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二つ名を持つ異能者になって戦うスレ避難所5

489 ◆ICEMANvW8c:2010/08/24(火) 03:47:49
逃げ惑う人々──氷室 霞美──ダークフェニックス──黒部 夕護──阿合 哀──
アソナ──人工化身──魔水晶──無間刀──幾億の白刃──そして雲水 凶介──
浮かんでは消えてゆく光景に人々の顔、木霊する声──
これらはディートハルトが今日一日で見たものであり聞いたものである。
映像の再生が始まってから三十秒──ここに至って不知哉川は初めて事の全貌を把握した。
と同時に脳は処理を追え、不知哉川はハッと意識を取り戻した。

「……そうか、そういうことやったんか……」
「どうでした?」
「あのゾンビを操ってたのはカノッサ四天王の一人やったんや。だから色々わかったで。
 あいつらが何故無間刀を奪ったのか、そしてどこに無間刀があるのか全部な……」

こうして不知哉川は事のあらましを語り始めた──。
現代に現れた化身はアソナによって人工的に創られた存在であること──
その人工化身が海部ヶ崎が公園で出会ったあの少女であること──
カノッサが無間刀を使って魔水晶を作り出したこと──
そして、雲水 凶介という男の企みのことを──。

「……あの無間刀にそんな秘密が……知りませんでしたよ」
「そらそうやろ。俺だって知らん事やったんやから」
タバコの煙をふぅーと吐き出し、意外な顔をする海部ヶ崎を見つめる不知哉川。
しんみりとした顔はしているが、その不知哉川でさえ、自分で言いながら驚きの連続であった。
それだけカノッサの企みは二人の想像の上を行く途方も無いものだったのだ。

「まさか本気で全世界の支配を企んでたとはなぁ……。
 しかもそれが夢物語と言えんところが何とも……」
「魔水晶……でしたっけ?
 ……話を聞く限り、確かにその雲水という男なら悪用できるかもしれませんね。
 でも魔水晶が完成するには24時間かかるということですから、その間に何とかできれば……」
「ゾンビを30体も操作しておきながら屁でもないような顔をしとったディートハルトっちゅー男や、
 キサちゃんが闘った氷室っちゅー女の実力の上を行くような男みたいやったで?」
「しかし、このまま放っておくわけには……
 無間刀だって取り返さないと、またいつ悪用されるかわかりませんよ?」
「そうなんやけどなぁ……その無間刀を持ってんのが雲水やねん……。
 正直、それこそ化身がいなきゃ対抗できんやろうなぁ……」
「化身……ですか……」

ふと海部ヶ崎の顔がアソナの建物へ向けられる。
それにつられるように不知哉川もその顔を建物へ向けた。

「? どうしたん?」
「人工化身になったあの少女……阿合 哀さん、でしたっけ?
 確か重傷ではあるもののまだ死んではいないということですが」
「あぁ、瀕死で時間の問題っちゅーことみたいやけどな。まだ生きてるんちゃう?」
「瀕死なら霊仙なら治せますよね? 彼女に会って話を聞いてみませんか?」
「そないなことしてどうするん? 彼女はもう化身の力はないんやで?」
「でも、会って話せば、何かわかるかもしれませんよ?
 このままじっとしてたって事態は好転しないんですから。とにかく何か行動を起こさないと。
 それに……知らない人でもありませんから、このまま見殺しにすることはできません」
「……キサちゃんに頼まれたら嫌とは言えんわな……。よし! 行ってみよか!」
「はい!」

話が纏まった二人は急いで建物へ向けて駆け出した。
中にかつて出合ったダークフェニックスがいることも、
そして数百メートル後ろから、不気味な影が迫っていたことにも気付かずに……。

【不知哉川&海部ヶ崎:ゾンビ9匹を倒しアソナ本拠地へ。鳴神の存在にはまだ気がついていない】
【ゾンビ:15匹が戦闘不能。残り半分は建物外の街で他の異能者と戦闘中】
【???:アソナ本拠地に向けて接近中】




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