レス数が1スレッドの最大レス数(1000件)を超えています。残念ながら投稿することができません。
二つ名を持つ異能者になって戦うスレ避難所5
-
「……」
海部ヶ崎は僕を不思議そうな目で見ていた。2人を助けたのがそれほど意外だったのか…
いや、この街に来てからの表立った父様の行動からすれば無理もないか。
「……あ…」
「ありがとうおにーさん。あの…これ」
何か言いかけた海部ヶ崎を遮るような明るい笑顔と声で、少女が僕に礼の言葉を言う。
そして礼のプレゼントのつもりか、自分の髪に付けていたリボンを僕に渡す。
「…せっかくだから家まで送ってやろう」
「!?」
僕の言動に驚きを隠せなかったのはやはり海部ヶ崎だった。
「な…何を企んで…」
「そうですね。こんな夜道に1人で帰すのは危険ですしね」
阿合は特に疑念も感じず僕の意見に賛同する。
阿合にとっての僕の印象…正確には父様の印象は、自分を助けてくれた人以外になく、好意的なものしかない。
「……あの、ごめんなさい」
「ん?」
気が付くと少女の笑顔は曇らせて俯いていた。
「私…家がわからなくて…」
迷子――この暗がりであの影から必死に逃げていたのなら無理もない。
だが次に少女の発した言葉は、そんな考えに再び"甘さ"を認識させた。
「自分の名前も…わからなくて…」
少女は記憶喪失だった。
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板