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Game全般

435名無しさん:2015/06/20(土) 21:27:33
>>434

予想が当たらない、相手とかみ合わない勝負こそ面白い
 ――将棋の本質とは何でしょう。

 「そうですね・・・でも、コンピュータの進歩で、また次の扉が開いているという気がします。コンピュータがいろいろな手を指し示すようになって、それから先、どうなっていくのか・・・。自分でも想像のつかないことが、今、始まっているという感じですね」

 ――そういう現状の中、自分はどうしていこうと? 
 「考え中です」

 ――考え中ですか(笑)

 「コンピュータの及ぼす影響にどう対処するかというのは、近々の非常に大きなところですね。つまり、コンピュータ的なものをどれくらい信用して使うべきなのか、やっぱり、選ばなきゃいけないことだと思っているので。今、言えることは、コンピュータは人間の死角を補うものであること。それは、決して万能ではない。だからといって、無視も出来ないということです。そこをこれから徐々に決めていくことになると思います」

 ――将棋の奥深さをさらに追求していく。

 「そうですね。作戦面では10年、20年前に比べると、格段に進んでいると感じます。でも、その鉱脈がどれくらいあるのか、ちょっとわからないんですよ」

 ――わからない。

 「つまり、石油の埋蔵量のように以前なら無尽蔵にあると言えたものが、コンピュータによって掘削技術が進んで、埋蔵量が増えるかも知れないし消えるかも知れない。そこはコンピュータの進歩と非常に密接に関係してくると、個人的には思っています」

 ――一つ思うのは、将棋は闘いである反面、対話や調和、親和ではないですか。

 「均衡を保つというのは、言葉を変えるとそういうことです。基本的に、どこかで必ず局面は崩れますけど、共通項はありますね」

 ――それこそ、相手と一つになるくらいの感覚があるのではないかと思ったんですが。

 すると羽生は、何かに気づいたような表情で、こんなことを言った。

 「考え方が一致するときはありますよ。完全にこの局面は一致していて、それは言葉にしなくても前提として感想戦で話しているんです。ただ・・・相手と同調することもあれば、噛み合わないこともあって、やっぱり、内容的に面白くなるのは噛み合わないときなんですよ。読みがズレたり、考え方が合わない、予想が全く当たらないときのほうが、将棋は非常にエキサイティングになりますね。基本的に将棋って、そういうものですから」

 そう言って朗らかに笑った。

 将棋とは何かを言葉にするのはまだ早いのだろう。コンピュータの思考によって人間の美意識がどうなるかはわからないが、噛み合わないからこそ、将棋は面白くなる。そんなまだ誰も観たことのない大海原を、羽生は既に視界に捉えているのだ。


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