したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | メール | |

Game全般

1とはずがたり:2008/03/24(月) 21:48:24
Lv:36
しょくぎょう:かんりにん

388名無しさん:2015/06/07(日) 16:55:01
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150530-00000004-sasahi-cul
“まゆゆ”も? 強くて、駒っちゃう?美しき「女流棋士」〈週刊朝日〉
dot. 5月30日(土)11時34分配信

 女性だけの棋戦に臨む女流棋士が注目されている。若手で活躍する、強く美しい精鋭を紹介する。

 女流棋士は、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)所属やフリーも含め、計56人。切磋琢磨の中で今、若手がめきめきと力をつけ、牽引役となっている。

 男性が中心の将棋界で、歴史が浅い女性は、実力も男性に比べ、低いとされてきた。

「現在活躍する若手女流棋士は、男性との対戦で勝率が2割〜2割5分。以前に比べ、1割ほど上がっています」と将棋ライターの後藤元気さん(36)は指摘する。

「今の女流トップ棋士は、個性が強くて、負けず嫌い。今後、男性と互角に戦う、女性の“棋士”も出てくるでしょう」

・王将 香川愛生 22歳
アイドル顔負けのルックスは、AKB48のメンバーのひとりになぞらえ、「将棋界のまゆゆ」とも呼ばれる。友達の男の子の影響で、小学3年で将棋を始めた。プロで初めて壁にぶつかり、将棋から遠ざかった時期もある。だが大学進学を機に再始動。拠点を京都に移し、実力が開花した。2013年に女流王将のタイトルを獲得。昨年、防衛した。好きな言葉は「執念」。勝利へのこだわりこそ、自分を高める武器になるとの思いからだ。女流棋士、不動の“センター”の勢いは止まらない。

・名人 里見香奈 23歳
女流最強の棋士として、道を切り開いてきた。5歳から将棋を始め、12歳でプロに。2013年には、史上初の女流五冠。目指すのは、男性と同じ舞台で戦う女性初の「棋士」だ。プロ棋士を養成する「奨励会」で13年、三段に昇格。「棋士」に王手と迫ったが、一日10時間も将棋に向かうストイックな生活から体調を崩し、翌年3月から休場。15年1月に復帰したが、まだ体調は本調子ではない。「どんなことがあってもプロ棋士に」。その思いを胸に、早ければ10月にも三段リーグへの参加を目指す。

・初段 山口恵梨子 23歳
アマ四段の父親に教わり、6歳から将棋を始めた。小学生からプロ棋士を目指し、将棋の授業がある小学校に転校したり、道場に近い東京・千駄ケ谷に引っ越したり。将棋を軸に生活を送ってきた。好きな言葉は、「知行合一」。愛用の扇子には、羽生善治名人の文字でその言葉が刻まれている。昨年、大学を卒業し、将棋一筋の生活を送る。「今年から来年にかけてが勝負の年。タイトルを獲るために、トップ集団に食らいついていきたいです
ね」

・2級 塚田恵梨花 16歳
両親はともにプロ棋士。将棋界初の「二世プロ棋士」が誕生した。両親の影響で、小学4年の頃から本格的に将棋を始め、2014年に女流棋士に。「まさか娘がプロ棋士になるとは思っていなかったでしょうね」と笑う。師匠は、父で元王座の塚田泰明九段、母は高群佐知子女流三段。「昇天流」と呼ばれる豪快な攻めの棋風で知られる、父の将棋を受け継いだ。プロ1年目。目標は今年中の初段昇進だ。「話題性に負けないくらいの実力をつけたいです」

※週刊朝日 2015年6月5日号

389名無しさん:2015/06/07(日) 16:55:35
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150603-00000085-it_nlab-sci
プロ棋士と将棋ソフトの新たな対局「第1期電王戦」開催決定 ドワンゴ主催の「新棋戦」優勝者が人間側代表に
ねとらぼ 6月3日(水)16時47分配信

 プロ棋士とコンピュータ将棋ソフトが戦う「将棋電王戦」に、新展開が発表されました。2015年春に開催された「将棋電王戦FINAL」をもって団体戦形式での開催は最後になると発表されていましたが、今度は将棋ソフトとプロ棋士が1対1で戦う「第1期電王戦」が開催されます。

 「第1期電王戦」では、プロ棋士と将棋ソフトそれぞれの代表が持ち時間8時間の2日制で対局。先手と後手を1局ずつ入れ替えての二番勝負で行われます。開催は2016年春ごろの予定。コンピュータ側の代表ソフトはこれまでの電王戦と同様、11月に開催する「第3回将棋電王トーナメント」の優勝ソフトが登場します。

 一方、プロ棋士側の代表者はこれまでの選抜制ではなく、ドワンゴ主催の新棋戦によって決定されます。新棋戦は全棋士参加可能なエントリー制の公式戦になることが決定。エントリーした棋士は段位別に予選を行い、決勝は三番勝負で行われます。予選、本戦トーナメントは持ち時間1時間で、決勝三番勝負のみ5時間。予選トーナメントは6月より開始され、ニコニコ生放送でも50〜60局を中継予定。本戦以降は全局中継されます。

 既にエントリーを決定した棋士も一部発表されており、糸谷哲郎竜王や佐藤康光九段、森内俊之九段らこれまでに出場を待望されていたトップ棋士たちの参戦も決定。「将棋プログラムと戦おうとするプロ棋士全てが参加できる新棋戦」として注目されています。

 新棋戦の名称はユーザーからの公募と投票によって決定される予定。6月18日に新棋戦の名称とエントリー棋士が発表され、6月20日より予選トーナメントが開幕します。

390名無しさん:2015/06/07(日) 17:13:19
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150603-00000214-sph-soci
20日から新設の新棋戦に谷川会長ら参戦
スポーツ報知 6月4日(木)7時5分配信

 日本将棋連盟は3日、「ニコニコ生放送」を運営するドワンゴとの共催で公式戦の新棋戦を創設すると発表した。

 全棋士を対象に、エントリー制で行う新棋戦は今月20日に開幕。優勝棋士は来春の「第1期電王戦」でコンピューターソフトと2番勝負を戦う。棋戦名はユーザー投票で決め、18日に発表する。

 永世名人の資格を持つ連盟会長の谷川浩司九段や森内俊之九段のほか、タイトルホルダーの糸谷哲郎竜王もエントリー。5日が締め切りだが、他のタイトルを持つ羽生善治四冠、渡辺明棋王、郷田真隆王将はまだエントリーしていない。谷川会長は「ファンに楽しんでいただく機会が増える。私も現役棋士として、会長の立場とは違う気持ちです」と話していた。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150603-00000084-mai-soci
<将棋>新「電王戦」来春から開催
毎日新聞 6月3日(水)20時0分配信

 日本将棋連盟(会長=谷川浩司九段)は3日、棋士とコンピューターソフトが争う新しい「電王戦」(角川グループ・ドワンゴ主催)を来春から開催すると発表した。棋士とコンピューターソフトが個別にトーナメントで争い、1位同士が二番勝負で対戦する。今春で終了した従来の「電王戦」は5対5の団体戦形式だった。

 将棋連盟所属のプロ約160人から出場の意思を申告してもらい、今月から段位別に予選を戦う。本戦は16人で競う。既に谷川九段、森内俊之九段、佐藤康光九段、糸谷哲郎(いとだに・てつろう)八段といった元名人、竜王らトップ棋士が出場の意向を示しているという。一方、出場ソフトは11月開催の「第3回将棋電王トーナメント」で決める。

 この日会見した谷川会長は「(将棋ファンが視聴するインターネット動画中継サイトの)『ニコニコ生放送』で中継されることで、将棋界が盛り上がればいい」と語った。【山村英樹、最上聡】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150603-00000140-jij-soci
対将棋ソフトの新「電王戦」=糸谷竜王ら予選から初参加
時事通信 6月3日(水)19時36分配信

 ドワンゴ(東京都中央区)と日本将棋連盟(同渋谷区)は3日、将棋のプロ棋士とコンピューターソフトが対決する「将棋電王戦」の新たな対局として、「第1期電王戦」を開催すると発表した。その予選に位置付けられる新棋戦には、現役タイトル保持者の糸谷哲郎竜王が初参加する。
 新たな電王戦は、今月20日からドワンゴが開催予定の新棋戦の優勝者と、今年11月に行われるソフト同士の大会「第3回将棋電王トーナメント」の優勝ソフトによる対局。2日にわたる勝負が計2回行われる。時期は来年3〜5月の間で検討中。
 プロ棋士は段位別にトーナメント方式の予選からスタートし、糸谷竜王はじめ森内俊之九段や将棋連盟会長の谷川浩司九段、佐藤康光九段らの出場が既に決定。予選を勝ち残った計16人による10月からの本戦を経て、12月にプロ棋士側の優勝決定戦を開催する。
 同日、東京都内で会見したドワンゴの川上量生会長は「人間とコンピューターの素晴らしさを世の中に見せていきたい」と意欲を語り、谷川九段は「プロ棋士とソフトの対決だけでなく、将棋の魅力を広く知ってもらえたら」と話した。
 電王戦は2012年に始まり、第1回は故米長邦雄永世棋聖がソフトに敗退。団体戦となった13年の第2回、14年の第3回も共にソフト側が圧勝したが、今年4月の第4回はプロ棋士側が3勝2敗で雪辱を果たし、団体戦形式の電王戦は終了していた。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150603-00000554-san-cul
電王戦を来春開催 日本将棋連盟
産経新聞 6月3日(水)18時59分配信

 日本将棋連盟とドワンゴは3日、プロ棋士とコンピュータソフトが戦う「第1期電王戦」を来年3月から5月にかけて実施すると発表した。エントリー制によるプロ公式棋戦を新設し、その優勝者が今年11月の「電王トーナメント」で優勝したソフトと2日制二番勝負を行う。今月20日からスタートする新棋戦は段位別予選と本戦からなるトーナメント方式で、すでに糸谷哲郎竜王、谷川浩司九段、森内俊之九段らがエントリーしている。

391名無しさん:2015/06/07(日) 17:14:21
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150603-00000085-it_nlab-sci
プロ棋士と将棋ソフトの新たな対局「第1期電王戦」開催決定 ドワンゴ主催の「新棋戦」優勝者が人間側代表に
ねとらぼ 6月3日(水)16時47分配信

 プロ棋士とコンピュータ将棋ソフトが戦う「将棋電王戦」に、新展開が発表されました。2015年春に開催された「将棋電王戦FINAL」をもって団体戦形式での開催は最後になると発表されていましたが、今度は将棋ソフトとプロ棋士が1対1で戦う「第1期電王戦」が開催されます。

 「第1期電王戦」では、プロ棋士と将棋ソフトそれぞれの代表が持ち時間8時間の2日制で対局。先手と後手を1局ずつ入れ替えての二番勝負で行われます。開催は2016年春ごろの予定。コンピュータ側の代表ソフトはこれまでの電王戦と同様、11月に開催する「第3回将棋電王トーナメント」の優勝ソフトが登場します。

 一方、プロ棋士側の代表者はこれまでの選抜制ではなく、ドワンゴ主催の新棋戦によって決定されます。新棋戦は全棋士参加可能なエントリー制の公式戦になることが決定。エントリーした棋士は段位別に予選を行い、決勝は三番勝負で行われます。予選、本戦トーナメントは持ち時間1時間で、決勝三番勝負のみ5時間。予選トーナメントは6月より開始され、ニコニコ生放送でも50〜60局を中継予定。本戦以降は全局中継されます。

 既にエントリーを決定した棋士も一部発表されており、糸谷哲郎竜王や佐藤康光九段、森内俊之九段らこれまでに出場を待望されていたトップ棋士たちの参戦も決定。「将棋プログラムと戦おうとするプロ棋士全てが参加できる新棋戦」として注目されています。

 新棋戦の名称はユーザーからの公募と投票によって決定される予定。6月18日に新棋戦の名称とエントリー棋士が発表され、6月20日より予選トーナメントが開幕します。

392名無しさん:2015/06/07(日) 17:14:32
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150603-00000138-mycomj-ent
「第1期電王戦」2016年春開催へ、新棋戦の優勝者対最強ソフトの2日制2番勝負に
マイナビニュース 6月3日(水)16時38分配信

ドワンゴと日本将棋連盟は3日、東京・六本木のニコファーレにて「電王戦に関する記者発表会」を行い、2016年春に新棋戦優勝者 対 最強ソフトの対局「第1期電王戦」を開催することを発表した。

「第1期電王戦」は、ドワンゴ主催による新棋戦の優勝者と「将棋電王トーナメントIII」の優勝ソフトによる対局。2016年3月〜5月の間に2日制で行われ、先後を入れ替えた二番勝負となる。持ち時間は各8時間で、各日午前10時対局開始、初日は18時封じ手、秒読み60秒。ソフトの貸出やハードの条件、優勝賞金については、後日改めて発表されるという。

ドワンゴ主催の新棋戦については、現役プロ棋士のエントリー制で、出場棋士は段位別予選と本戦からなるトーナメント戦で構成。開催期間は、2015年6月20日〜9月下旬、エントリーした全棋士が出場となる。この中で段位別予選が行われ、本線出場枠として九段4枠、八段〜五段各2枠、四段1枠に、タイトル保持者の段位を加味した計16枠を用意。本戦はこの16人によって、2015年10月中旬〜11月下旬に行われ、持ち時間各1時間(チェスクロック方式)、秒読み60秒。そして、本戦決勝進出者2名による、決勝三番勝負が2015年12月に行われる。こちらの持ち時間各5時間(チェスクロック方式)、秒読み60秒。決勝をはじめとする約50〜60局はニコニコ生放送にて、完全生中継を予定。この対局の勝者が、「第1期電王戦」に出場する。

そして、すでに新棋戦にエントリーしているプロ棋士の一部も発表され、糸谷哲郎竜王、谷川浩司九段、佐藤康光九段、森内俊之九段、屋敷伸之九段、藤井猛九段、深浦康市九段、三浦弘行九段、青野照市九段、佐藤天彦八段、豊島将之七段、西尾明六段、佐藤慎一五段、阿部光瑠五段が名を連ねており、全出場棋士は6月18日に発表。また、この新棋戦の名称は公募によって選ばれ、応募期間は6月3日〜10日、投票期間は6月13日〜17日。応募の中から主催者が候補名称を選出した後にユーザー投票を行われ、新棋戦名が6月18日に決定する。詳細は公式サイトまで。

この日の記者発表会には、日本将棋連盟会長・谷川浩司九段、日本将棋連盟専務理事・青野照市九段、KADOKAWA会長・角川歴彦氏、ドワンゴ会長・川上量生氏が登壇。川上氏は、「第1期電王戦」について「今度は本当に一対一で雌雄を決する形になりました。また新しいドラマが生まれるのではないかと思っています」と展望を語り、谷川氏は「二日制で棋士の方も最大限に力を発揮できると思います。先手後手で勝率も変わってきます。何年も棋士とソフトの対局を重ねてきて、ドワンゴさんと話し合い、少しずついい形になってきていると思います」と、「将棋電王戦」の新たな展開に期待を寄せている。

「将棋電王戦」は、2012年より始まったプロの将棋棋士とコンピュータソフトによる対局。2013年の第2回から5対5の団体戦形式となり、これまで第2回、第3回とコンピュータ側が勝ち越していたが、最後の団体戦となった今年3月〜4月の「将棋電王戦FINAL」では、 3勝2敗でプロ棋士が初の勝ち越し。コンピュータ側の電撃投了なども含め、大きな話題となった。

393名無しさん:2015/06/07(日) 17:15:05
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150603-00000100-zdn_n-sci
プロ棋士VS.コンピュータ「第1期将棋電王戦」来春に 現役プロ棋士から“人類代表”を選ぶ新棋戦を新設
ITmedia ニュース 6月3日(水)18時28分配信

 ドワンゴと日本将棋連盟は6月3日、プロ棋士とコンピュータソフトの対局「将棋電王戦」を継続し、新生「第1期電王戦」を来春開催すると発表した。ドワンゴ主催の公式棋戦(名称未定)を新たに創設し、優勝者がコンピュータソフトと対局する。

 これまで「将棋電王戦」として、棋士5人とソフト5つの団体戦を3度行っており、今年3月の「将棋電王戦 FINAL」を最後と掲げていた。

 来年3〜6月に開催する新たな「第1期電王戦」は、ドワンゴ主催の新棋戦の優勝者と、11月に行うコンピュータソフト同士の棋戦「電王トーナメント」の優勝ソフトが対局する方式に変更する。持ち時間各8時間、2日制の2番勝負で、勝敗を決するというよりエキシビションマッチに近い形だ。

 新棋戦は現役プロ棋士全員を対象としたエントリー制で、タイトルホルダーも含めた段位別の予選、勝ち抜いた棋士による本戦を6〜12月にかけて行う。本戦出場者は16人で、うち九段4人、八〜五段各2人、四段1人程度を予定する。決勝を始めとする50〜60局をニコニコ生放送で中継予定だ。

 将棋連盟の谷川浩司会長も、現役九段棋士として新棋戦に参戦する。団体戦形式を終えるにあたり、新たなコンピュータとの対局の形を昨年秋ごろからドワンゴと協議してきたと明かし、「電王戦にタイトルホルダーを、という要請に直接的に応えるのは難しいが、棋戦を主催してもらう形であればうまくいく可能性もあると考え協議してきた」と話す。

 その言葉通り、現時点で糸谷哲郎竜王をはじめ、森内俊之九段、佐藤康光九段、屋敷伸之九段、藤井猛九段、深浦康市九段、三浦弘行九段、佐藤天彦八段、豊島将之七段、西尾明六段、佐藤慎一五段、阿部光瑠五段らが新棋戦へのエントリーを表明。全出場棋士は6月18日に発表する。

 新棋戦の名称は、ユーザーから公募して決定する。ドワンゴの川上量生会長は「社内でも募集したのですが『ニコ王』とかしょうもないものしか出なくて……。優勝者に堂々と名乗ってもらえるような名称に」と応募を呼びかける。

 「コンピュータが進化を続ける中で人間は人工知能とどう向き合うべきか――それを考えるための取り組みとして、電王戦は社会的に意義があると感じてスタートした。当初はコンピュータの会社として、若干上から目線のおごった気持ちで人間側を悲観的に見ていたのも事実。何度も繰り返す中で、勝ち負けと違う部分で人間とコンピュータの関係、それぞれの素晴らしさについて何度も考えさせられた。また違う形で、これからも電王戦と将棋を支え、盛り上げていければ」(川上会長)

394名無しさん:2015/06/07(日) 17:15:53
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150604-00000005-asciiplus-sci
ついにタイトル保持者との対局も!? 将棋新棋戦誕生と電王戦開催決定
週アスPLUS 6月4日(木)9時30分配信

 6月3日、将棋電王戦の新たな展開が発表された。なんと、ドワンゴが主催するプロ棋士の新棋戦を創設。その優勝者は将棋電王トーナメントで優勝した将棋ソフトと二番勝負を行なうというものだ。

 これまで3回続いた団体戦に終止符をうち、1対1のガチ勝負となり電王戦の魅力はさらに増すことだろう。
 
 さらに、コンピューターへの挑戦者というか新棋戦による優勝者を決める戦いは、エントリー制ながら160名以上いるプロ棋士全員が対象。つまりこれまで自薦他薦により日本将棋連盟が決めていた挑戦者が、実力で棋戦を勝ち抜いたものが人間代表(挑戦者)となることで、タイトル保持者がコンピューターへ挑戦するという道が開かれたことを意味する。もちろん、タイトル保持者がエントリーしなければ可能性は0だが、すでに糸谷哲郎竜王がエントリーしていることが発表された。また8期名人位を保持し、電王戦でも解説者として登場している森内俊之九段も参戦。谷川浩司日本将棋連盟会長をはじめ、かつて電王戦に挑戦したり解説に登場した棋士がエントリーしており、棋戦としてもかなり盛り上がることだろう。
 
 新棋戦誕生の経緯をドワンゴ・川上量生会長が語った(風邪のため声が出ず司会者が代読)
 
 将棋電王戦は2013年の第2回電王戦、2014年の第3回電王戦、2015年の第4回(FINAL)電王戦と人間代表棋士とコンピューター将棋プログラムが5対5の対局で優劣を競う形式で開催してきました。主催者として我々が目指してきたものは、人工知能が急激な発展をみせる21世紀の現在において、人間とコンピューターの違いはなにか、人間の知的能力を凌駕しつつあるコンピューターに、人間はどのように対峙すればいいのか。人間にしかできないこととはなにか。そこにどんな人間ドラマが生まれるのか、ということを明らかにすることでした。これまでの3回の5対5の団体戦において示せる、それらの目的は、ほぼ達成できたのではないかと思っています。来年からはさらに電王戦をスケールアップし、人間棋士の中からコンピューターと戦う代表棋士を選ぶ新棋戦をドワンゴ主催で開催することにしました。選抜された5名ということではなく、将棋プログラムと戦おうとするすべての棋士が参加する電王戦とすることで、さらに一層将棋界に貢献し、将棋ファンの皆さんに楽しんでいただければと願っています。
 
これに対して、日本将棋連盟・谷川浩司会長は
 
 5対5の団体戦を3度続けてきましたが、昨年の秋頃からこれからどのような形でということは、川上会長をはじめドワンゴのみなさんとお話をしてきました。その中でドワンゴ主催の公式戦を立ち上げて、ソフトと対局するのはいかがですか?と打診がありました。将棋連盟としては、タイトル保持者がソフトと対局することはなかなか難しいのですが、棋戦を主催してということであれば、うまくいく可能性があるのではないか、ということで協議を続けてまいりました。今回大きなことは、公式戦を主催していただくことで、プロ棋士とソフトの対局だけでなく、将棋連盟には160数名の現役棋士がおり、公式戦はニコニコ生放送で数多く中継されることで、将棋界が盛り上がって、将棋界には個性的な棋士がいるんだということを皆様に広く知っていただけたらという思いもあり、実現の運びとなりました。
 
日本将棋連盟・青野照市専務理事の話
 
 新しい時代の新しい棋戦だと思っております。やはりエントリーしてこの棋戦に挑戦するんだという思いからスタートするんだろうと思います。みんながこの棋戦に参加し、優勝して、電王戦に出て行くんだという気持ちを見せるということが素晴らしのではないかと思います。各棋戦のタイトル保持者ということではなく、独自のタイトル保持者、優勝者を対戦させるのはいままでにない発想であり、皆さんにも楽しんでもらえるものだと思っております。

395名無しさん:2015/06/07(日) 17:16:19
>>394

電王戦エグゼクティブ・プロデューサー KADOKAWA・角川歴彦会長の話
 
 前回のFINALが各新聞で大きく取り上げていただき、新聞社は各棋戦の主催者でもあるなか、記者の方々はなかなか適切なことをおっしゃっているなと思いました。その中で川上くんにはひとつの役目は終わったのではないかと正直言いました。なので私はそういう気持ちでおりました。ところが川上くんが意外にも真面目な顔をして、「自分にできることがあるなら、実は後援し続けていきたい」というんです。これが意外な感じがしまして川上くんにもそういうところがあったんだなと、見なおしました。内輪の話ではありますが。今回公式戦、全棋士参加の新規公式戦は久しぶりのことだそうで、そういうことを考えると電王戦の公式戦ということは、時代の申し子みたいなところもあって、その時代の申し子が伝統的な将棋のルールに則ってどういうふうに発揮されるのか、そう考えると意味のあることだと思いました。なので協議を続けていきたいと川上くんが言うので、バックから応援させていただきました。今日こうやってまとまってお話ができるこしは、とてもいいことだと思っていますので、ぜひ今日聞いていただだいているみなさんも前向きに受け止めていただければありがたいと思います。
 
 この新たな棋戦は、まだ名前が決まっていない。現在6月10日中まで棋戦の名前を募集している。応募された名前の中から主催者が候補を選出し、それに対してユーザー投票を行ない新棋戦名が決定される。
 
 棋戦の名前が現時点で決まっていないにもかかわらず、棋戦の開幕戦は6月20日、午前10時より東京・将棋会館にて予選が始まる。段位ごとにわかれてトーナメントを行ない、予選の模様は22番組を使って生中継する。残念ながら全ての対局は放送出来ないという。ルールは持ち時間各1時間(チェスクロック方式)で秒読みは60秒。
 
 予選は9月下旬まで行なわれ、本戦に出場するのは九段は4枠、八段〜五段は各2枠、四段は1枠となり、タイトル保持者の段位を加味した計16枠となる。本戦は10月中旬から11月下旬にかけて行なわれ、こちらは全5番組で全ての対局を生中継する。ルールは、予選と変わらず持ち時間各1時間(チェスクロック方式)で秒読みは60秒。
 
 決勝は3番勝負となり、12月に3週続けて行なわれる。持ち時間は各5時間(チェスクロック方式)で秒読みは60秒。2勝したほうが優勝となり、電王戦でコンピューターと対局することになる。

396名無しさん:2015/06/07(日) 17:16:38
>>395
 
 来年3月から5月に行なわれる新電王戦は『第1期電王戦』という名称になり、二番勝負・先手後手1局ずつの対局となる。持ち時間は各8時間の2日制。各日午前10時に対 局開始し、初日は18時封じ手。秒読みは60秒で行なわれる。その他の詳細なルール(コンピューター側のマシンやソフトの貸出など)はまだ未定だ。
 
 今回の決定で、タイトル保持者との対局を夢見て将棋ソフトの開発者も再び力入れてくるのではないだろうか。いや、そうなってほしい。過去に電王戦に参戦したソフトがだんだん参戦していない現状を変えるチャンスになるかもしれない。また、対局が2日制となり、将棋ソフトにはない封じ手を行なう可能性が生まれてくる。封じ手機能自体はUI側で吸収できるかもしれないが、ソフト側もたとえば18時に近づいたら封じ手になるまで考える(メリットがあるかどうかは別)とか、封じ手になった手まで探索したデータを保存して次の日に持ち越すようにするとか、電王戦へ向けた機能追加を行なうというのもありかも。あと、8時間もあるので、序盤は一手に長めの時間を使って中盤以降は短くするなど、さまざまな戦略も組めるだろう。
 
 第1期電王戦がどうなるのかも楽しみだが、新棋戦がどういう展開で人間代表が決まるのかという過程も楽しみ。将棋ファンならずともドキドキ・ワクワクする対局になることを望みたい。最後に川上会長の電王戦に対する思いを語った。
 
 「電王戦を始めた時、社会的意義があるとともに、コンピューターの時代が来るときに、我々ソフトウェアを扱っている会社が、それを主催することに意味があるだろうと思い、小さい会社ですがドワンゴが主催させていただいたわけです。そのなかでコンピューターがこれからどうなるのか、世の中に教えてあげようという若干上から目線のおごった気持ちというのが私の中にありました。また電王戦をやるなかで、私自身が人間とコンピューターの関係についていろいろ思うことがあり、たとえばコンピューターに負けた人間が、人間をこれほどまでに感動させるものかと。電王戦の中ではいくつもありました。そんななかで私は人間とコンピューターの関係は悲観的な感じで見ていたのですが、人間はまだまだ素晴らしいですし人間はまだまだやって行けるということを深く感じ、私自身も電王戦によって勉強させていただいたと思っております。それによってドワンゴ自身も人工知能研究所を立ち上げ、より一層テクノロジーを迷わずに進化させていきたいという決意も感じました。これからも電王戦と将棋を支えていきますし、その中でコンピューターも素晴らしい技術ですし、人間ももっと素晴らしいということを世の中に示していければと思っております」

397名無しさん:2015/06/07(日) 17:16:56
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150604-00000074-mai-soci
<将棋連盟>谷川会長らを再任
毎日新聞 6月4日(木)21時31分配信

 日本将棋連盟(東京・千駄ケ谷)は4日の通常総会で新役員を選任した。谷川浩司会長を再任したほか、専務理事の青野照市九段と常務理事の島朗九段、東和男八段、中川大輔八段、片上大輔六段を再任した。また新たに佐藤秀司七段が常務理事に加わった。任期は2年。

 谷川会長は「新棋戦や東京五輪に向け、どう将棋をアピールするかなど運営は多岐にわたる。全力を尽くしていく」と抱負を語った。【山村英樹】

398名無しさん:2015/06/07(日) 17:24:01
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150605-00043587-gendaibiz-soci
G2レポート・棋士道 羽生善治「将棋の神」に極意を質す(その1)〜本誌には載らなかったインタビュー記事を特別公開〜
現代ビジネス 6月5日(金)11時1分配信

 発売中のノンフィクション雑誌『G2(ジーツー)』第19号に掲載後、大きな反響を呼んだ記事「騎士道 羽生善治」。ルポライター・高川武将が6度のロング・インタビューを通じて「羽生善治の本心に迫ろう」とした、文字どおりの「言葉の対局」です。原稿が予定の80枚を大幅に超える130枚に達したこともあり、誌面に載せきれなかった「後半」をおよそ2週間にわたって随時掲載していきます。棋士とルポライターの真剣勝負をご堪能ください(G2編集部)

 * * *

 (文・高川武将)

羽生善治が闘い続ける理由をどうしても知りたい
 冬晴れの寒い朝だった。
将棋会館の入り口で待っていると、黒いダウンコートを身にまとった羽生が、白い息を吐きながら、小走りに歩いてくる。手提げカバンを持つ手には、娘にでも貰ったのだろうか、ちょっと子供っぽい水色のニットの手袋をはめている。

 「かわいい手袋ですね」

 一緒にエレベータに乗り込み、挨拶も早々にそう話しかけると、

 「ええ、ちょっと寒かったので」

 と、手袋を隠すような仕草をして、照れくさそうに笑った。

 羽生とのインタビュー「第4局」に挑んだのは、2012年2月下旬のことだ。スポーツ雑誌「ナンバー」で、この1年の闘いを通して羽生の闘い続ける理由に迫るノンフィクションを書くための取材だった。どうしても知りたいことがあった。

 羽生さん、あなたが本当に求めているものは何なのですか? 
 遡ること、8ヶ月前――。私は思いも寄らぬ光景を目の当たりにしていた。
4連覇の掛かっていた第69期名人戦七番勝負で、羽生は同世代の僚友、森内俊之にフルセットの激戦の末敗れ、名人位を失った。その第7局直後の打ち上げの宴席で、羽生は、こちらが言葉もかけられないほど暗く打ちひしがれていたのだ。前年の竜王戦で渡辺明竜王に敗れても、打ち上げでは悔しさのかけらも見せず、「解放感」に満ちた明るいオーラを発散していたのとは対照的な姿だった。

 これまでのインタビューからは、羽生に勝つことへの拘りは感じられなかった。
勝つことに意味はない、常に新しい発見を探している、面白いドラマを観たい・・・・・・と、究極のモチベーションを朗らかに語っていた。羽生は身心をすり減らす勝負を面白いドラマを観たいがために闘っている・・・・・・私はそう思っていた。だが、そんな羽生が、名人戦の敗北直後に見せた酷く落胆する姿に、私は混乱し、うろたえた。

 やはり羽生は、勝つことへの拘りが人一倍強いのではないのか。闘争心は要らない、相手を打ち負かそうとは考えない、無理をしない、諦めることも大事・・・・・・そうした他の棋士からすれば少し首を傾げるような独特の極意は、全てが勝つための逆説でもあった。

 それはまた、森内に名人を奪われた後の戦いぶりにも現れていた。4年振りに参戦したA級順位戦で、現または元タイトル保持者たちを、羽生は鬼神のごとくなで斬りにしていたのだ。3回戦では、あの渡辺に完勝。1月12日の7回戦では久保を、2月1日の8回戦で谷川を下して、順位戦では自身初となる8連勝。2位の渡辺が2敗したことで、最終局を待たずに名人再挑戦を決めてしまっていた。

399名無しさん:2015/06/07(日) 17:24:30
>>398

名人戦はテニスでいえば、ウィンブルドン
 ――1年で名人再挑戦です。率直にどう受け止めていますか。

 広い会議室で大きめのテーブルを挟んで向かい合わせに座った羽生に、私はそう切り出した。すると彼は、いつものごとく、飄々と話し始めた。

 「そうですね。順位戦は随分長いこと対局してますけど、さすがに8連勝という現象は起こしたことがなかったので、今期はちょっと、意外でしたね、ええ。あとやっぱり、順位戦は一局一局が非常に重いので。9局は長いようで、結構、短いんです。一局が重いなぁという感じはしますね」

 ――一局が重いというのは? 
 「何ていうんでしょうかね、特にA級順位戦は絶対に早く終わらない、夜中の12時くらいまでかかるのが大前提ということなんで。だから先のことを考えるより、目の前の一局について考える。それに備えていくことのほうが、重点は大きいですよね。作戦的なこととか、体力的なことも含めて」

 ――名人に対する特別な思いはあるんですか。

 「ああ、そうですね。まあ、名人戦ってテニスでいえば、ウィンブルドンみたいなものだと思ってるんですよ」

 ――ウィンブルドン(笑)

 「ええ。長い歴史と伝統を誇って、脈々と続いてきたところに大きな価値があるんだと思っています、はい」

 ――他のタイトル戦とは意味合いが違う? 
 「そこの位置づけをどうするか、ということだと思うんですよ。テニスでも、ウィンブルドンを4大大会の一つと思う人もいるし、まあ、フフ、特別なものと思う人もいるし。ただ、順位戦という制度(C級2組からA級まで5階級あり、名人挑戦まで最短でも5年かかる)があって決まるシステムは、他の棋戦とはかなり違うところですよね」

 ――一番厳しいですね。

 「段階を踏んでいかないといけないので。そういう意味での位置づけはあるのかな、という気はしますね」

 ――昔から名人は選ばれし者がなると言われてますけど、若い頃は、名人への特別な思いはありましたか。

 「ああ・・・・・・いや、でも、相手の人から『ここに賭けてる』と感じることは多かったですね。ベテランの先生も、いつも一生懸命やってるんだけど、順位戦のときは目の色が違うみたいな(笑)。私が4段、5段、6段で、C2、C1、B2くらいのときに対戦した人たちは、そういう人が多かったという記憶があるんです。他の棋戦のときは結構淡白だけど、順位戦になると尋常じゃなく粘るとか(笑)。随分違うなと思ったことはありました、ええ」

 ――羽生さんはどう感じてたんですか。

 「あ、やっぱり、そこに、厳しさがあるんですよね、うん・・・・・・」

 ――なるほど。

 「一つの負けが昇級を逃すということは、普通によくあることなんで。そういう意味では鍛えられた、という感じはしています」

 ――94年に名人初挑戦で米長さんに勝つ。当時の資料を見ていたら、勝った直後、自室に戻った羽生さんが『このためにやってきた』と珍しく喜びを露にしていたという記事があって、凄く意外でした。当時はそんな無邪気な感じもあったんですか。

 「ああ、そうですね。あんまりよくわからないで、名人になってしまったって感じだと思いますけど。何というか、本当の意味での過酷さみたいなものをわからないまま、最初は獲れたという・・・・・・。いや、知らなかったから獲れたということもあると思うんですよ。そういうことって、よくあると思ってます」

 ――A級1年目で。

 「そうですね。うん。一局一局が重いということも、その頃はまだ感じていなかったので」

400名無しさん:2015/06/07(日) 17:24:58
>>399

盤上は将棋の可能性を追求する
 羽生が求めているものの本質を探るには、改めて彼の歴史から紐解いていこうと思っていた。七冠を制覇する以前から、羽生はそれまでの「常識」をぶち壊し、新たな「常識」を構築し、時代を開拓してきた。それは斬新な指し手に代表される盤上だけではなく、慣習やしきたりといった盤外にも及んでいる。そこには、どんな意図があったのか。確かめてみることにした。

 ――米長さんとの第一局で、中飛車をやった。意表を突く戦型に、当時は驚きと共に批判もありましたよね。若手がそんな変わったことをやって失礼だとか、勝てるのか、という。

