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400
:
名無しさん
:2015/06/07(日) 17:24:58
>>399
盤上は将棋の可能性を追求する
羽生が求めているものの本質を探るには、改めて彼の歴史から紐解いていこうと思っていた。七冠を制覇する以前から、羽生はそれまでの「常識」をぶち壊し、新たな「常識」を構築し、時代を開拓してきた。それは斬新な指し手に代表される盤上だけではなく、慣習やしきたりといった盤外にも及んでいる。そこには、どんな意図があったのか。確かめてみることにした。
――米長さんとの第一局で、中飛車をやった。意表を突く戦型に、当時は驚きと共に批判もありましたよね。若手がそんな変わったことをやって失礼だとか、勝てるのか、という。
「ああ、まあでも今は何の違和感もなく、普通に皆やってることで、それもよくあることなんですよね。最初はいろいろ賛否があるんですけど、年数が経つと、実はどうってことない、大したことじゃなかったという」
――その年度の順位戦では、プレーオフも含めて3回、席次では格上の棋士を相手に上座に座った。盤上だけではなく盤外も含めて、将棋界を変えたいという意識はありましたか。
「いや、変えたいというよりも、普通にやってどうなるかっていう・・・・・・。例えば中飛車の話だったら、それで中飛車が指せないとか、指しにくいとなったら、選択の幅が狭くなるんで。だから、そこはまあ、やってみる。上手くいくかどうか、やってどうなるかはわからないけど、とにかく実験的に思い切ってやってみようというのはありますね」
――盤上は将棋の可能性を追求すると。
「はい」
――上座に座ったのも理由があった。タイトル保持者としてスポンサーのことを考えて。
「ああ、そうです、ね。確か、あのときタイトルを4つ持っていたと思うんですけど、自分のことよりも、保持者ということがあるので・・・・・・。いや、でも、相手の人が先に来て上座に座っていたら、ちょっとそこ、どいて下さい、とは言わないですよ(笑)」
――(笑)
「だから、どっちでもいいと言えば、どっちでもいいことだったんですけど(笑)。昔、そういうことで迷った時期もあったんで。迷うくらいなら、自分なりの基準で選ぼうということですよね」
――そういう自分の考えで取った行動に一部の人から批判が出たとき、どう感じました?心が痛むようなことはなかったですか。
「ああ、いや、う〜ん・・・・・・まあ、いろんな考えの人がいますからね(微笑)。それも一理あるから、そう思うこともあるんだろうなと。まあまあ、そこは・・・・・・。いや、絶対に上座に座らなきゃいけないという拘りがあったわけではないので」
――最初に矢面に立つのは、いろいろと風当たりが強いこともあったと思います。
「ああ、そうですね。うん・・・・・・まあでも、過ぎてしまえば、忘れてますよね。大体の人は(にこやかに笑う)」
――辛いなとは?
「いや、特にそういうことは思わなかったですけどね、ええ」
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