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ゲームの物語紹介スレ
1
:
名無しさん
:2008/03/04(火) 20:27:18
ゲームの物語の紹介はここで
2
:
機動戦士ガンダムSEED DESTINY 連合VS.Z.A.F.T.ⅡPLUS PLUSモード
:2008/03/04(火) 22:25:21
コズミックイラ(C.E.)71…オーブ首長国、オノゴロ島
そこには、家族と共に避難するシン・アスカの姿が。
しかしシンの家族はシンだけを残し、フリーダムの放った光芒によってなぎ払われる。
咆哮するシン。しかし、その当時14歳だったシンは、MSに対して圧倒的に無力だった。
そして、2年後のC.E.73、そこには…ザフトの軍人となったシン・アスカの姿があった…
「フリーダムは…俺が倒す」
3
:
塊魂
:2008/03/04(火) 22:44:19
アルコールに溺れて星空を暗闇に変えた大コスモの王様と、
親の尻拭いのために地球に飛ばされた王子。
王子は破壊しつくされた星空を戻すべく、
モノだらけの地球で塊を転がして大きくし、
それを暗闇の夜空に浮かべていきます。
はたして王子は、失われた星空の輝きを取り戻すことができるのでしょうか…?
4
:
ピクミン2 前半
:2008/03/05(水) 16:10:50
キャプテン・オリマーは、ホコタテ星では結構名の知れたベテラン宇宙飛行士だ。
愛機の宇宙船ドルフィン号で、小型貨物や宇宙資源を星から星へと運ぶ商売をしている。
とは言っても、彼もごく普通のサラリーマンであることには変わりない。
勤め先のホコタテ運送で身を粉にして働く毎日に疲れたオリマーは、
ある時、休暇旅行を思いついた。
ホコタテ運送の社長はオリマーに休暇を与え、
家族は父親の一人旅を笑顔で見送った。
ところが休暇旅行は思わぬ災難に見舞われた。
ドルフィン号が隕石に衝突し、見知らぬ星へ遭難してしまったのだ。
宇宙船の破損はすさまじく、パーツが星のあちこちに散らばってしまった。
おまけにこの星の大気には猛毒の酸素が含まれている。
生命維持装置を動かすバッテリーの寿命は30日しかない。
その短い期間に、散らばった宇宙船パーツを回収しなければらならかったのだ。
結論から言えば、オリマーは幸運だった。
この星で出会った小さな生命体ピクミンの助けで、
無事に宇宙船パーツを回収し、故郷のホコタテ星へと、
生還することができたのだ。
しかし…。
5
:
ピクミン2 中間
:2008/03/05(水) 16:17:57
オリマーの幸運は未知の星で使い果たしてしまったのかも知れない。
ホコタテ星に戻ったオリマーを待っていたのは、新たなトラブルだった。
オリマーのいない間に、ホコタテ運送には久しぶりに大きな仕事が舞い込んでいた。
ベテラン社員のオリマー抜きでこなせる仕事ではなかったが、
多額の運送料に目がくらんだ社長(本名:ル・チャチョー)は、
この大きな仕事を新人社員のルーイに任せたのだ。
結果は最悪だった。ルーイの不注意で、
高価な積み荷のゴールデンピクピクニンジンを宇宙ウサギに食い荒らされてしまったのだ。
このニンジンを弁償するために、ホコタテ運送は莫大な借金を背負ってしまった。
オリマーの愛機、ドルフィン号をはじめ、
社長は会社のあらゆる設備を売り払ったが、
それでも10100ポコという借金が残ってしまった。
6
:
ピクミン2 後半
:2008/03/05(水) 16:21:00
オリマーの目の前は真っ暗になったが、わずかに希望は残されていた。
オリマーが子供のお土産にとピクミンの星から持ち帰った物体が、
ドルフィン初号機の鑑定によると100ポコの値打ちがあるという。
ピクミンの星に戻って、同じようなお宝を持ち帰れば借金の返済も夢ではない。
社長はオリマーとルーイに社命を下した。
ドルフィン初号機に乗り込み、ピクミンの星へ向かえと。
借金を返済できるだけのお宝を持ち帰るために!
(ピクミン2 任天堂公式ガイドブックより)
7
:
MGS3 前編
:2008/03/05(水) 16:28:18
1964年8月24日パキスタン上空高度3万フィート。
米国旗を尾翼に描いた一機の特殊作戦機コンバットタロンが上空を飛んでいた。
朝日がコンバットタロンを包み込むと、そこから一人の男が空中へと身を投げ出した。
世界初のHALO降下(高高度降下低高度開傘)による潜入作戦、
「バーチャスミッション(貞淑なる作戦)」の開始である。
飛び降りたネイキッド・スネーク。特殊部隊FOXのメンバーである。
彼に与えられたミッションはソ連国内の山中、ツェリノヤルスクに単独潜入、
ソコロフ博士を奪還すること。
ソコロフはソ連で冷戦状態を終結させるほどの、恐るべき兵器を開発しているというのだ。
「特殊部隊の母」と呼ばれるザ・ボスとの再会と共に、スネークは潜入を開始する。
8
:
MGS3 後半
:2008/03/05(水) 16:32:18
ソコロフの救出は失敗に終わった。
負傷したスネークを待ち構えていたものは、軍部からの激しい尋問だった。
失意のスネークに新たな作戦が持ちかけられる。
それは亡命したザ・ボスの抹殺。
「FOXは死なない。まだ我々が生き残るチャンスはある」
FOX復活の最後のミッション「スネークイーター作戦」発動。
最新鋭偵察機を使いスネークはソ連上空から再度潜入作戦を仕掛ける。
スパイであるアダムと合流し、ソコロフが囚われている大要塞へと向かうのだ。
ネイキッド・スネークを待ち構えているのはザ・ボスとコブラ部隊。
世界の命運を握る、最大の潜入作戦が始まった。
9
:
ロックマンX1 オリジナル版 ED
:2008/03/07(金) 20:41:00
戦いは終わった。
明日になれば、再び平和な朝が訪れることだろう。
しかし、傷つき倒れ、夜の闇へと消えて行った者達が、
その朝を迎えることは決してない。
一人立ち尽くすエックスの姿は、爆発の光に照らされて
今にも消えてしまいそうに見えた。
何故戦わなくてはならないのか。誰もその事を教えてはくれない。
休む間もなくどこかでイレギュラー達が発生し、
再び彼は戦いの渦へと巻き込まれていくのだろう。
優しさを捨てきれぬイレギュラーハンター・エックス。
彼の戦いは、どこまで続くのだろうか。
彼の苦しみは、いつまで続くのだろうか。
彼の腕に冷たく光る、
エックスバスターの輝きと共に…。
10
:
ロックマンX オリジナル版 ED後
:2008/03/07(金) 21:06:13
お前が倒したものは、私自身ではない。
バラバラになった機械は、私の分身のようなもの。
私は再び、実体となって蘇る…
エックスよ、また会える日を楽しみにしているぞ。
ハハハハハハハハハ……
11
:
ロックマンX2 ED
:2008/03/07(金) 21:21:40
エックス…。
今回も私の負けのようだ。
…だが私は何度でも蘇り、新たなる力を得ることができる。
貴様の勝利など、ほんのひと時のものでしかないのだ!!