 「ああ、まあでも今は何の違和感もなく、普通に皆やってることで、それもよくあることなんですよね。最初はいろいろ賛否があるんですけど、年数が経つと、実はどうってことない、大したことじゃなかったという」

 ――その年度の順位戦では、プレーオフも含めて3回、席次では格上の棋士を相手に上座に座った。盤上だけではなく盤外も含めて、将棋界を変えたいという意識はありましたか。

 「いや、変えたいというよりも、普通にやってどうなるかっていう・・・・・・。例えば中飛車の話だったら、それで中飛車が指せないとか、指しにくいとなったら、選択の幅が狭くなるんで。だから、そこはまあ、やってみる。上手くいくかどうか、やってどうなるかはわからないけど、とにかく実験的に思い切ってやってみようというのはありますね」

 ――盤上は将棋の可能性を追求すると。

 「はい」

 ――上座に座ったのも理由があった。タイトル保持者としてスポンサーのことを考えて。

 「ああ、そうです、ね。確か、あのときタイトルを4つ持っていたと思うんですけど、自分のことよりも、保持者ということがあるので・・・・・・。いや、でも、相手の人が先に来て上座に座っていたら、ちょっとそこ、どいて下さい、とは言わないですよ(笑)」

 ――(笑)

 「だから、どっちでもいいと言えば、どっちでもいいことだったんですけど(笑)。昔、そういうことで迷った時期もあったんで。迷うくらいなら、自分なりの基準で選ぼうということですよね」

 ――そういう自分の考えで取った行動に一部の人から批判が出たとき、どう感じました?心が痛むようなことはなかったですか。

 「ああ、いや、う〜ん・・・・・・まあ、いろんな考えの人がいますからね(微笑)。それも一理あるから、そう思うこともあるんだろうなと。まあまあ、そこは・・・・・・。いや、絶対に上座に座らなきゃいけないという拘りがあったわけではないので」

 ――最初に矢面に立つのは、いろいろと風当たりが強いこともあったと思います。

 「ああ、そうですね。うん・・・・・・まあでも、過ぎてしまえば、忘れてますよね。大体の人は(にこやかに笑う)」

 ――辛いなとは? 
 「いや、特にそういうことは思わなかったですけどね、ええ」

401名無しさん:2015/06/07(日) 17:25:49
>>400

損な手も本当にやってみなければわからない
 ――若い頃から、自分が率先して将棋界を発展させる、切り開いていくという気概や覚悟のようなものはなかったですか。

 「いや、ないですよ。全く。まあ、自分が、普通に、自然にやってどうなっていくか、ということだし、うん。それがどういう影響を起こすかはわからないことだし、うん。ただまあ、あまり制約をかけないということは、もちろんありますけど」

 ――自由に。

 「ええ。どう言えばいいんでしょうかね、例えば将棋の指し手だったら、どういう指し方も常に可能性としてはあるわけで。うん。だから別に、これをやってはいけないということはないですし。例えば、昔、よく二手目に(普通は損だから指さない)6二銀とか、3二金に上がったりしていたときも、損な手だということはよくわかっていたんです。でも、どれくらい損かというのはやってみないとわからないんで。ある程度やってみて、どれくらい損かわかったからやめた、ということなんです。はい。結構、そんな感じで・・・・・・へへっへへ(照れ笑い)」

 ――普通は損だからやらない手も、羽生さんは実戦で試してみる、と。

 「そうですね。ただまあ、沢山あるセオリーや定跡みたいなものに、毎回沿ってやるのはシンドイな、という気持ちもあったので。それでちょっと変わったこととか、実験的なこともやってみようと思っていたと思います」

 ――それは今でも変わらない。

 「時期によって、こういうことをやってみようとか、これはやめておこう、というのはありますけど」

 ――昔の将棋界は、先輩への敬意が過剰になって若手が勝てない、人間の厚みで押さえ込まれてしまうことがあったと思います。

 「ええええええ、はいはいはい」

 ――そういう状況を変えたい、とは? 
 「う〜ん、いや、でも、例えば、大山先生と対局すると、やっぱり、凄い迫力があるんですよ。だから、その部分だけでは戦わないということはありましたね。うん。例えば、経験値とか、勝負どころの勘所とか、そういう部分では叶わなくても、作戦面や最新の戦術だったら五分に渡り合える、というところはある。どちらを前面に出してやるか、ということだと思っていたんですけどね」

 ――当時はよく、『将棋と人生は関係ない』『理論で割り切れる技術のゲーム』と強調していましたね。

 「あ、いえ、それは、ですね。その先があってですね。私がそう言っていたのは、甘えになるから、という続きがあるんです」

 ――なるほど。将棋が強くなるには人生経験が必要と言われていましたけど、それは逆に遊びを正当化する言い訳にもなる。

 「言い訳にするために、そういう話が出てるんで。だから、技術論であると言っていたんです。ずっとそう言っていたんですけど、毎回、そこはカットされちゃうんで(笑)」

 ――ああ・・・・・・。

 「そこは誤解を生んでる可能性はあるかも知れません・・・・・・」

402名無しさん:2015/06/07(日) 17:26:05
>>401

 ――そうですね・・・・・・。でも、若い人からすれば爽快に感じた人は一杯いたでしょうね。

 「ああ、それはそうでしょうね。うん。いや、基本的にそうでしょう(笑)」

 ――皆、薄々思ってるけど、言えないことを言ってくれた、と。

 「ええええ、ということだと思います」

 ――お酒やギャンブルをやる人が多くて。

 「ええ。別にやってもいいんですけど、それを理由にする必要はないのかな、と・・・・・・(ふいに吹き出し)お酒を呑みたければ呑めばいいし、ギャンブルしたければすればいいんで(笑)。それが将棋にプラスになるとか、マイナスになるとか、そういうことではなくて、呑みたいから呑む、やりたいからやるっていう、ただそれだけの話で。ハハッハハッ」

 ――そうですね(笑)。では、遊びが将棋の力には直結しないと? 
 「いや、なってるかも知れないですよ。うん。何か、そういう人のほうが、切り替えが出来るというか、煮詰まったときに上手く逃れやすい傾向はあると思いますよね。だからプラスになってる可能性はあるとは思います」

 ――じゃあ、若いときから、人生経験を否定していたわけではないんですか。人間的に厚みを増すことは、盤上にも影響してくると? 
 「いや、もちろん、影響することはあると思いますけど。ただ、何がプラスになって、何がマイナスになるかは、わからないので」

 ・・・以下、次回へつづく(次回の掲載は6月7日を予定しています)

----------
高川武将(Takagawa Takeyuki)
1966年東京都生まれ。新聞社、出版社を経て、フリーランスのルポライターに。スポーツを中心に『Number』等で骨太のノンフィクションを多数執筆。2010年の竜王戦から羽生善治の取材を続け各誌に寄稿している。
----------

 『G2(ジーツー) Vol.19』
(講談社MOOK/税別価格:900円)

 『G2(ジーツー)』は雑誌・単行本・ネットが三位一体となったノンフィクション新機軸メディアです。今回目指したのは、アメリカの雑誌界の最高峰『ザ・ニューヨーカー』。新しいノンフィクション、新しいジャーナリズムの形を示そうと、『G2』第19号は何から何まで大幅にリニューアルしました。

 執筆者/奥野修司 清田麻衣子 黒川祥子 佐々木実 佐藤慶一 柴田悠 高川武将 西村匡史 野地秩嘉 福田健 安田浩一 飯田鉄(順不同)

 => Amazonはこちら
 => 楽天ブックスはこちら

高川武将,G2

403名無しさん:2015/06/07(日) 18:30:37
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150607-00043595-gendaibiz-soci
G2レポート・棋士道 羽生善治「将棋の神」に極意を質す(その2)〜彼を盤上に向かわせる原動力は何なのか? 本誌には載らなかったインタビュー記事を特別公開!
現代ビジネス 6月7日(日)11時1分配信

 発売中のノンフィクション雑誌『G2(ジーツー)』第19号に掲載後、大きな反響を呼んだ記事「騎士道 羽生善治」。ルポライター・高川武将が6度のロング・インタビューを通じて「羽生善治の本心に迫ろう」とした、文字どおりの「言葉の対局」です。原稿が予定の80枚を大幅に超える130枚に達したこともあり、誌面に載せきれなかった「後半」をおよそ2週間にわたって随時掲載していきます。棋士とルポライターの真剣勝負をご堪能ください(G2編集部)

 ▼羽生善治「将棋の神」に極意を質す(その1)はこちらからご覧ください
 => http://gendai.ismedia.jp/articles/-/43587

 * * *

 (文・高川武将)

歳をとっても棋士でいるためのズルさ
 『これからの棋士寿命は短くなる。自分も40歳でやっているかわからない。50歳で出来ていたら大満足です』

 ちょうど七冠制覇する前後、羽生は頻繁にそう言っている。

 やがて30代に入った頃、羽生はタイトル戦とは無縁のベテラン棋士たちが深夜まで対局する姿を見て、その原動力は何だろうと思う。「今が全て」と一喜一憂するよりも、「長い棋士人生をマラソンを走り抜けるようにいかに変わらずに走り続けるか」を模索するようになり、そして勝ち続ける。

 ――寿命が短くなるというのは、研究が盛んになって戦いが激しくなる、と? 
 「研究が盛んになるというのは、長距離走だったものが短距離走になっていく、ということなんで。よく、水泳のバサロスタートの話をしてたんですね。つまり、バサロスタートが出来るようになったら、水面に出た後の短い距離の勝負になるじゃないですか。そうしたら、若い人のほうが有利でしょう。まあ、スポーツではレギュレーションが変わってまた状況も変わることはあるけど、将棋はルールを変えるわけにはいかないんで、ええ。そういうことは思ってました」

 ――それが変わっていった。変わらずに続けていく、という方向に。

 「いや、まあ、そうですね。そのときはそう思っていても、歳は自然にとっていくんで。だからといって、そのまんま、ぼんやりしているわけにもいかないんで(笑)」

 ――でも、勝負というのは『今が全て』ですよね。その一瞬で、正解を考えつかなければそこで終わってしまう。

 「ええ、ええええ」

 ――そうした勝負を如何に続けていくか、ということですか。

 「ああ、そうですね。どう言えばいいんでしょうかね、うん・・・・・・例えばゴルフだったら、若いときはよくても、歳を重ねると、いいショットばかり打てるとは限らないじゃないですか。だからまあ、リカバリーショットを充実させよう、と(笑)。OBすれすれとか、林すれすれとか、ハハッ、とりあえず一打でフェアウェイに戻しておくか、みたいな、ハハッハハッ」

 ――ちょっとズルいような(笑)

 「まあ、そういうのも大事ですよね(笑)」

404名無しさん:2015/06/07(日) 18:30:55
>>403

思いも気概も目的も・・・すべて「ない」
 ――10代の頃は、読みを中心に無我夢中でやっていたのかなと。その後、序盤の研究を徹底して、プロでも難解なほど突き詰められて、七冠になった。そうした流れの後に、そういう考えになったわけですね。

 「いや、でも、本当に将棋の序盤が変わったのは、七冠を獲った後のことですから。藤井システムとかが出始めて、2000年くらいですかね。凄く大きく変わったのは。私が七冠を獲った96年頃は、序盤が変わったといっても、その後の変化から見たら、大したことじゃなかったんですよね」

 ――きっかけというか、始まりだった。

 「ええ。その前は、(タイトル戦で)中飛車突いただけで、ぎゃあぎゃあ言ってた時代ですから。そんなの別に、今と全然違いますよね」

 ――時代が変化していく中で、羽生さんは技術の囲い込みをしなかった。研究成果を公にしてきたのは、どうしてなんですか。

 「まあ、自分が思いついたことは、他の誰かも思いついているものなんです、ええ。これは経験則として、ほぼ間違いなくそうなんで。あんまり持っていてもしようがない、というのはあるんですよ」

 ――羽生さんの中に、自分だけ強くなるのではなく、周りの棋士も強くして全体をレベルアップさせようという意識はなかった? 
 「ああ・・・・・・いや、特にこういう目的でということは、ないですよね。ええ。まあ、結果として、そうなったのかも知れないですけど、実際はどうかわからないですし、うん・・・・・・。自分で強くなった可能性も当然のことながらあるわけで。だから、何というか、うん、わからないということですね(笑)」

 ――研究が盛んになったという時代の変化もある。でも、そうした変化事態を、自分が先駆けて起こしたという認識はないですか。

 「あ、それはないですね。というか・・・・・・それこそ、藤井システムや中座飛車といった常識を覆すような戦法が出てきてからは、もう、それについていくのが大変だったので・・・・・・。先導したという感覚は、全くないですね」

405名無しさん:2015/06/07(日) 18:31:19
>>404

渡辺将棋から学び取ったもの
 全ての答えは「ない」だった。

 将棋界を変えたいという思いも、自分が切り開いていくという気概も、周りをも強くしようという目的も、研究全盛の熾烈な時代を先導したという認識も・・・・・・全てが。「ある」のは、ただ、将棋の可能性を追求していくこと。制約をかけずに、普通に、自然に。

 だが、今の羽生が、これまでにない危機的状況にあることは事実だった。
14歳下の渡辺に追いつめられている現状がある。2008年、10年と挑戦した竜王戦に敗れ、さらに前年の11年には王座戦五番勝負で3連敗を喫し、19年死守してきたタイトルを奪われていた。羽生が同じ相手にタイトル戦で3度も続けて負けることは初めてで、世代交代も囁かれている。羽生がそうしたように、いつの時代も世代交代は一人の棋士によってなされている。

 ――渡辺さんという強敵が現れました。昨年の王座戦は一局ごとの内容は凄かったと思いますが結果は3連敗。渡辺さんの存在というのは? 
 「いやぁ、やっぱり、普通に強いですよねぇ」

 ――普通に強い。

 「ええええ。ただ研究だけに強いというんじゃなくて、外れたところからのねじり合いも凄く、うん・・・・・・崩れない、というところもあるし、うん・・・・・・。そう、あと、やっぱり、見切りが凄くいいんで。この手はダメ、という見切りの良さは、指していて毎回感心するところがありますね」

 ――終盤のねじり合いも凄く正確で見切りがいい。読むというより、見えちゃってる感じなんですかね。

 「あ、そうですね。うん。非常に短い時間で沢山の手が・・・・・・ま、プロだから当たり前と言えば当たり前なんですけど(笑)。だけど! その見える中でも、極めてよく見える、という感じはしますね。ええ」

 ――40歳を過ぎた今、渡辺さんのような強敵が現れた。面白いドラマを観たい羽生さんとしては、嬉しい気持ちもあります? それとも、やっぱり困る? 
 「ああ、そうですね。いや、またそこで、自分なりに工夫しなきゃいけないんだなということは、非常に思いますよね。これまでのやり方とはちょっと違う方法を模索しなきゃいけないのかな、と」

 ――渡辺将棋から学び取ったものは何ですか。言えないこともあるでしょうけど。

 「ああ、やっぱり、こう、うん・・・・・・そうですね、判断の切れ味の良さ、ですよね。つまり、一つの局面を見て、いろんな手が見えるわけじゃないですか。この手とこの手とこの手が有力そうだというときに、ズバッと切り捨てて、この手! とすぐ選べる。そういうダイナミックさというのは、うん、いやぁ、中々ない感覚だなぁと思います」

 ――羽生さんは時間をかけることが多い。

 「基本的に長考派というか、時間は結構使うほうなんで。渡辺さんは、早いんですよ。それも相手に関係なく早いんで。いや、さすがにA級に来たら(渡辺は10年度から昇級)そんなに早くは指せないはずなんですけど(苦笑)。でも、普通にそれが出来てるというのは、中々凄いことだなと思いますね」

 ――羽生さんは、研究していてもその場で考えて。

 「考えることが多いんですよ。研究していても、その場で思いついたり、深く掘り下げたりすることがあるんで、ええ」

 ――盤の前に座ってみないとわからない。

 「そうですね、そうですね。そこが非常に流動的なものなんで」

 ――ちょっと失礼な質問かも知れないですけど、かつての羽生さんが相手にそう思わせたように、強い若手が出てきたときに、こいつには叶わないなとか、勝てないなという気持ちが芽生えたりはしないんでしょうか。

 「ああ、そうですね、うん・・・・・・それはやっぱり、こう、うん・・・・・・。自分と全く違う感覚を持った人が出てきたときには、自分がそれを出来るかどうか、ということをまず考えますよね。そこから始まるというか・・・・・・まあ、それが出来ないとなったときに、どう思うかはわからないですけど。フフフ。まあ、とりあえず、出来るかどうかやってみる、という感じですかね」

406名無しさん:2015/06/07(日) 18:31:51
>>405

何を求めて将棋を指しているのか
 追いつめられている状況とは裏腹に、相変わらずのマイペースでにこやかに話す姿は、あくまで自然体だった。羽生が本当に求めているものを聞き出そうとする作業は、まるでラッキョウの皮を一枚ずつむき続けているようなものなのかも知れない・・・・・・。

 ズバリ、聞いてみた。

 ――結局、羽生さんは何を求めているんですか。渡辺さんを倒して第一人者であり続けたいのか、将棋の真理を究めたいのか・・・・・・。

 「いやぁ、そうですね。これだけ長くやっていても、将棋の可能性はまだまだあるんだなというのは、実感としてあります。例えば、20年も研究されているのにいまだに結論が出ない形があって、まだ何もわかっていないんだと愕然とするってことは、よくあるんで。そういう部分を模索していくということもあるし。そこに対局という勝負もついていて、当然、結果を求めていく気持ちもありますけど。うん・・・・・・でも、今更、気張っても何とかなるわけでもないので(笑)。普通に、自然にやってどうなるか、ですね」

 ――一生を懸けてでも、将棋の答えを見つけたい? 
 「まあ、そんなに大げさなものはないんですけど。わかる範囲でわかったらいいな、とは思っています」

 ――ただ、昨年の名人戦で負けたとき、打ち上げで非常に落胆しているように見えました。どんな心境だったんですか。

 「ああ・・・・・・いやぁ、まあ、疲れました」

 ――疲れた・・・・・・。

 「ええ。一局も長かったですし、シリーズ期間も長かったですしね」

 ――竜王戦のときの解放感はなかった? 
 「まあ、そうですね。他のタイトル戦も並行して続いていたということもあって。ただ、疲れたからといって、そこで休むわけにもいかないですしね」

 疲れた・・・・・・それだけなのか。だとすれば、この取材の前に見た、少しシュールな光景は何を意味するのだろう。

 ・・・・以下、次回へつづく(次回の掲載は6月9日を予定しています)

----------
高川武将(Takagawa Takeyuki)
1966年東京都生まれ。新聞社、出版社を経て、フリーランスのルポライターに。スポーツを中心に『Number』等で骨太のノンフィクションを多数執筆。2010年の竜王戦から羽生善治の取材を続け各誌に寄稿している。
----------

 『G2(ジーツー) Vol.19』
(講談社MOOK/税別価格:900円)

 『G2(ジーツー)』は雑誌・単行本・ネットが三位一体となったノンフィクション新機軸メディアです。今回目指したのは、アメリカの雑誌界の最高峰『ザ・ニューヨーカー』。新しいノンフィクション、新しいジャーナリズムの形を示そうと、『G2』第19号は何から何まで大幅にリニューアルしました。

 執筆者/奥野修司 清田麻衣子 黒川祥子 佐々木実 佐藤慶一 柴田悠 高川武将 西村匡史 野地秩嘉 福田健 安田浩一 飯田鉄(順不同)

 => Amazonはこちら
 => 楽天ブックスはこちら

高川武将,G2

407名無しさん:2015/06/07(日) 18:33:18
http://textview.jp/post/hobby/16823
“貴族”天彦七段 「プロとのVSできることさえ難しい」
2014.10.22
佐藤天彦(さとう・あまひこ)七段が『NHKテレビテキスト将棋講座』で連載しているエッセイ「『貴族』天彦がゆく」。10月号では、1対1の練習将棋を指す「VS」や研究会についてこう述べている。

*  *  *

このエッセイでもVSや研究会について話題にすることがしばしばありますが、実はプロと直接盤を挟んで練習将棋をするところまでたどりつくのも簡単なことではありません。

僕は元々地方にいたので余計にそう思うのかもしれませんが、奨励会三段、少なくとも有段者くらいにならないとそういった機会さえ得られないようなイメージです。相手をするプロの側も教えるだけではなく多少は勉強にならないと意味がないので、ある程度の実力がないと練習相手にもなれないのです。

藤井研に入る前の僕は序盤に多くの課題を抱えていると自分で分析していました。

そういったこともあり、序盤の大家である藤井(猛九段)先生が主催する研究会は憧れで、仲の良い村山(慈明七段)さんからその研究会の話を聞くたびに羨ましく思っていました。代打(メンバーの誰かが日程の都合などで出席できなくなったとき、他の人に頼むことをこう言います)で行くことは何度かありましたが、それでもレギュラーメンバーになりたい気持ちは持ち続けていました。

そうして過ごしているうち、メンバーのうちの一人が研究会を辞めることになり、僕のところにお誘いがきました。こうして念願のレギュラーメンバー入りがかなったときはうれしかったです。このVSと研究会は幸いどちらも現在に至るまで続いており、大きな学びの場です。

さて、木村(一基八段)先生とのVSですが、いつも本番さながらの気合いで指される印象です。僕も練習、本番問わず気合いを入れて臨むようにしてはいるつもりですが、そう意識していてもなお木村先生からは大きな気迫を感じることが多く、盤上だけでなく盤外のそういった部分も見習っていきたいところです。

■『NHK将棋講座』2014年10月号より

408名無しさん:2015/06/07(日) 18:34:25
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150607-15060750-nhktextv-cul
天彦が見た「将棋界の一番長い日」
NHKテキストビュー 6月7日(日)15時0分配信

将棋界の一番長い日と呼ばれるA級順位戦最終局。テキスト『NHK 将棋講座』2015年6月号では、来期は自身がその舞台に立つ佐藤天彦(さとう・あまひこ)八段に寄稿していただいた。ここではその中から、渡辺─久保戦のレポートをお届けしよう。



* * *



今年のA級は大混戦で最終日を迎えた。順位上位から、2敗が行方尚史八段、久保利明九段。3敗が渡辺明棋王と広瀬章人八段。いっぽう残留争いは、危ない順から3勝5敗の三浦弘行九段、森内俊之九段、4勝4敗の郷田真隆王将となっている。深浦康市九段と佐藤康光九段は同じく4勝4敗だが、順位の関係ですでに残留が確定。阿久津主税八段は8連敗で降級が決まっている。



まず最初に終局したのは渡辺─久保戦。時刻は21時39分と、順位戦にしては早かった。感想戦で印象に残るのは、苦々しい表情で感想を述べる久保さんの口元だ。対する渡辺さんは、いつもどおりとはいえ非常に明瞭な語り口。誰に言われずとも、勝者と敗者が分かるような光景だった。



強靱(きょうじん)な粘り腰を持つ久保さんがなぜこの時間帯に投了に追い込まれたのか。僕は3日前の出来事を思い出していた。その日は僕と渡辺さんが対戦、そして共通の友人でもある戸辺誠六段も対局で、対戦相手は西尾明六段。それぞれの対局が終わったあと、渡辺さん、戸辺さん、それに僕の3人で飲みに行った。そのとき俎上(そじょう)にのったのが、渡辺─久保戦で現れた新手?5八銀(1図)だ。これは戸辺─西尾戦の感想戦で西尾さんに戸辺さんが聞いた手らしい。皆で少し先の変化までつついた。





それが渡辺─久保戦でそのまま現れた。新手?5八銀は奏功。リードを奪った渡辺さんの快勝となったのだ。さて、この一事をもって、渡辺さんが情報と事前の研究で勝ったとまで言えるだろうか。確かに、事前の研究で良しとされた局面になればかなりのアドバンテージになる。ただ、将棋は良くなってからも大変だ。技術的な部分はもちろん、はやる心をいさめ、残っている長い持ち時間をしっかり使い、丹念に読んで勝ちに持っていくには想像以上の精神力が必要とされる。当然だが、結局は現場での力が重要なのだ。



それに、先日のエピソードには付け加えるべき点がある。?5八銀の話が出る前、渡辺さんは振り飛車における自分の研究を次々に披露していたのだ。それは専門家の戸辺さんをもうならせるものだった。その精度の高さは、本局の37手目?4一飛から49手目?3二角の一連の手順で証明できる。これは3人のときには出なかった順で、渡辺さん独自の研究だ。このような渡辺さんの姿勢があってこそ、戸辺さんも自分にとって脅威ともなりえる情報を話したのだと想像する。僕たちは友人とはいえ、それ以前に勝負師同士だ。



「この人になら教えてもよい」と思えるのは、友人だからという理由だけではなく、自分にとっても有益になるのではないかと思えるからだ。かつて、渡辺さんはトップ棋士が若手棋士に一方的ともいえる形で情報を聞き出すのを批判したことがある。僕はここでその是非を論じるつもりはない。ただ、同じ情報を得るプロセスでも、渡辺さんには渡辺さんなりの流儀があり、表には見えにくいクールなプライドが確かに存在しているということを記しておかなければならないだろう。



しかし、実際問題、これは久保さんにとってはつらかった。ここ数年のA級順位戦最終日の盛り上がりは最後まで諦めず粘り続ける久保さんによるところも多く、僕はひそかに「久保の一番長い日」だと思っていた。ただ、そんな久保さんでもこの日ばかりは厳しかったのかもしれない。



■『NHK将棋講座』2015年6月号より

NHK出版

409名無しさん:2015/06/14(日) 00:42:40
http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20150611/ecn1506110830007-n1.htm
プロ棋士と将棋ソフトによる棋戦「電王戦」 来年春から新形式に
2015.06.11

 Q:将棋関連のニュースで「電王戦」という棋戦名をたびたび目にします。詳しく教えてください。

 A:電王戦(でんおうせん)は、プロ棋士と将棋のコンピューターソフトによる棋戦です。動画サイト「ニコニコ動画」の運営などで知られるドワンゴと日本将棋連盟が主催する棋戦名で、同サイト上で対局が中継されています。囲碁も「囲碁電王戦」という対局がありましたが、こちらは「電聖戦」という別の名称が付きました。

 電王戦は日本将棋連盟の公式ホームページの「棋戦一覧」にも記載されています。それによると、2012年1月14日に開催された「第1回将棋電王戦」はコンピューターと米長邦雄永世棋聖の一番勝負で、米長氏が敗退しました。以降、毎年3-4月、日本将棋連盟が選抜した5人のプロ棋士と将棋ソフトとの団体戦の五番勝負が、東京・千駄ヶ谷の将棋会館で行われています。団体戦は13、14年ともに将棋ソフトが勝ちましたが、今年初めて人が3勝して初勝利をあげました。

 コンピューターと人が対決するボードゲームといえば、スーパーコンピューターの「ディープ・ブルー」が1997年に、チェスの世界チャンピオンだったガルリ・カスパロフを破ったことが世界的に報じられました。ただ当時は、チェスよりもはるかにルールが複雑な将棋ではコンピューターが人を打ち負かすのは難しいと言われていました。ところが、10年ごろからコンピューターの勝率が上がってきたのです。

 そして、電王戦で人は3連敗しましたが、「FINAL(ファイナル)」と銘打たれた今年=写真〔1〕、5人のプロ棋士が勝利したことで一段落が付いたと言われていました。

 しかし先日、日本将棋連盟とドワンゴから来年春に人とコンピューターの新たな対局を行うと発表がありました=同〔2〕。これまでは選抜されたプロ棋士と将棋ソフトの団体戦でしたが、新対局はトーナメントで勝ち抜いた将棋ソフトの「電王」と、プロ棋士の中からトーナメントで勝ち抜いた一番強いプロ棋士との一騎打ちになります。

 日本将棋連盟会長の谷川浩司九段は「160棋士の中から勝ち抜いた棋士と将棋ソフトとの対局になります。ニコニコ動画で予選から中継されますので、個性的で魅力的な棋士がいるということも知っていただきたい」と期待を語りました。

 今回のトーナメントへのエントリーは各棋士の希望で行われるとのことですが、「若手棋士によるトーナメントはあっても、全棋士参加の公式戦は久しぶり」(谷川会長)とのことで、将棋ファンも楽しみなことでしょう。

 現在、谷川会長をはじめとして、糸谷哲郎竜王、佐藤康光九段、森内俊之九段、屋敷伸之九段、藤井猛九段、深浦康市九段、三浦弘行九段、佐藤天彦八段、豊島将之七段、西尾明六段、佐藤慎一五段、阿部光瑠五段らのエントリーが決まっています。

 今月18日には全エントリー棋士と、段位別の取り組みが発表されます。今月20日から段位別の予選が行われて16人に選抜され、10月中旬から本戦。決勝戦は12月に三番勝負が行われます。

 一方、11月には最強将棋ソフトを決める大会「第3回将棋電王トーナメント」で今年の「電王」が決定し、このソフトと棋士の優勝者が来年春に先手後手一局ずつの二番勝負を行います。そこで再び、人とコンピューターの将棋王者が決まるというわけです。 (松本佳代子)

410名無しさん:2015/06/14(日) 22:16:29
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150610-15061050-nhktextv-cul
羽生善治名人の好きな映画
NHKテキストビュー 6月10日(水)15時0分配信

中村太地(なかむら・たいち)六段からのバトンを受けていただくのは、名人戦で激闘を繰り広げている羽生善治(はぶ・よしはる)名人。前回登場の中村六段の質問のほか、加藤一二三(かとう・ひふみ)九段からの質問もお預かりした特別編でお送りします。あなたの知らない魅力にどこまで迫れるでしょうか?



* * *


■加藤一二三九段より羽生善治名人への質問


Q 羽生さんとわたくしの会話で、以前、映画『ひまわり』(マルチェロ・マストロヤンニとソフィア・ローレン主演)の話題が出たことがあります。お好きな映画を、その理由とともに、教えてください。



小津安二郎監督の『東京物語』が好きですね。小津監督の作品はわりにゆったりと構えて観られるように作られている印象があります。当時はそれがひとつの技法と言うか、印象に残るための方法だったんでしょうけど。



内容についても、凝った設定とかすごく意外な展開とかがあるというわけではないですから、たまにちょっとよそ見をしても大丈夫かな(笑)、みたいな安心感というか。平凡な日常のことを描かれているというか。



でも、逆にいうと、けっこう昔に作られているもののはずなのに、時代が変わっても「平凡な日常」と感じられるということは、すごく普遍的なテーマについて表現されているということだと思うんですね。それが国際的にも高く評価されている理由かなと思います。



たとえば小説だと三浦綾子さんの『氷点』という作品をとても興味深く読んだ時期があります。テーマは、と聞かれたら「原罪」です、ということになると思うのですが、たとえば「では『原罪』について考えてみよう」といきなり言われても、よく分からないと思うんです。でも、物語の形で、ある程度具体的に、できごとだったり、その登場人物の感情の動きだったりというものによって見せられることで、自分にひきつけて考えることができるようになる。文学作品とか映像作品が存在している理由っていうのは、時代が変わっても人が向き合わなければいけないテーマみたいなものについて説明するときにすごく有効な手段だからなのかな、というようなことを思うことがあります。


■中村太地六段より羽生善治名人への質問
?

Q 棋士としていちばん大事にしていることは何ですか?



ずいぶん昔に廣津先生(久雄九段)に、「棋士はできるだけいろんな人に会ったほうがいい。会えば、よほど変なことをしない限り、個人として応援してくれるし、将棋に関心を持ってもらえる」と言われたことがあったんですよ。まあなんというか、棋士ってそんなに人数もいませんし、珍しがって覚えてもらえるということもあると思うんですが(笑)、それはほんとにおっしゃるとおりだなと。



「普及のためには、将棋を少し知っている人をたくさん増やすのが大事」ということを以前に言ったんですけれども、そのためにも大事なことかなと思って、心がけていますね。



■『NHK将棋講座』2015年6月号より

NHK出版

411名無しさん:2015/06/14(日) 22:16:59
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150610-00010000-shincho-sci
トッププロ参加トーナメントになる将棋電王戦に「羽生名人」参加でよいか〈週刊新潮〉
BOOKS&NEWS 矢来町ぐるり 6月10日(水)8時0分配信

 戦国時代の城攻めに喩えれば、内堀はすでに埋められ、残すは本丸のみという絶体絶命の窮地であろう。不測の事態に陥った将棋連盟は、ついに精鋭部隊の投入を強いられ、当代随一の棋士・羽生善治名人(44)までもが、決戦の舞台に駆り出されようとしている。

 ***

“人類最速の男”と称されるウサイン・ボルトですらトップスピードは軽自動車に劣る。進歩した科学技術に比べれば、人間ひとりの才能や鍛錬など無力に等しい。だが、そんな常套句の前にひとつの問いが立ちはだかる。はたして、コンピューターは羽生名人に勝てるのか――。我々はまもなく、その答えを目の当たりにするかもしれない。

「実は、プロ棋士とコンピューターが対決する“電王戦”が来年も開催されることになったのです」

 と明かすのはベテラン棋士である。この3〜4月に『FINAL』と銘打った第4回大会が行われた電王戦だが、来年から新たな体制で再始動するという。

「しかも、これまでのような団体戦ではなく、トッププロ棋士も参加するトーナメント制が導入されます。そこで優勝した棋士が、コンピューター同士の戦いを勝ち抜いた最強ソフトと対局する。つまり、四冠を手にした“現役最強”の羽生名人が、コンピューターと真剣勝負する可能性が高まっているのです」(同)

 思えば“電王戦”はプロ棋士にとっての鬼門だった。

 第1回の電王戦で米長邦雄永世棋聖が苦杯を嘗めたのを皮切りに、

「5人の棋士と5つのソフトによる団体戦となった第2回以降も、コンピューター側の勝ち越しが続きました。今年は3対2の僅差でプロ棋士側が勝利したものの、最終戦で阿久津主税八段が、相手のプログラミング上の穴を突く“奇手”を指したことで話題になった。そこまでしなければ勝てないほど、コンピューターが進化しているというわけです」(観戦記者)

■最終決戦
 となれば、“夢の対決”への期待は増すばかりだが、羽生名人が参戦するに至った背景には、棋界の苦しい台所事情も影を落としていた。先の棋士が続ける。

「羽生名人がコンピューター相手に後れを取れば、“もはや人間に勝ち目はない”と認めざるを得なくなってしまいます。それでも将棋連盟がトップ棋士も参加するトーナメント制に踏み切ったのは、電王戦を主催するドワンゴが、スポンサーを続ける条件として“羽生名人の出場”を突きつけたから。ここ数年、タイトル戦を主催する新聞社がスポンサー料を削減し続けるなか、新たな大口出資者の意向には将棋連盟も逆らえなかった」

 その結果、矢面に立たされそうな名人だが、不利な局面で繰り出す起死回生の妙手こそ“羽生マジック”の真骨頂。将棋ソフトに詳しい武者野勝巳七段も、

「まさに人類とコンピューターの最終決戦ですが、持ち時間が3時間以上あれば羽生君は負けないでしょう。コンピューターに引けを取らない正確な読みと、意表を突く指し手、さらに終盤の強さを考慮すれば、明らかにソフトの分が悪い」

 もちろん、勝負に“絶対”はない。それでも瀬戸際の攻防を目撃したいと思うのが人間の性(さが)なのだ。

「ワイド特集 瀬戸際の歩き方」より
※「週刊新潮」2015年6月4日号

SHINCHOSHA All Rights Reserved.

