなく、私達を助けてくれるよ」
ソウシ「だとしても、どうやって目覚めさせるのさ?」
トシ「え〜と、何かでかい音を立てるとか…」
ソウシ「反応してくれるかなあ。
 かなり消耗して、疲れ切って眠ってるみたいだし」

しばらく考えた三人は、やがて同時に同じ答に行き着いた。

イサミ「ルミノタイト!」
トシ「そうだよ! 龍の武器でルミノタイトのパワーを送れば、
 ガメラはきっと生き返る!」
ソウシ「よし、やってみよう!」

しんせん組のバトルコスチュームに変身した三人は、
龍の剣、龍の目、龍の牙をクロスさせ、
ルミノタイトのパワーを放射してガメラに送り込む。
人間の精神を――子供達の願いを変換した温かなエネルギーを浴びて、
ガメラの肉体に力が宿り始めた。

25凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2014/07/28(月) 23:12:55
薫「サイキックV字斬り!!」
クモンガ「チュ、チュウ!!」

その頃、谷では明石薫が必死にクモンガと戦っていた。
念動力でクモンガを攻撃する薫。
放たれたV字状の斬撃が、クモンガの脚の一本を切断した。

薫「よ〜し!」

勝利を確信した薫だったが、
脚を一本失ったクモンガは激怒し、薫に向けて糸を吐きかける。

薫「うわっ!?」

たちまち糸に絡め取られ、身動きできなくなってしまう薫。
クモンガは薫を谷底へ引っ張り寄せ、口の毒針を向ける。

薫「や、やばい…!」

絶体絶命のその時、どこからか飛んで来た高熱火炎がクモンガの糸を焼き切った。
イサミ、トシ、ソウシが薫を引っ張り上げ、
全身に絡まった糸をイサミの龍の剣で切り裂いて助ける。

イサミ「大丈夫!?」
薫「う、うん。サンキュー」

太陽を遮り、二人の上を巨大な影が通過する。
ルミノタイトのエネルギーで目覚めたガメラが、
洞窟を飛び出してクモンガに襲いかかったのだ。

ガメラ「キャォ――ン!!」
クモンガ「チュ、チュウ!」

谷の上に陣取ったガメラは火炎噴射でクモンガを攻撃。
クモンガも口から糸を吐いて応戦するが、
火に弱いクモンガの糸はガメラの火炎で全て焼き溶かされてしまう。
このままでは勝ち目がない…。
そう判断したクモンガは跳躍し、ガメラに上から飛びかかった。
不意を突かれ、マウントポジションを取られるガメラ。

トシ「ガメラ! 頑張れ!」

クモンガはうつ伏せに組み伏せたガメラを毒針で刺そうとするが、
ガメラは頭と四本の脚を甲羅に隠してしまう。
さしものクモンガの毒針も、固いガメラの甲羅を貫く事はできなかった。
やがてガメラはジェット噴射を始め、クモンガを上に乗せたまま回転飛行で上昇する。

クモンガ「チュ、チュウ――!?」

高速スピンをかけられ、吹き飛ばされたクモンガは岩に叩きつけられてダウンした。
すかさず真上から垂直落下でボディプレスするガメラ。
完全に事切れたクモンガを、ガメラの火炎が燃やして火葬にする。

イサミ「やった!」

勝利の雄叫びを上げるガメラは、そのまま空へ飛び去って行った。

26ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2014/08/01(金) 09:11:26
ピグモンに教えられ、捕まった子供達を助けるべくファイブマンや
仮面ライダーアマゾンを始めとする仮面ライダー達ぶブレイバーズの
大人達はGショッカーの秘密基地を攻撃始めた。

宗助「大丈夫か、かなめ!?」
かなめ「宗助!?」

ミスリルの兵士である宗助も、戦闘員の攻撃をかいくぐり、
かなめや他の子供達が捕えられている場所を見つけ、
救出にやってきた。

ショッカー戦闘員「イー、イー!」
宗助「ちっ、まだこんなにも戦闘員がいたか!」
かなめ「どうするの、宗助!?」

そこにショッカー戦闘員やアリコマンド達が宗助達の下へ
集まってきて、窮地に立たされる。

バババババ

ドドドドドド

ショッカー戦闘員「イー、イー!」
ボン「敵が倒れていく?」
エリー「この銃声は?」

突然銃声がして、ショッカー戦闘員やアリコマンド達が倒れていく。
ザウラザーズのエリーやボン達は何事だと思うなか、煙が晴れると
そこにいたのは...

量産型ボン太くんA「ふもっふ!」
量産型ボン太くんB「ふも〜!」
かなめ「ボ、ボン太くん!?」

そこにいたのは、とある遊園地のキャラクター「ボン太くん」が
2体立っていた。だが、少しデザインが変わっておりヘルメットや
防弾チョッキを身に着けており、まるで兵士の様である。
片方に至っては、どこかで見た事のあるつながり眉毛をしていた。

きらら「あれって、ネズミ?」
ひでのり「いいえ、あれはクマですよ」
ゆう「...かわいい」ボソッ

ボン太くんを見て、あれが何なのかと子供達は口々に感想を
述べていく。

ボルボ「大丈夫か、皆!」
一同「きゃ〜〜〜〜」
ゆう「きゅ〜ん」
ときえ「うわぁ、ゆうが倒れた!」

その時、ボン太くんを脱いで出てきたのはボルボ西郷だった。
そのショックで子供達は大きく悲鳴を上げ、ゆうを始め
何名かは倒れてしまう。

スパコーン

量産型ボン太くんB「ふももも、ふもっふ(こらぁ〜、『中の人』が姿を見せるな!)」
ボルボ「す、すまん...両津」

そうボン太くんの中に入って、助けにやってきたのはボルボと両津だった。
両津は姿を見せたボルボの頭を叩いて、叱りつける。

かなめ「宗助...これって」
宗助「うむ、万が一に備えて持ち込んだ。もしもの時には、ボン太くんを
    装着して救出してもらうようボルボや両津巡査部長に頼んでおいたのだ」

かなめは呆れた顔をしながら、宗助に説明を求めると宗助は真顔で答えた。
(因みにボルボの事は、このキャンプで意気投合して名前で呼んでいる)

ボルボ「宗助、お前のボン太くんを持ってきたぞ」
宗助「ありがとう。かなめ、今の内に彼らを安全な場所まで頼むぞ」
かなめ「分かった。...宗助も気を付けてね」

かなめは子供達と共にその場から脱出をした。そして宗助は
ボルボが持ってきたオリジナルのボン太くんを装着する。

ボン太くん(宗助)「ふも〜、ふもも(このまま、基地を制圧するぞ!)」
量産型ボン太くん(ボルボ)「ふもっふ(了解!)」
量産型ボン太くん(両津)「ふもも、ふもっふ(こち

27ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2014/08/01(金) 09:14:14
ピグモンに教えられ、捕まった子供達を助けるべくファイブマンや
仮面ライダーアマゾンを始めとする仮面ライダー達ぶブレイバーズの
大人達はGショッカーの秘密基地を攻撃始めた。

宗助「大丈夫か、かなめ!?」
かなめ「宗助!?」

ミスリルの兵士である宗助も、戦闘員の攻撃をかいくぐり、
かなめや他の子供達が捕えられている場所を見つけ、
救出にやってきた。

ショッカー戦闘員「イー、イー!」
宗助「ちっ、まだこんなにも戦闘員がいたか!」
かなめ「どうするの、宗助!?」

そこにショッカー戦闘員やアリコマンド達が宗助達の下へ
集まってきて、窮地に立たされる。

バババババ

ドドドドドド

ショッカー戦闘員「イー、イー!」
ボン「敵が倒れていく?」
エリー「この銃声は?」

突然銃声がして、ショッカー戦闘員やアリコマンド達が倒れていく。
ザウラザーズのエリーやボン達は何事だと思うなか、煙が晴れると
そこにいたのは...

量産型ボン太くんA「ふもっふ!」
量産型ボン太くんB「ふも〜!」
かなめ「ボ、ボン太くん!?」

そこにいたのは、とある遊園地のキャラクター「ボン太くん」が
2体立っていた。だが、少しデザインが変わっておりヘルメットや
防弾チョッキを身に着けており、まるで兵士の様である。
片方に至っては、どこかで見た事のあるつながり眉毛をしていた。

きらら「あれって、ネズミ?」
ひでのり「いいえ、あれはクマですよ」
ゆう「...かわいい」ボソッ

ボン太くんを見て、あれが何なのかと子供達は口々に感想を
述べていく。

ボルボ「大丈夫か、皆!」
一同「きゃ〜〜〜〜」
ゆう「きゅ〜ん」
ときえ「うわぁ、ゆうが倒れた!」

その時、ボン太くんを脱いで出てきたのはボルボ西郷だった。
そのショックで子供達は大きく悲鳴を上げ、ゆうを始め
何名かは倒れてしまう。

スパコーン

量産型ボン太くんB「ふももも、ふもっふ(こらぁ〜、『中の人』が姿を見せるな!)」
ボルボ「す、すまん...両津」

そうボン太くんの中に入って、助けにやってきたのはボルボと両津だった。
両津は姿を見せたボルボの頭を叩いて、叱りつける。

かなめ「宗助...これって」
宗助「うむ、万が一に備えて持ち込んだ。もしもの時には、ボン太くんを
    装着して救出してもらうようボルボや両津巡査部長に頼んでおいたのだ」

かなめは呆れた顔をしながら、宗助に説明を求めると宗助は真顔で答えた。
(因みにボルボの事は、このキャンプで意気投合して名前で呼んでいる)

ボルボ「宗助、お前のボン太くんを持ってきたぞ」
宗助「ありがとう。かなめ、今の内に彼らを安全な場所まで頼むぞ」
かなめ「分かった。...宗助も気を付けてね」

かなめは子供達と共にその場から脱出をした。そして宗助は
ボルボが持ってきたオリジナルのボン太くんを装着する。

ボン太くん(宗助)「ふも〜、ふもも(このまま、基地を制圧するぞ!)」
量産型ボン太くん(ボルボ)「ふもっふ(了解!)」
量産型ボン太くん(両津)「ふもも、ふもっふ(こっちは島暮らしでストレスが
                たまっているんだ!覚悟しろよな)」

3体のボン太くんは、そのままファイブマン達に合流するのであった。

28ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/08/03(日) 10:55:01
***天童民間警備会社***

蓮太郎「訓練合宿…?」
木更「そうよ。ブレイバーズ関係者の少年少女限定で、
 南の島で○泊○日の合同キャンプをやるそうなの」

その日の授業が終わり、いつも通り放課後に勾田高校からまっすぐ
天童民間警備会社に出勤した里見蓮太郎は、社長の天童木更から
あるパンフレットを渡された。ブレイバーズに所属する少年少女たちを
主な参加者として、親睦を深める意味もかねて合同合宿を行うという。

延珠「ねえ蓮太郎、妾たちも行っていいであろう?」
ティナ「私も行きたいです」

延珠とティナはすがるような目つきで、
ソファにどっかりと腰を下ろしながらお茶を啜る蓮太郎を見つめる。

蓮太郎「でもうちはブレイバーズとは何の関係もないだろ」

以前、聖天子を守ってセーラー戦士や磁雷矢と共闘した事もある
蓮太郎&延珠ペアではあるが、それはたまたまであって、
別に蓮太郎たちはブレイバーズのメンバーというわけではない。
しかし、次の瞬間に木更から意外な一言が…!

木更「あら、うちも加入したわよ、ブレイバーズに」
蓮太郎「ぶぅぅぅぅ〜!!!!!!!!」

木更の一言を聞いた瞬間、蓮太郎は飲んでいたお茶を盛大に噴出した。

蓮太郎「なに考えてんだ木更さん! 大体うちはガストレアだけで手一杯だ!
 Gショッカーとかの相手までしている余裕なんかないんだぞ!」
木更「でも情報の共有は必要だと思うし、あくまでも無理のない範囲で
 人手を貸してくれればいいそうだから。それに何よりもブレイバーズに
 加盟するだけで多額の補助金が国から下りるのよ♪ これでもう未織に
 大きな顔はさせないわ!」
蓮太郎「………(本当の狙いはそれかよ!)」

蓮太郎の抗議などどこ吹く風の態度の木更に
半ば諦め顔の蓮太郎である。

延珠「蓮太郎…行ってはだめなのか?」
ティナ「お兄さん…」

延珠とティナの二人はうるうるの涙目で蓮太郎に迫る!

蓮太郎「あ〜もうわかったよ。行ってきてもいい! 行って来い!」
延珠「やった〜♪」
ティナ「お兄さん、ありがとうございます」

蓮太郎のGOサインが下り、延珠とティナの二人は大喜び。

木更「それじゃあ里見くん、引率はお願いね」
蓮太郎「…は?」
木更「は?…じゃないわよ。まさか延珠ちゃんと
 ティナちゃんだけで行かせるわけにはいかないでしょ。
 二人の保護者として、最後までしっかりと面倒を見てくるのよ!」
蓮太郎「な、なにぃぃぃぃ〜〜〜!!!」

29ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/08/03(日) 10:56:08
一方、その頃…。

***東京エリア・外周区***

東京郊外にある外周区と呼ばれる地区は、前大戦によって未だに
戦争の傷跡が残り、所々廃墟が目立つ。そしてここには
“呪われた子供たち”と呼ばれるガストレア因子を持って生まれた事により
親や社会に捨てられてた子供達の多くが暮らしていた。

以前、そうした子供たちを集め、里見蓮太郎たちがボランティアで
教師役を買って出ていた青空教室が、差別主義者の過激派による
爆弾テロの犠牲になるという悲しい出来事があったが、
“呪われた子供たち”に救いの手を差し伸べようとする
高い志を持つ者は他にもいた。

一人の教師が“呪われた子供たち”に青空の下で、教鞭をとっていた。
その教師の名は、地球戦隊ファイブマンである星川兄弟の長男で、
理科担当教師である星川学である。
学たち星川兄弟は『公民権法』が施行されたが、
未だ教育を受けられない子供達の為に、こうして勉強を教えていた。

学「・・・虫は卵から生まれた後、幼虫になる。そして、大人である
  成虫になる間に、変わった姿を何と言うか分かる子はいるかな?」

ハイ、ハイ、ハ〜イ

教師が分かる人がいるか子供達に聞くと、元気よく手を挙げた。

学「では、○○答えてくれ。」
子供A「はい、さなぎです。」
学「正解。よく勉強したね。」
子供B「へへへ(///)」

さなぎと答えた生徒に学は褒める。その後授業が終わり、
片付けをしていると、体育教師をしている次男・健がやってくる。

健「兄貴、ちょっといいかい?」
学「どうした、健?」

健によると、ブレイバーズの少年少女組の交流を目的としたキャンプの
保護者をしてほしいという連絡が届いたとのこと。歴戦の勇士であり、
経験豊富な教師でもあるファイブマンに子供達の面倒をお願いしたいらしい。

健「どうする、兄貴?」
学「...分かった。引き受けると伝えてくれないか?」

30ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/08/03(日) 10:56:59
***日本海溝・ブレイバーベース***

エルファ「ブリアン島、南太平洋に位置する無人島で、
 現在は地球連邦政府直轄の保護領です。近隣に目立った
 武力紛争や海賊行為もなく、また過去500年において
 大きな自然災害も確認されていません」

指令室のモニターに映し出されたブリアン島の画像を背景に、
ブレイバーベースの万能ナビゲーターであるエルファが解説する。

ギルモア「まさに子供たちの遊び場としては格好の場所じゃな」
佐原「ブレイバーズは単なる武力組織ではない。
 地球の未来を背負うことになる子供たちに
 友情を育む交流の場を提供し、健全な育成へと導く。
 これも地球の平和を守るための大事な任務であり、
 同時に私たち大人の責務でもある」
ギルモア「よく学び、よく遊ぶということじゃな」
エルファ「ギルモア博士、ブリアン島に到着した
 002と004から通信が届いています」
ギルモア「繋いでくれ」


***南太平洋・ブリアン島***

ギルモア博士の指示を受けたジェット・リンク/002と
アルベルト・ハインリヒ/004の二人の00ナンバーサイボーグは、
万一のことがないよう、事前に直接島に何か危険はないか
調査に赴いていた。

004「ギルモア博士、こちら004」
ギルモア@通信「おお〜、004か。ご苦労じゃったな。
 で、どうじゃ、そっちの様子は?」
002「上空から一通り見回ったけど、
 ホントこの島には退屈するくらい何もないぜ」
ギルモア@通信「002がそう言うからには
 本当に大丈夫そうじゃなあ」
OO4「子供たちが合宿でキャンプを張るとすれば、
 東の平原が適当でしょうな」
ギルモア@通信「わかった。引き揚げて来てくれ」
004「了解」

通信を切る004。思ったより早く用事が済んだため、
早速島から離れようとする二人だったが…。

004「――!!」
002「…どうした、004?」
004「いや、今誰かに見られていたような気がしたんだが…」

警戒して周囲にじっと目を凝らす004。
しかし特に何も起こらなかった…。

002「気のせいだろ」
OO4「そうみたいだな…」

こうして二人の00ナンバーサイボーグは島から離れていった。
しかしOO4の感じた気配は決して気のせいなどではなかった。
今まで誰も見たこともないような異形の怪物の影が、
確かにジャングルの茂みから様子をうかがっていたのである!

ゴブリンイーバA「グゥゥ……」
ゴブリンイーバB「ガゥゥ……」

31ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/08/06(水) 12:18:03
***横浜港・国際客船ターミナル***

延珠「おっきいのだぁ…」
蓮太郎「普段貧乏暮らしの俺たちには縁もないと思ってたけど、
 ブレイバーズってのは大した福利厚生だ。こりゃあ
 木更さんが加入したがる理由もわかるぜ…」

眼前の大型豪華客船に思わず嘆息する
里見蓮太郎、藍原延珠、ティナ・スプラウトの3人。

"洋上のオアシス"と謳われるクルーズ客船『飛鷹Ⅲ』。
破嵐財閥のグループ会社である破嵐郵船所有の、
全長241m、全幅29.6mの大型客船である。

蓮太郎たち3人が泊まる部屋は、スタンダードのトリプルD。
海が見える窓が二つ用意され、明るい光が部屋を包み込んでいる。

延珠「ふかふかなのだあ〜!」
ティナ「とても気持ちいいです」

延珠とティナは部屋の中に入るや否や、目の前のソファベットの中へと飛び込んだ。

延珠「なあ蓮太郎、船の中をいろいろと見てきてよいか?」
蓮太郎「いいけどくれぐれも迷子にはなるなよ」
延珠「…ムッ! 妾は子供ではないのだ! 行こうっ、ティナ」
ティナ「はい、行きましょう延珠さん♪」


その隣の客室では…。


紫穂「わーい」(←棒読み)
葵「うれしいなー」(←棒読み)
薫「あたしたち水入らずじゃないとこが最高ー」(←棒読み)

皆本「………(汗」

運用主任・皆本光一との水入らずでの旅行を期待していた
特務エスパー、ザ・チルドレンの3人である明石薫、野上葵、三宮紫穂。
直前になって実は集団慰安旅行だったと聞かされ、こうして不貞腐れているのである。

薫「どーせ例によって局長のセッティングでどっかのリゾートだとか、
 ばーちゃんの別荘とかじゃないかとか思ってたけど…」
紫穂「何か違うかなあって…。満たされないのよね」
皆本「そんなワガママ言わずにさあ。この船には他のブレイバーズメンバーも
 乗ってるんだ。くれぐれも無用な軋轢だけは起こさないでくれ」
葵「別にブレイバーズに入ったメンバー同士、親睦を深めよういうこと自体に
 ケチつけるつもりはあらへん。でもなあ…」
薫「なんであたしたちと皆本が違う部屋なんだよ!!」

部屋割りでは、薫たち3人と皆本は別々の部屋が割り当てられていた。

皆本「それはしょうがないだろ! 年頃の女の子と大の大人の男が
 一緒の部屋に寝泊りしてるところを見られたら、いろいろと噂になるだろ!」
紫穂「あら、隣の部屋は高校生くらいの男子が10歳くらいの幼女二人と
 さっき一緒に入って行ったわよ」
皆本「隣の事情までは知らん!」
薫「やだやだやだあ〜! ブリアン島に着くまで皆本と一緒がいい!」
皆本「頼むから静かにしてくれええ〜!!」

再び、隣の蓮太郎たちの部屋では、
蓮太郎がソファに寝転んで静かに本を読んでいたが…。

蓮太郎「なんか隣が騒がしいな…?(汗」

32ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/08/06(水) 12:18:38
***同客船・レセプション広場***

『飛鷹Ⅲ』の玄関とも言うべき三層吹き抜けの華やかな空間。
日向仁たち地球防衛組と共にフロントで手続きを済ませる
本宮大輔、井ノ上京、火田伊織、高石タケル、八神ヒカリ、一乗寺賢ら
6人の選ばれし子供たち。勿論チビモン、ポロモン、ウパモン、
パタモン、テイルモン、ミノモンたち彼らのパートナーデジモンも一緒である。

飛鳥「はい、これ部屋の鍵」
ヒカリ「ありがとうございます」
京「本当にあたしたちまで招待してもらってよかったんですか?」
飛鳥「なんでも地球連邦軍極東基地の武田元長官から連絡があって、
 文科省の時空管理局とDATっていうところから、是非とも
 君たちを招待したいんだってさ」
賢「時空管理局にDAT…?」
大輔「難しいことを考えたってしょうがない。
 せっかくの機会、楽しまなきゃ損だぜ!」
タケル「フフ…大輔くんらしいね」

そこへ広場を走り回っていた延珠が
大輔の横にいたチビモンとぶつかった。

延珠「うわあっっ!!」
チビモン「うわっ! な、なんだ!?」

床に転げる延珠とチビモン。

ティナ「大丈夫ですか、延珠さん」
大輔「どうした!? チビモン!」
チビモン「イテテテテ…」
延珠「うわっ!? ぬいぐるみが喋ったのだ!?」
チビモン「ぬいぐるみじゃないやい!」
伊織「彼らはデジモンです」
延珠「デジモン…??」

延珠とティナの二人は、チビモンたちを好奇心まじまじと見つめる。

ティナ「この生物たちがデジタルワールドに生息しているというデジモン…。
 噂には聞いていましたが、こうして実物を見るのは初めてです」
ウパモン「女の子にそんなに見つめられると照れるだぎゃあ…(///)」
延珠「――あ、そうだ! ぶつかって悪かったのだ。
 この通り、ごめんなさい」
大輔「誤ってくれればいいさ。俺は本宮大輔、そしてこいつはチビモン」
チビモン「よろしくなっ!」
延珠「妾は藍原延珠、そしてこっちはティナ・スプラウト。
 こちらこそよろしくなのだ♪」

固く握手を交わす大輔たちと延珠たち。
こうして『飛鷹Ⅲ』はブリアン島に向けて出航した。
この先に子供たちに驚くべき苦難が待ち受けて異様とは誰も知らずに…。

33ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2014/08/06(水) 13:30:05
一方、その頃…。

***東京エリア・外周区***

東京郊外にある外周区と呼ばれる地区は、前大戦によって未だに
戦争の傷跡が残り、所々廃墟が目立つ。そしてここには
“呪われた子供たち”と呼ばれるガストレア因子を持って生まれた事により
親や社会に捨てられてた子供達の多くが暮らしていた。

以前、そうした子供たちを集め、里見蓮太郎たちがボランティアで
教師役を買って出ていた青空教室が、差別主義者の過激派による
爆弾テロの犠牲になるという悲しい出来事があったが、
“呪われた子供たち”に救いの手を差し伸べようとする
高い志を持つ者は他にもいた。

一人の教師が“呪われた子供たち”に青空の下で、教鞭をとっていた。
その教師の名は、地球戦隊ファイブマンである星川兄弟の長男で、
理科担当教師である星川学である。
学たち星川兄弟は『公民権法』が施行されたが、
未だ教育を受けられない子供達の為に、こうして勉強を教えていた。

学「・・・虫は卵から生まれた後、幼虫になる。そして、大人である
  成虫になる間に、変わった姿を何と言うか分かる子はいるかな?」

ハイ、ハイ、ハ〜イ

教師が分かる人がいるか子供達に聞くと、元気よく手を挙げた。

学「では、結衣ちゃん答えてくれ。」
結衣「はい、さなぎです。」
学「正解。よく勉強したね。」
結衣「へへへ(///)」

学に当えてられた生徒である堀部結衣という少女はさなぎであると
答える。問題に答える事が出来た結衣を学は褒めた。
その後授業が終わり、片付けをしていると、体育教師をしている
次男・健がやってくる。

健「兄貴、ちょっといいかい?」
学「どうした、健?」

健によると、ブレイバーズの少年少女組の交流を目的としたキャンプの
保護者をしてほしいという連絡が届いたとのこと。歴戦の勇士であり、
経験豊富な教師でもあるファイブマンに子供達の面倒をお願いしたいらしい。

健「どうする、兄貴?」
学「...分かった。引き受けると伝えてくれないか?」

34凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2014/08/06(水) 20:36:25
***飛鷹Ⅲ・ブリーフィングルーム***

健「やれやれ、無事出港できたな」
学「いよいよ旅の始まりだ。頑張って行くぞ!」

船内のブリーフィングルームには、
教職者を中心とした引率の大人達が集まり初回のミーティングを開いていた。

学「まずは改めて自己紹介から行きましょうか。
 東京の外周区で小学校教師をしている、ファイブレッドの星川学です」
健「同じくファイブブルー、星川健です」
数美「ファイブピンクの星川数美です」
文也「ファイブブラック、星川文也です」
レミ「ファイブイエロー、星川レミです。
 私達五人は兄弟姉妹で揃って同じ学校で教師をやっています」
鵺野「佐賀の小学校で教師をしている、鵺野鳴介です。
 霊能力者で、妖怪退治の仕事をしています」
はるか「大江戸市の中学校教師、高木はるかです。
 忍者で、護衛として来てくれた半蔵学院の善忍さん達のOGです」
学「僕ら教職のメンバーが中心となって、子供達を引率していく事になります。
 皆さんよろしくお願いします!」

ファイブマンの星川兄弟姉妹を中心に、
自己紹介を済ませた教師達は日程の確認に移る。

学「予定通り行けば、ブリアン島までは片道5日間の船旅になります。
 上陸して島のキャンプ場で3日、それからまた帰りに船で横浜まで5日。
 全部で合計12泊13日のツアーです」
健「船とキャンプでのアウトドア研修を通じて、
 子供達が普段は体験できない多くの事を学ぶ。
 そんな場を提供するのが僕らの使命です」
文也「とは言え、ブレイバーズの子供達が互いに交流を深め、
 仲間の輪を広げるきっかけとするのが一番の趣旨なので、
 あまりやかましい事は言いっこなしで、楽しくやりたいと思います」
レミ「ただし、途中で事故など起きないように、注意と配慮は大切です」
数美「特に子供達が持っている武器の扱いについては、
 万一の事があっては大変ですから、
 管理にはしっかり目配りしなければなりません」
鵺野「気象庁の予報によれば、航路上の天気・波の状態は良好。
 島に着いてからも晴天に恵まれそうで、良かったですね」
はるか「快適な船旅になるとは思いますけど、
 船酔いしやすい子もいますし、途中の健康管理には気を付けたいですね」
学「多少のハプニングはこういう団体旅行には付きものですが、
 皆で力を合わせて乗り切り、良い旅にして行きましょう!」

大海原に白波を立てながら、
加速する飛鷹Ⅲはブリアン島を目指し、太平洋を南西の方角へ航行してゆく。

35ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2014/08/06(水) 23:42:53
>>32の続き

エリス「あら、飛鳥君達じゃない?」
銀河「おっす。久しぶりだな、仁!」
北斗「地球防衛組の皆も久しぶりだね」
仁「銀河達か!会いたかったぜ」

地球防衛組に声を架けたのは、GEARに所属する銀河、北斗、エリスの
3人である。3人は声がするので、ここへやって来たのだった。

エリス「あれは...デジモンね!」
北斗「デジモンというと、キョウさんが研究したいっていっていた生物だね」

エリス達は、リザクレションシステムの研究をしている十凍京から、
現実世界に実体化出来るデータウェポンを研究の応用に出来ないかと
という事で、ブレイバーズに合流してから交流を持っていた。
その際、データウェポン同様データから誕生したデジモンも研究に
使えないかという考えをキョウから聞いていた。

レオサークル「グワォ」
大輔「な、何だ!?」
ドラゴンフレア「クォオン」
京「え、ちょっと!?」
ブルホーン「ブルル」
伊織「うわぁ!」

すると、突然銀河と北斗の持っているギアコマンダーから
それぞれの所有するデータウェポンであるレオサークル、
ドラゴンフレア、ブルホーンが飛び出して、大輔達の持つ
D―3に近づいてきた。

銀河「お、おいどうしたんだよ!」
銀河「何に反応しているんだ?」
賢「...もしかして、デジメンタルかな?」
エリス「デジメンタル?」

突然データウェポン達が飛び出した事に困惑する銀河と北斗だが、
賢はデータウェポンが反応したのは、大輔達の持つデジメンタル
ではないかと推論を立てる。
デジメンタルとは、古代種のデジモン、または古代種の遺伝子データを
持つデジモンを「アーマー進化」させるアイテムである。デジメンタルには
それぞれ「勇気」「友情」「愛情」「純真」「知識」「誠実」「希望」「光」「優しさ」
等といったいくつかの種類があり、大輔達選ばれし子供がそれぞれ所持
していた。

エリス「なるほど、データウェポン達も勇気や信頼といったものを
    契約の条件にしているから、それで反応したのかもしれないわね」

デジメンタルの説明を受けたエリスはレオサークル達が飛び出した
理由に納得がついた。一方、レオサークル達も落ち着きを取り戻し、
おとなしくなる。

延珠「はは、こやつらもこうしてみるとかわいいのう!」
ティナ「そうですね」

延珠達もおとなしくなったデータウェポン達を見てかわいいと
口にする。

北斗「騒がせちゃって、ごめんね」
大輔「過ぎた事だし、もう気にしていないぜ」

そして大輔達は北斗や銀河達と自己紹介をして、仲良くなるのであった。

36ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/08/07(木) 00:47:33
>>352 ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.
>蓮太郎達の隣の部屋が、ザ・チルドレン達かww
>ロリコ...じゃなかった年下に好かれている者同士、皆本も
>蓮太郎もこれからが大変じゃな。
冗談半分でロリコン疑惑を持たれている者同士ww、
何かの場面で絡ませたいところです。

>因みに時空管理局というのは、複数の作品で登場するが
>(私の知っているのだと、魔法少女リリカルなのはに登場する組織)
>これは、コセイドン隊か?
失礼。情報管理局(ネットワーク管理局)の間違いでした。
『デジモンテイマーズ』に登場していた公的組織です。

>>353 凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.
>私も、船には何か名前を付けてそれなりの設定で出した方がいいか…とは思っていたが、
>飛鷹Ⅲの登場、素晴らしかったと思う。
実在する豪華客船「飛鳥Ⅱ」のネーミングをもじりました。
カタカナの横文字にして「クィーンエリザベス号」ならぬ
「クィーンヴィクトリア号」とかでもよかったかもしれませんが、
お気に入りいただけたのであれば幸いです。

>>354 ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.
>ミーティングには名護猛とかいませんでしたが、既に現地入りを
>しているのですかな?
単にあの場面に登場していないだけで、船には乗っているのでは?

ところでネタバレノートの>21に狼座の栄斗が出ていましたが、
バンド繋がりで、高石タケルの兄・石田ヤマトとも面識があるかも
しれませんね。栄斗とタケルを絡ませてみるのもよいかもしれません。

37ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/08/07(木) 00:48:09
誤爆しました。失礼…。

38ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2014/08/08(金) 10:30:47
***飛鷹Ⅲ・厨房***

ブリーフィングルームで大人達が初回のミーティングを行っていた頃、
両津は船での食事を担当する事になり、ボルボやジョディに食材の
搬入を手伝ってもらっていた。

ボルボ「それにしても、このマグロでかいな」
両津「二徹から、色々活きのいいマグロや海の幸を仕入れたからな」

両津の言う二徹というのは、両津の知り合いである飛鷹4姉妹の父親
である漁師の事で、かなり遠洋して魚介類を仕入れている。

ジョディー「あら、あそこにいる女の子は誰かしら?」
両津「ん?」

ジョディーが指差す方向を見ると、ロングヘアーの女子高生
千鳥かなめが辺りをキョロキョロをしながら、歩いていた。

かなめ「すいません、ここはどこですか?」
ボルボ「君は、このキャンプの参加者かな?」
ジョディー「ここは、厨房よ」
両津「迷ったのか?」
かなめ「はい、スタッフのお手伝いとして来たんですけど、
     迷ってしまって・・・」

船の中を迷ったかなめは、両津達に現在の場所を聞く。

両津「そうか・・・よし、わしが部屋まで送ろう」
かなめ「あ、ありがとうございます!」
???「待てぇ!」

両津はかなめを部屋まで送ろうとするが、そこに割り込む
人物が現れた。かなめの護衛を任務とする相良宗助である。

かなめ「宗助!?」
宗助「大丈夫か、千鳥!」ジャキ
両津「な、何だ!?」
ボルボ「両津!」ジャキ

暴漢に襲われていると思った宗助は、かなめを守るように前に立ち
銃を突きつける。宗助が銃を突きつけたので、ボルボも隠し持っていた
銃を突きつける。

スパコーン

宗助「痛いぞ、千鳥」
かなめ「な〜にしているのよ、宗助!この人達は私が迷っていたから
     親切に部屋まで送ってもらおうとしただけよ!」
両津「・・・こいつも、ブレイバーズの一員なのか?」

かなめと宗助のコントみたいなやり取りに、両津は呆れて
その光景を見ていた。

ジョディー「宗助?その頬の傷・・・あなたが、マオの言っていた
      宗助ね!」
宗助「ん!?マオの事を知っているのか」
ジョディー「マオは私の友人よ。あなたの事も聞いているわ」

会話に出てくるマオというのは、宗助の所属する組織ミスリルの
兵士であるメリッサ・マオの事である。元々マオはアメリカ海軍だったので
ジョディ―とは、その頃からの友人だった。

宗助「そうか、マオの友人だとは知らずに先程の件はすまなかった」
ボルボ「分かってもらえたならいい。所で、君の銃はなかなかいい
     手入れがしてあるなぁ」
宗助「そちらの銃も、よく手入れされている。優秀な兵士である証拠だ」

謝罪する宗助にボルボは、宗助の銃を見ていい手入れをしていると褒める。
同じように宗助もボルボの銃を褒め、何やらお互い意気投合をしていた。

両津「(ブレイバーズっていうのは、こんなのばっかなのか?)」

両津はそんな事を思いながら、眺めるのであった。

39凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2014/08/12(火) 00:24:50
***ブリアン島・東の平原***

健「お〜い!」
文矢「仁く〜ん! マリアちゃ〜ん!」

地球防衛組のメンバーと千鳥かなめが行方不明になってから一夜が明けた。
星川健、文矢らの大人達は森の中に分け入り、子供達を探す。

宗介「千鳥…。どこへ行った」

相良宗介もジャングルの中に入ってかなめを探すが、一向に手がかりがない。
その時、宗介の目の前で何かが茂みを揺らした。

宗介「……!!」

すかさずショットガンを構える宗介。
茂みの中から飛び出したのは小さな赤い生物だった。
こちらを見て踊るように足踏みしながら、何かをアピールしている。

ピグモン「キュ、キュキュー!!」
宗介「怪獣か…!」
両津「待て宗介。あれはピグモンだよ」
宗介「ピグモン…?」
両津「ああ。大人しい友好珍獣さ」

ショットガンを撃とうとする宗介を両津勘吉が止める。
怪獣に詳しい両津は、ピグモンが危険ではない事を知っていた。
言われて宗介は銃を下ろす。

ピグモン「キュキュー! キュキュー!」
両津「何かを訴えているみたいだな…」
ボルボ「ん? 何か落としたぞ」

白いハンカチを地面に落として、ピグモンはその場を去って行った。
両津が拾い上げてみると、そのハンカチにはペンで「白鳥マリア」と名前が書かれていたのである。

宗介「これは…」
健「マリアちゃんのハンカチだ!」
両津「あのピグモン、さてはわざとこれを落として行ったな」
文矢「きっと俺達に教えようとしているんだ。
 あのピグモンは、マリアちゃん達の居場所を知っている!」
ボルボ「よし、行ってみるか!」

両津達は、急いでピグモンの後を追う事にした。

40ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2014/08/12(火) 11:55:11
ブリアン島での生活も6日目となり、子供達は夕食の準備をするべく、
何人かにチームを分けて、食糧の調達をしていた。

***ブリアン島・河川***

ブリアン島を流れる河川では、地球防衛組の今村あきら、ヨッパー、佐藤大介
ザウラーズの武者小路叉音泰(あだ名はボン)と関和孝(あだ名はチョビ)は
釣りで魚を調達していた。

あきら「魚、釣れたか?」
ヨッパー「全然...」
ボン「このままじゃ、今晩の飯が出来ねぇよ」

5人とも、魚が釣れていない事に不安を覚える。

チョビ「ん?大介、竿引いているんじゃないのか!」
大介「え、本当だ!・・・けっこう、デカいぞ」
ヨッパー「マジかよ!」
あきら「俺達も手伝うぜ!」

すると、大介の竿が動き出しチョビがそれに気づく。
大介も気づき、竿を引くがかなりでかいらしく他の4人も
一緒になって大介の手伝いを始める。

大介「うぉぉぉぉ」

ザッパーン

竿を引き上げると、そこから現れたのは何と巨大なワニだった。

ワニ?「ぐわぁぁぁ」
5人「「「「「うわぁぁぁぁあ」」」」」

そして、5人はそのワニ?に引きずり込まれるのであった。

***ブリアン島・森林地帯***
 
一方、森林地帯ではアマゾンこと山本大介が引率して主に
女子グループが食糧となる果実を探していた。

ときえ「アマゾンさん、この果物は食べられますか?」
大介「どれどれ・・・大丈夫、食べられる実だ」

野生児である大介は、森の果実に詳しく地球防衛組の坂井ときえは
大介に食べられないか聞く。(因みに防衛組にも同じ名前の大介が
いるので、間違えないようにアマゾンで通している)

ゆう「このキノコは、確か・・・食べられるキノコだったわね」

同じく地球防衛組の泉ゆうも森に生えているキノコを採っていた。

少年?「好〜きです〜か、好〜きです〜か」
ゆう「あの子は?」

ふとどこからか歌が聞こえてくるので、森の奥を見ると
学生服に半ズボン、そして瓶底眼鏡を身に着けた少年がいた。
少年はそのまま、森の奥へと姿を消してしまう。

ゆう「待って、森の奥はあぶないわ?」
かなめ「ゆうちゃん?」
ときえ「待ってよ、ゆう!」

ゆうは森の奥にはまだまだ危険な怪獣がいるので、その少年を追って
森の奥へと行ってしまう。それに気づいたかなめとときえも、その後を追う。
しばらくすると、広い場所に3人は出た。

ときえ「もう〜、ゆうどうしたの?」
ゆう「こっちに男の子が走っていったんだけど...」
かなめ「男の子?どこにもいないじゃない...」

3人が話していると、突然地面から長い紐が出現して、
3人を引きずり込む。

3人「「「きゃぁぁぁあ」」」
宗介「かなめの声!」
大介「他の2人の声・・・ゆうとときえか!?」

悲鳴を聞いた宗介と大介は駆けつけるが、その場には
既に誰もいなかった...

41ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2014/08/12(火) 12:59:28

♪〜♪〜

宗介と大介が悲鳴のした場所へ向かったので、その場から
離れた後、どこからともなくアコーディオンの音が流れる。

小鈴「アコーディオン?」
瑠璃「何で、アコーディオンが?」

銀河連邦警察を代表しての参加となるコスモス荘のタンポポールこと
桜咲小鈴と梅木瑠璃はアコーディオンの音が聞こえてきた事に
疑問を抱く。

勇太「あれ、ここはどこ?」
駆「バス停?」

気が付くと、その場にいた子供達はバス停の前に立っていた。
そこへバスがやってくると、何故かは分からないが、疑問を抱かず
バスに乗車する。

***ブリアン島・Gショッカー秘密基地***

駆「ちっくしょー、ここから出せ!」
ショッカー戦闘員「騒ぐな、おとなしくしていろ!」

気が付くと、子供達はGショッカーの秘密基地にある牢屋に
入れられていた。

ドーラゴブリン「ふふふ、この島にブレイバーズの子供が大勢来ていると
   聞いていたが、大分集まったな。美味そうな魂がいっぱいだ!」
紐男爵「まてまて、子供達はGショッカーの労働力にするのだ。
     我慢せい」

子供達を次々と誘拐したのは、ドーラゴブリンや紐男爵達だった。
紐男爵は地中に引きづり込み、ドーラゴブリンはアコーディオンで
ゴブリンサロンへ通じる森に迷い込ませたのである。

バラナイトメア「その際、私が脳波で疑問を抱かずに乗車させているのだ。
         感謝してもらおう」
ドーラゴブリン「分かっている...」
サボテン将軍「でも、本当にこの子達はかわいいわ。ねぇ、一緒に
       お人形遊びをしましょう?」
りんね「い、いや...」
駆「りんねに触るな、おっさん!」

バラノイアのマシン獣であるバラナイトメアは、脳波を狂わせ悪夢を
見せる能力を応用して、ドーラゴブリンのバスに乗るように仕向けていた。
軍服を着た中年男性―ゴーマ怪人のサボテン将軍は、捕まえた女の子
達を自身の趣味である「お人形遊び」に誘おうとする。

ワニ獣人「ぐぅ〜、またガキ共を捕まえたぞ!」
ひろし「あきら、ヨッパー、大介!」
洋二「あわわわ、ボン、チョビ!」

河川であきら達を引きずり込んだワニは、ゲドンの獣人である
ワニ獣人だった。連れてきたあきら達を5人を牢屋に入れる。

かなめ「...(宗介、助けて!)」

かなめは心の中で、宗介の事を思うのであった。

42ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/08/12(火) 20:24:47
>>362 ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.
>まだ、ガイストクラッシャーが放送終了していなかったが
>よかったのかな?
それは知りませんでした。『ガイストクラッシャー』については
ほとんどよく知らないもので…。

>あと、敢えて言わせてもらうなら、登場人物紹介に
>既にホークモンが出ているのだが...
あれはアタシの単純ミスです。ごめんなさい。

>>363 凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.
>キャンプの日程を色々計算してみたが、
>島への上陸から救出されるまで全部で6泊7日、
>ちょうど1週間とするのが私のプロットでは良い感じなのだが、
>長すぎるor短すぎるなど、皆様のご意見はいかがだろうか。
異論はございません。

>>今後も投稿する時はメール欄は連名にした方がいいのかな?
一応その方がよいのではないかと。
あるいは企画発案者であるクールギン様のお名前だけを
執筆代表者名義としてお一人だけとか。

>もう一つ私にミスがあって、
>星川文也ではなく文矢だった。申し訳ない。
いずれ改めてまた後日に投稿し直します。

>>364 ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.
>各地で台風11号による被害が出ているが、『闘争の系統』執筆陣及び
>読者諸君は大丈夫だっただろうか?
アタシはこの通り無事よ。

>闇の皇帝ゼットが復活。
やはりありました! ゼットの怪人態バージョンの姿!
悪の組織の首領はこうでなくっちゃ♪

>>366 ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.
>許可をいただいたので、さっそくネタバレに誘拐シーンを投下しました。
ドーラゴブリンの台詞に「ふふふ、この島にブレイバーズの子供が大勢来ていると
聞いていたが」とありましたが、Gショッカー側にとっても同じ島にブレイバーズが
来ていることは想定外で、子供たちが来ていたことは島の異変後に初めて知った――
――という事にした方がよいのではないでしょうか?

43ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/08/12(火) 20:25:36
なんてことかしら。また誤爆しちゃったわ。

44ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2014/08/13(水) 08:39:25
ブリアン島での生活も6日目となり、子供達は夕食の準備をするべく、
何人かにチームを分けて、食糧の調達をしていた。

***ブリアン島・河川***

ブリアン島を流れる河川では、地球防衛組の今村あきら、ヨッパー、佐藤大介
ザウラーズの武者小路叉音泰(あだ名はボン)と関和孝(あだ名はチョビ)
大牙剣の仲間である団五郎(あだ名はダンゴ)は釣りで魚を調達していた。

あきら「魚、釣れたか?」
ヨッパー「全然...」
ダンゴ「おっ、魚か?・・・何だ、ただの枝か。」
ボン「これじゃあ、今晩のおかずが食べられないぜ」

皆、魚が釣れない事に不安を覚える。実家が魚屋であるダンゴは
釣れたと思いを竿を引き上げるが、ただの枝だったので肩を落とす。

チョビ「ん?大介、竿引いているんじゃないのか!」
大介「え、本当だ!・・・けっこう、デカいぞ」
ヨッパー「マジかよ!」
あきら「俺達も手伝うぜ!」

すると、大介の竿が動き出しチョビがそれに気づく。
大介も気づき、竿を引くがかなりでかいらしく、あきら達も
一緒になって大介の手伝いを始める。

大介「うぉぉぉぉ」

ザッパーン

竿を引き上げると、そこから現れたのは何と巨大なワニだった。

ワニ?「ぐわぁぁぁ」
5人「「「「「うわぁぁぁぁあ」」」」」

そして、6人はそのワニ?に引きずり込まれるのであった。

***ブリアン島・森林地帯***
 
一方、森林地帯ではアマゾンこと山本大介が引率して主に
女子グループが食糧となる果実を探していた。

ときえ「アマゾンさん、この果物は食べられますか?」
大介「どれどれ・・・大丈夫、食べられる実だ」

野生児である大介は、森の果実に詳しく地球防衛組の坂井ときえは
大介に食べられないか聞く。(因みに防衛組にも同じ名前の大介が
いるので、間違えないようにアマゾンで通している)

ゆう「このキノコは、確か・・・食べられるキノコだったわね」

同じく地球防衛組の泉ゆうも森に生えているキノコを採っていた。

少年?「好〜きです〜か、好〜きです〜か」
ゆう「あの子は?」

ふと、どこからか歌が聞こえてきたので、森の奥を見ると
学生服に半ズボン、そして瓶底眼鏡を身に着けた少年がいた。
少年はそのまま、森の奥へと姿を消してしまう。

ゆう「待って、森の奥はあぶないわ?」
かなめ「ゆうちゃん?」
ときえ「待ってよ、ゆう!」

ゆうは森の奥にはまだまだ危険な怪獣がいるので、その少年を追って
森の奥へと行ってしまう。それに気づいたかなめとときえも、その後を追う。
しばらくすると、広い場所に3人は出た。

ときえ「もう〜、ゆうどうしたの?」
ゆう「こっちに男の子が走っていったんだけど...」
かなめ「男の子?どこにもいないじゃない...」

3人が話していると、突然地面から長い紐が出現して、
3人を引きずり込む。

3人「「「きゃぁぁぁあ」」」
宗介「かなめの声!」
大介「他の2人の声・・・ゆうとときえか!?」

悲鳴を聞いた宗介と大介は駆けつけるが、その場には
既に誰もいなかった...

45ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2014/08/13(水) 09:40:02
宗介と大介がその場を離れた後、カサカサと草が動き出す。

クーコ「な、何!?」
ユカ「お化け!?」

ザウラザーズの田辺久美子(あだ名はクーコ)や水原結花
(あだ名はユカ)がお化けじゃないのかと震える。そして
草むらから小さな赤い生物が現れた。

ピグモン「キュ〜」
クッキー「もしかして、怪獣?」
ラブ「それにしては、小さいわね」
吼児「前に、友達になった子から教えてもらったんだけど
  ・・・ピグモンっていう、おとなしい怪獣だよ」

現れたのは友好珍獣と呼ばれるピグモンと呼ばれる怪獣だった。
ピグモンを見て、地球防衛組の栗木容子(あだ名はクッキー)や
島田愛子(あだ名はラブ)が、それぞれ感想を口にする。
UFOの研究をしている吼児だが、その関係でペンフレンドとなった
とあるオカルト好きの少年から、ピグモンに教えてもらった事を
思い出して、皆に説明する。

エリー「・・・それにしても、顔は猿っぽいわね」
ワン「でも、何だか」
ツー「動きが面白いかも!」

ザウラーズの司令塔である光住エリカ(あだ名はエリー)やそれぞれ
ワン、ツーと呼ばれる双子の佐藤明美、晴美姉妹はピグモンの
動きを見ていて、楽しい気持ちになってきた。

洋二「でも、この怪獣どうしよう。星川先生達に相談しないと...」
五郎「洋二の言うとおりだ。おとなしいっていうけど、怪獣に違いない」

グランザウラーを操縦する火山洋二やザウラーズの学級委員長である
石田五郎は、ピグモンの事を先生達に相談するべきだと主張する。

駆「でも、そうなったらピグモンと離ればなれになるかもなぁ」
五郎「何!?」
きらら「そうね。離れたくないかも」

駆の一言を切欠に、先生に「相談する」「相談しない」で
意見が分かれだし、その場で議論しだすのであった。

46ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2014/08/13(水) 09:55:42
♪〜♪〜

その場で、子供達が議論をしていると
どこからともなくアコーディオンの音が流れる。

ピグモン「キューキュー!」
小鈴「アコーディオン?」
瑠璃「何で、アコーディオンが?」

銀河連邦警察を代表しての参加となるコスモス荘のタンポポールこと
桜咲小鈴と梅木瑠璃はアコーディオンの音が聞こえてきた事に
疑問を抱く。

勇太「あれ、ここはどこ?」
駆「バス停?」

気が付くと、その場にいた子供達はバス停の前に立っていた。
そこへバスがやってくると、何故かは分からないが、子供達は
疑問を抱かずにバスに乗車する。

吼児「・・・」
五郎「・・・」
エリー「・・・」
ピグモン「キュー、キュー!」
ピグモンの声にも反応せず、ついに子供達はバスに乗って
どこかへと消えてしまった。ピグモンは何とかしなければならないと
思い、彼らを助ける人を探すべくその場を離れるのであった。

***ブリアン島・Gショッカー秘密基地***

駆「ちっくしょー、ここから出せ!」
ショッカー戦闘員「騒ぐな、おとなしくしていろ!」

気が付くと、子供達はGショッカーの秘密基地にある牢屋に
入れられていた。

ドーラゴブリン「ふふふ、この島にブレイバーズの子供が大勢来ていると
   (モグラングから)聞いていたが、大分集まったな。美味そうな
   魂がいっぱいだ!」
紐男爵「まてまて、子供達はGショッカーの労働力にするのだ。
     我慢せい」

子供達を次々と誘拐したのは、ドーラゴブリンや紐男爵達だった。
紐男爵は地中に引きづり込み、ドーラゴブリンはアコーディオンで
ゴブリンサロンへ通じる森に迷い込ませたのである。

バラナイトメア「その際、私が脳波で疑問を抱かずに乗車させているのだ。
         感謝してもらおう」
ドーラゴブリン「分かっている...だが、あそこにちっこい怪獣がいたが
          よかったのか?」
バラナイトメア「あんな小さい怪獣に何が出来る?仮にこの島に来ている
         大人達を呼んできたとしても、いずれは始末をつけるのだ。
         同じ事...」

バラノイアのマシン獣であるバラナイトメアは、脳波を狂わせ悪夢を
見せる能力を応用して、ドーラゴブリンのバスに乗るように仕向けていた。
ドーラゴブリンはあの場にいたピグモンがいた事に懸念を感じるが、
バラナイトメアは問題無いと言い放つ。

サボテン将軍「でも、本当にこの子達はかわいいわ。ねぇ、一緒に
       お人形遊びをしましょう?」
りんね「い、いや...」
駆「りんねに触るな、おっさん!」

軍服を着た中年男性―ゴーマ怪人のサボテン将軍は、捕まえた女の子
達を自身の趣味である「お人形遊び」に誘おうとする。

ワニ獣人「ぐぅ〜、またガキ共を捕まえたぞ!」
ひろし「あきら、ヨッパー、大介!」
洋二「あわわわ、ボン、チョビ、ダンゴ!」

河川であきら達を引きずり込んだワニは、ゲドンの獣人である
ワニ獣人だった。連れてきたあきら達を牢屋に入れる。

かなめ「...(宗介、助けて!)」

かなめは心の中で、宗介の事を思うのであった。

47ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2014/08/13(水) 11:02:01
***ブリアン島・キャンプ場***

一方、キャンプ場では星川兄弟や地球防衛組の小島勉、
勉の従妹である小島尊子(あだ名は教授)、メカニックの
長田秀三、GEARのオペレーターでもあるエリスを中心に、
通信機の復旧作業を行っていた。

仁「おーい、勉。通信機の方はどうだ?」
勉「仁君。はい、もう少しすれば、通信機は回復します」
数美「本当、あなたたちは通信機の修理とかすごいわね!」
教授「ありがとうございます。これも先生達が協力してくれるおかげです」
文矢「いやいや、本当なら俺達大人の仕事何だけどな」

お互い協力したおかげで、通信機の回復ももうすぐ終わる所に
までなっていた。

大介「大変だ。子供達が!」
健「大介さん!?子供達がどうかしたんですか」

大介と宗介はキャンプ場へと帰還して、食糧を調達しにいった
子供達がいなくなった事を報告する。

宗介「くそ、俺がいながら...」ドン
学「自分を責めてはいけない。とにかく子供達を探すのが
  先決だ!」

かなめを守るのが、使命である宗介は自分の不甲斐無さに
机に思いっきり手を叩く。学は宗介に自分を責めないように
慰めた。

レミ「でも、もうすぐ夜・・・怪獣もまだいるし、探すのが危険だわ!」
はるか「なら、私達に任せて下さい。」
学「はるか先生!」

もうすぐ夜の時間になるため、探索は危険だとしてどうするか
話し合っていると、忍である高木はるかが鶴姫や半蔵学院の
生徒と共に現れてやって来る。

葛城「こういう時こそ、アタイ等の出番だな!」
斑鳩「夜の探索は、我々善忍がお引き受けます」

忍者である彼女達は、夜間での活動を得意としている。
そのため任せてほしいというのであった。

学「・・・分かった。君たちに任せよう。我々も夜が明けたら
  探しに行こう」
虎太郎「よっしゃ、はりきって行くぜ!」
栄人「せっかくだが、虎太郎。お前達ガンバ―チームと天界は
   ここで待機だ」
虎太郎「何でだよ、栄人兄ちゃん!」

ガンバ―チームの虎太郎ははりきるが、栄人が待機するように言う。

はるか「やる気なのはありがたいけど、あなた達はまだ小学生。
     夜更かしはダメよ!」
栄人「それに、何かあったら分からないからな」
虎太郎「ちぇ〜」

はるか達の説明を受けて、虎太郎は諦めるのであった。

48ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2014/08/14(木) 09:11:25
♪〜♪〜

その場で、子供達が議論をしていると
どこからともなくアコーディオンの音が流れる。

ピグモン「キューキュー!」
小鈴「アコーディオン?」
瑠璃「何で、アコーディオンが?」

銀河連邦警察を代表しての参加となるコスモス荘のタンポポールこと
桜咲小鈴と梅木瑠璃はアコーディオンの音が聞こえてきた事に
疑問を抱く。

勇太「あれ、ここはどこ?」
駆「バス停?」

気が付くと、その場にいた子供達はバス停の前に立っていた。
すると急に子供達の瞳の色が無くなる。

吼児「・・・」
五郎「・・・」
エリー「・・・」
ピグモン「キュー、キュー!」

ピグモンの声にも反応せず、心ここにあらずといった状態で
立ち尽くす子供達。そこへバスが近づいてきたので、ピグモンは
茂みの中へと隠れた。
バス停に止まったバスは扉を開くと、子供達は皆にバスに乗って
しまい発車してしまう。隠れていたピグモンは茂みを出ると、
気づかれないようにバスの後を追った。

***ブリアン島・Gショッカー秘密基地***

駆「ちっくしょー、ここから出せ!」
ショッカー戦闘員「騒ぐな、おとなしくしていろ!」

気が付くと、子供達はGショッカーの秘密基地にある牢屋に
入れられていた。

ドーラゴブリン「ふふふ、この島にブレイバーズの子供が大勢来ていると
   (モグラングから)聞いていたが、大分集まったな。美味そうな
   魂がいっぱいだ!」
紐男爵「まてまて、子供達はGショッカーの労働力にするのだ。
     我慢せい」

子供達を次々と誘拐したのは、ドーラゴブリンや紐男爵達だった。
紐男爵は地中に引きづり込み、ドーラゴブリンはアコーディオンで
ゴブリンサロンへ通じる森に迷い込ませたのである。

バラナイトメア「その際、私が脳波で疑問を抱かずに乗車させているのだ。
         感謝してもらおう」
ドーラゴブリン「分かっている...」

バラノイアのマシン獣であるバラナイトメアは、脳波を狂わせ悪夢を
見せる能力を応用して、ドーラゴブリンのバスに乗るように仕向けていた。

五郎「こんな事をしても、星川先生達がきっと助けにきてくれる筈だ!」
紐男爵「威勢のいい子供だな。だが、あいつらはまだこちらの基地を
     見つけていない・・・よって、当分、お前達は我々に捕えられた
     ままなのだ!」
五郎「くっ...」

五郎は自分達を助けに先生達が助けにきてくれると言い放つが、
紐男爵達は当分、助けにはこないと言い返した。

サボテン将軍「でも、本当にこの子達はかわいいわ。ねぇ、一緒に
       お人形遊びをしましょう?」
りんね「い、いや...」
駆「りんねに触るな、おっさん!」

軍服を着た中年男性―ゴーマ怪人のサボテン将軍は、捕まえた女の子
達を自身の趣味である「お人形遊び」に誘おうとする。

ワニ獣人「ぐぅ〜、またガキ共を捕まえたぞ!」
ひろし「あきら、ヨッパー、大介!」
洋二「あわわわ、ボン、チョビ、ダンゴ!」

河川であきら達を引きずり込んだワニは、ゲドンの獣人である
ワニ獣人だった。連れてきたあきら達を牢屋に入れる。

かなめ「...(宗介、助けて!)」

かなめは心の中で、宗介の事を思うのであった。

ピグモン「キュ〜」

その一方、バスの跡を追い、Gショッカーの秘密基地を
発見したピグモンは、子供達が牢屋に入れられている一部始終
を見た後、子供達を助けてくれる人物を探しにその場をこっそりと
離れるのであった。

49ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/08/14(木) 19:13:29
>>48加筆

***ブリアン島・Gショッカー秘密基地***

駆「ちっくしょー、ここから出せ!」
ショッカー戦闘員「騒ぐな、おとなしくしていろ!」

気が付くと、子供達はGショッカーの秘密基地にある牢屋に
入れられていた。

ドーラゴブリン「ふふふ、この島にブレイバーズの子供が大勢来ていると
 モグラングから報告は聞いていたが、大分集まったな。美味そうな魂がいっぱいだ!」
紐男爵「まてまて、子供達はGショッカーの労働力にするのだ。我慢せい」

子供達を次々と誘拐したのは、ドーラゴブリンや紐男爵達だった。
紐男爵は地中に引きづり込み、ドーラゴブリンはアコーディオンで
ゴブリンサロンへ通じる森に迷い込ませたのである。

バラナイトメア「その際、私が脳波で疑問を抱かずに乗車させているのだ。感謝してもらおう」
ドーラゴブリン「分かっている...」

バラノイアのマシン獣であるバラナイトメアは、脳波を狂わせ悪夢を
見せる能力を応用して、ドーラゴブリンのバスに乗るように仕向けていた。

五郎「こんな事をしても、星川先生達がきっと助けにきてくれる筈だ!」
紐男爵「威勢のいい子供だな。だが、あいつらはまだこちらの基地を
 見つけていない・・・よって、当分、お前達は我々に捕えられたままなのだ!」
五郎「くっ...」

五郎は自分達を助けに先生達が助けにきてくれると言い放つが、
紐男爵達は、当分助けは来ないと逆に言い返した。

サボテン将軍「でも、本当にこの子達はかわいいわ。ねぇ、一緒に
 お人形遊びをしましょう?」
りんね「い、いや...」
駆「りんねに触るな、おっさん!」

軍服を着た中年男性―ゴーマ怪人のサボテン将軍は、捕まえた女の子
達を自身の趣味である「お人形遊び」に誘おうとする。

ワニ獣人「ぐぅ〜、またガキ共を捕まえたぞ!」
ひろし「あきら、ヨッパー、大介!」
洋二「あわわわ、ボン、チョビ、ダンゴ!」

河川であきら達を引きずり込んだワニは、ゲドンの獣人である
ワニ獣人だった。連れてきたあきら達を牢屋に入れる。

延珠「待つのだ!」

そこへ突然、Gショッカー基地内の中に
蓮太郎たちとはぐれていた藍原延珠の姿が
颯爽とそこにはあった!

ワニ獣人「このガキ! いつの間に基地の中に!?」
かなめ「延珠ちゃん!?」
延珠「捕まったあきらくんたちを尾行してここまで辿り着いたのだ!
 みんなを返してもらうぞ!」
紐男爵「何をしている! 早くあのガキを捕まえろ!」

戦闘員たちが一斉に銃を乱射するが、
目を赤く光らせた延珠はそれらの銃弾を難なくよけて、
基地内の壁を三角跳びの要領で跳躍し、突進してくる。

延珠「てりゃあ!」

延珠の華麗な足裁きと蹴りが、
次々と戦闘員たちを弾き飛ばしていく。

バラナイトメア「なかなかやるな。だがそこまでだ!」
延珠「――!!」

バラナイトメアは戦闘員に命じて牢の中に囚われている
子供たちに銃口を向けさせた。

バラナイトメア「これ以上抵抗すると、牢屋の中にいる
 お友達が死ぬことになるぞ」
延珠「卑怯だぞ!」
バラナイトメア「何とでも言え。さあどうする?」
五郎「延珠ちゃん、僕らに構わずコイツらをやっつけて!」
延珠「くっ…!」

延珠はやむなく動きを止め、降伏の意思を示す。

ワニ獣人「このガキ、てこずらせやがって!
 鎖で縛り上げろ〜!」
かなめ「...(宗介、助けて!)」

かなめは心の中で、宗介の事を思うのであった。

ピグモン「キュ〜」

その一方、バスの跡を追い、Gショッカーの秘密基地を
発見したピグモンは、子供達が牢屋に入れられている一部始終
を見た後、子供達を助けてくれる味方を探しにその場をこっそりと
離れるのであった。

50ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2014/08/15(金) 09:10:50
>>48の修正及び改訂

♪〜♪〜

その場で、子供達が議論をしていると
どこからともなくアコーディオンの音が流れる。

ピグモン「キューキュー!」
小鈴「アコーディオン?」
瑠璃「何で、アコーディオンが?」

銀河連邦警察を代表しての参加となるコスモス荘のタンポポールこと
桜咲小鈴と梅木瑠璃はアコーディオンの音が聞こえてきた事に
疑問を抱く。

勇太「あれ、ここはどこ?」
駆「バス停?」

気が付くと、その場にいた子供達はバス停の前に立っていた。
すると急に子供達の瞳の色が無くなる。

吼児「・・・」
五郎「・・・」
エリー「・・・」
マリア「・・・」
ピグモン「キュー、キュー!」

ピグモンの声にも反応せず、心ここにあらずといった状態で
立ち尽くす子供達。そこへバスが近づいてきたので、ピグモンは
茂みの中へと隠れた。
バス停に止まったバスは扉を開くと、子供達は皆にバスに乗って
しまい発車してしまう。

ピグモン「キュー・・・キュ!」

隠れていたピグモンは茂みを出ると、小さな木の枝に
白いハンカチが引っ掛かっている事に気づき、その
ハンカチを木の枝から拾い上げた。そして、
ピグモンは気づかれないようにバスの後を追った。

51ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/08/15(金) 19:01:26
***堕神界***

暗闇の空に、紫の怪しい光が降り注ぐ雲海に
突き出る山岳の上にそびえ建つ巨大神殿。

奇妙な外見の機械と無数の配線に繋がれている少女――
――堕神王リリスが、楽しそうに笑っている。
そのリリスの傍らに傅いている大審官アーク・シセイザー。

シセイザー「我等の存在にも気づかず、争いを続ける愚かな者共よ。
 消滅の時をただ黙って、静かに待っておればよいものを」
リリス「早く光の者たちと遊びたいな」
シセイザー「今しばらくお待ちを。すぐに会えることでありましょう」

リリスはくすくすと笑っている。

リリス「光の者たちをいじめる闇の者は、みんなキライ!
 闇の者たちは全て、真っ赤な血に染めてあげる。
 邪悪な身体を引き裂いてバラバラにしてあける。楽しみだな…」

離れた場所にうずくまっていた二人の影が、
ばっとマントを翻して立ち上がる。
そこにいたのは、ラミアクィーンイーバ・スネイザと
タランチュラロードイーバ・ガーミッドである。

シセイザー「お前たちも堕神王様のお役に立ってもらうぞ。スネイザ、ガーミッド」
スネイザ「仰せのままに」
ガーミッド「アークシセイザー様」

アークシセイザーの笑いがこだまする。

52ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/08/15(金) 19:40:13
***東京・汐入公園***

東京都荒川区にある汐入公園のジョギングコースは、
隅田川沿いを走る開放感のあるコースである。
ある晴天の日の早朝、軍用バギーに乗り
定時のパトロールに出ていたレッドマフラー隊の
剣持隊長と村中隊員は、すれ違う形で
ランニングウェアを来て走ってきた若い女性――沢木朱音と遭遇した。
朱音は光平たちの通う海防大付属高の英語教師である。

朱音「あら剣持さん、おはようございます」
剣持「これは沢木先生、ジョギングですか?」
朱音「ええ、毎日の日課です。
 ところで何か事件なんですか?」
村中「いえ、ただの定時パトロールですよ」
朱音「そうですか。よかったぁ〜。
 そういえばこの頃怪人や怪獣絡みの事件も
 少なくなりましたね。これもブレイバーズの皆さんの
 おかげですね。市民の一人として感謝します」
村中「いやぁ〜どういたしまして」
剣持「では、我々はこれで」
朱音「ご苦労様です」

朱音と別れる剣持たち。

村中「沢木先生、事件の起こる現場でよく見かけますが、
 いったい何者なんでしょう…?」

村中隊員は朱音に対する不審を口にする。
確かに沢木朱音はなぜか妙に事件現場で
ブレイバーズ関係者と顔を合わせることが多かった。
ただの野次馬だとも思えない。

剣持「ブレイバーズのヒーローたちが、
 その超人的な力に物を言わせて、いずれは
 日本を支配しようとしている――そんな余計な
 心配をしている御仁が、政府のお偉いさんの中に
 いるらしいな…」
村中「でも今の剣総理は我々の味方では?」
剣持「確かに剣総理も、そしてその後ろ盾の江田島平八翁も
 信頼できる人物だ。だがだからと言って、日本政府が
 全て一枚岩とは限らんさ」
村中「…とすると、もしや聖天子様お側近くにお仕えの
 天童菊之丞補佐官ですか?」
剣持「村中隊員、声が大きいぞ」

剣持はそれだけ言うと、後は何事もなかったかのように
さらりと受け流した。


***天童菊之丞邸***

東京エリアの政治経済を裏から牛耳る天童家の当主、
天童菊之丞の邸内にある茶室である。

茶室の中では菊之丞自らが茶碗に抹茶と湯を入れ、
それを茶筅(ちゃせん)で撹拌し、口につけて飲み干す。
入り口のすぐ外では、腰元姿の朱音がじっと控えている。
沢木朱音の正体は、天童道場出身のくノ一なのだ。

菊之丞「きれる。きれるのうブレイバーズ。
 しかしきれすぎる…!」
朱音「御前…」

天童菊之丞も、日頃のブレイバーズの活躍には一目置いているものの、
やがてその矛先が日本国家そのものにも向けられるのではと疑念を抱いていた。
少数精鋭で地球の平和を守れる者は、また少数で
地球を逆に滅ぼすことも出来るはず――という理屈である。

菊之丞「いずれブレイバーズが日本国家の体制そのものを
 揺るがそうとの野心を抱けば一大事じゃ。今後もくれぐれも
 ブレイバーズから目を離すな!」
朱音「ハハッ」

53凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2014/08/16(土) 21:03:33
ライガーの攻撃を受け、バラバラに砕け散ったマグネドン。
だが、地面に転がった尻尾が大蛇のようにしなり、
ゆっくりと動き始めた。

銀河「尻尾が…動いてる!?」

尻尾だけではない。辺りに散らばった破片の全てが、
まるで意思あるもののように動き出し、集まって合体してしまった。

マグネドン「グォォ――!!」

マグネドンが全身に帯びている磁力で破片同士が引き合い、再生したのである。
復活し、大きく咆えたマグネドンはライガーを火炎で攻撃した。

剣「くそっ、奴は不死身かよ!」
銀河「あっ、ガメラだ!」

その時、空の彼方から回転ジェット噴射でガメラが飛来した。
着陸して両手両足を甲羅から出し立ち上がると、
ライガーに味方するようなジェスチャーを送りマグネドンに戦いを挑む。

ガメラ「キャォ――ン!!」

マグネドンの磁気を何とかしなければ子供達が島から帰れない事を、
ガメラは知っているのだ。
マグネドンはガメラに火炎を浴びせるが、
ガメラも火炎で応戦し、炎と炎がぶつかり合って爆発を起こした。

マグネドン「グォォ――!!」
ガメラ「キャォ――ン!!」

猛然と闘牛のように突進して来たマグネドンをガメラは迎え撃つ。
マグネドンの右の前足を掴み、怪力で引きちぎるガメラ。
しかしマグネドンは取れた右足を磁力で吸い寄せ、瞬く間に繋いで再生させてしまった。

マグネドン「グォォ――!!」

全身から強烈な磁気を発するマグネドンに
ガメラは吸い寄せられ、逆さ向きのまま敵の背中に接着されてしまう。
捕らえた獲物を、マグネドンは背中の角からの光線で痺れさせ苦しめる。

ガメラ「キャォ――ン!!」

甲羅に両手両足を引っ込めたガメラは、
逆さの状態でマグネドンに吸着されたまま、
フルパワーのジェット噴射でマグネドンもろとも空に浮き上がった。
そのまま高度をどんどん上げ、マグネドンを大気圏外まで連れて行く。

マグネドン「グォォ――!!」

地球の磁気を帯びて磁力を発揮するマグネドンは、地球上では無敵である。
だが地磁気の届かない宇宙では、マグネドンは磁力を失い、
再生する事もできなくなる。
地球から遠ざかるに連れて、ガメラを吸い付けるマグネドンの磁力が弱まって行く。
やがてガス状の尾を引く、一個の隕石がこちらへ飛んで来るのが見えた。

マグネドン「グォォ――!?」

キック一撃、マグネドンを蹴って振り落としたガメラは
マグネドンをその飛んで来た隕石に衝突させた。
粉々に砕け散ったマグネドンはもはや復元される事もなく、
宇宙を漂う塵となっていずこかへと流れてゆく。
ガメラは旋回し、地球へ帰って行った。

54ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2014/08/17(日) 08:54:20
***ブリアン島・キャンプ場***

一方、キャンプ場では星川兄弟や地球防衛組の小島勉、
勉の従妹である小島尊子(あだ名は教授)、メカニックの
長田秀三、GEARのオペレーターでもあるエリスを中心に、
通信機の復旧作業を行っていた。

仁「おーい、勉。通信機の方はどうだ?」
勉「仁君。はい、もう少しすれば、通信機は回復します」
数美「本当、あなたたちは通信機の修理とかすごいわね!」
教授「ありがとうございます。これも先生達が協力してくれるおかげです」
文矢「いやいや、本当なら俺達大人の仕事何だけどな」
北斗「通信機が回復してくれれば、ブレイバーベースとも連絡がとれるね」
銀河「だな!」

そこへ、仁や北斗達が通信機の復旧について勉達に聞いてきた。
お互い協力したおかげで、通信機の回復ももうすぐ終わる所に
までなっていた。

エリス「そうだ...北斗、銀河。はい、これ」
銀河「何だ、これ?」
北斗「銃口みたいな形をしているね?」

エリスが銀河と北斗に渡したのは、黒い銃口みたいな形をした
デバイスだった。

エリス「これにギアコマンダーを接続すると、データウェポンを
     電童に装着するみたいに実体化できるようになるの」
銀河「マジで!?」
北斗「いつの間に作ったんだい?」
エリス「このキャンプに参加した時、大輔君達のデジヴァイスを
    参考に制作していたの。ただ試作品だから、まだ調整が
    必要で、実体化できるデータウェポンは一人一体までよ」
北斗「...そっか。ありがとう、エリス!」
銀河「ありがたく、使わせてもらうぜ!」

エリスがデジヴァイスを参考に、密かに開発したデータウェポンを
GEARを介さずに実体化できるデバイスを北斗と銀河に説明した。

大介「大変だ。子供達が!」
健「大介さん!?子供達がどうかしたんですか」

そこへ大介と宗介はキャンプ場へと帰還して、食糧を
調達しにいった子供達がいなくなった事を報告する。

宗介「くそ、俺がいながら...」ドン
学「自分を責めてはいけない。とにかく子供達を探すのが
  先決だ!」

かなめを守るのが、使命である宗介は自分の不甲斐無さに
机に思いっきり手を叩く。学は宗介に自分を責めないように
慰めた。

レミ「でも、もうすぐ夜・・・怪獣もまだいるし、探すのが危険だわ!」
はるか「なら、私達に任せて下さい。」
学「はるか先生!」

もうすぐ夜の時間になるため、探索は危険だとしてどうするか
話し合っていると、忍である高木はるかが鶴姫や半蔵学院の
生徒と共に現れてやって来る。

葛城「こういう時こそ、アタイ等の出番だな!」
斑鳩「夜の探索は、我々善忍がお引き受けます」

忍者である彼女達は、夜間での活動を得意としている。
そのため任せてほしいというのであった。

学「・・・分かった。君たちに任せよう。我々も夜が明けたら
  探しに行こう」
虎太郎「よっしゃ、はりきって行くぜ!」
栄人「せっかくだが、虎太郎。お前達ガンバ―チームと天界は
   ここで待機だ」
虎太郎「何でだよ、栄人兄ちゃん!」

ガンバ―チームの虎太郎ははりきるが、栄人が待機するように言う。

はるか「やる気なのはありがたいけど、あなた達はまだ小学生。
     夜更かしはダメよ!」
栄人「それに、何かあったら分からないからな」
虎太郎「ちぇ〜」

はるか達の説明を受けて、虎太郎は諦めるのであった。

55ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2014/08/17(日) 09:42:00
***ブリアン島・森林地帯***

行方不明になった子供達を探しに、いくつかのグループに分かれて
行方を探す事になり、大輔達選ばれし子供と大牙剣、銀河と北斗、
そして引率者として鵺野鳴介と鉄刃、お供にカゲトラと庄ノ助を引き連れた
グループは森の奥を進んでいた。

大輔「全然、見つからねぇなぁ?」
剣「おーい、皆どこいったー!」
鳴介「待て、何か気配がする!」

大きな声で、探すものの返事は返ってこない。そこに鵺野は
気配を感じ取り、皆に止まるように指示をだす。
そして、そこよりも下った低い場所には磁力怪獣マグネドンがいた。

鵺野「あれは、磁力怪獣マグネドン!そうか、あいつが異常な磁気を
    出していたのか」
タケル「先生、足下に誰かいますよ!」

マグネドンを見て、鵺野はこれまでの異常な磁気の原因である事に
気づく。そして、タケルがマグネドンの足下に誰かがいる事を気づき、
一同はそこを見る。

磁石神父「く、やはりこのパワー引き留めるのがなかなか難しいでガウス」
デンジシャクバンキ「磁石パワー全開!」
ジシャクナゲンゴロウ「お前達、俺達が引き留めている間にさっさと
       麻酔を打たせて、眠らせろ!」
マグダス「ちょっとでも、気を剃らすと逃げられそうだ!」

マグネドンの足下にいたのは、Gショッカーの中で磁力に関係する
怪人―ゴーマの磁石神父、宇宙海賊バルバンの魔人部隊の一員
マグダス、エヴォリアンのトリノイドであるジシャクナゲンゴロウ、
ガイアーク害地目の蛮機獣の一体デンジシャクバンキが磁石の
反発や吸着を利用して、マグネドンを捕えようとしていた。
それぞれの組織の戦闘員達はマグネドンに強力な麻酔で眠らせようと
するが、思ったよりもマグネドンの磁力が協力でその場で動けないように
するのに必死だった。

剣「あいつら、この島に来ていたのか!?」
伊織「もしかして、防衛組やザウラーズの皆さんがいなくなったのも
    彼らの仕業でしょうか?」
鵺野「おそらくな...」

Gショッカーの怪人がブリアン島にいる事に驚き、子供達がいなくなったのも
彼らの仕業と考える。

賢「あの怪人達、マグネドンを捕えようとしているのか」
京「でも、あの怪獣を何とかすれば通信機が回復するんじゃないの?」
鵺野「確かにな。だが、Gショッカーの怪人にも相手をするのなら
   一度体制を立て直そう」

分が悪いと感じた鵺野は一度、引き上げようとするが大輔が
石を蹴ってしまい、音を立ててしまう。

大輔「―しまった!」
磁石神父「誰でガウス!?」
マグダス「あれは、ブレイバースのガキ共か!」
ジシャクナゲンゴロウ「あいつらも、捕まえろ!」

大輔達に気づいた磁石神父達は戦闘員達に捕まえるように
指示を出す。大輔達に向かって、コットポトロ、賊兵ヤートット
バーミア兵、蛮機兵ウガッツが襲いかかる。

刃「仕方がねえ、応戦するぞ!」

刃も刀を引き抜き、大輔達もパートナーのデジモンを幼年期から
成長期へ進化させる。

56ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2014/08/17(日) 10:58:19

ブイモン「ブンブンパンチ!」
ワームモン「ネバネバネット!」
ホークモン「フェザースラッシュ!」
アルマジモン「ローリングストーン!」
パタモン「エアーショット!」
テイルモン「ネコパンチ!」

これまでの冒険によって成長期でも、戦闘員相手ならば倒す事が
出来るブイモン達。鵺野も鬼の手を開放し、刃と一緒に子供達を
守りながら戦う。

マグダス「くっそー、だったらこれならどうだ!」
大輔「な、何だ!?」
ヒカリ「きゃぁ!」

マグダスは杖のダイアルを回し、「子供」にセットすると杖に
引き寄せられて、子供達がマグダスの下へと来てしまう。

マグダス「俺の杖は、ダイアルで指定すれば磁石のように引き付けられるのだ!
      さぁ、ガキ共の命が惜しければおとなしくしな!」
鵺野「くっ」
刃「卑怯だぞ!」

子供達を人質にとられ、どうする事も出来ない鵺野と刃。
だが、そこでマグネドンに異変が起きる。

マグネドン「グォォォォォ!」
マグダス「何だと!」
磁石神父「馬鹿モン、せっかく引き付けていたのに貴様が
       ダイアルを回すから、パワーのバランスが崩れてしまった
       ではないかガウス!」

これまで4体の怪人達の磁力パワーでマグネドンを捕えていたが
そのパワーバランスが崩れてしまい、マグネドンは咆哮をあげて
移動を開始してしまう。

刃「今だ!カゲトラ、庄ノ助」
カゲトラ「グワォオ!」
庄ノ助「ピエー!」
マグダス「ヌゥ、しまった!」

刃はその隙をついて、ひっそりと近づいていたカゲトラと庄ノ助に
マグダスの背後をとらせ、刃はマグダス杖をクサナギの剣で
切り落として大輔達を開放した。

剣「助かったぜ、刃さん。マグネドンは俺に任せてくれ!」
北斗「銀河、僕たちも行くよ」
銀河「応、エリスの作ったこれを試す絶好の機会だぜ!」

マグネドンを倒すべく、剣はバイオアーマー・獣神ライガーを
呼び出して乗り込み、北斗はユニコーンドリルを銀河は
レオサークルを実体化させる。

57ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2014/08/17(日) 10:59:08

大輔「そっちは任せたぜ!よし、こっちも反撃だ」
賢「ワームモン、進化だ」
ブイモン「ブイモン進化―エクスブイモン!」
ワームモン「ワームモン―スティングモン!」

大輔と賢はブイモンとワームモンをそれぞれ成熟期のエクスブイモン
とスティングモンに進化させる。

京「私達はアーマー進化よ」
京&ヒカリ&伊織&タケル「「「「デジメンタルアップ!」」」」
ホークモン「ホークモンアーマー進化―はじける純真!シュリモン!!」
アルマジモン「アルマジモンアーマー進化―鋼の叡智!ディグモン!!」
パタモン「パタモンアーマー進化―天翔ける希望!ペガスモン!!」
テイルモン「テイルモンアーマー進化―微笑みの光!ネフェルティモン!!」

残りの京、伊織、タケル、ヒカリはパートナーデジモン達を
アーマー進化させた。

磁石神父「何しようとしても、無駄でガウス。」
デンジシャクバンキ「俺様に引っ付け!」

デンジシャクバンキは磁気を帯びて、自分に引っ付かせようとする。

刃「だったら、このまま近づいて攻撃だ!」
デンジシャクバンキ「しまった!」
シュリモン「行きますよ、草薙!」
ディグモン「ゴールドラッシュ!」

デンジシャクバンキの磁力に引き付けられたクサナギの剣だが、
刃はそのままの勢いで加速し、デンジシャクバンキを貫通し、
さらにシュリモンの手裏剣とディグモンのドリルが襲い
デンジシャクバンキが倒された。

ジシャクナゲンゴロウ「だったら、遠くまで吹っ飛ばしてやるぜ!」
鵺野「ならば、直接攻撃するだけだ!」
賢「お手伝いします。スティングモン」
スティングモン「スパイキングフィニッシュ!」
ジシャクナゲンゴロウ「何だと!」

鬼の手でジシャクナゲンゴロウを攻撃。反発させまいと
鬼の手の怪力で動きを封じ、スティングモンの必殺技で
ジシャクナゲンゴロウを倒した

ぺガスモン「ニードルレイン!」
ネフェルティモン「ロゼッタストーン!」
磁石神父「ふん、お前達は引っ付くでガウス」
ぺガスモン「体が!」
ネフェルティモン「くっついてしまった」
タケル「ぺガスモン!」
ヒカリ「ネフェルティモン!」

ぺガスモンとネフェルティモンは磁石神父に攻撃しようとするが、
その攻撃をかわし、それぞれS極とN極と描かれた文字を打ち込み、
2体の体をくっつけてしまう。

大輔「エクスブイモン、ぺガスモン達を助けるんだ!」
エクスブイモン「分かった。エクスレイザー!」
磁石神父「ぐわぁぁぁ」

エクスブイモンは腹部のXマークから、必殺の光線「エクスゲイザー」
で磁石神父を倒すのであった。

58ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2014/08/17(日) 11:28:05
一方、マグネドンを追った剣達はマグネドンの下へと辿り着き
攻撃をしていく。だが、マグネドンが65mに対してライガーは
15mとさながら、大人と子供といってもよかったが、マグネドンに
パンチやキックで攻撃。そこをユニコーンドリルやレオサークルが
援護攻撃をする。

北斗「ユニコーン、ドリルで攻撃だ!」
銀河「レオ、噛みついてやれ!」
マグネドン「グゥゥゥウ」

北斗や銀河もギアコマンダーを通じて、ユニコーンドリルと
レオサークルに指示をだす。だがマグネドンの磁力攻撃に
苦戦する。

剣「ライガー、電撃パンチ!」

それでもライガーは拳に電撃を纏わせ、マグネドンの顔面に
強烈なパンチを喰らわせる。

マグネドン「ぐぉぉぉおお」
剣「熱(あちっ)!」

顔面を攻撃されたマグネドンは口から火炎を放つ。さらに、
角から怪光線を放った。

剣「来い、ライガーソード!」

剣は盾に収納されたライガーソードを召喚し、剣を抜いて
盾で防御しながら、ライガーソードで攻撃していく。

ユニコーンドリル「ヒヒーン」
レオサークル「ガオーン」

ライガーのピンチにユニコーンドリルとレオサークルも、それぞれ
踏みつけたり、爪で攻撃し攻撃をしてこちらに攻撃が向くようにする。

剣「今だ、ライガースラッシュ連続切り!」
銀河「レオ、お前もマグネドンをバラバラにしてやれ!」

剣はその隙をついて、ライガーソードに力を込めて
マグネドンの体をバラバラに斬っていく。銀河もレオサークルに
タテガミの回転ノコでバラバラにするように指示を出した。

銀河「やったか?」
北斗「いや、待って...」

ライガーの攻撃を受け、バラバラに砕け散ったマグネドン。
だが、地面に転がった尻尾が大蛇のようにしなり、
ゆっくりと動き始めた。

銀河「尻尾が…動いてる!?」

尻尾だけではない。辺りに散らばった破片の全てが、
まるで意思あるもののように動き出し、集まって合体してしまった。

マグネドン「グォォ――!!」

マグネドンが全身に帯びている磁力で破片同士が引き合い、再生したのである。
復活し、大きく咆えたマグネドンはライガーを火炎で攻撃した。

剣「くそっ、奴は不死身かよ!」
銀河「あっ、ガメラだ!」

その時、空の彼方から回転ジェット噴射でガメラが飛来した。
着陸して両手両足を甲羅から出し立ち上がると、
ライガーに味方するようなジェスチャーを送りマグネドンに戦いを挑む。

ガメラ「キャォ――ン!!」

マグネドンの磁気を何とかしなければ子供達が島から帰れない事を、
ガメラは知っているのだ。
マグネドンはガメラに火炎を浴びせるが、
ガメラも火炎で応戦し、炎と炎がぶつかり合って爆発を起こした。

マグネドン「グォォ――!!」
ガメラ「キャォ――ン!!」

猛然と闘牛のように突進して来たマグネドンをガメラは迎え撃つ。
マグネドンの右の前足を掴み、怪力で引きちぎるガメラ。
しかしマグネドンは取れた右足を磁力で吸い寄せ、瞬く間に繋いで再生させてしまった。

マグネドン「グォォ――!!」

全身から強烈な磁気を発するマグネドンに
ガメラは吸い寄せられ、逆さ向きのまま敵の背中に接着されてしまう。
捕らえた獲物を、マグネドンは背中の角からの光線で痺れさせ苦しめる。

ガメラ「キャォ――ン!!」

甲羅に両手両足を引っ込めたガメラは、
逆さの状態でマグネドンに吸着されたまま、
フルパワーのジェット噴射でマグネドンもろとも空に浮き上がった。
そのまま高度をどんどん上げ、マグネドンを大気圏外まで連れて行く。

マグネドン「グォォ――!!」

地球の磁気を帯びて磁力を発揮するマグネドンは、地球上では無敵である。
だが地磁気の届かない宇宙では、マグネドンは磁力を失い、
再生する事もできなくなる。
地球から遠ざかるに連れて、ガメラを吸い付けるマグネドンの磁力が弱まって行く。
やがてガス状の尾を引く、一個の隕石がこちらへ飛んで来るのが見えた。

マグネドン「グォォ――!?」

キック一撃、マグネドンを蹴って振り落としたガメラは
マグネドンをその飛んで来た隕石に衝突させた。
粉々に砕け散ったマグネドンはもはや復元される事もなく、
宇宙を漂う塵となっていずこかへと流れてゆく。
ガメラは旋回し、地球へ帰って行った。

59ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2014/08/17(日) 13:03:23
***ブリアン島・キャンプ地***

勉「これは―!」
教授「この島の異常な磁気が消えている!」
秀三「これなら、島の外に連絡できますよ!」

キャンプ場で待機していた勉達は、この島で起きていた異常な磁気
が消えている事に気づき、これならば島の外へと連絡が出来ると
大いに喜ぶ。

***ブリアン島・森林地帯***

一方、ガメラの協力でマグネドンを倒した剣達は大輔達の所へと
戻る。

磁石神父「ま・・・まだ、終わりではないでガウス!」
マグダス「作戦変更!!」
デンジシャクバンキ「サンギョーカクメーイ!」

しぶとく生きていた磁石神父は、巨大化爆弾を起動させて巨大化。
他の怪人達もマグダスはバルバエキスで、ジシャクナゲンゴロウには
倒されたその破片から、命の実が昇天していき、ジャメーバ菌を含んだ
雨によって、そしてデンジシャクバンキは体内のビックリウムエナジーが
活性化して巨大化した。

大輔「あいつら、まだ生きているのかよ!」
京「もう、しつこい!」
タケル「ここは、ジョグレス進化だ!」

巨大化した磁石神父達に対抗するべく、大輔達は2体のデジモンが
一つとなって進化する「ジョグレス進化」を行う。アーマー進化していた
ホークモン達も一気に成熟期へと進化した。

エクスブイモン「エクスブイモン!」
スティングモン「スティングモン!」
エクスブイモン&スティングモン「「ジョグレス進化―パイルドラモン!!」」

エクスブイモンとスティングモンはジョグレス進化によって、
完全体パイルドラモンへと進化した。

アクイラモン「アクイラモン!」
テイルモン「テイルモン!」
アクイラモン&テイルモン「「ジョグレス進化―シルフィーモン!!」」

ホークモンは成熟期のアクイラモンへと通常進化して、テイルモンと
ジョグレス進化を行い、シルフィーモンへと進化する。

エンジェモン「エンジェモン!」
アンキロモン「アンキロモン!」
エンジェモン&アンキロモン「「ジョグレス進化―シャッコウモン!!」」

パタモンはエンジェモンへ、アルマジモンはアンキロモンへと通常進化
して、遮光土器に似たシャッコウモンへとジョグレス進化した。

銀河「すげぇ、まるでユニコーンとレオが輝刃になった時みたいだ!」
剣「よ〜し、もうひとふんばり頑張るぜ!」

デジモン達のジョグレス進化を見て、銀河はユニコーンドリルと
レオサークルが合体した超獣王輝刃みたいだと感想を言う。
剣は先程、マグネドンと戦ったばかりだが、はりきって戦おうとする。

マグダス「もう一度、貴様らの攻撃を封じてやる」
剣「させるか、ライガー電撃パンチ!」

マグダスは再生した杖のダイアルを武器にセットしようとするが、
それよりも早くライガーのライガーソードで、杖を斬り落とす。
そのまま電撃パンチで殴り、ライガースラッシュでトドメをさした。

シャッコウモン「アラミタマ」
デンジシャクバンキ「またまた、勝利を引き付けられなかった〜!」

シャッコウモンは目から必殺の「アラミタマ」を放ち、
デンジシャクバンキを破壊した。

ジシャクナゲンゴロウ「くそ、チョコまかとしやがって!」
シルフィーモン「トップガン!」
ジシャクナゲンゴロウ「ぐわぁぁぁ!」

シルフィーモンはジシャクナゲンゴロウと戦うが、完全体の
シルフィーモンはほぼ人間と同じくらいの身長なので
小さいゆえの素早さに、翻弄されていた。
そこへ破壊力抜群の必殺技「トップガン」をぶつけて倒した。

磁石神父「でりゃぁぁぁあ」
パイルドラモン「デスペラードブラスター!」ズババババ
磁石神父「無念でガウス!」

磁石神父はも持っている杖を叩きつけようとするものの、
パイルドラモンはそれをかわし、腰の後ろに搭載されている
砲身から「デスペラードブラスター」でありったけの銃弾を浴びせて
磁石神父を撃破した。

鵺野「何とか、終わったな。ん?・・・あれは」
刃「煙?もしかしたら、こいつらのアジトがあるかもしれねえ」

鵺野は向こうの方で煙があがっているのを気づく。
刃はそこが、Gショッカーの基地だと思い進化を解いたパートナーを
回収した選ばれし子供達や剣、銀河と北斗と共に煙のある方へと
向かうのであった。

60ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2014/08/17(日) 13:04:06
○本宮大輔→子供達を探して、Gショッカーと戦う。
○ブイモン→エクスブイモン、パイルドラモンへと進化して戦う。
○一乗寺賢→子供達を探してGショッカーと戦う。
○ワームモン→スティングモン、パイルドラモンへと進化して戦う。
○井ノ上京→子供達を探してGショッカーと戦う。
○ホークモン→シュリモン、アクイラモン、シルフィーモンへと進化して戦う。
○火田伊織→子供達を探してGショッカーと戦う。
○アルマジモン→ディグモン、アンキロモン、シャッコウモンへと進化して戦う。
○高石タケル→子供達を探してGショッカーと戦う。
○パタモン→→ぺガスモン、エンジェモン、シャッコウモンへと進化して戦う。
○八神ヒカリ→子供達を探してGショッカーと戦う。
○テイルモン→ネフェルティモン、シルフィーモンへと進化して戦う。
○大牙剣→ライガーを召喚して、マグネドンやマグダスと戦う。
○草薙北斗→レオサークルを呼び出して戦う。
○出雲銀河→ユニコーンドリルを呼び出して戦う。
○鉄刃→子供達を探してGショッカーと戦う。
○庄ノ助→マグダスに捕まった大輔達を助ける。
○カゲトラ→マグダスに捕まった大輔達を助ける。
○鵺野鳴介→子供達を探してGショッカーと戦う
○ガメラ→マグネドンを宇宙で倒す。
●磁力怪獣マグネドン→磁石神父達に捕獲されそうになるが、
        逃亡。ライガー、ガメラと戦い、宇宙で倒された。
●磁石神父→マグネドンを捕獲しようとして、パイルドラモンに倒される。
●マグダス→マグネドンを捕獲しようとして、ライガーに倒される。
●ジシャクナゲンゴロウ→マグネドンを捕獲しようとして、シルフィーモンに倒される。
●デンジシャクバンキ→マグネドンを捕獲しようとして、シャッコウモンに倒される。

【今回の新登場】
●磁石神父(五星戦隊ダイレンジャー)
 人間・物体にNの字・Sの字を付ける事で、磁力によってくっつけたり
 離したりできる能力を持つ。「〜でガウス」が口癖。人間態はサングラスの神父

●マグダス(星獣戦隊ギンガマン)
 バットバス魔人部隊の一員。先端に磁石が付いた杖で様々な物体を吸着し、
 磁石のダイヤルを回す事により吸着する物を自由に変更する事が出来る。

●ジシャクナゲンゴロウ(爆竜戦隊アバレンジャー)
 磁石、石楠花、ゲンゴロウを融合させたトリノイド第7号。
 両腕がハンコ状の磁石アームとなっており、押された物は何でも
 磁石にしてしまう。

●デンジシャクバンキ(炎神戦隊ゴーオンジャー)
 害地目の蛮機獣。元々はジシャクバンキだったが、鉄心にコイルを巻いて
 装着して、電流を流す事でパワーアップした。その強大な電磁力で
 鉄骨を引き抜くだけで、高層ビルを簡単に崩壊させる。

61ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2014/08/19(火) 09:19:24
***ブリアン島・森林地帯***

行方不明になった子供達を探しに、いくつかのグループに分かれて
行方を探す事になり、大輔達選ばれし子供と大牙剣、銀河と北斗、
そして引率者として鵺野鳴介と鉄刃、お供にカゲトラと庄ノ助を引き連れた
グループは森の奥を進んでいた。

大輔「全然、見つからねぇなぁ?」
剣「おーい、皆どこいったー!」
鳴介「待て、何か気配がする!」

大きな声で、探すものの返事は返ってこない。そこに鵺野は
気配を感じ取り、皆に止まるように指示をだす。
そして、そこよりも下った低い場所には磁力怪獣マグネドンがいた。

鵺野「あれは、磁力怪獣マグネドン!そうか、あいつが異常な磁気を
    出していたのか」
タケル「先生、足下に誰かいますよ!」

マグネドンを見て、鵺野はこれまでの異常な磁気の原因である事に
気づく。そして、タケルがマグネドンの足下に誰かがいる事を気づき、
一同はそこを見る。

磁石神父「く、やはりこのパワー引き留めるのがなかなか難しいでガウス」
デンジシャクバンキ「磁石パワー全開!」
ジシャクナゲンゴロウ「お前達、俺達が引き留めている間にさっさと
       麻酔を打たせて、眠らせろ!」
マグダス「ちょっとでも、気を剃らすと逃げられそうだ!」

マグネドンの足下にいたのは、Gショッカーの中で磁力に関係する
怪人―ゴーマの磁石神父、宇宙海賊バルバンの魔人部隊の一員
マグダス、エヴォリアンのトリノイドであるジシャクナゲンゴロウ、
ガイアーク害地目の蛮機獣の一体デンジシャクバンキが磁石の
反発や吸着を利用して、マグネドンを捕えようとしていた。
それぞれの組織の戦闘員達はマグネドンに強力な麻酔で眠らせようと
するが、思ったよりもマグネドンの磁力が協力でその場で動けないように
するのに必死だった。

剣「あいつらは、Gショッカーの怪人達か!」
賢「あの怪人達、マグネドンを捕えようとしているのか?」
京「でも、あの怪獣を何とかすれば通信機が回復するんじゃないの?」
鵺野「確かにな。だが、Gショッカーの怪人にも相手をするのなら
   一度体制を立て直そう」

Gショッカーの怪人達がマグネドンを捕獲しようとしているのを目撃した
子供達だったが、鵺野は分が悪いと感じたので一度、引き上げようとする。
しかし、大輔が石を蹴ってしまい、音を立ててしまう。

大輔「―しまった!」
磁石神父「誰でガウス!?」
マグダス「あれは、ブレイバースのガキ共か!」
ジシャクナゲンゴロウ「あいつらも、捕まえろ!」

大輔達に気づいた磁石神父達は戦闘員達に捕まえるように
指示を出す。大輔達に向かって、コットポトロ、賊兵ヤートット
バーミア兵、蛮機兵ウガッツが襲いかかる。

刃「仕方がねえ、応戦するぞ!」

刃も刀を引き抜き、大輔達もパートナーのデジモンを幼年期から
成長期へ進化させる。

62ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2014/08/19(火) 10:47:03
ブリアン島に向かって出港した『飛鷹Ⅲ』
それからしばらくしたある日。

***飛鷹Ⅲ・ガンバ―チームの部屋***

♪〜♪〜♯←(ヴァイオリンの音)

ブルーガンバ―である鷹介だが、普段は母親によって
あらゆる塾や習い事をされている少年である。
長期間のキャンプ活動なので、母親から勉強と練習できる事は
キャンプ中でもしっかりやっておくように言われていた。
そこで彼は部屋の中で、ヴァイオリンの練習を行う。
だが、彼が練習する理由は単に母親の言いつけというだけでなく
同じ教室に通うガールフレンドの小牧百合香ともっと仲良くなりたい
というものだった。
因みに現在、虎太郎は仁達と混じって、広い客船を探検中。
力哉はこの船にある運動場でトレーニング中である。

鷹介「・・・ふぅ〜。ちょっと、休憩」
シレン「いい、音色だ。だが、若干♭(フラット)な所があるな」
鷹介「あなたは、誰ですか?」
シレン「俺はシレン。ガイストクラッシャーをしている」

部屋に入ってきたのは、ガイストクラッシャーの一人、シレン・クォーツ。
彼は横笛を吹くのが、趣味でよく会話に音楽用語を口にする癖がある。
シレンはたまたまこの部屋の前を通った時に、ヴァイオリンの音がしたので
止まり、部屋に入ってきたのであった。

♪〜♪〜♭〜#←(横笛の音)

鷹介「(上手いなぁ)」
 
シレンは挨拶代りに横笛を披露する。鷹介はシレンの横笛を
聞いて本当に上手だと感じた。

鷹介「音楽について、もっと教えてくれますか?」
シレン「・・・いいだろう」

鷹介は音楽に詳しいシレンに指導をしてもらう事にした。
この後、鷹介は音楽教師の星川レミにも指導してもらうのであった。

一方、別の船内では...。

栄人「すまない。君はもしかして、石田ヤマトの弟か?」
タケル「え、そうだけど...兄さんの知り合い?」
栄人「いや、直接会った事は無い。ただ、俺はしばらくロックバンドを
    やっていてな。その時、君の兄のロックを聞いた事があるんだ」

栄人は船内を歩くタケルを見つけ、「石田ヤマト」の弟なのかと尋ねる。
栄人はロックバンドの活動をしていた時に、ヤマトのロックを聞いたという。

タケル「兄さんの歌を聞いてくれて、ありがとう。僕はタケル」
パタモン「タケルのパートナーのパタモンだよ」
栄人「俺は、栄人だ。よろしく頼む」

ヤマトを通じて、タケルと栄人は仲良くなるのであった。

63凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2014/08/21(木) 20:36:52
***ブリアン島・東の平原***

モグラング「………」

地中から飛び出した二つの不気味な目が、
密かにキャンプ場の様子を窺っていた。
視力の不自由なモグラングがゾル大佐から与えられた、
周囲360度を見渡すエレクトロアイである。

モグラング「ブレイバーズが子供達を集めて、
 この島で合宿を行なっていたとは…。
 だが、ほとんどはまるで非力なガキばかり。これは使えるぞ…」

地中から目だけを出して地上の様子を窺っていたモグラングだったが、
突如、飛んで来た手裏剣がモグラングのエレクトロアイに命中した。

モグラング「ぐおっ! 何奴!?」
はるか「出て来なさい、曲者!」

教師で瑠美乃流忍者の高木はるかが、
モグラングの気配を悟って攻撃したのである。
地上に姿を現したモグラングは怒ってはるかに襲いかかる。

モグラング「おのれ〜。許さんぞ女め〜」
はるか「くっ…!」

続けざまに投げられた手裏剣もモグラングのボディには効かない。
その時、側面からの銃撃がモグラングを殴りつけた。
振り向くと、そこには仮面ライダーイクサが
イクサカリバー・ガンモードを構えて立っていた。

イクサ「ショッカーの改造人間、その命、神に返しなさい!」
はるか「名護さん!」
モグラング「貴様は、仮面ライダーイクサか!」
イクサ「喰らいなさい!」

激しい銃弾の雨をモグラングに浴びせるイクサ。
モグラングは地底に潜り、姿を隠した。

モグラング「こっちだ!」
イクサ「くっ!」

背後の地面から顔を出したモグラングにイクサは射撃するが、
モグラングはすぐに地中に隠れて弾を避けてしまう。
あちこちから顔を出しては隠れ、出しては隠れの繰り返してイクサを翻弄するモグラング。

イクサ「まるでモグラ叩きか…。
 このままでは駄目だ。精神集中しなさい」

イクサは自分にそう言い聞かせ、目を閉じて精神を統一した。
仁王立ちになったままナックルフエッスルをイクサベルトにリードし、
拳のイクサナックルにエネルギーを集める。

――イクサナックル・ライズアップ!!

イクサ「そこだ!」

必殺一閃、地面に向けて拳を突き立てるイクサ。
ブロウクン・ファングの一撃が、顔を出しかけたモグラングを直撃した。

モグラング「ぬおおっ〜!!
 おのれライダー! この借りは必ず返すぞ!!」

ダメージを負ったモグラングは土に潜って逃走した。
名護啓介はそれを見届けて変身を解除する。

名護「この島にGショッカーが…。
 これは厄介な事になったようだ」
はるか「このキャンプの存在が彼らに知られたという事は…。
 今後、攻撃をかけて来る可能性もありますね」
名護「怪獣、怪人が跋扈する地獄変…。
 名護啓介はここにいる。どこからでもかかって来なさい!」

64ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/08/23(土) 11:46:38
〜航海6日目・合宿1日目〜

航海6日目にして、ようやくブリアン島へと到着した飛鷹Ⅲ。
仮設の桟橋に接岸し、子供たちが一斉に島へと降り立つ。

仁「イヤッホー!」
大輔「南国の島だぁー!」
学「コラみんな! 慌てず順番に降りるんだぞ!」

桟橋の先で子供たち一行を出迎えたのは、
アロハシャツを着たズングリムックリ体型の少年と、
全員がタマネギ風の髪型で、同じ形の眼鏡をかけ、菱形の口をしている
お付きの人と思しき複数の人間たちだった。

皆本「ご無沙汰しております、パタリロ殿下」
パタリロ「皆本か、久しぶりだな。不二子ちゃんは元気にしてるか?」
薫「皆本、この子だれ?」
皆本「マリネラ国王、パタリロ・ド・マリネール8世陛下だ。
 今回の合宿では名誉幹事をお引き受けいただいている」
紫穂「ふ〜ん…」
タマネギA「皆本さん、この島には我々が先乗りしていましたが、
 今現在の時点まで何の問題もありませんでした」
皆本「ありがとうございます」
パタリロ「ではゆっくりしていってくれたまえ。
 僕らはこの辺で…」

パタリロがお付きの武官であるタマネギ部隊を引き連れて、
その場から悠々と離れようとした時、たまたま近くで荷物を運搬中だった
千鳥かなめがそれを見つけて見咎める。

かなめ「君、ちょっと待ちなさいよ!」
パタリロ「…………」(←無視している)
かなめ「そこの潰れ肉まん君!」
パタリロ「…………」(←無視している)
かなめ「そこの脂肪ロース君!」
パタリロ「…………」(←無視している)
かなめ「そこのジャ●ーズアイドルみたいな美少年!」
パタリロ「何か?」
かなめ「……(コイツはっ…!!)(怒」

パタリロの態度に内心ブチ切れるかなめだったが、
そこは必死に冷静さを保って大人らしくパタリロに注意する。

かなめ「何か?…じゃないわよ! 君もこの合宿の参加者なんでしょ。
 他の子供たちと同じように荷物を運んだり準備を手伝ったりしなきゃ
 ダメじゃない!」
パタリロ「ハァ? 何を言う。僕は国王だぞ!
 なんで貧しい一般庶民どもと同じ作業をせにゃならんのだ?」
皆本「ああ…千鳥さん、この御方は別にいいんです」
かなめ「いいえ! 国王だか何だか知りませんけど、
 合宿に参加する以上は他の子供たちとも平等に扱うべきです!」
葵「かなめはんの言う通りや! 名誉幹事だとしても
 ウチらと同じ子供なら特別扱いすべきやない!」

葵たちまでかなめの意見に同調し始める。

パタリロ「ふん…バカバカしい。僕らはこれにて失礼する!」

かなめたちの忠告を無視して立ち去ろうとするパタリロ。
その向かう先には、いつの間にか超豪華なペンションのような建物が
おっ建てられていた。どうやらこの潰れあんまんは、他の子供たちが
懸命に汗水垂らしてテントを設営しているのを尻目に、自分たちだけ
贅沢なリゾート生活を味わうつもりらしい。

ついに、かなめの堪忍袋の緒が切れた…。

かなめ「宗介、やっちゃって…」
宗介「了解した、千鳥!」

相良宗介はどこからか口径66mmの対戦車ロケット砲M72 LAWを取り出し、
数十メートル先に見える超豪華ペンションめがけて発射した。
あっという間にペンションは木っ端微塵に…。

パタリロ「な、なにぃぃっっ!!!!!」
皆本「うわああっ!! な…なんてことをぉぉ!!
 これで日本とマリネラの外交問題にでも発展したら!?」

茫然自失となるパタリロと皆本。

宗介「安心しろ皆本二尉。責任は全てミスリルで持つ。
 貴方個人や日本政府に迷惑はかけない」
タマネギB「大丈夫ですよ皆本さん。そもそも今回の合宿に
 殿下を参加させたのは、常日頃の殿下の自堕落な生活を
 心配されたエトランジュ様のご意向なんです」
皆本「エトランジュ様というと、確かパタリロ殿下のご生母で、
 マリネラ王国の現皇太后の…?」
タマネギC「殿下にはきっといい薬ですよ」

こうして合宿の波乱の一日目は幕を開けた。


○皆本光一→ブリアン島に上陸。
○明石薫→ブリアン島に上陸。
○野上葵→ブリアン島に上陸。
○三宮紫穂→ブリアン島に上陸。
○パタリロ・ド・マリネール8世→ブリアン島合宿の名誉幹事を引き受けていた。千鳥かなめと口論する。
○タマネギ部隊→パタリロに付き従って、ブリアン島に先駆けで上陸していた。
○千鳥かなめ→ブリアン島に上陸。パタリロと口論する。
○相良宗介→ブリアン島に上陸。かなめの指示で、パタリロのペンションを破壊。

65ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2014/08/25(月) 10:20:12
〜旅行日程・3日目〜

***『飛鷹Ⅲ』・甲板***

ブリアン島を目指して、横浜港を発ってから3日目。
甲板の上を2mもある大男が、水平線の先を見つめていた。

鈴雄「あっ、アレクセイさん!探しましたよ」
イスカンダル「おお、鈴雄か。すまんすまん、ついこの『オケアノス』を
    見たくてなぁ」

水平線を見ていたのは、現在はコスモス荘にて保護されている
征服王イスカンダルだった。
銀河連邦警察代表で、小鈴と瑠璃がキャンプに参加する事になり
鈴雄が保護者になったのだが、イスカンダルが自分も参加したいと
強引についてきたのである。当初は、いざこざがあったものの
イスカンダルは遠征をしていたので、野営の知識もあり、
またかの有名なアリストテレスに家庭教師をしてもらっていたので、
頭も良く教師役(主に地理と歴史)をしてもらう事にしたのであった。
因みにアレクセイというのは、聖杯戦争時に正体を隠すべく使用していた
偽名である。

鈴雄「オケアノス?」
イスカンダル「うむ。オケアノスというのはだな、世界の果てにあるという
   大きな海のことでな。かつて余はオケアノスを夢見て、ひたすら東へと
   遠征したのだ」

オケアノスとは、「世界の果て」という意味の言葉である。
遠い昔、世界の果てを見たいという思いから各地を征服しながら
駆け抜けたあの頃に太平洋を見ながら思いを馳せていた。

イスカンダル「それにしても、この船は何ともデカイのぉ。海に出てから
        3日も経つが、まだまだ探検のしがいがあるわい!がっはっは」
鈴雄「だからって、あんまりうろちょろしないでくださいよ...」

イスカンダルは『飛鷹Ⅲ』を見ながら、大声で笑う一方、鈴雄は
イスカンダルが船の中をあちこち歩き回るので、少し振り回されていた。
船内に戻ると、子供の声が聞こえてきた。

仁「行け、ピカ○ュウ!」
拳一「とらせるかよ!ラ○チュウ」
鈴雄「・・・ゲームをしているのか」

覗いてみると、地球防衛組の仁とザウラザーズの拳一が
捕まえたモンスター戦わせる人気の携帯ゲームをテレビに
繋いでゲームをしていた。仁と拳一の周りには複数の子供達が応援していた。

イスカンダル「ほう...最近はそういうゲームが流行っているのか?」
仁「あ、この前助けてくれた牛のおっさん!」
マリア「失礼よ、仁!」

この前、邪悪獣が出現した時イスカンダルに助けられたが、名前が
分からなかったので仁は、空飛ぶ牛に乗っていたから牛のおっさんと
呼ぶが、マリアが失礼だと注意する。

イスカンダル「わっはっはっは、よいよい。余の名はイスカンダル。
  まぁ、言いにくいのであればアレクセイ...もしくはライダーとでも
  呼んでくれ」
浩美「(ライダー?)」

イスカンダルは細かい事を気にしないので、笑ってそれを許し
自己紹介をするが、ライダーという言葉に立花浩美は疑問に思った。

イスカンダル「どれ、余にも少しやらせてもらえぬか?」
吼児「じゃあ、僕のを貸します」

そのままイスカンダルは、吼児にソフトを貸してもらい
子供達に混じってゲームをするのであった。

66ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2014/08/25(月) 11:08:43

両津「う〜む、見事に迷ってしまった。わしの部屋は何処だ?」

さて、一方スタッフとして参加した警察官の両津勘吉は
自分の部屋に行こうとするが、この広い客船に迷ってしまっていた。

ワーワー

両津「ん?こっちから声がするなぁ」

両津が声のする方を行くと、イスカンダルと子供達が
ゲームで盛り上がっていた。

両津「ほぅ〜、○ケモンか。それにしても、あのデカイおっさん
    強いなぁ」
イスカンダル「わっはっは、余は誰の挑戦でも受けるぞ!」

コツを掴んだイスカンダルはすぐさま、連勝して大きく高笑いをする。

両津「よ〜し、次はわしが相手だ!」
イスカンダル「よし、来い!」

両津は自分が持ってきたゲームを繋げて対戦を始める。

***10分後***

両津「よっしゃ〜、わしの勝ちだ!」
あきら「すげ〜、イスカンダルさんを倒したよ」
ヨッパー「やっぱ、両さんはゲーム上手だなぁ」

10分後、対戦の結果両津が勝利。観戦していたあきらとヨッパーは
両津のゲームの腕前に感心する。

イスカンダル「ぐぬぬ・・・不覚。次のゲームで勝負だ!」
両津「面白い。よ〜し受けて立つ!」

それから、イスカンダルと両津はレーシングや格闘、パズルと
あらゆるゲームで対戦し続け、白熱の勝負をしていった。
その結果...

イスカンダル「いや〜、貴様のゲームの腕前天晴だ!」
両津「イスカンダルこそ、ゲーム上手いなぁ。がっはっは!」

お互いゲームを通じて、意気投合して酒盛りをする仲となるのであった。

67ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2014/08/25(月) 11:50:10
それから、ブリアン島までの間様々な事が起きた。

仁「行っけー、タイガーシュート!」
拳一「止めるぞ。ボン、チョビ!」
ボン&チョビ「「応」」

地球防衛組とザウラーズの間で、船の中にある運動場を使い
サッカー勝負をしたり・・・

鵺野「・・・と古い廊下を歩いていたA君達だったが一人・・・
   また一人といなくなり、最後にはA君だけになってしまった」
延珠「ゴク」
虎太郎「ゴク」
鵺野「一人になってしまったA君が、誰もいない教室に入って
   振り向くと、そこには鬼の様な形相をした女の幽霊が!!」
紫穂&勇太「「きゃぁぁぁあああ」」バタ
薫「紫穂!」
葵「うわぁぁ、紫穂と勇太君が倒れた!」

鵺野が子供達を集めて、怪談を話したら幽霊が苦手な紫穂や
勇太が悲鳴を上げて倒れたり...

瑠璃「はぁ〜、全然粘土人形が上手くならない!」
鈴雄「大丈夫、まだまだ上手くなれるよ」
イスカンダル「うむ、なかなか個性的ではないか」
両津「ん?粘土を造っているのか。・・・どれ貸してみろ」
鈴雄「・・・上手い!」
イスカンダル「ほう・・・これは甲冑の騎士か?」
両津「ほれ、やるよ」
瑠璃「・・・あ、ありがとう・・・ございます(照」

粘土の練習をしていた瑠璃だったが、上手くならず落ち込んでいると
両津が甲冑の姿をした騎士を粘土で造ってプレゼントをしたり...

鈴雄「一体・・・何をやったんですか!」
イスカンダル「いや〜、両津とこの鵺野とで酒を飲んでいたら、
         ついノリでコヤツの鬼と勝負をしてなあ」
覇鬼「こいつの牛の戦車を潰してやったウガ」
鵺野「・・・酔ってしまい、覇鬼の好きにさせてしまいすまなかった。
    面目ない」
両津「ぐぉぉぉ」

酒盛りをしていたイスカンダルと両津、そして鵺野だったが
酒に潰れて鵺野が寝ている時に覇鬼がイスカンダル達と飲み続け
ノリで勝負する事になり、イスカンダルの宝具「神威の車輪
<ゴルディアス・ホイール>」を覇鬼にぶつけた結果、こなごなに
砕けてしまった。その惨状に鈴雄は呆れ、鵺野は反省。イスカンダルは
気にせず、両津はイビキを欠いていた...

そんな事が起きながら、一同はブリアン島へと辿り着くのであった。

68ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2014/08/25(月) 12:02:23
○桜咲鈴雄→イスカンダルに船の中で振り回される。
○梅木瑠璃→粘土人形の練習をしている時に、両津から粘土人形を貰う。
○イスカンダル→ゲームを通じて、両津と仲良くなる。酒盛りで覇鬼に「神威の車輪」をこなごなにされる。
○両津勘吉→ゲームを通じてイスカンダルと仲良くなる。瑠璃に粘土人形を贈る。
○日向仁→ゲームをしたり、サッカーをしたりする。
○丸山吼児→イスカンダルにゲームソフトを渡す。
○峯崎拳一→ゲームをしたり、サッカーをしたりする。
○鵺野鳴介→子供達に怪談を話す。酒に酔って眠ってしまい覇鬼を止められなかった。
○覇鬼→イスカンダルとの酒盛りで、「神威の車輪」をこなごなにした。
○友永勇太→鵺野の怪談を聞いて、倒れる。
○三宮紫穂→鵺野の怪談を聞いて、倒れる。

69ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2014/08/27(水) 10:01:39
>>67の展開を勝手ながら、変更します。

イスカンダルと両津がゲームを通じて、仲良くなったその夜。
子供達は食事を終えて、それぞれの時間を過ごしていた。

レッカ「はぁ〜、今日も美味かった!」
ハヤト「食べ過ぎじゃないのか、レッカ?」
クラマ「レッカの大食いは、いつものことだっつーの」

食事を終えたガイストクラッシャーチームは、子供達が
集まっている広間へとやってくる。

延珠「どうじゃ、妾達のコスチュームかわいいじゃろう?」
蓮太郎「お前ら、またその衣装持ってきたのかよ...」
刃「なあ、『天誅ガールズ』ってなんだ?」
さやか「今人気のアニメの事よ」

広間では、延珠とティナが自分達の好きなアニメ番組『天誅ガールズ』の
コスプレ姿を他の子供達に披露していた。『天誅ガールズ』を知らない刃
だが、さやかが教える。

飛鳥「可愛い!」
イサミ「延珠ちゃんも、ティナちゃんも、とっても似合っているよ」
ティナ「ありがとうございます...(照」

延珠とティナのコスプレ姿を飛鳥やイサミはかわいいと褒め
ティナは照れて顔を赤くする。

ケイ「あ、そういえば『天誅ガールズ』って確か、兄ちゃんも見ているアニメだ!」
イサミ&ソウシ「「え?」」
トシ「ば、馬鹿、ケイ!!そんな事ねえだろ!」

自分もしんせん組の一員だからと、キャンプについてきたトシの弟であるケイが
実はトシも『天誅ガールズ』を見ている事をばらしてしまう。

延珠「トシも、見ているのか!?」
トシ「え、いや...!?」
一同「じ〜」
トシ「うぅ・・・あっ、仁、今度サッカーしねえか?」
ソウシ「あっ、逃げた」

眼をキラキラしながら延珠はトシに質問して、イサミ達もじっと
トシを見つめ、恥ずかしくなったトシは誤魔化して逃げた。

駆「いっけー、川尻!」
れい子「負けないで、アントニオ稲木様!」

一方、テレビで放送されているプロレス試合を応援する
アルカディアの轟駆と地球防衛組の池田れい子はお互い、
プロレスファンで、それぞれの応援する選手が戦っているので、
白熱しながら応援していた。

駆「勝つのは、川尻だ!」
れい子「いいえ、アントニオ稲木様よ!」
荘太「まあまあ」

どっちが勝つかで、駆とれい子が口論しそうになるが
荘太がなだめた。

マリア「皆、鵺野先生が集まるように言ってきたわ」
エリー「ブリーフィングルームに来てちょうだい」
仁「何だ?」
拳一「さあ」

そこへマリアとエリカが現れ、鵺野が皆を集めるように
指示して来た事を話す。

〜『飛鷹Ⅲ』・ブリーフィングルーム〜

鵺野「えー、諸君達は今後、妖怪や悪霊といった怪奇現象にも
    立ち向かう事態になるかもしれない。そこで、この航海も
    3日目という事で、いきなりで済まないが・・・怪談を行う!」
子供達一同「え〜〜〜〜」
雲雀「うう、怪談は怖いなあ」
柳生「大丈夫だ。俺が側にいる」
ヤンチャー「星史、ビビるなよ」
星史「お前こそ」

ブリーフィングルームに集められた子供達に、鵺野は怪談を行うと
言ってきた。それぞれ怖がったり、茶化したりする。そして...。

鵺野「・・・と古い廊下を歩いていたA君達だったが一人・・・
   また一人といなくなり、最後にはA君だけになってしまった」
延珠「ゴク」
虎太郎「ゴク」
鵺野「一人になってしまったA君が、誰もいない教室に入って
   振り向くと、そこには鬼の様な形相をした女の幽霊が!!」
紫穂&勇太「「きゃぁぁぁあああ」」バタ
薫「紫穂!」
葵「うわぁぁ、紫穂と勇太君が倒れた!」

鵺野が子供達を集めて、怪談を話したら幽霊が苦手な紫穂や
勇太が悲鳴を上げて倒れたりしてパニックとなるのであった。

70ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2014/08/27(水) 11:21:44
〜旅行日程3日目・深夜〜

鵺野「はぁ〜、あんなにもパニックになるとは思わなんだ」
覇鬼「ウガウガ、なかなか楽しかったウガ」
鵺野「お前なぁ・・・ん?」

深夜、甲板を歩く鵺野は先程の怪談大会のパニックに疲れ
肩を落とす。一方、覇鬼は楽しかったと大笑いする。
その時、鵺野は甲板から声が聞こえてきたのでそちらへと歩を進める。

両津「わっはっは、その時わしの部長がな...」
イスカンダル「ほう、そのお前さんの部長というのはなかなか面白い人物だな」

そこにいたのは、あれからずっと酒盛りをしていた両津とイスカンダルだった。

鵺野「両津さん、えっと・・・アレクセイさん何をしているんですか!?」
両津「何って、わしらは酒盛りをしているだけだが?」
イスカンダル「うむ、酒こそ語り合いに必要不可欠な事だ」
鵺野「はあ・・・(汗」
覇鬼「酒なら、俺にも飲ませるウガ」

すっかり出来上がっている両津とイスカンダルに鵺野は少し困惑。
鬼である覇鬼は酒というフレーズに自分も飲ませろと現れる。

両津「おう、飲め飲め」
イスカンダル「酒の前に、人も鬼も関係は無し!」
覇鬼「ウガウガ、全くだウガ」
鵺野「はぁ〜(そういえば、このアレクセイって人、妖力?・・・いや、
    どちらかといえば魔力か。あの冬木市で行われた魔術儀式
    聖杯戦争で召喚されたサーヴァントが受肉した英霊だと聞いたが
    なかなか豪快な人だな。・・・だからこその英霊か?)」

覇鬼も加わり、なし崩し的に鵺野も参加する事になる。
鵺野は貰った資料からイスカンダルの素性を知った。
また霊能力者なので、魔術とされる知識にも明るく
聖杯戦争についても知っていた。イスカンダルの豪快さに
これが英霊と呼ばれる存在なのかと感じる。

イスカンダル「さあさあ、お前さんもどんどん飲め」
両津「おう、まだ酒はあるぞ!」
覇鬼「ウガガガ」
鵺野「(いかん・・・酔い潰れそうだ)」

さすがの鵺野もトップクラスの酒豪に囲まれ、酒を飲まされ続け
酔い潰れてしまう。

〜旅行日程4日目・朝〜

鈴雄「一体・・・何をやったんですか!」
イスカンダル「いや〜、両津とこの鵺野とで酒を飲んでいたら、
         ついノリでコヤツの鬼と勝負をしてなあ」
覇鬼「こいつの牛の戦車を潰してやったウガ」
鵺野「・・・酔ってしまい、眠っている間に覇鬼の好きにさせて
    しまいすまなかった。面目ない」
両津「ぐぉぉぉ」

酒盛りをしていたイスカンダルと両津、そして鵺野だったが
酒に潰れて鵺野が寝ている時に覇鬼がイスカンダル達と飲み続け
ノリで勝負する事になり、イスカンダルの宝具「神威の車輪
<ゴルディアス・ホイール>」を覇鬼にぶつけた結果、こなごなに
砕けてしまった。その惨状に鈴雄は呆れ、鵺野は反省。イスカンダルは
気にせず、両津はイビキを欠いていた...

数美「皆は、大人になっても絶対にお酒でこういう事が無いようにね」
子供達一同「は〜い」

様子を見に来た子供達に星川数美は酒を飲みすぎない
ように注意するのであった...お酒は程々に。

71ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2014/08/27(水) 11:41:57
○桜咲鈴雄→イスカンダルに船の中で振り回される。
○イスカンダル→ゲームを通じて、両津と仲良くなる。酒盛りで覇鬼に「神威の車輪」をこなごなにされる。
○両津勘吉→ゲームを通じてイスカンダルと仲良くなり、酒盛りをする。
○日向仁→ゲームで拳一と対戦する。
○丸山吼児→イスカンダルにゲームソフトを渡す。
○池田れい子→テレビのプロレスの試合を応援する。
○白鳥マリア→エリーと一緒に、子供達をブリーフィングルームに集める。
○峯崎拳一→ゲームで、仁と対戦する。
○光住エリカ→マリアと一緒に、子供達をブリーフィングルームに集める。
○鵺野鳴介→子供達に怪談を話す。酒に酔って眠ってしまい覇鬼を止められなかった。
○覇鬼→イスカンダルとの酒盛りで、「神威の車輪」をこなごなにした。
○藍原延珠→ティナと『天誅ガールズ』のコスプレ姿を披露する。
○ティナ・スプラウト→延珠と『天誅ガールズ』のコスプレ姿を披露する。
○鉄刃→さやかに『天誅ガールズ』の事を聞く。
○峰さやか→刃に『天誅ガールズ』を教える。
○花丘イサミ→延珠達のコスプレ姿を褒める。
○月影トシ→『天誅ガールズ』を見ている事がバレて、誤魔化して逃げる。
○月影ケイ→兄のトシが『天誅ガールズ』を見ている事をばらす。
○飛鳥→延珠達のコスプレ姿を褒める。
○轟駆→テレビのプロレスの試合を応援する。
○軍司壮太→駆とれい子が喧嘩になりそうになるので、なだめる。
○友永勇太→鵺野の怪談を聞いて、倒れる。
○三宮紫穂→鵺野の怪談を聞いて、倒れる。
○星川数美→子供達にお酒について、注意を話す。

【今回の新登場】
○峯崎拳一(熱血最強ゴウザウラー)
 マッハプテラやゴウザウラー及びキングゴウザウラーのメインパイロットであるザウラーズ
 の一員。スポーツ用品店の息子で、明るくお調子者だがその内に熱い心を秘めている。
 特技はスケボーで、プリンが好物。勉強が苦手。一時期、機械化されてしまうが、
 無事に元の体に戻る。

○立花浩美(熱血最強ゴウザウラー)
 ランドステゴのパイロット及びゴウザウラーのサブパイロットである拳一の親友。
 やや気弱な性格だったが、勇気を振り絞って戦場に赴くまでに成長した。
 外科医である母親と二人暮らしで家事や料理をこなしている。
 将来、漫画家を目指している。

○光主エリカ(熱血最強ゴウザウラー)
 6年2組の副委員長であり、ザウラーズの司令官を務める。
 あだ名は「エリー」。ランドステゴの情報分析担当でもある。
 目立ちたがりで、将来アイドルを夢見ている。

○池田れい子(絶対無敵ライジンオー)
 出席番号10番。主にライジンオーの通信担当で、プロレス好き。
 ジャイアントいのばばと、アントニオ稲木を崇拝している。背が低いのを
 気にしている。実家は「陽昇石油」というガソリンスタンド。

○月影ケイ(飛べ!イサミ)
 トシの幼い弟。好奇心旺盛な幼稚園児で、ご先祖の残したからくり
 三輪車で移動する。兄同様「ガンバマン」のファン。

72ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2014/08/27(水) 12:38:02
〜旅行日程4日目〜

朝のちょっとした騒ぎからしばらくして、『飛鷹Ⅲ』の中にある
運動場では、地球防衛組を中心としたチームとザウラーズを中心とした
チームによるサッカーの試合が行われた。

健「試合開始」ピッ
仁「行くぜ、あきら、ヨッパー!」
あきら「任せろ!」
ヨッパー「負けないぜ!」
拳一「止めるぞ。ボン、チョビ!」
ボン&チョビ「「応」」

始めに仁、あきら、ヨッパーが拳一、ボン、チョビがぶつかる。

仁「星史、パス!」
星史「OK!くらえ、タイガーシュート!」
ヤンチャー「させるか、止めるぜ」

地球防衛組のチームの一員である星史は、仁からボールを受け取り、
某サッカー漫画の必殺シュートを打ち込むが、ザウラーズのチームの
一員となったヤンチャー王子がそれを阻む。

大輔「賢、この試合は防衛組チームが勝つぜ!」
賢「悪いけど、ザウラーズチームが勝利するよ!」
ミノモン「がんばれ〜、賢ちゃん」
チビモン「負けるな、大輔!」

試合展開が進み、サッカーが得意な大輔と賢も敵味方に分かれて
試合する中、ミノモンやチビモンはそれぞれのパートナーを応援する。

レッカ「うぉぉぉ、爆盛りシュートだ!」
ハヤト「ゴールデンに止める!」

レッカはシュートを決めるが、ハヤトはゴールキーパーとして、
全力でゴールを守っていた。

トシ「痛ぇー!」
ソウシ「大丈夫か、トシ!」

ボールを追いかけるトシだが、足を滑らせてこけてしまう。

エリ「大丈夫?今、治療するからね」
トシ「あ、ありがとうございます。エリ先生」

医療スタッフとしてキャンプに参加したスカイック族の護星天使
エリはトシの足に絆創膏を貼るのであった。

〜小鈴・瑠璃の部屋〜

さて、サッカーで盛り上がる中、小鈴と瑠璃が泊まっている部屋では、
瑠璃がゴーレムの出来栄えを向上させるべく、粘土人形の練習を
行っていた。

瑠璃「はぁ〜、全然粘土人形が上手くならない!」
鈴雄「大丈夫、まだまだ上手くなれるよ」
イスカンダル「うむ、なかなか個性的ではないか」
両津「ん?粘土を造っているのか。・・・どれ貸してみろ」
鈴雄「・・・上手い!」
イスカンダル「ほう・・・これは甲冑の騎士か?」
両津「ほれ、やるよ」
瑠璃「・・・あ、ありがとう・・・ございます(照」

粘土の練習をしていた瑠璃だったが、上手くならず落ち込んでいると
両津が甲冑の姿をした騎士を粘土で造ってプレゼントをしたり...

73ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/08/28(木) 21:01:57
〜ブリアン島上陸初日〜

相良宗介に自分が泊まる予定だった超豪華ペンションを
木っ端微塵に吹き飛ばされてしまったパタリロだったが、
なんだかんだとぶつくさ文句を言いつつも、意外にも
他の子供たちとも仲良くしながらせっせとテント設置作業に励んでいた。

かなめ「へぇ〜。すぐに音を上げると思ってたのに、
 なかなかやるじゃない」

作業を手伝いながらパタリロの様子を伺っていた
千鳥かなめが感心していると、タマネギ部隊の数人が
話しかけてきた。

タマネギA「ああ見えて殿下はなかなかタフですよ。
 僅か10歳でご父君を亡くされ、その小さい両肩に
 国家と国民の将来がのしかかっておいでなのですから」
かなめ「そっか…。あの子も小さいながらに苦労してるんだ」
タマネギB「並みの苦労ではありませんよ。
 内乱が勃発した某独裁国家から銃弾の飛び交う中、
 戦闘機を一機失敬して脱出を敢行されたこともありましたし」
タマネギC「数万光年彼方の銀河宇宙を放浪して、
 奴隷商人に捕獲されて売り飛ばされそうに
 なったこともあったよな」
かなめ「………す、すごい苦労してたのね(汗」

74ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2014/08/29(金) 10:26:39
皆がサッカーをする一方、他のスポーツをする子供達もいた。

虎太郎「そぉれぇい!」
力哉「てえりゃああ!」カキーン
飛鳥「打たれた!」

ガンバ―チームを中心に簡単な野球を行い、虎太郎が
ボールを投げ、力哉がバットで打ち返した。

バシュ

天界「採った!」
鷹介「すごい!」
虎太郎「ナイスだぜ、天界!」
力哉「あのキャッチ力...守備としてうちのチームに入ってくれないかな」

天界は力哉が打ったボールを、その身体能力で見事キャッチする。
力哉は天界のキャッチを見て、自身の所属する草野球チームに入ってくれないかと
思うのであった。

刃「よ〜し、素振り50回!」
伊織「1、2、3...」
斑鳩「・・・では、こちらは切り返しを行います。しのぶさんも
    イサミさんも構えて下さい」
しのぶ「はい」
イサミ「はい」

一方では、刃と斑鳩が剣の稽古をつけていた。
伊織は竹刀の素振りを行い、朝岡しのぶや花丘イサミは
打ち返しを行う。

蓮太郎「・・・(あの斑鳩って人、木更さんとどっちが強いだろうなぁ)」
延珠「むぅ〜、蓮太郎他の女に見惚れるでない!」
ティナ「お兄さん...」
蓮太郎「馬鹿、そんなじゃねえよ!」

蓮太郎は遠くから斑鳩を見て、自分の上司である木更と彼女が
とちらが強いのかと考えるが、そこを延珠とティナがヤキモチを焼く。

蒼摩「ぜりゃぁぁぁ!」
龍峰「たぁぁぁぁ!」
ハチロー「うわぁ〜」
ナミダ「かっこい〜!」

少し離れた場所では、このキャンプに参加する聖闘士の
栄人、蒼摩、龍峰、ユナがトレーニングをしていた。
因みに光牙、エデンは現在旅に出ているので連絡がつかず
不在である。
その光景を大空魔竜の隊員であるハチローやコスモクラッシャー隊
の特別隊員である明石ナミダ等の子供達がカッコいいと感じる。

ケンタ「頑張ったら、聖闘士になれるかな?」
ユナ「そうねぇ。聖闘士になるにはまずは小宇宙(コスモ)を感じないと...」
護「小宇宙?」

天野平和レスキュー隊の天野ケンタは、自分も聖闘士になれないかと
思うが、ユナは聖闘士に必要な小宇宙を説明する。そこをGGG特別隊員
である天海護が聞き返した。

75ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2014/08/29(金) 11:05:48

蒼摩「ふぅ〜、いい汗かいたぜ」
龍峰「ここに光牙君達がいない分、聖闘士代表として
    僕らが頑張らないとね」

トレーニングをしていた蒼摩と龍峰は、一息ついて
汗をタオルで拭った。

きらら「蒼摩さんも、龍峰君もカッコいいわね」
クッキー「栄人君もクールでカッコいいわよ」
ポテト「うんうん」

同じくトレーニングを見ていた地球防衛組の女子メンバーも、
その姿にカッコいいと感じ、見惚れていた。

ひろし「クッキー...」
仁「あぶない、ひろし!」
ひろし「え...」バァーン

蒼摩達に見惚れるクッキーこと栗木容子を見ていた地球防衛組の
委員長である高森ひろしは、クッキーに思いをよせているので
よそ見をしていると仁の蹴ったサッカーボールが顔面にぶつかって
しまうのであった。

蒼摩「ありゃりゃ・・・お?お前もこっち来て一緒にトレーニングをしないか?」
イズナ「・・・ふん」
蒼摩「行っちまいやがった...」

ひろしが顔面にボールが当たってしまった所を見ていた蒼摩は
同じく見ていた髪が逆立っている少年―ガイストクラッシャーの
一人、黒曜イズナに声を掛けるが、一匹狼な所があるイズナは
そっぽ向いてトレーニング場を出て行ってしまった。

76ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2014/08/29(金) 11:59:43
>>22の後

どうにかレッドキングは去ったが、エビラに船を壊された一同。
アトムは海の彼方へ吹っ飛ばされ、剣を始め何人かは大した事は
無いが負傷してしまう。そして学達はこれからについて話し合いが行われる。

鈴雄「アレクセイさん、あなたの戦車なら救援を呼びに行けたりは出来ませんか?」
イスカンダル「そうしたいのはやまやまだが、今余の戦車は粉々だからのう。
   魔力さえ回復すれば修復できるのだが、そこまで回復しておらん」
仁「じゃあ、いつかの時にやったあのたっくさんの兵隊さんも出せないのか?」
イスカンダル「あれは、余の切り札。発動するまでの魔力も回復が必要だ」
吼児「そんな...」

鈴雄はイスカンダルの宝具なら、この状況を打開出来るのではないかと聞くが
この前の酒盛りで『神威の戦車』は粉々になり、切り札である『王の軍勢
<アイオニオン・ヘタイロイ>』も発動するまでの魔力が回復していなかったので
状況を打開出来ないと話す。

勉「通信機も、この島の特殊な磁気で使用が出来ません」
尊子「通信機の修理が必要ね」

地球防衛組とザウラーズの頭脳である小島勉と小島尊子は
通信機の修理を行う事を決める。

結花「私達、日本に帰られるのかな?」
春枝「あのアトムも怪獣には勝てなかったし...」
金太「安心しろ、ユカ。俺が絶対、日本に帰らせてやる!」

ザウラーズの山本春枝や水原結花は不安な表情を見せるが、
白金太郎(あだ名は金太)が励ます。

学「皆、希望を捨てちゃいけない。かならず全員生き延びて、日本へ帰ろう」
健「もしかしたら、他のブレイバーズ達が助けに来るかもしれない」
文矢「そうだ。それにファイブロボは呼べなかったけど、こっちには
    凄腕の忍者に霊能力者、ガイストクラッシャーに聖闘士も
    いるんだ。きっと帰れる筈さ!」
レッカ「応、俺達に任せとけ!」
クラマ「調子に乗るなっつーの!」
シレン「全員が助かり、最高のファンファーレを奏でよう」

不安を払うかのように、学は皆に希望を捨ててはいけないと説く。
それに続くように、一同は諦めず、希望を持つようになった。

宗介「ならば、対怪獣用のバリケードを敷かねば...」
ボルボ「手伝うぞ、宗介!」
かなめ「あ、ちょっと...」

宗介とボルボは早速、怪獣から身を守る為のバリケードを敷きに
かなめが止める間も無く、飛び出していくのであった。

77ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2014/08/29(金) 12:37:55
〜Gショッカー秘密基地〜

サボテン将軍「ふっふっふ、さぁお着替えしましょうねえ」
瑠璃「離して!」
延珠「妾に触るでない!」
バラナイトメア「おとなしくしろ。さもないと、他の子供がどうなるか
    わからんぞ」
延珠「くっ...」

サボテン将軍とバラナイトメアは捕まえた子供達の中で、
特にかわいいと感じた瑠璃、延珠、りんねを別室に連れて行き
人形にしようとしていた。

???「そうはいかんぞ!」
サボテン将軍「だ、誰よ!?」
ドッコイダー「いたいけな幼女を、危険な変質者から守る戦士ドッコイダー参上!」
蓮太郎「大丈夫か、延珠!?」
駆「りんねから、離れやがれ!」
瑠璃「コ・・・ドッコイダー!」
延珠「蓮太郎!」
りんね「駆!」

別室に入ってきたのは、変身したドッコイダーと
合流した蓮太郎、そして助け出された轟駆だった。

サボテン将軍「私の人形遊びを邪魔しないで頂戴!」

人形遊びを邪魔されて憤慨したサボテン将軍は、兵士コットポトロを
呼び出す。

ドッコイダー「裏返しいらずの炭火焼きファイアー」
コットポトロ「ぎゃああああ」
蓮太郎「おりゃ」
コットポトロ「ぐわぁあ」

ドッコイダーは手から必殺の「炭火焼きファイアー」でコットポトロ達を
丸焼きに、蓮太郎も殴り倒していく。その間、駆はりんね達に近づき
助け出した。

りんね「ありがとう、駆」
駆「逃げるぞ!」
バラナイトメア「逃がすか!」
延珠「もう、お前達なんか怖くないぞ!」
瑠璃「エメロード一族の誇りに掛けて、貴様の所業を許すわけにはいかん!」

助け出された延珠達は人形の服を脱ぎ去り、戦いに参戦。
瑠璃もエーデルワイスへと姿を変えた。

サボテン将軍「だったら、アンタ達はここでくたばりなさい!」
エーデルワイス「きゃあ」
ドッコイダー「エーデルワイス!」

サボテン将軍は火を吹きだし、エーデルワイスに攻撃。
その拍子で倒れたエーデルワイスの懐から粘土人形が飛び出す。
それは以前、両津が制作した甲冑の粘土人形だった。

エーデルワイス「この人形ならば...」

エーデルワイスは自身の血を人形に垂らす。
すると、人形は大きくなりゴーレムへと変化した。

サボテン将軍「ちょ、何なのよ!?」
エーデルワイス「良し、ゴーレムよ。そこの下衆を倒せ!」

エーデルワイスの命令を受けたゴーレムはサボテン将軍へと
突撃し、パンチをお見舞いする。

ドッコイダー「両津さんの作った粘土人形、何て強さだ!」
エーデルワイス「おお、その強さ気に入った。お前の名は・・・
          『アルフォンス』じゃ!」

エーデルワイスはゴーレムの強さを気に入り、アルフォンスという
名前を付ける。エーデルワイスは知らない事だが、その名前と
ゴーレムの姿はとある錬金術の世界で活躍した兄弟の弟と酷似していた。

78凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2014/08/31(日) 00:14:06
>>22加筆

***ブリアン島・東の浜辺***

エビラに船を壊され、呆然とする一同。そこへレッドキングが
迫り来る。

アトム「こうなったら、僕が...」

日本が誇る最高のスーパーロボット、アトムは服を脱ぎ捨てて
足をジェットを噴射して空へ飛び上がって、指からビームを放つ
もののレッドキングには効かなかった。

アトム「うっ...何だろう力が入らない」
健「様子がおかしいぞ?」
文也「そうか、アトムもロボット。地磁気の影響で、回路に異常が起きたんだ!」

アトムも地磁気の影響で、ボディに搭載されている電子回路に
異常が起きてしまう。そして、レッドキングによるパンチで
アトムは吹き飛ばされ、海の中へと沈んでいってしまった。

吼児「アトムが!」
剣「なら、俺がライガーを呼び出すぜ!」
レッドキング「ギャオオオオ!」
剣「うわぁ!」

剣はライガーを呼び出そうとするが、レッドキングによる地響きで
剣は地面に倒れ、頭を打ってしまう。

ゆい&まい「「剣」」
伊達「...大丈夫だ、気絶しているだけだ。エリちゃん、手当てを頼む!」
エリ「分かりました、伊達先生」

医療スタッフとして参加した、医者である伊達明が剣が気絶しているだけ
と判断し、保険医をしている護星天使のエリに介抱を任せた。

レッドキング「キシャ――ォ!!」
エビラ「キェ――!!」

得意のメガトンパンチでアトムを撃破したレッドキングは、
なおも収まらない激しい闘争本能を海上のエビラに向け、激しく咆えた。

レッドキング「キシャ――ォ!!」

地面の岩を蹴ってエビラにぶつけるレッドキングだが、
エビラは巨大な鋏で飛んで来た岩をキャッチし、投げ返す。
それを受け止め、今度は腕でエビラに岩を投げつけるレッドキング。
剛速球と化した岩がエビラの頭に命中し、
ダメージを負ったエビラは水中に身を隠した。

レッドキング「キシャ――ォ!!」

勢いづいたレッドキングは浜辺から海へ乗り込み、
エビラに止めを刺そうとする。
しかしエビラの姿はそこにない。
周囲を見回していたレッドキングは、水中のエビラに足元をすくわれ引っ繰り返った。
倒れたレッドキングの左腕をエビラの右の鋏が捕らえる。

レッドキング「キシャ――ォ!!」
エビラ「キェ――!!」

左腕を鋏まれたまま、エビラとがっぷり四つに組み合うレッドキング。
エビラはレッドキングを水中に引きずり込み、溺死させようとする。
しかしレッドキングは怪力でエビラの右の鋏を引きちぎり、拘束を逃れた。

エビラ「キェ――!!」

鋏を片方失って悶え苦しむエビラ。
レッドキングの左腕からも血がどくどくと流れている。
エビラは泳いで沖へ逃れ、レッドキングも陸に上がって勝負は痛み分けとなった。
ブレイバーズの面々が唖然として見守る中、
レッドキングはそのままジャングルの奥へと姿を消した。

79凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2014/08/31(日) 00:20:09
>>76加筆

どうにかレッドキングは去ったが、エビラに船を壊された一同。
アトムは海の彼方へ吹っ飛ばされ、剣を始め何人かは大した事は
無いが負傷してしまう。そして学達はこれからについて話し合いを行なう。

鵺野「まずい事になりましたね…。まさか怪獣が出るとは」
健「船が破壊されちゃ、島から帰れない」
レミ「船に積んであった食糧も、全部海の底よ。
 これからの食事はどうするの?」
両津「な〜に、ここは南の島だろ?
 魚でも木の実でも、適当に取って食ってりゃ飢える事はないっすよ」
文矢「それより、問題は怪獣だな…。
 レッドキングもバラゴンも、いつまた襲って来るか分からない」
数美「ファイブロボも呼べないし、島の外との連絡も取れないわ。
 きっと地磁気が狂っているのよ」
鈴雄「アレクセイさん、あなたの戦車なら救援を呼びに行けたりは出来ませんか?」
イスカンダル「そうしたいのはやまやまだが、今余の戦車は粉々だからのう。
  魔力さえ回復すれば修復できるのだが、そこまで回復しておらん」
仁「じゃあ、いつかの時にやったあのたっくさんの兵隊さんも出せないのか?」
イスカンダル「あれは、余の切り札。発動するまでの魔力も回復が必要だ」
吼児「そんな...」

鈴雄はイスカンダルの宝具なら、この状況を打開出来るのではないかと聞くが
この前の酒盛りで『神威の戦車』は粉々になり、切り札である『王の軍勢
<アイオニオン・ヘタイロイ>』も発動するまでの魔力が回復していなかったので
状況を打開出来ないと話す。

勉「通信機も、この島の特殊な磁気で使用が出来ません」
尊子「通信機の修理が必要ね」

地球防衛組とザウラーズの頭脳である小島勉と小島尊子は
通信機の修理を行う事を決める。

結花「私達、日本に帰られるのかな?」
春枝「あのアトムも怪獣には勝てなかったし...」
金太「安心しろ、ユカ。俺が絶対、日本に帰らせてやる!」

ザウラーズの山本春枝や水原結花は不安な表情を見せるが、
白金太郎(あだ名は金太)が励ます。

学「皆、希望を捨てちゃいけない。かならず全員生き延びて、日本へ帰ろう」
健「もしかしたら、他のブレイバーズ達が助けに来るかもしれない」
文矢「そうだ。それにファイブロボは呼べなかったけど、こっちには
    凄腕の忍者に霊能力者、ガイストクラッシャーに聖闘士も
    いるんだ。きっと帰れる筈さ!」
レッカ「応、俺達に任せとけ!」
クラマ「調子に乗るなっつーの!」
シレン「全員が助かり、最高のファンファーレを奏でよう」

不安を払うかのように、学は皆に希望を捨ててはいけないと説く。
それに続くように、一同は諦めず、希望を持つようになった。

健「しかし、絶海の孤島でのサバイバルか…。
 これじゃまるでロビンソン・クルーソーだな」
学「いいじゃないか。作戦名はそれにしようか。
 “ロビンソン・クルーソー作戦”。俺達の生き残りを賭けたミッションだ」

とにかく、落胆している場合ではない。
学は率先して元気を出そうと努め、大きく手を叩いた。

宗介「ならば、対怪獣用のバリケードを敷かねば...」
ボルボ「手伝うぞ、宗介!」
かなめ「あ、ちょっと...」

宗介とボルボは早速、怪獣から身を守る為のバリケードを敷きに
かなめが止める間も無く、飛び出していくのであった。

80ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2014/09/02(火) 08:35:23
>>73加筆

〜ブリアン島上陸初日〜

相良宗介に自分が泊まる予定だった超豪華ペンションを
木っ端微塵に吹き飛ばされてしまったパタリロだったが、
なんだかんだとぶつくさ文句を言いつつも、意外にも
他の子供たちとも仲良くしながらせっせとテント設置作業に励んでいた。

かなめ「へぇ〜。すぐに音を上げると思ってたのに、
 なかなかやるじゃない」

作業を手伝いながらパタリロの様子を伺っていた
千鳥かなめが感心していると、タマネギ部隊の数人が
話しかけてきた。

タマネギA「ああ見えて殿下はなかなかタフですよ。
 僅か10歳でご父君を亡くされ、その小さい両肩に
 国家と国民の将来がのしかかっておいでなのですから」
かなめ「そっか…。あの子も小さいながらに苦労してるんだ」
タマネギB「並みの苦労ではありませんよ。
 内乱が勃発した某独裁国家から銃弾の飛び交う中、
 戦闘機を一機失敬して脱出を敢行されたこともありましたし」
タマネギC「数万光年彼方の銀河宇宙を放浪して、
 奴隷商人に捕獲されて売り飛ばされそうに
 なったこともあったよな」
かなめ「………す、すごい苦労してたのね(汗」

一方、皆が着々とテントを設置していく中、木っ端微塵となった
超豪華ペンションの跡地をこそこそと動く人物がいた。

ボルボ「何をしているんだ、両津?」
両津「何だ、ボルボか。木っ端微塵になったが、ここは超豪華な
  ペンションだったんだ。ならば、金目の物が残っているかもしれんだろ?」
ボルボ「お前な・・・(汗」

両津は金目の物が無いかと火事場泥棒の様なマネをしていて、
ボルボは呆れていた。

81ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2014/09/02(火) 10:06:53

五郎「拳一、ボン、チョビお喋りしていないで手を動かす。
    マーボー、洋二へばっていると終わらないぞ!」

ザウラーズの学級委員長である石田五郎は、作業が遅い拳一達に
指示を出すが、あまり聞いていなかった。

プッツン

五郎「お前ら、仕事をしろ〜〜〜〜!!」
拳一「やべえ、五郎が爆発した!」

真面目だが、怒りの沸点が低い五郎は仕事をサボっている拳一達に
ついに感情を爆発してしまい、拳一達は慌てて仕事を再開する。

雲雀「きゃ、痛ぁ〜い」
飛鳥(地球防衛組)「大丈夫ですか?」
ソウシ「大変だ、足から血が出ている。僕が救護用のテントまで送ります」
飛鳥&ソウシ「「ん?」」

荷物を運んでいた雲雀を地球防衛組の月城飛鳥としんせん組の雪見ソウシ
が駆け寄る。その時、飛鳥とソウシはお互い、目を合わせる。

飛鳥「(何か・・・)」
ソウシ「(・・・キャラが被る)」

お互い気障で、女子にモテモテという共通点のある飛鳥とソウシは
両者共にキャラが被っていると思うのであった。

柳生「お前達・・・雲雀を泣かせたな?」ゴゴゴゴゴ
飛鳥「えっ?」
ソウシ「ちょっと、柳生さん?」
柳生「雲雀から、離れろ!」
飛鳥&ソウシ「「うわぁぁぁ」」

雲雀を大切に思う柳生は、足を怪我して涙を流す雲雀を見て
飛鳥とソウシが泣かせたと勘違いして、鬼の様な凄みで睨みつける。
飛鳥とソウシはその場から、逃げ出した。

柳生「さぁ、雲雀。傷の手当てをしに行こう」
雲雀「柳生ちゃん...」

鬼の形相から一変、雲雀に微笑みかける柳生に
雲雀は若干、引くのであった。

イスカンダル「うむ。こうしてみると遠征を繰り返していたあの頃を
        思い出すのう」

別の場所では、イスカンダルはテントが次々と設置していく様を見ていて、
生前、東方へと遠征していたあの頃を思い出し感慨にふけっていた。

鈴雄「イスカンダルさ〜ん、見ていないでテント張り手伝って下さい」
小鈴「大丈夫、お兄ちゃん?」
瑠璃「コーチ、私も荷物お持ちします」

テントを張るべく、荷物を担いでた鈴雄に小鈴や瑠璃が手伝う。

ジョディー「Hey、皆ランチタイムよ!」
レッカ「おっ、待ってました!爆盛りで喰うぜ」

正午になると、ジョディ―を始めとした食事担当の子供達が
お昼の弁当を持ってくる。

マーボー「うわぁ、美味しい」
ワッ太「うん、郁恵ちゃんのおやつにも負けないな」
大輔「ああ〜、光ちゃんが作った弁当を食べられるなんて幸せだ!」

テントの設置でお腹を空かせていた彼らは、弁当を美味しそうに
食べていく。大輔は思いを寄せる光が作った弁当を食べる事が出来て、
涙を流す程、喜んでいた。

結花「はい、金太君」
金太「お・・・ありがとう、ユカ(照」
マリア「仁、口にご飯粒がついているわよ」
仁「おおう・・・」
りんね「これ、私が作ったおかずなんだけど...」
駆「へぇ〜、美味しいぜ!」
りんね「ポッ」
あきら「何だろう...」
ヨッパー「急に、周りが熱くなった気がする」

食事を担当していたマリア達が仁達に弁当を薦めていく。
イチャイチャした雰囲気に特定の女の子と親しくない男子達は
周りの温度が熱くなったような気がするのであった。

瑠璃「コーチ、林檎で兎を作ってみました!食べて下さい」
鈴雄「ありがとう、瑠璃ちゃん」
延珠「蓮太郎、妾が食べさせてやるぞ」
ティナ「お兄さん、私が食べさせます」
蓮太郎「・・・お前ら(汗」
薫「皆本、私の弁当を食べてくれ!」
葵「いや、皆本はんは京風弁当が食べたい筈や」
紫穂「おほほ、皆本さんは私の弁当が食べたいのよ」
皆本「勘弁してくれ...」

雰囲気に当てられてのか、瑠璃は不格好ながらも林檎の兎を
鈴雄に渡す。延珠やティナ、ザ・チルドレンの3人も思い人に
弁当を食べさせようとしたり、弁当を渡したりする。

きらら「・・・鈴雄さんや蓮太郎さん、皆本さんって...」
ハルカ「イケメンだけど」
エリー「ロリコン?」

その様子を見ていた他の女子達に鈴雄や蓮太郎、皆本は
ロリコン疑惑を掛けられるのであった。

82凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2014/09/02(火) 23:17:14
>>78修正

***ブリアン島・東の浜辺***

エビラに船を壊され、呆然とする一同。そこへレッドキングが
迫り来る。

アトム「こうなったら、僕が...」

日本が誇る最高のスーパーロボット、アトムは服を脱ぎ捨てて
足をジェットを噴射して空へ飛び上がって、指からビームを放つ
もののレッドキングには効かなかった。

アトム「うっ...何だろう力が入らない」
健「様子がおかしいぞ?」
文也「そうか、アトムもロボット。地磁気の影響で、回路に異常が起きたんだ!」

アトムも地磁気の影響で、ボディに搭載されている電子回路に
異常が起きてしまう。そして、レッドキングによるパンチで
アトムは吹き飛ばされ、海の中へと沈んでいってしまった。

吼児「アトムが!」
剣「なら、俺がライガーを呼び出すぜ!」
レッドキング「ギャオオオオ!」
剣「うわぁ!」

剣はライガーを呼び出そうとするが、レッドキングによる地響きで
剣は地面に倒れ、頭を打ってしまう。

ゆい&まい「「剣」」
伊達「...大丈夫だ、気絶しているだけだ。エリちゃん、手当てを頼む!」
エリ「分かりました、伊達先生」

医療スタッフとして参加した、医者である伊達明が剣が気絶しているだけ
と判断し、保険医をしている護星天使のエリに介抱を任せた。

レッドキング「キシャ――ォ!!」
エビラ「キェ――!!」

得意のメガトンパンチでアトムを撃破したレッドキングは、
なおも収まらない激しい闘争本能を海上のエビラに向け、激しく咆えた。

レッドキング「キシャ――ォ!!」

地面の岩を蹴ってエビラにぶつけるレッドキングだが、
エビラは巨大な鋏で飛んで来た岩をキャッチし、投げ返す。
それを受け止め、今度は腕でエビラに岩を投げつけるレッドキング。
剛速球と化した岩がエビラの頭に命中し、
ダメージを負ったエビラは水中に身を隠した。

レッドキング「キシャ――ォ!!」

勢いづいたレッドキングは浜辺から海へ乗り込み、
エビラに止めを刺そうとする。
しかしエビラの姿はそこにない。
周囲を見回していたレッドキングは、水中のエビラに足元をすくわれ引っ繰り返った。
倒れたレッドキングの右腕をエビラの左の鋏が捕らえる。

レッドキング「キシャ――ォ!!」
エビラ「キェ――!!」

右腕を鋏まれたまま、エビラとがっぷり四つに組み合うレッドキング。
エビラはレッドキングを水中に引きずり込み、溺死させようとする。
しかしレッドキングは怪力でエビラの左の鋏を引きちぎり、拘束を逃れた。

エビラ「キェ――!!」

鋏を片方失って悶え苦しむエビラ。
レッドキングの左腕からも血がどくどくと流れている。
エビラは泳いで沖へ逃れ、レッドキングも陸に上がって勝負は痛み分けとなった。
ブレイバーズの面々が唖然として見守る中、
レッドキングはそのままジャングルの奥へと姿を消した。

83凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2014/09/03(水) 18:22:47
>>82再修正

***ブリアン島・東の浜辺***

エビラに船を壊され、呆然とする一同。そこへレッドキングが
迫り来る。

アトム「こうなったら、僕が...」

日本が誇る最高のスーパーロボット、アトムは服を脱ぎ捨てて
足をジェットを噴射して空へ飛び上がって、指からビームを放つ
もののレッドキングには効かなかった。

アトム「うっ...何だろう力が入らない」
健「様子がおかしいぞ?」
文矢「そうか、アトムもロボット。地磁気の影響で、回路に異常が起きたんだ!」

アトムも地磁気の影響で、ボディに搭載されている電子回路に
異常が起きてしまう。そして、レッドキングによるパンチで
アトムは吹き飛ばされ、海の中へと沈んでいってしまった。

吼児「アトムが!」
剣「なら、俺がライガーを呼び出すぜ!」
レッドキング「ギャオオオオ!」
剣「うわぁ!」

剣はライガーを呼び出そうとするが、レッドキングによる地響きで
剣は地面に倒れ、頭を打ってしまう。

ゆい&まい「「剣」」
伊達「...大丈夫だ、気絶しているだけだ。エリちゃん、手当てを頼む!」
エリ「分かりました、伊達先生」

医療スタッフとして参加した、医者である伊達明が剣が気絶しているだけ
と判断し、保険医をしている護星天使のエリに介抱を任せた。

レッドキング「キシャ――ォ!!」
エビラ「キェ――!!」

得意のメガトンパンチでアトムを撃破したレッドキングは、
なおも収まらない激しい闘争本能を海上のエビラに向け、激しく咆えた。

レッドキング「キシャ――ォ!!」

地面の岩を蹴ってエビラにぶつけるレッドキングだが、
エビラは巨大な鋏で飛んで来た岩をキャッチし、投げ返す。
それを受け止め、今度は腕でエビラに岩を投げつけるレッドキング。
剛速球と化した岩がエビラの頭に命中し、
ダメージを負ったエビラは水中に身を隠した。

レッドキング「キシャ――ォ!!」

勢いづいたレッドキングは浜辺から海へ乗り込み、
エビラに止めを刺そうとする。
しかしエビラの姿はそこにない。
周囲を見回していたレッドキングは、水中のエビラに足元をすくわれ引っ繰り返った。
倒れたレッドキングの右腕をエビラの左の鋏が捕らえる。

レッドキング「キシャ――ォ!!」
エビラ「キェ――!!」

右腕を鋏まれたまま、エビラとがっぷり四つに組み合うレッドキング。
エビラはレッドキングを水中に引きずり込み、溺死させようとする。
しかしレッドキングは怪力でエビラの左の鋏を引きちぎり、拘束を逃れた。

エビラ「キェ――!!」

鋏を片方失って悶え苦しむエビラ。
レッドキングの右腕からも血がどくどくと流れている。
エビラは泳いで沖へ逃れ、レッドキングも陸に上がって勝負は痛み分けとなった。
ブレイバーズの面々が唖然として見守る中、
レッドキングはそのままジャングルの奥へと姿を消した。

84凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2014/09/03(水) 18:29:46
キャンプ4日目

***ブリアン島・東の平原***

両津「あ〜っ! 魚がない!?」

朝。両津勘吉が朝食の焼き魚を準備しようとクーラーボックスを開けると、
中に入れてあったはずの魚が全部無くなっていた。
そしてクーラーボックスの周囲には、何かの生物の足跡が…。

学「足跡は森の方へ続いている。
 何者かが夜の間にキャンプ場に忍び込んで
 魚を盗んで行ったんだ」
両津「ちくしょー、魚泥棒め! 許さんぞ!」
ボルボ「おい、待て両津!」
宗介「このまま放置しておくのは危険だ。
 再犯防止のため、略奪者には制裁を加える必要がある」
かなめ「ちょ、ちょっとソースケ!?」

両津は足跡を追って森へ入った。
ボルボ西郷と相良宗介も両津に続き、謎の侵入者を追跡する。

宗介「…! 何かいる」

宗介が何者かの気配を感じ取り、両津とボルボを制した。
確かにガサガサと茂みの奥で何かが動いている。
宗介は隠し持っていたスローイングナイフを茂みに投擲した。

ジラ「ギャォォ――ン!!」

攻撃を受け、体長2mほどの二足歩行の怪獣が茂みから飛び出す。
宗介はすかさずアサルトライフルの射撃をその怪獣――ジラに浴びせた。
銃弾を浴びて悲鳴を上げながらジラは横転する。

ジラ「ギャゥゥ――!!」
宗介「くっ!?」

大きく振られたジラの尻尾が、宗介の頭を掠めた。
宗介に噛みつこうと、腹這いのまま襲いかかるジラ。
宗介が後ろに飛び退いて避けた所に、両津とボルボがジラの頭に拳銃の弾を叩き込んだ。
脳天を撃ち抜かれ、ジラは絶命した。

かなめ「ソースケ、大丈夫!?」
宗介「ああ。それにしてもジラか…。魚泥棒はこいつだな」
ボルボ「ジラ?」
宗介「以前ニューヨークに出現し、米軍に撃滅された記録がある怪獣だ。
 その時の交戦データはミスリルでも把握している」
かなめ「ああ、確かアメリカにゴジラ出現!って騒がれたけど、
 後で日本の学界があれはゴジラとは認めなかったって奴でしょ?」
宗介「学術上の分類はどうだっていい。
 ゴジラであろうとなかろうと、危険な生物なのは間違いない。
 魚食性だから、きっと魚の匂いに釣られてやって来たんだろう」
両津「それで魚を盗み食いしてたって訳か」
宗介「ただ幸運なのは、こいつはまだ子供だって事だ。
 成長したジラの大きさはこんなものじゃない。しかし…」
かなめ「…しかし?」
宗介「米軍との交戦時に確認された特徴として、ジラは一度に大量の卵を産む。
 一緒に孵化した仲間がどこかにいるはずだ。
 こいつが、この島で最後の一匹とは思えない…」

その時、キャンプ場の方で悲鳴が聞こえた。

マリア「キャーッ! 怪獣!!」
仁「うわっ! ティラノサウルスか!?」

別のジラがキャンプ場に侵入し、暴れ始めたのである。

宗介「しまった…!」
両津「よし、助けに行くぞ!」

悲鳴を聞いて、宗介達は急ぎキャンプ場へ駆け戻った。

85ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2014/09/04(木) 09:53:45
キャンプ場では、ジラが1頭だけでなく何頭ものジラが所狭しと
暴れていた。侵入してきたジラを相手に生身では戦えないメンバーを
守るべく、生身で戦闘出来るメンバーが戦っていた。蒼摩達、青銅聖闘士や
ガイストクラッシャー、半蔵学院の善忍等は既に装着したり、変身している。

イスカンダル「ふん、怪獣め。余のペットにしてくれるわ!」
ジラ「ギャォォォン」ゴォォォ
イスカンダル「む、こ奴何たる熱い息を吐くのだ!」

イスカンダルはいつもの、TシャツにGパンの姿ではなく
戦闘衣装に姿を変え、短剣をジラ相手に振り回すが
ジラの吐くホットブレスにイスカンダルは怯む。

吼児「うわぁ!」
レッドガンバー「させるか、うおぉぉりゃぁぁあ!!」
蒼摩「―フレイムデスペラード!」
ジラ「ギャォォオオン!」
蒼摩「大丈夫か!?」
吼児「ありがとうございます。蒼摩さん、力哉君」

ジラに襲われる吼児をレッドガンバーに変身した力哉は尻尾を掴み
ぶんぶんと振り回した後、仔獅子座の蒼摩が必殺技で助け出す。

ブルーガンバー「―はっ!龍峰さん、そこの物陰にジラがいます!」
龍峰「廬山昇龍覇!」

ブルーガンバーに変身した鷹介は、強化された聴力によって
物陰に潜んでいるジラを存在を感じ取り、龍峰に教え、龍峰は
必殺の廬山昇龍覇で倒した。

イエローガンバー「よっしゃー、天界・・・いや、シュリケンジャー。
      コンビネーション戦法だ!」
シュリケンジャー「分かった!」

イエローガンバーに変身した虎太郎とシュリケンジャーに変身した
天界は高速に動き、複数のジラを翻弄していく。

レッカ「ウェポンフォーム、炎狼剣」
大輔「フレイドラモン、レッカを援護だ!」
フレイドラモン「応、ナックルファイア!」

レッカはフレイム・フェンリルをウェポンフォーム『炎狼剣』という
斬馬刀の様な剣に変え、襲いかかるジラを倒していく。大輔も
ブイモンをフレイドラモンにアーマー進化させ、援護をさせた。

刃「―かみなり斬り!」
イズナ「俺の怒りは派手だぞぉぉ!!」

刃は十八番のかみなり斬りでジラを斬っていき、雷属性のガイスト
『ライトニング・ドラグーン』を装着したイズナが雷をぶつける。

飛鳥「秘伝忍法・半蔵流乱れ咲き」
栄人「十文字岩石崩し」
クラマ「真銅忍法、秘伝・山嵐」

土属性の忍者である飛鳥、狼座の栄人、真銅クラマは
それぞれの必殺忍法でジラを倒していった。

ユナ「ディバイントルネード」
葛城「トルネードシュピンデル」
ハヤト「金剛鳥人拳・黄金旋風掌」

風属性を持つ白鷲座のユナ、葛城、金剛ハヤトは竜巻を起こして
ジラを吹き飛ばしていく。

ジラ「ギャァァァ」
シレン「このようなコンサートは中止にさせてもらう」
斑鳩「私もお手伝いさせてもらいます」

シレンが凍りつかせ、斑鳩の炎が燃やしていく。

柳生「雲雀、行くぞ!」
雲雀「うん、柳生ちゃん。秘伝忍法『うさぎさんお願い、蹴散らせ』」

雲雀と柳生はそれぞれ忍兎と巨大イカを召喚し、忍兎がイカの上に
さらにその上に雲雀と柳生が乗り、イカの足はプロペラの様に回転して
突撃した。

ジラ「ギャァァァス」
ナミダ「やった。怪獣が逃げていくぞ」
ハチロー「助かった〜」

彼らの活躍もあり、残ったジラ達も森の中へと逃げて行き、
それぞれ安堵するのであった。

86ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/09/04(木) 17:47:06
>>80-81続き

***コテージ内のキッチン***

エリ「ふ〜ん、それでさっきからみんな
 機嫌が悪そうだったのね」
ユナ「それだけみんなのことを気にしてくれているのよ。
 きっと貴女たちのことを妹みたいに思ってるのね。
 皆本さんも蓮太郎さんも」
延珠「そこがまた気に入らんのじゃ!」
葵「そーやそーや!」

川のほうへと出かけた男子チームが魚を釣って帰ってくるのを待ちつつ、
野菜などの食材の下ごしらえの最中の女子チームである。

船旅の最中、夏の思い出を作ろうと色仕掛け全開で
皆本や蓮太郎に迫ったものの、尽く不発に終わり
ご機嫌斜めの薫や延珠たち。彼女らと一緒に作業している
ゴセイピンク=エリ(仮面ライダーバース・プロトタイプ/伊達明と共に
保険医として同行)や青銅聖闘士・鷲座(アクィナ)のユナは、
薫たちから延々と愚痴を聞かされ続けているのであった…。

ユナ「可愛いから尚更自制してるのよ」
薫「だけどー!」


一方、その頃…。

***川原***

コテージやテントが設置された場所から
少し離れた位置にある川原である。

タマネギ「じゃあ頑張って釣って来てください」
タケル「お世話になります」

魚釣り用の餌を運んできたタマネギ部隊から
餌のたっぷり入ったバケツを受け取る男子チーム。

宗介「山本特務技官殿、ここで我々が釣った魚が今夜の
 メインディッシュになるということか?」
大介「まー、そういうことになるな。しかしソースケ、
 その"特務技官殿"という呼び方は止めてくれ。
 俺の事はアマゾンでいい」

相良宗介から特務技官などという堅苦しい肩書きを勝手に付けられ、
指導役である仮面ライダーアマゾン/山本大介はかなり困惑していた。

宗介「…うむ、わかった。それではアマゾン、
 魚を釣るならばもっと効率的な作戦を提案したい」
大介「……??」
宗介「これで根こそぎにしてはどうでありますか?」

宗介は懐から徐(おもむろ)に手榴弾を取り出した。
瞬く間に大介は血の気が引き、大慌てでそれを引っ込めさせる。

大介「武器の使用は許可できない!
 頼むから現地のルールに従ってくれ!…(汗」

87ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/09/04(木) 17:47:43
さしもの栄光の昭和ライダーに名を連ねるアマゾン=山本大介も、
戦争ボケ男=相良宗介の前には形無しである。
その様子を同じく釣りをしながら伺っている少年がいた。

蒼摩「…まったく、何やってんだか」

仔獅子座(ライオネット)の蒼摩(そうま)。
栄斗やユナたちと同じく今回のキャンプに参加してきた
次世代の青銅聖闘士の一人である。

賢「餌はイクラとハニーワームがあるけど…」
ワームモン「賢ちゃん、ハニーワームって何?」
賢「蜂の巣に寄生する芋虫で、釣り餌の定番だよ」

賢は笑顔でそう言うと、ワームモンの目の前で
ハニーワームを釣り針にブスリ!と刺し込む。

ワームモン「ちょ…ちょっと複雑な気分だよ…(汗」
大輔「うわ! もう釣れたぞ!」
ブイモン「やったね大輔!」
蒼摩「ほら、お前らもどんどん釣れ!
 今夜は忙しくなるからな。メシはなるべく早く
 済ませねーと」
伊織「蒼摩さん、何でですか?」

伊織から問われた蒼摩の目つきが途端に怪しくなる…。

蒼摩「夏の思い出…欲しくねーか?」

大輔「――!!」
賢「――!!」
タケル「――!!」
伊織「――!!」

蒼摩「そこに魚(オンナ)が泳いでいるっていうのに、
 男が手をこまねいて見てていいわけないだろ?」
大輔「マ、マジッすか…!?」
蒼摩「俺が手伝ってやるよ。なあに、お前らなら
 落とすのは難しくねえ。あとはお前らのやる気次第だ。
 各自、今の内に攻略目標を決めておけ!」
タケル「こ、攻略って…(汗」

88ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/09/04(木) 17:48:46
〜その日の夜〜

***ブリアン島少し山奥の神社***

ここはキャンプ地から少し山奥を登ったところにある神社。
――と言っても、日本領でもない無人島に元々神社がある訳が無いので、
当然この日のイベントのために前もって設置された即席のセットである。

骸骨女(紫穂)「ヴがあああぁぁぁ!!!!!」

夜の肝試しイベント。ゴールである神社にやって来たカップルを
骸骨女の扮装をした紫穂が脅かすが…。

アルマジモン「だぎゃ?」
紫穂「キャアアァ――ッッ!!!」

元々幽霊などが苦手で恐がりの紫穂は、
夜の闇でよく見えないデジモンの人影を見て
逆に悲鳴を上げて腰を抜かしてしまう始末であった。

伊織「紫穂さん、どうしたんですか?」
アルマジモン「オレはお化けじゃないだぎゃ!(怒」
骸骨女(紫穂)「だって〜!だって〜!(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル」
幽霊(蓮太郎)「おいおい、脅かす側がビビッテどうするんだよ!」

伊織と共にゴールに着いたものの、
お化けと間違われ憤慨するアルマジモン。
未だに立ち上がれず震えたままの紫穂。
そして紫穂と同じく裏方として幽霊役に回り、
三角の白紙の額烏帽子(ぬかえぼし)をつけ
白衣を着た蓮太郎である。

骸骨女(紫穂)「なんで肝試しなのよ! こんなのつまんない!
 花火とかキャンプファイヤーでもいいじゃない!」
幽霊(蓮太郎)「文句があるなら蒼摩の奴に言ってくれ。
 肝試しを提案したのはアイツだろ。お前があんまり
 恐がるから仕掛け側にしてやったんじゃないか」
骸骨女(紫穂)「納得いかないわ! この隙に薫ちゃんや葵ちゃんに
 抜け駆けでもされたら誰が責任とってくれるわけ!?」
幽霊(蓮太郎)「でもあの皆本って人は"引率のお兄さん"から、
 決してブレたりしないと思うぜ」
骸骨女(紫穂)「まーね、その点は皆本さんもあなたも
 つまんない人よね。延珠ちゃんとティナちゃんが可哀想…」
幽霊(蓮太郎)「…ん? 何か言ったか?」
骸骨女(紫穂)「いえ別に」

皆本の第一印象を述べた蓮太郎に対して、
「お前がそれを言うか!」という感情を顔に出す紫穂。

幽霊(蓮太郎)「わかったらちゃんとお化けらしく仕事しろ。
 みんなが迷わないための監視員も兼ねてるんだからな。
 ビクビクしてると本物の幽霊が寄ってくるぜ」
骸骨女(紫穂)「ちょ、やめてよ!マジで殺すわよ!」

89ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/09/04(木) 17:49:21
***神社へと続く山道***

京「キャーキャー賢くーん!!!!!!」
賢「苦しい…苦しいよ京さん!」

目の前を浮遊する火の玉に驚いた京が
咄嗟に賢に抱きつく。

京「だって…」
賢「よく見なよ京さん。毛糸球が燃えているだけさ。
 きっと裏方に回ったヒーローの誰かが念動力か何かで
 燃やしてるんだよ」

怖がる京を賢は必死に宥める。
賢の指摘どおり、この火の玉は蒼摩が火の属性の小宇宙(コスモ)を
利用して作り出したものだった。

蒼摩「賢、グッジョブだ! このまま一気にフラグを!」

一方、同じ山道ルートの少し離れた位置では…。

ティナ「へぇー、お爺様が税金の面でいろいろとご苦労を…」
ケンタ「そうなんだよ」

延珠「延珠ちゃんと呼んでくれて構わないのだ!」
北斗「ありがとう延珠ちゃん」

大輔「なぜだああ〜!! なんでヒカリちゃんとペアじゃないんだああ〜!!
 しかもよりにもよって男と!?」
龍峰「うう…なんかよくわからないんだけど……とにかくごめん(汗」

それぞれくじ引きで選ばれた、ティナ・スプラウト&天野ケンタ、
藍原延珠&草薙北斗、本宮大輔&龍座(ドラゴン)の龍峰のペアが
時間差を置いて順次出発してゴールの神社を目指していたのであった。

90ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/09/04(木) 17:49:53
○エリ→食材の下ごしらえ中に、藍原延珠や明石薫から愚痴を聞かされる。
○鷲座のユナ→食材の下ごしらえ中に、藍原延珠や明石薫から愚痴を聞かされる。
○藍原延珠→食材の下ごしらえ中に愚痴をつぶやく。→夜の肝試しでは草薙北斗とペアに。
○ティナ・スプラウト→食材の下ごしらえ中に愚痴をつぶやく。夜の肝試しでは天野ケンタとペアに。
○明石薫→食材の下ごしらえ中に愚痴をつぶやく。
○野上葵→食材の下ごしらえ中に愚痴をつぶやく。
○三宮紫穂→食材の下ごしらえ中に愚痴をつぶやく。肝試しではお化け役に。
○相良宗介→魚釣り担当チームに同行。魚捕獲に手榴弾を用いようとし、アマゾンを慌てさせる。
○山本大介→魚釣り担当チームに指導役として同行。
○仔獅子座の蒼摩→男子の面々に女子との思い出作りを唆し、肝試しを提案。
○本宮大輔→夜の肝試しに参加するが、当てが外れて龍峰とペアに。
○一乗寺賢→夜の肝試しに井ノ上京とペアとなり参加。
○井ノ上京→夜の肝試しに一乗寺賢とペアとなり参加。
○高石タケル→魚釣りに行く。
○火田伊織→肝試しにアルマジモンとペアになり参加。
○アルマジモン→夜の肝試しに火田伊織とペアになり参加。三宮紫穂にお化けと間違われ憤慨する。
○里見蓮太郎→肝試しに幽霊役として裏方に回る。
○天野ケンタ→夜の肝試しではティナ・スプラウトとペアに。
○草薙北斗→夜の肝試しでは藍原延珠とペアに。
○龍座の龍峰→夜の肝試しでは本宮大輔とペアに。

91凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2014/09/04(木) 21:00:13
>>80加筆

キャンプ場には小さなコテージが一軒あって、
主に大人達がそこへ荷物の搬入を行なっていた。
2階建ての南国風ログハウスで、
屋根には太陽光発電のソーラーパネル、床下には地下水を汲み上げるポンプがあり、
インフラのないこの無人島でも電気や水道が使えるようになっている。

かなめ「ほら、超豪華ペンションなんてなくても、
 こんな小洒落たコテージがちゃんとあるじゃない」
パタリロ「うう…。この僕が寝泊まりするには、
 少々質素すぎるホテルだが…」
タマネギD「何を仰せられます?
 このコテージは宿泊には使いませんよ。
 何しろ4人用のベッドルームが1室あるだけで、
 皆で寝泊まりするにはあまりに小さすぎますからね」
タマネギE「陛下には、こちらのテントにお泊まりいただきます。
 最高級のペルシャ布で編まれたスペシャルオーダーメイドの一品です。
 さあ、設営の準備を!」
パタリロ「な、何〜い!?」

意味不明なところに金をかけた特別仕様のテントを担がされ、
パタリロはトボトボとコテージを去って行った。

学「ここは炊事の時にキッチンを使うくらいで、
 基本は皆テントという事になります。トイレや洗濯もここで。
 それと病人や怪我人が出た場合は、
 ベッドルームに寝かせて看護しましょう」
文矢「風呂はここでシャワーを浴びてもいいけど、
 ちょっと歩いた森の中に温泉があるから、
 できるだけそっちを使ってもらいます」

さて、相良宗介に自分が泊まる予定だった超豪華ペンションを
木っ端微塵に吹き飛ばされ、コテージからも追い出されてしまったパタリロだったが、
なんだかんだとぶつくさ文句を言いつつも、意外にも
他の子供たちとも仲良くしながらせっせとテント設置作業に励んでいた。

かなめ「へぇ〜。すぐに音を上げると思ってたのに、
 なかなかやるじゃない」

作業を手伝いながらパタリロの様子を伺っていた
千鳥かなめが感心していると、タマネギ部隊の数人が
話しかけてきた。

タマネギA「ああ見えて殿下はなかなかタフですよ。
 僅か10歳でご父君を亡くされ、その小さい両肩に
 国家と国民の将来がのしかかっておいでなのですから」
かなめ「そっか…。あの子も小さいながらに苦労してるんだ」
タマネギB「並みの苦労ではありませんよ。
 内乱が勃発した某独裁国家から銃弾の飛び交う中、
 戦闘機を一機失敬して脱出を敢行されたこともありましたし」
タマネギC「数万光年彼方の銀河宇宙を放浪して、
 奴隷商人に捕獲されて売り飛ばされそうに
 なったこともあったよな」
かなめ「………す、すごい苦労してたのね(汗」

一方、皆が着々とテントを設置していく中、木っ端微塵となった
超豪華ペンションの跡地をこそこそと動く人物がいた。

ボルボ「何をしているんだ、両津?」
両津「何だ、ボルボか。木っ端微塵になったが、ここは超豪華な
  ペンションだったんだ。ならば、金目の物が残っているかもしれんだろ?」
ボルボ「お前な・・・(汗」

両津は金目の物が無いかと火事場泥棒の様なマネをしていて、
ボルボは呆れていた。

92ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2014/09/05(金) 08:58:06
>>85修正

キャンプ場では、ジラが1頭だけでなく何頭ものジラが所狭しと
暴れていた。侵入してきたジラを相手に生身では戦えないメンバーを
守るべく、生身で戦闘出来るメンバーが戦っていた。蒼摩達、青銅聖闘士や
ガイストクラッシャー、半蔵学院の善忍等は既に装着したり、変身している。

イスカンダル「ふん、怪獣め。余のペットにしてくれるわ!」
ジラ「ギャォォォン」ゴォォォ
イスカンダル「む、こ奴何たる熱い息を吐くのだ!」

イスカンダルはいつもの、TシャツにGパンの姿ではなく
戦闘衣装に姿を変え、短剣をジラ相手に振り回すが
ジラの吐くホットブレスにイスカンダルは怯む。

吼児「うわぁ!」
レッドガンバー「させるか、うおぉぉりゃぁぁあ!!」
蒼摩「―フレイムデスペラード!」
ジラ「ギャォォオオン!」
蒼摩「大丈夫か!?」
吼児「ありがとうございます。蒼摩さん、力哉君」

ジラに襲われる吼児をレッドガンバーに変身した力哉は尻尾を掴み
ぶんぶんと振り回した後、仔獅子座の蒼摩が必殺技で助け出す。

ブルーガンバー「―はっ!龍峰さん、そこの物陰にジラがいます!」
龍峰「廬山昇龍覇!」

ブルーガンバーに変身した鷹介は、強化された聴力によって
物陰に潜んでいるジラを存在を感じ取り、龍峰に教え、龍峰は
必殺の廬山昇龍覇で倒した。

イエローガンバー「よっしゃー、天界・・・いや、シュリケンジャー。
      コンビネーション戦法だ!」
シュリケンジャー「分かった!」

イエローガンバーに変身した虎太郎とシュリケンジャーに変身した
天界は高速に動き、複数のジラを翻弄していく。

レッカ「ウェポンフォーム、炎狼剣」
大輔「フレイドラモン、レッカを援護だ!」
フレイドラモン「応、ナックルファイア!」

レッカはフレイム・フェンリルをウェポンフォーム『炎狼剣』という
斬馬刀の様な剣に変え、襲いかかるジラを倒していく。大輔も
ブイモンをフレイドラモンにアーマー進化させ、援護をさせた。

刃「―かみなり斬り!」
イズナ「俺の怒りは派手だぞぉぉ!!」

刃は十八番のかみなり斬りでジラを斬っていき、雷属性のガイスト
『ライトニング・ドラグーン』を装着したイズナが雷をぶつける。

飛鳥「秘伝忍法・半蔵流乱れ咲き」
栄人「十文字岩石崩し」
クラマ「真銅忍法、秘伝・山嵐」

土属性の忍者である飛鳥、狼座の栄人、真銅クラマは
それぞれの必殺忍法でジラを倒していった。

ユナ「ディバイントルネード」
葛城「トルネードシュピンデル」
ハヤト「金剛鳥人拳・黄金旋風掌」

風属性を持つ鷲座のユナ、葛城、金剛ハヤトは竜巻を起こして
ジラを吹き飛ばしていく。

ジラ「ギャァァァ」
シレン「このようなコンサートは中止にさせてもらう」
斑鳩「私もお手伝いさせてもらいます」

シレンが凍りつかせ、斑鳩の炎が燃やしていく。

柳生「雲雀、行くぞ!」
雲雀「うん、柳生ちゃん。秘伝忍法『うさぎさんお願い、蹴散らせ』」

雲雀と柳生はそれぞれ忍兎と巨大イカを召喚し、忍兎がイカの上に
さらにその上に雲雀と柳生が乗り、イカの足はプロペラの様に回転して
突撃した。

ジラ「ギャァァァス」
ナミダ「やった。怪獣が逃げていくぞ」
ハチロー「助かった〜」

青銅聖闘士達以外にも、ザ・チルドレンのエスパー能力や蓮太郎達の
格闘、しんせん組の彼らの斬撃と彼らの活躍もあり、残ったジラ達も
森の中へと逃げて行き、それぞれ安堵するのであった。

93ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2014/09/05(金) 10:16:17
>>90の続き

勇太「うう〜、怖いなあ。」
勉「大丈夫ですよ、勇太君。驚かすのは、他の皆なのですから
  怖がる必要はありません!」

勇太と勉のペアはゴールを目指すが、お化けの苦手な勇太は
怖がるが、勉が怖がる必要が無いと励ます。・・・というわりには
勉の恰好はお祓いをする時の衣装に着替えていた。どう見ても、
怖がっている証拠である。

ピタ

勇太「ひぃぃぃ〜〜、今誰かが触った様な・・・」
勉「き、きっと誰かが背中にコンニャクを付けたとか、そんな所ですよ。
  はは・・・はは...」

悪寒を感じた勇太に、勉は誰かが仕掛けたのだと言うが、
顔を引き付けながら、苦笑していた。

ピタ

勉「うわぁぁぁ、南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏・・・ブツブツ」

勇太同様、背中に誰かが触った様な感覚がした勉は
念仏を唱えだす。

がさがさ

勉「だ、誰ですか!?」
化け猫A「にゃぁぁぁぁ」
化け猫B「にゃぁぁぁぁぁ」
勇太&勉「「うわぁぁぁぁぁぁ!!!」」

茂みから両目を光らせた化け猫が2匹飛び出したので、
驚いた勇太と勉は向こうへと逃げ出すのであった。

化け猫B(虎太郎)「へへ、驚かせ成功♪アトム、サーチライト消していいぞ」
化け猫A(アトム)「分かったよ、虎太郎君」

茂みから現れたのは、化け猫に変装した虎太郎とアトムだった。
因みに虎太郎は虎猫の様に縞模様があり、アトムの方は両目の
サーチライトがついていた。

鷹介「それにしても、アトムって猫の恰好が似合うよね」
力哉「アトムキャットって所だな」

コンニャクをぶら下げた竿を持った鷹介と力哉も、茂みから
現れて猫そっくりなアトムに感心した。

一方、別のルートでは...。

フランケンシュタイン(大介)「うがぁぁぁ」
りえ「ああん?てめぇ、『稲妻崩しのりえ』と知って、ガンたれにきたのか!」
フランケンシュタイン(大介)「ひぃぃぃ」
ダンゴ「お、おい。大介が怖がっているから辞めなよ〜」
りえ「あ〜ん。団さまが言うなら、許すわ」ルンルン

フランケンシュタインの怪物に扮した大介だったが、スケ番で
団五郎と同じバトルスーツ・フラッカー1号の搭乗者で、一方的に
慕っている轟りえがガンを飛ばす。それにより、大介は逆に
怖がったので、団五郎がりえを止めて、途端にりえは態度を
変えるのであった。

〜キャンプ場〜

きゃぁぁぁぁ

伊達「おっ、悲鳴が聞こえてきた。青春だねえ〜」
イスカンダル「全くだのう」

キャンプ場では、外科医の伊達明はイスカンダルと共に
持ち込んだおでんを食べながら、肝試しの様子を見ていた。

イスカンダル「・・・所で、お主は医者でありながら相当強いと聞く。
        どれ、余に仕えて共に世界を治め、ゆくゆくはあの満天の
        星の海を旅しようではないか?」

イスカンダルは伊達の医療技術とバースとなってグリードと戦った戦闘経験
から、自分の臣下に加えようと星空を指さしながらスカウトを持ちかける。

伊達「はっはっは、アンタ面白い事を言うね。
   でも、まだまだこの世界には傷ついている人達が大勢いるんだ。
   俺はその人等を治療しなければならないんでね。断るよ」
イスカンダル「・・・そうか、残念だのう」

伊達に断られ、肩を落とすイスカンダルだが、すぐに気持ちを
切り替えて、おでんを口にするのであった。

94ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2014/09/05(金) 10:58:45
〜肝試しの後〜

駆「へへ、風呂だ〜!」
虎太郎「俺も入るぜ!」

ザッパ〜ン

駆「気持ちいいぜ」
勉「駆君、虎太郎君。風呂に飛び込んではいけません」

肝試しが終わり、ブリアン島へ来て最初の入浴となった。
風呂に飛び込んだ駆と虎太郎を勉が注意をする。

ひでのり「そうですよ。まずは体を洗ってから、湯船に浸かるのです」
あきら「よ、我らが銭湯愛好家!」
ヨッパー「言う事が違うぜ」

地球防衛組の一人で、銭湯愛好家である近藤ひでのりは
お風呂でのルールを駆達に教える。あきらとヨッパーはそれを
囃し立てた。

葛城「おお、イサミ。胸成長したかぁ〜♪」
トシ「ピク」
イサミ「や、やめて下さい。葛城さん!」
ソウシ「ピク」

壁の向こうにある女湯から、葛城がイサミの胸を触ろうとする
会話が聞こえてきて、トシとソウシが反応する。

まい「ゆい、肌スベスベになってないか?」
ゆい「そういう、まいも日に焼けて、健康的な小麦色じゃないかしら?」
ミニナイト「はっはっは、ゆい。ゆい」
剣「やめろ、ミニナイト」

続いて、神代ゆい、まいの会話を聞いて、ミニナイトが壁に
近づこうとするが、剣がそれを止めようとする。

エリカ「しのぶ、また胸大きくなってない?」
しのぶ「そ・・・そうかな?」
薫「ふふふ、ならこの私が確かめてあげよう。うりゃぁー」
しのぶ「け、結構よ!」

さらにしのぶの胸を揉もうと、薫がセクハラを始める。

大輔「この壁の向こうには、ヒカリちゃんがいるんだよな...」
ボン「向こうには...」
チョビ「女の子がいっぱい...」

風呂に入浴していた男子達は、女の子の会話を聞こうと
壁に集まってくる。

名護「おっほん」
男子一同「―ギクッ」」
名護「君達、君達が思春期の男子だという事は十分分かっている。
   女の子にも興味を持つだろう。しかし、君達の年齢だと悪戯で
   済むだろうが、覗きは本来、犯罪行為だ。そのような行為を
   この名護啓介は見過ごすわけにはいかない。もし、したならば、
   それ相応の罰が下る事を覚えておきなさい」
男子一同「―は、はい」
名護「では、私はもう出る」

湯気の向こうから現れたのは、「素晴らしき青空の会」所属の
バウンティハンター・名護啓介。その凄みから、男子一同は
おとなしく湯船に浸かり、名護は風呂場から出るのであった。

95凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2014/09/05(金) 22:13:51
>>94加筆

〜肝試しの後〜

駆「へへ、風呂だ〜!」
虎太郎「俺も入るぜ!」

ザッパ〜ン

駆「気持ちいいぜ」
勉「駆君、虎太郎君。風呂に飛び込んではいけません」

肝試しが終わり、ブリアン島へ来て最初の入浴となった。
風呂に飛び込んだ駆と虎太郎を勉が注意をする。

ひでのり「そうですよ。まずは体を洗ってから、湯船に浸かるのです」
あきら「よ、我らが銭湯愛好家!」
ヨッパー「言う事が違うぜ」

地球防衛組の一人で、銭湯愛好家である近藤ひでのりは
お風呂でのルールを駆達に教える。あきらとヨッパーはそれを
囃し立てた。

葛城「おお、イサミ。胸成長したかぁ〜♪」
トシ「ピク」
イサミ「や、やめて下さい。葛城さん!」
ソウシ「ピク」

壁の向こうにある女湯から、葛城がイサミの胸を触ろうとする
会話が聞こえてきて、トシとソウシが反応する。

まい「ゆい、肌スベスベになってないか?」
ゆい「そういう、まいも日に焼けて、健康的な小麦色じゃないかしら?」
ミニナイト「はっはっは、ゆい。ゆい」
剣「やめろ、ミニナイト」

続いて、神代ゆい、まいの会話を聞いて、ミニナイトが壁に
近づこうとするが、剣がそれを止めようとする。

エリカ「しのぶ、また胸大きくなってない?」
しのぶ「そ・・・そうかな?」
薫「ふふふ、ならこの私が確かめてあげよう。うりゃぁー」
しのぶ「け、結構よ!」

さらにしのぶの胸を揉もうと、薫がセクハラを始める。

大輔「この壁の向こうには、ヒカリちゃんがいるんだよな...」
ボン「向こうには...」
チョビ「女の子がいっぱい...」

風呂に入浴していた男子達は、女の子の会話を聞こうと
壁に集まってくる。

名護「おっほん」
男子一同「―ギクッ」」
名護「君達、君達が思春期の男子だという事は十分分かっている。
   女の子にも興味を持つだろう。しかし、君達の年齢だと悪戯で
   済むだろうが、覗きは本来、犯罪行為だ。そのような行為を
   この名護啓介は見過ごすわけにはいかない。もし、したならば、
   それ相応の罰が下る事を覚えておきなさい」
男子一同「―は、はい」

湯気の向こうから現れたのは、「素晴らしき青空の会」所属の
バウンティハンター・名護啓介。その凄みから、男子一同は
おとなしく湯船に浸かるのであった。

名護「そんな下らない事よりも、自分が世界のために何ができるかを考えなさい。
 そもそも私がこの合宿に敢えて参加したのは、
 ブレイバーズの、そして人類の未来を担う若い君達を教育し、
 ゆくゆくは私がブレイバーズの長となって、
 世界の在り方を管理していくためなのだ。
 私は正しい。君達は、私を信じてついて来なさい」
男子一同「はぁ…」

良い事を言っているようでどこか勘違いしているような、
よく分からない説教をしてから名護は立ち上がった。

名護「では、私はもう出る」

96ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/09/06(土) 13:20:54
キャンプ編の議題からは逸れますけれど、
ここでシグフェル編のネタバラシを…。

セーラ深町との一件から数日後のこと。
GFの沢渡優香が学校の生物化学担当の女教師・東条寺理乃から
自宅での個人的な研究の助手を務めることを半ば強要に近い形で
迫られ困り果てていることを知った牧村光平は、その代わりを
買って出る。以前から東条寺の身辺で女子生徒が何人も謎の失踪を
遂げているという噂があった。

案の定、光平は訪れた東条寺邸にて出されたコーヒーに睡眠薬を盛られ、
意識を失ってしまう。(実はここで人間をイーバや堕神に覚醒される
生体実験が繰り返されていた!)

その日の深夜、落雷が東条寺邸に命中し、屋敷は瞬く間に炎上。
光平は駆けつけた救急隊によって辛うじて助け出され、病院へと担ぎ込まれたが
意識不明の重体に。ちなみに燃え尽きた屋敷跡からは、行方不明となっていた
女子生徒の死体が多数発見されたが、東条寺理乃自身は発見されず行方を晦ます。

さらに数日後、優香の懸命の看護の甲斐もあって、光平はようやく意識を取り戻し
退院する。しかしその日から学校の部活の練習中に打ったボールが剛速球でネットを突き破って
コンクリートの壁にめり込んでしまったり、水道の蛇口をねじ切ってしまったりするなど、
光平の体調に異常な変調が見られるようになる。

それとほぼ同時期にGショッカーの怪人とは明らかに違う正体不明の怪物群が
暗躍を開始し始める。時空クレバスを意のままに操るその怪物たちには、
ブレイバーズのヒーローたちの攻撃もほとんどまともに当たらず、対策は難航。
警視庁の提案によって、その怪物群には暫定的に「イーバ(EBE)」の名称がつけられた。

イーバに対し何ら有効な手を打ち出せないまま、苦戦を続けるブレイバーズ。
だがそこへ、イーバとはまたさらに別の、謎の異形の戦士が姿を現し
凄まじい威力の攻撃で瞬く間にイーバの群れを蹴散らし、そのまま背を向けて立ち去っていった。
生き残ったイーバの一体が逃げ去る寸前に呟くように言い残した言葉。それは「シグフェル」…。

謎のヒーロー「シグフェル」の出現に、ブレイバーズ上層部は騒然となる。
イーバに対抗するためにも、なんとしてもシグフェルの正体を突き止め、
ブレイバーズの味方に引き入れなければならない。
そんな時、ブレイバーベース総司令官・佐原博士の懐刀として知られる、
レッドマフラー隊の剣持保隊長がようやくアフリカから日本に帰国。
剣持にシグフェル捜索&捕獲(場合によっては抹殺)の任務が下ることとなる。

シグフェルの正体は光平だった。まだ光平自身、シグフェルの力を己の意思で
自在にコントロールできず、本能的に戦いに赴くまま、時によってはブレイバーズの
ヒーローにすらその攻撃の矛先を向けてしまうことすらあった。
ある日、親友の朝倉慎哉や優香にも変身の現場を目撃されるが、
慎哉と優香は最初こそショックを受けるものの、以前と変わらぬ友情を光平に示す。
特に優香は、光平の肉体の異変は元を辿れば自分が原因という負い目を感じていた。
光平は自分の身体の異変の真相を突き止めるべく、自らの意思でイーバとの闘いに
身を投じていく。(まだこの時点では、光平に"地球の平和を守る"といった自覚や
使命感は無い。)

97ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/09/06(土) 13:21:43
ある休日、慎哉から気晴らしを勧められ、優香とデートに出かけた光平。
行った先はサージェスミュージアム。そこでGショッカーの攻撃に遭遇。
光平はシグフェルに変身して、優香や他の人々を守るためにGショッカーに立ち向かう。
これがシグフェルとGショッカーとのファーストコンタクト&バトルとなる。
ミュージアムに保管されていたプレシャスの一つ「炎の剣」が蘇り、
「フレアセイバー」となってシグフェルの手に渡る。
ここでシグフェルのフレアセイバーに一刀両断され、Gショッカーの大物幹部が
戦死するというまさかの事態に!(誰にするかはまだ未定)

マシーン大元帥「なんだアイツはいったい何者なんだ!」
地獄大使「表裏六柱の至高邪神はお怒りだ! お前たちアイツを倒すのだ!」

意外な敵の新たな出現に、無幻城は大騒ぎとなる。
そしてその様子は地球連邦軍内部のロゴス派も察知していた。

コルベット「フハハハ! 勝てる! これで我々は奴らに勝てるぞ!
 三輪長官、ついでに貴官の仇もとってきてやろう」
三輪「気持ちは嬉しいがな。果たしてそう上手くいくかな?
 極東の連中はああ見えてなかなか手ごわいぞ。フフフ…」

ロゴス派の軍人であるコルベット准将は、シグフェルを捕獲して
自らの陣営の手駒とすべく、地球連邦政府再建委員会を通して根回しを進め、
子飼いの部隊を率いて日本へと上陸する。正規の手続きと命令を踏んで来ているため、
岡長官もコルベットを追い返すことが出来ず対応に苦慮する。
Gショッカーでも、エゴス随一の鑑識とプロファイリングの達人である
ホウタイ怪人がシグフェル捕獲作戦をリードしていく。
ここに、ブレイバーズ(剣持)、Gショッカー(ホウタイ怪人)、ロゴス(コルベット)による
三つ巴のシグフェル捕獲戦が展開される事態に発展していく。

98ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/09/06(土) 14:07:20
〜上陸2日目・午前〜

ブリアン島上陸2日目は、海水浴である。
それぞれ水着に着替えた子供たちは、
準備体操を終えた後、一斉に海へと飛び込んでいく子もいれば、
砂遊びやビーチバレーに興ずる子たちもいる。

健「お〜い、くれぐれも岸から遠くまで行き過ぎるんじゃないぞ〜!」

沖合いでは、海水浴中の子供たちが岸から離れすぎて
遭難したりしないように、大人や高校生たちが何人かの組に分かれ
ボートに乗って警戒している。

ヒカリ「どお…? 大輔くん タケルくん」
タケル「うん、とっても可愛いよ」
大輔「……(ヒカリちゃんの水着姿だぁ…!)」

女子の水着姿に見とれる健全?な男子もいれば…

延珠「どうじゃ蓮太郎、妾の水着姿は?」
蓮太郎「うん、いいんじゃないか」
ティナ「お兄さん、私の水着は…どうでしょうか?」
蓮太郎「うん、いいんじゃないか」
延珠「………」
ティナ「………」

実は蓮太郎は浜辺に寝転がりながら、ビーチハラソルの下で
ずっと昆虫の本を読んでおり、延珠とティナのいる方向には
全く目を向けていない。適当に空返事で返しているのは明白だった。

延珠「もういいのだ!(怒」
ティナ「行きましょう延珠さん!(怒」
蓮太郎「…ん? 二人とも何怒ってんだ…??」

そしてしんせん組は海辺で水の掛け合いっこをして戯れている。

トシ「わぁっ!?(バッシャーン」
イサミ「ふっあははははは!!!ちょwwwwトシwwww何やってんのwwwwwあははははは!!!」
トシ「やったなああっっ!!!お返しだ!!」
イサミ「キャァッ!!」

こうして午前中の日程は順調に過ぎていく…。

99凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2014/09/06(土) 22:47:14
3日目

***ブリアン島・西の岬***

昨晩、マグネドンが襲来したGショッカー基地は
あちこちが破壊され、瓦礫の山となってしまっていた。

ジャガーバン「おのれ怪獣め…。
 基地は壊され、気象コントロール装置も踏み潰されて実験は大失敗だ」
カニバブラー「装置が暴走したせいで、島の気候は完全に狂ってしまったようだな。
 まるで恐竜時代に戻ったかのような暑さだ」
アルマジーグ「魔神提督との連絡も取れん。
 謎の磁気嵐のせいで通信不能になっているのだ」
モグラング「今回の作戦の主将はお前だろう、ジャガーバン。
 これからどうするのだ?」
ジャガーバン「撤退が不可能となれば、我らはここを死守するしかない。
 とにかく基地を復旧し、装置を直して気象コントロール実験を再開するのだ
 我らGショッカーに敗北の二文字はない!」

その時、上空をパトロールしていたムササビードルが叫んだ。

ムササビードル「緊急事態発生!
 巨大なカマキリのような怪物が基地に接近中!」
ジャガーバン「何だと!?」

カマキラス「キキィ――!!」

ジャングルの奥から現れたカマキリの怪獣・カマキラスが基地に向かって来たのである。
機関銃による戦闘員達の銃撃をものともせず、
送電線を鎌で切り裂き、鉄塔を押し倒してカマキラスは暴れる。

ジャガーバン「ううむ、何て奴だ!」
カニバブラー「あ、あれを見ろ!」

カニバブラーが驚愕して海の方を指す。
岬の岩壁を這い登って、巨大なタコの怪物がこちらに向かって来ていた。
南洋の深海で体長100m級にまで異常成長した、大ダコ怪獣スダールである。

スダール「………」
カマキラス「キキィ――!」

カマキラスとスダールは睨み合う。
スダールは長い足を伸ばしてカマキラスを捕まえようとするが、
カマキラスは前足の鎌でそれを突いて撃退する。
やがてカマキラスは倒した鉄塔を前脚でシュートし、スダールにぶつけた。
怯んでやや後退するスダール。
しかし次の瞬間、スダールは口から黒い墨を吐いてカマキラスに浴びせた。

カマキラス「キキィ――!?」

墨を浴びて混乱したカマキラスに一気に襲いかかり、
スダールは八本の足でしっかりと絡め取る。
凄まじい力でカマキラスを押さえつけると、
スダールはそのままカマキラスを頭から呑み込んで行った。
食べ切れなかった片足の鎌だけを地面に残し、
カマキラスはスダールの胃袋の中に消えてしまった。

スダール「………」

戦慄するGショッカーの怪人達を後に残して、
満腹になったスダールは海へ帰って行った。

カニバブラー「カマキリとタコがあんな巨大な怪物になるとは…」
モグラング「この島はどうやら、
 異常気象のせいで怪獣島になってしまったようだな」
ジャガーバン「他にもまだ怪獣がいるかも知れん。
 基地の守りを厳重に固めるのだ!」

100ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/09/07(日) 00:14:42
度重なるイーバとの戦いと、ブレイバーズ、Gショッカー、ロゴスの3勢力からの
執拗なる追跡が原因で、シグフェル=光平は肉体的にも精神的にも次第に追い詰められていく。
一度はブレイバーズからの呼びかけに応じて接触を図ろうとしたシグフェルだったが、
コルベット配下の部隊の突然の横槍により失敗。同じ地球連邦軍であっても
ブレイバーズ派とロゴス派の区別などつかない光平サイド(特に光平の親友である慎哉)が、
これを「ブレイバーズが自分たちを騙して罠に嵌めた」と勘違いしたことにより、
ブレイバーズとシグフェルの関係はますますこじれることになる。

ついにGショッカーのホウタイ怪人が、一番最初にシグフェルの正体を突き止めてしまう。
ホウタイ怪人(と弟のホウタイロボット)はバトルフィーバー隊に倒されるが、
そのどさくさに紛れた横取りの形で、シグフェル=光平はコルベット隊に捕らえられてしまう。
「大人しくしなければ、親友の慎哉や優香にも危害を加える」と脅された光平は、
コルベットの言うがままに厳しい尋問や身体分析検査の続く日を呆然と受け入れる。
岡長官は牧村光平の身柄引き渡しをコルベットに要求するが、当然の如く突っぱねられる。
一方、帰宅した慎哉と優香は、アルジェにいるフィリナに連絡して光平救出の協力を乞う。

突然、石油王アルシャード家からロゴスに光平解放の圧力がかかる。
なぜ中東有数の大財閥が一介の日本人の少年のために動くのか?
コルベットは困惑するが、その隙に、岡長官の命令で
コルベットの許にスパイとして潜り込んでいたバルザック少佐が
光平を救出。偶然同時にシグフェルの身柄を狙ってGショッカーが
襲撃してきたことにより、その戦闘でコルベットは死亡。その配下の部隊も壊滅する。

日常生活へと戻る光平たち。
学校に村中隊員と伴って剣持隊長が訪れ、光平にブレイバーズへの入隊を迫る。
慎哉は連邦軍(コルベット隊)の非道を抗議し食って掛かる。
村中隊員は「それはコルベット准将がやったこと」と反論しようとするが、
剣持はそれを制止する。

剣持「確かに軍は君の友達にひどい事をした。この通り謝る」

剣持は頭を下げ、連邦軍の非を詫びるが、
それと同時に光平に「もう元の日常に戻ることは出来ないのだ」と
覚悟を促すのであった。

101ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2014/09/08(月) 10:59:46
ジラの襲撃を受けて、昨日から調達していた食糧は
全滅してしまう。

ハチロー「うう、お腹を減ったよ」
ナミダ「今から、また食糧を調達をするのかな?」

ジラの大群がキャンプ場を襲ってきた事で、食糧も無くなり、
不安とストレスから子供達の間に、どよめきが起きる。

学「(いかん、皆に動揺が起きている。どうすれば...)」
パタリロ「これは、やはり島からの脱出を考えた方がいいかもしれないな」
皆本「パタリロ殿下」

皆の動揺に学がどうすればいいかと考えている時に、パタリロが
タマネギ部隊に扇を煽られながら発言する。

皆本「しかし、海には船を破壊したエビラがいます。
   脱出となると、相手をするには危険すぎます」
パタリロ「だが、いつまでも救援を待つだけという訳にはいかないだろう?
      通信機も使い物にならないし、下手すれば救援が来る前に
      全滅という事もありえる。脱出とまではいかなくても現状を知らせる
      メッセンジャーを送る必要はあると、僕は思うんだけどな」

幸いにもレッドキングと戦って以来、島に近づいてこないエビラだが
皆本はそれを危険視する。だが、パタリロは現状、通信機が
回復するかも分からないし、他の怪獣によって全滅という場合を
想定して、脱出もしくは外部に現状を知らせるメッセンジャーを送る
必要があると説いた。

学「・・・確かに、殿下の言う事にも一理あるな...」
パタリロ「だろ?それに、ここに参加している者の中には
      生身で巨大な相手に戦った事がある奴らだっているし」チラ

パタリロの言葉に、学は一理あると感じた。そのままパタリロは
言葉を続けて、自分の何倍ものの大きさや力を持った敵と戦った事の
ある刃や青銅聖闘士達に目を向ける。

刃「・・・確かに、図体はデカイかもしれないが様はでっかい海老みたい
  な物だろう?鬼丸やかぐやみたいな敵じゃないしな」
蒼摩「俺達も、マルスやサターンと戦ったんだ。やれない事はないぜ」
レミ「でも、もしそれが元で陸へと来てしまったら...?」
大介「それなんだが・・・先程、森へ逃げたジラを少し追跡した時に
    見つけたんだが、この木の実を見つけた」

刃や蒼摩達はこれまで魔人や神といっても良い強大な敵と戦ってきたので
怪獣を相手にやる気を見せる。だが、レミはそれが元で陸へと上がってきて
危険を増すのではないかと危惧する。そんな時、大介(アマゾン)は
ある木の実を皆に見せた。

大介「エビラはある木の実から作られる黄色い汁が苦手なんだ。
    これを海に撒けば、エビラは島に近づいてこない筈だ」
宗介「そういえば、ミスリルの資料にも『赤イ竹』と呼ばれる秘密結社が
   レッチ島の秘密基地で使用したという記述を見た事がある」

大介はエビラが弱点としている木の実から作られる黄色い汁を説明し、
海に撒いてバリケードの役割を与える事を提案。宗助も以前、ミスリル
の資料で呼んだ『赤イ竹』の記述を思い出す。

健「だげど、エビラまでどうやって移動するんだ?」
賢「それなら、僕達のデジモンで移動させましょう。アーマー進化
  させれば、空と海で移動できます」
学「・・・良し。エビラへは刃君や聖闘士を乗せたデジモン達が。
  その間、他の怪獣に警戒しつつ万が一に備えて海にバリケード
  として黄色い汁を撒くとしよう」

話し合いの末、エビラに対する作戦が決定した。エビラへはアーマー
進化したホルスモン、サブマリモン、ぺガスモン、ネフェルティモンを
移動役として、その背中にパートナーの子供達と青銅聖闘士達。
メッセンジャー役には刃のお供である庄之助が現状を知らせる為の
手紙を足に括り付けて同行。残りは、怪獣の警戒及び黄色い汁を
海に撒く作業をする事に決まったのであった。

102ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2014/09/08(月) 12:22:31
空からホルスモンの背に京とユナ、ぺガスモンの背にタケルと蒼摩、
ネフェルティモンの背に光と龍峰。海からはサブマリモンと伊織が
向かうのであった。

ユナ「宜しくね、京」
京「ふふ、まっかせなさーい!」
タケル「頑張りましょう、蒼摩さん」
蒼摩「応、タケル!」
光「宜しくお願いします、龍峰君」
龍峰「こちらこそ」

それぞれエビラを向かう前、お互いを健闘しあう。

大輔「くぅ〜、光ちゃんと一緒に乗るなんて羨ましい〜〜」
ブイモン「しょうがないよ。ライドラモンは陸上しか移動できないし、
      フレイドラモンやエクスブイモンだと人を乗せにくいし」

光と一緒にネフェルティモンに乗る龍峰を羨む大輔だが、ブイモンの
言うとおり人を乗せるとなるとライドラモンが適しているが、陸上でしか
移動できないし、フレイドラモンは乗せるスペースが無い。エクスブイモン
は肩に乗せる事は出来るが、戦闘して海に落ちる可能性があった。

刃「庄之助、頼んだぞ!」
庄ノ助「ピエー」

刃に励まされた庄之助は、羽を広げてガッツポーズをする。

学「蒼摩君、このメンバーの中では一番の年長者は君だ。
  彼らを任せたよ」
蒼摩「応!」
葵「いざとなれば、私がテレポートで皆を助けるで」
伊織「お願いします。葵さん」

学は、年長者である蒼摩に京達を任せる。そして万が一の時には
葵がテレポートで助ける手筈となった。
そして、エビラへと向かう蒼摩達。そして残りは大介(アマゾン)
指導の下、木の実から黄色い汁を作り出して海に撒き始めた。

〜ブリアン島・近海〜

エビラへと近づく、選ばれし子供と青銅聖闘士そして庄ノ助。
だが、そこに突如、海から何かが飛び出した。

タケル「な、何だ!?」
京「た、タコ〜!?」

それは昨日、西の岬に現れてカマキラスを食べてしまった
大ダコ怪獣スダールだった。スダールの足が、デジモン達に
襲いかかる。

蒼摩「皆、逃げろ!」

蒼摩に言われ、空を飛んでいたホルスモン達はそこから離れて
スダールの攻撃を躱す。

ホルスモン「―テンペストウィング!」
ぺガスモン「―シューティングスター!」
ネフェルティモン「―ナイルジェリー!」

すかさずホルスモン達はそれぞれの得意技でスダールへ反撃。
しかし、スダールは怯まずにいた。

伊織「サブマリモン、僕らも攻撃です!」
サブマリモン「了解だぎゃ。アクアバルカン!」

海中にいる伊織とサブマリモンも攻撃を行う。
だが、スダールはものともせずに何と、足でサブマリモンを
絡めとってしまう。

光「伊織君、サブマリモン!」

攻撃をしていたデジモン達も伊織とサブマリモンがスダールに
捕まったので、攻撃を止める。

〜ブリアン島・東の海岸〜

仁「お、おい!?でっかいタコが出てきたぞ」
両津「あれは確か・・・大ダコ怪獣スダール!」
吼児「知っているんですか、両津さん!?」
両津「ああ、何でもコンパス島って所のタコの怪獣だ。
   あの長い足で、いくつのもの漁船を沈めたんだが
   確か何本もの槍に刺されて、仕留めたって聞いた事がある」

東の海岸から見ていた仁がスダールに襲われるデジモン達を
見つけ、怪獣に詳しい両津がスダールの情報を教える。

賢「伊織君とサブマリモンが捕まった!」
大輔「助けねえと!」

捕まった伊織とサブマリモンを助けるべく、大輔はブイモンを
進化させようとするが、その時、異変が起きる。

カマキラス「キキィ―」
浩美「今度は、でっかいカマキリが出た!」
学「あれは、カマキラスか!?」
数美「変身して、子供達を守りましょう」
大介「うん。変身アーマーゾーン!」

カマキラスの登場に、事態は大混乱。カマキラスから子供達を
守るべく学達、星川兄弟は「ファイブマン」へ。大介は仮面ライダー
アマゾンへと変身。その他、変身出来る者達も変身して子供達を守る。

スダール「―!」
龍峰「皆の方にも怪獣が!」
ユナ「あの怪獣、皆の方へ移動するわ!」

カマキラスに気が付いたスダールは、カマキラスを捕食しようと
他のブレイバーズの下へ移動した。

103ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2014/09/08(月) 12:58:03

ライドラモン「―ブルーサンダー!」
スティングモン「スパイキングフィニッシュ!」
カマキラス「キキィ―!!」

一方、ブイモンが友情のデジメンタルで進化したライドラモンと
ワームモンから進化したスティングモン等の活躍により、
カマキラスが仕留められる。そこへスダールが現れた。

アマゾン「あれでは、伊織が...」
両津「ええい、ここは一か八かだ。どりゃぁぁぁぁ!!」
スダール「・・・」

両津は槍をスダールの眉間に向けて投げるが、足ではじいた。

両津「くっそ〜、なかなか手強いぞ。このスダール」
伊織「・・・だ、だったら、ここから攻撃だ。サブマリモン!」
サブマリモン「―アクアバルカン」
スダール「―!」

捕まっていたサブマリモンは、アクアバルカンでスダールの顔面を
攻撃。それにより、スダールはサブマリモンを捕まえていた足を離す。

ファイブレッド「よし、今の内に一斉に攻撃だ!」
蒼摩「よし、焼きダコにしてやる!」

サブマリモンと伊織が助かったので、スダールに向けて
一斉に攻撃を行う。

スダール「―」バターン
大輔「よっしゃー、倒したぜ!」

スダールが倒れた事により、喜ぶ一同。そんな中、両津とパタリロは
じっと、倒れたスダールを見ていた。

パタリロ「お前達、喜べ。食糧は手に入ったぞ!」
あきら「え、もしかして・・・このタコを食べるの?」
ヨッパー「いくら何でも、怪獣を食うなんて」
ときえ「大丈夫なの?」

突然、パタリロがスダールを食糧にするという発言に
一同は怪獣を食べるという事に不審に思う。

学「確かに、スダールはタコが巨大化しただけの怪獣。
  食べられないという事は無いと思うが...?」
蓮太郎「・・・マジかよ(汗」

学の説明に蓮太郎も呆れる。

両津「安心しろ、わしがちゃんと調理してやる。ボルボ、ジョディー
    手伝え!」
ジョディー「OK!」
ボルボ「今は困難な状況だ・・・仕方がない」
宗介「うむ。戦場でも、食糧の確保は重要だ」
かなめ「マジで、食べるの?」

両津は早速、ジョディ―とボルボに手伝ってもらいながら
解体作業を始める。食糧の調達の重要さを知っている宗介も
この件に肯定した。

その後、無事エビラ対策の黄色い汁を海に撒く作業も終わり
両津によってタコ料理が出された。始めは嫌な顔をしていた
子供達だったが、食べてみると、意外と美味しく皆、完食した。
怪獣との戦闘で、お腹が空いていた事もあり、より美味しく感じたのだろう。

庄ノ助「ピエー」
刃「今回、ダメだったけどお疲れさん、庄ノ助。これでも食べな」

結局、エビラを倒せずメッセージも届けられなかったので
落ち込む庄ノ助に、刃は励ましてタコ料理を食べさせるのであった。

104ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/09/09(火) 01:21:10
2ch専用ブラウザに保存してあった過去ログから発見しましたので、
こちらに記載します。

65 名前:凱聖クールギン ◆COOLqGzyd. [超人機メタルダー] 投稿日:14/02/26(水) 00:04:49 ID:fGZFW7aH [1/2]
いい機会なので、
私のオリキャラ案について少しここで開示しておこう。
あくまで原案であり、変更の可能性についてはご了承を。
オリキャラの名前は「超獣機グライアー」。
以下は、その超獣機を誕生させるための極秘計画についての説明だ。


≪超獣機計画≫
 打倒メタルダー(更には打倒ブレイバーズ)のため、ネロス帝国で極秘に進められている、
究極最強の怪人生成計画。
 帝王ゴッドネロス=村木國夫が古賀竜一郎博士の助手時代に携わった超人機計画のノウハ
ウを応用し発展させたもので、かつてのゴリゴン計画の要素も受け継いでいる。ゴリゴンの
姉妹的存在という意味で、誕生した新怪人はギリシャ神話から名を取ってグライアーと呼ば
れる。
 戦闘兵器でありながら一種の良心である自省回路を持ち、人と変わらぬ心をプログラムさ
れた超「人」機に対し、戦うためには人の心など不要であり、猛獣や怪獣のように凶暴たる
べし、とのコンセプトで作られたのが超「獣」機である。ネロス帝国四軍団の特徴を併せ持
ち、バイオモンスターをサイボーグ改造して体の各部を機械化し各種兵器を装備させたもの
であるため、全身メカニックの超人機とは異なり生体部分も多い。
 現在、計画について知っているのはゴッドネロスとクールギンのみであり、クールギンは
密命により計画推進のため奔走中。拉致された望月敏郎博士や、ドグマから匿われたゾルベ
ゲール博士ら、各方面から集められた人材がスタッフとして計画に参加している。凶暴性と
巨大なエネルギーをどう制御するかが目下の技術上の課題で、試作機は暴走事故を起こし、
暴れ出したところをクールギンに斬られて殺処分されてしまった。
 なお本心では、クールギンは暴走のリスクに加え、無事完成した暁には既存のネロス軍団
員達の上位に置かれ、彼らがないがしろにされることになりかねないグライアーの存在に、
密かに不満と不安を抱いている模様…。


まずはグライアーそのものよりも、
その誕生までの経緯をめぐってストーリーを展開することになる。
工程としてはまずバイオモンスターを生成して
これをサイボーグ化・メカ化し兵装を取り付けていくことになるわけだが、
今はまず素体となるバイオモンスターをどう作るかの実験をしている段階で、
まだプロジェクトの初歩の初歩。先は長い。

既にボー・ガルダン殿のSSで望月博士をヒドーマンが脅迫し、
謎の研究をさせようとしていると描写して下さっているが、
それがこの超獣機のバイオモンスター作りだと考えてよろしかろう。
私ことクールギンが実は内心不満を抱いているというのも、
以前シャドームーン殿のSSで伏線と取れそうな場面は書いていただいた。
これからも少しずつ計画を進めながらネタを小出しにしていく予定だ。
皆様からご意見・ご感想・アイデアなどあればぜひ賜りたい。

105ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/09/09(火) 01:24:48
73 名前:凱聖クールギン ◆COOLqGzyd. [超人機メタルダー] 投稿日:14/03/01(土) 10:24:38 ID:pkQXjDON [1/2]
>>69 ユガミ博士 ◆uV/51FXesE
>また少し違うのだが、某スレで見つけた会話文にゴジラシリーズの
>ヘドラをヘドリアン女王やガイアークの3大臣等がヒーローから
>守ろうするのを見かけた。
それは面白い。
ヘドリアン女王なら幼体のヘドラをペットとして可愛がりそうだ。
あの怪獣、恐ろしい汚毒の塊のくせに目だけはキュートだからな。

>>70 ティアラロイド ◆EeTIARA9jE
>ゾルベゲール博士はなかなかの曲者よ♪
>果たしてネロスの客分研究員の立場にずっと黙って満足しているかしらん。
>ネロスに匿ってもらっている身とはいえ、かつては自分を再生してくれた
>テラーマクロを暗殺しようとした恩知らずだし。ウフフフッ…。
そう、帝王は純粋に彼の科学者としての腕を買って雇っておられるが、
ドグマでクーデターを起こした奴の前科が気になるところだ。
ひょっとしたらグライアーに
勝手に何かの細工を仕込んだりもしないとは限らん。

>確か、突如としてブレイバーズ、Gショッカー両勢力の前に現れた
>謎のヒーロー・シグフェルも、グライアー研究の上で
>ネロスによって参考にされる予定でしたわよね?
史上最強、究極の超怪人作りには何かが足りない…
太古の猛獣サーベルタイガーの細胞を使ってもまだ究極にはほど遠い…
と悩んでいたゾルベゲールら研究班が、
ではそこに謎の強力戦士シグフェルの細胞をプラスすれば? 
と考える展開を構想している。
そして優秀な人材を素体に選び、
シグフェルの細胞を注入して改造したのがサーベルタイガーグライアー…。
ただし、謎の戦士だけにその生体システムは解明しきれない部分も多く、
実用化に踏み切ったはいいが想定外の事故で制御不能となってしまう。
やがて死期を悟った彼はネロス帝国を脱走し…
などという展開でいかがかな?
結局、シグフェルグライアー計画はここで失敗し、
最終的にはゴジラの細胞を使って再度グライアーを完成させることになる予定。

イラストはまだ用意できていないが、
グライアーの外見はゴジラを怪人体型に落とし込んだデザインを考えている。
ゴルゴムのトカゲ怪人が一番近いかな。
あれの全身にヨロイやメカや武装を加えた感じだ。

106凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2014/09/10(水) 01:18:16
≪グライアー計画≫とは、ネロス帝国で進められている新怪人の生成計画。
かつてのゴリゴン計画の後継で、ゴリゴンの姉妹作という意味から
ギリシャ神話にちなんで新怪人はグライアーと呼ばれる。

バイオモンスターであったゴリゴンとは異なり、
グライアーは人間を素体にした改造人間である。
計画は数年前から極秘裏に進行しており、
素体には桐原コンツェルン専務・彩堂寺惟政の息子である彩堂寺戒が選ばれ、
将来の怪人化に備えて徹底した英才教育が施されてきた。

開発主任は、ドグマから招聘された元ナチスのゾルベゲール博士。
しかし研究は難航し、ゴッドネロスの望みに適う超怪人をなかなか造れずにいた。
そんな折、謎の超戦士シグフェルが出現しGショッカーを震撼させる。
あのシグフェルの細胞を使えば最強の怪人が生み出せる――。
ゾルベゲールの進言により、ネロス帝国はシグフェルの細胞奪取に動く。
イーバとの戦いに勝利したシグフェルだったが、
クールギンの不意打ちの一撃で傷を負い、その剣に付いた血から細胞を採取されてしまった。

シグフェルの細胞を手に入れたネロス帝国は、
戒を拉致してゴーストバンクへ連行し、改造手術を行なう。
こうして、シグフェルと同等の能力を持つとされるグライアーは完成した。
だが、かつてドグマで反乱を起こしたゾルベゲールは今度も帝位簒奪を企て、
自分のみに従う服従カプセルを密かにグライアーの脳に仕込んでいた。
ゾルベゲールの命令でゴッドネロスを倒そうとするグライアーだが、
その時、体に異変が起こり苦しみ始める。
シグフェルの不完全なコピーに過ぎないグライアーは体内に変調を起こしたのだ。
グライアーが倒れてしまったため、寸でのところで謀反が失敗したゾルベゲールは処刑される。

服従カプセルを切除され、救命処置がされたグライアーだったが、もはや余命が短い事が判明する。
ゴッドネロスはグライアーを失敗作と切り捨て、死ぬまで前線で使い潰せと命令。
それまで四軍団長以上の扱いだったグライアーの地位も目に見えて低下し、冷遇されるようになる。
苦悶と苦悩の中、「シグフェルの魂を奪えば生き永らえる事ができる」とイーバに吹き込まれたグライアーは
ネロス帝国を脱走、独自にシグフェルをつけ狙う。

グライアー計画はこうして失敗に終わり、グライアーはネロス帝国の敵となった。
しかしゴッドネロスは「これもシナリオ通り」とほくそ笑む。
一連の筋書きは全て、より本格的な大計画のためにデータを集める予行でしかなかったのだ。
ゴッドネロスは遂に最終プロジェクト≪超獣機計画≫の発動を指令する。
それこそ古賀博士の超人機計画を超えるため、
ゴッドネロスが長年温めていた究極の戦闘マシーン製造計画であった。

107凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2014/09/10(水) 01:22:34
ここから先は、メタルダー編の最終章のシナリオとなる。
実現するのはいつになるか分からないが、現時点での私の構想をここに記してしまおう。



超人機に対抗して造られた超獣機ダークメタルダーは、アンチ・メタルダーとでも呼ぶべき、
超人機とは真逆のコンセプトで設計されたロボット兵器である。
(古賀博士を超えるため、ゴッドネロスは敢えて超人機と正反対の性質のものを目指した)
自省回路を持ち、人間と変わらぬ心を組み込まれた超人機に対し、
戦うためには人の心など不要であり、むしろ獣のように凶暴たるべし、という設計思想から
超獣機は冷徹な破壊マシーンでしかなく、複雑な感情を持たない。
また肉弾での格闘に特化した超人機に対し、超獣機は全身を重武装した武器の塊である。

ロボットとしての性能ではメタルダーを明らかに凌駕するダークメタルダーは、
メタルダーを圧倒的な戦闘力で撃破する。
大敗を喫して挫折したメタルダーに対し、戸隠流師範の山地哲山は、
「メタルダーにあってダークメタルダーにないもの、それは心だ」と助言する。
心を鍛え、心眼で敵を破るべく、メタルダーは戸隠忍者の里に籠もって磁雷矢と共に修行する。

一方、ダークメタルダーの運用に固執する余り他の軍団員を捨て駒のように扱い、
チューボやゴチャックら多数の勇士を無碍に戦死させたゴッドネロスに対し、
これまで長く軍団を統括する立場にいたクールギンは不満と怒りを募らせていた。
「帝王はもはや、超獣機しか眼中にない。このままでは、帝国全体の先行きが危うい…」
遂に謀反を決意したクールギンはサラジアのアルハザード副大統領とも呼応し、
ゴッドネロスを弑逆、自らネロス帝国の帝王となる。

ダークメタルダーを停止させ封印したクールギンは、残った軍団員達を総動員して大攻勢を企図。
修行中のメタルダーが不在の中、
仮面ライダーやキカイダーらとネロス帝国との一大決戦が展開される。

大激戦のさ中、修行を終え遂に帰還するメタルダー。
優勢に戦っていたクールギン率いるネロス軍団は仮面ライダー1号らに撃破されていく。
一方ゴーストバンクでは、機能停止したはずのダークメタルダーが不気味に動き出していた…。

108凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2014/09/10(水) 01:27:13
***剣道場***

桐原(影武者)「今日は、ここまでにしよう」
戒「ありがとうございました!」

剣術稽古を終えた彩堂寺戒は、
週に一度、師範として個人レッスンをしてくれている
父親の上司の桐原剛造に深く一礼した。
この桐原が実は影武者に過ぎないことは、彼はまだ知らない…。

桐原(影武者)「随分と様になってきたぞ。
 柳生新陰流の極意が、少しずつ見えてきているようだな」
戒「は、はい…!」
桐原(影武者)「君にはまだ中学生の頃から剣術を教えてきたが、
 実に呑み込みが早く、鍛え甲斐のある生徒だった…。
 ここまで上達してくれた事が、私にとっても実に嬉しい」
戒「先生のご指導のお陰です…!」
桐原(影武者)「フフ…。相当息が上がっているな。よく休みなさい」

文武両道の天才である戒は運動神経も抜群だが、
その彼をもってしても桐原の稽古は厳しく感じる。
ただのスポーツや精神修養というレベルではとどまらない、
それこそ本物の戦場での殺し合いでも想定しているかのような、
激しい戦いの訓練なのである。

桐原(影武者)「長年育てた教え子を手放すのは、
 寂しいものよな。彩堂寺専務」
惟政「…!? では、いよいよ戒を…?」
桐原(影武者)「うむ。時は遂に満ちたのだ。
 君のご子息を、ネロス帝国に差し出してもらう」


***ゴーストバンク***

クールギン「ただ今戻りました」
ゴッドネロス「ご苦労…。
 して、改造被験体の様子はどうであったか」
クールギン「良好です…。
 知能・体力テストはいずれも一定して高い数値を示し、
 かねて教え込んでいた剣術の腕も、
 あの歳の若者にしては突出した水準にまで上がりつつあります」
ゴッドネロス「では被験体として問題あるまいな」
クールギン「御意。
 …ただ、あれほどの才気盛んな若者を姿醜き怪物に変えてしまうのは
 いささか惜しい気も致します」
ゴッドネロス「情が移ったか、クールギン」
クールギン「いえ決して。
 しかし、あの青年をヨロイ軍団員として我が配下にもし下されば、
 グライアーなどに改造せずとも一級の戦士に育て上げられようものをと、
 少々勿体なく感じた次第」
ゴッドネロス「グライアーとなれば、
 あの青年はそれよりも遥かに強大なパワーを手に入れることになる。
 それこそが彼にとって無上の栄誉となるはずではないか、クールギンよ」
クールギン「…仰せの通りにございます」
ゴッドネロス「明日、素体をゴーストバンクへ連行して最終チェックを行ない、
 異常がなければすぐに改造手術に移る。
 そのための手筈を急ぎ整えよ」
クールギン「ははっ」

109凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2014/09/10(水) 01:32:27
***ゴーストバンク***

翌朝…。
ゴーストバンクの闘技場では、
クールギンが部下のタグ兄弟に戦闘訓練の稽古をつけていた。

タグスキー「なっ!?」
タグスロン「うわあっ!」
クールギン「どうした! この程度で押されているようでは、
 ブレイバーズの戦士どもを相手には通用せんぞ!」
タグスキー「ははっ…! も、申し訳ありません軍団長殿!」
クールギン「二人とも、まだまだ修行が足りん…!
 もっと自覚を持って日々の鍛錬に取り組まねば、
 お互い明日の命はどうなるかも分からぬ身なのだぞ」
タグスロン「面目次第もございませぬ…!」
クールギン「鍛えてもう一度出直して来い。
 一週間後に、また相手をして成果のほどを見てやる」
タグスキー「ハハーッ!」

凄まじい剣技でタグ兄弟を圧倒したクールギンは、
いつになく厳しい態度で不満げに立ち去って行った。

タグスキー「ううむ…。軍団長殿に比べれば、
 我らはまだまだ己を甘やかしていたということか」
タグスロン「しかし、最近の軍団長殿はどうされたのだ?
 我らに急に厳しくなったと言うか、
 覇気や闘志が段違いになられたような…」
タグスキー「ブレイバーズが結成されてメタルダーもその一員となり、
 我らの戦いは一層激しく険しいものとなった。
 それで気合を入れ直しておられるのだろう。
 我らがうかうかしていてはお叱りを受けるのは当然だ」
バルスキー「…果たして、それだけの理由かな?」

いつからか二人の背後に立っていたバルスキーは、
腕組みをしながら小首を捻る。

タグスロン「バ、バルスキー殿!?」
バルスキー「クールギンの奴、何か焦っている…。
 何かに急き立てられて危機感を強めているような…。
 そんな気がしないか」
タグスキー「い、言われてみれば確かに…」
タグスロン「しかし、軍団長殿ほどのお方が、
 一体何にそこまで急き立てられているというのです?」
バルスキー「それは分からん。
 だが、強くなろうという奴の心に一抹の雑念が読み取れるのは気にかかる…。
 何かおかしな事にならなければいいがな。
 お前達はクールギンの側近として、
 くれぐれもしっかり支えてやってくれよ」
タグスキー「ははっ、我ら兄弟、命に代えても!」

110凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2014/09/10(水) 01:34:37
闘技場を後にしたクールギンは地上に出て岩山の上で座禅を組み、
そこで気を統一させていた。
己につきまとう雑念を必死に振りほどこうとしているかのように…。

バルスキー「修行に精が出るな、クールギン」
クールギン「バルスキーか」
バルスキー「タグ兄弟が腰を抜かしていたぞ。
 お前ともあろう者が、何をそんなに苛立っているのだ」
クールギン「苛立ってなどいない…。
 …いないように、自分を制しているつもりだ」
バルスキー「何があったというのだ?
 今朝、ゲバローズとロビンケンが密命を帯びて出動したようだが、
 それと関係があるのか?」

クールギンはすぐには答えず、また座禅の姿勢を正した。
長い沈黙が二人の間に流れる。

クールギン「ここだけの秘密だが…。
 今朝の密命のことは、明日には皆に明かされる。
 お前にだけは先に話しておこう」
バルスキー「む…?」
クールギン「帝王が以前から進めておられる極秘の研究だが…。
 あれは究極の力を持った、恐るべき超怪人を生み出すプロジェクトだ。
 かつてのゴリゴン計画の後継とのことで、
 帝王はこれをグライアー計画と呼んでおられる」
バルスキー「グライアー計画?」
クールギン「今日、ロビンケンとゲバローズに命じられたのは
 その新怪人――グライアーの改造被験体の確保だ。
 被験体に選ばれたのは彩堂寺惟政専務の息子、彩堂寺戒」
バルスキー「あの、お前がよく武術を稽古しているという若者か」
クールギン「ネロス帝国に、強大な力を持つ戦士が加わるのは良いことだ。
 だが私の見る限り、グライアー計画にはまだまだ技術上の問題が多い。
 特に、謎の戦士シグフェルの細胞を注入して作るとなれば、
 想定外の事態が起きるリスクは避けられんだろう。
 しかもそのグライアーは、完成した折には四軍団のいずれにも属さぬ帝王の直属兵として、
 我らの上に立つことになるという」
バルスキー「そうなれば、ネロス帝国は変わるな。
 何もかもが今のままでは行かなくなる…。
 それを怖れていたのか」
クールギン「怖れてなどいない。
 ただ、グライアーさえあれば我ら四軍団はもはや不要…と
 帝王はお考えになっておられるのではないかと、ふと不安になる時があってな」
バルスキー「帝王を信じることだ。
 帝王の第一の重臣たるお前が、帝王を信頼申し上げていなくてどうする」
クールギン「帝王のことは無論信じている…。
 だがグライアーのことは、たやすく信じるわけには行かん。
 あのような不確定要素の多い新兵器に頼るよりも、
 今ある軍団をしっかり鍛えて行く方がずっと確実というものではないか」
バルスキー「気を揉んでも仕方のないことだ。
 グライアーが問題を起こせば、その時は我らの出番じゃないか。
 ただ俺としては、問題の種を敢えて仕込みかねない、
 あのゾルベゲールという博士のことは気がかりだが…」
クールギン「奴のことは厳しく見張っておく。
 何にせよ、今は大事な時期だ…!」

111ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/09/11(木) 20:54:27
<今後の外宇宙編ネタバレ>

三次元宇宙の銀河系(天の川銀河)最大の版図を持つ大星団国家――
――神聖銀河帝国(第三銀河帝国)ローエングラム王朝・帝都星フェザーン。
建国の父である獅子帝ラインハルトの死から17年後。
第二代皇帝アレクサンデル・ジークフリード・フォン・ローエングラム(以下、アレク)は、
流木野サキらマギウスたちの養育もあり、17歳の立派な若者に成長していた。

そんな中、星間評議会最高議長ユーガー王子と首脳会談すべく、
アレク皇帝の大艦隊を率いたエンペリアス星までの行幸が決定する。
窮屈な船旅を嫌い、アレクは行幸について重臣たちに条件を提示。
それは出発から到着までの旅の全行程の間、アレク自身は一行の艦隊を抜け、
一介の旅人として通すというものだった。
アレクの母・摂政権皇太后ヒルダや重臣たちは当然の如く猛反対。
しかしアレクは伯母のアンネローゼ大公妃まで自分の味方に付けて、
母や重臣たちを説き伏せてしまうのだった。

これに危惧を抱くは建国以来の重臣である筆頭元帥のミッターマイヤーである。
実はミッターマイヤーは、配下の宇宙海賊・鉄の髭から、アレク皇帝暗殺計画の
情報をキャッチしていた。アレクからのプランを渋々呑んだミッターマイヤーは、
僚友ビッテンフェルト提督とも相計らって、アレクと歳や背格好も似ている
連坊小路を影武者に急遽仕立て上げることにする。

こうしてアレク皇帝と、その親友であるフェリックス・ミッターマイヤー中尉、
帝国に仕官して一旗挙げようとフェザーンに来ていたところを偶然知り合ったデスカル三将軍、
それを影ながら護衛する鉄の髭率いる宇宙海賊船パラベラム号、
そして連坊小路扮する影武者を擁する帝国旗艦ブリュンヒルトという、
惑星エンペリアスを目指しての奇妙な珍道中ともいうべき諸星漫遊の忍び旅が始まるのだった。

旅の途中では、海賊戦隊ゴーカイジャーや、銀河帝国とは三次元宇宙の覇を争う緊張関係にある
ガルマン・ガミラス帝国の総統アベルト・デスラー、亡き父の好敵手であったヤン・ウェンリーの
養子にして後継者であるユリアン・ミンツなど、様々の人々との出会いがアレクを待ち受けている。

一方その頃、地球教徒の一派がアレク皇帝暗殺を狙って暗躍していた…。

112ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/09/11(木) 22:31:59
>>108-110補足

その日の生徒会の仕事が遅くまで続き、
沢渡優香は下校する時間がすっかり夜遅くなってしまった。
近道をしようと裏路地を通ったのが運の尽き。
チンピラたちに絡まれてしまう。

チンピラA「おいおいお嬢ちゃん、こんな夜遅くにか弱い女一人とは危ないな」
チンピラB「俺たちと一緒に面白いところに行こうぜ!」
優香「何するんですか! いや、放して! 誰か助けて〜!」

そこを偶然通りかかった彩堂寺戒がたちまちチンピラたちを叩きのめし、
優香を助け出すのだった。

チンピラA「ち、ちきしょーっ! 覚えてやがれ!」

チンピラたちは一目散に逃げ出した。

優香「た、助けてくれてありがとう…」
戒「その制服、同じ学校の生徒か?」
優香「もしかしてあなた、G組の彩堂寺戒くん?」
戒「俺の事を知っているのか?」
優香「そりゃ勿論、学校じゃ全学年成績トップの有名人だもの。
 私、A組の沢渡優香。よろしくね」
戒「………」

優香は握手を求めるが、戒はそれを無表情にスルーする。

戒「ここは夜遅い時間はゴロツキどもの溜まり場になるんだ。
 危ない目に遭わないうちに早く帰った方がいい」
優香「………」

この時から優香は戒の存在が気になりだす。
翌朝、優香から昨夜の一件を聞いた光平は、
ガールフレンドを危険から救ってくれた戒に一言礼を言おうと
戒のクラスを訪れるが、戒は光平にそっけない対応をとる。

一方その頃、密かに内偵を続けていた沢木朱音は、
彩堂寺戒がネロス帝国の改造被験体候補である事を突き止め、
天童菊之丞に報告してその指示を仰いでいた。

朱音「御前、いかが致しましょう。彩堂寺戒がネロス帝国に
 拉致される前にこちらで保護いたしますか?」
菊之丞「いや、保護するには及ばぬ。消せ」
朱音「御前!?」
菊之丞「よいか、その彩堂寺戒という少年の身柄がGショッカー、
 ブレイバーズ、どちらにも渡らぬ前に必ず消すのじゃ!」
朱音「……心得ました」

こうして彩堂寺戒を拉致連行しようとするネロス帝国のロビンケンとケバローズ、
その現場の瞬間を偶然目撃し、戒を友達として守ろうとする光平=シグフェル。
さらには戒の身柄がネロス帝国に渡る前に抹殺せんとする天童の刺客集団により、
三つ巴の戦いが展開されることになる。

113ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/09/12(金) 01:00:29
ネロスや天童の追っ手から必死に逃げる
光平、慎哉、優香、そして戒。

戒「どういうつもりだ牧村?」
光平「どういうつもり…って、俺たち、同じ学校の友達だろ?」
戒「俺はお前たちと友達になった記憶もなければ、
 助けてくれと言った覚えもない」
慎哉「こいつ…! せっかく助けてやったのに何だよその言い草は!?」
光平「あいつら(ゲバローズとロビンケン)について何か心当たりは?」
戒「ない! あんな化け物に襲われる覚えなんかあるわけないだろ」
光平「いいか彩堂寺、落ち着いてよく聞くんだ。
 桐原コンツェルンの本当の実態はネロス帝国と言って、
 Gショッカーの一部を成している悪の地下組織なんだ!」

光平のこの言葉に、普段から桐原剛造を師と仰いでいる戒は激しく反発する。

戒「牧村、お前寝ぼけてるのか?」
優香「光平くんの言っていることは本当よ!
 お願い、信じて!」
戒「…そうかわかったぞ。お前ら、成績上位者である俺の事を妬んで
 そんな出まかせを並べてるんだな?」
光平「彩堂寺!」
戒「これ以上は余計なお世話だ! 自分の身くらい自分一人で守れる。
 放っておいてもらおう」

ここで優香が、戒の頬に一発平手打ちをお見舞いする。

戒「……!?」
優香「いい加減にして! 光平くんも朝倉くんも私も、
 本気であなたを心配しているのよ!」
戒「沢渡……」

そうしている間に、くノ一装束姿の沢木朱音以下、天童の刺客たちに
包囲されてしまう光平たち。

くノ一(朱音)「彩堂寺戒をこちらに渡しなさい!
 そうすればあなたたちに危害は加えないわ」
光平「どうしてだ! なんで彩堂寺を狙うんだ!?」
くノ一(朱音)「あなたたちには関係の無いことよ」
光平「………(この女忍者の声、どこかで聞いたような…?)」

押し問答が続く中、ロビンケンたちがてこずっているようだど、
凱聖クールギン自ら現場に乗り込んできた!

クールギン「邪魔だ女! どけ!」
くノ一(朱音)「――うぐっ!!」

朱音はクールギンに剣で肩からバッサリ斬られて負傷し撤退。
驚く光平がシグフェルに変身する間もないまま、戒を当て身で眠らせ
一瞬のうちに連れ去ってしまうのだった。

114ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/09/13(土) 13:35:54
日頃より"日本国内の一自治領"という範囲を逸脱しているとして
学園都市統括理事会の増長ぶりを快く思わず「学園都市から自治権を取り上げるべし!」と
強硬に主張している国会議員や日本政府高官が襲撃され命を落とす事件が連続して発生する。
学園都市から送り込まれた"暗部"による、日本政府に対する威嚇目的の犯行だった。

***江田島平八邸***

天童菊之丞配下のくノ一・沢木朱音は、この件にもブレイバーズが関わってくると睨み、
江田島平八邸を見張っていたが、秘書の富樫源次に見つかってしまう。

富樫「…ん? お前さんは確か、牧村光平の通っている学校の先生じゃねえか?」
朱音「す、すみません…! 広いお屋敷なものでつい迷い込んでしまって…」

朱音はその場をどうにか取り繕うが…

富樫「へぇ…それで、最近天童の御前のご機嫌はいかがだい?」
朱音「天童?? いったいなんのことかしら…(汗」
富樫「まあいいや。これからその天童の御前に会って来るところだ」
朱音「えええっ!?」
富樫「なんで驚くんだ? お前さんには関係の無い話だろ?( ̄ー ̄)ニヤリ」
朱音「………」

富樫の運転する江田島を乗せた黒塗りの高級車は、一路天童菊之丞邸へと向かう。
朱音もこうしてはいられないと大急ぎで天童邸へと戻る。

***天童菊之丞邸***

秘書官「閣下、江田島平八先生が急遽ご来邸にございます!」
菊之丞「なに、江田島翁が!? すぐにお通しせよ」

江田島平八は邸内の茶室へと通された。

菊之丞「江田島殿、急な当屋敷へのご来邸。いったい何用にござりまするか?」
江田島「なに、他意はない。菊之丞よ、こうして久しぶりにおぬしと
 二人きりで茶が飲みたくてな」
菊之丞「これは…嬉しいお言葉にございますな」

一見、にこやかな会話が交わされるが、両者とも目は全く笑ってはいない…。
江田島は菊之丞の差し出した椀の中身を飲み干した後、
いよいよ本題に入り、例の政府高官連続襲撃事件の犯人を捕まえるべく、
菊之丞自らが囮になるように勧める。

菊之丞「ほぉ…しかしそれがし如きの名前で、果たして犯人が
 おびき出されてきますかな?」
江田島「必ず来る。これまで数々の政敵を抹殺してきた
 おぬしを殺したい人間など、山ほどいよう!」
菊之丞「…ハハハハ。これはまた手厳しいご冗談を」
江田島「ぬはははは!!!」
菊之丞「フハハハハ…」

江田島平八が帰って行った後…

菊之丞「江田島め、言いたい放題抜かしおって…」
朱音「………」
菊之丞「それで、真犯人の目星は掴めたか?」
朱音「ハッ。学園都市の中でも幾多の非人道的な研究にも
 深く関与しているとされる木原一族に関わりのある者と思われます」
菊之丞「木原一族…やはりアレイスター・クロウリーの手下か!」

***江田島平八邸***

天童邸から帰宅した江田島は、警視総監・加賀美陸と密かに密会。

江田島「天童菊之丞と話はつけてきた。これでよいのだな?」
陸「この度は江田島先生にご足労頂き、かたじけなく存じます」

全ては犯人一味を検挙するための加賀美警視総監の発案であった。
翌朝、官報が一斉に掲示され、聖天子付き補佐官・天童菊之丞自らが
襲撃事件犯人との一騎打ちを所望するという挑発の檄文が張り出された。

<日本政府側と学園都市統括理事会側との水面下での抗争を描くシナリオ。
今後さらにどのように話を膨らませていくかはまだ未定。>

115凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2014/09/13(土) 17:25:48
4日目

宗介「千鳥、ちょっと一緒に来てくれないか」
かなめ「えっ…?」
宗介「他の皆も、手が空いている者は来てくれ。
 これから岩場で魚釣りをする」

スダールを皆が美味しく食べ終えた頃、
釣り道具を担いだ相良宗介は千鳥かなめと他の子供達を誘って
海岸の岩場へ行き、釣りを始めた。
既に陽は沈みかけ、海原を赤く染め上げている。

かなめ「綺麗な海…。
 メリダ島で二人きりで釣りしたのを思い出すわね。
 ソースケが教えてくれた、あの秘密の場所でさ」
宗介「ああ。今回は、あの時よりちょっと賑やかだけどな」
かなめ「でも食糧の調達なら、さっきのタコ怪獣で十分なんじゃないの?
 まだまだ食べ切れないくらい大きいんだし」
宗介「肯定だ。今釣っているのは俺達が食べる分じゃない」
かなめ「じゃあ何のため?」
宗介「安全上の措置、といったところかな。
 できればマグロが望ましいが、種類は問わない。
 とにかくたくさんの魚が欲しい」
かなめ「何だかよく分からないけど、了解」

目的不詳の夕釣りはしばらく続いた。
陽が沈む頃には、バケツに一杯の魚が釣れ上がっていた。
宗介はそれを皆が食べるクーラーボックスには入れず、
自分のテントの中に仕舞い込んでしまう。
そして夜、宗介はバケツを持って森へ出かけて行き、
何やら怪しげな作業に一人勤しんでいた。

かなめ「ソースケ、何してるのかしら…?」

不審に思いながらも敢えて咎める気にもなれず、
かなめはテントの寝袋の中で眠りに就いた。
こうして4日目の夜も更けて行った…。

116凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2014/09/14(日) 20:47:37
5日目


宗介「さあ、来い…!」

迷彩服を着込み、草木や小枝を無数に貼り付けたネットを頭から被って、
森の茂みに溶け込みながら相良宗介はじっと息を潜めていた。
釣った魚を山積みにして置いておき、ひたすら待つ事数時間。
ゲイリースーツに全身を包んだ宗介は身動き一つせず潜伏を続けている。

ジラ「グゥゥ…」

生臭い魚の匂いに誘われて、ジラが一匹、また一匹と魚の山に近付いて来た。
餌だと分かると、ジラは魚を口先で突いて食べ始める。
だが、そのすぐ傍の茂みに隠れている宗介の存在には、
野性動物の鋭敏な本能をもってしても気付く事はできなかった。

宗介「いいぞ…。罠にかかれ」

ジラの一匹が、雑草で巧妙に隠されていた落とし穴に片脚を突っ込んだ。
穴はジラの膝ほどまでしかない浅いものだが、
ドロドロの粘液が中に満たされており、
それがジラの片脚を捕らえたまま見る見るうちに硬化していく。

ジラ「クァァ――!?」

もう一匹が、更にまた別の一匹が、次々と落とし穴に嵌り、
スライム状の粘液に脚を固められて動けなくなる。
宗介が仕掛けておいた特殊ウレタン樹脂の罠は、
たちまち全てのジラを捕らえて動けなくした。

宗介「よし…。退避」

ジラが身動きできなくなったのを見届けると、
宗介はネットを脱ぎ捨ててその場を離れ、キャンプ場の方へ駆け出した。
十分に距離を取ってから、起爆装置のスイッチを押す。
魚の山の下に設置されていた爆弾が爆発し、炎がジラの群れを呑み込んだ。

ジラ「キャォォォ――ン!!」

かなめ「なっ、何!?」
宗介「ミッション完了だ。
 森に魚を置いてジラの群れを呼び寄せ、特殊ウレタン樹脂で拘束、
 仕掛け爆弾で殲滅した」
かなめ「ああ、あのみんなで釣った魚を使ったのね。
 昨日わざわざ釣りしてたのはこのためだったんだ」
宗介「魚肉の餌でジラを誘う作戦は、以前に米軍も実行して成果を収めている。
 今回はそのデータを活かした応用だ」
かなめ「しっかしあんたねえ…。
 何て危険なモノを船に積んでたのよ。
 まかり間違えば船が私達ごと木端微塵だったでしょうが!」
宗介「輸送中の安全対策は完璧だ。
 万一にも、船内で暴発する事はない。
 しかし、こんな事なら巨大怪獣も吹き飛ばすスパイナーか、
 N2爆雷でも持って来ていれば良かったが…」
かなめ「持って来んでいい! …って言いたいところだけど、
 今回ばかりはそうでもないか」

森の木々を焼き払い、空に立ち昇る爆炎を眺めてかなめは溜息をつく。
宗介の罠によって、一度に十匹のジラが焼死する戦果が上がったのだった。

117凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2014/09/14(日) 20:53:15
レッドキング「グゥゥ…!」

森で起きた突然の大爆発は、昼寝をしていたレッドキングを目覚めさせた。
巨体を揺すって起き上がり、レッドキングは不機嫌そうに低く唸る。

カマキラス「キキィ――!」

森に隠れていた三匹のカマキラスも、爆発音に驚き、
一斉に反対方向へと逃げ出した。
そして彼らは、知らずしてレッドキングの縄張りに侵入してしまったのである。

レッドキング「キシャ――ォ!!」
カマキラス「キキィ――!!」

縄張りを侵されて怒ったレッドキングは咆え猛って威嚇する。
カマキラスもレッドキングを敵と認識し、三方に散って戦闘体勢を取った。

カマキラス「キキィ――!!」

右側に回ったカマキラスがレッドキングに飛びかかり、
上から覆い被さって前足の鎌で頭を突く。
しかしレッドキングはこれを掴み、一本背負いで背中から地面に叩きつけた。

カマキラス「キ……ィ…!」

大ダメージを負ったカマキラスはしばらくもがいていたが、やがて動かなくなった。
だがすかさずもう一匹がレッドキングを襲撃し、
背中から馬乗りの体勢になる。

レッドキング「キシャ――ォ!!」

カマキラスを背中から振り落とし、首を絞めると、
そのまま逆さにしてレッドキングはパイルドライバーを決めた。
頭から地面に衝突し、首を折られてそのカマキラスは即死する。

カマキラス「キィ――!!」

残る一匹のカマキラスは岩をぶつけられ、たまらず逃亡。
レッドキングは力強く胸をドラミングし、勝利の雄叫びを上げた。

118凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2014/09/14(日) 20:59:00
マグネドン「グォォ…」

磁力怪獣マグネドンはブリアン島の中心に陣取り、
うとうとと午睡にまどろんでいた。
このマグネドンの発する強い磁気が通信障害を引き起こし、
島外への連絡を不能にしているという事をブレイバーズはまだ知らない。

カマキラス「キキィ――!!」

レッドキングの前から逃げ出したカマキラスは、
今度はマグネドンの巣に迷い込んだ。
戦闘に敗れた後とあって、ここで連戦を仕掛ける余力はない。
カマキラスは退こうとしたが、マグネドンは獲物を逃がさなかった。

マグネドン「グゥゥ…!」

マグネドンの背中に生えた赤い角に閃光が走り、強烈な磁力が発生する。
磁力はカマキラスの体の鉄分にさえも作用し、
逃げようとするカマキラスを磁石のように吸い寄せた。

カマキラス「キキィ――!?」

背中の角に吸い寄せられて動けなくなったカマキラスを、
マグネドンは角から放たれた光線で焼き殺した。
こうして、この島に五匹いたカマキラスは全滅してしまったのである。

ムササビードル「見つけたぞ。基地を破壊した怪獣め…!
 奴の発する強い磁気が通信不能の原因に違いない。
 だが、あれを捕獲すれば利用価値はあるぞ…」

一部始終を見ていたショッカー怪人ムササビードルは、
その場を飛び去って西の岬のGショッカー基地へと舞い戻った。

119ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2014/09/15(月) 10:21:56
***キャンプ場***

Gショッカー秘密基地で、子供達の救出作戦が行われているその頃。
万が一に備えて、キャンプ場には青銅聖闘士やガイストクラッシャー、
ガンバ―チーム等といったメンバーが残っていた。

タマネギ部隊A「殿下に申し上げます。怪獣ジラの卵がある巣を発見致しました!」
パタリロ「何だと!?卵があるのなら、これ以上ジラの脅威に悩まされる
      心配が無くなるぞ〜。よし、相良軍曹から購入したあの『ボン太くん』の
      性能を試す絶好の機会だし、殲滅だ!」
タマネギ部隊A「はっ!」

ジラの巣を発見したという報告を受けたパタリロはタマネギ部隊に
宗介から購入した量産型ボン太くんの性能を試す機会を含めて、
ジラを殲滅するように命令する。

イスカンダル「余も同行させてもらうぞ。余の魔力も完全に回復し、
         いつでも宝具を出す事が出来る!」
パタリロ「確か、征服王の宝具には空も飛べる戦車があったな。
      それじゃあ、空から航空爆撃で卵を焼き尽くしてくれ!」
イスカンダル「うむ、任された!ありったけの爆弾を用意してくれ」

イスカンダルは戦士の姿に変え、魔力が完全に回復した事を
パタリロに告げる。それを聞いたパタリロはイスカンダルに
空から卵を航空爆撃で焼き尽くす事を提案する。それを了承した
イスカンダルは戦車に積めるだけの爆弾を用意するように言う。

パタリロ「おそらく、幼生体のジラもまだまだうようよいると考える。
      聖闘士やガイストクラッシャーのお前達にも手伝ってもらうぞ!」
蒼摩「応!」
レッカ「燃えてきたぜ!」

蒼摩やレッカ達、青銅聖闘士やガイストクラッシャー達は心をたぎらせて
張り切る。

虎太郎「ちぇー、まーた俺達は留守番かよ!」
エリ「文句を言わない。留守番も大事な事よ」

またもガンバ―チームが留守番な事に、虎太郎は文句を言うが
同じく留守番のエリが留守番も大事だという事を教える。
そして、準備を終えてメンバーはジラの巣へと向かった。

120ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2014/09/15(月) 11:12:17
***ジラの巣***

ジラA「ギシャァァ!」
ジラB「ギシャァァァ!」
量産型ボン太くんA「ふもっふ」ドドドドド
量産型ボン太くんB「ふも〜」ドドドド

ジラの巣へとやってきた、量産型ボン太くんを装着したタマネギ部隊達は
幼生体のジラにマシンガンを雨の様に撃つ。

イスカンダル「ふむ、こいつに乗るのも久しぶりだのう。では・・・
       蹂躙の開始だ!」
タマネギ部隊C「爆弾投下、開始!」
タマネギ部隊D「投下、開始!」

神威の車輪に乗るイスカンダルは卵のある位置の上空へとやって来ると、
同乗しているタマネギ部隊に、持ってきた爆弾を投下する。

ドカーン、ドカーン

爆弾の雨によって、ジラの卵は燃えて近くにいた幼生体のジラも
爆弾によって、蹂躙されていく。

栄人「あっけないな」
クラマ「俺達も来る必要なかったんじゃないのか?」

同行していた青銅聖闘士とガイストクラッシャー達はジラを倒していくが、
空からの航空爆撃によって殆どが全滅した。

ズシーン、ズシーン

ハヤト「何だ、この大きな足跡は!?」
ユナ「見て!?」

大きな足跡がして、一同が驚いていると森から現れたのは
完全に成長したジラだった。

ジラ(完全体)「キシャァァァァ!!」
イスカンダル「くっ、あれほど成長しておる者がいたとは!?」

巨大なジラが出現し、喰われそうになったので急いで『神威の車輪』を
移動させる。

量産型ボン太くんA「ふも〜(撃てー!)」
量産型ボン太くんB「ふもも、ふもっふ(怯まずに撃て!!)」

量産型ボン太くんを装着しているタマネギ部隊はマシンガンで応戦するが、
あまり効果は無かった。

イズナ「ここからが、俺達の出番のようだな」
シレン「ああ、アンコールの開始だ」

完全体のジラの登場に、青銅聖闘士とガイストクラッシャー達は
気をとりなおして、構え直すのであった。

***ブリアン島・森林地帯***

一方、Gショッカーの秘密基地から助けられた子供達は、秘密基地の場所を
教えてくれたピグモンや助けに来た高木はるか達に護られながら、キャンプ場
へと戻るべく森林地帯を走っていた。

ズシーン、ズシーン

吼児「この地面の揺れは!?」
沙斗里「あ・・・あそこにいるのは、もしかして!?」
バラゴン「ガァォォォー!」
充紀「バラゴンや!レッドキングを倒したバラゴンがおるで!」

地面の揺れに驚く吼児。そして選ばれしドライバーである
美輪沙斗里や羽根充紀は、森から現れたバラゴンの登場に驚愕する!

はるか「皆、バラバラにならないで!急いでこの場から離れて、
    キャンプ場へと戻るのよ!」

はるかはクナイを構え、皆がバラバラに行動にしないように注意しつつ
急いで、キャンプ場へと戻ろうとするのであった。

121ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/09/16(火) 00:01:03
<暴れん坊将軍スペシャル 吉宗落涙!天一坊事件始末>

出張で紀州山中へと蟲退治に来ていた、蟲奉行所・市中見廻り組同心である
月島仁兵衛と火鉢は、自分たちと同世代で天一と名乗る少年剣士と、
天一の幼馴染・お美津と偶然出会い、すっかり仲良くなり意気投合する。
だがその天一の背後には、山内伊賀介なる謎の怪人物が控えていた…。

それから数ヵ月後、京の都に将軍吉宗のご落胤・天一坊が名乗りを上げた。
一味の参謀と思しき用人格は山内伊賀介、家老を務めるは赤川大膳と藤井左京。
対応に苦慮した京都所司代・板倉周防守からの要請を受け、ご落胤の真偽を確かめるべく
蟲奉行は無涯を供に連れて京の都を訪れる。

京についた虫奉行と無涯は、接待を受けた料亭で、
店の主人や芸者に化けていた刺客の襲撃を受ける!

無涯「尾張柳生と見た。尾州家が何の用だ?」
刺客「問答無用!」

難なく刺客たちを退ける無涯。
刺客を放ったのは、御三家筆頭・尾張藩惣目付・須藤采女であった。

伊賀介「尾州家の方々が、天一坊様を擁し奉る我等一同に肩入れをするは、
 宿敵ともいえる八代将軍吉宗公に揺さぶりをかけ、あわよくば天下を伺うため」
采女「さよう。しかし明日、天一坊殿には、京都所司代・板倉周防に会われるとか。
 ここで疑いを招くようなことがあっては…」
伊賀介「心配はござらん!」
采女「いや、そのために板倉は蟲奉行を呼び寄せて、真偽を探ろうとしてござる」
伊賀介「蟲奉行?」
采女「万一見破られてはと思い、しかるべき手は打ってござる」
大膳「なんと!?」
伊賀介「早まったことを」
采女「島原の廓におびき寄せて、今頃は…」

そこに逃げ帰ってきた刺客が報告に現れる。

采女「戻ったか。して仕留めたか?」
刺客「申し訳ございません!」

刺客は蟲奉行暗殺失敗を告げる。

大膳「愚かな! 下手な小細工を弄しては、かえって若様の御身に
 疑いが降りかかるではないか!」
伊賀介「構わん。今のうちに疑うだけ疑わさせておけ。
 明日、その疑いを覆してみせれば、信用の方が強まるものだ」

122ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/09/16(火) 00:01:36
翌朝、京都所司代・板倉周防守の役宅にて蟲奉行と天一坊は対面した。

板倉「ようこそおいでくださいました。天一坊様にはご機嫌麗しく
 恐悦至極にござる。これなるは天樹院様ご養女にて従二位別格老中・蟲奉行様。
 天一坊様とはご遠縁にあたられる御方にござる」
伊賀介「天一坊様の御側御用を務めまする、山内伊賀介にござります」
蟲奉行「ときに伊賀介とやら、天一坊殿ご落胤たる証拠の品がおありとか?」
伊賀介「いかにも。これい」

伊賀介は証拠の品々を運ばせてくるが、なんとそれらの品々は
毒蛇の入った虫篭のなかに収められていた!?

蟲奉行「………」
板倉「こ、これはいったい何の真似でござる!
 蟲奉行様に対し無礼でござろう!」
伊賀介「いやいや、蟲奉行様に証拠の品々をご覧頂くのは
 願ってもないこと。聞けば蟲奉行様におかれては、
 強烈な毒を自在に操ることがお出来とか。
 なれば毒蛇に噛まれても平気なはず。
 ささ、手にとってしかとお確かめくだされ」
板倉「座興にも程がある!」
蟲奉行「妾は構わぬ」

蟲奉行はそう言うと籠の中に手を伸ばし、
毒蛇に噛まれつつも平然とした顔で証拠の品々を取り出し、
じっくりと鑑定を始める。

蟲奉行「恐れ入り奉る。縁頭(ふちがしら)から鐺(こじり)まで葵の紋散し。
 中身は志津三郎の名刀。お墨付きは紛れもなく、将軍家ご直筆と存ずる」
伊賀介「さすがは蟲奉行様。そのご鑑定、我等一同にとって心強い味方にございます」
蟲奉行「………」

蟲奉行から早馬で手紙を受け取った、江戸城の将軍吉宗は、
直ちに天一坊一行に江戸へ向かう許可を出す。

吉宗「どうだ忠相、佐和が生んだ子に間違いないと思うか?」
忠相「………」
吉宗「どうやら、まこと俺の子らしいな」

実は吉宗にはまだ紀州家に部屋住みだった頃、
生き別れとなった初恋の人・沢ノ井ことお佐和の方がいた。
天一坊はその佐和との間の子らしいのである。
もし天一坊が本当に吉宗の子であれば、世継ぎである長福丸家重よりも
年長の兄ということになる。

123ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/09/16(火) 00:02:13
一方、姿を消した幼馴染・天一を追って江戸に来ていたお美津は、
火焔大魔王残党の妖怪たちに襲われる。その窮地を救ったのは、
かつて火焔大魔王との決戦で命を落としたと思われていた、
白獅子仮面=南町奉行所武装同心隊影与力・剣兵馬であった。
お美津の話では、幼馴染の天一こそが、今巷で有名なご落胤天一坊なのだという。
剣兵馬はお美津を南町奉行所に保護する。

相変わらず貧乏旗本の三男坊・徳田新之助として江戸市中を散策する吉宗。
偶然蟲奉行所の面々とも知り合い、蟲奉行所で息子・家重とバッタリ。

新之助「家重!?」
長福丸「父上!?」
仁兵衛「なんと、新さんと長福丸殿はお知り合いでござったか!?」
新之助「…あ、いや、長福丸殿と俺は遠い親戚でな。ハハハ…」

大岡越前は剣兵馬に吉宗を紹介する。

忠相「兵馬、ここにおわすは上様にあらせられる」
兵馬「徳田さんが上様!? 知らぬこととは申せご無礼の段、
 何卒お許しください」
新之助「よい。ここにいるのはあくまで貧乏旗本の三男坊・徳田新之助だ。
 剣兵馬、いや、白獅子仮面、俺に力を貸してくれるな?」
兵馬「ハハッ、この命にかえましても!」

ついに江戸に到着する天一坊一行。
親子対面を執拗に阻止しようとする大岡越前は
吉宗の逆鱗に触れる!?

吉宗「その忠義面! もう見たくもないわ!
 その方本日只今より出仕には及ばず!」
忠相「…上様!?」

はたして大岡越前を追放した吉宗の真意とは?
火焔大魔王の残党や蟲人までもが暗躍を開始する中、
尾張藩や天一坊一味をも裏で操る真の黒幕、
京の公卿・六条大納言行平卿の企てる幕府転覆の陰謀とは!?

いつも心が乾いているお毒見役や葵を名乗る青年剣士、
隻眼隻腕の素浪人や喧嘩屋の夫婦など、
享保年間に活躍した正義のヒーローオールスター集合は実現するのか!?

乞うご期待!

124ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/09/16(火) 20:24:26
>>23補足

***日本海溝・ブレイバーベース***

ギルモア「よく来てくれたのおパーセプター」
パーセプター「これはギルモア博士、その後ブレイバーベースの
 メインシステムの調子はどうですかね?」

このブレイバーベースの設計にも関わっているサイバトロンの科学者パーセプターは、
要塞機能の最終段階の調整に携わるため、わざわざ月のムーンベースから
ここ地球のブレイバーベースを訪れていた。

パーセプター「何やら騒がしいようですが?」
ギルモア「うむ、実はな…」

パーセプターは何やら司令部の様子が落ち着かないことに気づき、
ギルモアに仔細を尋ねる。ギルモアの話では、
数日前に日本の横浜から出航し、南太平洋のブリアン島で
キャンプ合宿を行っているはずの子供達から急に連絡が途絶えたのだという。
この事態に佐原博士を始めとする上層部は、何かあったのでは無いかと話し合っていたのである。

佐原「…子供達がブリアン島へ行ってから数日。
 とっくに帰ってきていてもおかしくない筈なのだが」
ギルモア「ファイブマンや仮面ライダーアマゾンをはじめ大人たち、
 それも歴戦の勇士たちが一緒におるんじゃ。まさかとは思うが…」
パーセプター「それは心配ですね…」

その時、要塞ナビゲーターのエルファから通信が司令部に入る。

エルファ「佐原博士!ギルモア博士! キャンプに参加していた
 アトムくんが海を漂っている所を発見されました!」
佐原&ギルモア「「何だって!」」

エルファから、アトムが海を漂っていた所を
近くの漁船に発見され回収された事が告げられる。
回収されたアトムは、レッドキングのパンチの衝撃を受けた事で所々破損個所があり、
すぐ様科学省長官であるお茶の水博士を呼んで、たまたま居合わせた
パーセプターも加わり修理作業が行われた。

それからしばらくして、無事修理作業が終わりベッドで
寝かされていたアトムが目を覚ます。

アトム「ん…ここは?」
お茶の水「ブレイバーベースの内部にある医療施設じゃよ、アトム。
 お前さんは海を漂流していたのを回収され、ボロボロじゃったから
 修理したんじゃよ」
アトム「お茶の水博士!?そうか、レッドキングのパンチで…」
佐原「目が覚めたばかりで済まないが、何があったのか教えてくれないか? アトム君」

目覚めたアトムは状況を確認した後、お茶の水博士達にブリアン島
にレッドキングやエビラといった怪獣が目覚めてキャンプに参加している
子供達に危険が迫っている事を教える。

ギルモア「何という事だ!?」
佐原「すぐに出撃メンバーを揃えて、救出に向かわねば!」

アトムから島の状況を知らされ、直ちに佐原博士は救出に向かう
メンバーの編成を始める。

アトム「僕も…!」
エルファ「その身体ではまだ無理よアトムくん!」
お茶の水「お前さんは、まだ修理したばかりじゃ!おとなしく寝ていなさい」
アトム「いいえ、博士!あそこには新しく出来た友達がいるんです。
 行かせて下さい!」

修理が終わったばかりのアトムに寝ているように言うお茶の水博士とエルファだが、
アトムは友達を助けたいと真剣な眼差しでお茶の水博士に訴える。

お茶の水「…はぁ〜、分かった。わしの方から佐原博士に
 救出メンバーに加えてもらえるように言っておこう」
アトム「博士!」
お茶の水「その代わり、無茶をするんじゃないぞ!」

125ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/09/16(火) 20:25:19
こうしてアトムも再調整を手早く済ませて救出メンバーに加わることになった。
それを見ていたエルファも意を決して佐原博士に願い出る。

エルファ「お願いです佐原博士、ブレイバーベースもブリアン島まで
 出動させてください!」
佐原「それはできん。今ブレイバーベースを不用意に移動させ、
 海上へ浮上させることにでもなれば、敵対勢力にこちらの手の内を
 明かすことにもなりかねない」
パーセプター「しかし佐原博士、こんな事態に不謹慎な物言いなのは
 重々承知だが、これはブレイバーベースの変形機構の最終チェックには
 最適な機会かもしれない」
佐原「パーセプター、君まで…」
エルファ「お願いです!」
佐原「わかった。許可しよう!」
エルファ「ありがとうございます!」

エルファの真摯な訴えに、佐原博士もつい折れた。

004「責任を感じているのか?」
エルファ「………」

ゼロゼロナンバーサイボーグのメンバーである004がエルファに尋ねる。
そもそも最初にブリアン島が安全な地域だと進言したのは、他ならぬエルファなのである。

エルファ「アトムくんの必死な姿を見て、居ても立ってもいられなかっただけです」
002「居ても立ってもいられなかったって…コンピューターなのにか?」
003「ちょっと002!!」

側で聞いていた003が、002の失言を強く嗜める。

エルファ「いいんですフランソワーズさん――いえ、003。
 所詮、私はこの基地のコンピューターですから…」
003「エルファ…」
004「ブリアン島の事前調査で危険を見抜けなかったのは
 直接現地に赴いて調べた俺と002も同罪だ。
 決してアンタだけの責任じゃない」
エルファ「………」


***シン・ザ・シティ 破嵐財閥本社***

ブリアン島に向かった一行が遭難したとの急報は、
破嵐財閥本社の社長室で執務中だった破嵐万丈にももたらされた。

万丈「子供たちが乗っていた船は、確かうちのグループの所有だったね?」
ギャリソン「さようにございます」
万丈「ギャリソン、午後の四菱会長との会食その他は全てキャンセルだ!
 先方には申し訳ないが、そのようにお伝えしてくれ」
ギャリソン「ですが万丈様、もし四菱との商談が破談となりますと、
 ビジネス上の損失は百数十億円にも達しますが?」
万丈「仮に百数十億円の損失でも、お客様の安全には代えられないよ。
 違うかい? ギャリソン」
ギャリソン「いいえ、万丈様の仰るとおりでございます(*^ー゚)」

そんな万丈の言葉を待ってましたとばかりに、
ギャリソンはすでにダイターン3の出撃準備を準備万端整えていた。
こうして破嵐万丈も救出作戦に参加すべく、
直ちにブレイバーベースへ急行するのであった。


○パーセプター→ブレイバーベースの変形機構の最終チェックのため、ブレイバーベースを訪れる。
○アイザック・ギルモア→ブレイバーベースにやって来たパーセプターを出迎える。
○佐原正光→ブリアン島への救出隊を編成する。
○アトム→ブレイバーベースに回収され、修理される。その後、救出隊に志願する。
○お茶の水博士→ブレイバーベースに呼び出され、アトムを修理する。
○002→ブリアン島への救出作戦に参加する。
○003→ブリアン島への救出作戦に参加する。
○004→ブリアン島への救出作戦に参加する。
○破嵐万丈→午後の重要な商談をキャンセルして、ブレイバーベースへと急行。
○ギャリソン時田→万丈の指示で、午後のビジネスの予定を全てキャンセルする。
○エルファ→佐原博士に、救出作戦へのブレイバーベース参加を訴え出る。

126ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/09/16(火) 22:40:38
<闘争の系統 最終回の構想その1>

ブレイバーズの活躍により、大方の悪の勢力は全滅していき、
牧村光平=天凰輝シグフェルの宿命のライバルである、
牙冥甲ザジロード=彩堂寺戒も一対一の決闘の末に光平たちと和解。
ブレイバーズにさらに心強い仲間が加わった。
シグフェルとザジロードは共闘の末に、ついに堕神界を壊滅に追い込む。
こうして残る敵はGショッカー唯一つを残すのみとなった。

Gショッカーの次期創世王を決するバトルファイトを最終的に制したのは、
悪魔に覚醒した門矢士=魔王ダークディケイドだった!

マッドギャラン「じじい! いったいどこから入って来た!?」
栄次郎「マッドギャラン、誰に向かって口を聞いておる?
 我こそは…死神博士なるぞ!」

光栄次郎はガイアメモリを首筋に差込み、
黒マントが飛来し、死神博士へと姿を変える。

死神博士「Gショッカーの偉大なる次期創世王、ダークディケイド様に乾杯!」
士「お前たちはこれから俺の手足となって働くのだ!」

逆らう者を力でねじ伏せ、ダークディケイドはGショッカーに君臨した。
死神博士はダークディケイドの後見人となり、
表舞台に出てきた暗黒銀河女王と共にGショッカーの№2となる。
表裏六柱の至高邪神の意思に身体を乗っ取られた状態の門矢士…。
だが門矢士の本当の狙いは、表裏六柱の至高邪神の霊魂を
自分ごとブレイバーズに倒させることにあった!
まだ門矢士は正義の心を失ってはいなかったのだ。

ついに現れたブレイバーズ最大の敵、究極の闇。
それは至高邪神に憑依された門矢士の肉体をコアとして、
今までに倒された全ての邪悪なる者たちの集合体である。
士=ディケイドの真意を悟ったブレイバーズの戦士たちは
涙を拭ってついに究極の闇を倒すことに成功する。
ブレイバーズは勝利を得たが、失った犠牲も大きかった…。

宇宙から全ての悪がいなくなり、平和が戻ったかに見えた。
だが、ここからが真の最後の戦いの序章となろうとは、
まだ誰も気づいてはいなかった。

127ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/09/16(火) 22:41:11
あらゆる全ての時間・時空・世界をも飲み込んでしまうという
超巨大な暴走時空クレバス――グランドクレバス。
銀河バイブルに予言されていた「闇の勝利」。
しかし究極の闇を倒したことで予言内容が覆ってしまったため、
この世の秩序を司る大いなる意思のシステムが作動し、
全ての世界を無に返すために作動し始めたのだ!
星間評議会では直ちにグランドクレバスへの対策が開始される。

星間評議会最高議長ジュリアス・カミュエルは、
行政府首相、星間評議会軍総司令官、宇宙警察総裁などの
あらゆる要職を兼任し、今や絶大な権力が集中している身であった。
実はカミュエルの正体は、堕神の大審官アークシセイザーであり、
全ての戦乱の筋書きを書いて裏から操っていたのはこの男だった。
堕神界が壊滅した後も何食わぬ顔でのうのうと生き延びており、
ついに自らの野望の最終段階にとりかかるために動き出す。

カミュエルはまず知りすぎた男として天凰輝シグフェルを
ブレイバーズから引き離し、排除へととりかかる。
まんまとカミュエルの罠にかかった光平は生死不明の状態となってしまう。
そしてカミュエルから特殊爆弾を渡されたブレイバーズ主力部隊は
グランドクレバス殲滅へと発進していく。
それがカミュエルの策謀だとも知らずに…。

カミュエル「ありがとうブレイバーズ。そして、さようなら」

一方、仮面の女=ユーフェミア・リ・ブリタニアは、
スザクやルルーシュたち懐かしい人々とも再会を果たし、
周囲から元のギアス世界への帰還を勧められていたが、
カミュエルことアークシセイザーの真の野望の意図を見破っており、
それを阻止しようと奔走していた。
彼女はカミュエルと刺し違える覚悟である。

ユーフェミア「カミュエル卿、最低限の少ない犠牲で、
 全ての世界に平和をもたらすと言ったあの時の言葉、
 あれは偽りだったのですか?」
カミュエル「フフフ…まだを信じていたのですか、
 あのような戯言を! 全ての世界に新たなる秩序を
 もたらすためには、夢物語では叶いません。
 歴史とは常に、血を求めるもの。まもなく全宇宙は
 火の海に包まれることになりましょう」
ユーフェミア「そんなことは私が許しません!」
カミュエル「ユーフェミア姫、すでに究極の闇も倒され、
 光と闇の戦乱が終結した今、もはや貴女の役目は終わった!
 これからは大人しくしていていただこう」
ユーフェミア「カミュエル卿、お願いです。
 どうか恐ろしい企てはおやめください。私も全ての
 責任を背負います。あなたも身をお引きください」
カミュエル「フハハハ! この世は全て金と力だ。
 虫けらの如く生きよとは笑止千万! 私の望みは誰にも
 止められん!」

ユーフェミアはついに懐の短刀に手をかける。

ユーフェミア「悪魔め! お止めなさらんと言われるか!」
カミュエル「………」
ユーフェミア「ジュリアス・カミュエル卿、醜き私欲のため、
 これまで多くの罪なき人々を死へと追いやってきたその罪…
 …私と共に死んでお詫びいたします!」

短刀を抜いてカミュエルに襲い掛かるユーフェミア。
だが哀れなるかな、か弱い女の身では敵うはずもなく
返り討ちに遭い、駆けつけて来たロロたちの眼前で
カミュエルにその胸を刺し貫かれてしまうのだった。

128ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/09/16(火) 22:41:52
虫の息のユーフェミアは病院へと担ぎ込まれる。
ベットの上で彼女はジュリアス・カミュエルの正体が
堕神アークシセイザーであることと、シセイザーの真の目的を告げると、
スザク、ルルーシュ、ナナリーたちの見守る中、静かに息を引き取った…。

宇宙警察の捜査で、本物のジュリアス・カミュエルなる人物は、
実は5年前に死亡しており、アークシセイザーがそれに成り代わって
星間評議会で権力を握っていた事実が判明。
グランドクレバス殲滅に向かったブレイバーズに急いでこの事実を
伝えなければならないが、すでにエンペリアス星は完全に封鎖されていた。
そこで毒島嵐と尾村豪が、事前にユーフェミアから遺命を託されていた
ロボマゼンダに案内されてシステムセンターへと忍び込む一方、
ヌマO長官、ゴードン長官以下宇宙警察首脳部は、精鋭を率いてカミュエルとの対決に向かう。

ヌマO「ジュリアス・カミュエル最高議長、あなたを逮捕します!」
カミュエル「これは星間評議会に対する反逆か?」

ついにアークシセイザーの正体を現したカミュエルは、宇宙警察部隊を軽々と返り討ちにし、
これによりヌマO長官とゴードン長官も生死不明となってしまう。
一方、システムセンターでは、ロボマゼンダの命がけの行動によって封鎖が解除された。
だが無理が祟りメカの身体がオーバーヒートした結果、ロボマゼンダは炎に包まれ
命を落としてしまう。ロボマゼンダも最初から死を覚悟しての行動だったのだ。
炎上するシステムセンターから脱出する直前、ロボマゼンダの姿が人間・仙田ルイへと
戻る瞬間を目撃した毒島嵐と尾村豪。果たしてそれは死の直前に奇跡が起きたのか、
それともただの幻だったのか、それは今となっては誰にもわからない…。

封鎖が解除されたことで、ルルーシュたちギアス勢は、
ユーフェミアの遺志を継ぎ、ブレイバーズに危機を伝えるべく
エンペリアス星から脱出する。

星間評議会を永久解散に追い込み、新たに超次元星間帝国の成立を
宣言するアークシセイザー。

シセイザー「全次元の知的生命体に告げる! これより全ての世界は
 超次元星間帝国の支配下に置かれる。無駄な抵抗はするな。
 反逆者には死の裁きがある!」

尾村豪と共に超次元星間帝国に抵抗するレジスタンスと合流し、
エンペリアス星の地下へと潜伏した毒島嵐は、
アークシセイザーの演説の映像を苦々しく見つめている。

嵐「アークシセイザー、落とし前は必ずつけてやるぜ!」

129ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/09/16(火) 22:42:24
グランドクレバス直前へと迫るブレイバーズ主力部隊。
ここに至り、渡された特殊爆弾がとんだ紛い物であり、
カミュエルに騙されていたことにようやく気づくが後の祭り。
ギアス勢も駆けつけるが、迫るグランドクレバスに全てが
飲み込まれようとしたその時、死んだと思われていた
門矢士=仮面ライダーディケイドと牧村光平・天凰輝シグフェルが
颯爽と救援に参上し、ブレイバーズはグランドクレバスからの脱出に成功する。
天凰輝シグフェルはパワーアップし、スーパーシグフェルとなって生まれ変わっていた。

ブレイバーズでは合議の結果、まずはグランドクレバス対処よりも
星間評議会本府のあるエンペリアス星の奪還を目指し前進することにする。
エンペリアス星でブレイバーズを待ち受けていたアークシセイザーは、
巨大バイオ獣化アーマー「パラロイドメア」に自ら搭乗し迎撃に出る。
激戦の末にパラロイドメアを倒すブレイバーズ。
しかしアークシセイザーは今際の際に不気味な一言を残したのだった…。

シセイザー「見事だ。だがこれで私の計画が終わったわけではない」

アークシセイザーは倒したものの、未だ解決したわけではないグランドクレバスの脅威。
果たしてこのまま全ての世界と時間はグランドクレバスに飲み込まれ消滅してしまうのか?
そして、アークシセイザーは本当に死んだのだろうか…?

リナ「じいさん、アンタいったいどっちの味方よ!」
栄次郎「わしの目的はあくまでも見届けが役目。どちらの味方でもないよ」

死神博士だったのに、まるで何事もなかったかのように
皆の前でティータイムを楽しんでいる光栄次郎の姿に思わずズッコけ、
ツッコミを入れるリナ・インバースに、栄次郎は意味ありげな返答を返す。

続きのネタバレは後日に…。

130ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/09/17(水) 00:31:06
<闘争の系統 最終回の構想その2>

ユーフェミアの遺していたデータから
グランドクレバスを消滅させる方法を見出したブレイバーズ。
最高総司令官タシロ提督自らの指揮の下、ついに最後の戦いへと
出撃するブレイバーズ軍団!

しかし、グランドクレバスを消滅させることは、
他の時空クレバスも発生しなくなり、ディオドスシステムすらも機能しなくなる。
それはすなわち、他所の次元世界や時間からやって来ている者たちが
元の世界に帰れなくなることを意味していた…。
三次元宇宙在住組は異世界組に事前に帰還することを勧めるが、
異世界組は全員すでに腹を括っており、最後まで共に戦い抜く覚悟だ。
そしてついにグランドクレバスを消滅させることに成功した!

副長「全艦、ワープアウト! ブレイバーズ各艦、健在です!」
タシロ「しかし、バスターマシン3号の中心にいたタカヤ君とオオタ君は…」
竜馬「ノリコ…カズミさん…」
凱「間に合わなかったのか…」

甲児「お、おい…あれは…」
リュウセイ「ガンバスター…! ガンバスターだ!!」
ノリコ「お姉様…見えます…?」
カズミ「ええ…見えるわ。あれはヱルトリウムの灯よ…」

ユング「お帰りなさい、ノリコ…カズミ…」
ノリコ「ユング…みんな…」
カズミ「ガンバスター…ただ今、帰還しました…」
ノリコ「お姉様も…私も…健在です!」

宇宙空間に歓声が湧く。

シンジ「僕達…勝ったんですね…!」
フォッカー「ああ、そうだ! 俺達はグランドクレバスを打ち破ったんだ!」
タシロ「まさに奇跡が起きたか…」
アメリア「でもこれで私たちは元いた世界にはもう帰れないんですよね…」
ゼルガディス「アメリア…」
ディアッカ「リュウセイさんよ! あんたの次元斬とかで、どうにかなんないのか?」
リュウセイ「………」
ライ「リュウセイ…」
リュウセイ「駄目だ…。やっぱり、クロスゲートも何の反応も示さねえ…」
ヴィレッタ「バンプレイオスでも無理か…」
リュウセイ「すまねえ、みんな…。何の役にも立てなくてよ…」
アデュー「………」
ジュード「………」
アレン「………」
ライダー1号「すまない。元はと言えば我々の世界で起こった事のために…」
ノリコ「他の世界のみんなまで巻き込んでしまって…」
ハクオロ「どうか気にしないでもらいたい。これは私たち自身の意思で決めたことだ」
リナ「大丈夫よ。きっと何とかなるって♪」
ノリコ「でも、もし帰れなかったら…?」
アスベル「その時は、生きていきますよ。この世界で…」
エミリア(恵美)「私達が全てを懸けて守った世界です。きっと、希望に満ち、平和な世界でしょう」
エルルゥ「ハクオロさん、地球に着いたらいろいろ案内してくださいね」
ハクオロ「ああ、一段落ついたらあちこち案内しよう!」
万丈「やれやれ…僕らも彼らのポジティブさは見習わなくてはいけないな」
カズミ「ノリコ…」
ノリコ「はい…! ありがとう…ありがとう、みんな!」
タシロ「諸君、よくやってくれた。現時刻をもって神壱号作戦の終了を宣言する!」
ヒイロ「…任務完了、確認」
ブライト「了解です」
マリュー「こちらも了解です」

131ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/09/17(水) 00:31:41
洸「………」
マリ「どうしたの、洸…? 何だか顔色が悪いけれど…」
洸「……(何だ…この感覚は…)」
マイ「アヤ…」
アヤ「悪寒が…消えない…」
真吾「…どうにもな…」
キリー「ああ…」
レミー「さっきからゴーショーグンのパワー…下がんないのよね…」
竜馬「………」
隼人「リョウ…」
竜馬「…わかっている。このゲッターの反応は…」
デク「コ、コスモ…!」
コスモ「…黙ってろ、デク…! ゲージが下がらない以上…何かが起こる…」
カーシャ「それって…」
コスモ「………」

ザジロード「どうした、シグフェル?」
シグフェル「まだ終わっていない…。いや…最も恐るべき敵が俺達に迫っている…」
ザジロード「何だって!?」
シグフェル「来る…。圧倒的な悪意を連れて…!」

ハタリ「前方の宙域に重力場異常! 何か来るぞ!」
カララ「あ…ああ……」
ベス「どうした、カララ!?」
カララ「お腹の中のメシアが言っている…。敵が来る…と!」
ベス「敵だと!? この何もない宙域にか!」

ついにブレイバーズの前に現れた最終ボス。
その名は「破壊女神ニューリス」!
全ての時間と宇宙に破滅と新生をもたらす者であった。

万丈「ジュリアス・カミュエル!――いや、アークシセイザー!
 生きていたのか!?」
シセイザー「言った筈だ。私の計画はまだ終わったわけではないとな!」

アークシセイザーは自らの真の目的を語る。

シセイザー「そもそも"征服""変革""世直し"などという時点で
 全てが間違っていたのだよ。いかに優れた指導者がこの世を統べようとも、
 一人残らず全ての愚民を正しく導くなど不可能! どんな体制もいずれは必ず
 矛盾が生まれるものだ。ならばその矛盾の根源そのものを絶ってしまえばいい。
 だから私は全てを滅ぼす。私と、この私を愛し庇護してくれる神を除く全てだ!
 これで世界からは矛盾と争いは取り除かれ、この私の意志と決断こそが
 自動的に唯一絶対の正義となる。なぜなら、もう私の意志に反抗する者も、
 私の意志によって傷つく者もいなくなるからだ! 私の欲望も満たされる!
 これこそが真の絶対真理! この私が残された資源も、権益も、利潤も、
 そして神の愛をも全て独占するのだ!」

アークシセイザーの真の目的は、自分以外の生命と世界を全て滅ぼし、
自分と自分だけを愛してくれる神ニューリスだけで、新たな世界に君臨することだったのだ!

カミーユ「この男…完全に手段と目的をはきちがえている…!」
シャア「人間の醜いエゴもここに極まったか!」
セーラームーン「全ての世界の生命を根絶やしにしようとする破壊女神ニューリス!」
甲児「その存在…! 許すわけにはいかないぜ!」
竜馬「どうやら、これが本当に俺たちの最後の戦いのようだ!」
アムロ「行くぞ、みんな! 奴を倒さなければ、宇宙に平和は永遠にやってこない!」

開始されるファイナルバトル!
果たしてブレイバーズは破壊女神ニューリスとアークシセイザーを倒し、
全ての宇宙に真の平和をもたらすことはできるのであろうか!

132ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2014/09/17(水) 10:56:02
スダールを仕留め、食事を終えたブレイバーズの子供達は各々の
テントで眠りについた。寝静まったその夜...。

沙斗理「・・・う〜ん」
りんね「・・・(沙斗理さん?トイレかな?)」

りんねと同じテントで寝ている仲間の選ばれしドライバー、美輪沙斗理が
寝惚け眼でテントを出た。りんねも気が付いたが、トイレだろうと思い、
また眠りにつく。
そして、案の定トイレだった沙斗理はそのまま自分のテントに戻る筈だったが
やはり寝惚けていて、森の中へと人知れず消えてしまう。

5日目の朝。
起床した子供達は、朝食を食べる。本日のメニューは、昨日同様
スダールを材料にしたタコ料理である。

充紀「・・・道具さえあれば、たこ焼きが出来るやけどな〜」
駆流「でも、このタコ飯も美味いぜ」

選ばれしドライバーで、大阪生まれのミッチーこと、羽根充紀は
タコ料理を食べている内にたこ焼きが食べたくなったが、駆流は
そんな事を気にせずにタコ飯を食べる。そして、りんねがやってくる
のだが、様子がおかしかった。

壮太「どうかしたの、りんね?」
りんね「うん。それがね―」

りんねは今朝から、沙斗理がテントに戻っていない事を駆流達に話す。
そして、その事を学達にも話し、沙斗理の捜索が行われた。

学「いたか!?」
健「いや、こっちにもいない」
数美「どこいったのかしら?」
両津「お〜い、こっち来てくれ!」

探せども、キャンプ場にはどこにもいなかった。そんな時に、
両津が皆を呼び寄せる。そして向かうと、足跡が森の方へと
続いていた。

りんね「沙斗理さんの足跡!?」
宗介「森の方へと続いている、彼女が危険だ!」
かなめ「でも、森の中で見つかるのかしら?」
刃「だったら、任せろ。カゲトラ、お前の出番だ!」
カゲトラ「ガウ!」

森の中へと消えた沙斗理を探すべく、刃はカゲトラにニオイで
追跡さえる事にした。その後、彼女を探索するべく探索チームが
結成されて、その後を追った。

〜ブリアン島・森林地帯〜

カゲトラを先頭に探索チームは周囲を警戒しながら、森の奥へと
足を進める。

トシ「・・・にしても、沙斗理のねーちゃんにも困った物だぜ!」
ソウシ「船の中でも、迷っていたよね?」

探索チームに加わったトシとソウシは歩きながら、沙斗理の事を話す。
沙斗理は極端な方向音痴で、尚且つ風水等の占いで行動する為、
目的の場所になかなか辿り着けない事が多い。島へと向かう船の
中でも迷っている事が多かった。

薫「でも、ドジっ娘のメガネ美人ってかわいくね?」
紫穂「薫ちゃん、また親父が入っているわよ」
葵「ま、同じ京都人同士。私が助けたるしかないわ!」

薫は沙斗理のドジっ娘でメガネの似合う美人である事に
興奮しながら語る事に、紫穂が冷静に突っ込む。葵は
同じ京都出身である為、助けだす事に張り切っていた。

皆本「お前たち、何があるか分からないんだ。無駄話をしているじゃあない」
カゲトラ「ガウガウ」
刃「どうした、カゲトラ?この先にいるのか?」
飛鳥「この先は・・・谷になっているわね」

皆本はチームの引率者となり、お喋りしている薫達を注意する。
すると、カゲトラが何かを嗅ぎ付けた様で吼えている先を見ると
いつの間にか森を抜けて、谷間に訪れていた。

133ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2014/09/17(水) 13:12:47
森林地帯同様、周囲を警戒しつつ不気味な雰囲気が漂う谷間を
一同は歩いていた。

カゲトラ「ガウガウ!!」
刃「カゲトラ、見つけたのか!?」
イサミ「あ、あれは...!」
トシ「何なんだよ、あれ...」

カゲトラが吼えたので、一同が見つけたのは何と巨大な蜘蛛の巣だった。
そして蜘蛛の巣には、沙斗理が捕まっていた。

宗介「この巨大な蜘蛛の巣は一体?」
延珠「・・・沙斗理は、死んでしまっているのか?」
蓮太郎「分からねえ。まずは巣から降ろさねえと...」
皆本「待て、何か来るぞ!」

宗介はこの巨大な蜘蛛の巣に疑問を抱き、延珠は捕まっている
沙斗理の様子を見て、死んでしまったのかと心配するが、
蓮太郎は沙斗理を巣から降ろそうとする。しかし、皆本は
何かが近づいて来る気配を感じ取り、皆を制した。

クモンガ「チュ、チュウ―」
トシ「で、でっかいクモが出た〜!?」
皆本「あれは、クモンガか!」
薫「知っているの、皆本!?」

皆本は以前見た資料で、大グモ怪獣クモンガの事を知っていた。
その事を皆に話す。そして、クモンガは巣に捕まっている沙斗理の
下へと向かいだした。

トシ「あの、巨大グモ。沙斗理さんを喰う気か!?」
薫「だったら、私が助ける!」
皆本「待て、薫。クモンガの糸は鉄よりも強度が高い!」
薫「それじゃぁ、切れないじゃん!」

クモンガの糸の特性を聞いて、薫は助ける事が出来ないと言う。

宗介「だが、確かクモンガは火で簡単に焼き切れる筈だ」
ファイブブルー「だったら、俺がファイブブラスターで!」

同行した健は、既にファイブブルーへと変身してファイブブラスターの
ビームで糸を焼き切る。

飛鳥「ハッ!」シュタ
皆本「良し、気を失っているだけみたいだな。しんせん組の皆は
    彼女達を連れて逃げるんだ」
宗介「足止めは、俺達がする!」
イサミ「はい!」

飛鳥が沙斗理を受け止め、皆本は彼女が気絶しているだけだと
確認した後、イサミ達しんせん組に、沙斗理を連れて逃げるように
指示を出す。その間、残ったメンバーがクモンガの足止めをするのであった。

>>24に繋げる

134ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2014/09/17(水) 14:23:23
巨大なジラを前に苦戦を強いられる青銅聖闘士やガイストクラッシャー達。
このままでは全滅すると思われたその時、ジラに攻撃する者が現れた。

蒼摩「な、何だ!?」
レッカ「あれは!?」

攻撃した方向を見ると、巨大な鳥の姿をしたヘリコプターと
その傍らに鶏の様なヘリコプターと虎の姿をしたジェット戦闘機がいた。
巨大なヘリコプターは通信が回復した事で、シュリケンジャーが呼び出した
天空神。その傍らのヘリとジェット機は、異世界から地球へと帰還した
ゴーオンウィングスのそのパートナーの炎神、トリプターとジェットラスである。

アトム「皆さん!ご無事ですか?」
イエローガンバー「助けにきたぜ、兄ちゃん達!」
龍峰「君は、アトム!?」
レッカ「虎太郎も、何でここに?」

満身創痍となっていた青銅聖闘士達の前に現れたのは、
レッドキングに吹っ飛ばされたアトムとキャンプ場で留守番していた
ガンバーチームだった。

アトム「はい。あの後、漁船に発見されてブレイバーベースで修理を
    受けていたんです」
レッドガンバー「それで、修理を終えたアトムは他のブレイバーズの
    皆さんと救援として駆けつけたんです」
ブルーガンバー「そしたら、怪獣の叫び声がしたので、天界君が
    天空神を呼び出して、こうして助けを連れてやって来ました!」

アトムやガンバ―チームの説明を受けた一同は、再び救援に
駆けつけたヘリコプターの方を見た。彼らは俄然、ジラに攻撃を加える。

シュリケンジャー「飛翔変形、天空神!」
ゴーオンゴールド「ミッションスタートだ!トリプターパトリオット!」
トリプター「OK、アニキ!パタパタパタ」
ゴーオンシルバー「シュリケンジャー達のサポートをするよ!
      ジェットラストラホーク!」
ジェットラス「了解だ、バディ。ギーン!」

天空神に乗り込むシュリケンジャーは、天空神をロボットモードへと
変形させる。ゴーオンゴールドとゴーオンシルバーはパートナーの
炎神であるトリプターとジェットラスと共に、天空神のサポートを行った。

ジラ「―ギャォォォオオオ!」
シュリケンジャー「天空手裏剣!」

ゴーオンウィングスの攻撃に怯むジラに対して、シュリケンジャーは
天空神の胸の着いている天空手裏剣で攻撃。だが、負けじとジラは
尻尾を大きく振り回して、天空神に攻撃した。

ゴーオンゴールド「シュリケンジャー、トリプター達が元の姿でいられる
   時間がそろそろ危うい。トドメを任せたぞ!」
シュリケンジャー「了解。シノビメダル、セット!」

炎神はヒューマンワールド(地球)では、長時間その姿をしていると
存在が崩壊してしまうので、炎神キャストと炎神ソウルに分かれてしまう。
そして、元の姿でいられるのは10分間でしかなかった。
シュリケンジャーは「廻」と書かれたシノビメダルをセットし
カラクリボール10のスピンビーを発動させる。

シュリケンジャー「究極奥義『暴れ独楽』」
ジラ「―ギャァァァス!!」

蜂の姿をした巨大独楽・スピンビーで必殺の究極奥義を発動させる。
究極奥義を受けて、ジラはついに倒れるのであった。

イスカンダル「う〜む、余の戦力に欲しいものだ」
アトム「さぁ、皆さん。今の内に、キャンプ場へと戻りましょう!」

天空神とジラの戦いを見ていたイスカンダルは、将来自分の戦力に
欲しいと思った。そして、アトムによって一同はキャンプ場へ戻るのであった。

135ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/09/17(水) 14:45:35
<『聖天子が消えた!?』構想案>

近々日本を訪問する某国王族の饗応役の責任者に、
天童菊之丞が任命されることになった。

菊之丞「お言葉ながらそれがしは無骨者。
 とてもそのような大任は…」
聖天子「菊之丞さん、もはや謀略だけで政治を動かす時代ではありません。
 たまにはこのような仕事に携わるのもよいのではありませんか?」
菊之丞「………」

だが数日後、なんと聖天子が聖居から姿を消すという大事件が発生する!

侍従「申し訳ございません! ほんの僅かに目を離した隙に、聖天子様のお姿が…!」
菊之丞「直ちに聖居の全ての門を封鎖せよ! 何人といえども聖居から出してはならん!」

里見蓮太郎の住むアパートにも聖居の護衛隊が捜索に押し寄せる。

蓮太郎「なんだよ」
隊長「聖居の者だ! 理由は言えないが、中を改めさせてほしい」
蓮太郎「なんでそんなことしなきゃならねえんだよ。
 令状がないなら帰ってくれ」
隊長「そういうわけにはいかん!」

護衛隊はアパートの部屋の中をくまなく捜索するが、
聖天子の姿を見つけることはできなかった。
騒々しい状況から、蓮太郎は聖天子の身に異変が起こったと察する。

一方その頃、首相官邸でも警視総監・加賀美陸から
剣桃太郎内閣総理大臣が報告を受けていた。

陸「天童菊之丞補佐官より内々の厳命があり、
 "純白絢爛のお召し物を着た尊いお方"を都内くまなく
 お探しせよとの指示がありました」
桃太郎「……!! 聖天子様が聖居から誘拐されたのだ」
陸「なんと!? 総理!!」
桃太郎「"純白絢爛のお召し物を着た尊いお方"といえば、
 聖天子様をおいて他にいない」

136ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/09/17(水) 14:46:07
捜査が進んだ結果、一色外務大臣が容疑者として浮上する。

桃太郎「一色にクーデターを起こすだけの器量があるとは思えん。
 おそらくその目的は、天童菊之丞殿の失脚だ。間近に迫る
 某国王族の訪日の日に聖天子様がいないとなると、国賓饗応役である
 菊之丞殿は責任を取らされ詰め腹を切らされることになる」
蓮太郎「つまり、聖天子様がすぐに殺されるような心配はないってことだな?」
桃太郎「うむ。おそらく今の聖天子様は媚薬を嗅がされ、
 夢遊夢幻の床におわすはず…」
木更「おかわいそう、聖天子様…」

さっそく剣桃太郎と里見蓮太郎は外務大臣私邸に乗り込み、
事件の首謀者・一色と対決。
その隙に木更と護衛隊たちが地下の座敷牢に監禁されていた
聖天子を救出する。

侍従長「聖天子様、お気を確かに!」
聖天子「……( ゚д゚)ポカーン」
木更「侍従長、剣総理がこの薬を飲ませれば、
 聖天子様は元通りになると…」

一方、一色とその一味の成敗を終えた桃太郎と蓮太郎の前に
天童菊之丞が現れる。

蓮太郎「菊之丞…!」
菊之丞「剣総理、この度は礼を言わなければなりませんな。
 おかげで命拾いを致し申した。…だが、この度の一件、
 もし陰謀の首魁が実は剣総理ご自身であったとしたら、
 どうなりますかな? フフッ…」

なんと菊之丞は、今回の事件の黒幕が剣桃太郎であると
でっちあげる魂胆だという。

蓮太郎「ジジイ! てめえ、なんてこと言いやがる!」
桃太郎「待て、蓮太郎!」
菊之丞「日本国と聖室の安泰のため、剣総理、お命頂戴仕る!」

両者衝突寸前の一触即発の事態となるが、
そこへ目を覚まし正気を取り戻した聖天子がやって来た。
それを察した天童菊之丞たちは、その場から引き上げていく。

聖天子「剣総理、里見さん、またあなたたちに助けられました。
 心より礼を申します」
桃太郎「ハハッ」

自邸に戻った菊之丞は、茶室で配下からその様子の一部始終の報告を受ける。

配下「剣総理は、聖天子様に御前の事は一切一言も…」
菊之丞「あの御仁に告げ口は似合わん。だが、その甘さがいつか
 かの御仁の命取りとなるやも…」

137ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2014/09/17(水) 15:26:36
一方、バラゴンに襲われる子供達。何とか、喰われないように
キャンプ場を目指して逃げているが体力的にそろそろ、限界が
来ていた。

バラゴン「ガォォー!」
洋二「ああ〜、もうダメだ!」
拳一「弱音を吐くんじゃねえ!」

絶対絶命のピンチのその時、子供達のピンチを救う者が現れた。

ファイバード「大丈夫か、皆!?」
ケンタ「火鳥兄ちゃん!」
ハルカ「火鳥さん!」
ジェットセイバー「キャプテン、助けに来ました!」
星史「ジェットセイバー、お前が来てくれたのか!」

助けに来たのは、宇宙警備隊の所属にして、地球では天野平和
レスキューの一員でもある火鳥勇太郎ことファイバードと
北太平洋をパトロールしているジェットセイバーが駆けつけた。

バラゴン「ガォォオ―」
ファイバード「いかん!」

攻撃された怒りから、バラゴンは口からを熱線を吐き出したので、
子供達を守ろうとファイバードが盾となり、その熱を一身に受ける。
続いて、バラゴンを炎を吐くのを止めて、突撃を仕掛けた。

俊介「させるか、ファントムレイン!」
ハルカ「ギガントキャノン!」

だが、またしても救援に駆け付けたのはアルカディアの選ばれし
ドライバーである速水俊介とそのパートナー、ハルカが
ジャイロゼッター、フェアレディZとヒッポカノンに乗って現れた。
彼らの攻撃で、バラゴンは動きを止める。

俊介「大丈夫か?駆流、皆」
駆流「俊介、お前レースに出場していたんじゃなかったのか?」
俊介「お前達が、島で危険な目にあっているって聞いたからな。
    レースをしている場合じゃない!」
ハルカ「ここは、私達が引き受けるから先に行って!」
駆流「分かったぜ!」

世界で開かれるカーレースに出場するべく、今回のキャンプに
参加しなかった俊介だったが、仲間の危機にパートナーのハルカと
共に駆け付けたのである。そして、この場はファイバード達に任せて
子供達はキャンプ場へと急いで、戻るのであった。

ファイバード「ジェットセイバー、俊介、ハルカ。怪獣を止めて
        皆を止めるぞ!」
ジェットセイバー「了解!」
俊介「応、一斉攻撃だ」
ハルカ「私が、ヒポちゃんで後方支援するわ!」

ハルカのヒッポカノンはミサイルを後方から発射した。ミサイルの
雨にバラゴンはこれ以上の攻撃を受けまいと、地中に潜ろうとする。
しかし、ファイバード、ジェットセイバー、俊介のZはそれぞれ
フレイムソード、ジェットソード、ジャスティスソードを構えて
バラゴンに向かって突撃する。

俊介「ファイナルバースト・ファントムレイン」
ジェットセイバー「ジェットディスポーザ」
ファイバード「フレイムソードチャージアップ」
バラゴン「ガォォォォ!」

ミサイルの雨と3機の必殺技によって、地底怪獣バラゴンは
ついに最後を迎えるのであった。

138ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/09/17(水) 15:52:52
<ネタバレシナリオ案 オカルト編>

ある日、CLAMP学園の現理事長・妹之山残は首相官邸に呼び出され、
内閣官房参与就任を打診される。
現在、日本政府内の妖怪や魔物、オカルト対策のための組織は
幾つもの官庁に分散しており、縦割り行政の弊害が出ていた。
そのために指揮系統を一元化する必要に迫られているのだという。

残「待ってください! 僕はオカルトの専門家ではありません。
 そのような重大な任務は…」
桃太郎「しかし天の龍と地の龍の戦いでは、天の龍の能力者たちを
 後方からよく支えた実績もあり、丁姫からも絶大な信頼をお持ちだ」
土橋「是非引き受けてください」
残「………」

内閣官房参与を引き受けた残は、直ちにオカルト関係の現状を把握するため、
側近の鷹村蘇芳と伊集院玲をそれぞれ現地に派遣して調べさせることにした。
蘇芳には森羅の有栖零児と小牟が補佐に付き、烏森と長月市へ。
玲には獅子王機関の煌坂紗矢華が補佐として同行し、笹塚と駒王学園と絃神島へ
向かうことになる。

笹塚近辺を訪れた玲と紗矢華。休憩に入ったマグロナルド幡ヶ谷駅前店で、
テーブルの上に魔王サタンや悪魔大元帥アルシエル、勇者エミリアらが
戦っている様子が収められた写真を数枚拡げる。

魔王サタン・ジャコブこと真奥貞夫は、戦いの度に自身の残された魔力を用いて、
戦いの目撃者からは記憶を消し、防犯カメラの映像も全て消去していたはずだった。
しかし彼は気づいていなかった。街中に設置された監視カメラの中には、
獅子王機関や正史編纂委員会が設置した特殊なカメラもあり、そうしたカメラには
魔力結界が施されていて、真奥たちが変身して戦っていた様子も
バッチリ収められていたということに…。

さらにプロの政府工作員である紗矢華は見逃してはいなかった。
店内でたまたま写真を見かけた店員の佐々木千穂が一瞬動揺した様子を…。
そして、これまたたまたま故障したフライドポテト揚げ器を、
真奥が僅かな魔力を使って直した瞬間を…。

一方、Gショッカー・ネロス帝国の同盟者であると同時に、
異世界・魔界同盟とも密かに誼を通じる魔道師バルゴグこと
サラジアのアルハザード副大統領の命を受けて、
秘書Nと秘書Rの二人が偽造パスポートで密かに日本に入国。
日本の東京・笹塚地区に感じ取った魔族の活動の痕跡を調べるためである。

こうして、真奥サイド、恵美サイド、玲&紗矢華、秘書NとR、
四つ巴の心理戦が開始されることになる。

139ユガミ博士 ◆UMgG0HhEo2:2014/09/18(木) 09:06:13
宗介の作戦によって、十匹のジラの群れが炎に包まれて
それが要因となり、島のカマキラスが全滅したその日の夜。
食事を終えたブレイバーズの子供達は各々のテントで眠りについた。
寝静まったその夜...。

沙斗理「・・・う〜ん」
りんね「・・・(沙斗理さん?トイレかな?)」

りんねと同じテントで寝ている仲間の選ばれしドライバー、美輪沙斗理が
寝惚け眼でテントを出た。りんねも気が付いたが、トイレだろうと思い、
また眠りにつく。
そして、案の定トイレだった沙斗理はそのまま自分のテントに戻る筈だったが
やはり寝惚けていて、森の中へと人知れず消えてしまう。

6日目の朝。
起床した子供達は、朝食を食べる。本日のメニューは、昨日一昨日
同様スダールを材料にしたタコ料理である。

ハチロー「また、タコ料理か...」
護「しょうがないよ。昨日はそんなに、食糧が見つからなかったし」

ハチローは一昨日から続くタコ料理に、少しうんざりな気分だったが
護が言うように5日目はそれ程、食糧となる魚や木の実が見つから
なかったので、仕方が無いともいえる。

レミ「・・・同じ料理が続いて、子供達の中に飽きてきた子がいるみたいね」
鵺野「食糧であるスダールはまだありますが、食糧の調達は継続していかないと...」
大介「もう少し、調達する場所の範囲を広げてみよう」

子供達の反応を見たレミ達は、食糧を調達する場所の範囲を
広げようか話し合いが行われる。

充紀「・・・道具さえあれば、たこ焼きが出来るやけどな〜」
駆流「でも、このタコ飯も美味いぜ」

選ばれしドライバーで、大阪生まれのミッチーこと、羽根充紀は
タコ料理を食べている内にたこ焼きが食べたくなったが、駆流は
そんな事を気にせずにタコ飯を食べる。そして、りんねがやってくる
のだが、様子がおかしかった。

壮太「どうかしたの、りんね?」
りんね「うん。それがね―」

りんねは今朝から、沙斗理がテントに戻っていない事を駆流達に話す。
そして、その事を学達にも話し、沙斗理の捜索が行われた。

学「いたか!?」
健「いや、こっちにもいない」
数美「どこいったのかしら?」
両津「お〜い、こっち来てくれ!」

探せども、キャンプ場にはどこにもいなかった。そんな時に、
両津が皆を呼び寄せる。そして向かうと、足跡が森の方へと
続いていた。

りんね「沙斗理さんの足跡!?」
宗介「森の方へと続いている、彼女が危険だ!」
かなめ「でも、森の中で見つかるのかしら?」
刃「だったら、任せろ。カゲトラ、お前の出番だ!」
カゲトラ「ガウ!」

森の中へと消えた沙斗理を探すべく、刃はカゲトラにニオイで
追跡さえる事にした。その後、彼女を探索するべく探索チームが
結成されて、その後を追った。

〜ブリアン島・森林地帯〜

カゲトラを先頭に探索チームは周囲を警戒しながら、森の奥へと
足を進める。

トシ「・・・にしても、沙斗理のねーちゃんにも困った物だぜ!」
ソウシ「船の中でも、迷っていたよね?」

探索チームに加わったトシとソウシは歩きながら、沙斗理の事を話す。
沙斗理は極端な方向音痴で、尚且つ風水等の占いで行動する為、
目的の場所になかなか辿り着けない事が多い。島へと向かう船の
中でも迷っている事が多かった。

薫「でも、ドジっ娘のメガネ美人ってかわいくね?」
紫穂「薫ちゃん、また親父が入っているわよ」
葵「ま、同じ京都人同士。私が助けたるしかないわ!」

薫は沙斗理のドジっ娘でメガネの似合う美人である事に
興奮しながら語る事に、紫穂が冷静に突っ込む。葵は
同じ京都出身である為、助けだす事に張り切っていた。

皆本「お前たち、何があるか分からないんだ。無駄話をしているじゃあない」
カゲトラ「ガウガウ」
刃「どうした、カゲトラ?この先にいるのか?」
飛鳥「この先は・・・谷になっているわね」

皆本はチームの引率者となり、お喋りしている薫達を注意する。
すると、カゲトラが何かを嗅ぎ付けた様で吼えている先を見ると
いつの間にか森を抜けて、谷間に訪れていた。

140凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2014/09/18(木) 19:47:33
ファイブレッド「行くぞ! Vソード!」
ジャガーバン「来い! ジャガー剣〜!」

Gショッカー基地ではファイブマンらのヒーローと怪人軍団が戦闘を行なっていた。
ファイブレッドは主将格のジャガーバンを相手に、
剣同士の激しい斬り合いを展開する。

ファイブレッド「トァッ!!」
ジャガーバン「ぐわぁっ!?」

ファイブレッドの斬撃がジャガーバンの盾を破壊した。
不利と見たジャガーバンは逃げ出すが、ほどなく海岸の崖に追い詰められる。

ファイブレッド「そこまでだ! ジャガーバン!」
ジャガーバン「フハハハハ! これで勝ったと思うな!
 貴様ら、このボタンが何か分かるか?」
ファイブレッド「何っ!?」
ファイブブルー「まさか…!」
ジャガーバン「フフフ…。そうよ。これは時限爆弾のスイッチだ。
 これを押せば、この島は30分後に大爆発して消滅する!」
ファイブブラック「何だって!?」
ジャガーバン「我々も、貴様らも、子供達も皆一緒にこの島ごと消えてなくなるのだ。
 さあ用意はいいか。三途の川の向こうへ団体旅行の出発だ!」

ジャガーバンはそう言って時限爆弾のスイッチを押した。
島の地下に埋められたバリチウム弾が点火され、
30分後の爆発に向けてカウントダウンが始まる。

ジャガーバン「行くぞファイブマン!
 この世の名残りにもうひと暴れだ!」
ファイブレッド「くっ…! 狂ったかジャガーバン!」

再びジャガーバンと剣で切り結ぶファイブレッド。
空高くジャンプしたファイブレッドは空中回転からの必殺技を決めた。

ファイブレッド「Vソード・アタック!!」
ジャガーバン「ぐわぁぁぁっ! ネオショッカー万歳〜!!」

Vソードで真っ向から斬られたジャガーバンは崖から海へ転落し、爆死した。

ファイブレッド「やったか!」
ファイブブルー「でも兄貴、爆発まであと30分しかないぜ」
ファイブピンク「このままじゃ、みんなここで死んでしまうわ!」
サボテン将軍「フフフ…。お前達の運命もこれまでだな」

死なば諸共とばかりに、怪人軍団は次々と襲いかかって来る。
爆弾を止める手立ても、島から脱出する方法もない。
このままではブレイバーズのキャンプメンバーはここで全滅である。
絶体絶命のピンチ…!

141ユガミ博士 ◆UMgG0HhEo2:2014/09/19(金) 10:04:54
>>44加筆

ガメラによってクモンガは倒され、沙斗理も無事にキャンプ場へと戻ってきた。
今、沙斗理は意識を取り戻し、体調に異常が無いか伊達やエリに診てもらっている。

伊達「うん。意識もはっきりしているし、外傷も無いから大丈夫だろう」
エリ「よかったね」
沙斗理「ご迷惑をお掛けしました。目が覚めたら、知らない場所にいたので
   元の場所へ戻ろうと占っていたら迷ってしまい、気が付いたらあの場所にいて
   気を失っていました...」
蓮太郎「・・・今度からは、注意してくれよ」

沙斗理から迷った経緯を聞かされ、蓮太郎は呆れて注意をする。

ソウシ「そういえば、宗介さんや延珠ちゃん達は?」
蓮太郎「延珠達なら、他の食糧を調達しているチームの方へ行ったぞ」

沙斗理を助けた後、既に延珠達は食糧を調達している防衛組や
ザウラーズの方へ合流していた。

***ブリアン島・河川***

ブリアン島を流れる河川では、地球防衛組の今村あきら、ヨッパー、佐藤大介
ザウラーズの武者小路叉音泰(あだ名はボン)と関和孝(あだ名はチョビ)
大牙剣の仲間である団五郎(あだ名はダンゴ)は釣りで魚を調達していた。

あきら「魚、釣れたか?」
ヨッパー「全然...」
ダンゴ「おっ、魚か?・・・何だ、ただの枝か。」
ボン「これじゃあ、今晩のおかずが食べられないぜ」

皆、魚が釣れない事に不安を覚える。実家が魚屋であるダンゴは
釣れたと思いを竿を引き上げるが、ただの枝だったので肩を落とす。

チョビ「ん?大介、竿引いているんじゃないのか!」
大介「え、本当だ!・・・けっこう、デカいぞ」
ヨッパー「マジかよ!」
あきら「俺達も手伝うぜ!」

すると、大介の竿が動き出しチョビがそれに気づく。
大介も気づき、竿を引くがかなりでかいらしく、あきら達も
一緒になって大介の手伝いを始める。

大介「うぉぉぉぉ」

ザッパーン

竿を引き上げると、そこから現れたのは何と巨大なワニだった。

ワニ?「ぐわぁぁぁ」
5人「「「「「うわぁぁぁぁあ」」」」」

そして、6人はそのワニ?に引きずり込まれるのであった。

***ブリアン島・森林地帯***
 
一方、森林地帯ではアマゾンこと山本大介が引率して主に
女子グループが食糧となる果実を探していた。

ときえ「アマゾンさん、この果物は食べられますか?」
大介「どれどれ・・・大丈夫、食べられる実だ」

野生児である大介は、森の果実に詳しく地球防衛組の坂井ときえは
大介に食べられないか聞く。(因みに防衛組にも同じ名前の大介が
いるので、間違えないようにアマゾンで通している)

ゆう「このキノコは、確か・・・食べられるキノコだったわね」

同じく地球防衛組の泉ゆうも森に生えているキノコを採っていた。

少年?「好〜きです〜か、好〜きです〜か」
ゆう「あの子は?」

ふと、どこからか歌が聞こえてきたので、森の奥を見ると
学生服に半ズボン、そして瓶底眼鏡を身に着けた少年がいた。
少年はそのまま、森の奥へと姿を消してしまう。

ゆう「待って、森の奥はあぶないわ?」
かなめ「ゆうちゃん?」
ときえ「待ってよ、ゆう!」

ゆうは森の奥にはまだまだ危険な怪獣がいるので、その少年を追って
森の奥へと行ってしまう。それに気づいたかなめとときえも、その後を追う。
しばらくすると、広い場所に3人は出た。

ときえ「もう〜、ゆうどうしたの?」
ゆう「こっちに男の子が走っていったんだけど...」
かなめ「男の子?どこにもいないじゃない...」

3人が話していると、突然地面から長い紐が出現して、
3人を引きずり込む。

3人「「「きゃぁぁぁあ」」」
宗介「かなめの声!」
大介「他の2人の声・・・ゆうとときえか!?」

悲鳴を聞いた宗介と大介は駆けつけるが、その場には
既に誰もいなかった...

142ユガミ博士 ◆UMgG0HhEo2:2014/09/19(金) 10:28:40
>>77加筆

〜Gショッカー秘密基地〜

サボテン将軍「ふっふっふ、さぁお着替えしましょうねえ」
瑠璃「離して!」
延珠「妾に触るでない!」
バラナイトメア「おとなしくしろ。さもないと、他の子供がどうなるか
    わからんぞ」
延珠「くっ...」

サボテン将軍とバラナイトメアは捕まえた子供達の中で、
特にかわいいと感じた瑠璃、延珠、りんねを別室に連れて行き
人形にしようとしていた。

???「そうはいかんぞ!」
サボテン将軍「だ、誰よ!?」
ドッコイダー「いたいけな幼女を、危険な変質者から守る戦士ドッコイダー参上!」
蓮太郎「大丈夫か、延珠!?」
駆流「りんねから、離れやがれ!」
瑠璃「コ・・・ドッコイダー!」
延珠「蓮太郎!」
りんね「駆流!」

別室に入ってきたのは、変身したドッコイダーと
合流した蓮太郎、そして助け出された轟駆流だった。

サボテン将軍「私の人形遊びを邪魔しないで頂戴。コットポトロ!」
バラナイトメア「バーロ兵!」

人形遊びを邪魔されて憤慨したサボテン将軍とバラナイトメアは、
兵士コットポトロとバーロ兵を呼び出す。

ドッコイダー「裏返しいらずの炭火焼きファイアー」
コットポトロ「ぎゃああああ」
蓮太郎「おりゃ」
バーロ兵「ぐわぁあ」

ドッコイダーは手から必殺の「炭火焼きファイアー」でコットポトロ達を
丸焼きに、蓮太郎もバーロ兵を殴り倒していく。その間、駆はりんね達に
近づき助け出した。

りんね「ありがとう、駆流!」
駆流「逃げるぞ!」
バラナイトメア「逃がすか!」
延珠「もう、お前達なんか怖くないぞ!」
瑠璃「エメロード一族の誇りに掛けて、貴様の所業を許すわけにはいかん!」

助け出された延珠達は人形の服を脱ぎ去り、戦いに参戦。
瑠璃も本来の姿であるエーデルワイスへと変身した。

サボテン将軍「だったら、アンタ達はここでくたばりなさい!」
エーデルワイス「きゃあ」
ドッコイダー「エーデルワイス!」

サボテン将軍は火を吹きだし、エーデルワイスに攻撃。
その拍子で倒れたエーデルワイスの懐から粘土人形が飛び出す。
それは以前、両津が制作した甲冑の粘土人形だった。

エーデルワイス「この人形ならば...」

エーデルワイスは自身の血を人形に垂らす。
すると、人形は大きくなりゴーレムへと変化した。

サボテン将軍「ちょ、何なのよ!?」
エーデルワイス「良し、ゴーレムよ。そこの下衆を倒せ!」

エーデルワイスの命令を受けたゴーレムはサボテン将軍へと
突撃し、パンチをお見舞いしてする。

ドッコイダー「両津さんの作った粘土人形、何て強さだ!」
エーデルワイス「おお、その強さ気に入った。お前の名は・・・
          『アルフォンス』じゃ!」

エーデルワイスはゴーレムの強さを気に入り、アルフォンスという
名前を付ける。エーデルワイスは知らない事だが、その名前と
ゴーレムの姿はとある錬金術の世界で活躍した兄弟の弟と酷似していた。

143ユガミ博士 ◆UMgG0HhEo2:2014/09/19(金) 10:31:41
※誤爆しました。

〜Gショッカー秘密基地〜

サボテン将軍「ふっふっふ、さぁお着替えしましょうねえ」
瑠璃「離して!」
延珠「妾に触るでない!」
バラナイトメア「おとなしくしろ。さもないと、他の子供がどうなるか
    わからんぞ」
延珠「くっ...」

サボテン将軍とバラナイトメアは捕まえた子供達の中で、
特にかわいいと感じた瑠璃、延珠、りんねを別室に連れて行き
人形にしようとしていた。

???「そうはいかんぞ!」
サボテン将軍「だ、誰よ!?」
ドッコイダー「いたいけな幼女を、危険な変質者から守る戦士ドッコイダー参上!」
蓮太郎「大丈夫か、延珠!?」
駆流「りんねから、離れやがれ!」
瑠璃「コ・・・ドッコイダー!」
延珠「蓮太郎!」
りんね「駆流!」

別室に入ってきたのは、変身したドッコイダーと
合流した蓮太郎、そして助け出された轟駆流だった。

サボテン将軍「私の人形遊びを邪魔しないで頂戴。コットポトロ!」
バラナイトメア「バーロ兵!」

人形遊びを邪魔されて憤慨したサボテン将軍とバラナイトメアは、
兵士コットポトロとバーロ兵を呼び出す。

ドッコイダー「裏返しいらずの炭火焼きファイアー」
コットポトロ「ぎゃああああ」
蓮太郎「おりゃ」
バーロ兵「ぐわぁあ」

ドッコイダーは手から必殺の「炭火焼きファイアー」でコットポトロ達を
丸焼きに、蓮太郎もバーロ兵を殴り倒していく。その間、駆流は
りんね達に近づき助け出した。

りんね「ありがとう、駆流!」
駆流「逃げるぞ!」
バラナイトメア「逃がすか!」
延珠「もう、お前達なんか怖くないぞ!」
瑠璃「エメロード一族の誇りに掛けて、貴様の所業を許すわけにはいかん!」

助け出された延珠達は人形の服を脱ぎ去り、戦いに参戦。
瑠璃も本来の姿であるエーデルワイスへと変身した。

サボテン将軍「だったら、アンタ達はここでくたばりなさい!」
エーデルワイス「きゃあ」
ドッコイダー「エーデルワイス!」

サボテン将軍は火を吹きだし、エーデルワイスに攻撃。
その拍子で倒れたエーデルワイスの懐から粘土人形が飛び出す。
それは以前、両津が制作した甲冑の粘土人形だった。

エーデルワイス「この人形ならば...」

エーデルワイスは自身の血を人形に垂らす。
すると、人形は大きくなりゴーレムへと変化した。

サボテン将軍「ちょ、何なのよ!?」
エーデルワイス「良し、ゴーレムよ。そこの下衆を倒せ!」

エーデルワイスの命令を受けたゴーレムはサボテン将軍へと
突撃し、パンチをお見舞いして基地の外へと吹き飛ばす。

ドッコイダー「両津さんの作った粘土人形、何て強さだ!」
エーデルワイス「おお、その強さ気に入った。お前の名は・・・
          『アルフォンス』じゃ!」

エーデルワイスはゴーレムの強さを気に入り、アルフォンスという
名前を付ける。エーデルワイスは知らない事だが、その名前と
ゴーレムの姿はとある錬金術の世界で活躍した兄弟の弟と酷似していた。

144ユガミ博士 ◆UMgG0HhEo2:2014/09/19(金) 11:20:34
場所は基地の外へと移り、基地の制圧を行っていた宗介・・・いや
3匹のボン太くんが現れる。

ボン太くん「ふもふも、ふもっふ(敵怪人、発見。攻撃に移る!)」
量産型ボン太くん・ボルボ「ふもっふ(了解)」
量産型ボン太くん・両津「ふもも、ふもふも(マシンガンを喰らえ!)」

バババババ

ボン太くん達は所持しているマシンガンをバラナイトメアやバーロ兵達に
向けて、撃ち続ける。バーロ兵も負けじと剣やビームで対抗する。

ボン太くん「ふもももも、ふもふも、ふもっふ(気を付けろ、バーロ兵の
        ビームはビルをも破壊する)」
ドッコイダー「・・・何をいっているのかは分からないけど、あのビームが
        危険だという事は分かった!」

ボン太くんはビームの危険性を説いて、ドッコイダーは言葉は
分からないが、言いたい事は一応、理解した。

バラナイトメア「(・・・今の内に)」
ファイブブラック「Gショッカーの怪人、逃がさんぞ!」
ファイブイエロー「メロディータクト!」

どさくさに紛れて、バラナイトメアはこの場を逃げ出そうとするが
ファイブブラックとファイブイエローが見逃さず、ファイブイエローの
メロディタクトでバラナイトメアを拘束する。

バラナイトメア「しまった!!」
ファイブブラック「パワーカッター!これで・・・グワァ!」
ファイブイエロー「文矢!」

ファイブブラックはパワーカッターで攻撃しようとするが、
突然、何者かの攻撃を受ける。

量産型ボン太くん・ボルボ「ふも!?ふもっふ!(何!?うわぁ!)」
蓮太郎「くっ・・・誰が攻撃してんだ!」
ボン太くん「ふもももも、ふもっふっふ(敵のステルス攻撃か!?)」

突然の見えない攻撃にボン太くんや、蓮太郎達は翻弄されてしまう。

バラナイトメア「ふっふっふ、ドーラゴブリンは大人には見えもしないし
     聞こえもしない。お前達に勝ち目などないのだ!」
ドーラゴブリン「(そういう事だ)」

実は見えない攻撃をしていたのは、ドーラモンスターの1体である
ドーラゴブリンであった。ドーラゴブリンは大人には見えないという
特性があり、その為、ボン太くん達には見えない攻撃に翻弄されていた。

145ユガミ博士 ◆UMgG0HhEo2:2014/09/19(金) 13:02:17

ドーラゴブリン「(・・・よ〜し、今度はこいつをぶん投げてやる)」
エーデルワイス「危ない、ドッコイダー!アルフォンス、奴を倒せ!」
ドーラゴブリン「(ぐふぇ!」

ドーラゴブリンは、ドッコイダーをぶん投げようと近づくが、エーデルワイスが
ゴーレム/アルフォンスを使って、ドーラゴブリンを阻む。

バラナイトメア「何故、ドーラゴブリンが見えるんだ!?」
エーデルワイス「ふん。大人には見えずとも、子供である妾には
  はっきりと姿が見えておるぞ(・・・あんまり、子供って言いたくないけど)」
延珠「妾も、はっきりと見えるぞ」
ドーラゴブリン「(しまった!)」

大人には見えないドーラゴブリンだが、子供であるエーデルワイスや延珠には
その姿をはっきりと見えているのである。

バラナイトメア「だったら、ドーラゴブリンに近づかせなければいい。
    コットポトロ、バーロ兵!」
延珠「離さぬか、貴様ら!」
エーデルワイス「ええい、邪魔だ!」
蓮太郎「延珠!」
ドッコイダー「エーデルワイス!」

ドーラゴブリンに近づかせない為に、バラナイトメアは残ったコットポトロや
バーロ兵を呼び出して、延珠とエーデルワイスを阻む。

ファイブブラック「このままでは・・・(待てよ、そう言えば!)
   おい、ドーラゴブリン。お前の靴は反対になっているぞ!」
ドーラゴブリン「(何だと!?)」

突然、ファイブブラックに言われて、ドーラゴブリンは履いている靴を
左右履き替える。すると、今まで大人には見えていなかったドーラゴブリンの
姿が見えるようになった。

ドッコイダー「見える、見えるぞ!」
蓮太郎「どうなっているんだ?」
ファイブブラック「昔読んだ伝説によると、ゴブリンは履いている靴を
  左右逆に履くと、大人でも姿が見えるようになるんだ」
ドーラゴブリン「くっそ〜、騙された!」
量産型ボン太くん・両津「ふももも、ふもっふ(流石は、国語の先生だ)」

ファイブブラックが昔読んだ、ゴブリンの伝説を思い出して
見事ドーラゴブリンを騙す。その様子に両津は、感心した。

ボン太くん「ふもも、ふもっふ、ふももも(姿が見えるのであれば、恐れる事は無い)」
量産型ボン太くん・ボルボ「ふももも(倍返しだ!)」
量産型ボン太くん・両津「ふもももも(喰らえ!)」

姿が見えるようになった事で、ボン太くん達が一斉にマシンガンを
ドーラゴブリンに撃ち続ける。

ドーラゴブリン「ぐ〜〜」
ファイブブラック「トドメだ!パワーカッター!!」
ドーラゴブリン「ぐわぁぁぁ!」

マシンガンに怯むドーラゴブリンに、ファイブブラックは
トドメのパワーカッターで体を切り倒し、ドーラゴブリンは敗北するのであった。

バラナイトメア「くっ!」
ドッコイダー「後は、貴様だけだ!微塵切りエルボー!」
エーデルワイス「行け、アルフォンス!」
延珠「妾達の怒りを受けよ!てりゃぁ」
蓮太郎「天童流戦闘術、一の型・火焔扇!」
バラナイトメア「ぐわぁぁぁぁ」

後に残ったバラナイトメアはまず、ドッコイダーのエルボーを受け、
エーデルワイスのゴーレム/アルフォンスのパンチで後方へ吹き飛び、
続いて延珠の鋭い蹴り、最後に蓮太郎の渾身のストレートを受けて
ボディが耐えられず、爆発して最後を迎えるのであった。

ファイブイエロー「やったわね」
ファイブブラック「さぁ、学兄貴達の方へ行こう!」

ドーラゴブリンとバラナイトメアを倒した一同は、他の戦いへ
赴くのであった。

146ユガミ博士 ◆UMgG0HhEo2:2014/09/19(金) 13:12:51
>>120修正

***ジラの巣***

ジラA「ギシャァァ!」
ジラB「ギシャァァァ!」
量産型ボン太くんA「ふもっふ」ドドドドド
量産型ボン太くんB「ふも〜」ドドドド

ジラの巣へとやってきた、量産型ボン太くんを装着したタマネギ部隊達は
幼生体のジラにマシンガンを雨の様に撃つ。

イスカンダル「ふむ、こいつに乗るのも久しぶりだのう。では・・・
       蹂躙の開始だ!」
タマネギ部隊C「爆弾投下、開始!」
タマネギ部隊D「投下、開始!」

神威の車輪に乗るイスカンダルは卵のある位置の上空へとやって来ると、
同乗しているタマネギ部隊に、持ってきた爆弾を投下する。

ドカーン、ドカーン

爆弾の雨によって、ジラの卵は燃えて近くにいた幼生体のジラも
爆弾によって、蹂躙されていく。

栄人「あっけないな」
クラマ「俺達も来る必要なかったんじゃないのか?」

同行していた青銅聖闘士とガイストクラッシャー達はジラを倒していくが、
空からの航空爆撃によって殆どが全滅した。

ズシーン、ズシーン

ハヤト「何だ、この大きな足跡は!?」
ユナ「見て!?」

大きな足跡がして、一同が驚いていると森から現れたのは
完全に成長したジラだった。

ジラ(完全体)「キシャァァァァ!!」
イスカンダル「くっ、あれほど成長しておる者がいたとは!?」

巨大なジラが出現し、喰われそうになったので急いで『神威の車輪』を
移動させる。

量産型ボン太くんA「ふも〜(撃てー!)」
量産型ボン太くんB「ふもも、ふもっふ(怯まずに撃て!!)」

量産型ボン太くんを装着しているタマネギ部隊はマシンガンで応戦するが、
あまり効果は無かった。

イズナ「ここからが、俺達の出番のようだな」
シレン「ああ、アンコールの開始だ」

完全体のジラの登場に、青銅聖闘士とガイストクラッシャー達は
気をとりなおして、構え直すのであった。

***ブリアン島・森林地帯***

一方、Gショッカーの秘密基地から助けられた子供達は、秘密基地の場所を
教えてくれたピグモンや助けに来た高木はるか達に護られながら、キャンプ場
へと戻るべく森林地帯を走っていた。

ズシーン、ズシーン

吼児「この地面の揺れは!?」
クーコ「あ・・・あそこにいるのは、もしかして!?」
バラゴン「ガァォォォー!」
充紀「バラゴンや!レッドキングを倒したバラゴンがおるで!」

地面の揺れに驚く吼児。そしてザウラーズのクーコや選ばれし
ドライバーである羽根充紀は、森から現れたバラゴンの登場に
驚愕する!