しかし ゼロは何故…。
ヤツは… 最後の…
ワイ……ナン……ズの…
ぐおおおおおおおおおおおおおお!
再びやってきたシグマの脅威を退け、親友ゼロを救い出したエックス
ハンターとしての仕事を全うし、ゼロと見つめる朝日の海が、
エックスの遠い記憶を呼び覚まそうとする。
エックスは考える
冷たいボディから溢れ出る、熱い力と 暖かな安らぎの訳を。
人間と機械、相容れぬ二つの生命が共存する平和な世界
それはかつて一人の科学者が望んで止まなかった理想郷…。
自らに託されたライト博士の想いを
やがて彼は知ることになるのだろうか…
エックスよ、新たなる戦いに向け
その小さな存在の中に秘められた大いなる力を
今はゆっくりと休めるがいい
この平穏の時が 仮初のものに終わらぬことを祈りながら…。
12
:
ロックマンX3 ED
:2008/03/07(金) 21:37:55
度重なるシグマの計画を悉く打ち破ってきたエックス
しかし、戦いの後に彼の心に残るのは虚しさだけだった。
何故人類とレプリロイド達が…
何故レプリロイド同士が戦わなければならないのか…
シグマに操られていたドップラーの研究所を見つめるエックス。
その、赤々と燃える炎を見つめながら
行き場のない悲しみと怒りによって
エックスの冷たい体は震えていた…
そして何時か思い出されるであろう自分の記憶が、
ゼロとの戦いを運命付けていることも
今は知らずに…。
そして彼らはこの先、何を見るのだろうか…。
13
:
ロックマンX4 ゼロED
:2008/03/07(金) 22:02:57
戦いは終わった。
しかし、蘇りつつあるゼロの記憶が
ゼロの心に迷いを生じさせる。
…イレギュラーを許せないハンターとしての自分。
…「アイツ」を倒す定めを負った、本当の自分。
全く異なる二つの運命。
そしてゼロの決断は、ついに二人のハンターを悲劇へと導く。
そう遠くない未来で…
14
:
ロックマンX5 ゼロED
:2008/03/07(金) 22:35:11
エックス「…ゼロ!?
ゼロ、ゼローーーーーーー!
ゼロッ!ゼロッ!まだ死んじゃダメだ!
聞こえるかい、ゼロ…ゼローッ!」
シグマ「シ…シネェー………」(以前貼った骸骨みたいな形態です)
エックス「ん…!?
し…しまっ…(光線が放たれる)
ぐ…グハッ…!!」
ゼロ「…しぶとい…ヤツだぜ…!
死ね…シグマ…!」(シグマを撃つ)
ゼロ「エックス…聞こえるか?
…最後まで…あ、甘さが…出たな…。
お…おま…は…生き…ろ…い、生き…」
(意識が途切れ、シグマと戦っている光景が映し出される)
ゼロ「…ハッ!?死ね、シグマ!
…ん?おかしい…シグマウイルスを倒したはずなのに…
なんでまた…シグマと戦っているんだ…?
く、苦しい…
そうか…エネルギーが切れかけて…
記憶メモリーが暴走しているのか…。
いよいよ…俺も最期。死ぬのか…
(続いて、老人の博士の後ろ姿が映し出される)
…誰だコイツ…。最後までわからない…。
夢でよくうなされた…。
(開発途中のゼロが映し出される)
今度は…俺か…。
そうか、夢の謎がわかった…。
…何?お前は何を作っている…
…ロボット破壊プロ… コレは…。
そういうことだったのか…。
(真っ赤に染まった、アイリスの顔が映し出される)
…アイリス…。すまないことをした…。
悪いなエックス。俺が消えないと…ダメみたいだ…
コレで全てが終わる… じゃあな…エックス」
15
:
おまけ ロックマンX5 覚醒ED
:2008/03/07(金) 23:08:09
エックス「………」(上半身のパーツのみが転がっている)
???「…まだじゃ。もう休ませてあげたいのだが…。
後少しだけ…頑張っておくれ、エックス」
昔の「嫌なメモリー」は忘れてしまって…」
あれから一週間後。
ハンターA「エックス隊長。
あの時のこと、本当に何も思い出せないんですか?」
エックス「…ああ。またそのことかい?
うん。覚えてないね…」
ハンターB「…だって、ゼロ隊長とエックス隊長って言ったら
誰もが認める特Aハンターで、
二人で一緒にどれだけ事件を解決したか…。」
エックス「シグマのことは覚えているさ、忘れやしない!
ただ、その「ゼロ」ってヤツのデータだけ残ってないんだ。
誰だか解らないが、俺を修理してくれたとき、
間違ってデータを消してしまったんだろ?」
ハンターB「そんな…
そんなことで、ゼロ隊長のメモリーを…」
ハンターA「オイ、もうやめろって!
エックス隊長が戻ってきただけでも
奇跡なんだから…」
シグナス「正に奇跡だな
戻ってきただけでなく傷一つなく帰ってきた。」
ダグラス「エックスとゼロの体はブラックボックスばかりで
なかなか修理できないのに…。」
エイリア「奇跡じゃないわ。きっと…」
シグナス「相変わらず夢がないな、エイリア」
エイリア「夢…?興味ないわ
レプリロイドがどうやって?」
ダグラス「しかし…何故ゼロのデータだけ削除されたんだ?
エックスのヤツ。」
シグナス「解らん。自然に消えてしまったか…
意図的に消されたか。」
エイリア「プロテクトがかかっていて、
ゼロに関わるデータすら受け付けないわ…
そんなプロテクト、私は見たことない。
更にエックスの謎が増えて、しこりが残ったわ…」
ハンターA「エックス隊長、
復興に時間がかかりますが
今回の戦いで平和が訪れる…そんな気がします」
エックス「そうだな。そのためにもますます頑張らないとな」
ハンターB「隊長はこれから…どうしますか?仕事以外で」
エックス「え?そうだな…そんなこと考えたことなかったな…。
うーん…。
そうだ、「ヘヴン」を作ろうかな?」
ハンターAB「ヘヴン!?」
エックス「そう、「ヘヴン」と呼ばれるような…。
人もレプリロイドも幸せに暮らせる楽園…。
そんなヘヴンを目指してみたい。
そう遠くない未来でいつか必ず…。」
ハンターB「ゼロ隊長がいれば…」
エックス「ん?またゼロかい?」
ハンターB「いえ、なんでもないですよ」
エックス「よし、ヘヴンだ…。いつか、必ず…。」
16
:
ロックマンX6 エックスのみED
:2008/03/07(金) 23:30:08
ゲイト研究所跡。
倒れているゲイトを発見したエックスとエイリア。
エックス「エイリア。助かるかどうか…解らないけど」
エイリア「エックス…。あなた、何故ゲイトを?」
エックス「同僚だろ?
