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426名無しさん:2015/06/14(日) 22:31:43
>>425

確実な一手を選ぶことだけに集中する
 羽生にとって、将棋とは何なのだろう。

 将棋に闘争心は要らない、何と闘っているかを突き詰めてはいけない。勝つことに意味はない。だから、目の前の対局から新しい発見を探している。どうせ観るなら面白いドラマを観たい・・・。

 ここに羽生のモチベーションの根幹があるのは、わかっている。だとしても、改めて聞かずにはいられない。年が明けた今年の2月上旬、都合6度目となるインタビューで、核心に迫ってみた。

 ――当初、話を伺ったとき、何と闘っているのかと聞いたら、突き詰めてはいけない、答えはないから、と。あれからずっと思っているのですが、自分との闘い、あるいは将棋そのものとの闘いはないのですか? 
 「そうですね。もちろん、やっていることは勝負であり、全部が全部を闘いじゃないとは思わないです。ただ、そのプロセスの中で、闘争心みたいなものは必要じゃない・・・。いや、だから、ちょっと矛盾した言い方になるんですけど、勝つために、勝とうという意思はそれほど必要ではない、むしろ邪魔になってしまう。そこはちょっとパラドクスですけど、でも、間違いなくあるんですね」

 ――逆説ですね。

 「まあ、そこは答えようとすると、どうしても矛盾が生じてしまうんですけど・・・」

 ――ということは、自分との闘いはある? 
 「まあ、そうなんですけど・・・」

 ――あ、そういうのも、もうないんですか。

 「いえ、そういう葛藤を生じさせない努力が必要っていうか。そういうのも大事ですよ、大事ですけど・・・」

 ――あって当然ですよね、究めようとしたら。

 「あるんですけど、そういうものは持たないほうがいい状態で臨めるということですね」

 ――そういう葛藤を生じさせないためには、どんな工夫、考え方を? 
 「そうですね。まあ、そういうことを考えないようにするということもあるでしょうし、局面そのものに集中してしまうということもあるでしょうし。何ていうか、そこに重きを置かないというのが、やっぱり、一番いい方法なのかなとは思いますが」

 ――では、将棋そのものとの闘いはないんですか? 
 「どう言えばいいんでしょうかね、将棋は必ず一手を選ぶわけじゃないですか。そこで、勝とうが負けようが、ちゃんとした一手を選べばいいんですよ。その一手を選ぶことに集中する。それが繋がっていけば、結果的に勝ったとか、闘ったとなるかも知れないですけど、目の前の一手を考えるとき、そこには勝負も闘いも何もないですよね。突き詰めたら、闘っているのかも知れないし、勝つためにやっているのかも知れないですけど、一つ一つのプロセスの中には、そういうものは介在しないというところですね」

 ――将棋はよく一本の線を引いたように指すと言いますが、常に点の集積であると。

 「フラットに考えているということもあるし、将棋は一手だけで勝てることはないわけですよね。最初の局面から一手動かしただけで勝てることはない。ということは、勝つことじゃなくて、場面場面で均衡を保つことに全力を費やす。それを繰り返していくほうが、アプローチとしてはいいんじゃないかなと」

 ――年齢を重ね、経験を積んでいく中で、そういう考えになってきた? 
 「沢山の対局の中でいろいろなアプローチを試みてきて、こういうやり方が一番いいんじゃないかなと。今の時点では思っているということですね」

 ――10代の頃は「今が全て」と一喜一憂していた。当時はやはり、勝つことに・・・。

 「勝つことというよりも、読むことですよね。とにかく虱潰しに読んでいくという。効率は悪いんですけど、他にアプローチの仕方がないので。もう、しようがないから、虱潰しにいくっていう」

 ――それが30代に入った頃から、感覚を重視するように変わってきた。どこかで読みだけではダメだと感じたんですか。

 「いや、違う方法もあるんじゃないかな、という感じですね。読みだけではダメということはないと思います。読みだけでも、十分闘えるとは思うんですけど、他のアプローチもありますね」


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