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二つ名を持つ異能者になって戦うスレ避難所5

477ダーさん ◆zh66lkQmK2:2010/08/16(月) 22:42:23
俺は再び先程の部屋に戻る。
瀕死の状態、それでも確かにスキャナーが生存を示すその異能者のもとに。
人工化身となる為に生み出され、死にかけている哀れな娘のもとに。
俺は意識を失っているその娘の衣服を、無間刀に刺されて裂けていた胸元から引き裂く。

「起きろ…始祖の血が水晶化して抜けた事で、"貴様"の人格は戻っているはずだ」

そしてあらわになったその胸の先に、感情の火の粉を落とす。
俺が炎で回復できるのは自分だけだ。他人の命を簡単に奪ってきた俺に、他人を救う力は生まれない。
俺のオーラは感情に強く影響される。心から自分が生き残りたい気持ちになれても、他人を救う気持ちになんて絶対になれない。
だから俺のこの娘に対して生み出せる感情は…性欲、死なすのはもったいないといった感情。
この火の粉はこの娘を殺す為の技ではなく、熱くさせる…もとい苦痛で意識を戻させる荒技。

「――ッガハァ!!」

娘、阿合哀は苦痛に顔を歪ませながら意識を取り戻す。
すぐにまた意識を失いそうだが、俺はすかさず先程手に入れていた血の小瓶を取り出し、その胸の傷口に血を一滴垂らす。

「――ッウアアアァァァ!!!」

傷口は毒が入り込んだかのように、ぶくぶくと血の泡を立てている。
その様子を見て、俺はこの血が始祖の血であった事を確信した。

「意識を保っていろ…貴様が化身に人格を支配されたのは、おそらく貴様が眠った状態で血を取り入れた事が原因だ。
 力を我が物としたければ痛みに耐えろ。死にたくなければ生を実感しろ」

他の者ならば一瞬で塵になって苦痛を感じる事もなく死に至る。
だがこの娘の身体はそれを許さない。
そして意識を失う事は俺が許さない。娘が気を失いかける度に、一滴ずつ傷口に血を垂らす。
その度に建物内に絶叫が響き渡った。

【ダークフェニックス:阿合哀に始祖の血を取り入れる】




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