はるか「皆、バラバラにならないで!急いでこの場から離れて、
    キャンプ場へと戻るのよ!」

はるかはクナイを構え、皆がバラバラに行動にしないように注意しつつ
急いで、キャンプ場へと戻ろうとするのであった。

147ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/09/19(金) 14:44:40
<対エビラ戦部分>

***ブリアン島沖・海底***

エルファ「ブリアン島にまもなく到着します」
佐原「よし。直ちに救出部隊は出撃準備だ!」

その時、ブレイバーベースが大きく揺れる。
ブリアン島に近づくブレイバーベースに、
エビラが体当たりを仕掛けてきたのだ!

ギルモア「何事じゃ!?」
パーセプター「心配ない。セイバートニューロン合金で覆われた
 このブレイバーベースには、この程度の突撃などビクともしない!」
万丈「僕がダイターン3で出よう。エルファ、援護を頼む!」
エルファ「了解です!」

ダイターン3がブレイバーベースから出撃し、
エビラとの水中戦が展開される!
すぐさまダイターン3を捕食対象と見做したエビラが、
巨大な右腕の鋏をハンマーのように振り下ろして攻撃して、
もう一つの槍のような細長い鋏となっている左腕に突き刺そうとする。

万丈「そうはさせるか! サン・レーザー!」

ダイターン3は頭部からレーザー砲を発射してエビラを牽制。

佐原「ブレイバーベースもダイターン3を援護する。攻撃開始!」
エルファ「光子魚雷発射!」

ブレイバーベースに備え付けられている60門の水中専用誘導型光子魚雷が一斉に発射され、
ほぼ全弾がエビラに命中した!

エビラ「ぎゅああいいいん!!!!!!!」

今の魚雷攻撃によるダメージで、エビラの硬い装甲も相当に劣化した。

エルファ「万丈さん、今から太陽エネルギーをそちらに送信します!」
万丈「了解だ!」

普段なら太陽下でなければ使用できない必殺技サン・アタックも、
ブレイバーベースから充填された太陽エネルギーを送信されることにより、
太陽の光が届かぬ深い海底でも使用可能となるのだ!

万丈「日輪の力を借りて今、必殺のサン・アタック!」

ダイターンクラッシュで粉砕されたエビラは、
粉々に爆散するのであった…。

佐原「すぐに救出部隊を島に上陸させるんだ!」

148ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/09/19(金) 14:45:09
<対レッドキング戦部分>

エルファ「ブレイバーベース、トランスフォーム! ロボットモード!」

海上に浮上したブレイバーベースは、巨大人型ロボットモードへとトランスフォームした!
その変形システムは、サイバトロンの要塞型トランスフォーマー、メトロフレックスと
フォートレスマキシマス、さらにはバトル級超大型可変万能ステルス宇宙攻撃空母の
トランスフォーメーション機能をも参考に設計・開発された。
身長3000メートルに達する、文字通りの正義の巨神である!

ブレイバーベースロボ「………」
レッドキング「――!? グォォォォ!!!」

体長45メートルに過ぎないレッドキングなど、
もはやブレイバーベースロボから見れば、
そこら辺の蟲を踏み潰すにも等しい有様である。

大輔「すげぇ…!」
イエローガンバー「なんだありゃ…」

まだ島で戦っている子供たちも、
目の前のあまりの巨体に呆気にとられている。

エルファ「…ホーミングレーザー、発射!」

ブレイバーベースロボから発射された
曲進性レーザーの雨がレッドキングに降り注がれる。
レッドキングは断末魔の叫びすら上げる間もなく
あっという間に蒸発してしまった…。

149ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/09/19(金) 14:45:44
<全ての戦いが終わった後の部分>

***無幻城・秘密警察長官執務室***

アポロガイスト「………」

アポロガイストは、ブレイバーベースロボがブリアン島沖で戦っている様子が
収められた映像をまじまじと分析しながら見つめていた。
ブリアン島の戦いで一人逃げ帰ってきた怪人(誰にするかはまだ未定)が、
これら映像を録画して持ち帰ってきたのだ

アポロガイスト「ブレイバーズの秘密要塞がこれほどまでの
 力を秘めていようとは。まさに恐るべき相手だ…!」
怪人「どうかこの映像データで一つ、作戦司令部のお偉方には
 何卒落としなしを。へへっ…」
アポロガイスト「フフフ…○○よ、よくぞこの映像を持ち帰ってきてくれた。
 秘密警察長官として礼を言うぞ」
怪人「へへへっ…ありがとうごぜいやす」

だが次の瞬間にはアポロガイストのアポロフルーレが
怪人の急所を貫いていた!

アポロガイスト「用の済んだ奴は死ねいっ!」
怪人「そんな…ひどい! ウギャアアア!!!!」

怪人の身体は跡形もなく蒸発してしまった。

アポロガイスト「さてと、直ちに対策を練らなければ…」

冷酷非情なアポロガイストは、直ちに持ち帰られた映像データの
更なる詳細な分析を部下たちに命じるのであった。

150ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/09/19(金) 17:30:32
<対エビラ戦部分 >>147修正>

***ブリアン島沖・海底***

エルファ「ブリアン島にまもなく到着します」
佐原「よし。直ちに救出部隊は出撃準備だ!」

その時、ブレイバーベースが大きく揺れる。
ブリアン島に近づくブレイバーベースに、
エビラが体当たりを仕掛けてきたのだ!

ギルモア「何事じゃ!?」
パーセプター「心配ない。セイバートニューロン合金で覆われた
 このブレイバーベースには、この程度の突撃などビクともしない!」
万丈「僕がダイターン3で出よう。エルファ、援護を頼む!」
エルファ「了解です!」

ダイターン3がブレイバーベースから出撃し、
エビラとの水中戦が展開される!
すぐさまダイターン3を捕食対象と見做したエビラが、
巨大な右腕の鋏をハンマーのように振り下ろして攻撃して、
もう一つの槍のような細長い鋏となっている左腕に突き刺そうとする。
レッドキングにもぎ取られた左の鋏は、いつの間にか再生していた。(←修正した箇所ここ)

万丈「そうはさせるか! サン・レーザー!」

ダイターン3は頭部からレーザー砲を発射してエビラを牽制。

佐原「ブレイバーベースもダイターン3を援護する。攻撃開始!」
エルファ「光子魚雷発射!」

ブレイバーベースに備え付けられている60門の水中専用誘導型光子魚雷が一斉に発射され、
ほぼ全弾がエビラに命中した!

エビラ「ぎゅああいいいん!!!!!!!」

今の魚雷攻撃によるダメージで、エビラの硬い装甲も相当に劣化した。

エルファ「万丈さん、今から太陽エネルギーをそちらに送信します!」
万丈「了解だ!」

普段なら太陽下でなければ使用できない必殺技サン・アタックも、
ブレイバーベースから充填された太陽エネルギーを送信されることにより、
太陽の光が届かぬ深い海底でも使用可能となるのだ!

万丈「日輪の力を借りて今、必殺のサン・アタック!」

ダイターンクラッシュで粉砕されたエビラは、
粉々に爆散するのであった…。

佐原「すぐに救出部隊を島に上陸させるんだ!」

151ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/09/19(金) 19:24:28
>>138関連

***東京・幡ヶ谷駅前近くの交差点***

深夜の時間帯。その日の勤務を終えた真奥貞夫は、
魔王城=渋谷区笹塚にあるオンボロアパート、ヴィラ・ローザへの帰路についていた。
すでに周囲の店はどこも閉まっており、人通りの絶えた交差点を照らすのは、
今や外灯と明滅する信号機のみである。

真奥「……!?」

横断歩道を渡り、レストランの角を曲がった辺りのところで、
真奥は何者かが自分を尾行していることに気づく。
真奥は急に猛ダッシュして、尾行者をまくことにする。

真奥「俺に何か用か?」
???「――!?」

尾行相手を見失った正体不明の人影が路上をウロウロしているところに、
タイミングを見計らった真奥が背後に回りこみ、不意に声をかけた。

真奥「あれ、アンタは昼間の…」
紗矢華「………」

目の前に立っていた尾行者の姿は、ポニーテールの髪形をした女子高生だった。
真奥は記憶を手繰り寄せ、この女子高生が昼間、マグロナルド幡ヶ谷駅前店に
もう一人の若い男と来ていた客だと気づく。

紗矢華「今日のお昼にあなたを偶然見かけてから、
 ずっと閉店まで観察させてもらったわ」
真奥「観察…?」
紗矢華「カメラに収められていた画像とあまりに外見が違いすぎるし、
 気のせいかとも思ったけれど、あなた、昼間故障したフライヤーを
 一瞬で修理したでしょ。それも魔力を使って…」
真奥「――!!」
紗矢華「あなたの事も調べさせてもらったわ、真奥貞夫さん。
 ちょうど一年前からこの近くのマグロナルド幡ヶ谷駅前店で働き始める。
 現住所は渋谷区笹塚×-×-× ヴィラ・ローザ笹塚201号室。
 しかしそれ以前の経歴は全く不明…。あなたの戸籍には偽造の疑いがあります!」

どうやらエンテイスラからの刺客ではなさそうだが、
真奥は目の前の女子高生からただならぬ殺気を感じた。

紗矢華「あなた、未登録の魔族ね!?」
真奥「アンタ…何もんだ?」
紗矢華「問答無用! 真奥貞夫、私と一緒に来てもらうわ!
 話なら獅子王機関でゆっくり聞きましょう!」

152ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/09/19(金) 19:24:59
紗矢華は銀色の洋弓を構え、真奥に狙いを定めて弦を引き絞る。

紗矢華「――獅子の舞女たる高神の真射姫が讃え奉る!
 極光の炎駒、煌華の麒麟、其は天樂と轟雷を統べ、憤焔をまといて
 妖霊冥鬼を射貫く者なり――!」
真奥「お、おい、ちょっと待て!!」

放たれた呪矢が上空へ舞い上がったかと思えば、
すぐに光の矢弾となって地上の真奥めがけて降り注ごうとする!

千穂「真奥さん!!」
真奥「ちーちゃん!? だめだ危ない! 来るな!」
紗矢華「――!!」

真奥を心配してこっそり後を付けていた佐々木千穂は、
紗矢華が真奥を襲撃している現場に出くわし、思わず真奥を庇おうと飛び出した。
意外な展開に戸惑う真奥と紗矢華。間一髪でビルの庇の下の影に隠れて
一部始終を観察していた伊集院玲が二人を助ける。

千穂「真奥さん、大丈夫ですか!?」
真奥「アタタタタ…ちーちゃんこそ怪我はないか?」
玲「どうやらお二人ともご無事のようですね」
紗矢華「あなた、真奥貞夫と同じ店でアルバイトしてた娘ね。
 やっぱり真奥が人間じゃないことを知ってるようね…」
千穂「何なんですか! あなたたちは!
 いきなり真奥さんを襲うだなんて!」
玲「失礼。実は僕たちは日本政府の意向を受けて動いている者です」
紗矢華「笹塚や幡ヶ谷周辺でここ最近、かなり高度で強力な魔力を持った
 魔族が潜伏しているようだとの報告を受けて、内偵を続けていたのよ。
 そしたら真奥貞夫、あなたに行き当たった」
玲「戸籍や住民票が偽造された疑いのある未登録魔族が
 東京都内に潜伏していたとなると、不法入国に問われる可能性があります」
千穂「もしかして…真奥さんを捕まえちゃうんですか!?」
紗矢華「それはこの男の返答次第ね。場合によっては佐々木千穂さん、
 あなたにも詳しく事情を聞く必要があるわ」
真奥「待てよ。ちーちゃんは関係ねえ!」

真奥は玲と紗矢華を睨みつける。
そこへ突然どこからか黒いバンが突っ込んで来たと思うと、
あっという間に真奥を車の中に強引に連れ込み、連れ去ってしまった!

真奥「な…なんだ!? うわっ!!」

玲「しまった!」
紗矢華「いきなりなんなの!?」
千穂「真奥さあ〜ん!!!!」

153ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/09/19(金) 19:25:35
***渋谷区笹塚 ヴィラ・ローザ201号室***

芦屋「魔王様が誘拐された!?」

佐々木千穂は大急ぎでヴィラ・ローザ201号室に駆け込み、
芦屋四郎に急報を告げた。すぐに警察に通報するように
千穂は訴えるが、同じ部屋に漆原を匿っている件もあり、
真奥家には警察には訴えづらい事情があった。

漆原「誰だろうね。真奥を誘拐するだなんていう物好きは…」
芦屋「落ち着いている場合か! しかし困った。もし身代金の要求がきたとしても、
 我が家にはとてもそんな支払いに耐えられる余裕は…」
千穂「とにかく、遊佐さんや鈴乃さんにもこの事を伝えないと!」
芦屋「ところで佐々木さん、そちらの方たちは?」

芦屋は伊集院玲と煌坂紗矢華のいる方向を指差す。

玲「はじめまして」
紗矢華「………」

千穂「ああ…この人たちは――」


一方、その頃…。

***東京都内某所・廃倉庫***

真奥「………」

真奥貞夫は廃倉庫の中の薄暗い奥の一室で、
椅子に縛り付けられていた。

秘書N「そんな怖い顔をしないでいただけます?
 我々は貴方を助けて差し上げたのですよ」
真奥「どこの世界に助けた相手を縛り上げて
 監禁している人間がいるんだよ!」
秘書R「あのまま放って置いたら、貴方は今頃、日本政府に引き渡されて
 強制送還されていたのかもしれないのですよ」
真奥「………」

事は一週間ほど前に遡る。
サラジアの副大統領官邸で、秘書NとRの二人は
アルハザード副大統領からある密命を受けていた。

秘書N「我々二人が日本へですか?」
アルハザード「そうだ。2〜3ヶ月前の事だが、
 日本の東京都内の笹塚と呼ばれるエリアとその近辺で、
 強大な魔力反応が観測された」
秘書R「しかし現地マスコミの報道では、その笹塚と呼ばれる地区で
 魔力絡みの事件が起こったとの報道は全くありませんが…?」
アルハザード「だからこそ怪しいのだ。聖域条約で定められた魔族特区でもない場所に、
 どうして著しい魔力反応が示されたのか? お前たち、行って詳細を調べて来い。
 もしかすれば、今後魔界同盟との交渉を有利に進めるための
 重要なファクターが見つかるかもしれん…」

こうしてアルハザードの命令を受けた秘書NとRの二人は、
偽造パスポートを使用して日本に密入国し、伊集院玲と煌坂紗矢華の目の前で
真奥貞夫を拉致したのである。

真奥「言っておくけどな。俺を誘拐しても一銭にもなんねーぞ!」
秘書N「お金が目当てではありません」
秘書R「貴方が本当はどこから来たのかも私たちには興味はありません。
 ですがどうでしょう。我々と手を組みませんか? もし話に乗るなら、
 私たちの主人が貴方の失われた魔力を取り戻せるように取り計うとお約束しましょう」
真奥「………」

果たして捕らわれた真奥貞夫の運命やいかに!

154ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/09/19(金) 19:49:59
○真奥貞夫→煌坂紗矢華に尾行され襲撃される。その後、秘書Nと秘書Rに拉致される。
○佐々木千穂→煌坂紗矢華の攻撃から真奥貞夫を庇う。その後、真奥が拉致されたことを芦屋たちに報せる。
○芦屋四郎→佐々木千穂から真奥が拉致されたと知らされる。
○漆原半蔵→佐々木千穂から真奥が拉致されたと知らされる。
○煌坂紗矢華→真奥貞夫に接触するが、秘書Nと秘書Rに真奥を拉致されてしまう。
○伊集院玲→真奥貞夫に接触するが、秘書Nと秘書Rに真奥を拉致されてしまう。
●秘書N→アルハザードの密命を受け、日本に密入国。真奥貞夫を拉致する。
●秘書R→アルハザードの密命を受け、日本に密入国。真奥貞夫を拉致する。


○伊集院玲=怪人20面相(CLAMP学園探偵団/20面相におねがい!!/X)
 妹之山残の側近。小学生時代は初等部4年生時に学生会に会計として所属し、この頃から残に仕えていた。
 料理の腕前は一流コック以上。素直で心優しい性格。鷹村蘇芳の陰に隠れがちであるが、
 彼もかなりの武術の使い手である。争いごとは好まない。実は怪人20面相というもう一つの顔を持つ。
 大川財閥令嬢・大川詠心と結婚している。

○煌坂紗矢華(ストライク・ザ・ブラッド)
 獅子王機関に所属する舞威媛(まいひめ)。六式重装降魔弓(デア・フライシュッツ)
 “煌華鱗(こうかりん)”と呼ばれる可変式の武装を用い、剣形態では接近白兵戦と
 擬似的な空間切断、弓形態では音による多彩な魔術を行使する。
 親友であり妹のような存在である姫柊雪菜を大切にしている上、
 過去のトラウマに由来する男嫌いも相まって、暁古城と出会った当初は彼に強烈な敵愾心を向けていた。
 だが幾度かの共闘などを経るうちに、彼に好意を抱き始め、現在では立派なツンデレになっている。

○真奥貞夫=魔王サタン・ジャコブ(はたらく魔王さま!)
 異世界エンテ・イスラを支配しようとしていた魔王。エンテ・イスラを支配する寸前の所で
 勇者エミリアによる反撃を喰らい、部下の悪魔大元帥アルシエルともどもエンテ・イスラから逃げ出し、
 現代日本に流れ着く。日本では魔力そのものが存在しないため回復する手段が無く、
 体も魔王モードを保てずに普通の人間の姿となってしまい、生きるために生活費を稼ぐために
 アルバイトを始め、現在はマグロナルドの幡ヶ谷駅前店で働くフリーター生活を送っている。
 しかし人間の負の感情から魔力が生成されることから、周囲が危機に陥っている時には
 颯爽と魔王モードになって見せ場を奪う生粋のヒーロー。ただし獲得した魔力は
 その直後に現場の修復保全などでほぼ使いきってしまうのがお決まりのパターンである。

○芦屋四郎=悪魔大元帥アルシエル(はたらく魔王さま!)
 真奥貞夫こと魔王サタンの腹心の部下。魔王とともに勇者エミリアに追い詰められ、
 現代日本に流れ着く。真奥(後に漆原も)と同居しながら、専業主夫として
 彼らの生活を支えている。戸籍上は20歳だが、悪魔としての実際年齢は1500歳以上。

○漆原半蔵=悪魔大元帥ルシフェル(はたらく魔王さま!)
 真奥貞夫こと魔王サタンの部下。元天使であり、いわゆる堕天使である。
 魔王軍に所属していたが、真奥を裏切り、天界復帰を条件に元恵美の仲間、
 オルバ・メイヤーと結託して恵美と真奥の命を狙っていた。しかし、2人に敗れ、
 真奥家に居座ることになる。日本では1日中家に引きこもってニートをしている。
 天才的なハッカーの腕前を持つ。

○佐々木千穂(はたらく魔王さま!)
 真奥貞夫のバイト先であるマグロナルド幡ヶ谷駅前店の後輩で、東京都立笹幡北高校2年生の女子高生。
 目標に向かって働く真奥を慕って、密かに恋心を抱いている。真奥たちが異世界からやって来た人間で
 あることを知っている数少ない存在。

155凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2014/09/19(金) 20:48:28
ファイブレッド「爆発まであと20分…。どうすればいいんだ!」

怪人軍団と戦いながら、ファイブマン達は焦りを募らせていた。
例えここで勝っても、島から脱出する事ができない以上、
20分後には全員島ごと海の藻屑となるのである。

アルマジーグ「さあ、時間がないぞ!」
モグラング「諦めろ。ここがお前達の死に場所なのだ!」

その時、海に轟音と共に巨大な水飛沫が上がった。
エビラを倒したブレイバーベースが海面に浮上したのだ。

ファイブレッド「あれは、ブレイバーベース!」
ファイブブラック「俺達を助けに来てくれたんだ!」

ブレイバーベースから一機の小型輸送機がこちらへ向けて飛び立ち、
そこから救援部隊の戦士達が飛び降りると、岩山の上に並び立った。

1号「仮面ライダー1号!」
2号「仮面ライダー2号!」
V3「仮面ライダーV3!」
RX「仮面ライダーBLACK! RX!!」
サンバルカン「太陽戦隊! サンバルカン!!」
ソルブレイバー「特救指令! ソルブレイン!!」

仮面ライダー1号、2号、V3、RX、サンバルカン、ソルブレイン。
救助隊として選抜された十人のブレイバーズ・ヒーローが揃って名乗りを決めた。

ファイブレッド「おお…! みんな!」
1号「みんな、無事だったか!」
2号「あんまり帰りが遅いんで、迎えに来たぜ!」
V3「Gショッカーの怪人達を倒して、
 早くブレイバーベースでこの島から脱出するんだ!」
アルマジーグ「そうはさせん!
 貴様ら全員、島ごとあの世行きだ!」
ソルジャンヌ「子供達は、絶対に助け出してみせるわ!」
バルイーグル「行くぞGショッカー!」
RX「許さん!」

こうして、集結したヒーロー達と怪人軍団の決戦が始まった。

1号・2号「「ライダーダブルパンチ!」」
ワニ獣人「グォォ…!」

1号と2号は息の合ったコンビネーション攻撃でワニ獣人を叩きのめし、
止めの同時パンチで絶命させた。

RX「RX! ロボライダー!」

ロボライダーにフォームチェンジしたRXは、
同じく硬い装甲を誇るアルマジーグに戦いを挑む。

ロボライダー「ボルティックシューター!」
アルマジーグ「ギャァッ!!」

ロボライダーのビーム銃はアルマジーグの甲羅も破壊した。
のたうち回るアルマジーグの腹に、RXに戻ったロボライダーは必殺剣を突き立てる。

RX「リボルケイン!!」
アルマジーグ「ぐ…おおおおっ!!」

光の刃で貫かれ、アルマジーグは爆死した。

ソルブレイバー「ギガストリーマー!」
ムササビードル「ぎゃぁぁぁっ!!」

ソルブレイバーのギガストリーマーが
上空のムササビードルを蜂の巣にし、墜落させた。

V3「今だ。V3・回転フルキック!!」

仮面ライダーV3のキックがムササビードルに炸裂。
ムササビードルは大爆発する。

バルイーグル「ニューバルカンボールだ!」
バルシャーク「レディー・セット!」
バルパンサー「GO!」

サンバルカンの三人はニューバルカンボールをセットし、
バルパンサーがキック、バルシャークがパンチでパスを繋ぎ、
最後にバルイーグルがシュートを決める。

バルパンサー「ワン!」
バルシャーク「ツー!」
バルイーグル「アタック!!」
モグラング「ぐおおおっ!!」

ニューバルカンボールをぶつけられ、モグラングは弾き飛ばされ爆発した。

ソルドーザー「つあっ!!」
ソルジャンヌ「さあ、みんな早くこっちへ!」

激戦のさ中、ソルドーザーがGショッカー基地の壁を突き破り、
ソルジャンヌが助け出した子供達の避難誘導をする。

アマゾン「大切断!」
カニバブラー「ギェ――ッ!!」

アマゾンライダーの大切断で胸を斬り裂かれたカニバブラーは、
もがき苦しみながら海岸へと逃げて行く。

イクサ「待ちなさい!」
カニバブラー「おのれ、ここで死んでたまるか〜!」

海へ飛び込んだカニバブラーは、そのまま逃亡したのであった。

156ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/09/19(金) 23:41:21
<シグフェル編シナリオ>
独自に謎のヒーロー・シグフェルの正体を追う、やり手の美人TVキャスターである
八神冴子は、軍の立場からシグフェルの行方を追う剣持隊長とは
共に同じくブレイバーズ関係者でありながらも必然的に張り合う立場に。
剣持は、冴子のことを表面上は鬱陶しく思いつつも、対ドラゴ帝国戦争での
功労者である冴子の事は内心高く買っている。

そんなある日、八神冴子は偶然、まさか相手がそのシグフェル関係者とも知らずに、
沢渡優香と知り合うことに。優香は、シグフェルの正体を突き止めたら、
メディアを通して世間に公表するつもりなのか?と冴子に尋ねる。

冴子「それは時と場合によるわね」
優香「時と場合…?」
冴子「私はシグフェルがどういう事情で戦いに身を投じているのか、
 それが知りたいの。もし彼に孤独に戦わなければならない
 何か特別な理由があるのであれば、その手助けをしたいだけ…」
優香「………」

アルジェの石油王・アルシャード財閥の令嬢、フィリナ・クラウディア・アルシャードが
お忍びで来日し、タクシーに乗ってある場所へと向かっていた。
そこを突然襲ってきたのは、以前三枝かおるを狙ってジャンパーソンに敗れた
国際兵器マフィア・ジェフ権藤とその一味だった。
危うく拉致されようとしていたフィリナだったが、間一髪でそれを救ったのは
天凰輝シグフェルだった。

シグフェル「大丈夫か、フィリナ!」
フィリナ「…その声、まさか光平なの!?」

いったん朝倉家に腰を落ち着かせるフィリナと光平たち。
フィリナは従弟の光平の身の上に起こった出来事を説明されて驚くが、
すぐに事情を飲み込んだ。

フィリナ「まさか噂の謎のヒーロー、シグフェルの正体が光平だったとわね。
 正直驚いたわ…」
優香「お願いですフィリナさん、この事は誰にも秘密にしておいてください!」
慎哉「俺からもお願いします!」
フィリナ「……わかったわ。それよりも光平、慎哉くん、優香、
 これからどこかにでも遊びに行かない?」

フィリナは光平たちを誘って、街中へ遊びに出かける。
一方、フィリナ・クラウディア・アルシャードがジェフ権藤の一味に襲われたところを
シグフェルに救われたという情報は、スマートブレイン社長・村上峡児の耳にも届いていた。

村上「妙ですねえ…。今までイーバ絡みの事件にしか顔を出すことのなかったシグフェルが、
 今回に限ってなぜ…? これは調べてみる必要がありそうです」

村上はシグフェルの正体がフィリナの知己の人間だと睨み、
ジェフ権藤と接触して手を結び、フィリナの周辺を洗い出し始める。
シグフェルは襲ってきたオルフェノクたちをなんとか撃退し、
フィリナも無事に離日して帰国の途についたが、
Gショッカーのシグフェル追及の手は着実に光平の近辺へと迫っていた…。

157ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/09/19(金) 23:41:55
ある日、光平と慎哉は近所のスーパーに買出しに来ていたところ、
何かの菌に寄生されたと思しき買い物客の主婦が倒れる現場に遭遇。
光平はシグフェルとしての透視能力で、
主婦を収容していった救急車が偽者だと見破るが、
慎哉は怪しい救急車の跡を追おうとした光平を止める。
こういう事件は本来、警察かブレイバーズが対応すべき仕事である。
一般人である光平が無理に首を突っ込むべきではないと言うのだ。
光平と慎哉は警察に通報するだけに留め、その日は帰宅した。

通報を受けて出動したブレイバーズは偽救急車から主婦を無事保護する。
検査の結果、主婦はバルボレラ菌に感染していた事が判明。
バルボレラ菌は、スペースマフィアに所属していたエイリアンたちの食糧の原料である。
Gショッカーがこの近くに食料生産工場を秘密裏に建設しているのだ!
さらに他にももう一つ気になるのが、匿名の通報者の存在。
無知識な一般市民がバルボレラ菌を見分けるなど、普通なら不可能だ。
いったい通報してきたのは何者なのか…?
ブレイバーズは調査を開始する。

一方その頃、エゴスの基地では、エゴス一の鑑識とプロファイリングの達人である
ホウタイ怪人が、今まで収集し分析したデータを元に、いよいよシグフェルの正体の核心に
迫ろうとしていた。シグフェルの人間としての姿である牧村光平の顔と名前以外全て、
なんと海防大付属高校に通う男子生徒というところまで突き止めていたのである。

ホウタイ怪人「シグフェルは歳は16〜7、性別は男、海防大付属高校に通う
 高校生と思われる」
ヘッダー「さすがは神子! そこまで突き止められるとは見事でございます!」
サロメ「フン…。肝心の顔と名前が解らないんじゃ、意味ないじゃないか」
ホウタイ怪人「それももう時間の問題だ」

翌朝、学校で昨日のスーパーでの一件を聞いた優香は、
警察に届け出ただけで主婦を直接助けようとしなかった
光平と慎哉を非難し、いつしか口論へと発展する。

優香「そんなひどい! もしそれでその主婦の人に
 万一の事があったらどうするつもりだったの!」
慎哉「警察にはちゃんと届けておいたぜ。
 そもそもシグフェルはブレイバーズみたいな
 正義の味方じゃないんだ。そこまでする義理は
 ないはずだ。下手に首を突っ込んで、またこの間みたいに
 光平が面倒事に巻き込まれたらどうするんだよ!」
優香「でも光平くんには…シグフェルには
 人を助ける力があるのよ!」
慎哉「何言ってるんだ! 元はと言えば光平はお前の身代わりになって!!」
優香「…!!」
光平「―慎哉っ!!」

光平に制され、慎哉も思わず発してしまった失言にハッとなる。
数ヶ月前に優香の身代わりとなって東条寺理乃に謎の人体実験を施され、
人ならざる肉体へと変貌してしまった光平。優香は今でもその事を
悔やんでいると、慎哉自身もよくわかっていたはずなのに…。

慎哉「…ごめん。俺も言い過ぎた」
光平「いや違うよ。俺が悪いんだ。やっぱりあの時、
 偽の救急車に乗せられた人を、俺がシグフェルに変身して
 助けるべきだったんだ…」
優香「光平くん…」

その日から、光平たち3人の間はギクシャクし始め、
気まずい雰囲気が続くことに…。

158ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/09/19(金) 23:42:45
ある日の日曜。慎哉は早朝の日課で、
愛犬のくらのすけを連れて散歩に出ていたところ、
この間見かけたものと同じ、例の怪しい偽救急車に遭遇した。

慎哉「光平の手を煩わせるまでもない!
 こうなったら俺自身の手で奴らのアジトを突き止めてやる!」

慎哉は救急車を尾行し、郊外の廃病院の地下へと迷い込む。
そこは誘拐してきた大勢の人間たちを肥料として、
バルボレラフーズやゴルゴメスの実を大量生産し備蓄している
Gショッカー怪人たちのための食糧生産工場だったのだ!
慎哉はつい足音を立ててしまい見つかり、捕まってしまった。

慎哉「ちきしょう! 放せ! 放せよ!」
ゾドー「小僧、いったいどこから入って来た!?」
リーガ「ちょうどいい。お前もバルボレラ菌の餌食になってもらうぞ!」
慎哉「や、やめろ〜!!」

慎哉の首筋に注射器の針が迫ろうとしていたその時、
突然飛んできた小柄が、リーガの右手から注射器を叩き落した。

リーガ「何奴!?」
ホウタイ怪人「しばらく! あいやしばらく!」

小柄を飛ばしてきたのは、ホウタイ怪人とサロメだった。

ゾドー「エゴスがここにいったい何の用だ?」
サロメ「その小僧の始末、しばらくお待ち願いたい」
リーガ「なにっ!」
ホウタイ怪人「我がプロファイリングに基づく推理の結果では、
 その小僧、あのシグフェルの縁者である可能性が極めて高い!」
ゾドー「なんだと! それは本当か!」
ホウタイ怪人「この小僧を餌にしてシグフェルをおびき出し捕獲することに
 成功すれば、方々にも至高邪神のお覚えはめでたかろう」
サロメ「小僧、大人しくおし。大事な獲物が罠にかかる前に、
 餌に騒がれては困るからね!」
慎哉「何すんだ!やめ…むぐんんんっっ!?」

サロメは慎哉の口に猿轡を押し込む。

159ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/09/19(金) 23:43:24
慎哉から遅れて起床した光平は、
朝の犬の散歩から慎哉の帰りが遅いことを心配する。
そこへ一匹だけ戻ってきたくらのすけが、
必死に吠えて主人の危機を光平に伝えようとする。

くらのすけ「ワンワンワンワン!!!!!!」
光平「くらのすけ、どうしたんだ!?
 もしかして慎哉の身に何かあったのか!?」
くらのすけ「ワンワンワンワン!!!!!!」
光平「よしっ、案内してくれ!」

光平は、たまたまその場に居合わせた優香と共に
くらのすけに案内されて廃病院へと到着する。

優香「この中に慎哉くんが…」
光平「いいか優香、もし30分経っても俺が戻って来なかったら
 警察を通してブレイバーズに通報してくれ!」
優香「光平くん…」

優香とくらのすけを病院玄関前の通りに残し、
単身地下へと潜入する光平。そこで見たのは
捕らわれた慎哉の姿だった。

光平「慎哉! 今助ける!」
慎哉「んんんーっ!!!(…ダメだ光平! 来るな!)」

慎哉の側まで近寄ろうとしたその時、
天井から降ってきた捕獲用の網に絡め取られてしまう光平。
その瞬間に高圧電流がネットに流れる。

光平「うわああああっっ!!!!!!」
サロメ「5万ボルトの高圧電流だ。普通の人間なら
 一瞬で黒焦げになるはず。だがお前はなんともない」
光平「……くっ」
ホウタイ怪人「さあ、大事なお友達の命が惜しければ、
 貴様の正体を教えてもらおうか!」

ついにシグフェルの正体がGショッカーにバレてしまうのか!
果たして光平たちの運命やいかに!?

160ユガミ博士 ◆UMgG0HhEo2:2014/09/20(土) 09:31:06
子供達を助けにファイブマン達と共に来た仮面ライダーアマゾン。
他に捕えらえていないか、戦闘員達と戦いながら基地の中を進む。

アマゾン「・・・他に子供達は?」
あきら「―た、助けてくれ!」
アマゾン「この声は!」

あきらの声がしたので、アマゾンが駆けつけるとあきらやヨッパー達が
ワニ獣人や赤ジューシャ達に調理されそうになっていた。

ヨッパー「うわぁぁ、俺なんか喰っても不味いって(泣」
マーボー「食べるのは好きだけど、食べられるのは嫌だ〜!」
アマゾン「まてぃ!」
ワニ獣人「ぐぅ〜、貴様はアマゾンライダー!」
アマゾンライダー「ワニ獣人、貴様もこの島に来ていたのか。あきら君達を離せ!」
ワニ獣人「黙れ、このガキ共は大事な食糧となるのだ。邪魔はさせんぞ!」

調理の支度をしていた赤ジューシャ達はアマゾンに襲い掛かり、ワニ獣人も
強力な尻尾を振り上げる。

アマゾン「ケケーイ」
赤ジューシャA「キャッ!」
赤ジューシャB「グゥ!」

しかし、アマゾンは赤ジューシャ達を蹴散らし、ワニ獣人の尻尾も躱して
捕まっているあきら達の前へとやって来る。

アマゾン「さぁ、もう安心だ。この基地から脱出してくれ!」
あきら「ありがとう、アマゾン!」
ヨッパー「助かった!」
大介「早く、逃げないと...」

アマゾンはその爪で、身動きできないあきら達の枷を壊して
脱出させる。

ワニ獣人「ぐぅ〜、貴様!」
アマゾン「来い、ワニ獣人!」

ドカ〜ン

残ったアマゾンとワニ獣人は戦いの末、基地の外へと飛び出す。
ワニ獣人が大きな口で噛み砕こうとして、アマゾンも爪を立てて
応戦する。

バース・プロトタイプ「アマゾンライダー、手を貸すぜ!」ババババ
ワニ獣人「何だ、これは!?こんな物が効くか!」

アマゾンとワニ獣人の戦いに気が付いたバース・プロトタイプは
バースバスターからセルメダルのエネルギー弾をワニ獣人に
浴びせるが、ワニ獣人はあまり効いていなかった。

アマゾン「隙有りだ」ザシュ
ワニ獣人「ぐわぁ!」
アマゾン「大切断!」ザシュザシュザシュ

バース・プロトタイプのバースバスターに怯んでいる隙をついて、
アマゾンは両腕の鋭利なヒレで、ワニ獣人の頭や体を斬り裂いた!

アマゾン「ありがとう、バース」
バース・プロトタイプ「良いってことよ。さぁ、まだ戦いは終わってねえぜ!」

アマゾンはお礼を言うが、バース・プロトタイプはそれを気にせず、
まだ終わらない戦いへと共に赴いた。

161ユガミ博士 ◆UMgG0HhEo2:2014/09/20(土) 10:51:48

※レッドキング戦・前半

バラゴンからも逃げ延び、高木はるか等に率いられキャンプ場に子供達が戻ってきた。
マグネドンやジラ、バラゴンと戦ってくれた救出部隊も戻ってきて、一同はとりあえず安堵する。

ゴセイピンク「皆、無事でよかった〜」
はるか「でも、まだGショッカーの基地には星川先生達が戦っているわ。
     助けにいかないと...」

皆が無事に戻ってきた事で、留守番をしていたゴセイピンクは安堵する。
だが、はるかの言うとおりGショッカーの基地ではファイブマン達が
戦闘中である。一刻も早く助けに行かなければならない、その時!
地響きが起きる。

レッドキング「キシャァァァ―オ!」
仁「だぁぁ、まだコイツ(レッドキング)がいたんだった!」

再び現れたレッドキングに、その場にいる面々は動揺が走る。

大輔「チビモン、もう一度進化出来るか!」
チビモン「ダメだよ、大輔〜。さっきの戦いで力を使い果たしたよ」
ゴーオンゴールド「トリプター達も、さっきまで元の姿になっていたからな」
ゴーオンシルバー「少し、時間を置かないと...」

大輔達のデジモンも戦った後なので、力を使い果たし皆幼年期に退化。
ゴーオンウィングスのパートナーの炎神もさっきまで、元の姿だったので
力を使い果たしている。その他にも、ファイバードや天空神達も先の戦闘で
レッドキングを相手にする程のパワーが残っていなかった。

アトム「もう一度、僕が...」
ニンジャホワイト「いいえ、あなたもまだ修理を終えたばかりだわ。
           ここは私が!」

なおレッドキングに挑もうとするアトムを制して、ニンジャホワイトは
「巨大獣将之術」で、ホワイトカークを召喚、さらに「獣将ファイターの術」で
分身であるバトルカークも呼び出した。

ニンジャホワイト「カークビーク!」
レッドキング「キシャ―!」

45mのレッドキングに対して、ホワイトカークは31m、バトルカークは
25mなので、レッドキングよりかは小さいが、武器のカークビークや
空中戦法で立ち向かう。しかし、レッドキングは島が騒がしい事で
気が立っているせいなのか、全然怯む様子は無かった。

レッドキング「キシャァァ!」
ニンジャホワイト「キャァ!」

レッドキングのパワーによって、ホワイトカークやバトルカークは
消え去り、ニンジャホワイトも地上へと落ちてしまう。

斑鳩「鶴姫さん!」
ゴセイピンク「ウィンドライブカード・テンソウ」

ゴセイピンクは風を操るウィンドライブカードをテンソウダーにセットし
風を操って、ニンジャホワイトが地上へと衝突するのを防いだ。

鷹介「ほっ、よかった」
鵺野「だが、このままでは...」
パタリロ「・・・いや、もうすぐ来るぞ!」
鵺野「えっ?」

ニンジャホワイトが無事で、鷹介は安堵するが、依然として立ちはだかる
レッドキングに鵺野は焦りを感じるが、そこにパタリロが「何か来る」と
発言する。

ザッパ〜〜ン

すると、海の方を見るとエビラとの戦いを終えたブレイバーベースが
浮上するのであった。

>>148へ続く?

162凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2014/09/20(土) 14:40:01
>>155修正

ファイブレッド「爆発まであと20分…。どうすればいいんだ!」

怪人軍団と戦いながら、ファイブマン達は焦りを募らせていた。
例えここで勝っても、島から脱出する事ができない以上、
20分後には全員島ごと海の藻屑となるのである。

カニバブラー「さあ、時間がないぞ!」
モグラング「諦めろ。ここがお前達の死に場所なのだ!」

その時、海に轟音と共に巨大な水飛沫が上がった。
エビラを倒したブレイバーベースが海面に浮上したのだ。

ファイブレッド「あれは、ブレイバーベース!」
ファイブブラック「俺達を助けに来てくれたんだ!」

ブレイバーベースから一機の小型輸送機がこちらへ向けて飛び立ち、
そこから救援部隊の戦士達が飛び降りると、岩山の上に並び立った。

1号「仮面ライダー1号!」
2号「仮面ライダー2号!」
V3「仮面ライダーV3!」
RX「仮面ライダーBLACK! RX!!」
サンバルカン「太陽戦隊! サンバルカン!!」
ソルブレイバー「特救指令! ソルブレイン!!」

仮面ライダー1号、2号、V3、RX、サンバルカン、ソルブレイン。
救助隊として選抜された十人のブレイバーズ・ヒーローが揃って名乗りを決めた。

ファイブレッド「おお…! みんな!」
1号「みんな、無事だったか!」
2号「あんまり帰りが遅いんで、迎えに来たぜ!」
V3「Gショッカーの怪人達を倒して、
 早くブレイバーベースでこの島から脱出するんだ!」
アルマジーグ「そうはさせん!
 貴様ら全員、島ごとあの世行きだ!」
ソルジャンヌ「子供達は、絶対に助け出してみせるわ!」
バルイーグル「行くぞGショッカー!」
RX「許さん!」

こうして、集結したヒーロー達と怪人軍団の決戦が始まった。

RX「RX! ロボライダー! ボルティックシューター!」

ロボライダーにフォームチェンジしたRXは、
武器のビーム銃でショッカー戦闘員の群れを薙ぎ倒して行く。

アルマジーグ「俺が相手だ。喰らえ!」
ロボライダー「うわっ!?」

背中を丸めて球体となったアルマジーグの体当たりが、ロボライダーを弾き飛ばす。

1号・2号「「ライダーダブルパンチ!」」

1号と2号の同時パンチがアルマジーグを跳ね返した。
元の姿に戻ってのたうち回るアルマジーグに、
RXに戻ったロボライダーは必殺剣を突き立てる。

RX「リボルケイン!!」
アルマジーグ「ぐ…おおおおっ!!」

光の刃で貫かれ、アルマジーグは爆死した。

ソルブレイバー「ギガストリーマー!」
ムササビードル「ぎゃぁぁぁっ!!」

ソルブレイバーのギガストリーマーが
上空のムササビードルを蜂の巣にし、墜落させた。

V3「今だ。V3・回転フルキック!!」

仮面ライダーV3のキックがムササビードルに炸裂。
ムササビードルは大爆発する。

バルイーグル「ニューバルカンボールだ!」
バルシャーク「レディー・セット!」
バルパンサー「GO!」

サンバルカンの三人はニューバルカンボールをセットし、
バルパンサーがキック、バルシャークがパンチでパスを繋ぎ、
最後にバルイーグルがシュートを決める。

バルパンサー「ワン!」
バルシャーク「ツー!」
バルイーグル「アタック!!」
モグラング「ぐおおおっ!!」

ニューバルカンボールをぶつけられ、モグラングは弾き飛ばされ爆発した。

ソルドーザー「つあっ!!」
ソルジャンヌ「さあ、みんな早くこっちへ!」

激戦のさ中、ソルドーザーがGショッカー基地の壁を突き破り、
ソルジャンヌが助け出した子供達の避難誘導をする。

アマゾン「大切断!」
カニバブラー「ギェ――ッ!!」

アマゾンライダーの大切断で胸を斬り裂かれたカニバブラーは、
もがき苦しみながら海岸へと逃げて行く。

イクサ「待ちなさい!」
カニバブラー「おのれ、ここで死んでたまるか〜!」

海へ飛び込んだカニバブラーは、そのまま逃亡したのであった。

163凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2014/09/20(土) 14:47:19
ファイブマン「ファイブマシン、発進!」
サンバルカン「ジャガーバルカン、発進!」

ファイブマンとサンバルカンの声に応えて、
両戦隊の巨大メカがブリアン島へ向けて発進する。

ファイブレッド「合体! トリプルジョイント!」

スカイアルファ、キャリアベータ、ランドガンマが変形し合体。
ファイブロボが完成した。

バルイーグル「合体! グランドクロス!」

コズモバルカンとブルバルカンも変形・合体し、
サンバルカンロボとなった。

紐男爵「おのれ〜! 紐電撃〜!!」

紐男爵はファイブロボに紐を巻き付け、高圧電流を流す。

ファイブレッド「ツインカノン!」

ファイブロボの腕のカノン砲から放たれるビームが、
紐男爵の紐を焼き切った。

サボテン将軍「サボテン火炎放射!!」

サボテン将軍の頭部の火炎放射機が火を吹くが、
サンバルカンロボはバルシールドでこれを防ぐ。

バルイーグル「ファイヤーパンチ!」

サンバルカンロボの拳にエネルギーを集中させ、
炎に包まれた強烈なパンチをサボテン将軍の腹に叩き込んだ。

ファイブレッド「止めだ。超次元ソード!」

コクピットのキーボードを操作し、
ファイブレッドは必殺剣・超次元ソードを呼び出す。

ファイブマン「未来を作る子供達の、無限のパワーを知れ!!」
紐男爵「うわぁぁぁっ!!」

必殺の斬撃が紐男爵を斬りつけ、爆死させた。

サボテン将軍「サボテン爆弾〜!」

一方、サボテン将軍はサボテン爆弾をサンバルカンロボに投げつけるが、
サンバルカンロボは取り出した太陽剣で全て叩き落とした。
そして剣にプラズマエネルギーが迸り、サンバルカンロボの必殺技が発動する。

バルイーグル「太陽剣・オーロラプラズマ返し!」
サボテン将軍「きゃぁぁぁっ!!」

横一文字の斬撃がサボテン将軍を斬り裂き、大爆発させた。

164凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2014/09/20(土) 15:00:12
<ベビーゴジラ誕生編>

東京郊外の恐竜博物館にデートに来た光平と優香。
この地域ではゴジラザウルスの化石が多数発掘されており、
博物館の展示もそのゴジラザウルスがメインである。

光平「ゴジラザウルスはジュラ期の日本や太平洋地域に生息していた恐竜で、
 その骨格などの形質はティラノサウルスなどの獣脚類に近いが、
 水中生活にも適応して進化した非常に特殊な種族である……か。なるほどね」
優香「ゴジラはこのゴジラザウルスが水爆実験の放射能で変異したものと考えられており、
 ゴジラが度々日本の太平洋側に襲来するのは、
 元々この地域を棲みかとしていた恐竜時代の帰巣本能によるとする説もある……だって。へぇ〜」

そして、二人の最大のお目当ては、地下1階で展示されている、
数日前にこの近くで発掘されたゴジラザウルスの卵の実物である。
非常に保存状態が良いが、生きているか死んでいるかは不明との事。
卵の前に立った優香は何かテレパシーのようなものを感じるが、
はっきりとは分からないまま、気のせいだろうと思って博物館を出る。

館内の見学を終えて外へ出た二人は、裏手の丘陵地帯を散策。
喉が渇いたので、光平は自動販売機にジュースを買いに行く。

優香「…な……何…? 私を呼んでる」

先ほどの謎のテレパシーに導かれて、
優香は卵がある博物館の地下へ一人で戻ってしまった。
優香が見守る中、鼓動を始めた卵はとうとう孵化し、
中からゴジラザウルスの赤ちゃんが誕生する。

その時、博物館の1階で爆弾が爆発、火災が発生する。

ヘビ獣人「この博物館から謎の怪電波が出て、
 ゲドンの作戦行動を妨害している! 破壊してしまえ!」

テレパシーが妨害電波となって計器類を狂わせていたため、
ゲドンはこれを除去するため博物館を襲撃、地上部分を爆破したのである。

ベビーゴジラ「クェ〜!」
優香「かわいい…」

非常警報が鳴り響き、博物館の1階でヘビ獣人が館員達を虐殺している中、
誕生したベビーゴジラは、優香を母親だと思い込んで甘えていた。

ヘビ獣人「妨害電波を出していたのはこいつか。
 俺様が喰ってやる!」
優香「きゃあっ!」

地下へ乗り込んできたヘビ獣人は、優香の目の前で何とベビーゴジラを丸呑みにしてしまった。
腹を大きく膨らませたまま、博物館から撤退するヘビ獣人。

光平「優香、大丈夫か!」
優香「私は平気。でも……恐竜の赤ちゃんが!」

ベビーゴジラが発するテレパシーを頼りにヘビ獣人を追跡するシグフェル。
丸呑みにされたベビーゴジラはまだ生きている。
ベビーを助けるためには、敵を爆殺するような必殺技は使えない。
危険を承知で、シグフェルはヘビ獣人に接近戦を挑む…!

165ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/09/20(土) 21:33:57
<アポロガイスト暗殺計画>

その日、Gショッカー秘密警察長官アポロガイストは、闇女王同盟の三巨頭に謁見していた。
秘密警察就任の挨拶がてら、闇女王同盟のお偉方にあまり羽目を外さぬよう釘を刺すためである。
男子禁制の闇女王同盟の後宮ではあるが、秘密警察長官には後宮を外部から監察する立場として、
後宮内への出入り自由の特権が至高邪神から直々に認められていた。

アポロガイスト「つきましては、本日よりこの女を後宮に入れたいと存じます」
ユウキ「………」

アポロガイストはファンガイアのクィーン・ユウキを三巨頭に引き合わせる。

ヘドリアン「誰じゃその女は?」
アポロガイスト「"キバの世界"におけるファンガイア族の女王にて、我が妻めにございます」
ヘドリアン「妻じゃと?」
パンドラ「これは驚きました。血も涙もないGODの殺人マシーンと恐れられていた貴方が、
 よもや妻帯して家庭を築いていたとは…!」

自分の妻を後宮に奉公に差し出すというアポロガイストだったが、
その真意は自分の息のかかった女怪人を後宮の中に送り込み、
これまで以上に闇女王同盟を厳しく監視するつもりであることは明白だった。

ヘドリアン「おの〜れアポロガイストめ!
 アマゾンキラーよ、なんとかならぬのか?」
アマゾンキラー「女王様、私にお任せください」

まずアマゾンキラーは、アポロガイストに恨みを抱いているという
GODの悪人怪人マッハアキレスに接近する。

アキレス「もし…」
アマゾンキラー「なんですか? 遠慮なく言ってください。
 私たちは信頼しあう同志です」

アマゾンキラーは自分の色香でアキレスを惑わし、言葉巧みに操ろうとする。

アキレス「もし…もしもだ。アポロガイストの奴が死んだらどうなる?」
アマゾンキラー「その時はヘドリアン女王様が、貴方を世紀王候補の一人として
 バトルファイトに推挙してくださいます」
アキレス「無理だな。奴はあらゆる戦闘術の達人だぞ」
アマゾンキラー「ですが近々、アポロガイストはXライダーと決闘します」
アキレス「でも十中八九アポロガイストの奴が勝つな!」
アマゾンキラー「しかし相手はあのXライダー。もし勝てたとしても
 アポロガイストも無傷では済まない筈です。その隙に殺しなさい…!
 そうすれば貴方には栄達の道が開けるのです」
アキレス「………」

こうしてまんまとマッハアキレスを暗殺実行犯として計画に引き入れることに
成功した策士アマゾンキラーは、次に後宮総取締役のシスタージルをも抱き込みにかかる。
最近、アポロガイストが公務と称して闇女王同盟内部へ口出しする機会が増えていることに、
シスタージルも内心不満が募り始めていたのだ。

シスタージル「アポロガイストがXライダーを倒した時、一緒にアポロガイストも
 まとめて仕留めてしまえばいいのよ。至高邪神様は、アポロガイストはXライダーと
 戦って名誉の戦死を遂げたと思われることでしょうね。フフフッ…」

166ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/09/20(土) 21:34:31
Xライダーと戦うアポロガイスト。しかし暗殺計画の存在を事前に察知していた
アポロガイストは、容易くマッハアキレスを返り討ちにして始末する。

Xライダー「アポロガイスト!」
アポロガイスト「Xライダー、今日はとんだ邪魔が入ったが、
 いずれ勝負は後日に改めてつけるぞ!」

一方その頃、無幻城ではシスタージルとアマゾンキラーの二人が、
アポロガイストの乗ったシャトルの帰りを待っていた。

シスタージル「首尾よくアキレスがアポロガイストの亡骸を
 持ち帰ってきたようね…」
アマゾンキラー「貴女と彼の合同葬儀は、とても盛大に挙行して差し上げます」
シスタージル「くだらない冗談はやめなさい。私は闇女王同盟の総取締役よ。
 将来は次期創世王としてGショッカーの頂点に立つ身に対して無礼よ」
アマゾンキラー「儚い夢に終わりましたね! さあ、シスタージルを逮捕しなさい!」

アマゾンキラーに命令された衛兵二人が、シスタージルの両脇を拘束する。

シスタージル「ふざけた真似はやめなさい! いったい何の罪なの!?」
アマゾンキラー「秘密警察長官の暗殺を命令した罪です」
シスタージル「証拠はあるの?」

そのシスタージルの言葉を待ってましたとばかりに、アマゾンキラーは右手に持っていた
ICレコーダーの再生スイッチを入れる。

レコーダーの再生音(ジルの声)「アポロガイストがXライダーを倒した時、一緒にアポロガイストも
 まとめて仕留めてしまえばいいのよ。至高邪神様は、アポロガイストはXライダーと
 戦って名誉の戦死を遂げたと思われることでしょうね。フフフッ…」

レコーダーから再生される自分の声を聞いて青ざめるシスタージル。
実はアマゾンキラーは、自分とシスタージルとの間に交わされた謀議の様子を
密かに録音していたのだ。そして自分の発言が録音されている部分のみ
都合よく削除し、暗殺計画の証拠として提出したのだった。
アマゾンキラーは邪魔者のアポロガイストを暗殺するのみならず、
事のついでにシスタージルも追い落として、再びヘドリアン女王を
後宮総取締の座に返り咲かせる魂胆だったのだ。

シスタージル「おのれ!謀ったなアマゾンキラー!!」

だがそこへ、なんとアポロガイストが生きて戻ってきた。

アマゾンキラー「エ━━ΣΣ(゚Д゚;)━━ッ!!」
シスタージル「エ━━ΣΣ(゚Д゚;)━━ッ!!」

アポロガイスト「どうした二人ともその顔は? 幽霊でも見たのか?」
アマゾンキラー「Xライダーはどうしました!?」
シスタージル「マッハアキレスはどうなったの!?」
アポロガイスト「このアポロマグナムでXライダーを撃とうとした時、
 運悪くアキレスの奴が間に入ってきてな。奴の事は名誉の戦死とでも報告しておこう」
アマゾンキラー「………( ゚д゚)ポカーン」
シスタージル「………( ゚д゚)ポカーン」
アポロガイスト「Xライダーもブレイバーズも想像以上の強敵だ!
 これからも手こずりそうだぞ。ゆっくり取り組もう。ゆっくりとな。フフフッ…」

悠然と去るアポロガイスト。後には互いに激しく睨みあう
アマゾンキラーとシスタージルの二人だけが残されたのであった…。

167ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/09/20(土) 21:37:13
>>165
訂正
× GODの悪人怪人マッハアキレスに接近する。
○ GODの神話怪人マッハアキレスに接近する。

168凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2014/09/20(土) 22:53:27
学「爆発まであと5分しかない。みんな急ぐんだ!」

Gショッカーと怪獣達を何とか全滅させ、東の平原のキャンプ場に全員が合流した時には
既に爆発のタイムリミットは目前に迫っていた。

ギルモア「さあ、早くブレイバーベースに乗るんじゃ!」
鵺野「慌てるな。まだ時間はある!」
宗介「パニックを起こすな! 整然と行動しろ!」

総勢百人を超えるキャンプ参加者達が続々とブレイバーベースに乗り込み、
全員が収容された時には、もう爆発1分前になっていた。

佐原「ようし、全員乗ったね?」
数美「大丈夫です。全員いるのを確認しました」
ギルモア「エルファや、急いでブレイバーベースを発進させてくれ」
エルファ「了解。ブレイバーベース、離陸します」

ジェット噴射で空へ急速上昇するブレイバーベース。
そして爆発の刻限が迫る。
5…4…3…2…1…0!!

ドゴォォォォン――!!

バリチウム弾の大爆発によって、
ブリアン島は跡形もなく吹き飛び、海の藻屑となった。

薫「うわぁ…!」
拳一「すげえ…!」
ケンタ「島がぶっ飛んじゃったよ…」
イサミ「綺麗で素敵な島だったのに…」

楽しい事も、大変な事もあった。
新しい友達もできたし、未知の敵とも戦った。
7日間のワイルドでスリリングな思い出を刻んだブリアン島は、
今、轟音と共に地上から姿を消したのであった。

169ユガミ博士 ◆UMgG0HhEo2:2014/09/21(日) 07:52:55
>>168加筆
学「爆発まであと5分しかない。みんな急ぐんだ!」

Gショッカーと怪獣達を何とか全滅させ、東の平原のキャンプ場に全員が合流した時には
既に爆発のタイムリミットは目前に迫っていた。

ギルモア「さあ、早くブレイバーベースに乗るんじゃ!」
鵺野「慌てるな。まだ時間はある!」
宗介「パニックを起こすな! 整然と行動しろ!」

総勢百人を超えるキャンプ参加者達が続々とブレイバーベースに乗り込み、
全員が収容された時には、もう爆発1分前になっていた。

佐原「ようし、全員乗ったね?」
数美「大丈夫です。全員いるのを確認しました」
ギルモア「エルファや、急いでブレイバーベースを発進させてくれ」
エルファ「了解。ブレイバーベース、離陸します」

ジェット噴射で空へ急速上昇するブレイバーベース。
そして爆発の刻限が迫る。
5…4…3…2…1…0!!

ドゴォォォォン――!!

バリチウム弾の大爆発によって、
ブリアン島は跡形もなく吹き飛び、海の藻屑となった。

薫「うわぁ…!」
拳一「すげえ…!」
ケンタ「島がぶっ飛んじゃったよ…」
イサミ「綺麗で素敵な島だったのに…」

楽しい事も、大変な事もあった。
新しい友達もできたし、未知の敵とも戦った。
7日間のワイルドでスリリングな思い出を刻んだブリアン島は、
今、轟音と共に地上から姿を消したのであった。

***ブレイバーベース***

ブレイバーベースでブリアン島から脱出した子供達は今までの緊張が途切れ
とにかく用意された料理を食べていた。島ではずっと魚と果実だったので、久しぶりの
久しぶりのパンラーメン、肉料理にサラダとひたすら食べるのであった。

大輔「よっしゃ、久しぶりのラーメンだ!」ズズズ
レッカ「うぉぉぉ、爆盛りだ!」バクバク
駆流「ご飯、おかわり!」
006「ホホホ。慌てなくても、まだまだ料理はたっぷりあるヨ。
    どんどん食べるよろし!」

子供達の為に、006を始めとする料理人達がたっぷりと料理を
振る舞う。

ハルカ「はい、俊介。あ〜ん(愛」
俊介「美味しいな、はるか...」
イサミ「・・・あの、有名レーサーの俊介君に恋人がいたなんて〜(泣」
トシ「・・・イサミ(汗」
クッキー「ショック〜」
ひろし「・・・クッキー...」

有名なレーサーであり、イケメンの部類である速水俊介に恋人が
いる事にショックを受ける面食いなイサミを始めとする女子達。
そんな中、アマゾン・・・山本大介は海を見つめいた。

本郷「どうかしたのか、大介?」
大介「先輩・・・あの時、カニの怪人(カニバブラー)を取り逃がした事が
    気がかりで」

海を見つめている大介に本郷が聞くと、大介はカニバブラーの事を話す。
島での戦いで、大介はカニバブラーの胸を斬り裂きはしたが、奴は
そのまま海へと飛び込み逃げてしまった。大介はこれが気がかりに感じていた。

ギルモア「・・・何事も無ければいいのだがのう」

話を聞いていたギルモアも少し、不安を抱えながら
海を見つめるのだった。

>>149に続く。

170ユガミ博士 ◆UMgG0HhEo2:2014/09/21(日) 08:11:55
>>134修正
巨大なジラを前に苦戦を強いられる青銅聖闘士やガイストクラッシャー達。
このままでは全滅すると思われたその時、ジラに攻撃する者が現れた。

蒼摩「な、何だ!?」
レッカ「あれは!?」

攻撃した方向を見ると、巨大な鳥の姿をしたヘリコプターと
その傍らに鶏の様なヘリコプターと虎の姿をしたジェット戦闘機がいた。
巨大なヘリコプターは通信が回復した事で、シュリケンジャーが呼び出した
天空神。その傍らのヘリとジェット機は、異世界から地球へと帰還した
ゴーオンウィングスのそのパートナーの炎神、トリプターとジェットラスである。

アトム「皆さん!ご無事ですか?」
イエローガンバー「助けにきたぜ、兄ちゃん達!」
龍峰「君は、アトム!?」
レッカ「虎太郎も、何でここに?」

満身創痍となっていた青銅聖闘士達の前に現れたのは、
レッドキングに吹っ飛ばされたアトムとキャンプ場で留守番していた
ガンバーチームだった。

アトム「はい。あの後、漁船に発見されてブレイバーベースで修理を
    受けていたんです」
レッドガンバー「それで、修理を終えたアトムは他のブレイバーズの
    皆さんと救援として駆けつけたんです」
ブルーガンバー「そしたら、怪獣の叫び声がしたので、天界君が
    天空神を呼び出して、こうして助けを連れてやって来ました!」

アトムやガンバ―チームの説明を受けた一同は、再び救援に
駆けつけたヘリコプターの方を見た。彼らは俄然、ジラに攻撃を加える。

シュリケンジャー「飛翔変形、天空神!」
ゴーオンゴールド「ミッションスタートだ!トリプターバタリオット!」
トリプター「OK、アニキ!パタパタパタ」
ゴーオンシルバー「シュリケンジャー達のサポートをするよ!
      ジェットラストラホーク!」
ジェットラス「了解だ、バディ。ギーン!」

天空神に乗り込むシュリケンジャーは、天空神をロボットモードへと
変形させる。ゴーオンゴールドとゴーオンシルバーはパートナーの
炎神であるトリプターとジェットラスと共に、天空神のサポートを行った。

ジラ「―ギャォォォオオオ!」
シュリケンジャー「天空手裏剣!」

ゴーオンウィングスの攻撃に怯むジラに対して、シュリケンジャーは
天空神の胸の着いている天空手裏剣で攻撃。だが、負けじとジラは
尻尾を大きく振り回して、天空神に攻撃した。

ゴーオンゴールド「シュリケンジャー、トリプター達が元の姿でいられる
   時間がそろそろ危うい。トドメを任せたぞ!」
シュリケンジャー「了解。シノビメダル、セット!」

炎神はヒューマンワールド(地球)では、長時間その姿をしていると
存在が崩壊してしまうので、炎神キャストと炎神ソウルに分かれてしまう。
そして、元の姿でいられるのは10分間でしかなかった。
シュリケンジャーは「廻」と書かれたシノビメダルをセットし
カラクリボール10のスピンビーを発動させる。

シュリケンジャー「究極奥義『暴れ独楽』」
ジラ「―ギャァァァス!!」

蜂の姿をした巨大独楽・スピンビーで必殺の究極奥義を発動させる。
究極奥義を受けて、ジラはついに倒れるのであった。

イスカンダル「う〜む、余の戦力に欲しいものだ」
アトム「さぁ、皆さん。今の内に、キャンプ場へと戻りましょう!」

天空神とジラの戦いを見ていたイスカンダルは、将来自分の戦力に
欲しいと思った。そして、アトムによって一同はキャンプ場へ戻るのであった。

171ユガミ博士 ◆UMgG0HhEo2:2014/09/21(日) 10:22:49

紐男爵「私(ワタクシ)の紐拳を喰らいなさい!」
サボテン将軍「私(ワタシ)のサボテン針鼠も付けるわよ!」
ファイブブルー「うわぁ!」
ファイブピンク「キャァ!」

ゴーマの怪人、紐男爵とサボテン将軍の攻撃を受けるファイブブルーと
ファイブピンク。

ファイブブルー「このぉ、ツインアレイ!」
ファイブピンク「キューティーサークル!」

負けじとファイブブルーとファイブピンクは、それぞれツインアレイと
キューティーサークルで、紐男爵とサボテン将軍を斬り倒す。

紐男爵「くっ。」
サボテン将軍「や、やるわね!」
ファイブレッド「スーパーファイブボールだ!」

いつの間にか他のファイブマンも集まり、スーパーファイブボールを
次々とパスしていき、5人のエネルギーが注ぎ込まれる。

ファイブレッド「スーパーファイブボール!」
紐男爵「ぐぉぉぉぉ!!」

最後にファイブレッドが蹴り上げ、紐男爵は強烈なシュートを受けて
盛大に爆発した。

バース・プロトタイプ「ファイブマン、俺も手を貸すぜ!」

バース・プロトタイプはバースドライバーにセルメダルを投入しセルバッシュモードを
発動し、抽出したエネルギーを290%にまで高めると、セルメダルを一杯にまで
入れたセルバレルパッドを銃口に接続して発動する。

― ―セルバースト!!

バース・プロトタイプ「おりゃー!」
サボテン将軍「ぎゃぁぁ!」

セルバーストを受けて、サボテン将軍はその場で倒れる。

紐男爵「ううう、まだ終わりませんよ...」
サボテン将軍「そうよ、ここからが本番なんだから・・・巨大化爆弾!」

一度は倒れた紐男爵とサボテン将軍だったが、立ち上がって
巨大化爆弾を発動させ、2体のゴーマ怪人は巨大化するのであった。

172凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2014/09/21(日) 14:32:47
>>169加筆

学「爆発まであと5分しかない。みんな急ぐんだ!」

Gショッカーと怪獣達を何とか全滅させ、東の平原のキャンプ場に全員が合流した時には
既に爆発のタイムリミットは目前に迫っていた。

ギルモア「さあ、早くブレイバーベースに乗るんじゃ!」
鵺野「慌てるな。まだ時間はある!」
宗介「パニックを起こすな! 整然と行動しろ!」

総勢百人を超えるキャンプ参加者達が続々とブレイバーベースに乗り込み、
全員が収容された時には、もう爆発1分前になっていた。

佐原「ようし、全員乗ったね?」
数美「大丈夫です。全員いるのを確認しました」
ギルモア「エルファや、急いでブレイバーベースを発進させてくれ」
エルファ「了解。ブレイバーベース、離陸します」

ジェット噴射で空へ急速上昇するブレイバーベース。
そして爆発の刻限が迫る。
5…4…3…2…1…0!!

ドゴォォォォン――!!

バリチウム弾の大爆発によって、
ブリアン島は跡形もなく吹き飛び、海の藻屑となった。

薫「うわぁ…!」
拳一「すげえ…!」
ケンタ「島がぶっ飛んじゃったよ…」
イサミ「綺麗で素敵な島だったのに…」

楽しい事も、大変な事もあった。
新しい友達もできたし、未知の敵とも戦った。
7日間のワイルドでスリリングな思い出を刻んだブリアン島は、
今、轟音と共に地上から姿を消したのであった。


***ブレイバーベース***

ブレイバーベースでブリアン島から脱出した子供達は今までの緊張が途切れ
とにかく用意された料理を食べていた。島ではずっと魚と果実だったので、久しぶりの
久しぶりのパンラーメン、肉料理にサラダとひたすら食べるのであった。

大輔「よっしゃ、久しぶりのラーメンだ!」ズズズ
レッカ「うぉぉぉ、爆盛りだ!」バクバク
駆流「ご飯、おかわり!」
006「ホホホ。慌てなくても、まだまだ料理はたっぷりあるヨ。
    どんどん食べるよろし!」

子供達の為に、006を始めとする料理人達がたっぷりと料理を
振る舞う。

ハルカ「はい、俊介。あ〜ん(愛」
俊介「美味しいな、はるか...」
イサミ「・・・あの、有名レーサーの俊介君に恋人がいたなんて〜(泣」
トシ「・・・イサミ(汗」
クッキー「ショック〜」
ひろし「・・・クッキー...」

有名なレーサーであり、イケメンの部類である速水俊介に恋人が
いる事にショックを受ける面食いなイサミを始めとする女子達。

ピグモン「キュキュー」

皆と一緒にブレイバーベースに収容され、島から脱出していたピグモンは、
そんな子供達の間をおどけたように跳び回っている。

健「怪獣の中にも、こんな心優しい奴がいたなんてな」
文矢「ああ。Gショッカーの基地を見つけて子供達を助け出せたのは、
 このピグモンのお陰だよな」
レミ「でも、この子の故郷の島も、もう無くなってしまったのね…」
クーコ「ねえ先生、このピグモンどうするの?」
きらら「お別れなんて事には、ならないよね?」
学「そうだなあ…。帰る場所がないわけだし、
 このブレイバーベースの中で保護する事はできないだろうか?」
ギルモア「それはいい。エルファ、どうじゃ?」
エルファ「賛成です。
 ピグモンの毎日の体調管理は、私が担当します」
吼児「じゃあ、またこれからもピグモンに会えるんだ!」
鵺野「ああ。ここに来れば、いつでも会える」

子供達がピグモンを取り巻いて喜びの声を上げる。
そんな中、アマゾン・・・山本大介は海を見つめていた。

本郷「どうかしたのか、大介?」
大介「先輩・・・あの時、カニの怪人(カニバブラー)を取り逃がした事が
    気がかりで」

海を見つめている大介に本郷が聞くと、大介はカニバブラーの事を話す。
島での戦いで、大介はカニバブラーの胸を斬り裂きはしたが、奴は
そのまま海へと飛び込み逃げてしまった。大介はこれが気がかりに感じていた。

ギルモア「・・・何事も無ければいいのだがのう」

話を聞いていたギルモアも少し、不安を抱えながら
海を見つめるのだった。

173ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/09/21(日) 14:58:43
>>164<ベビーゴジラ誕生編>続き

ベビーゴジラ「クェ〜!」
慎哉「………( ゚д゚)ポカーン」

無事にヘビ獣人からベビーゴジラを救い出すことに成功したシグフェルだったが、
光平と優香はひとまずベビーゴジラを朝倉家に連れ帰ることに。
当然の如く、ベビーゴジラを目の当たりにした慎哉は腰を抜かして放心状態に。

優香「お願い朝倉くん! しばらくこの子をここで預かって!」
慎哉「じょ…冗談だろ! どうやってこんな化け物をウチで面倒見るんだよ!
 ご近所さんの目だってあるだろ!」
光平「落ち着く先が決まるまで、ほんの2〜3日でいいんだ!」
慎哉「う〜ん…」

光平と優香に懇願され、家主代理の慎哉は渋々ながら承諾した。

ベビーゴジラ「クェ〜!」
くらのすけ「ガルルルルッ!!」

玄関先でベビーゴジラは犬小屋の方向を興味深く見つめ、
一方のくらのすけもベビーゴジラを強く睨み返す!

慎哉「なあ、まさかコイツ、くらのすけを食べたりしないよな…?」
光平「ま、まさか…アハハハ(汗」

光平はブレイバーベースに連絡を入れる。

光平「剣持隊長に連絡した。今急ピッチで受け入れ先の準備をしているから
 2〜3日だけこちらで預かってくれってさ」
慎哉「やっぱりどうしても2〜3日はウチで預かるのか…。onz
 そもそもコイツ、餌とかは何を食べるんだ? 排泄の処理とかどうすんだよ…」
光平「そこはそれ、凄腕のハッカー様のお力でいろいろと調べてくれよ」
慎哉「調子のいいこと言いやがって…」

その時、朝倉家の居間に電話のベルが鳴った。
応対して受話器を取った慎哉の顔が急に青ざめる。

慎哉「……(((((((( ;゚Д゚)))))))ガクガクブルブルガタガタブルガタガクガクガクガクガク」
優香「どうしたの、朝倉くん?」
慎哉「マズイ……」
光平「何が?」
慎哉「姉ちゃんが帰ってくる…」

光平「エ━━ΣΣ(゚Д゚;)━━ッ!!」
優香「エ━━ΣΣ(゚Д゚;)━━ッ!!」

慎哉の姉・朝倉麻美は女子大生であり、現在は家を出で都内のアパートで一人暮らしをしている。
幼少の頃から慎哉はよく姉からプロレスごっこの実験台にされており、しかも成人してからは
酒癖ももの凄く悪い。さらには事前連絡もなしに今でもちょくちょく家の方に顔を出しては、
弟を執拗にからかうのみならず、光平にまで色香を惑わして近づいてくるのである。
麻美の怖さは、面識のある光平や優香もよく知っていた。

慎哉「よりにもよってこんな時に…! 姉ちゃんに見つかったら大変だ!
 急いでそいつをどこかに隠せ!」

174ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/09/21(日) 14:59:11
ベビーゴジラ「クェ〜!」
光平「ごめんな…」
優香「狭くて暗いけど、少しの間だけじっとしていてね…」

光平と優香はベビーゴジラを、2階の光平の部屋の押入れの中に押し込んだ。
その時ちょうど、朝倉家の玄関のチャイムが鳴る!

麻美「たっだいま〜!!」
慎哉「や…やあ、姉ちゃん。久しぶり…(汗」
麻美「元気にしてたか愛しの弟よ♪」
光平「あ、麻美さん…」
優香「ご無沙汰してます…」
麻美「あら光平くん、それに優香ちゃんもいたのね」

麻美は大きなスーツケースを家の中に運び込む。

慎哉「ね、姉ちゃん…その荷物どうしたんだよ?」
麻美「ああ、しばらくここで厄介になるからね!」
慎哉「えーっ!? いきなりなんでだよ!?
 アパートの方はどうしたんだよ!」
麻美「ほぉ〜アタシにそれを聞きたいか…? いい度胸だ弟よ」
慎哉「……(((((((( ;゚Д゚)))))))ガクガクブルブルガタガタブルガタガクガクガクガクガク」

麻美は殺気を満面に浮かべた不気味な笑みを弟に向ける。
これだけで慎哉は全てを察した。どうせまた大学で彼氏にフラれたのだろう。
その傷心を癒すために実家に押しかけてきたというわけだ。実は麻美がこうした事情で
いきなり実家に戻ってくるのは、これが初めてではない。これでいったい
何回目の失恋になるのだろう。姉は外見上のルックスは申し分ないのだが、
そのガサツな性格なゆえに、恋愛はいつも長続きしない…。

麻美「やっぱり年上の男はダメね。光平くんみたいな年下の可愛い男の子の方が
 アタシの好みなのよ。ねっ、光平くん♥」
光平「……えっ、いや、その(///)」
優香「――!!(怒」

露出した服装の麻美に迫られ、思わず赤面してしまった光平を見て、
優香は嫉妬の感情を露にし、光平の左肘を思いっきりつねる。

光平「――痛ッ!!」

175ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/09/21(日) 14:59:45
麻美はスーツケースを2階に運ぼうとする。

慎哉「どこ行くんだよ!」
麻美「決まってるでしょ。荷物をアタシの部屋に運ぶのよ」
慎哉「2階はダメだ!」
麻美「…なんでよ? ねえあなたたち、さっきからアタシに
 何か隠してない?」
光平「ま、まさかそんな…アハハハ(汗」
優香「そんなわけないじゃないですか…(汗」
麻美「まあいいわ…」
光平「荷物なら俺が運んでおきますよ」
麻美「そう。ならお願い」
優香「光平くん、私も一緒に行くわ!」

光平と優香はスーツケースを運んで、まるで逃げるように
2階の今は空いている麻美の部屋へ…。

光平「ふぅ〜なんとか誤魔化せたか…」
優香「でもどうするの? これ以上はとても隠し切れないわよ」
光平「そんな事言ったって…。俺に聞かれてもなあ…」
優香「しっかりしてよ、もう!」

すっかり考えあぐねる光平。優香は光平の部屋にベビーゴジラの様子を見に行くが、
すぐに真っ青になって光平のところに戻ってきた。

優香「大変よ光平くん! ベビーゴジラがどこにもいないわ!」
光平「なんだって!!」

一方その頃、1階の浴室では、シャワーを浴びようと裸になった麻美と、
浴槽の中で戯れていたベビーゴジラがバッタリと遭遇していた…。

麻美「………??」
ベビーゴジラ「クェ〜!」

次の瞬間、麻美の悲鳴がご近所にまで響き渡ったのは言うまでもない。
そしてその様子を密かに伺っている怪しげな車が一台あった。
中に乗っていたのは悪の帝王ゴッドネロスに仕える美人秘書のKとSである。

K「ベビーゴジラは牧村光平の家に匿われている模様…」
S「直ちにゴッドネロス様に報告よ」

ネロス帝国はG細胞を採取するため、密かにベビーゴジラを狙っていた。
果たしてベビーゴジラの運命は!?

176ユガミ博士 ◆UMgG0HhEo2:2014/09/21(日) 17:31:13
>>172追記・修正

学「爆発まであと5分しかない。みんな急ぐんだ!」

Gショッカーと怪獣達を何とか全滅させ、東の平原のキャンプ場に全員が合流した時には
既に爆発のタイムリミットは目前に迫っていた。

ギルモア「さあ、早くブレイバーベースに乗るんじゃ!」
鵺野「慌てるな。まだ時間はある!」
宗介「パニックを起こすな! 整然と行動しろ!」

総勢百人を超えるキャンプ参加者達が続々とブレイバーベースに乗り込み、
全員が収容された時には、もう爆発1分前になっていた。

佐原「ようし、全員乗ったね?」
数美「大丈夫です。全員いるのを確認しました」
ギルモア「エルファや、急いでブレイバーベースを発進させてくれ」
エルファ「了解。ブレイバーベース、離陸します」

ジェット噴射で空へ急速上昇するブレイバーベース。
そして爆発の刻限が迫る。
5…4…3…2…1…0!!

ドゴォォォォン――!!

バリチウム弾の大爆発によって、
ブリアン島は跡形もなく吹き飛び、海の藻屑となった。

薫「うわぁ…!」
拳一「すげえ…!」
ケンタ「島がぶっ飛んじゃったよ…」
イサミ「綺麗で素敵な島だったのに…」

楽しい事も、大変な事もあった。
新しい友達もできたし、未知の敵とも戦った。
7日間のワイルドでスリリングな思い出を刻んだブリアン島は、
今、轟音と共に地上から姿を消したのであった。


***ブレイバーベース***

ブレイバーベースでブリアン島から脱出した子供達は今までの緊張が途切れ
とにかく用意された料理を食べていた。島ではずっと魚と果実だったので、
久しぶりのパンやラーメン、肉料理にサラダとひたすら食べるのであった。

大輔「よっしゃ、久しぶりのラーメンだ!」ズズズ
レッカ「うぉぉぉ、爆盛りだ!」バクバク
駆流「ご飯、おかわり!」
006「ホホホ。慌てなくても、まだまだ料理はたっぷりあるヨ。
    どんどん食べるよろし!」

子供達の為に、006を始めとする料理人達がたっぷりと料理を
振る舞う。

ハルカ「はい、俊介。あ〜ん(愛」
俊介「美味しいな、はるか...」
イサミ「・・・あの、有名レーサーの俊介君に恋人がいたなんて〜(泣」
トシ「・・・イサミ(汗」
クッキー「ショック〜」
ひろし「・・・クッキー...」

有名なレーサーであり、イケメンの部類である速水俊介に恋人が
いる事にショックを受ける面食いなイサミを始めとする女子達。

ピグモン「キュキュー」

皆と一緒にブレイバーベースに収容され、島から脱出していたピグモンは、
そんな子供達の間をおどけたように跳び回っている。

健「怪獣の中にも、こんな心優しい奴がいたなんてな」
文矢「ああ。Gショッカーの基地を見つけて子供達を助け出せたのは、
 このピグモンのお陰だよな」
レミ「でも、この子の故郷の島も、もう無くなってしまったのね…」
クーコ「ねえ先生、このピグモンどうするの?」
きらら「お別れなんて事には、ならないよね?」
学「そうだなあ…。帰る場所がないわけだし、
 このブレイバーベースの中で保護する事はできないだろうか?」
ギルモア「それはいい。エルファ、どうじゃ?」
エルファ「賛成です。
 ピグモンの毎日の体調管理は、私が担当します」
吼児「じゃあ、またこれからもピグモンに会えるんだ!」
育代「よかったね」
美紀「うん」
鵺野「ああ。ここに来れば、いつでも会える」

子供達がピグモンを取り巻いて喜びの声を上げる。
そんな中、アマゾン・・・山本大介は海を見つめていた。

本郷「どうかしたのか、大介?」
大介「先輩・・・あの時、カニの怪人(カニバブラー)を取り逃がした事が
    気がかりで」

海を見つめている大介に本郷が聞くと、大介はカニバブラーの事を話す。
島での戦いで、大介はカニバブラーの胸を斬り裂きはしたが、奴は
そのまま海へと飛び込み逃げてしまった。大介はこれが気がかりに感じていた。

ギルモア「・・・何事も無ければいいのだがのう」

話を聞いていたギルモアも少し、不安を抱えながら
海を見つめるのだった。

177ユガミ博士 ◆UMgG0HhEo2:2014/09/21(日) 17:57:08
○星川学→子供達をブレイバーベースに乗せて、脱出させる。
     ピグモンをブレイバーベースで保護する事を提案する。
○アイザック・ギルモア→子供達をブレイバーベースに乗せて、脱出させる。
○鵺野鳴介→子供達をブレイバーベースに乗せて、脱出させる。
○相良宗介→子供達をブレイバーベースに乗せて、脱出させる。
○佐原正光→ブレイバーベースを発信させる。
○エルファ→ブレイバーベースを離陸させる。そしてピグモンの体調管理を担当する。
○006→子供達に料理を振る舞う。
○速水俊介→ハルカから料理を食べさせてもらう。
○ハルカ→俊介に料理を食べさせる。
○花丘イサミ→面食いなので、俊介に恋人がいた事にショックを受ける。
○真野美紀→ピグモンが保護される事に喜ぶ。
○大山育代→ピグモンが保護される事に喜ぶ、
○山本大介→カニバブラーが逃亡した事が気がかりになる。

【今回の新登場】
○真野美紀(絶対無敵ライジンオー)
 地球防衛組・出席番号18番。エネルギーチェック、バクリュウオー各種武器類
 セーフティー管理担当で、バクリュウカッター発射担当でもある。飼育委員で
 動物の世話をしている。犬嫌いだったが、後に飼い犬となるシッポと出会った 
 事で克服した。将来の夢は獣医師。

○大山育代(熱血最強ゴウザウラー)
 動物好きで飼育委員であるザウラーズの一員。マッハプテラの動力を
 担当している。マーボー程ではないが、食べる事が好きで、少々太目の
 体型が特徴。

178ユガミ博士 ◆UMgG0HhEo2:2014/09/22(月) 10:59:48
『悪魔と祓魔師と学校霊(仮)』

一見普通の学園だが、そこに通う生徒の中には魔界から来た悪魔や
その眷属が通う学園―駒王学園。部員全員が悪魔であるオカルト
研究会の面々は部長で、主でもあるリアス・グレモリーから、はぐれ悪魔が
悪さをしている事を聞かされる。

リアス「はぐれ悪魔を放っておく事は出来ないわ。皆、出動よ!」
一誠「よーし、覚悟しろよ。はぐれ悪魔!」

人間から悪魔へと転生し、リアスの眷属であり恋人でもある兵頭一誠は、
はぐれ悪魔退治にやる気を見せる。

夜。はぐれ悪魔を見つけたオカルト研究会一同は、はぐれ悪魔を追跡して
廃工場に追い詰める。

一誠「追い詰めたぞ、はぐれ悪魔!」
ドラグ「ブースト!!」
はぐれ悪魔「ゲゲ!」

追い詰めた一誠は自身の体内に宿る神器<セイクリッド・ギア>
『赤龍帝の籠手』を発動させ、はぐれ悪魔に襲い掛かろうとした。

???「うぉぉぉぉ!」
一誠「?!」


そこへ青い炎で燃えている刀が、一誠と同時に飛び出して
一誠の『赤龍帝の籠手』とかち合ってしまう。その隙を突いて、
はぐれ悪魔は逃げ出してしまう。

???「だあ〜、逃げちまった!」
一誠「お、お前は誰だ!」すt青い炎で燃えている刀を持った、その人物は頭部からも青い炎が
燃えていて、文献に登場する悪魔の様に尻尾が生えており、学生服を
着用していた。

???「俺か?俺は奥村燐。祓魔師(エクソシスト)だ!」
一誠「エクソシストだと...!?」

学生服の少年―奥村燐は、一誠にそう名乗った。エクソシストと名乗った事で
一誠は『赤龍帝の籠手』を構える。

リアス「どうしたの?一誠!」
雪男「兄さん、悪魔はどうしましたか!?」

そこへリアス達、オカルト研究会と燐の双子の弟であり、同じ祓魔師の
奥村雪男と燐と同じ祓魔塾の面々が集まってくる。

一誠「部長、気を付けてくれ。こいつら、エクソシストだ!」
リアス「エクソシスト!」
雪男「兄さん、彼らはもしかして悪魔なのか!?」
燐「ああ、俺達が追っていた悪魔を倒そうとした時に邪魔しやがったんだ」
一誠「邪魔したのは、そっちだろ!」
燐「何!?」

一誠と燐はそれぞれの仲間に、先程の状況を伝える。一誠と燐は
お互いはぐれ悪魔を退治するのを邪魔したというので、睨み合いをする。

???「双方、お待ちなさい!」

一触即発というその時。白いシルクハットとタキシードを着込んだ
怪しげな人物が、双方に割り込んできた。

雪男「フェレス卿・・・あなたが何故、ここに?」
リアス「(フェレス卿!?)」
メフィスト「双方、お互いに事情がある様子。ここは、まず話し合いの
      テーブルに着きましょう」

突然、現れた白いタキシードの人物―メフィスト・フェレスの登場に
よって一同は鉾を治めるのであった。

179ユガミ博士 ◆UMgG0HhEo2:2014/09/22(月) 12:09:45
***駒王学園・オカルト研究部部室***

メフィスト・フェレスが現れ、その場を治められた一同はお互いの事情を知るべく
駒王学園のオカルト研究部の部室へと移動した。そして、テーブルにはリアスと
メフィストが席に着く。

リアス「・・・まさか、ここでかの有名なフェレス卿に会えるとは思ってもいなかったわ」
メフィスト「私も、現・魔王サーゼクス・ルシファーの妹君にしてグレモリー家のご息女
   で在らせられるリアス嬢にお会い出来て、光栄の極みです」

リアスの事も、メフィストの事もお互いの事は聞いているようだった。

一誠「あのメフィストって胡散臭い奴は、そんなに有名なのか?」
木場「メフィスト・フェレス卿。エクソシストの組織、正十字騎士團の
   エクソシストで、日本支部の支部長。表向きはヨハン・ファウスト5世
   を名乗っているけど、その実態は200年前に人間に味方した悪魔だよ」
一誠「あいつ、悪魔なのにエクソシストなのか?」

一誠は隣に立っている木場祐斗にメフィストの事を聞いて、彼が悪魔で
ありながらエクソシストである事に驚く。

メフィスト「私はあなた方が、平和的で人間との共存を望んでいる事を
  存じていてます。ゆえに人間界で悪さをしているはぐれ悪魔の退治
  している事も・・・そこで、どうでしょう?お互い協力して、あの
  はぐれ悪魔を退治するというのは?」
雪男「なっ!?」
燐「いいのかよ、そんな事をして?」

メフィストの共闘宣言に部屋にいる一同は驚き、騒ぎ出す。

メフィスト「皆さんが、混乱するのは必然でしょう。しかし昨今の情勢で
 我々の知る虚無界(ゲヘナ)や魔界、天界等とは異なる世界からも
 この物質界(アッシャー)を狙ってくる輩がいます。未知なる脅威に
 我々エクソシストでも、限界があるという物。ならば、あなた方との
 お力も借りたいと思うですが、如何ですかな?」
リアス「・・・いいわ、あなた方に協力しましょう」
一誠「部長?!」

メフィストの説明を聞いて、リアスは協力する事を了承する。
その事に一誠は驚いた。

リアス「確かに。今、世界では死んだ者が生き返る『黄泉還り』や
 異なる世界や時間軸に繋がると言われている『時空クレバス』が
 発生していて、魔界や冥界でも問題になっているわ。お兄さんからも
 場合によっては人間との協力が必要になるかもしれないと言われているし」

驚く一誠に、リアスから昨今の情勢から魔界や冥界でも問題となっており、
人間との共存が必要である事を説いた。あまり納得が言っていないという
雰囲気はあれど、一応協力関係を結んだ両陣営は逃げたはぐれ悪魔を探す事になる。

メフィスト「放った使い魔によりますと、はぐれ悪魔が逃げた先には・・・
 斉東高校がある地域にようですねえ」
雪男「さ、斉東高校ですか!?」
燐「ん?その学校がどうかしたのかよ」

斉東高校がある地域に、はぐれ悪魔が逃げたと聞いた途端、騒ぎ出す。
だが燐や一誠はあまり状況が分かっていなかった。

勝呂「斉東高校っていう学校は、恐山のイタコも逃げ出す程の心霊
  スポットなんや」
出雲「今まで、色んなエクソシストが除霊しようと挑戦したけど
  あまりの霊の多さに、誰も除霊したがらなくなったのよ」
朱乃「そちらのエクソシストさん達の言う通りよ。それ程の心霊スポットなのも
 教会、神社、お寺が三角形に結ばれていて巨大な霊場となっているの」

祓魔塾の生徒で、寺の息子である勝呂竜士と巫女の血筋である神木出雲が
燐に説明し、加えてオカルト研究部の副部長である姫島朱乃が補足した。

一誠「霊が大量に出没する学校って、どういう場所だよ」

悪魔に転生した身であるものの、人間生活が長い一誠は霊が大量に出没する
学校が想像つかなかった。

180ユガミ博士 ◆UMgG0HhEo2:2014/09/23(火) 10:35:21
駒王学園でオカルト研究部と祓魔塾が協力関係を結んでいた、その頃。
先程、難を逃れたはぐれ悪魔は斉東高校の近くにある公園に来ていた。

???「おい、そこの悪魔よ...」
はぐれ悪魔「ぎぎ!」

難を逃れた事で安堵していたはぐれ悪魔だったが、突然声を掛けられ
ので、後ろに下がる。

???「安心しろ。私の名はDr.ベルフェゴール。貴様と同じ悪魔だ。
  見た所、低級の悪魔だが・・・まあ、いい。我が部下として働いてもらうぞ」

現れたのは、Dr.ベルフェゴールという天使界と悪魔界の和解に反対して
愛天使と争う悪魔だった。ベルフェゴールの後ろには様々なはぐれ悪魔が
控えていた。追われていたはぐれ悪魔は自分よりも上のベルフェゴールに
従う事にした。

ベルフェゴール「ふっふっふ、見ているがいい。愛天使共よ」

ベルフェゴールは不気味な笑みを浮かべながら、ある企てを行うのであった。

***斉東高校***

翌朝。はぐれ悪魔を追うため、オカルト研究部と祓魔塾のエクソシスト達は
斉東高校の前へとやって来る。

燐「ここが、斉東高校か...」
一誠「全然、幽霊が出そうな感じはしねえけど」

燐や一誠は、斉東高校を見て、どこにでもある普通な高校みたいだと
思い、本当にここが日本屈指の大霊場なのかと疑問に思う。

メフィスト「既に、私から連絡をいれてあります。では、行きましょう」

引率者として付いてきたメフィストは既に、斉東高校に連絡を入れて
おり、学校見学の名目で入る事になっている。

一誠「本当に、学校霊とか出るの・・・か・・・よ?」

学校の中へ一歩入った一誠の前を通り過ぎたのは、何と学校には
必ずあるであろう二宮尊徳像。さらに走る二宮尊徳像、スキップする
二宮尊徳像と何体もの二宮尊徳像が学校の運動場で動いていた。

一誠「な・・・何じゃこれは〜〜!!」
燐「なあ、この石造って何体もある物なのか?」
勝呂「うなわけないやろ!」
木場「ここの理事長が、大のオカルト好きで全国から曰くつきの
   グッズを集めているらしいよ」

大勢の動く二宮尊徳像に一誠は驚き、木場からこの学校の
理事長がオカルトグッズを収集している事を話す。

リアス「そんなに驚く事じゃないわよ、イッセー。只、ゴーレムが動いていると
    思えばいいんだから」

リアスは驚く一誠に、動く二宮尊徳像をゴーレムと称して驚く程じゃないと
言う。そんなやり取りをしている時に、校舎から3人の男女がやってきた。

遥都「初めまして、駒王学園と正十字学園の方々ですね?斉東高校
  聖徒会会長を務めています北城遥都です。皆さんをご案内しに参りました」
睦月「聖徒会副会長、朝比奈睦月です。それでこっちは・・・」
和御「・・・」
遥都「和御君?」

オカルト研究部と祓魔塾を案内する為に現れた斉東高校の聖徒会
執行部である北城遥都と朝比奈睦月が自己紹介するのだが、
最後の一人泉龍寺和御の様子がおかしかった。

和御「ニャァー!!」
出雲「な、何よ。いきなり奇声なんか発して!」
子猫「・・・この人、猫の霊に憑りつかれている」

執行部の一人である和御は霊にとり憑かれやすい体質で
猫の霊が和御の中に入った事により、奇声を発する。
それに出雲がビックリし、オカルト研究部の一人である
塔城子猫は猫の霊がとり憑いた事を見抜いた。  

睦月「ああ〜、もう面倒くさいわね。朝比奈スペシャル!」
和御「ぐはぁ・・・あ、睦月さん!あざぁーす」

神社の娘である朝比奈睦月は慣れた手つきで、和御に憑いた
猫の霊を追い出す。霊が追い出された事で、和御は正気を取り戻した。

遥都「お見苦しい所を、お見せして申し訳ございません」
メフィスト「いえいえ、彼女の除霊は完璧。我々がスカウトしたいぐらいです」

遥都は見苦しい所を見せたと謝罪するが、メフィストは気にせずに
睦月の除霊を褒める。そして一同は聖徒会執行部の部室へと場所を移す。

181凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2014/09/23(火) 12:54:55
サラジア共和国副大統領、アフマド・アルハザード。
彼の前半生は謎に包まれており、サラジアでは誰もそれを知らない。

旧日本軍の仁科宗禎技術大尉は、南方での戦病死を装って日本での自分の存在を消し、
戦後サラジアへ渡り整形手術してアルハザードとなった。
十数年後、突如としてサラジアの政界に姿を現したアルハザードは
優れた指導力と政治的手腕をもって国民の支持を集め、のし上がって行くのだが、
その栄達の裏では彼の政敵となった人物が何人も変死している。

まだ政情不安定だった当時のサラジアでは、
政治の世界にテロリズムが持ち込まれる事は決して珍しくなかった。
アルハザード自身も、何度か政敵に暗殺されそうになりながら生き延びている。
護衛、また殺し屋として、アルハザードは外国人を含めた凄腕の傭兵を多数雇っていた。

アルハザード「ふうむ…。君の名前は?」
宗介「カシム、であります」
アルハザード「いくつかね」
宗介「14歳であります」
アルハザード「出身は? アラブ系の顔には見えんがね」
宗介「日本であります。ただし、幼少の頃にいただけですので、
 日本の事はよく憶えておりません」
アルハザード「ほほう日本人か。面白い。採用しよう。
 しばらく私の屋敷で他の兵士と一緒に見張り番でもしていなさい。
 家の中の雑用も君に任せよう」

カシムこと相良宗介が日本人だという事に興味を引かれ、
傭兵集団の中に雇い入れてみたアルハザードだったが、
まだ年少という事もあり、その実力には半信半疑であった。
提出された履歴書にはソ連の特殊機関ナージャだの、ヘルマジスタンのゲリラだのと
大層な所属経験が書かれているが、余りに凄すぎて逆に本当かどうか疑わしい。

秘書N「あのような子供が、役に立つのでしょうか…?」
アルハザード「役に立たなくとも良い。
 なかなかの美少年ではないか。傍近くに置いておくだけでも目の保養になる」

ところが、そんな宗介に本領発揮の機会が訪れる。

宗介「危ないっ!」
アルハザード「む…!」

ある日、アルハザードの屋敷が敵対者の手先の襲撃を受け、
防戦する歴戦の傭兵達が次々と倒されていく中、
宗介は孤軍奮闘で敵を撃ちまくり、アルハザードを守ったのであった。

アルハザード「凄まじい奴だ…!」

興味本位で雇ってみただけの少年が相当の実力者だった事を知り、
驚愕するアルハザード。あの壮絶な履歴書は嘘ではなかったのである。

だが、結局アルハザードは宗介を長くは傍に置いておかなかった。
金で動く傭兵というものは敵に買収されるのも珍しくない。
この男がもしいつか豹変して敵に回ったら? という怖れが内心あったのである。
羽振りのいいアルハザードから多額の報酬を受け取った宗介は
また次の傭兵稼業へと旅立って行った。
彼がミスリルに所属するようになるわずか1年前の事である。


それから数年後――。
ミスリルから宗介に任務が下る。

マデューカス「近年のサラジアの急速な軍事力強化は
 中東のパワーバランスを大きく変動させるものだ。
 アフマド・アルハザード副大統領は覇権主義の野心家であり、
 将来的には中東戦争をも引き起こさんとは限らない」
テッサ「サラジアは砂漠の科学都市テクノグラードに秘密の研究所を建設し、
 そこでゴジラ細胞の軍事応用を推し進めている疑惑があります。
 もし事実であれば、これは世界の脅威です」
宗介「そのテクノグラードを調査し、
 もしゴジラ細胞の件が事実ならば、その破壊工作を行なう、と?」
マデューカス「本来ならば、本件はインド洋戦隊の管轄だが…。
 敢えて君を選んだ理由は一つ。君はかつてアルハザードの傭兵部隊に属しており、
 サラジアに土地勘があるばかりか、アルハザードの手の内をよく知っている」
テッサ「アルハザードの抱える傭兵部隊は強力です。
 しかし相良さん、あなたは彼らについて、ミスリルの他の誰よりも知識があります」
宗介「了解しました。
 相良宗介軍曹、サラジアへ出動します!」

こうしてかつての雇い主アルハザードと対決する事になった宗介。
襲い来るアルハザードの傭兵部隊を切り抜けてテクノグラードへ侵入し、
アルハザードの野望を砕く事ができるのか?

アルハザード「貴様、あの時のカシムか!?」
宗介「俺は昔あんたを守った事を後悔している…。
 気のいいご主人様の正体が、こんな悪魔だったとはな」

182ユガミ博士 ◆UMgG0HhEo2:2014/09/25(木) 12:22:57
ドバイ同様、科学技術で発展し続けるサラジア共和国の首都。
その首都を今のご時世にしては、古めかしいアラビアナイトに
登場するような出で立ちをした3人の男女が歩いていた。

アリババ「一体、ここは何処なんだよ」
モルジアナ「・・・このような巨大な建物は、今まで見た事がありません」
アラジン「ここは、僕達がいた世界とは別の世界だね」

魔法のある「アラビアナイト」の様な世界から、時空クレバスで
地球へと来てしまったアリババ、モルジアナ、アラジンは元の世界へ
帰る方法を探して、サラジアの首都を歩いていた。

警察官「おい、そこの3人組。妙な格好をしているが旅行者か?
     パスポートを見せてもらおう」
アリババ「パスポート?・・・あ、いや俺達は...(汗」
警察官「見せられないのか?まさか、お前達不法入国者か!?
     詳しい話を聞かせてもらうぞ」
モルジアナ「・・・アリババさん達に、手出しはさせません」
警察官「ぐはぁ!」

その恰好から、警察官に呼び止められてパスポートを見せるように
言われるが、当然この世界のパスポートを所持していないアリババ達は
お茶を濁してしまい、警察官が連行しようとしたのでアリババ達を護ろうと
モルジアナは警察官を蹴り飛ばしてしまう。

警察官「お、応援を要請しろ!こいつらを逮捕だ〜〜!」

その様子を見ていた他の警察官によって、アリババ達を逮捕しようと
警察官達が集まってくる。捕まるわけにはいかないと、アリババや
アラジンも剣や魔法で抵抗する。

一方、公務の為に車を走らせるアルハザードは偶然にもアリババ達が
警察官を相手に抵抗し続ける様を目撃する。

アルハザード「・・・あれは、魔法か?しかも、私が知らない魔法だと?
   ・・・面白い。(ニヤ」

アリババ達が使う未知の魔法に興味を抱いたアルハザードは、
眠りの魔法を使用する。

アラジン「・・・(今、魔法が!?)」
アリババ「急に、眠気が!」

アラジンも魔法が発動した事に気付くが、眠りの魔法に掛かり
3人は捕えらえ、アルハザードの命により彼の屋敷に捕えられるので
あった。

183凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2014/09/29(月) 21:27:20
***東京・都立陣代高校***

林水「なるほど…。夏の終わりのちょっとした冒険といったところか」

ブレイバーズのブリアン島キャンプから何とか無事帰国した千鳥かなめは、
陣代高校の生徒会室で、生徒会長の林水敦信に長々と土産話を語っていた。

かなめ「ちょっとどころの騒ぎじゃありませんでしたよ。
 もう怪獣は出るわ、Gショッカーには攫われるわ、
 終いには島は大爆発して消し飛んじゃうわで、本気で死ぬかと思いました」
林水「…と言う割には、まんざらでもなかったような顔だが?」
かなめ「まあ、楽しかったって言えば楽しかったですけどね。
 海は綺麗だったし、大勢の子供達と仲良くなれたし、
 後はみんなでバーベキューにして食べたタコの怪獣が、なかなか珍味でした」
林水「ともかく、キャンプの手伝いの任務ご苦労だった。
 ところで相良君はどうしているかね?」
かなめ「ソースケは…、何かまた急用みたいで、
 5時限目から欠席してます」

ミスリルのサージェントである相良宗介は、
ブリアン島から戻って早々、新たな任務のためメリダ島基地へ召集されたのだった。

林水「ふむ…」

林水は思案顔で机の上の新聞を手に取り、国際面を開いて流し読みする。
サラジア軍がアダブとの国境近くで挑発とも取れる軍事演習を行ない、
あわや中東戦争勃発の危機になった――と、その新聞は報じていた。

林水「…嫌な雲行きだな」



***サラジア共和国・副大統領官邸***

サラジア共和国副大統領、アフマド・アルハザード。
彼の前半生は謎に包まれており、サラジアでは誰もそれを知らない。

秘書N「昨日のサラジア軍による大規模演習について、
 アダブ共和国政府から改めて抗議の文書が届いています」
アルハザード「フン、相当怖気づいたようだな。
 アメリカ政府は何と言っている?」
秘書R「アメリカはこの件に関して沈黙を守っています。
 現在まで、いかなる声明もホワイトハウスからは発表されていません」
アルハザード「マイケル・ウィルソンめ。
 アメリカの手前勝手な中東政策など、
 いつか根底から覆してくれるわ」

熱いコーヒーをすすったアルハザードは、
机の上の書類をまとめている二人の女性秘書を眺めて満足そうにほくそ笑んだ。

秘書N「副大統領、いかがなされましたか…?」
アルハザード「いや、どうしたという程の事でもない。
 ただ、お前達も随分大きくなったと思ってな」
秘書R「急に何を仰せられます…?」
アルハザード「憶えているか?
 お前達はまだ小さかった頃、身寄りのない孤児だったのを私が拾い、
 今日まで手塩にかけて育てたのだ」
秘書N「そのご恩は、一生忘れません」
秘書R「副大統領のためならどんな事でも行ない、
 恩義に報いたいと思っています」
アルハザード「フフフ…。それは祝着。
 だが、私は今になって一つ後悔している事がある…。
 昔、私に仕えていたカシムという少年兵を憶えておろう。
 今では立派な若者になっておるはずだが、
 もしあの男を手放さず、お前達のように懇ろに育てていれば、
 今頃は奴もお前達と同じく、私の忠実な部下として働いていたのではないか…? とな」

アルハザードはそう言って回想に浸った。
カシムという少年が彼の元にいたのは数年前の事である。
今、そのカシムがどこで何をしているのかアルハザードには知る由もない。
いや、ないはずであった――。

184凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2014/09/29(月) 21:30:41
それは、アルハザードが副大統領になる前の事である。

秘書N「お屋敷の門前で、アルハザード様にお仕えしたいと申している者がいますが…」
アルハザード「ほう、傭兵の志願者か。ここへ通せ」

まだ政情不安定だった当時のサラジアでは、
政治の世界にテロリズムが持ち込まれる事は決して珍しくなかった。
一議員から副大統領へ昇り詰めるまでの間に、
栄達の影でアルハザードが暗殺してきた政敵は数知れないし、
アルハザード自身も、何度となく政敵に暗殺されそうになりながら生き延びている。
護衛や殺し屋として、多数の傭兵を配下に抱えていたアルハザードはある日、
仕官してきた一人の少年兵を面接した。

アルハザード「ふうむ…。君の名前は?」
宗介「カシム、であります」
アルハザード「歳はいくつかね」
宗介「14歳であります」
アルハザード「出身は? アラブ系の顔には見えんがね」
宗介「日本であります。ただし、幼少の頃にいただけですので、
 日本の事はよく憶えておりません」
アルハザード「ほほう日本人か。面白い。採用しよう。
 私の屋敷で働きなさい」

カシム――本名は相良宗介。
日本人という点に興味を引かれ、アルハザードはこの少年を雇ってみる事にしたのだが、
まだ年少でもあり、その実力には半信半疑であった。

秘書N「提出された履歴書によれば、
 彼はソ連の特殊機関ナージャで訓練を受けた後、
 ヘルマジスタンでゲリラとして活動していたとの事ですが…」
アルハザード「本当かどうかは分からんな。
 自分を高く売るためのでたらめかも知れんが、まあ構わん。
 子供の背伸びだとしたら可愛いものだ」

余りにも波乱に富んだ宗介の生い立ちについては、
さすがのアルハザードもすぐには信じる気になれなかった。

秘書R「あのような子供が、役に立つのでしょうか?」
アルハザード「役に立たなくとも良い。
 なかなかの美少年ではないか。傍近くに置いておくだけで目の保養になる」

アルハザードに気に入られ、
ともかく他の傭兵達と屋敷の警護をするようになった宗介。
そんな彼に、本領発揮の機会が間もなく訪れる――。

185凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2014/09/29(月) 21:34:23
その夜、アルハザードは不吉な夢を見た。
蒸し暑い南の国で、自分がマラリアに苦しみ死んで行くという悪夢である。
この夢を見たのは一度や二度ではない。
目を覚ましたアルハザードは立ち上がり、水を飲もうと寝室を出た。
寝室が轟音と共に真っ赤な爆炎に包まれたのは、その直後であった。

アルハザード「…!?」

ロケットランチャーの一撃が窓ガラスを破り、彼のベッドに命中したのだ。
そんなはずはない……とアルハザードは訝った。
屋敷の内外では、精強な傭兵達が寝ずの見張り番をしている。
彼らを倒さない限り、狙撃などできるわけがないのだ。

アルハザード「何事だ!?」

室内で銃声が聞こえたので、アルハザードは戦慄した。
敵がもう屋敷内に踏み込んで来たのか…?
しかし、リビングルームで銃を撃っているのは敵ではなかった。

アルハザード「…カシム!?」
宗介「ご主人様! 敵襲です!
 殺し屋がこのお屋敷を包囲しています!」

そう言いながら、宗介は窓の外に向けてアサルトライフルを撃ちまくる。
庭の木の上にいた敵が撃ち落とされたのが、闇の中でも分かった。

宗介「使用人のハッサンが敵に内通し、
 庭へ殺し屋を入れてしまったようです。彼は逃げました」
アルハザード「他の兵どもは何をしている!?
 ユーゼフ! アブー! オベイド! 早く馳せ参じぬか!」
宗介「三人とも既に射殺されました。
 残っているのは自分だけであります」
アルハザード「何だと…!?」

アルハザードは驚愕した。
信頼を置いている三人の屈強な傭兵がいとも簡単にやられた事も驚きだったが、
それ以上に信じられないのは、彼らを倒すほどの強敵を相手に、
この少年が一人で互角に渡り合っているという眼前の事実である。

宗介「ここは危険です。お下がりを!」

ソファーを盾にしてアサルトライフルを撃ちながら、
声に一分の焦りもなく宗介は言う。

アルハザード「(あの経歴は本物だったか…)」

ソ連の特殊機関ナージャで訓練され、
ヘルマジスタンのゲリラとして鍛え抜かれた宗介の確かな実力を
アルハザードもここに来て認めざるを得なかった。

アルハザード「お前達は無事か」
秘書N「アルハザード様!」
秘書R「このような不始末、申し訳ございません!」
アルハザード「早く私を夜の闇に包め…!」

屋敷を包囲していた暗殺者達が一瞬で死体に変わったのは、
それから数分後の事であった。
これには宗介も驚いたが、とにかく敵が一掃されたのを確認し、
アルハザードの元へ駆け寄る。

宗介「ご主人様、お怪我はありませんか」
アルハザード「おおカシムよ…。よくやってくれた。
 お前のような優秀な戦士を配下に持てて光栄に思うぞ…」

宗介の強さを大いに称えたアルハザードだったが、
同時に底知れぬ恐怖も感じていた。
もし敵に買収されたのがハッサンではなくこのカシムだったら、
さしもの自分も命は無かったのではあるまいか――。

結局、猜疑心に苛まれたアルハザードは、
宗介を長くは傍に置いておかなかった。
理由をつけて契約を更新せず、宗介を解雇したのである。
羽振りのいいアルハザードから多額の報酬を受け取った宗介は多くを語らず、
また次の傭兵稼業へと旅立って行った。
彼がミスリルに所属するようになる、わずか1年前の事であった。

186ユガミ博士 ◆UMgG0HhEo2:2014/10/02(木) 10:49:29
アルハザードの部屋から、何かしらのカルテを手に入れた宗介は
さらに屋敷の中を探索する。そして、捕えられているアラジン、アリババ
モルジアナの3人を発見した宗介は只事では無いと思い、牢から彼らを
助け出す。だが、背後から大きな火球が宗介達を襲った。

アリババ「危ない!」
宗介「―!」

アリババが咄嗟に気付いて声を掛けたので、宗介は3人と一緒に
火球を避ける。

???「ほう・・・俺のファイヤーボールを避けたか」
宗介「貴様、何者だ!」

宗介の前に現れたのは、RPGに登場する戦士の様な衣装で
大きな杖を持っていた。宗介は3人の前に立ち、銃口を向けて
何者なのか問う。

メンヌヴィル「・・・俺の名は、『白炎』のメンヌヴィル。といっても、
        貴様に名乗った所で知らんだろうがなあ」

メンヌヴィルを名乗る男―彼は地球とは別に存在する異世界
『ハルケギニア』で傭兵をしていたメイジ(魔法使い)である。彼の世界
で死亡したメンヌヴィルだったが、黄泉還った後に時空クレバスを通り
地球へとやってきて、アルハザードの保護を受けて雇われるのであった。
彼は、呪文を唱えると再び大きな火球を作り出し、宗介達にぶつける。

アラジン「ポルク!」
メンヌヴィル「ムッ!」

アラジンは防御魔法(ポルク)を唱えて、宗介達の前にバリアーを
張り、メンヌヴィルのファイヤーボールを防いだ。

宗介「(今のは・・・いや、今はこの危機から逃れるのが先決だ)
    そこの3人、目を閉じろ!」

宗介はアラジン達に目を閉じるように叫ぶと、装備していた
スタングレネードを発動させ、強力な閃光を放つ。相手が光で
目をやられている隙に、この場から離脱しようとする。しかし―

メンヌヴィル「・・・逃がしはせんぞ」
宗介「何っ!?」

メンヌヴィルはスタングレネードの光にも怯まず、離脱しようとする
宗介の肩を掴み、部屋の奥へと投げ飛ばしてしまう。

アリババ「だ、大丈夫か!?アンタ」
メンヌヴィル「何かをした見たいだが、おそらく強力な光で目くらましでも
  したんだろう。だが、生憎俺には通じない」
宗介「・・・き、貴様、目が!?」

宗介はメンヌヴィルの顔をよく見ると、彼の目が義眼である事に
気が付いた。

メンヌヴィル「ふふふ、そうとも。俺は目が見えないんでね・・・だが、
  俺にはお前達がどこにいるのか分かるぞ。お前達の発する熱を
  俺は捉える事が出来る」

不気味な笑みを浮かべながら、自分の事を話すメンヌヴィル。そして
騒ぎを聞きつけた屋敷を警備している兵士が集まりだす。

モルジアナ「・・・私が道を開きます。飛び出したら、私に続いて下さい」
アリババ「モルジアナ...」
アラジン「モルさん...」

モルジアナは両手両足に枷を付けられていたが、彼女の一族「ファナリス」
特有の身体能力で跳躍し、両手を床につけたと同時に足枷を怖し、
そのままメンヌヴィルの顔面に強烈な蹴りをお見舞いする。彼女は今まで
アリババ達の身を案じて力を温存していたのであった。

メンヌヴィル「ぐほぉ」
宗介「よし、行くぞ!」

顔面にダメージを受けたメンヌヴィルは壁にぶつかり、同時に宗介達は
入口へと飛び出す。入口に集まっていた兵士達はモルジアナの蹴りで
一掃されていき、一同は部屋から逃亡するのであった。

メンヌヴィル「くっ・・・今のは声からして小娘か。しかし何という蹴り・・・
  ふふ、ああいう女程焼きたくなる・・・・そっちに4人逃げた。足止めは
  任せたぞ...」
???「キヒヒヒ。アイ、アイサー!」

メンヌヴィルはふらつきながら、耳に着けている通信機で、この世界で
得た相方に宗介達を足止めするように通信をいれる。

187ユガミ博士 ◆UMgG0HhEo2:2014/10/02(木) 11:35:11
廊下を走る宗介、アラジン、アリババ、モルジアナの4人。宗介は
彼らがアルハザードに取り上げられた剣や杖を取り返したいというので
急いで彼らの持ち物を回収し、脱出に向けて走っていた。

???「おっと、ここから先は立ち入り禁止だぜ」

走っていた4人の前に立ちふさがったのは、カウボーイハットに
煙草を吹かす西部のガンマンの様な風貌をした男だった。

宗介「・・・(屋敷の警備をしている奴か。だが・・・銃も何も装備していない。
    何かの武術でも使うのか?)」

ガンマン風の男は、銃等の武器は装備していなかった。しかし、男の顔は
余裕のある顔をしていたので、宗介は素手で戦う武術家なのかと警戒した。

メギャン

宗介「―!」

男が拳銃を構えるような仕草をすると、宗介達の足下に銃弾が
撃たれたような跡が出来る。

宗介「(何だ!?奴が拳銃を撃つような動作をしたが、奴は銃を持っていない!
    背後からレーザーを撃ったというわけでもない・・・これも魔法という奴なのか?)」
アリババ「な、何だ!あいつも魔法を使うのか?」
アラジン「いや、アリババ君。あのおじさんから、魔法は感じなかったよ。
      でも、何かを撃ったのは間違いない...」

男が行った『見えない攻撃』に宗介やアリババは魔法の類なのかと困惑するが、
アラジンは魔法の気配は感じられず、それでも何かをしたのは理解出来た。

???「足止めはしたぜ、メンヌヴィルの旦那!」
メンヌヴィル「・・・よくやった、ホル・ホース!」

ガンマン風の男―ホル・ホースが叫ぶと、宗介達の背後からメンヌヴィルが
近づき、今度は別の呪文を唱えて杖の周囲に魔力を絡ませて刃状にする
魔法『ブレイド』を使い、刃となった杖で斬りかかる。

ガキン

アリババ「・・・ぐぅ〜〜!」
メンヌヴィル「・・・ほう、ブレイドを受け止めるとは面白い!」
ホル・ホース「旦那、手を貸すぜ!」

メンヌヴィルのブレイドに対して、アリババの短剣が受け止める。
それに対して、ホル・ホースは再び拳銃を構える仕草をする。
宗介やアリババ達には見えないが、ホル・ホースはかつて吸血鬼DIOに
雇われていたスタンド使いの殺し屋で、DIOを倒した承太郎一行との戦いで
重体となっていた体も完治して、現在はアルハザードに雇われいて
メンヌヴィルとコンビを組んでいた。そして、彼の能力であるスタンド
『皇帝<エンペラー>』は銃そのもののスタンド。銃弾もスタンドの一部で
あり、弾道も自由自在に変更できる。その弾丸をアリババに向けて放った。

アラジン「ポルク!」
ホル・ホース「何だと!?」

だがアラジンは、スタンドを見る事は出来ないが、ホル・ホースが
アリババに何かをするのは分かったので、防御魔法を使いアリババの
危機を救った。

モルジアナ「ふん!」
ホル・ホース「ぶべら!」

その隙を突いて、モルジアナはホル・ホースを蹴り飛ばし、さらに
壁を破壊して大穴を開ける。

宗介「そこから、逃げるぞ!」ドドドド
メンヌヴィル「むっ!?」

壁に開けた穴から逃げ出すべく、宗介はメンヌヴィルに銃を撃って
牽制し、その隙にアリババはメンヌヴィルから離れてアラジン達と共に
屋敷から脱出した。

メンヌヴィル「・・・逃げられてしまったか。まあいい、焼く楽しみが増えたぞ。
    ふふふふ...」

メンヌヴィルは宗介達を逃がしてしまったが、彼らを自分の火の魔法で
焼く楽しみが出来たと笑みを浮かべるのであった。

188ユガミ博士 ◆UMgG0HhEo2:2014/10/06(月) 09:45:06
アルハザードの屋敷から脱出した宗介は助け出したアラジン、アリババ、
モルジアナを逃亡用に用意していたジープに乗せて、国外へと脱出する
べく車を猛スピードで走らせていた。

アリババ「あ、あの...!」
宗介「喋るな!舌を噛むぞ」

そのスピードにアリババが口を開こうとすると、宗介は運転に
集中するべく黙らせる。一行を乗せた車は首都の郊外を出た。

モルジアナ「―!向こうに誰かいます」
宗介「何!?」

モルジアナが指を指すと、宗介達を乗せた車の遥か先には
一体の人影が見えた。その人影こそ、アルハザードが変身した
魔導師バルゴグである。

アリババ「何だ、アイツは!?」
アラジン「気を付けて、あの人・・・すごい魔力(マゴイ)を感じるよ」
宗介「・・・あいつが、バルゴグという怪人か!」

バルゴグの出現にアラジンはバルゴグから発する強大な魔力を感じ取り、
宗介はあの怪人が、バルゴグという事に気付く。

バルゴグ「このまま、逃がしはせんぞ!」

バルゴグはXライダーやスーパー1と戦った時のように、杖から
光線を出して時空クレバスを発生させ、時空の彼方からモンスターを
召喚する。

ブラックディノ「グワァァァオ!」
ダークハム「キヒヒヒ!」

時空クレバスから召喚されたのは、実際この地球でもテレビゲームとして
存在している『モンスターファーム』の世界からブラックディノという黒い恐竜
の様なモンスターとダークハムという人間大で目付きが悪い黒い兎のモンスター
が大勢、出現した。

バルゴグ「かかれ!」
ブラックディノ「グォォォオ!」
ダークハム「ムハー!」

バルゴグの命令で、ブラックディノとダークハムの大群は宗介達の
車に向かって、突進してくる。

宗介「くっ、ここは突っ切るしかない!」
アラジン「お兄さん、ここは僕らが何とかする。お兄さんはこれ(車)の
  操縦に集中して」
宗介「・・・仕方が無い。頼む」

宗介はモンスター達の相手をアラジン達に任せると、アクセルを踏み込み
車を加速させていく。近づいてきたブラックディノとダークハムに対して、
アラジンは魔法で、風魔法の『突風<アスファル・リーフ>』で吹き飛ばし、
アリババやモルジアナも剣や蹴りで、飛びかかって襲い掛かるダークハムを
蹴散らしていく。

バルゴグ「まだ向かってくるか・・・ファイガ!」

なお車を走らせる宗介達にバルゴグはファイガを始めとする魔法を
使って攻撃するが、宗介はその運転技術でかろうじて躱していく。

バルゴグ「ならば、拘束魔法で動きを...」
アラジン「雷電<ラムズ>」
バルゴグ「―くぅ!」

バルゴグは相手を拘束する魔法で車を止めようとするが、アラジンは
いち早く気づき電撃を飛ばしてバルゴグの魔法発動を阻止する。
そして、宗介達の車はバルゴグの隣を通り過ぎようとした。

バルゴグ「―!(あの運転している人間はどこかで・・・カシムか!)」

倒れる中、車を運転している人間―宗介の顔を見たバルゴグは
その人間がかつて自分が雇っていた傭兵のカシムだという事に気付く。
一方、宗介はバルゴグが自分のかつての雇い主という事に気付く事も
無く、アラジン達を乗せた車は夜の砂漠へと消えるのであった。

189凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2014/10/06(月) 21:15:48
宗介「アルハザードの屋敷には秘密の地下室がある…。
 誰も足を踏み入れてはならないと言って、
 あそこだけは使用人も決して入らせなかった。
 よし…。その部屋を探ってみるか」

屋敷の奥にある扉をそっと開け、
階段を下りて禁断の地下室へ宗介は潜入する。

宗介「ここは…」

地下室は石畳に床を覆われた広い空間になっていた。
電気照明はなく、壁にかけられた松明に火が灯されている。
一見して、ここは黒魔術を行なう部屋だと宗介は理解した。
大小様々な壺や水晶玉、魔法陣やタロットカード、
他にも用途不明の不気味な形状のオブジェなど、
怪しげな魔道具らしき物品がいくつも陳列されている。

宗介「確かにアルハザードにはオカルト趣味らしきものがあったが…。
 ここまで本格的に魔術に凝っていたとは」

軽い戦慄を覚えながら、大きな壺の中を覗き見る宗介。
紫色の奇妙な粘液が溜められ、鼻を突くような異臭を放っている。
宗介は素早くスポイトとビーカーを取り出し、中の液体を採取してポケットに仕舞った。

宗介「…こいつは何だ?」

部屋の隅にある本棚に宗介は目をやった。
並んでいるのは古い魔術書や宗教書がほとんどだったが、
一番上の棚には本ではなく、ファイルが収納されていた。
中の一冊を選んで取り出し、宗介はぱらぱらとページをめくる。

宗介「旧日本軍の機密資料…。
 終戦間際にシンガポールで行なわれていた、
 捕虜を使った生体実験のカルテだ」

戦時中、旧日本軍の科学班が密かに南方で行なっていた、
人体改造実験のカルテがそのファイルには綴じられていた。
米軍の何人もの捕虜が、どのように身体の一部を改造され、
それによってどのように運動能力や体調を変化させたかの詳細な記録である。
まだ未完成で問題のある改造技術を使っていたらしく、
カルテの多くは被験者の容体の急変と、直後の死をもって書き終えられている。

宗介「残酷で非人道的な実験だが…。
 それにしても、なぜ旧日本軍の資料がアルハザードの屋敷に…?」

不審に思いながら、宗介は次々とファイルを開いて流し読みしていく。

宗介「…待て、これは捕虜じゃない。日本人の名前だ」

一つだけ、別綴じにされた分厚いファイルが宗介の目に止まった。
他のものと同じく人体改造のカルテだが、
被験者の名前はアメリカ人ではなく、日本人になっている。

宗介「仁科宗禎 陸軍技術大尉…。
 一人だけ、軍人で改造手術の被験者になった者がいる」

これは何かある、と興味を持ってページをめくろうとする宗介。
その時、部屋の奥からうめくような声がした。
誰かが助けを求めているのだ。
宗介はファイルを本棚に仕舞い、声のする方へ向かった。

190ユガミ博士 ◆UMgG0HhEo2:2014/10/09(木) 10:26:15
サラジアから脱出し、異世界人であるアラジン達を保護した宗介達は
ブレイバーベースへと帰還した。しかし、未だにディオドスシステムは
未完成の状態にあり、アラジン達の世界を特定するのに困難な状態と
なっていた。

アリババ「・・・それじゃ、俺達は帰れないのか!?」
佐原「済まない。我々も尽力で完成を急いでいるのだが...」

帰る事が出来ない事にショックを受けるアリババ達だった。

エルファ「―!佐原博士、ディオドスシステムが起動しています」
佐原「何故、突然システムが動きだしたんだ!?」

ディオドスシステムは動き出し、その先がアラジン達のいた世界
という事が判明。そして3人は別れを告げて元の世界へと戻るのであった。

191ユガミ博士 ◆UMgG0HhEo2:2014/10/11(土) 12:22:03
宗介によってアラジン、アリババ、モルジアナの3人は
ブレイバーベースへと連れてかれる。サラジアでも巨大な建築物に
驚いていた3人だったが、ブレイバーベース内部はそれ以上の
衝撃だった。

アリババ「あ・・・(汗」
モルジアナ「・・・」
アラジン「・・・すごいね」

異世界の概念は理解しているアラジン達だが、まさに開いた口が
塞がらないという状態である。まるで一つの都市と言っても過言では
ない人の数、ジンを超える鋼鉄の巨人(MSを始めとする各種の
ロボット)や見た事も無い技術で造られた道具や兵器で溢れ返っていた。

エルファ「宗介さんが連れて来た異世界の方々ですね。案内役を
   任されましたエルファです」
スワン「同じく、案内役をするスワン・ホワイトでーす。よろしくお願いしま〜す」
アリババ「あ、よろしくお願いします(///)」
アラジン「はは、きれいなおねいさ〜ん!」
スワン「Oh〜!」
アリババ「ば、馬鹿!やめろよ、アラジン(汗」

案内役としてエルファとGGGの研究開発オペレーターであるスワン・ホワイトが
アラジン達の前に現れる。エルファの可愛さにアリババは赤面し、お胸の大きい
きれいなおねえさんが好みのアラジンはスワンはまさにストライクだったので
彼女に抱きついてしまう。アリババは慌てて、アラジンを引き離した。
そして、エルファ達に案内されて3人はブレイバーベースの司令室まで案内される。

***ブレイバーベース・司令室***

佐原「ようこそ、ブレイバーベースへ。この基地の総責任者を務める
    佐原正光だ」
ギルモア「わしはその補佐をしているギルモアじゃ。遠路はるばる
   疲れたじゃろう?」
アリババ「お気遣い、ありがとうございます」

司令室では佐原博士とギルモア博士が控えており、アリババが
代表して返事をする。

佐原「さて、君達を元の世界を帰したいのだが、君達を帰す為の装置
 ―ディオドスシステムというのだが・・・まだ未完成で帰すとなると
 困難なのだ」
アリババ「・・・帰れないんですか?」
ギルモア「確かに、元の世界へ帰れないというのはつらい事じゃろう。
  しかし、わし等はかならず君達を元の世界へ帰すと約束しよう!」

佐原からディオドスシステムが未完成な事で、元の世界に帰還する事が
困難な事を聞かされ、アリババ達はショックを受ける。ギルモアは
かならず元の世界へ帰すと約束した。

ピピ

佐原「私だ・・・何、ディオドスシステムが勝手に起動している!?」
ギルモア「何じゃと!?」

通信を受けた佐原は内容を聞くと、開発部からディオドスシステムが
勝手に起動している事という報告を受ける。佐原とギルモアは
エルファやアリババ達を連れて、開発部へと向かった。

192ユガミ博士 ◆UMgG0HhEo2:2014/10/11(土) 13:05:15
***ブレイバーベース・開発部***

開発部に一同はやって来ると、起動したディオドスシステムは
小規模な時空クレバスを起こしていた。

佐原「何故、このような事態に!?」
Drウルシェード「おお、来てくれたか!」
弥生「システムチェックをしている途中、急にシステムが起動して
   時空クレバスを発生させたんです」

システムのスタッフであるDrウルシェードと弥生から、システムが
発生した状況を伝える。そして、時空クレバスの先に何やら風景が
映し出される。

モルジアナ「・・・あれは!」
アラジン「マグノシュタットだ!マグノシュタットのある海岸だ!」
ギルモア「あの時空クレバスの先にある世界は、お前さん達の世界なのか?」

時空クレバスの先にある世界―それはアラジン達の住む世界で
レーム帝国と魔法都市マグノシュタットの決戦が行われた場所だった。

アリババ「・・・あれを通れば、俺達は帰れるのか」
アラジン「アリババくん、モルさん!」
モルジアナ「はい」
佐原「帰ろうとするのかね!だが、もし何かあれば...」
ギルモア「いや、この機会を逃してしまえば彼らが元の世界へと
  戻れるのが、何時になるのか分からん。ここは彼らの意志に任せよう」

3人は時空クレバスの前に立つ。佐原はこの状況で時空クレバスを
通る事に異議を唱えるが、ギルモアは3人の意志に任せるべきだと主張する。

アリババ「短い間でしたけど、ありがとうございました」
モルジアナ「お世話になりました」ペコ
アラジン「さよなら!・・・またね」

そして彼らは時空クレバスの中へと消えていき、クレバスが消えると
共にディオドスシステムも停止した。

ギルモア「彼らは行ってしまったか...」
佐原「エルファ、彼らの世界を特定する事は出来ないかね?」
エルファ「やってみます!―逆探知の結果、この時空クレバスは
 座標R28fc04x3の世界に繋がっていた事が分かりました」
ギルモア「それが、彼らのいた世界じゃな」

こうして砂漠の国に迷い込んだ異世界の3人は元の世界へと帰還した。
ただ、4番目のマギであるアラジンは再び、彼らと出会うのでは無いかと
そう感じるのであった。

193ユガミ博士 ◆UMgG0HhEo2:2014/10/15(水) 10:21:25
外宇宙編。
コズモレンジャーJ9達と別れ、エイジの言っていたレジスタンスに
合流しようと外宇宙を旅するダバ達ターナ一行。
その最中、一行はGショッカー・ゴズマ軍と交戦中である
ロミナ姫のエルシャンクと弾劾チームに合流した。

ダバ「あれは、エルシャンクや弾劾チーム!」
ジョウ「ダバか!?」
ロール「ペンタゴナワールドも、Gショッカーの脅威に晒されていると聞いていたが
    心強い」

合流した一行は、ダバの乗るエルガイムMr−Ⅱが出撃し、ジョウ・マヤの飛影、
ロール・クラン達弾劾チームのダンガイオーはゴズマ軍と戦闘。
だが、ゴズマ軍は更なる戦力を投入して事態はピンチに。そこへ援軍が駆けつけた!

イーター「はぁ〜はっは!正義の宇宙海賊、イーター・イーザック参上!」
シリウス「同じく、弟のシリウス参上!」
シーマ王女「ロミナ姫、ご無事ですか!?」

援軍に駆けつけたのは、イーターことワルター・ワルザックの乗る海賊戦艦
にしてレジェンドラの勇者でもあるキャプテンシャーク達とシーマ王女や
フラッシュマン達が乗るスターコンドルだった。彼らの合流により、事態は
終息して合流するのであった。

ロミナ姫「・・・ブレイバーズですか?」
シーマ「はい、先日星間評議会と地球連邦政府に間で取り交わされた協約に
 基づいて結成された部隊です。我々レジスタンスの方でも、星間評議会から
 打診を受けました。その中で、全宇宙の王女やご令嬢によって結成された
 支援組織プリンセス・ユニオン(PU)があるのですが、ロミナ姫にはPU
 のメンバーになっていただきたのです」

合流したシーマから、星間評議会からロミナ姫にプリンセス・ユニオンの一員と
なってほしいという打診があった事を話すのであった。

194凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2014/10/15(水) 22:00:15
≪ゴジラ×九龍≫

ゴジラには、渡り鳥の発する超音波に反応して引き寄せられるという性質がある。
南米の反米テロ組織「南アメリカ革命軍」はこの性質を利用し、
小型衛星からの超音波でゴジラを遠隔操作するコントロールマシンを開発した。
革命軍はこれを使ってゴジラをコントロールし、
逮捕されている自分達の同胞を釈放しなければゴジラにアメリカ全土を破壊させると脅迫。
予告通り、コントロールされて棲みかの日本近海を離れたゴジラは、
最初の示威行動としてハワイを襲撃した。

ウィルソン「革命軍の持つコントロールマシンを破壊すれば、
 ゴジラは操られなくなって太平洋へ戻るはずだ」

ブレイバーズに属するアメリカのヒーロー達は、
南米のアマゾン奥地にある革命軍の根拠地を攻撃。
アーム・スレイブや改造兵士なども動員し抵抗する革命軍だが、
アイアンマンやスパイダーマンらに次々と撃破されていく。
根拠地を壊滅させたアメリカのブレイバーズだったが、
肝心のコントロールマシンは発見できず、
世界のどこかから操作されたゴジラは遂にロサンゼルスに上陸した。

ガウルン「テストはもう十分だ。
 ゴジラさんには、今度は俺の言う事を聞いてもらおうか」
革命軍幹部「何だと? 勝手な真似は許さん。
 アメリカ全土を徹底的に破壊するまではゴジラは…」
ガウルン「黙れよ。死にてえのか」

革命軍を影から支援していたアマルガムのガウルンは、
組織の主導権を強奪してゴジラを意のままに操り、
ウィスパードである千鳥かなめの身柄引き渡しに応じなければ
ゴジラで東京を壊滅させると日本政府とミスリルに通告する。
「一人の命と引き換えに東京を守れるならば…」と考えた政府の一部勢力は
かなめを革命軍に引き渡してしまった。

剣「ゴジラ接近のため危険という名目で、
 全ての飛行機と船の運行を一時ストップさせろ。
 何人死ねば何人助かるなどと命の計算をする奴は男じゃねえ!」

剣桃太郎首相の機転を利かせた措置により、
かなめを拉致した革命軍メンバーは日本国内から出られず立ち往生する。

ガウルン「しょうがねえ。そっちがその気なら思い知らせてやるさ。
 さあいらっしゃい、ゴジラさ〜ん!」

遂に東京に上陸するゴジラ。
だがミスリルは、ふとしたヒントからガウルンの現在地を割り出す事に成功した。

テッサ「まさに灯台下暗し、ですね」
マデューカス「奴らのアジトが、
 まさか日本にあるとは思いもしませんでしたな」

そう、ゴジラコントロールマシンは実は最初から日本にあり、
ガウルンは日本に潜伏しながらゴジラを操っていたのだ。
マシンを破壊しかなめを助け出すため、相良宗介は単身ガウルンの待つアジトへ乗り込む…。

195凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2014/10/15(水) 22:06:13
≪キングコング空輸作戦≫

アルジェの石油王一族の令嬢フィリナ・クラウディア・アルシャードは、
石油採掘権の買い取り交渉のため南洋のファロ島へ赴くが、
石油が眠っている場所は島の聖地だと島民に拒否され、交渉は不調に終わる。
島民の意向や伝統を無視してまで採掘を進めるわけには行かないと、
やむなくフィリナは断念するが、嵐のため帰りの船が出せず、
その日は島に宿泊する事にした。

だが、同時に島に来ていたサラジア・オイルコーポレーションの一団は、
島民の反発を無視して強引に地上げを行ない、調査のため聖地へ乗り込んで行く。
彼らはそこで、島の守り神として崇拝されているキングコングを発見。
フィリナに興味を示したコングは彼女と仲良くなるが、
コーポレーションの調査団はコングをサラジアへ運んで見せ物にしようと、
麻酔弾で眠らせ空輸する。
だが、アフマド・アルハザード副大統領の狙いは別にあった。

アルハザード「大猿なんぞを連れて来られても興味はない。
 どうせ見せ物にするなら、もっと舞台を工夫してもらわねばな」

アルハザードがサラジアから送らせた麻酔弾はわざと効果が弱められており、
空輸中に目覚めたコングはサラジア到着前に暴れ出す。
やむなく太平洋に落とされたコングは、そのまま泳いで北上、
日本に上陸して街を破壊し始めた。

フィリナ「やめてコング! 大人しくするのよ」

フィリナの制止で暴れるのをやめたコングは睡眠薬を飲まされて眠り込む。
この間にファロ島へ空輸して連れ戻そうと考える日本政府や自衛隊だったが、
コング殺害を主張する強硬派は高性能爆弾による爆破作戦を決行。
だが爆破に耐えたコングは凶暴化して暴れ出す。
そこにウルトラマンが登場、コングと戦う。

フィリナ「ウルトラマン! コングを殺さないで!」

スペシウム光線の発射を思いとどまるウルトラマンだが、
猛獣と化したコングの攻撃に痛めつけられてしまう。
ウルトラマン危うし。果たしてフィリナの願いは届くのであろうか…!

196ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/10/16(木) 12:15:02
>>194≪ゴジラ×九龍≫加筆・一部改変

日本政府内部の一部勢力による千鳥かなめの身柄引き渡しの企ては、
聖居にいる聖天子の耳にも届いていた。聖天子はその企てを阻止しようと
自らも動くが、その前に補佐官・天童菊之丞が立ちはだかる。

聖天子「菊之丞さん、そこをどきなさい!」
菊之丞「いいえ、ここをお通しするわけには参りません!
 剣総理から何を吹き込まれたかは存じませぬが、
 大の虫を活かすためには、小の虫を殺す例えもございます」
聖天子「どちらが大でどちらが小です!?
 人の命に大小の区別などありません!」
菊之丞「やむを得ませぬな…」

菊之丞の指示で、屈強な黒服のSPたちが
聖天子の周囲を取り囲む。

聖天子「何の真似です?」
菊之丞「聖天子様はこれより自室にてご休養なされる。
 お部屋へお連れせよ!」
聖天子「くっ…!」
菊之丞「あなた様をお守りすることこそが先帝より仰せつかった
 私目の役目。ご無礼の段、何とぞお許しを…」

聖天子は菊之丞によって聖居の一室に事実上軟禁されてしまった。
しかし、転んでもタダで起きるような聖天子ではなかった。

聖天子「ケイさん、いますか?」
恵美破「はい聖天子様、ここにおります!」

廊下の見張りに気付かれないように、
天井裏に潜んでいた姫忍・恵美破が降りてきた。

聖天子「書状をしたためます。これを大至急
 月野うさぎさんに届けてください」
恵美破「はい、必ず!」

恵美破から聖天子のお墨付きを受け取ったセーラー戦士は、
千鳥かなめの身柄を移送中の公用車の車列を
成田(or羽田)空港に着く直前のところで強制的に停車させる。

官僚A「な、何事だ!」
かなめ「セーラームーン!?」
ムーン「やあやあ頭が高い! これが目に入らぬかぁっ!」

セーラームーンは聖天子のお墨付きを堂々と示すが…。

かなめ「セーラームーン、それ逆さま…」
ムーン「えっ!?…(汗」

慌てて書状を上下逆に持ち直したセーラームーンは、
気を取り直してお墨付きの中身を開いて読み聞かせようとするが、
難しい漢字ばかり書いてあり全然読めない…。

ムーン「………(汗」
かなめ「おいおい…」
マーキュリー「あのねセーラームーン、(小声で)ゴニョゴニョ…」

背後からセーラーマーキュリーにこっそり読み方を教えてもらう
セーラームーンの情けない姿に、千鳥かなめは助けに来てくれたことには
感謝しつつも半ば呆れ気味である。

ムーン「じょ…上意である! 千鳥かなめの身柄を引き渡すこと、
 断じてまかりならん! 直ちに車列を東京まで引き返すべし!」
マーズ「剣総理からの命令で、すでに日本国内の全ての
 空港は閉鎖されたわ!」
ジュピター「さっさとかなめちゃんをこっちに引き渡しな!」
官僚B「ハ…ハハーッ!!」
官僚C「直ちにそのように取り計らいます!」

こうして千鳥かなめの身柄引き渡しは間一髪で阻止された。
そして剣桃太郎首相の機転を利かせた措置により、
革命軍メンバーも日本国内から出られず立ち往生する。

ガウルン「しょうがねえ。そっちがその気なら思い知らせてやるさ。
 さあいらっしゃい、ゴジラさ〜ん!」

遂に東京に上陸するゴジラ。
だがミスリルは、ふとしたヒントからガウルンの現在地を割り出す事に成功した。

テッサ「まさに灯台下暗し、ですね」
マデューカス「奴らのアジトが、
 まさか日本にあるとは思いもしませんでしたな」

そう、ゴジラコントロールマシンは実は最初から日本にあり、
ガウルンは日本に潜伏しながらゴジラを操っていたのだ。
マシンを破壊しかなめを助け出すため、相良宗介は単身ガウルンの待つアジトへ乗り込む…。

197ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/10/16(木) 21:01:13
≪聖天子暗殺!宇都宮釣天井≫

人間が駆逐され、未だガストレアや幻獣の勢力圏となっている北関東のT県。
その最前線の地で戦う自衛隊や民警、学徒兵部隊を督戦・激励すべく、
聖天子が栃木県辺りまで行幸することとなった。
大阪エリア統治者・斉武宗玄は、テロ組織・独立幻野党と手を結び、
この機に聖天子暗殺を計画する。

宗玄「聖天子と天童菊之丞さえ片づけてしまえば、
 残る難敵は剣桃太郎と江田島平八だが、
 首尾よく暗殺が成功した暁には、その混乱に乗じて
 一気に始末してしまえばよい」

斉武宗玄の企てを察知した東京の日本政府。
普段は対立関係にある剣桃太郎首相と天童菊之丞補佐官だが、
今回は聖天子を守るという共通の目的で一致し、
一時休戦する形で共闘することに。

剣桃太郎は聖天子を守るため、国家警備機構の密使、
静弦太郎と霧島五郎の二名を極秘裏のうちに宇都宮へと派遣した。
宇都宮城の御休息所に仕掛けられた釣天井の罠が
刻一刻と聖天子の身に迫る!

198ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/10/18(土) 14:20:15
≪聖天子暗殺!宇都宮釣天井≫

***T県と栃木県の県境付近***

ここは北関東エリアにおけるT県と栃木県の間の
県境付近である。険しい山々と深い山林に囲まれ、
言うまでもないことながら周囲に人家などは全くない。
プロの登山家ですら滅多に立ち入らないこの地域を
ひたすら突き進む二人の青年の姿があった。

五郎「お〜い弦の字、ちょっと待ってくれよ〜!
 いい加減そろそろ休もうぜ!」
弦太郎「大の男が女みたいな情けない声出すんじゃねえやい!」
五郎「だってよぉ! もう三日も山ん中を
 飲まず食わずで歩きづめなんだぜ」

国家警備機構の密使、静弦太郎と霧島五郎。
南会津から出発し、関門海峡のビルドベースを目指しながら
只今隠密の旅の真っ最中であり、ちょうど北関東エリアの奥地に
入った頃合いであった。

弦太郎「てめえ元々登山家だったんだろ。
 こんな程度でへたばるとは情けねえやつだな」
五郎「登山の専門家だから言ってるの!
 だいたいここをどこだと思ってるわけ!
 T県だよT県! 昔住んでた人間は完全に駆逐されて、
 今や幻獣やガストレアが我が物顔で跳梁跋扈する巣窟じゃねえか!
 ここを通る途中でどんだけ気持ちの悪い化け物の群れに
 追いかけまわされたと――」
弦太郎「うるせえ! こっちの方が近道なんだよ!
 ぐだぐだ文句を言ってると置いてくぞ!」

公共の交通機関を利用せず、徒歩で移動していた弦太郎と五郎は、
実はガストレアや幻獣の完全な占領下にある"T県"の山中に
足を踏み入れていたのだった。

弦太郎「そういえばあれから不知火の連中も
 すっかり鳴りを潜めちまったみたいだが…」
五郎「何事もないに越したことなし。平和が一番よ」
弦太郎「それならとっとと次の目的地に到達しないとな」

その時、弦太郎と五郎の二人は、
いつの間にか容易ならぬ殺気を放つ集団に
囲まれていることに気付いた。

五郎「…おや、お客さんですかい?」
弦太郎「どうやらそうみたいだな。ちょうどいい。
 相手をしてやらあっ!」

腰のアイアンベルトに手をかける弦太郎。
大きな猛獣らしき影が数体、一斉に暗闇の中から
弦太郎と五郎めがけて襲いかかる!?

199ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/10/18(土) 14:20:53
***東京・首相官邸***

聖天子暗殺の陰謀を事前察知した聖居と首相官邸の両サイドは、
剣桃太郎首相と天童菊之丞補佐官の他に、
土橋内閣安全保障室長や冴島内閣危機管理監も同席して
その対応を協議していた。

土橋「なんとか聖天子様にご翻意していただくわけには
 参りませんか?」
菊之丞「無理だな…。これまで何度もご説得申しあげたが、
 ガストレアや幻獣に侵された国土回復のために
 危険な最前線で戦う自衛隊や民警の兵士たちを
 御自ら慰問なさりたいというのは、聖天子様の以前からの
 強いご希望でな。そのご意向は固い…!」
桃太郎「やはり現地での警護に万全を期すしかないか…」
菊之丞「………」

菊之丞は桃太郎の顔を何やら意味ありげにじっと見つめている。

桃太郎「菊之丞殿…?」
菊之丞「剣総理、先程からなにゆえあの男の名を口に出そうとなさらん?」
桃太郎「あの男とは?」
菊之丞「おとぼけ召さるな。里見蓮太郎のことだ。
 正直不本意ではあるが、あの男の他に聖天子様の警護に適任の者はおらん」

天童菊之丞は、天童家から出奔した里見蓮太郎と天童木更が
幾度も聖天子や剣桃太郎に重用されることを快く思ってはいなかったが、
現実、聖天子の身に危険が迫っている今となっては、
つまらぬ私情を優先させるような菊之丞ではなかった。

桃太郎「里見蓮太郎は今、藍原延珠と共に北陸エリアのN県における
 ガストレア繁殖地域の制圧任務に赴いている。そのことは菊之丞殿が
 一番よくご存じのはず」
菊之丞「………」

実は里見蓮太郎を聖天子の近くから遠ざけるために、
天童民間警備会社に仕事を依頼する形で、蓮太郎を危険な
北陸戦線に追いやるよう裏から手をまわしたのは、菊之丞本人だった。
だがそれは、今回の暗殺計画が露見する前のことである。

桃太郎「今から呼び戻すのでは時間がかかりましょう」
菊之丞「この菊之丞、一生の不覚であった」
桃太郎「これに懲りましたなら菊之丞殿、今後ご貴殿らしからぬ
 下手な小細工は差し控えられることです」
菊之丞「う〜む……」
土橋「しかし総理、どちらにしろ聖天子様のお側近くで
 警護につく人間はどうしても必要です」
冴島「その点につきましては総理、それに天童閣下、
 代わりに聖天子様の護衛にうってつけの人材がおります」
桃太郎「…それはもしや"あの二人"のことか?」
冴島「今ならそろそろ北関東の辺りに
 差し掛かっているはず…」

200ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/10/18(土) 14:21:34
***T県と栃木県の県境付近 第105山岳師団野営地***

弦太郎「………」
五郎「………」

静弦太郎と霧島五郎はロープで縛られて地面に座らされていた。
それを取り囲んでいるのは、どこぞの高校の制服に身を包んだ少年少女たちだが、
全員、銃や大剣で武装している。

グリンガム「ガルルルッッ!!」
ジジ「グゥゥゥッ!!」

その他にも虎ともライオンともつかぬ猛獣が数匹、
囚われの弦太郎と五郎をじっと睨みつけている。

五郎「や、やめてよ! 俺…美味しくないぜ…。
 (((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル」
弦太郎「コイツらは雷電だな…」
五郎「…らいでん?? なんだいそりゃ?」
弦太郎「俺も現物を見るのは初めてだが、
 対幻獣戦用に遺伝子操作で生み出された
 生物兵器の動物兵だと聞いたことがある…」

武装した少年少女の一団の中から、
黒髪を後ろで三つ編に束ねたキツい目つきの少女が
弦太郎と五郎に尋問する。

美姫「あなたたちはいったい何者なの?」
弦太郎「だからさっきから言ってるじゃねえか。
 俺たちは国家警備機構の隊員だ」
紫苑「それなら身分証は?」
弦太郎「あいにくとそんな堅苦しいもんは
 普段から持ち歩いちゃいねえなあ…。なあ相棒!」
五郎「そうそう!」
美姫「怪しい…」
弦太郎「そういうお前らこそいったい何者だ?
 そんな物騒な得物をぶら下げてるんだ。
 まさかただの高校生ってわけじゃねえだろ」
紫苑「僕らは第105山岳師団・第7芝村中隊の者だ。
 自分は隊長代理の竜造寺紫苑」
美姫「アタシは金城美姫」
火焔「結城火焔だ」
源「……源健司」

これまで広島を主な任地としていた第7芝村中隊だが、
北関東戦線への増援としてこの地まで赴任してきていたのだった。

弦太郎「お前ら学徒兵か?」
源「…だったらどうした?」
弦太郎「まだお母ちゃまから乳離れもしていない
 お子ちゃまだってことだよ!」
源「…んだとゴラッ!?」
五郎「おい弦太郎! あんまりこの坊主…じゃなくて
 この方たちを怒らせるな! 今の俺たちの置かれてる
 状況わかってるの!?」
美姫「源も簡単に挑発にならない!」
源「うるせえっ! 面白れえっ。
 相手になってやろうじゃねえか!」

源健司は静弦太郎の縄をほどき、周囲が見守る中
互いに素手で取っ組み合いを始めた。激しい殴り合いの末に
ぶっ倒れる双方…。

弦太郎「ガキのくせになかなかいいパンチだ…。
 へへっ…気に入ったぜ…」
源「おめえもな…オッサン…」
弦太郎「オッサンだぁ…? バカヤロウ…。
 俺はまだ23だ……」

拳と拳で培われた漢の友情に、
事態を見守っていた周囲はすっかり呆れている。

美姫「男ってどうしてみんなああなのかしらね…」
五郎「同感…」

そこへ、連絡を受けた陸上自衛隊の尾上せいあ一佐に案内されて、
国家警備機構の藤森典子がやってきた。

典子「不審者を発見・拘束したと聞いて来てみれば案の定だわ!
 静君、霧島君、やっぱりまだこんなところで油を売ってたのね!」
弦太郎「テンコ!? お前いったいなんでこんなところに!?」
五郎「これぞ地獄に仏だ! 観音様だ! 典子様だ!
 おいっ、早くこのロープを解いてくれよ〜!」

果たして静弦太郎&霧島五郎のコンビを
今後どのような事態が待ち受けているのだろうか?
つづく…。

201ユガミ博士 ◆UMgG0HhEo2:2014/10/19(日) 10:31:47
荒廃した未来編<<<アイアンギアーVSドラゴノザウルス>>>

グエン卿から脱出したアイアンギアー一行は、かつて大西洋と呼ばれた
海を渡ってガリア大陸を目指していた。しかし碌に補給もしていないまま
海へと逃亡したので、そろそろ食糧が尽きようとしていた。

ジョセフ「な〜んで、俺が釣りをしなきゃあいけないんだろ・・・ハァ」
アナ「そんな事を言ってはいけません。まだまだ航海は続くのです。
   だからこそ食糧は確保しなければいけないのです!」
家康「はは、アナ姫殿は実に聡明だ。JOJOもアナ姫には敵わないと見える」
ジョセフ「うるせ〜」

ため息をつき、文句を垂れながら釣りをするジョセフにアナ姫は子供ながら
注意し、一緒に釣りをしていた家康は笑いながら、側の様子を見る。
他にも、ジロンやロランはウォーカーギャリアやホワイトドールに乗り、
地引網の要領で、魚を採っていたりしていた。

ジョセフ「ん?何だ〜」
???「きゅ〜」
アナ姫「まぁ、可愛い」

ジョセフが釣り上げたのはタコやイカの様な見た事が無い生き物だった。
アナ姫はその生物を見て、可愛いと喜ぶ。だが、そこへアイアンギアーに
突如大きな揺れが起きる。

ジロン「な、何だ!?」
チル「ジロン、あれを見るだわさ!」

大きな揺れと共に海から現れたのは、巨大な竜のような頭に
触手がついた生物だった。この生物こそ、現代において古代生物が
人間の流した石油の影響で復活し、巨大化してこの未来世界では
順応して生き残っていたドラゴノザウルスだった。

オボロ「何なんだ、あの巨大な生物は!?」
家康「物の怪か!?」

今まで山奥や戦国時代に住んでいたオボロや家康はドラゴノザウルス
の姿に驚く。アイアンギアーを襲うドラゴノザウルスに、WMやMSに
オーバーマンを出撃させて応戦するが、なお攻撃は収まらない。

ジョセフ「(奴は何で、ああもやられながらこの船を襲うんだ?)」
???「きゅ〜」
ジョセフ「・・・(まさか!)」
アナ姫「JOJO、もしやこの子は!」

ジョセフとアナ姫が気づいたのは、彼が釣り上げたのは生物は
ドラゴノザウルスの子供だった。ジョセフとアナ姫はドラゴノザウルスに
子供のドラゴノザウルスが無事で、返す事を伝える。子供が帰ってきた
事に落ち着きを取り戻し、ドラゴノザウルスの親子は海へと帰っていた。

エルチ「何とか、帰ってくれたけど補給がしたいわね。どうしたらいいかしら...」
ゲイン「おい、向こうから何かが近づいてくるぞ!」

物資の補給を考えるエルチ達に巨大な船―ガルガンチュア船団が
近づいてくるのであった。

202ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/10/19(日) 10:44:59
≪シグフェル特訓編≫

ラミアクィーンイーバ・スネイザとタランチュラロードイーバ・ガーミッドに
手痛い敗北を喫したシグフェル。光平は己の非力を痛感し、特訓を受けることを
志願するが、特訓方法については玄海老師と江田島平八が協議することとなった。

江田島「驚邏大四凶殺…短期間で実力を上げるにはこれしかあるまい」
玄海「文字通り命がけとなるな…」

一方、シグフェル特訓の情報を知った天童菊之丞サイドは…

菊之丞「そのシグフェルなる者、男塾名物と知られた驚邏大四凶殺に
 挑むとあっては、もはや命運尽きたであろうが、もし万一その試練を
 生きて乗り越えたとすれば、剣桃太郎…そして江田島平八にとって
 強力な手駒となろう」
朱音「光平君は…いえ、シグフェルは決してそのようなつもりでは!」
菊之丞「仮に今はそうでなくても、いずれは我ら天童一門にとり
 仇なす存在となる。朱音よ、近こう寄れ…」

菊之丞は沢木朱音の耳元で何事かつぶやく…。

朱音「――御前!?」

シグフェルへの変身を禁じられ、空手着姿に着替え、鉄球に足枷で繋がれた光平は、
富士山麓宝獄院(ほうごくいん)を起点に無数の白骨死体が眠る暗魎洞(あんりょうどう)を抜け、
富士山の山頂を目指す。途中では多くのブレイバーズ先輩ヒーローたちが妨害者となって立ちはだかる!

途中の道で爆弾が爆発し、深手の傷を負う光平。

光平「うわあああっっ!!!」

鬼ヒゲ「あんなところに爆弾など仕掛けていなかったはずだ!?」
江田島「おそらく天童の仕業であろう…」
鬼ヒゲ「いかがいたしますか?」
江田島「捨て置け。この程度のアクシデントを乗り切れぬようでは、
 驚邏大四凶殺を修めることはできぬ!」

一方その頃、この機に一気にシグフェルの息の根を止めようとする
スネイザとガーミッドは、沢渡優香を誘拐して人質に取る。

1号「よく聞け光平君、優香ちゃんがスネイザとガーミッドにさらわれた」
光平「なんだって!!」
2号「助けたければ、今日の夕刻までに指定の場所に
 お前一人で来いと脅迫状が届けられた!」
V3「だが、たとえいかなる事情があろうとも、
 この驚邏大四凶殺を途中で離脱することなど許されない!」
ライダーマン「今のお前が助けに行ったところで返り討ちに遭い、
 結局優香ちゃんを助けられないことは目に見えているからだ!」
X「優香ちゃんを助けたければ、まずは俺たちを倒してから行くことだ!」
アマゾン「早くしないと時間がないぞ!」

光平「ちくしょおおおお!!!!!!!!」

ストロンガー「そうだ…それでいい光平。ゆくぞ!
 ストロンガー電キック〜!!」

そして艱難辛苦を乗り越え、ついに光平は富士山山頂へと辿り着き、
驚邏大四凶殺をクリアした。

玄海「見事だ! ついに心・技・体の心得を会得したな」
江田島「この江田島平八、久々に熱いものを見せてわらったわ!」
光平「ありがとうございます!」
江田島「さ、ゆっくりしている時間はなかろう!
 すぐに貴様の恋人を助けに行ってやるがよい」
富樫「俺がヘリで指定の場所まで送ろう!」

パワーアップしたシグフェルは、スネイザとガーミッドに再挑戦。
彼らを圧倒する。

シグフェル「優香は返してもらうぞ!」
スネイザ「…バ、馬鹿な!?」
ガーミッド「不完全体の分際で、いったいどこにそんな力が…!」

203ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/10/19(日) 10:45:34
その様子の一部始終を見ていた者がいた。
シグフェル=牧村光平の命を付け狙う、
牙冥甲ザジロードこと彩堂寺戒である。
なんと戒は単身江田島平八邸へと乗り込んだ。

富樫「出直してきてもらおう。塾長は約束のない者と
 お会いにはならん」
江田島「構わぬ富樫よ。日頃ブレイバーズはおろか
 Gショッカーをも手こずらせているというザジロード。
 折あらば一度会ってみたいと思っておったところだ」
戒「牧村が挑んだという驚邏大四凶殺。俺にも挑戦させてもらおう」
江田島「ぬはははは!! よかろう!!」

江田島平八は、戒の望みをあっさりと承諾。

富樫「塾長、よろしいので?」
江田島「構わん構わん。たとえ誰であろうと来る者は拒まず。
 逃げる者は地獄の果てまで追って行く。それが男塾の流儀よ!」

空手着に着替え、ザジロードへの変身はもちろん禁止。
足に鉄球の足枷を嵌めるという光平と全く同じ条件で、
戒は驚邏大四凶殺に挑む!

戒「天童の女狐、そこで見ているのはわかっているぞ! 出てこい!」

岩陰から様子を窺っていた、くノ一装束姿の沢木朱音が出てくる。

朱音「………」
戒「お前の飼い主にも伝えろ。いずれ以前の礼にご挨拶に伺うとな」

そこへ上空からバーベリィとストローブが現れ、空襲を仕掛けてきた。

朱音「あれはネロスの機甲軍団!?」
戒「俺が呼んだんだよ。裏切り者を始末する絶好の機会だとな…」
朱音「あなた正気なの!?」
戒「牧村と全く同じ条件でクリアしても意味はないだろ?
 奴より厳しい条件で試練を乗り越えてこそ、俺はシグフェルを超えられる!」
朱音「……(彩堂寺戒、恐ろしい子…)」

朱音は戒のシグフェル打倒に燃える恐るべき執念に戦慄するのであった。

204凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2014/10/21(火) 18:48:03
≪聖獣と聖剣≫

新潟県の妙高山、鹿児島県の池田湖、そして静岡県の富士の樹海。
この三つには、日本の歴史の原初から聖地とされてきた特別な場所がある。
かつて古代王朝に退治されて封印され、
その霊を慰めるため神として祀られるようになった三匹の怪獣――
婆羅護吽(バラゴン)、最珠羅(モスラ)、魏怒羅(ギドラ)の護国三聖獣が、
そこには眠っているのである。
大和朝廷の昔から、聖室は代々この三聖獣の供養を欠かさず行ない続けてきた。

だが、日本先住民の不知火一族からすれば、
三聖獣は元々、大和朝廷に征服された自分達の民族の神であった。
不知火一族は富士の樹海から魏怒羅を復活させ、街を襲わせる。
やむなくメカゴジラで迎え撃つ自衛隊だが、
聖獣の神秘の力の前には最先端科学を結集して造られたメカゴジラも敵わない。

聖天子「魏怒羅の霊を鎮めるには、あれを使うしかありません」
桃太郎「まさか聖天子様、聖室に伝わる三つの光の一つを…!?」

魏怒羅を倒せるのは、かつてヤマトタケルがヤマタノオロチ退治に使ったという
古代から聖室に受け継がれてきた聖剣・蛇韓鋤剣(オロチカラサビノツルギ)しかない。
聖居の剣璽の間から蛇韓鋤剣を取り出す聖天子。
聖天子から剣を託された静弦太郎は、巨大な魏怒羅に単身挑む。

205ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/10/22(水) 12:11:17
≪聖天子暗殺!宇都宮釣天井≫

***大阪エリア・斉武宗玄邸***

斉武宗玄の秘書・三枝(今シナリオ限りのオリジナルキャラ)と石津麟一郎が、
斉武の私兵たちに指図している。

石津「作戦はすべて今述べたとおりだ。行け!」
私兵A「ハッ!」

そこへ斉武宗玄が何食わぬ顔でやって来る。

斉武「三枝、貴様最近わしに隠れて何かコソコソと
 動いているそうだな?」
三枝「閣下、これはあくまで私どもの一存にて動いていること。
 閣下には一切関わりないことでございます」
斉武「フフフッ…そうか。ではわしは何も知らぬままでよいのだな?」
三枝「はい。さようでございます」

斉武宗玄は満足そうなニヤニヤ笑いを浮かべて出て行った。

石津「………(斉武宗玄、所詮はあの竜崎と同じ、
 己の欲得ずくでしか動かぬ低俗な輩か…!)」

石津麟一郎――かつてバイオフィードバック戦士による
国家転覆を企んだ自衛隊内部のクーデター組織『G機関』の首領だった男…。
国防省副長官・竜崎率いる上部組織R機関と結託して、
日本を真の国防国家へと変革せんとしていたが、
その野望は石津、竜崎共々、少女コマンドーこと五条いづみによって阻止され潰えた。
黄泉がえりにより地獄からこの世に舞い戻った石津は、
再び己の掲げる理想と野望の実現に向けて動き出したのである。

石津「これが宇都宮城御休息所の見取り図だ」
三枝「改修工事を請け負った建設業者は我々の息のかかった企業だ。
 すでに釣天井の仕掛けの準備は整った」
石津「首尾よく聖天子と天童菊之丞を葬った後は、
 残る難敵は剣桃太郎と江田島平八だが、
 聖天子暗殺の混乱に乗じて要所各所に配した我々の同志が
 一気に東京を制圧。その勢いで剣と江田島も抹殺する」
三枝「三日後の聖天子の宇都宮城お成りが待ち遠しい…」

しかしこの三枝、実は宇虫人タイタニアンに身体を乗っ取られていたのだ!
タイタニアンは背後から斉武や石津を散々利用した揚句、
密かに手を組んだ独立幻野党と日本を分割占領する腹積もりだ。

タイタニアン1号「斉武も石津も馬鹿な男よ! 我々に利用され、
 用が済めば切り捨てられる駒とも知らずにな…」
幻の月光「我らに先を越された不知火の連中の悔しがる顔が
 目に浮かぶようだ。フハハハ!!」

だが、この様子の一部始終は石津麟一郎も監視していた。

石津「狸どもがっ…」

石津はタイタニアンと独立幻野党の企みに気付かないふりをして、
逆に彼らを利用してやろうとの魂胆だ。


***T県と栃木県の県境付近 第105山岳師団野営地***

典子「ちょっと二人とも、どこ行くの!」
弦太郎「どこへ?って決まってんだろ!
 俺たちの任務は関門海峡のビルドベースに
 向かう事のはずだ。これから西に向かうのさ!」
典子「あなたたちには聖天子様を護衛する特別任務の
 命令が下りています。これは剣総理直々の特命よ」
弦太郎「あのな、そりゃあ今の総理は今までのバカ総理に
 比べればちっとはマシなお人らしいけどな、やんごとなき
 お姫様のボディーガードなんて、俺たちのガラじゃないの!」
五郎「せめて聖天子様が今よりあと2〜3歳くらい年上だったら、
 俺の好みにピッタリなんだけどな…」
弦太郎「バカヤロ。お前が聖天子様の婿君ってタイプか?
 せめててめえの面を鏡で見てから物を言いやがれ」
五郎「ひでえの…」
典子「静君、霧島君、世が世なら今の発言は不敬罪よ!」
弦太郎「知るかあっそんなこと!」

果たして静弦太郎と霧島五郎のコンビは、
聖天子暗殺計画を阻止できるのであろうか!

206ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/10/22(水) 13:41:46
弦太郎「タイタニアンや幻兵団が絡んでいるとなりゃあ、
 話は別だ。必ず奴らの悪企みを暴いてやるぜ!」

最初は聖天子護衛の任務に消極的だった静弦太郎だが、
背後にタイタニアンや独立幻野党の影を察知するや否や、
俄然やる気を出し捜査を開始。

五郎「アイアンショック!!」

三枝に乗り移っていたタイタニアンが変身した宇虫怪獣や、
独立幻野党の繰り出す鋼鉄の同志を迎え撃つアイアンキング。
北関東に増援に来ていた第7芝村中隊や青森第4中隊も加勢する。
弦太郎たちの活躍によって、聖天子暗殺の陰謀も見事未然に防がれた。

典子「ちょっと二人ともどこ行くの!?
 恐れ多くも聖天子様が直々にお褒めの言葉を
 くださるっていうのに!」
弦太郎「そういう堅苦しいのはゴメンだ。
 お偉いさん達にはお前からヨロシク言っといてくれや」
五郎「次は静岡あたりでも目指しますか♪」
弦太郎「おっ、いいねえ五郎さん。富士の景色を肴に
 温泉にでも浸かりながら軽く一杯♪」

弦太郎一行は西日本を目指す道中で、
編み笠を深くかぶった一人の托鉢僧とすれ違う…。

托鉢僧?「観自在菩薩 行深般若波羅蜜多時 照見五蘊皆空…」
典子「ご苦労様です」

典子は財布から幾らかの小銭を托鉢僧にお布施する。

五郎「信心深いねえ、テンコちゃんは」
弦太郎「しかし石津麟一郎…。不知火太郎や幻の月光とは
 また違った手強い奴だった。奴とはまたどこかで会いそうな気がするぜ…!」
典子「案外、近くで私たちを監視してるのかも…」
五郎「おいおい、お二人とも、脅かしっこはナシにしましょうや!」

だが典子の勘通り、たった今すれ違った托鉢僧こそ、
逃走した石津麟一郎の変装だったのである!

石津「俺は決して諦めん。今回の企ては失敗したが、
 静弦太郎、それに霧島五郎ことアイアンキング。
 その顔と名前、確かに覚えておくぞ…!」

207ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/10/24(金) 09:02:01
ギャグ編≪健全ロボ ダイミダラー編≫

美容室プリンス――それはペンギン帝国に対抗するために結成された
国際的秘密組織である民間兵器開発ヘアサロンである!
その長官・又吉一雄は予算折衝のため内閣府を訪れていたが…

又吉「カ…カットだと!?」

政府から又吉に告げられたのは、
来年度からの補助金を全面カットするという
国からの"縁切り"通告であった。

土橋「国家財政も厳しい中、なんとかご承知置き願えないかと、はあ…」
又吉「国に金がないだと! ふざけるなあ〜!
 散々消費税を増税しておきながら、国庫に金がない
 などとは言わさんぞ!!」
土橋「そうは言われましてもなあ…」

土橋室長にのらりくらりと追及をかわされた又吉は、
結局激怒して基地に帰って来た。
実は美容室プリンスのブレイバーズ加盟申請も
何度も提出しては全て尽く却下されていた。

又吉「ペンギン帝国との和解が成った今となっては、
 我ら美容室プリンスは今や日本国にとって無用の長物というわけか!」
そり子「まあ、私たちが加わると他のブレイバーズ所属の
 未成年者ヒーロー&ヒロインたちに悪影響が出ると
 思ったんじゃないですか?」
もり子「ここに一番危険な人間がいるし…」
孝一「なんでだ! なんで俺たちはブレイバーズに入れねえんだ!
 あそこには美少女達が腐るほどいっぱいいるんだろ!
 もっとエッチなことがしてえええっ!!」
恭子「……(だから加盟申請が却下されるんじゃない!)」

ダイミダラー2型のパイロット・真玉橋孝一は、
美少女ヒロインたちの乳を揉めないことに
強い無念の想いを滲ませる。

又吉「きっとあの文部科学大臣が剣桃太郎に
 あることないこと吹き込んだに違いないのだ」
恭子「どうされるんですか? 長官…」
又吉「…諸君、この私と共に政府転覆に決起し、
 この腐った日本の国体変革に同意する者はいるか?」
恭子「エ━━ΣΣ(゚Д゚;)━━ッ!!」
孝一「その言葉を待っていたぜ! 師匠!」

又吉はとんでもないことを言い出した。

又吉「国会議事堂と首相官邸を武力占拠した上で、
 聖天子に勅令を強要し、憲法改正を強行して
 日本全国に美容室プリンスの名で号令するのだ!」
恭子「……(大変。早くなんとかしないと)」

恭子は苦渋の決断で、又吉の企てを公安当局に密告した。

治安要員「又吉一雄、真玉橋孝一、両名を内乱予備の疑いで
 身柄を拘束する!」
又吉「な、なにーっ!?」
孝一「恭子、てめー、俺たちを売りやがったな!」
恭子「許して、孝一君。これがあなたたちのためなのよ…」

又吉と孝一はPU(プリンセス・ユニオン)に設置された
特別法廷へと移送され裁かれることとなったが、
身柄移送中のPU戦艦エトワール・ド・ラ・セーヌの中で
なんと孝一が拘置施設から脱獄!?
エトワール・ド・ラ・セーヌ乗員のヒロインたちが
次々と孝一のセクハラ行為の毒牙にかかっていくという
ホラー&ドタバタ劇が展開される。

208ユガミ博士 ◆UMgG0HhEo2:2014/10/24(金) 11:19:24
<<<北海道孤立計画(仮)>>>

***青森県***

現在、青森県では幻獣や擬態獣が多発。青森と北海道を結ぶ
ツインブリッジを守る青森第4中隊だけでは対処できないという
事で、ダンナーベースから猿渡ゴオと妻である杏奈、長らく
ティターンズの監視を受けていた剛三兄弟のボルテスチームが
現地と共同戦線を行っていた。

擬態獣13号「ギギギ...」
ヴィーヴル「キシャー」
真央「・・・擬態獣13号4体、ヴィーヴル3体出現。3時の方向に移動」
咲良「第1小隊は作戦ポイントまで、敵を誘導をお願い!」
亜美@『了解。第1小隊、誘導を開始します!』

第4中隊の隊長である石田咲良の指示で、横山亜美率いる第1小隊が
出現した擬態獣と幻獣を人型戦車である栄光号や光輝号で追い詰める。

遥「・・・擬態獣、幻獣作戦ポイントに到着」
咲良「ゴーダンナー、ゴーオクサー、ボルテスⅤお願いします」
ゴオ「応、行くぞ杏奈!」
杏奈「OK。ゴオちん!」
健一「ボルテスチーム、行くぞ!」

作戦ポイントまで追い詰められた擬態獣と幻獣の前にゴオと杏奈の
乗るゴーオクサーとゴーオクサー。ボルテスチームの乗るボルテスⅤ
が現れ、戦闘態勢に入る。

健一「ガトリングミサイル!!」
ゴオ「ダンナーパンチ!」
杏奈「エンジェルバレット!」

3機のスーパーロボットは擬態獣や幻獣を攻撃する。第1小隊の
メンバーも支援攻撃をして、幻獣を仕留めていき、今回の戦闘は
終了した。

杏奈「お疲れ、ゴオちん!」
ゴオ「・・・は、恥ずかしいから人前でゴオちんは止めろ(///)」
愛梨沙「うわぁ〜、ラブラブだね。あれ」
尚也「・・・(僕も、真央とあれぐらい仲良くなりたいなあ)」

戦闘が終わり、お互いを労いイチャつくゴオと杏奈に、第1小隊の
渡部愛梨沙はそのイチャぶりに呆れ、通信士である鈴木真央の
ボーイフレンドである佐藤尚也は彼女とゴオと杏奈のような関係に
なりたいと思うのであった。
学校に戻ると、そこにカウボーイハットを被った人物が待ち構えていた。

咲良「あなたは、ゴレンジャーの一人である新命明さん」
健一「何故、こちらに?」
新命「戦闘ご苦労だった。だが、これからまた出撃しなければいけない
    かもしれない」

九州へと栄転した大岩大太同様、東北支部に栄転となったアオレンジャー
こと新命明は、任務上青森第4中隊と作戦を行う事があり、指揮を執る事も
あった。新命の口から、新たな任務が告げられる。

咲良「北海道孤立作戦?」
ゴオ「一体、それはどういう事ですか?」
新命「今、北海道支部に所属しているペギーからの情報なんだが、
    どうやらGショッカーは、北海道と本州の繋がりを絶ち
    北海道まるごと自分達の支配下に置くらしい」
健一「そんな事が...」
新命「悪の組織ってやつの中には、九州や四国をまるごと要塞化
    しようなんて輩もいるからな。情報だと、北海道と青森を
   繋いでいるツインブリッジを破壊しようとしているらしい。
   今、ペギーが追っているが何があるか分からない。我々も
   ツインブリッジに向かうぞ」

新命からGショッカーが北海道を孤立させて、自分達の支配下に
しようとしている作戦が伝えられる。Gショッカーの信じられないような
作戦に新命の下、青森第4中隊、ゴオと杏奈、ボルテスチームは
ツインブリッジへと向かうのであった。

209ユガミ博士 ◆UMgG0HhEo2:2014/10/24(金) 12:39:07
***北海道***

一方ツインブリッジの向こうに側である北海道では、モモレンジャーこと
ペギー松山が作戦の指揮を執るGショッカーを追って、戦闘が行われていた。

モモレンジャー「待ちなさい、Gショッカー!」
ゼロ1「ふん、この北海道は我々ブラックマグマ、引いては
  Gショッカーの拠点となるのだ!邪魔はさせん」
デスギラー将軍「その通り、その為に我々デスダークも基地を建設すべく
  協力するのだ!」

作戦を行うのは、機械帝国ブラックマグマと暗黒科学帝国デスダークだった。
ブラックマグマは北海道の地下に流れるマグマを目的とし、暗黒科学帝国
デスダークも基地を建設すべく協力していた。ブラックマグマのゼロガールズと
デスダークのデスギラー将軍はツインブリッジを破壊すべく機械生命体や
合成怪獣そして戦闘員であるマシンマンやマダラマンを呼び出して
モモレンジャーを阻む。

ゴーグルレッド「モモレンジャー、俺達も協力する!」
モモレンジャー「貴方達は、ゴーグルⅤ!何故、ここに?」

苦戦するモモレンジャーの救援に駆け付けたのは、大戦隊ゴーグルⅤ
実は、ゴーグルⅤの所属する未来科学研究所は北海道にある
NISAR(日本国際航空宇宙技術公団)へ技術提供を行っており、
その関係でゴーグルⅤも北海道に来ていたのであった。
モモレンジャーとゴーグルⅤによって、機械生命体と合成怪獣は
必殺技を受けて倒されるが、一方は巨大化し、一方はリフレッシュシャワー
光線を受けて、巨大コングを呼び出して乗り込み、ブリッジを破壊しようとする。

ゴウ「ツインブリッジを破壊させてたまるか。ゲッターチェンジ!」

そこへ現れたのはビッグネイザーから出撃した一文字ゴウ、橘翔、
大道凱のゲッターチームだった。3人はゲットマシンを合体させて
ゲッターロボゴウとなる。ゴーグルⅤもゴーグルシーザーが駆けつけ
レッド、ブルー、イエローは3機のマシンを合体させてゴーグルロボとなり
戦闘が始まった。

***青森県***

一方、新命は北海道側で戦闘が始まったという報せを受けた。だが、同時に
こちら側にも危機が及んでいた。

メイスン「北海道へは行かせんぞ!」
新命「何者だ!」
サイゴーン「我々は新帝国ギア。ドクターマンの命によりこの橋は
  我々が破壊する」

実はこの作戦にはブラックマグマやデスダークだけでなく、新帝国ギアも
参加していた。新命はアオレンジャーとなり、メイスンやサイゴーンと
戦うが、ブリッジを破壊するべくメカジャイガンが出撃。第4中隊や
ゴーダンナー、ボルテスⅤはそちらと戦闘を行う。

アオレンジャー「くっ」
メイスン「さぁ、死ね!アオレンジャー」

メイスンのミサイルがアオレンジャーを襲おうとしたその時。
誰かがアオレンジャーの前に立ち、ミサイルを切り落とす。

レッドワン「久しぶりだな。メイスン、サイゴーン!」
メイスン「貴様は、レッドワン!?」

レッドワンこと郷史朗は、元スペースシャトルのパイロットである為、
NISARに宇宙飛行士の教官として呼ばれたので、そこへ向かう途中だった。
アオレンジャーとレッドワンとの戦闘で、メイスン達は撤退。出撃した
メカジャイガンもスーパーロボット達の活躍で全て倒され、北海道側も
巨大生命体とコングはゲッターロボゴウとゴーグルロボに倒されるのであった。

後日、青森第4中隊は聖天子護衛の任務の為、北関東へと向かう辞令が下る。
幻獣の事が気がかりになるが、そこはゴオやボルテスチームに任せて、
青森第4中隊は北関東へと向かうのであった。

210ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/10/28(火) 20:10:14
≪シンケンジャーお見合い編≫

丈瑠「ですから、その件はお断りします!」
薫「いったい何が不満なのだ!?」

志葉家十九代目当主である志葉丈瑠と、先代の当主であり
若くして今は隠居の身である丈瑠の義母・薫が、
先ほどからずっと言い争いをしている。
何かアルバムのような物を薫が丈瑠に押し付け、
それを丈瑠が薫に突っ返すという…さっきからその繰り返しである。

薫「今度のお相手は四井財閥のご令嬢だ。
 これ以上の良縁は他にはまたとないぞ」
丈瑠「ですから、私は妻帯などするつもりはないのです。
 いずれ母上がしかるべき御方と結ばれ、御世継ぎの男子が
 生まれた暁には、志葉家当主の座は謹んで母上のお血筋に
 返上するつもりです」
薫「それが要らぬ遠慮というものだ!
 丈瑠、そなたは確かに養子ではあるが、
 今は私の認めた歴とした志葉家十九代目の当主。
 そのように卑屈になる必要がどこにある?」
丈瑠「別に卑屈になどなってはおりません!」

実はさっきから薫が丈瑠に押し付けながら、
それを丈瑠が薫に突っ返すのを繰り返している代物は、
薫が丈瑠にと持って来たお見合い写真である。
これまでも薫は選りすぐりの縁談を丈瑠の元に持ち込んではいるのだが、
その都度、丈瑠はその見合い話を悉く断り続けているのだった。

薫「強情な奴め。今日のところはこれで帰るが、
 この次来る時こそは首を洗って待っておれ!」
丈瑠「何度来られても同じことです」

実は山林や株券など、現在志葉家が所有している財産の名義も
未だ薫のままである。薫は再三に渡り名義を丈瑠に書き換えるよう
言い渡してはいるのだが、本家の丈瑠側の反応は鈍い。
丈瑠に仕える家老・日下部彦馬の言を借りれば「相続税対策」とのことだが、
元は影武者であり、養子として本家に入った身である丈瑠が、
本来の正当な当主である薫に遠慮してのことであるのは明白だった。

一計を案じた薫は、B.A.B.E.L.管理官・蕾見不二子に相談した。
志葉家も蕾見家も、両家共に旧華族の家柄である。

不二子「うふふ♪…そーゆーことなら
 まさにうってつけの人物を知ってるわ。任せて」

不二子は薫に、お見合いセッティングマニアの槍手女史を紹介する。
そして丈瑠を上手く誤魔化して、まんまとお見合い会場まで連れてくることに成功した。

丈瑠「…謀られた!?」
彦馬「殿、もはやこの上は潔く御覚悟を!」
丈瑠「ジイ、お前までグルか!」

見合いのお相手は、カークウッド共栄圏を拠点とする
人類史上最大の大企業と噂される獅子堂財団の三女・秋葉である。

槍手「本日はお日柄も良く、この度は志葉家御当主・丈瑠様と
 獅子堂家ご令妹・秋葉様のお見合いが相ととのいまして、
 まことにおめでたく心よりお祝い申し上げます」
薫「では、あとはお若い人同士で…」
風音「そうですね…」
丈瑠「…は、母上!?」
秋葉「…お姉ちゃん!?」

丈瑠と秋葉は二人きりにされてしまった。

丈瑠「歩こうか…」
秋葉「…は、はい」

緊張が解けず二人はぎこちないまま
そこら辺を一緒に散歩を始める。
それを監視しているのは、黒服&サングラス姿に身を固めた池波流ノ介たちや、
これまた同じ格好で二人の後を尾行する神凪いつきたち。

さらにはブレイバーベースの司令部にもいつの間にか
「志葉丈瑠&hearts;獅子堂秋葉お見合い監視大作戦本部」なるものが面白半分で設置され、
ブレイバーズを総動員してのお見合い作戦が展開される。

211ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/11/08(土) 17:25:08
≪闘争の系統 仮ED案その一 ややバッドエンディングパターン??≫

見事ラスボスを倒し、ブレイバーズが決戦の地から
地球へと帰還する日が迫っていた。

―天童菊之丞邸。
菊之丞と、天童忍びの元締め・影の十三(じゅうざ)が
話している。

十三「御前、此度のことで、天童はどのように始末をつける
 おつもりで?」
菊之丞「ブレイバーズを一人残らず斬れ」
十三「えっ!? ブレイバーズは地球と宇宙を救った英雄なのでは?」
菊之丞「だからこそ油断もあろうというものじゃ。まさか平和を取り戻した
 功労者の自分たちが、凱旋した途端に殺されるとは奴らも夢にも思うまい。
 この世に戦乱の火種がなくなった今、もはやブレイバーズなど無用の長物。
 此度こそは討ちもらすでないぞ」

そこへ、千坂朱音が駆け込んでくる。

朱音「御前、ブレイバーズはこの宇宙を守った恩人です。そのブレイバーズの
 みんなの命を奪うなど、人の道に反します!」
菊之丞「だまれ朱音、勝手にわしのもとを去り、ブレイバーズの
 もとへ走ったお前が今さら何を言うか。天童の隆盛のためには、
 人の道に反したこともせねばなるまい…」
朱音「――!! 御前、死んでもらいます!」

朱音は短剣を抜き、菊之丞に襲い掛かった、そのとき…。
一瞬早く、十三の剣が朱音をとらえていた。火薬玉で
なんとかその場を脱する朱音…。

◇  ◇  ◇

桃太郎「停めろ!」

公用車で官邸から公邸へと戻る途中の剣桃太郎の前に現れたのは、
血まみれの姿となった朱音だった。
朱音の体が、桃太郎の腕の中で体温を失っていく…。

桃太郎「朱音、しっかりしろ。誰にやられた?」
朱音「影、の…十三…。剣総理…、菊之丞様は今度こそ、
 ブレイバーズ全員を討ち取るために、手段を選ばず攻めてきます。
 ヒーローたちの周囲にいる皆さんすら巻き込むことなど、
 なんとも思っていないはずです…」
桃太郎「もういい、喋るな!」
朱音「剣総理…以前から…貴方の事は…お慕い、申しておりました……」
桃太郎「………」
朱音「私…、幸せ…。剣さんの、腕の、中…で、死ぬことが、
 でき、る、から…」

天童のくの一・千坂朱音の最期だった。桃太郎はそのなきがらを
強く抱きしめた。

桃太郎「天童菊之丞はどうあっても、ブレイバーズの皆を殺そうというのか…」

212ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/11/08(土) 17:25:40
ブレイバーズのヒーローたちを守るため、
剣桃太郎は天童菊之丞との最後の対決に向かう!

富樫「桃…」
桃太郎「富樫、ついて来るなよ。ここから先は、
 俺と天童菊之丞との私闘だ」

対決の場は百人を超える天童忍びに埋められ、
そこだけ彼らの装束の黒に染められたようだった。

十三「剣総理、お命頂戴いたす」
桃太郎「影の十三か。貴様だけは許さん!」

十三の放った剣を真剣白刃取りで奪い、脳天から
斬り下げる桃太郎。

十三「ぐわああっっ!!!」

十三は血しぶきをあげて倒れた。
緊張の度合いを増す忍びたち。

菊之丞「全宇宙を危機から救うことができる者は、
 また日本などいとも簡単に滅ぼすこともできる。そのような
 危険な者ども、この天童菊之丞、見過ごすわけには参らん…」
桃太郎「菊之丞殿ほどの御仁であればすでにお解りのはず。
 ブレイバーズの皆に、そのような邪な野心などはないのだ」
菊之丞「政(まつりごと)には裏がござる。
 清濁併せ飲まねば、天下を統べることは叶いません」
桃太郎「そのような時代は、もう終わったのではありませんかな」
菊之丞「是非にとあれば、この菊之丞を斬って通られい!」

果たして両者の対決の行方は…!?

◇  ◇  ◇

無事に地球に帰還したブレイバーズを待っていたのは、
剣桃太郎が内閣総理大臣を辞任したとのニュースだった。

本郷猛「剣総理は辞任と引き換えに俺たちを守ろうとしてくれたのか…」
破嵐万丈「いかにもあの方らしい、潔い退き際だ…」

聖天子「剣総理、よくぞこれまで長い間、
 日本と世界の人々のために尽くしてくれました。
 心より礼を申します」

直ちに後継総裁の選出に入る民自党上層部。
旧剣政権派と天童派が次期首相の座を巡って水面下の
抗争を開始する中、漁夫の利を得る形で新首相となったのは
これまた意外な人物=なんと女子中学生だった。

折原のえる、日本国内閣総理大臣就任!

213ユガミ博士 ◆UMgG0HhEo2:2014/11/10(月) 10:23:24
<<<海賊戦隊VS銀河の守護者>>>

宇宙帝国ザンギャックに反旗を翻し、『海賊』の汚名を誇りとする
宇宙海賊にして、35番目のスーパー戦隊、その名は海賊戦隊ゴーカイジャー。
一方、個性も各々の目的もバラバラだが、とある事が切欠で
銀河の守護者となったアウトローなチーム。ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー。
今、2つのチームが激突する。

♢ ♢ ♢ ♢ ♢

ゴーカイガレオンで宇宙を旅する海賊戦隊ゴーカイジャーはある『お宝』を
求めて、とある星へとやって来た。だが、同じように『お宝』を狙う物達がいた。

マーベラス「おい、その宝は俺達が見つけたものだぞ!」
スターロード「悪いな、この宝は俺達、ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシーが
 頂いていくぜ!」
マーベラス「待ちやがれ、ゴーカイチェンジ!」

ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシーのリーダーであるスターロードは
マーベラス達が見つけたお宝を先に横取りして逃走。マーベラスは
ゴーカイレッドへゴーカイチェンジして、仲間達と共に後を追う。

キィン

ゴーカイブルー「ここで『宇宙一危険な女』と出くわすとわな...!」
ガモーラ「その剣の技は・・・ザンギャック帝国のか!」

剣の使い手であるジョー・ギブケンが変身したゴーカイブルーは
ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシーの一員で『宇宙一危険な女』と
噂される女暗殺者ガモーラと剣を合せる。

ドラックス「うぉぉぉぉぉ!!」
ゴーカイイエロー「あんたみたいな、筋肉ダルマに負けるもんですか。バ〜カ!」

ルカ・ミルフィの変身したゴーカイイエローはガーディアン一の怪力を
誇るドラックスを素早い動きで翻弄する。

ゴーカイグリーン「ア、アライグマが喋った〜(汗!?」
ロケット「誰が、アライグマ星人だ、コラァ〜(怒!!」

ハカセことドン・ドッコイヤーはゴーカイグリーンに変身したが、
ガーディアンの一匹(?)であるロケット・ラクーンを見て
喋るアライグマを言ってしまい、キレられてしまう。

グルート「私はグルート」
ゴーカイピンク「まぁ、綺麗なお花をありがとうございます」

ガーディアンの一員である植物型異星人のグルートはアイム・ド・ファミーユが
変身したゴーカイピンクに、自身の能力で咲かせた花を送り、喜ばれた。

ロナン「その宝は、我がクリー帝国がザンギャックと同盟を結ぶ為に頂く!
 フィン・ファン・フーム!」
フィン・ファン・フーム「グワォォォォォ!」

だが、そこにクリー帝国の告発者ロナンが現れて争っているゴーカイジャーと
ガーディアンから宝を奪い、その宝を手土産にザンギャック帝国と同盟を
結ぼうとしている事を話す。

スターロード「ロナンは、俺達の敵だ」
マーベラス「ザンギャックが絡んでいるなら、黙っているわけにはいかねぇな。
 それに目の前のお宝を諦めるなんて考えは、海賊にはねえぜ!」
凱「おおおお、ゴーカイジャーとガーディアンズ。オブ・ザ・ギャラクシーが
 一緒に戦うなんて、まさにドリームチームの誕生だぁぁぁ!」

今、ゴーカイジャーとガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシーがロナンに
戦いを挑むのであった。

※『ディスクウォーズ:アベンジャーズ』の放送終了後にシナリオを投下
 したいと考えているが、内容が若干変更となる可能性アリ。

214ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/11/17(月) 22:08:16
≪天童の陰謀≫

――天童菊之丞の陰謀により、
 神聖エルダント帝国とトランプ共和国が次元を超えて開戦の危機に!
 今や両国の運命は、日本国総理・剣桃太郎の手に委ねられた。――

◇  ◇  ◇

日本の聖天子が側近の天童菊之丞を伴い、女帝ペトラルカと会見すべく、
神聖エルダント帝国を密かに訪問することになった。

内閣総理大臣・剣桃太郎は、里見蓮太郎を首相官邸に呼び出し、
聖天子護衛の名目で訪問団に同行し、加納慎一という人物の
人柄を見極めてほしいと依頼する。

「総合エンターテイメント商社アミュテック社」の総支配人として、
文化力に乏しい神聖エルダント帝国に日本のサブカルチャー=オタク文化を
広めるために日々活動していると同時に、かつての日本政府による
対エルダント文化侵略のよからぬ企てを叩き潰した慎一に、
剣桃太郎は興味を覚えていたのだった。

優子「総理は、いずれ神聖エルダント帝国の存在を
 諸外国にも公表なさるおつもりなのでしょう?」
桃太郎「今すぐではないが、いつまでも隠し通しておける
 ものではないからな…」

最近、首相官邸の医務官として出入りするようになった木場優子。
その正体は、木葉流忍術の14世継承者・木場優児が女装した姿である。
元首相・板垣重政が、現総理である剣桃太郎の役に立つよう派遣したのである。

土橋「しかし総理、エルダントの文化侵略計画は、
 もう奥崎旧政権の時代に立ち消えになったはずでは?」
桃太郎「天童菊之丞の中では、まだ終わってはいないらしい…」

◇  ◇  ◇

慎一が宿にしている洋館を訪れる、里見蓮太郎と藍原延朱の二人。
一目延朱を見た途端、慎一は「幼女キタ━━━(゚∀゚)━━━!!!!!」と狂喜して
延朱に抱きつこうとするが、延朱はそれにグーパンチでお返したのは言うまでもない…。

次に、アミュテック社がオタク文化を広める為に設立した学校を訪れた蓮太郎と延朱。
そこで講義中に次々と飛び出す恥ずかしいオタク用語の数々に、蓮太郎は仰天。
しかし、最初は慎一に悪印象を抱いていた延朱も、アニメ『天誅ガールズ』の話題で
すっかり意気投合。そして蓮太郎も徐々にではあるが、慎一を認め始める。

215ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/11/17(月) 22:09:09
聖天子とペトラルカの会談も恙無く無事に終了し、聖天子は日本に戻った。

だが、事件はその後に起こった!

ペトラルカが何者かに銃撃されたのだ。
現場に残されたライフル銃は、不知火一族が使用する物だった。
さらには旧トランプ王国の紋章までもが、証拠として現場に残されており、
今はジョー岡田ことジョナサン・クロンダイクが大統領として
平和に治めるトランプ共和国に疑いがかかる。

実は不知火太郎率いる過激派の復活が確認された後、
争いとは無関係に平和に暮らしている不知火の人々を匿うため、
剣桃太郎政権はジョー岡田に掛け合い、
一部の不知火族の人々をトランプ共和国に避難させていたのだ。

不吉な予感を覚えた桃太郎は、直通ラインで相田マナに指令を出し、
ドキドキ!プリキュアチームをトランプ共和国に派遣する。
しかし時すでに遅く、不知火の人々が静かに暮らしていた村は
天童忍軍の襲撃を受け、火まで放たれた上に、
女、子供、老人に至るまで皆殺しにされた後だった…。

キュアハート「…惨い。惨すぎるっ!」
キュアダイヤモンド「キュアハート! こっちにまだ生きている人が!!」

ゆき子「ううっ………」

惨状を目の前にして怒りに震えるプリキュアたちだったが、
唯一の生存者・高村ゆき子を救助して戻る。
高村ゆき子は、かつて「不知火十番目の影」として静弦太郎と霧島五郎の元に
スパイとして送り込まれたくノ一だったが、やがて弦太郎と五郎の人柄に触れて
改心し、二人を庇って命を落とした。その後黄泉がえり現象により
再びこの世に生を受けていたのだった。

◇  ◇  ◇

何者かの手によって不知火の村が焼き払われたことで、
「トランプ共和国側が口封じに証拠を隠滅した」という噂が
神聖エルダント帝国側に広まり、一方のトランプ共和国側でも
身に覚えのない理不尽な言いがかりに反発が強まる。
いよいよ両国の衝突は時間の問題となった。

事態を憂慮した剣桃太郎は、土橋内閣安全保障室長を伴い、
ついに自ら神聖エルダント帝国に乗り込む!

その間、留守になる首相官邸では、
桃太郎に声が酷似しているペンギン帝王と、
土橋に顔が瓜二つの立花藤兵衛が
それぞれ影武者を務めることに…。

ペンギン帝王「ふ〜む、日本の総理の椅子も
 なかなか座り心地がよいものだな」
藤兵衛「ε=( ̄。 ̄;A フゥ…疲れたぁ……」

ペンギン帝王は総理の椅子に座ってご満悦だが、
藤兵衛は次から次へと押し寄せる各省官僚や
マスコミ番記者への対応に追われ、へとへとに
疲れ果ててその場に座り込んでしまう。

優子「お二人とも、お疲れ様です。
 それではまもなく私もエルダントに向かうことに
 なりますので、後はよろしくお願いしますね」
藤兵衛「エ━━ΣΣ(゚Д゚;)━━ッ!!
 …ちょ、ちょっと待ってくれんか!
 あんた、わしらだけを置いていく気かね!
 わしには安全保障だの難しい事は
 サッパリわからん!!」
優子「大丈夫ですよ。野崎副総理や冴島危機管理監が
 ちゃんとフォローしてくださいますから…(^^)ニコ」

216ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/11/17(月) 22:09:47
神聖エルダント帝国に入った剣桃太郎は、
中世ヨーロッパ的な剣と魔法のファンタジー世界には不似合いな、
編み傘に僧形の集団とすれ違いざまに襲撃を受ける。
僧形の刺客たちは、桃太郎を円形に取り囲み、
仕込み杖の刀を抜いて、じわじわと迫りながら攻撃してくる!

桃太郎「…天童流車掛り!?
 やはり裏にいたのは天童か…!」

刺客の攻撃をかわした桃太郎は橋の上から川に飛び込む。
その真下にはちょうど、木場優児が用意した小舟がスタンバイしていた。

優児「総理、ご無事で…!」
桃太郎「木場君か、助かったぞ」

その様子を、川岸の影から千坂朱音が伺っていた…。

◇  ◇  ◇

東京の天童菊之丞邸では、菊之丞が茶室で朱音から、
剣桃太郎襲撃失敗の報告を受けていた。

菊之丞「あれほど表に出るなと申しつけておいたに…。
 馬鹿めがっ!」
朱音「申し訳ございません」
菊之丞「剣桃太郎のことじゃ。もしこの一件に天童が関わっていると知れば、
 命を賭してでも立ち向かって来よう…」
朱音「………」
菊之丞「どうやら、わしが顔を出さんと収まらぬようだな」

◇  ◇  ◇

加納慎一の洋館では、剣桃太郎、土橋竜三、木場優児、
加納慎一、ミュセル・フォアラン、古賀沼美埜里、
相田マナ、菱川六花、四葉ありす、剣崎真琴、円亜久里、
里見蓮太郎、天童木更、藍原延朱、ティナ・スプラウトの
15人が一堂に会して集まり、対策を協議。

土橋「それでは、一連の事件の黒幕は!?」
桃太郎「…そうだ。全ては影を動かす
 天童菊之丞殿の仕掛けた事にちがいない」
慎一「なぜ…なぜですか!?
 たくさんの人を殺しておいて、
 その上に二つの国の人たちを
 戦争に巻き込もうなんて…。
 天童はどうしてそこまでしなきゃ
 ならないんですか!?」
桃太郎「日本の力と威光を、
 エルダントとトランプの両国に
 示すためだ」
マナ「そんなっ…たったそんなことのために!?」
桃太郎「権力とはそういうものだ。
 人が人の上に立ち、権力をふるうためには、
 まず相手を震え上がらせることが必要だ」
六花「許せないっ…!」
木更「それが天童のやり方よ!」

217ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/11/17(月) 22:10:41
土橋「となれば総理、天童もこの件の秘密を守るために、
 総力を挙げて来るでしょう」
桃太郎「おそらくな…」
真琴「急いでブレイバーズに連絡して、
 応援を頼みましょう!」
ありす「それはいけませんわ…!」

ブレイバーベースに連絡を取ろうとする剣崎真琴を
四葉ありすが引き留める。

真琴「どうしてっ…!?」
桃太郎「今、迂闊にエルダントとトランプ両国の紛争に
 ブレイバーズが介入すれば、それこそ"ブレイバーズは
 政治的野心を抱いている"という天童菊之丞の主張に、
 格好の口実を与えることになるからだ」
真琴「そんな……」
土橋「総理、危険です! 今回はブレイバーズの救援も望めませんし、
 この上は一刻も早く東京に立ち返った上で、聖天子様に
 事の次第をお打ち明けになるのが賢明では?」
優児「俺もそう思います」
桃太郎「そうしたいのはやまやまだがな。
 この件が聖天子様のお耳に入れば、
 きっと断じて天童を許すまい…。
 聖居を仕切る天童一門を今、処断すれば、
 それはそのまま聖天子様にも傷がつく事になる」
ミュセル「………」
桃太郎「それだけではない。不知火の民を匿ってくれた
 トランプのジョナサン・クロンダイク大統領も
 苦しい立場へと追い込まれるだろう。
 ここでトランプ共和国を政情不安に陥れては、
 それこそ天童の思う壺だ」
慎一「くそっ、八方塞がりかっ…!」
蓮太郎「…じゃあどうするんだ総理!
 このまま指をくわえて見てろっていうのか!?」
桃太郎「明日、クロンダイク大統領に会ってみよう…」

◇  ◇  ◇

トランプ共和国へ赴いた剣桃太郎は、ジョー岡田と会見。

桃太郎「…この戦(いくさ)、剣桃太郎が一人で引き受ける!」 
ジョー「貴方が…たったお一人で!?」
桃太郎「ただ、一人の戦には限度がある。
 今日一日、一日だけこの戦、私に預けてもらいたい。
 エルダントから宣戦布告の使者が到着するのは3日後。
 よかれ悪しかれ、それまでには決着はついていよう」
ジョー「わかりました、剣総理。全て貴方にお任せ致します」

◇  ◇  ◇

その足で、剣桃太郎は神聖エルダント帝国・帝都マリノスに立ち戻り、
皇帝の居城であるエルダント城へと乗り込む。

門番A「何奴だ!」

美埜里「え〜い、控えなさい無礼者! こちらにおわすは
 日本国内閣総理大臣、剣桃太郎閣下です!」

門番A「エ━━ΣΣ(゚Д゚;)━━ッ!!」
門番B「ハハーッ!!m(_ _)m」

桃太郎「ペトラルカ・アン・エルダント三世陛下に御意を得たい。
 ――罷り通る!!」

一方、慎一とミュセルは裏門から城内に忍び込み、
ペトラルカの説得に尽力する。

ペトラルカ「日本の総理が…?」
慎一「お願いだペトラルカ!
 剣総理に会って話を聞いてくれ!」

218ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/11/17(月) 22:11:20
衛兵A「お待ちを!」
衛兵B「しばらくお待ちを!」

衛兵たちの制止を無視して、皇帝謁見の間へと突き進む剣桃太郎。
その前に立ちふさがったのは、天童菊之丞であった。

桃太郎「菊之丞殿」
菊之丞「お引き取りくだされ剣総理。
 この城には其処許の手を煩わすような問題は
 何もござらん」
桃太郎「この度の天童一連の影の動き、
 ようやく納得がいきました」
菊之丞「なんのことやらさっぱりわからぬな」
桃太郎「ホトトギスは、己の蓄えた餌を
 後日のために蓄えておくとか。菊之丞殿が
 今度の一件で、神聖エルダント帝国の皇帝狙撃の罪を
 トランプ共和国に着せた本当の狙いは、
 エルダントとトランプ両国を互いに潰し合わせた上で
 疲弊させ、その上で両国の泣き所を掴んでいれば、
 その値打ちは計り知れない。今後エルダントとトランプの
 両国を顎で使える菊之丞殿にとって、恐れるものは
 何もなくなる。それこそが、菊之丞殿の真の目的だった
 のではありませんかな?」
菊之丞「………」

廊下の壁の向こう側では、密かにペトラルカが両者の話を立ち聞きしていた。

ペトラルカ「おのれ菊之丞め! それが狙いだったのか…!」

菊之丞「…証拠はござるかな?
 エルダントとトランプの間に戦争を起こすためには、
 皇帝暗殺未遂の罪に名を借りて全てをトランプ共和国の
 罪とする。もしそれが事実とすれば、天童は万死に
 値しましょう。だが、ござるかな、その証拠が?」
桃太郎「いや…。しかし菊之丞殿、それならば私が
 ペトラルカ陛下に謁見しても一向に構わぬはず。
 それをどうでも私を止めようとするからには、
 それなりの訳があるはずだ」
菊之丞「さて、そのような訳を説明しなければ
 ならない理由はござらん。それがしが動くのは常に
 日本国のため天下御政道のため。ペトラルカ陛下に
 会わせぬのもまさにそのため。剣総理の預かり知らぬ
 ところにござる」
桃太郎「それでも押して通ると言えば…!?」
菊之丞「………」
桃太郎「………」

両者とも持っていた刀の柄に手をかけ、
今にも抜いて衝突寸前、一触即発というところで
ペトラルカが摂政ガリウスとザハール宰相を引き連れ、
間一髪で両者の間に仲裁に入る。

ペトラルカ「両者ともやめい! 妾はこの度の事件の真相を
 城の外に公表し、臣民に信を問うつもりじゃ。
 それによってトランプ共和国の側がなんと思うか
 わからぬが、少なくとも我が国の方から戦を仕掛ける
 ことはない。約束する!」
ガリウス「剣総理、この場はそれで矛を収めていただきたい」
桃太郎「………」
ザハール「剣総理殿!」
桃太郎「わかりました。この場は引き揚げましょう」

菊之丞「………」

こうして剣桃太郎はエルダント城から引き揚げていったが、
その際に天童菊之丞が、遠くの物陰に潜んでいた配下に
目線で合図をしていた事に、ペトラルカたちは誰も気づいていなかった…。

219ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/11/17(月) 22:12:00
その日の夜遅く、人が寝静まった頃を見計らい、
天童忍軍が、剣桃太郎たちの泊まる加納慎一の館を急襲した。
だが――!!

蓮太郎「随分と遅かったな」
木更「待ちくたびれたわよ」

背後に蓮太郎、延朱、木更、ティナ、
左方にキュアハート、キュアダイヤモンド、キュアロゼッタ、キュアソード、キュアエース、
右方に美埜里、ミュセル、木場優児、
そして正面に剣桃太郎が、壁を乗り越えて侵入してきた
天童忍軍の刺客たちを四方から完全に取り囲んだ!

桃太郎「天童忍軍、あくまでこの俺の命を消そうと企むかっ!」

果たして剣桃太郎たちは、天童菊之丞の野望を粉砕し、
神聖エルダント帝国とトランプ共和国を戦火の危機から
救う事ができるのであろうか!?

220ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/11/22(土) 12:44:14
≪フラメンコガールズ×銀河卵編≫

まり「イライライライライラッ…!!!!!!!!」

その日、今人気絶頂の3人組アイドルグループ、ミネラル★ミラクル★ミューズ――
――通称:ミネミラのセンター及び作詞・作曲を担当してる真野まりはイラついていた。
いや、正確に言うと数ヶ月前からすでにこの状態がずっと続いている。

テレビを付ければニュースの時間はセーラー戦士の活躍に関する報道ばかり。
毎朝の時間に新聞を広げれば、一面はプリキュアが事件を解決したという記事ばかりである。

まり「――どうしてよっ!! どうしてフラメンコガールズには
 全くお呼びがかからないわけ!?」
瑞希「お呼びって、どっからのことや?」
まり「ブレイバーズに決まってるでしょ!
 世間はセーラームーンやプリキュアばっかり
 チヤホヤしてるけど、どうしてここに優秀な人材が
 埋もれてることに気付かないのかしらね!!」
萌「仕方ありませんよ。だって私たち、
 ただ魔法少女のコスプレをしているだけですもん」
まり「――なぬっ!!」
萌「…(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル」

つい言ってはならない事を口走ってしまい、
まりに睨まれた萌は小刻みに震え怯える。

瑞希「萌、地雷踏んだらアカン。
 まりも現実を考えーや。恰好だけで
 何の超能力も持ってないアタシらに
 ブレイバーズからお呼びがかかるわけ
 ないやないか」
まり「それはそーだけど!(-ε-)ブーブー」

そんな時、萌は何かに気づいたように深く考え込む。

萌「………」
瑞希「どないしたん、萌?」
萌「私今思ったんですけど、セーラー戦士さんたちや
 プリキュアさんたちにあって、私たちにないものが
 あると思うんです」
まり「なにそれ…?」
萌「ズバリ、パートナーの妖精さんです」
まり「――それだっ!!」

221ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/11/22(土) 12:44:53
萌の言葉に飛びついたまりは、当てがある訳でもないのに
早速3人で街へと繰り出し、魔法の妖精狩り…じゃなくて妖精探しへと出かける。

瑞希「魔法の妖精がそんな都合よく
 街中を出歩いとるワケないやないか…」
まり「いいから探して!」
瑞希「はいはい…(汗」

そんな時にまり達と偶然出会ってしまったのが、銀河卵である…。
諸君は『地球戦隊ファイブマン』第5話「みなしご銀河卵」のエピソードを
覚えておられるだろうか?
まだ見ぬ親を探して遠い宇宙を放浪していた銀河卵は、
地球へと立ち寄った際にファイブマンに協力し、
銀河闘士コンドルギンによる赤ん坊誘拐作戦を阻止した後、
また親探しの旅を再開すべく、再び宇宙へと旅立っていたのだった。

その銀河卵が、微かな親の気配を感じ取り、
数年ぶりに地球へとやって来たのだったが…。

銀河卵「………」
まり「………」
銀河卵「………」
まり「………」
銀河卵「………」
まり「………」

まり「――捕獲ッ!!」
銀河卵「ヒィー(((゚Д゚)))ガタガタ!?」

哀れ銀河卵は、まりに魔法の妖精と勘違いされ
彼女のマンションの部屋の檻の中に監禁されてしまった。

銀河卵「ゴルァ!! 何晒すんじゃボケーッ!
 出せーっ!! 出さんか〜い!!」
萌「まりさん、可哀想です!
 出してあげてください!」

萌は銀河卵に同情し、まりに檻から出してあげてほしいと懇願する。
"関西弁を話す"という共通点から、瑞希も銀河卵に親近感を抱き、萌に同調。
萌は銀河卵に「タマちゃん」と命名する。

◇  ◇  ◇

銀河卵の本当の母親は、銀帝軍ゾーンに所属するエイリアンの一人、
ドクターサイシャルの助手である看護師のフリンダーであった。

フリンダーは一度は他のゾーンのメンバー共々
決戦時にバルガイヤーと一緒に爆死していたのだが、
黄泉がえり現象による銀帝軍ゾーンの復活に伴い、
自身が復活した今も引き続きゾーンの一員として働いていた。
そんな彼女が、なんと次なるイーバのターゲットと狙われることになる。

ゾーンの仲間から「自分の身くらい自分で守れ!」と冷たく突き放され、
途方に暮れるフリンダー。フリンダーが母親だとわかった銀河卵は、
イーバの魔の手から懸命に母親を守ろうとする。まり達フラメンコガールズもそれに加勢。
しかし何の超能力も持っていないフラメンコガールズがイーバに敵う訳もない。
それでも尚、フラメンコガールズは傷つきながらもフリンダーと銀河卵を守ろうとする!

銀河卵「…なんでや。なんでアカの他人のワイらに
 そこまでしてくれるのや!?」
Fルビー「…赤の他人? 何言っとんのや。
 もうアタシらは立派な相棒やで!」
Fサファイア「タマちゃんにもそのお母さんにも
 指一本触れさせません!」
Fダイヤ「真の変身ヒロインはね、決して
 パートナーの妖精を見捨てたりはしないものよっ…!!」

その時、フラメンコガールズの勇気と友情に反応して奇跡が起こり、
ついに銀河卵が孵化。その影響でパワーを受け取ったフラメンコガールズに
本当の変身ヒロインとしての超能力が備わることに!

222ユガミ博士 ◆UMgG0HhEo2:2014/11/28(金) 10:44:38
連絡用スレッド>630に加筆。

怪盗キッドの予告状が送られた藍羽邸に、不審な一団がやって来る。

中森「何者だ、貴様達は!?」
車錠「はっはっは、私はアメリホン国のワシンキョウ市で探偵をしている車錠。
 人は私の事を二代目シャーロック・ホームズと呼ぶ。偶々、この国に
 来ていたのだが、事件と聞きましてなぁ。何、私が加われば鬼に金棒ですぞ!」
中森「はぁ〜?」
男爵「(嘘つけ、自称の癖に)」

屋敷に現れたのは、二代目シャーロックホームズを自称する迷探偵の
車錠と助手の鎧武士、秘書の南波テル、飼い犬の男爵である。偶々、
日本へ旅行しに来た時、怪盗キッドの事件を聞きつけて、藍羽邸へと
乗り込んできたのであった。男爵は自称する錠を馬鹿にするが、犬で
ある為、誰もその事を知らない。

その後、怪盗キッドだけで無く、ショッカーの怪人も出現。変身したアルマ
やWが戦うのだが、そのピンチに駆けつけたヒーローが現れた。

アルマ「・・・あ、あんたは?」
ポリマー「破裏拳ポリマー参上!加勢するぞ、フォォォアタァァァァ!!」
W(翔太郎)「誰だか、知らないがありがてぇ!」

実は武士が変身したヒーロー、破裏拳ポリマーも加わり、その独特な
拳法でショッカー怪人と戦うのであった。

223ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/11/29(土) 13:03:10
≪ルパン三世 クレオパトラの涙≫

現在のアルジェリア北東部周辺に当たる地域を統治していた、
古代ヌミディア王国の王マシニッサが妃に贈ったされる宝石の首飾り。
その首飾りは、その後ローマの手に渡り、ユリウス・カエサルから
プトレマイオス朝エジプトの女王クレオパトラに贈られ、
いつしか「クレオパトラの涙」と呼ばれるようになった。
第二次大戦後にアルジェリアの石油王アルシャード一族に所有権が移り、
現在はアルジェリア政府によって国宝に指定され、国外への持ち出しが
禁止されるに至っている。

クレオパトラの美貌の秘密を知りたがっている峰不二子にせがまれた
ルパン三世の次なるターゲットは、この「クレオパトラの涙」である。

実は「クレオパトラの涙」は、まだ幼い頃のフィリナが
尊敬する今は亡き伯母エメリア(牧村光平の母)からプレゼントされた
大事な物であり、それ以来、首都アルジェにあるアルシャード家の本宅にて
厳重に保管されていた物だった。知らせを聞いたフィリナは急遽フランスから
アルジェリアに帰国し、ルパンが予告状で指定した日に屋敷にて舞踏会を開催。
自ら「クレオパトラの涙」を身につけ、警備に当たる銭形警部以下
ICPOの面々と共にルパン一味を待ち受ける。

侵入したルパンはまんまと「クレオパトラの涙」を奪取に成功。
フィリナは逃げるルパンに銃口を向けて追い詰めるが…。

フィリナ「止まりなさい! さもないと撃つわよ!」
ルパン「…どうした、撃たないのか?」
フィリナ「………」
ルパン「無理はよしな。お嬢ちゃんに人は殺せねえよ」
フィリナ「くっ…!」

屋敷の窓から飛び降り逃走するルパン三世。

銭形「ルパ〜ン! 逮捕だァ〜!!」
ルパン「ハハハッ!! またなぁ、とっつぁ〜ん!!」

しかし、逃走するルパン一味を別の角度から襲撃する謎の一団があった。
アルジェに潜入していたサラジア・シークレッド・サービスの工作員たちである。

次元「ルパン、新手だ!」
ルパン「なにっ!?」

秘書N「お目にかかれて光栄よ、ルパン三世」
秘書R「せっかく知り合えたのに残念なのだけれど、貴方には死んでいただくわ」

せっかく苦労して盗んだ「クレオパトラの涙」を
サラジアの工作員に横取りされてしまうルパン一味…。
「地中海の鮫」と恐れられる死の商人マルセスは、
サラジアのアフマド・アルハザード副大統領と手を結び、
以前から「クレオパトラの涙」を狙っていた。
その宝石に隠されるクレオパトラ美貌の秘密には、
マルセスとアルハザードが欲する別の何かの
手がかりが記されているらしい。

フィリナ「バカにしてるわ…!」

ルパンにバカにされたと思って怒ったフィリナは、
家宝にして伯母の形見でもある「クレオパトラの涙」を奪還すべく、
自らもルパン一味追跡に単身乗り出す決意を固める。

舞台はアルジェリアからエジプト、
そしてサラジアの科学都市テクノグラードへと移し、
ルパン三世一味の大活劇が描かれる。

フィリナ「ルパン、貴方のような人がブレイバーズに加わってくれたら
 とても心強いでしょうに…」
ルパン「おいおい、よしてくれ。俺様はあくまでド・ロ・ボ・ウ!
 正義の味方だなんて評判が広まっちゃあ、仕事がやりにくくていけねえや」

224ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/11/29(土) 13:25:45
≪シグフェルが「天凰輝シグフェル」と呼ばれるようになった理由≫

シグフェル=牧村光平が正式にブレイバーズの仲間になってから
しばらくしての事…。

Gショッカー地球遠征軍に合流している
ザンギャック皇太子ワルズ・ギルは、賞金稼ぎキアイドーを放ち、
シグフェル抹殺に向かわせる。

キアイドー「期待して来てみれば、貴様の強さはこの程度か。
 つまらん。あの赤い海賊はもっと俺を楽しませてくれたぞ…!」
シグフェル「くっ…!」
キアイドー「これでは俺の退屈はちっとも治らん。
 貴様など殺す価値もない」

キアイドーに惨敗した光平は初めて死の恐怖を経験し、挫折を味わう。

一也「かつてゴーカイレッド=キャプテン・マーベラスも
 キアイドーにこの上ない敗北感を味わらされたが、彼はその後
 見事に克服して見せた。だからお前にもできるはずだ!」

沖一也は光平を赤心寺に連れて行き、そこで玄海老師に引き合わせる。
玄海老師からある修練を課された光平は、見事それをクリアし、
キアイドーに再挑戦して勝利を収める。

試練を克服した光平を祝福し、玄海老師は自ら筆を振るって
一筆を光平に贈る。

光平「天凰輝(テンオウキ)…?」
玄海「天に輝く鳳凰の騎士という意味じゃ」
一也「まさに今の光平に相応しい言葉だ」
玄海「これからは天凰輝シグフェルと名乗るがよい!」
光平「天凰輝…シグフェル!」

225ユガミ博士 ◆UMgG0HhEo2:2014/12/02(火) 10:19:56
<<日本一のZ/その名はズバット>>

風の吹く町―風都。そこへ黒いカウボーイスタイルの服装に白いギターを
背負った男―早川健が訪れた所から、今回の物語が始まる。

早川「(五郎、世間じゃあ死んだ人間が生き返って来るなんて事が起きている。
 2月2日のあの日、ダッカーの総統Dに殺されたお前も生き返ったのか?)」

早川が風都に来たのは、ダッカーの組織が来ているという情報を聞きつけた
からである。今は亡き親友、飛鳥五郎の事を思いながら早川は風都に入るのであった。


***鳴海探偵事務所***

事務所で寛いでいた翔太郎達に、照井と警視庁第8課から来た東条進吾警部が
訪れる。話によると風都でミュージアムとダッカーの間でガイアメモリの取引
が行われるらしく合同捜査をする事となり、翔太郎達にも協力を要請しに来たのだ。

翔太郎達が取引現場を探している間、早川はフランク白銀が経営する喫茶店で
コーヒーを飲んでいた。

早川「マスター、このコーヒーは実に美味いな」
フランク白銀「ありがとうございます。では、お礼に...」

フランク白銀はコーヒーを褒めてくれた早川にお礼として、軽いマジックを
披露する。

早川「流石は、名うてのマジシャンだったフランク白銀。引退した今でも
 その腕は健在だな」
フランク白銀「はは、マジシャンだったのは昔の話ですよ」
早川「だが、日本じゃあ2番目だ」
リリィ白銀「ちょっと、あなた失礼よ!それを言うなら、日本一のマジシャンは
 誰なのよ!」

フランク白銀の孫であるリリィ白銀は、マジシャンとして尊敬している祖父が
日本一ではないと侮辱されたので、早川に日本一のマジシャンは誰かと問いただす。
すると、早川は気障な舌打ちをして、深く被った帽子の鍔を人差し指で押し上げて
親指で「俺さ」と指を指す。そしてマジックの腕前を披露し、2人はその腕前に驚く
のであっのであった。

一方、ミュージアムとダッカーの取引現場を見つけた翔太郎達は様子を伺って
いたがうっかりバレてしまいドーパントとダッカーの戦闘員の交戦状態となり、
翔太郎とフィリップはWへ、照井はアクセルに変身して戦うがピンチに。
そこへ颯爽と現れたのは、早川が変身した快傑ズバットだった。

W(翔太郎)「だ、誰だよアンタは!?」
ズバット「スバッと参上!ズバッと解決!快傑ズッバァァァァト!!!!」

そして、W、アクセル、ズバットは共に戦うのであった。

226ユガミ博士 ◆UMgG0HhEo2:2014/12/02(火) 11:12:33
<<赤い彗星、青い鷹>>

地球圏で活動するブライト・ノア率いるロンド・ベル隊の旗艦ラー・カイラムは
ギガノス軍を探すドラグナー隊を加えて、Gショッカーやロゴス、ギガノスの
新機動要塞を追っていた。そしてケーン達は別に新機動要塞を追っていたマイヨの
部隊からギガノスの戦艦を発見したと連絡が入り、ラー・カイラムはマイヨ達の下
へ急行する。

マイヨの入る宙域に辿り着くと、マイヨの部隊はギガノスのメタルアーマー(MA)
と交戦していた。アムロ達MS部隊やケーン達ドラクナー隊は出撃し、マイヨ達に
合流する。

マイヨ「ケーン・ワカバ、それにアムロ大尉。来てくれた事に感謝する」
ケーン「へへ、お安い御用ですよ。あの戦艦が、ギガノスの戦艦だな!?」
アムロ「状況を説明してくれ」

マイヨの説明によると、あの戦艦にはギルトール元帥を裏切ってギガノスを
乗っ取ったドルチェノフが乗っているらしく、新機動要塞の情報を得ようと
するが、交戦状態となったらしい。

マイヨ「ドルチェノフ、機動要塞の情報を話してもらうぞ!」
ドルチェノフ「ふん、誰が貴様なんぞに話すか!」

ロンド・ベル隊が合流したので劣勢に立たされるドルチェノフだが、そこへ
MSの部隊がドルチェノフに加勢したので、その隙に逃げられてしまう。
何とか残った部隊を掃討した一行は、マイヨ達と合流し補給をするべく
ジオン共和国に立ち寄る。入港したラー・カイラムを出迎えたのは
現在ジオン共和国の大統領を務めるシャア・アズナブルだった。

シャア「久しいな、アムロ」
アムロ「シャア...」

シャアも地球圏で暗躍するGショッカーやロゴス等の勢力を独自に追っていた。
掴んだ情報によると、今Gショッカーの一員となったガルマの下にギガノス軍
や反地球連邦政府が戦力として集まっているらしい。

ブライト「なるほど。先程ドルチェノフに加勢したMS部隊は、ガルマ・ザビの
 手の者か」

先程のMS部隊が何なのか、シャアの説明を聞いてブライト達は納得する。
だが、そこに不穏な影―イーバがアムロ達の前に現れようとするのであった。

227ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/12/03(水) 20:26:38
≪シグフェル、自動車教習所に通う≫

サンダーフェニックス(仮名)――ブレイバーズの科学陣が総力を挙げ、
持てる技術の粋を集めて、天凰輝シグフェルのために開発したスーパーバイクだ。
シグフェルと同じく紅蓮のカラーリングが施されている。
だが、完成していざ試験走行という段階になって、
思わぬ盲点が発覚してしまう!

光平「あのー、俺…二輪の免許持ってないんですけど……」

      _人人人人人人人人人人人人人人_
        >    な なんだってー!!    <
        ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄
        _,,.-‐-..,,_       _,,..--v--..,_
    /     `''.v'ν Σ´        `、_,.-'""`´""ヽ
    i'   / ̄""''--i 7   | ,.イi,i,i,、 、,、 Σ          ヽ
.     !ヘ /‐- 、u.   |'     |ノ-、 ' ` `,_` | /i'i^iヘ、 ,、、   |
    |'' !゙ i.oニ'ー'〈ュニ!     iiヽ~oj.`'<_o.7 !'.__ ' ' ``_,,....、 .|
.   ,`| u       ..ゝ!     ‖  .j     (} 'o〉 `''o'ヽ |',`i
_,,..-<:::::\   (二> /      !  _`-っ  / |  7   ̄ u |i'/
. |、 \:::::\ '' /        \ '' /〃.ヽ `''⊃  , 'v>、
 !、\  \. , ̄        γ/| ̄ 〃   \二-‐' //`

***海防大学付属高校・職員室***

朱音「二輪の免許が取りたいですって??」
光平「いやあ、急に必要になってしまって…(汗」
朱音「へえ…意外ね。成績優秀な光平君が
 バイクに興味があるなんて…。…あ、いや、
 誤解しないでね。別にバイクを乗り回す
 生徒が不良だとか、そんなことは思ってないから」
光平「はあ…」
朱音「わかったわ。届け出の方は私から受理しておくから。
 頑張っていってらっしゃい」
光平「よろしくお願いします」

こうして学校から正式に許可をもらった牧村光平は、
二輪免許取得を目指して、立花レーシングクラブに通うことになったのだが…。


***立花レーシングクラブ・初心者用練習コース***

ヴォーン、ヴォヴォーン、ヴォヴォーン……

マリ「あ〜ん、ダメよ…ダメダメ。
 それじゃあ"私は下手っぴライダーです"って
 誇示しているようなものよ♪」
ユリ「シフトアップの際、クラッチを切ると同時に
 アクセルを2回煽るからそういう音になっちゃうのよ!」
光平「は、はあ……(汗」

ライダーガールズの美人のお姉さま方に
つきっきりで手取り足取り教えられ、
光平はすっかり困惑気味である。
しかも間の悪い事に、心配して様子を見に来た
沢渡優香にバッチリ現場を見られてしまう。

優香「光平くん、とても楽しそうね…(^^)#」
光平「ゆ、優香…!?(汗」

こちらを見る優香の表情は、完全に引きつっていた…。

マリ「あら優香ちゃん、せっかくだから
 貴女も一緒にバイクのお勉強しない?」
優香「いーえ! 私は今日はこれで帰ります!#」
光平「優香、ちょっと待って――」
ミチ「逃がさないわよ!!」
光平「ヒィー((;゚Д゚)ガクガクブルブル」

光平はライダーガールズたちに袖をひっぱられ
引きずり戻されてしまうww。

優香「……(若づくりの年増がっ!!)#」
マリ「……(小娘がっ!!)#」

女の火花が散る!!

優香「プンッ! 知らないっ!#」
光平「優香あああっっ!!!(涙」

こうして涙目の光平を一人置き去りにして、
優香は嫉妬したまま帰ってしまった。
牧村光平の女難の日々は続く…。

マリ「あら、隼人さん、滝さん♪」
一文字「おいおいお前ら…」
滝「純情な少年一人を相手によってたかって
 からかうのもそのぐらいにしておけよ…」

228ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/12/04(木) 16:32:36
≪スティング・オークレー、アウル・ニーダ救済案≫

黄泉がえりで復活したセイラン親子がロゴスの後押しを受けて
クーデターを決行! カガリを幽閉してオーブ全土を制圧する。

ユウナ「会いたかったよ〜♪ マイ・スイート・ハニー・カガリん&hearts;」
カガリ「ユウナッ…!」

フラガやステラその他の面々は、間一髪で脱出して、
救援に駆け付けたザフトのミネルバ隊と合流。
オーブに進駐したティターンズ部隊のMSの中に、
なんと生体部品として利用されているスティングとアウルの姿が!?

ステラ「お願いシン! スティングとアウルを助けて!」
シン「ステラ…」

果たしてシン・アスカはステラの願いに応えて、
スティングとアウルの二人を救いだす事ができるのか!?

229ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/12/06(土) 20:13:40
≪プリキュア&スーパーヒロインオールスターズ≫

シスタージルとダークプリキュアが組織した精鋭、
闇のアマゾネス軍団の猛攻を受け、セーラー戦士が、
キューティーハニーが、愛天使が、怪盗ジャンヌが、
魔法騎士(マジックナイト)が、シンフォギア装者が次々と倒されていく。
だがその時、彼女たちのピンチに颯爽と現れたのが…!?

シスタージル「な、なんだ貴様らは!?」
キュアブラック「我ら、プリキュアオールスターズ!!」

総勢37人のプリキュア軍団が出現。その圧倒的力で
闇のアマゾネス軍団を蹴散らし、セーラームーンたちの危機を救う。

セーラームーン「あなたもしかして、四葉ありすちゃん!?」
セーラーマーキュリー「あなたもプリキュアだったのね!?」
キュアロゼッタ「ふふっ、お久しぶりです。セーラー戦士のみなさん」

ヘドリアン「如何にプリキュアオールスターズであろうと、
 この私の敵ではない! ベ〜ダ〜ヨウマジュツマンダラ〜ァッ!!」

ヘドリアン女王の妖魔術で、チームをシャッフルされ
それぞれ異空間へと閉じ込められた美少女戦士たちの運命やいかに!?

230ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/12/17(水) 16:52:37
≪シグフェル×仮面ライダースーパー1邂逅編≫

反逆者ゾルベゲール博士がネロス帝国に匿われたとの情報が入り、
早速メガール将軍が抗議及びゾルベゲールの身柄引き渡しを求めて
ゴーストバンクに乗り込むが、案の定ネロス帝国側からは
「知らぬ存ぜぬ」で押し通されてしまう。

親衛隊「それでおめおめと帰って来たのか!」
メガール「くっ…! こうなれば、ネロス帝国よりも先に
 シグフェルの正体を暴き、奴等の鼻を明かしてくれるまでよ!!」

メガール将軍は、ドグマ超A級怪人ギョストマにシグフェル捜索を命じる。
一方その頃、海防大付属高の空手部道場では…。

光平「よろしくお願いしますっ!」

明るい声で礼をして、拳を構える牧村光平。
普段はテニス部である光平だが、空手の心得もあることから、
時折助っ人部員的な立場で空手部の練習にも参加していた。
光平を相手にして次々と仰向けに倒れこむ他の部員たち。

部長「なんでお前ほどの猛者が空手部に入らないんだ?
 本当に勿体ない! なあ牧村、今からでも遅くはないから、
 テニス部から空手部に正式に移籍しないか? 頼む!!」
牧村「ハハハ…(汗」

空手部部長からの誘いを光平は笑って誤魔化す。
そして光平は部長から、部のコーチを引き受けてもらっているという
赤心少林拳・沖一也を紹介される。

一也「美しい、完璧にスキのない構えだ…」

拳を握り締め正面に構えた光平の姿に、沖一也は思わず目を見張る。
しかしそこに、拳竜会最高師範・大石秀人が道場破りに現れた。
大石は言わずと知れたギョストマの仮の姿である。
ギョストマの任務は、都内の武術道場や学校の空手部・柔道部を
片っ端から荒らしまわり、シグフェルと思われる強者を見つけだすことだったのだ。
次々と大石の前に倒されていく、海防大付属高校空手部の部員たち。

光平「こいつ!!」
一也「待て光平君! 君の勝てる相手ではない!」

一也の制止も聞かずに大石に挑む光平だったが、
返り討ちに遭い、ボコボコにされてしまう。
大石に敗北し、悔しさに涙を呑んだ光平は、
一也に赤心寺へと連れて行かれ、特訓を開始。
その後、大石に再戦を挑む!

ギョストマの正体を現す大石秀人。
シグフェルとスーパー1はお互いの正体を知らぬまま、
なりゆきで共闘してギョストマを倒す。

戦いの中で見たシグフェルの戦法の構えが、
光平のそれと似ている事に沖一也は気がつく。

一也「まさか、な……」
ハルミ「一也さん、どうしたの?」
一也「いや、なんでもない」

まだこの時点では沖一也は半信半疑の段階だったが、
玄海老師だけは「シグフェル=牧村光平」であると
ハッキリと見抜いていた。しかし何か考えあってのことか、
あえて老師は今のところは何も言わずに
胸の内に秘めておくのであった。

231ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/12/21(日) 18:00:48
≪絶剣、蛇の道を往く≫

15年の短い生涯を終えた紺野木綿季ことユウキは、
生前に両親と双子の姉・藍子との家族愛や、
スリーピング・ナイツの面々やアスナとの友情と努力、
そして自ら被験者となって医療用メディキュボイドの研究発展に
大きく寄与したなどの様々な点が高く評価され、
無事に閻魔大王から天国行きの裁定を受ける。

しかし界王神からのテレパシーで、
ユウキに対して直々にスカウトの声がかかり、
閻魔庁から界王星まで続くとてつもなく長い、
およそ100万kmはある蛇の姿を模した道、
通称「蛇の道」の踏破にチャレンジすることになる。

ユウキ「こ、これを歩いて行くの〜!?」
ジョルジュ早乙女「蛇の道のすぐ下は地獄との境目になっているいます。
 下が地獄になっているので、一度下に落ちると二度と上に戻ることは
 できません。気を付けてください」
コエンマ「引き返すなら今のうちだぞ?」
ユウキ「ううん、ボクやるよ! もっと強くなりたいからね♪」

ここ一億年の間で、界王星まで辿りついた人物は、
閻魔大王、孫悟空、ヤムチャ、餃子、天津飯、ピッコロの計6人のみである。
果たしてユウキはこのミッションを無事にクリアすることはできるのか!?

232ユガミ博士 ◆UMgG0HhEo2:2014/12/30(火) 11:38:44
<<外宇宙編 銀河烈風隊、イーバに遭遇ス>>

黄泉還りにより前大戦で戦死した局長ドン・コンドールことディーゴ・近藤を
はじめ、多くの隊員が生き返り、銀河烈風隊に復帰した。
彼らは現在、エドン国にて治安維持部隊として活躍している。

ディーゴ「こうして見ると、平和だな」
シュテッケン「だが、この宇宙にはGショッカーなんて悪党共が蔓延っている。
  それに最近じゃあ、宇宙連合の方でもきな臭い噂を聞いているぜ」
ディーゴ「なぁ〜に、俺達にかかれば敵う敵はないさ!」
シュテッケン「(だがな、ディーゴ。俺はもうお前さんの死んだ姿なんて
 見たくねえんだ・・・)」

パトロールを行うディーゴとシュテッケン。宇宙ではあらゆる勢力が動きを
見せており、ディーゴは彼らから平和を守ろうと決意する一方、シュテッケン
はディーゴをまた死なせはしないと固く決意するのであった。
そこに、銀河烈風隊隊員が何者かに殺されたと報せが入る。

シュテッケン「一体・・・誰が殺したぁぁ!」
ディーゴ「落ち着け、取り乱すなんてお前らしくもない!そんなんじゃ
 “諸刃のシュテッケン”の名が泣くぜ!!」
シュテッケン「―!?すまねえ、俺とした事が取り乱しちまった」

仲間の死にシュテッケンは激昂するが、ディーゴによって冷静さを
取り戻した。

士郎「待って下さい・・・近くに何かいます!」

前大戦で目が見えなくなった士郎は視覚を失ったかわりに、他の
感覚が鋭くなっており、ここにいる人間以外の気配を察知した。

ケットシーイーバ「フシュゥゥゥ!」
佐馬之介「何だ!?猫の化け物か!」

現れたのは巨大な猫の様なケットシーイーバだった。殺されたのは
黄泉還りによる生き返った隊員だったのだ。ケットシーイーバは
ディーゴに狙いを定める。遭遇した烈風隊はイーバと戦えるのか!

233ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2015/01/02(金) 13:00:40
≪聖天子暗殺!? 宇都宮釣天井-4 予定稿≫

***那須塩原鎮台・自衛隊駐屯地***

ここは栃木県とT県の県境近く、対幻獣・ガストレアの最前線にある防衛の本拠地である。
自衛隊及び学徒兵部隊が整列し、閲兵を受け、のち分列行進してその威容を示す。
行進する部隊より敬礼を受けた聖天子は、用意された原稿のスピーチを読み終えると、
壇上より降りて隊員たちの前に近づこうと歩み寄る。

侍従「お待ちください聖天子様、どちらへ!?」
聖天子「隊員たちと直接言葉を交わします」
侍従「それはなりません。一兵卒の軽輩などに
 軽々しく御身をお近づけになられましては…」
聖天子「留め立て無用です」
侍従「ハハッ…」

聖天子は整列する青森第四中隊の前に立った。

聖天子「貴官の姓名と階級は?」
咲良「ハッ! 青森第108警護師団第4中隊々長、
 石田咲良千翼長であります! この度は
 聖天子様の行幸を賜り光栄です」
聖天子「青森第四中隊の活躍は私の耳にも
 届いています。今後も皆さんの善戦を祈ります」
亜美「ありがとうございます!」

続いて聖天子は、第105山岳師団の前に立った。

源「聖天子様、俺はこんな口のきき方しか
 できねえけどよ、それでも直に話しかけても
 構わないのか?」
聖天子「構いません」
源「安心しな。北関東に巣食う幻獣とガストレアは、
 全部俺たちがまとめて駆逐してやるよ!」
聖天子「期待します」

隊員たちとの対談を終えた聖天子に
県知事が恐れながらと話しかける。

知事「恐れながら聖天子様に申し上げます。
 わが県選出の城之内議員より、新たな造営した
 宇都宮城御休息所にて、聖天子様の日頃のご労苦を
 お慰みしたいと申し出ております」
聖天子「…御休息所? そのようなものの
 建設は必要ないと事前に通達していたはずです!」
知事「お言葉にはございますが、造営費用は全て
 地元有志の篤志家が全額負担し、国費公費には
 一切手をつけてはおりません」
聖天子「………」
知事「もしここで聖天子様のお成りのないまま
 御休息所を取り壊すこととなりますと、かえって
 費用がかさみます」
聖天子「わかりました。参りましょう…」

234ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2015/01/02(金) 13:01:10
***二荒山神社***

宇都宮市馬場町にある二荒山神社。
その歴史は古く、起源は約1,600年前。宇都宮の始祖・豊城入彦命をまつっている。
この神社が下野「一の宮」と呼ばれていたことから、宇都宮の地名がついた、との説もある。
社宝は鉄の狛犬と兜で、どちらも国の重要美術品に認定されている。

静弦太郎と霧島五郎の二人は、ここの参道で朱音と待ち合わせていた。

五郎「おそいなあ、朱音ちゃん…」
弦太郎「五郎、てめえ俺に隠れて餃子食ったな?」
五郎「あれっ、バレた…?」
弦太郎「バカッ、お前の口がニンニク臭いんだよ!」

そこへようやく朱音が姿を現した。

朱音「弦太郎さん、五郎さん、遅れてごめんなさい!」
弦太郎「遅かったじゃねえか! 今までどこ行ってたんだ!?」
五郎「どうしたのその顔は? 体中どこもかしこも痣だらけじゃない!?」
朱音「…ああ、これは、ちょっと転んじゃって…(汗。
 それよりもこれが宇都宮城の御休息所の図面です!」

朱音は、懐から取り出した折り畳まれた大きな紙を広げる。
それを目にした弦太郎は愕然とした。

弦太郎「やはりな…。思ったとおりだぜ!」
五郎「おい弦の字、どういうことなんだ。
 俺にも説明してくれよ」
弦太郎「図面のここのところをよく見ろ。
 休息の間に釣天井の仕掛けがしてある。
 間違いねえ!」
五郎「釣天井!?」
弦太郎「奴ら、これで聖天子様を
 ぺしゃんこに押しつぶそうって魂胆だ!」
五郎「どうするんだ弦太郎!?」
弦太郎「もう時間がねえ! 急ぐぜ五郎!!」


***宇都宮城・城門前***

宇都宮城へと急行した静弦太郎と霧島五郎は、
城門前で藤森典子と合流した。

典子「静君、霧島君、血相変えてどうしたの!?」
弦太郎「んなこたぁどうでもいい!!
 それよりも聖天子様はどうした!?」
典子「もうお城の中に入られたわよ」
弦太郎「しまった!!」

235ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2015/01/02(金) 13:03:43
***宇都宮城・御休息所***

宇都宮城に到着し、御休息の間へと入る聖天子。
しかし廊下を進む間に、随員の護衛隊から巧妙に
切り離されていることには誰も気づいてはいなかった。

せいあ「護衛隊はどうしました?」
係官「あちらの別室にて御休息を…」
せいあ「別室で…? いえ、一緒の方がよろしいでしょう。
 すぐに呼んで来てください」

聖天子に随行していた尾上せいあ一佐が、
すぐに護衛隊も側近くまで呼び寄せるよう要請するが、
突然、御休息の間の全ての襖が厳重に締め切られる。

せいあ「これは何事です!?」
係官「恐れながら聖天子様をお慰めせんがため、
 城之内議員が拙き能をご覧に入れようとの趣向にございます」
せいあ「………」

城之内輝貞といえば、民自党県連の会長でもあり、
これまでに数度も重要閣僚の座を経験してきた大物代議士である。
やがて能の面をつけ、衣装に身を包んだ城之内が現れ、
薙刀を片手に振り回しながら豪快に能を舞い始めた。
まるで今にも聖天子を薙刀で切り刻まんとする勢いである。

せいあ「おやめなさい! 城之内議員、無礼でありましょう!」
能面の男「………」
聖天子「城之内議員、金剛流ですか?
 なかなか上達されましたね。さあ、もうよいのです。
 あの戸を開けてくれませんか?」
能面の男「いや、開けるわけにはいかん。
 そのまま永劫の闇の中においで願う!」
聖天子「なんと…!」

能面の男は面を取り衣装を脱ぎ棄てる。
現れたのは頭にターバンを巻き、僧兵風ともアラビア風ともつかない
衣装を身にまとった男だった。同時に周囲の係官の男たちも
服を脱ぎ捨て同様の姿へと早変わりする。

聖天子「何者です?」
幻の月光「我が名は幻の月光! 騒いだとてもはや袋の鼠!
 聖天子殿、我ら独立幻野党革命の同志一同、お命頂戴仕る!」
聖天子「なにゆえに?」
幻の月光「その胸に聞けい!」
せいあ「貴様、本物の城之内議員はどうした!?」
幻の月光「今頃、議員事務所の奥で冷たい骸になっておるわ!」

その瞬間、聖天子たちのいる区画の四方に敷居の壁が降りて来て、
聖天子たちは完全に閉じ込められた。そして天井がじわじわと落下してくる。

侍従「これはいったい!?…(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル」
せいあ「聖天子様、御身に危険が迫っております!」
聖天子「うろたえてはなりません!」

236ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2015/01/02(金) 13:04:27
外では、幻の月光たちが釣天井が床までしっかり落下する瞬間を
待ち侘びていた。釣天井落下のからくりが作動する音が静まるのを
確認し、落下した釣天井を上げて四方の戸を全て解放する。

幻の月光「これで聖天子もお陀仏か。哀れな者よ。
 フハハハハ!!!」

企ての成功を確信して高笑いを上げる幻の月光。
しかし、部屋の中には聖天子の死体どころか、
人っ子一人の姿すらなかったのである。

幻の月光「…こ、これはどうしたことだ!?」
幻の葉月「月光、これを見ろ!」

幻の葉月が、片隅の床にいつの間にか
人一人が通れそうな大きさの穴が開けられていた。
予想外の事態に驚く幻の月光。

幻の月光「いつの間にこんな穴が!?」
???「ハハハハハ!!!」

誰かの高笑いが周囲一面に響いた。
たじろぐ独立幻野党の群れをあざ笑うかのように颯爽と現れた、
カウボーイハットにウエスタンスタイルのあの男――
――国家警備機構の密使、我らが静弦太郎だ!

幻の月光「おのれ静弦太郎!!」
弦太郎「久しぶりだなあ、幻の月光!
 聖天子様もお供の随員たちも全員無事だ!」
幻の月光「うぬぬ〜!!」
弦太郎「今一度てめえら独立幻野党こと幻兵団を
 まとめて地獄に送り返してやるぜ!!」
幻の月光「え〜い、かかれーっ!!」

幻の月光の号令で、独立幻野党の団員たちが一斉に襲い掛かるが、
弦太郎はアイアンベルトで片っ端から薙ぎ払っていく。

幻の葉月「鋼鉄の同志、カプリゴンよ!
 現れ出でるのだあ〜!!」

幻の葉月はドクロ型コントローラーを空高く掲げ、
怪獣ロボットを呼び出す。

カプリゴン「ギャオオ〜ッ!!」

弦太郎の指示で待機していた五郎は、
怪獣ロボットの出現を確認する。

五郎「現れやがったな!
 ――アイアンショック!!」

変身ポーズと掛け声を取った霧島五郎は、
水をエネルギー源とする身長45メートルの戦闘用サイボーグ、
アイアンキングへと変身するのだ!



○聖天子→駐屯地で自衛隊員や学徒兵部隊を観閲後、宇都宮城で釣天井の罠に嵌る。
○尾上せいあ→聖天子に随行し、共に宇都宮城で釣天井の罠に嵌る。
○石田咲良→観閲式で、聖天子と直に言葉を交わす。
○横山亜美→観閲式で、聖天子と直に言葉を交わす。
○源健司→観閲式で、聖天子と直に言葉を交わす。
○静弦太郎→間一髪で聖天子を釣天井の罠から救い、独立幻野党一味と交戦。
○霧島五郎/アイアンキング→アイアンキングに変身し、現れた怪獣ロボット・カプリゴンと交戦。
○藤森典子→宇都宮城の城門前で、静弦太郎たちと再度合流。
●幻の月光→聖天子暗殺に失敗し、静弦太郎と交戦。
●幻の葉月→怪獣ロボット・カプリゴンを起動させる。
●カプリゴン→幻の葉月に呼び出され、宇都宮市街で暴れまわる。

△千坂朱音→宇都宮城御休息所の図面を、静弦太郎たちに届ける。


【今回の新規登場】
●カプリゴン(アイアンキング)
幻の葉月に操られる、つぶらな目をした造形をしたロボット怪獣。
ひたすら走り続け、目の前にある障害物を踏みつける。
鼻から槍のような針を出し、角にはミサイルを積んでいる。

237凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2015/01/02(金) 23:04:15
≪印波神像の秘密≫

関東屈指の弱小暴力団・美樹原組。
その組長の娘である美樹原蓮がある日、爆弾テロに狙われた。
間一髪、相良宗介に助けられて事なきを得たが、
犯人はどうやらサラジア共和国の特殊工作員らしい。
中東の諜報機関がなぜ日本の弱小ヤクザを? と宗介は訝る。

折しも美樹原組では、ライバルだった龍神会の壊滅に伴い、
新たにシマに収めた大江戸市で開催される、
大江戸神社の夏祭りのテキ屋の準備で大忙し。
だが大江戸神社には、奉納されている印波神像を引き渡さなければ
夏祭り会場を爆破するという脅迫状が届いていた。
サラジアの狙いはその神像を手に入れる事であり、
蓮を襲ったのは祭りを取り仕切る美樹原組への脅しであったらしい。

柴田「ふざけんじゃねえ!
 龍神会をぶっ潰した美樹原組の力、思い知らせてやろうじゃねえか!」
かなめ(あ〜あ、完全に調子に乗っちゃってるわ)
宗介(勝因があくまで装備の優秀さであって、
 自分達の実力ではないのを忘れているな)

祭りを無事開催してみせると息巻く美樹原組だが、
ミスリルさえ恐れる中東最強級のスパイ組織を相手に、
日本最弱級のヤクザではどうにも心もとない。
宗介は仕方なく美樹原組に付き合い、夏祭りをガードする事にする。

一方、夏祭りが爆破予告を受けたと聞いて大江戸市でも大騒ぎ。
花丘イサミらしんせん組は事件を解決しようと動き出し、
まずは問題の印波神像とは何なのかを調べるため、
大江戸神社に取材を試みる。

神主「この印波神像はその名の通り、
 江戸時代の初めにインパラヘン王国から伝来したものじゃ」
ソウシ「インパラヘン王国って言うと、
 レアメタルの輸出で栄えている国ですね」
神主「うむ。学者に詳しく調べてもらったところ、
 この像はそのレアメタルでできているらしい。
 信心深いインパラヘン王バトゥラ1世は、
 自国で採れるレアメタルを彫刻してご神像を作らせ、
 それを友好の証として日本へ贈ったという」
イサミ「じゃあ、テロリストはそのレアメタルを…?」
ソウシ「可能性としてはなくもないけど、
 随分面倒な話じゃないかな。ただレアメタルが欲しいだけなら、
 直接インパラヘン王国を狙えばいいわけだし」
トシ「やっぱり、この像でないといけない理由があるのか…」
ソウシ「この神像を作らせたバトゥラ1世という王様について、
 詳しく調べてみる必要があるかもね」

神像が作られた歴史的背景について追跡調査する事にしたしんせん組。
一方、神像がレアメタル製だとイサミ達から聞かされた宗介は、
レアメタルの詳細についてミスリルの上層部に問い合わせる。

テッサ「その神像がレアメタルでできているとなると、
 事は厄介かも知れませんね」
宗介「と、言いますと…?」
マデューカス「インパラヘンで採れるレアメタルには、
 人の思念波を記録する力がある。
 その神像にも、過去の時代の人間の思念波――つまり、
 何らかの記憶が留められている可能性が高いのだ。
 サラジアの狙いは神像そのものよりも、
 そこに隠された古の秘密にあると見ていい」
テッサ「それが万一、アルハザードやサラジアを大きく利する情報であった場合、
 今後の世界情勢にも大きな影響を与えかねません。
 微妙な均衡の上に成り立っている中東のパワーバランスが、
 復活したロストテクノロジーの投入によって一気に崩れる事態もあり得ます」
宗介「了解しました。
 全力を挙げて神像を守り、情報がサラジアへ渡るのを阻止します」

アルハザードが狙う神像に隠された秘密とは…!?
宗介としんせん組は果たして神像を守れるのであろうか?

238ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2015/01/04(日) 22:18:43
ギャグ編≪スーパーヒーロー格付けチェック≫

スーパーヒーロー格付けチェックとは、四葉テレビが制作する
正義の味方の一喜一憂する様子(=他人の不幸ww)を楽しむ、お正月特別番組である!

最初は全員「一流ヒーロー」として丁重におもてなしされるが、
不正解を重ねていくとどんどんランクが下がり、
司会者からの扱いがぞんざいになっていく。
そして最終的には「映す価値なし」としてテレビから消されてしまうという、
ヒーローとしてはとても惨めな末路が待っているのだ!

主な出題内容は、

・昭和ライダーの父・立花藤兵衛の特訓と、そこら辺の流行ってないジムのトレーナーによる特訓。
・ノーベル賞級天才科学者が制作した巨大ロボットと、そこら辺の経営難の町工場が開発したおんぼろロボット。
・伝説の勇者専用の剣の切れ味と、そこら辺の武器屋で売ってる安物の「どうのつるぎ」の切れ味。

などの難問をクリアしていかなければならない!
出場者のうち、GACKTポジションや疫病神ポジション等々その他に
どの版権キャラを置き換えるか、ご意見募集中。

ちなみにアタシの意見は、GACKTポジションは破嵐万丈でお願いします。

239ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2015/01/05(月) 21:25:45
≪サンライズ・アーマードヒーロー大集合(仮)≫

その日、舞原このはは火浦直気と真由の兄妹を連れて
生田山にハイキングに訪れていた。
本当はダー・ユンが火浦兄妹と一緒に行く予定だったのだが、
ブレイバーベースでディオドスシステム開発に関わる大事な急用が入ったため、
このはが代わって保護者の役目を引き受けたのである。

真由「このはお姉ちゃん、なんかとっても楽しそうだね」
直気「もうじき桃矢兄ちゃんが帰ってくるのが嬉しいんだろ?」
このは「ふふっ…ええ、そうね♪」

実は先日にCIAのエドワード高崎から連絡があり、
仮面ライダーディケイド=門矢士たちの協力もあって、
エターナリアでの戦いにも一段落がついた神城桃矢たちが、
久しぶりに明日、地球に戻ってくるのだという。
やっと桃矢と再会できるとあって、このはは上機嫌なのである。

直気「このは姉ちゃん、ちょっと遊んでくるね」
このは「あんまり遠くまで行っちゃダメよ!」

しかし火浦兄妹の戻りが遅いと、心配になり探しに行ったこのはは
山の林の奥に洞窟を発見。中にいた火浦兄妹を発見したが…。

直気「こ、このは姉ちゃん…(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル」
真由「怖いよぉぉ…(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル」
このは「――!!」

プラノドン「ァア――!!」

なんとこの洞窟はGショッカーの秘密基地だったのだ。
このはたちはショッカーの怪鳥人プラノドンに捕えられてしまう!

プラノドン「ではこれから手術を開始します」
死神博士「よし、開始しろ」
プラノドン「やれっ!」

ショッカーは、このはたちの耳の中に受信機のカプセルを注入した。

プラノドン「死神博士、これでこの三人は私の発信する電波によって
 自由に操縦できます。ァア――!!」

このはたちは、その後何事もなかったかのように解放されたのだが…。

一馬「随分と帰りが遅かったじゃねえか」
ユン「このは、今日は急に代わってもらってすまなかった」

このは「そう……」
直気「……」
真由「……」

金桃寺に帰って来たこのはたち三人は、一馬和尚らの問いかけにも、
まるで人が変わったかのように虚ろな瞳で無表情だ。

一馬「…??」
ユン「…??」

一馬和尚とユンは、このはたちの様子に不審を抱く。

240ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2015/01/05(月) 21:26:21
プラノドン「これから面白い事が始まるぞ!」

その日の深夜、金桃寺の境内へと侵入したプラノドンは、
就寝中のこのはを襲った。

このは「あ、あなたは…!?」
プラノドン「ァア―!! ァア―!! 来るのだ。早く来い!」

プラノドンは命令電波を発して、パジャマ姿のこのはを苦しめる。

このは「い、いや……いやあ!」
プラノドン「俺の命令に背くと、どうなるかわかったろ!?」
このは「お願い…やめて。気が狂いそう…!」
プラノドン「お前は今から俺の言うとおり行動しろ!
 わかったか!!」

翌日、ついに神城桃矢たちが金桃寺に帰って来た。
金剛煌が復活した事は直接会うまで伏せておき、
サプライズでこのはたちを驚かせようとしていた桃矢たちだったが…。

桃矢「どうしちまったんだこのは!
 煌が生き返ったんだぞ! 嬉しくねえのかよ!」
煌「このはちゃん!?」
このは「………」

一馬和尚やユンから事情を聞いた桃矢と煌は、このはに対して
昨日の生田山でのハイキングで起こった事を問い詰めようとするが、
なんとこのはは拳銃を取り出し、その銃口を桃矢と煌に向ける!

桃矢「何をするんだ、このは!?」
煌「やめて、このはちゃん!!」

間一髪でグレイファスが背後からこのはを気絶させて事なきを得たが、
その後藍羽財団とブレイバーズの調査でとんでもない事が判明した。

ルリ「とんでもない事がわかりました」

このはたちがハイキングにでかけていた同日に、
生田山を訪れていた大勢の登山客などの人間が、
このはたちと同様の症状で病院に担ぎ込まれていたのだ。
被害者の中には、サムライトルーパーたちの協力者であるナスティ柳生と山野純、
ライディーンイーグルこと鷲崎飛翔のガールフレンド・宮坂瑠璃と妹の鷲崎つばさ、
たまたまその日に生田山に石を拾いに行った藍羽学園高等部の鉱石部メンバー
伊藤若菜と山口揚羽と赤崎七海の三人までも含まれていたのだった!

Gショッカーは、新たな人類洗脳奴隷化プランを打ち立てているらしい。
さらにその計画には超魔のルーシュ・デモンも協力しているらしい。
怪鳥人プラノドンを倒さない限り、患者から安全に受信機カプセルを取り出す事は不可能だ。

ルーシュ「ANGELにザ・ハーツ! やはり貴様たちが
 ライディーンだったのか!」

ライディーンイーグル「神無聖月がルーシュ!?」
桃矢「許さねえ!! このはたちをあんな目に遭わせやがって!!」
Sアルマ・リベレイター「部長たちを元に戻してもらうぞ!!」
烈火のリョウ「行くぞみんな!! プラノドンを倒して
 被害に遭った人たちを助けるんだ!!」

彼らの前に立ちふさがるのは、銀河テレビが神無聖月率いるSKネットワークTVの
傘下に入った事により、今は超魔ルーシュの配下となったセーラーアニマメイツだ!

セーラーアルーミナムセイレーン「聖月会長…いえ、ルーシュ様、
 この場はわたくし達にお任せを!」
セーラーレッドクロウ「女だと思って甘く見てると痛い目に遭うわよ!」
セーラーティンにゃんこ「ウフフフッ…かかってらっしゃい坊やたち!」

果たして、サンライズ・アーマードヒーロー軍団は、
ショッカーの怪鳥人プラノドンに服従カプセルを埋め込まれた人々を
無事に救い出す事は出来るのであろうか!?

241ユガミ博士 ◆UMgG0HhEo2:2015/01/06(火) 10:45:26
>>236加筆。

出現したカプリゴンは走り出し、周囲の障害物を次々と破壊していく。
騒ぎを聞きつけ、自衛隊から戦車やAS、レイバーが出撃するものの
カプリゴンの鼻先から針が飛び出してきたので、歯が立たない。
待機していた第4中隊や第7芝村中隊の面々も何事かと騒ぎ出す。

愛梨沙「何々!?」
源「幻獣か!?ガストレアか!?」
竹内「あれ、ウルトラマンか?」
岩崎「いや、良く見たら顔が違うぞ」

霧島五郎が変身したアイアンキングを見て、ウルトラマンかと
勘違いする者もいた。

咲良「皆、出撃の準備をして!」
紫苑「あの怪獣は聖天子様の御命を狙うテロ組織のロボット兵器だ!」
一同「―!」

咲良や紫苑からの指示を聞いて、第4中隊と第7芝村中隊は栄光号や
光輝号、雷電の出撃準備を行う。

カプリゴン「ガァォォォォォ!!」
アイアンキング「―!」

一方、アイアンキングはこちらへと向かって走って来るカプリゴンを
止めようと走り出して体当たり。体当たりを受けて動きを止められた
カプリゴンは狙いをアイアンキングに定めて、マラソンでもするかのように
追いかけっこを始める。

咲良「ロボット怪獣の割に機敏に動くわね・・・」
彩華「中隊長、国家警備機構によれば怪獣と戦っているアイアンキングは
 1分間しか活動できないようです」
咲良「1分〜!時間が余り無いわね・・・第4中隊は怪獣に攻撃を行い
 アイアンキングの支援をお願い!」

指揮車に乗り込んだ咲良は彩華から、アイアンキングの事を
聞かされると、その活動時間の短さに呆れつつも、隊員達に
支援攻撃を行うように指示する。

英吏「第7中隊の皆さんは、宇都宮城へと向かって下さい。国家警備機構の
 静弦太郎隊員が今回の事件を起こしたテロ組織、独立幻野党と戦っています」
源「あのオッサンが・・・!」
紫苑「第7芝村中隊、出撃!」

第7芝村中隊の隊長である芝村英吏の指示を受けて、隊員達は独立幻野党と
戦っている弦太郎の下へと向かった。

242ユガミ博士 ◆UMgG0HhEo2:2015/01/06(火) 11:35:38
一方、独立幻野党の党員と戦う静弦太郎はアイアンベルトを
駆使して、党員を次々と倒していく。

党員A「死ねぇぇ!静弦太郎!!」
弦太郎「―!」

だが党員の1人が、背後から弦太郎を襲うとした・・・その時!

グリンガム「ガォォォォォン!」
党員A「ぐわぁぁ!」
源「大丈夫か、オッサンは!?」
弦太郎「オッサンじゃねえ!・・・だが、助かったぜ」

党員に襲われそうになった弦太郎だったが、源とグリンガムが
駆けつけ、グリンガムの体から生えている腕で党員の1人が
ねじ伏せられる。弦太郎は源に悪態をつきながらも、助けられた事に
礼を言った。そして他の隊員達も駆けつけた。

紫苑「相手はテロリストとはいえ、生身の人間だ。傷つけないように
 捕えるんだ!」
火焔「面倒くさいなぁ・・・もう!てりゃ!!」
コガ「ガウ!」

紫苑の指示で党員は傷つけないように言われ、火焔は青竜刀を
振り回し、パートナーの雷電であるコガと共に蹴散らしていく。

美姫「そこまでよ!」
クイーン「ぐぅぅぅ!」
エステル「・・・」
バルト「アォォォン!!」

美姫や隊員の1人である紅・エステル・ヴァラは銃で威嚇し、それぞれの
パートナーであるクイーン、バルトの2体の雷電は長い腕でねじ伏せていった。

葉月「・・・さぁ、アイアンキングを始末せよ!カプリゴン!!」
弦太郎「アイアンキングをやらせねぇよ!」

幻の葉月はコントローラーでカプリゴンにアイアンキングを始末するように
指示をだす。そこへ弦太郎が現れ、幻の葉月を止めようとする。

葉月「死ねぇ!静弦太郎!!」
弦太郎「くっ!」

ズギュン

葉月「ぐわぁ!」
倖「・・・」

銃を構えて弦太郎を殺そうとする幻の葉月だったが、第7芝村中隊の
一員である牧村倖が双子の妹である輝春と共にパートナーであるブラック
に乗り、長距離狙撃銃で幻の葉月の銃を撃って弦太郎を助けた。

葉月「くそっ、覚えていろ!」
弦太郎「待て・・・くそ、逃げられちまった!ありがとうな。助かったぜ!!」
倖「・・・(ニコ」
輝春「・・・(ニコ」

幻の葉月は捨て台詞を吐いて、その場から姿を消す。弦太郎は自分を
助けた牧村兄妹に礼の言葉を言うと、2人は笑顔で応えた。
一方、アイアンキング活動限界時間が近づいており、コントロールを失った
カプリゴンのミサイルを受けて倒れてしまう。さらに、カプリゴンは鼻先から
針を発射して、自分に攻撃してくる第4中隊に向かって攻撃した。

弦太郎「させるか!おい、源。オレをその雷電に乗せてくれ」
源「グリンガムに・・・?何故だ!」
弦太郎「いいから、早く乗せろ!」
源「・・・分かったよ」

弦太郎と源を乗せたグリンガムは大きく跳躍する。弦太郎はアイアン
ベルトを使って、針をひとまとめにすると、かつて倒したように
カプリゴンの腹に向かって返した。

カプリゴン「ギャァァァァオオオン!!」

針はカプリゴンの腹を突き破り、カプリゴンは断末魔と
共に大爆発を起こして敗れるのであった。

243ユガミ博士 ◆UMgG0HhEo2:2015/01/06(火) 12:32:41
◯静弦太郎→独立幻野党の一味と交戦し、危機になるものの
   第7芝村中隊に助けられる。最後はカプリゴンを倒す。
○霧島五郎/アイアンキング→カプリゴンと交戦し、カプリゴンのミサイルに倒れる。
○石田咲良→青森第4中隊にアイアンキングの支援を行うように指示を出す。
○村田彩華→咲良にアイアンキングの活動時間を教える。
○竹内優斗、岩崎仲俊→アイアンキングをウルトラマンと勘違いする。
○源健司、グリンガム→静弦太郎を助け、カプリゴンを倒すのに協力する。
○竜造寺紫苑→第7芝村中隊を指揮し、独立幻野党一味を捕えるように指示をする。
○芝村英吏→第7芝村中隊の隊員に静玄太郎の下へと向かうように指示する。
○結城火焔、コガ→独立幻野党一味を蹴散らす。
○金城美姫→独立幻野党一味に銃を威嚇する。
○紅・エステル・ヴァラ→独立幻野党一味に銃を威嚇する。
○クイーン→独立幻野党一味をねじ伏せる。
○バルト→独立幻野党一味をねじ伏せる。
○牧村倖→双子の妹、輝春と共に出撃。長距離狙撃銃で幻の葉月の
   銃を撃ち、静弦太郎を助ける。
○牧村輝春→双子の兄、倖と共に出撃。弦太郎からのお礼に兄と共に
   笑顔で応える。
○バルト→パートナーである牧村兄妹を乗せて出撃。
●幻の葉月→静弦太郎や第7芝村中隊と交戦し、撤退する。
●カプリゴン→アイアンキングや青森第4中隊と交戦し、静弦太郎によって倒される。

【今回の新登場】
○芝村英吏(ガンパレードオーケストラ 緑の章)
 第105師団第7芝村中隊隊長。指揮官としての腕の高さは脅威だが、
 人間的感情は皆無に等しく、目的達成の為なら部下の犠牲も厭わぬ
 冷血漢。しかし、自分の部隊が侮辱される事は許さない一面を持つ。

○紅・エステル・ヴァラ(ガンパレードオーケストラ 緑の章)
 美人だが、心を閉ざし、喋らない少女。戦災孤児であり、死を恐れず
 勇猛果敢に戦うが、どこか死に急いでいる戦い方をする。相棒の雷電は
 バルト。紅は「ホアン」と読む。

○牧原倖(ガンパレードオーケストラ 緑の章)
 輝春の双子の兄。読書が趣味という落ち着いた性格だが、戦闘時には
 長距離狙撃銃を用いて戦う戦闘班を務める。金が掛からない進学として
 軍に入隊し、犬が好きという事で竜騎兵となった。パートナーの雷電は
 兄妹共通でブラック。

○牧原輝春(ガンパレードオーケストラ 緑の章)
 倖の双子の妹。クールな性格で、自称「女と恋愛がキライ」男性とも一線を越えて
 付き合う事はないが、実はブラコン。

○クイーン(ガンパレードオーケストラ 緑の章)
 金城美姫のパートナーの雷電。

○コガ(ガンパレードオーケストラ 緑の章)
 結城火焔のパートナーの雷電。狐タイプ。

○バルト(ガンパレードオーケストラ 緑の章)
 紅・エステル・ヴァラのパートナーの雷電。狼タイプ。竜騎兵の中では
 最も勇敢で忠実。

○ブラック(ガンパレードオーケストラ 緑の章)
 牧原兄妹共通のパートナーの雷電。甘えん坊な性格で身長も高く
 筋肉もついているが、闘争本能に欠けている為に戦闘に向いていない。

244ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2015/01/12(月) 00:56:40
≪反逆者、魔法騎士(マジックナイト)!?≫

『獣戦士ガルキーバ』の世界エターナリアを救い、
今度は『魔法騎士レイアース』の世界セフィーロへと
やってディケイド一行。
門矢士の今回の服装は、東京タワーの警備員である。

セフィーロではエメロード姫亡き後の新国王に即位したフェリオ王子によって、
軍備増強令が出され、国民は重い高額の税に苦しめられていた。
導師クレフや創師プレセア(実はその妹シェラ)も、新王フェリオの不興を買って
閉門蟄居に追い込まれ失脚同然の状態となり、代わってあの魔界同盟のゲマが
セフィーロの新宰相の座に収まっていた。フェリオは増強した軍備を用いて
隣国のオートザム、チゼータ、ファーレンの三国に攻め込む魂胆らしい。
即位当初は姉の意思を継いで善政を敷き、国民からも慕われていたフェリオが
なぜ突如として豹変したのか!?

実はこのフェリオは真っ赤な偽物。本物のフェリオはどこかに幽閉され、
代わって魔界同盟のボストロールが偽のフェリオに化けて成り済ましているらしい。

ゲマ「フフフッ…この"ラーの鏡"が我々の手元にある限り、
 偽物の正体が見破られる心配はありません」

セフィーロを乗っ取った魔界同盟の目的、
それはズバリ、悪の女王デボネアの復活である!
セフィーロの危機に再び召喚される、
獅堂光、龍咲海、鳳凰寺風の三人の魔法騎士(マジックナイト)。
しかし彼女たちは偽フェリオの罠にはまり、反逆者の濡れ衣を着せられて
追われる身となってしまった。

果たして仮面ライダーディケイドは、魔法騎士(マジックナイト)たちと協力して、
異世界セフィーロを危機から救う事はできるのか!?

245ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2015/01/18(日) 00:03:30
※これはあくまでネタだけです。本投稿の予定はございません。

≪土曜ワイド劇場 江戸川乱歩の美女シリーズ
時を刻む美女 江戸川乱歩の「青銅の魔人」≫

夜の銀座に現れた青銅色の怪人。顔は金属でできた気味の悪い仮面で、
その三日月型の口からはギリギリと歯車の音が聞こえてくる。

時計店から沢山の時計を盗んで追いかけられると、四つん這いになって走り、
角を曲がったかと思うと消えてしまう。この怪人はすぐに世間の話題をさらい、
「青銅の魔人」と呼ばれた。

青銅の魔人は時計を集めているらしく、狙われたのは旋風寺財閥が所有する「皇帝の夜光時計」。
届けられる予告状。それは恐るべき殺人の予告状でもあった。
衆人環視の中で「皇帝の夜光時計」を盗んだ青銅の魔人は、
追い詰められて煙突に登るが、煙突の上から落ちてきたのは機械がぎっしり入った金属でできた胴体。
青銅の魔人とは機械人間で、煙突から落ちて死んでしまったのか?

旋風寺舞人の妻・サリーは煙突騒ぎの間に何者かに誘拐されて、
気が付くと青銅の魔人の隠れ家に監禁されていた。
そこには元国鉄総裁の孫娘・小海はるかも同じく監禁されていた。
同僚のはるかを助け出すべく、東京中央鉄道公安室第四警戒班に所属する
高山直人、桜井あおい、岩泉翔の三人は、名探偵・明智小五郎に協力を申し出る。
一方、家宝「皇帝の夜光時計」を盗まれ、愛妻までさらわれた旋風寺家では、
さらに当主の舞人までもが行方不明となってしまう。
やがて起こる不可解な連続殺人。国鉄と私鉄との間の熾烈な競争にまつわる愛と欲望の渦。

明智小五郎はさらわれた人々を助け出し、事件を解決できるのか、そして青銅の魔人の正体は…!?

裕次郎「この事件の真犯人はお前じゃな!?」
真犯人「貴様ッ、本物の旋風寺裕次郎ではないな!
 いったいお前は誰なんだ!?」
裕次郎「フッフッフッフッ…!」

舞人の祖父である旋風寺コンツェルン現会長・裕次郎が
いつものBGMと共にベリベリッと変装のマスクを剥がすと、
中から現れた素顔はまさしく、
名優・天知茂演じる名探偵の中の名探偵・明智小五郎だ!!

246ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2015/01/18(日) 13:57:49
※これはあくまでネタだけです。本投稿の予定はございません。

≪土曜ワイド劇場 江戸川乱歩の美女シリーズ
ツインテールの美女 江戸川乱歩の「大金塊」≫

私、天知茂。探偵の中の名探偵、明智小五郎。

陽月学園を経営する神堂家の先祖が隠したという小判の山。その隠し場所は暗号となって神堂家に伝わっていた。
「ししがえぼしをかぶるときからすのあたまのうさぎは三十ねずみは六十いわとのおくをさぐるべし」
おそらく「獅子が烏帽子をかぶる時、烏の頭の兎は三十、鼠は六十、岩戸の奥をさぐるべし」との意味だとはわかるが、
それだけではどこを探せばいいかまるでわからない。
明智探偵は兎や鼠(子)は方角で三十や六十は距離と推測し、日本中の獅子や烏帽子、烏の名前のついた山や岩を調べ、
ついに三重県の無人島に3つの名前のついた岩があることを知る。
明智と小林少年は観束総二、津辺愛香、神堂慧理那、そしてトゥアールらとともに無人島に渡るが
そこには恐るべき連続殺人の罠が待ち受けていた…!

アラクネギルディ「…以上が、全ての事件の真相なのです」
テイルレッド「アラクネギルディは俺たちが倒したはずだ!」
テイルブルー「いったいあなたは誰!? 誰なのよ!!」
アラクネギルディ(天知茂ボイス)「ツインテイルズの諸君にも、まだ、おわかりになりませんか?」
テイルイエロー「まさかその声は!?」
アラクネギルディ(天知茂ボイス)「フッフッフッフッ…」

またいつものBGMと共に、
アラクネギルディが顔の変装用マスクをベリベリッと剥ぎ取り、
着ていたマントと装甲を一瞬のうちに脱ぎ捨てると、
白スーツをピシッと着こなした名探偵・明智小五郎が現れた。

ダークグラスパー「おのれ明智、生きておったのか!!」

247ユガミ博士 ◆UMgG0HhEo2:2015/01/19(月) 11:44:57
※内容に変更有り。

<<巨神兵、覚醒>>

荒廃した未来世界を旅するアイアンギアー一行。その旅の中で、彼らは
未来世界を支配しようとする男、ムスカの野望を知り戦っていた。
だが、ムスカは『火の七日間』を引き起こした巨神兵の卵を見つけ、
今アイアンギアー一行の前で孵化しようとしていた。

ムスカ「はははは、見給え!これこそが、『火の七日間』で文明を
 滅ぼした巨神兵の誕生だ!」
巨神兵「うぉーーーーー!!」

卵から孵った巨神兵は大きな雄叫びを上げる。

ジロン「で・・・デカイ!」
オボロ「何て、禍々しい姿をしているんだ・・・!」
ソシエ「恐い・・・」
ロラン「気をしっかり持って下さい、ソシエお嬢様!」
ゲイナー「まるで、オーバーデビルみたいだ・・・」
ディアナ「巨神兵をこのままにしてはいけません!皆さん、攻撃を
  巨神兵に集中して下さい!」

巨神兵の姿に戦々恐々となるアイアンギアーの一行。ディアナは
巨神兵を止めるべく、攻撃命令を下す。ウォーカーギャリアや
ザブングルといったWM、∀ガンダムを始めとするMS、キングゲイナー
等のオーバーマンは一斉斉射を行う。

家康「やったか・・・!」
ジョセフ「いや、待て!まさか・・・」

煙が晴れると、そこには傷一つない巨神兵が立っていた。

ガウリ「何て奴だ!?」
ムスカ「はっはっはっは!さぁ、私の邪魔をして来た君達とはそろそろ
 お別れと行こう・・・攻撃せよ、巨神兵!」
巨神兵「・・・・」
ゲイン「不味い!皆、逃げろ!!」

巨神兵の口にエネルギーが充填されていく。その危険さに気付いた
ゲインは皆に逃げるように促す。しかし、巨神兵の口から光が放たれた。

一同「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

光が収まると、彼らはその場に居らず焼野原となった大地が残るのみだった。

248ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2015/01/21(水) 16:04:03
≪必殺偽物作戦!≫

ミスリルのメリッサ・マオ曹長が何者かに拉致された。
犯人はサラジア・シークレット・サービスである。
サラジア・シークレット・サービスは、元ダークノイドの
怪奇傭兵オー・ル・ボワールを雇い、偽物のメリッサに化けさせる。
オー・ル・ボワールは、自分のDNAを変化させて他人に変身する
ことができるのだ。

◇  ◇  ◇

【ここで解説】オー・ル・ボワールは『獣戦士ガルキーバ』の第17話で登場。
声の出演は、ヒロインの舞原このは役と同じく根谷美智子氏の一人二役。
劇中ではこのはに化けて、神城桃矢を欺こうとした。
つまり『フルメタル・パニック!』でも根谷氏が演じたキャラである
メリッサ・マオに化けさせるという声優ネタです。

◇  ◇  ◇

さらにサラジアは、宇宙刑務所から元宇宙刑事エステバン=セイギを脱獄させて
味方に引き入れる。彼と顔が瓜二つであるブルーバスター=岩崎リュウジに
成り済まさせるためだ。ミスリルへの報復と同時に、
自国の石油ビジネスのために日頃からエネトロンのような
新エネルギーの存在を疎ましく思っていたサラジア政府は、
エネルギー管理局にも撹乱工作を行うつもりなのだ。

リュウジに変装したセイギとメリッサに化けたル・ボワールは、
何食わぬ顔でメリダ島に堂々と乗り込むが、そこで二人が
不幸にして出くわしてしまったのが、同じくメリダ島に何かの用で来ていた
マリネラ国王パタリロ・ド・マリネール八世だったからさあ大変!
早々に彼らの正体を見破ったパタリロは、偽物の正体を暴いて
ミスリルとエネルギー管理局に恩を売りつけようと二人に付きまとい始める。
やがて自力で脱出して来たメリッサや、特命戦隊、バンコランらMI6をも巻き込んで、
いよいよ事態は思わぬ方向へ…!?

果たしてセイギとオー・ル・ボワールは
パタリロのおちょくりの魔の手から逃れる事はできるのか!?

249ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2015/01/26(月) 12:45:09
≪シグフェル捕わる! 忍びの里の復讐鬼≫

***ブレイバーベース・柔剣道場***

ブリット「始め!!」

合図を聞いて、お互いが静かに立ち上がる。

ゼンガー「どうした? 来ないのか?」
シグフェル「……っ!」

じりじりとゼンガーがにじり寄ってくる。
シグフェルは迫力に押されて思わず後ずさりする。

ある用件があってブレイバーベースを訪れていた
ゼンガー・ゾンボルト少佐に剣の稽古を
つけてもらうことになった牧村光平。ゼンガーは光平に
シグフェルに変身してかかって来いという。
最初は「大丈夫か?」と思って慢心していたシグフェルだったが、
すぐにゼンガーの物凄い威圧感に圧倒される。

ゼンガー「チェストオオオッ!!!」

スパァァァァァァン!!!!

ゼンガーの凄まじく綺麗で力強い一本が
シグフェルの面を叩いていた。シグフェルは前のめりに崩れ落ちる。

ゼンガー「まだまだだな。しかし筋はいい。
 これからも日々の鍛錬を欠かさない事だ」
光平「ありがとうございました」

事もあろうに変身した状態で生身の人間相手に負けた事で
ショックを受けた光平だったが、すっかりゼンガーの強さに心服する。

ちょうどそこに、月影一族の里に伝わる伝承に、
シグフェルやイーバの由来にも関わるらしい
謎の言い伝えが残っているとの情報が入る。
シグフェルの身体の秘密を突き止めたい光平は、
ブリットの操縦するグルンガスト弐式に同乗する形で
月影一族の里まで送ってもらうことに。

光平「ブルックリンさん、よろしくお願いします」
ブリット「俺の事はブリットでいいよ」

250ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2015/01/26(月) 12:45:51
***杉谷悪之坊の陣屋***

シグフェル=牧村光平が月影一族の里に向かった。
この情報を入手したGショッカー・ブラックサタンの
謎の紳士タイタンは、杉谷悪之坊の忍者屋敷を訪れ、
協力を要請する。

悪之坊配下「貴様何者だ?」
タイタン「待て、早まるな。俺は杉谷悪之坊殿に
 所用があって来たのだ」
悪之坊配下「なに、お頭に? 参られい」

タイタンは悪之坊のところまで案内される。

悪之坊「客人、よう見えられた。楽になされい」
タイタン「さすがは甲州忍者にその人ありといわれた
 杉谷悪之坊殿。実はな…」

タイタンは悪之坊に話を持ちかける。


***月影の里・錦織仁兵衛の家***

錦織佳代は17歳。月影一族のくノ一として修行中の身である少女だ。
若い時は凄腕の忍びとして名を馳せながら、今は山に生えている
各種薬草に通じた薬師として余生を送っている祖父・仁兵衛と
二人きりで穏やかに暮らしている。

佳代「おじいちゃん、薬草採って来たよ」
仁兵衛「おお、ご苦労だったな」

佳代が帰って来た時、仁兵衛は薬草を調合している
作業の最中だった。

佳代「それ、リシュウ先生の?」
仁兵衛「あれから半年、そろそろこの前ゼンガーに託した
 腰痛の薬も切れて来る頃合いだからな」
佳代「もしかすると今日あたり来るかもしれないね♪」
仁兵衛「ふふふっ…ゼンガーが来るのがそんなに楽しみか?」
佳代「そりゃあもちろんさ。あたいの剣のお師匠様だもん。
 厳しかったなあ、あの人の稽古。でもそのおかげで、
 もうおじいちゃんと技比べをしても負けないよ!」
仁兵衛「こいつが…!(^^)ニコ」

仁兵衛一家とゼンガー・ゾンボルトとは、
以前から家族ぐるみのつきあいである。
リシュウ・トウゴウが愛用している腰痛の薬も
仁兵衛が調合しており、それを半年おきに
ゼンガーが代わりに受け取りにやってくるのが
習慣になっていた。

仁兵衛「なあ佳代、忍びの修行もいいが、
 闇の中で命がけで殺し合いをするより、
 忍びの業なんぞ忘れて、並みの男のところへ
 嫁に行った方がいいんじゃないか?
 それが女の幸せというものだ」
佳代「お生憎さま! あたいはまだ嫁になんか
 いかないよ!」

251ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2015/01/26(月) 12:46:30
だが佳代の留守中に、杉谷悪之坊の一味によって
家の中に踏み込まれた仁兵衛は殺されてしまう。
帰って来て祖父の変わり果てた姿を見た佳代は愕然とする。

佳代「おじいちゃん!!…おじいちゃん!! そんな…!
 いったい誰がこんなことを!?」
悪之坊「お前の祖父を殺したのはゼンガー・ゾンボルトよ」
佳代「ゼンガーさんが!? そんな…嘘だ!」
悪之坊「嘘ではない。ゼンガーはDC戦争でコロニー統合軍側に加担した件を
 赦免してもらう代わりに、今や連邦の犬に成り下がったのだ」
佳代「………」
悪之坊「世間ではブレイバーズの事を"正義の味方"だの
 "世直し大明神"だなどと持ち上げておるが、その実態は、
 地球連邦の支配体制を揺るがしそうな芽を事前に摘んでまわる
 秘密警察組織にすぎん」

そして何も知らずに仁兵衛の家を訪れたゼンガーは、
いきなり佳代に襲われる。

ゼンガー「何をする!?」
佳代「おじいちゃんの仇! 死ね!!」
ゼンガー「俺が仁兵衛の敵だと!?
 いったいなんのことだ!!」
佳代「とぼけるなぁー!!」

ひとまずゼンガーは、辛くもその場を脱出する。
一方光平は、ブリットと共に月影の里に近づいていたが、
山中で何者かに襲われている女性を発見。
襲っている一味を追い払って、女性を救出するが…。

光平「もう大丈夫だ。安心して」
佳代「フフフッ…」
光平「な、何をするんだ!?」

実はこの女性は佳代の変装であり、
襲われているように見えたのは全て悪之坊一味の自作自演。
あっという間に光平は口に猿轡を噛まされ、林の中へと引きずり込まれ、
ブリットから引き離されてしまう。光平の声を声帯模写した佳代に
巧みに誘導されたブリットは罠にはまり、崖下へと転落する。

佳代(光平の声)「ブリットォッ! こっちだぁ!
 早く助けにきてくれぇぇ!!」
光平「……んんっ!!(違うッ! 俺はそっちじゃない!! )」

ブリット「うわああああッッ!!!」

252ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2015/01/26(月) 12:47:09
口に猿轡をされ両手両足を縛られた光平は、
悪之坊の忍者屋敷に運び込まれてしまった。

悪之坊「よういたした。下がってよい」
佳代「悪之坊、コイツを捕まえれば
 仇を討たせてくれるっていう約束だよ!」
悪之坊「案ずるな。この小僧を助け出すために
 ゼンガーたちは必ずこの屋敷に乗り込んでくる
 であろう。その時に仇は討たせてやる」
佳代「………」

佳代は部屋から出て行った。
縛られている光平は縄を解こうと懸命にもがく。

悪之坊「無駄だ。そのロープの中には特殊な針金が
 編み込まれてある。もがけばもがくほど引き締まって
 苦しくなるだけだぞ」
光平「……んんっ!!」

佳代と入れ違いで、謎の紳士タイタンが
ブラックサタン戦闘員たちを引き連れて入って来た。

悪之坊「タイタン殿、この小僧に間違いないか?」
タイタン「確かに」

タイタンは床に寝転がされている光平を抱き起こして
その顔をニヤニヤと見つめる。

タイタン「フフフッ…シグフェル、とうとう我ら
 Gショッカーの手に落ちたな」
光平「………ッ!!」

光平はタイタンを気丈に精一杯睨み返す。

タイタン「ハハハ…悔しいか? だがこれまでだ。
 いずれ基地でお前の身体を解剖してじっくりと調べ上げ、
 それが済めばGショッカーの強力な兵士として洗脳してくれる。
 覚悟を決めるんだな。…では、この小僧は我々が。
 運び出せ!!」
戦闘員「ミューッ‼」

タイタンに命令された戦闘員たちが、捕らわれた光平を
担いで運び出そうとするが、それを止めたのは悪之坊だった。

悪之坊「待て! そうはいかん」
タイタン「な、なにっ!?」
悪之坊「我ら忍びはタダでは技は売らん。
 その小僧が欲しくば代価を払ってもらおうか?」
タイタン「それならば、シグフェル捕獲成功の暁には、
 貴殿を世紀王候補に取り立てるとの約束のはず!」
悪之坊「だがそれはまだ口約束にすぎん」
タイタン「悪之坊殿、貴殿は表裏六柱の至高邪神様の
 お言葉が信じられんというのか!!」
悪之坊「我ら忍びは己以外は何者も信じぬ習わしでな」
タイタン「ではどうすればよいのだ!?」
悪之坊「この小僧はわしが直接無幻城まで連れて行き、
 至高邪神様より直にお言葉を賜る。それまでは
 この小僧をおぬしに渡す訳にはいかん」
タイタン「うぐぐッ、おのれ……!!」

253ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2015/01/26(月) 12:47:44
屋敷の牢に監禁された光平に、佳代が食事を運んでくる。
佳代は光平の猿轡を外す。

佳代「飯だよ。食べな…」
光平「ありがとう…」
佳代「ゼンガーをおびき出すまでの辛抱だ。
 無事に奴を仕留めたらお前は帰してやるよ」
光平「なんでゼンガー少佐を?」
佳代「アイツはおじいちゃんの仇だからさ!」

光平は佳代から事情を聞き出す。

光平「きっと何かの間違いだ!
 ゼンガー少佐はそんな人じゃない!」
佳代「うるさいね! 余計な口出しをするんじゃないよ!」

怒った佳代は再び光平の口に猿轡を嵌めて
牢屋から出て行ってしまう。

佳代「どうしてだろう。アイツの顔を見てると、
 なぜか胸がドキドキする…!」

一人になった佳代は家に戻る。そこで屋根裏に隠れていた
ゼンガーとレーツェルに捕まり、屋根裏に連れ込まれる。

佳代「おのれゼンガー!!」
ゼンガー「落ちつけ! 仁兵衛を殺ったのは俺ではない!!」
佳代「嘘をつけ!!」
レーツェル「嘘ではない!! ゼンガーはお前の祖父を
 殺してなどいない!!」
佳代「うるさい! 地球連邦のスパイの言う事なんか
 信じるもんか!」
レーツェル「それも違うな。我々は連邦のスパイなどではない!
 いったい誰にそんな事を吹き込まれた!?」
ゼンガー「さっきお前を手助けしていたのは甲州忍者だったな。
 杉谷悪之坊にそう言われたのか?」
佳代「………」
ゼンガー「やはりな…。佳代、これだけは信じてくれ!
 長年親戚以上の付き合いをしていた仁兵衛をどうして俺が!」

ゼンガーは懸命に説得を試みるが、佳代は頑なに
なかなか応じようとしない。

ゼンガー「佳代、お前がどうしても俺を仇だと
 思うなら仕方がない。そのくないで俺の心臓を突け!」
佳代「………」
ゼンガー「どうした、やらないのか?」
佳代「アタシは人の情けは受けない!
 やるなら忍びらしく正々堂々尋常な勝負をするよ!」
ゼンガー「そうか……」
佳代「せっかくだから教えてやるよ。アンタたちの仲間の
 光平って坊やは今、悪之坊の屋敷にいるよ」
レーツェル「なにっ!?」
佳代「アンタたちはアイツを助けるために悪之坊の屋敷に
 乗り込むんだろう。勝負はその時まで預けておくよ!」

それだけ言うと、佳代は家から飛び出して行った。

レーツェル「あの少年が悪之坊の手に…。
 ゼンガー、これはマズイなことになったな」
ゼンガー「ああ。ブリットの奴がついていながら、
 アイツいったいどうしたというんだ!!」

254ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2015/01/26(月) 12:48:21
ゼンガーとレーツェルはブレイバーベースに連絡を取り応援を要請する。
杉谷悪之坊が関わっているということで、磁雷矢と姫忍・恵美破、山地学の
山地三兄弟が援軍に駆けつける。崖下に転落していたブリットも、独自に
ブラックサタンの動きを追っていた仮面ライダーストロンガーに助け出されていた。
捕らわれた光平救出のため、ゼンガーたちは悪之坊の屋敷近くに集結した。

レーツェル「見たところ何の備えもないようだが?」
磁雷矢「それが奴らの手です。下手に乗り込んだら
 どんな罠が待ち構えているかわかりません」
恵美破「ここはしばらく様子を見ましょう」
ブリット「しかしこうしている間にも、
 光平の身に万一の事があったら…」
磁雷矢「いや、焦りは禁物だ。
 忍びとは耐え忍ぶこと。根競べに負けたら
 命はなくなるぞ!」
ゼンガー「ブリット、"餅は餅屋"と言うぞ。
 ここは磁雷矢たちの意見に従おう」
ブリット「はい!」

やがてゼンガーたちは隙を見て悪之坊の屋敷内に突入する。
そのどさくさに紛れてタイタンたちは密かに光平を連れ出して
ずらかろうと画策するが…。

佳代「待ちな! そいつは事が済んだら解放してやる
 約束だった筈だよ!」
タイタン「解放だと? バカを言え。この小僧は大事な獲物。
 このままGショッカーの基地まで連れて行くのだ!」
佳代「なんだって!?」
タイタン「そこをどけ! さもないと貴様も仁兵衛と
 同様地獄に送ってやるぞ!!」
佳代「それじゃあおじいちゃんを殺したのは…!?」
タイタン「ハハハッ…今頃気づきおったか!
 犯人は悪之坊よ。お前を使ってゼンガー・ゾンボルトを
 殺させるためにな!」
佳代「おのれ〜!!」

佳代はタイタンに立ち向かうが、百目タイタンに変身した
タイタンに生身の少女が敵うはずもない。しかし窮地に陥った
佳代を救ったのは仮面ライダーストロンガーだった。

ストロンガー「腹黒い貴様の事だ。折を見てこんなことを
 するんじゃないかと見張っていたら案の定だったな!」
百目タイタン「おのれストロンガー!!」
ストロンガー「光平、大丈夫か!?」
光平「ストロンガー!」

ストロンガーは光平を縄の戒めから解放する。

百目タイタン「喰らえッ!!」
佳代「――ッ!?」
光平「危ないッ!!」

百目タイタンが放った銃弾から佳代を庇った光平は、
左肩に被弾して流血する。

光平「うわあッ!!」
佳代「アンタ……アタシのために!?」
光平「…大した怪我じゃない」

255ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2015/01/26(月) 12:49:06
追い詰められる杉谷悪之坊。

ゼンガー「逃げられはせんぞ!」
磁雷矢「悪之坊、もはやこれまでだ!
 潔く佳代さんに討たれてやれ!」
悪之坊「おのれ〜〜!!」

ゼンガーと幾度か斬り結んだ後、
磁雷矢によって組み伏せられる悪之坊。

磁雷矢「今だ佳代さん!」
ゼンガー「仁兵衛の仇を討て!」
佳代「…はい! 杉谷悪之坊、おじいちゃんの仇! 覚悟ォッ!!」
悪之坊「うぎゃああああ!!! む、無念…!!」

こうしてブレイバーズの協力で、佳代は見事祖父の仇を討ち果たし、
杉谷悪之坊の一味は全滅したのだった。

恵美破「闘破、よかったの?
 悪之坊は闘破の実の両親の仇でも
 あったんでしょ」
磁雷矢「ああ、別に構わないさ。
 俺はすでに一度、悪之坊をこの手で
 倒しているからな」


***月影一族頭領の館***

頭領「佳代よ、よく考えても見よ。ゼンガー・ゾンボルトほどの者が、
 そう易々と自分が犯人であるという証拠を迂闊に残していくであろうか?
 この程度の子供だましの姦計に嵌められるとは、その方も忍びとしては
 まだまだ未熟じゃ!」
佳代「はい……」

事件が解決した後、佳代は一族の頭からお説教を受けていた。

佳代「ゼンガーさん、光平さん、この度は本当にごめんなさい…。
 騙されていたとはいえ悪の一味に加担したんだ。アタシを警察に
 突き出すなり、煮るなり焼くなり好きにしておくれ」
ゼンガー「そのような事をしても仁兵衛は喜ぶまい…」
佳代「でも、それじゃアタシの忍びとしてのけじめがつかないよ」
光平「いいじゃないか、そんなこと。悪いのは全部杉谷悪之坊と
 Gショッカーなんだ」
佳代「アンタにはあんなにひどいことをしたのに、
 アタシが憎くないのかい?」
光平「"罪を憎んで人を憎まず"。これは俺の父さんが
 昔よく俺に言っていたことなんだ。それから
 俺の事を呼ぶ時は、さんづけなんかせずに"光平"でいいよ」
佳代「………(///)」

この瞬間、錦織佳代は牧村光平に完全にデレたのであった。

佳代「…じゃ、じゃあさ、あたいのことも佳代って呼んでよ」
光平「…?? それじゃあ、佳代…ちゃん」
佳代「ムッ…!!(怒」

256ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2015/01/26(月) 12:49:50
これで全て一件落着かと思われていたのだが、
数日経ったある日…。

***海防大学付属高校***

朱音「今日は転校生を紹介します」
佳代「三重県の高校から転校して来ました錦織佳代です!
 どうか皆さんよろしくお願いします♪」
光平「――佳代ちゃん!?」

いきなり転校生として自分たちのクラスに現れた佳代に、
光平はびっくり仰天する。

佳代「えへへっ…来ちゃった。よろしくね光平♪」
光平「えっ? あ、ああ…」
優香「ねえ光平くん、誰なのあの娘?」
慎哉「随分と光平に馴れ馴れしいよな…」
光平「な、なんて説明したらいいのか…(汗」

昼の休憩時間、一緒にお弁当を食べようと光平のいる
校舎の屋上へとやって来た沢渡優香は、同じくお弁当を
持って来た佳代と鉢合わせる。

優香「ちょっと待ってよ! アナタいったい光平くんの何なの!」
佳代「そーゆーアンタこそ光平の何なのさ!」
光平「ちょっと二人とも、喧嘩しないで…(汗」
優香「ねえ光平くん、食べるのは私の手作りのお弁当よね?」
佳代「いいや、もちろんアタシの手作りのお弁当だよな?」
光平「いや…その…(汗」
優香「どっちなの!!」
佳代「ハッキリして!!」

こうして光平は思いがけぬ修羅場に巻き込まれ、ほとほと困り果てるのであった。
…が、その一方で転入生・錦織佳代と、クラス担任・千坂朱音は
お互いが忍びの世界の人間であると見抜いていた。
怪しいと思った佳代は、放課後に学校から退勤して帰宅の途に就く
朱音を密かに尾行するが、途中で見失ってしまう。

佳代「アイツ…どこ行った!?」

街路樹の上から佳代のうろたえている様子を
じっと観察している朱音。

朱音「……(フフッ、その歳で私を尾行しようだなんて
 10年は早いわよ。お嬢さん)」

257ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2015/01/26(月) 12:50:31
佳代の尾行を撒いた朱音は、状況報告のため、
公園のベンチで上司である天童忍軍の組頭と落ち合う。
ちなみに組頭は、どこにでもいる隠居風の老人を装っている。

組頭「それで、その後のブレイバーズの動きは?」
朱音「特に変わった事はございません。ただ…」
組頭「ただ、何だ?」
朱音「今日、学校の方に月影一族のくノ一の娘が
 転校してまいりました」
組頭「なに、月影のくノ一が?」
朱音「どうもブレイバーズの動きとは特に関わりは
 ないと見受けられますが…」
組頭「月影一族はスーパー戦隊の一つであるバトルフィーバー隊とも
 関わりが深い。その娘からも片時たりとも目を離すな」
朱音「心得ました」

組頭はベンチから立ち上がる。

組頭「朱音、つけられたな…」
朱音「お頭…?」

去り際にそれだけ言い残して、組頭はその場から立ち去る。
驚いた朱音が振り返ると、なんとそこには
尾行を撒いたはずだった佳代がいたのだった。

佳代「………」
朱音「……(こいつ、いつの間に!?)」
佳代「随分と探しまわったよ。
 舐めないでもらえるかい!」
朱音「こんなところで何をしているの錦織さん。
 もう空も暗くなってきたから早く家に帰りなさい」
佳代「天童の忍びがブレイバーズを見張っているって
 噂を聞いた事があるけど、それって先生のこと?」
朱音「…天童?? いったいなんのことかしら」
佳代「とぼけるんならそれでもいいよ。
 でも、もし光平たちに手出しをしたら、
 その時はアタシが容赦しないからね!」
朱音「言っている意味がよくわからないけど、
 まあ、気をつけておくわ。フフッ…」
佳代「………」

こうしてまた牧村光平の周辺は、水面下も含めて
一段と騒がしくなりそうな気配である…。

258ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2015/01/26(月) 15:21:27
その後、錦織佳代は江田島平八邸に呼び出された。
江田島のところに月影一族の頭領から紹介状の手紙が届いたのだという。

江田島「月影の長老からの手紙によるとな、そちらにはねっかえりの
 じゃじゃ馬が行ったと思うので、どうかご面倒をおかけするが
 よろしくお願いしたい――とある」
佳代「……お頭ったら、余計なことをっ!」
富樫「実は塾長も天童との対抗上、忍び働きをする人手を欲して
 おられてな。どうだ、塾長のもとで隠密として働くつもりはないか?」
江田島「海防大付属と言えば天下に聞こえし名門校よ。
 その歳で学費を稼ぐのは大変であろう。報酬なら弾むぞ」
佳代「…Σ(゚д゚;) ハッ!? もしかして、このアタシの若くて美しい肉体が
 目当てで、力尽くで手篭めにしようと!?」
富樫「ハァ…??」

今の佳代の言葉を聞いて、江田島も富樫も大笑いする。

江田島「ガハハハハ!!」
佳代「何がおかしいのさ!?」
富樫「生憎だったなお嬢ちゃん。塾長の夜のお相手なら
 あと50年くらい経ったら改めて来てくれ」
佳代「……(50年!? そんなに年月が経ったらアタシは
 もうお婆さんになってるじゃないか! 日本の首領(ドン)だか
 何だか知らないけど、どーゆー趣味してんだこのジジイ??)」
江田島「…で、話を受け入れる気になったか?
 貴様にとっても決して悪い話ではあるまいと思うが」
佳代「いいよ。確かに都会生活の中でお金は必要だしね。
 その話乗った!」
江田島「よし、決まった!」

こうして錦織佳代は江田島平八と雇用関係を結び、
江田島のことを「江田島の御前」と呼んで、忍びとして仕える事に。

259ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2015/01/26(月) 18:31:30
≪大博士リー・ケフレン、超サイヤ人と対決!≫

闘争の系統の物語も、かなり終盤に差し掛かった段階。
改造実験帝国メスの大博士リー・ケフレンは、己の威信をかけて、
ついに復活した伝説の超サイヤ人・孫悟空と対決することになる。

ケフレン「みんな…みんな改造してやる!
 生命改造こそが私の喜び。特に全宇宙で
 最強の戦闘能力を誇る超サイヤ人・孫悟空!
 貴様をこの手で改造することこそが、
 この私の最上の喜びなのだ!!」
悟空「なにっ!?」

ケフレンの奏でる遺伝子シンセサイザーの音色が
悟空を苦しめる。

悟空「うわあああっ!!!!!!」
ケフレン「フハハハハ!! 苦しめ…もっと苦しめ!!」

パン「おじいちゃん! そんな楽器の音色になんか負けないで!!」

宇宙最強クラスの戦闘力の持ち主と、宇宙最高クラスの頭脳の持ち主。
果たして、この勝負の行方は!?

260ユガミ博士 ◆UMgG0HhEo2:2015/01/27(火) 11:28:14
<<ラピュタ王の帰還>>

***月・冬の宮殿***

高度な産業文明が崩壊したこの時代。月には地球から移住してきた者達を
先祖に持つムーンレイスが住んでいた。ムーンレイスは月の女王ディアナ・ソレル
によって統治されているが、現在はディアナと入れ替わった地球人の女性
キエル・ハイムが治めていた。だが、ムーンレイスの首都ゲンガナムは
シャドウミラーの助力で復活を遂げたギンガナム艦隊とある男によって占有されていた。

キエル「・・・・・ハリー大尉」
???「ご機嫌は如何かな?ディアナ女王・・・いや、キエル嬢」
キエル「ムスカ大佐・・・」

冬の宮殿の一室に軟禁されているキエルは、ギンガナムによって
捕えられた親衛隊長であるハリー・オード大尉の事を内心心配していた。
そこにやってきたのは、ギンガナムと共に首都を現在、占有している軍人
ムスカ大佐だった。

かつて空中に強大な軍事力を保有していたラピュタ王国の王族の末裔である
ムスカは目を失明し、崩れゆくラピュタ島と運命を共にしたが、気が付くと
元の状態に戻っており、シャドウミラーとの接触によって、再びラピュタ王国の
復興と世界支配の野望を果たすべく、シャドウミラーの助力を得たのであった。
そして月を占有した理由は、ムーンレイスの持つ高度な科学力を手に入れる事と
冬の宮殿にある黒歴史のデータから、ある情報を得る為だった。

キエル「ムスカ大佐、あなたは何を望むのですか?」
ムスカ「ラピュタ島無き今、地上にかつてのラピュタ王国の栄華を取り戻す事。
 今はそれが私の望みだ。・・・この宮殿は実にすばらしい。美しく・・・そして
 黒歴史という過去の遺産を知る事が出来るのですからな」

不敵な笑みを浮かべながら、キエルに自身の望みを語るムスカ。
そこに大きな警報が宮殿に鳴り響く。

ムスカ「何事だ!?」
ムスカの部下A「はっ!月面に巨大な生物が出現したとの情報が・・・
 この報せにギム・ギンガナム殿が出撃いたしました」

◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

月面には時空クレバスを通って、巨大怪獣が出現し暴れ回っていた。

ギンガナム「怪獣など、このターンXの敵ではないわぁぁぁぁ!!!」

ターンXに乗り、駆けつけたギム・ギンガナムは怒涛の攻撃と必殺の
シャイニングフィンガーによって、怪獣を倒した。

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

ムスカの部下A「出現した怪獣はギム・ギンガナム殿が倒しました」
ムスカ「流石はギンガナム殿とターンXだ。実に頼もしい」
ムスカの部下B「ムスカ大佐、黒歴史のデータから、目的の情報を入手しました!」
ムスカ「よくやった!―ふふふ、見つけたぞ・・・“巨神兵”」

黒歴史のデータの中でも、特に厳重にプロテクトが掛けられているデータがあった。
だがムスカはシャドウミラーやムーンレイスの人間を使って、データのプロテクトの
解除と解析を行い、目的の情報・巨神兵が眠っているとされる場所を見つけ出すのであった。

261ユガミ博士 ◆UMgG0HhEo2:2015/02/03(火) 11:49:04
<<開幕 あの世一武闘会>>

界王星で修行するユウキやタツミ。そしてタツミの仲間である元ナイトレイドの
メンバー達。ある日、界王からあの世で一番の強さを決める「あの世一武闘会」
の開催を知らされ、出場する事を決めた。

「あの世一武闘会」の会場でユウキ達は様々な出会いをしていく・・・・。

シェーレ「・・・此処は何処なんでしょう?」
音也「・・・御嬢さん。お一人でしたら俺のヴァイオリンを聞いていきませんか?」
シェーレ「はぁ・・・・」
ニコル「ちょっと、女性に何をしているんですか、音也さん(汗」

ナイトレイドの一員だが、普段はぼんやりとしている眼鏡の女性シェーレは
天才的なヴァイオリンの腕を持つ紅音也にナンパされ、ピアノ好きなMSの
パイロット、ニコル・アマルフィと出会う。

プラート「あんた、良い体をしているなぁ。名前は?」
ジョナサン「僕はジョナサン・ジョースター。皆からはJOJOって呼ばれている」

タツミの兄貴分であるプラートは吸血鬼DIOと死闘を演じた19世紀の英国人
ジョナサン・ジョースターと試合し、友情を築く。

ネジ「八卦六十四掌!!」
タツミ「(すげぇ!剣で攻撃しているのに、掌で全部受け流している!)」

タツミは第4次忍界大戦で戦死した木の葉の里の忍、日向ネジと対戦。
ネジの八卦六十四掌がタツミの剣技を受け流していく。

果たして、あの世一武闘会の優勝は誰の手に!

262ユガミ博士 ◆UMgG0HhEo2:2015/02/04(水) 15:18:40
※思いついたので、ネタとして投稿。

<<天凰輝シグフェル×銀河英雄伝説>>

海防大付属高校に通う光平は親友の慎哉、ガールフレンドの優香と
共に授業で使った資料を返しに歴史資料室にやってくる。

光平「リー先生、資料を返しに来ました!」
リー「ああ、ありがとう。そこに置いておいてくれ」
優香「・・・・相変わらず、部屋を散らかしてますね(呆」
リー「はは、申し訳ない・・・・」

歴史資料室で光平達を迎えたのは、海防大付属高校で歴史の授業を
担当しているリー・ウェンという中国系の教師である。あまりパッとしない
顔立ちで地味な風体をしているが、授業は分かりやすく生徒から慕われている。
また良く部屋を散らかしている事でも有名であり、光平達は部屋の片づけを
哲だった後、紅茶をご馳走になった。

光平「う〜〜〜、疲れたぁ〜」
優香「すっかり、遅くなっちゃったわね」
慎哉「・・・・・・」
光平「どうしたんだよ?歴史資料室の方なんか見て」

出てきた歴史資料室の方を見つめる慎哉に、光平は疑問に思い尋ねた。

慎哉「いや・・・リー先生って、ヤン・ウェンリー元帥に似ているなぁと思ってっさ」
光平「ヤン・ウェンリー元帥?」
優香「その人って、昔、銀河帝国と戦争していた自由惑星同盟の凄腕の元帥よね?」

ヤン・ウェンリー元帥―かつて銀河帝国と長きにわたって争い続けた自由惑星同盟の
軍人で、その戦術・戦略から「魔術師ヤン(ミラクル・ヤン)」の異名で知られるが、銀河
帝国ローエングラム王朝初代皇帝ラインハルト・フォン・ローエングラムとの和平を
結ぼうとした矢先に、それを快く思わない連中(地球教)の手によって、若くしてこの世を
去った偉人である。

慎哉「・・・かの元帥も、元々は歴史研究家になりたがっていたって聞くし、
 もしかしたら、黄泉がえりで生き返って高校教師になったんじゃないかと
 思うんだけど・・・・・・」

263ユガミ博士 ◆UMgG0HhEo2:2015/02/04(水) 15:20:55
慎哉はそんなヤン・ウェンリーとリー・ウェンが似ていると言うのだが・・・・。

光平&優香「「まっさかぁ〜〜」」
光平「何で、宇宙で大活躍した偉大な軍人が、地球の日本の高校教師を
 しているんだよ?」
優香「私も、映画で銀河帝国と自由惑星同盟の戦争を見た事があるけど
 イメージが全然違うわ・・・」

銀河帝国と自由惑星同盟の戦いが終了してから17年の歳月が流れた現在。
両国の戦いは伝奇小説や映画にもなったが、かなり美化されており、フィクションの
ヤン・ウェンリーとリー・ウェンが同一人物だとは2人には思えなかった。さらに
付け加えるなら、高度な情報社会になったとはいえ、遠い銀河の出来事を一介の
地球人の高校生が知るわけが無い。

慎哉「・・・そ、そうだよね。そんな偉い人が高校教師になるわけないっか。アハハ」
光平「そうそう」ウンウン
ローゼン「おい、お前等!とっくに下校時間は過ぎてるぞ。油を売ってないで
 すぐに下校しろ!!」
光平「おっと、体育のローゼン先生だ!今すぐ帰ります!」
優香「先生、さようなら!」
慎哉「失礼します!(・・・・そういえば、ローゼン先生もシェーンコップっていう
 ヤン元帥と共に戦った軍人に似ているけど・・・まさかね)」

同一人物かもしれないと推測した慎哉も、光平達に諭され考えを改める。
そこへ学校の体育教師であるローゼン・ワルコップに下校時間の注意を
受けて、3人はすぐに下校するのだが、最後に慎哉はふと、ローゼンが
ヤン・ウェンリーの部下だった軍人ワルター・フォン・シェーンコップに
似ている事に気が付くが、すぐに自分の考えを否定した。

ローゼン「ふぅー・・・・そろそろ出てきたらどうです?ヤン提督」
リー?「おいおい、此処では私は歴史教師のリー・ウェンだよ。シェーンコップ」
ローゼン?「それならば、私は体育教師のローゼン・ワルコップですよ。リー先生」
リー?「うう・・・」ポリポリ

実はこの2人、先程光平達が話していた正真正銘自由惑星同盟の軍人ヤン・ウェンリーと
その部下ワルター・フォン・シェーンコップ本人である。例によって黄泉還りで生き返った
2人だが自分達が死んでから17年は経過しており、今更過去の人間である自分達が
戻っても迷惑になると考え、銀河の辺境である地球に赴き、名を変えて
静かに暮らしていたのであった。

シェーンコップ「あの生徒・・・・朝倉慎哉は実に良い勘をしている。噂では
 ハッカーとしても能力が高く、軍に欲しい逸材ですなあ」
ヤン「我々は、もう軍とは関係ないよ。さて、我々も帰るとしよう。そうだ!
 近くに良い食堂を見つけたんだ。『日々平穏』っていう店なんだけどね。
 頼めばあらゆる料理を作ってくれるんだ」
シェーンコップ「・・・良いでしょう。お供しますよ」

だが、これからの戦い。再び魔術師の戦略が必要となる日が来る事を
彼らは知らない。―――銀河にまた、1ページ

264ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2015/02/05(木) 18:57:30
ここで皆様に一つご提案がございます。
原典において一度死亡しながら、闘争の系統本作において
黄泉がえり現象で生き返っているキャラクターについてですが、
いちいち「黄泉がえった人間」「黄泉がえりで復活した人間」と呼称するのも
なにかと長ったらしいので、該当人物を指す短い専門用語を考えたいと思います。

今後「黄泉がえり現象で復活したキャラクター」については、
「復活」の英訳「Resurrection(リザレクション)」をもじって、
「再生者(リザレクター)」と劇中において呼称させたいと
思うのですが、いかがでしょうか?

>>833-834 凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.
>やはり小説作品が主体だからか、
>台詞だけでなく地の文にも力が入っていて、
>なかなか読みごたえのある作品であった。
皇帝ラインハルトがこの世を去ってから17年経過した現在の
銀河帝国の様子を『モーレツ宇宙海賊』や『革命機ヴァルヴレイヴ』の
設定も織り込んで読み手に説明する必要性もあり、
台詞の間の文章が長々とした文面になりましたが、
それで重厚感を出せていれば幸いです。

>初物づくしで戦闘シーンはなかなか苦慮したのだが、
>何とかお目に適うものとなっていれば幸いだ。
>次はスーパー1とどのように邂逅していくか、
>楽しみにさせていただこう。
新技「フレイムアーム」は、シグフェルが愛剣となるフレアセイバーを
再入手するまでの間、活躍の頻度は多くなりそうです。

>過去にはユグドラシル・コーポレーションとの折衝を担当していたが、
>実は不治の病を患っており、出資の見返りにその特効薬の開発を
>医療系企業のユグドラシルに進めさせていたとか。
>普段は冷静沈着だが、抑えていた病気の症状が出て苦しむ事があり、
>その時だけは余裕を失って取り乱すなどいかがだろうか。
戦極凌馬なら特効薬の秘密を握っていそう。
そうなるとある意味で「赤い服の男」はプロフェッサー凌馬に
弱みを握られている事にもなりますね。

265ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2015/02/05(木) 18:58:02
失礼、誤爆しました。

266ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2015/02/05(木) 20:08:38
あくまでネタだけです。本投稿の予定はございません。

≪沈黙のラ・セーヌ≫

PU旗艦エトワール・ド・ラ・セーヌ号がハイジャックされた!
ハイジャック犯一味の正体は、世界各地で暗躍し、
世を混乱の渦に巻き込もうと企むテロリスト集団、
「兇鬼の掟(きょうきのおきて)」だ!

ラクス・クライン、リリーナ・ドーリアン以下大勢の乗員が人質となり、
兇鬼の掟の緻密且つ完璧な計画を前にして、ブレイバーズは手も足も出ない。
しかし、兇鬼の掟には一つだけ予想外の大きな誤算が待ち構えていた。

エトワール・ド・ラ・セーヌ号の乗員の中に、
たまたまこの日だけ専属料理人として乗り込んでいた、
別名「世界最強のコック」と恐れられる"あの男"がいたことに!

元・米海軍特殊部隊「SEAL」の対テロ部隊の指揮官
ケイシー・ライバック(演:スティーブン・セガール)だ!!

たった一人だけ危うく難を逃れたクインホークこと楯ユリカは、
ライバックと合流し二人だけで兇鬼の掟に対する反撃を開始する!
この艦にあのケイシー・ライバックが乗っていた事が分かり、
兇鬼の掟の幹部たちは戦慄する!(笑。
ライバックの圧倒的な戦闘力を前にして次々と
哀れ虫けらの様に潰されていくテロル闘人たち…。
そしてついに、『バトルホーク』のテレビシリーズでは
最後まで正体を見せる事がなかった、兇鬼の掟の首領・黄金大帝が姿を現し、
直々にライバックと一対一で対決することに!

全然ハラハラしないナイフでの格闘。
まず、ライバックが黄金大帝の胸を軽く突き、軽く切る。
その後、アヤシイ“セガール拳の舞”を披露。
そして黄金大帝の手首も軽く切り、お互いちょっともつれたその刹那、
ライバックは黄金大帝のナイフを口でくわえ、黄金大帝の脳天めがけてナイフをズブリ。
残酷!小さいお子様には見せないようにしましょう。
いくら悪党やからって何もそこまでせんでも…(汗。

ライバック「キッチンでは負けた事はないんだ!」

国際テロ組織・兇鬼の掟はここに壊滅したのだった。

[完]

267ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2015/02/08(日) 15:32:59
これはあくまでネタだけです。本投稿の予定はありません(たぶん…)。

≪闘争の系統×ザ・ハングマン≫

「ハングマン」とは、法で裁けぬ悪党を葬る闇の処刑人たちのことである!
しかし決して悪人を殺す事はしない。犯した罪を公に暴いて晒し者にした上で、
社会的に抹殺するのである。

彼らのアジトである西新宿の高層ビルのオフィスの一室に、
以下の5名のメンバーが集められた。

城ヶ崎課長(機甲警察メタルジャック)呼名…ブラック
龍造寺 淳平(エルフを狩るモノたち)呼名…ヌンチャク
篠田 善太郎(超者ライディーン)呼名…バニー
芹沢 英里加(勇者指令ダグオン)呼名…ジャッキー
舞原 一馬(獣戦士ガルキーバ)呼名…オショウ

理事長「これでみんな揃いましたね。法律というものは元来弱い者を守るために
 あるものです。ところが、その法律を逆手にとって、悠然と悪事を働く
 悪党どもがいます」
篠田「悪い奴はみんな殺しちゃいましょ」
理事長「殺しは厳禁します。許せぬ悪党は、その正体を暴露して、
 社会的に死に至らしめるのです」
英里加「社会的に、死って…?」
理事長「その悪事を公開する事は、死刑台に送る事です。
 それが死刑執行人・ハングマンのやり方です」
一馬「うむ、俺好みのやり方だ」
淳平「最初に死刑台に送るのはどんな野郎ですか?」
城ヶ崎「どうしても吊るしたい奴がいる…!」
理事長「よいですか皆さん、高給を払う以上、私の命令は絶対です。
 誰を殺るか、指令は私が出します」

CLAMP学園理事長――ハングマンに指令を出す組織の元締である。
元国家機関の中心人物とも想像されるが、正体不明。呼名…ゴッド。

268ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2015/02/08(日) 17:25:19
≪フィリナとメルカッツの関係≫

地球連邦の資源エネルギー政策にも大きな影響力と発言権を持つ、
アルジェの石油王一族アルシャード家の令嬢フィリナ・クラウディア・アルシャードは
幾つもの会社経営者や博士号などの地位を有しているが、その中でも主に普段使用している肩書きが、
「CEC社」の代表取締役・最高経営責任者(CEO)である。

正式名称「クラウディア エレクトロニクス社 Claudia Electronics Corporation(略称:CEC)」は、
フランス・パリの本社を中心として世界15ヶ国に支社を置き、石油産業のみならず、
太陽光、風力、エネトロンなどの新世代エネルギーや医療分野にも力を注ぐ、
アルシャード一族保有の巨大企業の一つである。

ある日フィリナは、本社の自分のオフィスに副社長のカール・メッツを呼び寄せた。

メッツ「社長、お呼びでしょうか?」
フィリナ「よく来てくださいました副社長。さあ、そこにおかけになって」

メッツ副社長は中背で骨太の体格で、眠そうな両目を除いては
特に外見上にこれといった特徴はない年齢60代の老人だが、
その豊富な知識と経験で、副社長就任からずっとフィリナを補佐してきた人物だ。
会社に来る以前は、ドイツのミュンヘン工科大学で経営学を専攻する教授だった――
――はずなのだが…??

フィリナ「なぜか大学に問い合わせても、貴方の事は誰もご存知ないみたいですね?」
メッツ「………」

実は以前からメッツ副社長の素性に不審を抱いていたフィリナは、
密かにメッツの過去を入念に洗い、彼の持つドイツ国籍すらも
捏造された物であるところまで掴んだのだった。
フィリナに証拠を突きつけられ追及されたメッツは、
逆上して開き直るかと思いきや、あっさり観念したように
口元を軽くほころばせた。

メッツ「これは参りましたな。降参です。
 私の身元は巧妙かつ緻密に偽造していたつもりだったのですがね…」
フィリナ「それではお認めになるんですね?」
メッツ「それで、どうなさいます? 私を解雇しますか?」
フィリナ「その前に事情を聞かせてください。
 どうしてこんな事を?」

どうしてもメッツがよからぬ事を企む悪人だとは思えないフィリナは
釈明するように促すが、彼はそれを拒否する。

メッツ「申し訳ありませんが、詳しい事はお話しできません」
フィリナ「どうしてです?」
メッツ「余計な事を知れば、貴女の身にも危険が及ぶかも
 しれないからです」

これは「これ以上余計な詮索をすると、お前に危害を加えるぞ」と
脅しているのではなく、「貴女を今現在自分の抱えている面倒に
巻き込みたくないのだ」という彼なりの配慮なのだとフィリナは理解した。

フィリナ「誰かの命令か指示を受けて動いているの?」
メッツ「ええ、一応はそんなところですな」

このメッツからの答えを聞いて納得したフィリナは、
今回は不問に付す事にする。副社長を解任されて会社から追い出され、
下手をすると警察に身分詐称で突き出されるのではと
覚悟を決めていたメッツは意外な展開に驚く。

メッツ「よろしいのですか!?」
フィリナ「ええ。これまでのところ我が社の利益に反するような
 行為は認められていませんし、どうかこれからも副社長として
 職務に励んでください」
メッツ「ありがとう、マドモアゼル・フィリナ」

メッツ副社長はフィリナに向けて深々と一礼して退室した。
結局のところ、メッツの本当の正体については本人が口を噤んだままなため
解らないが、きっと何か大きな敵と戦っている複雑な事情が
あるのだろうとフィリナは察するのであった。

実はこのカール・メッツの正体こそ、地球から遠く離れた銀河系の彼方で
当時の自由惑星同盟軍の名将ヤン・ウェンリー提督の片腕であった、
ウィリバルト・ヨアヒム・フォン・メルカッツ上級大将その人であり、
黄泉がえり現象により再生者(リザレクター)として復活した彼ら仲間たちは、
顔の一部を整形し、指紋も消し、生前の過去の名前も捨てて、
再び胎動を開始した地球教を監視する戦いを水面下で開始していたことなど、
当のフィリナは知る由もなかった…。

269ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2015/02/08(日) 21:05:28
≪大鉄人17、ついに復活!≫

FBI特命捜査官・滝和也が極秘情報を持ってアメリカから日本に帰国した。
なんとシグフェルの正体は、日本の重工業企業「東亜工廠」が戦前に開発した
秘密兵器「鳥人兵」(←オリジナル設定)ではないかというのだ!

すでに当時の関係者は全員亡くなっており、終戦直後に資料もほとんど
破棄されたため、現在の東亜工廠本社に手掛かりは残されてはいなかった。
本郷猛と一文字隼人のダブルライダー、滝和也、そしてレッドマフラー剣持隊は、
早速「鳥人兵」が眠るとされる小笠原諸島近海の海底遺跡へと乗り込む。

一方その情報は、Gショッカーの改造実験帝国メスの移動要塞ラボーに君臨する
悪魔の大博士リー・ケフレンとその一派にも届いていた。
ネオ生命体ドラスの改造強化のためにシグフェルを捕獲せんとする
ケフレンが送り込んだ巨大獣戦士にブレイバーズは大苦戦。

そこに、我らが正義の巨大スーパーロボット・大鉄人ワンセブンと、
そのパートナー・南三郎少年が、レッドマフラー隊の危機を救うべくついに登場。
ワンセブンVS巨大獣戦士の激戦が開始される!

270ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2015/02/09(月) 17:42:08
≪まだイラスト未作成状態の新オリキャラ案≫

○ラファエル
(イメージキャラクターボイス:緑川光)
エターナリア伝説の戦士アイレシオの魂に目覚めた舞原このはのパートナーとなる
亀族のアニマノイド戦士。機甲神獣形態はガメラとダイムゲンを足して2で割ったのに近い姿となる。
知的・物静かで温厚な性格。趣味は読書。一人称は「僕」。

○エージェントSSS1
(イメージキャラクターアクター:未定)
「SSS(スリーエス)」のコードネームナンバーを持つ第一号の男にして、
サラジアシークレットサービスの長官。

○皇女ニクラシス・ギル
(イメージキャラクターボイス:未定)
宇宙帝国ザンギャックの皇帝アクドス・ギルの長女にしてワルズ・ギルの妹。
表向きは父や兄に従順な態度を装うが、その本性は恐るべき野心家であり、
漁夫の利を得るために、兄ワルズと従兄弟バッカスの後継者争いを煽って共倒れに導き、
あわよくば父帝をも倒して次期皇帝、さらにはGショッカー次期創世王の座すらも
虎視眈々と狙っている。

271ユガミ博士 ◆UMgG0HhEo2:2015/02/10(火) 11:40:55
※映画『ミュータントニンジャタートルズ』公開記念。

戸隠流の忍者ジライヤの宿敵、妖忍一族の頭領鬼忍毒斎はアメリカの
ニューヨークで暗躍する忍者集団フッド団の首領シュレッダーと手を組み、
日本の東京で暴れ回る。

シュレッダー「噂のジライヤとかいう忍者の実力は、こんな物か!」
ジライヤ「シュレッダー・・・・何て、強さなんだ!」

ジライヤこと山地闘破は半蔵学院の飛鳥達やブレイバーズに協力する
事になった航空都市艦“武蔵”の面々と共にシュレッダー率いるフッド団や
妖忍一族と戦うが、シュレッダーの強さに窮地に立たされてしまう。
しかし、そこに黒い4つの影が現れ、シュレッダーからジライヤを助けた。

飛鳥「か、亀!?」
ジライヤ「君達は・・・?」
レオナルド「俺達はミュータントニンジャタートルズ。シュレッダーを追って
 この日本へ来た!」
点蔵「そちらも忍者なのでござるか?」
シュレッダー「この亀共、どこまでも邪魔しおって!!」

ジライヤを助けたのは、ニューヨークでフッド団と戦うレオナルド、ラファエロ
ミケランジェロ、ドナテロという4匹の亀の忍者達。タートルズの登場に
フッド団と妖忍一族は撤退する。

哲山「お久しぶりです、スプリンター殿」
スプリンター「哲山殿こそ、お変わりなく」

タートルズの師匠であり、育ての父であるスプリンターと山地哲山は
古くからの友人同士だった。シュレッダーと鬼忍毒斎を倒すべく、
ジライヤはタートルズと共闘する事になる。

闘破「さっきは助けてくれてありがとう。俺の名は山地闘破だ」
レオナルド「俺の名はレオナルド。こちらこそ、よろしく頼む」

闘破とレオナルドはお互いの自己紹介をする。

ミケランジェロ「うわぁ、皆かわいいね!僕はミケランジェロ。マイキーって呼んでね!」
喜美「あら、私の可愛さが分かるなんて良い亀ちゃんね」
葛城「テンション高いなぁ、お前」
斑鳩「私は少し、苦手かもしれません」

お調子者でムードメーカーなミケランジェロは喜美や葛城達を見て
声を掛ける。

ラファエロ「うるせぇぞ!マイキー!!」
学「こっちの赤い鉢巻の亀のにーちゃんは随分短気だなぁ」
点蔵「あまり怒り過ぎるのは、体に毒でござる。お茶でも飲んで
 落ち着くでござるよ」
ラファエロ「・・・・なかなか美味ぇな、このお茶」

ミケランジェロの騒がしさに怒鳴るラファエロを見て、点蔵は心を
落ち着かせる為のお茶を差し出す。

ドナテロ「・・・・これが異世界の技術か。じっくり調べてみたいなぁ」
宗茂「私はあなた方と手合せしたいと思います」

この世界とは異なる技術を使う武蔵の武装を調べてみたいと思う
ドナテロに立花・宗茂はタートルズと戦ってみたいと言う。

そんな中、再び暴れ回るフット団と妖忍一族にジライヤ達とタートルズが
挑むのであった。

272凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2015/02/11(水) 00:25:45
≪まだイラスト未作成状態の新オリキャラ案≫

○仁科紗那
 岩手県の山奥にある岩屋村で暮らしていた蝦夷の末裔。
 雪のように色白でたおやかな、どこかミステリアスな雰囲気の漂う少女で、
 村人からは「雪ん子」と渾名され、気味悪がられていじめられている。
 岩屋村周辺に出没する怪獣ウーは紗那の亡き母親の魂が怪獣化したものと言われ、
 紗那が危険に陥った時には必ずウーが現れる。

 ウィスパードであり、岩屋村を支配していた独立幻野党に
 そのブラックテクノロジーを利用され、AS「ダンタリオン」の建造に協力させられる。
 岩屋村の人々は誰もウィスパードの事を知らないので、
 幼い頃から思念波を受信して意味不明な言葉を口走る紗那を狐憑きだと思って怖れてきた。

 実はアフマド・アルハザードこと仁科宗禎の血縁者で、
 宗禎の大姪(弟の孫娘)にあたる。
 仁科家の人間は過去の隠滅を図るアルハザードによって全て殺されており、
 父は出稼ぎ先の東京での交通事故死、母は雪山での遭難死を偽装し
 サラジア・シークレット・サービスの工作員に暗殺された。
 紗那も幼い頃に母親と一緒に雪山に放り出され、共に死ぬはずだったが、
 運良く岩屋村の村人に助けられて生き延び、
 アルハザードの知らないところで今日まで存命してきた。
 しかしその存在をついにアルハザードに知られ、命を狙われる事になる。

 父・牧村光一郎が行方を追っていた仁科宗禎について調べるため、
 岩屋村を訪れていた牧村光平と出会い、ピンチを助けられる。
 だがシグフェルの奮闘も空しく、最後は死んでしまった…かと思われたが、
 無事に生きており、事件後、ロングだった髪を短く切ってイメージチェンジし、
 名も清水紗織と改め海防大学付属高校へ転入、光平のクラスメイトとなる。

273ユガミ博士 ◆UMgG0HhEo2:2015/02/12(木) 11:57:13
<<イラスト未作成状態の新オリキャラ案及び版権キャラ案>>

○岡島信人(イメージキャラクターボイス.岡本信彦)
 海防大付属高校・情報処理科コースの高校1年生。クラブはテニス部に所属しており、
 光平や慎哉の後輩。オカルトや都市伝説に興味があり、オカルトサイトを運営している。
 このサイトによって、直接の面識は無いが、日向冬樹や佐天涙子、清十字怪奇探偵団の
 清継と連絡を取り合っている。最近の興味はシグフェルの活躍。 

○山守正太=マグネシックス
 根倉山で1人で暮らしていた野生児。人間離れした運動神経を持っていたので
 敵味方から「バイオの血を受け継いだ者か?」と思われていたが、バイオロボに
 「資格なし」と意気消沈していた所、ファラに騙されてバイオマンと戦う「マグネ戦士」
 にされてしまう。その後、コントロールから逃れ、共にギアに立ち向かった。
 レジェンド大戦で変身能力を失ったバイオマンの代わりに戦うべく、未来科学研究所の
 協力で再びマグネ戦士に変身するようになる。バイオマンが力を取り戻した後は
 バイオマン6人目の戦士・マグネシックスを名乗るようになる。

○フブキ=吹雪鬼(イメージアクター:未定)
 本名:不破冬海(ふわふゆみ)。かつて猛士関東支部に所属し、引退した吹雪鬼の
 弟子である高校3年生であり、先代のコードネームを襲名。女性みたいな名前と
 容姿をしているが列記とした男性。威吹鬼同様風の属性を持ち、音撃管・烈氷
 (れつひょう)を武器にし、音撃射・大亜紋弩(ダイアモンド)が必殺技である。

●喝采の“マオ”(イメージキャラクターボイス:草尾毅)
 「読心」のギアスを持つ青年。C.C.に対して歪んだ愛情を持っており、ルルーシュと敵対。
 死亡した後、黄泉がえりで再生者となり、ギアスの世界から地球へと転移。
 BF団のエージェントとなり、「喝采」の二つ名で呼ばれるようになる。
 シグフェル=光平の調査をしていた所、声や面影がルルーシュに似ている事から
 気に食わない相手として見ている。

274ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2015/02/15(日) 15:55:08
注意:ほぼオリキャラオンリーのシナリオになります。
閲覧にはご注意ください。尚、「清水紗織」は今後
名前が変更される可能性があります。

≪海防大学付属高校での学園風景≫


***海防大学付属高校・校舎屋上***

優香「光平くん、これ家庭科の時間で私が作った
 ミルフィーユよ。食べてみて!」
佳代「いいや、アタシの作ったこのモンブランの方が
 美味しいよ!」
光平「………(汗」

またいつもの昼休みの時間がやって来た。
沢渡優香と錦織佳代の二人は、今度は家庭科の授業で
それぞれ作ったご自慢のスイーツを持ち寄って、一人静かに
弁当を食べていた牧村光平を挟んで、今日も火花を散らしている。

優香「あ〜ら錦織さん、そのモンブランケーキ、
 クリームの分量が多すぎるんじゃなくて!?」
佳代「そーゆー沢渡さんこそ、パイ生地の切れ目が雑なんじゃないの?
 さっきからポロポロ破片がこぼれてるよ!」
優香「なによっ!!」
佳代「なにさっ!!」
光平「頼むから二人とも仲良くしてくれよ…(汗」

光平がほとほと困り果てていたところへもう一人、
今度は物静かな雰囲気のショートヘアの女子生徒がやって来た。
この少女の名前は清水紗織。佳代から少し遅れた時期に
ここ海防大付属高に転入してきた少女だ。

優香「清水さん…?」
紗織「お願い、沢渡さん、錦織さん、喧嘩しないで…。
 みんなで仲良く食べましょう…」
佳代「うっ…!」
優香「まあ、清水さんがそう言うなら…」

紗織の哀願するような視線に負けた優香と佳代は一時休戦。
同じく自作のロールケーキを持って来た紗織も交えて、
四人で仲良く昼食の時間を過ごすことに…。

佳代「正直、清水さんのあの涙うるうるの瞳で訴えかけられると、
 こっちも戦意喪失しちゃうんだよね…」
優香「同感…」

275ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2015/02/15(日) 15:55:44
こうして優香と佳代の"女の争い"も、紗織が間に立ってくれたおかげで収まり
よかったかと思いきや、一難去ってまた一難。光平にはまた別の難問が立ちはだかっていた(笑。

男子生徒A「どうして牧村ばっかり女の子にモテるんだ!!」
男子生徒B「俺たちも鬼じゃない。沢渡さんとの仲だけは認めてやろう。
 実際お似合いのカップルだからな。悔しいがそれは認める」
男子生徒C「しかぁーし! 沢渡さんと並ぶ学校三大女神、
 錦織佳代さんと清水紗織さんまで一人で独占するなど
 断じて許さん!!」

海防大学付属高校・三大女神――
――同校在籍の男子生徒達が勝手につけている、
沢渡優香、錦織佳代、清水紗織の三人の総称だ。

元々優香は、生徒会副会長として頼りになるまとめ役で、
後輩の女子生徒達から「優しくて頼れるお姉さま」として慕われている。
同時に陸上部のエースでもあり、容姿端麗、学業も優秀。
校内での人気は相当高い。

一方の佳代と紗織は、まだ転入してきたばかりなのだが、
こちらもあっという間に生徒間での知名度&好感度は急上昇。

佳代は、忍びの者として育てられた事もあり、スポーツは万能。
実際体育の授業でも、見ていた体育教師や一般生徒が
度肝を抜くような荒技を披露して見せた。
山里育ちで鍛え上げられた肉体が見事に美と調和している、
スポーティー&ビューティー美少女と受け止められているようだ。

紗織は、よく休憩時間や放課後などで図書館を利用して
本を読んでいる様子が他の生徒たちに度々目撃されており、
その光景が「神秘的でミステリアス」な雰囲気であるとして
男子生徒(特にオタク層)のハートを図らずも射止めてしまったらしい。

男子生徒A「我が新聞部が入手した情報によると、まもなく
 錦織さんと清水さんはクラブ活動をどこにするか選択するはずだ」
男子生徒B「では錦織さんは我々バレー部がいただくとしよう」
男子生徒C「何を言うか! 錦織さんは卓球部に入るという
 神託がすでに下っているのだ! 否やは言わせん!」
男子生徒D「それじゃあ、清水さんは僕たちアニメーション同好会が
 遠慮なく頂きますね。ウヒヒヒヒ…」
男子生徒E「ふざけるな! 清水さんをそんな危ないキモオタの巣窟に
 送り込むなど言語道断! 彼女は我らミステリー研究会が――」
男子生徒A「皆の者静まれぇーっ!! ここで今我々が仲間割れしてどうする!?
 まずは二人のヒロインを牧村の毒牙から守り抜くのが先決であるぞ!!」
男子生徒B〜E「「―承知ッッ!!」」

276ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2015/02/15(日) 15:56:15
教室では、光平が何かに疲れたように
前のめりでぐったりと机によっかかって
脱力したように座っている。

光平「………」
慎哉「どうした?光平」
光平「なんか最近さ、みんなの俺を見る視線に
 "冷たい"というか"悪意"というかさ、何か悪寒みたいな
 怖い物を感じるんだよ…(汗」
慎哉「ああ、なるほどね…」

最近の光平は、すっかり他の男子生徒達大勢の
羨望と嫉妬の的になってしまっているようだ。
現に今でも何人かの男子生徒が嫉妬の炎を剥き出しにして
廊下からじっと教室の光平の方を見張っている。

光平は別に積極的に佳代や紗織を口説こうと、
下心で彼女たちに優しい言葉をかけたのではないというのは
慎哉にもよく解ってはいたのだが、だとしてもそれで二人の女の子が
恋心を抱いてしまい、しかも当の本人は鈍感で、女の子たちの好意に
全く気が付いていないというのだから、それはそれで罪作りだ。
こればかりは「自業自得」だとして、親友の慎哉もこの件に限っては
光平を突き放しているのだった。

優香「そういえば錦織さんと清水さんは、部活どこにするか決めたの?」
紗織「私はまだ決めてない…」
佳代「アタシはパス! 最近勧誘に寄って来る男どもがウザくってさ…」
慎哉「でも錦織ってスポーツ得意そうじゃんか。なんか勿体ないよな」
佳代「アタシは放課後は学費を稼ぐために働かなきゃいけないしね。
 クラブ活動は当面無理…」
優香「錦織さんも大変なんだね…」
佳代「まあね…」

普段は光平を巡り犬猿の仲である優香と佳代の二人なのだが、
優香は素直に苦学生の生活を送っている佳代を気遣う。

光平「紗那さん……じゃなかった、今は清水紗織さんだよね。
 清水さんはどんな部活がいいの?」
紗織「私、運動とか苦手だから…文化系がいい」
光平「じゃあ後で俺が清水さんを文化部の部室棟まで案内するよ」
紗織「うん、ありがとう…」

光平は優香のことは「優香」と名前で呼び捨て、
佳代のことは「佳代ちゃん」と名前に"ちゃん付け"で呼んでいるのに、
自分の名前を呼ぶ時は三人の中で一番よそよそしい「苗字+さん付け」なんだ――
――とちょっぴり残念がる紗織であった。

277ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2015/02/15(日) 15:56:55
佳代「えーっ! 学校で部活をしてもいいの!?」
富樫「何をそんなに驚いている?」

錦織佳代は、昼は海防大学付属高校に通う女子生徒。そして夜は、
日本の首領(ドン)と恐れられる男塾塾長・江田島平八に隠密として仕える、
月影一族出身のくノ一(女忍者)であるという、もう一つの顔を持つ。
佳代が稼いでいるという学費や生活費は、専ら江田島からの
指令任務をこなしての報酬で賄われているのだ。
江田島の秘書・富樫源次は、その江田島からの指令を佳代に伝える、
云わば佳代の夜の稼業において直接の上司に当たる人物だ。

佳代「放課後に呑気にクラブ活動なんかにうつつを抜かしてたら、
 隠密としての任務に支障が出るんじゃないのかい?」
富樫「隠密の任務もそうしょっちゅうあるもんじゃない。
 人生に一度きりの高校生活だ。遠慮せずに楽しめ!」

江田島平八が運営し、現内閣総理大臣・剣桃太郎以下
錚々たる面々を輩出した私塾・男塾について、
「学園ライフをエンジョイする」「青春を謳歌する」などという
言葉とは無縁である超スパルタ教育が行われているという噂は、
当然佳代も耳にはしていた。男塾の校舎敷地は女人禁制であるため、
江田島に仕える佳代自身も中に踏み入った事はないが、
いかに学校が違うとはいえ、そのような教育方針を示している
江田島が自分にクラブ活動を許してくれるとは、佳代には
俄かには信じられなかったのである。

佳代「もしかしてアタシを女の子だと思って甘く見てるの?」
富樫「…ん? せっかくの塾長からのご好意だ。訝しがらずに
 素直に受け取れ。牧村光平をモノにするチャンスだろ!」
佳代「なっ…!!(///)」

佳代は富樫の一言に、顔を真っ赤にして沈黙してしまう。
それを見た富樫は豪快に笑い飛ばす。

富樫「ワハハハハ!!!」

◇   ◇   ◇

数日後、錦織佳代が入部を選択したのは水泳部だった。

雄大「残念だなあ。佳代先輩なら絶対に光平先輩目当てで
 テニス部に来ると思ってたのに!」
慎哉「お前何言ってるんだ?」
雄大「だって、慎哉先輩は佳代先輩のスコート姿を
 見たくなかったんスか!?」
慎哉「お前なあ…(汗」

岡島雄大は、光平たちより一年下のテニス部の後輩である。
学校の授業では、慎哉と同じく情報処理技術科コースを選択しており、
慎哉には劣るものの彼も相当なITスキルを有している。
噂ではネット上で人気オカルトサイトを運営しているという噂も…。
雄大は光平や慎哉から非常に可愛がられており、
また雄大の方も光平や慎哉にとても懐いている。

慎哉「でも錦織がテニス部に来なかったのは、
 俺も正直意外だったなあ…」

278ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2015/02/15(日) 15:57:28
水泳部の練習場として使用されているプール…。
泳ぎ終えた競泳水着姿の佳代がプールから上がると、
フェンス越しにこちらの様子をじっと伺っている
陸上ウェア姿の優香の姿を見つけた。

佳代「何の用?」
優香「ちょっと様子見に来た…」
佳代「ふ〜ん…。そんなところじゃ話もできない。
 中に入ってきなよ」

プール建物の中に入って来た優香は、佳代と本題に入って
話し始める。

優香「意外だった…」
佳代「何が?」
優香「てっきり光平くん目当てにテニス部に入部する
 もんだと思ってたのに…」
佳代「沢渡さんは陸上部なんだろ。アタシは泥棒猫みたいな
 真似だけはしたくないんだ。やるなら正々堂々、
 アンタと五分五分の対等な条件で勝負しないと…」
優香「理由はそれだけ…?」
佳代「本当は女子水泳部の先輩が熱心に誘ってくれたことも
 あるんだけどさ」
優香「ちょっとアナタの事見直した」
佳代「…??」

優香の言葉に佳代はキョトンとした表情をする。

優香「…ねえ、光平くんがシグフェルになった理由は
 知ってるんでしょ?」
佳代「それも聞いてる。沢渡さんを庇って異形の姿に変身できる
 身体に変えられてしまったって事も…」
優香「………」
佳代「それでも光平は沢渡さんに愚痴や恨み言一つだって
 言おうとしない。それどころか今も懸命にアンタを守ろうとしてる。
 正直見てて羨ましいよ…」
優香「錦織さん…」
佳代「だからこそ、アンタには絶対負けたくない!!」
優香「あーっ! 言っときますけど、光平くんは絶対に
 アナタなんかには渡しませんからね!! ベーッだっ!!」
佳代「勝負は最後まで分かんないよ! ベベベのベーッ!!」
優香「フフフッ!!!」
佳代「キャハハ!!!」

互いに舌を出してふざけ合う優香と佳代。
この二人、今すぐに"仲良しこよし"とまではいかないまでも、
徐々に打ち解けて来ているようである。

279ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2015/02/15(日) 15:58:00
文化部棟のすぐ隣に建つ「歴史民俗資料館」。
日本国内のみならず、世界各国の衣食住・農耕・漁業・生産などの
生活に密着した民俗資料を展示し、人類の歩んで来た歴史を
知ることができる。
考古資料、社寺関係資料、古文書なども一緒に多数展示されており、
ここには置かれていない古代の遺物等も、全てコンピューターで
データベース化されていて、いつでも閲覧が可能な施設だ。

紗織「………」

昨日、文化部の各部活の案内で光平にここに連れて来てもらった紗織は、
今日の放課後も一人でこの場所に再び来ていた。
幼い頃に蝦夷の部族の伝承などを聞かされて育った紗織には、
資料館の中の展示物にとても魅かれるものがあったようだ。

雄大「あれっ、清水先輩?」
紗織「あなた確か…一年の岡島君?」

紗織が中を見学していたところへ、たまたまちょうど
眼鏡をかけた男子生徒が、大きな段ボール箱の荷物を抱えてやって来た。

雄大「はい。光平先輩や慎哉先輩の一年後輩の岡島雄大ッす!」
紗織「ここで何をしているの?」
雄大「部活に使う荷物の後片づけです」
紗織「…えっ? あなた確かテニス部だったんじゃ…」
雄大「掛け持ちで民俗研究会にも所属してるんッスよ」

聞けば岡島雄大は、自身のオカルト好きの趣味が講じて、
世界各地の神話・伝説や妖怪・魔物に関する伝承についても
詳しく調べられる民俗研究会にも籍を置いているのだという。

雄大「もっとも部員は僕一人で、顧問の先生もあんな調子だから
 大した発表実績もないんです。学校から部活とも認めてもらえず
 同好会扱いで、しかも長い間休部状態なんスけどね…(汗」

雄大から説明を受けた紗織は、何か意を決したように話を切り出す。

紗織「ねえ…その民族研究会って、今もまだ部員を募集してるの?」
雄大「……え? エ━━ΣΣ(゚Д゚;)━━ッ!!!!!」

<シナリオ終わり>

280ユガミ博士 ◆UMgG0HhEo2:2015/02/15(日) 17:00:05
<<トッキュウジャー最終回記念ネタ・スーパー戦隊シリーズに登場した少年少女を成長させてみた>>

※子供だったが大人に成長してシャドーラインと戦ったトッキュウジャーに因んで、過去のシリーズで
子供だったキャラクターを中学生〜高校生ぐらいまで成長させてみたネタである。なお設定に矛盾が
生じる部分があるが、あくまでネタという事で気にしないでほしい。

○天堂凱=オレンジファルコン、天堂綾=ピンクスパロウ(鳥人戦隊ジェットマン)
鳥人戦隊ジェットマンとして戦った竜と香の子供である兄妹。凱は17歳の高校2年生で兄。
綾は15歳の中学3年生で妹。両親のバードニックウェーブを受け継いでおり、超人的な
身体能力を有している。凱は父である竜や母である香のじいやから剣道を学び、自身も
剣道部に所属。名前の元となったブラックコンドル=結城凱の事を両親から聞いていて
尊敬しているが、納豆嫌いの彼に対して、こちらは納豆が好物。
綾はかつて魂だけの状態となったラディゲ伯爵に憑りつかれていた影響かは不明だが、
ラディゲ伯爵の気配を感じ取る事が出来る。またA.N.E.G.E.Lのファン。
クロスチェンジャーで凱は隼の戦士オレンジファルコン、綾は雀の戦士ピンクスパロウに変身する。

【解説】出展:凱は『鳥人戦隊ジェットマン』の総集編から。綾は漫画『鳥人戦隊ジェットマン時を駆けて』からである。
 漫画版の方は公式の続編ではなく総集編と設定が矛盾しており、凱と綾が兄妹という設定は無いがイイトコ取りで
 兄妹という設定に据えた。

○吼新星コウ=キバレンジャー(五星戦隊ダイレンジャー)
 ダイレンジャー6番目の戦士であり、シリーズ初の小学生戦士。ゴーマ族の幹部シャダム中佐と
 人間の母の間で生まれた子供であり、10歳までに母に会わなければゴーマ族になってしまうという
 宿命を背負っていた。阿古丸とは双子の兄弟。白虎真剣でキバレンジャーに変身。正体を隠す為
 白虎真剣が代わりに喋っていた。あれから数年が経ち、17歳の高校2年生に成長。所属は野球部。
 凱とクラスメイトで友人。時々、亮の「赤龍軒」でバイトをしている。

◯天馬市太郎=ブラックレーサー(激走戦隊カーレンジャー)
 自動車会社ペガサスの社長の息子。17歳の高校2年生。カーレンジャーである
 5人の社員やシグナルマンと仲が良く、カーレンジャーの正体を知る数少ない地球人。
 高校進学時、アルカディア学園高等部に進学しようとしたが受験に失敗。凱やコウの
 いる学校に進学した。イエローレーサー=志乃原菜摘からメカニック技術を教わっているが、基本雑用を
 させられている。その他に「キッチンがいなも」でバイトをしている。
 地球の城南大学に留学しに来たラジエッタ(20代)の魔法でブラックレーサーに変身出来るようになる。

◯青山勇太(星獣戦隊ギンガマン)
 宇宙海賊バルバンと戦った星獣戦隊ギンガマンに協力した小学生。現在は16歳で
 高校1年生。所属は父の影響からか美術部。自分もいつか絵本作家になりたいと
 夢に持つ。コウ達の後輩にあたる。

◯伯亜舞(爆竜戦隊アバレンジャー)
 アバレッド=伯亜凌駕の姪。15歳の中学3年生。アメリカで子役として活躍していたので
 英語が堪能で今も変わらず優しい性格をしている。日本でも女優として活動しており、
 芸能界で活動しているプリキュアと交流がある。なお、ヤツデンワニの打診で「恐竜や」の
 イメージキャラクターも務めた。

◯ミコト=黎明の使徒リジェ(爆竜戦隊アバレンジャー)
 アスカとマホロの娘で邪命因子に影響で黎明の使徒リジェとなっていたが
 デズモゾーリャが消滅した事で赤ん坊に戻った。あれから年月を経て、
 使徒だった頃にまで成長。爆竜とも心を通わせている。

◯天知望(天装戦隊ゴセイジャー)
 ゴセイジャーに協力した少年。現在、14歳の中学2年生。
 所属はサッカー部。伯亜舞のいる中学と同じ中学に通っている。

・・・・・途中で力が尽いてしまった。以上、お見苦しいネタでした。

281凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2015/02/18(水) 21:40:05
≪シグフェルVSバルゴグ≫

謎のヒーロー・シグフェルの正体は牧村光平であった。
Gショッカーが掴んだこの情報は、
直ちにサラジア共和国のアフマド・アルハザード副大統領の下へも打電された。

アルハザード「牧村光平…。
 まさか…いや、名前からして間違いない…。
 うむ…やはりそうだ…!」

ネロス帝国から送られてきたシグフェルの資料を持つアルハザードの手は、
わなわなと震えているのであった。

秘書N「牧村光平、17歳。
 東京の海防大学付属高校に在籍している学生です」
秘書R「彼の両親は幼い頃にサラジアで死亡しており、
 現在は東京都内の朝倉家という民間人の家庭に身を寄せているようです」
アルハザード「その両親が問題なのだ!
 エゴスのホウタイ怪人が調べ上げたというこの資料によれば、
 奴の父親はあの牧村光一郎ではないか」
秘書N「10年ほど前、中近東方面で活動していた日本の外交官ですね」
秘書R「ご存じなのですか? 副大統領」
アルハザード「うむ。奴はちょっとした有名人でな…。
 もう20年近く前の事だが、光一郎は赴任先のアルジェで
 石油王アルシャード一族の娘と恋に落ち、
 そのまま駆け落ちしてしまったそうだ。
 お前達はまだ子供だったので知らんだろうが、
 アルシャードは激怒して日本への石油の輸出を止めるとまで言い出し、
 それはもう大騒ぎになったものよ」
秘書R「そのような事が…」
アルハザード「結局、何とか事は穏便に収まったが、
 日本の外務省を揺るがす一大スキャンダルだったゆえ、
 政府はこの件を一切シークレット扱いにしておる。
 噂によれば、駆け落ちした二人の間には息子が生まれたとの事だが、
 どこでどうしているのか、知る者は今まで誰もいなかった…」
秘書N「その息子こそが、この牧村光平…」

しばらく押し黙っていたアルハザードは、
顔に噴き出す冷や汗をハンカチで拭うと、呟くように言った。

アルハザード「…殺さねばならん」
秘書N「はっ…?」
アルハザード「牧村光一郎の息子は抹殺せねばならん。
 万が一にも奴が父親からあの秘密を聞かされていれば…。
 この私にとって一大事となる」
秘書R「…?」
アルハザード「もたもたしている暇はない。
 一刻も早く牧村光平をこの世から葬り去るのだ!」
秘書N・R「…! かしこまりました!」

282凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2015/02/18(水) 21:42:26
こうしてシグフェルの命を狙うようになったアルハザードだが、
シグフェルはやはり手強く、暗殺のため日本へ送り込んだエージェントSSS8、SSS7は揃って戦死。
そうこうしている間に色々あって、シグフェルはブレイバーズ加盟を果たす。
業を煮やしたアルハザードは、遂に自ら極秘来日し、
日本に乗り込んでシグフェル抹殺作戦の陣頭指揮を執る事になった。


***東京郊外・某霊園***

光平「父さん…、母さん…」

今日は、光平の父・光一郎と母・エメリアの命日である。
二人が眠る郊外の霊園を訪れた光平は、
両親の墓前で手を合わせ、静かに祈りを捧げる。

だが、そんな光平の足元を這い回る一匹のトカゲがいた。
トカゲは光一郎の墓石の上に登ったので、
光平はそれを取り除けようと手を伸ばした。
 
トカゲ「ククク…。両親がいなくて寂しいか牧村光平。
 ならばお前もすぐに二人に会いに行けばよい…!」
光平「…!」

そのトカゲは人語を喋ったかと思うと、
金色の三角頭巾で顔を覆った人間の姿に変貌した!

紅トカゲ「異形忍・紅トカゲ、推参!
 牧村光平…いやシグフェル。貴様の命と剣を頂きに来た!」
光平「何だって!?」

巨大な異世界の刀、骨縛刀【カゲヌイ】を手にした紅トカゲは、
戸惑う光平に問答無用で斬りかかった。

紅トカゲ「どうした? 早くシグフェルになって
 貴様の愛剣フレアセイバーを見せてみろ!」
光平「くっ…! 翔着(シグ・トランス)!」

シグフェルに変身した光平はフレアセイバーを構え、
紅トカゲの骨縛刀と激しく斬り結ぶ。

紅トカゲ「ほう…。やはりいい剣だ。
 そのような名剣こそ、我がコレクションに相応しい」

シグフェルの剣筋を見切った紅トカゲは、
骨縛刀の一撃をシグフェルの右肩に叩き込んだ。

シグフェル「ぐわぁっ!?」

骨縛刀の刀身には麻痺毒が仕込んである。
傷口から毒が体内へと染み込み、シグフェルの動きを鈍らせていく。

シグフェル「くそっ、体が痺れる…!」
紅トカゲ「このような卑怯な戦法、
 武士道に反する邪道なのは心得ているが…。
 許せ。私はどうしても貴様のフレアセイバーが欲しいのだ!」

麻痺毒の効果でどんどん動きの切れを失っていくシグフェルを、
紅トカゲは鋭い斬撃で追い詰めていった。

シグフェル「うわぁーっ!」

とうとう崖まで追い込まれ、必殺の一撃を食らって
崖下へ転落してしまうシグフェル。

283凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2015/02/18(水) 21:45:34
沢渡優香は霊園に来ていた。
今日が光平の両親の命日なのは知っている。
光平は必ずここで墓参りをし、昔を思い出して悲しくなるだろう。
それを慰め、励ましてあげるつもりだった。
しかし行き違いになってしまったのか、
牧村夫妻の墓前に光平の姿はない。

優香「光平くん、もう帰っちゃったのかしら…」

その時、優香は後ろから誰かに肩を叩かれたかと思うと、
振り返った途端に口を塞がれ、取り押さえられてしまった。

バルゴグ「フフフ…。牧村光平の級友の小娘か。
 さあ泣き叫べ。助けてとシグフェルを呼ぶんだ」
優香「そんな事、絶対にしないわ!」
バルゴグ「なかなか気丈なお嬢さんだ。
 だが、素直に言う事を聞いた方が身のためという場合もあるのだよ。
 シグフェルを呼びたくなければ、
 呼びたくなるようにしてやろう」

捕らえて杭に縛り付けた優香を、
魔道師バルゴグは痛めつけようとする。

紅トカゲ「バルゴグ殿…。
 このようなやり方は、いくら何でも非道に過ぎる。
 その女の子を放してやってくれ」
バルゴグ「目的のためなら手段は選ばん。
 貴様は私が雇っているのだ。
 シグフェルの剣が欲しければ、私の言う事に黙って従え!」
紅トカゲ「ううむ…!
 これは手を組む相手を間違えたか…」
バルゴグ「さあ、シグフェルを呼ぶんだ。
 さもないと痛い目を見るぞ!」

シグフェル「俺ならここにいるぜ!」

彼らの背後に颯爽と現れたシグフェルは、
バルゴグと戦闘に突入する。

バルゴグ「イオナズン!」
シグフェル「バジェト・レイ!」

バルゴグの爆発魔法とシグフェルの炎弾が激突する!

紅トカゲ「ううむ…!」

二人の戦いを逡巡しながら見ていた紅トカゲは、
意を決してこの隙に優香の縄を解いた。

バルゴグ「裏切ったな、紅トカゲ!」
紅トカゲ「この私にも忍びの誇りがある!」

紅トカゲはシグフェルに加勢。
フレアセイバーと骨縛刀の同時攻撃がバルゴグを切り裂いた。

バルゴグ「おのれ…!
 牧村の息子よ、命はいずれ必ずもらうぞ!」

形勢不利と見たバルゴグはローブを翻し撤退した。

シグフェル「牧村の息子…。
 あの怪人、ひょっとして俺の父さんの事を知ってるのか…?」

 ◇   ◇   ◇

紅トカゲ「この度は、本当にすまなかった。
 あのような悪魔と手を組むとは、
 絶世の名剣欲しさに、私としたことが我を忘れてしまっていたようだ」
シグフェル「いいって事ですよ。
 また機会があったら一緒に戦いましょう」

和解したシグフェルと紅トカゲはがっちりと握手する。

紅トカゲ「…詫びの印に、一つだけ教えよう。
 君のご両親の死の真相を知りたければ、
 仁科宗禎という男の足跡を追いたまえ。
 そうすれば真実が見えてくるだろう」
光平「仁科宗禎…?」
紅トカゲ「私が言えるのはそれだけだ。
 幸運を祈っているぞ、シグフェル」

紅トカゲは去って行く。
光平の両親の死には何か秘密があるのか?
仁科宗禎とは一体誰か?
シグフェルを巡る新たなシナリオが、今動き出そうとしていた――。

284ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2015/02/19(木) 19:39:41
>>281追加

***サラジア首都・上空***

アルハザード副大統領と秘書たちのやり取りを、
密かに遠隔透視の術で覗き見ていた者たちがいた。

サラジア副大統領官邸の遥か上空に浮遊している二人の人影――
――人々から"イーバ"と呼ばれる堕神の使徒たちを操って暗躍している
東条寺理乃とケビン・オルバである。

理乃「これはまた…意外な展開ね」
ケビン「どうする。我々もアルハザードに手を貸すか?」
理乃「何も慌てる事はないわ。アークシセイザー様から
 私たちにはまだ表に出るなと厳命されているし、
 まずは高みの見物としゃれこもうじゃないの…」
ケビン「首尾よくバルゴグがシグフェルを仕留めれば
 それでよし。砂漠の魔導師のお手並み拝見か。
 それもまた面白い」

やがて二人の姿は、発生した時空クレパスの中へと消えて行った…。

285ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2015/02/19(木) 20:38:46
≪オリキャラ案≫
※今後の出番はそれほど多くはなく、実質「一話限り」に近いので、
あえてイラストは用意しません。

○牧村靖臣(まきむら・やすおみ)
(イメージキャラクターボイス:田中信夫)
牧村光平の父方の祖父。光一郎の父親。
沖縄県美那城村(架空の地名)にてサトウキビ畑を経営している農家。
ちなみに先祖は、江戸時代に琉球王国に移住してきた薩摩藩士だった。
農業の傍ら、小さな琉球古武術の道場を開いており、近所の子供たちに
空手を教えている。幼い頃の光平もここで武道を習った。
光平は「じいちゃん」と呼んでいる。

○牧村トヨ(まきむら・とよ)
(イメージキャラクターボイス:有馬瑞香)
牧村光平の母方の祖母。光一郎の母親。
夫の農作業を傍らから支えながら毎日を生活している。
光平を目に入れても痛くないほどに可愛がっており、
優香や慎哉の事も実の孫と同様に優しく接している。
光平は「ばあちゃん」と呼んでいる。

○ナセル・サイード・アルシャード
(イメージキャラクターボイス:飯塚昭三or菅生隆之)
光平とフィリナの母方の祖父。エメリアの父親。
アルジェリアの石油王アルシャード家の家長にして総帥。
一族の絶対的権力者。この老人の一声によって、
国際石油市場の動向が瞬く間に一変する。
今でも光一郎の事は全く認めていないが、
亡き愛娘エメリアの忘れ形見である孫の光平を
後継者にしようと思い始めており、
やがて光平がシグフェルとなりブレイバーズに加わった事を知って、
光平をブレイバーズから引き離そうと画策し始める。
まだ光平との面識はない。

286ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2015/02/19(木) 20:55:22
≪訂正≫
○牧村トヨ(まきむら・とよ)
(イメージキャラクターボイス:有馬瑞香)
牧村光平の父方の祖母。光一郎の母親。

287ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2015/02/21(土) 15:17:35
≪光平、沖縄の実家に帰る≫

***沖縄県中頭郡美那城村(※1)***

沖縄本島にある美那城村(みなぐすくそん)は、
那覇市の北東約25kmに位置し、太平洋に面している。
一面がサトウキビ畑と青く美しい海に囲まれた小さな村だ。

たまたま土日と祝日が続いた連休を利用して、
牧村光平は沢渡優香と朝倉慎哉を一緒に伴って、
父方の実家のあるこの地に里帰りしていた。

光平「じいちゃん、ばあちゃん、ただいま!」
靖臣「おお光平、よく来たな。待っとったぞ」
トヨ「優香ちゃんと慎哉君も、早く家の中にお入りなさい」
優香「おばあちゃん、ご無沙汰してます」
慎哉「お世話になります」

牧村靖臣は、牧村光平の父方の祖父。すなわち光平の父・光一郎の父親である。
この村で代々サトウキビ畑を営んでいる農家だ。
ちなみに先祖は、江戸時代に琉球王国に移住してきた薩摩藩士だったらしい。
農業の傍ら、小さな琉球古武術の道場を開いており、近所の子供たちに
空手を教えている。幼い頃の光平もここで武道を習った。

その妻トヨは、当然ながら光平の祖母。光一郎の母親だ。
夫の農作業を傍らから支えながら毎日を生活している。
孫の光平を目に入れても痛くないほどに可愛がっており、
また優香や慎哉の事も光平同様実の孫のように思っている。


***同村内・某寺***

光平「父さん…、母さん…」

今日は、光平の父・光一郎と母・エメリアの命日である。
光平がこうして実家に里帰りしたのは、命日での両親の墓参りが目的だった。
二人が眠る寺に、慎哉、優香と3人で一緒に訪れた光平は、
両親の墓前で手を合わせ、静かに祈りを捧げる。

慎哉「早いもんだな…。おじさんとおばさんが亡くなって
 もう7年になるのか」
光平「………」

慎哉も小さい頃に光平の両親との面識はあった。

実はこの墓には、父・光一郎の御骨は納められているのだが、
母・エメリアの物はない。両親の死後、エメリアの亡骸は
すぐに母方の実家であるアルシャード一族が素早く
引き取ってしまったからだ。

優香「光平くんのお母さん、なんだかかわいそう…。
 実家の都合で、亡くなってから愛する旦那様と引き離されて
 しまうだなんて…」
光平「……さて、もう行こうか」
優香「光平くん…」

(※1)「沖縄県中頭郡」までは実在するが、「美那城村」は闘争の系統オリジナルの架空の地域。

288ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2015/02/21(土) 15:18:18
***牧村家隣の道場***

牧村家のすぐ隣の小さな古い道場では、
光平の祖父・靖臣が近所の子供たちに空手を教えていた。

近所の男の子A「あっ、光平兄ちゃんだ!」
近所の男の子B「光平兄ちゃんおかえりなさ〜い!」
光平「みんな、元気にしてたか? おや、この前よりだいぶ背が伸びたな。
 コラコラッ、やめろよクスぐったいったら…!」

光平は、実はこの道場に通う子供たちには慕われていて、
ちょっとした人気者だったりする。

靖臣「どうだ光平、久々に手合わせでもするか?」
光平「うん、頼むよ、じいちゃん」

道着に着替えた光平は、子供たちが見守る中
祖父と手合わせをする。

その後、光平と慎哉は靖臣の農作業を手伝い、
優香はトヨと一緒に夕飯の調理に取り掛かる。

その日の農作業を終えて、シャワーを浴びて着替えた光平と慎哉は、
夕飯が出来上がるまでの間、二人で海沿いを散歩する。
光平が紅トカゲに襲われたのはこの時だった!

紅トカゲ「ククク…。両親がいなくて寂しいか牧村光平。
 ならばお前もすぐに二人に会いに行けばよい…!」
光平「…!」

シグフェルに変身した光平は、慎哉を安全な場所まで下がらせると、
紅トカゲに応戦。麻酔毒のために苦戦し、崖まで追い込まれ、
必殺の一撃を食らって崖下へ転落してしまうシグフェル。

慎哉「――光平ッッ!!」

289ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2015/02/21(土) 15:18:49
シグフェルが海に転落したのを目撃した慎哉は、
大急ぎで牧村家に戻りこの事を伝える。
靖臣、トヨ、慎哉、優香の4人で周辺を捜索するが、
この時に一人でいた優香がバルゴグに拉致されてしまう。

バルゴグ「フフフ…。牧村光平の級友の小娘か。
 さあ泣き叫べ。助けてとシグフェルを呼ぶんだ」
優香「そんな事、絶対にするもんですか!」

なんとか海中から陸地に這い上がった光平は、
びしょ濡れの姿になりながらも慎哉と合流。
今度は優香と連絡が取れなくなり
行方不明になったと告げられる。

紅トカゲ「バルゴグ殿…。
 このようなやり方は、いくら何でも非道に過ぎる。
 その女の子は放してやってくれ」
バルゴグ「目的のためなら手段は選ばん。
 貴様は私が雇っているのだ。
 シグフェルの剣が欲しければ、私の言う事に黙って従え!」
紅トカゲ「ううむ…!
 これは手を組む相手を間違えたか…」
バルゴグ「さあ、シグフェルを呼ぶんだ。
 さもないと痛い目を見るぞ!」

シグフェル「俺ならここにいるぜ!」

間一髪で優香の危機に間に合い、
彼らの背後に颯爽と現れたシグフェルは、
バルゴグと戦闘に突入するのであった。

290ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2015/02/25(水) 21:27:28
≪パルジャ王国の危機≫

かつて暗黒科学帝国デスダークの襲撃で被害を受けたパルジャ王国も、
大戦隊ゴーグルファイブの活躍によって、今は亡き王女アリーナと
日本人男性・和也との間に生まれた、王家の血をひく少女・由美が
母国へと渡り、その後数年経過して若き女王として即位した事で
順調に復興の道を辿っていた。(※1)

しかしある日、江田島平八への密書を携えて密かに来日した
パルジャ国の侍女と従者の二人が謎の刺客集団に襲われる。
侍女は手傷を負ったところを、偶然通りかかった
侍戦隊シンケンジャーに助けられる。

そして侍女とはぐれた従者は命を落とし、彼が懐に忍ばせていた密書は
天童配下の千坂朱音の手に渡った。

***志葉邸***

侍女「おかげで助かりました」
丈瑠「ところで、貴女を襲った賊に何か心当たりは?」
侍女「ございません…」
茉子「では、パルジャ王国に何か揉め事でも?」
侍女「ど、どうしてそれを!?」
茉子「貴女の帯に結び付けられていた守り袋のアクセサリ、
 これはパルジャ王国の特産品よ」
彦馬「それに貴女は一介の海外旅行者の身なりを装ってはおられるが、
 実は歴としたご身分の貴族の娘御とお見受けした。
 よろしければお話しくださいませぬか?」
侍女「お助けいただいたお礼は幾重にも申し上げますが、
 何卒…何もお尋ねにならずにお許しを!」

侍女は丈瑠たちの素性を警戒して、何も喋ろうとしない。だが…

流ノ介「ご安心ください。我らはブレイバーズに連なる
 スーパー戦隊の一つ、侍戦隊シンケンジャーです!」
侍女「えっ!」

ブレイバーズの名前を聞いた侍女は安堵したのか、
事情を話し始めた。

侍女「これはご無礼を申し仕上げました。
 私はパルジャ王家に仕える家老ラムダス(※2)の娘にございます。
 日本の江田島平八先生のお力にすがるべく、
 父の書状を持参したものでございます」
彦馬「江田島翁に書状を?」
侍女「はい、その書状は万が一の事を考え、
 供の者に預けておりましたが…」
丈瑠「シーッ!! 待てッ」

291ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2015/02/25(水) 21:28:14
丈瑠「誰だッ!?」

侵入者の気配を感じ取った丈瑠たちは、座敷前方の庭へと出る。
そこには尼僧姿に扮した千坂朱音が立っていた。

ことは「朱音先生!?」
千明「何しにきやがった!」
朱音「江田島平八先生宛ての書状を持参したわ」
彦馬「なんと、江田島翁宛ての!?」
侍女「その書状は…!」
朱音「千住宿近くの荒川縁で、パルジャ人の男が
 所持していたもの」
丈瑠「その男はどうした?」
朱音「得体の知れぬ忍びともアヤカシとも知れぬ
 一味の手にかかって…」
侍女「死んだのですか…!?」

共に来日した従者が死んだ事を知り、侍女は嘆き悲しむ。
丈瑠は朱音から書状を受け取った。

朱音「では、私はこれで…」
彦馬「待たれい朱音殿! この書面の中に目を通されたな!?」
朱音「これは…礼を言ってくださるのかと思いきや、
 咎め立てとは恐れ入ったわ」
丈瑠「………」
朱音「パルジャ王国女王急病につき、今月に予定されていた
 訪日と首脳会談の延期について、言い訳と取り成しを願う
 文面がくどくどと書かれているわ。天童には関わりのない事…」

千坂朱音はそれだけ言い残して、志葉邸から立ち去って行った。

源太「待ちやがれ!」
丈瑠「よせ源太! 追わなくていい」

侍女の詳しい話によれば、パルジャ国の由美女王は急な病に倒れたらしい。
しかも大臣の推挙により、あの石津麟一郎が軍事顧問として
パルジャ王国政府の要職に潜り込んでいるという。
現在のパルジャ王国は日本政府の仲介の下、国の復興に必要なエネトロン発電所の開発に
地球連邦政府の許可を得るための大事な時期を控えていた。
数年前にN国という国が無断で国内にエネトロン発電所を設置した結果、
西側諸国から軍事転用を疑われ、安保理から経済制裁を受けている。

千明「しかしデジタル全盛のこのご時世に
 わざわざ手書きの手紙かよ…」
丈瑠「おそらく傍受されるのを恐れたんだろう」
茉子「なるほど。手書きの手紙なら、メールや国際電話と違って
 盗聴されたりする心配もないもんね」


***駐日パルジャ王国大使館***

刺客「大使閣下…」
大使「抜かったな?」

パルジャの駐日大使は、本国にいる大臣や石津一味と通じていた。
本国の大臣は、女王急病を契機として石津と手を結び、
国の乗っ取りを画策している様子…。

大使「…となると、ラムダスの書状は江田島平八翁の手に入り、
 次第によっては日本の諜報機関やブレイバーズが動くかもしれん。
 急ぎ本国に戻れ!」
刺客「ハハッ」

292ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2015/02/25(水) 21:28:50
***聖居・御所***

その日、聖居へと出仕した聖天子付き補佐官・天童菊之丞は、
たまたまちょうど聖天子と談笑していた江田島平八と顔を合わせる。

菊之丞「江田島殿…」
聖天子「まあ菊之丞さん、よいところに来ました。
 江田島のじいの話はいつ聴いても面白いものです」
江田島「ちょうど今お話も終わったところよ。
 それでは聖天子様、ワシはこれにて…」
菊之丞「玄関までお見送りいたしましょう」
江田島「うむ、済まぬな」

江田島平八と天童菊之丞――日本の最高実力者二人が並んで聖居の廊下を歩く。
菊之丞は昨夜起こった出来事について、しっかり千坂朱音から報告を受けて承知していた。

菊之丞「江田島殿、早速ながらパルジャ王国女王の
 訪日延期の件につき、この機にご意向を承りたいと存ずる」
江田島「ほう、パルジャ国女王の訪日が延期とな。
 それはまた何故に?」
菊之丞「これは異なことを。すでに江田島殿の
 お耳にお入りになっておられるはず」
江田島「いや、急な病と聞いただけだ。
 他に何か仔細でもあるのか?」
菊之丞「なかなかおとぼけもお上手…。
 江田島殿、パルジャ女王の病の様子次第では、
 しかるべき制裁も考慮いたさねばなりませぬぞ」
江田島「しかるべき制裁を…? まるで鵜の目鷹の目、
 諸外国の弱みを嗅ぎまわっているようだのう」
菊之丞「全ては日本の国益のため」
江田島「そのためには、N国と同様に
 疑惑だけで経済制裁に追い込むのか?」
菊之丞「パルジャ国は女王の指導の下、急速な経済発展を遂げ、
 また反日国との外交ルートの繋がりも深く、このまま余計な力を
 つけさせれば、いつ日本国に弓を引くやも知れず」
江田島「菊之丞よ、パルジャ国の経済が豊かになれば、
 パルジャの国民の暮らしも上向くはずだ。それは周辺地域の
 安定にもつながる。たとえ治める国は違えど、国政に携わる者として
 素直に喜んではやれぬのか!?」
菊之丞「江田島殿のお考えは甘うございます。
 転ばぬ先の杖、それこそがそれがしの信条…」
江田島「では、パルジャの女王の病の次第によっては……」
菊之丞「地球連邦安保理の準常任理事国として、パルジャに対し
 軍事面も含めた思い切った制裁の動議を。いずれ江田島殿にも
 ご報告できる時が参りましたら、改めてお目にかかりたいと存ずる」

こうして江田島の見送りを早々に終えた菊之丞は、また聖居の中へと戻って行った。
パルジャ王国の内紛に付け込んで、日本を外交的優位に立たせ、
ゆくゆくはパルジャを日本に従属させる――これこそが天童菊之丞の
思い描く魂胆である。

秘書の富樫源次が運転する車へと乗り込んだ江田島は、
そっと車外に向けて声をかける。

江田島「志葉の若当主よ、聞いていたな?」
シンケンレッド「ハッ、ここに控えております」

聖居・御所の車寄せ玄関の柱の影には、
志葉丈瑠=シンケンレッドが控えていた。

江田島「あい済まぬが、急ぎパルジャ国へと出向いてもらうぞ」
シンケンレッド「承知仕りました。首尾をお待ちください」

こうして江田島平八からの密命を帯びた侍戦隊シンケンジャーは、
忍者戦隊カクレンジャーや忍風戦隊ハリケンジャーと共に
きな臭い陰謀渦巻くパルジャ王国へと向かう事に…。
「和風スーパー戦隊」「天童忍軍」「石津&大臣とその黒幕一味(※3)」
による三つ巴の大乱戦が始まる!

(※1)『大戦隊ゴーグルファイブ』第33話「シーザー大爆破?!」参照。
(※2)『大戦隊ゴーグルファイブ』第33話「シーザー大爆破?!」に登場した
 パルジャ国の召使の名前。その後、家老にまで出世したという独自設定。
(※3)石津と大臣の背後にいるのは、妖怪帝国かサラジアのどちらかにする予定。

293ユガミ博士 ◆UMgG0HhEo2:2015/02/26(木) 12:30:14
<<希望の名を持つ海賊(仮)>>

北辰に連れ去られた小バーム代表であるエリカの行方とクリュス基地を
襲った宇宙連合の探索をするべく一矢やルリ、J9チーム達は火星に
おいて情報収集と補給を行うべく、とある都市船にやってきた。

マリン「あまり都市船という場所に来た事が無かったが、かなり治安が悪いなぁ」
京四郎「立て続けによる戦争で、経済は疲弊・・・・自治政府に働きをかけてはいるんだが
 どうにも其処の代表は正直に言って、無能の部類だからなぁ。軍備にばかり金を掛けて
 市民の懐は貧しいままで、治安が悪くなる一方だ・・・・哀しい事だがな」

都市船に訪れたマリンに京四郎は火星の経済状況を話す。手分けして情報収集を行う
彼らはある人だかりを目にする。

海賊A「金は払ったんだから、文句は無えだろう!?」」
???「おいおい、どう見ても代金が足りねえよ。少しぐらいならまけてもいいが、
 あからさまに代金を踏み倒すのは、よく無いぜ」
海賊B「てめぇ、言わせておけば・・・・!」
???「待ちなぁ!」

どうやら、都市船に来た海賊が露店商から買った商品を少ない代金で
踏み倒そうとして、揉めているらしい。見かねた一矢は海賊に立ち向かおう
とすると、集まっていた野次馬から逆立った髪に眼帯、そして大きな碇を持った
長身の男が乱入してきた。

???「おうおうおう、この“西海の鬼”長宗我部元親様の前で
 狼藉は許さねえぜ!」
海賊A「何をぅ?」
海賊B「野郎ども、やっちまえ!」

長宗我部元親と名乗る人物に海賊達は手下を率いて、暴れ始めるが
元親は碇を振り回して蹴散らしていく。

お町「あの元親って人、随分強いわね」
キッド「―?海賊共がどんどん集まって来たぞ!」
一矢「俺達も加勢するぞ!」

海賊の手下を蹴散らしていく元親の元に、海賊の手下がどんどん
集まってきたので、一矢達も加勢した。

海賊A「待て、こいつがどうなっても知らんぞ!」

分が悪いと感じた海賊は、露天商の首にナイフを突きつけて
人質にとった。人質を心配して、攻撃を止めてしまう一矢達だが
元親はあんまり深刻にはならずに余裕の表情をしていた。

元親「グラム、いつまでおとなしくしている!いい加減蹴散らせ!」
海賊A「何!?」
グラム「・・・悪い、元親。迷惑掛けた!」

グラムと呼ばれた露天商の青年はそのフットワークで、海賊の1人に
ストレートパンチを顔面に喰らわせて、倒してしまう。

海賊B「な・・・・」

仲間が1人倒れた事に仲間の海賊は狼狽えていると、背後にチャイナ
ドレスと長いマフラーをした女性が現れ、気絶させられてしまう。

元親「助かったぜ、思春」
思春「・・・・全く、騒ぎなんか起こして。グラム、元親、船に戻るぞ。
 ベス達が待っている」
グラム「ああ、そうだな。あんた達も助けてくれてありがとうな」

思春と呼ばれる女性はグラムや元親と仲間らしく、船に戻るように言う。
そしてグラムは共に戦ってくれた一矢達にもお礼を言う。

海賊A「くっ・・・このままで済むと思うなよ!おい、やれ!」

グラムに殴られた海賊は気がついて、立ち上がると船で待機している
手下に連絡をする。すると、都市船が大きく揺れ動いた。自棄になった
海賊が手下に命令して、都市船を攻撃するように命令を出したのである。

294ユガミ博士 ◆UMgG0HhEo2:2015/02/26(木) 13:18:29
海賊の攻撃を止めようと、ナデシコに戻った一矢達はダイモスを
始めとする各々のロボットを出撃させる。海賊は戦艦から、ズゴッグや
ハイゴッグといった水中に特化したMSを出撃させた。

リョーコ「おいおい、何で火星の海賊が水中用MSに乗っているんだよ!」
ルリ「おそらく、闇ルートで仕入れたのでしょう」

火星の海を舞台にエステバリスやダイモス達スーパーロボット軍団は
戦うが、バルディオス以外は水中戦に適応していないので、動きが
鈍り、苦戦を強いられていた。

ハリー「艦長、この戦域に所属不明の戦艦が現れました!」
ルリ「あれは・・・・」

海賊と戦っているナデシコの前に現れたのは、古い戦艦だった。
その戦艦は海賊のいる戦艦を攻撃する。

ベス「貴方達は地球連邦軍ですね。こちらからも援護します」

戦艦の操縦をする女性、ベステモーナ(ベス)はナデシコに自分達も
加勢すると通信を送る。すると、戦艦から1体のロボットが出撃する。

キッド「MSか?」
アイザック「いや、あれはRB(ラウンドバックラー)という水中戦に特化した
 機動兵器だ。今はあまり使われていないが・・・・・」

アイザックはRBをMSと思ったキッドにRBの事を説明する。一方、そのRB
には先程の青年、グラム・リバーが搭乗していた。

グラム「さっきの人達は、連邦軍だったのか・・・・ま、助けてもらった礼だ。
 行くぜ、希望号!」

グラムはそのRB―希望号の名を呼んで、海賊に立ち向かうのであった。

295ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2015/02/28(土) 22:18:03
ギャグ編≪RYO-Ⅱパンデミック騒動≫

ある日、亀有公園前派出所の両津勘吉巡査長が何者かに拉致された!
犯人は世界征服を狙う悪の組織BCG(ブラック・チューシャ・グンダン)である。
BCG総統ドクターモオは、両津の眉毛から遺伝子サンプルを採取し、
最強の屈強な肉体を持つバイオ兵士を造ろうと画策するが、
その遺伝子サンプルが実験途中の予想外の事故により突然変異を起こし、
感染症ウィルス「RYO-Ⅱ」へと変質して、秘密基地の施設外に漏れてしまった。

「RYO-Ⅱ」はあっという間に関東中に広まり、
感染した市民の眉毛が両津のようにつながって暴走してしまう。
マユゾンと呼ばれた人々は、一斉に市民を襲ってその者をマユゾンにして増やしていく。
マユゾンの大軍に追われて絶体絶命の危機を迎えるも、学園都市に抗体をもった少女がいた。

その名は、佐 天 涙 子!

以前、重福省帆の事件でサインペンで眉毛を書き込まれた佐天は、
そのサインペンのインクの成分に、実は「RYO-Ⅱ」の免疫体質を持つ成分が含まれていて、
その成分が佐天の体内にしみ込んで偶然にも抗体を造り出していたのだ!

同じく抗体を持つ婚后光子らと合流した佐天は、
果たしてマユゾンに占領され地獄と化した
東京と学園都市を救う事が出来るのか!?

296ユガミ博士 ◆UMgG0HhEo2:2015/03/04(水) 15:12:15
<<強い奴が俺を待っている(仮)>>

Gショッカーに協力する香港のメディア王ヤンは自らの目的である優れた気を持つ
武術家を集める為、S.I.N社のセスやSKGBの責任者だったコワルスキー長官、
MAXの幹部であるミスターロビンソンと結託して、格闘大会を開催する。

様々な理由で大会に参加する武術家達。ある者は奪われた大切な人を
取り戻す為・・・・。

ジャッキー・ブライアント「サラは俺が取り戻す!」
ケン・マスターズ「待っていろ、イライザ!」

ある者は格闘大会を開催したヤン達を捕える為・・・・。

朔田流星「ICPOから、この大会を調査するように任務を受けました朔田流星です」
春麗「あなたが星心大輪拳の流星君ね。必ず大会の秘密を暴くわよ!」

ある者は大会乗っ取りを企てていたり・・・・。

三島平八「ふん、こんな大会なぞ儂が乗っ取ってくれるわぁ〜〜!!」

ある者は強さを求めて・・・・。

松坂直人「俺以外に強い奴はいないと思っていたが、面白くなりそうだ!」
ペドロ・マクガイア―「ペドロ・マグガイヤーです。よろしくお願いします!押す!!」

そして、繰り広げられる様々な激闘・・・・。

刃「へへ、一度本気で仕合をしてみたかったんだ!」
丈瑠「来い、刃!」

川神百代「川神流・致死蛍!」
西澤桃華「そんな技で、私が倒せると思うなよ、小娘!!」

アドン「貴様が『裏ムエタイ界の死神』の弟子か・・・・。ならば貴様を倒して
  俺がムエタイ最強を証明する!!」
白浜兼一「この人、強い!だけど、僕にも引く事は出来ないんだ!!」

そして大会の行方は・・・・・。

リュウ「しょぉぉぉうりゅぅぅぅうけぇぇぇぇん!!」
ドモン「石破!てんきょぉぉぉうけぇぇぇん!!」

最強は誰だ!?

297ユガミ博士 ◆UMgG0HhEo2:2015/03/05(木) 11:29:33
>>296 ×西澤桃華→◯西澤桜華

<<タランチュラロードイーバ・ビギニング>>

時は牧村光平がシグフェルに覚醒するずっと前の頃。

***アメリカ合衆国・ニューヨーク***

警官A「本部、逃走中の容疑者ケビン・オルバを発見。至急応援を寄越したし!」
ケビン「ふん!」ズギュン
警官B「ぐわぁ!」
警官A「このぉ!」チャキ!
ケビン「・・・・・」サクッ!

ニューヨーク市警に追われ、警官を銃やナイフで殺害するこの男性の名は
ケビン・オルバ。ニューヨークいや全米において何十という人間を殺してきた
殺人鬼(サイコキラー)である。今まで捕まらずにいた彼だが、運悪く警察官
に見つかったので、今必死に逃げていた。

ケビン「はぁ・・・はぁ・・・はぁ、こんな所で捕まってたまるかよ!」

キィィィィン

ケビン「くっ・・・頭がいてぇ・・・・何なんだよ!この頭痛は!」

ケビンは数日前から酷い頭痛に悩まされており、何日も碌に寝ていなかった。
頭を抱えていると警官やパトカーがケビンの周囲に集まっていく。

ケビン「俺に・・・・近づくなぁぁぁぁ!!」

ケビンは銃で集まってくる警官に向かって発砲しようとしたその時。
白い何かがケビンの銃を持っている手に当たり、壁に張り付いてしまう。
そこに現れたのは、赤と青のカラーリングに蜘蛛の巣の様なスーツを
着たヒーロー、“親愛なる隣人”スパイダーマンだった。スパイダーマンは
腕のウェブシューターから糸を出し、ケビンが銃を撃てないようにしたのであった。

スパイダーマン「はいはい、銃を撃つのはそこまでだよ!」
ケビン「てめぇ!!」
スパイダーマン「おっと、その口も閉じてね!それじゃ、後は警察の皆さん、
 お願いしまーす!」

スパイダーマンはケビンの口や体全体を糸で身動きが出来ないようにすると、
後のことは警官に任せて、また糸でビルからビルへと渡ってその場を去った。

***アルカトラズ刑務所***

ケビン「う・・・うぅ〜、頭が・・・・」

スパイダーマンによって警官に捕まったケビンは裁判によって、
死刑宣告がなされ、死刑囚としてアルカトラズ刑務所に収監された。
収監された後も頭痛に悩まされるケビンだが、日増しに頭痛は酷く
なっていた。それと同時に悪夢にも悩まされる彼は蜘蛛の様な物が
夢に出るようになった。

そして死刑執行の当日。電気椅子に掛けられるケビンは椅子に座らされる。

ケビン「(くっそぉ、あの蜘蛛野郎のせいで・・・俺は・・・・俺は!!)」

???『ふふふふ』

死刑執行が刻一刻と迫る中、ケビンの脳裏に神殿に鎮座する少女の
映像が見えた。

ケビン「―!?今のは・・・・そうか、そうだよ・・・・・思い出した!」

その映像に何かを思い出したと同時にケビンの死刑は執行され、
彼はこの世からいなくなった。その後、シグフェルの前に
タランチュラロードイーバ・ガーミッドが現れたのはそれからである。

298ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2015/03/14(土) 15:33:11
≪ドグマ王国、最期の対決!!≫

秩父連山の大森林奥地にある、流派・赤心少林拳の総本山「赤心寺」。
その赤心寺から、その昔玄海老師が先代聖天子から賜った「紫衣(しえ)」が、
何者かの手によって盗まれてしまった!

「紫衣」とは、紫色の法衣や袈裟をいい、古くから宗派を問わず高徳の僧・尼が朝廷から賜ってきた。
3日後には玄海老師が聖天子に法話を聞かせるため、その紫衣を着用して宮中に参内する予定が
迫っていた。もしそれまでに紫衣を取り返せなかった場合、玄海老師の面目は丸潰れとなり、
赤心少林拳の威信も地に堕ちるのだ。

一也「老師、なんとしても3日後までに紫衣を奪い返さなければ!」
玄海「無理に焦る事はない。当日にわし一人が恥をかけばそれで済む事じゃ」
弁慶「老師と江田島先生との関係を快く思わぬ天童の仕業でしょうか?」
玄海「…いや。天童菊之丞、良くも悪くもそのような姑息な手を使う男ではない。
 このような小細工を弄してまでわしを貶めたい人間は、後にも先にも唯一人――」
一也「――ドグマの帝王テラーマクロ!?」

赤心寺から紫衣を盗み出した犯人は、玄海の読んだ通りドグマ王国であった。

テラーマクロ「本来であれば、この紫衣はわしが着ている筈の物であった!」

樹海大師の下で修業に励んでいた、若き日の玄海と黒沼外鬼(テラーマクロ)…。
全ては赤心少林拳次期総帥の座を巡って玄海に敗れたテラーマクロの嫉妬心から
起こされた犯行であった。

玄海老師から奪った紫衣を身に纏ったテラーマクロは、
ドグマの残された軍勢をかき集めて、自らの威信をかけた聖居への総攻撃に乗り出す。
それを迎え討つは、仮面ライダースーパー1と赤心少林拳の拳士たち!
ドグマ王国との最終決戦の時が迫る!!

299ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2015/03/15(日) 13:20:23
最近やたらと東映ヒーロー映画で歴史改変ものが多いような気がするので…。

≪サタンの爪が、現代の地球を支配する!?≫

かつて日本で最初のTV特撮変身ヒーローとされる月光仮面と死闘を繰り広げた、悪のボス「サタンの爪」。
そのサタンの爪が、偶然のある出来事がきっかけとして時空を超えて、「ウルトラマンギンガ」
「手裏剣戦隊ニンニンジャー」「仮面ライダードライブ」そして「Go!プリンセスプリキュア」の
パワーソースを入手してしまう!

自分の元いた時代(昭和30年代)へと舞い戻ったサタンの爪は、
自らの組織の科学力でそれらパワーソースを解析して、自分たちの力として会得。
月光仮面、七色仮面、アラーの使者、ナショナルキッドといったヒーローたちを次々と倒していき、
ショッカーや黒十字軍、ギャラクターなどの後続の悪の組織を吸収して勢力を拡大。

歴史は改変され、サタンの爪が地球を支配する世の中となってしまう!
歪んだ歴史を元の姿に戻すべく、「仮面ライダー電王」や「未来戦隊タイムレンジャー」、
そして「T・Pぼん」等の時間系ヒーローたちがこの危機に集結。
他にもかろうじて歴史改変の影響を免れた一部ヒーローたちとも合流して、
いざ、時空を超えて昭和30年代の世界へ!!

果たしてサタンの爪を倒して、歴史を修正する事はできるのか!?

300ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2015/03/15(日) 20:07:08
≪天功世紀の大脱出!≫

今年の陣代高校の文化祭の催しとして、生徒会副会長として
文化祭実行委員を兼ねることになった千鳥かなめは、
ブレイバーズのコネを利用し、電子戦隊デンジマンや宇宙刑事ギャバン、
超人機メタルダーとも交流のある世界的イリュージョニスト、
プリンセス・テンコーこと二代目引田天功に出演交渉を行い、
快諾を得る事に成功する。

しかし、その昔引田天功にマジック勝負を挑んで敗れた
ベーダー怪物ミミラー、マクーのマジックダブラーことポール一星、
そしてネロス帝国ヨロイ軍団・爆闘士ガラドーたちが、
かつての雪辱を晴らすべく罠を張り巡らせていた…。

301ユガミ博士 ◆UMgG0HhEo2:2015/03/19(木) 10:47:56
<<ギャグ編 天体戦士サンレッド対フロシャイム in 甘城ブリリアントパーク>>

経営が苦しいテーマパーク「甘城ブリリアントパーク」実はキャストの大半が
魔法の国メープルランドから来た妖精なのだが、そのテーマパークの支配人
代行をひょんな事から引き受けた可児江西也は、サポートを務める千斗いすず
と共に今日も支配人代行として業務を行っていた。

西也「何、『スプラッシュ・オーシャン』のキャスト全員が風邪で寝込んだだと!?」
いすず「ええ、一週間は安静にしてないといけないそうよ」

パーク内にあるプール「スプラッシュ・オーシャン」では、キャスト達によるショーを
行っていたのだが、このままでは一週間もショーが出来ず経営に響いてしまう。

トリケン「それでしたら、私に打ってつけの知人がいるのですが、ご紹介致しましょうか?」
西也「本当か?すぐに紹介してくれ」

見た目がトリケラトプスの営業及び広報担当であるトリケンから、打ってつけの人物がいる
と聞かされ、西也は紹介してもらう。

後日、呼ばれたのが・・・・。

ヴァンプ「私、世界征服を目標に活動している悪の組織フロシャイムで
 川崎支部の司令官をしていますヴァンプと申します。そして、こちらが
 私たちの宿敵のヒーローであるレッドさんです」
サンレッド「・・・・って、何で俺を連れて来たんだよ!!」
西也「(・・・・・何だ、こいつ等(汗))」

トリケンが紹介してきたのは、川崎を舞台に戦っている天体戦士サンレッドと
悪の組織フロシャイムだった。トリケンはフロシャイムの怪人モスキーと
とあるイベントで知り合ってから友人となっており、今回紹介したのである。
(どんなイベントかは察して下さい・・・・)

サンレッドとフロシャイム、甘城ブリリアントパークを舞台に善と悪の壮絶な
戦いが始まる・・・・・のか?

302凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2015/03/23(月) 23:16:01
≪皇帝の尖兵≫

いよいよ地球侵略に乗り出した暗黒宇宙大皇帝エンペラ星人率いるETF。
第一次地球攻撃隊の指揮を執るのは宇宙忍者バルタン星人である。

バルタン星人「フォッフォッフォッフォッフォッ…!」

地球のレーダー網をかい潜って宇宙船団を地球へ潜入させ、
富士山の麓、山中湖の地下に秘密基地を築いたETFは、
ここを拠点として活動を開始。
以後、バルタン星人配下の様々な宇宙人が宇宙怪獣を操り、各地を攻撃する。


≪シグフェル失明! 必殺の心眼一文字斬り≫

地球侵略に邪魔なシグフェルを抹殺すべくバルタン星人が送り出した刺客は、
敵の視力を奪う光線を得意技に持つ、目潰し星人ことカタン星人である。

沢渡優香の体に乗り移ったカタン星人は、
デートと称して牧村光平を誘い出し襲撃。
目から放った目潰し光線でシグフェル=光平を失明させてしまう。

闘破「俺が灼忍ストローボにやられたのと同じ症状だ。
 光平の目を治すには、雲取山の赤いヤマユリの花が必要だ」

しかし、バルタン星人はそれを見越したように
宣戦布告の動画をブレイバーズに送り付ける。

バルタン星人「シグフェルの目を治したければ
 赤いヤマユリの花を取りに雲取山まで来るがいい。
 我らETFの宇宙人軍団が総出でお迎えしよう!」

ザラブ星人、ゴドラ星人、イカルス星人、バルキー星人、ツルク星人etc…。
雲取山に来たブレイバーズを一挙に殲滅するため、
ETFの凶悪宇宙人達が集合し、手ぐすね引いて待ち構えている。
ヤマユリの花を取りに行けばブレイバーズがやられ、
取りに行かなければシグフェルの目は治らず戦闘不能…。
これがバルタン星人の卑劣な作戦なのである。

光平「いいんだみんな…。
 俺のためにわざわざ罠にかかりに行くのはやめてくれ。
 それより俺は、この状態でも全力で戦う!」

危険を恐れず雲取山へ乗り込もうとするブレイバーズの仲間達を止め、
光平は目が見えない状態でも戦えるよう修業を志願。
心を無にし、空気の流れや敵の気を感じ取って敵の動きを見切る
心眼の術を体得するため特訓する。

優香「光平くんが失明したのは私のせいだわ。
 私が何とかして赤いヤマユリの花を取って来なきゃ」
慎哉「よし、俺も手伝うぜ」

自分の体を利用された事で光平の失明に責任を感じていた優香は、
慎哉と共に雲取山への登山を決行。
赤いヤマユリの花を摘んで帰ろうとするが、
山一帯に待ち伏せていたETFの宇宙人に見つかってしまう。

グロテス星人「こいつら、シグフェルの仲間だな?」
テロリスト星人「殺してしまえ! それとも人質に取るか?」

だが、そこに現れたのは牙冥甲ザジロード!

ザジロード「行け! エイリアンどもは俺が倒す」
優香「彩堂寺くん、あなたは…」
ザジロード「勘違いするな。
 俺はお前達や牧村を助けに来たわけじゃない。
 ただ、目の見えないシグフェルの首を掻くような汚い真似はしたくないだけだ」
優香「………」

襲い来るETFの宇宙人達をバタバタと薙ぎ倒し、優香と慎哉を逃がすザジロード。
一方、目が見えないシグフェルをこのまま葬ってしまおうと、
カタン星人が光平を襲撃する。

カタン星人「フハハハハ!
 目が見えなくては手も足も出まい!」
シグフェル「落ち着け…。集中しろ…。
 心の目で敵の気を読むんだ…!」

カタン星人の猛攻でボロボロにされながら、
鍛えた心眼で必死に敵の動きを探るシグフェル。
果たして、シグフェルはカタン星人に勝てるのであろうか!?

303ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2015/03/28(土) 12:41:27
≪新妹魔王の契約者×ブラック・ブレット編≫

日本上陸を狙うジェフ権藤(※1)率いる国際兵器マフィアと、
広域指定暴力団『関東極天漠連合・伊達組』との抗争が激化する中、
伊達組組長・伊達臣人は「カタギの人間を抗争に巻き込んではならぬ」と
子分たちや傘下組織にくれぐれも敵の挑発に乗らないよう自制を促す。
一方その頃、サラジア共和国副大統領アフマド・アルハザードが
極秘裏に来日。所有する伊豆の別荘に籠り、何やら策謀を巡らし始める。
実はジェフ権藤率いる国際兵器マフィアが勢力拡大を図っているのも、
裏でアルハザードが動いていた。

聖ヶ坂学園近辺に野良ガストレアが出没しているとの通報を受け、
現地に駆け付けた民警の里見蓮太郎と藍原延朱コンビは、
聖ヶ坂学園高等部に通う東城刃更、成瀬澪&万理亜、野中柚希たちと
知り合い仲良くなる。

成瀬澪の正体は、先代の魔王ウィルベルトの娘にして、
彼の強大な力を受け継いだ魔族であった。

一方その頃、勇者一族の隠れ里よりの使者として、天童邸を訪れる斯波恭一。
魔界の魔族の動きの急変を察知した勇者一族は、
再び成瀬澪を監視対象から抹殺対象へと格上げし、
今後の対処について天童菊之丞に相談に訪れたのだった。

斯波「里の長老より天童閣下のご指示を仰げと言いつかって参りました。
 して、この件はいかなることに?」
菊之丞「…殺せ。その成瀬澪という少女に罪はないが、
 持って生まれた血の因果という他はあるまい。
 何かと騒がしい当今、魔王の姫君など格好の陰謀の道具じゃ。
 禍根は断たなければならぬ」

勇者一族と天童一門に命を狙われることとなった成瀬澪。
澪を守る刃更、万理亜、そして蓮太郎と延朱。
蓮太郎から連絡を受けて駆けつけた天童木更とティナ・スプラウトも助勢する。
そして澪の監視役だった柚希は、刃更たちと勇者の里の板挟みとなり
微妙な立場に追い込まれ苦悩することに。

(※1)特捜ロボジャンパーソン第17話「初公開JP(ジャンパーソン)基地」に
 登場した敵キャラ。

304ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2015/03/28(土) 12:42:06
しかし、勇者一族と天童一門の他にも
成瀬澪を付け狙い襲撃を繰り返す一団があった。
魔界同盟の魔物たちと行動を共にする謎の工作員集団である。
逃げた一味をそれぞれ尾行する、柚希と滝川八尋=ラース。
なんとその一味は駐日サラジア共和国大使館へと入って行ったのだった。

柚希「サラジア…?」
八尋「つまり奴等はサラジアと繋がっているって訳だ。
 魔界同盟とサラジアの工作員…妙な取り合わせだな」

実はアルハザードは、魔界同盟での発言力を伸ばすため、
先代魔王の娘である澪を自らの妻に迎えようと画策していたのだ。
事態は成瀬澪の身柄を巡って、ブレイバーズ、天童一門&勇者一族、
そしてサラジア&魔界同盟の三つの勢力による三つ巴の対決に発展する。

秘書N「申し訳ありません副大統領」
秘書R「天童が妙な動きをしておりますので、
 その動きを追えば必ずや成瀬澪の身柄は…」
アルハザード「私は常にお前たちを信頼している。
 だが、同時に私は気が短い事も忘れるな」

東城家は今や完全に天童忍軍によって包囲された。

万理亜「妙に静かですね…」
刃更「囲まれた!?」
蓮太郎「きっと近所の住民は全て連れ出されたんだ。
 いるのは全て天童の忍びだ…!」
澪「えっ…!」
延朱「どうするのだ蓮太郎!?」
木更「天童菊之丞に対抗できる権力の持ち主といえば、
 他に一人しかいないわ!」
ティナ「天童社長、それではあの方のお力をお借りするんですね?」
刃更「誰なんだ! その"あの方"ってのは!?」

このままでは家の中に大挙して忍びが乗り込んできて、
流血の海となることは時間の問題である。
切迫する事態の中で木更が一人だけ、
周囲を威嚇するように鋭い睨みを利かせながら
家の中からそっと外に出て来た。

木更「天童の者たち、そこにいるのは解ってるわ!
 よく聞きなさい。もし無辜の善良な一市民、
 それも未成年者の女子高生を天童がよってたかって
 殺したなんてことが聖天子様に知れれば、
 なんと思われるかしらね。あるいは天童は滅びるかも。
 天童菊之丞に伝えなさい! これより天童木更、
 首相官邸に赴いて内閣総理大臣・剣桃太郎氏にお目にかかるわ!」

305ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2015/03/28(土) 12:42:42
木更から報告を聞き、聖居に参内した剣桃太郎は直ちに聖天子に謁見。

菊之丞「楽しそうでございましたな。久々の聖天子様との世間話…」
桃太郎「ハハハ…いかにも。ただし、成瀬澪なる少女の一件は伏せました。
 その事が聖天子様のお耳に入れば、その少女は二度と"野の花"には
 戻れませぬゆえにな」
菊之丞「野の花…? 剣総理のお望みはそれだけにございましたか?」
桃太郎「無論のこと。しかし、今世間話に留めたのは、
 それだけのためではございません」
菊之丞「成瀬澪の命をこれ以上狙い続ければ、天童の非道を
 直ちに聖天子様に訴え出るとの意でござるな?」
桃太郎「………」
菊之丞「しかと承った。ここは私の負けのようですな。
 成瀬澪からは手を引き申そう。ただし、あの少女を利用せんと
 する者がいる以上、それらの輩を放置する訳には参りませんぞ」
桃太郎「それはブレイバーズが方をつける!」

こうして天童一門は手を引き、勇者一族も再び澪を
抹殺対象から監視対象へと格下げしたが、
アルハザードは尚も澪を拉致しようと狙い続けていた。
たまたま外に一人でいたところを澪は、
今度はジェフ権藤率いる国際兵器マフィアに襲われた。
その澪の窮地を救ったのが、偶然近くを散歩に出ていた伊達臣人である。
伊達臣人は事情を聞き、澪を自邸の中に匿う事に。

伊達「"窮鳥懐に入れば猟師もこれを撃たず"と言う。
 ましてやその小鳥がジェフ権藤に狙われている
 ともなれば尚更のこと」
蓮太郎「ヤクザの大親分の屋敷ならちょっとした要塞みたいなもんだ。
 かえってここの方が安全だろう」

ジェフ権藤が部下たちを引き連れて、伊達組本部の門前に乗り込んで来た。

権藤「ミスター伊達、黙って成瀬澪をこちらに引き渡してもらいたい。
 実はあの女の子は私の舎弟の身寄りの者でしてね」
伊達「こいつは驚いた。国際兵器マフィアの身内に、
 よもや魔王の血を引く人間がいたとはな…」
権藤「…なんの話かはわかりませんが、
 近いうちに成瀬澪は、国際政治の世界で
 高い地位のさる御方と祝言を上げることに
 なってますんでね。その御方に逆らうと、
 貴方も火傷ぐらいじゃすみませんよ」
伊達「その御方と言うのは、サラジア副大統領の
 アフマド・アルハザードの事か?」
権藤「――!?」
伊達「その顔からして図星だな。
 この伊達臣人が一番嫌うのはな、虎の威を駆る狐どもだ!
 おい権藤、貴様も男伊達を気取る組織のトップなら、
 そんな後ろ盾とは手を切ったらどうだ!!」
権藤「そんな事を言って、後で後悔しますよ」

伊達は権藤達を一喝して追い返した。

306ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2015/03/28(土) 12:43:40
夜、伊豆にあるアルハザードの秘密の別荘を、
天童菊之丞が訪問していた。

菊之丞「近頃巷を騒がす暴力団と国際兵器マフィアの抗争。
 その影にいるのは、ひょっとすると…」
アルハザード「何の事ですかな。天童補佐官、
 聖天子様のお側近くにお仕えする重鎮たるご貴殿が
 当て推量で発言してはいけませんな」
菊之丞「………」

そこへ秘書Nがやって来て、アルハザードにそっと耳打ちする。

アルハザード「フフフ…天童補佐官、国際条約で治外法権が
 認められているこの別荘の敷地内に、忍びを潜り込ませましたな!?」
菊之丞「………」

別荘の中に密かに配下の忍び(=千坂朱音)を潜入させておいた事を
アルハザードに見破られて、一転して窮地に陥る菊之丞。
しかし菊之丞はくるりと身を翻すと、外の庭に向かって小柄を投げつける。
その小柄は、庭に潜んでいた千坂朱音の左肩に命中。

朱音「くっ…!」

朱音はすぐにその場から塀を乗り越えて逃げ去った。
何が起こったのか訳が解らず唖然としている秘書Nと秘書R。

秘書N「……( ゚д゚)ポカーン!?」
秘書R「……( ゚д゚)ポカーン!?」
菊之丞「何をしておる!? 早く追いかけて曲者をひっ捕らえなされい!!」
秘書N「…は、はい!」
秘書R「…直ちに!」
菊之丞「アルハザード副大統領、日頃物騒な昨今。
 ご油断は禁物ですぞ」
アルハザード「……(菊之丞め、上手くこの場を切り抜けたな)」

秘書Nと秘書Rに追われる朱音を助けたのは、意外にも剣桃太郎であった。

朱音「剣総理!?」
桃太郎「お前とは以前に一度会ったな?」
朱音「…はい。大川端にて一度お目にかかっております」

桃太郎は朱音の左肩から刺さっている小柄を引き抜く。

桃太郎「菊之丞殿は、アルハザードに密偵を忍び込ませた事を
 見咎められたか」
朱音「剣総理、どうか今回ばかりはこの件から手をお引きください!
 お命にかかわります!」
桃太郎「………」

307ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2015/03/28(土) 12:44:25
アルハザードは次なる手として、自分の息のかかった
地球連邦検察局次長に圧力をかけ、日本政府に成瀬澪の身柄引き渡しの圧力までかける。
検察局次長はサラジアのオイルマネーの後押しで今の地位に就いており、
アルハザードには逆らえないのだ。

富樫「地球連邦政府直属の検察局まで動き出したとあっては、
 もう日本政府の力だけではどうにもならん」
伊達「桃に伝えてくれ。この一件、伊達臣人が一命に代えて引き受けた。
 一切の手出しは無用…!」

成瀬澪を守るためにブレイバーズの面々が伊達組本邸に集結して防備を固める。
もはやアルハザードは、澪の身柄を手に入れるため形振り構わぬ構えだ。

刃更「俺たちが血路を開く! その隙にお前は逃げるんだ!」
澪「そんな…イヤっ! みんなを置いてなんかいけない!!」

夜陰に乗じて伊達組本邸を包囲するサラジア工作員と魔界同盟。
いよいよ衝突は不可避と思われたその時――!

秘書N「何者だ!?」
菊之丞「下がりおろう! 我は天童菊之丞である!
 たって事に及ぶとあらば、このわしが相手になる!」

天童忍軍を引き連れて現れた天童菊之丞に威圧され、
サラジアの一味は撤退して行った。
続けて菊之丞は、伊達組本邸の中に向けて叫ぶ。

菊之丞「中の者もよく聞け!
 先代の魔王ウィルベルトの娘は死んでおる。
 すでに17年も昔にな。そこにおるのは、
 名もなきただの一介の女子高校生…」

澪「………」

菊之丞「そのような者に天童は興味はない!
 なれどこれだけは申し渡しておく。
 再び魔王の娘なる者が表舞台に現れる事あらば、
 この菊之丞、地の果てまで追って
 首級を頂戴仕る!」

ブレイバーズは天童菊之丞にその危機を救われることとなった…。

桃太郎「菊之丞殿、これであの闇の魔人が引き下がるとは思えませんが…」
菊之丞「さよう。しかし魔人には魔人なりに相応しい末路がござろう。
 違いますかな剣総理?」

暗い夜道で、剣桃太郎と天童菊之丞はすれ違いざまにそのまま別れる。

朱音「御前、アルハザードの処断を剣総理とブレイバーズに任せるおつもりで?」
菊之丞「さあて、どうなるかのう。しかしみすみす手をこまねいて
 待っているアルハザードでもあるまいて。今度こそアルハザードの別荘が、
 ブレイバーズの墓場ともなるかもしれず…」

いよいよ闇の魔人・魔道師バルゴグとブレイバーズとの
長きにわたる戦いにも今度こそ決着なるか?

それとも別の展開が待っているのか…?

308ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2015/03/28(土) 22:07:51
≪危うし!丁姫 C&Oslash;DE:BREAKER動く≫

輝望高校1年B組に通う黒髪ロングの桜小路桜は、見た目は清楚で儚げな美少女と周囲には思われているが、
実態は格闘技を習い、怪力を持ち、男言葉を喋る武士道少女。そして「関東のあばれ龍」の異名を持つ
関東鬼桜組の組長・桜小路剛徳の娘である。

桜は父と親交のある伊達臣人の仲介で、国会議事堂地下に住まう夢見の姫・丁(ひのと)のところへ
夏休みを利用して行儀見習いとして短期間奉公に出向いていた。その期間も無事終わり、
ある日、街中を歩いていた桜は何者かに襲われる。
桜は、そこをたまたま通りかかった錦織佳代に窮地を救われた。

佳代「桜小路さん、あの連中に何か心当たりは?」
桜「そんなことを言われても、私は事件に巻き込まれるような覚えはないのだ」
佳代「どんな些細なことでもいいわ!」
桜「そういえば……」

桜はつい先日、歓楽街で丁姫の側近の女性筆頭事務官が
ある中年男性とまるで愛人のように仲良く歩いていた現場を目撃していたのだ。
その中年男性と言うのが実は、反橋グループを経営する実業家の反橋栄一郎(※1)である。

30年前の夏、まだ子供だった反橋にいじめで2階のベランダから突き落とされ、
下半身不随となる重傷を負い、その後事故死した兄を持つ電磁波の世界的権威・奥田広行に復讐され、
自宅を破壊された事があるのだが、反橋は今も何一つ反省などしてはおらず、
金儲け第一主義の傲慢な性格は何も変わっていなかった。
それどころか民自党の厚労族議員に働きかけ、自らの政界進出を狙っていたのだった。
反橋と女性事務官は、癒着して何やら不正を働いているらしい。
その密談の現場を見られたと邪推した反橋が、桜を口封じに消しにかかったのだ。

そうなると丁姫にも身に危険が及ぶのではないかと憂慮した江田島平八は、
錦織佳代を護衛につける。

丁「剣総理からお話は伺いました。行儀見習いとして預かった娘が
 恐ろしい目に遭ったとなると、不憫でなりません」
江田島「その危険が丁姫にも及びはせぬかと案じておるのだ」
丁「まさかそのような…」
江田島「丁姫、お目通り願いたい者がおる。
 この者はわしの身近におるくノ一でな」
佳代「錦織佳代と申します。
 何卒お見知りおかれますよう」
江田島「この者を身辺の警護にお使い願いたい」
丁「これはもったいない。佳代とやら、よろしく頼みます」
佳代「ハイ、必ず!」

新人女性秘書官に扮し、丁姫の側近くに潜り込んだ佳代は、
さっそく問題の女性筆頭事務官のデスクを調べる。
そこからは案の定、反橋との不正の証拠が出て来た。

筆頭事務官「そんなところで何をしているの!?」
佳代「…す、すみません! まだ不慣れなものでして(汗」

(※1)特捜エクシードラフト第35話「見えない巨人」の登場人物。

309ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2015/03/28(土) 22:08:24
赤坂の高級ホテルのスイートルームで密会する反橋と筆頭事務官。

反橋「…では、丁姫の新参の秘書官がお前の机を探っていただと?」
筆頭事務官「間違いありません。私の身辺を丁姫が探らせている事は、
 先日の行儀見習いの娘の件でも明らかではありませんか。
 私と反橋先生との間柄を丁姫が薄々気がついたのではないかと…」
反橋「そうなれば、丁姫は次期総選挙における私の党公認に反対するだろう。
 丁姫の反対があっては、政界進出など夢のまた夢だ」
筆頭事務官「ですから、一刻も早く丁姫を取り除かなくては!」
反橋「いや待て! 党公認候補を決める幹事長会議まであと三日。
 丁姫を始末しても、それが表沙汰になっては幹事長会議も先に延ばされるだろう。
 そうなっては江田島のじじいも黙ってはいまい!」
筆頭事務官「では一体どうすれば…!?」

反橋は懐から紙包を取り出す。中身は痺れ薬である。

反橋「丁姫には病気になってもらうのだ。そして丁姫の意向として、
 筆頭事務官のお前から首相官邸に意見を伝えればいい」
筆頭事務官「では、その後で丁姫を…」
反橋「もちろん。それから先は、私は厚生労働大臣。
 そしてお前は宮内庁長官だ…」

不自由な身体のため滅多に外出などしない丁姫だが、
この日は上野寛永寺へ聖天子の名代として、輿に乗り代参に赴いていた。
控えの間で筆頭事務官は丁姫にお茶を勧める。

佳代「お待ちください! そのお茶をお飲みになってはなりません!」
筆頭事務官「無礼な! この茶に何か入っているとでも言うの!」
佳代「そうでないと言うのなら、ご自分で飲んでみたら?」
丁「筆頭事務官……」
筆頭事務官「やれやれ…余計な差し出口のために、
 少し手荒な真似をしなくてはいけないようね!」

反橋に金で雇われ、桜を襲った刺客たちは世界忍者・音忍宇破と音忍一族であった。
筆頭事務官の合図で、天井裏に潜んでいた音忍配下が一斉に飛び降りて、
丁姫と佳代に襲いかかる。

音忍下忍「動くな! 丁姫の命はないぞ!」
佳代「くっ…!」

310ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2015/03/28(土) 22:09:37
上野寛永寺から丁姫と佳代の姿が消えた。

蒼氷「申し訳ありません!」
緋炎「私たちが少し目を離した隙に、不覚を取りました!」
富樫「佳代はどうした?」
砕軌「彼女の姿も見えません!」
富樫「なあに、諦めるのはまだ早い。
 佳代が丁姫と一緒にいてくれればいいがな。
 それだけが頼みの綱だ」
蒼氷「私たちは反橋の邸を探ります」
富樫「頼むぞ」

反橋邸の地下牢に運び込まれる丁姫と佳代。

佳代「申し訳ございません。あたしの力が足りないばかりに…」
丁「気にせずともよいのです。なかなかこのような場所に来る機会もないでしょうし」

気遣う佳代に、丁姫は動じる様子もなくケロリと笑っている。

反橋「丁姫、ご機嫌はいかがかな?」
丁「愚かな事を。何が望みでこのようなことを?」
反橋「私の次期総選挙における党の公認が得られるまで、
 ここにいて頂く」
丁「桜小路桜さんを襲わせたのはなぜです?」
反橋「あの女子高生には、筆頭事務官との密談を聞かれたのでな」
佳代「違うね! 桜小路さんはアンタたちの姿を見ただけなんだ!
 話なんか何も聞いちゃいなかったんだよ!」
丁「哀れな…。ただ己たちの疑心暗鬼から、
 やたら若い命を付け狙うとは」
反橋「そんなことは今更どうでもいい。
 貴女には、内閣総理大臣・剣桃太郎宛てに、
 私を党公認に推挙するよう推薦状を書いて頂く」
丁「お断りします」
反橋「では仕方がない。その娘に少しばかり
 痛い思いをしてもらわなければならないのようだ!」
丁「お待ちなさい! 何をするつもりです!?」
佳代「丁姫様、あたしの身に何があっても
 連中の言いなりになってはいけません!」

佳代は丁姫の目の前で吊るされ、拷問される事に…。
一方その頃、桜小路桜も執拗に音忍一族の刺客に襲撃されていた。
その桜の危ういところを救ったのは――

桜「大神!!!」

その青年はすぐにニコリと笑うと…

大神「人違いです」

そう言って立ち去ろうとする。

日本には、板垣重政政権時代に創設された特務機関「牙」の他にも、
法で裁けぬ悪人を闇へと葬る、首相直属の秘密組織が存在した。

その名は「コード:ブレイカー」!

名前・国籍・戸籍などの個人認識できるもの全てを抹消した異能者である
彼らに与えられた次なる任務は、反橋栄一郎とその配下一味の抹殺。
そして反橋によって囚われの身となった丁姫と錦織佳代の運命やいかに!?

311ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2015/03/28(土) 22:32:45
≪暗殺教室×ゼーガペイン×仮面ライダーX編≫

社会科見学でブレイバーベースを訪れた、椚ヶ丘中学校3年E組の生徒たち。
そこで研究開発が進められている、電脳空間の人間が現実(リアル)空間で
実体化できるリザレクションシステムの存在に触れた生徒の一人、
自律思考固定砲台こと通称:律は、研究主任のソゴル・キョウの説明に興味を抱く。

実はそのリザレクションシステムを狙っている者がいた。
かつてシグフェルによってあっさりと無残な最期を遂げたはずの、
GOD悪人軍団を率いる最高幹部キングダークこと悪魔の天才・呪博士である。
実は呪博士は死んではいなかった! 密かにアポロン宮殿の
メインコンピューターに自分の意識と人格を移植しており、
電脳空間上のデータとして密かに生き延びていたのだ!

殺せんせー「今まで磨いてきた暗殺の腕を披露するよい機会です!
 実習時間を設けます。Gショッカーの魔の手からリザレクションシステムを
 守り抜くのです! ヌルフフフ!!」

再び呪博士を現実世界に復活させるために、
リザレクションシステムを狙って襲い来るサソリジェロニモ親子以下、
GOD悪人軍団の残党たち。それを迎え撃つ潮田渚たち3年E組の面々は、
果たしてリザレクションシステムを守り抜く事ができるのか!?

312ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2015/03/28(土) 23:39:14
≪魔術師の帰還≫

再び日本への進出を狙って暗躍し始めた地球教。
しかし、その活動の成果は芳しくなかった。

担当主教「どうやら日本の公安機関やブレイバーズの他にも、
 我らの邪魔をする"影の組織"が存在するようで…」
ド・ヴィリエ「"影の組織"だと…? 我ら地球教を敵に回そうとする
 そのような身の程知らずの組織が存在するとでもいうのか?」

正体不明の"影の組織"について調査を始める地球教団。
その"影の組織"の中心人物が、海防大学付属高校に勤務する
歴史科の教師リー・ウェンであることを突き止めた地球教は、
下校時間を過ぎて大半の生徒も帰宅し、
夕刻になって学校の職場から退勤しようとする彼を襲撃する。

優香「あれっ、リー・ウェン先生…?」
リー・ウェン「いかん! 沢渡さん、こっちに来てはいけない!」
地球教徒「見られたからには仕方がない!
 お前にも一緒に来てもらうぞ!!」
優香「いやぁっ!! 誰かァッ!!」

生徒会の業務でたまたま帰りが遅れていた沢渡優香は、
偶然襲撃現場に居合わせ、リー・ウェン共々一緒に拉致されてしまう。

リー・ウェン「この娘は私とは何の関係もないんだ。
 この娘だけ帰してあげる訳にはいかないかな?」
地球教徒「勝手に喋るな! 静かにしていろ!」

リー・ウェンは一味に気づかれないよう、こっそりと小さい声で優香に話す。

リー・ウェン「いいかい沢渡さん、私が合図したら
 車から外に飛び降りるんだ」
優香「リー・ウェン先生…!?」

なんとか隙を見て脱出に成功するリー・ウェンと優香の二人。
地球教の追ってから逃れる教師と教え子、二人だけの決死の逃避行が始まる。

優香とリー・ウェンの失踪を知った牧村光平たちも捜索を開始する。
そんな中、錦織佳代は優香たちの捜索中に、白い装甲服に身を包み
戦斧(トマホーク)で武装した手強い白兵戦部隊と遭遇する。

佳代「こいつら只者じゃない! いったい何者!?」

尾行してみると、彼らは全員「ワルコップ警備保障」と呼ばれる警備会社に
務めている警備員たちだった。しかしその戸籍は全て偽造された物…。
さらに社長を務めるローゼン・ワルコップなる人物が、
リー・ウェンとも繋がりがある事までがその後の調べで判明する。

リー・ウェンの正体を突き止めるため、光平はリー・ウェンたちの溜まり場になっている
酒場「BAR JESSICA」へと単身乗り込む。中には黒人のマスター、マシュンゴがいた。

光平「どうしても聞きたい事がある…」
マシュンゴ「ここは未成年者は出入り禁止でしてね。
 申し訳ありませんが帰ってもらえますか」

そして事態は、千坂朱音を通じて天童菊之丞の耳にも達する。

菊之丞「そのリー・ウェンとやら、只者ではない。
 なんとしてでもその正体を探れ」
朱音「ハハッ」

リー・ウェンの正体は実は、かつて銀河系の戦史において
獅子帝ラインハルトと並び称せられた旧イゼルローン軍の名将、
ヤン・ウェンリー提督がこの世に黄泉還った姿であった。
そしてローゼン・ワルコップの正体は、ヤンの腹心として知られた
ワルター・フォン・シェーンコップ中将。装甲服の男たちは
彼の手勢として知られた薔薇の騎士(ローゼンリッター)連隊だったのだ。

彼ら旧イゼルローン軍出身者の再生者(リザレクター)たちは、
密かに名前を変え生前の素性を隠し、地球教と戦う影のネットワークを
構築していたのだった。

さらに悪い事に、リー・ウェンことヤン・ウェンリーを獲物として狙う
イーバまで出現し、ブレイバーズ、ヤン一党、ロゴス(地球教)、天童一門、
そしてイーバまでもがそれぞれの思惑で動きだして事態はますますややこしい展開に…。
果たして光平=シグフェルは、無事に優香とリー・ウェンを救う事が出来るのか!?

313ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2015/03/29(日) 10:15:44
>>311捕捉

椚ヶ丘中学校3年E組のブレイバーベース社会科見学の仕掛け人は、もちろん日本政府。
真の目的は、正義のヒーロー軍団の本拠地たるブレイバーベースにおびき出されて
のこのこやって来た殺せんせーの抹殺である。
見学コースを生徒たちを引率しながら回る殺せんせーに、"飛んで火に入る夏の虫"とばかりに
ヒーローたちが次から次へと刺客=暗殺者となって襲いかかるのだ!

アカレンジャー「殺せんせー! 貴様に地球は破壊させん!」
ライダー1号&2号「「ライダーダブルキィィックッ!!!」」
殺せんせー「ヌルフフフ!! その程度では私は殺せませんよ〜!」

歴戦の大物ヒーローたち渾身の必殺技を、次々と難なくかわしていく殺せんせー。

ズバット「2月2日、飛鳥五郎と言う男を殺したのは貴様だな!?」
殺せんせー「違います。その日、私はハワイで映画を見ていました」

そして事件解決後…。
ヒーローたちと殺せんせーは和解する。

ライダー1号「殺せんせー、どうやら我々は君の事を誤解していたようだ」
殺せんせー「そんな褒められても、来年地球を破壊するのはやめませんよ〜」
ライダー2号「それは心配ない。君の自慢の教え子たちが、きっと阻止してくれるだろう!」

烏間「ブレイバーズのヒーローたちの力をもってしても、奴を殺す事はできなかったか…」

殺せんせーと椚ヶ丘中学校3年E組の生徒たちはこうして帰って行った。

ライダー1号「しかしズバット、飛鳥五郎を殺害したのは確か神竜伸介ではなかったのか?」
ズバット「実は飛鳥が殺されたあの日、あの現場には神竜以外にも実はもう一人、
 飛鳥に銃弾を浴びせた人間がいた事がわかったんだ!」
ライダー2号「なんだって!?」
ズバット「その人間を捕まえない限り、俺の復讐の旅は終わらないのだ…!」

衝撃の事実が判明! 果たして、神竜伸介以外にもう一人いた真犯人とは!?

314ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2015/03/29(日) 11:12:34
≪タイトル未定≫

※ほとんどオリキャラのみで、今のところクロスオーバー要素はほとんどなし。

サラジアシークレットサービスの女スパイ、SSS3は、
「SSS(スリーエス)」のコードナンバーを持つエージェントたちの紅一点であり、
その美貌から、アフマド・アルハザード副大統領からも寵愛を受けていた。

そんなSSS3に、日本に上陸して牧村光平と北上紗希(仁科紗那)抹殺の命令が下る。
SSS3は、沢渡優香、朝倉慎哉、岡島雄大の3人を誘拐して人質に取り、
「もし他のブレイバーズの仲間に知らせたりすれば、人質の命はない」と脅迫して、
光平と紗希を指定場所の無人タンカーまでおびき寄せる。

SSS3「約束通り来たようね」
光平「みんなはどこにいる!」
SSS3「今から案内するわ。ついていらっしゃい。
 言っておくけど、シグフェルに変身したり、
 あのウーとかいう怪獣を呼び出したりしたら、
 即座に人質は殺すわよ」
光平「くっ、わかってる…!」
紗希「………」

光平と紗希は、SSS3に案内されて船内の薄暗い一室に案内された。
ちなみに紗希はさっきからずっと俯いて、無言のまま押し黙ったままだ。

光平「誰もいないじゃないか!?」

その時、天井から鋼鉄製の檻が降って来て、
光平と紗希は檻の中に閉じ込められてしまった。

光平「騙したな!!」
SSS3「フフフッ…まんまと罠にかかったね。
 もうすぐこのタンカーは爆発する。
 人質も後から冥土に送ってやるよ。
 あの世で再会するんだね!」
紗希「クククククッ…」

檻の中の紗希が突然笑い始める。

SSS3「何がおかしいの!?」
紗希「そんなこったろうと思ったよ!
 お生憎様だったね!!」

紗希は頭に被っていたカツラを脱ぎ捨て、
変装用のマスクを顔からベリベリッと剥ぎ取る。
なんとこの紗希は錦織佳代の変装だったのだ!

SSS3「お、お前は…!?」
佳代「残念だったね。さあ、沢渡さんたちが
 どこにいるのか喋ってもらうよ!!」

驚いたSSS3は、慌てて無線機で外部に連絡を取る。
だが……。

SSS3「こちらSSS3、応答せよ! 北上紗希は偽物よ!
 応答せよ! どうして返事がしないの!?
 ――まさか!!」

光平と佳代とSSS3がいる部屋には、
いつの間にか外からしっかり扉に鍵がかけられていた。
つまりSSS3は、仲間に裏切られて光平たちと一緒に
爆発寸前のタンカーに閉じ込められたのだ。

315ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2015/03/29(日) 11:13:07
SSS1「お前たち、最初からSSS3を始末するつもりだったのか?」
秘書N「あら、何かご不満ですか?」
SSS1「いや、別に。目的のターゲットさえ消去出来れば、私に異存はない」
秘書R「そもそもSSS3は口が軽いわ。あの女から何か機密が漏れやしないかと、
 副大統領も案じておられたのよ」
秘書N「SSS3、悪く思わないでね」

秘書Nと秘書Rは、前々からアルハザードの寵愛を受けるSSS3に嫉妬しており、
この機会に目の上のたんこぶを始末してしまおうと企んでいたのだった。

SSS3「ちきしょおおッッ!! NとRの仕業だね!!
 アタシをよくも裏切ったわねええ!!!」
光平「落ちつけ! まだ脱出のチャンスはある!!」
SSS3「お黙りィィッ!! このタンカーが吹っ飛んだら
 全てがおしまいなんだよ〜ッ!!」

目前に迫る死の恐怖でパニックに陥り泣き叫ぶSSS3を必死に宥める光平。
そんな時、厚い船板をぶち抜いて怪獣ウーとその肩に乗る本物の北上紗希が、
事前に打ち合わせた手筈通り救出に現れた。

紗希「光平くん! 錦織さん!」
佳代「グッドタイミングたよ北上さん♪」
紗希「さあ、早くウーの肩に乗って!!」

それから数10秒後、港に停泊していたタンカーは大爆発を起こしたのであった。

SSS1「これで天凰輝シグフェルもおしまいか。割とあっけないものだな」

翌朝、昏睡状態だったSSS3は、とある病院の病室のベットの上で目を覚ます。

SSS3「ここは…」
紗希「気がつきましたか?」
SSS3「あ、あんたたちは…??」

光平たちがタンカーから脱出する際、SSS3も一緒に助け出されていたのだった。

佳代「礼なら光平に言うんだね。あたしは放っておこうって言ったけど、
 "いくら悪人でも見殺しにはできない"んだってさ…」
光平「教えてほしい。優香や慎哉、雄大たち3人は今どこにいるんだ?」
SSS3「う…ううっ…(涙」

人生で初めて人の温かい心に触れたSSS3は改心し、
光平たちを今度こそ優香たちの本当の監禁場所へと案内する事に。
そして敵の銃弾から光平たちを庇って命を落とすことになる…。

316ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2015/03/29(日) 11:34:17
≪銀河皇帝、禁断の恋≫

ローエングラム王朝第三銀河帝国第二代皇帝アレクサンデル・ジークフリード・フォン・ローエングラムは、
惑星エンペリアスで出会った星間評議会の行政官研修生ユリア・エッフェンベルクと恋に落ちた。
実はユリアの正体は、旧ゴールデンバウム王朝最後の女帝カザリン・ケートヘン。
カザリンを自身の皇妃にと望むアレクに、母の皇太后ヒルダは猛反対する。

カザリンは、実際には血縁関係は無くとも、系図上はアレクの祖母に当たる女性であり、
「このような婚姻は人の道に外れる」というのである。

果たしてアレクとカザリン、二人の禁断の恋は実るのであろうか…。

317ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2015/03/31(火) 22:14:18
外宇宙編『二人皇帝、エンペリアスを目指す-6』を投稿しました。
おそらく次で完結できると思います。

>>936 ユガミ博士 ◆UMgG0HhEo2
>「暗殺教室」の方は、現在原作でいよいよ
>殺せんせーの正体とかが分かる過去編へと突入となっている。(殺せんせーに
>よれば、その命はどのみち3月までらしい)
おそらくテレビアニメ最終回は原作完結のところまでは到達しないでしょうから、
テレビアニメの終了時点から闘争の系統に参戦となれば、
まだ暗殺授業は続いていることになるでしょう。

>飛鳥五郎を殺したというもう一人の人物
>というのも気になる内容だ。
確かもう何年も前の事になると思うのですが、
『快傑ズバット』に関しては「最終回後の参戦」というルールに
特例を認めて除外するようにと名無しさんたちからクレームが出て、
それをアタシが強情に突っぱねて却下してしまったのですが、
ネタバレノートに投下した方式であれば、
「2月2日、飛鳥五郎と言う男を殺したのは貴様だな!?」の名台詞を
闘争の系統のシナリオの中でもズバットに言わせる事は可能かと思われます。

><<魔術師の帰還>>も、非常に面白い状況だった。
リー・ウェンの正体がヤン・ウェンリーと判明する、
展開上も重要なシナリオになります。

>そういえば、そういう設定じゃったな。アメリア大統領のズッキーニ・ニッキーニとは
>案外、政敵の関係なのかもしれない。
現在時点の「アメリア国」はアメリカ合衆国の隣辺りにある小さい国なのでしょうが、
『Gのレコンギスタ』の頃の時代になると、きっと急速に国力を伸ばして、
衰退した本家アメリカを吸収して乗っ取ってしまったのでしょうね。

318ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2015/03/31(火) 22:14:53
誤爆してしまいました…。

319ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2015/04/11(土) 21:23:08
※これはアタシが勝手に書いたシナリオですが、
もし凱聖クールギン様の方ですでに別の具体的シナリオが
出来あがっていらっしゃった場合は没にして頂いて結構です。

≪岩屋村編 序盤仮シナリオ案≫

異形忍 紅トカゲからの助言を受け、「仁科宗禎」なる人物について調べ始めた牧村光平。
朝倉慎哉の調べで、その「仁科宗禎」の生まれ故郷が東北・岩手県の過疎地域「岩屋村」である
ところまで突き止めた。

***海防大学付属高校・カフェテリア***

昼休み、学生食堂に集まった光平、慎哉、優香の三人は今後の事を相談する。

光平「今度の土日を使って、その岩屋村に行ってみようと思うんだ」
優香「うん、わかった。じゃあその日は腕によりをかけて
二人のお弁当を用意しておくんだから♪」
慎哉「おいおい沢渡、ハイキングに行くんじゃないんだぞ」
光平「いや、岩屋村には俺一人で行ってくるよ」
優香「えっ…?」
慎哉「なっ…!」
光平「これはあくまでも俺の個人的な事だし、
 みんなにまで迷惑はかけられない」
優香「でも…」
慎哉「そんな、水臭いぜ!」
光平「心配しなくても大丈夫だよ。東北の静かな田舎だっていう話だし、
 何も危ない事なんかないよ」

そこをたまたま近くを通りかかる錦織佳代。

佳代「岩屋村…?」

三人の会話から「岩屋村」という言葉を聞きとった佳代は、
しばらく様子を伺っていたが、その後いきなり光平の腕に飛びついた。

佳代「ならアタシが光平と一緒に行く!」
光平「佳代ちゃん!?」
慎哉「やれやれ、またお前か…(汗」
優香「ちょっと錦織さん! いきなり何なの!?
 光平くんに馴れ馴れしくしないでよ!!」
佳代「だって沢渡さんたちは今回は一緒に行かないんだろ?
 だったら光平とはアタシが代わりに一緒に行くよ。ねえ光平♪」
光平「…えっ? あ、ああ…そうだなぁ……」

光平の優柔不断な態度に、優香はブチ切れる。

優香「あらそう!! だったら勝手にすれば!!
 どうぞお二人でごゆっくり!!(怒」
光平「ちょ、ちょっと待てよ優香!?」

320ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2015/04/11(土) 21:23:42
翌朝の土曜日……。

***東京駅・東北新幹線ホーム***

佳代「なんで朝倉まで一緒にいるのさ!?(;一一) ジィー」
慎哉「なんたって光平のサポートは俺の役目だ。それに光平と錦織が
 過ちを犯さないようにしっかり見張る必要もあるからな!( ̄ー ̄)ニヤリ」
光平「なんだよ、"過ち"って…?(汗」
佳代「…ちぇっ」

朝、光平との待ち合わせの新幹線ホームにて、
慎哉も光平と一緒に現れたため、光平と二人っきりで
旅が出来ると思っていた佳代は当てが外れて
残念そうに地団太を踏む。

一方、麦わら帽子を深くかぶりサングラスをかけて
変装した沢渡優香が、柱の影からこっそりこちらの様子を見ていた。
それに佳代が気がつく。

佳代「沢渡さ〜ん、いつまでそんなところに隠れてるの〜!?」
優香「――!? あ、あら…これはまた皆さんお揃いで……。
 奇遇ねえ。オホホホホ………」
光平「優香、お前そんなところで何やってるんだ?」
優香「そんなのアタシの勝手でしょ!」
佳代「沢渡さんも岩手の方に用があるのよね〜」
優香「…え! ま、まあ…ね」
光平「しょうがないなあ…。それじゃあ一緒に行こうか、優香」
優香「う、うん…」

こうして光平、慎哉、優香、佳代の四人で
同じ新幹線に同乗し東北に向かう事になった。

慎哉「………」
佳代「なによ。アタシの顔になんかついてるの!」
慎哉「いやさ、お前が沢渡にも一緒に行こうって言うなんて
 意外だったからさ」
佳代「向こうは危険かもしれないし、
 勝手に一人で出歩かれても困るからね」
慎哉「何の話だ?」
佳代「別に。こっちの話し」

321ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2015/04/11(土) 21:24:46
実はこれには裏があったのである。
それは一昨日の夜のこと。

***江田島平八邸***

富樫「佳代、紹介しよう。こちらは破嵐財閥総帥・破嵐万丈氏だ」
万丈「破嵐万丈だ。はじめまして」
佳代「……(この人がメガノイド族を滅ぼした
 希代の快男児、破嵐万丈)」

破嵐万丈とその愛機ダイ・ターン3の活躍の噂は、
伊賀・月影の隠れ里で暮らしていた佳代の耳にも達していた。

江田島「佳代よ、お前は岩手の岩屋ダム建設工事の
 ニュースは知っておるな?」
佳代「はい。"税金の無駄遣いの象徴"だとかで
 マスコミから散々叩かれているアレですか」
江田島「野党の連中はこれ幸いにとマスコミの報道に便乗して
 与党を攻撃する材料に使っておるが、岩屋ダムの事業は
 洪水調節、灌漑、水力発電の三つを目的として、現地の
 振興と発展にはどうしても必要な物だ。…ま、今は
 この点についてはどうでもよい」
万丈「その事業の入札で、うちの傘下の建設会社が
 落札してね。近隣住民への説明や自然環境については
 充分に配慮させてもらったつもりだよ」
佳代「それで、その岩屋ダムに何か?」
万丈「事前調査のために現地に向かった
 うちの会社の人間が、まるで神隠しにでもあったか
 のように失踪した」

万丈の話によると、現地調査に向かったダム技術者の何人かが、
ダム建設予定地近くの岩屋村に入った時点で、ぷっつりと
連絡が途絶えたのだという。

富樫「岩手県警も懸命の捜査を続けているが、
 何しろその岩屋村というのが、よそ者には冷たい
 排他的な地域で、警察の行動にも極めて非協力的だ。
 そのため捜査は難航している」
江田島「佳代よ、お前は岩屋村に向かい、
 現地では破嵐万丈の指示に従って
 事の真相を調べてまいれ」
佳代「承知いたしました」

322ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2015/04/11(土) 21:25:20
こうして光平たち3人と一緒に岩屋村へと向かう事になった佳代なのだが、
盛岡に向かう新幹線の車中では、さらに一人、意外な人物と遭遇した。

朱音「あら光平くん、それにみんなもお揃いで」
光平「朱音ちゃん!?」
優香「朱音先生!?」
佳代「――!!」

旅行用のトランクケースを片手に旅の装いをした、
光平たちのクラスの担任教師・千坂朱音とバッタリ遭遇。

慎哉「朱音ちゃんも東北に?」
朱音「そうよ。岩手県の岩屋村に
 抜群の美肌効果がある隠し湯があるそうなの。
 これを見てみて♪」

朱音は荷物の中から観光ガイドを取り出し、
岩屋村の温泉記事を光平たちに指し示す。

優香「あっ、本当だぁ…」
光平「でも奇遇ですね。実は俺たちも
 岩屋村に行くところなんですよ」
朱音「あら本当に? そうしたら向こうで
 また会うかもしれないわね」
慎哉「よければ朱音ちゃんも一緒に行こうよ」
佳代「――なっ!?」

佳代は慌てて慎哉の袖を引っ張り、
小耳に何事かを呟こうとする。

慎哉「なんだよいきなり!?」
佳代「よした方がいいって…!」
慎哉「なんでだよ?」
佳代「それは……」

実は千坂朱音の正体が光平たちを監視している
天童のくノ一である事を知る佳代だったが、
その事情をここで彼らに説明するわけにもいかず
困ってしまう。

朱音「遠慮しておくわ。せっかくのお友達同士の
 水入らずの旅なんだし、教師なんかが一緒に
 いたりしたら息が詰まるでしょ」
光平「そんなことはないですよ」
朱音「気にしないで。向こうでまた会いましょ」

こうして光平たちはいったん朱音と別れた。

優香「朱音先生、そんな遠慮しなくてもいいのに…」
慎哉「朱音ちゃんも水臭いよなあ…」
光平「きっと朱音ちゃんも一人でゆっくりしたいんだよ。
 無理強いしちゃ気の毒だ」
佳代「………」

323ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2015/04/11(土) 21:26:06
***盛岡駅・路線バス乗り場***

盛岡に到着した光平たちは、駅前のバス乗り場で
岩屋村行きのバスが来るのを待っていたが…。

佳代「あっ、ゴメン! さっきトイレの中に忘れ物をした!」
優香「ええっ!?」
慎哉「おいおい、もうじきバスが来ちまうぞ!
 これを乗り逃したら次のパス2時間後なんだからな!」
佳代「先に行ってて! 後から追い付くから!」
光平「佳代ちゃん!!」

佳代はすぐに走り去って行ってしまった。

優香「なんなのあの娘! 勝手に私たちについてきたくせに!」
光平「………」


***盛岡市菜園・某百貨店屋上***

盛岡市街地唯一の、創業140年を誇る老舗百貨店の屋上にある看板の双方の隅の上に、
くノ一姿の錦織佳代と千坂朱音が睨みあうように立って対峙している。

佳代「いったい何しに来た?」
朱音「言ったでしょ。美肌効果のある温泉に入りに――」
佳代「とぼけるなッ!! どうせ天童のジジイから
 何か命じられて来たんでしょーが!」
朱音「そういう貴女こそ、江田島の御老体から
 何を命じられてきたの?」
佳代「言っておくけど、光平たちがここに来たのは
 ブレイバーズの任務とは何も関係がないんだ!
 とんだ取り越し苦労だったね」
朱音「フフッ…果たしてそうかしらね」
佳代「どういう意味だ!?」
朱音「光平くんたちが岩屋村に行くのは、
 "仁科宗禎"という人物について調べるため…。
 沖縄で光平くんたちを襲った闇の魔人が、
 それに何か関わっているのだとすれば…」
佳代「――!! 今も光平たちの身が危ない!?」

佳代は慌てて看板の上から飛び降りて、
ひとまず朱音の事は放っておき、
忍びの鍛えられた脚を使い目にも止まらぬ速さで
盛岡のビル街を駆け抜けていく。

朱音「フフフッ…さあて、岩屋村ではどうなることかしらね。
 しっかりと見定めさせてもらうわよ」

果たして岩屋村では、光平たちを何が待ち受けているのであろうか…。

324ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2015/04/14(火) 22:12:09
≪砂漠の姫の来日≫

宇都宮での聖天子暗殺未遂事件を解決した静弦太郎と霧島五郎、
そしてそのお目付け役の藤森典子も含めた三人の一行は、
目的地の関門海峡に向かう途中、せっかくの通り道なので、
国家警備機構の本部にも一応顔を出しておこうと東京に立ち寄る。

その途中、滑らかな褐色の肌と長いプラチナプロンドの髪を持つ一人の美少女が
独立幻野党の怪獣ロボットに襲われている現場に偶然遭遇。
その美少女は、お忍びで単身来日していたアルジェの石油王一族の令嬢、
フィリナ・クラウディア・アルシャードであった。
独立幻野党は、活動資金確保のための営利誘拐を目的としてフィリナを狙ったのだ。

アイアンキングに変身した五郎と共にフィリナを守る弦太郎。
苦戦したところに突然現れたのは、謎のヒーロー・シグフェルだった。
シグフェルはあっという間に怪獣ロボットを撃退して、
一瞬だけフィリナと目を合わせたかと思うと、無言のまま立ち去って行った。

弦太郎「なんだあの野郎! いきなり出て来て
 いいところだけかっさらって行きやがって!」
フィリナ「あれがシグフェル……」
弦太郎「……?」
典子「……(キレイ。まるでアラビアンナイトの物語から抜け出してきた
 砂漠の国のお姫様みたいだわ…)」

フィリナの美しさについうっかりと見とれる典子だったが、
シグフェルを見たフィリナの反応と態度に何か引っ掛かるモノを感じた弦太郎。
まずはともかく、独立幻野党に狙われているであろうフィリナに対して身辺警護を申し出る。
しかしフィリナはその申し出を拒絶した。

フィリナ「今回はプライベートで来ておりますので、
 身辺警護も接待の類も一切結構だと、事前に矢吹会長を通じて
 日本政府にもお願いしてあるはずです」
弦太郎「そうはいかねえなあ! 石油王のお嬢様だか何だか知らねえが、
 独立幻野党に狙われている人間にあっちこっち勝手に出歩かれても困る!」

フィリナの泊まっているホテルを見張る弦太郎たちだったが、
機転を利かしたフィリナにまんまと逃げられてしまう。

五郎「大変だ弦の字! 砂漠のお姫様が
 ホテルのどこにもいないぜ!」
弦太郎「ちきしょう! やられた!」

国家警備機構本部に戻った弦太郎たちを待っていたのは、
内閣安全保障室長の土橋竜三だった。
そこで彼らは土橋の口から、フィリナの従弟である
牧村光平の存在を知らされたのであった。

弦太郎「この日本に石油王一族の隠し子がいたとはねえ…。
 それで来日を公にできなかったってわけだ」

325ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2015/04/14(火) 22:13:10
一方、やっとのことで静弦太郎たちの尾行と監視を撒いたフィリナは、
朝倉家に到着。光平たちと再会する。

光平「久しぶり、フィリナ」
フィリナ「思ったよりも元気そうね光平。さっきは助けてくれてありがとう。
 でも正直驚いたわ。あれがあなたの変身した姿なのね…」

実はフィリナは慎哉から国際郵便で手紙を受け取り、
来日前に光平がシグフェルである事を知っていた。
イーバとの戦いに身を投じつつも、
否応なしにブレイバーズとGショッカーの戦いにも巻き込まれ、
光平を改造した張本人である東条寺理乃のその後の行方もまったく掴めず、
途方に暮れていた光平たちは、フィリナに事情を打ち明け相談することにしたのだ。
しかし当のフィリナにも、正直これは手に余るというか、
どうすればよいのか見当すらつかないことであった。
とりあえず、アルシャード家の息のかかった信頼できる医療研究機関にて
光平の身体を解析して調べてみる等の選択肢も含め、
時間をかけてじっくりと解決策を考えてみようというところで話はまとまる。

一方、シグフェル出現の報は、スマートブレイン本社にも届いていた。

村上「これは妙ですねえ。今までイーバが出現した場所にしか
 原則として現れなかったシグフェルが、どうしてアルシャード家の
 令嬢の危機を救いにわざわざ現れたのでしょうか…」
ゴメス「幻の月光とは以前に中近東で一緒に暴れまわった仲です。
 そちらの方面からは私が当たってみましょう」

その会話の内容は、ネロス帝国・ヨロイ軍団爆闘士ガラドー配下の"影"が
密かに本社ビルの壁に張り付いて盗聴していた。

影「直ちに戻って軍団長に報告しなくては!」

地上に飛び降りた"影"は、すぐに急いでゴーストバンクへと戻る。
しかしそれに気づいていない村上社長たちではなかった。

村上「どうやら下の下な鼠がちょこまかと嗅ぎまわっているようですねえ」
ゴメス「今のはおそらくネロス帝国配下の下忍ですな。
 努々ご油断あるべからず」

シグフェルにフィリナ誘拐を邪魔され怒り心頭の幻の月光は、
接触してきたキャプテン・ゴメスの誘いに乗り、一時的にGショッカーと手を組む事に。

326ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2015/04/14(火) 22:14:18
翌日、フィリナの希望で東京観光に出かける光平たち。
それをつかず離れず護衛する静弦太郎と霧島五郎。
そしてフィリナを狙うオルフェノク&幻兵団、そしてネロス帝国。

(ここで何か一騒動起こる予定)

フィリナと光平たちはそれを無事に乗り切る。
その後の夜、日本の財界関係者にフィリナ来日の情報が漏れてしまい、
不本意ながらもフィリナは財界のパーティーに出席しなければならない羽目に。
沢渡優香を同伴者として連れて行くことにしたフィリナだったが、
高価なドレスに着替えて一緒に出席した優香は、
パーティー会場でジュースと間違えてカクテルを飲んでしまう。

優香「ふぃ〜りなさああん…(///)」
フィリナ「優香、貴女お酒飲んだわね!?」

酔っ払った優香を介抱するため、用意された部屋に入ったフィリナと優香だったが、
そこでついに二人はGショッカーに拉致されてしまうのだった。

※現時点で考えているシナリオの大まかな全体の流れは以上の通りです。
細かい部分はもちろん変更して構いません。
また今回も、ブレイバーズとGショッカーはシグフェルの正体を
突き止める事が出来ないままシナリオは終わります。

327ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2015/04/15(水) 22:39:51
≪魔術師の帰還 その後の顛末≫

>>312の続き。

海防大学付属高校に歴史科担当教諭兼民俗研究会顧問として勤務する
リー・ウェンの正体が、実はあの銀河系戦史にその名を轟かせる
英雄ヤン・ウェンリー提督が、黄泉がえり現象により
現世に復活した姿であった事が判明した。

雄大「エ━━ΣΣ(゚Д゚;)━━ッ!!
 リー・ウェン先生の正体が実は
 あのヤン・ウェンリー提督ゥゥッ!!?」
慎哉「―バカッ!! 声が大きいよ!」
雄大「…す、すみません(汗」
紗希「リー・ウェン先生、辞めちゃうのかな…」
佳代「残念だけど、正体がバレた以上、
 もうあたしたちの前にはいられないと思う…」
優香「先生の歴史の授業、とっても解りやすいし
 楽しくて好きだったのに…」
光平「寂しくなるな……」

光平たちが「リー・ウェンが教師を辞めてしまうのでは…?」と噂話をしている一方で、
その日もリー・ウェンことヤン・ウェンリーはいつものように
教職としての勤務を終えて職場からの帰宅の途につこうとしていたが、
背後から怪しい男が自分を尾行している事に気がつく。
シェーンコップに連絡を取り、その怪しい男を逆に路地裏に誘い込んで、
仲間たちと一緒になって取り囲む。

怪しい男「――!!」
ヤン「私に何か用かい?」
怪しい男「さすがは名将として名高いヤン・ウェンリー提督。
 ご無礼の段は何卒ご容赦を」
ブルームハルト「いったい何者だ! また地球教の手先か!?」
怪しい男「いや。私めは天童菊之丞が配下、鳴海多門めにございます。
 当方の主人が、是非ともヤン提督にお目にかかりたいと申しております」

突然の天童からの面会の申し出。
ヤンの仲間たちは猛反対する。

パトリチェフ「ヤン提督、行ってはいけません!」
フィッシャー「もしこれが提督を亡き者にせんとする
 天童の陰謀だったらどうします!?」
ヤン「天童が私を殺すつもりなら、とっくの昔にやっている。
 もし私が会談を拒否すれば、その時こそ天童は強硬手段に出てくるだろう。
 できるだけ無駄な血は流したくない。ここは向こうの申し出に応じよう」

こうしてヤンは天童菊之丞邸を訪問する事に…。
天童邸は薔薇の騎士(ローゼンリッター)連隊が包囲しつつ周辺に待機し、
もし万一"ヤンが邸内にて謎の不審死を遂げた"などという事態が発生しようものなら、
薔薇の騎士(ローゼンリッター)連隊は一丸となって天童邸に突入し、玉砕する構えである。
天童菊之丞とヤン・ウェンリーとの対談は、緊迫した雰囲気の中で行われた。

菊之丞「一度は志半ばにして倒れた者が、幸運にして再び現世に舞い戻ったともなれば、
 "あの時に潰えた夢よもう一度"と考えるのが男子の本懐ではござらぬかな?」

天童菊之丞は、あのジョアン・レベロも同じように考えたように、
いずれヤンが政治的権力を握って日本の国家体制をも揺るがすのではないかと
警戒していた。しかしヤンは自己流のジョークで、菊之丞の抱く疑念に正面から答える。

ヤン「そうですねえ…。私なら"たくさんの本に囲まれつつ、
 のんびり気ままな年金生活を享受する…"。今度こそ
 この念願を叶える事こそが、今の私の本懐です」
菊之丞「フフフッ…さようか」

これにはさすがの天童菊之丞も苦笑するほかなかった。

菊之丞「なればヤン・ウェ――いや、リー・ウェン教諭。
 当面はまだ海防大学付属高校にて誰にも遠慮せずに
 引き続き教職を続けられてはいかがかな?」

328ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2015/04/15(水) 22:40:49
***東京・銀座 BAR JESSICA***

ヤン一党の溜まり場兼アジトの一つとなっている
酒場「BAR JESSICA」に集まった仲間たち。
天童菊之丞との会談が終わったヤンは、
その内容を皆に報告した。

チュン・ウー・チェン「天童菊之丞がそのような事を…」
シェーンコップ「おそらく天童は、自分の目が届いて常時監視できる位置に
 ヤン提督を置いておかないと安心できないんでしょうなあ」
ビュコック「…それで、ヤンよ。お前さんはどうするつもりなんじゃ?」
ヤン「天童菊之丞の言うとおり、このまま今の場所で教職を続けようと思います。
 もし私が姿を消そうとすれば、天童は手段を選ばずに
 私を今の場所に押し留めようとするでしょう。
 そうなればまた無駄な血が流れます。それを防ぐためにも…」
ビュコック「うむ。まずはそれがよかろうて」

それにしても今回の事件では、ヤンたちにとっても
奇想天外な事実が次々と露呈した。

ヤンこと表の顔リー・ウェンが教師として務める海防大学付属高校の
生徒である牧村光平が、実はブレイバーズに所属するスーパーヒーローの一人、
天鳳輝シグフェルだったのだから…。
そして同じく同校生徒でもある錦織佳代は、
あの天童菊之丞とも双璧を成すフィクサーにして
日本の首領(ドン)と恐れられる江田島平八に仕えている月影一族出身のくノ一。
そして北上紗希も、ブラックテクノロジーを司るウィスパードとして
国際傭兵組織ミスリルの保護プログラム下にあり、破嵐財閥の総帥である
破嵐万丈から後見を受ける身でもある。
朝倉慎哉、岡島雄大、沢渡優香は特に何の特殊能力も持たない一般人だが、
光平たちとは固い絆で結ばれた協力者であり、光平たちを通じて
他のブレイバーズの歴戦のメンバーたちとも今では親交が深い。

リー・ウェンのよく知る教え子たちが、皆が皆揃いも揃って
意外な重要人物だったのだから、世の中は狭いし侮れない。
(そして一番油断がならないのは、リー・ウェンの職場の同僚でもある
女教師の千坂朱音が、実はブレイバーズを監視する天童の女間者だったことだが…。)

水面下で地球教と戦うヤン一党にとっても、
比較的近くにいる光平たちは無視できない存在となっていたのだ。

329ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2015/04/15(水) 22:41:37
マシュンゴ「その後ブレイバーズからは何も言ってきませんか?」
ヤン「うん。何も言ってこない」
イワン・コーネフ「意外に薄情な奴らですねえ。まさか彼らも
 ヤン提督の名声を知らないわけじゃないでしょう」
ヤン「天童は、私がブレイバーズと結び付くのをひどく警戒している」
マシュンゴ「それで向こうも余計な疑念を持たれたくなくて
 今は遠慮してるという事でしょうか?」
ヤン「それもあるかもしれないが、ブレイバーズは今回の件で
 我々の事を信頼してくれたようだ。それで余計な接触は控えているんだろう」
シェーンコップ「例の提督の学校での教え子たちはどうです?」
ヤン「光平君たちかい? 彼らはとってもいい子だよ」
シェーンコップ「情が移りましたか?」
ヤン「悪いかい?」
シェーンコップ「いえいえ、むしろその逆です。
 彼らとは大いに仲良くなって、これまで以上に師弟の絆を
 しっかりと築いてもらいたいものですな」

黄泉がえる前の生前の頃から、元々シェーンコップは
ヤン・ウェンリーが権力の座につく事を望んでいる節があり、
よくヤンに対して権力奪取を嗾けていた。
用意周到な陰謀家の一面も併せ持つシェーンコップにとって、
何の因果かこの世に再び自分たちが生き返った事は、
以前ヤンが地球教に暗殺された事で一度は潰えた
自分の夢を今度こそ叶える絶好の機会に他ならない。

奇しくも天童菊之丞が最も危惧している事を実現しようとしている人物こそが、
このワルター・フォン・シェーンコップその人に他ならなかった。

ヤン「おいおいシェーンコップ、まさか光平君たちを
 自分の野望のために利用しようっていうんじゃないだろうな?」
シェーンコップ「そこまでは言いませんがね。
 いずれブレイバーズとは堂々と共同戦線を張る日が
 必ず来ますよ。その時のためにも彼らの信用を今のうちから
 勝ち得ておくことも必要だとは思いますがねえ」

すでにシェーンコップの頭の中には、ブレイバーズの組織をも
「ヤン・ウェンリーに宇宙の覇権を握らせるプラン」のために
とことん利用する構想が出来上がりつつあるようである。
ヤンは「やれやれ」とため息をつきつつ、
酒の入ったグラスを傾けるのだった。

330ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2015/04/15(水) 22:42:11
翌日……。

***海防大学付属高校***

リー・ウェン「授業が始まるぞ! みんな席に着きなさい!」

世界史のカリキュラムの時間が始まろうという時に、
教室の生徒たちが皆揃って、悲しそうな表情で
教卓に立つリー・ウェンをじっと見つめている。

リー・ウェン「どうしたんだみんな、
 そんな今にも泣きそうな顔なんかして…??」
生徒A「先生! 辞めちゃうって本当なんですか!?」
生徒B「辞めないでください先生!」
慎哉「俺たちはみんなリー・ウェン先生の事が大好きなんだよ!」
優香「先生の歴史の講義がもう聞けなくなっちゃうなんてイヤです!」
光平「リー・ウェン先生!!」
リー・ウェン「…辞める? いったい誰が辞めるって言うんだ?」

クラス全員「「「……え!?」」」

教室にいる生徒全員の目が点になった…ww。

佳代「…じゃあ、先生辞めるんじゃないの??」
リー・ウェン「ただでさえ中高年には再就職が厳しい
 このご時世に辞めるわけなんかないだろう。
 バカな事を言ってないで、さっさと授業始めるぞ」

次の瞬間、教室中から生徒たちの喜びに満ちた
歓喜の声が溢れた。

生徒全員「「「やったああっっ!!!!!!」」」

リー・ウェン「いきなりうるさいぞお前たち!
 静かにしなさい! 隣の教室に迷惑だ!」

紗希「よかった……」

リー・ウェン「……(ありがとう。私の大事な生徒たち)」

こうして海防大学付属高校歴史科担当教諭リー・ウェンは、
これからも引き続き今の職場に留まり続ける事になったのだった。

もう一つの新たな銀河の歴史が、また一ページ。

331ユガミ博士 ◆UMgG0HhEo2:2015/04/16(木) 14:12:43
<<特捜エクシードラフト×ハイスクールD×D他:タイトル未定>>

平和を愛し、友情を信じ、人の命を守る為に犯罪に立ち向かう、警視庁特別救急警察隊。
通称“レスキューポリス”。その中の部隊の一つである特別救急警察隊=
エクシードラフトの隊長である叶隼人は、愛機であるバリアス7を走らせながら
街のパトロールを行っていた。

隼人「ん、あれは・・・・?」

隼人がパトロールをしていると、金髪の少女が不良少年に絡まれて
困っている所だったので、隼人は少女を不良少年達から助け出す。

アーシア「ありがとうございます。私はアーシア・アルジェントと言います」

アーシア・アルジェントという名の少女は、兵藤一誠という少年と
買い物(デート)をしていた所、うっかりはぐれて絡まれていたという。
そこへ、件の少年である兵藤一誠が現れ、彼からもお礼の言葉を聞くと
隼人は彼等と別れて、パトロールに戻った。

数日後、都内に新しくオープンしたショッピングモールで火災が発生し
ゴーゴーファイブとエクシードラフトに出動要請が下りる。隼人は隊員
である村岡耕作と大熊拳と共に現場へと出動した。

一方、ショッピングモールではあちこちで火事が起こり、壁や天井が
崩れたりとショッピングモールに来ていた人々は傷を負ったりと大混乱と
なっていた。そんな中、傷ついた人々を助けようと動いている者達がいた。

一誠「うぉぉぉぉぉ!!」

それは数日前、隼人が会った一誠達オカルト研究部のメンバーだった。
彼らも新しくオープンしたショッピングモールに買い物で来た所、巻き込まれた
のである。一誠達、オカルト研究部は実は全員悪魔であり、正体を隠しつつ
人々の救助を行っていた。だが、この火災は事故によるものではなかった。

一誠「何だ、アイツらは!?」
リアス「あれは・・・災魔一族にオルグ!」
コボルダ「貴様ら・・・只の人間ではないな!?」
シュテン「我々の邪魔をするのであれば、何であろうと排除するのみ!?」

ショッピングモールで火災を起こしたのは、Gショッカーの傘下となっている
災魔一族の次男である獣男爵コボルダとハイネスデュークオルグの1体
シュテンだった。実は彼らは、ザンギャックの皇太子ワルズ・ギルとちょっとした
トラブルを起こしてムシャクシャしていたので、憂さ晴らしに配下のサイマ獣と
オルグを使って、ショッピングモールを襲わせたのである。

リアス「皆、彼等をこのままにしておくわけにはいかないわ!倒すわよ!」
オカルト研究部一同「了解!」

修行を積み、様々な敵と戦ってきた一誠達オカルト研究部の面々だが
黄泉還ってから一層強くなったサイマ獣とオルグに苦戦する一誠達。
そんな中、シュテンの配下であるオルグの1体タービンオルグが、
アーシアに向けて攻撃しようとしていた。。一誠が駆けつけようとするが、
相手をしているコボルダに阻まれてしまう。だが、タービンオルグの攻撃は
アーシアに届かなかった。

シンクレッダー「エクシードラフトだ!これより破壊活動を行っているサイマ獣と
 オルグの排除を行う!」

現れたのはパワードスーツを実装したエクシードラフトだった。いち早く現場に
駆けつけた隼人、耕作、拳の3人はシンクレッダー、ドラフトブルース、ドラフトキース
にそれぞれ実装し、ショッピングモール内へと急行。そこでアーシアを攻撃しようとする
タービンオルグを見て、リボルバックG-3を撃って阻止したのであった。

その後、ゴーゴーファイブも駆けつけ、オカルト研究部、エクシードラフト、ゴーゴーファイブの
協力によりショッピングモールを襲ったサイマ獣とオルグは倒された。
(コボルダとシュテンには逃げられたが)

隼人「まさか、この前会った君達が、悪魔だったとは驚いたなぁ」
リアス「今回の件を含めて、うちの部員がお世話になりました。 
 特にアーシアの命を救って下さり感謝いたします」
耕作「(こんな可愛い女の子達が、悪魔だなんて信じられん)」
拳「(うんうん)」

事件後、隼人達はヘルメットを脱ぎ、オカルト研究部の面々と言葉を
交わす。かつてエクシードラフトは大門巌という強大な悪魔と戦った事が
あるが、同じ悪魔でも彼らからは邪悪な気配は無く、信用に足り得ると
隼人は感じるのであった。

332ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2015/05/08(金) 16:11:09
≪シグフェル、ついにブレイバーズの仲間となる。-1≫

謎のヒーロー、シグフェルの正体は牧村光平と判明した。
シグフェルの正体を暴いたエゴスのホウタイ怪人とその弟悪魔ロボットは
バトルフィーバーJによって倒され、またコルベット准将も死亡し、
ロゴス系の連邦軍部隊は胡散霧消に近い形で日本から引き揚げて行った。

そして光平たちの側にも、これまで知り合って来た多くの人間が
実はブレイバーズ所属のヒーローたちであったことが明らかとなったのである。

それから何事もなく平穏無事に数日が経過した。

佐原「我々に光平君を強制的に入隊させる権限はない。
 彼がブレイバーズに参加するかどうかは、あくまで彼自身の
 自由意志である事が大前提だ」
剣持「私が説き伏せます」

ブレイバーズでは剣持隊長が村中隊員を伴って海防大付属高に赴き、
光平への説得にかかることに。
一方Gショッカーも、スマートブレイン社長・村上峡児が、
知人である海防大学理事とのコネを利用して、一足先に光平に接触していた。

村上「牧村光平君、我々偉大なるGショッカーは、
 君を歓迎します!」
光平「お断りします! 帰ってくださいッ!!」
村上「君の親しい人間にも災いが及んでもよいのですか?
 落ち着いてよく考えることです…」

今度は放課後のテニス部の練習時に、剣持隊長と村中隊員が
光平に接触しに現れた。

剣持「スマートブレインの村上が君に会いに来たそうだな?」
光平「はい…」
剣持「何を言われたのかは聞かなくても大体想像がつく。
 Gショッカーに入れば最高の待遇とポストを用意する。
 しかしもし拒否すれば、君の身近な人間にも危害を加える。
 そんなところだろう?」
光平「………」
剣持「単刀直入に言う。ブレイバーズに入隊しろ。
 それが君自身のためでもある」
光平「俺のシグフェルとしての力に利用価値があるからですか?」
剣持「自惚れるな。正体不明の異能の力を持つ一民間人に
 これ以上勝手に外を歩き回られては我々としても迷惑する。
 それだけのことだ!」
光平「…なっ!?」

ここで近くから話を聞いていた慎哉が憤って中に割って入る。

慎哉「さっきから黙って聞いてりゃあ!
 そんな言い方ってあるかよ!」
光平「…慎哉!?」
剣持「君は?」
慎哉「海防大学付属高校2年A組、朝倉慎哉です!」
剣持「光平君の同級生か」
慎哉「アンタたち連邦軍がシグフェルに…光平にした仕打ちッ…。
 よもや忘れたとは言わせないぜ!!」

慎哉の言う「仕打ち」とは、
恐らくコルベット准将の部隊の犯した
数々の非道な所業の事を言っているのだろう。

村中「あれはコルベット准将が勝手に――」
剣持「よせっ!」

釈明しようとした村中隊員を制止する剣持。
仮に今ここで"ブレイバーズ派とロゴス派の対立"という
地球連邦軍内部の複雑な構造関係を説明したところで、
一介の市民である慎哉には理解できないであろう。
むしろかえって責任逃れの言い訳にしか聞こえないに違いない。

村中「しかし隊長…」
慎哉「光平はアンタたちには渡さない!
 今日はもう帰ってくれ!」
剣持「また来る」

333ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2015/05/08(金) 16:11:51
こうして剣持たちが諦めて帰ろうとしていたその時、
近くの道路を猛スピードで通行した黒塗りの怪しい車から
学校のテニスコートや校門めがけて銃が乱射された。
Gショッカーからの光平に対する警告だ。

剣持「危ないッ! みんな伏せろォッ!!」

剣持の機転で幸い死者や重傷者は出なかったが、
生徒たちの中から軽い怪我人が数名出てしまった。

光平「……!!」
剣持「これで解っただろう。君がシグフェルである以上、
 君自身の意思に関わらず、周囲の人間を危険に晒すことになる。
 これ以上他人を巻き込むな。このけじめは自分でつけるんだな」
光平「くっ…!!」
慎哉「待てよ光平!!」

惨状を目の当たりにした事と、剣持の言葉のダブルパンチで
居た堪れなくなった光平は、ショックでどこかへ駆け出してしまったのだった。

帰りの車の中で二人きりで話す剣持と村中。

村中「隊長、少し言い過ぎだったのでは…?」
剣持「…かもしれん。だが、俺たち大人がしてやれる事は、
 子供が道に迷った時に正しく導いてやることだ」

夕暮れ時の河川敷…。
学校から帰宅途中の光平は、一人で斜面の上に仰向けに寝転がり、
ただボーッと沈みゆく夕日を眺めていた。

光平「………」

そこをたまたま通り掛かったのが、車で洗濯物の配達途中だった
乾巧と園田真理の二人である。

真理「巧、あの子確か…」
巧「あいつは…」

『西洋洗濯舗 菊池』は朝倉家も時折よく利用しており、
巧と真理は光平の事を常連客として顔を覚えていた。
気になった二人は車を止めて光平の側に寄る。

巧「おい、どうした?」
光平「あなたは確か…愛想の悪いクリーニング屋さん?」
巧「"愛想の悪い"だけ余計だッ!!」
光平「す、すみません…(汗」

光平から落ち込んでいる事情を聴く巧と真理。
元々は亡き父のような外交官を目指して夢を抱いていた事、
そして最近いろいろな事が起こり過ぎて困惑しており、
どうしたらよいものか道に迷っている事を
光平は巧たちにありのままの心境を吐露した。

話を聞いた巧も、かつて自分は夢を持てなかった事、
そして今は「世界中の洗濯物が真っ白になるみたいに
皆が幸せになりますように」という夢を持つに至った
経緯などを語り、光平にアドバイスするのであった。

光平「ありがとうございます。おかげで気持ちが楽になりました。
 ええっと……」
巧「乾巧だ」
真理「私は園田真理よ。改めましてヨロシクね」
光平「俺は牧村光平です」
巧「よく知ってるよ」
光平「え…?」

334ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2015/05/08(金) 16:12:30
こうして巧たちと別れた後、気持ちが吹っ切れた光平は、
その日の晩に一人で某廃工場跡に赴き、村上峡児たちを呼び出して
ハッキリとGショッカーへの参加拒絶の意思を表明したのだった。
当然の如く村上は激怒!

村上「この私に恥を掻かせたからには…命はない!!」

地獄大使の変身したガラガランダ、村上の変身したローズオルフェノク、
天王路博史の変身したケルベロスⅡの三体の邪将が、
一斉に光平の息の根を止めようと襲いかかる。
光平もシグフェルに変身して応戦するが……。

ガラガランダ「温いッ! 温いわァッ!
 貴様はこのわしを誰だと思っておる!
 仮面ライダー1号2号と死闘を繰り広げた
 地獄大使様だぞ!!」
ケルベロスⅡ「シグフェル、君のパワーは確かに凄まじい。
 だがいかんせん君には経験不足が目立つのだよ」

歴戦の猛者であるGショッカー大幹部たちの猛攻の前に、
シグフェルは成す術もないまま一方的に弄られ続け、
ついにはダメージで変身も解除され光平の姿に戻ってしまう。
ローズオルフェノクが倒れた光平の首を片腕で掴んで
じわじわと締め上げる。

ローズオルフェノク@村上の影「さあ、もう終わりです」
光平「ぐあああああッッ!!!」

光平危うしッ!
その時――。

EXCEED CHARGE!!

電子音声と共に突然現れた円錐状の赤い光と共に
放たれた飛び蹴りが、光平の窮地を救った。

ローズオルフェノク@村上の影「お前は…乾巧!」
ファイズ「うちのお得意さんにこれ以上ちょっかい出すのは
 やめてもらおうか!」

ローズオルフェノクたちを牽制しつつ、首絞めから解放されて
床に落ちて咳き込んでいる光平を気遣うファイズ。

ファイズ「よっ、大丈夫か?」
光平「その声は…もしかして乾さん!?」

乾巧の正体を知りびっくりする光平。

ファイズ「まだやれるな?」
光平「勿論です!」

光平は再びシグフェルの姿に変身した。
すると周囲はいきなりライトアップされて一気に明るくなり、
なんといつの間にかブレイバーズの全ヒーローが集結していて
逆にローズオルフェノクたちを完全に包囲していたのだった。

ガラガランダ「ぐぬぬぬッ…貴様らいつの間に!?」

335ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2015/05/08(金) 16:13:26
ボーグマン(チャック)「光平、お前の意思と覚悟のほど、
 しっかりと聞かせてもらった!」
シグフェル「チャックさん!?」
セーラームーン「シグフェルは…いいえ、光平くんはもう私たちの
 大切な仲間よ! 邪悪なあなた達なんかに手出しはさせない!」
ボウケンレッド「シグフェル、これは本来君が持つべき物だ。
 受け取ってほしい」
シグフェル「これは……」

ボウケンレッドから手渡され、再び愛剣フレアセイバーを手にするシグフェル。
フレアセイバーと一体化したシグフェルのパワーは何十倍にも膨れ上がるのだ!

ケルベロスⅡ「村上君、この場はひとまず…」
ローズオルフェノク「ぬぅぅっ……」

形勢不利を悟ったローズオルフェノクたちGショッカー大幹部は、
無念ながらテレポートで撤退した。

シグフェル「みんな……」
剣持「ようこそブレイバーズへ!」

こうしてシグフェルこと牧村光平は、
正式にブレイバーズの仲間となったのだった。

336ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2015/05/08(金) 17:56:23
≪シグフェル、ついにブレイバーズの仲間となる。-2≫

ブレイバーベースでは、早速牧村光平本人の同意の下、
科学陣スタッフによるシグフェルの身体の解析作業が開始された。
これは光平本人も元から望んでいた事であった。
しかしブレイバーズの誇る最先端の科学技術力を持ってしても、
シグフェルのパワーの秘密に迫る事は困難を極めた。
分かった事と言えば、シグフェルはまさに「戦うためだけの生体兵器」であるが如き
存在であるという事ぐらいであった。

佐原「光平君、落ち着いて聞いてほしい。
 残念ながら今の我々の科学力では、
 君の肉体を元に戻す事は不可能だ。
 お役にたてず申し訳ない…」
光平「いえ、気にしないでください。
 ショックじゃないと言えば嘘になりますけど、
 これでスッキリしました」

もう一つ、ブレイバーズにとって残念だった点は、
謎の怪物群「イーバ」の正体について、シグフェルから何か情報を得られるのではと
期待しながら、実際はシグフェル=光平自身もイーバについては何も知らず、
具体的な証言が全く得られなかった事だ。
しかし、光平をシグフェルに改造したと思われる東条寺理乃が、
イーバとも何らかの関係を持っている可能性が高い。
そちらの方は警察機関の方で継続して追跡・捜査が行われるだろう。

優香「光平くん、今日も学校お休みなのね…」
慎哉「あのバカッ…」

慎哉は、光平がブレイバーズに加わった事に
まだ納得していない様子である。

ある日、光平がブレイバーズの訓練から
へとへとに疲れて傷ついた様子で帰って来た。
いったいどんな訓練をしているんだと心配になった慎哉と優香は、
その翌日に再び出かけた光平には内緒で後をつけて、
レッドマフラー隊の基地に忍びこんだ。

優香「いったいどうやって中に忍びこむの?」
慎哉「へへっ、任せとけって♪」

慎哉は持って来た携帯端末から回線に繋いで、
あっさりと非常口のロックを解除して
まんまと基地内に潜入してしまう。
そこで二人が見たものは、年下の南三郎少年に
訓練でしごかれている光平の姿だった。

三郎「なんだそのへっぴり腰は!
 しっかり走らないか牧村隊員!」
光平「はい!!」

この光景を目にした慎哉と優香はびっくり仰天。

慎哉「あの教官、どう見ても中坊だろ!
 なんで光平があんな奴の言いなりになってんだ!」
優香「やっぱり光平くん、ブレイバーズの人たちから
 いじめられてたんじゃ…」
慎哉「だから俺は反対だったんだ!」

337ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2015/05/08(金) 17:57:07
海野「コラッ君たち! こんなところで何をしている!」

巡回中の海野隊員に見つかってしまう慎哉と優香。
案の定、剣持隊長からはカミナリが落ちる。

剣持「君の友人でなければ、即座に逮捕するところだ!」
光平「申し訳ありません。責任は全て俺が取ります!」
慎哉「おい光平っ、もうこの人たちなんかに
 これ以上へーこらする必要なんかないぞ!」

慎哉は「光平が南三郎からいじめられていた」と猛抗議するが、
それを聞いていた光平から逆に大笑いされてしまう。

三郎少年はまるで実の兄が出来たかのように光平に懐いており、
両者の仲はとても良好とのこと。
たとえ年少と言えども南三郎は大鉄人ワンセブンの相棒として
ブレイン党の侵略ロボットと戦ってきた歴戦のベテラン戦士であり、
まだブレイバーズに入りたてのシグフェルから見れば立派な先輩なのだと、
光平は慎哉たちに懇切丁寧に説明した。

意外な展開に些か拍子抜けしながらも、
ひとまずは一応納得して帰路に着く慎哉と優香であったが、
"光平をブレイバーズに取られた"感じがして寂しい思いに駆られるのであった。

牧村光平の存在に気づいたアフマド・アルハザードからの第一の刺客が
日本に送り込まれて来たのは、そんな時であった。
エージェントSSS8は剣持が射殺したが、もう一人のSSS7は
操縦していた戦闘メカごとシグフェルが交戦の末に破壊する。

生まれて初めて"人を死に至らしめた"事に恐怖と不安を覚えるシグフェル。

三郎「やったじゃないか光平さん! さすがすごいよ♪」
シグフェル「………」
三郎「…どうしたんですか? 敵はみんなやっつけたじゃないですか!」
剣持「"人を殺す"のは初めてか?」
シグフェル「剣持隊長…」
剣持「慣れろとは言わん。それではただの人殺しだからな」
シグフェル「正直に言うと俺は怖いんです…。
 自分が自分でなくなってしまうみたいで…」
ワンセブン「ソレデイインダ…」
シグフェル「ワンセブン?」

大鉄人ワンセブンが頭上から、悩むシグフェルに語りかける。

ワンセブン「武器ヲ持ツ事ノ重サ、敵ヲ傷ツケル時ノ重サ、
 ソレヲ忘レタ時、ドンナ戦イも戦イノタメノ戦イデシカ
 ナクナッテシマウ…」
シグフェル「俺は決して忘れない。今日の戦いで感じた
 戦いで流れる人の血の重さを…!」
剣持「その気持ちさえ忘れなければ大丈夫だ!」

決意を強くするシグフェルと、それを笑顔で優しく見守る
南三郎と剣持隊長と大鉄人ワンセブン。
シグフェル=牧村光平は、こうして今日もまた一つ
戦士として成長した。

338ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2015/05/08(金) 17:58:01
レッドマフラー隊での初期研修も終わり、
いよいよシグフェルも他のヒーローたちと同様に
一人立ちして活動する事になった。
そのお祝いとして、ブレイバーベースで大々的に
光平の歓迎会が開かれる事に。

光平は佐原博士に、その歓迎パーティーに
慎哉と優香も一緒に招待してよいかと願い出る。
最近疎遠気味になっていたが、光平は決して
慎哉や優香との友情を忘れてはいなかった。

千恵「ごめんなさいね。窮屈な思いをさせて…」
優香「いえ、気にしないでください。
 私たちにも機密保持とかの事情がある事は
 わかってますから」

佐原千恵隊員が運転する車に乗り込んだ慎哉と優香。
要請に従って到着までの間、車中では目隠しをつけることとなる。
これは二人の今後の安全も考慮した措置だ。
そしてブレイバーベースに到着した二人を、
立体映像のエルファが丁重に出迎えた。

エルファ「朝倉慎哉さんに沢渡優香さんですね。
 お待ちしていました」
慎哉「す、すげー! 意思人格を備えた立体ホログラフィが
 もうここまで実用化されていたなんて!」

最初は緊張していた慎哉と優香だが、
他のブレイバーズメンバーたちの屈託のない親しげな態度に
徐々に緊張が解れていったのだった。
そして日本国内閣総理大臣・剣桃太郎が牧村光平の前に現れる。

慎哉「…そ、総理大臣!?」
桃太郎「牧村光平君というのは君か?
 君のお父上には生前に大変お世話になった」
光平「父をご存知なんですか!?」

残念ながら総理の職務の多忙のため、
剣桃太郎はすぐにパーティーの席から中座したが、
光平は短いながらも貴重な在りし日の父の思い出話を
聞く事が出来て嬉しかった。

光平「優香、慎哉、今まで本当にありがとう。
 俺がここまでやってこれたのも二人のおかげだ」
優香「どうしたの、急に改まって?」
光平「俺にはまだまだ至らない点ばかりだけど、
 どうかこれからも俺を支えてほしい」
慎哉「当然だろ♪ たとえお前がイヤだって言っても、
 俺の方からお前に地獄の果てまでついてってやるぜ!」
優香「私もよ、光平くん♪」
光平「ありがとう…本当にありがとうッ…!」

こうして牧村光平は、ブレイバーズの正式な一員として
気持ちを新たにするのであった。


***堕神界***

水晶玉で下界の様子を伺っている、
堕神の一族の大審官アークシセイザー。
何事かを企んでいる…。

アークシセイザー「シグフェルはブレイバーズの側に着いたか…。
 私の計画も若干の修正を余儀なくさせられることになるかも
 しれぬが、まだ大したことではない。フフフッ……」

339ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2015/05/08(金) 22:25:04
≪天凰輝シグフェル、最初の事件≫

ザンギャック帝国のワルズ・ギルが差し向けて来た刺客キアイドーを
侍戦隊シンケンジャーの指導と協力によって退けたシグフェル。
フレアセイバーを用いた斬撃の必殺技「火焔十字の舞(クロスプロミネンス)」を編み出し、
玄海老師から一筆を贈られ、以後は「天凰輝シグフェル」と名乗るようになった。

これはその天凰輝シグフェルが、最初に遭遇して、
正義のヒーローとして最初に解決した事件のエピソードである。

その頃、メガロシティの繁華街では若い男女が失踪して
行方不明となる事件が連続して多発していた。
その手口から、指名手配中の東条寺理乃の仕業ではないかと
メガロシティ署のチャックと桂美姫から注意を促された光平は、
独自にパトロールを開始する。

その光平をこっそりと尾行する人間がいた。
光平たちの後輩である岡島雄大だ。
雄大は光平の日頃の挙動不審から、
「実はシグフェルの正体は光平ではないか?」と
勘づき始めていたのだった。

雄大「やっぱり今日も光平先輩は同じところに出かけてる…。
 そういえば最近マスコミでシグフェルの話題が急に流れなくなったけど、
 ますます怪しい。今日こそシグフェルの正体を暴いてやるぞ!」

だが光平を尾行していた雄大は、
同じく付近を警戒中だったチャックに捕まってしまう。

チャック「コラッ! 小学生がこんな夜遅い時間に
 こんなところで何してる!?」
雄大「失敬なッ! こう見えても僕は立派な高校生ですよ!
 ……ってアレ? もしかしてチャック先生??」
チャック「……??」
雄大「お忘れですか!? サイソニック学園の初等部にいた
 岡島雄大ですよ!」
チャック「ええっ!? お前、まさかあの泣き虫っ子の雄大か!?」

ようやく思い出したチャック。
実は雄大はサイソニック学園の卒業生であり、
教師時代のチャックの教え子だったのだ。

雄大「いやあ懐かしいなあ…」
チャック「あのちびっ子雄大がこんなに大きくなってたとはなあ」
雄大「では僕はこの辺で…」
チャック「ちょっと待て! たとえ高校生だとしても
 未成年者には変わりがないぞ! 夜遊びを見過ごすわけにはいかん!
 このまま家に送り届けて親御さんにしっかり叱ってもらうからな!」
雄大「だから夜遊びじゃないんですったら!
 放してくださいよォ〜!!」

雄大はチャックに無理やりパトカーに乗せられ、自宅に強制送還されてしまったのだったww。
その様子をこっそり遠くから見ていた光平、慎哉、優香の三人。

光平「参ったな。まさか雄大まで俺の正体に気づき始めていたなんて…」
慎哉「アイツ妙なところで勘が鋭いからなあ…」
優香「このまま秘密にしているのも好奇心旺盛な岡島くんには
 かえって危険なんじゃないかしら。いっそのことシグフェルの正体を
 打ち明けて事情をしっかり説明した方がいいのかもしれない」
光平「そいつは剣持隊長たちとも相談だな。
 とりあえず明日も続けて周辺をパトロールしてみるよ」

340ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2015/05/08(金) 22:25:47
そして翌日のこと。学校への登校途中だった光平たち三人は、
通学路で黒髪のロングヘアの若い女性が
数人のチンピラに絡まれている現場に遭遇した。

朱音「いやあ! 何をするの!!」
チンピラA「このアマッ!!」
チンピラB「騒ぐなよ。これから俺たちと楽しい事しようぜ。ヒヒヒヒ…」
朱音「誰か助けてえ!!」

優香「大変ッ!?」
慎哉「すぐに助けなきゃ!!」

光平はチンピラ一人の腕をぐいっと掴む。

チンピラA「痛タッッッッ!!!」
光平「よせよ! その人は嫌がってるじゃないか!」
チンピラB「なんだこのガキッ! すっ込んでろ!!」

逆上したチンピラたちは一斉に光平めがけて襲いかかってくるが、
光平はいとも簡単に余裕で全員を返り討ちにする。

チンピラA「…ち、ちきしょう! 覚えてやがれッ!!」

チンピラたちは皆一目散に逃げ出して行った。
光平たちは倒れていた女性を介抱する。

朱音「………」

光平「しっかりしてください! 大丈夫ですか!」
優香「気を失っているわ」
慎哉「もう学校まですぐそこだ。医務室まで運ぼう!」

気絶しているその女性を学校の医務室まで運ぶ光平たち。
ベットの上で女性はようやく目を覚ました。

朱音「ここは…」
光平「気がつきましたか?」
朱音「あなたたちが助けてくれたのね? どうもありがとう。
 なんとお礼を言ったらいいのか」
光平「いいですよお礼なんて。困った時はお互い様です。
 気にしないでください」
優香「いったいどうしてあんな目に遭っていたんですか?」
朱音「道を歩いていたら、突然チンピラたちに因縁をつけられて…」
慎哉「ひどい奴等もいたもんだな。まったく…!」
光平「あの連中ももうこれに懲りてちょっかいを出してくる事は
 ないと思いますよ」
朱音「だといいのだけれど…」

その時、学校の始業時間を告げるチャイムが鳴った。

慎哉「まずい!」
優香「早く教室に行かないと!」
朱音「あなたたちここの学校の生徒なんでしょう?
 私の事なら大丈夫だから、早く教室に行きなさい」
光平「すみません。養護教諭の先生には話は通してありますから、
 落ち着くまでゆっくりして行ってください」
朱音「ありがとう」

341ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2015/05/08(金) 22:27:44
慌てて教室に滑り込んだ光平たちだったが、
そこで見たものは、先程のチンピラから助け出した女性が、
教壇に立つ姿だった。驚く光平たち。

光平「ええっ!?」
慎哉「どうなってんだいったい!?」

朱音「本日から産休に入った鈴木先生に代わって、
 このクラスを担任として受け持つ事になりました千坂朱音です。
 担当科目は英語科になります。みなさんよろしくお願いしますね♪」

千坂朱音は同時に光平と慎哉の所属するテニス部の顧問も
担当する事になった。朱音はその美しい容姿もさることながら、
生徒たちにも分け隔てなく親しげに接し、あっという間に
校内ナンバーワンの人気教師となった。
生徒たち(特に男子)の中には、彼女の事を親しみを込めて「朱音ちゃん」と
呼ぶ者も次第に増えて来た。朱音本人は「せめて授業中は先生と呼ぶように」と
注意しつつも、本音では「朱音ちゃん」と呼ばれる事に満更でもないらしい。

光平たちも、そんな朱音に完全に信頼を寄せるようになるのに
そう時間はかからなかった。

慎哉「さすが朱音ちゃんだよな。昔この学校にいた東条寺理乃とはエライ違いだ♪」
優香「東条寺先生なんかと比べたら朱音先生に失礼よ!」
慎哉「そりゃそうだ。あははは!!!」
光平「朱音ちゃんの英語の授業は本当に分かり易くていいよ。
 こんな楽しい授業もあるんだなって初めて知ったよ」

だが、この千坂朱音には実は光平たちも知らない
裏の顔が隠されていたのである。

その日、自宅のマンションへと帰宅した朱音を、
部屋の中で上役と思しき黒装束の男が待ち構えていた。

組頭「首尾は…?」
朱音「上々です」
組頭「して、近づいた手口は?」
朱音「街のゴロツキを金で雇い、私を襲わせました」
組頭「他愛もない手だが、連中にはそれが一番効く…!」
朱音「はい…」

朱音が光平たちの通学路でチンピラに襲われていたのは、
全ては光平に近づくために仕組んだ芝居だったのだ。

組頭「それで、その後のブレイバーズの動きは?」
朱音「メガロシティで起こっている連続男女失踪事件の捜査に
 何やら肩入れし始めた様子にございます」
組頭「よいか朱音、ブレイバーズは言わば休火山。
 世間の連中から"正義の味方"だの"世直し大明神"だのと
 持て囃される奴らがいつ噴火して日本の国家体制を揺るがすか、
 それは誰にもわからん。今後ともブレイバーズからは
 片時たりとも目を離すな!」
朱音「必ずやご期待に添うと、天童閣下にお伝えくださいまし」

342ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2015/05/08(金) 22:28:17
その日の夜も、光平はメガロシティの繁華街をパトロールしていた。
同じように雄大もしつこく光平を繰り返し尾行する。
そして光平はとある場所で、妖魔の秘密アジトと、
マネキンに変えられてしまった人々を偶然発見したのだった。

マネキンA「……(助けて!)」
マネキンB「……(誰か助けてくれ!)」

光平にはシグフェルとしての超感覚能力で、
マネキンたちの助けを求める声が聞こえるのだ。

光平「これは…!?」

ウォンゴット「見たなッ…!」
ケルベルス「何やら鼠が入り込んだようだな?」
光平「これはお前たちの仕業なのか!?」
ケルベルス「いかにもその通り! 妖魔獣に生気を吸い取られた人間は
 こうしてマネキンに変わってしまうのだ」
ウォンゴット「お前もマネキンに変わるがいい! やれっ妖魔獣よ!」
光平「今回の事件は東条寺の仕業じゃなかったのか…!」

雄大「光平先輩、逃げてください!!」
光平「雄大!?」

光平が妖魔に襲われようとしている現場を目撃した雄大は、
光平を助けようとして勇気を振り絞って飛び出してきた。

ケルベルス「生意気な小僧め。妖魔獣よ、やってしまえ!」
雄大「うわああッ!?」
光平「雄大ッ!?」

勢い勇んで出て来たものの、雄大はあっけなく
妖魔獣の触手に絡め取られ捕まってしまう。

雄大「…先輩ッ! 光平先輩ッ!!」
光平「……(どうする! 雄大のいる前じゃ
 シグフェルに変身できない!)」
ウォンゴット「まずはこの小僧からマネキンに変えてくれる」
雄大「助けてええッ!!!」
光平「やめろオオッ!!!」

その時、どこからか手裏剣が飛んできて触手を切り裂き、
雄大は妖魔獣の拘束から解放された。
一瞬だけ光平は、手裏剣の飛んできた方向のビル頭上に
女性らしき人影が見えたが、それはまずはさておき、
雄大の手を引っ張って必死に逃げる。

光平「雄大ッ、逃げるぞッ! こっちだ!!」
雄大「は、はいっ…!」

だがやがて妖魔獣に街区の一角の隅にまで
追い詰められてしまう。

雄大「行き止まり!? そんな…」
光平「しまった!!」

妖魔獣「グオオオッッッ…!!!!!」

妖魔獣の猛火攻撃で、哀れ光平と雄大は
微塵となって消えてしまった?

雄大「うわあああッッ!!」
光平「ぐっ…!! うわあああッッ!!」

343ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2015/05/08(金) 22:28:56
目撃者の光平と雄大の口を完全に封じたと思い込んだ
妖魔集団GILの幹部ウォンゴットとケルベルスは
アジトで祝杯をあげる。

ウォンゴット「我ら妖魔は地球の覇権争いで
 Gショッカーや妖怪帝国に後れを取ったが、
 これでその差も取り戻せる!」
ケルベルス「地球はいずれ我ら妖魔の物となるのだ。
 フハハハハ…!!!」

???「果たしてそれはどうかな?」

どこからかウォンゴットたちの悪事を咎める声が
エコーのように響いて来た。

ウォンゴット「…だ、誰だ!?」
ケルベルス「何者だ! 姿を見せろ!」

派手な時代劇調の効果音BGMと共に
颯爽とその姿を悪党たちの前に現す
紅蓮の鳳凰、天凰輝シグフェル。

シグフェル「天、悪蔓延ればそれを滅する! 俺はお前たちを地獄の業火で裁く使者!
 天凰輝シグフェルッ!!」

ウォンゴット「天凰輝シグフェルだと? バカな! シグフェルといえば
 神出鬼没のニューヒーロー。こんなところにいるはずがない!」
ケルベルス「構わん! 妖魔獣よ、やってしまえ!!」

シグフェルVS妖魔獣のバトルが開始された!
フレアセイバーの必殺剣による一刀両断が見事に決まり、
妖魔獣は撃破され、マネキンに変えられていた人々も
無事に元に戻ったのであった。

ウォンゴット「おのれ、覚えていろ!」
ケルベルス「次こそは必ず!」

ウォンゴットとケルベルスは捨て台詞と共に
逃げて行ったのだった。

雄大「光平先輩、やっぱり先輩がシグフェルだったんですね!?」
光平「バレちまったからには仕方ないか。
 でも雄大、この事は他のみんなには内緒だぞ」
雄大「その点なら安心してください。
 こう見えても僕は口が堅いですから!
 ……ただ、その、先輩」
光平「…どうしたんだよ?」
雄大「大変言いにくいんですけど……何なんですか、
 あの決め台詞とダサいポーズは…。正直に言って
 見てて恥ずかしかったですよ…(汗」
光平「ええっ!? ガ━━ΣΣ(゚Д゚;)━━ン!!
 ストロンガー先輩やセーラームーンの決め台詞を参考にして
 二週間も寝ないで考えたのにぃっ!!」

雄大の率直な指摘に、思わず凹んでしまう光平。
来週までには今度こそカッコイイ決め台詞と決めポーズを
考えておこうと心に誓う光平であった(笑。

それにしても、あの時手裏剣を投げて
妖魔獣の触手から雄大を救ってくれたあの女性は、
いったい何者だったのだろう…。

朱音「お頭…」
組頭「朱音、お前の使命はブレイバーズを監視する事だ。
 手助けする事ではない。それだけは忘れるな」
朱音「ハハッ!」

この後、牧村光平には、宿命のライバルとなる
彩堂寺戒=牙冥甲ザジロードとの対決や、
錦織佳代や北上紗希との出会いが待っているのである。

344ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2015/05/09(土) 10:22:29
≪堕神の宣戦布告≫

ブレイバーズ・ヨーロッパ支部の研究成果を持ち帰るため、
FBI特命捜査官・滝和也の護衛の下、緑川ルリ子博士が日本に帰国した。
久々のルリ子との再会を喜ぶ本郷猛、一文字隼人、そして立花藤兵衛。

だが、そのルリ子の帰国を待ち侘びていた者がもう一人いた。
ルリ子の父・緑川弘博士の知己であった東条寺宗晴博士について
情報を聞きたい牧村光平だ。
本郷や滝たちと共に朝倉家を訪問したルリ子は、
光平に東条寺博士について語る。

ルリ子「私も詳しくは知らないのだけれど、
 東条寺博士は"堕神"と呼ばれる存在についての
 研究に没頭していたらしいの」
光平「堕神……」

その後本郷たちは、近所をたまたまジョギングしていた
千坂朱音と偶然出会う。

光平「本郷さん、滝さん、紹介します。
 この人は俺の学校のクラスの担任で
 千坂朱音先生です」
朱音「千坂朱音です。どうぞよろしく♪」
滝「へぇ〜こんな美人の優しい先生に教えてもらえるだなんて、
 正直光平君たちが羨ましいなあ」
本郷「こちらこそよろしく」

朱音と握手を交わす本郷と滝だったが、
その時何らかの違和感を感じた。

本郷「………」
朱音「どうしました?」
本郷「いや、失礼。貴女の右手にかなり豆が潰れた跡が
 あったようなので…」
朱音「ああ、実は私、光平くんたちの高校でテニス部の顧問も
 務めているんです。きっとラケットの素振りの時に出来たやつですね」

朱音は笑顔で誤魔化すが、それに欺かれるような
本郷と滝ではなかった。

本郷「………(違う。これはラケットの素振りなんかで
 出来た擦り傷ではない)」
滝「………(明らかに剣術の鍛錬で出来た竹刀ダコだ。
 この女、いったい何者だ!?)」

345ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2015/05/09(土) 10:23:26
緑川ルリ子が日本に持ち帰った研究成果を狙って、
Gショッカー・バイオロンが暗躍を開始する。
一方、食屍鬼グールイーバも緑川ルリ子の命を狙って
行動を開始した。

シグフェル「やっぱりルリ子さんもイーバに狙われているのか!
 きっと背後には東条寺理乃がいるはずだ! どこにいるんだ東条寺!?」

1号&2号のダブルライダーと共に緑川ルリ子を守るシグフェル。
ブレイバーズ、Gショッカー、そしてイーバによる三つ巴の戦いが
繰り広げられる中、天童配下のくノ一・千坂朱音も水面下で動き始める。

忍び装束姿の朱音と遭遇するダブルライダー。

朱音「………」
ライダー1号「初めて会った時からもしやとは思ってはいたが…。
 朱音さん、天童菊之丞氏はまだブレイバーズの事をお疑いか!?」
ライダー2号「心配するな。お前の正体を光平君たちに話すつもりはない!」

朱音はライダーからの問いかけに答えることもなく、
無言のまま煙玉を投げて退散した。
それと入れ替わるように滝和也が駆けつけて来る。

滝「ライダー、無事だったか!」
ライダー1号「おおっ、滝!」
ライダー2号「やはりお前の睨んだ通り、
 千坂朱音は天童の女間者だったぞ」
滝「やっぱりそうだったか。だけどこれで
 あの女もしばらくは大人しくしてるだろう」

ついにブレイバーズとGショッカーの前にも姿を現す、
ラミアクィーンイーバ・スネイザとタランチュラロードイーバ・ガーミッド。

スネイザ「ブレイバーズの仮面ライダー1号と2号に、
 Gショッカーのバイオロン総統ドクターギバか…」
ガーミッド「我らは堕神の使徒」

ライダー1号「堕神の使徒…!?」
ドクターギバ「堕神だと!? するとあのイーバとかいう
 化け物どもを操っていたのは貴様らか!?」

スネイザ「いかにも!」
ガーミッド「いずれこの地球も我々堕神が頂く!」

マッドガルボ「ほざくなぁッ!!」

マッドガルボが2体の堕神めがけてビーム攻撃するが、
逆に弾き返されて倍返しのダメージを負わされてしまう。

マッドガルボ「うわあああッッ!!!」
マーシャ「ガルボ様ッ!?」
カーシャ「ガルボ様っ!!」

スネイザ「いずれお前たちも我らに跪く事になる日を
 楽しみに待っているがいい! アハハハハ!!!」
ガーミッド「フフフフッ…」

堕神たちは高笑いと共に引き揚げて行った。

ドクターギバ「おのれ!一体何者だ!
 ブレイバーズ、今日のところは引き揚げてやる!」

バイオロンも退却し、戦いは終わった。だが……。

シグフェル「堕神…。それこそが俺の倒すべき
 本当の敵なのか…!?」

ついにその姿を現した真の敵・堕神!
いったい何者なのだ。
次はいつ現れるのか。
君の前にまた難関が立ちはだかった。
負けるな、天凰輝シグフェル!

346ユガミ博士 ◆UMgG0HhEo2:2015/05/09(土) 10:28:17
≪シグフェルが「天凰輝シグフェル」と呼ばれるようになった理由・改訂版≫

シグフェル=牧村光平が正式にブレイバーズの仲間になってから
しばらくしての事…。

Gショッカー地球遠征軍に合流している
ザンギャック皇太子ワルズ・ギルは、賞金稼ぎキアイドーを放ち、
シグフェル抹殺に向かわせる。

キアイドー「期待して来てみれば、貴様の強さはこの程度か。
 つまらん。あの赤い海賊はもっと俺を楽しませてくれたぞ…!」
シグフェル「くっ…!」
キアイドー「これでは俺の退屈はちっとも治らん。
 貴様など殺す価値もない」

キアイドーに惨敗した光平は初めて死の恐怖を経験し、挫折を味わう。

一也「かつてゴーカイレッド=キャプテン・マーベラスも
 キアイドーにこの上ない敗北感を味わらされたが、彼はその後
 見事に克服して見せた。だからお前にもできるはずだ!」

沖一也は光平を赤心寺に連れて行き、そこで玄海老師に相談をする。

玄海老師「相手が剣を使うのであれば、こちらも剣の使い手に教わるのが
 一番!入ってくれ」
丈瑠「はっ!」

相談を受けた玄海老師は、志葉家の当主であるシンケンレッドこと志葉丈瑠を
引き合わせる。ブレイバーズには剣を武器に戦うヒーローは数多いが、シグフェル
はフレアソードを武器にしているので、同じく火を力にする剣士である
丈瑠が選ばれたのであった。

丈瑠「俺との修練は厳しいが、覚悟はあるか・・・・?」
光平「・・・・覚悟はあります。俺に教えてください、丈瑠さん!」
丈瑠「その覚悟、確かに俺が預かった!」

そして始まる丈瑠との修練は実に険しく、時には他のシンケンジャーを
相手に剣技を磨いていくのであった。

一方、ザンギャックの旗艦であるギガントホースに帰還したキアイドーは
シグフェルを仕留めずに戻ってきた事をワルズ・ギルから責められていたが
キアイドーは気にせずケロッとしていた。

キアイドー「俺は、俺の流儀で仕事をするまでだ」
ワルズ・ギル「ぐぬぬ、貴様〜!」
???「・・・その様な賞金稼ぎ風情に頼るからですよ、殿下」
ダマラス「何奴!?」

ワルズ・ギル達の前に現れたのは、1万年前最強の護星天使と謳われ
地球救星計画で地球を破壊し、新たな星を創り出そうとした救星主の
ブラジラだった。姿を現すと、ワルズ・ギルに膝をついて、頭を垂れる。

ブラジラ「殿下。この私めも殿下の配下にお加えいただけないでしょうか」
ダマラス「殿下!こ奴は自分の目的の為に、様々な組織を利用してきた者。
 信用されてはいけませぬぞ!」
ブラジラ「流石は皇帝アクドス・ギル様の懐刀で在らせられるダマラス参謀。
 私の様な者を警戒されるのは至極同然。ですが、私もヒーローには恨みを
 持つ身・・・・私を配下に加えて下さるのであれば、かならずやシグフェルを
 討ち取ってみせましょう」
ワルズ・ギル「・・・・良し。ブラジラよ、お前を我が配下に加えてやろう。そして
 キアイドーと共にシグフェルを倒して来い!キアイドーもそれで良いな?」
キアイドー「俺の邪魔をしなければ、構わん」
ダマラス「殿下!うぬぬ・・・殿下に妙なマネをすれば、その時は覚悟しろ!」
ブラジラ「かならずや、ご期待に副えましょう(・・・ふん、ザンギャックの力、
 利用させてもらう」

347ユガミ博士 ◆UMgG0HhEo2:2015/05/09(土) 10:29:53
そして丈瑠から修練を課された光平は、見事それをクリアし、
キアイドーに再挑戦をするが、そこにブラジラもビービを率いて
現れる。

シンケンレッド「シグフェル、ブラジラの相手は俺達がする!
 決着を着けろ!」
シグフェル「はい!」

そしてシグフェルはキアイドーと激しいの剣のせめぎ合いを行っていく。

キアイドー「いいぞ、シグフェル!やはり貴様をあの時仕留めなかった
 のは正解だったなぁ!」
シグフェル「今度こそ、貴様を倒す!はぁぁぁぁ!!」

シグフェルは力を貯め、フレアセイバーの刀身を炎で包むと、まるで舞を
するかの如くキアイドーの体を斬りつけていく。

シグフェル「はぁぁぁぁ、<<火焔十字の舞(クロスプロミネンス)>>」

そしてキアイドーを十字で斬って、トドメをさして勝利を収める。これこそ
丈瑠との修練で得た必殺技『火焔十字の舞(クロスプロミネンス)』だった。

一方、シンケンジャー達と対峙するブラジラは「血祭のブレドラン」に姿を変え、
相手をしていたが、キアイドーが倒されるのを見ると、シグフェルを倒そうと
襲い掛かる。しかし、ブレドランをシンケンレッドが阻んだ。

シンケンレッド「まだ、やれるか?シグフェル」
シグフェル「はい、シンケンレッド!」

シンケンレッドとシグフェルはそれぞれ、シンケンマルとフレアセイバーを
構えるとブレドランの体を炎を纏わせた刀身で斬りつけていく。そして、
ブレドランの前後にシンケンレッドとシグフェルが向かい合う。

シンケンレッド&シグフェル「「獅凰双炎斬!!」」
血祭のブレドラン「ぐわぁぁぁあ!!」

向かい合った2人の斬撃から、それぞれ炎の獅子と鳳凰が出現して
ブレドランに大ダメージを負わせるが、完全に倒す事は出来ず、
ビービ虫を使って、キアイドーを巨大化及び復活させて、その場から
撤退した。

シンケンレッド「お前も来い!」
シグフェル「え!?」

巨大化した相手にシンケンジャーは一気にダイカイシンケンオーへと
合体させるが、何とシグフェルもダイカイシンケンオーの中に乗り込んで
いた。その影響なのか、ダイカイシンケンオーは海老刀は光り輝く。

シンケンジャー&シグフェル「「二天一流光斬り!!」」

そして、キアイドーはその光り輝く海老刀で倒されるのであった。

その後、試練を克服した光平を祝福し、玄海老師は自ら筆を振る
一筆を光平に贈る。

光平「天凰輝(テンオウキ)…?」
玄海「天に輝く鳳凰の騎士という意味じゃ」
一也「まさに今の光平に相応しい言葉だ」
玄海「これからは天凰輝シグフェルと名乗るがよい!」
光平「天凰輝…シグフェル!」

348ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2015/05/09(土) 21:13:46
≪地獄島の忍者合戦≫

数日前から錦織佳代と連絡が取れなくなった。
どうやら潜入した先で、敵に捕らえられてしまったらしい。
今やその生死すら不明な状況だ。

富樫「忍びの世界に生きる者は、常にいざという時は
 切り捨てられる定め。佳代もそれを承知の上で
 塾長にお仕えしていたはずだ」
光平「冗談じゃない! 忍者の掟なんか知った事か!
 佳代ちゃんは俺にとって大事な友達だ!
 誰も助けに行かないなら、俺一人だけでも
 彼女を助けに行きます!!」
富樫「フフッ…お前ならきっとそう言うだろうと思ったぜ!」

富樫源次から教えられた、佳代が行方不明になった場所とは、
暗黒世界における悪の忍者を養成する巣窟である無人島、
通称「地獄島」である。おそらく一度入ったら2度と
生きては出られないであろう。

慎哉「俺たちも一緒に行くぜ!」
優香「…か、勘違いしないでよね!
 このまま錦織さんとの勝負がつかないまま
 有耶無耶にしたくないだけなんだから…!」
雄大「サポートなら任せてください!」
光平「気持ちは嬉しいけど…ダメだ。みんなを連れてはいけない。
 かえって足手まといになる!」
紗希「ならせめて私だけでも連れてって! 私も錦織さんが心配なのっ!
 私の持つプラックテクノロジーの知識とウーの力はきっと役に立つはずよ!」
光平「……わかった。でも連れて行くのは北上さんだけだ!
 他は残るんだ!」

こうしてシグフェルと北上紗希はたった二人だけで
地獄島へと乗り込む事になったが…。

???「おっと、どこへ行くんだ? お二人さん♪」
???「俺たちを忘れてもらっちゃ困るぜ!」

シグフェル「あ、あなたたちは…!?」

忍者部隊月光、忍者キャプター、世界忍者戦ジライヤ、忍者戦隊カクレンジャー、
忍風戦隊ハリケンジャー、手裏剣戦隊ニンニンジャー、烈火の炎、閃乱カグラetc…。
版権キャラの忍者ヒーローたちが大集合し、いよいよ悪の忍者の総本山・地獄島へと
殴り込みをかける!!

349ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2015/05/09(土) 22:33:27
≪非情なる忍びの掟≫

水谷正夫(仮名)・弘子の夫婦と小学校低学年になる娘の恵美瑠は、
ご近所でも家庭環境が円満な事で有名な夫婦親子であり、
昔から谷モーターショップとも家族ぐるみの付き合いをしている。

正夫「実はこの度、出向で桐原コンツェルンのIT産業部門に
 配属される事になりまして、今日はそのご挨拶に伺った次第です」
源次郎「桐原コンツェルン!?」

桐原コンツェルンとは言うまでもなく、死の商人・ネロス帝国の表向きの姿である。
水谷夫婦が帰った後で、谷源次郎たちはヒソヒソ話をする。

ハルミ「ねえ店長、桐原コンツェルンって言ったら
 ネロス帝国の事でしょう?」
源次郎「なんだお前、まさかあの人のいい水谷さんが
 ネロスの手先だって言うのか?」
チョロ「でも人は見かけに寄らないもんですからねえ。
 あの水谷さんももしかして…」
源次郎「バカ言え! 桐原コンツェルンも全ての社員が
 ネロスの一員という訳でもないだろう。中には何も
 裏の事情を知らずに真っ当に働いている社員だって
 いるはずだ」

だが実はこの水谷正夫という男…。
その正体はネロス帝国潜入の使命を帯びた
天童の間者だったのである。
この事は妻・弘子や娘・恵美瑠すらも全く知らなかった。
桐原コンツェルン本社のハイテクビルで
ネロス帝国のある重要な機密を掴む事に成功した水谷正夫。
しかし警備していた爆闘士ガラドーに見咎められ、
重傷を負ってしまう。

ガラドー「天童忍者と見た! 観念しろッ!」
正夫「くっ…!」
ガラドー「確かに手応えはあった。あの傷では遠くまではいけまい!
 この付近を虱潰しに探せ!!」
配下の影「ハハッ!!」

夕暮れ時にたまたま近くの河川敷を散歩していた谷源次郎と小塚政夫(チョロ)は、
血を流しながら必死に川から這い上がって来た水谷正夫を偶然発見。

源次郎「おいっ! しっかりしろ! 大丈夫か!?」
正夫「た、谷さん…頼みます。これを…なんとしても天童邸へ…!」

正夫は源次郎に一枚の布切れを託すと、息絶えてしまった。
その布切れの中を開いてみると、見た事もないような
忍者専用の暗号文が血文字で書き綴られていた。
おそらく水谷正夫が最後の力を振り絞って
書き残したものなのだろう。

350ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2015/05/09(土) 22:34:03
今わの際の水谷正夫から託された布切れを届けに、
そのまま天童菊之丞邸を訪れる谷源次郎とチョロの二人。

家令「主人菊之丞は只今宮中に出仕中で不在につき、
 代わって私が応対致します。この度はこちらの品を
 わざわざ送り届けて頂きかたじけない」
源次郎「いえ、どう致しまして」
家令「ところでお二方、これなる布切れの中を
 ご覧になられたか?」
源次郎「…もし見たと言ったら、どうします?」

一瞬、緊張が走る…。

実は襖を一枚隔てた向こう側では、
武装した黒服の男たちがいつでも
源次郎とチョロの二人を始末できるよう
武器を構えてスタンバイしていたのだが、
すでにその様子を気配で感じ取っていた源次郎は
少しも臆することなく相手を牽制する。

源次郎「フハハハハ!! もし見たとしても
 中に書いてあるのは忍者の血文字。アタシら素人には
 ちんぷんかんぷんだ。それでも口封じに殺すと仰いますか?」
家令「いや、ご無礼仕った。この件は何分他言無用に願いたい」
源次郎「わかりました」
家令「これは些少にはございますが…」

天童家の家令は口止め料の意味も含めてか、
現金の束が入った封筒を謝礼として源次郎に手渡すが…。

源次郎「せっかくですが、こういった物は頂けませんな!」

謝礼を突っ返した源次郎とチョロは、
無事に天童邸を後にした。

チョロ「おやっさん、肝が縮むかと思いましたよォ…!!」
源次郎「つまらない事言ってないで、さっさと帰るぞ」

源次郎たちを黙って見送る天童家の者たち。

黒服の男「あのまま帰してもよろしかったので?」
家令「構わん。それにしてもさすがは噂に聞いた谷源次郎。
 一筋縄ではいかぬ肝の据わった男よ…」

351ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2015/05/09(土) 22:34:44
無事に谷モーターショップに戻って来た源次郎とチョロ。
二人の帰りが遅いと草波ハルミと沖一也の二人が
心配しながら待っていた。

ハルミ「よりにもよって天童の屋敷に乗り込むだなんて!
 もし殺されでもしたらどうするつもりだったのよ〜!?」
源次郎「なあに。仮にも聖天子様付きの補佐官を務めるほどの男だ。
 しがない街のバイク屋の親父を、まさかいきなり問答無用で
 殺したりはしないさ。現にこうして無事に戻って来たじゃないか!」
ハルミ「でもォ〜!」
一也「しかしおやっさん、水谷さんは…」
源次郎「うむ。おそらく天童に仕えていた密偵だったんだろうなあ…。
 たぶんこの事は奥さんや娘さんも知らないだろう」
チョロ「つまりそれってあれですか? 忍者の素性をカモフラージュするために、
 奥さんと子供は偽装結婚で呈よく利用されただけ!? 世の中ひどい話も
 あるもんじゃありませんか!」
一也「よさないかチョロ」
チョロ「でも兄貴」
ハルミ「すぐに水谷さんちの奥さんと娘の恵美瑠ちゃんにも
 知らせてあげないと!」
源次郎「それはダメだ」
ハルミ「どうしてよ!?」
源次郎「この件については内密にすると、天童と約束したんだ」
ハルミ「どうしてそんな約束なんか!?」
一也「ハルミ、俺もその方がいいと思う」
ハルミ「一也さんまで…」
源次郎「いいか、死んだ亭主の素性を知るっていう事はな、
 それだけ残された奥さんと娘の恵美瑠ちゃんにも
 危険が及ぶ可能性が高まるんだ。世の中には知らない方が
 いい事だってある…」
ハルミ「そんなことって……」
一也「ともかく、この件にネロス帝国が絡んでいる以上、
 ブレイバーズとしても見過ごせません。剣流星君とも
 連絡を取って様子を探ってみます」
源次郎「すまんがそうしてくれ」

そして夫に先立たれ、会社の社宅を追い出されてしまい
路頭に迷った弘子・恵美瑠母娘は、気の毒に思った源次郎の計らいで
しばらくは谷モーターショップで匿われる事になった。

352ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2015/05/09(土) 22:35:12
一方、ゴーストバンクでは帝王ゴッドネロス怒りの命令が
発せられていた。

ゴッドネロス「余の帝国の秘密を知る可能性のある者は、
 たとえ何人と言えども生かしてはおけん!
 帝国の内情を探っていたその不心得者の妻子を
 速やかに消すのだ!」
クールギン「ハハッ!」

ネロス帝国に命を狙われる水谷母娘を懸命に守るブレイバーズ。
その怒りの矛先はネロス帝国にだけではなく、
もはや水谷母娘には全く無関心な天童一門にも向けられる。

スーパー1「よく聞け天童一門! 平凡な家庭のたとえちっぽけでも
 ささやかな家族の幸せを犠牲にしてまで、お前たちは御政道とやらを
 守りたいのか!!」

果たしてこの戦いの行方は?
そして水谷母娘の運命や如何に!?

353ユガミ博士 ◆UMgG0HhEo2:2015/05/14(木) 13:25:00
※時系列は<<アイアンギアーVSドラゴノザウルス>>より前。

<<時空編(文明崩壊後の超未来)・忘却の街‐パラダイムシティ‐>>

グエン・サード・ラインフォードの下から逃げ出したアイアンギアー一行は、
パラダイムシティと呼ばれるドーム状の街に辿り着く。

ダストン大佐「軍警察のダン・ダストンだ。済まないが改めさせてもらう」

実はパラダイムシティも、グエン卿・・・その背後にいるムスカによる攻撃を
受けており、アイアンギアーは軍警察による査察を受ける。その後は
無事に街の中へと入る事が出来、補給を行った。

ジョセフ「・・・・(この街、どうも俺のいたNYに似ているなぁ。ジロン達の
 話からこの世界がものすごい先の未来の世界らしいが、ここが未来の
 NYなのかもしれねえ)」

パラダイムシティの風景に、ジョセフはここが未来のNYなのかもしれないと
推察した。

オボロ「これ程、巨大な建物の中に街があるとは・・・・・やはり、世界
 というのは広いな」
家康「ジロン達は、この街に来た事があるみたいだな」
ジロン「ああ。イノセンスやムーンレイスとの戦いの時にな。この街には
 頼れる仲間が住んでいるんだ!」
ジョセフ「仲間?」

こういう街を初めて見るオボロや家康に、ジロン達がパラダイムシティの
事を説明する。

ドゴーンドゴーン

ジョセフ「おいおい、何事だ!?」
家康「あの建物の影から、何か来るぞ!」

家康が指摘したように、建物の影から現れたのは大きな黄色い
ロボットだった。

ベック「出て来い、カラス野郎!!脱獄してやったぜ!」

黄色いロボット――ベックビクトリーデラックスを操るのは、シティの
無法者であるジェイソン・ベックと子分達。刑務所に収監されて
いたが、ある者の手引きで脱獄したのである―そのある者とは。

ティンプ「いよー、兄ちゃん。また会ったな!」
ジロン「ティンプ!お前の仕業かぁー!」

脱獄の手引きをしたのは、グエン卿にパラダイムシティを
手中に治めるよう命令を受けたティンプだった。さらに
ジャギやアミバ率いる暴徒達が街で暴れ始める。

家康「いかん!早く暴徒達からパラダイムシティを守らなければ」
ロラン「大丈夫です。彼が来てくれました」
家康「彼?」
???「ビッグ・オー!ショータイム!!」

ゴゴゴゴゴゴ!!

誰かの声がすると、地面を突き破って巨大な黒いロボットが出現した。
そこに黒いスーツを着た男性――パラダイムシティの交渉人
(ネゴシエーター)であるロジャー・スミスが乗り込む。

ベック「でやがったな、カラス野郎!しかもメガデウスに乗ってよぉー」
ロジャー「ベック。今更君と交渉のテーブルにつけると思わないが、
 おとなしく刑務所に戻りたまえ」
ベック「うるせぇ、せっかく脱獄出来たんだ!気に入らねぇテメェを
 ぶちのめしてやるぜ!」
ロジャー「ならば交渉は決裂だ。ビッグオー!アクション!!」

ロジャーは宿敵であるベックを倒すべく、ビッグ・オーを起動させる。
そこに暴徒達が動かすMSやWMが出現し、アイアンギアーから
ウォーカーギャリアや∀ガンダム、キングゲイナー達が出撃し、応戦。
ジャギやアミバはオボロや家康、ジョセフ達、白兵戦を得意とする者が
応戦した。

戦闘を終えると、ベックやティンプ、ジャギ達はパラダイムシティから撤退。
ロジャー邸に招かれた一同は、ロジャーの執事を務めるノーマンや世話係
を務めるアンドロイドの少女ドロシーの歓迎を受ける。

ディアナ「ロジャー・スミス、あなたの力を貸して頂けないでしょうか?」
ロジャー「私は交渉をするのが仕事だが、必要とされるのであれば
 その依頼、引き受けよう」
ドロシー「あなたが行くというのなら、私もついていくわ」
ノーマン「ロジャー様の御世話をするのが、私の務め。私も同行させて頂きます」

こうしてアイアンギアー一行は、パラダイムシティでロジャー達を
仲間に迎え、アメリアを発つのであった。

354ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/05/14(木) 23:05:03
≪岩屋村編の追加シナリオ案≫

岩屋村で起こった一連の事件の背後には、想像以上に
容易ならぬ敵が控えていた事を察する破嵐万丈。

万丈「――おまけに大勢の人質まで取られている以上、
 こちらから迂闊には仕掛けられない」
ギャリソン「岩手県警に連絡して応援を要請
 致しましょうか?」
万丈「正直地元の県警だけでは心許ない。
 …かといって今から東京に応援要請をしても
 とても間に合わない。こりゃ参ったね」
佳代「万丈さん、あたしの方で当たってみましょうか?」
万丈「何か頼れる当てがあるのかい?」
佳代「お任せください」

伝書鳩で故郷・月影一族の里に繋ぎをつけた錦織佳代は、
月影の頭領がしたためた紹介状を受け取ると、
忍びの肢で奥羽山脈を瞬く間に駆け抜け、
岩手の隣県、秋田県の森吉山地へと辿りついた。

***秋田県森吉山・山彦村***

「マタギ」とは、古い方法を用いて集団で狩猟を行う者を指す。
近代的な装備の狩猟者(ハンター)とは異なり、他の猟師には類を見ない
独特の宗教観や生命倫理を尊んでいる一族である。

ここ山彦村は、平安時代に海を渡り日本に上陸した
中国の王族の末裔たちがマタギとなって切り開いた隠れ集落である。
「マタギ拳法」と呼ばれる独特の拳法や忍びの技をも会得し、
江戸時代の佐竹藩統治時代には、士分に準じる地位を認められていた。

山彦村の祖先がこの地に隠した古代兵器「空飛ぶ火の車」を巡って、
かつて仮面ライダースーパー1とドグマ王国・地獄谷五人衆との間に
激しい死闘が展開されたのはご存知の通り。

その際に一度はドグマによって焼き払われた山彦村だったが、
その後赤心寺の玄海老師の援助もあり、村は無事に再興。
戦死した村の長・香坂健太郎も黄泉がえり現象で復活しており、
山彦村はまた昔の賑わいを取り戻していた。

山彦村へと足を踏み入れた佳代は、いきなり二人の人影に襲われる。
佳代はそれを組手で応戦して難なくかわす。
襲ってきたのは、頭領である香坂健太郎の子供、千恵と信太だった。

信太「イテテテテッ…」
千恵「お久しぶりです佳代さん」
佳代「千恵、信太、随分と手荒い歓迎だね♪
 頭領はいる?」
千恵「案内します」

佳代から月影の頭領からの書状を受け取り、
じっくりと目を通して読む香坂健太郎。

健太郎「委細承知した。月影の頭領にも日頃から世話になっておる。
 我ら山彦村のマタギ一族、ブレイバーズの力になろう!
 破嵐万丈殿にそのようにお伝えしてくれ」
佳代「助かります」

こうして山彦村のマタギ一族は、密かに県境を越えて岩屋村へと乗り込み、
独立幻野党の秘密基地に囚われている人質の救出作戦に一役買う事になる。

355ユガミ博士 ◆UMgG0HhEo2:2015/05/17(日) 10:34:52
<<時空編(文明崩壊後の超未来)・ガルガンティア船団(仮)>>

ドラゴノザウルスに遭遇し、事無きを得たアイアンギアー一行は
その海域へとやって来た大きな船団――ガルガンティア船団に
遭遇した。一行はガルガンティア船団から物資の補給を行う。
その間、オボロ達は船団の中を観て回る事にした。

家康「船の上で、これだけ多くの民が生活しているとは・・・・元親に
 見せてやりたいな」
オボロ「元親というのは誰だ?」
家康「儂と絆を結んだ友だ!」

ガルガンティア船団の様子を見て、家康は元の世界で友だった
武将、長宗我部元親に思いを馳せる。

アナ「大変です、ゲイナー!リンスが見当たりません!」
ゲイナー「ええ!?」

アナ姫はいつも連れているペットの3匹リンス・リンナ・リンクの内
リンスと逸れてしまった事に気付き、ゲイナー達は周囲を探し始める。

???「あの〜、もしかしてこの子の飼い主ですか?」

そこにリンスを抱えて来たのは、3人の少女と少年だった。

チル「あ、リンスだ!」
アナ「もう、勝手に逸れてはいけませんよ!リンスを見つけて下さり
 感謝いたします」
エイミー「見つかってよかったね。私はエイミー。皆に郵便物を配達
 するメッセンジャーをしているの!こっちはレド」
サーヤ「私はサーヤ。エイミーと同じメッセンジャーよ」
メルティ「私はメルティ。同じくメッセンジャーよ。あなた達が別の所から
 来た人達ね?話に聞いた通り、イケメンが多いみたいね!」

3人の少女、エイミー、サーヤ、メルティはそれぞれ自己紹介をする。
イケメンが好きなメルティはオボロ達がイケメン揃いなので、会えた事に
喜んだ。

オボロ「イケメンとは、どういう意味だ?」
ゲイナー「ええと・・・・ようするにカッコいい男って意味で・・・ハハ(汗」チラッ
サラ「ムッ!ゲイナー君、鼻の下を伸ばすんじゃないの!」
ゲイナー「いや!鼻の下なんか伸ばしてないよ、サラ(汗」

オボロはイケメンの意味を知らないので、ゲイナーが説明をするが
エイミー達が美少女であるので、ゲイナーはチラっと見てしまい
サラはヤキモチを焼いてしまう。

エイミー「そして、こっちの男の子はレド」
レド「・・・よろしく」ニコッ

そしてエイミーは少年レドを紹介し、レドは少し微笑みながら挨拶をした。

ロラン「・・・・」
ジロン「どうした、ロラン?」
ロラン「いや、彼とは初めて会った気がしなくって・・・・」
レド「・・・・俺も、初めて会った気がしない。妙な感じだが
 よろしく頼む!」
ロラン「こちらこそ!」

ロランとレドはお互い、初めて会った気がしないと感じたが、挨拶をする。
その後、オボロ達はレド達にガルガンティア以外の場所の事を話す。
特にレドはオボロ達の話に強く興味を持つ。実は、レドは人類銀河連盟
という大昔、地球を捨て、宇宙に人類が居住可能な惑星を求めて旅立った
組織の軍人だった。宇宙ではヒディアーズという敵が存在し、彼等と只戦う
為に教育を施されたが、事故で相棒の支援インターフェイスである
チェインバーと共に地球へと転移。ガルガンティア船団との出会いを経て
人間らしさを取り戻し、その後ヒディアーズの正体、上官だったクーゲルの
再会とストライカーの暴走、チェインバーとの別れを経た現在、サルベージに
勤しんで今に至る。それ故に、ガルガンティア以外の場所に興味を持ったのだ。

356ユガミ博士 ◆UMgG0HhEo2:2015/05/17(日) 11:48:46
だが、話で盛り上がっているその時。ガルガンティア船団が何者かの
攻撃を受ける。

ピニオン「おいおい、この攻撃は何だ!?」
ベローズ「あっちから何か来るわ!」

ガルガンティアの整備工であるピニオンとサルベージ業をしている
ベローズは突然の攻撃に驚き、何かが近づいてくるのを見た。
現れたのはムーンレイスで使用される母艦アルマイヤーとギアギアを
始めとする何隻ものランドシップだった。

メシェー「あれって、ムーンレイスのホエールズでしょ!?」
ソシエ「何で、ランドシップと一緒にいるの!?」
ディアナ「おそらく、あのアルマイヤーはグエン卿の手勢でしょう・・・・
 (キエルさん、ハリー中尉・・・・・)」
ロラン「・・・・ディアナ様、おそらくキエルお嬢様達は無事です。気を
 落とさず、あちらを何とかしましょう」

アルマイヤーがいる事に、ディアナは月がグエンの手に落ちたと推察し、
内心キエルやハリーの事を心配する。ディアナの心情を察したロランは
ディアナに励ましの言葉を送る。そこに、アルマイヤーから通信が入る。

バラス「私はグエン・サード・ラインフォード大統領から、反逆者である
 アイアンギアー一行を捕えるように命令を受けたバラスである。彼等を
 引き渡せば、船団の諸君に危害を加えない事を約束しよう!」

アルマイヤーから通信を送るバラスという人物は、かつて歴史の裏で
暗躍していた組織マドクターの総統で、マドクターと戦ったサントーレとの
戦いで戦死した。その後、黄泉がえりで復活するが、マドクターは支配者
である毒魔大帝統と共に、宇宙へと脱出してしまったので路頭に迷っていた
所、グエンそしてその背後にいるムスカに拾われ、軍の指揮官となっていた。

バラス「(毒魔大帝統様がいない今、私を拾って下さったグエン大統領、
 そしてムスカ様に報わねば・・・・・)時間の猶予を与える!返答を待つ!」

バラスの言葉にガルガンティア船団の首脳陣は返答をどうするか意見が
別れてしまう。この状況にアイアンギアーに戻った一同は迷惑をかける訳
にはいかないと、船団から離れ各機体を出撃させる。ギアギアの方でも
ティンプやキッド等も各機体を出撃させ戦闘に突入した。だが、戦闘の余波で
船団にも被害が起きる。

レド「・・・・」
エイミー「レド・・・・」
レド「大丈夫。エイミー達は俺が守る!」

レドはエイミー達を守る為、サルベージに使用しているユウボロイドを
動かし、アイアンギアー一行に助成した。

バラス「ええい、このままでは全滅となる!全軍、撤退だ!」

その後、戦況は不利と捉えバラス達はガルガンティア船団から撤退。
アイアンギアーも船団から離れ、ガリア大陸を目指す。

レド「・・・・・」
エイミー「行きたいんだね?レド」
レド「エイミー、だが・・・・」
エイミー「いいよ、レドすっごく興味を持っていたもの・・・・一緒に行こう?」
ベベル「行ってきなよ。そして帰って来た時にどんな事があったのか、
 何があったのか教えて」
レド「ベベル・・・・分かった。一緒に行こうエイミー!」
エイミー「うん!」
ピニオン「おっと、俺も行くぜ!あいつらと行けば俺のメカニックの腕も
 上がるかもしれないからな!」

ガルガンティア以外の世界に興味を持つレドは、エイミーや彼女の弟の
ベベルに諭され、アイアンギアーに同行する事にした。そしてレドについて
いこうとエイミーやピニオンも同行し、一同はガリア大陸西部へと向かうので
あった。

357ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/05/17(日) 17:59:33
異世界編≪スレイヤーズ×仮面ライダーディケイド≫

獅堂光たち魔法騎士(マジックナイト)たちと協力し、
無事に異世界セフィーロの危機を救った門矢士と光写真館一行。
その次なる目的地となる世界は…?

士「スレイヤーズの世界か…」

またいつものように降りて来た壁紙に描かれていたのは、
金色の魔王「ロード・オブ・ナイトメア」を頂点とする
魔族と神々、そして各世界の関係を示した系図だった。


***セイルーン聖王国***

赤の竜神(フレアドラゴン)スィーフィードが創造し、
赤眼の魔王(ルビーアイ)シャブラニグドゥ率いる魔族との間で
古来より長きに渡る戦いが繰り広げられてきたこの異世界でも、
我々の地球のある三次元宇宙と同様に、各地に時空クレパスが開いて
異空間と繋がる現象が頻発していた。

フィル王子「――という訳で、お集まりいただいた諸国の王よ!
 すでにご存知の事とは思うが、我々の世界が未知なる別の世界と
 繋がったというのは、紛れもない事実である!」

大国セイルーンの実権を握るフィリオネル王子の呼びかけに応じて、
対策を協議するために諸国の首脳が参集した。

王A「だがあの時空の穴はいったい!?」
王B「我らが知り得る伝承や文献には、あのような事実については
 記されておらん」
王C「悪い事が起きる予兆でなければよいが…」
王D「そうだ! 呑気に構えている場合ではない!」
王E「穴の向こう側から侵略者が武力をもって攻めて来るやもしれぬ!」

フィル王子「静粛に! そこで我がセイルーンでは、
 時空の穴の向こう側の世界に向けて平和使節団を派遣することにした!
 ついては諸国の王族方にもご協力を願いたい!」
アメリア「では、今回の計画について、父フィリオネルに代わり
 私アメリア・ウィル・テスラ・セイルーンがご説明いたします!」

358ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/05/17(日) 18:00:21
***某海岸沿いの国の港町***

リナ「あーちょっとガウリィそれアタシがとっといたお刺身でしょ―!!」
ガウリィ「ななななに言ってんだリナ早く食っちまわないと悪くなっちまう――」
リナ「さすがは港町ねー!お魚が美味し―っっ!!」
ガウリィ「ホントホントもう最高ダー!!」

諸国の合同使節船団の出港準備で賑わう港町の食堂で、毎度の如く
みっともなく大食いしている、「ドラゴンもまたいで通る」の二つ名で恐れられる
美少女天才魔道士リナ・インバースとその保護者の凄腕剣士ガウリィ・ガブリエフ。
リナたちはそこで、旅の仲間の一人ゼルガディス・グレイワーズと偶然再会する。

リナ「ゼルっ!?♪」
ゼルガディス「やれやれ相変わらずか。久しぶりだな、二人とも」
リナ「あれから元気にしてた?」
ガウリィ「ゼルガディスも時空の穴を通って外の世界に行く
 使節団の船を見に来たのか?」
リナ「あっ、さては時空の穴の向こう側に自分の身体を
 元に戻す手段があるんじゃないか?って考えたのね」
ゼルガディス「ああ、俺の身体は未だ見ての通りなんでな」
リナ「そっか、アンタも大変だよね…」

ゼルガディスは、邪妖精(ブロウ・デーモン)と岩人形(ロック・ゴーレム)を合成された
改造人間であり、今でも自分の身体を元に戻す手段を探して旅を続けているのだ。

そんな時、リナたちは門矢士と名乗る謎の青年に勝負を挑まれる。

ディケイド「お前たちの力を確かめさせてもらう!」
リナ「アンタ、いったい何者!?」
ディケイド「通りすがりの仮面ライダーだ。覚えなくていい」

その様子を遠くから伺う鳴滝。

鳴滝「ディケイドめ、この世界で今度こそお前を――!!」

そんなディケイドへの敵意に燃える鳴滝を制止したのは、
笑顔を振り撒き、温厚そうな雰囲気を漂わせている
神官(プリースト)の姿をしたおかっぱ頭の男だった。

ゼロス「やあ、これはこれは、鳴滝さんじゃありませんか♪」
鳴滝「お前は…ゼロス!」

獣神官ゼロス――獣王ゼラス・メタリオムが創り上げた唯一の側近。
常にリナ・インバースのいるところに現れては、
敵か味方かわからない謎のキーマンとして暗躍している。

ゼロス「あれ〜もしかして、貴方も僕の邪魔をするつもりですか?」
鳴滝「…やめておこう。君の恐ろしさはよく知っている」
セロス「では、僕はこれにて」

ゼロスと別れる鳴滝。

鳴滝「奴め…何を企んでいる!」

果たしてリナ・インバースと仮面ライダーディケイドの勝負の行方は?
そしてまたも水面下で謎の行動を開始した獣神官ゼロスの真意とは!?

359ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/05/17(日) 20:08:14
≪宇宙世紀ガンダム対アナザーガンダム ガンダム大戦 feat.マクロス≫

アムロ「お前たちアナザーガンダムをガンダムとは認めん!」

宇宙世紀ガンダムとアナザーガンダムが突如として仲間割れを始めた。
互いの主張は全く相容れず、遂にこれ以上の問答は無意味だと打ち切った
宇宙世紀のガンダムパイロットたちは、アナザーガンダムに戦いを挑み始める。
果たして正義はどちらのガンダムの側にあるのか?

宇宙世紀にもアナザーにもどちらにも属さない∀ガンダムのロラン・セアックと
YG-111 G-セルフのベルリ・ゼナムの二人は、協力して事態の真相を探り始める。

一方その頃、ジオンの遺志を受け継ぐ残党組織オールズモビルが、
小惑星アクシズにデビルガンダムを融合させたデビルアクシズを
地球に落下させようと画策していた…。

360ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/05/17(日) 21:11:58
≪ドスコイ勝負再び!≫

いつもの朝倉家での夕食時の食事風景…。

慎哉「最近、横綱も外国人力士ばかりになったよなあ…」
光平「慎哉…?」

テレビでの某国営放送の相撲中継を見ながら、
ふと何の気なしに朝倉慎哉は感想を口にする。
彼は元々とくに相撲に興味がある訳でもなかったのだが…。

一方その頃、かつて高速戦隊ターボレンジャーと心を通わせた
暴魔獣スモウボーマが黄泉がえり現象で復活していたことが確認され、
ブレイバーズに保護された。しかしじっと我慢していられなくなった
スモウボーマは、こっそりとブレイバーベースを抜け出してしまう。
地上に出たスモウボーマが向かった先とは、なんと海防大学付属高校だった。

しかし残念なことに、現在の海防大付属の相撲部は生徒たちの間では不人気で、
部員0の休部状態という有様。欲求不満のスモウボーマは周囲の生徒に
片っ端から廻しを無理やり着せて相撲を取り始める。
驚いた牧村光平は、Gショッカーが襲ってきたものと勘違いして
シグフェルに変身して応戦しようとするが――。

ブラックターボ「待てシグフェル! こいつは敵じゃない!」
シグフェル「大地さん!?」

ブラックターボこと山形大地――高校時代は都立武蔵野学園陸上部のエースだったが、
現在は沢渡優香の所属する海防大付属の陸上部のコーチを務めている。
久々の再会を喜び合う大地とスモウボーマ。
外国人力士ばかりが出世する現在の日本の相撲界の状況を知り
嘆いたスモウボーマは、大地に心境を吐露する。

スモウボーマ「この日本にはもう、相撲を取る奴はいないのか。相撲を取る奴は…。
 誰か〜!誰か〜!お願いだ〜!相撲を取る奴はおらんのか〜?」
大地「スモウボーマ……」

その様子をじっと興味深く見ていた者がいた。
光平たちのクラスの担任で、同校テニス部顧問の千坂朱音だ。
朱音はスモウボーマに深く同情し、協力を申し出る。
錦織佳代は天童側の密偵である朱音が
また何か企んでいるのではないかと警戒するが、
実は千坂朱音には熱狂的な相撲ファンであるという
意外な素顔が隠されていたのだった!!

361ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/05/17(日) 21:13:01
休部状態の相撲部を再開させるため、早速部員探しに奔走し始める千坂朱音。
どうやら今回の行動には裏はなく、本心からスモウボーマに協力したいらしい。
そんな朱音が新入部員として白羽の矢を立てたのは――!?

戒「先生、無茶言わないでください」
朱音「いいえ、相撲には相撲で立ち向かうのよ。あなたなら勝てるわ♪
 こう見えても私、相撲にはうるさいのよ。コーチしてあげます。さぁ、脱いで!」
戒「やめてください。女性の前で肌を晒すなんて、僕の美学に反します」
朱音「何言ってるの? 相撲は男と男が裸でぶつかり合う最も男らしいスポーツよ!」

なんと彩堂寺戒を相撲部の部室に呼び出して勧誘する千坂朱音。
その様子を、光平、慎哉、優香、雄大、佳代、紗希の6人が
気づかれないように、部室の入口からこっそりと中の様子を覗き見するが……。

戒「裸ん坊ならお似合いの奴がいますよ。ここにね」
慎哉「イテテテッ…!! 何すんだよ! 放せ! 放せよ!!」

光平たちがこちらの様子を窺っていた事にとっくに気づいていた戒は、
その中の一人の慎哉の耳を引っ張って捕まえると、無理やり身ぐるみを剥いで
相撲の廻し姿にしてしまった。

慎哉「………」
戒「フハハハハハッ!!!」

戒は高笑いしながら悠然と去っていく。

光平「し、慎哉…!?」
優香「朝倉くん!?」
紗希「……キャッ!!(///)」
佳代「朝倉…なにその恰好!?…(。・w・。 ) ププッ」
雄大「なんなんすか慎哉先輩!⊂((〃≧▽≦〃))⊃ぶぁっはっはっ!!」

慎哉「見るなッ!!…それと笑うなッ!!…(///)」
朱音「あら〜、そう言えば慎哉君も、よく見れば
 引き締まった良い身体してるじゃない?」
慎哉「…あ、朱音ちゃん。目が怖いよ…(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル」

こうして相撲部の練習に駆り出されることになってしまった慎哉は、
最初はいやいやながら相撲に取り組んでいたが、次第にスモウボーマの
相撲を愛する心に感化され、真面目に練習に取り組むようになっていく。

だが、そんな慎哉と相撲を取る日々を楽しむスモウボーマの命を狙って、
裏切り者抹殺を叫ぶGショッカー、そして再生者(リザレクター)狩りを行う
イーバが暗躍を開始していた…。

362ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/05/17(日) 22:21:38
≪誘拐!沢渡優香危機一髪 さすらいのズバット参上!!≫

沢渡家の隣に住む、安達美穂子とその娘で幼稚園児の陽菜(ひな)は母子家庭であり、
隣に引っ越してきた時から沢渡家とも仲良く近所付き合いをしている間柄だ。

沢渡優香は、普段はパートで働きに出ている母の美穂子が家を留守にしている間、
寂しい思いをしているであろう陽菜を妹のように可愛がっては
よく遊び相手になってあげており、陽菜の方もそんな優香を実の姉のように懐いていた。

そんな時に事件は発生する!
陽菜が何者かの手により誘拐されたのだ。
しかも偶然その場に居合わせた優香も巻き込まれて
一緒に連れ去られてしまう。

犯人は、かつて香川善一郎博士の素粒子理論の研究を狙って
特警ウインスペクターに逮捕されたはずの新田誠一。
そして刑務所を脱獄した新田が金で雇った用心棒である
通称、カーレーサーの佐源太(オリジナルキャラ)。
佐源太の恐るべきドライビングテクニックは、
警察のパトカーの追跡も簡単に振り切ってしまう。

陽菜「おねえちゃん、こわいよぉ……」
優香「大丈夫よ。陽菜ちゃんの事は私が絶対に守るから…!」

某所の山小屋に監禁された優香と陽菜が出会ったのは、
意外な人物だった!

理乃「あら沢渡さん、妙なところで出会うものね」
優香「東条寺…理乃!」

実は新田の脱獄を手引きしたのは、東条寺理乃とケビン・オルバら堕神の一味だった。
陽菜の母である美穂子は、実は厚生労働大臣の元愛人であり、陽菜はその隠し子だったのだ。
これまでのイーバは、直感的に再生者(リザレクター)の所在位置を感じ取り、その都度に
一人ずつターゲットを狙って襲っていたのだが、それではあまりに効率が悪いため、
厚生労働省が所管している再生者(リザレクター)の氏名・住所が記載されたリストを
陽菜の身柄と交換で手に入れるつもりなのだ。

新田「おいっ、約束は守ってくれるんだろうな?」
ケビン「お前にはすでに前金で二千万を渡してあるだろう。
 成功報酬で残りの八千万、合計一億を支払う」
新田「フフフッ…それだけあれば、俺は海外に高飛びできる!」
理乃「リストさえ手に入れば、一気に"女神の器"を探し出す事が出来るわ。
 アークシセイザー様もさぞかしお喜びになる事でしょうね」

363ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/05/17(日) 22:22:22
もしそのリストが堕神の手に渡れば、日本国内に住むおよそ三万八千人の
何の罪もない再生者(リザレクター)の人々の生命が危険に晒されるのだ。

優香「助けて……光平くん…!」

あちこちを飛び回り、優香の行方を必死に探す
牧村光平こと天凰輝シグフェル。

シグフェル「優香、いったいどこにいるんだ!?」

警視庁の組織犯罪対策第八課を率いる東条進吾警部も必死の捜査を展開する中、
新田の共犯であるカーレーサーの佐源太を追いつめたのは、
黒いウェスタンルックに身を包み、白いギターを背負った
さすらいの私立探偵であるあの男だった!

早川「どんなパトカーの追尾も振り切り、
 これまで数々のひき逃げ殺人を犯して来た
 自動車レースの達人、カーレーサーの佐源太。
 ただし!その腕前は日本じゃあ二番目だ」
佐源太「なんだとぉー!! ならば日本一は誰だ!?」

佐源太の問いに、早川はキザな口笛と舌打ち、
深く被った帽子の鍔を押し上げる仕種とともに
「オレさ」と自身を指差すのであった。

伊達臣人から教えられた「神竜伸介の他にもう一人いる、飛鳥殺しの真犯人」を探す
我らがヒーロー、早川健こと快傑ズバット。
果たして早川健とカーレーサーの佐源太との自慢の技勝負の行方は如何に!?
そしてシグフェルは無事に優香と陽菜を救い出す事が出来るのか!?

このシナリオ回において、沢渡優香の母であり、
警視庁科学捜査研究所・研究分析班主任である
沢渡奈津子が初登場となる予定。

364ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/05/23(土) 21:07:36
≪雄大王子の冒険≫

フィリナ・クラウディア・アルシャードの頼みで、
アラブの王子様の芝居をさせられる事になる岡島雄大。
当の本物の王子様は、祖父である国王お忍びのお供と、
縁談の御使者のブッキングに困り果てていた…。


フィリナの叔父キバラ元特使が現在石油大臣を務める、
中東の産油国アダブ王国の王太孫マリク王子は、
なんと牧村光平の高校の後輩である岡島雄大と瓜二つ。

そのマリク王子が、祖父国王の鷹狩りの御供と同じ日に、
近隣国アブラーダ王国のナディヤ王女との日本国内での
極秘のお見合いの予定が入ってしまった。
祖父国王のスケジュールもナディヤ王女極秘訪日も
どちらも国家機密事項のため、互いに事情を説明して
断るわけにもいかず、マリク王子はキバラ大臣を通して
フィリナに相談。フィリナは雄大の事を思い出し、
彼に替え玉の白羽の矢を立てることにする。

「アダブ国内の古代遺跡を好きなだけ探検させてあげる」という条件で、
フィリナから頼み込まれた雄大は、替え玉を引き受けることに。
光平も「王子のご学友」に扮して雄大に同行しサポートに回る。

実はこれには、世界忍者・剛忍アブダダと手を結び
土壇場でブッキングの事実を暴いてマリク王子を廃嫡に追い込み、
王位を狙おうとする王弟の第一副首相の陰謀が絡んでいた。

その事実を掴む日本政府公安当局とブレイバーズ。
仮面ライダースーパー1=沖一也はアブラーダの駐日大使館に乗り込み、
ナディヤ王女に随行してきた恵子妃(一也の親友イスマイル王子の妃)と再会。
一也から事情を打ち明けられた恵子妃は、悪の黒幕退治への協力を快諾する。

そしてお見合い当日、雄大扮する偽王子が粗相をしでかしても、
なぜかアブラーダ側は(事情を知っているため)にこやかに笑って受け流すだけ。
計算が狂い焦る王弟一派は、ついに非情の強硬手段へと打って出る。

果たしてシグフェルとブレイバーズは、
雄大とナディヤ王女、それに恵子妃を
守り切る事が出来るのか!?

365ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/05/26(火) 21:27:31
ゆっくり文章を書く暇がないため、
今回はとりあえず書きたいタイトル(仮)だけを列挙。

・仮面ノリダーVSアキバレンジャー
・セーラームーン対ヘドリアン女王 月の遺跡での対決!
・番外編 アニメオールスター忠臣蔵 刃傷 松の廊下!
・番外編 アニメオールスター忠臣蔵 南部坂雪の別れ
・番外編 アニメオールスター忠臣蔵 松浦の太鼓
・ギャグ編 冴えない紳士(アニメオタク)の育てかた

366ユガミ博士 ◆UMgG0HhEo2:2015/05/30(土) 12:18:35
上記のホウタイ怪人同様、こちらも中々シナリオ作成する時間が無いので
予定しているシナリオのあらすじを記載する。

・時空編<<上陸ガリア大陸(仮)>>
 かつてヨーロッパと呼ばれたガリア大陸の西部に上陸したアイアンギアー一行は
 そこを統治している軍の包囲網を受けて捕えられてしまう。実はムスカは生前
 所属していた軍を掌握し、イノセントやギンガナムを打倒したアイアンギアー一行を
 自身の障害となると考え捕えさせたのであった。捕えられ牢に入れられた
 ゲイナーやゲイン達はサントーレの科学者ハナマキ博士と出会う。一方、脱出して
 難を逃れたジョセフや家康はハナマキ博士を助け出そうとする統制機構の軍人
 ノエル・ヴァーミリオン、ムスカに掌握された軍と戦うドーラ一家という空賊とパズー
 という少年と出会い、共に捕えれた人々を助け出そうと協力するのであった。

・時空編<<再会の戦友(とも)>>
 軍の追ってを振り切ったアイアンギアー一行はノエルやドーラ一家達と別れるが
 パズーはムスカが大切な女性シータを連れ去ったと聞き、アイアンギアーに同行。
 そしてこの時代人類と生存をかけて争う吸血鬼が支配する地域に来てしまい、
 一行は吸血鬼に襲われる。そして窮地を救ったのは教皇庁から来た
 巡回神父アベル・ナイトロードとジョセフがもう会う事は敵わないと思っていた
 戦友シーザー・A・ツェペリだった。

・時空編<<マトリクサー(仮)>>
 アイアンギアー一行は東へと旅を続けている内に、ムスカとは別に世界の覇権を
 狙う種族マトリクサーに襲われるが、マシュラ、サーゴ、クータルというマトリクサーに
 助けられる。

・時空編<<お宝大作戦(仮)>>
 旅を続ける中、とある地域でサンドワームに襲われるアイアンギアー一行だったが
 アンジェラとディンゴという男女の2人組に助けられる。そしてこの近くでバザーが
 開かれていると聞き、アイアンギアー一行は参加。そんな中、ピニオンは宝地図を
 手に入れ、レド達を引き連れてその場所へと向かうと同じくお宝を求めて来た
 ディグアウターのロックやロール、空賊のトロンと出会うのであったが、その場所
 には怪獣が眠っており目覚めてしまう。
 
・時空編<<竜の民(仮)>>
 アイアンギアー一行はオボロ達の故郷であるトゥスクルがある旧日本へと戻る。
 だが、一行は人類が進化してドラゴンとなったアウラの民に不審者として捕え
 られてしまう。そこへムスカの軍が現れ戦闘。そしてムスカの軍がトゥスクルを
 攻めていると聞き、アイアンギアーはトゥスクルへと向かう。

→そして巨神兵の復活シナリオに続く予定。

367ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/05/31(日) 21:20:30
>>366 ユガミ博士 ◆UMgG0HhEo2
ここまで壮大な流れの時空編のシナリオ構想が存在したとは…!
感服いたしましたぞ。『マシュランボー』も参戦とは。
時空編の行く末はユガミ博士にお任せして間違いはないようだ。

では俺も……。

≪天上(ヴァルハラ)征圧作戦!≫

17年前に崩御した、ローエングラム王朝銀河帝国初代皇帝ラインハルト・フォン・ローエングラムは、
長年続いた旧王朝の圧政から民衆を解放した開明的な善政が高く評価され、無事に天国行きが決まった。
ところがラインハルトは自分を地獄行きにするよう閻魔大王に要求。

ラインハルト「予は生前の自らの行いが間違っていたなどとは微塵も思ってはおらぬが、
 戦場で多くの将兵を死に至らしめた責任から免れようなどとは少しも思ってはおらぬッ!」

天国に行ってもつまらないからかえって苦痛だと駄々をこね、閻魔大王や鬼たちの制止を振り切って
自ら進んで強引に地獄に単身乗り込むラインハルト。それから何事もなく17年が経過した…。

ついに準備が整い長き沈黙を破ったラインハルトは、地獄の最深部で反乱の狼煙を上げる!
ルッツやロイエンタールなどの先に殉職していた忠臣たちと共に挙兵したラインハルトは、
瞬く間に勢力を拡げて地獄の各地を席巻。あっという間に霊界にラインハルト帝国を築いてしまった。
この騒ぎに便乗して、エスデスたちイェーガーズも脱獄し、ラインハルト陣営に馳せ参じて見事な働きを見せるが、
純粋な弱肉強食主義者のエスデスと、「ノブレス・オブリージュ(高貴なる者の義務)」を矜持として
「真の強者は弱者を守らねばならぬ」という信念を持つラインハルトとでは、所詮反りが合わず、
やがて両者は袂を分かつ。

この先はまだどういうオチに持っていくかはまだ考え中。

368ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/05/31(日) 21:59:45
ギャグ編≪冴えない紳士(アニメオタク)の育てかた≫

地球の平和を守る正義のヒーロー連合軍ブレイバーズには、
ある秘密結社が内部に存在した。そう…正義の味方のくせに
あろうことか秘密結社が存在したのであるww。

その地下サークルの名は非公式に"紳士淑女の集い"と呼ばれ、
スポンサーの三千院財閥の後援の下、オタクや腐女子の趣味を持つ
同好の士たちが夜毎密かに集まって、密かに勢力を拡げていたのである。
このグループには所属している勢力や敵味方の関係すら超えて、
P.A.N.D.R.Aのメンバーであるパティ・クルーまで
ちゃっかり参加していたりする。

ブルドントJr「地球の…特に日本のサブカルチャーの創作文化には
 大いに興味がある! 是非いろいろと教えてほしい!」
エルファ「私のデータベースには、人類有史以来全てのクリエイター
 作品の各種詳細な情報も完璧にインプットされています♪」

西城究「ブルドントJrことシーバーダルメニアン、エルファことビッグエンゼル、
 我々は君たちを心より歓迎する♪」

このように今日も着々と勧誘活動を進めている"紳士の集い"だったのだが…。

リュウセイ・ダテ「俺たちにとって容易ならぬ敵が出現した!」
タカヤ・ノリコ「いったい誰なんですかそれは!?」
ロボット犬スプリンガー「決まっているだろう。海防大学付属高校の連中だ!」

実は"紳士の集い"は、天凰輝シグフェルこと牧村光平とその仲間たちにも
この前さりげなく誘いの声をかけたのだが…。

光平「ごめん。アニメとかは見てないんだ。特に興味もないし。
 勉強や部活で忙しくてとても見ている暇なんてないよ」
慎哉「オンラインゲームならよくやるけど、特撮やアニメは見てないなあ…。
 ギャルゲー? なにそれ食えるの美味しいの?」
優香「ごめんなさい。私も特に興味ないから…。あ、でもアニメとか見てる人に
 決して偏見抱いてる訳じゃないから安心して♪」
雄大「すみません。せっかく西城閣下の直々のお誘いなのは光栄なんですけど、
 オカルトや超常現象には興味津々なんですが、特撮やアニメはちょっと……」
佳代「いい歳した大人がアニメなんか見る訳ないじゃん! ガキじゃあるまいし!
 つーか、オタクきもっ!!」
紗希「テレビ自体…普段からあまり見ないから……」
戒「くだらん……」

結果不首尾の報告を聞き、一様に憤慨する一同。

左近寺辰之助「あの非オタどもがあああッッ!!!!!!!!」
黄瀬やよい「これは由々しき事態ですね!」
ティム・トイ「総帥のお考えは?」

"紳士の集い"の主要幹部たちが判断を仰ぐ首領の正体は、
スポンサー特権を濫用して勝手にブレイバーベースにサークルを作ってしまった
三千院財閥令嬢・三千院ナギであった!

ナギ「くっくく…身の程知らずの愚か者どもめ。
 私の力で必ずやその者たちを正しきオタク道へと
 導いてくれよう!」

果たして三千院ナギの企てとは!?

369ユガミ博士 ◆UMgG0HhEo2:2015/06/02(火) 12:32:41
<<ベルデの最後>>

かつてミラーワールドの脅威を止める為、独自にオルタナティブを開発し、
ライダー同士のバトルロワイヤルに介入した清明院大学の香川英行教授は
「ライダー同士の戦い」が無かった事により、その記憶は無く一般人として
ごく普通に愛する家族と共に日々を暮していた。

東條「お早うございます。香川先生」
香川「東條君ですか。お早うございます。最近はあまり研究室に
 来ないようですが・・・・」
東條「ええ、ちょっと今のバイトが忙しくって・・・・」

ある日、香川は自分の研究室に出入りしている東條悟と挨拶を交わす。
最近はアルバイトが忙しいらしく、あまり研究室に来ていなかったのだが
それ以上の事は何も思わなかった。

東條「コーヒーを煎れたので、よかったらどうぞ」
香川「ありがとうございます。それでは遠慮なくいただきます」

コーヒーを煎れたという東條の薦めを受けた香川はコーヒーを飲む。
だがしばらくすると、突然眠気に襲われるのであった。

香川「・・・・急に、眠気が・・・」バタッ
東條「・・・・ふふ、一緒に来てもらいますよ。香川先生」

しばらくして、眠りから目覚めた香川は其処が自分の研究室では
無い事に気が付く。

香川「ここは一体・・・・?」
高見沢「お目覚めになりましたかな?香川先生・・・」
香川「・・・あなたは確か、高見沢グループの総帥を務める高見沢社長!
 それに、東條君まで」

香川の前に現れたのは芝浦や東條達を引き連れた高見沢だった。香川は
以前テレビや雑誌を見た事で、高見沢の事を知っている。

香川「大企業の総帥である貴方が私に何の用です」
高見沢「先生の事は、この東條から聞いてます。先生にはある物を
 造ってほしいのですよ」
香川「ある物・・・?」

高見沢は懐からベルデのカードデッキを取り出して、香川に見せる。
高見沢はそこからミラーワールドや其処に存在するモンスターの存在、
自分達がGショッカーに所属している事を香川に話す。そして高見沢が
香川に造らせようとしているのは、かつての歴史で香川が開発した
オルタナティブだった。高見沢は芝浦達は別に独自の軍隊を持とうと
考え、東條からの話を聞いて香川にオルタナティブを開発させようと考えたのである。

香川「Gショッカーに、私が協力をすると思っているのですか!」
高見沢「先生には、是非協力してもらいますよ。もしお断りをするのであれば
 それはそれで結構。だが・・・・それならば先生のご家族には大変な目に
遭ってもらおうか?」

正義感の強い香川はGショッカーに協力は出来ないと言うが、高見沢は
鏡の中にいるバイオグリードやデストワイルダー達を見せて、暗に「自分に
協力しなければ、家族を襲わせる」と口調を変えて脅しをかける。

香川「ぐっ・・・・・分かりました。貴方達に協力しましょう」
高見沢「流石は先生!賢明な判断です」

そして香川は家族を人質にされ、オルタナティブの開発と研究を
始めるのであった。

370ユガミ博士 ◆UMgG0HhEo2:2015/06/02(火) 13:44:13
それからしばらくして・・・・・・いつの間にか真司達のたまり場となりつつある
赤龍軒に1人の人物が訪ねてくる。

真司「お前は、佐野じゃないか!?」
蓮「貴様、何しに此処へ来た!」
佐野「ま、待ってくれ!!戦いに来た訳じゃないんだ!話を聞いてほしいんだ」
真司「話?」

敵である筈の佐野が真司達の前に現れた事で不審に思うが、とりあえず
佐野の話を聞く事にした。そして佐野の話というのは、高見沢が香川教授を
拉致して、家族を人質にオルタナティブを開発させている事だった。

手塚「何故、俺達にそんな話をする?」
佐野「正直、俺はもうライダーを辞めたいんだ。そりゃ、俺が会社を継ぐとかって
 話も無くなっちまっているけど、このまま居ても俺に幸せが来るとは
 思えねぇ。だからあんた達に話をして、出来ればそのままGショッカー
 から足を洗えないかなぁ・・・・と(汗」
蓮「ふん、最低な奴だな貴様は!」

佐野が真司達に香川教授の事を話した理由を聞いて、蓮をはじめ
内心腹ただしく思えた。

霧島「こんな奴の言う事を聞く必要は無いわ!」
真司「待ってくれ!確かに俺も佐野にはムカついたけど、本当の事なら
 香川先生の家族が危ない。せっかく先生も普通に暮らしているのに
 またライダーの所為で戦いに巻き込まれるのなら、俺は助けに行くべき
 だと思う」

佐野の話を不審に思う美穂達だが、真司は助けに行くべきだと
自分の考えを皆に伝えた。

手塚「相変わらずの御人好しだな。だが、助けに行くという考えには
 俺も賛成だ。俺の占いでも助けに行く事は吉と出ている」
亮「俺も真司の考えに賛成だ。俺は其処にいる佐野って奴や香川って
 人の事は知らないが、例え罠だとしてもそれを打ち破れば良い」

真司の考えに手塚やリュウレンジャーであり赤龍軒の店主でもある
亮は賛成した。

霧島「はぁ〜分かったわ。今回は真司の言い分に付き合ってあげる」
蓮「まぁ、これを機会にブレイバーズのスポンサーになっている高見沢の
 化けの皮を剥いでやれるかもしれないしな」
真司「ありがとうな。蓮、美穂!」
蓮「ただし・・・妙な事になったら、容赦はしないぞ?」
佐野「も、勿論だ!あんた達に話をしたんだ、それぐらいの覚悟は出来ている・・・・」

皆、真司の考えに賛同しこの事は高見沢には気づかれないように他の
ブレイバーズのメンバーにも伝えられるのであった。

371ユガミ博士 ◆UMgG0HhEo2:2015/06/02(火) 15:41:02
一方、香川は高見沢からもたらされた資料とカードデッキのデータから
ついにオルタナティブ・ゼロの開発に成功するのであった。

高見沢「流石は香川先生。我々の資料とデータから、こんなにも早く
 オルタナティブを開発してしまうとは、正直驚きですよ!」
香川「・・・恐れいります」

オルタナティブの完成に高見沢は大いに喜び、香川は俯きながら
答えた。

間宮「これがオルタナティブ・・・・中々に協力な兵器の様だな」
乃木「下等な人間風情にしては、よく出来たものだ!」
香川「彼等は・・・・?」
高見沢「ここの警備を任せている、私の協力者達ですよ・・・・警備の
 方に不備は無いな?」
間宮「今の所、問題は無い」

高見沢と香川がいる所に、ワームの代表を務める間宮麗奈と乃木怜冶の
2人が現れた。現在、表向きは高見沢グループの研究所となっているこの
場所の職員は実は全員、ワームが擬態していた。

高見沢「それでは、次に量産化についてですが・・・・・」
東條「大変です!城戸達がこの研究所にやって来ました!!」
乃木「何だと!?」
高見沢「くっ、ついに嗅ぎ付けてきたか!」

佐野の手引きで、真司達はブレイバーズの仲間と共に変身して乗り込む。
研究所内部にはワームが扮した職員の他にミラーモンスター達もいたが
変身したブレイバーズのメンバーにより、次々と倒されていく。

龍騎「そこまでだ、高見沢!!」
ナイト「こうなった以上、貴様も年貢の納め時だな!」
高見沢「俺の邪魔はさせんぞ!変身!!」

龍騎やナイト達が乗り込んできた事により、高見沢達も変身する。

バース「香川さん、貴方のご家族の安全は既に我々の仲間が確保しました。
 其方も直にお助け致します!」
香川「――本当ですか!」
ベルデ「ふん、オルタナティブのデータは既にある今、香川は用済みだ。死ねぇ!!」

共に乗り込んだバース装着者の後藤から、香川は家族の安全を知らされる。
そしてベルデに変身した高見沢は最早、用済みと香川の始末にかかった。

龍騎「危ない!!」

龍騎は香川を助ける為に、ガードベントを発動させ、ドラグシールドで
ベルデの攻撃を防いだ。

香川「・・・・貴方は!?」
龍騎「ここは危険です。早く逃げて下さい!」
香川「・・・・・・・・」

龍騎は香川に逃げるように促すとベルデと戦闘を始める。
その姿に香川はオルタナティブ・ゼロのデッキを見るのであった。

ベルデ「俺も最早、ブレイバーズのスポンサーではいられなくなっちまったが
  ここでお前らを葬れば、俺の世紀王としての地位も大きくなるってもんだ!
 くたばれ、城戸!!」
龍騎「――くっ!」

AXELVENT!!

ベルデ「ぐわぁ!!」

ベルデはファイナルベントを発動させ、龍騎にトドメをさそうとした。
だが、そこに何者かの攻撃をベルデが受け、発動は失敗する。

龍騎「香川先生、その姿は!?」
オルタナティブ・ゼロ「・・・受けた借りを返します」

香川は龍騎に助けられた借りを返そうと、オルタナティブ・ゼロに
変身して、龍騎をベルデの攻撃から助けたのであった。

ベルデ「くっ、よくもやりやがったな!やれ、バイオグリード!!」
龍騎「させるか!!」

ベルデはバイオグリードにオルタナティブ・ゼロを襲わせるが、龍騎は
ストライクベントを発動させ、バイオグリードを倒し、その攻撃はベルデ
さえも巻き込んだ。そして衝撃によりベルデの変身は解かれ高見沢に
戻る。

高見沢「くそ、くたばってたまるか!」

重傷となった高見沢はその場から離れ、他のブレイバーズと戦っていた
タイガや間宮達も撤退した。

372ユガミ博士 ◆UMgG0HhEo2:2015/06/02(火) 16:17:08
傷を負った体を引きずりながら、研究所の外に逃げた高見沢だが
その前に現れたのは芝浦だった。

高見沢「芝浦、俺はこの様だ。病院の手配をしてくれ」
芝浦「いや、高見沢さん。アンタの行先は病院じゃあない・・・・」
高見沢「何!?」

芝浦の後ろから現れたのは、Gショッカー秘密警察の長官である
アポロガイストとバトルファイト参加者(世紀王候補)の成績を計算
しているラ・ドルド・グだった。

高見沢「き、貴様はアポロガイスト!?」
アポロガイスト「仮面ライダーベルデこと高見沢逸郎!今回の一件は
 最早、世紀王候補を名乗らせるには相応しくないないと判断した。
 よって、世紀王候補の資格をはく奪し、貴様を処刑する!」
高見沢「な、何だと!芝浦、俺を助けろ!」
芝浦「往生際が悪いよ、高見沢さん。あ、会社の事なら心配しないで
 下さいよ。俺が会社を引き継いだんで♪」
高見沢「そ、そんな馬鹿な!?」

アポロガイストから処刑宣告にショックを受けた高見沢は芝浦に助けを
求めたが、芝浦に助ける気は更々なくタブレットを操作して自分が高見沢
グループの筆頭株主である事を現すグラフを見せた。

アポロガイスト「そういう訳だ。それでは潔くあの世へ行くがいい!」
高見沢「や、や、やめろぉー!!!」

ザシュッ!

ラ・ドルド・グ「・・・高見沢逸郎、失格!」

その後の後日談をどうするのか、検討中。ご意見・アイデアが
あれば求む。

373ユガミ博士 ◆UMgG0HhEo2:2015/06/11(木) 13:12:57
外宇宙編<<バード星攻防戦>>

スピルバンの家族を乗せてムーンベースを飛び去ったサイバトロンの
星間輸送兵スカイリンクス、同行したギリアム、エクスカイザー率いる
カイザースは無事バード星へと辿り着き、ベン博士達は銀河連邦警察の
保護下となった。通常運行によりバード星に辿り着いたが、その間
宇宙警察総裁がザンギャック帝国のスパイだったり、コム長官退任後に
就任したゴードン長官による事件隠蔽があったもののベン博士達は
平和に過ごしていた。

***バード星・銀河連邦警察本部***

ベン博士「彼らがブレイバーズか」
ギリアム「はい、宇宙各地でGショッカーと戦っているフラッシュマンを
 はじめとするレジスタンスがブレイバーズの一員となって戦ってくれる
 事になりました」
ベン博士「そうか・・・ん?噂をすればあそこにいるのはジン君達だな」

バード星の銀河連邦警察本部には星間評議会と地球連邦政府主導で
結成された新部隊ブレイバーズに参加しようとする宇宙刑事に宇宙各地の
レジスタンスやサイバトロン軍が集まっていた。その中にはエルシャンクと共に
来たシーマ王女やフラッシュマン達も来ており、その様子を見に来ていた
ベン博士とギリアムは、エルシャンクのいる所へとやってくる。

ジン「お久しぶりです。ギリアム少佐、ベン博士」
ギリアム「君達も、変わりがないようで何よりだ」

エルシャンクの所へとギリアム達はジン達と再会の挨拶を交わす。

ベン博士「しかし宇宙各地からこれだけの戦力が集まるとは・・・・。」
ロム「ですが、まだ宇宙にはGショッカーをはじめとして多くの勢力が蔓延り、
 宇宙に生きる者達が虐げられています」
ジョウ「ああ、フリーザって野郎が率いる軍隊も、色んな星をぶっ壊し
 まくってるって話だ」
エクスカイザー「最近では宇宙連合内部でも、地球人を良しとしないタカ派の
 勢力が不穏な動きをしているという情報もあります」
ロミナ姫「彼らの為にも私達は今以上に力を合わせなければいけません」

ギリアムやベン博士、エクスカイザー達を交えて現在の宇宙があらゆる勢力
で入り乱れている事をエルシャンクの面々は話し、今まで以上に戦っていく事を
決意した。だが、そこに突如としてバード星が攻撃を受ける。

撃「この攻撃は!?」
エクスカイザー「あれは!」

二代目宇宙刑事ギャバンを襲名した十文字撃は、突然の攻撃に驚き
エクスカイザーは上空に指をさす。

G1メガトロン「ふはははは、バード星の者達よ!余の名は破壊大帝
 メガトロンである!!この星にあるシステムXNを余に献上せよ。
 さもなくばこの星を制圧する!!」

攻撃してきたのは、惑星ジャールからギリアムのXNガイストに搭載されている
システムXNを狙ってやってきたG1メガトロン率いるデストロン軍団だった。
ベン博士達がムーンベースを発進してから、自分達も出撃したが、ここに
来るまでに他の勢力と偶然にも交戦していた為、大幅に遅れてしまったのだった。

ギリアム「狙いはシステムXNか!」
撃「どこでそんな情報を手に入れたかは知らないが、バード星を攻撃させたり
 するものか!――蒸着!!」

撃はギャバンに変身し、電子星獣ドルを呼び出してデストロン軍団へと向かう。
ギャバンを皮切りに、エルシャンクをはじめとするブレイバーズの面々も出撃した。
だが、デストロン軍団とは別にバード星を攻撃する者がいた。

ダイノガイスト「久しぶりだな、エクスカイザー!」
エクスカイザー「ダイノガイスト!?黄泉がえっていたのか!」
ダイノガイスト「エクスカイザー、俺にシステムXNというお宝を渡してもらおう!」
ウルトラレイカー「ダイノガイストも狙っているのか!?」
エクスカイザー「あのシステムを渡す訳にはいかない。行くぞ、ダイノガイスト!!」

バード星を舞台にブレイバーズ、デストロン軍団、ガイスターズの三つ巴の
戦いの火蓋が切って落とされた。

374ユガミ博士 ◆UMgG0HhEo2:2015/06/16(火) 11:37:10
※鎧武初登場予定シーン

***インベスの星***

黄金の果実を手にして「始まりの男」となった青年―葛葉紘汰。
「始まりの女」となった高司舞と共に地球上を侵食したヘルヘイムの植物や
インベスを全て引き連れて生命の欠片もいない死の惑星へと移住した2人は
その名も無き星で植物を根付かせた今、緑の星となった。

舞「順調に命が育っているわね。紘汰」
紘汰「ああ。そうだな、舞」

今の星の姿を見つめる2人だが、そこにある者の気配が近づいてきた事
に気づく。

サガラ「よう!久しぶりだな、お2人さん」
紘汰「サガラ!」
舞「何故、貴方がここに!?」

2人の前に現れた男、DJサガラ。ユグドラシルコーポレーションと共に
ロックシードでインベスゲームを流行らせた人物だが、その正体は
あらゆる種族に変革を促す「ヘルヘイムの森そのもの」であり、神話に
おいて蛇とも云われる存在だった。サガラが現れた事に驚く2人。

サガラ「そう警戒なさんな。俺はある忠告をしに来ただけだ」
紘汰「忠告?」
サガラ「間もなく、お前さんたちの力を狙って敵がやってくる。それだけじゃねぇ。
 この宇宙・・・いや、在りとあらゆる世界を巻き込んだ大いなる戦いにお前さん達も
 巻き込まれる事になる・・・・・それだけを言いに来たのさ」

忠告しに来たというサガラは、いつもの様な調子で紘汰と舞に言った。

紘汰「何でそんな事を俺達に・・・・・?」
サガラ「なぁに。お前さん達の戦いは、実に面白かったからなぁ♪
 楽しませてくれた御礼みたいもんだよ」
舞「なら教えて。敵って?大いなる戦いって何なの!?」
サガラ「それはいずれ分かる事だ。精々気をつけな。じゃあな♪」

サガラは2人に伝えると、その場から消えた。

紘汰「敵・・・・大いなる戦い・・・・・一体何が起きるんだ?――誰だ!」
???「・・・私の存在に気づいたか。葛葉紘汰」

紘汰と舞の前に現れたのはヘルヘイムの森に適応し、進化したオーバー
ロードインベスの1人レデュエだった。

紘汰「お前は、俺が倒した筈・・・・!?」
レデュエ「ふむ・・・・どうやら『黄泉還り』を知らないみたいだな。
 教えてやろう。今、かつて死んだ者は原理は分からないが、死後の世界
 から現世に甦っているいるのだよ。私もその1人だ」
舞「そんな・・・・!」

レデュエは黄泉還り現象を知らなかった紘汰達に、自身が甦った経緯を
話す。

レデュエ「今度こそ、その力を私の物にさせてもらうぞ」
紘汰「させるか!」

黄金の果実の力を奪おうとするレデュエに紘汰は植物を操って攻撃を
するが、そこに何者かが攻撃をしてきた。

紘汰「そいつはメガヘクス!」
レデュエ「フェムシンム同様、森の侵食を機械で一つの意志にするという
 形で乗り越えた存在・・・面白そうだったから、新しい私の玩具にしたよ」

紘汰の植物を攻撃したのは、かつてこの星に現れたメガへクスだったが
意志は感じられなかった。実は地球に侵攻した時に大量に現れた
メガヘクスの一体をレデュエが改造して、自身の配下にしたのであった。

レデュエ「さぁ、黄金の果実を奪うのだ」
メガヘクス「――」
紘汰「ぐわぁぁぁ!!」

レデュエの命令を受けて、紘汰から黄金の果実の力を奪うメガヘクス。
力を奪われ、紘汰は只の人間に戻ってしまい倒れこむ。

舞「紘汰!」
レデュエ「お前は私と来てもらうぞ、始まりの女」

レデュエは舞を捕まえ、クラックを開けるとメガヘクスと共に、その場から
消える。その場に残された紘汰だが、倒れてしまったものの、何とか
立ち上がると、最後の力を振り絞り、少しだけ残っていた果実の力で
クラックを開けてレデュエを追うのであった。

375ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/06/17(水) 20:23:13
≪シグフェルVSバルゴグ最終決戦 その頃、日本では…≫

サラジアでは、大統領に就任して国の全権を握ったアフマド・アルハザードこと魔道師バルゴグと、
その野望を阻止せんとする天凰輝シグフェルとの最終決戦が始まっていた。
そして中東で戦乱が勃発した報せは日本にも届いていた。
テレビでのニュース速報を見ながら、何もできず歯痒い思いをしている牧村光平の仲間たち。

雄大「光平先輩が大変な時だってわかってるのに…!」
優香「私たちには結局どうすることもできないの!?」
慎哉「光平の親父さんが遺してくれたFDがある! あの情報を
 全世界に暴露すれば、アルハザードを失脚させられるはずだ!」

しかし当時の幼い光平に父親の光一郎が贈ったクマのぬいぐるみの中に
隠されていたFDは今は日本政府の手中にあり、首相官邸の金庫の中に厳重に保管されていた。
朝倉慎哉は錦織佳代に、官邸の金庫からFDを盗み出して来てくれるように頼み込む。

慎哉「頼むっ!この通りだ錦織! こんな時に頼れるのはお前しかいないんだ!?」
佳代「剣総理は江田島の御前の一番弟子だよ。あたしに雇い主を裏切れって言うのかい?」

友情と任務の板挟みになりながらも、
佳代は首相官邸内部に忍び込み金庫を開けるが、
なんと中身は空っぽだった…。

富樫「探しているのはこれか?」
佳代「富樫さん!?」

突然、佳代の背後に現れる富樫源次。
富樫の手には例のFDが握られていた。

富樫「お前たちの考えそうなことくらい、とっくにお見通しだ」
佳代「お願い富樫さんッ! そのFDをこっちに渡して!
 渡さないというのなら腕ずくでもッ…!!」

佳代は忍刀を抜いて身構えるが、
富樫はFDをあっさりと佳代に向けて投げてよこした。

富樫「そう慌てるな! 受け取れ!」
佳代「富樫さん…??」
富樫「どこへでも好きなところへ持って行け!」
佳代「……富樫さん、ありがとうっ!」

佳代からFDを渡された慎哉は、
すぐさまネットに繋いだ自宅のPCにFDをセットし、
アルハザードの素性に関する情報を全世界に向けて拡散させた。
これによって目覚めた民衆によって、ついにサラジアに民主化革命の火の手が上がり、
平和を愛するサラジア国民の声援を得て、ついにシグフェルはバルゴグを倒し、
中東地域に平和を取り戻したのだった。

376ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/06/17(水) 20:27:02
そして、後日の事……。

***江田島平八邸***

江田島「………」
佳代「ご命令に背き、首相官邸からFDを持ち出したのは私の独断です。
 どんなご処分でも謹んでお受けいたします…」

江田島平八から処罰される覚悟を決めて、庭先で神妙に控えている佳代だったが、
その時、屋敷の正門玄関の方向から何やら騒がしい気配が……。

富樫「何事だ騒々しい!?」
黒服A「は、はあ。そ、それが…」

黒服B「…こ、こらっ! 貴様どこから入って来た!?」
黒服C「ここを江田島平八先生の御邸と知っての狼藉か!?」
慎哉「いいから通してくれ!! 俺はここの男塾塾長って人に用があるんだ!!」
黒服D「ここはお前のような子供の来る場所ではない!!」

佳代「――朝倉!?」

なんと事もあろうに日本の首領(ドン)と恐れられる
男塾塾長・江田島平八の屋敷の中に単身乗り込んで来たのは、
黒服サングラスのSPたちに取り押さえられながらも
引きずるように必死にズカズカと入って来た朝倉慎哉だったのだ。

江田島「富樫よ、存じよりの者か?」
富樫「ハッ。例の牧村光平の親友の朝倉慎哉です」
江田島「ほぉ〜、こやつが…」

江田島平八は、一介の高校生に過ぎない朝倉慎哉とは勿論初対面である。

慎哉「アンタが江田島平八か!?」

江田島「いかにも! わ し が 男 塾 塾 長、江 田 島 平 八 で あ 〜 る !!」

佳代「バカッ!! 何しに来たんだ!」
慎哉「錦織に無理強いしてFDを盗ませたのは俺なんだ!
 処罰するなら俺を罰してくれ!」
佳代「相手はあの江田島平八だよ! 命が惜しくないのかい!? とっとと早く帰りな!!
 ――――恐れながら御前に申し上げます。コイツは少し頭がおかしいんです。
 どうかマトモにお取り上げにはなりませぬよう…」

お互いに庇い合う慎哉と佳代。
江田島はじっと慎哉の顔を見据える。

江田島「小僧、先程の言葉に嘘偽りはないな?」
慎哉「ああ、似るなり焼くなりどうにでもしてくれ!!
 覚悟はできてる!!」
佳代「朝倉……」

しばらく慎哉と佳代の二人を
じっと無言のまま睨んでいた江田島だったが、
少ししてから満足したように落雷のような大声で
豪快に笑いだした。

江田島「ガハハハハハッッ!!!!!!」

慎哉「……??」
佳代「……??」

慎哉と佳代の二人は訳もわからず呆気にとられる。

377ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/06/17(水) 20:28:51
江田島「富樫よ、確か首相官邸から重要機密のFDが紛失した件について、
 その後剣からなんぞ言ってきたか?」
富樫「はい、その件につきましては事務方のミスと判明し、
 その後内々のうちに穏便に処理したと聞いております」
江田島「そうか。ならばもう決着したこと。
 今更改めて誰かを咎めだてする必要もあるまい」

慎哉「それじゃあ!」
佳代「御前!!」

江田島平八の寛大なお裁きにより、
慎哉も佳代も一切お咎めなしで済んだのだった。

江田島「フフフフッ…運のいい奴。
 もし全ての責任を佳代一人に押し付けようなどと邪な事を考え、
 もう少し名乗り出て来るのが遅かったら、
 貴様を海防大付属から男塾に強制転入させた上で、
 地獄の荒行でその根性を叩き直すところであったぞ!」
慎哉「…そ、そうですか(滝汗。(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル」

横でそれを聞いていた佳代は、男塾の学ランを着て
いかにも劇画調な筋骨隆々の体格と化した慎哉の姿を想像して、
思わず噴き出したのであった。

378ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/06/23(火) 21:20:44
≪シグフェルVSザジロード 戦いの始まり≫

彩堂寺戒は、ネロス帝国の手によって
超生物サーベルタイガー型グライアーへと改造された。

初戦でシグフェルをあと一歩のところまで追い込んだグライアーだったが、
突如肉体に原因不明の変調をきたし、やむなく撤退して行った。
無事に事なきを得た天凰輝シグフェル=牧村光平だったが、
もし最後まで戦っていたら間違いなく敗北していたであろうと直感し、
グライアーの恐るべき戦闘能力に戦慄する。

グライアーとの再戦に備え、ブレイバーズの先輩ヒーローたちの指導の下で特訓に励む光平。
そんな光平の様子を、沢渡優香は複雑な表情で見つめていた。
本音では光平と戒に戦ってほしくないと思っている優香だったが、
二人の戦いを止めるにはどうしたらよいものかと途方に暮れる。

公園で一人思いつめたように物思いにふける優香に対し、
仰木舞と北八荒の二人が心配して声をかけた。

舞「どうしたの優香ちゃん?」
優香「舞さん…」

舞は優香に、かつて剣流星=超人機メタルダーも、初めは敵対していた何人かの
ネロス軍団員たちとも最終的には心を通わせるに至り、トップガンダーのように
今では固い信頼の絆で結ばれた戦友もいる事を話して聞かせ、彼女を励ますのであった。

舞「だからきっと、光平くんと戒くんもいずれは
 解り合える日が来ると思うわ。信じていればきっと♪」
八荒「少しは気が楽になった?」
優香「ありがとうございます舞さん、そして八荒さん。
 正直どこまでできるか分からないけど、私なりに
 頑張ってみます!」
八荒「よしっ、その意気だ♪」

だがその時、背後から地面を謎の触手が這い寄りながら近づいて来た事に
三人は全く気が付いてはいなかった。その触手はあっという間に優香の右足首に絡みつき、
彼女を大きな穴の中に引きずり込んで連れ去ってしまった!

優香「――!? キャアアァ――ッッ!!!!!!」

優香をさらった犯人は、ネロス帝国のモンスター軍団員・雄闘ガマドーンだ。

ガマドーン「グハハハハッ!! シグフェルに伝えろ!
 娘を返してほしければ、一人で地獄谷のAポイントまで来いとな!
 グライアーが待っているぞ!」

八荒「優香ちゃん!?」
舞「大変! 早く流星さんと光平くんたちに知らせなくちゃ!!」

379ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/06/23(火) 21:22:22
ガマドーンのアジトの洞窟に、縛られて監禁されている沢渡優香。

実はこの時点では、ゾルベゲール博士のクーデター騒ぎを経て
既に彩堂寺戒は脱走者としてGショッカーから追われる身となっていたのだが、
その事をまだブレイバーズ側は知らない。

ネロス帝国は、彩堂寺戒の方にも偽の果たし状を送りつけており、
シグフェルとグライアーの双方を同じ場所に同時におびき出して
まとめて始末しようとする、ずる賢い作戦を立てていたのだった。

優香「………(大変…!! 早く光平くんに知らせなくちゃ…!)」

元来、色仕掛けのような手段は不得手な優香だったが、それでも
なんとかこの場から逃げ出すために一芝居打とうと試みる。

優香「……うっ…痛いッ」
ガマドーン「どうした?」
優香「ロープがキツすぎて手首が痛いの。お願いっ、
 ほんの少しでいいからロープを緩めて…!」

両目に涙をうるうると浮かべ(たフリをし)て、
懸命に懇願する優香。

ガマドーン「しょ…しょうがないなあ…(///)。
 本当にほんの少しだけだぞ!」

可愛い女の子に弱いガマドーンは、
まんまと優香を縛っているロープを緩めるのだった。
「しめた!」と思った優香は、気づかれないように
こっそりともがき続けて自力でロープを解き、
いざ隙を見て脱出を敢行しようとしたのだが、
ガマドーンの口から伸びた舌に撒きつかれて、
脱出は失敗してしまう。

優香「きゃああっ!!!」
ガマドーン「そんなこったろうと思ったぜ!
 せっかく捕まえた人質だ! そう簡単に逃がしてたまるか!」

逃げ損ねた優香は、再び厳重に縛り直されてしまった。
一方その頃、地獄谷のAポイントにおびき出された牧村光平と彩堂寺戒は…。

光平「彩堂寺! 俺は人質だなんて卑怯な手を使わなくても、
 勝負ならいつでも受けてやるつもりだったぞ!」
戒「何の話だ?」
光平「とぼけるなっ! 優香はどこだ!?」

だがそんな二人は既にネロス帝国の機甲軍団によって
いつの間にか完全に包囲されていた。
ネロス帝国側の計算通り、恋人である沢渡優香の事になると
牧村光平は頭に血が上って冷静な判断や感覚が鈍る傾向がある。
光平はそれによって生じた隙をまんまと突かれた格好となったのだ。

光平「これはいったい!?」
戒「謀られた!!」

メガドロン「今だ一斉発射だ! 撃てぇ〜!!!」

機甲軍団員たちの一斉砲撃によって、
光平と戒の姿は爆音と煙の中へと消えてしまった。

380ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/06/23(火) 21:23:16
ガマドーンのアジトの洞窟へと作戦成功の報告にやって来る
ヨロイ軍団員・爆闘士ガラドー。

ガラドー「作戦は首尾よく成功だ。シグフェルも裏切り者のグライアーも
 まとめて跡形もなく吹き飛んだわ!」
ガマドーン「それはなにより♪」
優香「光平くんと彩堂寺くんが!? そんな…嘘よ!!」
ガラドー「さてと、これでもう人質の用もなくなったわけだが……」
優香「……!!」

ガラドーが自分に向ける殺気に、思わず息をのむ優香。
しかしその間にガマドーンが割って入った。

ガマドーン「待て待て、こんな可愛い女の子を殺すだなんて勿体ない。
 用がないのなら俺が貰っても構わんだろ?」
ガラドー「フン、相変わらず女好きな奴め。
 まあいいだろう、好きにしろ」
ガマドーン「そういうわけだよお嬢さん♪ これから一生俺の手元で
 たっぷりと可愛がってあげるからね、ゲヘヘ!!」
優香「…いや…近づかないで! 誰があなたみたいな化け物なんかとッ!!」

あわやガマドーンによって手篭め寸前という状況だった優香だったが、
そこへ彼女の居場所を突き止めたメタルダーが間一髪で乗り込んできて、
無事に救出されたのだった。

メタルダー「大丈夫かい優香ちゃん! どこにも怪我は?」
優香「私なら大丈夫です。それよりも光平くんと彩堂寺くんは!?」
メタルダー「安心してくれ。二人なら無事だ」

メタルダーはシグフェルと合流して残りのネロス軍団員たちを撃退し、
今回の戦いは大勝利を収めたのだった。

夜更けの地獄谷。傍らで優香と剣流星が見守る中、
無言のままじっと睨みあう牧村光平と彩堂寺戒。

戒「ザジロード……どうやらそれが今の俺が
 本当に名乗るべき名前らしい」
光平「ザジロード…?」

「ザジロード」――それは戒がネロス帝国から脱走する際、
その手引きをしてやると同時に「生き延びたければ
シグフェルの魂を奪え」と彼に吹き込んだ、
ラミアクィーンイーバ・スネイザとタランチュラロードイーバ・ガーミッドの
二人がそっと呟いた言葉だ。それが本来いかなる意味を持つのかは不明だ。

流星「君はそれを誰から聞いた?」
戒「さあね…」

流星からの問いに、戒は真面目に答えるつもりはなく
適当にはぐらかす。

戒「牧村、お前の正体がシグフェルだって事は、
 学校の他のみんなには内緒にしといてやる」
光平「なぜだ!?」
戒「お前を倒すのは、この俺でなければならないからだ…!」

いつの日か再戦を予告し、去っていく彩堂寺戒。
強敵のライバルの出現に、今までにない緊張感を覚える牧村光平。
そんな光平を、複雑な面持ちで心配そうに見つめる沢渡優香。

そしてブレイバーズにとって
今また現れた新たなる敵「ザジロード」に対して
戦意を新たに固める剣流星であった。

381ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/06/24(水) 20:44:44
≪銀河バイブルの謎≫

かつての巨獣特捜ジャスピオンとサタンゴース軍団との戦いから十数年が経過した現在…。
銀河バイブルに記された「光に打たれし赤子」ターザンは、ジャスピオンとアンリの手によって
愛情をたっぷり注がれて育てられ、逞しい14歳の少年に成長していた。
養父ジャスピオンのように自分も冒険の旅に出たいと望むターザンであったが、
当のジャスピオンからはまだまだ子供扱いされており、なかなか旅立ちを許可してくれない。

それを不満に思いふくれつつも、今日もターザンは仲良しの珍獣ミーヤと共に
秘境の谷へ鍛錬も兼ねて遊びに出かけるのだった。

その頃、エジンの星では、未だ地中の埋まったままである未発掘の古代銀河バイブルの
捜索発掘作業が、星間評議会が派遣した調査団が主導する形で、ジャスピオンも協力して
順調に進められていた。発見された銀河バイブルからは、GショッカーやETFなど
宇宙に蔓延る脅威に対抗する手掛かりが数々記されており、ブレイバーズの後ろ盾ともなっている
星間評議会は宇宙の平和を守るための有益な情報を次々と入手している。

このように、一見して発掘作業は順調に進んでいるかのように見えるのだが…。

ジャスピオン「おかしい…。発掘された銀河バイブルの現物の数と帳簿上の数字が合わない」

不審に気づくジャスピオン。しかしGショッカーやETFの仕業だとすると、
彼らにとって不利な情報が記されたバイブルが紛失した形跡は全くなく、
辻褄が合わない。

一方、秘境の谷でターザンとミーヤは、何者かの手によって隠匿されていた
銀河バイブルの束の山を偶然発見してしまう。

ターザン「これはみんな調査団に発掘されたはずの銀河バイブルだ!
 どうしてこんなところに!?」
ミーヤ「ミーヤ!! ミーヤ!!」

調査団長「小僧、見たな!?」

犯人である発掘チームの調査団長に見つかり、
配下のコウモリ型バットイーバの群れに
取り囲まれてしまったターザンとミーヤ。

実は調査団長の正体は、堕神の幹部ヴァンパイアロードイーバ・ヘルザードであった。
大審官アークシセイザーの密命を受けて、堕神の存在の手掛かりになり得る情報が
記された銀河バイブルを先手を打って隠ぺいしていたのだ。

果たしてターザンとミーヤの運命や如何に!?

382ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/06/24(水) 21:18:18
≪ジュリアス・カミュエルの謎≫

これまで陰ながらブレイバーズを支援してきた
星間評議会の行政府首相ジュリアス・カミュエル卿が、
ユーガー王子の任期満了に基づく退任に伴い、行政府首相、宇宙警察総裁、
そして最近になって新設された評議会直属の常備軍最高司令官等、
数々の要職を兼務のまま、ついに星間評議会最高議長の地位に
圧倒的支持の下に就任することが決まった。

カミュエル新議長がまず最初の公式訪問先に選んだのが、
太陽系第3惑星の地球である。その極秘情報をキャッチした
Gショッカーは、密かにカミュエル議長の暗殺を計画する。
その暗殺計画は、獣拳戦隊ゲキレンジャーをはじめとする
地球のブレイバーズのヒーローたちの活躍によって
ひとまずは阻止されたのだが…。

事件解決後、まだ地球に滞在しているカミュエルを訪ねるマスター・シャーフー。

カミュエル「それでマスター・シャーフー、この度のお越しのご用の趣は?」
シャーフー「なあに、他意はない。噂のやり手の新議長殿のご尊顔を
 一目だけでも拝見したいと思うてのう」
カミュエル「これはこれは…恐悦の極みに存じます」

シャーフーは、カミュエルの顔をじっと睨むようにして窺っている。

カミュエル「どうされました? 私の顔に何かついていますか?」
シャーフー「ついておる。誠実な眼差しの裏に、人を人とも思わぬ
 悪鬼羅刹の亡念がな…」
カミュエル「………」

その場の空気が一瞬だけ凍る。

カミュエル「フハハハハ!!! これはこれは…拳聖と謳われたお方の
 お言葉とも思われません。ススキの揺れを幽霊と見誤るのは、
 己の心に怯える者の仕業だと言います」
シャーフー「ではそろそろ退散するとしよう。その幽霊とやらに
 取りつかれんうちにな」
カミュエル「これは、大したお構いもできませず…」

そして帰路での事。帰り道での奥深い竹林の中を一人歩いていたシャーフーは、
突然現れたイーバの大群に襲われた!

シャーフー「――!!」

ゴブリンイーバ「グウゥゥゥッッ…!!!」
オークイーバ「ギシャァァッッ…!!!」

シャーフーに迫る身の危険を察知したゲキレンジャーその他ヒーローたちが
間一髪で駆けつけた事で、なんとか危難を逃れる事が出来たマスター・シャーフー
であったが……。

ミシェル・ペング「再生者(リザレクター)でもないシャーフーがイーバに襲われたのは、
 カミュエルの滞在している宿舎から離れた半時後よ…」
バット・リー「イーバはカミュエルの意を受けて動いていたとしか思えん」
真咲美希「そんなまさか…」

ジュリアス・カミュエル――今も全宇宙各地で悪と戦っている正義のヒーローたちにとって
最大の後ろ盾とも言える人物ではあるが、一方では「今は戦時である」との大義名分の下で
星間評議会のあらゆる要職を独占するに至り、独裁に近い強大な権限を着々と握りつつある。

ブレイバーズが「ジュリアス・カミュエル」という男に
疑念を抱いたのは、これが最初であった…。

383ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/06/25(木) 21:20:48
≪危うし! ブレイバーベース!!≫

その日、海防大学付属高校では一年生の岡島雄大が、先輩である牧村光平に懇願していた。
先端超科学の粋を集めて建造された秘密基地ブレイバーベースを是非一目見たいのだという。

雄大「お願いですよ先輩! どうかこの通り!
 この前"いつか連れてってやる"って約束してくれた
 じゃないですか!?」
光平「う〜ん、そう言われてもなあ…(汗」
雄大「慎哉先輩や優香先輩はブレイバーベースに行った事が
 あるんでしょ? 二人だけずるいですよ!!」
優香「私たちだって一度しか行った事がないのよ」
慎哉「あの時は移動中に目隠しをさせられてたから、
 俺と沢渡だってブレイバーベースの詳しい位置は
 知らないんだぜ」
雄大「そんなぁ〜」

雄大にせがまれた光平は、それとなくレッドマフラーの剣持隊長に
お伺いを立ててはみるのだが…。

剣持「一般の民間人にブレイバーベースを見せるという事は、
 ブレイバーズの最高機密に触れさせるという事だ。
 それが本人にとってどれだけ危険な事か、分かって言っているのか!?」
光平「ですよね……(汗」

こうして雄大の希望はにべもなく却下されてしまったのだが、
好奇心旺盛な雄大がこの程度で諦めるはずがなかった。
一方その頃、江田島平八邸では……。

佳代「このクソジジイィィッッッ!!!!!!!!!」
友吉「うぎゃあああっっ!!!」

たった今、江田島平八邸に隠密として出入りしている錦織佳代のお尻を触って、
ぶっ飛ばされたこの老人――名前を高松友吉という。
元は第二次世界大戦の終戦時に南海の孤島に一人取り残されていた旧日本兵だったのだが、
以前に江田島が何かと目にかけていた大魔王の息子・ソラによって奇妙な縁で助け出され、
それがきっかけとなって現在も江田島邸に居候している人物である。

この高松友吉老人、かなりの好色家(早い話がスケベ)であり、
いつも佳代に対して痴漢スレスレのセクハラ行為を働いては、
その都度に彼女から鉄拳制裁を食らうというのは、
今や江田島邸での日常の光景と化している。

佳代「いい加減にしなッ!! いったい何度アタシに
 ぶっとばされれば気が済むのよ!!」
友吉「いいじゃないか! 減るもんじゃなし…。
 近頃のJK(女子高生)は気が短いのぉ〜」
佳代「………(JKなんて言葉どこで覚えた!?)」

さてこの友吉老人だが、ある日突然、いきなり「ブレイバーズに入隊したい!」などと
とんでもないことを言いだした。本人曰く「いつまでもタダ飯食らいの居候では申し訳ない。
地球と日本の平和を守るために、自分も老骨に鞭打って若者たちと一緒に悪と戦いたい」
という言い分なのだが、実際のところの本音は「ブレイバーズに入れば、美少女達に囲まれて
ハーレムの中で過ごせる」などという他愛もない噂を真に受けても事だった。

384ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/06/25(木) 21:21:39
ブレイバーズに入りたいと願う岡島雄大と高松友吉。
この二人が偶然街の中でバッタリと出会った。

雄大「するとおじいさんが、佳代先輩が出入りしている
 江田島公のお邸に居候しているっていう高松友吉さん?」
友吉「なんじゃお主、佳代坊の学校の後輩か?」

お互いの意思を知り、すっかり意気投合してしまった雄大と友吉老人。
そんな二人に、「ブレイバーズ婦人部隊」を名乗る怪しい女たちが近づいて来た…。
実は彼女たちこそは、ブレイバーベースの所在地を探っている
ベーダー一族のアマゾンキラー、そしてミラーとケラーの変装である。

謎の婦人(アマゾンキラー)「お二人のこれまでの功績を評価した結果、
 ブレイバーズ特別隊員証を授与します」
雄大「うはは〜やったぁー!!」
友吉「それ見てみい! 世の中見とる人はちゃんと
 見てくれているもんじゃ!」

その後帰った二人は、それぞれ大威張りで「特別隊員証」を
周囲に見せびらかして自慢するのだが…。

光平「雄大、その隊員証、いったい誰からもらったんだ?」
雄大「そんなの秘密ですよ! なにせ重要機密ですからね♪
 いくらシグフェルの光平先輩でもお話しできません!」
光平「………」

佳代「ねえ富樫さん、ブレイバーズに"婦人部隊"なんてあったっけ?」
富樫「いや、俺も初めて聞いたな…」
佳代「なんか怪しい…」

案の定、雄大と友吉老人は騙されてGショッカーに誘拐されてしまった。

優香「大変!! 岡島くんとおじいさんが!」
慎哉「後を追うぞ沢渡! 奴等のアジトを突き止めて
 光平たちに知らせるんだ!」
佳代「待ちな!」

Gショッカーの後を尾行しようとする慎哉と優香を、
佳代が遮って止める。

慎哉「錦織! なんで止めるんだ!」
優香「早く助けないと!!」
佳代「慌てないの! Gショッカーの目的は、雄大と友吉じいさんから
 ブレイバーベースの場所を吐かせる事にあるんだ。だからそれまでは
 殺される心配はないよ。ここはアタシに任せて!」

385ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/06/25(木) 21:22:24
Gショッカーの秘密基地で尋問される雄大と友吉老人。

雄大「くそっ、放せ〜!」
友吉「よくも騙したな!!」

喚く二人の首筋に、回転鋸が音を立てて迫る!

アマゾンキラー「ブレイバーベースの所在地はどこです?」
雄大「知るもんか!」
友吉「殺すんなら殺せ! どうせ老い先短い命。
 とうに覚悟はできておるわ!」
アマゾンキラー「ふふっ…いい度胸です」

回転鋸がさらにぐっと二人に近づく。

友吉「…で、でもぉ…できたらわしは二番目にして、ほしい…かな(汗」
雄大「友吉さんッ!!(怒」

大ピンチの雄大と友吉老人。その時、雄大はふと、
以前に光平から常々言い含められていた言葉を思い出した。

光平(回想)「いいか雄大、もしお前の身に万一危険が迫ったら、
 悪い奴らの質問にはこう答えるんだ」

雄大は慌てたように命乞いを始め、知ってる事を全部話すと言いだす。

雄大「お願いです! ブレイバーベースの入り口がどこにあるか話しますから、
 どうか殺さないで!」
友吉「命惜しさに仲間を売るとは見下げ果てたやつじゃ」
雄大「あなたがそれを言いますかっ!?(怒」

雄大の話では、都内の某スナック店に、
ブレイバーベースへと繋がる秘密の入り口があるらしい。
直ちに部隊を率いて出かけていくアマゾンキラーたち。
その留守の間、雄大と友吉は縛られて猿轡まで噛まされて
地下牢に監禁されていた。

雄大「んんっ…んんっ!!」
友吉「んーっ!! んーっ!!」

そんな時、基地の中に潜入しつつ、さっきからずっと様子を窺っていた
忍び装束姿の錦織佳代が、見張りのダストラー兵を気絶させて鍵を奪い、
二人を助けるべく牢屋の中に入って来たのだ。

雄大「もがもがもが!?(佳代先輩!?)」
友吉「もがもがもがっ!!(助かったあ〜!!)」

佳代「シーッ!! 静かに! 今縄を解いてやるからじっとしてな――」

386ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/06/25(木) 21:23:20
雄大と友吉の猿轡を口から外してやる佳代。
続けて手足を縛っている縄の方も解いてやろうとするのだが、
ここで友吉老人がとんでもない事を言いだした。

友吉「佳代坊、せっかくじゃがわしはここに残らせてもらう」
佳代「ハァ!?」
雄大「友吉さんだけを一人にはできません。僕もここに残ります」
佳代「ちょっと二人とも何言ってんの!
 アタシはたった今見張りを殴り倒して来た
 ばかりなんだよ!」
友吉「ここでもう少し奴等の動きを探っておきたいんじゃ」

そうこうしているうちに交代の見張り要員が来てしまう。

佳代「もうっ! どうなっても知らないからね!!」

仕方なく佳代は二人を放って置いたまま
さっと天井裏に身を隠したのであった。

雄大「………(こめんなさい佳代先輩。でもいつも光平先輩の足を
 引っ張ってばかりの僕が、どうしてもここでみんなの役に立ちたいんです!)」
友吉「………(せっかくのハーレム実現の夢をここまで来て諦められいでか!
 なんとしても手柄を立てねば!)」

一方その頃、アマゾンキラーとベーダー怪物率いるGショッカーの特殊部隊が、
都内の某スナック店を奇襲し、秘密の通路へと突入した。
その動きを察知するブレイバーベースの司令室。

千恵「隊長、緊急事態です」
村中「Gショッカーの奴ら、まんまと罠にかかりましたね」
剣持「よしっ! 迎え撃つ準備だ!」

ついに正義の砦ブレイバーベースの中枢へと迫ろうとしている
Gショッカーの魔手に対して、切れ者・カミソリ剣持が仕掛けた罠とは!?
そして、Gショッカーに捕まったままの岡島雄大と高松友吉老人の運命は…?

387ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/06/27(土) 19:50:55
≪悪の手に落ちたビッグエンゼル≫

妖精王オベイロンこと須郷伸之が、アメリカ影の政府が日本国内に送り込んだ
工作員の手引きで脱獄した。

ブレイバーズの本部基地ブレイバーベースのメインコンピューター『ビッグエンゼル』の
セキュリティを管轄している頭脳集団POGの施設から極秘のパスワードを盗み出し、
アメリカ影の政府が用意した秘密アジトの設備からネット環境へと接続して、
『ビッグエンゼル』のサーバー内へと侵入。あっという間にブレイバーベースの
全システムを掌握してしまった!

オベイロン「フハハハ!! これからは私がお前の主人だ!
 時間をかけてたっぷりと可愛がってやるぞ!」
エルファ「誰か…助けて…!」

電脳世界で、快感の笑みを浮かべるオベイロンによって
触手プレイ(!?)の凌辱をされ続けるエルファ。
佐原博士の機転で辛うじて予備コンピューターへとシステムを切り替えたものの、
このままではブレイバーズのあらゆる「全て」が須郷の手に落ちるのも時間の問題だ。

和人「無理だ」
菊岡「そこをなんとか!」

事態を重く見た日本政府は、総務省総合通信基盤局の菊岡誠二郎を通じて、
これまで数々のオンライン上での難事件を解決してきた桐ケ谷和人=キリトに協力を要請。
最初は断っていたキリトだったが、結局菊岡に言いくるめられる形で渋々引き受け、
仲間たちと共に電脳空間へとダイブして、ALO世界からも接続されたビッグエンゼルを目指す!

一方、リアルの世界でも同時にビッグエンゼル奪還を目指す作戦が果敢に続けられていた。
ビッグエンゼルのあるメインルームへと繋がる「賢者のパズル」による警備システムを
突破できるのは、世界広しと言えども彼一人しかいない。

カイト「俺に解けないパズルはねえ!」

急遽、世界中のパズルを解く武者修行の旅から呼び戻された大門カイトは、
見事ビッグエンゼルへと到達する事ができるのか!?

388ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/06/27(土) 21:47:53
≪激突! 二人の怪盗≫

志葉家初代当主・志葉烈堂が、アヤカシ退治の恩賞として
徳川家康から拝領したと伝えられる幻の宝石「蒼月玉(そうげつぎょく)」。
その蒼月玉を今度の聖居での園遊会の席にて聖天子の御前に供覧する日が
間近に迫っていた。

ところがその園遊会の前日に蒼月玉を盗み出すと予告した
怪盗キッドからの予告状が志葉家に届けられてしまう!

怪盗キッドは、蒼月玉が伝説のビッグジュエル「パンドラ」ではないかと睨んでいるのだ。

直ちに中森警部以下警視庁の怪盗キッド対策班が志葉邸の警備を厳重に固める。
ブレイバーズからも「怪盗」の手の内を知り尽くしている
神風怪盗ジャンヌこと日下部まろんが応援に駆け付ける。
そしてついに犯行予告の日の夜を迎える!

怪盗キッド「怪盗ジャンヌは、足を洗ってお上の犬を務めてるって聞いたぜ!」
怪盗ジャンヌ「バカにしないでッ!!」

激突する二人の怪盗…。

志葉家現当主の丈留は、もし万一にも蒼月玉が怪盗キッドに盗まれてしまったら、
切腹して聖天子に詫びる覚悟だ。実は蒼月玉には、当時南蛮から日本に上陸し、
徳川の天下すら脅かしたという大悪魔が封印されていた。
その大悪魔の封印を解こうと、Gショッカーの妖怪軍団&外道衆&牙鬼軍団、
更には妖怪帝国までもが虎視眈々と狙っていた…。

389ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/06/28(日) 20:46:06
≪シグフェル、右腕を失う!≫

ブレイバーズの戦いもいよいよ大詰めへと近付いたある日、
再び運命の対決の時を迎えた、天凰輝シグフェルと牙冥甲ザジロード。
今度こそ雌雄を決しようとする両雄だったが、
今もなお二人の戦いを止めたいと願う沢渡優香が
戦いの間に割り込んだ結果、それが裏目に出て……。

ザジロード「もらったあああッッッ!!!!!!」
シグフェル「うわあああッッッ!!!!!!」

右腕を失い、瀕死の重傷を負った牧村光平は、
意識不明のままブレイバーベースのICU(集中治療室)へと運び込まれる。

佳代「アンタのせいだ! アンタが彩堂寺を庇って
 余計な事なんかするからッ!」
優香「――!!」
慎哉「よせ錦織! 沢渡のせいじゃない!」
雄大「そうですよ! なにも優香先輩は悪くなんか…」

まるで火がついたような錦織佳代に激しく非難され、
優香は泣いてその場から飛び出してしまう。

しばらくして精神的に落ち着いた優香は、
基地内のラウンジで再び佳代と顔を合わせる。

優香「錦織さん…」
佳代「ごめん沢渡さん、朝倉たちの言うとおり、
 確かにアナタのせいなんかじゃないよ。
 アタシどうかしてた…」

頭が冷えて冷静になったのか、佳代は
先程の優香に対して罵声を浴びせた事を
素直に詫びる。そして……。

優香「どこに行くの?」
佳代「アタシは泣いてばかりのアンタとは違う!
 アタシに出来る事をしに行くのさ」
優香「………」

390ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/06/28(日) 20:47:10
***某山奥・無人の荒れ寺***

戒「………」

荒れ寺の本堂の中で、瞑想をしながら
身体の傷を癒していた彩堂寺戒。
すると背後から殺気を放った人の気配が近づいて来る。

戒「牧村の仇打ちに来たか…?」
佳代「彩堂寺戒、お前を殺す!」

戒に佳代が斬りかかろうとしたその時、
突然荒れ寺の周囲四方八方から
雨霰の如く激しい砲撃が加えられた。

ドランガー「ネロス帝国の裏切り者、彩堂寺戒!
 今度こそ息の根を止めてくれる!」

ネロス帝国機甲軍団の攻撃から、
佳代を庇うようにして身を伏せる戒。

佳代「なにをする!?」
戒「勘違いするな! お前みたいなやつに
 勝手にうろちょろされると、かえって
 こっちが動きづらいからな」
佳代「――なっ(///)!?」

こうして彩堂寺戒と錦織佳代、
二人きりでのネロスの追ってからの逃避行が始まることに。

一方その頃、ブレイバーベースでは結城丈二を中心とする特別チームが、
光平=シグフェルのための義手の開発を進めていた。

391凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2015/06/30(火) 22:30:03
≪銀河バイブルを探せ!(草案)≫

遥か昔、宇宙の彼方から地球に一枚の銀河バイブルが漂着した。
超古代文明人はそれをタイムカプセルに入れて封印し、
いつか未来の人々がその予言を必要とする日まで、
銀河バイブルが失われぬよう大切に保存する事にした。
そこにはとても重大な事が記されていたからである――。

哲山「闘破、ケイ、学。お前達には、
 我が山地家に伝わるもう一つのボードについて話しておかねばならん」
闘破「もう一つのボード?」

銀河バイブルを封印した場所を示す地図は一枚の粘土板(ボード)に記されたが、
ある時ボードは四つに割れ、世界各地に散ってしまった。
現在、四つのうち一枚は戸隠流宗家の山地家が所有しており、
もう一枚はヒマラヤの地球教総本部に、また別の一枚は古代パルチア王家の末裔である
ガランダー帝国のゼロ大帝の手元にある。
そして最後の一枚は行方知れずになってしまっているという。

ブレイバーズ、ロゴス、Gショッカー。
ボードを持つ三者の戦いに、更に妖怪帝国やサラジア共和国など
横槍を入れる勢力も多数現れ、ボード争奪戦は熾烈を極める。
そして銀河バイブルの予言を隠蔽しようとするアークシセイザーの手先イーバも、
銀河バイブルを発見して破壊するため動き出していた…。

392ユガミ博士 ◆UMgG0HhEo2:2015/07/01(水) 13:03:31
異世界編<<ダンジョンで破壊者に出会うのは間違っているのだろうか>>

世界を旅するディケイドこと門矢士と光写真館の一行は【天空にそびえ立つ
塔が見える街】が描かれたタペストリーの世界に訪れる。
光写真館を出ると、外はロールプレイングゲームに登場するようなファンタジーな
街並みが広がっていた。

夏海「士君、その恰好は?」

士の恰好はローブを身に纏い、手には竪琴を持っていた。いわゆる吟遊詩人の
恰好になっていた。

士「これが、この世界での俺の役目か・・・・」
ユウスケ「ハハ!また随分、可笑しな恰好だな」
夏海「それよりも、この世界について調べましょう」

3人はこの世界を調べる為に街へと繰り出そうとしたその時。

ドンッ!

???「うわぁ!!」

士は誰かとぶつかってしまい、相手は尻もちをついてしまう。ぶつかった
相手は白髪で赤い目をした少年であり、何故か「兎」を連想した。

士「大丈夫か?」
???「済みません。こちらも少し急いでいたので・・・・あまり見かけない
 恰好をしていますけど、旅の方ですか?」
ユウスケ「そうなんだ!俺たち来たばっかで、この街について教えてくれないか?」
???「分かりました。あっ僕の名前はベル・クラネルといいます」

ベルという少年から、この街――迷宮都市オラリオについて聞く。
この街にはダンジョンという地下迷宮が存在し、多くの冒険者達が
挑戦してるという。また、この世界には神が存在しており、
冒険者はそれぞれの神の【ファミリア】に入る事で、恩恵(ファルナ)を
得て戦うのだという事を教えてもらった。

士「なるほど。大体分かった」
ユウスケ「そうなると、この世界でやる事といえば、やっぱりダンジョンに
 潜る事なのかな?」
夏海「しかし、私達はファミリアに入っていません」
士「・・・・ま、なるようになるだろう」

ベルの話を聞いて、この世界で何をすべきか話し合うユウスケに夏海だが
士はいつもと変わらない調子で言う。

住民A「た、大変だー!!蜘蛛のモンスターが出たぞー!(汗」
ベル「何だって!」
士「行ってみるぞ!」

モンスターが街に出現したという報せを聞いて、騒ぎの場所に駆け付けると
虎の顔をした蜘蛛の化け物が街を破壊し、人々を襲っていた。その化け物
こそ、この世界に存在しないツチグモという魔化魍だった。

ベル「ファイアボール!」

ベルは得意としている魔法をぶつけるが、そのツチグモには
効果が無かった。

ベル「魔法が効かない!?」
士「無駄だ!あの化け物に魔法は効かない。ここは下がっていろ」
 
魔法が効かない事に唖然とするベル。ツチグモの正体を知る士はベルに
下がるように言う。

ベル「そんな、危ないですよ!」
士「心配するな。ツチグモの倒し方なら知っている」

ベルにそう言いながら、士はカードとディケイドライバーを取り出し、
腰に巻きつける。

士「変身!!」

KAMEN RIDE DECADE!!

ディケイドライバーにカードをセットし、士はディケイドに変身する。

ディケイド「魔化魍には、コレだ!」

KAMEN RIDE HIBIKI!!

ディケイドは魔化魍退治を専門とする「仮面ライダー響鬼」のカードを
ディケイドライバーをセットする。そしてその姿を響鬼に変えた。

ベル「姿が変わった!」
ディケイド響鬼「行くぞ!」

ディケイド響鬼はさらに音撃棒「烈火」をアタックライドで攻撃。すると
さっきまで魔法も効かなかったツチグモに確実にダメージを与えた。
そしてツチグモを横転させ、腹部が上になるようにした。

ディケイド「さて、トドメといくか!」

響鬼から元のディケイドに戻ると、ディケイドは必殺の「ディメンションキック」
を発動させてツチグモを倒し、変身を解除する。

士「これでひとまず、安心だろう」
ベル「あなたは一体・・・・?」

393ユガミ博士 ◆UMgG0HhEo2:2015/07/01(水) 13:33:19
その後、騒ぎを聞きつけたベルの仲間であるリリ達と合流し、ベルに
連れられ、彼の所属するヘスティア・ファミリアの本拠地である古びた
教会へとやってくる。

ユウスケ「ファミリアって・・・此処!?」
士「ずいぶん、寂れた場所にあるんだな」
ベル「アハハ・・・(汗」

その古びた教会にユウスケや士達は少し驚く。ベルもその反応に
少々困惑するが、士達を中にいれ、ヘスティアに会わせる。

ヘスティア「話は聞いたよ。僕のベル君を救ってくれて御礼を言うよ。
 僕がヘスティア・ファミリアの主神ヘスティアさ!」
夏海「この方が女神・・・・」
ユウスケ「(すごい大きな胸だ・・・・)」

夏海やユウスケは、見た目人間と変わらないヘスティアの姿に
内心それぞれ驚く。そしてヘスティアは士達がダンジョンに入れるように
特別にヘスティア・ファミリアに入る事を許した。

ヘスティア「(ディケイドって言っていたけど・・・・君は一体何者なんだい?)」

士達を特別ヘスティア・ファミリアに入れたヘスティアだが、士・・・ディケイド
という存在に、少し疑問を持つのであった。

鳴滝「ダンジョンの中でもないのに、この街に見た事のないモンスターが
 現れたのも、ディケイドという悪魔がいるためだ。そこで是非、『剣姫』の
 異名を持つアイズ・ヴァレンシュタイン殿のいるロキ・ファミリアの皆さんに
 ディケイドを討伐してほしい!」
ヴァレンシュタイン「・・・・・」

その日の夜。ロキ・ファミリアには鳴滝が訪れており、昼間の一件は
「ディケイドの仕業」と話しており、その討伐を依頼していた。果たして
ダンジョンのあるこの世界で、士は、ベルの運命は如何に!?

394ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/07/01(水) 21:10:16
異世界編≪仮面ライダーディケイド×終わりのセラフ≫

世界を旅するディケイドこと門矢士と光写真館の一行は【吸血鬼たちが住む
地下都市】が描かれたタペストリーの世界へと訪れる。

士「終わりのセラフの世界か…」

到着早々、士たちは日本帝鬼軍・吸血鬼殲滅部隊「月鬼ノ組」の
柊シノア隊と衝突する。

優一郎「てめえか! 世界の破壊者ディケイドってのは!?」
与一「ここから先には行かせないよ!」
三葉「この場で仕留めるッ!」

ディケイド「やれやれ、またか。人気者は辛いなぁ…」

一方その頃、魔界同盟のゲマは吸血鬼の軍勢と手を組んでいた。
じわじわと百夜優一郎たちを追いつめていくゲマ配下のジャミとゴンズだったが、
いきなり戦場に割り込んで来た百夜ミカエラが、ジャミの片腕を切り飛ばした!

ミカエラ「………」

優一郎「ミカ…!?」

ジャミ「うぎゃああッッ!!!!!!」
ゴンズ「な、なにをする!? 我々はお前たち吸血鬼の味方だぞ!」
ミカエラ「…黙れ。これ以上優ちゃんに指一本でも触れたら殺すぞ」
ゴンズ「ぐぬっ、き、貴様ぁ!!」

ミカエラの理不尽な仕打ちに激昂するゴンズだが、
それをゲマが遮るように制止する。

ゲマ「おやめなさい! 今は仲間割れをしている時ではありません」
ゴンズ「しかしゲマ様!」
ゲマ「あの獣神官ゼロスや魔族の王デスピサロも独自の不穏な動きを見せています。
 今ここで吸血鬼たちと揉め事を起こすのは得策ではありません。ここは退きなさい」
ゴンズ「うぬぬぬ…っ」

ミカエラ「優ちゃん、いつか必ず薄汚い人間どもの手から
 君を救い出して見せるからね」
優一郎「おい待てよ! 待ってくれミカ! ミカァァァッ!!!」

戦場から引き揚げていく吸血鬼と魔界同盟の連合軍。

更に別の場所では、ディエンドこと海東大樹が
日本帝鬼軍の秘密地下研究施設に潜入していた。

海東「<<終わりのセラフ>>計画の実験資料、まさにこの世界において
 僕が手に入れるのに相応しいお宝だ♪」
グレン「失せろコソ泥。ここかお前のような薄汚い鼠の来る場所じゃねえ」
海東「おや、やるかい?」

激突する仮面ライダーディエンドVS一瀬グレン中佐。
果たしてこの勝負の行方は!?

395MMR雑用係:2015/07/11(土) 09:51:47

では、一先ず自分の考案した「半オリジナル怪人(版権作品の設定を下地にした独自キャラクター)」案を投下してみます。
一応、自分は空想大戦側の人間ではあるので、闘争の系統・空想大戦で共用可能なフリー素材というつもりで……
(あくまで“案”に過ぎないので、需要が無ければどちらで使われなくても構わないのですが)


以下怪人は、いずれもアポロガイスト主導の新世代怪人育成プロジェクトのもと選抜・鍛錬された改造人間であり、
旧来の組織から復活して加わってきた“旧世代”とは異なり、最初から「“Gショッカー”という組織の怪人」としての
活躍を見据えて育成された、言わば“新生代”の怪人達である。
いずれも経験こそ古参怪人に比べれば浅いが、Gショッカーの体質を念頭に置いた上での育成が組まれており、
ゆくゆくは対仮面ライダーに向けての作戦導入が想定されている。

●超GOD悪人軍団・翼竜ピサロ(仮面ライダーX/半オリジナル)
新世代怪人育成プロジェクトのもと誕生した、GOD悪人軍団の系譜を引くGショッカー新世代怪人。
大航海時代にインカ帝国を滅ぼしたコンキスタドール、フランシスコ・ピサロの遺体を素体に、
北アメリカ大陸で発見された虫入り琥珀より採取された翼竜ケツァルコアトルスの遺伝子を組み込んだ改造人間である。
かつてのジンギスカンコンドルやコウモリフランケン同様、飛行能力を活かした空挺戦法を見据えた訓練を受けており、
大ショッカー軍を中核とした異世界侵略軍の提督として、新世界に搾取の手を伸ばすべく策謀を行う。
白兵戦ではスペイン流剣術を用いるほか、翼には小型核ミサイルの噴射装置が搭載されている。

●超GOD悪人軍団・タラバスケキヨ(仮面ライダーX/半オリジナル)
新世代怪人育成プロジェクトのもと誕生した、GOD悪人軍団の系譜を引くGショッカー新世代怪人。
昭和20年代に発生した連続殺人事件の犯人、犬神佐清の遺体を素体に、
極寒のオホーツク海で採取されたタラバガニを組み合わせて製造された改造人間である。
北方海域での活動を念頭に調整されており、甲殻類由来の堅牢な装甲、鋭利なハサミが武器。
大ショッカー軍の水雷戦隊部隊を率いてオホーツク・北太平洋海域の商船・漁船を襲撃、
日本経済に打撃を与える任務を目的としている。

●超GOD悪人軍団・ドクキノコファントム(仮面ライダーX/半オリジナル)
新世代怪人育成プロジェクトのもと誕生した、GOD悪人軍団の系譜を引くGショッカー新世代怪人。
20世紀初頭のパリで暗躍した「オペラ座の怪人」の遺体を素体に、ジャワ島原産のカエンタケを組み合わせた怪人。
全身に強い猛毒を有している。その毒性はカエンタケの666倍を誇り、改造人間でも皮膚に接触しただけで
瀕死の重傷に追い込むほど。また、同等の毒を含有する胞子を広範囲にばら蒔く能力も持っており、
これによる大都市規模のテロリズムを想定した任務が与えられている。

396MMR雑用係:2015/07/11(土) 09:52:17

●超ネオショッカー怪人・ホッパージン(仮面ライダー(新)/半オリジナル)
新世代怪人育成プロジェクトのもと誕生した、ネオショッカーの系譜を引くGショッカー新世代怪人。
日本・北海道にて採取されたコバネイナゴを素材にした改造人間で、「第二のスカイライダー」をコンセプトに
ネオショッカー時代の粋を集めた技術により製造されているが、新世代怪人としての本質は素体となった人間にある。
ホッパージンの改造元となった少女は、某国の内戦地帯において母親を亡くし、ただ一人孤児になったところを
ゼネラルモンスターにより数年前に引き取られ、その後Gショッカーの秘密施設にて訓練を受けた身であり、
それ故に自身の親代わりでもあるゼネラルモンスターや魔神提督、そしてGショッカー首領陣には心の底から忠義を捧げている。
Gショッカーに属する身ながら極めて正義感が強く、組織内部の同僚や戦闘員に対しても分け隔てなく接する高潔な人間性の持ち主。

……と、本人は思っているが、実のところ彼女の抱いている正義や理念は「Gショッカーの理想」の影響下に
置かれたものを過ぎず、更に幼少期から隔絶された環境での思想教育を徹底された結果、組織に対する忠誠は盲信、
どころか狂気の域にまで達している。早いが話、「自分とは違う正義の存在を“理解することができない”」。
街中で一般人の親子連れに優しく接しながらも、いざ命令があればその親子を容赦なく嬲り殺しにすることも
「Gショッカーの正義」の為なら厭わない。彼女自身は微塵も気付いていないが、その道徳観念や正義感は
完全にGショッカー幹部陣にとって「都合の良い駒」としてメイクされた結果のものであり、外部から見た彼女の人格や言動は
身内以外の存在や思想は塵芥ほどしか扱わない、正真正銘のテロリスト以外の何物でもなくなってしまっている。
大ショッカー軍の中でも、上述の経緯ゆえ旧ネオショッカー影響下の思想が強い怪人であり、それ故にGショッカー内部でも
他勢力出身の構成員からは、その選民思想ぶりや視野狭窄な人間性から煙たがられている側面が強い。

イナゴ由来の飛翔能力に、重力制御を用いたセイリングジャンプなど、スカイライダーを追従した技術がふんだんに盛り込まれており、
戦闘員や一般怪人との連携をあえて放棄し、単身による要人暗殺などのテロリスト任務に比重を置かれた改造人間。

397MMR雑用係:2015/07/11(土) 21:09:50

●超GOD悪人軍団・カマキリジェイソン(仮面ライダーX/半オリジナル)
新世代怪人育成プロジェクトのもと誕生した、GOD悪人軍団の系譜を引くGショッカー新世代怪人。
アメリカ合衆国を震撼させた殺人鬼ジェイソンの遺体を素体に、台湾原産のコカマキリを組み合わせた改造人間。
両手が鉈状の凶器になっており、作戦に応じてチェーンソー等のアタッチメントに取り換える事も可能。
好戦的な性格で、主にGショッカーが秘密裏に行っている作戦準備の哨戒任務に従事し、目撃者の手早い暗殺を行う。

●超GOD悪人軍団・クラゲマーズ(仮面ライダーX/半オリジナル)
新世代怪人育成プロジェクトのもと誕生した、GOD悪人軍団の系譜を引くGショッカー新世代怪人。
20世紀初頭のイギリスに出現した火星人の遺体を素体に、バルト海で採取されたキタユウレイクラゲを組み合わせた改造人間。
かつて地球人に滅ぼされた恨みを怪人となった今も根強く抱き、地球の大気成分を火星の物に造り替えて
宇宙時代に適応できない人類を淘汰する「マーズフォーミング計画」を主導する。
武器は神経毒を含んだ触手。またクラゲの傘を開いてUFO状の形態をとって飛行する事も可能。

●超GOD悪人軍団・ドクガテロリスト(仮面ライダーX/半オリジナル)
新世代怪人育成プロジェクトのもと誕生した、GOD悪人軍団の系譜を引くGショッカー新世代怪人。
Gショッカー地下帝国軍の傘下組織に所属する「とあるテロリスト」を素体に、沖縄県与那国島で採取されたヨナグニサンを
組み合わせた改造人間。巨大な翼を羽ばたかせることで、レーダーや精密機械を狂わせる金属チャフや、
起爆性の鱗粉などを撒き散らすことができ、改造人間である対仮面ライダーを想定した新世代怪人である。
(改造されたのが誰かは個人的に一応想定してますが、実際にSSで扱う際にまたコロコロ変わるかもしれません)

398ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/07/11(土) 21:46:34
>>395-397 MMR雑用係
ネタバレノートへのわざわざのお越し、かたじけない。
それにしてもGショッカー新世代怪人育成プロジェクトか…。
俺はこれに財団Xが関わっていると見た!
これはいよいよ、あの"赤い服の男"が動き出す頃合いかもしれん。

ともかくはせっかくのオリジナル新怪人のご提案、
こちらでもありがたく使わせて頂きたい。
時間が出来たらシナリオ案をネタバレノートに投下してみたいと思う。

399ユガミ博士 ◆UMgG0HhEo2:2015/07/12(日) 09:44:27
>>395-397 :MMR雑用係
この新怪人の設定量、流石です!本編で『ドキドキプリキュア』から
オリジナルのジコチューを登場させた事がありますが、私もこれぐらいの
設定を持った怪人を考えてみたいものです。

400ユガミ博士 ◆UMgG0HhEo2:2015/07/14(火) 12:58:05
<<タイトル未定>>

***フェルコーナ***

地球圏に存在する新興コロニー国家・フェルコーナ。だが、その代表である
サントス大統領はブルーコスモス初代盟主であるムルタ・アズラエルの
協力者であり、ダカール政変以来、地球連邦中枢から追われているティターンズ
等のロゴスに関係する部隊の一部はこの国に匿われていた。

バスク「ダカールでの政変によって、我々ティターンズは連邦中枢から追われる
 立場となってしまったが、再び連邦の精鋭として返り咲く日が来るだろう。
 その為に来るその日まで我々は力をつけていかねばならない。世間では
 ブレイバーズというあらゆる戦力が集った新部隊が発足されたわけだが、
 我々も力を結集するべきと判断し、ここにその為の特殊部隊を発足する」

フェルコーナにある軍事基地に、ティターンズを中心とした部隊が集められ
バスク・オム大佐は皆に、特殊部隊発足を説明する。

シンジ「(・・・・ブレイバーズ。甲児さんやアムロ大尉のいる部隊・・・・)」

集められた兵士の中で、一際その場では異質ともいえる恰好――学生服を
着用した男女の中学生3人がいた。彼らの名はそれぞれ碇シンジ、アスカ・惣流・ラングレー、
綾波レイ。使徒と呼ばれる人類の敵と戦う組織「NERV」開発の人造人間エヴァンゲリオン
のパイロット達である。彼らの組織はティターンズに接収されており、日本から
ティターンズが撤退する際、連れてこられたのである。

ジェリド「ふん、まさかこんな弱そうな奴が一緒の部隊とはな・・・・」
シンジ「貴方は?」
ジェリド「俺はジェリド・メサ。せいぜい足を引っ張るなよ!」
アスカ「あら、そっちこそ私達の足を引っ張らないで欲しいわね!」
ジェリド「何だと!?」
シンジ「やめなよ、アスカ!」
マウアー「貴方もよ、ジェリド」
ジェリド「チッ!」
アスカ「ふん」
レイ「・・・・・」

シンジ達の所へ近づいてきたティターンズの兵士ジェリド・メサはシンジを見て
見下した態度をとると、気の強いアスカは挑発的な言動を取り口論となる。
シンジはアスカを諌め、ジェリドの方は彼の同僚であるマウアー・ファラオが
諌めた。レイは普段通り静観していた。

ジャマイカン「お前達、何を騒いでいる!」
バスク「・・・NERVのパイロットは元気があるようだな。葛城三佐」
ミサト「ハハハ、ウチのパイロットがお騒がせして申し訳ありません(汗
 (もう何やっているのよ、あの子達は〜!!)」

シンジ達が騒いだ事に、参謀役として配属された葛城ミサトは愛想笑いを
する。

シャニ「アイツら・・・五月蠅い」
クロト「ほんと、こんなのかったるいだけだよね」
オルガ「お前らも黙ってろ!終わんねえだろ」

かつてアズラエルの指示で、剣総理の暗殺を謀った生体CPUの3人も
部隊に参加する事になり、先ほどの騒ぎを煩わしく思う。

アウル「ははは、アイツら面白いじゃん!スティング」
スティング「声がでけぇよ、アウル」

シンジ達の騒ぎにエクステンドと呼ばれる強化人間のアウルは笑い声を
挙げる。そんなアウルに同じエクステンドのスティングは注意した。

オペレーター「大変ですバスク大佐!この近くに異星人の物と思われる
 機体がフェルコーナ行きの物資を運んだ貨物船を襲っていると情報が
 入りました!」
ミサト「何ですって!?」

そこにオペレーターから、異星人の勢力が貨物船を襲撃しているという
情報が一同に伝えられた。

バスク「ちょうどいい。これからの戦いに向けて諸君らの実力を改めて知る
 よい機会だ。総員出撃せよ!!」

バスクの号令により、この奇妙な混成部隊は出撃した。

401ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/07/18(土) 14:43:37
≪聖なる海の洞窟編≫

夏休みのある日、牧村光平たちはフィリナの計らいで
南国リゾートへとバカンスに来ていた。
しかしビーチでの海水浴の最中、季節外れの異常気象が起き、
沢渡優香は嵐に巻き込まれて光平たちとはぐれてしまう。

一人遭難した優香を救い、聖なる海の洞窟に保護したのは
元ゴルゴムのクジラ怪人であった。

かつての対ゴルゴム最終決戦時に一度命を落としたクジラ怪人と、
ライドロン完成時にその使命を終えて崩壊した聖なる海の洞窟だったが、
黄泉がえり現象により復活していた。

最初はクジラ怪人の姿を見てびっくりしていた優香だったが、
すぐに相手が優しい心根の持ち主だと理解して打ち解ける。

さてその再生者(リザレクター)であるクジラ怪人の命を狙って
暗躍する水棲生物系イーバとシグフェルとの対決に持ち込まれる訳だが、
その最中において沢渡優香の隠された超能力が覚醒。彼女が手を触れると、
クジラ怪人の身体の中から、デア・コロナ(dea corona/女神の王冠)と呼ばれる
黄金輝くティアラが浮き出て来たのだった!

クジラ怪人「これは…!?」
優香「私にこんな力があったなんて…」

これによってイーバを操る堕神の目的が判明。
堕神が狙う「女神の器」とは、甲冑の部位のように
バラバラになって再生者(リザレクター)の体内に眠っており、
それを全て集める事によって破壊の女神を降臨させる事が出来るらしい。
沢渡優香は、再生者(リザレクター)を殺さずに無傷で生かしたまま
「女神の器」を取り出せる異能の力を秘めていたのだ。
この事は最近発見された銀河バイブルにも詳しく記されていた。
だから堕神は、他者にバレると都合が悪い情報が記された
銀河バイブルを闇に葬り去ろうとしていたのだった。

優香「クジラさん、本当にありがとうございました」
クジラ怪人「礼を言うのはこちらの方だ。
 もし南光太郎に会う事があったらよろしく伝えてくれ。
 私は元気にやっていると」
光平「わかりました。帰ったら光太郎さんには必ず伝えておきます」

事件解決後、挨拶を交わして別れる光平たちとクジラ怪人。
これでもうクジラ怪人はイーバから狙われる事はないだろう。

そしてクジラ怪人一人になった聖なる海の洞窟では、
何やら地面から中からモグラのような奇怪な生物が…。

モグラ獣人「ちゅちゅ〜ん!! よぉークジラ、元気してるか?」
クジラ怪人「なんだモグラか。随分と久しぶりだな」

モグラ獣人とクジラ怪人はお友達だったというオチ。

402ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/07/18(土) 15:24:18
≪Gショッカー新世代怪人育成プロジェクト 始動編≫

Gショッカー新世代怪人育成プロジェクトとは、
至高邪神直々の特命を受けた秘密警察長官アポロガイスト主導の下、
財団Xの協力も得て選抜・鍛錬された改造人間であり、
旧来の組織から復活して加わってきた“旧世代”とは異なり、
最初から「“Gショッカー”という組織の怪人」としての
活躍を見据えて育成された、言わば“新生代”の怪人達の生産計画である。
いずれも経験こそ古参怪人に比べれば浅いが、
Gショッカーの体質を念頭に置いた上での育成が組まれており、
ゆくゆくは対仮面ライダーに向けての作戦導入が想定されている。

総司令の声「アポロガイストよ、今回のプロジェクトに協力を頂いた
 財団Xの諸君に礼を言いたまえ」
アポロガイスト「お言葉ですが総司令。財団XはGショッカーからの技術提供を受けて、
 今も戦場ビジネスで巨大な利益を上げております。この程度の協力はやって当然です!」

赤い服の男「フハハハハ…これはまた噂通りの手厳しいお言葉だ。
 さすがはGOD総司令閣下が一番の信任を置くと言われるアポロガイスト殿…」

財団X側の代表を務める"赤い服の男"は、アポロガイストからの痛烈な一言にも
全く意に介する様子はない。

さて、これを快く思わないのが、GOD悪人軍団の生き残りであるサソリジェロニモ親子である。
キングダークもタイガーネロも戦死した今、自分こそがGOD悪人軍団の残存部隊を
糾合した新たな指揮官になれると思っていたサソリジェロニモ親子だったが、
新参者たちに大きな顔をされてはたまらない。そこでサソリジェロニモ親子は、
同じく同軍団の生き残りであるヒトデヒットラーと手を組み一計を案じるのだが…。

超GOD悪人軍団・翼竜ピサロに与えられた任務とは、日本国が事実上その通商を独占している
二つの異世界「特地」と「神聖エルダント帝国」に関する情報収集と偵察である。
異世界側の要人がお忍びで東京を訪問するという極秘情報をキャッチした翼竜ピサロは、
その要人の拉致(場合によっては暗殺)作戦に乗り出す。

403MMR雑用係:2015/07/19(日) 23:50:41
●超ワーム成虫体・スチルベラワーム ヒエムスアエスタス(仮面ライダーカブト/半オリジナル)
新世代怪人育成プロジェクトのもと育成された、地球外生命体ワームの成虫体。
地球に棲む冬虫夏草に似た性質のワームで、他の成虫体に比べてやや小柄かつ細身な体躯ではあるが、
Gショッカーの強化改造により、人間の「臓器」や「四肢」単位で擬態する能力を会得しており、
これによって別怪人の欠損した部位を補う形で寄生、戦闘時に敵を不意打ちするなどの騙し討ちを得意とする。
本人の武器は両掌から放つロープ状の菌糸。


……原作でもほら、コキリアワーム(カタツムリ)とかいたので(汗

404ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/08/01(土) 14:45:24
≪陰謀砕いた国会での対決!≫


***天童菊之丞邸***

菊之丞「高坂か?」
高坂「ハッ」

天童家用人・高坂正眼(オリジナルキャラ)が、
配下の忍び・望月甚八(オリジナルキャラ)を伴って
邸内の茶室にいる天童菊之丞のもとに報告に訪れる。

高坂「剣総理は一両日中にも欧州外遊より
 帰国の途に就く模様にございます」
甚八「間違いございません。この甚八がしかと
 この目で確かめました」
高坂「閣下、いかが致しましょうか?
 仕掛けますならば、政府専用機が我が国領空に
 入ります前に…」
菊之丞「いや、たかが若造風情に刺客を放つような
 小物ではないということよ。それに、ひと思いに
 殺すよりもよい手がある」

天童一派による剣桃太郎失脚の陰謀が水面下で進行する中――。


***法務省***

その日、ブレイバーズを支える主要スポンサーの一人であり、
PUメンバーでもある藍羽財団CEO・藍羽ルリは、
今後のブレイバーズの活動方針について夏目法務大臣と協議していた。
夏目大臣は森田・嘉納両内閣の時代に防衛大臣を務め、
特地問題に手腕を発揮してきた人物である。突然そこへ…

秘書官「大臣、只今天童家家令・高坂正眼氏が
 火急の用件にてお越しにございますが」
夏目「なに、天童家の家令が?」

ルリ「………(天童家の用人が何の目的で法務省に?)」

別室に通された高坂が夏目大臣に出した要求とは、
現在、東京拘置所に収監中である元自衛官・鷹岡明の身柄引き渡しであった。

夏目「なんと、鷹岡明を引き渡せと言われるのか!?」
高坂「いかにも。同人は予定されている国会での喚問にて
 欠く事の出来ぬ証人として、それがし引き取りに参った」
夏目「しかしながら、鷹岡は防衛省の機密費を窃取し出奔した
 刑事事件の被疑者。私一人の一存では…」
高坂「渡せぬと言われるのか!?」
夏目「………」
高坂「ならば念のために申し上げるが、国会での証人喚問には、
 聖天子様が直々にお成り遊ばすはずですぞ」
夏目「えっ、聖天子様が直々に国会にお成りに!」
高坂「さよう。国家の安危に関わる重要な喚問ゆえ、
 主人菊之丞から特に願い出でてお許しを頂いておる。
 その喚問の証人の身柄を渡せぬと言われるのか!?」

405ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/08/01(土) 14:45:56
***東京拘置所・通用門***

鷹岡「ケケケケッ!! よぉ〜世話になったな!」
看守「くっ…」

高坂「では、鷹岡明の身柄確かに貰い受けたぞ」

拘置所から釈放された鷹岡は、天童側が用意した車に乗せられ
どこぞへと走り去った。その様子を遠くの黒塗りの車の車中から
じっと様子を窺っている夏目法相と藍羽ルリ。

夏目「口惜しいが、何せ天童の権勢は強大。
 ましてや聖天子様の御名まで出されては、
 拒否しきれませんでした」
ルリ「ご心中、お察しいたします」

ルリはすぐさまメイド隊に、鷹岡の乗った車を尾行するよう命令を出す。

ルリ「アイ、アヤネ、あの車をつけて行き先を突き止めて」
アイ「かしこまりました」
アヤネ「お任せを」
ルリ「天童が動いたからには、剣総理にも災いが及ぶのは必定。
 放ってはおけません…」

◇   ◇   ◇

椚ヶ丘中学校の落ちこぼれクラス・3年E組の生徒たちは、
殺せんせーと学校で過ごした楽しかった思い出を胸に、
この春、卒業し、それぞれの道を歩んでいた。
そんな中、元生徒の一人・茅野カエデが何者かに拉致される。
監禁された先でカエデが目にしたものとは…!

カエデ「あ、あなたは…!?」
鷹岡「久しぶりだったなあ、おチビちゃん」
カエデ「鷹岡先生……あなたは確か逮捕されたはずじゃあ!」
高坂「さればこの高坂正眼が天童家家令の名を持って
 身柄を引き取って参った。国会の証人喚問において
 君の身分を明らかにするための証人として必要だからねえ。
 地球の平和を守るブレイバーズが、実は地球を破壊しようとしていた
 謎の怪生物と裏で繋がっていたとすればまさしく大罪。
 ブレイバーズの後ろ盾たる剣総理も御咎めは免れまい」
カエデ「誰がアンタたちのための証人なんかに…!」
甚八「大人しくして頂くためにも、
 しばしこの痺れ薬を召し上がっていただこう」
カエデ「や、やめて…うぐっ」

カエデは無理やり痺れ薬を飲まされ、失神してしまった。

406ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/08/01(土) 14:46:32
***天童菊之丞邸***

菊之丞「高坂、よう致した」
高坂「ハッ。雪村あかりの身柄を抑え、こうして証人まで揃えましたからには、
 もはや殺せんせーと通じていたブレイバーズと剣総理の罪状は明白。
 これにてあの若造の命運も尽きたと思われます」
菊之丞「そちの申す通りじゃ。これで目の上のこぶが取れるわ。
 聖天子様お目覚めを待って一番に参内致し、この事を申し上げると致そう」


***聖居・表御座所***

聖天子「剣総理とブレイバーズがそのようなことを…」
菊之丞「はい。かねてよりのブレイバーズの活躍には
 この菊之丞も深く感じ入っておりましたが、密かに法を犯して
 地球破壊をもくろんだ超生物と通じていたとなりますと……」
聖天子「………」
菊之丞「もしこの度の一件を黙認あそばされましては、
 国民は国法よりもブレイバーズを重んじ、恐れながら
 ついには聖室のご威光にも――」
聖天子「傷がつくと言いたいのですね?」
菊之丞「御意。"天に二つの日なく、地に二つの君なし"と申しまする。
 ご賢明なる聖天子様のことゆえ、これ以上は申し上げずとも
 お察し下されるものと存じまするが、何卒ご英断を持ちまして」
聖天子「わかりました。もしそれが事実であれば、
 いかに剣総理と言えども捨て置く訳にはいきません。
 国会の場において特と吟味してくれましょう」
菊之丞「そのお言葉をお聞きし、菊之丞、深く安堵仕りました」

普段から剣桃太郎とブレイバーズに多大な信頼を寄せる聖天子ではあったが、
その立場上、私情で一方に肩入れするわけにもいかず、こうして剣桃太郎は
国会の場で聖天子から裁かれる事になってしまう。


***江田島平八邸***

この一報は、剣桃太郎の恩師である男塾塾長・江田島平八の耳にも
当然届いていたが…。

佳代「えっ、剣総理をお助けするのではないのですか?」
江田島「この程度の危難を自分だけでどうにかできぬような
 剣ではない。まあ黙って見ておれ」

江田島サイドは特に剣桃太郎を手助けする動きを見せず、
静観の構えである。

囚われた茅野カエデの運命は!?
そして剣桃太郎はこの窮地を切り抜ける事が
できるのであろうか!?

407ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/08/02(日) 09:30:38
≪魔界同盟、ついに地球に本格侵攻!≫

中国のゴビ砂漠のど真ん中に固定時空クレバスが開いた。
その一報を聞いた中南海の面々は、「ついに我が国にもゲートが開いた!」と大喜び。
直ちに出動した中国人民解放軍は、時空の門の中から現れた魔物の軍勢と衝突し、
戦闘状態に突入。両軍は一進一退の泥沼状況に陥る。

中国人民解放軍・科学院航空星際部の楊龍里博士は、ブレイバーズにも援軍を求めるべきと主張するが、
あくまで「門」の先の世界の利権を独占したい北京の党・政府首脳部によって親日派のレッテルを張られて
自宅に軟禁されてしまう。

一方、侵攻軍側の司令官である魔界同盟のボーゲン伯爵も焦っていた。
碌な事前調査なしで意気揚々と地球に侵攻した結果、パラメキア帝国ご自慢の
空中戦艦も、中国軍側から発射されたミサイル一発でいとも容易く撃沈され、
強大な力を持つ魔物の軍勢で辛うじて戦線を維持している有様。
このまま手こずるようでは、いずれパラメキア皇帝から粛清されるのも時間の問題だ。

そんな中、フィン王国のヒルダ王女は、地球サイドとコンタクトを図るために
フリオニールを密使として派遣する。ところが地球についた途端、
フリオニールは敵側のスパイとして中国公安部に逮捕されてしまった。
「門」の先の世界の情報を聞き出そうとする中国公安部によって
毎日厳しく尋問されるフリオニールだったが、楊龍里博士の根回しにより、
中国安全部所属の工作員・鳳鈴によって救出され、中国を脱出して
一路日本を目指す!

408凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2015/08/02(日) 17:47:13
>>321

***江田島平八邸***

富樫「佳代、紹介しよう。こちらは破嵐財閥総帥・破嵐万丈氏だ」
万丈「破嵐万丈だ。はじめまして」
佳代「……(この人がメガノイド族を滅ぼした
 希代の快男児、破嵐万丈)」

破嵐万丈とその愛機ダイ・ターン3の活躍の噂は、
伊賀・月影の隠れ里で暮らしていた佳代の耳にも達していた。

江田島「佳代よ、お前は岩手の岩屋ダム建設工事の
 ニュースは知っておるな?」
佳代「はい。"税金の無駄遣いの象徴"だとかで
 マスコミから散々叩かれているアレですか」
江田島「野党の連中はこれ幸いにとマスコミの報道に便乗して
 与党を攻撃する材料に使っておるが、岩屋ダムの事業は
 洪水調節、灌漑、水力発電の三つを目的として、現地の
 振興と発展にはどうしても必要な物だ。…ま、今は
 この点についてはどうでもよい」
万丈「その事業の入札で、うちの傘下の建設会社が
 落札してね。近隣住民への説明や自然環境については
 充分に配慮させてもらったつもりだよ」
佳代「それで、その岩屋ダムに何か?」
万丈「事前調査のために現地に向かった
 うちの会社の人間が、まるで神隠しにでもあったか
 のように失踪した」

万丈の話によると、現地調査に向かったダム技術者の何人かが、
ダム建設予定地近くの岩屋村に入った時点で、ぷっつりと
連絡が途絶えたのだという。

富樫「岩手県警も懸命の捜査を続けているが、
 何しろその岩屋村というのが、よそ者には冷たい
 排他的な地域で、警察の行動にも極めて非協力的だ。
 そのため捜査は難航している」
江田島「それともう一つの懸案は、
 岩屋村が今年から受け入れを始めている外国人労働者だ。
 農作業の手伝いという名目で、主に東南アジアから若者を集めているのだが…」
富樫「彼らのブローカーとなっている企業を調べてみたところ、
 どうも怪しい。上海に本社を置く中国の派遣会社なのだが、
 どうやらこれはダミーで、実態はサラジアの、
 紛争地帯に傭兵を送り込んでいる民間軍事会社が
 彼らを岩屋村に派遣しているらしいのだ」
江田島「フィリピンやマレーシアなどという労働者の国籍もほとんど偽造で、
 実際はヘルマジスタンやアザディスタンなど、
 政情不安定な西アジア方面から来た人間が多いようだ。
 彼らの何人かは国際的に名の知られたテロリストである可能性も浮上している」
佳代「それは…随分と物騒な話ですね」
江田島「岩屋村で何事かが起こっているのは間違いない。
 佳代よ、お前は岩屋村に向かい、
 現地では破嵐万丈の指示に従って
 事の真相を調べてまいれ」
佳代「承知いたしました」

409凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2015/08/02(日) 18:16:18
≪岩屋村の雪ん子≫ >>323続き

バスを下りてからしばらく険しい山道を歩き、
森をかき分けてようやく岩屋村へ辿り着いた光平達。

慎哉「いやあ…。なかなか凄いところだな」
佳代「これは何と言うか、伊賀の忍びの里にも似た風情だね」
光平「元々が蝦夷の隠れ里だからな。
 明治になってようやく発見されたくらいで、
 江戸時代にこの地域を治めていた盛岡藩も、
 岩屋村の存在はずっと知らないままだったらしいよ」

岩屋村は平安時代の昔、坂上田村麻呂の征討を逃れて
山奥へ移り住んだ蝦夷の人々の落人村だったと伝えられている。
今では日本の行政区画に正式に組み込まれているものの、
隠れ里だったかつての名残がまだまだ色濃く残っており、
藁葺き屋根の古い家屋が藪に隠れるように点在している風景は、
一種独特の印象を受けるものであった。

優香「それで、これからどうするの?」
光平「とにかく、村の人に話を聞かなきゃどうしようもないな。
 向こうに神社があるみたいだから、行ってみようぜ」

村の中心には小さな神社があり、本殿には高さ2mほどの、
龍か怪獣を擬人化したような奇怪な獣人像が祀られていた。

光平「婆羅陀魏山神(バラダギサンジン)…」
優香「これが、この神社で祀られている神様なのね」
佳代「婆羅陀魏山神は、この村の湖に棲んでいた怪獣バランを
 神と畏れて人々が崇拝するようになったものだね。
 実際には、バランは中生代の恐竜バラノポーダの生き残りで、
 被膜を広げて空を飛ぶムササビみたいな怪獣だったわけだけど」
慎哉「やけに詳しいな、錦織」
佳代「忍びの端くれたるもの、情報には通じてないとね。
 でもバランの正体がただの巨大生物だと分かって、
 自衛隊に退治されていなくなってからは、
 この村の婆羅陀魏信仰も廃れたって言われてたけど…」

そこへ、本殿の奥から白い顎鬚を生やした老人が出てきた。
この神社の神主を務めている男である。

優香「あ、こんにちは…。お邪魔してます」
神主「ここはよそ者が観光に来るような場所じゃない。
 婆羅陀魏様の祟りに遭わんうちにさっさと帰らっしゃい!」
光平「あ、あの…。僕らはこの村にいたある人について、
 少しお話を伺いたいと思って東京から来たんです」
神主「東京? …悪い事は言わん。
 今すぐ帰らっしゃい。和人がこんな所へ来ていい事は何もない」
光平「えっ、そんな、和人って…」

取り付く島もない有様で追い返されそうになってしまう光平達。
その時、神社の境内の奥で女性の悲鳴が聞こえた。

神主「…! 紗那っ!」
慎哉「何だ…?」
佳代「行ってみよう!」

神主と光平達が神社の裏庭へ行ってみると、
現れた妖怪ツチグモがこの神社のイタコの娘を襲っていた。

紗那「きゃぁっ! だ、誰か助けて…!」
ツチグモ「ヘッヘッヘ、お前をソーセージにして喰ってやる!」

慎哉「光平!」
光平「ああ、任せろ! 翔着(シグ・トランス)!」

炎を纏い、シグフェルに変身した光平はツチグモに戦いを挑んだ。

シグフェル「火炎十字の舞!!」
ツチグモ「ぐわぁぁっ!!」

鋭い爪で攻撃してくるツチグモだが、
シグフェルはフレアセイバーで斬り返し、
遂にシンケンレッドとの修業で編み出した必殺技で仕留めた。

光平「大丈夫?」
紗那「は、はい…」
光平「驚いたかな? 俺はブレイバーズの牧村光平。
 今の変身した姿はシグフェルっていうんだ」
紗那「ありがとうございます。
 私は、この婆羅陀魏神社でイタコ見習いをしている仁科紗那です」
慎哉「に、仁科…!?」
優香「ひょっとして、仁科宗禎さんの親族の人…?」
紗那「…?」

不思議そうに小さく首を傾げた仁科紗那は、
黒い後ろ髪を長く伸ばした、雪のように色白のたおやかな女性だった。

410凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2015/08/02(日) 18:30:30
神主「先ほどは大変ご無礼いたした。
 ささ、どんどん食べて下され」
光平「いやあ、かえって恐縮です」

村を脅かしていた妖怪を退治し、イタコの娘を救った事で、
冷淡だった神主の態度も一変。
神社の裏にある神主の屋敷へ招かれた光平達は、
豪勢な料理でもてなしを受ける。

神主「それで、わしらに聞きたかった事とは…?」
光平「ええ。実は、訳あって仁科宗禎という人の事を調べているんですが、
 彼はこの村の出身だそうですね。
 その人について、何でもいいのでお話を伺いたかったんです」
神主「仁科宗禎…?
 ああ、死んだ仁科の爺さんの兄上か。
 彼に直接会った事はわしもないが、
 ここにいる紗那は宗禎殿の大姪、つまり弟の孫娘じゃ」
優香「やっぱり…」

話を聞くと、紗那は光平達と同じ17歳。
村外れの古い民家を利用して開かれている、
小中高一貫の小さな分校に通っているとの事であった。

神主「じゃが、宗禎殿と面識のあった者は、
 もうこの村には誰もおらんじゃろうなあ。
 仁科の家系はどういうわけか代々不幸続きで、
 もうこの紗那しか残っておらんし」

紗那が10歳の時、彼女の父は山で柴刈りの途中に崖から転落死。
母もその数ヶ月後に雪山で遭難死してしまった。
紗那も母親と一緒に遭難したのだが、運良く通りがかった神主に発見され、
母親は助からなかったが紗那だけは一命を取りとめた。
以来、身寄りのなくなった紗那を神主が我が子のように育てて来たのだという。

光平「(10歳か…。俺が両親を亡くしたのと同じ歳だ)」
紗那「今は神主のおじい様のお手伝いをしながら、
 この神社でイタコとしての修業に励んでいる身なの」
慎哉「へぇ〜」
神主「小さい頃から紗那は霊感の強い子だったのでな。
 そちらの方面で才能を生かせればと思って、
 わしが直々に修業をつけておるのじゃ」

紗那の首には、小さな青い水晶玉のついたネックレスがかけられている。
暖炉の火の光を反射して、水晶玉はとても美しく輝いていた。

紗那「この水晶玉の首飾りは、死んだ母の形見よ。
 昔、母が私にお守りとしてくれたもので、
 今でも母の気が強く籠もっているのを感じるわ…」
佳代「ふ〜ん、イタコってのは、
 そういう気を感じ取る事もできるんだね」
優香「それにしても綺麗な石ね…。何でできてるのかしら」
神主「そうだ。せっかくじゃから、皆でお墓へ参ろうか。
 ここのすぐ近くに墓地がある」

村外れの墓地へ案内された光平達。
仁科家代々の墓がそこにあり、紗那の両親や祖父らと一緒に、
「仁科宗禎」と名が刻まれた墓石も並んでいる。

紗那「こちらが、大叔父様のお墓よ」
光平「仁科宗禎…昭和20年7月15日、没…。
 間違いない。この人だ」
神主「じゃが、実はこの中には宗禎殿の御骨は入っておらん」
慎哉「えっ?」
紗那「回収できなかったの。
 何かの手違いで、火葬もされないまま遺体が失われてしまったそうで…」
優香「でも、宗禎さんはシンガポールの日本軍基地で
 病気のために亡くなったんですよね?」
慎哉「戦場での戦死とかならともかく、
 基地の中で死んでいるはずなのに遺体を紛失したってのはおかしいですね」
神主「うむ。そんなバカな事があるかとわしも散々抗議したのじゃが、
 とにかく回収不能の一点張りで話にならん」
光平「………」

411凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2015/08/02(日) 18:33:49
紗那「お父様、お母様…」

両親の墓の前に跪き、手を合わせて祈る紗那。
しかしその時、遠くから雪玉が飛んできて紗那の顔に当たった。

紗那「きゃっ!?」

村の子供A「や〜い、雪ん子!」
村の子供B「狐憑き〜!」
神主「コラ〜ッ! やめんかあっ!!」

雪玉をぶつけた村の子供達が紗那をからかうのを、
神主は大声で叱って追い払った。

優香「紗那さん、大丈夫?」
紗那「ええ…。すみません」
慎哉「ひどい事する奴がいたもんだな」
光平「雪ん子って?」
神主「ああ、村の連中がこの子につけおった渾名でな。
 何かにつけていじめてくるので困ったもんじゃ」

神主の話によると、紗那には前から精神が不安定なところがあり、
時々おかしな事を口走ったりするので、
学校でいじめの標的になっているだけでなく、
村の大人達からも不気味がられて忌み嫌われているという。
恐らく狐憑きの一種だろうと神主は言うのだが…。

神主「さて、気を取り直して…。
 ここが、宗禎殿の生家があった場所じゃ」
光平「もう家は残っていないんですね…」

宗禎が住んでいた家は7年前、不審火によって全焼。
今は雑草が生え放題の空き地に、焼け焦げた柱などの
住宅の痕跡がわずかに見えるばかりである。

神主「宗禎殿は仁科家の次男としてここで生まれたが、
 住んでいたのはほんのわずかな間だけじゃ。
 彼は10歳の時、口減らしのため麓の地主の家に丁稚奉公に出されたからのう。
 しかしあまりに賢い子供だったため、
 この子は学問で身を立てた方がよいと、
 慈善家で知られる親切な地主がわざわざ学費を負担してくれて
 進学できる事になったそうじゃ」
慎哉「それで上京して、東京帝国大学へ進んだんだ」
神主「卒業後は軍属の技術者になったくらいじゃから、
 相当賢かったのは間違いなかろう。
 じゃが、宗禎殿は戦争中、渡海先の南方で不幸にも病に倒れ、
 10歳で村を出てから一度も里帰りする事なく亡くなったのじゃ」
光平「………」
優香「あれ? 錦織さんは?」

ふと気づくと、一緒にいたはずの佳代の姿がどこにもない。

神主「…! ど、どこに行きおった!?
 まさか向こうの方に…」
優香「あっちは、そんなに行っちゃまずいんですか?」
神主「い、いや…。そういうわけでは…」
紗那「………」

神主も紗那も、森の方を見て不安そうに視線を上下させている。
しかししばらくすると、佳代は別の方向から帰って来た。

佳代「あっ、ごめんごめ〜ん!
 退屈だったからちょっとその辺を散策してたんだ」
慎哉「退屈って…。
 今、凄く大事な話をしてたところなんだぜ」
神主「あまり勝手に出歩かんようにしてくれんか。
 特に向こうは、何人も足を踏み入れてはならぬ聖域なのでな」
光平「あっちには、何があるんですか?」
神主「婆羅陀魏様が住んでおられる湖じゃ。
 神の住まう聖域に人が迂闊に入ると何が起きるか分からん。
 また数十年前のように、神の怒りに触れて
 村が婆羅陀魏様に踏み潰されるような事態はごめんじゃからのう」
優香「もう…、迷惑かけないでよ」
佳代「ごめんなさい〜」

紗那「ら…らむ…だ…」

その時、紗那が突然意味の分からない事を呟いたかと思うと、
脱力して倒れ込んでしまった。

光平「紗那さん!」
紗那「ううっ…、ら……らむだ…どどどら…い…」
慎哉「何を言ってるんだ?」
神主「狐憑きじゃ…。
 紗那は時々、こうして気がおかしくなって
 訳の分からん事を口走る。
 最近、特にそれがひどくなってきておってのう」
紗那「………」

倒れた紗那を光平が背中におぶり、
ともかく神主の屋敷まで運ぶ事にした。

412凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2015/08/02(日) 18:38:00
紗那を運んで神主の屋敷に戻った光平達。
夜、外では雪がしんしんと降る中、火鉢を囲みながら
神主から仁科宗禎について更に詳しい話を聞かせてもらう。

神主「宗禎殿が丁稚奉公に行った麓の地主の家は、
 わしとも付き合いが長くてのう。
 宗禎殿の事ならその地主からよく聞かされておったよ」
優香「その地主さんって、今どちらにいらっしゃるんですか?」
慎哉「そうか! その人にも会って話を聞けば…」
神主「いや、今はもうおらんよ。
 これも7年前、紗那の両親が死んだのと同じ年じゃが、
 火事で家が全焼してしまい一家全滅じゃ。
 考えてみれば、あの年は厄年だったのか、
 何かと不幸が続いたものよのう」
光平「仁科宗禎の関係者が、同じ年に相次いで死んでいる。
 そして、彼の謎を追っていた父さんまでも…」
佳代「何だか不穏な匂いがするね…」

岩屋村にあった宗禎の生家が炎上したのも7年前である。
宗禎がこの地で生きてきた痕跡が、同時期に次々と消えている。
これは果たしてただの偶然だろうか?

