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Game全般

450名無しさん:2015/06/27(土) 21:38:32
>>449

――対局数もさることながら、通算1320勝は現役1位、1140敗は歴代1位。若手棋士に交じりながら最年長棋士として勝負の世界に身を置き続けられています。

 棋士として大きな転機があったんです。大山康晴十段(当時)に勝った68年の十段戦(現在の竜王戦の前身)でした。1日目に封じ手をして5時間考え抜いて2日目を迎えたのですが、妙案が浮かばない。さらに2時間熟考してひらめいたんです。将棋には7時間も考えて得られるほどいい一手が潜んでいる。感動しました。真剣さが報われた思いがしました。生涯棋士としてやっていく自信がついたんです。棋士としていい勝負をし、名局を残したいという思いが、現役を続ける原動力になっていると思います。

――元気の秘訣は?

 若い方と真剣勝負で激突できる環境も大きいですね。今年3月に現役最年少の増田康宏四段(17)と「58歳差対決」をしたんですが、直前まで相手を増田裕司六段と勘違いしてたんです。けっこう自信家なんで、勉強しなくても勝てるだろうとルンルン構えていたんですが、最年少四段と分かってちょっと慌てましたね。若い人が強いのは当たり前の世界ですから。結果は私が勝ちました。実績が違いますから。

 最近は棋譜の研究をやり過ぎかもしれません。42歳前後はせいぜい1日2時間だったのが、5時間くらいやってしまう日もありますね。近ごろの将棋は美意識のかけらも感じさせないほど、作戦が煩雑化しちゃってるもんでねえ……。まあ、それでも将棋の本質は変わらないので、自信を持ってやってます。

――衰えない闘争心の源は?

 名人位を獲得する対局前日に旧約聖書をめくっていたら、モーゼが語っている箇所にあたって、「敵と戦う時には勇気を持って戦い 弱気を出してはいけない 慌てないで落ち着いて戦い……」という一節が目に留まったんです。勇気を持つ。弱気を出さない。慌てないで落ち着いて戦う。そして、自分の行動には絶対の自信を持つ。私に向けられた言葉だと思いました。勝負に挑む気持ちはこれに尽きますね。

――健康面で気遣われていることは? 最近の対局でチキンカツとカキフライを一遍に召し上がったとか。

 ご飯は1人前ですけどね。卵焼きも食べたかったけど、時間が足りなかった。よく食べますし、よく眠りますよ。タイトル戦で食事量を減らしたら風邪をひいたことがあったので、バランス良く3食取るようにしてます。対局前に一睡もできなかったのは一度だけ。午前2時ごろ目が覚めてしまったことがありましたが、赤ワインを1杯飲んだらスーッと眠れて。いずれの対局も勝ちました。もともと記憶力はいい方で、対局前に棋譜を並べて見れば全部覚えられます。

――「負けを引きずらない」とおっしゃっていますが、なかなかできることではありません。

 常に真剣勝負、悔いが残らないように戦っているから後を引かないのかもしれません。家族の存在も大きいですね。どんな棋士でも負ける時がある。それで落ち込むような家族だったらキツイ日もあったでしょう。家内は「今日は負けたけど、次は勝てるでしょう」と思うタイプ。心の持ち方が、心を軽くするんです。

「SPUR」(集英社)という雑誌で身の上相談を引き受けたら、〈結婚相手はどんな人がいいですか〉という質問があったんですよ。人生は山あり谷あり、嵐の日もある。波を切り抜けていくための〈めげない心〉と〈たくましさ〉を挙げました。問題が起きてもアタフタしない。いつも通り精進する。そうすれば、どんな時でも一番いい答えが見つけられると思いますよ。

▽かとう・ひふみ 1940年、福岡県嘉麻市生まれ。早大第二文学部中退。54年に史上最年少の14歳7カ月で四段に昇段し、プロ棋士に。名人、十段、王将、王位、棋王など数々のタイトルを獲得。86年にローマ法王から聖シルベストロ教皇騎士団勲章、00年に紫綬褒章受章。新著「無敵棒銀」(木本書店)を発売。


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