412名無しさん:2015/06/14(日) 22:17:56
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150609-00043598-gendaibiz-soci
G2レポート・棋士道 羽生善治「将棋の神」に極意を質す(その3)〜勝負師としての羽生の姿に森羅万象が重なる 本誌には載らなかったインタビュー記事を特別公開!
現代ビジネス 6月9日(火)11時1分配信

 発売中のノンフィクション雑誌『G2(ジーツー)』第19号に掲載後、大きな反響を呼んだ記事「騎士道 羽生善治」。ルポライター・高川武将が6度のロング・インタビューを通じて「羽生善治の本心に迫ろう」とした、文字どおりの「言葉の対局」です。原稿が予定の80枚を大幅に超える160枚に達したこともあり、誌面に載せきれなかった「後半」をおよそ2週間にわたって随時掲載していきます。棋士とルポライターの真剣勝負をご堪能ください(G2編集部)

 ▼羽生善治「将棋の神」に極意を質す(その1)(その2)はこちらからご覧ください
 (その1) => http://gendai.ismedia.jp/articles/-/43587
 (その2) => http://gendai.ismedia.jp/articles/-/43595

 * * *

 (文・高川武将)

雀士・桜井章一への質問攻め
 それは、1月7日、新宿の紀伊国屋ホールでのことだ。400人の満員の聴衆を前に、羽生は、『雀鬼』こと桜井章一と舞台に上がっていた。

 60年代から大金を賭けた麻雀の代打ちを行う裏プロとして活動していた桜井は、裏技も駆使して引退までの20年間無敗を自称している。今は雀鬼会という道場を主宰し、自己啓発関連の著書も多数ある。その桜井との『本当の強さ』をテーマにした講演会は、どこか奇妙だった。二人の対談形式なのだが、羽生が一方的に質問を浴びせている。

 「一見、損すること、無駄なことと健やかさは、運や流れを掴むことと関係ありますか」
「偶然はないというのは、細かいところを見て感じていればそれがわかるからですか」

 桜井は笑いながら、「先生、聞いてばっかりじゃない。こっちにも聞かせてよ」と何度か制する。だが、将棋について話し始めても、「自分の話ってつまらないなぁと感じるんです」と自ら遮り、すぐにまた質問し続ける。

 「柔らかさが大事ということは? 一期一会というものはその瞬間が凄く大切と?・・・・・」

 すると桜井は苦笑しながら言う。

 「先生はズルいよ。わかった上で聞いている。こいつ、どう答えるんだろうって。素人将棋みたいに」

 会場は笑いの渦に包まれたが、羽生はポツリと言うのだ。

 「大変申し訳ないんですけど、こういうことに答えてくれる人があまりいないんですよ」

 それは、どこか羽生の孤独を思わせた。
約1時間、彼が聞く内容は、直感や閃き、運や流れといった論理では割り切れない勝負哲学、人生哲学に通じるものばかりだった。実はこの対談の前に、羽生は桜井の道場を訪れ、7時間も同じように話を聞いている。桜井はこう振り返る。

 「何かを見つけに来たなと感じましたね。40代になって行き詰まり感もある、勢いで出来た20代とは違う。何か新しい価値を作りたいんじゃないかな」

413名無しさん:2015/06/14(日) 22:18:23
>>412

セオリーもデータも、自分の経験すらも役に立たない
 ――桜井さんには何を求めてお会いされたんですか。

 「そうですね。セオリーやマニュアルで表せないものを知っている人という感じなんです。そういう人は、きっと世間に一杯いるんですよ。でも、どこにいるかわからないんで。いや、ホントに。それこそ町工場の職人さんとかにもいるはずなんです、絶対に。でも、どこにいるかわからないじゃないですか。だから、知っている人で、そういうことを深くわかっている人なんじゃないかなと」

 ――セオリーやマニュアルで表せないもの、将棋においては? 
 「結局、羅針盤が利かない場面って、やっぱりあるんですよ。乱戦とか混戦になったときですね。例えば、序盤だったら形とかセオリーである程度は決まってきますけど、局面が進んで未知の領域に入ると前例は全くなくなっちゃうんで。セオリーもデータも、自分の経験すらも役に立たない。そのときにどうするか、という問題は常にあるんですよね。そこは、全体から見れば、実際は小さい部分で重要じゃないかも知れないですけど、そうは言っても、そういう場面もあるということは間違いないんで」

 ――桜井さんから知りたかったことは、将棋に役立たせるため? 
 「ただ、それが何に役立つかはわからないんですよね、ええ。因果関係で証明できるものじゃないんで。だから・・・・・・わかりません(笑)」

 ――漠然と、曖昧としてる。

 「うん。でも、そういう話を聞くことは大事なのかなぁと。皆、独自に切り開いていってるものなんで。自分とは全く違ったアプローチ、考え方、発想から、何かヒントを得られるということはあると思っています」

 ――ただ、講演会で羽生さんが聞いていることは、既に思っていることを確認しているように見えたんですが。柔らかさ、健やかさ・・・・・・。

 「ああ、そうですね。思っているというよりも、こう、漠然とクエスチョンマークがつくことなんですよ。それに対していろんな答えが返ってきますけど、そこがまあ、面白いところで・・・・・・でも、あんまりお客さんのことは関係なく話してましたね(笑)」

 桜井に聞いていた哲学的なことは、既にわかっていることだと思っていたが、そうではないと言う。そう聞いて私は、メンタルをテーマにした前回のインタビューでのやりとりを思い出した。

 ――本当の強さとは何か。また、本当の弱さとは何か。羽生さんはどう考えてますか? 
 そう尋ねると、羽生は「ああ・・・・・・」と低く唸り、陽気に話していたそれまでとは一転、深刻な表情になった。一瞬、あの独特な透明感のある白い眼に変わったように見えた。

 「そうですねぇ・・・・・・よくわからないですね。うん・・・・・・わからないですね、本当に・・・・・・」

 そう言うと、俯いて黙りこくってしまった。

 ――わからない・・・・・・ただ、技を突き詰めていくときに曖昧さも大事、と。それは、複雑な
ものを複雑なまますっきりさせないことに耐えられる、そういう強さのことかなとも思うんですが。

 「あ、そうですね。もちろん、漠然とした状況に耐えられるかどうか、ということは大事なことだとは思っています。そういうものを乗り越えないと、強いとは言えないと思いますけど・・・・・・ええ」

 ――簡単に答えを出さない、と? 
 そう確認すると、「いや」と即座に否定して、今度は顔を上げ、きっぱりと言った。
「出さないというか・・・・・・出ない、ということなんじゃないですかね。答えが出ないとか、答えがわからないとか、答えがないっていうものに対して、どれだけ粘り強くやっていけるか、ということだと思いますけど」

 答えがないものにどれだけ粘り強く対峙できるか・・・・・・。そう聞いて、羽生の心の深遠を垣間見た気がしたものだった。恐らく、桜井に聞かざるを得なかった哲学的なことも、羽生は本当にわからないのだろう。

414名無しさん:2015/06/14(日) 22:18:55
>>413

紙一重の感性を持つ人の新鮮な感触
 ――何か発見はありましたか。

 「そう、ですね・・・・・・何が、ということよりも、こういう人もいるんだなぁと(笑)」

 ――それが一番(笑)

 「それが一番大きいです」

 ――こういう人、というのは? 
 「まあ、いろんな人がいますけど、あんまり考え方が似てる人はいないですもんね。うん。独自の世界観があるんだなぁと、話していて思いましたし、非常に新鮮でした」

 ――新鮮だったのは、桜井さんが裏の勝負の世界を生き抜いてきた人ということも? 
 「そういう人も、生きている人は少ないわけでしょう、基本的に・・・・・・(突然、笑い出し)早死にしちゃう人が多いわけですから(笑)。いや、それはどう考えてもそうなんで。そういう世界で生き抜いて、何か独自の感性を持っている人もいるとは思うんですけど・・・・・・これもどこにいるかわからないんですね」

 思わず失笑すると、羽生は真剣な表情で、訴えかけるようにこう言った。

「いや、本当に、どこにいるか、わかんない、じゃない、です、か?」

 ――本当に。意外なところにいるかも知れないですね。

 「ええ、ええ。下手すると、刑務所にいたりするかも知れないから・・・・・・(笑)。わかんないじゃないですか。本当に・・・・・・」

 ――そうですね。例えば、囲碁の故藤沢秀行さんのような、酒、女性、借金とやりたい放題やりつくしたからこそ得られる真理みたいなものもあるんじゃないかと思うんですけど。

 「ああ、ええええ、そうですね。まあでも、そこに、何ていうんでしょうかね、うん・・・・・・紙一重の危うさというのもあるんで。そこは、こう、難しいところなんです」

 ――紙一重の危うさ? 
 「ええ。お会いしても、話が通じるかとか、話を理解できるかとか。何か凄いことを言っているのかも知れないけど、理解不能というケースも当然、あるんで。本当に微妙な、紙一重のところはあると思うんですよ」

 ――ああ・・・・・・。

 「うん・・・・・・前にですね、こういうことがあったんです。ある科学者の人がパーティで挨拶されていたんですね。で、私、その場で聞いてたんですけど、何を話しているのか全然わからないんですよ。いや、その人は間違いなく! 物凄く頭のいい人だと思うんですよ。長々といろんな話をしているんですけど、いや、わっからない・・・・・・。その人の中では、理路整然としたものがあるんだろうなぁということは想像できるんですけど、そこから先はもう・・・・・・(苦笑)理解できないんで。そこは如何ともしがたい。話を聞きに行っても、クック、自分もわからないし、クック、相手も不愉快に思うかも知れないということもあるので。そこが紙一重だと・・・・・・」

 ――危うさが。

 「ええ、危うさが」

 そう言うと、羽生は楽しそうにケラケラと笑った。

415名無しさん:2015/06/14(日) 22:19:30
>>414

将棋を指す意味は突き詰めない
 ――数年前から船井幸雄(14年1月に死去)さんとも交流されていますよね。

 「そうですね。やっぱり、セオリーやマニュアルだけじゃないものを持っている人は、自分から探していかないと見つからないので」

 ――船井さんからはどんなことを得ているんですか。

 「基本的に経営コンサルタントなんで。コンサルタントもいろいろ流派みたいなものがある中で、船井さんは中小企業の人たちから支持されていて、何か一つのことで一番になれ、と言っているんですよ。大企業だったら一つのことで一番になっても経営は成り立たないじゃないですか。組織の規模によってセオリーが違うのが、話としては面白いなと」

 ――ただ、船井さんは経営コンサルタントの一方で、波動や異次元、超意識といった一般的にオカルトと呼ばれる世界に詳しくて、関連書籍も多いですね。羽生さんも興味があって話を聞いてるんですか。

 そう問うと、羽生は「あのぉ・・・・・・」と少し言い淀んでから、質問とはズレた話を始めた。

 「結局、今、思想と科学の世界はどんどん近くなってきてるんですよ。物理の量子力学の世界って、突き詰めると思想の話になっちゃうんで。それでお互いに拒絶反応が出てるんですよね。どちら側にも、それは違うよということはあるんだけど、現実は凄く近づいている。そこはお互いに嫌な話なんじゃないですかね。科学の世界の人にとっても、思想の世界の人にとっても」

 ――うん・・・・・・物理学者の中にも、例えばパラレルワールドはあると仮定しないと説明がつかないという人たちもいる。

 「ええ。いや、だから、物理学者の世界ではそういう解釈問題に首を突っ込むな、とも言われてるんですよ。哲学とか思想の話になっちゃうんで」

 ――そういう世界にまで興味を持っているのは、将棋の真理を究めるために役立てたいからなんですか。それとももっと別の、例えば人間的に深めていきたいのか・・・・・・目的は何ですか。

 「いや、特に目的はないです(笑)。そんな深遠な目的は全くないですけど、ええ」

 ――ない・・・・・・面白いから? 
 「ああ、それはそのぉ・・・・・・何も知らないで漠然とやるよりは、そういうことも知った上で最終的に何を選ぶかというほうが、楽しいのかなぁという気はするんですよね」

 ――前回も伺いましたが、突き詰めると勝つことに意味はない、少なくとも自信をもってあるとは言えない、と。

 「ああ、ええええええ。そうですね」

 ――意味がないとなれば、好きな将棋を指すことが出来なくなる。

 「ええ。ですから、あんまり正面から向き合い過ぎないということが大事なんじゃないでしょうかね。うん・・・・・・それは、全て真正面から向き合ったら、何も出来ないですよ、きっと。最後は、これも意味がない、あれも意味がない、何をやっても全て無意味だとなっちゃうじゃないですか・・・・・・。だからまあ、ほどほどに、適当に向き合って、でいいんじゃないですかね(笑)」

 ――僕自身も、何で書くのか、突き詰めたら意味がない。本当は自分が面白いからやっているだけなのに、読者を面白がらせるためとか、理由付けをしています。羽生さんにはありますか。

 「ああ、そうですね。先に行けば意味があるかも知れないとか、そういう風に思うようにはしていますけど」

 ――そうか、70過ぎてから考えればいい。

 「ええええ。でも、ずっと意味がない可能性もあるんですけど・・・・・・ハハッハハッハハッ」

 ――結局、意味がなかったって(笑)

 「で、終わっちゃうかも知れないですけどね」

 ――・・・・・・もう、あまり意味を求めない。

 「そうですね、ええ。あんまり深く考えてもしようがない、という感じですかね」

416名無しさん:2015/06/14(日) 22:19:58
>>415

プロとして闘うなかでの辛さはあるのか?
 取材時間が迫っていた。どうしても聞いておきたいことがあった。彼の抱えているはずの苦しみについてである。

 私がうつから回復する過程で、切実に身につけざるを得なかった逆説的な考えを、羽生はどのようにして得ることが出来たのか。そこには、計り知れない大きな苦しみや辛さがあったからではないか、そう思えてならなかったのだ。

 ――勝つことに意味はないと薄々わかっていながら、でも、一生懸命指し続ける。勝ち続けないと、将棋を続けていけない。そこにこそ、羽生さんの辛い部分があるのではないかと思うんですが。

 そう聞いてみた。別に否定してくれてもいい。でも、何か予想外の答えが返ってくるかも知れないという、微かな期待もあった。

 すると羽生は、「ああ」と甲高い声を発してから淡々と言った。

 「まあ、局面を考えていくのは、楽な局面ばかりじゃないですからね。当然、不利な場面とか、難しい局面は沢山あるので。それを辛いといえば辛いとなるんでしょうけど」

 将棋の話を聞いているのではない。私は聞き方を変えてみた。

 ――例えば、もう勝負はどうでもいいんだけど、プロとして勝負をしていかなければいけない辛さはないですか。

 「ああ、そうですね。長くやっていく中で、そういうことはあるんだろうなぁというのは、他の棋士の人たちを見ていても思うことはありますね。うん・・・・・・まあ、他の物事もそうかも知れないですけど、ある種の過酷さというのは、どんなものにも付き物としてあると思いますが、ええ」

 ――では、辛くて当然、と? 
 「そうですね。うん・・・・・・まあでも、その一方で、ただ辛いだけだったら続かないとも思うんですよ。だから、何ていうか・・・・・・辛いことも一杯あるけど、ちょっとでも報われたとか、続けて来てよかったという瞬間もあるから、辛い時間が長くても頑張れるということもあるでしょうし。普通、辛いだけで頑張れる人というのは、よっぽどの人じゃない限りいないはずなんで」

 ――そこに楽しみや発見も見つけていく。

 「うん。ということだと思っています」

 ――根底には面白いドラマを観たいという思いがある。突き詰めてはいけないんでしょうけど、勝負は超越しているんですか。

 「続いていくという感じですね。うん・・・・・・プロとしてやっていく限りは」

417名無しさん:2015/06/14(日) 22:20:42
>>416

ただ盤上に向かうのみ
 ――勝負は好きですか。

 「ああ(低く唸り)、どうなんでしょうねぇ、ええ・・・・・・あんまり、そういうことも考えないですね、もうね・・・・・・。いや、好きとか嫌いとか考えてもしようがないじゃないですか(笑)。だって、(対局は)あるんだし、どうせすぐやるんだし、ハハッハハッハハッ」

 ――対局中に痺れる瞬間というのは? 
 「やっぱり、こう・・・・・・一つの選択で全然違った道に進んでしまうということが、凄くあるんですよ。つまり、この一手を選んだらもの凄く攻め合いになるし、この一手を選んだらもの凄く長期戦になるといった、大きな分岐点があるので。そういう場面での選択というのは、非常に大きいなって感じます」

 ――そんな勝負に明け暮れて26年です。

 「意外と早かったですね。あんまり、26年も経ってるという感じはしないんです。気がついたら、もうそんなに経ってたのか、と。まあ、巡り合せがよかったとは思っています」

 ――将棋の神様はいると思いますか。

 「ああ・・・・・・将棋は有限のゲームで理論上は『答え』があるはずなので、それを神と定義すれば神はいる。でも、宗教的概念として神がいるとは思えません(笑)。おかしいでしょ、それ、既に、ハハッハハッ」

 ――では、自分が将棋の神に選ばれたとは? 
 そう聞くと、「ああ・・・・・・うん・・・・・・そうですねぇ、どうなんでしょうねぇ・・・・・・」と、羽生は真剣な面持ちでしばし考えてから言った。

 「まあ、突き詰めてもしようがないでしょう。確かに、目に見えない力を感じることはありますが、それを他力というので。それが何かわかったら自力じゃないですか(笑)」

 ――いつまで続くんでしょう。

 すると羽生にしては珍しく、少しぶっきら棒な口調で言った。

 「考えてもしようがないっしょ、もう」

 そうして、弾けるように笑ったのだ。
普通に、自然に。目的も、意味も求めず、考えず。ただ盤上に向かう・・・・・・ふと、こんなフレーズが浮かんだ。

 空っぽ、即ち、無心。

 勝負とは自我の張り合いである。時代を開拓し、全冠制覇しても勝ち続けて来た男には、その勝負に必要なはずの自我が見えない。だが、さらに言えば、勝負とは自我との闘いでもある。負けるときは、自滅するときだ。だから羽生は、盤上に没我する。柔らかな佇まいには、究極の勝負師の姿がある。

 それはかつての剣客たちを思わせる。多くの達人たちは、人を斬り捲り命のやりとりを続けたあげく、禅の世界に行き着く。

 敵の刀を素手で受け止める「無刀取り」を完成させた柳生石舟斎、勝負を争わず心胆を磨いて自然の勝ちを得る「無刀流」の山岡鉄舟、「空の剣」に達した宮本武蔵・・・・・・。一切の執着を捨て、宇宙の森羅万象に身をゆだねる天地自然という禅の理を得た彼らは、相手を殺すだけの「殺人刀」ではなく、相手を活かす「活人剣」こそ剣の理であるという『剣禅一如』を悟るのだ。自我を消し、相手と和するという境地は、羽生の考え、思想とも重なってくる。いや、もしかしたら、その上をいくのかも知れない。

 ・・・・以下、次回へつづく(次回の掲載は6月11日を予定しています)

----------
高川武将(Takagawa Takeyuki)
1966年東京都生まれ。新聞社、出版社を経て、フリーランスのルポライターに。スポーツを中心に『Number』等で骨太のノンフィクションを多数執筆。2010年の竜王戦から羽生善治の取材を続け各誌に寄稿している。
----------

 『G2(ジーツー) Vol.19』
(講談社MOOK/税別価格:900円)

 『G2(ジーツー)』は雑誌・単行本・ネットが三位一体となったノンフィクション新機軸メディアです。今回目指したのは、アメリカの雑誌界の最高峰『ザ・ニューヨーカー』。新しいノンフィクション、新しいジャーナリズムの形を示そうと、『G2』第19号は何から何まで大幅にリニューアルしました。

 執筆者/奥野修司 清田麻衣子 黒川祥子 佐々木実 佐藤慶一 柴田悠 高川武将 西村匡史 野地秩嘉 福田健 安田浩一 飯田鉄(順不同)

 => Amazonはこちら
 => 楽天ブックスはこちら

高川武将,G2

418名無しさん:2015/06/14(日) 22:21:34
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150611-00043661-gendaibiz-soci
電脳戦が羽生にもたらした人工知能への興味 G2レポート・棋士道 羽生善治「将棋の神」に極意を質す(その4)
現代ビジネス 6月11日(木)11時1分配信

 発売中のノンフィクション雑誌『G2(ジーツー)』第19号に掲載後、大きな反響を呼んだ記事「騎士道 羽生善治」。ルポライター・高川武将が6度のロング・インタビューを通じて「羽生善治の本心に迫ろう」とした、文字どおりの「言葉の対局」です。原稿が予定の80枚を大幅に超える160枚に達したこともあり、誌面に載せきれなかった「後半」をおよそ2週間にわたって随時掲載していきます。棋士とルポライターの真剣勝負をご堪能ください(G2編集部)

 ▼羽生善治「将棋の神」に極意を質す(その1)〜(その3)はこちらからご覧ください
 => http://gendai.ismedia.jp/articles/-/43587
 => http://gendai.ismedia.jp/articles/-/43595
 => http://gendai.ismedia.jp/articles/-/43598

 * * *

 (文・高川武将)

強いとは、弱いとは何か?
 本来は全く関係のないもの同士がシンクロする瞬間は、唐突に訪れるものだ。

 その日、私は、都内の閑静な住宅街にある民家の一室でマッサージを受けていた。ちょうどうつになった直後から、知人に紹介され通うようになった江上正威(まさたけ)先生の施術は、全身を解してくれる。その技術は天下一品で、肉体的にも精神的にも癒されるひと時である。

 施術中はいろいろな話をするのだが、その日は、何の拍子か羽生の話になった。羽生は常にギリギリの均衡を保つことを考えている、それは他の棋士とは明らかに違う・・・・・・私がそんな話をしたときだ。

 「あ、そう! それ、うちの稽古と似ているなぁ」

 先生が驚きの声を上げた。先生が「うち」というのは、「親英体道(元は親和体道)」という合気道にも似た武道のことだ。創始者は井上鑑昭(のりあき)という、知る人ぞ知る伝説的な人物である。

 1902年、和歌山県田辺郡(現田辺市)の裕福な家庭に生まれた井上は、幼い頃から柔術を嗜み異才を発揮していたが、13歳の頃から、こんな疑問を抱くようになる。

 「強いとはいかなることか。弱いとはどこからくるのか。そもそも人に、強い、弱いということはあるのか」

 やがて、大本教の出口王仁三郎(おにさぶろう)に邂逅し、武道の在り方の根本に「親和力」を置けばいいことを悟る。19歳の春のことだった。後に大本教に加わる伯父の植芝盛平(もりへい)と共に、合気武術を広く教授し始めた。だが、戦前の公安当局による二度の弾圧を契機に、植芝は大本教を離れ、合気道を創始することになる。その植芝と袂を別った井上は、戦後まもなく、親和体道と改め独自の道を歩むのである。

419名無しさん:2015/06/14(日) 22:22:18
>>418

 団塊世代の江上先生と明治生まれの井上との関わりは、幼少期に遡る。

 江上先生の父茂は、沖縄空手を本土に持ち込み早大空手部を創部した船越義珍(ぎちん)の一番弟子で、こちらもまた伝説的な空手家である。戦時中は陸軍中野学校の武道教官を勤めたこともある茂は、後年、「空手の突きは本当に効くのか」という根本的な疑問を持ち、一撃必殺の最強の突きを追い求める。生活さえも犠牲にして究めたのは、拳を固めるそれまでとは真逆とも言える「柔らかい空手」。その松涛会江上流空手の礎となったのが、後年に師事した井上の教えだった。

 茂の三男である江上先生は、幼少期から井上の道場に出入りし、ことあるごとに父から井上の話を聞いて育った。慶大では合気道部に所属し、その後、別の武道や海外放浪など紆余曲折を経て、30代半ばから井上に師事する。それは井上が91歳で亡くなるまで続き、67歳となった今でも稽古を続けている。羽生の考えと似ているという親英体道とは・・・・・・。

 「一番の極意は『入り身』です。相手が打ってきたところに、そのまますっと入る。相手と一つになり、こちらが主体になって導きながら、一緒に流れていくんです。よく井上先生が仰っていたのは、『桜の花びらが散って川に落ちると、その中にすっと入って一緒に流れていくやろ。稽古はそうやって勉強するんやで』ということなんです。元々一つだったものを形にする。全ての物事には入り身しかない、受け身はないんだ、と」

 それは羽生の思想と合致しているように思えた。ギリギリの均衡を保ちながら、どこかで思い切って踏み込んでいく。その際に大事なのは他力、手を渡して相手が踏み込んできたところに、自然と入っていく・・・・・・。

 「闘ってはいけない。相手をやっつけるんじゃないんです。相手に敵意を持たせたら負け、刀を抜かせたらさらに負け、それに応じてこちらが抜いたら絶対の負け、なんですね。最初から相手と和していると考える世界なんです。かつての剣客たちが達した境地は、対すれば相和するでしょう。でも、相手と和すると考えること自体が既に作為が働いているという」

420名無しさん:2015/06/14(日) 22:22:36
>>419

勝ちを意識すればに負ける
 「羽生さんも、闘争心は要らない、相手を打ち負かそうとは考えないと言うんです」

 「ああ、そこまでいってるんだ・・・・・・」

 「ただ、いつも全力、一生懸命。新手や新戦法はいくら研究したり、練習しても実際のところはわからないから、真剣勝負の場、特に大きな舞台で実験するんです」

 「そこはね、一番、大事だと思う」

 江上先生はそう感嘆すると、さらに言葉を継いだ。

 「本当の和というのは真剣勝負にこそあるんです。一つになる、一緒に流れていくというのは、真剣勝負じゃないとわからない。究極の技は身につかないんですね。だから、初心者や女性に対してもバカにしてはダメで、全力でやらなければいけない。

 一つになるといっても、決まった形はないんですよ。形は毎回変わる。百回やれば百通りの形がある。実際には、相手が転んでしまうかも知れないけど、それは気がついたら相手が勝手にいっているだけで、力ではないんです。むしろ、こちらの力が弱ければ弱いほど、相手の力が強ければ強いほど、相手は自分の力で倒れるんです。武道としては変な言い方なんだけど(笑)」

 「いや、わかります。羽生さんの将棋にも棋風、つまり形がない。均衡を保って、局面局面で正しいと思う手を指していくうちに、気づいたら勝っていたという。相手は特にミスもなくて、何で自分が負けたかよくわからない不思議な感じになる」

 「あ、そう。面白い! きっと羽生さんが勝つときは、相手を意のままに動かせているんじゃないかな。でも、それも意識したらダメなんですよね」

 時折、私の体を指圧する流れるような動きが止まるほど、先生も話に熱が入る。

 「他の武道と根本的に違うのは、一人ひとりの『在り方』を描いていく世界だということなんです。本当の真剣だったら入り身ができた時点で勝負は終わっている。すっと入られてぱっと持たれたら、真剣だったら死んでいるわけですからね。でも井上先生は、『殺してはアカン、一つの在り方を勉強するんや、一人ひとりの在り方を一緒に描いていくんやで』『それが日本の有り方や』と。どこまでも広がっていく世界なんですよ。だから、井上先生の演武は本当に綺麗で美しいんです」

 聞けば聞くほど、親英体道と羽生の思想は酷似している。親英体道の元を辿れば、井上が幼少期から祖父に学んでいた平法学、その元にある古神道に行き着く。

 「宇宙にゼロはない。全ての物事は1から始まる。『水火(すいか)の交わり』という考えがあるんです。言い換えれば陰陽ですね。横に流れる水と、縦に燃え上がる火が一点でぶつかりあい、一つのものが生まれてくる。男と女が出会って子どもが生まれるように。そのぴしゃんと合うところを勉強しなさい、とよく言われましたね。本当は最初から合っている。水火の在り方を表せばいいんだと。もちろん、簡単なことではないんですけどね(笑)」

 日本人の生き方にも通じる日本独自の勝負観がある。それはまた、羽生の強さの根源にも通じると感じた。江上先生は言った。

 「普通はそこまで考えが及ばないでしょう。単なる勝負、勝ち負けだけで終わってしまって。西洋のスポーツ的な発想とは明らかに違うんですよね」

421名無しさん:2015/06/14(日) 22:23:22
>>420

人口知能に勝つために将棋ソフトをプログラムする?
 2012年春からの羽生は、さらにギアを入れ替えたように勝ち続ける。

 名人戦では森内に敗れ、タイトル奪回はならなかったが、挑戦者として臨んだ秋の王座戦五番勝負では、渡辺から1年でタイトルを奪い返した。2勝1敗と王手を懸けて臨んだ第4局は、夜10時過ぎに千日手指し直しとなる。30分の休憩を挟んで行われた指し直し局で、羽生の気迫をまざまざと感じるシーンがあった。開始直前に盤の前に座った羽生は、まるでリングに向かうボクサーのように両腕をぐるぐるっと大きく回したのだ。指し直し局に勝利したのが深夜2時。1日で2局、都合17時間に渡る死闘を終えた直後の感想戦でも、よく通る声で快活に喋ったのは羽生のほうで、片や渡辺は憔悴しきっていた。

 翌13年には、渡辺との三冠同士の対決となった棋聖戦も制し、天敵に一歩水をあける。翌14年春には、3年連続の挑戦となった名人戦で森内を4連勝で下し、4年ぶりに名人にも復位して四冠王となった。続く棋聖戦でも森内を3タテで退け防衛に成功する。

 常識外れの斬新な手、積極的な踏み込みを見せての勝ちっぷりは、「第2の全盛期」を思わせた。羽生に何があったのだろうか。

 この間、将棋界に新たな変化が生まれていた。コンピュータ将棋の進化である。12年から始まった人間対コンピュータの団体戦である電王戦では、人間側の惨敗が続き、棋士たちやファンもコンピュータ将棋への脅威に戦々恐々としていた。きっと羽生にも、大きな刺激になっているに違いない。そんな思惑をもって、インタビュー「第5局」に挑んだのは、14年6月末のことだ。

 ――名人戦は力戦型の将棋が続いて、同時期に電王戦が行われていたこともあって、棋士やファンから「人間らしい将棋」という声が聞かれました。特別な意識はありましたか。
そう尋ねると、羽生は軽快に語り始めた。

 「ああ、そうですね。名人戦は名人戦なんで(笑)。まあ、魅力的な将棋を指したいという気持ちはありました。何というか、電王戦だけが盛り上がってしまうのは、残念なことですから。同じ時期にやってますし、名人戦も注目してもらえるような内容にしたい、という気持ちはありましたね」

 ――電王戦、どんな感想を。

 「やっぱり、ソフトは非常に強かったというのと、コンピュータ将棋世界選手権で優勝したソフトだけじゃなく、トップの7つか8つの強さは変わらない、全般的なレベルの高さを感じましたね。人間側には普段の対局とは違う厳しいものがあるんだろうなと」

 ――具体的には。

 「例えば人間同士の対局だと、1局の中で読みが外れてもどこかで合っていくものですけど、そういう共通項を感じることはなかったんじゃないかなと。何でこんな手でくるの?どうしてこの局面でこんなに長く考えているの? ということが続いていく。だから、人間はかなり消耗すると思います」

 ――昨年よりもさらに、もう人間はコンピュータに叶わないんじゃないかと、棋士たちもファンも危機感が募っています。

 「ああ、ええええ、ええええ」

 ――羽生さんは、どう捉えてますか。

 「ああ、そうですね。人間としては、コンピュータ将棋をどこまで解析、分析して捉えきれるか。まあ、将棋の力も当然必要なんですけど、コンピュータそのものに対する理解というものがないと、もう対応できないところがあるのかなという気はしますね」

 ――コンピュータをよく知っている人? 
 「つまり、どういう思考でこの手を選んだのかということが、ブラックボックスとしてあるわけで。やっぱり、そこがわかるのとわからないのでは、同じ手を指されても捉え方が全く変わるというところはあるんです。だから、プログラミングの知識がある人のほうがいいんじゃないかなぁと・・・・・・(突然笑い出し)だからといって、クック、棋士が皆、急にプログラミングの勉強を始めたら、クック、それもおかしい気はするんですけど・・・・・・」

 ――もし、本気で勝つつもりなら、と。

 「勝つつもりなら。自分でソフトを作ってみるとか。でも、それも変な話で(笑)。自分で将棋指せるのに、プログラム作って将棋指そうって、クック、わけわからなくなってきてますけど。まあ、そういう時代なんです」

422名無しさん:2015/06/14(日) 22:23:47
>>421

読みを省略することに人間らしさがある
 ――子どもの頃に読んだ星新一さんのSFショートショートを連想しますね。人間が生活を便利にしようとコンピュータを開発し進化させた。でも気がつくと、人間がコンピュータに支配される社会になっていたという。

 「ああ、はいはい。だから、人工知能の研究テーマの一つとして、将棋があるのかなという認識は持っています」

 ――じゃあ、簡単にいえば、コンピュータの思考を学ばなければいけないと。

 「うん、コンピュータの思考プロセスを学ばないと。ただ、人間はコンピュータのように1秒間に100万手とか読めないから、同じ思考は出来ないでしょうけど、プロセスを知る必要はあると思います」

 ――では、人間らしさというのは? 
 「読みを省略していくところだと思います。読みや考えを省略することで、短時間で結論に辿り着けたり、正しい手を見出していく。そこが人間的な思考の一番の特長ですよね。コンピュータは沢山手を読めば読むほど強くなると思いますけど、人間は少なく読めるようになればなるほど強くなっていく」

 ――コンピュータは計算力。人間は感覚。

 「ソフトの開発者も、理想は人間の感覚、思考プロセスを覚えさせようと一生懸命やってきたんですね。今でもやってる人はいるんですけど、結局は計算力に頼ったほうが強くなった。ハードの進歩も大きいと思います」

 人間がコンピュータに太刀打ちできなくなる状況を、羽生は既に20年前に予見していた。96年の将棋年鑑の棋士アンケートで、「コンピュータがプロ棋士を負かす日は来ると思うか? 来るとしたらいつか?」という問いに、大半の棋士が否定する中、「2015年」と答えている。

 ――よく聞かれることだと思いますが「2015年発言」の真意を。もう、来年です。

 「う〜ん、いやぁ、アンケートを書いたときも、別に深く考えずに適当に書いただけなんで・・・・・・(苦笑)」

 ――適当、ですか? 
 「ハハッハハッ。いや、ただ、コンピュータそのものの進歩と比例して、必ず強くなる日が来ると思ってはいましたが・・・・・・」

423名無しさん:2015/06/14(日) 22:24:21
>>422

2%のレベルでしか人間は将棋をわからない
 ――同じ時期の『将棋世界』(95年12月号)のインタビューで面白いやりとりがあります。「強いコンピュータが出てきたらやりますか?」と聞かれ、「やります。ただ今のレベルではちょっと・・・・・・」と口ごもる。聞き手が「今の(弱い)コンピュータは論外です」と言ったら、「いや、そういう意味じゃなくて、人間のレベルが大したことない」と答えている。ウィンドウズ95が出たばかりの時点で、コンピュータより人間のレベルが低いと認識していたというのは驚嘆します。覚えてますか? 
 「(はいはいはい、と聞いていたが)いや、覚えてません(笑)」

 ――(笑)

 「そんな、20年前に何言ったかなんて、全く覚えていませんよ(笑)。い〜やぁ、そんなこと言いましたか・・・・・・違う人が言ったんじゃないですかね?」

 ――(爆笑)

 「ハハッハハッ。いやぁ、言いましたか、はぁ・・・・・・まあ、ただあれですよ、例えば、人間が将棋そのものを物凄く深くわかっているかと言われたら、それほど深くはわかっていないということは、やっぱりあるわけですよ。どう言ったらいいんでしょうかね、こう、莫大な量の可能性のある局面があって、棋士がいくら子どもの頃からやっていると言っても、出会った局面というのは、その1%にも満たないような局面しか見ていないわけじゃないですか」

 ――可能性のある手の数は10の220乗と言われて、ま、とにかく天文学的な数字になる。

 「ええ。で、残りの局面はまだ見ていないわけで・・・・・・また、こういうことも言えるんですよ。結局、プロの棋士たちは、間違えにくい局面をいかにして作っていくかを考えているとも言えるわけですね。でも、将棋の全体像から見れば、そうじゃない局面が圧倒的に多いので。そういう局面で正しく対応できるかどうかは、全く別な話ではあるんです・・・・・・まあでも、その発言は忘れてましたから、今更聞かれてもわかりません(笑)」