昔の話かもしれないけれど…。
それにもう、これ以上レプリロイドを失いたくない…」
エイリア「そうよね… ゲイトはもう ダメかもしれないけど
貴方のその気持ちは伝わると思うわ…。
私からお礼を言うわ、
有難う、エックス…」
(唐突にゼロが横から出てくる)
ゼロ「どうやら全て解決したようだな。
強くなったな、エックス。
もう一人で十分かもな…」
(ゼロ引っ込む)
エイリア「…そういえばエックス、貴方見たんでしょ?ゼロの夢。
それもナイトメアの仕業だったのかしら…」
エックス「解らない。でも俺は信じてるんだ
ゼロはきっとどこかで…。
イレギュラーハンターだから、シグマになんか負けられない。
だから生きてるさ!」
エイリア「エックス…。
そうね、その通りよ」
(またゼロが割って入る)
ゼロ「フッ、そうだな シグマなんかに負けてたまるか
暫く平和な日々が続くだろう。
俺は今やるべきことを片付けるとするか…
暫くイレギュラーハンターの仕事は任せたぞ、エックス
これが片付いたらすぐ戻る。じゃあな…エックス」
(ゼロ引っ込む)
エックス「ゼロ!?」
エイリア「わ、私も今ゼロの気配を感じたわ…」
エックス「近くで呼ばれたような気がして…。
サーチしてみたけど何の反応もないね…」
エイリア「確かに、何の反応もないわ
大丈夫?少し休んだら…?」
エックス「ごめん、何ともないよ
またシグマが復活したんだから油断はできないよ
さぁ、みんなで力を合わせて地球を元の姿に戻そう…。」
エイリア「そうね…。今度こそみんなで
本当の理想国家を目指しましょう…?」
17
:
ロックマンX7 エックスEDアクセルEDうろ覚え
:2008/03/08(土) 00:22:28
アクセル「それじゃエックス、
ボクイレギュラーを退治してくるよ!
絶対にエックスに認められるハンターになるからねー!」
エックス「ダメだ!お前のやり方は認められん!」
アクセル「そんなこと言わないでよ!
見ててよ、僕の戦いぶり!じゃーねー!」
エックス「…。」
エイリア「エックス、今はあの子の好きなようにやらせてあげましょうよ?」
エックス「ダメだ。」
エイリア「エックス。
あの子にはあの子なりのやり方があるのよ
私たちはそれを見守っていかなきゃ」
エックス「ダメだ。
俺のような思いを味わうハンターがこれからまた出るとなると…
そんなのは俺は認められない!」
エイリア「エックス…。」
シグナス「…彼は次々に事件を解決していっているな
少々問題があるが、彼がいなければ解決しなかったものばかりだ
どうだエックス。それでもアクセルを認めることはできないか」
エックス「ダメだ!戦わずに平和を守る方法を探すべきだ!」
シグナス「…エックス。世界は復興し、これからますます
お前の言うような方法で解決できる事件は減っていくだろう。
そして何より…力でなければ解決できないものが沢山ある。
それはお前も良く知っているはずだ。」
エックス「……でも…。」
シグナス「何より。イレギュラーはなくならない…違うか」
18
:
ロックマンX8 ED
:2008/03/08(土) 01:00:00
エックス「ルミネは…「覚醒」と言った。
これは「進化だ」とも。
もし…その言葉が本当だとするなら…
俺達のしていることは…
何なんだろう。」
ゼロ「…ルミネの言ったことが本当ならば、
もうシグマは現れまい。
…いい、潮時かも知れんな」
エックス「…」(目を閉じている)
ゼロ「…大方、ルミネの言ったことでも考えていたのだろう」
エックス「…」
ゼロ「皆がシグマのようになるのが…
進化などであってたまるか。」
エックス「…。」(頷く)
ゼロ「それにな…エックス。」(背を向ける)
ゼロ「もし…
本当に進化の時とやらが来て。
俺達が滅ぶのが運命だったとしても…。」
エックス「…!」(目を大きく開く)
ゼロ「俺達は戦わなきゃいけねぇんだ。
その…、進化ってヤツと…。」
アクセル「うっ…うぅ……」(額のクリスタルの中心が光輝く)
ルミネのイレギュラー化を受け、
事態を重く見た政府は
新世代型レプリロイドの初期ロットを破棄。
しかし、宇宙開発の更なる隆盛から
高性能なレプリロイドの開発の声は
尽きることなく…
数週間後、政府は
厳重にプロテクトを施した上で
新世代型コピーチップの生産を再開した。
人間とロボット。
相容れぬ二つの生命体が共存する平和な世界
それは私が願って止まない、理想郷である
トーマス・ライト
19
:
ロックマンゼクスOP 前半
:2008/03/08(土) 12:51:35
どこまでも澄んだ青空に、威勢のいい声が響く。
「はいはいっ!
依頼とあればどんなものでもどこにでも!
こちら、運び屋ジルウェ・エクスプレスで御座います!」
運び屋ジルウェ・エクスプレスの社長にして現役の運び屋でもある
青年・ジルウェの声だ。
彼は今、ある人物の依頼で2つの荷物を運んでいる最中で、
これはその依頼主からの確認の電話だった。
「あなたは…
今は、依頼主とお呼びした方がよろしいでしょうか。
はい、指定されたポイントには直ちに向かいますので。」
依頼主は若い女性。
遺跡の調査隊から受け取った荷物を
彼らへと渡す地点へ向かうべく、
彼らは休憩地点からまた、バイクを走らせようとしていた。
「おーい、そろそろ行くぞ、エール」
彼の部下であり、彼に小さい頃に拾われた少女、エールは
崖の上から巨大な建物をじっと眺めていた。
セルパン・カンパニー。この国で最大の建造物を持つ、
この国を警備する大会社である。
「それでも10年前のあの時…
カンパニーの警備隊は母さんを救えなかった。
イレギュラー達にあっという間に囲まれて…。
イレギュラー達は…アタシから何もかも奪っていったんだ」
ジルウェが彼女を発見したときである。
だがすでに時遅く、彼女以外はイレギュラーに皆殺しにされた後だった。
「ま、暗いことを話していてもどうしようもない
黙ってればソコソコ行けるルックスのお前なのに
客から人気のお前がそんな顔をしててどうするんだ」
「なっ…ソコソコって何よ!」
ムキになるエール。
「依頼主はすでに合流ポイントへ向かったそうだ。
俺達もさっさと行くぞ?」
いつものエールに戻ったことに安心したジルウェは
再びバイクを走らせようと近づく。
「ねぇ。依頼主のガーディアンって…
一体何者なの?
運んでいる荷物も聞かされていないし」
ガーディアン。それはイレギュラーと戦うために集まった組織で、
世界各地に足を運びイレギュラー出没の原因を調べているそうだ。
説明を終えた途端、ジルウェのバイクに突然弾丸が撃ち込まれた。
イレギュラーだった。目的は彼らの荷物。
彼らにはどうすることもできない。
煙をあげるバイク。
ジルウェのバイクより先に、エールのバイクが耐えられなくなり
爆発を起こす。
「きゃあああああああ!」
そして近くにいたエールも吹き飛び、崖の下に落とされることとなった。
20
:
ロックマンゼクスOP 後半
:2008/03/08(土) 15:27:34
崖の下で目を覚ましたエール。
ジルウェからの通信によると、荷物がその辺りに落ちているという。
「…あれかな…」
ふと見ると、青く、輝く謎の装置が宙に浮かんでいた。
荷物を回収したらガーディアンとの合流地点に行くように言われた彼女は
荷物に近づく。
すると…
「誰だ!こんな所で何をしている!」
顔まで武装で覆っている男達に声をかけられた。
彼らは銃さえ構えている。
「みんな、銃を降ろして
もしかして運び屋の方ですか…?」
「そうだけど…もしかしてあなた達がガーディアンなの?」
ガーディアンの中にいたのは一人の少女だった。
爆発音を聞いて遠くから様子を見に来たらしい。
と、突然辺りに轟音が鳴り響いた。
現れたのは、蛇の形をした巨大なイレギュラー「ギガ・アスピス」。
戸惑うガーディアンたち。
どうやら彼女の荷物を追ってやってきた、イレギュラー達のボスらしい。
銃を向け、一斉に発砲する彼ら。
だがそのボディには傷一つつきはしなかった。
ガーディアン隊員は「プレリーさん」と呼ばれたガーディアンの少女に
荷物…ライブメタルを持って逃げるように言うが、
ギガアスピスの攻撃でガーディアン達はすぐに一撃の下に倒されてしまった。
「アイツの狙いはあの荷物よ!
