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大中華世界的話題(その3)

2729OS5:2023/10/04(水) 10:32:16
インドネシア政府の誤算は経費の膨張
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 いろいろな紆余曲折の中で最大の問題は、工期の遅れや資材の高騰により予算が不足する事態に陥ったことである。当初の計画では総工費55億ドルと見積もられていたが、最終的には72億ドルにまで膨れ上がった。

 その結果、入札時にはインドネシア政府に対して経費負担を求めないこととなっていたはずが、中国側の相次ぐ増資でも追いつかず、とうとうインドネシア政府に国庫負担を求めることになってしまったのだ。

 自らの懐が痛まない受注条件に内心喜んでいたとされるジョコ・ウィドド大統領や中国支持派の閣僚らは不満を露わにしたが、建設途中の高速鉄道をあきらめる訳にもいかず、泣く泣く国庫からの支出を決めたのだった。

 こうした経緯を踏まえ、ジョコ・ウィドド大統領は2日の開業式でこう述べた。

 「新たな試みを導入する際には想定もしなかったことが起きるものだ。高速鉄道は結局高くついたが貴重な経験となった。こうした経験を将来の人材育成に生かす必要がある」

 やはりジョコ・ウィドド大統領自身も国庫負担に踏み切らざるを得なかったことに特別な感情を抱いているのだろう。

 ある試算では、ジャカルタ〜バンドン間には在来線があることなどから将来の需要を見通すことが難しく、「ウーシュ」が利益を出すまでには最低40年かかるとさえ言われている。

 果たして中国側の計画の中に、適正な料金設定で早期に利益を計上できる経営体制への展望があったのだろうかと、疑いたくもなる。「建設すればいい、開業できればいい、走ればいい」という安易な中国案に乗った責任はジョコ・ウィドド政権にあるといえるだろう。

中国依存から脱却できない印尼政府
Gettyimages

 インドネシア政府は2022年、バリ島で開催した国際会議に出席した習近平国家主席をジャカルタに招きジョコ・ウィドド大統領と高速鉄道の一部区間での試乗を試みたが、結局、習近平国家主席の都合などでバリ島からのオンライン視察に終わった。

 今年9月、東南アジア諸国連合(ASEAN)関連会議でインドネシアを訪れた李克強首相が親中国派のルフト・パンジャイタン調整相と共に高速鉄道に試乗して、ようやく中国VIPの試乗が実現した。

 さらにジョコ・ウィドド大統領は近く習近平国家主席を招待して試乗を求めることを明らかにしている。来年2月の大統領選挙で引退が迫るジョコ大統領だけに、何としても習近平国家主席と試乗を早期に実現することを期しているされる。

 インドネシア政府はバンドンからさらにジャワ島北部を東ジャワ州の州都スラバヤまで走る在来線と接続することを計画し、北部在来線の改良計画の事前調査を担当している日本に参加を打診したという。

 ところが日本側は高速鉄道と在来線では線路の幅が異なることや、中国側の高速鉄道と日本側の在来線では運行管理の思想が異なることなど、純粋に技術的な理由で断ったとされる。しかし実際には、高速鉄道の入札の際のインドネシア側の対応の二の舞は避けたいとの感情が根底にはあったはずだ。

 日本の協力が得らえなかったインドネシアは、バンドンからの北部在来線への接続計画を中国に打診するものとみられており、インドネシア政府の中国依存は今後も続くことが濃厚となっている。

 ・・・・・

 さらに連載記事『ベトナム「南北高速鉄道」計画で日本に支援要請の背景…インドネシアの轍を踏まないために』では、いま起きている“もうひとつの異変”について、詳しく伝えています。

大塚 智彦(PanAsiaNews記者)


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