 ――ただ、そのときに「今の人間のレベルが2%くらいではコンピュータに凌駕される可能性もある」と言っていて、「だから人間がもっとレベルを高めないとダメです」と。その2%というのは、人間がそれくらいしか将棋をわかっていないということですね。

 「ああ、そうですね。あの、こういうことはよくあるんですよ。例えば、プロの将棋は難しいと言いますよね。それは一理あるんですけど、一面では違うところもあって。覚えたての人のほうが、難しい将棋を指していることもあるわけです」

 ――ほぉ。

 「うん。覚えたての人はメチャクチャやるから、メチャクチャな局面になるんですよ。それを途中からプロの棋士が任されて、正しい手を瞬時に選ぶのはかなり難しいと思います。綻びだらけだから、どこから手をつけていいかわからないんですよね。プロはそういう局面に出会わないようにしているからこそ、正しい手を選べるというのもあるので。人間がよくわかっていないというのは、そういうこともあるわけです」

 ・・・・以下、次回へつづく(次回の掲載は6月13日を予定しています)

----------
高川武将(Takagawa Takeyuki)
1966年東京都生まれ。新聞社、出版社を経て、フリーランスのルポライターに。スポーツを中心に『Number』等で骨太のノンフィクションを多数執筆。2010年の竜王戦から羽生善治の取材を続け各誌に寄稿している。
----------

 『G2(ジーツー) Vol.19』
(講談社MOOK/税別価格:900円)

 『G2(ジーツー)』は雑誌・単行本・ネットが三位一体となったノンフィクション新機軸メディアです。今回目指したのは、アメリカの雑誌界の最高峰『ザ・ニューヨーカー』。新しいノンフィクション、新しいジャーナリズムの形を示そうと、『G2』第19号は何から何まで大幅にリニューアルしました。

 執筆者/奥野修司 清田麻衣子 黒川祥子 佐々木実 佐藤慶一 柴田悠 高川武将 西村匡史 野地秩嘉 福田健 安田浩一 飯田鉄(順不同)

 => Amazonはこちら
 => 楽天ブックスはこちら

高川武将,G2

424名無しさん:2015/06/14(日) 22:30:37
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150613-00043674-gendaibiz-soci
羽生善治が将棋を突き詰めた結果たどりついた境地 G2レポート 棋士道・羽生善治「将棋」の神に極意を質す(その5)
現代ビジネス 6月13日(土)11時1分配信

 発売中のノンフィクション雑誌『G2(ジーツー)』第19号に掲載後、大きな反響を呼んだ記事「騎士道 羽生善治」。ルポライター・高川武将が6度のロング・インタビューを通じて「羽生善治の本心に迫ろう」とした、文字どおりの「言葉の対局」です。原稿が予定の80枚を大幅に超える160枚に達したこともあり、誌面に載せきれなかった「後半」をおよそ2週間にわたって随時掲載していきます。棋士とルポライターの真剣勝負をご堪能ください(G2編集部)

 ▼羽生善治「将棋の神」に極意を質す(その1)〜(その4)はこちらからご覧ください
 (その1) => http://gendai.ismedia.jp/articles/-/43587
 (その2) => http://gendai.ismedia.jp/articles/-/43595
 (その3) => http://gendai.ismedia.jp/articles/-/43598
 (その4) => http://gendai.ismedia.jp/articles/-/43661

 * * *

 (文・高川武将)

ゼロからでも独創的なことが出来るかも知れない
 およそ2年ぶりに会った羽生は、どこか微妙に「感じ」が変わっていた。言葉にするのは難しいが、親近感というか、人間らしいというか・・・・・・。話題がコンピュータ将棋だからかも知れないが、最初の取材で感じた敗北感や違和感は感じられず、妙にかみ合ってしまう。それがいいのか悪いのか・・・・・・そんなこちらの気持ちとは関係なく、スーツの上着を脱ぎ半そでのYシャツ姿になった羽生は、楽しそうに話し続ける。

 ――人間は、最大の特長である読みの省略で、コンピュータと勝負出来るんでしょうか。

 「う〜ん、そうですねぇ。いや、多分、出来ないと思います。まあ、何百万手も読むより、10手、20手で結論を見出していくほうが、思考としては洗練されてはいます。でも、そのやり方が常に万能か、有効かと言われたら、違うんでしょうね、多分」

 ――現時点で人間の独自性はこれだ、と言うのは難しい? 
 「そうですね、うん・・・・・・独創的なこととか、創造的なことってありますよね。この前の電王戦でコンピュータの指した変わった手が、その後、プロの間で流行ってるんですよ。だから・・・・・・(突然笑い出し)コンピュータのアイディアに人間の戦法が影響を・・・・・・(笑)」

 ――立場が逆転しちゃってる。

 「ええええ(笑)影響を受け始めていて。毎年、将棋界では、一番画期的なアイディアを出した人に『升田幸三賞』という賞をあげてるんですけど、あれ、獲ってもおかしくない。もしそうなったら誰にあげるのかって、ちょっと思ったりして(笑)。それが獲るかは別にして、本当にそういうことが起きるかも知れないですからねぇ」

 ――起きるでしょうね、そのうち。

 「うん。だから何か・・・・・・いや、そのことのほうが、ひょっとしたら、凄く不思議なことが起こり始めているんだなぁ、と」

 ――なるほど。じゃあ、その独創性というものが、もしかしたら・・・・・・。

 「人間だけのもの、ってことではないのかも知れないですよねぇ」

 ――そうか、そうすると何を・・・・・・。

 「そう! (人間が)何を立つ瀬にするか、という問題は起こるんですよ。いろいろ考えさせられるんですよ、凄く、非常に」

 ――言葉にすれば、独創性とか、発想とか、自由度とか、そういうことでしょうけど。

 「そうですね。言語化していくのは難しいかも知れないですけど、じゃあ、その発想やアイディアの源は、本当にその人がオリジナルで生み出したものなのか、という問題もあるわけです。つまり、自分が過去に学んだものとか、覚えたものから、ちょっとアレンジしたり、今までにない組み合わせとして出ていることもあって、むしろそのほうが多いわけで・・・・・・究極の意味での独創性、創造性とは何なのか、ということにも突き当たる話なんですよ」

 ――根源的な命題が問われている。

 「ええええええ。ということだと思います。だって、コンピュータにそれが出来るということは、(人間も)同じことのはずなんで。画期的なアイディアが現れるということは、何かを生み出すものが全くなくても、ゼロからでも独創的なことが、もしかしたら出来るかも知れない、ということじゃないですか」

 ――うん・・・・・・。

425名無しさん:2015/06/14(日) 22:31:05
>>424

コンピュータによって人間の思考プロセスも浮き彫りになる
 私は、何かとてつもないことを聞いたような気がした。コンピュータが莫大な計算力から生み出した独創的な手を見て、人間でも出来るかも知れないと、羽生は言っているのだ。前のめりになり、夢中で話す姿は、まるでその日に発見したことを全て伝えようとする子どもにも似ていた。

 ――コンピュータ将棋の話をしていると、本当に楽しそうですね。面白いですか。

 「面白いというかですね、どう言ったらいいんでしょうかね、何か・・・・・・変な状況だと思うんです」

 ――あ、変な状況。本当に。

 「ええええええ、何か、変な状況なんだなぁということは、かなり、実感としてもっていますね・・・・・・いや、というのは、つまり、将棋のような世界でこんなことが起こってるということが、凄く変な状況という気がしますよね。昔からある伝統的な世界で、コンピュータのようなテクノロジーとどう対峙していくかという時代を迎えているのは、凄く特殊な状況かなぁという気はしますね」

 ――人間に問われているものとは何でしょう。

 「そうですね。コンピュータの思考プロセスは、基本的にはわからない。でも、将棋を通してみると、それが少しわかりやすくなるのかなと。それは逆に、人間が死角や盲点と言われる手をなぜ思いつかなかったのか、より鮮明にされることにもなるんじゃないか。つまり、違和感があって指せない手をコンピュータに指されたとき、どうしてその手を思いつかなかったのかを考えていくと、逆に人間の思考プロセスも見えてくるというところがあるのかな、と。思考の幅やアイディアが広がって、将棋の可能性を指し示すことになるとは思っています」

 ――人間がより将棋を深められると。いいことばかりですか。

 「いや、どうしても相容れない部分もあると思います。コンピュータ的思考を取り入れていくと、元々人間が使っている考え方や発想を殺してしまうことにもなるので。そこに凄く難しさもあるんですよね。簡単に言うと、人間がある手を思いつかないのは、美的センスに合わないからとも言えるんですよ」

 ――美意識ですね。

 「ええ。コンピュータ的思考をどんどん受け容れてしまうと、その美意識が崩れていくことになる。それが本当にいいことなのかどうかという問題はあるわけです。全く間違った方向に導かれてしまう危険性もあるんです」

 ――楽観はできない。

 「と、思っています」

 ――人工知能も数年後には人間を超えるようなものが出来ると言われてますが、コンピュータが主になって、人間が従になってしまうような状況にもなり兼ねない。

 「私はこんな風になると思うんですよ。例えば、コンピュータが確率的に60%と40%でこの手が有効だ示したら、人間はもっと高い比率で、90対10とか95対5くらいに分かれちゃう。そこは逆に、創造性とか多様性を縮めてしまう可能性は確かにありますね。ただ、世の中には必ず天邪鬼的な人はいますから、ゼロにはならないと思うし、少し不利とか、少しダメと言われるほうに可能性があるというのも、事実だと思ってますが」

 ――人間の美意識が問われている。

 「変わっていくんだと思います。今まではこの形が綺麗だとか歪だと思われていた感覚が、変わっていく・・・・・・どう言ったらいいのか難しいんですけど、将棋の概念が変わってくる。今まで将棋ってこういうものなんじゃないかと思っていたものとは違う概念が出てくるんじゃないか、という気はしていますね」

426名無しさん:2015/06/14(日) 22:31:43
>>425

確実な一手を選ぶことだけに集中する
 羽生にとって、将棋とは何なのだろう。

 将棋に闘争心は要らない、何と闘っているかを突き詰めてはいけない。勝つことに意味はない。だから、目の前の対局から新しい発見を探している。どうせ観るなら面白いドラマを観たい・・・。

 ここに羽生のモチベーションの根幹があるのは、わかっている。だとしても、改めて聞かずにはいられない。年が明けた今年の2月上旬、都合6度目となるインタビューで、核心に迫ってみた。

 ――当初、話を伺ったとき、何と闘っているのかと聞いたら、突き詰めてはいけない、答えはないから、と。あれからずっと思っているのですが、自分との闘い、あるいは将棋そのものとの闘いはないのですか? 
 「そうですね。もちろん、やっていることは勝負であり、全部が全部を闘いじゃないとは思わないです。ただ、そのプロセスの中で、闘争心みたいなものは必要じゃない・・・。いや、だから、ちょっと矛盾した言い方になるんですけど、勝つために、勝とうという意思はそれほど必要ではない、むしろ邪魔になってしまう。そこはちょっとパラドクスですけど、でも、間違いなくあるんですね」

 ――逆説ですね。

 「まあ、そこは答えようとすると、どうしても矛盾が生じてしまうんですけど・・・」

 ――ということは、自分との闘いはある? 
 「まあ、そうなんですけど・・・」

 ――あ、そういうのも、もうないんですか。

 「いえ、そういう葛藤を生じさせない努力が必要っていうか。そういうのも大事ですよ、大事ですけど・・・」

 ――あって当然ですよね、究めようとしたら。

 「あるんですけど、そういうものは持たないほうがいい状態で臨めるということですね」

 ――そういう葛藤を生じさせないためには、どんな工夫、考え方を? 
 「そうですね。まあ、そういうことを考えないようにするということもあるでしょうし、局面そのものに集中してしまうということもあるでしょうし。何ていうか、そこに重きを置かないというのが、やっぱり、一番いい方法なのかなとは思いますが」

 ――では、将棋そのものとの闘いはないんですか? 
 「どう言えばいいんでしょうかね、将棋は必ず一手を選ぶわけじゃないですか。そこで、勝とうが負けようが、ちゃんとした一手を選べばいいんですよ。その一手を選ぶことに集中する。それが繋がっていけば、結果的に勝ったとか、闘ったとなるかも知れないですけど、目の前の一手を考えるとき、そこには勝負も闘いも何もないですよね。突き詰めたら、闘っているのかも知れないし、勝つためにやっているのかも知れないですけど、一つ一つのプロセスの中には、そういうものは介在しないというところですね」

 ――将棋はよく一本の線を引いたように指すと言いますが、常に点の集積であると。

 「フラットに考えているということもあるし、将棋は一手だけで勝てることはないわけですよね。最初の局面から一手動かしただけで勝てることはない。ということは、勝つことじゃなくて、場面場面で均衡を保つことに全力を費やす。それを繰り返していくほうが、アプローチとしてはいいんじゃないかなと」

 ――年齢を重ね、経験を積んでいく中で、そういう考えになってきた? 
 「沢山の対局の中でいろいろなアプローチを試みてきて、こういうやり方が一番いいんじゃないかなと。今の時点では思っているということですね」

 ――10代の頃は「今が全て」と一喜一憂していた。当時はやはり、勝つことに・・・。

 「勝つことというよりも、読むことですよね。とにかく虱潰しに読んでいくという。効率は悪いんですけど、他にアプローチの仕方がないので。もう、しようがないから、虱潰しにいくっていう」

 ――それが30代に入った頃から、感覚を重視するように変わってきた。どこかで読みだけではダメだと感じたんですか。

 「いや、違う方法もあるんじゃないかな、という感じですね。読みだけではダメということはないと思います。読みだけでも、十分闘えるとは思うんですけど、他のアプローチもありますね」

427名無しさん:2015/06/14(日) 22:32:21
>>426

 ――大山さんの晩年に対局して、ほとんど読んでいないことを感じた。

 「そういうやり方もあるということは、もう、10代のときから知ってはいました。でも、すぐに真似できるわけではないので。でも、知ってはいました」

 ――25歳で七冠を制覇した後、目先の勝負には拘らない、と。

 「何というか、それはそのときからというわけではないんですけど、ただ、棋士が非常に長い歳月をかけてやっていくものだと思うようにはなりましたね」

 ――将棋の真理を追究する方向に。よりその志向性が強くなったということですか。

 「実際にその頃から、新しい形とか見たこともない手が出てきて、それは今もあるわけで。そこにどう対処していくかということは、常に考えているところですね」

 ――そこには、長期的にトップで続けたいという思いもある? 
 「もちろん、結果としてそうであれば一番いいですし、まあ、そういう気持ち、姿勢は常に持っていたいとは思っていますが」

428名無しさん:2015/06/14(日) 22:32:40
>>427

葛藤を抱えることは織り込み済み
 いつになく緊迫したやりとりは、さらに続いた。私は長年思っていた疑問をぶつけてみることにした。

 ――勝つことと真理の追求は究極の理想ですが、矛盾はしませんか? 
 そう尋ねると、羽生の顔つきが一瞬、明らかに変わった。

 「矛盾しないというか・・・」

 ――考えているとわからなくなってくるんですよ。ケースによっては、矛盾するんじゃないかとか、いや両立するんだとか、でもやっぱり矛盾するんじゃないかとか・・・。

 「いや・・・すっぱり割り切って答えられないです、その質問には・・・」

 ――そうですか・・・。

 「どう言ったらいいんですかね、確かに、場面によっては矛盾しているときもあります」

 ――やはりそうですか。時には勝負を度外視して指すこともあるし、逆に・・・。

 「勝つためのこの一手が、真理とは違う、と思うときも確かにあるので」

 ――ああ、わかっていて指すんですね。

 「ということもあるので。だから、やっぱり、そこは全てが整合性を取れているわけではないんです、ええ」

 ――常に葛藤を抱えている。

 「いや、だから何ていうか・・・そういう葛藤が生じたり、ミスが生じたり、思いがけないことが起きるのは、もう、諦めてるんです」

 ――ああ、諦めてる・・・。

 「ええ。もう致し方ないことで。そこは、何て言うんでしょうかね、将棋は偶然性は入らないルール設定にはなっていますけど、自分の構想とか、思い描いたビジョン通りにいかないことも含まれていることを前提に考えてるんです。多少の齟齬が生じても、自分が受け容れられる範囲であれば、オッケーとするくらいの気落ちで捉えているというか。四角四面に全てを枠内にきっちり入れるのではなくて、誤差、ズレ、ブレみたいなものは許容するように・・・」

 ――白黒はっきりするのではなく、常にグレーゾーンはあるものだと。

 「もう、もう、そこは、ある程度はしようがないという割り切りの仕方はしてます」

 ――でも、七冠制覇して以降、目指してきた棋士としての方向性そのものが、迷いや悩みの要因になったということはないですか。

 「いや、それは常に何かしら迷うとか、悩むっていうことはありますよ。それはどんなに勝とうが負けようが、変わらないことだと思います。やっぱり、常に何かあります」

429名無しさん:2015/06/14(日) 22:33:26
>>428
心は常に対局を通して磨かれる
 ――そういう中で生まれてきた逆説的な考えが非常に面白いし、真理を突いていると思うんです。象徴的な考えが「他力」。これは羽生さんが35歳の年に出版した『決断力』という本から、徐々に言うようになっている。その概念はどういう経緯を経て、羽生さんの中で大きくなってきたんですか。

 「それは、将棋をずっとやっていく、上達していくプロセスの中で、自然と身についてくるんですよ。それについて学ぶんじゃないですよ。つまり、将棋が強くなることを突き詰めていくと、必然的にぶつかるんです。結局、自分で何かをするんじゃなくて、相手の手や力を使って反撃するとか、一手待つという指し方を覚えないと、あるところからは絶対に強くなれないので。そこはどうしても。手を渡すとか、他力が重要になるというのは、将棋をより理解していくと、必ずそういう局面や場面に出会うことになりますね」

 ――将棋を理解していくと。間合いの詰め方とか、武道に近いですね。

 「そうですね。やっぱり、そういうものが生まれてくる共通のバックグラウンドなり、何かがあるんでしょうね」

 ――かつての剣客は、命のやりとりを繰り返した挙句、一様に禅の世界に行き着く。剣禅一如という。理解出来るのでは? 
 「いや、そこまで深くは理解出来ないですけど(笑)。まあ、そういうものなのかなというくらいの捉え方ですよね。考え方や発想を突き詰めていくと、そうなっていくのはわかります。力が入りすぎてしまうよりも、何も思わないほうがいいとか。やっていることのプロセス、心構えみたいなものは、共通するものがあるんだろうなと思いますけど」

 ――やっぱり、心ですよね。羽生さんが逆説的な表現をしていることは心に関することです。心の重要性はずっと考えてきた? 
 「そうですね。具体的に一手を指すときに、やっぱり、心理とか気持ちに左右されるのは間違いない。本当に大きく影響するわけですから、必然的に考えますね」

 ――心は常に対局を通して磨いていく。

 「そうですね。反省して検証して、次はどうするかということを修正して、課題として考えることの繰り返しですよね。ただ、将棋は非常にわかりやすいところがあって、ミスをしたらミスをしたとはっきりわかる。繰り返しやっていくものとしては、やりやすいものだと思いますね」

 ――偶然性もあまり入らない。

 「入らないですし、団体競技でもないので。本当はミスだったけど結果的に上手くいってしまうようなことも、基本的に少ないので。そういう意味では非常に単純というか、わかりやすいと思います」

 ――ただそのときに、自己嫌悪になったり、自己否定に繋がることもあると思いますが。

 「ああ、そうですね。だから、自己嫌悪や自己否定にならないように進歩させていく、メンタル面を上手く上げていく、そこを含めてどうするかと思ってますけど・・・」

 すると、一瞬の間を置いてから、羽生はつくづくといった感で言った。

 「でも、何百回、何千回やろうが、完璧になるってことはないですよ。多少はよくすることは出来るかも知れないですけど、どんなに工夫しても、失敗するときは失敗するし、焦るときは焦る。不安、迷い、恐怖は常にあって、完全に打ち克つことは出来ないです」

 ・・・以下、次回へつづく(次回の掲載は6月15日を予定しています)

----------
高川武将(Takagawa Takeyuki)
1966年東京都生まれ。新聞社、出版社を経て、フリーランスのルポライターに。スポーツを中心に『Number』等で骨太のノンフィクションを多数執筆。2010年の竜王戦から羽生善治の取材を続け各誌に寄稿している。
----------

 『G2(ジーツー) Vol.19』
(講談社MOOK/税別価格:900円)

 『G2(ジーツー)』は雑誌・単行本・ネットが三位一体となったノンフィクション新機軸メディアです。今回目指したのは、アメリカの雑誌界の最高峰『ザ・ニューヨーカー』。新しいノンフィクション、新しいジャーナリズムの形を示そうと、『G2』第19号は何から何まで大幅にリニューアルしました。

 執筆者/奥野修司 清田麻衣子 黒川祥子 佐々木実 佐藤慶一 柴田悠 高川武将 西村匡史 野地秩嘉 福田健 安田浩一 飯田鉄(順不同)

 => Amazonはこちら
 => 楽天ブックスはこちら

高川武将,G2

430名無しさん:2015/06/20(土) 21:24:28
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150615-00000561-san-cul
86期棋聖戦、16日に第2局 将棋
産経新聞 6月15日(月)20時59分配信

 羽生善治棋聖(44)=名人・王位・王座=に豊島将之七段(25)が挑戦している産経新聞社主催の将棋タイトル戦「第86期棋聖位決定五番勝負」の第2局が、16日午前9時から石川県能美市の辰口温泉「まつさき」で行われる。持ち時間各4時間の1日指し切り制。立会人は大内延介九段と飯田弘之六段。

 開幕局は、羽生棋聖が先勝して歴代最多の8連覇に向けて好スタートを切った。対する豊島七段は、初登場の棋聖戦でタイトル初獲得を実現するため背水の陣で臨む。

 熱戦の模様は産経ニュースでライブ中継される。

431名無しさん:2015/06/20(土) 21:25:00
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150615-00000133-sph-soci
女流棋士目指すカロリーナさん、予選敗退も日本語は上達
スポーツ報知 6月15日(月)22時4分配信

 外国人初の将棋女流棋士を目指しているポーランド出身のカロリーナ・ステチェンスカさん(23)が15日、東京都渋谷区の将棋会館で行われた第5期リコー杯女流王座戦2次予選で中井広恵女流六段(45)に92手で敗れ、本戦(ベスト16)入りを逃した。

 一昨年に単身来日し、山梨学院大に通いながら女流棋士養成機関「研修会」に在籍しているカロリーナさん。相川春香女流初段、伊奈川愛菓女流初段に連勝して1次予選を突破した。2次予選では、タイトル獲得通算19期を誇る女流棋界のレジェンドを相手に得意の中飛車で立ち向かったが、終始ペースを握ることが出来ずに敗れた。

 局後は、少しずつ上達を見せている日本語で「勉強になりました。中井先生は強かったです。緊張するのは良くないことと分かっていたので、相手が強いことは分かっていましたが、緊張せずに頑張りたい気持ちでした」と振り返った。一方の中井は「感想戦でも読みがしっかりしていると感じましたし、プロになっていてもおかしくない力はあると思います」と評価した。

 「聖地」と言うべき特別対局室で初めて単独での対局を行ったカロリーナさんは「掛け軸に富士山が描かれていたので、落ち着きました。山梨に住んでいるので、いつも富士山を見ているので」とユーモアを交えて語った。

 28日に行われる研修会での4局で3勝以上をあげれば、晴れて女流棋士の仮資格(女流3級)を得る。「(女流棋士になることは)もうマジックじゃないと思っています」。実力者の胸を借りたことを自信に変え、快挙に挑む。(北野 新太)

432名無しさん:2015/06/20(土) 21:26:15
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150616-00043677-gendaibiz-soci
羽生善治の一局のみに集中する姿に超越した思考の片鱗を見た G2レポート・棋士道・羽生善治(その6)
現代ビジネス 6月16日(火)6時2分配信

 発売中のノンフィクション雑誌『G2(ジーツー)』第19号に掲載後、大きな反響を呼んだ記事「騎士道 羽生善治」。ルポライター・高川武将が6度のロング・インタビューを通じて「羽生善治の本心に迫ろう」とした、文字どおりの「言葉の対局」です。原稿が予定の80枚を大幅に超える160枚に達したこともあり、誌面に載せきれなかった「後半」をおよそ2週間にわたって随時掲載していきます。棋士とルポライターの真剣勝負をご堪能ください(G2編集部)

 ▼羽生善治「将棋の神」に極意を質す(その1)〜(その5)はこちらからご覧ください
 (その1) => http://gendai.ismedia.jp/articles/-/43587
 (その2) => http://gendai.ismedia.jp/articles/-/43595
 (その3) => http://gendai.ismedia.jp/articles/-/43598
 (その4) => http://gendai.ismedia.jp/articles/-/43661
 (その5) => http://gendai.ismedia.jp/articles/-/43674

 * * *

 (文・高川武将)

?羽生の前に立ち現われた「二つの世界」
 自らに言い聞かせるように、何度もうなづく姿を見て、私は意外に思った。最初のインタビューをしてから5年。抱え続けてきた心の葛藤を、ここまで率直な言葉で聞いたのは初めてだったからだ。やはり、羽生の中で何かが変わっている・・・。

 それはこんな二つのやりとりにも表れていた。一つは「狂気の世界」についてである。

 ――若い頃は「狂気の世界」に入らないとしながら、ある種の憧れに似た気持ちもあったと思いますが、初めて話を聞いたとき「あり得ない」と。まともに日常生活を送るためだけじゃなく、将棋の内容がよくなるからと。狂気の世界に入ってしまえば、むしろ楽になる。周りに理解されなくてもいいとなって。

 「まあ、そうでしょうね」

 ――だから、本当にいい将棋を指していくために、踏みとどまってきたわけですよね。

 「そうですね・・・。まあ、どっちでもいいと言えば、どっちでもいいんですけど(笑)」

 ――どっちでもいい? 
 「わかりません、それは。どっちがいいかは」

 ――ああ、どっちがいいかは・・・入ったほうが、いいかも知れない? 
 「ええ。どっちがいいかはわかりません」

 うなづきながらそう言うと、羽生は、しばし沈黙した。

 もう一つは、船井、桜井らとの交流についてである。

 ――船井さんや桜井さんらに求めていたのは、直感や閃き、運や流れをどう掴むかという論理では割り切れない無意識の領域のことですね。基本的に将棋に偶然性は入らないけど、「データやセオリー、経験すらも役立たない場面が必ずある」から。その非合理の領域を合理的に解釈しようとしてきたわけですよね。

 「そうですね。でも、それもいろいろ考えたんですけど、結局、自分の経験を元にしてやるのが一番いいと思いました。決して他の人の考え方や発想がダメということじゃないですよ。でも、自分の経験を元に考えるのが一番いい方法のような気がします」

 ――ああ・・・では、原点に還ったと。

 「ああ、そうですね。うん、それは非常に・・・例えば『雀鬼』の桜井さんとは、今もお付き合いはありますけど、桜井さんの言うことを真似しようったって無理なんですよ(笑)。もちろん、参考になることはありますけど。結局は自分の経験しかないのかなと」

 ――そうなったのは最近ですか。

 すると羽生は、涼しげな微笑さえ浮かべて言った。

433名無しさん:2015/06/20(土) 21:26:39
>>432

残された時間で羽生がつくりたい価値とは?
 「まあそれは、棋士の習性ですね」

 羽生に原点回帰をもたらしたものとは、何だったのだろう。

 以前、引き際について聞いたとき、羽生は「自分の指したい気持ちだけでは出来ない。何か価値を作り出さないとプロでいる意味はないと思っている」と言っていた。

 ――今、4つもタイトルを持っていますけど、これが永遠に続くわけではない。

 「もちろん、そうですね。はい、はい」

 ――では、残された時間で、これから作りたい価値とは何ですか。

 そう尋ねてみた。記録でないことはわかっていた。かといって、歴史に残る棋譜を作るということでもないような気がした。羽生が返してきた答えは意外なものだった。

 「そうですね、やっぱり、一回の対局やタイトル戦も、いつまでもあるというわけではないので、その一局、一手を大切にする気持ちは、最近のほうが凄く強いです。20代のときは、何かを失ってもまだ先があると自然に思えたんですけど、さすがに40代になるとそうはいかない。特にタイトル戦はこれが最後になるかも知れない、その一回を大切にしたいという気持ちで指しています。それと・・・将棋をいかに上手く、次に繋いでいくかを考えています」

 ――上手く繋いでいく? 
 「ええ。将棋は今のルールになってからでも400年も続いている伝統的な世界ですけど、50年後も100年後も、日本の伝統文化として残っていって欲しいという気持ちはあります。ただ具体的にどういう形になるかは、全く想像できない。コンピュータの影響もある中で、少なくとも、他の古典芸能と同じような継承のされ方ではないという気はしますね。どういう風になるかはわからないですけど、自然なものとして、生活の一部として残っていって欲しいな、と思っています」

 羽生に原点回帰させたもの――。それは棋士としての残り時間への危機感と、コンピュータ将棋の進化による将棋の激変そのもののようだった。

434名無しさん:2015/06/20(土) 21:27:05
>>433

やはり勝てなければ意味がない
 4つもタイトルを保持しているのに危機感があるのは意外でもあったが、よく考えてみれば当然のことだ。

 40代の棋士の誰もが、加齢による衰えと向き合いながら、目の前の1局に勝つことに必死でいる。羽生も人間なのだ。そこにコンピュータ将棋による激変が加わり始めた。大好きな将棋がどうなっていくのか。自分の眼で確かめられるのか。そんな終わりの始まりを意識している・・・。久しぶりに会った羽生に、親近感を感じたのも、そういうことだったのかも知れない。

 ――あらゆる世界で達人と言われる人も、ある境地に達した時には高齢で、死ぬ直前だったりしますね。

 「アスリートの人は特にそうだと思うんです。メンタル面は引退する直前くらいが一番いいんじゃないですかね。だけど、残念ながら肉体がついていかない。非常にもどかしい思いをするんでしょうね」

 ――そうですね。そこが本当にもどかしい。

 「うん。本当に身心が合致する時期は凄く短いし、簡単なことではないんだなと思いますね。そうなんですね・・・いやだから、むしろこれから、葛藤が増えるのかも知れないですね。それは確かに思います・・・」

 ――でも、これだ! というような境地を得た瞬間は、多々あるのでは? 
 すると羽生は、こんな話を始めた。

 「大山先生の将棋で非常に印象深い一局があるんです。69歳で亡くなる前年のA級順位戦で、これで負けたらA級陥落して引退という一局で。中盤で物凄く不利になるんですけど、とんでもないギャンブルのような手を指して、最後の最後で逆転勝ちするんですね。だけど、50年も60年もやっていると、普通はそういうことは出来なくなると思うんですよ。ブラフはダメだとわかっているから。それを成立させてしまうというのは凄いなと・・・。だから、沢山の経験をしてわかっているつもりでも、本当のところでは・・・つまり、それが実戦で役に立たなければ意味がないことなので、どうなのかなぁって思うんです」

 どうなのかなぁ・・・実感のこもった呟きを聞き、天啓のように思った。
この人は勝つことから逃れられない、いや勝つしかないんだ・・・と。

 どんな境地に達したとしても、勝てなければ意味がないと、羽生は言っている。闘うものや勝つことの意味を突き詰めないのも、大きな葛藤を抱え続けているのも、全ては勝つことを前提に考えているからだ。彼は勝負を超越などしていない。むしろ勝つことに誠実なのだ。それが将棋だからだ。

435名無しさん:2015/06/20(土) 21:27:33
>>434

予想が当たらない、相手とかみ合わない勝負こそ面白い
 ――将棋の本質とは何でしょう。

 「そうですね・・・でも、コンピュータの進歩で、また次の扉が開いているという気がします。コンピュータがいろいろな手を指し示すようになって、それから先、どうなっていくのか・・・。自分でも想像のつかないことが、今、始まっているという感じですね」

 ――そういう現状の中、自分はどうしていこうと? 
 「考え中です」

 ――考え中ですか(笑)

 「コンピュータの及ぼす影響にどう対処するかというのは、近々の非常に大きなところですね。つまり、コンピュータ的なものをどれくらい信用して使うべきなのか、やっぱり、選ばなきゃいけないことだと思っているので。今、言えることは、コンピュータは人間の死角を補うものであること。それは、決して万能ではない。だからといって、無視も出来ないということです。そこをこれから徐々に決めていくことになると思います」

 ――将棋の奥深さをさらに追求していく。

 「そうですね。作戦面では10年、20年前に比べると、格段に進んでいると感じます。でも、その鉱脈がどれくらいあるのか、ちょっとわからないんですよ」

 ――わからない。

 「つまり、石油の埋蔵量のように以前なら無尽蔵にあると言えたものが、コンピュータによって掘削技術が進んで、埋蔵量が増えるかも知れないし消えるかも知れない。そこはコンピュータの進歩と非常に密接に関係してくると、個人的には思っています」

 ――一つ思うのは、将棋は闘いである反面、対話や調和、親和ではないですか。

 「均衡を保つというのは、言葉を変えるとそういうことです。基本的に、どこかで必ず局面は崩れますけど、共通項はありますね」

 ――それこそ、相手と一つになるくらいの感覚があるのではないかと思ったんですが。

 すると羽生は、何かに気づいたような表情で、こんなことを言った。

 「考え方が一致するときはありますよ。完全にこの局面は一致していて、それは言葉にしなくても前提として感想戦で話しているんです。ただ・・・相手と同調することもあれば、噛み合わないこともあって、やっぱり、内容的に面白くなるのは噛み合わないときなんですよ。読みがズレたり、考え方が合わない、予想が全く当たらないときのほうが、将棋は非常にエキサイティングになりますね。基本的に将棋って、そういうものですから」

 そう言って朗らかに笑った。

 将棋とは何かを言葉にするのはまだ早いのだろう。コンピュータの思考によって人間の美意識がどうなるかはわからないが、噛み合わないからこそ、将棋は面白くなる。そんなまだ誰も観たことのない大海原を、羽生は既に視界に捉えているのだ。

436名無しさん:2015/06/20(土) 21:28:17
>>435

「役割はないです」
 取材終了の時間が迫っていた。

 ――では最後に。激変期に突入した将棋界にあって、棋士として、また人間として、羽生さんの役割は何だと考えていますか。

 何気ない問いのつもりだった。最後を締めくくるセリフになればいいという程度のものでしかなかった。だが、それがまたもや、私をうろたえさせることになる。

 羽生は素っ頓狂な声でこう言った。

 「役割ですか? 役割なんて、あるんですかねぇ・・・」

 ――えっ? 役割は、ありますよね・・・? 
 「自覚したことはないです」

 ――自覚したことはない・・・。

 「はい。まあ、普通に、自然にやります。役割はないですよ。自分の出来ることをやっていく、ということですね」

 まだ2月に入ったばかりだというのに、Yシャツ一枚でも汗をかくほど強い日差しが恨めしい。取材を終えて家路につく道すがら、私は途中駅で下車して、見知らぬ通りをふらふらと彷徨い歩いていた。途中で蕎麦をすすり、また歩き、コーヒーを飲み、また歩く・・・。

 「役割はないです」

 何度も立ち止まり考えたのは、羽生が明快に発した言葉の意味だった。

 それは一見、第一人者としてはあるまじき答えに思える。どんなジャンルでも、トップに長くいる人は、自分の役割や使命感を口にするものだ。例えばサッカーの日本代表で長く活躍すれば「日本サッカーのために」といった「大義」が自然と生まれてくる。羽生にはそれがない。だが、不思議と嫌な感じもしないのだ。