あんな物を持って逃げたら追ってくるに決まってる!」
エールはプレリーに言う。
だがプレリーは聞かない。ライブメタルだけは離すわけにはいかないらしい。
「だって…あれは…
あれはお姉ちゃんが私達に残した大切な物だから!」
ギガアスピスが攻撃を終え、エールとプレリーに這って忍び寄ってくる。
でも最早どうすることもできない。
どうすれば…
すると宙を浮いて、ライブメタルがエールの前へ移動し、
なんと彼女に語りかけてきた。
「大丈夫。
僕が力を貸してあげる…」
そう、ライブメタルはその名の通り、生きた金属だったのだ。
するとライブメタルはエールに力を貸した。
ライブメタルは光となってエールを包み、
そしてエールは…変身した。
青いバスター、エックスバスターを持つ
ロックマン・モデルXに。
腕から放たれた光の弾丸はギガアスピスの頭を撃ち、
ギガアスピスは尻尾を巻いて逃げていった。
「このままじゃあの女の子を戦いに巻き込んでしまう。
ここを離れるんだ
君と僕が力を合わせれば…奴らと戦える!」
モデルXと名乗るそのライブメタルに言われ
そしてエールはギガ・アスピスを追うことした。
「あなたが…ライブメタルに選ばれたっていうの…?」
21
:
ロックマンゼクス 4ミッション目まで
:2008/03/08(土) 15:59:42
ギガアスピスを撃破し、ジルウェの捜索を始めたエール。
だが彼女の前に巨大な戦闘機が現れた。
モデルXの能力では戦いにくい相手だったが、瀕死に追いつめることができた。
あと一発でとどめ…
その時、長い金髪の男が謎の剣でそれを一刀両断した。
バイザーをつけた見覚えのある剣士。
恐らくはエールと同じくライブメタルによる変身。
まさか…
そのまさかだった。
変身を解除して現れたその姿は、なんとジルウェだった。
「…画しててすまなかったな。
俺も実は…ガーディアンのメンバーなんだ」
「こいつが…モデルXに選ばれた人間か」
続いて現れたのはジルウェを変身させたライブメタル。
モデルZというらしい。
「実はお前がライブメタルの適性があることは知っていたんだ…
それも隠しててすまなかった。
とにかくこうしているのも何だ、
まずはガーディアンベースを見に来てくれよ。
ベースで待ってる」
そしてジルウェはモデルZと共に姿を消した。
その後エールは市街地で行われたガーディアンのテストに合格し、
ガーディアンの基地、ガーディアンベースへの転送許可をもらった。
そして辿り着いたガーディアンベース。青空の良く見えるその場所はなんと…
「凄い!まさかガーディアンベースが空を飛んでる飛空艇だなんて!」
そこにはプレリーもいた。
以前から偉そうにしていた彼女だが一体何者なのか、
ジルウェに尋ねてみた。
すると…
「私がガーディアンのリーダー・プレリーよ。よろしくね」
そう、彼女こそガーディアンのリーダー。つまり…
「今回の俺達の依頼主様、だ…。だから呼び捨てはやめろって」
ジルウェからも。にわかには信じられないことだったが、
ジルウェが言うならその通りなのだろう。
とりあえずはガーディアンベースを見て回ることにした。
色んな仲間たちのいるガーディアンベース。
人形用の席が設けられた司令室へ向かうと、プレリーが改めて挨拶をした。
プレリーが言うには、
ライブメタルは、失踪していた、研究者でもあった
「おねえちゃん」こと先代のガーディアン司令官の
研究所跡で見つかったものらしい。
先代司令官の行方を探す手がかりとするためにも、
ライブメタルは必要だったのだ。
そしてイレギュラーに関する情報。
ジルウェ捜索の過程で見つけた、
イレギュラー達のコンピュータ・チップから得られた情報によると
イレギュラー達は何者かが操っているらしい。
それこそが真の敵。一体何者だというのか…。
そうしていると、突然危険を知らせる警報が鳴り響く。
この国の中心となる都市部、エリアDが襲撃されているとのことだ。
そこは同時にセルパンカンパニー本社ビルのある区域。
警備隊は一体何をしているのだろう。だが今はそんなことを言っている場合ではない。
早く行かなければ。エールはジルウェの静止を聞かず、一人飛び出していった。
22
:
ロックマンゼクス ジルウェ戦まで
:2008/03/08(土) 16:53:54
エリアD・高速道路。
走っているエールに、すぐに追いついて声をかけたのは
モデルZに変身したジルウェだった。
「お前を今まで育ててきたのはな、
決してお前がライブメタルの適合者だからじゃない。
それを忘れるなよ?
それじゃ俺は先に行ってるからついて来い、エール!」
その言葉に勇気づけられたエールは、ジルウェの後をついていく。
ハイウェイでのイレギュラーとの戦い。
2度ほどヘリとの戦いや、崩れ落ちる床などに苦戦しつつも
エールは遥か先にいるジルウェを目指し進んでいった。
そしてジルウェを見つけた。…力なく倒れたジルウェを。
その周りには敵と思われる緑のスーツを着た大柄の男と
二人の少年少女。
「来たかモデルXのロックマン。
その力、試させてもらおうか」
そう言って大柄の男はジルウェを復活させた。
暴走させた上で。
「ジルウェ!一体どうしたの!」
「エール…オレヲ…ウテ……!」
暴走させられたモデルZ…ジルウェとの戦いになる。
戦わざるをえなかった。
剣技と銃技の激突。激しい攻防。決着はつかない。
だが、突然ジルウェの上に雷が落ち、ジルウェはまた倒れる。
「モデルX、青のロックマン
モデルZ、赤のロックマン。その程度とは残念だ」
「誰!?」
先ほどの大柄の男がジルウェの後ろにいた。
「私の名はセルパン。
全てを支配するモデルVのロックマンだ!」
「お前が…セルパンカンパニーの社長!?」
「そうだ、よく覚えておきたまえ」
なんとセルパンカンパニーの社長こそが黒幕だったのだ。
腕が震えるエール。
「それは怒り…?それとも恐れ…?」
セルパンの傍らにいる少女が口を開く。
「…プロメテ。」
セルパンに言われ、今度は少年が口を開く。
「青のロックマン。お前のそれは勇気じゃない…
ただの無謀だ」
「うるさい!」
バスターを放つエール。だがプロメテという少年の鎌によって跳ね返され
負傷してしまう。
「君たちのような、ライブメタルのROCKシステムで変身できる者を
我々はロックマンと呼んでいる。
ライブメタルに選ばれた我らロックマンこそ新たな世界の王となる者。
だがその程度の力ならば王になる資格はない。」
今度はエールに雷が落とされ、そして倒れた。
「パンドラ。パスコードのデータだけは吸い出しておけ」
パンドラという少女から放たれたビットに
エールとジルウェのライブメタルから何かが吸い出される。
「イレギュラーに彼らを始末させたらあとはいつもと同じだ。
人々を襲うイレギュラー、それを追ってくる警備隊。
いつもの風景にしか見えんさ。
この国にはもう少し…平和な日常を演じてもらおう」
これが平和な国の実態。全てはセルパンの掌の中だったのだ。
「いずれは我がライブメタル…モデルVの生贄になってもらうがね
プロジェクト・ヘヴンを次の段階へ移す。」
そう言ってセルパンとパンドラは姿を消した。
「早速二人脱落か。
あの男の仕組んだゲームも大したことはなさそうだ」
そう残しプロメテが最後に消えていった。
23
:
ロックマンゼクス モデルZX誕生
:2008/03/08(土) 16:55:05
エールには力が残っていない。もう死ぬしかないのか…?
