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436
:
名無しさん
:2015/06/20(土) 21:28:17
>>435
「役割はないです」
取材終了の時間が迫っていた。
――では最後に。激変期に突入した将棋界にあって、棋士として、また人間として、羽生さんの役割は何だと考えていますか。
何気ない問いのつもりだった。最後を締めくくるセリフになればいいという程度のものでしかなかった。だが、それがまたもや、私をうろたえさせることになる。
羽生は素っ頓狂な声でこう言った。
「役割ですか? 役割なんて、あるんですかねぇ・・・」
――えっ? 役割は、ありますよね・・・?
「自覚したことはないです」
――自覚したことはない・・・。
「はい。まあ、普通に、自然にやります。役割はないですよ。自分の出来ることをやっていく、ということですね」
まだ2月に入ったばかりだというのに、Yシャツ一枚でも汗をかくほど強い日差しが恨めしい。取材を終えて家路につく道すがら、私は途中駅で下車して、見知らぬ通りをふらふらと彷徨い歩いていた。途中で蕎麦をすすり、また歩き、コーヒーを飲み、また歩く・・・。
「役割はないです」
何度も立ち止まり考えたのは、羽生が明快に発した言葉の意味だった。
それは一見、第一人者としてはあるまじき答えに思える。どんなジャンルでも、トップに長くいる人は、自分の役割や使命感を口にするものだ。例えばサッカーの日本代表で長く活躍すれば「日本サッカーのために」といった「大義」が自然と生まれてくる。羽生にはそれがない。だが、不思議と嫌な感じもしないのだ。
何時間か歩いて、ようやく家に辿り着き、頭をクールダウンしようと缶ビールのプルトップを空ける。だが、何本呑んでも芯から酔うことはない。羽生の言葉が、その姿が、頭の中をぐるぐると回っている。
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