優香「それで、宗禎さんってどんな人だったんですか?」
神主「宗禎殿は、とにかく真面目で賢い子じゃった。
 頭が良すぎて子供の中では少し浮いていたくらいじゃ。
 引き取った地主は、彼の事を神童と呼んで絶賛しておったがね」
光平「東京帝国大学に受かったくらいだから、
 相当凄かったんでしょうね」
神主「じゃが、上京してからは苦労が多かったそうじゃな…。
 元々、友達を作りにくい性格だったのもあるようじゃが、
 蝦夷という事でかなり差別されたと聞いておるし、
 幕末にこの地を治めていた盛岡藩が旧幕府方についたせいで、
 盛岡出身者は“賊軍”と呼ばれてこれまたひどく蔑まれたという。
 そうしたつらい体験をバネに猛勉強して、
 卒業後は軍の科学班に入るほどの栄達を手にしたわけじゃが、
 研究のために渡った南国で疫病に倒れて死んだのを考えれば、
 それが良かったのか悪かったのか…」

光平達は、意を決して神主に核心を切り出してみた。

光平「確かに、公式には仁科宗禎という人は
 1945年にシンガポールで病死した事になっています」
慎哉「でも、実は生きていたかも知れないんです。
 7年前、外務省は彼が中東のサラジアに渡っていた可能性があるのを突き止め、
 ここにいる光平の父親が調査に乗り出しています。
 その事について、何かご存じありませんか?」
神主「う〜む、そういう話か。
 いや、実はかなり以前、外務省のお役人が一度この村に来て、
 そのような話をしておった事があったが…。
 牧村……そう、その男の名も確か牧村といったはずじゃ」
光平「ま、牧村…!?」
優香「もしかして、岩屋村に来ていたのって
 光平くんのお父さんじゃ…?」

思わず顔を見合わせる光平、優香、慎哉、佳代。

神主「ちょっと待っておれよ。
 彼が説明のために置いて行った資料があるはずじゃ」

書斎へ行った神主は、引き出しの奥に閉まってあった、
以前外務省の役人から渡された分厚いファイルを取り出して持って来た。

神主「これがその資料じゃ。
 そしてこいつが、そのお役人がくれた名刺じゃよ」
光平「牧村光一郎…。父さんの名前だ」
慎哉「やっぱり光平の父さんも、この岩屋村に来ていたんだ」
光平「父さん…」

思わず感傷にふけり、涙で目が潤む光平。
父・光一郎は仁科宗禎の資料をここに残していたのである。

神主「わしが持っていても埃を被るばかりで仕方がない。
 この資料は君に差し上げよう」
光平「ありがとうございます。
 きっと役に立つと思います!」

413凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2015/08/02(日) 18:49:38
神主からぜひにとせがまれ、
その日は岩屋村に泊まらせてもらう事になった光平達。
広い神主の屋敷の一室に光平と慎哉が、
もう一室に優香と佳代と紗那が布団を敷き、一緒に眠る。

優香「紗那さん、もう大丈夫なの?」
紗那「ええ、心配かけてごめんなさい…。
 私、また変な事を口走っていたでしょう?」
優香「うん…。
 神主さんは、狐憑きだって言ってたけど」
紗那「突然、すごく気分が悪くなって、
 自分の中の、もう一人の自分が騒ぎ出すような感覚がするの。
 おじい様が言っていた、霊感が強いっていうのはこの事で…」
優香「う〜ん、霊を呼び寄せやすい体質、って事かしら」
紗那「でも、一生懸命修業してもなかなか伸びなくて、
 指導をして下さるおじい様にはご迷惑をおかけしてるわ。
 自分では、あまり才能があるようには思えなくて…」
佳代「まあ、修業ってのは何でも根気が要るものさ。
 焦る事なんてないと思うよ」

一方、隣の部屋では、気が高揚してどうしても眠れなかった光平が、
隣の布団の慎哉が熟睡したのを見計らって枕元のランプを小さく点け、
神主から渡された父親の忘れ形見の資料を必死に読みふけっていた。

光平「(仁科宗禎が死んだとされる日から終戦まではちょうど1ヶ月…。
 その間に、サラジアの科学研究所の責任者が
 シンガポールの日本軍基地を訪れている。
 〝ここで何らかの取引が行われ、仁科氏の身柄がサラジアに引き渡された可能性あり″か…)」

こうして岩屋村の夜は更けて行く。
だが、神主の家で歓待されている光平達の事を
独立幻野党に密告した村人がいた。

幻の睦月「何っ!? ブレイバーズの牧村光平が岩屋村に?」
村人「へえ、神社の神主様の屋敷に今夜は泊って行く様子でごぜえます」
幻の如月「よそ者は全て追い払えと命じておいたのに、
 歓待して宿まで貸すとは何事か!」
幻の睦月「…牧村光平と言えば、天凰輝シグフェル!
 我らのザイラユニコンを大破せしめた憎き敵だ!」
幻の如月「フフフ…。岩屋村が我ら幻兵団の牙城とも知らず、
 のこのこ乗り込んで来るとは愚かな奴だ。
 捕らえて処刑してくれる!」

遂に動き出した独立幻野党。
果たして光平の運命は…?

414ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/08/02(日) 20:45:03
>>413の続き

***岩屋村・独立幻野党秘密基地***

岩屋村の村人が「婆羅陀魏様の聖域」と呼んでいる湖の底には、
実は独立幻野党の秘密基地が築かれていた。
そこに一人の黒髪ロングヘアの若い女性が捕えられて
基地に連行されていた。

党員A「湖の周りをうろついていた、怪しい女を捕えました」
朱音「いやっ! なにをするの! 誰か助けて!!」
党員B「うるさい! 静かにしろ! どんなに騒いだところで
 誰も助けになど来ないぞ!」
幻の如月「見たところ観光客のようだが、フフフッ…バカな女だ。
 村人の忠告に従って近寄らなければよかったものを」
幻の睦月「気の毒だが、もう貴様は生きてこの基地から出られんぞ。
 牢に連れて行け」

牢へと連行されようとした千坂朱音だったが、
突然それを呼びとめる声がした。

幻の葉月「待て!」
朱音「…!?」

幻の葉月の顔を見て、一瞬マズイと顔色を変える朱音。
実は両者は、以前に宇都宮で顔を合わせている。
気取られまいと必死に平静を装う朱音。

朱音「……(幻の葉月、迂闊だったわ。この男もこの場にいたなんて)」
幻の如月「どうしたのだ? 幻の葉月」
幻の葉月「女、以前にどこかで会った事はなかったか?」
朱音「い、いいえ…私はあなたなんて知りませんよ。
 そもそも私みたいな美人がそうそうあちこちにいるとも
 思えませんけど」
幻の葉月「フンッ! ふてぶてしい女だ。どうやら俺の勘違いのようだ。
 連れて行け」

なんとか幻の葉月を誤魔化しきった朱音は、牢屋に放り込まれた。
そこには破嵐建設の数人の関係者も捕えられていた。

破嵐建設社員A「あ、あなたは…」
破嵐建設社員B「君、大丈夫かね」
朱音「ありがとう、私なら大丈夫です。あなた方は失踪していた
 破嵐建設のダム工事関係者の方たちですね?」
破嵐建設社員A「その通りだが…」
破嵐建設社員B「君はいったい…」
朱音「もうじき必ず助けが来ます。決して希望を捨てないでください」

そして全てが寝静まった深夜の頃合いを見計らって、
鉄格子の錠前を外してこっそりと牢屋から抜け出した朱音は、
基地内の各所を偵察する。そこでちょうど村人が光平たちの事を
独立幻野党に密告してきた現場に出くわし、物陰に隠れて立ち聞きする。

幻の睦月「何っ!? ブレイバーズの牧村光平が岩屋村に?」
村人「へえ、神社の神主様の屋敷に今夜は泊って行く様子でごぜえます」

朱音「……(どうやら一悶着が始まるみたいね。
 光平君たちには悪いけど、こっちにはこっちの仕事があるんで
 静観させてもらうわよ。フフフッ…)」

こうして朱音は夜が明けぬうちに、何食わぬ顔で牢屋へと戻るのであった。

415ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/08/02(日) 21:06:34
>>138 凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.
>詰め込みすぎたせいか話が思ったより複雑になってしまい
>ストーリーラインを整理するのに苦労したが、
>取りあえず書けた分だけ投稿してみた。
拝読致しました。なかなか読みごたえのあるシナリオでしたぞ。
神主の屋敷の寝室にて、優香と佳代と紗那の三人娘がパジャマ姿に着替えて
お布団の上でガールズトークをしている様子がとても微笑ましかった。
こ、これが…女子会というやつか!
羨ましすぎるぞおおっ!!(///)

神主からの説明中にこっそり抜けて、
湖の方を探りに行った佳代の様子も気になる…。

>うろ覚えなのだが、光平の父が死んだのは7年前、光平10歳の時…だったかな?
俺もうろ覚えだったので確認してみたが、光平の両親が死亡したのは
7年前で間違いありませんぞ。

>投稿した分も含めてまだまだ完成品ではないので、
>どこであろうと加筆はもちろん大歓迎だ。
お言葉に甘えて早速加筆させて頂いたので、
お読みくだされるとありがたい。

>なので、これで完成としよう。
早速ギャラリーに掲載させてもらいましたぞ。
これでまたオリキャラギャラリーが賑やかになり申した。
感謝申し上げますぞ。北上紗希の絵が決まった事で、
これで彼女が登場するネタバレシナリオ案等も
これまで以上に考案し易くなったと存ずる。

416ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/08/02(日) 21:36:52
猛暑のせいで誤爆してしまったと言い訳してみるテスト…(汗。
お詫びと言っては何だが、オリキャラ案を公開。

○沢渡奈津子
(イメージCV:柚木涼香)
沢渡優香の母で、海防大学医学部法医学教室教授。
メガロシティ署の監察医を務めており、メガロシティ署管内の事件で検死に赴く。
何かと事件の捜査に必要以上に首を突っ込む傾向があり、いつも娘の優香をヒヤヒヤさせている。
近眼らしく、普段は白衣姿に度の厚い眼鏡を着用しているが、眼鏡を外すと美人。
実はヒーローオタクという意外な一面を持っており、牧村光平がシグフェルと知った時は驚いていたが、
その後はあっさりと娘・優香との交際を引き続き許している。
『闘争の系統』での2時間ドラマ的なシナリオでは、探偵役の形でメイン(主役)を務める予定。

○沢渡圭介
(イメージCV:未定)
故人。沢渡優香の父で、沢渡奈津子の今は亡き夫。警視庁メガロシティ署の刑事だったが、
優香がまだ中学生だった頃、とある事件で殉職した。階級は警部(後に二階級特進して警視正)。

○沢渡優香の祖母
(イメージCV:未定)
沢渡優香の父方の祖母。奈津子、優香と同じマンションの部屋で3人で一緒に暮らしている。
嫁や孫娘との仲は良好であり、何かと世話を焼きたがる。夫(優香の祖父)は既に他界している模様。

●? アーククルセイダー
(イメージCV:宮本充)
堕神王リリスの側近くに仕える"大管領"。その地位はアークシセイザーとほぼ同格のようであり、
いつもはリリスの傍らで常に謁見者を見降ろして威圧するように控えている。
終盤に明らかになるその正体は、実は皆があっと驚くべき人物である。

417ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/08/04(火) 13:03:38
>>414さらに加筆

※所々途中を飛ばしています。

独立幻野党の襲撃から逃れる混乱の最中、
光平や佳代とはぐれた慎哉と優香は、
独立幻野党に捕まってしまった。

慎哉「うわあっ!」
優香「きゃっ!」
党員A「ここで大人しくしていろッ!」

基地の牢屋に放り込まれてしまう慎哉と優香。

慎哉「ちきしょう! ここから出せえっ!!」
朱音「あら、あなた達!?」
慎哉「…えっ! 朱音ちゃん!?」
優香「朱音先生!?」
朱音「あなた達もあいつらに捕まったのね」

慎哉と優香は思わぬところで
担任教師・千坂朱音と再会した。

慎哉「朱音ちゃん、あいつらはここで何をしようとしているんだ?」
朱音「ここはどうもテロリストの巣窟みたいよ。
 さっきチラッと見たんだけど、
 ここには大量の武器弾薬が運び込まれているわ。
 奴ら、ここで革命か戦争でもおっ始めるつもりかしらね」
優香「大変……」

一方、佳代は人質たちの監禁場所を突き止めるが、
警備が厳重なため容易に近づけない…。

佳代「悔しいけど、アタシ一人の力じゃどうにもならない。
 一旦戻って万丈さんからお指図を仰がないと…!」

その後、佳代が連れて来たマタギ拳法家達が隙をついて
基地内に突入。電撃的な人質救出作戦が開始される。

ビューティー「朝倉慎哉君に沢渡優香ちゃんね?
 話は聞いてるわ。もう大丈夫よ!」
レイカ「すぐに脱出よ!」
優香「貴女方は確か、破嵐万丈さんのアシスタントの…」
慎哉「助かったあ〜!」

救出した人質の誘導をする三条レイカとビューティフル・タチバナ。
しかしその一方で、千坂朱音だけには冷淡な態度を取る。

レイカ「あ〜ら千坂先生、貴女もいたの?」
朱音「これはどうも。フフフフッ…」

慎哉「……(錦織もそうだけど、どうしてブレイバーズの人たちって
 みんな朱音ちゃんとは仲悪そうなんだろ…?)」

そして千坂朱音は幻の葉月と対決する。

幻の葉月「思い出したぞ! 貴様いつぞやの天童の女狐!」
朱音(忍び装束姿)「あ〜ら、今頃気がづいたの? クククッ…おバカさん」
幻の葉月「ほざくなあッ!!」

激しく斬り結ぶ朱音と幻の葉月。
朱音の忍刀が幻の葉月の急所を突き、
勝負は千坂朱音の勝利に終わった。

幻の葉月「む、無念ッ…ぐぶっ!!」
朱音(忍び装束姿)「フッ…幻の葉月、仕留めた」

418ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/08/04(火) 18:47:08
≪月影の里の神楽舞≫

お盆休みを利用して、一度故郷である月影の里に帰省する事にした錦織佳代。
江田島平八からも里帰りの休暇の許しをもらい、自分が不在の間の北上紗希の護衛も
ミスリルから代替要員が来てくれるよう段取りも一通り済ませ、
後は出発するだけとなったはずだったのだが……。

佳代「なんでアンタたちまでついてくるの…?(汗」
雄大「ヤだなあ、そんな言い方。僕らと佳代先輩の仲じゃないですかあ♪」

なぜか光平、慎哉、優香、紗希、雄大の5人も
一緒について来る事に!?

佳代「アンタたちにだって、お盆にはそれぞれ帰省する故郷があるでしょーが!」
慎哉「それがさあ、俺と沢渡と雄大んちは、父方も母方も実家は東京都内だろ。
 帰省とかあんまり関係なくてさ!」
雄大「そうそう! 平家の落ち武者の流れをくむ伊賀忍者の隠れ里だなんて
 滅多に見れるもんじゃありませんからね。ねえ佳代先輩、一緒に連れてってくださいよ〜!」
優香「錦織さんの故郷って、まだ光平くんしか行った事ないんでしょ。
 それってなんだかズルイわよ!」
紗希「私も一度錦織さんの故郷を見てみたい」
光平「もしかして迷惑だった…?」
佳代「そ、そういうわけじゃないけど……」

佳代は困惑したものの、結局は光平たちに押し切られる形で
6人仲良く東海道新幹線に乗って三重県にある月影の里まで向かう事に。
月影一族の里に到着した一行は、佳代の亡き祖父・仁兵衛の墓参りを済ませると、
里長である頭領・片目に帰郷の挨拶がてらこれまでの報告に出向く。

佳代「お頭、ご無沙汰しております」
片目「佳代よ、よく帰って来た。お前の活躍は江田島公よりの手紙で
 聞き及んでおるぞ。ご友人方もゆっくりと過ごして行かれるがよい」

話によると、月影の里では毎年恒例の御魂祭りの時期が近付いており、
今年は佳代が白拍子の姿に扮して、里の神社で神楽舞を奉納する事になっているらしい。
それを楽しみにする光平たちは佳代の実家に泊まらせてもらい、
その日の晩は楽しい枕投げ大会が勃発するのであった。

そんな平和な光景とは裏腹に、月影の里から離れた隣の山奥では、
超GOD悪人軍団・ドクキノコファントムによる恐るべき実験が進行していた。
カエンタケの666倍の毒性を誇る胞子を夏の季節風に乗せて、東京・名古屋・大阪の
三大都市圏を一気に壊滅させようというGショッカーの作戦だ。

モンシロお蝶「この辺りは月影一族の里に近い。奴らに嗅ぎつけられては
 何かと面倒だ。ここはアタシに任せてもらうよ!」
ドクキノコファントム「おう! 任せたぞ!」

月影一族の抜け忍・モンシロお蝶こと秘密結社エゴスのゲンソウ怪人は、
ドクキノコファントムに協力し、この機会に自分を追い出した月影一族に
復讐しようと企む。

Gショッカーの動きを追っていたXライダーやバトルフィーバー隊と合流して
敵の新たな作戦を知らされた光平たちは、神楽舞に専念してもらうべく佳代には内緒で
ドクキノコファントムの陰謀阻止に動きだす!

419ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/08/07(金) 19:37:05
≪日本の首領(ドン)≫

岩屋村から帰還し、"仁科宗禎"について本格的に調べ始めた牧村光平。
東大資料館に赴き、片っ端から当時の同窓会名簿に目を通す。
その中に記されていた、ある名前が光平の目に留まる。

光平「江田島…平八?」

江田島平八――元帝国海軍少将。軍神と謳われた海軍中将・江田島國義の一人息子として生まれ、
ちょうど仁科宗禎が学生として在籍していた時期とほぼ同時期に、飛び級でわずか11歳で東京帝国大学に入学。
その後、海軍江田島兵学校別科を筆頭で卒業し、海軍で将官として上り詰め、太平洋戦争では
サマン島をはじめとする数々の激戦を戦い抜き、戦後は、伝統ある名門私塾「男塾」の塾長として、
現内閣総理大臣の剣桃太郎以下多くの教え子たちを日本の政財界に要人として送り込んだ。
文字通りの日本国家そのものと言っても過言ではない、泣く子も黙るフィクサー(国の黒幕)である。

もしかしたら江田島平八であれば、当時の仁科宗禎の事について何か知っているかもしれないと考え、
光平は江田島に仕えているという錦織佳代にアポイントを取ってもらえるよう学校で頼み込むが、
話を聞いた途端、佳代は血相を変えた。

佳代「江田島の御前に会って話を聞きたい!?
 無理無理無理無理ッ!! 絶対無理ッ!!
 相手はあの江田島平八だよ。アタシたちみたいな
 高校生がいきなり訪ねて行って、会ってくれる訳なんか
 ないじゃないか!」
優香「でも錦織さんって、その江田島っていう偉い先生に
 お仕えしているんでしょう? ちょっとお願いしてみて
 くれるくらいいいじゃない!」
慎哉「随分と冷たいんだな。普段は光平にゾッコンのくせに」
佳代「無茶言わないでよ…。江田島の御前は
 聖天子様といつでも直にお話が出来るほどの御方なんだ。
 アタシたちから見れば、まさに雲の上のお人なんだよ。
 光平の役には立ちたいけど……」
光平「ごめん佳代ちゃん。無理言って悪かったよ。
 この事はもう忘れてくれ…」
佳代「本当にごめんね…」

次に光平は、父・光一郎の代から親交のある内閣安全保障室長・土橋竜三を訪ねた。
土橋は、江田島の弟子である剣桃太郎内閣総理大臣に今も側近として仕えている高級官僚だ。
そちらのラインから接触を図れるかと考えたが、その考えは甘かった…。
土橋も顔色が真っ青になり、錦織佳代とほぼ同じ反応を示したからだ。

土橋「おいおい君たち勘弁してくれ。そんな事を口にしようものなら、
 一介の役人に過ぎない私の首なんかあっという間に吹っ飛ぶ!」
優香「そんなっ……なんとかならないんですか?」
土橋「わしもできれば光平くんの力にはなってやりたいんだが…」
光平「もういいよ優香。土橋さん、突然押し掛けて来て
 無理なお願いをして申し訳ありませんでした」

420ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/08/07(金) 19:37:46
三度目の正直と望みを託し、次に光平たちが頼ったのは、
近所でも親しい間柄にあるメガロシティ署の女刑事・桂美姫警部補だ。
彼女は元はICPOに設立された対妖魔特殊部隊ファントムスワットの
隊長職も歴任したエリートであり、日本政界にも影響力を持つ
大財閥・桂コンツェルンの令嬢というもう一つの顔を持つ。だが……

美姫「無理ね。私も江田島先生にはまだ一度もお会いした事はないもの。
 おじい様にお願いしてみても、たぶん結果は同じだと思うわ」
慎哉「美姫さんでもダメかぁ…」
光平「………」

それでも最後の最後に食い下がり、光平たちは月野うさぎに相談してみた。
月野うさぎ=セーラームーンは、30世紀の地球を統治するネオ・クィーン・セレニティ。
日本人から輩出された、未来の地球連邦の君主、次代の女王候補だ。
さぞかし江田島平八のような超大物ともコネがあるに違いないと期待したのだが…。

うさぎ「うんうん♪ このうさぎ様にど〜んと任せなさい!」
優香「本当っ!? ありがとううさぎちゃん!」
光平「助かるよ! 恩に着る!」
うさぎ「それでぇ…その江田島平八って人、どこの誰だっけ…?」

光平「……( ゚д゚)ポカーン 」

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      i!   _,ノ-──‐-L         ,i'
       ゙i、              u  ,/'
        ヽ、            /゙
         /     ノ      ヽ
           /     (´       ゙i、
慎哉「………(コイツに頼ろうとした俺たちがバカだった…!###)」
ちびうさ「………(おバカ…(汗。)」

421ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/08/07(金) 19:38:21
慎哉「ちっきしょう! いったいどうすりゃいいんだ!」
光平「やっぱり江田島平八以外に事情が聞けそうな人物を
 地道に探すしかないのかな…」

もはや万策尽きてほとほとに困り果てる光平たち。
そこへ仮面ライダースーパー1こと沖一也が偶然訪ねて来た。

一也「どうしたんだ君たち? そんな落ち込んだような顔をして」
優香「あっ、一也さん」
光平「実は…」

光平はかくかくしかじかと事情を一也に説明する。

一也「そうか、江田島平八翁に面会したいのか。
 それなら玄海老師にお願いしてみるといい」
光平「ええっ!? そんな事ができるんですか!!」
一也「老師と江田島翁は戦前から親友の間柄だ。
 確実に保証はできないが、老師ならあるいは
 お力になってくださるかもしれない」
慎哉「あの年寄りの和尚さん、意外に偉い人だったんだな…」
優香「コラッ! 朝倉くん失礼よっ!」
光平「是非お願いしますっ!」

こうして牧村光平は、玄海老師に江田島平八への添え状を書いてもらうべく、
沖一也と共に秩父山の赤心寺へと向かった。

一方、その頃……。

***天童菊之丞邸***

菊之丞「仁科宗禎…?」
朱音「ハッ。第二次大戦の終戦直前にシンガポールの日本軍基地にて
 病死したとされる旧陸軍の技術大尉でございます」

岩屋村から帰還していた天童配下のくノ一・千坂朱音は、
調べ上げた事の仔細を、茶室の天童菊之丞に逐一報告していた。

朱音「まだしかとした詳細はわかりませぬが、その仁科宗禎が、
 今から7年前の日本人外交官・牧村光一郎の死について
 何らかの関わりがある様子」
菊之丞「その詳細をブレイバーズが調べ始めたと申すか?」
朱音「いえ、より正確に申しますと、その光一郎の息子である
 牧村光平=天凰輝シグフェルが個人的に…」
菊之丞「………」

茶を飲み干した菊之丞は、茶わんを畳の床に置く。

朱音「その光平君が、仁科宗禎についてより多くの情報を集めるために、
 江田島平八翁に接触しようとしております」
菊之丞「牧村光平が、江田島に…?」

天童菊之丞は暫し沈黙する。

朱音「御前…?」
菊之丞「因果なものよのう。片や世界のエネルギー事情を左右する
 石油王一族の血を引き、ましてや本人の望むと望まざるに関わらず、
 今やブレイバーズやGショッカーも一目置く超人的な力の持ち主となった
 天凰輝シグフェルが、もう片や日本国家を体現する存在そのものと
 言っても過言ではない江田島平八と結び付くか…。
 もしそうなれば将来の日本の安定をも揺るがしかねず、
 延いては聖天子様に向けて弓を引く事態にまで繋がるやも…」
朱音「御前、光平君にはそのようなつもりは断じて…」
菊之丞「たとえ本人にそのつもりはなくとも、その機にかこつけて
 御輿に担ごうとする無頼の輩が現れるのは世の常じゃ」

菊之丞は、牧村光平が父親を冷遇した日本政府を恨んでいても不思議ではないと考えていた。
それだけ以前から警戒して、光平の周囲には特に目を光らせていたのである。

朱音「それでは…」
菊之丞「此度の一件、我ら天童一門としても黙って見ているわけにもいくまい」

果たして、牧村光平は江田島平八に無事対面する事はできるのか?
そして暗躍する天童一門の動向は!?

422凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2015/08/09(日) 23:16:18
≪岩屋村の雪ん子-2≫

佳代「さ〜て、今の内にひと仕事…っと」
優香「zzzzz…」

時刻は午前4時。まだ太陽が上らない内に目を覚まし、
優香や紗那には気付かれないよう布団からこっそり抜け出した佳代は、
村人達が寝静まっている間に岩屋村の内情を探ってしまおうと、
薄暗い雪景色の中を忍び足で動き回っていた。

佳代「村の人は案外親切だし、
 見たところそんなに物騒な印象はないけど…。
 裏の顔は果たしてどうなってる事やら」

夜の間、岩屋村は確かに別の顔を見せるようである。
迷彩服を着た、人相の悪い中東系と思しき外国人の男達が
村内をあちこちうろついているのだ。
マシンガンやライフルを肩に下げている者も少なくない。
江田島平八が言っていた、外国人農業労働者の名目で入村した傭兵達であろう。

佳代「うん、間違いない。
 あいつはヘルマジスタンでも名の通った殺し屋だ。
 で、その隣は、国際指名手配中のアザディスタン人爆弾魔…」

江田島から渡された、不法入国している疑いのあるテロリスト達の顔写真と見比べると、
確かに一致する者が多い。
いずれも西アジア方面では悪名を馳せた危険人物ばかりである。

佳代「こんなにたくさんの武器弾薬…。
 一体誰が何の目的で?」

村外れにある大きな蔵の中へ忍び込んだ佳代は、
そこに山のように積まれている木箱の中身を確かめて唖然とする。
密輸品に違いない、外国製の銃器やその弾薬が密かに大量に備蓄されていたのだ。

佳代「ヤバっ、誰か来る…!」

人が来た気配を感じて、佳代は素早く木箱の後ろに身を隠した。

幻の睦月「革命のための武器弾薬はこれで揃った。
 傭兵達の戦闘準備も万全だ」
幻の如月「フフフ…。この辺鄙な山奥の岩屋村から、
 日本を引っ繰り返す歴史的革命が始まるなどとは
 大和政府の愚か者どもも夢にも思うまい。
 我ら独立幻野党の勝利の日は近い!」

佳代「(独立幻野党…。
 公安もマークしている反政府テロ組織だ。
 まさかこんな所を根城にしてたなんて…)」

幻の睦月「後は、我々の勝利の決め手となる新兵器を完成させるだけだ。
 そのために、この岩屋村にいる若き蝦夷の同胞の力を借りねばならん」
幻の如月「仁科紗那…。
 確か雪ん子とかいう、婆羅陀魏神社のイタコの娘だな。
 しかし、本当に彼女にそのような力があるのか?」
幻の睦月「無知な村人どもは彼女を狐憑きなどと言っているようだが、
 我が手の者の調査によれば間違いない。
 仁科紗那はウィスパードだ。
 幼い頃から彼女を悩ませてきたささやき声は、心霊現象などではなく、
 ウィスパードが受信する事のできる特殊な精神波なのだ」

佳代「(紗那ちゃんがウィスパード…。
 そっか…。それがずっと狐憑きだと誤解されてたんだね)」

衝撃の事実を知って、思わず佳代も嘆息する。
確かに岩屋村のような科学的知識の乏しい昔ながらのコミュニティでは、
ウィスパードの事を知っている者などいるはずもなく、
悪い霊が憑いているのではないかなどと解釈されても仕方がないであろう。

幻の睦月「彼女の持っているブラックテクノロジーを採取すれば、
 大和の敵どもを焼き尽くす強力な超兵器を作り出す事ができる!
 直ちに仁科紗那を拉致し、基地に連行しろ。
 一緒にいるという天凰輝シグフェルも同時に血祭りだ!」
幻の如月「革命万歳!
 憎き大和政府を今こそ倒し、新しい時代の幕を開くのだ!」
 
佳代「大変だ…! 紗那ちゃんや光平が危ない!」

話を盗み聞きしていた佳代は、
急いでその場を抜け出し、神主の屋敷へ戻った。

SSS6「………」

423凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2015/08/09(日) 23:18:25
***サラジア共和国・副大統領官邸***

アルハザード「何っ!? 仁科紗那が生きていただと…?」
秘書N「はっ、間違いありません」
秘書R「独立幻野党が岩屋村で進めている計画について、
 支援のため日本に派遣しているエージェントSSS6から先ほど緊急報告があったのですが…。
 彼らは村に住むウィスパードの少女を利用して新兵器を開発しようとしており、
 そのウィスパードの名が、他ならぬ仁科紗那と…」
アルハザード「そんなはずはない。
 あの娘は7年前、母親ともども雪山で遭難死したはずだ」
秘書N「それが、運良く通りがかった婆羅陀魏神社の神主に救助され、
 母親は死亡しましたが紗那だけは命を取りとめたと…」
秘書R「それ以来、その神主の男が親代わりとなって紗那を引き取り、
 今日まで育ててきたとの事です」
アルハザード「ううむ…! 何たる事だ」

アルハザードの額に冷や汗が浮かぶ。
7年前、紗那の両親を事故死に見せかけて抹殺したのは、
他ならぬアルハザードの指令によるものだったのである。
そして紗那も一緒に殺したはずだった。
だが誤算が生じ、紗那は奇跡的に死を免れて今日まで生き続けていたのだ。

アルハザード「7年前、食事に睡眠薬を盛って吹雪の雪山に放り出し、
 遭難に見せかけて死なせてやったつもりだったが甘かったか…。
 あの娘にどれだけの情報があるかは分からんが、
 わずかな油断が命取りになってはたまったものではない。
 私の秘密を知っている可能性が絶対にないと断言できぬ限り、
 生かしておくわけには行かぬ…!」
秘書N「しかも現在、あの牧村光平が岩屋村を訪れており、
 仁科紗那とも既に接触している模様です」
アルハザード「何っ、牧村の息子が…!
 それはいかん。万が一にも奴が私の秘密に触れれば一大事となる。
 仁科紗那をすぐに抹殺しろ。幻兵団の都合など構っている場合ではない。急げ!」
秘書R「かしこまりました!」

秘書達を追い立てるように去らせたアルハザードは、
椅子から立ち上がり、窓の外を眺めて静かに呟いた。

アルハザード「岩屋村か…。“仁科宗禎”にはゆかりの地だが、
 今となっては全ては忘却されるべき過去でしかない。
 宗禎という男の痕跡は、一つ残らず消し去らねばならぬ…!」

424凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2015/08/09(日) 23:20:33
***岩屋村・神主の屋敷***

朝、目を覚ました光平が襖を開けて縁側に出てみると、
一面に雪が積もった屋敷の庭で、紗那が白い息を吐きながら薪割りの仕事に汗を流していた。

光平「おはよう! 紗那さん」
紗那「あっ、牧村くん」

光平が挨拶して歩み寄ると、紗那は小さくはにかんだ。

光平「薪割りなら俺がやるよ。
 タダ飯食らいも何だか悪いし、これくらいの手伝いはしないとな」
紗那「そんな、気にしなくていいのに…。
 私の仕事なんだから、牧村くんはゆっくりしていて」
光平「いいから、ほら貸しなって」

紗那から半ば強引に斧を受け取った光平は、
器用な手つきで次々と薪を叩き割っていく。
シグフェルとなって大幅にパワーが強化された光平にとっては、
このくらいの力仕事はほとんど疲れもしない楽な作業である。

光平「紗那さんってさ、
 生まれた時からずっとこの村にいたんだよね?」
紗那「ええ。生まれも育ちもずっとこの岩屋村…」
光平「村の外に出た事は?」
紗那「実は、一度もないの。
 この村は外の世界とはほとんど交流がなくて、
 村人は一生村から出ずに終わるのがほとんどだし、
 よそから誰かが来るという事も滅多にないから…。
 昔に一度、婆羅陀魏様が暴れ出した時に全国の注目を浴びたらしくて、
 それからはこれでもかなり変わったとは言われてるんだけど」
光平「バランが東京にも来た時の話だね。
 俺達が生まれる何十年も前の事だよなあ」

岩屋村の湖から出現したバランが羽田空港を襲い、
自衛隊の攻撃で退治された事件は、
光平も昔の出来事として話に聞いた事はあった。

慎哉「あ、沢渡、おはよう」
優香「おはよう、朝倉くん」
慎哉「それにしても冷えるなぁ…。
 暖房もないのによく暮らせてるもんだって…ん?」

遅れて起きてきた慎哉と優香が縁側へ出ると、
庭では光平と紗那が楽しそうに二人で談笑している。

優香「………」
慎哉「(ヤバっ…!
 あの天然ジゴロめ…。俺知〜らねえっと)」

優香の表情が引きつり、それを見た慎哉が青ざめながら、
知らぬふりを決め込んで後ずさる。

優香「ちょっと散歩してくるわ…」
慎哉「…ああ、俺も付き合おうか?
 そうだ、昨日のあの神社でお参りでもして来ようぜ」

優香と慎哉は散歩がてら、
屋敷の隣にある婆羅陀魏神社へ参拝に行く事にした。
婆羅陀魏様に祈る優香の願い事は、きっと恋愛成就であろう…。

425凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2015/08/09(日) 23:22:54
光平「…!?」

その時、シグフェルとして強化された光平の聴覚が異変を察知した。
誰かがこちらを狙っている…。

光平「伏せろっ!」
紗那「えっ…!?」

咄嗟に紗那に覆い被さるようにして地面に伏せる光平。
次の瞬間、二人のいた場所に銃弾が飛んで来て、置かれていた薪を粉砕した。

SSS6「外したか…!」

サングラスをかけた灰色のスーツ姿の男――サラジア・シークレット・サービスの
エージェントSSS6(スリー・エス・シックス)は、狙撃が失敗したのを見て取ると、
今度は光平と紗那に向けてアサルトライフルを乱射した。

佳代「しまった、遅かった…!」

急いで屋敷へ戻って来た佳代は、
既に敵の襲撃が始まっていたのを見て愕然とする。
SSS6の指示で、数人の外国人テロリスト達が屋敷の敷地内へ乱入し、
銃弾の雨を庭中に降らせた。

神主「な…何事じゃ! ぬぁっ!?」

銃声を聞き驚いて庭へ飛び出して来た神主だが、
たちまちテロリストの一人に発砲され、右足を撃ち抜かれて倒れてしまう。

神主「うぐぁぁぁ〜っ…!」
紗那「おじい様!」
光平「神主さん! くそっ、何なんだこいつら!」

雪を被った大き目の庭石の後ろに身を隠して銃弾を防ぎながら、
光平は必死に紗那を守る。
一方、佳代は近くの高い木の上に隠れて地上の様子を窺い、
何とか光平達を助けようとするが、
銃撃は激しく、飛び出して行く隙がなかなかない。

光平「よし…。こうなりゃシグフェルの力で…!」

シグフェルに翔着しようとした光平だったが、
その時、屋敷の外から白いターバンを巻いた別の集団が現れ、
SSS6とテロリスト達はそれを見て一斉に射撃を止めた。

紗那「幻兵団…!」
光平「えっ?」
紗那「この村を影から支配している、恐ろしい人達よ。
 彼らに逆らえばどんな人でも命はないわ」

屋敷の庭へ乗り込んで来た幻兵団こと独立幻野党の党員達は、
婆羅陀魏神社にいた慎哉と優香を捕らえていた。

慎哉「…畜生、離せこの野郎!」
優香「光平くん、助けて!」
光平「慎哉! 優香!」
幻の睦月「こいつらの命が惜しければ、
 大人しくそこから出て来い。牧村光平」

人質を取られて、やむなく光平と紗那は庭石の裏から姿を見せる。

神主「ま…幻の睦月様…。
 一体何ゆえこのようなご狼藉を…」
幻の睦月「うるさい! 貴様は黙っていろ!」

倒れたまま右足を押さえて呻く神主を一喝して退け、
独立幻野党の面々はSSS6の方に向き直った。

幻の如月「抜け駆けは困りますな。同志。
 いかなる事情があるかは知らぬが、
 そこにいる娘は我々にとって必要な人材。
 殺すのはしばしお待ち願いたい」
SSS6「………」
幻の睦月「我らが蝦夷の同胞、仁科紗那よ。
 君にぜひ協力してほしい事がある。
 我々の基地まで来たまえ」
紗那「私、ですか…?」
幻の如月「牧村光平、貴様も一緒だ!
 この二人を殺されたくなければ降参して縄につけ!」
紗那「牧村くん、どうしましょう…」
光平「仕方がない…。好きにしろ!」

やむなく光平は両手を上げて降参のジェスチャーをする。
紗那もそれに倣ってホールドアップし、
二人は縛られて慎哉や優香と共に基地へ連行された。

426凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2015/08/09(日) 23:28:12
佳代「っ…!」

木から飛び下りた佳代はすぐに敵を追跡しようとしたが、
足を撃たれた神主が庭に倒れているのを見て、
そちらの手当てを優先し神主の元へ駆け寄る。

神主「紗那が、う…うぃすぱあど?」
佳代「そう、ウィスパード。
 決して狐憑きなんかじゃないですよ。
 ウィスパードってのは、未来からの精神波を感じ取る事ができる、
 世界中でもわずかしかいない特殊な超能力者なんです」

目を白黒させて戸惑っている神主に、佳代は薬草で怪我の治療をしながら、
自分が知っている限りのウィスパードの情報を話して聞かせた。

神主「紗那は狐憑きじゃと、わしも含めて村の皆が思い込んでおった。
 それで気味悪がられて、小さい頃からあの子はよくいじめられたもんじゃ。
 あの子の育て親になったわしは、霊を呼び込みやすい体質ならば
 いっそイタコが向いているのではないかと思って一生懸命修業をさせていたのじゃが…。
 それが読み違いだったとすれば、あの子にはかわいそうな事をしてしまった」
佳代「紗那ちゃんは、神主さんにはきっと感謝してますよ。
 ウィスパードの事なんてほんの一部の専門機関しかまだ知らないんです。
 岩屋村の人が誰も分からなかったとしても無理はないじゃないですか」

がっくりと肩を落とす神主を慰める佳代。
紗那が懸命に修業をしてもなかなか伸びないと悩んでいたのも
実は仕方のない事だったのである。

佳代「とにかく、今は早く紗那ちゃん達を助けなきゃ…。
 神主さん、あの独立幻野党ってのは、
 この村とはどういう関係なんですか?」
神主「独立幻野党は、この村を裏から仕切っている武装集団じゃ。
 村長も、神職で村の最長老であるわしも、奴らには逆らえん。
 逆らえば誰であろうとたちまち銃殺じゃからのう」
佳代「あいつらは、紗那ちゃんの事を同胞って呼んでたけど…。
 もしかしてあいつらも蝦夷なの?」
神主「…岩屋村は、見ての通り山奥のちっぽけな寒村で、
 昔からとにかく貧しかった。
 宗禎殿が口減らしのために丁稚奉公に出されたのも、
 この村では家族全員が食べては行けなかったからじゃ。
 戦後、高度経済成長とやらで日本中が豊かになっても、
 岩屋村だけは発展に取り残されて貧しいままじゃ」
佳代「………」
神主「それで、その悲惨な貧しさの中で、
 革命によって貧富の差のない社会を作ろうという共産主義の思想が
 いつからか村の若者達の間に広まるようになったのじゃ。
 元々、わしら蝦夷は大和の連中を侵略者と呼んで毛嫌いしておったから、
 大和政府憎しの民族感情とそいつが繋がって猛烈な反政府運動になった。
 血気盛んな村の若い衆はそのうち武器を取り、
 大和政府を武力で倒して蝦夷の革命政権を打ち立てようと蜂起した。
 それが独立幻野党の起源じゃ」
佳代「なるほどね…。
 共産主義と民族主義が危険な具合にミックスした過激派。
 それがあの革命家集団の正体だったんだ」
神主「もちろんわしらは大和の奴らが嫌いと言っても、
 今更独立戦争をおっ始めようと思っているほど殺気立ってはおらん。
 だがあいつらは別じゃ。
 蝦夷による新国家なるものを本気で作ろうとしておる。
 そのためなら、大和の人々をどれだけ殺しても構わんと思っておるのじゃ。
 この岩屋村は、辺鄙な場所にあって人がなかなか寄り付かんのをいい事に
 奴らの革命のための一大拠点にされておる」

事件の全容はこれでほぼ明らかになった。
消息を絶っている破嵐財閥の社員達も、
恐らく独立幻野党に捕らえられていると見て間違いないだろう。

佳代「神主さん、奴らの基地はどこにあるんですか?
 私の勘だと、神様が住んでる聖域だっていうあの湖が怪しいんだけど」
神主「鋭いのう。確かにあの湖は、
 バチ当たりな幻兵団どもが地下に根城を築いておる。
 聖域を管理しているわしら神社の者しか知らない秘密じゃが、
 奴らは婆羅陀魏様への信心を利用して、誰も立ち入れないようにしながら
 あそこで密かに革命の戦支度を進めておるのじゃ」
佳代「その地下基地への入口は?」
神主「湖畔の南にある天狗岩がゲートになっておるが…」
佳代「天狗岩ですね。ありがとう」

神主の足に包帯を巻いて、佳代は立ち上がった。

神主「ま、まさか、乗り込むおつもりか?」
佳代「もちろん! 待ってて、必ず紗那ちゃん達を助けるから」

神主が呼び止める暇もなく、佳代は疾風のように駆けて行き、
独立幻野党の基地がある湖へ急行した。

427凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2015/08/09(日) 23:36:03
湖の地下にある独立幻野党の秘密基地へ連行された光平、慎哉、優香、紗那の四人。
幻の睦月はまず一般人である慎哉と優香を捕虜として牢に放り込み、
それから光平と紗那を基地の格納庫へと案内する。

幻の睦月「牧村光平、いや天凰輝シグフェル。
 貴様にいいものを見せてやろう。こちらへ来たまえ」

広い格納庫の中に鎮座していたのは、
かつてシグフェルが東京で戦って撃破したはずの
怪獣ロボット・ザイラユニコンだった。

光平「こいつは…!」
幻の睦月「覚えているだろう。
 かつて貴様に無惨に破壊された我らが鋼鉄の同志。
 残骸を集めてこの基地で修理され、
 より強力な怪獣ロボットとなって甦ったのだ」
紗那「こんなものを、村の地下に…!」
幻の睦月「ザイラユニコンは間もなく出撃し、
 大和政府が東北各地に築いた諸都市を火の海にする。
 以前の何倍にもパワーアップしているのだ。
 例えシグフェルでも、今度戦えば勝ち目はない」
光平「くっ…!」

ザイラユニコンは全身にいくつかの強化装具を付加されており、
以前より強くなっている様子が窺い知れる。

幻の睦月「だが、この改造ザイラユニコンはまだ未完成だ。
 あと一つだけ、足りない重要なパーツがある。
 それを造るために仁科紗那、君の力を借りたいのだよ」
紗那「私の…?」
幻の睦月「岩屋村の若き同志よ、君は狐憑きなどではない。
 もっと特殊で特別な、世にも珍しい超能力の持ち主だ。
 専門用語では、君のような人間をウィスパードと呼ぶのだがね」
光平「…! じゃあ紗那さんは、
 千鳥さんやテッサ大佐と同じ…?」
幻の睦月「知っているようだな、牧村光平。
 ウィスパードはブラックテクノロジーの宝庫だ。
 この世界には存在しない高度な技術を、
 どこからか受信する思念波によって知る事ができる。
 その技術を、我々は革命のために必要としているのだ」
光平「軍事利用するつもりか!」
幻の睦月「革命への貴重な貢献だ。
 見当違いにイタコなどを目指すよりも、
 ずっと君の才能を生かせる有意義な仕事だと思わんかね?」
紗那「そんな…私…」

自分の真実を知らされた紗那は、
まだ受け止めかねる様子で愕然として肩を震わせている。

光平「紗那さん…」

428凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2015/08/09(日) 23:37:20
幻の睦月「具体的には、ザイラユニコンの口に装備している大砲を、
 より強力なプラズマメーサー砲に交換したい。
 砲門自体は我々の手でほぼ完成しているが、
 肝心のプラズマメーサービームの生成の方程式が分からなくてね。
 それをウィスパードである君に教えてほしいのだよ」
紗那「でも私、そんなビームの作り方なんて知りません…」
幻の睦月「心配するな。
 君が知らなくても、君にささやいてくるウィスパリングは知っている。
 君はただ薬を飲んで眠っているだけでいいのだ。
 我々が開発したトークマシンが、君の秘められた知識を
 自動的に引き出して喋らせてくれる」

格納庫から光平と紗那を連れ出した幻の睦月は、
無数のコードで大型コンピュータと接続されたヘルメットを取り出した。
被った者の脳に電波を流し込み、強制的に思考を自白させるトークマシンである。

紗那「…私、そんな恐ろしい事できません!
 罪もない大和の人達を大勢殺すために協力するなんて…!」
幻の睦月「罪もない?
 奴らが我ら蝦夷にしてきた加害の歴史は君も学んでいるだろう。
 大和の者どもは我々の祖先を侵略し、迫害し、奴隷にしたのだ!
 その邪悪な大和政府を革命によって打ち倒す、
 これは正義の聖戦なのだぞ」
紗那「でも…。大和の人達にだって、いい人はたくさんいます!」
幻の睦月「あの友人達の事か?
 革命への協力を拒むならば、牢にいる彼らを直ちに銃殺する。
 それでもいいのかね」

慎哉と優香への処刑をほのめかし、圧力をかける幻の睦月。

光平「紗那さん、こんな奴らに協力なんてしちゃダメだ!
 二人は俺が何とかする!」
紗那「…分かりました。幻の睦月様。
 革命のために進んで協力します」
光平「紗那さん!」
幻の睦月「よく言った。
 ではこの薬を飲んでヘルメットを被り、
 そこの台に横になりたまえ。
 少々体にきつい薬だが、死ぬ事はないので安心しろ」
紗那「はい…」

言われた通りに渡された錠剤を口に入れ、
ヘルメットを装着して手術台のようなベッドに横たわる紗那。
飲んだのは自白剤の一種で、一般には使用が禁止されている劇薬である。
たちまち気分が悪くなり、吐き気をもよおしたかと思うと、
苦しむ暇もないまま紗那の意識は落ちた。

光平「紗那さん…!」
幻の睦月「プラズマメーサー砲が完成したら、
 まずは貴様に試し撃ちしてやる。
 シグフェルを生贄に捧げたら、いよいよ革命開始だ。
 それまでゆっくりと死を待っているがいい。フフフ…」

幻の睦月は光平を、慎哉や優香とは別の独房に入れた。
鉄格子に高圧電流が流れている、対シグフェル用の特殊な牢である。
脱出不可能の光平。果たしてどうなる…?

429ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/08/12(水) 22:19:15
>>419-421の続き
≪日本の首領(ドン)-2≫

***東京・メガロシティの某高級マンション 彩堂寺戒の部屋***

ここはメガロシティにある超高層タワーマンションの、
彩堂寺戒が一人暮らしをしている部屋である。
セレブの住人が多い高層階であり、窓から外は
ビルの立ち並ぶオフィス街や東京湾の景色がよく見える。
部屋の中の様子はきちんと整理整頓されているが、
テレビにベット、そして中央に小さな円形テーブルと最低限の家財道具しかなく、
よく言えば広々としており、悪く言えば生活感のない無機質な印象の漂う
薄暗い殺風景な部屋である。

戒「………」

その日、どこからか一人帰宅した戒は、
天井裏に何者かが潜んでいる気配に気づいた。

戒「さっきからそこに隠れているのは分かっているぞ。
 どこの鼠だ?」
忍びの声「牧村光平は明日、赤心寺の玄海老師に会いに
 埼玉の秩父に向かう」
戒「なにっ…! なんで俺にそんな事を教える?」
忍びの声「人里離れた秩父の山中であれば、
 まさに奴を仕留めるにはまたとない好機となろう」
戒「………」
忍びの声「別に信じる信じないはお前の勝手だがな。
 くくくくくっ…!」

そうして天井裏に潜んでいた人の気配は消えた…。


***秩父山中***

翌日、牧村光平と北上紗希の二人は沖一也に連れられて、
秩父山にある赤心寺を目指していた。

紗希「私が命を狙われる理由に大伯父さまの件が関わっているのだとすれば、
 私もその真相を知りたい。お願い、私も一緒に連れて行って!」
光平「北上さん…」

昨日学校で紗希からこのように懇願された光平は、
彼女も一緒に同行させることにしたのである。

紗希「すみません。私まで無理を言ってご一緒させてもらって…」
一也「いや、気にしなくていい。この山道を越えれば
 もうすぐ赤心寺だ」
光平「赤心寺か、久しぶりだなあ。
 玄海老師や弁慶さんはお元気だろうか」

430ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/08/12(水) 22:19:53
山道を歩く一也、光平、紗希の3人だったが、
その途中、突然彩堂寺戒が現れてその行く手を遮った。

光平「彩堂寺!? どうしてお前がここに!!」
戒「牧村、今日こそ貴様を倒す!」

問答無用でザジロードに牙装して襲いかかって来る戒に対して、
すかさず光平もシグフェルに翔着してこれを迎え撃つ!

ザジロード「シグフェル以外の奴に興味はない。失せろ!」
紗希「彩堂寺くん…どうして!?」
シグフェル「一也さん、ここは俺に任せて先に行ってください!
 北上さんをお願いします!」
一也「わかった! さあ紗希ちゃん、こっちだ!」
紗希「えっ…あ、はい!」

ザジロードをシグフェルに任せ、
困惑している紗希を連れて先を急ぐ沖一也。
だが、そんな二人に今度は黒装束の忍び集団が
山林の狭間から手裏剣を投げつけながら
次々と襲いかかって来た。

紗希「きゃあ!!」
一也「何者だ!?」
忍者A「沖一也、その娘を連れて早々に引き返すことだ。
 さすれば命までは取らん」
一也「その動き、天童式戦闘術と見た!
 お前たちは天童の手の者か!?」
忍者B「………」
一也「読めたぞ! 彩堂寺戒をけしかけて光平君に
 差し向けたのもお前たちの仕業だな?」
忍者C「問答無用!」

紗希を守りながら天童の忍者集団と戦う沖一也。
いかに敵とはいえ生身の人間相手に
改造人間スーパー1としての力を奮いたくない一也は
ライダーに変身して戦うのをためらう。
だが天童の忍びたちは本気で一也たちを殺しにかかって来ているため、
徐々に劣勢へと追い込まれてしまう。

一也「くっ…!」
紗希「一也さん!!」

431ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/08/12(水) 22:20:35
忍者D「うわッ!?」

忍びの兇刃が一也と紗希に迫ろうとした時、
今にも二人に斬りかかろうとしていた敵忍者の右肩が
グロック19の銃弾によって撃ち抜かれた。

一也「おおっ、君は!」
紗希「相良くん!?」

二人の窮地を救ったのは、ミスリルの相良宗介であった。

宗介「天童配下の刺客たちに警告する!
 北上紗希はウィスパードとして我々ミスリルの保護対象下にある!
 その彼女に危害を加えるという事は、ミスリルを全面的に敵に回すという事だ!」

忍者E「………」
忍者F「………」

焦慮の表情を見せて後ずさりを始める天童配下の忍びたち。
彼らとしても、今の段階でミスリルとの全面戦争にまで持ち込まれるのは本意ではない。
少なくともそのようなレベルの大事は現場で判断してよいことではなく、
彼らの主人である天童菊之丞の指示を仰がなければならない。

宗介「今のは狙いを外したが、次は急所を撃つ!」

銃口を向けつつ敵忍者たちを牽制する相良宗介。
そして銃声で騒ぎを聞きつけた弁慶たち赤心少林拳の門弟一同も
寺から山を下りて駆けつけて来てくれた。

弁慶「聞けい! 天童の鼠ども!
 我ら赤心少林拳一門、いつでもうぬらの相手になるぞ!!」

忍者A「ぐぬぬっ…おのれ!」
忍者B「お頭、この場はひとまず」
忍者A「やむを得ん。退けいッ!!」

たちまち天童忍軍は消えるように撤収していった。

弁慶「一也、大丈夫か!?」
一也「弁慶、相良君、助かったよ」
紗希「ありがとう相良くん」
宗介「ミスリルの情報部が天童の側に不審な動きを嗅ぎつけ、
 念の為駆けつけてみれば案の定だった」
一也「そういえば光平君は!?」
弁慶「大丈夫だ。今老師が向かわれている」

432ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/08/12(水) 22:21:26
秩父山中の山林の藪の中を駆け回り、激しく戦いを繰り広げている
天凰輝シグフェルと牙冥甲ザジロード。
そんな二人の対決を止めたのは、一人の老僧の声高な一喝であった。

玄海「喝ァァァッッッッッ!!!!!!!!!」

シグフェル「――!?」
ザジロード「――!?」

まるで一瞬金縛りにでもあったかのように
思わずピクリと動きを止めてしまうシグフェルとザジロード。

玄海「両者ともやめいッ!! 剣を引けいッ!!
 二人とも天童の姦計にまんまと乗せられたのが
 まだ分からんか!!」
シグフェル「玄海老師!?」
ザジロード「どけジジイ! さもなくばお前も斬るぞ!」
玄海「……ギロリッ!!」
ザジロード「……ビクッ!!」

玄海に鋭い眼光を向けられたザジロードは、
まるで蛇に睨まれた蛙のように怯んで立ち竦んでしまう。
変身を解除して人間の姿に戻る光平と戒。

戒「興が削がれた。牧村…いやシグフェル、勝負はまたの機会に預けるぞ」
光平「彩堂寺……」

こうして一難が去り、無事に玄海老師の元まで辿りつけた牧村光平であったが、
果たして江田島平八への対面の取り成しを得る事はできるのであろうか?

433ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/08/14(金) 13:28:03
≪日本の首領(ドン)-3≫

天童忍軍とザジロードの妨害を退け、
どうにか赤心寺まで辿り着く事が出来た
牧村光平と北上紗希の二人。

一也「しかし分からん。なぜ天童が今になって
 我々を妨害するような動きを…?」
宗介「おそらく牧村光平を江田島平八翁に
 会わせたくないんでしょう」
紗希「それはどうしてですか?」
宗介「天凰輝シグフェルは今や地球上の各勢力が一目置く存在だ。
 ましてやその変身者である光平は、世界有数の石油王一族の
 血を引いている。そんな人間が日本の首領(ドン)と恐れられる
 江田島平八と結び付いたらどうなると思う?」
紗希「……??」

紗希には、まだ相良宗介の言っている事の意味がよく解らなかった。

宗介「もし光平が自身の立身栄達や権力奪取といった
 よからぬ企てを抱いているとすれば、それを快く思わない
 人間もまた存在するという事だ」
紗希「そんな…! 光平くんはそんな人じゃありません!」
宗介「だが牧村光平の父・光一郎氏は、光平の母…すなわち
 アルシャードの令嬢と結ばれたがゆえにエリートの道を外れて
 左遷された。光平が日本政府を恨む動機としては充分だ」
紗希「まさか相良くんまで光平くんの事を疑っているんですか!?」
宗介「別に俺がそう思っている訳じゃない。危機管理として
 一般的な考えを述べただけだ」
紗希「でも…そんなのひどすぎます!」

岩屋村で助けられ、光平の人柄をよく知る紗希は、
涙目になって相良宗介の指摘に猛抗議する。
もし今この場に千鳥かなめがいたら、
きっとハリセンを取り出して宗介の発言を制止したであろう。
危うく口論になりかけた宗介と紗希の二人を
沖一也が間に入って仲裁する。

一也「もうよさないか二人とも。俺も相良君も、
 光平君がそんな野心を抱くような人間だとは
 微塵も思ってはいない。だから安心して…」
紗希「………」
一也「光平君に余計な心配はかけたくない。
 天童の奴らが襲ってきた事は彼には内緒にしておくんだ。
 無論、慎哉君や優香ちゃんにもだ。いいね?」
紗希「わかりました…」

434ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/08/14(金) 13:28:39
一方の牧村光平は、玄海老師に江田島平八への紹介状を
書いてもらえるよう願い出ていたが…。

玄海「光平君、君はまだ心のどこかで迷っておるな?」
光平「えっ…?」

玄海老師に心の焦りと迷いを見透かされ、光平は一瞬動揺する。

玄海「そのような状態で仮に江田島に会って話を聞いたところで、
 次に進むべき道を見出す事はできまい」
光平「…では、ではどうしたら!?」
玄海「ついて来なさい…」

玄海老師は光平にある試練を与えた。
その試練を見事にクリアして見せる光平。
光平の心から迷いが吹っ切れた事をしかと見届けた玄海老師は、
ついに紹介状を書いてくれたのであった。


***江田島平八邸***

佳代「まさか玄海老師さまの添え状を持って来るなんてねえ…。
 まったく光平にはつくづく驚かされるよ。ますます惚れちゃった!」

玄海老師直筆の紹介状を持参してきた光平に、
門前で出迎えた錦織佳代はすっかり感服した様子である。
佳代に江田島のいる応接間まで案内される光平と紗希。

佳代「御前、牧村光平と北上紗希を連れて参りました」
光平「………」
紗希「………」

中からの「入れ!」という声と共に、佳代が障子を開け、
光平と紗希は緊張した面持ちで畳の間に入る。

     __――――――          /\/\/\/\/\/\/\/\/\/\
    /            \       /
   /               \     )
   /_         __     |    (
  / \  | /  /   \    |   /
/ _  \   /  /\|||||   |  \
|/  \_|| ||||_/       /\   )
 < ̄o ̄>   < ̄o ̄>  |   |  (
  /  ̄ ̄/       ̄ ̄    | ∂ |  )
 (  /(_⌒)\     /   ) ) | ( ワシが男塾塾長 江田島平八である!!!
 | === ====     | (  |  )
  ( || |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| ||     (_/  (
   || |  ̄ ̄ ̄⌒ ̄| ||    |      )
   || |         | ||    |    (
   || |         | ||     |    )
   ||  )  /⌒⌒|   | ||     |   (
   || /  /     |_ / ||     |   )
   || ヽ ̄⌒ ̄ ̄ /  ||     /   \/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\
   ||  ヽ ̄ ̄ ̄ ̄/  ||    /
    \   ̄ ̄ ̄        /
      \________ /

光平「……(この人が、江田島平八!)」
紗希「――!?」

思わず気絶してひっくり返りそうになるほどの江田島平八の存在感に圧倒されてしまう光平と紗希。
果たして二人は、江田島から仁科宗禎に関わる手掛かりを聞き出す事ができるのであろうか?

435ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/08/14(金) 15:10:10
ギャグ編≪映画クレヨンしんちゃん〜逆襲の火垂るの墓〜≫

※今年もまた終戦記念日の季節が近づいて来て思いついた、
『天才バカヴォン〜蘇るフランダースの犬〜』のパクリです。
あくまでこの場のネタだけで、本投稿の予定はございません。

1945年(昭和20年)、終戦直後の食糧難の中で衰弱死した清太と節子の幼い兄妹は、
鷹の爪団のレオナルド博士が発明したメカの誤作動が原因で、この世に悪霊として復活を遂げてしまう!
自分たちを餓死へと追い込んだ冷たい日本社会に復讐を誓った清太と節子は世界征服に乗り出した!

彼らの野望を食い止められるのは、彼らしかいない!
果たして野原一家は、清太と節子による東京壊滅作戦を
阻止する事ができるのか!?

436凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2015/08/15(土) 14:24:57
≪岩屋村の雪ん子-3≫

幻の睦月「トークマシン、スイッチオン!」

薬を飲まされて深い眠りに落ちた紗那の脳に、
頭に装着したヘルメットから電波が流し込まれる。
やがて紗那は無意識の内に口を開き、
≪存在しない技術≫についてゆっくりと喋り始めた。

紗那「プラズマメーサービームの方程式は…
 Y…2…B…8…V…4…L…7…」
幻の睦月「フフフ…。
 これでザイラユニコンは無敵の怪獣ロボットになる!」

 ◇   ◇   ◇

慎哉「うわあっ!」
優香「きゃっ!」
党員A「ここで大人しくしていろッ!」

一方、光平や紗那とは隔離された慎哉と優香は、
破嵐財閥の社員達も閉じ込められている基地の牢屋に放り込まれてしまった。

慎哉「ちきしょう! ここから出せえっ!!」
朱音「あら、あなた達!?」
慎哉「…えっ! 朱音ちゃん!?」
優香「朱音先生!?」
朱音「あなた達もあいつらに捕まったのね」

慎哉と優香は思わぬところで
担任教師・千坂朱音と再会した。

慎哉「朱音ちゃん、あいつらはここで何をしようとしているんだ?」
朱音「ここはどうもテロリストの巣窟みたいよ。
 さっきチラッと見たんだけど、
 ここには大量の武器弾薬が運び込まれているわ。
 奴ら、ここで革命か戦争でもおっ始めるつもりかしらね」
優香「大変……」

同じ頃、鉄格子に高圧電流が流れる独房に閉じ込められた光平は
何度か牢を突き破ろうとシグフェルに変身して体当たりするが、
その度に感電してしまい倒れるばかりであった。

幻の如月「無駄だシグフェル!
 貴様にその高圧電流の檻は突破できん。
 ザイラユニコンのプラズマメーサー砲が完成するまで、
 大人しく死を待っているがいい」
光平「くっ…! どうにもならないのか!
 こうなると、一緒に捕まっていない佳代ちゃんだけが頼みの綱だ…」

その佳代は神主から独立幻野党の秘密基地のありかを聞き出し、
直ちに光平達を助けようと湖のほとりへ急行したのだが、
予想以上に厳重な警備態勢を見て舌を巻いていた。

佳代「あれが神主さんの言っていた天狗岩…。
 でも、これだけ厳重に警備を固められちゃ手が出せない…」

基地に入るゲートがある天狗岩の周辺では、
武装した独立幻野党の党員や外国人傭兵らが大勢見張っており、
当然、基地内にもかなりの戦力がいるものと思われる。
これを佳代が一人で突破するのはどう考えても不可能だ。

佳代「悔しいけど、アタシ一人の力じゃどうにもならない。
 一旦戻って万丈さんからお指図を仰がないと…!」

やむなく佳代は独力での人質救出を諦め、
破嵐万丈に対策を仰ぐべく岩屋村を離れた。

437凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2015/08/15(土) 14:26:08
岩屋村を一旦離れた佳代は急いで山を下り、
盛岡市内のホテルで待機していた破嵐万丈に事の次第を報告した。
岩屋村で起こった一連の事件の背後には、想像以上に
容易ならぬ敵が控えていた事を察する万丈。

万丈「――おまけに大勢の人質まで取られている以上、
 こちらから迂闊には仕掛けられない」
ギャリソン「岩手県警に連絡して応援を要請
 致しましょうか?」
万丈「正直地元の県警だけでは心許ない。
 …かといって今から東京に応援要請をしても
 とても間に合わない。こりゃ参ったね」
佳代「万丈さん、あたしの方で当たってみましょうか?」
万丈「何か頼れる当てがあるのかい?」
佳代「お任せください」

伝書鳩で故郷・月影一族の里に繋ぎをつけた錦織佳代は、
月影の頭領がしたためた紹介状を受け取ると、
忍びの肢で奥羽山脈を瞬く間に駆け抜け、
岩手の隣県、秋田県の森吉山地へと辿りついた。


***秋田県森吉山・山彦村***

「マタギ」とは、古い方法を用いて集団で狩猟を行う者を指す。
近代的な装備の狩猟者(ハンター)とは異なり、他の猟師には類を見ない
独特の宗教観や生命倫理を尊んでいる一族である。

ここ山彦村は、平安時代に海を渡り日本に上陸した
中国の王族の末裔たちがマタギとなって切り開いた隠れ集落である。
「マタギ拳法」と呼ばれる独特の拳法や忍びの技をも会得し、
江戸時代の佐竹藩統治時代には、士分に準じる地位を認められていた。

山彦村の祖先がこの地に隠した古代兵器「空飛ぶ火の車」を巡って、
かつて仮面ライダースーパー1とドグマ王国・地獄谷五人衆との間に
激しい死闘が展開されたのはご存知の通り。

その際に一度はドグマによって焼き払われた山彦村だったが、
その後赤心寺の玄海老師の援助もあり、村は無事に再興。
戦死した村の長・香坂健太郎も黄泉がえり現象で復活しており、
山彦村はまた昔の賑わいを取り戻していた。

山彦村へと足を踏み入れた佳代は、いきなり二人の人影に襲われる。
佳代はそれを組手で応戦して難なくかわす。
襲ってきたのは、頭領である香坂健太郎の子供、千恵と信太だった。

信太「イテテテテッ…」
千恵「お久しぶりです佳代さん」
佳代「千恵、信太、随分と手荒い歓迎だね♪
 頭領はいる?」
千恵「案内します」

佳代から月影の頭領からの書状を受け取り、
じっくりと目を通して読む香坂健太郎。

健太郎「委細承知した。月影の頭領にも日頃から世話になっておる。
 我ら山彦村のマタギ一族、ブレイバーズの力になろう!
 破嵐万丈殿にそのようにお伝えしてくれ」
佳代「助かります」

438凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2015/08/15(土) 14:29:36
こうして佳代が奔走している間にも、
岩屋村の独立幻野党基地では、
紗那のブラックテクノロジーの採取が着々と進んでいた。

紗那「U…6…P…3…K…9…」
幻の睦月「よし! これで全部だ」

数時間に及ぶ作業の末、
とうとう紗那から全ての方程式を聞き出す事に成功した独立幻野党は、
新兵器プラズマメーサー砲を完成させてしまった。

幻の睦月「革命のための究極の決戦兵器、
 改造ザイラユニコンの完成だ!」
幻の如月「やったぞ。これで勝利は我らのものだ!」

改造ザイラユニコンの口にプラズマメーサー砲が取り付けられ、
喜びに沸く独立幻野党の面々。
だがその時、停電が起こり、基地内の照明が急に消えた。

幻の葉月「な、何事だ!?」
党員A「申し上げます。
 湖底の第二送電ケーブルが断線しました。原因は不明です」
幻の如月「すぐに非常電源に切り替えろ!」

原因不明の停電により、独立幻野党の基地は一時混乱に陥る。
光平が閉じ込められていた独房でも照明が落ち、部屋が真っ暗になった。

光平「停電…? これはもしかして…」

牢の照明が消えたのを見て、恐る恐る鉄格子に指を触れてみる光平。
やはり電気の供給が止まっているらしく、高圧電流が流れて来ない。

光平「よし、チャンスだ! 翔着(シグ・トランス)!!」

シグフェルに変身した光平は、
牢の鉄格子を力ずくで叩き折り、独房から脱出した。

439ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/08/16(日) 10:36:04
≪タイトル未定≫

サラジア共和国のムンタキム首相(オリジナルキャラ)。
表向きは同国第一の実力者であるアフマド・アルハザード副大統領の言いなりに動く従順な人物だが、
実は本心ではアルハザードを出し抜いて、密かに次期大統領の座を狙っていた。
アルハザードのウィークポイントが、どうやら日本にあるらしいとの情報をキャッチした
ムンタキムだったが、具体的にそれがどんなものであるのか詳細までは掴めなかった。
なかなかアルハザードの弱点を握る事が出来ないムンタキムは業を煮やし、
ついに自ら訪日を願い出る。

アルハザード「日本に行きたいだと?」
ムンタキム「はい。閣下もご存知の通り、現在日本では銀座地区に「門」が開通し、
 異世界から格安の原油が地球上に流入しようとしております。これを放置致しましては、
 原油の国際市場価格は暴落し、やがて産油国であるわが国の国益にも著しい
 悪影響を及ぼす事は必至。そこで他のOPEC産油国有志とも協調行動を取った上で、
 日本政府に釘を刺しておく必要がございます」
アルハザード「まあ良かろう。好きにするがよい」
ムンタキム「早速のお聞き届け、かたじけのうございます」

来日したムンタキムは、対日外交の全てを一緒に連れて来た外交使節団に適当に丸投げしておき、
自身は日本に隠されたアルハザードの秘密を探り始める。

ムンタキム「アルハザードは日本の桐原コンツェルンと親密な間柄だ。
 桐原コンツェルンをマークしていれば、必ずアルハザードの弱みを
 握る事が出来るはずなのだ! 頼んだぞ、ミスター鳥羽」
鳥羽「ま、報酬を頂いた分はきっちり依頼はこなさせてもらいますよ」

ムンタキムは、轟轟戦隊ボウケンジャーのボウケンブルー=最上蒼太の元スパイ時代の相棒だった、
凄腕のフリーエージェント・鳥羽祐二を雇い、桐原コンツェルンの周囲を見張らせる。
その結果、桐原コンツェルンの周辺から剣流星と北八荒と仰木舞の3人が浮上した。

ムンタキム「ブレイバーズ所属のヒーロー、超人機メタルダーにその協力者の民間人が2名か。
 コイツらがアルハザードの秘密と何か関わりがあるに違いない。すぐにコイツらをさらって来て
 締めあげて吐かせるのだ」
鳥羽「おっと、カタギの人間にちょっかいを出すのは俺の流儀じゃない。
 ここから先は俺は降ろさせてもらうぜ。後はアンタたちで勝手にやってくれ」
ムンタキム「待て! ここまで来て今更勝手に仕事から降りるなど許さんぞ!」
鳥羽「くっ…! ムンタキム、裏切ったな!?」

ムンタキムに撃たれ右肩を負傷した鳥羽は、逃れる途中で川底に落ち行方不明に…。
そしてムンタキムのとんだ勘違いから、狙われる事となってしまった剣流星たちの運命や如何に!?

440ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/08/16(日) 12:00:45
≪復活!? 不幸のメロディ≫

改造実験帝国メスの大博士リー・ケフレンは、マイナーランド残党である
ハウリング&メイジャー3の一味と手を結び、メイジャーランドの
伝説の楽譜を手に入れて再び不幸のメロディに改ざんし、
それを遺伝子シンセサイザーで奏でて、自身の生命改造実験に利用しようと画策する。

ケフレンの命を受けたレー・ワンダとレー・ネフェルは、メフィストを拉致して
改造実験基地ラボーへと連れ去り、協力を強要しようとする。

ケフレン「マイナーランドの王であったお前なら、不幸のメロディの譜面の中身を
 知っているはずだ。それを私に教えるのだ!」
メフィスト「断る! 仮に知っていたとしても、たとえ殺されても教えるものか!
 第一、伝説の楽譜と音符が揃わなければ、不幸のメロディを奏でることなどできんぞ!」
ワンダ「貴様ぁ〜! 今の自分の立場がわかっているのか!?」
ネフェル「どうやら命は惜しくないようね?」

メスは人質に取ったメフィストと引き換えに、メイジャーランドに伝説の楽譜と音符の引き渡しを要求してきた。

アコ「パパを助けに行かないと!」
響「不幸のメロディを復活させて再び世界を悲しみのどん底に突き落とそうだなんて、
 絶対に許せない!!」

果たしてスイートプリキュアチームはメスの野望を阻止する事はできるのか!?

441凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2015/08/16(日) 19:49:43
≪岩屋村の雪ん子-4≫

非常電源に切り替え、ようやく電力が復旧した独立幻野党基地。
そこへサラジアエージェントのSSS6がずかずかと乗り込んで来た。

SSS6「作業は終わったようだな。
 それでは仁科紗那をこちらに引き渡してもらおう。
 可能な限り迅速に抹殺せよとのご命令をこちらは受けているのでな」
幻の如月「そうは行かんな、同志」
SSS6「何っ…!?」
幻の睦月「仁科紗那のブラックテクノロジーは、
 我ら幻兵団が革命戦争を遂行するのにぜひとも必要だ。
 大和政府を打倒するまでは、彼女は手放せん」
SSS6「それまで待っている余裕はない。
 この娘が生きてこの世に存在している事自体、
 我々にとっては重大問題なのだ。一刻も早く消さねばならん」
幻の葉月「それはどういう意味だ?
 7年前、この娘の両親を死に追いやったのもお前達の差し金のようだが、
 お前達は仁科の一族をなぜそこまで憎むのだ」
SSS6「それを話す事は許されていない」
幻の睦月「話にならん!」
幻の如月「どんな理由があるかは知らんが、
 我ら幻兵団の縄張りで、我らが支配する村の人間を
 勝手に殺して回られてはこちらとしても心外至極!」

こうして紗那の身柄を巡り、
サラジアと独立幻野党は内輪揉めを始めてしまった。

SSS6「我々は今までお前達を散々スポンサードしてきたのだ。
 今回の計画も、我々の支援がなければ決して成り立たなかった事実を忘れるな」
幻の葉月「改造ザイラユニコンさえ完成すれば、
 もはや外部からの支援など必要ない。
 従ってこれ以上、指図を受ける筋合いもない!」
SSS6「恩知らずな…!
 我々を怒らせればどういう事になるか分からんのか?
 文句を言わず、仁科紗那をこちらへ引き渡せ!」
幻の睦月「いや、渡さぬ!」

内輪揉めがヒートアップして掴み合いになりかけたその時、
大きな音と共に部屋の扉が外側から蹴り破られて吹き飛んだ。

幻の葉月「貴様、シグフェル!?」
シグフェル「停電とは運がなかったな。
 お陰で電気地獄の牢から脱出できたぜ!」

停電によって高圧電流が流れなくなった鉄格子を破壊して、
牢から脱出したシグフェルが乱入してきたのである。

シグフェル「話は聞かせてもらったぞ。
 どこか怪しいとは思ってたが、
 紗那さんの両親はやっぱり事故死じゃなかったようだな」
SSS6「………」
シグフェル「お前達は一体何者なんだ。
 なぜ仁科家の人達を殺そうとする?」
SSS6「貴様に教えるものか!」

激昂してアサルトライフルを撃ちまくるSSS6だが、
銃弾を浴びてもシグフェルの体は傷一つつかない。
紗那の元へ駆け寄ったシグフェルは紗那の頭からトークマシンを取り外すと、
コードで接続されている大型コンピュータにヘルメットを思い切り投げつけた。
衝撃でコンピュータが壊れ、火花を噴く。

紗那「ううっ…」
シグフェル「紗那さん、しっかりするんだ!」

トークマシンを外されて意識を取り戻した紗那を、
シグフェルは支え起こして立ち上がらせた。

シグフェル「さあ紗那さん、逃げよう!」
紗那「ええ!」

紗那の手を引き、部屋の外へ逃げるシグフェル。
SSS6と独立幻野党もすぐに二人の後を追う。

SSS6「逃がすものか…!」
幻の睦月「ウィスパードを捕まえろ!」

442凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2015/08/16(日) 19:52:12
その頃、佳代に案内された山彦村のマタギ一族は山を越え、岩屋村に到着。
万丈のアシスタントである三条レイカやビューティフル・タチバナとも合流し、
独立幻野党の基地がある湖のほとりに集結して岩陰から様子を窺っていた。

佳代「あれが、入口になっている天狗岩です」
健太郎「敵の様子がどこか慌ただしい…。
 ようし、この隙に仕掛けるぞ!」

敵側のトラブル発生を見て取ったマタギ頭領・香坂健太郎の号令で、
山彦村のマタギ一族と佳代達は作戦行動を開始した。

千恵「はぁっ!」
信太「えいっ!」

マシンガンを持って入口を警備している屈強なヘルマジスタン人の傭兵に、
背後から音もなく忍び寄った千恵と信太は当て身を浴びせ、
銃を撃つ暇さえ与えず昏倒させた。

健太郎「皆の衆、行けっ!」

すかさずゲートから基地内へ突入する佳代達。
異変を察して現れた独立幻野党の党員や外国人傭兵団と、
基地内の通路で激しい乱戦を展開する。

健太郎「マタギ拳法・山彦〜!」
幻の如月「おのれ、山彦村のマタギどもか!」

古代中国の王族の末裔である山彦村のマタギ拳法家一族は、
蝦夷の間でも勇名を馳せ恐れられてきた集団である。
精鋭の独立幻野党員も、中東の紛争地帯で猛威を振るってきた凶悪テロリストも、
彼らは得意のマタギ拳法で次々と薙ぎ倒し、
人質が囚われている牢へと向かう。

ビューティー「朝倉慎哉君に沢渡優香ちゃんね?
 話は聞いてるわ。もう大丈夫よ!」
レイカ「すぐに脱出よ!」
優香「貴女方は確か、破嵐万丈さんのアシスタントの…」
慎哉「助かったあ〜!」

救出した人質の誘導をする三条レイカとビューティフル・タチバナ。
しかしその一方で、千坂朱音だけには冷淡な態度を取る。

レイカ「あ〜ら千坂先生、貴女もいたの?」
朱音「これはどうも。フフフフッ…」

慎哉「……(錦織もそうだけど、どうしてブレイバーズの人たちって
 みんな朱音ちゃんとは仲悪そうなんだろ…?)」

443凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2015/08/16(日) 19:54:33
佳代「光平! 紗那ちゃん! 早くこっちへ!」
紗那「錦織さん!」
シグフェル「佳代ちゃん!」
佳代「沢渡さんと朝倉は、
 他のみんなが助けに行ってるよ!」

基地内の通路で佳代と合流したシグフェルと紗那。
追って来るSSS6と幻の睦月らに、
佳代は煙幕玉を投げつけて視界を塞いだ。

シグフェル「よし、二人ともしっかり捕まってろ!」
紗那「えっ…? きゃぁぁぁっ!!」
佳代「ヒャッホーィ!!」

天狗岩のゲートから基地の外に出たシグフェルは、
紗那と佳代を両腕にぶら下げて飛翔。
丘を一つ越えた雪山までひとっ飛びして逃れた。

幻の睦月「おのれ…。だが改造ザイラユニコンは既に完成している。
 行け、生まれ変わった鋼鉄の同志よ! シグフェルを倒せ!」
改造ザイラユニコン「グォォォ〜!!」

幻の睦月の指令で格納庫の天井が開き、
完成したばかりの改造ザイラユニコンがリフトオフ。
唸りを上げながらこちらへ向かって来る。

幻の睦月「プラズマメーサー砲、撃てい!」

改造ザイラユニコンの新兵器、口のプラズマメーサー砲が火を噴いた。
狙いをわずかに外れたビームは大爆発と共に雪原を抉り、
巨大なクレーターを作る。

シグフェル「佳代ちゃん、紗那さんを頼む!
 俺はあの怪獣ロボットを倒す!」
佳代「任せといて!」

紗那を佳代に預け、シグフェルは改造ザイラユニコンに向かって飛び立った。

シグフェル「何回蘇っても、また倒してやるだけだ!」

手から火炎を発射して改造ザイラユニコンを空襲するシグフェルだが、
防御力を以前の数倍に強化されたザイラユニコンにはほとんど効かない。
逆に強力なプラズマメーサービームの直撃を受け、
シグフェルは雪原に叩き落とされてしまった。

シグフェル「くっ…! 物凄い威力だ…」

ブラックテクノロジーで開発されたプラズマメーサー砲の威力は凄まじく、
さしものシグフェルも大ダメージを受けてしまう。
これでもかとビームを乱射する改造ザイラユニコン。
雪原のあちこちで大爆発が起き、火柱が上がる。

444凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2015/08/16(日) 20:00:19
シグフェルVS改造ザイラユニコンの戦いが続く一方、
独立幻野党の基地からは他の人質達も続々と救出され、
天狗岩のゲートから外へと脱出していた。

慎哉「あれっ? 朱音ちゃんは?」
優香「そう言えば、朱音先生がいないわ!」
レイカ「え? 彼女なら……まあ大丈夫よ。
 きっと後から合流できるでしょ」
優香「…?」

避難のさ中、さっきまで一緒にいた担任教師がいないのに気付く慎哉と優香。
千坂朱音は忍び装束姿となって乱戦に飛び込み、
独立幻野党と戦っていたのである。

幻の葉月「思い出したぞ! 貴様いつぞやの天童の女狐!」
朱音(忍び装束姿)「あ〜ら、今頃気がづいたの? クククッ…おバカさん」
幻の葉月「ほざくなあッ!!」

激しく斬り結ぶ朱音と幻の葉月。
朱音の忍刀が幻の葉月の急所を突き、
勝負は千坂朱音の勝利に終わった。

幻の葉月「む、無念ッ…ぐぶっ!!」
朱音(忍び装束姿)「フッ…幻の葉月、仕留めた」

 ◇   ◇   ◇

神主「遅いのう…。紗那は無事じゃろうか」

その頃、紗那達の安否が心配で気が気でない神主は、
負傷した右足を引きずり、見晴らしの良い丘に登って
遠くの湖の様子を眺めていた。

神主「あ…あれは…!」

湖に異変が起こっていた。
湖面の中央付近に巨大な水柱が立ち、高波が発生している。

神主「婆羅陀魏様じゃ…。婆羅陀魏様が蘇ったぞ!」

神主は恐れおののき、
腰を抜かしそうになるのを必死で持ちこたえた。

445凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2015/08/16(日) 20:05:12
レイカ「さあ、早くこっちへ!」
幻の如月「逃がすな! 皆殺しだ〜っ!」

慎哉と優香を初めとする人質を避難誘導しながら
天狗岩のゲートから基地の外へ出た三条レイカとビューティフル・タチバナ。
山彦村のマタギ一族らと共に人質を守りつつ、
独立幻野党の追っ手を相手に撤退戦を展開する。

ビューティ「あっ、あれは何…?」

湖畔で戦いながら逃げていた一同は湖の異常に気付く。
湖面がまるで噴水のように大きく盛り上がり、
水中から巨大な怪獣が姿を現したのである。

バラン「ギャァォォォ〜!!」

レイカ「あれは、バラン!」
慎哉「ええっ!?」
優香「もしかして、あれが婆羅陀魏様…?」

無数の角を頭と背中に生やし、脇には被膜がついた四足歩行のムササビ怪獣バランは、
湖から上陸して戦場となっている天狗岩の付近に迫って来た。

幻の如月「婆羅陀魏山神だと…? そんなバカな!」

何十年も前に退治され、いなくなったと見られていた婆羅陀魏山神だったが、
湖に残されていた卵から新たな個体が誕生、密かに成長していたのだ。
湖底に張られていた送電ケーブルを破壊し、
独立幻野党基地に停電を引き起こしたのもこのバランだった。
マシンガンやライフルでバランに射撃する独立幻野党だが、
岩屋村の神と崇められた大怪獣は銃弾の雨をものともせず、
前進して湖畔で暴れ回る。

幻の如月「うわぁぁっ!!」

猛然と突進してきたバランに踏み潰され、
幻の如月は絶命してしまった。

バラン「グァァォォォ〜!!」
慎哉「こっちに来るぞ!」
ビューティ「危ない!」

独立幻野党だろうが捕らえられていた人質だろうが、
暴れるバランは区別せず人間を手当たり次第に襲おうとする。
湖畔が大混乱に陥ったその時、空の彼方から風を切って飛んで来た
一機の巨大戦闘機の姿があった。

万丈「みんな、無事かい!?」
レイカ「万丈!」

破嵐万丈が愛機ダイファイヤーを駆って颯爽と駆けつけたのである。
上空からのミサイル攻撃でバランを牽制したダイファイヤーは
人型ロボット・ダイターン3に変形し、地上に降り立った。

446ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/08/21(金) 21:31:01
番外編≪料理の鉄人in闘争の系統≫

四葉テレビで放送されている料理をテーマとした人気バラエティ番組では、
料理講座ではなく料理人同士の対決を前面に打ち出したのが特徴。
謎の団体「美食アカデミー」の主宰ゴルベーザが美味しい料理を食べるため、
美食アカデミー所属の料理人と挑戦者の対決が日夜繰り広げられている。

ゴルベーザ「私の記憶が確かならば〜!」

この主宰独特の言い回しから始まる番組は、
「鉄人」と呼ばれるレギュラー出演者のシェフ達と「挑戦者」として登場する毎回異なるゲストシェフが、
試合会場キッチン・スタジアム内の器具や食材を使い調理した料理を、ゲストおよびレギュラーの審査員に試食して
審査判定してもらい競う。放送中には調理実況中継があり様々なコメントが流れるのだ。

ゴルベーザ「それでは我が美食アカデミーが誇る三人の鉄人を登場させましょう。
 蘇るがいいIron Chef!!」

「挑戦者」は、和の幸平創真、フレンチのサンジ、中華の小松ら三人の「鉄人」の中から
一人を対戦相手に選んで挑戦する!

今回の挑戦者は、東西新聞社文化部記者として
長年にわたり「究極のメニュー」の担当チーフを務めて来た、
あの山岡士郎である!

山岡「小松君、お願いします!」
小松「――!!」

山岡士郎は小松シェフを指名してきた!

ゴルベーザ「Allez cuisine!!」

主宰が高らかに試合開始を宣言する。
残り時間がアナウンスされ、すべての調理が、
盛付けを含めて制限時間内に終わらせなければならない。
果たして勝負の行方は!?

447ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/08/22(土) 09:26:39
≪プリンセスの来日≫

サクラダ国の王家・桜田家の次女・奏王女と三女・茜王女のプリンセス姉妹が外遊目的で来日した。
聖居にて聖天子に謁見して父・総一郎国王から預かった親書を手渡し、
その後首相官邸にて剣桃太郎首相と会談と、びっしりと日程が詰まった公務スケジュールが続く。
極度の人見知りである茜は常時緊張のし通しであり、もうヘトヘトの状態だw

茜「カナちゃ〜ん…早く帰りたいよぉ〜(泣」
奏「もう、しっかりしなさい! 私たちは国を代表して来ているのよ!」

そして奏と茜は、サクラダ国にも進出している海藤グループとの付き合いの関係で、
夢が浜の私立ノーブル学園を訪問することになる。
本物のプリンセスが訪れるとあって、日頃からプリンセスに憧れる春野はるかは大喜び!
桜田家の王女たちを一目見ようと彼女たちに近づく。
意外に気さくな性格だった茜とはるかたちはすぐに仲良しに。
だがそんな折、ディスダーク三銃士の一人ロックが襲撃してきた。

ロック「その夢、絶望の檻に閉ざすんだね。ロック・ユア・ドリーム!
 行くんだね、ゼツボーグ!!」
奏「キャアアッ――!!」
茜「カナちゃん!?」

ロックに「幼い頃の自分の不始末で怪我をさせてしまった兄・修の肢を治す」という夢を覗かれた奏は、
絶望の檻に閉じ込められゼツボーグ化してしまった!
はるかたち4人は直ちにプリキュアに変身してこれに立ち向かうが、
プリンセスプリキュアチームの他にも、姉・奏の危機に
颯爽と参上した謎の覆面ヒロインが姿を現す。

ロック「貴様、何者だッ!?」
スカーレットブルーム「王の園生に咲き誇り、城下に舞うは一重の花弁。熱烈峻厳! スカーレットブルーム!!」

キュアマーメイド「ねえ…あれって茜さんじゃ(汗」
キュアトゥイングル「しーっ! ここは空気読んで知らないふりをしててあげようよ」

こうしてまた、ブレイバーズの戦列に新たな戦士が加わったのであった。

448凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2015/08/22(土) 15:23:05
≪岩屋村の雪ん子‐5≫

岩屋村の湖から現れた大怪獣バランに対し、
駆けつけた破嵐万丈は愛機ダイターン3で敢然と戦いを挑む。

バラン「グァァゥゥ〜!」
万丈「ダイターン・ウェッブ!」

腕に装備している手裏剣ダイターン・ウェッブを投げつけるダイターン3だが、
バランは被膜を広げて滑空し、攻撃をかわしてダイターン3に飛びかかる。

万丈「うわぁぁっ!
 …よし、ダイターン・ハンマーだ!」

再び滑空して突っ込んで来るバランを、
ダイターン3は鉄球型武器のダイターン・ハンマーで殴って撃墜。
それでも負けじと後ろ足で立ち上がり組み付いてくるバランと、
ダイターン3は激しい格闘戦を展開した。
バランを押さえ込んでジャイアントスイングで投げ飛ばし、
雪山に叩きつけるダイターン3。

万丈「日輪の力を借りて、今、必殺の、サン・アタック!!」

ダイターン3の必殺技サン・アタックがバランに炸裂!
額の日輪から発射された光弾でバランは吹き飛ばされた。

万丈「ダイターン・クラッシュ!!」

止めのドロップキックの体勢に入ろうとしたダイターン3だが、
ダメージを受けたバランは被膜を広げて空を飛び、
東の太平洋へ向かって逃げ出してしまった。

万丈「逃がしたか…!」

 ◇   ◇   ◇

紗那「はぁ…、はぁ…」
佳代「紗那ちゃん、頑張って!」

一方、サラジアエージェントのSSS6は配下の傭兵達を引き連れ、
なおも執拗に紗那を追跡。
佳代に手を引かれながら雪原を必死に逃げる紗那だが、
独立幻野党に投与された自白剤がもたらす強烈な副作用のため、
ひどい目眩がして体が痺れ、足がもつれてまともに走れない。

SSS6「逃がさんぞ、小娘どもが!」
佳代「もう…、しつこいっての!」

佳代は煙幕や撒き菱で懸命に追っ手を足止めするが、
動きのままならない紗那を連れながらではとても逃げ切れず、
すぐにSSS6と配下の傭兵達に追いつかれそうになる。
やがて、紗那は足を取られて雪の上に転んでしまった。

佳代「紗那ちゃん!」
紗那「ううっ…、お母様、助けて…!」

SSS6と傭兵達はもうすぐそこまで迫っている。
紗那は震える手で、死んだ母親の形見である
首にかけていたネックレスの水晶玉を握り締めた。

449凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2015/08/22(土) 15:24:43
紗那「お母様…!」
SSS6「祈るがいい。
 今すぐあの世の両親に会いに行かせてやる…!」

倒れている紗那の頭にゆっくりと銃の照準を合わせるSSS6。
だがその時、不思議な事が起こった…。
水晶玉が紗那の祈りに反応して青く輝き、
無数の光の粒がシャワーのように放射されて、
美しいダイヤモンドダストとなって辺り一面を包んだのだ。

SSS6「な…何だ…?」
佳代「これは…」
紗那「………」

紗那も佳代もSSS6も呆然とする中、
光り輝く雪の結晶はやがて集まって巨大な一つの形となり、
伝説怪獣ウーの姿となって実体化した!

ウー「ウォォォォォ〜!!」
紗那「ウーよ。ウーだわ!」
佳代「ウー?」

突然の怪獣出現にびっくりして身構える佳代だが、
蝦夷の伝承にもあるウーを知っていた紗那は大きな感動に打たれたように、
この全身毛むくじゃらの雪男のような怪獣を仰ぎ見る。

ウー「グァォォォ〜!」
SSS6「う…うわぁぁっ〜!」

ウーは驚いて銃を撃ちまくるSSS6と傭兵達を睨みつけると、
腕を大きく一振りして周囲の針葉樹林を薙ぎ倒し、
彼らを全て倒れた木の下敷きにしてしまった。

佳代「こんな事って…」
紗那「お母様が助けに来てくれたんだわ。
 お母様、ありがとう…!」

イタコとして、霊能力の修業を積んできた紗那にははっきりと分かっていた。
このウーは、自分が呼ぶ事ができた死んだ母親の魂の化身である。
紗那の祈りに応えて、紗那の母親はウーの姿となってこの世に舞い戻ってくれたのだ。

ウー「ウォォォ〜!」

紗那に応えるかのように大きく咆えたウーは、
シグフェルが戦っている改造ザイラユニコンに猛然と向かって行った。

450凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2015/08/22(土) 15:28:15
改造ザイラユニコン「グァォォ〜!」
シグフェル「くっ…! どうすりゃいいんだ!」

空中を高速で飛び回り、改造ザイラユニコンのプラズマメーサービームを
必死に回避し続けるシグフェル。
敵の猛爆に圧倒され、なかなか反撃の糸口が掴めない。
だが、そこにウーが駆けつけ、改造ザイラユニコンに強烈な体当たりを浴びせた。

ウー「ウォォォ〜!」
シグフェル「あの怪獣は…!?」

発射されたプラズマメーサービームを素早くかわして組み付いたウーは、
改造ザイラユニコンの右腕を掴むと怪力でへし折った。
折られた右腕から火花を噴いて苦しむ改造ザイラユニコン。

改造ザイラユニコン「グォォォ〜!」

だが改造ザイラユニコンも、独立幻野党によって以前の何倍にも強化されている。
左腕も掴んで折ろうとするウーを、逆に腕の力で思い切り突き飛ばした。
仰向けに転倒したウーに、改造ザイラユニコンのプラズマメーサービームが炸裂。
ウーは悲痛な叫びを上げてもがく。

幻の睦月「よし、いいぞザイラユニコン!
 あの雪男の化け物を焼き滅ぼせ!」
佳代「幻の睦月…!」

髑髏型のコントローラーで改造ザイラユニコンを操っている
幻の睦月を遠くに発見した佳代は、紗那をその場に残し、
雪原を忍び足で駆け抜けて背後からそっと接近した。

佳代「もらいっ!」
幻の睦月「しまった! コントローラーが!」

佳代が投げた手裏剣がコントローラーに見事命中。
コントローラーが壊されると同時に、
改造ザイラユニコンはぴたりと動きを停止した。

幻の睦月「おのれ小娘…!」

故障したコントローラーを投げ捨て、
幻の睦月は逃げて行った。

シグフェル「よし、今だ!」

動きが止まった改造ザイラユニコンの口内へシグフェルは特攻。
プラズマメーサー砲にフレアセイバーの剣先を突き立てた。
改造ザイラユニコンの必殺兵器が破壊され、爆発を起こす。

ウー「グァォォォッ!!」

ウーの強烈なショルダータックルを受けて、
改造ザイラユニコンは全身から火花を噴きながら横倒しになる。
雪原に巨体を沈めた改造ザイラユニコンに、
シグフェルは上空から必殺の特大炎弾を叩き込んだ。

シグフェル「バジェト・レイ!!」

改造ザイラユニコンの鋼鉄のボディを灼熱の炎が焼き滅ぼし、
もう二度と再生する事ができないよう無に還してゆく。
周囲の雪が超高熱で瞬時に蒸発し、水蒸気の塊がキノコ雲となって空高く立ち上った。

ウー「ウォォォォ…!」

改造ザイラユニコンの最期を見届けたウーが咆える。
ウーの体が空気に溶け入るように、再び無数の雪の結晶に戻って昇天してゆく…。

シグフェル「やった…!」

451凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2015/08/22(土) 15:30:13
紗那「お母様…」

ウーの昇天を見届け、紗那は脱力したように雪の上に膝を突く。
改造ザイラユニコンは倒され、
岩屋村を支配していた独立幻野党も壊滅した。
こうして戦いは終わったかに見えた。だが…。

SSS6「ぐっ…、ううっ…!」

エージェントSSS6は生きていた。
ウーに倒された大木の下から何とか這い出たSSS6は、
落としていたアサルトライフルを持ち直し、
暗殺の任務を果たそうと負傷した体を引きずって紗那に迫る。

紗那「…!」
SSS6「小娘、もう逃がさんぞ…!」

SSS6に気付いた紗那は雪を漕ぎながら必死に逃げるが、
いよいよ回ってきた薬の副作用で体が重く、
もうほとんど動ける状態ではなかった。

佳代「しまった! 紗那ちゃん!」

その場を離れていた佳代が紗那の危険に気付き、
急いで戻ろうとする。
だが、佳代が駆けつけるのも間に合わず、
力尽きた紗那は雪の上に倒れ込んでしまった。
紗那にアサルトライフルの狙いを定めるSSS6。

紗那「ううっ…」
SSS6「死ね…!」

 ◇   ◇   ◇

幻の睦月「くっ…、何たる事だ…」

改造ザイラユニコンが敗れ、幻の如月と葉月も戦死。
紗那や捕らえていた人質も救出されてしまい万策尽きた幻の睦月は
ほうほうの体で湖底の基地へと逃げ帰った。

幻の睦月「無念…。我ら蝦夷の復讐を果たす大計画はもはや潰えたようだ。
 だが、革命の火は決して消えん!
 独立幻野党は不滅だ! 革命万歳〜!!」

基地の自爆スイッチに手をかけた幻の睦月は、
狂おしい絶叫と共にそれを押し、
大爆発して崩壊する基地の中で息絶えたのだった。

452凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2015/08/22(土) 15:34:53
SSS6「死ね…!」

SSS6が紗那に狙いを定め、銃のトリガーをまさに引こうとしたその時…。
湖底の独立幻野党基地で大爆発が起こり、轟音と共に大地が揺れた。

SSS6「むっ…!? 地震か」

一瞬、戸惑って銃を取り落としそうになったSSS6だが、
すぐに揺れは収まり、再び紗那に向けて銃を構え直す。
今度こそ撃とうと指先に力を込めた刹那、
ドドド…と、何かが崩れるような音が遠くから聞こえた。

SSS6「…!?」

SSS6が音のした方へ振り返ると、
山の上から、大量の雪がこちらへ向かって津波のように押し寄せてくる。
今の爆発の震動で雪崩が発生したのである。

SSS6「う…うわぁぁぁっ!!」
紗那「きゃぁぁぁっ!!」

まさに一瞬の出来事。
逃げる間もなく、降ってきた雪崩はSSS6と紗那を呑み込んでしまった。

佳代「紗那ちゃ〜ん!」
シグフェル「佳代ちゃん、危ない!」

二人の所へ向かっていた佳代も危うく雪崩に巻き込まれかけるが、
飛んで来たシグフェルに拾われて空中へ逃れ、間一髪のところで助かる。

優香「光平くん!」
慎哉「大丈夫か、光平!」
光平「ああ…。でも紗那さんが…」

光平の姿に戻り、慎哉や優香と合流した光平は、
雪崩が起きた現場を見遣ってがっくりとくずおれる。

光平「………」

しばらくは誰一人として声さえなかった。
戦いはシグフェルらブレイバーズの勝利に終わり、
岩屋村の独立幻野党による革命は無事阻止された。
だが、岩屋村の雪ん子は雪崩に呑まれて姿を消してしまったのである。


***サラジア共和国・副大統領官邸***

秘書N「仁科紗那は、今度こそ死亡しました」
秘書R「エージェントSSS6も殉職です。
 二人とも、発生した雪崩に巻き込まれたとの事で…」
アルハザード「これで仁科の一族はこの世から全て消え失せた。
 私を悩ませていた不安の種はまた一つ取り除かれたのだ。
 残るは牧村光平、天凰輝シグフェルのみ!
 だが、いずれ奴も必ず葬り去ってくれよう。覚悟しておれ!」

岩屋村での事件の顛末を報告されたアルハザードは、
紗那の死に安堵すると同時に、打倒シグフェルの執念を改めて燃やすのであった。

453凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2015/08/22(土) 16:42:06
≪岩屋村の雪ん子‐エピローグ≫

それから1ヶ月後…。
海防大学付属高校の光平達のクラスに、
一人の転校生がやって来た。

朱音「転校生を紹介します」
紗希「岩手県から来ました、北上紗希です。
 皆さんどうかよろしくお願いします」

光平「へぇ〜、岩手…って、さ、紗那さん!?」
優香「嘘!?」
慎哉「マジ…!?」

その転校生の顔を見て光平達は呆気に取られる。
担任の千坂朱音に紹介されて黒板の前で一礼した少女は、
長かった髪をばっさり切って大きくイメージチェンジしてあるが、
あの岩屋村の仁科紗那に間違いなかったのである。

光平「紗那さん…だよね!? そうだよね?」
優香「良かった〜。無事だったのね!」
慎哉「びっくりしたなぁ…。
 俺達、紗那さんてっきり死んじゃったとばかり…」

ホームルームが終わって休み時間になるや否や、
転校生の傍に集まろうとするクラスメイト達を押しのける勢いで
紗希を取り囲んで喜びに沸く光平達。

紗希「フフッ、今はもう北上紗希よ。
 実はあの後、破嵐万丈さんに雪の下から助けられて…」
佳代「それから病院で治療を受けて、
 やっと元気になれたんだよね」
慎哉「錦織、お前知ってたのか?」
佳代「ごめん…。実は前から知ってた」

まさかの展開に光平、慎哉、優香が驚いている中、
佳代だけは前から全て知っていた様子でニコニコ笑っている。

佳代「北上さんと私は、同じアパートに住む事になったんだ。
 本来、ウィスパードにはミスリルから専属の護衛が付けられる事になってるけど、
 北上さんの事は私が守る事になったからね」
紗希「そう。よろしくお願いね、錦織さん」
優香「何よ、もう仲良くなっちゃってるの?」

この1ヶ月の間に佳代と紗希の距離が随分と縮まっているらしいのを見て、
またしても狐につままれたような顔をする光平達であった。

光平「でも、万丈さんも佳代ちゃんもひどいな…。
 無事だったんなら早く教えてくれればいいのに」
優香「そうよそうよ〜。
 私達、すっごく悲しかったんだから」
慎哉「って言うか、転校するにしても何でわざわざ名前を変えて…?」
佳代「それが、色々と事情があってさ。
 〝仁科紗那"は雪崩に巻き込まれてあそこで死んだ。
 そういう事にしといた方が良さそうだって話になってね」
光平「…?」

454凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2015/08/22(土) 16:44:31
***1ヶ月前・盛岡市内の病院***

破嵐万丈によって雪の下から救助された紗那は、
直ちに盛岡市内の病院へ搬送された。
奇跡的にも、雪崩に呑まれた紗那は体の数ヶ所を打撲した程度で、
大きな怪我は負っていなかったが、
トークマシンの補助として独立幻野党に投与された薬の影響はかなり深刻で、
手足の痺れや頭痛、目眩、吐き気、気分障害などの症状が
その後も数日に渡って紗那を苦しめ続けていた。

万丈「飲まされたのはアルカロイドを使った劇薬だ。
 飲んだのが一回きりだったからまだ良かったけれど、
 もし何度も繰り返し服用させられていたら間違いなく廃人になっていただろうね」
宗介「ウィスパードからブラックテクノロジーを引き出すために、
 アマルガムもよく同じ種類の薬物を使う。
 薬漬けにされて人生を狂わされたウィスパードを、
 俺は今まで何人も見てきた。むごい話だ」

だが、入院した紗那は治療によって薬の影響を除去され、
幸いにも1週間ほどで体調不良と精神の乱れからすっかり立ち直った。
紗那がウィスパードだった事は直ちにミスリルにも報告され、
相良宗介とメリッサ・マオがまず病院を訪れて、
今後の紗那に対する保護のあり方を関係者各位と相談する事になった。

マオ「ウィスパードって事で彼女を狙ってくるテロリストは
 これから大勢出てくるでしょうけど…。
 それとは別に、彼女を殺害しようとしている謎の勢力ってのが厄介ね」
宗介「岩屋村のような人通りの少ない村で、
 正体不明の敵にこちらの顔と住所が割れているというのは危険だ。
 一日中、付き切りでボディガードするとしても守り抜くのはかなり厳しい」

シグフェルが耳にした敵側の会話から、
7年前、紗那の両親は事故死ではなく何者かに抹殺されたのであり、
紗那もまた同じ勢力に命を狙われているという事が明らかになった。
だが、その勢力が一体何であるかまでは突き止めるに至らなかったのである。
ミスリルとしてはその謎の敵からも紗那を守らなくてはならないが、
都会の雑踏に紛れる事ができない過疎の村では、
敵がターゲットの紗那を発見し、尾行し、そして狙撃するのはあまりにも容易い。

万丈「これは思い切った手だが…。
 今回、雪崩に巻き込まれて死亡してしまったかに見えたのを利用して、
 敵の目を誤魔化すというやり方もありかも知れないね」
紗那「どういう事ですか?」
万丈「つまり、〝仁科紗那″という人物は
 あの時あの雪崩に呑まれて死んでしまった。
 敵にはそう思わせておいて、君は別の街で
 別の名前を使って別人としてこれから生きるんだ。
 敵の魔の手から逃れるには、それが一番いい方法だよ」
神主「紗那に岩屋村を出ろと申すのか? それは…」
宗介「だが、他に彼女の安全を確実に守る手立てはない。
 岩屋村にこのまま仁科紗那の名で住み続けるのはリスクが高すぎる」
マオ「ミスリルとしては、
 ここにいるソースケが通っている都立陣代高校の近く、
 東京都調布市の辺りを移住先にお薦めするわ。
 ソースケと同じマンションに住んで同じ学校に通うようになれば、
 護衛もしやすいし」
神主「東京か…。遠いのう」
紗那「………」

いくら命がかかっているとは言え、17歳の少女が住み慣れた故郷を離れ、
遠くの街に移住するというのは一大決心を要する問題である。
紗那の保護者である神主は神職として婆羅陀魏神社を守る使命があるため、
一緒について行くのは難しい。
そうでなくても、岩屋村の人々は元々内向きで地元志向が強く、
村から一生出ずに終わる者がほとんどなのである。
少し考えさせてほしい――と、提案を聞かされた紗那と神主は答えた。

455凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2015/08/22(土) 16:49:37
それから数日後――。

神主「何っ!? 東京へ行きたいじゃと?」
紗那「はい、おじい様。
 私、色々迷ったけど決心しました。
 自分の安全のためにも、おじい様や村の人に迷惑をかけないためにも、
 やっぱりこの機会に、村を出て東京で第二の人生を始めます」
神主「じゃが、わしはついては行けんぞ?
 一人暮らしで本当に大丈夫か?」
紗那「新しいチャレンジだと思って、頑張ります」
神主「和人は怖いぞ。
 わしら蝦夷の事をひどく差別しおる。
 宗禎殿もそれで散々苦労したらしい。
 向こうでいじめに遭ったらどうするんじゃ」
紗那「でもおじい様。
 大和の人にもいい人はたくさんいるって、
 私達は今度の事で学んだはずです」
神主「それはそうじゃが…」

心配な気持ちから紗那を何とか思いとどまらせようとする神主だが、
やがて紗那の決意が固いのを見て取り、それを尊重する事にした。

神主「ではミスリルから薦められた、調布のマンションに住むのじゃな。
 あの相良君という子はきっと信頼できるじゃろう。
 彼に紗那を任せる事になるか…」
紗那「いえ、私、実は…」
神主「何じゃ。他に考えでもあるのか?」
紗那「…実は私、あの牧村君達と一緒の学校に通いたいんです。
 だから住む場所も、海防大学付属高校に通学しやすい場所にしようと思います」
神主「な…何じゃと…?」

紗那の突拍子もない意見に、神主は何を言っているのかとしばし呆気に取られた。
だが、そう話す紗那の顔がわずかに赤らんでいるのを見て、
やがて全てを察したように納得する。

神主「フ…ハッハハハハ!!
 そうか。紗那よ。お主、あの牧村君という男に惚れおったな?」
紗那「ええっ!? そ、そんな、おじい様…///」

神主に指摘された紗那は、
途端に耳まで真っ赤になって慌てて否定する。

紗那「大和の人はいい人だっていうのは、
 別にそういう意味じゃなくて…」
神主「いや、分かった分かった。
 それならば止めはすまい。
 確かに牧村君だけでなく、彼のご友人方は皆良い子ばかりじゃ。
 紗那は岩屋村では人間関係に恵まれず、ずっとつらい目に遭ってきたからの。
 一度きりの青春、もっと良い仲間に囲まれて楽しむというのもありじゃろう。
 むしろそうでなくては勿体ない」
紗那「おじい様…」
神主「わしも破嵐さんからよく説明されて、
 こうするしか紗那を守る方法がないのは分かっておった。
 それでも心配は尽きなかったが、他から言われるままではなく、
 紗那が自分の意志でここに行きたいと言ってくれたので安心した。
 ならば行って来なさい。そして青春を楽しんでおいで」
紗那「おじい様、ありがとうございます!」

456凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2015/08/22(土) 16:54:46
紗那「あ、それとおじい様。
 私、東京に行ってからもイタコの修業、続けます」
神主「何じゃと? いやしかし、あれは…」

神主は申し訳なさそうに目を伏せた。
紗那は霊感が強く、そのためイタコに向いているというのは、
ウィスパードの能力発現を狐憑きと誤認した神主の勘違いだったのだ。

紗那「確かに、私に才能があるっていうのは勘違いだったかも知れません。
 でも私、イタコの道に進みたいんです」
神主「紗那、わしを気遣って無理をする事はないんじゃぞ」
紗那「いいえ、おじい様。無理してるんじゃありません。
 おじい様に長い間、熱心に教えていただいているうちに、
 私、イタコのお仕事にとても魅力を感じるようになって、
 だから苦手な事でも頑張って、できるようになりたいと思うようになったんです。
 才能があるかないかなんて関係ありません。
 才能がないなら人の何倍でも頑張って、私、立派なイタコになります!」
神主「…よく言った!
 確かに、本当に大事なのは才能の有無などではない。
 その熱い気持ちさえあれば、きっと良いイタコになれるじゃろう」
紗那「それに今回、あのウーを呼ぶ事ができたのも、
 きっとこれまでの修業があったからこそだと思います。
 私、霊を実際に降ろす事ができたのは初めてで、
 それもお母様の霊を、まさかあんな形で呼び出すなんて思いもしませんでしたけど、
 今まで教えてもらった事は決して無駄じゃなかったんだと思います。
 だから私、おじい様には感謝の気持ちで一杯です!」
神主「紗那…!」

涙ぐみながら、神主は懐から一枚の紙を取り出した。
「仁科紗那」があそこで死んだ事になる以上、
紗那にはこれから使う別の新しい名前がなくてはならない。
神主は悩んだ末、紗那の新たな名を考えて筆を取り、
半紙にしたためたのである。

紗那「北上紗希…?」
神主「うむ。故郷の岩屋村を流れる北上川から取って〝北上″。
 紗那の紗の字は残し、これからの新しい人生に希望があるようにと、
 希望の希の字を取って〝紗希"じゃ。どうじゃ、気に入ったかな?」
紗那「北上紗希…。素敵な名前だわ。
 おじい様、ありがとう!」

神主の温かい気持ちに、紗那も涙ぐんだ。
こうして仁科紗那は北上紗希と名を改め、
岩屋村を離れて東京での新たな生活を始める事になったのである。

457凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2015/08/22(土) 16:58:34
***メリダ島・ミスリル西太平洋戦隊基地***

マデューカス「岩屋村、ですか…。
 我々ミスリルの目も届かぬ辺境の寒村に、
 まさか未発見のウィスパードがいたとは驚きでしたな」
テッサ「アマルガムの目も届いていなかったのが幸いでした。
 現地の人々は、ウィスパードの能力の発現を
 昔からの迷信に従って悪霊が憑りついていると誤解していたみたいですね」
マデューカス「そのせいで彼女は色々と苦労したようですが、
 ウィスパードであると判明した今後は別の苦労が待っているでしょう。
 遅かれ早かれ、多くの組織が彼女のブラックテクノロジーを狙い始めるはずです」
クルツ「ミスリルから専属の護衛を付けなくて大丈夫なんすかねえ?
 聞いた話だと、同級生の女忍者がボディガードするみたいですけど」
テッサ「錦織佳代さん…。彼女も訓練を積んだ優秀な伊賀忍者です。
 それに彼女の傍には、天凰輝シグフェルこと牧村光平さんもいます。
 月影一族の頭領の方ともご相談した結果、
 ミスリルとしては彼女達を信頼し、お任せする事にしました」
クルツ「ちぇっ…、俺が行っても良かったのによ」
マオ「ダメダメ。あんたみたいなスケベ野郎を行かせたら、
 別の意味で紗希ちゃんの身の安全が心配だわ」

残念そうに溜息を吐きながらわずかに鼻の下を伸ばしているクルツ・ウェーバーを、
メリッサ・マオは拳で軽く小突いた。

マオ「それより気がかりなのは、
 その紗希ちゃんを狙っている謎の敵…」
マデューカス「うむ。彼女の両親も7年前、
 恐らく同じ勢力によって事故死に偽装し殺害されている。
 どうやら、仁科家の一族及びその周辺人物を彼らは抹殺しようとしているようだ」
クルツ「どこのどいつか知らねえけど、
 そんな田舎娘を家族ごとぶっ殺して一体何になるってんでしょうねえ」
テッサ「敵の規模、及び目的が不明な以上、
 こちらとしてはあらゆる事態に対処できる準備が求められます。
 護衛役の錦織さんとも連絡を密に取り合い、全力でサポートしていきましょう」
クルツ「ま、敵さんはいずれ尻尾を出すでしょ。
 どうせその内また襲って来るんだしよ」
マオ「幸か不幸か、ってとこね…。
 次に仕掛けて来たら、絶対に正体を暴いてやろうじゃない」

ブリーフィングが終わってマオとクルツが去り、
残ったリチャード・マデューカス副長にテレサ・テスタロッサ戦隊長は言った。

テッサ「北上紗希、いえ仁科紗那…。
 こうなると、以前サガラさんがサラジアで調べたあの件が気になりますね」
マデューカス「仁科宗禎なる男のカルテ、ですか。
 確かにこの件と、何らかの関連がないとも限りませんな」

以前、相良宗介はサラジアへ潜入した際、
アフマド・アルハザード副大統領の私邸で旧日本軍の極秘資料を発見している。
太平洋戦争末期にシンガポールで行われていた人体改造実験のカルテで、
その中には、紗希の大伯父である仁科宗禎の手術記録もあったのである。

テッサ「仁科宗禎は人体改造の極秘手術を受けていた。
 そしてその実験データがなぜかサラジアへ渡っている。
 サラジアが宗禎の秘密に何らかの形で関わっている可能性はありそうです。
 その宗禎の縁者を次々と消しているのは、もしかすると…」
マデューカス「…辻褄は合いますな。
 今回、独立幻野党に西アジア人の傭兵を派遣していたのは、
 サラジアの軍事会社だという情報もあります。
 ですが、あの国を犯人と断定するにはもっと確固とした証拠が必要でしょう。
 今はまだ、全て憶測に過ぎません」
テッサ「クルツさんの言う通り、いずれ敵の尻尾は出るはずです。
 今度敵が動いたらその時がチャンス。存分に相手をしてあげるまでだわ…」

テッサはいつも通りの穏やかな口調の中に
冷たい闘志を燃やしてぐっと拳を握るのであった。

(シナリオ終了)

458シグフェルは鳥人兵!? 復活の大鉄人!-3:2015/08/31(月) 17:05:31
≪おばあちゃんの上京≫

沖縄に住んでいる牧村光平の父方の祖母・トヨが
地元婦人会の慰安旅行で東京にやって来ることになった。
その日程の間に暇を見つけて婦人会一行から単身抜け出て
孫の光平の顔を見に朝倉家を訪れるつもりだという。
その連絡を受け取った光平は、なぜか顔面蒼白となり激しく動揺ww

慎哉「なんでそんなに慌てるんだよ?」
優香「おばあちゃんはお年寄りだから心配なのは解るけど…」

以前に光平と一緒に沖縄に行った時に会ったトヨは、
足取りも受け答えもハッキリしており至極健康そうに見えたため、
慎哉も優香もどうして光平が顔が真っ青になるほど心配するのか
正直よく解らない。

光平「違う違う! 俺が言いたいのはそんなことじゃないんだ!!
 慎哉たちは沖縄の田舎暮らしのばあちゃんが東京に来た時の事を
 知らないからそんな事が言えるんだよ!!」
慎哉「……??」
優香「……??」

光平は二人にトヨの上京の武勇伝(笑)を懇切丁寧に説明し始めた。
過去にも単身上京の経験のあるトヨは……

●新宿駅のダンジョンを三日間放浪していた。
●命綱なしで東京タワー大展望台の屋外(一般客立入禁止エリア)に迷い込み、
 立っているのもやっとな激しい強風が吹く中、呑気に夕涼みをしていた。
●国会議事堂見学で迷子になり、予算委員会に紛れ込んで
 現役国会議員のセンセイ方を前にして大演説。

慎哉「ゲゲッ! そりゃホントに大変だ!!」
光平「明日はばあちゃんが何か騒ぎを起こす前に
 空港まで出迎えに行かないと!」

翌日、トヨを含めた婦人会メンバー一行が羽田に到着した。
だがそれとほぼ同時期に、防衛省の技術研究本部がGショッカーに襲われ、
危険物質「物体X」が強奪される事件が発生。
羽田空港に逃げ込んだGショッカーは、「物体X」の入ったバックと
トヨのバッグを取り間違えてしまう。「物体X」を取り戻すため
Gショッカーはトヨを人質にして空港の一室に籠城して立て篭もった。

459シグフェルは鳥人兵!? 復活の大鉄人!-3:2015/08/31(月) 17:06:36
しかしトヨは囚われの身となって怯えるどころか、
持ち前のマイペースさで立て篭もり犯グループに対して
なぜか次々と的確なアドバイスを与え、いつの間にか
年の功の力で犯行グループの人心を完全に掌握。
あろう事か事件を陰で操り始める。
どうやらトヨは、これは本当の事件ではなく、
防犯訓練か何かだと勘違いしているらしい。
目の前にいるGショッカーの怪人の事も、
今流行りのゆるキャラだと思い込んでいるのだったww

最初は「物体Xと人質の交換」だけだったはずが、
「逃走用のヘリコプターと身代金の用意」「犯行声明の発表を日本全国に生中継せよ」と
次第にエスカレートしてくる要求に対し、何も知らない事件対策本部はいら立ちを募らせる。

海野隊員「ちっきしょう! ナメやがって!」
村中隊員「人質の安否を確認するために、せめて声くらいは聞かせろ!」
怪人@電話の声「よ〜し、いいだろう。今からバアさんに代わるぞ」
トヨ@電話の声「もしもし光平かい♪」
光平「ばあちゃん!大丈夫!? 待ってて!必ず俺が助けるからッ!!」
トヨ@電話の声「この歳になって東京まで来て、まさかこんな面白い
 ワクワクするような体験が出来るだなんて思わなかったよ。
 救出作戦は一つド派手にやっておくれ♪」
光平「え……?(汗」

今一お互いの会話の内容がかみ合わない…。

剣持「光平君のおばあちゃんは自分の安全よりも
 犯人逮捕を優先しろと言っているんだ。なんて勇敢な女性だ…」
慎哉「……(そうかなあ?)(汗」

一方、桜田門署の小森警部と高井戸刑事は、
ブレイバーズを出し抜いて手柄を挙げようとして
ドジを踏んでしまい、一緒に人質としてトヨ共々ヘリに乗せられ
連れ去られてしまうのだった。

460シグフェルは鳥人兵!? 復活の大鉄人!-3:2015/08/31(月) 17:07:32
相模湾にある無人の小島がGショッカーの基地になっていた。
トヨたちを人質にして奪った逃走用ヘリで無事に帰還した怪人たちは、
早速上官に連絡を取って今後のお伺いを立てる。
その返事は「用済みの人質はすぐ殺せ」というものだった。

怪人「そこのヘボ刑事二人はともかく、バアさんに恨みはないんだが、
 これも任務だ。悪く思わんでくれ」
小森「…ま、待て! か弱いお年寄りのご婦人を手に掛けようだなんて、
 この桜田門署のバットマンこと小森好次郎が許さんぞ!(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル」
高井戸「…や、やるなら先に僕から殺れ!(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル」

トヨを庇って震えを抑えながら
精一杯の虚勢を張る小森&高井戸の両刑事。

トヨ「いや、私から先にやっておくれ。どの道老い先短い命だからね。
 刑事さんたちはまだ若いから未来がある」
小森「お、おばあちゃん!・゚・(つД`)・゚・」
戦闘員A「なんていいおばあちゃんなんだ…」
戦闘員B「つい田舎のお袋を思い出しちまったよ…」

トヨの発言に、小森&高井戸どころから
周囲の戦闘員たちまで感涙してしまう始末。

怪人「じゃあバアさん、これからアンタを殺す」
トヨ「ああいいよ! バッサリと思い切りやっとくれ」
怪人「………」

逆ストックホルム症候群とでも言おうか、今や完全にトヨに尊敬の念を抱き
情が移ってしまっていた怪人と戦闘員たちは、トヨがまるで母性溢れる菩薩様のように
見えてしまい、躊躇してなかなか手を下せないww
そうこうしているうちにヘリを尾行していた錦織佳代から連絡を受けた
ブレイバーズと光平たちが駆けつけて来てしまった。

シグフェル「――火炎十字の舞(クロスプロミネンス)!!!!!」
怪人「ぐぎゃああッッ!! む、無念…ッ!!!」

怪人は光平が変身したシグフェルによって倒され爆死し、
秘密基地は大鉄人ワンセブンによって完膚なきまでに破壊された。

シグフェル「ばあちゃんがどこにもいない!?」
佳代「戦闘員たちがおばあちゃんを連れてあっちに逃げたよ!」

「物体X」を手にして尚もトヨを人質にしつつ逃亡を図る生き残りの戦闘員たち。

南三郎「待て! もう逃げられないぞ! 観念しろ!」
戦闘員A「道を開けろ! バアさんがどうなってもいいのか!?」
佳代「卑怯なッ!」
トヨ「最近の防犯訓練は本当に手が込んでいるんだねえ。感心したよ♪」

トヨはこの期に及んでまだ防犯訓練だと思い込んでいる様子。

光平「ばあちゃん! そいつらは本物なんだよ!!」
トヨ「本物…?? それじゃあ仕方がないね。ひょぃとっ!」
戦闘員A「……( ̄△ ̄;)エッ・・?」
戦闘員B「う、うわああッッ!!」

なんとトヨは軽々と身を翻すと瞬く間に戦闘員たちを制圧してしまった。
牧村トヨ――夫・靖臣と同じく琉球空手の有段者であり、
剣道は薩摩示現流の使い手だったのである!

トヨ「悪く思わないでおくれ。これも可愛い孫のためさあね(⌒-⌒)ニコニコ...」

トヨの活躍で無事に「物体X」は防衛省の研究所へと戻り、
失神して気を失っている小森&高井戸の両刑事は救急車で運ばれて行った。

剣持「おばあちゃん、ご無事で何よりです」
トヨ「この度は誠にお騒がせしました」
慎哉「それにしてもあの桜田門署の迷刑事コンビ。
 毎度の事足を引っ張ってくれるよな」
トヨ「そう厳しく言わないでおくれ。あの刑事さんたちは
 監禁中の間も私の事を身を呈して庇ってくれたんだよ」
光平「小森警部と高井戸刑事が……」

トヨから話を聞き、今回だけは小森と高井戸の事を少し見直す光平たち。
こうして孫・光平の元気な顔を見れて満足したトヨは、
日程通り婦人会の東京観光を終えて、また沖縄へと帰って行ったのだった。(完)

461ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/09/01(火) 10:33:06
凱聖クールギン殿よりリクエストのあったオリキャラ部活動編の
大まかな内容を考えてみた。まだほんの触りの部分だけなのだが、
もし皆さまから加筆・ご提案があればどんどん付け足していく形で
シナリオを完成させていきたいと思いますので、よろしくお願いします。<(__)>

テニスのルールとかは詳しくないので、これから調べます…(汗。


≪テニス大会編≫

夏の都大会の時期が近づいて来て、練習に励む海防大学付属高校テニス部の面々。
三年生が受験のために部活動を引退し、朝倉慎哉が新部長(主将)に就任してから
初めての本格的大会となるため、牧村光平たちも俄然気合が入る。
ちなみに光平と慎哉はペアを組んでダブルスで、一年生でレギュラー入りしている
後輩の岡島雄大はシングルスでそれぞれエントリーしている。

そしてついに都大会の一回戦当日を迎えた。
試合本番前に、光平はB.A.B.E.L.(バベル)の皆本光一から
ある物を受け取った。

皆本「これが以前話してあった約束のリミッターだ」
光平「わざわざありがとうございます、皆本さん」

これはB.A.B.E.L.(バベル)が超能力者用のリミッターを
光平のためにカスタマイズして改良した腕輪だ。これで光平は
"試合中にうっかりシグフェルの力を発揮してしまう"ような事態を防いで
安心して正々堂々と公平な試合に臨めるのである。

沢渡優香、錦織佳代、北上紗希たち海防大付属ガールズも応援に来て見守っている中、
光平&慎哉ペアの第一回戦目の相手は、鮫塚高校の伊集院&橋本ペアである。
伊集院はキザな美形のナルシストで、女遊びをしている事で有名だった。
そんな伊集院が、応援席にいる優香を見染めて言い寄って来たからさあ大変。
その光景を光平が目撃してしまい、つい嫉妬して優香を問い詰めた事で、
さらに事態はややこしい展開に。

優香「なによっ! 光平くんだっていつも錦織さんや北上さんと
 イチャイチャしてるくせに!」
光平「ハァ!? 俺がいつ佳代ちゃんや北上さんとイチャイチャしたよ!!」

すっかり喧嘩別れしてしまった光平と優香。
その影響で完全に試合中のペースが乱れてしまった光平は、
伊集院相手に大苦戦。

伊集院「どうしたのかな牧村君? そちらのミスで点(ポイント)が入っても
 僕はちっとも嬉しくないんだがね。フハハハハ!!!」
光平「くそっ!!」
慎哉「光平、相手の挑発になんか乗るな! いつものお前らしくないぞ!」

海防大付属側の応援席にも、次第に焦りの色が広がり始める。

佳代「ああもう何やってんのよ!」
紗希「あんな苦しそうな顔の光平くん、見るの初めて…」
優香「………」

堪らず見かねた佳代が優香に発破を掛け、光平と優香の関係修復に動く。

佳代「沢渡さん、つまらない意地なんか張ってる場合じゃないよ」
優香「錦織さん……」

佳代のおかげで吹っ切る事の出来た優香は、
コートの光平を大きな声で懸命に応援する。

優香「光平く〜ん! 頑張って〜!!」
光平「優香…? よぉ〜し!!」

優香の声援のおかげで調子を取り戻した光平&慎哉ペアは
鮫塚高校の伊集院&橋本ペアを相手に見事逆転勝利を飾ったのだった。

伊集院「バ、バカなっ…!」

462ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/09/01(火) 10:34:36
紗希「よかったの? 恋敵に塩を送るようなことをして…」
佳代「か、勘違いしないでよね! 別に沢渡さんのためにやったわけじゃないし!
 そもそもあの伊集院って奴はアタシも気に食わなかったし、こんな事で
 光平のハートを射止める事が出来たとしても、ちっとも嬉しくなんかないんだから!」

一回戦を勝ち進んだ光平&慎哉ペアの次なる二回戦の相手は、
テニスの名門校として知られる強豪・流星高校の佐々木&田島ペアである。
ところがその流星高校テニス部の監督を務めていたのが、
かつて快傑ズバットとの対決に敗れた用心棒の一人、テニスの陣太郎だったのだ!
流星高校の理事長が彼に目をつけて、高額の報酬で雇っていたのだ。
相手校側の監督席に座る陣太郎の異様な容貌を見て、慎哉と雄大も怯えを隠せない。

雄大「なんかエライ人相の悪い監督っスねえ…(汗」

Gショッカー傘下の悪の大組織ダッカーとの繋がりで、
海防大付属の牧村光平が実はブレイバーズの天凰輝シグフェルである事を
知っていた陣太郎は、光平が右腕に身につけているリミッターに着目する。
そして光平が休憩時間中にリミッターを外してシャワーを浴びている隙を見て、
そのリミッターを盗み出してしまった。
試合の土壇場でリミッターの事を暴露して、光平をドーピングで訴えて
失格に追い込む腹積もりなのだ。

陣太郎「くくくっ…これで我が流星高校の勝利は約束されたも同然!」
佐々木「監督、俺たちはこんな卑怯な手段で勝ちたくはありません!」
陣太郎「黙れ! 君は監督に逆らうのか!?」
佐々木「………」

流星高の佐々木選手は、監督方針とフェアプレー精神の間で板挟みになり苦悩する。
一方、海防大付属テニス部の顧問である千坂朱音は、陣太郎の企みを看破し、
光平のリミッターを取り返すべく独自に動く。

陣太郎「一目見た時から只の女ではないと思っていたが、
 貴様、もしやくノ一か!?」
朱音「うちの生徒が随分とお世話になったみたいで…。
 この礼はたっぷりとさせてもらうわよ!」

次の試合が開始されるまでになんとかリミッターを見つけようと
慎哉や佳代たちが必死に奔走する中、試合会場の舞台裏では
千坂朱音とテニスの陣太郎による熾烈なバトルが繰り広げられていた。

◇   ◇   ◇

とりあえずはここまで。ちなみに現時点で登場している版権キャラは
皆本光一とテニスの陣太郎の二人のみで、それ以外の登場人物は
全てオリキャラです。

463ユガミ博士 ◆UMgG0HhEo2:2015/09/02(水) 12:50:56
<<アルハザードの特別部隊(仮)>>

アルハザードが副大統領を務めるサラジアには、テクノグラードと呼ばれる
研究所や工場等を集めた科学都市が存在する。そこでは極秘裏に兵器開発や
違法な実験が行われいる重要な施設なのだが、ここ最近、テクノグラードの
職員や科学者が行方不明になる事件が多発していた。調査の結果、行方不明
事件の黒幕はサラジアに潜入した宇宙連合(あるいはETF)である事が判明した。

アルハザード「・・・・例の部隊を動かす時が来たようだな!」

アルハザードはかねてから計画していた特別部隊を動かす事を決め、
メンバーとなる人物達を集める。そして部隊はテクノグラードの職員達の
救出と黒幕である異星人達を殲滅する為に派遣されるのであった。

♢ ♢ ♢ ♢ ♢ ♢

異星人が極秘裏にサラジア領内に建設した基地内では、警備を担当している
戦闘員達が巡回をしていた。

戦闘員A「巡回なんて、つまらない任務だな」
戦闘員B「地球人ごときに、我々の基地を見つける事など出来ないというのにな」

無駄口を叩きながら巡回をしている戦闘員達だが、突如として物陰に連れて来られて
しまう。戦闘員達を連れ込んだのは、全身が黒づくめで髑髏の仮面をした人物――
聖杯戦争においてアサシンと呼ばれるクラスのサーヴァントだった。

戦闘員A「貴様は!?」
アサシン「・・・・・・」

戦闘員達はアサシンの手によって始末されると、鍵となるIDカードを抜き取る。
そして1人だったアサシンだが、次々と同じように髑髏の仮面をしたアサシンが
複数出現した。

アサシン「我らは個にして群の英霊・・・・マスターの命により、作戦を実行する!」
アサシン一同「応!」

このアサシンの正体は暗殺教団の首領ハサン・ザーバッハ。ハサンは襲名性で
このハサンは「百の貌のハサン」の異名で知られる19代目である。彼はアルハザード
によって召喚されたサーヴァントで、多重人格の彼は人格ごとに個別で分裂する事が
出来る能力を持っていた。複数に分裂したアサシンは警備システムを掌握、拉致された
科学者達を脱出させる手引きを整える。

異星人「警備システムが乗っ取られただと!?何とか取り戻せ!!」
???「・・・・最早、システムは関係ありません。何故ならあなた達は
 これで終わりなので」
異星人「誰だ、貴様!?『ボンッ!!』ぐはぁ・・・・」
キンブリー「紅蓮の錬金術師・・・・などと言われてもあなた達は分からないでしょうね」

白い帽子とスーツを着た男性、元国家錬金術師ゾルフ・J・キンブリーは
爆発で黒焦げになった異星人に向かって呟きながら基地を進む。

ダーン

異星人「ぐわぁ!」
雑賀孫市「我らは誇り高き雑賀衆、契約に基づきこの拠点を制圧する!!」

2丁の銃を持つ女性――戦国最強の傭兵集団【雑賀衆】を率いる雑賀孫市は
部下を率いて愛用の銃で異星人を倒していく。

ホル・ホース「ははっ、孫市もやるなぁ!!メンヌヴィルの旦那、俺達も負けて
 らんねえぜ!」
メンヌヴィル「ふん。宇宙人とやら、焼けばどの様なにおいを放つのだろうな!」

炎のメイジであるメンヌヴィルは異星人達を炎の魔法で焼き、ホル・ホースは
銃のスタンド【皇帝<エンペラー>】から放たれる弾丸の軌道を駆使して
戦闘員を撃ち抜いていく。

464ユガミ博士 ◆UMgG0HhEo2:2015/09/02(水) 12:51:51
異星人「何としても、撤退しなければ!」
レオル「何処を行くんだよ?逃がしはしねえぜ」

基地を放棄して撤退しようとする異星人を捕まえたのは人間の様に喋る
ライオンの様な生物――レオルというハンターと呼ばれる者達が住まう
世界に生息するキメラアントと呼ばれる生物の1体で、地球に転移した
レオルはアルハザードに捕らえられテクノグラードで実験と服従を条件に
保護されていた。レオルはいとも容易く異星人を捻りつぶす。

レオル「(ここで、功績をあげて恩を売り、前の世界じゃあ果たせなかった
 “王”になる夢を果たす!)」

その内に野心を秘めて、レオルは任務を遂行していく。

異星人「こうなれば、機動ロボットを動かせ!」

やぶれかぶれとなった異星人側はロボット兵器を動かす。すると基地の
壁を壊して一体のロボットが現れた。

カン・ユー「アストラギウス銀河から流れに流れて辿り着いたのは、この地球!
 貴様ら、俺の攻撃を受けろ!!」

出現したロボットはブラッドサッカーと呼ばれるAT(アーマード・トルーパー)の一種で
操縦するのはアストラギウス銀河から地球へ来た傭兵カン・ユーだった。
アルハザードに雇われた彼は、機動ロボットを破壊していく。

異星人「ち・・・地球人ごとき・・・・が」ザシュ
アサシン「・・・・・」

瀕死となった異星人はアサシンにトドメを刺されてしまう。そしてアルハザードの
特別部隊によってテクノグラードの科学者達は救出され、異星人の基地は壊滅
するのであった・・・・。

465ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/09/02(水) 14:54:56
>>461-462の続き

≪テニス大会編-2≫

北上紗希がまだ仁科紗那と名乗って岩屋村で暮らしていた3年前の事。
当時まだ14歳だった紗那には、一つ年下の男の子の幼馴染がいた。
名前を伊吹倫太郎という。紗那は倫太郎の事を「倫くん」と呼んで
実の弟のように可愛がり、二人はとても仲が良かったのだが、
ある日、倫太郎は閉鎖的な村の仕来たりを嫌って、村から飛び出したのだった。

倫太郎「紗那ねえちゃん、俺は東京で出世して、
 いつか必ず迎えに来るからね!」
紗那「待って倫くん! 倫く〜〜ん!!!」

それから3年後の現在、東京都の高校選抜対抗テニス大会の会場で、
牧村光平たちテニス部の応援に来ていた紗希は、
シングルスAプロックの1回戦で岡島雄大とぶつかった
相手校チームの選手の顔を見て我が目を疑った。

紗希「まさか…倫くん?」

倫太郎「………」

3年前に東京へと単身出た伊吹倫太郎はその後、
黒曜館高校テニス部コーチにその才能を見いだされてスカウトされ、
中学卒業後に黒曜館高校のスポーツ推薦入試に見事合格。
今や同校テニス部きってのエース選手にまで成長していた。
倫太郎は、紗希が光平や雄大と仲良くしている様子を見て、
海防大付属に対し敵意と対抗心をむき出しにする。

倫太郎「なんで紗那ねえちゃんが大和の連中なんかと仲良くしてるんだ!?
 きっとねえちゃんはアイツらに誑かされているんだよ!」
紗希「違う…! 光平くんや岡島くんたちは倫くんの考えている
 ような人たちじゃないわ!」
倫太郎「俺がアイツを叩きのめして、ねえちゃんの目を覚まさせてやるッ!」

倫太郎が長く辛く苦しい練習の日々の末に編み出した
必殺のサーブ"絶対零度の魔球"が、コート上でラケットを構える雄大を
次々と容赦なく襲う!

雄大「コイツ…想像以上に手強いッ!」

果たして雄大は、倫太郎の放つ魔球を打ち破る事が出来るのか!?

466ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/09/05(土) 12:45:38
≪悪魔の落人村 A案≫

学校の民俗研究会の活動で、某山の「森の妖怪伝説」を調査に来た
海防大学付属高校の岡島雄大と北上紗希。
ところが二人はふとしたことから足を踏み外して崖から転落。
気がつくと「悪魔の落人村」と呼ばれる外界から隔絶された
集落に迷い込んでしまっていた。そこは異様な姿をした
世捨て人の怪人たちの棲み処だったのである。

ビッグウェイン「我らは無益な殺生は好まん。だがこの村を見られた以上、
 気の毒だが生かしてこの村から出す訳にはいかん!」
バーロック「もし逃げ出そうとしたら殺すぞ」

雄大「…そ、そんなあ〜!」
紗希「………」

村から外に出られない実質的な軟禁状態に置かれた雄大と紗希。
しかし怪我をした自分たちを手厚く看護してくれた
ビッグウェインたちが悪人だとは、雄大も紗希にもどうしても思えなかった。
いざとなれば紗希が怪獣ウーを召喚して、力ずくで村から脱出する事もできたのだが、
とりあえずしばらくは大人しく様子を見ながら村に滞在することに決めた。

アームリー「ビッグウェインたちは甘すぎる!」
ロブル「もし万一、この村の秘密が外に漏れたらどうするつもりなのだ!」
ゾルグ「今夜のうちにあのガキどもは、俺たちだけで始末してしまおう!」

ピンクジャガー「……!?」

ここで登場するのは、同じく落人村の住人で
元ブレイン党の女スパイだったピンクジャガーである。
独断で雄大たちを殺そうとする強硬派の密談を偶然盗み聞きしまった彼女は、
夜が明けないうちに雄大たちを村からこっそり逃がす。

紗希「助けてくれてありがとうございます」
雄大「でも僕らを逃がして、後であなたは困った事にはならないんですか?」
ピンクジャガー「いいから一刻も早く村から離れて! アタシは今まで数多くの悪事に手を染めて来たけど、
 人殺しをした事がないことだけがアタシの誇りなの!」

翌朝、村長であるビッグウェインは「逃げてしまった者は仕方がない」として、
あえて逃亡した雄大と紗希に追手を放つような事はせず、ピンクジャガーにも
数日間の入牢程度の温情処分を下して、この件は幕引きとした。

ロブル「その処分では甘すぎる。村の鉄の掟に反する事だ!」
グルーゾー「村の掟を犯した裏切り者には死を!」
バーロック「みんな静まれ! 既に村長の決定は下ったのだ。我らは黙ってそれに従うのみ」
ゾルグ「…バーロック、このビックウェインの老いぼれの腰巾着め!」
バーロック「なんだと!?」
ビッグウェイン「よさんか! この話はもう終わりだ。
 今日はみんな各自の持ち場に戻れ」
ロブル「…ぐぬぬ!!」

467ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/09/05(土) 12:46:28
グルーゾー「かつては勇将として名を馳せたビッグウェインも、
 所詮寄る年波には勝てんか」
アームリー「奴はこの村の指導者に相応しくない」

ビッグウェインら村の指導部にますます不満を募らせる強硬派の面々。
彼らの溜まるばかりの鬱憤はいよいよ噴火寸前にまで達しようとしていた。
そんな時、彼ら強硬派に甘く囁きかける怪しい声が…!

???「まさにその通りだな」
???「ビッグウェインを村長の地位から引き摺り下ろしたいのなら、
 私たちが手を貸してあげましょうか?」

突然闇の中から鳴り響く声に驚く強硬派の面々。

ロブル「だ、誰だ!?」
ゾルグ「姿を見せろ!!」

落人村の強硬派たちに接触を図って来たのは、
堕神の幹部、タランチュラロードイーバ・ガーミッドと
ラミアクィーンイーバ・スネイザだった。

ガーミッド「フフフフフッ…!!」
スネイザ「アハハハハ…!!」

スネイザとガーミッドは、アームリーたち強硬派にクーデターを起こすよう言葉巧みに唆した。
「悪魔の落人村」の住民のほとんどは、皆"黄泉がえり現象"で復活した
再生者(リザレクター)ばかりであり、イーバから見ればまさにターゲットとなる
宝の山に他ならない。村の住民同士で殺し合わせて手間を省き、
用が済んだ段階で残ったアームリーたちも葬り去る魂胆なのだ。

一方、無事に下山して学校へと戻った雄大と紗希だったが、
「どうも牧村光平の仲間が落人怪人の隠れ里に接触したらしい」という
未確認情報に接したネロス帝国戦闘ロボット軍団・爆闘士ゴチャックは、
下校途中を待ち伏せて雄大と紗希を襲い、落人村の正確な位置など
もっと詳しい情報を聞き出そうとする。ゴチャックに首を締めあげられる雄大。

雄大「く、苦しい…! 助けて!」
紗希「岡島くんっ!?」
ゴチャック「さあ言え小僧! お前たちが迷い込んだその村で、
 老戦士の戦闘ロボットに会わなかったか!?」
雄大「い…言うもんか!!」
ゴチャック「頼む! 教えてくれ! ビッグウェインはかけがえのない
 我が師にして恩人なのだ!」
雄大「えっ…!?」
紗希「あなたはいったい…」

468ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/09/05(土) 12:47:08
ゴチャックに襲われた雄大を助けに現れた剣流星=超人機メタルダー。

メタルダー「ゴチャック、雄大君を放すんだ!」
ゴチャック「近寄るなメタルダー! もし妙な真似をすれば、
 この小僧のか細い首をへし折るぞ!」
雄大「ううっ…!」
メタルダー「くっ…」

雄大を人質に取られ、メタルダーは容易に手出しが出来ない。

ゴチャック「小僧、もう一度だけ聞くぞ!
 ビッグウェインはどこにおられるのだ!?
 言わなければ本当に首の骨を折る!」
紗希「やめて!!」
メタルダー「待てゴチャック。お前とビッグウェインが師弟関係にあることは
 後から知ったが、一度は敵味方に分かれたとはいえ、戦場に立つ一人の戦士として
 僕は今でもビッグウェインの事を尊敬している」
ゴチャック「言うなメタルダー!」

しかしゴチャックが正面のメタルダーに気を取られている隙に、
背後からシグフェルが奇襲して雄大の救出に成功する。

シグフェル「雄大ッ、大丈夫か!?」
雄大「ゲホッゲホッ…ええ、まあなんとか……」

ゴチャック「おのれメタルダー! シグフェル!
 勝負はひとまず預けておくぞ!」

雄大を奪い返されたゴチャックは、やむなくその場を撤退した。
何やら落人村に異変が忍びよりつつある事を感じたブレイバーズは、
雄大と紗希の案内で落人村を目指す。牧村光平と剣流星の他に、
かつてピンクジャガーに命を助けられた南三郎も同行することに。

ゴチャック「なぜだか知らんが、どうも胸騒ぎがする…。
 ビッグウェイン、どうかご無事で!」

同じく少ない手掛かりを頼りに、他のネロス軍団員には内緒で
落人村を単身目指すゴチャック。
果たしてゴチャックは、無事に恩師ビッグウェインとの
再会を果たす事ができるのであろうか?

今、悪魔の落人村に波乱が待ち受ける!

◇   ◇   ◇

ラストの展開としては、無事に再会を果たせたゴチャックとビッグウェイン。
しかし堕神の策謀によって「悪魔の落人村」は結局炎に包まれほぼ全滅。
ゴチャックもビッグウェインを庇ってガーミッドに胸部を貫かれ、
命を落としてしまう「ゴチャック涙の殉職回」とする予定。

ビッグウェイン「ゴチャック、このワシのために…!?」
ゴチャック「こ、これで…よかったのです……」

ゴチャックは壮絶な爆死を遂げ、その爆発の炎の中から出現した
女神の器の一つ「女神の盾(デア・スクテュム)」は、堕神によって回収されてしまう。

ガーミッド「これは意外なところから探し物が出て来たな…」
スネイザ「これさえ手に入れてしまえば、もうこんなカビ臭い村に用はないわ」

ビッグウェイン「き、貴様らアアアッッッ!!!!!!!!!」

目の前で愛弟子を無残に殺害され、怒りに打ち震える老将ビッグウェイン。
あらかた鎮火され廃墟となった後の落人村の跡地で、彼は心静かに堕神への復讐を誓う。

ビッグウェイン「ワシは二度と武器をこの手に取るまいと誓った。
 だが運命はそれをこのワシに許してはくれぬらしい」
メタルダー「ビッグウェイン……」
ビッグウェイン「我が愛弟子ゴチャックと村の者たちの仇は必ず取る!
 それを邪魔する者はメタルダー、たとえお前であっても容赦はせんぞ!」
メタルダー「………」

今ここに復讐の鬼となった猛将が一人、当てもなくいずこかへと旅立ち
暁の向こうに姿を消したのであった…。(完)

469ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/09/05(土) 13:42:22
≪悪魔の落人村 B案≫

かつて悪の組織を裏切って死に、正義に改心したわけでもなく、
黄泉還ったものの戻る場所のなかった怪人達が集った隠れ里、通称「悪魔の落人村」。
人里離れた山の奥深くに落人村を作って住みかとし、
自分達の存在が(特にGショッカーに)知られぬよう息を殺して潜伏生活している。

そんな彼らに目をつけた天童一門が使者を送り、
ブレイバーズ牽制のために手を組もうと持ちかける。

ビッグウェイン「内閣総理大臣・剣桃太郎と聖天子付き補佐官・天童菊之丞殿の確執の噂は
 かねてより耳にしていたが、それは真であったとはのう」
使者「いかにも。さればこそ、方々が再び世に出るために
 我らの力をお貸し申し上げようと!」
ビッグウェイン「わかってはおる。わかってはおるが…」
使者「ご老人! 何を躊躇っておられる!?
 かつては超人機メタルダーの心胆を寒からしめた
 名将ビッグウェイン殿も、やはりお歳には勝てぬのか」
ビッグウェイン「戯けた事を申すな! 我らとて今はブレイバーズにいる
 ヒーローたちへのかつての遺恨を忘れ去った訳ではござらん!
 老いたりと言えどもこのビッグウェイン、この隠れ里にて
 若き芽を育て上げておる」
使者「ならば、その若き芽を咲かせようではないか!」

落人村では、今でもビッグウェイン指導の下、
若き怪人たちがいつか再び世に出るために
ヒーローへのリベンジに燃え、修行の日々に明け暮れていた。
そこへバーロックが人里の偵察から戻って来る。

バーロック「ビッグウェイン、ブレイバーズはまんまと我らの挑発に乗ってきました」
ビッグウェイン「そうか! ならばまず血祭りに上げるのは、
 今、山の麓近くまで来ているヒーローたちからだ!」

その時、突然ビッグウェインは槍を手にとって床に突き刺した。
床下に侵入者の気配を感じ取ったのだ。

ビッグウェイン「曲者だ! であえ〜!!」

落人村の存在を嗅ぎつけ、
館の床下に忍び込んでいた忍者系ヒーローは、
包囲を突破して辛くもその場から脱出する。

ビッグウェイン「よいか皆の者、これは我らの出陣の儀式じゃ!
 落人に身をやつした我らの積年の恨みを晴らす時がついに来たぞ!」
村の住民「「うおおお〜〜〜!!!」」
ビッグウェイン「天童殿のご使者に申し上げる。
 これはあくまで我らの戦(いくさ)。余人の手を借りるつもりはない。
 だがご貴殿たちが勝手にブレイバーズと戦うのは、我らは関知も邪魔立てもせぬ」
使者「うむ、承知!」

悪魔の落人村で来るべき日の時のために刃を研いでいた猛者たちが、
一斉に刺客となってブレイバーズに襲いかかろうとしていた。
危うし、ブレイバーズのヒーローたち!!

470ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/09/05(土) 15:42:47
≪飛鳥殺しの真犯人、その意外な正体とは!?≫

悪の大組織ダッカーの総統Dこと神竜伸介を唆し、飛鳥五郎殺害に及ばせた真の犯人がついに判明した。
それは財団Xの最高幹部、"赤い服の男"ことロイ官房長だったのだ。

ズバット「2月2日、飛鳥五郎という男を神竜伸介に殺させたのは貴様だな!?」
ロイ「いかにも。飛鳥五郎は我が財団の秘密をいろいろと知り過ぎたのでね」
ズバット「許さんッ!!」

ロイを追いつめたズバットだったが、あと一歩のところで逃げられてしまった。

ロイ「早川健、いや…快傑ズバット! また会おう! フハハハハ!!!」
ズバット「おのれっ…逃がしたか! 飛鳥…お前の仇は俺が必ず取る!」

アジトへと逃げ帰るロイ官房長。自分以外は誰も入る事を
許されない秘密の私室で化粧台の前に座り、金髪のカツラを外すと
中からは美しいストレートの長い長髪が露わとなった。

ロイ「………」

そして眼鏡も外し、タオルで念入りに顔のメイクを拭き落す。
いつもの赤い衣装も脱ぎ捨て、代わりに堕神の兜甲冑と漆黒のロープを身に纏う。
その姿は紛れもなき堕神の大審官アークシセイザーそのものだった。

アークシセイザー「フフフッ…ハハハハハ!!!」

衝撃の事実が発覚!
財団Xの"赤い服の男"ことロイ官房長、星間評議会の新最高議長ジュリアス・カミュエル、
そして堕神一族の大審官アークシセイザー、この三人は同一人物だったのだ!
アークシセイザーは、時と場所に応じて巧みに「一人三役」を演じ分けることにより、
宇宙に起こる動乱を影から意のままに操っていたのである。

しかしこの事に気づいている者は、まだ誰もいない…。

471凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2015/09/05(土) 16:29:00
≪GATE 沙也可 彼の地にて、斯く戦えり≫

異世界と繋がる時空クレバス=「門」がサラジアの砂漠に突然開いた。
「門」を制圧したサラジア軍は、その向こう側に広がる特別地域へと乗り込む。
調査の結果、特別地域には科学技術が未発達の文明があり、
彼らの大陸には地球でも価値がある豊富な天然資源が手つかずのまま眠っている事が判明。
アフマド・アルハザード副大統領はマスード・アブドゥルカディル中将(オリジナルキャラ)を
司令官とするサラジア軍を送り込み、この世界の侵略を進める。

雑賀衆A「原住民どもはろくな兵器も持っていない。
 俺達の鉄砲の前には奴らは手も足も出せないぜ」
雑賀衆B「だが、平和だった異世界の人々の暮らしを、
 こうして土足で踏み荒らすのはどうにも気の毒ではあるな」
雑賀衆C「アブドゥルカディルは女子供まで殺せと命令している。
 あいつの残忍すぎるやり方にはついて行けないぜ」
雑賀衆D「お頭、我々雑賀衆の力を、
 こんな大義のない侵略戦争に使うのは果たして正しいんでしょうか!?」
孫市「………」

アブドゥルカディルの指揮下でサラジア軍の尖兵として活躍するのは
雑賀孫市が率いる雑賀衆の鉄砲隊。
銃火器をまだ発明していなかった現地勢力を
雑賀衆は一方的に鉄砲で撃ちまくって圧倒するが、
無抵抗の民まで容赦なく虐殺し、捕らえて奴隷として連行し、
鉱山で死ぬまで強制労働させるという残酷非道なサラジアの占領政策に、
頭領の孫市以下、疑問を抱く者が続出する。

一方、サラジア軍に王都を瞬く間に陥落させられ、
国王も王子達も自害して壊滅状態となってしまった王国だが、
ただ一人、修業のためドラゴン退治の旅に出ていた
国王の末子が運良く生き残っていた。
突然、父の跡を継いで国を率いていく事になった末の王子は
自身の境遇に戸惑いつつ、敗残兵をまとめて南へ逃れ、
そこに根拠地を築いてサラジア軍へのレジスタンスを開始する。

孫市「我ら雑賀衆、正義の旗の下にこの世界の民に味方する!」
アブドゥルカディル「おのれ、裏切ったな!」

遂にサラジアに見切りをつけた雑賀衆は、
寝返って王子の軍勢に味方する事を決意。
現地人が持っていなかった鉄砲という飛び道具を駆使し、
サラジア軍をゲリラ戦で苦しめる。
雑賀衆から戦のノウハウを学び、次第に強化されていく現地の軍隊。
更に発生した別の時空クレバスを通って、
他にも戦国時代や三国時代の武将達が彼らの仲間として参集する。
配下となった彼らに支えられ、王子は政治体制を徐々に固めながら
サラジアに制圧された国土を次第に奪還していく。
そしてこの世界の命運を決する、天下分け目の大戦の時が近づいていた…。

472ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/09/05(土) 20:53:50
≪新オリジナルキャラ案≫

○名前未定
(イメージCV:小松未可子)

陳恩来から董徳愁に指導部が交代した中国共産党の中央政治局常務委員。
学生の民主化運動やチベット・ウイグルの自治独立運動、
そして地球の平和を守るブレイバーズの活動にも理解を示す穏健派。
また対米協調派でもあり親日派。タカ派の現国家主席・董徳愁とは政敵同士の関係にある。
中国安全部所属工作員の鳳鈴や、中国人民解放軍・科学院航空星際部の楊龍里博士など、
中国にいるブレイバーズ関係者の貴重な後ろ盾でもある。
外見はどう見ても10代後半の中性的な顔立ちの少年にしか見えないが、本当の実年齢は不明。
おそらく気功の力で若さを保っているのだと思われる。

※いつまでも中国指導者を『パタリロ!』にたった一回しか登場した事のない
超マイナーキャラの陳恩来のままにしておくのは物語進行上無理があり、
『GATE 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり』の登場人物である董徳愁が
今後"中国の国家主席"として闘争の系統に登場したとしても、
中国という国家そのものが丸々悪役化するのを防ぐために考案されたキャラクター。

◇   ◇   ◇

○ナジェラ王女(仮名)=エージェントSSS3
(イメージCV:大西沙織)

マスード・アブドゥルカディル中将率いるサラジア軍に侵略された、異世界の某王国の王女。
まだ年若い女性ながらも「姫騎士」と呼ばれ勇猛を馳せ、兵や民たちの人望も厚かったが、
結局王城は陥落。両親である国王夫妻も兄王子たちも全て失い、自身もサラジアに捕われて
洗脳され、サラジアシークレットサービスのエージェント「SSS3」にされてしまう。
抵抗軍指導者となった末の弟王子とは、敵味方の関係に引き裂かれることに…。
アルハザードの寵愛を受けていたが、それに嫉妬した秘書NとRの企みで陥れられ、
地球で危うく命を落としかけたところを天凰輝シグフェル=牧村光平に助けられる。
その際のショックで自分の記憶と自我も取り戻した。
後に全ての戦いが終わった後、故郷に戻り、新国王となった弟王子を姉として支えた。

473ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/09/06(日) 22:27:19
闘争の系統のネタバレとは直接関係ないが、
ここで『城下町のダンデライオン』の櫻田王国の
建国の経緯について大真面目に考察したい。

江戸時代、櫻田家は淡路島くらいの面識の島を治める大名だったが、
幕末の混乱のどさくさに紛れて、西欧列強と結んで日本から独立。
逸早く西洋文明を積極的に取り入れたため、
櫻田家の居城も和風ではなく洋風建築なのである。
『城下町のダンデライオン』第一話にて総一郎が読んでいた
朝刊の一面記事からも分かるように、現在でも櫻田国は
ヨーロッパの国々とは親密な関係である。

第二次世界大戦時も当時の王室の決断によって
連合国側に立って参戦したため戦争被害を免れ、
立憲君主制国家ながらも王室は今も
強大な政治的権限を有しているのだ。

――と鑑識のプロの俺が考察してみた。

474凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2015/09/07(月) 20:03:03
≪オリジナル異世界編の基本設定案≫

【異世界アセーリア】
地球とは異なる次元に存在している異世界。
地球によく似た環境で、地球人と極めて近い(同じ?)人種が暮らしている。
サラジア共和国と繋がる時空クレバスの発生により発見された。

【ロサレダ大陸】
アセーリアの南半球に浮かんでいる大陸。
地球のオーストラリア大陸ほどの大きさで、南北にやや長い。
気候は温暖湿潤で、北部は亜熱帯、南部は熱帯に属する。
300年ほど前までは複数の国や民族が入り乱れて争っていたが、
メルヴィオン聖王国によって全土が統一されてからは単一の国家により統治される。
ただしメルヴィオンは平定した異民族に対して寛容な支配を敷いているため、
メルヴィオン人に同化されずに独自の文化を保っている民族も多い。
石油やウランなど豊富な地下資源を有するが、
この世界の文明はまだそれを活用する術を見出しておらず、手つかずの状態。

【メルヴィオン聖王国】
ロサレダ大陸の全土を支配している王国。
元は大陸の北西部に位置する小国だったが、
300年前、全大陸を包んだ戦乱を制してロサレダを統一。
以来、歴代国王の善政により、各地方の諸民族を従えながら
争いのない泰平の世を維持してきた。
国王の権力が強い王政で、戦士階級として騎士を擁するなど、
地球の中世ヨーロッパによく似た体制。
「聖」王国の由来は、国王が宗教の最高権威者である大神官から
神託に基づいて王冠を授けられて即位する事にあり、
この即位式は伝統に則って必ず王都ネクナールの神殿で執り行わなければならない。
安定した統治が続き、名君アディラス16世の治下で繁栄を極めていたが、
時空クレバスを通って突如侵攻してきたサラジア軍により
たちまちネクナールを含む国土の大部分を制圧され、
国家存亡の危機に瀕してしまう。


○アディラス16世
メルヴィオン聖王国の第16代国王。
アディラス大王とも尊称される名君だったが、
地球から突如攻めてきたサラジア軍には成す術もなく、
三人の王子を討たれて自身も自害してしまう。

○ラウール・エル・アディラス=アディラス17世
メルヴィオン国王アディラス16世の四男で、王子の末弟。17歳。
驚異的な武才を持って生まれながらも心優しく、
内気で気弱な面があるため、人徳は厚いが戦士としての力を十分に開花しきれていなかった。
そのため父王から修業としてモンスター退治の旅に出るよう命じられる。
末弟なので王位継承の見込みはほとんどないはずだったが、
旅で王都を離れている途中、突如勃発したサラジアとの戦争で
父王と兄達が揃って落命してしまったため、
王族の唯一の生き残りとして期せずして国の未来を背負う立場に立たされる。
メルヴィオンの残存兵力を引き連れて南へ逃れ、
そこで戦力を整えつつ反撃に転じ領土を奪回しながら次第に北上、
最後はサラジア軍を時空の彼方へ追い払い、
ネクナールで戴冠式を行って新王アディラス17世として即位した。
その外見は、なぜか地球の牧村光平に瓜二つである…。

475凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2015/09/08(火) 20:22:51
≪オリジナル異世界編 設定案その2≫

メルヴィオン聖王国の王は先代の王から王家に伝わる王剣を授かった上で、
王都ネクナールの神殿で戴冠式を執り行って即位するのが伝統。
ラウール・エル・アディラスは男子としては王族のただ一人の生き残りで、
父王アディラス16世から落城の際に王剣を授かった身ではあるが、
ネクナールでの戴冠式を経なければ正式に王としては認められず、
サラジア軍に占領されたネクナールを奪回するまでは
「国王アディラス17世」ではなく「ラウール王子」の身分に留まらなければならない。
一方、ネクナールを占領しているサラジア軍としても、
国の支配者が持つとされる王剣をラウールが持っている状態では
メルヴィオンの正統な支配者としての人心はラウールの方へ向いてしまい、
メルヴィオン人を完全に屈服させるためにはラウールを討って王剣を奪う必要がある。

ロサレダ大陸の北部は野戦に適した平原が多いが、
南部には熱帯のジャングルが鬱蒼と広がっており、
サラジア軍の近代兵器を用いても一挙に制圧するのはやや困難。
ジャングルに立て籠もってゲリラ戦に徹すれば
ベトナム戦争でアメリカ軍が苦戦したように
例え戦力差が大きくてもある程度の抗戦はできる。
ラウール王子はこの南部に逃亡してまずは守りを固め、
異世界組などを配下に加えて力をつけながら徐々に反攻を開始し北へと攻め上る。

メルヴィオン聖王国は元々はロサレダ大陸の北西部にある小国が
300年前の戦乱を制して大陸を統一したもので、
征服者として大陸全土にメルヴィオン文化(地球の中世ヨーロッパに酷似)を広めたが、
かつて別の国だった地域には元々の民族の文化の名残りが今もなお見られる。
特に都から遠く離れた大陸の南端や東端には独特の異民族文化がまだ色濃く残っており、
中には蛮族として知られる未開の部族社会や、
ロサレダ以外の大陸にルーツを持つ外来の民族も存在している。
メルヴィオンの歴代王は公正で寛容な異民族統治を一貫して行なってきたため
各民族はよく恭順しており、独立運動などの民族紛争の火種はほとんどなかったが、
サラジアとの戦争でメルヴィオンの支配体制が大きく揺らいでからは
独自の思惑を持って動き出す民族集団もないわけではない。

476ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/09/10(木) 15:37:57
俺は戦国武将系のゲームにはあまり詳しくない方なので、
≪オリジナル異世界編≫でご協力できるのはオリキャラ面に関する
提案だけになってしまうのだが、それでよろしければ今後ともよろしく。

まだ名前は決めていないが、以下のオリキャラを考案中だ。

○謎の仮面の騎士/ラウール王子の兄
(イメージCV:中村悠一)
いずこからともなく度々現れては、ラウール王子率いる抵抗軍の危機を救い、
颯爽と去っていく正体不明の騎士。その正体は、王都ネクナール陥落時に
死んだと思われていたラウール王子の長兄。サラジア軍に捕えられ
サイボーグ手術を受けたが、洗脳前に脱出に成功。
幾度となくラウール王子の進軍を陰ながら助けている。

○サムライ少年戦士キャラ
(イメージCV:松岡禎丞)
数代前にロサレダ大陸に渡って来た移民(異国のサムライ)の子孫で、
メルヴィオンの王宮に代々仕えていた家系の戦士。王都ネクナールが陥落する際に、
城から王剣を持ち出すと同時に末妹王女を護衛して脱出。
ラウール王子の元に馳せ参じる。忠義に厚い熱血漢。
戦士系キャラなので魔法は使えない。

477凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2015/09/10(木) 18:50:01
≪オリジナル異世界編 キャラクター設定案≫

○ナレイン・レンドルフ
(イメージCV:檜山修之)
ラウール王子付きの小姓。17歳。
ロサレダ大陸南部に領地を持つ名門貴族レンドルフ家の次男で、
人質の意味も兼ねて幼少よりネクナールの王宮に出仕し
ラウールの身辺の世話と警護を担当してきた。
ネクナール陥落の際、自分の一族の所領へ避難するようラウールを導く。
以後、ラウールの側近として仕えながら軍略の才を発揮し、
若き名軍師として豊富な知恵で主君を支える。
戦闘力もかなりのもので、武器として水剣ガノトトスを愛用する。

○ボーダン・ドーガ
(イメージCV:玄田哲章)
ロサレダ大陸南部の蛮族ガルニア人の戦士。17歳。
身の丈2mを越える並外れた大男で、恐るべき怪力の持ち主。
サラジア軍に追われて南部へ逃げて来たラウール王子の配下に加わり、
以後、その蛮勇を生かして戦場で縦横無尽に活躍する。
気性は荒くやや粗暴な面があるが、部下に対しては面倒見のいい親分肌。
大陸無双の戦闘力を誇り、武器として雷剣ラギアクルスを用いる。

478ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/09/11(金) 20:54:01
≪異世界編オリキャラ案≫

○ミュセリア・レイカ・アディラス=エージェントSSS3
(イメージCV:田中理恵)
メルヴィオン聖王国の第一王女で、ラウール王子の姉。19歳。
美しくも勇猛果敢な姫騎士として王国の将兵から人望を集める存在だったが、
王都ネクナール落城と共に行方不明となる。
その後死んだと思われていたが、実はサラジア軍に生きて捕えられて洗脳され、
サラジアシークレットサービスの諜報員にされてしまっていた。
その美貌からアルハザード副大統領の寵愛を一身に受け、秘書NとRの嫉妬を買う。
シグフェルを罠にかけて追いつめるが、秘書NとRに陥れられて
シグフェル共々葬り去られそうになるが、そのシグフェルに助けられた。
弟ラウールに瓜二つな牧村光平の顔を見た事がきっかけで、記憶と自我を取り戻す。
その後は日本の沢渡家で静養していたのだが……。

○リンディ・アルス・アディラス
(イメージCV:日高里奈or小倉唯or小澤亜季or嶋村侑)
メルヴィオン聖王国の第二王女で、ラウール王子の末妹。
攻撃魔法の心得があるが、まだ修行中の身であり、
その腕前は未だ発展途上の段階。年齢はまだ幼く11歳。
落城寸前にキクマルに伴われて、炎上する城から命辛々脱出。
やんちゃでおてんば、じゃじゃ馬な性格。
ラウール軍のマスコット的存在。

○キクマル・サダムネ
(イメージCV:松岡禎丞)
数代前にロサレダ大陸に渡って来た移民(異国のサムライ)の子孫で、
メルヴィオンの王宮に代々仕えていた家系・サダムネ家の戦士。
名前は漢字表記すると「定宗 菊丸」となる。年齢は16歳。
王都ネクナールが陥落する際に、城から王剣を持ち出すと同時に、
王家の末妹リンディ王女を護衛して脱出。
ラウール王子の元に馳せ参じる。忠義に厚い熱血漢。
ボーダンとは口を開けば喧嘩ばかりしているが、
所謂「喧嘩するほど仲がいい」関係。
戦士系キャラなので魔法は使えない。武器は名刀「鮫一文字」。

○ハニーファ・エフテラーム
(イメージCV:井上喜久子)
サラジア共和国の民主化運動指導者。医師。
その容貌は、牧村光平の亡き母エメリアに生き写しである。
アルハザードが倒れた後は、これまでの軍事独裁体制を反省した結果、
議院内閣制が導入されて大統領職は名目だけの存在となり、同国の首相に就任。
地球連邦政府や日米など西側諸国の支援を受けて母国の復興に力を尽くす一方、
メルヴィオン聖王国に対し講和を申し込み、謝罪と賠償金の支払いに同意した。

479ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/09/13(日) 21:51:19
■学術研究複合産業企業体(Academic research complex industry company:ARCIC アーシック)

北欧の地球連邦加盟国で、スウェーデン、ノルウェー、フィンランドを中心として統合された立憲君主制国家である
スカンジナビア王国(『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』に登場)に本社を置く軍産複合体系の企業グループ。
地政学的に古くから対立の歴史が続くロシア(ソ連)の脅威への対抗上、ブレイバーズのディオドスシステムとは別に
独自の次元トンネル装置の開発に成功。異世界アセーリアのヒノイズル大陸との間にに「門(ゲート)」を設置する。

折しも異世界アセーリアでは、サラジア軍が地球連邦政府および国際社会には
内密に伏せたままロサレダ大陸への侵攻を開始していた。
スカンジナビア王国外交団とARCIC幹部は、EUへの根回しと同時並行で、
ヒノイズル大陸・アオイ国の指導者たちに対し、サラジアへの対抗上
自分たちと通交を結ぶことの有益性を説き、資源や鉄道敷設権などの権益を
獲得するため異世界アセーリアへと深く入り込む。

ARCICは、サラジアのような非道な侵略は行わないが、
ブレイバーズのような正義の味方でもなく、その組織全体の目的は
あくまでも自国の国益と自社の利潤の追求にある。
ただしARCIC内部の個々人のレベルでは、アオイ人の心意気や武士道に感化された
「親アオイ派」「知アオイ派」的な人物は存在する。


■アオイ国
ロサレダ大陸とは海を隔てたヒノイズル大陸の大半を治める諸侯連合体。
最高統治者は「大君」と呼ばれるが、諸侯群雄割拠の中で
政治権力を失い、ほとんど有名無実化している。
文化や風俗は武家封建時代の日本によく似ている。
メルヴィオン聖王国のキクマル・サダムネの祖先の出身地。

アオイ国の若手閣老・白鷺 将殿(シラサギ・ショウデン)(モデルは幕末の老中・阿部正弘)は、
大陸西方の有力諸侯の一人である志津摩 宮門(シヅマ・クモン)とタッグを組み、
排外攘夷派の妨害を退けながら開国通商政策と留学生派遣を推し進める。

宮門は、戦国の英雄・織田信長と幕末の名君・島津斉彬を足して2で割ったような人物で、
世襲領主の身にありながら地球の民主主義制度の話を聞いて「面白い!」と膝を叩いて豪語するなど
開明的な視野と思考の持ち主。

480ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/09/13(日) 23:27:51
≪民王in闘争の系統≫

任期半ばで政権放棄、そんな無様な総理大臣を二代続けて出し、民自党の支持率は、歴史に残る低迷を記録。
戦後四度目の政権交代が危ぶまれる、どん底の危機の中で総裁選に立候補した相田マナは、
ついに日本の憲政史上二人目となる女性内閣総理大臣の座を手にする。

ところがプリキュア時代の相棒・妖精シャルルとふたりの心と体が、なにかのきっかけで入れ替わってしまう!
首席秘書官・菱川六花と内閣官房長官・空篠翼人ら側近になんとか事情を説明して納得させ、
明日からの国会をどう切り抜くか作戦会議を練り始める。
泊進ノ介警視率いる警視庁特状課に原因究明を命じると共に、
マナとシャルルのふたりはそれぞれの姿のまま、互いの職務をまっとうすることになるが…?

481凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2015/09/14(月) 18:56:39
■レンドルフ家
ロサレダ大陸南部に広い領地を持つ、メルヴィオン聖王国きっての名門貴族。
ナレイン・レンドルフはこの家の当主の次男である。

王国の南の要石として、ガルニア人などの南方の異民族の動きを監視する一方、
港湾都市ノアトーンを拠点に、地理的に近いアオイ国との交易の窓口を務めてきた。
(室町時代の日本で、対馬の宗氏が対朝鮮外交の窓口になったのと似ている)

サラジアとの戦争が勃発するとラウール王子がレンドルフ家の所領へ逃亡し、
大陸北部を制圧したサラジア軍と対峙するための拠点に用いる。
戦争のさ中、アオイ国がスカンジナビア王国と通交を結ぶと、
地球からの文物や情報をアオイ国を介して取り入れる事が可能になり、
かねて開かれていた交易路がラウール軍にとって重要な支援ルートの役割を果たすようになった。

■メルヴィオン国内のアオイ人
ロサレダ大陸の人々にとって、東の日出ずるところにあるというアオイ国は
ずっと伝説上の存在だったが、120年ほど前に初めてアオイ国の船が来航し、
レンドルフ家を窓口としてメルヴィオンとの国交が開かれた。
以来、多くのアオイ人が夢を求めてロサレダ大陸へ渡り、
中でもサムライと呼ばれるアオイ人の戦士は勇猛さと忠誠心の強さが評価されて
各地で傭兵として重宝されている。

メルヴィオンとサラジアとの戦争が勃発すると、
ロサレダ大陸にいたアオイ人の移民が本国へ避難する動きがある一方、
アオイ国内で仕官先を失った浪人は戦場を求めて更にロサレダ大陸へ押し寄せるようになり、
海の向こうの戦争にアオイ国からの注目も次第に集まってゆく。

482ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/09/15(火) 09:34:50
>>479 >>481追加説明

スカンジナビア王国及びARCICと異世界アセーリアのアオイ国との外交関係は、
「日本と神聖エルダント王国の関係」と同じく、その存在は非公表の
秘密外交である(水面下でEUへの根回しはしている)。
銀座事件後に日本が周辺国から対特地外交で干渉されたのを見た反省と、
特に近隣の脅威であるソ連の介入を警戒しての事である。
したがってメルヴィオン聖王国が、アオイ国とスカンジナビア王国を介して
サラジアの非道を地球の国際社会に訴えるという手段は不可能である。

ARCICのモデルは、19世紀半ばの西欧列強の東インド会社であるが、
史実の東インド会社に比べると帝国主義色は薄く、ソフトなイメージの
貿易独占特許会社となっている。

アオイ国とスカンジナビア王国が交換している外交使節は、
まだ「特命全権大使」ではなく「公使」レベルに留まっている。
すでにアオイ国中央の朝廷の支配が行き届いている地域や
志津摩領では鉄道や電話線の敷設工事、飛行場の建設工事も始まっている。
その一方で地球側から、品種改良が重ねられた良質で安価な
農産物が大量に流入し、アオイ国側の多くの農家が職を失うなどの
貿易摩擦問題も発生している。

アオイ国の軍備については、現在近代化が図られている途上にある。
ARCICから卸されて来る武器は、そのほとんどが型の落ちた旧式のものばかり。
これはスカンジナビア王国側がアオイ国に対して軍事的優位を維持したいとの思惑と、
最新式な電子制御のメカニックウェポンは、まだアオイ人の持つ技術レベルでは
難解であり扱えないという事情も存在する。
それでも昨日まで「剣と弓と魔法」しか存在しなかったファンタジー世界では、
「銃」や「砲」、「戦車」「戦闘機」「駆逐艦」の出現は充分に驚異的な
技術革新であるといえる。
これら最新兵器をもって朝廷軍は志津摩軍と協力して、未だ反抗的な地方諸侯の
平定を進めている。

地球においては、元々ローマ正教やイギリス清教、日本の絃神島のような魔族特区などでも
従来から教会組織や企業による「魔法」「魔道」の研究は盛んであるため、
異世界アセーリア側から地球に魔法がもたらされた影響によるカルチャーショック
のようなものは今のところない。

483凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2015/09/16(水) 20:07:25
■赤い三日月隊(アフマル・ヒラル)

サラジア共和国のアフマド・アルハザード副大統領直属の武装集団。
その名の通り、血のように赤い三日月のマークを隊章とする。
アルハザードが政敵によるテロから身を守るため雇っていた傭兵達のグループを原型とする、
ナチスの突撃隊(SA)や親衛隊(SS)を彷彿とさせるアルハザードの意のままに動く私兵部隊である。
アルハザードが自ら選抜した優秀な戦士達によって構成され、
サラジア人だけでなく外国人のメンバーも多い。

モビルスーツやアームスレイブなど、一国の軍隊にも匹敵する強力装備を有し、
アルハザードの護衛や政敵との暴力的闘争のみならず、
警察の捜査に介入して政治犯を独自に拘束または殺害したり、
軍とは別行動でテロ組織を殲滅したりと、
独裁者アルハザードの指示の下、超法規的で広範な活動を行う。
第五次中東戦争(*)ではサラジア共和国軍の戦力不足を補う形で戦場に投入され、
国軍以上の活躍を見せてアルハザードの名望を高めたが、
平時においてはアルハザードに刃向かう者に常に目を光らせている恐怖の存在である。

赤い三日月隊は全部で18の部隊に分かれているが、
最後の第18部隊(通称【シグマ部隊】)は秘密の特殊部隊として、
その規模や構成員の顔触れがベールに包まれ外部には全く知られていない。
主に地球人から成っている他の17の部隊とは異なり、
シグマ部隊は魔道師バルゴグが異世界から集めた異世界人の兵団なのである。

異世界アセーリアへの侵攻に当たって、
アルハザードは第五次中東戦争の前例を利用し赤い三日月隊を国軍のサポート役として投入。
国軍とは別の指揮系統により、アルハザードの直接の指示を受けて作戦に従事する。
当然ながら国軍から見ればアルハザードの威光を楯に独自の行動を取り、
自分達に対しても居丈高に指図をしてくる赤い三日月隊は
作戦の足並みを乱す煙たい存在であり、両者の関係は良くない。


*『フルメタル・パニック!』の設定。湾岸戦争後に勃発した。

484凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2015/09/18(金) 21:14:27
≪友情の弾丸シュート≫

海防大学付属高校2年生の矢薙俊介は、同校のサッカー部のエース。
往年のロベルト・カルロスを彷彿とさせる強烈な弾丸シュートが武器の、
プロチームのスカウトからも注目されている逸材である。

光平「う〜ん、今年のうちのサッカー部は強いよなあ〜」
慎哉「そりゃストライカーが別格だからな。
 矢薙がボールを持てば点が入るって感じだろ」

テニス部の部長である朝倉慎哉はサッカー部の部長を務める俊介と
部長会議などでよく顔を合わせて親しくなっており、
その縁で牧村光平とも俊介は友人の間柄であった。

光平「この分だと、今年はインターハイ出場も夢じゃなさそうだな」
俊介「当たり前さ。
 今年の目標はインターハイにただ出るだけじゃない。全国制覇だ!」
慎哉「意気込むなあ〜」

背番号11番を付ける俊介の大活躍に引っ張られ、
インターハイ出場を賭けた東京都予選を順調に勝ち進む海防大学付属高校だったが、
またしても圧勝となった準決勝の試合終了間際、
俊介は相手選手の激しいタックルを受け負傷してしまう。

光平「大丈夫か? 矢薙」
俊介「………」

病院での検査の結果は、右足の骨折で全治2ヶ月。
当然ながら、1週間後に迫ったインターハイ予選の決勝には間に合わない。
俊介という絶対的なエースに支えられている海防大学付属高校サッカー部にとって、
彼の離脱は大黒柱を失った事を意味し、チーム力の大幅なダウンは避けられない。

俊介「せっかくここまで来たのに…!
 あと1試合勝てば全国大会への切符が手に入るのに…!」

絶望に突き落とされて荒れる俊介。
そんな俊介に、ショッカーの女性幹部・マヤが近づいて来て囁く。

マヤ「あなたの怪我をすぐに治せる、
 良い町医者を紹介しましょう」
俊介「えっ、本当ですか?」

俊介を言葉巧みに誘ったマヤは、
小さな病院に偽装したアジトへ俊介を連れ込み、
手術と称して彼の体内に改造人間変身装置を埋め込んでしまった。

改造人間変身装置とは、体内に機械を一瞬の内に生成して
人間を即座にサイボーグ化させるメカである。
装置が稼働している間は、装置によって生成された機械が折れた俊介の右足を繋ぎ合わせているが、
装置が止まると機械が消失するので怪我は元の状態に戻ってしまう。
そして装置が更に回転率を上げると、
右足だけでなく俊介の全身が機械化されて彼は怪人トカゲロンに変身してしまうのだ。

485凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2015/09/18(金) 21:16:35
マヤ「トカゲロンの能力テストを行なうわ。
 まず手始めに、弾丸シュートで石油タンクを破壊せよ!」
トカゲロン「グォォ〜!」

トカゲロンに変身している間は、俊介の自我は失われ、
彼は命令のままに動く凶暴な生体兵器と化してしまう。
弾丸シュートで石油タンクを貫き、大火災を発生させるトカゲロン。
そこにシグフェルが現れ戦闘となる。

トカゲロン「グォォ〜!」
シグフェル「こいつ、強い…!」

トカゲロンのパワーに圧倒され、弾丸シュートの直撃を受けて、
敗北したシグフェルは崖の下へ叩き落とされてしまった。
それを見届けてマヤはトカゲロンの変身を解除する。

俊介「お…俺は一体何をしていたんだ…!?」
マヤ「治療の代償として、お前には我々ショッカーに協力してもらうわ。
 私がこのスイッチを入れれば、お前は自我を失い、
 我々の意のままに動くショッカー怪人トカゲロンとなるのよ」
俊介「そんな! 俺の体に何て事をしてくれたんだ!
 今すぐ元の人間に戻してくれ!」
マヤ「右胸に埋め込んだ改造人間変身装置を除去すれば
 お前は元に戻れるわ。ただし、そうすればその足の怪我も再発してしまう。
 インターハイ出場を賭けた大事な試合があるんでしょう?
 試合が終わるまでは、我々の命令に大人しく従いなさい」
俊介「………」

怪人トカゲロンに与えられた任務は、
ブレイバーズと地球連邦軍が共同開発している新兵器・V7ミサイルを、
建造中の段階で破壊してしまう事である。
ミサイルは電磁バリアで保護された施設の中で造られているのだが、
そのバリアを俊介のキック力を生かした弾丸シュートでぶち破ってしまおうという作戦だ。

ゾル大佐「作戦の決行は3日後とする。
 ただし、天凰輝シグフェルの妨害には気をつけろ。
 一度叩きのめしたとは言え、奴は必ずまた現れる!」
マヤ「お前と同じ学校に通っている牧村光平という生徒が
 あのシグフェルの正体よ。牧村と接触する際には十分注意するように」
俊介「牧村が…」

光平に全てを打ち明けてブレイバーズに変身装置を除去してもらえば、
俊介はトカゲロンとしての宿命から解放される。
だが、それをしてしまうと右足の怪我が再発する事になり、
3日後に迫ったインターハイ予選の決勝には出場できない。

「悪魔に魂を売ってはダメだ!」という正義感と、
「大事な決勝に出たくないのか?」「インターハイ出場を逃してもいいのか?」
という誘惑との間で葛藤する俊介。
果たして彼が取る選択とは…?

486ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/09/19(土) 08:34:41
>>484-485
≪友情の弾丸シュート≫続き

学校での俊介の挙動不審な態度から、
光平はトカゲロンの正体が俊介であることに気づく。

エルファ「俊介さんに取り付けられた改造人間変身装置は、
 あと48時間以内に取り外さなければ、肉体から取り外しが
 不可能になってしまいます」

超コンピューター・ビッグエンゼルの分析によれば、
迫る期限までに俊介の肉体から装置を除去しなければ、
彼は身も心も本当にショッカーの改造人間になってしまうのだ。
光平は俊介の説得にかかる。

光平「矢薙、今ならまだ引き返せる!
 早くお前の体内から装置を取り除かないと、
 怪人の姿から元に戻れなくなってしまうんだぞ!」
俊介「嘘だ! 俺から装置を取り上げようと思って、
 わざとそんなデタラメを言っているんだろ!?」
光平「仮に悪魔の力を借りて全国大会に出場したところで、
 それが何になるんだ!」
俊介「牧村、お前に俺の気持ちが分かるのか!?
 俺たちサッカー部が一丸となって夢みた全国大会が
 手を伸ばせばすぐ目の前にあるんだ!」
光平「矢薙…」

その時、背後から忍び寄ったハリケーン・ジョーが
光平の後頭部を殴って気絶させた。

光平「うっ…!?」

気を失った光平は、現れたショッカー戦闘員たちに
抱えられてどこかへ運ばれていく。

マヤ「こんな小僧の言う事に惑わされてはダメよ。
 直ちに言われた通りの任務にかかりなさい」
俊介「待て! 牧村をどうするつもりだよ!?」
マヤ「この期に及んでつべこべ抜かすのはおよし!
 予定通り作戦を実行しなければ、大事なお友達の命はないよ!」
俊介「くそっ…やっぱり騙してたんだな!」

ようやくGショッカーに利用されていたに過ぎないと
気づいた俊介だったが、すでに後の祭り。
言う事を聞かないと光平を殺すと脅され、
渋々V7ミサイルを破壊しに向かう。

俊介「牧村、許してくれ…」

一方の光平は、ロープで手足を縛られて
無人の建設現場の作業小屋に閉じ込められていた。
そして小屋には時限爆弾が仕掛けられる。

ハリケーン・ジョー「我々Gショッカーを散々手こずらせた
 天凰輝シグフェルもこれでお陀仏か。せいぜい最期の瞬間まで
 念仏でも唱えてるんだな」
光平「くそっ…」

しかし光平は、見張りに気づかれないように
床に落ちていたガラスの破片をこっそりと拾って、
自分を縛っていたロープを切って自力で脱出する。

シグフェル「矢薙、どうか間に合ってくれ!」

飛翔してV7ミサイル建造施設へと急ぐシグフェル。
果たして間に合うのか…!?

487ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/09/19(土) 09:54:27
≪天童壊滅の陰謀≫

悪の組織Gショッカーが日本を征服するためには、
どうしても邪魔な存在が二つある。
一つはブレイバーズ、そしてもう一つは天童一門である。

Gショッカーはブレイバーズの姿を装い、各地の天童流道場を次々と襲撃。
そして同時に、天童の仕業に偽装してブレイバーズに所属するヒーローの関係各所も襲撃した。
ブレイバーズと天童一門は、たちまち互いに対して疑心暗鬼に陥ってしまう。
それこそがGショッカーの思惑であった。

ブレイバーズと天童一門が真正面から対立を深め、
やがて全面衝突へと発展すれば、日本は真っ二つに分断され
血で血を洗う動乱の時代となりかねない。
そうなればGショッカーにとって日本征服は容易になるのだ。

右近「菊之丞様は今回の件がブレイバーズの仕業かどうかは
 非常に疑わしいとの仰せだ。だが将来の禍根を断つため、
 敢えてこの機に乗じて奴らを叩く」
朱音「ハハッ」

天童サイドは、襲撃事件の真犯人がGショッカーである事を見抜いていたが、
Gショッカーの企みを逆手に取り、ブレイバーズの力を削ごうと画策する。
裏天童刺客人の総帥・天童右近から千坂朱音に対し、
超人機メタルダー=剣流星暗殺の指令が下る!

舞「…すると天童は本当はGショッカーの仕業だって気づいているのに、
 わざと知らないフリをして、事のついでに流星さんを亡き者にしようとしてるの!?」
八荒「天童の奴ら、やる事が汚すぎるぜっ!」

剣流星の命を執拗に付け狙う千坂朱音。

流星「朱音先生、僕は貴女とは戦いたくはない。
 貴女の教え子の光平君たちを悲しませたくはないからだ!」
朱音「問答無用!」
流星「これほど言っても解ってくれないのか!?
 ――怒るッ!!」

剣流星は、怒りと感情が最高潮に達すると
超人機メタルダーに瞬転する!

一方その頃、Gショッカーは更なる陰謀を企てていた。
とある戦場で瀕死の重傷を負って倒れていた
裏天童刺客人の一員・紅丸(今回限りのオリキャラ)を秘密基地へと連れ帰り、
怪人にする改造手術と脳改造を施して密かに天童の元へと送り返した。
その目的は、裏天童刺客人の要たる天童右近の暗殺である。

右近「どうした紅丸、随分と息が乱れているようだが…?」
紅丸「い、いえ…決してそのようなことは…!」
右近「………」

刻々と右近へと忍びよる暗殺の魔の手。
果たしてどうなるのか!?

488ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/09/21(月) 09:58:55
≪仁良光秀リターンズ≫

仁良光秀――元警視庁捜査一課長。
12年前の泊英介警部補殺害とロイミュードへの内通の罪で有罪判決を受け、
現在、北海道の網走刑務所にて服役中。

仁良「なぜだ! なぜGショッカーは俺を助けに来ない!?」

仁良は、いずれGショッカーに合流しているロイミュード軍団が
自分を脱獄させてくれるものと信じていた。
しかし待てど暮らせど一向に助けが来る気配はない。
仁良は日々苛立ちを募らせていた。

ガーミッド「諦めろ。Gショッカーはお前を見捨てたのだ」
仁良「…だ、誰だお前たちは!?」

堕神の幹部であるタランチュラロードイーバ・ガーミッドと
ラミアクィーンイーバ・スネイザが、獄中生活を送る仁良に接触して来る。

スネイザ「考えてもごらんなさい。もはや警視庁の捜査一課長でも何でもない
 今の貴方は、Gショッカーにとってもう何の魅力も利用価値もないの」
仁良「そ、そんなバカな!」
ガーミッド「優秀な警察官だったお前をこんな境遇へと落とし込んだ特状課と、
 あれだけ忠誠を尽くしたのに、散々自分を利用した揚句に、用がなくなると
 捨て去ったロイミュードに復讐したくはないか?」
仁良「…ゆ、許せない! 俺はこんな塀の中で終わる男ではない!
 必ず復讐してやる!」
ガーミッド「よく言った。ならば俺たちがお前に手を貸してやろう」
仁良「俺は何をすればいい?」
スネイザ「我ら堕神の洗礼を受け、その信徒となりなさい」

その日、仁良光秀は網走刑務所の独房の中から忽然と姿を消した。

スネイザ「フフフッ…扱いやすい男ね。ちょっとプライドを
 擽ってやったらもうあの通りよ」
ガーミッド「ターゲットとなる再生者(リザレクター)は
 ブレイバーズに合流しているチェイスこと仮面ライダーチェイサー、
 今はサラジア大使館に国籍と外交官特権を取得して身を寄せている真影壮一、
 そして黄泉還ってからもGショッカーに合流もせずに各地を放浪しているらしい
 ハート、ブレン、メディックの三人だ」

堕神を崇拝する信徒となった仁良の暗躍が始まる!?

489ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/09/22(火) 20:01:47
≪冴島十三と東一門、往年の名コンビ復活!≫

参議院選挙が告示され、内閣総理大臣・剣桃太郎から強い要請を受けた
元警視総監・冴島十三は、内閣危機管理監の職を辞して比例区から民自党公認で立候補。
見事上位当選を果たす。選挙後直ちに内閣改造が行われ、
冴島は一年生議員としては異例の初入閣となり、国務大臣・国家防衛局長官に就任した。

冴島は、警視庁時代の部下だった東一門副総監を呼び出し、
国家防衛局の重要ポストへの就任を打診する。
冴島と東は警視庁時代から互いに反りが合わないと
周囲から思われていたのだが…?

東「冴島さん、この際だから正直に申し上げます。
 私は貴方の事が嫌いでした」
冴島「ふふふっ…東君、私も君の事は嫌いだよ」
東「……!?」

冴島からの思いもかけぬ反撃の言葉に、東は少々困惑。

冴島「しかし好きな人間ばかり周囲に集めていては、
 最初から組織の進むべき方向性が決まってしまう」
東「私は貴方にとって耳の痛い事も
 これからも遠慮なく申し上げますよ?」
冴島「どんどん言ってくれたまえ。
 私は君のその率直な態度に期待しているんだ」
東「これからよろしくお願いします。
 冴島さん…いえ、冴島長官!」
冴島「東君、君と再び一緒に仕事が出来る事を
 光栄に思う!」

固い握手を交わす冴島と東。
ここにブレイブポリス創設時以来の
警視庁の往年の最強コンビが復活した!

490ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/09/29(火) 11:43:45
凱聖クールギン殿が用意してくれた
「和服男性・右側の長髪、服の色は草緑、やや老け顔」を利用して、
以下のオリジナルキャラクターを創作したいと思う。

●坊門(※1)惟光、または東十条(※2)元房

宮中御用掛を務める旧華族(伯爵)。天童菊之丞に近い人間であり、
聖居の威光を笠に着て、永田町や霞が関に様々な揺さぶりをかけて来る。
藤原北家道隆流の血筋を引く公家の家柄であり、一人称に「麻呂」、語尾に「おじゃる」をつけて京言葉で話す。
常に扇子を持ち歩く。首相官邸サイドからは侮蔑の意味を込めた隠語で「お歯黒」と呼ばれ、
また天童右近からは(小馬鹿にしている意味も含めて)「おじゃる殿」と呼ばれている。
天童忍軍配下の忍びたちに指図して、水面下で暗躍する場面も多い。
彼自身の戦闘力は弱い(ただし懐には用心のため拳銃を携帯している)。

(※1)史実の坊門家は、室町・南北朝時代に断絶している。
(※2)『水戸黄門』第40部で、村野武範氏演じる悪公家・東十条宗房なる人物登場しているが、
 調べた限りではどうやら史実に「東十条家」という公家は実在しない模様。

アニメキャラクターではなく実写ドラマの登場人物を想定。
イメージキャラクターアクターは、これまでテレビ時代劇において
「悪役の公家」を演じた経験のある俳優さんを充てたい。
ここに候補(故人含む)を何人か挙げてみる。(敬称略)

・成田三樹夫
『柳生一族の陰謀』で、時代劇ファンの間では"最強の公家悪役"との呼び声も高い
烏丸少将文麿を演じた御方。特撮的には『宇宙からのメッセージ』の
ガバナス帝国皇帝ロクセイア12世役。

・菅貫太郎
『水戸黄門』シリーズの第16部で城崎三位、第18部で一条三位を演じた事で
時代劇ファン及びニコニコ動画等でも有名な御方。
他にも1986年(昭和61年)にテレビ東京で放送された12時間超ワイドドラマ
『徳川風雲録 御三家の野望』でも姉小路三位卿を演じている。
いずれのキャラも謀略・策略は得意だが、戦闘力はいまいちなタイプ。
特撮的には『仮面ライダーBLACK』の秋月総一郎役。

・西沢利明
ANNにて1982年10月〜1983年4月にかけて放映された『柳生十兵衛あばれ旅』の最終回にて
登場した姉小路直房役。典型的な公家悪役タイプで戦闘力は弱い。
特撮ファンには言わずと知れた『宇宙刑事シリーズ』のコム長官役で超有名な御方。

・本田博太郎
ANB/1993年放映『眠狂四郎 江戸城に渦巻く陰謀!母よ、妻よ、女たちよ、円月殺法、御照覧あれ!!』にて、
弓の使い手であった壬生中将役。特撮的には『仮面ライダーカブト』の加賀美陸役、
他に『スーパーヒーロー大戦Z』での軍師レイダー役。

・秋野太作
1998、6〜9月 CX/東映『隠密奉行 朝比奈』第8話「京の罠 逃げ出した花嫁」に登場した、
剣の使い手である壬生中将晴久役。特撮的には『おもいっきり探偵団 覇悪怒組』の落合先生役。

491ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/09/29(火) 11:44:47
・原田大二郎
『長七郎江戸日記』 第1シリーズ(日本テレビ 1984年)第38話「風魔一族の陰謀」に登場した深草中将役。
こちらも剣の使い手の公家。特撮的には『ゴジラvsメカゴジラ』の佐々木拓也大尉役。

・石橋蓮司
1982年にフジテレビ系で放送された『紫頭巾 京洛の大粛清』にて、
悪公家の姉小路卿を演じている。こちらは戦闘力の弱い公家だったが、
続く1988年の『長七郎江戸日記スペシャル』では一転して
暗殺小太刀の達人である一条高麻呂を演じている。
特撮的には『仮面ライダーディケイド』の光栄次郎&二代目死神博士役。

・杉本哲太
2006年に村上弘明氏主演『柳生十兵衛七番勝負 島原の乱』にて、
倒幕を目論む剣豪大納言・円条寺業平役を怪演し、多くの時代劇ファンから
成田三樹夫氏の再来である喝采を浴びた。
特撮出演歴としては『鉄甲機ミカヅキ』での岩動哲朗役。


他にも六代目桂文枝(桂三枝)氏、鹿内孝氏、梅津栄氏、金田龍之介氏など
悪役公家を演じられた俳優陣には多彩な顔ぶれが多いのだが、全部挙げると
キリがないので、だいたいこの辺りまでにしておく。

「現代劇のドラマで動く公家風のキャラクター」が「特撮やアニメの登場人物たちと
政治劇においてクロスオーバーする」というのはかなり異彩であり、どんな化学反応を示すか
俺にもまだ予想がつかん。俺の考えとしては「本人の戦闘力は弱いが、頭はキレる策謀家」というのを
想像しているので、イメージアクターには故人ではあるが菅貫太郎氏を推したいのだが、
名前も「坊門惟光」「東十条元房」「その他の案」の内どれに決めるかも含めて
皆さんからもご意見があれば是非承りたい。

492ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/09/29(火) 17:10:26
≪恐怖! ブレイバーズ狩り≫

お休みの日に夢ヶ浜の商店街へとショッピングに出かけた筈の
春野はるか達Go!プリンセスプリキュアチームが忽然と姿を消し、
モモタロスたちイマジンもデンライナーの車両ごと行方不明に…。
ある日を境にしてブレイバーズの関係者たちが次々と謎の失踪を遂げていた。
誰もがGショッカーによる犯行を疑う中、真犯人はそれとは全く無関係な別の人物だった!

チャムリー「吾輩の関心は獲物を仕留める事しかない! それも大物中の大物をな!」
ディンスモア「はい旦那さま」
チャムリー「あと一つ最大の大物を仕留めれば、コレクションは完成だぞ♪」
ディンスモア「宇宙怪獣でございますか?」
チャムリー「あんな歯ごたえのない物…」
ディンスモア「ネオジオンのモビルアーマーでございましょうか?」
チャムリー「前の大戦で捕まえたわ! 吾輩が狙っているのはもっともっと大物!
 今巷で評判の期待の新人ヒーロー、天凰輝シグフェルの首じゃよ!」

英国貴族で狂気のハンター、チャムリー卿とその部下である老執事ディンスモアである。
チャムリー卿はその昔、サイバトロン初代総司令官コンボイをハントしようとして返り討ちに遭い、
ソ連に逮捕されてシベリア送りになっていた筈だったのだが、最近になって何者かの手引きで脱獄。
事もあろうに次のターゲットにブレイバーズのヒーローたちを据え、
自分のコレクションに加えようと画策し始めたのだ!

チャムリー卿が開発した脅威のメカニズムが仕掛けた罠により、
次々と捕えられていくヒーローたち。
そしてついにブレイバーベースの司令部にも
チャムリー卿から直接脅迫の文言が送られる。

チャムリー@通信「こんにちはドクター佐原、通信中のところ割り込んで申し訳ない」
佐原「誰だ君は!?」
チャムリー@通信「吾輩の名はチャムリー卿、ハンティングが生きがいだ。
 君たちに仲間たちを救うチャンスを与えようというのじゃ」

チャムリー卿は、人質にとったヒーローたちを助けたければ、
牧村光平=天凰輝シグフェルに、たった一人だけで指定の場所まで来いと要求。

三郎「光平さん、こうなったらみんなで乗り込んで行って、
 あのチャムリーとかいうじいさんを痛い目に遭わせてやろうよ!」
光平「いや待ってくれ三郎君。相手は俺に一人で来いと言っているんだ。
 多人数で行ったらそれこそはるかちゃんたちの命が危ない。
 みんなは必ず俺の手で救い出して見せる!」

一方、チャムリー卿とブレイバーズの交信を傍受していた
Gショッカー・ザンギャック宇宙艦隊では…。

ワルズ・ギル「あの地球人、老いぼれにしてはなかなかやるじゃないか」
ダマラス「Gショッカーに名を連ねる名だたる組織・軍団が30年近くかけても
 出来なかった事を、たった2日で成し遂げようというのですからな」
ワルズ・ギル「おいザツリク、タイランドー!」
ザツリク「はい殿下」
タイランドー「なんなりとお申し付けを」
ワルズ・ギル「よく聞け、お前たちに重大任務を命じるぞ。
 あのチャムリーとかいう老いぼれハンターに協力を申し込め。
 そして奴と力を合わせればブレイバーズを葬り去る事が出来るのだ♪」

ワルズ・ギルはチャムリー卿と手を組もうと、地球にザツリクとタイランドーを派遣する。

493ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/09/29(火) 17:11:07
一方その頃、チャムリー卿の城に捕えられていたキュアフローラたちは、
チャムリー卿の拷問機械にかけられ、一見しただけでは「風●●けし城」的というか
「ビー●●けしのお笑いウル●●クイズ」的な
大掛かりなセットの上で遊んでいるようにしか見えないのだが…(汗、
命がけで走らされ続け、すでに体力は限界を迎えようとしていた。

キュアフローラ「もうだめぇ…へとへと……」
キュアマーメイド「諦めてはダメよ!」
モモタロス「あんのジジイ! ぜってえ覚えてろよぉぉぉっ!!!!!!!」

チャムリー城へと辿り着いたシグフェル。

シグフェル「チャムリー卿、約束通り俺一人で来たぞ!」
チャムリーの声「よく来たなシグフェル、まずは君の勇気を称えよう!」
シグフェル「姿を見せろ!」
チャムリーの声「ハンターは獲物の前に姿を現さんものだよ。それが狩りの原則じゃ」
シグフェル「仲間たちはどこだ!?」
チャムリーの声「この城の中のどこかにいる。自分で探してみる事だな。
 もっともそれまで君が無事でいられるか保障はできかねるがね。フハハハハ!!!」

シグフェルには、チャムリー卿コレクションの恐竜の化け物や
巨大クモ型メカ等が次々と襲いかかる。危うしシグフェル!

494ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/09/29(火) 19:52:55
≪仮面ノリダーVSアキバレンジャー≫

世界征服を企む悪の秘密結社ジョッカーが現代に復活した!
恐怖レンタルビデオ男の総攻撃によって、たちまち首都・東京は危機に陥った。
出動するブレイバーズの仮面ライダー1号&2号。

レンタルビデオ男「レンタルレンタル〜!!」
ライダー1号「待て! Gショッカーの改造人間!」
レンタルビデオ男「Gショッカーだとぉ!? あんな奴らと一緒にするな!
 俺様は栄光あるジョッカーの改造人間、恐怖!レンタルビデオ男様だ!」

一見ふざけた格好のレンタルビデオ男だが、
コイツのリモコンが操作する一時停止やスロー再生攻撃のため、
意外にもダブルライダーは大苦戦。

ライダー2号「ジョッカー、見かけによらず侮れぬ敵だ…!」
レンタルビデオ男「恐れ入ったか仮面ライダー!!」

そんなピンチの最中に現れたのは、
時代遅れの白いパンタロンや赤いマフラーを着用した
一人の謎の青年であった!

木梨猛「♪か〜いわれ巻き巻き、ね〜ぎトロ巻き巻き、巻いて巻いて、手巻き寿司、とぉー!!」

木梨猛はベルトの風車に風力を与える事によって、仮面ノリダーへと変身するのだ!

ライダー1号「君が木梨君か!?」
ノリダー「すると貴方方が本郷さんに一文字さん!?
 話は立花のおやっさんから聞いてます!」
ライダー2号「共に力を合わせて戦おう!」

本家仮面ライダーとパロディ特撮の仮面ノリダー、ここに夢の共闘が実現!
一方、その頃の秋葉原では…。

赤木信夫「こ、ここが夢にまで見た、公認様たちのいる"闘争の系統"の世界か…!?」

以前の最終決戦で死んだはずの、赤木信夫・石清水美月・萌黄ゆめりあの3人――
――非公認戦隊アキバレンジャーが黄泉がえり現象によって復活していた。

495ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2015/09/30(水) 11:42:02
ギャラリーの未使用キャラで、侍キャラ(左から2番目)についての
オリキャラ案。

○セイキチ(仮)
(イメージCV:鈴木達央)
アオイ国の農民の生まれだが、地球産の農産物が流入してきた事によって
家業が苦しくなり、ロサレダ大陸まで出稼ぎに来ていくつもの職を転々とした後、
何の因果か傭兵団に参加。しかし自分のいた部隊は任務中、魔獣に襲われて全滅。危うく自分も殺されそうに
なるが転移して各地を旅していた前田慶次(戦国BASARA)に命を救われる。
その強さと人柄に惚れて押しかける形で弟子入り。その自由奔放さに振り回されるが、
面倒見がいいので、慶次の身の回りの世話を行っている。農作業をしていたので
力持ちだが、剣の腕は未熟。

496ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/10/01(木) 15:13:59
■海防大学付属高校の関係者

牧村光平/天凰輝シグフェル、朝倉慎哉、沢渡優香、岡島雄大、
錦織佳代、北上紗希、彩堂寺戒/牙冥甲ザジロード、千坂朱音については
イラストギャラリーでの紹介文テキストを参照。

<版権キャラ>

○リー・ウェン/ヤン・ウェンリー元帥(銀河英雄伝説)
海防大学付属高校で世界史を担当する中国人講師。
岡島雄大と北上紗希が所属する民俗研究会の顧問。
あまりパッとしない顔立ちで地味な風体をしているが、
授業は分かりやすく生徒から慕われている。
またよく部屋を散らかしている事でも有名。
実はその正体は、銀河宇宙戦争の英雄ヤン・ウェンリー提督が
黄泉がえり現象で復活した姿である。一部顔を整形し名前を変え、
同じくこの世に蘇った部下であるシェーンコップやメルカッツらと共に、
地球教と戦う秘密ネットワーク組織を結成。世界の裏舞台で
地球至上主義者たちの陰謀と戦っていた。
自分の名を再び歴史の表舞台に出さないため、
惑星ハイネセンにいる家族(妻フレデリカや養子ユリアン)とは
再会しない覚悟を固めている。

○五条いづみ(少女コマンドーIZUMI)
身に覚えのない殺人の罪を着せられ、謎の組織G機関によって
その肉体を改造して殺人兵器(バイオフィードバック戦士)と
なるための訓練を受けさせられていた少女。
現在は海防大学教育学部に通う女子大生で、教育実習生として
同大学付属高校の牧村光平たちのクラスである2年A組に赴任してくる。
光平たちには、今の青春の時期を大切にしてほしいと願っている。
宿敵・石津麟一郎との対決の日が、再び彼女の元に迫っている…。

○広瀬ザジ(ブルースワット)
ブルースワットの隊員シグがインヴェードしていた広瀬剛の息子。
スペースマフィアの幹部ジスプにインヴェードされ、
同組織の幹部「ムッシュ・ザジ」を名乗っていたが、
ブルースワットによって救出された後、その後は順調に回復。
海防大学付属高校に進学していた。光平たちの隣のクラスである
2年B組に所属。父親の影響か、学校では宇宙開発工学コースを専攻している。

<セミレギュラーのオリキャラ>

○矢薙俊介

この他にも光平たちの友人・知人・先輩・後輩、生徒会長、教師、校長や教頭、
学校法人としての海防大学理事長及び理事などを新キャラあるいは
一回限りのオリキャラとして想定。

497ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/10/01(木) 16:16:36
登場団体一覧に載せる新規項目についてプロット案

■天童忍軍

聖天子付き補佐官・天童菊之丞の耳目及び手足となって動き、
密命を帯びて秘かに情報収集や工作などに従事する隠密集団。
ブレイバーズとは、ある時は味方として共闘、またある時は
恐るべき敵となって立ちはだかるなど微妙な関係が続いている。

天童右近、三雲惺梛、千坂朱音については
イラストギャラリーの紹介文テキストを参照。

以下は全員オリジナルキャラ(一回限りかセミレギュラー)。

●高坂正眼
天童家の用人。日々多忙な菊之丞に代わって天童忍軍を指揮差配する事もある。
一回限りではなく、何度かに渡って登場する事になりそう。

●つばくろ(燕)のお蝶
普段は政財界のVIPが居並ぶお座敷に出入りする芸者「銀蝶姐さん」として
情報収集やハニートラップを仕掛けるために暗躍。
鳥追い女の姿で外を出歩き、三味線の中に隠された仕込み刀が武器。
任務に失敗した忍びを処刑する役割も担う。

●忍者さそり
偵察を主な任務とし、その名の通り
毒針を仕込んだ吹き矢による暗殺も得意とする天童忍者。
暗黒結社ゴルゴムでいうところのコウモリ怪人ポジション。

●世羅文蔵
一番最初に登場する予定の天童忍軍組頭。千坂朱音の直接の上司。
天童忍軍には彼以外にも組頭クラスの上忍は多数おり、
彼が殉職した後も次々と新たな組頭が現れる予定。

●根来右平次
天童忍軍に属する根来忍者の頭。

●甲賀宮飛脚
江戸時代以前に京都朝廷の禁裏御用を勤めていた甲賀忍者集団。
東十条基房などがよく手下として利用する。

●甲賀百人組
同じく天童に仕える甲賀忍者集団。頭は甲賀玄心。

●黒鍬衆
表向きは江戸時代に土木作業を請け負うなどして幕府に仕えていた集団であったが、
その実体は戦闘工兵などの役割を受け持つ忍者組織であり、江戸城大奥の警護や
東北諸藩の監視などを任務としていた。徳川五代将軍綱吉の側室・お伝の方(瑞春院)も、
この黒鍬者の出であったとされる。
現在は天童家を通じて、昔の江戸城だった聖居の警備を引き続き仰せつかっており、
天童忍軍の一角として活動している。頭領は辻村蔵人。

498ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/10/02(金) 13:04:49
>>496-497追記。

■海防大学関係者

○孫悟飯=グレートサイヤマン1号(ドラゴンボールシリーズ)
 新たに海防大学人文学部に準教授として赴任してきた。
 職場が同じ敷地内のため、付属高校の光平たちともよく顔を合わせる。
 ちなみにいつもパオズ山の自宅から日本のメガロシティまで
 舞空術で一人飛行して通勤している模様(日本の領空に入る事については、
 ブレイバーズを通して事前に航空自衛隊に通告している)。
 牧村光平=天凰輝シグフェルに、名乗りの決めポーズについて
 いろいろとアドバイス(という名の入れ知恵)をしている張本人。


■堕神

まだ未定ながら、スネイザとガーミッドの他にも
同格の幹部があと5人くらい登場する予定。

499凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2015/10/03(土) 13:18:51
■黒脛巾組(くろはばきぐみ)
戦国時代、伊達政宗の配下として活躍した陸奥の忍者集団。
印として黒の脛当てを着けていた事からこの名がある。
東北出身の仁科宗禎=アフマド・アルハザードはかねて耳にしていた彼らの諜報能力に目をつけ、
配下として大量に雇い入れた。
サラジア・シークレット・サービスの下請けとして日本を中心に活動し、
様々な情報を収集してサラジアへ送っている。
天童忍軍、戸隠流、隠流、疾風流などの忍者集団とは対立し暗闘を繰り広げている。

■バリク共和国
内戦が続いている東南アジアの国。
宗教・民族対立が深刻で、軍事政権と反政府武装勢力との抗争が泥沼化している。
軍事政権はマイノリティであるキリスト教徒系民族を激しく迫害しているため、
欧米のメディアは総じて軍事政権に批判的で、
経済制裁のみならず地球連邦軍やNATO軍による武力介入を求める声もある。
軍事政権はサラジア共和国からの経済援助や兵器供給を盛んに受けており、
サラジアの動きと連動しながら反欧米姿勢を強めている。

■ロリシカ国
ヨーロッパ(?)の新興軍事国家。首都はニューカークシティ。
南太平洋のインファント島を領有している。
かつてインファント島で核実験を行った事もある核保有国。
核武装による軍事力を背景に独自外交を展開し、
欧米では危険視されているサラジア共和国のアルハザード体制を支持している。
一部では、友好関係にあるロリシカ、サラジア、バリクの
三大軍事国家を合わせて「悪の枢軸」と呼ぶ者もいる。

500ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/10/03(土) 17:25:43
≪海防大学付属高校・生徒ファイル№1≫

○水野 蛍一(みずの・けいいち)
男子生徒、2年C組、宇宙開発工学コース専攻、天文部所属。
ある夜、天体観測中にGショッカーのUFOが秘密基地に着陸する様子を偶然目撃。
そのためGショッカーに狙われる事に。彼と同じ天文部所属で親友でもある
広瀬ザジが、彼の怯える不審な様子に気づいて、光平たちに助けを求める事に。

○碓氷 昂(うすい・あおぐ)
男子生徒、3年A組、陸上部のエースで沢渡優香の尊敬する先輩。
陸上部の盛んな名門大学への推薦入学が決まっていたが、
エゴスのスポーツ怪人によって偽物とすり替えられて、某所に監禁されてしまう。
捕えられている碓氷たちを救出するため、光平たちは野球仮面率いる
Gショッカーのスポーツ系怪人混成軍団との野球試合を迫られる事になる。

○中司 絵礼奈(なかつかさ・えれな)
女子生徒、2年D組。海洋生物学の権威・中司博士の一人娘。
Gショッカーから脱走した中司博士をおびき出す餌として狙われ、
拉致されて人質にされる。

○勘解由小路 詠子(かでのこうじ・うたこ)
女子生徒、2年E組、茶道部部長。おしとやかな性格。
実家は武田信玄の甥であった穴山梅雪の末裔で、
信玄が遺した名器の茶釜が代々の家宝である。
その茶釜の中に、信玄が日本のどこかに隠したとされる
武田家埋蔵金の在り処に関わるヒントが隠されており、
金と欲に目のくらんだ悪の一味から狙われる事になってしまう。

○清水 鳴衣(しみず・めい)
女子生徒、3年B組、女子水泳部の部長→前部長。
錦織佳代を水泳部へと誘った。

△月夜見 伊予(つくよみ・いよ)
女子生徒、2年F組、朝倉慎哉と同じく情報処理技術コースを専攻。
実は黒脛巾組の草の者(数代前の先祖の頃から現地に潜伏している
スパイ)で、黒脛巾組の上忍・百目鬼一成から牧村光平と北上紗希の
暗殺を命じられ、その目的のために慎哉に近づく。
しかし最初は相手に取り入るためのお芝居だったはずが、
そのうちに本当に慎哉に恋心を抱いてしまい、任務との間で
板挟みとなってしまう。
一方の千坂朱音は、黒脛巾組の背後にいる雇い主(黒幕)の正体を掴むため、
あえて伊予を泳がせておくようにと天童から指令を受ける。

伊予は最期は助からずに、悲劇的な結末を迎えてしまう予定。
慎哉にとっては悲恋に終わる事に…。

○海防大学付属高校生徒会長
生徒会副会長である沢渡優香ですら、その顔を見た事がないという正体不明の生徒会長。
「校長を越える権力を握っている」「理事長の親族である」など様々な噂が飛び交っているが、
真相は全く不明。ちなみに今年も普通に生徒会役員選挙が行われたのだが、
当選した先代会長が原因不明の急病を理由に退任。「何か見えざる大きな力」が働いて、
謎の人物がいつのまにか生徒会長の座に収まってしまったらしい。

501ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/10/04(日) 11:20:17
≪タイトル未定≫

ある日の早朝、いつも通り登校した朝倉慎哉は
靴を脱いでズックに履き換えようと下駄箱を開けると、
そこには女の子が使うような一通の可愛らしい
ハートマークがあしらわれた封筒が入っていた。

慎哉「なんだこれ…?」
光平「どうしたんだ慎哉?」
優香「それってもしかしてラブレターじゃないの?」
慎哉「…ハハハ。ま、まさか(汗」

朝のホームルーム前の教室。

佳代「ついに朝倉にも春が来たとはねえ。( ̄∇ ̄)ニヤニヤ」
慎哉「だからまだそうと決まった訳じゃないって!」
紗希「早く開けて読んでみて」
慎哉「…う、うん。ちょっと待ってろ」

慎哉が封を開け、中に入っていた手紙を読んでみると、
その内容は以下の通りであった。

「親愛なる朝倉慎哉様へ

どうしてもお伝えしたい事があります。

今日の放課後、一人で校舎の屋上まで来てください。

             2年F組 月夜見 伊予」

光平「やっぱりラブレターじゃないか」
優香「月夜見さんって、確か朝倉くんと同じ
 情報処理技術コースの人でしょ」
慎哉「ああ。今まであんまり話した事もなかったのに、
 どうしていきなり俺なんかに…」
佳代「どうしたの? あんまり嬉しそうじゃないね」
慎哉「………」

今、慎哉の脳裏には天使と悪魔がせめぎ合っていた。

天使の声「コラッ朝倉慎哉、お前はフィリナさん一筋じゃなかったのか!
 振り向いてもらえないからって、他の女性に乗り換えるだなんて最低だぞ!」
悪魔の声「別にフィリナさんとは告白した訳でも正式に付き合っている訳でもなし。
 そもそも一般サラリーマン家庭の息子が石油王のご令嬢と結ばれる訳なんかないだろうが。
 ここでせっかく掴んだ出会いのチャンスを不意にするのか? フィリナの事はもう諦めろ!」

慎哉「いかんいかん! たとえ振り向いてもらえなかったとしても、
 俺の好きな女性はあくまでフィリナさんなんだ!
 こんな浮ついた気持ちで付き合ったとしても、月夜見さんに失礼だ。
 彼女には悪いけどハッキリと断ろう」

502ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/10/04(日) 11:20:56
その日の放課後…。

慎哉「ごめん! 月夜見さん!」
伊予「えっ…?」

出会いがしらにいきなり慎哉に頭を下げられ、
月夜見伊予は困惑している様子。

慎哉「俺には他に好きな人がいるんだ!
 君の思いに応える事はできない。だから…」
伊予「あの…何の話ですか?」
慎哉「へっ…?」

今度は慎哉の方が目が点になる番だった。
伊予の話によると、男子テニス部のマネージャー募集の広告を見て、
部長である慎哉にその事を相談しようと呼びだしたのだった。

慎哉「…なんだ、そうだったのか。ハハハ(汗」
伊予「ごめんなさい。なんか誤解させちゃったみたいで…」
慎哉「いやいや、別に気にしないでくれよ。
 勝手に早とちりしたのは俺の方なんだからさ。
 ところで何でウチの部のマネージャーに?」
伊予「私、高校に入学してから部活には何も入っていなくて、
 友達も少なかったんです。かと言って生まれつき身体が弱くて
 激しいスポーツもできないし。でもテニスは個人的に好きだったから、
 マネージャーくらいなら務まるかなと思って…」

こうして月夜見伊予は慎哉の仲介で、
男子テニス部のマネージャーを務める事になった。

その日の放課後、部活練習時間の合間に水泳部の練習用プール脇に集まった、
テニスウェア姿の光平、慎哉、雄大、陸上ウェア姿の優香、競泳水着姿の佳代、
そして文化部員なので制服姿のままの紗希の6人は、その話題で持ちきりになる。

佳代「あはははは!!! そんなところじゃないかとは思ってたよ」
慎哉「笑うな! 全く紛らわしいよな…」
光平「元気出せよ慎哉」
慎哉「別に落ち込んでなんかねーよ!」
優香「それで、結局月夜見さんはどうしたの?」
慎哉「ああ、朱音ちゃんに話して早速今日から
 マネージャーを始めてもらってるよ」
雄大「まだマネージャー業務も初心者なのに
 熱心に務めてもらってて、他の男子部員からの
 評判も上々ッスよ」
紗希「ふ〜ん…」

そして夕方になり、部活の練習時間も終わり、
伊予は途中まで慎哉や光平と一緒に下校する事にする。

光平「月夜見さん、テニス部のマネージャー業務はどうだった?
 初めてでいろいろ大変だったでしょ」
慎哉「分からない事があったら、遠慮しないで何でも聞いてくれよ」
伊予「ありがとうございます。ところで部活動の休憩時間中、
 プール脇のところで沢渡さんや錦織さんたちと一緒に話してましたけど、
 皆さんはいつもよくあそこに集まるんですか?」
慎哉「ああ、時々な」
伊予「別の部なのに仲がいいんですね。なんだか羨ましい。
 特に錦織さんと北上さんはいつも一緒ですよね」
光平「二人は住んでるアパートも隣同士だからね」
慎哉「そういえば錦織のやつ、今夜は急な用事があって
 アパートを留守にするとか言ってたなあ…」
伊予「………」

503ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/10/04(日) 11:21:30
***都内某所・黒脛巾組のアジト***

百目鬼「なにっ、それは真か!?」
伊予「ハッ、今夜錦織佳代は忍びの任務で
 例のアパートを留守にするようです。
 北上紗希を仕留めるにはまたとない機会かと…」

戦国時代、伊達政宗の配下として活躍した陸奥の忍者集団――黒脛巾組。
実は月夜見伊予の素性は、この黒脛巾組配下の草の者であり、
海防大付属のテニス部に近づいたのも、全ては牧村光平と北上紗希の
暗殺任務を遂行するためだったのである。

伊予「しかしお頭、一介の高校生に過ぎない二人を
 なぜわざわざ我ら黒脛巾組が動いてまで
 始末せねばならぬのでしょう?」
百目鬼「それはお前の知る必要のない事だ。
 我らはただクライアントからの依頼を
 こなしておればよい」

その日の寝静まった夜、上忍・百目鬼一成率いる黒脛巾組は、
北上紗希のいるアパートを襲撃した。
しかしその日を留守にしていた錦織佳代の側にも
その点に抜かりはなかったのである。
その晩は不在の佳代の代わりに、ミスリルから
メリッサ・マオとクルツ・ウェーバーの二人が
代替の護衛要員として派遣されていた。
さらにアパートの敷地の至る所に対侵入者用の
トラップが仕掛けられていたのである。
黒脛巾組は散々に敗北して撤退を余儀なくされた。

百目鬼「この馬鹿者ッ」
伊予「うっ…!!」

百目鬼は伊予に八つ当たりして、彼女の頬を殴りつける。

百目鬼「なにが"今日はまたとない機会"だ!
 奴らはいつにも増して厳重な警備を敷いていたではないか!」
伊予「申し訳ございません…」
百目鬼「今夜の件で奴らは警戒を強めるだろう。
 何か他によい手を考えなくては…」

504ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/10/04(日) 11:22:17
翌朝、生徒たちが登校する校門前で、
光平や慎哉とたまたま顔を合わせる月夜見伊予。

光平「月夜見さん、どうしたんだよその顔は!?」
伊予「あっ、これは…」

その伊予の顔のひどく腫れた痣は、昨夜百目鬼に折檻された傷跡である。
彼女は「ついさっき道で転んだ」と言い繕う。

慎哉「それにしたってひどい怪我じゃないか!
 光平、俺は月夜見さんを保健室に連れて行くから
 先に教室に行っててくれ」
光平「わかった」
慎哉「さあ行こう月夜見さん!」
伊予「あっ…で、でも……」

保健室で伊予は慎哉に傷薬を塗ってもらい
絆創膏まで丁寧に貼ってもらう。

慎哉「大丈夫? 痛くない?」
伊予「う、うん…。平気です…(///)」

幼い頃から非情な忍びの修行に明け暮れていた伊予にとって、
同世代の男の子から優しくしてもらうのは、これが人生初めての経験だった。
この時初めて月夜見伊予は、朝倉慎哉を異性として意識し始めたのである。

伊予「……なんなの、この胸が熱くなるような気持ちは?
 ダメだ! 私は忍びだ! アイツはあくまで使命のために
 利用しているにすぎない! でも…」

一方、昨夜自分の留守中に
紗希のアパートが謎の一団に襲われたと聞いた佳代は、
血相を変えて慎哉を壁際で問い詰める。

慎哉「女の子が壁ドン!?」
佳代「朝倉、昨日アタシが留守にする事を
 誰かに言ったかい!?」
慎哉「いきなり怖い顔してどうしたんだよ?」
佳代「いいから答えて! 昨日アタシがいない間に
 北上さんが襲われたんだ。アタシが忍びの任務で
 一晩だけ離れる事を話したのは光平と朝倉だけだよ!」
慎哉「そ、そんなこと! 俺も光平も誰かに
 漏らしたりする訳がないじゃないか!」
佳代「よく思い出して!!」
慎哉「そう言われてもなあ……。いや、待てよ」
佳代「やっぱり覚えがあるんだね!?」

慎哉は昨日夕方の部活帰りの下校途中に、
月夜見伊予にポロッと話してしまった事を思い出す。
その話を聞いて、佳代は暫し深く考え込んだ。

慎哉「おい錦織、まさか月夜見さんが怪しいだなんて
 言いださないよな?」
佳代「それはまだわからない。でも念のために
 あの娘には必要以上に近づかない方がいい」
慎哉「ふざけるな! 月夜見さんが刺客の一味な筈があるもんか!」
佳代「待って朝倉っ!!」

慎哉は激昂して、佳代が止めるのも聞かずに走り去ってしまった。

慎哉「嘘だよな月夜見さん! あんな優しくて何事にも一生懸命で可愛い娘が
 北上さんを襲った一味なんかである筈がない!」

505ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/10/04(日) 11:23:17
その頃、メリダ島のミスリル基地では、
サムライトルーパーの一人、光輪のセイジこと伊達征士も呼ばれて
昨夜の一件の監視カメラ映像の分析が行われていた。

征士「間違いない。彼らは黒脛巾組だ」
テッサ「やはり…」
征士「彼らが装着している黒の脛当てが何よりの証拠」

征士は、仙台藩初代藩主・伊達政宗の直系の子孫である。
当時仙台藩に仕えていた忍者である黒脛巾組についても当然詳しかった。
征士の話によれば、明治に入って以降、伊達家と黒脛巾組は音信不通となり、
今の世ではすっかり自然消滅してしまっているものと思われていたのだが…。

クルツ「何でそんな奴らが紗希ちゃんを?」
マオ「奴らの背後関係を洗い出す必要があるわね」
テッサ「カクレンジャーとハリケンジャーの皆さんにも
 至急連絡を取ってください」

こうしてブレイバーズが黒脛巾組の捜査に乗り出していた頃、
天童菊之丞邸では、千坂朱音が事の次第を家令・高坂正眼に報告していた。
朱音にとって、新しくマネージャーとしてテニス部に入って来た伊予の正体が
実は自分と同業者であると見破るのに、それほど時間はかからなかったのである。

朱音「ご用人様、すでにブレイバーズも黒脛巾組の存在に気づき、
 奴らの背後にいる者の正体を探り始めております」
高坂「朱音よ、天童閣下からの言伝である。
 黒脛巾組の黒幕の正体を突き止めるため、今は奴らを泳がせろ」
朱音「しかしそれでは…!」
高坂「何があろうと決して手出しはならぬぞ。よいな?」
朱音「……ハハッ」

天童一門は、今回の件では静観を決め込む。

そして、生まれて初めての恋心に揺れる月夜見伊予。
彼女には百目鬼一成から新たな任務を与えられていた。

百目鬼「伊予よ、お前に最後の機会を与えよう。
 これをあの朝倉慎哉とかいう小僧に渡せ」
伊予「これは…」
百目鬼「この小包の中身は爆弾だ。
 これで牧村光平諸共朝倉家を吹き飛ばす!」
伊予「そんな…!」
百目鬼「もししくじれば、今度こそお前の命はないぞ!」

忍びの使命と慎哉への恋の間で板挟みになり苦悩する伊予。
しかし彼女は思い悩んで末に、贈り物と偽って
慎哉に爆弾入りの小包を渡してしまう。
朝倉家爆破の瞬間が刻一刻と迫る…!

クライマックスでは、今回の事件の黒幕であるサラジアから技術提供された
黒脛巾組の巨大からくりロボが、無敵将軍や旋風神と市街地で戦う事に!?

506ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/10/11(日) 23:42:14
≪総理大臣暗殺計画!≫

メガロシティとヌーベルトキオシティの両湾岸工業地帯を視察中だった
剣桃太郎総理の一団が、正体不明のテロリスト集団に襲撃を受けた。
その日以来、剣総理は忽然と姿を消した…。

内閣官房長官は記者会見で「総理は都内の病院に入院。命に別条はなし」とだけ発表。
しかしその真偽は謎のままであり、様々な憶測が政界やマスコミ各社を駆け巡ったのである。

その頃、天凰輝シグフェルこと牧村光平が居候している
朝倉家のリビングルームでは――。

慎哉「…ど、どうぞ。粗茶ですが…(汗」
桃太郎「ああ、気を使わせてすまないな」
慎哉「いえ、どういたしまして…(汗」

緊張した面持ちの朝倉慎哉が、熱いお茶の入った茶碗を
お盆に載せてテーブルまで運び、桃太郎にそっと差し出す。

なんと剣桃太郎は単身、朝倉家に身を寄せていたのである。
いきなり現役の内閣総理大臣に我が家に押し掛けられ、
光平と慎哉の二人は困惑の表情である。

慎哉(小声で)「おい光平! これっていったいどういうことなんだよ…!」
光平(小声で)「そんなこと俺に聞かれたってわからないよ…!」

そして沢渡優香、錦織佳代と北上紗希も何か用があって
朝倉家を訪れるのだが、当然ながら桃太郎の顔を見て
案の定びっくり仰天。

優香「どうして総理大臣がこんなところにいるの!?」
桃太郎「…ん? 君は確か塾長のところにいる
 錦織佳代君だったな?」
佳代「…は、はい!?」
桃太郎「ちょうどよかった。塾長に言伝を頼みたい。
 今から手紙をしたためるから、それを届けてほしい」
佳代「かしこまりました!」

桃太郎から江田島平八への手紙を託された佳代は、
すぐに表情が仕事モードへと切り替わり、
朝倉家から出て行く。

佳代「なんだか事情はよくわかんないけど、
 アタシが戻るまで北上さんをお願いね」
光平「わかった!」
紗希「錦織さん…」
佳代「大丈夫♪ すぐに帰って来るから心配しないで」

どうやら剣桃太郎は一般の民家に身を隠しつつ、
暗殺団の正体をあぶり出すつもりらしい。

光平「そういうことだったんですか…」
桃太郎「潜伏先にはヌーベルトキオの旋風寺邸も考えたが、
 あそこは普段からマスコミや敵対勢力の目が光っている。
 近場で身を隠せそうな場所がここしかなかった。
 君たちには迷惑をかけるな…」

507ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/10/11(日) 23:44:55
光平はせっかくのこの機会に、以前に初めて会った時は
時間がなくて聞く事の出来なかった、
父・光一郎の在りし日の事について桃太郎に尋ねる。

桃太郎「君のお父上、牧村参事官は真の意味で
 日本を代表する優秀な外交官だった。
 まだ一年生議員だった頃の私にも
 外交のイロハというものを熱心に教えてくれ、
 あの頃は共に国際社会の在り方について
 互いによく意見を交わしたものだった」
光平「父さんが…」

桃太郎は光平に、光一郎の外交官としての活躍と働きぶりを
真摯且つ丁寧に話して聞かせてくれた。その日は夜通しで
その話に熱心に耳を傾ける光平であった…。

やがて首相暗殺未遂事件の黒幕として、
以前にサムライフラメンコの活躍により失脚して現在は謹慎中である
奥崎・フラメンコ・真太郎元総理の復権を企む一味が浮上して来る。

桃太郎は「これは政府内の醜い権力闘争に過ぎず、
ブレイバーズの手出しは無用である」とだけ告げ、
自ら単身一人だけで暗殺集団に立ち向かう覚悟である。
確かに今回は、Gショッカーやイーバのような人外の化け物が相手ではない。
しかしこれを見て、果たして光平はどう動くのか?
それとも桃太郎の言うとおりに従い、ただ最後まで黙って見ているだけなのか?

508ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2015/10/13(火) 11:23:30
『スーパーロボット大戦BX』に『聖戦士ダンバイン』が参戦しているのだが、プレイしていて
オーラバトラーの開発者ショット・ウェポンの『闘争の系統』での扱いについて、3通りの案を
思いついたので、ここに記載する。

<<A案>>バイストン・ウェルに戦乱をもたらした原因として、不死の呪いを掛けられて、魂は
 転生する事が出来ず各地を放浪していた所、Gショッカー地下帝国軍で新生7大将軍となった
 黒騎士の部下となる。だが、実は部下を装いつつ背後から黒騎士を操っている。

<<B案>>『スーパーロボット大戦UX』では人類軍(蒼穹のファフナー)の一員だったから
 ティターンズ(ロゴス)の一員となる。しかし不死という人外の存在となっているので
 ナチュラルではないショットの存在はロゴスに居ていいのか迷う所。

<<C案>>アルハザードのいるサラジアに身を寄せる。サラジア所有のASやMS等の
 機動兵器にオーラバトラーの技術が使われる。だがショットはアメリカ人である為
 反米思想のサラジアでは反感を招くのではないかという疑問がある。

ご意見があれば、お願いする。

509ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/10/14(水) 15:12:57
>>508 ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.
>『スーパーロボット大戦BX』に『聖戦士ダンバイン』が参戦しているのだが、プレイしていて
>オーラバトラーの開発者ショット・ウェポンの『闘争の系統』での扱いについて、3通りの案を
>思いついたので、ここに記載する。
>(中略)
>ご意見があれば、お願いする。
俺は『聖戦士ダンバイン』はほとんど見た事はなく、同作品が参戦したスパロボをプレイしたのも
α以来なので、ショット・ウェポンに関する知識はあまり当てにはならぬかもしれぬが
それでもよろしければ意見を申し述べたい。

><<A案>>バイストン・ウェルに戦乱をもたらした原因として、不死の呪いを掛けられて、魂は
> 転生する事が出来ず各地を放浪していた所、Gショッカー地下帝国軍で新生7大将軍となった
> 黒騎士の部下となる。だが、実は部下を装いつつ背後から黒騎士を操っている。
特に異論はない。無難な案だと思う。

><<B案>>『スーパーロボット大戦UX』では人類軍(蒼穹のファフナー)の一員だったから
> ティターンズ(ロゴス)の一員となる。しかし不死という人外の存在となっているので
> ナチュラルではないショットの存在はロゴスに居ていいのか迷う所。
まあロゴスの主義主張というのも「サイボーグ手術による改造人間はアウトで、
薬物による強化人間はセーフ」という、割といい加減なものだからな。
不死という概念程度は融通を利かしてもよいのではないかな。

><<C案>>アルハザードのいるサラジアに身を寄せる。サラジア所有のASやMS等の
> 機動兵器にオーラバトラーの技術が使われる。だがショットはアメリカ人である為
> 反米思想のサラジアでは反感を招くのではないかという疑問がある。
ショット・ウェポンが「自分には愛国心なんて物はありません。
金儲けや自分の野心が満たされるのであれば、喜んで国を売ります」みたいな
タイプの人間であるならば、国籍に関係なくサラジアでも歓迎されるだろう。

510凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2015/10/15(木) 17:50:33
*現時点ではあくまで原案であり、実際に本編に登場するかは未確定です。

●波川 桂(なみかわ かつら)
波川ファウンデーションの会長・波川謙吾の一人娘。
岡島雄大(or牧村光平)のクラスメイトで、都内の大豪邸で暮らしているお嬢様だが、
実はX星人に入れ替わられており、本物の桂は屋敷の地下に監禁されている。
屋敷で雇われている大勢の使用人も全てX星人の戦闘員で、
屋敷はX星人の侵略基地として利用されている。
波川ファウンデーションも謙吾以下、ほとんどの社員がX星人に入れ替わられており、
X星人の地球侵略の陰謀を進める隠れ蓑となっている。

●黒崎 楓(くろさき かえで)
ブレイバーズに新加入した青年戦士。
テロ組織に拉致されて改造手術を受けサイボーグとなったが、
脱走してブレイバーズに保護を求めた……と自身の略歴を語っているが、
実はX星人が変身した姿で、本物の楓はテロで既に死亡している。
驚異的な身体能力を持ち、生身でGショッカー怪人と互角に渡り合うほど強い。
海防大学付属高校へ転入してシグフェルのサポート要員として活躍するが、
本当の使命はシグフェルの監視及びブレイバーベースを内部から破壊する事である。

511ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/10/16(金) 14:45:06
>>510
>●黒崎 楓(くろさき かえで)
>本当の使命はシグフェルの監視及びブレイバーベースを内部から破壊する事である。

この男の狙いが「ブレイバーベースを内部から破壊する事」であるならば、
ブレイバーベースの中枢・心臓部であるビッグエンゼルへのアクセス権限を得る事が
何よりの確実な近道だ。そのためには卓越したハッキング技能を持つ人材がいた方がよい。

普段は牧村光平の側近くにいる黒崎楓が狙いやすいとすれば、
第一のターゲットは自然と朝倉慎哉になるだろう。
一般人の慎哉に常時自由自在にビッグエンゼルにアクセスできるような
権限はないが、牧村光平の関係者という事でブレイバーズ側も油断しよう。

黒崎が慎哉を騙してブレイバーベースまで連れて行き、
そこで彼に催眠術をかけて支配下に置けば、
ビッグエンゼルを乗っ取る作業も容易となるのではないかな?

――と、俺なりにブレイバーベース攻略のヒントを
アドバイスさせてもらう。

512ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/10/18(日) 14:05:09
クールギン殿ご考案の黒崎楓とも似ている部分の多いオリキャラ案なのだが、
ご覧の皆様は『トランスフォーマー ザ☆ヘッドマスターズ』に登場した
サイバトロン戦士のダブルスパイをご存知だろうか?

サイバトロンとデストロンの双方のロボットモードに変形可能なトランスフォーマーで、
本来の姿はサイバトロン所属なのだが、宇宙の情報屋という肩書きでデストロンに潜入し、
スパイとしてサイバトロン側に様々な情報を促す役割を担った。

このダブルスパイと同じように、「正義のヒーロー」と「悪の怪人」両方の姿に変身可能な
ブレイバーズ所属の諜報員というのをずっと以前から構想していた。
ただ一つネックなのは、そのキャラが仮にGショッカーにスパイとして潜入した場合、
Gショッカー側の防諜責任者であるアポロガイストの目を果たして誤魔化せるかという
点なのだが…。

513ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/10/19(月) 17:21:48
それともう一つのネックは、すでに版権キャラの中に乾巧や虹野明など、
ヒーロー体と怪人体の二つの姿に変身できる者がいるので、
わざわざオリキャラでそういうのを作っても、
特に目新しくはないという事なのだ。

514ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/10/25(日) 21:42:51
≪江戸柳生対尾張柳生≫

柳生石舟斉宗厳によって創始された柳生新陰流。
やがて柳生新陰流は、五男の柳生(又右衛門、但馬守)宗矩の江戸柳生と、
孫である柳生(兵庫助)利厳の尾張柳生とに分派する。

尾張柳生は、開祖石舟斉に正統と認められた本家本流は自分たちであり、
江戸柳生は分家に過ぎないと主張。自分たちより格下であるはずの江戸柳生が、
徳川将軍宗家の御家流となり大名にまで栄転したのに対し、
一方の尾張柳生は御三家の尾張徳川家の下で
たかだか五百石の禄高に甘んじなければならなかった屈辱と嫉妬も重なり、
江戸時代を通じて江戸と尾張の二つの柳生の対立と確執は
長い間続いていたのである…。

そして現代…。
国立半蔵学院に通う一年生の柳生(やぎゅう)や、
サムライトルーパーたちの後見人であるナスティ柳生など、
江戸柳生一族の血縁関係者が次々と何者かによって
襲撃される事件が発生。

犯人は、現代の世に生き延びていた尾張柳生一門だった。
尾張柳生の現当主・当代柳生兵庫助は、密かに天童菊之丞と手を結び、
江戸柳生への挑戦状を叩きつけたのである。
天童は尾張柳生を利用して、この機に江戸柳生一門と協力関係にある
ブレイバーズを失墜させようとの魂胆だ。

兵庫助「我らの狙いは唯一つ、柳生十兵衛三厳の首である!」

鬼丸によって現代に蘇り、今は鉄刃の心強い協力者となっている
江戸柳生伝説の剣豪・柳生十兵衛こそが、尾張柳生最大のターゲットだった。
今、十兵衛に危機が迫る!

515ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/10/31(土) 22:05:40
≪増子一族、シグフェルの謎を追う!≫

美奈「みんなも知りたい!私も知りたい! 海防大学付属高校・新聞部部長!増子美奈!
 続けて読めば〜、マスコミな!」

海防大学付属高校2年E組に通う女子生徒・増子美奈は、
サンクルミエール学園の増子美香や、人気番組「プリキュアウィークリー」の
看板キャスターである増子美代とは従姉妹同士に当たる。
来たるべき学園祭に向けた特集記事として、
最近現れた謎のニューヒーロー、天凰輝シグフェルの正体を探っている美奈は、
一年下の後輩である岡島雄大に突撃取材を敢行した。

雄大「…な、何なんですかいきなり〜!?」
美奈「岡島くんは、あの知る人ぞ知る有名オカルトサイトを
 運営されているYOUさんですよね?」
雄大「あのぉ…増子先輩、その件に関しては
 リアルでの取材はお断りしてるんですけれども…」
美奈「数ヶ月前、YOUさんはネット上で、
 "あのシグフェルの正体について目星をつけた。
 近日中にシグフェルの正体を暴いて見せる!"と
 堂々と断言されていますよね?」
雄大「……(人の話聞いてるのかな?この人)」( ̄_ ̄ i)タラー
美奈「ですがその数日後に、突然YOUさんは
 シグフェルの話題について急に沈黙するようになった。
 これは実は、シグフェルの正体を知ったものの、
 出会ったシグフェル本人から口止めをされたからでは
 ありませんか!?」
雄大「そ、そんなわけないじゃないですかぁ…。アハハ(汗。
 ………(意外と鋭いなぁこの人)」・・・(゚_゚i)タラー・・・
美奈「そう言えば、最近岡島くんは2年A組の北上紗希さんと
 妙に親しいらしいですね。部活も同じ民俗研究会ですし」
雄大「それが何か…」
美奈「ズバリッ!! 天凰輝シグフェルの正体は北上紗希さんでしょう!?」
雄大「エ━━ΣΣ(゚Д゚;)━━ッ!!!!!」

増子美奈の盛大な勘違いから、事態はややこしい方向へと向かうww。
尻尾を掴もうと、四六時中紗希をしつこくマークし続ける美奈。

佳代「ちょっと増子さん! これ以上北上さんをつけ回すのはやめてくれる?
 正直言って迷惑なんだよ!」
増子「錦織さんって月影一族の忍者なんでしょ?」
佳代「ど、どうしてそれを!?」
増子「ふっふっふ! それくらいの調べはとっくの昔についてるんだから。
 我が海防大付属の新聞部を舐めてもらっちゃ困るわ♪」
佳代「うっ…!?」・・・(゚_゚i)タラー・・・
増子「凄腕の忍者が常に側に寄り添うように
 北上さんをボディーガードしてるだなんて、
 ますます怪しいわ」

516ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/10/31(土) 22:06:18
急遽、朝倉家に集まった光平たち他いつもの6人。
増子美奈率いる新聞部の取材攻勢にどのように対処すべきか話し合う。

紗希「ごめんなさい、みんな。私のために…」
佳代「ううっ…よりにもよって素人に素性を見破られるだなんて。
 アタシ忍者失格だよ…」il||li_| ̄|○il||li

増子美奈に忍者である事を見破られた錦織佳代は、
落ち込んですっかりお通夜状態である。

雄大「こんな時に落ち込まないでくださいよ佳代先輩!」
光平「本来なら俺が名乗り出るのが一番いいんだろうけど…」

光平がシグフェルの正体だと名乗り出れば、
もう紗希が新聞部から取材に付きまとわれることはなくなるだろう。
しかしそうなれば、光平は今の学校にいられなくなってしまう。

慎哉「しょうがないな。できればこういう手段は
 使いたくはなかったけど…」
優香「どうするの?」
慎哉「まあ任せとけって」

一方、この瞬間にも朝倉家は新聞部によってマークされていた。
紗希、佳代、雄大の3人がここに来る時に尾行されていたのだ。
佳代が完全に落ち込んでいた最中だったため、
迂闊にも全く尾行に気づかなかったのだ。

部下の部員達に撮らせた写真を一枚一枚、
学校の部室で確認する美奈。

新聞部員A「朝倉慎哉の家に集まっていたのは、以上のこの6人です」
美奈「なるほどね。この6人が天凰輝シグフェルとそのお仲間ってわけね。
 確かな証拠を掴むまで、引き続きマークを続けてちょうだい」
新聞部員B「ぶ、部長! 大変です!!」

突然PCに向かっていた部員の一人が悲鳴を上げた。

美奈「どうしたの!?」
新聞部員B「PCが何者かにハッキングされています!!」
美奈「何ですって!?」

気がついた時には、PCに保存されていたシグフェルに関するデータが
全てきれいさっぱりと削除されてしまっていたのだった。

新聞部員B「いったい誰がこんな事を…!?」
美奈「こんなことができるのは一人しかいないわ。
 やってくれるじゃない朝倉くん…!」
新聞部員A「部長…?」
美奈「今回のところは私の負けみたいね。いいわ…潔く引き下がってあげる。
 でも絶対絶対ぜぇ〜ったいシグフェルの正体を突き止めるのは
 諦めませんからねぇーっだ!」

今回はいったん引き下がる事に決めた増子美奈だったが、
果たして彼女が次に暴走するのは、いつの日になるのだろうか?

517ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/11/03(火) 21:09:35
>>227の続き。

≪マシンガルーダ、家出する。≫

周囲の指導の甲斐もあって、ようやく二輪免許を取得した牧村光平は、
ついに自らの専用マシーンとなる「マシンガルーダ」との初対面の日がやって来た。

マシンガルーダ「はじめましてシグフェル。ボクはマシンガルーダといいます♪」
光平「バイクが喋った!?」
マシンガルーダ「一生懸命頑張りますので、どうかよろしくお願いします!」
光平「よ、よろしく…(汗」

マシンガルーダは、まだ生まれたての純真な子供のように幼い状態であると同時に、
これまで歴代ヒーローを支えて来たサポート乗用メカたちを大変尊敬していた。
シグフェルともそんな歴戦のヒーロー&専用マシンたちと同じくらいの
ベストコンビネーションを組んで活躍できる日を夢見ていたのだった。

しかしいざ戦場に出撃してみたら、そのコンビネーションはチグハグぶりを露呈してしまい、
マシンガルーダはシグフェルから"かえって邪魔だ"と置いて行かれてしまう。

シグフェル「ここから先は俺一人で戦う!
 キミは端の方で待機していてくれ」
マシンガルーダ「そ、そんなぁ…!」

その一方で、一緒に戦っていた仮面ライダーBLACK RXとその相棒であるアクロバッターは、
見事な連携プレーで大活躍。戦いが終わった後も、南光太郎はアクロバッターに寄り添うように労わる。

光太郎「大丈夫かアクロバッター?」
アクロバッター「このくらいの傷は平気だ。すぐに自己修復で治る」

その様子を、非常に羨ましそうに眺めているマシンガルーダ。

マシンガルーダ「光平さんも、いざとなればボクのことを
 あんな風に庇ってくれるんですよね?」
光平「う、うん…。まあ、たぶんね」
マシンガルーダ「たぶん!? たぶんなんですか!?
 そんな…! 絶対って言ってください!!」
光平「いきなりそんなことを言われても…」
マシンガルーダ「光平さんのバカァァァッ!!!!!!」。・゚゚ '゜(*/□\*) '゜゚゚・。 ウワァーン!!
光平「お、おい!? ちょっと待てって!」

マシンガルーダは光平の言葉にショックを受けて
どこかへ飛び出して行ってしまった。

518ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/11/03(火) 21:10:24
家出したマシンガルーダが押しかけて頼った先は、
なんと南光太郎がいつもアジトに使っている倉庫だった。
マシンガルーダに泣きつかれた光太郎たちは困惑。

マシンガルーダ「聞いてくださいよ! アクロバッター先輩!
 ライドロン先輩! 光平さんったらひどいんですよ!!」。゜゜(´□`。)°゜。ワーン!!
ライドロン「………(汗」
光太郎「参ったなこりゃ…。どうしよう?」
アクロバッター「いいか?マシンガルーダ。私と光太郎のコンビネーションも
 一朝一夕に出来あがった訳ではない。両者の連携プレーがぴったり
 息の合うところまで行き着くには、長い戦いによる経験の積み重ねがあったのだ」

アクロバッターはマシンガルーダに優しく諭して、
自分と光太郎の戦いの日々の思い出を聞かせるのであった。

一方の光平は、そもそもシグフェルには飛行能力があるのに、
どうして移動用のサポートメカが自分に必要なのか未だに理解出来ず、
マシンガルーダの返上を佐原博士に申し出ていたが…。

佐原「光平君、マシンガルーダは単に君専用の移動用メカとして
 用意された訳ではない。その意味が分からないようでは、
 君もまだまだ地球の平和を守る戦士としては未熟だな」
光平「佐原博士…」

自分の迂闊な言葉でマシンガルーダの心を深く傷つけてしまった事を
後悔した光平は、自ら光太郎のところまで出向き、マシンガルーダに謝罪。

光平「マシンガルーダ、ごめん。俺…お前の気持ちを全然解ってなかった」
マシンガルーダ「光平さん…」
光平「ようやくわかったんだ。戦いには苦しみも悲しみも共に分かち合える
 相棒が必要だってことに!」

再度戦場へと赴くシグフェルとマシンガルーダ。

シグフェル「行くぞマシンガルーダ! 俺とお前の力を合わせて、
 目の前のアイツを倒すんだ!」
マシンガルーダ「任せてくださいシグフェル!」

敵キャラ「ぐははは!! バカめ!
 バイクに乗った程度でこの俺様に勝てると
 本気で思っているのかァーッ!!」

しかし今度は前回とは見違えるほどの見事な連携プレイで、
シグフェルとマシンガルーダは強敵を撃破したのだった。
その勝利をしかと見届けるRXとアクロバッター。

RX「シグフェル、マシンガルーダ、見事だ!」
アクロバッター「やれやれ、これでようやく心配の必要はなくなったようだな」

夕焼けを背に語り合う光平とマシンガルーダ。

マシンガルーダ「やりましたね光平さん♪」
光平「なあマシンガルーダ、その"光平さん"って言うのはやめてくれないか。
 俺の事は"光平"と呼び捨てで呼んでくれていいよ」
マシンガルーダ「そうですねぇ…。では光平、ボクのことも"ガル"と呼んでください」
光平「"ガル"か…。よし、わかった。よろしくなっ♪ガル」
マシンガルーダ「こちらこそ末永くよろしくお願いします、光平♪」

こうして天凰輝シグフェルと、その相棒にして戦友となる
マシンガルーダとのコンビがここに誕生したのだった!

519ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/11/15(日) 21:13:22
Drドゥーム殿がご考案中のオリジナルヒーローについて、
キャラクター作成の議論がしやすいように
これまで大体決まっている部分を項目にしてまとめてみた。

名前 :
変身(パワードスーツ装着)後のコードネーム:
国籍 :日本国
年齢 :15歳以上18歳以下のイメージ
性別 :男
職業 :複数の大学とその付属高校といった教育機関、企業による合弁会社に所属。
学歴 :大学まで飛び級で卒業した後、何かしらの理由で高校に入学し直し、某高校に在籍している。
簡単なプロフィール :ある勢力に拉致され、「第二の天凰輝シグフェルを生み出す実験」に
 協力させられていたが、自前の特殊強化アーマーを密かに作り上げ脱出・・・そしてブレイバースの
 メンバーではないが彼らに協力しつつ世界の悪と戦う・・・。
趣味 :
恋人の有無 :
好きな異性のタイプ :
好きな食べ物 :
最近気になること :
一番苦手なもの :
得意な技 :
一番の決めゼリフ :
将来の夢 :
交友関係 :『キテレツ大百科』のキテレツこと木手英一

520凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2015/11/17(火) 19:50:18
≪アセーリアの神≫

アセーリアの世界を創造したのは、セイロスという神である。
セイロスはおよそ2000年前、アセーリアの世界を生み出し、
最初の人間である二人の男女を土から形作ってネクナールの楽園に住まわせた。
現在のアセーリア人は全てその「アセーリア版アダムとイブ」の子孫である。
(アセーリア人は猿から進化したのではなく、
 神によって初めから人間の状態で創り出された)

歴史の初期、アセーリア人は自らを創造したセイロスを父なる神として崇めていたが、
次第に各地で様々な新しい宗教が起こってセイロス教に取って代わり、
現在、古代からの正統なセイロス教を信仰し続けているのはメルヴィオンの人々だけである。
(ただし、世界各地には古代のセイロス崇拝の名残りと見られる
 古い伝統宗教を奉じている集団もわずかに存在している)

セイロスは国を挙げて自分を崇拝しているメルヴィオン聖王国の守護神となり、
気候を安定させて豊作や豊漁をもたらしたり、
国王や祭司に神託を与えて進むべき道を教え導いたりした。
(メルヴィオンは王権の強い王政国家だが、
 国家存亡の危機や人間の知恵では決めかねるような難題が持ち上がった時などには
 守護神であるセイロスのお告げを仰ぐ神権政治が行われる)
神の恵みをふんだんに受けたメルヴィオンは長い歴史を通じて繁栄を続け、
ついに300年前、ロサレダ大陸の全土を統一。
それ以来、戦乱のない平和な時代を過ごしてきた。

ところが、セイロスは受肉し人間の姿となって地球を訪れていたところ、
たまたま通りがかりに遭遇したGショッカーのテロから地球人を守ろうとして負傷。
体内の変身システムが壊され、傷が癒えるまで神の姿に戻る事もアセーリアへ帰る事もできなくなってしまった。
やむなくセイロスは受肉したまま傷の回復を待ちつつ日本人の青年として生活を始め、
海防大学付属高校に入学して生徒会長に就任。
学校を陰から動かす存在として見えざる力を振るいつつ、
メルヴィオンのラウール王子に瓜二つな牧村光平の存在に興味を引かれ始める。

一方、神が長期間不在となったアセーリアでは世界のバランスが崩れ出し、
天変地異が続発するだけでなく、時空が不安定となって時空クレバスが大量発生。
時空クレバスを通って多くのモンスターが出現し人々を襲い始めた。
セイロスのお告げが突然聞こえなくなったメルヴィオンは動揺し、
「これは世界の終末ではないか」「神は我らを見捨てたのか」とパニックが巻き起こる。
そんな騒然とした情勢下で、遂に地球とアセーリアを繋ぐ時空クレバスが開き、
サラジアという恐るべき科学力を持った侵略者がメルヴィオンに現れる…。

521ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/11/23(月) 20:19:21
※未回収の伏線整理

■地球編>291-2
大教授ビアスによる裏切り者ブッチーの抹殺命令。その後は特に動きなし。
おそらくブッチーが現在勤めている遊園地は甘城ブリリアントパーク。
そこには元ネロス帝国の音楽ロボット・ラプソディもいる?

■地球編>291-67
大教授ビアスが新しい千点頭脳を集めるため、ベン博士にも狙いをつけ始めたところで
ストーリーは停止状態に。ビアスは「外宇宙へも視野を広げねばなるまい」と発言しているので、
地球外の科学者キャラも今後狙われる事が予想される。
個人的には『テイルズオブエクリシア』及び『テイルズオブエクリシア2』のジュード・マティスや
『ドラゴンクエストヒーローズ』のジュリエッタとかが武装頭脳軍ボルトに狙われる展開とかをやりたい。

■地球編>398〜402
ネオ生命体ドラスと手を組む大博士リー・ケフレン一味。
その後、改造実験帝国メスには長らく動きがなかったが、
地球編>1502においてドラスのパワーアップ計画はまだ継続中である事が語られる。
ちなみに大帝ラー・デウスやサー・カウラーはまだ未登場。

■地球編>402〜403
まだ望月博士がネロス帝国に捕まったまま。
望月博士はオリジナルキャラ・彩堂寺戒が初登場して
サーベルタイガーグライアー(ザジロード)に改造されるエピソードにて
この後に重要な役割を果たす予定?

■地球編>404〜406
望月博士と麻生勝の行方を追う警視庁。
仮面ライダーX=神敬介と仮面ライダーファイズ=乾巧は、
これまでオールライダー映画で何度も共闘していたにもかかわらず、
変身前の素顔で面識が出来たのは、ごく最近『仮面ライダー大戦』での出来事。
したがってブレイバーズ結成以後の現在でも、麻生勝が仮面ライダーZOであるとは
まだヒーローサイドに知られていない可能性もある。
ひょんなことから麻生勝の捜索に協力することになった誰かが
「仮面ライダー組合ってないんですか?」とかボヤく事になりそう。

■地球編>439
≪絆は種族を超えて…4≫を最後に、「見えない学校」に向かったはずの
鬼太郎たちの動向が完全ストップ。

■地球編>655〜658
ジャシンカ帝国のカー将軍が計画している関東制圧作戦。
これが成功すれば「東京陥落。剣総理以下ほとんどの閣僚が行方不明」という事態となり、
京都に暫定政権ができて反撃へと移る展開も。

■地球編>664
九州へ向けて旅立つ静弦太郎と霧島五郎。その後長らく出番がなかったが、
その後地球編>1359にてようやく再登場。栃木、東京と転戦を続け、順調に日本列島を南下。
現在も九州への隠密旅を続けている。

522ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/11/23(月) 21:22:35
■国家防衛局 National defense Agency

地球圏外及び人外の存在による侵略やテロリストの攻撃、自然災害などあらゆる脅威から
日本国民の安全を守る目的で設立された内閣府外局。「省」ではないが、
法律で国務大臣をもってその長に充てることと定められている、所謂「大臣庁」である。
「防衛省」や「国家安全保障局」と名称が似ているが、陸海空自衛隊を管理・運営する防衛省や、
国家安全保障会議の事務組織である国家安全保障局に対して、国家防衛局は民間を含む
ヒーローたちとの連携を重視する事で、行政組織としての棲み分けが図られている。

真影壮一が去った後の現在の国務大臣・国家防衛局長官は、民自党参議院議員・大塚茂。
所轄署の警部時代にまだ少年だった頃の現ICPO長官・金田正太郎をよき理解者として支え、
コスモクラッシャー隊長官として明神タケルをはじめとする若き隊員を見守る父親的存在で
あり続けた実績を高く評価されての入閣である。


1.組織(幹部)

国務大臣・国家防衛局長官(参議院議員):大塚茂(太陽の使者 鉄人28号/六神合体ゴッドマーズ)
副長官:
長官政務官:
事務次官:
長官補佐官:戸賀間明夫(仮面ライダードライブ)


2.組織(施設等機関)

・特殊状況下防衛センター


3.省庁間の連絡調整

・国家公安委員会
 獅子王機関

・内閣官房
 内閣超常現象特捜部(S.A.I.D.O.C.)
 内閣権力犯罪強制取締局(G.C.I.A.)

・内務省
 治安維持局
 公安部
  公安9課
 超能力支援研究局(B.A.B.E.L.)

・文部科学省
 情報管理局
  ネットワーク管制室
 正史編纂委員会

・総務省
 総合通信基盤局
  高度通信網振興課
   第二分室(通信ネットワーク内仮想空間管理課:通称「仮想課」)

・環境省
 公害調査局
  第8分室(怪獣Gメン)

・国家警備機構

・陰陽庁

・森羅

・独立行政法人・国立情報処理局
 情報通信戦略課
  情報管理科

・東京都
 首都消防局

523ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2015/11/26(木) 14:31:50
<<牧村光平の修学旅行>>

光平、慎哉、優香、佳代、紗希は海防大付属高校の修学旅行で、月へと
やって来た。(雄大は1年である為、当然ながら同行していない)
光平達は、月での目的地であるフォン・ブラウン市のアナハイム・エレクトロニクス社で
工場見学をする事になる。しかし、光平達はガイドや他の海防大付属高校の修学旅行生達と
はぐれてしまう。

アムロ「どうかしたのかい、君達?」
慎哉「ああぁ〜!貴方は一年戦争の英雄で、連邦軍屈指のエースパイロットである
 アムロ・レイ大尉ですか!?」

そこに機体の整備の為、アナハイムの工場に来ていたロンド・ベル隊所属のパイロット
であるアムロやカミーユ、ジュドー達と出会う。

光平「俺は牧村光平といいます。俺達は修学旅行で此処に見学しに来たんですけど、
 はぐれてしまったのです」
アムロ「牧村光平・・・・すると、君がシグフェルか!」

アムロは光平の名前を聞いて彼がブレイバーズの一員となった
シグフェルだという事に気が付く。そしてアムロ達は光平達を
送り届ける事にした。

慎哉「所で、アムロ大尉は一年戦争の時にギレン・ザビの演説を聞いて
 モニターを叩き割ったていう話を聞いたのですが、本当ですか?」
アムロ「・・・・架空の話だよ」

慎哉の質問にアムロは苦笑しながら、答える。

♢ ♢ ♢ ♢ ♢

ギュネイ「上層部(うえ)からの命令だ。これよりアナハイムの工場を
 制圧する!攻撃開始!!」

所が、アナハイムの工場をネオジオン、ギガノスの残党部隊が強襲。
部隊を率いるギュネイ・ガスの号令で攻撃が始まり、工場は大混乱となる。
さらに工場を制圧しようと、ネオジオンやギガノスの兵士が工場内に
侵入してくるのであった。

アムロ「ガンダムで出撃する!行くぞ、カミーユ、ジュドー!」
光平「俺は工場内に侵入して来た連中を相手にします。翔着(シグ・トランス)!!」

アムロ達、ロンド・ベルのパイロット達はガンダムで出撃。そして光平は
シグフェルに変身して、侵入して来たネオジオンの兵士達を相手に戦う。

佳代「私達は、皆が避難出来るようにするよ!」
慎哉「皆、慌てず係員の指示に従うんだ!」
ネオジオン兵「貴様ら!おとなしくしろ!!」
優香「―!」
シグフェル「優香ぁ!!」

慎哉達はシグフェルが戦いやすいように他の修学旅行生達や工場の
職員達の避難を手伝っていた。だがネオジオンの兵士の銃口が優香を
捉える。

―シュ!

ネオジオン兵「くっ!」
シグフェル「苦無?何だか分からないけど、チャンスだ!」

だが、何処からか飛んできた苦無がネオジオン兵の手に刺さり、銃を
落としてしまう。その隙にシグフェルはネオジオン兵をねじ伏せた。

佳代「(今の苦無、もしかして・・・・・)」

佳代は苦無を投げた人物に心当たりがあるが、一先ず考えるのは
後にした。

メガブラック「ネオジオン、アナハイムの工場を制圧させたりはさせないぞ!」
メガイエロー「アナハイムにいる皆さん、要請を受けて救出に参りました!」

そこに連邦軍からの要請を受けて、I.N.E.Tからメガブラックとメガイエローが
救援に駆けつける。メガブラックこと遠藤耕一郎とメガイエローこと城ケ崎千里は
諸星学園高校を卒業した現在、I.N.E.Tの職員となっていたのであった。
そしてシグフェルと協力して、工場に侵入して来たネオジオンの兵士は捕縛されるのであった。

524ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2015/11/26(木) 14:44:12
ギュネイ@ギュネイ専用ヤクト・ドーガ「その機体、アムロ・レイか!覚悟してもらうぞ!」
アムロ「―!この感じ、ギュネイか!」

一方、ギュネイの乗るヤクト・ドーガに対してアムロはHi‐νガンダムで
激突する。

カミーユ@Ζガンダム「アムロ大尉!!」
レズン@レズン専用ギラ・ドーガ「おっと、行かせはしないよ!」
ジュドー@ΖΖガンダム「くそ、どきやがれ!」

アムロを助けようと、Ζガンダムに乗るカミーユとZZガンダムに乗る
ジュドーはネオジオンの兵士であるレズン・シュナイダーに行く手を
阻まれる。

ネオジオン兵「ギュネイ隊長、こちらに接近する熱源が多数!」
ギュネイ「何者だ!?」

そして戦闘区域に現れたのは、同じくロンド・ベルに所属する
ネェル・アーガマと宇宙にあがっていたグレンダイザーだった。

デューク・フリード「アムロ大尉!援護します」
リディ@デルタプラス「下がってください!」
アムロ「デューク・フリード!そしてリディか!」

ネェル・アーガマから出撃したデルタプラスに乗るリディ・マーセナスや
グレンダイザーに乗るデューク・フリードが援軍として駆けつけた事に
より、事態は優勢となり、ギュネイ達ネオジオンは撤退した。

ブライト「君が、牧村光平君とその友人達か。私はブライト・ノア。
 このロンド・ベルの旗艦ラー・カイラムの艦長をしている」
光平「(この人が、歴戦の名艦長ブライト・ノア大佐・・・・)」

戦闘後、光平は慎哉達と共に修学旅行を抜け出して、ロンド・ベルの旗艦
ラーカイラムに訪れ、ロンド・ベルの面々と交流する。だが、その直後に
全世界のメディアを通して、ジオンの赤い彗星の異名で呼ばれていた
シャア・アズナブルが自身が黄泉還りで現世に復活し、再びネオジオンを
率いる事を伝え、正式に地球連邦にネオジオンによる宣戦布告を行う。

シャア「―!時々、見るこのヴィジョン・・・・・これが意味するもの。それは・・・・」

会見後、自室に戻ったシャアは黄泉還ってから時々見る、あるヴィジョンをまた
見る様になる。彼が見ているヴィジョンとは・・・・・。

525凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2015/11/28(土) 16:50:08
≪バリク共和国に関する設定構想≫

■『フルメタル・パニック!TSR』劇中情報から分かる事

・内戦が起きている国である。

・ミスリル西太平洋戦隊の管轄地域なので、恐らく東南アジアかオセアニア。

・首都かどうかは不明だが、タボリ市という都市があり、
 内戦の戦闘地帯となっている。

・十字架が飾られた教会の前で政府軍のマレス大佐が、
「お前達の信じる神など知るものか」と言って難民を虐殺しようとする場面がある。
→政府側は非キリスト教徒。
 キリスト教系の民族集団を政府が弾圧している。
 内戦も恐らく「非キリスト教徒の政府VSキリスト教徒の少数民族」の構図で起きている。

・アマルガムと兵器の代金支払いで揉め、アマルガム幹部にマレス大佐が殺害される事態に。
→これ以上アマルガムとのビジネス継続は難しそう。
 兵器輸入などの支援には別ルートが必要。


■闘争の系統における設定アイデア

東南アジアの国・バリク共和国では、
国内の多数派を占める非キリスト教系民族と、マイノリティのキリスト教系民族との民族紛争が深刻で、
非キリスト教系民族による政府にキリスト教系民族の武装グループが反旗を翻し、
長年に渡って内戦が続く状態となっている。
政府軍を指揮するのは黄泉がえったマレス大佐で、
反政府ゲリラのリーダーは、同じくリザレクターである元A21のセイナである。
(セイナは日本人だが、抵抗運動に同調してゲリラに加わり、
 その実力が評価されてゲリラの指導者に祭り上げられた)

かつてはアマルガムから兵器の支援を受けていたバリク政府軍だが、
代金の支払いを巡ってトラブルを起こして以来、アマルガムとは縁を切り、
代わってサラジア共和国を新たな支援者としている。
サラジアにとっては、バリクの内戦は新兵器の実験場や
兵士の実戦経験を積ませる場として最適であり、
バリク政府軍に兵器を供与したり、時にはサラジア軍自らバリクで空爆などの掃討作戦を行なうなど、
活発にバリク内戦に介入している。

一方、欧米諸国の世論や政府は、同じキリスト教徒として、
キリスト教系の少数民族を弾圧しているバリク政府には総じて批判的で、
バリク政府が非民主的な軍事独裁政権である事もあり、
反政府ゲリラの側を「圧政に対するレジスタンス」として好意的に見る向きが強い。
今のところ欧米諸国は表立って反政府ゲリラを支援したりはしていないが、
裏ではアメリカ影の政府から資金や武器の提供があるとも、
バチカンのローマ教皇庁から何らかの援助が与えられているとも噂されている。

ただし、反政府ゲリラもセイナがその人徳でよくまとめているとは言え、
中にはテロリズムを肯定するような過激派も少なからずおり、
必ずしも欧米のメディアが報じているような完璧な「正義の味方」ではないのが現実である。
極端な民族主義やキリスト教原理主義に毒されたそれら一部の過激派は、
バリク政府軍が支配している地域だけでなく時にはサラジアでも市民を巻き込むテロを行ない、
「民族の自治権の承認」や「サラジア軍の撤退」を要求している。
(サラジアのアルハザード副大統領は自国で発生した爆弾テロに激怒し、
 「バリクの反政府ゲリラを支持するアメリカこそテロ支援国家だ!」と咆えた事がある)

地理的にバリクに近いオーブ連合首長国やフィリピン、インドネシアなど東南アジア各国は、
バリク内戦で故郷から焼け出された難民の受け入れを進めつつ、
停戦に向け力を尽くしているが、泥沼化した内戦の終わりは一向に見えない。
果たしてバリクの地に平和はいつ訪れるのであろうか…?

526ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/11/28(土) 21:04:18
≪スタースクリームの幽霊≫

???「使い物にならなくなった戦闘員を連れて来るんだね」
戦闘員A「…や、やめてくれ! 助けてくれ〜!!」
???「うるさい。黙るんだね」

宙を舞い言葉を話す謎の黒いフード&パーカが、
部屋に連行されて来た用済みのショッカー戦闘員に憑依した。

ロック「フフフ…久々の肉体なんだね」

ディスダーク三銃士の一人であるロックは、
以前に乗っ取っていたクロロの肉体を失った後、
現在では戦闘員の肉体を代用品として利用していた。

ロック「しかし所詮は下等な戦闘員の肉体。
 そんなに長い時間はもたない。早くボクに相応しい
 肉体を探さなければ…」

一方、その頃…。
地球圏に遠征中の皇太子ワルズ・ギルの元に、ザンギャック本星から
決戦兵器グレートワルズ改が到着した。

ワルズ「くくくくっ…これで地球のブレイバーズなぞ一捻りだ!」
ダマラス「直ちに起動準備!」
インサーン「ハハッ!」

ところがである…。

グレートワルズの声?「わりぃな、ザンギャックのボンボンよぉ。
 ちょっとコイツを借りてくぜ!」

ワルズ「…ぐ、グレートワルズが喋った!?」
ダマラス「そんなバカな!?」

無人のまま勝手に動き出したグレートワルズ改は
強引にギガントホースから発進すると地球へと向かい、
そこでロックと合流した。

ロック「どうだい? ザンギャックの最高の技術の粋が詰まった
 鋼鉄の巨体の乗り移り心地は?」
グレートワルズの声?「悪くねえ。デストロンのニューリーダーとして
 遜色ない秘めたパワーを感じるぜ♪」

実はグレートワルズ改が勝手に動き出したのは、
スタースクリームの幽霊が乗り移っていたからだった!
ロックは密かにスタースクリームの幽霊と手を結び、
ギガントホースにグレートワルズ改が送られて来るという
情報を横流ししていたのだ。

ロック「さあ約束だよ。今度はボクの新しい肉体を探すのに
 協力してもらうんだね」
グレートワルズ(スタースクリーム)「知るかっ! 後は俺の知ったこっちゃねえ。
 てめえ一人だけで勝手にやりな!」

土壇場で約束を反故にしようとするスタースクリーム。
しかしロックは余裕の表情だった。

ロック「くくくくくっ…」
グレートワルズ(スタースクリーム)「何がおかしい?」
ロック「どうせそう来ると思ったんだね。こんなこともあろうかと、
 その機体の内部には爆弾をセットしておいたのさ。せっかく手に入れた
 新しい肉体を破壊されたくなかったら、大人しくボクの言う事を聞くんだね」
グレートワルズ(スタースクリーム)「ちきしょう! ハメやがったなこのガキ!」

どうやらロックの方が一枚上手だったようだ。
スタースクリームの幽霊は、渋々ロックに従う事に…。

527ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/11/28(土) 21:05:15
***焼き鳥屋「さべーじ」***

今日も仕事を終えた後に、いつものようにみんなで集まって飲んでいる、
甘ブリ三羽ガラス(モッフル、マカロン、ティラミーの3人)。
後輩の従業員であるブッチー(元武装頭脳軍ボルト)とラプソディ(元ネロス帝国)も一緒である。

モッフル「ささ、遠慮しないで一杯やるもふ」
ブッチー「ご馳走になるだす」

ブッチーとラプソディはロボットなので、
お酒ではなくオイルで一杯やる。
その時、道路の方から騒々しい声が…。

マカロン「なんの騒ぎだろん?」
ラプソディ「行ってみよう!」

店の玄関から外に出てみると、緑色の皮膚をした奇妙な生き物が、
通行人たちから気持ち悪がられて、次々と石を投げつけられていた。

ベガベビー「やめて…やめてください…!」
通行人A「この化け物!!」
通行人B「あっち行け!!」

ブッチー「…キ、キミは!?」

ブッチーは、人間達から迫害を受けているその怪物を見て驚く。
その生物には以前に見覚えがあったのだ。
一方のその生物も、ブッチーの方に気づいて驚愕する。

ベガベビー「…あ…あああ…(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル」
ブッチー「お前はベガベビー!?」
ベガベビー「た、助けてぇ〜!!」
ブッチー「ちょ、ちょっと待つだすぅ〜!!」

ベガベビーは、かつて頭脳獣ベガヅノーによって
超獣戦隊ライブマンのグリーンサイ=相川純一の腹部に寄生して
誕生した後、母と慕う純一に見守られながら
儚くして非業の最期を遂げた異星生物型の赤ん坊だ。
そのベガベビーがブッチー同様、再生者(リザレクター)として
現世に黄泉がえっていたのだ。

ブッチーを視認するや否や、一目散に逃げ出すベガベビー。
生前の頃にまだ悪だったブッチーに殺されかかった経験があるので無理もない。
今のブッチーが岬めぐみのおかげで改心している事情など知る由もないのだ。

必死に逃げる途中でベガベビーは転んでしまい、
やがてブッチーに追いつかれた。

ブッチー「やっと追いついただす」
ベガベビー「やめてぇ! 殺さないで!!」
ブッチー「落ち着くだす! 何もキミをいじめたりはしないだす!」
ベガベビー「本当…?」
ブッチー「思えばキミにもひどいことをしてしまっただすなあ…。
 この通り謝るだす」

膝をついて土下座をし謝罪したブッチーは、
ベガベビーを甘城ブリリアントパークの管理棟まで連れて戻る。

528ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/11/28(土) 21:06:42
***甘城ブリリアントパーク・事務管理棟***

西也「……( ゚д゚)ポカーン」
いすず「……( ゚д゚)ポカーン」

ブッチー「可児江さん、いすずさん、お願いだす。
 どうか一晩だけでいいので、彼をここに泊めてやって
 ほしいのだす」
ベガベビー「………」
西也「し、しかしだなあ…」
ラティファ「まあ一晩だけならよろしいんじゃないですか?」
いすず「ラティファ様!?」

ラティファの鶴の一声で、ベガベビーは明日ブレイバーズの迎えが来るまで
パークに泊めてもらえることになった。

ラプソディ「ブレイバーズには連絡しておいた。明日にはライブマンが
 この子を迎えに来てくれるぞ」
ベガベビー「それじゃあママに会えるの!?」
ブッチー「よかっただすなあベガベビー」
ベガベビー「うん♪」

生みの母?である純一との再会に心躍らせるベガベビー。
しかし翌日、運命の悪戯か一足違いでライブマンの到着よりも早く、
ロックとグレートワルズが甘城ブリリアントパークを襲撃した来た!

ロック「ベガ星人の生命遺伝子から造られた生命体。
 まさしくこのボクの新たな肉体にちょうどいいんだね!!」
ベガベビー「きゃああっ――!!」
ブッチー「ベガベビー!?」

なんとベガベビーはロックに体を乗っ取られてしまった。

ブッチー「おのれぇ! 目ん玉リボル――」
ロック「おっと、いいのかい?
 ボクを攻撃すると、中のベガベビーの肉体まで
 一緒に傷つくんだね」
ブッチー「ぐぬぬぬ!!」
グリーンサイ「ベビーを…ベビーを返せ!」
ロック「欲しけりゃ腕ずくで取り返して見るんだね」

ベガベビーを傷つける事が出来ず、ライブマンとブッチーは対応に苦慮する。
一方スタースクリームのグレートワルズは、パーク内で逃げ惑う入場客たちを襲いながら
破壊行為で大暴れ。ラティファのいるメープル城に迫る!

いすず「こうなったらアレを使うしかないわ!」
西也「バカなっ…! アレには一回200万円の経費がかかってしまうのだぞ!」
ラティファ「可児江さん、もうこうなっては背に腹は代えられません!」
西也「くっ…やむを得ん!」

「絶対に押してはいけないボタン」を起動させ、自動迎撃モードへと変形するメープル城。

グレートワルズ(スタースクリーム)「遊園地の城がトランスフォームしただと!?」

果たしてメープル城VSグレートワルズの戦いの行方は!?

529ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/12/06(日) 20:47:47
>>510 波川桂の設定追加補足案

その一:関西出身案
元々は大阪の出身であり、父が仕事の本拠地を東京に移したため
自身も東京の海防大学付属高校に転入してきた。
波川ファウンデーションという大企業のお嬢様には違いないのだが、
普段の会話では、標準語ではなく関西弁を話すという異色のお嬢様。
関西弁を話しつつも性格はおしとやかなお嬢様になるのか、
それとも関西弁に似つかわしい商魂溢れる浪花のお嬢様になるのかは、
まだわからない…。

その二:実は人間ではなく人外の種族
①波川ファウンデーションの会長・波川謙吾の正体は、
実は人間界に移住(亡命?)してきた穏健派の魔族。
謙吾には元々商才に長けていたところがあり、
異境の地である日本で一代にして巨万の財産を築き上げた。
その後に出会った日本人女性と結ばれ、一人娘の桂が生まれた。
したがってこの場合、桂は人間と魔族のハーフということになる。
人間界では普通の人間として平穏に暮らすために、
魔力の発動を抑えるリミッターとなるアクセサリ(腕輪かネックレス等)を
身につけており(本人の自由意思で外せない)、そのためX星人に
襲われた時も抵抗できなかった。

②もう一つのケースは、波川夫妻は普通の人間だが、
桂はある事情で夫妻が引き取った養女であるというケース。
実は桂の正体は、半人半鳥の魔族セイレーン族。
波川夫妻もその事実は引き取った当初から承知している。
美しい歌声の持ち主であるため、学校では声楽部に所属。
彼女の歌声が、X星人の弱点となる一定の周波数と
一致していたため、それが反撃のチャンスを生む事になる。

530凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2015/12/07(月) 20:27:20
>>529追加案

③波川ファウンデーションの会長・波川謙吾の正体は、
遠い宇宙の彼方のムーサ星からやって来たムーサ星人(オリジナル宇宙人)。
ムーサ星人は「音楽の民」として知られる平和的種族で、
争いを好まず戦闘力は低いが、彼らが演奏に用いる民族楽器「エラトーの竪琴」が
X星人の苦手な周波数の音を発するため、X星人にとっては天敵と言うべき存在。

X星人の侵略を竪琴の力で撃退したムーサ星人だが、
10年前、不幸にも巨大隕石の衝突によって母星を失い滅びてしまった。
しかし謙吾は娘の桂を連れて命からがら地球へ逃げ延び、
地球に「エラトーの竪琴」を持ち込んでいた。
絶滅したはずのムーサ星人の生き残りが地球にいた事は
地球侵略を開始したX星人にとって最大の誤算。
波川家の屋敷に保管されていたX星人が恐れるこの竪琴が、
X星人の侵略から地球を守る最終兵器となる。

531ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/12/08(火) 16:13:06
>>502 ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.
>『終わりのセラフ』・・・グレンを助ける為、更なる鬼の力を引き出そうとする優一郎。
> しかし次第に暴走していき、鬼に変わろうとしていたが仲間達によって暴走は収まり
> 月鬼ノ組は深夜の指揮の下、撤退する。
クローリー強すぎる!!
思わず「誰かサイタマさんを呼んでくれ!」と
心の中で叫んでしまった。
(君月とジェノスは中の人が同じ人だし。)

>>503 凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.
>黒崎楓を関西弁キャラにしようかとも考えていたので、
>重複するのはちょっと…。
これは申し訳ない。波川桂と黒崎楓の二人は
登場時期は少しズレて重複はしないものと
こちらで勝手に思い込んでいたのだが、
活躍するのは同一のシナリオであったか…。

>いや、それとも二人とも敢えて関西弁に揃えてしまおうか。
>考えてみればそれも悪くないかな。
いや、俺も重複するのは避けた方がよいと思う。

>セイレーン族というのはオリジナル設定の魔族だろうか?
海上に出た漁師を妖しい歌声で惑わすという
伝説上の半人半鳥の怪物セイレーンがモデルだが、
俺は「ムーサ星人」の案の方に賛成だ。
「エラトーの竪琴」というのは、おそらく宇宙のプレシャス。
ボウケンジャーを絡ませられそうだ。ハザードレベルも考えておかねばなるまい。

>>504 ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.
>そういえばオリジナルの宇宙人キャラと呼べる存在は、まだいませんでしたなぁ。
なるべく版権作品の設定やキャラの中に利用できそうなものを先に探して、
どうしても見当たらなければオリジナルの設定やオリキャラを用いるように
しているからかもしれませぬな。ただ最近になって考えが変わって来たのだが、
SS筆者が互いのオリキャラやオリジナル設定を持ちより、
一つの物語上で交差させるのも、ある意味「クロスオーバー」なのでは
ないかとも思う。

532ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/12/08(火) 16:13:39
失礼、誤爆した…(汗。

533ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/12/12(土) 12:46:44
≪ガイファードの帰還≫

X星人と黒崎楓が暗躍し、波川ファウンデーションが乗っ取られていた事件が解決してから数カ月後のこと…。
ある日、師事している東亜大学の堀口一郎博士のお遣いで、「ドクター城石」と呼ばれている人物のところに
出掛けた獅堂未加と剣の姉妹。そこで出会った城石本人の顔を見て、二人は吃驚仰天。

未加「堀口博士!??」
剣「いつの間に僕たちより先回りしてたんですか?」
城石「ハァ? 何を言っとるんだ君たちは?」

この人物――城石丈雄博士は、未加や剣たちグランセイザーの後見人でもある堀口博士とは、
まるで双子の兄弟でもあるかのように瓜二つな人物だった。
一方その頃、京都では日本全体を震撼させる事件が幕を開けようとしていた…。

復活を果たした悪の秘密組織クラウンは、京都の仙洞御所に眠る「ある物」を手に入れようと、
ミューティアンによる工作部隊を侵入させるが、混乱の中、同じく御所内に侵入していた
何者かによって先を越されてしまった。クラウンよりも先手を打って
先に「ある物」を奪取したのは、死んだはずの黒崎楓だった!?

さらに数日後の東京…。

牧村光平たちは、ある日偶然街中で、その黒崎楓と遭遇する。

佳代「黒崎楓! まさか生きていたとはね!
 アタシたちを裏切っておいて、よくもおめおめと
 また顔を出せたもんだね!」
楓「…ん? 誰やお前? ワイはお前なんかに
 会った事はないで」
佳代「とぼけるなッ!」
楓「うわっ!? いきなり何すんのや!!」
光平「待つんだ佳代ちゃん! そいつは"あの黒崎楓"じゃない!」
佳代「甘いよ光平! 敵に情けは無用だ!」

なんとなく目の前の男が自分たちのよく知る黒崎楓とは
別人であることを察した光平は制止するものの、
敵意むき出しで襲いかかる錦織佳代の忍刀を
飄々と避け続ける楓だったが、女の子相手に本気を出せないのか
次第に追い詰められていく。

???「――王気・極星拳!!!」

突然、別方向から飛んできた「星」の気を用いた強力な破壊力を秘めた拳が、
佳代を衝撃で吹き飛ばして楓の窮地を救った。

佳代「ああああっっ!!!」
光平「佳代ちゃん!?」

デスファード「楓、あまり手間をかけさせるな!」
楓「将人さん、剛さん、すんまへん…」
ガイファード「すまないが彼は我々に預からせてもらう」

いきなり現れたデスファードとガイファードは多くを語らず、
楓を回収すると即座に撤退。呆然とする光平たち。

佳代「くっ…!」
光平「いったい今の奴らは何者なんだ!?」

534ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/12/12(土) 12:47:18
黒崎楓が生きて再び東京に現れたとの情報を聞いた
ブレイバーズのメンバーたちが捜索を開始する中、
沖一也はとある山中で、偶然に風間将人・剛の兄弟と出会う。

一也「その構え、もしや拳王流か?」
将人「そういうお前は赤心少林拳と見た。相手にとって不足はなさそうだ」
剛「兄貴、ここは俺に任せてくれ!」
一也「……(この二人は只者ではない)」

拳を交えて対決する沖一也と風間剛。

◇   ◇   ◇

某所轄署のはみだし刑事として知られるベテランの中野祐二刑事は、
ある連続怪事件を追っていたが、突然上層部から捜査中止の圧力が…。

中野「納得できません! 理由を説明してください!」
捜査課長「さる"やんごとなき筋"からのご依頼だ…」
中野「やんごとなき筋ぃ〜? ああなるほど、宮中からって訳ですかい!」
捜査課長「バカッ! 声が大きい! とにかくこの件は我々の手から
 離れたんだ! わかったな!!」

こうして捜査本部は解散してしまう。

中野の部下「中野さん、マズイっすよ。
 今度ばかりは相手が悪いですって」
中野「バカやろう! 宮中のお歯黒が怖くて刑事(デカ)が務まるか!
 俺は絶対に諦めんからな!」

後輩刑事達が止めるのも聞かず、構わず中野刑事は単身で
捜査を続行するのであった。

だが"やんごとなき筋"からの圧力がかかっていたのは、
中野刑事のいる所轄署だけではなかった。
ここ、東京都千代田区の首相官邸においても…。

由良「これが桔梗局様から剣総理へと宛てた書状です」
桃太郎「………」

京都の仙洞御所が東京に派遣したエージェント、
"北面武士"である二之宮蓮と烏丸由良は、
院庁(治天の君の家政機関)の内密の使者として首相官邸を訪れ、
「東京の中央政府とブレイバーズはこの件に口も手も出すな」と釘をさす。

桃太郎「院(治天の君)のご意向とあれば、官邸としても無碍にはできんな…」

こうしてブレイバーズには、日本政府から不介入のお達しが伝えられる事に。

小野「剣総理は私たちの味方だと思っていたのに!」
海野「所詮、政治家なんて結局はみんな似たようなもんさ…」

不満を述べる隊員たちだったが、佐原博士と剣持隊長はなぜか笑っている。

村中「二人とも何がそんなにおかしいんですか?」
剣持「お前たちには、剣総理の言っている言葉の"裏の意味"が解らんのか?」
海野「えっ?」
佐原「我々は地球連邦政府と星間評議会から公式に認められた
 独立行動部隊だ。東京の官邸としては仙洞御所の顔を立てる
 必要があるが、我々には"日本政府の意向など無視して
 思う存分にやれ"と剣総理は言ってくれているんだ」
村中「そうだったのか…」

535ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/12/12(土) 12:47:53
クラウンの司令官バイクロスは、石津麟一郎と手を結び、
自分たちより先に「ある物」を奪った黒崎楓、風間剛、風間将人の行方を追っていた。

バイクロス「風間剛の仲間だった九條麗と優の兄妹を人質に取り、
 奴らを罠におびき出すのだ!」
メタル紫苑「Gショッカーなどの他勢力との間に開いた差の
 遅れを取り戻すためにも、例のアレは絶対に必要です」
石津「Mr.バイクロス、我らG機関の精鋭も手をお貸ししよう」

クラウンとG機関の合同部隊は、九條麗と優の兄妹を襲おうと計画を立てるが、
九條兄妹は天童忍軍が先手を打って保護(という名の拉致)をされていた。
そして二之宮蓮と烏丸由良も、天童と行動を共にしていたのだった。
クラウンが考えていた事と同様、兄妹を餌にしてガイファードたちをおびき出す算段だ。

蓮「なんかこっちが人質を取ってる卑怯な悪役みたいで
 気がすすまんなあ…」
由良「蓮、私たちの任務はガイファードから例の物を奪い返すこと。
 院のご宸襟を悩ます者は、たとえ何者と言えども排除する。
 手段を選んではいられないわ!」

◇   ◇   ◇

剛「麗と優を助けなければ!」
城石「いかん! いかんぞぉ! 剛、これは罠だ!」
剛「覚悟の上だ」
将人「お前一人を行かせはしないぞ」
楓「ワイも一緒について行きまっせ!
 たとえ剛さんがイヤだと言っても」
剛「兄貴、楓…」

天馬「俺たちグランセイザーも手を貸すぜ!」
一也「我々にも是非協力させてくれ」


風間剛たちが仙洞御所から盗み出し、クラウンが手に入れたがっている
「ある物」とは何なのか!?
そして天童一門と手を組んでまで、仙洞御所が
それを執拗に取り戻したがっているのは何故なのか?

なぜ死んだはずの黒崎楓が、生きて風間剛たちと行動を共にしているのか?

そしてクラウンと石津が手を組んでの陰謀の中身とは…!?

ブレイバーズとの邂逅を果たしたガイファードは、
天童の手に落ちた九條麗と優の兄妹を救い出すと同時に、
クラウンの恐るべき計画を阻止出来るのか!?

536ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2015/12/13(日) 09:37:22
※『絆は種族を超えて・・・』の件が解決してある事が前提。

<<岡島雄大の奇妙な体験>>

光平、慎哉、優香、佳代の4人が「仁科宗禎」という人物を調べに
東北の岩屋村へと向かった頃。東京に残った雄大は自身が運営
しているオカルトサイトに集まっているオカルト情報をチェックしていた。

雄大「さーて、今日はどんな情報が来ているかな?・・・・・被ると吸血鬼に
 変わる石仮面・・・・古代エジプトで造られたパズル・・・・重さを無くす蟹、
 今日も色々情報があるなぁ・・・・?!これは・・・・・」

サイトに色々な情報が送られているが、雄大はその中のある情報に目を止める。
内容は本物の幽霊が現れるという古い廃ビルについてで、情報によれば
雄大の自宅から近い場所にある事を知る。光平達が不在の今、暇を持て余した
雄大は単身、廃ビルに行く事にするのであった。

◇ ◇ ◇

廃ビルに来ると、雄大は同じ様に幽霊を見ようと廃ビルに入っていく人々を
見かける。雄大も同じく廃ビルの中に入り、1人探索を始める。

???「キャーー!!」
雄大「な、何だ!?」

突然叫び声が聞こえたので、声のする方まで行ってみると、先に廃ビルに
来ていた人達が何かに襲われている姿を目撃する。

ガゴゼ「他にも人間がいたか・・・・」
黒坊主「見たな!!」
ガリリ「貴様もドクロにしてやる!!」
雄大「ヒィ!!」

人を襲っていたのは元奴良組の幹部であるガコゼ、黒豹の頭を
している黒坊主、夜泣き岩に封じられていた大魔王ガルバーの
配下であるガリリという妖怪達だった。彼等3体の妖怪は心霊
スポットである廃ビルを利用して、やって来た人間を襲って命を
奪っていたのである。3体は雄大の命を奪おうとしたので、雄大は
その場から逃げ出す。

※大魔王ガルバーの配下である妖怪ガリリはGショッカーの一員で、
 黒坊主とガコゼは妖怪帝国の傘下に加わっているのだが、ガルバーは
 妖怪帝国と繋がりを持っており、今回共同作戦としてガリリ、黒坊主、
 ガコゼは一緒に人を襲っていた。

雄大「な、何とかビルから出て、人に報せないと・・・・!」

雄大はビルから出ようと、急いで玄関を目指した。内心は光平達に
連絡したい所だが、生憎彼らは不在である為どうしようもなかった。
そして曲がり角を曲がろうとしたその時、誰かとぶつかる。

???「イタタ・・・・」
???「大丈夫かい?カナ君」
雄大「ぶつかってごめんなさい!・・・君達は?」

雄大とぶつかったのは中学生くらいの少女で、友達であろう男子は
「カナ」と呼びながら、ぶつかって倒れた彼女を起こす。雄大も
ぶつかった事に謝ると、見た事が無い彼女達が何者か質問する。

清継「僕の名前は清継。浮世絵中で清十字団っていう集まりの会長を
 しています」
カナ「私は家長カナと申します」

浮世絵中学に通う清継は、妖怪との遭遇を目的とした清十字怪奇探偵団
(通称“清十字団”)を結成しており、カナはその一員で、彼らは妖怪任侠
一家“奴良組”の三代目総大将、奴良リクオの仲間なのだが、最近悪さを
働く妖怪が増え、その対応に忙しいリクオの力になりたいと考え、人が死ぬ
という噂がある、この心霊スポットを調べに来たのであった。(なお、他にも
団員がいるのだが、皆それぞれの用事により欠席している)ガコゼ達が
迫ってきているので雄大は簡単に状況を説明し、出口に向かいながら、
清継達の事情を知る。そして、ようやく出口でもあるビルの玄関口まで
辿り着いた。

雄大「やった!ようやく脱出できる!!」
ガコゼ「・・・・それは、どうかな?」

537ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2015/12/13(日) 12:11:30
玄関口まで辿り着いた事に喜ぶ雄大達だったが、黒い煙の姿である
黒坊主が玄関口の前に立ちはだかり、ガコゼとガリキは雄大達の
背後から現れる。

清継「お、お前は!?」
ガコゼ「?俺を知っているのか・・・・いや、思い出したぞ!そこのお前と
 女は確かリクオと同じ学校にいたガキだったか?ふふ、リクオに俺は
 殺されたが、またこの世に戻って来たんだ。リクオへの恨みとして、
 今度こそ殺してやろう!」
カナ「―!?」
黒坊主「ならば、俺はそこの背の高いガキの命をもらおう」
清継「な、何」
ガリキ「それならば、俺は残ったこの眼鏡の小僧をドクロにして
 エキスを作るとしよう。ふふ、小僧私の命の糧になるがいい!」
雄大「くっ、光平先輩・・・・!」

ガコゼ達が一斉に雄大達に襲い掛かり、最早これまでかと諦めかけた
その時。ガコゼ達はその手を何故か止める。そして下駄の音が響く。

ガリキ「う、動けん!」
黒坊主「こ、この下駄の音は!」
???「そこまでだ!黒坊主」

通路から下駄の音共に現れたのは、前髪で左目が隠れており
ちゃんちゃんこを着て下駄を履いた少年、ゲゲゲの鬼太郎だった。

黒坊主「貴様は鬼太郎!」
雄大「き、鬼太郎って、あの都市伝説になっている妖怪の少年!
 本当にいたのか!!」
ガコゼ「奴が、あのゲゲゲの鬼太郎か!(だが、今感じている<<畏れ>>は
 奴の物では無い。まさか・・・・・!)」
???「・・・・それ以上、人間に仇を成すのは許さねえぜ。ガコゼ」
ガコゼ「―!」

ガコゼの背後から、いつのまにか近づいていた長い髪と着流しが
特徴の青年が現れる。

ガコゼ「お、お前はリクオ!?」
カナ「リクオくん!」
清継「奴良くん!」

現れた青年こそ、関東の妖怪を取り仕切る妖怪任侠一家“奴良組”の
三代目総大将、奴良リクオだった。ガコゼはリクオの<<畏れ>>に身を
震わせ、すぐ様リクオから距離を取る。リクオが助けに来た事に
カナや清継は安堵する。

リクオ「・・・・たく、危ないマネしやがって」
カナ「ごめんなさい、リクオくん」
清継「す、すまない。悪さをしている妖怪かと思って調べに来たけど
 君に迷惑を掛けてしまった」
リクオ「言い訳なら後で聞いてやる。とりあえず下がってな」
鬼太郎「君も彼らと下がっているんだ」
雄大「は、はい!」

リクオと鬼太郎に下がる様言われた雄大、カナ、清継は邪魔に
ならないように物陰へと下がる。鬼太郎とリクオは彼らを守る
様に前へ立った。

リクオ「久しぶりだな、ガコゼ。妖怪帝国なんて所にいるらしいが、
 死んでも、その性根は治らねえようだな」
ガコゼ「ふん、妖怪帝国やGショッカーの協力を得られた今こそ
 貴様に斬られた恨みを晴らす。ガリキ!」
ガリキ「現れよ、ヨウキども!」

かつてリクオに斬られたガコゼは、恨みを晴らそうとガリキに
戦闘員であるヨウキを呼び出させる。ヨウキ達は一斉に現れ
鬼太郎やリクオの前に立ち塞がり、攻撃を始めた。

猫娘「シャアー!!」
つらら「てやぁ!」
青田坊「ふん!」

鬼太郎とリクオに攻撃しようとしたヨウキ達は鬼太郎の仲間である
猫娘、リクオの側近である雪女のつらら、青田坊らによって、
ねじ伏せられる。

猫娘「鬼太郎には手を出させないわよ!」
つらら「リクオ様、お怪我はありませんか?」
青田坊「てめぇら、リクオ様を攻撃しようとは、覚悟が出来ているんだろうなあ!!」

猫娘らも加わり、ヨウキ達はばったばったと倒されていく。そこでガリキは
物陰に隠れている雄大達を攻撃しようとする。

???「スカイ剣!」
ガリキ「ぐわぁ!!」

雄大達をガリキから助けたのは、ガリキ達妖怪と戦った三超神の
ビビューン、バシャーン、ズシーンだった。彼らも廃ビルの噂を聞いて
調べにやって来たのである。彼等三超神も加わり、勝機は鬼太郎らに
傾くのであった。

◇ ◇ ◇ ◇

鬼太郎やリクオ、三超神の活躍でガコゼ達妖怪は倒された後、雄大は
鬼太郎から危ない目に遭わないように注意をされるものの感謝し、
奇妙な体験を自身のサイトのブログに書き込むのであった。

雄大「そういえば清継も、僕と同じオカルトサイトを運営しているみたい
 だけど、今度会った時、このサイトの事を教えようかな?あ、KIYOさん
 からブログの感想が来てる!」

雄大と連絡を取っている「KIYO」があの晩出会った清継だという事を
知るのは、もう少し先になるかもしれない。

538ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2015/12/13(日) 12:15:06
【訂正】
×ガリリ→◯ガリキ

539ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/12/13(日) 19:57:38
≪優香を救え! Gショッカーの結婚式!?≫

倉重俊夫、22歳。親はかなりの資産家らしく、都内某三流大学を卒業後、
ろくに働きもせずに都内の某マンションの一室に引き籠りながら
一人暮らしをしている。ご近所付き合いや他者との交流はほとんどない…。

倉重「ぐへへへへ…優香ちゃん優香ちゃん優香ちゃ〜ん♪」

薄気味悪くニヤニヤ笑いながら、倉重はPCのモニターに映された
沢渡優香の画像や動画を、ずっと何時間も延々と見返し続けている…。
そして部屋の壁一面は全て、優香の学校生活からプライベートに至るまでの
あらゆる写真が所狭しと無数に飾られていた。
言うまでもなく、これらの写真や動画は全て盗撮された物である。
やがてPC内のデータに保存されている画像を検索していた倉重は、
ある一枚の写真に目が留まる。その途端、倉重の目は異様な殺意を漲らせるのであった。

倉重「…この男ォォォッッ!! ぶっ殺すッ!!!」

倉重の視線の先にある画像には、優香と仲良く一緒に
下校する様子の牧村光平の姿が…!

◇   ◇   ◇

ここ最近、沢渡優香はストーカー被害に悩まされていた。
余計な心配をかけまいと、光平や母・奈津子にも相談せずにいた優香だったが、
ついにある日の下校中、ストーカーである倉重が優香の目の前に現れた。

倉重「ゆ…優香ちゃん! ずっと…ずっと好きでした!
 付き合ってください!!」
優香「あなたなのね! 今まで私をつけ回していたのは!
 お断りします! 帰ってください!!」
倉重「ど、どうして!? ボクはこれほどまでに君を愛しているというのに!
 偉大なこのボクの求愛を受け入れられないというなら仕方がない。
 一緒に死んでくれ」
優香「――!?」

倉重はなんとナイフを取り出し、優香の手を掴んで
強引にどこかへと連れ去ろうとする。

優香「イヤッ!! なにするの!? 放して!!」
倉重「さあ、ボクと共に永遠の楽園に行くんだ!」

大ピンチの優香だったが、そんな彼女の危機を救ったのは、
たまたま通り掛かった彩堂寺戒だった。戒は倉重の腕を軽くねじ伏せる。

倉重「イタタタタッ!! 痛いッ! 腕が痛いよォォ〜ッ!!」
戒「失せろ、雑魚がっ…!」
倉重「優香ちゃん! ボクは絶対に諦めないからねえ〜ッッ!!」

戒にこっぴどく痛めつけられた倉重は、みっともなく泣き喚きながら
その場を退散した。

540ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/12/13(日) 19:58:19
優香「ありがとう彩堂寺くん。また…助けられちゃったね」
戒「勘違いするな。たまたま気まぐれを起こしただけだ。
 それにしても奴は何者だ?」
優香「数日前から変な手紙が送り付けられたり、尾行されたりしていたの。
 たぶんその犯人だと思う…」
戒「その事を牧村は知っているのか?」
優香「………」

優香は黙って首を横に振る。

戒「放っておけばあの男はまた現れるぞ。遠慮せずに牧村に相談した方がいい。
 奴ならこの程度の問題、どうにかしてくれるだろ」
優香「私の事を心配してくれているの?」
戒「だから勘違いするなと言っている! 俺はいずれ牧村――シグフェルとの決着をつける。
 それも対等の条件で正々堂々とな。お前のトラブルのせいで奴のコンディションが乱されては、
 せっかくのシグフェルとの対決も意味を成さなくなる」
優香「彩堂寺くん…」
戒「今日はもう遅い。気をつけて帰れよ」

こうしてこの日は別れた優香と戒だったが、彼が心配した通り、
案の定、倉重はまた懲りもせずに優香の目の前に現れた。

倉重「優香ちゃん、ボクとチュ〜しましょう!」
優香「やめてよ変態!! 誰か助けて〜!!」

またしても倉重に襲われた優香の窮地を救ったのは、牧村光平――でもなく、
彩堂寺戒――でもなく、デストロンの怪人ドリルモグラと戦闘員の一団だった!

倉重「ば、化け物〜!?」
優香「Gショッカー!?」
ドリルモグラ「リ〜ロ〜! どけぃ!そこの男! 貴様なんぞに用はない!!」
倉重「ひ、ひええええ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!」

ドリルモグラに脅された倉重は、
優香を置いて自分一人だけ一目散に逃げ出した。

ドリルモグラ「その娘はGショッカーに楯突く牧村光平の女だ!
 捕まえて人質にしろ!」
優香「いやぁぁっ! 助けて〜!!」

危うく拉致されるところだった優香だが、運よく近くを通りかかり
異変を察知した光平が駆けつけて来た。すぐさまシグフェルに変身して応戦する。
そして戒も現れてザジロードに変身してデストロンを蹴散らした。

シグフェル「ザジロード!? どういう風の吹きまわしだ?」
ザジロード「ふんっ…貴様がいつまでも雑魚相手に
 手間取るのを見ていられなかっただけだ!」

ドリルモグラ「ぐぬぬ〜これまでか! この場は退けい!!」

退却するドリルモグラたち。だが面倒な事に、光平や戒が変身する瞬間を
こそこそ隠れながらしっかり目撃していた者がいた。倉重だ。

倉重「なんてことだ! アイツらが天凰輝シグフェルと牙冥甲ザジロードだったのか!?」

541ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/12/13(日) 19:59:07
戦闘が終わり、ここで初めて光平は、優香のストーカー被害の件を知るのだった。

光平「どうしてもっと早く話してくれなかったんだ!?」
優香「ごめんなさい…。光平くんに心配かけたくなかったの」
光平「彩堂寺には話せたのにか? 俺ってそんなに頼りないかな…」
優香「そんな言い方って…! 私はただ――」
慎哉「おいよせよ二人とも!」
戒「フッ…牧村、貴様も女心が解らないようではまだまだだな」
光平「なんだとっ!?」
優香「やめて! 二人ともこんなところで喧嘩しないで!」

光平と優香の間に微妙な隙間風が生じていたその頃、
倉重俊夫はGショッカー基地の改造手術室へと拉致されていた。

倉重「な、何をする気だ!? やめろ! やめてくれ〜!!」
ドリルモグラ「この男には俺と同じ匂いを感じる…」
犬神博士「お前は牧村光平と彩堂寺戒に対して異様なほどの憎しみを
 抱いているらしいな。気に入った。その望み、我らGショッカーが
 叶えてやろう!」
倉重「ぎゃあああっ!!!」

倉重俊夫は、Gショッカー怪人ドリルモグラ2世として蘇り、
初代ドリルモグラとロンダーズ・ファミリーのストーカー刑事アベルから
直々に戦闘訓練を受けることとなる。

ドリルモグラ「シグフェルとザジロードを倒せば、至高邪神の祝福の下に
 お前と沢渡優香を結婚させてやる」
アベル「ボクらが清く正しいストーカー道という奴を、
 君にたっぶりと教えてあげよう」
ドリルモグラ2世「リ〜ツ〜!! 俺はシグフェルとザジロードが憎い!
 必ず奴らを殺して沢渡優香を手に入れる!」

二人のストーカー怪人によって
鍛え上げられたドリルモグラ2世は優香を誘拐し、
偽手紙でシグフェルとザジロードをそれぞれ某海岸へとおびき出す。
しかしそこで縛られていた優香は人形の偽物であり、
その場所には爆弾が仕掛けられていたのだった。

シグフェル「本物の優香はいったい!?」
ザジロード「謀られた!?」

爆発によって辺り一面は粉微塵と化した…。

542ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/12/13(日) 19:59:48
シグフェルとザジロードを始末して意気揚々でアジトに凱旋するドリルモグラ2世。
檻の中に閉じ込められている優香に自信満々にその事を告げる。

優香「嘘よそんなの!」
ドリルモグラ2世「信じる信じないはお前の勝手。
 しかしこれでお前は俺の妻になる事が決まったのだ!」
優香「誰があなたなんかと!」
アベル「抵抗しても無駄だ。キミにはこれを吸ってもらう」

アベルは優香に精神コントロールガスを吹きかけた。

優香「うっ…」

抵抗する力も意思も奪われ、優香は怪人たちの言うがままになってしまう

ドリルモグラ「直ちに我が息子の花嫁のために、漆黒の花嫁衣装を用意するのだ!」
ドリルモグラ2世「ありがとう親父!!」
犬神博士「あとはこのデストロンの婚約指輪を嵌めれば、この娘は本当に
 身も心もGショッカーになるのだ!」
アベル「さあ、結婚披露宴の始まりだ!」

一方、ドリルモグラ2世の罠に嵌まり爆発の中に消えたと思われていた
牧村光平と彩堂寺戒の二人は、仮面ライダーV3=風見志郎によって
助け出されていた。

戒「おのれ〜! 負けるものかぁ…! ぐっ…」
風見「待て、一人だけでどこへ行く? その怪我では無理だ」
戒「あのモグラの化け物との決着をつける。手出しは無用だ…!」

戒は風見が止めるのも聞かず、自分一人だけで
ドリルモグラ2世の待つアジトへと先行する。

光平「風見さん、いくら言っても無理ですよ。あいつには通じやしないんです」
風見「…光平、お前からそんな言葉を聞くとは思わなかったぞ」
光平「え…?」
風見「お前と彩堂寺戒との間の事情は勿論知っている。
 だがどうして最初から信じようとしない?
 どうしてそんな風に決め付けてしまう?
 同じ人間の心を持っているなら、必ず分かり合えるはずだ。
 まずは体と体で正面から思い切りぶつかってみろ!」
光平「風見さん…」

風見志郎の言葉で目が覚めた光平は、急いで戒の後を追うのだった。

543ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2015/12/13(日) 20:01:23
そしてGショッカー基地の教会では、
いよいよドリルモグラ2世と優香の結婚式が
執り行われようとしていたが…。

シグフェル「その結婚、ちょっと待ったああっ!!!」

優香「シグフェル!? よかった、生きてたのね…(涙」
ドリルモグラ2世「バカなっ! どうやって助かったのだ!?」

V3「ハハハハハ!! それはこの私が助け出したのだ!
 ドリルモグラ、貴様のやり口は熟知しているからな!」

ドリルモグラ「おのれライダーV3めええっ!!」
アベル「人の恋路を邪魔するとは無粋な!
 お前たちブレイバーズはドリルモグラ2世の
 純粋な愛を否定するのか?」

V3「それが貴様らの言う愛か? そんなものは愛ではない!!」

ドリルモグラ2世「ぐぬぬぬっ…!」

V3「シグフェル、雑魚は私が引き受けた!
 お前は優香ちゃんを助け出せ!」
シグフェル「はい! そちらは頼みます!
 ――ザジロード、今日のところは共同戦線だ! 構わないな?」
ザジロード「いいだろう。貴様との決着は、あのモグラの化け物を
 先に片づけてからだ!」

果たしてシグフェルとザジロードは、Gショッカーのストーカー怪人たちを倒して
無事に沢渡優香を救う事が出来るのか!?

544ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2015/12/22(火) 12:04:38
<<クリスマスパニック(仮)>>

12月24日はクリスマスイブ。街はイルミネーションに彩られ、大変賑わい、
まさにクリスマスムード一色だった。ブレイバーズの拠点であるブレイバー
ベースでもブレイバーズでクリスマスパーティーを行おうと準備が行われていた。

ガンテツ「ジングルベ〜ル、ジングルベ〜ル鈴が〜鳴る〜♪今日のパーティーは
 楽しみじゃのう!」
三郎「ええ。全員参加という訳にはいきませんが、ブレイバーベースのクリスマス
 パーティーは豪華な食事や催しがあるみたいですね」
甲児「確かビンゴ大会の景品が、ブレイバーズのスポンサーになっている企業から
 提供だったな」
ボス「きっと、スゴイ景品が用意されている違いないぜ!」

レッドマフラー隊の隊員であるガンテツは歌を唄いながら、ワンセブンのパートナー
である南三郎やマジンガーZのパイロットである兜甲児、甲児の仲間ボスらと
クリスマスの飾り付けをしながら、パーティーについて話題にする。
ブレイバーベースのクリスマスパーティーは、天道総司をはじめとするブレイバーズ
きっての料理人達による豪華な食事や、破嵐財閥や旋風寺コンツェルンといった
主要スポンサーの提供による景品が手に入る催しが開かれるのであった。

◇ ◇ ◇ ◇

クルシメマスオルグ「クリスマスに浮かれる人間共め!」
レインディアサンタ「貴様達には悪夢のクリスマスをプレゼントだ!」
デーボ・ヤナサンタ「我々クリスマス怪人の力を見ろー!」

だが、街にオルグのクルシメマスオルグ、エヴォリアンのトリノイド第21号
レインディアサンタ、デーボス軍の怪人デーボ・ヤナサンタといったGショッカーに
属するクリスマス怪人がクリスマスで賑わっている街を襲いだす。

ジョーカー「ふふふふ、クリスマスを台無しにされた事で人間達から、良い
 バッドエナジーが手に入る事でしょう!行きなさい、アカンベエ!!」
ベール「友達や恋人もおらず、一人ぼっちでクリスマスを過ごす奴がいる
 みたいだなぁ。面白い、貴様らをジコチューにしてやる!」

さらにバッドエンド王国の幹部ジョーカーとジコチューの幹部ベールは
それぞれクリスマスを台無しにされて悲しむ人々の放つバッドエナジーを
得る為、クリスマスを1人寂しく過ごして他人を羨む人々をジコチューに
変える為、クルシメマスオルグ達に協力してアカンベエやジコチューを
暴れさせる。

果たして、ブレイバーズはクリスマスを取り戻せるのか!

545ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2015/12/29(火) 16:56:40
>>544追加シーン

夕方。パーティーの準備も済み、いよいよブレイバーズによるクリスマスパーティーが始まる。
会場となる場所はGGGや勇者特急隊の勇者ロボの様な巨大サイズのメンバーでも参加
できるように格納庫で行われる。格納庫にはブレイバーズに所属する多くのメンバーが集まっていた。

エルファ「それでは、御集りのブレイバーズの皆様!これよりクリスマスパーティーを始めます!
 まずは佐原博士から乾杯のご挨拶がありますので、お手元のグラスをお取り下さい」

エルファに言われ、パーティーに参加するブレイバーズの面々はグラスを手に取る。そして設けられた
壇上に佐原博士が立つ。

佐原博士「諸君。今日は日頃の戦いを忘れ、大いにパーティーを楽しんでくれ。では、乾杯!」
ブレイバーズ一同「カンパーイ!!」

壇上に立った佐原博士は手短に挨拶を済ませ、乾杯をする。そして参加しているメンバーも
 乾杯をしてクリスマスパーティーは始まった。

ヨーコ「モグモグ・・・・このクリスマスケーキ美味しいわね!」
うさぎ「こっちのケーキも最高!」

ゴーバスターズの宇佐美ヨーコとセーラームーンこと月野うさぎは
テーブルの上にあるクリスマスケーキを食べて絶賛する。

リュウジ「そっちのケーキは確か、鴻上ファウンデーションの鴻上会長が
 作ったケーキだね。こっちのケーキは誰が作ったんだろう?」
???「ホホホ、ワテクシのケーキをお褒めいただきありがとうございます!」
ヨーコ&うさぎ「ぶほぉ!!」

リュウジは鴻上会長がクリスマスケーキを作った事をヨーコ達に話すが、
もう一品のケーキが誰が作ったのか疑問に思っていると、いかつい恰好で
スキンヘッドの男(?)が現れ、突然の登場にヨーコとうさぎは食べていた
ケーキを吹き出しそうになる。

奏「もしかして、有名なパティシエの凰蓮さんですか!?」
響「知っているの?奏」
奏「『シャルモン』っていう人気の洋菓子店の店長さんで、フランスの
 有名な大会を優勝する程、高い実力を持ったパティシエよ」
凰蓮「あら、あなたが噂のプリキュアの女の子ね!ワテクシの事を
 知っていてくれるなんて光栄だわ」

スイートプリキュアの1人、キュアリズムこと南野奏は実家がケーキショップで
自身もパティシエを目指している事から、現れた人物が、有名なパティシエ
である凰蓮・ピエール・アルフォンゾである事を知っていた。凰蓮は弟子の
城乃内秀保と共にクリスマスケーキを提供しにパーティーに参加したのであった。

奏「このケーキ、どういうレシピなんだろう・・・・?」
凰蓮「あら、レシピが気になるかしら?よかったら、今度教えてあげてもいいわよ」
奏「本当ですか!ありがとうございます」

ケーキ作りという共通点から、奏と凰蓮はケーキ談義で会話が弾むのであった。

木更「何で、アンタがここにいるのよ!」
未織「あら?ウチもブレイバーズのスポンサーの1人や。パーティーに参加してもおかしくはない。
 里見ちゃん、向こうに美味しい料理があるから一緒に食べましょ!」
蓮太郎「お、おい!」
木更「ちょっと!蓮太郎君は私と食べるのよ!」
延珠「ム!ズルいぞ。蓮太郎は私と食べるのだ!」
ティナ「お兄さん、私とケーキ食べませんか?」
蓮太郎「・・・・勘弁してくれ」

パーティーに参加しに来た蓮太郎達だが、ブレイバーズのスポンサーとなった
司馬未織も参加しに来ており、天敵の登場に木更は不満を漏らす。そして
蓮太郎を独占しようと未織が連れて行こうとするので、木更や延珠、ティナは
蓮太郎の取り合いが起こるのであった。

ボス「くそ〜、あんなカワイイ女の子に囲まれて羨ましいぜ!」
ヌケ「俺達、何時になったら彼女が出来るんだろ・・・・」
ムチャ「腹いっぱい食べて、忘れましょ!ボス」

蓮太郎が木更達に囲まれている姿を見て、女子にモテずにいる
ボス達は、その姿を羨む。

546ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2015/12/30(水) 18:29:55
>>546の続き

護「氷竜達、パーティー楽しんでる?」
氷竜「はい。ワンセブン達とパーティーを楽しんでいる所です」
三郎「ワンセブンもワンエイトも楽しんでいるようだね」
ワンエイト「アア。彼等ト盛リ上ガッテイタ所ダ」

氷竜達勇者ロボやワンセブンにワンエイト、バディロイドなどの
ロボットが集まっている所に、GGGの隊員である護やワンセブンの
パートナーである南三郎らがやって来る。ワンセブンとワンエイトは
勇者ロボと比べてサイズが大きいので後ろの方にいた。

ヒロム「こちらもロボット同士で盛り上がっているようだな」
ニック「ああ。普段一緒に戦っているが、こうして話すっていうのも
 中々ないからな。楽しくし・・・・・」
J「皆、エネトロンの缶はちゃんと片づけるんだぞ!」
ニック「被るなよ!」

ニックもエネトロンを飲みながら、他のロボット達とパーティーを楽しんでいる事を
パートナーのヒロムに話そうとしたが、Jことビート・J・スタッグが会話に割り込んで
きたので、ニックはツッコミをいれる。

ブラックガイン「これがクリスマスパーティーか・・・・・」
ガイン「ブラックはクリスマスが初めてだったな。ああいったパーティーを楽しむ
 皆の笑顔を守っていきたいものだな」
ブラックガイン「そうだな・・・・」

ガインの超AIをコピーして生まれたブラックガインは初めてのクリスマスパーティーを
迎え、パーティーを楽しむブレイバーズのメンバーの笑顔に感動していた。
「兄」であるガインは、この笑顔を守りたいとブラックガインと改めて誓う。

テレビの司会者『さぁ、始まりました◯◯◯◯(番組名)クリスマススペシャル!
 オープニングを飾るのはANGELとTHEHEARTSによるコラボをどーぞ!」
イサミ「あっ!銀牙さん達の曲だ」
ソウジ「ライディーン戦士の皆さんや真琴さん達は今夜、この歌番組に出演するんだったね」

会場に設けられた巨大なモニターに、今夜歌番組に出演するANGELや剣崎真琴らの姿が映り、
ANGELの歌が流れ出す。イサミなど、その歌を聴くのであった。

マイク「う〜、マイクも歌いたいもんね〜!」
栄人「歌か・・・・俺も久しぶりに歌うか!」
忍「俺も、久しぶりにギターをやぁぁってやるぜ!」
ドクター・ウェスト「ギターならば、我輩も負けていられないのであ〜る!」
キッド「なら、セッションするか?」

テレビから流れる歌を聴いて、ロックが好きなマイク・サウンダース13世や
一時的にボーカリストだった狼座の聖闘士、栄人。ギタリストでもある
藤原忍やドクター・ウェスト、ブラスター・キッドは歌やギターを演奏したくなるのであった。

エルファ「会場に御集まりの皆さん!これよりビンゴ大会が始まりますので
 集まって下さい」

パーティーを楽しんでいた面々は、エルファからビンゴ大会が始まる事を告げられ、
エルファのいる所まで集まるのであった。

547ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/01/02(土) 18:31:30
>>546の続き。

クルツ「さぁ〜て、本日のメインイベントのビンゴ大会の時間だ!
 ここからはエルファに代わって、この俺クルツ・ウェーバーが
 仕切らせてもらうぜ!」
マオ「早くやれ〜!ヘボ司会者!」
ミサト「そうだそうだ!」
シンジ「あの2人、もう出来上がっている・・・・・(汗」

エルファに代わり、クルツがビンゴ大会の司会進行を行う。酒を飲んで
既に酔っているマオとミサトの様子にシンジは呆れる。

クルツ「まずは豪華賞品の紹介をしていくぜ。第5位は四葉ありす嬢からの提供、
 ファンシーなぬいぐるみだ!」
ありす「当たった方は可愛がってあげて下さいね」ニコッ

ありすが賞品として提供したのは、可愛らしいファンシーなぬいぐるみだった。

舞亜「(かわいい・・・・///)」
陽「欲しいのか?」
舞亜「いや、別に私は・・・・」
陽「俺が取ってやる」
舞亜「・・・・ありがとう///」

アーシア「・・・・・」
一誠「アーシアもぬいぐるみが欲しいのか?なら俺が当ててプレゼントするよ」
アーシア「ありがとうございます、一誠さん!」
リアス「あら、私達にはプレゼントは無いのかしら?」
朱乃「妬けちゃいますわ」
小猫「・・・・・ズルいです、先輩」
一誠「あ、いや!そういう訳じゃ・・・・・」
リアス「ふふ、冗談よ♪」
ゼノヴィア「アーシアは大切な家族だ。私達も当てたらアーシアにプレゼントするよ」
アーシア「ありがとうございます。皆さん!」

恋人や大切な人にプレゼントしようと、陽や一誠は張り切る。
続いて発表された第4位の賞品は、中川グループの御曹司で
警察官の中川からの提供で、彼のコレクションしているスポーツカーだった。

駆流「おお、カッコいいじゃん!」
真吾「あの車に乗って、レースに出場してみたいな」

選ばれしドライバーの1人である轟駆流やバイオマンのグリーンツーこと
高杉真吾といった車好きの面々は興味を持つ。

クルツ「次は万丈からの提供で、この【ナイトフューリーの爪】だ!」
五飛「ムッ!あれは・・・・・」
デュオ「知っているのかよ、五飛!」
ドモン「その昔、ヴァイキングの英雄が従えていたというドラゴンの爪・・・・・」
ダイゴ「それを手にした奴は皆から勇者として湛えられるって親父から聞いた事があるぜ!」
剣持「ここでお目にかかる事が出来るとは・・・・」

ブレイバーズの中でも屈強なメンバーは万丈が用意した賞品に、先程のスポーツカーとは
別に盛り上がっていた。

クルツ「んじゃ、次はクライン・サンドマンからの提供だ!2位になった奴は
 サンドマンの所で経営している温泉、「愚裸美温泉」に宿泊できるぜ」
サンドマン「ブレイバーズの戦士諸君、戦いの日々の疲れを是非、癒してくれたまえ」

ブレイバーズのスポンサーの1人でもあるクライン・サンドマンは自身が所持している
温泉旅館を提供する。

虎徹「温泉かぁ・・・・・温泉に浸かりながら一杯とか最高だな!」
獅子王「それいいな!おい、天晴。温泉を当ててオレを連れてけ!」
天晴「応、オレに任せろ!」
喜美「温泉といえば、美肌ね!」
春麗「絶対、当てなくちゃ!」

温泉の話を聞いて、虎徹や獅子王の様な中年メンバーや葵・喜美や
春麗など美容を気にする女性メンバーは興味を示す。

クルツ「そんじゃいよいよ1位の発表だ!1位の賞品は、この日の為に
 このフードロイド、バーガミールを使って撮影したブレイバーズ女子
 メンバーの機密写真集だ!!」
一誠「うぉぉぉぉぉぉぉおおお!!!」
ボス「機密写真って何が機密なんだ!??」
トーリ「そりゃ、やっぱり色んな所が機密なんだろ」ヘラヘラ

クルツが発表した1位の賞品に、ブレイバーズの男性メンバーから
雄叫びに近い歓声が上がる。実はクルツはこの日の為にフォーゼの
サポートメカであるフードロイド、バーガミールを借りてこっそり女性
メンバーの写真を撮影したのであった。

茉子「私達の写真を見せる訳にはいかないわね」
モネ「絶対、1位を当てなきゃ!」

自分達の恥ずかしい写真を見せる訳にはいかないと女性メンバー達も
俄然やる気を出すのであった。

〜その後のオチ〜

その後、ビンゴで1位になった者が現れるが、Gショッカーが街で暴れて
ブレイバーズが出動。機密写真を手に入れるが、写真には男性メンバーの
あられのない姿を収めた写真だった。実はこうなる事を予想して、あらかじめ
バーガミールに写真を入れ替えさせたのであった。1位になった人物は
ガックリする・・・・というオチを予定。

548ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/01/02(土) 19:20:30
【オリジナルキャラクター案】

○吉村 遥香(よしむら はるか)

外見:ttp://www.geocities.jp/oa002843/gallerymisiyou.html
上記URL先の一番下から3番目、左から3番目。

イメージキャラクターボイス:ココナラで出品登録しているネット声優さんに依頼予定。

プロフィール:破嵐財閥などの支援により事業再開したブルーリサーチの見習いアルバイト調査員。
ブルースワットの協力者であり現社長秘書である麻生すみれ(スミレ)の大学の後輩で、19歳の女子大生。
社長である広瀬 剛(シグ)の正体とその経歴、昔のブルースワットとスペースマフィアの戦いの事情については、
過去のある出来事(Gショッカーに襲われたところをシグに助けられた)がきっかけで知っている。
ブルーリサーチに誘われて働くようになった経緯も同様である。

ブルースワットが最初に戦っていた当時のスミレとよく似ていて、先走りとおっちょこちょいの性格で、
シグやブレイバーズのヒーローたちの足を引っ張ってしまうところもあるが、一応これでも優秀な調査員。
しかし、まだ見習い調査員に危険な仕事は任せられぬと言われ、簡単な仕事しか回してもらえないために
本人は少々不満気味である…。

シグの息子ザジとも仲良しで、よく社長のシグや社長秘書のスミレの目を盗んで、
内緒で彼を一緒に極秘調査活動に連れ出している。

大学に入ってからはやめてしまったものの、実は高校時代は女子柔道部の所属で、
都大会や関東大会での優勝経験もアリ。油断さえしなければ、ショッカー戦闘員程度の
相手であれば余裕で返り討ちにする事も可能(しかし結局油断してしまい、敵に捕まって
人質にされてしまうのは毎回お約束のパターン)。また宇佐美 星児(セイジ)ほどではないが、
コンピューターの扱いにもそこそこ長けている。

鳴海 翔(ショウ)と美杉 沙羅(サラ)については、直接の面識はまだ今の時点ではないが
大方の話はシグたちから聞いており、憧れを抱いている。

『闘争の系統』設定資料集(まとめサイト)にて、
ココナラのネット声優さんに音声による台詞を収録してもらった上で、
「吉村ハルカの報告リポート!」と題して、ナレーションの形で
『闘争の系統』オリジナルキャラクターたちの紹介や、
暗躍する各勢力の近況分析報告などをアップする事を検討中。

549ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/01/05(火) 09:53:10
≪東京陥落編-1(仮)≫

今日は、マシンガルーダの定期的なメンテナンスの日である。
ダイナピンクこと立花レイが、朝倉家まで機体を引き取りに来た。
マシンガルーダのコンピューターには、立花レイが開発した
動物語の翻訳機能も搭載されていたからである。

レイ「それじゃあ光平くん、マシンガルーダは暫く預かるわね」
マシンガルーダ「では光平、行ってきます」
光平「ああ、ガルも気をつけてな」
慎哉「しばらくの間だけとはいえ、なんか寂しくなるな…」
くらのすけ「わんわん!!」

こうしてマシンガルーダはブレイバーズの車両整備基地へと
数日間の予定で引き取られて行ったのだが、その様子をスパイメカを使い、
地底のグランギズモの指令室から確認している者がいた。
ジャシンカ帝国のカー将軍である。

カー「これで相棒のいないシグフェルの戦力は、ここ数日の間だけ大幅にダウンする。
 この時を待っていたのだ!」

ジャシンカと同盟を結ぶ不知火族と邪魔大王国が九州にて一斉蜂起し、
ブレイバーズの注意が九州に向けられている隙をついて、
ジャシンカ帝国は海防大学付属高校を襲撃して占拠するという
学園ジャック事件を起こす。大勢の生徒や教職員が人質となった。

サイシンカ「動くな牧村光平!」
コウモリシンカ「もしおかしな真似をすれば、学校中に仕掛けた爆弾の
 起爆スイッチを押すぞ!」
光平「くっ…!」

囚われの身となった光平は、外部からもよく見えるよう
校舎屋上に高く掲げられた十字架に磔にされてしまった。
ブレイバーズへの威嚇と牽制が目的である。

三葉虫シンカ「どうだ天凰輝シグフェル! わざわざお前のために
 特注して拵えてやった磔柱の居心地は?」
バクシンカ「そこでブレイバーズの最後を、しかと見物しているがいい!」
光平「ブレイバーズがお前たちなんかに負けるもんか!!」

カー将軍の目論見通り、最大の難敵シグフェルの動きは
これで完全に封じられたのだった。

550ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/01/05(火) 09:53:51
やがて東京はジャシンカ帝国の手に落ちてしまう。東京に入城を果たした
若き帝王メギドは、一般市民の女性をレイプしようとしていたシッポ兵を見つけるや、
即座に問答無用で一刀両断に切り捨てる!

