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401
:
名無しさん
:2015/06/07(日) 17:25:49
>>400
損な手も本当にやってみなければわからない
――若い頃から、自分が率先して将棋界を発展させる、切り開いていくという気概や覚悟のようなものはなかったですか。
「いや、ないですよ。全く。まあ、自分が、普通に、自然にやってどうなっていくか、ということだし、うん。それがどういう影響を起こすかはわからないことだし、うん。ただまあ、あまり制約をかけないということは、もちろんありますけど」
――自由に。
「ええ。どう言えばいいんでしょうかね、例えば将棋の指し手だったら、どういう指し方も常に可能性としてはあるわけで。うん。だから別に、これをやってはいけないということはないですし。例えば、昔、よく二手目に(普通は損だから指さない)6二銀とか、3二金に上がったりしていたときも、損な手だということはよくわかっていたんです。でも、どれくらい損かというのはやってみないとわからないんで。ある程度やってみて、どれくらい損かわかったからやめた、ということなんです。はい。結構、そんな感じで・・・・・・へへっへへ(照れ笑い)」
――普通は損だからやらない手も、羽生さんは実戦で試してみる、と。
「そうですね。ただまあ、沢山あるセオリーや定跡みたいなものに、毎回沿ってやるのはシンドイな、という気持ちもあったので。それでちょっと変わったこととか、実験的なこともやってみようと思っていたと思います」
――それは今でも変わらない。
「時期によって、こういうことをやってみようとか、これはやめておこう、というのはありますけど」
――昔の将棋界は、先輩への敬意が過剰になって若手が勝てない、人間の厚みで押さえ込まれてしまうことがあったと思います。
「ええええええ、はいはいはい」
――そういう状況を変えたい、とは?
「う〜ん、いや、でも、例えば、大山先生と対局すると、やっぱり、凄い迫力があるんですよ。だから、その部分だけでは戦わないということはありましたね。うん。例えば、経験値とか、勝負どころの勘所とか、そういう部分では叶わなくても、作戦面や最新の戦術だったら五分に渡り合える、というところはある。どちらを前面に出してやるか、ということだと思っていたんですけどね」
――当時はよく、『将棋と人生は関係ない』『理論で割り切れる技術のゲーム』と強調していましたね。
「あ、いえ、それは、ですね。その先があってですね。私がそう言っていたのは、甘えになるから、という続きがあるんです」
――なるほど。将棋が強くなるには人生経験が必要と言われていましたけど、それは逆に遊びを正当化する言い訳にもなる。
「言い訳にするために、そういう話が出てるんで。だから、技術論であると言っていたんです。ずっとそう言っていたんですけど、毎回、そこはカットされちゃうんで(笑)」
――ああ・・・・・・。
「そこは誤解を生んでる可能性はあるかも知れません・・・・・・」
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