 何時間か歩いて、ようやく家に辿り着き、頭をクールダウンしようと缶ビールのプルトップを空ける。だが、何本呑んでも芯から酔うことはない。羽生の言葉が、その姿が、頭の中をぐるぐると回っている。

437名無しさん:2015/06/20(土) 21:28:27
>>436

全てを受け容れ、あくまでもフラットに
 羽生のインタビューをした後は、よく夢を見た。いつも決まった情景がある。場所はなぜか、江戸の町並みの一角。小さな川沿いの柳の木の下で、お茶屋にあるような長椅子に腰掛けて縁台将棋を指している。負かされる私、かっか大笑する羽生・・・。そんなことが何日も続いたある日、そもそも、なぜ自分は羽生に癒しを感じたのだろう、と思った。

 出会ったときの情景が浮かんでくる。歩いてくる羽生の透明感のある白い眼、取材前の資料読みの段階で感じていた癒し・・・そのときだった。「役割はない」という言葉の意味は、実はとてつもなく重いのではないか。私は慄然とする思いにかられたのだ。

 人間なら誰しもが自分の生きていく「役割」を設定したがる。当然のことだろう。何かのため、誰かのためという思いは、安らぎや居場所にも繋がるものだ。私が生き方に悩んできた根本も、自分のために生きるべきか、何かや人のために生きるべきかということにあったのだ。

 だが、「役割」は、ともすれば自分を限定する「言い訳」にもなるのではないか。将棋の世界は、結局は勝つかまけるかの弱肉強食の世界だ。その殺伐たる現状から目を背け、正当化し、意味づけするためのものでしかないのではないか。

 だが羽生は、自分を限定もしなければ、正当化もしない。勝つことしかないんだと、砂を噛むような寂寞たる現実をそのまま受け容れ、あの透明な白い眼で見ている。それは定跡や筋、先入観や美意識といった「規範」に頼らず、ひたすらその局面を読み続ける盤上の姿勢にも共通する。荒涼たる砂漠に立ち、その向こうにあるかどうかもわからないオアシスを見つめるように。だって、しようがないじゃないですか、と笑いながら。

 将棋に大きく影響された人生観について聞いたとき、羽生はこう話していた。

 「発想や考え方ですよね。ずっといい局面が続くわけじゃないし、ずっと悪い局面が続くわけでもない。その状況、状況の中で、常に何かやるべきことはある。相当フラットな視線で見ることが大事ということですね」

 40代ともなれば、人生の残り時間をも考えざるを得ず、またどこかで自分の弱さや限界をも感じている。心はいつも、理想と現実という矛盾を抱えて揺れている。その全てを受け容れ、あくまでもフラットに、目の前の局面を一生懸命考える。そこに私は癒されるのかも知れない。羽生ほど不器用で、無頼な人を、私は知らない。

 だが、どうだろう。私もいつも心に矛盾を抱えている。自分のためか、何かや人のためか、決められずに生きてきた。自分の心なんて自分でもわからない。目の前のことに一生懸命生きてさえいればいいんだ。羽生の心の在り処を探していくうちに、それは自分を探していたのだと、ようやく気がついた。

 あるとき、羽生にこんなことを尋ねた。

 ――羽生さんの話を聞いていると、気持ちが楽になる瞬間があるんですよ。どうしてだろうと思うんだけど(笑)。

 羽生はニコニコしながら言った。

 「う〜ん・・・それは、問題ですね・・・(笑)」

 ――問題、ですか? 
 すると、さらにニコニコしながら言った。

 「聞く相手を間違ってる・・・」

 ――間違ってますかね(笑)

 「うん。私にそんなこと聞いても、しようがないですよ、ハハッハハッハハッ」

 <了>

----------
高川武将(Takagawa Takeyuki)
1966年東京都生まれ。新聞社、出版社を経て、フリーランスのルポライターに。スポーツを中心に『Number』等で骨太のノンフィクションを多数執筆。2010年の竜王戦から羽生善治の取材を続け各誌に寄稿している。
----------

 『G2(ジーツー) Vol.19』
(講談社MOOK/税別価格:900円)

 『G2(ジーツー)』は雑誌・単行本・ネットが三位一体となったノンフィクション新機軸メディアです。今回目指したのは、アメリカの雑誌界の最高峰『ザ・ニューヨーカー』。新しいノンフィクション、新しいジャーナリズムの形を示そうと、『G2』第19号は何から何まで大幅にリニューアルしました。

 執筆者/奥野修司 清田麻衣子 黒川祥子 佐々木実 佐藤慶一 柴田悠 高川武将 西村匡史 野地秩嘉 福田健 安田浩一 飯田鉄(順不同)

 => Amazonはこちら
 => 楽天ブックスはこちら

高川武将,G2

438名無しさん:2015/06/20(土) 22:42:15
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150618-00000182-mycomj-ent
ドワンゴ主催の新棋戦名は「叡王戦」に決定、羽生四冠や渡辺棋王は出場せず
マイナビニュース 6月18日(木)22時17分配信

ドワンゴおよび日本将棋連盟は18日、2015年6月20日より開催する新棋戦の名称を「叡王戦(えいおうせん)」に決定したと発表した。これにあわせて、出場棋士全154名および全138局からなる段位別予選の組み合わせも公開された。

今回名称が決定した「叡王戦」は、段位別予選と本戦からなるトーナメント戦で、出場棋士はこれらを勝ち抜き、優勝者"叡王"を目指す。全現役プロ棋士159名中154名が出場する予定で、段位別予選は2015年6月20日〜9月下旬に実施。本戦は予選を勝ち抜いた九段4名、八段〜五段各2名、四段1名に、タイトル保持者の段位を加味した計16名により10月中旬〜11月中旬に行われ、12月には決勝三番勝負を開催。この対局の勝者が「第1期電王戦」に出場することになる。また、タイトル保持者からは、糸谷哲郎竜王と郷田真隆王将が名乗りを上げたが、羽生善治四冠と渡辺明棋王はエントリーされていない。

今回発表された「叡王戦」という名称は、niconicoのWebサイト上で実施された名称公募およびユーザー投票により決定。公募では3,422件の案が寄せられ、その中から選出された9件の候補でユーザー投票を実施。その結果「叡王戦」に決定したという。命名者となったBONYさん(埼玉県在住・32歳男性)は、棋戦名に込めた意味について、「これに勝ったものは電王と戦うのだから、人間の王と意味にしたい。ならば、人間しか持たない、知恵や叡智を競う将棋の頂点に相応しい称号を考えた」とし、「『叡』 という字には、明らか、聡明、物の道理に通じた、という意味(ニコニコ大百科による)がある。将棋の道理を人間とコンピュータがどちらが理解しているか、という意味もこめて」とコメントしている。

なお、初日に開催される開幕戦は、九段の予選トーナメント1回戦でスタートし、10時から森内俊之九段vs森下卓九段、14時から加藤一二三九段vs南芳一九段、19時からは勝者同士による対局が行われる。これらの対局の模様は、ニコニコ生放送で生中継される。このほか、出場棋士および段位別予選の組み合わせの詳細は、公式サイトまで。

439名無しさん:2015/06/20(土) 22:42:45
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150618-00000092-sph-soci
羽生名人、対コンピューター棋戦にエントリーせず
スポーツ報知 6月18日(木)15時17分配信

 日本将棋連盟は18日、「ニコニコ生放送」を運営するドワンゴとともに主催する新棋戦のエントリー棋士154人を発表した。優勝者がコンピューターソフトと対戦する新棋戦。動向が注目されていた羽生善治四冠(44)=名人、王位、王座、棋聖=はエントリーしなかった。

 男性棋戦としては史上初めてエントリー制を採用した本棋戦。四段から九段までの段位別予選を行い、各段位の上位者16人が本戦トーナメントに進出。優勝者が来年3〜5月の「第1期電王戦」でコンピューターソフトと2番勝負を戦う。コンピューター同士による「第3回将棋電王トーナメント」(11月21〜23日)の優勝ソフトとの対決となる。

 タイトルホルダーでは糸谷哲郎竜王(26)と郷田真隆王将(44)がエントリーしたが、渡辺明棋王(31)は羽生四冠と同様に参戦しなかった。

 また、棋戦名はユーザー投票によって「叡王戦(えいおうせん)」に決まった。20日の森内俊之九段(44)対森下卓九段(48)で開幕する。

440名無しさん:2015/06/20(土) 22:43:36
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150618-00000063-it_nlab-sci
ドワンゴ主催の新棋戦は「叡王戦」に 出場棋士も発表
ねとらぼ 6月18日(木)15時32分配信

 ドワンゴと日本将棋連盟が主催する新たな棋戦の名称が、「叡王戦」(えいおうせん)に決定した。出場棋士と組み合わせも発表された。

 叡王戦には全現役プロ棋士159人中154人がエントリー。タイトルホルダーでは糸谷哲郎竜王、郷田真隆王将が出場する。出場しないのは、羽生善治四冠、渡辺明棋王、有森浩三七段、堀口弘治七段、堀口一史座七段の5人。

 叡王戦は6月20日からスタートし、12月まで開催の予定。開幕戦は九段の予選トーナメント1回戦となる。午前10時から森内俊之九段vs森下卓九段、午後2時から加藤一二三九段vs南芳一九段、午後7時から勝者同士による対局を行う。対局の模様は、ニコニコ生放送で中継する。

 段位別予選、本戦、決勝三番勝負を勝ち抜いた優勝者には「叡王」の称号が授与される。叡王は、11月に開催する「第3回将棋電王トーナメント」で優勝した将棋ソフトと対局する「電王戦」に臨む。

 「叡王戦」の名称はニコニコのサイト上で実施した公募により決定。3422件の名称案が寄せられ、主催者が選出された9件からユーザー投票によって選ばれた。命名者はBONYさん(埼玉県在住・32歳男性)。名称について次のように説明している。

 「これに勝ったものは電王と戦うのだから、人間の王と意味にしたい。ならば、人間しか持たない、知恵や叡智を競う将棋の頂点に相応しい称号を考えた。『叡』 という字には、明らか、聡明、物の道理に通じた、という意味(ニコニコ大百科による)がある。将棋の道理を人間とコンピュータがどちらが理解しているか、という意味もこめて」

441名無しさん:2015/06/20(土) 22:44:11
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150618-00000065-zdn_n-sci
ドワンゴ主催の新棋戦は「叡王戦」に 優勝者がコンピュータと対局する新生電王戦 羽生名人は出場せず
ITmedia ニュース 6月18日(木)15時53分配信

 ドワンゴと日本将棋連盟は6月18日、ドワンゴ主催の新棋戦の名称を「叡王戦」と発表した。これまで団体戦で行ってきた「将棋電王戦」の発展形として、同棋戦の優勝者がコンピュータソフトと対局することになる。羽生善治名人、渡辺明棋王は出場しない。

 団体戦形式で行ってきた「将棋電王戦」を終了し、新棋戦を軸とした新たな形式でプロ棋士とコンピュータソフトの対局機会を作る。新生「第1期電王戦」は来年春、新棋戦の優勝者とコンピュータソフト同士の棋戦「電王トーナメント」の優勝ソフトが2日間制の2番勝負で実施する。

 棋戦名はニコニコユーザーから募り、Web投票で決定。応募総数3422件の中から「覇王戦」「賢王戦」「棋神戦」「一刀座戦」などを抑えて「叡王戦」が選ばれた。命名者は「これに勝ったものは電王と戦うのだから、人間の王と意味にしたい。ならば、人間しか持たない、知恵や叡智を競う将棋の頂点に相応しい称号を考えた」と込めた思いをコメントしている。

 新棋戦は全プロ棋士を対象としたエントリー制をとっており、現役プロ棋士159人中154人が出場することも発表された。タイトルホルダーとしてはすでに発表された糸谷哲郎竜王に加え、郷田真隆王将が参戦。羽生善治名人と渡辺明棋王は出場しない。

 予選は段位別で、初日の6月20日は、九段トーナメント1回戦が行われる。森内俊之九段 VS. 対森下卓九段、加藤一二三九段 VS. 南芳一九段の2局と、勝者同士の対局がニコニコ生放送で中継される。

 6〜9月に段位別予選、10〜11月に本戦、12月に決勝3番勝負を行う予定。決勝まで50〜60局をニコニコ生放送でライブ配信する。

442名無しさん:2015/06/20(土) 22:47:55
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150618-00000098-jij-soci
羽生四冠と渡辺棋王参戦せず=王者はソフト対戦者に―将棋「叡王戦」
時事通信 6月18日(木)17時12分配信

 ニコニコ動画などを運営するドワンゴ(東京都中央区)は18日、同社主催の将棋新棋戦の名称が「叡王戦(えいおうせん)」に決まったと発表した。勝者は来春の「第1期電王戦」でコンピューターソフトと対戦する。
 全現役プロ棋士159人のうち計154人が参加。羽生善治四冠(名人、王位、王座、棋聖)と渡辺明棋王は出場しないが、糸谷哲郎竜王と郷田真隆王将の2人の現役タイトル保持者が参戦する。
 叡王戦は今月20日から9月下旬まで段位別予選を実施。勝ち抜いた計16人が10月中旬から11月下旬に開催される本戦で戦い、12月に決勝が行われる。並行してソフト同士で戦うトーナメント戦が11月に行われ、その優勝ソフトと叡王戦の勝者の間で来春に「第1期電王戦」が行われる。 

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150618-00000067-mai-soci
<将棋>新棋戦「叡王戦」 勝者は電王戦へ
毎日新聞 6月18日(木)18時44分配信

 日本将棋連盟と角川グループ・ドワンゴは18日、新棋戦の概要を発表した。棋戦名は公募で「叡王(えいおう)戦」が選ばれた。20日から段位別に予選が始まり、本戦トーナメント、決勝三番勝負を経て、初代叡王が決まる。勝者は来年3〜5月、コンピューターソフトと二番勝負で争う「第1期電王戦」に出場する。

 参加は自己申告制。羽生善治名人、渡辺明棋王ら5人の棋士が申し込まず、計154人の棋士で競う。羽生名人、渡辺棋王は保持するタイトル戦と時期が重なるなどの理由で、出場を見送ったとみられる。【山村英樹】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150618-00050133-yom-ent
電王戦の新棋戦は「叡王戦」…羽生名人ら不参加
読売新聞 6月18日(木)19時5分配信

 ドワンゴと日本将棋連盟は18日、将棋ソフトと人間が対戦する第1期電王戦の棋士代表を決める新棋戦の名称を「叡王(えいおう)戦」と発表した。

 この叡王戦はエントリー制で、現役棋士159人中154人が参加するが、タイトル保持者では、羽生善治名人と渡辺明棋王は参加しない。段位別の予選が20日から始まり、12月に優勝者の叡王が決まる予定。

最終更新:6月18日(木)19時5分

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150618-00000561-san-cul
羽生4冠は参加せず 電王戦出場決める新棋戦 将棋
産経新聞 6月18日(木)19時34分配信

 将棋の羽生善治4冠(44)は、プロ棋士とコンピューターソフトが戦う第1期電王戦(来年3〜5月開催)への出場者を決める新棋戦に参加しないことになった。日本将棋連盟とドワンゴが18日、新棋戦に出場するプロ棋士を発表した。

 タイトルホルダーでは糸谷哲郎竜王と郷田真隆王将が参加するが、羽生4冠とともに渡辺明棋王も出場を辞退した。

 羽生4冠、渡辺棋王は、来年のタイトル防衛戦が電王戦とほぼ同時期に予定されていることなどから、出場を見送ったとみられる。

 新設される公式棋戦はエントリー制。優勝者は電王戦に出場し、ソフトと2番勝負を行う。新棋戦の名称は公募により、「叡王戦」に決まった。

443名無しさん:2015/06/20(土) 22:48:36
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150619-00000035-san-l15
「羽生VS豊島」棋聖戦 来月15日、岩室温泉高島屋で第4局
産経新聞 6月19日(金)7時55分配信

 羽生善治棋聖(44)=名人・王位・王座=に豊島将之七段(25)が挑戦している産経新聞社主催の将棋タイトル戦「第86期棋聖位決定五番勝負」の第4局が7月15日、新潟市西蒲区岩室温泉の「高志の宿 高島屋」で開かれる。第2局が終わって1勝1敗で、第4局も熱戦が期待できそうだ。現在、大山康晴十五世名人と並ぶ歴代最多の7連覇中の羽生棋聖が勝てば記録を更新、豊島七段が勝てば初戴冠となる。

                   ◇

 第2局は今月16日、石川県能美市で行われた。前半は互角の戦いだったが、後半、豊島七段が有利に持ち込み勝利した。第3局は7月4日、静岡県沼津市の沼津倶楽部で開かれる。

 本紙担当記者によると、羽生棋聖はベテランの域に入ったが、実力は図抜けており、若い棋士の高い壁となっている。

 一方、豊島七段は昨秋、2連敗から2連勝でタイに持ち込んだ王座戦より「強くなっている」(豊島七段)うえ、同世代で小学生時代から旧知の糸谷哲郎棋士(26)が竜王を獲得したことが刺激になっている。2人とも静かな闘志を燃やしており、第5局までもつれる可能性もあるという。

 高島屋はこれまでも、棋聖戦の舞台となってきた名旅館だ。前回は平成25年7月17日、棋聖戦第4局で羽生棋聖に渡辺明竜王(当時)が挑戦したが、羽生棋聖がタイトルを防衛した。

 今回も「常磐」を対局の間として、準備を進めている。立会人は田中寅彦九段、飯塚祐紀七段。

 前夜祭は7月14日午後6時から、会費1万円。羽生棋聖、豊島七段とともに高島屋の会席料理が楽しめる。定員60人で定員になり次第締め切り。

 棋聖戦をライブで楽しめる大盤解説会は15日午後2時半から。ワンドリンク付き2500円。開場は午前11時。別料金で昼食も用意している。いずれも申し込み・問い合わせは高島屋(電)0256・82・2001。

444名無しさん:2015/06/20(土) 22:49:42
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150619-00000032-asahi-bus_all
41歳プロ棋士入り、リスタートはできる 今泉健司さん
朝日新聞デジタル 6月19日(金)14時39分配信

■就活する君へ

 「自分の可能性にふたをしない限り年齢は関係ない」。今泉健司さんが昨年末、41歳で将棋のプロ入りを決めた後に語った言葉です。14歳のときに棋士を志してから27年。棋士への道は2度断念を余儀なくされ、そのつど新たに職を求めました。最後にたどり着いたのが介護の仕事。この経験が夢をかなえるきっかけとなりました。

     ◇

 ――この春、プロとしての一歩を踏み出しました。

 「ぼくの年齢は将棋界では『高齢』です。勢いのある若手に勝たなくては生き残れません。ただ、結果は出してみせます。その可能性を信じていなければ棋士を目指していません。たとえ打ちのめされても、何回でもやり直せばいいんです。人生、リセットはできないけど、リスタートはできるんですから」

 ――三度目の正直を果たせた要因は。

 「技術は『奨励会』のころもそんなに低くなかったと思います。1回目はあと1勝すればプロになれるという状況がありました。2回目には革新的な戦法を編み出した人に贈られる『升田幸三賞』を受賞することができたわけですから。ただ、精神的に未熟でした。プレッシャーに追い詰められて現実から逃避していたんです」

 ――どんな人にも通じそうな話です。

 「負けた後にパチスロとかのギャンブルに逃げてしまいました。対局相手に当たったこともありました。負けたのは自分に責任があるのに、他人のせいにしていました。これではプロになれるわけがありません。それに気づいたのは2回目の挑戦が失敗した後のことでした。36歳のときです」

 ――そういう心境になったきっかけは。

 「父の勧めもありヘルパーの資格を取りました。いきなり罵声を浴びせられたり、殴られたりすることがありました。最初はなぜだかわかりませんでした。半年ぐらいたってからでしょうか。そういう行動にも理由があるんだとわかってきたんです。例えば、トイレに誘導する際に叫び声をあげるおじいちゃん。戦争中にシベリアで拘留された経験があったそうです。だから、密室に閉じ込められるのを嫌がるんだと。そういうことを知るにつけ、相手の立場にたって物事を考えるようになりました。無理やり何かを押しつけると、拒否反応が返ってくる。相手の意図することができれば、『ありがとう』や笑顔が返ってくる」

 「結局は自分次第なんだと気づきました。自分のやってきたことが、今の自分につながるんだと。勝負の世界も同じだと気づきました。ぼくは遊びに逃げたからプロになれなかったんです」

 ――30年近く一つのものに情熱を持ち続けることはなかなかできません。

 「最初に奨励会を辞めたとき、プロになれないんだったら将棋を続けても意味がないと思いました。でも、実家に戻ると面識のない人から『今までやってきたことは無駄にはなりません』と将棋教室の講師を頼まれたんです。奨励会員はプロになれなければゼロの存在なんです。それなのに自分の将棋を評価してくれたわけですから、とても自信になりました。第二の将棋人生を踏み出すうえで、大きな支えでした」

 ――奨励会を辞めた後は仕事をしながら将棋を続けたんですね。

 「働かないと食べていけませんから。ただ、行動はしました。26歳で最終学歴は中学校。普通に就職するのは難しいというのはわかっていました。まずはレンタルビデオ店のアルバイトをしました。その後、将棋が縁で知り合った人に誘われ、大手レストランチェーン店の正社員になり、3年半勤めてチーフという肩書もつきました。なのに、アマだった瀬川晶司さんが特例でプロに挑戦すると知り、衝動的に辞めてしまいました。自分にもチャンスがあるんじゃないかと思って」

445名無しさん:2015/06/20(土) 22:49:52
>>444

 ――成算があったわけではないんですか。

 「ありませんでした。編入試験の制度ができたのは退職してから1年近く先のことでしたから。実際に制度ができたのも、その試験をパスできたのも運が良かった」

 ――2回目の奨励会で再び挫折してしまいました。

 「完全にプロになるのをあきらめました。プロ棋士の先輩のつてで証券会社の契約社員になり、資産運用を任されました。ですが、勝負に甘い人間がうまくいくわけはありません。3カ月で辞め、実家に帰りました」

 ――それでも最後には、プロ棋士という一番就きたかった仕事につけました。

 「それまでに何度も失敗しました。ただ、自分の可能性にふたはしませんでした。そのせいか、失敗のたびに奇跡的な出会いがあり、めぐりめぐって介護という職場で働かせてもらえました。その5年間の経験が、自分に足りないものを埋めてくれたんだと思います。プロ棋士になる条件をクリアできたんですから」

 ――仕事を選ぶうえでの心構えは何でしょうか。

 「どんな職場でもそれなりに気にくわないことは起こります。でも、それは自分に何か原因があるんです。自分が変わっていけば、人も変わっていくと思います。自分が気持ちいいと思える環境は自分で作れるんです。過去は変えられませんが、未来は変えられます。どうせなら楽しい人生にしたほうがいい。そういうスタンスで仕事を選べばいいじゃないでしょうか」(浦野直樹)


     ◇

 いまいずみ・けんじ 1973年7月生まれ。広島県福山市出身。小2のとき将棋を覚え、14歳でプロ棋士の養成機関「奨励会」に入会。99年、26歳までにプロと認められる四段になれないと原則退会という年齢制限にかかり退会した。2007年にはアマ棋戦の優勝者が年齢に関係なく挑戦できる試験に受かり再入会した。しかし、プロ入りの規程である2年間で四段に昇れず再び退会。

 その後、アマが出場できるプロ公式戦で10勝以上かつ勝率6割5分以上を果たし、プロ編入試験を受ける資格を獲得。昨年、プロ棋士3人をやぶってこの試験をクリアした。41歳でのプロ入りは戦後の将棋史で最年長となる。


■記者のひとこと

 諦めないで挑戦しつづけることは尊い。今泉さんを取材してそう思った。

 プロ棋士への最終関門である奨励会「三段リーグ」。今泉さんはプロ入りを果たせなかったものの、「次点」を2回とった。

 全く歯が立たないのなら、まだ諦めもつくだろう。だが、あと一歩のところまで迫りながら夢を絶たれたとしたら、無念の思いはより大きかったはずだ。現在は「次点」2回でプロになれる制度があることを考えるとなおさらだ。

 就活でも同じような局面があるかもしれない。「最終面接まで行ったのに」「去年までは募集があったのに」

 そんな時、30年近くかけて夢をかなえた今泉さんの言葉を思い出すと勇気づけられるのでは。「人生、リスタートはできる」。

朝日新聞社

446名無しさん:2015/06/20(土) 23:13:53
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150619-00000017-asciiplus-sci
郷田王将も参戦!154名のプロ棋士たちが頂点を目指す新棋戦『叡王戦』が明日開幕
週アスPLUS 6月19日(金)17時0分配信

対コンピューターの新棋戦『叡王戦』
 将棋電王戦の新たな形として、コンピューター将棋ソフトと対局する棋士を決める新棋戦が、いよいよ明日6月20日に開幕する。その名も『叡王戦(えいおうせん)』。公募により3422件の名称案の中から9つの候補を選び、ユーザー投票によって決定した。命名者のBONYさんは「これに勝ったものは電王と戦うのだから、人間の王と意味にしたい。ならば、人間しか持たない、知恵や叡智を競う将棋の頂点に相応しい称号を考えた。『叡』 という字には、明らか、聡明、物の道理に通じた、という意味(ニコニコ大百科による)がある。将棋の道理を人間とコンピュータがどちらが理解しているか、という意味もこめて」とのこと。人類の頂点を選ぶ棋戦にふさわしい名前だ。

 参戦できるプロ棋士は現役でかつエントリーすることが条件。そしてエントリーしたのは、全現役プロ棋士159名中154名! その中には糸谷哲郎竜王や郷田真隆王将というタイトル保持者も含まれている。残念ながら、羽生善治四冠、渡辺明棋王の両名は参戦しないが、郷田真隆王将は昨年渡辺明棋王から奪取しており、過去の電王戦より一段アップした現将棋界で最高レベルの棋士たちが参戦し、叡王戦の頂点=人類代表、さらにその先にあるコンピューター将棋ソフトの対局『第1期電王戦』に臨む。この新棋戦が盛り上がれば、今回参戦しなかった両名も心を動かされるかもしれない。
 
 まずは予選が段位ごとに行なわれる。参戦する棋士たちは以下のとおりだ(敬称略)。なお予選の組み合わせは叡王戦のサイトに掲載されている。
 
『叡王戦』予選出場棋士一覧
九段戦 27名
郷田真隆
谷川浩司
佐藤康光
森内俊之
加藤一二三
桐山清澄
森けい二
南 芳一
高橋道雄
青野照市
田中寅彦
田中魁秀
藤井 猛
塚田泰明
丸山忠久
小林健二
森下 卓
屋敷伸之
福崎文吾
中村 修
島 朗
深浦康市
久保利明
井上慶太
田丸 昇
三浦弘行
先崎 学

447名無しさん:2015/06/20(土) 23:14:06
>>446

八段戦 22名
脇 謙二
富岡英作
鈴木大介
阿部 隆
中田宏樹
行方尚史
木村一基
中川大輔
日浦市郎
橋本崇載
浦野真彦
北浜健介
泉 正樹
山崎隆之
阿久津主税
広瀬章人
神谷広志
土佐浩司
佐藤天彦
宮田利男
東 和男
 
七段戦 29名
西川慶二
神崎健二
室岡克彦
畠山成幸
真田圭一
野月浩貴
所司和晴
中田 功
長沼 洋
小倉久史
畠山 鎮
杉本昌隆
森 信雄
中座 真
松尾 歩
石川陽生
佐藤秀司
豊川孝弘
飯塚祐紀
小林 宏
飯島栄治
小林裕士
平藤眞吾
豊島将之
田村康介
藤原直哉
稲葉 陽
村山慈明
北島忠雄
 
六段戦 33名
木下浩一
伊藤博文
高田尚平
岡崎 洋
川上 猛
矢倉規広
窪田義行
勝又清和
近藤正和
佐藤紳哉
伊奈祐介
松本佳介
村田智弘
安用寺孝功
片上大輔
増田裕司
村中秀史
戸辺 誠
宮田敦史
千葉幸生
高野秀行
西尾 明
佐々木慎
伊藤 能
中村太地
高崎一生
横山泰明
大石直嗣
永瀬拓矢
佐藤和俊
及川拓馬
澤田真吾
菅井竜也
斎藤慎太郎
 
五段戦 27名
山本真也
大平武洋
金沢孝史
上野裕和
中尾敏之
中村亮介
阪口 悟
金井恒太
長岡裕也
遠山雄亮
島本 亮
阿部健治郎
村田顕弘
船江恒平
藤倉勇樹
瀬川晶司
吉田正和
伊藤真吾
佐々木勇気
高見泰地
西川和宏
田中悠一
阿部光瑠
佐藤慎一
千田翔太
牧野光則
 
四段戦 16名
八代 弥
門倉啓太
藤森哲也
上村 亘
石田直裕
渡辺大夢
竹内雄悟
石井健太郎
三枚堂達也
星野良生
宮本広志
増田康宏
黒沢怜生
今泉健司
青嶋未来
梶浦宏孝
※段位は2015年4月1日時点。このため5月12日に昇段した八代弥五段は四段戦での参戦となる。
 
●参戦しなかった棋士
 
羽生善治四冠
渡辺明棋王
有森浩三七段
堀口弘治七段
堀口一史座七段
 
対局はニコニコ生放送で完全中継
 6月20日の開幕戦は九段の予選トーナメント1回戦からスタート。10時からは森内俊之九段vs森下卓九段、14時からは加藤一二三九段vs南芳一九段、19時からは勝者同士による対局が行なわれる。しょっぱなから森内九段やアイドルひふみんの登場で、盛り上がらないわけがない。対局の模様は、ニコニコ生放送で完全中継される。今後の中継予定は叡王戦のサイトで確認しよう。

448名無しさん:2015/06/27(土) 21:13:29
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150621-00050064-yom-ent
アマ竜王戦、吉本悠太さん初V…21歳対決制す
読売新聞 6月21日(日)19時47分配信

 アマ将棋の日本一を決める第28回アマチュア竜王戦(日本将棋連盟、読売新聞社主催、日本アマチュア将棋連盟協力)の全国大会は2日目の21日、東京都港区の「チサンホテル浜松町」でベスト16による決勝トーナメントが行われ、決勝戦で東京代表・吉本悠太さん(21)が神奈川代表・渡辺誠さん(21)を破り、初優勝した。

 21歳は歴代最年少。吉本さんにはアマ七段免状が贈られる。

 決勝は相穴熊の戦い。吉本さんが先に敵陣に食いつき優位に立った。渡辺さんは必死の防戦で粘り、延々と戦いが続いたが、最後は吉本さんが逃げ切った。

 吉本さんは東京都小平市在住の中央大商学部4年生。プロを目指した時期があり、アマの全国大会は初出場だった。「うれしい。信じられません。趣味として将棋を楽しむようになったのがよかった」と喜んでいた。

 決勝戦の2人は、今秋行われる第29期竜王戦の予選6組に出場する。

最終更新:6月21日(日)19時47分

449名無しさん:2015/06/27(土) 21:38:08
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150622-00000006-nkgendai-life
現役最年長の加藤一二三 九段 「将棋指すごとに精神活性化」
日刊ゲンダイ 6月22日(月)9時26分配信

 古希を過ぎて出演したバラエティー番組をきっかけにブレーク。将棋と縁の薄い子どもや若者にまでファン層を広げ、「加藤一二三九段」よりも「ひふみん」と呼ばれる機会が増えた。恰幅のいい体を揺らしながら、「この前の取材で2時間しゃべりっ放しだったんですよ」とにこやかに現れるや、口を開けば機関銃トークが炸裂。息も切らさず話し続ける。2時間のインタビュー中、ココア2缶とカフェオレ1缶を豪快に飲み干した。通算対局数は歴代1位の2461。不戦敗は一度もない。プロ生活60年を超えた75歳・現役最年長棋士の元気の秘訣は――。

――2012年末に「アウト×デラックス」(フジテレビ系)に「型破りな天才棋士」として登場され、「正座するとネクタイが床につくほど長い」とか「対局中にチョコレートを8枚重ねてバリバリ食べた」といったユニークな“伝説”が紹介されて以降、引っ張りダコですね。

 最初の打ち合わせでは「ご意見番として出てほしい」ということだったんですよ。でも、意見は十人十色でいろんな見方があるでしょう。荷が重いなと思ったんですね。将棋なら一番いい手は一手しかないけれども、人生は“この一手”とはいえませんから。

 次に挙がったのが、クイズの出題者。これは幸運でした。クラシック音楽も好きだし、旅行もよく行くし、ドラマも見る。それで、あれも出そう、これも出そうとなって、みなさんに大変喜んでもらってよかったですね。

――すごく博識ですよね。蔵書やレコードはどれくらいお持ちなんですか。

 そうねえ、ドストエフスキー全集はありますね。夏目漱石の全集は初版本です。世界文学全集は結構ありますよ。

――クラシックはどういう状況で聴かれるんですか?

 僕はながら聴きはしないんです。じっくり集中して聴く。オーディオとかにはこだわってないので、ごく普通のCDプレーヤー。十分な音質だと思いますよ。「クローズアップ現代」(NHK)のモーツァルト生誕250年特集でバイオリニストの高嶋ちさ子さんと共演したんです。スランプを脱した曲が「バイオリン協奏曲第3番」で同じだった。わが意を得たりでしたね。

――スランプというと、20代終盤のことですか?

 ええ、そのころね、明らかに棋士として行き詰まったという実感がありました。話が前後しますが、若いころから音楽や美術を通してキリスト教文化に関心がありましたし、子どもたちがカトリック系幼稚園に通っていたこともあって、30歳(70年)のクリスマスに洗礼を受けたんです。それからは誠心誠意、一生懸命考えて指せばよいという結論に達することができました。「第3番」に話を戻すと、58歳くらいのころ、20連敗したことがあったんです。対局前日にイツァーク・パールマンの3番を聴いていたら、かすれたような音に遊び心が感じられて、吹っ切れるものがあったんです。翌日は勝ち、破竹の進撃になってルンルン気分でしたよ。音楽は将棋と似通っていて、1曲目、2曲目と新しい展開を見せるんですね。私が戦う将棋も1手目、2手目と一番いいものを作っていく世界。モーツァルトは「作曲は元気な時にしかできない」と言ったそうですが、将棋も同じ。指すごとに精神が活性化するんです。

――現役だからこそ、若々しくいられるんですね。

 名人になった82年に将棋栄誉敢闘賞を授かったんです。文化功労者にも選ばれた水島三一郎東大名誉教授からいただいた祝辞に「加藤名人は42歳で名人になられたけれど、精神年齢は24歳だ」というお言葉があったんですね。初々しいと言ってくださったんだと思ったんだけれど、確かに僕にとって勝負は精神面がものすごく大きいですね。

450名無しさん:2015/06/27(土) 21:38:32
>>449

――対局数もさることながら、通算1320勝は現役1位、1140敗は歴代1位。若手棋士に交じりながら最年長棋士として勝負の世界に身を置き続けられています。

 棋士として大きな転機があったんです。大山康晴十段(当時)に勝った68年の十段戦(現在の竜王戦の前身)でした。1日目に封じ手をして5時間考え抜いて2日目を迎えたのですが、妙案が浮かばない。さらに2時間熟考してひらめいたんです。将棋には7時間も考えて得られるほどいい一手が潜んでいる。感動しました。真剣さが報われた思いがしました。生涯棋士としてやっていく自信がついたんです。棋士としていい勝負をし、名局を残したいという思いが、現役を続ける原動力になっていると思います。

――元気の秘訣は?

