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399名無しさん:2015/06/07(日) 17:24:30
>>398

名人戦はテニスでいえば、ウィンブルドン
 ――1年で名人再挑戦です。率直にどう受け止めていますか。

 広い会議室で大きめのテーブルを挟んで向かい合わせに座った羽生に、私はそう切り出した。すると彼は、いつものごとく、飄々と話し始めた。

 「そうですね。順位戦は随分長いこと対局してますけど、さすがに8連勝という現象は起こしたことがなかったので、今期はちょっと、意外でしたね、ええ。あとやっぱり、順位戦は一局一局が非常に重いので。9局は長いようで、結構、短いんです。一局が重いなぁという感じはしますね」

 ――一局が重いというのは? 
 「何ていうんでしょうかね、特にA級順位戦は絶対に早く終わらない、夜中の12時くらいまでかかるのが大前提ということなんで。だから先のことを考えるより、目の前の一局について考える。それに備えていくことのほうが、重点は大きいですよね。作戦的なこととか、体力的なことも含めて」

 ――名人に対する特別な思いはあるんですか。

 「ああ、そうですね。まあ、名人戦ってテニスでいえば、ウィンブルドンみたいなものだと思ってるんですよ」

 ――ウィンブルドン(笑)

 「ええ。長い歴史と伝統を誇って、脈々と続いてきたところに大きな価値があるんだと思っています、はい」

 ――他のタイトル戦とは意味合いが違う? 
 「そこの位置づけをどうするか、ということだと思うんですよ。テニスでも、ウィンブルドンを4大大会の一つと思う人もいるし、まあ、フフ、特別なものと思う人もいるし。ただ、順位戦という制度(C級2組からA級まで5階級あり、名人挑戦まで最短でも5年かかる)があって決まるシステムは、他の棋戦とはかなり違うところですよね」

 ――一番厳しいですね。

 「段階を踏んでいかないといけないので。そういう意味での位置づけはあるのかな、という気はしますね」

 ――昔から名人は選ばれし者がなると言われてますけど、若い頃は、名人への特別な思いはありましたか。

 「ああ・・・・・・いや、でも、相手の人から『ここに賭けてる』と感じることは多かったですね。ベテランの先生も、いつも一生懸命やってるんだけど、順位戦のときは目の色が違うみたいな(笑)。私が4段、5段、6段で、C2、C1、B2くらいのときに対戦した人たちは、そういう人が多かったという記憶があるんです。他の棋戦のときは結構淡白だけど、順位戦になると尋常じゃなく粘るとか(笑)。随分違うなと思ったことはありました、ええ」

 ――羽生さんはどう感じてたんですか。

 「あ、やっぱり、そこに、厳しさがあるんですよね、うん・・・・・・」

 ――なるほど。

 「一つの負けが昇級を逃すということは、普通によくあることなんで。そういう意味では鍛えられた、という感じはしています」

 ――94年に名人初挑戦で米長さんに勝つ。当時の資料を見ていたら、勝った直後、自室に戻った羽生さんが『このためにやってきた』と珍しく喜びを露にしていたという記事があって、凄く意外でした。当時はそんな無邪気な感じもあったんですか。

 「ああ、そうですね。あんまりよくわからないで、名人になってしまったって感じだと思いますけど。何というか、本当の意味での過酷さみたいなものをわからないまま、最初は獲れたという・・・・・・。いや、知らなかったから獲れたということもあると思うんですよ。そういうことって、よくあると思ってます」

 ――A級1年目で。

 「そうですね。うん。一局一局が重いということも、その頃はまだ感じていなかったので」


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