「諦めるな…お前にはまだ…守るべきものがある…。
聞こえるかモデルZ… オレのことはもういい…
頼む。エールに…力を貸してやってくれ…」
「…いいんだな」
「エール……死ぬなよ…」
そしてジルウェは…死んだ。
「エール…これは最後の賭けだ。」
モデルXが言う。
「二つのライブメタルの力を君に与えれば君は復活できるかもしれない。
だけど…君の体が僕達の力に耐えられるかどうか…。」
イレギュラー達が群がってくる。銃口を向ける。
「戦う勇気はあるか
この男の意思を継ぎ、戦い続ける覚悟はあるか…!」
答えは一つだった。
「アタシに…もっと力を…!
全てを守る力を…!
アタシが…全てを守るんだ!」
そして二つのライブメタルが力を合わせ、エールに力を与え…
ここに、モデルZXが誕生した。
「エール。君に僕達の力を…」
「俺達の力を託そう。あの男の、魂と共に!」
24
:
ロックマンゼロ3 後半
:2008/03/08(土) 18:14:28
明らかになった妖精戦争の事実。
ダークエルフのコピー、ベビーエルフを大量に作り、
イレギュラーを操り殺し合わせ4年で終結させたこと。
そしてレプリロイドの90パーセント、人間の60パーセントが死に至ったこと。
最強最悪の破壊神、オメガ。
彼らを作り出した…ドクターバイル。
そしてダークエルフの真の名前。マザーエルフ。
ベビーエルフの製造工場、
そしてネオアルカディアの地下へ続く巨大エレベーター。
バイルが何かを地下で行おうとしている。
八審官を倒したゼロ達は、とうとう最後の戦いへと向かおうとしていた。
そして、医務室から飛び立ったハルピュイアもまた。
そんな時に突然オペレーターが老人じみた口調で話し始めた。
「よく調べたなドクターシエル…。
だが少し遅かったのではないかね?」
そう、バイルだ。
最早バイルの魔の手は、レジスタンスベースにまで
及んでいたのだ。
しかし、それはベビーエルフの力などではなかった。
「今度のオメガは正に完璧だ…
もうベビーエルフなど使わなくとも…
この世界…全てのレプリロイドを思うがままに操れるようになったのだ!
クーックックック…さぁ始めるとするかオメガよ。
今こそ思い知れ…
ワシを追放した人間どもよ!
恐怖しろ…
ワシを追放したレプリロイドどもよ!
刻み込むのだ、この世界に!支配者たるワシの名を!
我が名はドクター・バイル…世界は我が手の中にある…
この手を握り締めるだけで…全てを終わらすことができるのだ!」
そして、ゼロ達のいる司令室にレジスタンスの団員が銃を持って集まってくる。
「新たなる世界…
新たなる秩序…
閉じられた歴史が再び動き始める…
世界に刻め…我が支配者の名は…
バイル!バイル!バイル!バイル!バイル!バイル!バイル!バイル!バイル!」
ゼロの力ならすぐにでも斬り伏せることは可能だ。
だが、彼らは操られているだけのただのレジスタンス。
それにシエルのことまで守れるとは限らない。
絶体絶命…
と思われたその時。
「二人とも、動かないで!」
辺りに強力な光が発せられ、レジスタンス達はその場に倒れる。
「大丈夫…気を失っているだけだよ。
ダークエルフの力を取り除いたんだ。
今の僕の力じゃ…このベースの中のみんなを守るので精一杯だけど…」
そう、現れたのはエックスだった。
「遅いぞエックス。バイルは何処だ」
「ネオアルカディアの地下動力部…。
アンダー・アルカディアだよ
バイルはそこから、世界中にダークエルフの力を送っているんだ」
「どうやら…まともに動けるのは俺のエックスだけみたいだな
エックス。アンダー・アルカディアの座標を教えろ」
決戦へ向かおうとするゼロ。
エックスは間を置いた後聞く。
「オメガと…戦うんだね」
「ああ。それが…なんだ」
「いや…君なら大丈夫だ。気をつけて…ゼロ」
意識を取り戻したオペレーターはバイルの居場所…
アンダー・アルカディアの座標を入力する。そして…
「転送!」
世界と、たった一人の戦いが始まった。
25
:
まとめ
:2008/03/08(土) 18:53:23
アンダーアルカディアにはオメガの姿はなかった。
すでにある場所にオメガは転送されていて、
ゼロは残されたベビーエルフ二匹、アルエットの名づけた
クリエとプリエと戦うことになった。二匹を倒した後、ベースへ戻ったゼロは
エックスからオメガのいる地の座標を聞く。
「この場所は…確か…。」
シエルが言うには、バイルのいる場所…バイルの研究所はある場所に近いらしい。
今度こそ最終決戦。ゼロはバイルの研究所へと乗り込んだ。
「ゼロぉおおおおおおおおおおおお!」
シエルの叫び声。嫌な予感がしてならないようだった。
まず待ち構えていたのは八審官。
彼らでは時間稼ぎにしかならない。彼らを倒しながら
ゼロはどんどん奥へと進んでいく。そして最奥部へ差し掛かった。
「どうだゼロ…。英雄ごっこは楽しいかね?んん…?」
巨大な脳から声がする。これはどうやらコンピュータのようだ。
「お前の下らん遊びには付き合いきれん。
そろそろ終わりにさせてもらうぞ…!」
「下らんか…。そうだとも。レプリロイドには理解できまい。
全てを支配するこの喜びは…人間にしかわからぬよ」
どう見ても機械じみたアーマーをつけたバイルの言葉に
ゼロは聞き返した。
「人間…だと?」
「そうとも!ワシはれっきとした人間だ。
貴様らレプリロイドを生み出した創造主…人間様なのだよ!」
「……。」
「支配欲、とでも言おうか…。全てのものを意のままに動かす快感…
これだけは人間様の頭脳がなければ味わうことができん…
究極の快楽だよ…貴様らレプリロイドには理解できまい!」
「まともな人間にも理解できるとは思えんな…
俺にはお前がただのイレギュラーにしか見えん。
イレギュラーならば狩るまで…だ」
イレギュラーハンターとしての過去がある。
彼がその言葉を発するとバイルは待っていたとばかりに応える。
「クーックックック!
