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二つ名を持つ異能者になって戦うスレ避難所5
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*「ここは 【邪気眼】二つ名を持つ異能者になって戦うスレ の避難所です」
*「雑談や 連絡の場として どうぞ」
*「このURLの先が 現行の 本スレです」
ttp://changi.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1246115227/
*「避難所の 過去スレです」
避難所1
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/computer/20066/1206954054/
避難所2
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/computer/20066/1211908307/
避難所3
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/computer/20066/1221605457/
避難所4
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/computer/20066/1232545359/
*「まとめサイトです」
ttp://www9.atwiki.jp/hutatuna/pages/1.html
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虹色さん来ていないようなので、勝手に進めさせてもらいます
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あと、しばらく受身になりそうなんで、どなたか絡んでくれるとありがたいです
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アクセス規制食らったけど、バーサーカー黒部と引き合わせようと書いてみました。
よければ使ってください。
「命ある限り、カノッサ以外の異能者をとにかく殺せ…」
『命ある限り、カノッサ以外の異能者をとにかく殺せ』
頭の中に聞こえるその言葉に従ってとにかくカノッサ以外の異能者を探した。
そしてふらつく頭を抱えてオーラを発する異能者を見つける。
「何度も思い通りにはさせない…!」
そこで一つ疑問が生まれる。
そして気づく。これはこの指令(プログラム)の隙。
俺はカノッサかどうかの見極めなど付かない。聞いてみなければわからない。
だから頼む。カノッサでないなら答えないでくれ!
「…お前はカノッサか?」
指令を果たす為の行動に抗う事はできず、俺は鳴神御月に声をかけた。
【黒部夕護:鳴神御月と接触】
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赤月さんが来られないので先に進めました。
そろそろもう一度くらい生存確認しておきますか?
>>441
私でよければ代理投稿いたしますが
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ダーさんはいます。自分も規制くらったので代理お願いします。
角鵜野市南地区──ポイントBZZ-901。
俺を含め、集った者達の衣服はみんな黒を基調とするカラーで統一されている。
>>134
そこに現われた無数の黒服の男達の中で目立つ青髪のジャージ女。
あいつを見ていると俺の中のオーラが抑え切れない衝動に駆られる。
この夏のくそ暑い中、みんな黒い格好で統一を図っているというのに、あの女はやはり涼しい風貌で現れた。
みんなの上に立つ四天王という幹部の立場だから、自由にしていいとでも思っているのだったら大間違いだ。
上に立つ者ならばこそみんなの見本とならねばならない。
それを誰も咎めない。立場の関係を恐れてるのか力の関係を恐れてるのかは知らないが、貴様らが言えないのなら俺が言おう。
そう思って黒服達から氷室の方を向き直すと目が合った。…俺の方を見てたのか?
氷室はなにやら呟いて顔を背ける。
「なんだジャージ女…今俺を笑ったか――」
「おっと──お喋りはここまでのようだぜ」
氷室に近づいていったところでディートハルトが止めに入る。
その顎で差す先に四天王筆頭、雲水凶介がいた。俺と似たような黒いコートを着ている。
「…ジャージ女、あれが上に立つ者の正しい振る舞いだ。今後もカノッサにいるつもりなら心得ておけ」
【ダークフェニックス:雲水を見ながら氷室に今後格好を正すように言う】
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まとめて対応しました。
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また規制食らった…。代理お願いします。
>>135
「…お前はカノッサか?」
視界の外から声がした。
声のした方を見ると、190以上はあろうかという巨躯の男がこちらを見ていた。
どうやら自分に声をかけているらしい。
自分がカノッサかどうか聞いてきた、ということは2つの可能性が考えられる。
1つは、彼はカノッサの敵で、自分と共に戦ってくれる人間を探す、若しくはカノッサの人間を殲滅して回っている場合。
もう1つは、彼はカノッサの人間で、異能者狩りを行う部隊の人間である場合。
どちらも考えられる。痛む頭でどうするべきか考える。もうあまり時間がない。
――ククク…さぁ、どうする…?――
「じ、自分、は…」
頭痛は限界に達している。
――決められないようだな…では――
「カ、カノッサ、の…」
視界が歪み、頭の中が空白になる。
――交代の時間だ――
最後まで答えられず、意識を手放した。
「"我"がカノッサか、だと?――下らん」
問いかけてきた黒部夕護に対し、そう答えた。
【鳴神御月:????と人格交代。黒部夕護の問いを一蹴】
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まだ書き込めません。
「"我"がカノッサか、だと?――下らん」
「そうか…下らん…か」
その一言で判断はついた。この異能者はカノッサではない。
ならば殺さなければならない。
『障壁』
自分を中心に鳴神を囲むように、半径10m程度の青みがかった壁を作り出す。
本来は自分を外側から自分や護衛者を護る為の技。
しかし相手を殺す事を重点に置く今の彼にとっての使い道は、相手を逃がさないように閉じ込める為の壁である。
「これで逃げる事は敵わない。殺されてもらおう」
一定ダメージを受ければ壁は壊れるものの、それに手間をかけようとすれば隙ができる。
逃げようとも、突っ込んでこようとも、『衝打』を叩き込みお前を殺す。
【黒部夕護:自分と鳴神御月を『障壁』で閉じ込める】
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阿合さんが来られないようでしたら、
阿合とその父はNPC化して勝手に動かすことにします。
ダークフェニックスさんもそうして下さい。
>>446
書き込んできます
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>>139
「そうか…下らん…か」
眼前の男はそう呟き、周囲に青みがかった壁を作り出した。
(本来この手の能力は対象の守護に使うものだが…。どうやら今は我を逃がさぬ為に張ったらしいな)
(とすると、先の御月の考察は後者、と言う事になるな。まぁいい、少し遊んでやるか…ん?)
ふとあることに気付く。どうも相手の動きに違和感を感じた。
(もしや…ククッ、そういうことか)
「これで逃げる事は敵わない。殺されてもらおう」
男はそう口にする。
「逃げる?馬鹿を言うでない。何故我が貴様の様な、それも"誰かに操られるような"雑魚相手に逃げなくてはならないのだ?
それに、人の事をとやかく言う前に前に自分の心配をしたらどうだ?」
男は気付いていないようだが、男の背後、さらに正確に言うなら首のすぐ後ろと頭上にメスが数本浮いていた。
さらに自分の背後に手を向け、力を集中させる。無論、視線は相手に向けたまま。
(この手の障壁は過剰な力を加えれば壊れるはず。向こうも分かっているはずだがな)
「フフッ…さぁどうする?」
【????:黒部夕護にメスを突きつけ、『障壁』の破壊を試みる】
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>>138
「ダークフェニックス、先陣はお前に任せる。これより上級以下の部下どもを率いて乗り込め。
歯向かう奴がいたら殺して構わん。ただし、化身を発見したら直ちに報せろ、よいな?」
筆頭は直接俺に任務を言い渡す。わざわざ了承の確認を取らずとも、俺は言い渡された任務は黙って遂行する。
たとえその任務がどれほど理不尽でも、何の意義を見出す事ができないものでもだ。
カノッサがそういう組織である事は昔からわかっている。わかっていてついていっているのだ。
「……」
『乗り込め』か。化身を探すなら建物ごと破壊してしまえば早そうなのだが、化身が消し飛ぶ恐れがあるのか?
もしその程度の奴なら、俺には化身かどうかの判別などつきそうもないんだがな…まあ他の奴に判断させればいいだろう。スキャナーの通信機能も壊れているしな。
「…四方向から突入する。1個小隊下級20人中級10人上級3人の計33人で3個小隊を編成、残りの下級18人、中級11人、上級3人は俺に付け。
俺の隊が正面、3個小隊はそれぞれ裏口、屋上、地下から突入する。各自能力に合わせて迅速に分かれろ」
この場に集った部下達を、力の配分を考えて均等に分ける。
人数の関係上、下級の代わりに中級上級がいる分、俺の隊は若干他より強くなっているが、ゆえに正面という最も狙われやすい場所を選んだ。
「各小隊、指定位置での待機完了との報告です」
俺は報告を受け取ると、その報告者からスキャナー受け取って無線のように口元に持ってくる。
それから懐からは銃を取り出し、空に向けて高く上げる。
「ではこれより突入する。化身の発見は四天王に報告、その他のトラブルがあれば俺の隊に報告、以上だ」
バンッ
俺は引き金を引いて空砲を鳴り響かせる。突入の合図だ。
【ダークフェニックス:部下達と共に正面、裏口、屋上、地下の四方向からアソナ本拠地に突入】
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さて、また私も規制・・・。
代理はここではなくて専用スレに頼んだ方がいいかもしれません。
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アソナの本拠地――
正面出入り口より突入したダークフェニックス率いる小隊は、防衛システムと戦っていた。
メインルームのモニター映像は天井や壁に設置された機関銃が無数のレーザー光弾を照射し、戦闘員を次々と倒していく様をとらえていた。
次々とレーザーに撃たれてバタバタと倒れていく下級戦闘員達。
「…え?」
中級以上の異能者は皆レーザーを避けて、機関銃を破壊している状況である。
だが、その中で他の下級戦闘員と同じように、レーザーに撃たれて床に仰向けに倒れている異能者がいた。
それが彼、ダークフェニックスだった。
「……お前達は先に行け」
「…了解」
様々な疑念や思惑はあっただろう。
それでも統一されたカノッサの隊は彼の命に黙って従い、そのまま先へと進んだ。
バタリ
そしてレーザーで体中を撃ち抜かれ、内臓の至る所が穴だらけとなった俺は、失血と呼吸困難で死んだ。
【ダークフェニックス、下級戦闘員18人死亡】
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ダークフェニックスさんは死亡退場でしょうか?
それとも黄泉返りを予定しているんでしょうか?
仮に前者だとまさか残ってるの私と鳴神さんだけ?
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蘇り予定です
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今残ってるのって氷室さん(達)とダークフェニックスさんだけでしょうか?
黒部さんとの戦闘は勝手に進めちゃっていいのかな?
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ふざけて書かれたんだとは思うけど、せっかくだからゾンビネタを拾ってみました。
>>143-144
グヘヘヘヘヘヘヘ、アバババババ、ゾンビだぜぇーーーーーーーーーーー
死の寸前、俺は何かが憑いたように狂った言動を取った。
…いや、今日死ぬのはこれで2度目だ。何かに憑かれてもおかしくはないだろう。
――だが目覚めて理解した。
目の前には俺と共にレーザーで撃ち殺された下級戦闘員がゾンビと化していた。
初めはディートハルトが仕込みを入れていたのかと思った。
だがこの様子は見覚えがある。
かつてカノッサの中で行われていた下級戦闘員の強化、不死の実験。
その実験でゾンビとなった下級戦闘員は中級と張り合えるほどの肉体に強化する事に成功したが、
彼らは知性を無くし、忠実な戦闘員としては使い物にならない為、実験は中断された。
天井や壁にある壊された機関銃を見る。…まさかあのレーザーがその放射線だったのか?
ゾンビとなって蘇った下級戦闘員達は穴だらけの身体で、奇声を上げている。
俺もああなっていたかと思うとゾッとするな。
『いまのはオーラが使える者だったら訓練次第で誰でも出来る単なる歩法や』
あの男の言葉を思い出す。俺以外の異能者は皆レーザーを避けていった。
レーザーを食らった俺の身体中にあった穴は、目覚めた時から焼き塞がれている。
どうやら俺は、実際にこの体質に頼り切って訓練を怠っていたようだな。
今後もあまり死に続けるようでは、身体は無事でも、精神を別の奴に乗っ取られかねない。
地獄の奴らから見れば、この身体はそれだけ価値のあるものだからな…
ガッ
その身体を風穴の開いた手の触れられた。
その手は爪を立てて俺の血を搾り出そうとしている様子だった。
「……離せ」
爪を立てるゾンビは言う事を聞かない。…いや、声も聞こえていない様子だ。
振りほどこうとするが、ゾンビの力は並みの腕力の俺では振りほどく事はできない。
ならば仕方が無い。
「『歯向かう奴がいたら殺して構わん』この任務における筆頭の言葉だ」
ボッ
俺に爪を立てていたゾンビは炎に包まれ燃えていく。
当然俺にも飛び火は来るが、俺の身体は燃えない。その怒りのオーラは怒りの対象のみを焼き尽くす。
間もなくゾンビは焼き崩れた。跡形も無く焼き尽くせばゾンビも蘇る事はない。
「先に地獄で待っていな…ラ・ヨダソウ・スティアーナ」
ラ・ヨダソウ・スティアーナ…俺が傭兵時代から使われていた別れの言葉だ。
そこに込められた意味は知らないが、仲間を手にかける時、俺は今でもこの言葉を使う。
だがその余韻に浸る間もなく、様子に気づいたゾンビ達が次々に俺に襲い掛かってきた。
「なんでカノッサの実験の産物がこんな所にあるんだろうな…」
ゴオッ
まとまったゾンビ達は俺の怒りの炎で一掃された。
【ダークフェニックス:ゾンビとなった下級戦闘員達を焼殺】
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代理投稿お願いします。
ピッピッ──スキャナーが順調に時間を刻んでいく。
建物から聞こえてくる悲鳴と銃声、爆発音に耳を傾けているだけで、
はや10分が経過しようとしていた。
「相手が100人や1000人いるわけでもあるまいに……何手間取ってやがる」
苛立つように地面から小石を拾っては次々に握りつぶしていくディートハルト。
氷室は彼ほど気が短くはなかったが、「手間取っている」ということに関しては、
彼女も内心、気にはなっていたことであった。
「筆頭。そろそろ相手が何者か教えてくれたっていいんじゃないか?」
「……」
流し目をして訪ねる氷室に、雲水はただ同じように横目で返すだけで、答えようとしない。
氷室の経験上、これは見当もつかず答えられない、という意思表示ではなく、
見当はついているが、何か理由があって答えたくない、といったものだろう。
「スキャナーさえ通さないあの建物……明らかにカノッサを意識して造られてる。
見当くらいはついてるんだろ? どうせ隠したっていずれバレるんだ、教えなよ」
引き下がらない氷室に観念したか、やがて雲水はその重い口を開いた。
「恐らく、化身を匿ってるのは『アソナ』とかいう元・カノッサの構成員で作られた組織だ。
人数にして10名足らずらしいが、随分前からこの街で活動しているらしい」
「裏切り者どもの集団かよ?
なるほど、それなら確かに化身の存在を嗅ぎ付けていてもおかしくねェな。
……だけどよ、裏切り者は機密保持の為に真っ先に消されるはずだろう?
他でもない筆頭、あんたお抱えの『暗殺部隊』にな」
訝るような視線を投げかけてディートハルトが言う。
雲水が抱えている部隊には諜報部隊をはじめいくつか存在する。
その内の一つに、裏切り者を抹殺する為だけに組織された暗殺部隊がある。
任務が暗殺という失敗が許されないこの部隊は、上級以上の選りすぐりの武闘派で構成される。
故に一度目をつけられれば、まず助かる者はいないと言われている。
実際にそれが彼らの信頼にも繋がっていたし、同時に離反者の続出にも歯止めをかけていた。
それが影で離反者を多く取り逃がしていたとなれば、不審に感じるのは当然である。
「……以前、差し向けた暗殺部隊が全滅した、ということがあっただろう?」
雲水の言葉に二人は記憶を辿った。
そして思い出したのが遡ること二年前──あの『幾億の白刃』との闘いである。
あの闘いは四天王全員が乗り出すことになった過去例にないものだったが、
そもそもそうなった原因は、まず差し向けた当時の暗殺部隊が全滅したからなのだ。
少なくとも雲水も氷室もディートハルトも、そう報告を受けていた。
ここで氷室は雲水が何を言わんとしているのか気がついた。
「まさか……全滅というのは虚報? 暗殺部隊そのものが裏切っていた……?」
氷室も、流石のディートハルトも、これには驚きを隠せなかった。
だが、こう考えれば雲水が珍しく答え難そうにしていたのも、
アソナというありえない裏切り者集団が存在するのも、全て合点がいくのである。
インフィニットセイバー
「あの『幾億の白刃』との闘いで何を知り、裏切りと至ったのは今となっては定かではない。
だが、いずれにしろ奴らはここで裏切りの報いを受ける……それだけは確かだ」
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部下から初めて報告が入ったのは、そんなやり取りから更に10分後のことだった。
いや──報告と言うよりは、戦闘員の悲愴な実況とでも言った方がいいだろうか。
「こちら第3小隊!
敵の9名までは始末しましたが、と……突然現れた少女に、戦闘員が次々と塵にされて……
こ、こんな光景は初めてです! とにかく異常な──ヒィッ!? ぎゃああああああああ!!」
「こちら第4小隊! こちら第4小隊! 化身と思われし少女が恐るべきスピードで──
ヒッ、こっちへ来たぁぁぁーーー!! 助けてくれェぇええええええッ!!」
──ブチ。
氷室は、耳を劈くような悲鳴の連続に、たまらずスキャナーの電源を落とした。
「……私の鼓膜を破る気かい。……そろそろ私達も出番かな?」
と雲水に目を向けると、彼は無言ながら「ああ」と言うように建物に向かって歩を進めた。
「いよいよか」と笑うディートハルトが直ぐ後に続き、少し遅れて氷室も続く。
彼らの表情に恐怖は微塵もない。あるのは、余裕からくる平然とした表情だけであった。
──アソナ本拠地三階──
「ぎゃあああああああ!!」
腹を強引に引き裂かれて、戦闘員がまた一人、血を噴き出して絶命する。
その返り血を浴びながら、少女は無機質な眼差しのまま、ただ新たな獲物を見据える。
「…………」
感情の無い、機械のような目。
彼女が、ほんの数時間前に父親との再会に感極まり涙した少女、
阿合 哀であることなど果たして誰が信じるだろうか?
