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二つ名を持つ異能者になって戦うスレ避難所5
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「……!!」
>>164の後、目覚めた阿合の娘は自分のはだけた格好に気づくと、シーツで上半身を覆い隠した。
先程のような心のない殺人兵器ならありえない行動だろう。
「…思ったより早い目覚めだな…毒に愛された女(ポイズネス)。その回復力こそ化身の真の力か」
「……!?お父さん!!」
目覚めた阿合の娘は俺を訝しげに見た後、部屋の中を見回し、うつ伏せに倒れた父親のもとに駆けつけた。
「お父さん!お父さん!!」
「もう死んでるぜ…それより、あまり泣きつくような真似はよしたほうがいいな」
「…あなたに何が――」
そこまで言って阿合の娘は気づいたようだ。泣きついていた父親の身体が溶け出している事に。
ディートハルトに殺された事が原因でも、俺が何か細工をしたのでもない。阿合の娘の涙が溶解液となって、その父親を溶かしていたのだ。
毒に愛された女(ポイズネス)が心を失わず、化身の力を手に入れた代償だろうか?
「――あなたが」
ふと気が付くと娘はこちらをきっと睨んでいた。毒の涙で泣きはらした眼を充血させたその形相は、憎悪と憎しみに彩られていた。
「あなたが殺したんですか?」
「…違うな。俺はその男に火の粉1つ向けてない。この建物のモニタールームに行けば証拠も映っている」
その言葉を聞くと娘は顔を逸らした。
目の前の相手にぶつけられると思っていた憎悪と憎しみを抑えるのに必死な様子が見て取れた。
そして、それとは別に深い悲しみも…
「…そんな父親でもやはり大切か」
阿合昭に良い噂は聞かなかった。
カノッサの裏切り者となる前にも、生まれてくる娘を異能者とする為に母体となった妻を死に至らしめ、
あげくの果てに、異能者として生まれた娘を恐れて捨てた最低な父親という話だった。
そして捨てた娘との初めての再開の理由が、その娘を殺人兵器にする為だ。
もし俺の両親がそんな人間で、俺の目の前に現れたら俺はどうするだろう?
この娘のように、親をかけがえのない存在として受け入れるだろうか?
…
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