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第47回衆議院議員総選挙(任期満了2016年)スレ

2766チバQ:2014/12/17(水) 20:38:17
http://news.nicovideo.jp/watch/nw1368387

「バカな女は使うな!」池上彰起用で選挙特番独り勝ちのテレビ東京、その秘訣とは――
日刊サイゾー
2014年12月17日(水)9時00分配信
15コメント
『知らないと恥をかく世界の大問題5どうする世界のリーダー?〜新たな東西冷戦〜』(角川SSC新書)
『知らないと恥をかく世界の大問題5どうする世界のリーダー?〜新たな東西冷戦〜』(角川SSC新書)
日刊サイゾー
 第47回衆議院選挙は予想通り、与党の圧勝に終わった。激しい戦いを繰り広げたのはテレビ各局も同じ。その中で地力の高さをまざまざと見せつけたのが、ご存じ、ジャーナリスト・池上彰を擁するテレビ東京だった。

 同局は『池上彰の総選挙ライブ』を放送。午後7時50分〜午後10時までの第1部が11.6%、午後10時から午後11時54分の第2部で8.5%を記録し、番組平均視聴10.1%を叩き出した(視聴率はビデオリサーチ調べ、関東地区)。

 これは、NHKを除く民放では第1位の数字だ。まさに“池上無双”と呼ぶにふさわしいが、舞台裏では“作り手”の涙ぐましい努力もあった。番組関係者が明かす。

「なぜ池上さんが、民放キー局よりギャラが安いテレ東の番組を引き受けるか? それは作り手の“熱”です。池上さんはギャラや制作費よりも、作り手が『この番組で何を視聴者に訴えたいか?』を、すごく大事にする。中途半端な企画書をよこせば、すぐに突き返されます。そんな池上さんとの激しいやりとりを何度も行ってきたからこそ、『選挙特番はテレ東』という信頼関係が生まれた」

 出演者についても、こだわりがあるという。今回は峰竜太や春香クリスティーン、佐野ひなこらが出演したが「政治に関心のある人、ない人。熟年世代、若者世代、とにかく幅広い年代のゲストを呼ぶ傾向にあります。佐野さんなんか、とても政治に興味があるとは思えませんが、今年20歳を迎え、選挙権を得たということで起用された」(芸能誌記者)。

 キャスティングには、池上の“好き嫌い”も反映される。

「池上さんは、バカな女が大嫌い。トークが長かったり、ピントのズレた答えをする人のことはあとで『あの子はイマイチ』とスタッフにはっきり言う。これまで高評価だったのは元AKB48の大島優子さんくらいですかね。彼女のことは『頭の回転が早い』とベタボメしていました」(前出番組関係者)

 今後も、妥協なき“池上無双”は続きそうだ。

2767チバQ:2014/12/17(水) 20:42:28
小泉ドラゴンは?
http://senkyo.mainichi.jp/news/20141217ddm005010123000c.html
衆院選:無所属2氏、自民苦悩 入党に壁、県連とのしこり残る
毎日新聞 2014年12月17日 東京朝刊

 衆院選に無所属で出馬した保守系当選者2人の自民党入党問題が浮上している。2人とも当選前から同党二階派の「特別会員」だが、いずれも地元県連との間にしこりを残しており、党執行部は頭を悩ませている。

 山梨2区では、長崎幸太郎氏が自民公認の堀内詔子氏(比例代表で復活当選)に競り勝った。堀内氏は2005年の「郵政選挙」で郵政民営化に反対し離党した堀内光雄元自民党総務会長の義理の娘にあたり、長崎氏は郵政選挙で光雄氏への「刺客」として自民公認で立候補した経緯がある。今回衆院選は、9年越しの遺恨を引きずった選挙戦となった。

 谷垣禎一幹事長は14日の記者会見で「郵政選挙の亀裂をどうしていくかは大きな問題だが、公認候補を立てて戦ったというのは重い事実だ」と述べ、長崎氏の早期入党に慎重姿勢を見せた。

 兵庫12区で当選した山口壮元副外相は、昨年末に民主党に離党届を提出し、その後、除籍処分を受けている。自民党兵庫県連は今回衆院選で別の新人候補の公認を党本部に申請したが認められなかった。民主党出身の山口氏と県連との関係構築は容易ではない。

 二階派の二階俊博総務会長は2人の自民党入りを希望しているが、党幹部は「しばらく環境整備が必要だ」と語り、早期の自民党入りに否定的な見方を示す。【影山哲也】

2768チバQ:2014/12/17(水) 21:25:13
朝日らしい記事だなあ
http://www.asahi.com/articles/ASGDJ4DJLGDJUEHF00J.html
当選者の「託され度」は 衆院選、得票数の割合を地図化
古田大輔、佐藤義晴2014年12月17日05時31分

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写真・図版
全国「託され度」マップの画面

 今回の衆院選で、小選挙区の当選者はどれほどの有権者から1票を託されたのか。朝日新聞デジタルでは有権者数に占める得票数の割合(絶対得票率)を算出し、「託され度」と名付けて全国295選挙区分を日本地図に示した。小選挙区の投票率が52・66%と戦後最低を更新し、「託され度」の平均は26・91%。21人が10%台だった。

 デジタル版・全国「託され度」マップでは、選挙区ごとに投票率、有効投票数に占める当選者の得票数の割合(得票率)と絶対得票率を掲載した。得票率の平均は52・96%だった。

 「託され度」トップは共産候補と一騎打ちだった小泉進次郎氏(自民・神奈川11区)の43・96%。竹下亘氏(自民・島根2区)、二階俊博氏(同・和歌山3区)、城内実氏(同・静岡7区)も40%を超えた。

 一方、最も低かったのは、5人との争いを制した井上貴博氏(無所属から自民追加公認・福岡1区)の14・64%。同区は2012年の前回衆院選では5人が争い、「託され度」は24・27%だった。次いで佐田玄一郎氏(自民・群馬1区)16・17%、宮崎謙介氏(同・京都3区)17・28%、工藤彰三氏(同・愛知4区)17・92%、丸山穂高氏(維新・大阪19区)18・38%など。これらの選挙区は4人の争いだった。(古田大輔、佐藤義晴)

2769チバQ:2014/12/17(水) 21:47:06
http://www.at-s.com/news/detail/1174150888.html
<静岡3・6区>激戦舞台、次は国会 4氏、一夜明け
(2014/12/15 14:29)
 衆院選の投開票から一夜明けた15日、激戦を繰り広げた静岡3区と6区の当選者は街頭に立つなど、選挙戦を通して訴えた政策の実現に向けて決意を新たにした。

■3区
 2期目の当選を果たした自民党の宮沢博行氏(39)は午前7時前からJR磐田駅南口に立ち、「地方、ふるさとを元気にしていく」と声を上げた。厳しかった選挙戦の余韻もあってか、表情は終始硬かったが、通勤客から「おめでとう」と声を掛けられるとほおを緩めた。10万票以上の有権者の負託を重く受け止め、「与党の一員としての責任を果たす」と言葉に力を込めた。
 同じ時刻、反対側のJR磐田駅北口では比例で復活当選した民主党の小山展弘氏(38)がマイクを握り、生活者目線でアベノミクスを問う姿勢をあらためて強調した。「新人議員としてスタートする気持ち。ぶれずに地道に頑張りたい」と表情は晴れやか。復帰する国政の舞台への意欲をみなぎらせた。

■6区
 小選挙区を7回連続で制した民主の渡辺周氏(53)は午前10時ごろ、沼津市寿町の事務所に寄り、支援者やスタッフの労をねぎらうと、「野党がどうやって巨大勢力に向かっていくか。党でしっかり議論していかないといけない」と述べた。事務所に飾っていた陣営幹部の遺影に当選を報告し、親族に感謝の気持ちを伝えた。
 前回選と同様に比例復活当選した自民の勝俣孝明氏(38)は午前7時10分ごろに沼津市のJR沼津駅南口に姿を見せた。「力不足で小選挙区では勝てなかった。一から頑張る」と表情を引き締めて2期目のスタートを切った。「経済再生、ふる里再生のために働き、地域の課題解決に取り組んでいきたい」と決意を語った。

2770チバQ:2014/12/17(水) 21:48:35
高知
http://www.kochinews.co.jp/14senkyo/141215senkyo03.htm
【解説】東西型に自民前職盤石

 浮動票が厚く「魔の選挙区」と呼ばれた旧高知1区が消え、都市部と中山間地域の融合型となった新選挙区での戦いは、高知県の東西で固い支持基盤を築いてきた自民前職、中谷元、山本有二両氏の完勝で終わった。一方、またも戦後最低を更新した低投票率は、県内の「受け皿なき戦い」の深刻化を物語る。

 中谷、山本両氏は、苦戦した2009年衆院選から野党時代にかけ、より強化してきた支持基盤が「東西型」の下で絶対有利の「財産」として機能。選挙区1減自体が高知県の人口減と深刻な疲弊を示す中、地方創生の具体化に向け、与党内で一定の存在感を持つ両氏への期待も集票の要因になっただろう。

 福井照氏の比例四国転出で、自民党高知県連の懸案となった公明党との関係については、来春の高知県議選に向けて地域事情を優先。大きな「溝」は回避したが、公明側の受け止め方は今後の各種選挙への対応で測られる。

 民主2氏は惨敗。稚拙な政権運営で失った党への信頼回復が道半ばで、「受け皿」になり得ていない実態をさらけ出した。高知県連の課題であり続ける地域基盤の構築には、選挙区の「顔」を一定固定した地道な支持拡大も検討すべきだろう。

 比例四国議席の11年ぶり奪還を前面に出した共産は、全国的な躍進を受けて高知県内票も積み上げたが、悲願達成はならなかった。

 高知新聞の高知県民世論調査では安倍政権の経済、安全保障政策などへの否定的な見方が5割を超えた。大勝も、政権への「白紙委任」ではないことを反映している。「説明不足、誤解もある」(自民高知県連幹部)とすれば、国民への説明責任を果たす政権運営を求めたい。

 民意と乖離(かいり)した政治には鉄ついが下るとの緊張感がなければ、民主主義は機能しない。県内の「受け皿」づくりに向け、野党側の自覚も問われる。

2771チバQ:2014/12/17(水) 21:51:19
青森
http://www.toonippo.co.jp/news_too/nto2014/20141215103410.asp
2014年12月15日(月) 東奥日報 ニュース

■ [1区分析]津島氏、県連支援が奏功 升田氏、初の6万票台

写真
青森市民体育館で行われた衆院選の開票作業=14日午後9時15分

 自民党県連から集中的に支援を受けた前職の津島淳氏が、非自民勢力の受け皿となった維新の党新人・升田世喜男氏の追い上げをかわし、再選を果たした。衆院議員を11期務めた父・雄二氏から引き継いだ後援会も固め、組織力で上回った。

 津島氏支援に回る首長や自治体議員の数は他候補を圧倒したが、議会シーズンと重なったこともあり、動きは必ずしも活発ではなかった。前回衆院選から2年間の地元での活動量の少なさを心配する向きもあり、自民党県連はてこ入れを図った。県連から応援要請を受けた三村申吾知事も繰り返し応援演説に立った。

 さらに陣営は低投票率を見越して、後援会名簿に名を連ねる企業・団体にきめ細かく足を運び、1人でも多くの有権者と確実に顔を合わせ、握手を重ねる戦術を徹底。結果として浮動票獲得にもつながった。「選挙区は津島」を訴えた公明党の集票力も下支えした。

 この秋の米価大幅下落や「アベノミクス」に対する批判も致命傷にはならなかった。津島氏は「青森に身をささげる」「私は自民党を押しつけない」など地元の視点を大事にし、政策によっては政権の方針にも声を上げる意思があることを強調。有権者との距離を縮めることに成功した。

 4度目の衆院選挑戦の升田氏は、これまでで最も多い6万票台に乗せたが、選挙区ではわずかに及ばなかった。公示直前に民主党県連、社民党県連との野党3党連携に合意。「事実上の野党統一候補」(同氏)となり、野党候補の乱立による非自民票の分散を回避したことで、初勝利を視界に入れた。選挙戦でも3党の支持層には一定程度浸透した。

 課題だった無党派層に対しても、青森市を最重点地区と位置付け、街頭演説やあいさつ回りに時間を割くなどして食い込んだ。ただ陣営が期待するほど強い風は吹かず、結局は自民党との組織力の違いを見せつけられた。

 共産党新人の吉俣洋氏は、10月の青森市議選で得票数を増やした勢いを生かす狙いだったが、勝敗に絡めなかった。ただ、1区の党候補としては小選挙区で行われた1996年以降の衆院選で最高得票となり、一定の存在感を示した。

2772チバQ:2014/12/17(水) 21:51:55
http://www.toonippo.co.jp/news_too/nto2014/20141215103401.asp
2014年12月15日(月)
[2区分析]江渡氏、組織力で圧倒 中野渡氏、後ろ盾なく埋没




 実績や豊富な経験を誇る自民党前職の江渡聡徳氏が、強固な組織力と現職閣僚としての求心力を生かし、圧勝で6選を果たした。


 防衛相の江渡氏は公務などで選挙区を空けることが多かったが、留守中も選対本部に名を連ねる県議11人が各地域でサポート。党支部や後援会も一丸で票の掘り起こしを図った。区割り変更に伴い3区から2区に編入された五戸町では、前回まで民主党候補を支援した三浦正名町長が応援マイクを握るなど、行く先々で首長らの支援を受け、閣僚としての影響力の大きさを見せつけた。国会で野党の追及を受けた政治資金収支報告書の訂正問題は、大きな逆風にはならなかった。

 維新の党元職の中野渡詔子氏は解散前日に出馬表明。県内他選挙区で野党連携が実現した中、過去に民主党を除籍された中野渡氏は連携の“蚊帳の外”に置かれ、組織の後ろ盾がないまま序盤から苦しい戦いを強いられた。生活や雇用、子育てに関する政策を訴え非自民勢力の受け皿を目指したが、票は伸びなかった。

 共産党新人の小笠原良子氏は原子力関連施設が集中する2区で原発即ゼロを主張したが、支持の広がりは限定的だった。

2773チバQ:2014/12/17(水) 21:52:18
http://www.toonippo.co.jp/news_too/nto2014/20141215103342.asp
[3区分析]大島氏、手堅く11選 田名部氏、草の根及ばず

 11選を目指す自民党前職の大島理森氏と、返り咲きを狙う民主党元職の田名部匡代氏による6度目の事実上の一騎打ちとなった。自民党や後援会を中心とした分厚い組織を誇る大島氏に対し、田名部氏は元参院議員で父・匡省氏時代からの支持者と、若手による草の根運動で対抗。政権与党の重鎮として存在感を示してきた大島氏が手堅い選挙戦を展開し、終盤激しく追い上げた田名部氏をかわした。

 どちらにとっても急な選挙で、五戸町の2区編入という影響もあったが、自民党側は、他県候補の応援などで本人不在の間も参院議員の滝沢求氏のほか、系列の県議、市議が役割分担を徹底。昨年の参院選、八戸市長選と、系列候補の戦いを通じて後援会組織のチェックを怠らず、「常在戦場」を地でいくいつもの戦いぶりを見せた。さらに、公明党支持層の協力もあり、票を積み重ねた。

 大島氏は選挙区内にいる時間は企業回りに加えて、地区公民館など約30カ所で演説会を開き、同氏としては珍しい「つじ街頭演説」もこなすなど、大義なき解散との野党候補からの批判や有権者の疑問に対して「丁寧な説明」を心がけた。ただ、投票率の伸び悩みもあり、得票数は伸びなかった。

 田名部氏陣営は、前回選挙戦に比べて早い立ち上がりだったが、2年間のブランクは予想以上に大きく、後援会組織の隅々まで“血を通わせる”まで時間を要した。系列県議、市議の動きの濃淡など、求心力低下も指摘された。

 一方で、インターネット選挙全面解禁から最初の衆院選で、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・ザービス)の「フェイスブック」を介して集まった若年層のボランティアが活発に動いた。前回、系列を割って出た新人が田名部候補支援に戻ったことや、労組の後押しもあり、終盤勢いを増した。

 共産党新人の松橋三夫氏は「ぶれない野党」を前面に掲げて活動し、比例票積み上げに一定の働きを見せた。

2774チバQ:2014/12/17(水) 21:52:42
http://www.toonippo.co.jp/news_too/nto2014/20141215103332.asp
[4区分析]木村氏、終始優位に 山内氏、連携効果は限定的

 厚い支持基盤を誇る自民党前職の木村太郎氏が、終始優位に戦いを進め他候補を圧倒、7選を果たした。

▼2014年あおもり衆院選の関連記事を見る  

 木村陣営は旧市町村単位に加えて、4区有権者の半数を占める大票田・弘前市でも各小学校地区単位で後援会組織を張り巡らせ、各種集会を各地域で開催。幅広い業界団体の支持も受け、盤石の態勢を敷いた。

 自民党が政権を奪還して以降、各種経済指標が上向いた点をアピール。民主党が、コメの戸別所得補償制度の復活を掲げたのに対し「当時は財源の裏付けもなく、他の農業分野の予算が削られた」と批判。米価下落で与党からの離反の可能性が指摘された農業者票も一定程度取り込んだ。

 民主党新人の山内崇氏は、県議時代からの後援会を中心に連合青森の支援も受けて挑んだが、弱体化した4区内の党組織立て直しには至らなかった。「風が吹かず、凧(たこ)が揚がらない。静かな選挙戦」(齊藤進選対本部長)という中で、安倍政権批判を得票に結びつけられなかった。民主、維新、社民の県内3党の連携も4区内への効果は限定的だった。

 共産党新人の千葉浩規氏は消費税増税反対などを訴えたが、支持は広がらなかった。

2775チバQ:2014/12/17(水) 21:54:46
http://www.kahoku.co.jp/special/spe1150/20141216_19.html
<衆院選>民意は…冬攻防(上)民主の限界/手詰まり感見透かす


落選が確定し、支持者に頭を下げる鎌田氏=14日午後8時40分ごろ、大崎市古川の事務所
 14日投開票された衆院選で、県内6小選挙区は自民党が公示前の5議席を維持し、民主党は再び1議席に沈んだ。党勢を回復できない民主の「限界」、優勢が伝えられた自民の終盤の「失速」。風を読み切れなかった両党の戦いを振り返る。(衆院選取材班)

 「共鳴の幅を広げようとしたが、私の力不足だった」
 14日夜、大崎市古川の事務所。6区の民主党元議員鎌田さゆり(49)は、集まった10人ほどの支持者を前に淡々と振り返った。
 2000年代前半、激戦の2区で当選を2度重ねた。12年の前回、6区から国政復帰を狙ったが、自民党前議員小野寺五典(54)の厚い壁に阻まれた。
 今回は拠点を登米市から、6区に編入された大票田の古川地区に移して再挑戦した。票差は前回の約7万6000から約6万8000へと、やや詰めたが、またも小野寺の返り討ちにあった。

<「不戦敗できない」>
 一度は出馬を固辞した。急転解散を受け、党県連代表安住淳(52)は古川に地縁のある新人起用を狙ったが、不調。「厳しい戦いと分かってはいても不戦敗にはできない」(県連幹部)。公示は迫り、県連は鎌田を説き伏せるしかなかった。
 2区から6区へ。登米から古川へ。腰が定まらない鎌田に、有権者は厳しい審判を下した。
 民主は6区のほか、3、4区に元議員を立てた。待ち受ける自民の牙城は以前にも増して頑強だった。
 進退を懸ける覚悟で臨んだ3区の橋本清仁(43)は、自民前議員西村明宏(54)に完敗を喫した。2人の対決は今回で橋本の1勝4敗に。民主政権下で復興政務官を務めた橋本は「自民、公明の分厚い壁を崩せなかった」とうなだれた。
 落選中も県連の地区支部長の一人として活動した。しかし、師事した元党代表小沢一郎の離党後、分裂した後援会を立て直せなかった。
 選挙戦では無党派層を取り込もうと、大型商業施設前で街頭演説を繰り返した。有権者の関心が低調な中、活動には限界があった。「政策の訴えに間違いはなかった。もう少し時間が欲しかった」。橋本は進退を胸にしまい込んだ。
 兵庫1区から4区に国替えした仙台市出身の元議員井戸正枝(49)は、「落下傘候補」の評判を覆せないまま、自民前議員伊藤信太郎(61)に約3万3000票差で敗れた。
 民主は5区で前議員の安住が7選。1区では前議員の郡和子(57)が比例東北で復活し、自民に一矢を報いた。

<「強運だ」繰り返し>
 仙台市青葉区の事務所で15日未明、郡4選を見届けた党県連幹事長内海太は「強運だ」と繰り返した。勝負強さの一方、風に頼る党の体質そのものを言い当てていた。
 党県連最高顧問の元参院議員岡崎トミ子は指摘する。「風頼みには限界がある。党の政策を理解する人を掘り起こし、足元を固めなければ」
 顔ぶれ、手法、対立軸の示し方。どれを取っても手詰まり感が有権者にはっきり伝わった。(敬称略)

2776チバQ:2014/12/17(水) 21:55:06
http://www.kahoku.co.jp/special/spe1150/20141217_03.html
<衆院選>民意は…冬攻防(下)自民の失速/組織戦 無党派響かず


勝沼氏(左)の個人演説会で支援を求める二階氏(右)=4日、石巻市
 「人気のある党幹部が連日応援に来ても、簡単に勝てる地域ではない」
 15日午前2時、宮城5区の自民党前議員勝沼栄明(40)の事務所。選挙区で落選し、比例東北での未明の復活劇に陣営幹部は額の汗を拭った。惜敗率で、次点との差はわずか0.9ポイントだった。
 勝沼陣営がぶつかったのは、5区で常勝する元財務相の民主党前議員安住淳(52)だった。
 党勢低迷が続く民主党内で「6人衆」に数えられる数少ない実力者。全国で優勢に立った自民は党本部主導で5区に足場のない若手を担ぎ、「党営選挙」で野党の牙城に総攻撃を仕掛けた。
「落下傘」に不信感
 「被災地復興に尽くすため身一つで来た」。公示1週間前、党本部に比例北海道から国替えを命じられた勝沼は繰り返した。一方で、党は首相安倍晋三、官房長官菅義偉ら強力な援軍を次々と送り込んだ。
 「勝沼を復興の先頭に立たせてほしい。(当選すれば)党は皆さんの厚意に応える」。勝沼が所属する派閥の領袖(りょうしゅう)で、党総務会長二階俊博は4日、石巻市内に農協、企業関係者を集め呼び掛けた。
 最終盤の11日には、人気者の復興政務官小泉進次郎が市内のショッピングセンター前で、しわがれ声を振り絞った。
 「勝沼と毎月11日、被災地を歩いている。選挙中でもその思いは変わらない」。与党のてこ入れに、地元は沸いた。
 陣営内では、前回公認した比例東北前議員大久保三代(38)の3万138票を大きく上回るとの見方が大勢を占めた。
 「4万5000票は固い」と強気な見方もあったが、ふたを開ければ4000票を上積みするにとどまった。
 「大久保も、勝沼も地元にゆかりがない」。自民県議の1人は「2回続けて落下傘候補を立てたことに、有権者は不信を抱いた」と分析する。
「伯仲の戦い続く」
 失速したのは地縁のない若手ばかりではない。
 「何かが足りない。俺自身の問題か…」。1区で3選を決めた前議員土井亨(56)は14日夜、仙台市青葉区の事務所でぼそっとつぶやいた。
 陣営は今回も、旧来の支持者を固める組織戦に徹した。解散からの約3週間、郊外を中心に集会を50回近く重ねた。
 ライバルの民主前議員郡和子(57)は、街頭演説で中心部を攻め立てた。土井陣営は「政権運営に失敗した民主に無党派層が向かうはずはない」と見向きもしなかった。
 郡陣営は最終盤、安住や元参院議員岡崎トミ子らを結集し「仙台から民主の火が消える」とあおった。土井は逃げ切ったが、郡の爆発力をまざまざと見せつけられ、3度目の比例復活を許した。
 土井の選対本部長を務めた元県議会議長相沢光哉は言う。「仙台はもともと革新の地盤。伯仲の戦いは今後も続く」
(敬称略)


2014年12月17日水曜日

2777チバQ:2014/12/17(水) 21:56:52
http://www.kahoku.co.jp/special/spe1150/20141216_01.html
<衆院選>薄氷の王国(上)辛勝/「選挙の小沢」形無し


雪が舞う中、支持者と握手する小沢氏。2度にわたる地元入りで支持固めに奔走した=6日午後、花巻市
◎信条の攻め一転、守勢

<地元に入れ>
 「あんたの選挙だ。落ちたら知らないぞ。まず、来てくれ」
 衆院選の火ぶたが切られてすぐ、後援会幹部が生活の党の小沢一郎代表(72)に電話を入れた。自民党の藤原崇氏(31)に追い上げられている情勢を踏まえ、早期の岩手4区入りを促すためだ。
 地元市議の一人は公示された2日、多くの支持者が不満げだったと打ち明ける。小沢氏は党候補の応援で新潟へ。その行動に「何で地元に来ないの。第一声はこっちが筋だ」との声が上がった。
 前回(2012年)、得票を5万も減らし、小沢王国のプライドが揺らいだ。党首といえども、弱小勢力で迎える決戦。高齢化が急速に進む後援会に、かつてない危機感が広がっていた。
 「すっかりご無沙汰してしまい、申し訳ありませんでした」

<カンフル剤>
 6、7日、小沢氏は後援会にせき立てられるように4区に入った。2日間で30カ所の本格遊説は31年ぶり。濃紺のスーツ姿でビールケースに立った。雪が降っても、氷点下の寒さでも防寒着を着ることはなかった。
 地元市議は「あの2日間で本丸の奥州後援会が回転を始めた。さび付いた機械がぎしぎしと動きだすようだった」と、あるじの帰還がカンフル剤になったと証言する。
 「一度は首相をやってほしい」。後援会関係者によると、古くからの支持者の思いはこの一点に尽きるという。
 89年、47歳で自民党幹事長に就くも93年に離党。非自民勢力を結集して自民党から政権を奪った。新進、自由を経て民主党へ。2009年に政権交代の立役者になったが、12年に離党。気が付けば小所帯の党首に落ちぶれた。
 後援会幹部の一人は期間中、多くの有権者から「弱小の野党に何ができるんだ。政権交代なんて無理じゃないか」と告げられたと打ち明ける。

<票逃がすな>
 地元県議は「建設業界がこぞって自民に流れたのがつらかった」。終盤は「知り合いの会社を回り、ある程度引っぱがした」と言う。
 票を伸ばすのではなく、票が逃げないよう身内を固める。攻め上がることが信条だった「選挙の小沢」はいつしか、守勢を強いられていた。
 「日本政治の背骨のような人。1人でも必ずやってくれる」。14日夜、歓喜に沸く事務所で小笠原直敏後援会連合会長(69)は、小沢氏がもう一度、表舞台に立つことに期待を込めた。
 小沢氏は15日、東京・永田町で記者会見し「野党結集はできなかったが、諦めない。受け皿を作らないと、選挙を何回やっても同じ結果になる」と語った。

 【岩手4区開票結果】
当   75,293☆小沢一郎 生前(16)
(比当)57,824☆藤原崇 自前(2)
    24,421 高橋綱記 共新 


2014年12月16日火曜日

2778チバQ:2014/12/17(水) 21:57:14
http://www.kahoku.co.jp/special/spe1150/20141217_01.html
<衆院選>薄氷の王国(下)神経戦/「脱小沢」食い止める


民主党岩手県連の高橋幹事長(左)と握手する小沢氏。かつての仲間の支援も力になった=7日午後5時すぎ、岩手県西和賀町
◎かつての同門が攻防

<遊説に同行>
 生活の党の小沢一郎代表(72)に挑んだ自民党陣営に、かつての小沢側近の顔があった。
 「私は剛腕の元にしばらくおりました。この辺で、岩手に責任ある政治を取り戻さなくてはならないと覚悟を決めました」
 衆院選が公示された2日、岩手4区に立った自民党の藤原崇氏(31)の第一声。元民主党所属で現在は無所属の渡辺幸貫県議がマイクを握った。隣には旧東和町長の小田島峰雄県議。2人は民主時代、自民党と敵対していた小沢軍団の精鋭だ。
 2012年の民主党分裂で小沢氏とたもとを分かち、その後離党。「反小沢」で同調したほかの県議3人と共に藤原陣営の応援に入った。
 迎え撃つ小沢氏にも、民主時代の同志が急きょ駆け付けた。
 「小沢先生には国政で野党結集を果たし、政権交代を実現してもらわなければならない」
 小沢氏が31年ぶりに4区で遊説した6、7日、並んでエールを送ったのは民主党県連幹事長の高橋元・県議。ほぼ張り付いて支持固めに奔走した。「岩手から野党結集を発信できる。心強い応援だ」と小沢氏が頭を下げる場面もあった。

<陣営が要請>
 12年の前回、民主は小沢氏に対抗して独自候補を擁立。2万8000票を獲得した。小沢陣営にとっては貴重な上積み要素だ。
 高橋氏が応援入りを決めたのは公示後。小沢陣営からの要請を受け、野党結集を大義に動いた。
 民主県連内には党を割って出ていった小沢氏へのアレルギーが色濃く残る。民主県連は2区の生活候補には推薦を出したが、小沢氏への対応は「自主支援」にとどめた。
 その間隙(かんげき)を突くように、かつての同志を含む無所属県議団が攻勢を仕掛ける。来年秋の岩手県知事選をにらみ、県政界の「脱小沢」を狙う意図もあった。
 「かつて同じ旗の下に集まった者が自民支援を鮮明にした。何もしないわけにいかなくなった」と高橋氏。かつての同門が、因縁の神経戦を繰り広げた。

<最終盤緩み>
 接戦が伝えられ、藤原陣営には安倍晋三首相、谷垣禎一幹事長らが相次いで応援入り。勢いに乗るかに見えた。
 「首相が来たときが運動量のピーク。比例復活が確実になって緩んだ。選挙下手に助けられた」。小沢後援会幹部は藤原陣営の動きが鈍くなったことを察知し、逃げ切りを確信したという。
 藤原陣営と無所属県議団の動きもかみ合わず、「脱小沢」は広がらなかった。応援した県議の一人は最終盤、小沢陣営の猛烈な巻き返しと選挙巧者ぶりを感じた。
 「企業や団体をだいぶ固められた。『選挙区で落ちたら終わり。最後の1回、どうか当選させてほしい』と繰り返している。小沢に歩き負けた。白旗宣言だ」


2014年12月17日水曜日

2779チバQ:2014/12/17(水) 21:58:57
http://senkyo.mainichi.jp/news/20141216ddlk19010213000c.html
2014衆院選:自民2敗の激震/上 保守分裂、態勢作れず 「知事選不戦敗」県連に不信も /山梨
毎日新聞 2014年12月16日 地方版

 14日投開票された衆院選で、全国で自民・公明両党合わせて3分の2を超える大勝の中、山梨では自民が1区、2区ともに小選挙区の公認候補者が敗れた。選挙戦を通じて「保守王国」に何が起きていたのか。【衆院選取材班】

 「私の責任です。自民党をお願いします。宮川、懸命に努力いたしますのでお許しください」。14日深夜、昭和町西条の会場を貸し切って行われた会場で、1区で民主党の中島克仁氏に敗れた自民の宮川典子氏=比例南関東ブロック=が集まった支持者を前に深々と頭を下げた。

 宮川氏の小選挙区での落選の情勢が伝えられると、支援者から「県連、責任とれよ」と党県連執行部を批判する怒声が上がった。宮川氏が懸命にいさめたが、怒号や拍手が入り乱れた。翌日、県連会長ら党四役は引責辞任に追い込まれた。

 「知事選のごたごたで県民の県連への不信があった」。ある国会議員の有力支援者は吐き捨てるように言った。来年1月の県知事選で、横内正明知事が8月に不出馬を表明し、後継候補を擁立すべく、県連は複数の首長や元官僚らに打診したが相次いで断られた。党本部も介入したが結局、誰も名乗りを上げることなく前民主党衆院議員の後藤斎氏に相乗りする事実上の「不戦敗」が決まった。

 県議会の自民会派は二つに分かれて対立が続く。両会派が一致して支援する態勢が見込めないのを見透かされ、次々と断られたのが実情だ。打診を受けた側の1人は「県連が一枚岩になれないのは目に見えている。あんな神輿には乗れない」と不信感を募らせる。

 実際、県議会の自民系会派の一つ「自民党・県民クラブ」は2区で当選した無所属の長崎幸太郎氏を支援している県議が多い。共同通信が行った衆院選の出口調査によると、2区は自民支持層の3割超が長崎氏に流れていた。

 選挙区の1減に伴い1区で適用された「コスタリカ方式」も影を落とした。今回は宮川氏が選挙区で出馬し、中谷氏が比例単独で出馬。次回は入れ替わる予定だ。本来連携は不可欠だが、中谷陣営の関係者は「前に出すぎると、小選挙区で『中谷』と書かれかねなかった。陣営間の連絡もうまくいかず、選挙を戦う態勢でなかった」と振り返った。

 さらに、与党圧勝の見通しが「緩み」を生じた側面は否めない。各報道機関が行った情勢調査では、宮川氏の先行を伝えるものも多かったため、県連執行部には「1区は大丈夫」と安心感が広がった。一方、2区は激戦とされていたため、執行部の関心が集中。終盤でいずれも接戦が判明すると、党本部の判断で最終日に安倍晋三首相が1区を含めて遊説でてこ入れを図ったが、追いつけなかった。

 2区では自民公認の堀内詔子氏が2回連続で小選挙区で敗れ、比例復活で議席を得ている。「自民党・県民クラブ」所属の県議は「2度も負けたら次は党に公認されないはずだ」と早くもけん制。しかし、この日辞任した執行部は「堀内氏は比例でも当選は当選だ」とかばった。10年にわたる「保守分裂」の決着はまだ見えていない。

2780チバQ:2014/12/17(水) 21:59:39
http://senkyo.mainichi.jp/news/20141217ddlk19010129000c.html
2014衆院選:自民2敗の激震/下 困難な政党間「共闘」 選挙後、政策への立ち位置難しく /山梨
毎日新聞 2014年12月17日 地方版

 14日に投開票された衆院選で、1区は「野党連携」の奏功に加えて2区は公明票が非自民候補に流れたことが自民「2敗」の一因となった。これらは政党間「共闘」の難しさも浮き彫りにした。

 「全ての方の勝利です」。約1000票の小差で競り勝った民主の中島克仁氏は14日深夜、甲斐市の選挙事務所で感極まった。

 2012年の衆院選で多くの選挙区では民主など野党は自民候補を相手に共倒れした。その教訓から候補者調整を進め、1区では公示日前日に維新・小沢鋭仁氏が比例代表近畿ブロックへの転出を表明。公示日に維新の党県総支部が中島氏の支持を表明し、「自民対非自民」の構図が固まった。

 連携によって多様な立場の人が中島氏を支援した。公示直前に解党したみんなの党時代から支える後援会、個人的に接点のある医療、介護関係者、民主、民主の支持母体の連合山梨などが加わり、「初めてみる顔の人ばかりだった」(後援会関係者)という。

 選挙戦は当初、中島氏も、宮川典子氏も、比例転出後の「小沢票」の行方が焦点とみて、両陣営とも取り込みを図った。しかし、宮川氏は2日の出陣式で「選挙のために仲良くなったり、選挙のためにどっかに逃げたり、そういう政治家に信託は絶対、与えられない」と発言。これを小沢氏に対する批判と受け取った維新支持層が反発し、「反自民」に流れが傾いた。

 甲府市では、小沢氏の後援会も活動。電話をかけ、託された法定はがきを出すなど、総力戦の一端を担った。共同通信の出口調査によると、中島氏は維新支持層の6割強、公明支持層の3割強、無党派層の半数を得た。

 維新の小野次郎・県総支部代表代行は2日の維新出陣式で「これ以上、自民を調子に乗らせてはいけない。あらゆるところで野党と連携していく必要がある」と連携の意義を強調した。

 しかし、政党の枠を超えた幅広い連携は、同時に政策に対する立ち位置を難しくした。

 11月末の選挙事務所の開所式で民主系の木村富貴子県議は「首相は日本を戦争のできる国にしようとしており、不安だ。中島さんには私たちの気持ちを届けてほしい」と護憲の立場での活躍を願った。一方、維新は党の重要な政策の一つに憲法改正を掲げる。維新関係者は「今回はあくまで選挙協力。政策には信条があり、一致は難しい」と話す。今回、維新は中島氏側と政策協定を結んでいない。

 選挙のためだけの野党協力は「野合」とみられ、最終的に有権者の理解が得られない。中島氏は選挙戦で「安倍政権のアキレスけんは社会保障。徹底的に戦う」と訴えたが、政策実現の手腕が問われるのはこれからだ。

 党を超えた連携は、自民と公明の間でも難航した。前回小選挙区で自主投票の公明は今回、1区と2区で自民候補を推薦。12年衆院選で旧2区の公明票を無所属の長崎幸太郎氏に取り込まれた過去があり、自民側は、「推薦で票が来る」と期待した。しかし、共同通信の出口調査では公明支持層の票は、2区では6割超が長崎氏、堀内氏は4割に満たなかった。

