ロイター
インドネシアで19日、来年2月に実施される大統領選の立候補の届け出が始まり、本格的な選挙戦の幕が開けた。写真は候補のプラボウォ国防相(左)。(2023年 ロイター/ in this photo taken by Antara Foto. Antara Foto/M Risyal Hidayat/ via REUTERS)
① 民進党:
民進党の蕭美琴氏は米台関係の強化、台湾の国際プレゼンスの上昇など外交面での寄与があり、女性であることと合わせて頼氏を補うプラス効果がある。さらに蕭氏は蔡英文総統が心を許せる盟友で、党内にある蔡英文派と頼清徳派の橋渡しの効果もある。現時点で民進党最強の副総統候補といえる。
② 国民党:
国民党が趙少康氏を指名したのは党内の支持固めが狙いだ。李登輝時代に活躍した趙氏が若者にアピールするのは難しく、男同士のペアでは女性票の開拓も難しいだろう。しかし、趙氏は「深藍」と呼ばれる中華民国イデオロギーの強い国民党のコア支持者に人気がある。実際、国民党内で「戦闘藍」と呼ばれるタカ派グループを率いている。本省人で国民党本土派の系譜に連なる侯友宜氏は、外省人の系譜に連なる深藍の支持が十分得られずここまで苦労してきた。
過半数を得なければならない1対1の選挙戦であれば、支持層が限られる趙氏の指名は負け戦につながる。ただ、40%(極端な場合は34%)得票できれば勝てる可能性がある3人の争いの場合は陣営を固めることは鉄則だ。ほかの狙いを捨ててでもそれを趙氏に託したのは国民党の戦略として悪くない。さらに趙氏は論戦に強く、必ずしも弁舌が得意ではない侯氏を補う効果もある。こうした条件を満たす「副」の候補としては前回の総統選で出馬した韓国瑜氏がおそらく最適だが、韓氏は立法委員選挙の比例区1位候補に回ったので、趙氏の出番となったのだろう。国民党は趙氏と韓氏の相乗効果で陣営を固め攻勢に出ることを狙っている。
③ 民衆党:
民衆党の副総統候補の条件として、柯文哲氏は以前から「女性、専門性、経済界」という条件を挙げていた。女性で企業の経営管理の専門家である呉欣盈氏はその条件に合致し、柯氏を補う効果がある。呉氏は台湾の大きな企業グループ「新光集団」を率いる呉東進氏の娘でグループ企業での経験は豊富だ。ただ、民衆党の比例区の立法委員を務めるが、繰り上げで就任したのが昨年なので知名度は高いとはいえない。