「な、なんてことだ……」
娘の戦いぶりを物陰から見つめる父親、昭の顔は恐怖に引きつっていた。
始祖の血によって人工化身としたまではよかった。
しかし、彼の誤算は、眠りから覚めた娘が正に化身の力を持つ殺人マシーンと化していたことだった。
「まさか、始祖の血が人格にまで影響を及ぼすとは……完全に誤算だ……。
私には……いや、例え誰であっても、哀は制御できない……!!」
今の昭にできることといえば、ただ後悔の念に頭を抱えるだけであった……。
【阿合 哀:人工化身(戦闘マシーン化)し、カノッサの戦闘員を次々と葬っていく。
オーラの絶対量増大・本体、能力のパラメータ全てA以上にアップするが、その代わり理性を失う】
【アソナの構成員は昭を残して死亡】
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>>454
黒部との戦闘は勝手に進めていいと思いますよ。
現状あのキャラはNPCですし。
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「――!?」
黒部は驚いていた。御月の行動の速さにも驚いたが、それ以上に驚いたことがある。
「何故、私が操られていると分かった?」
「簡単なことだ。貴様の表情と行動に違和感を感じたのでな。どうも自分の意志で
動かせているわけではなさそうだったからな――む」
黒部の質問に答えていたが、遠くの方で戦闘、そして人が死んでゆく気配を感じた。
それも大量に。そして更に別の気配も。
「この気配は…。ふむ。どうやら貴様と遊んでやる暇はなくなったようだ。悪いが少し眠ってもらうぞ」
そう言って黒部に向かって走り出す。
「何?それは出来ない相談…ッ!?」
向かってくる御月に対し、『衝打』を叩き込もうとした黒部は顔を歪ませた。
腕が、いや全身が動かない。
「貴様、何を…!」
「悪いな。貴様の神経を一時的に麻痺させた。こいつでな」
そういって御月は左手に細い鍼を作り出して見せた。
「く、メスは囮だったのか…!」
動けない黒部の側頭部に、右手に作り出した剣の柄を叩きつける。
「ぐっ…」
まともに食らった黒部は吹っ飛び、『障壁』に激突して地面に落ちた。
「そこでしばらく寝ていろ。朝になれば動けるだろう」
御月はそう言いながらも走る速度を落とさず、剣を構えて『障壁』に突っ込む。
「フッ―!」
気合と共に剣に能力を込めて一閃。『障壁』を粉砕、そのまま走り去っていった。
【鳴神御月:黒部夕護に勝利。アソナの本拠地へ向かう】
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>>147
「まさか、始祖の血が人格にまで影響を及ぼすとは……完全に誤算だ……。
私には……いや、例え誰であっても、哀は制御できない……!!」
「何が誤算だ…白々しいな、阿合昭」
人工化身が戦闘員達と戦ってる物陰で、遅れてきた俺は頭を抱えている見覚えのある面を発見する。
機関の裏切り者の1人、阿合昭。
「俺の記憶では、貴様は予知夢を見る能力があるはずだ。
無かったとしても強力な異能、それも始祖の血など取り入れて人格になんの影響も与えないわけがない事ぐらい予測できる。
そんな事もわからないレベルならジャージ女の占い(笑)の方がまだ当てになるぜ」
先程葬ったゾンビ達がその例だ。あいつらは異能者じゃなかったが、あのレーザーと始祖の血では力の上昇は比較にならないだろう。
この女が異能者だったとしても正気でいられるわけがない。
「貴様はわかっていたんだろう?今日この日、カノッサに自分が裏切りの報いを受ける事を。
そして我が身を護る為に、実の娘を殺人兵器にした。我々を抹殺する為にな。
誤算だったのは貴様がこの日、死ぬ運命が変わらない事だろう?」
俺は阿合昭を指差す。その先に破壊のオーラが集中している事はこの男が異能者ならわかるだろう。
「その女は貴様を護りはしない。わかるな?今貴様の運命を左右するのは俺の意思1つだ」
人工化身と戦闘員達の戦いを背景に、俺は裏切り者を追い詰める。
「だが俺はこの任務で『歯向かう奴がいたら殺して構わん』と言われているが、貴様ら敵の殲滅を命じられてるわけではない。
貴様がこれから俺の要求に歯向かわなければ、この場から生かして逃がしてやろう。
もちろん他のカノッサの連中からもな。そろそろ四天王の連中も動く頃だから決断は早めに頼むぜ」
今からこの言葉を信用できるか裏付ける予知夢を見ている時間などない。
この時点で俺は嘘を言っているつもりはないが未来は確かではない。
"今"の俺の意思がどうでも、この要求はそれを約束させないものである事はこの男にもわかるだろう。
だがこの男が自分の命を第一に考えるなら選択肢はない。
「要求は1つだ。俺に始祖の血をよこせ」
【ダークフェニックス:阿合昭に始祖の血を要求】
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>>149
「何が誤算だ…白々しいな、阿合昭」
背後からの突然の声に、昭は驚き、そして振り返った。
「──ッ! お前は……」
そこには素顔を覆い隠すゴーグルと小麦色の肌が特徴的な見覚えのある男が立っていた。
昭の記憶に間違いがなければ、その男の名は「ダークフェニックス」。
カノッサの中で四天王に次ぐ実力を持つ異能者である。
「俺の記憶では、貴様は予知夢を見る能力があるはずだ。
無かったとしても強力な異能、それも始祖の血など取り入れて人格になんの影響も与えないわけがない事ぐらい予測できる。
そんな事もわからないレベルならジャージ女の占い(笑)の方がまだ当てになるぜ。
貴様はわかっていたんだろう?今日この日、カノッサに自分が裏切りの報いを受ける事を。
そして我が身を護る為に、実の娘を殺人兵器にした。我々を抹殺する為にな。
誤算だったのは貴様がこの日、死ぬ運命が変わらない事だろう?」
すっと哀を指差すダークフェニックス。
その指先からは強力なオーラが集まっていることは、昭にもわかっていた。
「その女は貴様を護りはしない。わかるな?今貴様の運命を左右するのは俺の意思1つだ」
「……私に何をさせようというのだ?」
その問いに、ダークフェニックスは小さく笑って、答えた。
「要求は1つだ。俺に始祖の血をよこせ」
「……フッ、フフフフ……。始祖の血か……そんなものを手に入れてどうする気だ?
まさか自ら化身となるつもりか? ……だとするなら無駄だと言っておこう。
娘が人工化身となれたのは、生まれつき始祖の血に対する抵抗力を持っていたからだ。
他の人間が真似したところで一秒と持たず肉体ごと塵と化すのが関の山だ」
途端に嘲るような顔でダークフェニックスを睨め回す昭は更に言葉を続ける。
「そしてお前は誤解している。私は我が身可愛さの為だけに行動はしない。
でなければ常に付き纏う死のリスクを背負ってまでお前達を裏切ったりはしなかった。
能力である予知にしても、実際は精神が戦闘時における一種の興奮状態にある時のみ自動で発動し、
脳裏に数秒先の未来が過ぎる程度のもので、お前が考えているほど神がかり的なものではない。
遠い先の未来を読むことができたならば、失敗すると判っている人工化身計画など推進しなかった。
フッ……もっとも、始祖の血の影響を事前に予想できなかった以上、
私はお前の言うような利己的な人間と過小評価されても致し方のないことだがな……」
今度は昭は目だけを、今も尚、一方的な虐殺を続ける哀に向ける。
「娘には敵も味方も関係ない。今や無間に溢れ出すパワーと闘争本能しか持たぬ獣だ。
父親である私を見ても、今の彼女は迷うことなくその牙を突き立てるだろう。
それも娘の運命を狂わせた報いとして甘んじて受けねばなるまい。
……しかし」
目をゆっくりとダークフェニックスへと戻した昭は不気味に笑った。
「私の誤算は同時にお前らにとっての誤算だ。もはやお前達でもどうすることもできまい。
化身を弄ぼうとした報いを受けて、その淡い野望と共に潰えるがいい……フフフフ」
「──さて、それはどうかな?」
低い、それでいて澄んだ声が、ダークフェニックスの遥か後ろから木霊した。
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「……ッ!? 雲水 凶介……!!」
「やはり『アソナ』の頭目は貴様だったか、昭よ。久しぶりだな」
ダークフェニックスの遥か後ろ、階下に繋がる通路から現れたのは、
カノッサ四天王の筆頭雲水──そして、氷室とディートハルトの三人だった。
「……私が生きていたことに、よく気がついたな……」
「いや、流石の俺も確信したのはついさっきだ。
カノッサの膝元で組織を立ち上げて起きながら寸前まで尻尾を出さない……
流石は闇に慣れた元・暗殺部隊長、諜報部隊を煙に巻くのもお手のものってわけだ」
「おひさー。その様子じゃ今まで元気にのうのうとしていたみたいね」
軽く手を振りおちゃらけた口振りなのは氷室。
だが、そんな調子の声とは裏腹に、目だけは笑っていない。
「マジで生きてたとはな。……フッ、それだけの度胸と腕だ。
裏切ったりしなけりゃ、貴様は今頃俺らに次ぐ幹部だったろうによ、勿体ないねぇ」
と大げさに両手を広げて見せるディートハルトも、目は笑っていない。
「……雲水、お前は間違っている。私がカノッサを裏切ったのは、そう思ったからだ」
「ほう? では、俺は自らの正しさを証明するまでだ」
ツカツカと雲水が歩を進め、ダークフェニックスの横を通り過ぎ、昭に近寄っていく。
「できるわけがないといった面持ちだな。では訊こう、お前が生み出した“アレ”は一体なんだ?」
雲水の冷たい視線の先には、その身を返り血で真っ赤に染めた、生きる戦闘マシーン──。
「アレに俺達が倒されればお前はそれで満足なのか?
目の前の敵を失った貴様の娘は、更に敵を求めて修羅の道をひた走るのではないか?
寿命が尽きるその時まで──俺達の代わりに──何千、何億という屍を積み重ねて──!」
「──ッ!」
「強い者だけが生き残る修羅の世界──ククク、正に俺達が理想とする世界じゃないか。
わかるか? 如何なる詭弁を弄そうとも、お前の本質は『俺達と変わってねぇ』のさ!
お前の正義こそ、結局は俺達の考えが正しいと、自ら証明しちまってる物に過ぎねェのよ!」
昭の数十センチ前まで迫ったところで雲水は足を止め対峙した。
「どけ。もはやお前に用はない。用があるのは後ろの娘だ」
「……無駄だ。哀は、誰にも制御できん。お前であっても──」
「初めからその気はない。俺が利用したいのは化身じゃない、化身の圧倒的なパワーだからな」
「なんだと……それは……」
「これ以上は問答無用。──ディー!」
瞬間、雲水の五体の間を掻い潜って放たれた透明な糸が、昭の全身を貫いた。
「──『四肢掌握糸』──。悪いなダークフェニックス。貴様の獲物はたった今から俺の獲物に変わった。
手出しはするな。勿論、あの娘にもだ」
ディートハルトはダークフェニックスから雲水に視線を移す。
既に雲水は身動きのとれなくなった昭の横を悠然と抜け、
禍々しいオーラに包まれた哀の至近距離にまで迫っていた。
「な、何をする気だ雲水!?」
「昭……お前の誤算は、結局“お前だけの誤算”だったということだ。それを今、見せてやる」
【氷室 霞美:3F到着】
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ここら辺の展開はカノッサ以外の人は絡めないんでちょっと駆け足にロールさせてもらいました。
順調にいけば次かその次あたりでアソナ本拠地から離れられる、かな。
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>>460-462
代理完了。
つーか規制のせいか人減ったね・・・。
-
>>150-151
「──『四肢掌握糸』──。悪いなダークフェニックス。貴様の獲物はたった今から俺の獲物に変わった。
手出しはするな。勿論、あの娘にもだ」
「――了解」
指を下ろして背を向ける。
「…愚かだな、黙って血をよこせば助かったものを」
俺は阿合昭に向けてぼそりとつぶやき、氷室を横切る時に皮肉も忘れない。
「ジャージ女、貴様は来る必要なかったと思うぜ」
俺は四天王を尻目にその場から立ち去った。
――1F裏口――
『まさか自ら化身となるつもりか? ……だとするなら無駄だと言っておこう。
娘が人工化身となれたのは、生まれつき始祖の血に対する抵抗力を持っていたからだ。
他の人間が真似したところで一秒と持たず肉体ごと塵と化すのが関の山だ』
本当にそう思っているのなら黙って血を渡せばよかった。
この男が俺達の身を案じる理由なんてない。
そうしなかった理由…おそらく生命の危機に瀕して、この男は予知能力が発動したのだろう。
俺に血を渡したらどうなるか…を。
血の効力があの男の言う通りなら、場所のおおよその見当はついた。
かつてカノッサを裏切った暗殺部隊。
そこの所属する阿合昭がいたこの組織で、それを持っているとすれば…おそらく血液を入れ替える能力の異能者。
部下の連絡からこの能力者の戦闘が行われていたのはおそらくこの場所。
そこにはカノッサの基調となるいくつもの黒い服を被った大量の塵と、白衣を着たアソナメンバーが倒れていた。
その顔は予想通り、血液を入れ替える能力の異能者。
「…予想通りだ」
不自然に倒れたまま白衣に突っ込まれた手には、赤い液体の入った小瓶が握られていた。
この1本の血を戦闘員の血と順番に入れ替えて、戦っていたのだろう。
一撃必殺の能力ではあるものの、物量には敵わずここでやられたわけだ。
「始祖の血であればいいが…」
戦闘員の血と入れ替えた状態でやられたのなら、この瓶に残っている血はただの異能者の血だ。
【ダークフェニックス:始祖の血(?)を手にする】
-
すみません。>>465訂正で
>>150-151
「──『四肢掌握糸』──。悪いなダークフェニックス。貴様の獲物はたった今から俺の獲物に変わった。
手出しはするな。勿論、あの娘にもだ」
「――了解」
ディートハルトの命に対して俺は指を下ろして背を向ける。
「愚かだな、黙って血をよこせば助かったものを」
阿合昭に向けてぼそりとつぶやき、氷室を横切る時に皮肉も忘れない。
「ジャージ女、貴様は来る必要なかったと思うぜ」
俺は四天王を尻目にその場から立ち去った。
――1F裏口――
『まさか自ら化身となるつもりか? ……だとするなら無駄だと言っておこう。
娘が人工化身となれたのは、生まれつき始祖の血に対する抵抗力を持っていたからだ。
他の人間が真似したところで一秒と持たず肉体ごと塵と化すのが関の山だ』
本当にそう思っているのなら黙って血を渡せばよかった。
あの男が俺達の身を案じる理由なんてない。
そうしなかった理由…おそらく生命の危機に瀕して、あの男の予知能力が発動したのだろう。
俺に血を渡したらどうなるか…を。
血の効力があの男の言う通りなら、場所のおおよその見当はついた。
かつてカノッサを裏切った暗殺部隊。
そこの所属する阿合昭がいたこの組織で、それを持っているとすれば…おそらく血液を入れ替える能力の異能者。
部下の連絡からこの能力者の戦闘が行われていたのはおそらくこの場所。
そこにはカノッサの基調となるいくつもの黒い服を被った大量の塵と、白衣を着たアソナメンバーが倒れていた。
その顔は予想通り、血液を入れ替える能力の異能者。
「…予想通りだ」
不自然に倒れたまま白衣に突っ込まれた手には、赤い液体の入った小瓶が握られていた。
この1本の血を戦闘員の血と順番に入れ替えて、戦っていたのだろう。
一撃必殺の能力ではあるものの、物量には敵わずここでやられたわけだ。
「始祖の血であればいいが…」
戦闘員の血と入れ替えた状態でやられたのなら、この瓶に残っている血はただの異能者の血だ。
【ダークフェニックス:始祖の血(?)を手にする】
-
「ここか…」
"彼"はアソナの本拠地に辿り着いていた。
目の前に入り口がある。雰囲気からして裏口のようだ。
裏口から中に入る。上の階からは幾つか能力者の気配がする。
「数は3、いや4…?1人は先程の男を操っていた奴。もう1人は以前に感じた事のある気配だ。
あとの2人は…知らんな」
ざっと上の階にいる人間を検証する。そして自分の前方にも1人、能力者の気配がする。
「こちらも知らんな…。まぁ、会ってみれば分かるか」
そう呟き、通路を歩き出す。
少し歩いたところで、無数の倒れ伏している人間を目にする。
どうやらここで戦闘があったようだ。
その屍の中、1人佇む者がいた。手に何かを持ち、小さい声で何か呟いている。
「……う…りだ」
「…その…あれば…」
距離が離れているせいか良く聞き取れない。背格好から察するに男だろう。
更に男に近づいていく。
(赤い…何かの血液か…?)
男と3m程離れた位置で立ち止まる。
「貴様、ここの人間か?ここで何があった?」
【鳴神御月:アソナの本拠地に到着。ダークフェニックスと接触】
-
海部ヶ崎さんが来られないので相談できずに勝手に無間刀の設定を加える形になってしまいました。
多分、当初の構想と違うと思いますがご了承下さい。
さて次のロールで最後の四天王を登場させようかな思いますが・・・
誰か絡んでいい方はいらっしゃいますかね?