 公明党関係者は「(政党間の)上からの指示だけで、現場での交流が足りなかった」と分析する。長崎氏に多く票が流れたことは、「無所属の長崎氏は比例復活がなく、比例は『公明』と書けるので(交流も)熱心だった」と振り返った。【衆院選取材班】

2781チバQ:2014/12/17(水) 22:00:18
http://senkyo.mainichi.jp/news/20141216ddlk15010116000c.html
2014衆院選:検証・誰が勝ったのか/上 勝ちきれない自民 農政に住民不安、逆風も 民主伸び率で上回り /新潟
毎日新聞 2014年12月16日 地方版

 衆院選投開票翌日の15日。県庁議会庁舎では自民党県連の党議が開かれ、再選された4人が姿を見せた。明るい表情やこわ張った表情が前夜の結果を語っていた。

 「準備不足、努力不足でご迷惑をかけた。次は圧倒的に勝つ。三度目の正直に向け勝つ」

 わずか102票差で2区を制した細田健一氏は室内の窓ガラスが揺れるほどの声で、あいさつし自らを鼓舞した。

 5〜7日の毎日新聞特別世論調査では、3区は自民の苦戦が予想されていたが、他の区では対立候補をリードする情勢が伝えられていた。しかし結果は1、2、4区で民主候補と接戦の末の勝利だった。

 党県連の星野伊佐夫会長は報道陣に「小選挙区で結果的に五つ、比例代表で(復活し)一つ議席を確保し、これ以上はわがままだ。結果は想定内で成功だと思う」と話した。しかし「当選1期の候補は、後援会作りなど体力的にできあがっていなかったことがはっきりした。今後2〜3年で党と両輪で体制を作らないと」と注文も忘れなかった。ある自民県連幹部は「ここまで追い上げられるとは。及第点とは言い難い」と厳しかった。

 一方の民主党は3区で議席を奪還した。1、2、4区では接戦を演じ比例代表で復活当選した。県内では2議席増えた。県連の市川政広・幹事長代理は、15日の党議で「大健闘だ。みなさんの頑張りで素晴らしい選挙だった」などとあいさつした。

 劣勢とみられていた6区では終盤に追い上げを見せた。落選した梅谷守氏陣営の幹部は前回、義父の筒井信隆氏が獲得した票数に迫る勢いを短期間で見せた点を評価。地元の上越市では前回の筒井氏の得票を上回る結果を見せたことに「健闘した。次につながる」と話した。

    ◇

 比例代表の得票率を見ると、自民は前回比3ポイント増の35・74%だったのに対し、民主は同5ポイント増の25・65%だった。伸び率では民主が自民を上回った。勝ちきれなかった自民と健闘を見せた民主。何が作用したのか。

 先述の自民県連幹部は、農業の比重が高い新潟では米価下落による所得減、農協の改革などで、自民候補に逆風が吹いていたと分析する。さらに後援者への訪問などでの準備不足や戦術面でのまずさを挙げる一方「落選中の民主候補は選挙区をよく回っていた」と話した。

 民主の市川幹事長代理も、農業政策の不満を挙げた。「アベノミクスの恩恵がこない中小企業などの受け皿にもなったのでは」と話す。公示前後には無党派層に浸透していない、とみられていたが、結果的に安倍政権批判票の受け皿となったようだ。

   *  *

 県内から小選挙区・比例代表で過去最多の10人を選出した今回の衆院選を検証する。

2782チバQ:2014/12/17(水) 22:00:56
http://senkyo.mainichi.jp/news/20141217ddlk15010100000c.html

2014衆院選:検証・誰が勝ったのか/下 投票率、戦後最低更新 受け皿なくあきらめ 大雪、制度、政治家の質… /新潟
毎日新聞 2014年12月17日 地方版

 雪と寒さに見舞われた14日の衆院選投開票日。争点が見えにくいことや、12日からの大雪などで投票率が低くなることが予想されており、ふたを開けてみれば52・71%。戦後最低だった前回を6ポイント以上も下回った。県選挙管理委員会では、各区の投票状況が送られるにつれて「前回を下回るだろう」という空気が濃厚になっていたという。

 2日後の16日、投票率が46・97%だった1区を抱える新潟市中央区で有権者に尋ねた。中心部の古町を歩いていたフリーターの男性(22)は「仕事のため行かなかった」と答えた。一緒にいた看護師の女性(22)は「雪だったので……」と言葉を濁した。期日前投票もできることを話すと、男性は「消費税率は下げてほしいけど、現実的には厳しいでしょう」。あきらめが垣間見えた。

 なぜ投票率がここまで落ちたのか。民主党県連の幹部は「争点がないうえ冬の選挙で棄権した人も多い」と述べた。一方で共産党県委員会の幹部は「最近の無党派は無関心ではなく託せる政党を探している人たち。政権交代時以外は投票に出なくなってきている気がする」と分析した。

 かつて米カリフォルニア州の投票行動を研究した新潟県立大の藤井誠二准教授(公共選択)によると小選挙区制の場合、「投票する候補者が当選すればうれしい」という「利益」が、争点や候補者情報収集、投票に行く気象条件などの「コスト」を上回れば投票率は上昇するという。今回は「経済問題などが分かりにくく、雪も降って『コスト』が高くなり、下がったのではないか」と分析する。

 しかし低投票率の原因は、選挙制度にもあると指摘する声がある。県内の衆院選投票率の推移をみると、小選挙区制導入前は75%以上を保っていたが、導入後初の1996年衆院選では68・85%に降下。以降は2009年に73・41%に復調したが、一度も75%以上を記録していない。

 自民県連の幹部は「小選挙区制で勝つための選挙に終始するようになり、パフォーマンスに走る政治家が増えた。政治家の質が下がり軽く見られるようになった」と嘆く。中選挙区制時代には、どっしり構え一つの政策に取り組む政治家が多く、期待も高かったという。

 再び古町。「投票は当たり前だが、国会での居眠りを見たら投票に行かなくなるよね」と語った会社経営の男性(70)。「候補者も言いっぱなしでなく、有権者のもとへ歩いて膝をつき合わせて話を聞かなきゃ」

2783チバQ:2014/12/17(水) 22:01:31
http://www.saga-s.co.jp/senkyo/shuin/30202/136473
=1強さがの実像=(上) 自民1区で敗北
2014年12月16日 10時34分
■「県全体では負け戦」

 比例順位下がり「しこり」

 「負けるよ。これが今の1区の現状だ」。自民、民主が激戦を繰り広げた衆院選佐賀1区。14日夜、自民の岩田和親(41)の選挙事務所で開票状況を伝えるテレビを見ながら、党関係者は厳しい表情で言い切った。ほどなく民主の原口一博(55)の当確が流れ、重苦しい空気が事務所を覆った。

 「現有3議席死守」。岩田が比例復活し、比例に単独立候補した今村雅弘(67)も自民が九州ブロックで獲得した「8議席」の最終枠に滑り込み、結果的に目標はクリアした。ただ、この目標は当然、1、2区ともに小選挙区で勝つことが前提だった。県連幹部は「2区の勝利も吹き飛んだ。県全体では負け戦になった」。党本部が重点選挙区と位置付けた1区での敗北の意味をそう表現した。

 自民圧勝を伝える15日の新聞には満面の笑みを浮かべる首相の安倍晋三と、事実上の「敗戦」で厳しい表情のまま花束を持つ岩田ら佐賀県連幹部の写真が並んだ。対照的な図柄は「自民1強」という全国の流れとは違う、佐賀の特殊な選挙区事情を映し出していた。

 県都・佐賀市を含む1区は、旧1区時代から、自民と民主が勝ち負けを交互に繰り返してきた。風が左右する選挙区。「郵政」「政権交代」「政権奪還」。その時々で追い風を受けた党が、勝利を収めてきた。

 「民主の選挙は風頼みと言われる。でも、佐賀は違う」。ベテラン県議の一人は「相手候補は逆風でも比例復活し、連続当選を続ける。うちは追い風の時にしか生き残れない。風頼みの選挙をしているのは自民党だ。次も無風だったら、また負ける」。支持団体に頼り切った組織選挙の限界とともに、無党派層にアプローチできる組織へ体質改善する必要性を強調する。

 県連にとって今回は特別な意味を持つ選挙でもあった。衆院の「0増5減」に伴う候補者調整で、旧2区の今村が「単独1位」の約束で比例に転出。しかし、現職知事だった古川康の国政挑戦に伴う知事選の候補者擁立をめぐり、今村が党本部の意向に反した行動が影響したのか、名簿順位は「31位」に格下げされた。

 「意中の候補をつぶされた」(県議)上に、今村の比例順位で見せしめとも取れる冷酷な仕打ち。今村を支持する議員や業界団体関係者らは「これで選挙が戦えるか」と半ば公然と党本部を批判した。県連会長の福岡資麿は「選挙への影響は少なからずあった」。選挙戦を通じても党本部と県連内に生じた「しこり」は解消されることはなかった。

 党内亀裂の発端となった知事選。県連内では、推薦願を受け付けて前武雄市長の樋渡啓祐(45)を推すグループと、対立候補として総務官僚の山口祥義(49)を擁立するグループがせめぎ合いを続け、分裂選挙に突入する可能性が高まっている。15日の総務会では樋渡の推薦願について党本部に一任し、県連としての意思決定は避けた。混乱収拾の見通しがつかないまま、知事選は25日に告示を迎える。=敬称略

     ◇

 14日投開票された衆院選は自民、公明の与党が圧勝し、安倍政権の長期化もうかがわせる。衆院の「0増5減」で小選挙区が3から2に減った佐賀県では、自民と民主が分け合い、「1強」独占を阻んだ。激戦を終えた県内政界の実情を探る。

2784チバQ:2014/12/17(水) 22:02:18
http://www.saga-s.co.jp/senkyo/shuin/30202/136884
=1強さがの実像=(下) 民主、2議席堅持
2014年12月17日 10時39分
■民主、2議席堅持 比例優遇で危機回避 「党アレルギー」課題重く

 14日午後8時、開票率0%で佐賀2区落選と比例復活が同時に出た民主の大串博志(49)の事務所。戸惑いと歓喜が交錯する微妙な雰囲気の中、壇上に立った県連代表代行の園田泰郎(84)は「おめでとう」とは口にせず、こう切り出した。「比例代表九州ブロック1位に優遇した党本部の判断は正しかった。県連の努力は実った」

 結果は1勝1敗。それでもこの日、笑ったのは自民党県連ではなく、民主党県連だった。

 1カ月前の11月14日、園田は県連幹事長の原康彦と上京し、党本部を訪ねた。知事だった古川康(56)と唐津で戦わねばならない大串。入院中で動けない1区の原口一博(55)。「議席ゼロの危機だ。必ず比例順位で優遇してもらう」。悲壮な決意だった。

 「厳しいのはどちらか」。応対した幹事長の枝野幸男が問いかけた。「現職2人のどちらかを選べということか。県連としては2人ともお願いしたい」。そう返した園田だが、共に優遇されない最悪の事態が頭をよぎる。「選挙区が分断されて厳しいのは大串」。苦渋の決断だった。

 園田はこの経緯を入院中の原口に伝えた。「なぜ私だけ比例2位なのか」。園田は「1区で勝てばいい。勝てるだろう」。比例の名簿順位に差がついたことで県連の中には「原口を負けさせられない」という機運が高まった。「もう二兎(と)を追う必要はなくなった」。県連スタッフは全面的に1区の支援に回り、大串陣営もそれを了承した。

 くしくも比例順位をめぐって亀裂が生じた自民と、一枚岩になった民主。それは結果となって表れた。

   ◇

 選挙区割り変更というピンチを、比例優遇という1回限りの切り札で乗り切った県連だが、課題を突きつけられた戦いでもあった。ある県連幹部は「1区は内部分裂した自民の敵失の部分が大きいし、2区ではあらためて唐津の壁の高さを痛感させられた。それに加えて民主アレルギーとも言うべき有権者の反応だ」と総括する。

 もともと連合以外の支持組織を持たず、草の根選挙で掘り起こした「原口党」「大串党」と呼ばれる独自の基盤を持つ両陣営。事務所スタッフの1人は「民主党」と書かれた旗を片付けながら、「党名を変えてくれないかな」とぼやいた。「候補者はいいが、『民主だからね』と何度言われたことか」

 新型輸送機オスプレイの佐賀空港配備計画や玄海原発の再稼働問題など県内の重要課題でさえ、自民との明確な対立軸を示せない民主をよそに、共産は県内で前回の1・3倍の比例票を集めた。自民1強体制は継続され、対象的に民主党代表の海江田万里が落選した。

 「現実的な非自民の選択肢は民主しかない。党に献身的だった海江田代表の落選は同情するが、新しいリーダーのもとで再生するチャンスと考えたい」。開票翌日の新聞に目を落とし、県連の関係者がつぶやいた。「衆院議員2人を中心に、地方議員を増やしていく。来春の統一地方選に備えていく」。選挙のたびに唱えられる地方議員の育成。そのこと自体が県連の抱える問題の根深さを象徴している。=敬称略

2785チバQ:2014/12/17(水) 22:04:27
http://www.yomiuri.co.jp/local/kagoshima/news/20141215-OYTNT50320.html
【衆院選 戦い終えて】上 地域浮揚 自民に期待
2014年12月16日

選挙結果を報じる新聞に目を通す保岡さん(鹿児島市の事務所で)

 「アベノミクスを継続すれば地方にも恩恵がやってくる」。14日に投開票された衆院選で、県内の5小選挙区から立候補した自民党の5人は一貫して安倍政権の経済政策の必要性を訴え、前議員4人がそろって当選、残る新人1人も比例選で復活当選した。対照的に、民主党は返り咲きを目指した元議員が落選。維新の党の前議員は今回、復活当選もならず、議席を失った。

 鹿児島1区で野党の3人を破って13選した保岡興治さん(75)は15日朝、鹿児島市の事務所でこう振り返った。「有権者の景気回復への願いを強く感じた。『なんとか安倍首相に頑張ってほしい』というのが国民の大多数の考えだと思う」

 自民党の5人はいずれも公明党や県農政連の推薦を受け、組織戦を展開。「自民党に勢いがつけば、我々にも返ってくる」と、来年春の統一選で県議選を控えている議員らが援護射撃に回った。

 地域経済の浮揚への有権者の期待を肌で感じたのは、4区で4選を果たした小里泰弘さん(56)の陣営も同じだった。

 選挙中、霧島市の小里さんの事務所では応接室と階段のそばに、京セラ労組からの推薦状が2枚掲げられた。うち1枚はカラーコピーして額縁に入れられていた。「推薦は非常に心強く、多くの人に見てもらいたかった」と陣営幹部は説明する。

 京セラ労組の4区内の組合員数は約3000人に上る。2009年の前々回衆院選では、小里さんと接戦を演じた民主党候補を応援していた。

 それがなぜ――。労組幹部の一人は「候補の人物を重視した」と前置きした上で、「安倍さんが言うように、アベノミクスは途上段階。本当に経済が良くなるのなら、経済対策をやりきってほしかった」と打ち明けた。

 小里さんは社民党と共産党の両候補に大差をつけて勝利した。

 だが、歓喜に沸く事務所を離れた5区の森山裕さん(69)は冷静だった。「気をつけなければならないのは、謙虚な政党であり続けることだ」。期待を裏切れば、有権者はまた厳しい審判を下す。自民党県連会長は、先を見据えていた。

     ◇

 県内5小選挙区に14人が名乗りを上げた衆院選は幕を閉じた。戦いを振り返り、その先を追う。

2786チバQ:2014/12/17(水) 22:04:55
http://www.yomiuri.co.jp/local/kagoshima/news/20141216-OYTNT50151.html?from=ycont_top_txt
【衆院選 戦い終えて】下 共闘進まず 野党苦戦
2014年12月17日

応援に感謝し、支持者らと握手する川内さん(右)(15日未明、鹿児島市で)

支持者らの前で頭を下げる山之内さん(15日未明、鹿児島市で)

 「調整がうまく進めば勝てた」

 「結果として反自民票が割れた」

 衆院選鹿児島1区に候補を擁立した民主党と維新の党の関係者は16日、それぞれ敗因の一つとして、野党の候補者調整が不発に終わったことを挙げた。

 両党の候補者の得票を合わせると、当選した自民党候補よりも1万票以上多い。だが、ともに比例選でも復活できず、県内で両党の国会議員はいなくなった。

 民主党が立てた元議員の川内博史さん(53)は開票作業が続く15日未明、鹿児島市の事務所で「選挙に臨む努力が足りなかった。私の不徳のいたすところ」と支持者らに頭を下げた。前回選より約4500票多い4万7315票を獲得しながら、悔しい敗北だった。

 前回選で県内の小選挙区から3人を擁立した民主党は今回、突然の衆院解散で戦う態勢を整えることができず、1人を立てるにとどめた。それだけに、党県連内では川内さんを国政復帰させたいという思いが強かった。候補者調整について、県連幹部は選挙前、「当選5回の実績がある川内氏を擁立しない理由はない」と強調した。

 対する維新の党側は「現職が優先されるべきだ」と主張。前回、1区で敗れたものの比例選で復活当選した山之内毅さん(32)は、小選挙区での初勝利を目指して前哨戦から街頭活動を重ねた。

 党県総支部の佐藤英・事務局長は「双方の党には政策の違いがあるので、現実的に候補者調整は難しかった」と振り返る。

 山之内さんは選挙中、街頭に立つと、「特定の支持母体がない政党こそ時代を前に進められる」と声を張り上げた。しかし、落選が決まると、支持者らを前にし、「組織力のある自民党と戦う難しさを感じた」と率直に語った。

 共産党、社民党も県内の小選挙区での勝利はならず、自民党を勢いづかせる格好となった。

 民主党県連の泉広明幹事長は、県内で議席を奪還できず、党代表が辞任に追い込まれた今回の戦いを「民主党政権時代の有権者の不信がまだ拭えていないということではないか」と分析する。

 野党の反転攻勢は可能なのか。泉幹事長は来年春の統一地方選を見据える。「今回の結果を重く受け止めて庶民の生活に寄り添った政策を粛々と訴えていく。まずは地方議員を一人でも多く増やしたい」

2787チバQ:2014/12/18(木) 22:12:55
http://www.asahi.com/articles/CMTW1412160100005.html
振り返って(上)大勝 沸かぬ高揚感
2014年12月16日10時06分
■自民、問われ続けた大義

 14日午後8時、札幌市中心部の自民党道連本部。テレビが数人の候補者の「当選確実」を伝えると、拍手に沸いた。だが、その後の「当」が、なかなか出ない。道連会長の伊東良孝氏ら道連幹部が、テレビ画面を厳しい表情で見据える。

 伊東氏が立候補した7区は、民主候補が終始リード。日付が変わる直前に当選が決まり、伊東氏はようやく表情を一瞬ゆるめた。票差はわずか225票。「地元ではアベノミクスの恩恵が届かず、景気の回復を実感してもらえなかった」。激戦になった要因をそう述べた。

 政権選択がテーマだった前回は、自民、公明が全小選挙区で勝利。追い風を受け、新顔も7人が当選した。

 今回、自民は「アベノミクスの継続か否か」を主題に据えた。道内入りした安倍晋三首相は5日、札幌市中心部での街頭演説で「雇用を100万人つくった。賃金は平均2%上がった」と、「成果」を高らかに強調した。

 一方で自民道連は、「選挙基盤が弱い1回生議員の当落が全体の勝敗を分ける」と、前回の大勝の反動を警戒していた。ある道連幹部が公示前に口にした見通しは「(小選挙区で)6勝6敗」。伊東氏も「(自民が圧勝した)郵政選挙で小選挙区が4勝8敗だったことを忘れてはいけない」とげきを飛ばした。

 公明候補も含め、小選挙区で9勝3敗。結果だけで見れば、与党の大勝といっていい数字だが、前回と違い、多くの選挙区で接戦を強いられた。自民には高揚感は見られない。伊東氏は「道内ではアベノミクスを実感していないと感じる人も多く、全体的に厳しい戦いだった」と総括した。当選した自民候補の陣営幹部は「野党はアベノミクスを批判するが、対案がなかった。政権交代も掲げられず、『民主よりも自民』という選択だったのだろう」と結果を分析する。

 比例でも復活当選できず、小選挙区の候補者でただ一人落選した1区の船橋利実氏。前回、負け知らずの「横綱」だった元衆院議長の横路孝弘氏に競り勝ったが、「任期2年での解散は、あまりにも短い。前回は(相手が)ゴール手前でなにかの拍子に転んだだけだ」と危機感を胸に選挙戦に臨んだ。「54歳の自分は若い人の未来に責任を持てる。今回の戦いは世代交代だ」。選挙戦の後半は、アベノミクスの成果よりも、73歳の横路氏を意識した演説に変わった。

 15日未明。「私の力不足で申し訳ない」。船橋氏は選挙事務所に集まった支持者らを前に、腰よりも低く頭を下げ続けた。陣営幹部は「道内でアベノミクスが否定されたわけではない」と言う。一方で「『なぜいま選挙なのか』という批判が強かった。自分も含め、いまでも解散の大義はなかったと思う」。別の陣営幹部は「なぜ解散なのかを丁寧に説明するため、公示後も支援者回りに時間をとられて街頭演説を増やせなかった」と悔やむ。

 (滝沢隆史、横山蔵利)

     ◇

 2年前に続く師走の衆院選は、与党が全議席の3分の2超を獲得する大勝に終わった。道内でも与党が過半数を制したが、野党も一部で巻き返した。各党は戦いにどう臨み、勝敗の分かれ目は何だったのかを振り返る。

2788チバQ:2014/12/18(木) 22:14:02
http://www.asahi.com/articles/CMTW1412180100002.html
衆院選振り返って(下)照準、はや統一選に
2014年12月18日09時46分
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■知事・市長選 動く予定者

 衆院選の候補者の応援に、多くの地方議員や首長らが駆けつけた。来春の統一地方選に立候補を予定している人もおり、自身の選挙を見据えながら動いていた。

 選挙戦序盤の5日夕。札幌市手稲区のJR手稲駅前で、安倍晋三首相の街頭演説に集まった人々をかき分けるように握手を求めて回る女性がいた。来年4月の札幌市長選に自民党推薦で立候補を予定する本間奈々氏だ。同市内で開かれた自民党候補者の女性集会では候補者の夫人と並んで支持者を出迎え、飲食店では報道陣の前で候補者や応援の参院議員と一緒にラーメンをすすった。

 自民幹部の街頭演説や候補者の集会の場での本間氏の応援活動は60回にのぼった。本間氏の後援会幹部は「衆院選をフル活用したい」と話していた。ただ市長選の選挙運動は公職選挙法が禁じる「事前運動」にあたるため、陣営は気を使った。自民党札幌市支部連合会の細川正人幹事長は「本人の主張はもちろん控えた。支援者の前で話をすることができ、顔を知ってもらうことができた」と手応えを語る。衆院選が終わった16日、本間氏は朝の街頭演説を再開し、市長選に向けて再スタートを切った。

 札幌市の副市長を辞職して市長選に立候補を予定する秋元克広氏は、衆院選中に表だった活動は控えた。「市民党」をうたって活動をしているため、特定の政党の候補者と活動をともにすることはなかった。だが、秋元氏を支持する民主党会派の市議の集会にはこまめに顔を出すなど、来春への準備を着実に進めている。

 知事選を巡っても動きがあった。4選を目指す現職の高橋はるみ氏は選挙期間中、道内全12小選挙区を回って自民・公明候補を応援した。1区の自民候補の集会では「北海道の経済指標も明らかに良くなってきた。全国以上に伸びているものもある」と強調。まだ正式な立候補表明をしていないが、「私の選挙の時に詳しくお話しします」とも述べて会場から大きな拍手を受けた。

 衆院選の結果は自民が道内議席の過半数を占め、自民道連は高橋氏の4選出馬を支持する方向だ。一方で高橋氏の後援会幹部は警戒を怠らない。「結果だけを見れば自公の勝利と言えるが、接戦が多く厳しい戦いを強いられた。民主と大地の選挙協力も一定の効果があったと考えられ、知事選への影響を考えると不安もある」と話す。

 知事選に出馬表明しているフリーキャスターの佐藤のりゆき氏は、衆院選からは距離を置き、道内各地を回って農家や商工業者、市町村長らの意見を聞いたという。「人口が減っていくことへの深刻な悩みがひしひしと伝わった。札幌にいてはわからない、いい機会だった」と振り返る。地方の意見を反映させ、年内にも知事選の公約を発表する予定だ。 (滝沢隆史、森本未紀)

 =終わり

2789チバQ:2014/12/18(木) 22:14:27
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201412/20141216_71019.html
<衆院選>気流旋風・冷めた攻防(上)/大勝も手応えなし/自民・風吹かず組織戦奏功


接戦の末に山形2区で再選を果たし、硬い表情のまま万歳する鈴木氏(中央)=14日午後10時30分ごろ、米沢市
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 民意の奔流が見えないまま、巨大与党が権力基盤をさらに強固にした。14日投開票された衆院選は自民、公明両党が325議席を獲得。東北でも自民が24議席を維持し、公明は悲願の2議席をつかんだ。民主、維新両党は一定の共闘効果を見せたが、政権選択の対象になり得なかった。戦後最低の投票率に終わった東北の師走攻防をたどる。

<厳しい農村部>
 無類の選挙巧者に、浮かれはなかった。
 「当選は、もっと頑張れという有権者の声だ」
 投票所閉鎖直後の14日午後8時2分。6選を確実にした宮城6区の自民党前議員小野寺五典(54)は、歓喜に包まれた気仙沼市の事務所で神妙な表情を見せた。得票率は前回に続き東北トップの70.6%。それでも小野寺に手応えはなかった。
 前防衛相の知名度を買われ、全国を飛び回った小野寺。一夜明けた15日朝、「アベノミクスを評価するのは都市部。農村部には、円安による農業資材や燃料費の高騰に厳しい声があった。大勝は『俺たちのためにもっと働け』という期待が上乗せされた結果だ」と前夜の発言の真意を語った。
 自民、公明両党で憲法改正発議に必要な3分の2以上の勢力を確保した圧勝劇。選挙区の内実に目をやると、政権への冷ややかな反応があった。

<笑顔になれず>
 「笑顔になれる気持ちではない。この結果を糧に、一からやり直す」
 再選を目指した山形2区の前議員鈴木憲和(32)は前回に続き、強力な組織力を誇る民主党前議員と相まみえた。2年前の1万8912票差は今回、7495に縮んだ。絞り出す言葉は、まるで敗戦の弁のようだった。
 田園地帯が選挙区の1年生議員には、安倍政権下で進められた環太平洋連携協定(TPP)交渉参加、米価下落などが障害になった。「自分の中では負けたと思っている。よく勝てた」と自嘲気味に語った。
 派閥を率いる大物も思わぬ苦戦を強いられた。
 青森3区の前議員大島理森(68)は11回目の当選確実が午後10時すぎにずれ込んだ。2年前、政権運営につまずいた民主を吹き飛ばした民意の風を今回は図りかねた。「前は後ろから吹いたが、今回はどこから吹いているか分からなかった」

<政権に恩売る>
 熱狂なき圧勝−。今回の衆院選で自民の堅調を支えた立役者は、かつて長期政権を支えた組織票だった。民意が棄権を決め込むのを横目に、企業や団体は粛々と政権に恩を売った。
 戦後最低となる投票率55.78%の秋田県。「農業や資源エネルギー産業を育てたい」。2区で3選を決めた前議員金田勝年(65)は当選が確実になると、農政通としての自負を示してみせた。
 民主新人をやすやすとねじ伏せた勝因の一つに、県農協政治連盟の存在があった。「今回ほど動いてくれた選挙は過去になかった」(陣営関係者)。その労をねぎらうかのように、選挙戦では米価下落対策への言及など農協への配慮を怠らなかった。
 「風は与野党のどちらにも吹かず、有権者を投票所にも運ばなかった」
 8期目を手中に収めた岩手2区の前議員鈴木俊一(61)は「解散のタイミングは絶妙だった」と首相安倍晋三の戦略をたたえた。(敬称略)

2790チバQ:2014/12/18(木) 22:14:59
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201412/20141217_71003.html
<衆院選>気流旋風・冷めた攻防(中)野党共闘光明一筋/民主・維新 接戦が比例復活を呼ぶ


比例東北での復活当選が確定し、支持者と喜ぶ金子氏(中央)=15日
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<反自民の民意>
 窮余の策だった野党共闘が、圧勝の勢いの自民党に牙をむいた。
 「終盤、自民に議席を独占させたくない民意が濃くなった」。下馬評を覆し、大接戦を演じた青森1区。青森市内で14日夜、維新の党新人升田世喜男(57)は「4者共闘」への感謝を口にした。

 公示5日前。升田は民主、社民両党、連合青森と選挙協力を結んだ。統一候補となった升田は、自民王国の「花の1区」に立つ前議員津島淳(48)に肉薄。惜敗率94%で比例東北復活を決めた。
 福島1区では民主新人金子恵美(49)が野党連携を生かし、2年前の衆院選で東北トップの12万票を集めた自民前議員亀岡偉民(59)を約5300票差まで追い詰めた。
 予期せぬ共闘を呼び込んだのは永田町の政変だった。前回1区で5万票を獲得した元議員の石原洋三郎(41)が、公認が内定していたみんなの党解党を受け出馬を断念。金子支援を表明した。
 「反自民の力を結集することの方が大事」と石原。予想外の激戦を巻き起こした金子は惜敗率1位で復活し、「ここだけ違った風が吹いた」と驚きを隠さなかった。

<票分散の誤算>
 前回5人が立った秋田3区。維新前議員村岡敏英(54)が復活当選を引き寄せたのは、前回、旧日本未来の党から立候補した元議員京野公子(64)の不出馬だった。
 村岡の父で元官房長官の兼造(83)は公示が迫る11月下旬、京野を訪ね、選挙協力を求めた。村岡は「候補者調整が結果につながった」と共闘の成果をかみしめた。
 東北25小選挙区で、共産党を除く野党競合が回避されたのは21選挙区。このうち六つを野党が制し、他の六つでは最後まで自民の議席を脅かした候補が比例復活した。
 連携が実を結ばない誤算もあった。全国に先駆け民主、維新の候補者調整が成立した宮城1、2区。民主県連の要請に応じ、2区に国替えした維新前議員林宙紀(37)は野党競合に泣いた。
 連合宮城の支援に期待したが、社民党が新人を立て組合票が分散。次世代の党も新人を送り込んだ。「荒れる2区」で6万票と健闘したが、陣営は「反自民を集約しきれなかった」と悔やんだ。
 内実はまだら模様の共闘の成否。与党圧勝を許したが、「1強多弱」にあらがう数少ないすべであることも証明した。

<必ず政権取る>
 「真の二大政党制を実現させる」。福島4区で自民前議員に416票差で競り勝った維新前議員小熊慎司(46)は訴えの中で、「二大政党」の言葉を何度も繰り返した。
 4区は東北で唯一、自民から議席を奪還した選挙区となり、「次」を期す野党にとって、一筋の光明となった。
 共闘した民主の元外相玄葉光一郎(50)=福島3区=は選挙中、小熊陣営に駆け付け鼓舞した。
 「私たちは数年後、必ず政権を取る」
(敬称略)


2014年12月17日水曜日
関連ページ:広域政治・行政衆院選とうほく

2791チバQ:2014/12/18(木) 22:15:24
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201412/20141218_11007.html
<衆院選>気流旋風・冷めた攻防(下)公・共に抑止力期待/中小政党・「1強懸念」で躍進


当選から一夜明け、街頭であいさつする高橋氏(左)。宮城1、2区の両候補と共に、党勢を拡大する選挙結果に笑顔を見せた=15日午前8時20分、仙台市青葉区
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<悲願の2議席>
 肥大化する「1強」の傍らで、老舗の組織政党が躍進を遂げた。
 「きた! やったぞ」
 15日午前1時半、郡山市の公明党福島県本部。待ちに待った当選確実の知らせに、比例東北新人の真山祐一(33)は支持者と喜びを爆発させた。
 8選した党幹事長の前議員井上義久(67)の当確から5時間余り。最後の14番目に滑り込み、井上が温めてきた東北の1議席を2に増やした。
 「共闘する自民党が最後まで『比例は公明』と連呼してくれた」。東北ブロック選対本部長の参院議員若松謙維は「自公の信頼が深まった」と笑みを浮かべた。

 「東北2議席」は2000年衆院選以来の悲願だった。前回見送った宮城1、2区の自民候補への推薦を今回は早々に決定。大票田・仙台での票拡大に勝機を託した。
 市内で投票率が前回を約7ポイント下回る中、得票率を約10ポイント伸ばした。街頭では「政権の安定と合意形成に貢献した」と与党内での実績を強調し、自民の膨張を懸念する民意を巧みに取り込んだ。
 24日には特別国会が召集され、第3次安倍内閣が発足する。新内閣は改憲など「安倍カラー」を前面に出すとみられる。党宮城県本部代表の石橋信勝は「有権者は安倍政権のブレーキとしての公明に期待している」と気を引き締めた。

<明確な対立軸>
 共産党は全国で、公示前の8から21へ議席を大きく伸ばした。東北は2議席に届かなかったが、低投票率で投票総数が減ったにもかかわらず、6県の得票は前回の1.5倍の約38万に増やした。
 「まさかこんな時間に出るとは…」。5選した比例東北前議員高橋千鶴子(55)は、テレビが投票終了直後の14日午後8時に当確を報じると、異例の早さに息をのんだ。
 当初は「東北の命綱1議席を守り抜く」が陣営の合言葉。13年参院選から続く上げ潮ムードに手応えを感じ、初の2議席を目指して選挙戦中盤にギアを上げた。
 反自民票の受け皿を真正面に掲げ、25小選挙区と比例単独の候補計27人が連動。30代の若手候補を中心にフェイスブックやツイッターを活用した呼び掛けを展開し、新たな支持層も掘り起こした。
 党宮城県委員会委員長の中島康博は「与党との明確な対立軸として有権者に受け入れられた実感がある」と力を込める。

<政党要件失う>
 前回初めて東北の議席を失った社民党は、浮上のきっかけすらつかめなかった。宮城2区で敗れた新人桑島崇史(35)は「国会議員不在がさらなる悪循環を招いている」と党の現状を嘆いた。
 次世代の党は完全に埋没。生活の党は代表小沢一郎(72)の地盤の岩手以外に見せ場はなく、政党要件を失った。
 容赦ない淘汰(とうた)の波が「多弱」をのみ込もうとしている。
(敬称略)

2792チバQ:2014/12/18(木) 22:16:07
http://senkyo.mainichi.jp/news/20141216ddlk02010293000c.html
急戦:2014衆院選・青森 「1強の揺らぎ」/上 自民の4議席独占 野党追い上げ、熱気なき圧勝 /青森
毎日新聞 2014年12月16日 地方版

 ◇自己分析も「消極的選択」
 14日投開票の衆院選は県内4選挙区すべてで自民前職が勝利し、自民独占が維持された。ただ、1区と3区で野党候補が追い上げ、1区では維新新人の升田世喜男氏が比例で復活当選するなど、野党の善戦も見られた。2012年衆院選と、13年参院選での文字通りの「自民圧勝」とは違う光景だ。急な解散で主導権を握ったはずの自民だが、陣営幹部は「守りの選挙を強いられた」と漏らす。垣間見える「自民1強」の揺らぎを追った。

 「気が気でなかった」。升田氏に3787票差に迫られながらも、1区で再選を果たした自民前職の津島淳氏は14日夜、青森市内の選挙事務所で安堵と疲れの色をにじませた。

 今回、当選を決めた4人の自民前職のうち、津島氏と2区の江渡聡徳氏は、自らは万歳はせず、事務所に詰めかけた支持者たちの万歳三唱の間、何度も深々と頭を下げた。もろ手を上げて喜べない、自民の「熱気なき圧勝」を象徴した場面だった。

 公示直後の報道各社の情勢調査で優勢が伝えられても、複数の候補者が「実感と違う」と口にした。各陣営が「逃げ切るのは競り勝つよりも難しい」(1区の山崎力選対本部長)と引き締めを図った。3区で追い上げられ、当確が予想より遅くなった大島理森・県連会長も「選挙というのは優勢、優勢と言われるのがやりづらい。『大島は大丈夫だろう』という声が多く、非常に難しい選挙だった」と振り返った。

 県連は選挙中、当選1回の津島氏が戦う1区を「最重点区」と位置づけて応援弁士を集中。1区は全国でも無党派層が多く、野党が勝つ「1区現象」が起きかねない警戒感からだ。しかし、ふたを開けてみれば、青森市で津島氏が升田氏を引き離し、逆に基盤が厚いはずの郡部で票を取りこぼす逆転が起きた。