 若い方と真剣勝負で激突できる環境も大きいですね。今年3月に現役最年少の増田康宏四段(17)と「58歳差対決」をしたんですが、直前まで相手を増田裕司六段と勘違いしてたんです。けっこう自信家なんで、勉強しなくても勝てるだろうとルンルン構えていたんですが、最年少四段と分かってちょっと慌てましたね。若い人が強いのは当たり前の世界ですから。結果は私が勝ちました。実績が違いますから。

 最近は棋譜の研究をやり過ぎかもしれません。42歳前後はせいぜい1日2時間だったのが、5時間くらいやってしまう日もありますね。近ごろの将棋は美意識のかけらも感じさせないほど、作戦が煩雑化しちゃってるもんでねえ……。まあ、それでも将棋の本質は変わらないので、自信を持ってやってます。

――衰えない闘争心の源は?

 名人位を獲得する対局前日に旧約聖書をめくっていたら、モーゼが語っている箇所にあたって、「敵と戦う時には勇気を持って戦い 弱気を出してはいけない 慌てないで落ち着いて戦い……」という一節が目に留まったんです。勇気を持つ。弱気を出さない。慌てないで落ち着いて戦う。そして、自分の行動には絶対の自信を持つ。私に向けられた言葉だと思いました。勝負に挑む気持ちはこれに尽きますね。

――健康面で気遣われていることは? 最近の対局でチキンカツとカキフライを一遍に召し上がったとか。

 ご飯は1人前ですけどね。卵焼きも食べたかったけど、時間が足りなかった。よく食べますし、よく眠りますよ。タイトル戦で食事量を減らしたら風邪をひいたことがあったので、バランス良く3食取るようにしてます。対局前に一睡もできなかったのは一度だけ。午前2時ごろ目が覚めてしまったことがありましたが、赤ワインを1杯飲んだらスーッと眠れて。いずれの対局も勝ちました。もともと記憶力はいい方で、対局前に棋譜を並べて見れば全部覚えられます。

――「負けを引きずらない」とおっしゃっていますが、なかなかできることではありません。

 常に真剣勝負、悔いが残らないように戦っているから後を引かないのかもしれません。家族の存在も大きいですね。どんな棋士でも負ける時がある。それで落ち込むような家族だったらキツイ日もあったでしょう。家内は「今日は負けたけど、次は勝てるでしょう」と思うタイプ。心の持ち方が、心を軽くするんです。

「SPUR」(集英社)という雑誌で身の上相談を引き受けたら、〈結婚相手はどんな人がいいですか〉という質問があったんですよ。人生は山あり谷あり、嵐の日もある。波を切り抜けていくための〈めげない心〉と〈たくましさ〉を挙げました。問題が起きてもアタフタしない。いつも通り精進する。そうすれば、どんな時でも一番いい答えが見つけられると思いますよ。

▽かとう・ひふみ 1940年、福岡県嘉麻市生まれ。早大第二文学部中退。54年に史上最年少の14歳7カ月で四段に昇段し、プロ棋士に。名人、十段、王将、王位、棋王など数々のタイトルを獲得。86年にローマ法王から聖シルベストロ教皇騎士団勲章、00年に紫綬褒章受章。新著「無敵棒銀」(木本書店)を発売。

451名無しさん:2015/06/27(土) 21:45:19
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150625-00000015-famitsu-game
【ファミキャリ!会社探訪(26)】AIの技術を活かして活躍の幅を広げるHEROZを訪問
ファミ通.com 6月25日(木)12時0分配信

●ファミキャリ!会社探訪第26回はHEROZ!
  ファミ通ドットコム内にある、ゲーム業界専門の求人サイト“ファミキャリ!”。その“ファミキャリ!”が、ゲーム業界の最前線で活躍している、各ゲームメーカーの経営陣やクリエイターの方々からお話をうかがうこのコーナー。第26回となる今回はHEROZ。
 早稲田大学、NECで同期だった高橋知裕氏と林隆弘氏が、2009年に設立したHEROZ。早くからモバイルアプリの開発に力を入れてきた同社の、最大の特徴はAI(人工知能)。そのAIの技術を活かして、将棋やチェス、バックギャモンなどのアプリを手掛けている。今回は、代表取締役の高橋氏と将棋の強豪AI“Apery”を開発し、世界コンピュータ将棋選手権で優勝したこともある平岡拓也氏に話を聞いた。

----------

●ゲームに限らず、AIで何かを成し遂げたい(平岡氏)
――平岡さんの経歴から簡単に教えてください。ゲーム業界を志した理由やHEROZに就職したきっかけや経緯を教えてください。
平岡拓也氏(以下、平岡) 大学を卒業後、新卒で地元の大阪にある半導体メーカーに就職しました。その会社は、ゲーム会社向けのカスタムメモリ開発などがメインだったのですが、当時はとくにゲーム業界を意識したわけではありませんでした。その後、ソフトウェアの開発をすることになり、初めて本格的にプログラミングを学ぶことになりました。

――プログラミングは、社会人になってから始めたのですか?
平岡 学生時代も少しやっていました。社会人になってから、プログラミングを勉強しつつ、趣味でコンピューター将棋も始めました。それから徐々にゲームAIに興味を持ち始めて、2014年には、第24回世界コンピュータ将棋選手権で優勝もしました。優勝した時、すでに前の会社を辞めることは決めていたのですが、コンピュータ将棋選手権の関係者兼HEROZに所属している方から誘いを受け、おもしろそうだなと思って、転職することにしました。

――前職を辞めた理由は何だったのですか?
平岡 興味が変わったのがいちばんの理由です。つぎの会社を決めてから辞める人が多いと思いますが、とりあえず辞めてからつぎを探そうと思っていました。そこに深い意味はなく、当時はあまり先々まで考えていませんでした(笑)。

――HEROZへの入社は、コンピューター将棋を開発している平岡さんにとって、天職ですね。
平岡 そうですね。本当に、趣味が高じての入社です(笑)。

――コンピューター将棋に興味を持ったのは、将棋が好きだったからなのか、AIそのものに興味を持ったからなのでしょうか?
平岡 将棋が好きだったから、というのが大きいですね。ちょうど始めた時には、“Bonanza”(独自の思考ルーチンで将棋ソフトに革命を起こしたと言われる)というソフトのソースコードが公開されまして、仕事で使う言語も同じだったこともあり、勉強にもなると思って始めました。

――HEROZに入社しようと決めた決め手は何ですか?
平岡 おもしろそうだと思ったことがひとつ。ユーザーとしてはあまりゲームをやらないのですが、『将棋ウォーズ』はプレイしていましたので、HEROZのことも知っていましたし、知人が勤めていて、入りやすかったのも理由のひとつです。

――入社後は、コンピューター将棋のAIを突き詰める仕事に?
平岡 いえ、将棋はすでにアプリでありましたし、それほど関わることはないだろうと思っていました。入社してからは、ボードゲームアプリの開発に携わりました。いまは、別のボードゲームのAI開発やルール実装などを担当しています。

――AIに特化した会社は非常に珍しいと思いますが、HEROZという会社を初めて知った時の印象は?
平岡 『将棋ウォーズ』というアプリくらいしか知らなかったのですが、斬新なゲームだと思いました。小さいころから将棋をやっていて、将棋のAIはどのようなものという自分なりの定義があるのですが、それとは全然違うもので、AIの活用がうまいと感じました。

452名無しさん:2015/06/27(土) 21:45:37
>>451

――平岡さんが開発した将棋AIの“Apery”は、これからもまだまだ改良していくわけですよね?
平岡 はい。まだ続けます。一種のライフワークのようになっていますね。

――ちなみにAIの開発というのは、具体的にはどのような仕事なのですか?
平岡 ゲームのAIに関してになりますが、まずルール通りに先の状況を読むことが最低限のラインです。そこからさらに強くするために、たとえば強いプレイヤーの動きを分析し、それを探索の効率化や機械学習などを用いてプログラムに落とし込みます。AIをより強く、賢くすることでユーザーに楽しんでもらえるようにすることが、開発するなかでおもしろいところです。また、開発の経験やスキルが活かせる仕事に携われていることには、大変やりがいを感じています。

――個人作業が多いのですか? それともチームで?
平岡 AI自体の開発は、個人で仕事をすることが多いです。しかし、分担するパートを作って、できるだけみんなで取り組めるようにすることが、いちばん作りやすい形だと思います。ひとつのアプリを作ることに関しては、当然いろいろなコミュニケーションが必要ですし、ひとりで全部できるものではありませんね。

――将棋ソフトをはじめ、各種アプリがそうそうたる実績を上げています。現在の御社の“AI”のレベルをどのようにとらえていますか?
平岡 目指すところは、やはり無限の強さです。ですから、終わりはないですね。将棋の完全解析は、ほぼできないと思っていますので、逆に言うといつまででも強くなると思っています。現状はプロ棋士と対局して、勝っても驚かれないレベルにまで来ています。

――では、社内の雰囲気はどのような感じでしょうか?
平岡 社内はとても明るい雰囲気ですね。仕事もやりやすいですし、将棋AIでトップクラスとなる“ponanza”の開発者・山本(一成氏)、“ツツカナ”の開発者・一丸(貴則氏)をはじめ、研究所出身者など、実力あるメンバーが多くいますので、刺激も多いです。若くても仕事を任されている人や、自分で責任と目的意識を持って仕事をしている人も多いですね。

――将棋好きなスタッフからは、一目置かれているのではないですか?
平岡 いえ、そんなことはありません。とくに、林(隆弘氏。HEROZ共同創業者)がプレイヤーとしてやたらと強いんですよ(笑)。

――会社でこんなことがやりたいとか、将来的な夢を教えてください。
平岡 やはり、AIで何か成し遂げたいという思いがあります。ゲームに限らず、コンピューターに考えさせることによって、何かおもしろいことが生まれるはずです。AIに特化することで、他社にはできないおもしろさが出せると思いますので、まずはゲームでその強みを活かして、おもしろいゲームを作りたいと思います。

――現在、転職を考えているクリエイターにひと言お願いします。また、未経験だがゲーム業界に興味があるという人には、どんな準備をして、どんなスキルを磨いておけばいいかなど、アドバイスをいただけますか?
平岡 具体的に転職を考えている人は、できるだけ自分が興味を持っていることを優先してほしいと思います。そうすれば、仕事も楽しいでしょうし、モチベーションも上がります。一生懸命やれば仕事もおもしろくなるので、そういう意味でも自分の興味が大事ではないかと思います。
 未経験の方には、とりあえず何かを作ってみることが大事です。いまは開発用のツールなども充実していて、割と簡単にゲームを作ることができます。まずは作ってみて、配信するなり、ソースコードを公開してほしいと思います。そうすれば全体像が見えるはずだし、直接反響があるでしょう。ソースコードを公開すれば、採用でのミスマッチも減ります。全体を作るというのはたいへんですが、ゲーム開発のどの工程に興味があるのかもわかってきます。

――ご自身も“Apery”のソースコードを公開されていますね。
平岡 一応オープンソースの中では最強AIだと自負しています。

――ちなみに、現在は林さんとどちらが強いのですか?
平岡 (笑)。まだ完成型ではありませんが、一応“Apery”のはずです(笑)。

453名無しさん:2015/06/27(土) 21:46:05
>>452

●AI×モバイルで、世界を驚かすサービスを(高橋氏)
――最初に会社設立までの経緯を教えてください。
高橋知裕氏(以下、高橋) 私と林のふたりで2009年に立ち上げた会社です。林とは以前勤めていたNECで同期なのですが、自分たちの頭で考えて、何かを作っていきたいという思いが、お互いの根底にありました。NEC在籍当時から、個人ベースで夜な夜なさまざまなサービスを作っていました。とくにi-modeなどのモバイル向けのサービスを作って、それなりに成果は出していました。“インターネットの世界には可能性がある”と感じていて、2009年に会社を立ち上げました。現在会社のコンセプトとして掲げているのは“世界を驚かすサービスを創る”です。

――2009年というと、ソーシャル業界が脚光を浴び始めたころですね?
高橋 そうですね。2009年8月にmixiアプリがスタートしましたが、日本でのソーシャルアプリはそこがスタートです。それ以前も、日本ではあまり知られていませんでしたが、Facebook向けのアプリはすでに出ていて、その研究も行っていたので、これからはソーシャルが来ると確信していました。林と作っていたサービスも、ソーシャルでのコミュニケーションを重要視していました。

――創業当時から、AIに着目していたのですか?
高橋 正直言うと、いまほど注目はしていませんでした。創業時はソーシャルとモバイルが中心です。モバイルはいちばん身近にあるものですし、いろいろな人に届けることができます。テクノロジーを最重要としておりましたので、いろいろと模索していく中で、AIが弊社の強みとして出てきました。AIの研究にも挑戦してきましたし、業界の中でAIの可能性を信じ、打ち出してきたのは、弊社が最初ではないかと思います。

――御社の強みである“AI”について伺います。“AI”を特徴にしている会社は珍しいと思いますが、どういった経緯からですか?
高橋 もともと“世界を驚かすサービスを創る”という企業理念がありました。“驚かす”というのは、世界一だったり、世界で初めてといった、記録にも記憶にも残るようなことです。ただ、インターネットというのは誰でもサービスを作れますから、何か武器がないといけません。自分たちの場合は技術を重要視している会社ですから、技術としての武器が必要で、それがAIです。平岡や、“ponanza”を開発した山本、ほかにもAIを研究してきているエンジニアが弊社には在籍しています。コンピューター将棋のAIがどれだけすごいのかは、なかなかわからないと思いますが、一般的に将棋の複雑性が10の220乗、チェスが10の120乗、オセロが10の60乗と言われています。オセロはだいぶ前に解明されましたし、チェスは1997年にIBMのディープブルーが当時の世界チャンピオン、ロシアのカスパロフに勝ちました。それからしばらくして、2013年に“ponanza”が初めて現役のプロ棋士に勝ちました。誰でもできるものでもないし、そのくらい難しいものなのです。そうした世界的に強い技術があれば、わかりやすく言うと、GoogleやFacebookも越えられる。ゲームで1位を取るだけではなくて、日本からそういった会社が出てもいいじゃないですか。ロゴには“HEROZ JAPAN”と入れていますが、それには日本から発信するぞという意味が込められています。ただ、世界一になれば終わりではないですし、延々とチャレンジしていきたいという思いはありますね。それから、じつは林は将棋のアマの世界チャンピオンだったんですよ。

――企業としての実績を可能な範囲でお教えください。
高橋 上場会社ではないので、数値などの詳しいお話はできないのですが(笑)、一例としては、2014年にテクノロジー系のベンチャー会社を評価する“デロイト トウシュ トーマツ リミテッド 2014 日本テクノロジーFast50”で、収益成長率1969%で1位に選ばれました。また、アジアでは15位でした。また、ロサンゼルスで開催された“2014 Red Herring Global Forum”という、世界で成長しているテクノロジー系ベンチャー企業を評価するアワードでもTOP100に選ばれました。このアワードは、過去にGoogleやTwitterなどが選ばれているものです。

454名無しさん:2015/06/27(土) 21:46:22
>>453

――最近は“電王戦”など、コンピュータ将棋が注目を集めています。そういった風潮をどのように捉えていますか?
高橋 世間に広まっていくことは、非常にいいことだと思っています。電王戦には弊社から平岡、山本、一丸なども参戦しており、電王戦を通じて『将棋ウォーズ』などのサービスを認知していただけることもあるかと思います。そして、サービスからAIへの理解が深まれば深まるほど、利用が促進されます。
平岡 知ってもらったほうが、漠然とした“怖さ”はなくなるし、理解してもらえるのではないかと思います(笑)。
高橋 かつては、「人工知能が入っています」と言われたら、ちょっと警戒されたと思うんです。そうではないという理解が広まれば、もっと生活にどんどんと入っていけると思います。そうすると、さらにビジネスチャンスも広がります。

――ゲーム以外に、“AI”を軸にしたビジネスを考えられているとのことですが、もう少し具体的に教えていただけますか?
高橋 詳しくはお伝えできませんが、弊社はインターネットのサービス業ですから、その中でAIを活用していきます。いままでアナログだった世界がデジタルになってきて、できなかったことや考えつかなかったことができるようになり、さらに新しい発見もあります。たとえば『将棋ウォーズ』では、プレイ中にAI(棋神)を活用することで、お手本を見ることができる“eラーニング”も兼ねています。このように将棋などのボードゲームを通して、AIを知って、活用していただきつつ、よりチャレンジし甲斐があり、マーケット性があるところにAIの活用を注力していきます。ゲーム以外の各種産業への活用も進めています。

――確かに、ゲーム以外にいろいろな可能性を感じますね。
高橋 いまはゲームをメインに作っていますが、ほかのジャンルと完全に分離しているわけではありません。ただし、やるからには、難度が高いほうがいいですよね(笑)。昨年の受賞のおかげもあり、ゲーム以外のさまざまな分野からAIの活用についてお話もいただくことが増えました。“世界を驚かす”という、価値のあるものにチャレンジしていきたいですね。

455名無しさん:2015/06/27(土) 21:46:44
>>454

――どのような人といっしょに仕事をしたいとお考えですか?
高橋 AIを打ち出しているので、AIを研究している方が理想ですが、もちろんそれだけではありません。何か尖ったものを持っている方は大歓迎です。それはAIでも、プログラミングでもいいですが、何かを作りたいという意志があるからこそ、そこを究めようと思えるのだと思います。弊社は基本的に受動的な会社ではありませんので、主体的にみずから動ける人ですね。それから、手を動かせる人、実行できる人ですね。たとえば、将棋ソフトを作るときに、将棋の強い・弱いはもちろん重要ですが、まず作ってみることですね。こういったサービスがあればいいなと思った時に、簡単なものでいいので、自分で作れることが重要です。いまは簡単に作れる環境もあります。好きなものがあって、自分で作り、コツコツと続けていくのは重要ですね。成功し続けられればいちばんいいですが、失敗してもいいんですよ。失敗から得られるものは大きいです。何かを実行することで反応があるわけです。年齢や学歴といったバックグラウンドはあまり関係ありません。社員どうしも、お互いの経歴などはあまり知らないかもしれません(笑)。“世界を驚かせたい”という思いがあればいいのです。そうした思いがある人は、ぜひウチで腕を試してもらいたいですね。社内には、エンジニア以外でもいろいろな職種の方がいますが、そういった思いに共感してもらっていると思っています。

――会社設立から6年、設立当初に思い描いていた会社像といまはどのような感じですか?
高橋 いろいろな苦労や楽しいことがありましたが、ベースとして、自分たちの好きなことをやる……それが仕事に繋がるのがいちばんです。将棋などのボードゲーム以外のプロジェクトもありますが、できるだけそのプロジェクトに興味がある人に参加してもらっています。どんなサービスも、愛情がないとできません。コツコツと続けることが大事で、それができるのはそのコンテンツがおもしろいかどうか、好きかどうかに起因します。マーケット性や自分たちの強みが活かせるかどうかも当然見ています。短期で終わるようなサービスはやりたくないので、継続的に長く続けられるようなプロジェクトを行っています。事業を確実に進めながら、会社も成長し続けたいと思っています。

----------

●HEROZってどんな会社?
 大学、社会人で同期だった高橋知裕氏と林隆弘氏が、2009年に設立。AIを最大の特徴に、早くからモバイルアプリの開発に力を入れてきた。現役のプロ将棋棋士に史上初めて勝利したAI“ponanza”を開発した山本一成氏が所属しているほか、世界トップの女性チェスプレイヤー、ナタリア・ポゴニナ選手や日本人初のプロバックギャモンプレイヤーで世界ランクNo.1の望月正行選手が、同社のグローバルアンバサダーに就任している。
 “世界を驚かすサービスを創る”をスローガンに掲げ、AIなどの技術とエンタメを活かしたモバイルアプリを企画・開発・運営するプロフェッショナル集団だ。
<会社概要>
HEROZ株式会社
●代表取締役:林 隆弘・高橋知裕 ●設立年月日:2009年4月
●従業員数:67名(2015年4月末日時点)
●事業内容:人工知能(AI)などの技術によるストラテジーゲーム及びスマートフォンアプリなどのモバイルサービスの企画・開発・運営

456名無しさん:2015/06/28(日) 09:47:54
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150626-00823611-number-spo
「ゲームのプロ」ってどんな生活?練習は10時間、食事、試合方法は。
Number Web 6月26日(金)16時31分配信

 「○○のプロ」と言われる人たちがいる。

 野球、サッカー、将棋……。彼らは時に他のものを一時的に犠牲にしても、日々多くの時間とエネルギーを競技力向上のために注いでいる。

 身体的に負担の大きいサッカーでは、2時間練習というのが一般的だ。オフや追い込みの時期にはこれを2倍にした二部練習も行われるが、三部練習というのはプロではほとんど聞いたことがない。1日2〜4時間、と言えるだろう。

 これが野球になると、練習時間はやはり長くなる。シーズン中で18時30分にプレーボールの場合だと、全体練習は16時頃から始まる球団が多い。しかし14時頃には球場入りして独自のメニューをこなす選手も多く、若手では12時頃からバッティングや守備練習をする姿も見られるという。

 そして頭脳競技である将棋では、さらに練習時間が延びる。平均的に1日8時間以上は練習時間を取る棋士が多いと言われており、羽生善治氏の「目の前に棋譜が浮かんできて危ないので車を運転しない」というエピソードも有名だ。

プロゲーマーの長い一日に密着!
 では、プロのゲーマーたちはどんな生活をしているのだろう。

 そんな疑問を解決するために、連載第2回で紹介したゲーム『League of Legends』のプロチームである『DetonatioN FocusMe(以下DFM)』の長い一日に密着した。

 【起床】

 プロゲーマーの朝は、遅い。これはイメージ通りではないだろうか。

 13時にDFMの7人の選手がマネージャーらと共同生活する家を訪ねた時、起きていたのは3人。当日の夜に試合があったため、普段よりも起床自体を遅くして試合のタイミングにコンディションを合わせる目的でもあるが、概ね起きるのは昼頃だという。

 専門の調理スタッフが作った朝昼兼用の食事を、起床してすぐ、個人練習の合間などに個々で摂る。お茶、水などももちろん用意されているが、飲み物はエナジードリンクの選手が多い印象だ。

457名無しさん:2015/06/28(日) 09:48:14
>>456

個人練習は静かで、そして長い。
 【個人練習】

 食事を摂ると、13時過ぎにいよいよ練習が始まる。といっても始まりの合図があるわけではない。起きた選手たちはごく自然にPCの前に座り、二言三言近くのメンバーと話すとすぐにゲームを始める。会話の内容も練習ポイントの話というよりは日常会話で、それぞれが自分の課題を持って練習を始めるという雰囲気だ。

 具体的には何をするかというと、オンラインで一般のプレーヤー(と言ってもDFMのメンバーが組み込まれる試合は最上位層のプレーヤーが相手だ)と試合を行う。プロ選手にはアメリカ、中国、韓国など世界中のサーバーでのプレイ環境が提供されているため、レベルが高く時差も少ない韓国に接続しているメンバーが多い。

 練習中は各自がヘッドフォンで音を聞いているので、極めて静かだ。マウスとキーボードの音だけが部屋に響き、自分の試合が終わった選手が飲み物を取りに行ったり、少し雑談をしたりといった以外は淡々と時間が過ぎていく。

 部屋に置かれているダンベルなどの筋トレグッズに手を出す選手もいるが、体力トレーニングはゲームほど集中力が続かないようで、あまり長く続けている選手は見られなかった。17時過ぎまでは長時間席を立つ選手もおらず、黙々とした練習風景が続いた。

試合前には綿密な戦略会議が行われる。
 【戦略会議】

 この日の試合は18時からオンライン対戦で行われた。同会場に選手が集まって試合をすることも多いが、オンラインゲームという特性を生かして遠隔地でも対戦ができるのはeスポーツのいいところだろう。

 そしてDFMは共同生活をしているので、そうではないチームに対してコミュニケーションなどの面でアドバンテージがあるのだ。

 ということで17時頃から選手たちは個人練習を切り上げて試合に備え始める。対戦相手のことを話したり、軽く栄養補給をしたり。

 そしていよいよ17時30分から戦略会議が始まる。その日の相手の情報、チームの状態を確認しながら、コーチが選手たちにその日の基本戦略といくつかのケースについての対応策を説明する。選手たちは時に別の選択肢を提案しながら説明を聞き、頭に入れていく。

 ゲームプランは想像以上に細かく、二手、三手先の展開を想定しながら状況の分岐ごとに計画を作成していた。選手の中には「強さはほとんど知識の量とイコール」という人もいるほどで、膨大な経験と試行錯誤の中から編み出した戦術がいくつもあるのだという。

458名無しさん:2015/06/28(日) 09:48:35
>>457

10時間、彼らはPCの前からほとんど離れなかった。
 【試合】

 試合に入ると、隣室にいても聞こえるほどの大きな声で連絡、指示、次の作戦の提案が飛び交う。この日の試合は40分を超える熱戦で、ゲームの性質上サッカーのように試合が止まる時間は全くないのだが、選手たちの集中力が途切れる様子はなかった。

 【反省】

 残念ながらこの日の試合でDFMは勝利を手にすることはできず、手痛い敗戦を喫した。

 試合終了直後から、選手たちはコーチやマネージャーとともに反省点を挙げて敗因を分析していた。eスポーツという若い競技では、20歳前後の選手が多い。DFMも18歳から24歳のチームだが、その選手たちが敗戦直後に次のための課題を洗い出し、反省していたのが印象的だった。ただその表情はプロ意識というよりも、トップクラスの「ゲーマー」特有の、強烈な負けず嫌いから来ているようにも見えた。

 【試合後】

 一通り反省を終えると、選手たちはシームレスに再び個々の時間の使い方に戻っていった。食事に出かける人、反省点に納得がいかない表情を見せる人、練習を再開する人――。

 結局、この日は10時間近くチームと一緒にいたことになるが、そのほとんどの時間を彼らはPCに向き合って過ごしていた。多くの日で深夜2時〜3時頃まで個人・チームでの練習が続くといい、本当にゲームだけに集中して彼らが生活していることが実感できた。

 そして実は、試合に敗れた後の振る舞いが、最も「ああ、彼らはプロなのだな」と感じた瞬間だった。

 日々の勝利と敗北に一喜一憂せず、成長のための反省をしたら冷静に次へ向けて気持ちを切り替える。おそらく彼らはいつもと同じようにそうしただけなのだろう。しかし、大人でもなかなかできない精神のコントロールを見て、彼らがなぜ日本初の完全給与制プロゲーミングチームに所属しているのか、という理由の一端が見えたような気がした。

(「eスポーツは黒船となるか」八木葱 = 文)

459名無しさん:2015/07/04(土) 11:30:25
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150628-00000020-khks-ent
<JT将棋>三浦九段、丸山九段破り2回戦へ
河北新報 6月28日(日)16時25分配信

  トッププロ棋士12人が公開対局のトーナメントで戦う「将棋日本シリーズJTプロ公式戦」(日本将棋連盟、河北新報社主催、JT、テーブルマーク協賛)の1回戦第1局が27日、仙台市宮城野区の夢メッセみやぎであり、三浦弘行九段が丸山忠久九段を75手で破り、2回戦に進んだ。

  序盤は両者にらみ合いが続き、後手丸山が38手目で4四角と攻勢をかけた所から急展開。先手三浦は39手目6八金右と受けた上で、43手目の7四歩、51手目6五角などと反撃に転じた。丸山も攻め手を緩めなかったが、三浦は67手目に5一飛と打ち、勝負の大勢を決めた。

  三浦九段は8月29日、札幌市で行われる2回戦第1局で、糸谷哲郎竜王と対戦する。

  子ども大会は小学生389人が参加。低学年の部で優勝した寒河江市南部小3年の清野達嗣君(9)は「プロ棋士になりたい」、高学年の部を制した山形県中山町長崎小6年の渡辺東英君(11)は「今回で3連覇なのでうれしい」と話した。

  大盤解説は鈴木大介八段、上田初美女流三段、読み上げは伊藤明日香女流初段が務めた。会場には約1400人が詰めかけ、間近で行われたプロ棋士の対局を真剣なまなざしで観戦した。

460名無しさん:2015/07/04(土) 11:31:09
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150628-00000204-sph-soci
初の外国人棋士誕生へ!カロリーナさん「女流棋士になって富士山登りたい」
スポーツ報知 6月28日(日)22時15分配信

 外国人女性として初めて将棋の女流3級資格を得たポーランドのカロリーナ・ステチェンスカさん(24)が28日、東京都渋谷区の将棋会館での女流棋士養成機関「研修会」の例会(対局)終了後、記者会見に臨み、日本語と英語を織り交ぜて喜びを語った。

 ―率直な感想を。

 「Finally…(ついに…)」

 ―女流棋士仮資格である女流3級の規定を満たすためには4局のうち3勝が必要でしたが、午前中の第2局で敗れました。午後の第3、4局での連勝が条件になって、心境としてはいかがでしたか。

 「(2局目は)勝ちそうな将棋に負けて、自分に怒りました。でも、チャンスだから強く指そうと思いました。出来ると信じました。最後はどうなるか分からないけど、自信を持ち続けてリラックスしようと努めました」

 ―3勝目を挙げて「直近成績9勝3敗」の規定を満たして、女流3級の資格を手中にしました。10月1日付で正式に昇級します。

 「外国人で最初の女流棋士(女流2級)になって、みんなの目標になれるようにしたいです。でも目標は女流初段です。やっぱり級と段では違いますので」

 ―研修会に入会した当初は負けが込みました。気持ち的にきつかったのでは。

 「帰りの電車で泣いてしまったこともありましたけど、次の日はまたチャンスが来るんだ、諦めずに頑張ろう、と思いました」

 ―女流棋士になったら?

 「毎日眺めている富士山に登りたいです。まだ登ったことがないので」

 ◆カロリーナ・ステチェンスカ(Karolina Styczynska)1991年6月17日、ポーランド・ワルシャワ生まれ。24歳。2008年、将棋を始める。12年、海外招待選手として出場した第2期リコー杯女流王座戦で、外国人対局者として男女を通じて初めて公式戦勝利を挙げる。13年に来日し、研修会入会。現在、山梨学院大経営情報学部日本文化専攻4年生で、甲府市在住。好きな歌手は「モーニング娘。」。好きな和食はそばと回転ずし。「NARUTO」以外に好きな漫画は「進撃の巨人」。得意料理はカレーと牛丼。得意戦法は三間飛車と中飛車。家族は両親と双子の妹。

最終更新:6月28日(日)22時15分

461名無しさん:2015/07/04(土) 11:31:45
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150629-15062950-nhktextv-cul
天野宗歩VS.大橋宗珉──江戸時代末期の御城将棋
NHKテキストビュー 6月29日(月)15時0分配信

初代宗桂に始まった江戸の将棋文化は江戸260年の間にさまざまな進化を遂げました。その中心に大橋家、大橋分家、伊藤家の将棋三家があったことは言うまでもありません。



一方、江戸時代の後期になると、将棋家とつながりがありながら、その跡継ぎにはならず、家元を離れ、在野の強豪として活躍する棋士も現れました。大橋柳雪と天野宗歩はその代表といえるでしょう。天野宗歩はその圧倒的な実力を元に、家元とは別の形で新たな継承者を生み出していきます。



江戸末期の将棋文化について、石田和雄(いしだ・かずお)九段が語ります。



* * *



江戸時代の将棋文化は将棋三家がリードする形で発展しました。詰将棋の世界では18世紀の中頃、三代伊藤宗看と看寿の兄弟が一つの頂点を極めたことは前号で話しました。



一方、指し将棋のほうも、七世名人の三代宗看から八世名人の九代大橋宗桂、九世名人の六代大橋宗英と立て続けに強豪が現れます。将棋家の当主の強さは絶対的であり、それを守るために将棋三家は人材の確保に腐心します。才能のない子どもは廃嫡(はいちゃく)され、養子を招くこともよくありました。



ただ、頂点を極めたものは、いつか下り坂に向かいます。詰将棋の世界は、先に述べた宗看と看寿の作品のレベルがあまりにも高かったため、その後はだんだん衰退してしまいます。歴代の名人が幕府に詰将棋を献上する伝統もいつか絶えてしまいました。



三代宗看や六代宗英が高めた指し将棋のレベルを守るのも容易なことではありませんでした。将棋家の苦心にも関わらず、江戸時代の後期になると、圧倒的な強さの名人はなかなか現れなくなったのです。



そんな中で、将棋家のしきたりや家風に合わず将棋家を離れた棋士の中に強豪が現れます。大橋柳雪は大橋分家七代宗与の跡継ぎでしたが廃嫡され、将棋家を離れてから在野の強豪として名を残すことになります。天野宗歩は才能を見込まれ、5歳で大橋本家大橋宗金の弟子になり、14歳で二段、15歳で三段になった天才少年ですが、将棋家の跡を継ぐことはなく、八段への昇段が絶たれてからは、将棋三家とは独立した形で活動をするようになり、多くの門下生を育てました。



宗歩の人気は将棋家の棋士を凌駕(りょうが)し、その弟子は門前に列をなしたといわれ、宗歩の墓には門下49名の名前が刻まれています。特に天野宗歩の四天王と呼ばれた市川太郎松、渡瀬荘次郎、小林東四郎、平居寅吉の4人は強豪として知られ、その中の小林は十二世名人の小野五平死去に際して名人候補となった井上義雄や阪田三吉の師に当たります。



また、小野五平自身も若いころ、宗歩の指導を受けたことがあり、宗歩門下と呼ばれることがありました



また、若いころの八代伊藤宗印と互角に近い戦いをし、やはりのちの名人となる小野五平に勝ち越した大矢東吉も16、17歳のときに天野宗歩と対戦して、大いに影響を受けたとされます。



天野宗歩は将棋家を離れても、その強さと人気が抜群であったため、将棋家もこれを無視できず、宗歩の師である十一代大橋宗桂らの推薦を得て、御城将棋も指しています。その御城将棋で宗歩と戦ったのが、大橋分家の八代宗珉です。宗歩と宗珉の戦いについては、その実戦譜の中で詳しく触れます。



このように、江戸末期の将棋界は将棋家の枠組みを離れる形で、裾野を広げていったのです。小野五平や大矢東吉らの出現もその延長線上にあるといえます。


■御城将棋で対決


弘化2年(1845年)、30歳になった天野宗歩(当時の名前は富次郎ですが、ここでは宗歩の名前を使います)は上方から江戸に戻り、大橋分家の宗珉と対戦します。すでに名高い宗歩に対し、1つ下の宗珉も17歳から御城将棋を勤める大橋分家期待の星です。もちろん、宗珉もなみなみならぬ闘志を燃やして臨んだことでしょう。





ハイライト図は後手の宗珉が?5六歩と垂らしたところ。この手は次に?6五桂を狙って非常に厳しい。先手の受けも難しいところですが、宗歩は強気の応戦をします。先手の次の一手をお考えください。



※この後の展開と棋譜はテキスト別冊付録「リバイバルNHK将棋講座 古い棋譜を訪ねて」に掲載しています。



■『NHK将棋講座』2015年6月号より

NHK出版

462名無しさん:2015/07/12(日) 09:46:11
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150704-00075247-toyo-bus_all
ドワンゴは、だから採算度外視で将棋をやる
東洋経済オンライン 7月4日(土)6時0分配信

 2016年春、“人類代表”と“最強のコンピュータ”が再び激突する。

 「第1期電王戦」と銘打たれたこの大一番は、ニコニコ動画を運営するドワンゴと、日本将棋連盟が主催する新しい棋戦だ。勝負は先手と後手を入れ替えて2局行われる。1回の勝負で人間とコンピュータが考慮する時間はそれぞれ8時間。対局は2日間の長丁場になる。

 これに先駆けて、東京・千駄ヶ谷の東京将棋会館では6月20日、糸谷哲郎竜王と郷田真隆王将など、総勢154人のプロ棋士たちの中から人類代表を決める新棋戦「叡王戦」(えいおうせん)が始まった。各段位別(四〜九段)で予選を開催し、勝ち抜いた16人がトーナメントに進出。この優勝者が「叡王」の称号を獲得し、電王戦への出場権を得る。叡王を迎え撃つコンピュータは、今年11月に開催されるコンピュータ同士のトーナメント戦でトップに立つソフトだ。