-
>>155
「貴様、ここの人間か?ここで何があった?」
血が始祖の物であるか確かめようとしていたら、その場に得体の知れない存在が現れた。
いや、それが異能者である事はわかる。
男だか女だかわからないとか、それもあるがそういう話ではない。
得体の知れないは外見ではない…中身だ。
「…貴様こそ、その様子では此処と無関係の人間だろう。何の様――」
――そうか、魔水晶に引き寄せられた異能者か。
どうやら筆頭は予定通り魔水晶を手に入れる事ができたようだな。
「…ここで何があったか?何もないさ」
俺は持っていた血の小瓶を自分のコートのポケットに突っ込む。
「何かあるのはこれからだ」
俺は天井を仰ぎ見る。
「魔水晶に惹かれて、間もなく街中の異能者が此処に集結する。
そして魔水晶を求めて戦い、奪い合い、最後にそれを手にしていた者だけが夢を叶えられる」
魔水晶がその真の力を引き出すには、水晶化してからまる1日はかかる。
その間、その魔力は自然に異能者を引き寄せる。魔水晶を持つ者は時間までこそこそ隠れて過ごす事は許されない。
もっとも、筆頭の古文書にはそこまで記されてはいないがな。
――数多のオーラがこの場に集まってくる。この日の為に俺が街に配置していた異能者達が。
集まる前に絶滅させられるんじゃないかと焦っていたが、アソナの連中が早めに尻尾を見せたおかげで事は順調に進んでいる。
筆頭に古文書を見せ、アソナに化身を作り出らせ、魔水晶を生み出させ、異能者達を戦わせる。
全てはこの俺が仕組んだ事。
「ゲームの始まりだぜ」
ピッ
俺は目の前の得体の知れない異能者を指差し破壊光線を放つ。
午前中の異能者狩りを生き残った貴様が、筆頭を倒す力を持つ者か試してやろう。
もっとも手加減するという意味ではない。力無き者なら俺にとって必要ないからな。
【ダークフェニックス:鳴神御月に戦いを仕掛ける】
-
>>468
鳴神さんと私しかいなくて、しかも戦い始めるので、まだ四天王は必要無いんじゃないかな?と思います。
魔水晶に関して勝手に設定を付けましたが、ダメなら書き直します。
-
そうでしたか。それでしたらもう少し登場を遅らせます。
魔水晶の設定については別に問題ありません。
-
>>156
「魔水晶に惹かれて、間もなく街中の異能者が此処に集結する。
そして魔水晶を求めて戦い、奪い合い、最後にそれを手にしていた者だけが夢を叶えられる」
「魔水晶?懐かしい名だな…。だがそんな物の為に来たわけではない。
懐かしい気配を感じて来たまでよ。しかしこれは――」
「ゲームの始まりだぜ」
その言葉と共に一筋の光線が迸った。体をひねってかわす。
「ふん。話くらい最後までさせろ。どうやらここで"作られたモノ"は紛い物のようだな。
久方ぶりに彼奴と話が出来ると思ったが…。どうやらそれも叶わんようだしな。
ともすれば、こんな場所に用はない。貴様もろともこの建造物を排除するとしよう」
「さて、残り時間も少ない。少し"こちらの"力も使わんと感覚が鈍るな」
体の中心に力を凝縮する。それはさながら圧縮された大気の如し。
「貴様とはいい話が出来そうだな…。どうやら面従腹背というわけでもなさそうだしな。
しかし今は時間がないのが惜しい。今日はこれにて失礼させてもらおう」
極限まで圧縮させた力を解放する。
ズッ――
瞬間、大爆発が起きた。特殊な異能力ではない。純粋なオーラの解放による爆発。
立ち込める爆煙の中、ダークフェニックスに背を向け、その場から立ち去る。
「我が名はアリス―アリス・フェルナンテ。満月の夜に、また会おう」
そういい残し、アリスは姿を消した。
【アリス・フェルナンテ:ダークフェニックスとの戦闘を回避。アソナの本拠地を後にする】
-
戦いにならなかった(´・ω・`)
そんなわけで自分は四天王に絡まれてもいいですよ
-
修正です。
後ダーさんすいません(;^ω^)色々後の展開考えてのことですので…
>>156
「魔水晶に惹かれて、間もなく街中の異能者が此処に集結する。
そして魔水晶を求めて戦い、奪い合い、最後にそれを手にしていた者だけが夢を叶えられる」
「魔水晶?懐かしい名だな…。だがそんな物の為に来たわけではない。
懐かしい気配を感じて来たまでよ。しかしこれは――」
「ゲームの始まりだぜ」
その言葉と共に一筋の光線が迸った。体をひねってかわす。
「ふん。話くらい最後までさせろ。どうやらここで"作られたモノ"は紛い物のようだな。
久方ぶりに彼奴と話が出来ると思ったが…。どうやらそれも叶わんようだしな。
ともすれば、こんな場所に用はない」
「さて、残り時間も少ない。少し"こちらの"力も使わんと感覚が鈍るな」
体の中心に力を凝縮する。それはさながら圧縮された大気の如し。
「貴様はどうやら面従腹背というわけでもなさそうだな。いい話が出来そうだ。
しかし今は時間がないのが惜しい。それに貴様と戦う理由もない。
今日はこれにて失礼させてもらおう」
極限まで圧縮させた力を解放する。
ズッ――
瞬間、大爆発が起きた。特殊な異能力ではない。純粋なオーラの解放による爆発。
立ち込める爆煙の中、ダークフェニックスに背を向け、その場から立ち去る。
「我が名はアリス―アリス・フェルナンテ。満月の夜にまた会おう。貴様が生きていれば、な」
そういい残し、アリスは姿を消した。
【アリス・フェルナンテ:ダークフェニックスとの戦闘を回避。アソナの本拠地を後にする】
-
四天王は自分が操縦するからいいとしても、ちょっと一般人側が少ないのがなー。
このままだと最終決戦もNPCとのバトルになっちゃう寂しいことに。
-
>>157−158
逃げたか…まあそれほど力を持たない者なら、この俺相手に逃げるのは利口な判断か。
事実、俺も筆頭と戦わずに事を成す為にこうして策を張り巡らせているわけだしな。
しかし、このままではみすみす筆頭に魔水晶をくれてやる結果に終わってしまうな…
それにしても最近、破壊光線が人間相手に当たらないな…的がやり手だからと思いたいが、俺自身に問題があるのだとしたら――
そんな事を考えていると、筆頭達がこの建物からいなくなってる事に気づく。
…とすると、アリスとかいう女は魔水晶が移動したからこの場から移動したのか。
そうすると、此処に向かってきていた街の連中も行き先を変えるだろう。
「わざわざ無駄にゾンビを作ってご苦労な事だ」
この様子はディートハルトの能力によるものだ。ただの操り人形として動いてるこいつらの肉体に魂はない。
ならば供養する必要はないし放っておこう。それにここでディートハルトに能力を使わせている事で、後々事が有利に運ぶだろう。
さて、街の連中と四天王と行き先は――
ピピッ
外の様子を探ろうとしていると、スキャナーが建物内でオーラを観測する。
屍となったゾンビ供にオーラは存在しない。まだ誰か生き残りがいたのか?
そう思ってオーラが観測される先程いた3Fに足を運ぶと、すぐにその正体は知れた。
「……」
『手出しはするな。勿論、あの娘にもだ』
――俺はその部屋を出て同階を捜索する。
この建物と人員から考えて、様子を知る為のモニター室があるはず。
―――
――
―
『調度、連中をふるいにかける“置き土産”が少なかったところだ。奴にはその先鋒でも務めてもらうさ』
先程の部屋の様子を映すモニター、自分が出て行った後の様子を再生すると、そこには望んでいたものが映されていた。
新たな任務の言質、その前の指令『手出しをするな』を打ち消す契約。
「了解、筆頭。でも連中は此処には来ないぜ」
-
俺は再び先程の部屋に戻る。
瀕死の状態、それでも確かにスキャナーが生存を示すその異能者のもとに。
人工化身となる為に生み出され、死にかけている哀れな娘のもとに。
俺は意識を失っているその娘の衣服を、無間刀に刺されて裂けていた胸元から引き裂く。
「起きろ…始祖の血が水晶化して抜けた事で、"貴様"の人格は戻っているはずだ」
そしてあらわになったその胸の先に、感情の火の粉を落とす。
俺が炎で回復できるのは自分だけだ。他人の命を簡単に奪ってきた俺に、他人を救う力は生まれない。
俺のオーラは感情に強く影響される。心から自分が生き残りたい気持ちになれても、他人を救う気持ちになんて絶対になれない。
だから俺のこの娘に対して生み出せる感情は…性欲、死なすのはもったいないといった感情。
この火の粉はこの娘を殺す為の技ではなく、熱くさせる…もとい苦痛で意識を戻させる荒技。
「――ッガハァ!!」
娘、阿合哀は苦痛に顔を歪ませながら意識を取り戻す。
すぐにまた意識を失いそうだが、俺はすかさず先程手に入れていた血の小瓶を取り出し、その胸の傷口に血を一滴垂らす。
「――ッウアアアァァァ!!!」
傷口は毒が入り込んだかのように、ぶくぶくと血の泡を立てている。
その様子を見て、俺はこの血が始祖の血であった事を確信した。
「意識を保っていろ…貴様が化身に人格を支配されたのは、おそらく貴様が眠った状態で血を取り入れた事が原因だ。
力を我が物としたければ痛みに耐えろ。死にたくなければ生を実感しろ」
他の者ならば一瞬で塵になって苦痛を感じる事もなく死に至る。
だがこの娘の身体はそれを許さない。
そして意識を失う事は俺が許さない。娘が気を失いかける度に、一滴ずつ傷口に血を垂らす。
その度に建物内に絶叫が響き渡った。
【ダークフェニックス:阿合哀に始祖の血を取り入れる】
-
1つ目のアンカが失敗しちゃったので、>>157-158で張り直しでお願いします。
-
謎だった雲水の能力(といっても一端ですが)を明かしたので、ここで雲水のプロフ投下します。
物理的殺傷性が一切ない能力キャラなんて初めてですかねー。まぁ、上手く使っていきます。
【プロフィール】
名前:雲水 凶介(うんすい きょうすけ)
性別:男
年齢:27
身長:186cm
体重:77kg
職業:「カノッサ」幹部・四天王の一人。カノッサの指導者。
容姿:黒髪を肩ぐらいまで伸ばしたオールバック。黒スーツの上に常に黒いコートを羽織っている。
能力:自らのオーラで異空間を作り出し、その「入口」と「出口」を現実の空間に出現させる能力。
これによって物体を遥か遠くの場所へ一瞬の内に転送(瞬間移動)することができる。
ただし、「入口」は常に自らの傍の空間に作らなければならず、
また「出口」は自らが実際に視認し行った場所でないと作ることはできない。
キャラ説明:秘密結社「カノッサ」結成当初からの古株メンバーの一人。愛称(?)は「筆頭」。
カノッサはこの男の一声で結成に至ったと言われており、
同じ四天王ながら彼が持つ権限は他三人も及ばないほど。
見た目は紳士だが、その性格は極めて残忍かつ冷酷の野心家で、
非異能者は異能者(主にカノッサのもと)に支配されるべきという思想のもとに行動している。
なお、一度見たものは写真のように記憶する直観像記憶能力の持主でもあり、
それが自らの能力に生かされている。
【パラメータ】
(本体)
筋 力:B
敏捷性:B
耐久力:B
成長性:N
(能力)
射 程:D〜S(技によって変動)
破壊力:N
持続性:S
成長性:N
-
――アソナの本拠地から離れたアリスは住宅街を歩いていた。
頭の中に声が響く。
――体を…返せ…!――
「む、もう終いか。少々つまらんな…。今回は何も壊していないではないか…。
まぁいい。お前に頼みがある」
――ふざけるな…!誰がお前の頼みなんか…!――
「まぁそう硬いことを言うな。何も破壊活動を行えと言うのではない。ただある人物に会って
欲しいのだ。そう―ダークフェニックスという男にな」
――ダーク…フェニックス…?――
「うむ。カノッサとか言う機関の構成員らしい。我はあの男が少々気に入った。
是非とも一度話をしてみたい」
――!!駄目だ…!自分は優達の護衛…。敵対する機関の人間なんかに――
「何なら話すときだけ体を貸してくれればいい。用が済んだら返すさ。
記憶も共有する。それならいいだろう?記憶を共有するということは
"封印"もかけない。自力で取り返せるはずだ。まぁ今すぐじゃなくてもいい。
だが近いうちに、な」
――………――
「沈黙は肯定と受け取るぞ。別にお前の雇い主に悪い方向には持っていかん。
久方ぶりに気に入った相手だ。話くらいさせろ。―化身のことも気になるしな。
まぁ、今はお前に体を返すとしよう。だがこれからは任意に交代を行えるようにする。
もちろん普段はお前が使っていて構わん。しかし半分は我の体でもあるのだ
こちらだけ制限付きというのは不公平であろう?"封印"は外させてもらう」
御月が何かを言おうとしたが、それより早く目を閉じて意識を集中させる。
目を開けたとき、左の瞳が茶色に戻っていた。それと同時に体が軽くなる感覚。
不満げな表情で御月は辺りを見回す。そこには一軒の家。表札には虹色と書いてある。
今は考えることを止め、帰還を報告するべくチャイムを鳴らした。
【アリス・フェルナンテ:鳴神御月と人格交代。虹色兄弟の家に到着。
以後自由に人格の交代が可能】
-
ここはどこですかー
新規と言えるであろう人が来ましたよー
ここに書き込めばいいんですかー
-
>>481
まずはテンプレをよく読んでください。本スレにありますんで
-
ダークフェニックスとの闘いの後、不知哉川と海部ヶ崎は徒歩で数キロの道のりを移動し、
数十分という時間をかけてアソナ本拠地近くの南地区郊外まで辿り着いていた。
しかし、視界の先にアソナ本拠地をうっすらとらえ始めた頃になって、
二人はこれまで警戒に動かしていた足をピタリと止めた。
眼前に、この世の物とは思えない“異形”が、行く手を阻むように蠢いていたからだ。
「こらまた気味の悪いモンを……」
不知哉川は目の前の光景に呆然とするしかなかった。
人間の形をしているが人間ではない──
寄生とも呻き声ともつかぬ声を発しながら光のない眼差しでただ動く物に反応する、
さながら亡者と化した化物達が人々を襲っているのだ。
「キサちゃん、あれなんだかわかる?」
「……服装から見てカノッサの戦闘員ですね。しかし様子がおかしい。
あれではまるで……」
ピピピ!
ふと不知哉川のスキャナーが鳴る。
見れば、レンズに表示された周囲の生命反応が次々と消えていっている。
知っての通りスキャナーはオーラを持つ者にしか反応しない機械だ。
つまり、異形に襲われているのは異能者ということだが、そうなると一つの疑問が沸く。
「……でも、よりにもよって何でこんなとこに集まってたんやろか?
異能者同士集まって井戸端会議でもしとったんか?」
「それにしたって数は10や20は下りませんよ。まるで何かに誘き出されたような……」
「誘き出された…………あっ」
二人は顔を見合わせた。
つい十数分前、突如脳裏に浮かんだ“光の球”──
その瞬間、何とも言いようのない感覚に襲われ、
自然とこの場に急行しなければという衝動に駆られたことを二人は思い出したのだ。
「そうや……ここへ来たのは自分中では無間刀を取り戻す為と思っとったけど……」
「そもそも我々が初め向かっていたのはこことは別方向の北地区。
それがいつの間にかここへ……
まるで虫が光に吸い寄せられるかのように、自然とあの建物に向かってたんですよ」
「あの光の球……恐らく機関が何らかの力で俺らに送ったメッセージみたいなもんやな。
他の連中も俺達と同じ、無意識の内にそのメッセージに従ってここへ来たんやろ」
「えぇ。そしてあの化物達は、ここに集まった人達を抹殺する為に機関が放ったモノ」
「そうとわかればこんなとこに居る必要なし! とっとと踵返して行こうや!」
「えっ? でも、もしかしたらあの建物にまだ機関の幹部が……」
「仮に居るのが四天王だったら返り討ちに遭うのが関の山やろ。今のキサちゃんと俺だけで勝てると思う?」
「うっ……」
「な? ほな、わかったらさっさとこんな物騒なところから離れよ──」
「──ッ!! 霊仙さん、危ない!!」
「へ?」
突然、海部ヶ崎が腰に刺した刀を抜きながら不知哉川の真上に跳んだ。
そして彼女は不知哉川の高等部をかすめる形で刃を一閃──
次の瞬間、切り離された異形の上半身と下半身が、ゴロリと不知哉川の前を転がった。
-
「危なかった……。霊仙さん、どうやら我々は既に囲まれてるようですよ」
海部ヶ崎がキッと辺りを睨め回す。
既に周囲には、濃さを増していく暗がりに混じって、多くの異形達が集まっていた。
「あ、あぁ……。しかしキサちゃん、相変わらず容赦なしやな……。
胴体が見事に真っ二つやで……」
それでも綺麗に真っ二つになった異形の死体の方が今の不知哉川にとっては目を見張る光景なのか、
彼は異形の死に様をまじまじと窺っては、口に手を当てて嘔吐の真似事をしている。
「うっわ……見るも無残っちゅーのはこのことやな……」
彼がそんなことを言ってる間にも、海部ヶ崎は素早く敵の数を把握する。
数は一、二、三…………海部ヶ崎の前に四体、そして背を向ける方向に四体、全部で八体。
「霊仙さん、敵の数は八。私は前の四体を倒しますので、霊仙さんは後ろの四体を頼みます」
「……四体? 違うでキサちゃん、正確には“五体”や」
「え?」
不知哉川の言葉を不審に思った海部ヶ崎がふと振り返る。
そこで彼女は自らの目を疑った。
先ほど真っ二つにしたあの異形が、何事もなかったかのように立ち上がっていたのだ。
「信じられる? こいつの上半身と下半身、磁石のように引き合わさったんやで?
……キサちゃん、こいつらの目ェ見てみ? 気付いた? 死人のそれと同じなんや。
こいつらは能力者によって操られてるだけの死体──
こんなんまともに相手してたら時間がいくらあっても足りひんで」
「ゾンビ──ですね、正しく」
「そう。んでも、恐らくオーラによって操作されてることに変わりはない。そこで……」
不知哉川が親指を立ていつになく堂々と胸を張る。
何を言わんとしているのか即、理解した海部ヶ崎は、異形達に向き直って刀を構えた。
「わかりました。私があいつらをバラバラにして動きを止めます。
奴らが復活する間に、霊仙さんは奴らを操るオーラの吸収をお願いします」
「任しとき! 一人残らずただの死体に戻したるわ!」
──同時刻、ところかわって西地区にある角鵜野湖の底──
カノッサの秘密本部最下階である地下25階──。
「──オーラを纏う者を自動的に感知し移動を続ける。
その身が文字通り朽ち果てるまでこの世をさ迷い続けるのか。
なるほど、あのゾンビどもは正しく亡者の名に相応しいな。
で、どれだけ減ると見ている?」
広いフロアにぽつんと一つだけ置かれたソファーに深々と腰をかけた雲水が、
目の前で直立するディートハルトに目を向けた。
「そうだな。今も生き残っている連中が50人としても、明日の朝までには半分以下になり、
更にこのアジトに潜入してから半分減り、俺達と闘える連中はほんの一桁だろう。
しかも俺、氷室、キャスの三人を倒さなければ筆頭のもとには辿り着けない。
筆頭、あんたはどうせ闘うなら楽しませてくれる相手でないと、とか言ってたが、
あんた自身が闘う可能性は0.01%もないと思うぜ?」
「それならそれでも構わんさ。所詮は余興……24時間後に起こる事に比べればどうでもいいことだ。
フフフ、今から楽しみだな、魔水晶による新たなる世界創造が。
魔水晶が完成したその時こそ、俺は何物をも越える偉大なる存在──神となるのだ──!」
【不知哉川&海部ヶ崎:ゾンビと遭遇。戦闘に。現時刻PM6:00】
-
「アアアァァァ!!!」
>>160からずっと絶叫を挿みながら娘に血を取り入れていると、小瓶に入っていた始祖の血はやがて空になった。
化身の異能者としての圧倒的な回復力で、娘の傷口はだいぶ塞がりかけたが、まだ皮膚の再生まで至っていない。
このまま放っておけば治るとは思うが、念には念を入れておく。
「仕上げだ」
もっとも先述の通り、俺は自分以外を回復させる技も使えないし、オーラを分けて回復させるなどといった芸当もできない。
俺ができるのは精々殺意を抱かないようにして、威力を抑えた炎を浴びせる事。
これから取る手段は、その再生しきっていない傷口を焼き塞ぐ事――
「グアアアァァァアアアアァァァッ――!!!」
――娘は完全に気を失った。俺はそうさせまいと炎を浴びせ続けたが目覚る気配がない。ついに精神が限界を迎えたようだ。
だが、意識のあるうちに始祖の血は全て注入した。ならば愚かな殺人兵器として目覚める事はないだろう…
俺は炎を消そうとするが、その前に傷口を焼く炎が消えていく。娘の掻いた汗が炎を消したように見えた。
火加減してあるとはいえ、汗ごときで消えるような炎ではないはずだが…そう思っていると、生じた水蒸気――毒ガスが俺の鼻を刺激した。
「――エンッ!!!」
ブーッ!!
その毒ガスにやられ、俺は勢いよく鼻血を噴出しながらふらつく。
そうか――これが本来この娘が持つ能力…それが発動したのなら人格の変化は確かに免れたと見ていいだろう。
ふらつく身体で娘を近くのベッドに寝かしつけ、俺は建物の外の様子を探った。先程からゾンビ達が騒がしかったのだ。
>>162-163
建物の外では街の異能者達がゾンビ供と戦っていた。
もう此処に魔水晶は無いのに何故集まってきた?