 背景には農業を基幹産業とする郡部では、今年の米価急落に対する「コメ農家の政権に対する厳しい批判があった」(津島氏)。これまで1次産業は自民の支持基盤とされてきたが、ある農協幹部は「民主への不信、自民への不満で、農業票が行き場を失った」と、現場に広がる変動を分析してみせた。

 津島氏は公示前に「10万票」の高い目標を自らに課したが、最後は前回12年の得票(7万3237票)以上と軌道修正を迫られた。それでも約7200票届かなかった。野党に比例復活も許さない「完全勝利」を目指した県連の目標も達成できなかった。

 自民4区選対の幹部は「我々には幸いなことに、野党が弱すぎる。訴える政策に説得力がないから、有権者は『しょうがないな』と半分あきらめて自民党に消去法的、かつ消極的な支持を与えているだけだ」と見る。

 当選から一夜明けた15日に八戸市で記者会見した大島氏は「声なき声にもしっかり目配りしながらおごってはいけない。数が多いだけに黙っていてもおごりに見える時があるが、それがないようにしなければいかん」と厳しい表情を崩さなかった。【森健太郎、塚本弘毅、松山彦蔵】

2793チバQ:2014/12/18(木) 22:16:35
http://senkyo.mainichi.jp/news/20141217ddlk02010038000c.html
急戦:2014衆院選・青森 「1強の揺らぎ」/中 苦し紛れの「非自民」結集 升田氏復活、一定の成果 /青森
毎日新聞 2014年12月17日 地方版

 ◇今後のカギは「民主離党組」
 衆院選の県内4小選挙区で自民党の全勝を許した野党。だが、今回は野党乱立が避けられたことで、1区で自民前職に約3800票差に迫った維新の党の升田世喜男氏が、比例東北ブロックで復活当選した。ただ、野党乱立は「避けられた」のではなく、急な解散で慌てた準備不足の野党が、候補を立て切れずに苦し紛れに実現した側面がある。しかし、それでも升田氏復活という一定の成果が出たことで、今後のカギが民主離党組をも含めた非自民勢力結集にあることも示された。

 「青森のために、という野党一本化の枠組みなくして復活はなかった。民主党県連、社民党県連、連合青森、個別に支援してくれた生活の党県連に感謝します」

 14日深夜、升田氏の比例復活が伝わると、事務所は活気づいた。口を真一文字に結んで待っていた升田氏は、目を潤ませながら何度もガッツポーズ。約30人の支持者を前に「浪人生活も10年目になる中、よくぞ見捨てずに応援してくれた。自民の一角を崩す、新しい青森の政治のスタートだ」と強調。同席した生活県連の平山幸司代表は「前回参院選で自分が自民以外の唯一の議席を守れなかった。今回、同郷の升田さんが土俵際で頑張ってくれた」と話した。

 今回の連携は、1区と2区に維新が、3区と4区に民主が公認を立てる「すみ分け」。社民県連は民主を「支持」し、基本政策で隔たりのある維新には自主投票で臨んだ。連合青森は、労組批判を繰り返す維新の橋下徹共同代表への抵抗感があったが、「升田氏の『青森のため』を前面に出す訴えは、維新っぽくなかった」(内村隆志会長)と評価。「非自民・反共産の自主投票」を傘下の労組に呼びかけた。終盤からは内村会長自身が升田氏の応援に駆けつけた。民主県連、連合、升田陣営の関係者はいずれも、「民主が推薦を出せば投票率も高まり、升田氏は小選挙区で勝てたはずだ」と見る。

 もっとも、維新の組織はほぼ升田氏の個人後援会だけ。民主県連には3区と4区での連携効果の実感は薄く、「升田氏に『食い逃げ』された」との不満もくすぶる。3区の民主陣営の松尾和彦選対本部長は14日夜に選挙戦を振り返り「今回は野党が乱立しないメリットがあったがそれだけで、それ以上の関係にはなれなかった」と記者団に話した。

 今回、民主離党組は中野渡詔子氏が2区で維新公認を得て立候補した。一方、1区の当選経験のある横山北斗氏と、4区で比例復活経験のある津島恭一氏、参院青森選挙区で当選経験のある生活の平山氏、旧みんなの党の波多野里奈氏はほぼ沈黙を保った。今回の「野党一本化」は、急な解散で、組織の薄い民主離党組が立候補できずにいた間隙(かんげき)を縫って実現。民主離党組は今後も政治活動を続ける意向で、非自民結集では遺恨を捨てた連携もカギだ。

 維新の升田氏は14日夜の記者団との質疑で「県内の課題解決で維新、民主、社民3党に違いはない」としつつ、「ここに平山さんらを入れるとなると、まあ、『経緯』があるから。その次の展開で」と言葉を濁した。

 「政策や選挙区の調整には『腕力』も必要。(野党は)まとめられる人がいない。ばらばらになったり、自己主張が出たりで、政治運営に不慣れ。『よき忍耐』がない」

 開票から一夜明けた15日の八戸市。自民県連の大島理森会長は記者会見でこう話した。「敵将」の評価をどう受け止めるか、野党が問われている。【宮城裕也、石灘早紀、佐藤裕太】

2794チバQ:2014/12/18(木) 22:17:10
http://senkyo.mainichi.jp/news/20141218ddlk02010112000c.html
急戦:2014衆院選・青森 「1強の揺らぎ」/下 1区有権者、150人にアンケート 自民支持層も流動的 /青森
毎日新聞 2014年12月18日 地方版

 ◇前回「津島氏」の2割、升田氏に
 「自民1強」の揺らぎは、有権者の投票行動にも表れている。毎日新聞青森支局はその変化を探るため、衆院選投票日の14日、青森市内で有権者150人を対象にアンケートを実施した。青森市を含む青森1区では自民前職の津島淳氏が勝利したが、アンケート結果を分析すると、津島氏の支持層の投票行動も流動的だったことが分かった。

 アンケートは、投票を済ませた有権者に実施。青森1区や比例の投票先に加え、12年衆院選で投票した候補などを聞いた。今回の1区での投票先は津島氏77人▽維新新人の升田世喜男氏53人▽共産新人の吉俣洋氏18人▽不明2人だった。

 前回の投票先は津島氏78人▽升田氏11人▽横山北斗氏(旧日本未来の党)16人▽波多野里奈氏(民主、その後離党)3人▽斎藤美緒氏(共産)5人▽その他・不明37人だった。

 特徴的なのは、前回津島氏に投票したと答えた78人のうち、2割弱の15人が今回は升田氏に投票したと答えたことだ。また、比例で公明に投票したと答えた17人のうち4人が升田氏に投票。いずれも、現状への不満がくすぶっている与党支持層を、陣営や与党が固めきれていない可能性を示す材料だ。

 前回も今回も津島氏に投票したと回答した60人は、確固たる支持層に見える。しかし、この60人でも今回の比例投票先は自民38人、公明11人で、11人は他党に投票しており、自民支持層でも投票行動が流動的な様子がうかがえる。

 ◇民維連携は奏功
 前回衆院選で、升田、横山、波多野の非自民・非共産3氏に投票した30人は今回、25人が升田氏に投票したと回答。津島氏に流れたのは1人だけで、残り4人は共産の吉俣氏に投票した。民主、維新、社民、連合の4者の地方組織が連携し、1区で非共産系野党候補を一本化した効果がある程度うかがえる。

 ◇共産票も升田氏に
 比例投票先は自民51▽維新29▽共産22▽公明17▽民主13など。共産と答えた22人のうち、14人は吉俣氏に投票したが、7人は升田氏に、1人は津島氏に投票していた。野党一本化で、「非自民」の升田氏に票が集まった傾向がここでも見える。実際、吉俣氏の今回1区での獲得票は1万8274票で、1区の比例共産票1万9437票を下回っていた。

    ◇  ◇  ◇
 アンケートは14日午前、青森市内で選挙人名簿登録者数が最も多い大野市民センター(同市大野)で、回答用紙に記入してもらう方式で実施。回答者は男性91人、女性58人、不明1人。年代別では20〜30歳代が17人、40〜50歳代が36人、60歳代以上が95人、不明が2人だった。【伊藤奈々恵】

2795チバQ:2014/12/18(木) 22:17:47
http://senkyo.mainichi.jp/news/20141216ddlk03010030000c.html
票流・衆院選の次は:/上 世代交代の波 小沢氏「最後の大仕事」 /岩手
毎日新聞 2014年12月16日 地方版

 衆院選岩手4区で生活の小沢一郎氏(72)の当選確実が早々に報じられた14日夜、奥州市水沢区の祝勝会場で支持者らは祝いの酒を酌み交わしながら「良かった、良かった」と安堵(あんど)した。今回は苦戦を強いられ、顔を赤らめた70代の男性は「こんなに早く酒が飲めるとは思わなかったよ。小沢先生はまだやれるんだ」と上機嫌だった。

    ◇  ◇

 安倍晋三首相が解散表明した翌日の先月19日、奥州市水沢区のホテルで開かれた後援会役員会では小沢氏の16選に危機感が漂った。終了後、連合後援会の小笠原直敏会長は「不安だ、不安。小沢先生が27歳で議員になった時、私は24歳で選挙区内を飛び歩いた。それを今、藤原陣営がやっている。行動力が勝ることもある」と話した。事実上の一騎打ちとなった自民の藤原崇氏(31)のことだ。

 選挙が始まっても危機感はぬぐえず、小沢氏は約30年ぶりに「どぶ板選挙」を展開。今月7日、北上市で握手した60代の男性支持者は手のひらを見つめ、「あと3年やったら75歳。これで最後の握手かな……」。世代交代の波を感じている支持者は少なくない。

 小選挙区制導入の1996年から2009年、小沢氏の得票率は59・70〜65・11%に達した。だが、度重なる党の離合集散の末に民主を離党した直後の前回12年、4区内の県議3人が小沢氏から離れ、強固な基盤がほころび始めた。得票率は45・50%に落ち込んだ。

 今回、報道各社は小沢氏の苦戦を報じ、勝利の好機とみた自民は安倍首相ら党幹部を投入。「そろそろ(小沢氏を)変えた方がいい」と露骨な攻勢をかけた。ところが小笠原会長は、「これで後援会の運動が活発になった。かえってありがたかった」と開票後に笑った。「野党の親分つぶしには負けられない。こっちには15の後援会組織があり、支持者に火がついた。つきさえすれば大丈夫だと手応えを感じた」と振り返る。今回の得票率は47・79%に盛り返した。

    ◇  ◇
 だが、藤原氏との差は前回の3万票から1万7000票に詰められた。小沢氏の後援会も高齢化し、今後活動が鈍っていくことは避けられない。小笠原会長は14日夜、「これからのことはこれから」とかわしたが、世代交代はますます大きな問題としてのしかかる。小沢氏は選挙戦最終日に奥州市で行った街頭演説で「野党再編を成し遂げ、国民のための政権を作る。最後の大仕事を実現したい」と訴えた。

    ×  ×

 衆院選は終わり、県内から7人が当選した。覇権を握ってきた小沢氏の力に陰りが見えるなど、今回の選挙は県政界の潮目とも捉えられる。戦いを振り返り、票の行方を追う。

2796チバQ:2014/12/18(木) 22:18:25
http://senkyo.mainichi.jp/news/20141217ddlk03010189000c.html
票流・衆院選の次は:/中 民主、生活の連携 残る前回選のしこり /岩手
毎日新聞 2014年12月17日 地方版

 衆院選公示前の11月26日夕、岩手1区出馬を控えて民主の階猛氏(48)が盛岡市で開いた演説会。「畑さんも必要な人材。力を貸してほしい」。自身の話より先に、2区の生活、畑浩治氏(51)への支援を呼びかけた。両党が選挙区を「すみ分け」て対立候補を立てないとの緩やかな連携は合意していたが、階氏の発言はさらに踏み込んだ内容だった。

 この後の選挙で、民主県連は畑氏を推薦。階氏は2区の街頭でも畑氏の隣に立ち、畑氏も1区でマイクを握った。生活支持者は「元々一緒にやった仲間。来年は知事選もあるし元通りになればいい」と期待した。

 4区では、3日間地元遊説した小沢一郎氏(72)に民主県連の高橋元(はじめ)幹事長(62)がほぼ全て同行。「野党再編に向けた足がかりになる選挙」と連携を強調した。高橋氏は「民主として目に見える形で応援し、生活側からの支援を期待した」と明かす。共同通信が投票日に行った出口調査によると、民主と生活支持層の7、8割が互いに相手側候補に投票したとみられ、協力関係は一定程度成功した。

    ◇  ◇

 だが、連携はそうたやすくはない。「5年、10年前でなく、たった2年前の話。しこりは消えない」と、民主の支持母体である連合岩手関係者が言うのは前回衆院選のことだ。民主を抜けた小沢氏率いる日本未来が民主の出馬した県内2選挙区で「刺客」候補を立て、議席奪取を狙ったことへの恨みがある。

 小沢氏は投票日前日の13日、街頭演説で「過去のいきさつを水に流してお互い力を合わせましょう」と語ったが、もともと民主側に小沢氏へのアレルギーがあり、前回選挙だけが問題ではない。

 小沢氏が東日本大震災後すぐに被災地に入らなかったことも、簡単に握手できない要素だ。3区の黄川田徹県連代表(61)は当選後、「小沢先生が復興に関して強いメッセージを出し、被災者が納得すれば水に流すこともあるとは思うが、私にはまだ生煮え。是々非々の状態」と語った。

    ◇  ◇

 今後の焦点は来秋の知事選。達増拓也知事(50)は小沢氏の「弟子」で、民主の協力が得られれば大きな力だ。自民と無所属県議らは連携して対抗馬を擁立するとみられる。達増知事は「県民党」を標榜(ひょうぼう)し、政党色を消している。民主県連の高橋幹事長は「表面的な話。民主の支援は必要になる」と推測する。生活県連の佐々木順一幹事長(62)は「連携の素地はできている。野党は一緒になるべきだと民主側も認識しているのではないか」と期待する。

2797チバQ:2014/12/18(木) 22:18:44
http://senkyo.mainichi.jp/news/20141218ddlk03010121000c.html
票流・衆院選の次は:/下 自民の組織力 「空中戦」むなしく /岩手
毎日新聞 2014年12月18日 地方版

 「岩手4区の代表としてふさわしいと判断していただけなかった」。衆院選で比例復活した自民の藤原崇氏(31)は当選から一夜明けた15日、片付け作業が進む北上市の事務所で言葉を選んだ。

 生活の強敵、小沢一郎氏(72)との接戦が報じられ、党は安倍晋三首相ら知名度の高い幹部も遊説に投入したが、結局は牙城(がじょう)を崩せなかった。むしろ、土壇場で踏ん張ることができる「小沢王国」の堅固ぶりが際立った。

    ◇  ◇

 党幹部の投入は昨年の参院選でも展開したが満足な得票に結びつかなった。その反省から今回は回数を減らし、支持者の動員疲れにも配慮した。それでもむなしい「空中戦」に終わった。2区で当選した自民の鈴木俊一氏(61)は17日、党県連が盛岡市で開いた衆院選の総括会議の終了後、「空中戦は根っこ(組織)があって効果を発揮する。前回より票を減らした私を含め、日常活動が足りない」と自戒した。

 奥州市では昨年12月、長年途絶えていた党江刺支部が発足している。鈴木氏は「県内の党の勢力は十数年来低迷していたが、4選挙区全てに国会議員が誕生して組織の基盤ができつつある」と話す。

 だが広がりには欠け、藤原氏は選挙前の2年間、地元に毎週帰って自ら選挙区内への浸透を図ってきた。陣営の総括責任者を務めた海鉾(かいほこ)守氏は「組織を固め、選挙を心配せずに国政に取り組めるようにしないといけないが、まだ整っていない」と明かす。別の陣営幹部は「藤原陣営の選挙は毎回ゼロから始める。前回の支持層を固めておいたうえの上積みがない」と分析した。

 藤原氏は「(選挙戦の)最後で開いた。秘書団の違いもあった」との認識も示した。陣営幹部は「自民大勝が伝えられ、選挙区で敗れても比例で救われると気が緩んだ。小沢さんはいずれ引退するだろうが、まだ力がある時に勝たないと意味がない」と悔しがった。

    ◇  ◇

 とはいえ、小沢氏とたもとを分かった無所属県議ら計5人が応援するなど、藤原氏を支える組織は新たな面も見せた。この県議について鈴木氏は「来年の県議選での推薦はあり得る」と連携を示唆する。その先に、来年の知事選で小沢氏系の達増拓也知事を倒すとの大きな目標をにらむ。

 冬の陣を終え、県内政界は知事選に向けて漂い始めている。

    ◆  ◆

 この企画は安藤いく子、浅野孝仁、和泉清充、根本太一が担当しました。

2798チバQ:2014/12/18(木) 22:19:26
http://senkyo.mainichi.jp/news/20141216ddlk05010033000c.html
明と暗:’14師走決戦/上 自民、組織力の勝利 唐突解散が大きな後押し /秋田
毎日新聞 2014年12月16日 地方版

 「安定した政治、責任ある政治に地道に着実に取り組めと(自民党に求める有権者から)票をいただいた」

 自民党県連会長の金田勝年氏(65)=2区=は15日、前回に続いて県内3小選挙区で全勝を飾った選挙戦をそう振り返った。どこか余裕すら漂う口調。金田氏自身は、開票作業が始まった14日午後8時過ぎに「当選確実」の一報を受けていた。

 永田町に解散風が吹き始めたのは1カ月前のこと。「大義なき選挙」との批判は各方面から噴出し、民主党を壊滅的状況に追いやった前回2012年のような追い風は期待できなかった。

 それでも、業界団体や後援会組織に頼る“従来型選挙”を展開する自民党候補にとって、解散の唐突さは、大きな後押しとなったのは間違いなさそうだ。

 「自治体を預かる知事や市長と、政権与党の私たち自民党の国会議員がスクラムを組んで秋田を元気にしていく」。選挙戦終盤の12日、冨樫博之氏(59)=1区=の演説会場に駆け付けたのは、佐竹敬久知事と穂積志・秋田市長の2人だった。居並ぶ与党系県議や市議の顔触れも、組織力の強固さを物語る。

 冨樫氏は石破茂・前党幹事長から「新人の最大の仕事は再選すること」と厳命を受けていた。定期的に国政報告会を開いて組織の拡大を図り、後援会は倍の30にまで上積みした。

 組織選挙を展開したのは御法川信英氏(50)=3区=も一緒だ。一時は「票が読めない。まさに横一線」(党関係者)との声すら出ていた激戦区。連日、党幹部や県議が応援に入った。御法川氏に限って言えば、前回得られなかった公明党の推薦も選挙を大きく左右したとみられる。3区の公明票は優に1万票を超えるとされる。次点の村岡敏英氏(54)との差は6000票を切っていた。

 とはいえ、2回連続の小選挙区全勝にも、不安の芽はないわけではない。冨樫氏は2回目の激突となった民主党の寺田学氏(38)に、そして御法川氏は村岡氏に前回よりも得票差を詰められ、結果的に復活当選を許してしまった。

 とりわけ御法川氏は、政治資金収支報告書の記載漏れが取りざたされたことはさほど障害にならなかったものの、副財務相の要職に就きながら接戦を繰り広げる結果となった。

 冨樫氏は14日夜、当選を確実にした後のインタビューで「盛り上がらない選挙だった。それは肌で感じている」と述べた。勝者としては異質なコメント。組織選挙がこの先も、盤石の態勢であり続ける保証はどこにもない。【池田一生、田村彦志、松本紫帆】

    ◇  ◇ 

 衆院選は県内小選挙区で自民党が全勝し、民主党、維新の党は辛うじて比例復活当選を遂げた。全国では共産党の躍進が目立った。各党の明暗を分けたものは何だったのか。舞台裏を検証する。

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2799チバQ:2014/12/18(木) 22:20:05
http://senkyo.mainichi.jp/news/20141217ddlk05010114000c.html
明と暗:’14師走決戦/中 民維、選挙区調整が奏功 比例復活「投票率が高ければ」 /秋田
毎日新聞 2014年12月17日 地方版

 「民主党だけど協力できるグループの一人」。先月16日、秋田市を訪れた維新の党の松井一郎幹事長は、民主党の寺田学氏(38)=1区=に秋波を送った。解散風が全国を揺るがしていた頃。維新の党の村岡敏英氏(54)=3区=を激励する会合でのことだった。

 維新の党にしてみれば、東北で勝てる数少ない候補と目された村岡氏をどうしても押し上げたかった。民主党にとっても、激戦区に候補を立てる余裕は乏しかったのが実情だ。

 寺田氏の父が維新の党参院議員の典城氏であることも、好材料に働いたと見られる。両党の選挙区調整は、松井氏の発言から12日後に現実となった。

   ◇   ◇

 かつて首相補佐官を務めたこともある寺田氏は、選挙戦で一人街頭に立ち、雪交じりの水しぶきを上げる自動車の列に深々と頭を下げ続けた。自民党候補が得意とする組織選挙とは対照的だった。

 前回2012年の選挙では、108カ所で小集会を開いたが「ぬくぬくしている」と一部支持者の反感を買った。街頭での活動は、生まれ変わった自身をアピールすることでもあった。

 共同通信社が14日実施した出口調査によると、維新支持層の55・6%、無党派層の50・0%が寺田氏に1票を投じた。比例東北ブロックで民主党が得た4議席のうち寺田氏は3番目。選挙区調整も、自身の選挙戦略を見直したことも、比例復活にとって不可欠だったとみて良さそうだ。

 選挙区調整を後ろ盾にできたのは、維新の党の村岡氏も同じだ。

 共同通信社の出口調査によると、無党派層の54・6%、民主支持層の53・3%が村岡氏に投票した。非自民票の多くは村岡氏に流れたと見られる。実際、かつての政敵だった京野公子元衆院議員も街頭演説に駆け付けた。

 陣営関係者は「(御法川信英氏と)たいした勝負にならないとの声もあったが、日に日に追い付いていると実感できた」と振り返る。

 選挙から一夜明けた15日、村岡氏は小選挙区敗退の理由を「実力不足」と語った。だが、陣営からは「投票率がもう少し高ければ……」との声も。無党派層がもっと投票所に足を運べば結果は異なったのでは、との思いは関係者に少なくない。

 一方、民主党の緑川貴士氏(29)=2区=は、2年前に民主党から出馬した川口博氏の得票数に迫る5万6000票余りを獲得したものの、議席には手が届かなかった。選挙区調整は比例復活を約束するものではない。【松本紫帆、田村彦志、佐藤伸】

2800チバQ:2014/12/18(木) 22:20:46
http://senkyo.mainichi.jp/news/20141218ddlk05010286000c.html
明と暗:’14師走決戦/下 カギは反自民・非民主層 得票増えた共産、減った社民 /秋田
毎日新聞 2014年12月18日 地方版

 小選挙区に候補を擁立し、ともに議席を得られなかった共産党と社民党。だが、明暗はくっきりと分かれた。

   ◇   ◇

 14日夜。共産党の山内梅良氏(66)=1区=の秋田市の事務所は、小選挙区での敗北が確実となったにもかかわらず、ある種の充足感が漂っていた。

 「上昇気流に乗りつつある。第三極の位置に付くのも遠い話ではない」。米田吉正・県委員長は力説した。最終的に、全国の議席は前回2012年から13議席増の21議席に伸びる結果となった。

 躍進の萌芽(ほうが)は県内でも見て取れる。小選挙区は山内氏の得票が1万1000票余り。藤本金治氏(68)=2区=もほぼ同数、我妻桂子氏(60)は1万4000票余りだ。比例票は、全敗した小選挙区票の合計を上回る3万8000票近くだった。東北ブロックは変わらず1議席だったが、前回よりも1万1000票ほど上積みした。

 選挙戦では、アベノミクスや原発再稼働、集団的自衛権の行使容認をことごとく批判した。安倍政権にも他の野党にも納得できない層の支持を一定程度受けることに成功したと言える。

 一方で、同様に「暴走する安倍政権に歯止めを」と政権批判を鮮明に打ち出した社民党はどうだったか。

 「(敗因は)時間と準備の不足。主張では負けていない」。小選挙区敗退に、伊藤正通氏(63)はそう言うのがやっとだった。

 小選挙区の得票は5000票余り。比例は県内1万8000票ほどで、前回よりも3000票ほど減らした。比例東北ブロックの議席はゼロだった。

 今回はこれまで候補を擁立していた2区でなく1区に初めて候補を立てた。来春に迫る県議選の布石では、との見方も政界ではちらつく。宇佐美洋二朗・県連幹事長は「地方選は県連にとって一つの目標。認知度アップにつながったとは思う」と否定しなかった。

 反自民・非民主のうねりをどう起こし、そして取り込んでいくのか。両党の模索は続く。【池田一生、中村俊甫、山本康介】

2801チバQ:2014/12/18(木) 22:21:40
http://senkyo.mainichi.jp/news/20141216ddlk06010097000c.html
戦いの後先・2014衆院選:/上 自民 「地方創生への責任」 議席独占も表情硬く /山形
毎日新聞 2014年12月16日 地方版

 「地方創生への責任は重い」。自民党公認候補が県内3議席を独占した14日投開票の衆院選。党県連会長の遠藤利明氏は翌15日朝、「デフレを脱却し、仕事を増やして景気を良くしてくれと、有権者から託された」と選挙結果を意義づけ、改めて気を引き締めた。

 14日午後10時40分、米沢市。当選が確実となり、支援者らが万歳三唱する真ん中で、山形2区の自民公認候補、鈴木憲和氏の表情は終始固かった。「笑う気持ちにはなれない」と口にする背景には、前回に比べ得票数が2829票減ったことがある。前回衆院選で初当選した後、地元農家の集会にこまめに出席するなど、地盤強化に努めてきた。「県農協政治連盟」の推薦も受けた。

 一方、安倍政権の経済政策「アベノミクス」批判や、農業者戸別所得補償制度の復活などを主張した民主の近藤洋介氏は8588票増やした。

 他候補の応援のため、県内3選挙区をくまなく回った遠藤氏は「アベノミクスの恩恵が行き渡っていないと感じた」と打ち明ける。環太平洋パートナーシップ協定(TPP)への交渉参加や農協改革、米価下落などに対する県内農家の不安感も根強い。

 3区でも自民新人の加藤鮎子氏は、無所属の阿部寿一氏にぎりぎりまで追い詰められ、1488票差で何とか勝利を手にした。加藤氏は15日の記者会見で「地域として政権与党とつながりたいという思い、農政に対する不信感や失望感がある中で、有権者が迷っていると感じた」と激戦を振り返った。

 共同通信社の出口調査によると、県内投票者のうち、安倍政権の政策を「評価する」と答えた割合は45・1%、「評価しない」は45・6%とほぼ拮抗(きっこう)しており、県民が全面的に自公政権を信任したとは言い難い。自民・公明の両党がスクラムを組み、組織力を生かして接戦の2、3区を制した。

 自民候補支持を表明したある首長は「アベノミクスの恩恵が、何もしないで地方に行き届くとは信じられない」と本音を漏らす。「だからこそ、真に地方創生を頑張ってもらわなければならない」と注文をつけた。遠藤氏も安倍政権の真価が問われるのはこれからだと言う。

 山形で地方創生は実現するのか。
 自民党は、来春の統一地方選を地方創生実現の鍵と位置づける。遠藤氏は「国からの指示ではなく、地域経済の動かし方を地域が提案する。国会議員と地方議員が、密に連携を取ることが重要だ」指摘する。自民党は、早くも統一地方選やその先の山形市長選を見据えている。【前田洋平】

     ◇

 今回の衆院選を振り返り、選挙を戦った各党、各候補らの将来の展望を探った。

2802チバQ:2014/12/18(木) 22:22:54
http://senkyo.mainichi.jp/news/20141217ddlk06010241000c.html
戦いの後先・2014衆院選:/中 民主、共産、社民 受け皿になれぬ苦悩 /山形
毎日新聞 2014年12月17日 地方版

 ◇統一選に向け戦々恐々
 衆院選の投開票日から一夜明けた15日。民主党の近藤洋介・県連会長は「自民党への批判や不満はあった。だが、受け皿として民主党が弱かったのは否めない。『ここに託せる』という受け皿になれなかった」と渋い表情を見せた。

 民主党は今回、野党第1党としてすべての選挙区に候補者を立てたが、自民候補に全敗。近藤氏が比例代表で復活当選した1議席の獲得にとどまった。投票率が戦後最低を記録し、民主への追い風も吹かない中、組織の地力が問われた選挙だった。

 投票前日の13日夜、山形市。支持団体・連合山形の大泉敏男会長は、民主候補の集会に駆けつけ、「安倍政権はごまかしのテクニックばかりだ。ストップをかけなければならない」と批判。「全選挙区で全力をあげて支援している」と協力態勢を強調した。

 しかし、1区は5万票以上、3区は6万票以上の大差をつけられ、約7000票差の接戦に持ち込んだのは近藤氏が立った2区のみ。近藤氏が自身の後援会を中心に演説会を頻繁に開くなど精力的に動いたのに対し、新人候補が挑戦した1、3区では態勢が整わないままの戦いを余儀なくされた。

 大泉氏は選挙後、自民・公明両党との地力の差を認めた上で、組織の立て直しについて「(来春の)統一地方選が重要だ。時間をかけて、一人ずつ地方議員を増やしていかなければならない」と指摘した。選挙期間中も、民主陣営からは「支援する地方議員がいない地域では、運動が手薄になる」との弱音が漏れていた。

 統一地方選を反転攻勢の足がかりとしたい民主だが、県連幹部は「自民とこれだけ勢いの差を見せられると、統一選に響くのは間違いない」と懸念する。民主陣営に入って戦った地方議員からは「統一選で、自民が追加候補を立ててくるのではないか」と戦々恐々とする声が上がる。

 組織の足腰の強化という重い課題を突きつけられた民主党。海江田万里代表の落選を受け、党の新代表選出も取りざたされ、今後は野党再編を巡る議論も活発化するとみられる。「信頼できる対抗軸」(近藤氏)を築く道のりは険しい。

   ◇ 

 共産党と社民党は、安倍政権の経済政策「アベノミクス」の転換を訴え、集団的自衛権の行使容認、消費税10%への増税など多くの課題で、自公政権との対決姿勢を明確に打ち出した。

 共産党は3選挙区に擁立した候補はすべて敗れたものの、比例代表での県内得票は4万4833票に上り、前回選の2万8219票を大きく上回った。得票率も前回の4・73%から今回は8・36%に急伸した。

 本間和也・県委員長は取材に「ぶれずに安倍政権と対決する共産党が、有権者の選択肢に入り、評価してもらえた」と手応えを強調。「無党派層や若年層の支持をさらに得ることが今後の課題。非正規雇用問題などについて取り組みを強めたい」と語った。

 一方、社民党は今回、選挙区での候補者擁立を断念。比例票の積み増しに力を入れたが、県内得票は、山形3区に候補を立てた前回に比べ約1万票減の2万1485票にとどまった。高橋啓介・県連幹事長は「厳しい結果。選挙区で候補者を出さなかったことが大きく、比例票を積み増す運動が十分にできなかった」と述べ、組織の立て直しを急ぐ考えを示した。【光田宗義、佐藤良一】

2803チバQ:2014/12/18(木) 22:23:32
http://senkyo.mainichi.jp/news/20141218ddlk06010024000c.html
戦いの後先・2014衆院選:/下 3区 「加藤王国」復権道半ば 保守分裂のしこり懸念 /山形
毎日新聞 2014年12月18日 地方版

 「もはや、『加藤紘一先生の娘』という枕言葉は不要になった」

 新庄市内で8日夜に開かれた自民の加藤鮎子氏の個人演説会。応援弁士を務めた鶴岡市選出の県議は、会場を埋めた600人余りの支援者に「鮎子氏本人に会いたい」という人が増えていると紹介し、こう語り掛けた。そして、無所属の阿部寿一氏と「ようやく並走できるまでになった」と続けた。

 公示から1週間。「世襲」「経験不足」といった批判を乗り越え、加藤氏が自らの地盤を築きつつあると、陣営は手応えを感じ始めていた。

 保守分裂の構図、わずか1488票差の大激戦となった山形3区。2年前の衆院選では、阿部氏が14選を目指した紘一氏を1465票差で破った。今回は紘一氏の三女・鮎子氏が阿部氏に競り勝ち、雪辱を果たした。

 遠藤利明・自民県連会長は応援演説で「昨年は1対3、今春も1対2で負けていた」と語る場面もあった。加藤氏陣営も厳しい認識を共有し、「与党・自民党公認」を前面に打ち出して、支持固めを図った。

 選挙期間中には遠藤氏のほか、谷垣禎一・自民党幹事長、小泉進次郎復興政務官、加藤氏が秘書を務めた野田聖子元郵政相らが続々と来援。最終盤の12日には安倍晋三首相が、阿部氏の地盤・酒田市で街頭演説し「鮎子さんは皆さんの期待に応え、必ず夢を形に変える」とアピールした。加藤氏のみならず、自民・公明両党が総力戦でつかんだ勝利だった。

     ◇

 酒田市長を13年5カ月務め、高い知名度を誇る阿部氏は、インフラ整備など衆院議員1期の実績を強調。「この地域を最も知る候補は私」「古里を守ろう」と訴えて選挙戦をリードした。

 自民公認を強調する加藤氏に、阿部氏は「私は誰に遠慮することなく中央にものが言える」と無所属の立場を生かして対抗。保守系の一部を切り崩しつつも、党派を超え幅広く浸透する道を探った。

 新庄市内で個人演説会を開いた6日夜、会場移動の合間に阿部氏は「前回より手応えがいい」と語った。保守系市議15人が支援した酒田市では前回を約3200票上回る3万3000票余りを獲得し、加藤氏に約2万票差を付けた。3区全体でも約6600票上積みしており、感触に間違いはなかった。

 誤算は、思いもしなかった民主党公認、吉田大成氏の立候補だった。陣営は当初、「民主支持層の8割はいける」ともくろんでいたが、結果的に5割余りしか取り込めず、惜敗の一因となった。

 無所属ながら自民候補に肉薄し、存在感を示した阿部氏。55歳とまだ若く、2回の衆院選を通じて後援会組織も拡大しただけに、去就が注目される。

     ◇

 一方、3区で懸念されるのは保守分裂のしこりだ。遠藤氏は「(保守系は)加藤さんに収れんしていくと思うので、全然心配していない」と平静を装う。だが、遠藤氏がこれまで、「3区の自民公認は次も、その次も鮎子氏」と再三、繰り返し、阿部氏を支援する自民所属県議や、阿部氏の自民入りを望む支援者らを強くけん制してきたのも事実だ。

 加藤氏支持の県議の一人は「厳しい状況が続くかもしれない」とみる。紘一氏が築いた地盤・鶴岡市で、阿部氏は前回選とほぼ同じ1万5621票を獲得。鮎子氏の足元にも保守分裂の芽は残っており、「加藤王国の復権」は道半ばだ。

 初当選から一夜明けた15日、鮎子氏はこう語った。「少なくとも保守だけでもまとまらなければならない。割れている場合でないのが、地域の現状だ。今回、応援していただけなかった方の声も聞く姿勢を貫く」【高橋不二彦、長南里香】

2804チバQ:2014/12/18(木) 22:24:07
http://senkyo.mainichi.jp/news/20141216ddlk07010180000c.html
2014衆院選:師走決戦の後で/上 対抗勢力結集に苦戦 自民、支持基盤の緩みも /福島
毎日新聞 2014年12月16日 地方版

 「今回の結果を重く受け止めて、謙虚な姿勢でゼロからスタートしたい」。14日投開票された衆院選の4区(会津若松市など)で維新前職の小熊慎司氏(46)に敗れた自民前職の菅家一郎氏(59)は、比例復活当選の一報を受けても、硬い表情を崩さなかった。万歳も行わない「祝勝会」。陣営幹部は「目指したのは小選挙区での勝利。油断があったことへの反省もあるのだろう」と心境をおもんぱかった。

 「政権与党の一員として、会津の窓口となって問題解決に取り組んできた」。菅家氏は事務所開き以来、「政権与党」の看板を前面に押し出してきた。ただ、菅家氏の選対関係者は「解散にしらけた雰囲気があった。『アベノミクス』も地方には恩恵をもたらさず、(支持が)下がる要素はあっても上がる要素はない。もともとある組織を固めるしかなかった」と振り返る。

 さらに菅家陣営が「甘く見ていた」と反省するのは、「恒三票」の見定め。4区を地盤とし、連続14回当選を誇った元衆院議員、渡部恒三氏は今回、小熊氏を全面支援したが、陣営の多くは「もう影響力はないのでは」とみていた。

 しかし、前回と異なり、渡部氏は小熊氏の個人演説会全てでマイクを握り、支援の度合いを強めた。その力の入れようは、渡部氏が「我が選挙よりも頭を下げていたとみんなに言われる」と言うほどだった。

 小熊氏は、「非自民」の受け皿を目指し、維新の政党色を抑えた。選挙戦最終日の13日も「与党独り勝ちの危機だ。維新とか、与野党の枠を超えて、国民のための政治を取り戻す」と訴えた。渡部氏の古巣である民主党は4区で独自候補を立てられず、自主投票を決めていたが、民主の支持層の中にいる一定の「恒三派」が「勝手連のように」(民主関係者)水面下で動き、支持を広げた。