シッポ兵A「ギャアアッ――!! メギド様…なぜ…っ?」
メギド「愚か者! 我がジャシンカ帝国は神聖にして名誉ある軍隊である!
 そのジャシンカの誇りを泥で汚そうとする者は許さん!」
キメラ「皆の者もよく聞きなさい! 一般市民への強姦や略奪は特に禁じます!
 これに背く者は帝王メギドの名において反逆の罪にて処刑される事になるでしょう!」

自軍への綱紀粛正を厳しく引き締めた帝王メギドは
次に「興味がある」と言って、磔の牧村光平と対面する。

光平「俺はどうなってもいい。でも学校のみんなは解放してくれ」

この光平の態度に感服したメギドは、すぐに他の人質たちを全員解放した。

メギド「牧村光平との約束により、現時刻をもってお前たちは全員解放される。
 生命は保障しよう! どこへでも好きなところへ行くがよい!」

優香「いやっ! 光平くん一人だけを置いてなんか行けない!」
佳代「バカッ! あたしだって悔しいよ! でもあたしたちが
 ここに残ったってどうすることも出来ないじゃないか!」
慎哉「沢渡、ここは錦織の言うとおりだ…」
紗希「行きましょう沢渡さん、ここを出ればきっとチャンスも出て来るわ」
雄大「待っててください光平先輩! 必ず助けに戻りますから!」

こうして高校の敷地内から、生徒や教職員の姿は一人もいなくなった…。

メギド「カー将軍、俺は甘いと思うか?」
カー「いえ、これでよろしゅうございます。被征服民どもに
 新たな支配者の度量をお示しになられました。それに、
 これで数匹の鼠どもを泳がせることにも繋がりますゆえ」
メギド「後の作戦は任せたぞ!」
カー「御意!」

光平の仲間たちは、自由の身になれば必ず都内に潜伏している
ブレイバーズと連絡を取ろうとするに違いない。そこを尾行して
現場を抑え、一気に敵を一網打尽にしようと企むカー将軍の策であった。
果たしてジャシンカに占領された首都・東京の運命や如何に!?


***サラジア共和国駐日大使館***

サラジアの国籍と外交官特権を取得し、「外交顧問」の肩書きで
大使館の敷地内に匿われている、日本の元国家防衛局長官・真影壮一。

真影「ジャシンカもなかなかやるではないか」
書記官「直ちに東京を掌握したジャシンカの新政権を
 我が国としても承認する声明を発表しましょうか?」
真影「それはまだ早い。もうしばらく様子を見て、
 ブレイバーズとジャシンカのどちらが最終的に勝つか
 見極めてからでも遅くはないだろう。今はそれよりも――」

真影の手には、北上紗希の姿が映った一枚の写真が握られている。

真影「今のこの混乱時こそ、アルハザード閣下が抹殺したがっている
 この少女の息の根を止める絶好の機会だとは思わないかね?」

本人の知らないところで、北上紗希にも魔の手が伸びようとしていた…!

551ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/01/05(火) 10:02:13
≪吉村ハルカの追跡リポート!(第1回)仮原稿≫

初めまして! 私は吉村遥香、19歳の女子大生です。
「吉村ハルカの追跡リポート!」記念すべき第1回目は
皆さんに、私がアルバイトで勤めている情報調査会社・
ブルーリサーチについてご説明しますね。

創業当時のブルーリサーチは「よろず相談オフィス」として
小さな事務所でスタートしたそうなんですけど、あまり儲からずに
経営状態は常に火の車だったんですって。でも今では破嵐財閥や
四葉財閥など大手のスポンサーが幾つもついて急成長!
東京湾に建設された都市「メガロシティ」の中央に聳える
メガロビルの一画に広いオフィスを構え、私を含めた300人近い
調査人員を抱えるまでになっているんですよ♪
ここだけの話…ウチの広瀬社長、実は正体は異星人なんです。
社長秘書で私の大学の先輩でもある麻生すみれさんや
他の仲間たちと一緒に、過去に地球を侵略しに来た
悪いエイリアンと戦っていたんですって。私もそれを知った時は
驚いたけれど、そのお話については、またいつか別の機会に
したいと思います。

ブルーリサーチは地球を守るヒーローたちの防衛組織ブレイバーズ
の協力企業として、今日もまた、平和を脅かす悪の組織の動向を
常に追っているのです!

552ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/01/06(水) 11:08:42
≪軍師官兵衛、ジャシンカ帝国に仕官す≫

来たるべき東京大侵攻作戦に備え、地底人、地上人を問わず
武芸を誇る猛者たちを各地から傭兵として募っている有尾人一族ジャシンカ帝国。
今日も若き帝王メギドが直々に、傭兵たちの腕を見るため御前試合が開かれていた。

傭兵A「たぁーっ!!」
官兵衛「ふんっ!!」

史実の筑前福岡藩の祖・黒田孝高(如水)と同じ姓名を持ち、
『戦国BASARA』の世界から時空を超えてやって来た戦国武将・黒田官兵衛。
帝王メギドの御前にて木刀で相手と戦っている。

傭兵A「チッ…引き分けか」
官兵衛「いや、小生の勝ちだ」
傭兵A「何を言うか!?」
官兵衛「今の勝負、真剣ならばお主が先に斬られておる」
傭兵A「ならば真剣にて今一度勝負だ!」
官兵衛「メギド陛下のお許しがあればな」

メギド「構わぬぞ。面白い。やってみよ!」

試合進行係のシッポ兵たちが、それぞれに木刀と交換で真剣を手渡そうとするが、
官兵衛は「小生はこれでいい」と言って拒否し、手枷の先についている鉄球で充分だという。

傭兵A「ははは、お主、その鉄の球で戦おうと言うのか!?」
官兵衛「そういうお主こそ、この地底では戦争好きで聞こえたバガール族を名乗っているそうだが、
 その刀の構えはまさしく天童式抜刀術。察するに…地底人に成り済ました裏天童の密偵か?」
傭兵A「――Σ(゚д゚lll)!? うりゃああああああ!!!!!!!!!」

官兵衛の言葉に一瞬動揺を見せた相手は、
すぐさま口を封じようと有無を言わさず斬りかかってきたが、
官兵衛が力技で振り回した鉄球で一撃のもとに顔面を叩き潰された。

傭兵A「ぐぎゃああっっ――!!」

顔が血まみれとなって潰れた相手の無残の死体から衣服の襟もとを破いて、
官兵衛は密かに縫い付けてあった天童からの指令書を見つけ出す。

官兵衛「やはり睨んだ通り、天童の手の者。
 探索の指令が詳しくこの手紙の中に書いてござる」

官兵衛から天童の間者が隠し持っていた指令書を受け取り、
メギドはその記された内容にざっと目を通す。

メギド「フフフッ…キメラ、それにカー将軍。
 どうやらよい拾い者を見つける事ができたようだぞ」
キメラ「はい」( ̄ー ̄)ニヤリ
カー「そのようで…」( ̄ー ̄)ニヤリ
メギド「黒田官兵衛とやら、気に入ったぞ! 我の元に仕えよ」
官兵衛「ハハッ!」

こうして黒田官兵衛は帝王メギドの配下となった。

553ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/01/13(水) 15:07:42
>>552の続き。

メギドの配下となった官兵衛は、メギドから女王キメラと共に九州へ
行くように命じられた後、用意された部屋に案内される。もっとも、
官兵衛には巨大な鉄球が付いた手枷が着けられている為、元々は
牢屋だった部屋を急遽、改造した部屋だった。

官兵衛「ふっふっふ・・・・やったぞ!小生にもツキが巡って来たぞぉぉぉ!!」

部屋に入り、1人になった官兵衛は大きく叫んだ。官兵衛は優れた軍師であるものの
生まれつき不運の星の下にいるせいか、やる事なす事、裏目に出てしまい失敗続きだった。
(付け加えて、口の悪さとうっかり屋な所も失敗の原因でもある)

官兵衛「思えば、小生も妙な場所へ来ちまったもんだ・・・・・・」

官兵衛はこれまでの事を思い返す。

――それは、黄泉還り現象や時空クレバスの発生が始まった頃。元の
世界で官兵衛は自身に付けられた手枷を外す鍵を探して、西から東へ
探し回っていた所、気が付けば見た事も無い巨大な建物ばかりの土地へと
来てしまっていた。その土地こそ、現在の地球である。

官兵衛「一体、此処は何処だ・・・・?」
警察官「おい、そこの君!その両腕についている手枷は何だ!?まさか、
 刑務所から脱獄したとかじゃないだろうな」
官兵衛「い、いや・・・・小生は決して怪しい者では(汗」
警察官「言い訳は後で聞く!とにかく、そこの交番に来てもらうよ」
官兵衛「な、何故じゃああああ!!」

通りかかった警察官に不審者として、交番に連れてかれそうになった
官兵衛は、その場を逃げ出す。しかし重い鉄球を引きずっているので
動きが遅い。何より目立つ格好をしているので、すぐに追手が来てしまう。

官兵衛「何とか逃げなければ――ん?」
アバレンジャー「ダイノボンバー!」
バクダンデライオン「グワァァアアア!!」ドカーン
官兵衛「何故じゃああああああ!!!」

逃げていた所、偶々アバレンジャーとエヴォリアンのトリノイド、
バクダンデライオンとの戦闘に出くわしてしまい、丁度必殺技を
ぶつけた所なので、その衝撃により官兵衛は吹っ飛んでしまう。
吹っ飛んだ官兵衛は、ある屋敷の庭に落ちてしまう。

官兵衛「イテテ・・・・・ヒドイ目に遭った」
使用人A「貴様、ここが天童菊之丞閣下の屋敷と知っての狼藉か!」
使用人B「生きては返さんぞ!!」
官兵衛「だぁぁぁ、刀なんぞ向けおってあぶないだろうが!

吹っ飛んだ先は、何と天童菊之丞の屋敷の庭で、屋敷の使用人達は
天童流抜刀術で庭に落ちた官兵衛に斬りかかる。官兵衛は斬られまいと
鉄球を地面に置いて両手で何回も打ち付けて周囲に衝撃波を起こす技
“厄当り”で衝撃波を起こして使用人達を怯ませた隙に、その場を何とか
逃げ出す。しかし、その後運悪く川へと落ちてしまい、重い鉄球によって、
川の底へと沈んでしまう。

官兵衛「ブハァ、ハァ、ハァ、ハァ・・・・死ぬかと思った」

しかし、根性で下水道の入り口に辿り着いた官兵衛は、鉄球を
引きずりながら下水道の中を彷徨う。その後、官兵衛は下水道を
彷徨っている内にジャシンカ帝国のシッポ兵に連行され、労働に従事。
やがて官兵衛は口は悪いものの、元の世界では部下に慕われていた為か
他の労働者と打ち解け、この世界について教えてもらう。(その過程で、
天童の屋敷で、使用人達が使った剣術が天童流抜刀術という事を知る)

官兵衛「(ここにいる奴らは、小生と同じ薄暗い地下よりも、あの地上を
 目指すばかりかもしれない・・・・・)」

他の労働者やジャシンカのシッポ兵らと、長く一緒にいる内に、そう思える
様になった官兵衛はメギドが東京大侵攻作戦に備えて兵力を集めている
話を聞き、自身の野望の為にも御前試合に参加し、今に至るのであった。

官兵衛「小生は今度こそ掴むぞ、あの天窓の箒星を!」

1人改めて決意した官兵衛は、後日キメラの部隊に従軍して
九州へ向かうのであった。

554ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/01/19(火) 16:00:17
≪シグフェル、新たなる戦いの始まり-1≫

***サラジア共和国・副大統領官邸***

謎のヒーロー・シグフェルの正体は牧村光平であった。
Gショッカーが掴んだこの情報は、
直ちにサラジア共和国のアフマド・アルハザード副大統領の下へも打電された。

アルハザード「牧村光平…。
 まさか…いや、名前からして間違いない…。
 うむ…やはりそうだ…!」

ネロス帝国から送られてきたシグフェルの資料を持つアルハザードの手は、
わなわなと震えているのであった。

秘書N「牧村光平、17歳。
 東京の海防大学付属高校に在籍している学生です」
秘書R「彼の両親は幼い頃にサラジアで死亡しており、
 現在は東京都内の朝倉家という民間人の家庭に身を寄せているようです」
アルハザード「その両親が問題なのだ!
 エゴスのホウタイ怪人が調べ上げたというこの資料によれば、
 奴の父親はあの牧村陽一郎ではないか」
秘書N「10年ほど前、中近東方面で活動していた日本の外交官ですね」
秘書R「ご存じなのですか? 副大統領」
アルハザード「うむ。奴はちょっとした有名人でな…。
 もう20年近く前の事だが、光一郎は赴任先のアルジェで
 石油王アルシャード一族の娘と恋に落ち、
 そのまま駆け落ちしてしまったそうだ。
 お前達はまだ子供だったので知らんだろうが、
 アルシャードは激怒して日本への石油の輸出を止めるとまで言い出し、
 それはもう大騒ぎになったものよ」
秘書R「そのような事が…」
アルハザード「結局、何とか事は穏便に収まったが、
 日本の外務省を揺るがす一大スキャンダルだったゆえ、
 政府はこの件を一切シークレット扱いにしておる。
 噂によれば、駆け落ちした二人の間には息子が生まれたとの事だが、
 どこでどうしているのか、知る者は今まで誰もいなかった…」
秘書N「その息子こそが、この牧村光平…」

しばらく押し黙っていたアルハザードは、
顔に噴き出す冷や汗をハンカチで拭うと、呟くように言った。

アルハザード「…殺さねばならん」
秘書N「はっ…?」
アルハザード「牧村陽一郎の息子は抹殺せねばならん。
 万が一にも奴が父親からあの秘密を聞かされていれば…。
 この私にとって一大事となる」
秘書R「…?」
アルハザード「もたもたしている暇はない。
 一刻も早く牧村光平をこの世から葬り去るのだ!」
秘書N・R「…! かしこまりました!」

555ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/01/19(火) 16:01:22
***日本・東京メガロシティ 海防大学付属高校テニスコート***

放課後の部活練習時間……。
だが今日はいつもとは違い、テニス部のコートに
牧村光平の姿はない。

優香「光平くん、今日も学校お休みなのね…」
慎哉「あのバカッ…」

陸上ウェア姿の沢渡優香が、テニスコートのフェンス越しに
テニスウェア姿の朝倉慎哉と話をしている。
慎哉は、光平がブレイバーズに加わった事に
まだ納得していない様子である。

優香「光平くんがブレイバーズに行ったこと、まだ怒ってるの?」
慎哉「そんなんじゃねーよ……」
優香「熟慮の末に光平くん自身が決めた事だもん…。
 私たちもその判断を尊重してあげようよ」
慎哉「………」


***ブレイバーベース・バトルシュミレーションルーム***

エルファ「これよりシュミレーションスキャンを開始します。
 準備はいいですか?」
シグフェル「ああ、やってくれ!」

ブレイバーベースのナビゲータービジョンロイド・エルファの開始の合図と共に、
何もない荒野の中央に一人立つシグフェルを狙って、無数の訓練用球体型バトルポットが
浮遊しながら群れを成し、次々と猛スピードでビーム攻撃を仕掛けて来る。

シグフェル「……!!」

シグフェルは瞬速で頭上に飛翔し、高速で接近してくるバトルポットたちをかわしつつ
無駄のない動きで、炎の手刀を用いて片っ端からバトルポットを切り裂いて戦闘不能にしていく。
超人機メタルダーの必殺技「レーザーアーム」を参考にして編み出した攻撃技「フレイムアーム」だ。

さらにシグフェルは、残ったバトルポットを谷間へと巧妙に誘導し、
そこに敵機が集中してきたところで両手で印を結び、
胸部の辺りより超強力な熱光線を発射した。

シグフェル「――ヴァジェト・レイ!!!!!!」

残っていたバトルポットは、これで全て全滅した。広範囲に跨る敵に対しては有効な破壊光線技だ。
古代エジプトの蛇の女神「ヴァジェト(Vaget)」が悪を焼き尽くすために用いたと伝えられる
燃えさかる炎にちなんで、この技は「ヴァジェト・レイ」と名付けられた。

シグフェル「――!?」

訓練用MA「グゴゴゴォ…!!」

間髪入れずに新たな敵の気配に気づいたシグフェル。背後に振り替えると、
そこには全長60メートルはあろうかという巨大モビルアーマーが立ちはだかっていた。
モビルアーマーはシグフェルめがけてメガ粒子砲を連射してくる。
まるで虚空を舞うように、容赦のない敵の攻撃を回避し続けるシグフェルは、
右腕を天高く掲げて叫ぶ!

シグフェル「フレアセイバー!!」

シグフェルの右手の拳が炎に包まれ、プレシャスの剣フレアセイバーが掌の中で具現化する。
戦闘力が急激に上昇したシグフェルは、真上から一刀両断でモビルアーマーを
真っ二つに切り裂いた。轟音と共に爆発し崩れ落ちるモビルアーマー。

556ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/01/19(火) 16:02:26
ガラス越しにシュミレーションルームでのシグフェルの戦闘能力解析作業の
様子を見守っているブレイバーベース科学陣の面々。

四ッ谷「凄まじいまでの戦闘能力じゃな」
ギルモア「これでシグフェルの持つ全スキル及び
 スペックに関する解析は問題なく終了じゃ」
佐原「だが問題は次だ…」

ブレイバーベースでは、光平本人の同意も得た上で、
血液や毛髪の採取、遺伝子の分析、CTスキャンによる体内画像の解析に至るまで、
医療スタッフによるシグフェルの身体の分析作業が開始された。
これは光平本人も元から望んでいた事であった。
しかしブレイバーズの誇る宇宙最先端の医学と科学技術力を持ってしても、
超生命体としてのシグフェルの肉体の秘密に迫る事は困難を極めた。

光平「…つまり、どういう事なんですか?」
ウルシェード「お前さんの体は原子レベルの段階で
 ナノマシンと置き換えられとる。信じ難いことじゃが、
 こんな技術は地球上は勿論、宇宙のどこの星にだって
 まだ存在しない」
豪「こんなことを言われるときっと不快に思うだろうけど、
 君の肉体はナノマシンが神経組織を伝って全身の細胞に侵食していて、
 まさに戦うための生体兵器というべき存在に進化しているんだ」
光平「生体…兵器……」

基地内の診察室で、光平はドクター・ウルシェードと尾村豪から
分析結果の説明を受けていた。予感していた事とは言え、
「生体兵器」という言葉に光平は少なからずショックを受ける。

佐原「光平君、落ち着いて聞いてほしい。
 残念ながら今の我々の科学力では、
 君の肉体を元に戻す事は不可能だ。
 お役にたてず申し訳ない…」
光平「いえ、気にしないでください。
 ショックじゃないと言えば嘘になりますけど、
 これでスッキリしました」
豪「光平君…」
光平「実の事を言えば、もうこの身体の事は諦めてたんです。
 だけど俺はここに来て、俺と同じように自分の意思に反して
 普通の人間とは違う力を身につけてしまった人たちが
 他にも大勢いる事を知りました。そしてその人たちはみんな、
 事情や経緯はどうあれ、その力を世の中のよいことのために
 役立てようと前向きに頑張っています…。俺もそんな人たちに
 少しでも近づければ…」

ブレイバーズにとって思惑が外れた点は、謎の怪物群「イーバ」の正体について、
シグフェルから何か有力な情報を得られるのではと期待しながら、
実際はシグフェル=牧村光平自身もイーバについてはほとんど何も知っておらず、
具体的な証言や情報の類が全く得られなかった事である。

しかし、光平をシグフェルに改造したと思われる東条寺理乃が、
イーバとも何らかの関係を持っている可能性が高い。
そちらの方は警察機関の方で継続して追跡・捜査が行われるだろう。

光平をシグフェルへと変えた謎の人体実験による生命改造技術…。
エゴスのホウタイ怪人は光平に「改造神(ゴッドサイボーグ)」と呼んでいたが、
果たしてどのような関係があるのであろうか…?

557凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/01/20(水) 17:50:05
≪メルヴィオンの沙也可一揆≫

黄泉がえってサラジア軍の将となったブリューヌ王国のザイアン・テナルディエは、
雑賀孫市らの雑賀衆を配下に従え、メルヴィオン聖王国の領土を次々と征服していた。
ある日、辺境のとある小さな村を発見したザイアンらは、
そこも占領して支配下に収めようとするが…。

孫市「…慶次! どうしてここに?」
慶次「ありゃ、孫市じゃねえか。奇遇だねえ。
 それとも、運命かい?」

ザイアンと共に村へ乗り込んだ孫市は、そこに知己の前田慶次がいるのを見て驚く。
慶次は家来になったアオイ人のセイキチを連れて旅をしているうちに、
この村に辿り着いて宿を借りているところだった。

ザイアン「おお、この村には随分かわいい娘がいるじゃねえか。
 税のおまけに、その娘を俺様に献上してもらおうか」
慶次「嫌だと言ったらどうする?」
ザイアン「この村を丸焼きにしてやるよ」
慶次「なあ孫市、お前はこんなゲス野郎の言いなりなのかよ」
孫市「我らは定められた契約に従って戦う。それだけだ」
慶次「本当にそれでいいのか?」
孫市「………」
ザイアン「三日の猶予をくれてやる。
 それまでに返事を決めてもらおうか」

まだ年端も行かない村娘を差し出せ、拒否すれば滅ぼすぞと脅されて村は騒然。
村人達は集まって夜通し対策を話し合うがなかなか良い意見が出ない。
その時、端で話を聞いていた慶次が口を挟んだ。

慶次「さっきから黙って聞いてりゃ…。
 あんたらには勇気出して戦うっていう発想はねえのかよ?」
村人A「戦う…?」
慶次「そうさ。一揆だ。
 武器を取って悪い支配者に立ち向かうんだよ。
 皆で力を合わせりゃ何とかなるだろ」
村人B「無茶だ。勝てるわけがねえ」
慶次「安心しな。俺とセイキチが付いてる。
 戦い方はしっかり教えてやるよ。
 俺達の言う通りにやれば大丈夫だ」
村人C「よし…。やるぞ!」
村人D「おお!」
慶次「問題は、敵にあの孫市がいるって事なんだが…」

こうして慶次に背中を押され、村人達は農民反乱に立ち上がる事を決意した。
一方その頃、雑賀衆も主だった者達が頭領の孫市を囲い、
深夜の密談をしていた。

孫市「お前達、こんな夜更けに私を呼び出して何の用だ?」
雑賀衆A「頭領、我らの話をどうか聞いてほしい」
雑賀衆B「我らは数ヶ月に渡ってこの世界で転戦してきたが、
 やる事と言えば行く先々で無辜の民衆を虐げ、
 彼らを守ろうとする高潔な騎士達を鉄砲で撃ち殺すばかり…」
雑賀衆C「特にこの部隊を率いるザイアンという男は、
 民というものを虫ケラのようにしか思っていません。
 今回占領した村でも苛斂誅求の限りを尽くし、
 村娘を自分のために献上せよなどと勝手傲慢のしたい放題!」
雑賀衆D「我ら雑賀衆とて元は紀州の民草。
 兵の中にはこの国の民に同情する者も多く、
 我が軍のあまりの外道ぶりに厭戦気分が漂っております」
雑賀衆E「頭領、我ら雑賀衆の力を、
 異世界の平和を踏みにじるこのような戦争に使うのは
 果たして正しいのでしょうか?」
孫市「………」

558凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/01/20(水) 17:54:12
翌朝。慶次が不吉な予感に駆られて起きてみると、村は既に雑賀衆に包囲されていた。
村に乗り込んできた孫市らは、一揆を起こそうとしていた現場を取り押さえる。

孫市「一揆か。面白い事を考えたものだな、慶次」
セイキチ「しまった! 勘付かれたか」
慶次「ちっ…! やっぱ孫市にはかなわねえや。
 孫市、一揆を煽ったのはこの俺だ。村の皆には罪はねえ。
 俺を煮るなり焼くなり、あのザイアンって奴に突き出すなり好きにしな。
 ただし皆の事は許してやってくれ」
 
ところが、雑賀衆は構えていた鉄砲を一斉に下ろし、
孫市は愉快そうに笑うのであった。

慶次「どういう事だ、孫市」
孫市「慶次…。我ら雑賀衆一同は、
 罪もない異世界の民の暮らしを踏みにじるこの不毛な戦に飽き飽きした。
 我々もお前達の仲間に加えてもらおうか。
 民を苦しめる邪悪な圧政者を共に倒すのだ」

こうして雑賀衆が味方に加わり、一揆勢の戦力は大幅に強化された。
鉄砲を撃ちながらザイアンの城へ乗り込んだ一揆勢は、
とうとう城を攻め落とす。

ザイアン「ひええ〜っ! 逃げろ〜!」
孫市「逃がさんぞ、民衆の敵…!」

一目散に逃亡を図るザイアンだったが、
孫市のスナイパーショットで脳天を撃ち抜かれ敢えなく絶命したのであった。

慶次「勝ち鬨を上げろ!」

こうして農民反乱は成功し、サラジア軍を追い出して、
メルヴィオンでは前例のない「百姓の持ちたる国」が誕生した。
慶次と孫市が中心となって指導的役割を果たしつつ、
村人達の合議で政治を進めて行く、農民の自治コミュニティである。
やがてノアトーンからラウール王子の軍が進軍して来ると、
彼らはラウールの傘下に入って自治権を認められ、
強力な鉄砲隊を提供してラウールの頼もしい戦力となる。
ラウールの国王即位後、各地に新領主が置かれて封建制が再スタートする中でも、
この地域だけは例外的な特区として民衆自治の継続を許され、
やがて地球から導入される民主政治の先駆けともなるのであった。

559ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/01/21(木) 19:34:05
≪シグフェル、新たなる戦いの始まり-2≫

光平がブレイバーズの長期研修のため
朝倉家を離れて一週間ほど経過した…。
あれから連絡等は全くない。

慎哉「………」

慎哉が自室のパソコンで何やらハッキングして
熱心に何かを調べている。

慎哉「よしっ! わかったぞ!」
優香「これからどうするの?」
慎哉「決まってんだろ。光平の様子を
 直接見に行くのさ」

慎哉は今まで、光平が現在どこにいるのかを
あちこちに情報検索して調べていたのだ。
全ては光平の身を心配しての行動だった。
慎哉が優香を伴って一緒に自宅から外へ出て来ると、
玄関先の前では一台のパトカーが停まっていた。

チャック「よっ!」

優香「チャックさん…」
慎哉「………」

この付近を管轄しているメガロシティ署の刑事である
チャック・スェーガーと桂美姫の2人が、ずっと家の前を見張っていた。

慎哉「チャックさん、美姫さん……いや、これからは超音戦士ボーグマンと
 ファントムスワットの隊長さんとお呼びしましょうか?」
チャック「やれやれ、すっかり嫌われてしまったな」
美姫「黙っていた事は謝るけど、その件に関してはお互いさまよ」
慎哉「じゃあ、俺たちは急いでますんで、これで…」
チャック「どこへ行く?」
慎哉「ちょっと出かけて来るだけですよ」
美姫「光平君が戻って来るまで、あなた達の身に万一の事がないよう
 こっちはガードを固めてるのよ」
慎哉「余計なお世話です。自分の身くらい自分で守りますから。
 沢渡、さっさと行くぞ!」
優香「…え? あ、うん。チャックさん、美姫さん、
 私たちはこれで」

優香は申し訳なさそうにペコリとお辞儀をして、
慎哉と共にその場から去るが、チャックと美姫は
パトカーに乗り込んで尾行する。

慎哉「沢渡…」
優香「なあに?」
慎哉「次の曲がり角を右に入ったら走るぞ」
優香「…え!? あ、ちょ…ちょっと待って!!」

慎哉とは優香の右腕を引っ張り、急に走り出した。
そして右の角を曲がった時、もう2人の姿はどこにも
見当たらなかったのである。
あらかじめチャックたちの尾行を想定していた慎哉が、
事前に彼らの尾行をまくためのルートも下調べしておいたのだ。

チャック「しまった! どこにもいないぞ!」
美姫「やられたわね…」

560ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/01/21(木) 19:34:40
***レッドマフラー隊・関東基地***

優香「いったいどうやって中に忍びこむの?」
慎哉「へへっ、任せとけって♪」

慎哉は持参して来た携帯端末から回線に繋いで、
あっさりと非常口のロックを解除して
まんまと基地内に潜入してしまう。

巡回の兵士たちに見つからないよう、
安全なルートを検索して訓練用グラウンドまで
辿り着いた二人が見たものは、年下の南三郎少年に
訓練でしごかれている迷彩服姿の光平の姿だった!

三郎「なんだそのへっぴり腰は!
 しっかり走らないか牧村隊員!」
光平「はい!!」

この光景を目にした慎哉と優香はびっくり仰天。

慎哉「あの教官、どう見ても中坊だろ!
 なんで光平があんな奴の言いなりになってんだ!」
優香「やっぱり光平くん、ブレイバーズの人たちから
 いじめられていたんじゃ…」
慎哉「だから俺は反対だったんだ!」

よりにもよって年下の少年から光平が
悪しざまに罵詈雑言を浴びせられている光景を見て、
慎哉は激しく憤慨。優香も心配そうな表情で様子を見つめる。
そこへ、たまたま通り掛かった海野隊員が…。

海野「コラッ君たち! こんなところで何をしている!」

優香「――!?」
慎哉「やべっ…」

◇    ◇    ◇

巡回中の海野隊員に見つかってしまった慎哉と優香。
ブリーフィングルームへと連れて来られた2人は、
案の定、剣持隊長からカミナリが落ちる。

剣持「君の友人でなければ、即座に不法侵入で
 逮捕するところだ!」
光平「申し訳ありません。責任は全て俺が取ります!」
慎哉「おい光平っ、もうこの人たちなんかに
 ヘーコラする必要なんかないぞ!」
光平「コラッ慎哉…。ここは俺がどうにかするから
 お前たちは黙って――」

騒ぎを聞いて驚いて駆けつけて来た光平は、
なんとかその場を取り繕うとするが……。

慎哉「これ以上お前が新人いびりされてる光景なんか
 見てられるか!」
優香「そうよ! あまりにもひどすぎます!」

慎哉と優香の猛抗議は収まらない。

561ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/01/21(木) 19:35:17
光平「新人いびりって……誰が?」

慎哉「え…?」( ゚д゚)ポカーン
優香「で、でも…! あの中学生くらいの男の子から
 ひどい言葉を浴びせられていたじゃない!?」

慎哉たちから「中学生」と言われて、光平にはそれが
南三郎少年の事を指しているとすぐに思い当った。

光平「ああ…三郎君の事か。確かに彼は俺より年下だけど、
 たとえ年少でも俺より遥かに経験豊かなベテラン戦士なんだ。
 ブレイバーズでは俺の先輩に当たるんだから当然だよ」
優香「でも……」
剣持「牧村隊員、君はたった今、ここにいる友人二人の
 不始末の責任を自分が取ると言ったな?」
光平「はい、確かに言いました」
剣持「では懲罰として、君に今からグラウンド50周を課す!」
慎哉「…ちょ、ちょっと待ってくれ!」
優香「悪いのは私たちです! 光平くんは何も悪くありません!」
光平「いいからここは俺に任せて、二人とも黙ってろ」

お互いに庇いあう光平と慎哉と優香。

剣持「では3人とも一人ずつ25周として軽減しよう。
 3人分合わせて合計75周だ。南隊員、君が最後まで
 しっかりと監督して見届けるんだ」
三郎「了解しました、剣持隊長!」
慎哉「………(コイツ、さっきの光平をいびってた中坊!!)」

◇    ◇    ◇

三郎「へえ…3人ともなかなかやりますね」

三郎が感心しながら見ている中、
光平たち3人がグラウンド25周を走り終えた頃には、
もう全員ヘトヘトになってその場に倒れ込んでいた。

慎哉「…ハァ…ハァ。こう見えても俺は運動部なんだ…!
 この程度大したことなんてあるか…! なめんなよ!」
優香「…ハァ…ハァ。私だって…ハァ…陸上部なんだから!」
光平「慎哉…優香……」

そこへ3人分のバスタオルを持って、佐原千恵と小野隊員がやって来た。

小野「シャワーの準備をしてあるわ」
千恵「せっかくだからそこの二人も汗を流して行きなさい」

562ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/01/21(木) 19:36:09
お言葉に甘える形でシャワーを借りた慎哉と優香が、
汗を流して着替えて出て来ると、ブリーフィングルームでは
さっきとは一転した驚きの光景が…。

光平「こんな簡単な問題も解らないのか!」
三郎「イテッ!!」

なんと光平が三郎の頭に拳骨を食らわしていたのである。
どうも光平が三郎の勉強を見てやっているらしいが…。

優香「…こ、これって!?(汗」
慎哉「いったいどうなっているんだ!?」

てっきり三郎が光平をいじめているものとばかり思い込んでいた二人は、
さっきとは光平と三郎の立場が逆転している様子に困惑している。
そこへクスクスッと笑みを浮かべながら、佐原千恵が話しかけて来た。

千恵「これで分かった? 光平君が決して"新人いびり"なんて
 受けていないってことが」
優香「いったいこれはどういうことなんですか!?」
千恵「それはね…」

千恵は、優香と慎哉の二人に事情を丁寧に説明した。
南三郎は13歳の時にブレイン党の攻撃で両親と姉を失い、
天涯孤独の身となった。その点では幼い時に両親を失った
光平とも境遇はよく似ている。

光平「ほら、ここの公式はこうやって解くんだよ」
三郎「あーなるほど、さすが光平さんだね♪」

三郎は、まるで実の兄が出来たかのように光平に懐いており、
また光平の方も可愛い弟のように三郎を可愛がっていた。
そしてこうして今も実の兄弟のように無邪気にじゃれ合いながら、
光平が三郎の学校の宿題を見てやっている。
二人は実は大いに仲が良かったのだ。

意外な展開に些か拍子抜けしながらも、
ひとまずは納得して帰路に着く慎哉と優香であったが……。

優香「よかった。光平くんが楽しくやっているみたいで…」
慎哉「…でも、なんかブレイバーズに光平を取られたみたいだよな?」
優香「………」

一応安心はしつつも、慎哉と優香の二人は
複雑な寂しい思いに駆られるのであった。

――その時、二人の頭上を、
何か飛行物体が通り過ぎたような気がした。

優香「……?」
慎哉「…なんだ今の?」
優香「自衛隊の戦闘機か何かかしら…」

◇    ◇    ◇

レッドマフラー隊の関東基地へと向かっている謎の飛行物体。
それは自衛隊や在日米軍の戦闘機などではなく、
国籍不明のモビルアーマーだった!

コクピットには、サラジアシークレットサービス所属の強化人間である
エージェントSSS8が操縦している。

SSS8「まもなく目的地の上空に到達する。攻撃準備…」

(つづく)

563凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/01/22(金) 18:06:32
≪ロサレダ大陸の地理≫

アセーリアのロサレダ大陸は、地球のアフリカ大陸を東西引っ繰り返したような形。
やや南北に長く、北半分は東側に大きく陸が突き出している。
ttp://s1.gazo.cc/up/172977.png

ロサレダ大陸の全土はメルヴィオン聖王国が統治している。
王都ネクナールはロサレダ大陸の北西寄りにあり、ノアトーンは南端にある。
アオイ国は東の海の彼方にあり、ノアトーンとは海上交易路で結ばれている。


≪基本ストーリーライン≫

メルヴィオン聖王国の都ネクナール近辺に地球と繋がる時空クレバス(門)が発生。
サラジア軍がやって来て国王アディラス16世に降伏を迫る。
  ↓
アディラス16世は降伏を拒否し、首都近郊でサラジア軍と決戦。
圧倒的な軍事力を持つサラジア軍に大敗し、三人の王子が揃って討ち死に。
アディラス16世はネクナールに退いて籠城するがこれも敢えなく攻め落とされ、自害する。
  ↓
その頃、修業のためモンスター退治の旅に出されて都を離れていたラウール王子は
ネクナール陥落の報せを受けて愕然とする。
王家の聖剣リオレウスを託されて落ち延びてきたキクマル・サダムネらと合流し、
ナレイン・レンドルフの勧めで、彼の一族の所領であるリジナス州を目指す。
  ↓
ロサレダ大陸南端のリジナス州はゲリラ戦向きのジャングルが多く、
州都ノアトーンは難攻不落の城塞都市。
命からがらノアトーン入りしたラウールはここを本拠地として守りを固め、
北から攻め寄せるサラジア軍に抗戦の意思を明らかにする。
  ↓
ラウールの生存と決起を聞いたサラジア軍は、
リジナス州へラウール討伐の兵を差し向ける。
サラジア軍の主力部隊は大陸の中央を走る街道を一気に南下してラウールを攻め、
それ以外の地域には順次、別動隊を送って平定を進めていく段取り。
  ↓
サラジア軍がリジナス州攻めを開始するが、
ジャングルと堅城に立て籠もったラウール軍に攻めあぐね、戦況はやや膠着。
この間にラウールは有能な人材を集め、アオイ国との海上交易などで力を蓄える。
  ↓
力を蓄えたラウール軍はやがて反攻に出る。
ここで一大決戦(モデル:桶狭間の合戦)が起こり、
ナレインの奇策もあってラウール軍が奇跡の初勝利。
ここからラウール軍が徐々に北へと戦線を押し返し始める。
  ↓
別の場所では、サラジア軍の残忍さに不満を抱いていた雑賀衆の寝返りが発生。
農民反乱に加勢し、一つの地域を制圧して独立勢力を打ち立てる。
  ↓
同じ頃、パルスやブリューヌ、ジスタートなどの国々では、
アセーリアと繋がる時空クレバス(門)から乱入したモンスターによる被害が続発。
安全確保のため、彼らは探検とモンスター討伐の軍を時空クレバスの向こうへ派遣する。
  ↓
ロサレダ大陸に出現したパルス、ブリューヌ、ジスタート軍は、
モンスターを狩りつつ時空クレバス(門)の周辺を制圧。
現地の民から解放軍として迎えられ、サラジア軍と戦う事になる。
  ↓
北上してきたラウール軍は、雑賀衆やパルス軍など
各地で別個に戦っていた勢力と次々に合流。
雪だるま式に膨れ上がりながらネクナールを目指し進撃する。
  ↓
ネクナール近郊まで迫ったラウール軍とサラジア軍が天下分け目の大決戦。
ラウール軍が勝利し、サラジア軍は時空クレバス(門)の向こうへ撤退する。
*地球編の進み具合によっては、ここでちょうどアルハザードがシグフェルに倒され、
 アルハザードの死の報せがサラジア軍総崩れの一因となる可能性も。
  ↓
奪還したネクナールの神殿で戴冠式を執り行い、
ラウールは新国王アディラス17世として正式に即位。
メルヴィオンに平和と安定が戻る。

564ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/01/24(日) 13:13:45
≪地球の騎士『天凰輝』誕生!≫

***ギガントホース・艦橋司令室***

渡された情報ファイルをまじまじと見つめている
ザンギャック地球派遣艦隊の司令官ワルズ・ギル。
その手はわなわなと震えている…。

ワルズ・ギル「まさかシグフェルの正体が、こんな地球人のガキだったとは…」

以前にGODのキングダークと合同で行った東京制圧作戦は、
突如何の前触れもなく現れた謎のヒーロー・シグフェルの前に
完膚なきまでに叩きのめされてしまった。

黄泉がえり現象により再びこの世に復活した自分の復帰戦が、
自分より年少の地球人の少年たった一人によって黒星をつけられたのだ。
今もワルズ・ギルの怒りは尋常ではなかった。

ワルズ・ギル「ダマラス! 我が栄光あるザンギャック帝国の再起を掛けた一戦が、
 こんな辺境の惑星の鼻垂れ小僧一匹によって汚されてしまったのだぞ。
 お前はなんとも思わんのか!?」
ダマラス「お怒りはごもっともでございます」
ワルズ・ギル「ならば早急に手を打たんか!」

周囲に当たり散らすワルズ・ギルに、参謀長ダマラスは冷静に進言する。

ダマラス「殿下、ここはキアイドーに任せてみるべきかと存じます」
ワルズ・ギル「…キアイドーだと?」

宇宙の賞金稼ぎキアイドー。これまでに150もの凶悪な賞金首を打ち倒し、
1億ザギンを超える報酬を受け取っている実力者でもある。
その狂気じみた闘争心は、あのキャプテン・マーベラスことゴーカイレッドすら
恐怖と敗北感を深々と植え付けて震え上がらせたという。

ワルズ・ギル「なるほど、確かに奴なら適任かもしれんな…」

※冒頭シーンここまで。

565ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/01/24(日) 18:46:26
>>346加筆

玄海「相手が剣を使うのであれば、こちらも剣の使い手に
 教わるのが一番! 入ってくれ」
丈瑠「はっ!」

相談を受けた玄海老師は、志葉家の当主であるシンケンレッドこと志葉丈瑠を
光平に引き合わせる。ブレイバーズにも剣を武器に戦うヒーローは数多いが、
シグフェルはフレアセイバーを武器としているので、
同じく火を力にする剣士である丈瑠が選ばれたのであった。

丈瑠「俺との修練は厳しいが、覚悟はあるか…?」
光平「…覚悟はあります。俺に教えてください、丈瑠さん!」
丈瑠「その覚悟、確かに俺が預かった!」

林の中で互いに竹刀を構える丈瑠と光平。

丈瑠「一応、剣の心得はあるようだな?」
光平「小さい頃に沖縄の祖父に習って、少しかじったことがあります」
丈瑠「…なるほど。薩摩示現流か」

ちなみに光平の父方の祖父・靖臣は、江戸時代に琉球に移住した薩摩藩士の末裔である。
幕末においても、かの新撰組が何より恐れたのが薩摩藩士の操る示現流であった。

丈瑠「キアイドーのような強敵を相手にする真剣の立ち合いでは、
 竹刀剣道のように振り回す剣法は役に立たない。
 一撃必殺の打ち込みと気迫で勝負が決まる。
 ひたすら気迫と一撃に鍛錬を極める示現流は、
 正にそれに適している」
光平「はい!」

そして始まる丈瑠との修練は実に険しく、時には他のシンケンジャーを
相手に剣技を磨いていく。そしてその様子をそっと見守っている
サングラスの青年――地場衛の姿があった。

衛「………」

566ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/01/24(日) 18:47:26
シグフェルは、己自身の必殺技「火焔十字の舞(クロスプロミネンス)」を編み出し、
見事キアイドーに勝利した。

玄海「光平君、見事であった!」
光平「玄海老師…」
玄海「君に引き合わせたい人物がおる。入られよ!」
光平「……?」

本堂へと入って来た青年は、サングラスを外して
玄海老師に対して一礼して正座する。

衛「玄海老師ですね。お初にお目にかかります」
玄海「地場衛殿じゃな?」
光平「地場衛…? それって確かうさぎちゃんの……」

地場衛――またの名をタキシード仮面。
そしてもう一つの名を、地球の次期女王ネオ・クィーン・セレニティの
王配となるべき人物キング・エンディミオンである。
セーラームーン=月野うさぎと将来を誓い合った恋人である。

衛「光平君、君の戦いぶりは確かにこの目で見届けさせてもらった。
 今日は君に大事な話があって来た」

衛は、光平に「地球の騎士」の称号について話を切り出した。

光平「地球の騎士…?」
衛「厳密に言えば、女王の騎士(Knight of the Queen)だ。
 地球連邦の象徴的存在である歴代国王が代々一人だけ
 選ぶことを許される、言ってみれば懐刀みたいなものかな」
光平「それを俺に!? どうしてですか?
 そんな大事な役割なら水野さんや火野さんが…」
衛「あいにく女王の騎士に任命される資格があるのは、
 地球生まれの男性だけなんだ」
光平「それでしたら俺なんかよりも
 もっと経験豊富で適任の人が…」
衛「いや、君が一番相応しい。うさ子と同世代で歳も近く、
 側にいて信頼して心を開ける人間は、他に君しかいない」
光平「買いかぶり過ぎですよ…」

困ってしまう光平。まだ駆け出しの戦士に過ぎない
自分にはあまりにも荷が重すぎる。

玄海「光平君、せっかくの話、受けてみたらどうじゃ?」
光平「玄海老師まで…」
衛「そう難しく考えなくていいんだ。残念ながら
 俺は事情があってうさ子の側近くには当面
 一緒にいてやれない。代わりに君に彼女を
 支えてやってほしい。ここは人助けと思って
 引き受けてはもらえないか?」

光平は少し考え込んでから、静かに口を開いてこう答えた。

光平「少し…考えさせてください」

567ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/01/24(日) 18:48:02
***PU旗艦 エトワール・ド・ラ・セーヌ***

そして数日後……。
プリンセス・ユニオンの総本山ともいうべき
見目麗しき巨大戦艦 エトワール・ド・ラ・セーヌ内にある大広間において、
ささやかながら「女王の騎士(Knight of the Queen)」の叙任式が執り行われた。

西洋風の甲冑とマントに身を包んだ礼装をした牧村光平が、
ゆっくりと大広間を奥へと進み、上座に立つ次期女王のドレスを来た月野うさぎと
次期王配の礼装をした地場衛の前へと出る。

光平「我は神々と精霊に恩寵を受け、生を賜りし光のしもべ。
 我、剣と共に全てを次期女王陛下に捧げます」

衛「………」
うさぎ「………」

光平が差し出した儀礼剣を受け取るうさぎ。
その剣の腹で、光平の肩を叩き、
かしゃり、かしゃりと2回叩く音がする。
うさぎから剣を返された光平はそれを受け取り、
剣を鋭く3回振り払い、鞘に納める。

光平「我が剣、我が力、我が身体、我が魂からの忠誠は
 全て女王(Queen)のもの。女王(Queen)こそが我が魂の主人にて、
 我が希望の宿り主。その忠義、今ここに我が主と精霊に誓います」
うさぎ「牧村光平、汝を今ここに女王の騎士(Knight of the Queen)に任じます」

こうして叙任式は恙無く終わり、牧村光平は名実ともに
ネオ・クィーン・セレニティに仕える騎士となったのである。


***秩父山赤心寺***

その後、光平は再び玄海老師に赤心寺へと呼び出された。
いったい何事だろう?と寺を訪れた光平だったが、
法堂へと案内された彼の目の前で、玄海老師は自ら筆を奮い、
一筆を書いて光平に贈る。その場には志波丈瑠も同席していた。

光平「天凰輝(テンオウキ)…?」
玄海「天に輝く鳳凰の騎士という意味じゃ」
丈瑠「まさに今の光平に相応しい言葉だ」

女王の騎士(Knight of the Queen)となった光平に、
玄海老師が祝福の意味を込めて書いたものだ。

玄海「これからは天凰輝シグフェルと名乗るがよい!」
光平「天凰輝…シグフェル!」

今ここに名実ともに地球の平和を守る新たなヒーロー、
地球の騎士、天凰輝シグフェルが誕生した!


***朝倉家・光平の部屋***

朝倉家へ帰って来た光平は、自室で亡き両親の写真を手にとって
静かに決意を語りかける。

光平「父さん…母さん…。元々思い描いていたものとは少し違っちゃったけど、
 これで父さんが志した道に俺もようやく近づけたよ。天国で見ててくれよな…」

568ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/01/24(日) 18:48:42
***永田町・首相官邸***

土橋「いやあ、めでたいめでたい♪
 光平君の晴れ姿、陽一郎君にも見せてやりたかった!」

光平が女王の騎士(Knight of the Queen)に叙任された事を、
まるで自分の孫の事でもあるかのように喜んでいる土橋竜三。
これによって、これまで光平を一方的に反日危険分子と看做していた
永田町や霞が関の一部上層部も、迂闊に彼に手出しをする事は
出来なくなったのである。

土橋「これでワシも光平君の監視役から晴れてお役御免♪
 もう党の長老たちも彼にちょっかいを出すような心配も
 いらなくなるでしょう」
桃太郎「そうなるといいがな…」
土橋「はい…?」

剣桃太郎は、さっきからずっと執務室の窓から、
何かよからぬ予感しているように、
じっと外の景色を見つめている。

桃太郎「確かに党の老人たちも、あの少年に対して下手な干渉は
 控えるようになるだろう。だがそれも表向きの話だ…」
優子「総理は"影"が動くと読まれているのですね?」
土橋「まさか……」

今までは表向きの監視状態に置かれていただけだったが、
その牧村光平が公の地位に関わる称号を得たとなると、
表では動きにくくなった以上、これからは影の部分が
代わって動き出すのは、ある意味必然であると言えた。

桃太郎「………」


***天童菊之丞邸・茶室***

聖天子付き補佐官・天童菊之丞が茶を立てている中、
一人の編笠を被った尼僧が茶室の脇へと控える。諸国探索の任務より戻った
天童の女忍者・千坂朱音である。

朱音「御前、ただ今戻りました」
菊之丞「ご苦労であった。では報告を聞こう」
朱音「大阪エリア指導者・斉武宗玄、並びに仙台エリア首相・稲生紫麿、
 東京に対して異心を抱いているのは明白にございます。
 特に斉武は京都の仙洞御所に連なる旧華族の何人かとも接触を
 繰り返している形跡がございます」
高坂「もし斉武が、京都におわす治天の君と結びつくようなことがあれば、
 聖天子様にとっても由々しき事態…」

茶室に同席している天童家の用人・高坂正眼は、朱音の報告を聞き憂慮する。
「治天の君」とは日本国の先々帝であり、当代の聖天子から見て高祖父に当たる人物だ。
天子の位を退いてからは京都の仙洞御所に引き籠り、すでに御歳は100歳を軽く超えているといわれる。

菊之丞「北陸の様子はどうであった?」
朱音「金沢エリアには、今のところ目立った動きは見られませぬ」

金沢エリアは、大阪や仙台と同様に、日本が道州エリア制を導入してから、
新潟県、富山県、石川県、福井県の4県を統括する上位行政区分である。
首長が大統領的な権限を握っている大阪エリアや仙台エリアとは異なり、
金沢エリアには「北陸宮」と呼ばれる宮家が御輿として招かれており、
現在も名誉職的な存在の首長として公務に励んでいる。

高坂「本日その方を呼び戻したのは他でもない。
 そなたに渡す物がある」

高坂が朱音に手渡した大判の封筒の中には、
高校の教員免許が一枚入っていた。

朱音「御用人様、これはいったい?」
高坂「永田町の老人どもが閣下に泣きついて参ったのよ。
 その方にはこれよりメガロシティにある海防大学付属高校に
 教師として赴任してもらう。手続きもすでに済ませてある」
菊之丞「………」
高坂「仔細については追って沙汰を下す。
 それまで待て」
朱音「ハハッ」

569ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/01/24(日) 18:49:44
○地場衛→牧村光平を「女王の騎士(Knight of the Queen)」に推挙。
○月野うさぎ→牧村光平を「女王の騎士(Knight of the Queen)」に叙任。
○玄海老師→シグフェルに「天凰輝」の称号を一筆書いて贈る。
○志葉丈瑠→シグフェルと共にキアイドーを撃破。
 玄海老師が牧村光平に「天凰輝」の称号を一筆書いて贈る場に同席。
○土橋竜三→牧村光平が「女王の騎士(Knight of the Queen)」に叙任された事と
 自分が光平の監視役を事実上解かれた事を喜ぶ。。
○木場優子→これから牧村光平に"影"の手が迫るであろう事を憂慮する。
○剣桃太郎→これから牧村光平に"影"の手が迫るであろう事を憂慮する。
△天童菊之丞→千坂朱音に海防大学付属高校への潜入任務を命じる。

○牧村光平/天凰輝シグフェル→必殺技「火焔十字の舞(クロスプロミネンス)」を会得し、キアイドーを撃破。
 地場衛の推挙によって「女王の騎士(Knight of the Queen)」に任命される。さらに玄海老師から
 一筆を贈られ、以後は変身後のコードネームとして「天凰輝シグフェル」を名乗る。
△千坂朱音→諸国探索の任務から帰還し、東京に戻る。天童菊之丞から教師として海防大学付属高校に
 潜入する任務を新たに命じられる。
△高坂正眼→千坂朱音のために教員免許を用意し、海防大学付属高校に新任教師として
 赴任できるよう手続きを済ませる。

【今回の新規登場】
△高坂正眼(闘争の系統オリジナル)
 天童家の家令(執事長)であり、天童菊之丞に仕える用人。

570ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/01/26(火) 08:18:37
>>564加筆

***ギガントホース・艦橋司令室***

渡された情報ファイルをまじまじと見つめている
ザンギャック地球派遣艦隊の司令官ワルズ・ギル。
その手はわなわなと震えている…。

ワルズ・ギル「まさかシグフェルの正体が、こんな地球人のガキだったとはな…」

以前にGODのキングダークと合同で行った東京制圧作戦は、
突如何の前触れもなく現れた謎のヒーロー・シグフェルの前に
完膚なきまでに叩きのめされてしまった。

黄泉がえり現象により再びこの世に復活した自分の復帰戦が、
自分より年少の地球人の少年たった一人によって黒星をつけられたのだ。
今もワルズ・ギルの怒りは尋常ではなかった。

ワルズ・ギル「ダマラス! 我が栄光あるザンギャック帝国の再起を掛けた一戦が、
 こんな辺境の惑星の鼻垂れ小僧一匹によって汚されてしまったのだぞ。
 お前はなんとも思わんのか!?」
ダマラス「お怒りはごもっともでございます」
ワルズ・ギル「ならば早急に手を打たんか!」

周囲に当たり散らすワルズ・ギルに、参謀長ダマラスは冷静に進言する。

ダマラス「殿下、ここはキアイドーに任せてみるべきかと存じます」
ワルズ・ギル「…キアイドーだと?」

宇宙の賞金稼ぎキアイドー。これまでに150もの凶悪な賞金首を打ち倒し、
1億ザギンを超える報酬を受け取っている実力者でもある。
その狂気じみた闘争心は、あのキャプテン・マーベラスことゴーカイレッドすら
恐怖と敗北感を深々と植え付けて震え上がらせたという。

ワルズ・ギル「なるほど、確かに奴なら適任かもしれんな…」


***成田空港・国際線ターミナルロビー***

光平を取り巻いていた一連の問題がとりあえず収束し、
彼の当面の進むべき道も決まった事を見届けたフィリナは、
フランスへ帰ることになった。成田まで見送りに来る光平たち。

フィリナ「これからは、このナジブをあなたとの連絡役にするわ。
 彼は信頼できる男よ」

別れ際に、光平はフィリナから
一人のアルジェリア人男性を紹介された。
フィリナの会社での側近らしい。

ナジブ「ナジブと申します。フィリナ様からお話は伺っております。
 何かお困りの際は、どうぞなんなりと仰せつけくださいませ。光平様」
光平「…そんな、様だなんて!? 俺の事はただ"光平"でいいですよ(汗」
ナジブ「………」
フィリナ「じゃあ光平、ブレイバーズではいろいろと大変な事もあるだろうけど、
 あなたならきっとやり抜く事が出来ると信じてるわ。頑張ってね」
光平「ああ、フィリナも気をつけてな」
慎哉「フィリナさんもお元気で」
優香「また日本に遊びに来てください」

こうしてフィリナは日本を飛び立ち、フランスへと帰って行った。


※この帰り道で、光平はキアイドーに襲われる。

571ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/01/27(水) 13:49:30
>>571の続き。

光平「じゃ、フィリナを見送った事だし家に帰るか」
ナジブ「御車をご用意しましたので、私が皆さんをお送り致します」

フィリナを見送った光平達は、成田空港を出てナジブが用意した車で
家に帰る事にした。光平達を乗せたナジブの車は、高速道路に入る。

♢ ♢ ♢ ♢ ♢

光平「・・・・・・・」
優香「どうしたの?光平くん」
光平「いや、こうして見るとこの辺も結構荒れているんだなぁと思って・・・・」
慎哉「この辺はガストレアや幻獣が出現したっていうからな」

高速道路から見える景色は、ガストレアや幻獣といった前大戦の影響による
荒らされた景色だった。あまり気に留めていなかった光平だったが、
ブレイバーズに入り、改めてこの荒れた景色を見て、この景色がまた起きないように
戦っていこうと内心、決意する。だが、その時・・・・・。

――キキィッ!!

優香「キャッ!!」
慎哉「うわぁ!」
光平「どうしたんですか?ナジブさん!」
ナジブ「目の前に人が!」

突然ナジブが急ブレーキをしたので、車の中で慌てる3人。ナジブが
指差す方を見ると、赤いエイリアン―賞金稼ぎキアイドーだった。

キアイドー「貴様がシグフェルか」
光平「お前は何者だ!」
キアイドー「俺の名はキアイドー。ザンギャック帝国から貴様を始末するように
 依頼を受けてな。貴様の命を貰い受ける」

車から降りた光平はキアイドーと対峙する。キアイドーは自身の名を名乗り、
剣を光平に向けた。

ナジブ「下がってください。こいつは危険です!」
キアイドー「俺が用があるのは、そこのガキだけだ。だが俺の邪魔をするのなら
 貴様も斬るぞ!」
光平「―!」

ナジブは光平を守ろうと前に出て、ファイティングポーズをとるが
キアイドーは「邪魔をするのなら斬る」と殺気を放つ。キアイドーから
発せられる殺気を受けて、光平に緊張が走る。 

光平「下がってください、ナジブさん。俺が戦います」
ナジブ「しかし・・・・」
光平「俺よりも慎哉と優香を守って下さい。お願いします」
ナジブ「・・・・分かりました。光平さんも気を付けて」

光平はキアイドーと戦う事を決め、ナジブに慎哉と優香を守ってもらうように頼む。
光平の決意を察したナジブは了承した。

優香「光平・・・・」
光平「心配すんなよ。俺は大丈夫だから」
慎哉「必ず戻ってこいよ!」

心配する優香と慎哉をナジブに託して、光平はキアイドーに目を向けた。
優香、慎哉、ナジブの3人は車の影に身を潜めて事態の成り行きを見守る。

キアイドー「別れの挨拶は終わったか?終わったのなら早くシグフェルに
 変身しろ!」
光平「何だとっ!?」
キアイドー「俺は退屈が一番嫌いなんだ。そんな俺の虚しさを埋めてくれるのは
 金と戦いだけだ。聞けば貴様は圧倒的な強さを持つというじゃないか。
 貴様は俺を楽しませてくれるか?」
光平「ふざけるな!翔着(シグ・トランス)!!」

572ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/01/27(水) 13:51:00
キアイドーと対峙した光平はシグフェルに変身する。シグフェルは
炎の手刀「フレイムアーム」でキアイドーに斬り込んでいくが、
キアイドーは容易く受け流してしまう。

シグフェル「(全部、受け流してしまうなんて何て強さなんだ!)」
キアイドー「この程度か?」
シグフェル「何を!だったら、これならどうだ。フレアセイバー!!」

余裕な態度をとるキアイドーにシグフェルは炎に包まれた右手の掌から
フレアセイバーを具現化する。そして一刀両断しようと構えるが・・・・・。

キアイドー「遅い!」
シグフェル「ぐわぁ!!」

だが、シグフェルがフレアセイバーを振り下ろすよりも早く、キアイドーは
その剣でシグフェルを斬る。その凄まじさにより、シグフェルは倒れてしまった。

シグフェル「ぐぅぅぅ・・・・」
慎哉「光平!」
優香「光平くん!」
ナジブ「危険です!行ってはいけません」

倒れた光平を心配して駆けつけようとする慎哉と優香だが、ナジブは
2人の身を案じて引き留める。

キアイドー「期待して来てみれば、貴様の強さはこの程度か。
 つまらん。あの赤い海賊はもっと俺を楽しませてくれたぞ…!」
シグフェル「くっ…!」
キアイドー「これでは俺の退屈はちっとも治らん。
 貴様など殺す価値もない」
シグフェル「・・・・ま・・・・待て!」
キアイドー「しつこいぞ。それ以上、無様な事をすれば
 本当に殺してやろうか?」
シグフェル「――!」
キアイドー「ふん!」

シグフェルは倒れながらもキアイドーになお挑もうとした。しかし、
キアイドーの更なる殺気を受けて、シグフェルは倒れた。
そしてキアイドーは倒れ伏すシグフェルに見切りをつけると、刀を鞘に納め
その場を後にする。この時キアイドーに惨敗した光平は初めて死の恐怖を
経験し、挫折を味わうのであった。

573ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/01/27(水) 14:46:51
●ワルズ・ギル→シグフェルを打倒する為、キアイドーを差し向ける。
●ダマラス→シグフェルを打倒する為、キアイドーを推挙する。
●キアイドー→ワルズ・ギルからシグフェルを打倒するように依頼され、
   シグフェルを叩きのめすが、仕留めずに帰還する。

◯牧村光平/光凰輝シグフェル→フィリナを見送った帰りにキアイドーに
  襲われる。シグフェルに変身して戦うが、敗北する。
◯朝倉慎哉→フィリナを見送った帰りにキアイドーに襲われる。
◯沢渡優香→フィリナを見送った帰りにキアイドーに襲われる。
◯フィリナ・クラウディア・アルシャード→フランスに帰国する。別れの際、光平達に
  ナジブを紹介する。
◯ナジブ→連絡役としてフィリナから光平達に紹介される。光平達を家に
 送る為、車を運転していたが、キアイドーに襲われる。

【今回の新登場】
●賞金稼ぎキアイドー(海賊戦隊ゴーカイジャー)
 宇宙帝国ザンギャックが雇った宇宙一の賞金稼ぎ。これまで150もの
 凶悪な賞金首を打ち倒し、1億ザギンを超える報酬を受け取っている
 実力者。細身のソードを武器に様々な宇宙の体術を駆使した戦いを行い、
 全身を覆うアーマーは赤熱磁場でコーティングされ、あらゆる弾丸を弾き返す。
 退屈を嫌う戦闘狂で、かつてキャプテン・マーベラスに恐怖と敗北感を
 植え付けた事がある。


◯ナジブ(闘争の系統オリジナル)
 フィリナの秘書兼ボディガードを務めるアルジェリア人の青年。
 武術の達人。主にフィリナと日本で暮らす光平との間の連絡を
 取り持つ繋ぎ役。

574ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/01/29(金) 20:16:45
>>570-573からの続き。

***千葉・房総半島の海岸某所***

道着姿に着替えた光平は、海岸の岩の上で
静かに目を閉じて座禅を組み瞑想している。

光平「………」

キアイドーに完膚なきまでに打ち負かされた光平は、
生まれて初めて感じた死の恐怖を打ち勝つためには、
こうなれば自分の精神力で自分自身に勝つしかないと考え、
荒波が迫る中、一人で修行に励んでいた。

光平「やあぁぁぁっ!!!」

立ち上がった光平は木刀を手に持ち、
目の前の大きな岩に何度も繰り返し打ちかかるが、
岩はビクともしない。

光平「やっぱりダメだ……」

玄海「無駄じゃ!光平君」

光平「――!?」

光平が驚いて声がした方向に振り向くと、
そこには弟子の弁慶を伴った玄海老師の姿があった。
どうやらシグフェルがキアイドーに敗れたとの話を聞き、
わざわざ駆けつけて来てくれたらしい。

弁慶「………」
光平「玄海老師!? いつこちらへ?」
玄海「迷いの心で幾ら打ちつけたところで、その石は割れん!
 かえって己自身の恐怖は増すばかりじゃ!」
光平「ではどうしたら!?」
玄海「ついてきなさい」


***志葉邸***

玄海老師と弁慶に伴われて、光平がその足でやって来たのは、
武家屋敷風の広い邸宅だった。

彦馬「これは玄海老師、わざわざのお運び、
 誠に恐縮にございます」

玄関先でこの家の執事か用人らしき
初老の和服に袴姿の男性が、礼儀正しく玄海らを出迎える。

玄海「ご当主の丈瑠殿はご在宅かな?」
彦馬「はい。只今ご案内いたします」
玄海「いやなに、気遣いは無用。勝手知ったる屋敷じゃ」

575ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/01/29(金) 20:17:53
光平「あの弁慶さん、ここはいったい…?」
弁慶「ここは江戸時代に、房総半島の内この地帯を治めていた大名で、
 旧華族である志葉家のお屋敷だ。…と言っても、今のお前には
 アヤカシ外道衆と戦った侍戦隊シンケンジャーの本部と言った方が
 解り易かろう」
光平「ここが噂に聞いたシンケンジャーの……」

志葉家初代当主・烈堂は、クサレ外道衆の頭目・脂目マンプクを封印した功績を
徳川家康に認められ、今の千葉県北部の辺りを治める大名となった。
以来、志葉家は代々外道衆のアヤカシと戦い続ける宿命にある。

そういえば、自分の歓迎会の時にほとんどのヒーローたちと面識が出来た光平だったが、
あの時あの場で志葉家の当主の姿を見た覚えはない。その事を弁慶に尋ねると――

弁慶「ははは…志葉のご当主は、そういった賑やかな催しが
 苦手だと聞いているからな」
光平「……???」

応接間で出された茶を飲みながら、この家の主が現れるのを待っていると、
一人の若い青年が姿を見せた。

丈瑠「玄海老師、お久しぶりにございます」
玄海「光平君、引き合わせよう。こちらは志葉家19代目当主・志葉丈瑠殿じゃ」
丈瑠「志葉丈瑠だ。よろしく」
光平「よ、よろしくお願いします!……(この人がシンケンレッド)」
玄海「相手が剣を使うのであれば、こちらも剣の使い手に
 教わるのが一番じゃ」

ブレイバーズにも剣を武器に戦うヒーローは数多いが、
シグフェルは炎の剣フレアセイバーを武器としている以上、
同じく火を力にする剣士である丈瑠が選ばれたのは、
玄海老師の慧眼である。

丈瑠「俺との修練は厳しいが、覚悟はあるか…?」
光平「…覚悟はあります。俺に教えてください、丈瑠さん!」
丈瑠「その覚悟、確かに俺が預かった!」

林の中で互いに竹刀を構える丈瑠と光平。

丈瑠「一応、剣の心得はあるようだな?」
光平「小さい頃に沖縄の祖父に習って、少しかじったことがあります」
丈瑠「…なるほど。薩摩示現流か」

ちなみに光平の父方の祖父・靖臣は、江戸時代に琉球に移住した薩摩藩士の末裔である。
幕末においても、かの新撰組が何より恐れたのが薩摩藩士の操る示現流であった。

丈瑠「キアイドーのような強敵を相手にする真剣の立ち合いでは、
 竹刀剣道のように振り回す剣法は役に立たない。
 一撃必殺の打ち込みと気迫で勝負が決まる。
 ひたすら気迫と一撃に鍛錬を極める示現流は、
 正にそれに適している」
光平「はい!」

そして始まる丈瑠との修練は実に険しく、時には他のシンケンジャーを
相手に剣技を磨いていく。そしてその様子をそっと見守っている
サングラスの青年――地場衛の姿があった。

衛「………」

<つづく>

576ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/01/29(金) 20:42:25
≪タイトル未定≫

***異世界アセーリア・学都コンクェイテューラ付近の森***

緑のロングヘアを風になびかせた一人の少女が、険しい森で歩を進めている。

キリカ「お父さん、お母さん、どうか…無事でいて!」

自分の故郷の村へと急ぐその少女――キリカであったが、
不幸にして落武者狩りの山賊たちに見つかり、取り囲まれてしまった。

山賊A「おい見ろ、女だぞ!」
山賊B「コイツは上玉だ。久しぶりに楽しませてもらうとするか。ゲヘヘ…」

キリカ「…い、いやあっ! やめて! 誰か助けてぇー!!」

◇     ◇     ◇

一方、こちらは同じ森の少し離れた場所を彷徨っている
(自称)美少女天才魔道士リナ・インバースとその御一行=正義の仲良し四人組である。

ガウリィ「ハ、ハラ減ったぁ…」
リナ「あたしたちの新たな冒険、ここでいきなり終わるかもしんない…」

門矢士=仮面ライダーディケイドの導きと、
異世界への外交親善使節として父フィリオネル王子の親書を携えたアメリアの護衛、
そしてリナの姉ルナからの手紙に書かれてあった「行かないと殺す!」という
強制的命令(笑)によって、全く未知の異世界へと足を踏み入れたリナたちだったが、
もう一週間飲まず食わずの状態が続いていて、もう餓死寸前の様相を呈していたのだったww。

山賊A「こんなところにも獲物がいたぜ」
山賊B「命が惜しかったら身ぐるみ全部置いていきな!」

リナ「………」o(★___________★)o キラァーン!!

すっかり弱気になっていたリナだったが、
目の前に山賊が現れた途端に元気MAXになり、
まとめて返り討ちにしたうえ逆に身ぐるみ剥いで
全員を全裸にして縛り上げてしまった。

山賊A「…な、なんなんだおめえたちは!?」(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル
山賊B「…こんなのアリか! セイロス神の名の下に公平な裁きを要求する!」(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル
リナ「黙れ! 悪人に人権はない!!」
山賊C「そ、そんなぁ…」(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル

アメリア「セイロス神…? 初めて聞く名前ですね」
ゼルガディス「おそらくこっちの世界の神の名だろう…」
ガウリィ「お〜い、みんなぁ! こっちに来てくれ〜!」

ガウリィが、馬車の荷台の中に押し込められていたキリカを発見して救助する。

キリカ「助けてくださってありがとうございます。なんとお礼を申し上げたらいいのか…」
リナ「あらそっ、じゃあね」
キリカ「えっ!? もう行っちゃうんですか?」
リナ「なあに、まだ何か用?」
アメリア「リナさん、せめてこの人を村まで送り届けてあげましょうよ」
ゼルガディス「もしかしたら一晩の飯と寝床くらいにはありつけるかもしれんぞ」
リナ「まあそういうことなら…」

577ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/01/29(金) 20:43:27
しかし、辿り着いたキリカの村は、すでにサラジア軍に焼き討ちに遭っており、
村人の姿は誰一人として残ってはいなかった。

キリカ「そんな…!」

きっと家族はみんな死んでしまったものと思い込み、悲嘆にくれて泣き崩れるキリカ。

ゼルガディス「死体がない…」
ガウリィ「は…?」
ゼルガディス「仮に村中焼き払われたにせよ、一人二人の死体がそこら辺に
 転がっていてもいいはずだ。なのに死体が全く見当たらない。だとすれば
 考えられる事は二つ――」
リナ「村が襲われる前に全員無事に逃げ出したか、
 それとも村を襲った連中によってどこかへ連れ去られたか…」
キリカ「それじゃあ…!?」
リナ「安心しなさい。あなたの家族はどこかできっと生きてる筈よ」

リナの言葉で、表情に安堵の笑みが戻るキリカ。

アメリア「それで、あなたはこれからどうするんですか?」
キリカ「コンクェイテューラの神殿に戻ります。よろしければ皆さんもご一緒に
 ついて来てください。山賊から助けてもらったお礼もしたいですし」

しかしその様子を密かに窺っている魔物がいた。
魔界同盟に所属する大神官ハーゴンの邪教集団配下の
小悪魔グレムリンだ。

グレムリン「キィキィ!! 生き残りの人間を見つけたぞ!
 急いで戻って赤い三日月隊に報告だ!」


***学都コンクェイテューラ ファーブラ神殿***

ここはロサレダ北東部中央の山岳地帯と森に囲まれた場所に位置する、
創造神セイロスに仕える知識神ファーブラを祀る神殿である。
この地を治めるメルヴィオン聖王国の学問の中心地として昔から栄え、
王国中から学問を志す学士や学生たちが集まって来る場所でもある。

キリカの家族や村人たちは、村へ様子を見に外へ出かけた彼女と入れ違いに
この神殿へと皆無事に避難して来ていたのだった。

村長「おお、キリカ!」
村長の妻「よかった! 無事だったんだね! お前が私たちを探しに
 村へ戻ったと聞いた時は本当にどうしようかと…」
キリカ「お父さん! お母さん!」

無事な再会を喜び合う親子3人。だが……

シン「キリカ!!(怒」
キリカ「シン…?」

――パチンッ!!

いきなり現れた僧服姿の少年が、怒りの形相で
キリカの頬に平手打ちをお見舞いする。

キリカ「………」
シン「お前一人の身勝手な行動が、周囲にどれだけ
 迷惑を掛けたと思っている!?」
キリカ「ごめんなさい…」

これにはすぐ側で見ていたアメリアが激怒して猛抗議する。

アメリア「ちょっと待ってください!
 いきなり女性の人をぶつだなんてあんまりです!
 暴力反対!!」
キリカ「いいんですアメリアさん。悪いのは私なんですから…」
アメリア「でも……」

578ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/01/29(金) 20:44:19
シン「君たちは?」
キリカ「この人たちは森で私を助けてくれたの」
シン「そうか。キリカを助けてくれた事には感謝しよう。
 ……しかし、余計な者たちまで連れて来てしまったようだな?」
リナ「どうやらそうみたいね」

シンと呼ばれた僧服の少年とリナが同時に窓から外へ視線を向けると、
神殿に向かって大挙して進軍してくる軍隊の姿が…。

キリカ「あいつらです! 私たちの世界にいきなり現れて、
 見た事もないような鉄の鳥や、火を噴く大筒を積んだ鉄の馬車で
 大陸全土を蹂躙しているのは!」
シン「この神殿は結界を張って外部から侵入方法は分からないように
 なっていた。しかしお前たちが尾行されたせいで、結界の抜け道が
 敵方に知られてしまった。この始末、どう取ってくれるつもりだ?」
リナ「要はアイツらまとめてどうにかしてしまえばいいんでしょ?」
シン「簡単には言うが…!」
リナ「まあ見てなさいって♪」

リナは神殿の一番高い位置の物見台の上に立ち、
呪文の詠唱を開始!

リナ「黄昏よりも昏きもの
 血の流れより紅きもの
 時の流れに埋もれし
 偉大なる汝の名において
 我ここに 闇に誓わん
 我等が前に立ち塞がりし
 すべての愚かなるものに
 我と汝が力もて
 等しく滅びを与えんことを!
 ――ドラグスレ―イブッッ!!!!!!!
                        l|、
                        ゙'.lッv..,,_          _..;;;;ニ`-''"゙'ュ
                             `''ミ-,,〃 /(    ゙ぐ、.
                                      /.:.:.: ヽ   ヽl゙
              ,. - ェ)、,.         \      /.:.:  .:.}   l:!
   -==二三二ニ=--/. :Σ._:_:κ        \|ヽ/(/.:.:   :.{   `j.!
  =二三三二ニ二三彡-く´"ァ`^         /} ).::.:.:.::    :.:.`ー '''
   ´77777777`="{ {__} ヽー┬───r-----} | ).:.:.:: ;;;;;
    //////////,_∧   〉.┴───''──┴' -.:.:.:.:. ;;;;;
    ////////,//=ヽ/ー────''──┴' ノ.:.:.:..:.:.;;;;     ,,,,.
    /////// ./.:::  //            /⌒ヽ:::::.:.:.:.... .:.:r'´   "
    / ̄ ̄  /¨¨¨'//               /    )⌒ヽr、:.:.::(
        __/  ∧  `ヽ                    _,,,.. -
        ヽ⌒ゝ-〈_/ヽ   |                 ,rシ"         i".|
        |   | ヽ L __ヽ             ..r'/           ゝミ;; 、
        .',   |  ',  ',             .,, |/           ____    / /
           ',   |  ',  ',          . /ノ゛             一''`-`--゙
       / /    ',  ',         '--'゛

579ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/01/29(金) 20:46:23
                               ヽ`
                              ´
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              ノi|lli; i . .;, 、    .,,            ` ; 、  .; ´ ;,il||iγ
                 /゙||lii|li||,;,.il|i;, ; . ., ,li   ' ;   .` .;    il,.;;.:||i .i| :;il|l||;(゙
                `;;i|l|li||lll|||il;i:ii,..,.i||l´i,,.;,.. .il `,  ,i|;.,l;;:`ii||iil||il||il||l||i|lii゙ゝ
                 ゙゙´`´゙-;il||||il|||li||i||iiii;ilii;lili;||i;;;,,|i;,:,i|liil||ill|||ilill|||ii||lli゙/`゙
                    ´゙`゙⌒ゞ;iill|||lli|llii:;゙|lii|||||l||ilil||i|llii;|;_゙ι´゚゙´`゙
                         ´゙゙´`゙``´゙`゙´``´゙`゙゙´´

580ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/01/29(金) 21:00:32
シン「………」(;゚д゚)ポカーン
キリカ「………」(;゚д゚)ポカーン
              ____        / \ヽ. }ノ}/ {_
             /   }       /     ヽ} / ′   ヽ`ヽ
                '     !      /               \_ヽ___,
            |    l   __/                 <
            l     , `ー‐ァ    /            \ヾ、
   _____       '     '、 / ,.   、{ /_{   ム、 {_.-‐     ',
    !   ヽ      '、    ∨,.ィ' / 、〃ヽ∨ { ィ'´^テxノ l  /\ _.. -‐┐
   ',     \      ヘ.    ∨{  {: ヾ《 ト::}`\r  ト::} 》' }! 〈\ノ´.::::::::/ /
         \     ヽ     \ ∧ ハ' 、,ゞ' ,   └'-' } メ.ヽノ\▽.://
    ヽ     ヽ、    、     \ヽ!{    、-‐vi   ,ス'´ .) /~ //
      \       ` ー ' ヽ      `ヽ≧z、 ヽ__ノ , イ >`¨∠__/ィ´}…┐
       丶                   ヽ::::.\z≦¨ イ /.:::::::彡/ /  {
           ` ‐-r--- 、       ノ      ト、::ヾ\X⌒hr=ニ二___ノ‐  /
            }        _r'        !::::ヽ、:::く`¨_ノ_/ヽ_r┴ヽ /==‐-  、
            ハ    …‐ '´ }   ノ  ノ}ヽ、____ノ' ̄>'   ル- 、 r}' .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
           /::::{        /    }  ノ. : : : : : :,/  rィ /  } }/ .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\
         /.::::ハ `ヽ ___//   ノ‐く  ̄ ゝ. ̄  ノ/! }/   .'¨ .:.: ,:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\
        /.::::/.:.:.:{.___________人___/.:.:.:.:.\‐- ミ≡彡イi  !ハヽ/.:.:.:.:.:.: ',:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
        |:::/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.! :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: ノヽ: : : : : : : : :} |:.:Ⅳ .:.:.:.:.:.:.:.:.:}:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:',
        |/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:{ :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: ヾ \ : : : : : : /  !: .:\ :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. }
リナ「ビクトリーッ! まっ、あたしにかかればザッとこんなもんよ♪」

***ロサレダ北東部・サラジア軍(赤い三日月隊)の陣地***

副司令官「…バ、バカなっ! 新たに発見した敵の拠点を攻撃に向かった
 部隊が全滅しただと!? 敵にそれほど火力のある兵器はないはずだぞ!」
将校「し、しかし…! 核爆発に匹敵するほどの大爆発が起こったとの
 報告も来ております!」

まさかの敗報に、驚きと戦慄が走るサラジア軍。

副司令官「と、とにかく、この件はザイード総司令官殿に
 報告せねばなるまい…(汗」

581ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/01/29(金) 21:35:08
――翌日の早朝。

***学都コンクェイテューラ ファーブラ神殿***

シン「師匠、起きてください!」

朝早くからリナの寝泊まりしている寝室の扉の前に立ち、
何度もドアノブを叩いているシン。

リナ「だぁぁーっ!! もう五月蠅い!!」
シン「師匠、やっと起きてくださいましたか!」
リナ「今いったい何時だと思ってる訳!?
 あたしは疲れてるんだから寝せてちょーだい」

この騒ぎで別室で寝ていたガウリィたちも起きて来た。

ガウリィ「ふわああ〜! なんだなんだぁ?」
ゼルガディス「あの少年、昨日の夜からずっとあの調子か?」
アメリア「なんでもリナさんの天才的な魔法の腕前に惚れ込んで、
 弟子入りを望んでいるんだそうです」
ガウリィ「物好きな人間もいるもんだなぁ…」

リナ「だいたいきっきからその"師匠"ってなに?」
シン「僕はこれから貴女に教えを請うわけですから、
 師匠とお呼びするのは当然です」
リナ「勝手に決めないでくれる!
 あたしは弟子を取ったりはしないわよ」
シン「もちろんタダでとは申しません!
 レッスン料はきちっとお支払いします」

シンはリナの目の前に、金貨がどっさり詰まった革袋を3つ差し出した。

リナ「………」(;゚д゚)ポカーン
アメリア「すごい…!」
ゼルガディス「おい、この金の出所はどうした?」
シン「もちろん神殿の金庫です」
ガウリィ「神殿の金庫!?」
シン「申し遅れました。僕の名はシンディラ・アシヌス。
 当ファーブラ神殿の責任者を務める大司教アシヌスの長男で、
 神殿責任者の代理を務めております」
リナ「シン、もしかしてあなた、いいところのぼんぼん――
 ――じゃなくて、良家の御曹司か何か?」
シン「御曹司だなんて、そんな大した身分ではありませんよ。ハハハ…。
 メイド長、リナ師匠と皆さんに朝食のご用意を!」
メイド長「畏まりました」

582ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/01/29(金) 21:37:11
ダイニングルームで出された豪華な食事を
次々と遠慮など全くなしでおかわりして
大量に平らげるリナとガウリィ。

ゼルガディス「この神殿は今は籠城中の筈だろ?
 こんな調子で兵糧の方は大丈夫なのか?」
メイド長「ご心配なく。この神殿の地下には
 温室の農場と牧場もあり、自給自足が可能。
 仮に戦が長引いたとしても、10年先まで
 籠城は充分可能でございます」
アメリア「大したものですね…」

すっかり満腹になったリナは、
いきなり真剣な真顔になりシンに視線を向ける。

リナ「シン、あたしの修行は厳しいわよ!
 ついてこれる覚悟はある?」
シン「無論覚悟の上です!僕に教えてください、リナ師匠!」
リナ「よーしっ! その覚悟、確かにあたしが預かったわ!」

ガウリィ「現金なやつ…(汗」

ついさっきまでシンにつれない態度を取っていたのに、
彼が金持ちだと分かった途端にコロリと態度を変えたリナに、
ガウリィは呆れるのであった。

<つづく>

583ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/02/01(月) 14:24:20
>>575加筆・修正
光平「あの弁慶さん、ここはいったい…?」
弁慶「ここは江戸時代に、房総半島の内この地帯を治めていた大名で、
 旧華族である志葉家のお屋敷だ。…と言っても、今のお前には
 アヤカシ外道衆と戦った侍戦隊シンケンジャーの本部と言った方が
 解り易かろう」
光平「ここが噂に聞いたシンケンジャーの……」

志葉家初代当主・烈堂は、クサレ外道衆の頭目・脂目マンプクを封印した功績を
徳川家康に認められ、今の千葉県北部の辺りを治める大名となった。
以来、志葉家は代々外道衆のアヤカシと戦い続ける宿命にある。

そういえば、自分の歓迎会の時にほとんどのヒーローたちと面識が出来た光平だったが、
あの時あの場で志葉家の当主の姿を見た覚えはない。その事を弁慶に尋ねると――

弁慶「ははは…志葉のご当主は、そういった賑やかな催しが
 苦手だと聞いているからな」
光平「……???」

応接間で出された茶を飲みながら、この家の主が現れるのを待っていると、
一人の若い青年が姿を見せた。

丈瑠「玄海老師、お久しぶりにございます」
玄海「光平君、引き合わせよう。こちらは志葉家19代目当主・志葉丈瑠殿じゃ」
丈瑠「志葉丈瑠だ。よろしく」
光平「よ、よろしくお願いします!……(この人がシンケンレッド)」
玄海「相手が剣を使うのであれば、こちらも剣の使い手に
 教わるのが一番じゃ」

ブレイバーズにも剣を武器に戦うヒーローは数多いが、
シグフェルは炎の剣フレアセイバーを武器としている以上、
同じく火を力にする剣士である丈瑠が選ばれたのは、
玄海老師の慧眼である。

丈瑠「俺との修練は厳しいが、覚悟はあるか…?」
光平「…覚悟はあります。俺に教えてください、丈瑠さん!」
丈瑠「その覚悟、確かに俺が預かった!」

林の中で互いに竹刀を構える丈瑠と光平。

丈瑠「一応、剣の心得はあるようだな?」
光平「小さい頃に沖縄の祖父に習って、少しかじったことがあります」
丈瑠「…なるほど。薩摩示現流か」

ちなみに光平の父方の祖父・靖臣は、江戸時代に琉球に移住した薩摩藩士の末裔である。
幕末においても、かの新撰組が何より恐れたのが薩摩藩士の操る示現流であった。

丈瑠「キアイドーのような強敵を相手にする真剣の立ち合いでは、
 竹刀剣道のように振り回す剣法は役に立たない。
 一撃必殺の打ち込みと気迫で勝負が決まる。
 ひたすら気迫と一撃に鍛錬を極める示現流は、
 正にそれに適している」
光平「はい!」
丈瑠「良し。そしてキアイドーに強力な一撃を加える為にも、お前には
 自身の持つ火の力、キアイドーの剣の速さを凌ぐ速さを鍛えてもらう
 必要がある。俺は技を教えるつもりは無い。だが、それらを鍛えれば
 自ずと己の技が見えてくる筈だ」
光平「火の力に速さか・・・・・」
丈瑠「まずは速さを鍛える。さぁ、俺に打ち込んで来い!」
光平「行きます!タァ!!」

丈瑠に鍛えていく部分を教わった光平は丈瑠に剣を打ち込んでいく。
そして始まる丈瑠との修練は実に険しく、時には他のシンケンジャーを
相手に剣技を磨いていく。そしてその様子をそっと見守っている
サングラスの青年――地場衛の姿があった。

衛「………」

584ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/02/01(月) 15:21:27
>>346加筆・修正
***ギガントホース・艦橋司令室***

一方、ザンギャックの旗艦であるギガントホースに帰還したキアイドーは
シグフェルを仕留めずに戻ってきた事をワルズ・ギルから責められていたが
キアイドーは気にせずケロッとしていた。

キアイドー「俺は、俺の流儀で仕事をするまでだ」
ワルズ・ギル「ぐぬぬ、貴様〜!」
???「・・・その様な賞金稼ぎ風情に頼るからですよ、殿下」
ダマラス「何奴!?」

ワルズ・ギル達の前に現れたのは、1万年前最強の護星天使と謳われ
地球救星計画で地球を破壊し、新たに星を創り出そうとした救星主の
ブラジラだった。姿を現すと、ワルズ・ギルに膝をついて、頭を垂れる。

ワルズ・ギル「・・・・お前は確かブラジラとかいったな。何しに来た?」
ブラジラ「はい、殿下。この私めも殿下の配下にお加えいただく参上いたしました」
ダマラス「お待ち下さい殿下!こ奴は自分の目的の為に、様々な組織を利用してきた者。
 信用されてはいけませぬぞ!」

自分を配下に加える様に言うブラジラだが、ブラジラが過去ウォースター、
幽魔獣、マトリンティスと様々な組織の一員となり、その裏で利用してきた
という経歴を知るダマラスはブラジラがワルズ・ギルの配下に加わる事に
反対する。

ブラジラ「流石は皇帝アクドス・ギル様の懐刀で在らせられるダマラス参謀。
 私の様な者を警戒されるのは至極同然。ですが、私もヒーローには恨みを
 持つ身・・・・私を配下に加えて下さるのであれば、かならずやシグフェルを
 討ち取ってみせましょう」
ワルズ・ギル「・・・・良し。ブラジラよ、お前を我が配下に加えてやろう。そして
 キアイドーと共にシグフェルを倒して来い!キアイドーもそれで良いな?」
キアイドー「俺の邪魔をしなければ、構わん」
ダマラス「殿下!うぬぬ・・・殿下に妙なマネをすれば、その時は覚悟しろ!」
ブラジラ「かならずや、ご期待に副えましょう(・・・ふん、ザンギャックの力、
 利用させてもらう」

ワルズ・ギルはブラジラを自分の配下に加える事を決め、反対していた
ダマラスもしぶしぶ承諾する。だが、ワルズ・ギルの配下に加わった
ブラジラは内心ではザンギャック帝国の力を利用しようと考えていた。
そしてキアイドーとシグフェルの再戦は刻一刻と近づくのであった。

585ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/02/01(月) 16:23:49
◯玄海老師→キアイドーに敗北した光平に、志葉丈瑠を引き合わせる。
◯弁慶→玄海老師と共に光平を志波邸へ連れてくる。
◯志葉丈瑠→光平に修練を積ませる。
◯日下部彦馬→光平、玄海老師、弁慶を出迎える。
◯地場衛→丈瑠の下で修練を積む光平の様子を見守る。
●ワルズ・ギル→シグフェルを仕留めなかったキアイドーを責める。
  そして救星主のブラジラを配下に加え、キアイドーと共に
  シグフェルを始末するように命令を下す。
●ダマラス→ブラジラが配下に加わる事を反対するが、しぶしぶ承諾する。
●キアイドー→ワルズ・ギルにシグフェルを仕留めなかった事を責められる。
●救星主のブラジラ→ワルズ・ギルの配下に加わる。内心ではザンギャックの
  力を利用しようと考えている。

◯牧村光平/シグフェル→キアイドーに敗北した為、1人修行に励んでいた所、
  玄海老師によって、志葉丈瑠と引き合され、丈瑠から修練を課される。

【今回の新登場】
●救星主のブラジラ(天装戦隊ゴセイジャー)
 ウォースター、幽魔獣、マトリンティスといった様々な組織を渡り歩いた
 ブレドランの正体。1万年前、幽魔獣を封印した最強の護星天使で
 ゴセイナイトの本来の持ち主。人間を根絶やしにして汚れきった地球を
 一度破壊し、新しい星を創る「地球救星計画」を画策し、そうして創った
 星の「命を導く者」として君臨しようとしていた。ダークヘッダーを配下として
 従えている他、様々な組織で活動していた「ブレドラン」を分身体として
 呼び出す事が出来る。趣味はコスプレ。

586ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/02/02(火) 11:23:06
>>347加筆・修正
***志葉邸***

光平「タァッ!」
丈瑠「ふん!」

光平と丈瑠の下で修練を始めてから数日。志葉邸の庭では光平
丈瑠は向かい合い、今日も竹刀を振るっていた。庭には2人だけでなく
家臣である他のシンケンジャーや慎哉や優香が見守っていた。

慎哉「光平・・・・」
優香「光平君・・・・」

連日の厳しい修練により、光平が帰宅してくると、その疲労さは
剣の素人である慎哉にもありありと伝わって来た。故に慎哉は
光平が倒れてしまうのではないかと心配でしょうがなかった。
そしてそれは優香も同じ思いだった。

刃「よぉ、邪魔するぜ」
さやか「もぉ、ちゃんと挨拶しなさいよ!」
ソウジ「お邪魔します。シンケンジャーの皆さん」
千明「おっ!刃にソウジも来たのか」

そこへ鉄刃と峰さやか、そしてキョウリュウジャーのキョウリュウグリーンこと
立風館ソウジが志葉邸にやってくる。刃やソウジもシンケンジャー同様、
光平の修練の相手をしていたのであった。

刃「大分、様になってきたみたいだな。光平の奴」
流ノ介「うむ。光平は中々飲み込みが速いようでな。間もなく修練の
 仕上げの段階となったのだ」

光平の剣裁きなど数日で格段に上がっている事に気付いた刃に
流ノ介は修練が仕上げの段階になった事を話す。

丈瑠「・・・・良し。では、修練の仕上げに入る。変身しろ」
光平「えっ、シグフェルにですか?」
丈瑠「そうだ。修練の仕上げは変身して俺と戦う事だ。一筆奏上!」

丈瑠から告げられた修練の仕上げはシグフェルに変身して、丈瑠と
戦う事だった。丈瑠はシンケンレッドに変身する。

光平「しかし・・・・」
シンケンレッド「お前の覚悟はその程度か。その様な覚悟ではキアイドーに
 勝てんぞ!」
光平「―!・・・・・分かりました。翔着!」

丈瑠の言葉により、自分の持つ覚悟がまだまだ半端だった事に気付いた
光平は気持ちを改めて丈瑠に挑もうと、シグフェルに変身し、両者は己の
武器であるシンケンマルとフレアセイバーを構える。

シンケンレッド「さぁ、来い!光平・・・・いや、シグフェル!!」
シグフェル「うぉぉぉぉ!!」

シンケンマルとフレアセイバーの刀身は激しく燃え、シンケンレッドと
シグフェルはぶつかるのであった・・・・・・・。

♢ ♢ ♢ ♢ ♢ ♢

光平「イテテ・・・・・」
優香「大丈夫、光平君?」
光平「うん、何とか・・・・・黒子の皆さんが良い傷薬を塗ってくれた
 おかげで痛みも大分、和らいできたよ」
慎哉「全く無茶しやがって。俺も優香もヒヤヒヤしながら見ていたんだからな!」
光平「ハハハ、心配かけて御免」
慎哉「・・・・まぁ、無事でなによりだけどさ」
丈瑠「・・・・・傷の方は大丈夫か?」
光平「丈瑠さん・・・・・」

志葉家に仕える黒子達により手当てを受けた光平に、慎哉や優香は
心配で光平の側にやってくる。そこへ同じく黒子の手当てを受けた
丈瑠がやって来た。シンケンレッドとのぶつかり合いで、シグフェルに
変身した光平は今までの修練を経て、編み出した技をぶつける。
それによりシンケンレッドを倒したが、外道衆と激しい戦いをしてきた
シンケンレッドの攻撃により、シグフェルも倒れてしまったのだった。

光平「・・・・すいません、丈瑠さん。丈瑠さんの方こそ身体の方は?」
丈瑠「これぐらい、何でも無い。だが、お前の編み出した技は見事だった。
 これならば修練の方は終えても良いだろう」
光平「本当ですか?ありがとうございます」

丈瑠から修練の成果を認められた事で、ついに光平は丈瑠からの
修練をクリアしたのであった。

流ノ介「うぉぉぉ、私は感動したぞ!よくぞ厳しい修練を耐えたな、光平!」
茉子「声が大きいわよ、流ノ介。でも、がんばったわね。光平君」
千明「ああ、丈瑠のシゴキに耐えられるなんて大した奴だぜ」
ことは「よう、がんばったなぁ。偉いで、光平君」
源太「こりゃぁ、寿司でも握ってお祝いしないとな!」

修練を終えた光平にシンケンジャーの面々は、それぞれ労いの
言葉を掛ける。

刃「へへ、2人の戦いを見ていたら、俺も戦いたくなってきたぜ。
 今度は俺と勝負な!」
さやか「怪我人相手に、何を言っているのよ!」
ソウジ「だけど怪我が治ったら、是非俺とも戦ってほしい。良いかい?」
光平「はは、まいったな・・・・でもあのキアイドーに勝ったら、その勝負
 受けてたちます!」

光平と丈瑠の戦いを見ていた刃やソウジから、勝負の申し込みを
受けられた光平は強敵キアイドーに勝った時、勝負を受けると
約束するのであった。

587ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/02/02(火) 14:15:32

彦馬「さぁさぁ、お前達。殿も光平殿もお疲れだ。騒ぐのはその辺に
 しておきなさい」

彦馬は修練で傷ついた光平や丈瑠を案じて、騒がしくしている
流ノ介達を諌める。だがその時・・・・・・。

カラカラカラカラ

丈瑠「ム!」
彦馬「これは!?」

三途の川から隙間を通って現世に現れるアヤカシに反応する
隙間センサーが鳴り響く。彦馬はアヤカシが何処に現れたのか
調べる。

彦馬「殿、どうやらアヤカシは大江戸市の様です」
刃「なっ!俺の所かよ」
丈瑠「皆、すぐに支度だ!」
優香「でも、丈瑠さん。その身体じゃ・・・・」
丈瑠「アヤカシが出たのであれば、退治する。それが俺の・・・・
 俺達の使命だ!だからこそ、この程度の怪我だろうが出陣する!」

刃やしんせん組が住む大江戸市にアヤカシの反応が出た事を知り、
出陣しようとする丈瑠に対して、優香が心配する。しかしアヤカシとの
戦いが使命である為、出陣しようと支度を始める。

光平「俺も行きます・・・・」
慎哉「光平!お前だって、怪我しているじゃねぇか!」
光平「心配なのは分かる。でも、俺もブレイバーズの一員になったんだ。
 だからこそ、人が悲しむ思いをしないように俺が出るんだ!」

心配する慎哉に光平はブレイバーズの一員になったからこそ、
人々を守る為に戦いに赴こうとしていた。

丈瑠「・・・・分かった。お前も出陣の支度をしろ」
光平「ありがとうございます!」
刃「よ〜し、光平のフォローは・・・・」
ソウジ「俺達に任せてくれ!」

怪我をしている光平のフォローをする為、刃とソウジも赴く。
そして一同は大江戸市へと向かった。

588ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/02/02(火) 14:16:23
****大江戸市****

イサミ「タァッ!」
ナナシ連中「ナナ〜!」
トシ「おりゃぁ!」
ビービ「ビビ〜!」
ソウシ「くらえ!」
ゴーミン「ゴゴ〜!」

一方、大江戸市ではイサミ、トシ、ソウシ達しんせん組の3人が
大江戸市で暴れるナナシ連中、魔虫兵ビービ、ゴーミンを相手に
戦っていた。

刃「お前らー!」
イサミ「刃さん!それにシンケンジャーの皆さんも」
ソウシ「キョウリュウグリーンのソウジさん、それとシグフェル・・・・
 牧村光平さんですね」
光平「ああ、確か君達はしんせん組のイサミちゃん、トシくん、
 ソウシくんだったね?」
ソウジ「君達も大丈夫かい?」
トシ「ソウシにソウジ・・・・ややこしい」

戦っていたしんせん組の3人の所へ、シンケンジャー、刃、ソウジ
そして光平が合流する。光平は歓迎パーティーでしんせん組の
3人と顔を合わせたばかりだった。そしてしんせん組のソウシと
キョウリュウジャーのソウジは名前が似ている為か、トシはややこしいと
感じる。

流ノ介「しかし、外道衆のナナシ連中だけでなく魔虫兵ビービに
 ザンギャック帝国のゴーミンまで暴れているとは・・・・」
茉子「彼等の狙いは何?」
千明「何でもいいけど、やっちまおうぜ!」
ブラジラ「ようやく現れたな。ブレイバーズの諸君」

ナナシ連中らを相手に戦おうとしていた彼等の前にブラジラが
立っていた。その横手にはキアイドー、そしてブラジラが血祭の
ブレドランを名乗っていた時に従っていたアヤカシ、マダコダマがいた。

光平「キアイドー・・・・・」
キアイドー「ほう、貴様か。俺を楽しませる程強くなったか?」
光平「貴様・・・・!」
丈瑠「待て、光平。貴様達の目的は何だ!」
ブラジラ「知れた事。ワルズ・ギル殿下はそこにいるシグフェルの
 存在にひどくご立腹である。故に、この救星主のブラジラ改め・・・・
 ザンギャックのブラジラが引導を渡してくれる!」
光平「俺を殺す為だけに、街を襲ったのか!許さないぞ!」
ブラジラ「ふん。ブレイバーズの者達共々、くたばるがいい。
 行け、お前達!」
キアイドー「邪魔立てはするなよ」
マダコダマ「やっと出番か。行くぜ!」

ブラジラは光平そしてブレイバーズを始末するべく、キアイドー、
マダコダマそしてナナシ連中や魔虫兵ビービ、ゴーミンに命令を
下し、キアイドー達は襲い掛かる。

丈瑠「いけるか、光平」
光平「勿論です。丈瑠さん」
丈瑠「そうか。ならば行くぞ、お前達!」
シンケンジャー5人「「「「「一筆奏上!」」」」」
源太「一貫献上!」

ガブリボルバー@音声「ガブリンチョ!ザクト〜ル!」

ソウジ「キョウリュウチェンジ!」

ガブリボルバー@音声「ファイア!」

シグフェル「―翔着(シグ・トランス)!!」

それそれシンケンジャー、キョウリュウグリーン、シグフェルに変身し、
刃、しんせん組と共に立ち向かう。

シンケンレッド「シグフェル、ブラジラ達の相手は俺達がする!
 お前はキアイドーと決着を着けろ!」
シグフェル「はい!」

そしてシグフェルは決着をつけるべくキアイドーに向かっていくのであった。

589ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/02/02(火) 15:48:02
◯志葉丈瑠/シンケンレッド→修練の仕上げとして光平と戦い、その成果を認める。
  街に現れたブラジラ達と戦う為、シンケンレッドに変身する。
◯池波流ノ介/シンケンブルー→光平と丈瑠の戦いを見届けた後、街に
  現れたブラジラ達と戦う為、シンケンブルーに変身する。
◯白石茉子/シンケンピンク→光平と丈瑠の戦いを見届けた後、街に
  現れたブラジラ達と戦う為、シンケンピンクに変身する。
◯谷千明/シンケングリーン→光平と丈瑠の戦いを見届けた後、街に
  現れたブラジラ達と戦う為、シンケングリーンに変身する。
◯花織ことは/シンケンイエロー→光平と丈瑠の戦いを見届けた後、街に
  現れたブラジラ達と戦う為、シンケンイエローに変身する。
◯梅盛源太/シンケンゴールド→光平と丈瑠の戦いを見届けた後、街に
  現れたブラジラ達と戦う為、シンケンゴールドに変身する。
◯日下部彦馬→ブラジラ達が大江戸市に出現した事を報せる。
◯鉄刃→光平と丈瑠の戦いを見届ける。街にブラジラ達が現れた為、
  しんせん組と合流する。
◯峰さやか→刃と共に光と丈瑠の戦いを見届ける。
◯立風館ソウジ/キョウリュウグリーン→光平と丈瑠の戦いを見届ける。街に
  ブラジラ達が現れた為、キョウリュウグリーンに変身する。
◯花丘イサミ→街で暴れるナナシ連中に攻撃する。
◯月形トシ→街で暴れる魔虫兵ビービに攻撃する。
◯雪見ソウシ街で暴れるゴーミンに攻撃する。
●救星主のブラジラ→シグフェルを打倒すべくキアイドー達に攻撃を
  命じる。
●キアイドー→ブラジラ達と共に街に現れ、光平達に襲い掛かる。
●マダコダマ→ブラジラ達と共に街に現れ、光平達に襲いかかる。

◯牧村光平/シグフェル→修練の仕上げとして丈瑠と戦い、技を編み出して
  修練の成果が認められる。街にブラジラ達が現れたのでシグフェルに
  変身する。
◯朝倉慎哉→光平と丈瑠の戦いを見守る。
◯沢渡優香→光平と丈瑠の戦いを見守る。

【今回の新登場】
●マダコダマ(天装戦隊ゴセイジャーVSシンケンジャー エピックon銀幕)
 山水画ような、閻魔大王のねぶたのような姿を持つアヤカシ。放たれた
 モヂカラや天装術を右肩の岩の穴で吸い込み、それを元に左肩の閻魔
 大王の口から攻撃を吐きだす能力を有する他、空中に水蒸気のレンズを
 作り出す事も出来る。血祭のブレドランの護星界壊滅の野望に加担し、
 この世に侵攻。外道衆に関わらず、骨のシタリに従わず、外道シンケンレッド
 の炎のモヂカラをレンズで増幅させ、護星界への道を開く事に成功した。
 山彦の伝承のルーツとされるアヤカシ。

590ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/02/03(水) 12:39:56
>>347加筆・修正
フレアセイバーを構え、シグフェルはキアイドーに斬りかかり、
激しい剣のせめぎ合いをしていく。

キアイドー「貴様、どうやら体にダメージを負っているようだな。そんな
 状態で、俺に勝てると思っているのか?」
シグフェル「俺は勝つ!勝ってお前から受けた恐怖と敗北を乗り越えて
 みせる!」
キアイドー「ならば、せいぜい俺を楽しませてみせろ!」

先程、丈瑠との戦いで身体にダメージが残っているが、自分に恐怖と
敗北感を植え付けた強敵に勝利すべく、フレアセイバーを振るった。
一方、シンケンジャー達は、ブラジラとマダコダマを相手に戦っていた。

ブラジラ「シンケンジャー・・・・貴様達を相手にするのであれば、この姿で
 相手をするとしよう」
シンケンレッド「行くぞ、ブレドラン!」

ブラジラはカモミラージュの天装術で「血祭のブレドラン」に姿を変える。
血祭のブレドランはシンケンレッドを相手にし、他のメンバーはマダコダマや
ナナシ連中等の相手をする。

ソウシ「“正義の矢”をくらぇぇ!」
マダコダマ「甘い!!」

ソウシはエネルギーを纏わせた矢をマダコダマに向けて放つが、
マダコダマは右肩の岩の穴で吸い込んでしまう。そして吸い込んだ
矢は左肩の閻魔大王の口から放たれて、攻撃にしてしまう。

シンケンブルー「あのアヤカシは、我々のモヂカラやゴセイジャーの
 天装術を吸い込んで、攻撃として吐き出してしまうのだ」
刃「そういう事、早く言ってくれよ!」
シンケンピンク「以前戦った時は、モヂカラと天装術を組み合わせた
 攻撃をぶつけて何とかなったけど・・・・・」
マダコダマ「ゴセイジャーがいない今、貴様らなんぞ敵では無い!」

マダコダマは以前、モヂカラと天装術が合わさった技を吸収しきれず
吹き飛んでしまい、結果として敗北する切欠となったのだが、この場には
ゴセイジャーがいない為、シンケンジャー達はどの様に活路を開くべきか
思案する。

???「“稲妻連動・三段打ち”!」
???「“ケントロスパイカー”!」
マダコダマ「ぬぉ!?」

突如、マダコダマに錐状の電撃とビームが命中する。咄嗟の事
だったのでマダコダマは吸い込む事が出来なかった。

キョウリュウゴールド「お待たせしたでござる。ソウジ殿!」
キョウリュウブラック「Sorry、女の子とデートがあったものでね」
キョウリュウグリーン「イアン、空蝉丸来てくれたのか!キング達は?」
キョウリュウゴールド「キング殿達は、後から合流してくるでござる」
キョウリュウブラック「遅れてきた分、キング達が来る前に片付けようぜ!」

マダコダマを攻撃したのは、キョウリュウグリーンの仲間である
キョウリュウゴールドとキョウリュウブラックだった。キョウリュウグリーンが
戦っていると聞き、駆けつけたのであった。

シンケンブルー「他のキョウリュウジャーも来てくれたか。心強い!」
イサミ「でも、攻撃を吸い込んじゃう能力をどうすれば・・・・」
キョウリュウブラック「心配するなよ、お嬢さん。良い考えがあるぜ!」

敵の能力に太刀打ちできるか心配なイサミにキョウリュウブラックは
ある秘策を思いつく。

591ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/02/03(水) 12:41:04

キアイドー「いいぞ、シグフェル!やはり貴様をあの時仕留めなかった
 のは正解だったなぁ!」

一方、シグフェルとキアイドーの戦いはダメージを負った身体だが、
修練の成果によりキアイドーを凌ぐほどの剣裁きを身に着ける。
シグフェルが自分を上回る強さにまで成長したと理解したキアイドーは
新しい玩具を与えられた子供の様に喜んだ。

シグフェル「(このまま、こっちの体力が尽きる。どうすれば・・・・)」
ゴーミン「ゴゴッ!」
キアイドー「邪魔だ!」ズバッ
ゴーミン「ゴゴ〜!」
シグフェル「―!」

キアイドーに決定打を打てないか思案していたシグフェルだが、
そこへ1体のゴーミンがキアイドーとシグフェルの間に入ってしまい、
キアイドーに邪魔者として斬られてしまう。

シグフェル「仲間なのに斬るなんて・・・・」
キアイドー「仲間?ふん、俺の楽しみを邪魔するのであれば、
 誰だろうと斬る。さぁ、もう一度俺と戦え!」
シグフェル「・・・・・仲間を斬る様な奴に俺は負けない!
 今度こそ、貴様を倒す!はぁぁぁぁ!!」

シグフェルは力を貯め、フレアセイバーの刀身を炎で包むと、
瞬時にキアイドーの間合いに立ち、その動きはまるで舞を
するかの如くキアイドーの体を斬りつけていく。

キアイドー「急に、剣の速さが上がっただと・・・・」
シグフェル「はぁぁぁぁ、<<火焔十字の舞(クロスプロミネンス)>>」

そしてキアイドーの胸に横へ一閃、さらにフレアセイバーを天高く
上へ突き上げると、そのまま縦に強力な一撃が加わる。キアイドーの
胸には炎で燃える十字が刻まれた。これこそ丈瑠との修練で得た
必殺技『火焔十字の舞(クロスプロミネンス)』だった。

592ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/02/03(水) 14:10:54
一方、マダコダマを相手に戦うブレイバーズ。キョウリュウブラックは
皆にある秘策を伝える。

キョウリュウブラック「シンケンジャーのモヂカラとゴセイジャーの
 天装術を組み合わせて倒せたのなら、今度はモヂカラとブレイブの
 力、そして皆の力を合わせればいいってことさ」
キョウリュウゴールド「おお、モヂカラとブレイブさらに皆の力を
 合わせるのでござるか!」
キョウリュウグリーン「まるで、キングが言いそうだね」
キョウリュウブラック「そういえば、そうだな。どうやらキングに
 影響されたらしい。だが、その方がブレイバーズって感じだろ?」
シンケンイエロー「うん。その方がええわ」
刃「やってやろうぜ!」

キョウリュウブラックの秘策を受けて、彼らは動き出す。まずは
キョウリュウゴールドとシンケンピンク、ソウシがマダコダマの
前に立った。

シンケンピンク「私の【天】のモヂカラと」
キョウリュウゴールド「拙者の雷の力」
ソウシ「そこにルミノタイトでエネルギーとなった精神力を加える!」

シンケンピンクから放たれる【天】のモヂカラとキョウリュウゴールドが
発した電気は、ソウシが放ったエネルギーの矢と合わさった事で
強力なエネルギーの塊に変わり、マダコダマの右肩の穴に吸い込まれる。

マダコダマ「ぐぅうう、い、イカン!エネルギーが強すぎて受け止められん!
 ぐわぁぁああ!」

その強すぎるエネルギーを処理できずマダコダマは吹っ飛んでしまう。

キョウリュウブラック「アームドオン、パラサショット!」
トシ「こいつも持っていきやがれ!!」

そこへパラサショットを装備したキョウリュウブラックが
ガブリボルバーと一緒にマダコダマに向けて弾丸を放つ。
更にトシも龍の目を強烈なシュートでぶつけた。

シンケンブルー「我らの出番だ。行くぞ!」

そしてシンケンブルー、シンケングリーン、シンケンイエローが
シンケンマルで斬りつけていく。

キョウリュウグリーン「トリニティストレイザー!」
刃「かみなり斬り!」
イサミ「龍の剣!」
マダコダマ「ぐわぁぁぁぁぁぁ!!」

さらにキョウリュウグリーン、刃、イサミがフェザーエッジ、
魔剣クサナギ、龍の剣でトドメをさされた事でマダコダマは
倒された。

593ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/02/03(水) 14:11:35
血祭のブレドラン「キアイドーが!?」
シンケンレッド「余所見などするな!」
血祭のブレドラン「ぬうぅ!」

シンケンレッドと戦っていた血祭のブレドランはキアイドーが
シグフェルの新技『火焔十字の舞(クロスプロミネンス』によって
倒れたのに驚愕する。

キアイドー「ぐ、ぐうう・・・・見事だ。今の・・・・・貴様との戦いは、
 赤の海賊との戦いを思い出したぞ」
シグフェル「キアイドー・・・・・」
キアイドー「ふ・・・・ふふふはははは!もっと・・・・戦いたかっ・・・・た」ドサァ

『火焔十字の舞』を受けたキアイドーは最後の言葉を振り絞ると
力尽きて倒れる。今、シグフェルは恐怖と敗北を乗り越えた瞬間だった。

血祭のブレドラン「ええい、キアイドーが倒れるとは!ならば私がこの手で!」
シンケンレッド「させるか!」

キアイドーが倒されるのを見た血祭のブレドランは自分の手で
シグフェルを倒そうと襲い掛かる。しかし、血祭のブレドランを
シンケンレッドが阻んだ。

シンケンレッド「まだ、やれるか?シグフェル」
シグフェル「はい、シンケンレッド!」

シンケンレッドとシグフェルはそれぞれ、シンケンマルと
フレアセイバーを構えるとブレドランの体に炎を纏わせた
刀身で斬りつけていく。そして、ブレドランの前後に
シンケンレッドとシグフェルが向かい合った。

シンケンレッド&シグフェル「「獅凰双炎斬!!」」
血祭のブレドラン「ぐわぁぁぁあ!!」

向かい合った2人の斬撃から、それぞれ炎の獅子と
鳳凰が出現してブレドランに大ダメージを負わせる。

血祭のブレドラン「貴様らぁ〜!こ・・・このまま手ぶらで帰る訳には
 いかん。せめてシンケンレッド・・・・貴様を葬る!」
シンケンレッド「―!」
シンケンゴールド「あぶない、丈ちゃん!ぐわぁ!」
シンケンレッド「源太!!」

大ダメージを受けた血祭のブレドランは、せめてシンケンレッドを
葬ろうと攻撃するが、シンケンゴールドが代わりに攻撃を受けて
倒れてしまう。

血祭のブレドラン「ちぃ、仕留める事が出来なかったか。
 ならば行け!ビービ虫よ!」

シンケンレッドを仕留める事が出来なかった血祭のブレドランは
ビービ虫を用いて、キアイドーを復活させて巨大化させる。
時を同じくして、倒されたマダコダマも【二の目】となり巨大化して
復活する。

594ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/02/03(水) 15:52:19
****ギガントホース・艦橋司令室****

ワルズ・ギル「ええい、結局あのシグフェルを倒せなかったではないか!」
ダマラス「殿下、落ち着きくだされ。インサーン、スゴーミン達を出撃させよ!」
インサーン「はっ!」

シグフェルとキアイドーの再戦を観ていたワルズ・ギルは作戦の失敗に
地団太を踏む。ダマラスはインサーンにスゴーミンの出撃を命じて、
出撃したスゴーミンはインサーンの開発した巨大化光線により巨大化して
街で暴れるキアイドーやマダコダマのいる所に現れる。またビルの隙間から
三途の川を通って、大ナナシ連中も出現した。なお、そのドサクサに
紛れ、血祭のブレドランは姿を消す。

シンケングリーン「おいおい滅茶苦茶いるじゃねえか!」
キョウリュウゴールド「とにかくプテラゴードン達を呼ぶでござる」
イサミ「あれは!?」

獣電竜を呼び出そうとしたその時。ブレイバーズの旗艦の一つである
地球連邦の戦艦ラー・カイラムが現れ、マジンガーZやν‐ガンダム等
ブレイバーズに所属するスーパーロボット達が出撃する。

ν‐ガンダム@アムロ「補給を終えて日本から出る予定だったが、
 出撃する事になるとは・・・・。だが相手はゴーカイジャーや
 シグフェルを一度は倒した強敵。皆、油断はするなよ!」
マジンガーZ@甲児「了解!マジンガーも久々の出撃なんだ。
 行くぞ、ロケットォォパァァァアンチ!!」

アムロ達ラー・カイラムのクルーは補給を終えた為、日本から
出国する所だったが、巨大化したキアイドー達が暴れていると
情報が入った為、甲児達ブレイバーズのスーパーロボットの
パイロット達と共に出撃したのであった。

キョウリュウジン@キョウリュウレッド「お〜い、イアン達!遅くなっちまった」
キョウリュウジン@キョウリュウブルー「敵は“テキ”パキ倒すよ!」
キョウリュウジン@キョウリュウピンク「行くわよ〜!」

遅れてきたキョウリュウレッド、キョウリュウブルー、
キョウリュウピンクは獣電竜ガブティラ、ステゴッチ、
ドリケラが合体した獣電巨人キョウリュウジンに
乗り込み、他のスーパーロボット達と共に大ナナシ連中や
スゴーミンと戦っていく。

キョウリュウゴールド「こちらもキング殿達に合流するでござる!」

キョウリュウゴールド、キョウリュウグリーン、キョウリュウブラックの
3人はパートナーである獣電竜プテラゴードン、ザクトル、パラサガンを
呼び出し、カミツキ合体によってプテライデンオー・ウェスタンとなり
巨大戦に加勢する。

シンケンレッド「大丈夫か?源太」
シンケンゴールド「・・・うぅ、すまねぇ丈ちゃん。今はこれ以上
 無理みたいだ・・・・」
シンケンレッド「お前のおかげで助かった。今は休め。
 源太の事を頼む」
イサミ「はい」

シンケンゴールドはシンケンレッドを庇って受けたダメージにより
これ以上は戦えなかった。シンケンゴールドをイサミ達に託すと
シンケンジャーは折神を【折神大変化】で巨大化させる。

シンケンレッド「お前も来い!」
シグフェル「え!?」

巨大化した相手にシンケンジャーは一気に侍合体でシンケンオーと
なるが、シンケンレッドによってシグフェルもシンケンオーの中に乗り
込む事になる。その影響なのか、シンケンオーのダイシンケンは
光り輝く。

プテライデンオー・ウェスタン@キョウリュウゴールド「あのアヤカシは我らが!」
キョウリュウゴールド&キョウリュウグリーン&キョウリュウブラック「プテライデンオーウェスタン・
 ブレイブフィニッシュ!!」
マダコダマ「ぐわぁぁぁぁぁ!!」

右腕のパラサビームガンに3体のキョウリュウスピリッツが放たれ、
マダコダマは消滅した。

シグフェル「ここがシンケンオーの中・・・・」
シンケンレッド「シグフェル、俺達に合わせろ!」
シグフェル「は、はい!」
シンケンジャー&シグフェル「「ダイシンケン侍斬り!!」
キアイドー「ぬぉぉぉぉぉお!!」

シンケンオーのコックピットに来たシグフェルは、シンケンオーの
中に入った事により戸惑う中、シンケンジャーがシンケンマルを
降るのと同時に、シグフェルもフレアセイバーを振り下ろす。
そして、キアイドーはその光り輝くダイシンケンによって断末魔を
挙げながら倒されるのであった。

595ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/02/03(水) 15:58:13
>>590修正
フレアセイバーを構え、シグフェルはキアイドーに斬りかかり、
激しい剣のせめぎ合いをしていく。

キアイドー「貴様、どうやら体にダメージを負っているようだな。そんな
 状態で、俺に勝てると思っているのか?」
シグフェル「俺は勝つ!勝ってお前から受けた恐怖と敗北を乗り越えて
 みせる!」
キアイドー「ならば、せいぜい俺を楽しませてみせろ!」

先程、丈瑠との戦いで身体にダメージが残っているが、自分に恐怖と
敗北感を植え付けた強敵に勝利すべく、フレアセイバーを振るった。
一方、シンケンジャー達は、ブラジラとマダコダマを相手に戦っていた。

ブラジラ「シンケンジャー・・・・貴様達を相手にするのであれば、この姿で
 相手をするとしよう」
シンケンレッド「行くぞ、ブレドラン!」

ブラジラはカモミラージュの天装術で「血祭のブレドラン」に姿を変える。
血祭のブレドランはシンケンレッドを相手にし、他のメンバーはマダコダマや
ナナシ連中等の相手をする。

ソウシ「“正義の矢”をくらぇぇ!」
マダコダマ「甘い!!」

ソウシはエネルギーを纏わせた矢をマダコダマに向けて放つが、
マダコダマは右肩の岩の穴で吸い込んでしまう。そして吸い込んだ
矢は左肩の閻魔大王の口から放たれて、攻撃にしてしまう。

シンケンブルー「あのアヤカシは、我々のモヂカラやゴセイジャーの
 天装術を吸い込んで、攻撃として吐き出してしまうのだ」
刃「そういう事、早く言ってくれよ!」
シンケンピンク「以前戦った時は、モヂカラと天装術を組み合わせた
 攻撃をぶつけて何とかなったけど・・・・・」
マダコダマ「ゴセイジャーがいない今、貴様らなんぞ敵では無い!」

マダコダマは以前、モヂカラと天装術が合わさった技を吸収しきれず
吹き飛んでしまい、結果として敗北する切欠となったのだが、この場には
ゴセイジャーがいない為、シンケンジャー達はどの様に活路を開くべきか
思案する。

???「“稲妻連動・三段打ち”!」
???「“ガブリボルバー”!」
マダコダマ「ぬぉ!?」

突如、マダコダマに錐状の電撃とビームが命中する。咄嗟の事
だったのでマダコダマは吸い込む事が出来なかった。

キョウリュウゴールド「お待たせしたでござる。ソウジ殿!」
キョウリュウブラック「Sorry、女の子とデートがあったものでね」
キョウリュウグリーン「イアン、空蝉丸来てくれたのか!キング達は?」
キョウリュウゴールド「キング殿達は、後から合流してくるでござる」
キョウリュウブラック「遅れてきた分、キング達が来る前に片付けようぜ!」

マダコダマを攻撃したのは、キョウリュウグリーンの仲間である
キョウリュウゴールドとキョウリュウブラックだった。キョウリュウグリーンが
戦っていると聞き、駆けつけたのであった。

シンケンブルー「他のキョウリュウジャーも来てくれたか。心強い!」
イサミ「でも、攻撃を吸い込んじゃう能力をどうすれば・・・・」
キョウリュウブラック「心配するなよ、お嬢さん。良い考えがあるぜ!」

敵の能力に太刀打ちできるか心配なイサミにキョウリュウブラックは
ある秘策を思いつく。

596ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/02/03(水) 16:39:02
>>569より一部抜粋
○志葉丈瑠/シンケンレッド→シグフェルと共にキアイドー、血祭のブレドランを撃破。
◯池波流ノ介/シンケンブルー→マダコダマと戦い、撃破する。
◯白石茉子/シンケンピンク→マダコダマと戦い、撃破する。
◯谷千明/シンケングリーン→マダコダマと戦い、撃破する。
◯花織ことは/シンケンイエロー→マダコダマと戦い、撃破する。
◯梅盛源太/シンケンゴールド→シンケンレッドを庇って負傷する。
◯キョウリュウレッド゙→キョウリュウジンに乗って出撃する。
◯イアン・ヨークランド/キョウリュウブラック→キョウリュウゴールドと共に助けに
  駆けつける。巨大戦ではプテライデンオーウェスタンに乗り込む。
◯キョウリュウブルー→キョウリュウジンに乗って出撃する。
◯立風館ソウジ/キョウリュウグリーン→マダコダマと戦い、撃破する。
  巨大戦ではプテライデンオーウェスタンに乗り込む。
◯キョウリュウピンク→キョウリュウジンに乗って出撃する。
◯空蝉丸/キョウリュウゴールド→キョウリュウブラックと共に助けに
 駆け付ける。巨大戦ではプテライデンオーウェスタンに乗り込む。
◯鉄刃→マダコダマと戦い、撃破する。
◯花丘イサミ→マダコダマと戦い、撃破する。
◯月影トシ→マダコダマと戦い、撃破する。
◯雪見ソウシ→マダコダマと戦い、撃破する。
◯アムロ・レイ→ν-ガンダムで出撃する。
◯兜甲児→マジンガーZで出撃する。
●ワルズ・ギル→作戦が失敗したのでスゴーミンを出撃させる。
●ダマラス→作戦が失敗したのでスゴーミンに出撃させる。
●インサーン→出撃させたスゴーミンに巨大化光線を当てる。
●キアイドー→シグフェルの新技「火焔十字の舞」によって撃破される。
  ビービ虫によって巨大化するが、シンケンオーによって倒される。
●救星主のブラジラ→カモミラージュにより「血祭のブレドラン」に変身する。
  倒されたキアイドーをビービ虫を使って巨大化させる。
●マダコダマ→シンケンジャー達によって撃破される。二の目により
  巨大化した後、プテライデンオーウェスタンによって倒される。
 
○牧村光平/天凰輝シグフェル→必殺技「火焔十字の舞(クロスプロミネンス)」を会得し、
 キアイドーを撃破。巨大戦ではシンケンオーに乗り込む。

597ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/02/07(日) 14:44:28
≪タイトル未定≫

その日、生徒会の仕事が放課後を過ぎても遅くまで続き、
沢渡優香は下校する時間には、すっかり日も暮れて夜遅くになってしまっていた。
早く家に帰るために近道をしようと裏路地を通ったのが運の尽き。
彼女はチンピラの集団に絡まれてしまう。

チンピラA「おいおいお嬢ちゃん、こんな夜遅くに女子高生が一人とは危ないな」
チンピラB「俺たちと一緒に面白いところに行こうぜ!」
優香「何するんですか! いや、放して! 誰か助けて〜!!」

チンピラたちの車に無理やり引きずり込まれそうになる優香。
「こんな時に、すぐ側に光平くんがいてくれたら…!」との思いも
一瞬だけ脳裏をよぎったが、もはや非力な自分にはどうする事も出来ない。

優香「――ァッ!!」
チンピラC「いい子だから騒ぐんじゃねえぞ!」

チンピラの一人がニヤニヤと笑いながら、
優香の首筋に向けて刃物をチラつかせる。

優香「や……やめて」

怯えきった優香は、尚も必死に逃れようとする。
そんな時だった。突然チンピラの内の何人かが悲鳴を上げて倒れたのだ。

チンピラA「ぐわあああ!!」
チンピラB「ぎゃああっ!!」

驚いて車から出る残りのチンピラたち。

チンピラC「だ、誰だテメェーはッ!?」

戒「………」

優香「……??」

チンピラたちの前に立ちはだかったその少年は、眼鏡を掛けてはいるが、
そのレンズの奥の両眼からは鋭い殺気交じりの眼光を放っている。
少年のしている服装は、優香たちと同じ海防大付属の制服だということも確認できた。

チンピラD「おいガキッ、なんとか言ったらどうなんだ!?」
チンピラE「くたばれやぁぁッ!!!」

戒「フンッ…」

その少年はチンピラの繰り出すストレートパンチをあっさりかわすと、
逆に相手の腕を掴んで軽々と捻りあげた。一瞬「ボキッ」と鳴る音がした。

チンピラE「イテエエエッッ!!!!! 骨がァァァッ!! 骨がァァァッ!!」

絶叫を挙げて倒れ込み、もだえ苦しむチンピラ。

598ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/02/07(日) 14:45:06
チンピラF「ぐわあああ!!」
チンピラG「ぎゃああっ!!」

残りのチンピラたちも叩きのめされるのに、
それほど時間はかからなかった。

チンピラH「ひ、ひいいいいい〜〜」(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル
チンピラC「ち、ちきしょーっ! 覚えてやがれ!」

チンピラたちは、優香を乗せた車を乗り捨てたまま
全員が一目散に走って逃げ出したのであった。

優香「た、助けてくれてありがとう…」
戒「その制服、同じ学校の生徒か?」
優香「もしかしてあなた、G組の彩堂寺戒くん?」
戒「俺の事を知っているのか?」
優香「そりゃ勿論♪ 学校じゃ全学年成績トップの有名人だもの。
 私、A組の沢渡優香。よろしくね」
戒「………」

優香は握手を求めるが、戒はそれを無表情にスルーする。

戒「ここは夜遅い時間になると、ゴロツキどもの溜まり場になるんだ。
 危ない目に遭わないうちに早く帰った方がいい」
優香「………」


――翌日。

***海防大学付属高校・カフェテリア***

慎哉「そりゃ大変な目に遭ったな」
優香「大変なんてもんじゃないわよ!
 ホント、あそこで彩堂寺くんが通りかかってくれなかったら、
 私は今頃どうなっていたか…」

昼休みの時間帯…。
昨日起こった事の一部始終を、光平と慎哉に話す優香。

光平「とにかく無事でよかったよ。
 優香、あんまり変な道を通って帰ろうとするなよ」
優香「うん、それは反省してる…」
光平「G組の彩堂寺にもお礼を言わないとな…」
慎哉「でもG組ったら、確かエリート選定コースだろ?
 俺たち一般の生徒が近づけるかな」
光平「………」

エリート選定コースとは、海防大学の城之内理事の肝煎りで設置された、
付属高校でも特に選ばれた優秀な生徒が受講しているコースである。
教室も一般生徒とは隔絶された別の校舎の中にあり、外部との交流は少ない。
光平たちがどうしようかと思っていた時――

女子生徒A「ねえ聞いた!?」
女子生徒B「G組の彩堂寺くんが音楽室に居るんですって!
 みんなで見に行きましょうよ!」

――横で女子生徒たちのする噂話が聞こえて来た。
たまたま今、その彩堂寺戒が総合普通科の校舎に来ているらしい。

慎哉「おっ、噂をすればなんとやらだ」
優香「私たちも行ってみましょう!」
光平「ああ」

599ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/02/07(日) 14:45:43
***同校校舎・音楽室***

戒「………」

ショパンの幻想即興曲をなめらかに弾いている戒。
ドアのところに群がる女子生徒たちは、窓から惚れ惚れと
その様子を見つめている。

女子生徒A「ああ、彩堂寺くん……(///)」
女子生徒B「素敵ぃ……(///)」

中には気を失って倒れ込んでしまう女子生徒まで続出する有様だ。
そんな周囲には全くお構いなしに、演奏をやめて音楽室から出ようとする
彩堂寺戒。外で待っていた光平や優香たちとも、一瞬だけ目を合わす。

戒「……?」
優香「あの、彩堂寺くん、昨日は本当にありがとう」
光平「やあ、俺は2年A組の牧村光平。昨日は優香を助けてくれて
 俺からも礼を言うよ。ありがとう」
戒「別に……」

戒は光平たちに無関心であるかのようにそっけない態度を取り、
さっさと立ち去ってしまう。

慎哉「なんだアイツ! せっかくわざわざ感謝を言いに来たのに!
 エリート生徒様だからってお高くとまってんじゃねーのか!」
朱音「あら、あなたたち!?」
光平「朱音ちゃん」
優香「朱音先生」

そこへちょうどタイミングよくやって来たのは、
光平たちのクラスの担任である千坂朱音だった。

朱音「あなたたちも噂の彩堂寺戒君を見に来たってわけね」
光平「あはは…まあ、そんなところです」
優香「ねえ先生、彩堂寺くんってどんな生徒なのか、
 何か聞いてませんか?」
朱音「そうねえ…。エリート選定コースの事は
 大学の城之内理事が全てを取り仕切ってて、
 校長や教頭でさえもよくは知らないらしいのよ。
 だからこの学校に来たばかりの私にも
 彼について詳しい事は分からないわ」

朱音の話によると、彩堂寺戒は学校の放課後、よく近くの剣道場で
稽古をつけているらしい。しかし朱音にもそれ以上の事は分からなかった。

優香「そうなんですか……」
朱音「………」

600ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/02/07(日) 14:46:16
――その日の夜。

***同校校舎・エリート選定コース棟***

生徒も教職員も全員帰った後、夜の暗闇に紛れて
校舎の敷地内に忍びこんだ一人の影があった。
くノ一の装束に姿を変えた千坂朱音だ。

朱音「ここがエリート選定コースの教室。
 天童からの指令では、ここには何か必ず
 容易ならぬ秘密がある筈…」

各教室や教職員のロッカールームなど、
何か不審な場所はないかと片っ端から調べるが、
特に怪しい証拠のような物は見つからない。

朱音「残るはあそこだけね…」

エリート選定コースの責任者である城之内理事の執務室である。
朱音がドアノブに手を伸ばそうとしていたその時、
どこかからか飛んできた手裏剣がそれを阻んだ!

朱音「何者ッ!?」

次々と飛んでくる敵の手裏剣を、忍刀で弾き飛ばす朱音。
手裏剣を投げた主の正体は、全身を甲冑に身を包んだ忍者だった。

ガラドー「エリート選定コースの秘密に迫ろうとするとは、
 貴様いったい何者だ?」
朱音「……(この男は確か、ネロス帝国のヨロイ軍団配下、
 爆闘士ガラドー)」

身構えながら距離を取って対峙する朱音とガラドー。
剣で斬りかかるガラドーと忍刀で応戦する朱音が
激しく火花を散らす!

ガラドー「…貴様、女か!? その動き…さては天童者だなッ!?」
朱音「答える義務などないッ!」

朱音は隙をついて煙玉を投げ、長居は無用とばかりに
その場から撤退した。警報装置が鳴り響き、
ガラドー配下の影たちが駆けつけて来る。

軽闘士・影A「ガラドー様、ご無事ですか!?」
軽闘士・影B「すぐに追えい!!」
ガラドー「…無駄だ。お前たちに追いつけるような相手ではない」
軽闘士・影B「ガラドー様…?」

ガラドーは城之内理事の執務室に入り、金庫の中にしまってある
機密書類が全て無事なのを確認する。

ガラドー「フフフッ…これで一安心。我ら影の者の鉄壁の守りに
 一部の隙などありはしない。しかし天童に目をつけられたとなると、
 一応、軍団長のお耳には入れておいた方がよかろう」

果たして、ネロス帝国の忍者たちが暗闇に紛れて出入りまでしている、
海防大学付属高校のエリート選定コースとは、いったい何なのであろうか!?

>>108-110 >>112-113に続く。

601ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/02/07(日) 14:46:56
●爆闘士ガラドー →海防大学付属高校のエリート選定コース棟を、夜陰に紛れて警護している。侵入してきた千坂朱音と交戦。

○牧村光平→彩堂寺戒と出会う。
○沢渡優香→チンピラに絡まれたところを彩堂寺戒に助けられる。
○朝倉慎哉→彩堂寺戒と出会う。
△彩堂寺戒→チンピラに絡まれていた沢渡優香を救う。
△千坂朱音→海防大学付属高校のエリート選定コース棟に夜になってから忍びこみ、爆闘士ガラドーと交戦。

【今回の新規登場】
△彩堂寺戒=牙冥甲ザジロード(闘争の系統オリジナル)
 桐原コンツェルンの専務取締役・彩堂寺惟政の息子(養子であり実子ではない)。
 牧村光平たちと同じ海防大学付属高校の生徒で、エリート選定コースで学んでいる。
 幼少の頃から徹底した英才教育を施されて育ってきたが、実はそれは将来成長した暁には、
 優秀な改造被験体としてネロス帝国に献上されるためであった。
 やがてネロス帝国によって新生モンスター軍団・グライアーに改造され、
 天凰輝シグフェル最大のライバルとなって光平の前に立ちはだかることになる。

602ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/02/07(日) 16:07:18
>>344-345を一部抜粋して改変。グライアー編の合間に挿入。

本郷猛たちは、たまたま牧村光平に紹介される形で、
千坂朱音と偶然出会う。

光平「本郷さん、滝さん、紹介します。
 この人は俺の学校のクラスの担任で
 千坂朱音先生です」
朱音「千坂朱音です。どうぞよろしく♪」
滝「へぇ〜こんな美人の優しい先生に教えてもらえるだなんて、
 正直光平君たちが羨ましいなあ」
本郷「こちらこそよろしく」

朱音と握手を交わす本郷と滝だったが、
その時何らかの違和感を感じた。

本郷「………」
朱音「どうしました?」
本郷「いや、失礼。貴女の右手にかなり豆が潰れた跡が
 あったようなので…」
朱音「ああ、実は私、光平くんたちの高校でテニス部の顧問も
 務めているんです。きっとラケットの素振りの時に出来たやつですね」

朱音は笑顔で誤魔化すが、それに欺かれるような
本郷と滝ではなかった。

本郷「………(違う。これはラケットの素振りなんかで
 出来た擦り傷ではない)」
滝「………(明らかに剣術の鍛錬で出来た竹刀ダコだ。
 この女、いったい何者だ!?)」

そして>>113の続き。
凱聖クールギンに手傷を負わされ、彩堂寺戒の身柄確保にも失敗して
その場から逃げ去った忍び装束姿の朱音は、その道すがら
待ち構えていたダブルライダーと遭遇した。

朱音「――!!」
ライダー1号「初めて会った時からもしやとは思ってはいたが…。
 朱音先生、天童菊之丞殿は、まだブレイバーズの事をお疑いか!?」
ライダー2号「心配するな。お前の正体を光平君たちに話すつもりはない!」
朱音「………」
ライダー1号「天童補佐官にお伝え願おう。
 城南大学生化学研究室の本郷猛と――」
ライダー2号「――同じく、フリーカメラマンの一文字隼人が
 よろしくとな!」

朱音はライダーからの問いかけに答えることもなく、
無言のまま煙玉を投げて退散した。
それと入れ替わるように、滝和也が心配して駆けつけて来る。

滝「ライダー、無事だったか!」
ライダー1号「おおっ、滝!」
ライダー2号「やはりお前の睨んだ通り、
 千坂朱音は天童の女間者だったぞ」
滝「やっぱりそうだったか。だがこれで
 あの女も当面は大人しくしてるだろう」

603ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/02/10(水) 11:25:11
<<リナ・インバースと古の魔法使い(仮)>>

ロサレダ大陸の学都コンクェイテューラに来て、シンディラを弟子に
とったリナ・インバースはある日、シンディラから古代遺跡の調査に
同行してほしいと依頼される。

リナ「古代遺跡の調査ァ〜?」
シンディラ「はい。古代遺跡にはロサレダ大陸で、かつて栄えた文明が
 あるのですが、敵国との戦争中の今、貴重な学術資料を守るべく、
 保護を兼ねた調査に赴く事になったんです。そこでリナさん達には
 是非ご同行をお願いしたいのです」
リナ「えぇ〜、そんなメンドくさい・・・・」
ガウリィ「その遺跡には何があるんだ?」
シンディラ「そうですね・・・・・当時の壁画や調度品、それから財宝も
 確か収められていると云われています」
リナ「よし!さったとその遺跡に向かうわよ!!」
ゼルガディス「現金な奴め・・・・」

遺跡調査に同行する事をメンドくさがったリナだが、遺跡にお宝が
眠っていると聞き、遺跡に行くことを決めた。

♢ ♢ ♢ ♢ ♢

古代遺跡へと訪れたリナ一行だが、古代遺跡には魔界同盟から
派遣されてきたザベルが、アンデット系のモンスターを率いて
遺跡を占拠しようとしていた。

ザベル「ここの遺跡はオレ達がもらうぜぇ〜!ギャハハハハハ!!」
リナ「ペラペラと五月蠅いゾンビね!」
シンディア「リナさん。ここは学術的にとても貴重な場所なので、
 ドラグスレイブとかはやめて下さい」
リナ「あぁぁぁ、もう!」

ザベルとアンデット系モンスターの大群を相手にリナ達は戦うが、
遺跡が貴重な場所という事で、ドラグスレイブの様な大規模な
魔法は使えなかった。

ゼルガディス「む!誰か来るぞ」
????「あれ?遺跡の発掘をしていた筈なんだけど、
 こんな場所あったかな?」

ゼルガディスは通路から誰かが来るのを感じ取る。現れたのは
リュックサックを背負った青年で、リナ達が出会った門矢士の様な
この世界には無い恰好をしていた。

ザベル「誰だか知らねぇが、ここに来ちまったのならくたばりやがれぇ!」
ガウリィ「危ない!」

ザベルは現れた青年を始末しようと襲い掛かるが、ガウリィが青年を
庇う。

????「・・・・・どうやら、マジでやばい感じみたいだな」
アメリア「ここは危険です!早く逃げ・・・・」
????「おっと皆まで言うな!あっちのゾンビ野郎は敵って事で
 良いんだよな?どうやら魔力もあるみたいだし、久しぶりの食事に
 なりそうだ」
ザベル「ごちゃごちゃうるせぇぞ!死にな!!」
????「まぁ、見てろ・・・・」

ドライバーオン!

????「変・・・・身!」

L.I.O.N ライオーン!

OPEN!

青年の腰にベルトが現れ、指に嵌めたリングを嵌め込むと
ベルトの前についている銀色の扉が開き、金色のライオンの
レリーフが現れる。そして青年の姿はライオンの鬣を思わせる
マスクで覆われ、左肩はライオンを象った形になり全身は金と
黒の姿に変わる。

ザベル「てめぇ、何者だ!」
仮面ライダービースト「俺は仁藤攻介。またの名を仮面ライダービースト!
 さぁて、ランチタイムだ!」

戦闘後、アンデット系モンスターは倒され、ザベルは撤退。倒された
リーデットやミイラおとこ等はビーストに吸収される。そして仁藤は
自分の事や地球の事を話す。そして元の世界に帰るまで
コンクェイテューラで保護される事になった。

604凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/02/11(木) 20:18:17
***ネロス帝国・ゴーストバンク***

ゾルベゲール「できた…! 完成じゃ!」

ゴーストバンクの最深部にある実験室で、
ゾルベゲール博士は狂喜の声を上げた。
ネロス帝国に招聘されてからというもの、
ずっとこの部屋に籠もりきりで進めてきた実験が
ようやく成功したからである。

ゾルベゲール「シグフェルの力を持った超怪人がこれで生み出せる…。
 フフフフフ……フハハハハ!!」

試験管の中では、毒々しい青色をした培養液に漬かりながら
バイオモンスターの体細胞がゆっくりと細胞分裂を続けている。

ゾルベゲール「さて、直ちに帝王ネロスに報告せねばならんが…。
 グライアーの力、果たして誰のものになるかのう。ククク…」

人目を憚るように怪しく笑ったゾルベゲールは、
ゴッドネロスに提出すべき実験データを記した書類の何枚かをそっと懐に隠し、
残りの書類をファイルにまとめて実験室を出たのであった。


***東京メガロシティ・市民体育館***

メガロシティの一角にある市民体育館の剣道場に、
二本の竹刀がぶつかり合う音が激しく響く。
週に一度、彩堂寺戒は放課後にこの剣道場で剣術の個人レッスンを受けていた。

戒「――やぁっ!」
桐原「――はぁっ!」

稽古の師範を務めるのは、桐原コンツェルン総帥の桐原剛造その人である。
…いや、正確には、ここにいるのは本物の桐原ではなく、
影武者の凱聖クールギンなのだが、戒はそのような事実を知る由もない。

戒「――やぁっ!」
桐原「――せいやぁっ!」

戒の父・彩堂寺惟政は桐原コンツェルンの専務取締役であり、
親の仕事上の付き合いから、戒は小さい頃から父の上司である桐原を知っていた。
そして父親が熱心に進めていた英才教育の一環として、
戒は日本屈指のビジネス界の大物でありながら武道の達人でもある桐原に
剣術を習う事になったのである。

戒「――つぁっ!」
桐原「――ムンッ!」

何度かの牽制で相手の構えを崩した戒は強烈な気迫と共に一気に踏み込み、
鋭い打ち込みで桐原の面を狙ったが、
桐原はそれを素早く振り上げた竹刀の柄で防いだ。

戒「………!」
桐原「惜しかったな。いい打ち込みだ」

稽古を切り上げ、剣道の作法に則って互いに礼をした二人は、
竹刀を床に置いて被っていた面を外す。

桐原「随分と様になってきたぞ。
 柳生新陰流の極意が、徐々に見えてきているようだな」
戒「は、はい…!」
桐原「君にはまだ中学生の頃から剣を教えてきたが、
 実に呑み込みが早く、教え甲斐のある生徒だった…。
 ここまで上達してくれた事が、私にとっても大変嬉しい」
戒「先生の…ご指導のお陰です…」
桐原「フフ…。相当息が上がっているな。よく休みなさい」
戒「はい…!」

文武両道の天才青年である戒は運動神経も抜群で、
球技や陸上競技のみならず、格闘技のセンスも凡人を遥かに超えている。
だが、その戒をもってしても桐原の稽古はとても厳しく、
付いて行くには相当の努力と気力が求められるものだった。
単なる趣味のスポーツや精神修養などには留まらない、
まるで本物の殺し合いでも想定しているかのような激しい戦いの訓練なのである。

桐原「モルモットは順調に育った…。
 Xデーは明日だ。明日になれば、全てが変わる…」

605凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/02/11(木) 20:22:52
***ゴーストバンク・玉座の間***

ゴッドネロス「暴魂クロスランダーの修理が完了した…。
 今をもって戦闘ロボット軍団の戦列に復帰せよ!」
クロスランダー「ははっ!」

ゲートをくぐって現れたクロスランダーは、
帝王ゴッドネロスの玉座の前に居並ぶネロス軍団員の列に加わった。
シグフェルとメタルダーに敗れ、首から下を大爆発で失ったクロスランダーは
軍団長バルスキーの懇願により修理を許され、
新たなボディを与えられてここに復活したのである。

バルスキー「帝王、不覚を取った我が配下に寛大なるお慈悲を賜り、
 何と感謝を申し上げてよいか分かりません。
 この上はクロスランダーを初め、我ら戦闘ロボット軍団一同、
 必ずや帝王のために大きな戦功を立ててご覧に入れます」
クロスランダー「つきましては、何とぞあの憎きシグフェルめに
 早速ながら再戦を挑む事をお許しいただきたく!」
ゴッドネロス「それはならぬ…!」

血気に逸って出陣を志願するクロスランダーだったが、
ゴッドネロスは厳しい口調でそれを制止した。

ゴッドネロス「シグフェルの抹殺はいずれ万全の準備を期して行なう。
 それまでは一切の手出しを禁ずる!」
クロスランダー「し、しかし…!
 エゴスのホウタイ怪人の捜査により、
 私が修理されている間にシグフェルの正体については判明したとの事。
 自宅や学校まで割れているとなれば、
 抹殺の手立てを考えるのはそう難しい話とも思えませんが」
ゴッドネロス「そちもジャムネもゴチャックも、
 皆シグフェルには敗北を喫した。
 その後、奴はブレイバーズに加入して多くの味方を得たのみならず、
 ザンギャックのキアイドーをも破りますます勢い盛んとなっておる。
 侮りは禁物。準備が整うまで焦って仕掛けてはならん」
クロスランダー「はっ…。心得ました」

それよりも、とゴッドネロスは言い、
指からの光線で空間に立体映像を作った。
そこに映っているのは、海防大学付属高校の校舎である。

ゴッドネロス「クロスランダーが申す通り、
 シグフェルの正体である牧村光平は、
 東京都内の海防大学付属高校に在籍している事が分かっておる。
 海防大学付属高校には、桐原コンツェルン出身の城之内正峰を
 理事として送り込み、エリート選定コースを管轄させて、
 我らネロス帝国の未来を支える有能な人材を育てる場として利用してきた」
クールギン「その城之内理事の秘密を探ろうと、
 先日、天童の手先と思われる忍者が学校内に忍び込んだ」

クールギンが告げると、軍団員達の間にどよめきが起こる。
日本のフィクサーとも言われる有力者の天童菊之丞と、
彼が配下に持つ天童忍軍を知らない者などネロス帝国にはいない。

クールギン「幸い、機密に触れる前にガラドーが追い払ったが、
 シグフェルが通学している学校ともなれば、
 海防大学付属高校がにわかに様々な勢力の注目を集めるのは
 避けられない仕儀であるとは言える」
ゴッドネロス「天童を初めとする日本政府の者どもに、
 エリート選定コースの秘密が漏れては一大事…。
 これまで以上に警戒を強化して奴らの動きに備えよ」
クールギン「場合によっては天童忍軍との全面戦争もあり得る。
 各々、怠りなく備えるべし!」

606凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/02/11(木) 20:26:35
クロスランダー「う〜む、無念だ。
 俺様の体を木端微塵に破壊してくれた恨み、
 今すぐシグフェルの奴に思い切り叩きつけてやりたいものだが…!」
デデモス「帝王のあの仰りようからすると、
 抜け駆けで勝手にシグフェルを討つのは許されそうもありませんな」
ゴチャック「シグフェルの抹殺は万全を期して行なうと帝王は仰せになった。
 機会はいずれ必ず巡って来るという事だ。お焦りなさるな」

そう言ってクロスランダーを宥めたゴチャックだったが、
彼自身もシグフェルに無念の敗北を喫しているためか、
その口調はどこか自分に言い聞かせているような響きもある。

ゲルドリング「それにしても勿体ない事してもうたわい。
 もしシグフェルの正体が海防大学付属高校の生徒やと
 最初から分かっとれば、羽根一枚なんてケチくさい事言わず、
 学校に乗り込んで体ごと帝王の御前に引きずり出してやったもんをなあ」
ドランガー「それは言っても仕方あるまい。
 だが、今まであれほどシグフェルにご執心だった帝王が、
 クールギン殿が羽根の一枚を回収されて以来、
 そのご様子がさっぱりなくなってしまわれたのは妙ではある…」
バルスキー「その羽根を解析しているゾルベゲール博士というのも気になるが…。
 ドグマのテラーマクロに謀叛を企てたような奸臣に、
 帝王は一体何をお命じになっているのか…」

三人の軍団長は互いの顔を見合わせながら首を捻った。
もう一人の軍団長クールギンはゴッドネロスの退席と同時にその場を去っており、
今ここにはいない。

ドランガー「クールギン殿はまた帝王と密談だろうか。
 最近、そのような機会が随分多いようだが…」
ゲルドリング「クールギンの奴、
 最近どうも様子がおかしいと思わへんか?
 何かワシらに隠し事しとるに違いないで」
バルスキー「クールギンは帝王の一番の腹心だ。
 我らに言えぬ秘密があっても仕方はないが、
 この得体の知れぬ状態があまり長く続くようだと全軍の士気にも関わってくる。
 我らは帝王の仰せに従うしかないとは言え、どうも不安だな…」


***ゴーストバンク・密談の間***

ゴーストバンクの一角に、厚い石壁に覆われた密談用の部屋がある。
厳重に閉め切られたその決して広くはない部屋の空気が今、
容易ならざる緊張感に包まれていた。

クールギン「帝王…。この上は率直に諫言申し上げます。
 グライアー計画の実施はどうか中止なされませ」
ゴッドネロス「まだ申すか、クールギン…!」

椅子から身を乗り出さんばかりにいきり立つゴッドネロスに、
クールギンは床に片膝を突き、深く跪いたまま言葉を続ける。

クールギン「シグフェルの正体掴めたりとは申せ、
 奴が一体いかなる存在であるかは未だ不明のまま…。
 そのような未知の力をグライアーに取り込めば、
 想定外の事態を招かぬと誰が断言できましょうや」
ゴッドネロス「シグフェルの細胞はゾルベゲール博士に研究させ、
 その研究データは全て余が目を通し監修しておる。
 そちは余の科学者としての力量を疑うのか」
クールギン「滅相もございませぬ。
 ただ、ゾルベゲールはかつてドグマに謀叛を起こした不埒者。
 今度も何を考えているやら、分かったものではございませぬ」
ゴッドネロス「奴のドグマでの反乱はテラーマクロに看破され失敗した。
 そちは余がテラーマクロとは違い、
 ゾルベゲール如き小物にやすやすと討たれるとでも思っておるのか」
クールギン「無論そのようには思いませぬ。
 しかしグライアーという未知の力は…」

なおも苦言を並べようとするクールギンだったが、
ゴッドネロスは片手を上げて遮り、突然愉快そうに笑い出した。

ゴッドネロス「フフフ…。分かっておる。
 クールギンよ、そちはグライアーを恐れておるのだ。
 余の無二の側近たるそちを脅かす存在をな」
クールギン「………」
ゴッドネロス「余は、目的のためならば手段を選ばぬ。
 余に捨てられたくなくば、せいぜいそちも己が腕を鍛えるがよいぞ」
クールギン「それは重々承知なれど…」
ゴッドネロス「グライアー計画は予定通り決行する。
 明日、改造被験体をゴーストバンクへ連行して最終チェックを行ない、
 異常がなければすぐに改造手術に移る。
 そのための手筈を整えよ」
クールギン「かしこまりました。
 全て帝王の仰せのままに…!」

607凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/02/11(木) 20:29:31
***ゴーストバンク・闘技場***

翌朝…。
ゴーストバンクの闘技場では、
クールギンが部下のタグ兄弟に戦闘訓練の稽古をつけていた。

タグスキー「なっ!?」
タグスロン「うわあっ!」
クールギン「どうした! この程度で押されているようでは、
 ブレイバーズの戦士どもを相手には通用せんぞ!」
タグスキー「ははっ…! も、申し訳ありません軍団長殿!」
クールギン「二人とも、まだまだ修行が足りん…!
 もっと自覚を持って日々の鍛錬に取り組まねば、
 お互い明日の命はどうなるかも分からぬ身なのだぞ」
タグスロン「面目次第もございませぬ…!」
クールギン「鍛えてもう一度出直して来い。
 一週間後に、また相手をして成果のほどを見てやる」
タグスキー「ハハーッ!」

凄まじい剣技でタグ兄弟を圧倒したクールギンは、
いつになく厳しい態度で不満げに立ち去って行った。

タグスキー「ううむ…。軍団長殿に比べれば、
 我らはまだまだ己を甘やかしていたということか」
タグスロン「しかし、最近の軍団長殿はどうされたのだ?
 我らに急に厳しくなったと言うか、
 覇気や闘志が段違いになられたような…」
タグスキー「ブレイバーズが結成されてメタルダーもその一員となり、
 我らの戦いは一層激しく険しいものとなった。
 それで気合を入れ直しておられるのだろう。
 我らがうかうかしていてはお叱りを受けるのは当然だ」
バルスキー「…果たして、それだけの理由かな?」

いつからか二人の背後に立っていたバルスキーは、
腕組みをしながら小首を捻る。

タグスロン「バ、バルスキー殿!?」
バルスキー「クールギンの奴、何か焦っている…。
 何かに急き立てられて危機感を強めているような…。
 そんな気がしないか」
タグスキー「い、言われてみれば確かに…」
タグスロン「しかし、軍団長殿ほどのお方が、
 一体何にそこまで急き立てられているというのです?」
バルスキー「それは分からん。
 だが、強くなろうという奴の心に一抹の雑念が読み取れるのは気にかかる…。
 何かおかしな事にならなければいいがな。
 お前達はクールギンの側近として、
 くれぐれもしっかり支えてやってくれよ」
タグスキー「ははっ、我ら兄弟、命に代えても!」

608凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/02/11(木) 20:32:07
闘技場を後にしたクールギンは地上に出て岩山の上で座禅を組み、
そこで気を統一させていた。
己につきまとう雑念を必死に振りほどこうとしているかのように…。

バルスキー「修行に精が出るな、クールギン」
クールギン「…バルスキーか」
バルスキー「タグ兄弟が腰を抜かしていたぞ。
 お前ともあろう者が、何をそんなに苛立っているのだ」
クールギン「苛立ってなどいない…。
 …いないように、自分を制しているつもりだ」
バルスキー「何があったというのだ?
 今朝、ゲバローズとロビンケンが何か密命を帯びて出動したようだが、
 それと関係があるのか?」

クールギンはすぐには答えず、また座禅の姿勢を正した。
長い沈黙が二人の間に流れる。

クールギン「ここだけの秘密だが…。
 今朝の密命のことは、明日には皆に明かされる。
 お前にだけは先に話しておこう」
バルスキー「む…?」
クールギン「帝王が以前から進めておられる極秘の研究だが…。
 あれは究極の力を持った、恐るべき超怪人を生み出すプロジェクトだ。
 かつてのゴリゴン計画の後継とのことで、
 帝王はこれをグライアー計画と呼んでおられる」
バルスキー「グライアー計画?」
クールギン「今日、ロビンケンとゲバローズに命じられたのは
 その新怪人――グライアーの改造被験体の確保だ。
 被験体に選ばれたのは彩堂寺惟政専務の息子、彩堂寺戒」
バルスキー「あの、お前がよく剣術を稽古しているという若者か」
クールギン「ネロス帝国に、強大な力を持つ戦士が加わるのは良いことだ。
 だが私の見る限り、グライアー計画にはまだまだ技術上の問題が多い。
 特に、謎の戦士シグフェルの細胞を注入して作るとなれば、
 想定外の事態が起きるリスクは避けられんだろう。
 しかもそのグライアーは、完成した折には四軍団のいずれにも属さぬ帝王の直属兵として、
 我らの上に立つことになるという」
バルスキー「そうなれば、ネロス帝国は変わるな。
 何もかもが今のままでは行かなくなる…。
 それを怖れていたのか」
クールギン「怖れてなどいない。
 ただ、グライアーさえあれば我ら四軍団はもはや不要…と
 帝王はお考えになっておられるのではないかと、ふと不安になる時があってな」
バルスキー「帝王を信じることだ。
 帝王の第一の重臣たるお前が、帝王を信頼申し上げていなくてどうする」
クールギン「帝王のことは無論信じている…。
 だがグライアーのことは、たやすく信じるわけには行かん。
 あのような不確定要素の多い新兵器に頼るよりも、
 今ある軍団をしっかり鍛えて行く方がずっと確実というものではないか」
バルスキー「気を揉んでも仕方のないことだ。
 グライアーが問題を起こせば、その時は我らの出番じゃないか。
 ただ俺としては、問題の種を敢えて仕込みかねない、
 あのゾルベゲールという博士のことは気がかりだが…」
クールギン「奴のことは厳しく見張っておく。
 何にせよ、今は大事な時期だ…!」

609凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/02/11(木) 20:33:30
●ゴッドネロス→クールギンの諫言を退け、グライアー計画の発動を指令。
●クールギン→彩堂寺戒の剣術稽古を行なう。
 グライアー計画の中止をゴッドネロスに諫言するが退けられる。
●バルスキー→グライアー計画についてクールギンに打ち明けられる。
●ゲルドリング→ネロス帝国内で密かに進んでいるらしい謎の計画に不審を抱く。
●ドランガー→ネロス帝国内で密かに進んでいるらしい謎の計画に不審を抱く。
●クロスランダー→破壊されたボディの修理が完了し、戦列に復帰。
●タグスキー→クールギンを相手に戦闘訓練を行なうが圧倒される。
●タグスロン→クールギンを相手に戦闘訓練を行なうが圧倒される。
●ゾルベゲール→グライアーの細胞生成実験に成功する。

△彩堂寺戒→桐原剛造(影武者)の剣術稽古を受ける。

610ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/02/13(土) 16:38:52
>>604-605より、少し時は遡る…。

――その日の早朝。

***海防大学付属高校・テニスコート***

光平「それっ!!」
慎哉「よっと!!」

今朝はいつもより早めに登校して、2人だけで部活の朝練をしていた光平と慎哉。
だが実は、まだ他に誰も生徒がいない時間帯に2人が学校に来ていたのは、
ある人物たちと待ち合わせするためだった。

滝「朝早くからやってるなあ!2人とも」
光平「…あ、滝さん! 本郷さん!」
本郷「やあ、わざわざ朝早くから呼び出してすまなかった」

やって来たのは本郷猛と、FBI特命捜査官の滝和也だった。
前日に滝から「内密に会えないか?」との連絡があり、
それならばと光平は、まだ校舎敷地内に人の少ない朝練の時間帯を指定したのである。
滝は「実はな…」と話を切り出そうとするが、その前に一瞬、慎哉の方に視線を向けて、
少し迷うような表情を見せた。

滝「………」
慎哉「あの…もし一般人に話し難い内容なら、俺は席を外しましょうか?」

察した慎哉は、自分から席を外そうかと申し出るが…。

滝「いや、せっかくだ。慎哉君も一緒に聞いてくれ。
 光平君、君も桐原コンツェルンの裏の顔については
 もう知っているな?」
光平「はい」

都心の一等地に自社のハイテク超高層ビルを構える日本指折りの大財閥・桐原コンツェルン。
その正体は、世界征服を狙う暗黒組織・ネロス帝国である。
FBIの捜査によると、そのネロス帝国の人材供給源の一つを、
光平たちの通う海防大学付属高校が担っている可能性があるのだという。

慎哉「まさかウチの学校が!?」
本郷「驚くのも無理はない。しかし滝の調べによると、
 海防大学の理事の一人で都議会議員の城之内正峰という男が、
 かつて桐原コンツェルンの幹部社員であったらしい」
光平「………」

話を聞いた慎哉は驚くが、光平には心当たりがあった。
以前に村上峡児と天王路博史が自分をGショッカーに迎え入れようと
学校に乗り込んで来た時、仲介したのがその城之内理事その人だったからだ。

滝「そこで、この学校の生徒である君たちなら、
 何か些細なことでも知らないかと思ってね」
慎哉「城之内理事って言えば、確か同じ学校の
 エリート選定コースを担当しているって
 朱音ちゃんが言ってたなぁ…」
本郷「朱音ちゃん…?」

611ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/02/13(土) 16:39:36
本郷、滝、光平、慎哉が4人で話していたところへ、
黒髪のロングヘアでスタイルのよいスーツ姿の女性が一人、
こちらの様子に気づいて近づいて来た。

慎哉「あ、噂をすればなんとやらだ。
 お〜い朱音ちゃん!」
朱音「あら慎哉君、光平君、おはよう。
 こんなに朝早くから2人だけで練習とは感心感心♪」

光平と慎哉のクラスの担任にして、テニス部顧問でもある千坂朱音は、
早朝出勤してテニスコートの見回りに来ていたようだ。

光平「本郷さん、滝さん、紹介します。
 この人は俺と慎哉のクラスの担任で
 千坂朱音先生です」
朱音「光平君、この人たちは?」
光平「俺の知り合いの本郷猛さんと滝和也さんだよ」
朱音「千坂朱音です。どうぞよろしく♪」
滝「へぇ〜こんな美人の先生に教えてもらえるだなんて、
 正直光平君たちが羨ましいなあ」
本郷「こちらこそよろしく」

朱音と握手を交わす本郷と滝だったが、
その時何らかの違和感を感じた。

本郷「………」
朱音「どうしました?」
本郷「いや、失礼。貴女の右手にかなり豆が潰れた跡が
 あったようなので…」
朱音「ああ、それはきっと部活の指導中に
 ラケットの素振りで出来たやつですね」

朱音は笑顔で誤魔化すが、それに易々と欺かれるような
本郷と滝ではなかった。

本郷「………(違う。これはラケットの素振りなんかで
 出来た擦り傷ではない)」
滝「………(明らかに剣術の鍛錬で出来た竹刀ダコだ。
 この女、いったい何者だ!?)」




○本郷猛→早朝の海防大学付属高校テニスコートで、牧村光平たちと待ち合わせて話を聞く。初めて出会った千坂朱音を怪しむ。
○滝和也→早朝の海防大学付属高校テニスコートで、牧村光平たちと待ち合わせて話を聞く。初めて出会った千坂朱音を怪しむ。

○牧村光平→早朝の海防大学付属高校テニスコートで朝練の最中、本郷猛、滝和也と待ち合わせ。千坂朱音を本郷たちに紹介。
○朝倉慎哉→早朝の海防大学付属高校テニスコートで朝練の最中、本郷猛、滝和也と待ち合わせ。千坂朱音を本郷たちに紹介。
△千坂朱音→早朝の海防大学付属高校テニスコートで、本郷猛、滝和也と遭遇。

612ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/02/13(土) 17:32:08
>>609の続き。

***天童菊之丞邸・茶室***

朱音「残念ながらネロス帝国の者どもに阻まれ、
 その全容を掴む事はできませんでした。しかし、
 これで御前の睨まれた通り、あの学校の隠された
 ベールの奥に容易ならぬ事態が進行しているのは
 明らかかと存じます」
菊之丞「………」

邸内の庭園で、竹筒に水が溜まった鹿威しの音が響く中、
茶室で茶を立てている主人に偵察の報告をする千坂朱音。

朱音「その海防大学付属高校エリート選定コースに在籍している
 生徒の一人、同校2年生の彩堂寺戒が、週に一度、放課後に
 市民体育館の剣道場で、桐原コンツェルンの総帥・桐原剛造から
 直々に剣術の個人レッスンを受けております」
菊之丞「なに…?」
朱音「その桐原剛造、おそらくは本人ではなく例の影武者。
 それも彩堂寺戒の育成には並々ならぬ熱意を注いでいる様子…」
菊之丞「その彩堂寺戒とは何者だ?」
朱音「桐原コンツェルンの専務取締役・彩堂寺惟政の息子にございます。
 ただどうやら惟政の実子ではないようです」
菊之丞「………」

剣流星=超人機メタルダーがブレイバーズの一員となっている現在、
かつては秘密のベールに包まれていたネロス帝国の存在も、
今では政府や公安当局の一部関係者には周知の事実である。
当然、ネロス帝国と桐原コンツェルンの関係についても
その情報は天童菊之丞の耳にも届いていた。

菊之丞「それで読めて来た。やはり海防大学付属高校の
 エリート選定コースとやらは、間違いなくネロスの人材供給源。
 彩堂寺戒という少年は改造手術の被験体であろう」
朱音「それにつきまして、FBIの滝和也も今朝早く、本郷猛を伴い
 海防大学付属高校に乗り込みましてございます」
菊之丞「フフッ…さすがはブレイバーズ。もう嗅ぎつけおったか」
朱音「御前、いかが致しましょう。ブレイバーズに先んじて、
 彩堂寺戒がネロス帝国に拉致される前にこちらで保護いたしますか?」
菊之丞「いや、保護するには及ばぬ。消せ」
朱音「御前!?」

非情の命令を下す菊之丞。おそらく彩堂寺戒は、
生まれた頃からネロス帝国の兵器となるべく運命づけられて、
徹底した教育プログラムの下に育てられてきたのだろう。
そのような人間を救ったところで、今更どうなるのだろう。
とても平和な人間社会には適応できまい。それどころか
かえって社会の安定を脅かす存在に成長するかもしれない。

――ならば、天下国家百年の計のため、
災いとなる芽は早めに摘み取るまで。

菊之丞「よいか、その彩堂寺戒という少年の身柄がGショッカー、
 ブレイバーズ、どちらにも渡らぬ前に必ず消すのじゃ!」
朱音「……心得ました」



△天童菊之丞→千坂朱音に彩堂寺戒の抹殺を指令。

△千坂朱音→天童菊之条から彩堂寺戒の抹殺を命じられる。

613ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/02/14(日) 10:46:19
≪タイトル未定/ユガミ博士様へ提供分≫

***海防大学付属高校・女子陸上部更衣室***

部員A「じゃあ優香、私たち先に帰るから」
部員B「バイバイ♪」

優香「うん、また明日!」

放課後の陸上部の練習時間も終わり、部員たちは続々と
ジャージやユニフォームから制服に着替えて帰宅の途につく。
沢渡優香も、皆に一足遅れて帰りの準備に取り掛かろうとしていた…。

優香「♪〜〜」

更衣室に一人だけになった優香は、楽しそうに鼻歌を歌いながら、
自分のロッカーの扉に手を伸ばそうとした、まさにその時だった!

優香「――!!」

目の前の鏡から突然奇怪な腕が一本ぐいっと伸び、
優香の口元を押さえる形で彼女の顔を力強く掴んだのだ。

優香「むぐっ!うぐううううぅっ!!」

口を塞がれているため、悲鳴にもならない呻き声をあげた優香は、
そのまま鏡の中へと引きずり込まれてしまった…。


***ミラーワールド***

長らく気を失っていた優香が目を覚ました時、
彼女がいたのは見た事もないような薄暗い空間だった。
そして四方には、青白く光るガラスのような透明な壁に囲まれていた。

優香「ここは、いったい……」

気がついたばかりで意識が朦朧とする中、まだ頭がズキズキしていた優香だったが、
ゆっくりと立ち上がり、記憶を辿って状況を整理しようとする。
とりあえず透明な壁を拳で叩いてみたが、ビクともする様子はない。
どうやらこれを蹴り破って脱出するのは無理そうだ。

ベルデ「意外と冷静だな? お前くらいの年頃の女なら、
 俺はてっきり起きた途端にみっともなく
 ギャーギャー泣き叫ぶと思っていたんだがな…」
優香「誰っ!?」

優香の目の前――透明な壁の向こう側には
まるでカメレオンのようなメタリックグリーンの装甲鎧を
全身に纏った怪人が立っていた。

優香「あなた、誰なの…!?」
ベルデ「俺の名は仮面ライダーベルデとでも覚えて頂こう」
優香「仮面ライダー!? じゃああなたもブレイバーズなの!?
 お願い! 早く私をここから出してください!!」
ベルデ「くっくっくっくっ……」

優香の懇願に対して、ベルデはそれをあざ笑う。

優香「何がおかしいの…?」
ベルデ「お嬢さん、まさか仮面ライダーは全員残らず
 正義の味方だとでも思っているんじゃないだろうな?」
優香「どういう意味…?」
ベルデ「人間はみんなライダーなんだよ! そしてこの世の中では
 常に強い人間こそが生き残る。俺はシグフェルを血祭りに上げて
 それを証明する。お前は奴をおびき出すための餌だ」
優香「なんですって!?」

614ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/02/14(日) 10:47:06
優香はようやく、己のおかれた状況を理解できた。
自分はこの緑の怪人によって、シグフェルをおびき出すための
人質として拉致されたのだ。優香は透明な壁越しに、
ベルデに対して精一杯力強く睨みつけた。

優香「すぐに光平くんが……シグフェルが助けに来てくれるわ!
 あなたなんか、そんな風に余裕で構えていられるのも今のうちなんだから!」
ベルデ「なかなか言うじゃないか、お嬢さん」
優香「早く私をここから出して!」
ベルデ「そんなに出たいなら出してやってもいいが、
 この世界――ミラーワールドでは、ミラーモンスター以外の
 生物は生きていくことは不可能な空間だ。その檻から一歩でも
 外に出た途端、お前は1分も持たずに光の粒子となって
 蒸発してしまうぞ!」
優香「――!?」
ベルデ「それに檻の外では、常にミラーモンスターたちがたむろしているぞ。
 奴らは人間が大好物だからなあ!」
優香「そんな……」

確かにベルデの言うとおり、透明な壁の外側では
不気味な怪物たちが"捕食対象"を窺うが如く、
ずっとこちらを見つめて続けている。

優香「………」

高笑いを挙げるベルデと、がっくりとうなだれる優香。
だがそれでも優香の目は諦めてはいなかった。本当はとても怖い…。
でも彼女はきっと光平が救出に来てくれることを、未だに信じて微塵も疑っていないのだ。
だからそれまでは自分も負ける訳にはいかない!

優香「光平くん…お願い早く来て!」

優香は両手を合わせて神に祈りつつ、今は静かに救出を信じて待つのであった。


●仮面ライダーベルデ→沢渡優香を誘拐してミラーワールドに監禁。

△沢渡優香→ミラーワールドへと連れ去られる。

615ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/02/14(日) 11:39:51
<<ベルデの最期-導入部>>
ホウタイ怪人によってシグフェルの正体が牧村光平という事が明らかになり、
エゴスからの提供でGショッカーの各組織に光平に関する情報がもたらされた。

高見沢「こいつがシグフェルの正体か。スマートブレインやザンギャックが
 失敗した今、こいつを仕留めれば世紀王候補として一気に株が上がるってものだ」
佐野「でも、GODの怪人を一気に倒してしまう程、強い奴ですよ。
 そんな相手にどうやって・・・・・?」

とてつもない強さを持つシグフェル相手に仕留めようとする高見沢に
佐野は質問する。

高見沢「確かに奴は強い。だったら俺達に有利な場所に引きずり込んで
 やればいい」
芝浦「まさか!」
東條「ミラーワールドに?」
高見沢「そうだ。俺達でも長くいられないミラーワールドだ。
 ミラーワールドの中ならば、シグフェルといえども俺達と
 同様、長くと持たない筈。そこで奴の息の根を止める!」
芝浦「そのシグフェルをどうやってミラーワールドに?」
高見沢「そうだな・・・・・方法は―!」

光平をミラーワールドに引きずり込んで仕留める事にした高見沢は
机の上に置かれた光平に関係する資料を見ながら、どう引きずり込むか
思案すると、その中にあった少女―沢渡優香を利用する事を決めるのであった。

♢ ♢ ♢ ♢ ♢

ミラーワールドにシグフェルを引きずり込んで窮地に追い込むが、
龍騎らが助けに駆け付けた事で、シグフェルは窮地を脱出した。

高見沢「くっ!もう少しで倒せたっていうのに・・・・こいつは新しい
 戦力が必要かもしれないな」
東條「それでしたら、僕に一つ当てが・・・・」
高見沢「・・・・・そいつは良い!すぐに実行だ」

龍騎に邪魔され、シグフェルを倒し損ねた高見沢はシグフェル打倒の
為に、新しい戦力が必要と考えた所、東條はオルタナティブの開発者
である香川英行教授の事を話す。話を聞いた高見沢は香川教授を
連れてきて、オルタナティブを開発させる事を決めた。

>>369に加筆
佐野「・・・・(冗談じゃねえぜ。ミラーワールドに連れて来ても倒す事が
 出来なかったし、このままじゃ俺も間違いなく殺される!・・・・かといって
 このまま逃げ出してもGショッカーに殺されるだろうし、どうすれば・・・・・
 そうだ!この事をブレイバーズに情報を売ろう!城戸に言えばおそらく・・・・・)」

このままでは自分の身が危ないと感じた佐野は、保身を考え
ブレイバーズにオルタナティブの事等をリークする事に決めるのであった。

♢ ♢ ♢ ♢ ♢

一方、とある町。

神崎「・・・・・相変わらず荒れているようだな。浅倉」
浅倉「神崎か・・・・・何時まで待ってもバトルファイトって奴が
 始まらなくってオレはイライラしてしょうがねえんだ。お前でも
 良い・・・・オレとバトルしろ!」
神崎「待て。こいつならお前の欲求を満たしてくれる筈だ」
浅倉「ほう・・・・こいつは何処に行けば戦える?」

とある町で神崎士郎は仮面ライダー王蛇である浅倉威にシグフェルの
事を教える。世紀王同士が争うバトルファイトが始まらない事に
苛立っていた浅倉は神崎からシグフェルの事を教えてもらい、シグフェルと
戦う事を決めるのであった。

616ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/02/16(火) 10:15:50
>>613に加筆

<ベルデの最期-1>
****高見沢グループ本社・総裁室****
ホウタイ怪人によってシグフェルの正体が牧村光平という事が明らかになり、
エゴスからの提供でGショッカーの各組織に光平に関する情報がもたらされた。

高見沢「こいつがシグフェルの正体か。スマートブレインやザンギャックが
 失敗した今、こいつを仕留めれば世紀王候補として一気に株が上がるってものだ」
佐野「でも、GODの怪人を一気に倒してしまう程、強い奴ですよ。
 そんな相手にどうやって・・・・・?」

とてつもない強さを持つシグフェル相手に仕留めようとする高見沢に
佐野は質問する。

高見沢「確かに奴は強い。だったら俺達に有利な場所に引きずり込んで
 やればいい」
芝浦「まさか!」
東條「ミラーワールドに?」
高見沢「そうだ。俺達でも長くいられないミラーワールドだ。
 ミラーワールドの中ならば、シグフェルといえども俺達と
 同様、長くと持たない筈。そこで奴の息の根を止める!」
芝浦「そのシグフェルをどうやってミラーワールドに?」
高見沢「そうだな・・・・・方法は―!」

光平をミラーワールドに引きずり込んで仕留める事にした高見沢は
机の上に置かれた光平に関係する資料を見ながら、どう引きずり込むか
思案すると、その中にあった少女―沢渡優香を利用する事を決めるのであった。

***海防大学付属高校・女子陸上部更衣室***

部員A「じゃあ優香、私たち先に帰るから」
部員B「バイバイ♪」

優香「うん、また明日!」

放課後の陸上部の練習時間も終わり、部員たちは続々と
ジャージやユニフォームから制服に着替えて帰宅の途につく。
沢渡優香も、皆に一足遅れて帰りの準備に取り掛かろうとしていた…。

優香「♪〜〜」

更衣室に一人だけになった優香は、楽しそうに鼻歌を歌いながら、
自分のロッカーの扉に手を伸ばそうとした、まさにその時だった!

優香「――!!」

目の前の鏡から突然奇怪な腕が一本ぐいっと伸び、
優香の口元を押さえる形で彼女の顔を力強く掴んだのだ。

優香「むぐっ!うぐううううぅっ!!」

口を塞がれているため、悲鳴にもならない呻き声をあげた優香は、
そのまま鏡の中へと引きずり込まれてしまった…。


***ミラーワールド***

長らく気を失っていた優香が目を覚ました時、
彼女がいたのは見た事もないような薄暗い空間だった。
そして四方には、青白く光るガラスのような透明な壁に囲まれていた。

優香「ここは、いったい……」

気がついたばかりで意識が朦朧とする中、まだ頭がズキズキしていた優香だったが、
ゆっくりと立ち上がり、記憶を辿って状況を整理しようとする。
とりあえず透明な壁を拳で叩いてみたが、ビクともする様子はない。
どうやらこれを蹴り破って脱出するのは無理そうだ。

ベルデ「意外と冷静だな? お前くらいの年頃の女なら、
 俺はてっきり起きた途端にみっともなく
 ギャーギャー泣き叫ぶと思っていたんだがな…」
優香「誰っ!?」

優香の目の前――透明な壁の向こう側には
まるでカメレオンのようなメタリックグリーンの装甲鎧を
全身に纏った怪人が立っていた。

優香「あなた、誰なの…!?」
ベルデ「俺の名は仮面ライダーベルデとでも覚えて頂こう」
優香「仮面ライダー!? じゃああなたもブレイバーズなの!?
 お願い! 早く私をここから出してください!!」
ベルデ「くっくっくっくっ……」

優香の懇願に対して、ベルデはそれをあざ笑う。

優香「何がおかしいの…?」
ベルデ「お嬢さん、まさか仮面ライダーは全員残らず
 正義の味方だとでも思っているんじゃないだろうな?」
優香「どういう意味…?」
ベルデ「人間はみんなライダーなんだよ! そしてこの世の中では
 常に強い人間こそが生き残る。俺はシグフェルを血祭りに上げて
 それを証明する。お前は奴をおびき出すための餌だ」
優香「なんですって!?」

617ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/02/16(火) 10:38:56
優香はようやく、己のおかれた状況を理解できた。
自分はこの緑の怪人によって、シグフェルをおびき出すための
人質として拉致されたのだ。優香は透明な壁越しに、
ベルデに対して精一杯力強く睨みつけた。

優香「すぐに光平くんが……シグフェルが助けに来てくれるわ!
 あなたなんか、そんな風に余裕で構えていられるのも今のうちなんだから!」
ベルデ「なかなか言うじゃないか、お嬢さん」
優香「早く私をここから出して!」
ベルデ「そんなに出たいなら出してやってもいいが、
 この世界――ミラーワールドでは、ミラーモンスター以外の
 生物は生きていくことは不可能な空間だ。その檻から一歩でも
 外に出た途端、お前は1分も持たずに光の粒子となって
 蒸発してしまうぞ!」
優香「――!?」
ベルデ「それに檻の外では、常にミラーモンスターたちがたむろしているぞ。
 奴らは人間が大好物だからなあ!」
優香「そんな……」

確かにベルデの言うとおり、透明な壁の外側では
不気味な怪物たちが"捕食対象"を窺うが如く、
ずっとこちらを見つめて続けている。

優香「………」

高笑いを挙げるベルデと、がっくりとうなだれる優香。
だがそれでも優香の目は諦めてはいなかった。本当はとても怖い…。
でも彼女はきっと光平が救出に来てくれることを、未だに信じて微塵も疑っていないのだ。
だからそれまでは自分も負ける訳にはいかない!

優香「光平くん…お願い早く来て!」

優香は両手を合わせて神に祈りつつ、今は静かに救出を信じて待つのであった。

****朝倉家宅****

トゥルルルルルル トゥルルルルル ガチャ

光平「はい。朝倉です・・・・あっ!奈津子さん」
奈津子『光平くん?そっちに優香がお邪魔していないかしら?』
光平「優香ですか?いえ、来ていませんけど・・・・・」
奈津子『そう・・・・夕飯時になっても、ちっとも帰ってこないのよ。
 だから、光平くんなら優香の行き先を知っているんじゃないかと
 思って電話したんだけど・・・・・あの子、どうしたのかしら。』
光平「えっ?!」

朝倉家の電話が鳴っているので、光平が受話器を取ると、電話してきたのは
優香の母である沢渡奈津子だった。話に聞くと、夕飯の時間になっても
優香が学校から帰ってないらしく、光平に行き先を聞いてきたのであった。

光平「・・・・こっちも優香を探してみます。見つけたら連絡します!」ガチャ
慎哉「・・・・誰からの電話だったんだ?」
光平「慎哉・・・・優香が学校から帰っていないらしいんだ」
慎哉「何だって!?」

受話器を戻すと、光平は慎哉に優香が自宅に帰っていない事を
話すのであった。

618ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/02/16(火) 11:43:08
****海防大付属高校・校門前****

奈津子から連絡を受けて、優香が自宅に帰っていない事を知った
光平と慎哉は、優香を探す為、雄大にも連絡を入れて海防大付属
高校の校門前に集まる。

雄大「優香先輩、大丈夫でしょうか・・・・もしかして本当に帰りが
 遅いだけかも・・・・・」
光平「いや、優香は帰りが遅くなる時は、かならず家に連絡を
 する筈だ。それが無いって事は何かあったに違いない」
慎哉「とりあえず、手分けして探そう」

光平、慎哉、雄大の3人は手分けして、優香の行方を探し始める。

――10分後。光平は女子陸上部の更衣室の周辺を捜索し始めるが
優香が何処へ行ったのかという手がかりらしきものは見つからなかった。

光平「更衣室なら、優香の行方について何か分かると思ったけど、
 女子更衣室だし、鍵が掛かっているからなぁ・・・・」

捜索を続ける光平は、やがて大きな鏡の前を通る。だが、その時
何らかの気配を感じ取り、思わず鏡の方を見ると、鏡の中には
レイヨウを思わせる茶色い装甲鎧の怪人と白いトラを思わせる
白い装甲鎧の怪人が光平を見ていた。佐野が変身した仮面ライダー
インペラーと東條が変身した仮面ライダータイガである。

光平「―!」
インペラー「こっちに来てもらうぜ!」
光平「うわぁ!」

鏡からインペラーの腕が飛び出し、光平の腕を掴むと
ミラーワールドへ引きずり込もうとする。

慎哉「光平!!」
雄大「光平先輩!」

他の場所を捜索していた慎哉と雄大も、光平の所へ来たのだが、
光平が今まさに鏡の中へ引きずり込まれようとしている場面に
出くわす。

光平「翔・・・着!!」

腕を振りほどこうと、光平はシグフェルに変身するが、時既に遅く
光平は鏡の中へ引きずり込まれてしまうのであった。

慎哉「光平ーーーー!!」

●仮面ライダーベルテ/高見沢逸郎゙→沢渡優香を誘拐してミラーワールドに監禁。
●仮面ライダータイガ/東條悟→優香を捜索しに来た牧村光平をミラーワールドに
   引きずり込む。
△仮面ライダーインペラー/佐野満→優香を捜索しに来た牧村光平をミラーワールドに
   引きずり込む。

◯天凰輝シグフェル/牧村光平→沢渡優香を捜索するが、ミラーワールドに
  引きずり込まれる。
◯朝倉慎哉→光平、雄大と共に沢渡優香を捜索する。
◯沢渡優香→ミラーワールドへと連れ去られる。
◯岡島雄大→光平、慎哉と共に沢渡優香を捜索する。
◯沢渡奈津子→優香が自宅に帰ってきていない事を光平に連絡をする。

619ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/02/17(水) 11:38:31
<<ベルデの最期-2>>
***ミラーワールド***

シグフェル「うわぁ!」

インペラーとタイガによって、鏡の中に引きずり込まれてしまった
シグフェルは、辺りを見渡すと、左右が反転している事に気が付く。

ガイ「おいおい、彼シグフェルに変身しているじゃないか。
 変身しなかったら、このミラーワールドの空間ですぐに
 灰になったていうのに」
タイガ「す、すまない!」

右肩がサイの角の様になっている装甲鎧の怪人―仮面ライダーガイは
シグフェルを変身しないまま、ミラーワールドに連れてこようとしたらしく、
変身した状態で連れて来たインペラーとタイガに、文句を付ける。

ベルデ「まぁ、変身してしまったのなら仕方が無い。どのみち、
 この空間なら奴とて長く居られない筈だ」
シグフェル「お前達は・・・・・。ん!その後ろにいるのは優香か?!」

そこに仮面ライダーベルデも現れ、その後ろには透明な壁に四方を
囲まれて囚われている優香の姿を見つける。

シグフェル「お前達が優香を攫ったのか!」
ベルデ「そうだ。俺は仮面ライダーベルデ。Gショッカーの世紀王候補だ」
ガイ「同じく、仮面ライダーガイ」
タイガ「仮面ライダータイガ・・・・」
インペラー「・・・・・仮面ライダーインペラーだ」

シグフェルに対して、ベルデ達は自分達の名前を明かす。

ベルデ「この嬢ちゃんには、お前をミラーワールドに連れてくる為に
 利用させてもらった。シグフェル、貴様をこのミラーワールドで
 血祭にあげる為には・・・・・」
シグフェル「くっ、俺を連れてくる為だけに優香をこんな場所へ!
 絶対に許さないぞ!!」
ベルデ「そう粋がるのも今の内だ。やれ!」

優香を攫ったベルデ達に怒りを覚えるシグフェル。ベルデはガイ達に
シグフェルを始末させるよう命令を下すと、インペラーはギガゼールを
始めとするガゼル系モンスターを呼び出し、シグフェルを取り囲む。

メタルバイザーの音声「ストライクベント」
デストバイザーの音声「ストライクベント」
ガゼルバイザーの音声「スピンベント」

そしてガイ、タイガ、、インペラーはそれぞれ、メタルホーン、
デストクロー、ガゼルスタップを召喚し、シグフェルに襲い掛かる。

***海防大付属高校・校門前***
一方、現実世界では鏡の中に引きずり込まれた光平を助けるべく、
慎哉と雄大はブレイバーズに連絡しようと学校の外に出る。

慎哉「とりあえず、チャックさん達に連絡しないと・・・・」
真司「・・・・君達、こんな時間に何をしているんだい?」

ブレイバーズの中で、身近な人物をいえるボーグマンのチャックに
連絡をしようとしていた所、慎哉と雄大に声を掛けたのは城戸真司
だった。

雄大「ええと・・・(どうします?光平先輩の事を話しても信じてもらえそうに
 ないと思いますけど)」
慎哉「(いや、待った。確かこの人前に見かけた事があった筈・・・・)」
真司「あれ?確かそっちの君、前にシグフェル・・・・・牧村光平君と
 一緒に歓迎パーティーに来ていた子だよね?どうかしたのかい」
慎哉「思い出した!貴方は確か、ブレイバーズの歓迎パーティーに
 いましたよね?実は・・・・・」

先日の光平のブレイバーズ歓迎パーティーに参加した慎哉は、
パーティー会場で真司を見かけていたのを思い出す。先程の
出来事を慎哉と雄大は、真司に話す。

真司「・・・・分かった。ここは俺に任せて、君達は他のブレイバーズに
 連絡を頼む!」

事情を聞いて、誰の仕業か察した真司は慎哉と雄大にブレイバーズへの
連絡を頼むと、真司は光平を助けにミラーワールドへ行く為、デッキを
鏡の前に翳す。

真司「変身!」ガシャーン

出現したⅤバックルにデッキを入れるとガラスが割れる音と共に
真司は仮面ライダー龍騎に変身し、ミラーワールドへと飛び込んだ。

620ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/02/17(水) 12:23:21
***ミラーワールド***

シグフェル「フレアセイバー!!」

ミラーワールドでは迫るガゼル系モンスターを相手に、シグフェルは
フレアセイバーで応戦するが、そこにガイ達も攻撃してくるので苦戦を
強いられる。

優香「光平・・・・」
ベルデ「流石に粘るなぁ・・・・・だが、そろそろか」
シグフェル「うっ・・・・これは!」

応戦していたシグフェルだが、ふいに力が入らなくなる。すると、
シグフェルの身体は、徐々に灰になろうとしていた。

ベルデ「よし、シグフェルもそろそろミラーワールドに耐えられなく
 なってきている。畳み掛けろ!!」
タイガ「それなら、僕がトドメを・・・・」
龍騎「おりゃぁぁぁ!」
タイガ「ぐはぁ!」

そろそろ限界のシグフェルにタイガはファイナルベントを使おうとするが
そこに龍騎が割り込み、タイガを攻撃した。

龍騎「大丈夫か!シグフェル」
シグフェル「貴方は・・・・・」
龍騎「俺は仮面ライダー龍騎。一応ブレイバーズの仮面ライダーだ。
 やっぱり芝浦や東條とつるんでいやがったな、高見沢!!」
ベルデ「ちっ・・・・城戸か。邪魔しやがって!貴様もここで死にな!!」

バイオバイザーの音声「ホールドベント」
ドラグバイザーの音声「ガードベント」

ベルデはバイオバイザーにカードを装填して、ホールドベントを
発動して攻撃するが、龍騎はガードベントを発動して攻撃を防ぐ。

ベルデ「だったら、これだ」

バイオバイザーの音声「クリアベント」

シグフェル「消えた!?」

攻撃を防がれ、ベルデは瞬時にクリアベントを発動して、カメレオンの
様に姿を消す。突然、ベルデの姿が消えた事にシグフェルは驚く。

龍騎「ぐわぁ!!」
シグフェル「ぐふ!!」

そして姿が消えたベルデの見えない攻撃により龍騎とシグフェルは
ダメージを受けてしまう。

ベルデ「今の内だ、やれ!!」

姿を現し、ベルデはガイ達にトドメを刺すように命令し、シグフェルと
龍騎は窮地に立たされる。

ダークバイザーの音声「ナスティベント」

ダークウィング「キシャァァァァァ」
ベルデ「ぬぉぉぉぉ」
ガイ「ぐわぁぁぁ」
タイガ「あ・・・頭が」
インペラー「割れる様にいてぇ・・・・」

突如、そこへコウモリ型モンスター、ダークウィングが現れ
超音波を発し、ベルデ達は混乱状態となった。

ナイト「大丈夫か、城戸」
ライア「遅くなった」
ファム「後は任せて!」
龍騎「助かったぜ、皆!」

そこへナイト、ライア、ファムといった龍騎の仲間である
ミラーライダーが助けに駆け付けた。

インペラー「こ、これって、ヤバイ状況なんじゃないですか(汗」
ベルデ「ちっ、流石にこの人数じゃあ分が悪いか・・・・しかも
 こっちも時間切れになってきやがった。撤退だ!」

シグフェルと龍騎の下に駆け付けたナイト達の登場と、ベルデ達も
ミラーワールドにいられる時間に限界が来てしまった為、撤退を
決める。

シグフェル「ゆ、優香を返せ・・・・」
ベルデ「この嬢ちゃんは、まだ利用価値がある。まだまだ返さねえよ!」
ライア「シグフェル、君もミラーワールドで活動できる時間が限界だ。
 早く戻った方がいい」
シグフェル「くっ・・・優香!絶対、助けるからな!」
優香「光平ーーー!」

ベルデはまだ人質としての利用価値がある優香を連れて撤退。
シグフェルもミラーワールドでの活動時間に限界が来てしまった為、
優香を助け出す事が出来ないまま現実の世界へ帰還するのであった。

621ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/02/17(水) 13:32:42
***赤龍軒***
ミラーワールドから帰還した光平は、慎哉達と合流し、真司達に
連れられ、リュウレンジャーである天火星亮の店である赤龍軒に
やって来る。光平は優香を救いだせなかった事にショックを受けていた。

光平「優香・・・・」
慎哉「光平・・・・」
亮「・・・・助けられなかった事にショックなのは分かる。だがまずは
 これでも食べて、元気だしな」

亮はショックを受けている光平を元気づけようと、特製の餃子を
振る舞う。

光平「・・・・ありがとうございます。亮さん」
真司「大丈夫だって!高見沢もボロを出したんだ。すぐに奴を
 捕まえて、その子を助け出せるさ」
後藤「・・・・それも難しいかもしれない」
真司「後藤さん・・・・」

真司も光平を元気づけようと高見沢の事を口にするが、そこへ
後藤が赤龍軒にやって来る。

蓮「どういう事だ?」
後藤「高見沢については、以前から探っていたんだが
 奴はここ2、3日海外へ出張していて不在という事に
 なっている。おかげで事情聴取を行うにしても連れてくる
 事が出来ないというわけだ」
慎哉「そんな!沢渡を攫った相手が分かっているというに
 捕まえられないんですか!」
後藤「申し訳ない・・・・だが、必ず高見沢を確実に捕まえられるように
 警察でもブレイバーズでも追っていくつもりだ」

ベルデの正体である高見沢は、警察の捜査が及ばないように
行方をくらましていて、正体が分かっていても捕まえる事が出来ない
警察に慎哉は苛立ちを覚えるが、後藤は「高見沢を捕まえる」と
光平達に約束するのであった。

***高見沢グループ・総裁室***

高見沢「くっ!もう少しで倒せたっていうのに・・・・こいつは新しい
 戦力が必要かもしれないな」
東條「それでしたら、僕に一つ当てが・・・・」
高見沢「香川教授?・・・・・オルタナティブ?・・・・・フム。
 そいつは良い!すぐに実行だ」
芝浦「・・・・・・・」

一方、ミラーワールドから帰還した高見沢達だが龍騎達に邪魔され、
シグフェルを倒し損ねた事によりシグフェル打倒の為に、新しい戦力が
必要と考える。そこに東條はオルタナティブの開発者である香川英行
教授の事を話す。話を聞いた高見沢は香川教授を連れてきて、
オルタナティブを開発させる事を決めた。

◯仮面ライダー龍騎/城戸真司→シグフェルを助ける。
◯仮面ライダーナイト/秋山蓮→シグフェルと龍騎を助けに駆け付ける。
◯仮面ライダーライア→シグフェルと龍騎を助けに駆け付ける。
◯仮面ライダーファム→シグフェルと龍騎を助けに駆け付ける。
●仮面ライダーベルデ/高見沢逸郎→シグフェルを追い詰めるが撤退。
   新たな戦力を得る為、香川英行教授を連れてこようと決める。
●仮面ライダーガイ/芝浦淳→シグフェルと戦う。
●仮面ライダータイガ/東條悟→シグフェルと戦う。高見沢に香川英行
   教授の事を話す。
△仮面ライダーインペラー→シグフェルと戦う。
◯天火星亮→ショックを受けている光平を元気づける為に餃子を振る舞う。
◯後藤慎太郎→高見沢が行方をくらましている事を話す。

◯天凰輝シグフェル/牧村光平→ミラーワールドに引きずり込まれ、優香を
  助けるべくベルデ達と戦うが、時間切れになってしまったので優香を
  助けられずミラーワールドから帰還する。
◯朝倉慎哉→城戸真司に助けを求める。
◯岡島雄大→城戸真司に助けを求める。
◯沢渡優香→ベルデに連れて行かれる。

622ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/02/18(木) 11:52:54
<<ベルデの最期-3>>
***清明院大学***
かつてミラーワールドの脅威を止める為、独自にオルタナティブを開発し、
ライダー同士のバトルロワイヤルに介入した清明院大学の香川英行教授は
「ライダー同士の戦い」が無かった事により、その記憶は無く一般人として
ごく普通に愛する家族と共に日々を過ごしていた。

東條「お早うございます。香川先生」
香川「東條君ですか。お早うございます。最近はあまり研究室に
 来ないようですが・・・・」
東條「ええ、ちょっと今のバイトが忙しくって・・・・」

ある日、香川は自分の研究室に出入りしている東條悟と挨拶を交わす。
最近はアルバイトが忙しいらしく、あまり研究室に来ていなかったのだが
東條について、それ以上の事は何も思わなかった。

東條「コーヒーを煎れたので、よかったらどうぞ」
香川「ありがとうございます。それでは遠慮なくいただきます」

コーヒーを煎れたという東條の薦めを受けた香川はコーヒーを飲む。
だがしばらくすると、香川は突然眠気に襲われるのであった。

香川「・・・・急に、眠気が・・・」バタッ
東條「・・・・ふふ、一緒に来てもらいますよ。香川先生」

***某研究所***
しばらくして、眠りから目覚めた香川は其処が自分の研究室では
無い事に気が付く。

香川「ここは一体・・・・?」
高見沢「お目覚めになりましたかな?香川先生・・・」
香川「・・・あなたは確か、高見沢グループの総帥を務める高見沢社長!
 それに、東條君まで」

香川の前に現れたのは芝浦や東條達を引き連れた高見沢だった。香川は
以前テレビや雑誌を見た事で、高見沢の事を知っている。

香川「大企業の総帥である貴方が私に何の用です」
高見沢「先生の事は、この東條から聞いてます。先生にはある物を
 造ってほしいのですよ」
香川「ある物・・・?」

高見沢は懐からベルデのカードデッキを取り出して、香川に見せる。
高見沢はそこからミラーワールドや其処に存在するモンスターの存在、
自分達がGショッカーに所属している事を香川に話す。そして高見沢が
香川に造らせようとしているのは、かつての歴史で香川が開発した
オルタナティブだった。高見沢は東條から話を聞き、シグフェルを倒す
新たな戦力としてオルタナティブを投入しようとして考え、その為に
香川教授を拉致したのである。

香川「Gショッカーに、私が協力をすると思っているのですか!」
高見沢「先生には、是非協力してもらいますよ。もしお断りをするのであれば
 それはそれで結構。だが・・・・それならば先生のご家族には大変な目に
遭ってもらおうか?」

正義感の強い香川はGショッカーに協力は出来ないと言うが、高見沢は
鏡の中にいるバイオグリードやデストワイルダー達を見せて、暗に「自分に
協力しなければ、家族を襲わせる」と口調を変えて脅しをかける。

香川「ぐっ・・・・・分かりました。貴方達に協力しましょう」
高見沢「流石は先生!賢明な判断です」

そして香川は家族を人質にされ、オルタナティブの開発と研究を
始めるのであった。

623ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/02/18(木) 14:16:35

高見沢「例の小娘は?」
芝浦「今は眠らせましたので、おとなしくしています」
高見沢「そうか。オルタナティブが完成し、それが軍団となった時
 シグフェルに仕向ける。その時、小娘・・・・・沢渡優香だったか?
 人質として良い働きをしてくれる筈だ」

優香も香川教授と同じ、高見沢グループが所有する某研究所に
連れてこられ、眠らされていた。高見沢はシグフェルを倒す為、
優香を人質として利用しようと考えていた。

佐野「・・・・(冗談じゃねえぜ。ミラーワールドに連れて来ても倒す事が
 出来なかったし、あの女の子を人質にしたとしても、多分勝てねえ。
 このままじゃ俺も間違いなく殺される!・・・・かといってこのまま
 逃げ出してもGショッカーに殺されるだろうし、どうすれば・・・・・
 そうだ!この事をブレイバーズに情報を売ろう!城戸に言えばおそらく・・・・・)」

このままでは自分の身が危ないと感じた佐野は、保身を考え
ブレイバーズにオルタナティブの事等をリークする事に決めるのであった。

♢ ♢ ♢ ♢ ♢

一方、とある町。

神崎「・・・・・相変わらず荒れているようだな。浅倉」
浅倉「神崎か・・・・・何時まで待ってもバトルファイトって奴が
 始まらなくってオレはイライラしてしょうがねえんだ。お前でも
 良い・・・・オレとバトルしろ!」
神崎「待て。こいつならお前の欲求を満たしてくれる筈だ」
浅倉「ほう・・・・こいつは何処に行けば戦える?」

とある町で神崎士郎は仮面ライダー王蛇である浅倉威にシグフェルの
事を教える。世紀王同士が争うバトルファイトが始まらない事に
苛立っていた浅倉は神崎からシグフェルの事を教えてもらい、シグフェルと
戦う事を決めるのであった。

****某コロニー***

その頃、大気圏に浮かぶコロニーの一つで、世界各国の要人達が
休暇の際に利用するコロニーに、1人の日本の議員が滞在していた。
議員の名前は池原敬三。実は高見沢との間で不正を働いており、
高見沢が行方をくらましたので、自分も疑いがかけられないように
休暇を装って、コロニーに滞在していた。

池原「高見沢め、姿をくらましおって・・・・・・。だが、流石にコロニーに
 滞在している私の方にまで追手はこないだろう。はっはっはっは!!」

池原は日本の公安や警察の追手も、コロニーまでは来ないだろうと
高をくくり、女性を侍らせながらコロニー内にあるバーで酒を飲んでいた。

????「不正の疑いが掛けられないように、コロニーへ高飛びか。
 いいご身分だな」
池原「うーん、誰かね?日本で議員をしている私に失礼な事を言うのは」

酒を飲んで酔っ払っている池原議員に、突然失礼な事を言う人物が
背後から聞こえてくる。

ボーイ「お待たせいたしました。この店一番の高級酒にございます」
???「ありがとう。支払いはコレで頼む」
池原「―!そ、それはザイナース社のゴールドブラックカード!
 まさかっ!!」

その人物は店のボーイが持ってきた高級の酒に対して、金と黒で
出来たカードを見せる。池原は、それがザイナース社のゴールド
ブラックカードという事に気付き、その人物が誰か察する。

池原「な、内閣権力犯罪強制取締官の財前丈太郎か!」
財前「Da Bomb!!さて、高見沢との詳しい話を聞こうじゃあないか」

高見沢グループとの不正を調べに、コロニーまで来た内閣権力犯罪
強制取締局(G.C.I.A.)の取締官、財前丈太郎は自身の身分証明書でも
あるザイナース社のゴールドブラックカードを池原に見せつけながら
池原を確保するのであった。

624ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/02/18(木) 15:06:25
●高見沢逸郎→香川英行にオルタナティブを開発させるよう協力させる。
●東條悟→香川英行を高見沢の下へ連れてくる。
△佐野満→自身の保身の為、オルタナティブの事などの情報を
   ブレイバーズに話す事を決める。
△香川英行→高見沢にオルタナティブを開発するよう協力させられる。
●浅倉威→神崎士郎からシグフェルの事を教えられる。
●神崎士郎→浅倉威にシグフェルの事を教える。
◯財前丈太郎→池原敬三と高見沢グループの不正を調べる為、
  コロニーにやって来て、池原を捕まえる。

◯沢渡優香→高見沢グループの研究所に連れてこられ、眠らされる。
●池原敬三→高見沢との間で不正を働いており、その疑いを掛けられ
  ないように、コロニーに滞在するが、財前丈太郎に捕まる。

【今回の新登場】
△香川英行=オルタナティブ・ゼロ(仮面ライダー龍騎)
 清明院大学の教授。瞬間記憶能力を持つ天才で、知的で滅多に感情を
 表に出さないが、強い正義感を持ち合わせている。家族は妻と息子による
 3人家族。偶然、神崎士郎の研究資料を読んだ事でミラーワールドの事を
 知り、士郎の研究とミラーワールドの脅威を止める為、疑似ライダーである
 「オルタナティブ」を開発し、自身も「オルタナティブ・ゼロ」に変身した。
 「大多数を救う為、小数を犠牲にする」という考えを持っており、神崎優衣の
 抹殺を画策した。

●浅倉威=仮面ライダー王蛇(仮面ライダー龍騎)
 関東拘置所に拘留されていた凶悪殺人犯で、感情のままに殺人や
 暴行を繰り返してきた。ライダーバトルを円滑に進める存在として
 神崎士郎からカードデッキを渡されて脱獄。無罪にする事が
 出来なかった北岡秀一を逆恨みして、事ある事に付け狙っている。
 ライダーバトルという殺し合いそのものを楽しんでおり、生き残った
 暁にはさらに戦い続ける事を願うつもりでいた。

◯財前丈太郎(内閣権力犯罪強制取締官 財前丈太郎)
 内閣権力犯罪強制取締局に属する捜査官の1人で、政界の巨悪を
 取り締まる事に全てを賭けている。警視庁勤務時に殉職した事にされ
 内取が創設するまでの間、英国に渡英して、SASに入隊し、数々の
 武勲を上げた。あるミッションでイギリスの石油王の子息の救出に成功した
 ことへの感謝の証として、ザイナース社のゴールドブラックカードを所持するに
 至り、カードの支払いはパトロンである石油王が全て負担している。

●池原敬三(闘争の系統オリジナル)
 高見沢逸郎と共に不正を働いていた日本の国会議員。高見沢逸郎が
 行方をくらました事で、疑いをかけられないようにコロニーに逃げていたが
 財前丈太郎によって捕まる。

625凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/02/18(木) 22:07:01
***東京・彩堂寺邸***

学校が休みの祝日。
彩堂寺戒は何をするでもなく、広い屋敷の居間にただ一人でいた。
養父の彩堂寺惟政は、桐原コンツェルンの重役だけあって忙しく、
今日も朝早くから休日出勤である。

戒「………」

何か不穏な胸騒ぎがする。
戒が顔をしかめたその時、ポケットに入れていた携帯電話が鳴った。
桐原剛造からの着信である。戒は急いで通話ボタンを押し、
尊敬する師からの電話に出た。

戒「…えっ、食事ですか?」
桐原@電話の声「うむ。我がコンツェルンが
 最近買い取ったばかりの五つ星ホテルがあるのだが、
 そこのフランス料理がなかなか美味でね。
 久々に一緒にランチでもどうかと思ったのだが…」
戒「でも、いいんですか?」
桐原@電話の声「遠慮は要らない。
 君もいつも多忙なスケジュールをこなしていて大変だろう。
 たまには息抜きにどうかね」
戒「ありがとうございます。
 では、お言葉に甘えさせていただきます」
桐原@電話の声「11時頃に我が社の者を迎えに行かせる。
 ホテルのロビーで落ち合おう」

こうして桐原から昼食に誘われた戒は、
正装の黒いモーニングコートに着替えて迎えの車を待っていた。
やがて一台の黒いリムジンが屋敷の前に止まったのを見て、戒は玄関を出る。

運転手「さあ、乗りなさい」
戒「…よろしくお願いします」

命令口調でいまいち愛想の良くない運転手に憮然としかけた戒だったが、
ともかくリムジンの後部座席に座りシートベルトを締める。
車はそのまま走り出した。

戒「あの…、どちらのホテルに連れて行って下さるんですか?」
運転手「………」

運転手は無言のままリムジンを走らせる。
先程から、バックミラーやサイドミラーに不自然なほど頻繁に目をやって
何かを警戒しているような様子だ。
どうもおかしい…と戒が不審に思った刹那、
車の片方の前タイヤが突然パンクし、
リムジンは激しい摩擦音を立てながらスピンした。

戒「なっ…!?」
運転手「しまった!」

ブレーキをかけるのも間に合わず、
方向感覚を失ったリムジンは歩道に乗り上げ、
住宅の塀に衝突する。

戒「っ…!」
運転手「………」

かなりのスピードで塀に突っ込んだため衝撃は大きかった。
後部座席に座っていた戒に怪我はなかったが、
運転手は全身を強打し失神してしまっている。

戒「大丈夫ですか? しっかりして下さい!」
運転手「ううっ…」

運転席に身を乗り出して運転手を揺すり起こそうとする戒だったが、
次の瞬間、何者かが車のボンネットに飛び乗ったかと思うと、
ひび割れていた車のフロントガラスが突き破られ、
鋭い太刀が勢いよく運転席に刺し込まれた!

626凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/02/18(木) 22:09:06
車内に飛び散る鮮血。
シートにもたれるように座っていた運転手の胸を太刀が貫き、
一瞬でその命を奪った。

戒「ひっ…!?」
天童忍者A「外したか!」

リムジンのボンネットに乗った忍び装束の男――天童忍軍の刺客は、
そう言って太刀をフロントガラスから引き抜いた。
今の台詞からして、標的は運転手ではなく戒なのだ。
刺客は再び戒を狙って太刀を車内に刺し込もうと構える。

天童忍者A「ぐわっ!」

殺される…! 戒が目を瞑った時、
断末魔の声と共に天童忍者はボンネットから転がり落ちた。
その首筋には一本のスローイングナイフが刺さっている。

ロビンケン「邪魔はさせんぞっ!」

ナイフを投げたのは、迷彩柄のアーマーを纏った
ネロス帝国のヨロイ軍団爆闘士ロビンケンであった。
素早くリムジンに駆け寄ったロビンケンは、
窓ガラスを叩き割ってドアロックを解除し車の戸を開けると、
車内にいた戒を強引に外へと引きずり出す。

戒「何をする!?」
ロビンケン「こうなっては已むなし。
 このまま連れて行くしか策はあるまい!」
戒「やめろ! 離せっ!」
ロビンケン「…!? 伏せろ!」

暴れて抵抗する戒をロビンケンが無理矢理担ぎ上げようとした刹那、
物陰から一本の吹き矢が飛んで来た。
ロビンケンは戒を上から押さえつけるようにして伏せさせ、矢をかわす。
リムジンの車体に突き立った矢をロビンケンが引き抜くと、
鏃には毒らしき黒い液体が塗られていた。

ロビンケン「毒の吹き矢とは、さては忍者さそりか!」
忍者さそり「………」

雑木林の陰から顔を覗かせたのは、
偵察や暗殺を得意とする天童忍軍の吹き矢の使い手・忍者さそりである。
忍者さそりはロビンケンの声には答える事なく、
次々と吹き矢を戒に向けて飛ばす。

ロビンケン「大事な被験体を死なせてなるか!」

戒の前に立ち塞がり、ロビンケンは飛来する毒矢をロングナイフで叩き落とす。
忍者さそりは腰の忍者刀を抜き、疾風の如き速さでロビンケンとの距離を詰めると
そのまま激しく斬りかかった。

忍者さそり「彩堂寺戒なる者、渡すわけには行かん!」
ロビンケン「天童の鼠どもがあれこれ嗅ぎ回っているとは聞いていたが…。
 聖天子付きの補佐官ともあろう方が、手を出してよい相手とそうでない相手の
 区別も付かんとは笑止千万。
 我らに楯突けばどうなるか、よく学習していただく必要があるようだ」
忍者さそり「お主らこそ、一度は敢えなく滅びた身でありながら、
 性懲りもなく身の程知らずな野望を抱き続けるなら痛い目を見ようぞ」
ロビンケン「言わせておけば!」

忍者さそりの忍者刀が唸りを上げ、ロビンケンのロングナイフが銀閃の光を放つ。
両者が戦っている隙に、戒はその場から逃げ出した。

戒「くっ…! 一体何がどうなっているんだ!?」

627ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/02/19(金) 11:18:28
その日、学校は祝日で休みだったが、午前中に部活動の練習があった
牧村光平と朝倉慎哉、それに校門のところで偶然合流した沢渡優香の3人は、
「せっかくだから」と途中まで一緒に帰ろうということになった。

優香「でもよかった。光平くんたちも午前中で
 部活の練習が終わってて」
光平「なんでも朱音ちゃんが"急用があるから"って、
 午後からの練習が急に中止になってさ」
慎哉「いったいどんな用事だったんだろうな?」

そして最寄りの駅までの道のりの途中、
楽しくお喋りしながら曲がり角に差し掛かったところで、
光平はいきなり飛び出してきた何者かとぶつかった。

光平「うわっ!?」
戒「くっ…!?」

互いによろめく光平と戒。

光平「……君は、確か?」
慎哉「お前、彩堂寺じゃないか!?」

戒「………」

よく見ると、戒の着ているモーニングコートは所々埃がかかり
ボロボロになっている。

慎哉「どうしたんだその格好!?」
優香「怪我をしてるじゃない!?」
戒「どけっ! 邪魔だ!」
慎哉「お前、道端で人にぶつかっといて
 "ごめんなさい"も無しか?」
戒「近寄るな! 俺は追われている!」
光平「"追われている"って……?」

ひどく狼狽している様子の戒の様子に、
全く訳が分からない光平たち。

光平「――!? 危ない!!」
慎哉「えっ!?」
優香「キャアッッ!!」
戒「――!!」

いきなり背後から振り下ろされたハンマーから、
慎哉、優香、戒の3人を庇って咄嗟に床に伏せる光平。

628ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/02/19(金) 11:19:07
ゲバローズ「チッ…外したか」
光平「お前は!?」

光平には、目の前に立つ、両腕をペンチやハンマーの形状になっている
奇怪なロボットには見覚えがあった。確かブレイバーベースにあった資料で見た、
ネロス帝国の戦闘ロボット軍団・激闘士ゲバローズ!

光平「彩堂寺、お前を狙っているのはコイツか?」
戒「………」

光平の問いかけに、戒は何も答えない。

ゲバローズ「牧村光平、その小僧をこちらに渡せ!」
光平「やだと言ったら?」
ゲバローズ「全員始末するまでだ!」
慎哉「この野郎ォォォッ!!!」

慎哉はテニスラケット片手に振り回して
果敢に挑もうとするが…。

光平「よせっ! 慎哉!!」
優香「朝倉くん!?」
ゲバローズ「ふんっ、こんな物!」

ゲバローズはラケットを軽々と受け止め、
真っ二つに叩き折ってしまった。

慎哉「…お、俺のラケットがぁ〜!
 バッキャロォ…!! これ高かったんだぞ!!」。゚(゚´Д`゚)゜。ウァァァン
ゲバローズ「そんなこと俺が知るか!」
光平「慎哉、優香! ここは俺に任せて、
 彩堂寺を連れて早く逃げるんだ!」

光平は変身のポーズを取る。

光平「――翔着(シグ・トランスッッ)!!」

紅蓮の炎に一瞬包まれた光平の姿は、
背中にある二枚の翼を羽ばたかせ、
天凰輝シグフェルへと変わった。

戒「ま、牧村…お前!?」

目を見開いて驚く戒。

シグフェル「さあ、ぐすぐすしてないで早く!」
慎哉「わかった! さあ彩堂寺も早く!」
戒「あ、ああ…」
優香「気をつけて…」

慎哉たちを先に逃がし、ゲバローズと対峙するシグフェル。
その様子を密かに遠くの家屋の屋根から窺っている忍者集団がいた。

天童忍者B「朱音様、ここはいっそゲバローズ共々シグフェルを…」
朱音「待て。菊之丞様のご命令はあくまで彩堂寺戒の始末だ。
 ここはわたしに任せろ」

629ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/02/19(金) 11:19:43
いつしか戦いの場を、解体工事中の廃ビル内部へと移すシグフェルとゲバローズ。
ゲバローズは高い身体能力を活かした俊敏な動きを利用して、廃ビル内の鉄骨を
ハンマーで次々と破壊。まるでシグフェルの頭上を狙ったかのように、
コンクリートの塊が途切れることなく崩れ落ちて来る。

シグフェル「くそっ!! これじゃあキリがない!」

崩落してくる天井が邪魔して、シグフェルはなかなかゲバローズに近づけない。
「ヴァジェト・レイ」を使って全部まとめて吹き飛ばす手もあるが、
街中でそれをやるのは被害が大き過ぎる。

ゲバローズ「フハハハハ!! この狭い空間の中では、ご自慢の飛翔能力も発揮できまい!
 この勝負、もらったぁ!!」

ゲバローズは身動きの封じられたシグフェルに回り込んで近づき、
一気に攻勢に転じようとしたその時だった。
廃ビルの入り口から、2台のバイクの駆動音が鳴り響いた。

シグフェル「この音は…!?」
ゲバローズ「なにっ!?…ぐわあああっ!!!!!!!」

2台のサイクロン号がゲバローズめがけて豪快に体当たりした。
連絡を受けた仮面ライダー1号2号が救援に駆け付けたのだ。
廃ビルの外にまで吹っ飛ばされるゲバローズ。

シグフェル「本郷さん! 一文字さん!」
ライダー1号「シグフェル、あいつの相手は我々が引き受けた!」
ライダー2号「ここは我々に任せて。お前は早く慎哉君と優香ちゃんたちの後を追え!」
シグフェル「わかりました! ここは頼みます!」

シグフェルはダブルライダーにこの場を任せ、
一足先に廃ビルから飛び立ち、戒を連れて一緒に逃げているはずの
慎哉と優香の元へと向かった。

◇    ◇    ◇

とりあえず郊外の廃墟の一角に身を潜めていた慎哉たち。
そこへシグフェルが合流するためやって来た。
空からゆっくりと地表に降り立ち、変身を解除して光平の姿に戻る。

慎哉「光平、あのロボットみたいな怪物は?」
光平「仮面ライダー1号2号が来てくれて、なんとか追っ払ってくれたよ」
優香「そう、よかった…」

戒「………」

光平から話を聞いて、安心そうに胸を撫で下ろす慎哉と優香だったが、
先程から戒だけは、無言のままじっと光平の顔を睨んでいる。
慎哉の話によれば、彼はさっきからずっとこんな状態だという。

630ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/02/19(金) 11:20:41
その戒が、初めて重い口を開いた。

戒「まさかお前が、あの天凰輝シグフェルだったとはな…」
光平「………」
戒「どういうつもりだ牧村?」
光平「どういうつもり…って、俺たち、同じ学校の友達だろ?」
戒「俺はお前たちと友達になった記憶もなければ、
 助けてくれと言った覚えもない」
慎哉「こいつ…! せっかく助けてやったのに何だよその言い草は!?」

慎哉は戒の態度に怒るが、光平は気にせず冷静に事情を聞こうとする。

光平「あいつらについて何か心当たりは?」
戒「ない! あんな化け物に襲われる覚えなんかあるわけないだろ。
 俺はただ、桐原社長から昼食に招待されていただけだ」
光平「…桐原? もしかしてそれって、桐原コンツェルン総帥の
 桐原剛造のことかっ!?」
戒「それがどうした?」
光平「いいか彩堂寺、落ち着いてよく聞くんだ。
 桐原コンツェルンの本当の実態はネロス帝国と言って、
 Gショッカーの一部を形成している悪の地下組織なんだ!」

光平のこの言葉に、普段から桐原剛造を師と仰いでいる戒は激しく反発する。
今まで冷たいように無表情だった戒の顔に、感情という物が露わになった。

戒「牧村、お前寝ぼけてるのか!?」
優香「光平くんの言っていることは本当よ!
 お願い、信じて!」
戒「黙れ! 言うに事欠いて桐原先生がGショッカーだと!?
 これ以上先生を侮辱すると許さんぞ!!」
光平「………」
戒「…そうかわかったぞ。お前ら、成績上位者でエリートでもある俺の事を妬んで
 そんな出まかせを並べてるんだな?」
光平「彩堂寺! 俺はそんなつもりは!」
戒「これ以上は余計なお世話だ! 自分の身くらい自分一人で守れる。
 放っておいてもらおう」

ここで優香が、戒の頬に一発平手打ちをお見舞いする。

戒「……!?」
優香「いい加減にして! 光平くんも朝倉くんもわたしも、
 本気であなたを心配しているのよ!」
戒「沢渡……」

優香を呆然と見つめている戒。その時突然、四方から
数枚の手裏剣が彼らめがけて投げつけられてきた。

光平「危ないっ!!」

咄嗟にラケットを握った光平の機転で、
飛んできた手裏剣のほとんどは地面に叩き落とされ、
他に何枚かはラケットの柄の部分に突き刺さっている。

光平「………」
慎哉「な、なんだ!?」

631ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/02/19(金) 11:21:24
気がつくと光平たちは、いつの間にか
見た事もないような黒ずくめの集団に取り囲まれていたのだ!

優香「に、忍者…!?」
戒「………」

戒は記憶を辿り思い出していた。車に乗っていた時に
自分を襲ってきた忍者と、明らかに同じ装束姿をしている連中だ。

光平「お前たちもネロス帝国の仲間か!?」
戒「違う…。こいつらは俺を連れて行こうとした
 奴らとは別口の連中だ」
光平「なんだって!? どういうことなんだ…」

忍者たちの指揮官らしき女忍者が前に出た。
覆面をしているため顔は分からない。

朱音「彩堂寺戒をこちらに渡しなさい!
 そうすればあなたたちに危害は加えないわ」
光平「どうしてだ! なんで彩堂寺を狙うんだ!?」
朱音「あなたたちには関係の無いことよ」
光平「………(この女忍者の声、どこかで聞いたような…?)」

話しかけて来た女忍者の声に、なんとなく聞き覚えを感じた光平だったが、
今はそんなことを気にしている余裕はない。黒ずくめの忍者集団には
誰一人として一部の隙もなく、鋭い殺気をこちらに放ち続けている。
かなり腕の立つ暗殺集団に違いない。
果たして、戦闘には素人である慎哉と優香、そして軽傷を負っている戒の3人を
無事に守りきれるだろうかと光平は焦りを覚えていた。
少しでも隙を見せればこちらが殺られるッ…!
そんな緊迫した状況が続く…。

632ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/02/19(金) 14:14:53
≪サラジア&異世界アセーリアでの一連の問題が解決した後の後日談≫

天凰輝シグフェルの活躍によって独裁者アルハザードが倒され、
平和主義の民主国家として再出発する事になったサラジア。
一方、異世界アセーリアでもアルハザードの死によってサラジア軍の士気は崩壊。
ラウール王子率いる軍勢が王都ネクナールを奪還してメルヴィオン全土を制圧した。

アルハザード配下のエージェンドSSS3が、実はサラジア軍に捕えられ洗脳されていた
ラウール王子の姉姫だった事が判明。沢渡家で保護されている姉と再会するため、
ラウールは僅かな供を連れて地球の日本を極秘訪問する。
リリーナ・ドーリアン外務次官は、リー・ウェンことヤン・ウェンリーに
ラウール一行の護衛を依頼。ヤンはシェーンコップに命じて、
ワルコップ警備保障会社=薔薇の騎士(ローゼンリッター)連隊に
ラウールたちをこっそりと警護させる。

ところが、なぜかラウール一行とSSS3の命を天童忍軍が狙い始めた。

組頭「朱音、事と次第によっては牧村光平諸共殺す事も考えなければならぬ」
朱音「えっ…!?」
組頭「どうかしたのか?」
朱音「いえ、別に…」
組頭「とにかく牧村光平から目を離すな。ここでしくじっては
 天童の御前に申し訳が立たぬ」

これまで海防大学付属高校で担任教師兼部活顧問として
長い間、光平たちと学校生活を共にしてきた朱音には、
すでに人の情が芽生えつつあったのだった。

そしてついに朱音の正体が、慎哉や優香にも明らかになる日がやってきた。

朱音「確かにわたしは天童のくノ一でした。ついさっきまでは…」
慎哉「嘘だろ…!?」
優香「まさかっ…!?」
リー・ウェン「朱音先生、お前さん、そんなことを
 我々に言ってしまってもいいのかい?」
朱音「構いません。わたしみたいな忍び一人がどうなろうと、
 世の中がどうこうなるわけじゃありませんから」
光平「朱音ちゃん…」

そして朱音は、抜け忍として天童忍軍から命を狙われる事になった。

お蝶「朱音、掟だよ。裏切り者は生かしておく訳にはいかないねえ」
朱音「お蝶、わたしを仲間と戦わせるつもりか!?」

くれないお蝶率いる忍者たちに襲われる朱音。
彼女の後を追いかけて来た光平が助けに加わる。

朱音「光平君!?」
光平「朱音ちゃん、もう朱音ちゃんの仲間はコイツらじゃない!
 俺たちブレイバーズだ!」
朱音「逃げなさい! あなたには関係のない事よ!」
光平「ヤだね! そんなことをしたら、
 もう先生の面白い授業が受けられなくなる!」
朱音「光平君、まだあなたはわたしのことを
 先生と呼んでくれるの?」
光平「当り前じゃないか!」

戦闘中、どこかから飛んできた毒の塗られた手裏剣が、
光平を庇った朱音の左腕に突き刺さった。

朱音「危ない!? うっ――!!」
光平「朱音ちゃん!?」

633ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/02/19(金) 14:15:25
光平に朝倉家まで運び込まれ、
布団の上で三日間高熱にうなされた朱音だったが、
応急処置と看病の甲斐もあり、無事に峠を越えた。

蓮太郎「気がついたみたいだな?」
朱音「光平君…それに皆さん、ありがとうございます……」
優香「よかった…」
慎哉「一時はどうなることかと思ったよ…」
光平「もう大丈夫みたいだな」

ゆっくりと起き上った朱音は、詳しい事情を話し始めた。

朱音「光平君、悪い事は言わないわ。
 今度だけはこれ以上関わり合いにならない方が…。
 天童のお殿様でさえ、今はその男には逆らえないのよ。
 その男を相手にする気なの?」
リー・ウェン「やはりそんな大物の黒幕がいたのか…」
佳代「朱音先生、アンタ…そいつの名前を知ってるね?」
朱音「……連邦開発投資銀行の総裁、堂前景勝よ」
光平「堂前景勝……」

堂前 景勝(どのまえ かげかつ)。日本の元財務大臣であり、
現在は地球連邦政府系の国際金融機関である、
「連邦開発投資銀行(Federal developmentinvestment bank/略称:FDIB)」
の総裁職にある男だ。


***天童菊之丞邸***

翌日、朱音は処罰を覚悟で天童邸に出頭した。

朱音「すでにお聞き及びの事とは存じますが、
 わたしにはあの子を……光平君を殺す事は出来ません。
 わたしはこの目で見て来ました! 光平君も、そしてブレイバーズの皆さんも、
 日本の国家体制を覆そうなどという大それた野心は微塵もございません。
 今はただただ…生き別れになった異世界の姉弟を再び巡り合わせてあげようと、
 それだけでございます! わたしはどうなっても構いません!
 ですが…どうか牧村光平君にだけは閣下のお力を持って、
 何卒御咎めなきよう」
菊之丞「………」

菊之丞は、朱音の願い出に一切答えることなく、
一方的にバチンッと障子の襖を閉めてしまった。

朱音「御前!?……御前!!」


***堂前景勝邸***

ムンタキル「堂前先生、重ね重ねの失態、誠に申し訳ございません」
堂前「………」

アルハザード政権崩壊後のサラジアから姿を消していた
ムンタキル首相だったが、なんと堂前景勝の許に身を寄せていた。

堂前「それで、あの千坂朱音とかいう裏切り者のくノ一はどうしたのかな?」
ムンタキル「はい。命は取り留めて、天童菊之丞に詫びを入れたそうですが、
 菊之丞は一言も口を利かずに追い返したそうで…」
堂前「追い返した? そうか。ではまだ慌てる事はないのだな」
ムンタキル「…と、申されますと?」
堂前「天童がこちら側についている限り、シロをクロと言いくるめる事もできるのだ」
ムンタキル「は…?」
堂前「天童にも泣き所はある。日本国内のみならず海外にまで津々浦々に張り巡らされた
 天童忍軍配下の諜報網を維持するための膨大な経費の一部を、わしが黙って払ってやっているのだ。
 …ま、多少は臭いと思ったところで、天童がこのわしに逆らうことはあるまい」
ムンタキル「なるほど、さすがは先生! そこまで利用している天童にも、
 例の利権のからくりは何一つ漏らしていないのですからな♪」

ムンタキルは、サラジアから密かに持ち出した石油資源や
異世界アセーリアに関する情報資料を堂前に売り渡しており、
それを使って堂前は、サラジアとメルヴィオンの利権を
食い物にしようと企んでいた。

堂前「メルヴィオンの地下資源を根こそぎ独占するだけで、
 儲けは何百兆にも達しよう。笑いが止まらん。ふはははは…」

すでに堂前は配下の私兵として、大勢のテロリストたちを雇い入れていた。

634ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/02/19(金) 14:16:21
シグフェルとラウール王子、そして千坂朱音は
決着をつけるべく堂前の屋敷へと乗り込む。

堂前「これはこれは、ようこそ天凰輝シグフェル。
 この堂前景勝の力をわざわざ見においでかな?」
シグフェル「………」
ラウール「………」
朱音「………」
堂前「お前たちがここで命を落とすのもまた当然!
 それは、お前たちが金の力を甘く見た報いだ。死ねい!」
シグフェル「お前の言う金の力がどれほどのものか、
 見せてみろ!」
ラウール「堂前景勝! 所詮金で雇われた人間が、
 命までかけると思うか!?」
堂前「黙れい! 世の中金が全てだ!
 天童も金で買ったのじゃ!!」

蓮太郎「そいつは違うな!!」

ここで、里見蓮太郎と藍原延珠が遅れて現れる。

蓮太郎「天童はお前たちなんぞに屈しちゃいねえよ」
堂前「なんだと!?」
蓮太郎「ここ一連のFDIBの不正な錬金術のカラクリが
 掴めるのを待っていただけさ!」
ムンタキル「貴様!?」

あの後、天童菊之丞に直談判に赴いていた蓮太郎は、
そこで実は、天童が内偵捜査のために一時的に
堂前と手を組んでいたフリをしていただけ
だった事を知らされていたのであった。

蓮太郎「朱音さん、菊之丞とは話をつけて来た。
 "当面は好きにしていい"とあのジジイからの言伝だ」
朱音「蓮太郎さま…」

蓮太郎からの気遣いに感謝する朱音。
いよいよ追い詰められた堂前とムンタキルは、
邸内奥の研究施設からステージIVのガストレアを繰り出してきた。

堂前「こんな時のために今まで飼い慣らしておいたのだ!
 お前たち全員皆殺しにしてくれる!」

蓮太郎「行くぞ延珠!」
延珠「了解なのだ蓮太郎!」

バトル開始。果たして堂前の企てを阻止できるのか!?

635ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/02/23(火) 10:44:14
<<ベルデの最期-4>>
優香が連れ去られ、香川教授がオルタナティブの開発を高見沢から
強要されてから、およそ一週間が経過した。あれ以来、高見沢の所在は
掴めず、光平達は何かしらの進展は無いものかと、赤龍軒を訪ねていた。
そこに1人の人物が訪ねてくる。

佐野「お、お邪魔しま〜す(汗」
真司「お前は、佐野じゃないか!?」
蓮「貴様、何しに此処へ来た!」
佐野「ま、待ってくれ!!戦いに来た訳じゃないんだ!話を聞いてほしいんだ」
真司「話?」
光平「あの、この人は?」
美穂「佐野満・・・・あなたを襲った仮面ライダーインペラーに変身していた男よ」
雄大「何だって!?」
慎哉「沢渡を攫った連中の仲間が何故、ここに!?」

敵である筈の佐野が光平や真司達の前に現れた事で不審に思うが、とりあえず
佐野の話を聞く事にした。そして佐野の話というのは、高見沢が香川教授を
拉致して、家族を人質にオルタナティブを開発させている事だった。

佐野「その香川教授が開発させられている高見沢グループの極秘の
 研究所には、その優香っていう嬢ちゃんも囚われているんだ。
 そこの坊主にとって研究所の場所は是非、知りたい情報だろ?」
手塚「何故、俺達にそんな話をする?」
佐野「正直、俺はもうライダーを辞めたいんだ。そりゃ、俺が会社を継ぐとかって
 話も無くなっちまっているけど、このまま居ても俺に幸せが来るとは
 思えねぇ。だからあんた達に話をして、出来ればそのままGショッカー
 から足を洗えないかなぁ・・・・と(汗」
蓮「ふん、最低な奴だな貴様は!」

佐野が真司達に香川教授の事を話した理由を聞いて、蓮をはじめ
内心腹ただしく思えた。

霧島「こんな奴の言う事を聞く必要は無いわ!」
真司「待ってくれ!確かに俺も佐野にはムカついたけど、本当の事なら
 香川先生の家族が危ない。せっかく先生も普通に暮らしているのに
 またライダーの所為で戦いに巻き込まれるのなら、俺は助けに行くべき
 だと思う」
光平「俺も、優香がいる場所が分からない今、この人の情報を信じて
 みようと思う。その香川っていう人の事は、よく知らないけど協力させ
 られているなら、助けるべきだ!」

佐野の話を不審に思う美穂達だが、真司や光平は佐野の情報を
信じて優香や香川教授を助けに行くべきだと自分の考えを皆に
伝えた。

雄大「でも、この人の言っている事は光平先輩たちをおびき出す
 罠かもしれませんよ?」
????「・・・・いや、その男の言っている事は本当みたいだぜ?」
蓮「誰だ!」

赤龍軒に入って来たのは、高級スーツをビシッと着こなしている男性
―内取の取締官である財前丈太郎だった。

光平「貴方は?」
慎哉「あっ!確か大鹿建設が不正を働いていた事件で活躍したっていう
 内取の財前丈太郎・・・・さんですか?」
財前「Da Bomb!!(その通り)俺が財前丈太郎だ。先日、高見沢と
 組んで不正を行っていた代議士を捕えたんだが、その極秘の研究所とやらに
 雲隠れをしているっていう情報を掴んだ所さ。それで噂の新ヒーロー、
 シグフェルに情報を持ってきたという訳だ」

財前は自分が、光平達の前に現れた理由を話し、佐野の言っていた
情報が正しかった事を知る。

真司「な?やっぱり佐野を信じて助けに行った方がいいんだよ」
手塚「ふっ、相変わらずの御人好しだな。だが、助けに行くという
 考えには俺も賛成だ。俺の占いでも助けに行く事は吉と出ている」
亮「俺も真司の考えに賛成だ。俺は其処にいる佐野って奴や香川って
 人の事は知らないが、例え罠だとしてもそれを打ち破れば良い」

真司の考えに手塚やリュウレンジャーであり赤龍軒の店主でもある
亮は賛成した。

霧島「はぁ〜分かったわ。今回は真司の言い分に付き合ってあげる」
蓮「まぁ、これを機会にブレイバーズのスポンサーになっている高見沢の
 化けの皮を剥いでやれるかもしれないしな」
真司「ありがとうな。蓮、美穂!」
雄大「優香先輩を絶対に助けて下さいね!」
光平「勿論だ。今度こそ、優香を助けてみせる!」
慎哉「分かったよ。でも気を付けろよ」

一同は真司や光平の考えに賛同し、優香や香川教授が囚われている
研究所へ向かう事を決意する。

佐野「・・・・じゃあ、情報も教えた事だし、俺はこの辺で・・・・・」
蓮「待て。研究所には詳しいのだろ?」
手塚「俺達の水先案内人になってもらうぞ」
佐野「そ、そんなぁ」ガーン

情報だけ伝えて、その場を退散しようとしていた佐野だったが、
研究所の詳細を知る為に、蓮達によって研究所まで案内を
する羽目になるのであった。

636ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/02/23(火) 12:11:16
***某研究所***
佐野が光平や真司達ブレイバーズに情報を教えていた一方、
香川は高見沢からもたらされた資料とカードデッキのデータから
ついにオルタナティブ・ゼロの開発に成功するのであった。

高見沢「流石は香川先生。我々の資料とデータから、こんなにも早く
 オルタナティブを開発してしまうとは、正直驚きですよ!」
香川「・・・恐れいります」

オルタナティブの完成に高見沢は大いに喜び、香川は俯きながら
答えた。

間宮「これがオルタナティブ・・・・中々に協力な兵器の様だな」
乃木「下等な人間風情にしては、よく出来たものだ!」
香川「彼等は・・・・?」
高見沢「ここの警備を任せている、私の協力者達ですよ・・・・警備の
 方に不備は無いな?」
間宮「今の所、問題は無い」

高見沢と香川がいる所に、ワームの代表を務める間宮麗奈と乃木怜冶の
2人が現れた。現在、表向きは高見沢グループの研究所となっているこの
場所の職員は実は全員、ワームが擬態していた。

シャダム中佐「こいつがオルタナティブか・・・・」
メーミィ「この様な物で本当にブレイバーズ共を倒せるというの?」
高見沢「おお、ゴーマにインフェルシアの皆さん、よくお越しいただき
 ありがとうございます。このオルタナティブを量産し、必ずやブレイバーズを
 倒して見せましょう。その為にも、まずは噂のシグフェルを仕留めて
 みせます!」

さらに以前、共同作戦を行ったゴーマ、インフェルシアにオルタナティブを
お披露目する為、研究所に呼び出し、オルタナティブの軍団を作って
ブレイバーズそしてシグフェルを倒すと宣言する。

高見沢「それでは、香川先生。次に量産化についてですが・・・・・」
東條「大変です!ブレイバーズがこの研究所にやって来ました!!」
乃木「何だと!?」
メーミィ「ブレイバーズが、乗り込んで来るっていうの!?」

東條から、ブレイバーズが研究所に乗り込んできたという情報を
聞かされ、その場にいた一同は動揺する。

高見沢「ちっ!ここを嗅ぎ付けたか。おい、佐野はどうした」
芝浦「彼なら、朝から見ていないですね」
佐野「朝からいない?・・・・まさか、アイツがブレイバーズに
 研究所の場所を教えたのか?まあ良い。他のワームを向かわせろ!」
間宮「無論だ」

佐野が情報を漏らしたと感づいた高見沢だが、今は研究所に乗り込んで
きたブレイバーズの対処を考え、間宮麗奈にワームを向かわせるように
指示を出す。

佐野「・・・・この先を行けばオルタナティブを開発している研究室だ。
 それで嬢ちゃんが捕えられるていう部屋は、その向こうの筈だ」
真司「よーし、優香ちゃんや香川先生を助け出すぞ!変身!!」
光平「待っていてくれ、優香―翔着!<シグ・トランス>」

佐野の手引きで研究所の外に来た光平達は捉えられている優香と
香川を助けるべく、龍騎やシグフェルに変身する。

亮「久しぶりの戦いだが、皆大丈夫か?」
将児「当たり前じゃねえか、亮!」
亮「よし、皆、転身だぁぁぁぁあ!!」
ダイレンジャー他5人「「「「「応」」」」」
亮「気力転身!」
ダイレンジャー一同「オーラチェンジャァァァァァ!!!!!」

龍騎やシグフェル達と共に、優香と香川を救うべく亮や仲間の
ダイレンジャーもオーラチェンジャーでダイレンジャーも変身し
他のブレイバーズと共に研究所へ乗り込んだ。

佐野「・・・・・案内もした事だし、俺もおさらばしますか。
 ――!お、お前は!?」

研究所への案内を済ませ、その場を立ち去ろうとしていた佐野だが
そこで、ある人物に出くわしてまう。

637ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/02/23(火) 14:03:25

バース「はぁっ!」
ワーム・サナギ体「キシャァァ!」
ガタック「うぉりゃぁぁ!!」
アラクネワーム・ルボア「ムゥゥゥ!」
電王S(ソードフォーム)「おりゃぁ!」
モグライマジン「ぎゃぁぁぁ!」

研究所内部にはワームが扮した職員の他にイマジンや達もいたが
変身したブレイバーズのメンバーにより、次々と倒されていく。

シグフェル「何て敵の数なんだ!」
バース「ここは我々が引き受ける」
ガタック「シグフェル達は先を行ってくれ!」
電王S「本当なら、主役の俺が行くべきだがよぉ。今回は譲って
 やるぜ!」
シグフェル「ありがとうございます!」

シグフェル達と共に乗り込んだバースやガタック、電王はシグフェル達を
先へと行かせる。そしてシグフェルは優香を救う為、佐野から得た情報で
優香が捕われている部屋へと向かい、龍騎らは高見沢達のいる研究室へ
向かった。

龍騎「そこまでだ、高見沢!!」
ナイト「こうなった以上、貴様も年貢の納め時だな!」
高見沢「くっ、城戸に秋山か!俺の邪魔はさせんぞ!
 変身!」
芝浦「変身!」
東條「変身!」
リュウレンジャー「シャダム!ゴーマも来ていたのか」
シャダム「ダイレンジャー、貴様らまで来るとはな・・・・。
 来い!サクラ子爵、陽炎頭巾」

研究室に乗り込んで来た龍騎達は、高見沢やシャダムらと
対峙する。高見沢はベルデに変身し、芝浦や東條も変身した。

バース「香川さん、貴方のご家族の安全は既に我々の仲間が確保しました。
 其方も直にお助け致します!」
香川「――本当ですか!」
ベルデ「ふん、オルタナティブのデータは既にある今、香川は用済みだ。死ねぇ!!」

ガタックらと戦っていたバースも研究室の方へ現れると、、香川の家族の安全を教える。
そしてベルデに変身した高見沢は最早、用済みと香川の始末にかかった。

龍騎「危ない!!」

龍騎は香川を助ける為に、ガードベントを発動させ、ドラグシールドで
ベルデの攻撃を防いだ。

香川「・・・・貴方は!?」
龍騎「ここは危険です。早く逃げて下さい!」
香川「・・・・・・・・」

龍騎は香川に逃げるように促すとベルデと戦闘を始める。
その姿に香川はオルタナティブ・ゼロのデッキを見るのであった。

ベルデ「俺も最早、ブレイバーズのスポンサーではいられなくなっちまったが
  ここでお前らを葬れば、俺の世紀王としての地位も大きくなるってもんだ!
 くたばれ、城戸!!」
龍騎「――くっ!」

AXELVENT!!

ベルデ「ぐわぁ!!」

ベルデはファイナルベントを発動させ、龍騎にトドメをさそうとした。
だが、そこに何者かの攻撃をベルデが受け、発動は失敗する。

龍騎「香川先生、その姿は!?」
オルタナティブ・ゼロ「・・・受けた借りを返します」

香川は龍騎に助けられた借りを返そうと、オルタナティブ・ゼロに
変身して、龍騎をベルデの攻撃から助けたのであった。

オルタナティブ・ゼロ「とにかく、事態を乗り切りましょう」
龍騎「はい!」

龍騎と香川が変身したオルタナティブ・ゼロは、構えるとベルデと
対峙するのであった。

638ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/02/23(火) 15:58:38

シャダム中佐「ダイレンジャー、今度こそ貴様らは葬って見せる。
 出て来い、鍵道化師、口紅歌姫!」
鍵道化師「ムヒョヒョヒョヒョヒョ!お前達の魂を抜き取ってやる!」
口紅歌姫「私の顔に傷をつけた恨み、今度こそ晴らしてやる!」

シャダムはダイレンジャーを葬る為、ゴーマ怪人の鍵道化師と
口紅歌姫を呼び出し、ダイレンジャーを襲う。

シシレンジャー「また、倒してみせる!天幻星・二刀斬り!」
ホウオウレンジャー「大輪剣旋風斬り!」

襲ってきた鍵道化師と口紅歌姫にシシレンジャーはスターソードと
スターカッターを振り、ホウオウレンジャーは大輪剣で戦う。

ザイドス少佐「行くぞ!ダイレンジャー!!」
ガラ中佐「喰らえ!」
キリンレンジャー「行きますよ、将児!」
テンマレンジャー「応よ!天重星・重力逆転波!」

ザイドス、ガラに対してキリンレンジャー、テンマレンジャーが
相手をする。

キバレンジャー「・・・・シャダム」
シャダム中佐「コウか・・・・。ゴーマにおいて親子の情愛は無用!
 貴様もここでくたばれ!」
キバレンジャー「そうは、行くもんか!てりゃぁぁぁ!」

キバレンジャーは、父であるシャダム中佐と対峙。例え息子であろうと
敵ならば容赦しないシャダムに、キバレンジャー白虎真剣で立ち向かう。

メーミィ「ふむ、あの憎き魔法使い共はいない様だけど、そなたが我の
 相手をしてくれるのか?」
リュウレンジャー「例え誰が相手でも行くぜ!天火星・稲妻炎上破!!」
メーミィ「何の、ザザード!」

魔導神官メーミィはリュウレンジャーと対峙し、リュウレンジャーの技
「稲妻炎上破」に対して、メーミィは「ザザード」の呪文を唱えて、
扇から光弾を放つ。

タイガ「君には、城戸を始末するのを邪魔されたからね。
 お礼させてもらうよ」
ファム「あんた何かに負けないわ!」

タイガはストライクベントであるデストクローでファムを攻撃。
ファムはガードベントでウィングシールドを召喚し、攻撃を防ぐ。

TRICK VENT

ガイ「3人に分かれたか。だったらこれならどうだ!」

メタルバイザー@音声「コンファインベント」

一方、ナイトはトリックベントで3人に分身し、ガイを翻弄するが、
ガイはコンファインベントを発動し、その効果を無効化する。

バイオバイザー@音声「クリアーベント」
オルタネティブ・ゼロ「消えた!?」
龍騎「気を付けてください!」

そしてベルデと戦う龍騎とオルタナティブ・ゼロだが、ベルデは
クリアーベントで姿を消し、周囲を警戒する。

ベルデ「(死ね!)」

ベルデはオルタナティブ・ゼロの背後に廻り、トドメをさそうとする。
その瞬間クリアーベントの効果が切れてベルデが姿を現した。

龍騎「香川先生!」
オルタナティブ・ゼロ「―!」

ADVENT

サイコローグ「―!」
ベルデ「ぐわぁぁ!」

ベルデの存在に気付いたオルタナティブ・ゼロは咄嗟に契約モンスター
であるコオロギ型モンスターのサイコローグを召喚し、ベルデの攻撃を
防いだ。

ベルデ「くっ、よくもやりやがったな!やれ、バイオグリード!!」
龍騎「させるか!!」

STRIKE VENT

龍騎「昇竜突破(ドラグクローファイアー)!!」
バイオグリード「ギシャァァァァ!!」ドカーン

ベルデはバイオグリードを召喚して、オルタナティブ・ゼロを襲わせるが、
龍騎はストライクベントを発動させ、必殺の「昇竜突破(ドラグクローファイアー)」
によりバイオグリードを倒す。その攻撃はベルデさえも巻き込み、その衝撃により
ベルデの変身は解かれ高見沢に戻る。

龍騎「高見沢・・・・お前はもう変身できない。おとなしく捕まってくれ」
高見沢「くそ・・・・・くたばってたまるか!」

もう変身出来ない高見沢に龍騎は、おとなしく投降するように言う。
高見沢は、逃げようともがく。その時・・・・・・。

ドカァァァン!

ガタック、バース、電王S「「「うわぁぁぁ!!!」」」
龍騎「何だ!?」

突如、研究室の扉が開き外で戦っていたガタック達が吹き飛ばされて
来る。そして扉の向こうから紫色のボディにコブラを思わせるマスクの
怪人が現れた。

王蛇「・・・・よう、シグフェルって野郎は、此処にいるのか?」

最悪のライダー、王蛇が姿を現すのであった。

639ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/02/23(火) 18:11:54
◯仮面ライダー龍騎/城戸真司→高見沢の研究所に乗り込み、
   バイオグリードを倒して、ベルデの変身を解く。
◯仮面ライダーナイト/秋山蓮→高見沢の研究所に乗り込み、ガイと戦う。
◯仮面ライダーファム/霧島美穂→高見沢の研究所に乗り込み、タイガと戦う。
●仮面ライダーベルデ/高見沢逸郎→研究所に乗り込んだ龍騎と戦うが
   バイオグリードが倒され、変身が解かれてしまう。
●バイオグリード→龍騎によって倒される。
●仮面ライダーガイ/芝浦淳→ナイトと戦う。
●仮面ライダータイガ/東條悟→ファムと戦う。
●仮面ライダー王蛇/浅倉威→高見沢の研究所に現れる。
△佐野満→真司達に情報を教え、研究所へ案内する。
△オルタナティブ・ゼロ/香川英行→オルタナティブを開発。龍騎と共に
  ベルデと戦う。
△サイコローグ→オルタナティブ・ゼロに召喚され、ベルデを攻撃する。
◯リュウレンジャー/天火星亮→高見沢の研究所に乗り込み、メーミィと戦う。
◯シシレンジャー/天幻星大五→高見沢の研究所に乗り込み、鍵道化師と戦う。
◯テンマレンジャー/天重星将児→高見沢の研究所に乗り込み、ザイドスと戦う。
◯キリンレンジャー/天時星和→高見沢の研究所に乗り込み、ガラと戦う。
◯ホウオウレンジャー/天風星リン→高見沢の研究所に乗り込み、口紅歌姫と戦う。
◯キバレンジャー/吼新星コウ→高見沢の研究所に乗り込み、シャダムと戦う。
●シャダム中佐→高見沢の研究所で、コウと戦う。
●ガラ中佐→高見沢の研究所で、キリンレンジャーと戦う。
●ザイドス少佐→高見沢の研究所でテンマレンジャーと戦う。
●鍵道化師→シシレンジャーと戦う。
●口紅歌姫→ホウオウレンジャーと戦う。
◯仮面ライダーガタック→高見沢の研究所に乗り込む。
●間宮麗奈→高見沢の研究所で警備を担当する。
●乃木怜治→高見沢の研究所で警備を担当する。
●アラクネアワーム・ルボア→ガタックに倒される。
◯仮面ライダー電王S→高見沢の研究所に乗り込む。
●モールイマジン→電王Sに倒される。
◯仮面ライダーバース→高見沢の研究所に乗り込む。
●魔導神官メーミィ→高見沢の研究所でリュウレンジャーと戦う。
◯財前丈太郎→光平達に、高見沢についての情報を伝える。

◯天凰輝シグフェル/牧村光平→佐野の情報で高見沢の研究所に乗り込む。

640ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/02/23(火) 18:12:34
【今回の新登場】
◯天幻星大五=シシレンジャー(五星戦隊ダイレンジャー)
 シシレンジャーに変身するダイレンジャーの1人。棒術と幻覚で
 相手を翻弄する技巧派の戦士で、獅子拳の使い手。普段は
 ペットショップの店員をしている。孔雀明王の化身であるクジャクと
 心を通わせた。

◯天時星和=キリンレンジャー(五星戦隊ダイレンジャー)
 キリンレンジャーに変身するダイレンジャーの1人。酔拳が基になっている
 麒麟拳の使い手。普段は美容師をしており、常にオシャレなスーツで決めて
 いる気障な気取り屋で丁寧語を話す。一人称は「僕」だが時々「ミー」を使う。
 好物は豆腐。

◯天風星リン=ホウオウレンジャー(五星戦隊ダイレンジャー)
 ホウオウレンジャーに変身するダイレンジャーの紅一点。中国から
 日本の大学に来た留学生で鳳凰拳の使い手。道士・嘉挧の姪。
 ダイレンジャーの中で最も気力が強い。メディア魔術師の策略で
 アイドルデビューした事がある。

◯吼新星コウ=キバレンジャー(五星戦隊ダイレンジャー)
 キバレンジャーに変身する小学生。ダイ族の血を引く母親と
 ゴーマ族の幹部であるシャダム中佐の間で生まれた子供で
 誕生日が12月24日で、10歳になるまでに母親と再会しなければ
 ゴーマの血が目覚めて凶暴化する宿命を背負っていた。阿古丸
 とは双子の兄弟。悪戯好きでスケボーが得意。叔父夫婦に育てられて
 いたが、後にリンと同居する。

●鍵道化師(五星戦隊ダイレンジャー)
 鍵をモチーフにしたゴーマ怪人。人間態は血相の悪い黒づくめの男。
 あらゆる物の鍵を開ける能力を持ち、人間の魂を開けて取り出す事も
 可能。「抜き取った魂を人形に宿し、自我を持った人形に人々を襲わせる」
 という任務を受け、夜な夜な子供の魂を抜き取って人々を混乱させた。

●口紅歌姫(五星戦隊ダイレンジャー)
 口紅がモチーフのゴーマ怪人。相手の唇に口紅を塗って操る事が出来、
 口から超音波を放つ事が出来る。操った女性を「悪魔聖歌隊」に仕立て
 ダイレンジャーを苦しめた。実はコットポトロの親玉。

●アラクネアワーム・ルボア(仮面ライダーカブト)
 地球に棲むクモに似た能力を持つワーム。両腕に装備した消火粘膜入りの
 ウェブシューターからのクモの糸で相手を絡め取る攻撃を得意とする他、
 同種と連携して攻撃を行う。

●モールイマジン(仮面ライダー電王)
 「親指姫サンプリーナ」からモグラをイメージし、この世に現出したイマジン。
 アックスハンド、ドリルハンド、クローハンド、クロスハンド、ヒッポハンドと
 左腕の装備が違う種類が存在する。
 
△サイコローグ(仮面ライダー龍騎)
 オルタナティブ及びオルタナティブ・ゼロと契約したコオロギ型のミラーモンスター。
 怪力と顔から発射する弾丸が武器。ファイナルベント及びホイールベントで
 「サイコローダー」と呼ばれるバイクモードに変形できる。

641ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/02/25(木) 13:56:52
<<ベルデの最期-5>>
――時は少し遡る。研究所を案内した佐野は、その場を立ち去ろうとした時
ある人物と遭遇する。その人物こそ、仮面ライダー王蛇に変身する
浅倉威だった。

佐野「あ、浅倉威!?何で此処に・・・・」ガクガク
浅倉「此処か?シグフェルって野郎がいる場所は・・・・」
佐野「シグフェル?!・・・・ああ、シグフェルはこの研究所の中にいる。
 シグフェルだけじゃなく城戸や秋山もいるぜ」

神崎士郎から情報を得た浅倉威はシグフェルと戦う為に、この
研究所へやって来たのであった。一刻も、この場を離れたい佐野は
浅倉にシグフェルや龍騎の事を話す。

浅倉「・・・・そうか」
佐野「じゃあ、俺は用事があるから、この辺で・・・・・」
浅倉「・・・・おい。そういえばお前もライダーだったよな?
 肩慣らしに俺と戦えよ!」
佐野「ひぃ!」

そのまま、この場から逃げようとした佐野だったが、浅倉は佐野が
自分同様ライダーである事を思い出し、シグフェルと戦う前に、
肩慣らしをしようと佐野に戦いを強要する。

佐野「か、勘弁してくれ!!俺はライダーを辞めるって決めたんだ」
浅倉「ごちゃごちゃうるせえ!俺と戦え!!」
佐野「ぐふっ!」

佐野は浅倉に対して命乞いをするが、浅倉は、その姿にイラつき
思いっきり殴りつけるのだが、強力な一撃を喰らい、佐野は気絶して
しまう。

浅倉「ちぃ・・・・・まあ良い。どうやら中は楽しい状況みたいだしなあ」

浅倉は気絶した佐野を放置して、シグフェルを探しに研究所の中に
入る事を決める。そして水たまりを見つけて、コブラのエンブレムが
付いた紫色のカードデッキを翳す。そして浅倉の腰にⅤバックルが
出現した。

浅倉「変身・・・!」

Ⅴバックルにカードデッキを入れると、ガラスが割れる音と共に
浅倉の姿はコブラを象った紫のメタリックアーマーの怪人に変わる。
最悪のライダー、仮面ライダー王蛇となった。

王蛇「・・・・さて、行くか」

王蛇は研究所の中へと足を踏み入れた。

♢ ♢ ♢ ♢ ♢

その頃、研究所の中でワームやイマジンを相手に戦っていた
ガタック達の前に、間宮麗奈と乃木怜治が現れる。

電王S「何だ、コイツ等は?」
ガタック「こいつらもワームだ。それも今戦っていた奴らよりも強い!」
乃木「ブレイバーズ、貴様達を始末してやる!!」

間宮麗奈と乃木怜治は元の姿であるウカワーム、カッシスワームとなり
ガタック達を襲う。だが、そこに誰かが近づいてくるのを感じ取る。

王蛇「ほう、盛り上がっているなあ・・・・・。シグフェルはいるか?」
電王S「おい、また誰か来たぞ!」
ガタック「誰なんだ、お前は!?」
王蛇「いねえのか・・・・?ちぃ、イライラしてくる。仕方が無い、お前ら
 でも良い・・・・・俺と戦いな!」

目的の人物であるシグフェルがいない事に苛立ち、憂さを晴らそうと
ガタック達に戦いを仕掛ける事を決め、召喚機である牙召杖ベノバイザーに
カードを読み込ませる。

SWORD VENT

ソードベントのカードが読み込まれ、王蛇の手にベノスネーカーの
尾を模した黄金の硬鞭「ベノサーベル」が召喚され、それをガタック達に
向けて振るいだす。

電王S「うぉ!危ねえじゃねえか、この野郎!!」
王蛇「ハハハハハ!どうしたどうした!!」
ガタック「くっ・・・・何なんだ、コイツは!?」

王蛇の出鱈目な攻撃に、電王Sやガタックは翻弄されてしまう。

カッシスワーム「いきなり現れて、我々の獲物を横取りするとは何者だ!?」
ウカワーム「待て。確か奴の名は浅倉威・・・・敵も味方も関係なく攻撃する
 という危険な男・・・・・このままでは奴の攻撃に我々も巻き込まれてしまう
 かもしれない。ここは退くぞ」

浅倉の持つ危険性を感じ取ったウカワーム達は、巻き込まれないように
その場を撤退した。そして王蛇の攻撃にガタック達は龍騎達が戦っている
研究室まで吹き飛ばれてしまう。

ガタック、電王S「「うわぁぁぁ!!」」

そして王蛇は研究室の中に入り、その場にいる一同に向かって
尋ねる。

王蛇「・・・・よう、シグフェルって野郎は、此処にいるのか?」

642ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/02/25(木) 15:51:05

龍騎「浅倉・・・・!」
ガイ「何故、奴が此処に・・・・!?」

現れた王蛇の姿を見て、王蛇の事を良く知る龍騎やガイ等の
ミラーライダー達に戦慄が走る。

ファム「・・・・・浅倉ァ〜〜〜!!」
龍騎「待て、美穂!」

ライダー同士のバトルが「なかった事」にされた事により、浅倉に
殺された美穂の姉は殺されず、今も生存しているが、前の歴史を
思い出し、姉を殺した事のある浅倉を許せずファムは王蛇に斬りかかる。

王蛇「ほう、あの時の女か・・・・。俺と戦いたいっていうのなら、
 相手をしてやる」
ファム「くっ・・・・!」
龍騎「美穂!俺達も加勢するぞ、蓮!」
ナイト「仕方ない・・・・!」

王蛇の危険性を一番知っている龍騎達はファムに続き、王蛇に
向かって攻撃をするが、王蛇は受け流していく。

王蛇「城戸に秋山か・・・・お前らも相手したい所だが、面倒だ。
 こいつと遊んでいろ!」

ADVENT

王蛇はアドベントカードを読み込み、契約しているコブラ型モンスター、
ベノスネーカーが召喚される。

ベノスネーカー「キシァァァァァ!!」
龍騎「うわぁ!」
テンマレンジャー「うぉっと、こっちにも来やがった!」
ザイドス少佐「おい、我々は味方だぞ!」
メーミィ「ふ、不愉快よ!」

召喚されたベノスネーカーは龍騎達のみならず、周囲で戦っている
ダイレンジャーや同じGショッカーであるゴーマやメーミィ達を巻き込んで
暴れる。

鍵道化師「ぐわぁ!」
口紅歌姫「そんな・・・・!」

ベノスネーカーの見境ない攻撃により、ゴーマ怪人の鍵道化師と
口紅歌姫を深いダメージを受けてしまう。

オルタナティブ・ゼロ「うっ!」
龍騎「先生!」

オルタナティブ・ゼロも攻撃に巻き込まれ、変身が解かれてしまい、
香川は、そのまま気を失ってしまった。

メーミィ「もう付き合いきれないわ!!我は帰るわよ」
シャダム中佐「我々もだ。ダイレンジャー、この次は決着を着けるぞ!」

王蛇とベノスネーカーの攻撃に、巻き込まれない様メーミィとシャダム達
ゴーマ3幹部は研究所から撤退した。

高見沢「・・・・(奴らの注意が浅倉に向いている隙に、この場を脱出だ!)」

そして倒れていた高見沢は、周囲が王蛇に気取られている隙に
高見沢は人知れず、その場を逃げ出すのであった。

643ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/02/25(木) 15:51:52
一方、佐野から得た情報により捕えられている優香の部屋へ
やって来たシグフェル。部屋に入ると檻の中に捕われている
優香を見つける。

シグフェル「優香!」
優香「光平くん!?助けに来てくれると信じていたわ!」

優香と再会を果たしたシグフェルは、優香を檻から連れ出そうと
するが、突如部屋の壁が崩れ、龍騎が吹き飛ばされてくる。

シグフェル「真司さん!」
龍騎「うう・・・・」
王蛇「・・・・・お前がシグフェルか?ようやく会えたぜ!」
シグフェル「お前は・・・?」
王蛇「ハハハハ、俺と来てもらうぞ!」

崩れた壁の先から王蛇が姿を現し、ようやく目的の人物である
シグフェルと会えた事に喜び、存分に戦おうと邪魔が入らない
ように、研究室にある鏡を通ってミラーワールドにシグフェルを
連れ込んだ。

龍騎「シグフェルが・・・・助けに行かないと!」
ナイト「そんな身体で大丈夫か?」
龍騎「ミラーワールドなら、俺達の出番だろ?なら行かないと」
ファム「分かった。行きましょう」
バース「沢渡優香さんと香川教授は我々が保護します。彼を追って下さい」
優香「光平くんの事を頼みます」
龍騎「任せなって!必ず連れて帰るよ」

ミラーワールドに連れてかれたシグフェルを助ける為、龍騎、ナイト、
ファムはミラーワールドへ向かう。シグフェル=光平の事を案じる
優香に龍騎は仮面越しで笑みを浮かべながら、その言葉を受け取った。

鍵道化師「わ、私達の事を・・・・忘れてもらっては困るぞ!」
口紅歌姫「巨大化爆弾!」

ベノスネーカーの攻撃に巻き込まれたゴーマ怪人の鍵道化師と
口紅歌姫だが、ダメージを負いつつも立ち上がり、巨大化爆弾で
巨大化する。建物の中にいる為、研究所は崩れる。

ガタック「や、やばい!優香ちゃん、こっちへ」
バース「香川教授は私が背負います」
リュウレンジャー「ゴーマは俺たちに任せてくれ。行くぞ、皆!」
ダイレンジャー「「「「「「気伝招来!」」」」」」

建物が崩れるので、ガタックとバースは優香と気を失っているを連れ出す。巨大化した
ゴーマ怪人と戦う為、ダイレンジャー達はそれぞれの気伝獣を呼び出す。

リュウレンジャー「龍星王、武人変形!五星合体」
ダイレンジャー「「「「「大連王」」」」」
キバレンジャー「ウォンタイガー、武人変形!」

龍星王は武人変形で人型になった後、星獅子、星天馬、星麒麟、
星鳳凰と武人合体して、中国の武人を思わせる大連王となり、
ウォンタイガーは武人変形で、人型となった。

電王S「よ〜し、真の主役の俺様も行くぜ行くぜ行くぜ〜!!」

電王Sはデンライナーを呼び出して、巨大化したゴーマ怪人に
立ち向かう。

ガイ「・・・・滅茶苦茶になったけど、この混乱に乗じてシグフェルを
 仕留めるチャンスだ。行くよ、東條君」
タイガ「あっ・・・ああ!」

ガイ、タイガもシグフェルを仕留めようとミラーワールドへ向かった。
今、それぞれの戦いで決戦が始まるのであった。

644ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/02/25(木) 16:21:03
◯仮面ライダー龍騎→シグフェルを助ける為、ミラーワールドへ向かう。
◯仮面ライダーナイト→シグフェルを助ける為、ミラーワールドへ向かう。
◯仮面ライダーファム→シグフェルを助ける為、ミラーワールドへ向かう。
●仮面ライダー王蛇/浅倉威→シグフェルをミラーワールドへ連れて行く。
●仮面ライダーガイ→シグフェルを仕留める為、ミラーワールドへ向かう。
●仮面ライダータイガ→シグフェルを仕留める為、ミラーワールドへ向かう。
●高見沢逸郎→ドサクサに紛れて逃亡する。
△佐野満→浅倉威に殴られて気絶する。
△オルタナティブ・ゼロ/香川英行→ベノスネーカーの攻撃に変身が解かれ、
  気絶する。
●ベノスネーカー→王蛇に召喚され、見境なく攻撃する。
◯リュウレンジャー→気伝獣を呼び出し、大連王に合体する。
◯キバレンジャー→ウォンタイガーを呼び出し、武人変形させる。
●シャダム中佐→ベノスネーカーの攻撃に撤退する。
●ガラ中佐→ベノスネーカーの攻撃に撤退する。
●ザイドス少佐→ベノスネーカーの攻撃に撤退する。
●鍵道化師→ベノスネーカーの攻撃にダメージを受け、巨大化する。
●口紅歌姫→ベノスネーカーの攻撃にダメージを受け、巨大化する。
●魔導神官メーミィ→ベノスネーカーの攻撃に撤退する。
◯仮面ライダー電王S→デンライナーを呼び出す。
◯仮面ライダーガタック→優香を安全な場所へ連れて行く。
●ウカワーム/間宮麗奈→浅倉に危険性を感じて撤退する。
●カッシスワーム/乃木怜治→浅倉に危険性を感じて撤退する。
◯仮面ライダーバース→香川を安全な場所へ連れて行く。

◯天凰輝シグフェル→優香と再会するが、王蛇にミラーワールドへ連れて行かれる。
◯沢渡優香→光平と再会し、ガタック達に保護される。

【今回の新登場】
●ベノスネーカー(仮面ライダー龍騎)
仮面ライダー王蛇が最初に契約したコブラ型のミラーモンスター。
凶暴な性格をしており、口から放つ毒液と頭部両脇のベノハーシュと
呼ばれる刃を武器に戦う。契約者である浅倉威に忠誠的。

645ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/02/27(土) 11:03:05
>>635の前段冒頭に挿入。

優香が連れ去られ、香川教授がオルタナティブの開発を高見沢から
強要されてから、およそ一週間が経過した。

***海防大学付属高校・総合普通科2年A組教室***

朱音「みんなおはよう♪ これから出欠を取りますから
 みんな席に座って!」

朝の始業時間、担任の千坂朱音が教室に入り、
朝礼と共に生徒の出欠確認を取り始める。
しかしそこには、今日も沢渡優香の姿は席にない…。

朱音「…あら? 沢渡さんは今日も欠席?
 光平君、慎哉君、何か聞いてない?」
光平「……すみません。俺には詳しい事は何も…」
慎哉「俺も、ただ熱が出て風邪が長引いているとしか…」

学校には、優香が急な高熱と咳で体調を崩し、
寝込んでいると伝えられていた。

朱音「ここまで長引くとなると、相当具合が悪いのかしら。心配ね…。
 光平君、それに慎哉君も、もし沢渡さんの家にお見舞いに行くことが
 あるようなら"お大事に"って伝えておいて」
光平「わかりました…」
朱音「みんなもうがい手洗いはしっかりして、
 体調管理には気をつけましょう」
光平「………」


***同校舎・屋上***

光平「くそっ!!」

授業が終わって休憩時間となり、校舎の屋上へと出た光平は、
苛立ち紛れに右の拳を壁に叩きつける。

雄大「光平先輩…」
慎哉「光平、気持ちは分かるけど少し落ち着けよ」
光平「優香の身が危ないっていうのに、俺は何もしてやれないのか…!」

その後、警視庁の特殊班が捜査令状を取り、高見沢グループ本社オフィスや
高見沢逸郎の私邸を急襲したが、いずれも蛻の殻であった。

雄大「光平先輩、学校が終わったら、みんなで今日もまた赤龍軒に行ってみましょうよ。
 もしかしたら新しい情報が入ってるかもしれません!」
慎哉「俺もそう思う。俺や雄大だって、沢渡がピンチだっていうのに
 歯痒い気持ちはお前と同じなんだ。沢渡を助け出せるチャンスは必ず来る!
 今はそう信じて待つんだ!」
光平「………」

646ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/02/27(土) 11:04:44
>>635>>636の間に挿入。

***天童菊之丞邸***

一方、密かに天童邸へと戻った千坂朱音は、
事の次第を用人・高坂正眼に逐一報告していた。
どうやら朱音は、優香が学校を長期欠席している
真の理由についても承知しているようだ。

朱音「すでに高見沢逸郎の一味の一人であった佐野満という男が、
 Gショッカーからの足抜けを計ってブレイバーズに接触。
 それと内取からの情報も併せて、いよいよブレイバーズは
 高見沢が隠れ家に使用している秘密の研究施設に、
 手勢を編成して乗り込む様子にございます」
正眼「その高見沢逸郎はブレイバーズの出資スポンサーにも
 名を連ねていた男。敵対していると見せかけて、
 実は両者が裏で繋がっている可能性はあるまいな?」
朱音「それはないものと」

庭先に控える朱音の報告を、茶室の中から静かに聞いていた正眼は、
自ら立てた茶で一服入れると、茶碗をすぐ側の脇に置く。

正眼「高見沢逸郎は経済界にも影響力を持つ大物。
 そのような男がGショッカーと通じて、聖天子様のお膝元を
 騒がすとあっては、補佐官たる菊之丞様も、この事態を捨てては置けぬが、
 もしブレイバーズが問題解決のために乗り出してきたとあっては、
 我らは一切邪魔はせぬ」
朱音「………」
正眼「この件、ブレイバーズの好きにさせい。奴らの手で解決させよとの
 菊之丞様のお言葉である」
朱音「ハハッ」



>>639に追加。

○朝倉慎哉→休憩時間に校舎の屋上で、落ち込んでいる牧村光平を励ます。
○岡島雄大→休憩時間に校舎の屋上で、落ち込んでいる牧村光平を励ます。
△千坂朱音→高坂正眼にブレイバーズの動きを報告する。
△高坂正眼→高見沢逸郎との決戦に赴くブレイバーズの動きを静観する事にする。

647ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/03/02(水) 12:00:07
<<ベルデの最期-6>>
***ミラーワールド***

王蛇によって、ミラーワールドに連れてこられたシグフェルは、王蛇から
執拗な攻撃を受ける。

王蛇「おらぁ、どうした!」
シグフェル「くっ・・・・この感じ、まるでキアイドーと戦っているようだ!」

シグフェルは王蛇の戦いぶりから、かつて戦った強敵をキアイドーを
重ねた。

龍騎「やめろぉぉぉ!!」
王蛇「ちっ!邪魔が入って来たか」

そこへシグフェルを助ける為、現実世界から龍騎、ナイト、ファムが
駆けつける。

龍騎「大丈夫か、シグフェル!」
シグフェル「ありがとうございます。城戸さん」
龍騎「よかった・・・・・浅倉、お前まだ、こんな事を!」
王蛇「ふん。今までの戦いが【無かった事】になって、世界が変わろうとも
 俺は俺だ!確かに俺の犯した犯罪とかも無かった事になったのは
 好都合だが、イライラしてしょうがなかった。だが、このデッキを手にして
 俺は思い出した!ライダーとなってライダーバトルをしていくのが
 俺なんだってなあ・・・・・今回はライダーだけじゃねえ。色んな奴らと
 バトルファイトが出来る。この祭りをもっと盛り上げようぜ!」
龍騎「・・・・だったら、俺が・・・・・俺達が止めて見せる!行けるか、シグフェル?」
シグフェル「はい!俺も奴を止めてみせます」
王蛇「そうか・・・・・だったら、来いよぉ!」

王蛇は、龍騎やシグフェル達に向かって、ソードベント「ベノサーベルを
振り回しながら攻撃を始める。

デストバイザーの音声「フリーズベント」

シグフェル「う、身体が動かない・・・・・!」
ガイ「よくやった!東條くん。今ならシグフェルは動かない」
王蛇「てめえらも来やがったか!」

王蛇と戦っていたシグフェルは突如、身体が動かなくなる。シグフェル達を
追ってきたガイとタイガが、シグフェルを狙ってタイガの持つ相手の動きを
封じるアドベントカード「フリーズベント」を発動させたのである。

ガイ「シグフェルを仕留めれば、ボーナス点だ!」
ナイト「させるか!」

ガイはストライクベント「メタルホーン」を装備して、動きが封じられている
シグフェルに向かって攻撃しようとする。ナイトはソードベント「ウィングランサー」で
迎え撃った。

ファム「覚悟しなさい、浅倉!」
王蛇「貴様も、しつこい女だな!」

ファムも王蛇に向かって、羽召剣ブランバイザーで攻撃を仕掛け、
王蛇はベノサーベルで攻撃を防いでいく。

ガイ「ならば、こいつが相手だ!」

ADVENT!!

メタルゲラス「グォォォォォ!!」

ガイは契約しているサイ型モンスター、メタルゲラスを召喚し、
シグフェルを仕留めようと向かわせた。

龍騎「させるか!」

ADVENT!!

ドラグレッダー「グワァァァァアァ!!」

シグフェルを守ろうと、龍騎はドラグレッダーを召喚して
メタルゲラスの攻撃を防いだ。

タイガ「今がチャンスだ!」

FINALVENT!!

デストワイルダー「グワァァァオオオオン!!」
シグフェル「うわぁ!」

タイガは隙をついて、デストバイザーにファイナルベントカードを
読み込ませる。ファイナルベントの為、召喚されたタイガと契約
している虎型モンスター、デストワイルダーはシグフェルを押し倒し、
タイガの元へと引きずり出す。そしてタイガはデストクローを装備して
待ち構えていた。このまま行けば、タイガはシグフェルを突き立てて
持ち上げ、結晶爆発させる【クリスタルブレイク】が決まってしまう。

ズキューン!ズキューン!

デストワイルダー「グワァ!」
タイガ「何!?」

だがシグフェルを引きずっているデストワイルダーは、突如銃弾による
攻撃を受けてしまう。デストワイルダーが攻撃された事にタイガは驚いた。

ゾルダ「やれやれ、その技は隙だらけで、こうしてモンスターを攻撃して
 しまえば、ファイナルベントは無効になる事は、前の歴史で良く分かっていると
 思ったんだけどねえ」
タイガ「お前は北岡!?」

648ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/03/02(水) 14:39:38
現れたのはゾルダ、そしてライアだった。実はライアは、人質として
命を狙われていた香川教授の家族を救う為、別行動をしていたのであった。

ライア「待たせたな。城戸、シグフェル」
龍騎「手塚!何で、北岡と一緒なんだ?」
ライア「香川教授の家族を狙っていたGショッカーの連中を倒した後、
 嫌な予感がしてな。北岡に連絡したんだ」
ゾルダ「勿論、報酬は請求させてもらうよ」

ライアはゾルダを連れて来た理由を話す。ゾルダは、今回の件が
終わった後、報酬を請求するつもりである。

王蛇「久しぶりだなぁ、北岡。ようやく貴様と決着がつけれるぜ!」
ゾルダ「おいおい、お前の犯罪は無かった事になっているんだろ。
 だったら、俺を狙うのをやめてくれない?」
王蛇「ふん、俺はお前をようやく倒せたと思った。だが、お前は
 俺と決着を着ける前にくたばり、俺が倒したと思ったのは別の
 奴だった。あの時ほど苛立った事はねえ・・・・だからこそ、
 俺はお前を倒し、あの時の雪辱を晴らしてやる!」

前回の歴史では、王蛇こと浅倉は宿敵であるゾルダを殺害したが
その時には北岡は体を蝕んでいた不治の病の病状が悪化して死亡し、
代わりにゾルダとして戦ったのは、北岡の秘書であった由良吾郎だった。
それを知った浅倉は、願望が達成できなかった事により苛立ちは
限界点に達し、そして待機していた機動隊に鉄パイプ一本で対峙し、
射殺されるという最期を迎えた。王蛇はあの時果たせなかった北岡との
決着を着けようとする。

ゾルダ「・・・俺も決着を着けたいと思っているけどさ。生憎、今回は
 そういう場合じゃないんでね。決着は、また今度さ!」

FINALVENT!!

龍騎「げっ!やばい。皆逃げろ!!」
シグフェル「―!?」

ゾルダはファイナルベント「エンドオブワールド」を発動させると、
契約しているバッファロー型モンスターのマグナギガが出現し、
背中にマグナバイザーをセットし、引き金を引くとマグナギガの
全砲門が開き、一斉斉射される。ゾルダがファイナルベントを発動すると
察した龍騎達は攻撃を受けないように離れる。シグフェルもフリーズベントの
効果が切れたので何とか回避した。そして攻撃が晴れると、王蛇は
ガイを盾にして攻撃を防ぎ、無傷であった。

ガイ「お、お前・・・・また俺を!?」
王蛇「俺の近くにいたァ・・・・お前が悪い!!」ザシュ
ガイ「がはぁ・・・・・あ・・・・あ・・・!!」

王蛇に盾にされ、エンドオブワールドでボロボロとなったガイに
王蛇はベノサーベルで突きつけ、ガイの身体を刺し貫いた。

龍騎「芝浦!?」
シグフェル「何て奴だ!」
ガイ「あ・・・あ・・・・ここで・・・・ゲームオーバー・・・・かよ」ガクッ

身体を刺し貫かれたガイの変身は解かれ、芝浦の姿に戻ると
そのまま倒れ、消滅した。

メタルゲラス「グゥゥゥゥ!!」
王蛇「ちょうどいい・・・また俺の物になってもらうぞ」

エンドオブワールドにより深いダメージを負ったメタルゲラスに
王蛇は契約のカードを使用し、メタルゲラスと契約する。

タイガ「あ・・・あぁ・・・・!!」
王蛇「さて仕切り直しといこうか?」
シグフェル「くっ・・・・!」

芝浦が消滅し、タイガは王蛇に恐怖する。仕切り直して戦闘を
続行しようとする王蛇にシグフェル達に戦慄が走る。

王蛇「ちっ!・・・・時間切れか」
ナイト「・・・・俺達も時間切れだ。脱出するぞ!」

だが、ミラーワールドにいられる時間に限界が来てしまった為、
王蛇は戦闘を諦め、その場を撤退した。そしてシグフェルや
龍騎達も同じく、時間切れによりミラーワールドから脱出する
のであった。

649ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/03/02(水) 15:13:43
◯仮面ライダー龍騎→ミラーワールドでシグフェルを助ける。
◯仮面ライダーナイト→ミラーワールドでシグフェルを助ける。
◯仮面ライダーファム→ミラーワールドでシグフェルを助ける。
◯仮面ライダーライア→ミラーワールドでゾルダを連れてくる。
◯仮面ライダーゾルダ→ライアに連れてこられ、ファイナルベントを発動させる。
●仮面ライダー王蛇→シグフェルをミラーワールドに連れてきて戦闘。
  ガイを盾にして始末し、メタルゲラスと契約を結ぶ。
●仮面ライダーガイ→王蛇に盾にされ、エンドオブワールドの攻撃を受けた後、
  王蛇に始末され、ミラーワールドで消滅する。
●仮面ライダータイガ→シグフェルにファイナルベントを行うが、ゾルダに
   阻止されてしまう。
●メタルゲラス→ガイが死亡した後、王蛇と契約させられる。
●デストワイルダー→シグフェルにファイナルベントを行うが、ゾルダの
   攻撃を受けて阻止されてしまう。
△マグナギガ→ファイナルベントの為、召喚される。

◯シグフェル→王蛇にミラーワールドに連れてこられ、戦闘を行う。

【今回の新登場】
●メタルゲラス(仮面ライダー龍騎)
 仮面ライダーガイと契約した二足歩行のサイ型ミラーモンスター。
 頭部のドリル状の角の両手の鋭利な爪を武器とし、巨体を活かした
 突進攻撃を得意としている。ガイの死後は仇として王蛇を付け狙って
 いたが、逆に契約させられてしまう。ジェノサイダーの身体を構成する。

650ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/03/03(木) 14:28:40
>>648>>649の間に挿入

***某研究所***

ミラーワールドでシグフェル達と王蛇の戦いが起きていた頃、
研究所の外では巨大化したゴーマ怪人とダイレンジャーの乗る
気伝武人、電王Sが呼び出したデンライナーが戦っていた。

鍵道化師「うぉぉぉぉ!!」
ホウオウレンジャー@大連王「天風星・一文字竜巻!!」
鍵道化師「ぬぉぉ!」

鍵道化師の攻撃に、大連王に乗るホウオウレンジャーは自身の
気力技を送り込み、大連王から複数の竜巻が巻き起こる。
竜巻をぶつけられ、鍵道化師は怯む。

リュウレンジャー「よし、今だ!」
ダイレンジャー「大王剣・疾風怒濤!!」

鍵道化師が怯んだ隙に、ダイレンジャーは大連王の必殺技である
「大王剣・疾風怒濤」を繰り出そうと、鞘から大王剣を取り出し、
鍵道化師に向けて袈裟斬りを行った。

鍵道化師「ムヒョォ!ここまでか・・・・・!」

袈裟斬りされた鍵道化師は、そのまま倒れて爆発する。
そして大連王は大王剣を鞘に納めて、勝ちポーズを取る。

口紅歌姫「私の歌を聞きなさい!ア〜♪」

一方、ウォンタイガーとデンライナーは口紅歌姫と戦っていた。
口紅歌姫は口から音波攻撃を繰り出す。

電王S@デンライナー「ぬぉ!ひでぇ音だ!!」
白虎真剣「コウ!あっちが音で攻撃をするなら、こっちも音で反撃だ!」
キバレンジャー@ウォンタイガー「分かった!」

口紅歌姫の音波攻撃にデンライナーに乗る電王Sは怯み、キバレンジャーの
パートナーである言葉を話す剣、白虎真剣はキバレンジャーにアドバイスする。

キバレンジャー「大咆哮!!」

アドバイスを受けたキバレンジャーは、ウォンタイガーを白虎形態に戻すと
衝撃波である「大咆哮」を繰り出す。それにより「大咆哮」と口紅歌姫の歌声は
相殺された。

電王S「よ〜し、音が消えたな!主役の俺に任せろ!!」

口紅歌姫の音波攻撃が消えた事により、電王Sはデンライナーを動かし、
デンライナーに装備されている武装で攻撃していく。

白虎真剣「コウ、俺達もトドメの必殺技だ!」
キバレンジャー「よ〜し、虎の子大秘術・火炎玉!!」
口紅歌姫「いやぁぁぁぁぁ!!」

口紅歌姫がデンライナーの攻撃を受けている時に、キバレンジャーは
ウォンタイガーをすかさず気伝武人に変形させ、必殺技である
「虎の子大秘術・火炎玉」で口紅歌姫を攻撃。口紅歌姫は大ダメージを
受けてしまう。

口紅歌姫「もっと・・・歌いたかった〜」

口紅歌姫もデンライナーの攻撃やウォンタイガーの攻撃を受けて
爆発し倒されるのであった。

651ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/03/03(木) 14:38:40
>>649加筆
◯仮面ライダー龍騎→ミラーワールドでシグフェルを助ける。
◯仮面ライダーナイト→ミラーワールドでシグフェルを助ける。
◯仮面ライダーファム→ミラーワールドでシグフェルを助ける。
◯仮面ライダーライア→ミラーワールドでゾルダを連れてくる。
◯仮面ライダーゾルダ→ライアに連れてこられ、ファイナルベントを発動させる。
●仮面ライダー王蛇→シグフェルをミラーワールドに連れてきて戦闘。
  ガイを盾にして始末し、メタルゲラスと契約を結ぶ。
●仮面ライダーガイ→王蛇に盾にされ、エンドオブワールドの攻撃を受けた後、
  王蛇に始末され、ミラーワールドで消滅する。
●仮面ライダータイガ→シグフェルにファイナルベントを行うが、ゾルダに
   阻止されてしまう。
●メタルゲラス→ガイが死亡した後、王蛇と契約させられる。
●デストワイルダー→シグフェルにファイナルベントを行うが、ゾルダの
   攻撃を受けて阻止されてしまう。
△マグナギガ→ファイナルベントの為、召喚される。
◯リュウレンジャー→大連王で鍵道化師を倒す。
◯シシレンジャー→大連王で鍵道化師を倒す。
◯テンマレンジャー→大連で鍵道化師を倒す。
◯キリンレンジャー→大連王で鍵道化師を倒す。
◯ホウオウレンジャー→大連王で鍵道化師を倒す。
◯キバレンジャー→ウォンタイガーで口紅歌姫を倒す。
◯白虎真剣→キバレンジャーにアドバイスをして、サポートをする。
●鍵道化師→大連王に倒される。
●口紅歌姫→ウォンタイガーとデンライナーに倒される。
◯仮面ライダー電王S→デンライナーに乗り込み、口紅歌姫と戦う。

◯シグフェル→王蛇にミラーワールドに連れてこられ、戦闘を行う。

【今回の新登場】
◯白虎真剣(五星戦隊ダイレンジャー)
 老道士・虞翻が中国より持ってきたキバレンジャーの証たる、心を持った
 喋る剣。コウが変身した後、キバレンジャーの正体が知られないように
 代わりに喋っていた。その切れ味はスターソードに匹敵し、気力で空も飛べる。

●メタルゲラス(仮面ライダー龍騎)
 仮面ライダーガイと契約した二足歩行のサイ型ミラーモンスター。
 頭部のドリル状の角の両手の鋭利な爪を武器とし、巨体を活かした
 突進攻撃を得意としている。ガイの死後は仇として王蛇を付け狙って
 いたが、逆に契約させられてしまう。ジェノサイダーの身体を構成する。

652ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/03/08(火) 11:14:58
<<ベルデの最期-7>>

***高見沢の隠れ家***

デッキを破壊され、ベルデに変身出来なくなった高見沢は満身創痍と
なりながらも、密かに用意していた隠れ家に辿り着く。

高見沢「はぁ・・・・はぁ・・・・ライダーに変身できなくなったが、この
 オルタナティブがあれば再起は可能だ。待っていろよ!城戸、
 シグフェル、ブレイバーズ・・・・」

実は高見沢は研究所から逃げ出す際、香川教授が気絶して変身が
解けてしまった時に手を離れたオルタナティブのデッキを混乱に乗じて
持ち出したのであった。高見沢は自らオルタナティブに変身してブレイバーズに
リベンジをしようと考えていた。

????「・・・・残念だが、貴様の目的は果たされない」
高見沢「誰だ!?」

突如、高見沢の前に現れたのはGショッカー秘密警察の長官である
アポロガイストとバトルファイト参加者(世紀王候補)の成績を計算
しているグロンギの怪人ラ・ドルド・グだった。

高見沢「き、貴様はアポロガイスト!?」
アポロガイスト「仮面ライダーベルデこと高見沢逸郎!今回の一件は
 最早、世紀王候補を名乗らせるには相応しくないないと判断した。
 よって、世紀王候補の資格をはく奪し、貴様を処刑する!」
高見沢「な、何だと!?確かに、俺はライダーに変身出来なくなったが
 まだ、オルタナティブがある。俺にチャンスをくれ!」

アポロガイストによる突然の処刑宣告に狼狽える高見沢は、アポロガイストに
もう一度、世紀王候補として戦えるように懇願する。

アポロガイスト「見苦しいぞ、高見沢!潔くあの世へ行くがいい!」
高見沢「こんな所で、終わってたまるか!変・・・・・」
アポロガイスト「させるか!」ザシュ
高見沢「ぐはぁ・・・・!」

高見沢は処刑を迫るアポロガイストに抵抗しようと、オルタナティブに
変身しようとしていた。しかし、アポロガイストは手に持つアポロマグナムで
高見沢が変身する前に斬りつけ、デッキも破壊してしまった。そして
高見沢はそのまま、息絶えてしまう。

ラ・ドルド・グ「・・・高見沢逸郎、失格!」

ラ・ドルド・グは高見沢逸郎が脱落した事を宣言する。

♢ ♢ ♢ ♢ ♢

それからしばらくして、高見沢の隠れ家に警察が到着。パトカーから
内取の財前と捜査一課の刑事、追田現八郎警部が降りてくる。

追田「ここが、高見沢逸郎の隠れ家か!」
財前「協力感謝するぜ、現さん」
追田「なぁ〜に、俺とお前の仲だ。それに刑事として犯人を逮捕するのは
 当たり前だぜ!」

実は財前は警視庁時代、追田警部に色々と世話になっていた。
その縁で、今回の高見沢の逮捕に協力してくれるのであった。
そして財前達は隠れ家に足を踏み入れる。

追田「高見沢逸郎!議員への贈賄に民間人の誘拐、その他の容疑により
 逮捕状が出ている。神妙にお縄につけやがれぇ!」
財前「待った!現さん。こいつは・・・・・」

高見沢のいる部屋に踏み込んだ財前達だが、そこにはアポロガイストによって
処刑された高見沢の無残な姿が横たわっていたのであった。

653ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/03/08(火) 13:17:49
****某研究所****

佐野「イテテ・・・まさか浅倉が来るなんて思わなかったぜ」

高見沢がアポロガイストによって処刑された一方、高見沢の研究所で
浅倉によって気絶していた佐野は目を覚まし、研究所を出ようとしていた。

GOD戦闘工作員A「いたぞ!仮面ライダーインペラー・・・・佐野満だ」
GOD戦闘工作員B「おとなしくせよ!」
佐野「な、何だ!お前ら」
GOD戦闘工作員A「我々はGショッカー秘密警察だ」
GOD戦闘工作員B「貴様がブレイバーズを手引きした事は、調べがついている!
 秘密警察署長アポロガイストの命により、貴様を処罰する!」

そこに現れたのはGODの戦闘工作員で、Gショッカー秘密警察の一員でもあり、
ブレイバーズを手引きした佐野を処罰しようとやって来たのであった。

佐野「捕まってたまるかぁ〜〜!」
GOD戦闘工作員A「まてぇぇ!!」

佐野は捕まる訳にはいかないと、その場から逃げ出し、
GOD戦闘工作員も後を追いかける。佐野は、そのまま
研究所を飛び出した。

佐野「―!」

キキィィー、ドォーン!

だが運が悪い事に研究所を飛び出すと、トラックが走って来た事で
佐野はトラックとぶつかってしまう。トラックがぶつかった事で、佐野の
身体は全身がズタボロとなっていた。

GOD戦闘工作員B「死んだか!?」
GOD戦闘工作員A「待て、今の騒ぎで人が来そうだ。確かめたい所だが
 一旦、退くぞ!」

GOD戦闘工作員達は、佐野がトラックとぶつかって死んだのか
確かめようとしたが、今の騒ぎで人が集まって来たので、やむを得ず
退散をする。

****京南大学付属病院****

伝通院「香川教授そして沢渡優香さんだが、幸い大した怪我も無く
 2〜3日検査入院をすれば退院できる事だろう」
光平「優香は無事なんですね?」
慎哉「よかったな光平!」
雄大「よかったぁ〜」

研究所から助け出された優香と香川教授は、京南大学付属高校に
運び込まれ、検査の結果、2〜3日の検査入院だけで済み、光平や
慎哉は伝通院から聞かされ、安堵する。

真司「佐野の方は、どうなんですか?」
伝通院「交通事故で担ぎ込まれた佐野満だが、彼の方は重傷で
 1か月以上は入院が必要になるだろう」
真司「そうですか・・・・」

トラックとぶつかり、重傷を負った佐野は、香川教授や優香と同じく
京南大学付属病院に搬送され、1か月以上の入院となった。

後藤「今回で高見沢逸郎、芝浦淳といったGショッカーに属する
 仮面ライダー2名が死亡、浅倉威、東條悟はあの後、所在が
 掴めないという結果になったが、果たして彼等は何処へ・・・・?」
光平「浅倉威・・・・」

今回の事件の事で、後藤も京南大学付属病院に来て、伝通院の話を
聞いていたのだが、あの後、消えた浅倉、東條が何処に行方をくらませた
のか疑問に思う。そして浅倉の名を聞いて、光平はミラーワールドでの
戦いを思い出す。

真司「なぁ〜に!浅倉が来ても俺達が付いている。頑張っていこうぜ」
光平「はい。真司さん」
愛「さぁ、優香さんの所へ行ってあげて。きっと喜ぶ筈よ」
光平「分かりました。失礼します!行こう。慎哉、雄大」

真司に励まされた光平は、魚住愛に言われ、慎哉や雄大と共に
優香のいる病室へ向かい、部屋を出る。

真司「・・・・(でも、浅倉や東條は何処に行ったんだ?)」

光平達が部屋を去った後、真司は浅倉達が何処に消えたのか
思うのであった。

654ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/03/08(火) 14:32:48
****某所****

浅倉「チィ、クソが・・・・!」

時間切れになってしまった為、戦闘を中断してミラーワールドから
帰還した浅倉は、シグフェルやゾルダ達を仕留められなかった事に
苛立っていた。そこへ一台のリムジンが浅倉の前に止まる。

????「良い戦いを見させてもらったよ。浅倉威君。シグフェルを
 倒せなかったのは、さぞ不満だった事だろう」
浅倉「誰だ、キサマは?」

車の窓が開き、車の中にいた人物は浅倉に、先程の戦いの
賞賛をおくる。

????「バトルファイトが未だ開かれず、他の世紀王候補と死闘を
 行う事が出来ず、欲求不満だろう?私が君に戦いの場を提供しよう。
 君には今、私が世話になっている国に来てもらいたい」
浅倉「ほぉ・・・・・おっさん。名前は何ていうんだ?」

車の中にいる人物は、浅倉に欲求を解消する為の戦いの場を提供すると
離す。興味を持った浅倉は、車の中にいる人物に名前を尋ねる。

真影「真影・・・・私の名は真影壮一だ」

車の中にいた人物は国家防衛局長官になりすましていたロイミュードで
現在サラジア共和国の在日日本大使館に匿われている真影壮一だった。
真影に誘われた浅倉が待ち受ける運命とは・・・・。

◯財前丈太郎→追田警部と共に、高見沢の隠れ家に足を踏み入れいる。
◯追田現八郎警部→財前と共に、高見沢の隠れ家に足を踏み入れる。
●真影壮一→現在サラジアの駐日本大使館で匿われており、浅倉の元に訪れ、勧誘する。
◯城戸真司→京南大学付属病院で、香川教授達の容体を伝通院から聞く。
●高見沢逸郎→アポロガイストに世紀王候補の資格をはく奪され、処刑される。
●浅倉威→真影壮一に勧誘される。
△佐野満→Gショッカー秘密警察に追いかけられた際、交通事故で重傷を負い、
  京南大学付属病院で入院する事になる。
◯後藤慎太郎→伝通院から香川教授達の容体を聞く。
●アポロガイスト→高見沢を処刑する。
●ラ・ドルド・グ→アポロガイストによる高見沢の処刑に立ち会う。
◯伝通院洸→香川教授達の容体を伝える。
◯魚住愛→光平に優香の元へ行くよう話す。

◯牧村光平→伝通院から優香の容態を聞かされる。
◯朝倉慎哉→伝通院から優香の容態を聞かされる。
◯岡島雄大→伝通院から優香の容態を聞かされる。

【今回の新登場】
◯追田現八郎警部(仮面ライダードライブ)
 捜査一課と特状課の橋渡しとなる連絡役として派遣されていた刑事。
 通称ゲンさん。現実主義者で当初は特状課やロイミュードの存在に
 懐疑的だったが、仮面ライダーに何度か助けられていく内に考えを改め、
 やがて心強い協力者となっていく。後年、警視庁の名物刑事として半生を
 捜査一課に捧げ、捜査一課長にまで出世する。歴史の改変により
 ショッカーが支配する世界ではチーターカタツムリというショッカーの
 怪人となっていた。

●真影壮一/フリーズ(仮面ライダードライブ)
 国家防衛局長官を務める参議院議員。その正体はロイミュード001で、
 人間社会で自らの地位によって得た警察組織への影響力や自身の持つ
 記憶操作能力を利用してロイミュードに関する情報を隠ぺいしていた。
 紳士的に振る舞うが、その本質は冷酷かつ狡猾な陰謀家で、人間の事を
 完全に見下している。学んだ感情は「屈辱」

655ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/03/09(水) 11:13:45
>>623加筆・修正
高見沢「例の小娘は?」
芝浦「今は眠らせましたので、おとなしくしています」
高見沢「そうか。オルタナティブが完成し、それが軍団となった時
 シグフェルに仕向ける。その時、小娘・・・・・沢渡優香だったか?
 人質として良い働きをしてくれる筈だ」

優香も香川教授と同じ、高見沢グループが所有する某研究所に
連れてこられ、眠らされていた。高見沢はシグフェルを倒す為、
優香を人質として利用しようと考えていた。

佐野「・・・・(冗談じゃねえぜ。ミラーワールドに連れて来ても倒す事が
 出来なかったし、あの女の子を人質にしたとしても、多分勝てねえ。
 このままじゃ俺も間違いなく殺される!・・・・かといってこのまま
 逃げ出してもGショッカーに殺されるだろうし、どうすれば・・・・・
 そうだ!この事をブレイバーズに情報を売ろう!城戸に言えばおそらく・・・・・)」

このままでは自分の身が危ないと感じた佐野は、保身を考え
ブレイバーズにオルタナティブの事等をリークする事に決めるのであった。

♢ ♢ ♢ ♢ ♢

一方、とある町。

神崎「・・・・・相変わらず荒れているようだな。浅倉」
浅倉「神崎か・・・・・何時まで待ってもバトルファイトって奴が
 始まらなくってオレはイライラしてしょうがねえんだ。お前でも
 良い・・・・オレとバトルしろ!」
神崎「待て。こいつならお前の欲求を満たしてくれる筈だ」
浅倉「ほう・・・・こいつは何処に行けば戦える?」

とある町で神崎士郎は仮面ライダー王蛇である浅倉威にシグフェルの
事を教える。世紀王同士が争うバトルファイトが始まらない事に
苛立っていた浅倉は神崎からシグフェルの事を教えてもらい、シグフェルと
戦う事を決めるのであった。

****某コロニー***

その頃、大気圏に浮かぶコロニーの一つで、世界各国の要人達が
休暇の際に利用するコロニーに、1人の日本の議員が滞在していた。
議員の名前は池原敬三。実は高見沢との間で不正を働いており、
高見沢が行方をくらましたので、自分も疑いがかけられないように
休暇を装って、コロニーに滞在していた。

池原「高見沢め、姿をくらましおって・・・・・・。だが、流石にコロニーに
 滞在している私の方にまで追手はこないだろう。はっはっはっは!!」

池原は日本の公安や警察の追手も、コロニーまでは来ないだろうと
高をくくり、女性を侍らせながらコロニー内にあるバーで酒を飲んでいた。

????「不正の疑いが掛けられないように、コロニーへ高飛びか。
 いいご身分だな」
???「これも汚ねえ手段で得た金を使って、ここまで来たんだろうぜ」
池原「うーん、誰かね?日本で議員をしている私に失礼な事を言うのは」

酒を飲んで酔っ払っている池原議員に、突然失礼な事を言う人物が
背後から聞こえてくる。

ボーイ「お待たせいたしました。この店一番の高級酒にございます」
???「ありがとう。支払いはコレで頼む」
池原「―!そ、それはザイナース社のゴールドブラックカード!
 まさかっ!!」

池原に失礼な発言をした人物の1人は店のボーイが持ってきた高級の
酒に対して、金と黒で出来たカードを見せる。池原は、それがザイナース社の
ゴールドブラックカードという事に気付き、その人物が誰か察する。

池原「な、内閣権力犯罪強制取締官の財前丈太郎か!」
財前「Da Bomb!!さて、高見沢との詳しい話を聞こうじゃあないか」

高見沢グループとの不正を調べに、コロニーまで来た内閣権力犯罪
強制取締局(G.C.I.A.)の取締官、財前丈太郎は自身の身分証明書でも
あるザイナース社のゴールドブラックカードを池原に見せつける。

池原「捕まって成るものか!先生、お願いします」
????「ふっ、私の出番か・・・・」

池原は財前に捕まる訳にはいかないと、控えていた用心棒を
呼び出す。その用心棒は白い帽子とスーツを着用しており、
武器らしき物は手に持っていなかった。

財前「誰だ、テメエは?」
????「その白い帽子とスーツ・・・・・そいつは【踊る殺し屋】の
 異名を持つキリングダンサーの佐藤。日本一のダンサーで
 踊るように相手を始末する殺し屋だ」
キリングダンサーの佐藤「む!私の名を知っている貴様は誰だ」
財前「・・・・遅かったじゃないか。早川」

池原に呼ばれた用心棒―キリングダンサーの佐藤の名前をいい当てる
声が、財前の背後から聞こえる。白いギターとカウボーイスタイルの
その人物こそ、親友を殺した仇を探して犯罪組織ダッカーと戦ってきた
私立探偵、早川健だった。

656ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/03/09(水) 14:45:27

キリングダンサーの佐藤「その背中の白いギター・・・・そうか、貴様が
 ダッカーを壊滅させた早川健か!その貴様が何故、ここに・・・・」
早川「復活したダッカーの行方を追っていた時に、ダッカーの一員である
 貴様が池原代議士の用心棒を行っていると聞いて、財前に連れてきて
 もらったのさ。ただ財前とはぐれて、少しばかり遅れちまったがな」

キリングダンサーの佐藤は、復活したダッカーの一員で高見沢を通じて
池原が用心棒に雇ったのだが、その情報を手にいれた早川は、池原を
追っている財前に同行して、コロニーまで来たのであった。

キリングダンサーの佐藤「ならば話は早い。私の日本一と呼ばれる
 踊りで、ダッカーを壊滅させた怨みと共に貴方達を始末しよう」
早川「日本一?いや、貴様は日本じゃあ2番目だ」
キリングダンサーの佐藤「2番目だと!?ならば日本一は誰だと言うのだ!」

キリングダンサーの佐藤は自分の踊りが日本で2番目と言われ、
早川に日本一が誰なのか尋ねる。

早川「ヒュウ、チッチッチッ、ハッハッハッ・・・・・」

キリングダンサーの佐藤の質問に対して、早川は口笛を吹き、
舌打ちをした後、深く被った帽子の鍔を押し上げ、自身を指差した。

キリングダンサーの佐藤「ならば、私の踊りを目に焼けつけなさい!」

日本一を名乗る早川に対して、キリングダンサーの佐藤は、自分の
踊りを見せつける。

財前「奴の踊りは完璧みたいだが、大丈夫か?早川」
早川「なぁ〜に。見てな」

早川も負けじと踊りを始める。早川のステップは力強さと情熱が
伝わる踊りだった。

キリングダンサーの佐藤「(う、上手い!)・・・・負けた」

早川の踊りを見て、キリングダンサーの佐藤は敗北を認めた。

キリングダンサーの佐藤「だが、用心棒の仕事は続けさせてもらうぞ」
池原「頼みましたよ、先生!」

敗北を認めたが、キリングダンサーの佐藤は用心棒として池原を
守ろうと財前と早川と対峙。さらに佐藤の部下も現れ、2人を取り囲む。

キリングダンサーの佐藤「ここは部下達に任せて、こちらへ」
財前「待ちやがれ!!」
早川「財前。どうやら、こいつらを蹴散らさなければ追いかける事が
 出来無いようだぜ!」

キリングダンサーの佐藤は部下達に後を任せて、池原を連れて
店から脱出。財前と早川は佐藤の部下を相手にする事になる。

佐藤の部下「かかれー!」
財前「あいにく、お前らを相手にしている時間はないんでな」
早川「さっさと片付けさせてもらうぜ!」

財前と早川は背中合わせとなり、ファイティングポーズを取って
佐藤の部下にパンチやキックを浴びせていく。

657ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/03/09(水) 14:46:44

***コロニー・宇宙港***

店を脱出した池原とキリングダンサーの佐藤は、財前と早川から
逃れようと宇宙港に停めてあるシャトルで、コロニーから出ようとしていた。

キリングダンサーの佐藤「間もなく宇宙港に到着します。流石の財前と
 早川も宇宙空間までは追ってこれないでしょう」
池原「内取め・・・・かならず逃げ切ってみせるぞ!」

そして池原達を乗せた車は宇宙港に到着し、シャトルへ向かう。
だが、そこに一台の車が池原達の元へ走って来て、立ち塞がる。

池原「な、何だ!あの車は!?」
快傑ズバット「ズバッと参上!ズバッと解決!快傑ズバァァァット!!」

池原達の元へ走って来た車―ズバッカーから降りてきたのは、
全身赤いスーツに身を包んだヒーロー、親友である飛鳥五郎が
遺した設計図を基に早川健が開発し自ら装着した姿―快傑ズバットだった。
またズバッカーから財前も降りてくる。

池原「財前!貴様ァ・・・・」
財前「貴様を逃す訳にはいかないんでな。おとなしく捕まりやがれ!」
キリングダンサーの佐藤「ならば先程のダンスとは違う、私の
 殺人ダンスで葬ってやる!」
快傑ズバット「財前、佐藤は俺が相手をする!お前は池原の確保だ」
財前「頼んだぜ!」

財前は池原を追い、快傑ズバットはキリングダンサーの佐藤と対峙する。
佐藤はダンスをするかのごとくパンチやキックをズバットに繰り出していくが
ズバットも攻撃を防ごうと抵抗する。

キリングダンサーの佐藤「ならば、これならばどうだ!」
ズバット「(仕込みナイフか!)」
キリングダンサーの佐藤「まだまだぁ!」
快傑ズバット「ぐっ!」

キリングダンサーの佐藤はズバットに蹴り上げると、佐藤の靴から
仕込みナイフが飛び出し、ズバットに斬りつける。ズバットは避けるが
そこに佐藤はパンチを送り込み、ズバットを殴る。

キリングダンサーの佐藤「トドメを刺させてもらうぞ!」

そしてズバットにトドメを刺そうと懐からナイフを取り出し、リズムに
のってズバットの心臓をめがけて刺しこもうと近づく。

快傑ズバット「今だ!」
キリングダンサーの佐藤「ぐわぁ!」

だがズバットは鞭でキリングダンサーの佐藤の身体を締め上げると、
そのまま空中へ放り投げる。

快傑ズバット「てりゃぁぁぁ、ズバットキック!!」
キリングダンサーの佐藤「ぐわぁぁぁ!!」

すかさずズバットは弱っているキリングダンサーの佐藤に必殺の
ズバットキックを繰り出し、佐藤はダウン寸前にまで追い込まれる。

快傑ズバット「言え!2月2日、ダッカーの真の首領、総統Dと共に
 飛鳥五郎を殺したのは貴様か!!」
キリングダンサーの佐藤「ち、違う!その時、俺は南米のダンス大会に
 出場していた!」

ズバットスーツの制限時間が近づく中、ズバットはダウン寸前の
佐藤に、かつてダッカーの真の首領、総統Dと共に、飛鳥五郎を
殺したのか問い質す。実は早川は親友である警視庁の刑事、
東条進吾から最近の調べで飛鳥五郎の殺人には、もう一人の人物が
関与している事を知らされており、早川はダッカーの行方を追うと共に
もう一人の飛鳥殺しの犯人の行方を追っていたのであった。しかし、
佐藤は自分のアリバイを話し、飛鳥殺しを否定する。

快傑ズバット「くっ・・・ズバットアタァァァック!!」
キリングダンサーの佐藤「ぐわぁぁぁぁ!!」

犯人ではないと知り、ズバットは必殺のジャンプキックである
ズバットアタックをキリングダンサーの佐藤に繰り出し、
キックを受けた佐藤は気絶する。

財前「終わったか?」
快傑ズバット「ああ・・・・だが、飛鳥殺しの犯人では無かった」

ズバットアタックを繰り出した後、制限時間が近づいた為、ズバットは
ヘルメットのマスク・バイザーを開け、爆発を防ぐ。財前の方も、
池原をシャトルに乗る前に捕まえる事が出来た。

財前「さてと、地球へと戻るとするか」
早川「ああ・・・・(飛鳥。かならず犯人を捕まえてやるぜ!)」

池原とキリングダンサーの佐藤を捕え、財前と早川は地球へと
戻る。そして早川はもう一人の飛鳥殺しの犯人をかならず捕まえようと
決意するのであった。

658ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/03/09(水) 14:54:06
>>624加筆
●高見沢逸郎→香川英行にオルタナティブを開発させるよう協力させる。
●東條悟→香川英行を高見沢の下へ連れてくる。
△佐野満→自身の保身の為、オルタナティブの事などの情報を
   ブレイバーズに話す事を決める。
△香川英行→高見沢にオルタナティブを開発するよう協力させられる。
●浅倉威→神崎士郎からシグフェルの事を教えられる。
●神崎士郎→浅倉威にシグフェルの事を教える。
◯財前丈太郎→池原敬三と高見沢グループの不正を調べる為、
  コロニーにやって来て、池原を捕まえる。
◯快傑ズバット/早川健→ダッカーともう一人の飛鳥五郎殺しの犯人を
  追って、財前に同行しキリングダンサーの佐藤を倒す。

◯沢渡優香→高見沢グループの研究所に連れてこられ、眠らされる。
●池原敬三→高見沢との間で不正を働いており、その疑いを掛けられ
  ないように、コロニーに滞在するが、財前丈太郎に捕まる。
●キリングダンサーの佐藤→池原の用心棒として、財前や早川と対峙。
   快傑ズバットに倒される。

【今回の新登場】
△香川英行=オルタナティブ・ゼロ(仮面ライダー龍騎)
 清明院大学の教授。瞬間記憶能力を持つ天才で、知的で滅多に感情を
 表に出さないが、強い正義感を持ち合わせている。家族は妻と息子による
 3人家族。偶然、神崎士郎の研究資料を読んだ事でミラーワールドの事を
 知り、士郎の研究とミラーワールドの脅威を止める為、疑似ライダーである
 「オルタナティブ」を開発し、自身も「オルタナティブ・ゼロ」に変身した。
 「大多数を救う為、小数を犠牲にする」という考えを持っており、神崎優衣の
 抹殺を画策した。

●浅倉威=仮面ライダー王蛇(仮面ライダー龍騎)
 関東拘置所に拘留されていた凶悪殺人犯で、感情のままに殺人や
 暴行を繰り返してきた。ライダーバトルを円滑に進める存在として
 神崎士郎からカードデッキを渡されて脱獄。無罪にする事が
 出来なかった北岡秀一を逆恨みして、事ある事に付け狙っている。
 ライダーバトルという殺し合いそのものを楽しんでおり、生き残った
 暁にはさらに戦い続ける事を願うつもりでいた。

◯財前丈太郎(内閣権力犯罪強制取締官 財前丈太郎)
 内閣権力犯罪強制取締局に属する捜査官の1人で、政界の巨悪を
 取り締まる事に全てを賭けている。警視庁勤務時に殉職した事にされ
 内取が創設するまでの間、英国に渡英して、SASに入隊し、数々の
 武勲を上げた。あるミッションでイギリスの石油王の子息の救出に成功した
 ことへの感謝の証として、ザイナース社のゴールドブラックカードを所持するに
 至り、カードの支払いはパトロンである石油王が全て負担している。

●池原敬三(闘争の系統オリジナル)
 高見沢逸郎と共に不正を働いていた日本の国会議員。高見沢逸郎が
 行方をくらました事で、疑いをかけられないようにコロニーに逃げていたが
 財前丈太郎によって捕まる。

●キリングダンサーの佐藤(闘争の系統オリジナル)
 【踊る殺し屋】の異名を持つダッカー所属の殺し屋でダンサー。
 踊る様に相手を始末する。高見沢を通じて池原議員の用心棒を
 していた。

659凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/03/11(金) 19:19:52
>>631の続き

シグフェルを取り囲み、じりじりと迫る天童忍軍。
戒、優香、慎哉の三人を守ろうと、シグフェルも応戦の構えを取る。
一触即発の張り詰めた空気が臨界点に達しようとしていたその時…。

クールギン「ハァッ!!」
シグフェル「…!?」

シグフェルを囲う天童忍軍の輪を跳び越え、
クールギンがシグフェルに大上段から斬りかかった。
咄嗟に身をかわしたシグフェルだが、
その動きによって守っていた戒や優香や慎哉との距離が離れてしまい、
三人とシグフェルとの間にクールギンが立ち塞がる形となる。

シグフェル「お前は…!?」

シグフェルはこの銀仮面の戦士――クールギンの姿に見覚えがあった。
忘れもしない。以前ザイラユニコンを倒した直後、
同じように奇襲で斬り付けられて深手を負わされた相手だ。

クールギン「今回はかわしたか。
 聞けばあの宇宙に名を轟かせたキアイドーをも倒したとの事、
 どうやら強くなったようだな、シグフェル」
シグフェル「とんでもない敵が次々と現れてくれるからな…。
 お陰様で強くならずにはいられないってところさ」

わざと軽口を叩いてクールギンの注意を逸らそうとするシグフェルだが、
剣を構えて立つクールギンには一分の隙もない。

タグスキー「ヨロイ軍団豪将、兄タグスキー推参!」
タグスロン「同じく弟、タグスロン参上!
 天童の鼠ども、我ら兄弟が相手だ!」

クールギンの出現に騒然となった天童忍軍に向かって、
ヨロイ軍団のタグ兄弟が名乗りを上げながら乱入。
たちまち彼らと激しい戦いになる。

シグフェル「フレアセイバー!」
クールギン「フン…」

乱闘を横目に、愛剣フレアセイバーを手にしてクールギンと斬り結ぶシグフェル。
シンケンレッドとの修業で剣の腕を飛躍的に上げ、
遂にキアイドーをも破るに至ったシグフェルだが、
クールギンはそのシグフェルを相手にしても余裕の様子で、
常に後の先を取りながらフレアセイバーの剣戟をいなしていく。

クールギン「(これがシグフェルの力…。
 いや、秘めたる潜在能力はそれ以上か。
 これほどのパワーを新怪人に取り込むとなれば…!)」

一度、また一度と切り結び合いながら、
クールギンはシグフェルの強さの程を確かめていた。
現時点での力もかなりのものだが、これでシグフェルは完成形ではない。
その内奥にはまだまだ底知れぬポテンシャルが眠っているのを剣を通して感じ取り、
クールギンは戦闘そのものは優勢に進めつつ、内心では大いに戦慄していたのである。

シグフェル「とあっ!」
クールギン「フン!」

シグフェルの一撃をバックステップでかわしたクールギンは姿勢を正し、
気を落ち着けると、剣をゆっくりと回転させて剣先で大きな弧を描き始めた。
クールギン必殺の円月殺法の構えである。

シグフェル「くっ…!」

シグフェルも新技・火焔十字の舞(クロスプロミネンス)を撃ち込もうと、
フレアセイバーを構えてクールギンの隙を窺う。
お互い、一瞬でも油断すれば命はない。
そんな緊迫感が対峙した両者の間に漂う。

660凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/03/11(金) 19:26:05
慎哉「おい、今の内になら…」
優香「ええ、逃げられるかも知れないわ」
戒「…よし」

クールギンはシグフェルとの一対一の真剣勝負に集中しており、
天童の忍びらもタグ兄弟との戦闘で次々と薙ぎ倒されていく。
今がチャンスと見た慎哉、優香、戒の三人は、
一斉にダッシュでその場から逃げ出した。

朱音「フフン、逃がしはしないわ!」

だが、忍者を相手に隙ありと見たのは甘かった。
タグスキーと激しく戦っていた朱音だが、
それでも本来のターゲットである戒からは一瞬たりとも目を離していなかったのだ。

朱音「彩堂寺戒、覚悟っ!」

突進してくるタグスキーには目もくれず、
忍者刀を振り上げ、朱音は疾風のような速さで戒に斬りかかった。

クールギン「させるかっ!」

だが戦場全体を見渡す視野の広さは、
シグフェルとの勝負に全神経を集中しているかに見えたクールギンも同様だった。
逃げ出した戒に朱音が飛びかかったのを見るや、
クールギンは円月の構えを中断して素早く反転し、
これまた神速のスピードで朱音に向かって行ったのだ。

クールギン「つぁっ!」
朱音「うぐっ…!」

戒の身に朱音の刀の先が到達する寸前、
逆袈裟に振り上げられたクールギンの凶刃が朱音の脇腹を斬った。
苦しげな悲鳴を短く上げ、朱音はもんどりうって倒れる。

シグフェル「このっ!」

容赦なく朱音を斬り捨てたクールギンに激昂して挑みかかるシグフェルだが、
クールギンは軽くそれをかわすと戒を捕らえ、
首に手刀を叩き込んで気絶させた。

優香「きゃあっ!」
クールギン「お前達に用はない! どけ!」

その場に立ちすくんでいた優香と慎哉を突き飛ばすと、
クールギンは戒を肩に担いだまま大きくジャンプし、
ビルの屋上に飛び乗ると姿を消してしまった。

タグスキー「目的は達成された。退くぞ弟」
タグスロン「おう、兄者!」

タグ兄弟も戦闘を切り上げ撤退していく。
光平はシグフェルの変身を解くと、
脇腹から血を流してうずくまっている朱音の元へ駆け寄った。

光平「大丈夫ですか!?」
優香「ひどい怪我だわ…」
慎哉「あの、すぐ救急車を呼びますから!」

ポケットから携帯電話を取り出した慎哉だったが、
朱音は震える片手を上げてそれを制止するジェスチャーを見せる。

忍者さそり「どけ!」
光平「なっ…!?」

そこに忍者さそりが現れ、朱音を担ぎ上げると、
光平の方を無言でひと睨みしてから、
そのまま朱音を連れて何処かへ去ってしまった。

慎哉「な…何だったんだよ一体…」
優香「彩堂寺くん…」
光平「………」

こうして戒はネロス帝国へ連れ去られてしまった。
後に光平にも大きな試練を与える事になる、
恐るべき大計画がこうして動き出したのである…。

661ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/03/12(土) 21:43:07
***某河川敷の草むら***

さそり「朱音、手間をかけさせたな」
朱音「すまない…」

とりあえず人の気配のない場所へと身を隠した千坂朱音と忍者さそり。
さそりは朱音の脇腹に包帯を巻いて傷の手当てを施す。

朱音「――誰だッ!?」

その時、草むらの向こうから、何者かがこちらに近づいて来る気配を感じた。
足音からして、その人数は二人…。朱音とさそりは素早く忍刀を抜いて身構える。

朱音「お前たちは…!?」
さそり「――!!」

ライダー1号「初めて会った時から、もしやとは思っていたが…」

なんと草むらから姿を現したのは、仮面ライダー1号と2号だった!
あれからゲバローズを退けた後、偶然見かけた朱音と忍者さそりの後をつけて来たのだ。

ライダー1号「千坂先生、天童菊之丞氏は、まだブレイバーズの事をお疑いか?」
朱音「さすがは噂に聞こえた伝説のダブルライダー。とうに私の正体を見破っていたか…」
ライダー2号「心配するな。お前の正体を光平君たちに話すつもりはない」
朱音「なにっ…?」
ライダー1号「天童補佐官にお伝え願おう。
 城南大学生化学研究室の本郷猛と――」
ライダー2号「――同じく、フリーカメラマンの一文字隼人が
 よろしくとな!」

さそり「ふんっ――!!」

忍者さそりは煙玉をダブルライダーめがけて投げつけて、
その間に千坂朱音共々姿を消したのだった。

ライダー2号「…やれやれ、日本の平和のために日夜戦い続けている
 ヒーローたちにとって、権力者の老人の取り越し苦労ほど
 迷惑な事はないんだがな」
ライダー1号「元より俺たちに地球全体や日本を支配しようなどという
 大それた野心はない。今度の事でちゃんとその事も天童側に伝わればいいんだが…」

そこへ遅れて、滝和也がライダーを心配して駆けつけて来た。

滝「ライダー、無事だったか!」
ライダー1号「おお、滝!」
ライダー2号「やはりお前や本郷の睨んだ通り、
 千坂朱音は天童の女間者だったぞ」
滝「やっぱりそうだったか。元々あの女の前歴には
 素性不明な点が多かったからな」

光平の紹介で千坂朱音と初めて会った後、
彼女に不審を抱いていた滝和也は、念のために
密かに朱音の素性を調査していたのだった。

ライダー2号「だが今回の件で、奴さんたちにはしっかり釘をさしておいたからな」
滝「これであの女も当面は大人しくしているだろう」
ライダー1号「だといいんだが……」

662ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/03/12(土) 21:43:48
***日本海溝・ブレイバーベース***

剣持「ダメだ。それはまだ許可できん!」
光平「そんなっ…! なぜですか!?」

彩堂寺戒はネロス帝国へ連れ去られてしまった。
おそらく戒が捕えられている場所は、ネロス帝国の本拠地である
ゴーストバンクに違いない。すぐに救出に向かおうとした光平だったが、
あろうことか剣持隊長がそれに待ったをかけたのである。

光平「ゴーストバンクの所在地はもう分かっているんですよね?
 だったら今すぐにでも乗り込んで!」
剣持「敵もバカじゃない。昔あったゴーストバンクの秘密の入り口を、
 今もそのまま使っていると思うか?」
光平「でも、彩堂寺が捕まっている場所が分かっているのに、
 こちらは手も足も出せないなんて…! こうなったら俺一人だけでも
 ネロス帝国に乗り込みます!」
剣持「待て。今の自分の立場を忘れたのか?
 今の君はネオクィーンセレニティに仕える
 女王の騎士(Knight of the Queen)なんだぞ!」
光平「――!?」

剣持の言葉で、光平はハッとなる。
もしこのまま新宿にある桐原コンツェルンの本社である
超高層ハイテクタワーに乗り込んだとして、
そこで何も出て来なかったとしたら、単に光平=天凰輝シグフェル一人の
失態というだけで済む話ではない。シグフェルを騎士に任命した
セーラームーンにも責任追及の手は及ぶ事になるのだ。

剣持「地球の騎士である天凰輝シグフェルが、
 確たる証拠もなしに土足で大企業の本拠地に踏み込んだ。
 桐原剛造はさぞかし面白がる事だろうな」
光平「………」


――その日の夜。

***朝倉家・光平の部屋***

ルナ「どうしたの?光平くん。こんな夜遅くに私だけ呼び出すなんて…」
光平「やあルナ、わざわざ来てもらってゴメン」

窓から黒猫のルナがひょっこりと入り込んで来た。
ルナは言わずと知れたセーラームーンの相棒(パートナー)である。
光平は、あらかじめ用意していた一枚の封書をルナに手渡す。
全ては光平がセーラームーンに迷惑をかけないためにしたためた物だ。

光平「これをうさぎちゃんに渡してほしい」
ルナ「光平くん!…これって!?」
光平「頼む……」

そしてルナが帰った後、光平も外出の身支度をする。

慎哉「光平、行くのか?」
光平「ああ。彩堂寺とはそんな長い付き合いでもなかったけど、
 やっぱり同じ学校の仲間として放ってはおけないだろ」
優香「光平くん、彩堂寺くんをお願い…」
光平「心配すんなよ。任せとけって!」

663ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/03/12(土) 21:44:25
シグフェルへと変身した光平は、桐原コンツェルンの本社高層ビルのある
夜の月光の下、新宿副都心を目指す。だがその途中、誰かの声に呼び止められた。

セーラームーン「待ちなさいシグフェル!」
シグフェル「…セーラームーン!?」

ネオンが光る雑居ビルの屋上にセーラームーンの姿を確認したシグフェルは、
その場に着地した。

セーラームーン「シグフェル、ルナから話は聞いたわ」
シグフェル「ごめんセーラームーン。女王の騎士として君を守ると言った
 衛さんとの約束は果たせそうにない。もし俺を止めるつもりなら、
 力ずくでも通らせてもらう!」
セーラームーン「あら、誰が止めるだなんて言った?」
シグフェル「えっ…?」

唖然としていたシグフェルの目の前で、
セーラームーンは懐から一枚の封書を取り出す。
先程光平がルナに託した封書=女王の騎士の辞任願だ。
セーラームーンはその封書をビリビリと破り捨てた。

シグフェル「うさぎちゃん!?」
セーラームーン「らしくないよ光平くん!
 さあ、友達がピンチなんでしょ?
 あたしのことなんか気にしなくていいから、
 早く助けに行ってあげて!」
メタルダー「セーラームーンの言うとおりだ。シグフェル!」
シグフェル「メタルダー!? 貴方までどうしてここへ!?」

セーラームーンの脇から姿を現したのは、超人機メタルダーだった。

メタルダー「剣持隊長から頼まれた。君はきっと一人で先走って
 無茶をするだろうから、一緒について手助けしてやってほしいと」
シグフェル「剣持さんがそんなことを…」

そうだ…! 自分はもう一人ではなかった。
こうして支えてくれるブレイバーズの仲間たちがいる。
その事を改めて再認識して感謝し、一人で突っ走りそうに
なったことをシグフェルは深く反省するのであった。

メタルダー「ゴーストバンクまで案内しよう。
 ただし、以前に僕が通った道が今も残っているという
 保障はないが」
セーラームーン「頑張ってねシグフェル!」
シグフェル「ありがとうセーラームーン!
 メタルダー、よろしくお願いします!」
メタルダー「では行こうか!」

こうしてシグフェルはメタルダーと共に
彩堂寺戒救出のためゴーストバンクへと向かった。
2人を見送るセーラームーン。そんな彼女の肩から
黒猫ルナがひょっこりと顔をのぞかせる。

ルナ「うさぎちゃんも言うようになったわねえ…」
セーラームーン「えへへ…そうかなあ? でも大丈夫!
 シグフェルならきっと無事に戻って来るから」

果たしてシグフェルとメタルダーは
ゴーストバンクに乗り込んで彩堂寺戒を救出する事が
できるのであろうか!?

664ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/03/12(土) 21:44:54
○仮面ライダー1号→千坂朱音の正体を、天童のくノ一であると見破る。
○仮面ライダー2号→千坂朱音の正体を、天童のくノ一であると見破る。
○滝和也→千坂朱音の正体を、天童のくノ一であると見破る。
○剣持保→ゴーストバンクへと乗り込まんとする牧村光平を制止するが、
 その一方で剣流星に光平のサポートを依頼する。
○ルナ→牧村光平から月野うさぎへ宛てた女王の騎士の辞任願を託される。
○セーラームーン→牧村光平が提出した女王の騎士の辞任願を破り捨て、
 ゴーストバンクに乗り込もうとするシグフェルの背中を押す。
○超人機メタルダー →剣持保から頼まれ、ゴーストバンクに向かおうとする
 シグフェルをサポートする。

○牧村光平/天凰輝シグフェル→女王の騎士の辞任願をセーラームーンに提出するが受理されず。
 超人機メタルダーと共にゴーストバンクへと乗り込まんとする。
○朝倉慎哉→彩堂寺戒救出のため、ゴーストバンクへと乗り込もうとする牧村光平を見送る。
○沢渡優香→彩堂寺戒救出のため、ゴーストバンクへと乗り込もうとする牧村光平を見送る。
△千坂朱音→仮面ライダー1号と2号に、くノ一の正体を見破られる。
△忍者さそり→千坂朱音と共に撤退。

665凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/03/21(月) 17:36:22
***東京郊外の山中***

スプリンガー「ワンワン! こっちだぜ」

剣流星とスプリンガーに道案内されて、
牧村光平は東京郊外の山林の中を急いでいた。
目指すは、かつてメタルダーがネロス帝国との最終決戦の際に
ゴーストバンクへの突入に利用した秘密のゲートである。

流星「あった。あそこだ」
光平「………」

山林の中に隠れるように設置されている大型の人工物を、流星は指し示した。
以前と全く同じ場所に、ゲートは変わらぬ状態で置かれていた。

スプリンガー「でもおかしいぜ。
 剣持隊長も言ってたように、ゴッドネロスだってバカじゃない。
 既に俺達にありかが割れてるゲートをまだ使い続けてたなんて、
 迂闊と言うにはちょっと不自然だ」
流星「しかも見張りの一人さえ立てていない。
 この無警戒さは、まるで僕らに来いと言っているかのようだ」
光平「罠、って可能性が高いわけですね…」

物陰からゲートの様子を窺いながら、
牧村光平は厳しい表情でぐっと奥歯を噛み締めた。
敵はこちらが乗り込んで来るのを見越して、
手ぐすね引いて待っているのだ。

流星「どうする光平君?
 罠と分かっていても敢えて乗り込むか、
 それとも一度引き返して作戦を練り直すか…」
光平「…行きます!
 グズグズしている時間はないんだ。
 例え敵が待ち構えていたとしても、俺は彩堂寺を助けるために戦います!」
流星「よし分かった。
 それなら僕も一緒に行って戦おう!」
スプリンガー「ネロスの奴らは精鋭揃いの大軍団だ。気を付けろよ」

光平「翔着(シグ・トランス)!!」
流星「怒る!!」

光平の身体が赤い炎に包まれて天凰輝シグフェルに翔着し、
流星は感情の高まりと共に超人機メタルダーに瞬転する!