まさか筆頭が魔水晶をこの建物に残している……ありえないな。
それにあのアリスという女が出て行ったのが証拠…いや、そう言えばあの女は違う理由で此処に来たと言ったいたか?
『懐かしい気配を感じて来たまでよ』
――アリス・フェルナンテ。もしかすると奴は…
考えに耽っていると、外から耳障りな叫び声が思考を阻害した。
「任しとき! 一人残らずただの死体に戻したるわ!」
様子を見ると、先程対峙した2人がそこにはいた。
先程対峙した時、女の方は怪我でまともに戦えない様子だったはずだが、その様子が感じられなくなっていた。
男の方も俺の怒りのオーラで焼かれた後遺症をまるで感じさせない軽い口ぶりだった。
予定が狂い始めた。カノッサはおおよそ思惑通りに動いているが、街の異能者達が思惑を大きく外れている。
「まずいな…生き残りという事で多少期待交じりだったが、街の連中のほとんどがやられている。
それにあの2人組が無事な様子から、どういうわけか俺の力もかなり弱まっているとみえる。
くっ、何故せっかく手に入れた始祖の血をこんな女に使ってしまった――いや」
俺は、始祖の血を取り入れて再び人工化身と化したであろう阿合の娘を見る。
その目に映るのは完全に塞がり、先程の焼き跡すら消えている胸の傷口。
「悪い方にばかり予定が狂っているわけでもないか」
そして人工化身の娘は目覚め、俺たちは視線を交わした。
【ダークフェニックス:阿合哀に始祖の血を全て取り入れる】
-
ピンポーン――
チャイムを鳴らすが反応がない。聞こえていないのだろうか?
ピンポーン―
もう一度鳴らす。またしても反応なし。
というより家の中から人の気配がしない。玄関の鍵もかかっている。
「優達…どこ行ったんだろう…?」
今の街の状況を考えると、外出は好ましくない。
カノッサの動きも活発になってきている。
「いったいどこに…」
――そう言えばダークフェニックスが、魔水晶に惹かれて異能者が集まる、と言っていたな――
アリスの声が頭の中に聞こえる。
「それは本当…?」
――こんなことで嘘をついてどうする。信じる信じないはお前の勝手だがな――
アリスの話が真実ならば、優達もそこに向かった可能性が高い。自分は幸か不幸か、アリスのお陰で影響を受けずにすんでいる。
「すぐに行かないと…!」
【鳴神御月:虹色兄弟の捜索開始。アソナの本拠地へ引き返す】
-
御月は屋根の上を跳んでいた。
優達の安否が分からない以上、一刻も早く見つけ出さなければならない。
「もうすぐ着く…。優達…無事だといいんだけど…」
そんな事を言っているうちに、アソナの本拠地が見えてきた。
「あれは…?」
足を止めて様子を見る。
誰かが戦っている。どうやら男女二人組のようだ。カノッサの戦闘員に囲まれている。
しかしよく見ると、戦闘員の様子がおかしい。普通の人間の、少なくとも理性的な動きではない。
二人を囲んではいるが、一人一人バラバラの動きをしているし、呻き声のようなものを発している。
「人間じゃ…ない…?」
――そのようだな。肉体的には既に死んでいる――
「助けてあげたいけど…今は優達が先…」
――待て。少し体を貸せ――
「何…?どういうこと…?」
――先程話したことだ。どうやらあの建物にまだあの男が残っているようだ。それに――
アリスが一瞬言葉を切る。
――いや、お前には関係ないか。とにかく体を貸せ。雇い主も探してやる――
「…わかった」
渋々意識を集中させる。徐々に意識が水の底へ沈んでいくような感覚。
瞳が碧に変わり、アリスが表に出る。
「こんなに早く機会が訪れようとはな…。クックック…」
戦っている二人の頭上を飛び越え、建物に向かう。
その際に剣を何本か生成し、二人組を囲むゾンビ達に向かって適当に投げつける。運がよければ何匹かに当たるだろう。
「これは…"彼奴"の気配…?そうか、目覚めたか。紛い物とは言え、"彼奴"の血が入っているのだ。
我のことも覚えているやも知れん。そしてあの時の事も――」
【御月→アリス:アソナの本拠地へ到着】
-
代行お願いします。
「はぁぁぁぁッ!!」
暗闇の中からアルトヴォイスが響き渡る。普段であれば可憐に聞こえるその声も、
今ばかりは激しいばかりの殺気にコーティングされて聞く者を威圧する。
「うぅぅ〜〜」
「あぁぁ〜〜」
しかし、闇の中、不気味に呻き続ける“彼ら”が怯むことはない。
既に死した彼ら亡者は、痛みを感じることがない、死の恐怖を感じることがない。
与えられた命令(プラグラム)に忠実に従うことしかできないのだ。
故にタチが悪い。闇の中でも的確に敵のオーラを視認し、機械的とはいえ素早く動く。
そして一発一発の拳撃が極めて重い。
例え異能者であっても戦闘に不慣れな者であれば即座に肉塊へと変えられてしまうだろう。
だが、プログラムに従う彼らの利点はそのまま弱点へと繋がる。
戦闘に卓越している者であれば、彼らの動きの法則性を即座に見極め、
まるでゲーマーがやり飽きたゲームソフトを容易くクリアすることができるのと同様に、
ほとんど何の苦もなく撃破することができるのである。
事実、先ほどから殺気混じりの声を発し、
群がる亡者達に向けて容赦なく白刃を振るう女、海部ヶ崎 綺咲がそうであった。
「はっ! てやっ!」
その一声一声が暗闇で発せられると同時に、
亡者達が一人、また一人とその白刀によって肉体を欠落され無残に伏していく。
その数は既に海部ヶ崎の前に現れた亡者の数である9に到達していた。
「やっぱり操作されているのか。動きが極めて機械的だ。
如何に速く重い攻撃だろうと当たらなければどうということはない!」
だが、亡者はそれだけでは倒せない。致命傷を受けても即、再生するのだ。
それでも海部ヶ崎の圧倒的優位は変わらない。
彼女の傍らには亡者の『天敵』ともいえる男がいるからだ。
「南無阿弥陀仏……。成仏せぇや」
もがれた四肢が地に横たわる胴体に向けて動き出すところを狙って不知哉川が手をかざす。
するとそれを合図にしたかのように、亡者達の肉体やその一部からどす黒い湯気のようなものが立ち昇ると、
それらは全て吸い込まれるようにして彼の手の中へと消えていった。
途端に亡者達の肉体がピタリと動きを止める。
不知哉川の能力『心理の収集家』の前には、オーラによって操作される存在は敵ではないのだ。
ふぅと息をつき、刀を納めながら海部ヶ崎は亡者達が横たわる背後を振り返る。
だが、不知哉川の能力を知ってる彼女が、もはやその視線を亡者達に向けることはない。
視線の先にあるのは不知哉川。
彼女が気になったのは彼が吸収したオーラの持ち主の情報であった。
「どうです?」
海部ヶ崎が訊ねるも不知哉川は無言のまま何の反応も示さない。
『心理の収集家』で得られる情報は吸収したオーラの量に比例する。
不知哉川がオーラを吸収したゾンビの数は9体。相当な量である。
これだけの量であればゾンビを創り出した者の今日一日の行動から会話の内容、
果ては少しでも頭を過ぎった過去の記憶さえも把握することができるが、
その膨大な情報量故に今の不知哉川の脳は処理に追われ、意識が一瞬飛んでいる状態なのだ。
「……」
目を開いたまま一言も発さずに、電池の切れた玩具のように静まる不知哉川。
その見た目とは裏腹に、彼の脳内では様々な情報が映像化され、
それらが次々と再生されては入り混じるという混沌とした状態に陥っていた。
-
逃げ惑う人々──氷室 霞美──ダークフェニックス──黒部 夕護──阿合 哀──
アソナ──人工化身──魔水晶──無間刀──幾億の白刃──そして雲水 凶介──
浮かんでは消えてゆく光景に人々の顔、木霊する声──
これらはディートハルトが今日一日で見たものであり聞いたものである。
映像の再生が始まってから三十秒──ここに至って不知哉川は初めて事の全貌を把握した。
と同時に脳は処理を追え、不知哉川はハッと意識を取り戻した。
「……そうか、そういうことやったんか……」
「どうでした?」
「あのゾンビを操ってたのはカノッサ四天王の一人やったんや。だから色々わかったで。
あいつらが何故無間刀を奪ったのか、そしてどこに無間刀があるのか全部な……」
こうして不知哉川は事のあらましを語り始めた──。
現代に現れた化身はアソナによって人工的に創られた存在であること──
その人工化身が海部ヶ崎が公園で出会ったあの少女であること──
カノッサが無間刀を使って魔水晶を作り出したこと──
そして、雲水 凶介という男の企みのことを──。
「……あの無間刀にそんな秘密が……知りませんでしたよ」
「そらそうやろ。俺だって知らん事やったんやから」
タバコの煙をふぅーと吐き出し、意外な顔をする海部ヶ崎を見つめる不知哉川。
しんみりとした顔はしているが、その不知哉川でさえ、自分で言いながら驚きの連続であった。
それだけカノッサの企みは二人の想像の上を行く途方も無いものだったのだ。
「まさか本気で全世界の支配を企んでたとはなぁ……。
しかもそれが夢物語と言えんところが何とも……」
「魔水晶……でしたっけ?
……話を聞く限り、確かにその雲水という男なら悪用できるかもしれませんね。
でも魔水晶が完成するには24時間かかるということですから、その間に何とかできれば……」
「ゾンビを30体も操作しておきながら屁でもないような顔をしとったディートハルトっちゅー男や、
キサちゃんが闘った氷室っちゅー女の実力の上を行くような男みたいやったで?」
「しかし、このまま放っておくわけには……
無間刀だって取り返さないと、またいつ悪用されるかわかりませんよ?」
「そうなんやけどなぁ……その無間刀を持ってんのが雲水やねん……。
正直、それこそ化身がいなきゃ対抗できんやろうなぁ……」
「化身……ですか……」
ふと海部ヶ崎の顔がアソナの建物へ向けられる。
それにつられるように不知哉川もその顔を建物へ向けた。
「? どうしたん?」
「人工化身になったあの少女……阿合 哀さん、でしたっけ?
確か重傷ではあるもののまだ死んではいないということですが」
「あぁ、瀕死で時間の問題っちゅーことみたいやけどな。まだ生きてるんちゃう?」
「瀕死なら霊仙なら治せますよね? 彼女に会って話を聞いてみませんか?」
「そないなことしてどうするん? 彼女はもう化身の力はないんやで?」
「でも、会って話せば、何かわかるかもしれませんよ?
このままじっとしてたって事態は好転しないんですから。とにかく何か行動を起こさないと。
それに……知らない人でもありませんから、このまま見殺しにすることはできません」
「……キサちゃんに頼まれたら嫌とは言えんわな……。よし! 行ってみよか!」
「はい!」
話が纏まった二人は急いで建物へ向けて駆け出した。
中にかつて出合ったダークフェニックスがいることも、
そして数百メートル後ろから、不気味な影が迫っていたことにも気付かずに……。
【不知哉川&海部ヶ崎:ゾンビ9匹を倒しアソナ本拠地へ。鳴神の存在にはまだ気がついていない】
【ゾンビ:15匹が戦闘不能。残り半分は建物外の街で他の異能者と戦闘中】
【???:アソナ本拠地に向けて接近中】
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代理完了
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「……!!」
>>164の後、目覚めた阿合の娘は自分のはだけた格好に気づくと、シーツで上半身を覆い隠した。
先程のような心のない殺人兵器ならありえない行動だろう。
「…思ったより早い目覚めだな…毒に愛された女(ポイズネス)。その回復力こそ化身の真の力か」
「……!?お父さん!!」
目覚めた阿合の娘は俺を訝しげに見た後、部屋の中を見回し、うつ伏せに倒れた父親のもとに駆けつけた。
「お父さん!お父さん!!」
「もう死んでるぜ…それより、あまり泣きつくような真似はよしたほうがいいな」
「…あなたに何が――」
そこまで言って阿合の娘は気づいたようだ。泣きついていた父親の身体が溶け出している事に。
ディートハルトに殺された事が原因でも、俺が何か細工をしたのでもない。阿合の娘の涙が溶解液となって、その父親を溶かしていたのだ。
毒に愛された女(ポイズネス)が心を失わず、化身の力を手に入れた代償だろうか?
「――あなたが」
ふと気が付くと娘はこちらをきっと睨んでいた。毒の涙で泣きはらした眼を充血させたその形相は、憎悪と憎しみに彩られていた。
「あなたが殺したんですか?」
「…違うな。俺はその男に火の粉1つ向けてない。この建物のモニタールームに行けば証拠も映っている」
その言葉を聞くと娘は顔を逸らした。
目の前の相手にぶつけられると思っていた憎悪と憎しみを抑えるのに必死な様子が見て取れた。
そして、それとは別に深い悲しみも…
「…そんな父親でもやはり大切か」
阿合昭に良い噂は聞かなかった。
カノッサの裏切り者となる前にも、生まれてくる娘を異能者とする為に母体となった妻を死に至らしめ、
あげくの果てに、異能者として生まれた娘を恐れて捨てた最低な父親という話だった。
そして捨てた娘との初めての再開の理由が、その娘を殺人兵器にする為だ。
もし俺の両親がそんな人間で、俺の目の前に現れたら俺はどうするだろう?
この娘のように、親をかけがえのない存在として受け入れるだろうか?
…
-
俺は阿合昭の死体を燃やさんと視線とオーラを送った。そのオーラに阿合の娘は気づいたようだ。
阿合昭の死体がやがて燃え始めると、阿合の娘はその死体を抱き寄せて俺の方を睨む。
「なにを――」
「貴様の能力では死者を蘇らせる事はできない。むしろこのままでは跡形も無く溶けて消えるぜ。
ならばせめて火葬にして、遺灰ぐらい残してやったほうが報われると思わないか?」
今使っている炎は特殊な炎ではない。俺は何も感じないようにしている。
俺のこの男に対する感情を露にすれば、骨も残さない業火で焼き尽くす結果になるだろうからな。
阿合の娘はしばらく燃えている阿合昭の死体を放さなかったが、やがて観念したかのようにその死体を手放す。
俺は火葬を続ける。そうしている間、阿合の娘は部屋の様子を伺っており、ゾンビに使われなかった五体不満足のカノッサ戦闘員の死体を目にする。
「他の人達は…カノッサの人?」
「そうだな」
「これはあなたが?」
「……」
やはり人格をのっとられていた間の記憶は無いようだな。
「……」
「やっぱりそうなんですね?」
俺がしばらく沈黙を保っていると、その態度を肯定と捉えたようだ。
阿合の娘は目覚めた時と違って、好意的な解釈をするようになった。勘違いだがな。
「アソナの人ですか?それとも」
「アソナの者ではない」
「じゃあ…」
「俺はカノッサの人間――」
「え?」
「――を憎む者だ」
ちょうど阿合昭の死体は燃え尽きた。肉が焼け落ち、そこには遺灰と遺骨が残されていた。
「これをどうするかは貴様の好きにし――」
「あの!!」
好きにしろと言い掛けたところで口を挿まれる。
「……」
「カノッサと敵対する人なら…一緒に戦ってくれませんか!?
…私、感じるんです。自分の中に流れる血を…その圧倒的で強大なオーラを……でも」
阿合の娘は遺灰を見て俯く。その目にはまた、遺灰を溶かしかねない溶解液の涙が浮かんでいた。
「独りじゃ…ダメなんです…」
娘の涙が零れ落ち、遺骨の一本を溶かしつくす。
「今まで独りでいる事なんて当たり前だったのに…あの人に助けられて…お父さんに会って、もう独りじゃないって思ったら…
もう孤独に耐えられなくて……それに、いつまた私が私でなくなるかと思うと…不安で…」
…どうやらこの娘はのっとられていた間の記憶もあったようだ。
記憶のないフリをしていたのは、夢とでも思いたかったのか?