 「自民党への対抗勢力の結集に最も成功したのが4区だ」。水面下で小熊支持に動いた民主関係者は打ち明ける。「維新だ、民主だ、ってこだわっていたら、お互いにつぶし合いになる。それを避けるためには、一つの政党になるしかない」と今後の野党再編さえ望んだ。

     ◇

 1区(福島市など)では、自民前職の亀岡偉民氏(59)が、民主新人の金子恵美氏(49)に5000票差まで詰め寄られ、辛くも逃げ切った。

 「(支持者は)みんな楽勝モードで、何言っても動かなかった。大丈夫だの一点張り」。亀岡氏自身も、支持基盤の緩みを認める。陣営幹部によると、公示後も大規模な支持団体には亀岡氏のポスターが張られず、有権者への電話かけもままならない状況。公示後序盤の個人演説会では、大票田で勝負を握る福島市でも空席が目立った。自民県議の一人も「必死さと危機感がなかった。緩かった」。

 「何のための解散・総選挙か」「生活の先行きも見えないのに、復興は置き去りにされているのか」−−。飯舘村から伊達市の仮設住宅に避難する住民からは、政権・与党の復興政策への不満も聞かれた。相手候補と競り合う情勢が終盤に伝えられると、陣営の「空気が変わった」(自民県議)。電話など支持者への声かけを徹底した。

 一方、立候補表明から投開票まで1カ月もない短期決戦で亀岡氏を追い上げた金子氏。攻勢のきっかけは、前回選で日本未来の党(当時)から立候補し、約5万票を獲得した石原洋三郎・元衆院議員からの支援だった。公示日初日、民主党の玄葉光一郎衆院議員が石原氏と直談判し、支援の取り付けに成功した。1区幹事長の小林義明氏は「これが今回の選挙戦のポイントだった。非自民を結集でき、いい勝負ができた」と分析した。

     ◇

 14日投開票された衆院選は、県内では自民党が小選挙区と比例代表を合わせて勢力を2議席減らす結果に、衝撃が走った。民主党も「非自民」の受け皿にはなれず、有権者の不信や不満が戦後最低の投票率に表れた。師走の短期決戦の舞台裏を探った。

2805チバQ:2014/12/18(木) 22:26:08
http://www.sankei.com/region/news/141216/rgn1412160022-n1.html
2014.12.16 07:06
【「渡辺王国」の落城】
(上)逆風 第三極の雄一変、どぶ板

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(1/3ページ)
 14日午後11時すぎ。開票作業が進む中、渡辺喜美氏(62)は那須塩原市下永田の事務所に姿を現し、約200人の支援者を前に深々と頭を下げた。

 衆院選で3区は、自民前職、簗和生氏(35)が前回選挙区で完敗した雪辱を果たして再選。7選を目指した渡辺氏は敗れた。

 「私の力不足で残念な結果になった。全ての責任は私にある」。自身の8億円借り入れ問題にも触れた。「党分裂の中で私の借り入れ問題が出て、不器用なため騒ぎを大きくしてしまった。心から反省している」

 自民党離党、みんなの党結成から5年。第三極の雄として政界で存在感を示してきた渡辺氏。選挙のたびに全国を飛び回り、地元入りは数回程度だったが、衆院選は6回連続当選。強固な地盤と抜群の知名度を誇示した。だが、みんなの党解党で無所属で立候補した今回、状況は一変した。

 選挙区に張り付き、どぶ板選挙を徹底。「生(なま)ヨッシーを見てください」と、街頭演説では握手会も。安倍晋三首相との親密さを強調し、序盤は経済政策を訴えることが多かったが、後半は借り入れ問題や解党への謝罪に転換し、涙ぐみながら支援を訴えることもあった。副総理や重要閣僚を歴任した父、美智雄氏の言葉もたびたび引用した。

 投票前日の13日夜、街頭活動を終えて事務所に戻り支持者らにあいさつした。「父は志半ばにして病気に倒れ、派閥はくしの歯が欠けるようになってしまったが信念は曲げなかった。息を引き取る直前、『お前は政治家になりたいか。誰のことも恨むな。政治家にとって一番大切なのは真心だ』と言った。この言葉を胸に刻んでやってきた」

 昭和38年以来、連続11回当選した美智雄氏は「ミッチー」の愛称で親しまれ、自民党ニューリーダーとして総理総裁を目指しながらも大望は果たせなかった。地盤を引き継いだ渡辺氏もみんなの党代表として存在感を発揮した頃、「渡辺総理誕生を」との声さえあったが、解党でその仲間もほとんどが離れていった。
 また、東京地検特捜部が9月、政治資金規正法違反の疑いで、宇都宮市の事務所などを捜索していたことが分かった。渡辺氏は15日、「当局に全面的に協力しているが、捜査中でコメントは差し控える」と述べるにとどまった。敗退の要因となった政治とカネの問題は今後の動向にも注目が集まる。(伊沢利幸、原川真太郎)



 父、美智雄氏の初当選から51年、父子2代で議席を守ってきた「渡辺王国」が崩れた。背景や県政界への影響を探る。

2806チバQ:2014/12/18(木) 22:26:44
http://www.sankei.com/region/news/141217/rgn1412170084-n1.html
2014.12.17 07:06
【「渡辺王国」の落城】
(中)敵増やし足すくわれる

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 渡辺喜美氏(62)の父、美智雄元副総理の命日となる9月15日。那須連山を正面に見渡せる那須野ケ原総合開発水管理センター(那須塩原市接骨木)で開かれた渡辺美智雄顕彰会の例祭には、8億円借り入れ問題でみんなの党代表を辞任後、公の場から遠ざかっていた渡辺氏も出席していた。「迷惑をかけたが、不正なことなど間違ったことはしていない」と関係者に弁明したという。

 美智雄氏死後10年を機に発足した顕彰会。例祭には渡辺氏も毎年参列し、市町長らが並ぶこともある。

 顕彰されている美智雄氏の功績とは、昭和42年に始まった那須野ケ原開拓建設事業だ。農業用水不足解消のため、今の那須塩原市と大田原市の一部などをエリアに土地改良事業が進められ、深山ダムや戸田調整池などを整備。水路は総延長330キロに及び、4300ヘクタールの水田を潤した。美智雄氏はこの国営事業誘致に尽力し、大勢の農家が熱烈な支持者となった。「渡辺王国」の始まりである。

 土地改良区関係の組織は抜群の集票力を発揮した。かつての原野が豊かな穀倉地帯に発展した那須地域特有の背景がある。

 ただ、顕彰会役員ら美智雄氏の時代からの土地改良区関係者も高齢化。今回の選挙では、かつての集票マシンとしての機能は失われていた。

 渡辺氏に対する見方も厳しい。大田原市の80代の男性は「美智雄先生が亡くなるときに、『息子を頼む』と言われたというので、みんな一生懸命やってきたが、今回は喜美さんが自分で不利になることをやってきたと、みんな思っているのではないか」と突き放す。

 土地改良区を足場に地域の業界団体、地方議員の厚い地盤を築いた美智雄氏に対し、渡辺氏のよりどころはみんなの党。党勢拡大を図り、地方選挙にも関与したが、建設会社経営の60代男性は「美智雄先生は自分の選挙以外、口を挟まなかった」と振り返る。地方選挙は“行司役”に徹し「選挙が終われば両陣営とも、おれの支援者と大きな気持ちで包んでくれた。一方、喜美さんは応援しない者は切っていった」と違いを強調。「建設業界も自民党支持だとバツ。結局、地方議員も業界もバツが増えた。自信過剰だ」。敵を増やしすぎた結果、地盤の足元が揺らいでいた。

 那須塩原市の阿久津憲二市長は15日の記者会見後、「これまで長年、親子2代にわたり支援してきたが、(渡辺王国が)ぱっと消えるところを見届けた気がした」と話した。(伊沢利幸)

2807チバQ:2014/12/18(木) 22:27:04
http://www.sankei.com/region/news/141218/rgn1412180085-n1.html
2014.12.18 07:09
【「渡辺王国」の落城】
(下)県議らの動向 統一地方選へ影響深刻

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 みんなの党の解党に加え、渡辺喜美元代表の落選により、渡辺氏への傾倒者や党の政策に共鳴する議員でつくる県議会会派「みんなのクラブ」(9人)は、来春の統一地方選の県議選に向けて困惑し、方向性を見定めかねている。

 「党は既になく、元代表も国会議員でなくなった。もう決めていたことだが、無所属で出るしかない」

 県南が選挙区の1期議員は、解党が決まった11月、党を離れ、無所属出馬を明言していた。「渡辺氏落選の影響はない」

 1期議員の多くは渡辺氏が「増税の前にやるべきことがある」と身を切る財政改革などを唱えた政策に共鳴し、みんなの党に入党。平成23年の前回県議選後にみんなのクラブ入りした。

 宇都宮市・上三川町選出の医師、佐原吉大氏は「出るかどうか検討中」と不出馬の可能性を否定していない。渡辺氏に推され当選した佐原氏は「渡辺氏が落選したからではなく、解党の段階で白紙の状態。それ以前に議員としてやっていけるのか」と話す。

 佐野市選出の早川桂子氏は「個人的には渡辺氏を支援する気持ちに変わりないが、後援会の声を大事にしたい」。渡辺氏の動向や県議らへの説明をみながら無所属で立候補する考えだ。

 一方、県北選出の議員らは渡辺氏が自民党時代からの支持者で、みんなの党結成時に、県議会でみんなのクラブ結成に動いたか、会派結成間もなく自民党から移ったベテランたちだ。ほかに渡辺氏の父、美智雄氏の秘書を15年務めた中川幹雄氏と渡辺氏のおいの嫁である渡辺幸子氏がいる。

 渡辺氏との関係が深いベテラン議員は「渡辺氏が落選するとは信じられない」といまなおショックを引きずるが、中川氏は「落選は敗北でなく、一つの過程」と話し、多くの政治家を例に、落選は次のステップに飛躍する大事な経験だと復活を期待する。だが、県議選に向けては「次の選挙は大変だ。これだけ自民が大勝すれば、地方選も無関係ではない」と、無所属での戦いに危機感を抱く。

 渡辺幸子氏は、政治家としての渡辺氏の落選を惜しみ、自分の選挙は「決めていない」とだけ話した。

 こうした意見に対し、渡辺元代表は衆院選開票の翌日、「みんなの党のゼッケンを付けて活動してきた人たちがゼッケンもプラットホームもなくなった。これはかなり深刻だ」と、来春の統一地方選への影響の大きさを認めた。

 「渡辺王国」の落城とともに、みんなの党結成時の熱い改革への炎も消え去ってしまうのだろうか。(高橋健治)

2808チバQ:2014/12/18(木) 22:27:51
http://senkyo.mainichi.jp/news/20141216ddlk10010271000c.html
上州変動:2014衆院選 戦いの後で/上 自民1区公認問題 万歳三唱、次への号砲 四者の争い、本格化へ /群馬
毎日新聞 2014年12月16日 地方版

 14日午後10時5分、前橋市野中町の事務所にようやく「万歳」の声が響いた。自民党県連の中曽根弘文会長らの横で、両手を大きく挙げたのは自民前職の佐田玄一郎氏。県内小選挙区の自民候補で、最も遅く当選確実の報を聞いた佐田氏は「本当に苦しい選挙だったが、議席を守れたのは皆さんのお陰です」と頭を下げた。喜びと安堵(あんど)に包まれた事務所で、選対幹部を務めた県議はこうもらした。

 「次の選挙は佐田さんに、あきらめてもらうしかない。これからが大変だ」

 自民大勝ムードが流れた今回の衆院選で、佐田氏は逆風下の選挙戦を強いられた。週刊誌の女性問題報道の影響で、現職でありながら、地元県議が候補者差し替えを自民党本部に直訴。党本部に公認決定を一任する異例の事態に発展した。何とか自民党公認を得たものの、政治家のスキャンダルを嫌う公明党は県内の自民候補で、佐田氏には推薦を出さなかった。

 苦しい選挙戦で、地方議員が頼ったのが政権与党・自民党の看板だ。選挙戦中盤の10日、前橋市大手町の県庁前で行われた佐田氏の街頭演説。ある県議は党の法定ビラがないことに気付くと、「佐田さんは自民党だから、票を入れてもらえるんだ。すぐにビラを持ってこい」と運動員を叱りつけた。統一地方選を来春に控え、自民党を前面に押し出せば自らの選挙にもつながる−−地方議員にはこんな打算もあったからだ。

 「ポスト佐田」を巡る駆け引きはすでに始まっている。1区の自民党公認候補については、公示前、中曽根県連会長の長男、康隆氏が一時立候補の意向を表明。山本一太・元科学技術担当相=参院群馬選挙区=がブログで「断固反対」との論陣を張り、康隆氏との間で応酬を繰り広げた。党1区支部は康隆氏の扱いについて「親子で県内2議席は認められない」と判断し、公認申請を見送った。

 加えて今回の選挙で、尾身幸次元財務相の長女、朝子氏も自民党から比例代表単独で初当選した。尾身氏の地盤は元々、1区。現職議員になった朝子氏は、将来の1区候補として名乗りを上げる「資格」を得たことになる。現職の佐田氏に加え、中曽根氏、山本氏、そして尾身氏、四者の綱引きがこれから本格化する。

 「今回は応援するが、次は公募もある」

 選挙を控え、ある自民党県議は佐田氏に対し、次期衆院選で1区の候補を広く公募で決めたいとの考えを伝えた。自民党は今回、2年前の前回衆院選に続いて、5小選挙区で議席を独占。しかし、有力な野党がいない分、県連内はまとまりを欠き、所属議員は互いに県政界への影響力を競い合う。14日夜、佐田氏の事務所でわき上がった「万歳三唱」は、次期衆院選に向けた候補者レースの「号砲」にすぎない。【吉田勝】

    ◇

 第47回衆院選は、自民党が県内の全小選挙区を制し、「保守王国」ぶりを示した。選挙結果は何をもたらすのか、水面下の動きを検証する。

2809チバQ:2014/12/18(木) 22:29:57
http://senkyo.mainichi.jp/news/20141218ddlk10010479000c.html
上州変動:2014衆院選 戦いの後で/下 過去最低の投票率 問われるのは有権者 約半数が棄権「しらけ選挙」 /群馬
毎日新聞 2014年12月18日 地方版

本来の時間より1時間早く投票を締め切り、投票箱に鍵をかける選管係員=太田市で
本来の時間より1時間早く投票を締め切り、投票箱に鍵をかける選管係員=太田市で
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 「素直に喜べない。国民の思いはこんなに政治から離れているのか」。小選挙区で圧勝した自民前職陣営幹部の表情は暗かった。14日投開票の衆院選で県内の投票率が51・72%と2回連続で過去最低を更新したからだ。

 大沢正明知事は17日の定例記者会見で「野党は政権の批判ばかりで争点も見えづらかった」と話した。しかし棄権した有権者に理由を聞くと、仕掛けられた選挙自体にしらけたという声が少なくなかった。

 県内で公選法の規定通り午後8時まで投票できた投票所は1%のみ。残り99%は投票終了時間が繰り上げられており、遅い時間に投票できないことと低投票率との因果関係の有無も検証が必要だ。

 比例代表の北海道ブロックでは「支持政党なし」と称する団体が10万票以上を集め、社民と次世代の合計得票数を上回った。これに対し、高崎市の40代の女性は「私も支持政党はない。それでも公約や人物を比較して投票してきた。支持政党がないと表明しても全く無意味で棄権と同じ」と話す。

 今回棄権した有権者は「入れたい候補がいなかった」と述べる人が多かったが、日本大の岩井奉信教授(政治学)は「よりましと思う投票先を見つける努力をしなければならない」と語る。候補者を選ばないことは何を意味するのか。岩井教授は「今後、政治に対し文句を言わないという意思表示だ」と指摘する。約半数しか投票しなかった今回の衆院選。有権者の投票行動も問われている。【角田直哉、田ノ上達也】

 ◇有権者の声「私はなぜ棄権したか」
■太田市、会社員、20代男性

 初めての選挙。引っ越したばかりで前の住所に届いた投票整理券での手続きが分からないまま棄権した。生活にも関係するし、大人として投票すべきだとは思う。テレビで選挙の番組を見ていても実感が湧かなかった。

■富岡市、会社員、20代男性

 1票を投じるに足ると思える候補者がいなかった。比例代表だけでも投票してもよかったが結局は行かなかった。5区で政治資金問題を抱える候補は、司法の判断が出ていない以上、立候補するべきではなかった。

■渋川市、会社員、40代男性

 5区で街頭演説も聞いたが、小渕優子氏は平謝りするだけ。社民と共産の候補は政権批判が多く、これからどうするのかが見えなかった。誰に入れても、投票に行かなくても、良くも悪くもならないのではと感じた。

■桐生市、団体職員、40代女性
 争点がないままの抜き打ち解散と総選挙で、国民は蚊帳の外。同意も納得もしていない選挙なのに、なぜ投票しなければならないのか。こんな選挙なら投票に行かない方が白紙投票より意味があるように思えた。

■前橋市、専業主婦、50代女性

 消費税アップ先送りに誰も反対していないのに「信を問う」などという茶番劇に付き合いたくなかった。議員定数削減で「身を切る」というのも安直な人気取り。議員歳費は国民の声を反映させるためのコストなのでは。

■高崎市、会社員、60代男性

 各党がさまざまな公約を掲げていたが、4区では自民と共産の候補しかおらず、選択のしようがなかった。比例代表だけでもと考えたが、候補者さえ立てられない多くの野党に何ができるのかと、期待を持てなかった。

■沼田市、自営業、70代女性

 選挙自体にあまり関心がなかった。立候補者の選挙カーが遊説に来ても、そのまま通り過ぎるだけ。車を止めて支持を訴える候補者を見かけなかった。有権者の少ない地域には関心がないのか、都市部との格差を感じた。

2810チバQ:2014/12/18(木) 22:30:37
http://senkyo.mainichi.jp/news/20141216ddlk11010263000c.html
2014衆院選:風なき戦い/上 自公大勝 バトンタッチの相手いない 有権者、願いの結実感じ /埼玉
毎日新聞 2014年12月16日 地方版

 「今、日本で政権を任しうるのは自公連立しかない。我々が失敗したら『君たち、バトンタッチだ』と言える人がいない」。選挙戦中盤の7日、自民候補の応援に駆け付けた谷垣禎一幹事長はJR浦和駅東口前で、こう言い切った。「敵なき戦い」を象徴した一言だった。

 とはいえ、15選挙区中1期生が半数近い7人もおり、自民党県連には当初、厳しい選挙戦を予想する人も多かった。埼玉1区で当選した村井英樹氏は解散が現実味を帯びた11月中旬、「準備不足。後援会も徐々に作っているところ」と焦りを隠さなかった。

 こうした状況を巻き返そうと、県連は組織力をフル稼働した。公示直前、自民党県連は2年に1回のパーティーをさいたま市浦和区で開いた。小選挙区に立候補するほぼ全員と来春の統一地方選立候補予定者、公明党県本部幹部が一堂に会し、士気を高めた。この場に急きょ石破茂地方創生担当相が登場。約2000人の出席者には「政権与党」の印象が強く刻まれた。

 選挙期間中も県内には、安倍晋三首相が2回応援に入ったほか、菅義偉官房長官や閣僚が応援に入り、「政治を動かせる立場」を強調。「長いものには巻かれろ」と言わんばかりに、前回選で保守系の非自民候補を応援した首長が、今回は自民候補のマイクを握る姿も何度か見られた。

 選挙後、新藤義孝県連会長は「有権者の方々が政権与党を応援する意義は、公約が達成され、自分たちの願いが選挙を通して実を結ぶ可能性を強く感じてもらえること。それが、一層の支援につながった側面はある」と分析した。

 後方支援もあった。連立与党を組む公明は今回、13選挙区で自民候補に推薦を出した。公明は、前回得た比例北関東ブロックでの3議席目を死守したい思惑もあり、精力的に県内の自民候補を支援した。「ウィンウィン」の関係だ。

 自民地方議員は今回、来春の統一地方選での票の掘り起こしを兼ねて、衆院選の選挙活動を行った。だが、自民市議は「すみ分けで限界まで議席は取りきっている」としており、擁立増には懐疑的な見方が多い。

 ある自民党関係者は「若者の就職難、景気悪化への深刻さがアベノミクスの支持につながった実感がある。批判はあっても実効性を民主党時代より感じてもらっている」と無党派層、「第三極」支持層からの手応えを語る。

  ◇  ◇

 自民が県内の12選挙区で勝利した今回の第47回衆院選。民主は激戦区で2議席を獲得したものの低迷。維新などと共闘して戦ったが、功を奏さなかった。各党の選挙戦を振り返り、今後の政治を展望する。【西田真季子】

2811チバQ:2014/12/18(木) 22:31:07
http://senkyo.mainichi.jp/news/20141217ddlk11010191000c.html
2014衆院選:風なき戦い/中 民主低迷 党名売りにできず 「個」の力で激戦区勝つ /埼玉
毎日新聞 2014年12月17日 地方版

 選挙戦最終日となった13日の大宮駅前。民主党幹事長の枝野幸男氏(50)は自身の選挙区(5区)で、同志への支持を呼びかけ始めた。「皆さんの中には別の選挙区にお住まいの方もいると思う。1区も6区も、何としても小選挙区で勝たせてほしい」。自身の5区のみならず、1、6区も県内屈指の激戦区であることを意識した「懇願」だった。

 野党に転落した2012年の前回衆院選で、県内の小選挙区で勝てた民主候補は枝野氏のみ。今回は県連代表の大島敦氏(57)が6区で議席を奪還して「2勝」できたが、県内全域で攻勢に転じられなかった。

 今回の衆院選で民主候補は、党名を売りにできなかった。県内の候補もアベノミクスを盛んに否定したものの、「自民がだめなら党としての対案を示せ」という有権者もいた。ある候補者は、磨けばブランドになるはずの党名を自嘲気味に「重い石」と表現した。

 5、6区の勝因は党の名前に頼らない「個」の力だった。抜群の知名度を誇る枝野氏は「『民主党の枝野』ではなく『枝野』として選挙をやった」と振り返る。大島氏は選挙戦終盤に開いた個人演説会で「大島党」を名乗る保守系市議らを来賓として招いた。大島氏は「私は民主党だが、地元を理解して政策を議論する土着の政治家」と自負。保革の垣根を越えた人脈が勝因の一つとなった。

 党本部幹部の枝野氏と県連幹部の大島氏が小選挙区で当選し、「埼玉民主」の面目は何とか保たれた。そして、来春の統一地方選は組織の足腰となる地方議員を増やす新たなステップとなる。

 今回の結果を受け、統一選は現有議席の維持がやっととの見方もあるが、大島氏は投開票日翌日の記者会見で「自民党の高い支持率をはね返していくだけの活動量を保てる人を発見していきたい」と意欲を見せた。

 支援組織の連合幹部も「政権に対する執着心は自民の方が強い。しかし自民にできていることが、政権を担った実績のある民主にできないことはない」と期待をかける。

 しかし現実は決して甘くない。今回、比例の得票数で、民主は候補者を擁立できなかった5選挙区中3選挙区で共産に負けた。この結果は、民主が反与党の受け皿になれていないことを意味した。

 ある民主の県議は「共産党にこんなに票を取られた。民主党としてもっと個性を出していかないといけない」と危惧。「『解党の危機』ぐらいの腹づもりがないと立て直せない」と気を引き締めた。【川畑さおり】

2812チバQ:2014/12/18(木) 22:31:25
http://senkyo.mainichi.jp/news/20141218ddlk11010156000c.html
2014衆院選:風なき戦い/下 野党共闘 単純な足し算通用せず 自民批判票は共産へ /埼玉
毎日新聞 2014年12月18日 地方版

 公示翌日の3日朝。7区の民主・小宮山泰子氏(49)と10区の維新・坂本祐之輔氏(59)が並んで演説に立った。場所は10区の東武東上線鶴ケ島駅前。7区の川越市民も多く利用する駅で、2人は約1時間、野党共闘をアピールした。この「コラボレーション」は小宮山氏の呼びかけで実現。2人は小選挙区で自民候補に敗れたが、ともに比例復活を遂げた。

 民主の枝野幸男幹事長(50)が「野党協力のモデル選挙区」と呼んだ13区。民主公認で出馬したのは、解党したみんなの党国対委員長、山内康一氏(41)だった。春日部市の地元記者と初顔合わせしたのは公示の9日前。「春日部駅に初めて降りた」と述べる候補だった。

 13区は前回、民主と維新、みんながそれぞれ候補を擁立。この時に得た票の大半を固めれば、当選した自民候補を上回るとの目算だったが、遠く及ばなかった。組織化が遅れている維新やみんなでは読める票は多くなく、政党側の単純な足し算は通用しなかった。

 野党は今回、民主と維新両党を中心に「共闘」で臨んだ。同じ選挙区で候補者がぶつからないよう一本化したが、実態は空白区の穴埋めや単なる絞り込みの側面が強かった。

 「(候補者が)バッティングしないだけで、互いの協力までは想定していなかった」。民主県連の大島敦代表(57)がこう打ち明ければ、民主の支援団体である連合の幹部も「民主の候補がいなければ、消去法で維新に入れてくれるだろう」。調整は党本部レベルでなされた結果、現場の組織の動きは鈍く、共闘は上滑りした。

 候補者調整で失敗した選挙区もあった。前回は3区から立った維新の谷古宇勘司氏(64)を公示直前、2区に「国替え」させようとしたが、後援会との折り合いがつかないことを理由に出馬を断念。県内で唯一、自共の一騎打ちとなった。

 有権者に選択肢を示せなかったこともあり、共産候補は7万票と前回の約3倍まで伸ばした。県内の比例でも総得票数をほぼ倍増させた共産は、来春の県議選で定数2の選挙区などを念頭に、これまで以上に擁立する姿勢を示した。

 有権者の関心を呼び起こせず、過去最低の投票率となった今回の総選挙。上田清司知事は投開票翌日の15日、この共闘を野党同士の単なる「遠慮」と総括した。安倍政権への対抗軸を示せない野党に有権者が戸惑い、批判票がさまよった感の強い選挙でもあった。【中山信、栗原一郎、大島英吾、鈴木梢】

2813チバQ:2014/12/18(木) 22:32:19
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tochigi/20141217/CK2014121702000147.html
衆院選回顧(上)自民堅調 「風」に惑わされず支持固める

2014年12月17日


地元を重視する姿勢で支持を広げ、「渡辺王国」の牙城を崩した自民の簗氏=大田原市で
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 「弱いけれど、逆風だと思う」
 十一月の衆院解散直後、県庁で会見した自民の船田元氏(61)は、世論の風向きを聞かれると、厳しい表情で語った。
 安倍政権が進める経済政策「アベノミクス」の成果は地方にも部分的に出ていたが、四月の消費税増税による消費の冷え込みなどから、経済政策への評価も「思った以上に厳しい」とみていた。風向きに左右されやすいとされる都市部の栃木1区で、過去に二度の落選経験がある船田氏の言葉だけに、党にも警戒感はあった。
 選挙戦では、自民の各陣営とも解散の意義を丁寧に説明しながらアベノミクスの継続を訴える論法を徹底したが、県連幹部の一人は「正直やりにくかった」と振り返る。
 声高に「政権奪還」を叫んだ二〇一二年の前回選挙と違い、今回は守る立場。船田氏の街頭演説では「忙しい師走の選挙になってしまった。心からおわびする」と謝罪の言葉まで出るなど、有権者の反発を和らげる空気づくりにも気を使った。
 ただ、序盤から各種調査で自民優勢が伝えられると、流れはできた。県連幹部も「徐々に前向きなことを話せる雰囲気になっていった」と言うように、各陣営は迷うことなくアベノミクスを武器に組織固めに奔走した。大規模な動員型の演説会を封印した船田氏も、企業回りやミニ集会を重ねて支持を広げた。
 「国とのパイプ」。政権与党の候補がよく口にする言葉だが、これを強調して勝利したのは3区の簗和生氏(35)だった。
 一二年の前回、新人だった簗氏は党県連の公募で選ばれ、地元との縁を一から築かなければいけない立場だった。強固な地盤を持つ元みんなの党代表の渡辺喜美氏(62)を相手に、前回は比例で初当選。その後の二年間、簗氏は県北部から国会へ通い続けた。
 「地元重視」を強調する簗氏に、今回は県北部の首長や農業、商工会などの団体も支援に回った。「簗さんが当選しなければ、この地域の道は開けない」(遠藤忠・矢板市長)と訴える姿は象徴的だった。
 「風」に惑わされない手堅さ。自民の強みが目立った衆院選だったが、今回も自民候補の応援に回った福田富一知事からは、ゆるみを警戒する引き締めの言葉も聞かれた。
 「今回は期待票が多く含まれている。政権は重い責任を負った。地域経済の活性化などの道筋を次の任期でしっかり打ち出せなければ見放されるだろう」
 来春には統一地方選が控えている。「自民堅調」が引き続き維持できるかは、有権者を納得させられるだけの実績を示せるかどうかにかかってくる。 (藤原哲也)
     ◇
 師走を駆け抜けるように衆院選が終わった。県内の五選挙区は前回と同じく自民が四議席を維持し、野党が一議席を獲得するという結果だったが、その構図は大きく変わった。短期決戦の背景を振り返る。

2814チバQ:2014/12/18(木) 22:32:40
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tochigi/20141218/CK2014121802000173.html

衆院選回顧(下)「王国」陥落 父からの地盤「不信」に消える

2014年12月18日


落選が決まり、おいの渡辺美知太郎参院議員(左)、妻のまゆみさん(右)とともに落胆する渡辺氏=那須塩原市で
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 「業界団体や首長を先頭にして戦う、自民党の流儀を凌駕(りょうが)できなかった」
 七度目の衆院選に、初の無所属で挑んだ元みんなの党代表の渡辺喜美氏(62)は、父の故美智雄元副総理から受け継いだ栃木3区の議席を失った。落選した十四日深夜、那須塩原市内で支援者らに謝罪する表情はこわばり、持ち味の鋭い弁舌は鳴りをひそめた。
 二〇〇九年に自民を離党し、みんなを結党。旧来政党と距離を置く「第三極」として注目されてきたが、渡辺氏の中央政界での存在感が増すにつれ、「渡辺王国」の土台には、次第にきしみが生じていた。
 前回の一二年衆院選で、自民は渡辺氏の離党以来不在だった公認候補として、新人だった簗和生氏(35)を擁立。かつては美智雄氏の支持層だった業界団体や首長の多くが当時、無名だった簗氏の支援に翻った。
 渡辺氏は、政府が環太平洋連携協定(TPP)の交渉参加を決める前に行われた前回選挙から、日本の交渉参加を主張してきた。今回の衆院選でも「県北部の農産物や木材には国際競争力がある」と地元を鼓舞したが、後継者不足などに悩む農業・畜産業者には空々しく聞こえていた。
 党代表としての多忙さを理由に、次第に地元から足が遠のいていたことにも、「地元の苦労を知らない」と厳しい視線が注がれた。
 党内の不協和音も、支持者の落胆に拍車をかけた。一三年、江田憲司・現維新の党共同代表らが離党。今年三月には、渡辺氏の八億円借り入れ問題が発覚し、代表を引責辞任した。十一月には路線対立の激化で解党が決まり、党は五年半の活動に終止符を打った。
 渡辺氏も自身の苦境を強く意識。党代表だった前回は全国遊説に忙しく、県内入りしたのは数日間だったが、今回は個人演説会や街頭演説を精力的にこなし、朝は地元企業の前で通勤する社員に頭を下げ続けた。
 逆風は想像を絶していた。「渡辺への投票を決めた方はいますか」。今月四日、大田原市内の個人演説会で、応援弁士の県議が約四十人の来場者に問い掛けても、一〜二人の手が上がっただけだった。
 渡辺氏のスキャンダルが報じられていた間、こつこつと地元を回ってきた簗氏が一万票以上の差をつけて勝利した。共産候補も今回、得票数を前回の六千五百九票から倍以上の一万四千四百三十八票に伸ばした。別の幹部は「共産にも票が流れた。苦戦は覚悟していたがここまでとは」と驚く。
 選挙戦で渡辺氏は父美智雄氏の名を連呼し、「父にできなかった仕事をやらせてほしい」と懇願した。かつて美智雄氏を支持し、今は簗氏を応援する那須塩原市の七十代女性は「美智雄さんは私たちを一票そのものだと思って大切にしてくれた。喜美さんはそうではなかった」と語る。
 数年前から地域を覆っていた王国崩壊の予兆。父が大切にした住民の声に向き合ってこなかったことが、皮肉にも古巣の自民党を勢いづかせる結末となった。 (大野暢子)

2815チバQ:2014/12/18(木) 22:37:47
千葉
http://www.yomiuri.co.jp/local/chiba/news/20141215-OYTNT50465.html
[衆院選検証]自民、実感なき勝利
2014年12月16日

投開票から一夜明け、当選した候補者ポスターにバラを付ける桜田義孝県連会長(右)と浜田穂積幹事長(15日、千葉市中央区の自民党県連で)

 県内でも自民党が野党を圧倒して11選挙区を制した衆院選。各党の戦いぶりを検証し、勝因や敗因、今後への影響を探った。

          ◇

 「前々回は逆風、前回は追い風、今回は空気の動きすら感じなかった。自民以外に期待する政党がないというのが実情じゃないか」。11区で9選を果たした自民党の森英介氏は選挙戦をこう振り返った。

 民主党に政権を明け渡した2009年、政権奪還を果たした12年に比べ、自民の各候補者は「世論の『風』がない」(渡辺博道県連選挙対策委員長)と、そろって指摘した。報道各社の世論調査で、有利な情勢が伝えられても「本当か」と、実感を得られない候補が多かった。

 こうした不安は、自民の組織力の衰えも影響している。

 各候補の選挙事務所の壁には従来同様、各種団体の推薦状が一面に貼られていたが、農村部を抱える自民候補でも、無党派層を視野に入れた駅頭活動を重視し、組織戦一辺倒ではない戦術が目立った。1区で民主と激戦を演じた門山宏哲氏が選挙中、徹底して回ったのは、かつて自民を支えた農協や医師会、建設業協会などではなく、各地域の老人会だった。

 「大きな団体が本腰を入れて応援してくれるかどうかが全く読めない」。陣営幹部はそう理由を語った。

 最後に自民が頼ったのが連立パートナーの公明党だった。

 選挙戦最終日の13日夕のJR津田沼駅前。行き交う大勢の買い物客を前に止まった公明の選挙カーの上には、2区の自民候補・小林鷹之氏がいた。「どうしても言わなきゃいけないことがある」と切り出し、「比例は公明」と大声で3回繰り返した。

 一種の反党行為として、かつては「禁じ手」とも言われたが、今回は多くの県内自民候補が、公明への比例選投票を公然と呼びかけた。県連は公明から選挙区で支援をもらい、代わりに比例選での協力を約束していた。

 なりふり構わない自公連携に、他党は警戒感を隠さなかった。公明票は「投票率に連動する労組票と違い、必ず一定に出てくる」(民主関係者)と言われる。民主候補の陣営からは終盤、「自民よりずっと公明のほうが怖い」との声も漏れた。

 読売新聞社と日本テレビ系列各局が14日に実施した出口調査では、小選挙区で自民候補に投票した人のうち14%が比例選で公明に入れた。投票率低下にもかかわらず、公明は県内比例票を前回に比べ約2万5000票伸ばし、南関東ブロックで目標の3議席を獲得。自民県連幹部は「上乗せ分は自民票だ」とアピールする。

 投開票から一夜明けた15日、自民の桜田義孝・県連会長は記者会見で、「自公関係は今まで以上にうまくいった。我々は信頼に応えた」と強調した。

 〈野田前首相が強い4区では比例復活でいい。小選挙区候補者の全員を当選させる〉

 選挙戦前、県連幹部は現実的な目標を設定していた。結果は、民主候補に敗れた1区で比例復活したが、4区の新人・木村哲也氏は復活を逃した。「公明依存」の消耗戦の末、自民がたどり着いたのは12人の「現状維持」。

 桜田氏は会見で淡々と総括した。「全勝という希望だったので残念だが、全体としてはまずまずだったのではないか。ほっとしているというのが率直な受け止めだ」

          ◇

 読売新聞社などによる調査は投票当日、県内の投票所428か所で、1万4979人から回答を得た。

2816チバQ:2014/12/18(木) 22:38:06
http://www.yomiuri.co.jp/local/chiba/news/20141216-OYTNT50290.html
[衆院選検証]民主、候補者調整に誤算
2014年12月17日

投開票日当日、自身の当選が決まっても厳しい表情の野田氏(14日夜、船橋市薬円台で)

 14日夜、早々と当選を決めた4区の民主党・野田佳彦氏の表情は晴れなかった。

 「競り合っている同志がたくさんいる。仲間が増えないと政治は変わらない。複雑な気持ちがあるので察してほしい」

 そう述べると万歳もせず、開票速報が流れる控室に戻った。

 小選挙区の結果は前回2012年と同じ1、4区で勝利。しかし、比例復活も含めた県内全議席は5から3に減少した。前回も前議員3人が落選していただけに、県連内には大きな喪失感が漂う。