 プロ棋士とコンピュータが対局をする「将棋電王戦」は過去にも行われていた。2012年から始まり、5対5の団体戦で争われた第2、3回目はいずれもプロ棋士側が負け越して話題に。今年の春には「将棋電王戦FINAL」として最後の団体戦が開催され、生中継で延べ200万人近くの視聴者が人間とコンピュータの死闘に釘付けとなった。

 終了後の会見で、「これからも電王戦を何らかの形で続けていきたい」と話していたドワンゴの川上量生会長が6月、新たに発表したのが、この旧電王戦を発展させた第1期電王戦と叡王戦になる。新たな電王戦は個人戦だ。

■ ドワンゴにとっては赤字事業

 ドワンゴにとって棋戦主催に伴う負担は決して軽くないはずだ。金額は公表されていないものの、スポンサーとして、優勝賞金や対局料をはじめとする運営費を負担しなければならない。あるドワンゴ関係者は「これまでも将棋関係のコンテンツ作りには巨額の費用をかけている。将棋目当ての有料会員も増えているが、それだけでは当然、赤字だ」と実情を明かす。

 それでもドワンゴが電王戦にこだわるのはなぜか。

463名無しさん:2015/07/12(日) 09:46:46
>>462

 ドワンゴの動画や生放送などを総称したサービス「niconico」の有料会員数は244万人。このniconicoを含む「ポータル事業」の売り上げのうち、現在は約8割を有料会員への課金で稼ぐ。

今後は有料会員に加え、広告収入の拡大も重要なカギとなる。将棋という伝統と格式のあるジャンルに力を注ぐことで、高単価の広告を出稿する大企業の関心を高めていくのがドワンゴの戦略だ。今年2月には日本を代表する大企業トヨタ自動車と手を組み、クルマを将棋の駒に見立てた「リアル車将棋」を実施。対局者に羽生善治名人を招くことにも成功した。 棋戦を手掛けるもう一つの狙いは、新たな視聴者の獲得にある。現在、ニコニコ動画の視聴者層は約4割を20代が占め、30代は約2割、40代以上も2割弱にとどまっている。熱心なファンが多い将棋コンテンツを充実させることは、年齢が高いユーザーへのアプローチとして有効な手段になる。実際に「将棋コンテンツの視聴者は30代も多い」(ドワンゴ広報)。

 将棋連盟にとっても新たな戦いが開催されるメリットは大きい。インターネットを通じ将棋の普及が進み、プロ棋士の給料に直結する公式戦の数も増える。「新棋戦はニコニコ生放送で数多く中継され、将棋界には個性的な棋士がいるということを皆様に広く知っていただけたらと思っている」(谷川浩司会長)。

■ タイトル保持者との対決、ついに実現か

 新たな電王戦では、タイトルホルダーとコンピュータの対局が実現するかもしれないという期待もされている。過去の電王戦では、自薦他薦を含め将棋連盟が参戦する棋士を決めてきたが、「タイトルホルダーは連盟のものとは考えていない」(谷川会長)という立場から、これまでタイトル保持者が選ばれることはなかった。通常のタイトル戦は新聞社が主催しており、将棋連盟の一存では出場を決められないという事情があるからだ。

 だが、今回はドワンゴが棋戦を主催することでその問題を解決した。

 「竜王」や「名人」をはじめ7つあるタイトルの保持者は、名人、王位、王座、棋聖を保持する羽生善治四冠、糸谷竜王、渡辺明棋王、そして郷田王将の4人がいる。

 今回の叡王戦には羽生四冠と渡辺棋王はエントリーしなかったものの、前述のとおり糸谷竜王と郷田王将の参加が決定。両者のどちらかが優勝すれば、タイトルホルダーと最強コンピュータの夢の一騎打ちが実現する。

■ 人間の能力も素晴らしい

 2012年から旧・電王戦を始めたのは、人間とコンピュータの違いは何なのか、人間の知的能力を凌駕しつつあるコンピュータに人間はどのように対峙すればいいのかといったことを明らかにする目的があった。

 「コンピュータの時代が来るときに、これからどうなるかを世の中に教えてあげようと、若干上から目線のおごった気持ちがあったが、電王戦をやり始めて、たとえばコンピュータに負けた人間が、これほどまでに人を感動させることがあるのかという場面がいくつもあった」(川上会長)。

 将棋連盟の青野照市・専務理事も「この3年間で、われわれはプログラマーの人たちの努力と同時に、人間の持つ能力、感性、大局観が、素晴らしいことも証明できたのではないかなと思う」と、人が持つ底力は想像以上に大きいことを感じたようだ。

 いくつものドラマを生み出してきた人間対コンピュータの真剣勝負。来春はどんな名勝負が繰り広げられるのか。ドワンゴや将棋連盟、棋士、コンピュータ、それぞれの挑戦は、新たなステージに突入する。

山田 泰弘,又吉 龍吾

464名無しさん:2015/07/12(日) 10:00:56
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150707-15070750-nhktextv-cul
乃木坂46 伊藤かりん、香川愛生女流王将と共演! 「仲良くなれそうです」
NHKテキストビュー 7月7日(火)15時0分配信

「将棋フォーカス」の総合司会を務めている伊藤かりんさん(アイドルグループ乃木坂46のメンバー)の憧れの女流棋士は香川愛生女流王将。5/17(日)に放送された「将棋フォーカス」特集で、ついに共演を果たしました。その収録の模様をレポートします。



* * *


■収録風景


この日の特集は「女流棋界 最前線」。女流棋界の仕組み、タイトルホルダー、注目の若手などについて紹介する内容です。香川女流王将とかりんさんは同い年。かりんさんは今年1月に放送された新春お好み将棋対局を見て、「自分と同い年で女流棋士と大学生を両立されていてすごい!」と一気にファンになったそうです。「会うのは2度目」というお二人に、山崎隆之八段を加え、なごやかに進行しました。

?
■収録を終えて


かりん 収録おつかれさまでした。



香川 おつかれさまでした。アイドルの方って忙しいんでしょうね。人前で歌ったり踊ったりするのも大変そうですし。



かりん 実は私は全然アイドルっぽくないと言われるんですよ…。



香川 そんなことないでしょう、すごくキラキラしていますよ。



山崎 メンバー間でまとめ役のような存在なんですよね。



かりん 2期生には私より若いメンバーも多いので、自然とそうなりますね。だからあんまりキャピキャピしていないんです…。



香川 私もキャピキャピしていなくて、サバサバした感じだと言われるんですよ(笑)。



かりん なんだか仲良くなれそうです。(笑)



香川 アイドルにはぜんぜん詳しくないんですが、そんな私でも聴けるようなおすすめの曲はありますか?



かりん そうですね、ファンの方が「制服のマネキン」という曲で最初にハマったと言ってくれることが多いので、その曲をおすすめしておきます。



香川 聴いてみます!



かりん 山崎先生は本日、いかがでしたか?



山崎 お二人ともありがとうございました。華やかな収録で、幸せな時間でした(笑)。



■『NHK将棋講座』2015年7月号より

NHK出版

465名無しさん:2015/07/12(日) 10:23:25
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150708-00000062-nksports-ent
なぜ弁護士が賞金付き麻雀大会に協賛したのか
日刊スポーツ 7月8日(水)11時1分配信

 賞金付きのプロ麻雀大会「京都グリーン杯」。ニコニコ生放送で配信されている番組名だ。どこかの関連企業が協賛しているかに思えるが、確認するとそこはなんと「京都グリーン法律事務所」。ここの代表弁護士が津田岳宏(たかひろ)氏だ。なぜ弁護士が麻雀番組を企画し、しかも自らがスポンサーとなって賞金まで出したのか。本人にその理由や麻雀に対する思いを聞いた。

 -仕事で麻雀と接するようになったきっかけは

 津田 私がもともと、司法試験に受かる前に麻雀店でアルバイトをするくらい、麻雀が好きな学生でした。弁護士になってすぐに、「賭け麻雀ってどうなんだ?」ということをある人から言われまして。それから賭け麻雀と賭博罪について考えるようになり、2010年に「賭けマージャンはいくらから捕まるのか」という本を出版しました。すると、機器メーカーや全国麻雀業組合総連合会(全雀連)の方に見つけていただいて、ご連絡をいただきました。そこから、この業界のお仕事をさせていただくようになったという流れです。

 -仕事の内容は

 津田 全雀連や麻雀店グループ、卓メーカー、専門サイトなどの会社の顧問をさせていただいています。具体的な相談としては、店内でのお客様間のトラブルが多く、普通の企業とあまり変わらないですね。

 -客のトラブルとは

 津田 いろいろなお客様がいるので。おひとりでも遊べるという店ですと、知っている人同士で遊ぶわけでもない。お客様の相性もありますから。ゴルフでも、身内で来て回るのではなく、コースの会員の方が別々に来られて一緒に回る場合は、トラブルも起きがちです。あとは風営法が絡む業種ですから、法令順守に関しての指導もします。平たく言えば、クリーンな店であるように、という感じです。

 -大会をやるきっかけは

 津田 この3月に私はプロになりました。他のプロの方々にお話を聞いたところ、まだまだこの世界は偏見を持たれていて、なかなかスポンサーもつかない状況があるのだと。私自身は、麻雀自体はすごく健康的で、おもしろい頭脳スポーツだと思っています。大会などにスポンサーがつくという流れを作るために、まず自分が行動を起こそうと。何より私自身が、業界からたくさんのお仕事をいただいているので、麻雀というものに対しての恩返し、還元ができればと思いました。

 -麻雀は見ても楽しいものでもある

 津田 今年の1月から、ゲームを競技としてとらえた「eスポーツ」にも関わるようになりまして。スマホでeスポーツをする「ワンダーリーグ」の法律部門のパートナーを務めています。海外では、頭脳スポーツをたくさんの観客が集まって見る、というとても楽しい文化がある。そこで、麻雀も絶対見るスポーツとして必ず成り立つはずだと認識をしました。eスポーツを勉強したのも、大会を企画した理由のひとつですね。

 -自ら企画した「京都グリーン杯」のポイントは

 津田 単なる大会ではなく、放送用の頭脳スポーツというのが大きなコンセプト。ただやるのではなく、視聴者様に見ていただくために作った大会です。まずは賞金を出しました。これによって、より真剣勝負という観点を出した。それから今の放送は優勝以外意味がないものが多い。まったく優勝の可能性がなくなってしまった人の打ち方は、一般の方とは違う、上がりに向かわないという特殊なものになってしまっています。そういう問題を作りたくなかったので。麻雀は4人が一斉に争うというところが、他の頭脳スポーツとの違いであり、おもしろいところ。そこで上がりに向かわない人がいると、魅力を損なうことになってしまう。だから、優勝者だけ賞金を得るというのではなく、準優勝や3位でも成績次第で賞金が出るようにしました。可能な限り4人が最後まで全力で打てるようにしています。他にも大相撲のように三賞を設けてみたり。

466名無しさん:2015/07/12(日) 10:23:35
>>465

 -見せ方も工夫した

 津田 どういう4人が打つのかをしっかり伝えるために、大会ホームページにも各出場選手のアンケート結果やインタビュー動画を公開しました。今回の出場者も、まだまだ知らない人が多いと思ったので。視聴者も事前情報はたくさんあった方がいいでしょうし。

 -ネットでの配信番組も増えつつあるが、複数ある団体の中で、どのプロが一番強いか分かりにくい

 津田 プロ団体が複数あるというのは、やはりスポンサーがあまりついていないという状況も影響しているのでは。今は、1つにまとまるモチベーションが持ちにくいと思う。たとえば大きなスポンサーがあったとして、そこが、団体が1つになって欲しいと言うようになれば、そういう動きが出てくるのでは。

 -自らスポンサーになってまで大会を開き、広めたいと思う、麻雀のおもしろさとは

 津田 まったく同じ展開になることがない。毎日打っても少しずつ違う。その違いを見たくなるんです。同じ配牌が来るのは、天文学的な確率。一生出会えないような。ましてやツモとか展開とか、まったく違う。でも、似たような局面も出てくる。なんとも、この矛盾するようなところが楽しい。とらえられそうで、とらえられないというか。将棋はかなり科学的になっていますが、麻雀はまだまだコンピューターで解析できないところも多いので。どういう学問に関係しているかというと、もちろん数学は関係しますが、それだけではない。心理学とか、文学とか。その複雑な要素が魅力なのかなと。4人の戦いというのも魅力なのかなと。

 -麻雀を人生に例える人も多い

 津田 4人がある時は結託してみたり、次の局では途端に敵だったり。何か人生のシミュレーションに近いところもある。だから経営者で好む方が多いというのは、そういうところから来ているのかなと。将棋や囲碁より、人生に似ているところが多い気がします。

 -ファンを増やすためには

 津田 頭脳スポーツとして認知されて、イメージが変われば劇的に増える気もします。逆に、今はこれ以上減ることもないのかな、という思いもあります。ネットもありますし。電車に乗っていると、横でスマホで麻雀やっているような人もいますし。今やゲームはとてつもない数があるのに、これはすごいこと。このアナログでクラシカルなゲームをスマホでやるというのは、麻雀がすごくよく出来たゲームである証明なのでは。

 -今後の目標は

 津田 この大会をたくさんの人が見て、おもしろいと思ってもらって、スポンサーになりたいという人が出てくれたらいい。そうしたら大会名ごと変えてもいいですから(笑)。スキームもそのままお貸ししますので。伝えたいのは、みなさんが思うほど、不健全な業界ではないということ。お店にお金を巻き上げられようなこともないですし。いまだに劇画でそういう世界が描かれることはありますが、あれはファンタジーだと思ってもらえればいい。店には年配の方から若い方や女性も多い。禁煙のお店も増えました。麻雀というものがかなり変わってきたので、ちょっとでも打ちたい気持ちがあれば、一度きれいな店に行っていただければと思います。 (聞き手=K松)

 京都グリーン杯 大会ホームページ http://www.jan39.com/greencup/

467名無しさん:2015/07/12(日) 12:25:58
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150709-00001040-cakes-peo
羽生善治が語るネットと教育「“学習の高速道路”の渋滞を、経験を活かして抜け出していく」
cakes 7月9日(木)18時17分配信

本日、KADOKAWA・DWANGOがネット時代の新しい高校設立を目指しているという発表がありました。そこで今回ドワンゴとcakesの合同で、各界の著名人に、教育、学習についてインタビューをおこないました。トップバッターで登場するのは、日本が誇る稀代の天才、将棋棋士の羽生善治さんです。羽生さんにとっての「勉強」とは? 将棋の強さとは? 有名な「学習の高速道路論」でいう渋滞のその先にあるものとは、いったいなんなのでしょうか。

●パソコンで検索した棋譜を、わざわざプリントアウトする理由

―― 将棋棋士というのは、プロになってからもずっと将棋の勉強を続けていかれる職業だと思います。具体的に、現在はどういうふうに勉強をされているんですか?

羽生善治(以下、羽生) ごく普通のことですよ。棋譜を見たり、自分の対局を振り返って実戦では現れなかった変化を検証したり、課題となる局面について考えたり、詰将棋を解いたり。昔から、やっていることは変わらないですね。

―― それはお一人で勉強するんですか?

羽生 1人でやる場合もありますし、研究会として、数名の棋士で集まってやることもあります。

―― 10年ほど前に羽生さんに取材させていただいたとき、どのようにコンピュータを活用して研究しているのかをうかがったことがあります。その時は、棋譜データベースを検索し、その棋譜をプリントアウトして、パソコンの電源を切ってから将棋盤に並べる、とおっしゃっていました。

羽生 ああ、そうですね。今でもそうしています。

―― おお、今もそうなんですね。そのとき、すごく印象的だったのですが、電源まで切るんですよね。

羽生 はい。そのほうが、盤に集中できるからですね。

―― それと、パソコンの画面上で操作する手もあると思うんですが、プリントアウトして盤に駒を並べるんですよね。

羽生 私が古いタイプの人間なのかもしれないのですが、パソコンの画面で見るだけだと、すぐ忘れてしまうんですよ。ちゃんと覚えておかなければいけないものは、手で並べるようにしているんです。視覚だけに頼ってはいけない、と思っています。というのも、やはり大事な局面は、うろ覚えだとひどい目にあうんです(笑)。歩の位置をひとつ間違って覚えているだけで、致命傷になる。正確に、40個の駒すべての位置をおぼえておかなければいけない。そういう局面は、並べて覚えたほうがいいですね。

―― そういう過去の実戦の研究というのは、記憶力に関わるものですよね。将棋の強さ、すなわち棋力というものには、記憶力以外にも、先の手を読む力、局面を評価する力、新しい手を思いつく力、などほかにも要素があると思いますが、やはり記憶力が大事だと思われますか?

羽生 記憶力がものすごくよくて、過去の棋譜や定跡を完璧に覚えている人がいたら、間違いなくその人は強いでしょう。でも、そういうことをまったく覚えていないのに強い人もいるんですよ。出たとこ勝負というか、センスの良さみたいなものでどんどん勝つ人もいる。そこが将棋のおもしろいところだと思います。

―― たしかに。渡辺明棋王は、記憶力とは違うところで勝負しているように見えます。

羽生 渡辺さんは、見切りの良さがすごいですよね。ここは考えても無駄だからこの手を指す、という割り切りに長けている。難しい局面であるほど、なかなかそういうふうには考えられません。難しいとつい長時間考えたくなるし、ミスしたくないと思ってしまう。でも、渡辺さんはさっと指して、それが悪い手にならない。これはある種特別な能力だなと思います。

―― 心が強いのでしょうか。

羽生 どうしてそういうことができるのかはわかりません(笑)。彼はそういうスタイルなんですよね。

468名無しさん:2015/07/12(日) 12:26:15
>>467

●将棋が強くなるためには、「ダメな手」を見極めよ

―― 羽生さんは、2006年に出版された梅田望夫さんの『ウェブ進化論』のなかで、「ITとインターネットの進化によって、将棋が強くなるための高速道路が一気に敷かれた。でも、高速道路を走り抜けた先で、大渋滞が起きている」とおっしゃっていました。渡辺さんのその「割り切る力」は、渋滞を抜けるための一つの方法なのでしょうか。

羽生 聞いたわけではないのでわかりませんが、そのまま高速道路に乗って行くのか、一般道に降りて違う道を行くのか、みんな選択を迫られていると思います。これは、どの世界でも起きている問題ですよね。だからこそ、いかにして個性を出すか、自分なりのスタイルを築きあげるのか、ということを考えざるを得ない時代になっているのでしょう。

―― 羽生さんは、どういう方法で渋滞を抜けだそうと考えていらっしゃるのでしょうか?

羽生 私はもう、プロになって30年がたちました。ずいぶん長い年月、棋士としてやってきましたので、今はその経験を活かして差をつくるということを考えています。

―― 少し意外です。羽生さんは、これまで常識にとらわれない新しい手をたくさん生み出してこられました。経験というのは、そういった新しい発想の邪魔になることもあるのかと思ったのですが……。

羽生 もちろんそうです。足かせになるケースもいっぱいあります。だから、経験をそのまま当てはめることはしません。一工夫して、具体的に実戦に活かせるものに変えていく。例えば、対局で経験したことのある局面を、類似した局面での判断に利用したり、考え方だけを抽出してみたりするんです。あとは、こうやったらうまくいく、ではなくて、こうやったらダメだったということを覚えておきます。そうすれば、回り道をしなくてすむからです。

―― ダメだった局面のほうが大事なのですか。

羽生 私は、将棋が強くなるために一番大事なことは「ダメな手がわかること」だと思います。

―― おお。一番がそれですか!

羽生 これはダメな選択肢、やっちゃいけない手だ、ということが瞬間的にわかるかどうか。これはすごく大事なことです。なぜかというと、いくらたくさんの手が読めても、そのなかにダメな手がひとつ入っていると、すべてが台なしになってしまうからです。

―― なるほど、何十手も先を読むわけで、ダメな手がまじるとその先がすべて意味のないものになってしまうのか。

羽生 はい。でもダメな手を瞬時に排除することができれば、効率よく深堀りして読み進めることができます。

―― そのダメな手を見極める力は、どうやって鍛えればよいのでしょうか?

羽生 実戦を重ねること。あとは、戦い方、戦型のツボみたいなものがあるので、それをいかに修得するかですね。それにはやはり練習を繰り返すことと、その戦型に精通している人の棋譜を調べることも大事です。

―― 棋士として成果を出せるかどうか、ほかに大事なことはありますか?

羽生 あとは、その人の個性と、流行とのマッチングの問題もあると思います。ファッションと同じで、将棋にも戦い方の流行があるんです。その流行と自分のスタイルが近いと活躍しやすい。でも、流行は移ろっていくので、あるときにマッチングしていたからといって、ずっとそれが続くわけではない。そこが難しいですよね。

―― ある戦型で一世を風靡したとしても、流行が終わってしまうと勝てなくなる。たしかに、そういうことってありますね。

羽生 誰もその線型を指さなくなってしまうと、使いたくても使えないですからね。また、流行はそれぞれ鉱脈の深さが違うんですよ。これは1年たったら絶対に廃れているだろうな、という形もあれば、これから10年先のメインになるだろう、というものもありますからね。その深さをいかに見極めるか、というのも重要なことだと思います。

―― なるほど。たしかに、中飛車(戦法の一つ)があんなに伸びるとは思いませんでした。

羽生 あれは、棋士の誰も思っていませんでした(笑)。そういうふうに、やってみたらけっこう鉱脈が深かった、ということもあるんですよね。その深さはいつでも事前に見極められるわけではないので、常に思考を修正して、考え続けていくことが必要なんだと思います。

469名無しさん:2015/07/12(日) 12:26:26
>>468

・弱点を見せないためのオールラウンダー

―― 先ほど、高速道路の渋滞を抜け出すには、自分なりのスタイルを築くことが大事だ、というお話がありました。でも、将棋はあらゆる局面で正解の手があるわけですよね。

羽生 究極的にはそうですね。

―― みんながそれを追求していくと、個人のスタイルというものは存在しなくなるのでは、と思ったのですが、いかがでしょうか。

羽生 私はこんなふうに考えています。一つの局面を見て、ここでどんな手を指しますか? と棋士100人に聞けば、せいぜい3〜5つくらいの手しか出てこないでしょう。それは、先ほどおっしゃったように、正解を目指しているから。でも、一局の中でその選択を何十回としていくわけですよね。その積み重ねとして、攻撃的、守備的、居飛車党、振り飛車党……そういった傾向が出てくる。小さな選択が積もり積もったものとして、スタイルはやはり存在すると思っています。

―― 羽生さんは、そういった偏りがほとんどなく、すべての戦型を指されますよね。

羽生 あ、全部は指してないんですよ。実は。棋士になった最初の頃は、全部やろうという気持ちで指していたんですけどね。でも、情報の量があまりにも増えすぎてしまって、いまはもう全部の戦型を指すということはできない。これは、どんな棋士にも不可能だと思います。今はいろいろやってみて、ある程度、やるものとやらないものの区別をつけるようにしています。

―― ただ、羽生さんが活躍されて以降、いろいろな戦型を指す棋士は増えましたよね。

羽生 それはそうかもしれません。あれは、序盤の戦術上の問題もあるんです。「これは指さない」ということがわかると、そこにつけ込まれちゃいますから(笑)。フォークボールは絶対に振らないバッターだと思われたら、フォークボールばかり投げられてしまうでしょう?

―― たしかに、そうですね(笑)。

羽生 現代の将棋では、あれもこれもできます、という姿勢を見せておかないと、作戦の幅が広がらないとか、自分の得意な形に持ち込めないということがあります。実戦で指すことがないとしても、「この形にも対応できます」という姿勢を見せておくことはとても大事なんです。

構成 崎谷実穂

羽生善生 / cakes編集部

470名無しさん:2015/07/12(日) 12:26:57
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150710-15071050-nhktextv-cul
お笑い芸人による将棋イベント「将棋の王将」
NHKテキストビュー 7月10日(金)15時0分配信

将棋に魅せられたお笑い芸人が多数登場し、観客の前で対局するという画期的なイベント、「将棋の王将」が、東京都世田谷区にある下北沢「小劇場B1」で開催された。予想以上の盛り上がりを見せたその模様を、森充弘氏にレポートしていただく。



* * *



対局中心のイベントが、将棋が初めての方でも楽しめるものなのかどうか、私には会場に向かうまで想像がつかなかった。このイベントを開催したのは、舞台、イベントの主催・企画などを手がけられているスラッシュ-パイル代表取締役の片山勝三さん。片山さんは元吉本興業のマネージャーで、南海キャンディーズを見いだし、育つ場を作り続けてきた方でもある。



「以前、人生でオセロを一度も負けたことがないと豪語するキングコングの西野亮廣さんに芸人さんがオセロで挑戦をするというライブをやったことがあり、非常に好評でした。そのようなこともあったからか、今回、スパローズの大和一孝さんから将棋企画の提案があって、やってみようということになりました」と語る片山さん。心強い。


■オープニング


開演は午後7時。80席ほどの会場は満席で女性比率は75%。MCのポテト少年団の菊地智義さんが客席に問うと、将棋のルールを知っている方はほぼ半分。



はじめに、出演者からそれぞれ将棋との出会いについて語られる。真面目に話しているのになぜかおかしい。そして、解説を務める佐藤紳哉六段が、NHK杯戦でも着用していたカツラをかぶって登場。「砂糖のように甘い言葉で深夜に君を寝かさない、佐藤紳哉です」。ところが、芸人たちから「あたま、あたま」と掛け声がかかり、佐藤六段は序盤早々カツラをはずすハメに。驚いて呆然(ぼうぜん)とするお客様50%、大笑いのお客様50%。


■対局


舞台には、日本将棋連盟から貸し出された盛上駒、かや盤、脇息がセットされ本格的な対局環境。隣にマグネット盤があり、ピン芸人の本多おさむさんなどが対局の進行どおりに駒を動かし、それがプロジェクターを通してスクリーンに映し出される。吉本所属芸人の吉本軍と、それ以外の事務所所属の連合軍の団体戦形式で、一局の時間は15分。



勝負がつかなかった場合は佐藤六段による判定で勝敗が決まる。第1局はLLRの福田恵悟さんと俳優、声優などさまざまな分野で活躍中の小林顕作さんの一戦。福田さんの初手▲7六歩に「いい手、いい手、効いてる効いてる」と格闘技会場風の掛け声が吉本軍からかかる。



対局者以外の出演者は、最前列の机に陣取り、対局を見学している。見学といっても芸人による見学なので野次(やじ)、独り言など言いたい放題。解説席の佐藤六段への質問も飛び出し、会場には笑いが絶えない。



佐藤六段の解説は「52対48で先手がやや優勢です」「今の手でだいぶ差が縮まりました」のような将棋を知らない方にも勝負の流れが実感できる分かりやすい内容。要所要所で笑いもとっている。



対局は、小林さんの石田流がさばけ、小林さんの判定勝ち。ここまで見ていて、私はこのイベントの面白さにビックリした。もし第2回も行われるなら友人も誘って来よう。将棋を知らない方にとってはどうだろう。会場を見まわしてみると皆さんがすごくいい笑顔になっている。



イベントが終わってから「将棋ってこんなに面白かったんですね。いやー、びっくりしました」と語る片山さん。プロデューサーを感嘆させるほどのイベントだったのだ。ツイッターでは15名ほどのお笑いファン、プロレスファンの方が、将棋は初めてだったけれどもとても楽しいイベントだったという感想。



将棋の新しい楽しみ方が生まれた夜だった。



※イベントではこの他にも、ランパンプス寺内ゆうきさん・ひので池田直人さん×スパローズ大和一孝さん・ザブングル加藤歩さんの一手交代のリレー対局、囲碁将棋の根建太一さんと佐藤六段の目隠し六枚落ち戦など、ユニークな対局が全6局行われました。その様子はテキストでお楽しみください。



■『NHK将棋講座』2015年7月号より

NHK出版

471名無しさん:2015/07/12(日) 12:27:32
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150710-00000010-sasahi-ent
“名人”加藤一二三の憧れの人は「ベッカム」?〈週刊朝日〉
dot. 7月10日(金)16時7分配信

 漫画家&TVウォッチャーのカトリーヌあやこ氏は、「アウト×デラックス」(フジテレビ系 木曜23:00〜)に出演している棋士・加藤一二三さんの魅力についてこう分析する。

*  *  *
 アウトとグッドは紙一重。その紙一枚向こうに行ってしまった人々を、矢部浩之とマツコ・デラックスがワンクッション置いて紹介してくれるこの番組「アウト×デラックス」。

 同じくマツコが出演中の「月曜から夜ふかし」(日本テレビ系)が、「ただならぬ素人のままならなさ」を扱っているとしたら、「アウト」は多少芸能界寄り。

 これといってコメントを披露することもなくセットに存在する矢部美穂とその母親、ミラクルひかる、遠野なぎこがかもし出す、ただならぬ場末のスナック感。

 大物女優やジャニーズアイドルがゲスト出演するようになり、一見メジャーな場に見えるこのスタジオだが、ひな壇の彼女たちの顔を見ただけで、開けたドアを閉めたくなる。

 今夜もただボーッとしている大鶴義丹、今夜も出演していながら、すでに自己反省しているような山里亮太。ある意味この番組の核のようなもの、煮しめたマイナスオーラが、常にひな壇に渦巻いているのだ。

 一方、陰あれば陽あり。

 その陽の象徴が将棋棋士のひふみんこと、加藤一二三なんである。

 対局で座ると、畳に引きずってしまう長すぎるネクタイ。「人から見て長く見えるのはわかってます。でも自分ではまだ短く結びすぎてるような気がする」と、落ち着かない一二三。ジェスチャークイズをやりながら全部口で説明してしまう一二三。ちなみに「ひふみんの憧れの人は?」というクイズの答えは「ベッカム」。答えが出てもまだジェスチャーを続けていた一二三。路上の猫に「ハロー、将棋に興味はあるかい?」と尋ねてしまう一二三。

 ホテルのカフェで一度に「フレッシュトマトジュース2杯、ダージリンティー2杯、トマトサラダにイチゴケーキ」を注文した後、昼食で「牛肉膳とトマトジュース、コカ・コーラ2杯、アイスミルク2杯」をたいらげ、自販機で「グレープジュースにお茶にコカ・コーラ2本」お買い上げする一二三。

 人は過剰なものを見ると、なぜかやすらいだ気持ちになるね。

 棋士の森からやって来て「アウト×デラックス」に棲みついている座敷わらしのひふみん(ちなみに「夜ふかし」には、やはり棋士の桐谷さんが棲息)。一二三がいなくなると、番組は衰退するかもしれぬ。

※週刊朝日  2015年7月17日号

472名無しさん:2015/07/12(日) 12:28:18
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150709-00000007-wordleaf-soci
将棋の新しい電王戦は引き分けありの「2番勝負」 なぜ奇数番じゃないの?
THE PAGE 7月9日(木)18時15分配信

 人間(プロ棋士)とコンピューターソフトが対決する将棋の「電王戦」(主催・ドワンゴ、日本将棋連盟)は、ネット生中継による真剣勝負の緊迫感が伝わり、大きな話題となりました。今春行われた団体戦は「ファイナル」と銘打ち、人間側が勝利を収めましたが、ドワンゴなどはこのほど、プロ棋士が参加する新たな公式戦を主催すると発表。その優勝した棋士とコンピューターソフトの代表が対戦する形で「電王戦」を継続することが決まりました。人間とソフトが一対一で雌雄を決することでより注目度が高まりそうですが、決勝は「2番勝負」という囲碁・将棋界ではあまりみられない形式が取られます。これは「一勝一敗の場合、引き分けで終了する」ことを意味しますが、偶数による番勝負が採用される背景はどこにあるのでしょうか。

来年春に新しい「電王戦」
 電王戦は2012年に第一回が行われ、翌年からは3年連続でプロ5人対5ソフトという団体戦形式を採用。過去の団体戦では2013、2014年とソフト側が団体戦勝利し、衝撃を与えましたが、今年は3勝2敗でプロ棋士側が勝ち越しました。全戦がネットによって生中継され、ソフトの欠点をついた戦略なども飛び出して、社会的なニュースになりました。

 今回ドワンゴは新たなプロ公式戦「叡王戦(えいおうせん)」を主催することを発表。この棋戦の優勝者は来年春、こちらもトーナメントを勝ち抜いた最強ソフトと対決します。叡王戦の参加は自由エントリー方式とし、糸谷哲郎竜王や郷田真隆王将といった現役タイトル保持者や将棋連盟会長である谷川浩司九段(十七世名人資格保持者)など154人が出場しています。すでに予選は始まっており、12月には優勝者が決まる予定。しかし注目された羽生善治名人、渡辺明棋王はエントリーしませんでした。

 来年春予定している一対一の対決「第一期電王戦」は持ち時間各8時間の二日制で、これは将棋界最高賞金の竜王戦と同じ。ただし2番勝負というなじみの少ない番勝負が採用されました。プロ将棋界の7大タイトル戦は現在、5番または7番勝負という奇数番勝負が取られ、引き分け決着というものはありません。日本将棋連盟によると、「2番勝負など偶数番勝負は現代将棋では例はないのでは」と話しています。また囲碁界でも現在、タイトル戦は基本的に奇数番勝負となっています。スポーツでも野球の日本シリーズや米プロバスケットボール「NBAファイナル」は7戦4勝制など奇数番勝負が普通です。

偶数番勝負が多いチェス
 一方でチェスは逆に偶数番勝負が多いようです。日本チェス協会によると、世界チェス選手権は12番マッチで、勝ち1、引き分け1/2、負け0ポイントの扱いとして、先に6.5ポイント取った方が勝ちになるといいます。偶数にすることで先手、後手の回数をお互いに同じにして有利不利をなくすという狙いがあるといい、またチェスは引き分けになることも多いことから将棋のように奇数番にこだわらなくてよいという面があるとみられます。

 コンピューター将棋に詳しい大阪商業大学・アミューズメント産業研究所主任研究員の古作登氏(元週刊将棋編集長)は「引き分けもありというところがポイントと思います。実際プロ同士の公式戦でも先手がわずかに勝率が高い(約52%)ですから、それも加味されて先手、後手を入れ替えての偶数番勝負になったのでは」と肯定的。2番勝負と通常のタイトル戦より短い形式についても「(プロ棋士代表がほかのタイトル戦と掛け持ちになる可能性もあり)番数が多くなると対局する棋士側の負担が極端に重くなりますから、当初は2番とし、将来的にスケールアップする含みを残してあるのでしょう」と分析しています。

 今回エントリーしなかった羽生名人、渡辺棋王が次回以降、「叡王戦」に出場する可能性はゼロではなく、もし参加が決まれば人間対コンピューターの「最高峰の決戦」というイメージは強くなります。第二期以降の「電王戦」で、番勝負などが拡大していくのも注目されそうです。

473名無しさん:2015/07/12(日) 12:30:06
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150709-00010001-shincho-soci
朝日新聞のソロバンずくで「羽生名人」に電王戦逃亡の濡れ衣!〈週刊新潮〉
BOOKS&NEWS 矢来町ぐるり 7月9日(木)8時0分配信

 一度でいいから見てみたい、羽生がソフトを負かすとこ――。「笑点」の桂歌丸師匠ではないが、多くの将棋ファンが改めてそう感じたはずだ。最強コンピューターとの決戦に臨むことが期待された羽生善治名人(44)が、“電王戦”への不参加を表明した。大どんでん返しのウラには朝日新聞のソロバン勘定があった。

 ***

 科学の叡智を結集したコンピューターと、棋界にその名を轟かせるトッププロとの真剣勝負――。

 電王戦が装いも新たに再始動すると聞いて、そんな夢の対決に胸を躍らせた方も少なくなかろう。

 6月3日、日本将棋連盟は、“ニコニコ動画”を配信するドワンゴと、新たな電王戦の開催を発表。全棋士が対象のエントリー制で行われ、優勝者はコンピューター同士の戦いを勝ち抜いた最強ソフトと対局するという。しかし、この時すでに不穏な空気が漂い始めていた。

「というのも、連盟会長の谷川浩司九段や、糸谷哲郎竜王ら大物棋士が参加を表明する一方、最注目の羽生名人がエントリーしていなかったからです」

 と、語るのは観戦記者だ。残念ながら、記者の不安は現実のものとなる。ベテラン棋士が明かすには、

「そもそも、ドワンゴ側が今回の電王戦のスポンサーとなる条件として提示したのは、“羽生名人の出場”でした。そのため、連盟は事前に羽生名人の了承を取り付け、出場は確定的だった。しかし、5月28日発売の『週刊新潮』がその事実をスッパ抜くと、朝日の上層部に衝撃が走ったのです」

■名人位に傷
 現在、朝日は毎日新聞と名人戦を共催している。連盟にとっては古くからの大口スポンサーである。

「朝日の将棋担当の記者は、電王戦に羽生名人が出場する可能性について報告を上げていなかったようで……。記事を読んで初めてそのことを知った担当幹部が、連盟に懸念を示しました。朝日側は、もし羽生名人がコンピューターに負ければ、毎日と共に年間3億円近い契約金を払って支えてきた名人位に傷がつくと考えたようです。毎日もそれ以前から難色を示していたため、連盟は窮地に立たされました。結局、ドワンゴ側に頭を下げて、羽生名人の不参加を呑んでもらった格好です」(同)

 結果、18日になって再度、開かれた会見で、連盟とドワンゴは羽生名人の不出場を発表したのである。

 もちろん、このドタバタ劇の最大の被害者が羽生名人なのは明らかだ。こうした経緯が表沙汰にならなかったことが災いし、“敵前逃亡”の汚名を着せられたのだから。ちなみに、竜王戦を主催する読売や、棋王戦の共同通信から連盟への抗議はなかったという。

 将棋ソフトに詳しい武者野勝巳七段によると、

「朝日は01年に“朝日オープン将棋選手権”を創設し、アマ強豪とプロ棋士との対局を実現させて賛否両論の嵐を巻き起こしました。現在は名人戦のスポンサーですから、保守的になるのも理解できる。ただ、仮に羽生名人がコンピューターに負けたとしても、電王戦で将棋への関心が高まって棋界の活性化に繋がるのではないか」

 チェスでは18年前に世界チャンピオンがコンピューターに敗れたが、それによって権威が失墜したわけではない。無論、スポンサーが勝負師から戦いの舞台を奪う道理はなかろう。

「ワイド特集 雨降って地固まらず」より
※「週刊新潮」2015年7月9日号

SHINCHOSHA All Rights Reserved.