「……」
「……」
――娘は本能的に感じていたのだろう。
化身の力を取り入れた自分自身の圧倒的な能力、そして訪れる絶望的な孤独。心を失わずに手に入れた力の代償を。
そして俺がその領域で共にいられる存在である事を。
俺は阿合の娘とそれ以上の言葉を交わす事なく無言で抱き寄せ、そのままベッドに押し倒した。
俺が使った性欲の炎の効力もあっただろう。だがもともと娘もそれを求めていたのだろう。抵抗は全く無かった。
吐息一つでも常人なら昏倒するような毒でできた身体を、愛せる者など今までいなかっただろう。
だが俺は違った。娘の毒の吐息は俺の生存本能を刺激し、この身を炎のオーラで熱くさせ、身体に回る毒を弱める。
炎と毒。俺達は互いのオーラに身体を火照らせ、熱く刺激的な、人間には到達し得ない領域に達しようとしていた…
>>166-168
ピピッ
そんな二人の世界を壊す電子音が部屋に響いた。
俺達以外の、すぐ近く、この部屋に向かってくる異能者にスキャナーが反応したのだった。
「……」
「……」
邪魔者を迎え撃とうと俺は無言のままベッドから降りるが、阿合の娘にコートの袖を掴まれた。
俺は部屋の外に向かおうとした足を止め、掴まれていたコートを阿合の娘に羽織らせ、その唇に炎のオーラを纏った熱い口付けをする。
外国では挨拶レベルのほんの軽い口付け、それでもお互いに蕩けそう…いや、溶けそうな口付けだ。
汗も涙も体液の全てが毒となる毒に愛された女(ポイズネス)、その唾液も当然、俺の口を溶かしにかかる溶解液である。
「俺はどこにも行かない。すぐに戻る」
俺は阿合の娘を部屋に残し、口にオーラを集中し、溶けかけた唇や歯茎を再生しながら部屋を出ていった。
【ダークフェニックス:阿合哀を部屋に残してアリス、不知哉川&海部ヶ崎のもとへ向かう】
-
――3F廊下――
スキャナーの反応がどんどんこちらに近づいてくる。その存在はまだ記憶に新しいものだった。
銀髪碧眼の女、先程逃げ出した異能者、アリスと名乗った得体の知れない存在。その存在と再び対峙する。
そして俺はその存在に、何故魔水晶の無くなったこの場所に異能者達が集まってくるのかおおよそ察しがついた。
だがこの女が何者であっても俺の取る態度は変わらなかった。
「…もし先程簡単に逃げられたのが、自分の実力だと思っているのなら過信しない事だ」
先程目の前の相手と対峙した時、俺は特に戦いを強いられていたわけではない。だが…
「俺は任務として受けた事を、けしてしくじる事はない」
今は此処に来る異能者の"振るい落とし"の任務を受けている。
「そして、この場所に貴様らが集まる限り俺に与えられた任務が変わる事はない。
魔水晶を手に入れてそれで終わりと思っている筆頭は、隠れている事しか頭に無いからな…
だから"貴様ら"も実力で助かったなどと思わない事だ」
そしてアリスの後方、曲がり角の向こうにスキャナーが示す2つのオーラに語りかける。先程まで外で戦っていた2人。
そうだ…そもそもそこの2人組を仕留め損なった事も、急に別の任務を入れられた事が原因だ。
俺は弱くなっていない。此処でこいつらを仕留める事でそれを証明する。
「それに個人的にもいいところを邪魔されて、貴様らに対して強い怒りを感じている」
かつてないほど、自分の中で感情と直結したオーラが高ぶっているのを感じていた。
そのオーラは身体から漏れ出し、怒りの矛先となるアリスを囲んでいく。
先程逃げる際に見せたオーラの圧縮解放による爆発…氷室霞美のような強大なオーラを誇示する傲慢な技。
アリスがまたあのような逃げ方をしようとすれば、アリスのオーラに俺の怒りのオーラが点火し、爆発の威力を自身がそのまま受ける事になる。
強大なオーラを誇る事による過信がその身を滅ぼす。
さらに俺のオーラの分広がる爆発は、俺のオーラが直接届かない死角の2人も巻き込む事になるだろう。
【ダークフェニックス:アリス・フェルナンテを怒りのオーラで包み込む。曲がり角の向こうの不知哉川&海部ヶ崎にも気づいている】
-
>>491-493行数の問題で一部勝手ながら改変させてもらいました。
なな板はどうやら改行は60までのようです。
-
>>171
アリスは通路を歩いていた。
周囲は無残に破壊されている。先程自分が引き起こした爆発のせいだろう。
「この先にあの男と彼奴の血を持つ者がいる――む」
ふと、自分の周囲を異質な何かが覆っている事に気が付く。
「これは――可燃性のガスのようなもの、か。あの男の仕業だな。先程の我の爆発を警戒してのことか。随分と慎重だな。いや、臆病と言うべきか。
丁度いい。あんなものを実力と思われても困るからな。元より同じ相手に二度も使うつもりはない」
悠然と通路を歩いていく。と、後方に気配を感じて立ち止まる。
「2人か。何者…いや、考えるまでもない。先程外にいた2人だろう。まっすぐこちらへ向かってくるな。ここで待って殺しても良いが…。
時間の無駄だな。それに"用事"を邪魔されても面倒だ。どれ、ここは1つ罠でも仕掛けてみるか」
そう言って槍を創り出し、左右5本ずつ壁に掛ける。次にメスを30本ほど創り、天井にある通気口の蓋の内側に設置。
最後にオーラを細い糸状にし、通路に細かい格子状に描く。
「これですり抜けることは不可能。この線に触れれば罠は作動する。まぁ目に見える槍を破壊すればメスだけになるが…。稚拙だな。罠とすら呼べん。
まぁこの程度軽く抜けてもらわんとつまらんな。さて、相手を待たせては失礼だ。行くとしよう」
再び歩き出す。
広間のようなところに出たところで、前方より歩いてくる影が見えた。
顔が視認出来る位置で立ち止まる。
「また会えて嬉しいぞ、ダークフェニックスとやら。この先に彼奴の血を受け継いだ娘がいるのだな?貴様とも話をしたいが、まずはそちらと話をさせてもらおう。
なに、すぐに終わる。聞きたいことがあるだけだからな。何なら後ろから来る二人組でも相手にしてはどうだ?暇潰し程度にはなるだろう。
それと最初に言っておくが、今のところこちらに交戦の意思はない。ただし、そちらの返答如何によっては貴様の"職務"に付き合うことになろう。
我は貴様と話をしに来たのと、質問があるだけだと言っておこう。まずは質問からだ。ここに高校生くらいの男が3人来なかったか?」
ダークフェニックスに語りかける傍ら、頭の中で言葉を紡ぐ。
――そこにいるのか?始祖の血を受け継ぎし娘よ。我の気配は既に感じているはず。我の気配に少しでも何かを感じたのなら返事をしろ――
【アリス・フェルナンテ:後方の気配と罠の作動に留意しつつ、ダークフェニックスと会話を始める。
同時に阿合 哀にオーラによる念話を飛ばす。特殊な波長の為、傍受・妨害は不可能】
-
建物の入口に足を踏み入れた海部ヶ崎は、思わず口を押さえずにはいられなかった。
彼女が目にしたのはあらゆる場所に散乱した人間の死体、死体、死体──
それらの血肉によって床は足の踏み場もないという身の毛もよだつ戦慄の光景であった。
「この光景はディートハルトっちゅー男のオーラから読み取った通りやな。
間違いあらへん。ここでさっきまで、機関とアソナとの間で闘いがあったんや……」
予めこの光景を視ていた不知哉川でさえ、悪魔の所業ともいえる凄惨さの前には目を背けるほどだ。
だが、かといって、いつまでもこうして入口で立ち止まっているわけにもいかない。
「哀さんが倒れてる場所はどこなんですか?」
二人には目的がある。阿合 哀と接触し、情報を得なければならないのだ。
その為にはここを突破し、いち早く瀕死の彼女を救わなければならない。
不知哉川はオーラから得た情報をもとにその場所に続く階段を指で指した。
「えーと……そうや、確か三階や。三階東の医務室近くで倒れてるはずや。
会話の内容から四天王はもうここにはおらんとみて間違いない。接触するなら今や!」
「いきましょう!」
言うより早く海部ヶ崎は階段に向けて駆け出す。
「あ、あ〜……仏さんを踏んづけて……。祟られても知らんで……」
眉を寄せて不知哉川がそれに続く。
できるだけ死体を踏まないように、慎重に踏み場を見つけながら──。
──三階廊下──。
ここまでくれば、後は前方十数メートル先に見える曲がり角を曲がるだけで彼女のもとへと辿り着ける。
しかし──
「──待った! キサちゃんストップ!」
突然、不知哉川が止まり、海部ヶ崎を手で制止した。
「何事ですか!?」
「あかん……スキャナーに反応があるんや。この先で、それも三つも」
レンズにその三つの反応の数値が表示される。
その数値が大きいものなのか小さいものなのか、
スキャナーを使い慣れていない不知哉川には判断がつかぬところだが、
迂闊に近づいてはいけないとわかるぐらいの殺気だけは感じとっていた。
「しくったわー。まさか先客が居るとは……スキャナーでサーチしとけばよかったわ」
「機関でしょうか?」
「わからへん……んでも、まだ残ってる奴がいるとしてもおかしくないかもしれんな。
せめて機関の人間やなければええんやけど……」
「それに個人的にもいいところを邪魔されて、貴様らに対して強い怒りを感じている」
角の向こうから男の低い声が聞こえてくる。
誰かと会話をしているように聞こえるが、自分達に向けられているようにも聞こえる。
それだけの激しい怒気が空気を伝って曲がり角の向こうから感じられるのだ。
「バレてるんでしょうか? だとしたら、我々を敵とみなしている」
「えぇい、ままよ! いくでキサちゃん!」
ここまできたら、敵がいようと進むしかない。
二人は決心したように、曲がり角に向かって勢いよく足を踏み出した。
-
が──その刹那、二人は違和感にその思考を目まぐるしく変えた。
微かだが足が感じ取った何か物理的な感触──糸のように弾力があり、細いもの。
そして一瞬、目の端で光った鋭利な刃。
これらが意味するものは一つ──すなわちトラップ──!
非異能者であれば不可能なほどの素早い判断力と変わり身の速さをもって、
二人は直ぐに回避行動へと移行した。
それと同時に、コンマ0.1秒の誤差なく上から放たれた無数の刃。
正確には槍とそしてナイフかメスのような刃物だろう。
かわすか弾くか、いずれにせよ数が数である。
そのどちらか一方に行動が偏れば無傷では済まないだろう。
「──!」
二人がとった行動は一致していた。
身を屈めて刃の雨が降り注がないトラップゾーンの外へ踏み出しながら体を反転、
地面をスレスレを滑る回避行動をとりながら命中しそうなものを得物で防ぐというものだった。
刀と鞘で二刀流を形成し、手首を激しく回転させて、上半身前面を防御していく海部ヶ崎。
一方の不知哉川はそのような得物がないが、
器用にも指の隙間で刃を受け止めて、見事に致命傷を防いでいる。
──トラップゾーンに足を踏み入れてから1.5秒──
二人は見事にトラップゾーン外への回避を成功させた。
だが、流石に無事にとはいかなかったようで、
海部ヶ崎は防御の及ばなかった右足に二本、
不知哉川は左の脛と右腕に一本ずつ刃の直撃を許していた。
「あいたたた……ご丁寧にこんなもんを仕掛けてくれるとはなぁ」
「ここを去った四天王が仕掛けていったんでしょうか?」
「そんな情報なかったで? 多分、この先にいる奴が仕掛けたんや」
二人は言いながら刺さった刃物を抜いていく。
「……毒、は塗られてなさそうですね」
「不幸中の幸いってとこやな。即効性の神経毒でも塗られてたらお手上げやったで」
そして不知哉川は自分と海部ヶ崎の傷口に手を当ててオーラを充実させていく。
オーラを受けた傷口は見る見る内に塞がり、ものの1秒もかからずに皮膚は再生されていった。
「大丈夫ですか?」
海部ヶ崎が訊ねる。大丈夫ですかとは、傷の心配をしているのではない。
負傷したことで余分に彼のオーラを消費させてしまい、その分の体力の消耗を心配しているのだ。
だが、当の不知哉川は涼しい顔で答えた。
「さっき大量にオーラを補充させてもらったもん。この程度の浅い傷なら問題ナッシングや。
さ……それより……」
不知哉川は立ち上がってすぐ目の前にまで迫った曲がり角を見据える。
いや、見ているのは、そこから流れてくる目には見えない戦闘の気配だろう。
「どうやら三つの反応は仲間同士じゃないみたいやな。
その内の一つと一つがこれから闘り合おうとしとるようや……」
海部ヶ崎も立ち上がり彼の横に並ぶ。
「このまま進めば間違いなく我々も巻き込まれますね。……かといって」
「終わるのを待っとったらあの少女は死んでまうかもしれん。他にルートもないようやしな。
しかもその内の一方は俺らに気がついとる。もしかしたら両方かもしれへんけど。
いずれにせよ一度行くと決めたんやし、腹ぁくくって行こうやないか」
「いつになく強気ですね、霊仙さん」
「なぁに、痩せ我慢してるだけや。キサちゃんの前やもん。ブレた事言ったら見損なうやろ?」
「……今、決まったって思ってません?」
「……気のせいや」
一瞬の沈黙の後、二人は気を取り直すように前に向き直り、今度こそ角を曲がった。
【不知哉川&海部ヶ崎:角を曲がる。】
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代理完了
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>>172
「また会えて嬉しいぞ、ダークフェニックスとやら。この先に彼奴の血を受け継いだ娘がいるのだな?貴様とも話をしたいが、まずはそちらと話をさせてもらおう。
なに、すぐに終わる。聞きたいことがあるだけだからな。何なら後ろから来る二人組でも相手にしてはどうだ?暇潰し程度にはなるだろう。
それと最初に言っておくが、今のところこちらに交戦の意思はない。ただし、そちらの返答如何によっては貴様の"職務"に付き合うことになろう。
我は貴様と話をしに来たのと、質問があるだけだと言っておこう。まずは質問からだ。ここに高校生くらいの男が3人来なかったか?」
「……」
俺は名乗っていないはずだ…まあ先程から知らなかった言動があったわけではないし、これは初めから知っていても不思議ではない。
だが不思議なのはこいつが今、始祖の血を受け継いだ"娘"と言っていた事だ。
先程会った時の口ぶりからアソナと関係があるとは思えない。化身のオーラを感じ取ったとして年齢や性別までわかるものか?
そこまでオーラを読み取れる技量があるなら、この先にあいつ以外の気配が無い事くらいわかるはずだ。
「…愚問だな。どこにそんな"遺体"がある?」
俺について知っているようだが、俺がみすみす誰かを通すと本気で思っているのか?
…それとも時間稼ぎか?何を狙っている?
今あの2人が来るあたりに仕掛けがあるようだが、とくにこちらに影響はなさそうだ。
やはりあの2人が来るのを待っているのか?まあいい…1人でも3人でも俺は負けない。
「それと勘違いしているようだが、俺は暇潰しで貴様らの相手をしてるわけではないし、交戦の意思など関係ない。
俺は此処に来る異能者の"振るい落とし"を任されている。それに貴様のような奴をあいつに会わせるわけにもいかないからな」
この女から感じる得体の知れない中身、そして先程の言動…
「…貴様が始祖とどんな仲だったとしても、今のあいつは俺の物だ」
そう言ってアリスを指差す。オーラを指先に集めたそれは攻撃の意であると同時に、彼女を敵として明確に示す宣言であった。
>>174その後、残りの2人もこの場に来た。
――3F医務室――
『そこにいるのか?始祖の血を受け継ぎし娘よ。我の気配は既に感じているはず。我の気配に少しでも何かを感じたのなら返事をしろ』
「――っ!!う…あ…あああ!!!」
阿合哀は苦しみもがいていた。
アリスの特殊な波長が阿合哀に語りかけると同時に、その血に眠る化身の人格を呼び覚まし、その身を再び支配しようとしていたのである。
「はあ…はあ…」
阿合哀は化身の人格に抗い続けた。
次に化身に身体を許せば"自分"は二度と戻る事ができない事を感じ取っていたのだ。
「たす…け…て」
『意識を保っていろ…貴様が化身に人格を支配されたのは、おそらく貴様が眠った状態で血を取り入れた事が原因だ』
そう言って自分に血を与え、命を救ってくれた彼を彼女は覚えている。
"自分"を必要としてくれた彼を求めて阿合哀は、身体を引きずって部屋を出ていった。
【ダークフェニックス:アリス・フェルナンテに敵対表明】
【阿合哀:部屋を出る。アリスの特殊な波長で、化身の人格が目覚めかける】
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>>175
「…貴様が始祖とどんな仲だったとしても、今のあいつは俺の物だ」
どうやらダークフェニックスはここを通す気はないらしい。それならば――。
(む、罠が作動したか。どうやら奴らは切り抜けたらしいな。そう来なくては)
罠の作動を感じたが、気配は2つとも健在。この分だとかすり傷すら負わせていないかもしれない。
思考を中断し、目の前の相手に切り替える。
フッ、と溜息を1つ吐いて眼前の男に語り掛ける。
「何か勘違いをしているようだな。別に娘に用はない。用があるのは"意識"の方だ。体に用はない。
それと1つ言っておこう。我は誰に聞かずとも化身が"女"であると分かるのだ。
しかし…貴様のような奴、とは随分な言われ様だな…」
一瞬、自嘲的な笑みを浮かべるが、すぐに掻き消す。
(娘の方が動き出したか。こちらに向かっているようだな。先程の呼びかけには反応を示したようだが――)
暫し思案してから哀に念話を送る。
――娘よ。よく聞け。先程我が呼びかけた際、貴様の中に眠る始祖の血が反応した筈だ。だが恐れることはない。
意識を集中させて、化身としての意識を体の外へ追い出すように念じろ。なに、心配はいらん。貴様の体は既に回復している。
怪我が再発することもないだろう。頼む、我…いや、"私"の"母"を返してくれ!もう充分だろう?化身が現れた時代、人々は化身を見つけては
悪魔だの化物だと言って殺したり、何かの実験台にしたり…。母は何もしていないのだぞ!?いや、それどころか意識を表に出したことすら1、2度しかない!
何故母だけがこんな仕打ちを受けねばならない?これ以上、母を苦しめないでくれ…――
途中から感情が制御できなくなり、哀に全てを打ち明けてしまう。
――この話をしたのは貴様が初めてだ。本当なら、貴様を殺してでも母の意識を取り返すことは出来る。だが貴様はどことなく母に似ている…。
出来れば貴様を殺したくはない。返してくれるのは意識だけでいい。意識と力を切り離す方法はある。力のほうは"貴様ら"の好きにするといい。
人を救うも良し。人を殺めるも良し。使役する者次第だ。私達には関係ない。私はただ、母と居たいだけなのだ…。これがいけないことなのか?
…もし少しでも思うところがあるなら、返事をしてくれ。私の名はアリス。念話は繋げておくぞ――
哀に告げて、意識をこちら側に戻す。
「さて…貴様に話を持ちかけても無駄だということは良く分かった。だがこちらにも目的がある。貴様を殺してでもあの娘に会わせて貰うぞ。
>>174後ろにいる貴様らも同じだ。――邪魔立てするなら容赦はしない」
底冷えする声でそう呟き、オーラを解放すると同時にアリスの体に変化が起こる。
美しい銀色だった髪は血のような紅(あか)へ、瞳も同様に変化する。
背中には――オーラで形成されたものだろうか?――光り輝く一対の翼が出現した。
「さぁ…誰が相手だ?」
【アリス・フェルナンテ:阿合 哀に自身の秘密を打ち明け、反応を待つ。封印していた始祖の力を解放。
ダークフェニックスに敵対、背後に居る海部ヶ崎らに対し牽制の言葉を投げかける】
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えー、凄まじい超展開になってしまいました(;・∀・)
もしやばかったら言ってください。修正しますんで
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ダーさん的には、アリスが『降魔の剣』を作った異能者だと思ってました。
「刀を具現化した本人が死んでも、この刀はこの世の物体として完全に実体化している。その原因は定かではない」
って雲水が言ってた理由も説明つくし、武器を生成する能力とも繋がるじゃないか!と
違っていてもダーさんはそうだと信じ込んで戦いますがね!
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>>502
そ、そこまで深読みして頂いたとは…
最初はそれもいいかな、と思ったんですが、当初から温めていたこちらの設定を使うことにしました。
お望みならそっちの設定にしますが、どっちの方がいいですかね?
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>>503
2つの設定は必ずしも矛盾するわけではないし、この際どっちでもあるって設定でいいと思いますね
「何か勘違いをしているようだな。別に娘に用はない。用があるのは"意識"の方だ。体に用はない」
同じじゃないか…筆頭は化身の力を。この女は化身の人格に用があるだけ。あいつをただの入れ物としか見ていない。
そしてこの女もあいつの身体に用はない…やはり殺すつもりか。
この女の口振りからこいつの中身は古の始祖の関係者…
そして先程モニタールームで見た筆頭は言っていた。
『刀を具現化した本人が死んでも、この刀はこの世の物体として完全に実体化している。その原因は定かではない』
無間刀…降魔の剣…対化身武器。
俺の予測では、おそらくこの女が筆頭の持つ降魔の剣を生み出した異能者だ。
刀が消えないも筋が通る。それを生み出した異能者は今も此処に存在しているのだからな。
「さて…貴様に話を持ちかけても無駄だということは良く分かった。だがこちらにも目的がある。貴様を殺してでもあの娘に会わせて貰うぞ」
大方再び化身を封印しようとでもしているのだろう。
だがあいつは今始祖の血によって命を繋いでいる状態だ。絶対にさせるわけにはいかない。
そう言うとこの女はオーラが解放した。先程のような爆発を起こすものではなかった。
髪と瞳の色が変わり光の羽を生やす。魔を払う刀たる降魔の剣を生み出したというなら、その能力は魔を払う聖なる光といったところか?
