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二つ名を持つ異能者になって戦うスレ避難所5
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「げげっ! あそこに居るのダークフェニックスっちゅー奴やないか!」
角を曲がり、二つの反応の正体を視認した不知哉川は、見るからに嫌そうな顔をした。
それもそのはず、二つの内の一つは先程二人が乗ったキャンピングカーを破壊したあの男だったのだ。
「人がせーっかくいい話を持ちかけてやったのに、それも聞かんと攻撃しやがって……。
お陰であの車(レンタカー)は俺が弁償するハメになったんやで?
このせちがらい世の中、俺の薄給だけでどうやって返せばええねん!」
「霊仙さん、私に向かって言わないで下さい」
「……しゃーないやん。面と向かって言える相手やないんやし……」
先程までの強気を打ち消すような不知哉川の情けない言葉に、海部ヶ崎は「ふぅ」と溜息をついた。
(やはりここに残っていたのは機関の構成員……。でも、あの人は……?)
海部ヶ崎が視線を向けたのはダークフェニックスと対峙する一人の男。
状況から見ればダークフェニックスと闘おうとしているのは彼だが、一体何者なのだろうか?
「あの男……何者だと思います?」
「男……? あれ、女やないの?」
「女性にも見えますけど……雰囲気でてっきり男だと……」
「確かに中世的な顔やけどな、女独特の甘酸っぱーいニオイがすんねん。あら女や」
「は……はぁ……」
いつになく真顔でそう断言する不知哉川。
ニオイで判るなど、海部ヶ崎にはまるで理解できない境地ではあるが、
こういう事に関しては不知哉川の方が一枚上手であることは知っているので、
海部ヶ崎は首を捻りながらも納得するしかなかった。
「機関の構成員と闘おうとしてるってことは今回の一件に巻き込まれた側なんやろうけど、
ここに居るってことはあのゾンビ達を倒してきたってことやろ? 敵に回ったら厄介やで……」
「……そういえば霊仙さん、反応三つあると言ってましたね? 後一つはどこに?」
「この通路の先や。角を曲がったすぐのところに『医務室』があるんやけど、多分、その部屋や」
海部ヶ崎は不知哉川が顎をしゃくった先を見る。
ダークフェニックスの後方数メートルその場所には、確かに分かれ道のない曲がり角があった。
「その部屋に……何者ですかね?」
「気になるのはその反応が他二つに比べて極めて小さいって点やな。もしかしたら死に掛けとるのかも」
「死に掛け──それって──」
「阿合 哀。そう考えるのが一番自然やろ。あの部屋は雲水に刺された通路のまん前やしな」
「ならば直ぐに──」
と、海部ヶ崎が足を一歩踏み出したその時、
強烈な殺気が彼女の行く手を阻むように立ち塞がった。
「さて…貴様に話を持ちかけても無駄だということは良く分かった。だがこちらにも目的がある。貴様を殺してでもあの娘に会わせて貰うぞ。
>>174後ろにいる貴様らも同じだ。――邪魔立てするなら容赦はしない」
殺気を叩きつけたのは二人に背を向けた形でダークフェニックスと対峙するあの女──
「クッ──」
「キサちゃん、今はこらえるんや」
必死に抗おうとする彼女の肩に手を置き一端下がらせる不知哉川。
「しかし──うっ」
振り返った海部ヶ崎は、対峙する二人を冷静な目で見据える彼に、言葉を続けることができなかった。
「チャンスは直ぐに来る。それを待つんや」
その言葉には確かな説得力があった。
少なくとも、冷静さを欠いていた彼女よりは、彼の言葉に従った方が得策であるのは間違いない。
それを即自覚した海部ヶ崎は素直にコクンと頷き、彼と同じように静かに二人を見据えた。
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