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二つ名を持つ異能者になって戦うスレ避難所5
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ダークフェニックスとの闘いの後、不知哉川と海部ヶ崎は徒歩で数キロの道のりを移動し、
数十分という時間をかけてアソナ本拠地近くの南地区郊外まで辿り着いていた。
しかし、視界の先にアソナ本拠地をうっすらとらえ始めた頃になって、
二人はこれまで警戒に動かしていた足をピタリと止めた。
眼前に、この世の物とは思えない“異形”が、行く手を阻むように蠢いていたからだ。
「こらまた気味の悪いモンを……」
不知哉川は目の前の光景に呆然とするしかなかった。
人間の形をしているが人間ではない──
寄生とも呻き声ともつかぬ声を発しながら光のない眼差しでただ動く物に反応する、
さながら亡者と化した化物達が人々を襲っているのだ。
「キサちゃん、あれなんだかわかる?」
「……服装から見てカノッサの戦闘員ですね。しかし様子がおかしい。
あれではまるで……」
ピピピ!
ふと不知哉川のスキャナーが鳴る。
見れば、レンズに表示された周囲の生命反応が次々と消えていっている。
知っての通りスキャナーはオーラを持つ者にしか反応しない機械だ。
つまり、異形に襲われているのは異能者ということだが、そうなると一つの疑問が沸く。
「……でも、よりにもよって何でこんなとこに集まってたんやろか?
異能者同士集まって井戸端会議でもしとったんか?」
「それにしたって数は10や20は下りませんよ。まるで何かに誘き出されたような……」
「誘き出された…………あっ」
二人は顔を見合わせた。
つい十数分前、突如脳裏に浮かんだ“光の球”──
その瞬間、何とも言いようのない感覚に襲われ、
自然とこの場に急行しなければという衝動に駆られたことを二人は思い出したのだ。
「そうや……ここへ来たのは自分中では無間刀を取り戻す為と思っとったけど……」
「そもそも我々が初め向かっていたのはこことは別方向の北地区。
それがいつの間にかここへ……
まるで虫が光に吸い寄せられるかのように、自然とあの建物に向かってたんですよ」
「あの光の球……恐らく機関が何らかの力で俺らに送ったメッセージみたいなもんやな。
他の連中も俺達と同じ、無意識の内にそのメッセージに従ってここへ来たんやろ」
「えぇ。そしてあの化物達は、ここに集まった人達を抹殺する為に機関が放ったモノ」
「そうとわかればこんなとこに居る必要なし! とっとと踵返して行こうや!」
「えっ? でも、もしかしたらあの建物にまだ機関の幹部が……」
「仮に居るのが四天王だったら返り討ちに遭うのが関の山やろ。今のキサちゃんと俺だけで勝てると思う?」
「うっ……」
「な? ほな、わかったらさっさとこんな物騒なところから離れよ──」
「──ッ!! 霊仙さん、危ない!!」
「へ?」
突然、海部ヶ崎が腰に刺した刀を抜きながら不知哉川の真上に跳んだ。
そして彼女は不知哉川の高等部をかすめる形で刃を一閃──
次の瞬間、切り離された異形の上半身と下半身が、ゴロリと不知哉川の前を転がった。
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