いいぞ!!いい台詞だゼロ!さぞ気持ち良かろう!?」
そして巨大な光の柱とともに巨大なエネルギーをまとう
巨体を持つ金色の騎士…オメガが姿を現す。
「お前は楽しいヤツだったよ
いつまでも遊んでいたいが…そろそろ消えてもらうとするか
まだ楽しみも用意してある…最後まで楽しんでくれよ、ゼロ!」
圧倒的な闘気を発するオメガ。鞘が砕け散り、大剣が姿を現す。
戦闘開始の合図だ。
腕から発せられる巨大なビーム。目からの光の弾丸。
そしてそれに加えての大剣を用いての技。
それらを避けつつ斬りつつ、オメガの弱点、頭部に剣撃を見舞う。
激しさを極める戦闘。だがその戦闘は、
オメガの腕が力を失い千切れたことにより終わる。
「グォオオオオオオオオオ!ゼェェエエエロオオオオオオオオオ!」
「なかなかやるのう…ゼロ。だがオメガの本当の力はそんなものではないぞ
さぁゆけい、オメガ!ダークエルフの力を解放しろ!!」
辺りが閃光に包まれる。何も見えない。そして光が収まったときには辺り一面が
巨大なエネルギーの対流に包まれていた。
破壊神が真の力を発揮したようだ。
現れたのは両肩に赤と青の顔と合わせ3つの顔を持ち
剣と砲身を構えた巨神。先ほどまでのオメガのゆうに10倍はあろうかというサイズだ。
粉々に砕け、エネルギーの流れに流木…いや、木屑のように浮く床を足場に
巨神と戦うゼロ。最早レプリロイド…いや、ロボットの域すら遥かに超える存在だ。
巨大な砲身から放たれる光柱といっていいレーザー、エネルギー球。
それらのスケールのあまりに違う攻撃をかいくぐり、ダークエルフを模した真ん中の頭部へ
ひたすら攻撃を与え続けるゼロ。何度も何度も。そしてとうとう…
巨神の腕が落ち、そして爆発を起こし…砕け、四散した。
遥か下方、奈落へと落ちていくような巨神の体。
そして轟音と光で再び何も見えなくなる。
ゼロの体も、床も何もかもが力を失い、落下していく…。
そして…辿り着いた場所は…。
26
:
ロックマンゼロ3 オメガ最終形態
:2008/03/08(土) 19:38:26
辿り着いた場所は…
ゼロが封印されていたあの研究所だった。
あの研究所こそが、バイルの研究所だったのだ。
自分が眠っていたときのこと。シエルに起こされたときのこと。
手元にあるバスターショットを手に取ったときのこと。
あの時の記憶が思い出される。
辺りは炎の海。転がるのは巨神オメガの残骸。
これで戦いは終わった…。今度こそ。
しかしそこにバイルの声がこだまする。
「クヒャーーーーーッハッハッハ!
素晴らしいぞ、ゼロ!
とても偽者とは思えんパワーだ!!」
バイルは狂ったことを言い出した。
ゼロをそんなに認めたくないのか…
そう思われたときだった。
何かの反応がする。それも巨大な。
…オメガの破片の中から、一本の、真っ直ぐな光柱が立ち上がる。
嫌な予感が全身を駆け巡る。
…この光景はどこかで見たことがある。
どこかで…
ここで…見たことがある……。
…まさか…。そんなはずは………。
嫌な予感が、絶望に変わる。
炎の海の中。オメガの残骸を宙へと吹き飛ばし、
現れた破壊神の本当の姿。
強大すぎる力の塊…
ワインのように濃い、血の赤と、漆黒な闇のような黒の色をしたボディ。
その姿は…紛れもなく、ゼロだった。
「お前が伝説のレプリロイド?
おめでたいヤツよの…」
『俺が…その、ゼロなのか?』
『私たちにとっては、あなたはもうゼロなのよ』
『コイツはオメガ…存在自体が滅茶苦茶なヤツ…』
「ここで見つけたレプリロイドを
レジスタンスの馬鹿どもが勝手にゼロと呼んだだけだ…」
ならば…ゼロと呼ばれていたものは一体…?
「お前も…確かにゼロではあるが単なるコピーだ!
伝説の英雄でもなんでもない!
ただのコピー…なのだよ!!!」
最強の戦士、ゼロを超える存在もまた…
100年経っても尚、血を求め続ける究極の戦士、ゼロだったのだ。
いや、オメガ…彼こそがゼロだったのだ。
イレギュラーならば斬るまでだ、という言葉に対しバイルが笑っていたのは
その意味だったのだ。
エックスがオメガとの戦いに不安を抱いていたのは
その意味だったのだ。
「クックック…
自分がコピーとも知らず英雄を気取りおって…
本当に笑わせるじゃないか
オメガこそ正真正銘…本物のオリジナル・ゼロだ!
お前はそのコピーに過ぎん!」
「オリジナルゼロが…何故…
お前の言いなりになっている…」
「フン!ヤツは血に飢えた破壊神…
ワシはその力を極限まで引き出せるよう改造してやっただけだ!」
そう。先ほどまでのボディはネオアルカディアへのカモフラージュに加え
オメガの圧倒的過ぎるパワーを押さえ込むための
バイルが用意した強力な拘束具だったのだ。
「さぁ…オメガ、
いや、オリジナル・ゼロよ!!