 「民主の失敗を受けて出てきた安倍首相への期待はなお高い。民主の信頼回復は道半ば……半ばでもないかもしれない」

 激戦の1区を制した田嶋要氏は、投開票日翌日の15日、民主県連代表として記者会見し、前夜から一転して厳しい表情を見せた。

 野党候補の乱立で票が分散した前回の反省から、民主は今回、党本部主導で2、7、8、13区などの候補者調整を維新の党との間で行った。13区では、維新の前議員・椎木保氏が県外に国替えし、民主の前議員の若井康彦氏に一本化された。

 前回、若井氏は自民・白須賀貴樹氏に2万4000票余りの差で敗れ、比例復活に回った。椎木氏が前回獲得した約4万票を上乗せすれば、白須賀氏を上回るとの皮算用があった。

 しかし、読売新聞社と日本テレビ系列各局が14日に行った出口調査では、維新の支持者のうち若井氏に投票したのは56%で、21%は白須賀氏に流れた。無党派層の34%も白須賀氏に回り、若井氏は約3万1000票余りの差を付けられ、比例復活もできなかった。

 調整対象となった県内選挙区は全敗し、民主、維新で比例復活したのは、8区の維新・太田和美氏と、調整対象にならなかった9区の民主・奥野総一郎氏。皮肉にも、太田氏は民主県連が調整に猛反対した候補だった。

 衆院解散後、民主県連は8区に地元県議の擁立を党本部に申請したが、党本部は受け入れなかった。公示直前の11月30日夜、柏市で開かれたこの県議のパーティーで、野田氏は「ずっと議席を獲得してきた地域で、自前候補が出せないことは痛恨の極み」と気色ばんだ。

 パーティーでは、小西洋之・選対委員長が候補擁立を見送る代わりに、8区に重点的に党の選挙カーを走らせることを表明。「党の基盤をしっかり守っていく」と訴えた。

 だが、投票率が下落したとはいえ、比例選では8区で9636票を、県全体では約7万7000票を減らした。最大の支持団体である連合千葉の幹部は「8区は元々、組合員が多い地域だが、候補者を立てた選挙区並みに運動するのは無理があった」と明かす。

 田嶋氏は開票が続く14日深夜、誤算続きだった今回の候補者調整をこう振り返った。

 「バラバラの野党を集約するだけでは、魅力はさほど高まらないことが証明された」

2014年12月17日 Copyright © The Yomiuri Shimbun

2817チバQ:2014/12/18(木) 22:38:28
http://www.yomiuri.co.jp/local/chiba/news/20141217-OYTNT50376.html?from=ycont_top_txt
[衆院選検証]共産、「非自民」取り込む
2014年12月18日

斉藤氏(左)と並んで支持を訴える志位委員長(13日、JR津田沼駅前で)

 15日未明、歓喜に沸く4区の共産党・斉藤和子氏の事務所。斉藤氏はスマートフォンのテレビ電話で、志位委員長から「やったね」と声をかけられると、満面の笑みで返した。

 前回1議席だった比例選南関東ブロックで、1996年以来となる3議席獲得。名簿3位に重複立候補していた斉藤氏にも議席が転がり込んだ。スマホからは、「斉藤さんが躍進の象徴だ」との声も飛んだ。

 志位氏は四街道市生まれ。選挙戦最終盤の12、13の両日、斉藤氏と県内各地を遊説する異例の対応をとった。13日にはJR津田沼駅前で、選挙戦でかれた声を絞り出して最後の訴えをこう締めた。「志位和夫と斉藤和子。『和夫と和子』コンビで国政に行けるよう、3人目まで通してください」

 3議席に「挑戦」だった当初の目標は、好調な情勢が伝えられると、志位氏の指示で「絶対獲得」になった。斉藤氏は「安倍政権の暴走を止めるという怒りの受け皿になった」と振り返る。実際、共産は「非自民」票を幅広く取り込んだ。

 読売新聞社と日本テレビ系列各局が14日に行った出口調査では、県内の比例選で共産が無党派層の16%を獲得。前回、他党に入れた人も、民主党の11%、みんなの党の13%、日本未来の党の19%を取り込んだ。

 6区では前回、日本維新の会、みんな、未来が候補を擁立したが、現在は党が存在せず、票の行方が注目された。民主・生方幸夫氏は落選が決まると「民主が政権批判の受け皿になれず、共産と分け合ってしまった」と悔しがった。共産候補は前回より1万2000票近く増やした。

 「南関東では特に都市部での訴えがサラリーマン、子育て世代に響いた」。投開票翌日の記者会見で志位氏はそう語った。

 共産が得た県内の比例票は29万4117票で前回の1・82倍。全国の1・64倍を大きく上回る。自民、民主が、ともに前向きな消費増税や環太平洋経済連携協定(TPP)などの政策に絞って、「反対」「交渉脱退」と訴えた共産。農村部を抱える共産陣営幹部は「米価下落で大変な中、農家にも『選挙区は自民でも比例は共産』との反応がかなりあった」と明かす。

 共産と同様、「非自民・非民主」の層を照準にした第3極は、自民との対立軸を見いだせず埋没した。

 9日夜、次世代の党の平沼党首は四街道市で「自民のいいことは引っ張り上げて応援し、悪いことは徹底的に反対する」と声を張り上げた。次世代は県内の2議席をいずれも失い、同党候補からは「頼れる野党がないから、消去法で自民となった」との声も漏れた。

 第3極の老舗、みんなの党は11月の解党で、所属していた地方議員がバラバラに動いた。ある地方議員は「有権者が離れたというより党の問題。自壊だった」と振り返る。

 1区で落選した次世代の前議員・田沼隆志氏は自戒するように語った。「国会議員だけで地方議員がいないような、従来の第3極パターンでは駄目だ。統一地方選で、足腰をしっかりさせないといけない」

 来年4月に再び訪れる決戦に向け、与えられた時間は少ない。(田島大志、今井恵太、服部有希子が担当しました)

2818チバQ:2014/12/18(木) 22:39:16
http://www.tokyo-np.co.jp/article/chiba/20141217/CK2014121702000132.html
衆院選 勝敗の分かれ目(上) 野党協力、不発に終わる

2014年12月17日


公示日の太田氏の出陣式。聴衆はまばらで、民主関係者の応援はなかった
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 衆院選は県内でも自民党が十三小選挙区で十一勝と圧勝した。野党間の候補者調整による選挙協力はなぜ実を結ばなかったのか。自民は本当に「強かった」のか。検証する。
 「事実上の唯一の野党候補。自民に対抗できる野党勢力をつくる」。8区(柏市一部と我孫子市)の維新の党・太田和美氏は自民、共産両党候補と競合する選挙戦初日の二日朝、JR柏駅前で声高に訴えた。しかし、聴衆はまばらで協力相手の民主党関係者の姿も見当たらない。民主は「(応援せずに)寝ることにした」(党関係者)からだ。
 太田氏が維新の公認を受けたのは、選挙直前の十一月下旬。陣営は、後援会組織が整わないまま落下傘的に選挙に突入したが、一つの計算があった。
 二年前の前回衆院選で8区は候補者が乱立し、五人が争った。約九万四千票を集めた自民の桜田義孝氏が当選したが、共産を除く野党票を合計すると約十二万票に上り、計算上は「反自民の受け皿」として十分勝機はあると見込んでいた。
 しかし、実際はそんなに甘くなかった。民主県連は当初、引退した元職の松崎公昭氏の後継として地元県議を擁立しようと計画。最終的には党本部主導による候補者調整で、見送るしかなかったが、松崎氏は「8区は重要なのに党本部は軽んじた」と党の姿勢を強く批判。太田氏が元民主だった経歴も影響し、最後までわだかまりは解消しなかった。
 松崎氏は野党協力について「準備不足で、候補者の調整にとどまった。8区もそうだが、全国的にも実際には協力していないのが実態ではないか」と指摘する。太田氏も選挙中には「他党が候補者を出さないことが最大の選挙協力」と記者団に繰り返し説明していた。
 太田氏にとっては、民主や第三極に対する有権者の不信が予想以上に根強かったことも誤算だったようだ。「選挙戦序盤で、前回の野党票の単純な足し算にならないとわかった。何度か国政選挙を経験したが、最後まで読めなかった」
 太田氏の得票は約七万票。当選した桜田氏に約二万九千票の差がついた。
 期待していた安倍政権に対する批判票の一部は共産候補に流れた。共産候補は前回の二倍強の約三万二千票を獲得した。
 白票など無効投票数が増えたのも特徴だ。8区では投票した人の4%に当たる九千票に上った。前回選挙よりも投票率が下がったにもかかわらず、千票余り増えた。反自民の「受け皿」には程遠かった。
 太田氏は十五日未明、復活当選を果たすと「野党再編に向けた調整は失敗に終わった。反自民の勢力がともに選挙戦を戦えるような野党協力をする必要がある」と自戒を込めて話した。 (三輪喜人)

2819チバQ:2014/12/18(木) 22:39:33
http://www.tokyo-np.co.jp/article/chiba/20141218/CK2014121802000155.html
衆院選 勝負の分かれ目(下) 無党派分散、風なき勝利

2014年12月18日


投開票から一夜明け、自民の当選者にバラを付ける桜田義孝県連会長(右)ら=千葉市中央区の自民党県連で
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 「自民優位という感覚はなかった。解散がなぜこのタイミングという声も有権者からたくさんあった」。2区(千葉市花見川区、習志野市、八千代市)で再選を果たした自民・小林鷹之氏は、当選直後、こう振り返った。
 選挙前には、自民が三百議席を超えるなどという観測も報道で流れた。だが、小林氏のもとへ応援に駆け付けた石破茂地方創生担当相は演説で「『自民圧勝か自公で三百、小林も優勢』。あんなものが出たとたんに気が緩む」と強く警戒。実際、石破氏が演説した花見川区のスーパーの前にも、集まったのは数十人にとどまった。
 だが、ふたを開けてみれば小林氏の圧勝。獲得票数も前回衆院選より約一万八千票増やし、民主と維新の選挙区調整により一本化された維新の藤巻健太氏に、ダブルスコアの差をつけた。自民は2区を含め十一小選挙区で勝利し、比例復活を含め十二議席獲得と、前回と同じ議席数を維持した。
 自民が政権から転落した前々回選挙のような“逆風”や前回のような“追い風”もない“無風”状態の選挙。勝利のカギは自公協力にあった。
 自民県連の桜田義孝会長は十五日、「協力はうまくいった。公明の信頼に応え、われわれも義務を果たした」と自公連携の手応えを語った。
 選挙中には、自民の各候補が街頭演説で「比例は公明に」と大声で呼び掛ける姿がたびたび見られた。公明支持層に小選挙区での投票を呼び掛け、「見返り」に自民支持層が公明の比例票を積み増す−。各地で「バーター」が成立し、共同通信の出口調査によると、県内十三の小選挙区全体で公明支持層の約七割が自民候補者に投票。公明は県内の比例票で前回より約二万六千票増の約三十五万六千票を獲得した。
 同調査では、無党派層の投票先が、自民と民主にそれぞれ三割ずつ、共産に二割、維新一割に分かれた。県内の投票率が51・24%と過去最低となる中、自公支持層を手堅くまとめ、無党派層の支持が分散したことが、自民の勝利につながった構図が透けて見える。
 投票率の低下は、選挙や政治への無関心も表している。投開票日の十四日深夜、6区(市川市の一部、松戸市の一部)で敗戦が決まった民主・生方幸夫氏は「街頭演説でどんなに訴えてもぬかにクギを打つ感じだった。政治への無関心が増えている。訴えかけても響かないことにはどうにもならない」と唇をかんだ。
 県民の二人に一人しか投票に行かなかった今回の衆院選。桜田氏は「アベノミクスの政策が評価された結果だ」と胸を張った。
 しかし、別の自民県連幹部は素直に喜べなかった。「アベノミクスは隅々まで浸透していない。実感がないから有権者も争点と思えなかったのかもしれない。それが投票率に表れている」と率直に認めた。 (村上一樹)

2820チバQ:2014/12/18(木) 22:40:24
http://senkyo.mainichi.jp/news/20141216ddlk15010116000c.html
2014衆院選:検証・誰が勝ったのか/上 勝ちきれない自民 農政に住民不安、逆風も 民主伸び率で上回り /新潟
毎日新聞 2014年12月16日 地方版

 衆院選投開票翌日の15日。県庁議会庁舎では自民党県連の党議が開かれ、再選された4人が姿を見せた。明るい表情やこわ張った表情が前夜の結果を語っていた。

 「準備不足、努力不足でご迷惑をかけた。次は圧倒的に勝つ。三度目の正直に向け勝つ」

 わずか102票差で2区を制した細田健一氏は室内の窓ガラスが揺れるほどの声で、あいさつし自らを鼓舞した。

 5〜7日の毎日新聞特別世論調査では、3区は自民の苦戦が予想されていたが、他の区では対立候補をリードする情勢が伝えられていた。しかし結果は1、2、4区で民主候補と接戦の末の勝利だった。

 党県連の星野伊佐夫会長は報道陣に「小選挙区で結果的に五つ、比例代表で(復活し)一つ議席を確保し、これ以上はわがままだ。結果は想定内で成功だと思う」と話した。しかし「当選1期の候補は、後援会作りなど体力的にできあがっていなかったことがはっきりした。今後2〜3年で党と両輪で体制を作らないと」と注文も忘れなかった。ある自民県連幹部は「ここまで追い上げられるとは。及第点とは言い難い」と厳しかった。

 一方の民主党は3区で議席を奪還した。1、2、4区では接戦を演じ比例代表で復活当選した。県内では2議席増えた。県連の市川政広・幹事長代理は、15日の党議で「大健闘だ。みなさんの頑張りで素晴らしい選挙だった」などとあいさつした。

 劣勢とみられていた6区では終盤に追い上げを見せた。落選した梅谷守氏陣営の幹部は前回、義父の筒井信隆氏が獲得した票数に迫る勢いを短期間で見せた点を評価。地元の上越市では前回の筒井氏の得票を上回る結果を見せたことに「健闘した。次につながる」と話した。

    ◇

 比例代表の得票率を見ると、自民は前回比3ポイント増の35・74%だったのに対し、民主は同5ポイント増の25・65%だった。伸び率では民主が自民を上回った。勝ちきれなかった自民と健闘を見せた民主。何が作用したのか。

 先述の自民県連幹部は、農業の比重が高い新潟では米価下落による所得減、農協の改革などで、自民候補に逆風が吹いていたと分析する。さらに後援者への訪問などでの準備不足や戦術面でのまずさを挙げる一方「落選中の民主候補は選挙区をよく回っていた」と話した。

 民主の市川幹事長代理も、農業政策の不満を挙げた。「アベノミクスの恩恵がこない中小企業などの受け皿にもなったのでは」と話す。公示前後には無党派層に浸透していない、とみられていたが、結果的に安倍政権批判票の受け皿となったようだ。

   *  *

 県内から小選挙区・比例代表で過去最多の10人を選出した今回の衆院選を検証する。

2821チバQ:2014/12/18(木) 22:40:42
http://senkyo.mainichi.jp/news/20141217ddlk15010100000c.html
2014衆院選:検証・誰が勝ったのか/下 投票率、戦後最低更新 受け皿なくあきらめ 大雪、制度、政治家の質… /新潟
毎日新聞 2014年12月17日 地方版

 雪と寒さに見舞われた14日の衆院選投開票日。争点が見えにくいことや、12日からの大雪などで投票率が低くなることが予想されており、ふたを開けてみれば52・71%。戦後最低だった前回を6ポイント以上も下回った。県選挙管理委員会では、各区の投票状況が送られるにつれて「前回を下回るだろう」という空気が濃厚になっていたという。

 2日後の16日、投票率が46・97%だった1区を抱える新潟市中央区で有権者に尋ねた。中心部の古町を歩いていたフリーターの男性(22)は「仕事のため行かなかった」と答えた。一緒にいた看護師の女性(22)は「雪だったので……」と言葉を濁した。期日前投票もできることを話すと、男性は「消費税率は下げてほしいけど、現実的には厳しいでしょう」。あきらめが垣間見えた。

 なぜ投票率がここまで落ちたのか。民主党県連の幹部は「争点がないうえ冬の選挙で棄権した人も多い」と述べた。一方で共産党県委員会の幹部は「最近の無党派は無関心ではなく託せる政党を探している人たち。政権交代時以外は投票に出なくなってきている気がする」と分析した。

 かつて米カリフォルニア州の投票行動を研究した新潟県立大の藤井誠二准教授(公共選択)によると小選挙区制の場合、「投票する候補者が当選すればうれしい」という「利益」が、争点や候補者情報収集、投票に行く気象条件などの「コスト」を上回れば投票率は上昇するという。今回は「経済問題などが分かりにくく、雪も降って『コスト』が高くなり、下がったのではないか」と分析する。

 しかし低投票率の原因は、選挙制度にもあると指摘する声がある。県内の衆院選投票率の推移をみると、小選挙区制導入前は75%以上を保っていたが、導入後初の1996年衆院選では68・85%に降下。以降は2009年に73・41%に復調したが、一度も75%以上を記録していない。

 自民県連の幹部は「小選挙区制で勝つための選挙に終始するようになり、パフォーマンスに走る政治家が増えた。政治家の質が下がり軽く見られるようになった」と嘆く。中選挙区制時代には、どっしり構え一つの政策に取り組む政治家が多く、期待も高かったという。

 再び古町。「投票は当たり前だが、国会での居眠りを見たら投票に行かなくなるよね」と語った会社経営の男性(70)。「候補者も言いっぱなしでなく、有権者のもとへ歩いて膝をつき合わせて話を聞かなきゃ」

2822チバQ:2014/12/18(木) 22:41:06
http://senkyo.mainichi.jp/news/20141216ddlk22010194000c.html
2014衆院選:検証/上 選挙協力 「民維連携」の曲折 3区は成果、共倒れ1区 /静岡
毎日新聞 2014年12月16日 地方版

 「維新さんと連携することで差が縮まった。効果があったと思う」。14日の投開票日から日付が変わる深夜、静岡3区の民主元職、小山展弘氏は自民前職に迫る次点として比例復活で返り咲き、磐田市の事務所で笑みを浮かべた。

 維新前職の鈴木望氏が比例九州に移り「民維連携」が実現した3区。着実な成果を上げたように見えるものの、選挙協力は水面下で紆余(うよ)曲折をたどっていた。

 選挙区内は中部電力が再稼働を目指す浜岡原発(御前崎市)があり、原発アレルギーが隣接市住民には根強い。浜岡廃炉が持論の鈴木氏は「小山氏と認識は一致した」と選挙区を譲ったつもりが、序盤戦の小山氏は鈴木氏陣営が不信感を募らせるほど原発への言及を避けた。支援を受ける電力関連労組に配慮したためだ。

 “消極姿勢”は原発論争に敏感な住民の支持伸び悩みにつながり、報道各社の中盤情勢調査で自民前職が大きくリード。危機感を強めた民主県連側が「過激な発言でなければ選挙で原発を取り上げていい」と方針転換した。

 後半戦にさしかかった10日、JR袋井駅前でマイクを握った小山氏は「浜岡原発は将来的にやめざるを得ない」とアピールを始めた。踏み込んだ表現は避け、話題をすぐに議員定数や少子化問題に移しながらも、共闘する鈴木氏陣営に配慮する演説内容にようやく切り替えていった。

 最終日の13日夕、鈴木氏も九州から磐田市に舞い戻り、小山氏と2ショット演説。小山氏陣営は「最後の最後でやっと“統一候補”らしくなった」と、綱渡りだった選挙戦を振り返る。

 一方、3区で“退いた”維新は、1区で前職、小池政就氏が小選挙区出馬を譲らず、民主元職の牧野聖修氏との協力はないまま、共倒れに終わった。

 両党の関係者が競合解消を模索する動きもあったが、小池氏側には「前職として2年の実績がある」、牧野氏側は「前回の得票数は2万票近く上」と譲れない一線があった。

 さらに、政策一致なき共闘は、自民側や有権者から「野合」批判を招きかねないことも両氏陣営の懸念材料だった。

 第三極の候補者が乱立し、自民大勝につながった前回衆院選の結果を踏まえ進められた候補者調整。民主県連の関係者は言う。「我々が維新と進めた協力を有権者は必ずしも評価していないのでは。次に向けて今回の経験をよく検討しないといけない」【舟津進、立上修、西嶋正信】

2823チバQ:2014/12/18(木) 22:42:29
http://senkyo.mainichi.jp/news/20141217ddlk22010082000c.html
2014衆院選:検証/下 低投票率 「若者の視点」置き去りに 与野党、内向きの戦い /静岡
毎日新聞 2014年12月17日 地方版

 全国的には2012年に続く勝利で、県内小選挙区でも議席を守ったはずの自民だが、大石哲司・自民県連幹事長の顔はどこか浮かないままだった。一夜明けた記者会見。戦後最低となった県内投票率への所感を問われ「民主主義国家としては、あまりいい傾向ではありません」と評した。他県の票が影響したとはいえ、静岡5区の前職が比例で復活当選を果たせず、党として思うほど得票率が伸びなかったからだ。

 「55・61%」。県内投票率が、同じ師走選挙だった前回比で6・14ポイントも下がったのには理由がある。突然の解散・総選挙に無党派層を中心とした有権者が意義を見いだせず、現職閣僚の自民候補が「多忙」を理由に公示前の公開討論会を断るなど政策論争は最後まで盛り上がりに欠けた。

 「比例は『友党』の公明党で」。街頭演説などで、自民候補が支持者と握手を交わし「バーター」を訴える光景はすっかり定着した。公明は比例東海で悲願だった1増の3議席を獲得。蓮池章平・公明県本部幹事長は「公明が与党における『野党』という存在だ」と強調したが、連立与党で思惑通りの選挙戦が展開できたことに満足した様子だった。

 支持者を中心とした内向きの選挙戦は、野党第1党の民主も同じだった。

 公示前から与党優勢を伝える報道に「いずれ風が変化する」と民主陣営の選対幹部も当初は余裕を見せていた。しかし、中盤以降も思ったほど支持が伸びず、支持団体の引き締めを指示した。幹部は「これまでなら選挙戦折り返し辺りで追い風が吹いた。今回はなかった」と唇をかむ。投票率の低さが無風となった要因の一部を裏付けていた。

 とりわけ若者の政治離れは深刻で、県選管によると、前回の衆院選小選挙区の年代別投票率は、60代の76・22%をピークに若い年代ほど下がって20代で39・98%。今回も同じ傾向だったとみられる。

 選挙権の18歳への引き下げも国会で議論され、未成年でも投票権を求める動きがある。「投票に行きたいんですよ」。県立大経営情報学部2年の土肥潤也さんは19歳。若者の社会参画を目指すNPO法人「Rights」(東京都武蔵野市)の理事も務める。

 未来や次世代−−。政党や政治家が度々連呼するキーワードだが、若者の視点に立った論戦は一向に聞こえてこなかった。土肥さんは警告を発する。「今のままでは民主主義とは言えない。これからを担うのは若者なんですから」【立上修】

2824チバQ:2014/12/18(木) 22:43:14
http://www.sankei.com/region/news/141216/rgn1412160015-n1.html
2014.12.16 07:02
【衆院選2014】
検証・風なき戦い(上)組織票めぐり右往左往 静岡





 14日に投開票された衆院選は、15日未明に結果が確定した。県内の選挙区選出の衆院議員は比例での復活も含め、自民党7(選挙区6、比例1)▽民主党3(選挙区2、比例1)−となった。選挙前と比べて自民は1人減り、民主は1人増、維新は0人となった。

                    ◇

 「街頭で見たことがない」−。1区の小池政就の陣営スタッフは、今回の選挙戦で上川陽子が街頭演説をほとんどしなかったことをこう揶揄(やゆ)した。

 上川は選挙期間を通じて、街頭演説の回数を前回選挙の半分ほどに減らす一方、公務などで地元を離れる中、地元にいた7日間は、推薦をもらった企業や農協回りに費やした。演説でも「選挙区は上川、比例は公明へ」を連呼し、公明との協力関係を強調した。

 終わってみれば、この徹底した組織票重視の選挙戦が奏功。これまで議席を奪い合ってきた牧野聖修や、若さや実績を街頭で訴えた小池を圧倒した。1区の投票率が県内でも最も低い52%台だったことも、組織戦を優先した上川に有利に働いた。

 「自民にも民主にも風は吹いていない」。3区で最後までしのぎを削った宮沢博行、小山展弘両陣営は選挙戦中盤、異口同音に今回の選挙戦を表現した。

 両陣営ともに追い風が期待できない中、宮沢は推薦を受けた公明の組織票や母校の関係者、農協、商工会など地元の支持基盤を生かし、支持を拡大。小山も支持基盤である連合など労組関係からの支援を集めた。しかし、小山は、原発反対派の鈴木望から選挙区での出馬を譲られたため、電力関係労組との関係がぎくしゃくした。

 小山は終盤、労組票という組織票よりも浮動票を優先するため、鈴木の応援を受けるなど原発反対票の取り込みにかじを切った。しかし、結果的には、本来の支持層の電力関係者票は宮沢に流れ、雇用の関係などから再稼働に期待する声が大きい浜岡原発の地元、御前崎市でも宮沢にかなり差をつけられた。

 一方、6区では、自民の重要な固定票であるはずの公明票は、むしろ渡辺周に流れた。勝俣孝明の陣営は、前回推薦を受けなかった公明党の推薦を今回はいち早く受け、勝俣は政権幹部を隣に迎えた街頭演説でも、「比例は公明」を連呼、露骨なまでに公明への協力姿勢を見せていた。「前回は公明票の6、7割が渡辺に流れた」(勝俣陣営)との分析からだったが、結果的には前回の約1万2千票差を約600票縮めただけにとどまった。渡辺陣営の幹部は「公明党と創価学会は別。学会員の中にはこれまで『渡辺周』という名前を書き続けてきた人もいる。勝俣陣営は公明頼みがあだになったんじゃないか」とほくそ笑んだ。(敬称略)

                    ◇ 

 前回、前々回に比べて政権交代への風は吹かず、有権者の関心も高まらなかった今回の選挙。選挙区では自民6、民主2という前回と同じ結果となったが、この結果を導いたものは何だったのか。“無風下”での戦いを振り返る。

2825チバQ:2014/12/18(木) 22:43:54
http://www.sankei.com/region/news/141217/rgn1412170034-n1.html
2014.12.17 07:00
【衆院選2014】
検証・風なき戦い(中)「強固な個人票」で明暗 静岡





 「私個人は最大限、『選挙区は小山』といって応援するし、後援会の説得も行う」−。先月22日、維新の鈴木望は候補者一本化のため、3区での出馬を民主の小山展弘に譲ることが決まった後、こう述べた。

 今回衆院選を左右した要素の一つに「個人票」の存在がある。鈴木は前回衆院選で中部電力浜岡原子力発電所の廃炉を訴え、原発反対派を中心にした強固な個人票を持つ。民主党や小山はこの票に期待していた。

 しかし、選挙戦で小山は中盤以降まで、原発批判を展開しなかった。支援を受ける電力関連労組に配慮したのが原因だが、民主県連幹事長の岡本護は「反原発の票をまとめるには、はっきりとしたノーが必要だった。言い方がわかりにくかった」と、鈴木の個人票を取り込むためには、浜岡廃炉を明確に主張すべきだったと指摘した。

 しかし、小山陣営担当者は「原発の主張はかじ取りが難しく、候補の一本化は良い面と悪い面があった」として、鈴木の票を集めることの難しさを指摘した。また、鈴木自身も選挙後、前回選挙で「原発を主張することで情勢が日々悪くなっていくのを感じた」とした上で、「(小山が)反原発を最初から主張しても票は伸びなかっただろう」と複雑な表情を浮かべた。

 「“渡辺党”に負けた。蓄積された組織票に勝てなかった」。6区で民主の渡辺周に敗れ、比例復活を果たした自民・勝俣孝明陣営の幹部は選挙後、こう吐き捨てた。

 渡辺は、沼津市長や衆院議員を務めた父親の代から「40、50年の根っこがある」(渡辺陣営)といわれるほど沼津市周辺に強い地盤を持つ。前回選挙で勝俣との間についた約1万2千票という差も、沼津市や周辺の長泉町、清水町など大票田に深く根付いた個人票が生み出したものだ。

 さらに今回、渡辺陣営は選挙期間中、伊豆半島で5日間、街頭演説や個人演説会を開催。結果として、渡辺は伊豆市など伊豆半島の2市1町でも勝俣を上回る支持を集めた。

 「東部の“政権奪還”」(自民県連)を掲げて戦った勝俣陣営は選挙戦終盤、農協などの組織票に期待が持てる伊豆半島よりも、大票田の沼津周辺で渡辺の個人票の切り崩しを図った。党本部も重点選挙区として、安倍晋三首相ら知名度の高い党幹部をJR沼津駅などの街頭演説に送り込んだ。

 しかし、低投票率なども響き、前回より30分以上も早く渡辺に当確が出て、勝俣の選挙区での敗北が決まった。勝俣陣営からは「30代以下なら、こちらの票が多かったはず」「伊豆半島は観光業が不振。アベノミクスによる景気回復を主張しても、『地元は違う』という意識があったのでは」といったぼやきが聞かれた。(敬称略)

2826チバQ:2014/12/18(木) 22:44:10
http://www.sankei.com/region/news/141218/rgn1412180082-n1.html
2014.12.18 07:02
【衆院選2014】
検証・風なき戦い(下)統一選、危機感増す民主 静岡





 「衆院選は、来春の統一選候補者にとっての選挙でもある」。行政学や地方自治論が専門で静岡大人文社会科学部教授の日詰一幸はこう指摘する。

 自民党や民主党などの衆院選候補者の選挙対策本部は、各区の重鎮の県議が本部長を務めるなど、地元の県議や市議により組織されており、候補者が街頭演説をする際などは、本部長を務める県議がまず最初にあいさつするのが通例だ。日詰は「地方議員は、国政選挙の中で有権者にアピールすることになる。いわば、4月以降の自分の選挙に直結する前哨戦だ」とみる。

 ただ、全国的な優勢の波を受けた自民系と復調にはほど遠い民主系では、選挙戦中の有権者からの反応は大きく異なっていた。

 選挙後、各党幹部とも、統一選に向けた警戒感をあらわにしたが、特に危機感を強めたのは民主党だ。

 県連幹事長の岡本護は「民主そのものへの票はいただいている。そこを一つのキーにしていかに拡大するかがこれからの課題」とした上で、特に7、8区と自民候補に惨敗した浜松市など西部での巻き返しを強調。「これから力を入れていかないと現状維持も楽ではない」と話した。

 浜松、湖西両市では県議の数が自民系と民主系で拮抗(きっこう)している。8区で民主が最後まで候補擁立にこだわったのは、来春の県議選に向けた票の掘り起こしの意味合いが強かった。一方で、前回衆院選で民主党を離党して、日本維新の会(現・維新の党)から出馬した源馬謙太郎への不満が浜松周辺の民主系地方議員の間では依然としてくすぶり、今回の古橋和大擁立も、地元地方議員の怨念(おんねん)が強く働いたとされる。しかし、古橋は共産の落合勝二も下回る最下位に沈んだ。

 「野党系地方議員が衆院選で力を出し切り、自分の選挙がままならなくなるといった事態もあるだろう」。日詰はこう指摘したが、地方議員が有権者と無関係なところでの争いに力を尽くしていては、岡本の懸念通り現状維持も危うくなる可能性がある。

 比例東海ブロックで県内選出国会議員として14年ぶりに当選者を出した共産党も「今度の選挙で力を寄せてくれた人を統一選につなげられる可能性は十分にある」と自信を見せている。再び低い投票率が予想される中、各党とも有権者の関心を引く政策論戦が期待される。 =敬称略

 (この連載は大坪玲央、田中万紀、磨井慎吾、広池慶一、村嶋和樹が担当しました)

2827チバQ:2014/12/18(木) 22:45:14
http://senkyo.mainichi.jp/news/20141217ddlk21010026000c.html
衆院選ぎふ:戦いのあと〜検証/上 完敗民主、次世代も苦杯 投票前に「敗戦の弁」 政権批判の受け皿になれず /岐阜
毎日新聞 2014年12月17日 地方版

 「安倍政権に対する不安や不満の受け皿になりきれなかった」

 民主党県連の小見山幸治代表は1区の吉田里江氏(49)の総決起集会があった12日、詰めかけた記者たちを前に反省の弁を口にした。野党第1党の県連トップが投票日前に負けを認める異例の事態。報道各社の世論調査で、擁立した3候補の苦しい情勢が伝えられ、小見山代表は「(政権から下野した)2年前の悪いイメージがぬぐい去れていない」と苦しげにつぶやいた。

 5選挙区のうち、2、4区で候補者擁立を断念した民主。空白区を作ったのは1998年の結党以来初めてだ。全国的にも候補者を立てられず、マニフェスト(政権公約)から「政権交代」の文字も消えた。

 投票前日の13日、各務原市内の商店街を3区の元職、園田康博氏(47)が練り歩き、商店主らに握手を求めた。

 園田氏は選挙戦終盤、戦術を変えた。憲法学者で副環境相も務めた園田氏。政策を正面から語る演説が持ち味だったが、感情を前面に押し出し切迫感あふれる調子に切り替えて追い上げを図った。3区は航空機産業などの労組組織があり、自民が強い県内で比較的民主支持層が多い。園田氏は2005年の郵政選挙でも比例代表で復活当選した。陣営は「巻き返せば比例で滑り込める」と意気込み、連合岐阜もギアを一段上げた。しかし、予想以上に票は伸びず、小選挙区で早々に落選が決まり、比例復活もかなわなかった。

 県連幹部は「前回落選してから2年間、選挙の準備を怠った結果だ。現状では風がないと勝てない。票は正直だ」とうなだれた。

 次世代の党から比例代表東海ブロックで出馬した元運輸相、藤井孝男氏(71)も苦杯をなめた。陣営関係者は「突然の解散で準備が間に合わなかった」と力なくつぶやいた。

 「我々は『藤井党』なんだ」。解散直後に藤井氏の地元、美濃加茂市で開かれた緊急役員会で後援会長は訴えた。衆参9期のベテランの藤井氏は地元で自民、民主を問わず、根強い支持がある。旧日本維新の会が維新の党と次世代の党に分党して3カ月。壁には真新しい次世代のポスター。突然の解散に藤井氏は「受けて立つ」と奮い立った。

 しかし、誕生したばかりの党が比例代表で議席を獲得するために残された時間は少なかった。陣営関係者は「(藤井氏が)維新と勘違いして投票した有権者もいたようだ。時間が足りなかった」と肩を落とした。

 安倍政権の術中にはまって敗れた野党。民主の小見山代表は思わず本音を漏らした。「あれだけ多くの議席を持っている自民党が選挙を打ってくるとは考えていなかった」

     ◇

 唐突に始まった師走の衆院選は、異例の低投票率と自民大勝という結果で終わった。最後まで大義が見えなかった12日間の選挙戦を振り返る。

2828チバQ:2014/12/18(木) 22:45:35
http://senkyo.mainichi.jp/news/20141218ddlk21010018000c.html
衆院選ぎふ:戦いのあと〜検証/下 小選挙区独占の自民 格の違いに勝利確信 政権の行き過ぎ懸念も /岐阜
毎日新聞 2014年12月18日 地方版

 「投票率は全選挙区で下がります。非常に盛り上がりの少ない選挙ですが、最後までご支援をお願いします」

 11日に岐阜市内で開かれた1区・野田聖子氏(54)の総決起大会。自民党県連の猫田孝県連幹事長は壇上でこう語り、陣営に引き締めを求めた。

 「自民王国」といわれる岐阜県。2012年の衆院選で県内5小選挙区を独占した自民は今回の選挙でも5小選挙区を独占した。

 4区に立候補した維新の党・今井雅人氏(52)が可児市や美濃加茂市などで自民・金子一義氏(71)を上回る票を獲得し、比例代表で復活当選したため、他党に比例復活を許さない「完全勝利」は果たせなかった。

 しかし、5候補とも次点候補を大きく引き離しての当選で、投票当日は開票作業前の午後8時過ぎに全陣営が当選の万歳をした。投票前から結果が透けて見える選挙に有権者の関心は低く、陣営も緩んだ。ある候補は「他党の候補者とは正直、論争にならない」と漏らし選挙戦序盤から勝利を確信していた。結果を見れば、格の違いは明らかだった。

 自公両党は326議席を獲得し、全議席の3分の2を維持した。安倍政権は有権者に信任された形だ。一方、県内には安倍政権に不満を感じる有権者も少なくない。安倍政権を真っ向から批判した共産は今回の選挙で、投票率が過去最低となる中、比例代表の得票を前回より3万票近く伸ばし、得票率も前回の倍に迫る9・91%まで増やし、政権批判票の受け皿になった。