メタルダー「よし、行こう!」
シグフェル「はい!」
スプリンガー「武運祈るぜ。頑張れよ!」

スプリンガーだけを地上に残して、
シグフェルとメタルダーはゲートに突入した。

666凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/03/21(月) 17:38:48
シグフェル「ここは…」
メタルダー「これがゴーストバンクへ繋がる秘密の通路だ。
 この奥にネロス帝国の基地がある」

ゲートから地下へ降りると、そこは洞窟のような広い岩のトンネルになっていた。
メタルダーに先導されて慎重に暗い洞窟の中を進んで行くシグフェル。
だがその行く手に、戦国武者のような甲冑姿のヨロイ軍団員・暴魂チューボが立ち塞がる。

チューボ「待っていたぞメタルダー、そしてシグフェル!
 飛んで火に入る夏の虫とはまさに貴様らの事!
 取っておきの決戦兵器で派手に迎えてやろう!」

ガガガ…と車輪の音を洞窟内に響かせながら、
全高3メートルはあろうかという大型兵器がこちらへ向かって来る。
銀色のボディを持ち、右手にロケットランチャー、左手にレーザー砲を装備した、
足の代わりに四輪駆動の台車が付いている自走ロボット砲。
メタルダーはその姿に見覚えがあった。

メタルダー「あれはデスターX1…!
 いや、少し違う…」
チューボ「その通りだメタルダー!
 かつて貴様に破壊されたデスターX1を強化改良した後継機。
 名付けてデスターX2!!」
シグフェル「デスターX2…?」

かつてネロス帝国が死の商人に売ろうとしていたデスターX1を
より機動力を高め、口には冷凍光線砲という新兵器も装備させて生まれ変わらせた
デスターシリーズの2号機、デスターX2がシグフェルとメタルダーに迫る。
 
チューボ「メタルダー、シグフェル。
 二人まとめて葬ってくれる。
 やれ! デスターX2!」

チューボの指令に反応したデスターX2が右腕のロケットランチャーをメタルダーに、
左腕のレーザー砲をシグフェルに向けて照準を合わせ、同時に発射した。
ギリギリで回避されたロケット弾とレーザービームが洞窟の壁に炸裂して大爆発を起こす。

メタルダー「前よりも火力が上がっている…!」
シグフェル「負けてたまるか!」

指先から火炎を放ってデスターX2に反撃するシグフェルだが、
デスターX2は口から冷凍光線を発射し、超低温の冷気で火炎をかき消してしまった。

チューボ「フハハハハ!
 シグフェル自慢の火炎も、絶対零度のビームの前には意味を成すまい!
 撃ちまくれデスターX2! 二人とも氷漬けにするのだ!」

冷凍光線をフルパワーで連射するデスターX2。
凄まじい冷気を浴びて洞窟の壁や床がどんどん氷結してゆく。
狭い洞窟内での戦いゆえ横や上空への回避ができず、
前進するデスターX2にシグフェルとメタルダーはじりじりと後ろへ押し戻される。

667凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/03/21(月) 17:40:57
***ゴーストバンク・改造手術室***

その頃、ゴーストバンク内の手術室では、
ゾルベゲール博士と望月敏郎博士の手によって、
拉致された彩堂寺戒のグライアーへの改造手術が行われていた。

望月「…できない。やはり私には、こんな恐ろしい事はできない!」
ゾルベゲール「この期に及んでまだ言うか、望月博士」

戒の体にメスを入れようとしていた望月が手を止め、
手術台の上にメスを投げ出して震える声で言った。
ゾルベゲールは望月をギロリと睨みつける。

望月「これは悪魔の実験だ。
 こんな若者を醜い怪物に変えてしまうなんて、私にはできない!」
ゾルベゲール「究極のモンスターを己の手で生み出せるのだぞ?
 これが科学者冥利に尽きる栄誉でなくて何だというのだ」
望月「かつてネオ生命体を作り出したのは、
 狂気に駆られた私の過ちだった。
 あのような罪を犯す事を二度と繰り返すわけには行かない」
ゾルベゲール「事ここに至って、まだ私を困らせるか!」

自ら進んで計画に参加している主任のゾルベゲールとは異なり、
ネロス帝国に拉致されて強制的に協力させられている望月は
グライアー計画には終始反対というのが本音である。
ゾルベゲールは嘆息を漏らすと、部屋の壁に設置されているブザーを押した。
数秒もしない内に、別室に控えていた暴魂ヒドーマンが手術室へ乗り込んで来て望月を睨む。

ヒドーマン「何事だ、ゾルベゲール博士」
ゾルベゲール「望月の奴がまだ未練たらしく文句を申しおる。
 そなたの鞭で目を覚まさせてやってくれんかな、ヒドーマン殿」
ヒドーマン「望月博士…。
 帝王のご命令に逆らうとどうなるか、
 まだ分からんと言うのか!」
望月「ぐわぁっ!」

言われた通りに、鞭で望月の脇腹を殴りつけるヒドーマン。
ネロス帝国一の残忍さを誇るヒドーマンは、
望月を力ずくで服従させるための拷問係である。

ヒドーマン「さあやれ!
 己の痛みだけでは足りんというなら、
 宏とかいうお前の可愛い息子を同じ目に遭わせてもいいんだぞ」
望月「宏を…!?
 頼む、それだけはやめてくれ!」
ヒドーマン「やめてほしければ、さっさと手術にかかれ!」
望月「………」

息子を楯に脅されて、やむなく立ち上がって手術台に向き直る望月。
戒の体にメスが入れられ、いよいよ改造手術が開始された…。

668凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/03/21(月) 17:43:41
チューボ「フフフ…。手も足も出ないようだな。
 そろそろ止めを刺してやろうか!」

シグフェルの火炎攻撃を冷凍光線で無効化しつつ、
両腕のレーザーとロケットランチャーを連射して押しまくるデスターX2。
メタルダーとシグフェルは劣勢に立たされる。

シグフェル「くっ…、どうすればいいんだ!?」
メタルダー「デスターシリーズは僕のような意思を持つロボットとは違う。
 自我や知能というものはなく、ただ熱センサーで熱源を感知して
 そこに攻撃するようプログラムされているんだ。
 そのシステムを上手く逆手に取れば…」
シグフェル「そうか…。よし、それなら!」

シグフェルは掌にエネルギーを集め、超高温の真っ赤な火球を生成した。
熱に反応するデスターX2の注意を逸らすための囮である。

シグフェル「行けっ!」

サッカーボールほどの大きさに膨らんだ火球を押し出して飛ばすシグフェル。
わざとデスターX2には当てず、その脇を通って後ろへ回るようコントロールする。
この場で最大の熱源であるこの火球を攻撃目標と誤認したデスターX2は、
自分の背後に浮遊する火球に振り返ってレーザーを浴びせた。

メタルダー「今だ! レーザーアーム!」

背中を向けたデスターX2にメタルダーが突っ込み、
超重力エネルギーを帯びた手刀でデスターX2の両腕を斬断する。
ロケットランチャーとレーザー砲という二大武器を失ったデスターX2に、
今度は炎に包まれた手刀を振るってシグフェルが飛びかかった。

シグフェル「フレイムアーム!」

メタルダーのレーザーアームを応用して編み出したシグフェルの技が、
デスターX2の鋼鉄の首を焼き切って刎ねる。
素早く後ろに回ったシグフェルは宙に浮かばせていた火球をボレーシュートし、
頭と両腕を落とされて動きを停止したデスターX2の胴体にぶつけて大爆発させた。

チューボ「おのれメタルダー、シグフェル!
 地下2階で待つ! 付いて来い!」

デスターX2が撃破されたと見るや、
チューボの足元の床が開き、そこへ飛び降りてチューボは姿を消す。

シグフェル「この下が…」
メタルダー「今のデスターX2は第一関門に過ぎない。
 恐らく、下ではネロスの大軍団が待ち構えているはずだ。
 これからが正念場になるぞ」
シグフェル「はい! 覚悟はできています」
メタルダー「よし、降りよう」

メタルダーとシグフェルも床に開いた穴へと飛び込んだ。
メタルダーの言う通り、本当の百鬼魔界はここからである…。

669凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/03/21(月) 17:49:51
○剣流星/メタルダー→彩堂寺戒を助けるべくゴーストバンクへ突入。デスターX2を撃破する。
○スプリンガー→牧村光平をゴーストバンクのゲートへ案内する。
○望月敏郎→彩堂寺戒のグライアーへの改造手術を行なう。
●ゾルベゲール→彩堂寺戒のグライアーへの改造手術を行なう。
●チューボ→デスターX2でメタルダーとシグフェルを迎え撃つが撃破され、撤退。

○牧村光平/シグフェル→彩堂寺戒を助けるべくゴーストバンクへ突入。デスターX2を撃破する。
△彩堂寺戒→ゾルベゲール博士によってグライアーに改造される。

670凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/04/01(金) 19:52:32
>>669修正

○剣流星/メタルダー→彩堂寺戒を助けるべくゴーストバンクへ突入。デスターX2を撃破する。
○スプリンガー→牧村光平をゴーストバンクのゲートへ案内する。
○望月敏郎→彩堂寺戒のグライアーへの改造手術を行なう。
●ゾルベゲール→彩堂寺戒のグライアーへの改造手術を行なう。
●ヒドーマン→グライアー計画への協力を拒む望月敏郎博士を拷問する。
●チューボ→デスターX2でメタルダーとシグフェルを迎え撃つが撃破され、撤退。

○牧村光平/シグフェル→彩堂寺戒を助けるべくゴーストバンクへ突入。デスターX2を撃破する。
△彩堂寺戒→ゾルベゲール博士によってグライアーに改造される。

671凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/04/01(金) 20:07:44
***ゴーストバンク・地下2階***

シグフェル「彩堂寺はどこだ!」
チューボ「待っていたぞ、シグフェル!」

デスターX2を撃破し地下2階へ降りたシグフェルとメタルダーに、
待ち構えていたネロス軍団員達が襲いかかる。

ブライディ「ガウァ〜!!」

モンスター軍団の豪将ブライディが先陣を切り、
牙を剥いてシグフェルに飛びかかった。
鋭い手の爪による斬撃がシグフェルの翼に掠り、赤い羽根が舞い散る。

シグフェル「悪いけど時間がないんだ。
 一撃で終わらせてもらうぞ。フレイムアーム!!」
ブライディ「グォァッ!」

彩堂寺戒を救出しようと急ぐシグフェルは、
いきなりフレイムアームをブライディの胸に叩き込む。
炎の手刀を浴びて倒れ伏すブライディ。
だが、ブライディの背中から分離した巨大蜘蛛が
死んだかに見えたブライディにエネルギーを注ぎ込み、復活させてしまった。
ブライディは再び立ち上がり、凶暴な唸り声を上げながらシグフェルを攻撃する。

シグフェル「そんなバカな!」
メタルダー「ブライディの本体は背中の蜘蛛だ。
 あの蜘蛛を倒さない限り、奴は何度でも生き返る!」
シグフェル「よし、だったら…!」

ブライディと対戦経験のあるメタルダーのアドバイスを受け、
宙に浮遊している巨大蜘蛛を火炎で狙おうとするシグフェルだったが、
そうはさせじと横からヨロイ軍団の激闘士ジャムネが殴りかかる。

シグフェル「お前は…!」
ジャムネ「久しぶりだなシグフェル!
 あの時は不覚を取ったが、俺も特訓して腕を上げたぞ!
 最強の格闘技であるボクシングは赤心小林拳などに負けはせん。
 いざリベンジマッチだ!」

以前の戦いではシグフェルの梅花の型に攻撃を完封され敗れたジャムネが、
特訓してより勢いと鋭さを増したパンチでシグフェルを攻め立てる。

ムカデリヤ「メタルダー、貴様の相手は俺だ!」
メタルダー「ネロス帝国には見ない顔だな?」
ムカデリヤ「俺様はムカデリヤ。
 元はドグマの怪人で、今は客将として爆闘士の階級を貰っているのだ!
 喰らえ、トゲ爆弾!」

ムカデリヤは全身に生えたトゲをメタルダーに投げつけた。
トゲはメタルダーのボディに突き刺さって爆発を起こす。

ムカデリヤ「ムカデロープ!」
メタルダー「うわっ!?」

自分の尻尾を引き抜き、鞭のように振り回すムカデリヤ。
投げられたムカデロープはメタルダーの体に巻き付いた。
動きを封じられたメタルダーに、戦闘ロボット軍団の暴魂クロスランダーが
横から光線銃を撃ち込む。

クロスランダー「フハハハハ! そのまま押さえていろムカデリヤ!
 メタルダー、俺様のボディを木端微塵に粉砕してくれた恨み、
 報復はたっぷりとさせてもらうぞ」

672凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/04/01(金) 20:09:06
***ゴーストバンク・改造手術室***

望月「…これで完成だ」

ゾルベゲールと望月は持っていた手術道具を置き、
額ににじんだ汗を手で拭った。
グライアーの改造手術が遂に完了したのである。

ゾルベゲール「よくやってくれた望月博士。
 帝王にご報告する前に、まずは二人きりで乾杯と行こうか」
望月「生憎だが、とても完成を喜べる気分ではない。
 私はまたとんでもない事をしてしまった…」

祝杯を挙げるのを固辞しようとした望月だが、
ゾルベゲールはそんな事には構わず、グラスを取り出して酒を注ぐ。

ゾルベゲール「フフフ…。おめでとう博士」
望月「おめでとう…」

強いられて渋々、ゾルベゲールと杯を重ね、
グラスに入った酒を口へと運ぶ望月。
ところが、望月は酒を一口飲んだ瞬間、強烈な眠気に襲われた。

望月「うっ…! こ、これは…」
ゾルベゲール「睡眠薬が効いてきたかな? 望月博士」

グラスをテーブルに置いたところで望月は力尽き、
薬に喚起された強い睡魔に屈して床に倒れ込んだ。
望月が眠りに落ちたのを見てゾルベゲールはほくそ笑み、
自分のグラスの酒には一切口をつけずに水道に流して捨ててしまう。

ゾルベゲール「ここから先を見られる訳には行かんのでな…。
 しばらく眠っていてもらおう。
 グライアーの改造手術の、大事な仕上げの作業じゃ」

望月を眠らせてしまったゾルベゲールはメスを取り直し、
完成したはずのグライアーの体を更に弄り始めた。
ゴッドネロスに提出した設計図には書かれていない、
秘密の最終段階となる作業である…。

673凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/04/01(金) 20:12:22
***ゴーストバンク・地下2階***

メタルダー「レーザーアーム!」
ムカデリヤ「ぬおっ!?」

レーザーアームでムカデロープを叩き切り脱出したメタルダーだが、
間髪置かず今度はチューボが日本刀を振りかざして襲いかかる。

チューボ「今日こそは命をもらうぞメタルダー!」
メタルダー「チューボ!」

チューボの日本刀とメタルダーのレーザーアームが激しく切り結ぶ。
一方、ブライディとジャムネの猛攻を凌いでいたシグフェルには
更に戦闘ロボット軍団の爆闘士ゴチャックが挑みかかった。

ゴチャック「シグフェル!
 修業で腕を上げたのはジャムネばかりではないぞ!
 この俺も次こそは貴様を倒さんと、技を磨いてきたのだ。覚悟っ!」

ジャムネと同じくシグフェルに敗れた経験のあるゴチャックが、
以前より精彩を増した動きで掴みかかり、
シグフェルの右腕をねじ切らんばかりの怪力で捻った。

ガマドーン「ゲヘヘヘヘ、てめえがシグフェルか。
 命は貰うぜ。オラァッ!」

更にモンスター軍団の雄闘ガマドーンが腕の電気鞭を振るい、
シグフェルを打ちのめす。
強敵の連続攻撃を受けて窮地に陥ったシグフェルだが、
力を振り絞って立ち直ると反撃に出た。

シグフェル「これならどうだ!」
ガマドーン「ぐぁっ!?」

シグフェルは鞭を掴み、感電に耐えながら、
指先から炎を発生させて鞭を焼き切った。
まだ電流を帯びている鞭を手繰り寄せると、
シグフェルはそれをジャムネに投げ付ける。

ジャムネ「ギャァァァッ!!」
シグフェル「今だ。バジェト・レイ!」
ゴチャック「グォォッ!?」

ジャムネが痺れて倒れたのを見て一瞬怯んだゴチャックに、
シグフェルは素早く接近して至近距離からバジェト・レイを撃ち込んだ。
ゴチャックの左肩が炎弾にぶち抜かれ、粉々に吹き飛ぶ。

メタルダー「Gキック!!」
チューボ「ぬぅっ!?」

メタルダーも強烈なパワーを込めた飛び蹴りでチューボの刀を叩き折った。
衝撃で数歩押し戻され、床に膝を突いたチューボだが、
次の瞬間、何かを悟ったように笑い出す。

チューボ「時は満ちたり…。
 メタルダー、シグフェル! 地下3階の闘技場へ来い!
 者ども退けい!」

壁のドアが開き、チューボの命令でネロス軍団員達は全て撤退した。
ドアの向こうの螺旋階段を下り、シグフェルとメタルダーは地下3階へ攻め込む。

674凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/04/01(金) 20:15:17
***ゴーストバンク・地下3階***

シグフェル「ここは…」

シグフェルとメタルダーが乗り込んだ地下3階には、
古代ローマの円形闘技場を彷彿とさせる巨大な屋内スタジアムがあった。
すり鉢状の観客席に囲まれた広いリングの中央に、
シグフェルとメタルダーは戸惑いつつも歩を進める。

ゴッドネロス「フフフフフ…。
 よく来たなメタルダー。そしてシグフェル!
 貴様らを迎えるために用意したこのコロッセウムで、
 古代の剣闘士の如く戦うがいい!」
メタルダー「ゴッドネロス…!」

闘技場の観客席には帝王ゴッドネロスが座り、
クールギン、バルスキー、ゲルドリング、ドランガーの四軍団長が
その周囲に跪いて侍っていた。

シグフェル「ゴッドネロス! 彩堂寺はどこだ!」
ゴッドネロス「今すぐ会わせてやる。
 我が帝国最強の戦士・彩堂寺戒をこれへ!」

リングの片隅に設置されていたエレベーターが地下からせり上がり、
それに乗って彩堂寺戒が姿を現す。

戒「………」
光平「彩堂寺! 俺だ!
 お前を助けに来たんだ!」

シグフェルは頭部だけ変身を解除し、牧村光平の顔を見せながら呼びかける。
ところが次の瞬間、戒が片手を胸の前にかざすと、
信じられない事が起こった。

戒「――牙装!」
光平「なっ…!?」

「牙装」の掛け声と共に戒の体に稲妻が迸り、
首から下が青色のメカニックアーマーに変貌する。
両肩からは野獣の牙のような鋭い大型の刃が生え出し、
腕や足にも無数のトゲがひしめいていた。

光平「彩堂寺、お前…!」
戒「シグフェル!
 俺はネロス帝国の戦士、グライアーだ!」

叫びと共に稲妻が戒の顔を包み込み、
太古の猛獣サーベルタイガーのような凶悪なマスクが生成される。
遂にその全容を現したネロス帝国の究極生体兵器・グライアーは、
一歩ずつゆっくりと光平ににじり寄る。

光平「彩堂寺…。――翔着(シグ・トランス)!!」

光平も顔に炎を纏い、鳳凰の如きシグフェルのマスクを再び装着する。
ゴッドネロスが手で合図すると、円形のリングの外周に炎が立ち昇り、
二人の超戦士を赤く照らしながら取り囲む。
シグフェルVSグライアーの戦いの幕が今、切って落とされようとしていた…。

675凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/04/01(金) 20:17:09
○剣流星/メタルダー→チューボ&ムカデリヤと戦う。
○望月敏郎→グライアーの改造手術中、ゾルベゲール博士に睡眠薬で眠らされる。
●ゾルベゲール→望月敏郎博士を眠らせ、グライアーに何かを仕込む…?
●チューボ→ゴーストバンクへ乗り込んで来たメタルダーと戦う。
●ムカデリヤ→ゴーストバンクへ乗り込んで来たメタルダーと戦う。
●クロスランダー→ゴーストバンクへ乗り込んで来たメタルダーと戦う。
●ブライディ→ゴーストバンクへ乗り込んで来たシグフェルと戦う。
●ガマドーン→ゴーストバンクへ乗り込んで来たシグフェルと戦う。
●ジャムネ→ゴーストバンクへ乗り込んで来たシグフェルに再戦を挑む。
●ゴチャック→ゴーストバンクへ乗り込んで来たシグフェルに再戦を挑む。
●ゴッドネロス→ゴーストバンクの闘技場でシグフェルとグライアーの戦いを観戦。

○牧村光平/シグフェル→ゴーストバンクの闘技場でグライアーと戦闘開始。
●彩堂寺戒/グライアー→遂に改造手術が完了。ゴーストバンクの闘技場でシグフェルと戦闘開始。

676ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/04/02(土) 12:01:39
***???***

どこかの長年使われていない廃倉庫のような場所…。

理乃「まぁ…これはこれは!」

水晶玉に映し出される、今現在のゴーストバンク地下3階の様子の映像。
シグフェルとグライアーが、コロッセウムのリングで向き合い対峙している。

ケビン「シグフェルが2体…? いや、もう片方はザジロードか。珍しいな」

どこかからかシグフェルと同じ波動の源を感知し、
不審に思った東条寺理乃とケビン・オルバであったが、
水晶玉に映るグライアーの姿を見て、ケビンは何気なく呟き
「ザジロード」という単語を口にした。

理乃「この世界の闇の眷族共に、我ら堕神の因子を
 活用できるだけの技量が備わっていたとは興味深いわ」
ケビン「ここは一つ、利用してみるか?」

ケビンがニヤリと笑い、理乃も興味深そうに無言でコクリと頷く。
ケビンは手元から配下の子蜘蛛を一匹放ち、一瞬だけ小さな時空クレパスを開いて
子蜘蛛をゴーストバンクへと様子見に送り込んだ。


●東条寺理乃→シグフェルとグライアーの戦いの様子を水晶玉に映し出す。
●ケビン・オルバ→配下のスパイ子蜘蛛をゴーストバンクに潜り込ませる。

677凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/04/03(日) 20:02:04
***ゴーストバンク・地下3階・闘技場***

ゴッドネロス「さあ、グライアーの真価、
 とくと見せてみよ…!」

ゴーストバンクに築かれた決闘用の地下コロッセウムで、
帝王ゴッドネロスとクールギンら四凱聖が客席の高みから見詰める中、
燃え盛る炎に囲まれたリングの上で対峙するシグフェルとグライアー。

グライアー「行くぞ! シグフェル!」
シグフェル「…!」

刹那、グライアーの姿がふっと消えた。
瞬間移動にも似た神速で一気にシグフェルの懐まで踏み込んだグライアーは、
ガードのため咄嗟に振り上げられたシグフェルの腕に強烈なパンチを叩き込む。

シグフェル「くっ…!」

凄まじいパワーを誇るはずのシグフェルが、
一撃で数メートル後ろまで弾き飛ばされた。
間髪入れず猛然と突っ込んで来るグライアーを、
シグフェルは翼で浮力を作り、ひらりと上へ飛んで空中回転でかわす。

シグフェル「待て彩堂寺! 目を醒ませ!」
グライアー「問答無用!」

唸りを上げたグライアーの回し蹴りがシグフェルの鼻先を掠める。
相手が彩堂寺戒とあって戦うのを躊躇い、防戦一方となってしまうシグフェル。
見かねたメタルダーが横から牽制の突進を仕掛け、
シグフェルからグライアーを一旦引き離した。

ゴッドネロス「見世物にはちょうど良い。
 サラジアのアルハザードが余に献上した、
 世にも珍しき異界のキメラをメタルダーと戦わせよ」
クールギン「承知いたしました。
 ――出でよ、タイガーランス!」

クールギンが合図すると、再びリングの片隅に地下から台座がせり上がり、
鋭い三叉の長槍を持った、上半身は虎、下半身は馬、
そして背中には大きな翼が生えている異世界の合成魔獣タイガーランスが現れた。

タイガーランス「グォォォ…!」
メタルダー「これは…!」

メタルダーが戸惑う暇もなく、咆哮と共に駆け出したタイガーランスは、
槍を振るってすれ違いざまにメタルダーを斬り付ける。

メタルダー「うわぁっ!?」
ゴッドネロス「フハハハハ!
 戦場を誰よりも速く駆けるタイガーランスは、
 まさしく猛虎の騎士。さしものメタルダーも敵うまい」

状況はまるで歩兵と騎兵の戦いに等しく、
体高と機動力で上回る相手にメタルダーは悪戦苦闘を強いられる。

シグフェル「あんな猛獣の化け物を出してくるなんて、
 グラディエーターごっこも大概にしろっての…!」

メタルダーのピンチを見ても、
グライアーに激しく攻め立てられているシグフェルには助けに入る余裕がない。
リングの端へと追い詰められたシグフェルを、
燃え立つ炎の壁が背後から脅かした。

678凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/04/03(日) 20:04:06
グライアー「どうしたシグフェル! 反撃して来ないのか!」
シグフェル「くっ、彩堂寺っ…!」

再び翼を羽ばたかせて上空へ逃れ、
リングの中央付近に着地して体勢を立て直すシグフェル。

グライアー「フンッ!」
シグフェル「…!」

両肩に生えた巨大な二本の刃を、グライアーは引き抜いて左右の手に構えた。
グライアーに装備された強力武器・ファングブレイカーである。

シグフェル「彩堂寺…。戦うしかないのか!」

とうとうシグフェルは観念した。
このグライアーは恐るべき戦闘力を持った強敵である。
中途半端な覚悟で手心を加えながら戦ってなどいたら、
たちまちこちらが殺されてしまってもおかしくないほどの相手だ。
戒を助けるにしても、今の時点での説得にはほとんど効果がない以上、
まずは全力で戦ってグライアーを打ち破り、
完全にダウンさせてからでなければ話にならない。

グライアー「死ね、シグフェル!」
シグフェル「たぁっ! ――ヴァジェト・レイ!!」

ファングブレイカーを振りかざし、猛然とダッシュで斬りかかるグライアー。
飛翔して宙に逃れたシグフェルは空中で炎のエネルギーをチャージし、
ヴァジェト・レイをリング上に立つグライアーに向けて放った。

グライアー「それがどうした…。つぁっ!!」
シグフェル「何っ…!?」

シグフェルが撃ち出した超高熱の炎弾を、
軌道を見切ったグライアーは片方のファングブレイカーで軽々と弾いてみせた。
地上に叩き落とされた炎弾が爆発を起こし、リングに大きなクレーターを作る。

シグフェル「フレアセイバー!!」
グライアー「フン、やっとやる気になったか!」

愛剣フレアセイバーを手にしたシグフェルは地上に急降下し、
グライアーのファングブレイカーと激しい斬り合いを展開する。

ゲルドリング「おおっ!? シグフェルの奴がやっと本気になりおったで!
 これからが本当の勝負や!」
クールギン「グライアーにとっても、
 ここまでの動きはウォーミングアップに過ぎん…。
 フルパワーとなればまだまだこの程度のものではないぞ」
ゴッドネロス「………」

クールギンが扮した影武者の桐原剛造に剣術指南を受けていた戒は、
グライアーとなってもその訓練の成果を如何なく発揮し、
サーベルタイガーの牙のような二本の大型の刃を隆々と振り回す。
だがシグフェルも、元から心得があった薩摩示現流に
シンケンレッドから学んだ剣法の技を上乗せし、
今や一流の剣士と言ってよいレベルに成長しているのだ。
両者がリング上で繰り広げる剣戟は熾烈を極めた。

679凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/04/03(日) 20:06:30
一方、魔獣タイガーランスの攻撃に苦戦するメタルダーは、
頭部に内蔵された戦闘マニュアルコンピューターで敵の動きを解析し、
突破口を見出して反撃に出た。

タイガーランス「グォォッ!」
メタルダー「ヤァッ!!」

全速力でリング上を駆け抜けて突進し、
鋭い槍の一撃でメタルダーを刺し貫こうとするタイガーランス。
メタルダーはジャンプでそれをかわすと、
何と突き出されたタイガーランスの三叉槍の上に着地した!

タイガーランス「グ…ォォッ…!」
メタルダー「タァッ!!」

メタルダーの全体重を持っていた槍に預けられ、タイガーランスは苦悶に呻く。
飛び乗った槍の上から更にジャンプし、
タイガーランスの頭にドロップキックを浴びせるメタルダー。
さしものタイガーランスも怯み、馬の四つ足を絡ませて横転する。

メタルダー「今だ!」

メタルダーは横倒しになったタイガーランスの巨体を持ち上げ、上空へと放り投げた。
自らもそれを追うように真上へ跳んだメタルダーは、
重力に引かれて落下してくるタイガーランスに必殺のプラズマパンチを叩き込む。

タイガーランス「グギャァァッ!!」

勝負はこれで決まった。
超重力エネルギーを込めた拳の一撃で絶命したタイガーランスは、
リングの上に墜落して爆死する。

グライアー「(こうなれば、円月殺法で倒す…!)」
シグフェル「(火焔十字の舞でケリを付けてやる!)」

互角の剣のせめぎ合いを展開していたシグフェルとグライアーは
間合いを取り直し、互いに必殺技を繰り出そうと気を集中させた。
二振りのファングブレイカーをゆっくりと回転させて切っ先で円を描き、
クールギン直伝の秘技で一気に勝敗を決しようとするグライアーに対し、
シグフェルもその隙を突いて十字の斬撃を打ち込もうとフレアセイバーを脇に構える。

グライアー「グッ…!? うぁぁぁっ…!」
シグフェル「どうした、彩堂寺!」

ファングブレイカーを握る手に力を込め、前へと踏み出そうとした瞬間、
突如としてグライアーに異変が起こった。
持っていた武器を取り落とし、頭を抱えながら苦しみ出すグライアー。

ドランガー「むっ!? 何事だ」
バルスキー「帝王、グライアーが変調を起こした模様です!」
ゴッドネロス「ぬうっ…! まさか…」

観戦していたゴッドネロスらもグライアーの異変発生にどよめいた。
これは全く想定外の事態である。

680凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/04/03(日) 20:08:57
シグフェル「彩堂寺、どうしたんだ。しっかりしろ!」
グライアー「ぐぁぁっ…! 触るなシグフェル!」

咄嗟にフレアセイバーを投げ捨てて駆け寄ったシグフェルを、
グライアーは苦痛に悶えながら片手で突き飛ばす。

ゲルドリング「どういうこっちゃ!?
 改造手術は完璧に成功したんとちゃうんかい!」
クールギン「何らかのアクシデントが発生したようだ。
 未だ謎多きシグフェルの細胞を使うとなれば、
 想定不能の部分もやはりあったという事か…」
ドランガー「帝王、勝負はここまでです。
 これ以上の戦闘続行は不可能かと!」
ゴッドネロス「ええい…、やむを得ぬ。
 グライアーを下がらせろ!」
バルスキー「心得ました。ジャース、行け!」

リングをぐるりと囲んで燃え盛っていた炎が消える。
バルスキーの指示で戦闘ロボット軍団の雄闘ジャースがリングに上がり、
グライアーとシグフェルの間に立ち塞がった。

ジャース「シグフェル! メタルダー!
 残念だがデュエルは中止だ。俺のビームを喰らえっ!」
メタルダー「うわっ!」

両肩の砲塔からビームを撃ちまくるジャース。
その間に、同じ戦闘ロボット軍団の軽闘士デデモスとゴブリットが
苦しむグライアーを回収し、二人で肩を貸してリングから運び降ろした。

シグフェル「彩堂寺〜っ!」
デデモス「へっ、勝負は預けたぜ!」
ゴブリット「あばよシグフェル!」

デデモスとゴブリットとグライアーが立っていた床の台座が
エレベーターとなって地下深くへと降りて行く。
シグフェルの叫びも空しく、グライアーとなった戒は彼の前から姿を消してしまった。

ゴッドネロス「コロッセウムをゴーストバンクから切り離し、爆破せよ!」
ドランガー「ははっ! 爆破装置、起動!」

ドランガーが時限爆弾の起爆スイッチを押し、
ゴッドネロスは四凱聖に守られながらコロッセウムから退席した。

メタルダー「まずい! 爆発するぞ!」
シグフェル「彩堂寺…。いつか必ず助けてやるからな!」

シグフェルはコロッセウムの天井をヴァジェト・レイでぶち抜いた。
メタルダーを抱えて飛び立ち、炎弾で開けた穴を通って地上へと脱出するシグフェル。

スプリンガー「ワンワン! 無事だったか!」
メタルダー「もうすぐ爆発する。伏せるんだ!」

数秒後、時限爆弾が爆発し、地底に築かれたコロッセウムは吹き飛んだ。
轟音が響いて大地が揺れ、シグフェルが開けた脱出用の穴から真っ赤な炎が地表に噴き上がる。
メタルダーが知っていたゴーストバンクへの入口も、この爆発で消滅してしまったのである。

681凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/04/03(日) 20:13:30
【今回の新規登場】
●タイガーランス(ドラゴンクエストシリーズ)
 上半身が虎、下半身が馬の姿をした、大きな翼の生えた合成魔獣。
 手に持った槍を武器とする。

○剣流星/メタルダー→タイガーランスを倒し、爆発したコロッセウムから脱出。
○スプリンガー→コロッセウムから脱出したメタルダーとシグフェルに合流する。
●ゴッドネロス→シグフェルとグライアーの決闘をコロッセウムで観戦する。
●クールギン→シグフェルとグライアーの決闘をコロッセウムで観戦する。
●バルスキー→シグフェルとグライアーの決闘をコロッセウムで観戦する。
●ゲルドリング→シグフェルとグライアーの決闘をコロッセウムで観戦する。
●ドランガー→シグフェルとグライアーの決闘をコロッセウムで観戦する。
●ジャース→突然変調を起こしたグライアーを助けるため、シグフェルとの戦いに割って入る。
●デデモス→突然変調を起こしたグライアーを助けて退場させる。
●ゴブリット→突然変調を起こしたグライアーを助けて退場させる。
●タイガーランス→コロッセウムでメタルダーと戦うが、プラズマパンチで倒される。

○牧村光平/天凰輝シグフェル→グライアーとの初対決は決着付かず。爆発したコロッセウムから脱出する。
●彩堂寺戒/グライアー→シグフェルとの戦いのさ中、突如体に変調を起こして撤退する。

682凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/04/03(日) 20:22:03
>>681修正

【今回の新規登場】
●タイガーランス(ドラゴンクエストシリーズ)
 上半身が虎、下半身が馬の姿をした、大きな翼の生えた合成魔獣。
 手に持った槍を武器とする。

○剣流星/メタルダー→タイガーランスを倒し、爆発したコロッセウムから脱出。
○スプリンガー→コロッセウムから脱出したメタルダーとシグフェルに合流する。
●ゴッドネロス→シグフェルとグライアーの決闘をコロッセウムで観戦する。
●クールギン→シグフェルとグライアーの決闘をコロッセウムで観戦する。
●バルスキー→シグフェルとグライアーの決闘をコロッセウムで観戦する。
●ゲルドリング→シグフェルとグライアーの決闘をコロッセウムで観戦する。
●ドランガー→シグフェルとグライアーの決闘をコロッセウムで観戦する。
●ジャース→突然変調を起こしたグライアーを助けるため、シグフェルとの戦いに割って入る。
●デデモス→突然変調を起こしたグライアーを助けて退場させる。
●ゴブリット→突然変調を起こしたグライアーを助けて退場させる。
●タイガーランス→コロッセウムでメタルダーと戦うが、プラズマパンチで倒される。

○牧村光平/天凰輝シグフェル→グライアーとの初対決は決着付かず。爆発したコロッセウムから脱出する。
△彩堂寺戒/グライアー→シグフェルとの戦いのさ中、突如体に変調を起こして撤退する。

683ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/04/09(土) 12:59:50
>>682の続き<エピローグ>
***ゴーストバンク・メンテナンスルーム***

トラブルを起こし、手術台の上に運び込まれたグライアー=彩堂寺戒の身体を
くまなくメンテナンスチェックしているゾルベゲール博士である。

ゾルベケール「フッフッフ…まあ、多少のアクシデントはあったようだが、
 試運転としては上々じゃ。これから私のために役に立ってもらうぞ。
 我が愛しの最高傑作よ。ヒッヒッヒ!」
戒「………」

不気味に笑いながらせっせと作業を進めるゾルベゲールであったが、
必要な器具を手に取ろうと目を離した一瞬の隙に、黄緑と黒の縞模様をした
小さい蜘蛛が一匹、いつの間にかメンテナンスルームの中に忍びこんで、
眠る戒の首筋後ろに飛び付いた事には全く気がついてはいなかった…。

子蜘蛛「………」


――その翌朝。

***海防大学付属高校・校舎裏***

朝早く登校して来て、まだ始業時間前に他に人のいない
校舎裏に集まって話をする光平、慎哉、優香の3人。
光平は、昨日のゴーストバンクと繋がっていたコロッセウムでの出来事――
――ネロス帝国の戦士・グライアーと化した彩堂寺戒と戦った一部始終を
2人に話して聞かせた。

慎哉「…そうか。結局、彩堂寺は助けられなかったのか」
光平「ごめん、優香。俺の力が及ばなかった…」

己の非力を詫びる光平に、優香は優しく首を横に振る。

優香「ううん、そんなことないよ。光平くんは出来る限りの事をしてくれた。
 彩堂寺くんもきっとわかってくれるよ」
慎哉「でも光平、そのグライアーって奴はまたきっと…」
光平「ああ、近いうちに必ず襲ってくると思う。
 よくは知らないけど、どうやらグライアーはシグフェルを
 研究して創造された者らしい。直接戦ってみて分かったけど、
 俺にもその事がひしひしと伝わって来て戦慄を感じたよ」

光平は暗い表情になる。

慎哉「光平…?」
光平「できればそうなる前に彩堂寺を助け出したかった。
 やっぱり自分の体を誰かに知らないうちに、勝手に機械にされるなんて
 気持ちのいいもんじゃないしさ…」

牧村光平は、謎の人体実験によって体中の全細胞をナノマシンと置き換えられ、
超人的な力を秘めた人外の存在=天凰輝シグフェルに生まれ変わり、
自分の自由意思に関わりなく戦いに巻き込まれる事になった。
光平は、そんな目に遭う人間は自分一人を最後にしたいと思っていたが、
運命の歯車はそれを許さなかったのである。

自分と全く同じ境遇の人間が、最大の敵となって今、
目の前に立ちはだかろうとしているのだ。

優香「光平くん…」
光平「でも次にグライアーが現れた時こそ、彩堂寺を助け出すチャンスなんだ。
 次こそは必ず…!」
慎哉「よしっ、その意気だ! やっぱり光平はこうでなくちゃな♪」

684ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/04/09(土) 13:00:53
朱音「あなたたち、こんなところで何をしているの?
 もうすぐ授業始まるわよ!」
光平「朱音ちゃん!?」

担任の千坂朱音が見回りにやって来て、慌てる光平たち。
その瞬間、学校中に始業のチャイムが鳴り響いた。

慎哉「やべっ!? もうこんな時間か!」
朱音「急いで教室に戻りなさい!
 Go to the classroom in a hurry!!」
優香「急がなくちゃ!」
光平「すみません! すぐに戻ります!」

朱音に怒られ、走って教室に向かおうとした光平たちだったが、
つい不注意で光平は、朱音の脇腹辺りにぶつかってしまう。

朱音「うっ…!!」
光平「わっ!? ごめんなさい! つい…」

朱音は激痛で表情を歪めている。
それが尋常な様子ではなかったため、
光平たち3人は立ち止って朱音を心配する。

優香「どうしたんですか? なんだかとっても苦しそう…」
朱音「…だ、大丈夫よ。実を言うとね、この間道端で足を滑らせて
 転んだら打ち所が悪くて、脇腹のところにちょっと怪我をしちゃったのよ。
 我ながらドジな話よね。アハハハ…(汗」

その「怪我をした脇腹」というのは、本当はクールギンに斬られた時の傷である。
適当に言い繕う朱音だったが、"転んで腹部に怪我をする"というのは
普段あまり聞いたことがなかったので、光平たちはきょとんとしていた。
いったいどんな転び方をしたのだろう…??

朱音「こーらっ! あなたたち何をボサッとしているの!
 わたしのことなら大丈夫だから、さっさと教室に行きなさい!」
慎哉「ごめん、朱音ちゃん! また後で教室でな!
 さ、光平も沢渡も行こうぜ」
光平「あ、ああ…」
優香「うん…」

どこか釈然としなかったが、朱音に強く促されて
とりあえず光平たちはその場を後にする。そして教室に向かって走る途中、
ふと光平は数日前に遭遇した謎のくノ一のことを考えていた。
覆面のせいで顔はよく見えなかったが、よく思い出してみれば
あのくノ一の滑らかで美しいロングヘアの黒髪は、
どことなく朱音と雰囲気が似ている。
そして確かあの時、くノ一はクールギンに脇腹を斬られて
血を流し負傷していた。

光平「まさか、な…」

そんな筈がある訳ないと思い直し、再び教室へ向かって猛ダッシュする光平。
そして数分後には、もう彼の頭の中からはそんな疑問は綺麗サッパリと
忘れ去られていたのだった。

685ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/04/09(土) 13:01:31
●ゾルベゲール→グライアーの身体をメンテナンスチェックする。

○牧村光平→新たな敵グライアーの出現に戦慄を覚えるが、改めて彩堂寺戒救出の決意を新たにする。
 そして千坂朱音と謎のくノ一の同一人物の可能性を一瞬疑うが、すぐに忘れてしまう。
○朝倉慎哉→牧村光平からコロッセウムで起こった事を聞かされる。
○沢渡優香→牧村光平からコロッセウムで起こった事を聞かされる。
△彩堂寺戒→ぐっすりと眠って意識のない中、ゾルベゲールのメンテナンスを受ける。
 その最中にガーミッド配下のスパイ子蜘蛛に首筋辺りに飛びつかれる。
△千坂朱音→学校の校舎裏にたむろしていた牧村光平たちを注意する。クールギンに斬られた時の傷は、
 まだ現時点では治りかけの状態で完治していない模様。

686ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/04/09(土) 20:01:40
>>404-406続き
【暗殺教室原作完結記念!】≪陰謀砕いた国会での対決!PART2≫

***江田島平八邸***

嘉納「江田島のじいさんはいるかい?」
富樫「これは嘉納先生、只今ご案内を」
嘉納「いや、いい。勝手知ったる屋敷だ」

江田島平八の屋敷にズカズカと入り込んで来たこの人物…。
元内閣総理大臣・嘉納太郎――困難な特地問題で陣頭に立って指揮対応した人物として知られ、
日本のポップカルチャー発信拠点として国立メディア芸術総合センターを設立後、
政治家を引退していたが、現在も政財界に影響力を持っている。

江田島「何をそう血相変えて慌てておるのだ?
 まずは落ち着いて茶の一杯でも飲め」
嘉納「随分と呑気じゃねえか? 自分の愛弟子がピンチだって時に」
江田島「剣の事か…?」

現内閣総理大臣・剣桃太郎がブレイバーズを意のままに操り、
地球破壊を企んでいた謎の超生物・殺せんせーと裏で結託していたという疑惑。
その真偽を究明するための国会の証人喚問の場において、剣桃太郎を糾問する役割に、
元首相である嘉納太郎に白羽の矢が立ったのである。

江田島「かねてより剣とも親交が深かったお前が、証人喚問での追及する役回りか。
 いかにも天童の古狐の考えそうな事よ」
嘉納「そんなことを言ってる場合かい?」
江田島「もしこの程度の奸計に成す術もないようでは、
 剣も所詮はそれだけの器だったというだけよ」
嘉納「自分の教え子に随分と冷てえじゃねえか」
江田島「………」
嘉納「じいさん、俺と剣総理との仲ではあるが、
 聖天子様直々この役目を仰せつかった以上、
 八百長で手を抜く訳にはいかねえ。国会の場では
 本気でやらせてもらうぜ」

◇   ◇   ◇

椚ヶ丘中学を卒業後、それぞれの道を歩んでいた元3年E組の面々。
級友・茅野カエデの危機を知り再び集結!
カエデは天童一門によって都内の某寺院に監禁されていたところを、
里見蓮太郎たちの協力を得た潮田渚たちの手によって救出される。
――が、逃げる途中で天童配下の忍び・望月甚八に見つかってしまう。

甚八「貴様ら生きては帰さんぞ!」
渚「――!!」
業「なあ渚、コイツ…俺に処刑させてほしいんだけど!」

強大な天童忍軍に立ち向かう、怒りの3-E。
甚八への対処を赤座業に任せ、自身は意識のないカエデと共に山小屋へと逃げ込む渚。
うわ言で「寒い」と震えるカエデを、渚は懸命に介抱する。

渚「茅野、ブレイバーズの人たちから預かって来た解毒剤だ。
 これを飲んで」
カエデ「う…ううっ……」

一晩を山小屋の中で二人きりで過ごす渚とカエデ。
そしてやがて夜は明けた。

687ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/04/09(土) 20:03:10
***国会議事堂・衆議院予算委員会***

外遊からの帰国早々、国会への出頭を求められる剣桃太郎首相。
国家転覆の陰謀を企てたとされる内乱予備の疑惑に対して答えるべく、
異例の聖天子臨席のもとで行われる証人喚問の場に乗り込む。

嘉納「これより剣内閣総理大臣に対する証人喚問を取り行う。
 役義により言葉を改めさせて頂く」
桃太郎「承知した。ところで、この場にもう一人いなければならない
 人物がいないようだが?」

その人物とは、言うまでもなく天童菊之丞のことである。


***天童菊之丞邸・茶室***

執事長の高坂を前にして、静かに茶を立てている菊之丞。

高坂「閣下、何故本日宮中に出仕なされません?
 積年の宿敵・剣桃太郎が聖天子様の御前にて
 止めを刺される様を間近にて御見物あそばされれば
 よろしいものを。それともこの高坂正眼の策が信用できませぬか?」
菊之丞「いや、そうではない。悪企みにかけては、
 その方はこのわし以上じゃ」
高坂「恐れ入ります。では何故に?」
菊之丞「なんとのう、気が進まぬだけよ」
高坂「と、申されますと?」
菊之丞「くどいのう! なんというか心が弾まんのじゃ!」

菊之条は、なぜか不安を覚えイライラしていた…。


***国会議事堂・衆議院予算委員会***

再び、場面を証人喚問の場へと戻す。
まずは天童側の証人である鷹岡が証言台に立ち、
ブレイバーズと殺せんせーが裏で通じていて
陰謀を企んでいたなどと嘘八百を並べ立てる。
続いて天童側第二の証人・茅野カエデが連れて来られる。
しかしカエデは昨夜に渚たちによって救出されていた際に、
咄嗟に機転を利かせて変装した天童木更と入れ替わっていたのだった。

聖天子「まあ、これは…!」
鷹岡「だ、誰だテメーは!?」
木更「聖天子様、剣総理、お久しぶりでございます」
桃太郎「ははは! 天童社長、随分と変わったところから
 出て来たようだな」

突然の意外な番狂わせに、議場は騒然となる。
見ていた嘉納太郎も「ふふっ、そういうことか」と察してニヤリと笑う。

688ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/04/09(土) 20:03:48
そこへ天使更生組合社長・天賀井玲子に付き添われる形で、
若手人気女優である磨瀬榛名(=雪村あかり=茅野カエデ)がやって来た。
首相官邸に表敬訪問に訪れる予定であったのだが、肝心の剣総理が留守だったため、
こうしてわざわざ国会の場まで出向いて来たのだという。

榛名(カエデ)「この度は私の事で剣総理を始め、
 各方面の皆様に対して多大なご迷惑をおかけし、
 こうしてお詫びに参上いたしました」

榛名は元椚ヶ丘中学校3-Eの生徒として、
ブレイバーズの潔白を堂々と証言。これで勝負は決まった。
剣桃太郎とブレイバーズの無実は証明されたのである。
逃げ出した鷹岡は天童邸に駆け込もうとするが、
その門は幾ら叩いても固く閉ざされたままだった。

烏間「諦めろ。天童菊之丞は、お前を見捨てたのだ」
鷹岡「烏丸ァァァァッッ〜!!!!!」

鷹岡は烏丸惟臣によって拘束され、再び塀の中へと逆戻りする羽目に。

菊之丞「なんともいいようのない不安は、
 こうなることへの虫の知らせであったか…。
 おのれ剣桃太郎!」


***聖居***

剣桃太郎と磨瀬榛名は、聖天子から昼食の席へと招かれた。

桃太郎「ほほう…天童家用人・高坂正眼が病気にて急死しましたか」
聖天子「たった今、天童家より聖居に届け出がありました」

実際は主人に追及の手が及ばぬよう、高坂が罪を被って自害したのである。

桃太郎「いかがでございましょう。天童補佐官も何分にご高齢。
 暫くの間宮中の職務より退き、自邸にて静養に専念するよう
 申し渡されましては?」
聖天子「そうですね。そうする事に致しましょう。
 磨瀬榛名さん、どうやら今回の件では貴女にも大変な目に
 遭わせてしまったようですね。私からも心よりお詫びします。
 貴女のお友達にもよろしくお伝えください」
榛名(カエデ)「聖天子様…」


***江田島平八邸***

国会での対決は剣桃太郎側が勝利し、
天童菊之丞が事実上の隠居に追い込まれたとの一報は、
ここ江田島邸にも届いていた。

佳代「これで天童の古狐も今度という今度はオシマイですね♪
 でもどうせなら、完全に息の根を止めてやればよかったのに」
富樫「塾長、今回ばかりは私も佳代と同意見です。あの古狐がこのまま
 黙って自邸に引っ込んでいるとは思えません」
江田島「いや、これでよいのだ。これ以上やると聖天子様にも傷がつく」

「あれでちょうどよいのだ」という風に、江田島は結末に満足そうに
池の鯉に餌を与えているのだった。

689ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/04/09(土) 20:04:22
一方、その頃……。
霊界の地獄では、ラインハルト・フォン・ローエングラム率いる陣営と
志々雄真実率いる陣営の二大勢力によって地獄界は真っ二つに割れ、内乱状態に陥っていた。
そのラインハルト軍に軍師として籍を置いていたのは、黄色いタコのような超生物――
――その名を「殺せんせー」!

殺せんせー「ヌルフフフ!」

彼の目的は、行方不明となってしまった雪村あぐりの魂を見つけ出し救出する事。
実はその雪村あぐりこそが、堕神が血眼になって探している女神の器を宿した
最後のリザレクターであることは、まだこの時点では誰も知らない…。

690ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/04/12(火) 13:06:38
【『バットマンVSスーパーマン ジャスティスの誕生』公開記念】

《バットマン対仮面ライダーW 街を守る者》

財団Xによって、アメリカのゴッサムシティにガイアメモリが出回り、
ガイアメモリを聞きつけて、左翔太郎らはゴッサムシティに訪れる。

将太郎「ここがゴッサムシティか・・・・」
フィリップ「ゴッサムシティ・・・・犯罪の温床として、様々な犯罪者達が暗躍する都市。
 だが犯罪者達はゴッサムシティを守るヴィジランテ(自警団)、バットマンによって
 倒されている・・・・・」

ゴッサムシティについて検索したフィリップは、いつもの様に長々と説明する。
だが、そこで強盗事件が発生し、強盗は逃走。翔太郎は単身、強盗を追いかけて
ある工場に辿り着く。

強盗「捕まってたまるか!」

ガイアウィスパー@「コックローチ!!」

工場に追い詰められた強盗は、所持していたゴキブリの記憶を内包する
コックローチメモリを使用し、コックローチ・ドーパントに変身する。

翔太郎「ガイアメモリを持っていたか!」
コックローチ・ドーパント「へへっ!逃げ出させてもらうぜ!」

コックローチ・ドーパントは、ゴキブリ特有の逃げ足で、その場から
逃げ出そうとする。翔太郎はダブルに変身しようとしたその時。
黒い影が翔太郎とコックローチ・ドーパントの前に現れる。

コックローチ・ドーパント「そ、その姿はバットマン!?」
翔太郎「あれが、バットマン・・・・・」
バットマン「・・・・その姿が、この街の悪党達の間で出回っているという
 ガイアメモリで変身したドーパントという姿か。だが、逃しはしない!」
コックローチ・ドーパント「な、何だとぉ〜!」

バットマンの登場に驚くコックローチ・ドーパントだが、その素早い動きで
逃げ出す。だが、バットマンは冷静にコックローチ・ドーパントが向かう方向に
手持ちの武器である手裏剣を投げつける。

コックローチ・ドーパント「うぉっと!」
バットマン「むん!」
コックローチ・ドーパント「ぐわぁ!」

バットマンの手裏剣がコックローチ・ドーパントの足下に刺さり、
コックローチ・ドーパントはつい足を止めてしまう。その隙に
バットマンはコックローチ・ドーパントを殴り、痛めつける。

翔太郎「ドーパントを相手に、あそこまで攻撃できるなんてすげぇ・・・・」
コックローチ・ドーパント「こ、この野郎ぉ〜喰らえ!」
バットマン「ム・・・・」

コックローチ・ドーパントは掌から青い粘液状の体液を、バットマンの
口にめがけて反撃を行う。バットマンは咄嗟の判断により、口元を
マントで隠したので攻撃を防いだ。

コックローチ・ドーパント「今だ!」
翔太郎「させるかよ!」

“LUNA” “TRIGGER”

W「「さぁ、お前の罪を数えろ!」」
バットマン「(何だ、あの姿は・・・・?)」

翔太郎はダブルドライバーにトリガーメモリをセットし、この場にはいない
フィリップはダブルドライバーにルナメモリをセットする。そしてルナメモリと
フィリップの意識が翔太郎の元へ転送され、仮面ライダー・ルナトリガーに
変身する。ダブルの姿にバットマンは警戒する。

W(フィリップ)『まさか、バットマンに出くわすなんて流石だね。翔太郎』
W(翔太郎)「ごちゃごちゃ言っている場合じゃねえ!さっさと、あのドーパントを
 メモリブレイクだ!」
W(フィリップ)『分かったよ。翔太郎』

“TRIGGER MAXIMAMDRIVE”

W「「トリガーフルバースト!!」」

トリガーマグナムにトリガーメモリを装填し、マキシマムドライブを発動。
トリガーマグナムから黄色と青に輝く追尾弾が複数同時発射され、
前にいたバットマンを避けて、コックローチ・ドーパントに全て命中し、
コックローチ・ドーパントから元の強盗の姿に戻り、強盗の身体から
コックローチメモリが飛び出て、砕け散るのであった。

翔太郎「ふぅ〜、これで片付いた。ありがとうな!バットマン・・・・・
 あれ?バットマンは何処に行った」

ドーパントを倒して変身解除した翔太郎は、何時の間にかバットマンが
いなくなっている事に気付く。そのバットマンは、工場の屋根の部分に
移動しており、物陰から翔太郎の様子を覗う。

バットマン「・・・・・(奴は何者なのか?見た所、日本人でガイアメモリに
 ついて知っている様だが・・・・・・調べてみるしかない)」スッ

空は既に赤い夕焼け空になっており、バットマンは翔太郎の事を調べようと
夕暮れの中に消えていった。

691ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/04/12(火) 17:05:21
***ゴッサムシティ・下水道***

スケアクロウ「これが・・・・」
財団Xのエージェント「はい。お求めになっていたガイアメモリです」
スケアクロウ「フフフフ。これこそ、私が求めていた物だ・・・・・」

ゴッサムシティの下水道で、財団Xのエージェントはゴッサムシティで
暗躍する案山子の恰好をした怪人―スケアクロウとガイアメモリの取引を
行っていた。スケアクロウは求めていたガイアメモリが手に入った事により、
ひどく喜んでいた。そのガイアメモリは「T」と書かれており、それを使って
ある企てをしようとしていた。

****ゴッサムシティ警察署****

事件後、翔太郎とフィリップはゴッサムシティ警察に呼ばれる。
警察署で翔太郎達を出迎えたのは、ゴッサム市警察本部長の
ジェームズ・W・ゴードンと、ガイアメモリの捜査で翔太郎と同じく
日本から出向してきた照井だった。

ゴードン「君達の活躍は、照井から聞いている。ガイアメモリが市内に
 出回っている事により、大人しくしていた犯罪者達が、またしても騒ぎを
 起こしている。ガイアメモリによる犯罪摘発に、是非協力してほしい」
翔太郎「勿論です!例え風都じゃなくても、ガイアメモリが街を泣かすなら、
 俺が晴らしますよ!」
フィリップ「翔太郎。俺が・・・・じゃなくて、僕達だろう?」
翔太郎「そうだな。済まない、フィリップ!」

ゴードンから協力を要請された翔太郎とフィリップは快く承諾する。

照井「早速だが、通称“スケアクロウ”と呼ばれる犯罪者が、ガイアメモリを
 入手したという情報がある。そしてスケアクロウは、ゴッサムシティの大富豪
 ブルース・ウェイン氏が主催のチャリティ・パーティーを襲撃するらしいというのが
 調べで分かった。俺達も警備の為に、パーティーに参加する事になる」
翔太郎「ブルース・ウェイン?」
フィリップ「ゴッサムシティの大企業ウェイン・エンタープライズの筆頭株主で
 ゴッサム随一の大富豪だね」

照井からスケアクロウの情報を聞かされた翔太郎達は、照井やゴードンら
ゴッサム市警察と共に、襲撃されるであろうブルース・ウェイン主催のチャリティ・
パーティーに参加する事になる。

****パーティー会場****

チャリティ・パーティーが開かれるパーティー会場には、ゴッサムシティの
名だたる名士が参加していて、翔太郎とフィリップ、照井も場に合わせた
タキシードを着て参加する。

ゴードン「彼が主催者のブルース・ウェイン氏だ」
ブルース「ブルース・ウェインだ。君達が日本から来たという探偵だね?
 警備の方は、よろしく頼むよ」
翔太郎「左翔太郎です。こちらこそ、よろしくお願いします」
フィリップ「翔太郎の相棒をしているフィリップです。僕の方からも、
 よろしくお願いします」
ブルース「よろしく。では、他にも挨拶があるので。失礼」

翔太郎達は、ゴードンからパーティーの主催者であるブルース・ウェインを
紹介され、翔太郎達も挨拶をする。挨拶を交わした後、ブルースは
翔太郎達から離れる。

翔太郎「・・・・・・」
フィリップ「どうしたんだい、翔太郎?」
翔太郎「いや。どっかで会ったような気がするんだけどなあ・・・・・?」

翔太郎は何故か、ブルースと以前会ったような気がした。一方、ブルースは
挨拶を済ませると、パーティー会場を出る。

ブルース「・・・・(あれが左翔太郎とフィリップ。日本のヒーローである仮面ライダーの
 1人で、コードネームはダブル。ベルトのドライバーにガイアメモリを差しこむ事で、
 その姿を変え、メモリを付け替える事で様々な能力を使用可能・・・・ダブルに変身
 している時は、相棒のフィリップの意識が左翔太郎の中に転送されていて、実質
 2人で戦っているというが、まるでファイアストームだな・・・・)アルフレッド、
 スケアクロウの襲撃は?」
アルフレッド『今の所、異常はありません。ブルース様』
ブルース「引き続き、監視を頼む。私はパーティーの方に戻る」

実はブルース・ウェインこそ、ゴッサムシティを守るバットマンだった。
ブルースはコックローチ・ドーパントの事件の後、独自の情報網で
左翔太郎とフィリップを調査し、彼等が日本で戦う仮面ライダーダブル
という事を知る。そして執事であるアルフレッド・ペニーワースに、
スケアクロウの襲撃が無いか連絡を取った後、パーティー会場に戻った。

692ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/04/12(火) 17:07:50
その後パーティーは順調に進み、そろそろお開きの時間となった。

翔太郎「・・・・・どうやら、パーティーは無事に終わりそうだな」
照井「だと良いが・・・・」

パーティーが無事に終わりそうなので、翔太郎は安心するが、照井は
なお警戒を続ける。その時、会場に異変が起きる。

パーティーの客A「うわぁぁぁぁぁ!!」
パーティーの客B「きゃぁぁぁぁぁ!!」
パーティーの客C「こ、来ないでくれぇぇぇぇ!!!」

突然、パーティーに参加していた客達は、悲鳴を上げて、何かに
怯え始める。この事態に会場内は大混乱に陥る。

翔太郎「ど、どうしたんだ!?」
ゴードン「スケアクロウだ!奴は恐怖ガスという武器で、吸った人の
 最も恐れる物の幻覚を見せるのだ」
照井「ついに来たか!」

ゴードンからスケアクロウの説明を受けていると、会場内にスケアクロウが
乱入。その姿は、実に不気味な案山子の恰好をしていた。

ゴードン「ゴッサム市警察だ!おとなしく投降しろ!!」
スケアクロウ「フフフフ。生憎だが、今の私は今までとは違うのだよ」

スケアクロウは不気味な笑いをすると、懐から変わった形のベルトと
USBメモリを取り出し、ベルトを腰に着ける。

翔太郎「あ、あのメモリは!」
照井「ま、まさか・・・・・」
フィリップ「間違いない!テラーメモリ・・・・・」

ガイアウィスパー@「テラー」

スケアクロウが手にしていたガイアメモリは、かつてミュージアムを
創設した園咲家の当主であり、フィリップの実の父親である園咲琉兵衛が
使用していたガイアメモリ―「恐怖」の記憶を内包したテラー・メモリだった。
ガイアメモリを起動させると、ベルトにテラー・メモリを装填する。
そしてスケアクロウの姿はテラー・ドーパントに変わるのであった。

テラー・ドーパント「ふん!」
ゴードン「ぬぉっ!」
照井「ゴードン本部長!」

テラー・ドーパントは、衝撃波を放ち、ゴードンや警備に来ていた
警官達を吹き飛ばし、壁に叩きつける。ゴードン達は叩きつけられ、
倒れてしまった。

照井「左、フィリップ!!」
翔太郎「分かっている!行くぜ、フィリップ」
フィリップ「ああ、翔太郎」

翔太郎、フィリップ、照井はそれぞれ仮面ライダーダブル、アクセルに
変身してテラー・ドーパントに立ち向かう。園咲琉兵衛の変身したテラー・
ドーパントに比べれば、それほど強くは無いが、それでも強力なドーパントに
変わりは無かった。

W(フィリップ)『まずは会場から、テラー・ドーパントを連れ出さないと』
W(翔太郎)「そうだな、フィリップ。だが、あのテラー・ドーパントは
 エネルギーを防御や瞬間移動に使う事が出来る。どうすれば・・・・」
テラー・ドーパント「フハハハハ!!この「恐怖」の名を冠したガイアメモリこそ
 私が使うのに相応しい。さぁ、お前達も私を恐れるのだ!」

テラー・ドーパントの強力な能力に苦戦するダブルとアクセル。だが、
突然パーティー会場の窓が割れると、そこからワイヤーが現れ、
テラー・ドーパントを巻きつけ、外に引きずり出す。

W(翔太郎)「一体、どうしたんだ!?」
アクセル「あれは・・・・」

693ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/04/12(火) 17:09:05
外に出ると、そこには黒いマシンからワイヤーが出ていて、
テラー・ドーパントを捕えていた。

W(翔太郎)「何だ、あの黒いマシンは!?」
アクセル「資料で見た事がある。バットマンの乗るマシンで、
 バットモービルっていう奴だ!」
バットマン「・・・・こういう事があるだろうと、ワイヤー機能を付けたが
 上手くいったようだな」

バットマンのマシンであるバットモービルからバットマンが降りてくる。
ワイヤーで捕まったテラー・ドーパントは身動きがとれない。

テラー・ドーパント「くっ・・・・せっかく、この力を手に入れたのだ。
 このまま終わる訳にはいかん!」

テラー・ドーパントは助かろうと、頭部の飾りから分身体である
テラー・ドラゴンを呼び出して、バットモービルを攻撃。ワイヤーも
解け、テラー・ドーパントは身動きが取れるようになる。

バットマン「何!」
W(翔太郎)「バットモービルが・・・・!」
テラー・ドーパント「ハハハハハ!やったぞ。さぁ、お前達覚悟を・・・
 ううぅ・・・・・・」

自由の身になるテラー・ドーパントだが、突如苦しみだす。それに
呼応するかのように、テラー・ドラゴンが見境なく暴れ始める。

アクセル「様子がおかしい・・・・?」
W(フィリップ)『そうか!テラー・メモリは強力なガイアメモリ。
 テラー・ドラゴンも呼び出した事で、ベルトでも制御が出来ず、
 能力が暴走してし始めたんだ』
W(翔太郎)「何だって!?」

ガイアメモリの力が暴走し、テラー・ドラゴンは周囲を見境なく
攻撃した後、パーティー会場の外へと飛び立つ。そして本体の
テラー・ドーパントも、テラーフィールドを用いた能力は使用出来ない
ものの、暴れ始める。

バットマン「・・・・仮面ライダーダブル、そしてアクセル。お前達ならば、
 ドーパントになったスケアクロウや、あの飛び去った怪物を
 止められるか?」
アクセル「俺に質問・・・・いや、今はそういう場合ではないな」
W(翔太郎)「ああ、俺達なら止められる。いや、止めてみせるぜ!」
バットマン「・・・・そうか。ならば協力を頼む。アクセルはスケアクロウを
 ダブルは俺と一緒に飛び去った怪物の方を追跡だ」
アクセル「了解した!」
W(翔太郎)「任せろ!」

バットマンからの提案を受け入れ、アクセルはテラー・ドーパントを、
Wはバットマンと共にテラー・ドラゴンを追跡する事になった。
バットマンは通信で小型戦闘機であるバットウィングを呼び出して
乗り込み、ダブルもバットウィングの上に乗って飛び立つ。

694ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/04/12(火) 18:58:41

テラー・ドーパント「うう・・・・・」
アクセル「園咲琉兵衛ならば、より苦戦しただろうが、これで
 貴様を倒す!」

“TRIAL”

アクセルはトライアルメモリをアクセルドライバーに装填すると、
アクセルのボディは赤から黄、青に変わりアクセルトライアルへと
変身する。

アクセル「行くぞぉぉ!」

アクセルは超スピードでテラー・ドーパントを蹴り続け、必殺の
「マシンガンスパイク」を発動させる。

アクセル「9・5秒・・・・これが、お前の絶望までのタイムだ!」
テラー・ドーパント「ぐわぁぁぁぁぁ」

マシンガンスパイクを受けたテラー・ドーパントの変身は解け、
元のスケアクロウに戻り、排出されたテラー・メモリは砕け散った。

アクセル「後は頼んだぞ。左、フィリップ、バットマン・・・・・」

****ゴッサムシティ上空****

一方、ゴッサムシティ上空ではビルを攻撃しながら飛び続けるテラー・ドラゴンを
バットウィングでバットマンとダブルが追跡し、バットマンはバットウィングで
搭載されているミサイルで攻撃を行う。

W(フィリップ)『翔太郎。テラー・ドラゴンの力が大分、弱ってきている。
 本体の方がやられた影響かもしれない』
W(翔太郎)「だったら、今が倒すのに良いって事だな!」
W(フィリップ)「なら、アレだね」

ダブルの所に鳥の様なロボットが現れる。鳥に似た姿を持つ
ガイアメモリ、エクストリームメモリである。

“XTREME”

エクストリームメモリはダブルドライバーに装着され、起動すると
ダブルの姿は最強フォームであるサイクロンジョーカーエクストリームに
変わる。

バットマン「あれが、ダブルの最強の姿・・・・」
W(翔太郎)「バットマン!もう少し、テラー・ドラゴンに近づく事は
 出来ねえか」
W(フィリップ)『後は、僕達に任せてくれ』
バットマン「了解した」

バットマンはバットウィングを加速させ、テラー・ドラゴンに近づく。

“XTREME MAXIMAMDRIVE”

W「「ダブルエクストリーム!」」

エクストリームメモリのマキシマムドライブが発動し、ダブルは
バットウィングから飛び出すと、ドロップキックを決める。
ダブルエクストリームを受けたテラー・ドラゴンは、そのまま消滅した。

バットマン「・・・・(あれが仮面ライダーダブルか)」

バットマンはダブルの活躍を見届け、バットウィングで回収すると、
パーティー会場に戻る。

****パーティー会場****

翔太郎「バットマン。同じ町を守るヒーローとして、共に戦う事が出来て
 よかったぜ」
バットマン「・・・・・あれを倒すのに、お前達の力が必要だと理解したから
 協力を要請したまでだ。・・・・では、失礼する」

ダブルから翔太郎とフィリップに戻り、バットマンに礼を言うが、
バットマンは素っ気ない態度を取り、バットウィングで、何処かへと
去ってしまう。

翔太郎「何だよ。素気ねえなあ」
フィリップ「バットマン・・・・ダークナイト、ゴッサムの守護騎士と呼ばれる
 ゴッサムシティのヒーロー。翔太郎の様なタイプの人間は苦手なの 
 かもしれない」
翔太郎「「どういう意味だ?」

その後、スケアクロウはゴッサム市警察によって引き渡され、
犯罪者が収容されるアーカムアサイラムに送られ、恐怖に
陥った人々は、無事精神が安定して家に帰された。
また、今回の件で財団Xはゴッサムシティを撤退し、ゴッサムシティでの
ドーパント犯罪も収束されるだろうと思われる。事態が落ち着くと、
翔太郎達は風都に帰るのであった。空港には、ブルースやゴードンが
見送りに来る。

ゴードン「今回の事件、君達の活躍で解決する事が出来た。市民を代表して
 礼を言う」
翔太郎「いや、俺達は探偵として、仮面ライダーとして町を守っただけだ」
ブルース「今度は、是非観光でゴッサムに来てくれ。歓迎するよ」
フィリップ「ええ。その時は是非・・・・・あなたもバットマンとして頑張って下さい」ボソ
ブルース「―!君は・・・・」
フィリップ「ふふっ」

フィリップは、ブルースにそっと小声でバットマンの事を話し、ブルースはあまり
表情には出さないが動揺する。そして翔太郎とフィリップ、照井は風都に
戻るのであった。

695ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/04/13(水) 09:51:52
≪心ある者たち その後の展開≫

***東京湾岸 メガロシティ中央地区・メガロビル***
***ブルーリサーチ・オフィス 社長室***

ある日、ブレイバーズの協力企業である情報調査会社ブルーリサーチでは、
所属調査員である七瀬修と吉村遥香の2人が社長室に呼び出されていた。

修「社長、何か新たな任務ですか?」
シグ「まずはこの写真を見てください」

シグは修と遥香に、一人の男が映った一枚の写真を差し出す。
その写真の男の顔を見て、「おやっ?」と思う修と遥香。

遥香「なんだかどこかで見たような顔……」
修「――って!…これって髭を剃ったら社長そっくりじゃないですか!?」

修の指摘通り、今のシグは髭を生やしているが、
その髭を綺麗サッパリ剃り落したとしたら、
写真の男はシグに瓜二つだったのである。

すみれ「いいえ、その写真の男はシグではないわ」
シグ「ハハハ…私も彼の顔写真を初めて見た時は驚きましたがね」
遥香「生き別れの双子のご兄弟……とかではないんですよね?(汗」
シグ「今から説明します」

写真に写っている男の名前は、麻生勝という。
まだブレイバーズが正式発足するよりも以前のこと…。
警視庁のブレイブポリスとソルブレインが、都内で発生していた連続金属窃盗事件を
合同捜査していた際に、捜査線上に浮上した人物だ。
その後の調査で、彼、麻生勝は仮面ライダーの一人「ZO」であることが判明している。

シグ「ところが、現在ブレイバーズと協力関係にある他の仮面ライダーの中に、
 変身前の姿の彼と面識のある者は一人もいません」
遥香「え〜〜〜〜っ!!?」

意外な話に驚く遥香。それは無理もない話であった。具体的な例を挙げると、
これまで何度も共闘を重ねて来た経験のある仮面ライダーXと仮面ライダーファイズでさえ、
神敬介と乾巧として知り合ったのは、実はごくつい最近の出来事だったりする…。

遥香「仮面ライダー組合とかってないんですか?」
修「ねーよそんなの!」
すみれ「その麻生勝らしき人物が、最近A市で頻繁に目撃されている
 という情報が入ったの」

A市とは、全宇宙ヒーロー協会の地球支部が置かれている都市である。
宇宙盗賊団の攻撃により壊滅状態に陥ったが、現在は復興途上の最中にある。

修「ヒーロー協会のお膝元か…。まさに身を隠すには打ってつけの場所ですね」
シグ「今回の君たちの任務ですが、麻生勝の所在と安否の確認をお願いします」
修「所在と安否の確認だけですか?」
シグ「そうです。あくまで彼の所在確認だけです。
 仮に本人が拒んだとして、強制的に身柄確保までする必要はありません。
 もし例の連続金属窃盗事件について事情聴取の必要があるならば、
 そこから先は民間企業の我々ではなく警察の仕事になりますから」
修「了解しました!」
遥香「任せてください♪」

こうして七瀬修と吉村遥香の新米調査員コンビは、
ヒーロー協会が本部要塞を構えているA市へと乗り込む事になるのだが、
果たして麻生勝の行方を探しだす事はできるのであろうか?

696ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/04/13(水) 12:24:47
<<地上最強のメカ>>

***南極・ネオグラード***

ドクターマン率いる新帝国ギアの本拠地である南極の基地、ネオグラード。
支配者であるドクターマンの前には、自身の息子、影山秀一を似せて
作りだしたメカ、プリンスが頭を垂れていた。その後ろにはジューノイド五獣士
であるメッサージュウとアクアイガーが同じように頭を垂れていた。

ドクターマン「面を上げよ、プリンス。お前は我が新帝国ギアの世紀王候補。
 その為、お前こそが優秀なメカであると証明しなければならない!」
プリンス「ならば、最近ブレイバーズの一員になったというシグフェルの討伐を
 ご命令下さい。必ずや始末してみせます!」
アクアイガー「我々にも、出撃のご命令を!」
メッサージュウ「一度は廃棄された我ら2体。しかし黄泉還り、再びドクターマンの
 配下に加えていただき、ありがたき幸せ。新たに強化された力でお役に
 立ってみせます!」

プリンスは、ドクターマンにシグフェル討伐を願い出る。後ろに控える
メッサージュウ、アクアイガーも、以前メタルメガスの無差別砲撃によって
損傷し、そのまま廃棄されたが、黄泉還り現象で再生者となり、ドクターマンに
よって、新たに強化改造されたので、その力を振るおうと同じく出撃を願い出る
のであった。

ドクターマン「確かに、シグフェルはGショッカー・・・・ギアにとって障害となる
 存在だ。だが、その前にプリンスには、この地球において最強と名高い
 メカを倒し、誰よりも優秀なメカであると証明せよ。その為に、こ奴らと
 戦うのだ!」

ドクターマンはモニターを操作すると、画面に様々なロボットやサイボーグが
映し出される。

ドクターマン「ヒーロー協会に所属するS級14位のサイボーグ・ヒーロー
 【鬼サイボーグ】、神にも悪魔にも成り得る力を秘めたスーパーロボット、
 【マジンガーZ】、そして世界最高の技術を結集して作りだされた10万馬力の
 ロボット、【アトム】・・・・奴らに勝利するのだ!」
プリンス、メッサージュウ、アクアイガー「フォア・ザ・マン!」
                        「オブ・ザ・マン!」
                        「バイ・ザ・マン!」

狙われたアトム達の運命や如何に!?

697凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/04/19(火) 18:22:10
≪アセーリア編・オリジナルキャラクター案≫

●ウルヤーヴ=バイコーンオルフェノク
メルヴィオン聖王国とサラジア共和国との戦争の陰で暗躍する、
ラウール王子、そして地球の牧村光平とそっくりな姿をした謎の青年。
ホースオルフェノクの額に鋭い二本の角を生やしたような、
バイコーン(二角獣)型のオルフェノクに変身する。
「ラウールは自分を殺害して擬態し入れ替わったワームである。
 自分こそが実は本物のラウールであり、
 ワームに殺されたが死後オルフェノクとして覚醒し復活した」と語り、
スマートブレインを筆頭とするGショッカーの後ろ盾を得ながら、
メルヴィオンの正統な王子として王位継承権を主張するが…。

●モルゲグ・ヒルガノス=ベルゼブブオルフェノク
メルヴィオン聖王国の大貴族ヒルガノス家の当主。
将来、ラウール王子が成長した暁には彼の娘をラウールに娶らせ、
王家の外戚となる事が約束されていたが、
ある時、かつて犯した「ある重大な罪」が明るみに出て、
国王アディラス16世の逆鱗に触れ、縁組の件は取り消し、
改易の上死罪となって毒杯を仰ぎ自死させられた。
しかし死後、何とオルフェノクに覚醒して復活、
蝿のような悪魔の化身ベルゼブブオルフェノクとなって密かに生き続けていた。
同じオルフェノクであるウルヤーヴの側近として仕え、彼の王位奪取に助力する。
なお彼が犯した「罪」の具体的内容は王家の最高機密として厳重に秘匿されており、
本人も固く口を閉ざして語ろうとしないが、
どうやらウルヤーヴも知らないラウールの出生の「本当の秘密」と関係があるらしい…。

698凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/04/24(日) 20:16:38
≪野望! ホディールの乱≫

サラジア共和国との戦争に勝利し、
王都ネクナールを見事奪還したラウール王子は、
晴れてメルヴィオン聖王国の国王に即位。
こうして救国の英雄となった若き君主の下で新たな国作りがスタートした。

ナレイン「本日は王宮にてフランス、ブラジル、エジプト、
 アダブ、オーブ、マリネラの首脳と順にご会談の日程です。
 夜にはインパラヘンの皇太子バトゥラ17世殿下とご会食、
 それが済みましたら旋風寺コンツェルンの総帥殿とお会いいただき、
 大陸横断鉄道の建設について陛下のご裁可を賜りたく」
ラウール「忙しいな…。休む暇もないや」

地球各国と国交を開いた途端、
ラウールは地球から殺到する各国政府や企業・団体のVIPとの会談に追われる事となった。
豊富な天然資源が手つかずで眠っており、
近代的開発もまだほとんどされていないメルヴィオンは、
地球から見ればまさに巨大な利権の塊。
これを黙って放っておく地球サイドではなかったのである。

ナレイン「地球各国の関係者が、陛下ではなく、
 領主などの有力者に個別に接触するという例も増えているようです。
 不埒者が国外勢力と結びつき、地球の優れた科学力を独自に取り入れて
 陛下に反旗を翻すような事があっては一大事。
 こうした動きは厳しく規制すべきでしょう」
ラウール「それに、領内の天然資源を
 勝手に安く売って密貿易で私腹を肥やしている領主も多いようだ。
 今すぐはまだ使い道のないものでも、
 将来的には貴重な国の宝になる可能性があるんだ。
 油田などは王家の直轄領にして、資源の流出に手を打たないと…」

近代的産業がまだ発達しておらず、
石油やウランなどの国内での利用価値が現状ゼロに等しいメルヴィオンでは、
「ゴミを売ったら換金してくれる」くらいの認識で、地球での相場も知らないまま、
目先のはした金欲しさにそれらの資源を安く地球人に買い叩かれてしまう領主も多かった。
一度、地球を訪れてそれらの資源に支えられた地球の高度な文明を目にしているラウールとしては、
資源の国有化を急いで未来の礎となる財産を確保し、
埋蔵量を把握しながら然るべき価格で地球へ輸出するよう国が管理する方針だが、
これは当然ながら、領内の資源を自前で売って儲けていた領主と、
それまで彼らからあり得ないほどの安価で資源を買えていた地球側の反発を買った。

菊之丞「メルヴィオンの新国王とやら、
 前近代社会の人間でしかもまだ若いながら、
 石油資源の価値を認識しているなどなかなか侮れぬところがある。
 もう少し未開人らしく無知蒙昧でいてくれた方が、
 こちらとしてはありがたいのだが…」

ラウールが領主の私貿易を取り締まり、
石油価格を相応の値まで引き上げ始めたのを見て、
日本の天童菊之丞などの勢力は不快感を示す。
地球の資源事情に関しても一応それなりに思考が付いて来れるこのような開明君主よりも、
訳が分からないままビタ一文で資源を売り払ってしまう認識不足な支配者に
メルヴィオンを治めてもらった方が地球側としては都合が良い。

菊之丞「それに、地球の技術を取り入れて富国強兵を成し遂げたメルヴィオンが、
 必ずしも地球や我が日本に対して友好的であり続けるという保証はない。
 今は〝日本から多くを学びたい″などとかわいらしく尻尾を振っておるが、
 やがて対等の力を持つようになれば対等に物を言うようになり、
 場合によっては、授けてやったその力をこちらに向けてくるという事もあり得ようぞ」

かつて他ならぬ日本が欧米諸国から近代化を学んで力をつけ、
その力を日露戦争や太平洋戦争で欧米諸国に向けて使ったように、
メルヴィオンも将来、近代化して力を持った上で日本に楯突くようになる…。
飼い犬に手を噛まれる事態を憂慮した菊之丞は、
その芽を今から摘んでおこうと考えた。

699凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/04/24(日) 20:18:44
リムアリーシャ「メアーツァの都市建設に必要な資材として、
 メルヴィオン国内の山からの石材の切り出しを許可していただきたいのですが」
キクマル「承知いたした。
 国王陛下にしかと取り次ぎ、ご裁可を賜りますゆえしばしお待ち下され」

サラジアとの戦争に異世界から軍を派遣して参戦し、
ラウールの勝利に多大な貢献をしたパルス、ブリューヌ、ジスタートの三王国は、
戦後もメルヴィオンとは友好関係を維持し、活発な国交を行なっていた。
共闘の見返りとして、彼らはアセーリアと自分達の世界を繋ぐ
「門(=固定時空クレバス)」周辺の土地をメルヴィオンから租借し、
貿易拠点となる都市をそこに築いて入植を進める。

リーザ「瞳の色は違っても、見える景色は変わらない…!」

ジスタートに租借されたメアーツァの地は、ジスタートを構成する七つの公国のうち、
サラジアとの戦いで主力として活躍したライトメリッツ公国とオルミュッツ公国が
共同管理という形で治める事となった。
大激戦だった対サラジア戦役を戦い抜いた恩賞とはいえ、
この二公国が事実上アセーリアの権益を独占してしまった格好である。
ルヴーシュ公国の公主であるリーザことエリザヴェータ・フォミナはこれに不満を抱き、
メルヴィオンの利権をルヴーシュのものにしようと画策する。

リーザ「エレオノーラはメルヴィオンの王に肩入れしすぎですわ。
 もし私にお任せ下されば、あの国の者達を徹底的に利用し、
 陛下のためにメルヴィオンから今の何倍もの利得を引き出してご覧に入れます」
ヴィクトール王「良かろう。やってみよ。
 成功すればメアーツァの支配権はそちに与えよう」

ジスタートの国王から内密に許しを得たリーザは、メアーツァのすぐ隣に所領を持つ、
ホディールという新興のメルヴィオン貴族に目を付け、貢物を贈って接近する。
ホディールはかつてアルスラーンを傀儡君主に仕立て上げようとして失敗し、
アルスラーンの暗殺を謀ったが失敗し殺されたパルスの諸侯で、
戦後になってアセーリアで黄泉がえり、ラウールに登用されて一領主として封じられていた。

ダリューン「ホディールという男は欲深い奸臣。
 今度も何を企んでいるか分かったものではありませんぞ」
ラウール「そうは言っても、
 今更理由もなく改易や減封もできないからなあ…」

ホディールは要注意人物であると、
彼が登用されたのを知ったアルスラーン側からラウールに忠告が入ったが、
既に領主に任命してしまった以上、メルヴィオンではまだ何の咎もないのに
いきなり取り潰しにするわけにも行かない。

ホディール「ケツの青い若造どもめ。
 新しい国作りだなどと意気込んでいるが、
 お前らはただ黙ってわしの言う事を聞いておれば良いのだ」

ホディールの狙いは、政変を起こして自分が政権中枢に入るのをラウールに認めさせ、
ラウールを操り人形にして国政を意のままに牛耳る事である。
ラウールといい、宰相に任じられたナレイン・レンドルフといい、
国外の同盟者としてラウールの後ろ盾となっているアルスラーンや
エレオノーラ・ヴィルターリアやリュドミラ・ルリエといい、
現政権を支える主力メンバーはまだ20歳前後の若者ばかり。
老獪なホディールからすればどうとでもなるひよっ子達にしか見えない。

ホディール「石油とかいう汚い泥水のようなものをくれてやるだけで、
 地球人はいくらでも強力な武器を密輸してくれる。
 わしが政権を掌握する日も近いぞ。ヒヒヒ…」

ホディールが政権を握った暁には、日本への資源輸出の価格を大幅に値下げし、
ジスタートにも大量の利権を提供するという条件で、
ホディールは天童とリーザの支持を取り付けクーデターの計画を進めていた。
天童は地球製の武器を密輸し、リーザもいつでも援軍を送れるようスタンバイしている。
果たして、ホディールの乱は成功するのであろうか…?

700ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/05/02(月) 11:30:03
>>698-699追加
メルヴィオン王国の王都ネクナールでは、
ホディールの画策によって若き新任の宰相ナレイン・レンドルフに対して
不行跡の疑惑がでっち上げられ、彼は窮地に立たされる。
メルヴィオン王国内ての政情の雲行きが怪しくなってきたのを察知した
地球連邦外務次官のリリーナ・ドーリアンと、その命を受けたレディアン部長以下
連邦諜報部プリベンターの面々が動き出す。

レディアン「ヒイロたちの調べた結果、どうやら背後に
 忍者が動いている形跡が…」
リリーナ「やはり…」

ホディールの背後に動く天童の影を見たリリーナは、
善後策を協議すべく急遽来日して江田島平八と極秘に会談する。

今、ブレイバーズは来るべきGショッカーとの決戦準備に追われ、
異世界アセーリアにまではなかなか人手を回せない状況にあったが、
ある日の学校からの下校中、牧村光平は天童の放った刺客・蛭子影胤に襲われる。
窮地に陥ったところを、たまたま駆けつけた里見蓮太郎に救われるが…。

光平「ハァ…助かったよ蓮太郎」
蓮太郎「なんで今更、天童が光平の命を狙う…?」

蛭子とは以前に一度敵対、そして一度共闘したこともある蓮太郎は、
千坂朱音が牧村光平監視の任を解かれた今、
かつて蛭子の雇い主が天童菊之丞であったことを思い出し不審に思う。


***天童菊之丞邸・茶室***

菊之丞「…仕損じたか」
蛭子「なれどあと一歩のところまで追い詰めました。次は必ず」
菊之丞「そうでなければならん。次回は必ず殺せ」
蛭子「心得ました」
菊之丞「リリーナ・ドーリアンと江田島平八は無論、天凰輝シグフェルも
 天童にとって容易ならぬ敵じゃ。絡めてからも討ち取らねばならぬ」

ホディールのクーデター計画を密かに後押しする菊之丞は、
ラウールと瓜二つの光平がこの一件を嗅ぎ付けた場合、
必ずラウールの味方をすべく動き出すに違いないと読んでいた。

海防大学付属高校には現在、メルヴィオンからの関係者が数人留学している。
光平の性格から考えて、困っている者の窮状を見過ごすことはできないはず…。
そのために邪魔になりそうな天凰輝シグフェルを、
まずは先手を打って一番に消しにかかったのである。

701ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/05/02(月) 11:30:33
***今津博堂邸***

以前に茅野カエデを拉致して証人として利用し、剣桃太郎を失脚させようとした陰謀が失敗し、
今も宮中から遠ざけられている形の菊之丞はその足で、覇王黒龍会総裁・今津博堂の屋敷を訪れる。
今津博堂は日本政財界を牛耳る大政商にして、日本保守派の首領と呼ばれている老人である。
失脚してしばらく中東に身を寄せていた博堂だが、密かに日本に舞い戻っていた。

博堂「天童殿、お手を上げられよ。曽根屋・和泉両政権時代には
 わしでさえ近づき難かった天童殿が、いったい何の御用かな?」
菊之丞「博堂殿は、我が国の歴代政権を支えた後見人にして、
 天下の元老に数えられるお一人。まさしく権勢並びなき御仁」
博堂「フン、世辞か…」

その博堂も、財前丈太郎との長い死闘の末に敗れて隠居同然の身の上であるが、
今も政財界に対する多大な影響力を保持している。

菊之丞「とは申せ、博堂殿にも悩みがないわけではありますまい。
 一つは国家の財政、近年逼迫の度を越えておること。そしてもう一つは、
 民心の人望高いことをよい事に、いつの日か日本の掌握を狙う者たちの存在…」
博堂「天童殿!」

菊之丞の言う「民心の人望高いことをよい事に、日本の掌握を狙う者たちの存在」とは、
言うまでもなくブレイバーズのヒーローたちのことである。

菊之丞「博堂殿、国家財政に潤いを与え、野にあって日本の体制を転覆しうる
 危険分子をこの機に力で抑え付ける。これができれば我が国の未来にとって
 これほどの喜びはございますまい」
博堂「…できるかな?」
菊之丞「もしも江田島平八の息のかかった者共を日本の中枢より全て退け、
 博堂殿が復権なされた暁には、以後国政に関わりますことは
 全てこの菊之丞にご相談いただけますかな?」
博堂「それがわしを訪れた理由か…」
菊之丞「聖天子様の御世ご安泰の方策は、それしかございませぬゆえ…」
博堂「ハハハハッ…策士で聞こえたその方がどのような手を打つか、
 それが見ものじゃのう」


***天童の隠れ里***

光平が蛭子に襲われたことを知った千坂朱音は、関東地方はずれにある天童の庄を訪れる。
茅葺屋根の庵には、天童家の最長老にして天童式武術開祖、
天童木更の曽祖父にして木更と里見蓮太郎の師――天童助喜与が身を寄せていた。
齢120歳の怪物である。

朱音「長老、お久しぶりでございます」
助喜与「朱音…千坂朱音ではないか?」
朱音「長老にはご健勝の様子にて、何よりにございます」
助喜与「用件を申せ。訳も無しにこの隠れ里まで
 わしのような老いぼれに会いに来るはずもなかろう」
朱音「菊之丞様の昨今の動きについて、長老には何かご存知ではございませんか?
 特に以前、菊之丞様に雇われていた蛭子影胤との関わり――」
助喜与「朱音、その方、菊之丞を裏切りブレイバーズの側についたこと、
 わしが知らぬとでも思うてか? たわけッ!!」

助喜与は朱音を一喝。しかしそれでも朱音は一歩も怯まない。

朱音「長老、わたしが何故ブレイバーズの側についたか、一度でも考えたことがおありですか?
 抜け忍と呼ばれ、裏切り者として終生命を狙われ続けることを覚悟の上で、
 私はブレイバーズのもとへ走りました。
 長老、この私を斬って捨て、天童のお家に義理を果たす気力が
 今の貴方におありですか?」
助喜与「……(こやつ、言いおるわい)」

じっと睨み合いながらながら、対峙する助喜与と朱音…。

702ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/05/02(月) 11:31:15
翌日…。

***聖居・宮中廊下***

廊下ですれ違う内閣総理大臣・剣桃太郎と天童菊之丞。

菊之丞「剣総理にはメルヴィオンのレンドルフ宰相にまつわる
 不行跡の噂、全て根も葉もないことと言われるか?」
桃太郎「さよう。それが本当らしく見えるのは、
 裏にジスタートのルヴーシュ公国による卑劣な暗躍がある。
 そしてその筋書きを書いているのはどこのどなたか、
 今更申し上げるまでもない」
菊之丞「それでその"どこのどなたか"が目指しているものとは?」
桃太郎「日本とメルヴィオンの間での不平等条約の調印締結。違いますかな…?」
菊之丞「………」
桃太郎「我が国にとって極端に有利な通商条約が結ばれ、
 メルヴィオンの地下資源のほとんどが日本の物となれば、
 我が国の経済にとってまたとない実りの時を迎えましょう。
 おそらくはその"何者か"も、その手柄によってまた…」
菊之丞「…で、この菊之丞にどうせよと仰せなのですかな?」
桃太郎「レンドルフ宰相は潔白であるとの証を頂きたい」
菊之丞「それには少し遅すぎたようですな」
桃太郎「なにっ…?」
菊之丞「大勢は決しましたぞ剣総理。
 すでにナレイン・レンドルフは自邸にて謹慎。
 二日後には宰相解任を命じる上使が差し向けられるはず。
 きっと今頃は、現地からの打電を受け取った外務省から
 官邸の方にも第一報が届いている頃合ではありませぬかな」
桃太郎「――なんと!?」

愕然とする桃太郎。今回は完全に菊之丞の後手に回った。

菊之丞「もっとも二日後までの間にレンドルフ宰相が潔白であるという
 証拠が掴めれば、話は別にございますがな…」
桃太郎「その証拠とやら、必ず掴んで見せるぜ!」


***天童菊之丞邸・茶室***

配下の忍び「では御前!?」
菊之丞「あえて二日の猶予を与えたのも、あの男を焦らせるためじゃ。
 よいな、その機に乗じて剣桃太郎の動きを封じろ」

更なる罠を仕掛けるため、配下の忍者に指示を下す菊之丞。

703ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/05/02(月) 11:34:08
天童の画策によって剣政権を揺るがす一大スキャンダルが持ち上がり、
剣桃太郎は身動きが取れなくなる。この機に内閣から外交権を奪い取った菊之丞は、
さらに牧村光平をも冤罪の罠に嵌めて逃亡者の立場へと追い込む。
ついに天童菊之丞邸にリリーナ・ドーリアンが自ら乗り込んだ。

菊之丞「ドーリアン外務次官殿にはご機嫌麗しいご様子にて――」
リリーナ「天童閣下、なぜです? なぜこのような無慈悲なことを!?」
菊之丞「無慈悲とは…?」
リリーナ「メルヴィオンのナレイン・レンドルフ宰相や剣総理をも陥れて
 相手国に不平等条約の調印を迫り、今はまた牧村光平君までも!
 罪なき者に罪をかぶせて、貴方はいったい何が楽しいのです!?」
菊之丞「外務次官殿には、この菊之丞がさような画策をしたという
 証拠をお持ちなのですかな?」
リリーナ「知れたこと。直ちに貴方の罪を認め、全てを明らかにしないと、
 プリベンターが調べ上げた調査結果を世界に公表します」
菊之丞「お言葉ながら外務次官殿、大勢はすでに決しております。
 まもなく日本とメルヴィオンとの間には修好通商条約が結ばれ、
 剣内閣は退陣。そして天凰輝シグフェルも危険な乱心者として
 射殺されることになりましょう。これ以上の連邦政府のご介入は
 謹んで頂きたい」
リリーナ「天童補佐官、貴方という人は…!」

果たして剣桃太郎、リリーナ、牧村光平、
そしてメルヴィオンにいるラウールとナレインは
この絶体絶命の窮地から大逆転はできるのか!?

704ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/05/02(月) 12:14:33
≪野望! ホディールの乱 終章≫

若き宰相ナレインのあっと驚く奇策と、
その他関係者や仲間たちの尽力によって形勢は逆転。
メルヴィオン王国の政治危機は去った。

深夜のホディール邸に急遽集まる悪の一味…。

ホディール「なにっ!? 日本やルヴーシュ公国との
 条約締結は取りやめだと!?」
蛭子「ナレイン・レンドルフ失脚のための工作は
 元々一切存在せず。今後ともさよう心得よとのことだ」
ホディール「そんなバカなっ! 事成就の暁には
 わしを新宰相に取り立てるとの約束はどうなる!」
蛭子「さて問題はそこだ。我等が事を明るみに出す気遣いはないが、
 されば気がかりなのはホディール卿、貴方のみだ」
ホディール「…?」
天童忍者A「お分かりでございましょう。
 今や貴方様は我等天童にとって目の上の瘤にございます」

ホディールの周囲を、刀を抜いた天童忍者たちが一斉に取り囲む。
ホディールの口を塞ぐつもりだ。

ホディール「き、貴様ら! わしを散々利用した挙句に
 斬るつもりか!?」


***今津博堂邸***

企みが失敗に終わり、来邸した菊之丞を前にして
甚く落胆している今津博堂。

博堂「いやぁこの度の事は高くついたのぉ…。
 とどのつまり、わしにもおぬしにとっても
 得た物は何もない…」
菊之丞「いや、それがしには大きな実入りがありましたぞ。
 博堂殿がもはやこの菊之丞を無視できなくなったことだ」

今の菊之丞の言葉に、博堂は顔をしかめる。

博堂「菊之丞、何か勘違いをしてはおらんか?
 わしは貴様の返り咲きまで手を貸すなどと
 約束した覚えはない。ましてや今回のような
 醜態を見せられたからには尚更じゃ!」
菊之丞「さて、その醜態を密かに後押しされたのは、
 どこのどなた様でしたかな?」
博堂「なにっ…?」
菊之丞「もしこの度の一件の真相を
 私の口から一言でも漏らせば、ご貴殿は
 詰め腹を切らねばなりますまい」
博堂「貴様…最初からそのつもりだったのか!」
菊之丞「まあもちつもたれず、末永くお付き合いを願いますかな? 博堂殿」
博堂「………」

菊之丞は氷のように無表情だったが、その両目は明らかに笑っていた。
謀られたと思って地団駄を踏んでもすでに遅し。こうして今津博堂は
天童に政治的にパラサイト(寄生)されることになったのである。

705ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/05/03(火) 12:19:02
≪野望! ホディールの乱 逆転劇の真相≫
>>703と704の間の出来事

ナレイン「ラウール陛下にこれ以上迷惑をかけるわけにはいかぬ…」

一度は事が大きくなる前に自害を考えたナレインだが、
万一を心配したナルサスの命を受けて見張っていたエラムが
間一髪で止めに入る。

エラム「ナレイン様、早まってはなりません!
 今ナルサス様も地球のブレイバーズも懸命に
 ナレイン様の無実を証明するために走り回っています。
 決して希望をお捨てになられませぬよう」
ナレイン「エラム殿…」

一方その頃、地球では、東京での滞在先のホテルでリリーナが
メルヴィオンを救うために大胆な策を実行に移す覚悟を固めていた。
それは自分の政治生命が失われることを意味していた。

リリーナ「そう…わたくしにもそれならできる。それなら……」

リリーナは一通の書簡をしたためて血判を押し、それをヒイロ・ユイに託す。
書簡の中に目を通したヒイロは愕然とする。

ヒイロ「リリーナ、これは…!?」
リリーナ「これを使ってくださるよう、レンドルフ宰相に伝えてください」
ヒイロ「…いいんだな?」
リリーナ「今は一刻も早く!」

リリーナから書簡を受け取ったヒイロたちは、これをどうやって
時空を超えてアセーリアまで届けるか相談する。

デュオ「お姫様もここまでやるかねえ…」
トロワ「だが問題はこれをどうやってメルヴィオンの王都まで届ける?
 日本国内からアセーリアに繋がるゲートは、ほぼ全て天童に抑えられている。
 今からでは海外からのゲートに行っている余裕はないぞ」
光平「なら俺が行く。シグフェルの光速スピードなら
 海外からのゲートでも間に合うはずだ」
カトル「光平さん…」
ヒイロ「では俺もウイングゼロで援護する」
光平「ありがとう」

天凰輝シグフェルとヒイロの駆るウイングガンダムゼロカスタムは、
天童の包囲網を突破して異世界アセーリアへと辿り着くことに成功する。

706ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/05/03(火) 12:19:38
ナレイン「リリーナ殿は、この私のためにここまで…!」

リリーナの志を確かに受け取ったナレインは感激し、
書簡を胸にネクナール城へと乗り込む。

ナレイン「ナレイン・レンドルフ、急用あって罷り通る!」
リーザ「謹慎の身の貴方様がこの場に出席される資格はないはずですわ。
 お引取り頂きましょう」
ナレイン「王都において乱行狼藉に及んでいたのは私ではない。
 地球連邦のリリーナ・ドーリアン外務次官である!」

ナレインの口から誰も予想していなかった爆弾発言が飛び出し、
外交顧問として同席していたリーザも含めてその場が騒然となる。

ラウール「ナレイン、それはまことか?」
リーザ「そんなバカな! 信じられませんわ」
ホディール「仮にも地球連邦政府の要職にあるリリーナ殿が
 そのような所業をなされるはずが…!」
ナレイン「確かに、一国を代表して外交を司る者にあるまじき所業の数々。
 できうればリリーナ殿も隠し果せておきたかった。しかしその疑いが
 友好国の政府高官にかかっては、もはや黙ってはおられず。
 先ほど当屋敷に使いの方が見えられ、私に対して正式に謝罪された」
リーザ「せっかくですがレンドルフ卿、そのような話を
 信じるわけにはいきませんわ」
ナレイン「その全ての所業、リリーナ殿にはこの書状に記されております。
 方々、ご覧くだされたい」

リリーナの書簡に目を通すラウールと重臣たち。

ラウール「確かにこれはドーリアン外務次官の直筆のようだ」
ホディール「いや、これは偽りの書に違いない!
 この血判にしてもまたしかり! このホディールの目は節穴ではないぞ!」
ラウール「見苦しいぞホディール! 控えよ!」
ホディール「しかし…!」
ナレイン「なればホディール卿、その書状を破り捨てていただきたい」
ホディール「な、なにっ!?」
ナレイン「偽りの書ならば破り捨てるのが当然。だがもしそれが本物であれば、
 貴殿は地球連邦政府の高官直筆の親書を踏みつけたことになりますぞ。
 さあ、遠慮はいらん。破られい!」
ホディール「ぐぬぬ…」
リーザ「……(ホディール、思ったより使えない男ですわね)」

こうしてメルヴィオン聖王国は、罪を被ったリリーナの捨て身の策によって
政変の危機を免れることができたのである。

ナレイン「リリーナ殿、お許しくだされ。このご恩、
 ナレイン終生忘れは致しません」

707ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/05/03(火) 12:20:27
>>704の続き(エピローグ)

地球ではリリーナ・ドーリアン地球連邦外務次官のスキャンダルと
それに伴う彼女の引責辞任が発表された。真相を知っているブレイバーズの
関係者や光平の仲間たちは、面白おかしく書き立てるマスコミの報道姿勢に
激しく憤慨する。

優香「ひどい! いくらなんでもこれじゃあリリーナさんが
 可哀想過ぎるわ!」
光平「優香、これでいいんだよ」
優香「えっ…?」
光平「リリーナさんはこうなることを覚悟していたんだ。
 おそらくこれから先、彼女は希代の悪女として
 歴史に名前が残ってしまうかもしれない。それでも
 一人の外交官として友好国のために誰にも出来ないことを
 してのけたんだ。少なくともその事を俺たちだけは知っている。
 それでリリーナさんも満足してくれるよ」
優香「光平くん……」

亡き父と同じく外交官となる夢を志す光平にとって、
リリーナのとった行動は自身に大きな印象を残した。

いよいよ宿敵Gショッカーとの最終決戦を間近に控えたブレイバーズにとって、
貴重な後ろ盾の一人であったリリーナを失ったことは、後々大きな痛手となって
響いてくることになるのである。

708ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/05/11(水) 12:31:33
<<外宇宙編 宇宙連合内乱!>>

宇宙連合の本部であるウォフ・マナフ本星の枢密院では、黄泉還りと時空クレバス発生に伴う
現在の宇宙の情勢について会議が行われていた。現在の宇宙連合では、平和解放機構によって
運営されているが、かつて地球を始めとする各惑星を侵攻していたタカ派の勢力が黄泉還りによって
復活し、ETFやフリーザ軍と結託して徐々にかつての様な力を取り戻そうとしていた。

ドレッドロック「盛り返しつつあるタカ派への対処は早急に解決しなければなりません。
 その為にも星間評議会や宇宙警察、そして今までは不干渉の立場を取っていましたが
 地球との協調が必要であるべきと考えています」

会議の場の中心には、サイバトロン軍から出向して最高会議議長となった
ドレッドロックが議会に参加している各惑星の代表に向けて呼びかける。

ドレッドロック「既にサイバトロン軍は宇宙警察や宇宙警備隊と連携を取っています。
 この会議に参加している各惑星の代表の皆様方にも、是非ご協力をお願いする」
シュトルツ「うむ。我々はグランドブラックホール、始まりの魔神という脅威を、星を超えて
 共に手を取り合った事で困難を乗り越えた。今こそ再び手を取り合おう!」

ドレッドロックの言葉に、ネポス・アンゲリスの代表であるシュトルツは同意を示し、
同じく皆に呼びかける。

メルビ「・・・・恥ずかしながら、我が叔父でありバームを支配しようとしていた
 オルバンの軍勢も、ボアザンのズ・ザンジバルやキャンベルの女帝ジャネラ達と
 手を結び、地球がある太陽系に侵攻を開始した。彼らの野望を喰い止める為にも
 ドレッドロック議長に賛同する!」
デウス「メルビ殿と同じく、キャンベルも議長に賛同する!」

オルバンの甥だが、バームの和平派秘密組織を率いたメルビ補佐官は、バームの代表として
宇宙連合の議会に参加。再び戦乱を起こそうとするオルバン達の野望を阻むため、ドレッドロックに
賛同し、同じく女帝ジャネラから政権を奪取した穏健派のキャンベル星人であるデウスも賛同した。

ジョジョ「(地球・・・・・あの星では共に戦った俺の仲間がいる星・・・・・)俺の仲間も地球で戦っているんだ!
 アーストも協力する!」

イラスタント太陽系第5惑星アーストの、ボーダー王家の最後の王子である
ジョジョことジョルディ・ボーダーは、征服王マーダルとの戦いを乗り越え、
アーストの復興を行うと共に、宇宙連合の一員となり、アーストの代表となった。
遠い星で今も戦っている仲間達の事を思い、ドレッドロックに賛同した。
そして、その場にいる多くの代表達は、賛同していく。

ドレッドロック「ありがとう。では、星間評議会に使者を・・・・・」

チュドォォォン!!

シュトルツ「何事だ!?」

賛同を得たので、星間評議会に使者を送る為の議題を出そうとしたその時。
外部から爆発が起こり、その場にいる代表達の間で動揺が巻き起こる。

709ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/05/11(水) 14:48:41

ゼゼーナン「・・・・会議中に失礼させてもらうぞ。平和解放機構の諸君!」
メルビ「貴様は!?」
ドレッドロック「テイニクェット・ゼゼーナン・・・・・!」

そこに出現したのは、ゾヴォーグ連合の元筆頭書記官であり、ゲストの
太陽系方面軍司令官として地球を侵略したテイニクェット・ゼゼーナンだった。
ゼゼーナンは蛇の様な姿をした怪人―ダークウロボロスや反バイオ同盟所属の
殺し屋ロボット、バイオハンター・シルバ、地球征服を狙ったカイザーハデス、
配下の戦闘兵士ザコールを供なって現れる。

シュトルツ「ダークウロボロス・・・・・ソキウスか!」
ダークウロボロス「お久しぶりです、シュトルツ様。お元気そうで何より」

ダークウロボロス。その正体はネポス・アンゲリス評議会の一員で、レボルトと
裏で通じて評議会を手中に収めようとしていたソキウスだった。
ソキウスが装着しているダークウロボロスは空間属性で、背部に装着された
輪を使う事で、空間に干渉する事が出来、ゼゼーナン達を会議場に転移させたのであった。

ドレッドロック「この場に現れて、何が目的だ!」
カイザーハデス「知れた事・・・・この議会は我々が掌握する!」
ドレッドロック「クーデターか!」

宇宙連合の枢密院・最高会議を掌握しようとクーデターを始めるゼゼーナン達。
会議場の外では、かつて地球に送り込まれたウオフ・マナフの異星人や
ハデス軍の宇宙巨獣、さらにはETFに属する怪獣やフリーザ軍の兵士が暴れていた。

ゼゼーナン「おとなしく、我々に従ってもらおう」
ジョジョ「貴様ら・・・・!」

ゼゼーナンは会議に参加している代表達を自分達に従わせようと
脅しをかける。ゼゼーナン達の非道な行いに、ジョジョは怒りに
震えていた。

????「カイザーハデスゥゥゥ!」
カイザーハデス「ムッ!」
バイオハンター・シルバ「―!」バシュン
????「チィッ!」

そこにカイザーハデスめがけて光球が飛んでくる。それに気づいた
シルバはハデスを庇い、そのままバイバスターを撃つ。そして現れたのは
西洋の騎士を思わせる戦士、デモンズナイトだった。

カイザーハデス「貴様は、デモンズナイト!?」
デモンズナイト「ようやく見つけたぞ、カイザーハデス!」

デモンズナイト―かつてはハデス軍の一員として地球人「神野司郎」を
名乗り、ジャスティライザーに近づいたが、実はノルンの弟で、ライザー星の
騎士、リゲルだった事が判明。以後、ジャスティライザーと和解し、共闘して
カイザーハデスや魔神ダルガを倒した後は、ライザー星の復興を行っていたが、
カイザーハデスらが復活したと聞き、動向を探っていたのであった。

ランベル「王子!」
ドン・スラーゼン「ご無事ですか!」
ジョジョ「ランベル、スラーゼン!お前達も無事だったか!」

さらにジョジョの忠臣であるランベルやドン・スラーゼン達も駆けつける。

ルビー「代表の皆様は、此方に」
ヒムルカ「この星を脱出します!」

枢密院特使のアケロン人ルビーや惑星ランプレートのパトロール隊員
ヒムルカは、ドレッドロックやシュトルツ達を脱出させようと宇宙港まで
誘導する。

ドレッドロック「私も皆さんを守ります!」
メルビ「貴方は、最高会議の議長だ。貴方も逃げるべきだ!」
ドレッドロック「私も宇宙連合に出向しているとはいえ、サイバトロンです。
 皆さんを無事、脱出させてみせます。後の事はシュトルツ代表、貴方に
 任せます」
シュトルツ「・・・・・私もボーンを装着して戦いに行きたい所だが、了解した。
 頼む!」

各惑星の代表を本星から脱出させようと、ドレッドロックもサイバトロンの一員として
シュトルツ達に後を任せて、暴れている宇宙巨獣達に立ち向かう。
果たして脱出は成功するのか!

710凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/05/20(金) 20:30:33
≪アセーリア編・前日談 ラウールの初陣≫

サラジア共和国の黒三日月隊(アスワド・ヒラル)がアセーリアへ襲来する1年前の事。
メルヴィオン聖王国のユーベリア州で大規模な反乱が起こった。
国王アディラス16世は直ちに討伐隊を編成し、
16歳になる四男ラウール・エル・アディラス王子を伴って出陣する。
ラウールにとってはこれが初陣となる戦いであった。

レミーナ「ラウール! 久しぶりね。
 元気そうで何よりだわ」
ラウール「レミーナ! 来てくれたんだね!」

初めての戦場という事でガチガチに緊張していたラウールだったが、
陣中で従姉のレミーナ・ラプエンテの顔を見ると一転して笑顔を見せた。
王家の外戚ラプエンテ家の娘であるレミーナはラウールとは幼少の頃から親しく、
彼女が人質として王宮にいた頃は二人は家族同然の関係で育った。
ラウールからすればちょっと乱暴で怖いところがあるものの、
非公式な場では互いにタメ口で話すくらい仲の良い、1歳年上の頼れる姉貴分なのである。

レミーナ「で、初陣を前にして気分はどう?
 何だか既に顔面蒼白って感じだけど」
ラウール「正直、凄く緊張してる…。
 指揮官として、大勢の兵達の命を僕が預かる事になるんだ。
 失敗は許されない…」
レミーナ「あなたらしいわね。
 でもそうやって力んでると、かえって思考がおかしくなって失敗してしまうものよ。
 だからほら、もう少し肩の力を抜きなさいよっ」
ラウール「いてっ! ひどいや…」

ラウールの後頭部を拳で小突いて喝を入れるレミーナ。
叩かれた頭を手で押さえながら、ラウールは本陣へ戻った。

今回の反乱は、蛾天丸(*)という山賊が傭兵や騎士崩れの浪人衆らを配下に取り込み、
大兵力に膨れ上がってユーベリア州の町や村を占領したものである。
最初はただの盗賊団だったものが、今や政府転覆をも視野に入れた一大武装勢力と化している。
メルヴィオンとしても看過できない事態であった。

アディラス「蛾天丸はユーベリア州の金山を制圧したのをよい事に、
 金に糸目を付けず多数の兵を雇い集めて我が王国に叛いた。
 このような思い上がった不埒者の反乱を断じて許すわけには行かぬ。
 よって賊徒どもは徹底的に叩き潰す!」

総大将として全軍の指揮を取るアディラスだが、
相手は所詮ただの賊徒の寄せ集め。勝負は最初から見えている。
今回の戦いではラウールを初めとして、
メルヴィオンの今後を担う若い武将達に経験を積ませたいというのが、
アディラスが内心、主眼に置いている課題であった。

ラウール「戦場はシャデラク平原だ。
 この平原よりこちら側にはたくさんの町や村がある。
 凶悪な賊徒の手から民を守るため、敵の進撃をここで喰い止める!」

王族として大軍を動かすための訓練として、
父の介助を適時受けながら指揮を取る事になったラウール。
こうして両軍はシャデラクの原野で相まみえたのだが…。


*『犬夜叉』に登場したキャラクター。

711凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/05/20(金) 20:32:22
グエル「俺の名はグエル!
 誰でもいい。俺と勝負する勇気がある奴は出て来やがれ!」

決戦の火蓋がいよいよ切られようとしていた時、
反乱軍に属するグエル(*)という巨漢の戦士が、
トゲ付きの鉄球を馬上で振り回しながら大声で呼ばわり、
メルヴィオン軍に一騎打ちの相手を求めた。

アディラス「敵はあのように申しておるぞ。いかがする?」
ラウール「はっ。無論、挑戦に応ずるべきかと…」
アディラス「よし。ではこちらの代表者はお前が選べ」
ラウール「は…はい…!」

これも大将としての采配の一つである。
アディラスはラウールにこの場を任せた。

ラウール「誰か、あの者を討ち取らんとする勇者はいないか!?」

ラウールがそう言って募ると、大貴族の一人バレロン卿が進み出て、
自分の配下である大剣を佩いた屈強な騎士をラウールに紹介した。

バレロン「恐れながら、このカルドーソ子爵は、
 我が家中でも随一の剛勇の士。
 ぜひともその腕前を殿下にご披露したく存じます」
カルドーソ「必ず勝利してご覧に入れます。お任せあれ!」
ラウール「よし…!」

体格逞しく、いかにも強そうなカルドーソを敵に向かわせようとしたラウールだったが、
そこにもう一人の大貴族メンディエタ卿が待ったをかけた。

メンディエタ「お待ちあれ殿下! 我が甥のホアキンこそ真の勇者。
 一騎打ちには何とぞ彼をお遣わし下さいませ」
ホアキン「あのような賊徒、一撃で斬り捨てて見せます!」

ホアキンもやや小柄ながら眼光鋭く、利発な頭脳派の剣士といった風貌である。
どちらを行かせるかラウールは迷った。

ラウール「ええと…」

勝敗が全軍の士気を左右する一騎打ちの代表者選びは重要だし、
心根の優しいラウールは、選ばれなかった方の面目を潰すという事まで配慮してしまって、
なかなか答が出せない。
諸将の視線が集まる中、滴る冷や汗でびっしょり顔を濡らしながら、
しばらく迷ったラウールはやがて口を開いた。

ラウール「…よし、ホアキンに任せる」
ホアキン「はっ、ありがたき幸せ!」
カルドーソ「………」
ラウール「す、済まない、カルドーソ…」

無言で一礼して下がるカルドーソ。
勇躍、馬に跨ったホアキンはグエル目掛けて駆けて行くが…。

グエル「おらぁっ!!」
ホアキン「うわぁっ!!」

勝負は一瞬で決した。
グエルの鉄球がたちまちホアキンの頭を粉砕し、
ホアキンはどさりと落馬してそのまま絶命してしまう。

ラウール「そ…そんな…!」
カルドーソ「こうなれば、それがしに出番を!」
ラウール「お…おう! 行けカルドーソ!
 ホアキンの仇を討つんだ!」

己の選択ミスに愕然とするラウールはすぐに我に返り、
カルドーソをグエルに向かわせるが…。

グエル「どりゃぁっ!!」
カルドーソ「ぐわぁっ!!」

何とカルドーソもグエルは一撃で瞬殺してしまう。
結局、どちらを行かせても結果は同じだったのである。

ラウール「( ゜Д゜)ポカーン」


*『るろうに剣心』に登場したキャラクター。

712凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/05/20(金) 20:34:35
開戦前のこの一騎打ちが両軍に与えた心理的効果は大きかった。
味方の勝利に沸く反乱軍がその勢いのままどっと攻め出すと、
名のある勇者二人を討ち取られた王国軍は怯み突き崩される。
何とか土壇場で敵の猛攻を押し返す事には成功したものの、
こうして初日の戦闘は大損害を出しながら劣勢のまま終わった。

ラウール「………(汗」

その夜の軍議は、重苦しい雰囲気に包まれた。
数任せの烏合の衆かと思いきや、反乱軍は予想以上の強敵である。
敵の勢いにすっかり気圧されてしまった諸将は明らかに浮き足立っている。

アディラス「狼狽するでない!
 このような時は、かえって胆気を据えるに限るわ」

経験豊富な壮年の名将アディラスはさすがにまだ悠然と構えていたが、
貴族諸侯は動揺し、皆揃って顔色が青ざめている。

バレロン「敵の勢いは凄まじく、このままでは味方の不利は否めませぬ。
 一度後方へ退き、態勢を立て直されてはいかがにございますか」
メンディエタ「左様。ここは敵の鋭鋒を一旦かわし、
 こちらに有利な戦場へ引き込んで巻き返しを図るべきです」

諸将は口を揃えて撤退を進言した。
それだけ味方の士気が崩壊しているのだ。
呆れ顔のアディラスはここで敢えてまた息子に振ってみた。

アディラス「ラウール、そちはどう考える?
 このままここで戦い続けるべきか、一旦退いて戦場を移すべきか」
ラウール「はっ…」

再び重大な問題を振られて息を呑むラウールだが、
先程とは違い、これに関しては彼にははっきりした意見があった。

ラウール「確かに昼間の一戦を見るに、敵の勢いは侮れません。
 しかし我らがここを退けば、この辺り一帯の町や村はどうなるでしょう」
アディラス「む…」
ラウール「賊徒どもは町や村を占領して略奪し、
 最後には焼き払ってしまうはずです。
 賊徒どもを討つのは彼らの暴虐から人民を守るため。
 初戦の結果は残念でしたが、我らは尻込みしたりせず、
 ここに踏みとどまって戦うべきです!」
アディラス「よくぞ申した。お前らしい意見よの」

ずっと緊張してぎこちなかったラウールが初めて勇ましい言動を見せたので、
アディラスはなかなか満足げに口元を緩ませる。

バレロン「さすがは殿下。民思いのご立派なお志に敬服いたします。
 されど今、時の運は明らかに敵軍にあり。
 踏みとどまって勝ち目のない戦をしたところで、
 結果として敗れてしまえばこの地の民を守る事もできぬではありませんか」
ラウール「それは、そうだけど…」

バレロンが指摘した通り、ここで敵を打ち破る秘策がない限り、
ラウールの言う事は実現不可能な絵空事でしかないのだ。
ではどうやってこの劣勢を覆し、敵を撃破するかとなると、
そんな妙案はラウールにはなかなか思い浮かばないのであった。

713凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/05/20(金) 20:36:21
ナレイン「恐れながら申し上げます」

その時、一人の若者が声を上げた。
名門貴族レンドルフ家の次男で、
王宮でラウールに小姓として仕えているナレイン・レンドルフである。

ナレイン「この私めに一策があります。
 撤退をお決めになる前に、ぜひともご採用願いたく存じます」
クゼイン「こ、こらナレイン! 控えよ!
 ここはお前のような若輩者が発言して良い場ではない!」

父のクゼイン・レンドルフが慌てて息子を制したが、
元々、若手の育成の場としてこの戦いを捉えていたアディラスは怒る事もなく、
笑みを浮かべてラウールの方を見遣る。

ラウール「いや、発言を許す!
 ナレイン、その策というのを聞かせてくれ!」

父の意図を感じ取ったラウールは、
身を乗り出さんばかりにして寵臣のナレインに言葉を促した。

ナレイン「はっ、ありがたき幸せ…。
 愚考いたしますに、敵は金で雇われた山賊や傭兵の雑多な集まりであり、
 個々の武勇はともかく、全体として統率が取れるとは思えません。
 勢いに乗れば猛虎の如しとはいえ、劣勢となればたちまち足並みを乱しましょう。
 恐らく、心理的に不意を突かれれば一気に崩れ出すはずです」
ラウール「不意を突くと言うと…奇襲か?」
ナレイン「左様。敵はメシャク山を背にして布陣しております。
 この山を越えて敵の背後を突くのです」

机上に広げられた地図を指し示して作戦を説明するナレインだったが、
列座の諸侯からは呆れたような嘆息や、せせら笑う声ばかりが漏れる。

メンディエタ「バカな。あの山の険しさ、
 そう簡単に越えられるものではあるまい。
 地理を弁えぬ机上の空論というものじゃ」
バレロン「第一、そのような危険な事、誰がするのだ?
 わしは御免被るぞ」
ナレイン「それは無論…」

私が、と言おうとしたナレインだったが、
それを遮るように横から声を上げた者がいた。
レミーナである。

レミーナ「私が行きます!
 奇襲による敵陣一番乗りの栄誉、
 皆様がご遠慮なさるならぜひ私が務めさせていただきたく存じます」
メンディエタ「レミーナ殿、斯様な無茶な話に乗られるな。
 あの峻険な山を越えるなどできるわけがない」
レミーナ「できるわけがない……敵もそう思っているはず。
 ですが、敵の予測外の事をやってみせるのが奇襲というものではありませんか」

年上の貴族諸侯の前でも微塵も怯まず、
レミーナはそう言って小さく胸を張った。

ラウール「でも、奇襲は小勢で行なうものじゃないか」
レミーナ「ええ。小勢で結構。
 私の配下から精鋭の騎士1000名を選抜して行くつもりです」
ラウール「危険だ。敵にはあのグエルもいるんだぞ」
???「そいつは俺に任せてくれ!」

714凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/05/20(金) 20:38:27
グエルの名をラウールが出した途端、
腕を掴んで取り押さえようとする番兵らを引きずりながら、
野太い声を上げて陣幕の中へ乗り込んで来た者がいた。
身の丈2メートルを超える逞しい大男である。

メンディエタ「何奴だ!?」
ボーダン「俺はガルニア人の戦士ボーダン・ドーガだ!
 昼間の戦いでは遅れを取ったが、
 あのグエルって野郎には必ず勝つ自信がある!
 次の戦いでは俺を奴と戦わせてくれるよう直訴に来たんだ!」
バレロン「控えよ! 南蛮の野人風情が、
 召されてもおらぬのに本営へ乗り込み、
 かかる広言を吐くとは無礼にも程があろうぞ!」

ガルニア人というのは、ロサレダ大陸の南方に住んでいる異民族である。
勇猛さで知られる森の民だが、メルヴィオン人からは未開の蛮族と蔑まれる事が多く、
現にボーダンの行動や言葉遣いも乱暴極まりない事から、諸侯は不快げな顔をした。

ボーダン「グエルの首はこの俺が叩き落として見せる!
 山越えの奇襲部隊に俺も同行させてくれ!」
クゼイン「やかましい! 誰か、この狼藉者を下がらせよ」
レミーナ「いえ、頼もしいわ。
 この体格、面構え、見るからに只者ではなさそうね。
 あなたの同行を許可するわ。よろしく頼むわね」
ボーダン「おうっ! 任せろ!」

レミーナはこのガルニア人の戦士を見下すどころか、
その圧倒的な巨体に大いに感心し彼を高く評価した。
ボーダンは力強く自分の胸を叩く。

メンディエタ「これこれ、若者どもが勝手に軍議を進めるでない…」
クゼイン「左様。奇襲はやはり無謀であろう。
 陛下、我が愚息の放言で軍議を混乱させ、まことに申し訳ございませぬ」
アディラス「いや、確かに蛮勇とでも呼ぶべき果敢な策だが、
 余の見たところ成算は決してなくもない。
 さあどうするラウール。危険を承知でこの手で行くか、
 それとも安全主義で一度退くか。そちが決めよ」
ラウール「…皆を信じて、やってみます!
 レミーナ、そのガルニア人の戦士を連れて山越えの奇襲に挑んでくれ。
 ただし、命を粗末にしない事。無理だと思ったらすぐに退くんだ」
レミーナ「分かりました!」
アディラス「よし、決まりじゃ。
 奇襲が成功して敵が崩れ出したら、すぐに全軍で攻勢をかける!」

715凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/05/20(金) 20:40:18
作戦はその夜の内に決行された。
バレロンらが危惧した通り、険しいメシャク山の山越えは困難を極めたが、
レミーナは不屈の勇気と根性でいくつもの難所を突破し、
夜明け前に敵の本陣を見下ろす位置に到達する。

レミーナ「さあ行くわよ! セイロス神も天からご照覧あれ!
 ラプエンテ隊、総員突撃!」
ボーダン「おう! ひと暴れしてやるぜ!」

叫びと同時に馬に鞭打ったレミーナは軍勢の先頭を切り、
急峻な崖を優れた馬術で一気に駆け下りた。

賊軍兵A「な、何だ!?」
賊軍兵B「夜襲だ! 敵が山から攻めて来たぞ!」
レミーナ「うおおおっ!!」
ボーダン「どりゃぁっ!!」

敵中に飛び込んだレミーナは松明を投げ込んで兵糧庫に火を放つと、
愛剣ミスリルソードを馬上で抜き、
不意打ちを受けて大混乱に陥った敵を次々と蹴散らして行く。

ボーダン「グエルの野郎! 俺が相手だぜ!」
グエル「フン、かかって来い!」

ボーダンvsグエル。巨体同士が激しくぶつかり合い、
怪力を込めた剣と鉄球とが衝突して火花を散らす。

ボーダン「おらぁっ!」
グエル「ぐわぁっ!」

ボーダンの雷剣ラギアクルズがグエルの鉄球を叩き割り、
そのまま力強く振り上がってグエルの胴体を斬り裂いた。
反乱軍きっての猛将も、ここに敢えなく倒れたのである。

バレロン「おお、敵陣から火の手が…!」
アディラス「ラプエンテ家の小娘、上手くやりおったようじゃな。
 よし、総攻めじゃ!」

闇夜の敵陣に燃え盛る炎を見て奇襲成功を悟ったメルヴィオン軍は、
背後を突かれて崩れ出した敵に正面から攻撃をかけた。
ナレインの読み通り、個々には勇猛でも、
集団としての統制が取れていない反乱軍は突然の挟み撃ちに遭って混乱し、
昼間の強さが嘘のように次々と倒されて行く。

ラウール「父上、レミーナが心配です。
 僕が助けに行きます!」
アディラス「うむ。直ちに回収に向かうがよい。
 ナレイン、キクマル! ラウールを守り補佐せよ!」
キクマル「ははっ!」
ナレイン「承知いたしました!」

敵が半壊状態に陥ったところで、ラウールは馬に飛び乗り、
奇襲部隊の救出のため軍勢を率いて敵陣に突っ込んだ。
ナレインとアオイ人のサムライであるキクマル・サダムネが、
ラウールの護衛として後に続く。

716凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/05/20(金) 20:42:11
蛾天丸「小娘が。舐めた真似をしてくれたな!」
レミーナ「あなたが賊軍の大将ね。命はもらうわ!」

反乱軍の首魁・蛾天丸は激昂して大型のマサカリを振りかざす。
レミーナはミスリルソードで応戦し、激しい戦いになった。

蛾天丸「うおおっ!」
レミーナ「たぁっ!」

鋭く撃ち込まれたレミーナのミスリルソードが、
蛾天丸のマサカリの柄を叩き折った。
マサカリの巨大な刃が宙を舞い、地面に落ちて突き刺さる。

レミーナ「これで終わりね! 観念しなさい」
蛾天丸「フッ…。武器を潰したくらいで、
 人間如きがこの俺に勝てると思っているのか?」
レミーナ「人間如き…?」

レミーナがその言葉の意味を呑み込む前に、
蛾天丸の肌が青色に変わり、肉体が大きく膨らんで醜い怪物の姿に変貌する。
蛾天丸の正体は人間ではなく、巨大な蛾の妖怪だったのである!

蛾天丸「グォォォ〜!!」
レミーナ「正体を現したわね、魔物!」

レミーナは左足に巻いたレッグホルスターからナイフを一本抜いて蛾天丸に投げつけるが、
蛾天丸は口から毒鱗粉を吐いて飛んで来るナイフに浴びせかける。
ナイフは蛾天丸に届く前に毒でドロドロに溶かされ、跡形もなく消滅してしまった。

蛾天丸「ハァッ!!」
レミーナ「きゃぁっ!?」

蛾天丸が更に続けて口から吐き出す毒鱗粉のシャワーがレミーナを襲う。
素早く地面を転がって回避し直撃を免れたレミーナだが、
毒鱗粉が肩にわずかに掠り、軍装から露出していた肌に火傷ができた。

レミーナ「うっ…!」
蛾天丸「さあ、次は全身を焼き溶かしてやろう」

巨大な怪物となった蛾天丸の前に大ピンチのレミーナ。
だが、そこに間一髪、ナレインとキクマルを引き連れてラウールが馬を駆けさせて来た。

ラウール「レミーナ、大丈夫か!?」
レミーナ「ラウール!」
ナレイン「敵の正体は妖魔の類か…!」
キクマル「おのれ化け物、これでも受けてみよ!」

キクマルは馬を走らせながら弓を構え、矢を次々と射て蛾天丸に浴びせる。
毒鱗粉で矢も溶かしてしまう蛾天丸だが、
馬で素早く駆け回るキクマルを狙おうと蛾天丸が動きを追っていた隙に、
レミーナが別方向から投げた2本目のナイフが蛾天丸の喉を刺した。
吐こうとしていた毒鱗粉が傷口から漏れ出し、蛾天丸は自らの毒で身を焼かれ苦しむ。

蛾天丸「ぎゃぁぁっ〜!」
レミーナ「油断したわね!」
ナレイン「殿下、今です! これを奴に!」
ラウール「分かった!」

ナレインは持って来た大型の弩(ヘビィボウガン)をラウールに手渡した。
大怪鳥イャンクックの素材で作られた強力武器・イャンクック砲である。

ラウール「喰らえっ…!」
蛾天丸「ぐわぁぁっ!!」

狙いすまして放たれたイャンクック砲の貫通弾が蛾天丸に炸裂!
蛾天丸は倒れ、大爆発して滅び失せた。

717凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/05/20(金) 20:44:08
こうして蛾天丸の乱は鎮圧され、ラウールの初陣は大勝利に終わった。
敵の大将を自ら討ち取ったとあってラウールの武名は大いに高まったが、
何と言っても勝敗を決したのはナレインが考案し、
レミーナが実行した山越えの奇襲作戦である。
また、敵将グエルを撃破したボーダンの武勲や、
囮として蛾天丸を引き付け勝利をアシストしたキクマルの活躍も無視できない。
ラウールは彼らを心から讃え、その功をねぎらった。

ラウール「ありがとうレミーナ。
 お陰で初陣を勝利で飾れたよ。
 ユーベリアの民を賊徒の手から守る事もできた」
レミーナ「私の方こそ、ラウールが来てくれて助かったわ。
 あの緊張ぶりから最初はどうなるかと思ったけど、
 なかなか勇敢な戦いぶりだったじゃない」
ラウール「いや、勇敢だなんて…。
 あの時は何というか、気持ちが高まって自分を抑えられなくなったんだ」
レミーナ「あなた、気が弱いようでいて結構熱いところあるものね。
 そういうところ、悪くないと思うわよ」
ラウール「うん…」

内気で心優しいラウールが内奥に秘めた強烈な闘争本能が何に由来するものなのかについては、
後に衝撃の真実と共に明らかとなるのだが、それはまだまだ先の話である。
このシャデラクの戦いで力を合わせて活躍した若者達は1年後、
アセーリアを襲った空前の危機に際して運命に引かれるかのように再び集い、
共に戦って行く事になるのであった。

718ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/05/24(火) 12:27:15
<<外宇宙編 巨神、再誕>>

***新ソロ星***

前大戦で、無限力イデを巡ってバッフ・クランと争う事になってしまったユウキ・コスモ達
ソロシップのクルーは、第6文明人が遺した伝説の巨神―イデオンと別れ、長距離移民船団に
参加し、新たに居住可能な惑星を探して旅だった。そして、居住可能な惑星を発見し、
新たなソロ星として開拓を行っていた。だが、ある日突然、ソロ星は襲撃を受ける。

コスモ「あれはバッフ・クランの重機動メカ!?何故、ここに・・・・」

ソロ星を襲ったのは、何とバッフ・クランだった。バッフ・クランはソロ星で
初めて接触した時の様に、重機動メカで攻撃してきたのであった。さらに
重機動メカと一緒に、フリーザ軍の兵士も混じっており、人々を襲う。
そこに赤い帆船の形をした宇宙船―海賊戦隊ゴーカイジャーの乗る
ゴーカイガレオンが新ソロ星に降り立つ。

凱「何か、戦闘は始まっていますよ!マーベラスさん」
ハカセ「あれは、確かバッフ・クランとフリーザ軍っていうザンギャックと
 同じくらいヤバい奴らだよ!」
アイム「補給の為に立ち寄りましたが、これでは補給ができませんね・・・・・」

ゴーカイジャー達は補給を行う為、新ソロ星に立ち寄ったが、バッフ・クランと
フリーザ軍の攻撃に出くわしてしまう。

ジョー「どうする、マーベラス」
マーベラス「・・・・ふんっ。決まっているだろ?目の前にいる邪魔な奴らは
 ぶっ潰す。それが海賊だ!」
ルカ「言うと思った♪」
ジョー「だな」
凱「だったら、重機動メカはマーベラスさん達にお願いします!
 俺は地上にいる人たちを助けていきます!!」

マーベラス達はゴーカイジャーに変身。ゴーカイガレオンから4台の
ゴーカイマシンが飛び出し、「海賊合体」でゴーカイガレオンは変形、
4台のゴーカイマシンが手足となって合体し、ゴーカイオーとなる。
ゴーカイオーはその巨体で次々と重機動メカを倒していく。

バッフ・クラン兵A「何だ!?あのロボットは」
バッフ・クラン兵B「我々の邪魔をするというのであれば、撃ち落とす!」

重機動メカはゴーカイオーを敵と認識し、ゴーカイオーを攻撃していく。

719ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/05/24(火) 12:40:18
一方地上では、ソロシップの元艦長ジョーダン・ベスが住民を守ろうと
部隊を率いて、銃を片手にフリーザ軍の兵士に立ち向かっていたが、
生身での戦闘力が強いフリーザ軍には銃は効かなかった。

ベス「何としても、市民を守るんだ!」
フリーザ軍兵士A「ふふふっ・・・・銃など効かぬわ!」
フリーザ軍兵士B「この星は、我らが宇宙の帝王フリーザ様に献上されるのだ。 
 貴様達は大人しく我々に従うのだ!」
カーシャ「この星は、私達が見つけた星よ。アンタ達なんかに渡して
 なるもんですか!!」
フリーザ軍兵士A「生意気な女めっ!従わないのであれば死ねぇ!!」

新ソロ星の住人達を従わせようとするフリーザ軍の兵士にイムホフ・カーシャが
抵抗の意を示す。フリーザ軍の兵士は従おうとしないカーシャを殺そうと
襲いかかるが・・・・・。

ゴーカイシルバー「うぉぉぉぉぉりゃぁぁぁ!!!」
フリーザ軍兵士A「何ッ!?」

そこへゴーカイシルバーに変身した凱がゴーカイスピア―を使って
殺されそうになったカーシャを助ける。

フリーザ軍兵士A「誰だっ!貴様は」
ゴーカイシルバー「ゴーカイジャー6番目の仲間、ゴォォォォカイィィシルバァァァァ参上!!
 大丈夫ですか、皆さん?」
カーシャ「ええ・・・」
ベス「あの空でバッフ・クランと戦っているロボットの仲間か?助かった」
ゴーカイシルバー「ここは俺に任せて、皆さんは避難をして下さい」
ベス「了解した、頼む」

ベスはゴーカイシルバーに、その場を任せて住民の避難を行っていく。

コスモ「・・・・・せっかく、新しい星を見つけたんだ。何故また俺達を襲うんだぁぁ!」

コスモはバッフ・クランが人々を襲う光景に、怒りをぶちまける。
その時、上空で時空クレバスが発生する。

ゴーカイレッド「どうしたッ!」
ゴーカイグリーン「この反応・・・・時空クレバスが起きるよ!」

そして時空クレバスの中から現れたのは、赤い巨神―前大戦で別れた
イデオンとソロシップだった。イデオンとソロシップはゆっくりと地上に
降り立つ。

コスモ「イデオンだと・・・・・どうしてイデオンが!?」
カーシャ「コスモ!今はこの場を切り抜けるのが先だわ。イデオンに乗りましょう!」
デク「僕もイデオンに乗るよ!」

コスモはイデオンの出現に戸惑うが、事態を切り抜ける為、カーシャ、アフタ・デクと
共にイデオンに乗り込む。そしてソロシップにはベスが避難民を連れて乗り込んだ。

♢ ♢ ♢ ♢ ♢ ♢ ♢

戦闘後、イデオンとソロシップ、そしてゴーカイジャーの面々はバッフ・クランと
フリーザ軍を退ける。

ベス「何とか、事態は切り抜けたようだな。コスモ達や我々を助けた彼等と
 ソロシップで合流しよう」
ハタリ「これはっ!」
ベス「どうした、ハタリ!?」
ハタリ「ソロシップがいきなりDSドライブしようとしている。このままじゃ、
 何処かへ転移するぞ!」
ベス「何だとッ!?」

イデオンに乗っているコスモやゴーカイオーに乗っているゴーカイジャーと
ソロシップで合流しようとしたベスだが、突如としてソロシップのDSドライブが起動。
イデオンやゴーカイオーを巻き込み、その場から転移する。その行く先は・・・・・・。

720ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/05/31(火) 14:38:06
<<絆は種族を超えて...5>>
***閻魔庁・閻魔大王の執務室***

閻魔大王「鬼太郎達は、向かったか・・・・・」

先程、鬼太郎に悪魔くんの救出と見えない学校に起きた異変の調査を
命じた閻魔大王は執務室にある椅子に腰かける。鬼太郎に命じたが、
今回の敵は閻魔大王の霊力でも正体が掴めないという謎に満ちた敵で、
果たして鬼太郎とその仲間達で対処できるか、後々になって不安を
感じるようになる。

コエンマ「ならば、義父(おやじ)殿。万が一に備えて鬼太郎に増援を
 送るというのはどうだろう。こういった任務ならば、霊界探偵である
 幽助が最適と思うのじゃが?」
閻魔大王「うむ。増援を送るというのは良い考えだ。よし、コエンマは
 浦飯幽助に任務の要請をせよ。わしは尸魂界の死神達に協力を
 要請してくる・・・・・・今回の件には超人警察隊も動いている。彼等にも
 連絡を執り、合流させるとしよう!」

コエンマと話し合い、閻魔大王は鬼太郎達に増援を送る事を決める。
その増援として、閻魔大王とコエンマは霊界探偵の浦飯幽助、尸魂界の
護廷十三隊、超人警察隊に連絡を執りはじめる。

721ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/05/31(火) 14:42:12

***現世・六本木***

閻魔大王とコエンマによる話し合いからしばらくして・・・・・。現世にある
六本木では赤いジャケットを着た青年―日本の特務機関『森羅』の
エージェントである有栖零児が腕を組みながら立っていた。

零児「・・・・・超人警察隊から森羅に要請されたという任務。一体どの様な任務なんだ?」
小牟「な〜のじゃ♪な〜のじゃ♪・・・・・おう、零児!待ったぁ〜?」
零児「遅いぞ、小牟!・・・・・今まで何をしていた?」
小牟「いや〜、新作ゲームのレベル上げをしていたら・・・・・ついのぅ」テヘペロッ
零児「はぁ〜・・・・後でお仕置きだ」

零児の所属する『森羅』に、超人警察から合同任務の要請がかかり、
その任務に選ばれた零児は、任務に赴くため待ち合わせをしていた。
零児の所に、狐の耳と尻尾が生えた女性、零児のパートナーである
小牟がやって来る。どうやら、ゲームに夢中になっていて遅刻してきた
らしく、零児はため息をつきながら、後で小牟に「お仕置き」をする事を
決める。

????「おっ?零児と小牟か?」
????「相変わらずの仲みたいっすね」
零児「お前達は・・・・・」
小牟「幽助と一護ではないか?何故、ここにいるのだ」

零児と小牟の前に現れた少年達。霊界探偵の浦飯幽助と死神代行を
している高校生、黒崎一護とその仲間達だった。零児達は以前、任務で
幽助や一護と顔を合わせ、共に戦った事があり、それ以来の仲となっていた。

幽助「俺はコエンマからの指令で、ここに行くように言われたんだ」
一護「俺もルキアから、尸魂界の指令で、ここに向かう様に言われて
 井上やチャドと来て、幽助と会った後、零児さん達を見かけたんです」
小牟「ん?一護達といつも一緒にいるメガネ坊主は、今日は居らんのか?」
井上「石田君は生徒会のお仕事が忙しくって、今日は私達だけなんです」

幽助と一護達は、それぞれ来た理由を話す。小牟は一護の仲間である
滅却師(クインシー)の高校生、石田雨竜がいない事に気付き、理由を
尋ねると、石田は現在、空座(からくら)高校の生徒会長である為、
生徒会の仕事により不在である事を井上織姫が話す。

零児「どうやら、俺達の任務はお前達と同じみたいだな」
ザ・ニンジャ「各々方、御集まりになった様でござるな」
幽助「誰だ?この忍者は」
井上「すごいよ、黒崎君、チャド君!本物の忍者だよ!」
チャド「落ち着け、井上・・・・・」

集まった零児達の前にザ・ニンジャが現れる。本物の忍者である
ザ・ニンジャを見て、井上は興奮気味となり、チャドが落ち着かせる。

ザ・ニンジャ「拙者の名はザ・ニンジャ。超人警察隊の手の者でござる。
 今回の件はこの世の存亡にも関わる事で、あの世でも一大事という
 事で、お主達が集められた。今から任務の内容を説明するでござる」

ザ・ニンジャは零児達に今回の任務である悪魔くんの救出や見えない学校の
異変に関する調査、そして調査に向かった鬼太郎の増援などが説明された。

ルキア「恐怖の将・・・・・その様な輩がいたとは・・・・・」
幽助「とにかく俺達は、調べに行ったその鬼太郎って妖怪を助けに
 向かえば良いって訳なんだな?」
ザ・ニンジャ「その通りでござる」
一護「でも、そこへはどうやって行けばいいんだ?」
零児「行き方については、こちらでツテがある」

ザ・ニンジャの説明を受けて、各々反応し、一護は行く方法を聞くと
零児がツテがあると話す。

ブォォォォ

小牟「おっ!噂をすれば来たようじゃのう」

零児達の居る場所に大型の車両がやって来る。車両が止まると
中からゴーグルを着けた女性が現れた。

裏嶋「ごめんなさい。停まる場所を探していたら遅れてしまったわ」
幽助「誰だよ、この姉ちゃん?」
零児「俺達と同じく『森羅』に所属する裏嶋千鶴装備課課長だ」
裏嶋「『博士』って呼んで。」

現れた車両―『龍亀一號』から現れたのは森羅に所属する科学者、
裏嶋千鶴。零児によって皆に紹介される。

裏嶋「そちらの忍者さんの協力で悪魔くん・・・・・埋もれ木真吾君の
 いる場所へ、この龍亀一號へ転移する事が出来るわ。でも、グズグズ
 していたら、その子がどうなるか分からないから移動するわ。すぐにね」

裏嶋から行く方法について説明されると、一同は龍亀一號に乗り込む。
そして龍亀一號は悪魔くんや鬼太郎が居ると思われる場所に向かって
転移するのであった。

722ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/05/31(火) 14:42:52
◯閻魔大王→鬼太郎に増援を送ろうと尸魂界や超人警察隊に連絡をする。
◯浦飯幽助→コエンマからの指令で、零児や一護と合流し、鬼太郎の増援に向かう。
◯コエンマ→鬼太郎に増援を送ろうと浦飯幽助に指令を送る。
◯有栖零児→鬼太郎の増援に向かう。
◯小牟→鬼太郎の増援に向かう。
◯裏嶋千鶴→零児達を龍亀一號に乗せ、鬼太郎の増援に向かう。
◯黒崎一護→零児や幽助と合流し、鬼太郎の増援に向かう。
◯朽木ルキア→鬼太郎の増援に向かう。
◯井上織姫→鬼太郎の増援に向かう。
◯茶渡泰虎→鬼太郎の増援に向かう。
◯ザ・ニンジャ→零児や幽助、一護らと合流し、鬼太郎の増援に向かう。

【今回の新登場】
◯浦飯幽助(幽☆遊☆白書)
 中学2年の時、霊界の手違いで死亡し、様々な試練を経て生き返らせてもらう
 代わりに霊界探偵となって働くようになった少年。喧嘩好きな不良少年だが、
 根は真っ直ぐで仲間思い。正義感が強いというよりも、自分が気に入るか
 気に入らないかで動くタイプ。ある調査をきっかけに霊光波動拳の後継者となり
 幻海に師事する。実は「魔界三大勢力」の一つである闘神雷禅の子孫で、魔族として
 覚醒してからは妖気も使用できるようになる。中学を卒業した現在は、進学せず
 ラーメン屋台を開店し、裏稼業で人間と妖怪のトラブルを解決する「なんでも屋」をしている。

◯黒崎一護(BLEACH)
 霊感が強くオレンジ髪が特徴の高校生で、虚に襲われ朽木ルキアと出会った事から
 死神代行となり、以後様々な強敵と戦う。藍染惣右介との戦いで死神の力を無くすが、
 XCUTIONとの出会いで、『完現術』を習得し、これを契機に、装いを新たに死神の
 力を取り戻す。斬魄刀は「斬月」

◯朽木ルキア(BLEACH)
 護廷十三隊十三番隊副隊長。一護に死神の力を与えた人物。南流魂街
 78地区“戌吊”出身で、阿散井恋次とは幼馴染。その後、真央霊術院に
 入学して朽木家に養子に迎えられ、朽木白哉の義妹となる。
 男勝りだが非常に仲間思いな性格をしているが割と短気な所がある。
 男の様な古風な固い言葉遣いで話し、「たわけ!」が口癖。鬼道に秀でており、
 高度技術を使いこなす。『破面編』終了後の1年17か月の間に副隊長に昇格した。
 美的センスが様々な意味で高く、ヘタウマ系イラストが得意。ウサギグッズを好んでいる。
 斬魄刀は「袖白雪」

◯井上織姫(BLEACH)
 一護のクラスメイトである花を模ったヘアピンが特徴の巨乳美少女。
 一護に思いを寄せている。突飛な言動を繰り出す天然ボケな所があるが
 成績は優秀で、運動神経も良く、空手初段程度の実力を持っている。
 兄からの贈り物で形見でもあるトレードマークの花型ヘアピンから召喚する
 6体の妖精を駆使して、「事象の拒絶」を主軸のシステムとした能力
 「盾瞬六花」を操り、主に防御・回復技をメインとしている。

◯茶渡泰虎(BLEACH)
 一護のクラスメイトで中学時代からの親友。あだ名は「チャド」
 メキシコのクォーターであり体格の良い男。身体が非常に頑丈で
 無口だが心優しく、子供や動物に優しい。初めは霊感が全く無かったが
 死神化した一護と接触した事で、徐々に強くなっていき、一護の妹
 黒崎夏梨と守る事を切欠に固有の能力が開花した。右腕に鎧が
 装着され、霊力による打撃を放つ事が出来るようになる。 

◯裏嶋千鶴(プロジェクトクロスゾーン2)
 特務機関『森羅』の装備課課長。倒置法を多用した喋り方が特徴で、
 見た目は20代前半だが、正確な年齢は不明。森羅で使用する武器や
 装備の管理を行っており、その開発やメンテナンスを一手に引き受けている。
 そういった役割の為か、自分の事を「博士」と呼ぶように言い聞かせている。
 キャラバン型局地用特務車両「龍亀一號」のドライバーを務め、自ら現場に
 出向く事もある。マイペースで普段は落ち着いているものの、変わり者で
 時折頑固な態度もとり、周囲を巻き込んでしまう事もある。

723ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/06/01(水) 11:03:29
>>720-721加筆・修正

<<絆は種族を超えて...5>>
***閻魔庁・閻魔大王の執務室***

閻魔大王「鬼太郎達は、向かったか・・・・・」

先程、鬼太郎に悪魔くんの救出と見えない学校に起きた異変の調査を
命じた閻魔大王は執務室にある椅子に腰かける。鬼太郎に命じた
閻魔大王だが、今回の敵は自身の霊力でも正体が掴めないという謎に
満ちた敵であり、鬼太郎達の事は信頼しているが、万が一に備えて
対策を練った方が良いのではないかと閻魔大王は考える。

コエンマ「ならば、義親父(オヤジ)殿。万が一に備えて鬼太郎に増援を
 送るというのはどうだろう。こういった任務ならば、霊界探偵である
 幽助が最適と思うのじゃが?」
閻魔大王「うむ。増援を送るというのは良い考えだ。よし、コエンマは
 浦飯幽助に任務の要請をせよ。わしは尸魂界(ソウル・ソサエティ)の
 死神達に協力を要請してくる・・・・・・今回の件には超人警察隊も
 動いている。彼等にも連絡を執り、合流させるとしよう!」

コエンマと話し合い、閻魔大王は鬼太郎達に増援を送る事を決める。
その増援として、閻魔大王とコエンマは霊界探偵の浦飯幽助、尸魂界の
護廷十三隊、超人警察隊に連絡を執りはじめる。

***現世・六本木***

閻魔大王とコエンマによる話し合いからしばらくして・・・・・。現世にある
六本木では赤いジャケットを着た青年―日本の特務機関『森羅』の
エージェントである有栖零児が腕を組みながら立っていた。

零児「・・・・・超人警察隊から森羅に要請されたという任務。一体どの様な任務なんだ?」
小牟「な〜のじゃ♪な〜のじゃ♪・・・・・おう、零児!待ったぁ〜?」
零児「遅いぞ、小牟!・・・・・今まで何をしていた?」
小牟「いや〜、新作ゲームのレベル上げをしていたら・・・・・ついのぅ」テヘペロッ
零児「はぁ〜・・・・後でお仕置きだ」

零児の所属する『森羅』に、超人警察から合同任務の要請がかかり、
その任務に選ばれた零児は、任務に赴くため待ち合わせをしていた。
零児の所に、狐の耳と尻尾が生えた女性、零児のパートナーである
小牟がやって来る。どうやら、ゲームに夢中になっていて遅刻してきた
らしく、零児はため息をつきながら、後で小牟に「お仕置き」をする事を
決める。

????「おっ?零児と小牟か?」
????「相変わらずの仲みたいっすね」
零児「お前達は・・・・・」
小牟「幽助と一護達ではないか?何故、ここにいるのだ」

724ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/06/01(水) 11:59:48
零児と小牟の前に現れた少年達は、一度死んで生き返った後、霊界探偵となった
少年、浦飯幽助。オレンジ髪が特徴の死神代行をしている高校生、黒崎一護。
一護の仲間で尸魂界の護廷十三隊に属する死神の女性、朽木ルキア。一護の
クラスメイトである髪の長い美少女、井上織姫と同じくクラスメイトである大柄な青年、
チャドこと茶渡泰虎である。零児達は以前、任務で幽助や一護達と顔を合わせ、
共に事件を解決した事があり、それ以来の付き合いとなっていた。

幽助「俺はコエンマからの指令で、ここに行くように言われたんだ」
一護「俺もルキアから、尸魂界の指令で、ここに向かう様に言われて
 井上やチャドと来て、幽助と会った後、零児さん達を見かけたんです」
小牟「ん?一護達といつも一緒にいるメガネ坊主は、今日は居らんのか?」
井上「石田君は生徒会のお仕事が忙しくって、今日は私達だけなんです」

幽助と一護達は、それぞれ来た理由を話す。小牟は一護の仲間である
滅却師(クインシー)の高校生、石田雨竜がいない事に気付き、理由を
尋ねると、石田は現在、空座(からくら)高校の生徒会長である為、
生徒会の仕事により不在である事を井上織姫が話す。

零児「どうやら、俺達の任務はお前達と同じみたいだな」
ニンジャ「各々方、御集まりになった様でござるな」
幽助「誰だ?この忍者は」
井上「すごいよ、黒崎君、チャド君!本物の忍者だよ!」
チャド「落ち着け、井上・・・・・」

集まった零児達の前に超人警察隊のザ・ニンジャが現れる。井上は
本物の忍者であるザ・ニンジャを見て、興奮気味となり、チャドが
落ち着かせる。

ニンジャ「拙者の名はザ・ニンジャ。超人警察隊の手の者でござる。
 今回の件はこの世の存亡にも関わる事態であり、あの世でも一大事
 という事で、お主達が集められた。今から任務の内容を説明するでござる」

ザ・ニンジャは零児達に今回の任務である悪魔くんの救出や見えない学校の
異変に関する調査、見えない学校を吸収したと思われる“恐怖の将”についてや
自分達が調査に向かった鬼太郎達の増援である事などを説明した。

ルキア「恐怖の将・・・・・その様な輩がいたとは・・・・・」
幽助「とにかく俺達は、調べに行ったその鬼太郎って妖怪を助けに
 向かえば良いって訳なんだな?」
ニンジャ「その通りでござる」
一護「でも、そこへはどうやって行けばいいんだ?」
零児「行き方については、こちらにツテがある」

ザ・ニンジャの説明を受けて、各々反応し、一護は行く方法を聞くと
零児がツテがあると話す。

ブォォォォ

小牟「おっ!噂をすれば来たようじゃのう」

零児達の居る場所に大型の車両がやって来る。車両が止まると
中からゴーグルを着けた女性が現れた。

裏嶋「ごめんなさい。停まる場所を探していたら遅れてしまったわ」
幽助「誰だよ、この姉ちゃん?」
零児「俺達と同じく『森羅』に所属する裏嶋千鶴装備課課長だ」
裏嶋「『博士』って呼んで。」

現れた車両―『龍亀一號』から現れたのは森羅に所属する科学者、
裏嶋千鶴。零児によって皆に紹介される。

裏嶋「そちらの忍者さんの協力で悪魔くん・・・・・埋もれ木真吾君の
 いる場所へ、この龍亀一號へ転移する事が出来るわ。でも、グズグズ
 していたら、その子がどうなるか分からないから移動するわ。すぐにね」

裏嶋から行く方法について説明されると、一同は龍亀一號に乗り込む。
そして龍亀一號は悪魔くんや鬼太郎が居ると思われる場所に向かって
転移するのであった。

***名門(なかど)学園屋上***

ザ・ニンジャや零児達が鬼太郎の増援として後を追っていたその頃。
昼休みとなり、不動明は氷村(ヒムラー)に言われた通り、屋上へと
やって来る。屋上には氷村が待ち構えていた。

明「言われた通り、1人で来たぜ。ヒムラー!!」
氷村「フフフ...待ってたぜ、デビルマン」

不敵な笑みを浮かべる氷村に対して、明は殺気を向ける。

氷村「おいおい、そんなに殺気を向けるなよ...ゼノン様は寛大な
 御心により、これまで貴様がデーモン族を裏切り、人間に味方した
 罪をお許しになって下さるおつもりだ。デビルマン...いや、
 デーモン族の勇者、アモン!デーモン族に帰って来い!!」

725ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/06/01(水) 13:58:09
氷村は明=デビルマンに、デーモン族に戻ってくるよう魔王ゼノンの
提案を伝える。その際、デビルマンのもう一つの名前を口にした。

明「・・・・・誰が、デーモン族に戻るものか。俺は美樹を守る...
 デーモン族だろうと何だろうとなぁ!!」

氷村から伝えられた内容に対して、明ははっきりと拒絶した。

氷村「・・・・そうかい。ならば仕方あるまい。ここで死んでもらうぜ!
 出て来い、お前達!!」
????「うおおお、待ちかねたぞぉ!」
明「―!」

明の拒絶の言葉を聞き、こうなる事を予想していた氷村は明を
始末する事を決める。そして氷村に呼ばれ、明の前に2体の
怪人が姿を現す。

明「お前達はフェイラス、ダルミ...貴様達も黄泉還っていたのか!」
フェイラス「久しぶりだな、デビルマン」
ダルミ「我らを倒し、宿り木を手にして、デーモン族の尖兵という栄誉を
 得たというのに、愚かな人間に組みするとは、デーモンの恥さらしめがっ!」

現れたのは、かつてデビルマン同様魔王ゼノンによりデーモン族の尖兵に
選ばれ、宿り木となる人間=不動明を巡ってデビルマンに敗北したデーモン族の
フェイラスとダルミだった。彼等もまた氷村同様、黄泉還り現象により再生者となって
復活したのであった。

フェイラス「デビルマンよ。今度は貴様が死ぬ番だ!」
明「冗談じゃねぇ!お前達なんかに負けてたまるかっ!
 ディヴィール!!」

デビルマンを抹殺しようと現れたフェイラスとダルミに対し、明は
その姿を本来の姿であるデビルマンに変身する。

デビルマン「さぁ、かかってきやがれ!」

♢ ♢ ♢ ♢ ♢

美樹「もう、明くんも氷村くんも何処に行ったのかしら?」

一方、屋上でデビルマンとデーモン族の戦いが行われている事など
露知らず、美樹は昼休みになっていなくなってしまった明と氷村を
捜していた。廊下を歩いていると、美樹は大きな鏡の前を通り過ぎる。

美樹「あら?こんな所に鏡なんてあったかしら」

鏡に気が付いた美樹は、鏡の前に立ち、しばらくジッと見つめる。

鏡の中の美樹「・・・・・ニィッ」
美樹「えっ・・・・・・キャアッ!」

しばらく鏡を見つめていると、突然鏡に映った美樹がニンマリと
笑みを浮かべ、何と鏡から手が出て来て美樹の首を掴んだのである。
そして美樹は駒の様にまわり出して、そのまま外へと連れ出されてしまう。

♢ ♢ ♢ ♢ ♢

デビルマン「デビルキィィックゥ!」
フェイラス「ぐわぁ!」
デビルマン「デビルカッタァァ!」
ダルミ「ギャァッ!」

一方屋上での戦いは、フェイラスとダルミがデビルマンに雪辱を
晴らそうと襲い掛かるが、デビルマンの必殺技が繰り出され、
以前と同様、敗北する。

デビルマン「後は貴様だけだ。ヒムラー!」
氷村「・・・・・流石はデビルマン。だが、そいつらは所詮時間稼ぎに過ぎない」
デビルマン「時間稼ぎだとっ?」
???「ぐへへへ。連れて来たぜ...」
氷村「よくやったぞ。ヘンゲ」

デビルマンにフェイラスとダルミが倒されても余裕の表情を見せる氷村。
すると氷村の元に、先程美樹を連れ出した異形の化け物、デーモン族の
中でも変身能力に長けたデーモン族、妖怪ヘンゲだった。

デビルマン「ヘンゲッ!今すぐ美樹を返しやがれぇぇ!!」
氷村「そうはいかん。彼女は大事な人質だからな」
デビルマン「人質だと!」

美樹がヘンゲの手に落ちた事により、怒りの表情を浮かべるデビルマン。
そして氷村の後ろの空間に突如、時空クレバスが開かれる。

氷村「返して欲しければ、追いかけて来い!待っているぞ...ハハハハハッ!」
デビルマン「待てっ!美樹を返せぇぇ!」
ヘンゲ「ふんっ!」
デビルマン「ぐふっ」

時空クレバスの中に入ろうとする氷村から美樹を取り返そうとする
デビルマンだが、ヘンゲは身体を岩に変え、デビルマンにぶつかり
その拍子でデビルマンは倒れてしまう。その隙に氷村とヘンゲは
美樹を連れて時空クレバスの中へと消えた。

デビルマン「や...野郎ッ!待ちやがれぇ!」

起き上がったデビルマンは、氷村達を追おうと背中のデビルウィングを
広げて、時空クレバスの中に入り、そして時空クレバスは消えるのであった。

726ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/06/01(水) 14:16:48
>>722加筆

◯閻魔大王→鬼太郎に増援を送ろうと尸魂界や超人警察隊に連絡をする。
◯浦飯幽助→コエンマからの指令で、零児や一護と合流し、鬼太郎の増援に向かう。
◯コエンマ→鬼太郎に増援を送ろうと浦飯幽助に指令を送る。
◯有栖零児→鬼太郎の増援に向かう。
◯小牟→鬼太郎の増援に向かう。
◯裏嶋千鶴→零児達を龍亀一號に乗せ、鬼太郎の増援に向かう。
◯黒崎一護→零児や幽助と合流し、鬼太郎の増援に向かう。
◯朽木ルキア→鬼太郎の増援に向かう。
◯井上織姫→鬼太郎の増援に向かう。
◯茶渡泰虎→鬼太郎の増援に向かう。
◯ザ・ニンジャ→零児や幽助、一護らと合流し、鬼太郎の増援に向かう。
◯不動明/デビルマン→屋上でデビルマンに変身して戦うが、美樹を連れ去られ、
  時空クレバスに入り、後を追う。
◯牧村美樹→氷村達デーモン族に連れ去られる。
●氷村巌→屋上に来た不動明にフェイラスとダルミを嗾け、牧村美樹を連れ去る。
●フェイラス→デビルマンに倒される。
●ダルミ→デビルマンに倒される。
●ヘンゲ→牧村美樹を連れ去る。

【今回の新登場】
◯浦飯幽助(幽☆遊☆白書)
 中学2年の時、霊界の手違いで死亡し、様々な試練を経て生き返らせてもらう
 代わりに霊界探偵となって働くようになった少年。喧嘩好きな不良少年だが、
 根は真っ直ぐで仲間思い。正義感が強いというよりも、自分が気に入るか
 気に入らないかで動くタイプ。ある調査をきっかけに霊光波動拳の後継者となり
 幻海に師事する。実は「魔界三大勢力」の一つである闘神雷禅の子孫で、魔族として
 覚醒してからは妖気も使用できるようになる。中学を卒業した現在は、進学せず
 ラーメン屋台を開店し、裏稼業で人間と妖怪のトラブルを解決する「なんでも屋」をしている。

◯黒崎一護(BLEACH)
 霊感が強くオレンジ髪が特徴の高校生で、虚に襲われ朽木ルキアと出会った事から
 死神代行となり、以後様々な強敵と戦う。藍染惣右介との戦いで死神の力を無くすが、
 XCUTIONとの出会いで、『完現術』を習得し、これを契機に、装いを新たに死神の
 力を取り戻す。斬魄刀は「斬月」

◯朽木ルキア(BLEACH)
 護廷十三隊十三番隊副隊長。一護に死神の力を与えた人物。南流魂街
 78地区“戌吊”出身で、阿散井恋次とは幼馴染。その後、真央霊術院に
 入学して朽木家に養子に迎えられ、朽木白哉の義妹となる。
 男勝りだが非常に仲間思いな性格をしているが割と短気な所がある。
 男の様な古風な固い言葉遣いで話し、「たわけ!」が口癖。鬼道に秀でており、
 高度技術を使いこなす。『破面編』終了後の1年17か月の間に副隊長に昇格した。
 美的センスが様々な意味で高く、ヘタウマ系イラストが得意。ウサギグッズを好んでいる。
 斬魄刀は「袖白雪」

◯井上織姫(BLEACH)
 一護のクラスメイトである花を模ったヘアピンが特徴の巨乳美少女。
 一護に思いを寄せている。突飛な言動を繰り出す天然ボケな所があるが
 成績は優秀で、運動神経も良く、空手初段程度の実力を持っている。
 兄からの贈り物で形見でもあるトレードマークの花型ヘアピンから召喚する
 6体の妖精を駆使して、「事象の拒絶」を主軸のシステムとした能力
 「盾瞬六花」を操り、主に防御・回復技をメインとしている。

◯茶渡泰虎(BLEACH)
 一護のクラスメイトで中学時代からの親友。あだ名は「チャド」
 メキシコのクォーターであり体格の良い男。身体が非常に頑丈で
 無口だが心優しく、子供や動物に優しい。初めは霊感が全く無かったが
 死神化した一護と接触した事で、徐々に強くなっていき、一護の妹
 黒崎夏梨と守る事を切欠に固有の能力が開花した。右腕に鎧が
 装着され、霊力による打撃を放つ事が出来るようになる。 

◯裏嶋千鶴(プロジェクトクロスゾーン2)
 特務機関『森羅』の装備課課長。倒置法を多用した喋り方が特徴で、
 見た目は20代前半だが、正確な年齢は不明。森羅で使用する武器や
 装備の管理を行っており、その開発やメンテナンスを一手に引き受けている。
 そういった役割の為か、自分の事を「博士」と呼ぶように言い聞かせている。
 キャラバン型局地用特務車両「龍亀一號」のドライバーを務め、自ら現場に
 出向く事もある。マイペースで普段は落ち着いているものの、変わり者で
 時折頑固な態度もとり、周囲を巻き込んでしまう事もある。

727ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/06/01(水) 14:17:22
●フェイラス(TV版 デビルマン)
 鳥の様な頭部が特徴のデーモン族の1人。魔王ゼノンにデーモン族の
 尖兵に選ばれ、宿り木である不動明を巡ってデビルマンと争うが、
 敗北した。

●ダルミ(TV版 デビルマン)
 醜悪な顔とずんぐりした体型が特徴のデーモン族の1人。魔王ゼノンから
 デーモン族の尖兵に選ばれるが、宿り木である不動明を巡って、デビルマンと
 争い、敗北した。

728ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/06/02(木) 12:27:32
<<絆は種族を超えて...6>>

***魔界・某所***

魔界のとある場所。デーモン族の妖獣サイコジェニーによって、操られた
悪魔くんこと埋もれ木真吾少年は、その手足を鎖で繋がれて気を失っていた。

真吾「う...う〜ん」
???「気が付いたかい。“悪魔くん”」
真吾「だ...誰だ!?」

真吾少年が目を覚ますと、目の前には頭部に鳥の翼が生えた
女の怪物、デーモン族の妖獣シレーヌがいた。

シレーヌ「私はデーモン族の妖獣シレーヌ...悪魔くん、貴様には
 その力で我らの救世主となり、この世をデーモン...悪魔が支配する
 世界に変えるのだ!」
真吾「何だとっ!僕は人も悪魔も仲良く手を取り合う世界を目指しているんだ...
 人間を支配しようとするお前達なんかに手を貸すもんかっ!!」

シレーヌは真吾少年にデーモン族の救世主になれと迫るが、人と悪魔が
平和に共存する世界を目指す真吾少年にとって、支配を目的としている
シレーヌの言い分は許せる事ではなく、拒絶する。

シレーヌ「フフフ...いつまでそう言っていられるかな?」
????「よくやったぞ!ミレーヌ...」
真吾「こ...このパワーは?!」
シレーヌ「おお...悪魔将軍かっ!」

そこに黒い影―悪魔将軍がシレーヌと悪魔くんの前に現れる。
十二使徒や見えない学校を吸収した事で、悪魔将軍から強大な
エネルギーを発しており、真吾少年は畏怖を感じる。

シレーヌ「計画通り、悪魔くんを連れて来たぞ。この少年ならば、
 統率する“頭脳”として申し分ないだろう...」
悪魔将軍「うむ...見えない学校、十二使徒を取り込み、そして
 悪魔くんを取り込めば、我が力は完全な物となる!」
真吾「―ッ!見えない学校の皆に何をした!!」
悪魔将軍「お前の仲間は私の糧として、吸収させてもらった...。
 貴様も私の一部となり、その力を有効に使わせてもらおう。
 それに...ソロモンの笛もここにあるしな...」
真吾「ソロモンの笛まで―ッ!」

悪魔将軍は真吾少年に見えない学校と十二使徒を取り込んだ事を話し、
手に入れたソロモンの笛も見せる。仲間とソロモンの笛が敵の手に
堕ちた事に真吾少年はショックを受ける。

氷村「ヒムラー、ここに帰還しました。悪魔将軍」
悪魔将軍「ヒムラーか...して、デビルマンは?」
氷村「予想通り、こちらの提案を聞き入れませんでしたよ。牧村美樹が
 こちらの手にある以上、かならず此処にやって来るでしょう」

悪魔将軍達の前に、氷村と気を失っている美樹を担いできたヘンゲが
現れる。氷村は悪魔将軍にデビルマンの事を報告する。

悪魔将軍「フハハハハッ!デーモン族に戻らないのであれば、
 約束通りデビルマンは我が肉体の一部になってもらおう。
 そして世界を悪魔の支配する世に変えるのだ!」

実は悪魔将軍はデーモン族の魔王ゼノンとの間で、もしデビルマンが
デーモン族に戻らないのであれば、その肉体を貰い受けるという
約束を決めていた。

????「悪魔の支配する世か...。その時は我ら妖怪帝国の
 協力があった事を忘れるでないぞ」
悪魔将軍「ムッ―ぬらりひょんか。無論、妖怪帝国の協力には感謝する。
 共にこの世を支配しようぞ!フーハハハハハッ!!」
真吾「...(うぅ・・・僕はどうすれば...)」

さらに、その場に日本妖怪の総大将と呼ばれる妖怪ぬらりひょんが
姿を現す。そして真吾少年はこのまま悪魔将軍に取り込まれてしまうのか!?

729ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/06/02(木) 15:42:45
***魔界・某所近辺***

一方、悪魔将軍達や真吾少年がいる某所の近辺に近づく者がいた。

デミトリ「魔界に妙な気配がすると思えば...ここらでは見かけない
 連中がいる様だな」
モリガン「確か、デーモン族っていうヒマラヤに住む悪魔じゃなかったかしら?
 よく見たら、日本にいる妖怪もいる様ね...そんなに強くなさそうだけど」

近づいてきたのは、魔界の覇権を狙う吸血鬼、デミトリ・マキシモフと
魔界の三大貴族アーンスランド家の当主であるサキュバス、モリガン・アーンスランドだった。
2人は、ある気配を感じ取り、この場に訪れたのであった。

???「ムッ―?お前達も来たのか」
デミトリ「貴様は...」
モリガン「あらぁ?飛影じゃない」

デミトリとモリガンの所に現れたのは、黒い服装をした小柄な少年、
かつて盗賊として幽助と戦い、以後協力者として幽助と共に戦った
(本人は嫌がるかもしれないが)仲間の飛影だった。2人と面識が
ある飛影だが、彼もまた気配を感じて様子を見に来たのである。

デーモン族A「何だ貴様らは?」
低級妖怪A「ここから先は立ち入り禁止だぞ!」

デミトリ達に気が付いたデーモン族や低級妖怪が集まってきて
敵意を向ける。

モリガン「集まって来たけど、どうする?」
デミトリ「私に敵意を向けるか...身の程という物を教えてやるとしよう」
飛影「その意見には、俺も同感だ。こいつら程度では、直に終わると思うがな」
モリガン「...あなた達って本当に声が似ているわね。まっ、退屈しのぎに
 軽く運動するとしましょう♪」

集まって来たデーモン族や低級妖怪はデミトリ、モリガン、飛影は
一斉に襲い掛かるが、元々デミトリ達の方が能力が高いので、
瞬時に反撃をする。

デーモン族A「我らの同胞が一瞬でやられただと・・・・!?」
低級妖怪A「ヒェェェ〜、こいつらレベルが違いすぎる!」
デーモン族B「応援だ!応援を呼べぇ!」

デミトリ達の実力を知り、恐怖したデーモン族と低級妖怪達は
応援を呼び、次々と他のデーモン族や妖怪達が現れる。

飛影「チィッ...次から次へと雑魚共が...」
モリガン「こう同じようなのが相手だと、飽きてくるわね」
????「だったら、俺が相手をしてやる...」

デーモン族や低級妖怪と共に現れたのは、ライオンの頭と腕、
鷲の脚、背中には鳥の翼とサソリの尾と、蛇の部位を持った
キメラの様な異形の怪物が現れる。

パズズ「俺の名はパズズ!デーモン族きっての勇者なり!」
デミトリ「ほう...多少は骨がありそうだな」
飛影「行かせてもらうぞ!」

パズズを名乗るデーモン族に、飛影達が攻撃。だが他のデーモン族や
低級妖怪とは違い、確かに強く攻撃も避けていく。

モリガン「あら、やるじゃない!」
デミトリ「少しは面白くなってきたようだな」

730ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/06/02(木) 15:44:02
♢ ♢ ♢ ♢ ♢

デミトリ達がパズズと戦っていると見えない学校の作りだした穴を
通って、鬼太郎達がやって来る。

鬼太郎「...ここが見えない学校が呼んでいる場所なのか?」
猫娘「見て!誰かが戦っているわ」
百目「行ってみるモン!」

デミトリ達が戦っている事に気付いた鬼太郎達は、デミトリ達に近づく。

シーサー「戦っているのは、もしかして西洋妖怪ですか?」
一反「何で西洋妖怪同士が戦っているばってん?」
デミトリ「誰だ!私を西洋妖怪等と呼ぶのは...」

戦っているデミトリ達とデーモン族を見て、シーサーや一反木綿は
西洋妖怪同士が戦っていると勘違いする。西洋妖怪という呼ばれ方が
気に入らなかったデミトリは、鬼太郎達に目を向ける。

目玉おやじ「ややっ!そこの少年は、確か盗賊として指名手配されていた
 という飛影ではないのか?お主も何故ここに?」
飛影「その喋る目玉に...服装...貴様が噂に聞く鬼太郎とかいう
 幽霊族の生き残りか」
モリガン「鬼太郎って、あの有名な坊やね...こんな場所で会うなんて
 奇遇ね」
猫娘「う...何か美人な悪魔がいる(汗」

目玉おやじは飛影に気が付き、同じく飛影も鬼太郎に気が付く。
有名な鬼太郎に出会い、モリガンはマイペースに挨拶するが、
プロポーションが抜群のモリガンに、猫娘は鬼太郎がまたデレデレ
するのではないかと危惧して警戒した。

モリガン「ゆっくりお喋りしたい所だけど、今お取込み中なのよ」
鬼太郎「...確かに。事情は後で聞いた方がよさそうですね。父さん」
目玉おやじ「うむ。まずはこの場を何とかするのが先決じゃ!」
パズズ「...話は済んだか?行くぞぉぉ!!」

まずは事態を解決する為、鬼太郎達も戦う事になる。その間も
デーモン族や妖怪達が続々と現れた。

猫娘「きしゃぁぁぁ!」
一反「締め付けるバイ」
シーサー「そりゃぁ!」
百目「ンーーーポーン!」
幽子「照魔境!」

現れた敵を猫娘やシーサーが引っ掻き、一反木綿は
相手を締め付き、百目は目玉を飛ばして、幽子は照魔境による
反射攻撃をしていく。

鬼太郎「髪の毛ばり!!」
パズズ「ぬ...効かぬわぁ!!」
飛影「てりゃぁぁ!」
デミトリ「デモンクレイドル!!」
パズズ「ぬぅぅ!」
モリガン「シャドウブレイド!」
パズズ「がぁぁぁ!」

猫娘達が現れたデーモン族や妖怪を相手にする中、鬼太郎、
デミトリ、飛影、モリガンは、各々の技を繰り出し、パズズを
追い詰める。そしてパズズは翼をもがれ地に伏せてしまう。

飛影「とどめだ。邪王炎殺煉獄焦!」
デミトリ「カオスフレアァ!」
パズズ「ぐわぁぁぁ!!」

地に伏せたパズズは、飛影の邪王炎殺拳の一つで拳に炎を纏わせ
連続で殴打する「邪王炎殺煉獄焦」と、デミトリの拳から炎を放つ
「カオスフレア」を受け、消滅した。それと同時に猫娘達もデーモン族と
妖怪達を蹴散らし、戦闘が終了する。

♢ ♢ ♢ ♢ ♢

モリガン「...ふ〜ん。今そんな事になっているんだ」

戦闘が終わり、鬼太郎達は自分達が悪魔くんの救出と
見えない学校に起きた異変を調査しに来た事を話す。

モリガン「退屈していた事だし、面白そうだから私達も付いていくわ♪」
鬼太郎「えっ!?」
デミトリ「私達だと...」
飛影「おい、それは俺も含まれているのか?」
モリガン「もう、別にいいでしょう?最近は死んだ悪魔や妖怪とか
 黄泉還っているし、このままだとライバルが増えちゃうわよ」
デミトリ「ムゥ...」

鬼太郎達の話を聞き、モリガンはデミトリや飛影を巻き込んで
鬼太郎達に協力を申し出る。デミトリや飛影は乗り気ではなかったが、
モリガンが言う様に、黄泉還り現象により死んだ悪魔や妖怪が
復活し、魔界の覇権を狙う者が多く、魔王の座を狙うデミトリに
とっては、あまりよろしくない事だった。

モリガン「じゃ、そういう事で良いわね?これからよろしく鬼太郎ちゃん♪」
猫娘「ニャッ!!」
鬼太郎「ちょ、ちょっと、近いですよ!モリガンさん」
一反「目のやり場に困るバイ」
幽子「は...恥ずかしい(///)」
豆幽霊「ゆ〜こちゃん、はずかしくって顔が赤くなってる〜」
飛影「...大丈夫なのか、この連中は」

モリガンが鬼太郎に抱きついたので、猫娘はビックリし、一反木綿や
幽子は顔が赤くなり、手で顔を隠してしまう。そして鬼太郎達は
先へ進むのであった。

731ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/06/02(木) 16:45:52
◯埋もれ木真吾→デーモン族に捕まり、悪魔将軍に取り込まれようとしている。
◯百目→魔界に来て、デーモン族や妖怪を相手に戦う。
◯幽子→魔界に来て、デーモン族や妖怪を相手に戦う。
◯鬼太郎→魔界に来て、デーモン族や妖怪を相手に戦う。
◯目玉おやじ→鬼太郎達と共に魔界に来る。
◯猫娘→魔界に来て、デーモン族や妖怪を相手に戦う。
◯一反木綿→魔界に来て、デーモン族や妖怪を相手に戦う。
◯シーサー→魔界に来て、デーモン族や妖怪を相手に戦う。
●ぬらりひょん→悪魔将軍達のいる場所に現れる。
◯牧村美樹→氷村巌達に連れられ、魔界に来るが気を失っている。
●シレーヌ→埋もれ木真吾にデーモン族の救世主になるよう迫る。
●氷村巌→牧村美樹を連れてくる。
●ヘンゲ→牧村美樹を連れてくる。
●パズズ→デミトリや鬼太郎達と戦うが、敗北して消滅する。
●悪魔将軍→埋もれ木真吾を取り込もうと迫る。
△デミトリ・マキシモフ→気配を感じて悪魔将軍達がいる場所へやって来て戦闘する。
◯モリガン・アーンスランド→気配を感じて悪魔将軍達がいる場所へやって来て
  戦闘する。鬼太郎達に協力を申し出る。
◯飛影→気配を感じて悪魔将軍達がいる場所へやって来て戦闘する。

【今回の新登場】
△デミトリ・マキシモフ(ヴァンパイアシリーズ)
 魔界の七大貴族に数えられるマキシモフ家の当主にして魔界の
 覇権を狙う吸血鬼。魔王べりオールとの戦いで人間界に追放され、
 トランシルヴァニア山脈奥深くの古城ゼルツェライヒ城で100年間
 傷ついた身体と失われた魔力の回復を行っていた事で、体から
 オーラを発するようになり、苦手としていた太陽光を遮断できるようになった。

◯モリガン・アーンスランド(ヴァンパイアシリーズ)
 魔界の三大貴族アーンスランド家の当主、魔王ベリオール・アーンスランドの
 養女にして次期当主のサキュバス。ベリオールの死後、魔王の座を得るが、
 本人は「魔王」や魔界の事情に興味が無く、継承権をあっさりと放棄し、
 気ままな生活を送っている。退屈が嫌いで快楽主義や刹那主義な傾向がある。

◯飛影(幽☆遊☆白書)
 氷河の国生まれの妖怪。外見は小柄な少年で、雪菜の双子の兄だが、
 本来女しか生まれない氷女から生まれた忌み子だった為、すぐに捨てられた。
 盗賊として闇の三大秘宝・降魔の剣を盗み出し、幽助と戦うが敗北して逮捕。
 釈放後、幽助の協力者となる。後天的に得た「邪眼」の持ち主で、剣術や
 邪王炎殺拳で戦う。

●妖獣シレーヌ(TV版 デビルマン)
 頭に翼が生えた女性のデーモン族。肌は青黒く、デビルマン同様伸縮自在で
 最大30mまで巨大化が出来る。額の触覚で触れる事で相手の思考が読める他、
 身体を無数の蝶に変えて攻撃する事も出来る。通称「マダム・シレーヌ」
 またデビルマン(アモン)とは嘗て恋仲だったらしく、デビルマンを憎んでいる。

●パズズ(サイボーグ009VSデビルマン)
 ライオンの頭と腕、鷲の脚、背中には鳥の翼とサソリの尾と、
 蛇の部位を持ったキメラの様なデーモン族。デビルマン(アモン)とは
 浅からぬ因縁があったらしい。

732ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/06/05(日) 19:08:14
【紅蓮の鳳凰、異世界に渡る!】

サラジアの元工作員、エージェントSSS3ことエリス王女(仮名)の証言によって、
異世界アセーリアの危機を察知したブレイバーズ。直ちに日本政府を通じて
外交ルートで事実確認が行われるが、案の定サラジア側からは「知らぬ存ぜぬ」の回答が…。
現在、Gショッカー対策に追われるブレイバーズに、メルヴィオン聖王国救援にまで
回せる人手の余裕はない。

エリス王女の口封じを狙って暗殺隊が日本に送り込まれる。
一計を案じた牧村光平は、その事態をうまく利用して
自分とエリスが不慮の死を遂げたと偽装し、
単身時空を超えてアセーリアへと渡る決意をする。

江田島平八の計らいによって、光平のサポート役として
錦織佳代も同行することになり、ブレイバーベースのディオドスシステムを使って
光平、佳代、そして案内役のエリスの3人だけで異世界へと渡り、
目的地のメルヴィオン聖王国を目指すことになる……はずだったのだが。

光平「優香!? バカッ、なんでついて来た!」
優香「ごめんなさい。でも光平くんが死地に赴いているのに、
 わたしだけ何も出来ずに、ただ光平くんの帰りを待っているだけなんてイヤ!」
慎哉「沢渡だけじゃないぜ」
光平「慎哉!? 雄大!? 北上さんも!?」
紗希「光平くん、どうか沢渡さんの気持ちを分かってあげて」
雄大「決して足手まといになんかなりません。
 なんせ今の僕らにはこれがありますから♪」

雄大が胸を張って披露したのは、新世代型高機動大型装甲車「G.R.A.T.A.N」。
マシンガルーダも搭載可能で、6〜7人程度の少人数なら長期間生活可能な
居住スペースのコンテナも牽引している水陸両用の万能戦車で砂漠地帯も走行可能。
旧西暦1890年代にノーチラス号に協力してネオ・アトランティスと戦っていた
グランディス一味が使用していた伝説の六輪メカ「グラタン」に関するデータを、
偶然発見して引っ張り出した慎哉と雄大が、二人で力を合わせて設計・開発した。
操縦も主に慎哉と雄大が二人で担当する。

佳代「やれやれ、ここまで来たならもうしょうがないね」

佳代は頭を抱えながらも、優香たちの同行を寛大にも容認する。

光平「佳代ちゃんまで…」
佳代「今更追い返すわけにもいかないよ。
 でも沢渡さん、そして他のみんなも分かっているとは思うけど
 物見遊山の旅じゃないんだ。もしアタシたちの
 足を引っ張るようなら、容赦なくその場に置いていくよ」
優香「うん、わかってる!」
佳代「じゃあ話は決まりだ♪」

???「私たちも力を貸すよ♪」

光平「君たちは…!?」

それぞれ違う中学の制服の上に甲冑と武具を纏った少女たち。
異世界セフィーロの伝説の魔法騎士(マジックナイト)、
獅堂光、龍咲海、鳳凰寺風の3人である。

風「光平さん、お話はセーラームーン=月野うさぎさんから
 全て伺っています」
優香「では貴女たちは、うさぎちゃ――じゃなくて、
 セーラームーンの指示を受けてプリンセスユニオンから
 駆け付けて来てくれたんですね?」
光「うん、そうだよ♪」
海「異世界の旅のことで分からないことがあったら、
 いつでも先輩の私たちに任せてね♪」
光平「ありがとう、助かるよ!」

果たして未知の異世界で光平たちを待ち受けている者とは何か!?
目指すは、旧王国軍勢力が本拠地として結集しているという、
ロサレダ大陸南部のリジナス州の州都ノアトーンである。

733凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/06/06(月) 23:50:15
>>732続き

折しもアセーリアのロサレダ大陸では、
南のノアトーンから攻め上ったラウール軍が異世界から来たパルス・ブリューヌ・ジスタート軍と合流し、
王都ネクナールを占領しているサラジアの黒三日月隊にいよいよ天下分け目の決戦を挑もうとしていた。
ところが、大陸の東側では新たにウルヤーヴと名乗る謎の男が挙兵し、
戦いは三つ巴の様相を呈し始める。

本来の主敵・黒三日月隊との決戦に際して後顧の憂いを断つべく、
まずは規模の小さいウルヤーヴ軍を撃滅しようと東へ転進したラウール率いる連合軍は、
ベイタルの低地平原でウルヤーヴ軍と交戦。
戦況を有利に進めるが、敵兵はオルフェノクやワームの正体を現し、
矢や鉄砲玉をものともせずに向かって来る。

ダリューン「なっ…!? 敵は魔軍か!」

ラウール王子はウルヤーヴの本隊に自軍をぶつけ、
とうとう戦いは大将同士の一騎打ちにもつれ込むが…。

ラウール「僕にそっくり…!?」
ウルヤーヴ「何を驚いている。
 お前が俺にそっくりなのは当然だろう。
 10年前の恨み、お前は忘れていても俺は忘れんぞ…!」

敵将ウルヤーヴの姿は、何とラウールに瓜二つ。
あまりの事に戸惑うラウールを、ウルヤーヴは配下のコレオプテラワームに襲わせる。

キクマル「な…何という俊足!」
ナレイン「動きが全く捉えられない…!」

ワームのクロックアップに手も足も出ず、ラウールの部下達は一方的に薙ぎ倒される。
だがラウールは、なぜかクロックアップしているワームの動きをしっかりと目で追い、
彼らの攻撃を見切ると、自分も同じように超高速移動してワームの突進を回避、
そのまま反撃に出てコレオプテラワームを倒してしまった。

ラウール「なぜ…僕がこんな事をできるんだ…!?」
ウルヤーヴ「眠っていたワームの本能が疼き出したようだな。
 さあ思い出せ。自分が何者なのかを!」

自分の未知の能力が発動して困惑するラウール。
体の内奥で、自分が知らないもう一人の自分が騒ぎ出すような感覚がする。
今まで経験した事のない強烈な闘争本能に火が付き、
それが頂点に達した時、ラウールの体は白色の光に包まれて変貌し、
ネイティブの一族である事を示す角の生えた白いサナギワーム(サリス)の正体を現した…!

白サリス「グォォォォォ!!」

レミーナ「ラ…ラウールがワーム!?」
ボーダン「そんなバカなっ!」
ウルヤーヴ「教えてやろう。
 俺は10年前、王宮にいた本物のラウール・エル・アディラス王子だ!
 そいつは俺を殺して擬態し、入れ替わって俺になりすましたワームなのだ!
 だがある時、そいつは事故で記憶を失って自分がワームである事を忘れ、
 自分を本物のラウール王子だと思い込んでしまったのだ。
 俺は幸運にも死後にオルフェノクとして覚醒し、
 今日までずっと王子の座をこの偽者から奪還する日を待っていた。
 メルヴィオンの新たな王となる資格は、
 そこにいる醜いワームではなくこの俺にある!」
ラウール「そんな…そんなっ…!!」

人間の姿に戻り、呆然としてその場に崩れるラウールを嘲笑いながら、
ウルヤーヴは戦いを切り上げて悠然と立ち去って行った。


*白いサナギワームはワームの中でも特に優れた突然変異種で、
 成虫になる前からクロックアップが可能である。
(『仮面ライダーカブト』第14話参照)

734凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/06/06(月) 23:52:05
突然明かされたあまりに衝撃的な真実に、ラウールは強いショックを受けた。
確かにラウールは7歳の時に記憶喪失を起こしており、それ以前の自分がどうだったかは全く覚えていない。
これまで、自分は王位継承の資格がある男系王族の唯一の生き残りだという自覚を原動力にして奮起し、
いくつもの困難を逃げずに乗り越えてきたラウールだったが、
実は王家の血など引いていない偽者であり、正体は人間ですらない邪悪な怪物の一種であった…。
ウルヤーヴは、「王子になりすました化け物を退治し、正統な王統を回復する!」と称して
ラウール討伐を天下に号令している。
救国の英雄から一転して国を乗っ取ろうとしている悪魔へと成り下がり、
己のアイデンティティーが完全崩壊したラウールは現実を受け止め切れず、
人事不省に陥って軍勢の指揮を取れなくなってしまった。

ボーダン「おい、殿下はどうされてる?」
ナレイン「駄目だ…。すっかり塞ぎ込んでしまわれた。
 食事すら喉を通らぬと仰せで、今日は朝からまだ何もお食べになっておられん…」
レミーナ「こうなったら潔くウルヤーヴに降伏して、
 正統な王位継承者に国を明け渡すとまでラウールは言ってるわ。
 この最後の局面に来てまさかこんな事になるなんて、困ったわね…」
キクマル「ただ、あのウルヤーヴなる者の申す事、
 全てを額面通りに受け取ってそのまま信じてしまって良いのかどうか。
 拙者は少々気にかかるところがござるが…」

ラウールを新たな王になるべき者として抵抗運動の旗頭に戴きながら戦ってきた家臣達にとっても、
彼が実は王の資格のない偽者だったというのは戦いの大義を根底から揺るがす大問題である。
皆、ラウールの血筋ではなく人間性に惹かれてここまで付いて来た者達でもあるので、
そう簡単に主君を見捨てる気はないが、当のラウール自身が既に心が完全に折れているし、
理論上の正義が明らかにウルヤーヴ側にある以上、自分達はその正義に刃向かう逆賊となってしまう。
どうして良いものかと誰もが戸惑い、ここに来てラウール軍はすっかり進退窮まってしまった。

ミラ「取り敢えず守りは固めておいたから、当分そう簡単に崩されはしないはずだけど…。
 主軸になるメルヴィオン軍の大将がこの状態じゃ私達も困ったわね」
ナルサス「お気持ちは無理からぬ事とは察するが、
 このまま引き篭もって時を空費していても我らは不利になるだけの事。
 できれば早く態勢を整えて決戦に出たいものだが…」

ひとまず時間を稼ぐため、
ジスタート七戦姫でも随一の守備の名手として知られるリュドミラ・ルリエと、
パルス軍の稀代の名軍師ナルサスが知恵を出し合って鉄壁の陣を構築し、
メルヴィオン・パルス・ブリューヌ・ジスタート連合軍は防御態勢をがっちりと固めて、
勝負を持久戦に持ち込んだが、こうして動かずにいる間にもウルヤーヴ軍はGショッカーから
増援をどんどん受けて兵力を増し、黒三日月隊もサラジア本国から戦力を補充して日に日に強化されていく。
このままでは、勢力を膨張させた両軍にやがて挟み撃ちにされるのは必定である。
持久戦というのはただ相手を有利にさせるだけのジリ貧に向かう選択であって、
本来はナルサスの言う通り、短期決戦による早めの各個撃破をせねばならない状況なのだ。

レミーナ「ラウール、入るわよ」
ラウール「だ…駄目だレミーナ!
 僕に近付かないでくれ…!」
レミーナ「そんな事言わないでよ。みんな心配してるのよ?
 食事、ここに置いておくから…」
ラウール「出て行けェッ!!」
レミーナ「…!?」

眠っていたワームの本能が先の同族との戦いで刺激されて騒ぎ出し、
ラウールの精神は胸の奥深くから湧き上がる凶暴性に呑み込まれそうになっていた。
サナギから成虫態への脱皮の時が近付いていたのだ。
違う、こんなのは本当の自分じゃない…。
幼い頃に記憶喪失になって以来、ずっと人間として築き上げられてきたラウールの穏やかな心は、
暴れ狂う破壊と殺戮の衝動を必死に否定して抑え込もうとするが、
ウルヤーヴの言葉によれば、それこそがワームである元々のラウールの偽らざる本性なのである。
自分は身も心も醜い怪物だ…。
そう考えると、ラウールは強い悲しみに襲われてしまうのであった。

735凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/06/06(月) 23:55:08
そんな折、牧村光平らと共にアセーリアへ戻ったエリス王女(仮名)は、
直ちに弟であるラウールの元を訪れて面会する。

ラウール「姉上! ご無事だったのですね!」
エリス「ラウール、心配かけてごめんなさい。
 話は家臣達から聞いているわ。あの恐るべき黒三日月隊を相手に、
 よくここまで戦って来たわね」

苦悩も、自分を苛んでいた激情すらもしばし忘れて、
敬愛する姉姫との再会を喜ぶラウールだったが、すぐに我に返って辛そうに下を向く。

エリス「どうしたの?」
ラウール「いえ、その…。
 何とお呼びすれば良いか、分からなくて…」
エリス「今まで通り、姉上と呼んでくれればいいでしょう」
ラウール「いえ…そうはお呼びできません。僕は…その…」
エリス「ラウール…。
 そっか、とうとう気付いちゃったのね」
ラウール「えっ…?」

どう説明してよいか分からず悲しげに俯くラウールに、
エリスは全てを知っていたという様子で優しく微笑みかける。

ラウール「もしかして、ご存じだったのですか?
 僕はワームで、あなたの弟を殺して擬態して…」
エリス「落ち着いてラウール。違うわ。
 あなたは何も悪くない。悪い事なんて何もしていないのよ」
ラウール「いえ、でも僕は…!」
エリス「父上は、いずれこの事はあなたにきちんとお話しになるおつもりだったわ。
 あなたがその事実に耐えられるくらい強くなるのを待ってから、
 全ての秘密を包み隠さず明かそうというのが父上のお考えだったのよ。
 でも万が一、その日が来る前に父上の御身に不慮の事があった場合に備えて、
 父上はあなたへの手紙をしたためてクロエラの地下神殿に保管しておられたの。
 それをあなたに見せる時が来たようね。さあ、一緒にクロエラへ行きましょう」

新世代型高機動大型装甲車「G.R.A.T.A.N」に乗り込み、
ナレイン、レミーナらわずかな数の供回りだけを連れて、
内密に本陣を離れてエリスと共にクロエラの地下神殿へと向かうラウール。

光平「で、何で俺がこんな格好を…」
エレン「総大将が不在では軍全体の士気に関わるからな。
 敵の間者にそれが知れたら、ウルヤーヴの奴がここぞとばかりに総攻撃に出て来るかも知れん」
ミラ「よく似合ってるわよ。
 ラウール王子のそっくりさんだけあって素敵な風格があるわ」
光平「Gショッカーとの戦い自体は任せろってところだけど、
 俺は軍勢の指揮なんて取れないですよ?」
ダリューン「そこは我々がしっかりやるから心配無用だ。
 総大将はただどっしりと頼もしく構えていてくれればいい」
ギーヴ「よっ王子様! ほらほら、もっと偉そうに!」
光平「そんな事言われても…」

ラウールが留守の間、彼と瓜二つな光平が影武者としてラウールの代わりを務める事になった。
そうとは知らないウルヤーヴは今度こそは本気でラウールを葬るべく、
Gショッカーの怪人軍団からなる軍勢を率いて攻めかかって来る。

ベルゼブブオルフェノク「き、貴様、さてはラウールではないな!?」
光平「残念だったな。本物のラウール王子はお前達の陰謀を暴くために、
 クロエラの地下神殿に向かってるぜ。――翔着!!」
ベルゼブブオルフェノク「いかん…!
 奴をあの神殿に行かせたら全てが水の泡だ!」

果たして、クロエラの地下神殿に封印された父王の手紙に記されたラウールの秘密の真実とは!?
ラウール、ウルヤーヴ、そして牧村光平。
この三人のドッペルゲンガーが存在する理由が明かされようとしていた…。

736ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/06/07(火) 12:59:55
>>730加筆

***ゲゲゲの森・妖怪横丁***

砂かけ「夜行さん!鬼太郎達を追いかける為にも、魔界へ行く装置を頼む!」
夜行「う〜む...儂も鬼太郎を追いかけるのに協力したいが、その為の
 部品を今、切らしておってなあ...造ろうにも時間がかかるぞ」
子泣き「それでは、鬼太郎達の元に間に合わぬではないか」

砂かけ達は妖怪横丁一の発明家である妖怪“夜行さん”に鬼太郎達を
追いかける為、魔界へ行く装置を造るように頼んだのだが、どうやら
造るのに必要な部品を今手元にないらしく、どうするか難儀していた。

ブロロォ‐‐‐

ぬりかべ「...車の音?」
夢子「あら?何かが近づいているわ」
子泣き「あれは何じゃ?」

その時、車の音が聞こえ、一同は音の方を見る。そして大きな
車両が横丁に近づいていた。そして車両から数人の人間が
降りてくる。

零児「ゲゲゲの鬼太郎を追って、魔界へ向かったつもりだが...
 ここは何処だ?」
小牟「ムッ!あの看板...もしや鬼太郎が住んでいるという
 ゲゲゲの森の妖怪横丁か?」

降りてきたのは森羅の零児と小牟で、横丁に来た大型車両は
龍亀一號だった。鬼太郎の援軍として、六本木から魔界へ向かった
零児達は、その途中で妖怪横丁に迷い込んでしまったのであった。

砂かけ「お前さん達は何者じゃ?見た所、只の人間では無いようじゃが...」
零児「ここに住む妖怪か?俺達は‐‐‐」

妖怪横丁に現れた零児達を、砂かけ達は不審に思いながら何者か尋ねる。
零児は砂かけ達に、自分達が閻魔大王によって集められた鬼太郎の増援で
ある事を説明する。

砂かけ「...なるほど。閻魔大王様が」
夜行「ちょうどいい。本来なら儂の開発した装置で魔界へ向かう予定じゃったが、
 完成に時間がかかる。済まぬが、砂かけ達を鬼太郎の元へ送ってはくれぬか?」
零児「彼らをか?」

零児達の説明を聞いて、夜行は装置の開発に時間が掛かる為、
砂かけ達を零児達に同行させる事を提案する。

裏嶋「...私は構わないわよ。この龍亀一號は50名の隊員を
 収容できる大型車両だもの。ラックラクにね...妖怪の1人や2人、
 乗せても平気よ」
零児「戦力が増える事に越した事は無い。こちらとしても助かる」
砂かけ「よろしく頼む」

零児達は夜行の提案を受け入れ、龍亀一號に砂かけ達鬼太郎の
仲間を同行させる事に決める。

ねずみ男「...おーい、家の修理終わったぞ〜。ったく、俺様が
 何でこんな事を...ん?誰だ、こいつら...ムッヒョォ〜!
 すっごい美人のお姉さま♥♥」
幽助「誰だ?このボロ雑巾みたいな奴、ていうか、クサッ!」

ゲゲゲハウスの修理を終えたねずみ男が、砂かけ達のいる所へ
顔を出すが、裏嶋博士の美貌に目がハートマークになり、
鼻の下を伸ばす。ねずみ男の臭いに思わず幽助は鼻をつまむ。
そしてねずみ男も零児達の説明を聞く。

ねずみ男「なるほど、なるほど。よぉ〜し、このビビビのねずみ男様も
 裏嶋お姉さまの為...もとい、親友である鬼太郎の為に悪魔くんの
 救出に向かうぜ!」
子泣き「別にお前さんの助けは必要としないのじゃがなぁ...」
砂かけ「...まっ、何かの役には立つじゃろう」

下心が見え見えだが、ねずみ男の同行を子泣きや砂かけは
渋々認める。

夢子「あの...」
小牟「ん?お主は一般人か?何故、こんば場所におるんじゃ?」
夢子「天童夢子と言います。鬼太郎さんのお友達です」

夢子は零児達に声を掛け、自分と鬼太郎の関係を話す。

夢子「鬼太郎さん達の事を、よろしくお願いします」
零児「ああ、任せてくれ」

夢子から鬼太郎達の事を託され、零児は砂かけ、子泣き、ぬりかべ、
夜行、そしてねずみ男を引き連れ、魔界へと向かうのであった。

737ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/06/07(火) 13:00:49
>>731加筆
◯砂かけばばあ→零児達に同行して、魔界へ向かう。
◯子泣きじじい→零児達に同行して、魔界へ向かう。
◯ぬりかべ→零児達に同行して、魔界へ向かう。
◯夜行→魔界へ行く装置の開発に時間がかかる為、零児達に
  同行して魔界へ向かう事を提案する。
◯ねずみ男→ゲゲゲハウスの修理を終え、砂かけ達に合流。
   裏嶋の美貌に惚れ、零児達に同行して、魔界へ向かう事を決める。
◯夢子→零児達に鬼太郎達の事を託す。
◯有栖零児→妖怪横丁に迷い込み、砂かけ達の同行を認める。
◯裏嶋千鶴→妖怪横丁に迷い込み、砂かけ達の同行を認める。
◯浦飯幽助→ねずみ男の臭いに鼻をつまむ。

【今回の新登場】
◯夜行さん(ゲゲゲの鬼太郎)
 鬼太郎の仲間妖怪で、妖怪発明家の異名を持つひとつ目の髭を蓄えた鬼。
 妖怪横丁に研究所を構えていて、首切れ馬と呼ばれる頭部の無い馬に乗る。

738ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/06/08(水) 12:44:59
<<アセーリア編・メルヴィオン王国以外の国家についての案>>

■暁(ギョウ)帝国
 
 ヒノイズル大陸において、アオイ国と二分する古代中国の様な国家。
 実は地球で6000年前に滅んだダオス帝国の民の一部が時空を超えて
 アセーリアに流れ着き、新たに興した国家であり、皆気力や妖力を使う事が
 出来る。(ゴーマ族の流れもある為、古代中国を思わせる国家にも関わらず
 既にコピー機が使われていたりする)かつては、アオイ国よりも国力が上だったが
 近年、アオイ国が地球と密かに交流を持った事で、アオイ国が上になってしまい、
 現在、宮廷では危機感に迫られている。

 <<オリジナルキャラクター>>
 ◯劉煌<リュウコウ>(CV.未定)
  暁帝国の皇帝。年齢は20代後半。先帝が亡くなり、若くして皇位を
  継いだが、慎重派で、じっくり考えて行動を決める為、周囲からは
  「愚鈍」と陰口を叩かれていたりするが、人の才能を見る目は確かで、
  人的配置に優れている。争い事は嫌いで、アオイ国とは、良い関係を
  築きたいと考えている。
  キャラクターモデルは蜀の二代目皇帝、劉禅。

<版権キャラ>
 ◯道士 嘉挧(五星戦隊ダイレンジャー)
  ゴーマ族から世界を守る為、ダイレンジャーを集め導いた道士。
  元ゴーマ族で、大神龍襲来の際にダイレンジャーとゴーマの争いを
  止めるべくシャダムと密約を交わし、次期皇帝を巡って戦うが敗北して死亡。
  死後アセーリアで黄泉還り、各地を旅していた時に盗賊に襲われた
  劉煌を助けた事で、暁帝国の将軍に迎えられ、第2の人生を歩んでいる。

■ボアザ帝国
 
 時空を超えてアセーリアに流れ着いたボアザン星人の末裔であるボアザ族の国家。
 クレプス大陸の北方全土(地球で言う所のロシア全域)を国土としている帝政国家で、
 かつては原典同様「角の無い者は劣等である」と考え、他種族を見下していたが、
 現在は考えが改められている。(ただし、一部の原理主義者は今でも他種族を
 見下している者が存在する)文化的にはロシアに近い。

■バム王国
 
 時空を超えてアセーリアに流れ着いたバーム人の末裔であるバム族の国家。
 クレプス大陸の西部(地球で言う所の西・中央アジア辺り)を国土としており、
 エジプトやアラブの様な文化を持つ。ボアザ帝国との間には高い山脈があり、
 先祖からの因縁なのか、ボアザ帝国とは何度も戦争が起きている。

■ディノトピア

 ロサレダ大陸の遥か南方にあるダウル大陸の国家。竜人(『ゲッターロボ』の
 爬虫類人あるいはアバレンジャーのダイノアース人のどちらかを想定)の
 住む国家で、軍事力は中世だが、優れた科学力を持つ。(イメージ的には
 ドラえもんの映画『のび太と竜の騎士』の恐竜人の国)大陸内には竜=恐竜が
 数多く生息している。なお、ダウル大陸はアルヴィオンから見れば暗黒大陸で
 交流は今現在無い。

739ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/06/08(水) 12:49:03
>>738
×アルヴィオン→◯メルヴィオン

740ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/06/09(木) 11:20:44
>>738に追加。

●ドン・ドルネロ(未来戦隊タイムレンジャー)
 ロンダーズ・ファミリーのボスであるクジラに似た怪人。西暦3000年の世界では
 暗黒街の大物として恐れられ、西暦2000年の世界に逃亡してロンダーズ・ファミリーを
 結成し、金儲けの為に悪事を働く。死後アセーリアで黄泉還り、再び金儲けをするべく、
 暁帝国で活動を開始。あっという間に裏世界の大物となり、港町を中心に牛耳っていて、
 賭博や売春、密輸、帝国の官吏への賄賂といった犯罪を行っており、国内では問題視されている。
 ロサレダ大陸でサラジアの侵攻が始まると、サラジアを通じてGショッカーにいるロンダーズの
 囚人達を呼び寄せて、組織の巨大化を図っている。

△グリード(鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST)
 「お父様」が生み出した「強欲」の名を冠するホムンクルス。真理と融合した「お父様」との
 最終決戦で果てた後、アセーリアで再生。(容姿は肉体を共有していたリン・ヤオの姿をしている)
 暁帝国北部の港町に流れ着き、所謂社会に居場所が無い者を仲間とし、海賊業をしている。
 (だがエドやリンの影響からか、誰彼構わず襲うのではなく、悪徳商人や役人のみを襲っている)
 ドルネロとは商売敵。

741ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/06/11(土) 20:28:57
【嵐の前の静けさ いよいよ最終章へ!】

サラジア共和国も民主政権へと移行し、異世界アセーリアを巡る混乱も収拾され、
これまでシグフェルと敵対していた牙冥甲ザジロード=彩堂寺戒とも和解。
ブレイバーズにとって倒すべき敵勢力も、Gショッカー、ETF、そして堕神の3つを
残すのみとなった。

Gショッカーでは政変による政権交代が起き、ついに真の破壊者として
覚醒してしまった門矢士が、次期創世王=魔王ダークディケイドとして
圧倒的な力で反対派を抑えてGショッカーの新帝王の座に君臨した。
次期創世王最大の有力候補だったシャドームーンも、あっさりと降伏して
新帝王ダークディケイドへの忠誠を誓ってしまう。

バラオム「いったいシャドームーン様は何をお考えなのだ!?」
ダロム「きっと何か策がおありなのに違いない。
 今はただシャドームーン様を信じて待つしかない」

一方で牧村光平を巡る恋愛関係も決着を見る。

光平「ごめん、佳代ちゃん。俺は君の思いに応えることはできない」
佳代「いいから早く沢渡さんのところへ行ってあげなよ。
 …ねえ光平、これからもアタシたちはいい親友だよね?」
光平「もちろんだよ! ありがとう」

森の中で、抱き合って互いの愛を確かめ合う光平と優香。

光平「優香、愛してるよ…」
優香「わたしもよ、光平…」

その様子を森の木陰から、うっすらと失恋の涙を浮かべながら
様子を見守っている戒と佳代。

佳代「きっとこうなるとは、心のどこかでは思ってたんだよね…」
戒「今の俺たちに必要なのは、時間だな…」

共に愛した相手のためを思えばこそ潔く身を退き、
好きな相手に振られたという共通点ができた彩堂寺戒と錦織佳代は、
この後互いに意外なカップルとして急接近していくことになる。

慎哉「……(・∀・)ニヤニヤ」
光平「…なんだよ、さっきからこっちをじろじろ見つめて」
優香「どうしたの朝倉くん?」
慎哉「いやさ、沢渡の光平に対する呼び方が、
 "光平くん"から"光平"に昇格したんだなと思ってさ。
 お二人さん、熱いねえ♪」
光平「……(///)」
優香「……(///)」

学校の昼休み時間、カフェテリアで慎哉にからかわれる光平と優香。
いつしか優香の光平に対する呼び方も、これまでの君付けから
呼び捨てへと自然に変わっていたのだった。他にも優香、佳代、紗希の3人も
女同士の友情が深まり、今までのよそよそしい「苗字にさん付け」から
「下の名前で呼び捨て」で呼び合うようになる。

光平「優香、この頃ずっとバタバタしてたしさ。戦いも一息ついたところだし、
 今度の休みの日にでも二人で旅行に行かないか?」
優香「うん」

いよいよGショッカーとの最終決戦を目前に控えたブレイバーズ。
今度の戦いでは生きて戻れるかどうかわからない。
せめてその前にと、剣持隊長に許可を取り、
2人の思い出作りにと光平と優香は二人っきりで
日本国内の観光地に旅行に出かけた。

優香「うわあ、きれい♪」
光平「すみません光太郎さん、わざわざヘリまでチャーターしてもらって」
光太郎「気にすんなって。こちらこそこの度は佐原航空をご利用いただきまして
 誠にありがとうございます。お二人さん、しっかりベルトにつかまっててくれよ♪」

南光太郎の操縦するヘリに乗り、景勝の地の絶景を上空から見下ろす光平と優香。
ヘリパイロットである南光太郎が所属していた佐原航空は、経営者であった佐原夫妻が
亡くなった後、佐原俊吉社長の忘れ形見である茂少年がやがては成人して
社長業を引き継げるようになるまでの間、旋風寺コンツェルンが暫定的に
経営権を預かる形で現在も営業を続けていた。

742ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/06/11(土) 20:29:27
一方その頃、堕神の大審官アークシセイザーは、
堕神王リリス復活に必要な「女神の器」をついに全て揃えていた。
シグフェルが堕神よりも先に確保してブレイバーズが保管していた「女神の器」も、
星間評議会新最高議長ジュリアス・カミュエルという自身のもう一つの顔を利用して
巧妙に全て横取りしていたのだ。

シセイザー「今こそ堕神王リリス様を、封印の壁より自由の身にして差し上げるのだ!」

ついにアークシセイザー自ら地球に出撃!
旅先の光平と優香を襲う!

シセイザー「我が名はアークシセイザー。娘、私と一緒に来てもらうぞ」
優香「貴方は…いったい!?」
光平「優香は渡さない! 翔着(シグ・トランス)!!」

シグフェルに変身して応戦する光平だったが、
アークシセイザーの圧倒的な力の前にまるで歯が立たず、
瀕死の重傷を負わされてしまう。

シグフェル「ぐわああああ!!!!!」
優香「光平っ!!」
RX「待て! 堕神の大審官アークシセイザーとやら!
 今度はこの俺が相手だ!」
シセイザー「仮面ライダーBLACK RX、残念だが今はお前と戦うつもりはない。
 ここで私がお前を倒してしまったら、影の王子に恨まれよう」

RXはアークシセイザーの念動力で戦闘域外へと弾き飛ばされ、
シグフェルに加勢することができない。

シセイザー「とどめを刺してやろう」
シグフェル「くっ…」
優香「待って! わたしは貴方と一緒に行きます。
 だからこれ以上はもうやめて!」
シセイザー「フフフッ…よかろう」
シグフェル「優香…行っちゃだめだ!」
優香「さようなら、光平…」

こうして成すすべもないまま、沢渡優香はアークシセイザーによって
堕神界へと連れ去られてしまうのだった。その後、一週間の昏睡状態を経て、
慎哉たちが心配そうに見守る中、光平は病室のベットの上で目を覚ました。

光太郎「すまん、俺がついていながら…」
光平「光太郎さんのせいじゃありません…。
 優香、俺の力が足りないばかりに……くそっ!!」
慎哉「光平…」

回復した光平は、佐原博士と剣持隊長に直談判して
自分を対Gショッカー最終決戦の部隊から外してもらう。
単身で堕神界へと乗り込み、連れ去られた優香を助け出すためである。

佐原「正直に言えば、Gショッカーとの最終決戦を前にして、
 君をメンバーから外すのは大幅な戦力ダウンだ」
光平「わがままを言って申し訳ありません」
剣持「今の時期にブレイバーズからは誰一人として君に加勢をつけることはできん。
 それは分かっているな?」
光平「分かっています。必ず俺一人の手で優香を助け出します!」
剣持「これだけは言っておく。光平君、決して死ぬなよ」
佐原「必ず優香ちゃんを助け出して、生きて戻って来たまえ」

こうしてブレイバーズの主力部隊がGショッカーの本拠地である暗黒星雲へと向かう一方で、
天凰輝シグフェルは連れ去られた沢渡優香を救出するため、たった一人で堕神界へと乗り込む!
アークシセイザーが優香を連れ去った目的とは?
そして光平=シグフェルの運命や如何に?

743ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/06/12(日) 09:55:13
【究極なる闇】

ダークディケイドの肉体を得て生まれ変わった
表裏六柱の至高邪神の合身体「デビルショッカー」。

そしてアーマードダークネスを身に纏い完全体となった
暗黒宇宙大皇帝エンペラ星人。

両者による闇の頂点を決める頂上決戦=最後のバトルファイトが始まった。
銀河バイブルの予言によれば、次なる闇の頂点が決まった時点で、
全次元は永遠なる闇に閉ざされてしまう。
それを阻止すべく、ブレイバーズは最後の決戦へと向かった。
やがてデビルショッカーとエンペラ星人は
共に大いなる闇の意思の中へと飲み込まれ、
「究極なる闇」と呼ばれる怪物体へと変化した。

ディケイド「この時を待っていたぜ!」
大首領「なにっ!?」
ディケイド「俺の力で究極なる闇の力を抑える!
 その間に俺ごと攻撃しろ!」

門矢士は正義の心を失ってはいなかった。
魔王ダークディケイドとなってGショッカーの支配者として君臨したのも、
全ては闇の意思の目を欺くための芝居だったのだ。

闇の帝王「貴様ァァッ! 初めからそれが狙いだったのか?」
星王バズー「おのれえええっ!!!!!」
ディケイド「…フン、お生憎様だったな。この俺がお前たち老いぼれに
 易々と体を乗っ取られるとでも思ったか?」
Rキバーラ「士くん!」
ディケイド「早くしろ! 長くは持たん!」
シンケンレッド「みんな、ディケイドの覚悟を無駄にするな!」

仮面ライダーディケイドという尊い犠牲のもとに、
ついに「究極なる闇」を撃破したブレイバーズ。
しかしそこへ、ひどく慌てて動揺した様子の
アポロガイストとケルベロスⅡが駆け付けてくる。

アポロガイスト「しまった! 遅かったか!」
ケルベロスⅡ「貴様らァァァ!! 自分たちが何をしたのか
 わかっているのかぁー!!」

ライダー1号「どういう意味だ?」

アポロガイストたちの話によると、
銀河バイブルに記されていた「最終的な闇の勝利」が確定していた未来を、
ブレイバーズが力ずくで強引に覆してしまったため、次元と時空の調和が乱れ、
そのバランスを取るための反作用として超巨大なグランドクレバスが発生。
いずれ全ての宇宙・次元・時間を飲み込んで無に帰してしまうのだという。

カミュエル「やれやれ…これで長らく最大の目の上のたん瘤だった
 Gショッカーがようやく壊滅した。残るは用済みとなったブレイバーズを消すだけ。
 フフフッ…フハハハハハ!!!!!!!!!」

744ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/06/14(火) 12:52:40
<<絆は種族を超えて...7>>

悪魔将軍「―?何やら、外が騒がしいな」
ぬらりひょん「朱の盆。様子を見て来い!」
朱の盆「は、はい!・・・・うわぁぁぁ!!」

真吾少年に迫っていた悪魔将軍は、外が騒がしい事に気が付き、
ぬらりひょんは朱の盆に様子を探らせに行かせる。命令に従った
朱の盆は様子を見に行くが、大声を上げて戻って来た。

ぬらりひょん「どうしたというのだ、朱の盆!」
???「やはり、お前が絡んでいたのか、ぬらりひょん!」
ぬらりひょん「...その声は鬼太郎か!」

通路から現れたのは、外でパズズを倒した鬼太郎達だった。
宿敵である鬼太郎が現れ、ぬらりひょんは苦虫を潰したような顔をする。

百目「悪魔くん!」
真吾「ひゃ...百目。幽子ちゃん...来てくれたんだね」
百目「勿論だモン!」

悪魔将軍の恐怖に怯んでいた真吾少年だが、百目と幽子が
助けに来てくれた事に安堵する。

目玉おやじ「彼が、悪魔くん...埋もれ木真吾君という少年か!」
鬼太郎「真吾君を返してもらうぞ!」
悪魔将軍「そうはいかん...」
シレーヌ「この少年は、我らデーモン族...悪魔がこの世を支配する為に
 必要な存在なのだ。邪魔立てはさせぬぞ!」
一反「何か、おっかないのがいるバイ...!」ガクガク

真吾少年を返すように鬼太郎が迫るが、悪魔将軍やシレーヌが阻む。
一反木綿は、悪魔将軍達から発する気迫に体を震わせる。

デミトリ「奴はもしや...」
飛影「サタンの化身といわれる悪魔超人のボス...悪魔将軍か。
 ふっ...面白い奴が絡んでいたようだな」
悪魔将軍「魔界の貴族、デミトリ・マキシモフにモリガン・アースランド...
 それに暗黒武術会の優勝チームのメンバーの1人、飛影か。ゲゲゲの
 鬼太郎だけでなく、この様な者達まで来るとは...どの様な意図があって
 ここに来たかは分からないが、貴様達も我が配下となり、共に人間共を
 支配しようではないか!」

悪魔将軍という強敵を前に、強者と戦う事を望む飛影は不敵な
笑みを浮かべる。悪魔将軍は、デミトリ達に配下に加わるよう、
誘いを持ちかける。

飛影「ほう...」
モリガン「あら、私を誘ってくれるなんて嬉しいわ。けど...人間を支配するとか、
 興味ないのよ。私...」
デミトリ「人間がどうなろうと、私には関係の無い事だが、この私を配下に加えるだと...
 私の望みは『支配』だ...私は誰の下にも付かん!」
飛影「同感だ。それよりも、俺は貴様と戦ってみたいと思うのでな」

悪魔将軍に誘われるデミトリ達だが、それぞれ、その誘いを断る。

745ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/06/14(火) 12:53:31

氷村「ムッ...この気配は、ついに来たか!」
デビルマン「美樹ィィィ!!」

ドゴォーン

猫娘「ニャッ!!」
シーサー「今度は何だ!?」

氷村が気配を感じ取ると、けたたましい音と共に建物の壁が
崩れると、美樹を助けに現れたデビルマンが現れる。

氷村「来たな。デビルマン」
デビルマン「氷村ァ!美樹は何処だ!」
氷村「安心しろ。牧村美樹は丁重に扱っているぜ」

美樹を取り返そうと、氷村に敵意をむき出しにしながら、居場所を
聞き出す。氷村は、眠っている美樹をデビルマンに見せた。

デビルマン「美樹...」
悪魔将軍「デーモン族の勇者、デビルマン。その身体...我が肉体の
 一部にしてくれよう!」
デビルマン「...誰だが知らねえが、俺の邪魔をするってんなら、相手に
 なってやるぜ!」
悪魔将軍「刃向うのであれば、この姿で相手をしよう。ムゥン!」

デビルマンも吸収しようと悪魔将軍が立ちはだかるが、デビルマンは
悪魔将軍に敵意を向ける。敵意を向けたデビルマンに対して、エネルギー体の
姿だった悪魔将軍は姿を変え、キン肉マンを苦しめた西洋の騎士の様な甲冑の
姿に変わる。

鬼太郎「あの姿は...!」
目玉おやじ「あれはNYで、正義超人のキン肉マンと戦った時の姿じゃ。
 以前テレビの中継で見た事があるぞ!」

悪魔将軍の姿が変わった事で鬼太郎は驚き、目玉おやじは、テレビの
中継で見た事を思い出す。

デミトリ「面白い。ならば私がねじ伏せてみせよう」
悪魔将軍「無論、貴様達の相手もしてやる。だが今、用があるのは
 デビルマンだ。貴様達は、彼等が相手をしよう。出てくるのだ!お前達」

悪魔将軍がデミトリ達に差し向けたのは、かつてNYでの戦いで、
キン肉マンに差し向けた地下を根城にしている地下超人の軍団だった。

ぬらりひょん「では、我々も...」
シレーヌ「悪魔将軍の邪魔はさせぬぞ!」

ぬらりひょんとシレーヌも、それぞれ配下の妖怪やデーモン族を
呼び出した。

猫娘「まだ、こんなにいたなんて!」
一反「どんだけいるバイ...」
百目「悪魔くんや見えない学校の皆を助けるんだモン!」

まだまだ妖怪やデーモン族がいる事に驚く猫娘達。そしていよいよ、
恐怖の将―悪魔将軍との決戦の火蓋が切って落とされた。
見えない学校の仲間や美樹は救い出されるのか...戦いの行方は如何に!

746ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/06/14(火) 13:05:56
◯鬼太郎→悪魔将軍達と対峙する。
◯目玉おやじ→テレビの中継でキン肉マンと悪魔将軍のNYの戦いの事を思い出す。
◯猫娘→悪魔将軍達と対峙する。
◯一反木綿→悪魔将軍の気迫に体が震えだす。
◯シーサー→悪魔将軍達と対峙する。
●ぬらりひょん→配下の妖怪を呼び寄せる。
●朱の盆→外の様子を見に行かされるが、鬼太郎達が来たので引き返す。
◯埋もれ木真吾→百目達が助けに来たので、安堵する。
◯百目→悪魔将軍達と対峙する。
◯幽子→悪魔将軍達と対峙する。
◯デビルマン→美樹を助けに現れ、悪魔将軍と対峙する。
◯牧村美樹→氷村によって、眠らされている。
●氷村巌→デビルマンに眠っている美樹を見せる。
●妖獣シレーヌ→配下のデーモン族を呼びよせる。
◯モリガン・アーンスランド→悪魔将軍に配下になるよう誘われるが断る。
△デミトリ・マキシモフ→悪魔将軍に配下になるよう誘われるが断る。
◯飛影→悪魔将軍に配下になるよう誘われるが断る。

>>744
×アースランド→◯アーンスランド

747ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/06/16(木) 12:38:43
【ネオジオン最終戦】

ロゴスを支配していた地球教は壊滅し、復活したイノベイド、リボンズ・アルマークが
ロゴスを支配下に置いていたが、ブレイバーズの活躍で、ロゴスは、ついに壊滅した。
だが、その直後ネオジオンの総帥であるシャア・アズナブルがアクシズ落としを敢行。
ロゴスとの決戦で、ブレイバーズの機動部隊は疲弊していたが、ラー・カイラムを
旗艦として、アクシズのある宙域へと駆けつける。

***アクシズ***
アクシズにはネオジオンの機動艦隊が展開。その中にはネオジオンと
同盟を結ぶ宇宙革命軍や反ナチュラルを掲げる元ザフトの部隊。
ドルチェノフ率いるギガノスの残党。さらにはクラックス・ドゥガチ率いる
木星勢力等が加わっていた。

シャア「来たか、アムロ!」
アムロ「アクシズは落とさせないぞ、シャア!」

赤いMS―ナイチンゲールに乗るシャアに、アムロはHi-νガンダムに
乗って、シャアのアクシズ落としを止めようとする。

カミーユ「シロッコ...!」
シロッコ「カミーユ・ビダン...貴様との因縁をここで断ち切らせてもらおう!」

カミーユの乗るΖガンダムは、シロッコの乗るジ・Oへと挑む。

ジュドー「ハマーン...アンタには世話になった事もある。だけど、地球に
 アクシズは落とさせねえぞ!」
ハマーン「来るか!ジュドー...」

キュベレイに乗るハマーンはファンネルで、ジュドーのΖΖガンダムを攻撃。
ジュドーは、ファンネルを落としつつ、ダブルビームライフルの銃口を向ける。

アクシズを止める為、そして各々の宿敵と決着を着ける為、ブレイバーズは戦う。
そんな中、アムロのHi-νガンダムはシャアのナイチンゲールを倒し、シャアは
そのまま戦線を離脱する。

フロンタル「シャア総帥が戦線を離れてしまった今、私が指揮を執る」

シャアの戦線離脱に、シナンジュに乗るフル・フロンタルは自ら指揮を執る。
やがてブレイバーズの奮闘により、ネオジオンの戦力は減少していった。

フロンタル「...そろそろ頃合いか」

フロンタルが呟くと、時空クレバスでイーバが出現。実はフロンタルは
堕神と通じていたのであった。フロンタルは堕神の命により、アクシズ
落としを利用して、地球壊滅を狙ったのである。

シャア「...待っていたぞ。この時を!」

そこに戦線を離脱していたシャアがサザビーに乗って現れる。
実はシャアはフロンタルが堕神と通じている事に気が付いており、
それを明らかにする為、アクシズ落としを行ったのであった。

748ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/06/16(木) 12:40:19

シャア「以前から、私にはこの光景がヴィジョンとなって見えていた。
 始めは何なのか分からなかったが、段々ハッキリと分かるようになり、
 その実態を暴くべく、アクシズを落とすのを決めたのだ」
アムロ「何という無茶を...」
シャア「君達なら止められるという確信があったからな」

フロンタルの実態を暴く為とはいえ、地球全体を巻き込む
アクシズ落としを行おうとしたシャアにアムロは、やや呆れた。

フロンタル「やはり気づいていたか...。だが、アクシズは地球に落とさせてもらう!」

フロンタルがパネルを操作すると、アクシズに異変が起きる。アクシズから
何本もの触手が現れ、その姿は、やがて巨大なガンダムに変わる。

ドモン「あれは、もしやデビルガンダム!?」
フロンタル「こうなる事は予想できた。目的の遂行の為、密かにデビルガンダムの
 残骸を回収し、アクシズをデビルガンダムに変える様、細工を施したのだ」

アクシズはデビルガンダムに変貌し、フロンタルは密かにデビルガンダムの
残骸を回収していた事を話す。それに伴い、アクシズからデビルガンダムの
手駒であるデビルアーミー、デビルネイビー、デビルバーディが大量に出現する。

ピキィーン

バナージ「この感覚...まさかオードリー!」
フロンタル「ミネバ様には、この【デビルアクシズ】のコアになっていただいた。
 さぁ、これでもなお君達は止められるかね?」

ユニコーンガンダムに乗るバナージはデビルガンダムとなったアクシズ―
デビルアクシズからオードリー(ミネバ・ラオ・ザビ)の気配を感じ取る。
フロンタルはオードリーをデビルアクシズのコアユニットにしたのだ。

ハマーン「フロンタル...貴様!」
シャア「ハマーン。私に言いたい事はあるだろうが、今はこの場を収める為、
 協力してくれないか。あれは地球...いや全ての脅威だ!」
ハマーン「...良いだろう。ミネバ様をお救いする為にも、貴様と手を組んでやる。
 だが、後で逃げるなよ」

ハマーンは主であるオードリー(ミネバ)をコアユニットにしたフロンタルに、
怒りのこもった目を向ける。そしてシャアから協力を要請され、オードリーを
救い出す為、それに応じる。

ブライト「ブレイバーズ各機に連絡。デビルアクシズが地球に落ちるのは
 何としても阻止せねばならない。これよりデビルアクシズの破壊及び
 コアとなっているミネバ・ラオ・ザビの救出を行う。ここが正念場だ!」

果たしてブレイバーズは地球に迫りくるデビルアクシズの脅威から、
地球を守り、コアとなったオードリー...ミネバを救い出せるのか!

749凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/06/19(日) 14:14:49
≪X星人の侵略!怪獣軍団総攻撃≫


***北海道・標茶町***

修司「あれっ? どうしたんだろう」

星崎修司、30歳。北海道のとある田舎町に住んでいる市井の男性。
アマチュア音楽家で、携帯電話の着信メロディ等を自作し、
自分が運営するウェブサイト上で無料配布している。
だがある日、そのサイトが何者かのハッキングを受けた。

「我々はX星人である。星崎修司、お前を抹殺する!」

日本語で作成されていたホームページが突如、
謎の文字列に書き換えられてPC画面に表示される。
だが修司には、地球のどの言語でもないそのメッセージが読めた。
そしてそこには、彼を殺すという恐ろしい脅迫文が書かれていたのである。

修司「…!」

慄く修司。そこへ部屋の窓ガラスを割り、
黒いコスチュームを着て目にはゴーグルを付けた数人の男達が入って来る。

修司「お、お前達は、X星人!」
X星人A「我々が遠い昔に絶滅させたはずのムーサ星人が、
 まさかこの地球に逃げ込んでいたとはな」
X星人B「その上、我々の弱点である殺人音波を
 この星のコンピューターネットワークにばら撒きおって。
 我々の計画の邪魔をする者は生かしてはおけん!」
修司「や、やめろ! うわぁぁっ!」

X星人は手に持っていたレーザーガンで修司を射殺。
そしてPCを操作し、彼のホームページを全て消去してしまった。

X星人C「ありました! エラトーの竪琴です!」
X星人D「よし、直ちに破壊しろ!」

家の中を捜索し、楽器が置かれている修司の趣味の部屋から
一つの竪琴を発見したX星人は、レーザーガンでその竪琴も木端微塵に破壊した。
エラトーの竪琴と呼ばれるそれは、かつて繁栄したムーサ星人の
伝統的な民族楽器として知られているものであった。


***東京・岡島家***

雄大「あれっ? サイトが無くなってる…」

そのわずか数分後、自室のベッドに寝転がりながら、
スマートフォンを操作して修司のサイトにアクセスしようとした岡島雄大は、
ブックマークしておいたそのサイトが閲覧不能になっているのを見て首をひねる。
昨日、たまたま見付けたばかりのサイトで、
配布しているスマートフォン用の着信メロディがとても良かったので、
試しに一つダウンロードし、更に他にもいいものはないかと、
改めてサイト内を色々見てみるつもりだったのだが…。

雄大「閉鎖か…。ちぇっ、見付けるのが遅かったかな」

この時点では、これが自分さえも巻き込む世界的大事件の端緒になろうとは、
雄大には予想できようはずもなかった…。

750凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/06/19(日) 14:16:16
***東京・メガロシティ***

不良A「なあお嬢ちゃん、お金貸してよ〜」
不良B「その制服、海防大付属だよな。
 すっげえエリート校じゃん。
 俺らみたいな底辺校の奴らと違ってリッチなんだろ?」
桂「そ…そんな…。やめて下さい!」
雄大「あれは…、波川さん?」

波川桂、16歳。海防大学付属高校1年生。
雄大のクラスメイトで、豪邸で暮らしている大富豪のお嬢様である。
しかし雄大とはこれまで接点が少なく、会話をした事はほとんどなかった。
下校中の雄大は、その桂が他校生の不良グループ三人組に絡まれているのを発見する。

雄大「あの制服、硝子山高校じゃないか!
 波川さん、ヤバい奴らに捕まっちゃったなあ〜」

硝子山高校は都内屈指の荒れた高校として有名で、
不良の集団が他校の生徒を相手に暴行や恐喝に及ぶ事も少なくないため、
目を付けられたら大変と、海防大付属生からも恐れられていた。

雄大「(ど、どうする…?
 俺なんかが戦っても勝てる相手じゃないし、
 ここは光平先輩を呼んで……いやいや、
 そんな事してる間に波川さんが…!)」

日頃からテニス部で体を鍛えているスポーツマンとは言え、
格闘技の経験があるわけでもなく、雄大は喧嘩は苦手である。
だが、とにかく今はやるしかない。
勇気を振り絞って、雄大は不良達の前に飛び出した。

雄大「お、おい…! やめろよお前ら…!」
不良A「あ? 何だてめえ」
不良B「お前も海防大付属か?」
雄大「お…女の子相手に恐喝なんかして、
 恥ずかしくないのかよ!」
不良C「ヒャ〜! 女の子を守る王子様ってとこかい?
 カッコいいねえ」

雄大を口々にからかいながら、三人の不良は恐ろしい形相で迫って来る。
後ずさりそうになりながらも身構える雄大。だが…。

不良A「ざけんじゃねえっ!」
雄大「うわぁっ!」

不良のパンチが雄大の顔面に命中。
かけていた眼鏡が吹っ飛び、雄大は倒れて地面に尻餅をつく。
すかさず不良達は雄大を取り囲み、
胸倉を掴んで無理に立ち直らせると、殴る蹴るのリンチを加え始めた。

雄大「うわぁ〜っ!」
桂「だ、誰か助けて下さいっ〜!!」

751凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/06/19(日) 14:17:25
光平「待てっ、お前達!」

そこへ運良く通りがかり、桂の悲鳴を聞いて飛んで来たのは、
雄大の一年先輩の牧村光平である。

不良A「何だぁ? やるかゴルァ!」
光平「お前達じゃ相手にならない。
 カツアゲなんていう悪さはやめて、
 怪我をする前にとっとと消えろ!」
不良B「舐めた口利きやがって…。
 たった一人で俺達三人に勝とうってのか?」
不良C「ふざけんなよ。死ねオラァっ!!」
光平「っ…!」

元々、琉球空手の心得があるだけでなく、
シグフェルに改造されて戦闘能力が大幅にアップしている光平にとっては、
そこらの不良など例え三人がかりでも相手にならないというのは、
ハッタリや思い上がりなどではなく事実である。
不良のパンチを掌で受け止めた光平は、そのまま相手の拳を握った手に少しずつ力を込める。

不良C「うぎゃぁぁぁっ!」
不良A「て、てめえ!」
不良B「ぶっ殺すぞ!」

激昂した二人の仲間が光平に襲いかかるが、
光平は片方が打ち込んできた大振りなパンチを屈んでかわし、
アッパーカットで顎を下から弾き飛ばす。
そして間髪入れず、光平の背後を狙おうとしていたもう一人の不良に
反転して足払いのローキックを浴びせ転倒させた。

雄大「す、凄いや先輩…」

見ていた雄大と桂も思わず呆然となるほど、
鮮やかに一瞬で三人の不良を蹴散らしてしまった光平。
これでもパワーは大幅に加減しているので
三人ともダメージ自体は大した事はないが、
実力が違い過ぎる事は今の一連のアクションだけで十分に明らかだった。

不良A「ち、畜生! 覚えてやがれ!」

捨て台詞を吐いて一目散に逃げて行く不良達。

雄大「良かった〜。ありがとうございます光平先輩!
 波川さんも、怪我はないっすか?」
桂「え、ええ…。私は大丈夫…。
 でも岡島くん、ひどい傷だわ!」
雄大「あ、いやいや、掠り傷っすよ」

あちこちに痛々しいアザを作りながらはにかむ雄大。
桂はポケットからハンカチを取り出し、
切れて出血している雄大の口元を拭いた。

752凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/06/19(日) 14:19:30
光平「あ〜あ、雄大、眼鏡壊れちゃったぜ」
雄大「ええ〜っ、マジっすか!?
 弱ったな〜。どうしよう」

殴られた衝撃で地面に落ちた雄大の眼鏡を光平が拾い上げるが、
眼鏡はフレームがひどく折れ曲がり、レンズにも太いヒビが走ってしまっていた。

桂「岡島くん、良かったらうちに来て。
 私のお父様が会長をしている波川ファウンデーションの系列に、
 眼鏡屋さんの会社もあって、そこの店長さんは私とも昔から顔見知りなの。
 連絡してお願いしてみれば、きっと何とかしてくれるはずよ」
光平「えっ!? 波川ファウンデーションって、
 あの怪獣ランド計画の…?」
雄大「そうなんすよ先輩!
 波川さんは、あのハモンド島の怪獣ランドのスポンサーになってる、
 波川ファウンデーションの会長さんのご令嬢なんです!」

波川ファウンデーションは、桂の父・波川謙吾が会長を務める大財閥である。
その波川ファウンデーションは現在、
地球連邦政府の事業である怪獣ランド計画のスポンサーとなっていた。

怪獣ランド計画とは、南太平洋のハモンド島に建設された巨大怪獣の飼育施設で、
怪獣達を捕獲し動物園のように一ヶ所に閉じ込めて管理するという、
世界各地で脅威となっている怪獣災害の解決策として企画された一大プロジェクトである。
現在、地球連邦軍やブレイバーズも動員して怪獣達の捕獲作業が各地で進められており、
その関係で光平も波川ファウンデーションの事は知っていたのであった。

桂「うちはここのすぐ近くよ。
 傷の手当ても早くしないと大変だわ」
雄大「でも…、いいんすか本当に?」
光平「そう言ってくれてるんだから行って来いよ、雄大。
 …せっかくのチャンスじゃないか」
雄大「チャンスって、何のチャンスっすか!?」

雄大の耳元でボソっと囁く光平。
次の瞬間、雄大の顔が真っ赤に紅潮した。

光平「ハハハ。お前が勇気出して硝子山の不良達に立ち向かったんだ。
 そのくらいの役得はあっても別にバチは当たらないんじゃないか?」
雄大「ええ〜っ…。
 そ、それじゃあ、光平先輩も一緒に…。
 ほら、結局助けてくれたのは光平先輩ですし」
光平「バカ言うなって。
 お邪魔虫は用が済んだら退散するよ。じゃあな」
雄大「せ、先輩〜!」

ひらひらと手を振って立ち去ってしまう光平。
後に残された雄大は、困り切った表情で桂に向き直る。

桂「さあ、早く行きましょう岡島くん」
雄大「じゃ、じゃあ…、お言葉に甘えさせてもらおうかな…」

こうして雄大は、メガロシティの外れにある波川家の屋敷に
ご招待される事になったのであった。

753凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/06/19(日) 14:20:47
***東京・波川邸***

メイド達「「「お帰りなさいませ、お嬢様!」」」
雄大「す、すげえ…」

雄大が桂に案内されてやって来た波川家の屋敷は、
敷地面積が千坪を超える広い立派な豪邸で、
桂が帰宅すると、屋敷で雇われている何十人もの使用人が
整列して出迎え一斉に頭を下げるのであった。

桂「ちょっと染みるかも…」
雄大「うん…。あ、イテテテテ」

桂に怪我の手当てをしてもらう雄大。
その間に、壊されてしまった眼鏡も修理してくれるよう、
執事が波川ファウンデーション傘下の眼鏡店に電話で連絡する。

眼鏡屋店長「このような具合でいかがでしょう」
雄大「ピッタリです。ありがとうございます!」

波川ファウンデーションの会長のご令嬢からの要請とあって、
傘下の眼鏡店はすぐに動き、わざわざ店長自ら波川邸まで飛んで来て、
壊れた雄大の眼鏡を預かりその場で修理し始めた。
ここでも波川家の凄さを実感する雄大。
眼鏡の修理代ともなると数万円はかかるものだが、
助けてくれたお礼という事で、代金は全額波川家で支払ってくれた。

雄大「ヤバっ、母さんからだ」

外では陽も沈みかけた頃、
ズボンのポケットに入れていた雄大のスマートフォンから、
電話の着信メロディが流れ始めた。
その音を聞いた桂の顔色がさっと驚きに変わる。

雄大「もしもし、母さん?
 ゴメンゴメン。ちょっと色々あって遅くなっちゃってさ。
 もうすぐ帰るから。うん、大丈夫。じゃあね」

雄大の帰りが遅いのを心配して電話をかけて来た母親に事情を説明し、
電話を切った雄大。桂はまだ驚きを隠せないという表情で、
雄大のスマートフォンをじっと見つめている。

雄大「ごめん波川さん。そろそろ帰らないと。
 …って、どうしたの?」
桂「ううん…。何でもないの。
 ただ、素敵な着信メロディだなって思って。
 どこにあった曲なの?」
雄大「ああ、これ?
 最近見付けた音楽家さんのサイトからダウンロードした着信音なんだけど、
 そのサイト、俺がこれを落とした後すぐに閉鎖しちゃったみたいでさ。
 他にもいい曲がたくさんあったのに勿体なかったな〜」
桂「(あの音は〝エラトーの竪琴″の音色…。
 これを地球人が作り出せるはずがないわ)」

こうしてこの日から、それまでほとんど交流がなかった雄大と桂は急速に接近し、
学校でも一緒に仲良く過ごす事が多くなって行ったのである。

754凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/06/19(日) 14:23:28
***ハモンド島・怪獣ランド***

ゴロザウルス「zzzzz…」

麻酔で眠ったまま空輸されて来たゴロザウルスが、
ハモンド島の怪獣ランド施設内にある森林地帯に降ろされる。
島の中心にそびえる管制塔のモニターでその様子を確かめながら、
波川ファウンデーションの波川謙吾会長は満足そうに頷いた。

謙吾「原始恐竜ゴロザウルスは、
 当ランドにとっては記念すべき十匹目の怪獣になる。
 反対や不安の声も少なくない中で始まったプロジェクトだったが、
 とうとうここまで来たかと思うと感慨深いね」
窪田「おめでとうございます、会長」

地球連邦政府の日本人エリート官僚で、
怪獣ランド計画を統括している窪田幸雄という青年が謙吾に祝辞を述べる。
既に怪獣ランドに収容された怪獣は、
ゴジラ、ラドン、アンギラス、ガメラ、ゴモラ、ダンガー、
ボルケラー、ジョバリエ、レギーラの九匹。
これにゴロザウルスが加わって、節目の十匹目を数えたのである。

謙吾「人間にとっては害になるからというだけの理由で、
 無闇やたらと生き物の命を奪うのは決して倫理的な所業とは呼べない。
 熊やライオンだって動物園の檻の中で飼っていれば人畜無害なんだ。
 この怪獣ランド計画は、人類の英知が生み出した、
 怪獣災害の唯一の根本的解決策だと私は信じているよ」
窪田「人類の英知…ですか。それは面白い」

そう言って冷笑する窪田に、
謙吾は水を差されたように不愉快な顔をして聞き咎める。

謙吾「窪田君、面白いとはどういう意味だね?」
窪田「いえ、何でもありませんよ、波川会長」
謙吾「怪獣ランド計画は、
 君ら地球連邦政府内の平和的進歩主義者にとっても長年の夢だったじゃないか。
 怪獣との共生など下らない幻想だと笑う者も多かったが、我々は決してめげなかった。
 その夢が今、ようやく実現しようとしているのだよ」
窪田「そうですね会長…。失礼しました。
 では十匹目の怪獣の確保を祝って、二人で乾杯と行きましょうか」
謙吾「そうだな…。うむ、そうしよう!」

窪田の態度にどこか不審な点を感じながらも、
謙吾は言われるまま、窪田がグラスに注いだ祝い酒を手に取った。

謙吾「では、乾杯!」
窪田「乾杯…」

だが、酒を一口飲んだ謙吾は強烈な眠気に襲われ、
その場に倒れてしまう。睡眠薬が入っていたのだ。

X星人「………」

謙吾の意識が完全に落ちたところで、
一体のグロテスクな姿をしたエイリアンが現れ、
謙吾にそっくりな姿に擬態した。

擬態謙吾「…なかなか悪くないデザインの体だ」
窪田「計画がここまで進めば、波川会長はもはや用済みだ。
 後は我々X星人が自らの手で計画の最終段階を実行する。
 …波川を牢に放り込んでおけ!」

窪田の指示により、管制塔の地下に密かに作られていた牢に、
謙吾は眠ったまま運び込まれて閉じ込められてしまった。

755凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/06/19(日) 14:27:30
***東京・波川邸***

桂「ただいま」
メイドA「お帰りなさいませ、お嬢様…」

翌日、学校から帰宅した桂は、
屋敷のメイド達の様子がどこかおかしい事に気付く。
皆、どこか愛想がないし、何だかよく分からない、
得体の知れない生理的な気味悪さを感じるのだ。

桂「岡島くんがまたうちに来てくれる事になったわ。
 おやつのショートケーキを用意して…」

言いかけて桂は絶句する。
ドアが開き、大勢のメイド達を従えて部屋へ入って来たのは、
何と桂にそっくりな姿をした女だったのである!

擬態桂「あなたの姿をしばらく借りるわ。
 計画が済むまで、大人しくしていてもらいましょうか」
桂「…!」

メイド達が桂にレーザーガンを突き付けて脅し、
屋敷の庭にある大きな蔵に桂を入らせて閉じ込める。

擬態桂「これより、この波川邸を我々X星人の前線基地として使用する。
 ハモンド島の怪獣達を操る、指令電波発信装置のスタンバイを急ぎなさい!」

屋敷にいた大勢のメイド達も、全て擬態したX星人に入れ替わられていた。
桂に擬態したX星人隊長の指示で、占拠された波川家の屋敷に大型コンピューターが設置され、
ここから発せられる指令電波でハモンド島の怪獣達は操られる。

擬態桂「怪獣達による世界同時攻撃を開始せよ!!」

X星人の技術でハモンド島から瞬間転送された怪獣達は、
波川邸からの指令電波に操られるまま世界各国の都市で暴れ回る。
ワシントンDCにはガメラが、バルセロナにはゴジラが、
北京にはゴモラが、リオデジャネイロにはレギーラが、
エルサレムにはラドンが現れ、破壊の限りを尽くす。

アナウンサー「ご覧いただけますでしょうか!?
 ゴジラがバルセロナの街を破壊しています!
 完成を間近にしたサグラダ・ファミリア教会にゴジラは迫っています!
 ガウディの未完の傑作は、果たしてゴジラに破壊されてしまうのでしょうか!?」

世界各国の軍隊やブレイバーズが出動し、怪獣達を迎え撃つが、
テレポート機能により神出鬼没の怪獣達は各地の都市を次々に蹂躙する。

擬態桂「次はアフリカ大陸を攻撃するわ。
 カイロにゴロザウルス、ヨハネスブルクにダンガーを転送!」
擬態メイドA「了解。転送します!」
擬態桂「ラドンはエルサレムを破壊した後、そのままドバイへ。
 レギーラもリオを壊滅させ次第、ブエノスアイレスを次の攻撃目標にせよ!」

その時、波川邸のドアチャイムが鳴った。
雄大が約束通り遊びに来たのである。

雄大「〜♪ 波川さ〜ん、岡島っす!」
擬態桂「この男は…?」

波川邸と全世界が大変な事になっているのも露知らず、
ウキウキ気分で波川邸へやって来てしまった雄大の運命や如何に!?

756ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/06/21(火) 11:25:07
<<絆は種族を超えて...8>>

真吾少年や美樹を助け出すべく、悪魔将軍やぬらりひょん、シレーヌに
立ち向かう、鬼太郎やデビルマン達。その配下の妖怪やデーモン族、
地下超人を相手に奮闘していた。

鬼太郎「今すぐ、真吾君を解放しろ!ぬらりひょん」
ぬらりひょん「この儂が解放すると思うか、鬼太郎!」

鬼太郎は自身の髪の毛針を槍の様に伸ばし、ぬらりひょんも
仕込み刀で応戦していた。

モリガン「あなたが相手をしてくれるのかしら?」
シレーヌ「ほざけッ!」
モリガン「ふふっ、踊りましょう!」

モリガンはシレーヌと対峙。シレーヌは両腕を切り離し、ブーメランの
様にモリガンに向けて飛ばす。それをモリガンは踊る様に回避していく。

百目「悪魔くんを返すだもーん!」
氷村「おっと、させねえぜ!ぐぉぉぉ!!」
幽子「きゃぁー!」
真吾「百目!幽子!」

真吾少年を助けようと百目と幽子が駆け寄るが、その前に氷村が
立ち塞がり、正体である妖獣ヒムラーに変身すると、その鋭い爪で
斬りつけてくる。

飛影「ふんっ!」
ヒムラー「むっ...俺の攻撃を止めるとは、やるなあ!」
飛影「雑魚ばかりで飽きてきた所だ。相手をしてもらうぞ!」
百目「あ、ありがとう何だモン!」
飛影「...離れていろ。邪魔だ」
百目「う...うん(何だろう?僕と同じ様な...そうじゃないような感じがするモン?)」

ヒムラーの攻撃を飛影が止める。助けられた百目は飛影から、
同じ百目族みたいな気配を感じ取るが、飛影が魔界整体師、時雨によって
【邪眼】を身に着けた事を百目は知らない。

悪魔将軍「向こうは盛り上がっているようだな。では、デビルマンよ。
  我々も戦いを始めるとしよう」
デビルマン「だったら、俺から仕掛けさせてもらうぜ!オラァ!」

鬼太郎達が奮闘している一方、悪魔将軍とデビルマンも戦いを開始する。
早速デビルマンが悪魔将軍に殴りかかったが、悪魔将軍はビクともしなかった。

悪魔将軍「バゴア、バゴア!俺は体の硬度を自由自在に変える事が出来る。
 今、自分の体をダイヤモンドに変えたのだ!」
デビルマン「何だとぉ〜!」

悪魔将軍は、その能力で自分の体をダイヤモンドに変える。流石のデビルマンも
ダイヤモンドには歯が立たなかった。

悪魔将軍「それに今の俺はこんな事も出来るのだ!ムン!」
デビルマン「指先から炎だと!」

悪魔将軍は指先から炎を出してデビルマンに攻撃。さらに続けて
強風を起こしたり、雷を出してデビルマンを攻撃した。

真吾「...あれはユルグの炎!それに鳥乙女のピンクハリケーンに
 メフィスト2世の雷!」
百目「12使徒の皆の力が使えるのかモン!?」
悪魔将軍「その通り!俺は身体に取り込んだ者の能力や技を使う事が出来るのだ!」
デビルマン「何だって!」

悪魔将軍が使う技は、仲間である12使徒の技や能力である事に気が付く真吾少年に
悪魔将軍は自身の能力を明かす。

真吾「皆を助けないと...ソロモンの笛なら!」

悪魔将軍が仲間達の能力を使うのを見て、悪魔将軍に吸収された
12使徒達を助けたいと思う真吾少年は、ソロモンの笛の力なら、
解放できるかもしれないと考えるが身動きがとれなかった。
そんな時、何かが近づく音が聞こえる。

757ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/06/21(火) 13:22:54
一同は近づいてくるの物に警戒していると、突如、刀で斬ったかの様に
壁が切断され、大きな音と共に壁が崩れると、大きな車両が出現する。

一護「ここが鬼太郎っていう妖怪がいる場所か?」
ザ・ニンジャ「左様。間違いないでござる」

車両―【龍亀一號】の屋根の上から死神の姿となった一護と
ザ・ニンジャが降りてくる。先程の事は一護が斬魄刀で壁を斬って
壊したのであった。

子泣き「待たせてしまったのう、鬼太郎」
砂かけ「大丈夫か、皆!?」
目玉おやじ「おお、砂かけ達も一緒じゃったか!」
鬼太郎「一体、これは?」
夜行「この人間達に連れてきてもらったんじゃ」

龍亀一號から鬼太郎の仲間である砂かけ達も降りてくる。鬼太郎は
突然の出来事に戸惑うが、夜行は自分達を連れて来た零児達を
引き合わせる。

零児「日本の特務機関【森羅】の有栖零児だ。閻魔大王から埋もれ木真吾少年を
 助けだす為、ゲゲゲの鬼太郎の援軍として派遣されてきた」
小牟「ワシらが来たからには、安心するがよいぞ♪」

零児は鬼太郎に、自分達が閻魔大王の命で来た事を手短に話す。

デミトリ「また貴様達か...」
モリガン「つくづく縁があるようね。私達」
零児「デミトリにモリガン!来ていたのか」
小牟「まぁ、こうなると思っていたがのう...」

過去の事件で零児達と共に解決したデミトリとモリガンだが、
何度も遭遇している事に、デミトリはやや呆れていた。

飛影「浦飯...貴様も来たのか」
幽助「何だよ。飛影も来ていたのかよ!奇遇だな」

そして幽助も飛影と再会する。幽助は気軽に飛影に声を掛けた。

ぬらりひょん「...なるほど。貴様らが【逢魔】の連中と敵対している
 森羅という組織か」
零児「なぜ逢魔を知っている。まさか、この件に逢魔も関わっているのか!」
ぬらりひょん「ふふふ。我ら日本妖怪や西洋妖怪...多くの妖怪や物の怪は、
 ある“御方”の下、妖怪帝国を築いたのだ!逢魔もその一員よ」
小牟「妖怪帝国じゃと!」
ルキア「...そういえば、妖怪帝国なる組織が虚(ホロウ)を取り込んで、
 不穏な動きをしているという噂を魂尸界で耳にした事がある。
 まさか本当だったとは...!」

ぬらりひょんは森羅の敵対組織である逢魔が妖怪帝国の一員である事を
話す。そしてルキアは魂尸界で聞いた妖怪帝国についての噂を思い出した。

零児「これは、詳しく事情を聞く必要があるようだな。裏嶋博士、龍亀一號を
 下げて待機してくれ」
裏嶋「ええ、戦闘は任せるわ。龍亀一號もメンテナンスが必要だし」
ねずみ男「じゃあ、お姉サマはこの僕がお守りします!」
砂かけ「お前さんを置いておけるか!こっちに加勢せい!」
ねずみ男「そんなぁ〜(泣」
夜行「鬼太郎。儂は裏嶋博士と、メンテナンスをしておる。頑張るのじゃぞ!」
鬼太郎「分かった。夜行さん!」

逢魔の事を詳しく聞くため、零児は愛用の拳銃である「金(ゴールド)」を
構える。そして龍亀一號のメンテナンスを行うべく、裏嶋が下がる事になり、
ねずみ男もついて行こうとしたが、砂かけに止められた。そしてメンテナンスには
夜行が手伝う事になる。

悪魔将軍「...話は終わったか?何人掛かってこようが、我が【地獄の断頭台】の
 餌食にしてくれよう」
ザ・ニンジャ「悪魔将軍!...その姿、やはり12使徒と見えない学校を吸収したか」
悪魔将軍「悪魔六騎士の1人、ザ・ニンジャよ。今一度、我が軍門に戻る気になったか?」
ザ・ニンジャ「無論、その様な事は毛頭ないでござる!悪魔将軍...いや、サタンの
 化身よ、悪魔くんの仲間である12使徒達を解放し、今一度地獄へお帰りになって
 もらうでござる!」

一度は悪魔六騎士の1人として、悪魔超人の軍門に降ったザ・ニンジャは、正義超人に
目覚めた者として、悪魔将軍に立ち向かう。

デビルマン「誰だか知らねえが、奴(悪魔将軍)は俺の獲物だ。邪魔をするんじゃねえ!」
零児「奴は?」
鬼太郎「僕らもよく知らないのですが、デビルマンというデーモン族の悪魔ですが、
 どうやら、あそこで捕まっている女性を助けようと戦っているんです」

デビルマンは美樹を助け出す為、現れた零児達に「悪魔将軍を倒す邪魔をするな」と
睨みつける。デビルマンの事を知らない零児は鬼太郎に聞くと、鬼太郎はデビルマンが
人間の女性、牧村美樹を助ける為に戦っている事を話す。

悪魔将軍「今度こそ、話は終わったようだな...では、戦いの続きだ!」

零児達が鬼太郎達に合流し、後半戦が始まるのであった。

758ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/06/21(火) 13:54:52
◯鬼太郎→ぬらりひょんを相手に戦う。
◯砂かけばばあ→鬼太郎達に合流する。
◯子泣きじじい→鬼太郎に合流する。
◯ねずみ男→裏嶋についていこうとするが、砂かけに引き留められる。
◯夜行さん→裏嶋のメンテナンスを手伝うべく、戦いの場から下がる。
●ぬらりひょん→鬼太郎を相手に戦い、零児達に逢魔が妖怪帝国の
   一員になっている事を明かす。
◯モリガン・アーンスランド→シレーヌを相手に戦う。
◯飛影→百目を助け、ヒムラーを相手に戦う。
◯浦飯幽助→鬼太郎達に合流し、飛影と再会する。
◯埋もれ木真吾→悪魔将軍が12使徒の技を使っている事に気が付く。
◯百目→真吾を助けようとするが、ヒムラーの攻撃を受ける。そこを
  飛影に助けられる。
◯幽子→真吾を助けようとするが、ヒムラーの攻撃を受ける。そこを
  飛影に助けられる。
◯デビルマン→悪魔将軍を相手に戦う。
●シレーヌ→モリガンを相手に戦う。
●氷村巌/ヒムラー→元の姿に戻り、百目と幽子を攻撃。飛影を相手に戦う。
●悪魔将軍→吸収した12使徒の技で、デビルマンを攻撃する。
◯ザ・ニンジャ→鬼太郎達に合流する。
◯黒崎一護→斬魄刀で壁を破壊する。
◯朽木ルキア→妖怪帝国の噂を思い出す。
◯有栖零児→鬼太郎達に合流する。
◯小牟→鬼太郎達に合流する。
◯浦嶋千鶴→鬼太郎達に合流し、龍亀一號のメンテナンスをする為、
   夜行と共に戦いの場から下がる。

759凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/06/22(水) 15:15:31
≪ハモンド島攻略作戦≫

>>755続き

X星人が操る怪獣達の攻撃で世界各地の都市が破壊される中、
ブレイバーズはX星人の根拠地であるハモンド島の怪獣ランドを攻略すべく、
日米その他世界中の戦力を結集させて一大作戦を行なう事になった。
ブレイバーベースの会議室に集まったヒーロー達は、その作戦について話し合う。

テッサ「これが、ミスリルの偵察衛星スティングが撮影した、
 ハモンド島の衛星写真です」

ミスリル西太平洋戦隊のテレサ・テスタロッサ戦隊長が
スクリーンに映された衛星写真を示すと、一同にどよめきが起こった。
無数の敵機と思しき機影がその画像には写っている。
X星人が母星から呼び寄せたおびただしい数のガンシップ(戦闘円盤)やキャリアー(輸送円盤)、
大型ロボット兵器等が、ハモンド島とその沿岸の海を所狭しと埋め尽くしているのだ。

テッサ「ご覧の通り、ハモンド島は今やX星人の要塞と化しています。
 しかし、私達は人類の自由と地球の平和を守るため、
 何としてもこれを攻略し、邪悪な侵略者を撃破しなくてはなりません」
マデューカス「非常に困難なミッションではあるが、
 勝利のためのヒントは、これまでの人類の戦史の中に既に存在している。
 …パールハーバーだ」
トニー「つまり、奇襲攻撃…?」

トニー・スタークらアメリカ勢を中心に、再び騒然となる作戦会議室。
ここで艦娘を率いる鎮守府の司令官である長門が前へ進み出て、
作戦の第一段階を説明する。

長門「戦艦や巨大ロボットで島に近付いた場合、
 敵は島一帯に張り巡らしたレーダーによってたちまちこれを察知してしまう。
 だが、少数の人間サイズの兵の接近を探知できるほど敵のレーダーは優秀ではない。
 これを利用し、我々艦娘の精鋭からなる水雷戦隊が夜陰に紛れて島の北側にある湾へ侵入、
 湾内に停泊している敵の円盤群を雷撃による奇襲で速やかに殲滅せしめる」

続いて、ネルフ日本支部作戦部長の葛城ミサトが長門の話を引き継ぎ、
作戦の第二段階について、スクリーン上の地図を指し示しながら解説する。

ミサト「艦娘達の攻撃が始まれば、
 敵はそれに対抗するために、分散していた戦力を島の北側に結集させるはずよ。
 その隙に、上空に待機していたエヴァやモビルスーツ、
 その他各種ロボット軍団が島の反対側にある南の平原に降下。
 地上に設置された対空ミサイル設備等を破壊しつつ、
 可能な限り迅速に、島の中央にある管制塔を目指して進撃するわ」

更に、ミサトに代わって作戦の第三段階の説明に立ったのは、
仮面ライダー1号=本郷猛と仮面ライダー2号=一文字隼人である。
今やレジェンドと呼ばれる歴戦の勇者である彼らも、
レンジャー部隊のリーダー格としてこの作戦に参加するのだ。

本郷「管制塔付近の制空権が確保できた時点で、
 我々仮面ライダーやアベンジャーズを初めとするレンジャー部隊が続いて降下。
 管制塔へ乗り込み、中にいるX星人を倒して囚われている波川会長らを救出する」
一文字「X星人は、世界中で暴れさせている怪獣達を、
 テレポートで島へ呼び戻して俺達を迎撃させるだろう。
 だが、こいつを掻い潜って管制塔へ突入し、
 中にあるはずの怪獣コントロール装置を破壊できれば、
 その時点で怪獣達はX星人の命令を聞かなくなり、
 奴らは地球侵略のための主力武器を失った事になる」
テッサ「作戦の概要は以上です。
 本ミッションを【南洋の目覚め作戦】と命名します。
 人類の存亡を賭けた重要な戦い、皆さんのご健闘を祈ります!」

こうして決行される事になった南洋の目覚め作戦。
ブレイバーズの総力を挙げたX星人との決戦の行方は果たしてどうなるのであろうか!?

760ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/06/24(金) 19:57:57
<<絆は種族を超えて...9>>

戦闘が再開し、龍亀一號の所へ数体のデーモン族が迫るが、幽助、
一護、ルキア、チャド、井上が龍亀一號の前に立つ。

一護「井上!お前は博士達を守ってくれ」
井上「分かった。黒崎君!」
ヘンゲ「俺の名はヘンゲ。デーモン族の恐ろしさを味わってもらおう!」
ゲルゲ「同じく、ゲルゲ!」
ベトラ「同じく、ベトラ!」
ロクフェル「俺の名はロクフェル!」
幽助「へっ!雑魚が何体こようが蹴散らしてやるぜ」
ヘンゲ「何だとぉ!この人間風情がっ!バォォォン!!」

一護は井上に裏嶋達を守る様、指示を出す。幽助はヘンゲ達デーモン族の
妖獣を相手に挑発し、怒ったヘンゲは自身の姿をマンモスに変え、他の妖獣達と
共に一斉に襲い掛かる。

一護「ハァァ!」ズバァ
チャド「巨人の一撃(エル...ディレクト)!」
ルキア「舞え...【袖白雪】」
幽助「レイガァァン!」
ヘンゲ&ゲルゲ&ベトラ&ロクフェル「「「「ギャァァァァ!!!!」」」」

一斉に襲い掛かったヘンゲ達だったが、一護は【天鎖斬月】で一刀に斬り、
ルキアは自身の斬魄刀である【袖白雪】で凍らせ、チャドは霊子を纏った
パンチ【巨人の一撃】を繰り出し、そして幽助は指先から霊力を撃ちだす
【霊丸】であっという間に葬った。

ヘンゲ「ば...馬鹿な...」
幽助「ケッ!やっぱり雑魚じゃねえか」

デビルマンならいざ知らず、只の人間と思って舐めていたヘンゲ達だったが、
これまで多くの強敵と戦ってきた幽助や一護達にとっては最早、只の雑魚でしか
なく、ヘンゲ達はそのまま息絶える。

シレーヌ「ヘンゲ達が!おのれぇ〜!」
モリガン「あら?まだダンスは終わってないわよ。ソウルフィスト」
シレーヌ「ぐぅぅ!」
モリガン「続けて...バルキリーターン!」
シレーヌ「ぐわぁ!」
モリガン「フィニッシュは...ダークネスイリュージョン!!」
シレーヌ「ぐわぁぁぁぁ!」

ヘンゲ達が一護達に倒された事に動揺するシレーヌだが、モリガンの
ソウルフィスト、バルキリーターン、ダークネスイリュージョンと立て続けに
技のラッシュを喰らい、大ダメージを受けてしまう。

シレーヌ「うぅ...ダメージを受け過ぎたか。仕方が無い、撤退だ」
モリガン「あらあら、もう終わりなのね」

ダメージを受け過ぎたので、撤退する事を決めたシレーヌは、自身の
身体を蝶に変えて、その場から消える。モリガンはバトルが終わった事に
残念そうな事を口にするが、表情とかは、残念とは思ってなさそうだった。

761ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/06/24(金) 19:58:49
ヒムラー「チィ!シレーヌめ...逃げやがったか」
飛影「どこを見ている...貴様の相手は俺だ!」ザシュ
ヒムラー「ぐわぁぁ、俺の腕がぁぁぁ」

飛影と戦っていたヒムラーはシレーヌが撤退した事の隙をつかれ、
その腕を手刀で切り落とされてしまう。

ヒムラー「ぐぅぅぅ、こうなれば仕方が無い。俺も撤退だ!」

ヒムラーは黒煙を周囲にまき散らし、闇にまぎれて撤退をしようとする。

百目「何にも見えないモン!」
ヒムラー「(今の内に...)」
飛影「無駄だ...邪王炎殺剣!」
ヒムラー「何だとォ!ギャァァァ!」

逃げようとしたヒムラーだが、飛影は額の邪眼を開き、その姿を捕え、
自らの妖気と炎を融合させて作りだした剣、【邪王炎殺剣】でヒムラーを
真っ二つに斬り、ヒムラーは消滅する。

百目「...ハッ!悪魔くーん!」
幽子「大丈夫!?悪魔くん」
真吾「...何とか大丈夫だよ。ありがとうございます。ええと...飛影さん」
飛影「フン...偶々だ」

ヒムラーが倒され、黒煙が晴れると百目と幽子は真吾少年の下に駆け寄り、
ついに真吾少年は助け出される。真吾少年は飛影に助けてもらったお礼を
言うが、飛影は素っ気ない返事をした。

ぬらりひょん「むぅ...デーモン族は皆全滅してしまったか!」
鬼太郎「これ以上の戦闘は無意味だ。どうする、ぬらりひょん!」
零児「おとなしく、貴様の知っている情報を吐いてもらうぞ」

一方、鬼太郎達とぬらりひょんの戦いに零児と小牟が加わる。
デーモン族も全滅し、鬼太郎と零児はぬらりひょんに降伏を迫る。

ぬらりひょん「まだ終わらぬわ!朱の盆、貴様も隅っこで縮こまっておらんで
 儂を助けぬか!」
朱の盆「ハ、ハイィィ!うおぉぉぉぉ!」
猫娘「ニャァァァ!」
朱の盆「ぎゃぁぁぁぁ!」

だが戦闘を辞めないぬらりひょんは、隅の方で震えていた朱の盆を
焚き付ける。主であるぬらりひょんの命令で朱の盆は鬼太郎達に
向かって突撃するが、猫娘に顔中をひっかけられ、またぬらりひょんの
元へ戻る。

ぬらりひょん「ええい、ならばコイツらならどうだ!」

朱の盆の不甲斐無さに呆れつつ、ぬらりひょんは鬼太郎達に対し、
更に妖怪達を差し向ける。現れたのは、一つ目をした大勢のマネキン
人形―廃棄されたマネキン人形が妖怪化したマネキン妖怪達が姿を現す。

ねずみ男「どっひゃぁー!いっぱい出たぁ〜!」
目玉おやじ「おそらく、あのマネキン人形たちは付喪神の一種である
 妖怪じゃな!」

大勢のマネキン妖怪が現れ、ねずみ男は驚き、目玉おやじは分析を行う。
そしてマネキン妖怪が一斉に襲い掛かり、鬼太郎達はそれらを相手をする。

マネキン妖怪「ヒッヒッヒ...」
零児「面倒だ。小牟、行くぞ!金(ゴールド)、柊樹(ハリウッド)」
小牟「任せろ、零児!ショックウェーブ!」

襲い掛かってくるマネキン妖怪達に零児と小牟は一掃しようと、
零児はまず愛用の銃である金(ゴールド)と柊樹(ハリウッド)を撃ちこむ。
そして小牟は、ショックウェーブでマネキン妖怪達を封じ込む。

小牟「巫女みこ、ナース、やっぱこっちじゃろう、つやつやたまご肌!
 仙狐攻絞法奥義【狐主封霊】(コスプレ)!今回も取り揃えておるぞ」

封じ込んだマネキン妖怪達を相手に小牟は巫女、ナース、スクール水着、
バスタオル姿、そして最後はウェディングドレスの姿となり、そのまま倒してしまう。
これが小牟の持つ仙狐攻絞法奥義、狐主封霊(コスプレ)である。

子泣き「ほほ〜、中々似あっておるのう!」
砂かけ「これ、鼻の下を伸ばすでない!」
猫娘「(私もコスプレしたら、鬼太郎を振り向かせる事が出来るかしら...)」

小牟の繰り出した技を見て、子泣きじじいや猫娘達は各々、反応する。
そしてマネキン妖怪達は一掃したが、何時の間にかぬらりひょんと朱の盆は
その場からいなくなっていた。

762ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/06/24(金) 20:26:31
◯浦飯幽助→ヘンゲ達デーモン族を倒す。
◯飛影→邪王炎殺剣でヒムラーを倒す。
◯黒崎一護→ヘンゲ達デーモン族を倒す。
◯朽木ルキア→ヘンゲ達デーモン族を倒す。
◯茶渡泰虎→ヘンゲ達デーモン族を倒す。
◯井上織姫→一護から裏嶋達を守る様、指示を受ける。
◯モリガン・アーンスランド→シレーヌとの戦闘で勝利する。
◯埋もれ木真吾→飛影によって助けられる。
◯百目→真吾に駆け寄る。
◯幽子→真吾に駆け寄る。
●マネキン妖怪→鬼太郎達に襲いかかるが倒される。
◯鬼太郎→零児と協力してぬらりひょんを相手に戦う。
◯猫娘→朱の盆の顔を引っ掻く。
●ぬらりひょん→マネキン妖怪を鬼太郎達を相手に繰り出し、撤退する。
●朱の盆→ぬらりひょんの命令で突撃するが、猫娘に顔を引っ掻かれる。
◯有栖零児→マネキン妖怪を倒す。
◯小牟→奥義・狐主封霊でマネキン妖怪を倒す。
●ヘンゲ→一護達に倒される。
●ゲルゲ→一護達に倒される。
●ベトラ→一護達に倒される。
●ロクフェル→一護達に倒される。
●シレーヌ→モリガンとの戦闘でダメージを受け、撤退する。
●ヒムラー→飛影との戦闘で撤退しようとするが倒される。

【今回の新登場】
●妖獣ゲルゲ(TVアニメ版デビルマン)
 竜巻の様に回転しながら、飛行機や新幹線を溶かす事が出来る妖獣。
 その正体はナメクジ妖獣で、塩分が弱点。

●妖獣ベトラ(TVアニメ版デビルマン)
 ムササビの様に飛行する妖獣。特殊な蜘蛛を産みだし、人間の体内に
 侵入させる事で、人間を凶暴化させる事ができる。口から糸を吐き、鋭い
 爪や電気ショックを用いて戦う。

●妖人ロクフェル(TVアニメ版デビルマン)
 デーモン族の刺客で、背の高い大男の姿をしている。怪力と口から炎を吐く事が出来る。
 ゼノンの命令でザンニンの指揮下に入るが、不服に思っている。実はろくろ首の様に首を
 伸ばす事が出来、首の部分にもう一つ顔がある。

●マネキン妖怪(モノクロ実写版 悪魔くん)
 捨てられたマネキン人形が妖怪化。顔が一つ目になっているのが特徴で、
 人間をマネキン人形に変える能力を持つ。

763ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/06/29(水) 12:30:41
<<絆は種族を超えて...10>>

鬼太郎や零児達の活躍で、デーモン族とぬらりひょん率いる妖怪達は倒された。
一方、デビルマンは悪魔将軍と熾烈な戦いを続けていた。

デビルマン「はぁ...はぁ...全然ビクともしねえや」
デミトリ「ならば、次は私が奴の相手をしよう。カオスフレアァ!」

悪魔将軍を攻撃するデビルマンだが、次第に息を切らしてしまう。
そこでデミトリが勝負に割って入り、カオスフレアを悪魔将軍に向けて
繰り出す。

悪魔将軍「流石は魔界の大貴族。なかなかの攻撃だ。ふむ...
 痛みを感じないとはいえ、少しダメージを負い過ぎたか。
 ならばそろそろ...」
小牟「ムッ!あれは...!?」
零児「知っているのか、小牟!」
小牟「あれはヨガのポーズ...悪魔将軍はヨガのポーズをする事で
 身体に受けたダメージを回復させる事ができるのじゃ!」

デミトリのカオスフレアを受けた悪魔将軍はヨガのポーズをとる。
悪魔将軍はヨガをポーズをとることで、体に受けたダメージを回復できるのであった。
プロレス好きな小牟は超人プロレスにも精通しており、悪魔将軍に関する知識を
話す。

悪魔将軍「では、こちらの番だ。竜巻大回転!」
デビルマン「うぅ...」
悪魔将軍「続いて、体重移動魔法!」
デミトリ「この様な攻撃で...屈するものか!」

悪魔将軍はサシペレレの竜巻大回転で、竜巻を起こしてデビルマンを
苦しめた後、デミトリに組みつき、象人の体重移動魔法で体重を重くして、
伸し掛かる。

真吾少年「また皆の技を...!」
ザ・ニンジャ「やはり、悪魔将軍を倒すには、取り込まれた十二使徒達を
 解放しなければ...!ソロモンの笛の奪還をするしか手はあるまい!」

ザ・ニンジャは悪魔将軍に取り込まれた十二使徒達を助けだそうと、
ソロモンの笛を取り返す事を決める。ソロモンの笛が置かれている場所には
地下超人達が待ち構えていた。

地下超人A「ここで、手柄を立てれば俺達は悪魔超人軍団の幹部だ!」
地下超人B「ソロモンの笛は渡さんぞ!」
ザ・ニンジャ「拙者に立ち向かってくるか...ならば、かつて悪魔六騎士の
 1人だった拙者の忍術を特と見よッ!」

ザ・ニンジャは、その俊敏さと忍法を繰り出し地下超人達を蹴散らしていく。

真吾「うぅ...いつまでも倒れている訳にはいかない。僕も戦う!」
幽子「悪魔くん...」
百目「その身体で、大丈夫なのかモン?」
井上「だったら、私が回復させてあげる。舜桜、あやめ。双天帰盾・
 『私は拒絶する』」

敵に捕まり弱っていた真吾少年だが、悪魔将軍に取り込まれた仲間を
助け出す為、自分も戦おうと立ち上がる。百目と幽子は心配するが、
見かねた井上が盾瞬六花の能力の一つである回復技【双天帰盾】を使う。
これにより、真吾少年は心身ともに回復した。

真吾「すごい。さっきまで、あんなに体が弱っていたのに、力が漲ってくる」
鬼太郎「よし、僕達もソロモンの笛を取り返すぞ!」

ザ・ニンジャは、その俊敏な動きで地下超人達を

764ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/06/29(水) 12:32:36
>>763修正

<<絆は種族を超えて...10>>

鬼太郎や零児達の活躍で、デーモン族とぬらりひょん率いる妖怪達は倒された。
一方、デビルマンは悪魔将軍と熾烈な戦いを続けていた。

デビルマン「はぁ...はぁ...全然ビクともしねえや」
デミトリ「ならば、次は私が奴の相手をしよう。カオスフレアァ!」

悪魔将軍を攻撃するデビルマンだが、次第に息を切らしてしまう。
そこでデミトリが勝負に割って入り、カオスフレアを悪魔将軍に向けて
繰り出す。

悪魔将軍「流石は魔界の大貴族。なかなかの攻撃だ。ふむ...
 痛みを感じないとはいえ、少しダメージを負い過ぎたか。
 ならばそろそろ...」
小牟「ムッ!あれは...!?」
零児「知っているのか、小牟!」
小牟「あれはヨガのポーズ...悪魔将軍はヨガのポーズをする事で
 身体に受けたダメージを回復させる事ができるのじゃ!」

デミトリのカオスフレアを受けた悪魔将軍はヨガのポーズをとる。
悪魔将軍はヨガをポーズをとることで、体に受けたダメージを回復できるのであった。
プロレス好きな小牟は超人プロレスにも精通しており、悪魔将軍に関する知識を
話す。

悪魔将軍「では、こちらの番だ。竜巻大回転!」
デビルマン「うぅ...」
悪魔将軍「続いて、体重移動魔法!」
デミトリ「この様な攻撃で...屈するものか!」

悪魔将軍はサシペレレの竜巻大回転で、竜巻を起こしてデビルマンを
苦しめた後、デミトリに組みつき、象人の体重移動魔法で体重を重くして、
伸し掛かる。

真吾少年「また皆の技を...!」
ザ・ニンジャ「やはり、悪魔将軍を倒すには、取り込まれた十二使徒達を
 解放しなければ...!ソロモンの笛の奪還をするしか手はあるまい!」

ザ・ニンジャは悪魔将軍に取り込まれた十二使徒達を助けだそうと、
ソロモンの笛を取り返す事を決める。ソロモンの笛が置かれている場所には
地下超人達が待ち構えていた。

地下超人A「ここで、手柄を立てれば俺達は悪魔超人軍団の幹部だ!」
地下超人B「ソロモンの笛は渡さんぞ!」
ザ・ニンジャ「拙者に立ち向かってくるか...ならば、かつて悪魔六騎士の
 1人だった拙者の忍術を特と見よッ!」

ザ・ニンジャは、その俊敏さと忍法を繰り出し地下超人達を蹴散らしていく。

真吾「うぅ...いつまでも倒れている訳にはいかない。僕も戦う!」
幽子「悪魔くん...」
百目「その身体で、大丈夫なのかモン?」
井上「だったら、私が回復させてあげる。舜桜、あやめ。双天帰盾・
 『私は拒絶する』」

敵に捕まり弱っていた真吾少年だが、悪魔将軍に取り込まれた仲間を
助け出す為、自分も戦おうと立ち上がる。百目と幽子は心配するが、
見かねた井上が盾瞬六花の能力の一つである回復技【双天帰盾】を使う。
これにより、真吾少年は心身ともに回復した。

真吾「すごい。さっきまで、あんなに体が弱っていたのに、力が漲ってくる」
鬼太郎「よし、僕達もソロモンの笛を取り返すぞ!」

765ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/06/29(水) 14:52:00
回復した真吾少年と共に、鬼太郎達は襲い掛かる地下超人達を
蹴散らしていく。

地下超人「逃がさんぞ!」
ねずみ男「ヒィ〜〜お助け〜!」ブゥ〜〜
地下超人「くさ〜〜〜〜!!」
ねずみ男「あっ!助かった?」

地下超人達に囲まれたねずみ男だったが、その強力な屁をした事で、
臭いを嗅いだ地下超人達はあまりの臭さに気絶した。

真吾「タロット手裏剣!」
地下超人「ぐわぁ!」

真吾少年もタロットカードを手裏剣の様に飛ばし、地下超人を倒していく。

地下超人「貴様ァ!」
百目「あぶない、悪魔くん!」
幽子「照魔境ー!」
地下超人「うぅ...まぶしい!」
ザ・ニンジャ「てりゃぁ」
地下超人「ぐわぁ...」

真吾少年の背後から他の地下超人が襲い掛かって来たが、百目と
幽子が喰い止め、ザ・ニンジャが倒した。

真吾少年「ありがとうございます」
ザ・ニンジャ「いや礼は後でござる。さ、今の内にソロモンの笛を...」

真吾少年はザ・ニンジャにお礼を言おうとするが、今はその時では無い
としてザ・ニンジャは礼を受け取らなかった。そして彼らの奮闘により、
真吾少年はソロモンの笛をついに取り戻す。

悪魔将軍「いかん、ソロモンの笛が!」
デビルマン「おっと...」
デミトリ「貴様の相手は...」
デビルマン&デミトリ「「俺(私)だ!!」」
悪魔将軍「ぬぅぅ...」

真吾少年の手にソロモンの笛が戻った事で動揺する悪魔将軍は
取り返そうとするが、デビルマンとデミトリが阻む。

真吾「...(皆、今助けるよ)」

♯〜♪〜♭〜♯〜

猫娘「綺麗な音色...」
井上「とても優しい感じがする...」

真吾少年は悪魔将軍に取り込まれた十二使徒達に届く様に、
想いを込めてソロモンの笛を吹く。その音色に猫娘や井上など
心が心地よくなっていくのを感じた。

悪魔将軍「うぅ...その演奏をや、やめろ...」
目玉おやじ「おお、悪魔将軍が苦しみ始めたぞ!」
零児「やはり、悪魔将軍にはソロモンの笛は友好か」

悪魔将軍はソロモンの笛の音色を聞いて、苦しみだす。
邪悪なサタンの化身である悪魔将軍には、ソロモンの笛の音色は
酷い騒音を聞いているような感じになるのであった。

766ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/06/29(水) 14:53:29

メフィスト老「うぅ...この音色は?」
メフィスト二世「これは...ソロモンの笛?」
ヨナルデ「悪魔くんじゃ...悪魔くんがわし達の為に吹いておるのであーる」
鳥乙女「悪魔くん...」
象人「悪魔くん...」
家獣「バウー」
赤ピクシー&青ピクシー「「悪魔くん...」」
ユルグ「悪魔くん...」
妖虎「悪魔くん...」
サシペレレ「悪魔くん...」
こうもり猫「悪魔くん...」

そしてソロモンの笛の音色は悪魔将軍に取り込まれたメフィスト老や
メフィスト二世達、十二使徒にしっかりと伝わっていた。そして皆、
掛け替えのない仲間、悪魔くんを思い浮かべる。そして、皆の気持ちが
1つとなり、奇跡が起きる。

悪魔将軍「こ、これは...!」
幽助「おいおい、何か光り出したぞ!」
幽子「この感じ...」
百目「分かるモン!これはメフィスト二世達、皆がやっているんだモン!」
悪魔将軍「ぬぅぅ...や、やめろぉぉぉぉ!」

悪魔将軍の身体が突如として光り出す。幽子と百目は、これは取り込まれた
仲間達が起こしている事に気付く。そして、最大限に光を放つと、悪魔将軍の
中から、メフィスト老、メフィスト二世、ユルグ、妖虎、鳥乙女、こうもり猫、
象人、家獣、サシペレレ、ヨナルデパズトーリ、ピクシーが出現し、真吾少年の
前に降りてくる。

真吾「皆...」
メフィスト二世「サンキューだぜ、悪魔くん」
ヨナルデ「悪魔くんのおかげでわしらは悪魔将軍の呪縛から
 解放されたのであーる」
幽子「本当に...よかった」
百目「皆、無事に戻ってきて嬉しんだモーン!」
メフィスト二世「百目も幽子も、頑張ったな!」

真吾少年や十二使徒は、涙を浮かべながら無事に再会できた事を
喜び合う。

鬼太郎「よかったですね。父さん」
目玉おやじ「うむ。そうじゃのう」
ザ・ニンジャ「そういえば、十二使徒以外にも見えない学校も
 悪魔将軍に取り込まれた筈だが...何処に?」
ヨナルデ「その心配は必要ないのであーる。何故なら、わし達が
 悪魔将軍から脱出した時、見えない学校は、元の結界の場所へ
 転移したのであーる!」

取り込まれた見えない学校の姿が見えない事に疑問を抱いた
ザ・ニンジャに対し、ヨナルデパズトーリは見えない学校が元の場所へ
戻った事を話す。

悪魔将軍「うぅ...」
デビルマン「どうやら、あの連中がいなくなった事で、てめぇは
 ひどく弱くなったみてえだな」
デミトリ「貴様から受けた屈辱、晴らさせてもらうぞ」
零児「地下超人達も全て倒した。後は貴様だけだ」
小牟「これだけの人数じゃ。年貢の納め時じゃぞ」
悪魔将軍「うぅ...俺は恐怖の将、悪魔将軍。悪魔超人の支配者である
 俺が、こんな所で敗れてたまるかぁ!」

弱体化した悪魔将軍にデビルマン達が迫るが、悪魔将軍は負けじと
立ち上がる。

真吾「まだ、立ち上がるのか!?」
悪魔将軍「こうなれば、この場所で貴様達に敗れた妖怪、デーモン族、
 地下超人の怨みをパワーを取り込み、我が力とする!」

周囲の倒された妖怪やデーモン族、地下超人の身体から怨みの籠った
エネルギーが現れ、立ち上がった悪魔将軍の元に集まっていく。
そのパワーを吸収し、悪魔将軍は巨大なエネルギーの姿に変わるのであった。

悪魔将軍「今度こそ、貴様達の命を奪い、その力を我が糧とする!」
真吾「そうは行かない。メフィスト達を取り戻したんだ。もうお前に取り込ませたりしない!」
メフィスト二世「おう。散々俺達の力を使いやがったんだ。その礼を
 たっぷりさせてもらうぜ!」
メフィスト老「うむ。儂も今回の事は腹に据えかねておる。我が魔力を受けてみよ!」
零児「ぬらりひょんには逃げられたが、貴様の知っている事を話してもらうぞ」
幽助「ぶちのめしてやるぜ!」
一護「覚悟しな」
デビルマン「美樹は返してもらうぜ!」
鬼太郎「さぁ、行くぞ!悪魔将軍」

怨みのエネルギーを取り込んだ悪魔将軍を真吾少年達は果たして
倒す事が出来るのか...。

767ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/06/29(水) 15:10:57
◯埋もれ木真吾→ソロモンの笛を取戻し、悪魔将軍から十二使徒達を解放する。
◯百目→メフィスト二世達との再会を喜ぶ。
◯幽子→メフィスト二世達との再会を喜ぶ。
◯メフィスト老→真吾少年によって悪魔将軍から解放される。
◯メフィスト二世→真吾少年によって悪魔将軍から解放される。
◯ユルグ→真吾少年によって悪魔将軍から解放される。
◯妖虎→真吾少年によって悪魔将軍から解放される。
◯ヨナルデパズトーリ→真吾少年によって悪魔将軍から解放される。
◯ピクシー→真吾少年によって悪魔将軍から解放される。
◯象人→真吾少年によって悪魔将軍から解放される。
◯家獣→真吾少年によって悪魔将軍から解放される。
◯サシペレレ→真吾少年によって悪魔将軍から解放される。
◯鳥乙女ナスカ→真吾少年によって悪魔将軍から解放される。
◯こうもり猫→真吾少年によって悪魔将軍から解放される。
◯鬼太郎→ソロモンの笛を取り戻す為、戦う。
◯ねずみ男→襲ってきた地下超人達に屁をくらわす。
◯デビルマン→悪魔将軍と戦う。
◯デミトリ・マキシモフ→悪魔将軍と戦う。
◯小牟→悪魔将軍がヨガのポーズでダメージを回復出来る事を話す。
◯井上織姫→真吾を回復させる。
◯ザ・ニンジャ→ソロモンの笛を取り返す為、地下超人と戦う。
●悪魔将軍→十二使徒が真吾少年によって解放された事で弱体化するが
  妖怪、デーモン族、地下超人の恨みのパワーを吸収してパワーアップする。

768ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/07/05(火) 13:10:51
怨みのエネルギーを吸収し、パワーアップをした悪魔将軍を相手に
真吾少年は復活した十二使徒や鬼太郎、デビルマン達と共に、熾烈な
戦いを繰り広げる。

メフィスト二世「よくも、コケにしやがって!」
メフィスト老「ゆくぞ、せがれよ!」
メフィスト二世「応、親父。魔力・冷凍冬眠!」
メフィスト老「魔力・絶対零度!」

メフィスト親子は、それぞれ「魔力・冷凍冬眠」と「魔力・絶対零度」を使い、
悪魔将軍を凍らせようとする。

悪魔将軍「むぅ...この様な攻撃で怯むものか...!」
ルキア「ならば、私も手を貸そう。次の舞...白漣!」

メフィスト親子の攻撃にビクともしない悪魔将軍に、ルキアは【次の舞 白漣】を使い、
冷気を津波の様に押し寄せ、メフィスト親子の攻撃に加勢する。

妖虎「氷の次は、炎をお見せしよう。行くぞ、ユルグよ」
ユルグ「ああ、妖虎。オーエッサムコー!」

ユルグは呪文を唱え、青白い狐火を作り放つ。そして妖虎は老人の
姿から、虎に姿を変えて体内のアルコールを用いて炎を吐き、ユルグの
狐火と合わさって、特大な火炎攻撃をぶつける。

飛影「炎か...なら、俺の炎を見よ。邪王炎殺黒龍波ッ!」
悪魔将軍「魔界の炎の黒龍か!」

ユルグと妖虎の火炎攻撃に、飛影も自らの最終奥義である邪王炎殺
黒龍波を放ち、魔界の炎の黒龍を召喚して、悪魔将軍にぶつけた。
さすがの悪魔将軍も黒龍には苦戦する。

デビルマン「よくも美樹を、こんな場所に連れてきやがって...」
悪魔将軍「貴様を葬った後、あの女も一緒にあの世へ送ってやるわッ!」
デビルマン「美樹に手を出すんじゃねえ!デビルビィィム!」
幽助「俺も行くぜ。霊ガァァァン!」
チャド「...エル・ディアブロォ!」

牧村美樹はソロモンの笛を取り戻した時に保護され、龍亀一號で
眠っている。そして美樹を危険な目に合せた怒りを悪魔将軍にぶつけようと
強力な熱光線、デビルビームをぶつける。そこに幽助の霊丸、チャドの
エル・ディアブロも合わさり、強力なパワーとなった。

零児「悪魔将軍!ぬらりひょんが言っていた“あの御方”とは誰だ!」
悪魔将軍「フッフッフッ...奴はいずれ動き出す。その時が来れば
 知る事が出来るであろう。だが、その前に俺が貴様達を葬る!」
小牟「ええい、勿体つけおって!」

零児は悪魔将軍と戦いながら、ぬらりひょんが言っていた妖怪帝国を
立ち上げた人物の事を問い質すが、悪魔将軍は答える気は無く、
小牟は苦虫を潰したような顔をする。

ねずみ男「がんばれー、鬼太郎!」
こうもり猫「ヨイショ!流石は悪魔くん、そのままやっつけるでヤンス!」
猫娘「そんな所にいないで、あんた達も少しは手伝いなさい!」
ねずみ男、こうもり猫「「すいません...(汗」」

戦いを他の人達に任せて、隅に隠れて応援していたねずみ男とこうもり猫だが、
猫娘に叱られて、身を縮こませる。そして悪魔将軍は十二使徒や鬼太郎、
デビルマン達の攻撃を受けて、徐々にダメージを募らせていく。

769ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/07/05(火) 13:27:57

悪魔将軍「うぅ〜...」
鬼太郎「父さん」
目玉おやじ「うむ、皆の攻撃を受けて悪魔将軍の力が弱まっておるのじゃ」
ヨナルデ「今こそ、悪魔将軍...いや、サタンの化身を我ら十二使徒と
 悪魔くんの力で封印する時なのであ〜る」
真吾「分かった!皆、力を貸してくれ」

悪魔将軍が弱まって来た事に、ヨナルデパズトーリは真吾少年に、
悪魔将軍を封印する事を提案する。それを受けた真吾少年は
十二使徒に呼びかけて、真吾少年を中心に六芒星の形になるように、
それぞれ並び立つ。

悪魔将軍「させるかぁっ!」
一護「井上!」
井上「うん!三天結盾、私は拒絶する!」
悪魔将軍「ぐぅ...なんだとっ!」

真吾少年達を邪魔しようと悪魔将軍は巨大な手を伸ばすが、
井上が三天結盾でバリアーを張り、その攻撃を拒絶した。
その間、真吾少年達による魔法陣は完成した。そして真吾少年と
十二使徒達の力が高まり、その精神は一つになっていく。

真吾「...サタンの化身よ。その身を封印する!」

そして魔法陣から発するパワーを受けて、悪魔将軍を構成していた
エネルギーは徐々に散り散りとなっていく。

悪魔将軍「うぅ...お、おのれ〜、例え、この身が滅びようとも...
 俺は諦めんぞ!必ず...復活...して...みせ...」
ザ・ニンジャ「・・・(さらば、かつての主君よ...願わくば、安らかに
 眠って下され)」

悪魔将軍は「必ず、復活する」と最期の言葉を残しながら、真吾少年達に
よって封印され、その場から消えた。ザ・ニンジャは、かつての主君を哀れみ、
安寧を願って、心の中で冥福を祈るのであった。

◯埋もれ木真吾→十二使徒と共に悪魔将軍と戦い、封印する。
◯メフィスト二世→悪魔将軍に、メフィスト老と冷凍攻撃を行う。
◯メフィスト老→悪魔将軍にメフィスト二世と冷凍攻撃を行う。
◯ユルグ→悪魔将軍に、妖虎と火炎攻撃を行う。
◯妖虎→悪魔将軍に、ユルグと火炎攻撃を行う。
◯ヨナルデパズトーリ→真吾少年に悪魔将軍を封印する事を提案する。
◯こうもり猫→ねずみ男と隅に隠れて応援する。
◯デビルマン→悪魔将軍と戦う。
◯ねずみ男→こうもり猫と隅に隠れて応援する。
◯浦飯幽助→悪魔将軍に霊丸を放つ。
◯飛影→悪魔将軍に、邪王炎殺黒龍波を放つ。
◯朽木ルキア→メフィスト親子の冷凍攻撃に加わる。
◯茶渡泰虎→悪魔将軍に、エル・ディアブロを放つ。
◯井上織姫→真吾少年達を三天結盾で守る。
◯有栖零児→悪魔将軍から「ある御方」について問いただそうとする。
◯小牟→悪魔将軍から「ある御方」について問いただそうとする。
◯ザ・ニンジャ→封印された悪魔将軍に対して、心の中で安寧を祈る。
●悪魔将軍→真吾少年達に封印され、消滅する。

770ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/07/06(水) 11:06:24
>>768-769加筆・修正
<<絆は種族を超えて...11>>

怨みのエネルギーを吸収し、パワーアップをした悪魔将軍を相手に
真吾少年は復活した十二使徒や鬼太郎、デビルマン達と共に、熾烈な
戦いを繰り広げる。

メフィスト二世「よくも、コケにしやがって!」
メフィスト老「ゆくぞ、せがれよ!」
メフィスト二世「応、親父。魔力・冷凍冬眠!」
メフィスト老「魔力・絶対零度!」

メフィスト親子は、それぞれ「魔力・冷凍冬眠」と「魔力・絶対零度」を使い、
悪魔将軍を凍らせようとする。

悪魔将軍「むぅ...この様な攻撃で怯むものか...!」
ルキア「ならば、私も手を貸そう。次の舞...白漣!」

メフィスト親子の攻撃にビクともしない悪魔将軍に、ルキアは【次の舞 白漣】を使い、
冷気を津波の様に押し寄せ、メフィスト親子の攻撃に加勢する。

妖虎「氷の次は、炎をお見せしよう。行くぞ、ユルグよ」
ユルグ「ああ、妖虎。オーエッサムコー!」

ユルグは呪文を唱え、青白い狐火を作り放つ。そして妖虎は老人の
姿から、虎に姿を変えて体内のアルコールを用いて炎を吐き、ユルグの
狐火と合わさって、特大な火炎攻撃をぶつける。

飛影「炎か...なら、俺の炎を見よ。邪王炎殺黒龍波ッ!」
悪魔将軍「魔界の炎の黒龍か!」

ユルグと妖虎の火炎攻撃に、飛影も自らの最終奥義である邪王炎殺
黒龍波を放ち、魔界の炎の黒龍を召喚して、悪魔将軍にぶつけた。
さすがの悪魔将軍も黒龍には苦戦する。

デビルマン「よくも美樹を、こんな場所に連れてきやがって...」
悪魔将軍「貴様を葬った後、あの女も一緒にあの世へ送ってやるわッ!」
デビルマン「美樹に手を出すんじゃねえ!デビルビィィム!」
幽助「俺も行くぜ。霊ガァァァン!」
チャド「...エル・ディアブロォ!」

牧村美樹はソロモンの笛を取り戻した時に保護され、龍亀一號で
眠っている。そして美樹を危険な目に合せた怒りを悪魔将軍にぶつけようと
強力な熱光線、デビルビームをぶつける。そこに幽助の霊丸、チャドの
エル・ディアブロも合わさり、強力なパワーとなった。

零児「悪魔将軍!ぬらりひょんが言っていた“あの御方”とは誰だ!」
悪魔将軍「フッフッフッ...奴はいずれ動き出す。その時が来れば
 知る事が出来るであろう。だが、その前に俺が貴様達を葬る!」
小牟「ええい、勿体つけおって!」

零児は悪魔将軍と戦いながら、ぬらりひょんが言っていた妖怪帝国を
立ち上げた人物の事を問い質すが、悪魔将軍は答える気は無く、
小牟は苦虫を潰したような顔をする。

モリガン「エネルギーの体っていうと、パイロンを思い出すわね」
デミトリ「何であろうと、勝つのは私だ」
悪魔将軍「我が配下に加わらないのであれば、貴様達も我が肉体の
 一部にしてくれようぞ」
モリガン「あらあら。身体を重ねるのならば、お相手してあげてもいいわよ」
デミトリ「くだらん...さっさと始末をするぞ」

肉体を取り込もうとする悪魔将軍に対し、デミトリとモリガンは分身攻撃や
カオスフレアを繰り出していく。

771ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/07/06(水) 12:02:51

一護「オラァ!」
悪魔将軍「その刀に黒の装束...尸魂界の死神か?その霊力、
 何やら特殊な力を感じる。貴様も我が一部に取り込んでやろう」
一護「てめぇに取り込まれる気は更々ねえぜ!」

悪魔将軍は一護の特殊な霊力を感じ取り、取り込うとするが、
一護は天鎖斬月を振りかざして悪魔将軍を斬りつける。

幽助「アンタ、悪魔の親分なんだってなぁ。倒しがいがあるぜ!」
悪魔将軍「貴様は暗黒武術会で飛影がいたチームのリーダーだったという
 浦飯幽助とかいう人間か。我が力に恐怖せよ!」
幽助「誰が、ビビるかってんだぁ!霊丸を喰らいやがれ!」

先程、デビルマンの攻撃に加わった幽助は単身、悪魔将軍に近づき、
霊丸を構える。

目玉おやじ「鬼太郎。十二使徒や見えない学校がパワーが無くなったとはいえ、
 奴の力は健在じゃ。油断をするでないぞ!」
鬼太郎「はい、父さん!」
悪魔将軍「幽霊族の末裔、ゲゲゲの鬼太郎...聞けば、地獄の力を使う事が
 出来るそうだな。いずれは地獄も制圧してみせるわ!」
鬼太郎「そんな事させるもんか!」
砂かけ「うむ。それに鬼太郎には」
子泣き「ワシ達がついておるぞ!」
シーサー「お前なんか、怖くないぞ!」
悪魔将軍「ふん。一介の妖怪風情が、威勢の良い事を言うわ。
 ならば、貴様達の力を見せてみよ!」
鬼太郎「かかってこい、悪魔将軍!」
一反「鬼太郎、おいどんに乗るばい」

悪魔将軍と対峙した鬼太郎は、一反木綿に乗って空を飛び、
砂かけや子泣き達と共に立ち向かう。

悪魔将軍「悪魔くん...いや、埋もれ木真吾よ。今度こそ、貴様を取り込み、
 我が頭脳としてくれるわ!」
真吾「いや、悪魔将軍。僕は絶対、お前なんかに取り込まれるものか!」
ヨナルデ「鬼太郎くんに多くの仲間の妖怪がいるように、悪魔くんには
 わしら十二使徒がいるのであ〜る」
鳥乙女「さっきまで取り込まれていた私達だけど、今度はそうはいかないわ」
象人「パオー!暴れるゾウ」
家獣「バウー!!」

真吾少年に近づく悪魔将軍に、十二使徒達は真吾少年を守ろうと
立ち塞がる。悪魔将軍に取り込まれた怒りから、真吾少年達は
やる気が溢れていた。

ねずみ男「がんばれー、鬼太郎!」
こうもり猫「ヨイショ!流石は悪魔くん、そのままやっつけるでヤンス!」
猫娘「そんな所にいないで、あんた達も少しは手伝いなさい!」
ねずみ男、こうもり猫「「すいません...(汗」」

戦いを他の人達に任せて、隅に隠れて応援していたねずみ男とこうもり猫だが、
猫娘に叱られて、身を縮こませる。そして悪魔将軍は十二使徒や鬼太郎、
デビルマン達の攻撃を受けて、徐々にダメージを募らせていく。

772ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/07/06(水) 12:12:39

悪魔将軍「うぅ〜...」
鬼太郎「父さん」
目玉おやじ「うむ、皆の攻撃を受けて悪魔将軍の力が弱まっておるのじゃ」
ヨナルデ「今こそ、悪魔将軍...いや、サタンの化身を我ら十二使徒と
 悪魔くんの力で封印する時なのであ〜る」
真吾「分かった!皆、力を貸してくれ」

悪魔将軍が弱まって来た事に、ヨナルデパズトーリは真吾少年に、
悪魔将軍を封印する事を提案する。それを受けた真吾少年は
十二使徒に呼びかけて、真吾少年を中心に六芒星の形になるように、
それぞれ並び立つ。

悪魔将軍「させるかぁっ!」
一護「井上!」
井上「うん!三天結盾、私は拒絶する!」
悪魔将軍「ぐぅ...なんだとっ!」

真吾少年達を邪魔しようと悪魔将軍は巨大な手を伸ばすが、
井上が三天結盾でバリアーを張り、その攻撃を拒絶した。
その間、真吾少年達による魔法陣は完成した。そして真吾少年と
十二使徒達の力が高まり、その精神は一つになっていく。

真吾「...サタンの化身よ。その身を封印する!」

そして魔法陣から発するパワーを受けて、悪魔将軍を構成していた
エネルギーは徐々に散り散りとなっていく。

悪魔将軍「うぅ...お、おのれ〜、例え、この身が滅びようとも...
 俺は諦めんぞ!必ず...復活...して...みせ...」
ザ・ニンジャ「・・・(さらば、かつての主君よ...願わくば、安らかに
 眠って下され)」

悪魔将軍は「必ず、復活する」と最期の言葉を残しながら、真吾少年達に
よって封印され、その場から消えた。ザ・ニンジャは、かつての主君を哀れみ、
安寧を願って、心の中で冥福を祈るのであった。

◯埋もれ木真吾→十二使徒と共に悪魔将軍と戦い、封印する。
◯メフィスト二世→悪魔将軍に、メフィスト老と冷凍攻撃を行う。
◯メフィスト老→悪魔将軍にメフィスト二世と冷凍攻撃を行う。
◯ユルグ→悪魔将軍に、妖虎と火炎攻撃を行う。
◯妖虎→悪魔将軍に、ユルグと火炎攻撃を行う。
◯ヨナルデパズトーリ→真吾少年に悪魔将軍を封印する事を提案する。
◯鳥乙女ナスカ→悪魔将軍に立ち向かう。
◯象人→悪魔将軍に立ち向かう。
◯家獣→悪魔将軍に立ち向かう。
◯こうもり猫→ねずみ男と隅に隠れて応援する。
◯デビルマン→悪魔将軍にデビルビームを放つ。
◯デミトリ・マキシモフ→悪魔将軍に攻撃をする。
◯モリガン・アーンスランド→悪魔将軍異攻撃をする。
◯鬼太郎→悪魔将軍に立ち向かう。
◯砂かけばばあ→悪魔将軍に立ち向かう。
◯子泣きじじい→悪魔将軍に立ち向かう。
◯シーサー→悪魔将軍に立ち向かう。
◯一反木綿→鬼太郎を乗せて空を飛ぶ。
◯猫娘→隅に隠れているねずみ男とこうもり猫を叱る。
◯ねずみ男→こうもり猫と隅に隠れて応援する。
◯浦飯幽助→悪魔将軍に霊丸を放つ。
◯飛影→悪魔将軍に、邪王炎殺黒龍波を放つ。
◯黒崎一護→悪魔将軍に斬月を斬りつける。
◯朽木ルキア→メフィスト親子の冷凍攻撃に加わる。
◯茶渡泰虎→悪魔将軍に、エル・ディアブロを放つ。
◯井上織姫→真吾少年達を三天結盾で守る。
◯有栖零児→悪魔将軍から「ある御方」について問いただそうとする。
◯小牟→悪魔将軍から「ある御方」について問いただそうとする。
◯ザ・ニンジャ→封印された悪魔将軍に対して、心の中で安寧を祈る。
●悪魔将軍→真吾少年達に封印され、消滅する

773ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/07/06(水) 14:37:04
<<絆は種族を超えて...エピローグ>>

***六本木***

悪魔将軍を封印し、目的を達成した一同。魔界の住人であるデミトリや
モリガン、飛影は、そのまま魔界に残り、十二使徒の数名はファウスト博士や
見えない学校の元へと戻った。

裏嶋「彼女は気を失っているだけで外傷とかは無いわ。もう少ししたら、
 目を覚ます筈よ」
明「そうか、よかった。アンタらには世話になっちまったな」

デビルマンは不動明の姿に戻り、裏嶋から美樹の容態を聞いて、明は
安堵する。そして治療した裏嶋達に礼を述べた。

真吾「よかったですね。ええと...」
明「不動明だ。この姿の時はな...じゃ、美樹も無事みたいだし、
 連れて帰らせてもらうぜ」
零児「待ってくれ。サタンの化身は倒したが、おそらくぬらりひょんと
 デーモン族の繋がりは消えていないと思われる。デーモン族について
 詳しく聞かせてくれないか」

美樹を連れて帰ろうとする明に、零児はデーモン族の情報を聞こうと
引き留める。魔界から六本木まで移動する間、明から自身の事や
デーモン族についてある程度聞かされたが、これからの戦いの為にも
より詳細な情報が必要だった。

明「...俺は別に世界がどうなろうと知ったこっちゃねえ。俺は只、美樹が
 悲しむ姿を見たくないだけだ。今回だって、美樹が攫われたから、美樹を
 取り戻す為、動いただけだからな。デーモン族についてなら、兜甲児や
 ゲッターチームの3人に聞いてみな。アイツラもデーモンと戦った事があるからよ」
零児「...そうか、了解した。無理強いはしない。だが、もしまた何かあれば
 協力してほしい」
明「...あばよ」

美樹を守る事が一番の理由である明は、零児の要請を断り、美樹を
起こさない様に気を遣いながら、静かにデビルマンに変身し、彼女を
連れて飛び去っていた。

小牟「人間の女性を愛して、同族の悪魔を裏切るとか、まるでダンテじゃのう」
零児「...そうだな」
ザ・ニンジャ「...では、拙者も上司への報告の為、これで失礼する」
零児「協力、感謝する」
小牟「わしらにも忍者の知り合いがたくさんいるが、そやつらと会わせて
 みたかったのう」
ザ・ニンジャ「いずれ、拙者以外の正義超人がお主達と共に戦う事になるで
 ござろう。その時は、彼等を頼む。では、御免!」

飛び去っていくデビルマンを見ながら、零児と小牟は仲間の悪魔を裏切り、
人間に味方した悪魔の英雄を父に持つデビルハンター、ダンテを思い出す。
そしてザ・ニンジャも上司であるキン肉アタルに事件の報告をしようと、
その場から去った。

幽助「じゃ、俺達も帰らせてもらうぜ」
一護「また、何かあったらよろしく頼みます」
ルキア「うむ。私も事件の報告をせねば」
井上「ありがとうございました」
チャド「...失礼します」
小牟「帰りは気をつけるのじゃぞ」

明やザ・ニンジャが去ったので、幽助や一護達もそれぞれの場所へ
帰る。

目玉おやじ「それにしても、大変な事態になったものじゃったのう」
ヨナルデ「でも、お互い無事で何よりなのであーる」
ねずみ男「(さっきから気になっていたけど、こいつら声が似ているなあ)」
真吾「助けてくださり、ありがとうございました。鬼太郎さん」
鬼太郎「お礼なんていいって。それに君と十二使徒の絆を見れてよかったよ」
真吾「鬼太郎さんは、人間と妖怪が仲良く暮らせる世の中を目指しているって
 皆から聞きました。僕も人と悪魔が仲良く暮らせる世界を目指しています。
 お互い、頑張りましょう!」

真吾少年は鬼太郎に感謝の言葉を伝える。そしてお互い人間と妖怪や悪魔が
共に暮らせる世界を目指しているので、目指す世界の為、手を握り交わす。

目玉おやじ「世間じゃ、公民権法案という粋な法案が出たが、これで人間も
 他の種族が手を取り合っていけるといいんじゃがのう」
零児「...正直な所、まだまだ手を取り合うには時間がかかるだろう。
 それにぬらりひょんの言っていた妖怪帝国という存在が気になる。
 奴らが、どの様な事を仕掛けてくるか分からないが、その時は君達の
 力を貸してほしい」
真吾「勿論です」
鬼太郎「閻魔大王様は、僕達にこういった事件を調べさせようとしていました。
 此方こそ、是非協力させてください」
零児「...そいつは重畳」

こうして鬼太郎、真吾少年はぬらりひょんの言う、妖怪帝国を調べるべく
森羅に協力するのであった。

774ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/07/06(水) 15:53:09
***????***

そこは何処かの城の様な場所。その大広間に当たる部屋に、
旧日本軍の様な軍服を着た人物が玉座の様な椅子に座っていた。
それに対峙するのは、鬼太郎達を相手に戦っていたぬらりひょんだった。

????「...悪魔将軍―恐怖の将が敗れたか」
ぬらりひょん「うむ。悪魔くんを取り込み、絶大なパワーを手に入れて
 復活するつもりじゃったが、鬼太郎をはじめ厄介な連中が来てしまって
 残念じゃが失敗してしまった」
????「...流石のサタンの化身も鬼太郎やデーモン族の勇者、
 デビルマン達には敵わなかったとみえる」

ぬらりひょんは玉座に座る人物に悪魔将軍が真吾少年や鬼太郎達に
敗れた事を報せる。そして玉座に座る人物とぬらりひょんに声を掛けたのは、
空に浮かぶ巨大な目、西洋妖怪の親玉であるバックベアードだった。
バックベアードは妖怪帝国のアメリカ、ヨーロッパの支部長をしている。

????「ふふっ...流石は坊や達ね」
バックベアード「おや?ミス・沙夜。君も来たのかね」
沙夜「ええ、バックベアード様。ゆらぎとは違う、時空クレバスの解析と
 制御も順調に進んでいますわ」

現れたのは銀色の髪と尻尾を持つ妖艶な女性―森羅の宿敵である組織
【逢魔】のエージェントである妖狐、沙夜だった。妖怪帝国の傘下となった
逢魔では黄泉還り現象と同時期に起き始めた時空クレバスの研究が行われ、
徐々に制御されつつあった。

左京「...時空クレバスの制御が可能になれば、私の目的も容易に叶うという訳だ」
バックベアード「ミスター左京。ロソンコンツェルンの会食は終わったのかね?」
左京「ええ。先程、会食を済ませて此方に伺わせていただきましたよ」

沙夜に続いて現れたのは、左京だった。ロソンコンツェルンの会食に
招待された彼は、会食を済ませて、この場に参上した。

????「鬼太郎...悪魔くん...デビルマン...そして、今回の件に
 関わった多くの者達...彼らは、いずれ大いなる戦士達と共に再び集う
 事になるだろう。大いなる戦いの渦に巻き込まれて...だが、全てを
 征するのは我らが妖怪帝国だ。フフフフ...フハハハハ」

玉座に座る人物―かつて帝都・東京の滅亡を画策し、大正時代において
関東大震災を引き起こした元・帝国陸軍の魔人である妖怪帝国の総統、
加藤保憲は、これからの戦いの予感を感じながら、高らかに笑うのであった。

775ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/07/06(水) 16:16:03
◯デビルマン/不動明→牧村美樹を連れて家に戻る。
◯ザ・ニンジャ→任務の報告をする為、帰還する。
◯浦飯幽助→家に帰る。
●左京→ロソンコンツェルンでの会食を終わらせ、顔を見せる。
◯黒崎一護→家に帰る。
◯朽木ルキア→任務の報告をする為、尸魂界に帰還する。
◯井上織姫→家に帰る。
◯茶渡泰虎→家に帰る。
◯有栖零児→鬼太郎、真吾少年に協力を要請する。
◯小牟→鬼太郎、真吾少年に協力を要請する。
●沙夜→時空クレバスの研究経過を報告する。
◯鬼太郎→零児の要請を受ける。
●ぬらりひょん→悪魔将軍が敗れた事を加藤保憲に報告する。
●バックベアード→加藤保憲とぬらりひょんに声を掛ける。
◯埋もれ木真吾→零児の要請を受ける。
●加藤保憲→ぬらりひょんから悪魔将軍が敗北した事を知らされ、
  これからの戦いの予感を感じ取る。

【今回の新登場】
●加藤保憲(帝都物語/帝都大戦/妖怪大戦争)
 元帝国陸軍の将校で、帝都・東京の滅亡を幾度も画策しており、
 大正時代には関東大震災を引き起こしたとされる。極めて強力な
 霊力を有しており、あらゆる魔術に精通している。

●バックベアード(ゲゲゲの鬼太郎)
 黒い太陽の体に巨大な一つ目を持つ西洋妖怪の親玉。
 アメリカ合衆国妖怪大統領なる肩書きを持つ。

●沙夜(NAMCO×CAPCOM)
 逢魔の極東本部所属の幹部級エージェントである妖狐。成熟した
 女性の外見をしており、常に人を食ったような言動で話す。零児の
 父親を殺害し、零児の頭部に傷を負わせた零児の宿敵。

776凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/07/09(土) 16:19:40
≪秘書Nとアルハザードの出会い≫

***南シナ海・南沙諸島***

少女「………」

眩しい太陽が島を照らす晴天の朝、少女は麦藁帽子を被って外へ出ると、
井戸水を汲んでジョウロに入れ、庭に咲いた赤いハイビスカスの花に水をやり始めた。
少女が種を植え、今日までずっと育ててきた大切な花である。
世話の甲斐あってとても綺麗に咲いてくれた事が、10歳の少女にはとても嬉しかった。

少女「元気に育ってね。お花さん」

だが、少女が笑顔でそう呟いたその瞬間から、
この穏やかだった日常は音を立てて崩壊する…。
                __
                 , '┴''` 、    fl
            _{,'ヽ、;  `ー¬r‐┴──--------------X、
           /ヘ \rtr、__∧  Vr' ̄]l-‐‐…  __,.二 -…'''"´
-- -- - - _,,.. ‐''"ヽi └┘ XllV  └ ┘v ll`ーr=ニ二,´  ‐‐‐─‐‐‐
  _,,.. ‐'' "  _,,,..  -‐ァ `(⌒{}{} ` ┬(⌒'Vll_,ノ;, ̄ ̄
 '-‐ '' "´     ∠斗‐‐、__ム>‐'`ー^iー'^fl  ゙;; ‐ -‐ +-

少女「きゃぁっ!?」

突如、耳をつんざくような轟音と共に、
一機の爆撃機が超低空飛行で少女の頭上を通り過ぎた。
巻き起こった強い突風が少女の麦藁帽子を吹き飛ばし、
ハイビスカスの赤い花びらを切り刻むようにバラバラに散らしてしまう。

少女「ああっ! お花が…!」

花びらを全てもぎ取られ、無惨な姿となった花に少女が駆け寄ろうとした次の瞬間、
遠くで爆発が起こり、火柱が高く噴き上がった。
今の爆撃機が島に爆弾を落としたのだ。
非常事態の発生を知らせる鐘の音が島一帯に鳴り響く中、
少女はただ呆然と立ち尽くしながら、遠くに上る真っ赤な炎を眺めていた…。

  ◇  ◇  ◇

セカンドインパクトによる世界の混乱が冷めやらぬ西暦2003年、
南沙諸島(スプラトリー諸島)の領有権を巡って、
中国とベトナムが軍事衝突を起こした。
美しいエメラルドグリーンの海を軍艦が埋め尽くし、
戦闘機や爆撃機の編隊が轟音を立てながら青空を飛び交う。
平和で長閑だった南沙諸島の島々は、両国軍の戦いに巻き込まれて地獄と化した。

少女「きゃぁっ!」
父親「さあ、早くこっちへ!」

島を襲った空爆による激しい炎に追われながら、
少女は両親に連れられて、必死に海岸を目指して走った。
漁港では島民達が我先にとボートに飛び乗り、
今や火の海となった島から脱出しようとしていたが、
少女らが岸に着いた頃には、どのボートももう満員になってしまっていた。

父親「ボートに乗せて下さい! お願いします!」
村人A「無理だ。もうこれ以上は乗れんよ。見ての通り一杯だ」
村人B「お〜い、すぐに出港するぞ!
 もたもたしてたら、ここも空爆されちまう!」

少女の両親は顔を見合わせ、二人で無言のまま頷き合うと、
ボートに乗っている村の人に言った。

父親「この子だけでもお願いします。
 子供一人だけなら何とか乗れるはずだ」
母親「さようなら。強く生きるのよ」
少女「そんな…。嫌! パパ! ママ!」

両親は少女を思い切り抱き締めると、抱きかかえてボートに乗せた。
嫌だと泣き叫ぶ少女を乗せて、漕ぎ出したボートは岸を離れてゆく。
どんどん小さくなっていく両親の姿を、少女はずっと泣きながら見ていた。
数分後、そこに空から爆弾が落ちてきて炎が二人を包んだ、その瞬間まで――。

777凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/07/09(土) 16:22:04
***フィリピン・パラワン島***

その日、サラジア共和国のアフマド・アルハザード議員は、
南沙諸島にほど近いフィリピンのパラワン島を訪れていた。
目的は無論、遂に始まった中国とベトナムの軍事衝突の様子を間近で視察し、
現地の生の情報を仕入れてサラジア本国へと送る事である。

アルハザード「あれは何だ…?」

昼下がり、仕事の息抜きにパラワン島の海岸を歩いていたアルハザードは、
浜辺に人らしきものが流れ着いているのを目にした。

少女「………」
アルハザード「子供ではないか」

女の子だ。意識を失っているがまだ命はあるらしく、
アルハザードが腹をゆっくり押してやると口から水を吐き出し、
苦しそうに痙攣を繰り返していた。

アルハザード「ホイミ!」

少女に向けて手をかざし、回復魔法をかけて生気を注ぎ込む。
しばらくすると少女は意識を取り戻した。

少女「………」
アルハザード「気がついたかね」

あまり人相の良くない見知らぬ男の顔を見て、
少女は驚き怖気づいてしまう。
その怯えようを見て、アルハザードはかえって毒気を抜かれた。

アルハザード「怖がらなくていい。何も悪さはせん」

言葉が通じないため、ジェスチャーでアルハザードは
まずは安心するよう少女に訴えた。

アルハザード「さては戦争に巻き込まれた避難民の子か…」

ボートの破片らしき木片が一緒に浜に流れ着いているのを見て、
アルハザードは海の向こう、南沙諸島の方角をじっと眺めやりながら唸った。
天候は晴れていたのが一転にわかに曇り出し、沖では嵐が起きていそうな気配である。
戦火に煽られ、島からボートで逃げ出したが嵐に遭って敢えなく難破…と、
成り行きはおおよそ推察できた。
この子の両親は恐らく、もう生きてはいないだろう。

アルハザード「火傷をしているな。
 塩水がさぞ沁みるだろう。どれ、薬草を塗ってあげよう」

アルハザードは胸ポケットから薬草を取り出し、
火の粉を浴びて少女が手に負っていた火傷の上に塗りつけた。
するとすぐに、火傷は綺麗に治ってしまったのである。
少女は驚いて目を丸くした。

少女「すごい…!」
アルハザード「フフフ…。驚いたかい。
 おじさんは魔法使いなんだ。
 ついておいで。悪いようにはしない。
 君の名前は……そうだな、ナウラと呼ぼう。
 アラビア語で花という意味だ」

少女の手を引いて、アルハザードは歩き出した。
なぜこんな慈悲深い善人のような真似をしたのか、
自分でも説明がつかない不思議な気持ちだった。
しかし天涯孤独のアルハザードにとって、
これは股肱の臣を得る事になる運命の出会いだったのである。

778凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/07/09(土) 16:28:27
≪秘書Rとアルハザードの出会い≫

***ダカール・マクロスシティ***

アルハザード「ふむ、こんなところだろう」

セネガル共和国の首都であり、地球連邦政府の議会が置かれているダカールのマクロスシティ。
サラジア共和国のアフマド・アルハザード議員は大統領に随行してそのダカールを訪れ、
明日の地球連邦議会で予定されている大統領のスピーチ原稿をチェックしていた。

アルハザード「地球連邦の一員として、
 より一層大きな役割を我がサラジアが果たしてゆく……か。
 偽善もいいところだが、欧米の列強どもを黙らせるには
 これも今は必要なパフォーマンスというものだろう」

アメリカを筆頭とする地球連邦の主要国とは決して関係が良好でないサラジアだが、
この時点では、表向きは地球連邦の一加盟国としてあくまで穏便に振る舞い、
一部からは警戒されつつも国際社会における一定のポジションを確保している。
今回もアフリカで多発しているテロを根絶するため、
サラジアは新たに3億ドルの資金を地球連邦に供出し、
世界平和のため貢献するというポーズを取る事になった。

アルハザード「う〜む、デスクワークは肩が凝るものだ。
 少し外を散歩して来よう」

仕事をひと区切り付けたアルハザードは席を立ち、
大使館を出て付近を散策しようと外へ向かった。

  ◇  ◇  ◇

テロリストA「さあ、やるんだ!」
テロリストB「それとも、今ここで銃殺されたいか?」
少女「………」

その頃、サラジア大使館の近くにある茂みの陰では、
二人の若いテロリストが黒人の少女に銃口を突き付けて脅していた。
ここセネガルを拠点とする北西アフリカの武装集団「サヘルの獅子」。
アフリカの貧困の原因は地球連邦政府の不公正な統治にある――と主張し、
反連邦を高らかに掲げる革命組織だが、
実態は正義のためと称して一般市民を標的にしたテロを平然と行う、
血も涙もない狂気の殺戮集団である。
彼らは襲撃した村から拉致した10歳の少女を脅迫し、
自爆テロによってサラジア大使館を爆破させようとしていた。

テロリストA「サラジアは愚かにも我々を裏切り、
 我々を撲滅しようと企む地球連邦政府に多額の資金を提供した。
 このような卑劣な背信には血の報いを臨ませなければならない。分かるね?」
テロリストB「お前はただ彼らの所へ向かって歩くだけでいい。
 我々が遠隔操作で爆弾を起動させ、奴らを葬り去る。
 これは正義の行いだ。正義のために、進んで命を差し出すんだ」

少女の服の下には爆弾が巻き付けてある。
サラジア大使館の敷地に少女が迷い込んだふりをして侵入したところで、
テロリスト達が起爆ボタンを押し、大使館内にいる大統領らサラジア代表団を
少女ごと木端微塵に吹き飛ばすという、子供を利用した自爆テロである。

779凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/07/09(土) 16:32:02
テロリストA「どうした? できないのか」
テロリストB「嫌なら、今ここで死を選ぶか?」
少女「いいえ…」

もし自爆を拒否すれば射殺すると少女はテロリストに脅されていた。
やろうとやるまいと、もはや少女の命はないのである。

少女「分かりました。やります…」
テロリストA「よく言った。成功を祈る。自由サヘル万歳!」
少女「自由サヘル万歳…」

上擦った声で敬礼し、少女は大使館に向かってゆっくりと歩き出した。
一歩一歩、踏み出す足もガタガタと震えて躓きそうになる。
そうして大使館の敷地に少女が入った時、中から一人の男が出て来てぶつかった。

アルハザード「む? 何だね、君は」
少女「あ、あの…、ごめんなさい」
アルハザード「子供がこんな所で何をしている?
 何をそんなに怯えているのだ? 君は…」

見るからに挙動不審な少女が自分の脇腹に妙に目をやっているのを見て、
アルハザードは異常に気付いた。
ほんのわずかだが、服がそこだけ不自然に盛り上がっている。

アルハザード「これは…!」

魔法による透視で、アルハザードは少女の服の下に隠された爆弾を発見した。
サヘルの獅子という、自爆テロを常套手段とする非道なテロ組織の噂はアルハザードも聞き及んでいる。
状況をすぐに察したアルハザードは少女の脇腹に素早く手をかざした。
カチッ、と小さな音がして、下着のシャツの上に付けられていた爆弾の起爆装置が魔法の力で故障する。

アルハザード「怖がる必要はない。もう爆弾は爆発しない。
 可哀想に…。自爆するよう悪い大人どもに強要されたのだな」

アルハザードは念動力で爆弾を触らずに少女の体から取り外した。
少女が不思議そうに見詰める中、爆弾はふわふわと宙に浮いて
アルハザードの手に吸い寄せられる。

少女「ご…ごめんなさい…その…私…」
アルハザード「安心しなさい。君は何も悪くない。
 君に対して怒ったりはせんので大丈夫だ。
 …ただし、こんな手で私を殺そうとした連中の事は許せんがね」

困惑して泣き出しそうになりながら、少女はセネガル訛りの強いフランス語で必死に謝ろうとする。
アルハザードは手に取った爆弾を弄びながら少女に言った。

アルハザード「ここを動くんじゃないぞ。
 この爆弾を、元の持ち主に返して来なければならん」

780凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/07/09(土) 16:33:47
テロリストA「なぜだ…! なぜ爆弾が爆発しない!?」
テロリストB「故障か? そんなはずは…」

起爆ボタンを何度押しても爆発が起きないのを見て、
うろたえる二人のテロリスト達。
そこへ一陣の冷たい風が吹き、黒いローブに身を包んだ怪人が彼らの前に現れた。

テロリストA「な…何だ貴様は!?」
バルゴグ「泣く子も黙る砂漠の魔人だ。
 もっとも、この界隈ではあまり馴染みはないだろうがな」

片手に魔法杖を持ち、もう片方の手で爆弾を弄びながら、
黒装束の魔道師バルゴグは死神のように囁く。

バルゴグ「子供を利用した自爆テロか…。
 この私を葬る手段としては下の下だな。
 頭のいかれた愚か者どもには制裁を加えてやろう」
テロリストA「貴様、さてはサラジアの手の者だな?」
テロリストB「地球連邦の犬め! くたばれ!」
バルゴグ「プロテス!」

バルゴグに向けて機関銃を乱射する二人のテロリストだが、
銃弾は防御魔法で張られた結界に弾かれ、全くダメージを与えられない。

バルゴグ「連邦の犬とは笑止…。
 アジアの国の格言に、〝ちっぽけな小鳥には巨鳥の大志は分からない″
 という意味のものがあるが、まさに君達の事だな」
テロリストA「連邦に多額の金を積んでひれ伏しておきながら、
 よくもぬけぬけと!」
テロリストB「サラジアの腰抜けぶりには失望したぞ。
 我々は貴様らを、この歪んだ世界を引っ繰り返す革命の同志だと思っていたがな」
バルゴグ「それには手順というものがあろうが…。
 破壊と殺戮しか能のない単細胞の君達に、
 これから世界の引っ繰り返し方のお手本を見せてやる。
 ゆっくりと見学しているがいい。地獄でな」
テロリストA・B「うわぁぁっ!」

左手のハンドジャックナイフを展開したバルゴグは、
二人のテロリストの足の腱を切りつけ、歩けなくさせてしまった。

バルゴグ「これは君達の物だ。受け取りたまえ」

バルゴグは持っていた爆弾を倒れている二人のテロリストの足元に投げ転がした。
踵を返し、悠然と立ち去って行くバルゴグ。
やがて振り返ったバルゴグは、遠くから魔法杖を向けて呪文を唱えた。

バルゴグ「メラ!」
テロリストA・B「ぐわぁぁぁっ!!」

杖の先端から放たれた火球が爆弾に命中し、誘爆を引き起こして辺り一帯を吹き飛ばす。
その後現場に急行し、焼け焦げた二人の遺体を確認した地元警察は、
爆弾テロ犯が誤って自分の爆弾で事故死してしまったものと断定し、
容疑者死亡のまま二人を書類送検したのであった。

アルハザード「悪人どもはあの世へ送っておいた。もう何も心配はない」
少女「………」

大使館へ戻って来たアルハザードは、少女の頭を優しく撫でた。

アルハザード「まだ震えているな。
 サラジア人は悪魔だとでもテロリストに教育されたのかも知れんが、
 私は悪魔などではない。もっと凄いものだ」

アルハザードは地面に転がっていた小石を念動力で浮かせ、
手品を見せるようにして少女を慰めた。
初めは呆然としていた少女だが、その目が次第に感嘆の色に変わってゆく。

アルハザード「外は暑い。まずは上がりなさい。
 大使館にはフランス語の通訳もいる。
 冷たいジュースでも飲みながらゆっくり話そうじゃないか」

少女の手を引いて、アルハザードは大使館の中に彼女を招き入れた。
通訳を介した会話で、少女は泣きながら自分の悲劇的な事情をアルハザードに話した。
村を襲ったサヘルの獅子に両親を殺され、自分だけ拉致されて、
もう帰る場所もないと聞かされたアルハザードは彼女を引き取り、サラジアへ連れて帰る事にした。
サヘル砂漠の小さな村で生まれたという少女に、
アルハザードはアラビア語で砂を意味するラムラという名を与え、
養女として育てる事にしたのだった。

781ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/07/10(日) 10:20:07
≪X星人の侵略!怪獣軍団総攻撃-改訂版≫


***北海道・標茶町***

修司「あれっ? どうしたんだろう」

星崎修司、30歳。北海道のとある田舎町に住んでいる市井の男性。
アマチュア音楽家で、携帯電話の着信メロディ等を自作し、
自分が運営するウェブサイト上で無料配布している。
だがある日、そのサイトが何者かのハッキングを受けた。

「我々はX星人である。星崎修司、お前を抹殺する!」

日本語で作成されていたホームページが突如、
謎の文字列に書き換えられてPC画面に表示される。
だが修司には、地球のどの言語でもないそのメッセージが読めた。
そしてそこには、彼を殺すという恐ろしい脅迫文が書かれていたのである。

修司「…!」

慄く修司。そこへ部屋の窓ガラスを割り、
黒いコスチュームを着て目にはゴーグルを付けた数人の男達が入って来る。

修司「お、お前達は、X星人!」
X星人A「我々が遠い昔に絶滅させたはずのムーサ星人が、
 まさかこの地球に逃げ込んでいたとはな」
X星人B「その上、我々の弱点である殺人音波を
 この星のコンピューターネットワークにばら撒きおって。
 我々の計画の邪魔をする者は生かしてはおけん!」
修司「や、やめろ! うわぁぁっ!」

X星人は手に持っていたレーザーガンで修司を射殺。
そしてPCを操作し、彼のホームページを全て消去してしまった。

X星人C「ありました! エラトーの竪琴です!」
X星人D「よし、直ちに破壊しろ!」

家の中を捜索し、楽器が置かれている修司の趣味の部屋から
一つの竪琴を発見したX星人は、レーザーガンでその竪琴も木端微塵に破壊した。
エラトーの竪琴と呼ばれるそれは、かつて繁栄したムーサ星人の
伝統的な民族楽器として知られているものであった。


***東京・岡島家***

雄大「あれっ? サイトが無くなってる…」

そのわずか数分後、自室のベッドに寝転がりながら、
スマートフォンを操作して修司のサイトにアクセスしようとした岡島雄大は、
ブックマークしておいたそのサイトが閲覧不能になっているのを見て首をひねる。
昨日、たまたま見付けたばかりのサイトで、
配布しているスマートフォン用の着信メロディがとても良かったので、
試しに一つダウンロードし、更に他にもいいものはないかと、
改めてサイト内を色々見てみるつもりだったのだが…。

雄大「閉鎖か…。ちぇっ、見付けるのが遅かったかな」

この時点では、これが自分さえも巻き込む世界的大事件の端緒になろうとは、
雄大には予想できようはずもなかった…。

782ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/07/10(日) 10:21:19
***東京・メガロシティ***

不良A「なあお嬢ちゃん、お金貸してよ〜」
不良B「その制服、海防大付属だよな。
 すっげえエリート校じゃん。
 俺らみたいな底辺校の奴らと違ってリッチなんだろ?」
奏美「そ…そんな…。やめて下さい!」
雄大「あれは…、波川さん?」

波川奏美、16歳。海防大学付属高校1年生。
雄大のクラスメイトで、豪邸で暮らしている大富豪のお嬢様である。
しかし雄大とはこれまで接点が少なく、会話をした事はほとんどなかった。
下校中の雄大は、その奏美が他校生の不良グループ三人組に絡まれているのを発見する。

雄大「あの制服、硝子山高校じゃないか!
 波川さん、ヤバい奴らに捕まっちゃったなあ〜」

硝子山高校は都内屈指の荒れた高校として有名で、
不良の集団が他校の生徒を相手に暴行や恐喝に及ぶ事も少なくないため、
目を付けられたら大変と、海防大付属生からも恐れられていた。

雄大「(ど、どうする…?
 僕なんかが戦っても勝てる相手じゃないし、
 ここは光平先輩を呼んで……いやいや、
 そんな事してる間に波川さんが…!)」

日頃からテニス部で体を鍛えているスポーツマンとは言え、
格闘技の経験があるわけでもなく、雄大は喧嘩は苦手である。
だが、とにかく今はやるしかない。
勇気を振り絞って、雄大は不良達の前に飛び出した。

雄大「お、おい…! やめろよお前ら…!」
不良A「あ? 何だてめえ」
不良B「お前も海防大付属か?」
雄大「お…女の子相手に恐喝なんかして、
 恥ずかしくないのかよ!」
不良C「ヒャ〜! 女の子を守る王子様ってとこかい?
 カッコいいねえ」

雄大を口々にからかいながら、三人の不良は恐ろしい形相で迫って来る。
後ずさりそうになりながらも身構える雄大。だが…。

不良A「ざけんじゃねえっ!」
雄大「うわぁっ!」

不良のパンチが雄大の顔面に命中。
かけていた眼鏡が吹っ飛び、雄大は倒れて地面に尻餅をつく。
すかさず不良達は雄大を取り囲み、
胸倉を掴んで無理に立ち直らせると、殴る蹴るのリンチを加え始めた。

雄大「うわぁ〜っ!」
奏美「だ、誰か助けて下さいっ〜!!」

783ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/07/10(日) 10:21:55
佳代「待ちな、アンタ達!」
雄大「か、佳代先輩…!?」

そこへ運良く通りがかり、奏美の悲鳴を聞いて飛んで来たのは、
雄大の一年先輩の錦織佳代である。

不良A「おやおや、こっちの女の子もなかなか可愛いじゃねえか」
不良B「キミがもしかして、この子の代わりに俺たちの相手をしてくれるのかな〜?」
不良C「胸が小さそうなのが少々残念だけどなww」

                 /\
                / ヽ\
               /  ヽ \             / \
              /    ヽ \__        / ヽ \
             /  ‐_ ヽ     ―――__/   ヽ \
            /        ̄           / __ ヽ \
           |                          ̄  \
           |                             |  ←注:佳代
           |        ||                   |
           |  ゝ_  |||/                  |
           |  ( ・ ブ       ゝ__       ┃ ┃   |
           |    ̄         ( ・ ̄ ̄ ブ   ┛ ┗  |
           |              ゝ__ ノ    ━┓ ┏  |   ┃ ┃
           |    __            ̄        ┃  |   ┃  ┃
           |     | ̄ ̄ーヽ                  |   ┃   ┃
           |     |     ヽ                 |
           |     |     |ヽ               |      ━┓
            \   _⊥_    |                |      ┃┛
             \      ̄ ̄ヽ_⊥               |
              \                         |     ┏━┓
               \                       /        ┏┛
                \                     /         ・
                 |                   |
                 |                   \
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               /                       \
                                         \

784ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/07/10(日) 10:22:32
不良たちは余計な失言で、佳代の逆鱗に触れてしまったようだ。
佳代は思い切り怖い顔をして、不良たちに向けてガンをとはず。

不良A「何だぁ? 女のくせにやるかゴルァ!」
佳代「アンタ達じゃ相手にならない。
 カツアゲなんていう悪さはやめて、
 怪我をする前にとっとと消えな!」
不良B「舐めた口利きやがって…。
 たった一人で俺達三人に勝とうってのか?」
不良C「ふざけんなよ。死ねオラァっ!!」
佳代「っ…!」

元々、伊賀忍法と月影流武術の心得がある佳代にとっては、
そこらの不良など例え三人がかりでも相手にならないというのは、
ハッタリや思い上がりなどではなく事実である。
不良のパンチを掌で受け止めた佳代は、そのまま相手の拳を握った手に少しずつ力を込める。

不良C「うぎゃぁぁぁっ!」
不良A「て、てめえ! 女だと思って手加減してたら調子に乗りやがって!」
不良B「ぶっ殺すぞ!」

激昂した二人の仲間が佳代に襲いかかるが、
佳代は片方が打ち込んできた大振りなパンチを屈んでかわし、
アッパーカットで顎を下から弾き飛ばす。
そして間髪入れず佳代の背後を狙おうとしていたもう一人の不良に
反転して足払いのローキックを浴びせ転倒させた。
その瞬間、少しだけ彼女のスカートの中が見えてしまい、
雄大は赤面しながら、慌てて両手で目を覆う。

雄大「か、佳代先輩! 見えてます! 見えてますよォ〜!…(///)」

そんな忠告などお構いなしに、見ていた雄大と奏美も思わず呆然となるほど、
鮮やかに一瞬で三人の不良を蹴散らしてしまった佳代。
これでも大幅に手加減しているので
三人ともダメージ自体は大した事はないが、
実力が違い過ぎる事は今の一連のアクションだけで十分に明らかだった。

不良A「ち、畜生! 覚えてやがれ!」

捨て台詞を吐いて一目散に逃げて行く不良達。

雄大「良かった〜。ありがとうございます佳代先輩!
 波川さんも、怪我はないっすか?」
奏美「え、ええ…。私は大丈夫…。
 でも岡島くん、ひどい傷だわ!」
雄大「あ、いやいや、掠り傷っすよ」

あちこちに痛々しいアザを作りながらはにかむ雄大。
奏美はポケットからハンカチを取り出し、
切れて出血している雄大の口元を拭いた。

785ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/07/10(日) 10:23:16
佳代「あ〜あ、岡島、眼鏡壊れちゃったね」
雄大「ええ〜っ、マジっすか!?
 弱ったな〜。どうしよう」

殴られた衝撃で地面に落ちた雄大の眼鏡を佳代が拾い上げるが、
眼鏡はフレームがひどく折れ曲がり、レンズにも太いヒビが走ってしまっていた。

奏美「岡島くん、良かったらうちに来て。
 私のお父様が会長をしている波川ファウンデーションの系列に、
 眼鏡屋さんの会社もあって、そこの店長さんは私とも昔から顔見知りなの。
 連絡してお願いしてみれば、きっと何とかしてくれるはずよ」
佳代「えっ!? 波川ファウンデーションって、
 あの怪獣ランド計画の…?」
雄大「そうなんですよ先輩!
 波川さんは、あのハモンド島の怪獣ランドのスポンサーになってる、
 波川ファウンデーションの会長さんのご令嬢なんです!」

波川ファウンデーションは、奏美の父・波川謙吾が会長を務める大財閥である。
その波川ファウンデーションは現在、
地球連邦政府の事業である怪獣ランド計画のスポンサーとなっていた。

怪獣ランド計画とは、南太平洋のハモンド島に建設された巨大怪獣の飼育施設で、
怪獣達を捕獲し動物園のように一ヶ所に閉じ込めて管理するという、
世界各地で脅威となっている怪獣災害の解決策として企画された一大プロジェクトである。
現在、地球連邦軍やブレイバーズも動員して怪獣達の捕獲作業が各地で進められており、
その関係で、江田島平八の側近くに仕えている佳代も
波川ファウンデーションの事は知っていたのであった。

奏美「うちはここのすぐ近くよ。
 傷の手当ても早くしないと大変だわ」
雄大「でも…、いいんですか本当に?」
佳代「そう言ってくれてるんだから行って来なよ、岡島。
 …せっかくのチャンスじゃない」
雄大「チャンスって、何のチャンスっすか!?」

雄大の耳元でボソっと囁く佳代。
次の瞬間、雄大の顔が真っ赤に紅潮した。

佳代「ハハハ。お前が勇気出して硝子山の不良達に立ち向かったんだよ。
 そのくらいの役得はあっても別にバチは当たらないんじゃないの?」
雄大「ええ〜っ…。
 そ、それじゃあ、佳代先輩も一緒に…。
 ほら、結局助けてくれたのは佳代先輩ですし」
佳代「バカ言わないの。
 お邪魔虫は用が済んだら退散するよ。じゃあね」
雄大「せ、先輩〜!」

ひらひらと手を振って立ち去ってしまう佳代。
後に残された雄大は、困り切った表情で奏美に向き直る。が……?