哀れなコピーが100年間見続けてきた夢を…
そろそろ覚ましてやれ!!」
これこそが真のゼロ。ワイリーが求めた究極の破壊者。
武器も技もない当時さえあのシグマを圧倒した最強の戦士。
歴戦の記憶を体に刻み、技も武器も研ぎ澄まされ、
ダークエルフの強大な力を得て更なる強大な力を得た究極の敵が…
彼に襲い掛かる。
「我はメシアなり!! ハァーーーッハッハッハッハッハッハ!!!」
27
:
まとめ
:2008/03/08(土) 20:55:05
壮絶な戦いが始まった。
剣の威力、ボディの硬度、技の威力、体の素早さ…。
技にしても力にしてもゼロを遥かに超えていた。
拳を地面に突けば光の柱が立ち上がり、エネルギーが飛び散る。
バスターショットはゼロのものとは比にならないエネルギー、
そしてその後に剣撃を飛ばしてくる。
回転斬りでは衝撃が辺りを切り刻み、走りから斬り上げまでの動作には一切の無駄を生じない。
そして脅威の目にも止まらぬ7連斬。
同じ技でも全く次元が違う。
圧倒的な不利。こんなことはなかった…
かつてない最強の敵との戦いだった。
だが、そんな中ゼロを支えたのは、戦いに身を置くものとして、
仲間を持つものとしての最後の最後まで持ち続ける心…
「生きてやる」
その一心だった。
そして斬っても斬っても倒れぬオメガを相手に
ひたすらに、ひたすらに剣を浴びせ続けた。
そしてとうとう…オメガの体が爆発を起こした。
だが爆発が小さい。
オメガの動きを一時的に止めたにすぎなかった。
そんなオメガの体から浮遊し遊離する紫色の光…
ダークエルフだった。その光はオメガを照らし…
オメガの傷が塞がっていく。
「くっ…オメガを復活させる気か!」
ゼロは急いでオメガに剣を見舞おうとする。
しかし闇の波動がオメガから発せられ、ゼロは吹き飛ばされ、
膝をつく。
「大人しくしていろ…世界中の命はワシの手の中にあることを忘れるな!」
手出しができない。どうすれば…どうすれば…
そんな時、突然緑色の影が飛来し、突如としてオメガに連撃を繰り出し…
闇の波動で吹き飛ばされる。
「何をしている、ゼロ!早く立て!」
続いて赤色のレプリロイドが現れ、巨大な火炎弾をオメガに命中させる。
「オラオラァ!借りを返しに来たぜ、オメガぁああ!」
そして青い少女が現れ、オメガを槍で思い切り攻撃する。
「やられっぱなしって、性に合わないのよね!」
「お前達…」
駆けつけた三天王、ハルピュイア、ファーブニル、レヴィアタン。
彼らもまた、人間を苦しめるバイルも、
そして、ゼロが死ぬことも許しはしなかったのだ。
「バイルの言うことはただのハッタリだ…
今の状態ではオメガは動けん!」
「くっ、ダークエルフよ、奴らを黙らせろ!」
バイルが吼える。だがダークエルフの動きが不安定になり
オメガへのエネルギーの供給をやめた。
「ゼ…ロ…。」
「どうした、ダークエルフ!」
オメガもまたそれを不審に思った。その時。
「ダークエルフの呪いが解けかかっている…
100年前と同じだね、バイル」
姿を現したのはエックスだった。
「貴様!エックスかぁぁぁあ!」
「そうだよバイル。
僕らは100年前も、こうしてオメガを倒し、
貴方の野望から世界を守ったんだ。」
そう。今回のオメガは完璧だった。
エックスと当時のゼロ、二人で不完全なオメガにようやく勝ったのに、
完全なオメガがゼロ一人に敗れるわけがなかった。
だが…
「ゼロ。確かにオメガは君の体を使っているし
君の体は確かにコピーだけど…その心は紛れもなく本物だよ…。
さぁ、100年間の因縁を終わらせるんだ、ゼロ!!」
そう。四天王にエックス。彼と共に戦い、または彼と直に戦い、
その強さと、その心を理解した彼らにはどちらがゼロか…解っていたのだ。
「いいのか!!貴様のオリジナルボディだぞ!!
惜しくはないのか!?一生そんな安物のボディでいいのか!!」
「君ならできるさ。
本当に大切なのは心だとわかっているはずだから」
思えば100年…生まれてからの200年。
彼はずっと、記憶を失う前からもう一人の自分と戦っていた。
そして今。それに終止符が打たれようとしている。
「さぁ…ゼロ!!」
そしてゼロは立ち上がり、真っ直ぐに走り…
その刃で、自分の闇を断ち切った。
28
:
ロックマンゼロ3 ED後半
:2008/03/08(土) 21:20:31
もう少しの力も残っていない。
ゼロは全ての力を使い果たし、倒れていた。
「ゼロ…ゼロ………」
そしていつかのように、エックスは彼に語りかける。
しかしそれはその時のように広大な砂漠と砂嵐の中ではなかった。
「聞こえるかい…ゼロ」
それは暖かな光の中だった。
「僕はもう…この世にいることも難しくなってきたよ
だから…
ゼロ。君に、この世界を任せたい。」
友が最大の敵…
自分の闇を乗り越えたのを見届けた。
彼は安心して、全てを任せて、永き眠りにつくことができそうだ。
「まだバイルの魔の手は途絶えてはいない…
でも…ゼロ。
…君なら…できる。
君なら…。」
そして彼の姿はおぼろ気になっていく…。
「ゼロ… ゼロ…」
その声はいつしか、エックスのものではなくなっていた。
「ゼロ…ゼロ…!」
目を開けると、そこにいたのはシエル。
彼はレジスタンスベースに帰ってきたのだ。
「誰が俺を運んでくれたんだ…」
ふと見上げると、空の上に暖かな光があった。
「ダークエルフ…いや…マザーエルフ…か」
「ゼ…ロ……。」
そしてマザーエルフは消えて行った。
「…追わなくていいのか」
「ええ。やっと開放されたんですもの。
今はそっとしてあげましょう」
「おーい!ゼロさんが目を覚ましたぞー!」
嬉しそうにレジスタンスベースの中へ大声をあげて報告しに行く仲間。
…そう。彼にはもう、仲間がいたのだ。
「オメガのこと…エックスから聞いたわ。
でも…私信じていたから。
ゼロはゼロだって…。」
その言葉を聞いて、ようやく安心できた気がした。
確信が持てた気がした。
例え自分が伝説の英雄、ゼロでなくとも。
破壊神と呼ばれた力を持つ者でなくとも。
彼は立ちあがり、ゆっくりとした足取りで歩いていく。
「シエル…有難う。」
「えっ…!?」
ゼロの口からは永遠に出ないと思われていた言葉。
ゼロの正体よりよほど驚いたことだったのかも知れない。
そしてゼロはつぶやく。
「俺は…俺でしかない。
俺は……
…ゼロだ。」
29
:
ロックマンDASH
:2008/03/09(日) 14:37:44
はるか未来、大陸のほとんどが海に沈んだ地球…。
かつて文明を忘却のかなたに追いやるかのように、
人々は残された大地で独自の文化を形成し、生活を営んでいた。
そんな人々とは対照的に、かつての文明の遺産を掘り起こし、
それを生活の糧とする者たちが現れた。
人々は彼らを「ディグアウター」と呼ぶ。
ある日、ディグアウターであった「バレル・キャスケット」は、
遺跡で一人の赤ん坊を拾う。
彼は赤ん坊を「ロック・ヴォルナット」と名づけ、
産まれたばかりの孫娘、「ロール」と共に、育てることにした。
それから14年の年月が経つ…
大きくなったロックとロールは、
行方不明となったロールの両親の遺志を継ぎ、
ディクアウターとして旅をしていた。
両親の唯一の手がかり、「大いなる遺産」を探し求めて…。
30
:
ナムコクロスカプコン namco X CAPCOM
:2008/03/10(月) 15:26:18
10年前、東京渋谷。ある「組織」同士の戦いがあった。