 自民党県連の猫田幹事長も安倍政権の「独り勝ち」に懸念を示す一人だ。「自公で300議席くらいがちょうどいい」と打ち明ける。

 県連は今年9月、猫田幹事長が主導して安倍政権が閣議決定した集団的自衛権の行使容認に異を唱え、解散総選挙にも反対した。勝利から一夜明けた15日、県議会会派の会合でも「政府や執行部に文句を言う以上はこちらもしっかり勉強していく」と語り、政権の行き過ぎには異を唱える姿勢を示した。

 猫田幹事長と野田氏は2005年の郵政選挙を巡って党本部の方針に逆らい、党を離れたことがある。安倍晋三首相は当時、党幹事長代理だった。

 復党後、党総務会長の要職を務めた野田氏は選挙期間中、再三にわたり強調した。「安倍政権を心配する人がいたら『大丈夫。安倍総理にものを申せる野田聖子がいるから』と呼び掛けて。決して暴走はさせない」【道永竜命】

2829チバQ:2014/12/18(木) 22:46:45
http://senkyo.mainichi.jp/news/20141216ddlk29010548000c.html
民意の在りか:衆院選を振り返る/上 巨大与党の陰で /奈良
毎日新聞 2014年12月16日 地方版

 ◇自民1強も不透明な動向
 「まだ確定していないんやろ」。15日未明に奈良市内の事務所で奈良1区の自民前職、小林茂樹氏がうつむきながら登壇すると、支援者が声を荒げた。民主前職の馬淵澄夫氏に1万1792票差で破れ、比例代表の復活当選もかなわなかった。報道陣に囲まれた小林氏は「頭の整理ができていない」とつぶやいた。

 今回の衆院選は、強固な与党に対抗するため、野党が候補者調整を図り、県内候補者数は小選挙区制が導入された1996年以降で最少の12人。全区で三つどもえの戦いとなった。

 自民は比例代表で2012年の前回より2万票近く多い21万5615票を獲得し、2〜4区はいずれも自民前職が次点に約3〜6万票差で議席を確保した。それだけに「小林ショック」は際立った。

 自身も3区で維新の女性新人候補を抑えて快勝した党県連会長の奥野信亮氏は小林氏の敗北について「最悪でも比例復活と思っていた。一丸となれなかった。統一地方選でまとまることができなければ会長を辞する」と述べ、圧勝の陰にある「ひび」を示唆した。

 伏線となる出来事があった。連立を組む公明党が1区のみ推薦を公示直前に見送ったのだ。自民党は比例代表で公明党に協力する一方、選挙区では逆に協力を得る関係を築いてきた。“自主投票”は明らかに「マイナスだった」(小林陣営関係者)。

 「平和の党」「福祉の党」を掲げる公明党と、憲法9条改正を掲げ、経済競争を重視する安倍政権とはもともと温度差がある。ある公明党県議は「与党で3分の2を超え、憲法改正も視野に入るが、公明党は9条の壁は越えられない。アクセルとブレーキを間違えれば国民の支持を失うことになる」とくぎを刺す。

 奈良1区の投票率は56・82%で県内選挙区で最も高かった。小選挙区制下で7回の衆院選が実施されたが1区の投票率が最高となるのは初めてだ。馬淵、小林両氏の争いに有権者の関心は高まったと言える。

 自民圧勝について馬淵氏は「(有権者の)消極的選択でしかない。1強多弱、癒着、利権などの政治構造を国民は是としていない」と指摘する。比例代表で2万5806票増を実現した共産の躍進も政権批判票の存在を示唆する。
「これだけ大勢の人に応援してもらっている。簡単に諦めるわけにはいかない」。小林氏は唇をかんだ。県内の投票率(選挙区)が戦後最低の55・60%(前回比7・54ポイント減)に落ち込み、自民の比例票は、全有権者数の19%に過ぎない。「自民1強」の政治状況とは裏腹に、大半の有権者の動向はいまだ不透明なままだ。

  ◇    ◇

 14日に投開票があった第47回衆院選は県内4選挙区で自民3、民主1の構図が維持された。その背景にある民意の在りかを探る。【衆院選取材班】

2830チバQ:2014/12/18(木) 22:47:16
http://senkyo.mainichi.jp/news/20141217ddlk29010484000c.html

民意の在りか:衆院選を振り返る/中 共産のみ躍進 /奈良
毎日新聞 2014年12月17日 地方版

 ◇野党「受け皿」程遠く
 「アベノミクスは暮らしを悪くする」。ある野党候補の選挙ビラ。老後の不安▽仕事の不安▽生活の不安−−といった言葉が並ぶが、代替案となる具体的な政策はほとんど記されていない。

 「野党は批判ばかりで中身がない」。ある自民党県議は指摘する。県内4選挙区で1区を民主党が死守したものの、2〜4区は自民が生活の党、維新の党、民主の各候補の2・5〜1・7倍を得票する圧勝。「政治に対する不満や不安の受け皿になれず、おわびする」。投開票から一夜明けた15日、民主党県連の前川清成代表は談話で陳謝した。

 突如の衆院解散で虚を突かれた野党。巨大与党に対抗するため、今回は選挙区で候補者調整を進めた。

 県内では自民、共産両党が全区に候補者を立てる一方、他党は1区・民主▽2区・生活▽3区・維新▽4区・民主とすみ分け、候補者数は過去最少(小選挙区制導入以降)の12人になった。

 形としては「一本化」が進んだが、その内実は野党連携とは程遠かった。

 2区は民主が調整に応じ、生活の中村哲治氏が出馬した。2012年の前回選で民主、維新(当時は日本維新の会)などが非自民票を奪い合って「共倒れ」した反省があった。

 しかし、中村氏は県レベルで維新、社民の支援を得たものの、民主の推薦は得られなかった。前回選の際、消費増税に反発して民主を離党し、日本未来の党に合流した中村氏。「過去のいきさつも含めてわびたい」としていたが、民主党県連幹部には会うことさえできなかった。

 その民主も内情は厳しく、「時間が短く、適当な候補者がいない」(藤野良次・県連幹事長)として3区の候補擁立を断念。結党以来初めて全区には擁立しない異例の選挙を強いられた。

 維新の比例得票は13万3977票で自民を上回る20万票を取った前回より大幅に減らした。党県総支部の松尾勇臣幹事長は「改革を求める有権者が根付いてきた」と総括したが、いまだ風頼みの面は否めない。

 一方、「1強多弱」と言われる中で政権批判票の「受け皿」となったのが共産だ。

 県内の比例票は6万8025票と約2万5000票伸ばし、得票率11%は前回選の約2倍と気を吐いた。消費増税中止、大企業の優遇見直しなどを一貫して訴えており、党県委員会の細野歩委員長は「安倍政権に真正面から対抗し、対案を示したことが支持を受けた」と分析した。

 自民党県連幹部は突き放した。「民主も維新も腰砕け。筋が通っているのは共産党だけだよ」

2831チバQ:2014/12/18(木) 22:47:57
http://senkyo.mainichi.jp/news/20141218ddlk29010533000c.html
民意の在りか:衆院選を振り返る/下 戦後最低の投票率 /奈良
毎日新聞 2014年12月18日 地方版

 ◇意義を考え関心を
 55・60%。今回の衆院選で県内の投票率(選挙区)は戦後最低に落ち込んだ。2012年の前回選(63・14%)より7・54ポイント下がり、これまで最低だった03年の61・61%を大幅に下回った。

 「閣僚が演説に来ても人が少ない」「気持ちが悪いほど人々の反応がない」。寒さによる外出控えも考えられるが、与野党とも陣営関係者が指摘するのが、争点が不明確で有権者の関心が離れたという点だ。

 安倍晋三首相は先月18日の解散表明時に「税こそ民主主義」と消費税率10%引き上げの延期を解散理由に挙げた。しかし「増税見送りを問うのは大義がない」との批判もあり、3日後の解散日の会見では「アベノミクス選挙」に変わった。

 投票率が53・75%と県内4選挙区で最低だった3区。民主が候補擁立を断念し、自民前職に維新、共産両新人が挑む争いとなった。結果は自民の奥野信亮氏が次点の維新候補に3万票余りの大差を付けて4選を決めた。

 自民関係者は事前に「(非共産の)革新系支持層は票を投じる先がない」と投票率低下を予想。奥野氏は「選挙戦のテーマは景気対策だとはっきりとさせた方が良かった」と振り返った。

 一方、投票率が最も高かったのが56・82%の1区だ。民主の馬淵澄夫氏、自民の小林茂樹氏が激戦を展開した。5選を果たした馬淵氏は「争点を消せば投票率は下がる。解散には理屈、理由がいるが、与党はあえて選挙戦を加熱させなかった」と批判。そのうえで1区は「民主と自民の激突で有権者の意識が高まったのかもしれない」と分析する。

 馬淵氏は国土交通相を務めるなど「民主党の顔」の一人。前回選も小林氏に約7700票差で勝ったが、今回は差が約1万2000票と広がった。自民が圧勝した他区とは対照的で、有力候補が立てば政権批判票の「受け皿」になることがうかがえる。

 過去を振り返ると、近年の投票率の低下は危機的だ。

 県内投票率は1976年までほぼ75%を維持したが、90年の77・18%から下降し、96〜03年は61〜62%に。小泉劇場と言われた05年の郵政選挙、民主政権が誕生した09年は70%台に盛り返したが、自民党が圧勝した前回に再び下がり、今回はついに6割を切った。
 
 地方自治について政策提言などを行う市民団体「なら・未来」の北井弘代表幹事は「国民の政治に関与する意識が低下している」と指摘。来春の統一地方選では知事選、県議選など県内で30選挙が控え、北井代表幹事は「地方自治体レベルから政治に関心を持たなければ、国政の関心も高まらない。各候補は政治理念、具体的政策を明らかにして選挙に臨んでほしい」と話す。

 「民意」のほぼ半数が投票所に足を運ばなかった衆院選。国内外とも大きく時代がうねる中で、政治家、そして有権者自身も民主主義の根幹である選挙の意義を考える機会とすべきではないか。(取材は宮本翔平、松本博子、中津成美、熊谷仁志、山本和良、矢追健介が担当しました)

2832チバQ:2014/12/18(木) 22:53:10
>>2804 の続き
http://senkyo.mainichi.jp/news/20141217ddlk07010002000c.html
2014衆院選:師走決戦の後で/中 民主「受け皿」になれず 組織乱れ「解党的出直し論」も /福島
毎日新聞 2014年12月17日 地方版

 「復興に与党も野党もありません。互いに足を引っ張り合うのでなく、一致協力して進めていくべきです」。原発事故で多くの住民が県内外に避難したままの5区(いわき市、双葉郡)。公示5日目の6日、浪江町民が避難生活を送る中通りの仮設住宅で、民主前職の吉田泉氏(65)が訴えると、女性(74)が「んだな」と相づちを打ち、「政争の具になれば復興が遅れちまう」。一方で、演説を聞いていた男性(67)は「違いがないなら、期待することはない」と背を向けた。

 自公政権による復興政策の先行きが見えない中、男性が期待していたのは、野党が魅力的な政策を打ち出して対抗することだった。男性は「国の復興は遅く、将来への不安が増す。原発事故の被災地で野党が魅力ある復興政策を訴えないのなら、投票所に行く気もうせる」と残念そうに言った。

 民主政権時代に副復興相を務めた吉田氏の発言は、「安倍政権が進める復興計画は、民主政権時代に決まったもの」との自負から来る。だが、自民前職の吉野正芳氏(66)は一貫して、政権を担うことを前提にした復興政策を訴え、優位性を強調。「与党も野党もない」と繰り返してきた吉田氏は中盤以降、自民優勢との報道を受け、「自民党を勝たせ過ぎると野党の言うことを聞かなくなる。有権者のバランス感覚に期待したい」と演説内容を修正した。結果は吉野氏が当選し、約1万1000票差の次点だった吉田氏は比例復活も逃し、議席を失った。

 吉田氏の選対本部長を務めた古市三久県議は、民主党の「解党的出直し」を求める。「民主は党内がばらばらな、選挙互助会的な政党。2大政党なら当然の『国の未来をどうするか』という大きなビジョンを描けず、いつまでたっても安倍政権の国作りに不満を持つ層の受け皿になれない」

 県内の小選挙区では4区(会津若松市など)を除き4人の独自候補を立てた民主。だが他党と比べ、候補者間に原発を含むエネルギー政策や安全保障政策など国の重要課題についての相違が目立つ。開票後の15日未明に敗戦の弁に立った吉田氏も「2大政党の選挙にできなかった」と述べた上で、野党再編による新党結成を目指す考えを示した。その後、11月から務めていた県連代表を辞任する意向を県連に伝え、役員会で了承された。

    ◇

 自民に対抗するために他党の勢力を結集する以前に、民主党の組織内の足並みがそろわない選挙区もあった。民主新人の岡部光規氏(46)が、前復興相の自民前職、根本匠氏(63)に挑んだ2区(郡山市など)だ。

 ここを地盤とする増子輝彦参院議員は今回、公認候補の擁立を巡り、岡部氏ではなく首長経験者を推した。選挙戦が始まっても増子氏は表立って岡部氏を支援することはなく、戦いを支える民主党県第2区総支部が一枚岩になることは最後までなかった。連合福島の関係者は「2区は選挙を戦える体制を構築できなかった。県連内部できちんと総括すべきだ」と厳しく指摘する。

 「今の民主党では戦えない」。民主党県連で衆院選の選対本部長を務めた瓜生信一郎県議は15日、選挙結果を振り返り、野党再編の必要性を強調した。組織を固めた上で対自民勢力を結集しないと勝てないというのが、今回の衆院選の「教訓」だった。

2833チバQ:2014/12/18(木) 22:53:45
http://senkyo.mainichi.jp/news/20141218ddlk07010051000c.html
2014衆院選:師走決戦の後で/下 疎外感深め、投票率低下 被災者「政治家分かってくれぬ」 /福島
毎日新聞 2014年12月18日 地方版

 「『復興の加速化』って言うけど、被災者が願う『復興』って分かっているのかしらね」。いわき市にある富岡町民の仮設住宅団地。衆院選から3日後の17日、住民の松本博子さん(65)が候補者たちの行った演説への不満を口にすると、60〜80代の住民仲間3人も「分かってないね」とうなずいた。「だから『復興は進んでいる』と言われるたび、政治家に何を言っても分かってくれないと疎外感を深めてしまう」

 松本さんは今回の衆院選で、「誰に投票しても同じ」という声が2012年の前回よりも増えたと感じている。「投票しないと文句も言えなくなるよ」と促しても、「文句さ言う気力もねえ」と返されるという。

 抱いている「疎外感」について、松本さんは「『除染すれば古里に戻れる』と言われても、里山を除染しなければ住めないし、子ども世代が戻らなければ意味がないと悩む人は多い。『戻る、戻らないのは自由』なのかもしれないが、仮設住宅の入居期限や、避難後の生活に関する賠償の期限が、数年後に迫る。かといって、復興住宅に入居できる見通しもない」と話す。

 衆院選公示の2日、相馬市で第一声を上げた自民党の安倍晋三首相は、常磐自動車道の全線開通を約2カ月前倒しすると表明した。しかし、松本さんは「望んでいるのはそっただことでない」と言う。「元の生活が戻らないならば、せめて避難先や移住先で普通の生活がしたい。唐突に人生を奪われた被災者の生活をどうするのか、そんなビジョンを政府は描こうとしない」と思ってしまうのだ。

 産業の誘致計画や高速道路などインフラの整備が「復興事業」として進む中、ささいに見える日常の悩みにぶつかり、住宅再建など「生活の復興」に向き合えない人も少なくない。

    ◇

 投票率が県平均で戦後最低の52・51%となった今回の衆院選。全59市町村の中で最も低かったのは、全町避難する大熊町の43・96%で、前回選(54・43%)からの下落幅(10・47ポイント)も県内で最も大きかった。富岡町も44・6%、浪江町も44・25%と低さが目立つ。これら全町・全村避難を続ける双葉郡の6町村では、葛尾村を除く5町が軒並み50%を割り込み、県平均を約3〜8・5ポイント下回った。
 震災前の09年、05年の衆院選では、双葉郡の投票率は、どの町村でも県平均を上回っていた。避難生活を続ける有権者が、投票所に足を向けなくなっている現状が浮かぶ。

 浪江町から福島市の仮設住宅に避難する女性(67)はこれまで投票に行っていたが、今回は棄権した。「政治に期待できず、(投票に)行っても何も変わらないと思った。福島は今も全然、復興が進んでいない」と不信感をあらわにする。

 「候補者は夢みたいなことを言う。きょう困っているのは、仮設住宅で部屋が余っているのに、倉庫として使えないこと。それさえどうにもならない」。福島市の別の仮設住宅で暮らす浪江町民の松本ひろ子さん(65)は、選挙で論じられた「復興」に現実味を感じられないでいる。自宅は避難区域では比較的放射線量の低い地域だが、帰還の具体的な見通しは立っていない。「帰りたいけど、見通しが分からなければどうしようもない。仮設住宅で余った部屋を融通してくれるだけでほっとする。まず、きょう困っていることをやってくれると、こっちは実感を持てるのに」と漏らす。

 国の復興政策が問われながら、原発事故で最も被害を受けた避難者たちの足が投票所から遠のいた衆院選。被災者が実感を持てる「復興」とは何か。政治には、それを再考し、実現していくことが求められている。(この連載は、栗田慎一、浅田芳明、小林洋子、高橋隆輔、土江洋範、岡田英が担当しました)

2834チバQ:2014/12/18(木) 23:06:38
http://www.tokyo-sports.co.jp/shugiin/346067/
握手拒否され鍵までかけられた菅氏の嫌われぶり
2014年12月16日 17時00分

比例区で復活当選した菅氏
 突然の師走選挙は舞台裏もドタバタだった。低投票率を背景に安倍自民党が圧勝する一方、100議席を目指した民主党は海江田万里代表(65)が議席を失うなど、野党の低迷が目立った今回の衆院選。「常在戦場」の心構えが求められる政治家たちにまつわる、今選挙戦マル秘ネタを記者座談会で公開する。

 デスク:海江田代表の落選は珍事だったな。

 ベテラン記者:一夜明けの辞任会見で、「私は民主党の仲間が大好き」と感情たっぷりに話していた。集まった報道陣の狙いは、海江田氏の泣き顔。経産相時代、菅直人元首相(68)に“泣かされた”イメージが落選の原因だな。

 中堅記者:大好きな仲間の中に菅氏は入ってるんですかね?

 若手記者:菅氏といえば、地元での嫌われっぷりがすごい。小金井市の団地に行ったら、お年寄りたちが握手するのを嫌がって自宅に帰って鍵かけられたって。

 デスク:ひどい(笑い)。

 若手記者:マイクの声がしなくなったから窓を開けると、菅氏が笑顔で立って握手を求めてきたといいます。

 ベテラン記者:怖いよ。一方で安倍晋三首相(60)は東スポを読んで息抜きしてたんだよ。

 若手記者:マジっすか。

 ベテラン記者:ウチの単独インタビューで宇宙人を熱く語っていたんだけど、その記事を選挙中に読んだんだ。関係者は「首相は笑ってましたよ」って。

 中堅記者:やはり安倍首相は余裕がありましたね。演説で人も集まるし。逆に、まったく無名の大臣が呼んでもいないのに応援に来ることには、各陣営から不満が出ていました。
 デスク スキャンダル大臣が来るよりマシだろ。

 中堅記者:いや、無名大臣が来たって、人なんか集まらないですよ。聴衆が少ないと後から「恥をかかすのか」と逆ギレされるので動員をかけるのですが、こんなところで支援者に負担をかけたくないのが本音。大臣降ろしにつながりますね。

 ベテラン記者:スキャンダル大臣といえば小渕優子前経産相(41)は当選したね。公示前になぜか山本一太参院議員(56)がブログで小渕氏擁護をブチ上げていた。

 中堅記者:山本氏のブログは週刊誌ネタにもなったのですが、面白かったのは小渕氏擁護のブログで「正直に言うが、自分はこれまで優子さんのことを『首相候補』だと思ったことは一度もない」と断言したこと。自民党関係者は「それを言っちゃあ、おしまいよ」と笑っていました。

 若手記者:応援演説に頭を悩ませていたのは民主党も同じ。安住淳元財務相(52)が関東の候補者の応援に来たのですが、ポケットに手を突っ込みながら話すんですよ。演説冒頭に見せる“クセ”のようですが、これも不評でした。

 デスク:安住氏は自分の選挙が盤石だからな。このほか、有名人の応援はあったのかな。

 ベテラン記者:鈴木宗男氏(66)の娘、貴子氏(28)に歌手の松山千春(59)が来ていた。ただ、松山はすでにコンサートツアーが組まれていて2日間しか応援できなかった。フル参戦だったら選挙区で勝てたかも。突然の解散で、さすがの宗男氏も泡食っちゃった。

 デスク:そういや注目候補の田母神俊雄氏(66)は票が伸びなかった。

 若手記者:開票を待つ事務所には支持者が集まっていたのですが、NHKを見ながら、「票が操作されている」「インチキだ」とこぼしていました。事前の世論調査では「共産党が2番手」となっていたので、下馬評通りなんですがね。

 アラフォー記者:田母神氏って次世代の党だよね。ゲイの間では東京1区から出ていた次世代の渡辺徹氏(36)が“短髪ガチムチ候補”として大人気。選挙ポスターがイケメン過ぎだった。

 若手記者:新宿2丁目はちょうど選挙区なんですね。

 アラフォー記者:負けちゃったけど。でも、自民党には噂レベルじゃないガチのゲイがいる。大臣経験者にもいるんだとか。

 デスク:そんなところも含めてこれからも取材を頑張ってくれ。

2835チバQ:2014/12/18(木) 23:30:17
http://www.yomiuri.co.jp/local/fukushima/news/20141217-OYTNT50272.html
[衆院選・検証]野党結集 盛り上がらず
2014年12月18日
 今回の衆院選で、比例東北ブロックで1議席増やした民主党や、4区で小選挙区の議席を奪った維新の党。両党とも全国と比較すれば善戦したと言えるが、民主は伸び悩み、維新の勝利も野党結集の成果とまでは言えないのが実態だ。


 「新党結成を目指さないと国民の期待に応えられない」。5区で敗れた民主の吉田泉は15日未明、淡々と語り、県連代表職の辞意を県連幹事長に伝えた。

 民主は、1区では元議員の支援を受けた金子恵美が自民前議員をあと一歩まで追いつめ、比例東北ブロックで復活当選。同ブロックでの議席は、前回より一つ増えた。

 しかし、県内小選挙区では、県連代表だった吉田が落選するなど振るわず、吉田は比例での復活当選も逃した。結局、小選挙区の議席を確保したのは3区の玄葉光一郎だけに終わった。

 民主県連内には「『次々回の選挙で政権を取る』と訴えて票が入るわけがない」(元地方議員)との自嘲が広がる。衆院選の選対本部長を務めた県議の瓜生信一郎は「新たな枠組みで政界再編、野党を結集していくべきだ」と語った。

 4区で小熊慎司が自民候補を下した維新。民主が候補擁立を見送り、県内の野党共闘の象徴となったが、それを小熊の勝因だとする声は少ない。

 小熊の選対幹部は「勝因は『恒三票』に尽きる」と分析する。2年前に引退した元衆院副議長の渡部恒三の熱心な応援で、渡部個人を支持していた有権者の票が小熊に流れ込んだとの見方だ。

 野党結集は、維新も主張しているが、来秋の県議選では議席を争うライバルになるだけに、現場レベルでの機運は盛り上がりづらい状況だ。各党の知恵と行動が問われている。

(敬称略)

2836チバQ:2014/12/18(木) 23:31:46
鳥取
http://www.nnn.co.jp/news/141217/20141217010.html
2014年12月17日
衆院選「1強の裏で」(上) 自民、風なき圧勝
 衆院選で自民党は絶対安定多数を確保した。鳥取県内2小選挙区でも優位に戦いを進めたのは自民党だった。

「当確」に沸く赤沢氏の事務所。支援者からは丁寧な国会運営を求める声が上がっている=14日夜、米子市加茂町1丁目
■苦い経験
 「足を引っ張る野党の言うことを聞いている暇はない」。鳥取2区に出馬した自民党の赤沢亮正氏(53)は14日午後8時に「当確」が出ると、米子市の事務所で表情を引き締めた。

 災害対策、安全保障、財政再建…。直面する難題と向き合うには、一刻も早く政治を前進させるべきだと主張してきた。「与野党の伯仲を選択している場合ではない」と。

 政治の安定は迅速な政策決定に結び付く。しかし、非自民の受け皿不足は政治に緊張関係をもたらさない。合意形成や熟議が軽んじられる懸念もつきまとう。「反対意見、多様な意見を吸い上げながら、より善い政治を探るのが政治家だ」。共産党県委員会の小村勝洋委員長はそうくぎを刺す。

 自民党支持者の間でも「おごり」を警戒する声が相次いでいる。野党に転落した苦い経験が脳裏にあるためだ。「数の力で何でもやりたい放題は考えもの」。米子市の党員(54)はいぶかる。

 実際、島根原発2号機(松江市)から30キロ圏を含む2区では、再稼働への不安が根強く、米子市政研究会の中川健作代表(65)は「首相が信を得たと解釈し、民意を無視して動き始めるのでは」と危ぶむ。

 平井伸治鳥取県知事は「落選候補への票にも思いを託してほしい」と語り、島根原発への対応にも「信任が与えられたわけではない。周辺自治体の意見を聞きながら慎重に臨んでほしい」と注文を付けた。

2837チバQ:2014/12/18(木) 23:32:05
http://www.nnn.co.jp/news/141218/20141218005.html
2014年12月18日
衆院選「1強の裏で」(下) 民主、衰退に歯止めなく
 今衆院選は民主党にとって、衰退に歯止めをかけることができぬまま突入した受け身の戦いだった。政権運営時に有権者が抱いた失望感が尾を引く中、政策で明確な対立軸を示すこともできず、鳥取2区は党公認の湯原俊二氏(52)が3度目の落選、鳥取1区は候補の擁立すらできなかった。

衆院選の情勢を伝えるテレビ報道を見る福間選対委員長(左)五十嵐会長(左から3人目)伊藤代表(右)ら。県連幹部は2年前と同じ「反省の弁」を口にする=14日、米子市東町の湯原陣営選挙事務所
■白旗発言
 「無党派層も含めて自民に里帰りしてしまった」。14日夜、米子市の湯原事務所で民主党県連の福間裕隆選対委員長はくちびるをかんだ。

 県連は2012年の前回選で湯原氏が敗れて以降、組織を立て直すことができず離党者が続出。8月に設けた米子支部は作動せず、湯原氏の後援会も強化されていなかった。

 「追い風のときでも負けた。風もないのに勝てない」。公示直前、湯原陣営の幹部会議で「白旗発言」が飛び出した。自民党の赤沢亮正氏(53)と競り合うだけの地盤がないためだ。

 下野してから経済界の自民支援はより鮮明になり、さらに元参院議員の川上義博氏(64)が離党した影響で、企業系支持の多くが赤沢氏に流れた。

 「素人選挙」「人材不足」。選挙戦では湯原陣営のスタッフから公然と自嘲が漏れた。「戦略を組み立てる人もいない。常在戦場の認識が本人にも党内にもなかった。だからいつまでも“風頼み”になる」。米子市の党員は歯がみする。

2838チバQ:2014/12/19(金) 07:32:08
http://nikkan-gendai.com/articles/view/news/155883
調整候補の支援“ボイコット” 野党惨敗を招いた「連合」の怠慢

2014年12月19日
 衆院選で野党が惨敗を喫した理由のひとつは、「打倒自民」を旗印に民主、維新、生活で進めた「野党協力」が不発に終わったことだ。その最大の原因とも言えるのが、民主最大の支持団体である「連合」(日本労働組合総連合会)の“怠慢”である。

「民主党が選挙戦を通じて訴えた政策や政権運営に対する批判などに関して国民の期待を受け止めきれず、自民党への対抗軸となり得なかった」――。連合は16日、衆院選の結果についての事務局長談話を発表したが、あまりにしらじらしい。今回の選挙では、「反労組」を鮮明にする維新との協力を問題視するあまり、せっかく一本化した候補の支援を“ボイコット”する地方組織が続出。700万人ともいわれる組合員が「打倒自民」に本気で走り回っていたとは思えないからだ。

 例えば「偽装献金」疑惑が報じられた江渡聡徳防衛相がラクラク当選した「青森2区」では、対抗馬に元民主党青森県連副代表の中野渡詔子氏が「維新」候補として出馬したことに「連合青森」が難色を示し、早々と自主投票を決定。その結果、大差で中野渡氏は落選した。宮城でも、野党調整で1区から2区に鞍替え出馬した維新の林宙紀氏を「連合宮城」は自主投票。林氏はあえなく落選し、比例復活もできなかった。

「民主党の宮城県連から推薦を得ていたにもかかわらず、連合宮城は宮城6選挙区のうち、2区だけを自主投票にした。そのため、県内最多の組合員数を持つ自治労は2区で社民党の新人を支援。これでは勝てるはずがない。何のための鞍替え調整だったのかと思いますよ」(林陣営関係者)

 三重でも「連合三重」が1、2区を自主投票としたほか、4選挙区すべてで自民候補が勝った山口では、「連合山口」が2区を除くすべてを自主投票にした。敵(自民)の大将(安倍)のお膝元がこのテイタラクである。連合は「ヤル気ナシ」と受け取られても仕方ないだろう。そもそも連合の古賀伸明会長はパナソニック(旧松下)労組の出身だが、「松下城下町」と呼ばれ、パナソニック関連の社員が多い「大阪11区」では、旧松下労組出身の民主、平野博文・元官房長官が落下傘の自民、佐藤ゆかり氏に敗れた。古賀会長の衆院選に対する姿勢がよく表れているではないか。

■本音は「アベノミクス」万々歳

 連合幹部の出身は自動車や電力、電機などの大企業ばかりだ。非正規雇用を増やし、労働者を低賃金で働かせている張本人である。原発を再稼働させ、円安でボロ儲けさせてくれる「アベノミクス」は“労働貴族”の彼らにとって万々歳なのだ。「維新は反労組だ」「民主の訴えが有権者に届かなかった」なんて後付けのヘリクツなのは明らかだ。

 政治評論家の山口朝雄氏はこう言う。

「かつての連合は労働者意識が高く、政権与党に対して厳しい姿勢だったが今は違う。安倍政権もそれをよく分かっているからこそ、選挙が終わった途端、『政労使会議』を開き、賃上げ要請を言い出すのです。今の連合は『非自民』の看板を掲げているが、実態は取り込まれつつあるのです」

 16日の「政労使会議」の本当の目的は、連合の“選挙協力”のご褒美だったんじゃないのか。

2839チバQ:2014/12/19(金) 07:36:08
http://www.shimotsuke.co.jp/news/tochigi/politics/news/20141217/1810359
【終焉・渡辺王国】(上) 衝撃 解党の余波失望誘う 多額借り入れ問題も影響

12月17日 朝刊
関連用語:
・とちぎ衆院選 



 渡辺喜美氏(62)は14日、衆院選栃木3区で敗れ、県北から51年ぶりに「渡辺」の名が消えた。1963年に父・美智雄氏が初当選して以降、着実に根を伸ばし躍進してきた「渡辺王国」。強固な地盤は、なぜ崩れたのか。王国終焉の背景を探り、さまよう渡辺党の行方を追う。

 受け入れがたい結果だった。「ショックでまだ分からない」

 14日深夜、那須塩原市内の渡辺氏選挙事務所。落選の報がテレビで流れると、後援会幹部はぼうぜんとした表情でつぶやいた。腕を組む者、うつむく者、目を閉じる者−。終焉の瞬間は沈痛な雰囲気に包まれた。

 斎藤典男選対本部長は「回れば反応は悪くなかった。時間があれば…」と肩を落とす。選挙戦直前の11月28日、渡辺氏が中心となって立ち上げたみんなの党が解党。体制を整えるために残された時間はあまりに短かった。

 解党の余波は激しい逆風となって陣営を襲った。行政改革や地域主権を掲げた政策に期待した層の失望を誘い、陣営の運動員は有権者から「比例票をどこに入れていいか分からない」と厳しい批判にさらされた。渡辺氏も落選直後の記者会見で「無所属では力がないと思わせてしまった」と敗因の一つに挙げた。

 解党の引き金となった浅尾慶一郎代表との路線対立も、有権者の嫌気を誘った。ある陣営関係者は選挙期間中、訪問先で痛烈な言葉を浴びせられた。「(多額借り入れで辞任した渡辺氏の後任となった)浅尾さんは喜美さんを追い落としたわけじゃない。それなのに直接会う前に、マスコミに向かって『代表を辞めてほしい』と言うのでは子どものけんかだ」

 多額借り入れ問題も陣営に影を落とした。渡辺氏は選挙前から、党内の調査結果を基に「違法性がない」と説明に回り続けた。ただ陣営幹部は「説明すれば理解してもらえるが、一般の有権者は高額な金を借りていたことをシビアに見ていた」と悔しさをにじませた。

 逆風に加え、自民大勝ムードの中、渡辺氏は自身の選挙戦で初めて娘の力を借りた。妻や息子ら親族総出で新人候補のようなどぶ板選挙に徹したが、「業界団体や首長を先頭に戦う自民党の流儀を凌駕できなかった」(渡辺氏)。

 渡辺氏を1万票以上の差をつけて引き離した自民の簗和生氏(35)の陣営は、建設業や農業など業界団体の幹部が固めた。その中には、自民党離党後、渡辺氏から離れていった支持者も少なくない。渡辺氏の陣営からも「敗因は自民党を離れたこと。大きいところにいないとだめだ」という声すら漏れ聞こえる。

 しがらみのない改革を掲げてみんなの党を立ち上げ、業界団体と一線を画した渡辺氏。皮肉にも自ら手放した組織型選挙に敗れた格好だが、支持者の心離れは自民党時代から徐々に始まっていた。水面下で動き始めていた「王国終焉」の予兆だ。

※12月16日紙面掲載

2840チバQ:2014/12/19(金) 07:36:39
http://www.shimotsuke.co.jp/news/tochigi/politics/news/20141218/1811402
【終焉・渡辺王国】(中)敗因 地元の声に耳傾けず 政策めぐる思いに隔たり
地元との距離感は自覚していた。

 「大臣となり、党の代表となり、残念ながら地元に帰る頻度が少なくなった」

 14日深夜、那須塩原市内の選挙事務所。落選直後の記者会見で、渡辺喜美氏(62)は「おやじと比べて努力が足りなかった」と悔やみ、副総理兼外相などを務めた父・美智雄氏との力量差に触れた。

 自民党離党前の2006年、渡辺氏は第1次安倍内閣で行政改革・規制改革担当相として初入閣を果たす。安倍晋三首相から「突破力」を買われ、公務員改革に先鞭をつけた。しかし中央政界での活躍の影で、地元関係者には違う顔をみせていた。

 初入閣後、都内で渡辺氏と会談した元渡辺派の県議は耳を疑った。席上、国の支援が必要な地域の公共事業について、国土交通省幹部との意見交換会開催を打診した。渡辺氏からは「そんなの県議でやればいい。俺は天下国家をやらなくてはいけない」と素っ気ない答えが返って来た。県議の目には「(支持者離れは)喜美さんが自分で招いた結果」と映る。

 農協幹部は、渡辺氏の要望活動に対する姿勢に失望した。「(渡辺氏が自民党にいた)7年以上前から幹部をしているが、要望で一度も本人に会ったことがない」。かつて渡辺派の支持基盤だった建設業者からも「人の言うことに耳を貸さない」と恨み節がこぼれる。

 12年衆院選で自民党が簗和生氏(35)を擁立して以降、業界団体の多くは自民に流れた。簗氏は初当選後、地元をこまめに歩き、雪害対策や有害鳥獣対策などでフットワークの軽さを見せつけた。「地元密着で信念がある。美智雄さんと同じような行動だ」とみる自民支持者すら現れた。

 みんなの党を立ち上げ、既得権益や“守旧派”との対決姿勢で全国の有権者の支持を得た渡辺氏。しかし「対決姿勢」は地元では必ずしもプラスに作用しなかった。首長選や地方議員選では、他党が支援する候補に次々と刺客を擁立。業界団体への批判は、旧来の支持者離れを加速させた。

 美智雄氏の代から渡辺家をよく知る、元みんなの党関係者は「喜美氏は、美智雄氏のような『少し幅を持たせてまあいい』という考えができない」と渡辺親子を比較。さらに「美智雄氏は『首長選で100%俺のためを考えるとしくじるぞ。6、7割は市町民のためを考えろ』と言った。喜美さんは少しでも意に沿わないと切っていく」と厳しい目を向ける。

 美智雄氏は「支持者が国会に来るのは、ひょっとしたら一生に一度のこと」と周囲に言い聞かせ、要望活動に対応する機会を大切にしていたという。それだけに元党関係者には渡辺氏の姿勢がもどかしかった。落選の報を受け、敗因をこう考えている。「しがらみのない政治家は、有権者ともしがらみがなくなってしまった」

※12月17日紙面掲載

2841チバQ:2014/12/19(金) 07:37:01
http://www.shimotsuke.co.jp/news/tochigi/politics/news/20141219/1812460
【終焉・渡辺王国】(下)行方 再起へ遠い道のり 生き残り 揺れる県議

12月19日 朝刊
関連用語:
・とちぎ衆院選 

みんなの党は2011年の県議選に初参戦。13議席を獲得し県議会「みんなのクラブ」は第2会派に躍進した。右は会派の新人議員向け勉強会であいさつする渡辺氏。同党解党後も会派は15年4月の任期満了まで存続する=11年4月


 重苦しい空気が室内を覆った。17日午前、県議会議事堂の一室にみんなのクラブの議員が集まった。議題の一つはみんなの党代表だった渡辺喜美氏(62)の衆院選栃木3区での敗北だった。

 みんなのクラブは党の解党で受け皿を失い、渡辺氏の落選で結集する“核”を失った。会派所属の9人のうち複数人が来年4月の県議選に党に属さず、無所属で立候補する意向を固めている。今回の衆院選で3区以外の選挙区では自民党候補を応援した県議もいた。

 生き残りに向け、模索を始めた県議たち。会合に出席した県議は「それぞれ事情が異なり(会派内には)温度差がある」と話す。

 落選から一夜明けた15日。記者会見した渡辺氏には、今後の活動についての質問が相次いだ。渡辺氏は「県内外の地方議員の声にも耳を傾けて今後の在り方を決めなければならない」「来年は統一選。早めに動かないと地方議員は困るのではないか」−。衆院選前に模索した新党構想は頓挫したが、政治活動の再開に含みを持たせた。

 「喜美さんらと連携し、政党党派の枠組みを超えて活動していきたい」。斎藤淳一郎県議は渡辺氏の再起に期待を込める。ほかにも渡辺氏との将来的な連携に意欲をみせる県議がいる。

 一方、早川桂子県議は「今後の渡辺氏の政策を聞いてから決める。今は決められない」。佐原吉大県議は「今は白紙だ」と渡辺氏との連携について、即答しなかった。

 議席を失った渡辺氏が地元の代弁者に指名したのが、おいの渡辺美知太郎参院議員だ。同党の本県関係の国会議員は一時、渡辺氏を含め4人だったが、解党後も渡辺氏と行動をともにしたのは美知太郎氏だけだった。しかし美知太郎氏は「まずは支援者に(選挙の)お礼とおわびをするのが先だ」とし、今後の国会活動の方向性については明言を避けた。

 「渡辺党」を支えてきた後援会組織も落選に揺れ動いている。

 「終わりじゃなくて始まりにしてくれ。今までのことを生かして社会に貢献してくれ」。後援会総連合会の臼井亮平会長は落選直後、渡辺氏にそう伝えた。別の後援会幹部は取材に「結果がどうあろうと支えていく気持ちは変わらない」と語気を強める。

 一方、渡辺氏と距離をとろうとする人もいる。「渡辺王国はもうない。50年、2代続いた渡辺党は終わりだ。私はもうやりたくない」。そんな声も漏れる。

 父・美智雄氏が築き上げた地盤を死守できなかった渡辺氏。政治家としての今後をどう切り開くのか。それともこのまま政界を去るのか。一度崩れた渡辺王国再建への道のりは遠い。

※12月18日紙面掲載

2842とはずがたり:2014/12/19(金) 17:59:51
>民主元職の三浦昇さん(44)は、1区の高邑さんと選挙協力を結んだ
選挙協力の具体的な内容はなんなんだろ?