奏美「………」
雄大「あの〜波川さん?」

なぜか奏美は、いつまでも佳代の立ち去った方向を
ボ〜ッとするように眺めていた。

奏美「…アッ! ご、ごめんなさい」
雄大「どうしたんですか波川さん?」
奏美「岡島くん、私たちを助けてくださった今の方はお知り合いなの?」
雄大「ああ、あの人は二年生で水泳部の錦織佳代先輩ッすよ」
奏美「そう…。佳代お姉さま……(///)」
雄大「…???」
奏美「さあ、早く行きましょう岡島くん」
雄大「じゃ、じゃあ…、お言葉に甘えさせてもらおうかな…」

奏美が佳代の後ろ姿に妙に見とれているようだったのが気にはなったが、
こうして雄大は、メガロシティの外れにある波川家の屋敷に
ご招待される事になったのであった。

786ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/07/10(日) 10:25:01
***東京・波川邸***

メイド達「「「お帰りなさいませ、お嬢様!」」」
雄大「す、すげえ…」

雄大が奏美に案内されてやって来た波川家の屋敷は、
敷地面積が千坪を超える広い立派な豪邸で、
奏美が帰宅すると、屋敷で雇われている何十人もの使用人が
整列して出迎え一斉に頭を下げるのであった。

奏美「ちょっと染みるかも…」
雄大「うん…。あ、イテテテテ」

奏美に怪我の手当てをしてもらう雄大。
その間に、壊されてしまった眼鏡も修理してくれるよう、
執事が波川ファウンデーション傘下の眼鏡店に電話で連絡する。

眼鏡屋店長「このような具合でいかがでしょう」
雄大「ピッタリです。ありがとうございます!」

波川ファウンデーションの会長のご令嬢からの要請とあって、
傘下の眼鏡店はすぐに動き、わざわざ店長自ら波川邸まで飛んで来て、
壊れた雄大の眼鏡を預かりその場で修理し始めた。
ここでも波川家の凄さを実感する雄大。
眼鏡の修理代ともなると数万円はかかるものだが、
助けてくれたお礼という事で、代金は全額波川家で支払ってくれた。

雄大「ヤバっ、母さんからだ」

外では陽も沈みかけた頃、
ズボンのポケットに入れていた雄大のスマートフォンから、
電話の着信メロディが流れ始めた。
その音を聞いた奏美の顔色がさっと驚きに変わる。

雄大「もしもし、母さん?
 ゴメンゴメン。ちょっと色々あって遅くなっちゃってさ。
 もうすぐ帰るから。うん、大丈夫。じゃあね」

雄大の帰りが遅いのを心配して電話をかけて来た母親に事情を説明し、
電話を切った雄大。奏美はまだ驚きを隠せないという表情で、
雄大のスマートフォンをじっと見つめている。

雄大「ごめん波川さん。そろそろ帰らないと。
 …って、どうしたの?」
奏美「ううん…。何でもないの。
 ただ、素敵な着信メロディだなって思って。
 どこにあった曲なの?」
雄大「ああ、これ?
 最近見付けた音楽家さんのサイトからダウンロードした着信音なんだけど、
 そのサイト、僕がこれを落とした後すぐに閉鎖しちゃったみたいでさ。
 他にもいい曲がたくさんあったのに勿体なかったな〜」
***東京・波川邸***

メイド達「「「お帰りなさいませ、お嬢様!」」」
雄大「す、すげえ…」

雄大が奏美に案内されてやって来た波川家の屋敷は、
敷地面積が千坪を超える広い立派な豪邸で、
奏美が帰宅すると、屋敷で雇われている何十人もの使用人が
整列して出迎え一斉に頭を下げるのであった。

奏美「ちょっと染みるかも…」
雄大「うん…。あ、イテテテテ」

奏美に怪我の手当てをしてもらう雄大。
その間に、壊されてしまった眼鏡も修理してくれるよう、
執事が波川ファウンデーション傘下の眼鏡店に電話で連絡する。

眼鏡屋店長「このような具合でいかがでしょう」
雄大「ピッタリです。ありがとうございます!」

波川ファウンデーションの会長のご令嬢からの要請とあって、
傘下の眼鏡店はすぐに動き、わざわざ店長自ら波川邸まで飛んで来て、
壊れた雄大の眼鏡を預かりその場で修理し始めた。
ここでも波川家の凄さを実感する雄大。
眼鏡の修理代ともなると数万円はかかるものだが、
助けてくれたお礼という事で、代金は全額波川家で支払ってくれた。

雄大「ヤバっ、母さんからだ」

外では陽も沈みかけた頃、
ズボンのポケットに入れていた雄大のスマートフォンから、
電話の着信メロディが流れ始めた。
その音を聞いた奏美の顔色がさっと驚きに変わる。

雄大「もしもし、母さん?
 ゴメンゴメン。ちょっと色々あって遅くなっちゃってさ。
 もうすぐ帰るから。うん、大丈夫。じゃあね」

雄大の帰りが遅いのを心配して電話をかけて来た母親に事情を説明し、
電話を切った雄大。奏美はまだ驚きを隠せないという表情で、
雄大のスマートフォンをじっと見つめている。

雄大「ごめん波川さん。そろそろ帰らないと。
 …って、どうしたの?」
奏美「ううん…。何でもないの。
 ただ、素敵な着信メロディだなって思って。
 どこにあった曲なの?」
雄大「ああ、これ?
 最近見付けた音楽家さんのサイトからダウンロードした着信音なんだけど、
 そのサイト、僕がこれを落とした後すぐに閉鎖しちゃったみたいでさ。
 他にもいい曲がたくさんあったのに勿体なかったな〜」
奏美「(あの音は〝エラトーの竪琴″の音色…。
 これを地球人が作り出せるはずがないわ)」

こうしてこの日から、それまでほとんど交流がなかった雄大と奏美は急速に接近し、
学校でも一緒に仲良く過ごす事が多くなって行ったのである。

787ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/07/10(日) 10:25:27
***ハモンド島・怪獣ランド***

ゴロザウルス「zzzzz…」

麻酔で眠ったまま空輸されて来たゴロザウルスが、
ハモンド島の怪獣ランド施設内にある森林地帯に降ろされる。
島の中心にそびえる管制塔のモニターでその様子を確かめながら、
波川ファウンデーションの波川謙吾会長は満足そうに頷いた。

謙吾「原始恐竜ゴロザウルスは、
 当ランドにとっては記念すべき十匹目の怪獣になる。
 反対や不安の声も少なくない中で始まったプロジェクトだったが、
 とうとうここまで来たかと思うと感慨深いね」
窪田「おめでとうございます、会長」

地球連邦政府の日本人エリート官僚で、
怪獣ランド計画を統括している窪田幸雄という青年が謙吾に祝辞を述べる。
既に怪獣ランドに収容された怪獣は、
ゴジラ、ラドン、アンギラス、ガメラ、ゴモラ、ダンガー、
ボルケラー、ジョバリエ、レギーラの九匹。
これにゴロザウルスが加わって、節目の十匹目を数えたのである。

謙吾「人間にとっては害になるからというだけの理由で、
 無闇やたらと生き物の命を奪うのは決して倫理的な所業とは呼べない。
 熊やライオンだって動物園の檻の中で飼っていれば人畜無害なんだ。
 この怪獣ランド計画は、人類の英知が生み出した、
 怪獣災害の唯一の根本的解決策だと私は信じているよ」
窪田「人類の英知…ですか。それは面白い」

そう言って冷笑する窪田に、
謙吾は水を差されたように不愉快な顔をして聞き咎める。

謙吾「窪田君、面白いとはどういう意味だね?」
窪田「いえ、何でもありませんよ、波川会長」
謙吾「怪獣ランド計画は、
 君ら地球連邦政府内の平和的進歩主義者にとっても長年の夢だったじゃないか。
 怪獣との共生など下らない幻想だと笑う者も多かったが、我々は決してめげなかった。
 その夢が今、ようやく実現しようとしているのだよ」
窪田「そうですね会長…。失礼しました。
 では十匹目の怪獣の確保を祝って、二人で乾杯と行きましょうか」
謙吾「そうだな…。うむ、そうしよう!」

窪田の態度にどこか不審な点を感じながらも、
謙吾は言われるまま、窪田がグラスに注いだ祝い酒を手に取った。

謙吾「では、乾杯!」
窪田「乾杯…」

だが、酒を一口飲んだ謙吾は強烈な眠気に襲われ、
その場に倒れてしまう。睡眠薬が入っていたのだ。

X星人「………」

謙吾の意識が完全に落ちたところで、
一体のグロテスクな姿をしたエイリアンが現れ、
謙吾にそっくりな姿に擬態した。

擬態謙吾「…なかなか悪くないデザインの体だ」
窪田「計画がここまで進めば、波川会長はもはや用済みだ。
 後は我々X星人が自らの手で計画の最終段階を実行する。
 …波川を牢に放り込んでおけ!」

窪田の指示により、管制塔の地下に密かに作られていた牢に、
謙吾は眠ったまま運び込まれて閉じ込められてしまった。

788ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/07/10(日) 10:26:00
***東京・波川邸***

奏美「ただいま」
メイドA「お帰りなさいませ、お嬢様…」

翌日、学校から帰宅した奏美は、
屋敷のメイド達の様子がどこかおかしい事に気付く。
皆、どこか愛想がないし、何だかよく分からない、
得体の知れない生理的な気味悪さを感じるのだ。

奏美「岡島くんがまたうちに来てくれる事になったわ。
 おやつのショートケーキを用意して…」

言いかけて奏美は絶句する。
ドアが開き、大勢のメイド達を従えて部屋へ入って来たのは、
何と奏美にそっくりな姿をした女だったのである!

擬態奏美「あなたの姿をしばらく借りるわ。
 計画が済むまで、大人しくしていてもらいましょうか」
奏美「…!」

メイド達が奏美にレーザーガンを突き付けて脅し、
屋敷の庭にある大きな蔵に奏美を入らせて閉じ込める。

擬態奏美「これより、この波川邸を我々X星人の前線基地として使用する。
 ハモンド島の怪獣達を操る、指令電波発信装置のスタンバイを急ぎなさい!」

屋敷にいた大勢のメイド達も、全て擬態したX星人に入れ替わられていた。
奏美に擬態したX星人隊長の指示で、占拠された波川家の屋敷に大型コンピューターが設置され、
ここから発せられる指令電波でハモンド島の怪獣達は操られる。

擬態奏美「怪獣達による世界同時攻撃を開始せよ!!」

X星人の技術でハモンド島から瞬間転送された怪獣達は、
波川邸からの指令電波に操られるまま世界各国の都市で暴れ回る。
ワシントンDCにはガメラが、バルセロナにはゴジラが、
北京にはゴモラが、リオデジャネイロにはレギーラが、
エルサレムにはラドンが現れ、破壊の限りを尽くす。

アナウンサー「ご覧いただけますでしょうか!?
 ゴジラがバルセロナの街を破壊しています!
 完成を間近にしたサグラダ・ファミリア教会にゴジラは迫っています!
 ガウディの未完の傑作は、果たしてゴジラに破壊されてしまうのでしょうか!?」

世界各国の軍隊やブレイバーズが出動し、怪獣達を迎え撃つが、
テレポート機能により神出鬼没の怪獣達は各地の都市を次々に蹂躙する。

擬態奏美「次はアフリカ大陸を攻撃するわ。
 カイロにゴロザウルス、ヨハネスブルクにダンガーを転送!」
擬態メイドA「了解。転送します!」
擬態奏美「ラドンはエルサレムを破壊した後、そのままドバイへ。
 レギーラもリオを壊滅させ次第、ブエノスアイレスを次の攻撃目標にせよ!」

その時、波川邸のドアチャイムが鳴った。
雄大が約束通り遊びに来たのである。

雄大「〜♪ 波川さ〜ん、岡島です!」
擬態奏美「この男は…?」

波川邸と全世界が大変な事になっているのも露知らず、
ウキウキ気分で波川邸へやって来てしまった雄大の運命や如何に!?

789ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/07/10(日) 13:32:28
>>759 >>788の続き

***東京・波川邸***

奏美の招待を受けて喜んで波川邸を訪れた雄大だったが、
玄関で応対に出たメイドに「お嬢様は急に発熱で体調を崩されまして、
申し訳ございませんが、本日のところはお引き取りください」と言われ、
つれない態度で追い返されてしまう。諦めて帰ろうとした雄大だったが、
邸の敷地内で不審な動きをしているメイド数名を偶然目撃。
素直に帰ったフリをして、こっそりと引き返して波川邸の中に忍び込み、
怪しいメイドたちを尾行してみた雄大だったが、
そこで彼は見てはならないものを見てしまった。

擬態奏美「フフフッ…バカな坊やね。
 大人しく帰っていれば、怖い思いをせずにすんだのに」
雄大「お前、波川さんじゃないな!
 本物の彼女をどこにやった!?」
擬態奏美「そんなに会いたいなら今すぐ会わせてあげる。
 お前たち、コイツも捕まえて蔵に放り込んでおくのよ!」
雄大「くっ…放せ! 誰か助けて!」

こうして雄大もX星人に捕まってしまった。
翌日、学校にはX星人が擬態した偽者の雄大が登校してきた。

擬態雄大「やあ先輩方…おはようございます…」
光平「雄大…?」

どことなく感情が欠落したような不愛想な態度をとる擬態雄大に対して、
当初はおかしいと思った光平たちだったが、きっと恋煩いの影響だろうと
その時点では特に気にも留めていなかった。

そんな時、佳代に江田島平八から指令が下る。

佳代「波川ファウンデーションの様子を探れって!?」

二人きりの校舎裏で、富樫源次から伝えられた意外な指令内容に、佳代は驚いた。

富樫「今、ハモンド島の怪獣ランドが大変な事態になっていることは
 お前も当然知っているな?」
佳代「うん、朝のニュースで見たから。でもまさか
 今回の怪獣が暴れてる事態に、波川さんのお父さんが
 関わっているだなんてそんなはずは…」

波川謙吾会長は、内閣総理大臣・剣桃太郎が全幅の信頼を置き、
人格面においても太鼓判を押されている人物だ。そのような人物が、
今回のX星人による世界的な怪獣騒乱を裏から操っているとは到底思えない。

富樫「波川会長を知っているのか?」
佳代「ううん、正確に言うと会長さんじゃなくて
 そのお嬢さんの方とちょっとね…」
富樫「俺も波川謙吾氏とは面識があるが、
 そのような大それた企みをするような男は見えなかった。
 しかし3日前、怪獣騒ぎが起こる直前にハモンド島から
 日本に帰国したばかりの波川氏の動きに、幾つか不審な点が見受けられるのだ」

現在日本国内にいる波川謙吾は、怪獣ランドのプロジェクトに関わった責任者の一人として、
今回の騒ぎにいち早く責任を痛感していることを表明し、政府の対応にも引き続き積極的に協力している。
ところがその波川の周辺から、幾つかの政府機密情報が漏えいしている節があるというのだ。

富樫「単なる取り越し苦労ならば、それはそれで構わんと塾長は仰っている。
 しかし念のため、お前は波川邸の様子を内密に調べてくれんか?」
佳代「分かった。やってみるよ」

790ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/07/10(日) 13:33:04
その時、校舎角の物陰の方で人の気配がした。

佳代「――誰だッ!!」

振り向きざまに佳代は手裏剣を投げつけ、
校舎角のコンクリートの壁面に突き刺さったが、
すでにそこには誰もいなかった。

富樫「どうした?」
佳代「確かに今、人の気配が…」

壁から手裏剣を抜いて胸の中にしまう佳代だったが、
するとそこへたまたま黒崎楓が通りかかった。
楓は、佳代や紗希と同じく海防大付属の転入生(関西出身)で、
もう一つの顔は、最近ブレイバーズに新加入したサイボーグ高校生戦士だ。
レッドマフラーの剣持隊長の指示で、光平の近くで彼をサポートしている。

楓「どないしたん錦織はん?」
佳代「楓!? ちょうどよかった。
 ねえ、今ここで怪しい奴を見かけなかった?」
楓「怪しい奴…? 怪しいかどうかは分からへんけど、
 ついさっきそこで朱音センセとすれ違うたで。
 なんかごっつう急ぎ足やったけどな」
佳代「千坂朱音…アイツか!」

楓「………」


***御岳渓谷***

多摩川の上流で浮かぶ一層の小舟…。

右近「………」

その上では一人の長髪の青年が静かに釣りを楽しんでいる。
裏天童刺客人を束ねる元締である天童右近である。
川岸の方では彼の相棒である三雲惺梛が、暇をつぶしながら
無邪気に水遊びをしている。

惺梛「キャハハ…ウフフ♪」

惺梛は常に皮膚から高熱を発しているため、
彼女の周りだけは川の水が水蒸気となって、
異様な湯気が立ち上っている。

右近「江田島が波川の様子を探れと配下に命じただと?」
朱音「確かに」
右近「それは妙だな。波川謙吾といえば剣桃太郎の云わば息のかかった男。
 まさか連中、この期に及んで仲間割れを始めたわけでもあるまい」
朱音「………」
右近「朱音、お前もハモンド島については話は聞いていよう」
朱音「はい。元々あの島は、菊之丞様が対ガストレア戦争の
 軍事拠点として利用しようとのお考えだったとか…」

聖天子付き補佐官・天童菊之丞は密かに東側のS国と通じ、
ハモンド島を対ガストレア戦争を有利に進めるため(その口実は表向きで、
実際は周辺国に睨みを利かせるため)の軍事要塞を建設しようと
画策していたのだが、その企てを土壇場でひっくり返したのが、
内閣総理大臣・剣桃太郎と地球連邦外務次官リリーナ・ドーリアンであった。
怪獣共生プロジェクトを実現するための平和の島へと生まれ変わったハモンド島は、
こうして波川謙吾や窪田幸雄ら平和的進歩主義者たちの手に委ねられたのである。

右近「しかし結果はご覧のとおり、ハモンド島は不埒なX星人一味に占拠され、
 集められた怪獣も再び人類に脅威を与えている。これは明らかに
 剣桃太郎とドーリアンの失策。かねてより天童にとって目の上の瘤であった
 両名を失脚させるには、この上ない好機でもある。
 朱音、たとえお前が剣桃太郎に惚れていたとしてもな…」
朱音「右近様…!?」

右近の鋭く突く一言に、一瞬朱音はうろたえる。

右近「しかし今世界中で暴れている怪獣が、いつ東京エリアに上陸しないとも限らん。
 その危機を前にして、今は"下らぬ政争に力を割いている時期ではない"とも
 天童の御前は仰せだ」
朱音「………」
右近「朱音、お前も波川の動きを見張りつつ、その江田島の命令で動いているという
 くノ一の小娘からも目を離すな」
朱音「ハハッ」

791ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/07/10(日) 13:33:43
***東京・波川邸***

夜更けに波川邸へと潜入した錦織佳代。
しかしそこで彼女を待ち受けていたのは、円盤のような頭部が
胴体から分離して飛び回る謎のエイリアン忍者だった。

佳代「もしかして異星人!? いや、コイツも忍びか!?」
デモスト「どこの鼠かは知らないが、死ねぃ小娘!」

宇宙連合からX星人の応援に派遣されていた暗黒星の忍者、宇宙忍デモストだ。
デモストの暗黒剣が執拗に佳代を追い詰めていく。…がその時、突然
佳代とデモストの間に煙玉が投げ込まれ、おかげで佳代は危うく窮地を脱することができた。

佳代「頼んでもいないのに、余計なことをしてくれたね」
朱音「危なっかしくて見ていられなかったからねぇ…」

互いに相手をけん制しつつも、その場はフッと笑みを浮かべるような顔をして、
2人はそれぞれ別方向へと走り去っていった。

擬態奏美「今のはいったい何者なの?」
デモスト「おそらくはこの星の忍者、天童と伊賀者だ」

宇宙忍デモストの頭部にあるコンピューターには、
過去に磁雷矢と戦った時に収集した、地球上のありとあらゆる
忍者に関するデータが収められている。

擬態奏美「テンドウ…? するとこの国の政府の密偵ね」
デモスト「しかし妙だ。以前に採集した私の情報データでは、
 過去に天童と伊賀者が協力し合った例など聞いたことがない」
擬態奏美「そんなことはどうでもいいわ。どのみち地球人の奴らは
 この屋敷に手を出すことは一切できないのよ。なぜなら……
 ……フフフッ、アハハハハッ!!!」

不気味に高笑いを上げる擬態奏美。果たして波川邸には
他にどんな秘密が隠されているのであろうか!?

792ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/07/12(火) 12:10:29
≪X星人の侵略!怪獣軍団総攻撃・戦闘シーン(一部)≫

***アメリカ・ワシントンDC***

X星人によって操られ、ハモンド島にいた怪獣達は世界各国の都市に
テレポートされ、蹂躙する。その中の1体、ガメラはアメリカの首都、
ワシントンDCに出現した。ガメラが歩く度、地面は揺れ、ビルなどの
建物が崩れてしまう。そして崩れた瓦礫が逃げ惑う市民の上に落下する。

市民「うわぁ〜〜〜!!」

このままでは市民は瓦礫の下敷きになってしまう...だが、瓦礫は市民の
上に落ちなかった。落ちる直前、大きなクモの巣が張り巡らされ、瓦礫は
空中で止まったのである。

スパイダーマン「ワシントンDCの皆!“親愛なる隣人”スパイダーマンが
 助けにきたよ!」

普段はNYを守るクモの能力を持つヒーロー、スパイダーマンがガメラから
市民を守る為、NYから駆け付ける。彼は腕のウェブシューターから、特製の
糸を出して、瞬時に蜘蛛の巣を張り巡らせて、瓦礫の落下を防いだのであった。

ハルク「ア゛ア゛ア゛ア゛ァァァァ!!!」ドゴォォォォン
ガメラ「ギャオォォォォ!!」

さらに空の彼方から緑の怪物、ハルクが跳んできてガメラの頬に
クリーンヒットする。ガメラを殴ったハルクは、そのまま近くのビルに
着地した。そしてハルクが来た方向から赤いパワードスーツのヒーロー、
アイアンマン、神の国アスガルド王オーディンの息子である雷神
マイティ・ソー、さらに後方から防衛組織シールドの母艦である
ヘリキャリアが現れる。

アイアンマン「ハルクのパンチがガメラに効いた様だな」
ソー「こちらも行くぞ、アイアンマン」
アイアンマン「ああ、リパルサー!」

空を飛べるアイアンマンとソーは、それぞれビームや雷でガメラを
攻撃する。

キャプテン・アメリカ「アイアンマン達がガメラを引き付けている間に
 我々は市民の避難を救助だ」
シールド隊員「了解!」

一方、地上では第2次世界大戦で誕生した超人兵士(スーパー・ソルジャー)
キャプテン・アメリカがシールドの隊員達を率いて、市民の避難と救助を指揮する。

ガメラ「ギャオォォォォォ!!」
アイアンマン「くっ、まだ暴れるか」

アイアンマン達の攻撃を受け、ガメラは暴れ、周囲の建物が
またも崩れ、再び大量の瓦礫が市民を襲う。だが落ちた瓦礫は
斬撃により粉々に砕け散った。

キャプテン・アメリカ「あの斬撃は...ローガンか!」
ウルヴァリン「俺達、X‐MENも加わらせてもらうぜ、キャプテン!」

瓦礫を斬ったのは、ミュータントのヒーローチーム「X-メン」の
メンバーの1人、ウルヴァリンだった。上空にはX‐MENの黒い戦闘機
クイーンジェットが滞空し、X-メンの面々が市民を救う為に動き出す。

002「アベンジャーズやX-MENが、すでに動いているようだな。
 地上は任せるぜ、ファイアーコンボイ!」
ファイアーコンボイ「了解した、002。サイバトロン戦士、トランスフォーム!」
ワイルドライド、マッハアラート、スピードブレイカー「「「トランスフォーム!」」」

アベンジャーズやX-MENがワシントンDCの市民を救うべく動く中、
新たに現れたのは、ゼロゼロナンバーサイボーグの1人、コードネーム「002」こと
ジェット・リンクと赤い消防車に姿を変えているサイバトロンの総司令官
ファイアーコンボイ、その部下であるワイルドライド、マッハアラート、
スピードブレイカーだった。彼等はワシントンDCの市民を守る為、密か地球に
張り巡らされたサイバトロンネットで日本から駆け付けたのである。
002は脚部に搭載されたジェット噴射で空を飛び、ファイアーコンボイ達は
トランスフォームでロボット形態となる。

アイアンマン「君は、ドクター・ギルモアの所の...」
002「002だ。ブレイバーズもガメラを止める為、手伝わせてもらうぜ」
アイアンマン「ブレイバーズに、サイバトロンか...頼りにさせてもらおう!」

002とファイアーコンボイ達はアイアンマン達と合流し、ガメラから市民を
守る為、動き出すのであった。

793ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/07/13(水) 10:20:45
<<ブレイバーズ×僕のヒーローアカデミア>>

***雄英高校***

雄英高校―プロのヒーローを目指す若者達を育成する国立の高等学校。
今回ヒーロー科1-Aの生徒達は特別授業でブレイバーズのヒーロー達と
対戦形式で訓練をする事になる。1-Aの生徒達は担任を務める相澤消太と
平和の象徴として知られるヒーロー、オールマイトに連れられ、敷地内にある
演習場「USJ(ウソの災害や事故ルーム)」に移動する。

相澤「担任の相澤です。この度はウチの生徒との対戦を引き受けて下さり、
 ありがとうございます」
海城「イーグルの海城です。こちらこそ、ブレイバーズにはまだまだ未熟な者達が
 います。お互い良い刺激になるでしょう」

相澤は引率として同行するアカレンジャーこと海城剛と握手をしながら、挨拶を交わす。

本郷「久しぶりだな。オールマイト」
オールマイト「本郷さん、お久しぶりです。是非、ウチのかわいい生徒達を見て下さい」
本郷「ああ、そうさせてもらおう...所で身体の方は大丈夫か?」ボソッ
オールマイト「ええ、何とかやっています...出来れば私もブレイバーズの一員となって
 共に平和を守りたかったのですが...」
本郷「いや、君の身体の事はよく分かっている。気持ちだけ受け取っておくよ。君は後進の
 育成に努めてくれ」

相澤と海城が挨拶をしている一方、本郷がオールマイトに声を掛ける。本郷とオールマイトは
共に戦った事がある戦友で、オールマイトにとって本郷は自分がヒーローになる前から
戦い続ける尊敬すべき先輩であり、オールマイトがヴィランとの戦いで弱体化している事を
知っている数少ない人物だった。オールマイトはブレイバーズの参加を誘われていたが、
身体の事があり、断念している。

シグフェル「ここが雄英高校の演習場か...広いなあ」

光平もブレイバーズの若手ヒーローとして呼ばれていた。Gショッカーや
ロゴスには、その正体を知られてしまった光平だが、まだまだ世間には
秘密であり、正体を隠すべく既にシグフェルに変身している。

出久「あれがブレイバーズの新ヒーロー、シグフェル...その素性は一切不明で
 Gショッカーが東京を襲撃した時はGOD悪人軍団を壊滅させる程の強大な力を
 持っている...ブツブツ」
お茶子「デクくん、またブツブツ言っている」
爆豪「ふん、誰が来ようと全部、ぶっ潰す!」
飯田「物騒な発言は止めたまえ、爆豪君!だが雄英高校の生徒として
 皆、恥ずかしくない戦いをしよう!」

シグフェルを目にして、1-Aの生徒の1人緑谷出久はブツブツと独り言を
言い始める。そして他の生徒達もブレイバーズのヒーローとの戦いにやる気を
見せていた。果たして勝負に勝つのはブレイバーズか雄英高校の生徒か...。

794ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/07/13(水) 11:53:36
>>793の続き。

***中国・北京***

ワシントンDCにガメラが出現した一方、中国の首都・北京では
ゴモラが暴れていた。そこにブレイバーズ所属の戦艦、ナデシコCが
ボソンジャンプで出現する。

ルリ「ボソンジャンプによる転移成功。機動部隊の皆さん、発進して下さい」

艦長であるルリの合図で、ナデシコCからブレイバーズの機動部隊が
発進していく。

ガイ「怪獣から人々を守るのは、スーパーロボットの得意分野だ。行くぜッ!」
サブロウタ「あらら〜、熱くなっちゃって。まぁ...そういう熱血は嫌いじゃないけどね!」
リョーコ「あんまり、前に出るんじゃねえぞ。山田!」

ナデシコから発進したエステバリスのパイロット、ダイゴウジ・ガイや
タカスギ・サブロウタはゴモラとの戦闘に盛り上がり、リョーコは諌めながら、
エステバリスをゴモラの方へ向ける。

ゴモラ「ギャオオオオオ!!」
大地「ゴモラが...!」
エックス「大地、ゴモラを止めるぞ!」
大地「うん。エックスゥゥゥ!!」

ゴモラが暴れていると聞きつけ、日本からナデシコに乗艦して
駆け付けたXIOの隊員、大空大地は相棒であるウルトラマン
エックスとユナイトして一つとなり、ゴモラを止める為、北京の街に
降り立つ。

風龍「大空隊員がウルトラマンエックスになった様ですね」
雷龍「俺達も北京を守るぞ!」

GGG機動部隊の隊員である竜型ビークルロボの風龍と雷龍は
故国である中国・北京を守る為、立ち向かう。

***スペイン・バルセロナ***

その後、リオデジャネイロにはレギーラが、エルサレムにはラドンが
現れ、破壊の限りを尽くす中、怪獣王ゴジラはスペインの首都、
バルセロナに出現した。

アナウンサー「ご覧いただけますでしょうか!?
 ゴジラがバルセロナの街を破壊しています!
 完成を間近にしたサグラダ・ファミリア教会にゴジラは迫っています!
 ガウディの未完の傑作は、果たしてゴジラに破壊されてしまうのでしょうか!?」

バルセロナの街を破壊しながら、ゴジラはサクラダ・ファミリア教会へと迫っており、
放送局のアナウンサーは現状を伝える。

ソルダートJ「ESミサイル、発射準備!撃てぇ!」
トモロ「了解」

だが、ゴジラの背後にESウィンドウで転移した白い戦艦、
ジェイアークが現れ、ミサイル攻撃を行う。

ゴジラ「グゥゥゥ...」
ルネ「バルセロナの街をこれ以上、破壊させないよ!」
ソルダートJ「ギガフュージョン!」

ミサイル攻撃を受け、背後に振り向いたゴジラに対し、ソルダートJは
ジェイアークとギガフュージョンし、キングジェイダーに変形し、白い
巨人は怪獣王と対峙するのであった。

そして世界各国の軍隊やブレイバーズが出動し、怪獣達を迎え撃つが、
テレポート機能により神出鬼没の怪獣達は各地の都市を次々に蹂躙する。

795ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/07/14(木) 12:06:27
>>794に加筆・修正

***中国・北京***

ワシントンDCにガメラが出現した一方、中国の首都・北京では
ゴモラが暴れていた。そこにブレイバーズ所属の戦艦、ナデシコCが
ボソンジャンプで出現する。

ルリ「ボソンジャンプによる転移成功。機動部隊の皆さん、発進して下さい」

艦長であるルリの合図で、ナデシコCからブレイバーズの機動部隊が
発進していく。

ガイ「怪獣から人々を守るのは、スーパーロボットの得意分野だ。行くぜッ!」
サブロウタ「あらら〜、熱くなっちゃって。まぁ...そういう熱血は嫌いじゃないけどね!」
リョーコ「あんまり、前に出るんじゃねえぞ。山田!」

ナデシコから発進したエステバリスのパイロット、ダイゴウジ・ガイや
タカスギ・サブロウタはゴモラとの戦闘に盛り上がり、リョーコは諌めながら、
エステバリスをゴモラの方へ向ける。

ゴモラ「ギャオオオオオ!!」
大地「ゴモラが...!」
エックス「大地、ゴモラを止めるぞ!」
大地「うん。エックスゥゥゥ!!」

ゴモラが暴れていると聞きつけ、日本からナデシコに乗艦して
駆け付けたXIOの隊員、大空大地は相棒であるウルトラマン
エックスとユナイトして一つとなり、ゴモラを止める為、北京の街に
降り立つ。

風龍「大空隊員がウルトラマンエックスになった様ですね」
雷龍「俺達も北京を守るぞ!」

GGG機動部隊の隊員である竜型ビークルロボの風龍と雷龍は
故国である中国・北京を守る為、立ち向かう。

***スペイン・バルセロナ***

その後、リオデジャネイロにはレギーラが、エルサレムにはラドンが
現れ、破壊の限りを尽くす中、怪獣王ゴジラはスペインのバルセロナに
出現した。

アナウンサー「ご覧いただけますでしょうか!?
 ゴジラがバルセロナの街を破壊しています!
 完成を間近にしたサグラダ・ファミリア教会にゴジラは迫っています!
 ガウディの未完の傑作は、果たしてゴジラに破壊されてしまうのでしょうか!?」

バルセロナの街を破壊しながら、ゴジラはサクラダ・ファミリア教会へと迫っており、
放送局のアナウンサーは現状を伝える。

ソルダートJ「ESミサイル、発射準備!撃てぇ!」
トモロ「了解」

だが、ゴジラの背後にESウィンドウで転移した白い戦艦、
ジェイアークが現れ、ミサイル攻撃を行う。

ゴジラ「グゥゥゥ...」
ルネ「バルセロナの街をこれ以上、破壊させないよ!」
ソルダートJ「メガフュージョン!キングジェイダー!」

ミサイル攻撃を受け、背後に振り向いたゴジラに対し、ソルダートJは
ジェイアークとメガフュージョンして、キングジェイダーに変形し、白い
巨人は怪獣王と対峙するのであった。

R5「キングジェイダーがゴジラの相手をしている間に俺達はレスキューを行う!」
R1「了解!行くぜ、レスキューストライカー!」

キングジェイダーがゴジラと対峙している一方、ヨーロッパで活動している
レスキューフォースのR1とR5は他の隊員達と共にレスキュー活動を行った。

そして世界各国の軍隊やブレイバーズが出動し、怪獣達を迎え撃つが、
テレポート機能により神出鬼没の怪獣達は各地の都市を次々に蹂躙する。

796凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/07/23(土) 14:30:24
≪アセーリア編 プロローグ「王子初陣」-1≫

異世界アセーリア。
太古の昔、慈愛と優しさの神セイロスによって創造されたと伝わる、
地球とは異なる時空に存在している美しい世界である。

そのアセーリアの南の洋上に、ロサレダ大陸と呼ばれる広い大陸がある。
かつては数多くの国や民族が割拠し、互いに争っていたが、
およそ三百年前、英雄王アディラス一世によって全土を統一され、
以来、彼の子孫が代々の王として治めるメルヴィオン聖王国の支配の下、
平和で安定した豊かな時代を迎えてきた。

しかし――
次元を超えて全宇宙を巻き込む戦乱の渦、
黄泉がえり現象や時空クレバスの発生といったかつてない異変は、
長く甘美な平穏に浸ってきたアセーリアをも例外なく呑み込んでゆく。
そして今、メルヴィオンがまどろむ泰平の眠りは、
異界からの招かれざる来訪者らによって遂に破られようとしていた…。


***メルヴィオン聖王国・ユーベリア州***

蛾天丸「フハハハハ!!
 奪い尽くせ! 殺し尽くせ! 焼き尽くせ!
 この蛾天丸様の武威を天下に見せつけるため、
 徹底的に破壊するのだ!」

メルヴィオン聖王国西部・ユーベリア州。
山麓に佇む小さな農村を、盗賊団が襲撃していた。
東洋風の鎧の上に桃色の鮮やかな陣羽織を纏い、
白馬に跨った蛾天丸という男に率いられた凶悪な山賊の群れは、
村人達を殺し、財貨を奪い、家々に火をかけて焼き払う。

山賊A「へへへ、ちっぽけで貧乏な寒村かと思ったら、
 こんなに銀貨を貯めてやがるとはな」
村人A「や、やめてくれ!
 そいつは古くなった教会を修理するために村の皆で少しずつ蓄えたものなんだ。
 どうか捕らないでくれ!」
山賊B「うるせえ! てめえも殺されてえのか!」
村人B「この悪魔め…。セイロス神の天罰が下るぞ!」

泰平の世を謳歌してきたメルヴィオンにも、
山賊や海賊といったならず者の類はやはり存在する。
ここ数年、原因不明の異常気象や天変地異が続発し、
社会不安が広がると共に、そうした賊徒の蠢動は特に活発化していた。
蛾天丸が率いる山賊も、そんな世情に乗じて勢力を強めた集団の一つである。
彼らはユーベリア州にあるナフション金山を襲って占領し、
手に入れた無尽蔵の金で大勢の傭兵を雇い集めて、
今や単なる盗賊団を超えた、政府転覆さえ視野に入れた一大武装勢力と化していた。

山賊C「お頭、大変だ!」
蛾天丸「どうした。何事だ?」
山賊D「俺達を征伐するために、
 王国軍がこっちに向かってるみてえなんだ。
 何でも、国王が末っ子の王子を連れて、
 七万の大軍でネクナールの都を出陣したって話だぜ」
蛾天丸「末の王子だと…?」
山賊E「ああ。ラウールっていう、今年で十七歳になる四番目の王子だ。
 これが初陣だって事で、国王が可愛い息子の晴れ舞台を飾るために、
 あちこちの領主に兵を動員させて大軍勢を用意したらしい。
 こいつはヤバいかも知れねえぜ」

メルヴィオンの王国軍が動き出したとの報に触れて、
先程まで略奪を思うままに楽しんでいた山賊達の間に動揺が広がる。
だが王家の直轄支配下にあった金山に手を出した時点で、
国王が黙っていないというのは十分に予期されていた事である。
蛾天丸は馬上で嘲るように笑った。

蛾天丸「うろたえるな。今や俺達はただの盗賊団ではないのだぞ。
 ナフションの金山を押さえている限り、兵を雇う金はいくらでも手に入る。
 たかが七万の王国軍が何だというのだ。
 迎え撃って叩き潰し、その王子の晴れ舞台とやらに、
 惨めな大敗で泥を塗ってやる!」

空はにわかに曇り出し、雨が降り始めそうな気配である。
蛾天丸はこの村での略奪を切り上げ、攻めて来る王国軍を迎撃するため、
配下の山賊や傭兵達を取りまとめて進軍を開始した。

797凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/07/23(土) 14:32:12
***ユーベリア州・アッタン村***

降り出した雨はどんどん勢いを強め、豪雨となった。
この日、州境を越えてユーベリア州へ入ったメルヴィオンの王国軍は、
アッタンという小さな村に陣を敷き、
雨の中、各地から集う味方部隊の合流を待ちながらここで野営する事になった。

ラウール「凄い雨だな…」

国王アディラス十六世の四男、ラウール・エル・アディラス王子は、
野営のため張られた専用の幕屋の中からそっと外の様子を覗き見て、
天候の凄まじい荒れように閉口する。
比較的、気候が穏やかな事で知られるロサレダ大陸だが、
世界のバランスが狂っているのか、近年こうした異様な天気の乱れは少なくない。

ラウール「必ず勝てる戦だって皆が言うけど…。
 何だか不吉な予感がする」

今年で十七歳になるラウールにとっては、この戦いが初陣である。
父王アディラス十六世は、ユーベリア州で猛威を振るう蛾天丸の討伐にあたって、
これまで手塩にかけて育ててきた末の息子にいよいよ実戦経験を積ませる事に決めたのだ。
武将たるもの、戦場に立てる機会が巡って来たのは全身の血を沸騰させて喜ぶべき慶事なのだろうが、
元来、争いを好まないラウールの優しげな翡翠色の瞳は、輝くどころか暗く曇っていた。

レミーナ「ラウール! 入るわよ」
ラウール「…レミーナ!」

リボンで結んだ金色のロングヘアーと赤い軍装を雨に濡らしながら、
一人の若い女騎士が明るい声と共に幕屋へ入って来ると、
物憂いげに沈んでいたラウールの表情が途端にぱっと明るくなった。
レミーナ・ラプエンテ。
王家の外戚でもある有力貴族ラプエンテ家の娘で、
ラウールの一歳年上の従姉である。

ラウール「そうか…。今回の遠征にはレミーナも来てくれてたんだね」
レミーナ「ついさっき、やっと本隊に合流したところよ。
 あなたのおめでたい初陣だからね。
 例え志願してでも参加したかったところだわ」

ラウールとレミーナは幼少の頃から親しく、
レミーナが人質として王宮に預けられていた頃には二人は家族同然の関係で育った。
ラウールにとってレミーナは小さい頃から慕ってきた歳の近い姉のような存在であり、
非公式な場では互いにタメ口で話すくらいの、
君臣の関係を超えた心から気を許せる仲間なのである。

レミーナ「それで、初陣を前にして気分はどう?
 何だか既に顔面蒼白って感じだけど」
ラウール「正直、凄く緊張してる…。
 将来、大軍を統率するための訓練として、
 父上は僕を大将にして全軍の采配を任せると仰せだ。
 指揮官として、大勢の兵の命を僕が預かる事になる。
 失敗は絶対に許されない…」
レミーナ「あなたらしいわね。でもそうやって力んでると、
 かえって思考がおかしくなって余計な失敗をしてしまうものよ。
 だからほら、もう少し肩の力を抜きなさいってば」
ラウール「そんな事言われてもなあ…」

ラウールの肩をぽんと一つ叩いてリラックスさせようとするレミーナ。
緊張しすぎるのは良くないと自分でも分かっているラウールだが、
全身を鉄のように硬直させている力はどうしても抜けない。

ナレイン「殿下、間もなく出発です。
 生憎の大雨ですが、行軍を決行して今夜中にシャデラク平原に着陣すると、
 国王陛下より先ほどご下命がありました」
ラウール「そうか! よしナレイン、すぐに出立の支度をしてくれ!」
ナレイン「ははっ!」

ラウールの小姓を務める青い髪の青年、ナレイン・レンドルフは、
若い主君の命を受けてすぐに軍勢の出立準備に取りかかった。
戦場となるシャデラク平原まではあと半日の道のりである。
外に出て雨を浴びる前から、ラウールの顔はにじみ出る汗でびっしょりと濡れていた。

798凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/07/23(土) 14:34:04
***ユーベリア州・シャデラク平原***

雨中の行軍を決行したメルヴィオンの王国軍は、
その日の夜にシャデラク平原に到着し、広大な原野の東の一帯に布陣した。
総兵力はおよそ七万。
一方、平原の西側には、既に蛾天丸が配下の山賊や雇い入れた傭兵からなる
三万五千の軍勢を集めて陣取っている。
やがて夜明けと共に雨は収まり、眩しい朝陽が濡れた草原を照らし始めた。

アディラス「そう硬くなるなラウール。
 兵の数でも質でも、我が方が大きく勝っておる。
 大船に乗った気持ちで安心せい」
ラウール「はい、父上…」

ラウールの父にして、メルヴィオン聖王国の第十六代国王であるアディラス十六世は、
その優れた統治手腕と卓越した武勇から、人々にアディラス大王と尊称されている名君である。
金箔を塗した煌びやかな鎧の上に真紅のマントを羽織り、馬上にどっしりと腰を落ち着けて、
たっぷりと蓄えた黒い顎鬚を弄りながら悠然と構えているその姿にはやはり王者の風格がある。
一方、その隣に馬を並べているラウールは、今にもガタガタと震え出しそうなくらいに表情が強張り、
忙しなく視線を上下左右に泳がせていた。

アディラス「む…!」
ラウール「あれは…!?」

時が満ち、いよいよ開戦かと思われたその時、
敵陣から一騎の大柄な騎馬武者がこちらへ駆け出して来たかと思うと、
両軍の中間地点の辺りで馬を止め、地を揺らさんばかりの大声で名乗りを上げた。

グエル「俺の名はグエル!
 誰でもいい。俺と戦う勇気がある奴は出て来い!」

鎖の先に繋がれたトゲ付きの鉄球を馬上で振り回しながら、
グエルと名乗った巨漢の戦士はそう呼ばわり、一騎打ちの相手をメルヴィオン軍に求める。

アディラス「敵はあのように申しておるぞ。いかがする?」
ラウール「はっ。無論、挑戦に応ずるべきかと…」
アディラス「よし。ではこちらの代表者はお前が選べ」
ラウール「は…はい…!」

これも大将としての采配の一つである。
アディラスはラウールにこの場を任せた。

ラウール「誰か、あの者を討ち取らんとする勇者はいないか!?」

ラウールがそう言って味方に向けて募ると、大貴族の一人エゼキエル・バレロンが進み出て、
自分の配下である大剣を佩いた屈強な騎士をラウールに紹介した。

バレロン「恐れながら、このブラウリオ・カルドーソ子爵は、
 我が家中でも随一の剛勇の士。
 ぜひともその腕前を殿下にご披露したく存じます」
ブラウリオ「必ず勝利してご覧に入れます。お任せあれ!」
ラウール「おお…! 確かに強そうだ」

体格逞しく、いかにも猛者といった風貌のブラウリオを敵に向かわせようとしたラウールだったが、
そこにもう一人の大貴族アルトゥロ・メンディエタが待ったをかけた。

メンディエタ「お待ちあれ殿下! 
 我が甥のホアキン・メンディエタこそ真の勇者。
 一騎打ちには何とぞ彼をお遣わし下さいませ」
ホアキン「あのような賊徒、一撃で斬り捨てて見せます!」

ホアキンもやや小柄ながら眼光鋭く、利発な頭脳派の剣士といった顔付きである。
どちらを行かせるかラウールは迷った。

ラウール「ええ…っと…」

799凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/07/23(土) 14:35:39
勝敗が全軍の士気を左右する一騎打ちの代表者選びは重要だし、
心根の優しいラウールは、選ばれなかった方の面目や感情を傷付けるという事まで配慮してしまい、
このような決断にはなかなか答が出せない。
大勢の将兵達の視線が集まる中、滴る冷や汗でびっしょり顔を濡らしながら、
しばらく迷ったラウールはやがておずおずと口を開いた。

ラウール「…よし、ホアキンに任せる」
ホアキン「はっ、ありがたき幸せ!」
ブラウリオ「………」
ラウール「す、済まない、ブラウリオ…」

無言で一礼して下がるブラウリオ。
勇躍、馬に跨ったホアキンはグエル目掛けて駆けて行く。

ホアキン「我こそはホアキン・メンディエタ!
 王国に刃を向けた薄汚い賊徒め、覚悟せよ!」
グエル「フン、かかって来いっ!」
ラウール「………」

巨大な鉄球を下げたグエルに、ロングソードを抜いて立ち向かおうとするホアキン。
一騎打ちの緊迫した様子を、ラウールは遠くから固唾を呑んで見守った。
やがて両者は互いに馬を進ませ、交錯する。

グエル「おらぁっ!!」
ホアキン「うわぁっ!!」

勝負はわずか一瞬で決した。
投げつけられたグエルの重い鉄球がホアキンの頭に炸裂し、
ホアキンはどさりと落馬してそのまま絶命してしまう。

グエル「討ち取ったぞっ!!」
ラウール「そ…そんな…!」

グエルが馬上で拳を天に突き上げると、反乱軍の兵士達が歓声で応える。
逆にメルヴィオン軍の兵士達には衝撃が走った。

ブラウリオ「殿下! こうなれば、それがしに出番を!」
ラウール「お…おう! 行けブラウリオ!
 ホアキンの仇を討つんだ!」

己の選択ミスに愕然としていたラウールはすぐに我に返った。
このままではいけない。敵の興奮と味方の動揺が冷めやらぬ内に戦闘開始となれば、
こちらが不利となるのは目に見えている。
すぐにあのグエルを討ち取って敵の歓喜に冷や水を浴びせ、
恐れをなしている味方に勇気を取り戻させなければならないのだ。
ラウールは急ぎブラウリオをグエルに向かわせた。

ブラウリオ「行くぞ賊徒! 我が剣を受けてみよ!」
グエル「ほざくな雑魚めが。どりゃぁっ!!」
ブラウリオ「ぐわぁっ!!」

ところが、勢いよく突進して来たブラウリオをもグエルは一撃で瞬殺してしまう。
どちらを行かせるか散々迷ったラウールだったが、
結局、どちらを行かせても結果は同じだったのである。

蛾天丸「よし、全軍かかれ!」
ラウール「そんな…そんなっ…!」

思わぬ結果に、馬上で呆然とするラウール。
蛾天丸は力強く采配を振るい、この時とばかりに総攻撃を下知した。
勢いに乗った賊徒の軍勢が、津波のようにラウールに向かって押し寄せて来る…!

800凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/07/23(土) 14:39:08
●蛾天丸→ユーベリア州で反乱を起こし、シャデラク平原でメルヴィオンの王国軍と戦う。
●グエル→一騎打ちでホアキン・メンディエタとブラウリオ・カルドーソを続けて倒す。

○ラウール・エル・アディラス→初陣として蛾天丸の討伐に出陣する。
○ナレイン・レンドルフ→ラウール王子の初陣となる蛾天丸の討伐に参陣する。
○レミーナ・ラプエンテ→ラウール王子の初陣となる蛾天丸の討伐に参陣する。
○アディラス十六世→初陣として、蛾天丸の討伐にラウール王子を参陣させる。
○エゼキエル・バレロン→グエルとの一騎打ちに家臣のブラウリオ・カルドーソを推挙する。
○ブラウリオ・カルドーソ→グエルと一騎打ちするが、敗れて戦死。
○アルトゥロ・メンディエタ→グエルとの一騎打ちに甥のホアキン・メンディエタを推挙する。
○ホアキン・メンディエタ→グエルと一騎打ちするが、敗れて戦死。


【今回の新規登場】

●蛾天丸(犬夜叉)
戦国時代の日本で猛威を振るっていた野盗の親玉。
人間の姿に化け、人間の山賊達を率いているが、その正体は巨大な蛾の妖怪である。
女性を攫ってその精気を喰らう事を趣味としている。

●グエル(るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-)
幕末の日本でオランダ領事館にいた巨漢の怪しい男。
傀王の配下で、トゲ付きの鉄球を武器としている。


○ラウール・エル・アディラス(闘争の系統オリジナル)
メルヴィオン聖王国の国王アディラス十六世の四男で、王子四兄弟の末っ子。
驚異的な武才を持ちながらも心優しく、人徳は厚いがやや内気で気弱な面がある。
末弟のため王位継承の見込みはほとんどないはずだったが、
サラジア共和国の黒三日月隊の侵攻によってその運命は一変する。
なぜかその姿は地球の牧村光平にそっくりであり、出生には秘密があるらしい…。

○ナレイン・レンドルフ(闘争の系統オリジナル)
メルヴィオン聖王国南部のリジナス州を治める名門貴族レンドルフ家の次男。
年少の頃から王宮に出仕し、ラウール・エル・アディラス王子の小姓として身辺の世話と警護を担当してきた。
数多くの書物を読んで学を深めてきた智将で、ラウールの名軍師となって豊富な知恵で彼を支える。
武器として水剣ガノトトスを愛用する。

○レミーナ・ラプエンテ(闘争の系統オリジナル)
メルヴィオン聖王国東部のイマレス州を領地とする王家の外戚ラプエンテ家の娘。
彼女の叔母エフェリーナが王家に嫁いでラウール王子の母となったため、ラウールから見れば従姉にあたる。
幼い頃は人質として王宮に預けられて養育され、ラウールとはそこで姉弟のように親しくしていた幼馴染。
愛剣ミスリルソードを武器に戦う勇敢な女騎士で、「ラプエンテの赤備え」と呼ばれる精鋭の騎士団を率いる。

○アディラス十六世(闘争の系統オリジナル)
メルヴィオン聖王国の第十六代国王で、ラウール・エル・アディラス王子の父。
その優れた統治と卓越した武勇から、人々にアディラス大王と尊称される名君である。

○エゼキエル・バレロン(闘争の系統オリジナル)
メルヴィオン聖王国の有力貴族。
アディラス十六世が信頼を置く重臣の一人。

○ブラウリオ・カルドーソ(闘争の系統オリジナル)
メルヴィオン聖王国の騎士。
バレロン家に仕えている屈強な戦士。

○アルトゥロ・メンディエタ(闘争の系統オリジナル)
メルヴィオン聖王国の有力貴族。
アディラス十六世が信頼を置く重臣の一人。

○ホアキン・メンディエタ(闘争の系統オリジナル)
メルヴィオン聖王国の騎士。
アルトゥロ・メンディエタの甥で頭脳派の剣士。

801凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/07/24(日) 16:17:23
≪アセーリア編 プロローグ「王子初陣」-2≫


蛾天丸「王国軍どもを踏み潰せ!」

二戦に及んだ一騎打ちがグエルの勝利に終わったのを見た蛾天丸は、
ここぞとばかりに馬上で采配を振るい、全軍を一気に攻め出させた。

ラウール「そんな…! ど、どうすれば…!」
アディラス「怯むなラウール! 大将が動揺していては兵の士気に関わるぞ」

戦というものは水物であり、何よりも勢いが肝要である。
数に勝るメルヴィオン軍の優位は、一騎打ちが両軍に与えた心理的効果の前に敢えなく吹き飛んだ。
名のある騎士二名をグエルに討たれたメルヴィオン軍は怯み、
怒涛の如く攻めかかって来た蛾天丸の反乱軍に一方的に押され続ける。
先陣が破られ、第二陣が崩れ、第三陣も敵の突破を許して、
ラウールのいる本陣の直前にまでたちまち敵兵が殺到する事態となった。

ラウール「落ち着け…落ち着くんだ…!」

あちこちで上がる喚声、立ち込める濃厚な血の匂い、続々と舞い込む味方の死の報せ…。
もはや采配どころではなかった。
生まれて初めての戦場の雰囲気に呑まれ、ラウールはどうしたら良いか分からず、
すっかりパニックに陥ってしまっていた。

ラウール「………」

ラウールがようやく我に返った時には、既に陽は傾き、戦いは終わっていた。
破竹の勢いで激しく攻め立てていた反乱軍だったが、
アディラス十六世の巧みな用兵によって土壇場で押し返され、
日没が近付いたのを見てひとまず兵を引いたのである。
味方の半分の兵力に過ぎない反乱軍に散々に叩きのめされて、
初日の戦闘はメルヴィオン軍の敗勢のまま幕を閉じたのであった。

バレロン「殿下、お怪我はございませぬか」
ラウール「僕は大丈夫だ。でも…」

この日、戦死したメルヴィオン軍の兵士は一千を超え、負傷者はその十倍以上に達した。
事前の想定を遥かに上回る大損害である。
ラウールにとっては、ただただ戸惑って何もできずにいる間に終わってしまった人生初の合戦であった。

ナレイン「風が冷たくなって参りました。
 お体に障る前に、幕屋へお戻りなされませ」
ラウール「もう少しだけ…ここにいさせてくれ…」
ナレイン「殿下…」

夕焼けがシャデラクの原野を赤く染める中、
倒れ伏した無数の死傷者が収容され陣地の奥へと運び込まれていく様を、
ラウールはずっと馬上から無言で眺めていた…。

802凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/07/24(日) 16:19:05
レミーナ「ラウール、お疲れ様! 今夜は一緒に食事しましょう」
ラウール「レミーナ…」

日没後、鮮やかな真紅のマントをはためかせながら、
レミーナがラウールの幕屋を訪ねて来た。
間もなく夕食が諸将の前に運ばれようという時間である。
昼間の一戦で意気消沈しているであろうラウールを励まそうと、
レミーナはわざわざ顔を出してくれたのであった。

レミーナ「なかなか厳しい戦いだったわね。
 でもまあ、敵のあの勢いもせいぜい今日一杯と見たわ」
ラウール「………」
レミーナ「実際に戦ってみた感触としては、敵の実力は言うほど大した事はないわね。
 勝負は時の運。今日はちょっとこっちに運がなかっただけよ」
ラウール「………」
レミーナ「ああいう勢い任せの連中ほど、
 少しでも上手く行かなくなった時には脆いのよ。
 前に戦ったボアザの海賊がそうだったわ。
 あの時なんてね、私が隙を見て突っ込んだら、
 海賊達はみんな顔色変えて一斉に逃げ始めて…」

ラウールに少しでも元気を出させようと、
レミーナは早口で色々とまくし立てながら努めて明るく楽観論を語るが、
ラウールは心ここに在らずといった様子で、俯いたまま黙っている。

レミーナ「…ってラウール、聞いてるの?
 もう、せっかく人が励ましに来てあげてるのに…」
ラウール「………」
レミーナ「ラウール…?」

ラウールは泣いていた。
翡翠色の双眼から、涙がぽたぽたと地面に滴り落ちている。

ラウール「たくさんの兵を死なせた…僕の責任だ…」
レミーナ「………」
ラウール「大将なのに、僕は戸惑ってばかりで何もできなかった…。
 そうしている間に、味方はどんどん死んで行った…。
 大将の僕が駄目だったせいで、多くの者が死んだんだ…」
レミーナ「ラウール…」
ラウール「やっぱり…僕には大将なんて…無理なんだ…」

レミーナは困惑したが、やがて上を向いて少し考え、頭の中でよく言葉を選んでから、
ラウールの肩に手を置き、優しく言い聞かせるようにして語りかけた。

レミーナ「気にするな、とは言わないわ。
 確かにこれは軽い事じゃないかも知れないし、
 兵の命を預かっている責任の重みを忘れてしまったらそれこそ大将失格なのかも知れない。
 あなたは昔からとても優しい人だものね。
 そういうところ、悪くないと思うわよ」
ラウール「レミーナ…」
レミーナ「戦というのは恐ろしいものよ。
 人の命が秒単位で、湯水のようにどんどん失われて行く。
 私の初陣は大勝利だったけど、それでも味方は百人以上も死んだ。
 泣いたわよ。私が進めって命令したら兵が進んで、
 敵の矢を浴びて次々倒れて行くんですもの。
 私だってつらくて胸が張り裂けそうで、一晩中泣いたわ」
ラウール「レミーナも、泣いたんだ…」
レミーナ「でも、泣いたとしてもこうして立ち続けていられるのは、
 自分が戦わなきゃいけない理由も忘れないようにしているから、かな。
 つらいからって、大将がもう無理だなんて言ってしまったら一体どうなると思う?
 そもそもこの戦いは何のためのものなのか、よく考える事ね」
ラウール「何のため…?」
レミーナ「そうよ。これは自分で考えないと意味がないから、
 私から答は言わないからね。泣いてないでよく頭を捻りなさい」

803凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/07/24(日) 16:22:39
ナレイン「殿下、失礼いたします…。
 ご夕食が運ばれて参りました」
椿「すみません…。パンとサラダをお持ちしました」
太助「温かいお茶もあるよ!」

ナレインに案内されて、十代前半と見られる清楚な身なりの少女と、
その半分くらいの歳頃の、髪を短く刈り揃えた腕白そうな少年が幕屋に入って来た。
二人でラウールとレミーナの食事を運んで来たのである。

レミーナ「あら、椿ちゃんと太助くんじゃない。お仕事お疲れ様ね」
太助「はい! レミーナさんっ!」
ラウール「…レミーナ、この子達は?」
レミーナ「この近くの村に住んでいる子供達よ。
 民を賦役に徴発するのはできるだけしたくなかったんだけど、
 どうしてもってせがまれちゃってね。私の部隊で働いてもらってるわ」
ラウール「…?」

レミーナの話によると、彼女らは元はアセーリアとは違う世界にいた孤児で、
ここにいる椿と太助の他に、みかん、与平、吾郎という、
血の繋がりはないが兄弟姉妹のように仲の良い五人の子供達だという。
一度は火事で全員死亡したのだが、何の奇跡が起こったのか五人揃ってこのメルヴィオンで再び生を受け、
今はこのシャデラク平原の近くの村で、親切な農家の老夫婦に引き取られて育てられているらしい。

ラウール「なるほど。今、各地で起きているという黄泉がえり現象か…」
レミーナ「焼死って、きっと凄くつらかったと思うわ…。
 火がトラウマになってる子もいるみたいだから、
 火を扱う仕事だけはさせないようにしてるんだけどね」
ラウール「でも、どうして命じられてもいないのに、
 わざわざ僕らの手伝いなんてしてくれるんだ?」
椿「それは…。村を守るために、私達もできる事をしたいんです」
ラウール「村を…?」
椿「ええ。盗賊団が私達の村まで攻めて来たら、みんな殺されてしまいます。
 私達は、武器を取って戦う事はできないけれど、
 それでもせっかく来て下さった討伐隊の皆様のお手伝いをする事で、
 少しでも力になれたらと思って…」
ラウール「………」

ラウールははっとした。初陣という大舞台に緊張する余り、
自分の事で頭が一杯になってしまってつい考えが及んでいなかった大切な事に、
今ようやく気付かされたような気がした。

ラウール「何のため、か…」

レミーナに先程問いかけられた言葉を、もう一度ラウールは反芻して頷いた。
蛾天丸の盗賊団はこのユーベリア州で暴虐の限りを尽くしている。
これを討つのは、ここにいる椿や太助のような罪もない無力な人々を、
凶悪な賊徒の手から守るためではなかったのか。
だからこそ、こんな小さな子供達さえラウールの軍に必死で望みをかけているし、
ただ願うだけでなく、そのために自分ができる事を懸命にやっている。
それなのに…肝心の自分はさっきまで、一体何をしていたのだろう?

太助「ねえ王子様。蛾天丸をやっつけてよ。
 王国の騎士団って、すっごく強い正義の味方なんでしょ?」
ラウール「………」

太助の純真無垢な瞳に射るように見詰められて、ラウールは胸が熱くなった。
確かにレミーナの言う通り、無理だなどとは間違っても言ってはいけなかったのだ。
それはここにいる子供達を見捨て、残忍な賊徒の手に渡してしまう事を意味するのだから。
ラウールは蛾天丸に必ず勝たなければならない。
こうした民の強い願いに応え、彼らをこの危機から救い出さなければならないのである。
皆を思いやるラウールの優しさが、闘志という炎になって燃え上がり始めた。

ラウール「レミーナ、ありがとう。
 僕が今すべき事…この戦いの意味、分かった気がするよ」
レミーナ「えっ? ほ、ほんとに…!?」
ラウール「この戦、絶対に勝つ! みんなを守るためにね」
椿「はい! どうか…どうかお願いいたします!」
太助「頑張れ、王子様〜!」
ラウール「今日死んで行った兵達も、
 みんな民を守るために命を捨ててまで戦い抜いたんだ。
 彼らの死を無駄にしないためにも、僕は大将として、
 この戦いを立派に指揮し、蛾天丸を倒してみせる!」

804凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/07/24(日) 16:24:59
レミーナ「やれやれ…。何だかよく分からないけど困ったものだわ」
ナレイン「殿下は、武人としては少々お優しすぎますな。
 だが、それが美点でもあられる」

途端に元気になったラウールは夕食のパンとサラダと紅茶をたちまち平らげると、
軍議のため、幕屋を出て皆より一足先に本営へと歩いて行った。
主君の後ろ姿を見送りながら、ナレインとレミーナはひとまず安堵の溜息を吐く。

レミーナ「この戦、何とかして勝ちたいものよね…。
 でも昼間の戦いを見る限り、味方の部隊はどこもほとんど士気が低くて、
 はっきり言って頼りにならない。
 こうなったら私達で、ラウールのあの思いにどうにか応えられないかしら」
ナレイン「逆転の方策がなくもないとは存じますが、
 如何せん、我らはよそ者でこの辺り一帯の地理には暗いゆえ、
 具体的な算段はなかなか立てられませんな…」

メルヴィオン南部のリジナス州を治める名門貴族レンドルフ家の次男で、
年少の頃から王宮に出仕してきたナレインはラウールの小姓を務める傍ら、
膨大な量の書物を読んで学を深めてきた知的探求心の塊のような青年である。
軍学・兵法についても彼はこれまで多くの書を読み、古今東西の無数の戦いを分析・研究してきた。
今こそ主君のため、その知識の蓄積を生かす時なのではないか…。
ナレインは腕組みをして考え込む。

ナレイン「確かに手はある。だが…」

敵陣の後背にそびえるメシャク山を利用した一撃必殺の秘策が、
ナレインの脳内には既に形となって浮かび上がっていた。
だが、それはあくまで理論上の話である。
頭の中でのシミュレーションとしては破綻なく成り立つものの、
現実に成功させるには、山中や周辺の地理をしっかりと熟知している事が必須条件になる。
しかし他州から遠征してきたナレインらは、
初めて訪れたばかりのこの地域については詳しいはずもなかった。

ナレイン「いや、待て…!
 レミーナ殿、あの椿と太助という子供達ですが、
 確かこの辺りの村の者と仰せでしたな?」
レミーナ「ええ。この本陣のすぐ近くの村の子達よ」
ナレイン「メシャク山の地理には、彼らは詳しいのでしょうか?」
レミーナ「さあ…? どうかしら。
 あ、でも太助くんはご養親のお手伝いで柴刈りや山菜採りによく行くって言ってたから、
 メシャク山にも登っているのかも知れないわね」
ナレイン「それならば…! レミーナ殿、あの二人、
 少々お借りしてもよろしゅうございますか」
レミーナ「それは構わないけど…。何をするつもり?」
ナレイン「殿下にお捧げする策が、実現可能かも知れぬのです!」

ナレインはひどく興奮した様子で、レミーナの元を離れて椿と太助の元へ駆けて行った。
間もなく軍議が始まる時間である。一人残されたレミーナは赤いマントを翻し、
軍議に出席するため本営へと歩いて行った。

805凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/07/24(日) 16:29:06
○椿→ラウール王子の元へ食事を運んで来る。
○太助→ラウール王子の元へ食事を運んで来る。

○ラウール・エル・アディラス→己の無力さに涙するが、レミーナ・ラプエンテに励まされ、
                   椿と太助に会った事で戦意を取り戻す。
○ナレイン・レンドルフ→戦況逆転の秘策を考え付き、椿と太助に話を聞きに行く。
○レミーナ・ラプエンテ→ラウールを励まし、元気を取り戻したのを見て安堵する。
○アディラス十六世→シャデラクの戦いで苦戦に陥るが、巧みな用兵で蛾天丸の軍勢を押し返す。
●蛾天丸→シャデラクの戦いの初戦を有利に進め、一旦兵を引く。


【今回の新規登場】

○椿(るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-)
戊辰戦争で両親を亡くした孤児。
幕府方に組した前の村長の娘であるため、村の人々からは目の仇にされていた。
悠久山安慈のいた十楽寺に預けられていたが、村人達によって寺に放火され焼死してしまう。

○太助(るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-)
戊辰戦争で両親を亡くした孤児。
悠久山安慈のいた十楽寺に預けられていたが、村人達によって寺に放火され焼死してしまう。

806凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/07/24(日) 20:08:41
≪アセーリア編 プロローグ「王子初陣」-3≫


***シャデラク平原・メルヴィオン軍本陣***

夜になって開かれたメルヴィオン軍の軍議は、重苦しい雰囲気に包まれた。
何しろ、たかが賊徒の群れと油断してかかったところに思わぬ大苦戦を強いられ、
危うく本陣が攻め落とされそうにまでなったのだ。
昼間の戦いで敵の勢いにすっかり気圧され、浮き足立った諸将は、
皆揃って顔色が青ざめていた。

アディラス「狼狽するでない!
 このような時は、かえって胆気を据えるに限るわ」

あまりに沈痛な空気に耐えかねて、アディラス十六世は俯いている諸将を叱咤した。
経験豊富なアディラスはさすがにまだ悠然と構えていたが、
諸将は押し黙って声もなく、自分の軍略を披露しようという者もいない。

バレロン「恐れながら、敵の勢いは凄まじく、
 このままでは味方の不利は否めませぬ。
 一度後方へ退き、態勢を立て直されてはいかがにございますか」
メンディエタ「左様。ここは敵の鋭鋒を一旦かわし、
 こちらに有利な戦場へ引き込んで巻き返しを図るべきです」

バレロンとメンディエタは口を揃えて撤退を進言した。
それだけ味方の士気が崩壊しているのだ。
自慢の甥をグエルに討たれたメンディエタは特に意気消沈し、
完全に戦意を失ってしまっている様子だった。

アディラス「ラウールよ、そちはどう考える?
 このままここで継戦すべきか、一度退いて戦場を移すべきか」
ラウール「はっ…」

呆れ顔のアディラスはここで息子に振ってみた。
泣き腫らしたらしく充血していながら、それにしては強い確固とした意志に満たされているような、
不思議な輝きを帯びたラウールの翡翠色の瞳が先程から気になっていたのだ。
ラウールはごくりと唾を呑み、落ち着いて呼吸を整えると、
昼間のひどく緊張した様子とは一転したしっかりとした口調でおもむろに意見を述べ始めた。

ラウール「確かに昼間の一戦を見るに、敵の勢いは侮れません。
 しかし我らがここを退けば、この辺り一帯の村々はどうなるでしょう」
アディラス「む…」
ラウール「賊徒どもは村を占領して略奪し、民を殺し、
 最後には全て焼き払ってしまうはずです。
 賊徒どもを討つのは彼らの暴虐から人民を守るため。
 初戦の結果は残念でしたが、我らは尻込みしたりせず、
 ここに踏みとどまって戦うべきです!」
アディラス「よくぞ申した。お前らしい意見よの」

ずっとぎこちなかったラウールが初めて勇ましい言動を見せたので、
アディラスはなかなか満足げに口元を緩ませた。
言うまでもなく、先程会った椿や太助の事を頭に浮かべながら述べた意見である。
ここで王国軍が敗れて逃げ去れば、後に残された彼らは見捨てられてしまうのだ。

バレロン「さすがは殿下。民思いのご立派なお志に敬服いたします。
 されど今、時の運は明らかに敵軍にあり。
 踏みとどまって勝ち目のない戦をしたところで、
 結果として敗れてしまえばこの地の民を守る事もできぬばかりか、
 兵をいたずらに損ずる事にもなってしまうではありませぬか」
ラウール「それは、そうだけど…」

バレロンが指摘した通り、ここで敵を打ち破る秘策がない限り、
民を守るというラウールの言葉は実現不可能な絵空事でしかない。
勝算のない無謀な戦いをして兵を無駄死にさせる事は許されないという意見も、全く正論である。
ではどうやってこの劣勢を覆し、敵を撃破するかとなると、
まだこれが初陣のラウールには、そんな奇策はなかなか思い浮かばないのであった。

807凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/07/24(日) 20:12:05
ナレイン「恐れながら申し上げます」

その時、一人の若者が声を上げた。
大貴族である父のクゼイン・レンドルフに随伴して軍議に出席していたナレインである。

ナレイン「この私めに一策があります。
 撤退をお決めになる前に、ぜひともお取り上げ願いたく存じます」
クゼイン「こ、こらナレイン! 控えよ!
 ここはお前のような若輩者が発言して良い場ではない!」

隣にいたクゼインが慌てて息子を制したが、
アディラスはナレインを叱りつける事もなく、
笑みを浮かべてラウールの方を見遣る。

ラウール「いや、発言を許す!
 ナレイン、その策というのを聞かせてくれ!」

父の意図を即座に感じ取ったラウールは、
身を乗り出さんばかりにして寵臣のナレインに言葉を促した。

ナレイン「はっ、ありがたき幸せ…。
 愚考いたしますに、敵は山賊や金で雇われた傭兵の雑多な集まりであり、
 個々の武勇はともかく、全体として統率が取れるとは思えません。
 勢いに乗れば猛虎の如しとはいえ、少しでも劣勢となればたちまち足並みを乱しましょう。
 恐らく、心理的に不意を突かれれば一気に崩れ出すはずです」
ラウール「不意を突くと言うと、奇襲か?」
ナレイン「ご明察の通り。敵軍はメシャク山を背にして布陣しております。
 この山を越えて攻めかかり、敵の背後に不意打ちの一撃を浴びせるのです」

机上に広げられた地図を指し示して作戦を説明するナレインだが、
列座の諸侯からは呆れたような嘆息や、せせら笑う声ばかりが漏れる。

メンディエタ「バカな。あの山の険しさ、
 そう簡単に越えられるものではあるまい。
 地理を弁えぬ机上の空論というものじゃ」
ナレイン「お言葉ながら、これは空論に非ず!
 この策を可能にし得る、ある人物を皆様にご紹介したく存じます。――入られよ!」

ナレインが陣幕の外に向かって合図すると、番兵に連れられて、
二人の子供がおずおずと本営の中へ入って来た。椿と太助である。

ラウール「君達は…!」
ナレイン「殿下もご存じの、この近くの村に住む子供達です。
 聞けば彼女らはこの辺り一帯の地理に詳しく、
 メシャク山にも何度となく登り、山道については知り尽くしているとの事。
 この二人に道案内を任せるならば、
 あの険しい山とてきっと越えるのは不可能ではないでしょう」
ラウール「本当に、大丈夫なのか?」
太助「うん! 僕ら、あの山ならよく登ってるよ」
椿「とても険しい山で、敵のいるところへ抜けるのは簡単ではありませんが…。
 でも、行けない事はないと思います!」

808凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/07/24(日) 20:14:28
バレロン「行けぬ事はない…? これは笑止。
 要するに、かなりの危険と困難があるという事ではないか」

バレロンが言う通り、椿の言葉は山越えが決して不可能ではないものの、
かなりの難事だという事を正直に認めている。
地元の住民の道案内が得られるとなっても、諸将はやはり作戦に難色を示した。

メンディエタ「そもそもナレイン殿、
 そなたはそのような危うい荒技、一体誰にさせるつもりかね? 
 悪いがわしは御免被るぞ」
ナレイン「それは無論…」

私自身がやります、とナレインは言おうとした。
自分が言い出したからには責任を持って自分で行く覚悟だが、
相当の勇気と胆力が要求される事なのは確かであり、
勇将や猛将というよりは頭脳労働者型である自分の器量で果たして成し遂げられるかどうか、
ナレインにとっても厳しい挑戦には違いなかった。
だがナレインが口を開きかけた時、それを遮るように横から声を上げた者がいた。

レミーナ「私が行きます!
 奇襲による敵陣一番乗りの栄誉、
 皆様がご遠慮なさるならぜひ私が務めさせていただきたく存じます」
ラウール「レミーナ…!」

レミーナのラプエンテ家はラウールの母である亡き王妃エフェリーナの実家で、
王家の外戚でもあるメルヴィオン随一の有力貴族だが、
彼女の父は数年前に死去し、今はレミーナの弟のジェニーロ・ラプエンテが
若年ながら当主を務めている。
今回の軍役にはレミーナが弟の代理として参陣しており、
勇敢な女騎士として、弟を支えながら武勲を重ねて来た彼女の存在は諸将からも注目されていた。

レミーナ「ナレイン殿の策、確かに敵の意表を突いた妙案です。
 実行には危難が伴うと仰せならば、その危難、
 我がラプエンテ家の騎士団が見事乗り越えてご覧に入れます!」
バレロン「レミーナ殿、斯様な無茶な話に乗られるな。
 一人や二人の子供が登るだけならばともかく、
 軍勢があの峻険な山を越えるなどできるわけがない」
レミーナ「できるわけがない…敵もきっとそう思っているはず。
 だからこそ、敵の予測外の事をしてみせるのが奇襲というものではありませんか」

年上の貴族諸侯の前でも微塵も怯まず、レミーナはそう言って小さく胸を張ると、
強い輝きを帯びた双眸でラウールを見据えた。

ラウール「でも、奇襲は小勢で行なうものじゃないか。
 しかも山越えとなると、どうしても大人数は連れて行けない」
レミーナ「ええ。小勢で結構。
 私の配下から精鋭の騎士一千名を選抜して行くつもりです」
ラウール「危険だ。そんな少数で敵の中に飛び込むなんて!
 敵にはあのグエルもいるんだぞ」

レミーナの心意気は嬉しかったが、彼女をみすみす死地に送るわけには行かない。
大きすぎる危険性を憂慮して、ラウールは作戦に同意するのを躊躇った。

809凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/07/24(日) 20:19:19
ボーダン「グエルは俺に任せてくれ!」

その時、両腕を掴んで取り押さえようとする番兵らを引きずりながら、
野太い声を上げてどかどかと陣幕の中へ乗り込んで来た者がいた。
身の丈二メートルを超える、筋骨隆々とした逞しい大男である。

バレロン「な、何奴だ!?」
ボーダン「俺はガルニア人の戦士ボーダン・ドーガだ!
 昼間の戦いでは遅れを取ったが、
 あのグエルって野郎には必ず勝つ自信がある!
 次の戦では俺をあいつと戦わせてくれるよう直訴に来たんだ!」
メンディエタ「控えよ! 南蛮の野人風情が、
 召されてもおらぬのに勝手に本営へ乗り込み、
 かかる広言を吐くとは無礼にも程があろうぞ!」

ガルニア人というのは、ロサレダ大陸の南方に暮らしている、
メルヴィオン人とは系統の違う異民族である。
勇猛さで知られる森の民だが、メルヴィオン人からは未開の蛮族と蔑まれる事が多く、
現にボーダンの行動や言葉遣いも乱暴極まりない事から、諸侯は不快げな顔をした。

ボーダン「グエルの首はこの俺が叩き落として見せる!
 山越えの奇襲部隊に俺も同行させてくれ!」
クゼイン「やかましい! 誰か、この狼藉者を下がらせよ」
レミーナ「いえ、頼もしいわ。
 この体格、面構え、見るからに只者ではなさそうね。
 あなたの同行を許可するわ。グエルの相手、よろしく頼むわね」
ボーダン「おうっ! 任せろ!」

レミーナはこのガルニア人の戦士を見下すどころか、
その圧倒的な巨体に大いに感心し彼を高く評価した。
ボーダンは力強く自分の胸を叩く。

バレロン「これこれ、若者どもが勝手に軍議を進めるでない…」
クゼイン「左様。山越えの奇襲はやはり無謀であろう。
 陛下、我が愚息の放言が元で軍議を混乱させてしまい、まことに申し訳ございませぬ」
アディラス「いや、確かに蛮勇とでも呼ぶべき果敢な策だが、
 余の見たところ成算は決してなくもない。
 生憎、他に代案もないところじゃ。やるとなればこの手しかあるまい」

ずっと腕を組んだまま沈黙していた国王のアディラスが作戦を肯定的に捉えたので、
それまで口々に反対を唱えていた貴族衆はやむなく押し黙った。
アディラスはもう一度ラウールに向き直り、作戦の成否の最終判断を彼に委ねる。

アディラス「さあどうするラウール。危険を承知でこの手で行くか、
 それとも安全主義で一旦退くか。大将のそちが決めよ」
ラウール「はっ…」

民を守りたいというラウールの意志を、ナレインの智謀が作戦として具体化し、
レミーナの勇敢な行動力によってそれを実行、
最大の難関である強敵グエルに対してはボーダンの武力をぶつけて対抗する。
皆の力を合わせて作り上げた策は煮詰まった。
後は、大将であるラウールがこの策を信じる事ができるかどうかだけである。
しばし目を閉じて黙考したラウールは、やがて口を開いた。

ラウール「…皆を信じて、やってみます!
 レミーナ、そのボーダンという戦士を連れてメシャク山の突破に挑んでくれ。
 ただし、命を粗末にしない事。無理だと思ったらすぐに退くんだ」
レミーナ「分かりました!」
アディラス「よし、決まりじゃ。
 奇襲が成功して敵が崩れ出したら、すぐに全軍で攻勢をかける!」

こうして軍議は決した。
若い武将達が協力して生み出した、乾坤一擲の奇襲作戦に
メルヴィオン軍は勝負を賭ける事になったのである。

810凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/07/24(日) 20:23:13
○椿→メシャク山を越えるメルヴィオン軍の道案内を務める。
○太助→メシャク山を越えるメルヴィオン軍の道案内を務める。

○ラウール・エル・アディラス→ナレイン・レンドルフが進言した山越えの奇襲作戦を採用する。
○ナレイン・レンドルフ→山越えの奇襲作戦をラウールに進言する。
○レミーナ・ラプエンテ→ナレイン・レンドルフが進言した山越え作戦の奇襲部隊に志願する。
○ボーダン・ドーガ→ナレイン・レンドルフが進言した山越え作戦の奇襲部隊に志願する。
○アディラス十六世→ナレイン・レンドルフが進言した山越えの奇襲作戦を採用する。
○エゼキエル・バレロン→ナレイン・レンドルフが進言した山越えの奇襲作戦に反対する。
○アルトゥロ・メンディエタ→ナレイン・レンドルフが進言した山越えの奇襲作戦に反対する。
○クゼイン・レンドルフ→ナレイン・レンドルフが進言した山越えの奇襲作戦に反対する。


【今回の新規登場】

○ボーダン・ドーガ(闘争の系統オリジナル)
ロサレダ大陸南部に住む異民族ガルニア人の戦士。
身長二メートルを超える筋骨隆々とした大男で、大陸無双の怪力の持ち主。
性格は直情径行で粗暴だが、仁義に厚く面倒見のいい親分肌でもある。
武器として雷剣ラギアクルズを用いる。

○クゼイン・レンドルフ(闘争の系統オリジナル)
メルヴィオン聖王国の有力貴族で、リジナス州の領主。
ナレイン・レンドルフの父。

811凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/07/25(月) 23:09:02
≪アセーリア編 プロローグ「王子初陣」-4≫


太助「こっちだよ」
椿「足元が滑りやすくなっています。気を付けて下さい」
レミーナ「みんな頑張って! あと少しよ!」

作戦は早速、その夜の内に決行された。
バレロンらが危惧した通り、武装した騎兵によるメシャク山の突破は困難を極めたが、
椿と太助に案内されたレミーナは不屈の勇気と根性、そして優れた馬術でいくつもの難所を突破し、
選び抜かれた配下の兵一千騎やボーダンと共に、夜明け前に敵の本陣を見下ろす崖の上に到達する。

レミーナ「さあ行くわよ! セイロス神も天からご照覧あれ!
 ラプエンテ隊、総員突撃!」
ボーダン「おう! ひと暴れしてやるぜ!」

レミーナは自ら軍勢の先頭を切り、
急な崖を馬で一気に駆け下って敵陣へと突っ込んだ。

山賊A「な、何だ!?」
山賊B「夜襲だ! 敵が山から攻めて来たぞ!」
レミーナ「うおおおっ!!」
ボーダン「どりゃぁっ!!」

敵陣に突入したレミーナは松明を投げ込んで兵糧庫に火を放つと、
貴金属ミスリルで造られた長剣ミスリルソードを馬上で抜き、
敵兵を次々と蹴散らして行く。

ボーダン「グエルの野郎! 俺が相手だ!」
グエル「おう、かかって来い!」

ボーダンは敵の中からグエルの姿を見付け、勝負を挑む。
巨体同士が激しくぶつかり合い、
怪力を込めた剣と鉄球とが衝突して火花を散らした。

ボーダン「おらぁッ!」
グエル「ぐわぁっ!」

死闘の末、ボーダンの雷剣ラギアクルズがグエルの鉄球を叩き割り、
そのまま力強く振り上がってグエルの胴体を斬り裂いた。
反乱軍きっての猛将も、ボーダンの剛力の前に遂に倒れたのである。

バレロン「おお、敵陣から火の手が…!」
ラウール「レミーナが奇襲に成功したんだ!」
アディラス「ラプエンテ家の小娘め、なかなかやりおるわ。
 よし、総攻めじゃ!」

敵陣に燃え盛る炎を見て奇襲成功を悟ったメルヴィオン軍は、
背後を突かれて崩れ出した敵に正面から攻撃をかけた。
ナレインの読み通り、個々には勇猛でも、
集団としての統制が取れていない反乱軍は視界が不自由な闇夜の中、
突然の挟み撃ちに遭って混乱し、昼間の強さが嘘のように次々と倒されてゆく。
手に汗を握りつつ、戦況を本陣からじっと見ていたラウールは、
やがて昂ぶる気持ちを抑えられずに父王に言った。

ラウール「父上、レミーナが心配です。
 僕が助けに行きます!」
アディラス「うむ。直ちに回収に向かうがよい。
 …キクマルはおるか!」

アディラスは家臣のキクマル・サダムネを呼んだ。
東の海の彼方、ヒノイズル大陸のアオイ国から渡って来たサムライの子孫で、
メルヴィオンの王宮に代々仕えている譜代の若武者である。
蛾天丸の装いにも似た東洋風の具足が、
西洋風のプレートアーマーやチェインメイルを主装備とするメルヴィオン騎士の中では異彩を放っている。

キクマル「はっ、キクマル・サダムネ、ここに控えております!」
アディラス「キクマル。アオイ人のサムライ部隊を率いてラウールを護衛し、
 敵陣に突入してラプエンテ隊を救出せよ!」
キクマル「心得ましてござる!」
アディラス「ナレイン。そちもレンドルフ家の手勢を引き連れ、
 ラウールを補佐して戦え!」
ナレイン「はっ、お任せを!」
ラウール「二人とも、頼むぞ!」

キクマルとナレインに左右を固められながら、
ラウールはわずかな数で敵中に飛び込んだレミーナの部隊を救援すべく、
馬に飛び乗って敵陣へと駆け出した。

812凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/07/25(月) 23:12:10
蛾天丸「小娘が。舐めた真似をしてくれたな!」
レミーナ「あなたが賊軍の大将ね。命はもらうわ!」

今や総崩れとなった反乱軍の首魁・蛾天丸は、
激昂しレミーナに向けて大型のマサカリを振りかざす。
レミーナは下馬してミスリルソードで応戦し、一対一の激しい戦いになった。
大重量のマサカリを力任せに叩き込んでくる蛾天丸に対し、
レミーナは華麗な剣技で敵のパワーを巧みにいなしながら反撃してゆく。

蛾天丸「うおおっ!」
レミーナ「たぁっ!」

鋭く打ち込まれたレミーナのミスリルソードが、
蛾天丸のマサカリの柄を叩き折った。
マサカリの巨大な刃が宙を舞い、落下して地面に突き刺さる。

レミーナ「これで終わりね! 観念しなさい」
蛾天丸「フッ…。武器を潰したくらいで、
 人間如きがこの俺に勝てると思っているのか?」
レミーナ「人間如き…?」
蛾天丸「ウォォォォ…! グォォォォッ…!!」

レミーナが蛾天丸の言葉の意味を呑み込む前に、
蛾天丸の皮膚が不気味な青色に変わり、
体が大きく膨らんで、見る見る内に巨大な醜い怪物の姿へと変貌する。
蛾天丸の正体は人間ではなく、体長十メートルを超える蛾の妖怪だったのである!

蛾天丸「グォォォ〜!!」
レミーナ「正体を現したわね、魔物!」

レミーナは左足に巻いたレッグホルスターからナイフを一本抜いて蛾天丸に投げつけるが、
蛾天丸は口から白い毒性の粉をシャワーのように吐き出し、飛んで来たナイフに浴びせかける。
ナイフは蛾天丸に届く前に毒でドロドロに溶かされ、跡形もなく消滅してしまった。

蛾天丸「ハァッ!!」
レミーナ「きゃぁっ!?」

蛾天丸が更に続けて口から吐き出す毒粉のシャワーがレミーナを襲う。
素早く地面を転がって回避し直撃を免れたレミーナだが、
毒粉が肩にわずかに掠り、軍装から露出していた肌に火傷ができた。

レミーナ「うぅっ…!」
蛾天丸「さあ、次は全身を焼き溶かしてやろう。
 骨の欠片も残さんほどにな!」

巨大な怪物となった蛾天丸の前に大ピンチのレミーナ。
だが、そこに間一髪、ナレインとキクマルを引き連れてラウールが馬を駆けさせて来た。

ラウール「レミーナ、大丈夫か!?」
レミーナ「ラウール!」
ナレイン「敵の正体は妖魔の類か…!」

恐るべきモンスターと化した敵の大将と相対して、ラウールも驚愕し息を呑む。
口から毒粉を吐いて暴れ、蛾天丸はラウール達を圧倒した。

813凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/07/25(月) 23:13:47
キクマル「おのれ化け物、これでも受けてみよ!」
蛾天丸「バカめ。そのようなものが何だというのだ!」

キクマルは馬上で弓を構え、蛾天丸の頭を狙って渾身の一矢を放った。
だが蛾天丸は口から吐いた毒粉で、先程のナイフと同じように矢を溶かしてしまう。

蛾天丸「喰らえ小僧!」
キクマル「おっと!」

キクマルは素早く馬を跳ばせて毒粉のシャワーをかわした。
馬で駆け回りながら馬上で次々と矢を番え、蛾天丸に向けて射かけてゆくキクマルだが、
矢は蛾天丸が吐く毒粉に全て空中で焼き溶かされ、一本も標的に到達しない。

蛾天丸「そこまでだ。死ねえッ!」
キクマル「くっ…!」

遂にキクマルの動きを捉えた蛾天丸が毒粉を噴射しようと大きく息を吸い込む。
だがその時、別方向からナイフが飛来し、蛾天丸の喉元にぐさりと突き刺さった。

蛾天丸「グォォッ!?」
レミーナ「油断したわね!」

キクマルに気を取られていた蛾天丸の隙を見て、
レミーナが横から二本目のナイフを投擲したのである。
今にも吐こうと喉に溜めていた毒粉が傷口から漏れ出して体に流れ落ち、
蛾天丸は自らの毒で身を焼かれ苦しむ。

蛾天丸「ギャァァァッ〜!!」
ナレイン「殿下、今です! これを奴に!」
ラウール「分かった!」

ナレインは携えて来た大型の弩(ヘビィボウガン)をラウールに手渡した。
大怪鳥イャンクックの素材で作られた強力武器・イャンクック砲である。

ラウール「喰らえっ!」
蛾天丸「グォォォォォッ!!」

この一撃でユーベリアの民を守る…!
強い意志を指に込めて弩のトリガーを引くラウール。
狙いすまして放たれたイャンクック砲の貫通弾が蛾天丸に炸裂した。
腹部を撃ち抜かれた蛾天丸は断末魔の叫びを上げながら倒れ、
大爆発してアセーリアから滅び去ったのであった。

814凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/07/25(月) 23:15:39
かくして蛾天丸の乱は鎮圧され、ラウールの初陣は大勝利に終わった。
敵の大将を自ら討ち取ったとあってラウールの武名は大いに高まったが、
何と言っても勝敗を決したのはナレインが考案し、
レミーナが実行した山越えの奇襲作戦である。
また、敵将グエルを撃破したボーダンの武勲や、
見事な馬術と弓の腕前で蛾天丸を引き付け勝利をアシストしたキクマルの活躍も忘れる事はできない。
ラウールは彼ら一人一人を心から讃え、その功をねぎらった。

ラウール「ありがとうレミーナ。
 お陰で初陣を勝利で飾れたよ。
 ユーベリアの民を賊徒の手から守る事もできた」
レミーナ「私の方こそ、ラウールが来てくれて助かったわ。
 最初は一体どうなる事かと思ったけど、
 なかなか勇敢な戦いぶりだったじゃない」
ラウール「いや、勇敢だなんて…。
 あの時は何というか、気持ちが高揚して自分を抑えられなくなったんだ」
レミーナ「あなた、気が弱いようでいて結構熱いところあるものね。
 そういうところ、悪くないと思うわよ」
ラウール「うん…」

一方、蛾天丸が妖怪の正体を現した事について報告を受けたアディラス十六世は、
それを退治した息子の活躍には喜びながらも、
起きた事態の意味を推し測って渋面を作り、深く考え込んでいた。

キクマル「あの蛾天丸なる賊の正体にございまするが、
 このロサレダ大陸でこれまで発見されてきたいかなる種族のモンスターとも異なるもの…。
 恐らく、ここ数年の間に繰り返し発生している、
 時空の穴を通って異世界から現れた侵略者であろうと推測されまする」
アディラス「今回は大事に至る前に平定できたから良かったが、
 今後、より大きな脅威が異世界から現れる可能性は十分にあろう。
 一層警戒を強めねばなるまいな」
キクマル「御意にございまする!」

蛾天丸の乱はもしかすると、その後にやって来るより大きな国難の序曲に過ぎないのではないか…。
大王アディラスは不吉な予感に駆られながら、
軍勢をまとめてラウールと共に王都ネクナールへ凱旋したのであった。

815凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/07/25(月) 23:18:06
●蛾天丸→メルヴィオン軍の奇襲攻撃を受け、ラウール王子のイャンクック砲で倒される。
●グエル→ボーダン・ドーガと戦って敗死。

○ラウール・エル・アディラス→イャンクック砲で蛾天丸を倒し、初陣を勝利で飾る。
○ナレイン・レンドルフ→ラウールの護衛として敵陣に突入し、蛾天丸と戦う。
○レミーナ・ラプエンテ→山越えの奇襲攻撃に成功。蛾天丸と戦う。
○ボーダン・ドーガ→山越えの奇襲攻撃に成功。グエルと戦って倒す。
○キクマル・サダムネ→ラウールの護衛として敵陣に突入し、蛾天丸と戦う。
○アディラス十六世→山越えの奇襲が成功したのを見て総攻撃を下知する。


【今回の新規登場】

○キクマル・サダムネ(闘争の系統オリジナル)
数代前に海を隔てた東方のヒノイズル大陸からロサレダ大陸に渡って来たアオイ人のサムライの末裔で、
メルヴィオンの王宮に代々仕えていた家系・サダムネ家の戦士。
名前は<姓・名>の順をイースト方式で漢字表記すると「定宗 菊丸」となる。
忠義に厚い熱血漢で、武器は名刀・虎一文字。

816ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/07/28(木) 18:53:56
>>970 凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/07/24(日) 20:58:24
>優香もミニスカートよりは、今回の春服のように大胆な露出は控えて
>おしゃれに着こなしそうな感じがするがね。
まあそこはそれ、俺も男なので
若い娘の美脚を見せたファッションというのにも
どうしても心惹かれてしまうのよww。
だがそればかりになってしまっては、面白くないのもまた事実。
仰せの通り、彼女には露出を控えたおしゃれも似合うと思う。
今度はアセーリア編のヒロインであるレミーナのファッションとかも
いろいろ考えてみたいものだな。

>山根健吉は大学生でありながら、
>ネット上にゴジラに関する論文を発表して話題になったという大のゴジラオタク。
>きっと豊富な知識を提供してくれるだろう。
きっと慎哉なら、ネットで健吉の論文を読んだことがあり、
彼にも直接出会う前から敬意を抱いているかもしれんな。
すんなりと打ち解けて仲良くなってくれそうだ。

>一方、レミーナのラプエンテ家の所領はコンクェイテューラと同じく大陸の東側にあって、
>自領でラウールの挙兵を知ったレミーナは弟に留守を任せ、
>艦隊を率いてノアトーンへ駆け付けラウールの傘下に加わるという展開を考えている。
なるほど。では留守を守るレミーナの弟とやらは
コンクェイテューラにいるシンディラたちと連携を取ることになりそうですな。
一方、海路でノアトーンへと向かう途中、敵に襲われレミーナたちが船上で窮地に陥ったところで、
謎の大きな樽が近くの海にどんぶらこと流れてくる。すっぽり人が入るくらいの大きさの
その樽の中からは、「ほーほっほっほっほっほ!」と女性の甲高い笑い声が聞こえてきて……。

>>971-972 ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.
>『アルスラーン戦記‐風塵乱舞‐』・・・前回アルスラーンを追って、ダリューン達が合流。一行は
> パルスの南部にある港町ギランへと辿り着き、ナルサスの旧友である商人シャガードの元を
> 訪ねるのであった...。
殿下の半ズボン姿がようやく拝めた…(///)。
今回はダリューンが水戸黄門みたいだったが、もっと殿下にも出番が増えて活躍してほしい。

>確かに、ガーミッドの髪の色からして銀角大王の方があっているかもしれない。
>となると金角大王は?となるが、該当するキャラがいないか...?
金角大王はクールギン殿のいう通りアルハザードでよいだろう。
北上紗希と岡島雄大は、妖怪の被害に遭っている村人役辺りが
よいと思うのだが。

>シナリオの投下、お疲れ様です。まさか悠久山安慈のいた寺の
>少年少女達がアセーリアで黄泉還っていたとは...。
『るろうに剣心』の安慈のエピソードについては、
もうすっかり忘れてしまって記憶にないのだが、
原作で何の罪もなく悲惨な最期を迎えたキャラクターが、
闘争の系統で救済される展開には大賛成だ。

817ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/07/28(木) 18:54:34
誤爆した…(汗。失礼。

818凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/07/31(日) 13:36:26
≪(閲覧注意!)真相・ラウール王子の正体とは≫


今から三十五年前、隕石に乗って地球へやって来たワームの一派・ネイティブは、
自分達と敵対する別種のワームが将来地球へ攻めて来るのを予測し、
地球人と結託して対ワーム組織・ZECTを結成した。
表向き、ネイティブは地球人との共闘と共存を望んでいるかに見えたが、
実は自分達こそが地球の支配者となるべく密かに計画を巡らしていた事は、
後に仮面ライダーカブトとの最終決戦で明らかになった通りである。

擬態天道総司=仮面ライダーダークカブトがそうだったように、
ネイティブの一部には時空を超える特殊能力を持つ者がいる。
ネイティブは異世界アセーリアにも進出してアセーリア人に擬態し、
そこで次第に増殖して行った。
ネイティブは来たるべき地球でのワームとの戦いに備え、
アセーリアを仲間の繁殖場として利用するつもりであった。

そして十年前…。
アセーリアで誕生したネイティブのサナギ体(サリス)の一匹が戦力として地球へ送り込まれた。
ネイティブの中でも特に優れた戦闘力を持つ、突然変異体である白いサリスである。

フィリナ「こっちよ、光平〜!」
光平「待ってよフィリナ〜!」

牧村光平、この時七歳。
地球へやって来た白サリスは、まだ年端も行かない光平の姿に擬態した。
白サリスは光平を殺害して密かに本物と入れ替わるため、背後から忍び寄る。

茂「待てい!」
擬態光平「誰だ、お前は!?」

その時、物陰から一部始終を見ていた城茂=仮面ライダーストロンガーが、
擬態光平の前に立ち塞がった。

茂「人間そっくりの姿に化けて社会に潜伏する
 気味の悪い虫の怪物ってのはお前達の事だな。
 仮面ライダーストロンガーが相手になるぜ! 変身!!」
擬態光平「いいだろう。邪魔をするならば殺してやる!」

ストロンガーに変身した茂と、サリスの姿に戻った擬態光平が戦う。
白いサリスは通常の緑色のサリスと異なり、成虫態になる前から既にクロックアップが可能である。

白サリス「クロックアップできない貴様など、俺の敵ではない!」
ストロンガー「どうかな? 動きを捉えられなくても、
 攻撃する方法はあるぜ。エレクトロウォーターフォール!!」
白サリス「ぐっ…!?」

ストロンガーは周囲一帯の地表から電流の滝を湧き上がらせた。
点ではなく面で広く全方位に攻撃すれば、
どんなに高速で動こうが避けようがないという発想の転換である。
クロックアップでストロンガーを翻弄していた白サリスは、
エレクトロウォーターフォールに巻き込まれ、感電して動きを止めた。

白サリス「グォォォッ…!」
ストロンガー「今だ! 電パンチ!」

クロックアップから通常の時間流へと戻された白サリスの頭部に、
ストロンガーは一万ボルトの超高圧電流を帯びた強烈なパンチを炸裂させた。

擬態光平「グッ…グァァァッ…!!」

頭に強い電流を流し込まれた白サリスは脳がクラッシュし、意識が混乱して苦しむ。
白サリスは先ほど擬態した光平の姿に戻ると、
頭を押さえて悶えながら時空を超えてアセーリアへと撤退した。

ストロンガー「逃がしたか…!」

819凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/07/31(日) 13:38:18
メルヴィオン聖王国の国王アディラス十六世の四男ラウール・エル・アディラス王子は、
五歳になると王宮を離れてネクナール城下の修道院に預けられ、
そこで読み書き計算、礼儀作法や宗教道徳などの基礎教育を受けていた。
(日本の戦国武将が幼児期に寺に預けられて教育されていたのと似た習慣)
だが、そうして七歳になったラウールの身に事件が起こる。

ネイティブA「見付けたぞ、ラウール王子!」
ネイティブB「覚悟っ!」
ラウール「うわぁぁっ!!」

ある日、突如として修道院に乗り込んで来た謎の武装集団はネイティブ(ワーム)の正体を現し、
院内の礼拝堂で神に祈りを捧げていたラウールに無慈悲な凶刃の一撃を浴びせると、
修道院に火を放った。

エリス「ラウールが…! ラウールがっ…!」
ナダル「姉上、落ち着いて下され!」

修道院の火災の報を聞いて王宮から急ぎ駆け付けた姉のエリス・レイカ・アディラス王女は、
炎上する修道院の中にまだラウールがいると知り、あまりの事に錯乱して取り乱す。

騎士A「危険です! お下がりを!」
ナダル「ええい! どけっ!
 このままじゃラウールが死んでしまうんだ!」

十歳になるラウールの次兄ナダル・ヴァル・アディラス王子は、
家臣らが止めるのを振り切り、燃え盛る修道院に単身飛び込んだ。
勇敢にも火災現場に突入したナダルは、炎の中からラウールを見付け出し、
抱きかかえて脱出する。

エリス「ラウール! 良かったわ。無事だったのね!」
ラウール「…誰?」
エリス「えっ、何を言っているの?」
ナダル「姉上、もしかしてラウールは、
 火事のせいで記憶を失ってしまったのでは…?」

救出されたラウールは大きな怪我をしておらず命に別状はなかったが、
何と記憶を全て失ってしまっていた。
エリスとナダルは、これは火災による一酸化炭素中毒が引き起こした
脳障害のための記憶喪失であろうと判断し、幼い弟を襲った不幸に深く悲しむのであった。

モルゲグ「上手く行ったわい。ククク…」

その様子を物陰からそっと覗き見てほくそ笑む初老の男…。
モルゲグ・ヒルガノス。
数年前、ある「重大な罪」を犯したために国王の逆鱗に触れて処刑された、
メルヴィオンの元貴族である。
死んだはずの彼がなぜ生きてそこにいるのか…?

820ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/07/31(日) 19:31:21
≪レミーナの地球留学-1≫

宇宙の創造神(界王神)と対をなす“破壊神”ビルス。

宇宙全体のバランスを保つために存在する神で、
その気になれば宇宙そのものを破壊するほどの力を有しており、
界王はおろか界王神からも恐れられている。
第三次元で我々の住む地球と太陽系のある「第7宇宙」を担当しており、
常に付き人兼目付役のウイスを従えている。
あの超サイヤ人・孫悟空がその生涯において、
ついに勝利を得ることのできなかった相手であり、
また地球上の一部の岩盤だけを破壊し「地球を破壊した」としてその場を収めたり、
フリーザの地球襲来時に際しても間接的に悟空たちに手を貸してやるなど、
なかなか懐の深い一面を見せることもある。

その破壊神ビルスがいつものようにウイスを引き連れ、
魔界の四大実力者の一人、大公爵アストロトの元を訪れていた。

ビルス「堕神の連中が、最近急に鳴りを潜めていてね」

地球でイーバを使い再生者(リザレクター)狩りをしていた
堕神の動向を調査していたビルスだったが、
最近になって急に堕神一味の動きがぷっつりと途絶えてしまったのだという。

ウイス「おそらくビルス様が動き出したと察知して、恐れをなしたのでしょうけどね」
アスタロト「堕神というと、宇宙創世の昔に混沌の海の意思に逆らって
 滅ぼされたという異端の神の一族。まさか実在したとは…」
ビルス「おや、よく知ってるじゃないか」
アスタロト「ビルス様こそ私より事情にお詳しそうですが?」
ビルス「そりゃそうさ。全王様のご命令で、
 過去に堕神どもを殲滅したのは、他ならぬこのボクだからね」

遥か太古の時代に堕神を滅ぼしたのは、破壊神ビルスだったという衝撃の事実。
しかし全滅したはずの堕神が生き残っていて、今の世に蘇り暗躍を始めたのである。
ビルスの読みでは、黄泉がえり現象や時空クレバスの発生現象も、
堕神が裏で糸を引いているのではないかとのこと。

ビルス「そこでアスタロト、キミに堕神の追跡調査を
 引き継いでもらえないかい?」
アスタロト「えっ!? なんでわたしが!」
ビルス「キミ、そういうの得意じゃん。
 ボクはこう見えて他にもいろいろ忙しいんだよ。
 それとも何か文句ある?」
アスタロト「い、いえ…決してそのような」(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル
ビルス「じゃあしっかりと頼んだよ!」

ビルスに仕事を押し付けられてしまったアスタロト。

アスタロト「そうだ。ここはアイツに押し付けてみるか…」


***常春の国マリネラ***

王宮で電話が鳴ったので、
受話器を受け取るパタリロ八世。
電話の主はアスタロトだった。
アスタロトはかくかくしかじかと事情を説明。

パタリロ「…で、なんでぼくなんです?」
アスタロト(電話の声)「お前の先祖の契約はまだ完全に
 履行が終わってはいないぞ。未払いの小銭が欲しくないのか?」

先祖のパタリロ六世が結んだ主従契約の縁で、
以前にアスタロトの小間使いをしていたこともあるパタリロだが、
こうして今回も体よく面倒事をアスタロトから押し付けられることに…。

タマネギA「いったいどうするんですか?」
パタリロ「しょうがない。確か日本にはイーバと主に戦っていた
 天凰輝シグフェルがいたな。アイツから適当な話だけ
 手短に聞いといて、それでお茶を濁すか」
タマネギB「………(いいのかなぁ?)(汗」

こうしてパタリロは、王家専用機「暁の銀鷲号」に乗って
日本の羽田へと向かった。

821ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/07/31(日) 19:32:04
一方、その頃…。

***メルヴィオン聖王国・王都ネクナール***

国土復興に向けて活気に満ち溢れるネクナールの都。
その日、レミーナ・ラプエンテは、ナレイン・レンドルフから
秘密裏に王宮へと呼び出された。

レミーナ「私に地球に留学に行けと?」
ナレイン「いかにも。まもなく我が国から地球への留学生の
 第一陣が出発します。レミーナ殿にはその代表として
 地球に赴いていただきたいのです」
レミーナ「でもどうして私が? 国内の学者や賢者、それに技師など
 適任者なら他に幾らでも…」
ナレイン「いや、レミーナ殿には地球の文明や技術などではなく、
 向こうの内情を探ってきてほしいのです」
レミーナ「私に…スパイをしろと?」

ナレインのいうところによれば、まだアセーリア側は地球について
ほとんどよく知らない。これから仲良くに交流していくためにも、
もっと互いのことをよく知らなければならない。

ナレイン「スパイと言っても、別に相手を欺いて軍事機密を
 盗み出せというのではありません。聞くところによれば
 地球では"民主主義"というルールに基づいて国の進むべき道を
 決めていくのだとか。ならば地球側の民の声は、我々アセーリアの側の
 ことをどのように思っているのか。地球側の民心、世論、その他諸々の
 社会情勢についても正確に把握しておきたい。それをお頼みできるのは
 レミーナ殿をおいて他にいないのです」
レミーナ「わかったわ。そういうことならお引き受けしましょう。
 私も地球というところには前々から興味はあったし」
ナレイン「かたじけない。キクマルを護衛として随行させましょう」

こうしてレミーナは、キクマルも伴って地球に留学体験することになるのだが、
果たして彼女には地球でどのような体験が待ち受けているのだろうか?

822ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/08/03(水) 12:39:57
<<狙われた国際競技大会(仮)-1>>

太陽系オリンピック(仮)―旧西暦で行われた国際競技大会が新西暦の
時代において発展。地球上の国家・地域のみならず周辺のコロニーや
太陽系内にある惑星国家および自治組織も参加が可能になっており、
地球および太陽系において一大イベントとなっている。近年エスパーや
ミュータントなどの異能力者が増加した事により一時期衰退していたが、
先のダカール政変におけるロゼ・アプロヴァール大統領の宣言と度重なる
戦争で疲弊した地球に平和が訪れるよう祈りをこめて、この度開催される
運びとなり、世界各地では大変賑わっていた。

***アザディスタン***

開催地は中東の国家アザディスタン。地球連邦が成立した初期の頃、
幾度も戦火に見舞われたが、現在は無事復興を果たした国家であり、
太陽系オリンピックの開催地となった。オープニングセレモニーも行われ、
会場内の観客たちの間で歓声があがる。しかし、この大会には、ある危機が
迫っていた。

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

?????「無事、アザディスタンに潜りこめたようね」
????「はい、ミンメイ様」
?????「では、計画どおり最終回を狙って...」
???「そこまでだッ!」

夜。大会で盛り上がるアザディスタンの首都で、あやしげな会話をする
ミンメイと呼ばれるチャイナドレスの女性と数人のグループの前に、
2人の少年―プリベンターに所属するガンダムのパイロット、ヒイロ・ユイと
張五飛が現れる。

五飛「貴様達の会話を聞かせてもらった」
ヒイロ「...おとなしく投降しろ」

あやしげな会話をする彼等に、ヒイロは銃口を向ける。

ミンメイ「相手は子供よ。始末しなさい!」
男性一同「うぉぉぉぉ!!」
ヒイロ「―ッ」
五飛「嘗めるなッ!」

ミンメイの指示を受けて、男達はヒイロと五飛に襲い掛かる。
しかし五飛は体術で男達をねじ伏せ、ヒイロは銃で相手を
無力化させていく。だが、その隙に指示を出していたミンメイは
その場から逃げ出す。

鬼太郎「待て、逃がさないぞ!」
ミンメイ「お前は鬼太郎!何故、ここに!?」
目玉おやじ「正体を現すのじゃ、画皮!」

逃げ出すミンメイの前に、ゲゲゲの鬼太郎が飛び出す。そして
ミンメイは目玉おやじによって、正体が中国妖怪の画皮である事を
暴かれてしまう。

鬼太郎「大会の邪魔はさせないぞ!」
ミンメイ「私には、まだやる事がある。鬼太郎、貴様の相手は今度だ!」
鬼太郎「待てぇ!...クッ、逃げられた」

ミンメイ(画皮)は鬼太郎達の手を逃れ、その場から撤退した。
そして鬼太郎はヒイロ達の元へと合流する。

男性A「うう...あれ?ここは何処だ」
男性B「俺達、何をしていたんだ?」
五飛「こいつら、記憶が無いのか?」
ヒイロ「...サリィ・ポォ。テロリストと思わしき集団を捕えた。しかし
 洗脳されていた可能性があり、本人達に記憶はなく、妖怪帝国の者と
 思われる者も逃がしてしまった。人を寄越してくれ」

ヒイロ達によって気を失っていた男達は、目を覚ますが、その記憶がなく
ヒイロは同じプリベンターのエージェントであるサリィ・ポォに連絡を入れる。

鬼太郎「すみません。画皮を逃してしまいました」
ヒイロ「気にするな。だが情報通り、この大会は妖怪帝国に狙われているのが
 証明されたな」

何故、鬼太郎がヒイロ達プリベンターと行動を共にしているのか。
話しは大会が始まる数日前に遡る。

823ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/08/03(水) 13:23:31
***ゲゲゲの森***

数日前。間もなく大会が開催されるとうい事で、連日メディアでは
大会についてのニュースが取り上げられていた。そのニュースは
ゲゲゲの森の住民である鬼太郎の所にまで伝わっていて、
その日もラジオで大会のニュースを聞いていた。

猫娘「鬼太郎、お客さんよ!」
鬼太郎「お客...?」
零児「お邪魔させてもらう」
小牟「久しぶりじゃのう。鬼太郎!」
鬼太郎「零児さん。小牟さん。何故、ゲゲゲの森に?」
小牟「うむ。その事なんじゃがのう...」

ニュースを聞いていた所、猫娘が零児と小牟をゲゲゲハウスに
連れてくる。鬼太郎は2人がゲゲゲの森に来た理由を尋ねてみると、
2人によれば霊界探偵である幽助が、コエンマからの指令により、
先日明らかになった妖怪帝国が太陽系オリンピックにテロを仕掛けようと
している情報を入手したとの事、そこで大会を守る為、ブレイバーズの方でも
警備に向かう事が決定し、零児と小牟は鬼太郎に協力の要請をしにきた
という事だった。

目玉おやじ「太陽系オリンピックは平和の祭典...妖怪帝国が関わっているので
 あれば、見過ごす訳にはいかぬのう」
鬼太郎「分かりました。是非、協力させてください」
零児「それは重畳。よろしく頼む」

こうして鬼太郎は、妖怪帝国から太陽系オリンピックを守る為、
アザディスタンへと向かった。果たして大会を狙う妖怪帝国の
目的とは...。

◯ヒイロ・ユイ→ミンメイに操られた男性の集団を捕える。
◯張五飛→ミンメイに操られた男性の集団を捕える。
◯鬼太郎→大会を守る為、要請を受けてアザディスタンへ赴く。
  ミンメイを取り逃がしてしまう。
◯目玉おやじ→大会を守る為、要請を受けてアザディスタンへ赴く。
  ミンメイを取り逃がしてしまう。
◯猫娘→零児と小牟をゲゲゲハウスに案内する。
●ミンメイ→ある目的で一般人の男性達を操る。鬼太郎達が現れたので撤退する。
◯有栖零児→鬼太郎に協力を要請する。
◯小牟→鬼太郎に協力を要請する。

【今回の新登場】
●ミンメイ=画皮(ゲゲゲの鬼太郎)
 皮を被って美女に化けて男を誑かして喰う中国妖怪。チーの配下で
 「ミンメイ」という美女に化けて、ねずみ男や南方妖怪に近づき、彼らを
 惑わせ、鬼太郎を倒す様に仕向けた。眼力で洗脳する術を持つ他、
 突風の息や絵を実体化させる術を使う。

824凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/08/09(火) 16:49:13
<<狙われた国際競技大会(仮)>>加筆

***アザディスタン・サッカースタジアム***

水面下で密かに妖怪達が蠢いている事など多くの人々は知る由もなく、
太陽系オリンピックは大いに盛り上がっていた。
男子サッカーは、開幕戦で中東の新興国エイラシア代表が、
優勝候補の一角である南米系コロニー国家のフェルコーナ代表を破るという波乱の幕開け。
近年、アラブ諸国が豊富なオイルマネーを投資して進めているスポーツの強化が、
決して侮れないものである事を世界に見せつけた。
そしていよいよ、地元ファンが待ちに待った開催国アザディスタン代表が、
こちらも今大会最強との呼び声高いフランス代表との初戦を迎える。

フィリナ「フランス頑張って〜!」

太陽系オリンピックの主要スポンサーの一つは、
フィリナ・クラウディア・アルシャードが社長を務めるクラウディア・エレクトロニクス社である。
スポンサーとして大会のオープニングセレモニーに出席したフィリナは、
そのままアザディスタンに滞在して試合観戦を楽しみ、
この日はフランス代表の青いレプリカユニフォームを着てサッカースタジアムに姿を見せていた。

フィリナ「ああっ、惜しい〜!」

アルジェリア出身でフランス国籍のフィリナは、
やはり自分にゆかりのあるこの2国を中心に応援している。
ところがこの試合、フランス代表は格下と見られていたアザディスタン代表を相手に大苦戦。
圧倒的に攻め続けて次々とシュートを打ちまくるが、
地元サポーターの大声援を受けて奮起したアザディスタン代表は、
懸命のディフェンスで猛攻をことごとく跳ね返し、1点を守り切って何と1-0で勝利してしまった。

キバラ「残念だったね。まさかこんな結果になるとは」
フィリナ「叔父様!」

試合終了後、叔父でアダブ王国の特使を務めるキバラに声をかけられて、
フィリナはフランス国旗を模したトリコロールカラーのマフラータオルで額の汗を拭きながら微笑む。

フィリナ「確かにフランスが負けたのは残念ですけど、
 でも大会が盛り上がるには、何より開催国が活躍するのが一番ですもの。
 アザディスタン国民の皆さんがこんなに喜んでいるのを見ると、
 決して不愉快な気分になんてなれませんわ」
キバラ「大人だねえ。
 確かに、この番狂わせは大会を盛り上げずにはおかないだろうね」

世紀の大金星に沸くスタンドの熱気を味わいながら笑顔を作る二人。
フィリナはアザディスタン代表の大健闘を心から讃えて拍手を送った。

フィリナ「さあ、明日はバスケットボールのアルジェリア代表を応援しなきゃ。
 叔父様もご一緒にどうです?」
キバラ「いいね。また面白い試合になりそうだ」

スタジアムを後にしたフィリナとキバラは、
二人で夕食を摂るため、予約している五つ星ホテルにタクシーで向かったのであった。

825凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/08/09(火) 16:52:27
***東京・朝倉家***

光平「おおっ、ナイスレシーブ!」
慎哉「いいぞいいぞ! だんだん日本のペースになって来た!」

アザディスタンと日本の時差は約6時間。
現地時間で夜7時に行われる試合は、日本時間では深夜1時の開始となる。
夜もすっかり更けた頃、東京・豊洲にある朝倉家の居間では、
牧村光平と朝倉慎哉が眠気覚ましのホットコーヒーをすすりながら、
太陽系オリンピックの女子バレーボール、
日本代表VSムアンバ代表の試合を衛星生中継でテレビ観戦していた。

慎哉「うわ〜! 相手の4番、凄いジャンプ力だな」
光平「ピュンマさんの祖国、強いよなあ…」

ムアンバはサイボーグ008=ピュンマの故郷の国で、
アフリカ人らしい高い身体能力を駆使したパワフルなバレーで日本代表を苦しめるが、
日本代表もよく組織されたチームプレーで徐々に押し返し、
両者1セットずつを取っていよいよ勝負の第3セットに突入である。

光平「でもまあ、無事に盛り上がってるようで良かったな…」
慎哉「…ん? 何だって?」
光平「いや、何でもないよ」

大会を狙うテロの気配を察知してブレイバーズが動き出しているという情報は、
光平の耳にも入っていた。
大会はまだ始まったばかりだが、ここまでは順調に各競技の日程を消化し、
大きな事故やトラブルなどは起きていない。
平和の祭典がこのまま最後まで無事に開催される事を、光平は願った。

光平「さあ、3セット目が始まるぞ!」
慎哉「頑張れ〜!」


***アザディスタン・ラグビースタジアム***

一方、男子ラグビーのサラジア代表は、木星から出場した
木星圏ガニメデ・カリスト・エウロパ及び他衛星小惑星国家間反地球共同連合体(木連)代表と対戦。
前半は圧倒的に攻めて点差を20点まで広げ楽勝ムードだったが、
後半、木連代表が意地の猛反撃に出ると流れは一変し、怒涛の勢いで追い上げられる展開に。
そしてとうとう、試合終了間際に劇的な決勝トライを決められてまさかの大逆転負けとなってしまった。

アルハザード「う〜む、何たる事だ!」
秘書N「前半の内容は素晴らしかったのですが…」

はるばる木星から地球まで応援に駆け付けた木連サポーターが興奮し、
人気アニメ『熱血ロボ ゲキ・ガンガー3』の主題歌の替え歌を勝利の凱歌として高らかに大合唱する中、
観戦に訪れていたサラジアのアフマド・アルハザード副大統領は憮然としてスタジアムのVIP席を立つ。

アルハザード「後半の総崩れに対して何の手も打てんとは、
 監督の采配がなっておらん! 
 サラジア・ラグビー協会に命じて直ちに監督を解任させろ!」
秘書R「かしこまりました…」

アルハザードは国威発揚の道具としてスポーツを重視しており、
副大統領に就任して以来、ずっと国策として各競技の強化に力を入れている。
独裁者アルハザードはその権力を使って度々サラジアのスポーツ界に現場介入しており、
彼の意向一つでチームスタッフや協会幹部の首が飛ぶという事も珍しくない。

秘書N「閣下、ラグビーは残念でしたが、
 今回、野球の我が国の代表チームは育成の甲斐あって優秀な選手が揃い、
 上々のコンディションでこの大会に臨む事ができております。
 明日の初戦は、恐らく期待してよいと思われます」
秘書R「メディア等の下馬評は決して高くありませんが、
 あのチームのポテンシャルには驚異的なものがあると報告されており、
 世界を驚かせる力は十分にあると見てよいはずです」
アルハザード「中東で野球などなかなか流行らんだろうが、
 野球はアメリカの国技と言っても過言ではない球技。
 もし万一、アメリカに野球で勝てればアメリカ国民のプライドはひどく傷付くだろうと思って、
 試しに強化プロジェクトを進めてみたが…。
 よし、ならば明日は野球の試合を観戦しようではないか」

暗殺を恐れてどんな時でも警戒を欠かさないアルハザードは、
黒服を着た大勢の護衛に囲まれながら、二人の秘書と共にスタジアムを後にした。

826ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/08/12(金) 22:10:29
≪光平よ、父と子の絆を守れ!-1≫

***海防大学付属高校・校門***

放課後の訪れを告げるチャイムが鳴り響く中、錦織佳代と北上紗希は、
その日もいつも通りに仲良く一緒に下校しようとしていた。

紗希「あら、あそこにいるのは光平くんだわ」
佳代「光平〜! 一緒に帰ろぉ〜♪」

少し離れた向こうで牧村光平の姿を見つけた佳代は、
いかにもご機嫌な感じで真っ先に駆け寄り、
光平も一緒に帰り道に誘おうとしたのだが、
その数歩手前のところで思わず立ち止まって硬直した。

光平「アハハハハッ」
フィリナ「うふふふ…」

なんと光平は、全く見慣れない金髪の外国人女性と
親しげに会話していたのである。

佳代「――!!」Σ(゚д゚lll)ガーン
紗希「……!?」Σ(゚д゚lll)ガーン

反射的に物陰に隠れてしまう佳代と紗希の二人。
光平はそんな二人に全く気が付くことなく、
その若い外国人女性と談笑しながら
早々にその場から立ち去ってしまった。

佳代「…だ、誰よあの金髪女は!!」
紗希「そんなまさか…。だって光平くんには沢渡さんが…。
 きっとただのお友達よ。光平くん、交友関係広そうだもの」
佳代「ゆ、許せない〜! 光平のやつ、
 アタシという女(ひと)がありながら〜っ!!」
紗希「錦織さん…??(汗」


***同校舎内・視聴覚室***

慎哉「俺をどうするつもりだ…?(汗」

その日、朝倉慎哉は授業が終わって
いつも通りに下校しようとしていたところ、
突然背後から何者かに袋を被せられて拉致された。
気が付くとロープでがんじがらめに亀甲縛りにされ、
天井から吊るされていたのである。

そして彼の目の前には、
引きつった表情の錦織佳代と、
いかにも申し訳なさそうな表情をしている
北上紗希がいたのであった。

佳代「朝倉、洗いざらい全部吐いてもらうよ。
 校門のところで光平と一緒にいたあの金髪女は誰なの!?」
慎哉「金髪女…?」

慎哉はすぐにフィリナのことだと直感した。
そういえば今、フィリナは所用があって来日している。
佳代と紗希はまだフィリナのことを知らない。
それで光平と話しているところを偶然目撃して、
何か変な勘違いをしたのだろう。

827ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/08/12(金) 22:11:03
慎哉「俺は一切何もしゃべらないぞ。
 特に錦織、お前に話せば余計にややこしいことになる」
錦織「へぇ〜いい度胸だね、朝倉。
 言っておくけど、アタシは人を殺さずに痛めつける方法を
 何通りも知っているんだよ。ふふふっ…」
慎哉「おいやめろ錦織! お前目がマジでヤバイぞ!
 (((((((( ;゚Д゚)))))))ガクガクブルブルガタガタブルガタガクガクガクガクガク」

奇怪な忍び専用の拷問器具!?を握った佳代の両手が、
じわじわと慎哉に迫る!ww

慎哉「おい北上さん! 黙って見てないで
 コイツを止めてくれ〜!」
紗希「ごめん朝倉くん、わたしもあの女の人が
 誰なのか正直知りたい…」
慎哉「え〜〜〜っ!?」ガ━━ΣΣ(゚Д゚;)━━ン!!

光平を巡って堂々と沢渡優香に恋のライバル宣言をしている佳代とは違い、
紗希にはそこまでの気持ちはない。しかしそれでも彼女にとって
牧村光平は気になる男の子には違いなく、やはり彼と親しげにしていた
見知らぬ女性の正体はどうしても気になるのだろう。

佳代「さあ覚悟しな朝倉ァァ〜!!」
慎哉「いや…お願いやめて…ギャアアッ――!!!!!!!!!」


◇   ◇   ◇


慎哉「ううっ…もうお婿に行けない」。・゚・(ノД`)・゚・。ウエエェェン

一切合切全てを白状させられた後も、
まだ縛られて吊るされたままの慎哉は、
いったい佳代に何をされたのか…?
泣きながら非常に情けない顔をしているww。

佳代「なるほど、あの金髪女――じゃなくて
 外国人は光平の従姉さん(おねえさん)だったんだ」
紗希「話には聞いていたけど、あの人がフィリナさん…」
佳代「こうしちゃいられない! 行こう北上さん!
 光平の従姉さん(おねえさん)に自分を売り込んで
 アピールする絶好のチャンスじゃん♪」
北上「あっ、待って錦織さん!」

慎哉から自白を引き出した佳代と紗希は、
縛られたままの慎哉を放置して走り去ってしまった。

慎哉「おい!せめてこっから降ろしてくれよ!
 これどうやって解くんだよ!
 こんな格好、他の誰かに見られたらどーすんだ!?
 誰か助けてくれえええ〜〜〜!!!(泣」

828ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/08/12(金) 22:11:39
***メガロシティ市街区・某喫茶店***

ここは海防大学付属高校の通学路の途中にある喫茶店である。
よく生徒たちが、学校からの帰り道に溜まり場として利用している。

フィリナ「えっと…確か岡島雄大君だったかしら?」
雄大「光栄です。覚えててくれたんですね♪」

それぞれ注文したコーヒーやパフェ、クリームソーダ等が並んだテーブルを、
牧村光平、フィリナ・クラウディア・アルシャード、
沢渡優香、岡島雄大の4人が囲んでいる。
雄大は、以前に光平から紹介されて一度だけ会ったことのあるフィリナが、
今も自分のことを覚えてくれていて感激している。

優香「それでフィリナさんは、今回はどんな用件で
 日本にいらしたんですか?」
フィリナ「提携企業の視察よ。ついでに光平の元気な顔も覗きにね」
光平「だったら本当は忙しいんじゃないのか?
 無理してこっちに顔を出さなくても…」
優香「光平くん、フィリナさんは光平くんのことが
 いつも心配なのよ」
光平「ちぇっ、まるで子ども扱いみたいだな」
優香「コラッ、光平くんったら!!
 そんなこと言ったらフィリナさんに失礼じゃない!」
フィリナ「いいえ優香、わたしから見れば光平は
 いつまで経っても可愛い弟、子供みたいなものよ」
光平「なんだよそれ…」 (-ω-)ブーブー

むくれる光平と、それを見て笑う他の三人。
そんな時、雄大が客席側の窓の外に何かを見つけた。

雄大「あれっ!? あれってもしかして広瀬先輩じゃないですか?」
光平「本当だ、広瀬だ。アイツ、一人で家に帰る途中かな…?」

広瀬ザジ――光平たちとは教室は違うものの、同じ海防大学付属高校の2年生。
日本人の父とフランス人の母との間に生まれたハーフで、
学校では天文同好会に所属している。

フィリナ「もしかしてお友達?」
優香「そうだ光平くん、せっかくだからこの機会に
 フィリナさんに広瀬くんも紹介したら?」
光平「そうだな。お〜い広瀬〜!!
 ……――あれはッ!?」

手を振ってザジを店の中に招き入れようとした光平だったが、
その瞬間に彼らはとんでもない事態を目撃した。
なんと歩いているザジの脇に突然、黒塗りの車が停まったかと思うと、
降りてきた運転手の男がザジを捕まえて、強引に車の中へと連れ込み
走り去ってしまったのである。

雄大「う、嘘だろ…」
優香「まさか誘拐!?」
フィリナ「すぐに警察に連絡を!」
光平「GARU! 聞こえるか!?」

光平はすぐに左腕に身に着けている腕時計型の通信機で、
朝倉家の玄関前に駐車しているマシンガルーダに連絡を取る。

GARUの声「どうしました光平?」
光平「緊急事態発生だ! 誘拐事件が起こった!
 至急こっちまで急行してくれ!」
GARUの声「了解です! 直ちに現場に急行します!」

829ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/08/12(金) 22:12:32
一方、ザジを拉致した黒塗りの車の中では…。

ザジ「いきなり何をするんだ!? 放してよ!
 誰か助けて!!」
鬼塚「うるさい! 静かにしていろ!!」

ザジを連れ去り車を運転しているサングラスの男――鬼塚は、
持っていたスプレーを吹きかけてザジを眠らせ大人しくさせると、
無人の臨海工業地帯の中を猛スピードで逃走していた。

鬼塚「…ん、なんだあのバイクは?」

自分の車を猛追して来る赤いバイクに気が付く鬼塚。
光平が乗ったマシンガルーダだ。
マシンガルーダの前方に備え付けられているレンズアイには、
鬼塚の車の姿がしっかりと捕捉されている。

GARUの声「見つけました光平! あの車に間違いありません!」
光平「逃がすなよ!」

黒塗りの車を視界から逃さず追跡し続ける
光平とマシンガルーダ。

鬼塚「なんだか分からんがしつこい奴め!
 これでも喰らえ!」

鬼塚は運転しながら、背後にめがけて
運転席から手榴弾を投げつけてきた。

光平「うわあっ!!」

爆発をよけながらも、尚も執拗に追跡を続ける光平。

光平「――仕方がないッ。翔着(シグ・トランス)!!」

光平はシグフェルに変身して瞬時にジャンプし、
鬼塚の車の前方へと立ち塞がるように回り込んだ。
道を阻まれた車は急ブレーキで停車する。
慌てて中から降りた鬼塚は、持っていた拳銃で数発をシグフェルめがけて発射した。
しかし全弾共にシグフェルの赤いメタリックボディに弾き返され、ビクともしない。

鬼塚「くそぉっ!!」

シグフェル「そんなことをしても無駄だ。広瀬を放すんだ」
GARUの声「諦めて大人しく投降してください!」

前方と背後をシグフェルとマシンガールダに挟まれて退路を断たれ、
いよいよ進退窮まる鬼塚だったが、未だ気を失っている状態のザジを
助手席から引きずり出し、その眉間に銃口を突きつけた。

鬼塚「動くな! ちょっとでも妙な真似をすると
 このガキの頭に風穴が開くぞ!」
シグフェル「しまった!?」
GARUの声「卑怯な真似はやめてください!」
鬼塚「黙れ! 早く道を開けろ!
 さもないと本当にコイツを殺すぞ!」
シグフェル「くっ…!! 仕方がない…。
 GARU、この男の言うとおりにしよう」
GARUの声「シグフェル……わかりました」

人質を取られては、さすがのシグフェルとマシンガルーダも手も足も出ない。
やむを得ず相手の言うとおりに道を開けようとしていたその時、
どこかからか小柄(こづか)が飛んで来て、拳銃を握る鬼塚の右手の甲に命中した。

830ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/08/12(金) 22:13:07
鬼塚「うわあっ!?」

痛みのあまり拳銃を地面に落としてしまう鬼塚。
その隙をついて佳代が背後からキックを浴びせて蹴り飛ばし、
鬼塚をザジから引き離したのであった。
都合よくいきなりの佳代の出現に、驚くシグフェル。

シグフェル「佳代ちゃん、どうしてここへ!?」
佳代「話はあと。それよりもコイツを取り押さえるよ!」

実はあの後、光平とフィリナの後を追いかけた佳代と紗希だったが、
喫茶店まで追いついたところで優香たちから事情を聞き、
とりあえず紗希を優香たちと一緒のところへ残し、
佳代は忍びの足で光平とマシンガルーダの後を追っていたのであった。

シグフェル「とにかく助かったよ。ありがとう」
佳代「さあ、どこのバカな誘拐犯か知らないけど、もう逃げられないよ!」
GARUの声「観念してください!」

鬼塚「く、くそっ! このまま捕まってたまるか!」

苦痛に顔をゆがめて、右手の痛みを必死に抑えている鬼塚。
そんな鬼塚の身柄を拘束しようと取り囲んで迫る
シグフェルと佳代とマシンガルーダだったが、
鬼塚の体にシグフェルが手を触れようとしていたその時、
いきなり佳代とマシンガルーダが別の何者かに襲われた。

佳代「キャアッ!!」
GARUの声「うわあっ!!」

よろめく佳代と横転するマシンガルーダ。
気が付くとシグフェルの背後には、
深くフードを被って顔を隠し、黒マントを羽織った
二刀流の剣使い3人組が立ちはだかっていた。

黒マントA「………」
黒マントB「………」
黒マントC「………」

シグフェル「こいつらはいったい!?」

鬼塚「フフッ…助かったぞ」

現れた黒マントたちを見て、鬼塚はなぜかほくそ笑む。
黒マントたちは両手に握る2本のショートソードを巧みに操り、
鋭い剣捌きの連係プレーで次々とシグフェルに襲い掛かる。
フレアセイバーを抜いて応戦するシグフェルだったが、
黒マントたちは隙を見て鬼塚を回収すると、
突如発生した時空クレバスの中に逃げ込み姿を消してしまった。

シグフェル「今の黒マントの連中の気配は、明らかにイーバの…。
 いったいどういうことなんだ??」

831ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/08/12(金) 22:13:47
変身を解いた光平は、すぐさま佳代とマシンガルーダの元へと駆け寄る。

光平「二人とも大丈夫か!?」
佳代「アタシなら平気だよ…」
GARUの声「ボクも大丈夫です」
佳代「それよりも広瀬は?」

光平たちは、ぐったり横になったままのザジの傍に駆け寄り、
ゆっくりと抱き起す。

光平「おい広瀬! しっかりしろ! 大丈夫か!?」
ザジ「…うっ…う〜〜〜ん。…あれ、牧村じゃないか?
 それに錦織さんも。なんで僕はこんなとこにいるんだ…?」
佳代「よかった。大したことないみたいだね」


***京南大学附属病院***

シグ「ザジ!!」
スミレ「ザジくん、大丈夫!?」

光平から連絡を受けたザジの父「広瀬剛」ことシグとその秘書の麻生すみれは、
すぐに会社から病院まで駆けつけて来た。

ザジ「お父さん、心配かけてごめん。
 でも牧村たちが助けてくれたんだ」
光平「精密検査の結果どこにも異常はないそうで、
 今日中には退院できるそうです」
シグ「そうでしたか…」

シグとすみれはザジの無事を確認して、光平からも説明を聞き、
ひとまず安心してホッと胸をなでおろす。

ザジ「お父さん、会社の方は大丈夫なの?
 仕事忙しいんじゃないの?」
シグ「お前は余計な心配をしなくていいんだ。
 子供の大事に親が真っ先に駆け付けなくてどうする」
ザジ「もう僕だって子供じゃないんだから」
優香「光平くん、念のために私が広瀬君を
 家まで送っていくわ」
佳代「アタシも一緒についてくよ」
光平「二人とも頼む」
ザジ「もう、みんな大げさなんだからな」

父親の心配をよそに、一人で先に自宅に帰ると言い出すザジだったが、
シグの息子に対する心配を察した光平は、佳代たちに
自宅までザジを一緒に送るように頼むのであった。

シグ「光平君、ちょっと…」
光平「…?」

シグとすみれと光平の3人きりになったところで、
光平は一枚の男の写真を見せられた。

光平「この男は!?」
シグ「ザジを車で連れ去ろうとしたのは、
 もしかしてこの男ではありませんか?」
光平「はい、間違いありません」
スミレ「やっぱり…」
光平「いったいこの男は何者なんですか?」

832ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/08/12(金) 22:14:33
鬼塚剛三――数年前に経営破綻した鬼塚コンツェルンの元会長。現在43歳。
資産背任横領容疑で警察に逮捕され、懲役3年の実刑が確定した。

シグ「この男――鬼塚は、地球侵略を目論むスペースマフィアと
 結託した地球人でした」

スペースマフィアの地球遠征軍司令官ムッシュ・ザジ(ジスプ)に取り入り、
地球を売り渡す契約を結んだ売国奴だったが、土壇場でジスプに裏切られ、
見捨てられた挙句に、自業自得とはいえ自らの全財産を失ったのであった。

光平「その男がなぜ今になって?」
スミレ「それが最近になって刑期を満了して出所したのよ」
シグ「警察から鬼塚の出所の連絡を受けた我々は、
 念のため警戒はしていました。しかし彼はすでにスペースマフィアから
 見限られた人間です。今更Gショッカーが接触を図るとも思えません。
 ましてや全ての財産と地位を失った今、彼に新たな悪事を働けるほどの
 力があるとも思えません」

まだ創業当時の細々とした「よろず相談オフィス」に過ぎなかった
ブルーリサーチの事務所を焼き払うなど悪行の限りを尽くした鬼塚だったが、
今の無一文で裸同然の鬼塚には、Gショッカーにとって何の利用価値もないはずだった。

シグ「せめて彼には過去に犯した罪を悔い改めて、
 静かに出所後の人生を歩んでほしかったのですが、
 どうやら私が甘かったようです。
 明らかに私の油断です」
光平「シグさん、当時の広瀬――じゃなくて、ザジ君は確か……」
シグ「ええ、当時のザジは、まだジスプのインヴェード下にありました」

当時、まだ幼少時代の交通事故から意識が回復せず、
コールドスリープ状態にあったザジは、ジスプに憑依されていた。
今のザジ自身にその時の記憶は一切ない。
その当時をよく知る鬼塚が再び動き出したことで、
過去の忌まわしい出来事の記憶が愛する息子に
降りかかることを、シグは非常に恐れていた。

フィリナ「お取込み中のところ、よろしいかしら?」
光平「フィリナ? なんでこんなところにいるんだよ」
シグ「これはマドモアゼル・フィリナ、お待たせして申し訳ありません」
スミレ「すぐに会社の方へご案内いたします」
光平「えっ!? すると今日予定のある企業視察先って…」
フィリナ「ブルーリサーチのことよ。言ってなかったかしら?」
光平「なんだ、そうだったのか…」
シグ「光平君、ザジのことくれぐれも頼みます」
光平「任せてください。俺もザジ君の周辺の警戒を強化してみます。
 二度と怪しい奴なんかに手出しはさせません」

こうしてシグやフィリナたちと別れて、
一人で病院を後にした光平は、以前にブレイバーベースで開かれた
自分の歓迎パーティーで、改めてシグと会った時のことを
静かに思い出していた…。

833ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/08/12(金) 22:15:16
――数か月前。

***ブレイバーベース***

光平「しかし驚きました。まさかザジ君のお父さんが、
 過去に人知れず地球を狙っていたエイリアンと戦っていた
 戦士だったなんて…」
シグ「私も驚きましたよ。まさか息子の親友が
 謎のニューヒーローの正体だったなんてね」
光平「ヒーローはよしてください。僕はそんな柄じゃありません」
シグ「それは私もですよ。ハハハハハ!!」

光平の親友・慎哉が師と仰ぐ学校のIT科講師である
宇佐美星児もシグの仲間だった。
いつも昼休みの時間帯に学校のカフェテラスに出入りしている
アンパン屋の青梅大五郎=デンジブルーといい、
「世の中は狭い」ということをつくづく痛感させられる光平だったが、
新鮮な驚きも後押しして、互いに話は楽しく弾んだ。

光平「ところでその事を広瀬……いや、ザジ君は知っているんですか?」
シグ「いえ、息子は過去の自分が置かれていた状況も含めて
 何も知りません。あの子には戦いとは関係のないところで
 のびのびと過ごしてほしいのです。息子と同世代の君を
 我々の戦いに巻き込んでおいて、こんなことを言うのは何ですが…」
光平「いえ、なんとなくその気持ちわかります」

光平はふと、亡き父・陽一郎がもし生きていて、
シグと同じ境遇・立場に置かれたとしたら、
きっと自分に対しても同じことを考えたに違いないと思った。

シグ「息子にブルースワットのことは、
 これからもくれぐれも内密にお願いしますよ」
光平「わかりました」


◇   ◇   ◇


――そして現在。
帰り道の光平は、優香の携帯に電話を入れる。

光平「もしもし優香か? 広瀬は?
 ……そうか。無事に自分の家に戻ったんだな。
 今夜は佳代ちゃんが広瀬ん家に張り付いていてくれるのか。
 それは助かるな。わかった、ありがとう」

携帯を切って胸元のポケットにしまった光平は、
シグとザジという、血は繋がっているようで実は繋がっていないという
不思議で奇妙な関係にある親子に思いを馳せる。
今の地球人「広瀬剛」の肉体を動かす人格は、異星人「シグ」の物である。
しかし息子ザジに対するシグの父親としての愛は本物だった。
あの親子をよく知る自分には、それがよく分かる。
そして今、その親子に見えない脅威が迫ろうとしているのであった。

再生者(リザレクター)しか狙わないはずのイーバ――
――すなわち堕神一味の影がチラついたのも気にかかる…。

光平「絶対にあの親子には手を出させない。
 何者であろうと絶対に…!」

光平は固く心に誓うのであった。

834ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/08/12(金) 22:16:04
***メガロビル・ブルーリサーチ本社オフィス***

300人近い調査人員を抱える、急成長中の情報調査会社「ブルーリサーチ」。
メガロシティの中心部に聳えるメガロビルの一角にオフィスを構え、
企業や個人の信用調査や学術探査研究から始まり、
ご近所のお悩み相談や浮気調査などの探偵業のようなビジネスに至るまで
手広く扱っている。最近は民警の免許も新たに取得しており、
ますます業務範囲と売上利益を拡大しそうな勢いである。

シグ「今日は本当に貴女の従弟さん――光平君のおかげで、
 息子が危ういところを救われました。
 何とお礼を申し上げてよいか…」
フィリナ「お気になさることはありません。
 こちらこそ息子さんが大変な目に遭われた日に
 押しかけて来てしまって…。ご迷惑ではありませんでしたか?」
シグ「いえ、とんでもありません」

社長室で会談しているシグとフィリナ。
ふとフィリナは、棚の上に飾られている
一枚の記念写真に視線が向く。

フィリナ「広瀬社長、これはもしかしてブルースワットの時の?」
シグ「ええ、大事な思い出の写真です」

楯の中に飾られた写真には、鳴海 翔(ショウ)、美杉沙羅(サラ)、シグ、
そして宇佐美星児(セイジ)と麻生すみれ(スミレ)の5人が仲良く並んで
笑顔で写っている。

フィリナ「この方がショウさんとサラさん?」
シグ「ええ、二人とも今はどこでどうしているのやら…」

ジャンパーソンやビーファイターと共闘した魔道師ジャグールとの戦いの後、
ショウとサラは再び各次元の平和を守るために旅立っていった。
シグはいつでも二人が帰ってきてもいいように、ブルーリサーチの共同経営者として
社内に二人の席を空けて用意している(もっとも特にショウなどは、「堅苦しい会社経営なんて
まっぴらご免!」とか言い出しそうではあるが…)。

スミレ「晴香ちゃん、フィリナさんに社内を案内して差し上げて。
 大事なお客様だから決して粗相のないようにね」
晴香「はい、わかりました♪ どうぞこちらへ。ご案内します」
フィリナ「ありがとう」

スミレから「晴香」と呼ばれた、年少に見える若い女性社員に案内され、
フィリナは社内の視察に必要な個所をくまなく案内される。

晴香「こちらがデータベースルームになります」
フィリナ「そんな畏まらなくてもいいわ。貴女お名前は?」
晴香「吉村晴香と言います」
フィリナ「ここに務めて何年になるの?」
晴香「まだ1年目の新米調査員です。まだ正所属の調査員じゃなくて
 大学に通いながらの見習いアルバイトなんですけどね。えへへ…(汗」
フィリナ「どうしてこちらに務めるようになったの?」
晴香「それはですね…」

それは一年前のことだった。
Gショッカーによってスペースマフィアが復活。
悪のエイリアンたちが再び陰謀に蠢き始めた時、
当時まだ高校三年生だった晴香は、
偶然にもエイリアンの活動を目撃してしまい、命を狙われた。
そこで危ないところをシグに救われたのである。

フィリナ「すると貴女は広瀬社長――シグさんの
 正体についてはご存知なのね?」
晴香「はい。最初は驚きましたけど、
 わたし、ブルースワットを初めブレイバーズのヒーローたちには
 憧れてるんです。少しでも日夜地球の平和のために戦ってくれている
 ヒーローたちの力になれたらと思って、社長とスミレ先輩に
 誘われたのをきっかけに今の仕事を始めたんです」
フィリナ「偉いと思うわ。これからも頑張ってね」
晴香「はい、ありがとうございます!
 吉村晴香頑張ります♪」

835ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/08/12(金) 22:16:52
***ヌーベルトキオシティ郊外・某廃工場***

ここはメガロシティのお隣り、ヌーベルトキオシティのスラム街にも隣接している
寂れた工業地帯にある、今は全く使われていない廃工場である。

鬼塚「申し訳ありません。奴の息子を狙ったのですが、
 シグフェルに邪魔され不首尾に終わりました」

鬼塚が傅いて報告している相手は、堕神の幹部である
ラミアクィーンイーバ・スネイザと
タランチュラロードイーバ・ガーミッドだ。
そこへ上部に立体映像のビジョンが浮かび上がる。
堕神界本土から送信されてきた通信だ。

鬼塚「あの…このお方は?」
スネイザ「控えなさい。我らが堕神を率いられる
 大審官アークシセイザー様よ」
鬼塚「…あ、アークシセイザー様!?
 このお方が!! へへええ〜〜〜っっ!!!!!」

驚いた鬼塚が恐縮してその場に土下座し、
頭を地面に擦り付けている。

アークシセイザー「ネオメタルヒーロープロジェクト……」

アークシセイザーは口を開いて謎の言葉を発した。

アークシセイザー「今、ブレイバーズが宇宙警察機構と共同で
 極秘に進めている新計画だ」
スネイザ「ビーファイターカブト以来、
 世代交代した宇宙刑事を除いて事実上新たな戦士の
 輩出が途絶えているメタルヒーローを復活させようとの
 一大プロジェクトでございますね?」
アークシセイザー「だが、その計画の詳細な内容に関し、
 未だ星間評議会の方に何の正式な報告もない」

ブレイバーズには今後も「駒」の一つとして、
Gショッカーを初めとする闇の勢力とぶつかり合い
続けてもらわなければならない。
しかし「駒」がプレイヤーの思惑から離れて
勝手に独り歩きを始められても困る…。

アークシセイザー「ネオメタルヒーロープロジェクトの
 概要を速やかに掴み、もし必要があれば構わぬ。…潰せ!」
スネイザ「仰せのままに」

通信が終わり、アークシセイザーを映し出していたビジョンが消えた。

ガーミッド「鬼塚、話は聞いた通りだ」
スネイザ「ネオメタルヒーロープロジェクトに関する
 詳しいデータは、ブルーリサーチという会社の
 データベースルームに厳重に保管されているわ」
鬼塚「お任せください。スネイザ様、ガーミッド様。
 すでに次なる手は考えております。スペースマフィアに
 見捨てられた私を、堕神の信徒として拾っていただいた御恩、
 決して忘れは致しません」
ガーミッド「お前だけでは心もとない。雑兵をつけてやる」

ガーミッドが指をパチンと鳴らすと、
先ほどシグフェルから鬼塚を助けた
例の黒マントの三人組が現れた。
三人組がマントとフードを脱ぎ捨てると、
中から現れたのは、骨格の中に機械の内臓が蠢いている
骸骨剣士スケルトンイーバだ。

スケルトンイーバA「………」
スケルトンイーバB「………」
スケルトンイーバC「………」

鬼塚「散れっ!」

鬼塚の指示で、スケルトンイーバたちは各所へと直ちに飛ぶ。

鬼塚「見ていろブルースワット、必ず復讐してやる。
 フフフフフ…フハハハハ!!!!!!」

836ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/08/12(金) 22:17:49
○ザジ→鬼塚剛三に誘拐されそうになるが、シグフェルに助けられる。
○シグ→フィリナをブルーリサーチ本社オフィスへ案内する。
○麻生すみれ→フィリナをブルーリサーチ本社オフィスへ案内する。
●鬼塚剛三→刑期満了で出所後、堕神の信徒になっていた。
 広瀬剛(シグ)の息子ザジを狙う。

○牧村光平/天凰輝シグフェル→鬼塚剛三に連れ去られそうになったザジを救う。
○朝倉慎哉→錦織佳代にフィリナのことについて根掘り葉掘り尋問される。
○沢渡優香→学校近くの喫茶店でフィリナと同席。
○錦織佳代→フィリナについて朝倉慎哉を尋問。その後ザジをガードする。
○北上紗希→フィリナについて朝倉慎哉を尋問。
○岡島雄大→学校近くの喫茶店でフィリナと同席。
○フィリナ・クラウディア・アルシャード→ブルーリサーチ本社オフィスを視察。
○マシンガルーダ→シグフェルを乗せて鬼塚剛三の車を追跡。
○吉村晴香→フィリナにブルーリサーチ社内を案内する。
●アークシセイザー →鬼塚剛三、スネイザ、ガーミッドに、堕神界から指令を下す。
●ラミアクィーンイーバ・スネイザ→アークシセイザーからネオメタルヒーロープロジェクトの
 詳細を探るように指令を受ける。
●タランチュラロードイーバ・ガーミッド→アークシセイザーからネオメタルヒーロープロジェクトの
 詳細を探るように指令を受ける。
●スケルトンイーバA→鬼塚剛三を手伝う。
●スケルトンイーバB→鬼塚剛三を手伝う。
●スケルトンイーバC→鬼塚剛三を手伝う。

【今回の新規登場】
●鬼塚剛三(ブルースワット)
 鬼塚コンツェルン会長でスペースマフィアと結託した地球人。
 表向きはザジを養子に迎え入れるほどの慈善事業家だが、
 その点でスペースマフィアに狙われる危険性を忠告したショウたちから
 ブルーリサーチの名刺を受け取った途端に本性を露わにし、
 ブルーリサーチの事務所を放火全焼させるなどの悪行を行ったが、
 最終的に見捨てられ、資産背任横領容疑で警察に逮捕された。
 獄中から「エイリアンに騙された」と訴えたが、
 戯言として誰にも信じてもらえなかった。

●スケルトンイーバA(闘争の系統オリジナル)
●スケルトンイーバB(闘争の系統オリジナル)
●スケルトンイーバC(闘争の系統オリジナル)
 骸骨の姿をした堕神の使徒。胴体骨格の中にはメカの内臓が虫のように蠢いている。
 常に三人一組で行動し、二刀流によるショートソードの連携攻撃で敵を苦しめる。

○吉村晴香(闘争の系統オリジナル)
 破嵐財閥などの支援により事業再開したブルーリサーチの見習いアルバイト調査員。
 ブルースワットの協力者であり現社長秘書である麻生すみれ(スミレ)の大学の後輩で、
 19歳の女子大生。社長である広瀬剛(シグ)の正体とその経歴、
 昔のブルースワットとスペースマフィアの戦いの事情については、
 過去のある出来事(Gショッカーに襲われたところをシグに助けられた)がきっかけで知っている。
 ブルーリサーチに誘われて働くようになった経緯も同様である。
 また宇佐美星児(セイジ)ほどではないが、コンピューターの扱いにもそこそこ長けている。
 鳴海翔(ショウ)と美杉沙羅(サラ)については、まだ直接の面識は今の時点ではないが、
 大方の話はシグたちから聞いており、彼女なりに憧れを抱いている。

837ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/08/15(月) 11:22:11
≪光平よ、父と子の絆を守れ!-2〜ラストまでの簡単なあらすじ≫

Gショッカーもネオメタルヒーロープロジェクトの存在を嗅ぎ付ける。
アポロガイストから情報提供を受けたマッドギャランが、その阻止に向けて動き出す。
アポロガイストからの協力の申し出を断るマッドギャラン。

アポロガイスト「Gショッカー秘密警察も全面的に協力の方針だ」
マッドギャラン「メタルヒーローは我ら巨獣軍の宿敵。よって手出しは無用!」

一方のザジは、一日中自宅の中で佳代につきっきりでいられ、少々ウンザリ気味。

ザジ「なあ錦織さん、いつまで一緒にいるつもりだよ?」
佳代「キミの親父さんが仕事から帰ってくるまでよ」
ザジ「ちょっと失礼」
佳代「どこ行くの?」
ザジ「トイレだよ。…あ、もしかして中まで一緒についてくる?」
佳代「…バ、バカッ!! 早く行ってきなよ!…(///)」

こうしてザジはトイレに行くふりをして、窓から外へエスケープ。
しかしそこをマッドギャラン配下のブリマとギョールに襲われる。
佳代が追い付いてきて、ブリマ&ギョールと戦闘→なんとか撃退。
広瀬家も危なくなったとの判断で、ザジはブルーリサーチ本社内に匿われることに。

今度はスケルトンイーバがブルーリサーチ本社を襲ってくる。
シグフェルと佳代が外に出て応戦。その様子を見ているマッドギャラン一味。

ブリマ「これはいったいどういうことでしょう!?」
マッドギャラン「事情はよくわからんが、これは我々にとっては都合がいい。
 せいぜいお互いに潰し合え!」

この隙にマッドギャランはオフィス内に突入してデータベースルームを目指すが、
ブルースワットのプロテクトギアを装着したシグが立ちはだかり対決。
しかしその頃、お掃除のおばちゃんに変装した鬼塚がオフィス内に潜入して、
みんなが外で戦っている隙に、まんまとザジを拉致することに成功。
その時ザジとたまたま一緒の部屋にいた吉村晴香も巻き添えを食って、一緒に拉致される。

鬼塚は、ザジと晴香の身柄と引き換えに、
ネオメタルヒーロープロジェクトの企画書を引き渡すよう要求。
シグが単身、捨て身の覚悟で取引場所へと向かう。

その昔、ムッシュ・ザジに捨てられた過去を持つ鬼塚は、
ザジの顔を見て何かと因縁をつけて絡む。
しかしジスプにインヴェードされていた当時の記憶のない
ザジには何のことやらチンプンカンプン状態。

やがて取引に指定された場所(鬼塚のアジト)に、
シグがたった一人でやって来る。
鬼塚はシグ父子へのいやがらせのつもりで、
ザジがジスプにインヴェードされていた当時の過去や、
シグの正体について、何も知らないザジ本人の目の前でカミングアウト。
真実を聞いてショックを受けるザジ。シグは鬼塚から拳銃で撃たれて
血を流し絶体絶命の危機!――というタイミングでシグフェルが颯爽と登場。
スケルトンイーバを成敗し、シグ父子と晴香を救出。
旗色が悪くなった鬼塚は、自分が知る堕神勢力の情報と引き換えに
命乞いを持ち掛けるが、ガーミッドに処刑される。

ガーミッド「一度堕神の洗礼を受けた以上、裏切りは許さん」

838ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/08/15(月) 11:23:00
事件解決後、ついに息子に全てを話す時が来たと決心したシグは、
ザジを自分の書斎に呼ぶ。

シグ「実は私は君の本当の父親ではありません」
ザジ「…知ってたよ」

実はザジも以前から薄々真相には気づいていたといい、
それでもザジはシグのことを今でも本当の父親だと思っていると言う。
涙を流して抱き合う親子。部屋の外の廊下でその様子を伺っていた
スミレ、晴香、光平たち関係者も、うっすらと感動の涙を浮かべるのであった。

ネオメタルヒーロープロジェクトの詳細が明らかとなる。
一つは、今では立派な若者に成長した「光に打たれし赤子」ターザンを
ジャスピオンの後継者に見立て、彼専用のメタルテックスーツ及び
専用メカニックを製造開発する計画。
そしてもう一つは、全く新規格のメタルスーツ戦士の開発プロジェクトであり、
すでに何人かの選抜された候補生たちが訓練にあたっているという。
どちらの計画も、スピルバンの父ベン博士が主導的な役割を果たしている。

星間評議会からロロ・ランペルージが地球にやって来て、
シグからプロジェクトの概要が収められたデータファイルを
受け取って帰っていく。しかしロロはそれを星間評議会には持ち帰らず、
なんと堕神一味に渡してしまうという衝撃的なラストで〆。
果たしてロロは(そして彼の背後にいる仮面の女ことユーフェミアも)、
堕神の一味とグルなのだろうか!?

最後のエピローグでは、異世界アセーリアの地に降り立つスターフォートレス。
三日月隊の侵略からアセーリアの人々を守る決意を固めるショウとサラのシーンで
シナリオ完結。

839ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/08/18(木) 12:07:51
<<アラスカ基地攻防戦>>

***北米大陸・アラスカ基地***

アラスカ基地―地球連邦軍の保有する軍事施設の一つで、前大戦では
統合最高司令部が置かれていた事もある基地だが、地球とプラントの間で
行われた戦争で、プラントのザフトが侵攻してきた事により、地下に設置
されていた大量破壊兵器「サイクロプス」が発動された事により基地は壊滅。
そして前大戦終結後、基地は復興したが、実はロゴスの息がかかっていた。
だがアラスカ基地は現在、Gショッカーの攻撃を受けていた。

コゴエンスキー「ゆけぇー!アラスカ基地を我らGショッカーの基地にするのだッ!」

アラスカ基地を攻撃する指揮をとるのは、ネオショッカーの怪人コゴエンスキー。
コゴエンスキーはアラスカに存在するとされるサブスギール帝国の出身である為、
アラスカ基地攻略の指揮官に選ばれたのであった。さらにコゴエンスキーは
Gショッカーに所属する氷雪系怪人を部隊に加え、アラスカ基地周辺を雪と氷の
世界に変え、猛吹雪を引き起こす。

フリーズン「行くぞッ!フローズン」
フローズン「応ッ!フリーズン。最強コンビである俺達の力を人間共に見せてやるぜッ!」

ドツクゾーンの幹部、フリーズン・フローズンは抜群のコンビネーションにより、基地を
防衛するMSを次々と破壊していく。

ユウゼイクス「ハハハハッ!まとめて凍えろ!」
デーボ・ヒョーガッキ「喰らえッ!ヒョーガッキ・アイズボム!」

ウォースターの氷雪のユウゼイクスやデーボス軍のゼツメイツの一員、
デーボ・ヒョーガッキは、その冷気でMSを次々と凍りつかせていく。

司令官「おのれ、Gショッカーの化け物めッ!」
オペレーター「司令。先程、ティターンズのバスク大佐から通信がありました。
 間もなく援軍として駆けつけるとの事です!」
司令官「おお!援軍が来たか...」

Gショッカーの氷雪系怪人の部隊の攻撃を受けるアラスカ基地に、
フェルコーナから新生ティターンズの部隊を乗せたサラミス改級の
戦艦が現れる。そしてサラミス改からMSやエヴァが発進した。

シンジ「周りが凍りついている...なんて強力な冷気なんだ」
アウル「うう...コクピットの中にいるのに寒すぎでしょッ!」
スティング「減らず口を叩くんじゃねえ。アウル」
アスカ「ふんッ!凍りつかせようが何だろうが、この私が負けるもんですかッ!」

出撃したシンジ達だが、コゴエンスキー達が引き起こした冷気は
コックピットの中にいても寒さが伝わって来た。

コゴエンスキー「援軍か...何が来ようとも我々の寒さを止める事は
 出来ない事を教えてやろう!」

周囲を凍りつかせる程の冷気を持つGショッカーの怪人達を相手に
シンジ達、新生ティターンズ部隊はアラスカ基地を守りきる事が出来るのか!

840ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/08/18(木) 18:50:12
≪※ユガミ博士が予定しているシナリオに、
もしよろしければ以下の文章を付け加える形で
挿入してください。≫

ネオショッカーの怪人ゾウガメロンの子供であるボンゴ。
母エルザと共に黄泉還り現象で復活したボンゴは
静かに暮らしていたが、イーバに襲われてしまい、
逃げる途中でエルザと離れ離れになってしまう。
ボンゴは、命からがら逃げ延び、
スカイライダーとシグフェルによって保護される。

一方、息子と逃げる途中で崖から転落して
死んだと思われていたエルザだが、実は生き延びていた。
天童忍軍によって捕らえられ、天童邸に幽閉されていたのだ。

高坂「さあ吐け女! 貴様が知るネオショッカーの秘密を
 洗いざらい白状するのだ!」
エルザ「ううっ…!!」

毎日厳しい尋問の日々が続くエルザ…。
それを見かねた天童右近が拷問をやめるように命じる。

右近「もうそのくらいにしておけ」
高坂「しかしこの女、なかなか強情な奴で、
 一言も口を開こうとすら致しません。
 ここはさらに手荒に責め挙げて――」
エルザ「………」
右近「よせと言っている。いくら拷問したところで、
 この女は口を割らん。それに女を手荒い目に
 遭わせるのは俺の性にも合わん」
高坂「若、そのお考えは少々甘いかと存じます。
 菊之丞様よりお叱りを被りましょうぞ」
右近「責めは俺が取る。お前たちは下がれ!」
高坂「…ハハッ」

高坂正眼はやや不満そうに引き下がる。
エルザと牢内で二人きりになった右近は、
エルザを縛っていた縄を解いてやった。

エルザ「…あなたは?」
右近「どうだ、話してみる気にはならんか?
 もしかしたら力になれるかもしれんぞ」

右近は「天童にとってエルザという女に利用価値は見当たらない。
ここはブレイバーズにこの女の身柄を引き渡して、連中に恩を売る
のが上策」と言い繕って菊之丞に進言し、千坂朱音に命じて、
エルザの身柄を無事に筑波洋の元へと届けさせるのであった。

洋「いいのか朱音先生?」
朱音「私は弱い者いじめをする奴らは大嫌い。
 この人(エルザ)の身柄は、あなたたちブレイバーズに預けます。
 後の処置は全て任せましたよ」
洋「ありがとう」

こうしてボンゴは母エルザと無事に再会できたのであった。

841ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/08/18(木) 18:50:57
――で、このお話にはさらに後日談がある。

***海防大学付属高校・生徒会室***

生徒会副会長の沢渡優香は、生徒会長から
転入生だという新任の役員(下級生)を紹介された。

会長「沢渡君、紹介しよう。今日からうちの生徒会の役員に
 加わってもらうことになった、ボンゴ・エスコバル君だ。
 主に庶務を担当してもらうことになる」
ボンゴ「昨日1年に編入してきたばかりです。
 どうぞよろしく」
優香「ボンゴ…? あの、もしかしてキミは……」
ボンゴ「やだなぁ優香さん、僕だよ、ボンゴ!」
優香「え〜〜〜っ!?」

つい昨日まで小学生くらいの大きさだったボンゴが、
今日いきなり高校生くらいの体格に成長していて、
優香はびっくり仰天する。

ボンゴ「僕たちゾウガメロンの一族は成長が早いんだ」

こうして海防大学付属高校の生徒会に、新たなメンバーが加わった。
一方のボンゴの母エルザも、生徒会長の計らいで
学生食堂の調理・配膳スタッフ(食堂のおばちゃん)として
雇用してもらえることになり、めでたしめでたし。

842凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/08/20(土) 12:21:52
≪アセーリア編「ネクナール炎上」-1≫


***メルヴィオン聖王国・トリスタン平原***

蛾天丸の乱が鎮定されてから数ヶ月後、
王都ネクナールの東に広がるトリスタン平原に、巨大な時空クレバスが発生した。
メルヴィオン聖王国にとっては、それはまさに地獄の釜の蓋が開いたのと同義であった…。

ナダル「何だ、あれは…!?」

広いトリスタンの原野を、謎の大軍勢が埋め尽くしている。
国王アディラス十六世の次男、ナダル・ヴァル・アディラス王子は、
その異様な光景を目にして馬上でごくりと唾を呑んだ。
空に大きな黒い穴が開いており、その穴の前方には、
不気味な黒い三日月の軍旗をはためかせた数万の兵団が陣取っているのだ。

エリス「空に開いた時空の穴からモンスターが現れたという例は、
 これまでにも多数報告されているけれど…。
 人間が、それもこれほどの数の軍勢が出現したというのは前代未聞ね」

アディラス十六世の長女で、ナダルの姉であるエリス・レイカ・アディラス王女が、
弟と馬を並べながら声を詰まらせた。
近年アセーリアでは時空クレバスの発生が相次いでおり、
先の蛾天丸の例に見られるように、凶悪な怪物や妖魔が異世界からやって来る事は少なくない。
だが人間が、個人単位で迷い込んで来るならばともかく、
これほどの規模で組織的にこの世界を訪れたというのは初めてである。

ナダル「奴らは、一体何者でありましょう…?」
エリス「それを直接会って確かめるのが、私達の仕事よ。
 さあ行きましょう。彼らが何者であるにせよ、獰猛なモンスターとは違って、
 相手が人間ならば話し合いの余地は多少なりともあるはずだわ」
ナダル「だといいですがな…」

エリスとナダルはフルプレートで武装した配下の騎士達を引き連れ、
煌びやかな馬鎧を纏わせた白馬をゆっくりと前へ進ませた。
彼ら二人はメルヴィオン聖王国を代表する国王の使節である。
このトリスタン平原に突如として出現した謎の大軍勢に接触してその正体を確かめ、
必要な交渉を彼らと行なうのが二人の使命なのだ。
だが場合によっては、これはモンスター以上に厄介な相手かも知れないと、
ナダルの鋭い直感は彼に警告していた。

843凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/08/20(土) 12:23:39
***トリスタン平原北部・ホセアの丘***

トリスタン平原の北にある小高い丘が、約束の会見場所となっていた。
丘に到着したエリスとナダルは下馬し、用意されていた会見の席に腰を下ろすと、
先に座っていた相手方の代表者らに向かって挨拶をする。

エリス「メルヴィオン聖王国の第一王女、
 エリス・レイカ・アディラスです。
 王家を代表し、我が国の正使を務めさせていただきます」
ナダル「メルヴィオン聖王国の第二王子、
 ナダル・ヴァル・アディラスだ。姉上の副使をさせていただく」

メルヴィオン流の作法に則り恭しく自己紹介して一礼した二人の王族に対し、
黒い三日月の腕章を巻いた軍服姿の二人の将校は頭を下げようともせず、
相手を威嚇するような態度で高圧的に名乗り返した。

ザイード「我々は、サラジア共和国の支配者アフマド・アルハザード閣下の私設軍隊、
 ≪黒三日月隊(アスワド・ヒラル)≫である!
 私は副司令官のザイード。こちらは総司令官のイブン・ファイサル殿だ」
ファイサル「初めまして、原始人の皆さん…」

黒三日月隊司令官、イブン・ファイサルの口からいきなり飛び出た非礼極まる一言に、
エリスとナダルの表情が凍りついた。

ナダル「ぶ、無礼な…!」
エリス「ナダル、およしなさい!
 …まず、あなた方がこちらの世界に来られた目的を伺いましょう」

逆上して今にも剣を抜きかねない勢いの弟をたしなめ、
エリスは冷静に要件を促した。

ファイサル「目的ねぇ…。
 俺達はあんたの国に、最後通牒を伝えに来たのさ」
ナダル「さ…最後通牒だと!?」

再び驚くメルヴィオンの使節団。
ファイサルの言葉を引き継いでザイードが口上を述べた。

ザイード「我が国を統治するアルハザード閣下からの命令である。
 貴国は速やかに全戦力を武装解除した上で無条件降伏し、我々の軍門に降るべし。
 以後、メルヴィオン全土は偉大なるアルハザード閣下の支配下に入る!」
エリス「…!」

あまりに一方的に叩き付けられた衝撃に、メルヴィオン側からはしばし言葉もなかった。
やがてナダルが顔を真っ赤に紅潮させ、椅子から身を乗り出して怒鳴り声を上げる。

ナダル「ふざけるな! 黙って聞いていれば先程から無礼千万、
 そのような身勝手な要求に屈するメルヴィオンだと思うのか!」
ザイード「万一、要求が受け入れられない場合は、
 我々は直ちに武力をもって貴国を徹底的に殲滅する。
 忠告しておくが、我々の科学力と軍事力は貴国のそれを遥かに凌いでいる。
 間違っても、戦って勝てる相手だなどとは思わない方がいい」
ナダル「どうかな。建国以来三百年、
 いかなる外敵の侵略をも跳ね返してきた我が国の力、
 そちらこそ甘く見ない方が身のためかと存ずるが」

激怒して挑発的な言葉を飛ばすナダルに対し、
ファイサルは腕組みをして哀れむような目でせせら笑う。
ザイードは表情一つ変えず、無機質な口調で更に続きを述べた。

ザイード「回答の期限は十日後の日の出とする。
 それまでに無条件降伏を受諾する国王の親書を作成し、
 我々の陣までお届け願いたい。
 期限までに親書が届かなかった場合は、要求を拒否したものと見なし、
 我々は即刻、貴国を制圧するための軍事行動を開始する」
ナダル「折角の仰せだが、十日もお待たせするまでもない。
 そのような脅迫、今この場ではっきりとお断りさせてもらう!」

怒りに任せて要求を一蹴しようとしたナダルだったが、
しばらく目を伏せて沈黙していたエリスが顔を上げてそれを制した。

エリス「待ちなさいナダル!
 …ご用件は承りました。王宮へ立ち戻って国王にしかと伝えます。
 我ら王家一同、よくよく熟慮の上お返事させていただきますので、
 お言葉通り回答までに十日のご猶予を賜ります」
ナダル「姉上!」
エリス「帰りましょうナダル。
 全ては陛下にご報告申し上げてからの事よ」

844凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/08/20(土) 12:26:04
***王都ネクナール***

メルヴィオン聖王国の都・ネクナールは、
およそ三百年前の建国以来、ずっと歴代国王のお膝元として発展してきた歴史ある街であり、
地球の中世ヨーロッパに栄えたパリやウィーンにも匹敵する大都市である。

リンディ「お帰りなさいませ、姉上、兄上!」
エリス「リンディ! 戻っていたのね」
ナダル「久しぶりだな。元気だったか?」
リンディ「はいっ!」

その王都の中心に聳える王宮・ネクナール城へ戻ったエリスとナダルを、
十五歳になる妹姫のリンディ・アルス・アディラス王女が出迎えた。
四男二女、全部で六人いる兄弟姉妹の末っ子で、
彼女だけは正室の王妃ではなく、ハーフエルフの側室が生んだ子供である。
エルフの血を引いているため、リンディの耳の先は普通の人間よりやや尖っている。

リンディ「ところで姉上、都へ帰る途中で道行く人に聞いたのですが、
 何だか大変な事になったみたいですね」
エリス「そうね…。あなたも道中、巻き込まれなくて本当に良かったわ」

リンディはロサレダ大陸の東部にある学都コンクェイテューラに、
魔法の勉強のため留学しているが、休暇を貰って久しぶりに王都へ帰省し、
トリスタン平原に向かったエリスらと入れ違いに王宮へ戻っていたのであった。
コンクェイテューラとネクナールを結ぶ街道の途中にトリスタン平原はあるため、
道が封鎖されて遠回りをする事になり、帰路には予定以上の時間がかかった。
何やらただならぬ異変が起こっている空気を肌で感じながら、
不安な中での帰省だったのである。

アディラス「なるほどのう。
 異世界からやって来た軍勢が、余に降伏を求めて参ったというわけか」

エリスとナダルは直ちに国王アディラス十六世に謁見し、事の次第を報告した。
ファイサルの非礼な口上もありのまま父王に復命したエリスだったが、
アディラスは怒りもせず、ただ目を閉じて低く唸るのみであった。

シャヴィ「無礼な…。そのような申しよう、
 我が王国に対する侮辱以外の何物でもないではないか!」
ナダル「兄上、仰せの通りにございます!」

王に代わって激怒したのは、アディラスの隣に控えていた長男の、
シャヴィ・メル・アディラス王子である。
ファイサルやザイードと直に接して腹に据えかねる不満を堪えていたナダルも、
兄に同調して声のトーンを上げる。

シャヴィ「お前達、我が王家を代表する使者でありながら、
 そのような卑劣な脅し、なぜその場できっぱりと拒絶しなかったのだ?」
エリス「兄上、申し訳ございません。
 例え要求を蹴るにせよ、彼らが提示した十日という猶予はこちらにとっても貴重と考え、
 時を稼ぐため敢えて返答を保留して参りました」
プジョール「さすがは姉上。
 その間に我らは戦備を整えられるというわけですね」

エリスを褒め称えたのは三男のプジョール・ティル・アディラス王子である。
確かに一理あると思い直して、シャヴィは一歳年下の妹姫に向けていた怒りの目線を下げた。
王都の目と鼻の先に突如として出現した黒三日月隊に対し、
メルヴィオン軍も戦闘準備をするにはやはり数日の時間は要するところである。

アディラス「エリス、よくやった。
 さすがは我が娘よ。十日もあれば十分な数の軍勢を用意できよう。
 敵の兵力はいかほどか?」
ナダル「はっ、およそ五万と見立てましてございます」
アディラス「ならばこちらは十万で行く。
 二倍の大軍をもって押し潰してくれようぞ。
 直ちに貴族諸侯と騎士団に陣触れを出せ!」

こうしてメルヴィオン側の対応は決した。
期限として提示された十日後までに戦備を整えてトリスタン平原へ繰り出し、
時間切れとなって黒三日月隊が動き出すと同時に一挙に野戦で撃滅する。

エリス「ところで父上、この非常時です。
 ラウールも旅から呼び戻しましょうか?」
アディラス「いや…。あ奴はよい。
 今は余計な雑音を耳に入れさせず修業に専念させたい。
 あれは素質ある子ゆえ、じっくり育てると決めたのだ。
 予定を変えてまで、今回の戦に無理に参陣させる事もあるまい」
 
王宮の窓から、アディラスは南の方角を眺めやると、
この場にいないもう一人の息子に思いを馳せるのであった。

845凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/08/20(土) 12:28:38
***カレブ山***

王都ネクナールから南へ約二セレゾン(馬で二日の距離)にある、カレブ山の麓。
緑色の鱗に全身を覆われた一頭の巨龍が、
荒々しい雄叫びを上げながら荒れ果てた大地をのし歩いていた。

グリーンドラゴン「グォォォォ…!」

グリーンドラゴンは、時空クレバスを通って異世界からこのアセーリアへ襲来した、
凶暴な龍の一種である。口から猛毒の息を吐き、
グリーンドラゴンはカレブ山にわずかに残っていた森を死滅させる。

グリーンドラゴン「グァォォォ…!」

枯れ木を巨体で押し倒し、グリーンドラゴンは我が物顔で死の荒野を闊歩する。
グリーンドラゴンが現れるまでは、この山には緑の草木があふれ、
たくさんの動物達が豊かな自然の恵みを受けながら暮らしていた。
だが、そこに現れたグリーンドラゴンは口から猛毒のガスを吐き散らして木々を枯らし、
草花を絶えさせて、野生の楽園をたちまち死の世界に変えてしまったのであった。

ラウール「よし、もう少しだ…!」

山麓で暴れながら咆え猛るグリーンドラゴンを、
岩陰に身を隠してじっと待ち構えている一人の青年がいた。
蛾天丸を討ったあのシャデラク平原での初陣から数ヶ月、
修業のため王宮を離れて旅に出ていたラウール・エル・アディラス王子である。

ラウール「今日こそは決着をつけてやる…」

シャデラクの戦いで見事な武才の片鱗を見せたラウールに対し、
父王アディラス十六世は、息子のこの優れた才能をぜひ鍛えて伸ばすべきだと考え、
更なる成長のためモンスター討伐の旅という試練を課したのであった。
カレブ山で猛威を振るうグリーンドラゴンはラウールにとっては強敵で、
戦いを挑むのはこれが数度目になる。

ラウール「つぁっ!」

グリーンドラゴンが眼下の狙撃ポイントまでやって来たのを見て取ると、
ラウールは手に持っていた投擲武器・炎のブーメランを投げつけた。
その名の通り、赤い炎の模様が刻まれたブーメランは回転しながら空を切って飛んで行き、
グリーンドラゴンの首筋を掠めて傷をつけると、旋回して持ち主の手に戻る。

グリーンドラゴン「グァゥゥゥ…!」
ラウール「さあ来いっ!」

負傷し、怒り狂ってこちらへ向かって来るグリーンドラゴンを挑発しつつ、
ラウールは岩山の上に飛び乗り、腰に佩いていたはやぶさの剣を抜いて構えた。

ラウール「たぁっ!」

猛然と突っ込んで来るグリーンドラゴンの動きを見切り、
岩山からジャンプして飛びかかったラウールは、
はやぶさの剣を一閃し、力一杯グリーンドラゴンの脳天に斬りつけた。
斬撃で頭をかち割られたグリーンドラゴンは、傷口から緑色の血液を噴きながら倒れる。

ラウール「やった…!」

地面にその巨体を沈め、グリーンドラゴンは息絶えた。
はやぶさの剣を持ちながら残心の構えを取ったラウールは、
大きく肩で息をつく。

ナレイン「お見事です。殿下!」
ラウール「ナレイン…」

ラウールの戦いぶりを傍で見ていた小姓のナレイン・レンドルフが、
振り返ったラウールに惜しみない拍手を送る。
股肱の臣であり、また親友でもあるナレインから称賛されて、
ラウールの顔にようやく安堵の色が浮かんだ。

846凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/08/20(土) 12:32:06
太陽がゆっくりと西の地平線へ沈んでゆく。
グリーンドラゴンの討伐を終えたラウールとナレインは、
矢で射落とした野鳥の肉を焼いてその日の夕食とした。

ナレイン「随分と腕をお上げなされました。
 王都へ戻られた時には、国王陛下もきっと殿下のご成長に驚かれましょう」
ラウール「だといいけど…。
 兄上達に比べれば、僕なんてまだまだという気がする」

空がすっかり暗くなった頃。
焚き火に当たって夜の冷気を凌ぎながら、
ラウールは小さく溜息をついて星空を見上げた。

ラウール「初陣が大勝利に終わって、みんな僕の武勇を褒めてくれたけど、
 実際のところ僕はまだ途轍もなく未熟だ。
 大王と呼ばれた父上には遠く及ばないし、兄上達にも…」
ナレイン「お焦りなされますな。
 殿下が七つの時に遭われた不幸な事故の影響を考えれば、
 あれからここまでご成長なされたのは見事としか申し上げようがありませぬ」

ラウールは七歳の時、火災に巻き込まれて重傷を負い、生死の淵を彷徨った事がある。
何とか一命は取りとめたが、煙による一酸化炭素中毒が脳に深刻なダメージを与えてしまったらしく、
生活に支障をきたすほどの体の麻痺が残っただけでなく、
それまでの記憶を全て失って、自分が誰なのかも分からない状態に陥ってしまった。
しかし小姓のナレインらに支えられながら懸命のリハビリを続けてきたラウールは、
十七歳になった今、ようやく武芸も人並み以上にこなせるように快復し、
初陣を見事な勝利で飾ったばかりか、龍退治さえ一人でできるほどになったのである。

ラウール「でも…例え僕が未熟でも、
 父上が王として治めておられる限り、メルヴィオンは安泰だよ。
 その後は、三人の兄上の内の誰かが王位を継ぐんだ。
 誰が即位しても、きっと素晴らしい王になるだろうな。
 僕はそれを、例え微力でも脇からお支えして行ければいい…」
ナレイン「………」

メルヴィオンの王位継承権は王族の男子のみに与えられる。
父王が四人の息子達の中から次代の王を指名する日は、そう遠い事ではないだろう。
三人の兄王子は皆それを意識し、自分が王になれるかも知れないという期待から、
仲睦まじかった兄弟の間に今までにないある種の競争心が芽生え始めている。
そんな中、末っ子のラウールだけはそんな競争などどこ吹く風で、
自分は王位を継がないだろうし、継ぐには相応しくないものと最初から決めつけてしまっていた。
この野心のない無欲さがラウールの美点である反面、兄達に任せていれば安心だという、
成長を阻害する甘えになっている面もあるのではないかとナレインは思う。

ナレイン「建国の祖であるアディラス一世陛下を初め、
 これまでメルヴィオンを治めて来られた歴代の諸王は、
 夜空の星となって今もこの国を見守っておられます。
 あの星々にお祈りなされませ。ご自分のご成長を。
 それはきっと、メルヴィオンの未来のためになるはずです」
ラウール「うん…」

満天の星空を仰ぎながら、ラウールは言われるままに目を閉じ、
王族の末席として兄達を少しでも支えて行けるようにと、己の成長を願うのであった。

847凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/08/20(土) 12:35:07
***トリスタン平原***

黒三日月隊がメルヴィオン聖王国に降伏勧告を突き付けてから九日目の夜。
メルヴィオン軍は総勢十万の大軍を編成し、
王都ネクナールを出陣してトリスタン平原の西側に進出した。
返答の刻限となる十日目の日の出まで、あとわずか数刻に迫っている。

ナダル「見ろプジョール。敵が選んだのは最悪手の陣形だ。
 まるで蹴散らしてくれと言わんばかりではないか」

深夜、メルヴィオン軍の本陣で開かれた軍議の席。
机上に広げられた戦場の俯瞰図を指で叩きながら、
ナダルは弟のプジョールに向けて言った。

シャヴィ「横に大きく広がった横隊陣か…。
 確かに、我らメルヴィオン軍にとっては最も得意な相手ではあるな」

シャヴィも斥候の報告を元に描き出された敵軍の布陣図を見てほくそ笑む。
黒三日月隊は全体を横一列に広く並べた陣形を取っていたが、
これは横に関しては広範囲をカバーできる反面、縦の厚みがないため、
一点集中で鋭く突破を仕掛けられると脆いという弱点がある。
騎兵の縦列突撃を得意とするメルヴィオン軍にとっては、
まさに格好の餌食と言うべき陣の組み方であった。

プジョール「されど兄上、横隊陣の強みは、弓隊を前面に並べた場合、
 一度により多くの矢を敵に射かけられるという点にあります。
 敵は飛び道具を揃えて我らを待ち構え、一斉射撃で倒すつもりではないでしょうか?」
シャヴィ「プジョール、案ずるな。
 確かに横隊陣の利点はそなたの申す通りで、
 敵の意図もそこにあるのは間違いない。
 だが、我がメルヴィオンの騎士団は精強無比だ。
 例えどんなに敵の矢が降り注ごうとも、
 それを掻い潜って突破するだけの力が我らにはある」
ナダル「これまで多くの敵が、
 同じ事を考えて弓兵の横隊で我らを喰い止めようとし、
 無惨に攻め破られて失敗してきたのだ。
 矢の一斉射撃など、よく訓練された騎兵の前にはせいぜい足止め程度にしかならぬ」

プジョールが戦術の基礎に鑑みて意見を述べるが、
兄のシャヴィとナダルは実戦経験上、それが杞憂である事を説明して宥める。
勇猛で練度も高水準にあるメルヴィオン騎兵は、
例え矢の雨を浴びせられてもそれを乗り越えて敵陣に到達できるだけの突破力を持っている。
これは慢心ではなく、数々の勝利が実際に証明してきた事実なのだ。

プジョール「しかし…。
 あれだけ傲慢とも取れる姿勢を見せておきながら、
 この敵の迂闊さ、かえって不気味に思えてなりませぬ。
 何か罠があるとは考えられませぬか」
エリス「確かに、敵にも何らかの勝算がなければ、
 あのような大きな態度を取れるものとは思えないわ」
ナダル「姉上、それは杞憂と申すものでしょう。
 地の利を考えても、この条件ならば我らは騎兵の力を最大限に活かせます。
 敗れる道理が一体どこにありましょうや」

プジョールはなおも納得が行かない様子で警戒を促し、
エリスもそれに同調したが、ナダルは二人の言葉を敢えて顧みなかった。
戦場となるトリスタン平原はだだっ広い原野で、
北に先日の会見場所となったホセアの丘が隆起している以外、
騎兵の突撃を阻む障害物と呼べる物はない。
しかも、メルヴィオン軍が布陣した西側から黒三日月隊が陣を構える東側に向けて、
平原はなだらかな下り坂となっているのだ。
地理的な要素を考えても、メルヴィオン軍の有利は明らかだった。

848凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/08/20(土) 12:37:27
シャヴィ「ナダルの申す通り、勝利の条件は全て我が方に揃った。
 坂の上から一気呵成、騎馬隊を雪崩の如く攻めかからせ、
 敵陣を斬り裂いて寸断した後に各個撃破するのが我らとしては定石だろう」
ナダル「父上、先陣は何とぞこのナダルにお申し付けを!
 それがしは副使として黒三日月隊との交渉に当たって参りましたが、
 我らを原始人などと見下す奴らの傲慢ぶりには怒りを覚えておりました。
 我が自慢の騎士団でひと思いに踏み潰し、目にもの見せてやりとうございます!」

ナダルは総大将であるアディラス十六世に先陣を志願した。
床几にどっしりと腰を下ろし、瞑目して王子や王女らの議論にじっと聞き入っていたアディラスは、
強い眼光を湛えた両眼を開いて厳かに口を開く。

アディラス「いや、先陣はシャヴィに任せる。
 開戦の狼煙と共に前進し、敵の正面を突け」
シャヴィ「はっ、ありがたき幸せ!」
ナダル「父上!」
アディラス「そちは昨年の海賊討伐で十分に武名を馳せておる。
 今回は兄に手柄を譲ってやれ」

一年前の海賊討伐では勇猛果敢なナダルがほとんど一人で敵を全滅させる大活躍をしてのけたため、
ここでバランスを図っておきたいという思惑がアディラスにはあった。
シャヴィとナダルの兄弟関係は非常に良好だが、王位継承権の行方をどちらも気にかけている今、
弟が兄を武功で大きく凌ぐようになってしまうと感情的に厄介な問題にもなりかねない。

アディラス「ナダルには第二陣を預ける。
 兄に続いて突撃し、敵陣を存分に蹂躙するがよい」
ナダル「…承知しました」
アディラス「プジョールは第三陣じゃ。
 兄達の後方に控え、機を見て援護せよ」
プジョール「はっ、仰せのままに!」
アディラス「エリスは遊撃部隊として本陣の右手に待機。
 戦況に応じ、頃合いを見計らいつつ手薄な箇所に加勢すべし」
エリス「心得ました!」

こうして各隊の配置が決まり、軍議は閉会した。
メルヴィオン軍の作戦は、トリスタンの平坦な地形を生かし、
敵の陣形の弱点を狙った騎馬隊による波状攻撃である。
歴史上、これまで幾度となく王国に勝利の栄光をもたらしてきた必勝の戦術であった。

アディラス「夜明けと共に開戦じゃ。皆、抜かるでないぞ!」

回答の期限となる明朝の日の出と同時に敵軍は動き出すに違いない。
アディラスはその機先を制し、一気に叩く腹づもりであった。

849凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/08/20(土) 12:40:46
【今回の新規登場】
●ザイード(フルメタル・パニック!)
ヘルマジスタンの元ゲリラで、相良宗介の旧友。
幼い頃の宗介に戦闘のイロハを教えた人物でもある。
後にガウルンの部下となり、宗介と交戦したが敗れて戦死した。
Zy-98シャドウを乗りこなし、冷静沈着で感情に流されず常に着実に任務を遂行する。

●グリーンドラゴン(ドラゴンクエストシリーズ)
緑色の体色をした二足歩行のドラゴン。
毒の息や氷の息を吐いて攻撃する。

○シャヴィ・メル・アディラス(闘争の系統オリジナル)
メルヴィオン聖王国の王子で、国王アディラス十六世の長男。
父王の信頼も厚い智勇兼備の名将。

○ナダル・ヴァル・アディラス(闘争の系統オリジナル)
メルヴィオン聖王国の王子で、国王アディラス十六世の次男。
気性が激しく勇敢な、王家きっての猛将。

○プジョール・ティル・アディラス(闘争の系統オリジナル)
メルヴィオン聖王国の王子で、国王アディラス十六世の三男。
温厚で誠実な人柄で知られ、剣術にも優れる。

○エリス・レイカ・アディラス(闘争の系統オリジナル)
メルヴィオン聖王国の王女で、国王アディラス十六世の長女。
美しく勇敢な姫騎士として人望を集める。

○リンディ・アルス・アディラス(闘争の系統オリジナル)
メルヴィオン聖王国の王女で、国王アディラス十六世の次女。
父王と側室との間に生まれた庶子で、ハーフエルフを母に持つエルフ族とのクォーター。
魔法使いで、水・氷系の攻撃魔法を得意としている。

●イブン・ファイサル(闘争の系統オリジナル)
サラジア共和国の元陸軍大尉で、黒三日月隊のアセーリア侵攻軍司令官。
極めて残忍かつ好戦的で、自らを近世のコンキスタドールになぞらえ、
メルヴィオン聖王国に対し徹底した破壊と殺戮による侵略を行なう。


●ザイード→メルヴィオン聖王国に無条件降伏を勧告する。
●グリーンドラゴン→ラウール王子に倒される。

○ラウール・エル・アディラス→修業の旅でカレブ山を訪れ、グリーンドラゴンを倒す。
○ナレイン・レンドルフ→ラウールの修業の旅に随伴してカレブ山を訪れている。
○アディラス十六世→黒三日月隊と戦うためトリスタン平原へ出陣。
○シャヴィ・メル・アディラス→黒三日月隊と戦うためトリスタン平原へ出陣。
○ナダル・ヴァル・アディラス→黒三日月隊と戦うためトリスタン平原へ出陣。
○プジョール・ティル・アディラス→黒三日月隊と戦うためトリスタン平原へ出陣。
○エリス・レイカ・アディラス→黒三日月隊と戦うためトリスタン平原へ出陣。
○リンディ・アルス・アディラス→留学中のコンクェイテューラからネクナールへ帰省する。
●イブン・ファイサル→メルヴィオン聖王国に無条件降伏を勧告する。

850ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/08/21(日) 18:16:37
<<狙われた国際競技大会(仮)-2>>

***アザディスタン・某所***

ミンメイ「申し訳ございません、チー様。鬼太郎がこの国に現れました!」
チー「おのれ、鬼太郎め...こんな場所にまで現れるとは!」

鬼太郎と遭遇し、撤退したミンメイ(画皮)はアザディスタンにおける妖怪帝国の
拠点へと戻り、主である中国妖怪の大物チーに鬼太郎がアザディスタンに現れた事を
報告する。

???「キャハハハ、おめおめと逃げ帰るなんて、中国妖怪は弱虫ばかりなのかしら?」
ミンメイ「貴様はザンビアッ!?」

そこに逃げ帰って来たミンメイを笑う者―西洋妖怪のヤングジェネレーションの
1人である魔女ザンビアがミンメイを嘲り笑う。ザンビアの側には、同じヤング
ジェネレーションであるドラキュラ伯爵の三代目であるドラキュラ三世と狼男の子孫、
狼男ワイルドが並ぶ。

チー「ふん。まだ計画は始まったばかりアル。そっちこそ準備は進んでいるアルか?」
ドラキュラ三世「無論、計画は順調だ」
狼男ワイルド「準備が完了し、作戦が本格的に始まれば、人間達は恐怖でパニックに
 なる事間違いないわ」

計画の進行を尋ねるチーに対して、ドラキュラ三世と狼男ワイルドが答える。
妖怪帝国が進める計画...この時点では、まだ誰も分からない。

***日本・葛飾区亀有公園前派出所***

ラジオの声「柔道男子100キロ級、日本代表は準々決勝を突破。
  明日の準決勝はロシア代表を破ったオーブ代表との対戦となります」
両津「よしッ!日本は準決勝に進出だな」

その頃、アザディスタンで妖怪帝国の作戦が進行している事など露知らず、
日本にいる警察官、両津勘吉は派出所でオリンピックの試合をラジオで聞いていた。

中川「ここしばらく、オリンピックは衰退気味でしたが、今回の大会は大変な
 盛り上がりになっていますね」
両津「だな!...待てよ?何かこの時期忘れているような...」
麗子「そういえば...ええと...」

ラジオでオリンピックの試合を聞いていた両津達だが、何かを忘れている
事に気が付く。だが、なかなか思い出せない。

中川「あっ!先輩、日暮さんですよ。日暮さん!」
両津「そうだった!アイツが起きてくる時期じゃねえか」

両津達が思い出したのは、新葛飾署に勤務する日暮巡査の事である。
日暮巡査―本名、日暮熟睡男は4年に一度しか起きて出勤してこない
という警察官で、本来ならばクビにされてもおかしくないのだが、念写や
予知能力を持つ超能力者で、その能力を駆使して様々な事件を解決したり、
未然に防いだ事からクビにならずに済んでいた。

両津「アイツを起こしにいくのか?面倒なんだけどなぁ...」
大原「そうも行くか。両津、日暮を起こして来い!」
両津「ゲェッ!部長」

日暮巡査を起こしに行くのを面倒くさがる両津だが、大原部長が
派出所に現れ、日暮巡査を起こしに行くよう両津に命じる。

851ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/08/21(日) 19:50:14
しかし、両津達が日暮巡査を起こしに行くが警察寮に日暮巡査は
居なかった。

大原「一体、どういう事だ。両津!!」
両津「スイマセン、スイマセン部長!実は...」

日暮巡査の消息が不明になっている事に、大原部長は両津の
胸倉を掴み、鬼気迫る顔を近づける。迫られた両津は4年前の事を話す。

4年前。超能力を駆使して、事件を解決した日暮巡査は、B.A.B.E.Lから
超度を調べて欲しいと打診されて、両津に連れられB.A.B.E.Lへとやって来る。

B.A.B.E.L研究員「はい。測定は終了しました。結果は後日、お伝えします」
両津「応。ありがとうな」
日暮「両さん...ちょっと疲れたから、そこで休ませてもらうよ」
両津「分かった。後で起こしてやるよ」

測定を終えた日暮は置いてあったカプセルの中に入って休むのだが、
実はカプセルは廃棄されるものだった。そしてカプセルの中に日暮が
入っている事は知らずにカプセルは投棄され、両津はすっかり日暮の
事を忘れていた。

麗子「ヒドイ...」
大原「何て事をしてくれたんだ、両津!」
両津「スイマセン、スイマセン、顔を近づけないで!」
麗子「でも、日暮さんは今、何処に?」
中川「...こうなったら、奥の手を使いましょう」
両津、大原「「奥の手?」」

日暮巡査の事をすっかり忘れ、放置していた両津に大原は
怒声を挙げる。行方不明の日暮をどう探すべきか皆が考えると、
中川が奥の手を使うと言い出す。その奥の手は...?

852ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/08/22(月) 19:20:28
>>852加筆・修正

中川「もしもし中川です。是非、ある人物を探すのに協力をしてほしいのですが...」
両津「中川の奴...誰に電話を掛けているんだ?」
大原「さあ...」

奥の手を使うと言い出した中川は携帯電話に何処かへと連絡を入れる。
両津達は誰に電話を掛けたのか疑問を浮かべる。

中川「...はい。...はい。分かりました。ありがとうございます!
 先輩、日暮さんの居場所が分かりましたよ!」
両津「何だとぉ〜!?」
大原「一体、どうやって探し当てたんだ?」

中川は携帯電話を切ると、両津達に日暮巡査の居場所が分かった事を伝える。
両津は驚き、大原部長は如何にして探し当てたのか中川に質問する。

中川「スポンサー権限で、ブレイバーズに日暮さんの居場所を探すのに
 協力していただいたんです」
両津「ブレイバーズだとぉ!?」

そう中川はスポンサーの立場を利用して、ブレイバーベースのメインコンピュータ、
エルファの力を使って、世界中の情報網から日暮巡査の居場所を見つけ出したのである。

両津「...確かに、ブレイバーズの力を使えば見つけ出せるか」
麗子「それで、日暮さんは今どこにいるの?」
中川「はい。今、日暮さんが居る場所は...アザディスタンです」

中川がエルファの力を借りて見つけ出した、日暮巡査が現在、居る場所...
それは太陽系オリンピックで盛り上がっている中東の国家―アザディスタンだった!

麗子「アザディスタンって言ったら、オリンピックが行われている場所じゃない!」
両津「何で、そんな場所にいるんだよ(汗」
中川「詳しい経緯は分かりませんが、どうやらカプセルの投棄先が
 中東の方の海域らしく、そこからカプセルが引き上げられ、中にいた
 日暮さんが起きてカプセルが出てきたのではないかと...」

中川は日暮巡査がアザディスタンにいる理由を推察する。そして両津は
大原部長の命令により、中川を伴って日暮巡査を探しにアザディスタンへと
向かうのであった。

◯両津勘吉→日暮巡査を探しにアザディスタンへ向かう。
◯中川圭一→ブレイバーベースのエルファの力を借りて、日暮巡査が
   アザディスタンにいる事を突き止め、日暮巡査を探すべく両津に
   同行する。
◯秋本・カトリーヌ・麗子→両津達と共に太陽系オリンピックの試合をラジオで聞く。
◯大原大次郎部長→両津に日暮巡査を探し出すよう命令する。
●チー→ミンメイの報告を聞く。
●ミンメイ→チーに鬼太郎の事を報告する。
●魔女ザンビア→チーとミンメイの前に現れる。
●ドラキュラ三世→チーとミンメイの前に現れる。
●狼男ワイルド→チーとミンメイの前に現れる。

【今回の新登場】
●チー(ゲゲゲの鬼太郎)
 中国妖怪の

●魔女ザンビア(ゲゲゲの鬼太郎 5期)
 西洋妖怪のヤングジェネレーションの1人である現代風の魔女っ子。
 ベアード配下では一番の若手で、バックベアードに恋愛感情を抱いている。
 ヤングジェネ―レーションでは最も傲慢で、魔法の知識と攻撃力に関して
 それなりにセンスがあるが、経験不足の上に戦術が稚拙で、いつも
 負けている。狼男ワイルドとは犬猿の仲。

●ドラキュラ三世(ゲゲゲの鬼太郎 5期)
 西洋妖怪のヤングジェネレーションの1人であるドラキュラ伯爵の三代目。
 性格は冷酷非情で日本を見下している。美男子である反面、美女を見ると
 見境なく手を出そうとする悪い癖があり、魔女ザンビアやゴーゴンといった
 女性妖怪に馬鹿にされ、どこか実力不足で頼りない三枚目を演じてしまっている。
 祖父である初代ドラキュラ伯爵に敬意と憧れを抱いている。

●狼男ワイルド(ゲゲゲの鬼太郎 5期)
 西洋妖怪のヤングジェネレーションの1人である狼男の子供でオカマ。
 極めて残虐な性格をしており、格闘能力は高いが、妖術は全くの不得手。
 趣味はネイルアート。魔女ザンビアとは犬猿の仲。

853ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/08/22(月) 19:31:19
>>852誤爆した。>>850-851に加筆・修正

中川「もしもし中川です。是非、ある人物を探すのに協力をしてほしいのですが...」
両津「中川の奴...誰に電話を掛けているんだ?」
大原「さあ...」

奥の手を使うと言い出した中川は携帯電話に何処かへと連絡を入れる。
両津達は誰に電話を掛けたのか疑問を浮かべる。

中川「...はい。...はい。分かりました。ありがとうございます!
 先輩、日暮さんの居場所が分かりましたよ!」
両津「何だとぉ〜!?」
大原「一体、どうやって探し当てたんだ?」

中川は携帯電話を切ると、両津達に日暮巡査の居場所が分かった事を伝える。
両津は驚き、大原部長は如何にして探し当てたのか中川に質問する。

中川「スポンサー権限で、ブレイバーズに日暮さんの居場所を探すのに
 協力していただいたんです」
両津「ブレイバーズだとぉ!?」

そう中川はスポンサーの立場を利用して、ブレイバーベースのメインコンピュータ、
エルファの力を使って、世界中の情報網から日暮巡査の居場所を見つけ出したのである。

両津「...確かに、ブレイバーズの力を使えば見つけ出せるか」
麗子「それで、日暮さんは今どこにいるの?」
中川「はい。今、日暮さんが居る場所は...アザディスタンです」

中川がエルファの力を借りて見つけ出した、日暮巡査が現在、居る場所...
それは太陽系オリンピックで盛り上がっている中東の国家―アザディスタンだった!

麗子「アザディスタンって言ったら、オリンピックが行われている場所じゃない!」
両津「何で、そんな場所にいるんだよ(汗」
中川「詳しい経緯は分かりませんが、どうやらカプセルの投棄先が
 中東の方の海域らしく、そこからカプセルが引き上げられ、中にいた
 日暮さんが起きてカプセルが出てきたのではないかと...」

中川は日暮巡査がアザディスタンにいる理由を推察する。そして両津は
大原部長の命令により、中川を伴って日暮巡査を探しにアザディスタンへと
向かうのであった。

◯両津勘吉→日暮巡査を探しにアザディスタンへ向かう。
◯中川圭一→ブレイバーベースのエルファの力を借りて、日暮巡査が
   アザディスタンにいる事を突き止め、日暮巡査を探すべく両津に
   同行する。
◯秋本・カトリーヌ・麗子→両津達と共に太陽系オリンピックの試合をラジオで聞く。
◯大原大次郎部長→両津に日暮巡査を探し出すよう命令する。
●チー→ミンメイの報告を聞く。
●ミンメイ→チーに鬼太郎の事を報告する。
●魔女ザンビア→チーとミンメイの前に現れる。
●ドラキュラ三世→チーとミンメイの前に現れる。
●狼男ワイルド→チーとミンメイの前に現れる。

【今回の新登場】
●チー(ゲゲゲの鬼太郎シリーズ)
 中国妖怪軍団の首領。飲んだ妖怪を反物に変える秘薬を持ち、
 その反物で作った服を着た人間を支配する反物魔法を使う。
 普段は老人の姿をしているが、その正体は那須高原に封じられた
 玉藻前の弟で、姉を封印された事で日本に憎悪を抱いている。
 
●魔女ザンビア(ゲゲゲの鬼太郎 5期)
 西洋妖怪のヤングジェネレーションの1人である現代風の魔女っ子。
 ベアード配下では一番の若手で、バックベアードに恋愛感情を抱いている。
 ヤングジェネ―レーションでは最も傲慢で、魔法の知識と攻撃力に関して
 それなりにセンスがあるが、経験不足の上に戦術が稚拙で、いつも
 負けている。狼男ワイルドとは犬猿の仲。

●ドラキュラ三世(ゲゲゲの鬼太郎 5期)
 西洋妖怪のヤングジェネレーションの1人であるドラキュラ伯爵の三代目。
 性格は冷酷非情で日本を見下している。美男子である反面、美女を見ると
 見境なく手を出そうとする悪い癖があり、魔女ザンビアやゴーゴンといった
 女性妖怪に馬鹿にされ、どこか実力不足で頼りない三枚目を演じてしまっている。
 祖父である初代ドラキュラ伯爵に敬意と憧れを抱いている。

●狼男ワイルド(ゲゲゲの鬼太郎 5期)
 西洋妖怪のヤングジェネレーションの1人である狼男の子供でオカマ。
 極めて残虐な性格をしており、格闘能力は高いが、妖術は全くの不得手。
 趣味はネイルアート。魔女ザンビアとは犬猿の仲。

854凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/08/22(月) 23:10:41
≪アセーリア編「ネクナール炎上」-2≫


***トリスタン平原***

――翌朝。
太陽がゆっくりと昇り、トリスタンの原野を照らし始めた。

ファイサル「…タイムリミットだな」

眩しい陽光に目を細めながらファイサルが言った。
軍勢を集結させている時点で分かり切っていた事ではあるが、
メルヴィオン王から降伏を受諾する親書の提出は結局ないまま、
回答の期限となる十日目の日の出を迎えたのである。

ファイサル「身の程知らずの原始人どもめ。
 一丁ブチのめしてやるか。全軍、直ちに戦闘態勢に入れ!」
ザイード「はっ、了解しました!」

ファイサルの指令で、黒三日月隊が横隊陣を保ったままゆっくりと前進を開始する。
それを見越して深夜の内に手筈を整えていたメルヴィオン軍も、
開戦の合図となる狼煙を空に上げ、重武装の騎士の軍団を前方へと繰り出した。

シャヴィ「我らが先陣を切る!
 聖なる王国メルヴィオンを踏みにじらんとする侵略者を、
 一人残らず討ち払え! 突撃!!」
バレロン「殿下に遅れを取るな! 進め!」

角笛が高らかに吹き鳴らされ、
シャヴィ王子が率いる王宮直属の騎士八千騎が勇躍、突撃を開始した。
エゼキエル・バレロン卿を初めとする有力諸侯の兵二万二千がその前後左右を固め、
合わせて三万の大軍勢が一丸となって坂を駆け下り正面から敵に突っ込んで行く。

シャヴィ「行けっ! 敵は目前ぞ!」

砂煙を濛々と巻き上げ、大地を揺らしながら猛然と進撃する人馬の群れは、
その迫力だけで敵を圧倒し、恐怖に陥れるには十分かと思われた。だが…。

ザイード「第十六部隊、射撃開始!」



      ┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
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       .,-、   /  IIヽ             ノ.,;;;⌒ヽ;;;;;::;;;); ::; :         ;;;; : ::, ;:;;;;, :: .
      く  \ ノミノ゚,、゚),===========i,=..:::;;;;;;(,;;; ::,;;; ;;)",;;;:,;;; ::..       (";";;;;゙; : ;":,;::.. ;: ::
      /∠◎ヽ≡/ ('-、っ' ̄ソ ̄ ̄ .,;;; ;;;;:;;;;;;;; ;): ;"':; ;;;;  ::.         ヾ.,;;;⌒ :;.;;;;.. :.
  (⌒ヽ ノミノ ・ ),===========i,=..:;,;;;;;;;.);;;;;;;;;;;;;;:':; : _ヽ   :: :       .....::;;;;;;  ⌒ヽ;"':; :;::.
  ヾ Δ≡/ ('-、っ' ̄ソ ̄ ̄.,;;;;;;;;;⌒;;ヾ;;;;;ノ,;;;; ノミノ ・ ),===========i,=..:;;;;;; ':;,;; ;;;;;;;);;:;,;;;:: ,;;;:::;:......
  ノミノ丶),===========i,=..:;:;;;;;;;;);;;;;.;.,;;;;':;.;"':; /≡/ ('-、っ' ̄ソ ̄ ̄ ̄ :;;ヽ;;;;:";"; ;;;;;;;;;;);;;::";;::; ;;::;:...
_/≡/ ('-、っ' ̄ソ ̄ ̄ ̄   :;;;:ヽ;; ノ゙_ヽ ;"  ヾく彡ノ]    ,;;;⌒ヽ;;::;;;;;;;;;;("':;,;;; ;;;;; ;;: : ::.. .
 ヾく彡ノ]`‐‐´ヽヽ ヽ |     ノミノ ・ ),===========i,=..:::;;;;;;,;;;;;;";"(,;;;;;;;;;;;; ;:;;,;;;:)゙:;;,;;;,;;;: ::..
 (  ◆ ) ヾヽ > / `っ   /≡/ ('-、っ' ̄ソ ̄ ̄ ̄     : ;;;;:;;;;;;;;;;;ノ':; ;;;; ::;.: :::;::...
∠≡∧≡ヽヽ ヽ |   ̄     ヾく彡ノ]`‐‐´くソ  ,、ヽ / く.    :;; ヾ;;;;;;;; :";";";":.:;;;;:::...
くソ ノヾヽ > / `っ        (  ◆ ),--、  ̄  ヽ' `ー-'     :;; :: ."; ;;;; ::;.:; ;; :..
 | /   ヽ |   ̄        /≡∧≡ヽ/ >               "::;;::::.."
ノ )   / `っ          くソ  ,、ヽ / く.
 ̄     ̄ ̄            ̄  ヽ' `ー-'

855凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/08/22(月) 23:12:31
シャヴィ「な…何だとっ…!?」

シャヴィは思わず我が目を疑った。
敵目掛けて勇ましく疾走していた彼の騎兵隊が、
突如、耳をつんざく凄まじい轟音と共に一瞬で薙ぎ倒されたのである。

シャヴィ「これは一体どうなっているのだ!?」

アセーリア人は銃というものをまだ知らない。
弓矢と投石器、それにわずかな攻撃魔法しか遠距離攻撃の手段を持たない
地球の中世ヨーロッパとほぼ同水準の文明に、
ヘルマジスタン人の傭兵で構成された黒三日月隊・第十六部隊は、
アサルトライフルやガトリングガンの一斉射撃を容赦なく浴びせかけた。

ファイサル「オラァ撃て撃て! 撃ちまくれっ!」

黒三日月隊が横隊陣を敷いた狙いはこれであった。
飛び道具など何するものぞと強気で突破に挑んだメルヴィオン軍だったが、
オーバーテクノロジーによる敵の火力の猛烈さは全く想定外のレベルであった。
一秒に何十発という速度で連射される銃弾は騎士の楯を貫き、鎧の鉄板を突き破って命を奪う。
シャヴィが指揮するメルヴィオン軍の先鋒部隊は、弾丸の雨を浴びて次々と屍の山を築いて行った。

バレロン「殿下をお守りいたせ! ぐわぁっ!!」

シャヴィの元へ馬で駆け寄ろうとしたバレロンだったが、
機銃掃射を受け、たちまち全身を蜂の巣にされて馬上から崩れ落ちた。
国王の片腕と呼ばれた大貴族の敢えない最期であった。

シャヴィ「ぐはっ…! バ…バカなっ…!」

総勢三万の第一陣が全滅するまでには、ほんの数十秒もかからなかった。
飛来した凶弾に心臓を撃ち抜かれ、血を吐きながらシャヴィは落馬。
何が起こっているのか把握する事すら叶わないまま、
未来の王を夢見た男はトリスタンの原野に若い命を散らしたのであった…。

856凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/08/22(月) 23:14:51
伝令「申し上げます! シャヴィ王子殿下が討ち死になされました!」
ナダル「な、何だとっ!?」

長男シャヴィ王子の戦死の報は、直ちに次男ナダル王子の陣へともたらされた。
開戦からほんの数十分も経たぬ内に舞い込んだ思わぬ凶報に、
ナダルは信じられないという表情で座っていた床几から立ち上がる。

ナダル「兄上が…? そんなバカな…!
 さてはご油断召されて敵の罠にでも嵌まったか…?
 だから先陣はこの俺がと言上したのだ!」
伝令「敵は我らの先鋒部隊を壊滅させ、こちらへ向かって進撃中!」
ナダル「相分かった。馬引けい!」

激昂したナダルは床几を力一杯蹴飛ばすと、引かれて来た馬に飛び乗り出陣した。
生来、気性が激しい彼は、四兄弟の中でも最も勇猛と評された武闘派の王子である。
言うまでもなく、彼が率いる七千の騎士団も徹底的に鍛えられた強兵揃いだ。

ナダル「兄上の仇を討つぞ!
 異世界の軍勢など恐れるに足りず! かかれ〜っ!!」
メンディエタ「メルヴィオン騎士の勇敢さを見せよ。前進!」

ナダルの割れんばかりの大音声に応じて七千の軍勢が攻め出し、
アルトゥロ・メンディエタを筆頭とする貴族衆の兵二万がそれに続く。
狙うは、バリク人やガモン人など東南アジア系の傭兵からなる黒三日月隊の第十七部隊である。

ザイード「第十七部隊、撃てっ!」

再び、戦場に響き渡る轟音。
ナダルの手勢もまた、激しい銃撃を浴びて次々と倒された。
更に、射撃部隊の左右に待機していたT-90戦車ウラジーミルが主砲の51口径125mm滑腔砲を放ち、
炸裂した砲弾が地面を抉って爆発を起こす。

ナダル「うおおっ!? な、何だこれはっ…!」
メンディエタ「いかん、突撃中止!
 魔法使いの兵を前列に集めて撃ち返せ!」

銃弾と砲弾が降り注ぐ中、メンディエタは部隊内の魔法使い達をかき集め、
火炎や稲妻などの攻撃魔法で必死に反撃しようとする。
だがメルヴィオン人が使える魔法の威力は、一度にせいぜい数人を倒せる程度。
かめはめ波やドラグ・スレイブのような殲滅力の高い大技は未発達で、
個々の武勇が物を言う中世の戦では活躍できても、
集団で銃火器を運用してくる近代的軍隊の前には無力も同然だった。
魔法を浴びせて数人の敵兵を倒したかと思うと、次の瞬間にはその何十倍もの銃弾が返って来る。
懸命の抵抗を見せていた魔法兵らも、数分と持たずに撃ち殺されて全滅した。

ナダル「こ…こんな事が…! ぐわぁぁっ!!」

王家きっての猛将と恐れられたナダルもこれではどうしようもなかった。
ウラジーミル戦車の主砲の直撃を受け、
ナダルは無惨にも乗っていた馬ごと木端微塵に爆砕されてしまったのである。

伝令「申し上げます! ナダル王子殿下、ご戦死!」
アディラス「何じゃと…!?」

シャヴィ、ナダル両王子が、開戦の狼煙を上げた直後に揃って瞬殺された。
総大将として後方の本陣で指揮を取っていたアディラス十六世も、
これには驚きを隠せずしばし愕然としていた。

伝令「メンディエタ卿も討ち死に! 第二陣は全滅です!」
アディラス「一体いかなる事態じゃ!
 いかに敵が強かろうとも、これほどまでに呆気なく次々とやられるはずがあるか!」
伝令「それが、敵は謎の強力な飛び道具を使っているらしく、
 轟音と共に兵が一瞬で薙ぎ倒されたと…」
アディラス「敵の武器について、早急に確かめよ!」
伝令「ははっ!」

これは尋常な戦いではない。それが一体何であるかは不明だが、
何かとんでもない事が起こっているという事だけは、
老練なアディラスは直感で察知した。

アディラス「プジョールはどうしておる!?
 あ奴だけではとても敵うまい。すぐに本陣へ呼び戻せ!」
キクマル「恐れながら、それがしがお迎えに参ります!」

キクマル・サダムネは王宮に仕えるアオイ人のサムライ達を引き連れ、
未だ前線に留まっている三男プジョール王子の救援に急行した。

857凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/08/22(月) 23:17:28
ザイード「そろそろ潮時ですな」
ファイサル「だな…。第十八部隊に総攻撃を命じろ!」

攻撃を仕掛けてきたメルヴィオン軍の第一波・三万と第二波・二万七千。
全体の半数を超える合計五万七千の兵力を、
黒三日月隊は近代兵器による銃撃と砲撃で瞬く間に壊滅状態に追い込んだ。
戦機が熟したのを見た総司令官のファイサルは、
後方に待機させていた第十八部隊――Σ(シグマ)部隊に前進を指令した。

ガーデーヴィ「さすがは文明の進んだサラジアの軍勢だ。
 魔法の如き恐るべき兵器で、敵をたちまち瀕死にさせてしまったか」

黒三日月隊は所属する傭兵の言語や出身地などによって全部で十八の部隊に分かれているが、
ラストナンバーの第十八部隊は、地球人ではなく異世界の人間を集めた軍団である。
その第十八部隊の一翼を担うのは、かつてある世界で異母弟ラジェンドラと王位を巡って争い、
神前決闘(アディカラーニャ)で巨人バハードゥルをダリューンと戦わせたが敗れたため処刑された、
ガーデーヴィ王子を大将とするシンドゥラ人の傭兵からなる軍勢であった。

ガーデーヴィ「この戦争に勝った暁には、
 サラジアの奴らからアセーリアに所領を頂戴し、
 この俺を王とする新たな国をロサレダ大陸に建設する。
 ラジェンドラ如き愚者を王に選び、
 今や欺瞞の国になり下がったシンドゥラとは違う、
 正統なる王を戴く真のシンドゥラをな」

戦勝の際には報酬としてメルヴィオンの領土の一部を切り取り、
サラジアを宗主国と仰ぐ第二のシンドゥラ国家を樹立して自分がその王になる事を、
ガーデーヴィはアフマド・アルハザード副大統領から直々に約束されていた。
まさに捨てる神あれば拾う神あり…。
神前決闘で神に見放され死ぬ事になったガーデーヴィとしては、
黄泉がえってこのような機会が巡って来た己の数奇な運命に愉悦を隠せない。

ゴーヴィン「そのためには、まずはこの戦で、
 殿下のご武威を存分にお示しなされませ。
 さしずめ、敵の王族を討ち取れば大きな戦功となりましょう」
ガーデーヴィ「分かっている。
 メルヴィオンの第三王子の首を頂くぞ。全軍を押し出せ!」

配下のゴーヴィン将軍の進言を容れ、
ガーデーヴィはプジョール王子の部隊にシンドゥラ軍を攻めかからせた。

カシム「シンドゥラ軍に遅れを取るな。かかれっ!」

ガーデーヴィの世界とは別の世界で行なわれたアニエスの会戦で銀の流星軍(シルヴミーティオ)と戦い、
ティグルヴルムド・ヴォルン伯爵の弓の絶技で射られて戦死した
ムオジネル王国の将軍カシムも、黄泉がえった今では、
第十八部隊の一角を成すムオジネル人傭兵団を率いる部隊長である。
ファイサルの攻撃命令を受け、カシムはムオジネル軍を大挙進軍させた。

カシム「まだ生きている敵の負傷兵は捕虜にしろ。
 ムオジネルに連れ帰って奴隷労働に使役するのだ!」

奴隷制国家のムオジネルは、時には奴隷の獲得のためだけに戦争を起こす事さえある。
黒三日月隊の銃撃で倒れ、動けなくなっていたメルヴィオン軍の負傷兵を、
ムオジネル兵達は片端から捕らえて荒縄で縛り上げた。
時空を超えてムオジネルへ連行された哀れな戦争捕虜達には、
過酷な強制労働という苦難がこれから待っているのである。

858凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/08/22(月) 23:19:46
プジョール「退けっ! 早く後退するのだ!」

アディラス十六世からの退却命令を受け、
前線から兵を退こうとしていた三男プジョール王子だったが、
時既に遅く、唸りを上げて攻め寄せた第十八部隊のシンドゥラ軍に捕捉され、
後方から激しい追撃を受けて戦闘に突入していた。

プラダーラタ「メルヴィオンの弱兵どもめ!
 まとめてかかって来い!」

シンドゥラ軍随一の剛将プラダーラタが、
大声で呼ばわりながら馬上で厚刃の偃月刀を振り回す。
プジョール配下の騎士達が次々とプラダーラタに挑むが、
全て彼の凶刃の餌食となり、血飛沫を上げて倒れる結果となった。

プラダーラタ「待てプジョール王子!
 貴様の素っ首を刎ねてガーデーヴィ様に献上してくれようぞ!」
プジョール「くっ、こうなれば!」

これは逃げ切れない。観念したプジョールは馬首を返して剣を振り上げ、
追い駆けて来るプラダーラタに敢然と挑みかかった。
温厚で誠実な人柄で知られるプジョールだがその武芸の腕はかなりのもので、
猛将の兄ナダルからも、こと剣の技にかけては自分以上と評された技巧派の戦士である。
しかし…。

プラダーラタ「うおりゃぁっ!」
プジョール「うわぁっ!」

勝負は一瞬で決した。
プジョールがその華麗な剣技を披露する暇さえなく、
勢いよく振り下ろされたプラダーラタの偃月刀が、
プジョールを脳天から腰まで一気に斬り下げたのである。

キクマル「殿下〜っ! しまった、遅かったか!」

アオイ人のサムライ達を引き連れてキクマルが救援に到着した時には、
既にプジョールは絶命し、首級をプラダーラタに取られてしまっていた。

キクマル「おのれっ! 殿下の仇、許さん!」
プラダーラタ「ほう、来るか小僧!」
キクマル「うおおおっ!!」

アオイ国の名刀・虎一文字を抜き、怒り狂ったキクマルは、
鬼の形相でプラダーラタの前に自分の馬を突っ込ませた。

キクマル「やぁっ!」
プラダーラタ「つぁっ!」

キクマルの虎一文字とプラダーラタの偃月刀が激突し、火花を散らす。
プラダーラタの猛攻を必死に凌ぎ、反撃に出たキクマルは、
遂に鋭い逆袈裟の一撃でプラダーラタを斬り裂いた。

プラダーラタ「ぐわぁぁっ!」
キクマル「討ち取ったり〜!」

真っ赤な鮮血を噴き上げながらプラダーラタはどさりと落馬した。
敵将を倒して一矢報いたメルヴィオン軍から歓声が上がる。
だが、絶望的な敗勢は到底これだけで覆せるものではなかった。
シンドゥラ軍の後詰がすぐに押し寄せ、更にムオジネル軍も別方向から攻めて来る。

キクマル「これは大変な戦だ…」

次から次へと湧いて来る雲霞の如き敵軍に、
キクマルは毒づきながらなおも果敢に立ち向かって行った。

859凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/08/22(月) 23:22:09
伝令「プジョール王子殿下、お討ち死に…!」
アディラス「何たる事じゃ。
 余は悪夢でも見ておるのか!?」

三人の王子をたちまちの内に殺され、
さしものアディラス十六世もあまりの衝撃にわなわなと身を震わせた。
開戦からまだ数刻と経っていないにも関わらず、
既にメルヴィオン軍は総兵力の七割を超える死傷者を出して散々に崩され、
各所で敗走を始めている。
油断がなかったかと問われれば確かに否定はできない。
だが、まさかここまでの事態になるなどとは一体誰が予測できたであろうか。

エリス「父上、かくなる上はこの私に出陣をお命じ下さいませ。
 兄上やナダル、プジョールの仇、必ず討ってご覧に入れます!」
アディラス「たわけを申すな!
 いかなる武器を使っているかはいざ知らず、
 敵の強さは尋常なものではないのだぞ。
 万一そちまでも失ったら我が王家は一体どうなるのじゃ」

出陣を志願するエリス王女を、アディラスは厳しく叱りつけた。
姫騎士と呼ばれ、美しく気品あふれる女性ながら武勇にも優れた自慢の娘だが、
もし三人の息子に続いて彼女まで死なせてしまったらアディラスとしては耐えられない。

エリス「確かに、敵のこの強さは異常です。
 まともに正面からぶつかっても勝ち目はまずないでしょう。
 ですが、例えどんな強力な武器を持っていようとも、敵もやはり人間。
 勝ちに驕って油断すれば隙も生まれます。
 それに、異世界からやって来たばかりの敵はこの辺り一帯の地理に明るいとは思えません」
アディラス「…何を考えておるのだ?」

訝しむ父王に、エリスは机上の地図を指し示しながら作戦を説明する。

エリス「戦場の北にあるホセアの丘を迂回し、
 密かに敵の側面に出てそこから攻めかかります。
 今やお味方は総崩れ。敵はそれを追撃して前後に長く間延びし、
 横からの攻撃には弱くなっているでしょう。
 私の騎士団三千でそこを突き、敵将の首を一つでも取ればきっと風向きは変わるはず!」
アディラス「なるほど。悪い手ではないが…」

広げられた戦場の地図を眺めながら、アディラスは低く唸った。
エリスの策は兵法の常道であり、確かに理に適っている。
ただ、この非常識なまでの強さを誇る敵に、常軌に則った戦法が果たして通用するかどうかは分からない。
アディラスはしばし逡巡したが、やがて意を決して首を縦に振った。

アディラス「…よう分かった。やってみよ。
 だが、決して命を粗末にするでないぞ」
エリス「承知いたしました、父上!」

勇んで本陣を出て行くエリスの後ろ姿を、
アディラスは不安げな眼差しで見送ったのであった。

860凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/08/22(月) 23:27:45
●ザイード→黒三日月隊を進軍させ、トリスタン平原で戦闘開始。
●ガーデーヴィ→黒三日月隊のシンドゥラ人部隊を率いてアセーリアへ侵攻。トリスタン平原の戦いに参加する。
●ゴーヴィン→黒三日月隊のシンドゥラ人部隊の将軍としてアセーリアへ侵攻。トリスタン平原の戦いに参加する。
●プラダーラタ→黒三日月隊のシンドゥラ人部隊の将軍としてアセーリアへ侵攻。
 トリスタン平原の戦いに参加しプジョール王子を討ち取るが、キクマル・サダムネに倒される。
●カシム→黒三日月隊のムオジネル人部隊を率いてアセーリアへ侵攻。トリスタン平原の戦いに参加する。

○キクマル・サダムネ→トリスタン平原の戦いでプラダーラタを討ち取る。
○アディラス十六世→トリスタン平原の戦いで王子達を次々に討たれ驚愕する。
○シャヴィ・メル・アディラス→トリスタン平原の戦いで戦死する。
○ナダル・ヴァル・アディラス→トリスタン平原の戦いで戦死する。
○プジョール・ティル・アディラス→トリスタン平原の戦いで戦死する。
○エリス・レイカ・アディラス→トリスタン平原の戦いで側面攻撃をアディラス十六世に志願する。
○エゼキエル・バレロン→トリスタン平原の戦いで戦死する。
○アルトゥロ・メンディエタ→トリスタン平原の戦いで戦死する。
●イブン・ファイサル→黒三日月隊を進軍させ、トリスタン平原で戦闘開始。

【今回の新規登場】
●ガーデーヴィ(アルスラーン戦記)
シンドゥラの王子で、ラジェンドラの異母兄。
世間知らずで目下への心配りができないため、諸侯の支持は集めるものの民衆には人気がない。
ラジェンドラと王位を巡って争い、神前決闘(アディカラーニャ)で
バハードゥルをダリューンと戦わせるが、敗れたため処刑された。

●ゴーヴィン(アルスラーン戦記)
シンドゥラのガーデーヴィ派の将軍で、グジャラート城の城司。
ナルサスの詭計にかかり、ダリューンに討ち取られた。

●プラダーラタ(アルスラーン戦記)
シンドゥラのガーデーヴィ派の将軍で、偃月刀を武器とする屈強な戦士。
カーヴァリー河の戦いでダリューンに討ち取られた。

●カシム(魔弾の王と戦姫)
ムオジネル王国の将軍。奴隷出身だが才覚を認められて将軍となった。
アニエスの戦いで銀の流星軍と交戦し、ティグルヴルムド・ヴォルンの黒弓で討ち取られた。

861凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/08/25(木) 21:32:41
≪アセーリア編「ネクナール炎上」-3≫


***トリスタン平原***

開戦から数刻、太陽が中天に近付く頃には、
メルヴィオン軍はもはや目も当てられぬ大混乱に陥っていた。
見た事もない超兵器で圧倒され、三人の王子を続けざまに討ち取られて、
恐怖に駆られた兵士達は戦意を失い我先にと逃げ惑う。

王蛇「戦場か…。ハハッ、最高の祭りの場所だな!」

サラジアへ渡って黒三日月隊の一員となっていた浅倉威は、
仮面ライダー王蛇に変身して合戦の中へ飛び込み、
ベノサーベルを振り回してメルヴィオン軍の兵士を片端から薙ぎ払っていた。
アセーリアに降り立った史上最凶の仮面ライダーの前には、
メルヴィオンの名だたる騎士達も赤子の手を捻るが如く次々と倒されて行く。

王蛇「雑魚どもめ、もっと俺を楽しませろ!」

凶悪殺人犯で、暴力を快楽とする王蛇にとっては、
どんなに人を殺しても罪に問われないどころかむしろ賞賛される戦場というのは、
まさに理想の場所である。
鎧すら斬断する威力の凶剣ベノサーベルを振るい、
王蛇は快感に酔いながら思うままに殺戮を楽しむ。

ベノスネーカー「キシャァァァァ!!」
メタルゲラス「グォォォォォ!!」
王蛇「人間はいくらでもいる。好きなだけ喰え!」

王蛇の契約モンスターであるコブラ型ミラーモンスター・ベノスネーカーが、
逃げ惑うメルヴィオン兵を襲って捕食する。
元は仮面ライダーガイの契約モンスターで、
ガイが王蛇に倒されたため王蛇と契約したサイ型ミラーモンスター・メタルゲラスも、
持ち前の凄まじい突進でメルヴィオン兵を突き倒しては喰らい付き、
食糧にして空腹を満たして行った。

ザイアン「ヒャハハハハ! オラオラァ!
 早く逃げねえとこいつでぶっ刺しちまうぞ!」

黒三日月隊・第十八部隊のブリューヌ人部隊を率いるザイアン・テナルディエもまた、
自ら馬に跨り、逃げるメルヴィオン兵を追い回しては次々と槍で突き殺して楽しんでいた。
メルヴィオン軍が無惨に瓦解して組織的抵抗力を失いつつある今、
行なわれているのはもはや戦闘ではなく、一方的な殺戮に等しかった。
散り散りになって敗走するメルヴィオン軍を、
ザイアン率いるブリューヌ軍はどんどん追って次第に隊列が間延びしていく。

エリス「思った通りね。敵は陣形を乱しているわ」

その頃、密かにホセアの丘の裏側を迂回して移動していたエリスと配下の騎士三千騎は、
逃げるメルヴィオン軍を夢中で追走するブリューヌ軍の側面に出る事に成功していた。

エリス「天にまします我らの神!
 世界の創造主セイロスよ、メルヴィオンを護りたまえかし!
 全騎、突撃開始!!」

神に祈りを捧げたエリスは攻撃開始を下知した。
エリス自ら先頭を切り、丘の陰から飛び出した三千の騎兵が、
前がかりになって紐状に長く伸びる形となっていたブリューヌ軍に、
鬨の声を上げて猛然と横から攻めかかったのである。

862凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/08/25(木) 21:34:22
スティード「ザイアン様! 右手に敵です!」
ザイアン「て、敵だと!?」

テナルディエ家に仕える騎士スティードが、
側面から急接近するエリス隊に気付いて声を発した。
慌てふためくザイアンが軍勢をまとめる暇もなく、
突っ込んで来たエリス隊は仲間を追い回していたブリューヌ兵らに斬りかかり、
不意を突かれて戸惑う敵を次々と倒して行く。

エリス「勇気を出しなさい! まだ戦える者は私に続いて!
 この戦、必ずここから引っ繰り返して見せます!」
メルヴィオン兵「「「オオッ!!」」」

馬上から声を限りに叫んで味方を鼓舞するエリス。
戦意を失ってひたすら逃げるばかりだったメルヴィオン兵達も、
姫騎士エリスの勇姿に励まされて闘志を取り戻し、再び敵に立ち向かう。
戦場の流れはまさに一瞬で変わった。
総崩れになっていたメルヴィオン軍が、死力を振り絞っての猛反撃に転じたのである。

ザイアン「メルヴィオンの奴らめ、小癪な真似しやがって…!」

突如として逆流を始めた戦いの流れはたちまちブリューヌ軍を呑み込んだ。
エリス隊の猛攻は凄まじく、ザイアンが馬上で歯噛みしている間にも、
ブリューヌ軍は将兵が次々と討たれ切り崩されて行く。

エリス「敵将、覚悟っ!」

敵兵を蹴散らし、ザイアンとの距離をある程度まで詰めたエリスは、
振るっていた槍を頭上でくるりと一回転させて構えると、
ザイアン目掛けて思い切り投げつけた。

ザイアン「うひゃぁっ!?」
スティード「ザイアン様!」

勢いよく投擲された槍は狙いをわずかに外れ、
ザイアンではなく彼の跨っていた馬に命中した。
脇腹を刺された馬が悲鳴を上げて横転し、ザイアンは馬上から転がり落ちる。

エリス「ああ、神様…!」

惜しかった。天を仰いだエリスは腰の鞘から剣を抜き、
再び周囲の敵兵を斬り倒していく。

スティード「ザイアン様をお守りしろ!」

スティードが周囲の兵を指揮して人馬の壁を作らせザイアンを守らせる。
剣を振るって馬を駆けさせそこへ突進しようとしたエリスだったが、
刹那、銃声が響き、彼女の配下の騎士達が一度に数騎倒された。

孫市「鳴け、誇り高き八咫烏よ! 鉄砲隊、放てっ!!」

同じ黒三日月隊・第十八部隊に所属する、
雑賀孫市を頭領とする雑賀衆の鉄砲隊が火縄銃を撃って来たのだ。
更に、ブリューヌ軍の危機を見て駆けつけたシンドゥラ軍も加勢し、
エリス隊は完全に包囲されてしまった。

孫市「あの敵将を狙って撃て!」
エリス「うっ…!」

雑賀衆の鉄砲で右腕を撃たれ、エリスは落馬した。
倒れた彼女にブリューヌとシンドゥラの兵が飛びかかり押さえつける。
なおも必死に抵抗するエリスの頭に強烈な一撃が叩き込まれ、
彼女の意識は落ちて視界が暗転した…。

863凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/08/25(木) 21:36:32
日の出と共に始まったトリスタン平原の戦いは、
メルヴィオン聖王国軍の歴史的大敗という形で正午過ぎには終結した。
十万の軍勢をわずか半日の間に壊滅させられ、
エリス王女の部隊による側面奇襲も失敗に終わって、
敗北を認めたアディラス十六世は命からがら王都ネクナールへ逃げ帰ったのである。
戦闘が終わったトリスタンの原野には何万というメルヴィオン兵の屍が積み上がり、
血臭を乗せた冷たい風に吹き晒されていた。


***王都ネクナール・王宮***

リンディ「い…一体何があったの!?」

夕刻、ネクナールの王宮へ帰還したメルヴィオン軍の無惨な姿を目にして、
父王らの帰りを待ち詫びていたリンディ王女は城門の前で愕然とした。
十万の大軍で意気揚々と出陣した王国軍だったが、
生きて王都に帰って来れたのはその一割にも満たない人数のみ。
生還者もほとんどが目を背けたくなるような痛々しい傷を負っている。
結果を聞くまでもなく、大惨敗だった事はリンディにもすぐに分かった。

リンディ「父上! ご無事でしたか!?」
アディラス「おおリンディ。済まぬ。父は負けたぞ」

片足に血の滲んだ包帯を巻いた姿で帰還した父王に、
リンディは駆け寄って抱きついた。
本陣が攻撃を受けた際に敵の銃弾で右膝を撃たれ、
アディラスも負傷していたのである。
普段、国王を囲んでいる重臣や旗本の騎士達もことごとく討たれて、
傍に侍るのはもはやアオイ人のキクマルただ一人であった。

リンディ「…? 姉上は? 
 兄上達はどうされたのですか、父上!?」
アディラス「リンディ…。まことに済まぬ!」

シャヴィ、ナダル、プジョール、そしてエリスの戦死という悲報を、
アディラスはリンディに告げた。
しばらく言葉もなく呆然自失していたリンディは、
やがて起きた事態を呑み込むと、あふれ出す涙を抑えられずに大声を上げて泣き出した。

リンディ「あぁっ…! 姉上っ…兄上っ…!」
キクマル「姫様、おいたわしや…。
 我らの力が足りぬばかりに、面目ない限りでござる…」

王宮の中に戻ってもずっと泣き続けているリンディの姿に、
キクマルも慙愧に耐えぬ様子でひっそりと男泣きの涙を流した。
その時、外から異様な音が聞こえたので、
キクマルはリンディの傍を離れて窓を見る。

キクマル「へ…陛下、あれをご覧下さい…!」
アディラス「何じゃ、いかがした」

王宮の窓から外を見て、キクマルが絶句する。
黒三日月隊の攻撃が始まり、ネクナールの街が炎上していた。

864凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/08/25(木) 21:38:05
                    __
                /´ (  `  、_
         _   r-,r,ヘ、 ` ro-' <7
        ∧   ̄`l/  l::ヽr-、__,ノ
        ', .〉‐-= .」ヽ、 ヽ、:ヾニ=-イハィ=ー-、_
         V_  /:::〉\  \::::::::/ l:l|    |
       / ヽ=ニイ、:/   `     /|:ヘニ=<
       ノ 、 ∠_|         T  , V´ヘ. ヘ
      ヽ r:ァ'`ヽ T =r==ー-  __l   /   V ヘ_{
       _V  /`>、_ |_|       ̄ =‐-' 二ヾ
       `ー--‐<   `7-、__,__、       l´ro__
              lΤ ー'、  /_,ヲ}ニ=r rrvヘ.┴===゚'
               | l    |l_ー-'´ ヘ  Vヽ-- '´
           、}   /l::lヘ  l |\__ゝ
            l」_r ュ」 LL.| ゝ-' r'
                ,}::ruイ  ̄ヽ |::::r┴,
            /ヽト ニl、   `^ム._/
             l  |」/,|1
              _〉、_,ラ'
            「、l、_,イ
          `r>'⌒\
           ヽ\_,ハ
            ー--- '


アディラス「な…何じゃあれは…!」
キクマル「巨大な蛙の化け物…!?」

街を破壊していたのは、蛙を想起させる形状の頭部を持った黒三日月隊のアーム・スレイブ、
リーヴェニ――通称サベージであった。
主武器のロギノフBK-540 37mmライフルを乱射し、
数機のサベージがネクナールの市街地を火の海にする。
巨大ロボット兵器など見た事もないアセーリアの人々からすれば、
全高8.1mのこのASは恐るべきモンスターの類にしか思えなかった。

キクマル「直ちに兵を送って迎撃を!」
アディラス「いや…もはやこれまでじゃ。
 恐るべき奴らよ。あのような巨大な怪物まで手懐けておるとあっては、
 万が一にも我らに勝ち目はあるまい」

ここに来て王都攻略戦に投入されたサベージの存在は、
大王と称えられたアディラスの戦意さえも完全に打ち砕いてしまった。
王宮の床に敷かれた赤い絨毯の上に力なく座り込んだアディラスは、
大きく息を吐いてキクマルに言った。

アディラス「余は自害する。王宮に火を放て」
キクマル「なりませぬ…!
 ここは一旦落ち延び、再起をお図りなされませ!」

必死に王に逃亡を勧めるキクマルだが、
アディラスは既に精魂尽き果てた様子で、首を横に振った。

アディラス「この傷ついた足では、とても逃げおおせまい…。
 後事は全てラウールに託す。三人の兄が揃って亡き者となった今、
 次の王となるべき者は四男ラウール・エル・アディラスである!
 余の遺言としてラウールにそう伝えよ」
キクマル「ははっ…!」
アディラス「よって、王の証である王剣メルヴィカリバーをラウールに授ける。
 キクマル。そちはリンディを連れ、この剣を持って王都を脱し、
 カレブ山にいるラウールに剣を渡せ」
キクマル「陛下っ…!」

震える手で、キクマルはアディラスが佩いていた王剣を受け取った。
やがて大きな音がして、爆発と共に王宮の壁の一角が崩れ落ちる。
黒三日月隊の戦車部隊による砲撃が始まったのだ。

アディラス「いよいよか…。
 さらばじゃリンディ。この不甲斐なき父を許せ」
リンディ「父上、嫌です! 父上!」

リンディは泣きじゃくりながら父に抱きついた。
娘をしっかりと抱き締め、アディラスもしばし感涙にむせぶ。
だが、そうしている間に再び戦車の砲弾が王宮の壁に直撃し、
爆発が起きて二つ目の大穴が開かれた。

アディラス「時間がない。早うせいキクマル!」
キクマル「承知いたしました。さあ姫様、こちらへ!」
リンディ「嫌っ! 父上! 父上〜っ!!」

大泣きに泣くリンディをキクマルが父王から引き剥がし、
無理に手を引っ張って連れて行った。
王家に伝わる王剣メルヴィカリバーを携え、リンディを連れて、
キクマルは王宮の地下にある秘密の抜け穴からネクナールの市外へと脱出したのである。

865凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/08/25(木) 21:42:10
●浅倉威=仮面ライダー王蛇→トリスタン平原の戦いでメルヴィオン軍を殺戮する。
●ベノスネーカー→トリスタン平原の戦いでメルヴィオン軍を殺戮・捕食する。
●メタルゲラス→トリスタン平原の戦いでメルヴィオン軍を殺戮・捕食する。
●ザイアン・テナルディエ→トリスタン平原の戦いでエリス王女の部隊に奇襲を受ける。
●スティード→トリスタン平原の戦いでザイアン・テナルディエを守って奮戦。
△雑賀孫市→トリスタン平原の戦いでエリス王女の部隊と交戦。

○アディラス十六世→ネクナールへ撤退し、ラウールに後事を託して自害。
○エリス・レイカ・アディラス→黒三日月隊に側面攻撃を仕掛けるが失敗し、戦死…?
○リンディ・アルス・アディラス→キクマル・サダムネに連れられてネクナールを脱出。
○キクマル・サダムネ→リンディ王女を連れ、王剣メルヴィカリバーを携えてネクナールを脱出。


【今回の新規登場】

●ザイアン・テナルディエ(魔弾の王と戦姫)
ブリューヌ王国の有力貴族テナルディエ家の御曹司。
武芸に優れるが性格は傲慢で、指揮官としての手腕には乏しい。
モルザイム平原の戦いでティグルヴルムド・ヴォルンに敗れて戦死した。

●スティード(魔弾の王と戦姫)
ブリューヌ王国の有力貴族テナルディエ家に仕える騎士。
忠誠心が高く謙虚で、フェリックス・アーロン・テナルディエが有能と認めた数少ない人物。

△雑賀孫市(戦国BASARA)
鉄砲を武器とする戦国の傭兵集団・雑賀衆を率いる三代目頭領。
雑賀衆こそが最強であると自負し、自分達を八咫烏と称する。
非常にクールで誇り高く、金銭や感情には左右されずただ自分達を高く評価する者とのみ傭兵の契約を交わす。

866凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/09/04(日) 17:17:04
≪X星人の侵略!怪獣軍団総攻撃≫続き

X星人統制官「地球連邦政府に告ぐ。
 一切の抵抗を諦めて我々X星人に無条件降伏しろ。
 お前達は家畜だ。地球は今後、X星の植民地としてのみ存続を許される。
 降伏を受け入れなければ、我々はお前達が絶滅するまで攻撃を続行する!」

怪獣軍団を操って世界各地を破壊するX星人は、
地球連邦政府に対して無条件降伏を突き付けた。
各国の軍隊やブレイバーズは懸命の抗戦をしているが、
怪獣はX星人の瞬間転送技術によるテレポートで神出鬼没の出現と撤退を繰り返すため、
迎撃作戦もほとんど効果がなく被害ばかりが増えてゆく。


***マリネラ王国・首都マリネラ***

アンギラス「キャォォォ〜ン!!」
パタリロ「うわぁぁぁ〜っ! 何だこの怪獣は!」

X星人に操られた暴竜アンギラスは、
カリブ海に浮かぶ島国であるマリネラ王国に瞬間転送され、
甲高い咆哮を上げながら国王パタリロ・ド・マリネール8世の住む王宮へと迫る。
出動したマリネラ軍がミサイル攻撃で進撃を喰い止めようとするが、
アンギラスは降り注ぐ猛火をものともせず前進し、とうとう王宮を踏み潰してしまった。

パタリロ「僕の王宮をメチャクチャにしやがって〜!
 許さんぞ! あの怪獣め!」
タマネギ「まあ、殿下ご自身が原因でメチャクチャになった事も、
 一度や二度じゃないですけどね…」


***東京・波川邸***

アナウンサー「ニューカレドニアに噴煙怪獣ボルケラーが現れました!
 ボルケラーは口から発火性の毒ガスを吐いて観光客が集まるビーチを焼き尽くしています!
 まさに地獄です! 天国に一番近い島と呼ばれたニューカレドニアは今、
 X星人が操る凶暴な大怪獣によって、地獄に一番近い島と化しています!」

雄大「………」
奏美「ひどいわ…」

縄で縛られ、波川邸の庭にある大きな蔵に閉じ込められてしまった岡島雄大と波川奏美。
見張り番として蔵の中に配置されたX星人は、小型テレビで地球のニュース映像を見ている。

X星人「見よ。怪獣達を使った我々の攻撃で、
 今や世界中が火の海だ。地球連邦政府とブレイバーズが降伏勧告に応じるのも、
 もはや時間の問題だろうな」
雄大「ふざけるな! 地球人はお前達なんかに絶対負けないぞ!
 お前達こそ、こうやって勝ち誇っていられるのも今の内だけだ!」
X星人「ほう。貴様らのような下等生物どもがこれ以上、
 我々にどんな抵抗ができると言うのだ?」
雄大「お前達は、天凰輝シグフェルの強さを知らないだろ!
 シグフェルがいれば、お前達なんかイチコロだぞ!」
X星人「シグフェルに対しては特別の刺客を用意してある。
 奴を抹殺するのも我々の計画の内だ!」
奏美「………」

雄大がスマートフォンの着信メロディに設定している音楽が、
X星人の苦手な周波数の音であるのを奏美は知っていた。
スマートフォンでその音楽を流す事さえできれば、
X星人はひとたまりもなく苦しみ出すはずである。
だが、後ろ手に縄で束縛された二人は両手をほとんど動かせない状態で、
雄大のズボンのポケットに入ったスマートフォンを取り出して操作するのは不可能であった。

奏美「(岡島くんの電話が鳴りさえすれば…。
 今はそのチャンスを待つしかないわ)」

逆転の秘策は手元にあるのだ。
そう確信した奏美はじっと機会を待つ事にした。

867凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/09/04(日) 17:19:14
***ブレイバーベース***

怪獣達を操っているX星人のメインコンピューターはハモンド島にあるに違いない。
そう考えたブレイバーズは、総力を挙げたハモンド島攻略作戦を実行する事になった。
まず艦娘の雷撃で敵を島の北側へ誘き寄せ、その隙に南側に巨大ロボット部隊が上陸、
地上の対空設備を破壊した後に等身大ヒーロー達が空から降下して管制塔へ突入するという手筈である。


剣持「お前達二人は、ブレイバーベースに待機だ」
光平「えっ!?」
楓「待機やて!?」

ハモンド島降下部隊に当然自分も加わる事になると思っていた牧村光平は、
相棒として活躍している改造人間の黒崎楓と共に、
レッドマフラー隊の剣持保隊長からブレイバーベースへの待機を命じられて驚く。

光平「どうしてですか? 俺達もX星人との戦いに参加して…」
剣持「敵も我々と同じ事を考えないとは限らん。
 つまり、こちらの本拠地であるブレイバーベースを陥落させればいいという戦術を、
 X星人が取る可能性は十分にあるという事だ。
 ハモンド島の攻略に一人でも多くの人員を割きたいのは確かだが、
 万一の敵の来襲に備えて、守りを固めておく事も必要だ」
楓「…仕方あらへんな。
 ホンマなら島に乗り込んで派手に暴れてやりたかったところやけど、
 剣持隊長の言う事もごもっともや」
光平「そうだな…。分かりました剣持さん。
 ブレイバーベースの護衛、しっかりやります!」
剣持「よし。楓は下がれ。
 光平にはもう一つ聞かせたい話がある。残れ」

話を終えた剣持は楓だけを先に部屋から退出させ、
周囲に誰もいないのを念入りに確かめてから、
一人残った光平に小声で呟いた。

剣持「さっきはあのように言ったが…。
 お前と黒崎を作戦から外した理由は別にある。
 …いいか光平、黒崎を見張れ」
光平「剣持さん、まだ楓の奴を疑うんですか!?
 あいつはもう何度も俺とGショッカー相手に一緒に戦って来て、
 今ではもう背中を預けるくらいの関係になってるんです!」

以前から、「黒崎楓はどこか怪しい。よく見張れ」と言い含めて光平とタッグを組ませていた剣持だが、
楓ともうそれなりの期間に渡って共闘し信頼を置くようになっていた光平は、
不確実な手がかりだけを元に楓をスパイではないかと疑う剣持に抗議の声を上げる。

剣持「確かに、俺もあいつを疑うはっきりした根拠が今ここで示せるわけじゃない。
 だが、今回の作戦は文字通り人類全体の命運を賭けた重要な戦いだ。
 例え杞憂に終わったとしても、少しでも気になった事を放置しておいて、
 最悪の結果を招くようなリスクはでき得る限り排除せねばならんのだ」
光平「…分かりました」

まだ納得の行かない様子ながら、光平は承諾し、
ブレイバーベースに残って密かに楓を監視する事になった。
そしていよいよ実行に移されるハモンド島攻略作戦。
人類の命運を賭した一大決戦の行方は果たしてどうなるのであろうか…?

868ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/09/06(火) 16:49:47
<<狙われた国際競技大会(仮)-3>>

***アザディスタン***

アザディスタンで妖怪帝国によるテロが行われている事が分かり、ブレイバーズは
連日、市内のパトロールを行っていた。妖怪帝国の気配を察知する為、パトロールする
人員は鬼太郎の様な妖怪や霊能力者が同行していた。

猫娘「・・・・ここには妖怪の気配は感じられません」
003「私の目や耳でも異常は見られないわ」
009「どうやら、この辺りは大丈夫の様だね」

鬼太郎に同行してアザディスタンに来た猫娘はゼロゼロナンバーサイボーグの
009と003と共に市内のパトロールを行っていた。猫娘は妖怪帝国の気配が
無いか探り出し、003は、その感知能力で周囲の索敵を行った。

猫娘「・・・・因みに私はお邪魔じゃないかしら?」
003「(///)・・・気を遣わなくってもいいわよ」
009「―?あっちの方が騒がしいな」

猫娘は009と003の仲を察して、「お邪魔じゃないか?」と尋ねるが、
003は顔を少し赤くして、「気を遣わなくていい」と答える。
そんな時、009は、何やら騒ぎ声がしているのを聞きつける。

火星騎士「貴様、我がヴァースを愚弄する気かッ!」
アメリカ人サポーター「フンッ!貴様らの所為で、サンフランシスコは
 滅茶苦茶になったんだ。火星人は火星に帰れぇ!」

009達は騒ぎが起きている場所まで行くと、そこではオリンピックに
出場している代表選手を応援しに来たヴァース帝国の火星騎士と
アメリカ人のサポーターが道の往来で口論を繰り広げていた。
前大戦でヴァース帝国と地球の間で戦争が行われ、和平が結ばれたとはいえ、
その遺恨は未だに根強く残っていた。次第に両者の口論は他の
サポーター達も参加しだし、今でも乱闘が始まりそうになっていた。

003「イケないッ!止めないと」
009「皆、落ち着く・・・・」
トーリ「ハ〜〜ロ〜〜!!!」

ズコォーー!!

乱闘を止めようと、009が駆けだしたが、そこに突然、航空都市艦「武蔵」の
武蔵アリアダスト学院の総長兼生徒会長である葵・トーリが現れ、その突然さに
口論をしていた火星騎士とアメリカ人のサポーターや、周囲の人間は一斉に
ズッコケてしまう。

トーリ「オイオイオイオイ、今は祭りなんだろ?せっかくの祭りなんだから、
 皆笑おうぜ!」
猫娘「・・・え〜とぉ、彼は?」
009「彼は、確か葵・トーリ...日本の極東基地に時空クレバスから出現した
 航空都市艦の人間だ。彼等も来ていたのか」
ホライゾン「Jud.(ジャッジ)ブレイバーベースからの要請で、援軍として
 この地に来ました」

まだトーリと面識が無かった猫娘に、009はトーリが何者か説明する。
そこにホライゾンも009達の前に現れ、「武蔵」はブレイバーベースからの
要請で、アザディスタンに来た事を話す。別の世界から来た「武蔵」は
元の世界に帰るまで、ブレイバーズの協力者として動いているのであった。

火星騎士「...興が削がれた」
アメリカ人サポーター「俺も、コイツの顔を見ていたら、やる気を無くしちまったぜ。
 だが、アメリカはテメエら火星人には負けねえぜ!」
火星騎士「それは、此方とて同じ。我が誇り高きヴァースの勝利する試合を
 目に焼き付ける事になるであろう。フッフッフ...」

先程まで口論を繰り広げていた火星騎士とアメリカ人サポーターだったが、
トーリのヘラヘラとした笑顔に、毒気を抜かれて平静さを取戻し、それぞれ、
その場から去っていた。

トーリ「あれぇ?皆、もう行っちゃうの...まぁ、いいや!おーい、ホライゾン。
 デートの続きをしようぜ」
ホライゾン「トーリ様。これはパトロールですが...」
トーリ「固い事を言うなよぉ〜。それじゃ、俺達は行くぜッ!」

周囲の人間が去っていた後、トーリはホライゾンを連れて、009達の
元から去っていた。

003「とりあえず、乱闘騒ぎにならなくてよかったわね」
009「ああ。スポーツの祭典であるオリンピックだが、まだまだ前大戦の
 傷痕は深いようだ...」
猫娘「(でも、デートかぁ...私も鬼太郎とデートしたいなぁ...)」

トーリによって、結果的に乱闘騒ぎに発展せず安堵した009達は
パトロールの続きを行う。そして猫娘はデートを楽しむトーリとホライゾンに
少し羨むのであった。

869凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/09/10(土) 18:17:23
***東京・沢渡家***

優香「取り越し苦労だったらいいんですけど…。
 私達、どうしても気になるんです」
紗希「あまり根拠もなく人を疑ったりするのは良くないとは思うんですけど、
 もし万一、黒崎くんといつもコンビを組んでいる光平くんに何かあったら…」
晴香「う〜ん、なるほどね」

黒崎楓の不審な点について、どうしても心配が拭えない沢渡優香と北上紗希は、
大学生でブルーリサーチの見習い調査員である吉村晴香に相談した。
ブレイバーズとしても、楓については当然きちんと身辺調査をした上で隊員に加えたものの、
後になって浮かび上がってきたいくつかの疑惑に対しては答えを出せておらず、
改めて調べ直す必要性が吟味され始めていたところであった。

晴香「よし、こういう事は、ここでいくら頭を悩ませていても解決しないわ。
 謎に対しては調査あるのみ。皆で大阪へ行って調べてみましょう」
紗希「えっ!? 大阪へ…」

あくまでブルーリサーチの任務ではなくプライベートでの友人との大阪観光という体裁を取りつつ、
晴香は優香と紗希を連れて大阪へ赴き、楓の身元について独自調査を敢行する事にした。


***大阪・天王寺***

楓の出身地は大阪市天王寺区。
市外への転居歴はなく、生まれも育ちも大阪という生粋の大阪っ子である。
3年前、14歳の時に悪の組織クラウンに家族を殺され、
自分だけ拉致されて改造手術を受けたが、
半年前に脱走しブレイバーズに保護された…という事になっている。
これはブレイバーズとしてもしっかりと確認済みの情報であり、
疑う余地はないはずなのだが…。

近隣住民A「ええっ!? 楓ちゃんが生きてはるんですか?
 クラウンゆう悪の組織に殺されてしもうたとばかり…」
優香「殺されたのではなく誘拐されていて、
 今はクラウンを脱出して東京で暮らしているんです」

天王寺にある旧黒崎家の周辺で聞き込み調査をする晴香と優香、紗希。
クラウンから脱走後、楓は一度も故郷の大阪へ戻っていないらしく、
近所の人々は楓が生きていたという事さえ知らなかった。

近隣住民B「無事やったんなら顔くらい出さんかいな…。
 楓ちゃんの家で飼っとった犬も、ご近所の田中さんが保護しとるんやで」
紗希「犬…?」

聞くと、黒崎家では犬を一匹飼っていて、
飼い主一家がクラウンに皆殺しにされてしまった後、
親切な近所の住人が引き取って代わりに今日まで育ててきたのだという。

870凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/09/10(土) 18:19:13
結局、楓について何か決定的な調査結果を得るには至らなかった晴香らは、
当初の名目通り大阪観光を満喫してから帰路についたのであった。

光平「えっ? 楓の実家に…?」
優香「うん、大阪城の近くだって聞いてたから…」
光平「おいおい、お前達なぁ…。
 そんな事までして、まだ楓の奴を疑ってるのか?
 あいつは何も怪しいところなんてない、いい奴だよ。
 3年間もクラウンに捕まってずっと幽閉されてたんだから、
 多少、不自然な言動があっても仕方ないじゃないか」
紗希「ごめんなさい。黒崎くんを疑った事は反省してる…。
 それでお詫びになるかどうか分からないけど、
 黒崎くんがきっと喜んでくれる情報が手に入ったの」
優香「今、画像を送るわ。
 黒崎くんが飼ってた犬が、ご近所の方に引き取られてまだ無事に生きてたのよ。
 ほら、ココアちゃんっていうんですって」

優香は大阪で黒崎家の犬と一緒に自撮りした写真を光平のスマートフォンに送信した。
リボンをつけた可愛いヨークシャー・テリアが優香に抱かれてそこに映っている。

光平「へぇ〜。それはいい情報だな。
 さっそく楓に教えてやるよ。
 でもあいつ、犬もいるのに一回も実家に帰ってないのか…」

その時はすぐに楓にこれを伝えようと考えていた光平だったが、
この後、X星人の襲来による怪獣パニックが巻き起こり、
なかなか機会がないままになっていたのであった。

871凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/09/10(土) 18:20:34
***ブレイバーベース***

ブレイバーズの総力を挙げたハモンド島攻略作戦はいよいよ実行された。
作戦総本部であるブレイバーベースからブレイバーズの戦士達が次々と出撃する中、
光平と楓は敵襲に備えるという名目でブレイバーベース内に待機である。

光平「そうだ、楓。いいもの見せてやるよ」

仲間が激戦中の待機というのはもどかしく、時間が長く感じられるものである。
先日の事を思い出した光平はポケットからスマートフォンを取り出し、
一枚の画像を表示して楓に見せた。
そこには、一匹の小さくて可愛らしいテリア犬の姿が映っている。

楓「ん…? 何やこれ」
光平「えっ? 分からないのか?
 ほら、お前の家で飼ってた犬だよ」
楓「なっ…!?」

優香の話では、この犬は大阪の黒崎家で飼われていた愛犬である…はずなのだが、
楓はすぐには何なのか分からない素振りで首を捻り、
光平に言われて慌てて言い繕う。

楓「あ…ああ、そうやそうや。ウチで飼っとった犬な。
 スマン。いきなりだったんでつい見違えたわ」
光平「ご近所の田中さんって人が、
 引き取ってずっと育ててくれてたらしいぜ。
 このX星人との戦いが終わったら、
 その人へのお礼も兼ねて会いに行けよ。きっと喜ぶぞ」
楓「せやな。そないな事なら、お礼せなあかんな…(汗」

光平に手渡されたスマートフォンで犬の画像を見ている楓だが、
その反応は光平が期待していたほど嬉しそうではなく、
むしろどこか焦っているような感じであった。

光平「名前、何て言ったっけ…? え〜と、ショコラ?」
楓「あ…ああ、ショコラな。そうそう。可愛い犬やったで〜」

この時、光平は別に楓にわざとトラップを仕掛けたつもりはなかった。
光平はただ、とびきりのサプライズのつもりがそうでもない反応しか引き出せず、
少し当てが外れてがっかりしただけである。
楓からスマートフォンを返された光平は、釈然としない気持ちでそれをポケットに仕舞った。

楓「すまん光平、ちょっとトイレや」
光平「ああ、行って来いよ」

楓はそう言って光平の元を離れた。
一人残された光平は少し残念そうに溜息をつく。

光平「ココアちゃん…?
 そうだよ、ショコラじゃなくてココアじゃないか!」

犬の名前を素で間違えて覚えていた事に気付いた光平。
しかしそうなると、先程ココアと言われた時の楓の反応は…?

光平「ココアの事を楓は知らない…?
 いや、そんなはずは…」

急いで楓の後を追う光平。
楓はトイレとは違う方向へ通路を進み、誰もいないのを確認すると、
ポケットから通信機を取り出して外部と通信し始めた。

楓「こちら工作員97号。間もなく作戦を実行する」
擬態奏美「了解。全ては計算通り…」

光平「あの声は…波川さん?」

通路の曲がり角に隠れて通信を盗み聞きしていた光平は、
シグフェルの優れた聴覚で楓の通信相手の声を聞き当てた。

光平「待て、楓!」
楓「牧村光平…見たな!」

遂に始まる楓と光平のバトル。
果たして勝負の行方は…?

872凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/09/11(日) 22:31:00
≪新登場団体案≫

■黒騎士団
マイスターと呼ばれる首領を崇める、中世から存在する秘密結社。
世界を支配して理想社会を建設する事を目的としている。
メンバーは各国に潜伏しており、科学者、政治家、軍人など多岐に渡る。
明治時代、日本にあると伝わる聖なる霊薬を手に入れて特効薬を開発し、
一斉蜂起の軍資金にしようと企んだが失敗に終わった。
その後も組織自体は健在であり、現代でも各国のエリート層に多数のメンバーを抱えながら、
密かに世界征服の機を窺い続けている。


●マイスター(るろうに剣心/闘争の系統オリジナル)
黒騎士団を束ねる首領。
年齢、性別、国籍など一切の素性が不明という謎の人物。
世界各国に潜伏する黒騎士団のメンバーに指令を送る。

●ヘルマン・メルダース中尉(闘争の系統オリジナル)
ユーロ軍に所属するドイツの軍人。
中世から続く騎士の家柄で、誇り高く紳士的だが根には有色人種に対する強い差別感情を持っている。
モビルスーツやアーム・スレイブを乗りこなす巨大ロボット兵器のエースパイロットで、
騎士の嗜みとしての剣術や槍術、馬術も一流。双刃の馬上槍を特に愛用する。
実は黒騎士団の一員で、かつて明治時代に日本で死亡したドイツ帝国軍のメルダース中尉の曾孫。
黒騎士団の世界征服のため、ユーロの軍人という立場を利用して武装蜂起の準備を進める。

△マンダリン草(ウルトラマンタロウ)
地質時代の古代植物。
触手には毒があり、刺された者を下半身不随のマンダリン病にしてしまうが、
赤い実に含まれている蜜にはあらゆる怪我や病気をたちまち治す強力な治癒効果がある。
もし現存していれば画期的な特効薬となる薬草だが、
マンモスに食い尽くされてはるか昔に絶滅してしまったため、今は存在していないとされる。
(ただ一度だけ、メフィラス星人が地球侵略のため現代に蘇らせた事がある)
聖なる霊薬の代わりに黒騎士団が手に入れ、特効薬を売る事で莫大な軍資金を調達して、
世界征服の一斉蜂起のために利用しようと企んでいる…?

873ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/09/15(木) 15:03:04
>>868の続き。

トーリ達と別れ、パトロールを再開した009達。そんな時、猫娘は
ポニーテールをした女性とすれ違うと、ふと何かの気配を感じ取り、
後ろを振り返る。

猫娘「今の気配は...」
003「どうかしたの?」
猫娘「ううん。何でもないわ」

後ろを振り向いている猫娘に、003が質問するが、ポニーテールの女性は
既に人混みの中へ消えていたので、猫娘は気のせいであろうと思い、
そのままパトロールを続けた。だが、その女性は只の女性では無かった。

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

そのポニーテールの女性は、修道士の服装をした赤髪の男性と
街の通りを歩いていた。

赤髪の男性「...しかし何だって僕らが、こんな場所に」
ポニーテールの女性「仕方がありません、ステイル。総大主教からの命令ですので...。
 それに、この祭典に騒乱を起こそうとする勢力、妖怪帝国には“魔女”がいます。
 大規模な魔法を使われれば、此方側にも影響がでるでしょう。そうなれば見過ごす訳には
 いきません」
ステイル「分かっているよ。神裂」

愚痴をこぼす「ステイル」と呼ばれた赤髪の男性に、「神裂」と呼ばれた
ポニーテールの女性が諌める。この2人組の正体は、英国のイギリス清教内にある
対魔術機関「必要悪の教会(ネセサリウス)」に所属する魔術師、
ステイル・マグヌスと神裂火織だった。彼等が何故、アザディスタンにいるかというと、
太陽系オリンピックを狙って、テロが起きるという情報は地球連邦の各国でも
情報を掴んでいた。魔術に関わりがある英国政府は、西洋妖怪「魔女」がいる
妖怪帝国という存在に対し、「必要悪の教会」に対処を打診。イギリス清教としても
放置しておく訳にはいかないと判断し、ステイルと神裂の2人を派遣したのであった。
2人が人混みの中を歩いていると、フラフラとパジャマ姿の日本人が歩いて来て、
神裂とぶつかってしまい、倒れてしまう。

神裂「申し訳ありません。大丈夫ですか?」
ステイル「ほっとけよ。今僕らは目立つ訳にはいかないんだ」
パジャマ姿の日本人「う〜ん...」

ぶつかって倒れてしまったパジャマ姿の日本人に神裂は声を掛けるが、
任務上、目立つ様なマネを避けたいステイルは、先を急ごうとする。
だが倒れていたパジャマ姿の日本人は神裂を目にすると、虚ろだった目を
開かせ、ビシッと立ち上がる。

パジャマ姿の日本人「ぶつかってスイマセン!起きたばかりだったので、
 寝惚けていました!お怪我はありませんか?」
神裂「い、いえ。私は大丈夫です...」

そのパジャマ姿の日本人こそ、アザディスタンで行方が分からなくなった日暮巡査だった。
何時の間にかアザディスタンで目が覚めた日暮は、起きたばかりで寝惚けており、
アザディスタンの街をフラフラと歩きまわっていたのであった。そして神裂にぶつかり、
倒れた日暮は元来、美人の女性に弱い事もあってか、神裂の美貌で完全に目が覚めたのであった。

ステイル「そっちは大丈夫そうだね。じゃ、僕らは急いでいるから失礼するよ」
日暮「あっ!...数日の内に、この街から離れた方がいいよ。何だか良くない事が起きるかもしれないから...」

早々に話しを切り上げたステイルは神裂を連れて、その場を去ってしまう。
日暮は去っていく2人に、今感じた予知を話すが、人混みが多いので、聞こえていたかは分からない。

????「あなた、面白い力を持っている様ね」
日暮「えっ?」

日暮は急に背後から声を掛けられ、振り返ると、そこにいたのは
中国妖怪の1人、ミンメイが立っていた。

ミンメイ「さぁ...私に従いなさい...」
日暮「...ハイ。ミンメイ様...」

日暮の能力に目を付けたミンメイは、日暮を自身の虜にする。
日暮の運命や如何に...。

874ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/09/15(木) 16:19:47
◯009/島村ジョー→003、猫娘と共に市内をパトロールし、サポーター同士の言い争いに居合わせる。
◯003/フランソワーズ・アルヌール→009、猫娘と共に市内をパトロールし、サポーター同士の言い争いに居合わせる。
◯猫娘→009、003と共に市内をパトロールし、サポーター同士の言い争いに居合わせる。
●ミンメイ/画皮→日暮巡査の能力に目を付け、自身の虜にする。
◯葵・トーリ→サポーター同士の言い争いを止める。
◯ホライゾン・アリアダスト→トーリと市内をパトロールする。
◯ステイル・マグヌス→妖怪帝国のテロを阻止する為、神裂と共に派遣され、日暮に出会う。
◯神裂火織→妖怪帝国のテロを阻止する為、ステイルと共に派遣され、日暮に出会う。
◯日暮熟睡男巡査→ミンメイに操られる。

【今回の新登場】
◯ステイル・マグヌス(とある魔術の禁書目録)
 『必要悪の教会』に所属する魔術師。2mを超える長身の14歳で、
 十字教神父の立場を持つが、赤く染め上げられた金髪や右まぶた下の
 バーコードの様なタトゥー等、派手な容姿をしている。14歳であるが、
 重度のヘビースモーカーで、24文字全てのルーンをマスターすると、
 新たに6つのルーンを開発した天才魔術師で、その中でも炎属性のルーンを得意としている。

◯神裂火織(とある魔術の禁書目録)
 元天草式十字凄教の女教皇にして『必要悪の教会』に所属する魔術師。
 世界に十数人しかいないとされる聖人の1人。長い髪をポニーテールで括り、裾結びをした
 Tシャツ、片方の袖を根元までぶった切ったジーンズ、腰のウェスタンベルトには七天七刀という
 格好をしている。真面目かつ冷静沈着で、恩義を重んじる性格であり、常に敬語を話す
 大和撫子膳とした佳人だが、怒りが頂点に達するとチンピラのような言動になってしまう。
 魔術はあまり使わず戦闘は主に武器を用いた近接戦闘に偏る。機械に疎いのが弱点。

◯日暮熟睡男(こちら葛飾区亀有公園前派出所)
 新葛飾署に勤務する警察官。とんでもなく物臭な人物で、新人の頃から月に
 数える程しか出勤せず、段々エスカレートして4年に一度しか出勤しなくなった。
 予知能力や念写といった能力を持つ超能力者で、様々な事件を解決したり、
 未然に防いだりしている為、クビにはならない。4年間眠っている為、その間の
 社会情勢や流行には疎い。

875凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/09/16(金) 22:43:10
>>872追加

△エミリエンヌ・ラ・フォンテーヌ少尉(闘争の系統オリジナル)
ユーロ軍に所属するフランス人の若き女性軍人。15歳。愛称はエミリー。
アーム・スレイブ「アルカンシェル」のパイロットで、
ブルボン王朝時代からの名門貴族の血を引き、誇り高く常に高貴で気品ある立ち居振る舞いを心がけている。
自らを超一流の天才パイロットと自負していたが、
ネルフ・ドイツ支部との合同演習で惣流・アスカ・ラングレーのエヴァ弐号機に完膚なきまでに敗北し、
プライドを深く傷付けられて以来アスカを恨んでいる。
アスカを粗野だと言って見下すが、アスカから見てもお嬢様気質のエミリーは態度が鼻につくようで犬猿の間柄。

実は黒騎士団の一員で、同じユーロ軍のヘルマン・メルダース中尉の部下として、
ユーロの軍人という立場を利用しつつ黒騎士団の野望実現のために動いているエージェント。
「優秀なエリートである自分達が世界を支配して愚民を導かなければこの不公正な世の中は良くならない」と信じており、
非常に高慢ではあるが、一方でその動機は「愚民」を導き助ける事も含めて自分達の手で世の中を良くする事であって、
思想が歪んでしまってはいるが実は不公正を憎む正義感や誰かのためにという利他心は強く、根が邪悪というわけではない。
黒騎士団が掲げるユートピアの建設が、実は黒騎士団にとって都合が良いだけの世界を目指しているに過ぎないと気付き、
やがて組織の方針に疑問を抱くようになってゆく。

876ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/09/25(日) 10:28:59
≪父との再会≫

アークシセイザーによって連れ去られた沢渡優香を救い出すため、
敵の本拠地である堕神界へと単身乗り込んだ、牧村光平こと天凰輝シグフェル。
しかし彼はそこで、堕神界へと主力を率いて総攻撃を仕掛けてきた
ダークディケイド率いるGショッカーとの戦いに巻き込まれてしまう。

結局、優香を救い出せないまま、彼自身の命も燃え尽きてしまったかと思われたが…。

それからしばらく月日が経ち、ちょうど宇宙ではブレイバーズが、
実は正義の心を失っていなかったディケイド=門矢士の捨て身の協力によって
最後の敵「究極なる闇」との決戦に勝利した頃…。

光平「…うっ……ここは?」

見知らぬ空間で目覚めた光平。彼はまだ生きていた。

アーククルセイダー「気が付いたか?」
光平「――お前は!?」

光平は、目の前に立つ甲冑の大男の姿に驚く。
堕神の神殿へと乗り込み、あと一歩のところまで
優香のいる場所まで迫りながら、その前に立ちふさがって
自分の妨害をした堕神の最高幹部の一人だ。
光平は慌てて戦おうとするが、起き上がろうとした瞬間に
全身に激痛が走る。

光平「ぐっ…!?」
士「無理をするな。その体ではまだ満足に動けないはずだ」
光平「士さん!? どうしてあなたがここに!?」

光平がさらに驚いたのが、この場に門矢士もいたことだった。
彼もまた実は生きていたのだ。

アーククルセイダー「薬草を塗っておいたので、じきに傷は治るだろう。
 今はこの空間にいる限り、アークシセイザーに位置を気取られる
 心配もない」
光平「もしかしてお前が助けてくれたのか? いったいどういうつもりだ!?」
アーククルセイダー「………」

訳も解らずアーククルセイダーを睨み付ける光平だったが、
クルセイダーが仮面を外して素顔を見せた途端、光平は驚愕した。

光平「…まさかっ……父さん…!?」
陽一郎「………」

なんと堕神の大管令アーククルセイダーの正体は、
まだ光平が小学生の時に死んだはずの父、牧村陽一郎だったのだ。

陽一郎「アルハザードの仕掛けた爆弾テロによって、確かにあの時私は死んだはずだった…。
 しかしあの瞬間、私は人の心を失わぬまま堕神へと覚醒・転生を遂げたのだ」

覚醒後も人間としての自我を保った変異種の堕神…。
クルセイダーも息子シグフェルと同様の存在だったのである。
その後、堕神界へと召喚されたクルセイダーは、
そこでアークシセイザーの企む遠大な陰謀の存在を知り、
その目論みを阻止するため本心を隠しつつ、
ユーフェミアや門矢士と密かに連絡を取っていたのであった。

突然、陽一郎の体が砂となって崩れ始めた。

光平「これはいったい!?」
陽一郎「どうやら限界の時が近づいてきたようだ…。
 人としての心を保ったままの堕神は、長く自らの肉体を維持できない」
光平「そんな…!」

突き付けられる残酷な事実。それはすなわち、
本来はフェニックスロードイーバと呼ばれるべき存在である
シグフェル=光平にも、寿命が尽きる瞬間が刻々と迫っていることを
意味していた。

陽一郎「行くのだ光平。私の命が尽きれば、身を隠すために一時的に形成した
 この空間も、いずれ崩れ落ちて消滅する。お前は仲間たちと共に
 アークシセイザーの恐ろしい野望を阻止してくれ」
光平「イヤだ! 父さんを置いてなんか行けない!
 父さんも一緒に行こう! 必ず俺が助けるから!」
陽一郎「甘ったれるな! お前にはまだもう一人、
 救わねばならない大切な人がいるはずだ!」
光平「――!!」

光平の脳裏に、未だ行方不明の沢渡優香の笑顔が一瞬過る。

士「もう時間がない。行くぞ!」
光平「はい…」

ディケイドとシグフェルにそれぞれ変身した
門矢士と牧村光平は、その空間を後にした。
静かに崩れ落ち始める空間の中で、一人だけ残った陽一郎の元に
一筋の光が差し込み、愛する妻エメリアの魂が迎えに現れる。

陽一郎「随分と待たせてしまったね。長い間寂しい思いをさせてすまなかった。
 では私たちも行こうか。光平のことなら心配ない。あの子ならきっと
 どんな困難だって乗り越えてくれるだろう。私たち二人の自慢の息子だ」
エメリア「………」

夫・陽一郎の問いに、妻・エメリアは無言のまま笑顔でほほ笑む。
そして次の瞬間、アーククルセイダーこと牧村陽一郎は
崩れ落ちる空間と共に消滅したのであった。

シグフェル「父さん、安心してください。
 アークシセイザーは必ず俺が倒します!」

877ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/09/25(日) 12:41:01
≪ユーフェミア、そしてマゼンダの死≫

星間評議会の首府エンペリアス星では、
まだ駐屯しているブレイバーズの戦士たちを始めとして
人々が「究極なる闇」との戦いの勝利で、
お祝いムードに浸っていた。

扇「すでに"あの事件"の真相は明らかとなり、貴女の名誉は回復されました」
ナナリー「ユフィ姉様、どうか戻ってきてください!」

ユーフェミア「………」

懐かしい人々からの帰郷の懇願を受け、仮面の女ランペルージ書記官こと
ユーフェミア・リ・ブリタニアの心は激しく揺れ動く。
だがその直後、グランドクレバス暴走の知らせに事態は急転する。
銀河バイブルに記された闇の陣営勝利の予言を強引に覆してしまったため、
全次元の調律が狂って、世界はまさかの消滅の危機に立たされる。

星間評議会最高議長ジュリアス・カミュエルから直々の要請を受け、
「今度こそ最後の戦いだ!」と息巻いて出撃していくブレイバーズの勇士たち。
しかしその出発を見送ったカミュエルの目が実は笑っていたことなど、
他の誰も全く気がついてはいなかった…。

カミュエル「これまでありがとうブレイバーズ。そして、さようなら…!」

カミュエルの行動を不審に思ったユーフェミアは、
腹心であるロボマゼンダと共に密かに調査を開始。
カミュエルからブレイバーズに渡された「グランドクレバスの軌道データ」が、
実は改竄されたいいかげんな内容の物だったことが判明する。
このままでは、騙されてのこのこ出撃して行ったブレイバーズが
グランドクレバスに飲み込まれて全滅するのは時間の問題である。

ユーフェミア「スザク、ルルーシュ、ナナリー、コーネリアお姉さま…。
 ごめんなさい。やはりわたしは貴方たちの世界に帰れそうにはありません」

覚悟を決めたユーフェミアは、相手と刺し違える覚悟でカミュエルと対決する。

ユーフェミア「カミュエル卿、あの時わたしに"最小限の犠牲で
 争いのない世界を築き上げる"と誓った言葉……あの言葉に
 偽りはないでしょうね?」
カミュエル「ハッハッハッハッ!!!!!! まだ信じていたのですか?あのような戯言を!
 いよいよ来たる新世界の秩序は、夢物語で作り上げることは出来ません。
 歴史とは常に血を求めるもの。まもなく全ての次元世界は、火の海と共に燃え盛った挙句、
 まとめてグランドクレバスに飲み込まれることになることでしょう!」
ユーフェミア「やはりそれが貴方の真の狙いだったのですね!」

問い詰めるユーフェミアを前にして、ついにカミュエルは本性を現し、開き直りに出た。

ユーフェミア「そのようなことは、このわたしが決して許しません」
カミュエル「ユーフェミア姫、光と闇の最終戦争(ハルマゲドン)の決着がついた以上、
 もはや貴女の調停役としての役目も終わった。速やかに表舞台からはご退場していただこう」
ユーフェミア「カミュエル卿、お願いです。自首してください。
 私も共に全ての責めを負います。罪を償い、たとえ身は貧しくとも
 穏やかに残りの人生を過ごしてください」
カミュエル「フハハハハハ、この世は全て金と力だ!
 虫けらのごとく生きよとは笑止千万!
 私の望みはもう誰にも止められん!」
ユーフェミア「…悪魔め! おやめなさらぬと言われるかッ!!」

ユーフェミアは懐剣に手をかける。

ユーフェミア「ジュリアス・カミュエル卿、己の醜い私欲のために
 これまで多くの人々を殺めたその罪、わたしと共に死んで償うのです!」

カミュエルを刺し殺して自らも自決しようとしていたユーフェミアであったが、
いかんせん女の細腕では敵うはずもなく、逆にカミュエルの抜いた長剣によって
腹部を刺し貫かれてしまった。駆け付けたロロたちによって辛くも救い出され、
病院へと運び込まれるユーフェミア。

彼女の病室へと集まるスザクやルルーシュたち。
だがしかし出血多量のユーフェミアは、いよいよその命も尽きようとしていた。
彼女は最後の力を振り絞って真相を語り出し、後事をスザクたちに託す。

ユーフェミア「ジュリアス・カミュエルの正体は、堕神の大審官アークシセイザー。
 あの男こそが今まで全ての戦乱を裏で操っていた黒幕です…。
 お願い、スザク…ブレイバーズを助けて、あの男を倒して世界を救って…!」
スザク「ユフィ!!」
ナナリー「ユフィ姉様!!」
ルルーシュ「………」

ユーフェミア・リ・ブリタニアは、スザクたちに看取られながら、再び静かに息を引き取った…。

878ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/09/25(日) 12:41:56
扇「しかし信じられん。あの平和指導者として知られるカミュエル卿が、
 実は全ての元凶だったとは…!」
嵐「別に珍しいことじゃねえだろ。いかにも"私は貴方たちのよき理解者です"なんて
 ヒーローたちの後ろ盾を気取っていた野郎が、実は事件の黒幕でした!…なんてパターンは、
 ブレイバーズの連中は今まで何度も経験してるって話だ」
ヌマ・O「残念ながらその通りだ!」
豪「貴方は宇宙警察のヌマ・O長官!」

ユフィの病室へと足を運んで現れたヌマ・O長官から語られる真実。
宇宙警察の極秘調査の結果、本物のジュリアス・カミュエルは実は3年前に死亡しており、
今のジュリアス・カミュエル最高議長と呼ばれる人物は、何者かが入れ替わった
別人であることが判明したのだ。

ここまで状況が分かった以上は、一刻も早くグランドクレバス鎮圧に向かった
ブレイバーズ主力部隊に真相と危機を知らせに行かなければならない。
しかしエンペリアス星の航路管制センターは、すでにカミュエルに抑えられており、
星から宇宙への脱出は不可能だ。無論、通信も遮断されているのは言うまでもない。

ロボマゼンダ「私が管制センターまで案内します。
 豪、嵐、ついて来て」
豪「マゼンダ、いいのかい?」
ロボマゼンダ「これは私がユーフェミア様から与えられた最後の任務。
 そして突然の黄泉がえりで訳もわからず現世を彷徨っていた私に、
 新たに生きる意味を見つけてくれたあの方への、最後のご奉公…」

ロボマゼンダに案内され、航路管制センターへと忍び込む
ドクターオブラーとドクターアシュラ。そしてコンピュータールームへと
やっとの思いで辿りつくが…。

アシュラ「ダメだ! 肝心な回路が焼き切れてやがる!」
オブラー「きっとカミュエルの仕業に違いない」
ロボマゼンダ「私を回路の代わりにコンピューターと繋いで!」
オブラー「そんなことをしたら、君の体はオーバーヒートして
 もたなくなるぞ!」
ロボマゼンダ「迷っている時間はないわ! 早く!」

ロボマゼンダの決死の行動によって、航路の管制制御を取り戻したオブラーとアシュラ。
スザクやルルーシュたちナイトメア隊は、この隙にエンペリアス星から
大気圏外への脱出に成功する。

ブレアード「ここは俺たちが引き受けた! てめえらは早く行け!」
コーネリア「すまぬ。この借りは必ず返す!」
スザク「ユフィ、君の仇は必ず取る!
 それまで少しの間だけ待っていてくれ!」

デスカル三将軍のドリルアングラーが必死に追っ手を防ぐ中、
スザクたちは遥か彼方のブレイバーズに危機を知らせるために去っていく。

一方その頃、エンペリアス星の地上では、ロボマゼンダが最期の時を迎えようとしていた。

ロボマゼンダ「ギャアアッッッ…!!」

機械の体のあちこちから火花が散り、悲痛な悲鳴を上げるロボマゼンダ。

オブラー「マゼンダ!?」
ロボマゼンダ「こっちに…来ては、ダメ…。
 豪、嵐、また貴方たちに会えて……嬉し…かっ…た」
オブラー「マゼンダァァァッ!!!!」

ロボマゼンダは炎の中に包まれ消えていった。
しかしその瞬間、ほんの一瞬だけだが、尾村豪と毒島嵐の二人の目には、
機械であるロボマゼンダが、人間・仙田ルイの姿へと戻り、
最期に満足に微笑んでいたように見えた。
果たしてそれは幻だったのだろうか…?

アシュラ「行くぜ…」
オブラー「ああ…」

変身を解除して、外へと走り出す尾村豪と毒島嵐。

豪「神様、ようやくマゼンダをお許しくださったのですね……」

879ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/09/25(日) 12:42:35
≪超次元星間帝国の成立!≫

星間評議会最高議長ジュリアス・カミュエルの正体が露見した。
実はカミュエルこそが、全ての争乱を操る黒幕、
堕神の大審官アークシセイザーだったのだ!

堕神の勢力はGショッカーの総攻撃によって壊滅したと思われていたが、
アークシセイザーはその後もぬくぬくと自分一人だけ生き延びて、
邪な陰謀を何食わぬ顔で続行していたのである。

ヌマ・O長官自ら率いる宇宙警察の精鋭部隊が、
ついにカミュエル議長検挙のため評議会政庁へと踏み込む。

ヌマ・O「ジュリアス・カミュエル最高議長、貴方を逮捕します」
カミュエル「これは星間評議会に対する反逆だぞ」

アークシセイザーの正体を現したカミュエルは、
瞬く間にヌマ・Oたちを殲滅して返り討ちにしてしまう。
その後アークシセイザーは、直ちに直属のクーロン兵団を動かし
星間評議会を制圧する白色クーデターを実行に移す。

アークシセイザー「全次元の知的生命体に告げる!
 余はここに星間評議会の永久解散と、超次元星間帝国の建国を宣言する。
 これより全次元はもとより、天界や霊界も含めて全てが
 超次元星間帝国の支配下に置かれる。無駄な抵抗はするな。
 逆らう者には死の裁きがある…」

超次元星間帝国の宣戦布告によって、全宇宙はたちまち大混乱に陥る。

バラン「姫様、これはいったい…!?」
アルマナ「宇宙の自由と平和は、たった今死にました…」

急変した情勢を憂いの表情で見つめる、
星間評議会議員のアルマナ・ティクヴァー。
ヌマ・O長官ら宇宙警察首脳が行方不明となった今、
彼女はすぐに自分が中心となってレジスタンスを組織し、
いち早く超次元星間帝国への抵抗活動を開始した。
その中には、まだエンペリアス星に残留していた
デスカル三将軍や毒島嵐、尾村豪の姿もあった。

豪「アークシセイザー、あの男だけは絶対に許せない!」
嵐「必ず落とし前はつけてやるぜ!」

880ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/09/25(日) 12:43:25
≪超次元星間帝国、地球侵攻開始!≫

地球連邦政府は、他の惑星国家よりも先駆けていち早く
超次元星間帝国への服従を拒絶する意思を表明した。
アークシセイザーは見せしめの第一攻撃目標として地球を選び、
予想を超える大軍による地球総攻撃が開始された。

しかし本来なら地球を守るべきブレイバーズは
今は地球を留守にしており、戦えるヒーローは一人もいない。
まさに地球最大のピンチである!

だが地球の守護者たちは他にも存在していた!

超神ネイガーや琉神マブヤーをはじめとするローカルヒーロー。
仮面ノリダーや非公認戦隊アキバレンジャーをはじめとするバラエティヒーロー。
そしてハラキリサンシャイン、ギャラガー5、無敵楽団アンサンブルーなど、
かつてサムライフラメンコと共闘したり、ヒーロー協会所属のB級・C級以下だったりする
知名度の低い(失礼!)モブヒーローたち。
他にも世界各国のガンダムファイター軍団。
さらには、よい子のみんなは見てはいけないインディーズの特撮ヒロイン系
アダルトAVに登場する特撮ヒーローたちまでもが、
地球の危機に対して一斉に立ち上がったのだ!

その様を見て嘲笑する、残る堕神の幹部最後の一人、ハーピークィーンイーバ。

ハーピークィーンイーバ「フン、馬鹿な奴ら。お前たち2軍のヒーロー如きが
 寄せ集まったところで何ができるというの?」

ステルスマン「たとえ知名度で劣っていたとしても、
 平和を愛する心は決して引けはとらん!」
オメンパイカー「我らはこれより、ブレイバーズが帰還するまでの間、
 全力で地球防衛に専念する!」
無免ライダー「この地球は決してお前たちには渡さないぞ!」
キラル「我らここに臨時のヒーロー連合を作り、地球の危機に立ち向かい、団結し、勝利するものなり!
 我らが母なる星の危機、1軍も2軍もあるものか!」

今ここに、もう一つの熱い最終決戦が開始された…!

881ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/10/02(日) 11:55:49
<<アルハザードの特別部隊(仮)>>

アルハザードが副大統領を務めるサラジアには、テクノグラードと呼ばれる
研究所や工場等を集めた科学都市が存在する。そこでは極秘裏に兵器開発や
違法な実験が行われいる重要な施設なのだが、ここ最近、テクノグラードの
職員や科学者が行方不明になる事件が多発していた。調査の結果、行方不明
事件の黒幕はサラジアに潜入した宇宙連合(あるいはETF)である事が判明した。

アルハザード「・・・・例の部隊を動かす時が来たようだな!」

アルハザードはかねてから計画していた特別部隊を動かす事を決め、
メンバーとなる人物達を集める。そして部隊はテクノグラードの職員達の
救出と黒幕である異星人達を殲滅する為に派遣されるのであった。

♢ ♢ ♢ ♢ ♢ ♢

異星人が極秘裏にサラジア領内に建設した基地内では、警備を担当している
戦闘員達が巡回をしていた。

戦闘員A「巡回なんて、つまらない任務だな」
戦闘員B「地球人ごときに、我々の基地を見つける事など出来ないというのにな」

無駄口を叩きながら巡回をしている戦闘員達だが、突如として物陰に連れて来られて
しまう。戦闘員達を連れ込んだのは、全身が黒づくめで髑髏の仮面をした人物――
聖杯戦争においてアサシンと呼ばれるクラスのサーヴァントだった。

戦闘員A「貴様は!?」
アサシン「・・・・・・」

戦闘員達はアサシンの手によって始末されると、鍵となるIDカードを抜き取る。
そして1人だったアサシンだが、次々と同じように髑髏の仮面をしたアサシンが
複数出現した。

アサシン「我らは個にして群の英霊・・・・マスターの命により、作戦を実行する!」
アサシン一同「応!」

このアサシンの正体は暗殺教団の首領ハサン・ザーバッハ。ハサンは襲名性で
このハサンは「百の貌のハサン」の異名で知られる19代目である。彼はアルハザード
によって召喚されたサーヴァントで、多重人格の彼は人格ごとに個別で分裂する事が
出来る能力を持っていた。複数に分裂したアサシンは警備システムを掌握、拉致された
科学者達を脱出させる手引きを整える。

異星人「警備システムが乗っ取られただと!?何とか取り戻せ!!」
???「・・・・最早、システムは関係ありません。何故ならあなた達は
 これで終わりなので」
異星人「誰だ、貴様!?『ボンッ!!』ぐはぁ・・・・」
キンブリー「紅蓮の錬金術師・・・・などと言われてもあなた達は分からないでしょうね」

白い帽子とスーツを着た男性、元国家錬金術師ゾルフ・J・キンブリーは
爆発で黒焦げになった異星人に向かって呟きながら基地を進む。

ダーン

異星人「ぐわぁ!」
雑賀孫市「我らは誇り高き雑賀衆、契約に基づきこの拠点を制圧する!!」

2丁の銃を持つ女性――戦国最強の傭兵集団【雑賀衆】を率いる雑賀孫市は
部下を率いて愛用の銃で異星人を倒していく。

ホル・ホース「ははっ、孫市もやるなぁ!!メンヌヴィルの旦那、俺達も負けて
 らんねえぜ!」
メンヌヴィル「ふん。宇宙人とやら、焼けばどの様なにおいを放つのだろうな!」

炎のメイジであるメンヌヴィルは異星人達を炎の魔法で焼き、ホル・ホースは
銃のスタンド【皇帝<エンペラー>】から放たれる弾丸の軌道を駆使して
戦闘員を撃ち抜いていく。

882ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/10/02(日) 13:05:16
>>881誤爆してしまった(汗。
>>464加筆・修正

<<異星人を追え!>>

***サラジア・テクノグラード***
アルハザードが副大統領を務めるサラジアには、テクノグラードと呼ばれる
研究所や工場等を集めた科学都市が存在する。そこでは極秘裏に兵器開発や
違法な実験が行われいる重要な施設なのだが、その夜、2人の職員がその日の
仕事を終えて、テクノグラード内にある自宅に帰宅しようとしていた。

職員A「あ〜、すっかり遅くなってしまった。早く家に帰らないと...」
職員B「そうだな...ん?あれは何だ」

だが帰宅しようとしている職員達の前に、突然鳥の様な顔をした怪人が現れる。
かつて地球へ来て、人々を奴隷として攫っていった誘拐宇宙人のレイビーク星人だった。

職員A「何だ、貴様はッ!」
レイビーク星人「・・・・」

バシュッ

職員「「わぁぁ!!」」

レイビーク星人は無言のまま、職員達を縮小光線銃で小さくして
捕獲し、その場を去っていた。

***サラジア政府・副大統領室***

ここ最近、テクノグラードの職員や科学者が行方不明になる事件が多発していた。
サラジア・シークレット・サービスによる調査の結果、行方不明事件の黒幕は
サラジアに潜入したETFの一員となったレイビーク星人の仕業である事が判明し、
アルハザードの下へ報告された。

アルハザード「・・・・異星人め。私の国で好き勝手なマネをした事を後悔するがいい。
 <黒三日月隊>を動かす。連絡を繋げよ」
秘書N「はっ!」

アルハザードはテクノグラードの職員達の救出と黒幕である異星人達を殲滅する為に
私兵部隊である黒三日月隊を派遣する事を決め、任務を伝える為、秘書Nに司令部へ
向かう事の連絡を入れさせる。

アルハザード「...アサシンはいるか」
アサシン「はい。マスター、此方に」

秘書Nが部屋を出た後、アルハザードはアサシンと呼ばれる人物を呼び出す。
そして何もない所から、全身が黒づくめで髑髏の仮面をした人物――
聖杯戦争においてアサシンと呼ばれるクラスのサーヴァントだった。

アルハザード「話は聞いていたな?サラジア・シークレット・サービスにも
 奴らの拠点を探させているが、貴様...いや貴様達も拠点を探れ。
 掴み次第、私に報告するのだ!」
アサシン「御意」

アルハザードからレイビーク星人の拠点を探すよう命じられたアサシンは
命令を受けると共に、部屋から消えた。

***黒三日月隊・司令部***

黒三日月隊の司令部では数人の男女がいて、中には明らかに人間ではない
姿をした者達が部屋でくつろいでいたり、武器の手入れやトレーニングをしていたりと
各々過ごしていた。そして、その中には日本からスカウトを受けた仮面ライダー王蛇こと
浅倉威がステーキを頬張っていた。

浅倉「ガツガツ・・・」
ホル・ホース「美味そうなステーキだな。どれ、俺も一口...」
浅倉「俺の食い物だ...横取りするんじゃねえ!」ギロッ
ホル・ホース「じょ、冗談だよ...おお、コワッ...」

アルハザードに雇われ、黒三日月隊の一員となったホル・ホースは
浅倉に近づき、ステーキを食べようとすると浅倉から睨まれ、その場を
離れた。

カン・ユー「貴様ら、アルハザード閣下がお見えになった!全員整列せよ!」

アストラギウス銀河から地球へとやって来たAT(アーマード・トルーパー)乗りの
傭兵、カン・ユーは黒三日月隊に所属する小隊長の1人になっていた。
アルハザードが来た為、全員を整列させる。しかし、浅倉だけは我関せずと云わんばかりに
もくもくと食事を続けていた。

カン・ユー「貴様、上官の命令を無視する気か!」
浅倉「俺は軍人じゃねえ...用件があるならさっさと話しな。聞いているからよ」
カン・ユー「貴様ぁ〜!」
アルハザード「良い。彼がどういう人物なのかは把握している。さっそくだが、
 諸君らに任務を与える」

浅倉の反抗的な態度にカン・ユーは怒りを募らせるが、アルハザードは
浅倉がどういう人物なのか知っている為、浅倉の態度を気にせず、集まっている
黒三日月隊に任務を伝えた。

883ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/10/02(日) 13:29:11
***サラジア・レイビーク星人基地***
夜。レイビーク星人が極秘裏にサラジア領内に建設した基地内では、
レイビーク星人が巡回をしていた。

レイビーク星人A「巡回なんて、つまらない任務だな」
レイビーク星人B「地球人ごときに、我々の基地を見つける事など出来ないというのにな」

無駄口を叩きながら巡回をしているレイビーク星人達だが、突如として物陰に連れて来られて
しまう。戦闘員達を連れ込んだのは、アサシンだった。

レイビーク星人A「貴様は!?」
アサシン「・・・・・・」

戦闘員達はアサシンの手によって始末されると、鍵となるIDカードを抜き取る。
そして1人だったアサシンだが、次々と同じように髑髏の仮面をしたアサシンが
複数出現した。

アサシン「我らは個にして群の英霊・・・・マスターの命により、作戦を実行する!」
アサシン一同「応!」

このアサシンの正体は暗殺教団の首領ハサン・ザーバッハ。ハサンは襲名性で
このハサンは「百の貌のハサン」の異名で知られる19代目である。彼はアルハザード
によって召喚されたサーヴァントで、多重人格の彼は宝具【妄想幻像(ザバーニーヤ)】の
能力で人格ごとに個別で分裂する事が出来るようになっていた。複数に分裂したアサシンは
警備システムを掌握、レイビーク星人によって小さくされた科学者達が捕えられている箱を
確保する。

レイビーク星人「警備システムが乗っ取られただと!?何とか取り戻せ!!」
???「・・・・最早、システムは関係ありません。何故ならあなた達は
 これで終わりなので」
レイビーク星人「誰だ、貴様!?『ボンッ!!』ぐはぁ・・・・」
キンブリー「紅蓮の錬金術師・・・・などと言われてもあなた達は分からないでしょうね」

警備システムが掌握された事で、侵入者がいる事に気が付いたレイビーク星人の
指揮官の1人はシステムの回復を命じるが、そこへ白い帽子とスーツを着た男性、
ある錬金術が発達した世界の元国家錬金術師ゾルフ・J・キンブリーが現れ、
錬金術によりレイビーク星人の指揮官の顔面を爆発させる。そして黒焦げになった
レイビーク星人に向かって呟きながら基地を進んでいった。

ダーン

レイビーク星人「ぐわぁ!」
雑賀孫市「我らは誇り高き雑賀衆、契約に基づきこの拠点を制圧する!!」

2丁の銃を持つ女性――戦国最強の傭兵集団【雑賀衆】を率いる雑賀孫市は
部下である雑賀衆を率いて愛用の銃で基地にいるレイビーク星人を倒していく。

ホル・ホース「ははっ、孫市もやるなぁ!!メンヌヴィルの旦那、俺達も負けて
 らんねえぜ!」
メンヌヴィル「ふん。宇宙人とやら、焼けばどの様なにおいを放つのだろうな!」

炎のメイジであるメンヌヴィルはレイビーク星人達を炎の魔法で焼き、ホル・ホースは
銃のスタンド【皇帝<エンペラー>】から放たれる弾丸の軌道を駆使してレイビーク星人達を
撃ち抜いていった。

884ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/10/02(日) 13:57:14
レイビーク星人「ぐぬぬ...地球人の科学者を拉致し、我らの奴隷にする
 計画が...!」
レオル「何処を行くんだよ?逃がしはしねえぜ」

レイビーク星人を捕まえたのは人間の様に喋るライオンの様な生物――レオルという
ハンターと呼ばれる者達が住まう世界に生息するキメラアントと呼ばれる生物の1体で、
ハンターに討伐されて死を迎えるが、再生者となり地球に転移し、アルハザードに
捕らえられた後、テクノグラードで実験と服従を条件に保護されていた。レオルはいとも
容易くレイビーク星人を捻りつぶす。

レオル「(ここで、功績をあげて恩を売り、前の世界じゃあ果たせなかった
 “王”になる夢を果たす!)」

その内に野心を秘めて、レオルは任務を遂行していく。

レイビーク星人「こうなれば、機動ロボットを動かせ!」

やぶれかぶれとなった異星人側はロボット兵器を動かす。すると基地の
壁を壊して一体のロボットが現れた。

カン・ユー「アストラギウス銀河から流れに流れて辿り着いたのは、この地球!
 貴様ら、俺の攻撃を受けろ!!」

出現したロボットはカン・ユーが操縦するブラッドサッカーと呼ばれる
AT(アーマード・トルーパー)の一種で機動ロボットを破壊していく。

レイビーク星人ボス「おのれ、機動ロボットも破壊されてしまったか!
 早く宇宙船を動かすのだ!」
王蛇「...よう、てめえがここのボスか?」

レイビーク星人のボスは撤退しようと宇宙船を動かすよう部下に命じるが、
その前に浅倉が変身した王蛇が現れる。

レイビーク星人ボス「奴らの仲間か!邪魔はさせんぞ」バシューン
王蛇「ふん!」ヒョイ

レイビーク星人のボスは眼からビームを出すが、横に避けて
そのまま手に持っていたベノサーベルでレイビーク星人のボスの
胸を刺した。
 
レイビーク星人ボス「ち・・・地球人ごとき・・・・が」ザシュ
アサシン「・・・・・」

王蛇に胸を刺されたレイビーク星人のボスだが、さらに背後からアサシンが
現れ、所持している短剣(ダーク)でトドメを刺されてしまう。そして黒三日月隊の
活躍によってテクノグラードの科学者達は救出され、レイビーク星人の基地は壊滅
するのであった・・・・。

885ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/10/02(日) 15:06:56
●レイビーク星人→テクノグラードの科学者達を誘拐するが、黒三日月隊により殲滅する。
●浅倉威/仮面ライダー王蛇→レイビーク星人の基地を殲滅する。
●ホル・ホース→レイビーク星人の基地を殲滅する。
●カン・ユー→レイビーク星人の基地を殲滅する。
●ゾルフ・J・キンブリー→レイビーク星人の基地を殲滅する。
●レオル→レイビーク星人の基地を殲滅する。
●メンヌヴィル→レイビーク星人の基地を殲滅する。
△雑賀孫市→レイビーク星人の基地を殲滅する。
△アサシン/ハサン・ザーバッハ→レイビーク星人の基地の調査、科学者の救出等を行う。
●アフマド・アルハザード→黒三日月隊にレイビーク星人の基地の殲滅と科学者の
 救出を命じる。

【今回の新登場】
●誘拐宇宙人レイビーク星人(ウルトラマンティガ)
 鳥か恐竜の様な尖った顔で、目が複眼上になっている異星人。
 地球人によく似た種族を奴隷としてこき使っていたが、長らく酷使し
 続けた為、絶滅寸前となり、労働力不足を補うべく地球人を縮小光線銃で
 小さくして捕獲していた。ボスは目からビームを放つ事も可能。

●カン・ユー(装甲騎兵ボトムズ)
 クメン王国の傭兵部隊アッセンブルEX-10の戦闘指揮官。パイロットとしての
 能力はそこそこだが、指揮能力には欠けており人望も皆無、短気で猜疑心が強い上、
 欲深で、上司には媚び諂い、部下には威張り散らす典型的な小悪党。悪運だけは
 人並み以上で、幾度も市の危険に晒されながら生き延びている。キリコを執拗に追っている。

●ゾルフ・J・キンブリー(鋼の錬金術師 FULLMETALALCHEMIST)
 「紅蓮」の二つ名を持つ国家錬金術師で、元軍属。左右の手に、それぞれ
 月と太陽の錬成陣を刻んでおり、二つを合わせて物質に触れる事で、その
 物質を爆弾性の物質に変換させる事が出来る。爆発が好きな爆弾狂で基本的に
 誰に対しても敬語で紳士然とした態度を取るが、自分が異常者である事を肯定している。
 独自の哲学と思想を持つ。

●レオル(HUNTER×HUNTER)
 ライオン型の蟻。キメラアント師団長。元はハギャを名乗っていたが改名。
 非常に打算的で野心家、組織の中でうまく立ち回る事で利益を得ようとするタイプ。
 女王の死後、自ら王になるべく旅だったが、ハンターの襲撃に遭い、東ゴルトーの
 王の下に就き、シャウアプフから能力を伝授された。特質系の念能力者で
 恩を売った相手の特殊能力を一時的に借りる事が出来る【謝債発行機(レンタルポット)】
 の能力を持っている。

△アサシン/ハサン・ザーバッハ(Fate/Zero)
 第四次聖杯戦争で言峰綺礼が召喚した暗殺者のサーヴァント。その正体は
 暗殺教団の教主「山の翁」を務めた1人で、「百の貌のハサン」の異名をとる
 暗殺者。多重人格者で、人格を使い分けて多彩な能力を発揮し、あらゆる
 変装をこなす。人格を一つ一つ別個体として分離させる事が出来る宝具
 【妄想幻像(ザバーニーヤ)】を有している。

886凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/10/17(月) 00:52:14
≪ラウールとレミーナの絆≫

メルヴィオン王家の外戚でもある有力貴族ラプエンテ家の息女レミーナは、
八歳になると国王アディラス十六世の下命によりアキシアの親元を離れ、
人質として王都ネクナールに送られる事になった。

レミーナ「では父上、母上。行って参ります!」

目に一杯の涙を溜めながら馬車に乗り、生まれ育ったアキシアの城から出立するレミーナ。
だが丁度この時、ネクナールでは王家を揺るがす大事件が起こっていた。
レミーナが都に着いた時、王宮はただならぬ騒ぎの中にあり、
人質の引き取り手続きどころではないほど混乱していた。

アディラス「おおラウール! 何たる事じゃ。しっかりいたせ!」
エリス「幸い、火傷はほとんど負っておりません。
 ただ煙を大量に吸ってしまったらしく、意識が…」

七歳のラウール王子が、初等教育のため預けられていたネクナール城下の修道院で、
火災に巻き込まれたのである。(>>819参照)
間一髪、炎の中から救出されたラウールは意識不明のまま王宮へ運び込まれ、
その後も数日間に渡って昏睡が続いた。

アディラス「ラウール、気がついたか」
ラウール「…誰?」
エフェリーナ「そんな…。ラウール、母の顔を忘れたのですか!?」

数日後、無事に意識を回復したラウールだったが、
火災の煙による一酸化炭素中毒が脳に深刻なダメージを与えてしまったのか、
記憶を全て失って家族の顔すら分からなくなっていた。
更に脳が受けた打撃は手の麻痺という形で運動機能にも影響を及ぼし、
ラウールは両手がほとんど動かなくなってしまったのである。
幼い我が子を襲った突然の不幸に国王夫妻は深く悲しみ、
修道院に預けての教育を中止して今後は親元で保護しながら療養させていく事にした。

アディラス「ナレイン・レンドルフ。
 本日よりそちをラウール付きの小姓に任ずる」
ナレイン「ははっ、身に余る光栄に存じます!」
アディラス「難儀な役務ではあろうが、よく励んでくれ」

レミーナと同じく人質として王都に預けられていた南部の大貴族レンドルフ家の次男ナレインは、
才気抜群の神童と呼ばれて人質の子供達の中でも注目を集めていたが、
その利発さを買ったアディラスによってラウールの小姓に抜擢され、
手の不自由なラウールに近侍して身辺の世話をする事となった。

エリス「私があなたの姉のエリスよ。よろしくねラウール」
ラウール「姉上…様?」

記憶を失ってそれまでの知識や経験の全てを忘れてしまったラウールは、
火災事故がもたらした重い後遺症と戦いながら、
家族や家臣らとの人間関係もここでゼロから構築し直していく事になったのである。

887凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/10/17(月) 00:53:39
人質というのは家臣の謀叛を防ぐために王家が貴族や騎士の家の子女の身柄を預かっておくもので、
もし実家が王家に反逆した時には即処刑されてしまう立場にある。
とは言え、政情が安定しているメルヴィオンの人質制度は常時そこまでの緊張感があるものではなく、
将来王家の臣として働く事になる諸侯の子に対して直々に英才教育を施し、
幼い内から王家の面々と親交を持たせて信頼関係や主従の絆を育んでおくという人材育成としての一面もあるため、
実家の反乱などの非常事態でない限り人質が不遇をかこって虐待されたりする事はまずなく、
国の未来を支えていくエリートの卵として大切に養育されるのが常であった。

エフェリーナ「レミーナ、よく来てくれました。
 そんなに畏まる必要はないのですよ。
 これからはこの王宮を我が家と思って寛ぎなさい」
レミーナ「ありがとうございます。叔母上様!」
リンディ「レミーナ姉様、リンディです。よろしくね!」
レミーナ「可愛い…。ええ、こちらこそよろしく!」

王妃エフェリーナの姪でもあるレミーナは特に厚遇され、
いとこである王子や王女の世話係という名目で王宮に普段から出入りが許されて、
ナレインのような小姓らと共に彼らの傍に侍りながらまるで家族のように親しく接した。
元々、レミーナは明るく活発で社交的な子で、新しい環境にすぐに馴染み、
親切な国王一家と打ち解けるのに時間はかからなかった。
末っ子でまだ五歳のリンディ王女はエフェリーナの子ではなく側室の子であるため、
レミーナと血の繋がりはないが、二人は実の姉妹のように仲良くなった。

ラウール「うぅっ…。うわぁぁ〜ん!」
侍医「殿下、泣かないで下さいませ。
 おつらいでしょうが、ここが頑張りどころです」
ラウール「もう嫌だよ…」

脳障害による手の麻痺の治療方法としては、
積み木をしたり箸で物を摘まんだりというような、
細かい手作業を練習する作業療法が有効であるという事は、
地球と同じくメルヴィオンの医学でも広く認められている理論であった。
ラウールは侍医の指導の下、麻痺を克服するため積み木を重ねる訓練を始めるが、
どうしても手が震えて置き方を誤り、すぐに崩してしまう。
元来、気弱で泣き虫のラウールは失敗を繰り返す自分がつらくて泣き出してしまい、
なかなか訓練を続けられずに侍医を困らせていた。

レミーナ「ラウール、私と一緒にやりましょう。
 きっと上手にできるようになるから。ね?」
ラウール「レミーナ…」

見かねたレミーナはある日、自らラウールのリハビリ介助を買って出た。
姉のように慕っていたレミーナに優しく励まされると、
ラウールは泣き止んで積み木をまた再開できた。

レミーナ「そう、ゆっくりと…」
ラウール「あっ…! ううっ、やっぱりダメだよ…」
レミーナ「泣かないで。別に失敗してもいいんだから、
 ほら、もう一回だけ頑張ってみましょう」

こうしたリハビリは日々の長期的な積み重ねが肝要で、
始めてすぐに劇的に症状が改善するというものではないため、
当事者のラウールにも介助するレミーナにも相当の根気と辛抱強さが求められたが、
それでも頑張り続けた努力は無駄ではなく、
数年の内にラウールはほぼ問題なく両手を使えるほどに快復したのであった。

アディラス「ラウールの麻痺は既に日常生活には支障なきまでに治った。
 将来、武人として戦場で武器を振るうのは難しいかとも思うていたが、
 この分ならば遠からず剣や弓の稽古も始められるようになろう。
 ラウールを不具から立ち直らせたレミーナには、比類なき大功ありと讃えねばなるまい」
エリス「本来なら姉や兄である私達がしなければならなかったラウールの世話を、
 あの子は率先してやってくれています。
 ラウールも、もうすっかりレミーナを大好きになっているようですね」

888凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/10/17(月) 00:55:59
ラウールの麻痺がほぼ快復し、遂に木剣による剣術稽古も始められるようになった九歳の頃の事。
十歳になったレミーナは王宮の庭園の花畑で色とりどりの美しい花を摘み取り、花の冠を作って遊んでいた。
そこへ武芸の訓練を終えたラウールがやって来て声をかける。

ラウール「レミーナ、何やってるの?」
レミーナ「えへっ、お花で冠を作ってるのよ。綺麗でしょ」
ラウール「ふ〜ん、どうやって作るの?」
レミーナ「ええとね、ほら、これをこうやって…」

冠の作り方を実際にやって見せながら教えるレミーナ。
興味深そうにそれを眺めていたラウールは、やがてレミーナに訊いた。

ラウール「それ…僕にも作れるかな?」
レミーナ「えっ? どうかしら。
 でも女の子の遊びよ? あまりこういうのを覚えても…」
ラウール「ちょっとやってみるよ」

そう言って庭園の花を摘み、花冠作りに挑戦するラウール。
麻痺がほとんど癒えたとは言え、まだ常人と比べると手先の不器用さが否めないラウールだが、
途中でレミーナに何度もやり方を教えてもらいながら、
悪戦苦闘しつつも少しずつ一生懸命に作っていく。
普通の男の子はあまり好まないであろうこんな遊びをなぜそこまで熱心にやろうとしているのか、
レミーナは不思議に思って横で首を傾げていた。

ラウール「できた! どうかな?」
レミーナ「上手じゃない! 花の組み合わせもとても綺麗だし」

それに何より、不慣れながらも優しい気持ちを込めてとても丁寧に作ってある。
積み木を重ねるのさえなかなか出来なかったラウールがこんな細かい工作をこなせるようになったのは、
治療のためずっと一緒に努力してきたレミーナとしては感慨深いものがあった。

ラウール「じゃあこれ…レミーナにあげるね」
レミーナ「ええっ? わ、私に?」
ラウール「えっと…あの…」
レミーナ「…?」
ラウール「ずっとお礼がしたかったんだ。ありがとう。レミーナ」
レミーナ「………」

すっかり動かせるようになった両手を握ったり開いたりして見せながらはにかむラウール。
つい先日、とうとう木剣の稽古ができるようになって大喜びしていたラウールは、
これはレミーナのお陰だと考え、今までの感謝を伝えたくてプレゼントを作っていたのである。
手先がほとんど動かせなかったラウールが、自分の励ましに応えてここまで立ち直り、
そうして動くようになった手でこんなに素敵な贈り物を自分に作ってくれた事がレミーナはとても嬉しかった。
レミーナの頭にそっと花冠を被せるラウールの手が髪に触れると、
かつてのぎこちなさとは全く違った、柔らかくて優しい手付きが感じられる。
レミーナは感動で胸が一杯になった。

レミーナ「ありがとう…。嬉しいわ!」

ラウールとレミーナの単なる主従や親戚関係を超えた強い絆は、
こうした幼少時の思い出によって培われたものである。
記憶喪失直後の出会いから十年後、黒三日月隊のアセーリア侵攻が始まると、
後遺症を乗り越えて逞しい青年に成長していたラウールはメルヴィオン再興を掲げて立ち上がり、
レミーナはラプエンテ家の精兵を引き連れてラウールの下へ馳せ参じ共に戦ってゆく。
過酷を極める凄絶なその戦いも、この二人ならきっと乗り越えられるはず…。

889ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/10/21(金) 14:59:42
>>824-825加筆

<<狙われた国際競技大会(仮)-4>>

***アザディスタン・サッカースタジアム***

水面下で密かに妖怪達が蠢いている事など多くの人々は知る由もなく、
太陽系オリンピックは大いに盛り上がっていた。
男子サッカーは、開幕戦で中東の新興国エイラシア代表が、
優勝候補の一角である南米系コロニー国家のフェルコーナ代表を破るという波乱の幕開け。
近年、アラブ諸国が豊富なオイルマネーを投資して進めているスポーツの強化が、
決して侮れないものである事を世界に見せつけた。
そしていよいよ、地元ファンが待ちに待った開催国アザディスタン代表が、
こちらも今大会最強との呼び声高いフランス代表との初戦を迎える。

フィリナ「フランス頑張って〜!」

太陽系オリンピックの主要スポンサーの一つは、
フィリナ・クラウディア・アルシャードが社長を務めるクラウディア・エレクトロニクス社である。
スポンサーとして大会のオープニングセレモニーに出席したフィリナは、
そのままアザディスタンに滞在して試合観戦を楽しみ、
この日はフランス代表の青いレプリカユニフォームを着てサッカースタジアムに姿を見せていた。

フィリナ「ああっ、惜しい〜!」

アルジェリア出身でフランス国籍のフィリナは、
やはり自分にゆかりのあるこの2国を中心に応援している。
ところがこの試合、フランス代表は格下と見られていたアザディスタン代表を相手に大苦戦。
圧倒的に攻め続けて次々とシュートを打ちまくるが、
地元サポーターの大声援を受けて奮起したアザディスタン代表は、
懸命のディフェンスで猛攻をことごとく跳ね返し、1点を守り切って何と1-0で勝利してしまった。

キバラ「残念だったね。まさかこんな結果になるとは」
フィリナ「叔父様!」

試合終了後、叔父でアダブ王国の特使を務めるキバラに声をかけられて、
フィリナはフランス国旗を模したトリコロールカラーのマフラータオルで額の汗を拭きながら微笑む。

フィリナ「確かにフランスが負けたのは残念ですけど、
 でも大会が盛り上がるには、何より開催国が活躍するのが一番ですもの。
 アザディスタン国民の皆さんがこんなに喜んでいるのを見ると、
 決して不愉快な気分になんてなれませんわ」
キバラ「大人だねえ。
 確かに、この番狂わせは大会を盛り上げずにはおかないだろうね」

世紀の大金星に沸くスタンドの熱気を味わいながら笑顔を作る二人。
フィリナはアザディスタン代表の大健闘を心から讃えて拍手を送った。

フィリナ「さあ、明日はバスケットボールのアルジェリア代表を応援しなきゃ。
 叔父様もご一緒にどうです?」
キバラ「いいね。また面白い試合になりそうだ」

スタジアムを後にしたフィリナとキバラは、
二人で夕食を摂るため、予約している五つ星ホテルにタクシーで向かったのであった。

890ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/10/21(金) 15:13:36
***東京・朝倉家***

光平「おおっ、ナイスレシーブ!」
慎哉「いいぞいいぞ! だんだん日本のペースになって来た!」

アザディスタンと日本の時差は約6時間。
現地時間で夜7時に行われる試合は、日本時間では深夜1時の開始となる。
夜もすっかり更けた頃、東京・豊洲にある朝倉家の居間では、
牧村光平と朝倉慎哉が眠気覚ましのホットコーヒーをすすりながら、
太陽系オリンピックの女子バレーボール、
日本代表VSムアンバ代表の試合を衛星生中継でテレビ観戦していた。

慎哉「うわ〜! 相手の4番、凄いジャンプ力だな」
光平「ピュンマさんの祖国、強いよなあ…」

ムアンバはサイボーグ008=ピュンマの故郷の国で、
アフリカ人らしい高い身体能力を駆使したパワフルなバレーで日本代表を苦しめるが、
日本代表もよく組織されたチームプレーで徐々に押し返し、
両者1セットずつを取っていよいよ勝負の第3セットに突入である。

光平「でもまあ、無事に盛り上がってるようで良かったな…」
慎哉「…ん? 何だって?」
光平「いや、何でもないよ」

大会を狙うテロの気配を察知してブレイバーズが動き出しているという情報は、
光平の耳にも入っていた。
大会はまだ始まったばかりだが、ここまでは順調に各競技の日程を消化し、
大きな事故やトラブルなどは起きていない。
平和の祭典がこのまま最後まで無事に開催される事を、光平は願った。

光平「さあ、3セット目が始まるぞ!」
慎哉「頑張れ〜!」


***アザディスタン・ラグビースタジアム***

一方、男子ラグビーのサラジア代表は、木星から出場した
木星圏ガニメデ・カリスト・エウロパ及び他衛星小惑星国家間反地球共同連合体(木連)代表と対戦。
前半は圧倒的に攻めて点差を20点まで広げ楽勝ムードだったが、
後半、木連代表が意地の猛反撃に出ると流れは一変し、怒涛の勢いで追い上げられる展開に。
そしてとうとう、試合終了間際に劇的な決勝トライを決められてまさかの大逆転負けとなってしまった。

アルハザード「う〜む、何たる事だ!」
秘書N「前半の内容は素晴らしかったのですが…」

はるばる木星から地球まで応援に駆け付けた木連サポーターが興奮し、
人気アニメ『熱血ロボ ゲキ・ガンガー3』の主題歌の替え歌を勝利の凱歌として高らかに大合唱する中、
観戦に訪れていたサラジアのアフマド・アルハザード副大統領は憮然としてスタジアムのVIP席を立つ。

アルハザード「後半の総崩れに対して何の手も打てんとは、
 監督の采配がなっておらん! 
 サラジア・ラグビー協会に命じて直ちに監督を解任させろ!」
秘書R「かしこまりました…」

アルハザードは国威発揚の道具としてスポーツを重視しており、
副大統領に就任して以来、ずっと国策として各競技の強化に力を入れている。
独裁者アルハザードはその権力を使って度々サラジアのスポーツ界に現場介入しており、
彼の意向一つでチームスタッフや協会幹部の首が飛ぶという事も珍しくない。

秘書N「閣下、ラグビーは残念でしたが、
 今回、野球の我が国の代表チームは育成の甲斐あって優秀な選手が揃い、
 上々のコンディションでこの大会に臨む事ができております。
 明日の初戦は、恐らく期待してよいと思われます」
秘書R「メディア等の下馬評は決して高くありませんが、
 あのチームのポテンシャルには驚異的なものがあると報告されており、
 世界を驚かせる力は十分にあると見てよいはずです」
アルハザード「中東で野球などなかなか流行らんだろうが、
 野球はアメリカの国技と言っても過言ではない球技。
 もし万一、アメリカに野球で勝てればアメリカ国民のプライドはひどく傷付くだろうと思って、
 試しに強化プロジェクトを進めてみたが…。
 よし、ならば明日は野球の試合を観戦しようではないか」

暗殺を恐れてどんな時でも警戒を欠かさないアルハザードは、
黒服を着た大勢の護衛に囲まれながら、二人の秘書と共にスタジアムを後にした。

891ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/10/21(金) 17:16:15
***アザディスタン・五つ星ホテル***

アルハザードがスタジアムを後にしたその日の夜。アザディスタンにある
五つ星ホテルでは、オーブやプラント、マリネラなど各国の首脳や王族による
ささやかな会食会が行われていた。集まった彼らは、お互いこれまでの試合を
讃えあった。

ラクス「皆さま、大会も明日で終わりです。これまでの試合、お互いよく戦いました」
パタリロ「う〜む。あの柔道の試合、もうちょっとでウチの国が勝ったんだがなぁ〜」
カガリ「おかげでオーブが勝てたよ。感謝する、パタリロ殿下」
パタリロ「くぅ〜、今度ウチが開催国になったら、絶対金メダルを取ってやる!」

柔道の団体戦、マリネラとオーブが対戦し、お互い健闘したものの
結果はオーブが勝利。その事でパタリロは悔しがり、カガリは少し
皮肉を込めて言う。

マリアルイゼ「テロの方も、ここまで何もありませんでしたが...」
アセイラム「最終日で事が起きる...筈ですね」

ネオフランス王女マリアルイゼは妖怪帝国のテロについて呟く。
ヴァース帝国の皇女アセイラムも続けて、最終日に起きるであろう
テロについて心配する。

カガリ「明日何が起きようと、ブレイバーズが必ず皆を救ってみせるさ」
ラクス「はい」
アセイラム「私も信じています」
ウイリス「...そういえば街中でサポーター同士の暴動騒ぎがあったそうですが...」

エスタルドの若き国家主席ウイリス・アラミスは火星騎士とアメリカの
サポーターの間で衝突があった事を思い出し口にする。

アセイラム「悲しい事ですが、未だに戦争による傷は地球でも火星でも
 深いようです。しかし、この祭典を通して二つの星の溝を埋めていければと
 思っています」
ラクス「そうですね...平和を願っての祭典。誰にも奪わせてはなりません」

平和の願いを込めて、皆が参加する太陽系オリンピックを誰だろうと邪魔は
させないと集まった彼らは誓うのであった。

892ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/10/21(金) 17:39:38
◯フィリナ・クラウディア・アルシャード→サッカーの試合でフランスを応援する。
◯牧村光平→テレビで女子バレーの試合を観戦する。
◯朝倉慎哉→テレビで女子バレーの試合を観戦する。
●アフマド・アルハザード→ラグビーの試合を観戦後、スタジアムを後にする。
●秘書R→アルハザードと共にスタジアムを後にする。
●秘書N→アルハザードと共にスタジアムを後にする。
◯キバラ特使→フィリナに声を掛ける。
◯ラクス・クライン→会食会に参加する。
◯カガリ・ユラ・アスハ→会食会に参加する。
◯パタリロ→会食会に参加する。
◯マリアルイゼ→会食会に参加する
◯アセイラム・ヴァース・アリューシア→会食会に参加する。
◯ウイリス・アラミス→会食会に参加する。

【今回の新登場】
◯アセイラム・ヴァース・アリューシア(アルドノア・ゼロ)
 火星に建国された国家「ヴァース帝国」の第一皇女。地球人を旧人類として
 見下す国民が多い中、地球人に偏見を持たず友好を結ぼうとする平和主義者
 であり、彼女の理念は一見して理想主義者として捉えられるものの、時として
 自ら銃を取り、使える物は自分の立場も利用する面も見られる。親善大使として
 地球に訪れた際、ミサイルによるテロに巻き込まれた後、避難民の少女「セラム」
 として界塚伊奈帆らと行動を共にした。

893ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/10/29(土) 14:23:44
≪天童右近の離反≫

ワイルダー「我々は現時刻をもって兵隊から海賊に鞍替えする。
 行くぜ野郎ども! イカリをあげろ!」

復活したディケイド&シグフェル、そしてギアス勢と合流し、
辛くもグランドクレバスに飲み込まれる危機を脱したブレイバーズ。
これまでジュリアス・カミュエルに騙されていたことを知ったブレイバーズは、
マクロス・クォーター艦長ジェフリー・ワイルダーが音頭を取り、
超次元星間帝国の独裁体制に反抗する海賊へと鞍替えした。

そのままブレイバーズはエンペリアス星へと乗り込み、
真の黒幕アークシセイザーへと短期決戦を挑んだ。
アレクサンデル・ジークフリード・フォン・ローエングラム率いる銀河帝国艦隊と
アベルト・デスラー率いるガルマン・ガミラス艦隊も味方として救援に駆け付け、
果敢な反撃を開始したブレイバーズの活躍によって、
超次元星間帝国は短期間であっけなく崩壊したのであった。

シセイザー「見事だ。だがこれで私の計画が終わったわけではない…」
シグフェル「アークシセイザー、お前は…!?」

不気味な言葉と共に姿を消したアークシセイザー。
シグフェルには、これでアークシセイザーが死んだとは
まだどうしても思えないのであった。


***地球・日本***

桃太郎「………」

警護のSPを一人も連れずに、一人で
慰霊碑の前で無言のまま、静かに手を合わせて黙禱する
日本国内閣総理大臣・剣桃太郎。

今回の超次元星間帝国の争乱で、
地球に残留していた2軍ヒーローたちの決死の防衛によって
地球の危機は回避されたが、またしても無用な多くの血が流れてしまった。
ここはその戦死者たちを追悼顕彰するために急きょ設置された
暫定の慰霊碑である。

地球防衛のために殉じた名もなき戦士たちに、
国の代表者として感謝を示し、改めて平和を誓う桃太郎であったが、
その帰り、天童一門の刺客たちに襲撃された。
護衛も連れずに人目を忍んで参拝した桃太郎を
暗殺する絶好の好機と見たのだ。

組頭「死ね剣桃太郎!」
桃太郎「愚かなっ…!!」

この期に及んでも尚、権力闘争に蠢く政治の闇を見た桃太郎は、
呆れとも怒りとも虚しさとも取れる複雑な感情を覚えつつも応戦する。
だがそんな桃太郎に降ろされた凶刃を防いで見せたのは、
なんといきなり現れた天童右近であった。

以前の戦いで、長年連れ添ったパートナーの三雲惺梛を失い、
自らも右目を失い隻眼となった右近は暫く姿を消し、長らく生死も不明の状況にあったが、
やはり生きていたのである。

桃太郎「右近!?」
右近「この勝負、俺が受けた!」
組頭「――若!? 剣桃太郎を討つは菊之丞様の悲願!
 邪魔立ては何故です!?」
右近「たとえ父だとて、悪事を成せば、それを正すのが真の孝行。
 そのためにもおぬしたちには死んでもらわねばならん」

天童右近の正体は、天童菊之丞の私生児であった。

組頭「え〜い、分からん!
 右近様ご乱心と見た。お手迎えご容赦。
 者どもかかれ〜!!」

次々と天童の刺客を一刀両断の下に切り捨てる右近。

右近「桃太郎殿、手出し無用」
桃太郎「………」

894ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/10/29(土) 14:24:29
刺客の一団は、右近の剣によってたちまち全滅した。

右近「剣桃太郎殿、正直心の内を明かせば、つまらぬ俗世間の策略など忘れて、
 貴方との勝負に命を燃やしたい」
桃太郎「隠れて俺について来たのはそのためか?」
右近「だが今はできぬ。いや…只今の俺では貴殿には勝てん!
 仮に技で優っていたとしても心で負けている…!
 惺梛を失ったことで、俺は気づき、決意したのだ。
 父・菊之丞の残した悪行を全て消し去ったその時こそ、
 心に何の曇りもなく、剣桃太郎と立ち合えるだろうと」
桃太郎「各地に遣わされた天童の隠密を、全て斬ると言うのか?」
右近「お笑いくだされ。右近が父・菊之丞に報いる道はこれしかありません。
 桃太郎殿、いつか必ず勝負を決する時が来る…その時を楽しみに。では、御免」

別れる剣桃太郎と天童右近。
その後、裏天童刺客人の総帥・天童右近の姿を
再び見た者はいなかったという…。

895ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/11/08(火) 14:46:34
<<狙われた国際競技大会(仮)-5>> ※直前パート

***アザディスタン・野球スタジアム***
大会最終日。ついに長く続いた太陽系オリンピックも最後の日を迎えた。
野球の試合が行われるスタジアムでは、サラジア対アメリカの試合が始まろうと
しており、試合を観戦しようとアルハザードは国賓用の観客席へと向かっていた。
すると、アルハザードは同じく試合を観戦しに来た対戦相手であるアメリカの大統領、
マイケル・ウィルソン大統領と顔を合わせる。

アルハザード「これはこれは、マイケル・ウィルソン大統領。今日の試合、お互い
 良い試合をしましょう」
マイケル・ウィルソン「HAHAHA!こちらこそベストを尽くさせてもらうよ」

アルハザードとマイケル・ウィルソンはお互い試合について健闘し合うが、
両者の目は「負けてなるものか」と火花が散っていた。そして両者はそれぞれの
観客席へと移動する。

キャプテン・アメリカ「...彼が噂に聞くサラジアの副大統領、アルハザードか」
マイケル・ウィルソン「副大統領という肩書を持っているが、奴こそサラジアの真の
 支配者だ。この大会で奴が何かしてくるという事は無いだろうが、キャプテンも
 警戒していてくれ」
キャプテン・アメリカ「はい。大統領や大会の安全は必ず守ります」

マイケル・ウィルソン大統領の護衛として同行してきたキャプテン・アメリカこと
スティーブ・ロジャースにマイケル・ウィルソン大統領はアルハザードに対して
警戒すべきである事を伝える。

マイケル・ウィルソン「ふふ。我がアメリカの英雄、キャプテン・アメリカが
 ボディーガードについてくれて心強いよ」
ジョディ「...(大統領なら御1人で敵を返り討ちにしてしまうと思いますが)」

元軍人であるマイケル・ウィルソン大統領は、かつて第2次世界大戦で活躍した
英雄であるキャプテン・アメリカに憧れを抱いていた事があり、その憧れのヒーローが
自分の護衛として同行している事に心強く感じるが、話を聞いていた大統領秘書の
ジョディは「大統領なら1人で事態を解決してしまいそうだ」と心の中で思った。

そして大会最後の試合が始まった。

896ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/11/13(日) 14:31:52
>>895続き。

サラジア対アメリカによる野球の試合が始まり、両者は接戦。最初は
野球大国であるアメリカが優位に立っていたが、中盤でサラジアに
点が入った事を切欠にその後の試合でアメリカと同点となり、そのまま
両チームは譲らず、試合は最終回を迎えた。そして9回表でサラジアが
アメリカから1点打ち取った所で、9回裏となった。

サラジア「始めはどうなるかと思ったが、アメリカを相手にここまで来るとは...。
 このまま守り切れば我が国の勝利だ!」

アルハザードは現在の試合状況に、サラジアの勝利を確信していた。
そしてサラジアの投手は最後の一投を投げたのだが...。

***アザディスタン・首都郊外***

ちょうどその頃。試合が行われている首都から離れた場所では
西洋妖怪を始めとする諸外国の妖怪達が集まっていた。

魔女「そろそろ頃合いか。さあ、この地に眠りし、戦火に散った者達よ!
 今こそ貴様達の怨みを晴らすのだ!」

サラジアの投手がボールを投げたと同時に、西洋妖怪の一員である
魔女が呪文を唱えると、突如、あちこちで街の建物が爆発していく。
それは過去、アザディスタンで起きた戦争で死んでいった者達の怨念を
エネルギーに爆発を引き起こしていたのであった。

ドラキュラ二世「さあ、お前達。準備は整った!お前達も街を行き、
 祭りに浮かれる人間達に恐怖を与えるのだ!」
西洋妖怪「おおおおお〜〜!!」

西洋妖怪の一員で、ドラキュラ三世の先代であるドラキュラ二世の
号令により、西洋妖怪達も街へと向かう。

〜ミネルバ・ブリッジ〜

アビー「アザディスタン首都各地で、原因不明の爆発が多数。さらに
 首都郊外から未確認の軍勢が向かっています!」
タリア「どうやら、敵が動き出したようね」
アーサー「ア...アレ全部が西洋妖怪っていうモンスターなんですよね?
 モンスターに我々は勝てるのでしょうか!」ガクガク
タリア「しっかりしなさい!アーサー。例え敵が怪物だろうと、私達は任務を
 果たすのよ」
アビー「ハッ...艦長、さらに市内に多数のMSが出現しました!」
タリア「何ですって!?」

ブレイバーズの任務で、アザディスタンに来ていたミネルバのブリッジでは
アビーが西洋妖怪が現れた事を報告。西洋妖怪の存在にビビる副長の
アーサーをタリアが激励する。そこにアビーから多数のMSが出現したと
報告を受ける。出現したMSはフラッグやティエレンなど過去の戦争で
朽ち果てていたMSが実体化したのもので、西洋妖怪達と共に市内を攻撃していく。

アーサー「も、MSの幽霊〜〜!」
タリア「シン達を早く出撃させて!」

MSの幽霊という存在に驚愕するアーサーを余所に、タリアは
シン達の出撃を許可する。そしてシンの乗るデスティニーガンダムを
始めとするブレイバーズに属するスーパーロボットやMSなどが
出撃した。

シン@デスティニーガンダム「うぉぉぉぉぉ!」
ティエレン・ゴースト「・・・・・」
ルナマリア@インパルスガンダム「ダメ。全然攻撃が通らない!」
レイ@レジェンドガンダム「攻撃が通り抜けてしまう敵...厄介だな」

デスティニーガンダムで出撃したシンは幽霊MSに攻撃をするが、
相手が霊体である為か、攻撃はすり抜けてしまいダメージを与える
事が出来ず、苦戦する。すると急に機体の制御が狂い出す。

シン「機体が...!?」
ルナマリア「一体、どうして...」
レイ「機体に何かがとりついている!」
グレムリン「ギャギャギャ!」

デスティニーガンダム達の制御が突如狂いだした原因は、西洋妖怪で
憑りついた機械を狂わせる能力を持つグレムリンの仕業だった。
グレムリンの群れが憑りつき、このままでは機体が落ちてしまう...その時。

五飛@アルトロンガンダム「うぉぉぉぉぉ!!」

ザッ!ザッ!