この予測が正しいなら、俺が始祖の血を取り入れていたら、かえって勝ち目が無かったかもしれない。だが――
「…翼を生やした程度で粋がるなよ?」
『火の鳥形態(ファイヤーバードフォーム)』
俺も背中に炎の翼を生やす。この女を通す事などさせないし逃がしもしない。
俺があいつに始祖の血を与える結果になったのは、此処で俺を倒す為の運命だったのだろう。
「そしていつまでも自分が…自分だけが死なぬ身でいられると思うな…古き者」
言い終えると同時に、俺は一瞬でにアリスに詰め寄る。
本来飛行に使う炎の翼の火力を、地上移動に生かしており、そのスピードはマッハに匹敵する。
そんなスピード下にあれば、摩擦で自分の身が燃える事にもなるが、炎の異能者であるこの身にダメージはない。
接近戦を仕掛ける俺は、オーラを込めていた指で直接アリスの身体を突き狙う。
『爆砕秘孔(バーニングフィンガーアタック)』
本来破壊光線を撃つ為に指先に集中している破壊のオーラを、相手を突く事によって直接打ち込む。
破壊のオーラを打ち込まれたものは発火し、やがて爆砕する。
距離を取った状態で光線を避ける事が可能であっても、この手段なら外してオーラを失う事はないので、
当たるまで何度でも間を置かずに攻撃を繰り出せる!
【ダークフェニックス:炎の翼を生やしてアリスに接近戦を仕掛ける。他の2人はあまり気に留めていない】
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「げげっ! あそこに居るのダークフェニックスっちゅー奴やないか!」
角を曲がり、二つの反応の正体を視認した不知哉川は、見るからに嫌そうな顔をした。
それもそのはず、二つの内の一つは先程二人が乗ったキャンピングカーを破壊したあの男だったのだ。
「人がせーっかくいい話を持ちかけてやったのに、それも聞かんと攻撃しやがって……。
お陰であの車(レンタカー)は俺が弁償するハメになったんやで?
このせちがらい世の中、俺の薄給だけでどうやって返せばええねん!」
「霊仙さん、私に向かって言わないで下さい」
「……しゃーないやん。面と向かって言える相手やないんやし……」
先程までの強気を打ち消すような不知哉川の情けない言葉に、海部ヶ崎は「ふぅ」と溜息をついた。
(やはりここに残っていたのは機関の構成員……。でも、あの人は……?)
海部ヶ崎が視線を向けたのはダークフェニックスと対峙する一人の男。
状況から見ればダークフェニックスと闘おうとしているのは彼だが、一体何者なのだろうか?
「あの男……何者だと思います?」
「男……? あれ、女やないの?」
「女性にも見えますけど……雰囲気でてっきり男だと……」
「確かに中世的な顔やけどな、女独特の甘酸っぱーいニオイがすんねん。あら女や」
「は……はぁ……」
いつになく真顔でそう断言する不知哉川。
ニオイで判るなど、海部ヶ崎にはまるで理解できない境地ではあるが、
こういう事に関しては不知哉川の方が一枚上手であることは知っているので、
海部ヶ崎は首を捻りながらも納得するしかなかった。
「機関の構成員と闘おうとしてるってことは今回の一件に巻き込まれた側なんやろうけど、
ここに居るってことはあのゾンビ達を倒してきたってことやろ? 敵に回ったら厄介やで……」
「……そういえば霊仙さん、反応三つあると言ってましたね? 後一つはどこに?」
「この通路の先や。角を曲がったすぐのところに『医務室』があるんやけど、多分、その部屋や」
海部ヶ崎は不知哉川が顎をしゃくった先を見る。
ダークフェニックスの後方数メートルその場所には、確かに分かれ道のない曲がり角があった。
「その部屋に……何者ですかね?」
「気になるのはその反応が他二つに比べて極めて小さいって点やな。もしかしたら死に掛けとるのかも」
「死に掛け──それって──」
「阿合 哀。そう考えるのが一番自然やろ。あの部屋は雲水に刺された通路のまん前やしな」
「ならば直ぐに──」
と、海部ヶ崎が足を一歩踏み出したその時、
強烈な殺気が彼女の行く手を阻むように立ち塞がった。
「さて…貴様に話を持ちかけても無駄だということは良く分かった。だがこちらにも目的がある。貴様を殺してでもあの娘に会わせて貰うぞ。
>>174後ろにいる貴様らも同じだ。――邪魔立てするなら容赦はしない」
殺気を叩きつけたのは二人に背を向けた形でダークフェニックスと対峙するあの女──
「クッ──」
「キサちゃん、今はこらえるんや」
必死に抗おうとする彼女の肩に手を置き一端下がらせる不知哉川。
「しかし──うっ」
振り返った海部ヶ崎は、対峙する二人を冷静な目で見据える彼に、言葉を続けることができなかった。
「チャンスは直ぐに来る。それを待つんや」
その言葉には確かな説得力があった。
少なくとも、冷静さを欠いていた彼女よりは、彼の言葉に従った方が得策であるのは間違いない。
それを即自覚した海部ヶ崎は素直にコクンと頷き、彼と同じように静かに二人を見据えた。
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「さぁ…誰が相手だ?」
銀髪の女が呟く。それと同時に、彼女に変化が起きる。
長い銀髪が見る見る内に真っ赤に染まっていく。
そして背中にはオーラで形成された光り輝く翼が現れたのだ。
だが、二人はそれに驚く間もなかった。
「…翼を生やした程度で粋がるなよ?」
臆することなく言い放ったダークフェニックスにも変化が現れる。
彼もまた同様に、炎を翼としてその背に形成したのだ。
「そしていつまでも自分が…自分だけが死なぬ身でいられると思うな…古き者」
その言葉が吐かれる同時にダークフェニックスの姿が消える。
いや、違う──。海部ヶ崎と闘った時の氷室同様に、高速で移動したのだ。
「──速い!」
海部ヶ崎は思わず唸った。
かろうじて目で捉えられるものの、そのスピードは自らのものと
明らかな差があることを知らしめるものだった。
一方のあの赤髪に変わった彼女も、それは同じだった。
「やっぱりバケモン同士や。くわばらくわばら、闘ってたら危なかったで。
けど、こうして待っとったおかげでこっちはチャンスってわけや。キサちゃん」
二人の闘いに呆然としていた海部ヶ崎が、はっと我に返る。
「は、はい!」
「行くで、今がチャンスや」
と、不知哉川が、激しい闘いが繰り広げられる通路を親指で指差した。
「い、今ですか!?」
海部ヶ崎が驚くのも無理はない。今の内に通路を通過して部屋へ行こうというのだから。
決して広いとはいえない通路。素知らぬ振りをして二人の横を通ることなどできるだろうか?
疑問を投げかけるような顔をする海部ヶ崎。だが、不知哉川は一片の動揺もなく言った。
「見たところ二人の実力を拮抗しとる。
今、二人の目は目に、手は手に、足は足に、互いにその神経を集中させとるわ。
今この場に震度七の地震がこようが二人は気付かんと思うで?
何かに気を取られるようならその隙に攻撃を受けて死んでまうかもしれんしな。
実力者ほどそこら辺はよぉー知っとる。だから気を取られようにも取られへんのよ。理性が許さんのや」
「……そう、なんですか……」
「キサちゃん、俺の能力知っとるやろ? 人間の心理くらい少しは研究しとるんやって」
フッと軽く笑いながら親指を立てる不知哉川。
これについても彼が一枚上手である。海部ヶ崎は頷き、素直に従うことにした。
「けどな、二人の攻撃の流れ弾には気ィつけんとあかんで?
こればっかりはどこからくるかわからんからな。油断してるとあの世行きや」
「わかりました」
「ほな、いこか」
不知哉川と海部ヶ崎の二人はキッと前を見据え、激戦続く戦場の中に、自ら飛び込んで行った。
【不知哉川&海部ヶ崎:二人の横を通過しようとする】
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>>179
「今、二人の目は目に、手は手に、足は足に、互いにその神経を集中させとるわ。
今この場に震度七の地震がこようが二人は気付かんと思うで?
何かに気を取られるようならその隙に攻撃を受けて死んでまうかもしれんしな。
実力者ほどそこら辺はよぉー知っとる。だから気を取られようにも取られへんのよ。理性が許さんのや」
丸聞こえだった。本当に気づいていないと思っているようだ。
あまりに愚かだ。俺は初めから3人同時に相手のつもりでいる。
タイマンを張るスポーツなどではない。命をかけた戦いは常に横槍に注意している。目の前の1人だけに全神経を集中しているわけがない。
目だけでなく話声を聞く耳、風を感じる肌、オーラを察知する感覚。
この場に存在する全てに対して反射的行動の取れるように、俺は戦闘態勢をとっている。
「ほな、いこか」
そして無謀にも2人は自分達の戦う横を抜けようとする。
こいつらをあいつに会わせたところで、化身の力に敵うとは思わない。
だが、こいつらを此処で再び逃がす事は任務に反する事となる。
何よりもその舐めた態度が気に食わなかった。
「させると…思っているのか?」
翼を使って飛行移動しながら、指先による攻撃で腕はアリスへ向けるのに集中している。
だがそれだけで俺が手一杯になっていると考えるようでは、所詮凡人思考だ。
戦いの中で生きる異能者を理解していない。
そして何より翼の生えた者を理解していない。
俺は脚に炎を纏わせ、2人が横を通り抜けようとする瞬間にその身に燃え盛る脚で、まず男の方に強烈なキックを繰り出す。
「――エン!!!」
キックを食らわせた男は来た方角に向かって、数十m先の壁まで吹っ飛ばされた。
炎の翼と同じロケットブーストの火力とスピードを込めていたブレイズキック。
この男も光線を避けていたが、そのオーラを使った歩法とやらは所詮足にオーラを込めてスピードを上げるもの。
同じ足技であれば、オーラだけでなく炎の能力でブーストを加えた分、圧倒的に速いこの蹴りを近距離で避ける事など不可能。
仮に軸足を狙われようと、翼で飛んでいる状態でバランスを崩される事は無い。
【ダークフェニックス:アリスへの攻撃を続けながら、不知哉川を蹴り飛ばし通過阻止】
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>>504
ありがとうございます。ではその方向で
>>179
「…翼を生やした程度で粋がるなよ?」
そう言ってダークフェニックスも自分と同様に翼を生やした。あちらは炎だが。
「そしていつまでも自分が…自分だけが死なぬ身でいられると思うな…古き者」
言い終わると同時に、凄まじいスピードで自分に詰め寄ってきた。
指先にオーラを込め、こちらの体を直接狙っているようだ。
恐らく、以前対峙した際に放ったあの光線、あれを発射せずに指先に集めることで相手の体に突き刺し、
内部から破壊しようというものだろう。
(娘の方はまだ返答をよこさぬか…。まぁ病み上がりでは意識の集中も儘ならぬか)
「ならば…。貴様に面白いものを見せてやろう」
迫り来るダークフェニックスの攻撃を迎え撃とうとした瞬間、
「今、二人の目は目に、手は手に、足は足に、互いにその神経を集中させとるわ。
今この場に震度七の地震がこようが二人は気付かんと思うで?
何かに気を取られるようならその隙に攻撃を受けて死んでまうかもしれんしな。
実力者ほどそこら辺はよぉー知っとる。だから気を取られようにも取られへんのよ。理性が許さんのや」
背後から声が聞こえてきた。どうやらこちらには聞こえていないと思っているようだ。
「ほな、いこか」
どうやらこちらの戦闘を無視し、やり過ごそうと思っているようだ。
(もう少し頭のいい奴らだと思っていたが…。まさかここまで馬鹿だとは。先程警告してやったにも関わらず
自ら飛び込んでくるとは)
「――エン!!!」
そう思っているうちにダークフェニックスが男の方を蹴り飛ばした。
(流石だな。ならば我は残った女か)
「先程の警告を聞いていなかったのか?もし聞いていたのなら、死ぬ覚悟はあるのだろうな?」
ダークフェニックスに男を蹴り飛ばされ、一瞬動揺した女の腹に素早く掌底を叩き込む。
接触の瞬間にオーラを爆発させ、掌底の勢いと共に女を吹き飛ばす。
女も超人的な速度で反応し、自ら後ろに飛んだが、爆発の勢いを殺しきれずに男とは違う方向の壁に叩きつけられた。
-
(ほう、あの女もただの雑魚ではないようだな)
海部ヶ崎の身のこなしに感心しつつ、腕を戻す。
「さて、これで邪魔者は居なくなった」
再びダークフェニックスの攻撃に意識を戻す。しかしそのとき既に攻撃は体の寸前に迫っていた。
ズブッ――ダークフェニックスの指がアリスの体に突き刺さる。
本来ならここから破壊のオーラが打ち込まれ、爆砕するはずである。
しかしそれは発動しなかった。ダークフェニックスの表情が僅かに変化する。
「何故、という顔をしているな。無理もない。貴様にとっては未知の現象なのだからな。
貴様、『降魔の剣』という刀の名前を聞いたことはあるか?今は『無間刀』と名を変えているようだがな。
その力は、簡潔に言えば刺した相手のオーラを全て吸い出す、というものだ。その刀を造ったのは誰だと思う?
――そう、他ならぬ我だ。もっとも、あれは化身用に調整してあるから他のものに効果はないがな…。
刺した相手のオーラを吸い出す、ということはその逆も可能ではないか?つまり"刺す"のではなく"刺されば"、延いては"触れれば"いいのだ。
元々降魔の剣もそのように造っていたが、先程も言ったとおり化身用に調整した為にその機能は封印してある。
さて、そろそろ貴様も気付いているのではないか?――自分のオーラがなくなり始めていることに」
ダークフェニックスの表情が更に変化する。
一瞬の硬直。時間にすれば0.1秒にも満たない僅かな隙。
アリスはその隙を見逃さなかった。
「――縛」
先程の罠と同じように、オーラを糸状に操作、ダークフェニックスの体に巻きつけ、縛り上げる。
見た目は同じように見えるが、罠の時とは糸の強度が桁違いである。
(尤も、この男にこの様な小手先の攻撃が通じるとは思っていないがな)
「さぁ、次はどうする…?」
【アリス・フェルナンテ:海部ヶ崎を弾き飛ばし、通過を阻止。
ダークフェニックスのオーラを吸い出し始めると同時に拘束】
-
「さて、そろそろ貴様も気付いているのではないか?――自分のオーラがなくなり始めていることに」
「…くくく…俺のオーラが無くなる?…この程度で俺が戦意を失うとでも思ったか?」
自身を縛る糸を焼き払おうにも、そのオーラも吸い取られていく。
ならばできる事は…ひたすらオーラを出し続ける事。
精神力、薄れ行く意識との戦い、ただ"自分"を強く保ち続ける事。
「俺のオーラはそこらの異能者とは本質的にが違うんだ。
肉体が限界を超えても、魂という炎が消えない限り、無限に燃え続ける!!」
魂の炎、それが俺の肉体が死の状態からでも再生を可能とする源。
「それに…その"器"は貴様のものではないだろう?」
俺の予測通りこの女は古の存在だった。本来の生物の寿命を越えて現存している存在。
だがこいつから感じた得体の知れなさはそれだけではない。
中身に反してその肉体が老いていない。
今にして思えばオーラを吸って若さを保っていたという事も考えられなくはない。
だがそんな事をして生きながらえていて、存在を隠していられたとは思えない。
つまりアリスは、化身の人格と同様に"憑依"した魂の存在。憑依された者は俺と同じ時代を生きる人間。
だが既にその身に2つもの存在を入れている事で、器としてオーラの許容量はどれほど残るだろうか?
「身に余る存在を抱えた状態で、果たしていつまで耐えられるかな…」
吸い出されていくオーラに込めた感情は"自分"を保ち続ける事。
相手に取り込まれた事で、破壊の質を変えられ相手の物にされたのなら、変わらない事に集中する。
そして馴染まないオーラを率先して吸収させる事で、質より量で破壊する!!
「ハアアアアアァァ!!!!!」
掛け声を出し、気合いを入れ、一気にオーラを放出し吸収させる。
"俺の"オーラは貴様ごときには身に余るものと思い知れ!!!
アリスに流れ込むオーラによって跳ね上がった異能値に、それを観測する俺と倒れている男のスキャナーが木っ端微塵になる。
そこから見えた俺の目は白目を剥き出しにしながらも、心はひたすら自分を保ち続けていた。
【ダークフェニックス:自分のオーラを一気に吸収させる。そのオーラの量にアリスの異能値を観測したスキャナー崩壊】
-
>>183
「ハアアアアアァァ!!!!!」
掛け声と共にダークフェニックスのオーラの放出量が急増する。
大量にオーラを吸い込ませ、空気を入れすぎた風船のように内部から破壊しようという魂胆か。
(だが浅はかだな…。この男は降魔の剣を知っているのではないのか?)
本来の能力は先程教えたばかりだが、今現在伝わっている能力は知っているはず。
これは決して"吸収"などではない。単に"排出"しているだけである。
その証拠に、自分の背中に生えた翼からは、ダークフェニックスのものである燃え盛るオーラが絶えず排出され続けている。
そしてその先には、凝縮されたオーラの結晶が出来つつある。
媒体が己の体ということを除けば、降魔の剣を刺しているのと状況は変わらないのだ。
(それに気付かぬほど愚かではないと思ったが…?)
ふとダークフェニックスを見ると、常に身に着けていたゴーグルのようなもの――確かスキャナーといったか――が木っ端微塵になり、
素顔が露出している。白目を剥き出しにしながら、オーラを放出し続けている。このままでは、もって後数分だろう。
極度にオーラを放出し続けた結果、意識がなくなり昏睡状態になる。命に関わるほどではないにしろ、回復に時間はかかる。
この男には篩い落としという任務もあったはず。
本来なら何人も相手にするはずのところを、たった一人を相手にし、その結果が昏睡。任務としては失敗以外の何者でもない。
(この男は任務に忠実な機械(マシーン)かと思ったが…。どうもそうではないらしいな。何故そこまで必死になる?)
そこで、ふとある考えに辿り着く。
(もしやこの男…そうか、そういうことか。それならば先程の言動にも得心がいく)
頭の中で完結し、思考を中断する。
そして軽く辺りに目をやると、先程弾き飛ばした女が居ないことに気付く。
(女の姿が見当たらんな…。一体何処へ…まさか!)