>大票田・岩国市で岸さんに1万票以上リードを広げられた
これまではどうだったんかねぇ?

<2014衆院選やまぐち>結果分析 無党派の一部、自民支持 野党側、突然の解散で態勢取れず /山口
http://news.goo.ne.jp/article/mainichi_region/region/mainichi_region-20141216ddlk35010382000c.html
毎日新聞2014年12月16日(火)14:23

 14日投開票された衆院選は、自民が他の候補を寄せつけず、県内4小選挙区を独占した。…無党派層や民主、維新支持層の一部が自民に流れるなど、有権者の行動にも影響したとみられる。…【衆院選取材班】

 ◇1区

 …高村正彦さん(72)が自民、公明支持層を固めたほか、無党派層の約半数の支持を受ける形で、約12万票を獲得した。投票率が県内4小選挙区の中で最低の50・63%となったことから、得票数は前回2012年の衆院選と比べ1万票以上減らした。しかし、民主支持層の一部にも食い込み、得票率は68・09%で前回の65・91%より伸ばした。

 一方、維新元職の高邑勉さんは、民主公認で出馬した前々回2009年の得票約9万4000票に遠く及ばず、今回は約3万9000票にとどまった。1区での候補擁立が難航していた民主と模索した野党共闘は失敗。陣営は終盤…復活当選を目指し、惜敗率を高める方針に重点を置き…支持を訴えたが伸び悩んだ。

 ◇2区

 県内で唯一、自民と民主の激戦が繰り広げられてきた選挙区で、自民前職の岸信夫さん(55)が自民、公明支持層を固め、約9万7000票を獲得。民主元職の平岡秀夫さん(60)らを振り切った。

 平岡さんは民主の支持母体である連合山口の全面的な支援を受けたほか、無党派層の半数から支持を得たものの、大票田・岩国市で岸さんに1万票以上リードを広げられた。平岡さんは15日、「向こう(安倍晋三首相)の戦略勝ち。…」とこぼした。

 ◇3区

 …河村建夫さん(72)の陣営は11万票を得票目標に据えていたが、実際は約9万3000票。ただ、得票率は前回とほぼ同じ68・37%で、投票率の低下が得票に影響したとみられる。民主元職の三浦昇さん(44)は、1区の高邑さんと選挙協力を結んだが、維新支持層が河村氏支持に流れ、伸び悩んだ。

 ◇4区

 …安倍晋三さん(60)は…地元入りできなかったが、得票率76・27%と安定。維新支持層と無党派層の半分以上から支持を得たほか、候補を立てられなかった民主支持層の3割にも食い込み、(他候補を)を圧倒した。

 ◇戦後最低の投票率 「有権者に諦めムードも」

 県内の衆院選の小選挙区の投票率は53・07%で、戦後最低だった前回衆院選を6・97ポイント下回った。なぜ有権者の半数近くが棄権したのか。各党や有識者に要因を分析してもらった。

 西嶋裕作・民主党県連幹事長は、消費が高まる12月の時期に総選挙が実施されたことを挙げ、「(与党は)景気回復と言いながら選挙をし、その大義も有権者にとって分かりにくかった」と指摘。一方、新谷和彦・自民党県連幹事長は…自民が圧勝との世論調査が新聞各紙で報道されたことで「…選択肢が狭まった」と話す。

 また、佐藤文明・共産党県委員長は「自民党政治に対決する足場を、他の野党が持っていない。…」と指摘。先城憲尚・公明党県本部幹事長は「政治が国民の期待に応えられていない。…」と話した。

 松原幸恵・山口大准教授(憲法学)は、民主党が全国的に大勝した前々回の衆院選でも、県内選挙区の4議席のうち3議席を自民が占めたことに着目し、「選挙に行っても行かなくても変わらないという諦めムードがあったと思う」とみる。また「自民党は経済政策を打ち出したが、議論が低調だった憲法改正なども信任を得たとして加速するのではないか。政権運営にブレーキをかけるには、選挙では見えにくかった身近な問題に、声を上げていくことが大切だ」と述べた。【蓬田正志、田中理知】
[山口版]

2843名無しさん:2014/12/19(金) 19:56:46
民主党も2回連続落選者続出で再編が捗るな。噂の金庫にあるカネで養うのだろうか。

2844チバQ:2014/12/19(金) 21:04:01
>>2809
5802 チバQ 2014/12/18(木) 22:29:11
http://senkyo.mainichi.jp/news/20141217ddlk10010190000c.html
上州変動:2014衆院選 戦いの後で/中 民主「棚ぼた」の比例復活 勢力回復には遠く 「第三極」風前のともしび /群馬
毎日新聞 2014年12月17日 地方版

 「奇跡が起きた」。民主党元職の宮崎岳志氏は、顔をくしゃくしゃにして支援者と抱き合った。小選挙区の1区では自民党と無所属の候補に敗れて3位。比例代表での復活当選が決まり、体が宙に舞ったのは、日付が変わった15日午前0時過ぎだった。

 前回衆院選での壊滅的敗北から2年。宮崎氏の国政復帰により、民主県連はようやく国会議員ゼロ状態を脱することになった。しかし、勢力回復に向けてどの程度の追い風になるかはまったく未知数だ。陣営関係者は厳しい表情でこう振り返る。「比例復活できたのは、自民と無所属の2人が保守票を食い合ってくれたおかげ。完全に『棚からぼた餅』の勝利だ。むしろ、民主党が有権者の信頼を取り戻せていないことが浮き彫りになった」

 突然の衆院解散・総選挙を受け、民主県連幹部や候補者は「準備不足」という言葉を繰り返した。黒沢孝行県連会長は「衆院選は早くても統一地方選後になると思っていた」という。「臨戦態勢」からは程遠い雰囲気だった。

 3区では公示直前、前回は対立候補だった長谷川嘉一氏を公認して何とか擁立にこぎ着けた。しかし、自民県議出身の長谷川氏に対し、連合群馬は「推薦」でなく1段階下の支援である「支持」にとどめた。ある労組幹部は「政治信条がはっきりしない人物の選挙に全力投球はできない」と声をひそめた。

 2区と4区は、他党と選挙協力したわけではなく不戦敗。小渕優子氏の「政治とカネ」問題で全国的注目を集めた5区でも、独自候補を擁立する力量がなく、県連が社民党候補を推薦してしのいだ。

 県内で唯一、早くから公認候補が内定していた1区ですら、県内外からスタッフをかき集めて、やっと態勢が整った。公示直後から「3人が団子状態になって、なんとか比例復活に持っていければ」という話が出ていたという。

 比例では県内で11万9404票を集めたが、維新の党を下回る数字だった。政権交代を果たした2009年の3割にも届かない水準だ。県議の一人は「再び国会議員が出てよかった、評価できるのはそれだけ」と断言する。準備不足の反省を踏まえ、来春の統一地方選以降、立て直し策を練るという。「まずは統一選でしっかりとした自治体議員を作ること。国政のことを考えるのはその先だ」。捲土(けんど)重来を期する民主に、まだ光は差していない。

    ◇
「前回は斬新さがあったが、もう賞味期限切れと思われている」。維新・石関貴史氏の選対幹部が漏らした。

 比例では12万1537票と、前身の「日本維新の会」の前回得票数から6万票以上も減らした。石関氏は比例復活したものの、2区での得票は当選した自民前職に3万票以上も離され、背中が見えない状況だ。分裂した次世代の党に至っては、政党としての存続が危ぶまれる惨敗だった。みんなの党の解党と併せ、流行語大賞を受賞した「第三極」はブームの終息とともに風前のともしびだ。

 一方、県内でも躍進したのが共産党だ。小菅啓司県委員長によると、期間中、前橋市内の事務所には「今回初めて共産に入れた」「孫だけには戦争を経験させたくない」と、有権者から多くの反応が寄せられていたという。沖縄1区を制し18年ぶりに小選挙区の議席を獲得した。沖縄のように反自民勢力を結集して「暴走ストップ」を図ることは県内でも可能だろうか。中之条町議会前議長の原沢今朝司氏は「地域で共闘できるテーマがなければ無理だろう」と慎重な見通しを語る。

 自民党政治に満足していない有権者は少なくない。しかし、その不満の受け皿となる勢力はまだない。【角田直哉、田ノ上達也】

2845チバQ:2014/12/20(土) 15:24:09
http://www.asahi.com/articles/ASGDL5DWMGDLUTFK009.html
次世代の党惨敗、ネット右派頼み限界 理念先行薄い政策
秋山惣一郎2014年12月20日14時39分
 自民党の右に柱を立てる――国家や民族を重視する本格的な右派政党として衆院選に臨んだ次世代の党。インターネットで活発に発言する右派勢力などを頼りに、強い保守色を前面に出して戦った。だが、公認48人に対して当選は2人と惨敗。識者からは、保守の理念が先行し、生活に密着した政策に結びつけられなかったとの指摘が出ている。


 選挙結果を総括した19日の次世代の党の会議。平沼赳夫党首は、落選議員らを前に「私の力が足らず、心から反省している」と頭を下げた。石原慎太郎最高顧問も「十分な応援ができなかった」と謝罪した。

 旧日本維新の会から分裂し、8月に結党した次世代の党は、平沼氏や石原氏ら自民党よりも保守的な理念を掲げる政治家の「オールスターチーム」の様相だった。衆院選では中国批判、慰安婦問題に加え、「根拠がない」との批判を浴びながらも、独自調査をもとに「在日外国人の生活保護受給率は日本人の8倍」などと訴え、「生活保護は日本人に限定」とする社会保障制度の抜本改革も公約に掲げた。

 次世代の選挙戦の象徴は、2月の東京都知事選で61万票を獲得した元自衛隊航空幕僚長の田母神俊雄氏だ。東京12区で公明党の太田昭宏国土交通相にぶつけ、支持母体の創価学会を徹底的に攻撃した。

 記者会見で田母神氏は「安倍晋三首相の足を引っ張る公明党を政権から分離させ、自民・次世代の連立政権を作らねば、日本は取り戻せない」と述べ、街頭演説でも徹底した公明党、創価学会批判を続けた。

 ネット上で発言する右派の支持を得ようと、積極的なネット戦略も展開した。「子育て犠牲にしてまでなぜ働くのか」「慰安婦問題はでっちあげ」など、「誰もが知らんふりするタブー」を斬るとして、キャラクター「タブーブタ」を一刀両断する動画を制作。動画の再生回数は30万回を超えた。

 ツイッターも自民、公明に次ぐ約1万2千フォロワーを獲得。「在日特権を許さない市民の会」(在特会)の桜井誠前会長が「期日前投票で小選挙区、比例ともに次世代に一票を投じてきました」とツイートするなど、右寄りのネット世論に浸透したようでもあった。

 しかし、ふたをあければ、わずか2議席。当選はいずれも強固な地盤を持つ平沼氏(岡山3区)と園田博之氏(熊本4区)のベテラン議員だった。目玉候補の田母神氏も東京12区で約3万9千票にとどまり、4候補中最下位。平沼党首は15日未明の会見で、「急な解散で党の知名度が不足していた」と語った。

2846チバQ:2014/12/20(土) 15:28:38
http://www.sankei.com/politics/news/141219/plt1412190031-n1.html
2014.12.19 19:27
【衆院選2014】
自民執行部に溝、無所属の入党要請する二階氏に谷垣氏は慎重姿勢 ちらつく「派利派略」

ブログに書く1




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自民党役員連絡会に臨む谷垣幹事長(奥左)と高村副総裁(同右)ら=19日午前、東京・永田町の党本部
 自民党の二階俊博総務会長は19日の党役員連絡会で、衆院選で当選した保守系の無所属議員を入党させるよう谷垣禎一幹事長に求めた。谷垣氏は慎重な姿勢を示し、執行部内での溝を印象づけた。二階氏の念頭にあるのは入党していないものの二階派(志帥会)には所属している議員が中心。それだけに党内には「派利派略」との批判もあり、入党問題は一筋縄にはいきそうもない。(沢田大典)

 「無所属議員の取り扱いをどうするんだ」

 役員連絡会で二階氏は具体名は挙げなかったが、独特の威圧感のある声で谷垣氏に迫った。

 その後の会見でも二階氏は「衆院選で減った部分は無所属議員で十分補える数だ。無所属議員は地域の選挙区で県民、国民の支持を得て当選した。自民党が謙虚になって、『どうぞお入りください』と呼び掛けることが大事だ」と持論を展開し、「度々申し上げなきゃいけないんだったら、度々申し上げる」と執念をのぞかせた。

 二階氏には、中村喜四郎(茨城7区)、小泉龍司(埼玉11区)、長崎幸太郎(山梨2区)、山口壮(兵庫12区)−の4氏が念頭にあるとみられる。
 しかし、実現には高いハードルが待ち受けている。役員連絡会で谷垣氏が「それぞれ事情がある。できるもの、できないものがある」と消極的な姿勢を示したように、茨城7区では永岡桂子氏(麻生派)、埼玉11区は今野智博氏(町村派)、山梨2区は堀内詔子氏(岸田派)がそれぞれ比例復活で当選している。中村、小泉、長崎の各氏を入党させようとすれば、バックに控える各派閥のトップが黙っているはずはない。

 兵庫12区には自民党候補は出ていないため、山口氏の入党は他の3人に比べて容易とみられるが、無所属で出馬し落選した戸井田真太郎氏は、兵庫県連が公認を求めながらも得られなかった人物だ。山口氏の入党に、県連内の反発は依然根強いものがある。

 加えて、中村、長崎、山口の3氏は二階派の特別会員で、小泉氏は国政報告会に二階氏を招くなど関係が深い。こうしたことも党内から理解を得にくくしている。まさに火種となりそうな今回の一件。ある中堅議員はこう語る。

 「二階氏は派閥の人数を増やして影響力を強めたいのだろう。『派利派略』は放っておけばいい」

2847チバQ:2014/12/20(土) 15:41:31
http://senkyo.mainichi.jp/news/20141217ddlk01010144000c.html
「この道」どこへ:検証・’14衆院選/上 大地と協力 民主、党勢回復へ道半ば /北海道
毎日新聞 2014年12月17日 地方版

 ◇プライド優先に課題も
 「小選挙区で三つ、あとは接戦。票も増え、それだけ信頼も集まっている」。民主道連代表の横路孝弘氏(73)は15日午前0時半ごろ、衆院選道1区(札幌市中央・南・西区)での当選が決まると札幌市中央区の事務所に姿を現し、党への支持が回復の兆しを見せている手応えを口にした。

 2009年の衆院選では道内20議席中15議席を占め、政権交代をけん引。だが12年の衆院選では選挙区で全敗し、2議席にとどまった。今回は議席を5に増やしたが、再建への足がかりをつかんだにすぎない。道連は来春の統一地方選に本格的な党勢回復をかける。

    ◇

 「貴子が嫁入りしたようなもの。小選挙区は横路先生、比例は民主です」。選挙戦終盤の11日、札幌市南区で開かれた新党大地の後援会主催による横路氏の個人演説会の冒頭、大地の支援者が呼びかけた。

 両党は統一地方選に向け8月ごろから選挙協力を模索し、突如行われることになった衆院選で選挙協力を結んだ。大地代表代理の鈴木貴子氏(28)が道7区(釧路、根室管内)から民主公認で出馬した。選挙期間中、大地の支援者として知られる歌手の松山千春氏が民主候補の応援に入り、代表曲を披露しエールを送る場面もあった。

 鈴木氏は自民道連会長の伊東良孝氏(66)に225票差まで迫るなど健闘。民主幹部は「大地の働きは大きかった」と評価する。

    ◇

 一方、不安を残したのは野党が競合した道2区(札幌市北・東区)。民主党本部は維新と選挙協力を模索し、今回不出馬を表明した民主の三井辨雄(わきお)・元厚生労働相(72)が松木謙公氏(55)を後継指名した。だが松木氏は民主を除名された経緯があることから、民主道連は支援を拒否した。

 松木氏は維新公認で出馬し、民主道連は独自に池田真紀氏(42)を擁立。その結果、非自民・非共産票は松木、池田両氏に割れ、自民の吉川貴盛氏(64)を楽々当選させる結果となった。

 さらに松木氏は比例で復活当選したことから、民主の地盤は維新にさらわれた形となった。民主の支援団体幹部は「民主道連に松木氏を受け入れる度量があれば、地盤を維持できた。野党競合で民主のプライドは守ったが、議席も地盤も失った」と批判する。

    ◇

 同じ幹部は「2区の構図はそのまま知事選に重なる」とも話す。来年4月の知事選には、フリーキャスターの佐藤のりゆき氏(65)が既に立候補を表明しており、年明けには高橋はるみ知事(60)も4選を目指して出馬表明する見込み。民主と大地は「反高橋知事」では一致するが、大地代表の鈴木宗男氏(66)は佐藤氏の支援に積極的な一方、横路氏は独自候補擁立の姿勢を崩していない。

 来春の道議選でも民主系と大地系の候補が競合する選挙区がある。今後、調整が焦点となりそうだ。別の支援団体幹部は「主戦論も大事だが、議席を獲得してこそ党勢拡大につながると肝に銘じ、統一地方選の準備にあたってほしい」と民主に注文を付ける。

   × × ×

 衆院選で安倍晋三首相は「この道しかない」と連呼し、自公で3分の2の議席を維持し、道内でも戦後最低の投票率となった。自民が勝利を収めた衆院選を検証する。

2848チバQ:2014/12/20(土) 15:42:09
http://senkyo.mainichi.jp/news/20141218ddlk01010122000c.html
「この道」どこへ:検証・’14衆院選/中 大地との協力拒絶 自民、民主に肉薄許す /北海道
毎日新聞 2014年12月18日 地方版

衆院選投開票日の14日深夜、自らの選挙区の開票状況を渋い表情で確認する伊東良孝・自民道連会長=札幌市中央区の自民道連事務所で
衆院選投開票日の14日深夜、自らの選挙区の開票状況を渋い表情で確認する伊東良孝・自民道連会長=札幌市中央区の自民道連事務所で
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 ◇大敗なら「責任論」も
 衆院選の大勢が判明した14日深夜、札幌市中央区の自民道連事務所で伊東良孝・道連会長(66)は「厳しい戦いだった」とため息を漏らした。前回の2012年衆院選では、自民が候補を擁立した11の小選挙区で全勝したが、今回は3選挙区を民主に奪われた。自身が出馬した道7区(釧路、根室管内)では辛勝したものの、次点だった民主公認で新党大地代表代理の鈴木貴子氏(28)=比例代表で復活当選=に225票差まで詰め寄られた。

 今回、自民が敗れた3選挙区は▽6区(上川管内の一部)惜敗率97・2%▽8区(渡島、檜山管内)同93・4%▽1区(札幌市中央・南・西区)同90・9%−−といずれも接戦だった。一方、自民が勝った3区(同市白石・豊平・清田区)と4区(厚別区、石狩管内)でも民主候補に惜敗率90%台まで迫られ、大勝した前回に比べると票差はぐっと縮まった。

     ◇

 「野党の選挙準備が整わないうちに」と安倍晋三首相が電撃解散に打って出た今回の衆院選は、自民道連にとっても「寝耳に水」だった。前回こそ追い風を受けて道内で歴史的勝利を収めたが、かつて「民主党王国」と呼ばれた北海道はもともとリベラル勢力が強く、安倍首相が争点に掲げた経済政策「アベノミクス」の評価を巡っても、北海道は「全国で最も影響が及んでいない地域の一つ」(自民道連幹部)で、「厳しい選挙戦になる」というのが自民道連幹部の間の当初からの共通認識だった。

 そんな不安に追い打ちをかけたのが、道内で一定の集票力を持つ大地と民主の選挙協力だった。大地は候補を立てず全道で民主を支援する代わりに、鈴木宗男代表(66)の長女・貴子氏が民主入りして7区から出馬、比例名簿1位に遇された。「第三極」候補が乱立した前回選では、民主に大地候補の得票を加えると自民候補を上回るか接戦になる選挙区が五つあり、自民に危機感が広がった。

 大地は当初、自民との連携も模索したが、貴子氏と地盤が重なる道連会長の伊東氏が突っぱねた。選挙選中盤、報道各社の情勢調査で道内半数近くの選挙区で接戦が伝えられると、道連内には「(伊東氏は)道連会長という立場なのに、自分のことしか考えていなかった」とのいら立ちの声が一部でくすぶった。もし自民が大負けしたり伊東氏が選挙区で敗れたりしていれば、「責任論」も浮上しかねない状況だった。

     ◇

 14日深夜、道内の選挙結果について問われた伊東氏は「前回が完勝だった。(今回も)負けではないのではないか」と答えた。自民道連幹事長の柿木克弘道議(46)も「全国の激戦区のうち、沖縄(全4区)は全敗し、愛知(全15区)は七つ落とした。道内では20議席のうち過半数(11議席)を獲得でき善戦した」と評価する。

 ある自民道連幹部は「首相が言うほどアベノミクスの効果は北海道には届いていない。今なぜ解散をするのかという有権者の疑問に答えるのが難しかった。一方で、有権者の間には民主党政権の3年間に対する失望感がまだ残っていて、『再び民主党に政権を渡していいのか』という我々の訴えがより共感を得た」と分析する。

 今回、道内の自民前職で1区の船橋利実氏(54)だけが比例でも復活できず落選した。船橋陣営の選対幹部は選挙戦をこう総括した。

 「(敗因は)民主と大地の選挙協力の影響もあったと思うが、思想信条が違う者同士が野合を組んだ。こちらは『勝つためなら何をしてもいいわけではない』との筋論を示せた。敗れはしたが、次につながる戦いだった」

2849チバQ:2014/12/20(土) 15:42:43
http://senkyo.mainichi.jp/news/20141219ddlk01010012000c.html
「この道」どこへ:検証・’14衆院選/下  反自民の「受け皿」 維新と共産、比例で健闘 /北海道
毎日新聞 2014年12月19日 地方版

 ◇民主に「負の遺産」続く
 「奇跡的な当選。橋下(徹・維新共同代表)さんの『改革者』としての主張に、有権者が期待を託したのではないか」。投開票日翌日の15日、道2区(札幌市北・東区)から立候補し比例代表で復活当選を果たした維新の松木謙公氏(55)は、そう振り返った。前回の2012年衆院選の比例代表道ブロックで33万3000票余を獲得した維新(当時・日本維新の会)は今回、約8万6000票を減らしたものの、前回に続き1議席を確保。追い風は弱まったが、「自民も民主もノー」という有権者をとらえて、道内に一定の足場を築いていることをうかがわせた。

 前回、道12区(宗谷の一部、オホーツク管内)で落選した松木氏は今回、もともとの地盤だった2区から立候補。選挙戦では当初「民主党の三井わきおさんの後継者」と書いた選挙カーを走らせていたが、中盤以降は「民主」の文字を消して「維新」を前面に出した。陣営幹部は「消費増税延期と議員定数削減など『身を切る改革』をセットにした訴えは反応がよかった。かつての民主への期待が維新に移った感じだった」と振り返る。

 維新は札幌市内10区のうち中央など4区で共産や公明を上回る票を獲得し、都市部での支持の強さを印象付けた。民主は比例で3議席目をうかがったものの、維新や全国的に躍進した共産によって阻まれ、2議席にとどまった。民主道連幹部は「反自民票が民主に流れる、という甘いことにはならなかった。前回の『負の遺産』がまだ続いているということだ」とうなだれた。

     ◇

 共産も道内で14年ぶりの議席を比例で獲得した。投開票日の14日深夜、札幌市東区にある事務所内のテレビに比例名簿1位の「畠山(はたやま)和也氏(43)、当確」のテロップが流れると、支援者から歓喜の声が上がった。

 共産は比例道ブロックで、前回を約11万票上回る30万2251票を獲得した。青山慶二・道委員長は「共産は自民と正面から対決し、対案を示してきた。安倍晋三政権に不安や危機感を持つ人のよりどころになった」と評価する。
 消費増税中止や環太平洋パートナーシップ協定(TPP)交渉からの撤退など独自の主張が自民や民主支持層の一部にも浸透。また民主と新党大地の選挙協力によって前回乱立した「第三極」候補が絞り込まれたことも影響した。今回は小選挙区でも10選挙区で得票率が10%を超え、前回の3選挙区から大幅に支持を広げた。

 青山委員長は「民主政権時代に期待し裏切られた有権者は民主には戻りきらず、第三極も頼りにならないと感じ、揺れ動いた末、『今回は共産に』という人が多かったのではないか」と分析する。

     ◇

 「アベノミクス解散」が功を奏し、自公で衆院の3分の2以上の議席を手にして、長期政権を視野に入れ始めた安倍首相。首相が強調した「この道」はどこへ向かうのか。今後も注視していきたい。

   × × ×

 この連載は山下智恵、袴田貴行、久野華代、三股智子が担当しました。

2850チバQ:2014/12/20(土) 15:43:35
http://senkyo.mainichi.jp/news/20141217ddlk08010222000c.html
ダブル選の波紋:14年衆院選・県議選/上 民主の苦戦 党勢回復怠ったツケ 野党共闘、冷ややか /茨城
毎日新聞 2014年12月17日 地方版

 「厳しいなあ」。民主党県連(水戸市中央1)の会議室で、県議の長谷川修平幹事長は、党職員とともにテレビの開票速報番組を見つめながらつぶやいた。15日午前1時10分ごろ、1区に立候補した福島伸享氏(44)の比例復活が伝えられ、硬い表情が一瞬緩んだ。しかし、直後に海江田万里代表の落選が報じられると、元の厳しい表情に戻ったままだった。

 民主は今回、福島氏の比例復活のほか、日立グループ労組を支持基盤とする5区・大畠章宏氏(67)が前回2012年衆院選に引き続き自民候補を降し、9選を果たした。県内は1議席増となったものの、選挙戦では4小選挙区にしか独自候補を擁立できないなど、改めて党基盤の脆弱(ぜいじゃく)さを浮き彫りにした。

    ◇   ◇

 党勢衰退の影響は県議選でも表れた。民主政権下で行われた10年県議選は24人を擁立したが、今回はわずか7人の擁立にとどまった。支持母体の労組関係者は「候補を探す責任者が誰なのか、あやふやなまま選挙に入り、空白を埋められなかった。しかも、今は民主の名前で立ってくれない」と説明。福島陣営幹部は「自民に対抗できる組織作りができていない。労組頼み、風頼みの選挙になっている」としており、この2年間で党勢回復の努力を怠ってきたツケが回ってきた格好だ。

 衆院選では、党本部が掲げた「野党共闘」も空回りに終わった。3区では維新の石井章氏(57)と候補者調整したが、実質的な選挙協力は図られなかった。選挙戦中盤の9日には、石井氏が日立市内の大畠氏を訪問。選挙協力をアピールしたが、大畠氏陣営の関係者は「民主の名前にただ乗りしようとしただけ」と冷ややか。県連幹部は「政策も違っており、県レベルでの協力には無理があった」と漏らした。

    ◇   ◇

 報道各社の世論調査で、茨城5区や同7区の接戦が伝えられると、自民は序盤から菅義偉官房長官や小泉進次郎復興政務官、麻生太郎副総理らを接戦区に投入。圧倒的な組織力を見せつけ、比例代表の得票率では前回衆院選比7・4ポイント増の38・4%を獲得した。民主も同2・1ポイント増の17・8%としたが、党勢の差は歴然としていた。党幹部の応援演説も終盤、馬淵澄夫党選挙対策委員長らだけだった。

 長谷川幹事長は「党首も落選した選挙だから、幹部も自分の選挙が大変な状況にあったのだろう」と声を落とす。県内の衆院選投票率は過去最低の55・24%。選挙戦を振り返った福島氏は「有権者には野党に対する期待がなかった。野党のだらしなさに対する怒りの棄権があったのだろう」【衆院選取材班】

    ×  ×  ×

 県政史上初の衆院選、県議選のダブル選は、自民圧勝で幕を閉じた。勝敗を決めた背景と県政に広がる波紋を追った。

2851チバQ:2014/12/20(土) 15:44:08
http://senkyo.mainichi.jp/news/20141218ddlk08010233000c.html
ダブル選の波紋:14年衆院選・県議選/中 「公明推薦」勝敗を左右 自民の地盤、隙なし 「組織一つにして戦った」 /茨城
毎日新聞 2014年12月18日 地方版

 投開票日を翌日に控えた13日午前、自民の田所嘉徳氏(60)はJR水戸駅南口で街頭演説を行った。左脇に県議選立候補者の加藤明良氏、右脇には水戸市議が陣取った。田所氏は選挙期間中、「自民は根っこが違う。市議、県議が地元に根付いているので、地方の考えを国政に吸い上げることができる」とアピール。県議選立候補者らと連携し、大票田・水戸市でも票を固めた。

 田所氏は筑西市出身。水戸市では知名度不足を指摘する声もあった。しかし、県政初のダブル選となった県議選をフル活用し、県議の地盤に食い込んだ。水戸市では、水戸一高出身で比例復活した福島伸享氏(44)=民主=を約4000票上回る4万3824票を獲得。田所陣営の選対本部長を務めた白田信夫県議は「ダブル選がうまく機能した」。また、関係者からは「県議選がなかったら、田所さんは負けていたかも」との声も漏れた。

      ◇

 11月27日、土浦市で開かれた6区の立候補予定者による公開討論会。消費増税の論議で、民主の青山大人氏(35)が軽減税率導入に否定的な見解を示すと、自民の丹羽雄哉氏(70)は「私たちは庶民の暮らしを守る」と即座に反論し、導入に前向きな考えを示した。軽減税率導入は、友党の公明が掲げた重要な公約でもあった。

 公明は衆院選で5区、7区を除く自民候補5人を推薦。7区では無所属の中村喜四郎氏(65)を推薦した。公明が比例代表で獲得した5区の約1万8000票、7区の約3万4000票すべてが仮に公明推薦のなかった両区の自民候補に投じられると、勝敗は逆転する。

      ◇

 7区の中村氏は「自民の風を(後援会の)皆様と公明党さんの力で抑えこむことができた」と謝辞を述べる一方、敗れた自民の永岡桂子氏(61)の陣営関係者は「敗因は公明票が得られなかったことだ」と顔をしかめた。公示後に推薦を決めた1区など他区でも、公明の出方次第では勝敗が入れ替わる可能性もあった。

 前県連会長の岡田広参院議員は「党の組織を一つにして戦った」とダブル選を乗り切った満足感を示した上で、「公明推薦が遅れた区などはもう少し普段から(公明との)関係を良くしないといけない」と自公連携を強化するよう求めた。県議選も含め、ほぼ改選前の勢力を維持した自民党。しかし、岡田氏は「衆院選は風が吹くことが多い。あとは仕事で評価してもらうしかない」と気を引き締めた。今のところ、野党がつけ込む隙(すき)はなさそうだ。【衆院選取材班】

2852チバQ:2014/12/20(土) 15:44:48
http://senkyo.mainichi.jp/news/20141219ddlk08010115000c.html
ダブル選の波紋:14年衆院選・県議選/下 政治団体 バランス重視の支援 「人物本位」名目に /茨城
毎日新聞 2014年12月19日 地方版

 「JAに理解ある議員が必要。そのため、バランスを大切にした」。JAグループ茨城(組合員数約23万3000人)の政治団体「県農協政治連盟」幹部は選挙戦への考え方を解説した。同連盟は今回、自民候補5人を推薦する一方、1区、5区では自民、民主の両候補を支持した。背景には急速に進む米価下落や、自公政権の規制改革に対する不満がある。

 前回2012年衆院選小選挙区は「TPP(環太平洋パートナーシップ協定)の交渉参加反対」を踏み絵に自民候補3人に加え、民主候補として初めて1区の福島伸享氏(44)を推薦。そのほか4人を支持した。計8人のうち当選者は5人だった。今回は推薦・支持した9人の全員当選を果たした。別の幹部は「大きな成果が出せた」とバランス重視の結果に満足そうに話した。

      ◇ 

 県医師会の政治団体「県医師連盟」(会員約1300人)は今回、「人物本位」という旗印を掲げた。民主政権が誕生した09年衆院選で、県医師連盟は県内7小選挙区の民主候補7人を推薦。12年衆院選でも3区を除く6小選挙区で民主候補を推した。今回は1区、5区、6区は民主、残る2〜4区、7区は自民を推薦し、結果は比例復活を含め、6勝1敗だった。

 小松満委員長によると、過去の衆院選の経緯から「自民ばかりに勝たせてはならない」と自民への警戒感を示す会員がいる一方、政権運営に失敗した民主に冷めた視線を送る会員も少なくないという。ただし、政権交代の振り子はいつ動くか分からない。だからこそ、人物本位という名目で、自民と民主のバランスを取ったとみられる。

      ◇ 

 共同通信社が14日に実施した出口調査によると、「これまでの第2次安倍政権の施策を評価しますか」との問いに対し、県内の自民支持層の2割弱、公明支持層の4割強が「評価しない」と答えており、自民支持層の1割弱、公明支持層の2割弱が小選挙区の民主候補に投票した。苦戦したとはいえ、準備不足の民主が県内で1議席を増やしたのは、一部与党支持層のバランス感覚があったとも言える。

 衆院選の結果について、筑波大社会学類の辻中豊教授(政治学)は「野党は最大の争点になった『アベノミクス』に代替案を何も出していない。負けるべくして負けた。野党は目先の選挙協力や『風』に頼るのではなく、組織力を強化しなければ自民に対抗できない」と分析。代案を示し、県民のバランス感覚に応えうる選択肢が求められている。【衆院選取材班】