グレムリン「ギャ〜〜!」

落ちると思われたその時、アルトロンガンダムに乗った五飛が
ツインビームトライデントでグレムリンをデスティニーガンダム達から
引き離した。

ルナマリア「ありがとうございます。五飛さん!」
五飛「お前達。敵はあのMSだけではない。妖怪の相手もするぞ!」
シン「言われなくても!」

助けられた事で、ルナマリアは五飛に感謝を述べる。だが、幽霊MS
だけでなく西洋妖怪達も攻撃している為、彼等はそれらの対処も行うのであった。

897ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/11/13(日) 16:43:10
その頃、地上では西洋妖怪を始めとした妖怪帝国に属する妖怪達が
人々を襲っていた。

市民「キャァァァァ!」
009「加速装置!」
鬼太郎「髪の毛針!」
西洋妖怪「ギャァァア!」

襲われている市民を009が加速装置で、高速に動いて市民を助け、
鬼太郎が髪の毛針で西洋妖怪を攻撃した。

003「さぁ早く、こちらに避難して下さい」
市民「は...はい!」
猫娘「好き勝手にさせないわよ!」

009達が助けた市民の1人を003と猫娘が避難させる。
そして市内各地では、大会に来ていたブレイバーズに属する
ヒーロー達が人々をの避難を手伝いながら、西洋妖怪らと
戦っていた。

***アザディスタン・野球スタジアム***

場面は変わり、試合が行われていた野球スタジアムでは、突如起きた
爆発により観客席は大混乱となり、試合所ではなかった。

秘書N「アルハザード様。危険です」
秘書R「こちらへ」
アルハザード「ええい、せっかく我が国の勝利が目前だったというのに...
 妖怪帝国め。このままでは済まさんぞ!」

サラジアの優勝をしようとしていた試合で、勝利が目前だったにも関わらず
試合を邪魔されたアルハザードは怒り心頭となり、妖怪帝国への報復を
決意するのであった。

***アザディスタン・とある家***

そして妖怪帝国の起こしたテロの様子は中継され、アザディスタンにある
とある家でも、その様子をテレビで見る男女がいた。1人は長い黒髪に
高齢であるが美しい老婆、もう1人は全身が銀色という奇妙な姿をした男性だった。

銀色の男「...行ってくる」
老婆「そう...気を付けて、刹那」
刹那「ああ、マリナ」

その老婆こそ、アザディスタンの皇女だった女性、マリナ・イスマイール。
既に視力が低下して見えなくなっているマリナに刹那と呼ばれた銀色の男は
家を出ると、1体のMS―ダブルオークアンタを駆って、騒動が起きている首都へと
向かうのであった。

898ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/11/13(日) 16:43:48
◯マイケル・ウィルソンJr→試合前、アルハザードと顔を合わせる。
◯ジョディ・クロフォード→マイケル・ウィルソン大統領に同行する。
◯キャプテン・アメリカ→マイケル・ウィルソン大統領に護衛として同行する。
◯シン・アスカ→デスティニーガンダムで出撃する。
◯ルナマリア・ホーク→インパルスガンダムで出撃する。
◯レイ・ザ・バレル→レジェンドガンダムで出撃する。
◯タリア・グラディス→妖怪帝国が現れた為、出撃する。
◯アーサー・トライン→妖怪帝国の存在にビビる。
◯アビー・ウィンザー→妖怪帝国が出現した事を報告する。
◯張五飛→グレムリンに襲われているシン達をアルトロンガンダムで助ける。
◯009→西洋妖怪から市民を助ける。
◯003→西洋妖怪に襲われる市民を避難させる。
◯鬼太郎→西洋妖怪から市民を助ける。
◯猫娘→西洋妖怪に襲われる市民を避難させる。
●先代魔女→アザディスタンの地に眠る怨念を利用して街の爆破や幽霊MSを呼び出す。
●ドラキュラ二世→西洋妖怪達に号令をかける。
●グレムリン→デスティニーガンダム等に憑りつき、機体を狂わせる。
◯刹那・F・セイエイ→テレビの中継を見て、ダブルオークアンタを駆る。
◯マリナ・イスマイール→刹那を見送る。
●アフマド・アルハザード→試合を邪魔され、妖怪帝国に憤慨する。

【今回の新登場】
◯キャプテン・アメリカ=スティーブ・ロジャース(ディスクウォーズ・アベンジャーズ)
 第2次世界大戦時、ナチスへの義憤から軍の「超人兵士計画」に参加し、
 超人的な身体能力を手に入れて活躍したヒーロー。大戦時、氷の中で
 仮死状態となっていたが、現代で復活した。ビヴラニウムで作られたシールドを
 武器に戦う。

●ザンビアの祖母/先代魔女(ゲゲゲの鬼太郎 第5作)
 12年前、鬼太郎達と対戦した魔女ザンビアの祖母である先代魔女。
 アマミ一族カイを襲った際に鬼太郎に敗れて負傷し、一時前線を退いていた。
 地獄への総攻撃作戦の際にドラキュラ二世や先代狼男らと共に復帰している。

●ドラキュラ二世(ゲゲゲの鬼太郎 第5作)
 ドラキュラ三世の先代で、12年前に鬼太郎達と対戦し、地獄への
 総攻撃作戦の際に復帰し、鬼太郎達の前に立ちはだかった。

●グレムリン(ゲゲゲの鬼太郎シリーズ)
 悪魔の様な外見の西洋妖怪。機械を狂わせる能力を持つが、
 個々の戦闘能力は低い。

◯刹那・F・セイエイ(劇場版 機動戦士ガンダムOO)
 ソレスタルビーイングに所属するガンダムマイスターの1人。クルジス共和国
 出身の少年兵で、本名はソラン・イブラヒム。乗機はガンダムクアンタ。
 当初は他のマイスターやサポートメンバーと距離を置き、自分の理想に埋没するなど
 掴み所の無い性格だったが、様々な経験を経て成長し、ソレスタルビーイングの
 中心人物となった。「純粋種」のイノベイターとして覚醒し、リボンズとの戦いが終わった後、
 ELSとの対話で彼らの母星の危機を知り、ダブルオークアンタで量子テレポートを行った。
 そして50年後、マリナ・イスマイールと再会を果たすが、ELSと融合し金属質の様な
 外見となっている。

◯マリナ・イスマイール(劇場版 機動戦士ガンダム00)
 中東の新興国家アザディスタン王国の第一皇女。普通の家庭で育ち、
 音楽の道を志していたが、王政の復活に伴い、王族の血を引いていた為、
 皇女に選ばれる。困窮する祖国を復興するべく各地を飛び回った。
 戦いでは何も解決することは出来ないという強い信念を持つ。ELSの
 襲来から50年後、隠遁生活を送っていた所、帰還した刹那と再会する。

899ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/12/06(火) 18:04:03
<<シグフェルVSラッキークローバー>>

スマートブレイン本社の地下で、未だに眠り続けるオルフェノクの王アークオルフェノク。
様々な蘇生方法を試みるが、効果は無く、このままではバトルファイトに参戦する事も
出来ないと村上は危惧していた。

ロブスターオルフェノク「村上君。王を目覚めさせる方法は、まだ見つからないの!」
村上「落ち着いて下さい、冴子さん...もしかしたら、彼...シグフェルの持つ
 パワーならば、王を目覚めさせる事が出来るかもしれない...」

村上はシグフェルの持つ強大なパワーを解析すれば、王の復活に繋がるのでは
ないかと考え、シグフェルを捕えるべくラッキークローバーを招集する。しかし、
ラッキークローバーの1人である北崎は、王の命を狙っているので彼だけは呼ばなかった。

村上「王の復活は、貴方達に掛かっています。頼みますよ」
ジェイ「...」
琢磨「任せて下さい。ご期待に応えてみせますよ!」
スマートレディ「...(フフッ。洗脳の方は上手くいっているようね)」

ラッキークローバーにシグフェルを捕えるよう指示を出す村上に対し、
琢磨逸郎は張り切って答える。無理やり連れ戻された彼だが、洗脳を
受けてしまい、以前のラッキークローバーの一員だった彼に戻ってしまったのであった。
そしてシグフェルにはロブスターオルフェノクこと影山冴子、琢磨逸郎、ジェイ、
仮面ライダーサイガことレオが向かう事になる。しかし、その様子を陰から
窺う者がいた。

北崎「...僕に内緒で面白そうな事をするみたいだけど、僕も混ぜてもらうよ。
 フフフフ...」

村上達の企みを知った北崎も、シグフェルを狙って、その後を追った。

♢ ♢ ♢ ♢ ♢

ロブスターオルフェノク「シグフェル...我らが王の為に来てもらうわよ!」
センチピードオルフェノク「フフフフ...」
クロコダイルオルフェノク「...」
光平「オルフェノクが3体...!」

光平の前にオルフェノクの姿となったラッキークローバーが姿を現し、
襲い掛かる。光平はシグフェルに変身するが、通常のオルフェノクよりも
上級クラスの強さを持つラッキークローバーの攻撃に苦戦を強いられる。

ファイズ「光平!」
サイガ「オマエノ相手ハ、オレダ!」

ファイズはシグフェルを助けに行こうとするが、サイガに変身したレオに
阻まれてしまう。

ドラゴンオルフェノク「仲間外れはいけないなぁ〜。僕も混ぜてよ!」
センチピードオルフェノク「き、北崎さん!何故、アナタが此処に!?」ガクガク

そこへドラゴンオルフェノクに変身した北崎も乱入し、センチピードオルフェノクは
北崎の姿を見ただけで、震え上がる。そしてドラゴンオルフェノクの圧倒的な
強さに、シグフェルは窮地に立たされる。だが、意外な人物がシグフェルを助けるのであった。

シグフェル「お前は...彩堂寺...!」
ザジロード「こいつを倒すのは俺だ。邪魔はさせない」
ドラゴンオルフェノク「邪魔をしているのは、君だろッ!」

ザジロードに変身した彩堂寺が戦いに加わり、ドラゴンオルフェノクと対峙する。
戦いの行方は如何に...。

900ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/12/10(土) 19:40:47
<<海底世界の争い>>
光も届かない暗い海の底―深海。その深海には人類も知らない異なる
種族が数多く存在し、隠れながら暮らしていた。だが、その海底の世界でも
争いが起こっていた。

ヘドラー将軍「人魚姫よ。おとなしく、この海底を我らベーダ―・・・いやGショッカーに
 明け渡し、人魚族はその傘下に加わるのだ!」
人魚姫「お断りします!私達、人魚族は平和を愛する一族。平和を脅かそうとする者の
 手先に従う気はありません!」

海の底に住む人魚族の長である人魚姫(デンジマン47話のゲストキャラクター)に
Gショッカーが支配下に置こうとヘドリアン女王の命を受けたヘドラ―将軍が傘下に
加わる様迫る。

ノンマルト「Gショッカーの様な地上の者達に従う必要は無い」
ヘルサンドラ同じ海に住む者同士手を取り合い、地上を我らの物にしようぞ」

その一方で、地上への復讐と進出を狙ってノンマルトやモグール帝国など
海を拠点にしている組織が「海底同盟」を結成し、人魚族も取り込もうとしていた。

人魚姫「(このままではイケない...地上に助けを求めないと...)」

地上に助けを求める事を決意した人魚姫は、再び地上へ向かう。

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

一方地上でも、海の世界で異変が起きている事は気が付いており、
ムトロポリスにてモグールと戦ったアストロ基地の面々やムー帝国の
研究をしていた高井戸研究所のスタッフ達などが集まり、対策会議を
行っていた。

ムトロポリス職員「東山所長。研究所の外で女性が倒れていたので保護しました」
東山「女性を保護した?何者なのだ」

保護されたのは地上へ助けを求めにきた人魚姫なのだが、その途中
Gショッカーや「海底同盟」に襲われて倒れていたのであった。そこに
人魚姫を追ってGショッカーや「海底同盟」の怪人や戦闘員がムトロポリスに
出現。この事態にライディーンやコープランダー隊、ブロッカー軍団が
出動するのであった。

901ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/12/21(水) 19:23:37
<<狙われた国際大会編(仮)‐6>>
ついに行動を開始した西洋妖怪を中心とした妖怪帝国に対し、人々を守ろうと
ブレイバーズはアザディスタン各地で、それぞれの戦いを始める。

002「004!」
004「頼む!」

ゼロゼロナンバーサイボーグの中で、飛行能力を持つ002は、
004の身体を持ち上げて空へと上昇。そして高度な位置から
004は自身に搭載されているミサイルを西洋妖怪に向けて放つ。

008「―?あれは...!」
006「アザディスタン軍の戦車部隊アルね!」

そこにアザディスタンが保有する戦車部隊が現れるが、その部隊の
戦車は皆グレムリンに操られていた。グレムリンの操る戦車は
市内のビルを攻撃していく。

007「俺に任せろッ!」

変身能力を持つ007は、その能力を応用して巨人に姿を変えて
砲身を掴み、戦車を玩具に様にひっくり返していく。

003「―!あっちに誰かが埋もれているわ!」
005「...俺が行こう。案内してくれ」

003は透視能力で、瓦礫に埋もれていて身動きが出来ない者を見つけ、
005と共に、その場所へと向かった。

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

火星騎士「う...み、身動きが取れん。一体、どうなったのだ...」

一方、003達が向かった場所で瓦礫に埋まっていたのは、先日
アメリカ人サポーターと街中で口論していたヴァースの火星騎士だった。
火星騎士は必死に瓦礫から這い上がろうとするが、身動きが取れず
足を負傷していた。だが、その火星騎士を助けようと瓦礫を退かそうと
している者がいた。

アメリカ人サポーター「う...う〜...」
火星騎士「―ッ!貴様は、いつかの...何故、貴様が私を助ける!?」
アメリカ人サポーター「...確かに、テメエは憎たらしい火星人だ。
 だが、傷ついている奴を見過ごす程、こっちは非道じゃないんでな!」
火星騎士「―ッ!」

火星騎士を助けようとしていたのは、先日、火星騎士と口論していた
アメリカ人サポーターだった。例え相手が憎い相手でも、助け出そうと
しているアメリカ人サポーターに、火星騎士はある思いに駆られる。

アメリカ人サポーター「くっ...お、重てぇ。これじゃ...ぁ...」
005「...よく頑張った。後は任せろ」
003「(あの人たちは、この間の...)助けに参りました。安心して下さい!」

だが、瓦礫が重くアメリカ人サポーターが四苦八苦していると005達が
駆けつけ、005は怪力の能力で瓦礫を持ち上げて、あっという間に
火星騎士を助け出した。

火星騎士「...助けてくれた事に感謝する。...それと、この間は
 すまなかった...」
アメリカ人サポーター「...こっちも、言い過ぎた。あの時の戦争は
 終わったんだよな...」

助けだされた火星騎士は、この間の件についてアメリカ人サポーターに
謝罪する。それを受けてアメリカ人サポーターも、謝罪した。

003「よかった...005!」
005「ム...!」
西洋妖怪「キシャァァァ!」

この間の喧嘩騒ぎを目撃していた003は、それまで敵視していた
両者が和解した事を喜ぶ。しかし天井から西洋妖怪が現れ、
005へと襲い掛かり、003が叫ぶ。

ナイトファイアー「コーキングパンチャー!」
西洋妖怪「グワァ!」
ナイトファイアー「大丈夫か!ゼロゼロナンバーズ!」
003「あなたは、香川竜馬さん!」
005「助かった...」

襲い掛かる西洋妖怪から005を助けたのは、戦いに巻き込まれた人々を
レスキューしに駆けつけたナイトファイアーこと香川竜馬だった。
ナイトファイアーはパイルトルネードからゲル状の粘着弾である
コーキングパンチャーを放し、西洋妖怪を壁とくっつけてしまう。

ウォルター「こちらの2名は、我々が保護します」
バイクル「御二人さんは、他の所を頼むちょーよ!」
003「お願いします」

003と005はナイトファイアー達に後を任せて、009達の所へと
戻った。

902ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/12/23(金) 19:34:03
>>901の続き。

また別の場所では、西洋妖怪の中でも主戦力となっている先代狼男率いる
人狼妖怪達が街を襲っていた。だが、狼男達にめがけて攻撃が放たれる。

人狼「ぐわぁぁぁ!」
先代狼男「誰だッ!攻撃してきたのは」
ネイト「これ以上、街を攻撃させませんわ!」

人狼たちを攻撃してきたのは、トーリの仲間で総長連合、第5特務の
ネイト・ミトツダイラだった。彼女は自身の武器である「銀鎖」を自在に
操って、街を襲う人狼たちを攻撃していく。

先代狼男「この気配...貴様も人狼か?」
ネイト「人狼女王が娘、ネイト・ミトツダイラ...騎士として、この街の
 人々を守って見せますわ!」
狼男ワイルド「まぁ、生意気!美しさだったら、負けないわよ!」

先代狼男はネイトが人狼の血を引いている事を見抜き、ネイトは騎士として
高らかに立ち向かう。狼男の息子、狼男ワイルドはネイトに対して
美しさで張り合う。

点蔵「お相手をするのは、ネイト殿だけではござらぬぞ!」
先代狼男「何ッ!?何時の間に」

ネイト同様、トーリの仲間である忍者、点蔵・クロスユナイトが気配を消して
狼男の背後をとる。その他にも、後方から浅間・智が弓を放ち、本多・二代や
立花・宗茂らが槍などで斬りかかるなど、人狼妖怪と戦いを繰り広げていく。

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

ルナマリア「もう、ちょこまかと!」
ザンビア「キャハハハッ!捕まえてごらんなさい!」
シン「只でさえ、MSの幽霊が厄介だっていうのに、魔女なんかも
 出やがって!」

上空では、亡霊MSに翻弄されていたシン達、ブレイバーズの機動部隊だが
さらに魔女ザンビア率いる魔女軍団が現れ、MSよりも小さく素早い行動を
擦る為、ますます翻弄される事になった。だが、そのザンビア達に攻撃をする
者が現れる。

ザンビア「キャッ!誰よ、攻撃したのは!?」
マルガ「相手の魔女を当てたわ。マルゴット」
マルゴット「OK、ガッちゃん!私達のコンビネーション、見せつけちゃおう!」

ザンビアを攻撃したのは、トーリの仲間である魔女の2人、
マルガ・ナイゼとマルゴット・ナイトである。2人はそのコンビネーションで
ザンビアを追う。

シン「すげぇ...」
レイ「ボーとしている場合じゃないぞ、シン。魔女は彼女達に任せて
 俺達は亡霊MSの対処だ」
シン「お、応!すまない、レイ!」

ザンビア達魔女の相手は、マルガとマルゴット達に任せて、シン達は
亡霊MSの対処に戻る。

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

一方、別の場所では多くの市民や大会を観戦しに来た観光客達が
避難しようとしていたが、突如石に変わってしまう。ギリシャの女妖怪、
ゴーゴンの仕業である。

子泣き「見つけたぞ、ゴーゴン!」
ゴーゴン「貴様は、子泣きじじい!何故、ここにいるのだ!」
子泣き「西洋妖怪が動いていると聞いておったからのう。お前さんも
 出てくるとふんでおったのじゃ!行くぞ、おんぎゃー!」

生物を石に変える事の出来るゴーゴンにとって、元々、自由に石に
変わる事の出来る子泣きじじいは天敵ともいえる存在であり、
西洋妖怪がテロを仕掛けてくる事を知っていた鬼太郎は、ゴーゴンも
現れるだろうと予想して、子泣きじじいを連れて来たのだった。
子泣きじじいは石に代わり、ゴーゴンに向かって体当たりしてくる。

フランケン「ゴーゴン、加勢するぞ!」
ぬりかべ「俺が...相手だッ!」

ゴーゴンに加勢しようと、西洋妖怪の幹部妖怪の1人であるフランケンが
現れるが、ぬりかべが割って入り、がっちり組んでお互い一歩も引かない
状態となるのであった。各地の戦いは、なお続いてく...。

903凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/12/29(木) 18:37:45
≪地球の先住民族≫

人類(ホモ・サピエンス)は、実は地球で誕生した種族ではなく、
遠い昔に別の星からやって来て、武力で地球を攻め取った侵略者である――。

地球の先住民族であるノンマルトは、およそ1万年前、
宇宙から攻めて来た人類の侵略によって地上に築いていた文明を破壊され海底へと逃れた。
その後はずっと海底を安住の地としていたノンマルトだったが、
現代になって人類が海底開発を始め、彼らの新たな住処まで荒らすようになると、
ノンマルトは蛸怪獣ガイロスを操ったテロで人類に抗議。
だがガイロスはウルトラセブンに倒され、ノンマルトの海底都市もウルトラ警備隊の攻撃で壊滅させられて、
ノンマルトの人類に対する最初の軍事行動は多くの犠牲を招く悲惨な結末となってしまった。

それから数十年後、ノンマルトは再び守護神獣ザパンギを地上へ侵攻させ、
人類が侵略者でノンマルトこそが地球の先住民族であるという証拠が記されている、
地球の歴史を記録したオメガファイルを全宇宙に向けて公開するよう人類に要求。
人類はこれに応じて最終的にオメガファイルを公開したが、
実はノンマルトの狙いはオメガファイルの公開によって宇宙からの裁きを得て公正に問題を解決する事ではなく、
人類がオメガファイルの公開を拒否し侵略の過去を隠そうとしたのを口実として武力で人類を滅ぼすのを正当化する事だったため、
オメガファイルが公開されてもノンマルトは攻撃をやめず、
逆にオメガファイルが公開された事実をもみ消そうとした。
この状況の中、ウルトラセブンは苦悩の末に人類に味方してザパンギを倒し、
ノンマルトの計画はまたしても失敗に終わったのであった。

かくしてオメガファイルの公開により、地球の侵略者だった事実が全宇宙に明らかとされてしまった人類だが、
現在では地球が彼らのかけがえのない母星となっているのもまた事実であり、
元々どこの星から来たかも今となっては不明であるため、
今更ノンマルトに地球を返還して全員別の星へ退去するというのは、
「北海道をアイヌに返して和人は全て立ち去れ!」というようなものでとても現実的ではない。
そのため星間評議会では、人類の地球侵略という過去の暗部を特例措置であえて黙認し、
(武力侵略禁止という宇宙の掟に背くものであるため、
 この事にはできるだけ触れないようタブー視しつつ)
人類を現在の地球の正統な支配種族と認めた上で、
人類がノンマルトと和解し彼らの権利も尊重して平和的関係を構築するのが望ましいとしている。
侵略者である人類に味方しザパンギと戦った罪で馬の首暗黒星雲に幽閉されていたウルトラセブンも、
この決定が下ると共に罪を取り消され釈放された。

以上のような流れを経て、現在のノンマルトの世論は大きく二派に分かれている。
一つは、二度に渡った人類との戦いの敗北を過ちとして反省し、
平和を愛する非戦闘的種族としての元来のノンマルトのあり方に立ち戻って、
地上の領有権回復には固執せず星間評議会の政治判断を受け入れて人類との共存の道を模索していこうという穏健派。
もう一つは、歴史的に見れば不法な侵略者である人類をあくまで敵視し、
いつか人類を滅ぼして地上の支配権を奪回しようと考えている過激派である。
現在は多数意見である穏健派がノンマルト政府の実権を握り過激派の暴走を抑えている状態だが、
人類の海底開発がノンマルトの平穏な暮らしを今もなお脅かし続けているのも事実で、
日に日に勢力を増していく過激派を徐々にコントロールし切れなくなっているのが現状である。

904ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2017/01/02(月) 13:30:02
≪留学生レミーナの休日≫

***駅前***

優香「レミーナさん、遅いな…」

その日の日曜日、沢渡優香は待ち合わせをしていた。
待っている相手は、遥々時空の門(ゲート)を通って
異世界アセーリアから日本にやって来た留学生の一人で、
メルヴィオン聖王国の王家外戚に当たるレミーナ・ラプエンテである。

サラジアのアルハザード独裁政権の崩壊後、
平和が戻ったアセーリアからは地球との友好の証として、
多くの留学生が科学文明を学ぶために渡航してきている。
レミーナもその一人だ。

レミーナ「優香ぁ〜!」
優香「あ、レミーナさん! こっちこっち!」
レミーナ「ごめんなさい。待った?」
優香「ううん、私も今来たばかりだから。
 ――あれ? なんで会長も…?」
要人「やあ」

レミーナは、海防大学付属高校生徒会長の久遠要人も
なぜか一緒に連れて来ていた。

レミーナ「わたしが是非にとお誘いしたの」
要人「彼女のエスコートは沢渡君に任せておけば
 大丈夫だと思ってはいたんだが、わが校にとって
 大事なお客様でもある彼女のお誘いを、
 無碍にお断りするわけにもいかなくてね」
優香「はぁ…」
レミーナ「さあ、行きましょう♪
 技術や学問を学ぶのも大事だけど、
 大衆文化に触れるのことも、異世界同士の
 友好を深めるためには大切よ」
優香「そうですね。でもキクマルくんに
 内緒にしてきてよかったのかなぁ…?」
レミーナ「いいのいいの。気にする必要なんかないんだから」

キクマル・サダムネは、地球に留学生として渡航することになった
レミーナとリンディの2人に、ラウールが心配してつけた護衛である。
しかし留学先となった学校内でも常に日本刀を持ち歩き、
少しでも彼女らに寄り付こうとする悪い虫=男子生徒に対しては
すぐさま殺気満々に抜刀して追い払うなど、その様相は
まさに「サムライ版相良宗介」そのものであった。
そのためレミーナからは、正直鬱陶しがられていたのだ。

ちなみにもう一人の留学生リンディ・アルス・アディラスは、
この日は図書館で調べ物があるそうで、同行はしていない。

905ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2017/01/02(月) 13:30:37
数軒のブティックに寄りながら、楽しそうにお洋服の試着を繰り返す
優香とレミーナ。その様子を微笑ましく見守っている要人。

要人「二人とも、よく似合ってるよ」
優香「えへへ…そうですか?
 会長にそう言ってもらえるなんて、
 なんか照れちゃいます(///)」
レミーナ「………」

だが実は、レミーナにはもう一つ別の目的があった。
時々食い入るようにチラッと要人の顔を見つめるレミーナ。

レミーナ「………(アセーリアにしか伝わっていないはずの諺の意味や
 聖典の内容を知っていたり、妙にわたしたちの国の地理や風土に詳しかったりと、
 この男、只者ではないわ。久遠要人……今日こそその正体を掴んでみせる!)」
要人「…ん? レミーナさん、僕の顔に何か?」
レミーナ「いいえ、別に…」

楽しい時間はあっという間に過ぎるもので、お昼の時間になった。

優香「そろそろお腹が空いてきましたね…」
レミーナ「優香、それじゃあ"回るお寿司"に連れて行って!」
優香「ああ、回転寿司ね。そういえば以前から約束していましたものね。
 わかりました」
レミーナ「楽しみだわぁ…(///)」

目の色を変えて「回るお寿司」に連れて行ってほしいと
優香にせがむレミーナ。
日本に来てから回転寿司の噂を聞き知っていたレミーナは、
前々から行くのをずっと楽しみにしていたようだ。


***某回転寿司店***

店員「いらっしゃいませ。カウンター席とテーブル席、
 どちらになさいますか?」
要人「カウンター席で頼むよ」
店員「かしこまりました」

カウンター席へと案内される優香、要人、レミーナの3人。

レミーナ「まあ、これが回るお寿司なのね! 感激だわ♪」

寿司皿が乗るレーンが移動していく様子を見て、
レミーナはまるで子供のようにはしゃいでいる。

レミーナ「お皿を自由に取って食してもいいのね?」
優香「ええそうよ。でもレミーナさんは初めてお寿司を食べるのだから、
 サビ抜きを注文した方がいいかも」
レミーナ「サビ抜き…?」
要人「ワサビ(山葵)のことですよ。日本に伝わる独特の香辛料です。
 つんと来る刺激的な辛さがありましてね。外国からいらした方のお口には
 合わないかもしれませんね。日本でも子供などはサビ抜きで食べることが多いですよ」
レミーナ「子供ですって!? 失敬な! わたしはもう立派な大人のレディよ!
 見てなさい!…パクッ!!……もぐもぐ」

要人の簡単な挑発に乗ってしまい、レミーナはワサビ入りの寿司を食べてしまう。

優香「えっ!? ちょっとレミーナさん!
 会長も何言ってるんですか!?」
要人「………」

優香が咎めても、要人はまるで他人事のようにそ知らぬふりをしている。

レミーナ「…………………か、からあああああああああいいッッッッッッ!!!!!!!!」

突然大声を上げたレミーナが苦しいように咳き込む。

優香「レミーナさん、大丈夫? ほら、お茶を飲んで!」
レミーナ「ゲホッゲホッ!!…あ、ありがとう、優香…」

906ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2017/01/02(月) 13:31:47
***メインストリート***

レミーナ「ふぅー、ひどい目に遭ったわ。我ながら情けない…」

落ち込むレミーナ。

優香「元気出してレミーナさん。…もうっ、会長のせいですよッ!(怒」
要人「いやぁ…僕も反省しているよ」

お会計を済ませて店外へと出る3人だったが、
その時、子供の悲鳴と騒がしいやじ馬たちの話し声が
彼女たちの耳に届いた。

やじ馬A「おい! あっちで強盗が子供を人質に取ってるってよ!」
やじ馬B「行ってみようぜ!」

大勢のやじ馬たちが、商店街沿いの銀行近くの方向へと走っていく。

優香「いったい何かしら?」
レミーナ「行ってみましょう!」


***東西銀行・メガロシティ支店 正面玄関前***

女の子「キャアー、助けて!」
強盗「近づくんじゃねえ! このガキがどうなってもいいのか!」

優香たちがやじ馬たちを追いかけて行き着いた先では、
なんと拳銃を持った男が幼い女の子を人質に取り、
包囲している警官たちをけん制していた。
聞けば、逃走に失敗した銀行強盗が、たまたま居合わせた通行人である
小学生低学年くらいの女の子を人質に取ったらしい。

レミーナ「あんな何の罪もない幼い子供を怖い目に遭わせるなんて、
 なんて卑劣な! 許せませんわ!」
優香「えっ? ちょっとレミーナさん!」

レミーナは優香が止めるのも聞かずに、堂々と強盗犯人の前に立ちはだかった。

強盗「な、なんだてめえは…?」
レミーナ「その子をお放しなさい!
 人質でしたら、このわたしが身代わりになります!」

周囲一同「「「えええーーーーっっ!??」」」

レミーナの突然の申し出に、その場にいた人間の全員が呆気にとられる…。

警官「おいおいキミ、どこの誰だか知らんが、
 勝手なことをされちゃ困るよ!」
レミーナ「お黙りなさいッ!! 民が苦しい危急にある時、
 たとえわが身を呈してでも民を守るのが、高貴な者の務めです!」
警官「は、はい…!(汗」

正義感に燃え、気高いオーラ漲るレミーナに一喝されて、
警官隊はあっさりと引き下がってしまう。

優香「大変!? レミーナさんを止めないと」
要人「まあ待ちたまえ沢渡君。面白そうじゃないか。
 ここはひとつ彼女に任せてみよう」
優香「こんな時に何ふざけたことを言ってるんですか!」

907ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2017/01/02(月) 13:32:37
人質交換に応じた強盗は、女の子を解放すると、
代わりにレミーナを人質にとって、銀行の隣にある
廃ビルの最上階へと立て籠もった。

強盗「へっへっへ…世の中には物好きがいるもんだなあ。
 あとでたっぷりと可愛がってやるから、しばらく大人しくしてろよ」
レミーナ「………」

強盗は持っていたロープを用いて、
レミーナの両手首を背の後ろに回して手際よく縛り上げ、
口にも手拭いを使って猿轡で塞いだ上で、
部屋の隅の方へと座らせた。

刑事「犯人に告ぐ!犯人に告ぐ! 君は完全に包囲されている!
 大人しく武器を捨てて、人質を解放して出て来なさ〜い!」
強盗「うるせえ! 身代金三千万を用意しろ!
 それと逃走用のヘリはどうしたぁ!」

現場で緊張するやりとりが続く中、
優香から連絡を受けた光平、キクマル、リンディも
駆けつけて来た。

要人「やあ、よく来てくれたね牧村君」
光平「優香、大丈夫か!? それに久遠先輩も」
優香「どうしよう光平くん!」

レミーナの身を案じる優香は、今にも泣きだしそうに光平に縋り付く。

リンディ「レミーナ姉様、大丈夫かしら…」
キクマル「拙者がふがいないばかりに!
 あの下膳の輩め! もしレミーナ様に指一本でも
 不埒な真似をしてみろ! 決してただでは置かぬぞ!」
光平「よしっ、俺とキクマルはあの銀行の屋上から
 隣の廃ビルに飛び移る。久遠先輩、優香とリンディさんを頼みます」
要人「わかった」
キクマル「承知っ!!」

警官隊やマスコミ、そしてやじ馬の目を盗んで
銀行屋上から廃ビルへと侵入した光平とキクマルは、
犯人とレミーナがいるであろう部屋の前まで辿り着いた。

光平「気を付けろ。相手は拳銃を持っている」
キクマル「所詮飛び道具など足軽の獲物。
 真の武士にとっては恐れるに足らん」
光平「…いくぞっ。1、2の、3ッ!!」

合図と同時にドアをけ破って中へと突入した
光平とキクマルが見たものは…!?

908ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2017/01/02(月) 13:33:30
光平「レミーナさん、無事か!?」
キクマル「レミーナ様、キクマル・サダムネ、
 只今お助けに参上ッ……て、あれれ??」

強盗「…だ、だじけて……(涙」(((((((( ;゚Д゚)))))))ガクガクブルブルガタガタブルガタガクガクガクガクガク

部屋の中へと飛び込んだ光平とキクマルが見たものは、
可哀そうなくらい体中痣だらけとなりボコボコにされて倒れていた強盗と、
そのすぐ傍で元気そう且つ威厳たっぷりに立っていたレミーナだった。

レミーナ「あら二人とも、遅かったのね」
光平「あのぉ…レミーナさん、確か縛られていたはずじゃ?」
レミーナ「ああ、これね」

光平の問いに、レミーナは何気なく床に散らばっているロープを指さす。

レミーナ「実は以前に佳代から"縄抜けの術"を教わっていたの。
 こんなところで役に立つとは思わなかったわ」
光平「……(佳代ちゃん、いつの間に)」

こうして犯人は警察に引き渡され、事件は無事に解決した。

女の子「おねえちゃん、ありがとう!」
女の子の母親「本当に何とお礼を申し上げてよいか…」
レミーナ「どうかお気になさらずに。
 民を守るのは、民の上に立つ高貴な者の当然の務めです!」
女の子の母親「ハァ…??」
優香「いえいえ、こっちの話です!(汗」

優香が慌ててレミーナの発言にフォローを入れる。
そして母娘はレミーナたちに深々と頭を下げて去っていった。

優香「もうっ! 今回は本当にどうなることかと!」
レミーナ「ごめんなさい、心配かけてしまったみたいね」
キクマル「そうですぞレミーナ様!
 もし万一御身に大事が起これば、国許で無事な帰りを
 お待ちのラウール陛下に申し訳が立ちませぬ。
 このキクマルを腹を切ってお詫びせねば――」
リンディ「また始まった…(汗」

リンディは、またいつものキクマルの切腹のポーズに呆れる。

光平「まあまあ、レミーナさんも無事だったことだし、
 もうその辺で許してやれよ」
優香「光平くんって、いつも女の子には甘いわよね」(¬д¬。) ジーーーッ
光平「…そ、そうか? あはは…(汗」
要人「さあ、時間の遅いし、そろそろ帰ろうか」
優香「そうですね」
レミーナ「………」

レミーナは、じっと要人の顔を見つめている。

レミーナ「………(久遠要人、今日は尻尾を掴むことはできなかったけど、
 次こそは必ず正体を暴いて見せるわ!)」

果たして、レミーナがその正体を怪しんでいる
生徒会長・久遠要人は、いったい本当は何者なのであろうか?

909ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2017/01/05(木) 13:56:23
>>902の続き。

街では妖怪帝国とブレイバーズの戦いが行われている一方、スタジアムの方にも
妖怪帝国の西洋妖怪が出現し、パニックとなっていた。

キサカ「カガリ様。そして皆様方、此方へ!」
ダコスタ「スタジアムの外では、ブレイバーズが戦っています。彼等と合流しましょう!」
カガリ「分かった!」
ラクス「案内お願いします」
アセイラム「私達も、御供させていただきます」
パタリロ「こんな所、いつまでも居てたまるか!」

試合を観戦しに来ていたカガリやラクス達は、護衛役である
レドニル・キサカ一佐やマーチン・ダコスタに連れられ、アセイラムや
パタリロ等、他のVIPと共に、外で戦っているブレイバーズに合流しようとする。

バルモンド「おっと...これ以上、先へは行かせんぞ」
パタリロ「げぇぇぇ!ミイラ男!?」
バルモンド「我が名はバルモンド!偉大なる妖怪王家の末裔ぞ。
 貴様達は人間社会において王族の地位にある者達だ。人質として
 我々の役に立ってもらうぞ!」
カガリ「何だとッ!」

カガリ達の前に現れたのは、妖怪王家の末裔で最強のミイラ男である
バルモンドだった。バルモンドは配下のミイラ男を率いて、カガリ達を
人質にしようと迫る。

???「そうは問屋が卸さねえぜ!」
バルモンド「何者だッ!?」

カガリ達に迫るバルモンドとミイラ男軍団の前に現れたのは、
ICPOに属するエキスパートの不死身の村雨健二、
公孫勝・一清道人、青面獣の楊志の3名だった。

ラクス「あなた達は、国際警察のエキスパートの方々ですね」
村雨「その通りです。ラクス・クライン。あなた方を安全な場所まで
 お連れします」
バルモンド「させるか!行けぇ!」
公孫勝「ムンッ!通しはせんぞ!」

バルモンドはミイラ男軍団に攻撃を命じる。それに対して、公孫勝は
符を用いてバリヤーを張る。

村雨「楊志、ここは俺達が引き受ける。お前は皆さんの護衛を頼む」
楊志「任せな!さ、此方へ」

村雨は楊志にカガリ達を護衛するよう指示を出し、楊志はカガリ達を
引き連れて外へを向かった。

バルモンド「貴様ぁ〜、死ねェェ!」
村雨「ぐほぉ...!」

怒りに駆られたバルモンドは自身に巻きついている包帯をドリル状にして、
村雨の身体を刺し貫き、村雨は地面に倒れてしまう。

公孫勝「村雨!」
バルモンド「馬鹿な人間め...おい、すぐに逃げた人間達を追え!」

バルモンドは村雨の身体からドリル状となった包帯を抜くと、部下の
ミイラ男達にカガリ達を追うよう指示を出し、自身もそちらへ向かおうとしていた。

村雨「...おいおい、まだ戦いは終わってないぜ」
バルモンド「何ッ!?確かに貫いた筈だぞ」
村雨「自己紹介がまだだったなぁ...俺の名は人呼んで“不死身の”
 村雨健二。生憎俺は、『死なない』じゃなくて『死ねない』んだ。
 だから...まだまだ俺の相手をしてもらうぜ。ミイラの大将!」
バルモンド「不死身だと...!この人間風情がッ!」

文字どおり、『不死身』の能力を持つ村雨に驚愕するバルモンドだが、
今度こそ息の根を止めようと村雨と対峙するのであった。

910ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2017/01/05(木) 15:13:26
一方、米国大統領マイケル・ウィルソンJr.は大統領専用機である
エアフォース・ワンへと向かっていた。道中、妖怪帝国の妖怪達が
立ち塞がるが、護衛役であるキャプテン・アメリカがシールドを武器に
蹴散らしていった。そしてスタジアムの外に出るが、そこにドラキュラ
率いる吸血鬼軍団が行く手を遮る。

キャプテン・アメリカ「吸血鬼(ヴァンパイア)か...!」
ドラキュラ二世「貴様が噂に聞くキャプテン・アメリカか。その血に興味が
 あるが、今はそれよりも米国大統領であるマイケル・ウィルソンの方が
 重要だ。世界に影響のある米国大統領が我らの手に堕ちれば、人間
 社会は、さぞ混乱の極みとなるだろう」
マイケル・ウィルソン「私はアメリカ大統領だ。如何なるテロにも屈しない!」
ドラキュラ三世「ほざけ!おとなしく我らの下に来てもらうぞ!」
キャプテン・アメリカ「下がってください。大統領!」

ドラキュラ達、吸血鬼軍団はマイケル・ウィルソンを狙って襲い掛かり、
キャプテン・アメリカは攻撃を防ごうと、マイケル・ウィルソンの前に立ち、
シールドを構える。

????「エナジーダガー!」
ドラキュラ三世「うぉっ!何だ、この攻撃は!?」

襲い掛かるドラキュラ達に、マイケル・ウィルソン達の背後から
光る刃が飛び出し、ドラキュラ達の攻撃を怯ませた。

ブラックパンサー「大丈夫か!キャプテン」
キャプテン・アメリカ「ブラックパンサー!貴方も来ていたのか」

ドラキュラ達に攻撃をしたのは、アフリカの小国ワカンダの国王でもある
黒豹を模したスーツを纏ったヒーロー、ブラックパンサーだった。
ワカンダも大会に出場しており、ブラックパンサーも応援するべく
アザディスタンに来ていたのであった。

マイケル・ウィルソン「助かった。ブラックパンサー...いや、ティ・チャラ。
 恩に着る」
ブラックパンサー「礼には及ばない、マイケル。私も援護する。早く逃げてくれ」
マイケル・ウィルソン「ああ、分かった!」

マイケル・ウィルソンはブラックパンサーに助けられ、親しみを込めて
ブラックパンサーの本名であるティ・チャラの名前で礼を言った。
なおマイケル・ウィルソンとブラックパンサーは個人的に親しい間柄となっている。
そしてマイケル・ウィルソンはエアフォース・ワンへと戻るのであった。

911ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2017/01/17(火) 10:47:29
>>910の続き。

チー「皆の者、西洋妖怪の連中ばかりに目立たせるな!
 中国妖怪の力を見せるのだ!」
中国妖怪一同「ウォォォォ!!」

一方、別の場所ではチー率いる中国妖怪達が大暴れをしていた。
その中でも黒怪物と呼ばれる牛の様な顔をした中国妖怪は巨大化し、
棍棒を振り回してビルを破壊していく。そこへドモンを始めとする
ガンダムファイター達が駆けつける。

サイ・サイシー「中国の妖怪が相手だってなら、オイラが相手をしてやるぜ!」
ドモン「油断はするなよ。サイ・サイシー」

ドラゴンガンダムに乗るサイ・サイシーは拳法を駆使して、黒怪物の相手をする
のであった。

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

両津「くっそー!トンでもない時に来ちまったな!」
中川「危ないですよ、先輩!」

中国妖怪達が暴れている場所に、やって来たのは日本から日暮巡査を
探しにアザディスタンへと来た両津と中川だった。戦いに巻き込まれた
2人は何とか避難をしようと走っていた。だが2人の前に鉄パイプやら
ハンマー等を持った集団が現れ、目の前で暴れはじめる。

両津「な、何だ!コイツら。暴徒か?」
中川「様子が変ですよ。先輩」
暴徒A「うう...ミンメイ様の為に...ブツブツ」
暴徒B「ミンメイ様の為に...死ねえ!」
両津「うわぁ!」

目の前で暴れる暴徒の集団に両津や中川は様子がおかしい事を感じる。
2人は知らない事だが、この暴徒の集団は中国妖怪ミンメイが催眠術で
操って暴れさせていたのであった。そして暴徒の1人が両津に向かって
鉄パイプを振り上げた。

幽助「オラァッ!」
暴徒B「グエッ!」

だが間一髪の所を霊界探偵としてアザディスタンからブレイバーズに
同行してきた浦飯幽助が、見事な飛び膝蹴りで暴徒から両津を救う。

幽助「危ない所だったな。オッサン」
両津「助けられるとは...ありがとよ。アレ...?お前はもしかして
 浦飯幽助か!?」
幽助「―?...あぁ、そのつながり眉毛!どっかで見た顔だと思ったら、
 両さんじゃねえか。何でこんな所にいるんだよ!」

助けられた事に礼を述べる両津は、助けたのが幽助だった事に驚く。
実は両津と幽助は面識があり、幽助が中学時代、不良だった頃、
両津が何度も補導した事があり、それ以来の知人である。

ドゴォォォン!!

両津、中川、幽助「「「―!」」」

そこに巨大な爆発音が起きて、両津達が空を見上げると、中国妖怪と
戦う為、駆けつけたガンダムファイター達のMFがダメージを受けていた。

中川「先輩!あれを見て下さい!」
両津「ゲエェー!あれは日暮じぇねえか!」

中川を指を指す方向を見ると、そこには空に浮かぶ人物―日暮巡査がいた。
日暮もミンメイの魅力に憑りつかれ、超能力でMFや周囲のビルを攻撃した
のであった。

ミンメイ「オーホッホッホッ!チー様の為に、どんどん街や目障りなロボットを
 壊しなさい。そしたら、 ミンメイがイイ事をしてあ・げ・る♥」
日暮「うぉぉぉ、ミンメイ様の為にぃぃぃ!」
両津「...どうやら、あの女が原因みたいだな」
幽助「あの女も、中国妖怪みたいだな。両さん...やるって言うなら、
 俺も手を貸すぜ!」
両津「応、頼むぜ。行くぞ!中川、幽助!」
中川「あ、待って下さい。先輩」

ミンメイに命じられ、俄然やる気を出した日暮は、どんどん超能力で
攻撃していった。両津は日暮がおかしくなったのは、ミンメイが原因で
ある事に気付き、日暮を正気に戻す為、幽助の力を借りる事を決め、
立ち向かっていた。

912ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2017/01/17(火) 12:40:51
○002→西洋妖怪と戦闘。
○004→西洋妖怪と戦闘。
○006→西洋妖怪と戦闘。
○007→西洋妖怪と戦闘。巨大化して戦車をひっくり返す。
○003→透視能力で瓦礫に埋もれている人を見つける。
○005→瓦礫に埋もれていた火星騎士を助ける。
○ナイトファイアー→バイクル、ウォルターと共に005達を助ける。
○バイクル→005達を助ける。
○ウォルター→005達を助ける。
○ネイト・ミトツダイラ→狼男率いる人狼妖怪と戦う。
○点蔵・クロスユナイト→狼男率いる人狼妖怪と戦う。
○浅間・智→人狼妖怪と戦う。
○本多・二代→人狼妖怪と戦う。
○立花・宗茂→人狼妖怪と戦う。
○マルガ・ナイゼ゙→マルゴットと共に魔女軍団と戦う。
○マルゴット・ナイト→マルガと共に魔女軍団と戦う。
○ルナマリア・ホーク→魔女軍団に翻弄される。
○シン・アスカ→魔女軍団に翻弄される。
○カガリ・ユラ・アスハ→他のVIPと避難する。
○ラクス・クライン→他のVIPと避難する。
○レドニル・キサカ→カガリ達、VIPを避難させる。
○マーチン・ダコスタ→カガリ達、VIPを避難させる。
○子泣きじじい→ゴーゴンと戦う。
○ぬりかべ→フランケンと戦う。
○パタリロ→他のVIP達と避難する。
○不死身の村雨健二→会場に来ていたVIPを避難させ、バルモンドと戦う。
○孫公勝・一清道人→会場に来ていたVIPを避難させ、ミイラ軍団と戦う。
○青面獣の楊志→会場に来ていたVIPの護衛に付く。
○マイケル・ウィルソンJr→吸血鬼軍団に襲われるが、ブラックパンサーに助けられる。
○キャプテン・アメリカ→マイケル・ウィルソンJrを守る。
○ブラックパンサー→マイケル・ウィルソンJrを助ける。
○サイ・サイシー→巨大化した黒怪物にドラゴンガンダムで戦う。
○両津勘吉→妖怪帝国のテロに巻き込まれる。
○中川圭一→妖怪帝国のテロに巻き込まれる。
○日暮熟睡男→ミンメイに操られ、周囲を超能力で攻撃する。
○浦飯幽助→暴徒に襲われる両津を助ける。
●先代狼男→人狼妖怪を率いて街を襲い、ネイトと対峙する。
●狼男ワイルド→人狼妖怪を率いて街を襲い、ネイトに対抗する。
●魔女ザンビア→魔女軍団と共にブレイバーズを翻弄する。
●ゴーゴン→子泣きじじいと戦う。
●フランケン→ぬりかべと戦う。
●バルモンド→ミイラ軍団を率いて、会場に来ていたVIPを襲う。
●ドラキュラ二世→吸血鬼軍団を率いて、マイケル・ウィルソンJrを襲う。
●ドラキュラ三世→ブラックパンサーの攻撃を受ける。
●チー→配下の中国妖怪に戦うよう命じる。
●黒怪物→巨大化してサイ・サイシーのドラゴンガンダムと戦う。
●ミンメイ→日暮や暴徒を操って暴れさせる。

913ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2017/01/17(火) 12:56:02
>>912修正
○002→西洋妖怪と戦闘。
○004→西洋妖怪と戦闘。
○006→西洋妖怪と戦闘。
○007→西洋妖怪と戦闘。巨大化して戦車をひっくり返す。
○003→透視能力で瓦礫に埋もれている人を見つける。
○005→瓦礫に埋もれていた火星騎士を助ける。
○ナイトファイアー→バイクル、ウォルターと共に005達を助ける。
○バイクル→005達を助ける。
○ウォルター→005達を助ける。
○ネイト・ミトツダイラ→狼男率いる人狼妖怪と戦う。
○点蔵・クロスユナイト→狼男率いる人狼妖怪と戦う。
○浅間・智→人狼妖怪と戦う。
○本多・二代→人狼妖怪と戦う。
○立花・宗茂→人狼妖怪と戦う。
○マルガ・ナイゼ゙→マルゴットと共に魔女軍団と戦う。
○マルゴット・ナイト→マルガと共に魔女軍団と戦う。
○ルナマリア・ホーク→魔女軍団に翻弄される。
○シン・アスカ→魔女軍団に翻弄される。
○カガリ・ユラ・アスハ→他のVIPと避難する。
○ラクス・クライン→他のVIPと避難する。
○レドニル・キサカ→カガリ達、VIPを避難させる。
○マーチン・ダコスタ→カガリ達、VIPを避難させる。
○子泣きじじい→ゴーゴンと戦う。
○ぬりかべ→フランケンと戦う。
○パタリロ→他のVIP達と避難する。
○不死身の村雨健二→会場に来ていたVIPを避難させ、バルモンドと戦う。
○公孫勝・一清道人→会場に来ていたVIPを避難させ、ミイラ軍団と戦う。
○青面獣の楊志→会場に来ていたVIPの護衛に付く。
○マイケル・ウィルソンJr→吸血鬼軍団に襲われるが、ブラックパンサーに助けられる。
○キャプテン・アメリカ→マイケル・ウィルソンJrを守る。
○ブラックパンサー→マイケル・ウィルソンJrを助ける。
○サイ・サイシー→巨大化した黒怪物にドラゴンガンダムで戦う。
○両津勘吉→妖怪帝国のテロに巻き込まれる。
○中川圭一→妖怪帝国のテロに巻き込まれる。
○日暮熟睡男→ミンメイに操られ、周囲を超能力で攻撃する。
○浦飯幽助→暴徒に襲われる両津を助ける。
●先代狼男→人狼妖怪を率いて街を襲い、ネイトと対峙する。
●狼男ワイルド→人狼妖怪を率いて街を襲い、ネイトに対抗する。
●魔女ザンビア→魔女軍団と共にブレイバーズを翻弄する。
●ゴーゴン→子泣きじじいと戦う。
●フランケン→ぬりかべと戦う。
●バルモンド→ミイラ軍団を率いて、会場に来ていたVIPを襲う。
●ドラキュラ二世→吸血鬼軍団を率いて、マイケル・ウィルソンJrを襲う。
●ドラキュラ三世→ブラックパンサーの攻撃を受ける。
●チー→配下の中国妖怪に戦うよう命じる。
●黒怪物→巨大化してサイ・サイシーのドラゴンガンダムと戦う。
●ミンメイ→日暮や暴徒を操って暴れさせる。

914ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2017/01/17(火) 13:53:22
【今回の新登場】
○不死身の村雨健二(ジャイアントロボ OVA)
 国際警察機構パリ支部に所属するエキスパート。ピンクのトレンチコートと
 帽子がトレードマーク。「不死身」のコードネーム通り、銃で頭を打たれようが、
 身体を真っ二つにされようが必ず復活してくる。ぶっきらぼうで皮肉屋だが、
 その心は熱い。同じエキスパートの銀鈴とは恋人同士。

○公孫勝・一清道人(ジャイアントロボ OVA)
 国際警察機構北京支部の客員エキスパート。特殊な戦術を使い、変幻自在の
 攻撃を行う道士。十傑集の混世魔王・樊瑞は兄弟子にあたり、彼を連れ戻すべく
 師匠の二仙人・羅真人に命じられ、国際警察機構に協力している。

○青面獣の楊志(ジャイアントロボ OVA)
 国際警察機構北京支部に所属するエキスパートで、戴宗の妻。青い肌を持ち、
 姉御肌の豪快な人物。棒術の使い手で、六尺棒を自在に操る特殊能力を持ち、
 エキスパートの指南役を務める。作戦時はよく楊志と組む。

○ティ・チャラ=ブラックパンサー(ディスクウォーズ・アベンジャーズ)
 アフリカの小国ワカンダの国王。格闘技の達人で、屈強な肉体を持ち、
 時刻特産のビブラニウム合金製のスーツと爪を装備している他、
 科学者としても一流であり、ことビブラニウムの利用技術に関しては
 世界最高の見解を持っている。

●先代狼男(ゲゲゲの鬼太郎 第5期)
 狼男ワイルドの父親で、12年前に鬼太郎達と戦った。ワイルドの
 情けない有様に頭を抱えており、ドラキュラ二世と共に訓練を
 始めたドラキュラ三世を見て「見習ってほしい」と愚痴をこぼした事もある。

●綱島瑞希=ゴーゴン(ゲゲゲの鬼太郎 第5期)
 髪の毛一本一本が蛇となっているギリシャの女妖怪。その目を見た者は
 石に変えられてしまう。三姉妹の末娘で、人間界で「綱島瑞希」と名乗り、
 グルメビルのオーナーとなっていた。天狗ポリスを全滅させ、石にした
 人間の邪心を吸い取って街に落として滅ぼそうと企んだ。

●フランケンシュタイン(ゲゲゲの鬼太郎シリーズ)
 ドイツ出身の人造人間で西洋妖怪の一員。怪力だが、頭が悪い。 
 虫が苦手で、牛乳が好きという面を持つ。体が妖怪筋肉の集合体で
 強敵に会えば逢うほど強化される。

●バルモンド(ゲゲゲの鬼太郎 第5期)
 妖怪王家の末裔で、最強のミイラ男。バックベアードを「歴史の浅い奴」と
 罵ったり、ドラキュラ達から妖力を奪ったり、地獄の鍵を得て世界制圧を
 企んだりと荒い行動が目立つ。包帯攻撃や部下ミイラの召喚、更に巨大化、
 不死身の能力を持つ。

●黒怪物(ゲゲゲの鬼太郎 第3作)
 黒い毛皮に覆われ牛の様な顔をした巨体の獣人。自由に
 巨大化する事が可能。棍棒を振り回して暴れる。

915凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2017/01/23(月) 21:03:27
≪怪僧マザロンなる男≫

七歳の時、修道院の火災に巻き込まれたメルヴィオン聖王国のラウール・エル・アディラス王子は、
脳が受けたダメージのためにそれまでの記憶を全て失い、手の麻痺という後遺症まで負ってしまった。
だが、ラウールは懸命のリハビリと周囲の温かい支えで徐々に運動障害を克服し、
顔さえ忘れてしまった家族や家臣らとの関係ももう一度ゼロから構築し直して、
人よりやや遅れながらもゆっくりと、そしてしっかりと成長を続けていた。

エリス「ラウール、どうしたの?」
ラウール「怖い…怖いんだ。ウッ…ウワァァァァァ!!!」
ナダル「お、落ち着けラウール!」

普段はとても温和で心優しく、内気で大人しいラウール少年だったが、
時々、謎の恐怖と不安に苛まれ、ひどい興奮状態に陥って急に暴れ出す事があるため、
周囲を戸惑わせていた。

マザロン「殿下、それがしの目をご覧下され。
 何も怖くはありませんぞ。ほら…」
ラウール「………」

マザロン大僧正。
異次元にいると言われるヤンドという神を信奉するメルヴィオンの僧侶で、
国王アディラス十六世の信任を得て宮廷呪術師としてネクナールの王宮に出仕している男である。
人相の悪い怪しげな風貌の老人で、
王宮内でも彼を「怪僧」と呼んで忌み嫌う者は少なくなかったが、
なぜかラウールはこのマザロンには心を開いており、
急に暴れ出して手がつけられなくなった時でも、
マザロンの目を見ると途端に落ち着いて静かになるのであった。

レミーナ「何か嫌な感じ…。
 ラウール、あまりあのお爺さんに近付かない方がいいわよ」
ナレイン「とは申せ、他ならぬ国王陛下が厚く信頼しておられる人物ゆえ…。
 セイロス教徒ではないあのような怪僧、
 何ゆえ陛下はお傍に置いて重んじられるのだろうか」

名君と讃えられたアディラス十六世はとりわけ迷信深い王ではなかったが、
いつしかマザロンを重用し、政策や人事において吉凶を占わせたりヤンドの神意を訊ねさせたりして、
判断を下す際のアドバイスを彼に求める事が多くなっていった。
しかし王宮で多大な影響力を振るっていたマザロンはある時、
急に病と称して僧位を返上し宮廷呪術師を引退。
アディラスの慰留も固辞し療養のため生まれ故郷の村へ帰ると言って王宮から退くと、
そのまま行方を晦ましていずこかへ逐電してしまった。

アディラス「マザロンを探せ! 
 探し出して縄にかけ、余の前に引きずり出して参れ!」

マザロンが去った数年後、皆が彼を忘れた頃になってアディラスは何事かに気付いて烈火の如く激怒し、
マザロンを捕縛せよと命じたが、その時には既に故郷の村にマザロンの姿はなく、
とうとう彼の行方は分からないまま終わったのであった。

916凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2017/01/23(月) 21:04:54
ラウールが十七歳になった時、地球からサラジア共和国の黒三日月隊が現れてメルヴィオンに襲来。
王都を攻め落とされてアディラスは自害し、三人の王子も戦死して、
ラウールは王位継承権がある王族男子の唯一の生き残りとして黒三日月隊との戦いに決起した。
行方不明だったマザロンは、祖国復興のため立ち上がったラウールの元にひょっこり現れる。

マザロン「これはこれはラウール殿下、ご立派になられましたな。
 国王陛下が戦で身罷られたとの事、お悔やみ申し上げまする」
ラウール「マザロン! どこでどうしていたんだ?
 父上もずっとご心配されていたんだぞ。
 病はもう大丈夫なのか?」
マザロン「一度は死を覚悟した大病でしたが、
 幸運にもヤンド神のご加護で癒え、今はもうすっかり元気でございます。
 かくなる傾国の事態となりましたからには、このマザロン、
 老骨に鞭打って殿下のため再び呪術師として力を尽くす所存」

ラウールの手を取ってしきりに懐かしがり、
マザロンは呪術の力でラウール軍に貢献していく事を誓うが、
理論や学術を重視する理性派でオカルトには否定的なナレイン・レンドルフや、
昔からラウールに纏わりつくこの怪老人に不気味さを感じて嫌っていたレミーナ・ラプエンテらの諸将は、
自軍にマザロンが加わったのを必ずしも歓迎しなかった。

ナレイン「神頼みだけで戦に勝てるなら苦労はしない…。
 ましてヤンド教などという歴史の浅い異教の坊主が申す事、
 どれほど信頼に値するやら。
 あの怪僧が殿下の理性的なご判断を惑わしてくれなければ良いが…」
レミーナ「それにあの男、何か裏がありそうな予感がするわ。
 ラウールのために尽くすなんて言ってるけど、本音は何を企んでるのかしらね。
 もし少しでもおかしな真似をしたら、私がこのミスリルソードで斬り捨ててやるわ」

しかし、マザロンダンスと呼ばれる奇怪な踊りをしながらマザロンが異次元から授かるヤンドの神託は、
何度となくラウールに有益な助言をもたらし、味方を勝利に導いてゆく。
ナレインもレミーナも、内心は不愉快ながらもマザロンの不思議な力を認めざるを得なくなっていったのである。

マザロン「この石はヤンド神のご加護を賜る幸運のお守り。
 また、殿下の秘められた素質を引き出す成長のパワーストーンでもあります。
 亡きお父上様も常々仰せだった通り、殿下はご自分でもまだご存じない、
 人並み外れた素晴らしい才能をお持ちです。
 例え前途に多難ありと申せども、ご懸念には及びませぬ。
 この石が殿下のご成長の助けとなり、殿下がこの国を救って立派な王となられるよう、
 このマザロン心より祈念いたしておりますぞ」
ラウール「ありがとう、マザロン」

経験が浅い末弟のラウールは当初かなりの未熟で、己の力不足に悩む事が多かった。
そんなラウールに、マザロンは人の才能を引き出して成長を促すという、
ヤンド教のお守りである緑色の小さな結晶石がついたネックレスを贈る。
ラウールはこれを首にかけて戦い、ヤンド神の加護ゆえか、
次第に逞しい武将となって勝利を収めるようになっていった。

917凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2017/01/23(月) 21:05:56
黒三日月隊とラウール軍の激しい攻防がロサレダ大陸の南部半島で続く中、
ラウールは時空クレバスに呑み込まれてアセーリアへ漂流してきた一人の地球人女性を保護した。
海防大学付属高校に通う高校生だった彼女は、
同級生の牧村光平にそっくりなラウールを見て驚き、交流を重ねて次第に打ち解けてゆく。

マザロン「あの娘はメルヴィオンに災いを呼び込む死神にございます!
 強い邪霊が漂っているのをあの娘からは感じます。
 直ちに殿下のお傍から遠ざけねば、恐ろしい事が起こりますぞ!」
ラウール「何を言っているんだ…。
 彼女が死神だなんてあり得ないじゃないか」
マザロン「追放せぬと仰せならば、
 拙僧にあの娘を斬る事をお許し下さりませ。
 殿下の御為にはそうするしかございませぬ!」
ラウール「いい加減にしろマザロン!
 彼女は既に僕らの大切な仲間。
 斬るなんてとんでもない話だ。断じて罷りならないぞ」

マザロンはその女性を死神の化身と呼んでひどく恐れ、
すぐに保護するのをやめて陣営から追い出さなければ災いがあるとラウールに必死に忠告するが、
既に彼女と仲良くなっていたラウールはマザロンの言葉に耳を貸さない。

ラウール「異世界から漂流してきた身寄りのない遭難者を、
 野垂れ死ぬしかないと分かっていながら追い出す事などできない。
 それに彼女は色々と興味深い話を聞かせてくれるんだ。
 彼女のいた世界には、僕とそっくりな人がいたなんていう…」
ナレイン「また、彼女が元いた国がもし本当にサラジアと同じ世界にあるのであれば、
 彼女を無事に帰還させる事でその国に貸しを一つ作り、友好関係の第一歩とできる可能性があります。
 そうなればその世界でサラジアに圧力をかけるよう働きかけさせ、
 黒三日月隊を外交の力で戦わずして撤退に追い込む事もできるかも知れません」
ラウール「ナレインは、彼女の保護に賛成してくれるんだな」
ナレイン「御意。あの怪僧が申す事、
 くれぐれも全て簡単にお信じになってはなりませぬぞ、殿下」

親友で最も信頼する軍師ナレインが彼女を守る側に立ってくれた事に安堵するラウール。
それまでマザロンを信じていたラウールも、
この一件をきっかけに彼への不信感を徐々に抱き始めるようになる。
それにしてもマザロンは、なぜそこまでして一介の女子高校生を排除しようとするのであろうか?

ヤプール「天凰輝シグフェルと同じ学校の生徒がラウールと接触しただと…!?
 そうなればシグフェルが彼女の救出に動き出すか…?
 ブレイバーズのアセーリアへの介入を招いては一大事だ!
 これまで長年に渡って積み上げてきた計画が全て水泡に帰してしまう。
 マグマ超人マザロン人よ、今の内に何としてもその娘を抹殺しろ!」
マザロン人「ハハーッ! 我らの神よ!」

怪僧マザロンの正体は異次元人ヤプールの部下マザロン人であり、
彼が崇める異次元の神ヤンドとは他ならぬヤプールの事であった。
エージェントとして僧侶に扮したマザロン人をアセーリアへ送り込んだヤプールは、
一足先に地球からアセーリアへ進出していたワームのネイティブ一派と手を組み、
ラウールを利用してメルヴィオンを侵略しようとしていたのである。

ラウール「僕の眠った才能を引き出すパワーストーンか…。
 この戦争に勝ち抜いて王になるには、僕はまだまだ力不足だ。
 もっともっと強くならなければ…」

宇宙規模の巨大な陰謀が背後にある事など全く知らないラウールは、
己の未熟さを日々痛感し成長を渇望する中で、そのためのご利益があるというお守りを手放す気にはなれず、
マザロンとの間にいざこざがあった後も結晶石のネックレスを相変わらず首にかけ続けていた。
マザロンの事を生理的に嫌っているレミーナなどは、
そんな物は早く捨ててしまいなさいと口うるさく言うのだが…。

ラウール「何だ…この感覚は…?」
リンディ「ラウール兄様!?」

グリーンの石の妖しげな輝きをじっと見詰めていたラウールの翡翠色の瞳が赤い光を帯び、
黒い頭髪が肩の下まで伸びて明るい茶色に変わっていく。
果たしてこのお守りはラウールの身に一体何をもたらすのであろうか…!?

マザロン「ヒヒヒヒ…。さあ目覚めるがいい。王となるべきアポリュオンワームよ…!」

918凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2017/01/23(月) 21:25:47
≪アセーリアのオルフェノク≫

ウルヤーヴ・ゼル・アディラス。
メルヴィオン聖王国のラウール・エル・アディラス王子と瓜二つなこの隻眼の青年こそは、
ワームのネイティブに殺され姿を擬態されて王子の座を奪われた本物のラウールであり、
死後オルフェノクに覚醒して復活した、正統な王家の血筋を引く人物である。
しかしラウールはウルヤーヴを殺してすり替わった直後に火災の影響で記憶喪失に陥ったため、
自分がワームである事を忘れているし、周囲の誰もまだラウールの正体に気付いていない。

モルゲグ「もうしばしご辛抱して時機をお待ちなされませ。
 今すぐ真のラウール王子として名乗りをお上げになっても、
 こちらの主張を証明するものは何もなく、
 不敬極まる狂言として首を刎ねられるだけでしょう。
 あの偽王子はいつか必ず己の正体を現すはずです。
 それまではおつらいでしょうが、何とぞご忍耐のほどを…」
ウルヤーヴ「分かっている…。
 今はどうする事もできないが、奴がワームの正体を現せば、
 父上も家臣らも天下の万民も、この俺が奴に擬態された本物の王子だと認める他あるまい」
モルゲグ「近頃、国王陛下に取り入っているマザロンなる怪僧は、
 殿下のすり替え事件に関して背後で糸を引いており、
 いつか偽王子をネイティブに覚醒させて王位を簒奪させる腹づもりでおります。
 殿下がお立ちになるのは奴が動き出した時にございますぞ」
ウルヤーヴ「その時には必ずこの剣であの醜い蟲の怪物を叩き斬り、
 父上や兄上達を助けて我が積年の恨みを晴らしてくれよう。
 決してあのような化け物どもの好きにはさせんぞ…!」

ウルヤーヴより先に死んでオルフェノクとして蘇っていた元貴族のモルゲグ・ヒルガノスは、
ネイティブによる王子すり替え事件を目撃してウルヤーヴを匿い、
二人で人目を避けつつ時節を待ちながら人里離れた山奥での潜伏生活を続けてきた。
…ただし、以上の「事実」とされる経緯は全てウルヤーヴがモルゲグ一人から聞かされてきたものに過ぎず、
当時まだ子供で、ある日突然ワームに襲われて気絶してしまった事しか記憶にないウルヤーヴには、
それが本当の真実であるかどうかを確かめる術はない。

ウルヤーヴ「ところでモルゲグ。
 お前はかつて父上のご不興を被り死罪となったそうだが、
 一体いかなる罪を犯したのだ?
 あの温厚で寛大な父上が寵臣だった者に死をお申し付けになるなど、
 並大抵の事とは思えんが」
モルゲグ「それは語るのもお恥ずかしい限りの話でして…。
 我が心の古傷なれば、どうかご容赦を」
ウルヤーヴ「フン…。まあ良かろう。
 普段お喋りなお前がそこまで口を閉ざすとは余程の失態だったと見えるな」

モルゲグは将来はラウール王子(=ウルヤーヴ)に自分の娘を娶らせ、
王家の外戚となる事が国王アディラス十六世から約束されていたほどの重臣だったが、
ある時、ある罪を犯したがゆえにアディラスの怒りを買い、
死刑となった時にオルフェノクに覚醒したのであった。

奇妙なのは、彼の罪状が王命によってなぜか厳重に秘匿され、
公明正大な統治を重んずるアディラスらしからぬ、
一切の内容を非公開とする秘密裁判でモルゲグが処刑された事である。
モルゲグによればその罪とは口にするのも憚られる粗相であり、
それでも本物の王子であるウルヤーヴをこうして守り育ててきた功があれば、
ウルヤーヴが王家に復帰する際にはきっと許されるだろうと言うのだが…。

919凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2017/01/23(月) 21:26:57
身を隠して臥薪嘗胆の日々を送ってきたウルヤーヴが十七歳になった時、
地球からサラジア共和国の黒三日月隊が現れてメルヴィオンの侵略を開始した。
アディラスは敗れて自害、三人の王子も戦死して王位継承権を持つ男子としてはラウールだけが生き残り、
ラウールが王位を継ぐべき者としてメルヴィオンの残存勢力を率い黒三日月隊と戦うという状況になる。

黒三日月隊はサラジアのアフマド・アルハザード副大統領が地球の世界各国、
そして異世界から傭兵を集めて結成させた、彼の意のままに動く私兵軍団である。
ネロス帝国の帝王ゴッドネロスと互いの秘密を知り合う仲であるアルハザードはGショッカーとは同盟関係にあり、
黒三日月隊のアセーリア侵攻に際してはGショッカーから客将や観戦武官として、
多数の怪人が遠征に参加していた。

グィン将軍「村人どもを片っ端から捕らえろ!
 優秀な肉体を持つ奴は改造人間の素体にして怪人に生まれ変わらせ、
 そうでない奴は人体実験用のモルモットにして殺してしまえ!」

バダンのグィン将軍ことクモロイドが指揮を執るGショッカー怪人部隊は、
黒三日月隊が占領した地域で次々と領民を襲っては拉致し、
地球へ強制連行してGショッカーの悪事のために利用していた。
更に異世界からGショッカー地下帝国軍がアセーリアへ乱入し、
グィン将軍の軍勢と共に侵略を進める。
そんな中、彼らはロサレダ大陸の北の山岳地帯にウルヤーヴが率いるオルフェノクの秘密組織がある事を知るのである。

村上「地下帝国軍からの報告によると、
 アセーリアには地球の我々とは別の独自に繁殖したオルフェノクがいて、
 しかも彼らはワームのネイティブに殺されて王宮から追い落とされた、
 本物のラウール王子と名乗る青年をリーダーに奉じているとか…。
 これは面白い事になってきましたね」
スマートレディ「アセーリア人の生物学的構造は地球人と全く一緒ですから、
 死んだらオルフェノク化する可能性も同じくあるみたいですね」
村上「スマートブレインから密使を送り、
 そのオルフェノクである王子に接触して、
 彼の即位をぜひ応援させていただきたいと打診してみましょう。
 もし彼の素性の話が本当なら…いえ、例え嘘でも構わないのですが…
 これは我々Gショッカーに楯突くレジスタンスどもの大義を根底から崩す一撃になります」

ウルヤーヴの存在を知ったスマートブレインの村上峡児社長はアセーリアに配下を送って彼に接触し、
オルフェノクの同胞としてウルヤーヴの復権を支援すると表明。
ラウール軍と黒三日月隊が激戦を繰り広げている中、
Gショッカーと手を結んだウルヤーヴ軍は密かに水面下で戦力を増強してゆく。

SSS3「わ…私…は…」
優香「…!? 記憶が戻ろうとしているのね!」

その頃、地球では天凰輝シグフェルこと牧村光平の抹殺に失敗した、
サラジア・シークレット・サービスの紅一点、エージェントSSS3が改心して沢渡家に匿われ静養していた。
アルハザードに洗脳され過去の記憶を消されていたSSS3だったが、
ふとした事から記憶を取り戻し、
自分が黒三日月隊の捕虜になったメルヴィオンのエリス・レイカ・アディラス王女だった事を思い出す。

エリス「サラジアの黒三日月隊が私達の国を侵略しています!
 私は彼らとトリスタン平原で戦って捕虜になったメルヴィオンの王女です」
光平「大変だ…! アルハザードめ!」

かくしてアルハザードが異世界への侵略を密かに進めていた事が明らかとなり、
光平は仲間達と共に新世代型高機動大型装甲車「G.R.A.T.A.N」に乗り込んで、
エリスを連れてアセーリアへ向かうのであった。

920凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2017/01/23(月) 21:28:30
開戦当初は破竹の勢いでロサレダ大陸全域の制圧を進めていた黒三日月隊だったが、
ラウール軍は南から反攻に出てこれを徐々に押し返し、王都ネクナールの奪還を目指して進撃する。
エリスが光平に連れられてアセーリアへ戻った時には、
ラウール軍は既にネクナールの目と鼻の先まで迫っており、
これを迎撃しようとする黒三日月隊とネクナール近郊の平原で最後の大決戦に及ぶところであった。
メルヴィオンの国運を賭したこの戦いに何とか自分も参陣せねばと、
G.R.A.T.A.Nで急ぎラウールの元へ向かうエリスだったが…。

村人A「お〜い聞いたか?
 昨日、天下分け目の戦いでラウール殿下が勝ったそうだぜ!」
紗希「ええっ! 本当ですか?」
村人B「ああ、世紀の大勝利だ!
 王子様は見事な戦いぶりで、黒三日月隊をほぼ全滅させるまで叩きのめしたんだってよ。
 奴らの悪事もこれでおしまいだ!」
エリス「あのラウールが…。ううっ、とても立派になったのね…」
慎哉「何か、俺達が焦るまでもなかったって感じだな」

エリスの到着を待たずして、ラウール軍は黒三日月隊との一大決戦に勝ったという報が入る。
黒三日月隊は野戦で殲滅され、イブン・ファイサル司令官は生死不明、ザイード副司令官も首級を取られた。
ラウールは長く苦しかった祖国解放戦争の勝利をここに確定させ、
後は大将を失って指揮系統が完全に崩壊した黒三日月隊の残党が立て籠もるネクナールの攻略を残すのみ。
姉姫の助けを頼る事なく自力で強敵に勝利を収めてみせたラウールの成長ぶりに、
エリスは感動して思わず涙を流す。
こうして光平達が介入するまでもなく事件は解決に向かったかに見えたが…。

村上「それではそろそろ始めていただきましょうか。
 メルヴィオンの王となるべきオルフェノクの凱旋を!」

事ここに及んで、それまで黒三日月隊を支援していたGショッカーは既に敗北が見えた彼らを見捨て、
かねて密かにパイプを築いていたウルヤーヴ軍に鞍替え。
村上に後押しされたウルヤーヴはGショッカーの怪人軍団を率いて挙兵し、
最後の仕上げとしてネクナール奪還作戦にかかろうとしていたラウールの正体を暴露して立ちはだかる。

ラウール「僕が…ワーム…!?」
マザロン「ヒヒヒ…。お気付きになられましたか。
 いかにも殿下は人間のような下等生物ではございませぬ。
 この結晶石は殿下のネイティブとしての本性を呼び覚ますもの。
 さあ、今こそ解き放たれませ、ご自分の真の力を!」
ナレイン「マザロン、貴様っ!」
マザロン「この私も真の姿を見せる時が来たようだ。
 我こそは異次元人ヤプール様に仕える使徒、マグマ超人マザロン人なり〜!!」

遂にアポリュオンワームという恐るべき正体を現すラウール。
凶悪なネイティブに覚醒したラウールを王に据え、
メルヴィオンを支配させて宇宙連合とETFの属国にしようと企むマザロン人と、
そのラウールを討伐してオルフェノクであるウルヤーヴを即位させ、
スマートブレインが実権を握るGショッカーの傀儡政権を打ち立てようとする村上。
どちらが勝ってもメルヴィオンに未来はない、破滅的な最終戦争がここに始まった。

エリス「大変な事になったわ。
 早くラウールの元へ行かなければ…!」
雄大「よ〜し、G.R.A.T.A.N号、エンジン全開っ!」
佳代「一気に飛ばすよ!」

全ての鍵を握るエリスはラウールの元へ急ぐ。
広いロサレダ大陸の大地を、唸りを上げて全速力で突っ走るG.R.A.T.A.N。

モルゲグ「何っ、エリス王女が生きていただと…!?
 いかん、あの姫に真相を喋られたら全てが水の泡だ!」

アセーリアへ帰還したエリスを、モルゲグは密かに抹殺しようと刺客を送り込む。
自分の実の姉であり、自分が王となった際には心強い後ろ盾となってくれるはずのエリスを、
自分には秘密で消し去ろうと動いているモルゲグに勘付いて不信感を抱くウルヤーヴ。

ウルヤーヴ「モルゲグ…。一体何を企んでいるのだ…?」

ラウール、ウルヤーヴ、そして牧村光平。
三人のドッペルゲンガーを巡る謎が、いよいよ明かされようとしていた…。

921ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2017/01/26(木) 11:56:25
<<アセーリア編 ガルマ、接触>>

Gショッカー地下帝国軍新生7大将軍の1人として、ジオン軍残党を率いて
異世界へと遠征していたガルマ・ザビは観戦武官として、サラジアとメルヴィオンの
戦争に参加していた。

***アセーリア北部 山岳地帯***

ガルマ「良いか。コンクェイテューラはメルヴィオンの中でも学問都市と呼ばれる
 場所である。その都市の魔法技術は必ずや我らジオン再興の一助となりえるだろう。
 その為の準備を怠るなッ!」

ガルマは学問都市コンクェイテューラを制圧するべく、その為の陣地を張り、部下のジオン兵に
指示を出す。その時、岩場から黒い影が飛び出し、ガルマめがけて斬りかかって来た。

ガトー「ガルマ様!お下がりを!」

ガルマの傍に控えていたガトーは、ガルマを守るべく腰に下げていたサーベルを
引き抜き、黒い影の攻撃を受け止める。やがて、その姿がはっきりと現れる。
その姿は馬に似ているが、額に2本の鋭い角が生えていた。差し詰め、
地球の伝説に登場するバイコーンに似ている事からバイコーンオルフェノクと
いった所か。

ガルマ「その姿...貴様はオルフェノクか?」
ガトー「まさか、この世界にもオルフェノクがいるとは...貴様は一体何者だッ!
 何故、ガルマ様に刃を向ける」

襲撃者がオルフェノクだった事に驚くガルマ。ガトーは何者か問い正す。

バイコーンオルフェノク「...ここは我が隠されし拠点。何人も此処の存在を
 知られる訳にはいかん!」

バイコーンオルフェノクが理由を話すと、それを合図に次々とオルフェノクが
ジオン軍を取り囲むように現れる。

ガルマ「こ、これは...!」

取り囲むオルフェノクの数に戦慄を覚えるガルマ。優秀な精鋭が
揃っているジオン軍といえど、大勢のオルフェノクが一斉に襲い掛かって
くれば、あっという間に全滅する事は容易に予想できた。

バイコーンオルフェノク「では...」
????「お待ちください。ウルヤーヴ様」

いざ号令を掛けようとした矢先、バイコーンオルフェノクの攻撃を
止めようとする者が現れる。

バイコーンオルフェノク「どうしたと言うのだ。モルゲグ」
モルゲグ「ハッ!彼らを始末するのをお待ちいただきたい。実はこの者達は...」

モルゲグなる人物はウルヤーヴと呼ばれたバイコーンオルフェノクに
攻撃を止めた理由を話す。突然の事態にガルマやガトーは戸惑いながらも
事態の成り行きを静観した。そして話が終わり、モルゲグがガルマに近づく。

モルゲグ「失礼いたした。私は此方におわせられる主君、ウルヤーヴ・ゼル・アディラス様に
 お仕えするヒルガノス家当主、モルゲグ・ヒルガノスと申す。其方は噂に聞くサラジアなる
 国の手の者とお見受けするが、相違ありませんか?」
ガルマ「アディラスといえば、確かメルヴィオン王家の名前だった筈...。
 どういう事なのか、事情を聞かせてもらおう」

モルゲグはガルマに自分達の素性を明かし、ウルヤーヴもオルフェノクの
姿から元の姿に戻る。ガルマはメルヴィオン王家の名前が出てきた事に
興味を持ち、話を聞く。これがウルヤーヴとGショッカーの最初の出会いであり、
この後、ウルヤーヴ一党はスマートブレインの後ろ盾を得る事になるのであった。

922凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2017/02/07(火) 23:45:08
≪アセーリア編 オリジナル国家&キャラクター案≫


■エスパシア王国

異世界アセーリアにある国。
ロサレダ大陸とヒノイズル大陸のほぼ中間に位置し、
国土全体が熱帯に属する温暖湿潤な南洋の島国である。
(地球のフィリピンやマレーシア等のイメージ)

元々は無数の原始的な小部族に分かれて争っていた未開の地だったが、
およそ二百年前、異世界(アルスラーン戦記の世界)から漂流してきたマルヤム人が、
マルヤムの進んだ文化と一神教のイアルダボート教を伝えた事で急速に文明化。
現在ではイアルダボート教を国教とする統一国家が形成されている。
暁帝国に朝貢して冊封を受けている他、アオイ国やメルヴィオン聖王国との貿易も行ない、
周辺諸国からも一目置かれるほどの力をつけてきている新興国だが、
近年、教会が過激な原理主義に傾き、聖戦と称して海外侵略に繰り出すようになってしまう。


〇ナサナエル・セレージョ

エスパシア王国のファデリオ騎士修道会の若き総長。
20歳。愛称はナサ。
敬虔なイアルダボート教徒で、性格は清廉かつ利他的で正義感が強い。
武芸の腕もそれなりで、将としても優秀だが、
本人は平和主義者で「神の教えに反するから」と言って戦いを好まない。

騎士修道会とは、イアルダボート教の修道士らが武器を取って結成した戦士団で、
布教や巡礼のために危険な土地を旅する信徒らの護衛を主な任務とする。
(外国を旅する信徒がもし異教徒に襲われればこれと戦うが、
 あくまで正当防衛の範囲での戦闘であって、
 本来は宗教戦争の尖兵となるような事を想定した存在ではない)

病のため早世した父の跡を継いで20歳の若さで総長となったが、
それと前後してエスパシアの国教であるイアルダボート教は過激な原理主義に傾くようになり、
異教徒征伐の聖戦と称して他国の侵略を行なうようになる。
教会の命令通り配下の修道士らを率いて聖戦に参加し武勲を上げるが、
異教徒を女子供であろうと容赦なく虐殺するエスパシア軍の残忍な戦い方に疑問を抱き、
自分が信じる神の教えと、教会が説く聖戦の正義との間で苦悩するようになる。

923凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2017/02/07(火) 23:48:20
≪聖戦の使徒≫

アセーリアの南洋に浮かぶエスパシア王国は、
かつては野蛮な原始部族が割拠する未開の地だったが、
およそ二百年前、異世界から渡って来たマルヤム人の宣教師フラビオという人物によって
マルヤムの優れた文化と宗教がもたらされ、
今ではイアルダボート教を国教とする王国が全土を統一し繁栄していた。

東方教会に属するマルヤムは、西方教会に属するルシタニアと比べると、
同じイアルダボート教の中でも穏健で、エスパシアに伝来したマルヤム流のイアルダボート教は、
エスパシア人に宗教戦争のような過激な流血を促すのではなく、
神の教えに基づく倫理道徳や慈愛の精神などを植え付け、
それまで未開の野蛮人と呼ばれていたエスパシア人を秩序正しい文明人に変革する役割を果たした。
(アオイ国とメルヴィオン聖王国を結ぶ海上貿易路の確立は、
 中間に位置するエスパシアの安全が確保され船が立ち寄れるようになった事が大きい)

ところが、黄泉がえったジャン・ボダン大司教が多数のルシタニア人を引き連れ、
時空を越えてエスパシアへやって来たからさあ大変。
異界から舞い降りたイアルダボート神の使いとして手厚く迎えられたボダンは、
エスパシアに定着していた穏健な平和主義型のイアルダボート教を、
「生ぬるい! 異教徒との妥協はすなわち堕落である!」と一喝。
神のご意思と称してより過激で先鋭的な方向へと宗教改革してしまう。

ボダン「偉大なるイアルダボート神の教えを剣によって世界中に広める事は、
 我ら信徒に課せられた崇高な義務である!
 神はその報いとして、邪悪な異教徒どもが住んでいた豊かな土地を、
 我らにお与え下さるであろう」
ナサナエル「そんな…! お待ち下さい大司教様。
 確かにイアルダボート神を信じる事こそが人の歩むべき正しき道とは言え、
 それを力ずくで無理に押し付けたり、
 改宗を拒む人を殺したりするのは間違っています!」
ボダン「黙れ!
 我こそはイアルダボート神がこの世界に遣わされた使徒なるぞ!
 神のご意思に逆らえば、お前も背教者として火炙りに処す!」
ナサナエル「………」

魔女狩りや異端審問で国内の抑圧を強化したボダンは、
異教徒討伐を掲げて対外侵略を企図。
それまで朝貢し臣従していた暁帝国に反逆して挑戦状を突き付け、
「神がイアルダボート信徒に与え給うた地」とボダンが呼ぶ、
ヒノイズル大陸一の穀倉地帯として知られる暁南部の祥州にエスパシア軍は侵攻する。

ボードワン「かかれ〜っ!
 無能な皇帝に治められた暁など今や死に体も同然!
 恐れるに足らずだ!」
クレマンス「邪悪な異教徒どもを一人残らず地獄へ送れ!」
ナサナエル「神様…。愚かな私にどうかお教え下さい。
 本当にこれがあなたのご意思なのですか?」

元ルシタニア軍の武将達を指揮官とするエスパシア軍は、
神の名の下に祥州で破壊と殺戮の限りを尽くす。
暁の皇帝はまだ若く、優柔不断で愚鈍という評判の劉煌。
この危機に対処する能力はなく、大挙上陸してきたエスパシア軍に対し、
暁はただ一方的に敵の蹂躙を許すばかり……かと思われたのだが!?

モンフェラート「げえっ! 嘉挧!?」
ゼリコ「いかん! 敵の罠だ! 退却〜っ!!」

道士・嘉挧を将軍に迎えた劉煌は果たして本当に愚帝なのか?
争いを好まぬ心優しき皇帝の隠された本領を発揮する時が今、
やって来ようとしていた…。

924凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2017/02/10(金) 22:48:23
≪ベビーゴジラとの絆≫

卵から生まれた直後に牧村光平と沢渡優香に保護され、
生まれて初めて見た優香を母親だと認識して慕いながら育ったベビーゴジラは、
光平が住む朝倉家でしばらく飼われた後、
鏑矢諸島の怪獣保護センターに移されてそこで飼育される事になった。
リドリアスやスピットルなどの他の善良な怪獣達とも仲良くなり、
すくすくと成長してリトルゴジラと呼ばれるようになる。

リトルゴジラ「キャゥゥゥ〜!」

鏑矢諸島の小さな島の一つを専用の縄張りとして与えられ、
時々、面会のため島を訪れた光平や優香らとも触れ合いながら、
人間の保護下でのんびりと暮らしていたリトルゴジラだったが、
ある日、海に潜ったところ、海底からとんでもない物を口に咥えて上がって来た。

リトルゴジラ「クァ〜?」

砂浜に無造作に投げ落とし、蹴ったり口先で突ついたりしながら、
リトルゴジラが興味深げにしげしげと見詰めている円筒形のそれは…

エルファ「冷戦時代に不法投棄されたと見られる水素爆弾です。
 先日の嵐で鏑矢諸島の近海に流されて来たものと思われますが、
 威力はどんなに低く見積もっても広島原爆リトルボーイの数十倍はあります」
佐原「大変だ…!」

そんな超危険物だとは知る由もなく、
水爆を珍しいオモチャだと思って無邪気に転がして遊ぶリトルゴジラ。
ブレイバーズが大慌てで回収に向かうが、
彼らが島に到着するより一足早く、
地球侵略を企むETFがそこに怪獣を送り込んで来た。

チブル星人エクセラー「さあ行きなさい、恐竜戦車!
 あの水爆を爆発させて怪獣保護センターを壊滅させてしまうのです!」
恐竜戦車「ギャゥゥゥゥ〜!!」

島に出現したのは、巨大な戦車のキャタピラの上に四つ足の恐竜が乗っているという、
ETFが誇る半生体陸戦兵器・恐竜戦車である。
水爆を爆破して核爆発を引き起こそうと、
恐竜戦車は胸元の三連戦車砲を撃ちながら砂煙を上げて猛進する。

リトルゴジラ「キャゥゥ〜!」

浜辺を絨毯爆撃する戦車砲の威力を見て、両目を赤く光らせながら怯えるリトルゴジラ。
恐竜戦車はリトルゴジラをキャタピラで轢き殺そうと追い回す。
何とか身を守ろうという本能で口から放射熱線を放ち反撃するリトルゴジラだが、
幼体の頃にネロス帝国の人工ゴジラ化実験で浴びた程度の放射能では、
ゴジラへの変異は不完全で、弱いガス状の熱線しか吐けない。

恐竜戦車「ギャゥゥゥゥ〜!!」――ズドン!

ドガァァァァァァァァン
:::. ...::::::::::::
  γ⌒ ⌒`ヘ
` イ"" ⌒ ヾヾ
 /( ⌒  ヽ )ヽ
(   、 )  ヾ)
..ヾ(    ノ ノ ノ..
:::ヽヽ_| |_ノソ::::
n_[_r-ー"i i〜-ヽ_iLn
iγ 〜ーli|ーヾ ヾFH
H( (  |l|  ) )=T
ロヾ、⌒〜"""⌒〜"ノ"ロ
T: """ー+ーr-〜"" :n
n:    ||∥    :F
ロ=:  ノ从ゝ  :田
FH田:.     .:E日
ДΠロ=HロΠ:::ロロHFF

遂に恐竜戦車が放った砲弾が水爆に命中!
核爆発が起きて真っ赤な爆炎が辺り一帯を呑み込み、
島は跡形もなく消滅してしまった…。

925凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2017/02/10(金) 22:49:43
鏑矢諸島で核爆発が発生したという事件は、
直ちに緊急臨時ニュースとして各局のTVが大々的に報道した。
爆心地となった島にいたリトルゴジラの安否を心配して、
沢渡優香は激しく動揺する。

優香「光平くん、リトルがっ…」
慎哉「これは…正直厳しいな…」
光平「ああ、島が粉々に消し飛ぶくらいの大爆発じゃ、
 多分リトルはもう…」
優香「そんなぁっ…!」

声を上げてその場に泣き崩れる優香。
自宅でベビーゴジラを一緒に育てて来た朝倉慎哉も、
巨大なキノコ雲が立ち昇る現場からの生中継をTVで観ながら、
どうしようもない絶望感に言葉を失っていた。
これだけの大爆発に間近で巻き込まれては、
リトルゴジラはたちまち焼け死んでしまっており、
無事ではいないと考えるのが残念だが妥当な見方であろう。

アナウンサー「ご覧の通り、島は吹き飛んでもはや見る影もありません。
 核爆発のため発生した大量の放射能が辺り一帯を覆っています。
 ブレイバーズは現在、除染作業の準備を急ピッチで進めているとの事で、
 間もなく巨大ロボット部隊による除染チームが出動する見通しです」

水爆の爆発によって高濃度の放射能が大量にばら撒かれ、
周辺の海域に甚大な環境汚染をもたらした…かに思われたが、
その時、不思議な事が起こった。
ブレイバーズが到着して除染作業を開始する前に、
なぜか辺り一帯の放射能濃度が急速に低下してゆき、
やがてとうとうほぼゼロにまで下がってしまったのである。

佐原「一体何が起こったんだ!?」
エルファ「分かりません。
 海底の何かが、猛烈な勢いで放射能を吸収したようなのですが…」
剣持「………」

結局、この謎の放射能消滅の原因は分からないまま、
ともかく核による環境への被害だけは最小限に喰い止められ、
人々はほっと胸を撫で下ろしたのであった。

926凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2017/02/10(金) 22:52:01
それから数日後…。
悲しみに暮れる光平は核爆発で海の藻屑となったリトルゴジラにせめて献花だけでもしようと、
優香と二人で街の花屋へ出かけて一緒に花を選んでいた。
リトルゴジラの死亡場所である島のあった海に船で行って花を捧げる事ができるよう、
怪獣保護センターには既に話を通してある。

光平「献花って、仏教なら菊や百合、
 キリスト教ならカーネーションとかが一般的みたいだけど…」
優香「形式とかよりも、とにかく一番綺麗なお花をあげたいわ。
 あの子、お花が大好きだったものね…」
光平「ああ、ただし餌としてだけどな(笑)」
優香「フフッ、そうだったわね(苦笑)」

花が大好物だった可愛いベビーゴジラとの思い出に浸りながら、
ぎこちなくも努めて明るく笑顔を見せ合う二人。
いわゆるペットロスのつらさが、
リトルゴジラの両親的存在だった二人をずっと覆っていたのである。

チブル星人エクセラー「これも全て計算通りです。
 さあ暴れなさい! 囮怪獣プルーマよ!」
プルーマ「グァォォォ〜!!」

しかし冷酷なETFはそこにも凶暴な宇宙怪獣を放ち、
光平達の目の前でプルーマに街を破壊させる。

光平「ETFめ…!
 優香、ここを動くなよ。――翔着!!」
優香「光平くん、頑張って!」

優香を安全な所に隠れさせた光平はシグフェルに変身、
街で大暴れするプルーマに立ち向かう。
激闘の末、フレアセイバーの斬撃でプルーマは倒されるが…。

光平「優香〜! どこへ行ったんだ!?」

戦いを終え、優香の所へ戻って来た光平だったが、
ここを動くなと言っておいたはずの優香の姿はどこにもない。
焦る光平の前に、優香をリング状の光線で縛って拘束した、
ETFの地球侵攻軍幹部・バルタン星人jrが現れた。

バルタン星人jr「フォフォフォフォフォ〜!
 天凰輝シグフェル! 沢渡優香はこの私が預かった!」
優香「光平くん!」
光平「優香っ!」
バルタン星人jr「よく聞けシグフェル。
 君の大切なガールフレンドの命が惜しければ、
 ブレイバーズの基地であるブレイバーベースを直ちに破壊するのだ!」
光平「ブレイバーベースを破壊…?」
バルタン星人jr「本来なら条件はブレイバーズと全人類の即時降伏!
 …と言いたいところだが、さすがにそこまでは出来まい?
 だからブレイバーズの戦力削減を意味する基地の廃棄で妥協し手を打とうというのだ。
 寛大なる皇帝陛下の御心に感謝するがいい」
光平「ふざけるな! 
 人質なんて取っておいて、何が寛大だ」
バルタン星人jr「ブレイバーズ参謀本部の命令の下で自爆させてもいいし、
 何なら君が独断で破壊してしまっても構わない。
 ブレイバーベースの爆沈を確認次第、
 すぐにこの娘を解放すると約束しよう。
 だがもし要求に応じなければ、彼女には死んでもらう事になる。
 恋人の命か、ブレイバーズの設備か、
 どちらが大事かよく考えるのだな」
優香「光平くん、そんな脅しに従っちゃダメよ!
 私はどうなってもいいから…うっ!」
光平「優香! こいつッ…!」

ハサミから発射したショック光線で優香を気絶させたバルタン星人jrは、
激怒して今にも殴りかかろうとする光平を牽制して言った。

バルタン星人jr「72時間の猶予を与える。
 3日後のこの時刻までにブレイバーベースの爆破が行われなければ、
 この娘は無惨な死体となって君の元へ返される事だろう。
 ではさらばだ。フォフォフォフォフォ〜!!」
光平「待てバルタン星人! 優香〜っ!!」

高笑いしながら優香と共に姿を消してしまうバルタン星人jr。
地球防衛の要であるブレイバーベースを破壊する事は、
ブレイバーズの大幅な戦力ダウンと組織のシステム麻痺を意味し、
それはそのままETFの地球侵略の好機――すなわち地球存亡の危機に繋がるのである。

927凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2017/02/10(金) 22:53:25
剣持「そうか…。バルタン星人も汚い手を考えたな」
光平「すみません。俺の油断の隙を突かれました」

ブレイバーベースへ戻った光平は、
優香が人質に取られた事をレッドマフラー隊の剣持保隊長に報告した。

剣持「非情なのを承知で言うが、
 奴らの要求に従うわけには行かん。
 今ブレイバーベースを破壊してしまえば、
 ETFやGショッカーの侵略から我々が地球を守る事はできなくなる」
光平「分かってます、剣持隊長。
 きっと優香も、自分のために地球を悪に滅ぼされるなんて事は望まないはずです。
 ただ、バルタン星人jrが提示したタイムリミットまでにはまだ2日以上あります。
 俺はそれまでに優香の救出に全力を尽くします!」
本郷「無論、俺達も協力するぞ。光平君!」
流星「最後まで希望を捨てず頑張ろう!」
光平「ありがとうございます!」
エルファ「私もビッグエンゼルのリサーチ機能をフル稼働させて、
 沢渡さんの行方を追います!」

処刑のタイムリミットまでに優香の監禁場所を突き止め、
バルタン星人jrを倒して優香の身柄を奪還する。
優香と地球の両方を救う手立てはこれしかないのだ。
ブレイバーズの戦士達は優香の捜索のため各地へ飛んだ。

土橋「ゴジラ…!?
 いや、ゴジラは八丈島沖の海底から動いていないはずだ」

その頃、日本政府の内閣安全保障室にいる土橋竜三には、
ゴジラらしき巨大生物の影が太平洋を北上し日本に迫っているとの報告が入っていた。
しかし自衛隊とブレイバーズが以前から厳重に監視を続けて来たゴジラは、
八丈島近くの海底で眠ったままずっと動いていないのである。
情報が錯綜して混乱する内閣安全保障室。
やがて、陸に接近したその謎の怪獣は海面から上半身を現した…。

ゴジラジュニア「ギャァォォォ〜ン!!」

ゴジラそっくりの、しかし本物より一回り小さく、
そしてどこか柔らかく可愛げな印象がわずかながらに漂っている「第二のゴジラ」。
映像を見た山根健吉は、その正体をすぐに見抜いた。

健吉「リトルだ!
 水爆の爆発に巻き込まれたリトルゴジラが、
 大量の放射能を浴びて完全なゴジラ化を遂げたに違いないですよ!」
土橋「すると、鏑矢諸島の放射能がひとりでに除染されたのは、
 リトルゴジラが全て吸収してしまったからだったのか…!?」

恐竜ゴジラザウルスがG細胞を採取するためのネロス帝国の実験で放射能を浴びせられ、
不完全なゴジラ化をしたリトルゴジラは、
今度は強烈な核爆発に間近で被曝した事により、
遂に完全なるゴジラ二世、すなわちゴジラジュニアとなったのである。

928凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2017/02/10(金) 22:55:14
紗希「良かった…。生きてたのね」
慎哉「やったぜ! まさか無事だったなんて凄い奇跡だ」
佳代「でも、ジュニアは一体どこへ行こうとしてるのかな?」

幼い頃のベビーゴジラと接して仲良くなっていた錦織佳代や北上紗希も、
死んだと思われていたゴジラジュニアが元気な姿を見せた事に歓喜する。
東京湾よりやや東に進路を取り、房総半島方面へ向かうゴジラジュニア。
怪獣の接近を受けて千葉県全域に避難警報が発令されたが、
ゴジラジュニアはすぐには上陸せず、
房総半島の東の沿岸を泳いで北進する。

バルタン星人jr「ブレイバーベースの爆破はまだか!?
 早くしなければ、この娘は余計な苦しみを味わう事になるぞ」
優香「うぅっ…!」

一方、期限の3日目になってもブレイバーベースの破壊が行われないのに焦れたバルタン星人jrは、
ハサミから放つ反重力光線で優香を翻弄し宙に逆さ吊りにして苦しめる様子を、
動画にしてブレイバーズに送りつけた。

エルファ「この映像が撮影されたのは日本の関東地方、
 恐らく千葉県内のどこかだと思われます」
剣持「よし、捜査範囲を房総半島一帯に絞って徹底的に探すんだ!」

スーパーコンピューター・ビッグエンゼルが動画を詳細に解析した結果、
優香が監禁されている場所は房総半島のどこかだというところまでは割り出す事に成功した。
だが、それだけではまだ情報が足りない。
ブレイバーズのヒーロー達の必死の捜索にも関わらず、
優香の正確な居場所は依然分からないままだった。
そうこうしている間にタイムリミットはどんどん迫り、
処刑実行の時刻まであと1時間を切ってしまう。

ゴジラジュニア「キャォォ〜ン!!」

その頃、向きを変えたゴジラジュニアは千葉県北部の九十九里浜に上陸。
人間に育てられた元来温和なゴジラジュニアにどの程度の敵意や凶暴性があるかが不明なため、
出動した自衛隊はひとまず積極的な攻撃を控え、
都市部への侵入を防ぐための防衛線を構築しつつ遠巻きに動きを監視する。

ゴジラジュニア「グゥゥゥ〜」

ゴジラジュニアは海岸から内陸に進んで街を破壊しようとはせず、
浜辺で立ち止まっては歩き出し、再び立ち止まっては周囲を見渡してまた歩き出し…
という動作を何度も繰り返していた。
まるで何かを探しているかのように…。

健吉「そうか! ジュニアは探しているんだ!
 自分の母親である沢渡さんを…」
土橋「なるほど! それで房総半島に…。
 きっと動物特有の感覚で沢渡君の居場所を探っているんだな」
剣持「聞こえるかシグフェル。
 沢渡君はゴジラジュニアの進行方向にいる可能性が高い。
 急いでジュニアの元へ飛ぶんだ!」
シグフェル「分かりました!」

ゴジラジュニアは母親である優香の危機を察し、
野生の本能を頼りにずっと行方を探していたのである。
優香の監禁場所は九十九里浜近辺。
一気に位置を絞ったシグフェルは全速力でゴジラジュニアの元へ急行した。

929凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2017/02/10(金) 22:57:02
バルタン星人jr「未だブレイバーベースを動かす気配すら見せんとは…。
 どうやら要求に応じるつもりはないようだな。
 恋人を見殺しにするとは、シグフェルも案外薄情な奴だ」
優香「そんな事はないわ!
 光平くんはきっと助けに来てくれる!
 絶対にあなた達を倒しにここへ来てくれると信じてるわ!」
バルタン星人jr「この場所を探知する事など地球人の科学力では不可能だ!
 そろそろ希望にすがるのはやめて死の覚悟をしておいた方が現実的だぞ、お嬢さん」

バルタン星人jrは捕らえた優香を海岸のとある廃マンションの一室に監禁していた。
いかにビッグエンゼルによるブレイバーズの情報網が優秀でも、
巧妙に隠されたこの場所を残りわずかな時間で突き止める事はできないはずである。

優香「うっ…! これは何?」

強い偏頭痛のような不思議な感覚が、先程から優香を断続的に襲っていた。
何か声にならない声のようなものが、自分の意識の深層に懸命に呼びかけている。
この感覚は以前、恐竜博物館でベビーゴジラの卵が発するテレパシーをキャッチした時と同じものだ。

優香「(まさかリトルが…? リトル、私はここよ!)」

そっと目を閉じて念じ、ゴジラジュニアにテレパシーを送り返す優香。
だがそうしている間にも時は刻々と過ぎ、
とうとうブレイバーベースの爆破もブレイバーズによる救出作戦の開始もないまま、
タイムリミットの瞬間を迎えてしまった。

バルタン星人jr「…時間切れだ。
 残念ながらブレイバーズは我々の要求を黙殺した。
 かくなる上は、事前の通告通り人質の処刑を執行する!」
優香「…!」
バルタン星人jr「フォフォフォ〜!
 お前を見捨てたボーイフレンドを恨みながら死ぬがいい!」

優香を焼き殺すため、両手のハサミを開いて、
高熱火炎・バルタンファイヤーを発射しようと構えるバルタン星人jr。
だがその時、大きな地響きが廃マンションをぐらりと揺らした。

バルタン星人jr「な、何事だ…!?」
チブル星人エクセラー「エマージェンシー!
 ゴジラによく似た巨大な怪獣がこのマンションに接近していますよ!」

優香からのテレパシーを受け、
遂に場所を嗅ぎつけたゴジラジュニアが廃マンションの前に襲来したのだ。
ステルス迷彩を張って上空に待機していたETFの円盤群がゴジラジュニアを攻撃するが、
ゴジラジュニアは降り注ぐレーザービームを物ともせず、
体内にあふれる放射能を灼熱の息に乗せて口から吐き出す青白い放射熱線で、
異星人の戦闘円盤を次々と撃ち落としてゆく。

ゴジラジュニア「ギャァォォ〜ン!!」
優香「リトル! あんな姿に…」
バルタン星人jr「直ちにこのマンションをバトルフォーメーションに変形させろ!
 奥の手の決戦兵器・ビルガモを起動させるのだ!」

バルタン星人jrが指令を発すると、
何と廃マンションは中に優香を閉じ込めたまま変形を開始し、
ロボット怪獣ビルガモとなって動き出した。

ビルガモ「グィィィィン…!」
ゴジラジュニア「ギャァォォォ〜ン!!」

ビルガモの腹部に幽閉されたままの優香を救出するため、
唸り声を上げてビルガモに猛然と立ち向かうゴジラジュニア。
頭部のコクピットに座ったバルタン星人jrが操縦するビルガモは頭上に生えたアンテナから、
必殺の破壊光線・バルタニックウェーブを発射してゴジラジュニアを攻撃した。

ゴジラジュニア「ギャァォォォ〜ン!!」
優香「きゃぁっ!」

ゴジラジュニアも負けじと口から放射熱線を撃ち返すが、
熱線の直撃を受けたビルガモの機体は火花を噴きながら大きく揺れ、
中にいた優香は衝撃で弾き飛ばされて壁に激突してしまう。

930凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2017/02/10(金) 22:59:01
ゴジラジュニア「グゥゥ〜!」

ゴジラジュニアが熱線をフルパワーで撃ち込めば、
ビルガモのボディを木端微塵に爆砕するのは決して不可能ではない。
だが、それではビルガモの中にいる優香も死んでしまうのだ。
優香を助けるため、ゴジラジュニアは敢えて熱線を使わず、
ビルガモに突進して接近戦を挑んだ。

バルタン星人jr「フォフォフォフォ〜!
 以前より武装を大幅に強化されたこのビルガモに、
 正面から肉弾戦など挑んで勝てるものか!」

ビルガモは右腕をマシンガンアームに、左腕をドリルアームに換装するという、
以前にはなかった新機能を見せ迎撃態勢を取る。
接近しビルガモの腹をぶち破って優香を中から引きずり出そうと考えるゴジラジュニアだったが、
正面から勢いよく突っ込んだところをマシンガンの連射で蜂の巣にされ、
痛ましい悲鳴を上げて流血しながら倒れ込んだ。

優香「もうやめてリトル! 私の事はもういいから!」
バルタン星人jr「フォフォフォ〜!
 母親を助けたい一心でそんな無謀な戦法を採るとは、
 怪獣の癖に下らん親子の絆など持ったのが仇になったな」

倒れても倒れても諦めず、傷だらけになりながらビルガモに突撃を繰り返すゴジラジュニア。
マシンガンの雨に耐えて何とか至近距離まで近付くが、
そこにもう片方の腕で鋭い回転ドリルを突き刺され、
抉られた肩の傷口から鮮血がどっと噴き出す。

ゴジラジュニア「グァゥゥ…!」
バルタン星人jr「止めだ。バルタニックウェーブ発射!」
優香「や…やめて…っ!」

悶絶して倒れ込んだゴジラジュニアに低い排気音を上げながら近付き、
バルタニックウェーブで止めを刺そうとするビルガモ。
だがその時、上空から飛んで来た一筋の火炎が、
ビームをチャージして眩しく発光していたアンテナ型の光線発射装置を爆発させた。

優香「光平くん!」
シグフェル「悪い。遅くなったぜ!」

遂に天凰輝シグフェルが到着したのである。
シグフェルの声に反応したのか、既に死んだように倒れていたゴジラジュニアは、
力なく閉じかけていた両目を開いてむくりと起き上がり、
まるでシグフェルの戦い方を見習って真似するかのように、
まずは先に敵の武器を潰すという作戦を選択。
勢いよく吐いた口からの熱線で、
マシンガンを装備したビルガモの右腕を根元から吹き飛ばした。

バルタン星人jr「おのれ…!」
ゴジラジュニア「グォォォォッ!!」

バルタン星人jrは必死にビルガモを操作し、
残った左腕のドリルアームでゴジラジュニアを刺し貫こうとするが、
ゴジラジュニアは素早く敵の懐へ入り込んでドリルアームの肘の部分に噛みつくと、
凄まじい咬合力でビルガモの宇宙金属製の腕を喰い千切り、
肘から下をもぎ取ってしまった。

シグフェル「今だ! 行くぞジュニア!」
ゴジラジュニア「ガゥッ!」
シグフェル「合体攻撃だっ!!」

連携を取ろうと合図を送るシグフェルに、ゴジラジュニアも短く唸って応える。
同時に発射されたシグフェルのヴァジェト・レイとゴジラジュニアの放射熱線が、
ビルガモの腹部にいる優香を巻き込まないよう頭のみにしっかりと狙いを限定しつつ、
強力な合体技となって絡み合い、渦を巻きながら飛んで行く。

バルタン星人jr「ぐっ、脱出!」

もはやこれまでと見たバルタン星人jrがテレポーテーションで脱出した直後、
コクピットやメインコンピューターが収納されているビルガモの頭部は、
赤い火炎と青い熱線が混ぜ合わさった超高温熱波の直撃を受け、
一瞬で跡形もなく吹き飛んだのであった。

931凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2017/02/10(金) 23:00:50
バルタン星人jr「おのれシグフェル!
 だが勝負はまだ9回の裏が残っている。
 我々ETFの恐ろしさ…そして偉大なる皇帝陛下の強さを、
 お前達が存分に思い知る時が来るだろう。覚えていろ!
 フォフォフォフォフォフォ〜!!」
シグフェル「バルタン星人め…。いつでもかかって来い!」

戦いが終わった空にバルタン星人jrの声だけが響く。
後に残ったのは、両腕を落とされ頭を大破させられて、
無惨な姿となり機能停止したビルガモの残骸だけである。

ゴジラジュニア「グゥゥ〜!」
優香「………」

ゴジラジュニアは動かなくなったビルガモの腹部に噛みついて装甲を喰い破り、
開いた穴に片手を突っ込むと、ビルガモの体内にいた優香を掌に乗せて外へと運び出し、
ゆっくりと地面に降ろした。

光平「優香! 大丈夫か!?」
優香「ええ。ありがとう光平くん。
 そしてリトル…。助けに来てくれて本当にありがとう!」
ジュニア「キャォォ〜ン!!」

人間に愛情をたっぷり注がれて育てられたベビーゴジラは、
例え巨大なゴジラジュニアとなっても優香や光平の事を少しも忘れてはいなかった。
甘えるような甲高い猫なで声で鳴き、嬉しそうに優香の言葉に応えるゴジラジュニア。
こうして事件は無事解決したかに思われたが…。

ゴジラジュニア「グゥゥッ…!」
光平「な…何だ、あれは…!?」

突如、宇宙の彼方から現れた、
空を埋め尽くす無数の巨大円盤群が太陽の光を遮りゴジラジュニアの上に影を落とす。
バルタン星人jrの言う9回の裏の最終決戦――ETFの総力を挙げた地球総攻撃が、
遂に始まったのである!

バルタン星人「地球制圧は難航しているようだな、息子よ」
バルタン星人jr「父上、面目ない。
 だが、もうしばらくの時間さえ頂ければ必ず…」
バルタン星人「皇帝陛下はお前達の苦戦にひどくお怒りで、
 これ以上はもう待てぬと仰せだ。
 地球侵攻軍幹部の指揮権は現時刻をもって剥奪!
 今後の作戦は全て陛下が直々にお取りになるとの勅令が下っている」
チブル星人エクセラー「陛下が…!」
バルタン星人「全宇宙を支配する至高者であられる皇帝陛下の指揮の下、
 怪獣軍団による地球人絶滅計画、
 そしてブレイバーズ抹殺作戦を開始するのだ!」

いよいよ地球侵略に総力をつぎ込んで来たETF。
暗黒宇宙大皇帝エンペラ星人が自ら指揮するかつてない規模の攻撃に、
果たしてブレイバーズは打ち勝つ事ができるのであろうか!?

932ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2017/02/12(日) 12:35:46
≪双子の姉弟 芽愛と優馬≫

菅野芽愛は、海防大学付属高校の総合普通科に通う1年生。
実は彼女は以前から、1年先輩である牧村光平に仄かな思いを寄せていた。
思い悩んだ末、ついに決断して告白に踏み切ろうとしたその日…。

光平「ハハハッ!」
優香「ウフフッ♪」

芽愛「――!!」

二人並んで仲良く下校する光平と優香の姿を目撃してしまった芽愛。
もう光平には付き合っている彼女がいたのだ。
まだ想い人と一度も会話を交わす機会すらないまま、
芽愛の人生最初の恋はあっけなく終わりを告げたのであった。

優馬「なんだよ姉貴、まだ振られた相手のことで悩んでるのか?」
芽愛「うるさいなぁ、もう…」

自宅2階のベランダで、ため息をつきつつ
夜空を見ながら物思いにふける彼女は、
双子の弟の優馬に失恋のことをからかわれる。

それから月日が経過したGWのある日、運命の時は訪れた。
家族での海外旅行からの帰りの途中、芽愛たちが乗っていた旅客機が
突如上空で乱気流に巻き込まれたのだ。
破嵐航空ロサンゼルス発東京羽田行き126便は、
ハワイ沖上空にて消息を絶つ。
同機に乗っていた乗客乗員全員の生存は絶望的かと思われた。

万丈「これはいったい…」

破嵐財閥傘下の航空会社の飛行機事故ということで、
ダイファイターに乗って事故現場と思われる海域上空を
自ら捜索する破嵐万丈。
しかし現場の海域には、乗客乗員の遺体どころか、
墜落したと思われる旅客機の破片一つ見つからなかったのである。

万丈「おかしい。まだ事故の発生からそれほど時間は経っていない。
 たとえ全て海流に流されてしまったのだとしても早すぎる」
ギャリソン@通信「万丈様、人工衛星から周辺を観測しました結果、
 旅客機失踪現場の上空付近で、ごく微量ですがタキオン粒子の反応が…」
万丈「なんだって!?」

タキオン粒子とは、超光速で動く粒子のことであり、
惑星間の超光速通信やタイムトラベルの理論などでよく用いられる。

万丈「まさか126便は、機体ごと巨大な時空クレバスに
 吞み込まれたのでは…!?」

933ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2017/02/12(日) 12:36:27
***異世界アセーリア・ロサレダ大陸南部のリジナス州にある某草原地帯***

優馬「――おいっ、芽愛! しっかりしろ!」
芽愛「う…ううっ……ここは?」
優馬「よかった…。気が付いたか」

芽愛と優馬が気が付いたとき、広い草原には二人の他に
不時着した旅客機の機体が横たわっていただけだった。
しかしなぜか、同乗していた両親や他の乗員乗客の姿は
どこにも見当たらなかったのである。
まるで神隠しにでもあったかのように…。

芽愛「いったいここは…?
 お父さん…お母さん…みんなはいったいどこ?」
優馬「いつまでもここでじっとしていてもしょうがない。
 とにかく歩いて行けるところまで行ってみよう。
 どこかに人がいないか探すんだ!」

幸いどこにも怪我のなかった芽愛と優馬は、
機体の中から当面の水と食料を見つけ出して確保すると、
リュックの中にありったけ詰め込んでから移動を開始した。
やがて二人は小高い丘の上から、いよいよリジナス州にも迫りつつある
サラジア黒三日月隊のの斥候部隊と、この地を納めるレンドルフ家の
州境警備隊の戦闘を目撃する。

芽愛「…せ、戦争?」
優馬「あの兵器は地球連邦軍や自衛隊の物とは違う。
 いったいどこの国の軍隊だ…? それにもう一方の側は
 持っている武器が槍や弓矢だけだなんて、
 いったいどこのファンタジー世界だよ」
芽愛「もしかして…ここは地球じゃないのかしら」
優馬「なんだかヤバそうだぜ。早くここから離れよう」

この日の衝突では、黒三日月隊の目的は州境の威力偵察だけだったので、
大した戦闘はなく小競り合い程度に終わったのだが、
身の危険を感じた二人はすぐさまその場から離れるのであった。
互いに励まし合いながら、見つけた川沿いを歩きつつ
野宿を繰り返すこと3日後、ようやく二人は人里を発見した。

芽愛「もし人がいたとしても、ここが異世界だとしたら
 日本語が通じるかしら…」

恐る恐る村の中へと足を踏み入れた二人だったが、
なぜか意思の疎通に問題はなかった。
テレパシーのように頭の中に話の内容が響く感じで、
村人の発する言葉の意味が解るのだ。

事情を説明して助けを求めた村長の家で、
食事と飲み物を提供された二人だったが……。

優馬「…おい、おかしいぞ芽愛。
 家の中に俺たち以外に誰もいない」
芽愛「えっ…!」

いつの間にか自分たち二人以外の人の気配が
消えていることに気が付いた優馬。
不穏な空気の中、突然部屋の中に鎧で武装した
兵士たちがなだれ込んできた。

村長「…こ、こいつらですよ!
 異世界からの侵略者どものスパイは!」
衛兵「怪しい奴らめ! 神妙にしろ!」
優馬「な、なんだお前ら!?」
芽愛「い、いやっ!! 放して!」

村人たちは、二人の見たこともない奇妙な身なりから、
黒三日月隊の仲間だと疑い、こっそり州境の警備隊に密告したのだ。
縄打たれた二人は州境の砦に連行され、牢獄へと繋がれてしまった。

優馬「おい! 俺たちをここから出せぇ〜!!」
芽愛「もうイヤ。どうしてわたしたちがこんな目に……」
優馬「泣くなよ。芽愛のことは弟の俺が
 何があっても絶対に守るから!」
芽愛「優馬……」

そんな時であった。メルヴィオン王家唯一の生き残りであるラウール王子が、
ナレイン・レンドルフに導かれてリジナス州境の砦へとようやく到着したのは…。

衛兵「ナレイン様、ご無事で何よりです」
ナレイン「ご苦労だった。ところで牢にいる
 あの者たちは何者だ?」
衛兵「この地を探りに来た黒三日月隊の手の者だと思われます。
 明日にでも拷問にかけて吐かせてやります」
ラウール「見たところ、まだ僕たちとも同じくらいの年頃だ。
 敵の密偵だなんて、何かの間違いではないのか?」
衛兵「は、はぁ…しかし……」

鉄格子を挟んだ向こうに立つ貴公子風の少年の顔を見て、
芽愛はびっくりする。

芽愛「ま、牧村先輩!?」
ラウール「キミは…?」

ラウール・エル・アディラスと菅野芽愛、運命の出会いであった。

934凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2017/02/18(土) 20:07:55
≪アセーリア編・『仮面ライダーカブト』関連設定案≫


■三種の神器

メルヴィオン聖王国の王家に伝わる三つの神聖な宝物。
王剣メルヴィカリバー、王璽ザビーゼクター、王輪ザビーブレスの三つを称してそう呼ばれる。
この内、王剣だけは建国の祖である初代王アディラス一世が神であるセイロスから授かったもので、
残る二つは三代目の王アディラス三世の時代にメルヴィオンの宮廷魔術師が造ったものである。


■王剣メルヴィカリバー

メルヴィオン聖王国の三種の神器の一つで、王家に伝わる神聖な剣。
歴代国王が佩いてきた煌びやかなロングソードで、抜群の切れ味と強度を誇る。
初代王アディラス一世が天下統一に立ち上がった際、
創造神セイロスから授かったと言われる鎮護国家の象徴。

通常の剣と同様、刃を敵に当てて斬るのが基本的な使い方だが、
剣身に帯びた魔力を操って炎や水や稲妻などの攻撃魔法を放つ事もできる。
国王アディラス十六世が黒三日月隊に敗れて自害した際、
家臣のキクマル・サダムネに託してラウール王子に授け、
以後、ラウールの強力な武器、また王家の正統な後継者としての地位を証するアイテムとなる。


■王璽ザビーゼクター

メルヴィオン聖王国の三種の神器の一つで、王家に伝わる神聖な璽(じ)。
璽とは王や皇帝が使う印章の事で、
メルヴィオンの歴代国王が勅令を発する文書などに押印するのに使用される。
蜂のような形状で黄金色の二枚の羽根があり、
自らの意思を持って空を飛び自在に動き回る事ができる。

人々を率いる優れた統率力のある人物を持ち主として好み、
自分を使うに相応しい王を己の意思によって選ぶと言われている。
もし王に王たる資格無しと判断した場合はその王の元から逃げてしまい、
ザビーゼクターに見捨てられた王はもはや国を治めるには不適格と見なされ退位せねばならない。
(「神聖な王璽に王として認められていないから」という権威の裏付けを失う問題と、
 「勅令を発効するのに必要な印章が使えなくなるから」という物理的に政務不能になる問題のため)

国王アディラス十六世が黒三日月隊に敗れて自害した際、
ネクナールの王宮を飛び去って空の彼方へ消えるが、
やがて王家の跡取りとして黒三日月隊と戦うラウール王子の元に現れ、
彼をメルヴィオンの次なる王に認めるかのようにその手に収まる事になる。


■王輪ザビーブレス

メルヴィオン聖王国の三種の神器の一つで、王家に伝わる神聖な腕輪。
歴代国王が腕につける事のできる権威の象徴だが、
常時身につけているものではなく、国家存亡の危機が訪れた時にのみ王が腕に装着し、
更に王璽ザビーゼクターをこれに嵌め込む事で、国を救う奇跡の力が発動すると伝えられている。
そのため普段は王宮を遠く離れたコンクェイテューラの神殿に保管されており、
危急の非常時にのみ大司教の許しを得て特別に神殿から持ち出される。

黒三日月隊の侵攻によって王都ネクナールが陥落すると、
今こそ王輪を使うべき危機の時と判断した大司教代理のシンディラ・アシヌスは、
王輪をレミーナ・ラプエンテに託してラウール王子の元へと届けさせ、
神器が持つ不思議な力が窮地に落ちたラウールを救う事になる。

935凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2017/02/18(土) 20:10:04
■王鎧ザビークロス

メルヴィオン聖王国の三種の神器である王輪ザビーブレスに、
王璽ザビーゼクターを合体させると出現すると言われている神聖な鎧(聖衣=クロス)。
装着者の全身を完全に覆い尽くす装甲で、その姿は蜂を模した戦士のように見える。
これを纏った王は圧倒的な力を得て時の流れさえも超越し、
いかなる敵をも撃ち破る事ができるようになると伝えられている。

地球でZECTが開発したマスクドライダーシステム・ザビーと
ほとんど同じ外見・機能を持つ「アセーリア版の仮面ライダーザビー」だが、
200年以上前のメルヴィオンの宮廷魔術師がこのようなものを造った理由、
またそれを可能にした高度なオーバーテクノロジーの由来は現在のところ不明である。

黒三日月隊の友軍としてアセーリアへ侵攻してきた
Gショッカー怪人軍団の前にラウール王子は窮地に陥るが、
レミーナ・ラプエンテが携えてきたザビーブレスを渡され、
飛来したザビーゼクターがそこに合体して、
ザビークロスを纏ったラウールは怪人をも倒す強力なパワーを得て戦う。


■皇璽ハイパーザビーゼクター

メルヴィオン聖王国の王家に伝わる最高度に神聖な璽。
王璽ザビーゼクターを更に美しく絢爛にしたような外見をしており、
同じく自らの意思を持って自在に空を飛び回る事ができる。
王鎧ザビークロスを更に強化させた皇鎧ハイパーザビークロスを出現させる事ができ、
これを纏った王は何物をも撃ち砕く究極の力を得るばかりか、
過去や未来へと時を旅する事すら可能になるという。

国全体に及ぼす影響が非常に大きい政策や、
メルヴィオンの国体を著しく変更するような根本的改革を王が行うに際しては、
印章として王璽ではなくこの皇璽を勅令文書に押す事が必要とされる。
普段はクロエラの地下神殿に厳重に保管されており、
そのような重大な政治決定を王が下す時や、
皇鎧の力が必要なほどの重大な緊急事態にのみ神殿から持ち出されるが、
強い意思を持っていて王璽以上に厳しく使用者の資質を問うため、
王が不適切な政策や改革をしようとしたり、皇鎧の超強力なパワーを間違った目的で悪用しようとしても、
皇璽の意思によって使用を拒否されてしまい実行できないようになっている。

訳ありの過去を持つラウール王子に父王アディラス十六世は、
己の出生の秘密を知りたければこの皇璽を手にするようにと遺言。
ラウールを自分を使うに相応しい英雄と認めたハイバーザビーゼクターは、
時空を越えるその力によって、隠された全ての謎を解き明かし彼に教える事になる…。


■プリミティブ

遠い昔、宇宙の彼方から隕石に乗ってやって来た、
ネイティブよりも更に古くからアセーリアにいるワームの一種族。
今から35年前に地球に漂着したネイティブがそこから時空を越えてアセーリアに進出したのは20年前だが、
プリミティブのアセーリアへの到来はおよそ300年前にまで遡る。
普段は人間の姿に擬態して人間社会に溶け込んでいるが、
実は人間ではなく虫型のエイリアンである。

ネイティブやGショッカー所属のワームは邪悪な本性を持つ侵略者だが、
プリミティブは彼らとは性質の異なる友好的な種族で、
母星の戦乱を逃れて時空を越えアセーリアまで亡命してきたらしく、
メルヴィオン聖王国に平和的に移民し、数々の優れた技術や文化を伝えて、
一部の者は宮廷でも地位を得て歴代のメルヴィオン王に重く用いられた。
特に第三代国王アディラス三世は彼らを好んで数多く登用し、
プリミティブが持つ先進知識を取り入れてメルヴィオンの礎を築いたと言われるが…?

936凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2017/02/18(土) 20:18:19
≪メルヴィオン東部戦線≫

サラジア共和国の黒三日月隊の侵攻によってメルヴィオン聖王国の都ネクナールは陥落。
国王アディラス十六世以下、多数の王族が死亡し王国政府は崩壊した。
電撃戦で敵国の首都を落とした黒三日月隊はそこから各地方へ兵を送り、
ロサレダ大陸全土の征服を目指す。

レミーナ「州境を厳重に封鎖して!
 領内の全騎士団は直ちに戦闘準備を!
 例え国王陛下が敗れたほどの強敵だろうと降伏なんてもっての外。
 名門ラプエンテ家の誇りにかけて全力で迎え撃つわよ!」

ロサレダ大陸東部のイマレス州で王都陥落の報せを聞いたレミーナ・ラプエンテは、
まさかの事態に強いショックを受けながらも、
ともかく領内の守りを固め、黒三日月隊と戦う準備を進める。
黒三日月隊が一体どのような軍勢で、十万の王国軍がなぜ惨敗したのかについては情報不足だったが、
ともかく相手は不敗の名将アディラス十六世すら敗れたほどの強敵。
警戒したレミーナは軽率に野戦でぶつかるのを避け、
州境付近の砦に兵を籠もらせて籠城戦の方針を取った。

カシム「この州の騎士どもは臆病者揃いか?
 早く出て来なければ、領民がこのような目に遭うぞ!」

黒三日月隊の先遣隊としてムオジネル人傭兵部隊を率いて攻め込んで来たカシムは、
堅牢な砦に立て籠もった敵を野戦に誘い出すため、
各地の村を襲って奴隷狩りを行なうのみならず、
捕らえた者の何人かを残酷な仕方で公開処刑してレミーナを挑発した。

ロラン「このような卑劣な挑発はムオジネル軍の常套手段。
 必ず罠があるに決まっています。しばしご辛抱を」
レミーナ「でも民を守る事こそが私達の務め。
 このまま放置していたら、奴らは更に領民を殺し続けるわ!」

怒りに燃えたレミーナは家臣として召し抱えたリザレクターで、
ムオジネル王国と同じ世界の出身である黒騎士ロランを連れて出陣。
メルヴィオン屈指の強兵として知られる赤い軍装の騎士団「ラプエンテの赤備え」は、
鬨の声を上げてムオジネル勢に攻めかかり、
ロランの卓越した武勇もあって優勢に戦いを進める。

レミーナ「王家の方々の仇よ。
 徹底的に追撃して全滅させてやるわ。続けぇっ!!」
ロラン「深追いは禁物! 油断なされるな!」

人質として幼少期を王宮で過ごしたレミーナにとって、
戦死した王族一家は皆、ずっと心から敬愛してきた第二の家族のような存在である。
ムオジネル勢を怒りの猛攻で突き崩し追撃戦に入るレミーナだったが、
ロランが警告した通り、これは罠であった。
敵を追って乗り込んだ先の草むらにはマシンガンを構えたサラジア人の傭兵が大勢待ち構えており、
ラプエンテ隊は機銃掃射を浴びて多数の死傷者を出してしまう。

レミーナ「な…何なの? あの武器は!?」
ロラン「トリスタン平原で王国軍を壊滅させたのはあの飛び道具か!」

黒三日月隊の恐ろしさを緒戦で思い知らされたレミーナ。
命からがらアキシアの城まで退却したものの、
力の差は圧倒的で、いかに精強を誇るラプエンテ家の騎士団でも勝算は全くないと言っていい。
遠からず全滅という未来が見え、城内には絶望的な空気が流れる…。

937凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2017/02/18(土) 20:22:02
暗澹とした空気に沈むアキシア城。
だがそこへ、南からの吉報を携えて一人の急使が飛び込んで来た。

伝令「お喜び下さいませ。ラウール王子殿下はご健在です!
 殿下はリンディ姫様と共にレンドルフ家の領地であるリジナス州へお逃れになり、
 ノアトーンを拠点に黒三日月隊討伐の兵を挙げられたとの事!」
レミーナ「良かった…!
 ラウールもリンディも無事なのね!」

修業の旅に出たまま混乱の中で消息不明となっていたラウール王子がノアトーンへ辿り着き、
亡き父王から王剣を受け継いだ王家の正嫡として祖国再興のため決起したのである。
先程までの重苦しい絶望感から一転、喜びに湧き立つ城内。

レミーナ「聖なる神器の力を使うべき危急の時は今…。
 ラウールが王輪を持てば、何かが起きるかも知れないわ」

ここでレミーナは、この国に伝わる聖なる神器の伝説を思い出す。
メルヴィオンには、王剣メルヴィカリバー、王璽ザビーゼクター、
そして王輪ザビーブレスという、「三種の神器」と呼ばれる三つの神聖な宝物が存在するのだ。
王剣を除く二つは第三代国王アディラス三世の治世に造られた物で、
メルヴィオンが大いなる危機に見舞われた時、
王輪を腕につけた王が王璽をそれに嵌め込むと、
聖なる王鎧(聖衣)が出現し、人々を救う超越的な力がそれを纏った王に授けられるという…。

レミーナ「急いでコンクェイテューラの神殿へ登るわ。
 アシヌス大司教に掛け合って、王輪の持ち出しをお許し下さるようお願いしてみる。
 そしてそれをラウールへ届けに、援軍を率いて大船団でノアトーンへ向かうのよ!」

王輪ザビーブレスは国家危急の非常時のみ持ち出される事になっており、
普段はラプエンテ家の所領があるイマレス州の北、
険しい山岳の奥に築かれた学都コンクェイテューラの神殿に厳重に保管されている。
今これをラウールに届けられるのはレミーナしかいないのだ。
レミーナは急遽コンクェイテューラへ向かい、
神殿を管理する大司教を説得する事にした。

シンディラ「今こそ聖なる王輪の力が必要な時です!
 港のあるアキシアまで下り、ラプエンテ家の方々に王輪を託せば、
 海路でラウール殿下のおられるノアトーンまで運んでいただく事ができるはず!」

レミーナに頼まれるまでもなく、
コンクェイテューラでもシンディラ・アシヌス大司教代理らの考えている事は同じであった。
黒三日月隊の軍勢が大挙攻め寄せ、アキシアとコンクェイテューラが分断される中、
レミーナは南から、リナ・インバースらと出会ったシンディラは北から、
ザビーブレスを受け渡すためにそれぞれ打通作戦を開始する。
メルヴィオン聖王国VS黒三日月隊の戦争の、
後に東部戦線と呼ばれる事になる東の半島での戦いの始まりである…。

938凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2017/02/18(土) 20:29:07
≪南海の救出作戦≫

シンディラから王輪ザビーブレスを受け取ったレミーナは、
ロランを始めとする配下の兵七千騎と共に軍船に乗り込み、
ラウールがいるロサレダ大陸南端のノアトーンを目指して出港した。
陸伝いに航行すると途中で黒三日月隊の攻撃を受ける危険があるため、
他大陸への外征も想定して建造された遠洋航海にも耐えられる大型船で、
海流に乗ってアキシアから一気に真南へ向かい、
ノアトーンと同じ緯度まで南下してから西へ転進するという逆L字の航路を取る。

レミーナ「何て嵐なの…!」
ロラン「このままでは沈没するぞ!」

ところが、南下を終えていよいよ西へ舵を切ろうという所で船は暴風雨に遭遇。
海が大荒れのため、西へは進めなくなってしまう。

レミーナ「仕方がないわ。
 一旦東へ進路を取ってマウロ島に寄港しましょう」

進路を阻む巨大ハリケーンの突破を断念したレミーナは、
思い切って船を反対方向へ向け、東にあるマウロ島という島を目指す。
マウロ島はエスパジア王国の最西端に位置する無人の離島で、
エスパジアとメルヴィオンを行き来する船の寄港地として、
メルヴィオン船籍の船にも停泊が許されていた。

ロラン「島の様子がおかしい…。無人島ではないようだ」
レミーナ「いつの間にあんな建造物ができていたのかしら?」

マウロ島へ辿り着いたレミーナは、
無人島だったはずの島に巨大な建物がいくつも建っているのを見て驚く。
アセーリアの文明とは全く異質な、
鉄筋コンクリート製の近代的な工場や研究所、軍事基地などの施設群である。

竜尉隊長「休まず働け! 怠けている者は銃殺するぞ!」

ここは地球の某国の秘密軍事組織・赤イ竹がアセーリアに築いた秘密基地であった。
時空を越えてアセーリアに現れた赤イ竹はエスパジアからマウロ島を租借し、
地球の諸国家の目が届かないこの異世界で密かに兵器などを大量生産していたのである。

ペデラウス「父なる神イアルダボートの教えに背いた罪人ども、
 全部で120名を連行して参った。
 存分に鞭打って働かせ、涜神の罪を償わせていただきたい」
竜尉隊長「労働力の提供に感謝する。
 こちらは地球で我々が使っているアサルトライフルという銃だ。
 では等価交換という事で、奴隷の人数と同じ数だけ貴国にお渡ししよう」

聖戦と称して大規模な対外戦争を起こそうとしていたエスパジアは赤イ竹と手を結び、
異端審問で逮捕した異教徒らを奴隷として赤イ竹に売り飛ばす代わりに、
銃火器などの地球製の兵器を彼らから手に入れ、
戦争のための軍備の増強を進めていたのであった。

ロラン「我らの目的はラウール殿下の軍を救援し、
 聖なる王輪を殿下にお届けする事。
 奴隷の窮状は大いに哀れむべきではありますが、
 このような所で戦闘して無駄に兵を損ずるのは考えものかと…」
レミーナ「フフッ、そうは言いながらも、
 胸に燻っている熱い正義感を隠し切れていないわよ、ロラン。
 本当は皆のために戦いたいんでしょ?」
ロラン「確かに正直な心境を明かせば、
 このような非道を目にしながら苦しんでいる者達を見捨てて島を去るのは、
 騎士道にもとる不義であろうと強く思います」
レミーナ「余計な道草かも知れないけど、
 もし勝てれば私達としても得るものは大きいわよ。
 黒三日月隊も使っていたあの強力な飛び道具をまとめて鹵獲できれば、
 ラウールが戦うのにも助けになるわ。
 よし、やりましょう!」

工場から脱走してきた奴隷を匿い、事情を聞いたレミーナは、
奴隷達を救出するため赤イ竹と一戦交える事を決意。
島にはエスパジア軍へ売却されるため地球から運び込まれた大量の武器弾薬があり、
人助けのついでにこれを戦利品として頂戴しようという算段である。
だが、赤イ竹は地球でも各国から恐れられている強力な軍事組織。
果たしてレミーナに勝利の秘策はあるのだろうか…?

939ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2017/02/19(日) 09:26:59
≪鳴州の龍≫

ヒノイズル大陸を統治するアオイ国の最南端、赤道直下で常夏の国「鳴州(めいしゅう)」。
ここに大量の異国人――いや、異世界人が漂着した。
地球で失踪した破嵐航空ロサンゼルス発東京羽田行き126便の乗客たちの内、
科学者や工業・農業技術者、知識人層を主とする大人たちである。
鳴州太守・源 真斗射(みなもとの まとい)は、
人道的な見地に基づき漂流民たちを丁重に保護するように命じる。

元々先進的・開明的な視野を併せ持ち、珍しい物好き・新しい物好きである
真斗射は、乗客たちが持っていた科学文明の利器の数々に対して
並々ならぬ興味を示す。

真斗射「ほぉーこれがスマホっちゅうんか? 奇妙なもんじゃのう!
 こんな小さな板の中に人がおるんか!」
スマホの持ち主「いえ、それは動画に人が映っているだけでして…(汗」

特に真斗射が興味を示したのが、126便に搭乗していたICPO捜査官が
携帯していた「拳銃」であった。
乗客たちの間では、未知の異世界の人間に「平和な民生用の技術」ならばともかく
「武器の技術」を渡してしまうことに慎重であるべきだと主張する声もあったが、
鳴州政府の世話になる以上、地球産兵器の技術供与もやむを得ないとする声が
やがて多数を占めた。
さっそく126便にたまたま搭乗していた、四菱重工業に務める軍事関係の
技術者が協力を申し出、真斗射は城下の鍛冶職人たちに鉄砲の量産を命じるのであった。
アオイ国に「鉄砲伝来」が起こった瞬間であった。
その代わり真斗射は乗客たちに、他の行方不明の乗客たちの捜索や、
無事に元いた世界(地球)へ帰るための方法を探すための
協力を全面的に約束するのであった。

それから2年後、126便の農業関係者の品種改良及び大規模農場化の指導により、
鳴州の農産物は劇的に品質価値が向上して評判となり、地方や海外に向けて
大量に輸出されて、アオイ国に大きな富をもたらしていた。
農民たちの生活も飛躍的に向上し、大いに喜ばれた。
そして得られた資金を活用し、126便の造船技師の協力の下に
鳴州は近代的な鋼鉄製の軍艦(地球の時代でいうと明治レベル)
も数隻保有・運営するほどまでになっていた。

その頃、海の向こうのロサレダ大陸では、
サラジア黒三日月隊と名乗る謎の軍事勢力が
メルヴィオン聖王国を蹂躙。
そしてロサレダ大陸とヒノイズル大陸の中間に位置する
海上交易の要衝エスパジアでも、急進的な宗教警察が
国の実権を握ったとの不穏な情報が
アオイ国側にもたらされる。

……そう、アオイ国・鳴州に流れ着いた126便の乗客たちは、
ロサレダ大陸に菅野芽愛・夢馬姉弟が辿り着いた時点より
2年も前の時間帯に遡ってタイムトラベルして漂着していたのだった!

メルヴィオンやエスパジアの混乱には
時空を超えてやってきた異世界人が関わっているという噂から、
鳴州にいる126便の乗客たちにも自然と疑いの目が向けられるが…。

乗客代表「信じてください! 私たちは貴方がたに敵意など抱いてはいません!」
真斗射「そんなことはこのわしがよくわかっちょる!
 この鳴州で誰もおんしらを疑っとる者などありゃーせん。安心せい。
 じゃがメルヴィオンやエスパジアの情勢不穏、
 大君殿下から鳴州を預かる太守として、このまま静観しておる
 わけにもいかんぜよ。はてさて、どうしたものか…」

特に海上交易で栄える鳴州にとって、ロサレダ大陸との交易の中継点である
エスパジアとの関係が絶たれるのは大きな痛手となる。

萌衣「兄様、わたしが海を渡り、向こうの様子を探ってまいりましょう」
真斗射「萌衣か。また苦労を掛けるが、ちと頼むぞ」
萌衣「お任せください。兄様の為ならば、なんのこれしきのこと」

真斗射の妹で、鳴州の隠密軍団を束ねる
くノ一でもある萌衣(めい)姫は、精鋭の部下数人を引き連れて
エスパジア、そしてロサレダ大陸へと潜入する。
果たしてアオイ国から海を隔てた向こうで、
萌衣たちを待ち構えているものとは!?



〇源 萌衣
アオイ国鳴州太守・源 真斗射の妹姫。
鳴州の情報機関(隠密組織)のトップでもあり、
自身もまた凄腕のくノ一である。
兄・真斗射に絶対の忠誠を誓っている。

940ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2017/03/03(金) 21:29:26
<アセーリア編 新キャラ案>
〇フランシス・マラーク大佐
地球連邦軍の退役軍人。歴戦を勝ち抜いてきた作戦参謀にして
軍事教練のプロフェッショナル。隻眼の黒人。
退役してこれから余生を楽しもうとしていた矢先に
破嵐航空126便の異世界転移事故に巻き込まれた。
その経験を買われてアオイ国鳴州政庁の軍事顧問となり、
後に交易船団に同行してメルヴィオンにも渡り、
ラウール軍に協力することになる。

941ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2017/03/04(土) 17:57:27
<<狙われた国際大会編(仮)>> ※バルモンド戦パート

米国大統領が使用する空軍機、通称「エアフォース・ワン」エアフォース・ワンに戻った
マイケル・ウィルソンは自身の専用パワードスーツ「メタルウルフ」で出撃する。

ジョディ「大統領。ご武運を」
マイケル「OK.Let’s Parry...!!」

出撃したメタルウルフはドラキュラ率いる吸血鬼軍団の前に現れる。

マイケル「さぁ、吸血鬼共。パーティーの相手をしてもらうぞ」
ドラキュラ2世「これが噂に聞くメタルウルフか...!」

マイケル・ウィルソンの乗るメタルウルフは装備しているマシンガンや
ミサイルを吸血鬼に向けて放つ。

ブラックパンサー「我々も負けてはいられないぞ。キャプテン」
キャプテン・アメリカ「勿論ッ!フンッ!!」
ドラキュラ三世「何をッ!ぐはぁ」

メタルウルフの活躍に負けじとブラックパンサーは爪で、吸血鬼を切りつけ、
キャプテンはドラキュラ三世に強烈なパンチを繰り出した。

ダコスタ「出口です、皆さん」
楊志「―ッ!ここにも妖怪帝国が」
カガリ「あれは、マイケル・ウィルソン大統領のメタルウルフ!」

そこへスタジアムから避難してきたカガリ達VIPが、メタルウルフと
ドラキュラ達の戦いに遭遇する。

942ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2017/03/04(土) 18:58:30

バリーンッ!

村雨「うわぁ!」
楊志「村雨!一清!」

スタジアムの窓が割れると先程バルモンドから皆を守る為に残った村雨と
一清道人が落ちてくる。続いてバルモンドとミイラ軍団がマイケル・ウィルソン達が
戦っている場所へ降り立つ。

マイケル「吸血鬼に続き、今度はミイラか!」
バルモンド「苦戦をしているようだな。ドラキュラ。俺が手を貸してやろうか?」
ドラキュラ2世「フンッ!好きにしろ」

ミイラ軍団が加わり、メタルウルフやキャプテン・アメリカ、村雨達はVIPを
守りつつ戦っていく。護衛役であるダコスタやキサカも銃で応戦するが、
ミイラや吸血鬼が相手では効果が無く苦戦を強いられる。

キラ@Sフリーダム「ラクスゥゥゥ!」
アスラン@∞ジャスティス「無事か、カガリ!」
カガリ「フリーダムにジャスティス...キラとアスランが来てくれたのか」
ラクス「(キラ・・・)」

そこにキラとアスランが操縦するS(ストライク)フリーダムと∞(インフィニット)ジャスティスが
エターナルと共に、カガリやラクス達の窮地に駆け付ける。

バルモンド「MSという奴か...面白い。相手をしてやろう」

バルモンドはSフリーダムと∞ジャスティスを相手に巨大化して2機の
ガンダムを相手に立ちはだかった。

キラ「巨大化した...!?」
アスラン「そこをどけぇー!」

キラとアスランはSフリーダムのカリドゥス複相ビーム砲やシャイニングエッジ
ビームブーメランで攻撃をするが、不死身のバルモンドには効かなかった。
かつてバルモンドは鬼太郎が地獄の鍵を用いて召喚した地獄の炎による技
「獄炎乱舞」によって倒されたが、現在鬼太郎は他の場所で戦っている為、
バルモンドの所へ行けなかった。

バルモンド「人間の造ったMSというのは、この程度か?笑わしてくれるッ!」

ボォンッ!

バルモンド「―ッ!今の攻撃は...?」

Sフリーダムと∞ジャスティスを相手に余裕を見せるバルモンドは
突如、攻撃を受ける。そして攻撃が放たれた方向に目を向けると、
そこにいたのは1人の魔人だった。

マイケル「魔人バルゴグ...」

943凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2017/03/05(日) 12:30:38
≪太陽系オリンピック・プロローグ≫

***12年前 ダカール・マクロスシティ***

アルハザード「ふむ、こんなところだろう」

もう一昔以上前の、ある暑い日…。
サラジア共和国のアフマド・アルハザード大臣は、
大統領に随伴して地球連邦政府の議会があるセネガル共和国の首都ダカールを訪れ、
マクロスシティの中にある宿泊先の高級ホテルに籠もって、
明日の連邦議会で予定されている大統領演説の原稿をチェックしていた。

アルハザード「地球連邦の一員として、
 より一層大きな役割を我がサラジアが果たしてゆく…か。
 偽善もいいところだが、欧米の列強どもを黙らせるには、
 これも今は必要なパフォーマンスというものだろう」

アメリカを筆頭とする世界の主要国とは決して関係が良好でないサラジアだが、
この時点では、表向きは地球連邦の一加盟国としてあくまで穏便に振る舞い、
一部からは警戒されつつも国際社会における一定のポジションを確保している。
今回もアフリカで多発しているテロを根絶するため、
サラジアは新たに3億ドルを地球連邦政府に供出し、
世界平和のため貢献するというポーズを取る事になった。

アルハザード「う〜む、デスクワークは肩が凝るものだ。
 少し外を散歩して来よう」

仕事をひと区切り付けたアルハザードは席を立ち、
息抜きにホテルを出て付近を散策しようと外へ向かった。

  ◇  ◇  ◇

テロリストA「さあ、やるんだ!」
テロリストB「それとも、今ここで銃殺されたいか?」
少女「………」

その頃、ホテルの裏にある茂みでは、
二人の若いテロリストがまだ年端も行かない黒人の少女に銃を突き付けて脅していた。
ここセネガルを拠点とする北西アフリカの武装組織・サヘルの獅子。
アフリカの貧困の原因は地球連邦政府の不公正な統治にあると主張し、
反連邦を高らかに掲げる革命家達のグループだが、
実態は正義のためと称して一般市民を標的にしたテロを平然と行う、
血も涙もない狂気の殺戮集団である。
彼らは襲撃した村から拉致した10歳の少女を脅迫し、
自爆テロによってサラジア代表団の宿所を爆破させようとしていた。

テロリストA「サラジアは愚かにも我々を裏切り、
 我々を撲滅しようと企む地球連邦政府に多額の資金を提供した。
 このような卑劣な背信には血の報いを臨ませなければならない。分かるね?」
テロリストB「お前はただ奴らの所へ向かって歩くだけでいい。
 我々が遠隔操作で爆弾を起動させ、奴らを葬り去る。
 これは正義の行いだ。正義のために、進んで命を差し出すんだ」

少女のTシャツの下には爆弾が巻き付けてある。
ホテルの中に少女が迷い込んだふりをして侵入したところで、
テロリスト達が起爆ボタンを押し、
館内にいる大統領らサラジア代表団を少女ごと木端微塵に吹き飛ばすという、
子供を利用した非情極まる自爆テロである。

944凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2017/03/05(日) 12:32:53
テロリストA「どうした? できないのか」
テロリストB「嫌なら、今ここで死を選ぶか?」
少女「いいえ…」

拉致されたばかりの少女は、無論サヘルの獅子の思想に酔いしれている狂信者などではない。
当然ながら、彼女は死ぬのをひどく恐れていた。
だが、もし自爆を拒否すれば射殺すると少女はテロリスト達に脅されているのだ。
やろうとやるまいと、もはや少女の命はないのである。

少女「分かりました。やります…」
テロリストA「よく言った。成功を祈る。自由サヘル万歳!」
少女「自由サヘル万歳…」

上擦った声で敬礼し、少女はホテルの入口に向かってゆっくりと歩き出した。
一歩一歩、踏み出す足もガタガタと震えて躓きそうになる。
そうしてホテルの敷地に少女が入った時、中から一人の男が出て来てぶつかった。

アルハザード「む? 何だね、君は」
少女「あ、あの…、ごめんなさい」
アルハザード「子供がこんな所で何をしている?
 何をそんなに怯えているのだ? 君は…」

見るからに挙動不審な少女が自分の脇腹に妙に目をやっているのを見て、
アルハザードは異常に気付いた。
ほんのわずかだが、服がそこだけ不自然に盛り上がっている。

アルハザード「これは…!」

魔法による透視で、アルハザードは少女の服の下に隠された小型爆弾を発見した。
サヘルの獅子という、自爆テロを常套手段とする非道なテロ組織の噂はアルハザードも聞き及んでいる。
状況をすぐに察したアルハザードは少女の脇腹に素早く手をかざした。
カチッ、と小さな音がして、下着のシャツの上に付けられていた爆弾の起爆装置が魔法の力で故障する。

アルハザード「怖がる必要はない。もう爆弾は爆発しない。
 可哀想に…。自爆するよう悪い大人どもに強要されたのだな」

アルハザードは念動力で爆弾を触らずに少女の体から取り外した。
少女が不思議そうに見詰める中、爆弾はふわふわと宙に浮いて
アルハザードの手に吸い寄せられる。

少女「ご…ごめんなさい…私…その…」
アルハザード「安心しなさい。君は何も悪くない。
 君に対して怒ったりはせんので大丈夫だ。
 …ただし、こんな手で私を殺そうとした連中の事は許せんがね」

困惑して泣き出しそうになりながら、
少女はセネガル訛りのフランス語で必死に謝ろうとする。
アルハザードは爆弾を掌の上で転がしながら少女に言った。

アルハザード「ここを動くんじゃないぞ。
 この爆弾を、元の持ち主に返して来なければならん」

945凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2017/03/05(日) 12:37:52
テロリストA「なぜだ…! なぜ爆弾が爆発しない!?」
テロリストB「故障か? そんなはずは…」

起爆ボタンを何度押しても爆発が起きないのを見て、
うろたえる二人のテロリスト達。
そこへ一陣の冷たい風が吹き、黒いローブに身を包んだ怪人が彼らの前に現れた。

テロリストA「な…何だ貴様は!?」
バルゴグ「泣く子も黙る砂漠の魔人だ。
 もっとも、この界隈ではあまり馴染みはないだろうがな」

片手に魔法杖を持ち、もう片方の手で爆弾を弄びながら、
黒装束の魔道師バルゴグは死神のように囁く。

バルゴグ「子供を利用した自爆テロか…。
 この私を葬る手段としては下の下だな。
 頭のいかれた愚か者どもには制裁を加えてやろう」
テロリストA「貴様、さてはサラジアの手の者だな?」
テロリストB「地球連邦の犬め! くたばれ!」
バルゴグ「プロテス!」

バルゴグに向けて機関銃を乱射する二人のテロリストだが、
銃弾は防御魔法で張られた結界に弾かれ、全くダメージを与えられない。

バルゴグ「連邦の犬とは笑止…。
 アジアの国の格言に、〝ちっぽけな小鳥には巨鳥の大志は分からない″
 という意味のものがあるが、まさに君達の事だな」
テロリストA「連邦に多額の金を積んでひれ伏しておきながら、
 よくもぬけぬけと!」
テロリストB「サラジアの腰抜けぶりには失望したぞ。
 我々は貴様らを、この歪んだ世界を引っ繰り返す革命の同志だと思っていたがな」
バルゴグ「それには手順というものがあろうが…。
 破壊と殺戮しか能のない単細胞の君達に、
 これから世界の引っ繰り返し方のお手本を見せてやる。
 ゆっくりと見学しているがいい。地獄でな」
テロリストA・B「うわぁぁっ!」

左手のハンドジャックナイフを横薙ぎに鋭く一閃したバルゴグは、
二人のテロリストの足を切りつけ、歩けなくして地面に倒れさせた。

バルゴグ「これは君達の物だ。受け取りたまえ」

バルゴグは持っていた爆弾を倒れている二人のテロリストの足元に投げ転がした。
踵を返し、悠然と立ち去って行くバルゴグ。
やがて振り返ったバルゴグは、遠くから魔法杖を向けて呪文を唱えた。

バルゴグ「メラ!」
テロリストA・B「ぐわぁぁぁっ!!」

杖の先端から放たれた火球が爆弾に命中し、
誘爆を引き起こして辺り一帯を吹き飛ばした。
その後現場に急行し、焼け焦げた二人の遺体を確認した地元警察は、
爆弾テロ犯が誤って自分の爆弾で事故死してしまったものと断定し、
容疑者死亡のまま二人を書類送検したのであった。

アルハザード「悪人どもはあの世へ送っておいた。もう何も心配はない」
少女「………」

ホテルの前へ戻って来たアルハザードは、
そう言って少女の頭を優しく撫でた。

アルハザード「まだ震えているな。
 サラジア人は悪魔だとでもテロリストに教育されたのかも知れんが、
 私は悪魔などではない。もっと凄いものだ」

アルハザードは地面に転がっていた小石を念動力で浮かせ、
手品を見せるようにして少女を慰めた。
初めは呆然としていた少女だが、その目が次第に感嘆の色に変わってゆく。

アルハザード「外は暑い。まずは上がりなさい。
 サラジア代表団にはフランス語の通訳もいる。
 冷たいジュースでも飲みながらゆっくり話そうじゃないか」

少女の手を引いて、アルハザードはホテルの中に彼女を招き入れた。
通訳を介した会話で、少女は泣きながら自分の悲劇的な事情をアルハザードに話した。
村を襲ったサヘルの獅子に両親を殺され、自分だけ拉致されて、
もう帰る場所もないと聞かされたアルハザードは彼女を引き取り、サラジアへ連れて帰る事にした。
サヘル砂漠の外れの小さな村で生まれたという少女に、
アルハザードはアラビア語で砂を意味するラムラという名を与え、
養女として育てる事にしたのだった。

秘書R「あれからもう12年…。
 私のこの命は、アルハザード閣下のあの時のご恩あってこそのもの…!」

それから12年後の現在…。
サラジアの副大統領となったアルハザードに仕える若い黒人の女性秘書がいた。
「R」のコードネームを持つこの褐色の美女こそ、
ラムラと呼ばれるようになったあの幼い少女の成長した姿なのである。

946凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2017/03/05(日) 12:43:29
***セネガル共和国・山岳地帯***

セネガルの奥地の荒涼とした岩山に人目を忍んで密かに築かれたテロリストのキャンプ。
ここは北西アフリカ一帯で猛威を振るう反地球連邦派武装組織、
サヘルの獅子の根拠地である。

テロリストA「ば、化け物だ〜!」
テロリストB「助けてくれ〜っ!」
警官「一体どうしたんだ! 
 何があった? おい、しっかりしろ!」

表向きには世界の不公正の打破という正義を掲げながら、
現実には民間人を標的とした卑劣なテロを公然と行う…。
サヘルの獅子の実態は、今も創立当初の12年前と全く変わっていない。
彼らの新たなテロ計画を察知したセネガル警察は、
軍と共同して先手を打った掃討作戦を企図し、根城の場所を突き止めて奇襲をかけた。
ところが、警察と軍の兵士達が乗り込んだ時には、
サヘルの獅子の根拠地は既に何者かによって完全に壊滅させられていたのである。
キャンプのあちこちには殺されたテロリスト達の無惨な屍が積み重なり、
築かれていた施設群もほとんどが滅茶苦茶に叩き壊され炎に包まれていた。

秘書R「………」

思わぬ事に戸惑いながら生存者の確保と現場検証を始める警官らの様子を、
赤いアバヤを着た一人の黒人女性が遠くの木陰からそっと窺っていた。
サラジア共和国のアフマド・アルハザード副大統領の秘書を務める、
「R」のコードネームで呼ばれるラムラである。

秘書N@通信「復讐を果たして、少しは気が晴れたかしら? ラムラお姉様」
秘書R「どうかしらね。
 確かにずっと願ってきた事ではあったけれど、
 実際にやってしまうと、かえって虚しい気持ちが湧いて来なくもないわ…」
秘書N@通信「わざわざこんな単独行動をお許し下さった閣下には感謝すべきよ。
 セネガルの反連邦テロ組織を今ここで崩壊させる事は、
 サラジアの国益には特に関係ないんですからね」
秘書R「それはよく分かってるわ。
 ところでそちらはどう? 問題なく進んでる?」
秘書N@通信「ナイジェリアとリビアの政財界VIPとの会談は滞りなく終わったわ。
 閣下は帰国前にロリシカへ立ち寄って超国家主義派の様子をご覧になると仰せよ。
 お姉様も早くこっちへいらっしゃい」
秘書R「了解。明日ロリシカでそちらと合流するわ」

もう一人の秘書で「N」のコードネームを持つナウラとの通信を切ったRは、
こちらへ向かって来るセネガル軍の兵士に気取られぬよう、
そっとその場から姿を消したのであった。


***アメリカ合衆国・ホワイトハウス***

マイケル「サヘルの獅子が全滅しただって!?」
ジョディ「はい、大統領。
 セネガルの軍と警察による掃討作戦の実行を待たずに、
 彼らのキャンプは何者かの襲撃を受け壊滅。
 最高指導者や有力幹部を含むメンバーのほとんどが殺害された模様です」

アメリカ合衆国の大統領であるマイケル・ウィルソンjrは、
CIAも以前からマークしていたサヘルの獅子が謎の壊滅を遂げたという報告を、
秘書のジョディ・クロフォードから聞いて驚く。

マイケル「地球連邦政府の転覆を目指すサヘルの獅子が、
 今度アザディスタンで開催される太陽系オリンピックでテロを企てているという情報は、
 CIAが掴んでセネガル政府にリークしていた。
 彼らは男子バスケットボールの開幕戦となる、
 アメリカ対ネオスペインの試合会場を爆破しようとしていたようだね」
ジョディ「それが事前に阻止されたのは朗報ではあるのですが…。
 サヘルの獅子のキャンプに備えられていた監視カメラを押収したところ、
 不気味な怪物の姿が映っていたようなのです。こちらをご覧下さい」

ジョディはセネガル警察から送られて来た映像を再生した。
頭から長い尾にかけて無数の鋭いトゲが生えた、
赤いリザードマンのような姿の怪物が唸りを上げて暴れ、
マシンガンの銃弾をものともせずにテロリスト達を惨殺している様子が、
ほんの数秒ながら現場のカメラに捉えられていたのである。

マイケル「Gショッカーの怪人か…?」
ジョディ「ブレイバーズにもデータがないモンスターです。
 それに人類征服を企むGショッカーが、
 人類の既存の国際体制を破壊しようとするサヘルの獅子と、
 現時点ですぐに対立する理由も特に見当たりません」
マイケル「う〜む、一体何者なのだろう…」

太陽系オリンピックを脅かす懸案の一つが思わぬ形で取り除かれた事には喜びつつも、
正体不明の凶暴な怪人の出現に危機感を強めたマイケルは、
この件に関してCIAに更なる調査を命じるのであった。

947凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2017/03/05(日) 12:48:30
***ロリシカ国・ニューカークシティ***

ロリシカ国は、アフリカの旧英領植民地を元として建国された、
太平洋のインファント島などを領土に持つアフリカ大陸随一の大国である。
サラジアのアフマド・アルハザード副大統領は、
アフリカ歴訪の締めくくりとして最後にそのロリシカを訪れ、
政財界の要人らと会談した後、首都ニューカークシティのスタジアムでサッカーの試合を観戦していた。

アルハザード「前半、ややリズムが掴めずに苦戦していたが、
 後半になって復調してきたな。
 ロリシカも強いが、我が国もよく訓練された組織プレーで互角以上の勝負をしている」
秘書N「サッカーは中東一の人気スポーツという事で、
 優先的に強化のための投資をしてきましたが、
 その成果が如何なく発揮されているようですね。
 この分なら本番でも期待できそうです」

スポーツの国際大会である太陽系オリンピックが、
一週間後に中東のアザディスタンで開催される。
その太陽系オリンピックに出場する男子サッカーのサラジア代表は、
本番直前の最終調整のための合宿をロリシカで行ない、
地元のロリシカ代表とアウェーで手合わせの試合をしていた。
アルハザードは政治的な用向きでロリシカを訪れたついでに、
多忙な中での息抜きも兼ね、この自国代表チームの仕上がり具合を視察する事にしたのである。

秘書R「閣下、申し訳ございません。
 ただ今セネガルより戻って参りました」
秘書N「あらお姉様、遅かったわね」
アルハザード「ラムラ、待っていたぞ。
 それで〝試運転″の結果はどうであったか」
秘書R「上々です。素晴らしい性能に自分でも驚きました。
 今回このようなご配慮をいただき、本当にありがとうございます」
アルハザード「サヘルの獅子は反地球連邦を掲げる凶暴なテロ集団。
 もうしばらく奴らの暴れるままにさせておいても良いのだが、
 太陽系オリンピックは我がサラジアが世界にその実力を示す晴れ舞台でもある。
 狂った革命家どものテロでそれをぶち壊しにされては面白くない」

セネガルからロリシカへ戻って来てスタジアムで合流した秘書Rと、
意味ありげな会話を交わすアルハザード。
やがて試合は1-1の引き分けに終わり、
サラジア代表チームの戦いぶりにまずまず満足したアルハザードは会場を後にした。

アルハザード「今の内にお前にも〝試運転″をさせておこう。
 この政治家、ロリシカの超国家主義派にとっては邪魔な男だ。
 私の改造技術の性能を試す実験台にしよう」
秘書N「承知いたしました…」

スタジアムを出たアルハザードは周囲に誰もいないのを注意深く確かめると、
車の中で一枚の男の顔写真を秘書Nに手渡した。


***ニューカークシティ郊外***

ケンドリック「よし、出かけるか」

スティーブン・ケンドリック。
ロリシカ国の与党に属する新進気鋭の若手議員で、
その清廉で正義感の強い政治姿勢が多くの国民から支持を集めている政界のホープである。
今日も議会に出席するため、スーツに着替えたケンドリック議員は秘書が運転する車に乗り込み、
ニューカークシティ郊外にある自宅から首都中心部の議事堂へ向かおうとしていた。

ケンドリック「車を出してくれ」
秘書「かしこまりました」

昨今ロリシカでは「真の強いロリシカの創造」を謳う、
超国家主義派と呼ばれるナショナリストが国外勢力とも結びついて力を強めている。
テロリズムさえ肯定するこうした過激派を取り締まるため、
ケンドリックは自ら発議した議員立法を議会で通すべく日々奮闘しているところであった。
だが秘書が車のアクセルを踏み込もうとしたその時、事件は起こった。
車が大きく揺れ、車体が1メートルほど地面から浮き上がったのである。

ケンドリック「な、何だ…!? うわぁぁぁっ!!」

驚き慄くケンドリックと秘書。
次の瞬間、車は強い力で投げ飛ばされたように回転しながら宙を舞い、
ケンドリックの自宅の壁に叩き付けられて大破した。

ケンドリック「ぐっ…ぐわぁぁっ!」

潰れた車から何とか外に這い出たケンドリックの背中を、
青い怪物の足が上から思い切り踏みつけ、鋭い爪が彼の皮膚に喰い込んだ。
怪物はそのままケンドリックの首を掴んで彼の体を持ち上げると、
そのまま首をへし折って彼の命を奪ったのである。

隣の住人「ひ…ひぇぇぇ〜っ! 化け物だ〜!」

青いドラゴンのようなモンスターがケンドリックと秘書を惨殺したと、
目撃した隣の家の住人は半狂乱状態に陥りながら警察に通報したが、
警官が急ぎ駆け付けた時には既に怪物の姿はなく、
恐るべきパワーで破壊された車のスクラップが現場に残っているのみであった…。

948凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2017/03/05(日) 12:52:52
〇スティーブン・ケンドリック→謎の青いリザードマン型怪人に襲われ殺される。
●アフマド・アルハザード→アフリカ諸国を歴訪。ロリシカでサッカーの試合を視察する。
●秘書N→アルハザードに随伴してアフリカ諸国を歴訪する。
●秘書R→アルハザードに随伴してアフリカ諸国を歴訪する。


【今回の新規登場】

〇スティーブン・ケンドリック(闘争の系統オリジナル)
ロリシカ国の与党に属する若手国会議員。
正義感の強い良識派で、新進気鋭の政界のホープとして国民の期待を集めている。
テロリズムに反対し、ロリシカの超国家主義派の取り締まりに奮闘する。

949凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2017/03/05(日) 13:16:35
>>942続き

バルゴグ「出でよ、異界の勇者どもよ!」

突如、戦場に現れた不気味な黒いローブ姿の怪人…。
魔道師バルゴグは手に持った杖の先端から淀んだ紫色の光を放ち、
小型の時空クレバスを生成すると、異世界から二匹のモンスターを召喚した。

ライノソルジャー「グォォ…!」
ハンマーブロス「ケケェッ!」

時空を越えてバルゴグに召喚されたモンスターの一匹は、
ピンク色の鎧を着たサイを擬人化したような魔獣で、
ハルバートを武器とするライノソルジャーである。
そしてもう一匹は、頭にグリーンのヘルメットを被り、
手には無数のハンマーを持った二足歩行の亀型怪人で、
とある世界では魔王クッパのエリート兵士となっているハンマーブロスであった。

バルゴグ「行け! 目障りな雑魚どもを片付けよ」
ライノソルジャー「グォォッ! ルカナン!」
ハンマーブロス「ケェェッ!」

ライノソルジャーはルカナンを唱えて魔法で敵の防御力を下がらせ、
ハルバートを振り回してミイラ男の群れの中に飛び込んだ。
ハンマーブロスも次々とハンマーを投げて吸血鬼達を攻撃する。
配下のモンスター二匹に大勢の敵を露払いさせたバルゴグは、
やがてゆっくりと歩き出し、メタルウルフの傍に近付いた。

キャプテン・アメリカ「バルゴグ! 大統領には指一本触れさせんぞ!」
ブラックパンサー「大統領、ここは任せてお下がりを!」
メタルウルフ「いや、その必要はなさそうだ」

バルゴグと言えば、アラブの要人をこれまで数多く葬って来たと言われる闇の魔人である。
キャプテン・アメリカとブラックパンサーは大統領を守ろうと立ち塞がるが、
バルゴグにこちらへの殺気がないのを見て取ったメタルウルフは二人を下がらせ、
何と自分からバルゴグの隣へと歩を進めた。

メタルウルフ「魔道師バルゴグ…。
 前にドバイでバトルして以来だね。
 君が太陽系オリンピックを守りに現れるなんてどういう風の吹き回しだ?」
バルゴグ「この平和の祭典とやらがどうなろうと知った事ではないが、
 私の縄張りで異国の妖怪どもに好き勝手をされては不愉快なのでな。
 場所をわきまえぬ無礼な連中にはすぐに消えてもらわねばならん」
メタルウルフ「なるほど…。だったら利害が一致したところで、
 世にも珍しい中東の魔人とアメリカ大統領の一時共闘と行こうか」
バルゴグ「フフフ…。
 確かに、このような珍事は二度とあるまいな」
メタルウルフ「一度限りの夢の競演だ。レッツ・パーティ!!」

こうして、バルモンドを相手に共同戦線を張る事になったメタルウルフとバルゴグ。
メタルウルフがバズーカから炸裂ロケット弾を撃ちまくり、
バルゴグは杖から閃光魔法・ギラを放ってバルモンドを狙う。
だが、不死身を誇るバルモンドは二人の同時攻撃にもビクともしない。

バルモンド「愚か者どもめ! そんなもので俺が倒せるか!」
メタルウルフ「参ったね。相当タフな相手だ」
バルゴグ「不死身とあらば、やはり通常の攻撃では効かぬか。
 それこそ地獄の炎でも持って来ない限りはな」
メタルウルフ「地獄の炎か…。
 その口ぶりだと、ただのジョークというわけでもなさそうだね」
バルゴグ「今の内によく見物なさっておくがいい。
 いずれ米帝を、そして全世界を焼き尽くす事になる死の世界の業火をな!」

バルゴグはそう言って魔法杖を高く頭上に掲げた。
杖の先から赤い一筋のビームが出てまるで窓ガラスを割るかのように空間を破壊し、
上空に小さな時空の穴を作り出す。

950凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2017/03/05(日) 13:19:52
キャプテン・アメリカ「トォッ!」
ミイラ男「ギャァッ!」
ブラックパンサー「…! キャプテン、危ない!」

ライノソルジャーやハンマーブロスと共に、
ミイラ男や吸血鬼らの軍団と戦っていたブラックパンサーは、
急速に巨大化する時空の穴の存在に気付いて声を上げ、
キャプテン・アメリカに警告した。

キラ「これは…」
アスラン「まずい! 巻き込まれるぞ!」

最初は直径数十センチメートル程度だった人工時空クレバスは、
どんどん膨張してガンダムすら呑み込むほどの巨大なブラックホールのような穴となった。
危険を感じてSフリーダムと∞ジャスティスを後方へ退避させるキラとアスラン。

バルゴグ「現世に燃え上がれ、赤き地獄の炎よ!
 必殺獄焔魔法、ラハブ・ジャハンナム!!」
バルモンド「何っ…!?」

バルゴグが呪文を詠唱すると、
大きく開かれた時空の穴から紅蓮の超高熱火炎が渦を巻いて噴き出し、
凄まじい勢いでバルモンドに襲いかかった。
これこそは正真正銘、文字通りの地獄で燃え盛る炎。
バルゴグは時空クレバスを作り出す魔法でこの世と地獄とを繋ぎ、
その強い魔力で地獄の炎を操ってこの世へと呼び込みバルモンドを攻撃させたのである。

バルモンド「グォォッ…! バ、バカなっ!!」

不死身のバルモンドも、死者すらも焼き苦しめる冥界の猛火を、
特大の火炎竜巻にしてぶつけられては耐えようがなかった。
バルモンドの体が炎の渦の中で徐々に溶けるように消え入り、霧散してゆく。

ライノソルジャー「グォォォ…!」
ハンマーブロス「ギャァァッ…!」
バルモンド「おのれ…! この…俺…が…ぁ…っ…」
バルゴグ「フッ、滅びたか」

こうしてバルモンドは灼熱の炎の中で完全に消滅した。
他に大勢いたミイラ男や吸血鬼の軍団も、
彼らと戦っていたライノソルジャーやハンマーブロスもろとも、
バルゴグの強力魔法ラハブ・ジャハンナムの炎に呑まれて全滅したのである。

ドラキュラ二世「チッ、退却だ!」
ドラキュラ三世「覚えていろ!」

仲間を全て倒され、もはや作戦はこれまでと見たドラキュラ二世と三世も撤退。
こうして戦いは終わったのであった。

メタルウルフ「こんな恐ろしい魔法が使えるなんて、
 ドバイではまだまだ本気じゃなかったようだね」
バルゴグ「それは貴公とて同じだろう?
 再戦の時はいずれ来る。楽しみにしているぞ、米帝のボスよ」

バルゴグはそれだけを言い残して風のように去って行った。
地上ではまだ彼が発した炎の残り火がアスファルトを燃やしている。
魔道師バルゴグは恐るべき相手だと、
マイケル・ウィルソンjrは改めて認識したのであった。

951凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2017/03/05(日) 13:25:47
ナイトファイヤー「皆さん、大丈夫ですか!?」

西洋妖怪との戦いを終えたナイトファイヤーとバイクル、ウォルターは、
テロ発生直前までフィールドで試合をしていたサラジア代表の野球選手達の元へやって来た。
彼らは監督やコーチ陣に先導されて控室からスタジアムの外へ逃げ、
安全な場所に集団で身を隠していたのであった。

サラジア代表ピッチャー「ええ、我々は大丈夫です」
サラジア代表バッター「ここにも妖怪が攻めて来て、
 危ないところでしたが、赤と青のドラゴンのような怪人がいきなり現れて、
 妖怪達をみんな倒してしまったんです!」
ウォルター「赤と青の怪人…?」
バイクル「何のこっちゃ?」

サラジア選手団の話によると、彼らも西洋妖怪に襲われて窮地に落ちたのだが、
謎の二匹のリザードマンのようなモンスターが現れて彼らの前に立ち塞がり、
圧倒的な強さで妖怪達を次々と殺戮して行ったのだという。

ウォルター「先日、サヘルの獅子というセネガルのテロ組織を壊滅させた、
 彼らのアジトの防犯カメラに映っていた赤いモンスター…」
ナイトファイヤー「そして、その直後にロリシカの与党議員を殺害したところを、
 近隣住民に目撃されている青い怪人…。
 色といい、竜人型の姿形といい、どちらもこの選手達の証言と一致するな」
バイクル「せやけど、一体どこの連中なんや?
 テロリストを襲ったかと思ったらテロに反対しとるような平和主義の政治家を殺して、
 今度は太陽系オリンピックの試合に現れて妖怪と戦うって、
 犯人の目的がさっぱり読めへんわ」
ナイトファイヤー「確かに謎だ…。
 これまで鳴りを潜めていた新たな勢力が動き出しているのかも知れない」

訝しむナイトファイヤー。
その頃、アルハザードはテロが収束したスタジアムへ戻り、
別行動していた秘書NとRと合流していた。

アルハザード「妖怪どもは片付けた。そちらはどうであったか」
秘書N「サラジア代表チームの選手とスタッフは全員無事です。閣下」
秘書R「外野手の選手二名が怪我をしてしまいましたが、
 幸いどちらも全治数日程度の軽傷。選手生命には全く影響ありません」
アルハザード「巨額の育成費を投じて育てて来たエリート選手達は言わば国の宝。
 妖怪どもに殺されてしまっては敵わんからな。
 …しかしつくづく惜しいところで横槍が入った。
 あのまま投げていれば、恐らくあそこでゲームセットだったものを…!」

もし勝っていれば歴史的金星だった決勝戦の試合を思い出して悔しがりながら、
アルハザードは秘書二人を連れてスタジアムを後にした。

952凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2017/03/05(日) 13:30:22
〇マイケル・ウィルソンjr→バルゴグと一時共闘してバルモンドを倒す。
●ライノソルジャー→バルゴグに召喚されてミイラ男と戦うが、バルゴグのラハブ・ジャハンナムに巻き込まれて死亡。
●ハンマーブロス→バルゴグに召喚されて吸血鬼と戦うが、バルゴグのラハブ・ジャハンナムに巻き込まれて死亡。
●バルモンド→バルゴグのラハブ・ジャハンナムで倒される。

●アフマド・アルハザード/魔道師バルゴク→メタルウルフと共闘し、必殺の火炎魔法ラハブ・ジャハンナムでバルモンドを倒す。


【今回の新規登場】

●ライノソルジャー(ドラゴンクエストシリーズ)
ピンク色の鎧に身を固めた二足歩行のサイのような魔獣。
サイおとこの上位種で、手に持ったハルバートを武器とし、
ルカナンやスカラといった魔法を使いこなす。

●ハンマーブロス(スーパーマリオシリーズ)
魔王クッパに仕えるクッパ軍団のエリート兵士。
頭に緑色のヘルメットを被った亀を擬人化したような姿をしており、
無数のハンマーを投げつけて敵を攻撃する。

953ユガミ博士 ◆DelvqPaIgQ:2017/03/20(月) 14:37:52
<<太陽系オリンピック>> ※中国妖怪戦パート

マイケル・ウィルソン大統領の操縦するメタルウルフと魔人バルゴグの共闘により、
不死身の怪物バルモンドが倒された一方、中国妖怪ミンメイに操られた日暮巡査を
正気に戻そうと両津、幽助は立ち向かうが、日暮巡査の超能力に苦戦する。

ドカーン!ドカーン!

幽助「くっそー!オッサンが邪魔で、あの姉ちゃんの所へ行けねえぜ!」
両津「こういうのは、操っている奴をぶったおせば元に戻るっていうのが定番
 なんだけどな」
ミンメイ「その調子で、どんどん暴れなさい!」
日暮「うぉぉぉ!!」

操られた日暮巡査の超能力攻撃を何とか回避していく両津達。だが、
その念動波が両津達を襲う。

001「―ッ!」
ミンメイ「何だとッ!?」

だが念動波が両津達に当たる直前、001が瞬間移動で両津達の前に現れ、
自身の念動力で日暮巡査の念動波を打ち消した。

鬼太郎「髪の毛針!」
ミンメイ「くっ、この攻撃は鬼太郎か!」

そこへ鬼太郎達が駆けつけ、鬼太郎は髪の毛針でミンメイに攻撃する。

鬼太郎「ミンメイ...いや、画皮!操っている人達を元に戻すんだ」
ミンメイ「そうはいくかッ!やれぇ」
001「...させないよ」

ミンメイは日暮巡査に命じて鬼太郎に攻撃させようとするが、001は
超能力で日暮巡査の動きを封じた。

鬼太郎「今だッ!リモコン下駄」
ミンメイ「キャァッ!」

日暮巡査の動きが封じられた隙に鬼太郎は下駄を飛ばして、
見事ミンメイに命中。その攻撃でミンメイは倒れてしまう。

ミンメイ「鬼太郎め...ハッ!私の顔が...よくも...よくも〜〜!」

倒れたミンメイは起き上がると自分の顔が傷ついている事に気が付く。
すると怒りに震えたミンメイは、絶世の美女の姿から真の姿である醜い
巨大な顔面の妖怪、画皮の姿となる。

両津「げぇぇぇぇ、正真正銘のバケモノじゃねえか!」
画皮「バケモノって、失礼じゃないの!さぁ、お前達。邪魔な鬼太郎達を
 倒すのよ。倒したら、サービスしてあげるわよ♥」

正体を現した画皮の姿を見て、絶叫する両津。画皮はお構いなしに
日暮達、操っている人間にウィンクしながら命令を下す。

暴徒一同「おぇぇぇぇぇぇぇぇ」
幽助「バケモノのウィンクとか、気持ち悪いなぁ」
両津「同感だ」

しかし、ウィンクして命令を下す画皮の姿に、操られた人々は
その不気味さから一同吐き気を催してしまう。両津や幽助も
その姿に唖然とする。

954ユガミ博士 ◆DelvqPaIgQ:2017/03/20(月) 14:39:22

市民A「あ、あれ?何していたんだろう」
市民B「うわぁ、バケモノだ!」
目玉おやじ「おお、画皮の正体を見て、操られていた者達が正気を
  取り戻したぞ」
中川「皆さん、ここは危険です。こちらへ避難してください」

画皮のあまりの気持ち悪さに操れて暴徒となっていた市民は正気に戻る。
正気に戻った市民を中川は避難させた。

日暮「...う〜ん。あれ、何していたっけ?あ、両さん!」
両津「やっと正気に戻ったか。お前はあのバケモノに操られていたんだ」
日暮「バケモノ...!そうだ、思い出した。よくも騙しやがって...!」

日暮巡査も正気を取り戻し、自分が画皮に操られていた事を思い出すと、
怒りが込みあがり、その感情を爆発させる。

日暮「許さぁぁぁん!俺の怒りを思い知れぇ!」
画皮「ちょ...ちょっと!キャァァァァ!!」

日暮は怒りを爆発させて、巨大な画皮を上へ下へと、まるでゴムボールの
様に念動力で動かして攻撃する。

目玉おやじ「今じゃ、鬼太郎。画皮を倒すのじゃ!」
鬼太郎「はい、父さん。指鉄砲!」
幽助「俺も続くぜ。霊ガァーン!」
画皮「ギャァァァァ!!チー様ァァァ!!」

日暮の超能力でボロボロになった画皮に、鬼太郎と幽助は指鉄砲と
霊丸を放ってトドメを刺し、画皮は主であるチーの名を口にしながら
消滅した。

チー「画皮が倒されたか...流石は鬼太郎。敵ながら褒めてやろう」
鬼太郎「お前はチー!」
両津「あのバケモノの親玉か。降りてこい!」
チー「うるさいぞ、人間。フム、人間達の開く大会を襲うという作戦は
 十分果たした。後は西洋妖怪達に任せて我々は退かせてもらう」

画皮が倒され、中国妖怪を率いるチーが空飛ぶ絨毯に乗って鬼太郎達の前に現れる。
チーは作戦に十分参加したと判断し、中国妖怪を撤退させる。

チー「では、私も失礼する。鬼太郎...そしてブレイバーズと呼ばれる者達よ。
 この次、戦う時があれば今度は我々が勝たせてもらう。さらば!」
鬼太郎「待て、チー!」
目玉おやじ「待つのじゃ、鬼太郎。まだ西洋妖怪達が暴れておる。
 そっちを優先するのじゃ」
鬼太郎「分かりました。父さん」

撤退したチーを追おうとする鬼太郎だが、まだアザディスタンでは
西洋妖怪達が暴れている為、目玉おやじに制止されて目玉おやじに従う。

001「フゥ...力を使い過ぎた。後は...頼...む」スゥー
003「お疲れ様、001」
009「後は僕達に任せてくれ」

日暮を止める為、超能力を使い過ぎた001は009達に後を託して
眠りに付く。

日暮「僕も何だか眠くなっちゃった...」ウトウト
両津「ダメだ、寝るな!こんな所まで探しに来たんだから、寝るのは承知しねえぞ!」
日暮「グ〜」
両津「寝るなぁ〜〜!」

日暮も超能力を使い過ぎた事で、眠気に襲われるが、危険な目に遭いながらも
日暮を探しにアザディスタンまで来た為、両津は日暮を寝させない様にするのであった。

○鬼太郎→画皮を倒す。
○001→超能力で日暮の動きを封じる。超能力の使用により眠りに付く。
○浦飯幽助→画皮を倒す。
○両津勘吉→日暮を正気に戻そうと画皮と戦う。
○日暮熟睡男→画皮に操られるが、正気を取戻し、画皮を攻撃する。超能力の使用により眠気に襲われる。
●チー→画皮が倒され、他の中国妖怪を撤退させる。
●ミンメイ/画皮→日暮を操っていたが、正体を知られた事で正気を取り戻され倒される。

955ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2017/03/28(火) 09:29:15
>>938
≪南海の救出作戦≫加筆分

***マウロ島・赤イ竹の秘密基地***

カンナギ「我が財団の提供した時空超越装置の使い具合は良好のようですな」
竜尉隊長「諸君ら財団Xの協力には感謝する」

財団Xのアンノウンエネルギー開発担当にして、
我望光明の研究する『ゾディアーツスイッチ』開発の担当をも務めていた
財団幹部の一人、レム・カンナギ。
一度は己の野心を暴走させた果てに財団Xから離反したものの、
黄泉がえり後は財団の影の実力者である「赤い服の男」の鶴の一声によって
過去の反逆は一切不問に付され、組織への復帰を許されていた。

赤イ竹がアセーリアまでやって来れたのは、
ブレイバーズのディオドスシステムにも似た時空移動システムを
財団Xから提供されていたからだった。
その見返りとして、赤イ竹は渡航した先の異世界の詳細な地理や
現地に生息している生命体の生態、文明レベルに関する情報などを
きめ細かく財団X側に報告していたのである。

竜尉隊長「すでに我々はこの島を拠点として、
 あらゆる異世界にネットワークの根を張り巡らせつつある」
カンナギ「我々は超進化生命体ミュータミットに魔法の力を融合させた
 マジック・ミュータミットの研究を進めている。そのために必要な
 生態サンプルの確保と提供も、期限までに滞りなくお願いしたいですな」
竜尉隊長「わかっている。すでに大変貴重な生体サンプルを
 一体だが捕獲してある。移送の準備が整い次第、そちらに引き渡そう」

竜尉隊長がレム・カンナギとの会談の中で話していた
その「貴重な生体サンプル」は今、同じマウロ島の基地の奥にある
独房に囚われていた。
澄んだ大きな瞳、真っ白な肌、しなやかな艶のある
美しい紫の長い髪の少女である。

セリア「………」

そして彼女の両手には、がっしりと頑丈な手錠が嵌められていた。

見張りA「交代の時間だ。どうだ、生体サンプルの様子は?」
見張りB「相変わらずだ。大人しいものよ」
見張りA「まだ年端のいかぬ小娘だというのに、
 我が赤イ竹の誇る精鋭部隊を"魔法"とやらの力で
 一瞬で蹴散らしたとは信じられんな…」
見張りB「油断するなよ。魔法のパワーを封じる
 特殊手錠で拘束してはあるが、隙を見せたら
 何をしでかすか分かったものではないからな」
見張りA「だがそのお美しいお姫様も、いずれはモルモットとして
 財団Xによる人体実験の餌食となる運命か。
 少々勿体ない気もするが、哀れなものだな。ふはははは」

独房の扉の向こうから、せせら笑っている見張り番たちの話し声が聞こえてくる。
それが耳に届いた彼女は、か細い声でつぶやいた。

セリア「アレン、コナン、早く助けに来て……」

956ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2017/03/28(火) 09:29:56
***マウロ島沿岸***

敵の様子を探るため、工場から脱走してきた奴隷に案内してもらい、
まずは少人数の斥候兵を伴い、自ら島に上陸したレミーナとロラン。

ロラン「思った通り、どこも警備が厳重ですな」
レミーナ「でも必ずどこかに隙ができるはず。
 このまま夜になるまで待ちましょう」

その日はジャングルの闇に隠れて野営を張りながら、
赤イ竹の秘密基地を見張ることにしたレミーナ一行だったが、
その夜、突然彼女たちは見知らぬ者たちに襲われた。

レミーナ「誰なのあなた達は!?」
ロラン「もしや赤イ竹の手の者か!?」
アレン「とぼけるなッ!!」
コナン「それはこっちの台詞だ!」
レミーナ「…???」

黒髪の少年アレンがロランと激しく切り結ぶ一方で、
オレンジ髪の少年コナンが頭上で高々と印を結び、炎の呪文を唱える。

コナン「炎の精霊よ! 我に力を! 紅蓮の業火を! ギラァッ!!」

呪文の詠唱を終えたコナンの指先から、勢いよく真紅の火の玉が
強烈な衝撃と共に飛び出してレミーナたちを翻弄する。

レミーナ「見たこともない魔法だわ!?」

だがやり合っているうちに、どうやらお互いを敵と誤認しての勘違いだったと
気づいた両者は剣を納める。

アレン「ではあなた方も赤イ竹に囚われている人々を
 助けようとしていたのか!? 非礼の段は謹んでお詫びする…。
 ぼくの名はアレン。そしてこちらはコナン。
 今あの赤イ竹の砦の中には、ぼく達の大切な仲間が捕まっているんだ」

アレンの話によると、自分たちの仲間であるセリアという名の少女が
赤イ竹に囚われているという。そしてセリアの他にも、同じ国の民が
多数赤イ竹によって拉致され奴隷として働かされているらしいとのこと。
赤イ竹にさらわれた人々を助けるために、
アレンとコナンは、ラーミアと呼ばれる不死鳥の導きによって
この世界までセリアを追ってやって来たらしい。

レミーナ「そういうことなら話が早いわ。
 ぜひ協力しましょう!」
アレン「ありがとう!」
コナン「こちらこそよろしくなっ!」

ロラン「………」

ロランは、アレンとコナンの2人を
まるで密かに観察するようにじっと見つめる。
特にアレンのきりりとした顔立ちと聡明そうな瞳は、
彼が只者ではないことを伺わせていた。

ロラン「レミーナ様、あのアレンとコナンと名乗った二人の若者、
 只者とは思えません。立ち振る舞い、人品骨柄どれ一つとっても、
 おそらくはレミーナ様と同じく高貴の出ではないかと…」
レミーナ「相手の素性の詮索なら後にしましょう。
 今は奴隷たちの救出が先決よ」
ロラン「御意」

そして作戦会議の結果、翌日夜の救出作戦決行が決まった。
果たしてレミーナたちの作戦は無事成功するのか!?
そして突如彼女らの前に現れた、アレンとコナンと名乗る
2人の少年はいったい何者なのだろうか…?

957ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2017/03/28(火) 20:05:27
≪アセーリアの創造神-1≫

***ポイントゼロ・無幻城***

Gショッカーの本拠地・無幻城を
突如として破壊神ビルスとその側近ウイスが訪問したことで、
城内は一時騒然となる。

親衛隊員A「お待ちを!」
親衛隊員B「何卒しばしお待ちを!」

ビルス「………」

邪神謁見の間を守る親衛隊員(軍服を着用したデストロン戦闘員)たちが
止めるのも聞かず、ビルスはずかずかと謁見の間に上がり込む。
何しろ相手が全次元最高の神「全王」に仕える直属の破壊神では、
たとえ兵揃いのGショッカーの何者と言えども手出しは叶わない。

「破壊神ビルスが何故にこの無幻城に!?」
「ビルス様は日頃ブレイバーズに肩入れしていると聞くぞ!」
「もしGショッカーを攻撃しに来たのか…?」(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル
「いや、それはない。破壊神はあくまで中立な立場のはず」

周囲がどよめく中、破壊神と至高邪神(ポリゴンの立体映像)の会談が始まった。

大首領の顔「これはこれは…破壊神ビルス様直々のお越しとは光栄の至り」
総司令の顔「いったいどのようなご用件で?」

ビルス「ほぉ〜頭上からボクを見下ろすとは、
 お前たちも随分と偉くなったもんじゃないか?」

星王の顔「このビジョンはそういう仕様にござりますれば…」
大魔神の顔「何卒ご容赦の程を…」

ビルス「まあいいだろう。今日はお前たちに釘を刺しに来たのさ」

創世王の顔「…と、申されますと?」

ビルス「お前たちが古代堕神戦争のことについて
 いろいろと勘付いて、何か企んでいるんじゃないかと思ってね」

闇の帝王の顔「そんな滅相もないこと」
大首領の顔「我らにとって、古に封印された古代堕神戦争の真実など
 何一つ存ぜぬことにござります」
総司令の顔「何を企むことなどがございましょうや」

ビルス「なかなか恍けるのも上手くなったじゃないか。
 ボクはお前たちが宇宙でどんな極悪非道をやらかそうが
 知ったことじゃない。宇宙を征服したければ勝手にすればいい。
 ……ただ、くれぐれも欲を出して変なことだけは
 考えるんじゃないぞ!」
ウイス「そしてあなた方が悪事を働く度に
 ブレイバーズにボコボコにされるのも
 あなたたちのご勝手です」

創世王の顔「………」
大魔神の顔「………」

ウイス「オホホホホ…これは少し言葉が過ぎましたかね」
ビルス「じゃあそろそろボクらはお暇するよ。邪魔したね」

星王の顔「いえいえ、お構いも致しませず」
闇の帝王の顔「ビルス様とお付きの方を丁重にお見送り申し上げよ」

親衛隊員C「ギギッ!! 畏まりました!」

そして、ビルスとウイスがいなくなった後の邪神謁見の間では…。

大首領の顔「ビルスめ、言いたい放題抜かしおって…」
闇の帝王の顔「我らの真の企み、すでに全王の側にも
 悟られたと思わねばなるまい」
大魔神の顔「だがすでに賽は投げられたのだ。
 今更後戻りは出来ぬ。今は好機到来時をじっと待ちつつ、
 いざという時には断固決起あるのみ…!」

958ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2017/03/28(火) 20:06:00
***堕神界の神殿***

アークシセイザー「破壊神ビルスがあちこちで
 ちょこまかと嗅ぎまわっているらしい」

ここ一連の破壊神ビルスの動きについては、
堕神界の神殿にも情報が届いていた。

アークシセイザー「私が恐れるのは、ビルスがブレイバーズに
 余計な入れ知恵をすることだ。ブレイバーズには
 私が望んだ手駒としての以上のことにまで
 手を広げてほしくない」

封印された古代堕神戦争の真実について、
ブレイバーズには余計なことまで知られたくない
堕神の大審官アークシセイザーは、
幾多の堕神たちの中でも凶暴で知られる
ゴルゴンクィーンイーバ三姉妹を召喚した。

アークシセイザー「今のうちに天凰輝シグフェルを消せ。
 奴はこの私の思惑を超えてヒーローたちとの絆を深め過ぎた。
 今までは大目に見てきたが、これ以上放置すると
 私の計画にも狂いが生じる」
ゴルゴン長女「どのような手段を用いてもよろしいので?」
アークシセイザー「もし必要なら荒っぽい手段を用いても構わん。
 この際目を瞑ろう。もしブレイバーズのヒーローの誰かが
 シグフェルに加勢してきたら、そいつごと始末してよい」
ゴルゴン次女「畏まりました」
ゴルゴン三女「お任せを」


***地球・日本・東京 海防大学付属高校***

アークシセイザーからシグフェル抹殺を命じられたゴルゴンイーバ三姉妹が、
海防大学付属高校を襲う。
普段は原則として黄泉がえりで生き返った「再生者(リザレクター)」しか
襲わないイーバだが、今回は生徒から教職員に至るまで見境なく襲い、
次々と石化光線で石に変えてしまう!

シグフェル「よくもみんなを石に! 許せない!!」

慎哉や優香たち、そして留学生のレミーナたちまで石に変えられ、
怒りを露にするシグフェルだったが、善戦むなしく彼も
石に変えられてしまう…。

ちょうどその日は、新しく海防大学の理事に就任する予定の城戸沙織と
その護衛としてサジタリウスの星矢、そして魔界の大公爵アスタロトからの
言いつけで仰せつかった厄介事(※詳しい経緯は>>820を参照)をシグフェルに
押し付けようとやって来ていたマリネラのパタリロ国王も同じ場所に来ており、
みんな揃って襲撃の巻き添えを食らうことに。
高等部に隣接する大学部で教鞭を執る孫悟飯もすぐに加勢に駆け付けるが、
彼もまたゴルゴンの石化光線の餌食になってしまった。

ゴルゴン長女「全員まとめて石に姿を変えた後で、
 一人残らず粉々に砕いてやろうぞ。キヒヒヒヒッ…」

ゴルゴン三姉妹の無差別攻撃によって、迎え撃ったシグフェルは勿論、
その場に居合わせた生徒・教職員・その他関係者ほぼ全員が石化してしまった中、
ただ一人だけ、ゴルゴンの瞳光線を浴びても石化しない者がいた!

要人「………」

海防大学付属高校の生徒会長、久遠要人である。

ゴルゴン長女「なぜだ!」
ゴルゴン次女「なぜ我らの瞳を見ても
 お前は石にならないのだ!?」

要人の体から発せられた眩い翠のオーラが
周囲一面に広がり、石に変えられた人々が瞬く間に
元の姿へと戻っていく。

シグフェル「いったいこれは…?」
優香「会長…??」

星矢「巨大な小宇宙(コスモ)を感じる…。
 あの高校生は一体!?」

いつもの穏やかな表情が一変し、ゴルゴン三姉妹に対して
身も凍るような鋭い視線を向ける久遠要人。

要人「堕神の烙印を押されし者の使徒よ、目障りだ。…去ね!」

果たして久遠要人の正体とは!?
そして何がこれから起ころうとしているのであろうか?
<本日執筆分は、疲れたのでここまで…>

959凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2017/04/05(水) 22:35:04
≪アセーリア編「王剣を継ぐ者」-1≫

***王都ネクナール***

トリスタン平原の会戦でメルヴィオン聖王国軍を壊滅させた黒三日月隊は、
王都ネクナールを陥落させ、国王アディラス十六世を自害に追い込んだ。
無差別爆撃を受けた城下を包む火災が未だ収まらぬ中、
焼け落ちた王宮を制圧した黒三日月隊はここに臨時の作戦本部を設置し、
今後の戦争計画についての軍議を開いた。

ザイアン「ああ〜痛え…。
 あのメルヴィオンの王女め、ふざけた真似しやがって…」

包帯を巻いて吊るした右腕をさすりながら、
黒三日月隊のブリューヌ人傭兵隊を率いるザイアン・テナルディエは悔しげに恨み事を呟いた。
トリスタン平原の戦いでエリス王女の槍の投擲を受け、落馬した際に腕を挫いていたのだ。
お陰で武器が持てず、その後のネクナール攻略戦には参加できずに後方待機に回される始末だった。

ガーデーヴィ「我が軍の勇士プラダーラタが討たれるとは…。
 メルヴィオンの奴らめ、許してはおかんぞ」

ガーデーヴィ配下のシンドゥラ人傭兵隊もトリスタンでの追撃戦の際、
メルヴィオン軍のサムライ部隊の反撃を受けて名のある将を一人討ち取られている。
元より家臣の命を大事に思いやるようなガーデーヴィではないが、
味方の一方的な大勝利の中、敵の王子の首級と引き換えにプラダーラタの戦死という損害を出した事には、
少なからず面目を潰された気分だった。

ザイード「静粛に! これより作戦会議を始める」

副司令官のザイードが軍議の開会を告げ、
机上にロサレダ大陸の地図を広げて説明を始めた。

ザイード「作戦の第一段階となるトリスタン平原での敵軍の殲滅、
 及び第二段階となる首都ネクナールの攻略は滞りなく完了し、
 我々はかねてからの計画通り、敵国の中枢部を極めて迅速に制圧する事に成功した」
ファイサル「まずはご苦労さん、っと」

総司令官のイブン・ファイサルは満足げに諸将をねぎらった。
序盤の電撃戦は大きな躓きもなく大成功に終わったが、王都を押さえたとは言え、
黒三日月隊が実効支配しているのはまだ広大なロサレダ大陸の中のごく一部でしかない。

ザイード「首都を占領し、国王を始めとする王族を死亡させて王政を崩壊に追い込んだ以上、
 メルヴィオン聖王国はもはや頭脳を失ったも同然。
 国家としての組織的抵抗力は喪失したと判断していいだろう。
 今後はこのネクナールを拠点に各地方へ制圧のための兵を送り、
 メルヴィオンの州を一つずつ順に平定してゆく段取りとなる」
ファイサル「全体を取りまとめる王がいないとは言え、
 州ごとの領主や騎士団が個別に抗戦してくる事は十分考えられる。
 くれぐれも抜かるんじゃねえぞ!」

ファイサルがそう言って油断を戒めるが、
軍事技術の圧倒的な差がもたらしたトリスタンでの大勝利を鑑みれば、
各州の征服も赤子の手を捻るが如く容易い事は明白であり、
既に勝ったような余裕綽々の空気はやはり少なからず軍議の席に漂っていた。
ただし、彼らには懸念すべき材料がまだ一つだけあった。

孫市「我が雑賀衆の者が捕虜を訊問して得た情報だが、
 メルヴィオンにはもう一人、修業の旅で王都を離れていた第四の王子がいるとの事だ。
 また、王宮にいたとされる国王の次女の妹姫も現在のところ行方不明。
 そして更に、国王アディラス十六世が佩いていたはずの、
 この国の王位を証する聖なる王剣がまだどこからも発見されていない」
ファイサル「どうやらその王女が剣を持って、
 兄貴である四番目の王子の所へ逃げたって事のようだな…」

モンスター退治の旅に出ていたため首都攻防戦に参加しておらず、
四人の王子の中で唯一まだ生存しているラウール王子の存在を黒三日月隊は既に嗅ぎ付けていたのである。
そして王剣メルヴィカリバーと共に王宮を脱出したリンディ王女についても、
捕虜の証言から彼らはその動向を把握していた。

ザイード「この国の支配権の象徴である王剣がその王子の元へ渡り、
 彼が正統な王位を主張して我々に対し挙兵に及んだ場合、
 彼の存在はメルヴィオンの残党によるレジスタンスをまとめる強力な求心力となり得る。
 今の内に全力を挙げてその王子を抹殺せねばならない」
ファイサル「だが安心しな。奴の居場所は既に突き止めてある。
 飛び切り凄腕の刺客を差し向けてやったぜ。
 そろそろ首が胴体を離れてる頃じゃねえかな。ククク…」

残忍非情のファイサルは腕組みをして、
無惨な流血の光景を思い浮かべながらサディスティックな愉悦で口元を歪めた。

960凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2017/04/05(水) 22:37:33
***サラジア共和国・難民キャンプ***

光平「お父さ〜ん! お水運んで来たよ〜!」
陽一郎「おお光平、ご苦労さん!」

十二年前――。
乾燥した砂の大地を強い日差しがじりじりと照りつける中、
まだ五歳の牧村光平は、水が一杯に入った重い大きなバケツを胸に抱えながら、
父である牧村陽一郎の元へとよろよろ歩きで戻って来た。
ここは中東・サラジア共和国の国境付近に設営された、
大勢の戦災避難者を収容する難民キャンプである。

陽一郎「よ〜し、煮立ってきたぞ」
光平「美味しそう〜!」

光平が遠くの井戸から汲んで来た水をバケツから大釜に移し、
火で熱して具材とダシ汁を入れ、日本人のボランティアスタッフ達がスープを作る。
飢えた難民達に提供する炊き出しの食事である。

光平「スープができました! 並んで下さ〜い!」

陽一郎に教えられた現地の言葉で難民達に呼びかける光平。
空腹と渇きですっかり弱り果てていた人々がそれを聞いて集まり、列に並ぶ。
外国人の小さな子供が頑張って作るのを手伝ってくれたとあって、
アラビア語で「シュクラン(ありがとう)」と光平に声をかける人も少なくない。
光平にはそれがたまらなく嬉しいし、陽一郎もそんな我が子がとても誇らしかった。

この三年前、光平が二歳の時に南極でセカンドインパクトが発生し、
未曾有の大災害に世界中の人々が被災した。
更にそれをきっかけに世界各地で紛争が連鎖的に続発し、
翌年にはバレンタイン休戦条約が結ばれて一応の収束を見たものの、
当時の世界情勢は極めて不安定な状態にあったのである。
日本政府の外交官である陽一郎はそんな中、各国の難民支援と政情安定化のため世界各地を奔走していた。

陽一郎「軍事力の強化も結構だが、ガンジーも言った通り、
 〝目には目を″では世界中を盲目にするだけだ。
 今、世界は本当に大変な状況だけれど、
 いつか皆が平和な暮らしを取り戻せるように、
 できる事は精一杯やって行きたいものだな…」

日本では昨年、南沙諸島で起こった中国とベトナムの軍事衝突をきっかけに戦略自衛隊が発足し、
緊迫する東アジア情勢を受けて国防のための軍備の強化が図られていた。
そしてここサラジアでも、テロや内乱が続発して社会が混沌としている中、
人々はこれを解決してくれる強い指導者を求めていたのである。

光平「お父さん、この人は誰?」
陽一郎「この人は、今この国で人気のある政治家だよ。
 将来はこのサラジアの大統領になるかも知れない人なんだ。
 名前は、アフマド・アルハザード…」

陽一郎が読んでいた現地の新聞に、一人の男の写真が掲載されていた。
アフマド・アルハザード。
難局にあるサラジアをまとめ上げるカリスマとして、
近年、にわかに政界で頭角を現してきた人物である――。

961凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2017/04/05(水) 22:40:02
***カレブ山***

ラウール「…!」

夢から覚めて、ラウールは眠っていたテントの中で飛び起きた。
まだ夜は明けておらず、外は暗い。

ナレイン「いかがなされましたか、殿下」
ラウール「いや…ごめん。何でもないよ。
 ちょっと変な夢を見たみたいだ」

隣で眠っていたナレインが反射的に目を覚まして素早く起き上がる。
悪夢を見たらしく、ラウールの顔は脂汗でびっしょりと濡れていた。

ラウール「何だったんだろう…。随分おかしな夢だった」

ラウールは時々、不思議な夢を見る。
幼い頃の記憶のような、しかしあまりに現実とは乖離した奇妙な夢である。
夢の中では、まだ小さな子供のラウールは「光平」と呼ばれていて、
しかも自分は、父王とは明らかに違う人物を父と呼んでいるのだ。
夢の中の景色は、文明も文化もこの国とは全く違う、まるで別世界のようだった。
夢で自分に父と呼ばれていた人が言っていた「サラジア」という単語が、妙にはっきりと頭に残っている。

ラウール「すぐには寝付けそうにないや…。
 ちょっと外で星を眺めて来る」
ナレイン「お風邪を召されませぬよう、お気を付けて」
ラウール「うん。分かってる」

枕元に置いてあったマントを手に取って羽織ると、ラウールはテントの外に出た。
空を見上げれば、まるで宝石を散りばめたような満天の星空が広がっている。

ラウール「昔の記憶、か…」

ラウールは七歳の時、火災に巻き込まれた際に記憶喪失に陥っており、
それ以前の自分がどんな子供で、どこで何をしていたのかは全く覚えていない。
周囲の話では、当然ながらラウールは生来ずっと王子として都の王宮にいたのであって、
特段、何か数奇な生い立ちがあるわけではないとの事なのだが、
時折夢に見る古い記憶の断片のような、しかしとてもそうとは思えない不思議な情景が、
ラウールには妙に気にかかるのであった。

ラウール「あれは…!?」

嘆息しつつふと遠くに目をやって、ラウールは異常に気付いた。
夜の暗闇の中、北の空がほんの一部だけまるで朝焼けのように赤く輝いている。

ラウール「ナレイン! 早く、あれを見てくれ!」
ナレイン「ははっ!」

ただならぬ声でラウールに呼ばれて、テントから飛び出したナレインも北の方角を見て絶句する。
アセーリアでも太陽は地球と同じく東から昇るため、これは朝焼けなどではあり得ない。
これは火災であった。遠くで地上を燃やしている真っ赤な炎が、
夜空を一部だけ明るく照らしているのだ。

ナレイン「あちらは、王都のある方角です…!」
ラウール「ネクナールが、燃えている…!?」

962凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2017/04/05(水) 22:42:09
王都が炎上している。
ラウールとナレインはしばし呆然として言葉もないまま、
赤く燃え立つネクナールの方角を見詰めていた。

ナレイン「…!? 危ない!」
ラウール「うわっ…!?」

その時、背後の茂みから、一本の矢がラウール目掛けて飛んで来た。
ナレインは咄嗟にラウールを庇って地面に伏せさせる。
狙いを外れた矢は木の幹に突き刺さり、どす黒い毒液を鏃から滴らせた。

ラウール「毒矢…!」
ナレイン「何者だ? 姿を現せ!」

矢の飛んで来た方向にナレインが鋭く呼びかけると、
顔に赤い入れ墨をした、蓑を纏っている四角い顔立ちの大男が茂みの中から現れた。
紀元前の昔、南越のベッサ族の戦士として春秋戦国時代の中国で恐れられ、
それから二千数百年の時を経て黄泉がえった、古代の殺し屋ムタである。

ムタ「ムタの吹き矢をかわすとはなかなかやるだべ。
 でも、今のが当たっていた方が楽に死ねたかも知れないんだべ」
末那蚕「メルヴィオンのラウール王子ってのはてめえだな?
 ようやく見つけたぜ」

垂れ下がった長い前髪で片目を隠し、甲冑の上に白装束を着た、
大鎌と多節棍を組み合わせたような武器を持つ無気力そうにだらけた姿勢の男が、
ムタに続いて茂みの中から姿を見せラウールをぎろりと睨みつけた。
やはり現代に復活した古のリザレクターで、
かつて江戸時代の日本で蟲奉行の命を狙っていた蟲狩の一人・末那蚕である。

ラウール「お前達は誰だ!」
末那蚕「フン、俺達はな、
 てめえをあの世にいる家族に再会させてやるために来た死神だよ」
ナレイン「何っ!? 
 王家の方々が、あの世におられると…?」

末那蚕の口から発せられた思わぬ一言に、
ラウールとナレインの表情が凍りつく。

ムタ「そうだべ。
 この国の都はとっくにムタ達が攻め落として、今はあの通り火の海だべ。
 国王も三人の王子達も、みんな戦に負けて全滅だべ」
ラウール「そんな…。そんなバカな!」
ナレイン「世迷言を…。お前達は一体何者なのだ?」
末那蚕「俺達は、地球から来たサラジアの傭兵軍団…。
 黒三日月隊(アスワド・ヒラル)だ!」

アルハザードの傭兵軍団の一員である事を証する、
黒い三日月の紋様が描かれた腕章を左腕に巻きつけた二人の刺客は、
ラウールとナレイン目掛けて同時に襲いかかった。

963凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2017/04/05(水) 22:44:47
咄嗟に得物を抜いて迎撃態勢を取るラウールとナレイン。
ラウールにはムタが、ナレインには末那蚕が相対して戦闘になる。

ナレイン「サラジアの黒三日月隊だと?
 寡聞にして耳にせん名だな」
末那蚕「そりゃ、この世界の奴らは知らねえだろうよ。
 まあ詳しい話は、冥土に行ってからてめえらの王様にたっぷり聞きな」
ナレイン「くっ、国王陛下はまことに身罷られたというのか!」

ナレインが愛用する武器は、水竜ガノトトスの素材で造られた水剣ガノトトスである。
細身の理知的な美青年で、剛毅さとは真逆の繊細な印象を受けるナレインだがその武芸の腕前は見かけ以上で、
一気に仕留めようと斬りかかった末那蚕の極楽鎌を無駄のない流麗な剣捌きで受け止めると、
巧みに隙を突いて反撃してゆく。

末那蚕「てめえ、ただの青二才かと思ったら意外とやるじゃねえか」
ナレイン「殿下をお守りするのが我が使命なものでな。
 軟弱者では務まらんさ!」
末那蚕「だがなぁ…。こっちもまだまだ本気じゃねえんだよ!」
ナレイン「ぐっ…!」

末那蚕の極楽鎌が唸りを上げ、森の大木を次々と斬り倒しながらナレインに迫る。
一方、修業用に持っていた銅の剣を抜いたラウールに対しては、
ムタが左右の手に持った二振りの手斧を振り回しながら激しく攻め立てていた。

ムタ「この斧でお前の首を刎ねてやるんだべ!」
ラウール「(サラジア…。夢の中に出て来た国の名前だ…)」

先程、末那蚕が口にしたサラジアという単語が気にかかるラウールだが、
両手の斧を交互に力強く叩き込んでくるムタの猛攻は凄まじく、
戦いに集中し切れていないラウールはたちまち窮地に陥る。

ムタ「このムタを相手にしながら上の空とは、随分と余裕だべ」
ラウール「くっ…、行くぞっ!」

雑念を振り払い、剣を腰元に構えてムタに突撃を仕掛けるラウール。
だがムタは次の瞬間、右手に持っていた片方の斧を捨てて吹き矢に持ち替え、
勢いよく正面から突っ込んで来たラウールに向けて毒矢を放った。

ムタ「これで死ぬんだべ!!」
ラウール「しまったっ…!」

全力で突進しようとしていたラウールは不覚にも反応が遅れ、回避行動が間に合わない。
だがその時、何者かが素早く横から飛び込んでラウールの前に立ち塞がり、
飛んで来た毒矢を鋭い刀の一閃で斬り払った。

ラウール「…キクマル!」
キクマル「殿下、ご無事でござるか!」

黒三日月隊の攻撃で陥落したネクナールを脱出していたキクマル・サダムネが間一髪、
現れてラウールの危機を救ったのである。
愛刀・虎一文字をムタに向けながら、
ラウールの方に振り返ったキクマルは凛々しい微笑を見せた。

リンディ「命の源なる清らかな水よ、我が杖に集い、雨を降らせよ!」
ムタ「な、何だべこの雨は〜!」
末那蚕「ちっ、小娘がっ…!」

更に、遠くの茂みの陰から姿を見せたリンディ王女が、
留学先のコンクェイテューラで学んだばかりの水系魔法の呪文を詠唱し、
手にした魔法の杖から豪雨のような無数の水滴のシャワーを発射してムタと末那蚕に浴びせかける。

キクマル「さあ殿下、今の内に!」
ラウール「分かった!」

リンディが起こした局所的なスコールで敵が足止めされている間に、
キクマルに誘導され、ラウールとナレインはその場から素早く逃げ去った。

ムタ「逃げられたんだべ…」
末那蚕「まあしょうがねえや。
 そう遠くへは行ってねえはずだ。手分けして探すぞ」

あと一歩のところで獲物を取り逃がしたムタと末那蚕は、
水に濡れた衣装の袖を絞ると、直ちに森の奥へと追跡を開始した。

964凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2017/04/05(水) 22:47:48
【今回の新規登場】

●ムタ(キングダム)
春秋戦国時代の中国で恐れられた南越のベッサ族の戦士。
巨体を誇り、四角い顔には赤い入れ墨をしている。
毒の吹き矢と二振りの手斧が武器。

●末那蚕(ムシブギョー)
江戸時代の日本で蟲奉行の命を狙っていた暗殺集団・蟲狩の一人。
黒い甲冑の上に白装束を着ており、長い髪で左目を隠している。
常にどこか無気力そうな態度を取り、厭世的で死を望むような発言を繰り返す。
大鎌と多節棍を組み合わせたような極楽鎌という武器を用いる。

965凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2017/04/18(火) 19:23:55
≪アセーリア編「王剣を継ぐ者」-2≫


***カレブ山・麓の森林地帯***

ナレイン「ここまで来れば、ひとまず安心でしょう」

夜がようやく明けた頃。
ムタと末那蚕の襲撃から逃れたラウール、ナレイン、キクマル、リンディの四人は、
グリーンドラゴンの毒の息で枯らされずにまだ残っていた森の奥へと避難し、
そこに建っていた朽ちかけた煉瓦造りの廃屋の中に身を隠した。

ラウール「キクマル。王都で何があったのか説明してくれ。
 さっきの奴らは一体何者だ。父上達はどうなったんだ!?」
キクマル「はっ、殿下…」

一息ついたところでラウールに事情を問われたキクマルは、
急に崩れ落ちるようにして両膝を突きラウールの足元に平伏すと、
地面に頭を擦りつけて這いつくばりながら声を絞り出すようにして言上した。

キクマル「申し訳ございませぬ!
 三日前、王都東方のトリスタン平原におきまして、
 我ら聖王国軍は黒三日月隊と名乗る夷狄の軍勢と戦い、
 大敗いたしましてございます…!」
ラウール「大敗…!?」

旅で都を離れていたため状況を何も知らされていなかったラウールとナレインに、
キクマルは事の次第を始めから順序立てて説明した。
突如、空に大きな穴が開き、時空の彼方から謎の大軍団が出現した事。
地球のサラジアから来た黒三日月隊と称する彼らはメルヴィオンに無条件降伏を迫ってきた事。
要求を跳ねのけたアディラス十六世はトリスタン平原まで出陣して彼らと一戦交えたが、
敵の圧倒的な強さの前に思わぬ惨敗を喫し、十万の大軍をたちまち壊滅させられた事。
黒三日月隊は更にネクナールまで侵攻し、遂に王都を攻め落とした事…。

キクマル「トリスタンの合戦にて、三人の王子殿下はことごとくご戦死!
 エリス姫様も討ち死にされ、都へ退かれた国王陛下は、
 もはやこれまでと王宮に火をかけられご自害なされましてございます…!」
ラウール「そんな…!」

まさかの悲報に、ラウールは茫然自失した。
天地が引っ繰り返るくらいの衝撃で、立ち眩みを起こして倒れそうになる。

ラウール「父上…兄上…姉上…。
 そんな…そんなの…そんなの嘘だ…!」
ナレイン「殿下、確かに信じられぬような話ではありますが…。
 このキクマルがこうして参上して申すからには、
 これは他ならぬ現実の事態として受け止めなければなりますまい」
ラウール「そんな…。父上達が亡くなられるなんて!」

ラウールは動揺に身を震わせ、やがてがっくりと膝を折って泣き崩れた。
幼い頃からずっと心から敬愛し頼りにしてきた父や兄や姉である。
それが全員、もうこの世にいないとは何という事だろう。

キクマル「これなるは、王家に代々伝わる聖なる王剣メルヴィカリバー。
 三人の兄王子様方が揃ってお命を落とされた今、
 陛下は王子としてただ一人この世に残られた殿下をご自分の跡取りとお認めになり、
 王の証たるこの剣を殿下に託すよう、それがしにご遺命なされましてございます」
ラウール「僕が…王…?」

キクマルが差し出したメルヴィカリバーを、ラウールは震える手で受け取った。
末弟のラウールには、尊敬する兄達を差し置いて自分が王になろうという野心や自信などは昔から露ほどもなかった。
国王のみが佩く事を許されるこの由緒正しき聖剣をよもや自分が持つようになるなど、
ラウールは生まれてこの方ただの一度たりとも想像した事はなかったのである。

966凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2017/04/18(火) 19:25:48
ラウール「………」

受け取った王剣を虚ろな目で呆然と眺めているラウールの足元で、
キクマルはもう一度改めて両手を床に突き、
深々と頭を下げながら声を震わせてこの事態を詫びた。

キクマル「お国の命運を賭した大事極まる一戦にかかる無惨な大敗を喫し、
 三人の王子殿下とエリス姫様、更には国王陛下のお命までもお守りできず、
 まことに面目次第もございませぬ。
 こうして殿下に王剣とリンディ姫様の御身をお届けし、
 亡き陛下の最後のご下命だけでも無事果たし終えましたからには、
 このキクマル・サダムネ、我が先祖の国に伝わるサムライの作法に倣い、
 腹切って殿下に不徳をお詫び申し上げまする!」

己の非力を嘆きつつ自刃を願い出るキクマルだが、
トリスタンの会戦がどんな戦いであったにせよ、こうも劇的な大壊滅ともなれば、
彼のような一部将の責任を云々する次元の話でない事は明白である。
頭を金槌で叩かれるような衝撃からようやく我に返ったラウールは王剣を腰に収めると、
まだ強張って震えそうになる声を懸命に抑えつつキクマルに言葉をかけた。

ラウール「面を上げてくれキクマル。
 役目ご苦労だった。腹なんて切らなくていい。
 リンディだけでも、よく守ってくれたよ」
キクマル「勿体ないお言葉にございまする…」
ラウール「リンディ、無事で本当に良かった」
リンディ「ラウール兄様…!」

ただ一人生き残った妹のリンディを、ラウールは懐に抱き寄せた。
先程からのやり取りを横で聞いていて死別の悲しみを思い出したのか、
リンディは目に一杯の涙を溜めていた。
ずっと必死に抑え込んでいた感情が決壊して、リンディは兄の胸を涙で濡らす。

ナレイン「しかし、精強を誇る十万の王国軍がわずか半日の戦闘で殲滅されるなど、
 常識ではとても考えられぬ事。
 まして不敗の戦歴を誇られた陛下が直々に指揮を執られた戦で、
 そこまで壊滅的な惨敗をするなど信じられぬ事態だ。
 一体いかなる異変が起こったというのだ?」
キクマル「それは…」

トリスタンの戦場で見たものについてキクマルが詳しく語り出そうとしたその時、
大きな音がして、廃屋の壁が突如として吹き飛んだ。

末那蚕「オラァっ!!」
リンディ「きゃぁっ!?」

末那蚕の極楽鎌による斬撃が煉瓦の壁をバラバラに切り刻んだのである。
ラウール達を発見した末那蚕とムタは、
廃屋の中へ勢いよく乗り込んできて襲いかかる。

ムタ「やっと見付けたんだべ!」
末那蚕「王子様に王女様、二人仲良くあの世へ逝きな!」
キクマル「おのれ、させるかっ!」

リンディ目掛けて振り下ろされた末那蚕の極楽鎌をキクマルが虎一文字で防ぎ、
ラウールの前にはナレインが立ち塞がってムタの斧を水剣ガノトトスで受け止める。

ナレイン「殿下! ここは我らが!」
キクマル「姫様を連れてお逃げ下され!」
ラウール「よし! リンディ、来るんだ!」
リンディ「はいっ!」

ナレインとキクマルが敵を喰い止めている間に、
ラウールはリンディの手を引き、廃屋から脱出して走り出した。

967凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2017/04/18(火) 19:27:55
ラウール「リンディ、こっちだ」
リンディ「はいっ」

リンディを連れて森の奥へと逃げたラウールは、
先程の凶手らとは別の気配を感じて立ち止まり、茂みの中に素早く隠れた。

デミチェリス「殿下! ラウール殿下はおられませぬか!?」
ラウール「あれは、デミチェリス…?」

銀色のプレートアーマーを着て向こうから早足で歩いて来た長身の青年は、
ラウールがよく知っている人物だった。
アディラス十六世に仕える近衛騎士団の一人で、
ラウールやリンディも小さい頃から色々と世話になってきたデミチェリスという若い剣士が、
大声で呼びかけながらラウールを探していたのである。

ラウール「デミチェリスじゃないか! 
 お前も来てくれたんだな! 僕はここだ!」
デミチェリス「おお殿下! それにリンディ王女様もご一緒でしたか」

相手が顔馴染みの家臣だと分かって、
安心したラウールは茂みから姿を見せデミチェリスに駆け寄った。

ラウール「良かった…!
 王国軍が戦で壊滅したとキクマルに聞いたから、
 もしかしたらお前も戦死してしまったのかと…」
デミチェリス「多くの者が討たれた悲惨な負け戦でしたが、
 幸いそれがしは無事にございます。
 国王陛下の御身をお守りする使命を果たせず、まことに申し訳ございませぬ」
ラウール「いや、とにかくお前だけでも生きていてくれて何よりだよ」
リンディ「………」

感激して家臣の無事を喜ぶラウールだが、リンディはその横で不審を覚えていた。
父王が敗北して命からがら王宮へ帰還した時、確かその傍に侍っているのはキクマル一人だけだった。
王の護衛を任務とする近衛騎士団の一員として、
生きていれば当然そこにいなければならないはずのデミチェリスの姿はなかったのだ。
それがいないという事はやはり彼もトリスタンで戦死してしまったものと、
リンディはてっきり思い込んでいたのだが…。

リンディ「ラウール兄様、危ないっ!」
ラウール「…っ!?」

リンディが叫んだその瞬間、信じられない事が起こった。
ラウールの前に跪いていたデミチェリスの左手が緑色の長く鋭い鎌のような形状に変化し、
勢いよく振り上がってラウールを斬りつけたのだ。

ラウール「デミチェリス、お…お前…」
デミチェリス「フフフ…。ラウール王子、命は頂くぞ!」

鎌の切っ先が掠ったラウールの頬から血が滴り落ちる。
邪悪な笑みを浮かべながら立ち上がったデミチェリスの全身が濁った緑色の光に包まれ、
まるでカマキリを擬人化したような恐ろしい蟲の怪人に変貌した。

アクエレ「グォォォォ…!」
ラウール「…!」

この男は本物のデミチェリスではなかった。
彼はGショッカーに属する凶悪な異星生命体ワームの中の一体、
セクティオワーム・アクエレが、戦場で殺したデミチェリスに擬態した姿だったのである。

968凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2017/04/18(火) 19:29:48
ラウール「怪物め…。本物のデミチェリスはどうした!」
アクエレ「この騎士にはトリスタンの戦場で死んでもらった。
 そしてその姿を俺が借りたというわけだ」
リンディ「そんな…!」
ラウール「デミチェリスをよくも…!」
アクエレ「我々ワームは人間そっくりの姿に擬態し、
 記憶さえも引き継いで完全になりすます事ができるのだ。
 憎き敵性種のネイティブどもがこの世界で以前からしてきたようにな」
ラウール「ネイティブ…?」

ワームの姿のまま、擬態したデミチェリスの声を使ってアクエレは語る。
虫型の宇宙生物であるワームにはネイティブと呼ばれる同族の敵対種族がいるが、
ラウールにはそんな事は皆目分からないため、アクエレの言葉の意味がよく掴めない。

ラウール「お前達も、サラジアの黒三日月隊の仲間か!」
アクエレ「我らは偉大なる至高邪神様にお仕えする者…。
 あらゆる世界を闇で覆い尽くす地獄の軍団、ガイスト・ショッカーだ!」
リンディ「ガイスト・ショッカー…?」

不気味な声で名乗りを上げたアクエレは左手の大鎌をラウールに向けた。
ラウールは腰に収めていたメルヴィカリバーを抜いて正眼に構え、応戦態勢を取る。
だがその刹那、アクエレの姿がふっと消え、驚くラウールの脇腹に、
まるで瞬間移動のような速さで一瞬の内に近付いて来たアクエレの鋭い膝蹴りが叩き込まれた。

ラウール「がぁっ…!」
リンディ「ラウール兄様!」

激痛に呻くラウール。
何とか反射的にメルヴィカリバーを振り上げてアクエレに斬りつけようとするが、
アクエレは再び姿を消し、一瞬で逆方向に回って、
今度はラウールを衝撃で数メートル弾き飛ばすほどの強烈な肘打ちを顔面に浴びせた。

ラウール「うわぁっ!」
リンディ「兄様、しっかりして!」

勢いよく吹っ飛ばされて森の大木に激突し、
切れた口から血を流しながら王剣を手から落として倒れ込んだラウールに、
リンディが駆け寄って助けようとする。

アクエレ「フフフ…。
 クロックアップできない人間など、我らワームの敵ではない」
ラウール「ク…クロック…アップ…?」

ワームの特殊能力である、自分以外の時間の流れを遅滞させる事で敵の主観から見た高速移動を実現するという
クロックアップについてアクエレは口にするが、
そのような言葉をアセーリア人のラウールやリンディは聞いた事もない。

リンディ「ラウール兄様は私が守るっ!
 凍てつく氷よ、我が杖に集いブリザードとなれ!」
アクエレ「フン…、無駄な事を」

リンディはラウールの前に立ち塞がって魔法杖をかざしながら呪文を唱え、
敵に冷気を浴びせて氷漬けにする攻撃魔法を放ったが、
アクエレはこれもクロックアップで容易く回避し、
狙いを外れた冷気のシャワーはアクエレの背後にあった大きな岩に当たって凍結させる。

リンディ「あっ…!」
アクエレ「王家の小娘、まずはお前から始末してやろう」
リンディ「きゃぁっ!」

アクエレはクロックアップでリンディの目の前に現れると、
人間と同じ五本の指がある右手でリンディの頭を上から鷲掴みにして持ち上げ、
カマキリのような鎌状になっている左手を彼女の首筋にゆっくりと近付けた。

リンディ「うっ…あぁっ…!」
ラウール「や…やめろ…っ!」

969凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2017/04/18(火) 19:34:33
アクエレ「さあ、死ね…!」
リンディ「っ…!」

アクエレの鋭い鎌がリンディの細い首に今にも触れようとしている。
倒れ伏していたラウールは全身を走る痛みに悶えながら、
何とか妹を守ろうと、地面に転がった王剣メルヴィカリバーに必死で手を伸ばした。

ラウール「ううっ…、リ…リンディ…!」

およそ三百年の昔、アセーリアの創造神セイロスが建国の祖である初代王アディラス一世に授けたと伝わる、
由緒正しき聖剣メルヴィカリバーは、それを手にした歴代の王に人智を超えた力を与え、
それによってずっとこの国を守護してきたという。
父王や兄王子らの死というあまりに突然の事態に戸惑うラウールには、
まだ自分が王となってこの国を背負うという実感も覚悟もほとんど湧いて来ないというのが率直な実情だった。
だが…それでも一つだけ、そんな未熟なラウールにも今の時点ではっきりと分かっている事がある。
今ここで自分が立って戦わなければ、大切な妹のリンディはあの醜い怪物に命を奪われてしまうという事である。

ラウール「戦わなければ…あいつを僕が倒さなければ…
 リンディは死んでしまうんだ…!
 だから…神聖なる王剣よ…僕に力を…貸してくれ…ッ!」

伸ばされたラウールの右手がメルヴィカリバーの柄をしっかりと掴む。
すると次の瞬間、剣の鍔の中央に埋め込まれた紫色の宝石が光を放ち、
何か電流のようなものが剣から手に伝わってラウールの全身に迸った。

――目覚めよ、メルヴィオンの王となるべき者よ。

そんな声が、どこかから聞こえた気がした。
胸の奥から湧き上がる不思議な高揚感が全身を包み、
ラウールは先程まで自分を苦しめていた体中の痛みを忘れたかのように立ち上がる。

ラウール「リンディを放せ、化け物!」
リンディ「ラウール兄様…!」

メルヴィカリバーを構え、不思議な闘気に満たされたラウールは、
一歩ずつゆっくりと凶悪なワームに迫る。

アクエレ「まだ戦うつもりか…。いいだろう。
 まずは王子である貴様から先に殺してやる!」
リンディ「きゃぁっ!」

アクエレは片手で掴み上げていたリンディをラウールの方へと乱暴に放り投げた。
投げつけられた妹をしっかりと受け止め、ラウールは彼女を地面にそっと降ろす。

ラウール「リンディ、下がってろ」
リンディ「は…はい、兄様」

兄を覆っているただならぬオーラに気圧されながら、
言われた通り、ラウールの後ろに下がって距離を取るリンディ。
ラウールとアクエレの戦いが再び始まった。

ラウール「行くぞっ!」

森の木漏れ日を浴びて銀色に輝くメルヴィカリバーの刃を振るい、
ラウールは地面を力強く蹴ってアクエレに斬りかかった。



【今回の新規登場】

●セクティオワーム・アクエレ(仮面ライダーカブト)
地球に生息するカマキリに似た姿をしたワーム。
左手の鋭い鎌が武器。口から毒性アルカロイドの泡を噴き敵をショック死させる。

970凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2017/04/29(土) 17:36:07
≪アセーリア編「王剣を継ぐ者」-3≫

ナレイン「ハァッ!!」
ムタ「ぬうっ! こんな孺子にやられるムタではないんだべ!」

その頃、ムタと戦うナレインは水剣ガノトトスをしなやかに振るい、
二本の斧による相手の猛攻を巧みに防ぎながら次第に優勢に立ち始めていた。
ムタは怪力を自慢とする手練れの猛者だが、
ナレインはムタの剛腕に苦しめられつつも長時間に渡る打ち合いで要領を掴み、
敵の攻撃パターンを把握して的確な対処法を見出していたのである。

ムタ「こうなったら…こいつを喰らうんだべ!」
ナレイン「フン、何の!」

徐々に不利となってきた形勢に業を煮やしたムタは片方の斧を捨てて吹き矢に持ち替え、
鏃に毒を塗りつけた矢を放ってナレインを狙った。
だが、先刻のラウールとの戦いを見てムタがこの手を使うと承知済みだったナレインは微塵も慌てず、
飛んで来た毒矢をガノトトスで叩き払って上空高くへ弾き飛ばす。

ムタ「ムタは負けないんだべ! ぬおおおっ!!」
ナレイン「行くぞ!」

片手に残ったもう一本の斧を振り上げ猛然と突っ込んで来るムタ。
ナレインもガノトトスを構え直して駆け出し、両者は交錯してすれ違う。
時間が止まったような数秒の沈黙の後、短い呻き声と共に倒れたのはムタの方であった。

ムタ「がぁぁ…っ…!」
ナレイン「………」

うつ伏せの体勢で地面に巨体を沈めたムタの背中に、
先程ナレインが空に弾き上げた毒矢が降って来てぐさりと突き刺さった。
猛毒が間もなく全身に回り、古代の暗殺の名手ムタは倒れたまま血を吐き絶命したのであった。

末那蚕「ちっ…! ムタの奴、先に逝っちまったか。ずるいぜ」

ムタがナレインに倒されたのを見た末那蚕は、
まるで何かに憑かれたかのような目で幽鬼の如くキクマルににじり寄る。

末那蚕「死にてえ…。俺は早く死にてえんだよ。
 ようやく死ねたと思ったら、黄泉がえり現象とかいう奴でまた生き返っちまってよ。
 ったくやってらんねえぜ」
キクマル「ふざけるな…!
 お前達のために、どれだけ生きたいと願っていた、
 そして生きていてほしいと願われていた人々が尊い命を奪われたか!」

気怠そうに呟きながら極楽鎌を振るう末那蚕に、
怒りを爆発させたキクマルは虎一文字で激しく斬りかかる。
森の大木を次々と斬断する威力の極楽鎌をかわし、
跳躍したキクマルは大上段から末那蚕に必殺の一刀を叩き込んだ。

キクマル「斯様に死にたいならば…望み叶えてやる!」
末那蚕「ぐぉ…っ!!」

キクマルの渾身の斬撃が末那蚕を真っ向から一閃!
顔面から胸にかけて力強く斬り下げられた末那蚕はよろめきながら後ずさり、
後ろの崖から足を踏み外して谷底深くへと転落した。

キクマル「やり申した…!」
ナレイン「だが殿下と姫様が心配だ。急いでお探しせねば!」

激闘の末に刺客を撃破したナレインとキクマルは、
リンディを連れて逃げたラウールを探し、すぐに森の奥へと駆け出した。

971凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2017/04/29(土) 17:37:38
ラウール「たぁっ!」
アクエレ「(この王子のライフエナジーがいくらかアップしている…?
 聖なる王剣とやらの力か…。だが所詮、この程度の変化は誤差に過ぎん!)」

王剣メルヴィカリバーを振るい、アクエレに猛攻を仕掛けるラウール。
ラウールから感知される戦闘力がやや上昇しているのを警戒するアクエレだが、
それも決して戦況を覆すほどの変化ではなく、
クロックアップの動きにラウールが付いて来れない限りアクエレの優位は変わらない。
メルヴィカリバーを上段に構えてかかって来たラウールの突進を、
アクエレは再びクロックアップで易々とかわした。

ラウール「くっ…!」
アクエレ「クロックアップに対処できぬ限り、
 貴様に勝ち目など露ほどもないのだ!」
ラウール「うわぁぁっ!!」

猛スピードで振るわれたアクエレの鎌がラウールの左肩を切り裂き流血させる。
王剣の不思議な力が体に宿っていくらか強められた実感があるラウールだが、
周囲の時の流れを遅らせて超高速移動を可能にするクロックアップの前には手の打ちようがなく、
攻撃を一発も敵に当てられないまま一方的に痛めつけられる。

アクエレ「止めだ!」
ラウール「…!」

クロックアップしたアクエレが鎌を振り上げ、
ラウールの首を遂に刎ねようと超高速で突進する。
だがその時、不思議な事が起こった…。
ラウールの翡翠色の両眼が赤い妖しげな光を放ち、
クロックアップのためそれまで目視不能の速さだったアクエレの動きが、
急に正常のスピードに戻ったようにラウールには見えるようになったのである。

ラウール「これは…!?」

異変はそれだけではなかった。
風にそよぐ地面の花、木の枝から地上へひらひらと舞い落ちる枯れ葉、
兄のピンチに慄いて思わず手で両目を覆わんとするリンディの動作…。
ラウールとアクエレ以外の全ての物が、
ほとんど制止状態にも近いほどゆっくりと動いているのだ。
遅滞した時の流れの中で、ラウールとアクエレだけが通常の行動速度を保っている。

アクエレ「な…何っ!?」

突然ラウールが自分と同じ時間流の中で動き始めたのを見てアクエレが驚愕する。
十分に対応可能な速さになったアクエレの突撃を身を捻ってかわしたラウールは王剣を振り上げ、
とうとうメルヴィカリバーによる横薙ぎの一撃を敵の脇腹に当てる事に成功した。

アクエレ「グォォッ!? バ…バカな!
 なぜ人間如きがクロックアップできるのだ!」
ラウール「これが…クロックアップ?」

自分に起こっている現象の意味が掴めず、ラウールも困惑する。
そして次の瞬間、ラウールの瞳が再び赤く輝き、
体の奥底から湧き上がる本能的な闘争心に襲われたラウールは、
強い衝動に突き動かされるまま、
メルヴィカリバーの切っ先を力一杯アクエレの胸に突き立てた。

アクエレ「グヴォァッ…! わ…分かったぞ…!
 貴様…さては…この世界の…ネ…ネイ…」
ラウール「つぁっ!!」
アクエレ「グ…グァァァァァッ!!」

アクエレの胸に刺さった王剣を思い切り引き抜くラウール。
致命傷を受けながら何か重大な真実を悟って口にしようとしたアクエレだったが、
果たせず力尽き、断末魔の叫びと共に緑色の炎に包まれて爆発、消滅した。

972凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2017/04/29(土) 17:42:04
ウルヤーヴ「化け物め…。とうとう醜い本性の片鱗を現わしたか」

まさに一瞬。通常の時間流で言えばわずか数ミリ秒で形勢が逆転した戦いの決着を、
遠くの岩陰からそっと窺っている一人の若者がいた。
右目に眼帯を付け、深い闇を湛えた漆黒のマントを纏っているこの青年…。
その顔立ちは、隻眼であるという点を除けばラウールに瓜二つ。
どこからどう見ても、まるで生き写しのように全くそっくりなのであった。

ウルヤーヴ「サラジアの黒三日月隊…。
 異世界からの外寇とは思わぬ邪魔が入ったものよな。
 まあいい…。いずれ王都も王剣も、正統な王位継承者であるこの俺の物になるのだからな」

ラウールそっくりの青年――ウルヤーヴ・ゼル・アディラスは、
踵を返して音もなくその場を立ち去った。
果たして彼の正体は何者なのであろうか…?

   ◇   ◇   ◇

ナレイン「殿下! 姫! ご無事にございますか!?」
ラウール「ああ、僕達は大丈夫だ」
リンディ「ラウール兄様は怪我をしているわ。早く手当てをしてあげて!」
キクマル「はっ、直ちに!」

アクエレを倒したラウールとリンディの元へ、
ムタと末那蚕を片付けたナレインとキクマルが駆け寄って来て合流する。
アクエレの攻撃で負ったラウールの傷に、
キクマルが懐から薬草を取り出して素早く応急処置を施した。

キクマル「少々、沁みまするぞ」
ラウール「うん…」

手当てを受けながら、ラウールは先程アクエレとの戦いで体験した、
時間の流れが突然遅くなったかのような不思議な現象について皆に話そうとした。
ところが、言葉を発しようとしたラウールが首をわずかに傾けた次の瞬間、
突如として森に銃声が響き、ラウールの頭の左右を二発の銃弾が掠めたのである。

シェイド「ちっ、避けやがったか。運のいい奴め」

遠くの茂みから二挺拳銃でラウールを狙撃したサングラスをかけている大柄な男は、
かつて地球で次元大介と共にニューヨークのマフィアのドンの用心棒をしていた、
「掃除屋」ことシェイドであった。
アメリカでのルパン三世一味との戦いで死亡した彼だが黄泉がえり、
アフマド・アルハザードお抱えの殺し屋の一人として黒三日月隊に雇われていたのだ。

シェイド「死ね、ラウール!」
ナレイン「危ない!」

両手に持った愛用のスーパーブラックホークを乱射するシェイド。
ラウール達は咄嗟に岩陰に転がり込むようにして身を隠した。

ラウール「何なんだ、あの武器は?」
キクマル「こ、これでござる!
 トリスタンの合戦で我らの軍勢を粉砕した黒三日月隊の飛び道具は!」

銃弾の雨が森の木々に当たって固い樹皮を砕き、枝を撃ち抜いて切り落とす。
驚くラウールに、キクマルはトリスタン平原での戦いを思い出しながら説明した。
なぜ十万の王国軍が敢えなく大敗したのかずっと疑問を抱いていたナレインも、
シェイドが使う銃の威力を目の当たりにしては即座に納得せざるを得なかった。

ナレイン「なるほど…。どんな仕組みの武器かは知らぬが、
 こんな遠距離攻撃の道具を数百、数千と持っているような敵では、
 王国軍の精鋭とて手も足も出なかったのも道理ではある…!」
リンディ「そんな事より、どうしたらいいの!?」

シェイドはマグナム弾を次々と二挺拳銃に装填して撃ちまくる。
キクマルが隙を突いて斬りかかろうと刀の柄に手をかけるが、
シェイドの激しい銃撃の前には到底飛び出して行けるような間隙などない。

973凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2017/04/29(土) 17:44:09
ナレイン「私に考えがあります。
 あちらの方角に向かって皆で逃げましょう」
ラウール「よし…。みんな、ここはナレインを信じよう」
リンディ「分かったわ!」
キクマル「承知!」

弾切れとなったスーパーブラックホークにシェイドが弾丸を込めている隙に、
ナレインに先導され、ラウール達は岩陰を離れて森の奥へと一斉に走って逃げ出した。

シェイド「フン、逃がすか!」

銃弾のリロードを終えたシェイドはそれを追ってジャングルの中に乗り込んで行く。
深い茂みを掻い潜って必死に逃げるラウール達だったが、
森を抜けた先には大きな湖があり、湖岸は切り立った絶壁になっていた。

リンディ「が、崖っ!?」
ラウール「そんな! ナレイン!?」

これ以上は逃げ道のない行き止まりである。
自信ありげに皆をここへ誘導したナレインの方を一同は青ざめた顔で振り返るが、
当のナレインは湖を見下ろして冷静にほくそ笑んでいた。

キクマル「ど…どうするのでござるか、ナレイン殿!?」
ナレイン「これでよいのです。後はこの岩を!」

ナレインは近くにあった大きな岩を押し転がして崖下の湖へと落とした。
ドボンと大きな音がして、湖面に水柱が上がる。

ナレイン「さあ、早くこちらへ!」

ナレインは急いで皆を付近の岩陰に隠れさせた。
そこへシェイドがやって来て、白く泡立っている水面を崖の上から見下ろす。

シェイド「バカめ! 奴ら、湖に飛び込んだな?」

岩が落とされた水面の痕跡を見てラウールらが湖に飛び込んだと誤認したシェイドは、
水中に潜っている彼らが苦しくなって顔を出したところを蜂の巣にしようと、
湖面に向けて二挺拳銃を乱射した。

シェイド「さあ、早く上がって来やがれ!」

銃を撃ちながらシェイドがそう叫び、冷酷な愉悦を浮かべたその時である。
湖底から巨大な黒い影がぬっと浮かび上がり、水面が山のように大きく盛り上がったかと思うと、
体長数十メートルの首長竜のような怪獣が水中から姿を現したのだ。

ブラキオレイドス「グォォォォ〜ッ!!」
シェイド「な、何だこいつはっ!?」

太古の地球に生息していた大型恐竜ブラキオサウルスに酷似した巨大モンスター、
ブラキオレイドスは、巣のある湖に激しく銃撃されて怒っていた。
棲み処を荒らす敵の姿をぎろりと睨みつけたブラキオレイドスは、
強烈な鼻息でシェイドを吹き飛ばす。

シェイド「ぐわぁっ! ちっ、この怪物め!」

両手に持ったスーパーブラックホークでブラキオレイドスを撃ちまくるシェイド。
だが、銃撃を受けて更に激怒したブラキオレイドスは攻撃魔法【メテオ】を発動させ、
宇宙の彼方から召喚した隕石をシェイドの上に落下させた。

シェイド「ぐわぁぁ〜っ!!」

隕石が湖岸に衝突して大爆発が起きる。
火達磨になりながら吹き飛ばされたシェイドは悲鳴を上げ、崖から湖へと真っ逆さまに転落した。
眠りを邪魔する敵を倒したのを見届けたブラキオレイドスは大きく咆えると、
用は済んだとばかりにまた水中へ戻って行く。

974凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2017/04/29(土) 17:47:21
ラウール「さすがナレイン! 見事な作戦だ」
キクマル「湖の中に、あのような巨大な怪物がいたとは驚きでござる」
ナレイン「殿下の武者修業の旅の、
 最後の試練として対戦相手に考えていたモンスターでしたが、
 ひとまず上手く利用できました。
 いかに強力な異世界の武器と言えども、
 ブラキオレイドスを倒すほどの威力はさすがになかったようですな」
リンディ「でも、これからどうするの?
 都はもう敵に攻め落とされてしまってるし…」

岩陰から出て口々にナレインに喝采を浴びせる一同だったが、
リンディが心細げに今後について訊ねると、皆もすぐに笑顔を消して表情を曇らせた。
襲って来た刺客らを何とか退ける事には成功したものの、
ネクナールの都は敵の手に落ち、国王や三人の王子を始めとする政権の指導者層を多数失って王政は瓦解。
ラウール達が生まれるずっと前から続いてきた泰平の世は突如として終わりを告げ、
メルヴィオン聖王国は今や滅亡の瀬戸際に立たされている。

ラウール「旅に出ている間に、大変な事になってしまったな。
 父上も兄上も姉上も、もうこの世にいないなんて…」

ラウールはメルヴィカリバーをゆっくりと鞘から抜き、その刃の眩しい黄金色の輝きを見詰めた。
メルヴィオンの王の権威を象徴するこの剣を父から託されたという事は、
王家の跡継ぎとしてこの国を守る責務を与えられたのと同義である。
一体どうすればよいのか困惑を禁じ得ない状況ではあるが、
いずれにせよこの神聖な剣が自分の手元にあるという意味の重みを、
ラウールは自覚しなければならないのだ。

ラウール「ともかく、亡き父上のご遺言に従い、
 王剣を受け継いだ王家の正嫡として全力で事態の収拾に当たる。
 父上達の仇を討って都を敵から奪還し、
 黒三日月隊の侵略からメルヴィオンを守るんだ。
 僕にそんな大きな事ができるかどうか、不安は勿論あるけれど…。
 それでも…それでも僕がやるしかないんだ。
 ナレイン、キクマル、リンディ。僕に付いて来てくれるか?」
ナレイン「はっ! 無論の事!」
キクマル「よくぞ仰せられました。
 このキクマル、一命を殿下のためにお捧げいたしまする!」
リンディ「ラウール兄様、頑張って!」
ラウール「みんな、ありがとう!」

メルヴィオン聖王国の国王となる者は、先代の王から譲位の印として王剣を授かった後、
王都にある神殿でアセーリアの創造神セイロスに仕える神官から王冠を賜るという儀式を経て、
正式に即位するのが建国以来ずっと続いてきた伝統である。
ネクナールが黒三日月隊の手中にある現時点では神殿での戴冠式が執り行えないため、
王剣を所持しているだけではラウールはまだ次の王としては認められず、
戴冠式が済むまでは公式上はあくまで今まで通り、
「国王アディラス十七世」ではなく「ラウール王子」の身分に留まらなくてはならない。
是が非でも黒三日月隊を倒してネクナールを奪還し、
破滅の危機に瀕したメルヴィオンを救う新たな王となる事が、
ラウール・エル・アディラスに課せられた使命となったのである。

975凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2017/04/29(土) 17:49:33
ラウール「…とは言え、具体的にはどうしたらいいんだろう。
 できるだけ早く兵を集めて黒三日月隊に戦いを挑みたいところだけど…」
ナレイン「ひとまず、いつまでもこのような所にいては危険です。
 敵は恐らく捕虜の尋問などから、
 殿下がこのカレブ山におられるという情報を掴んだと思われます。
 差し向けた刺客が倒されたとなれば、今度は軍勢を大挙送って来るかも知れません」
キクマル「ここへ来る途中で通った村では、
 殿下の首に多額の賞金をかけるという告知が人々にされており申した。
 黒三日月隊のみならず、金に目が眩んだ不埒者による落武者狩りも警戒せねばなりませぬ」
ラウール「こんな少人数で野外にいたんじゃ、
 いつ敵に襲われてもおかしくない。
 まずはどこか近くの城か砦に入って安全を確保して、
 そこで味方を募るようにしないといけないな」
ナレイン「仰せの通りですが、
 遺憾ながらこの亡国寸前の状況では寝返って殿下を敵に売り渡す者が現れぬとも限らず、
 どこへ身を寄せるかは慎重に考えなければなりません」

黒三日月隊の強さがここまで圧倒的で、国の総大将たる国王も既に敗死しており、
しかもラウールを捕縛すれば黒三日月隊から報酬が貰えるという状況では、
逃げて来たラウールを匿うどころか、捕らえて敵に差し出してしまう者が現れてもおかしくはない。
各州の領主や騎士や役人らはこれまで忠実に王家に仕えてきた家臣達ではあるものの、
絶望的な窮状に陥った今のラウールを皆が絶対に裏切らずに守ってくれるという性善説を迂闊に信じるのは、
この場合には危険性が高いと認識しておくべきだろう。

ラウール「レミーナなら、例えどんな状況でも僕を裏切るはずがない。
 ラプエンテ家の領地に逃げ込んでレミーナの助けを借りるのはどうだろう?」
キクマル「確かにレミーナ殿ならば安心ではありまするが、
 ここからイマレス州へ向かうとなると、
 最初に決戦があったトリスタン平原の付近を通らねばなりませぬ。
 あの辺りは既に黒三日月隊の占領地となっておりますれば、
 敵の真っ只中を突っ切る事になりあまりに危険かと…」
ラウール「う〜ん、駄目か…」

ラウールの従姉のレミーナが中心となって束ねているラプエンテ家は、
海を挟んでクレプス大陸と対峙し、東の国防の最前線を担ってきたメルヴィオン屈指の有力貴族である。
兵力も申し分なく、レミーナとラウールの個人的な絆を考えても十分に信頼できるが、
黒三日月隊との位置関係上、レミーナの元へ行くには敵の目と鼻の先を通過せねばならず、
途中で敵に捕らえられてしまう確率が非常に高い。

リンディ「…あっ、そうだわ!」
ラウール「どうした? リンディ」

果たしてどこへ逃げるべきかと皆が考え込んでいたその時、
ずっと黙っていたリンディが、急に何かを閃いたようにぽんと一つ手を叩いた。

リンディ「ねえラウール兄様! 絶対に信じて大丈夫な人が、
 レミーナ姉様の他にもう一人、もっとこの近くにいるわ。
 ほら、ネムスの森にいるエスメラさん!」
ラウール「あっ…!」

ラウールもナレインもキクマルも、
これには虚を突かれた様子で一斉に顔を見合わせた。
リンディが「エスメラさん」と親しみを込めて呼ぶのは、
アディラス十六世の側室で、リンディの生みの親でもあるエスメラ・アルストンの事である。

ラウール「そうだ…そうだよ!
 この近くのネムスの森に、ちゃんと味方になってくれる人がいるじゃないか!」
キクマル「確かに、王女様のお母上様ならば万が一にも間違いはござりますまい。
 いやはや、これは名案にござるな!」
ナレイン「私も全面的に賛成です。
 ネムスの森ならば敵軍に占拠された王都とは逆方向な上、
 ここから二日もあれば辿り着ける距離。
 まずはエスメラ様にお願い申し上げてしばらく匿っていただき、
 その間に今後の策を練りましょう」
ラウール「よし…。ネムスの森へ急ごう!」

人間とエルフ族のハーフであるエスメラはリンディを産んで間もなく王宮を退き、
今はこのカレブ山の南西にあるネムスと呼ばれる深い森の中に庵を結んで、
俗世とは距離を置きながら静かに暮らしている。
こうしてカレブ山を後にしたラウール達はネムスの森を目指して急いだのであった。

976凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2017/04/29(土) 17:55:08
末那蚕「ぐっ…あぁっ…」

キクマルに斬られ、谷底へと落ちた末那蚕はまだ辛うじて生きていた。
だが胸に走った刀傷は深く、血がどくどくと流れ出しており、
間もなく出血多量で命を失うのは確実である。
遠ざかる意識の中で、末那蚕は己がずっと願い求めてきた死が間近に迫っている事を喜んでいた。

末那蚕「フッ…これで死ねるぜ…。
 死ねば…あの村の奴らにまた冥土で会えるんだ…」

満足げに最期の時を迎え、ゆっくりと目を閉じようとした末那蚕だったが、
その時、倒れている彼の上に何者かの影が差した。
驚いた末那蚕は虫の息で何とか首を動かし、その者の顔を見上げて更に驚愕する。

末那蚕「ラ…ラウール…?」
ウルヤーヴ「生憎だが、まだ逝かせはせん。
 俺の手下となってもうしばし働いてもらうぞ」

末那蚕に向けて冷たくそう言い放った隻眼の青年ウルヤーヴは、
次の瞬間、全身白ずくめの二角獣のような怪人――バイコーンオルフェノクにその姿を変えた。

末那蚕「なっ…!?」
バイコーンオルフェノク「かつて異界に名を轟かせた古の戦士よ。
 神聖な我が王国を土足で踏み荒らした罪、この俺の臣下として生まれ変わり、
 正統なる王の即位に貢献する事で償うがいい」
末那蚕「ぐぁ…っ…!」

バイコーンオルフェノクは掌から長い触手を伸ばし、
末那蚕の腕に巻かれていた黒三日月隊の腕章を破いてむしり取ると、
そのまま触手を末那蚕の口から体内に差し込み、
心臓を破壊して代わりにオルフェノクの因子を埋め込んだ。
オルフェノクが仲間を増やすために行う、使徒再生の儀式である。

末那蚕「ウッ…ウォォォォッ…!」
バイコーンオルフェノク「どうやら成功のようだな」

オルフェノク化を施された末那蚕は苦しげに呻きながら立ち上がり、
獣のように咆えると、ギリシャ神話の巨神族の姿を彷彿とさせるこれもまた体中が白一色の怪人、
クロノスオルフェノクに変貌した。

クロノスオルフェノク「グォォ〜ッ!」
バイコーンオルフェノク「フ…フフフ…ハッハッハッハッハ!!」

生命の息吹のない薄暗い谷底に、
同族の誕生を祝福するバイコーンオルフェノクのおぞましい高笑いだけが響く。
果たして、このラウールにそっくりのウルヤーヴなる男は一体何者なのであろうか!?


【今回の新規登場】

●シェイド(ルパン三世 EPISODE:0 ファーストコンタクト)
ニューヨークのマフィアのボスであるガルベスの用心棒。
「掃除屋」と呼ばれ、スーパーブラックホークを二挺拳銃で撃つのを得意としている。
同僚であった次元大介を激しく嫌っている。
最後はガルベスを裏切ってルパン三世と戦ったが、
味方に付けていた峰不二子に背後から撃たれて敗北。
ルパンと不二子を道連れに自爆しようとしたが失敗し自分だけ爆死した。

●ブラキオレイドス(ファイナルファンタジーシリーズ)
中生代の恐竜ブラキオサウルスに似た巨大モンスター。
高い魔力を持ち、メテオ、アルテマ、ディスアスター等の技を使う。

977凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2017/05/03(水) 13:02:11
≪アセーリア編・オリジナルキャラクター案≫


○メルヴィオンのもう一人の王女(???)

エリス&リンディ王女とは別にもう一人、
メルヴィオン聖王国の王家にはエフェリーナ王妃が生んだ娘がいたらしい…。
生年月日は公式記録上のラウール王子のものと全く同じで、もし存命していれば現在は17歳。
本来ならばエリスの妹、リンディの姉に当たるはずの姫君だが、
モルゲグ・ヒルガノスの陰謀のため生後間もなく両親の預かり知らぬ内に王宮から追放されてしまい、
以後ずっと自分が王家の血を引いているのを知らないまま全く別の人生を歩む事となった。

数年後、王宮ではモルゲグが過去に行なっていたとんでもない陰謀が発覚。
娘として認知される事なく王宮を追われていた彼女の存在をここで初めて知った両親は懸命に行方を探したが、
既に消息が途絶えており、とうとう見付け出す事はできなかった。
ラウールは偽王子で自分こそ本物の王子だと主張するウルヤーヴだが、
彼女の存在が明らかとなった時、そのウルヤーヴの血筋の正統性さえ覆されてしまう事に…!?
果たして彼女は今、一体どこにいるのだろうか?

978ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2017/05/04(木) 14:10:20
≪ネムスの森での出会い≫
***ネムスの森***

あれからカレブ山を離れて、ネムスの森へと入ったラウール・エル・アディラス王子とその一行。
足を踏み入れたその森は、行けども行けども幾つもの樹々に囲まれた獣道ばかりであった。
まるで果てを知らない永久迷路のように…。

キクマル「まだでござるか?」
ナレイン「どうもさっきから同じ道をグルグルと回っているような気がするのだが…」

ラウールもナレインもキクマルも、実はネムスの森に入るのは
これが初めてである。そのため正確な道を知っているのは
当地に住まいを構えるエスメラの実の娘リンディだけなのである。

リンディ「着いたわ、ここよ」

リンディが指さした先の切り株には、
何やら魔法陣のような紋様が刻まれていた。

ラウール「なるほど、これが目印というわけなんだね?」
キクマル「しかし周囲は森ばかりでござるぞ。
 いったいどこに精霊族の住む集落が…」

リンディはすぅーっと深呼吸すると魔法の杖を構えて、
静かに呪文の詠唱を始めた。

リンディ「異次元の境界を突き刺す星よ、現れ出でよ! ミラクルリバース!!」

リンディが呪文を唱え終えた途端、目の前の風景がガラスのようにパリンッと割れて、
その割れ目から人が通れるくらいの大きさの穴が出来た。その奥からは、
多くのエルフやホビット族が生活を営み、陽の光が降り注ぐ明るい集落の風景が映し出された。

ラウール「ここがアルストンの母上がいらっしゃる隠れ里か…」
ナレイン「なるほど、これならば外敵の侵入の心配もありませんな。
 私も実際に見るのは初めてです」
リンディ「さあ、行きましょう!」

リンディに先導されて、ラウールたちは集落の中へと入った。


***ネムスの里***

ホビットの農夫「おやまぁ〜!? リンディ様でねえべか!」
ホビットの農夫の妻「ほんにお懐かしい!」
リンディ「ふふっ、おじさん、おばさん、元気にしてましたか?」
エルフの男の子「わ〜い! リンディおねえちゃんが帰って来たぁ〜♪」

エスメラの家へと向かう道すがら、すれ違う村人たちから
気さくに挨拶の言葉をかけられるリンディ。
外界から隔絶されているせいか、王都ネクナール陥落の凶報は
まだここまでは届いていないらしい。

ナレイン「随分と村人たちから慕われておいでのようですね?」
リンディ「うん。里帰りするのは2年ぶりだけどね…」

ここネムスの里は、形の上ではリンディの実母エスメラが
国王アディラス十六世より賜った知行地ということになっており、
元からの住民であるエルフやホビットなどの精霊族による
自治権が確立されている。
そして里から王家の血筋(リンディ)を輩出したことは、
里の者たちにとっても大変名誉なことであった。

979ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2017/05/04(木) 14:11:00
そうしているうちに、里の外れの地にある庵へと辿り着いたラウールたち。
どうやらここがリンディの実母エスメラの住まいらしい。

キクマル「ご開門〜! ご開門〜!」

キクマルが門を叩いてラウールたちの来訪を告げるが、
中からの応答はない…。

ナレイン「お留守なのでしょうか…?」
リンディ「仕方がないわ。裏口に回りましょう」
ラウール「黙って入って大丈夫かな…」
リンディ「大丈夫よラウール兄様! 遠慮はいりません」

裏口から庵の敷地の中にずかずかと入り込んだラウールたち。
その前には異様な光景が広がっていた。
ありとあらゆる本や冊子が無数に野積みのまま山のように放置され、
庵の建物の中へと入るのは困難な様相を呈していた。
我々の知る現実世界で例えるならば、
巷で社会問題となっている「ゴミ屋敷」が
それに一番イメージが近いであろう。

キクマル「奇怪なっ。これはなんとしたことでござるか?」
リンディ「あ〜あ、やっぱり…」
ラウール「リンディ…?」

リンディにはこの状態が予想通りだったらしく、頭を抱えている。

リンディ「ごめんなさいみんな。とにかく片づけを手伝って!」
ラウール「あ、ああ…わかった」

リンディに頭を下げられ、
ラウールたちが訳もわからず片づけを始めてから5時間が経過した。
時刻はもう夕方になりつつある。
突然何かを見つけたキクマルの悲鳴が聞こえた。

キクマル「人がぁっ! 人が本の中に埋もれているでござる〜!!」
ナレイン「殿下、この御方は!?」
ラウール「…ああ、間違いない!」
ナレイン「まだ息はある!」
ラウール「急いで本の中から掘り起こすんだ!」

本の山の中から助け出された、美しい銀髪のロングヘアに
エルフのような尖った耳をした女性に、すぐさまリンディが駆け寄り
体を揺さぶりながら必死に呼びかける。

リンディ「エスメラさん! エスメラさん!」
エスメラ「………うう〜ん…う…あらっ、リンディ?
 そしてもしかしてラウール殿下も?」
ラウール「もしかしなくてもそうです。
 ご無沙汰しております。アルストンの母上」
リンディ「もう、しっかりしてよ!」
エスメラ「あらあらまあまあ……どうしましょ(汗」

この未だにぼんやりとした表情の女性こそ、
メルヴィオン聖王国国王アディラス十六世の側室にして、
第二王女リンディ・アルス・アディラスの生母、ネムスの森の里長、
そしてこの国を代表する大精霊学者である
エスメラ・アルストン博士その人である。

980ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2017/05/04(木) 14:11:46
〇ラウール・エル・アディラス→リンディの母エスメラを頼ってネムスの森を訪れる。
〇ナレイン・レンドルフ→リンディの母エスメラを頼ってネムスの森を訪れる。
〇キクマル・サダムネ→リンディの母エスメラを頼ってネムスの森を訪れる。
〇リンディ・アルス・アディラス→実母エスメラを頼ってネムスの森を訪れる。
〇エスメラ・アルストン→自邸で本の山に埋もれていたところを、訪れたラウールたちに助け出される。

【今回の新規登場】
〇エスメラ・アルストン(闘争の系統オリジナル)
メルヴィオン聖王国・国王アディラス16世の側室で、リンディの実の母親。
人間の父とエルフ族の母親との間に生まれたハーフエルフで精霊学者。
アディラス16世がまだ即位前の若き王子だった頃、彼や後の王妃(ラウールの母親エフェリーナ)らと
パーティーを組んで冒険の旅に出ていたことがあるらしい。リンディを生んだ後は宮中から退き、
ネムスの森に庵を結んで、大好きな大量の本に囲まれながらひっそりと暮らしている。

981ユガミ博士 ◆DelvqPaIgQ:2017/05/05(金) 17:42:24
<<太陽系オリンピック>> ※亡霊MSパート

不死の王バルモンドがメタルウルフと魔人バルゴグに敗れ、中国妖怪も撤退したが、
魔女の力で呼び出された亡霊MSとブレイバーズのスーパーロボット軍団の戦闘は
なお続いていた。現状、グレムリンに乗っ取られた戦車やMSを相手に戦闘している所である。

デュオ@ガンダムデスサイズヘル改「ちっくしょう、これじゃあキリがねえぜ!」
カトル@ガンダムサンドロック改「カガリ代表達の前に現れた西洋妖怪やジョーさん達が戦った
 中国の妖怪は撤退したみたいだから、後もうひと押しなんだけど...」

プリベンターのデュオ・マクスウェルやカトル・ラバーバ・ウィナーは相棒である各々の
ガンダムに乗って、ビームシザースやヒートショーテールで攻撃するが、敵の圧倒的な数に
焦りを感じ始めていた。

トロワ@ガンダムヘビーアームズ改「待て。こちらに向かって未確認の機体が1機近づいてくるぞ」
デュオ@ガンダムデスサイズヘル改「未確認の機体だとッ!?」

ガンダムヘビーアームズ改のパイロット、トロワ・バートンは搭載されているレーダーから、
未確認の機体が近づいてくる事を報せる。未確認の機体については、旗艦であるミネルバの
ブリッジでも捕捉した。

アーサー「ま、まさか・・・新しい敵とか!」ガクガク
タリア「落ち着きなさい。アーサー!」

ミネルバの副長、アーサー・トラインは敵の増援ではないかと恐れ、
タリアは冷静に落ち着くよう宥める。そしてレーダーでは未確認の
機体が戦場に降り立つ。その姿は、1体のガンダムだった。

シン@デスティニーガンダム「あの機体・・・ガンダムなのか?」
ヒイロ@ウィングガンダムゼロ改「あれは...」

謎のガンダムの登場にシンやヒイロは、そのガンダムから何かを感じ取る。
一方、そのガンダム―ELSクアンタに乗る刹那は戦場となったアザディスタンの
街を見渡す。

刹那@ELSクアンタ「この戦場に集う残された意志・・・・お前達の思いを繋ぐ!
   クアンタムバースト!」

刹那は金属生命体ELSや異星の生物と融合したELSクアンタに搭載されている
システム「クアンタムバースト」を発動。高濃度のGN粒子が戦場一帯に拡がっていく。

シン「うわぁ、眩しい!」
ヒイロ「・・・光が俺達を包んでいく」
ドモン「感じる...。この亡霊達に残された思いが!」

GN粒子が拡がった空間において、シンやヒイロ、ドモンなどその場にいた
人々の思いが紡がれていく。そして思いが繋がった事で、亡霊MSは
魔女によって増幅されていた恨みや悲しみが浄化されていき、次々と消えていった。

シン「あんなにいた亡霊MSが皆いなくなっちまった!」
ドモン「あのガンダムの力なのか...」

自分達を苦しめていた亡霊MSが消えた事により、その場にいた面々は驚愕する。
そしてELSクアンタは、そのまま黙って、この場を去ろうとしていた。
その最中、ELSクアンタはウィングガンダムゼロの横を過ぎ去る。

刹那「・・・あのガンダム」

刹那はウィングガンダムゼロの横を過ぎ去った時、何かは分からないが
ウィングガンダムゼロと、そのゼロのパイロットであるヒイロに、運命の様な
ものを感じた。あまり運命の様なものを信じている訳ではないが、確かにそう
思わせる何かを、あのガンダムには感じた。そしてそれはヒイロも同様なのだが、
ELSクアンタと刹那は、戦場から飛び去った。

タリア「―!あのMSが何かは分からないけど、亡霊MSが消えたのであれば、
 残った敵勢力を叩くチャンスよ。各機は残存機体の掃討を始め!」

今の現象に一瞬、戸惑っていたタリアはすぐに正気を取戻し、残った敵の
掃討を命じる。

982ユガミ博士 ◆DelvqPaIgQ:2017/05/05(金) 20:15:16
先代魔女「ば、馬鹿なッ!?何故、消えてしまったのじゃ」

一方、亡霊MSが消えた事に魔女は「信じられない」と戸惑いを隠せなかった。

神裂「見つけましたよ。魔女」
先代魔女「何者だ!?」
ステイル「フン。貴様を滅ぼす魔術師さ」

そこへ魔女を探していた神裂とステイルが先代魔女の前に現れる。

先代魔女「魔術師風情が・・・真の魔法の使い手である、この魔女に勝てると
  思っているのか!」
神裂「ええ。討たせていただきます」
ステイル「灰は灰に 塵は塵に 吸血殺しの紅十字」

神裂は腰に下げている大太刀に手を置き、ステイルも魔術を唱えて、
2本の巨大な炎の剣を作り出す。

先代魔女「ええい、生意気な。これでも喰らうが良い!」

先代魔女は魔法で神裂とステイルに向けて、魔法で攻撃。だが、優秀な魔術師である
2人は魔法を難なくかわし、先代魔女を討とうと向かってくる。

先代魔女「―!?」
神裂「覚悟ッ!」
ステイル「待て、神裂。上から何か来るぞ!」

神裂が大太刀を抜いて、先代魔女に斬りかかろうとしたその時。上空から神裂達に
向けて、雷が落ちる。神裂とステイルは何とか回避したが、上空から現れたのは
西洋妖怪のボス、バックベアードだった。

先代魔女「バックベアード様...」
バックベアード「引き上げるぞ、魔女よ。これ以上の作戦は無意味だ」
先代魔女「かしこまりました!」

バックベアードから撤退命令を受け、魔女はその場を撤退。そしてバックベアードは
西洋妖怪達が戦っている街中へと向かう。

神裂「・・・あれが西洋妖怪の首領、バックベアード。あの存在に気を取られ、
 魔女を逃してしまいました」
ステイル「だが、バックベアードも魔女もいなくなったんだ。これで事件の方は
 収束するだろう。後の事はブレイバーズという連中に任せればいい」
神裂「・・・・そうですね。遺憾ですが、私達も引き揚げましょう」

バックベアードの登場に呆然として、2人は魔女を取り逃がしてしまうが、
後の事はブレイバーズに任せて、2人はその場を去った。

◇ ◇ ◇ ◇

バックベアード「西洋妖怪達よ。今回の作戦は終了だ。各々ただちに撤退せよ」
鬼太郎「バックベアード!」
バックベアード「鬼太郎・・・今回は君達に勝ちを譲ろう。しかし、この次は
 我々西洋妖怪―妖怪帝国が勝たせてもらう。さらばだ!」

バックベアードは西洋妖怪達に撤退命令を下す。そして鬼太郎に今回の作戦に
自分達の敗北を認め、姿を消すのであった。

983ユガミ博士 ◆DelvqPaIgQ:2017/05/05(金) 20:39:37
○デュオ・マクスウェル→西洋妖怪と戦う。
○カトル・ラバーバ・ウィナー→西洋妖怪と戦う。
○トロワ・バートン→西洋妖怪と戦う。
○ヒイロ・ユイ→ELSクアンタの登場に何かを感じ取る。
○刹那・F・セイエイ→ELSクアンタに乗って戦場に現れ、クアンタムバーストで
    亡霊MSを浄化する。
○シン・アスカ→ELSクアンタの登場に驚く。
○タリア・グラディス→クアンタムバーストで、亡霊MSが消えた後、残存勢力の掃討を命じる。
○ドモン・カッシュ→GN粒子の光で、人々の思いが繋がっていくのを感じる。
○神裂火織→先代魔女と戦闘するが、バックベアードの登場により取り逃がす。
○ステイル・マグヌス→先代魔女と戦闘するが、バックベアードの登場により取り逃がす。
●バックベアード→先代魔女を助け、西洋妖怪達に撤退命令を下す。
●先代魔女→神裂、ステイルと戦闘し、窮地に陥るがバックベアードに助けられ撤退する。

984ユガミ博士 ◆DelvqPaIgQ:2017/05/11(木) 12:42:48
《太陽系オリンピック》 ※エピローグ部分

その後...。
西洋妖怪を中心とした妖怪帝国による襲撃を受けた太陽系オリンピックは最終日にして中断。
野球の試合が最後の試合だった為、特別に日を改めて再試合を行おうかという案が、
大会実行委員会からもたらされたが、アルハザードは、この申し入れを辞退した。

アルハザード「再試合の申し入れはありがたいが、我々もアメリカもお互い全力で試合を行った。
 それ故、仕切り直しなどせず、このまま今回の結果を受け止めさせてもらう」
マイケル「(ほう...てっきり再試合を受け入れるのかと思ったが、中々潔い)」

実際、あの時の試合状況だったからこそ、お互い一進一退の試合となった。
再試合をして、同じ試合になるとは思わずアルハザードは辞退を決めたのである。
マイケル・ウィルソンはアルハザードの辞退宣言に「意外だ...」と感心した。
結果、野球競技だけは優勝国は決まらず、その年の大会は終了。そしてテロの被害を
受けたアザディスタンの首都は、連邦軍や世界消防庁の支援を受けて復興する事になる。

***日本・成田国際空港***

アザディスタンでの騒動を終えて、両津と中川は日暮を連れて、日本へと帰国する。
成田空港では大原と麗子が出迎えた。

大原「両津!」
両津「部長!この両津勘吉巡査長、只今帰還いたしました!」
大原「余計な挨拶はいい。日暮は無事なんだろうな!」
両津「・・・こっちは命掛けだったんだから、もう少し労っても良いのに」ボソッ
大原「何か、言ったか?」ギロッ
両津「い、いいえ、何も(汗」

帰国した両津は大原に挨拶をするが、心配の素振りを見せない大原に対し、
両津は小声で愚痴をこぼすが、大原に睨まれたので、必死に誤魔化す。

麗子「それで、日暮さんは?」
両津「それなら、此処に...って、いない!」
中川「先輩、あそこ...!」
日暮「・・・・・・」

日暮を出そうとしたその時、いない事に気が付く両津。そして中川が
指を指した方向を見ると、荷物と一緒に運ばれる眠たそうな日暮の姿があった。

大原「何をしている、早く連れ戻さんか!」
両津「は、はいぃぃぃッ!待てぇぇ、日暮!」

またも日暮が見失わない様に、両津は連れ戻しに追いかけるのであった。
(その後、無事連れ戻した模様)

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

刹那@ELSクアンタ「・・・彼らがブレイバーズか」

その頃、刹那は先程戦場で出会ったブレイバーズの事を思い出しながら、
ELSクアンタでマリナのいる家へと帰る途中だった。そこに通信が入る。

刹那「この通信は・・・ティエリアか」
ティエリア@通信『久しぶりだな。刹那』

通信を入れて来たのは、かつて刹那が所属していた私設武装組織「ソレスタルビーイング」の
仲間で、同じガンダムマイスターのティエリア・アーデだった。彼はイノベイドと呼ばれる人造人間で、
50年前、地球に襲来した金属生命体ELSとの戦いで肉体を失った後、意識をダブルオークアンタの
腹部に増設されたターミナルに移し、最後まで刹那をサポート。そして共にELSの母星へと向かい、
地球へ帰還した後は、新たな実体を携えて、外宇宙探査へ向かうスメラギ号に乗り込み、再び外宇宙へ
旅立ったのだが、再びティターンズ(ロゴス)が台頭し、Gショッカーが世界征服をするべく活動を始めた事を
切欠に、その動向を探るべく密かに地球へと帰還したのであった。

ティエリア@通信『・・・刹那。今回、妖怪帝国によるテロ行為があったが、他にもGショッカーやロゴス、さらには
 宇宙連合及びETFと様々な勢力が地球を中心に、外宇宙まで争いが広がっている。中でもロゴスだが、
 その背後にいる地球教・・・そこに、“彼”の存在がいる様な気がする。ブレイバーズと手を組む日が来るかもしれない」
刹那@ELSクアンタ「・・・俺も、そんな気がしていた所だ」

刹那とティエリアはロゴスの背後にいる「彼」の存在を感じつつ、ブレイバーズと共闘する
日が来る事を感じるのであった。

***某所***

とある場所で、今回の事件の戦闘―特にELSクアンタが登場した場面を
モニターで見る人物がいた。

????「フフフ...再び現れたようだね、刹那。君との再会を楽しみに
 しているよ」

刹那の事を知る人物―この人物こそ、刹那達が話していた“彼”なのだろうか...。

985ユガミ博士 ◆DelvqPaIgQ:2017/05/11(木) 13:21:37
○マイケル・ウィルソンJr→アルハザードの辞退宣言に感心する。
○両津勘吉→日本に帰国するが、はぐれそうになる日暮を追いかける。
○中川圭一→日本に帰国する。
○大原大次郎→日本に帰国した両津達を空港で出迎える。
○秋本・カトリーヌ・麗子→日本に帰国した両津達を空港で出迎える。
○日暮熟睡男→日本に帰国早々、はぐれそうになる。
○刹那・F・セイエイ→ティエリアから通信が入る。
○ティエリア・アーデ→刹那に通信を入れる。
●????→モニターでELSクアンタの登場した場面を見る。

●アフマド・アルハザード→野球の再試合について辞退する。

【今回の新登場】
○ティエリア・アーデ(劇場版 機動戦士ガンダム00)
 ソレスタルビーイングのガンダムマイスター。搭乗機はCB‐002ラファエルガンダム。
 中性的な姿をしているが、正体は量子演算型コンピュータ「ヴェーダ」が作り出した
 戦闘型イノベイド。ヴェーダへの特殊なアクセス権を所有している。当初は人間性が
 希薄で冷徹な人形の様な存在だったが、仲間と共に戦っていく内に、仲間の心情を
 理解できるようになるなど精神的に成長する。ELSとの戦いで肉体を失った後も、
 クアンタに増設されたターミナルに意識を移して、刹那を最後までサポート。50年後、
 地球へ帰還した後、新たな肉体を経て、外宇宙探査へスメラギ号に乗り込み、外宇宙へ旅立った。

986ユガミ博士 ◆DelvqPaIgQ:2017/06/08(木) 11:31:47
<<最凶の魔神、シンなるゲッター>>

***ミケーネ帝国・本拠地***

地獄大元帥「兜甲児...いや、ブレイバーズによって我らGショッカーの
 地上征服は阻まればかりだ。そこであしゅら、ブロッケンに命じる。
 奴らの最大戦力であるマジンカイザーと真ゲッターロボを奪い、我らの戦力に
 加えるのだ!」
あしゅら男爵「「ハッ!」」
ブロッケン伯爵「その、ご命令必ずや果たして見せます!」

Gショッカー地下帝国軍の地獄大帥は戦力を強化する為、光子力研究所と
早乙女研究所で眠りについているマジンカイザー、真ゲッターロボを強奪するべく、
あしゅら男爵とブロッケン伯爵に、2つの研究所を襲うよう命令を下す。

あしゅら男爵「「フハハハハ、マジンカイザーと真ゲッターロボは頂いていくぞ!」」
甲児「待ちやがれ、あしゅら男爵!」

あしゅら男爵とブロッケン伯爵は機械獣軍団や他の地下帝国軍の戦力を率いて、
両研究所を強襲。甲児達ブレイバーズも戦うが、マジンカイザーと真ゲッターロボは
奪われてしまう。

知恵「大変です。極東基地にマジンカイザーと真ゲッターロボがGショッカーの
 地下帝国軍と共に出現しました!」
佐原「直ちにブレイバーズの機動部隊を極東基地へ急行させろ!」

そしてマジンカイザーと真ゲッターロボは敵となって、極東基地を強襲。
スーパーロボットや戦隊ロボも出撃し応戦するが、そのパワーに圧倒されていく。

オーレッド「強い...以前、量産型グレートマジンガーやゲッタードラゴンと戦ったが、
 マジンカイザーと真ゲッターはそれ以上のパワーだ!」
ワンセブン「ウウ...コノ間々デハ...」
三郎「しっかりするんだ、ワンセブン!」

敵となったマジンカイザーと真ゲッターロボのパワーにより、甲児の乗る
マジンガーZも竜馬達ゲッターチームの乗るゲッタードラゴンもボロボロの
状態になってしまう。

甲児「マジンカイザーは...おじいちゃんの遺したマジンカイザーは、
 こんな事をする為に造られたんじゃない!」
竜馬「そうだ!真ゲッターは俺達の仲間だ。これ以上暴れさせてたまるか!」
ブロッケン伯爵「言いたい事はそれだけかな?」
あしゅら男爵「「これでトドメをさしてやろう!」」

あしゅら男爵によりマジンカイザーと真ゲッターロボはマジンガーZと
ゲッタードラゴンにトドメをさすべく攻撃態勢に入る。絶体絶命の危機に
甲児や竜馬達は覚悟を決めたが、突如マジンカイザーと真ゲッターロボは
攻撃を受ける。

海動「へっ!久しぶりに日本へ帰ってみれば面白い事になっているじゃねえか!」
真上「はしゃぐな。相手に集中しろ」
海動「何だと、真上!」
甲児「あれは、マジンカイザーSKL...海動さんと真上さんが来てくれたんですか!?」

マジンカイザーを攻撃したのは、もう1つの魔神皇帝、マジンカイザーSKL。
そのパイロット海動剣と真上遼だった。さらに3つの戦闘機が現れる。

早乙女博士@通信『聞こえるか、ゲッターチーム。この様な時の為に開発していた
 新たなゲッターだ。真ゲッターロボを頼んだぞ』
リョウ「ありがとうございます、早乙女博士。行くぞハヤト、ベンケイ!」
ハヤト&ベンケイ「「応ッ!」」

早乙女博士から通信が入り、竜馬達ゲッターチームは新たに開発された
※ゲッターロボに乗り換える。(※竜馬達が乗り換えたゲッターロボはOVA
『新ゲッターロボ』に登場する新ゲッターロボである)

甲児「(海動さんや真上さんも駆けつけて、リョウ君達ゲッターチームも新しい
 ゲッターに乗って、マジンカイザーと真ゲッターロボを取り戻そうとしているんだ。
 このままでいてたまるか...)動いてくれ、マジンガァァァァゼェェェットォォォ!!!」

その時、ボロボロだったマジンガーZのマジンパワーが解放され、マジンガーZは立ち上がる。

甲児「(すごい...今までのマジンパワーと何か違う。これなら...!)」

マジンカイザーSKL、新ゲッターロボ、そして再び立ち上がったマジンガーZは
マジンカイザーと真ゲッターロボを取り戻す為、立ち向かう。

***ポイントゼロ・無幻城***

闇の帝王の顔「ムゥゥ...」
地獄大元帥「如何なされた、闇の帝王!?」

マジンガーZがマジンパワーを解放させて再び立ち上がったその頃、
ポイントゼロの無幻城にいる闇の帝王は突如として苦しみだす。
今回の作戦に当たり、至高邪神謁見の間に呼ばれていた地獄大元帥は
苦しみだした闇の帝王に問いかける。

闇の帝王の顔「イカン...奴が...奴が現れてしまう!止めるのだ、マジンガーZを...!」

苦しみだした闇の帝王がマジンガーZを恐れる理由...その真意は如何に?

987ユガミ博士 ◆DelvqPaIgQ:2017/06/15(木) 15:06:59
<<日米昆虫ヒーロー終結>>

***アメリカ・ニューヨーク***

ジャガーノート「うぉぉぉぉ!!」
BFカブト「うぉっ!何てタックルだ...」
BFヤンマ「気を付けろ、カブト!」

メルザード一族との戦いの後、アメリカにあるコスモアカデミア系列の大学に進学した鳥羽甲平。
だが、ニューヨークでもGショッカーや様々なヴィランが暗躍しており、同じ大学に通う
マック・ウィンディと共に、再びビーファイターとして戦っていた。そして現在、とてつもない
怪力を誇るヴィラン、ジャガーノートが銀行強盗をした為、捕まえようと戦っている。
因みにメルザード一族を倒した後、ネオインセクトアーマーは光の意志の力によって消えた為、
甲平達は変身できない筈だったが、現在は再び変身出来るようになっている。その理由は
黄泉還りにより、Gショッカーが復活した頃に遡る。

〜回想〜

白いカブト「久しぶりやな。ビーファイターの皆!」
拓也「カブト...!何故、君がここに...?」

ニューヨークにあるコスモアカデミアの研究室に、亡き昆虫族の長老・老師グルの
息子にして次元を渡り歩く商人でもある白いカブトが訪ねてくる。

白いカブト「実はビーファイターの皆に渡したい物があって来たんや」
甲平「渡したい物?」
白いカブト「これや!」

甲平が訪ねてきた理由を聞くと、白いカブトはケースを取り出す。
ケースを開けると、そこには失われた筈のビーコマンダーとコマンドボイサー、
インセクトコマンダーが入っていた。

拓也「何故、ビーコマンダーやコマンドボイサーがここに!?」
甲平「一体、どういう事だよっ!」
白いカブト「・・・実は数日前、枕元に死んだお父ちゃんが立っとったんや」

白いカブトは拓也達に話す。数日前寝ていた所、死んだ父親である老師グルが
枕元に立ち、ビーコマンダーやコマンドボイサーを拓也達ビーファイターに渡すよう
託したのである。

白いカブト「お父ちゃん曰く『黄泉還り現象により、ジャマールやメルザード一族が
 復活してしまった今、光の意志は数多の生命を守る為、再びビーファイター達に
 力を託した』...という事らしいんや」
拓也「光の意志が...」
甲平「ジャマールやメルザードの事は気になっていたんだ。アイツらが、また
  地球や人間を脅かすっていうのなら、ビーファイターとして皆を守ってみせるぜ!」

こういう経緯があって、拓也や甲平達はビーファイターとして復帰したのである。
話は戻して、ジャガーノートはそのパワーで建物を破壊。そのパワーに、カブトや
ヤンマは警戒する。だがジャガーノートの足下に白い物体が飛んできて、それを踏んだ
ジャガーノートの足は地面に張り付き、身動きが取れなくなる。さらにジャガーノートの
身体に無数の蟻が迫りくる。

ジャガーノート「離れん!それに何だ、この蟻はやめろぉ!」
???「俺の大事な相棒たちだ。喰らいやがれ!」
ジャガーノート「ぐわぁ!」

蟻を振り払おうとするジャガーノートの目の前に、突如変わったライダースーツと
ヘルメットを着た人間が現れてジャガーノートの顔面にクリーンヒットする。

BFカブト「いきなり現れたアイツは誰だ!?」
BFヤンマ「Oh!アベンジャーズのアントマンだ!」

いきなり現れた人物に驚くカブトに、ヤンマは彼がアベンジャーズのヒーローとして活躍する
アントマンである事を教える。アントマンはピム粒子の力で身体の大きさを自由に変える事が
できるヒーローであり、ヘルメットから発せられるテレパシーで蟻を操る事が出来るのであった。

スパイダーマン「僕もいるよ!」
アントマン「ありがとう、スパイダーマン!」

そしてジャガーノートの動きを止めたのは、蜘蛛の能力を宿したヒーロー、スパイダーマンだった。
現れたスパイダーマンはあっという間にジャガーノートを糸で拘束して捕まえる。
そしてジャガーノートの身柄はS.H.E.I.L.D.へと引き渡された。

988ユガミ博士 ◆DelvqPaIgQ:2017/06/15(木) 15:39:26

BFヤンマ「アベンジャーズのアントマンやスパイダーマンにお会い出来て感激です!」
アントマン「君達が噂のビーファイターか」
スパイダーマン「同じ虫のヒーローとして、仲良くしよう」
BFカブト「おう。こちらこそ、よろしくな!」

ジャガーノートの戦いを終えて握手を交わす日米の昆虫ヒーロー達。
ヤンマはアメリカ人でもある為、有名なアントマンやスパイダーマンに
会えた事に感動していた。

???「見つけたぞ、ビーファイター!」
BFカブト「誰だ!?」

突如声がした方向を見ると、サソリ、ムカデ、カマキリ、ハチの姿をした
ビーファイターに良く似た4体の怪人が現れる。かつて自ら生まれ出でる事を
拒んだマザーメルザードの子達が、インセクトメダルのパワーを元にして
誕生した邪悪な昆虫戦士デスコーピオン、ムカデリンガー、キルマンティス、
ビーザック達、ビークラッシャー四鎧将である。

BFカブト「お前らはビークラッシャー!」
スパイダーマン「知り合い?」
BFヤンマ「彼等はビークラッシャー。人間を滅ぼそうとするメルザード一族の手先だ」
アントマン「つまり、敵(ヴィラン)という事か」

ヤンマはスパイダーマンとアントマンにビークラッシャーについて説明する。

デスコーピオン「死から黄泉還った我ら4人の力を思い知るがいい!」
ムカデリンガー「クワガやテントウはいないみたいだが、そいつらが代わりか?」
ビーザック「そんな奴らで勝てるかなぁ〜」
キルマンティス「クックック...」
BFカブト「・・・確かに、健吾や蘭はいねぇ。だが負けねえぜ!」
スパイダーマン「ああ、日本とアメリカの虫系ヒーローの力を見せてあげよう!」

ニューヨークに現れたビークラッシャーを前に、BFカブト、BFヤンマ、
スパイダーマン、アントマンと日米の昆虫ヒーローが立ち向かう。

スパイダーマン「・・・まぁ、正確に言えば蜘蛛は昆虫じゃないんだけどね」

989ユガミ博士 ◆DelvqPaIgQ:2017/06/15(木) 15:49:52
>>987-988
※タイトル修正
×『日米昆虫ヒーロー終結』→○『日米昆虫ヒーロー集結』

990ユガミ博士 ◆DelvqPaIgQ:2017/06/29(木) 13:00:17
<<帝王のベルト>>
オルフェノクの王であるアークオルフェノクが眠りについている場所の情報を掴んだ
花形の指示で、木場勇冶、長田結花、海堂直也、そして連絡を受けた三原修二の4名は
アークオルフェノクの眠る秘密の研究施設に潜入する。

スマートレディ「ハァ〜イ、ここからは先は立入禁止でぇ〜す♥」
木場「あなたは...!」

そこへスマートレディがオルフェノクとライオトルーパー部隊を率いて待ち構えていた。

アルマジロオルフェノク@森下義正の影「木場勇冶...貴様が妹を...知恵を手に掛けたらしいな。
 仇を取らせてもらうぞ!」
木場「森下さん...」
オウルオルフェノク@海堂の恩師の影「久しぶりだね、海堂君。また会えるとは思わなかったよ」
海堂「せ...先生!?」
スクィッドオルフェノク@戸田英一の影「愚かだ。スマートブレインに逆らうとは...」
結花「戸田さん...!」
バーナクルオルフェノク@眼鏡の男性社員の影「一度は村上社長に見限られた身。この任務を遂行し、
 必ずや汚名を返上してみせます」
三原「あのオルフェノクは、あの時の...!」

スマートレディと共に待ち構えていたオルフェノク達は、木場達と因縁のある
オルフェノク達だった。

木場「オルフェノクの王に会わせていただきます」

木場はオーガドライバーを装着し、オーガフォンに「000」のコードを打ち込む。
三原も懐からデルタフォンを取り出す。

木場&三原「「変身!!」」

変身の掛け声と共に、木場はオーガフォンをオーガドライバーに装填して
仮面ライダーオーガへ。三原はデルタフォンを右腰のデルタムーバーに接続して
仮面ライダーデルタに変身した。以前、剣崎の手で盗まれた帝王のベルトは
既に木場の手に渡っていたのであった。

スマートレディ「やっぱり、オーガのベルトは貴方が持っていたのね。ベルトを取り返すのよ!」

スマートレディの命令でオルフェノクやライオトルーパー部隊はオーガ達に襲い掛かる。
海堂や結花もそれぞれスネークオルフェノク、クレインオルフェノクに変身して応戦する。

オーガ「ハァッ!」

迫りくるライオトルーパー部隊はオーガの武器オーガストランザーで一閃した。

デルタ「てりゃぁぁ!!」
バーナクルオルフェノク「ぐわぁぁ!!」

デルタも必殺の「ルシファーズハンマー」で、かつては恐怖を感じて
立ち向かう事が出来なかったバーナクルオルフェノクを倒す。
そして残すはアルマジロオルフェノクだけとなり、このままオーガ達の
勝利で終わる...かと思われた。

スネークオルフェノク「おい、誰かが近づいてくるぞ!」

991ユガミ博士 ◆DelvqPaIgQ:2017/06/29(木) 13:47:58
スネークオルフェノクは、何者かが近づいてくる気配を感じ取り、オーガ達は身構える。
そして現れたのは...。

オーガ「オルフェノクの王...!?」
スマートレディ「王が目覚めた!?」

現れたのは何と眠っていた筈のアークオルフェノクだった。アークオルフェノクが
目覚めた事に、スマートレディでさえも驚いていた。そしてアークオルフェノクは
ふらつきながら、アルマジロオルフェノクに近づき、捕食を始める。

オーガ「森下さん!」
アークオルフェノク「・・・・」
クレインオルフェノク@結花の影「いけない、木場さんが!」
スネークオルフェノク@海堂の影「止めろぉぉぉ!照夫ォォ!!」

捕食を終えたアークオルフェノクはオーガに狙いを付けて攻撃する。
デルタやクレイン、スネークオルフェノクはアークオルフェノクに
攻撃するが、アークオルフェノクには全く効かず、反撃を受けてしまう。

木場「うわぁぁ!」

そしてアークオルフェノクの攻撃によりオーガは吹き飛び、オーガドライバーが
外れ、変身が解けてしまう。

結花「き...木場さん...」
木場「くっ...」

アークオルフェノクは木場を捕食しようと近づく。木場は瞬時にホースオルフェノクに
変身して剣を向ける。その時、アークオルフェノクの身に異変が生じる。

アークオルフェノク「ウゥ...」
デルタ「いきなりどうしたんだ?」
ホースオルフェノク「分からない。だが今の内に逃げるんだ!」

急に苦しみだしたアークオルフェノクは地面に倒れる。その隙を突いて
ホースオルフェノク達はその場を撤退した。

スマートレディ「早く王を回収して!」

スマートレディは逃げていく木場達よりも、倒れたアークオルフェノクを回収する事を
優先して、通信で部下を呼ぶのであった。そしてアークオルフェノクと共に、
オーガドライバーも回収される。

***スマートブレイン・社長室***

そしてアークオルフェノクが目覚め、再び眠りについた事は村上にも伝えられた。

村上「まさか王が、一時的とはいえ目覚めるとは...」
ゴメス「目覚めた原因は?」
村上「状況から察するに帝王のベルトに反応したのかもしれません。そして急激に
 目覚めた反動で、再び眠りについてしまったのでしょう」

アークオルフェノクが目覚めた原因を尋ねるゴメスに、村上は推論を述べる。

村上「王が再び眠りについてしまった事は残念ですが、今はベルトが我々の
 手に戻って来た事を良しとしましょう」
天王路「オルフェノクの王アークオルフェノクか...バトルファイトが楽しみだよ」
村上「(王は再び目覚める。完全に目覚めさせる為にも、強いパワーを秘めた生贄が必要だ。
 そうシグフェルの様な...。あるいは帝王のベルトを使いこなせる人物か...)」

その後、村上はオーガベルトをアセーリアのオルフェノクであるウルヤーヴに渡す。
その真意は...自分達の王の為...。


アークオルフェノクは変身が解けた木場を捕食しようと

992ユガミ博士 ◆DelvqPaIgQ:2017/07/06(木) 11:35:19
<<恐竜帝国の真の支配者 その名は大魔人ユラー>>

Gショッカーの傘下に加わった恐竜帝国は戦力の増加を図る為、現代において
復活した恐竜たちの保護区となっている太平洋の火山島へと侵攻。恐竜を守るべく、
ゲッターチームやキョウリュウジャーが出動する。

怪獣王子「オォ〜ラ〜!」
ネッシー「ギャァォォォ」
恐竜兵士「ぐわぁ!」
弁慶「リョウ、誰かがメカザウルスと戦っているぞ」
リョウ「あれは少年と恐竜?」

火山島へ到着すると、島でメカザウルスや恐竜兵士を相手に戦う少年と
首の長い恐竜を発見する。火山島の住民である怪獣王子こと伊吹タケルと
相棒の恐竜、ネッシーである。ゲッターチームとキョウリュウジャーは
怪獣王子に加勢した。

キョウリュウレッド「加勢するぜ!」
怪獣王子「―!ありがとう!」

怪獣王子は一瞬警戒するが、すぐ様彼らが悪い人間では無い事を察し、
素直に助けてくれた事の感謝を述べる。

ガレリィ長官「ならば、切り札を投入する」
リョウ「何だ。あれは...!?」
キョウリュウレッド「戦車に乗った恐竜?」

ガレリィ長官の投入した切り札...それはかつて地球侵略を目論んだキル星人が
太古の恐竜を改造してサイボーグにした怪獣兵器“恐竜戦車”だった。

ガレリィ長官「これこそ、異星人の怪獣兵器を恐竜帝国の技術の粋を結集して再現し、
 より強力な兵器となった恐竜戦車だ。行けぇ、恐竜戦車よ。蹂躙するのだ!!」

ガレリィ長官によって、より強力な兵器となった恐竜戦車は攻撃を開始し、
ゲッタードラゴンやキョウリュウジンは苦戦する。

???「そこまでだッ!」
ガレリィ長官「何者だ!?」
ジュウレンジャー「「「「「恐竜戦隊ジュウレンジャー!!」」」」」

そこへ駆けつけたのは、かつて魔女バンドーラから地球を守り、神の国へ旅立った
恐竜戦隊ジュウレンジャーの5人が守護獣と共に現れた。因みにジュウレンジャーは
1億7000万年前の昔、バンドーラだけでなく恐竜帝国とも戦っていた。

ガレリィ長官「何故、貴様らがここに...」
ティラノレンジャー「お前達が恐竜を兵器に変えようとするからだ!」
マンモスレンジャー「それに、ここには俺達が預けた恐竜もいるからな」

恐竜が保護されているこの島には、ジュウレンジャーが地上を去る時に預けた
獣騎神キングブラキオンが守って来た卵から孵った恐竜の子供も保護されており、
恐竜帝国から守る為、ジュウレンジャーは駆けつけたのであった。

ガレリィ長官「ならば、ジュウレンジャーも恐竜戦車で踏みつぶしてくれる!」
ティラノレンジャー「そうは行くか。合体ダイノミッション!」
キョウリュウレッド「俺達も行くぜ!」

ジュウレンジャーにより、5体の守護獣は合体してダイノタンカーとなった。
恐竜戦車とダイノタンカーはぶつかり合い、キョウリュウジンやゲッタードラゴンは
ダイノタンカーを支援した。それにより恐竜戦車は動きを止める。

ティラノレンジャー「今だ。発動!大獣神」

ダイノタンカーから大獣神へと変形。そして伝説剣ゴッドホーンを空から
召喚して、トドメの必殺技を行おうとゴッドホーンを振り上げる。
すると、突然地面が揺り動き、大獣神は動きを止めてしまう。そこへ何者かが
現れる。

大獣神「貴様は大魔人ユラーか!」
大魔人ユラー「1億7000万年ぶりだな。大獣神」

恐竜戦車の上に現れたのは、恐竜帝国の真の支配者で、その存在は恐竜帝国でも
一部の者しか知られていないという大魔人ユラーだった。ジュウレンジャー達の
神でもある大獣神はユラーの事を太古の昔から知っており、現れた事に驚愕する。

キョウリュウレッド「アイツが恐竜帝国に真の支配者...!」
大魔人ユラー「私は裏から恐竜帝国を支配してきた。しかし油断していた為、
 呆気ない最期を迎えてしまった。黄泉還った今、今度こそ地上を取り戻して見せる!!」

生前、ユラーは影から帝国を支配していたが終盤には真の支配者として姿を現すものの、
特攻した武蔵によって暴走した無敵戦艦ダイに踏みつぶされるという最期を迎えた。
ならばこそ、地上を手に入れようと凄まじい気迫を放つ。

ユラー「決着をつけるぞ、大獣神!ゲッターチーム!」

ユラーはマグマを操作させて大獣神やゲッタードラゴン、キョウリュウジンを攻撃。
恐竜戦車も再起動し、攻撃を始める。果たしてジュウレンジャー達は恐竜戦車やユラーを
止める事が出来るだろうか。

993ユガミ博士 ◆DelvqPaIgQ:2017/07/25(火) 19:14:34
<アセーリア編 新キャラクター案>

○皇帝ヴォルストーム(闘争の系統オリジナル)CV小山力也
 ボアザン星人を祖とするボアザ帝国の皇帝。幼少期、政変に巻き込まれ
 不遇な境遇に置かれるが、後に政敵である元老院を粛清した事で皇位に就く。
 その後クレプス大陸北方全域を平定し、現在の大帝国へと築き上げる。
 戦場では、王家に代々伝わる武器<嵐神の斧(ブーリャ・ボーク・タポール)>を
 振るう事で、嵐を起こして戦う事から、【嵐帝(らんてい)】の異名を持つ。
 非常に好奇心が強く、「世界を見聞したい」という欲求から、皇帝である身分を隠して
 船大工を名乗って世界中の海を冒険したという逸話がある。
 年齢は60代だが、今なお筋骨隆々とした肉体を維持しており、「海の男」という言葉が良く似合う。
 キャラクターモデル、ロシアの皇帝、ピョートル1世とイワン4世。

 <台詞>
 (戦闘シーン)「我こそはヴォルストム。我が武器、嵐神の斧の威力を見よ!」
 (レミーナに対して)「おっ?ラプエンテの嬢ちゃんか。久しぶりだな」
 (クトラ女王に対して)「けっ。まぁ〜だ、くたばっていないのかよ。このバアさんは」

 ■嵐神の斧(ブーリャ・ポーク・タポール)
  ボアザ帝国王家に代々伝わる武器。周囲の天候を操り、嵐を起こす事出来る。
  古代のボアザン人が開発した気象コントロール兵器とされているが、真偽は
  現在の所、不明。

○クトラ女王(闘争の系統オリジナル)CV榊原良子
 バーム星人を祖とするバム王国の女王。その頭脳とカリスマ性で、国を統治している。
 あらゆる魔術、錬金術、占星術などを極めた天才で、強力な魔法を行使する事が出来る。
 過去、ボアザ帝国と戦争になった時、ヴォルストムと対峙。その苛烈さから山が1つ無くなったとか
 言われているが、真偽は定かではない。以来、顔を合わせる度に罵り合うが、お互い一目置いている。
 年齢はヴォルストム同様、60代だが、見た目は40代と若さを保っている。
 キャラクターモデル、古代エジプトの女王、クレオパトラ。 

 <台詞>
 (暁の皇帝、劉煌に対して)「暁の坊やじゃないか。元気そうだね」
 (ヴォルストムに対して)「おやおや、嵐帝ともあろう者が、寄る年波には勝てないみたいだね」

994ユガミ博士 ◆DelvqPaIgQ:2017/08/09(水) 19:53:02
<エクスカイザーの帰還>

ネロス帝国の戦闘ロボット軍団・武装頭脳軍ボルトが東京を襲撃し、メタルダーや宇宙刑事、
ライブマンや仮面ライダーらが活躍した事件を切欠に、知られざるヒーロー達の活躍をコラムとして
連載を始めた星川コウタの父、星川ジンイチだが、帝王ゴッドネロスは自身の正体が知られてしまう
のではないかと恐れ、星川ジンイチの動向を探らせていたが、ついにジンイチの拉致を決定する。

星川編集長「う〜む。死から甦り、人々に信じてもらえない中、戦ってきた虎に変身するヒーローか...。
 今の所、黄泉還っていないみたいだが、もしも黄泉還ったのであれば、一度会ってみたいものだ」
影「星川ジンイチだな?我々と来てもらうぞ」
星川編集長「だ、誰だ。お前達は!?」

ジンイチは高井戸研究所で、滝川剛=タイガーセブンの活躍を取材し、新聞社へと
戻ろうとしていたが、ネロス帝国の“影”が現れ、連れ去られてしまう。

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

一方、コウタはエクスカイザーが地球に戻ってくる事が分かり、再会を楽しみにしていた。
そしてコウタは愛犬であるマリオを連れて近所の公園を散歩していると、スプリンガーを連れた
剣流星と出会い、仲良くなる。そこへ徳田が現れ、ジンイチが何者かに誘拐された事を話す。

徳田「大変だ。編集長が誘拐された!」
コウタ「そんな!パパが...」
流星「―(もしや、ネロスか!?)教えてください。僕が見てきます!」
徳田「ちょ、ちょっと...!」
コウタ「流星さん...そうだ!この新しいカイザーブレスで...」

ネロスの仕業ではないかと考えた流星は、ジンイチが誘拐された現場へと向かう。
残されたコウタは、父ジンイチを助ける為、自分に新カイザーブレスを
渡してくれたスピルバンにカイザーブレスを使って連絡を取るのであった。

***ブレイバーベース***

その頃、ブレイバーベースではスピルバンと外宇宙から地球へと戻って来た
エクスカイザーと再会を果たし、カイザーブレスをコウタに渡した事を話す。

エクスカイザー「約束を果たしてくれて、ありがとう」
洋介「いや...今日はコウタ君と会うそうだけど、無事再会できるといいな」
コウタ@通信『もしもし、城さん!星川コウタです。応答願いますか?』
エクスカイザー「コウタ!?君なのか」
コウタ@通信『その声はエクスカイザー?助けてほしいんだ、パパが連れ去られちゃった!』
エクスカイザー「何だって!?」

そこへコウタから通信が入り、事情を聞いたエクスカイザーとカイザース、そして城洋介らは
連れ去られたジンイチを助けに向かう。果たしてコウタの父ジンイチはネロスの手から救い出され、
そしてコウタとエクスカイザーは再会できるのか!?

995凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2017/08/13(日) 17:33:58
■青き太陽軍(青陽軍)

サラジア共和国の黒三日月隊の侵略に立ち向かう、
メルヴィオン聖王国のラウール王子を総大将とする軍勢の名称。

黒三日月隊のメルヴィオン侵攻に対し、
これと戦うためノアトーンで挙兵したラウール率いるレジスタンス軍は、
当初はメルヴィオン国内の残党を集めたほぼメルヴィオン人のみで構成される軍隊に過ぎなかったため、
ごく普通に「メルヴィオン軍」または「ラウール軍」と称していたが、
異世界からパルス軍、ブリューヌ軍、ジスタート軍などの味方が加わり、
更にローレシアの王子アレンやムーンブルクの王女セリアらも合流して多国籍連合軍になると、
全体を何と呼ぶべきかという名称問題が浮上。
「メルヴィオン・パルス・ブリューヌ・ジスタート・ローレシア・
サマルトリア・ムーンブルク(更にまだ国名が増える可能性あり)連合軍ではいくら何でも長すぎるし、
どっちの国が先だの後だの実に下らん!」というエレオノーラ・ヴィルターリアの鶴の一声により、
かつての「銀の流星軍」や「月光の騎士団」のようなネーミングセンスを踏襲して命名された。

青い太陽はアセーリアの創造神にしてメルヴィオンの守護神であるセイロスの象徴で、
空に溶け込むような目立たない存在でありつつ太陽のように温かく人々を天から見守っているという、
大らかで控え目なセイロスの神格を表わしている。
セイロスが創造したアセーリア界を外敵の侵略から守る軍という事で、
セイロスのご加護があるようにという祈願や、
敵軍の名前とシンボルである黒い三日月に対抗するという意味も込めて名付けられた。
「青き太陽」を略した「青陽」は春もしくは春の光を指す語でもあり、
乱世という厳しい冬の時代を終わらせアセーリアに明るい春をもたらすという意味も持っている。

軍旗として、空を表わす水色の地に青い太陽が描かれた旗を用いる。

996ユガミ博士 ◆DelvqPaIgQ:2017/08/24(木) 19:38:32
<熱闘!Gショッカー野球(仮)>

それはある日の事。光平の後輩である岡島雄大は下校中、新しく開店した
ゲームセンターを見つける。

雄大「へぇー。こんな所にゲームセンターが出来たんだ。試しに遊んでいこう!」

新しく開店したゲームセンターに興味を持った雄大は、遊んでいく事を決めて
ゲームセンターの中に入る。クレーンゲームやレーシングゲーム、リズムゲームの
「ドレミファビート」の筐体などが置かれていた。その中で雄大が目についたのは
左利き専用の腕相撲ゲーム機だった。

雄大「左利き専用の腕相撲ゲーム機か...最近テニスの調子も良くないし、
 気分転換にコレにするか」

雄大は最近テニスの成績があまり良くないので、気分転換をしようとコインを入れて
ゲームを始める。だが、全くゲーム機の相撲取りの腕はビクともしなかった。

雄大「な...何だコレ?全然動かないぞ。フンッ!...あっ、駄目だ。
 プレイ時間終わっちゃった。...しょうがない、今日は帰るか」

結局、プレイ時間が終わったので雄大はそのまま家に帰宅する。だが、この
腕相撲ゲーム機には恐るべき秘密が隠されていた。

????「ふっふっふっふ...」

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

後日、テニス部の部活に参加した雄大だが、それまでとは打って変わって、
強烈なサーブが打てるようになり、練習試合だったが、全て勝利した。

光平「一体、どうしたんだ雄大。何時の間にそんなサーブが打てるようになったんだ?」
慎哉「ああ。昨日は普通のサーブだったのに...」
雄大「僕にもさっぱり...。何だか今日はとても調子が良いんです」

雄大が急に強くなった事を疑問に思う光平と慎哉。雄大自身も強烈なサーブを
打てた事に、とても驚いていた。

雄大「う...!?」
光平「どうしたんだ、雄大?」
慎哉「何だか様子がおかしいぞ!?」

急に雄大の様子がおかしくなり、戸惑う光平と慎哉。雄大の目は虚ろとなり、
まるで誰かに操られているかの如くどこかへ向かって歩きはじめる。

光平「これは尋常じゃない。もしかして雄大は誰かに操られているのか!?」
慎哉「とにかく追いかけようぜ!」
光平「ああ!」

光平と慎哉は雄大を追いかけはじめる。そして2人は雄大がとある野球スタジアム
に入っていくのを目撃し、2人もスタジアムの中へと入っていった。

997ユガミ博士 ◆DelvqPaIgQ:2017/08/24(木) 19:39:24

光平「どこだぁー、雄大!」
慎哉「返事をしろぉー!」
雄大「せ、センパ〜イ...!」

スタジアムの中で雄大を探す光平と慎哉は、檻の中に捕われている
雄大を発見する。

光平「待っていろ。今、シグフェルに変身して檻を壊してやる!」
????「待てい!」
光平「―!?」

檻を壊そうと光平はシグフェルに変身しようとするが、そこへローブを
纏った正体不明の人物が9人、雄大が捕えられている檻の前に現れる。

光平「何者だ、お前達は!?」
????「ふっふっふっふ...我らこそ...!」

謎の集団はローブを脱ぎ捨てる。そこにいたのは...!

デビルボーラー「Gショッカー・スポーツ怪人軍団会員番号2番“デビルボーラ―”」
デビルバッター「同じく会員番号3番“デビルバッター”」
スポーツ怪人「同じく会員番号4番“スポーツ怪人”」
ヒダリテ怪人「同じく会員番号5番“ヒダリテ怪人”」
デッドボーラー「同じく会員番号6番“デッドボーラ―”」
ヤキュウモンガー「同じく会員番号7番“ヤキュウモンガー”」
HHデューオ「同じく会員番号8番“HHデューオ”でデューオ!」
デーボ・スポコーン「同じく会員番号9番“デーボ・スポコーン”そして...」
野球仮面「俺こそが黒十字軍永遠の背番号1番にして、Gショッカースポーツ怪人軍団
 会員番号1番“野球仮面”だ!」

謎の集団の正体は黒十字軍の野球仮面が率いるGショッカーの中でもスポーツに秀でた
怪人達だった。ローブを脱ぎ捨てた彼等は高らかに名乗り上げる。

慎哉「お前らが雄大を操っていたのか!」
野球仮面「ふっふっふっふ、その通り。全てはシグフェル、貴様をここに
 おびき寄せる為にヒダリテ怪人の能力で少年を操って、仕組んだのだ!」
デビルバッター「この少年を助けたければ、我々と野球で勝負をするのだ!」
光平「何だと!」

雄大を人質に野球仮面率いるGショッカーの怪人達から野球勝負を叩きつけられた
光平。しかし、試合をするにしても圧倒的にメンバーが足りなかった。

炎力「だったら、俺達がチームのメンバーになるぜ!」
光平「あなたは、ターボレンジャーの炎力さん!」

そこに駆け付けたのは高速戦隊ターボレンジャーのターボレッドこと炎力と
ブレイバーズの仲間達だった。実は力は雄大を追いかけている光平達を目撃し、
他のブレイバーズの仲間達に連絡を取って、スタジアムに駆けつけてきたのである。

野球仮面「面白い。シグフェルだけでなく他のブレイバーズも倒せるのであれば好都合!
 完封試合で終わらせてやる!」

開幕したブレイバーズと野球仮面率いるGショッカー・スポーツ怪人軍団による野球試合。
果たして光平とブレイバーズは捕われた雄大を救い出せるのか!

998ユガミ博士 ◆DelvqPaIgQ:2017/08/31(木) 16:16:54
>>997加筆・修正

光平「どこだぁー、雄大!」
慎哉「返事をしろぉー!」
雄大「せ、センパ〜イ...!」

スタジアムの中で雄大を探す光平と慎哉は、檻の中に捕われている
雄大を発見する。

光平「待っていろ。今、シグフェルに変身して檻を壊してやる!」
????「待てい!」
光平「―!?」

檻を壊そうと光平はシグフェルに変身しようとするが、そこへローブを
纏った正体不明の集団が、雄大が捕えられている檻の前に現れる。

光平「何者だ、お前達は!?」
????「ふっふっふっふ...我らこそ...!」

謎の集団はローブを脱ぎ捨てる。そこにいたのは...!

デビルボール「Gショッカー・スポーツ怪人軍団会員番号2番“デビルボール”」
デビルバッター「同じく会員番号3番“デビルバッター”」
スポーツ怪人「同じく会員番号4番“スポーツ怪人”」
ヒダリテ怪人「同じく会員番号5番“ヒダリテ怪人”」
デッドボーラー「同じく会員番号6番“デッドボーラ―”」
ヤキュウモンガー「同じく会員番号7番“ヤキュウモンガー”」
HHデューオ「同じく会員番号8番“HHデューオ”でデューオ!」
VVゴリーン「同じく会員番号9番“VVゴリーン!」
デーボ・スポコーン「同じく会員番号10番“デーボ・スポコーン”そして...」
野球仮面「俺こそが黒十字軍永遠の背番号1番にして、Gショッカースポーツ怪人軍団
会員番号1番“野球仮面”だ!」

謎の集団の正体は黒十字軍の野球仮面が率いるGショッカーの中でもスポーツに秀でた
怪人達だった。ローブを脱ぎ捨てた彼等は高らかに名乗り上げる。

慎哉「お前らが雄大を操っていたのか!」
野球仮面「ふっふっふっふ、その通り。全てはシグフェル、貴様をここに
 おびき寄せる為にヒダリテ怪人の能力で少年を操って、仕組んだのだ!」
デビルバッター「この少年を助けたければ、我々と野球で勝負をするのだ!」
光平「何だと!」

雄大を人質に野球仮面率いるGショッカーの怪人達から野球勝負を叩きつけられた
光平。しかし、試合をするにしても圧倒的にメンバーが足りなかった。

炎力「だったら、俺達がチームのメンバーになるぜ!」
光平「あなたは、ターボレンジャーの炎力さん!」

そこに駆け付けたのは高速戦隊ターボレンジャーのターボレッドこと炎力と
ブレイバーズの仲間達だった。実は力は雄大を追いかけている光平達を目撃し、
他のブレイバーズの仲間達に連絡を取って、スタジアムに駆けつけてきたのである。

野球仮面「面白い。シグフェルだけでなく他のブレイバーズも倒せるのであれば好都合!
完封試合で終わらせてやる!」

開幕したブレイバーズと野球仮面率いるGショッカー・スポーツ怪人軍団による野球試合。
果たして光平とブレイバーズは捕われた雄大を救い出せるのか!

999ユガミ博士 ◆DelvqPaIgQ:2017/08/31(木) 17:06:01
試合は白熱。始めはスポーツ怪人軍団による反則行為でブレイバーズは苦しめられ、
大きく点差は開くものの、諦めずに正々堂々と試合を行い、その点差を埋めていき、
いよいよ試合は最終回を迎えるが、ピッチャーを務めていたレッドターボは激闘の末、
3球目を投げる前に投げられなくなっていた。

シグフェル「俺が代わりに投げます!力さんは休んでいてください」
レッドターボ「スマン、シグフェル。後は頼んだぞ!」

投げられなくなったレッドターボに代わり、シグフェルがマウンドに立つ。

シグフェル「Gショッカー、俺の球を受けて見ろ!」
野球仮面「面白い。その球、打ち取ってやる!」
シグフェル「てりゃぁぁぁぁあああ!」

そしてシグフェルは渾身の球を投げる。野球仮面はバットを振り上げるが、
シグフェルの放った球は、見事キャッチャーのミットの中に入った。

シグフェル「俺達の勝ちだ!さぁ、雄大を返してもらうぞ」
野球仮面「ぐぬぬぬ...無念。だが試合には負けたが、Gショッカーの怪人として、
 貴様達に負けたままでおけるか。ここからは乱闘戦じゃい!」

試合に負けた野球仮面達だが、そのままシグフェル達ブレイバーズと
戦闘に入る。

シグフェル「フレイムアーム!とりゃぁ!」ガキン
雄大「ありがとうございます、光平先輩!」
慎哉「こっちに避難するんだ!」

ブレイバーズとスポーツ怪人軍団による戦闘の最中、シグフェルはフレイムアームで
檻を壊し、雄大を助ける。助けられた雄大は慎哉と共に戦闘に巻き込まれない様、避難した。

シグフェル「火焔十字の舞!!チェストォ!」
HHデューオ「ぎゃぁぁぁ!!」
野球仮面「HHデューオ!おのれ...倒された仲間の無念は、俺が晴らしてやる!」

シグフェルの必殺技で倒されたHHデューオの無念を晴らそうと、野球仮面はHHデューオが
持っていた芋丁の芋羊羹を取り出し、それを食べる。すると野球仮面はあっという間に巨大化した。

レッドターボ「シグフェル、俺の腕はまだ動けそうにない。一緒にターボロボに乗って
 サポートをしてくれないか?」
シグフェル「俺がターボロボに...任せてください!」

巨大化した野球仮面を止める為、ブレイバーズのロボットが出撃する。
そしてシグフェルはレッドターボと共にターボロボに乗り込んだ。

野球仮面「うぉぉぉぉぉ!」
シグフェル&ターボレンジャー「ターボクラッシュ!!」
野球仮面「ぐぉぉぉぉ、こ、これにて引退かぁ...無念!」

向ってくる野球仮面にターボロボは必殺のターボクラッシュを繰り出す。
その際、シグフェルが乗った影響なのか高速剣に炎が灯り、強力になった
高速剣で斬られ、野球仮面は倒され、他の怪人達もブレイバーズに倒されるのであった!

1000ユガミ博士 ◆DelvqPaIgQ:2017/09/24(日) 11:10:09
現在、思いついたネタが幾つかあるので、あらすじだけ記載する。

・地球編<ブラックパンサー対黄金ジャガー>
 世界でも一番の硬度を持つと云われる金属ヴィヴラニウム。そのヴィヴラニウムを狙って、
 Gショッカーは唯一の産出国であるアフリカのワカンダへ侵攻を開始。その指揮を執るのは、
 ネオショッカーの怪人・黄金ジャガーだった。卑怯を嫌う武人肌な黄金ジャガーは、国王であり、
 ワカンダを守るヒーローでもあるブラックパンサーに決闘を申し込む。決闘に応じたブラックパンサーは
 黄金ジャガーと激闘を繰り広げるが、侵攻作戦に参加した黒十字軍の幹部・日輪仮面は黄金ジャガーに
 手柄を取られる事を危惧して、決闘に横槍を入れるのであった...。

・地球編<聖域を守れ!聖闘士対GOD神話怪人>
 シグフェルによってGOD悪人軍団は、ほぼ壊滅。「自分達が、GODの真の怪人である」とGODの
 神話怪人達は、聖闘士の本拠地である【聖域(サンクチュアリ)】を手中に収める為、黒い幽霊団
 (ブラックゴースト)のミュートス・サイボーグと結託して、聖域へと侵攻。刻闘士との戦いで、聖闘士の
 数が不足している中、聖域を守る為に戦う蒼摩達、新世代の聖闘士。だが、強大な神話怪人とミュートス・
 サイボーグにより、聖域が攻略されようとしたその時。かつての戦いで散っていたアイオリア達、
 元・黄金聖闘士が駆けつける...。

・異世界編(もしくは時空編)<聖闘士星矢Ω×百獣戦隊ガオレンジャー>
 サターンとの戦いの後、「世界を知る為」旅に出た光牙とエデンは、時空クレバスで異世界
 (あるいは別の時代)にある孤島へと来てしまう。その島は、かつてガオレンジャーと戦った
 ゼウスオルグ率いるオルグ三兄弟によって支配されていた。島の人を助ける為、聖衣を装着した
 光牙とエデンは立ち向かうものの敗北し、その島のレジスタンスに助けられる。そしてレジスタンスの
 アジトへと連れてこられた2人が出会ったのは、伝説の聖闘士・琴座のオルフェだった...。

・外宇宙編<機獣の惑星(仮)>
 かつてザウラーズが戦った全宇宙を機械化しようとする機械化帝国が、その他の勢力
 (ガオガイガーのゾンダーやウルトラシリーズのビートスター等)を取り込み、機械化大帝国として復活。
 そして機械化大帝国は金属生命体ゾイドが生息する惑星Ziを自分達の支配下に置こうと、侵略を開始。
 ガーディアンフォースのバンやディガルド武国と戦ったルージ達は相棒のゾイドに乗って戦いながら
 機械化獣といったロボット兵器に抵抗していた。そこへ新ソロ星から転移してきたゴーカイジャーと
 ソロシップが惑星Ziに降り立つのであった...。




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