475とはずがたり:2015/07/16(木) 21:09:20
岩田聡がいなければ今の自分はなかった。決してノーと言わない天才プログラマーをマイコン時代から振り返る
http://www.excite.co.jp/News/reviewapp/20150715/E1436893029431.html
エキサイトレビュー 2015年7月15日 10時50分

476とはずがたり:2015/07/25(土) 12:52:49
ハッカソン?

任天堂、Facebook本社で「スーパーマリオメーカー」発売記念ハッカソン
ITmedia ニュース 2015年7月24日 17時56分 (2015年7月24日 18時05分 更新)
http://www.excite.co.jp/News/it_g/20150724/Itmedia_news_20150724075.html

 任天堂は7月23日(現地時間)、Wii U向けゲーム「スーパーマリオメーカー」の発売記念ハッカソンを米Facebook本社(カリフォルニア州、メンロパーク)で行うと発表した。発売前のソフトを使い、オリジナルコースを実際に制作する。

 ハッカソンはFacebookが従業員向けに開催しており、通常の業務とは別のプロジェクトに個人やチームで取り組んでいる。今回は「スーパーマリオブラザーズ」シリーズ30周年を記念した新作ゲーム「スーパーマリオメーカー」を題材に、同ソフトのメイン機能であるオリジナルコース作成に挑む。

 ハッカソンの様子はイベント後に動画で公開予定。任天堂のSNSアカウントでリアルタイム中継も行う。優秀作品はゲームリリース後、実際にユーザーが無料ダウンロードできるようにするという。

 「スーパーマリオメーカー」は日本では9月10日に発売予定。往年の名作ゲームの世界観でキャラクターやアイテム、ステージなどを組み合わせてオリジナルコースを作り、ネットを通して世界中のユーザーと共有できる。NFCを搭載したフィギュア「amiibo」の「SUPER MARIO BROS. 30thシリーズ」とも連動する。

477名無しさん:2015/07/26(日) 10:24:57
http://getnews.jp/archives/1053896
第86期将棋棋聖戦スイーツスポンサーの舞台裏をブールミッシュに聞いてみた
DATE:2015.07.22 10:00 BY: tmksStyle

7月15日に全対局が終わった2015年度第86期将棋棋聖戦は、羽生棋聖が豊島七段を3勝1敗で降し、8連覇となる防衛を果たした。
今期棋聖戦ではスイーツスポンサーとして銀座に本店を置く株式会社ブールミッシュが、対局時のおやつの提供、および『棋聖戦特別パッケージ』の焼き菓子の詰め合わせの販売を通して、棋戦を大いに盛り上げた。

棋聖戦の終了にあわせて、スイーツスポンサーとしての取り組みや裏話などについて、ブールミッシュの担当下野さんにいろいろとお話をうかがった。

――将棋棋聖戦には前期(第85期・2014年)から正式にスイーツスポンサーになられましたが、スポンサーとなった経緯をお聞かせください。

下野 私が長年の将棋ファンでした。私が小さい頃二人でいつも将棋をしていた幼馴染は、将棋AIの草分けのアルゴリズムを作った、マイナビ「東大将棋」の岸本章宏(現IBM Research)です。二人ともこんな形で将棋界に携わるのは不思議な感じがします。

私自身、社会人になった1990年代の終わりぐらいから何となく将棋から離れていました。もう一度ファンとして戻ってきたのはネット中継が盛んになってからです。

ネットコンテンツとして将棋を見た時、非常に親和性が高くマッチしてました。
ご存知の通りネット中継から俄然スイーツ時間が注目、盛り上がるコンテンツとなっていました。ネット中継が始まる前はスイーツ自体取り上げられてませんでした。

それを目の当たりにしていて、スイーツ業界に仕事として携わると決まった時に、オフィシャルスポンサリングを企画として進めたいとすぐに思いました。将棋xスイーツは意外に見えるが、必然性があって将棋のファンの方々にも認めていただけるのではという思いがありました。

東京の将棋連盟に企画書を持っていったら面白いということですぐに話が進みました。発案から実施まで1年がかりでした。

もし将棋界を盛り上げる一助になっていれば、一将棋ファンとしても嬉しい限りです。

――今期から対局開催地にちなんだスイーツが特別に作られるようになりました。このような取り組みが始まった経緯や背景を教えてください。

第1局 6月2日 兵庫県洲本市『ホテルニューアワジ』 
羽生棋聖『鳴門オレンジのパウンドケーキ』 豊島七段『鳴門オレンジのゼリー』

第2局 6月16日 石川県能美市『まつさき』
羽生棋聖『能登町産ブルーベリーの包みフロマージュ』 豊島七段『石川県産百花ハチミツヴァバロアとさくらんぼのシャルロット』

第3局 7月4日 静岡県沼津市『沼津倶楽部』
羽生棋聖『ほうじ茶チーズケーキタルト』 豊島七段『ほうじ茶プリン 丹波の黒豆添え』 

第4局 7月15日 新潟県新潟市『高島屋』
羽生棋聖『キャラメルショコラ・ポワール』 豊島七段『ルレクチェのメープルロール』

(※参考 対局地と対局者に出されたスイーツ)

下野 前回は弊社で取り扱う通常商品でしたが、ファンからも「ご当地にちなんだスイーツが見たい」という声を多くいただきました。

弊社はスポンサーなので、もちろん通常品を扱った方が直接売上につながるのでいいのですが、やはり棋戦を盛り上げるには、開催地にちなんだその時だけのスイーツだろうと。
本年もやると決まった時にその企画で行こうというのは決めていました。

――対局者に提示されるメニューの種類は何種類くらいでしょうか? 注文されないまま日の目を見ないメニューもあったのでしょうか?

下野 毎局ともお出ししたメニューは午前1品、午後2品です。なので今回は4局を通して合計12品です。

前回は通常商品から1品を毎局選択してもらう形式だったので日の目を見ない商品はありましたが、今回は、午前、午後ともにこちらで決めさせていただきましたのでございません。

第4局の新潟開催が開催未定だったので、もし無かったらアイデアだけで終わったのが、『キャラメルショコラ・ポワール』『ルレクチェのメープルロール』です。

その点ではこの作品が日の目を見られてよかったです。おそらく二度と登場しなかったでしょうから。

478名無しさん:2015/07/26(日) 10:25:20
>>477

――開催地に合わせてメニューが開発されましたが、不採用になったアイデアなどはあったのでしょうか?

下野 担当パティシエが直前まで決まらなかったので、他パティシエが別のアイデアを考えていたということはあります。

例えば、石川だと打木赤皮甘栗かぼちゃ、沼津だとイチジク、新潟だと、メロン、桃あたりもアイデアとして上がっていました。

今回はうちのパティシエの中でもトップクラスのメンバーたちが担当したので、アイデアさえ決まればあとはまかせて安心でした。

――製造過程での苦労話などがあればお聞かせください。

下野 生ケーキというのは配送業者にとっても特別で、通常の宅配便では運ぶことが出来ません。なので今回は、ブールミッシュスタッフが毎回、当日に手持ちで、電車・車を乗り継いで現場へ持参しました。

移動時に少し傾けるとアウトで、これだけ繊細な物というのは類を見ません。

破損したら取り替えが効かず企画自体が失敗に終わるので、しかも対局現地というのは毎局非常に遠く(笑)、この運び入れは生きた心地がせず大変でした。

第2局の『能登町産ブルーベリーの包みフロマージュ』は対局時に出したそのものだと大きさの点などで商品化が難しく、実店舗販売に際しては若干変更の必要がありました。

第2局だけでなく全局を通してそうなのですが、ブールミッシュは全国店舗販売を前提に商品開発をしていますので、材料、容姿とともに限定品として開発した商品を実店舗展開するのは難しいのです。基本的に、販売数、材料、輸送可能性など多くの課題点のクリアしないと商品化出来ません。

そういった点でも、今週25、26日に店頭販売する『ルレクチェのメープルロール』はお客様にとっても貴重だと思います(笑)。

――現地大盤解説会場で『棋聖戦限定パッケージ』の焼き菓子詰め合わせセットが販売されましたが、ファンの反応はいかがでしたか?

下野 ファンの方々から概ね好評と受け取ってございます。

私自身は以前に、一ファンとして大盤解説会に行ったこともありましたが、お土産のようなものが無かったので、現地に行って観てただ帰ってしまうことに
なりました。

やはりそこに行ったという形のあるものが欲しいんですよね。

お土産の形態にもいろいろありますが、帰った後の家族サービスにもなるので、お菓子は適していると考えています。

現地で販売している時に、試みへのお褒めの言葉も頂戴する場合がございます。非常に励みになります。

――お菓子のパッケージにサインするというのは今までになく画期的な物だと思いますが、サインをする棋士の皆さんや、受け取る側の将棋ファンの皆さんの反響はいかがでしたか?

下野 現地での即席サインについては棋士の方々の純粋なご厚意で成り立っております。ですので、ご対応出来ない場合もあるのですが、先生方は全員、快くお助けいただいただいております。本当に感謝しています。

私自身も、この形は非常に画期的だと思いますが、実はもともと企画の中にはなく、前回淡路島対局の時の、現地にいらっしゃった女流棋士の村田智穂さんのアイデアがきっかけです。

パッケージには『第86期棋聖戦五番勝負』と対局者どうしの揮毫がデザインとして印字されています。
直筆サイン付きとなると本当に買うことの出来ない1品となります。本当に素晴らしいアイデアだと思います。村田さんに足を向けて眠ることが出来ません(笑)。

前年で行われた、最初のサイン会には、糸谷竜王、豊島七段、香川女流王将と、今はときめく関西の若手が現地にたまたま来ていてパッケージにサインしてくれて、ブールミッシュにとっても将棋界にとってもなにかエポックな感じがしました。当時はお三方とも駆け出しでしたから眩いこれからの若者たちという感じでした。

それから1年経過して豊島さんが挑戦者になり、対局のスポンサーになったというのが何とも感慨深いです。

あと棋士の先生方でいうと、香川愛生女流王将には去年、今年と格別にこの催しにご厚意いただいていており、感謝しております。

スイーツスポンサーとして女流棋士のご協力は欠かせません。

――『棋聖戦限定パッケージ』は平常時のギフトセットに比べて売り上げは大きく違いますか?

下野 生産に影響が出るぐらいというのは言い過ぎになりますが、明らかに売れ行きがその時だけ突出することは確かです。

業界的に、ブールミッシュはギフトとしてのブランドのイメージが強く、お土産ものブランドとしてはカテゴリが若干違います。この棋聖戦パッケージは大きさ的にお土産もののカテゴリに入ってきますが、ここの売上がこの時期、突出します。

479名無しさん:2015/07/26(日) 10:25:30
>>478

――スイーツスポンサーになったことで、普段洋菓子などに興味・関心のない人にも知名度は上がったように感じますか?またデパートの売り場で店頭などで変化は感じますか?

下野 『ニコニコ動画』の影響も大きいですね。去年から毎局、現地に出すおやつの時間と同時に、『ニコニコ動画』中継にブールミッシュのスタッフが出演しています。

『ニコニコ動画』を楽しむ若い層や、IT業界の方からよく話をされることが多くなりました。ブールミッシュのマーケットとしてはこのあたりの若い層が弱いところですので補完出来ていると思います。

デパートの売り場でもたまに棋聖戦について声をかけられるようですが、直接的な反応としてはネット販売の事業部の方ですね。素晴らしい協賛ですねと趣旨に賛同してくれる声が寄せられます。

――来期またスポンサーになるようなご予定はありますか?またこれからもリアル車将棋のような将棋イベントや他業種とのコラボの予定はありますか?
(※注 ブールミッシュは2月に行なわれたリアル車将棋でもスイーツスポンサーを務めた)

下野 もしお声かけいただいたら是非参画させていただきたいと願っています。

リアル車将棋は今年2月、近々で申し上げると今度の8月2日東急将棋まつりでスイーツの協賛はさせていただいております。

お声かけいただいたのでありがたく協賛させていただいております。

――連盟売店でスイーツや詰め合わせ商品を常時販売するような予定はありますか?電王戦なども含め将棋界はスイーツと縁が深くなり、糸谷竜王のスイーツハンカチもグッズとして売られるようになりました。

下野 今のところ常時販売は考えてございません。時期限定がいいのかなと考えている点もありまして。

糸谷竜王については少し話させて下さい。

もともとスイーツに詳しいと一部では有名でしたが、スイーツ王子とファンから命名され、広く有名になったのは、去年の棋聖戦第1局でのブールミッシュのスイーツレポがきっかけではないでしょうか。

他のメーカーの商品もよくご存知で非常に素晴らしいものでした。そんなこと無いと否定されそうですが、もし契機の一つであるなら非常に光栄です。

すでに糸谷さんも棋界の第一人者ですからあまりいい加減なことも言えませんが。

――最後に、棋聖戦の現地で試食したプロ棋士の先生の興味深いコメントやエピソードがあればお聞かせください。

下野 午後のスイーツは、破損用に2セットだけ余分に持って行っていて、これが控室差し入れ用となります。貴重ですので取り合いになります。

第3局の時は、井道さん、木村さん、記者さんたちで一つをわけあって食べていたのが印象的です。

スイーツということで女流棋士優先で食してもらいますが、男性棋士も、特に、勝又さん、田中寅彦さんは反応がとてもよく食レポしてくれて、『Twitter』にも上げてくれてありがたかったです。
棋士の『Twitter』フォロワー数はうちの公式フォロワー数よりも遥かに多いですから(笑)。

男性女性ともに棋士の方々はスイーツが好きですね。甘いモノ苦手という方に出会ったことがありません。

カメラマンも記者も女流棋士が召し上がる記事は映えるので力を入れて絵を撮ることになります。

女流棋士が食する時は別室へ行って別撮りすることもあります。ただ糸谷竜王がいらっしゃれば当然別撮りをお願いいたすつもりでした(笑)。

――ありがとうございました。

記事中にもあるように、第4局で豊島七段に出された『ルレクチェのメープルロール』は7月25日(土)26日(日)の両日、ブールミッシュ銀座本店、池袋西武店、横浜高島屋店、恵比寿三越店で1日あたり個数限定で販売される。

『棋聖戦限定パッケージ』のお菓子の詰め合わせ(ガトー・ボワイヤージュ8個入り)は7月26日(日)まで、ブールミッシュ銀座本店、池袋西武ブールミッシュ、インターネット等で販売される。
また、パッケージに描かれている詰将棋を解いて応募すると、羽生棋聖のサイン等がもらえるプレゼントキャンペーンが行なわれている。こちらの締め切りは7月31日(金)まで。

詳しくは、ブールミッシュ棋聖戦特集サイトを参照していただきたい。

http://www.boulmich.co.jp/kiseisen.html
(※画像はブールミッシュより提供)

―― 見たことのないものを見に行こう 『ガジェット通信』
(執筆者: tmksStyle)

480名無しさん:2015/07/26(日) 10:49:52
http://news.mynavi.jp/news/2008/12/22/015/
「渡辺くん、あきらめたらそこで試合終了だよ」 - 妻のやさしい小言
内田晶  [2008/12/22]

「渡辺くん、あきらめたらそこで試合終了だよ」

将棋の渡辺明竜王の妻・めぐみさんは「妻の小言。」と題したブログを綴っている。長い文章はなく、題名の通りポツリと"小言"をもらしているのが何とも面白い。将棋界では常識となっていることに対し、客観的にポツリと疑問を投げ掛ける。その内容はなるほどと感心させられることが多い。渡辺竜王自身もブログで将棋の話題を中心に、趣味の競馬や息子のことなど日々の出来事を綴っているが、「妻の小言。」は全く毛色が違う。将棋の専門的な話題はなく、将棋をあまり知らない人が見ても十分楽しめる内容になっている。

将棋界最高峰を決める今秋の竜王戦七番勝負で、渡辺は羽生善治名人の挑戦を受けいきなり3連敗を喫してしまう。あと1番負けたら終わり、勝つには4連勝しか道は残されていなかった。長い将棋界の歴史で3連敗後に4連勝した例はゼロ。周囲は渡辺失冠ムードが漂っていたが、そんなとき「妻の小言。」に綴られたのが冒頭の言葉だった(2008年11月25日のエントリー)。

マンガ「スラムダンク」の名シーンを意識して、苦戦を強いられている夫にイラスト入りでエールを送った。そして渡辺竜王は見事、4連勝で大逆転防衛を果たしたのだった。直接言わずブログでひっそりと綴る。棋士を夫に持つ妻は、直接将棋の話をしにくいという声をよく耳にするだけに、ネットが波及していないひと昔前にはない声援の仕方と言える。

「奥さんのブログが良かったんじゃないですか」と将棋関係者から質問された渡辺竜王はこれを否定。「あれを見て励まされたということはない。妻がブログをやっているのは深い意味はなく、単なる趣味ですから」とキッパリ言い切る。竜王も一読者として楽しく見ているだけとのこと。しかし、終始強気につっぱるも、最後に妻への感謝の気持ちが垣間見えた。

「励まそうとしているのは分かりましたけどね」

トッププロの妻としてこれからはどんな小言が綴られるのだろうか。全く予想がつかない。竜王も「妻の小言。」に関しては自身のブログ「渡辺明ブログ」で返事をしているから、竜王ブログと合わせて見れば面白さは倍増だ。渡辺夫妻の微妙な距離感が何ともおかしい。内容が気になるそこのあなた、今すぐアクセスを!

(週刊将棋・内田 晶)

482とはずがたり:2015/07/30(木) 20:31:34
>つまり、(任天堂の)実質的な手元資金であるネットキャッシュは9152億円もある。これは日本の上場企業で1位であるファナックの9912億円(同時点)に次ぐ規模で3位キヤノンの9142億円(同)を僅差でしのぐほどの財務の健全ぶりなのである。

任天堂、岩田社長なき後に見えた本当の弱点 「健全すぎる財務体質」は何を意味するのか
http://news.goo.ne.jp/article/toyokeizai/business/toyokeizai-78743.html
06:04東洋経済オンライン

任天堂、岩田社長なき後に見えた本当の弱点 「健全すぎる財務体質」は何を意味するのか
第1四半期として5年ぶりに営業黒字化した(写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ)
(東洋経済オンライン)
誰も予想だにしなかった岩田聡社長の急逝により、重大な岐路を迎えている任天堂。7月29日に発表となった2015年4?6月期業績は売上高902億円(前年同期比20%増)、営業利益11億円(前年同期は94億円の営業赤字)と、第1四半期としては5年ぶりの営業黒字に復帰した。

昨年秋に発売した携帯ゲーム機「Newニンテンドー3DS」シリーズが貢献したほか、苦戦してきた家庭用ゲーム機「WiiU」向けとして、5月に全世界で発売したソフト「スプラトゥーン」が累計162万本以上のミリオンヒットを記録。3DS向けソフトでも堅調な売れ行きを見せるタイトルが数本出たことなどが要因だ。

任天堂は2012年3月期から3年連続で毎年360億?460億円程度の営業赤字を計上。ピークだった2009年3月期に売上高で約1兆8000億円、本業の儲けを示す営業利益は約5500億円を稼いでいたが、2015年3月期には売上高約5500億円、営業利益約250億円と売上高はピークの3割、営業利益は同5%程度にまで縮んでいる。

圧倒的な収益力は見る影もなくなった
この第1四半期を総括すると、本業で儲けを出せない苦境は脱してきているものの、かつての圧倒的な収益力は見る影もなくなっている、という状況である。

もっとも任天堂の財務体質は極めて強固だ。日々の営業活動からどれだけのキャッシュ(現金)を稼いだのかを見る「営業キャッシュ・フロー」を見ると、2015年3月期は602億円も稼いでおり、営業利益よりもはるかに大きい。

さらに手元資金はかなり豊富である。企業の財務健全性を示す指標であるネットキャッシュを見てみよう。ネットキャッシュとは、現預金と短期保有の有価証券の合計額から、有利子負債を差し引いた額だ。

任天堂は今年6月末時点で総資産の4割にも及ぶ、5347億円ものを現預金を抱えている。短期保有の有価証券は3805億円で、有利子負債はゼロ。つまり、実質的な手元資金であるネットキャッシュは9152億円もある。これは日本の上場企業で1位であるファナックの9912億円(同時点)に次ぐ規模で3位キヤノンの9142億円(同)を僅差でしのぐほどの財務の健全ぶりなのである。

極端な話になるものの、本業がいくら赤字であってもキャッシュがあれば、企業が潰れることはない。任天堂は2012年3月期に432億円、2014年3月期に232億円の最終赤字(純損失)を出し、当時は先行きが危ぶまれたものの、実は財務上はびくともしていなかった。任天堂が本当の意味での経営危機を迎えることは、当面考えられない。

大胆な投資を仕掛けられていない証左
一方、健全すぎる財務体質は、任天堂が大胆な投資を仕掛けられていない証左でもある。任天堂の自己資本比率は直近で約88%。これも日本の上場企業では極めて高い水準。もっと投資に資金を投下できる余裕は十分以上にあるが、任天堂は投資先に困っているのかもしれない。

ヒントは、「投資活動によるキャッシュ・フロー」にある。投資活動によるキャッシュ・フローとは、設備投資や余剰資金の運用など、将来の利益獲得と現在の事業活動を維持するための投資の中身を示している。

483とはずがたり:2015/07/30(木) 20:31:53
>>482-483
2015年3月期の投資活動によるキャッシュ・フローを見てみると、定期預金の預入による支出が7566億円ある一方で、定期預金の払い戻しによる収入は6511億円だ。同様に有価証券及び投資有価証券の取得による支出が7363億円あり、償還もほぼ同額ある。

これは手元現金を運用し、利回りを少しでも稼ごうとしてる証拠だ。もちろん、任天堂も収益拡大のため、手をこまぬいているワケではない。ただ、任天堂の収益拡大の基盤となる研究開発やソフト開発に投じられる人員や、それによって得られる需要の拡大には限界がある。今まで蓄積した資産の運用に困っているから、定期預金や有価証券を購入したりするのだ。

自己資本の運用先に困ってるからこそ、任天堂は自己資本がどれだけ利益を生んだかを示すROE(自己資本利益率)が低い。当期純利益を自己資本で割り出すROEは、過去5年で最も高かった2015年3月期でさえ4.8%だ。

ゲーム会社のROEが低いかというとそうではない。驚異的なROEをたたき出すゲーム会社はある。スマホ向けゲームの大ヒット作「パズルアンドドラゴンズ」、パズドラの略称でおなじみのガンホー・オンライン・エンターテイメントだ。

ガンホーのROEは2013年12月期に136%、2014年12月期は61%を記録した。単純に言うと、2013年12月期は100円の元手で136円、2014年12月期は少し落ちたとはいえ61円の利益を稼ぎだしたことになる。銀行の1年定期預金の金利が約0.02%と考えれば、このすさまじさが理解できるだろう。

ガンホーはパズドラの恩恵を受けて急成長を遂げた。2012年12月期の売上高は258億円にすぎなかったが、2014年12月期には1689億円と、7倍近くとなり、営業利益も625億円と規模で圧倒的に劣る任天堂を上回っている。

ガンホーにはどの業種・業態にもかつてなかった特徴がある。それは、収益を特定の一つのソフト、つまりパズドラに依存していることだ。パズドラの国内累計ダウンロードは7月下旬時点で3700万を突破。海外でも複数の国で100万単位のダウンロードを記録している。稼働ユーザー数も順調だ。

ガンホーはパズドラ依存でも収益を安定化
ガンホーの売上高はパズドラだけで9割強を占めている。単一事業ならまだしも、単一製品・ソフトにここまで収益を依存してる上場企業を筆者はほかに知らない。ゲームをしたことのある読者なら分かると思うが、ゲームはすぐに飽きられる。だからこそ、ヒットを飛ばそうと年間何万というゲームタイトルが世に誕生し、そして消えていく。

パズドラは世に出てから4年目を迎えてもなお順調だ。ゲームのライフサイクルは短いから、パズドラに極度に依存するガンホーはリスクが高い企業だと筆者は考えていた。だが、ガンホーの考え方は違う。単一ゲームソフトでも、やり方次第で安定した収益確保の可能性を示した。確かに将来は分からないが、ここまで長く愛されるゲームで収益確保できるのはあらたな考え方、今までの常識を覆すビジネスモデルといえるかもしれない。

任天堂も過去30年にわたって、今までの常識を覆してきた。みずからがゲーム市場を大きく広げてきたのだ。ゲームセンターや宿泊施設などにしかなかったゲーム機を、家庭用のファミリーコンピューターとして根付かせ、小中学生を中心として遊びの中にゲームという文化を根付かせた。

その後、ゲームが技術の進歩ととともにどんどん高度化し、子どもや一部のゲーム好きな大人に限った市場になっていく中、普通の大人や高齢者なども取り込む仕掛けをつくったのも任天堂だ。携帯用ゲーム機「ニンテンドーDS」や家庭用ゲーム機「Wii」は、従来になかったゲームの遊び方を生み出し、任天堂が飛躍的に成長するきっかけとなった。

スマホで大ヒットしたゲームはパズドラだけに限らず、任天堂にもこの分野でのチャンスはある。今年4月に表明したディー・エヌ・エー(DeNA)との提携によるスマホゲームの共同開発は、その一歩だろう。

とはいえ、豊富すぎる手元資金、健全すぎる財務体質を少しぐらい崩してもいいというぐらいの覚悟で、これまでになかったゲームの新しい価値の創出に挑まなければ、「簡単に潰れはしないけど、なんだか面白みのなくなったゲーム界の王者」になりかねない。黒字基調を取り戻してきた今だからこそ、もっと大胆な決断をしてもいいのかもしれない。

484名無しさん:2015/08/08(土) 17:57:34
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150722-15072200-nhktextv-cul
これまでの経験生かした将棋を──今泉健司新四段への期待
NHKテキストビュー 7月22日(水)8時0分配信

瀬川晶司五段に続いてプロ編入試験を突破した今泉健司新四段。そのお祝いの会に将棋ライターの後藤元気さんが参加してきました。



* * *



会では「今泉さん対参加者」というアトラクションがありました。指名された人が10手ごとに交代するのですが、結果は参加者の勝ち。負けた今泉さんは「勝負どころで木村一基八段に出てこられたのが厳しかった」と笑顔でした。



瀬川さんは奨励会を退会したあとにサラリーマン経験を経て、再び勝負の世界に戻ってきました。今泉さんも奨励会を退会してから接客業に携わり、その後に介護のお仕事をされていました。



棋士の仕事の第一義は真剣に将棋に取り組み、よい棋譜を残すことです。棋譜は符号で示されるので似たような見た目になることが多いですが、誰が指したか、その棋士の個性によって符号に与えられる情報量が変わってきます。



たとえば相掛かりが得意な棋士が初手▲2六歩と突くのと、振り飛車の大家である藤井猛九段が初手▲2六歩と突くのとでは見る側に与える印象は違いますよね。



今泉さんにはこれまでの経験を生かし、個性のある将棋を指していただきたい。そしてNHK杯本戦出場の際には、ぜひ自戦記をお願いしたいと思っています。



■『NHK将棋講座』2015年7月号より

NHK出版

485名無しさん:2015/08/23(日) 16:28:53
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150821-00010001-shincho-soci
20連勝! 出雲のイナズマ「里見香奈」女流二冠はなぜ男に勝てない〈週刊新潮〉
BOOKS&NEWS 矢来町ぐるり 8月21日(金)8時1分配信

 今や女性が進出していない職業を探すのは難しい時代である。だが、将棋の世界は違う。もちろん、「女流」という女性棋士だけの世界は別にあるが、名人戦などに出られる「プロ棋士」になった女性はまだ一人もいない。そして、最も有望といわれる里見香奈・女流二冠(23)も、また、高すぎる壁にぶつかっている。

 ***

 目下、女流棋士の世界にあって女流王位、女流名人の二冠を持つ里見を止められるライバルはいない。

「体調不良で休養を取っていた里見ですが、今年1月に復帰すると連勝を続け、2月には女流名人戦を連覇、5月の女流王位戦もストレートで奪取し、8月1日に行われた『マイナビ女子オープン』でも2連勝、前人未到の20連勝を達成したのです。終盤の鋭い差し手から“出雲のイナズマ”と呼ばれている彼女ですが、女流では、もはや敵なしと言っても差し支えありません」(将棋観戦記者)

 だが、そんな里見にも、ままならない世界がある。女流とは違う「プロ棋士」の道だ。

「プロ棋士に男女の区別はありません。しかし、プロになるためには、養成機関の『奨励会』に入る必要がある。そこでリーグ戦を勝ち抜き、四段になって初めてプロになれるのです。しかも四段に昇格できるのは半年に2人だけという非常に厳しい世界です」(同)

 里見が注目されたのは、4年前に奨励会の編入試験に一発合格し、女性では初の三段に昇格したからだ。それまでにも林葉直子や蛸島(たこじま)彰子といった女性棋士が奨励会に入ったが蛸島の初段どまり。それだけに里見は初の女性プロ棋士誕生かと期待されたのである。ところが、昨年3月に体調を崩すと、それ以来、リーグ戦には参加していない。

「これで里見さんのプロ昇格は非常に難しくなったと見ていい。奨励会では三段から四段になるのが最も大変で、26歳になると自動的に退会させられる。23歳の彼女にはもう時間がありません」(同)

 三段から四段に昇段するには、3年はかかるのが普通。里見には実質2年半しか残されていない。

 休養から戻った彼女が、もっぱら「女流戦」に出るようになったのは、それを意識しているからとも言われている。競技人口も男が圧倒的に多い(5対1)とはいえ、女性のプロ棋士はいまだにゼロ。将棋というゲームは女性に不利に出来ているのだろうか。

486名無しさん:2015/08/23(日) 16:29:30
>>485

■「女流」は稼げる
 脳科学者の茂木健一郎氏が言う。

「一般的に言って女性は右脳と左脳をつなぐ“脳梁”という箇所が太く、左右バランスよく働かせて同時に2つの事が出来る能力に長けています。一方、男性は脳梁が細い代わりに左脳を発達させやすい。これは一つのことに集中して取り組むのが得意なことを意味しており、いわゆる“オタク脳”ってやつです。もちろん、脳は個人差が大きいので、あくまで統計的なもの。女性にも将棋に向いている脳の人はいるはずなんですけどね」

 それよりも、将棋界の現状が女性の「プロ棋士」誕生を阻んでいると言うのは、ある中堅棋士だ。

「女流棋士の世界では、里見さんクラスになると対局料やイベントで年間1000万〜2000万円は稼げる。しかし、奨励会の会員は、どれだけ強くても記録係など1日5000円程度の収入で年収100万円がいいところです」

 奨励会に戻ってチャレンジする気も失せるというものである。

「ワイド特集 女たちは荒野をめざす」より
※「週刊新潮」2015年8月13・20日夏季特大号

SHINCHOSHA All Rights Reserved.

487とはずがたり:2015/09/04(金) 09:36:08
水戸発祥か!

世界オセロ、水戸で来年11月開催 06年以来、10年ぶり2回目
http://news.goo.ne.jp/article/ibaraki/region/ibaraki-33002615.html
05:33茨城新聞

盤上ゲーム・オセロの発祥地である水戸市は3日、来年11月の「第40回世界オセロ選手権大会」(日本オセロ連盟、世界オセロ連盟主催)の開催地に同市が決まったと発表した。同市での開催は2006年以来、10年ぶり2回目。今回は約30カ国・地域から過去最大の100人ほどが参加する予定だ。
 開催を発表した会見で、高橋靖市長は「伝統と権威ある大会を成功に導きたい」と語り、プレイベントで周知を図るとともに大会を観光振興につなげたい考えを示した。
 大会は来年11月1日から4日間、市内のホテルで開かれる。
 開催地をめぐっては、国内4都市が候補に挙がっていた。水戸市は2年前から誘致活動に取り組み、大会への全面協力を申し出るなど「熱烈なオファー」を展開、これが決め手になった。
 市文化交流課によると、06年の30回大会は民間ベースで運営された。今回は市が商工団体などと実行委員会を立ち上げ、官民で大会を盛り上げる方針だ。
 今秋のプレイベントとして、6日に全国大会の一つ「王座戦」を8年ぶりに市内で開催。10月25日には中心市街地で開かれる「水戸まちなかフェスティバル」でオセロの体験イベントを実施する。
 この日の会見で、オセロ考案者で日本オセロ連盟会長の長谷川五郎さん(82)は「前回の水戸開催は外国選手の評判が非常に良かった」と強調。世界オセロ連盟のベンクト・スティントフト理事(50)は「水戸は特別な場所だ」と感慨深げに話した。
 水戸開催決定を受け、日本オセロ連盟茨城ブロック長の和泉貴士さん(36)=水戸市=は「オセロの奥深さや魅力を知ってもらうイベントをどんどん仕掛けていきたい」と喜びを語った。
 オセロは同市出身の長谷川さんが旧制水戸中(現水戸一高)在学時の1945年、囲碁を知らない友人のために考案。玩具メーカーが商品化した70年代にブームが起き、世界中で親しまれるゲームに発展、愛好者人口は現在、6億人に上るという。(小野寺晋平)


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板