2853チバQ:2014/12/20(土) 15:45:47
http://senkyo.mainichi.jp/news/20141217ddlk09010072000c.html
師走決戦:2014衆院選・振り返って/上 指定廃棄物問題で明暗 西川氏、肩書足かせに /栃木
毎日新聞 2014年12月17日 地方版

 衆院選の結果、県内5小選挙区では自民が4議席、民主が1議席を獲得した。2区では自民の現職農相、西川公也氏(71)が落選(比例で復活)し、3区では無所属の渡辺喜美氏(62)が父美智雄氏(故人)の代から51年守り続けた議席を失った。各選挙区で勝敗を分けたものは何か、背景を探った。

 時計の針は間もなく午前0時を指そうとしていた。開票率が100%に迫っても2区の勝敗が判然としないなか、最も早く結論を下したのはさくら市内の事務所で待機していた西川氏本人だった。開票所に詰めていた関係者から最新情報が入ると、硬い表情で敗戦を認めた。「皆さんよくやってくれた。心からおわび申し上げる」。比例代表での復活当選にも祝賀ムードは一切なかった。

 一方、199票の小差で制した民主・福田昭夫氏(66)。「後援会、連合栃木、民主党議員団の『三本の矢』が結束し総合力を発揮した勝利。この冬空のように爽快な気分だ」。当選から一夜明けた15日、満足げにそう振り返った。

 福田氏と西川氏は、小選挙区で過去2回戦い1勝1敗。民主に追い風が吹いた前々回(09年)は福田氏が当選し、落選した西川氏は3年余の浪人生活を余儀なくされた。自民が政権に返り咲いた前回(12年)は西川氏が当選し、福田氏は比例代表で復活した。

 3戦目の今回、報道各社などの情勢分析記事では、接戦ながら「西川氏優勢」とみる媒体が多かった。

 福田氏陣営は危機感を強めた。10日夜の選対会議で、選挙区内をくまなく回る戦術から地元・日光市の票固め重視に変更。今回の選挙戦が「演説デビュー」だった恵美子夫人(62)は大票田の鹿沼市を中心に最後の3日間で約70回の演説をこなした。

 さらに陣営は勝負に出た。浮動票が西川氏に流れていると分析し、「農相(西川氏)を相手にあえて農村票に狙いを定めた。自民票を取るほかなかった」と福田氏。また、選挙区内には福島第1原発事故で生じた指定廃棄物の最終処分場候補地となった塩谷町があるにもかかわらず、現役閣僚としてこの問題に踏み込んだ発言ができない西川氏との違いを強調。同原発敷地内での一括管理を主張する政策チラシを配った。

 開票の結果、選挙区内の7市町のうち5市町で西川氏に及ばなかったが、10年来の支持者は「いずれも小差まで迫れたので、最終的には日光と塩谷で稼いだ計約6300票のアドバンテージが効いた」と分析した。

 西川氏にとっては、現役農相として臨む初の選挙だった。「全国的な知名度になり、(有権者が)向こうから集まってくる」。公示前にはそんな手応えも口にしていた。

 ところが、期待したほどの追い風が吹かなかった。守りの戦いに追い込まれ、県外候補からの応援依頼は断った。12日には福田氏の地元、JR今市駅前に安倍晋三首相を迎えて立会演説会を開いた。「相手の戦意をくじき、とどめを刺したい」との狙いだったが、リードを奪うことはできなかった。

 陣営は最後まで苦戦の原因をつかみかねた。米価の下落、指定廃棄物処分場問題、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)、地方に行き届かないアベノミクスの効果−−。考えても結論は出ず、「味方は見えるが、敵が見えない」と西川氏は首をひねった。

 福田氏の「指定廃棄物は福島第1原発で一括管理を」との主張について、陣営周辺では「実現の可能性がどれだけあるのか。堂々と反論すればいい」との声があった。しかし西川氏は閣内不一致を恐れ、最後まで指定廃棄物問題への言及を避けた。「私の真意が伝わらなかった」と総括した西川氏。金看板となるはずの肩書は足かせになっていた。【花野井誠、田内隆弘】

2854チバQ:2014/12/20(土) 15:46:23
http://senkyo.mainichi.jp/news/20141218ddlk09010067000c.html
師走決戦:2014衆院選・振り返って/中 渡辺氏、父の威光通じず 「地域密着」奏功、簗氏 /栃木
毎日新聞 2014年12月18日 地方版

 「期待に応えられず申し訳ない」。落選が確実になった14日午後11時過ぎ、7回目の衆院選にして初めて無所属で戦った渡辺喜美氏(62)は、那須塩原市の事務所で深々と頭を下げた。集まった支持者からはすすり泣きが漏れる。その直前まで、会場に置かれたテレビの中継映像には両手を突き上げる自民の簗和生氏(35)の笑顔が映っていた。

 過去6回の選挙戦をすべて得票率6割以上で圧勝してきた渡辺氏だったが、8億円借り入れ問題やみんな解党による逆風にはあらがえなかった。インタビューで敗戦要因を問われると、1強多弱の自民と政策の違いが出せなかった▽無所属では力がないと思われた▽自民の旧来型の組織型選挙に及ばなかった−−の3点を挙げた。

 ただ、無所属での出馬は後援会の意向でもあった。斎藤典夫選対委員長は「知名度も政治実績も全国区。(選挙直前の解党で)事ここに至っては、個人戦のほうが戦略を立てやすいと判断した」と振り返る。「足を運んで触れあい、実際に顔を見てもらうと反応は良かった。『やっぱり渡辺さんがいなくちゃ』という声ももらった」

 無所属のため比例復活当選がない背水の陣での戦い。すがったカードは父の美智雄元副総理だった。「私の政治信念は父から受け継いだそのもの」「父のやり残したことをやらせてください」。渡辺氏は父の名を繰り返し口に出して情にすがり、陣営も「この選挙区から『渡辺』の名前が消えて本当にいいのか」と訴えた。

 半世紀以上続いた「渡辺王国」の陥落。選挙後、「父の地盤を失ったが」との問いに、渡辺氏はなんとか強がってみせた。「地盤は相続できるものではない。あくまで民主主義の手続きの中で自民候補が選ばれたということだ」

   ◇

 選挙戦最終盤の12日、簗氏はJR那須塩原駅前に立ち乗降客に訴えかけた。「同じ物を食べ、同じ水を飲み、同じ空気を吸って痛みや苦しみを共にしてきた。毎朝この駅から6時11分の新幹線で国会に通った」。もう2年前の初出馬の時のような「落下傘候補」ではないことをアピールしつつ、「地元をないがしろにしている」と評されてきた渡辺氏との違いを意識に植え付けてもらう作戦でもあった。

 簗氏のキャッチフレーズは「地元密着・現場主義」。街頭演説では「地元の声を国会に届けられなくては国会議員ではない」と繰り返した。ことごとく渡辺氏を強く意識したものだった。

 父の威光にすがった渡辺氏に対し、政策よりもひたすら「地域密着」を叫び続けた簗氏。結果としてアベノミクスへの評価も集団的自衛権行使容認の是非も争点とはならず、「渡辺か、自民か」に焦点が集約されていった。

 一般に、有力候補同士の激戦になると、投票率は上がる傾向にあるとされる。しかし今回、3区の投票率は54・59%。全国平均(52・66%)を上回ったとはいえ、同じ顔合わせだった前回(58・14%)を下回った。激しい集票合戦を繰り広げたにもかかわらず、多くの有権者が選挙自体にそっぽを向いた形だ。

 東京地検特捜部は近く、8億円借り入れ問題を巡り、渡辺氏から事情を聴くとみられている。政治とカネの問題が改めて注視されることになる。掲げた目標「3区一新」を果たした簗氏の真価が問われるのもこれからだ。【柴田光二、藤田祐子】

2855チバQ:2014/12/20(土) 15:47:00
http://senkyo.mainichi.jp/news/20141219ddlk09010213000c.html
師走決戦:2014衆院選・振り返って/下 後手の民主、次に手応え 自民、固い地盤を活用 /栃木
毎日新聞 2014年12月19日 地方版

 「私たちに投票権はないけれど、1区にいる親戚や知人に投票を呼びかけている。なんとか当選させて」。衆院選中盤の8日、宇都宮市内で開かれた1区の民主、柏倉祐司氏(45)の必勝集会会場に、2区にあった後援会組織のメンバーが駆け付け、必死に訴えた。1区では後援会を設立する時間さえない戦いだった。

 安倍晋三首相が仕掛けた電撃的な解散・総選挙。準備不足に加え、所属政党のゴタゴタで後手に回り、追い上げきれなかったのが、柏倉氏と4区の民主、藤岡隆雄氏(37)だ。

 前回みんなから2区に出馬し、比例復活当選した柏倉氏は公示直前に党が解党し、急きょ民主に移ったうえ、1区に国替えまでした。しかし、民主を支援する連合栃木の内部では当初、「(政策が違う)みんなの公認だった候補者を簡単に支持していいのか」と反対の声も上がったという。ただ、柏倉氏は宇都宮市出身。同じく前回は4区のみんなの候補だった藤岡氏は今年、小山市に新居を構え、それぞれ「地元の候補」を名乗る資格はある。幹部の一人は「今回たとえ落選しても、今後も腰を落ち着けて活動してくれるという期待を込めて推薦した」と、振り返った。

 地元に根を張る候補者かどうかにこだわったのは、苦い経験があったからだ。これまで民主が擁立した落下傘候補は、当選してもその後落選すると、地元を去ることの繰り返しだった。

 選対幹部も「今回は先につながる戦いをすることが大事だった。準備時間は足りなかったが、次につながる手応えはあった。今後は後援会をしっかり作り、長く民主の候補者として育てていきたい」と視線は先を向いている。そうした思いに応えるように、柏倉氏は敗戦の弁で「次を戦わないということはない。勝つまでやる」と言い切った。

 藤岡氏も前回から約1万3000票伸ばし、陣営も「次への布石になった」とある程度評価する。しかし「支持者に『なぜ民主なのか』と戸惑いが広がり、自民に流れた人も多いのでは」とも分析している。そもそもみんなの政策は集団的自衛権をはじめ民主よりも自民寄りだった。陣営は「『民主党の藤岡』ということをきめ細かに説明し、離れてしまった支持者に戻ってもらえるよう努力する」と次を見据える。

   ◇

 午後8時の投票締め切りと同時に、県内の自民候補は1区の船田元氏(61)、4区の佐藤勉氏(62)、5区の茂木敏充氏(59)と次々に「当選確実」の一報が事務所に入り、早々に支援者らの「バンザイ」の声が響き渡った。

 船田氏は、陣営に緩みが出ないようあえて「弱い逆風」と位置づけて臨んだ。過去13回の選挙戦で築いた固い地盤を最大限に活用し、支援企業や推薦団体などを中心に票を固めた。投票率の低下の影響もあり、目標の12万〜13万票には及ばなかったが、最低目標の10万票はクリアした。陣営幹部は「1区は最も『風』の影響を受けやすい。相手が誰であれ、これからもしっかり基礎を固めるだけ」と語る。

 相手候補に5万票以上の大差で当選した佐藤氏も小山市や壬生町など選挙区内のすべての首長の応援を受け、地力の差を見せつけた。陣営は「首長が率先して応援してくれたおかげで有権者に自然と佐藤ムードが広がった」と振り返る。茂木氏は自共対決で3万票超を許したが、勝負では相手を寄せ付けなかった。【長田舞子、猪飼健史】

2856チバQ:2014/12/20(土) 15:48:18
http://senkyo.mainichi.jp/news/20141216ddlk12010152000c.html
2014衆院選:熱気なき票情/1 自共の組織政党伸長 政策論争なく他党埋没 /千葉
毎日新聞 2014年12月16日 地方版

 「安倍政権に対する怒り、危機感を抱いている方が期待を寄せてくれた」

 15日未明。小選挙区制移行後初めて県内の選挙区候補の共産議員が比例復活で誕生した。4区候補の新人の斉藤和子氏(40)=比例名簿3位=だ。

 「自民党にも民主党にも入れたくない層」(陣営)の受け皿として存在感を示した共産。「なんとか比例南関東ブロックの3議席目を」と意気込み、選挙戦最後の12、13日と連日で志位和夫委員長が選挙区入りするなどテコ入れを図った。

 「(比例では)共産党と書いていただきたい」。13日のJR津田沼駅で志位氏は訴えた後、こう強調することも忘れなかった。「『和夫と和子』のコンビで国会でやれるよう絶大な力添え、よろしくお願いします」

 斉藤氏の得票率は前回よりも3・0ポイント増の10・53%。比例復活の条件「得票率10%」をクリアし滑り込むと、両手を高く挙げて万歳した。

 民主の野田佳彦前首相(57)が強固な地盤を持つ4区。今回も野田氏は早々に当選確実となったが、自民や共産の比例が伸び、比例復活争いは15日未明まで続いた。

    ◇  ◇

 午前2時すぎ。全国最後の1議席となった同ブロックの一枠が維新の党に決まると、自民新人の木村哲也氏(45)の陣営からはため息が漏れた。「この悔しさを糧に頑張る」。県内唯一の「自民空白区」での議席獲得まであと一歩。支持者から「また一からやり直そう」との声が上がると、次回も出馬する意思を示した。

 「地元が一枚岩になるんだったら、それに越したことはない」

 木村氏の他に比例選出の国会議員が候補者に名乗りを上げていた先月18日。この国会議員を推したベテラン衆院議員は東京・永田町で参院議員に地元の状況を伝えられると、立候補の辞退を促すことを約束した。

 選挙区出身でない「落下傘候補」だった過去3回と違い、自民系市議らが「野田氏が唯一落選した96年以来」(陣営)という結束を見せた。比例名簿で同順位の中から復活当選者を決める惜敗率(当選者の得票に対する該当候補の得票の割合)は56・7%と前回の自民候補より12・5ポイント高かった。

 地元の「一枚岩」に野田陣営は危機感を抱いた。ただでさえ「1票の格差」解消を目指した区割り変更で、野田氏が強いといわれる船橋市北部が13区に編入された今回。全国の応援に飛び回る中、「前回と違って応援に行く前にほぼ必ず、つじ立ちをした」という。

 当選を決めても万歳三唱はしなかった。野田氏は「仲間が増えないと政治は変わらない。その辺の複雑な心境を察していただきたい」と話し、終始厳しい表情だった。

2857チバQ:2014/12/20(土) 15:48:48
   ◇  ◇

 「『野党しっかりしろ』との有権者からの叱咤(しった)激励だと思う。胸に刻んで頑張らなければ」。復活当選が決まり、8区の元職の太田和美氏(35)はそう繰り返した。前回は比例復活で3議席を獲得した維新の党(当時は日本維新の会)。今回、太田氏が1議席を死守した格好だ。

 2006年7区補選に初当選。福島に国替えし再選したが、民主を離党し日本未来の党で出馬した12年は落選。千葉に戻り出馬した昨年の参院選で落選と曲折を重ねてきた。「故郷での再出発で票の重みをかみしめた。地元に少しは受け入れていただけたかな」。万歳するうち涙があふれた。

 民主などが候補者を見送り、出馬した太田氏。野党の候補者調整について「ベターだったがベストではなかった。自民に勝つ受け皿を作るための準備や選挙協力はできなかった」と反省。「政権交代できる野党再編を目指す」と抱負を述べた。

    ◇  ◇

 午前2時半ごろ。民主は比例で確保した4議席の残り1議席に、惜敗率約67%で3人がひしめき、身内同士の争いを演じていた。

 元職の谷田川元氏(51)の香取市の事務所では比例復活に望みをかけ、支援者約50人が深夜までテレビの開票速報を食い入るように見つめた。神奈川の候補の復活当選が決まると、深いため息に包まれた。

 谷田川氏は支援者に「あと10票くらいで当選だった。今後については改めて相談したい」と苦渋の表情であいさつ。報道陣の取材を拒否して別室で行った協議では「改めて(トラブルで票の最終確定が遅れた)成田市選管に調査を申し入れたい」と憤る声が上がっていたという。

 同様に争っていた13区の前職の若井康彦氏(68)の支持者らも「あと100票あれば……」とうつむいた。

 野党の候補者調整に加え、野田氏地盤の船橋市北部が編入。ともに順風になると見ていたが、「準備に時間がなく、成果は十分ではなかった」(若井氏)。他の野党とは選挙協力までに至らず、編入地区でも当選した自民の白須賀貴樹氏(39)に敗北。選対関係者からは「安倍さんを批判する割に対案がなかった。党本部にしっかりした政策を出してほしかった」と不満も聞かれた。

    ×  ×

 自民や共産といった組織政党が伸びる一方、民主や「第三極」と呼ばれた政党は低迷。突然の解散で与野党の政策議論が深まらず、投票率が大幅に下がるなど「しらけムード」が漂う中、何が起こっていたのか。「1強多弱」を決定づけた選挙を検証する。=つづく

2858チバQ:2014/12/20(土) 15:50:06
http://senkyo.mainichi.jp/news/20141217ddlk12010084000c.html
2014衆院選:熱気なき票情/2 手応え感じず大勝、自民 統一選前、地方議員も「真剣」 /千葉
毎日新聞 2014年12月17日 地方版

 「報道の『楽勝』なんて信じるな」

 再選した2区の自民党の小林鷹之氏(40)の陣営幹部は選挙期間中、毎朝の会議で指示を飛ばした。手には、自民優位が一斉に報じられた4日に安倍晋三首相から全国の各陣営・候補者に届いた激励文が握られていた。

 <油断大敵 最後まで必死に訴えよ! 弛(ゆる)んだら勝利はない!>

 支持者らに楽勝の空気が漂い始めていると感じた陣営は、首相のメッセージや谷垣禎一幹事長と茂木敏充選対委員長の連名で届いた選挙の心構えが記された「緊急通達」を見せて緊張感を持たせた。

 小林陣営は、知名度がある議員が応援に来ても数十人しか集まらないなど手応えを感じないままだった。野党の候補者調整で「第三極が乱立した前回よりも野党候補に票が集まるのではないか」との懸念もあった。7区で3選した斎藤健氏(55)も「自分の感覚と違う報道がなされ、陣営が緩むかもしれない恐ろしい選挙だった」と振り返る。だが、蓋(ふた)を開けてみれば2、7区とも次点の倍以上の得票数だった。

 消費再増税の先送りに反対する主要政党はなく、政権選択が争点にならなかった今回、県内の投票率は51・24%と戦後最低を記録。「チラシも取ってくれない。選挙をやっている気がしない」。3区で応援した市議のつぶやきには有権者に無関心が広がっていたことがうかがえる。

    ◇  ◇

 自民は13選挙区で、政権を奪還した前回と同じ11議席を確保、圧倒的な県内第1党を維持した。

 共同通信が14日に実施した出口調査によると、小選挙区では、自民支持層の85・3%が自民候補に投票したのに対し、民主党支持層で民主候補に投票したのは70・2%にとどまる。さらに、維新の党支持層の27・7%が民主に投票した半面、自民にも18・9%が投票。無党派層の投票先も民主(30・7%)と自民(30・2%)でほぼ同数だった。

 前回「第三極」が乱立し野党が共倒れになった反省から、民主は党本部主導で維新などとすみ分けを実施。解散直前にみんなの党も解党し、野党が反自民票をいかに集めるかが焦点だったが、奏功したとは言い難い。

 比例代表でも、自民は得票数を前回より9万5315票も伸ばし、86万1787票を獲得。自民関係者は「特別、自民党が良いわけではないので風はなかった。だけど、民主などへのイメージがいまだ悪すぎるのだろう」と分析する。

「追い風も向かい風もない」(選挙区で大勝したベテラン議員)中での大勝。選挙戦中、自民候補が「比例は(連立政権を組む)公明党へ」と訴える姿が目立った。自民支持者と党への裏切りとも言えるが、「公明票は民主の労組票と違い、投票率とは関係なく入ってくる」(自民関係者)ため、風がない分、一層「重要な戦略」となったようだ。また、ある自民陣営は「後援会一つ一つにお願いし組織を固めるだけ」と強調する。低投票率が自公の組織票の強さを際立たせた。

2859チバQ:2014/12/20(土) 15:50:39
    ◇   ◇

 選挙戦中盤の7日。13区の自民の白須賀貴樹氏(39)が船橋市北部の二和向台駅近くでマイクを握った。そばには、来春の統一選で4期目に挑戦する地元の男性市議。懸命に自民の政権公約集を通行人に配り、時折知り合いから声を掛けられると話し込んだ。

 同市北部は区割り変更により、4区から13区に編入された。白須賀氏にとっては未開の地であり、事実上の無名だ。そのため地元市議が道案内役となり、選挙カーのルートや看板を置く場所、商店街の支持者へのあいさつなど、常に陣営を誘導。選挙カーからは「市議の○○です。私からのお願いです」と連呼した。「結果的には自分の選挙にもプラスになるからやっている」と話す。

 国政選挙で「実動部隊」を担う地方議員は来春の統一地方選が控える。統一選まで半年を切って行われる衆院選は実に1967年以来47年ぶり。公明関係者も今回の自民の地方議員の選挙活動を「いつになく真剣だった」と目を見張った。

 「携帯電話を持ってますね。10件かけていただきたい。(昼間は)議会があるが、夜の時間がある。ドブ板選挙でもやる」

 比例復活で再選した1区の自民の門山宏哲氏(50)の出陣式で宇留間又衛門・千葉市議長がハッパを掛けた。

 門山氏は前回も比例復活当選。市議らは「比例で当選しても(議員)バッジの価値はない。数合わせになるだけだ」と必死で動いた。5選した民主の田嶋要氏(53)に敗れはしたが、激しい追い上げに同氏陣営幹部が「自民は決定した事柄に忠実に従って動く。統一選の前哨戦として戦う地方議員の力を痛烈に感じた」と舌を巻くほど。党勢回復できない野党を尻目に、自民は足元から「保守王国」の組織固めを進めた。=つづく

2860チバQ:2014/12/20(土) 15:51:04
http://senkyo.mainichi.jp/news/20141218ddlk12010176000c.html
2014衆院選:熱気なき票情/3 民主、野党調整実らず 空白区多く、比例伸び悩み /千葉
毎日新聞 2014年12月18日 地方版

 「あなた方が受容できるかどうかは関係ないんです」

 先月13日。東京の民主党本部に呼び出された県連の田中信行幹事長が、候補者の野党調整について「受容できない」と抵抗すると、馬淵澄夫選対委員長に突っぱねられた。

 2012年の前回、「第三極」を目指した政党が乱立。全国的に共倒れした教訓から、共産党を除く野党は競合区を避けるべく党本部主導で調整を進めていた。一方、県連も「一つでも議席を増やす」として県内13選挙区中11区で擁立作業を開始。民主の擁立見送りで調整されていた2、7、8区を巡って党本部と激突した。

 特に8区候補の維新元職の太田和美氏(35)は民主を離党。昨年の参院選では生活の党から出馬し民主候補の長浜博行氏(56)=定数3で3位当選=の苦戦の一因を作ったといわれる。長浜氏らも党本部に行き、「太田氏の応援はしない。地元県議を出したい」と抗議した。

 2区は前回出馬した本人が固辞し擁立を断念したが、7区でも地元県議の擁立作業が進行していた。県連は「地元への意見伺いも通告もなかった。比例票や統一地方選にも影響する」と反発、反対文書も提出した。しかし、党本部は「全国的な調整の中での判断なので、わかってほしい」と譲らなかった。

 民主が今回、擁立した候補者は8人。小選挙区制が導入された1996年以来、最も少ない人数だった。

   ◇  ◇

 「前回の民主、維新、(解党した)みんなの党の票を足した票数は絶対に取れない」。民主の支持母体の連合千葉幹部は頭を抱えた。候補者調整はしたが、政策をすりあわせる時間がなく選挙協力に至らなかったからだ。

 みんなに所属していた市議は協力を求められ、「公務員の給料が高いのは民主の責任。自治労と手を切らないとだめだ」と言ったという。また、連合には労組と対決姿勢をとる維新への警戒感が根強いほか、生活の党も「離党組」が多く、「県内では仲が悪い」(民主県連関係者)。

 実際、14日に実施した共同通信の出口調査によると、民主で候補者を「一本化」した5区では、維新支持層は民主候補に40・7%、自民候補に31・4%が投票と分かれた。生活支持層は46・2%が民主に投票したが、38・5%が共産に投票するなど「反自民票」の取りこぼしも目立つ。

 5区では、前回の民主候補の得票数(約5万票)に維新(当時は日本維新の会)やみんななど「第三極」票(約8万票)を加えれば、自民候補の得票数(約8万票)を大きく超えるはずだった。だが、伸びた票は民主候補約6000票に対し、自民候補は約2万4000票。大敗だった。6区も野党候補が民主、共産以外に次世代の党も出馬したものの、やはり自民候補との差は前回よりも3000票以上拡大した。

 連合幹部は「『反自民』より、政権担当したことで植え付けられた『嫌(けん)民主』が上回った」と指摘。前職の秘書も「民主アレルギーが払拭(ふっしょく)される前に解散した安倍(晋三首相)さんの勝ち」と話した。

2861チバQ:2014/12/20(土) 15:51:38
  ◇  ◇

 野党調整は比例にも大きく響いた。

 「候補がいないのにどうすればいいのか」

 連合県本部には民主候補が立っていない空白区から何度も問い合わせがあった。

 候補者がいれば街頭演説などの選挙活動を通じ民主の浸透度も上がるが、比例だけの訴えとなると「やりにくい」(県支部幹部)。党の選挙カーを優先的に走らせ、ポスティングなどで必死に「比例は民主へ」と投票を呼びかけたが、結果は厳しいものだった。投票率が7・25%下落する中、前回も今回も擁立した1区の比例票は5・46%の減少にとどまったが、前回擁立し今回は空白区だった2区では23・57%減少。7区は19・28%、8区も21・79%それぞれ減らしている。県全体では14・30%減の46万2344票だった。

 「入れる候補者がいないのに『投票に行け』というのはひどいですよね」。県連関係者は自嘲気味に笑った。

   ◇  ◇

 「神奈川の情勢はどうなってる」「どこが比例枠の1番目に来るか」。予想以上の民主の苦戦が報じられると、各陣営の焦点は「南関東ブロックで誰が復活できるか」という党内争いへと移った。比例復活の枠を一つでも増やすため、激戦1区での田嶋要氏(53)の当選が県内の至上命令になり、選挙戦終盤は党幹部の応援弁士も1区に集中。結果、田嶋氏は小選挙区での当選を果たしたが、それでも民主の県内議席は5から3に。減ったのは比例復活2議席分だ。

 県連代表の田嶋氏は「全国で議席を増やしており、野党調整は第1ステップとしてはやむを得なかったが、信頼回復の道のりは遠い」と振り返り、落選陣営の幹部は「前回は乱立して大敗、今回は調整して大敗した」と頭を抱える。

 民主候補者はこう危機感をあらわにした。「野党再編して党名を変えるぐらいじゃないとダメだね」=つづく

2862チバQ:2014/12/20(土) 15:53:20
http://senkyo.mainichi.jp/news/20141219ddlk12010276000c.html
2014衆院選:熱気なき票情/4 調整不発、第三極は失速 「独走」自民、公明に不安も /千葉
毎日新聞 2014年12月19日 地方版

 「あなたのために13区を必ず離れる。私が5区に収まるよう調整してほしい」

 11月中旬の国会。維新の党の椎木保氏(48)=前回13区で比例復活当選=が、民主党の若井康彦氏(68)=同=に直談判した。若井氏は民主県連に伝えたが、調整は進まなかった。

 前回13区で当選した自民党の白須賀貴樹氏(39)の得票数は約7万5000票。若井氏(約5万票)と椎木氏(約4万票)を合わせれば上回ることができる。「自民に勝つことが最重要」とし、共倒れを防ぐための調整の結果、椎木氏の「国替え」が決まった。

 しかし、行き先は難航した。隣接する8区は、柏市出身で同じ維新の太田和美氏(35)の擁立が内定。無党派層が多いとして5区も候補に挙がったが、「仲のよい前原誠司元外相の後押しがあった」(関係者)という民主の村越祐民氏(40)の出馬が前回に続き決定した。

 椎木氏は比例単独の立候補を希望し「選挙活動は他候補の応援に力を入れる」と主張したが、維新の党本部は「小選挙区で戦うべきだ」と応じず、結局大阪2区で出馬し、落選した。

 調整は実現したが、維新候補は選挙区で苦戦を強いられた。

 8区の太田氏は当初、ツイッターに「共産党を除く野党統一候補」と書き込むなど反自民票を集める戦略をとった。しかし、民主から離党した経緯もある太田氏に対し、民主幹部らは「応援しない」と断言し、統一候補という表現にも「正式な協定を結んでいない」と抗議した。解散日に2区からの出馬が決まった藤巻健太氏(31)も「立候補しないことが最大の協力」(生活の党県連幹部)などと他党から積極的な支援を得られなかった。「党と自分の名前を連呼し覚えてもらうのが先決」といい、選挙戦はひたすら街頭演説を繰り返した。

 維新は太田氏が比例復活当選したが、前回から2議席(比例復活)を減らした。ある維新候補は「野党調整で現職をつぶし、新人も他党の応援のない中で戦わせる。これでは自民を利するだけだ」と憤った。

   ◇  ◇

 「前回は期待値があったが、今回は勢いがなかった」。落選した維新候補は選挙戦後、こう振り返った。

 前回、第三極は「自民にも民主にも入れたくない」層の受け皿として躍進したが、今回は旧日本維新の会が次世代の党との分党後、みんなの党から分裂した結いの党と合流。さらに、みんなが解党するなど離合集散があり「有権者が離れていった」との見方が多い。共同通信が14日に実施した出口調査によると、県内の政党支持率は、前回6・5%あったみんなが解党したにもかかわらず、維新は4・2ポイント減の7・6%に低下している。

 ただ、そもそも維新は民主票の取り込みに熱心ではなかった。党幹部は選挙中、「労組支援を受ける民主は身を切る改革ができない」などと批判。選挙協力に至らない調整が「民主票がそのまま来るとは思えない」(陣営)状況を作り出した。

 先の出口調査を見ると、民主候補がいない2区の民主支持層の候補者投票先は、維新56・6%▽自民18・9%▽共産24・6%。維新候補がいない13区の維新支持層は、民主52・5%▽自民27・1%▽共産20・3%−−などとなった。お互いに半数超の支持を得ているものの、4割程度が自民や共産に流れたことが分かる。

 維新票が思うように入らなかった民主陣営の幹部は「維新支持者は『非自民の保守』『非自民の革新』に分かれ、前者は自民か次世代に、後者は『民主』『共産』『投票に行かない』に分散してしまった」と分析。民主、維新両陣営とも「バラバラの野党を調整しても反自民の受け皿にならない」と痛感した。

 一方、前職2人が出馬した次世代は県内で議席ゼロに。党発足からわずか約4カ月で、「党名が浸透していなかった」(陣営)。生活の党も議席を得られなかった。野党各党の失速に、民主候補者は「有権者は『野党はやっぱりダメだ』と十把一からげだった」と指摘する。

2863チバQ:2014/12/20(土) 15:53:53
  ◇  ◇

 自民圧勝に苦悩するのは、野党だけではない。連立政権を組む公明党も存在感の低下を気にする。

 「新人(1期生)は2次推薦が原則だが、秋本先生は1次推薦。いかに期待が高いか」

 12月上旬、9区の自民・秋本真利氏(39)の個人演説会。公明の藤井弘之県本部幹事長はこう持ち上げた。ただ、関係者によると、支持母体の創価学会と人脈がある菅義偉官房長官の「働きかけ」に応じただけだという。

 消費増税や集団的自衛権の行使容認−−。党是であるはずの「福祉と平和」も覆しかねない自民の動きに、公明県本部幹部は「自民党の一派閥になってしまっている」と複雑な心境を吐露した。

 11月の結党50年直後の衆院解散。自民優勢の報道を見ても組織はそのまま突き進んだ。「(自民に)捨てられなければいいが……」。公明関係者に一抹の不安が残る。=つづく

2864チバQ:2014/12/20(土) 15:55:43
http://senkyo.mainichi.jp/news/20141220ddlk12010097000c.html
2014衆院選:熱気なき票情/5止 地方議員には「前哨戦」 野党調整で統一選禍根も /千葉
毎日新聞 2014年12月20日 地方版

 安倍晋三首相が解散を表明した直後の11月下旬。5区に出馬した自民党の薗浦健太郎氏(42)=選挙区で当選=の事務所を意外な人物が訪れた。

 「選挙戦を手伝わせてほしい」

 解党したみんなの党の地方議員だった。同党は前回、候補者を擁立した「敵同士」。来春の統一選でも「第三極」の一角として勢力拡大を狙っていたが、衆院選公示直前に解党が決定。所属議員は突如“根無し草”になってしまった。親しい関係者は「来春の統一地方選で(国会議員の)支援を取り付けたいのだろう」と解説する。

 統一選を4カ月後に控える地方議員にとって、衆院選は「生き残り」を模索する貴重な場だったようだ。

 1区で民主候補と接戦を演じた自民の門山宏哲氏(50)=比例復活当選=の陣営では、地方議員がポスター張りや支持者へのはがき送付などに必死で取り組んだ。「勝っても負けても票差は五分に持っていきたい。こっち(自分)の選挙にも響くからさ」。千葉市議はこう話し、統一選の票勘定をしながら活動していた。

 元みんなの松戸隆政県議は、維新の石塚貞通県総支部代表代行(47)=7区落選=の報道各社のインタビューに同席し入党を発表。全力の応援を宣言した。また、複数の陣営から協力を要請されたという元みんな市議も「自分を『高く売る』には、こちらから接触することはしない」と自分にとってよりいい形にするため、政局の流れを見極めようと必死だ。

 「国会議員は解党や合併などを自分たちの思惑だけで進めるくせに、国政選挙などの時だけ我々を都合良く使う」。選挙戦前、県議らからは不満の声が聞こえた。しかし、今回は47年ぶりに統一選まで半年を切って行われる衆院選。「自分の選挙の前哨戦」という事情は大きかった。

 閣僚経験があり、応援弁士として全国を飛び回る自民候補の陣営では、「あるじ」の不在を埋めるべく、地元県議が積極的に街頭演説に立っていた。12月議会開会中にもかかわらず、地元と議会を往復する日々。

 「(衆院選と統一選の順番が)逆だったらここまでやらなかっただろう」

   ◇  ◇

 「県議選への売名行為はダメ」

 民主の野田佳彦前首相(57)=選挙区で当選=が強固な地盤の4区について、自民が行った候補者の公募で突きつけた条件だ。県内が地盤の国会議員によると、「仮に落選しても来年4月の統一選の出馬を認めないことが、公認条件の一つ」だったという。複数の地方議員が公募に臨む構えを見せたが、この条件をのんだとみられる地元船橋市の県議の木村哲也氏(45)=落選=の公認でまとまった。

 さらに、県議選の同市選挙区(定数7)には、連立政権を組む公明党の県議が1人いる。県議選に向けた同党への配慮−−「与党候補者調整」の意味もあったようだ。公明県本部の幹部は「一筆書かせたわけではなく信じるしかないが、『紳士協定』だ」と明かす。

 一夜明けた15日の自民県連の記者会見。紳士協定を後押しするように桜田義孝会長は木村氏の処遇について「一度、負けたからといって諦めることなく、再度挑戦していただきたい」と語った。

 逆に、衆院選を統一選に向けた「宣伝」の場に利用しようとする動きもみられた。

 民主県連には一時、7区の候補者として現職県議の名前が挙がった。維新の党と候補者調整をしていた党本部の意向もあって実現しなかったが、県連関係者は「突然の解散で候補者がおらず、統一選の候補者しかいなかった。7区は自民候補が強いが、負けても統一選に向けた広告になる」と解説した。

2865チバQ:2014/12/20(土) 15:56:23
 ◇  ◇

 「(太田さんが当選したら)大変ですよ。統一選も維新が出てきますから……」

 2日の公示日、13区に出馬した民主前職の若井康彦氏(68)の出陣式に駆けつけた中田学県議はつぶやいた。中田氏は維新元職の太田和美氏(35)が比例復活当選を果たした8区が地盤だ。

 県連は県議擁立を模索したが、党本部の「裁定」によって維新に譲る形となった。維新で議席を得たのは太田氏のみ。同党は今後、太田氏を中心に県内で地盤固めを進めるとみられる。民主は候補者のすみ分けを進めた相手と一転、統一選で激しい議席争いをすることが予想され、民主陣営幹部は「正直、比例復活もしてほしくなかった」と漏らした。

 しかし、一方で「維新との協力態勢を進めるべきだ」との声もある。民主8区支部関係者は「自公を倒すために野党再編は必ず進む。そうなれば民主も維新もなくなる」

   ×  ×

 盤石な戦いを進めた自民、候補者擁立の手法を巡って党本部と県連の間に「禍根」を残した民主。躍進した共産−−。師走の決戦を終えた各党の攻防は、来春の統一選へと舞台を移す。(この企画は岡崎大輔、円谷美晶、橋本利昭、渡辺暢、荻野公一、市村一夫、松谷譲二、阿部義正、橋口正、武田良敬、野原大輔が担当しました)=おわり


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