ある種の予感を感じ、付近の気配を探る。
(やはり…!我としたことが抜かったわ)
あの女と化身の娘が接触しているようだ。二つの気配が密着している。
このまま連れて行かれては面倒だ。気配を追いかけることは出来るが、手間は省けた方がいい。
(やはり先程殺しておくべきだったか…。いや、あの女の実力を見誤った我の失態か。ならばここは…)
「おい、先程の女と化身の娘が接触しているようだが、いいのか?」
【アリス・フェルナンテ:オーラ放出中のダークフェニックスに哀と海部ヶ崎の接触を伝える】
-
「おい、先程の女と化身の娘が接触しているようだが、いいのか?」
「無問題だ。貴様と筆頭以外にこの街であいつを倒せる奴はいないからな…
それより貴様こそ俺を"必死にさせたまま"でいいのかな?」
白目を剥いたままの俺の目はもう見えない…だがその口調から内部破壊は失敗した事が覗える。
「貴様の反応からして吸い出された俺のオーラは、どうやら溜め込まれたわけではなかったようだが、
俺にとってはこの"必死な感情"の込められたオーラが、その質を変えられずに出せればそれで良かったのだ」
アリスの翼の先の結晶にヒビが入る。
そこにあるのは変わらぬ俺の意思、俺のオーラ。
他の者に使われる力の結晶ではなく、俺の力を宿した卵。
卵を突き破り、現れたのは黒き炎のオーラでによって形作られた巨大な鳥。
『闇の不死鳥(ダークフェニックス)』
俺の中で最も強く燃える感情…必死な…死にたくないという想い。
そのオーラの集合体として生み出された俺の分身。
その我の強さは、けして俺以外のオーラに染められる事のない不死の存在。
その想いの強さは自分の命を脅かす者全てを焼き尽くす。
自身を追い詰めるオーラの放出は、この分身を作り出すエネルギーを用意する為であり、その必要な感情を引き出す為でもあった。
「現世と冥界を行き交う不死鳥は貴様を魂ごと焼き尽くす!!
貴様がいかに強大な存在だったとしても、過去の亡霊は消える運命にある!!死ね…アリス・フェルナンテ!!!」
闇の不死鳥(ダークフェニックス)はアリスを翼の先から全身にかけて、黒い炎となって焼き尽くしていき、
全身を炎で包み込んだ後、その炎の中から再び鳥の形を成して、溶け込むように俺を炎で包み消えていった。
【ダークフェニックス:『闇の不死鳥(ダークフェニックス)』でアリスを焼き尽くし、自身にその存在を戻す】
-
あれ?もしかして自分死亡ですか?
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あ…「焼き尽くし」って表現がまずかったですかね?
最後3行↓に修正でお願いします。
闇の不死鳥(ダークフェニックス)はアリスを翼の先から全身にかけて、黒い炎となって全身を炎で包み込んだ後、
その炎の中から再び鳥の形を成して、溶け込むように俺を炎で包み消えていった。
【ダークフェニックス:『闇の不死鳥(ダークフェニックス)』でアリスを包んだ後、自身にその存在を戻す】
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>>187
「現世と冥界を行き交う不死鳥は貴様を魂ごと焼き尽くす!!
貴様がいかに強大な存在だったとしても、過去の亡霊は消える運命にある!!死ね…アリス・フェルナンテ!!!」
突如として背後に黒い炎が発生し、瞬く間に全身を包み込んだ。
(これは…まずいな。まともに食らえば如何に我とて危うい。だが目的の為にもここで死ぬわけにはいかん)
「実に見事な腕前よ。此度は我の負けだ。化身の娘も一先ず諦めよう。目的を果たす為、今は倒れるわけにはいかん。
しかし敗北したことは事実。そこで貴様の実力に敬意を表し、これをくれてやろう」
ナイフを生成し、自分の腕を切りつける。
溢れ出した血液を集め、凝縮する。やがてそれはパチンコ玉程度の大きさになった。
その球体を指で強く弾く。それは目にも留まらぬ速さで、ダークフェニックスの口内に入り、喉を通過する。
「それは我の血液から"あるもの"を分離、凝縮したものだ。効果の程は貴様自身で確認しろ。
影響の出方も貴様次第だ。…まぁ貴様ほどの実力者ならくたばりはしないと思うがな」
そう言っている間にも、自らを包む炎の勢いは一向に弱くならない。
「(グッ…やはりこの状態では保たんか)最後に1つだけ言っておこう…。我は"生まれたときからこの体だ"。
『原初の異能者』(ザ・ファースト)という言葉を追ってみろ。貴様の疑問も解けるかも知れんぞ…。
尤も、文献などが残っていればの話だが。では、さらばだ不死鳥よ。再び相見えることを楽しみにしているぞ…」
弱々しい声で言い終わると同時に意識を集中する。するとアリスの体をまばゆい光が包み込んだ。
光が収束し、そこから現れたのは一頭の白銀の獅子だった。
全身に凄まじい火傷を負ってはいるものの、その姿は荘厳の一言に尽きる。
「グオオオオオオオオオオオ!!!」
獅子は雄叫びを上げ、突進して施設の壁を破壊。長い鬣を靡かせ外に飛び出して行った。
【アリス:ダークフェニックスに自らの敗北を宣言、始祖の血の結晶を飲ませ撤退
ダークフェニックスはまだ始祖の血とは気付いていない】
-
「グオオオオオオオオオオオ!!!」
雄叫びが止んだ頃、この場からアリスのオーラを感じなくなった。
未だ目は見えないまま。目が見えないからこそ、他の感覚…オーラを感じ取る感覚は鋭くなっている。
だからそのオーラを感じないという事は本当にこの場からいなくなってしまったのだ。
そして、いなくなるまでは生きていたという事。
「…何故仕留め損ねた?『闇の不死鳥(ダークフェニックス)』」
仕留め損ねてなんてないさ…"この命を脅かすアリス・フェルナンテ"は死んだ。
その証拠に、彼女はこの身を更に強くする"力"を残していったじゃないか。
「そんなものが無くとも既に化身の力は俺の味方にある。
あの女を此処で殺しておけば化身を脅かす力も、筆頭の持つ降魔の剣も消え、俺達に負ける可能性は消えていた」
一理あるかもしれない。でもその役目を僕に任せたのがいけなかった。僕には彼女を殺す事なんてできないよ。
「それはあの女が『原初の異能者』(ザ・ファースト)という存在だからか?
奴の方が強いから殺せなかったと…貴様はそう言いたいのか?」
……
「答えろ『闇の不死鳥(ダークフェニックス)』。貴様は俺の中で最も強い、死にたくない感情のオーラの集合体。
本気の力が通じない相手がいるようなら、俺は貴様を――」
…本気を出していれば彼女は魂もろとも消滅した。どんな生き物にとって生存本能に勝る力なんて存在しない。
「つまり本気を出さなかったと言うわけだな?」
…仕方が無いじゃないか!!"父様"には解らないだろうけど、僕にとって彼女は――
「もういい…貴様は消えろ」
やめてくれ父様!!僕は消えたくない!!せっかく生まれて来る事ができたのに…うあああああ!!!
俺の中の『闇の不死鳥(ダークフェニックス)』の意識がどんどん鎮火していく。
俺が死にたくないという感情を無くす事はないから、奴が完全に消える事はないだろう。
だが再び『闇の不死鳥(ダークフェニックス)』を使う事があっても、俺は"こいつ"の意識を二度と解き放つ事はない。
完全に消されなくとも、それは奴にとって死も同然だ。
-
『闇の不死鳥(ダークフェニックス)』の意識がほぼ消えかけた頃、俺は身体中に一気に負担を感じ始めた。
「くっ…やはり奴に生存本能をほとんど持たせてあったからか回復が遅いな」
その時、ふとアリスが去り際に言っていた事を思い出す。
『それは我の血液から"あるもの"を分離、凝縮したものだ。効果の程は貴様自身で確認しろ。
影響の出方も貴様次第だ。…まぁ貴様ほどの実力者ならくたばりはしないと思うがな』
俺の中に入った赤い球。
奴が始祖の時代の存在であったならば、これも始祖の血と同様に強化効果が期待できるだろう。
口振りから言って、リスクも同様と見られるがな…だが俺には死の状態からでも蘇る不死の力が――
――ほとんど消えかけてるのではないか?
どくん!
更に重い負担を一気に感じた。それは肉体的にも、精神的も俺を蝕んでいく。
まずい…俺の不死の源である『闇の不死鳥(ダークフェニックス)』がいなくなれば、この血で死んだ時に蘇生は叶わない。
しかし俺は今肉体だけでなく、精神も弱っている…こんな状態で奴を解き放てば――
何を迷ってるんだ父様?
「――!!貴様何故!?…うっ」
何故って…それは僕が聞きたいよ。血反吐なんて吐いて…このまま死んで蘇る力なんてない事ぐらいわかってるはずだよ。
「だが…貴様を解放すれば――」
僕に人格を乗っ取られる?まあそうだろうね。そうすればもう消される心配もないしね。
「そんな事になるなら…」
肉体の死を選ぶ?父様本当に生存本能無くなってるんだね…でもね。
どくん!
父様はもう僕を抑えつけられない。
彼女の残した血が僕に力を与えてくれてるんだよ。
「何故…"貴様にだけ"力が…やはり生存本能の差――ぐっ」
…違うよ、そんなものじゃない。父様にはきっと一生わからないだろうけどね。
「これは"母様"から"僕"へのプレゼントだったんだよ」
かつてその身体の主だった魂はその灯火を、深い闇の中に捕らわれていった。
そして新たにその身体を手に入れた魂は、自身を生み出したオーラの主を父と呼び、
それを結晶化させて卵を形作った、血を分けて強固な人格を持たせてくれた『原初の異能者』(ザ・ファースト)を母と呼んだ。
『闇の不死鳥(ダークフェニックス)』の魂に支配された彼の身体は、髪の色素が抜け白髪化し、白目を剥いていたその目は閉じられ、
今までの彼からは全く出てこない、にこりとした笑顔を形作っていた。
【ダークフェニックス:始祖の血の影響で『闇の不死鳥(ダークフェニックス)』に人格を乗っ取られる】
-
ここから名前欄は「闇の不死鳥@代理」でお願いします。
死にたくない…そんな人間の誰もが持つ感情から来るオーラから僕は生まれた。
生まれたといっても、そこに僕が自由にできる身体はなかった。
ただその身体の主のいる世界を共に体感させてもらっていただけ。
ほぼ不死身の能力を持った主が、真に生命の危機に瀕した時、初めて外に出してもらえた。
外に出て初めて触れたのは、赤い髪と目をした、翼の生えた女性だった。
そして彼女の中に吸い込まれ、気づくと僕は硬い結晶の中にいた。
その結晶を破り再び外に出ると僕は形を持っていた。大きな…とても大きな鳥の形をしていた。
この時初めて僕は自分が生まれた事を実感した。
自分の存在そのものを成すオーラの主を父、それを生き物の形にしたしてくれた彼女を母とした。
だが僕はまだ自由ではなかった。外に出て形をも持てたにもかかわらず、父様に命じられたのは母様を殺して再び自由のない身体に戻るだけ。
そして、そこに母様を殺したくないという我を通せば父様は僕を消していった。
僕はそんな父様を憎んだ。
もうダメかと思った。
だがそんな僕の元に1つの希望が舞い降りた。
母様は僕にその血も分けてくれた。僕を強くし、この身体の自由を得られる力をくれた。
僕はそんな母様を愛した。
僕は自由を手に入れた。
「……」
さて…まずは何をしようか?やはり母様を追いかけてこの想いを伝えるべきだろうか?
そうだ…母様に名前を付けてもらおう。
父様は僕の事を自分の分身としか思っていなかった。でも僕は一人の確立した存在として生きていく。いつまでもあの男の名でいられない。
母様はどこへ行っただろう?まだそう遠くには行ってないはず――
「あの――」
どくん
僕の中に取り込まれてる母様の血が反応している。
声を掛けてきたのは、父様が部屋に残してきた娘…『毒に愛された女(ポイズネス)』と父様は呼んでいた。
確かこの娘は父様が始祖の血を取り入れて、化身の力を得た…もしかして母様のくれた血も同じなのかな?
でもこの娘に取り入れた血は母様じゃなくて、他の人間から採取されたもの…と父様は言っていたな。
じゃあこの娘は僕の何になるんだろう?姉様…妹…兄弟とも違う気がするな。
「さっきの人…ですよね?無事でよかった。名前まだ名乗ってませんでしたが私、阿合哀と――」
「ああ、阿合の娘でしょう?カノッサと戦って欲しいって話だったっけ?」
「え!?…あ…はい」
そうだな…せっかく母様に会うのだから、土産の一つくらい持っていくべきかな。
カノッサの筆頭の持ってる降魔の剣と魔水晶…きっとあれは母様の物なんだよね。
あれを僕が取り返してこよう。きっと母様は褒めてくれるだろう。
「…あの貴方の名前は――」
「いいよ、カノッサと戦うって話。さっさと潰してこよう」
「……」
「あ…でも僕の中にも始祖の血があるって事は、降魔の剣に太刀打ちする術が…」
「?それはどういう――」
「ああ、もう1人くらい連れてこうと思ってね。そういえばさっき君の方に行った娘がいたはずだけど殺しちゃった?」
「え!?いえ、そんな事…」
「じゃあそれ連れて行こう。ここまで来れたんだからそれなりに使えると思うし」
-
「それは私の事か?」
「そうだ」
そう声を掛けてきて姿を現した残りの1人、海部ヶ崎綺咲。
その娘に俺は近づいていき、阿合に聞こえないようにその耳元でささやく。
阿合と同じ、彼の中にも同様の"何か"を感じた海部ヶ崎はその場で身動きが取れないでいた。
「カノッサと戦ってやるって言ってるんだ。無駄に混乱を招くような事を口走るなよ?」
「くっ…」
僕がカノッサにいた事など、そんな過去を持ち出されて貴重な化身の戦力に疑念を抱かせても面倒なので釘を刺しておく。
僕の知るカノッサの情報を話し、大方の作戦の説明を終えた後、3人でカノッサ本拠地に向かった。
【闇の不死鳥:阿合哀と海部ヶ崎綺咲を連れ、カノッサ本拠地に向かう】
-
「ハァ…ハァ…先程のあの攻撃、あれは一体何だったのだ?我をここまで追い詰めるとは…。
この『楽園の守護者』(エデンズガーディアン)の生命力ですら、最後まで食らっていたらどうなっていたことか…」
アソナの本拠地を脱出した後、アリスは付近の雑木林にいた。髪や瞳の色、翼は元に戻っている。
体が思うように動かない。恐らく原因は、先程のダークフェニックスの最後の攻撃、『闇の不死鳥』のダメージだろう。
そしてダークフェニックスに与えた己の血液。あれは単なる血液ではなく、自らの力の源である始祖の力の結晶。
故に己の身を削ったようなものだ。体力もオーラも低下している。
しばらくは回復に専念しないと、雑魚相手ならいいが強者とは戦えない。
「あの後奴にどういった影響が出ているのか確かめたいところだが…。無理は出来んな。少々危険だが少しでも寝ておかなければ…」
木に寄りかかり、体を休める。暫くして、静かな寝息が聞こえてきた。
――かあさまかあさま〜。これみて〜――
――まぁ、上手に出来ましたね――
――これ、かあさまにあげる〜――
――ありがとう、アリス。お母さん嬉しいわ――
――えへへ〜。とうさまにもあげてくるね〜――
「……」
意識が覚醒する。どうやら夢を見ていたようだ。
「懐かしい夢だな…。幸せだった頃の夢だ。あの頃は争いなどという言葉とは無縁の世界だった。
母が居て、父が居る。ただそれだけで良かったのだ。なのに…」
頭を振って思考を止める。今更悔やんでも仕方のないことだ。
眠っていた時間は僅かだが、オーラは6割程回復したようだ。ある程度の敵ならば対応できる。
「さて、まずは降魔の剣を取り戻さなくてはならないな。あれがなければ全力が出せん。
しかし一体どこの誰が持っているのやら…。この付近にあることは間違いないのだが…」
ふと、近くにオーラを感じる。始祖の力は感じないので、ダークフェニックスや化身の娘ではないようだ。
「一体誰だ?…この目で確かめるのが一番早いか」
オーラを辿っていくと、そこには一人の男が居た。
(あの男…先の二人組の片割れか。近くに女の気配は感じない…。一緒ではないのか?)
疑問に思いながらも、男に近付き話しかける。
「貴様、こんなところで何をしている?」
【アリス:不知哉川 霊仙を発見、接触する】
-
代理完了しました。
-
>>521
ありがとうございます。
ところで、今何人いるんですかね?3人かな?
