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468名無しさん:2015/07/12(日) 12:26:15
>>467

●将棋が強くなるためには、「ダメな手」を見極めよ

―― 羽生さんは、2006年に出版された梅田望夫さんの『ウェブ進化論』のなかで、「ITとインターネットの進化によって、将棋が強くなるための高速道路が一気に敷かれた。でも、高速道路を走り抜けた先で、大渋滞が起きている」とおっしゃっていました。渡辺さんのその「割り切る力」は、渋滞を抜けるための一つの方法なのでしょうか。

羽生 聞いたわけではないのでわかりませんが、そのまま高速道路に乗って行くのか、一般道に降りて違う道を行くのか、みんな選択を迫られていると思います。これは、どの世界でも起きている問題ですよね。だからこそ、いかにして個性を出すか、自分なりのスタイルを築きあげるのか、ということを考えざるを得ない時代になっているのでしょう。

―― 羽生さんは、どういう方法で渋滞を抜けだそうと考えていらっしゃるのでしょうか?

羽生 私はもう、プロになって30年がたちました。ずいぶん長い年月、棋士としてやってきましたので、今はその経験を活かして差をつくるということを考えています。

―― 少し意外です。羽生さんは、これまで常識にとらわれない新しい手をたくさん生み出してこられました。経験というのは、そういった新しい発想の邪魔になることもあるのかと思ったのですが……。

羽生 もちろんそうです。足かせになるケースもいっぱいあります。だから、経験をそのまま当てはめることはしません。一工夫して、具体的に実戦に活かせるものに変えていく。例えば、対局で経験したことのある局面を、類似した局面での判断に利用したり、考え方だけを抽出してみたりするんです。あとは、こうやったらうまくいく、ではなくて、こうやったらダメだったということを覚えておきます。そうすれば、回り道をしなくてすむからです。

―― ダメだった局面のほうが大事なのですか。

羽生 私は、将棋が強くなるために一番大事なことは「ダメな手がわかること」だと思います。

―― おお。一番がそれですか!

羽生 これはダメな選択肢、やっちゃいけない手だ、ということが瞬間的にわかるかどうか。これはすごく大事なことです。なぜかというと、いくらたくさんの手が読めても、そのなかにダメな手がひとつ入っていると、すべてが台なしになってしまうからです。

―― なるほど、何十手も先を読むわけで、ダメな手がまじるとその先がすべて意味のないものになってしまうのか。

羽生 はい。でもダメな手を瞬時に排除することができれば、効率よく深堀りして読み進めることができます。

―― そのダメな手を見極める力は、どうやって鍛えればよいのでしょうか?

羽生 実戦を重ねること。あとは、戦い方、戦型のツボみたいなものがあるので、それをいかに修得するかですね。それにはやはり練習を繰り返すことと、その戦型に精通している人の棋譜を調べることも大事です。

―― 棋士として成果を出せるかどうか、ほかに大事なことはありますか?

羽生 あとは、その人の個性と、流行とのマッチングの問題もあると思います。ファッションと同じで、将棋にも戦い方の流行があるんです。その流行と自分のスタイルが近いと活躍しやすい。でも、流行は移ろっていくので、あるときにマッチングしていたからといって、ずっとそれが続くわけではない。そこが難しいですよね。

―― ある戦型で一世を風靡したとしても、流行が終わってしまうと勝てなくなる。たしかに、そういうことってありますね。

羽生 誰もその線型を指さなくなってしまうと、使いたくても使えないですからね。また、流行はそれぞれ鉱脈の深さが違うんですよ。これは1年たったら絶対に廃れているだろうな、という形もあれば、これから10年先のメインになるだろう、というものもありますからね。その深さをいかに見極めるか、というのも重要なことだと思います。

―― なるほど。たしかに、中飛車(戦法の一つ)があんなに伸びるとは思いませんでした。

羽生 あれは、棋士の誰も思っていませんでした(笑)。そういうふうに、やってみたらけっこう鉱脈が深かった、ということもあるんですよね。その深さはいつでも事前に見極められるわけではないので、常に思考を修正して、考え続けていくことが必要なんだと思います。


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