-
おっと、急いでたせいで戦闘場所が雑木林から正門前になっちゃった。
…まぁ、アリス氏が移動した先が正門前ということで補完しといてください。
>>522
三人でしょう。後の人はもう一ヶ月以上連絡ないわけですから。
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切谷のプロフ投下します。
多分、これで私が登場させるNPCは最後になります。
【プロフィール】
名前:切谷 沙鈴(きったに さりん)
性別:女
年齢:24
身長:170cm
体重:48kg
職業:「カノッサ」幹部・四天王の一人。
容姿:腰まである紫色の髪のロング。胸元を開けた黒いボディスーツに、
顔の上半分に機械が組み込まれたアイマスクを装着している。
常に「魔幻槍」と呼ばれる切っ先のない竜の装飾品が施された黒い槍を背負っている。
能力:魔幻槍という媒体を通じて自らのオーラを様々な性質を持つ切っ先に変化・具現化する能力。
キャラ説明:秘密結社「カノッサ」結成当初からの古株メンバーの一人。
元は「キャサリン」と名乗るイギリス人で、10年前に帰化した際に日本名を名乗っている。
「キャス」という愛称があるが、これはその時の名残である。
とある理由で両目を失明したことから顔の上半分にメカを埋め込み視覚を補っている。
かつての素顔を知る者は他の四天王だけと言われている。
一見華奢に見えるが、実は四天王の中でも随一の体術を誇る武闘派。
二つ名は「魔槍戦姫」。
【パラメータ】
(本体)
筋 力:A
敏捷性:A
耐久力:A
成長性:N
(能力)
射 程:D〜C(基本はD。技によってCまで変動する)
破壊力:S
持続性:C
成長性:N
-
あっと、プロフも間違ってるw
紫じゃなくて金髪ですわ。wikiの方には訂正して載せておきます。
-
「まぁまぁ、そう構えなさんな。俺らの目的はあんたやないし、闘いや人殺しが趣味でもないねん。
だから俺はあんたと闘う気はナッシング。あんたもそうなら、ここは黙って行かせてくれへんかなぁ?」
男――確か霊仙と呼ばれていた――は好きだらけの格好でそう言ってきた。
見たところ、戦闘に関しては大した能力者ではない。ダークフェニックスには遥かに劣るだろう。
「貴様をここで殺すことは簡単だが…貴様には聞きたいことが――」
──ジャリ。
不知哉川にそう言いかけたところで、場に第三者の足音が聞こえる。
(ようやくお出ましか。先程から気配は感じていたが…。此奴は何者だ?まぁ味方でないことは確かだな)
不知哉川の背後から現れた人物を一瞥する。
そこには長い金髪を靡かせ、顔を大きなマスクで覆った、黒いボディスーツを着た女が立っていた。
「……現在、戦闘反応なし。……やはり既に終わっていたか」
声は無機質で抑揚がない。まるで機械のようだ。
「──あっ──そうか、あんたがキャスやな!」
キャス、というのがこの女の名前らしい。どうでもいいことだが。
不知哉川はキャスと会話を始めた。
話の内容からすると、この女のアジト、即ちそこにいる筆頭と呼ばれる人物が魔水晶を持っているらしい。
恐らくは降魔の剣もその人物が持っていることだろう。
(ならば話は早い)
「このままアジトへ戻るのは簡単だが、もののついでだ。
貴様らが筆頭と闘うに値する異能者かどうか、この場で私が確かめてやろう」
どうやら向こうもその気だったようで、爆発的にオーラが増幅する。
そして女は背中から竜の装飾が施された一本の棒を取り出した。
「今の内に教えてやろう。『キャス』とは私の愛称のこと。
本当の名は『切谷』──『切谷 沙鈴』という。これから死ぬまでの短い間、覚えておいてもらおう」
女の持っている棒にオーラが伝わった途端、先端がスパークし、光の刃が出現した。
「"貴様が"死ぬまでの間か?確かに短い間だな。だが貴様には少々聞きたいことがある。
それを吐いてもらうまでは殺さんがな」
(とは言えまだ本調子ではないな…。先程の会話の中で少し回復したとは言え、まだ7割程か。
雑魚なら良かったが…この女はそうではないらしい。果たしてどこまでいけるか。降魔の剣さえあれば良かったのだが…)
そう思い、戦闘態勢をとる。しかしまだ"変身"はしない。
まずは相手の力量を推し量る。といっても量る必要もないかもしれないが。
そこでふと、脇にいた不知哉川に目が留まる。
「貴様にも聞きたいことがある。一時ではあるが力を貸してやろう。
さて、時間も惜しい。始めるとするか、盲目の女よ」
【アリス:切谷 沙鈴と接触。不知哉川と共闘体制をとる】
-
「特にそっちの女の方。素晴らしい反応だ。やたら異能値が高いだけのことはある。
だが、次はどうかな……?」
(予め警戒しておいて正解だったな。やはりただの武器ではなかったようだな。今の一撃でで確信した)
沙鈴の攻撃を後ろに飛んでかわし、再び対峙する。
どうやら男の方も無事なようだが、見たところ避けるので手一杯なようだ。
それに訳が分からない、という顔をしているのであの武器の性質も分かっていないようだ。
「切谷、とか言ったな。随分面白い武器を持っているじゃないか。見た目は普通の棒だが…。
どうやら貴様の能力の方に種があったようだな。成程、"自分のオーラを自在に変形して具現化する"か。
確かにその能力なら切っ先のない槍にも納得がいく。さしずめ"魔槍"と言った所か」
しかし能力が解明できたところで解決策が浮かんだわけではない。
あの武器を前に間合い等というものは無意味だろう。
切っ先が変幻自在なら、どこにいようと関係ないのだから。
(さて、どうするか…。あの男に戦闘は期待できんな。我一人で戦うしかないか。
あまり体を酷使したくはないのだが…)
剣を一本生成し、オーラを込めて強化する。
あちらの武器もオーラで出来ている以上、そう簡単に壊れることはないはずだ。
横に着地してきた不知哉川に目を向ける。
「貴様に戦闘は期待しない。我が奴を引き付けておく。
その間に奴の弱点、若しくは隙を見つけ出せ。出来るなら一発でも入れてみろ。
貴様も能力者なら身体強化くらいは出来るだろう?」
不知哉川にそう言って、沙鈴に向き直る。
「すまんな。先程は少々貴様を侮っていた。中々やるではないか。
我も少しだけ本気を出そう」
意識を集中し、始祖の力を解放する。
しかし翼は生えてこなかった。
(とりあえず3割程で様子を見るか。今は全力で7割だからな…)
「では、参る」
地を蹴って、沙鈴に向かって突進するかの様な勢いで迫る。
【アリス:不知哉川にサポートを言い渡し、沙鈴に反撃開始】
-
>>192の後、僕は2人を連れてカノッサ本拠地に帰還した。
アソナ本拠地での戦いで、既に四天王以外の生存の確認できる戦闘員は僕を除いて全滅した。
故に此処の護りはセキュリティが担っているが、カノッサ所属の僕にとってそれは障害にならない。
そして筆頭達がオーラを隠していようと、魔水晶が異能者を導いている。
迷い無く魔水晶に導かれながら、僕達は>>163のもとへ向かっていた。
しかし魔水晶に導かれるままに進んでいるのに、何故か筆頭のもとへ辿り着けなかった。
そこで思い出したのが、他の四天王を倒さなければ筆頭のもとに辿り着けないというカノッサのシステム。
異空間を作り出す筆頭の能力に関係しているのか、此処カノッサ本部の構造に関係しているのかは知らないが、
とにかく他の四天王を倒せば筆頭のもとに辿り着けると考えて、魔水晶は僕達をこの四天王のもとに導いたのだろう。
「筆頭はどこかな?」
いろいろ思うところはあっただろう。
僕の連れていた2人の内1人は、アソナで筆頭に刺されて瀕死の状態だった人工化身だ。
しかも化身でなくなったなどと見られないように、あの時と同じ感情の無い、機械のような目をさせている。
それに僕自身もこれだけ外見も雰囲気も変化していて、果たしてダークフェニックスである事に気づいてるだろうか?変わってないのはコートの模様ぐらいだ。
もっとも、僕がそのコートを奪って成りすましている別人といった考えも、間違ってるとは言い切れないものだけどね。
【闇の不死鳥:カノッサ本拠地で四天王に接触】
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>>528ですが、◆ICEMANvW8cさんが代理してくれるなら、最後の行の【四天王】を【ディートハルト・アイエン】か【氷室霞美】に変えてくれてもいいです。
2人一緒って場合には、9行目の「この四天王のもとに〜」を「この四天王達のもとに〜」で修正お願いします。
本編1日も経ってないけど、虹色兄弟は精神と時の部屋にでもいたのだろうか…
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決戦は二日目に変更できませんか?
今からアジトで闘ってもアリス氏が参戦できませんし、
自分の方も今は切谷の方だけで手が回りませんので。
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地を蹴って切谷に接近した直後、彼女の動作は速かった。
すぐさま槍を構え、横薙ぎに一閃した。速度は超高速。
(しかし、横薙ぎに来ると分かっていれば避けるのは造作もない)
低い跳躍で交わす。切っ先が足のすぐ下を掠めていくのが分かる。
だが当たった訳ではない。そのままの勢いで着地、別方向から再度仕掛ける。
あの槍は柄の部分だけでこちらの刀身ほどの長さがある。
ということは例え切っ先に間合いがなくとも、あの柄の部分には事実上向こうは切ることの出来ない空間が存在する。
そこに入り込めば剣の方が圧倒的に有利だ。
懐に入り込み、剣を振るう。
(もらったか。存外呆気なか――)
自分の一撃が入るか否かの一瞬――その次の瞬間には吹き飛ばされていた。
何が起こったのか理解するまでに数秒を要したが、やられた瞬間を思い出して理解する。
(あの音、そして閃光…雷か。派手にやられたものだな…。如何に力をセーブしていたとは言え、
並みの能力者なら傷1つ付けられぬこの体にここまでの傷をつけるとは)
「もっとも、お前らの……いや、この赤毛の力も私の予想以上のものかもしれない。
異能値にしても瞬間的な上げ幅の桁は異能者の範疇というよりはむしろ化身に近いものがある。
だとするなら、我々は──」
切谷が何か言っている。
よく聞き取れないが、つまりはこういうことだろう。
「我の正体が気になるようだな。知りたくば貴様らの仲間にでも聞いてみたらどうだ?
筆頭とやらなら知っているかも知れんぞ?クックック…」
口元を緩めて嗤う。
今の言葉は、不知哉川に向けられた言葉でもあった。
この男も、切谷の言葉を聞いてから訝しげにこちらを見ていたのだから。
「貴様のような奴に会えてよかったよ。いや、寧ろ会いたかったのかも知れん。
久々の感覚だ…。存分に楽しませたもらうぞ。なぁ切谷、いや沙鈴よ」
抑えていた残りの力を解放する。
今までなかった翼が生え、オーラの放出量が爆発的に上がる。
その勢いはかつてない程で、周囲は嵐のような状態になっている。
「さぁ仕切り直しと行こうか。あっさり死んでくれるなよ?」
【アリス:気分が高揚したことによりオーラが全回復。出力全開が可能】
-
あれ?なるべくメインキャラの氷室を使っていきたいだろうと思って展開早めたのですがねー…
まあNPC優先でメインにやらないというなら、復活の兆しの見える虹色さんの方に絡んで行こうと思います。
それはカノッサ本拠地に向かう道中の事――
人の影の形をした化け物が、小さな少女を襲っている場面に遭遇した。
実はこの影の化け物は赤月怜の放っていた【シャドウ】の一つであり、少女は>>18で襲われていた小学生の一人だった。
「――っ!『飛花落葉(ひからくよう)』」
それを見て真っ先に少女を助けに飛び出したのが海部ヶ崎だった。
彼女はそのオーラは周りに拡散させていたらしく、少女をその場から奪取した後に、
周りの電柱が一斉に【シャドウ】に引き寄せられて倒れ、その人の形の原型を留めないほどに潰した。
「もう大丈夫――」
そう少女に言い聞かせる海部ヶ崎の後ろで【シャドウ】が、原型を留めて再び直立した。
やはりあれは人ではなく影でできた存在…人に対する殲滅方法は効かない。
そして僕もああいう存在だったからわかる。ああいう存在は意思があったとしても、自分を生み出した者以外の言葉は聞こえない。
その生み出した者が近くに感じられず、今まさに目の前の2人が危険に曝されているのなら、僕の取る行動は1つだろう。
「甘いな」
僕がその言葉に込めたのは少女を助けに飛び出した海部ヶ崎に対して、
あの程度で【シャドウ】を倒した気になっていた海部ヶ崎に対して、
そしてその海部ヶ崎と、海部ヶ崎の助けようとしていた少女を助ける自分に対しての一言だった。
僕は自身に炎のオーラを纏わせる。
今の位置関係は僕の後ろに阿合、僕の目の前に海部ヶ崎と少女、その後ろから【シャドウ】が襲い掛かろうとしてる状況だ。
僕の位置に大きな炎が上がれば、必然的に海部ヶ崎と少女の後ろに影が伸びる。
そして【シャドウ】もその影に含まれ、倒れるように後ろに叩きつけられた。
その時、僕は影を支配していた。炎によって作られた明かりの中で倒され立つ事ができず、
周りの影からも離された【シャドウ】はその場から逃げる事ができない。
「ラ・ヨダソウ・スティアーナ」
同族だった者へ送る別れの言葉。
僕は指先から放つ破壊光線の威力とその光で、地に堕ちた影の化け物を粉砕した。
【闇の不死鳥:【シャドウ】に勝利】
-
「……」
海部ヶ崎は僕を不思議そうな目で見ていた。2人を助けたのがそれほど意外だったのか…
いや、この街に来てからの表立った父様の行動からすれば無理もないか。
「……あ…」
「ありがとうおにーさん。あの…これ」
何か言いかけた海部ヶ崎を遮るような明るい笑顔と声で、少女が僕に礼の言葉を言う。
そして礼のプレゼントのつもりか、自分の髪に付けていたリボンを僕に渡す。
「…せっかくだから家まで送ってやろう」
「!?」
僕の言動に驚きを隠せなかったのはやはり海部ヶ崎だった。
「な…何を企んで…」
「そうですね。こんな夜道に1人で帰すのは危険ですしね」
阿合は特に疑念も感じず僕の意見に賛同する。
阿合にとっての僕の印象…正確には父様の印象は、自分を助けてくれた人以外になく、好意的なものしかない。
「……あの、ごめんなさい」
「ん?」
気が付くと少女の笑顔は曇らせて俯いていた。
「私…家がわからなくて…」
迷子――この暗がりであの影から必死に逃げていたのなら無理もない。
だが次に少女の発した言葉は、そんな考えに再び"甘さ"を認識させた。
「自分の名前も…わからなくて…」
少女は記憶喪失だった。
-
>>198
だが僕の意識は別の方向にも向けられて、少女の記憶喪失への反応が薄くなっていた。
射程圏内に一気に3つの異能者のオーラを感じて始めたのだ。
その内1つは>>112で大鷲から感じたオーラと同じものだった。
あれは異能者が変身でもしているのかと思っていたが、僕や先の影のような使い魔的な存在だったのか?
先の影の主とは違うものの、人を襲う目的で使い魔を使役する異能者には変わりない。
「少し待ってな」
そう言い残して阿合、海部ヶ崎、少女のもとから離れて1人でそのオーラの主達に会いに行く。
その時少女に微笑が浮かんでいたかに見えたが、暗闇ではっきりとはわからなかった。
そして、少し離れた場所で民家から出てくる3人を目にした。
その3人は似た容姿をしていて、差別化を測るかのように絵の具だらけの服、ヘッドホン、眼鏡を1人ずつしていた。
『ここに高校生くらいの男が3人来なかったか?』
その3人を目にした時、母様の言葉を思い出した。
もし母様が言っていたのがこの3人ならば、母様の事を知る事ができるだろうか?
「…お前達は『原初の異能者(ザ・ファースト)』を知っているか?」
そんな考えから出た第一声がこれだった。
【闇の不死鳥:1人離れて虹色兄弟に接触】
-
>>206
やはり母様が言っていた奴らではないようだ。
「まあそうだろうな…だがこれはお前のペットだろ?」
そう言って3人の前に出した掌を上に向けると、空中に人魂のごとく夜道を照らす炎が浮き出た。
『走馬灯』
僕の見た記憶を映像にして映し出す炎。
その炎は僕が>>112で見た、男を掴んで飛ぶ大鷲の光景を映し出す。
それは画面外から飛んできた光線で爆破した大鷲の最期から、
空から落とされて>>120で最期を迎えた、掴まれていた男の最期まできっちり映し終えると、炎は消えていった。
「お前は何の為にこいつを生み出した?」
それが能力によって作られた存在でも、操られた存在でも、その時点でこの鷲はこの少年の所有物と化している。
なら僕はそれを生み出したものと断定する。
だが、同じように異能者の一時的な目的の為だけに生み出された僕は、この存在についていろいろ思うところがあった。
「この男を殺す為か?」
再び先程のように掌の上に炎を出す。そこにはグロテスクに潰れて死んでいる男の顔がアップで映された。
【闇の不死鳥:『走馬灯』で虹色優の出した鷲と、掴んでいった男の末路を見せる】
-
>>208
「"作品"…か。その言い草はこいつが自分の意思を持たない生命体とでも言いたいのか?」
僕は再び『走馬灯』を浮かばせ、先の回想を映し出す。
「だがそれならやはりお前にも責任はある。この鷲を撃ち落とした者も、捕まっていた男を助ける為に鷲を攻撃したのかもしれない。
ちゃんと殺さないように作られた作品であれば、襲撃を受けて苦痛を感じて急に離したりせずに落下していき、
そう高い所から男を落とす事なく、殺さずに遠ざける役目を担えただろう。
それができなかったのは、この"作品"を作ったお前にも責任がある。そうは思わないか?」
『走馬灯』は僕の言う事に合わせて鷲をアップで映したり、光線を受ける場面を映したりと場面が切り替わる。
「『誰かが途中で無理に落としたりしない限り、その男が死ぬことはなかった』?
ではお前はその男の命を助けるつもりがあったと言うのか?
何を思ってこれを"作った"?絶対にこの男を殺さないように運ぶ為にこの鳥を作ったのか?
猛禽類の鍵爪が1つの尊い命を運ぶものとして本当に安全と思ったのか?」
『走馬灯』は、炎の中に鷲の最期と男の最期を何度も映す。
「お前はこうして男が死ぬ事を期待してこの"作品"に運ばせた。違うか?」
【闇の不死鳥:殺意を否定する虹色優に、男に対する殺意を持っていたと指摘】
-
>>209
「魔水晶が完全なものとなるまでまだ時間はある。
どうせなら楽しみは残して置いた方がよかろう。貴様らの命は、明日まで預けておく」
「どうやら我々のアジトに招待される資格が貴様らにはあるようだ。
決着はそこでつける。それまでに精々体力を蓄えておくことだな。
……そうだ、名前を聞いておこうか」
まず不知哉川に視線が向けられ、彼が嫌そうに名乗る。
つぎにこちらに視線が向いた。
「アリス・フェルナンテ。…名乗ったのは貴様で二人目だ」
「アリス……か。覚えておこう」
相変わらずの機械的な声でそう言い、沙鈴は文字通り姿を消した。
「まだ聞きたいことがあったのだが…、まぁ明日で良いか」
沙鈴がいなくなり、不知哉川に目を向ける。
「さて、貴様にも聞きたいことがあると言ったのを憶えているな?
では答えてもらうぞ。何故化身の娘を狙った?貴様らも化身の力が目当てか?
だとすれば――」
そこまで言いかけたところで、頭の中に声が聞こえてきた。
――大変だ…!優達が能力者と接触している…!――
「そんなに慌ててどうした?あの男子(おのこ)らも能力者だろう?」
――…ダークフェニックスだ。奴が優達に接触しているんだ…!――
「ふむ、そうか。あの程度では死なんと思っていたが…。
しかしよくよく縁のある男よな。で、我にどうしろと?」
――決まっている…!助けに行くんだ…!お前が行かないのなら自分が行く…!――
「わかったわかった。そんなにいきり立つな。約束は守る。それに貴様が行くより我が行った方が早い。
…おい貴様。少々付き合ってもらうぞ。我はこれから用事を済ませねばならん。
しかし貴様にまだ聞きたいこともある。故に我と一緒に来てもらう。貴様に拒否権はない。
なに、心配するな。今のところ貴様に危害を加えるつもりはない。貴重な情報源だからな」
不知哉川にそう言い放ち、目を閉じてオーラの増幅装置である翼に意識を集中する。
眩い光が体を包み込み、一頭の白銀の獅子が現れた。
――行くぞ。振り落とされるなよ――
呆然としていた不知哉川を咥えて背に乗せ、疾風の如きスピードで走り出した。
【アリス・フェルナンテ:戦闘終了。不知哉川と共に虹色兄弟の所へ向かう】
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えー>>211なんですが、一応補足しておきますと『楽園の守護者』はアリス自身が変身したものであって、
具現化させたわけではないのでそのつもりでお願いします。
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