一方の組織は、「ゆらぎ」と呼ばれる空間の歪み―――
異世界とこの世界を繋ぐ門を開こうとした。
もう一方の組織は、世界を混沌へと導くその「計画」を阻止しようとした。
完全封鎖された渋谷での戦いは熾烈を極め、やがて終結した。
片方の組織、政府直属の特務機関「森羅」側が、「ゆらぎ」の出現を防いだことによって。
特務機関「森羅」。
悪霊、鬼、天狗……古来より人の世に害をなす異界の存在と戦い続けていた組織。
その存在を知る者は少なく、彼らの戦いもまた人知れぬ闇のなかで連綿と続けられてきた。
10年前の「事件」から世界中で確認され始めた、異界との接点―――
「ゆらぎ」と呼ばれたそれは、ゆっくりと世界を蝕みつつあった。
そして西暦20XX年、東京渋谷。
「ゆらぎ」の発生により完全封鎖され、「閉鎖都市指定」を受けた街。
そしてそれぞれの異界から―
ある者は「ソウルエッジ」を求めて、
そしてまたある者は人格のある剣を持ち「神の眼」を探しながら、
さらにある者はディグアウトの途中で…、
またまたさらにある者は女神イシターの命を受け…
物語は再び、この街から始まろうとしていた。
それはちょうど「森羅」と「アメリカ戦略統合軍」による渋谷の調査が行われる日だった。
31
:
サガフロンティア・クーン編 指輪その1:護りの指輪
:2008/03/12(水) 22:50:39
リージョン界。
混沌と呼ばれる空間の中に沢山の世界、リージョンが存在しています。
その中の一つに、人間には噂程度にしか囁かれていないリージョン…
動物のような愛らしいモンスター、ラモックス達が住む
マーグメルと呼ばれる、枯れ果てたリージョンがあります。
その日、大きな地震がおきました。
一匹の、緑色の子供ラモックスが大きな揺れに、
なんと高台から転げ落ちてしまいました。
しかしその子はすぐに起き上がり、高台からマーグメルを見渡しました。
「僕はクーン。
ここ、マーグメルで暮らしてる。
マーグメルは昔、美しい世界だったとばーちゃんがいつも言ってた。
でも、僕は生まれてからずっとこのマーグメルしか見たことがない。
マーグメルは死にかけてるんだ…。
全てのものには終わりがある。ばーちゃんが死ぬ前にそう言ってた。
だから悲しむことはない…と。
僕は小さかったからばーちゃんが何を言ってるのかわからなかった。
それでも、ばーちゃんが死んだとき、僕は涙が止まらなかった。」
そしてクーンは土でできた階段をゆっくりと降り、
仲間たちの所に降りてゆきました。
「マーグメルが死ぬとき…僕はやっぱり泣くのかな…。」
ここマーグメルには沢山のラモックスが楽しく暮らしています。
戦いが大好きな桃色の姉妹、いつものんびり屋の黄色いラモックス。
青い仲間から長老に呼ばれていたことを聞くと、
クーンは長老のいる部屋へと入っていきました。
長老はもうおじいちゃん。しわくちゃな顔ともさもさとした尻尾で
クーンを出迎えます。
「時は尽きようとしているのだ。
お前も知っている通り。マーグメルはもう長くは持たん。
いや…本来ならばすでに崩壊しておるところだ。」
それなら、マーグメルを長生きさせている秘訣とは何なのでしょうか。
長老はクーンに、近くに寄るように言いました。
「この指輪を見よ。強い…魔力のこもった指輪だ。
今は亡き種族の遺産であろう。この指輪に念を込め、
マーグメルを支えてきたが…もう限界だ。」
長老の指から外されたのはきれいな指輪。
クーンはそれを手に取ります。
「あれ、内側に何か彫ってある…
集める…私の弟、作るあなたの願い…」
古代文字でした。モンスターならば読めるようですが、
今は廃れている上にのんびりと暮らしてきたクーンには読めませんでした。
「”わが兄弟を集め願いをかなえよ”」
さすがは長老。その文字が簡単に読めるようです。
「この指輪に兄弟があるのならば、
その力を集めてマーグメルを支えることが出来るかもしれん。
この指輪をお前に託す。 兄弟を集めよ。」
そう、クーンを呼んだのは、
指輪を集める旅をさせるためだったのです。
「幸い、あるリージョンの近くに来ておる。ここから旅を始めよ。」
そう言うと、長老の足元に大きな穴が開きました。
表面が揺らいでいるその穴は、外の世界へと繋がっているようです。
そして指輪を指に通した瞬間。
クーンの姿は、緑色の髪をした人間の男の子に変わってしまいました。
でも耳と尻尾はそのままです。
さぁ、旅立ちの時が来ました。
しかしクーンは聞かずにはいられません。
「長老、どうして僕を選んだんですか?」
「夢を見たのだ…。あの夢はマーグメルが見せた夢だ。
さあ…行け!」
「は〜い!」
ラモックスの中でも人一倍元気な子、クーンが今、
広大な外の世界へと旅立っていきました。
「クーンで大丈夫だろうか…心配だ」
32
:
サガフロンティア・クーン編 指輪その2:商人の指輪 前半
:2008/03/12(水) 23:19:24
「うわ〜!ここなんだろう?にぎやかだなー」
降り立った場所は夕方の、賑わいのある町。
スクラップと呼ばれる、治安の悪い工業地帯でした。
何も解らないクーンが、音楽に釣られて目に入った酒場に足を踏み入れると
目についたのはメカが演奏するお洒落な音楽と、
派手な装飾でした。
「人型の犬が見える…流石に飲みすぎたか」
捻り鉢巻をした酔っ払いのおじさん、ゲンさんと、
その付き添いらしいロボットのT260G。
「おれはリュートっていうんだ。♪♪スクラップの酒場で変わった奴に会った〜♪♪」
変な服と歌を披露するお兄さん、リュート。
色んな人達が集まっていましたが、
クーンは、チャイナドレスの似合うお姉さんにも声をかけてみました。
「指輪?指輪がどうかしたの?」
「指輪を探してるんだ、こ〜んなの。」
クーンは指輪をメイレンに見せました。
「偶然ね、私も指輪を探しているの。あなた、どこから来たの?」
クーンは経緯を説明しました。
そのお姉さんはメイレンという名前らしく、
指輪を研究しているらしいのです。そしてこのリージョンにある指輪が
クーンの持っている指輪に会いたがって、ひきつけたらしいのです。
「そう… 大変ね。わたし協力するわ。
マーグメルを守りましょう。
指輪のある場所は大体知ってるのよ。」
いきなり心強い仲間が出来ました。
「わおぅ!凄いや!それじゃすぐに集まるね!」
「どうやって集めるつもり?」
「ちょっと貸して下さい、ってお願いするんだよ!」
子供であるクーンは、人を疑うことを知りません。
「…クーン、そんな親切な人ばかりじゃないのよ。
それに、さっきみたいに簡単に指輪を見せてはダメよ。
悪い奴もいるんだから」
「はーい!ねえメイレン、悪い奴ってどんな奴?」
「参ったわね。じゃあ悪い奴に会いにいきましょう?
運悪く、今度の持ち主はひどい奴なのよ」
「悪い奴かぁ…楽しみだなー♪」
リュート、T260、そして酒場を出るときに勝手についてきたゲンさんも加え、
5人は悪い奴へと会いに行きました。
33
:
サガフロンティア・クーン編 指輪その2:商人の指輪 後半
:2008/03/12(水) 23:43:52
「カバレロさん、考えは改めていただけましたか?
いくら払えば指輪を譲っていただけますか?」
メイレンの言う悪いやつ、悪徳商人のカバレロの事務所。
そこには柄の悪そうな人やモンスターやメカが沢山いました。
「改めるのはそっちの方だよ、セニョリータ。
俺は金なんかいらないって言ってるんだ。
ただ、あんたと一緒に楽しい一時を過ごしたいだけさ。
良心的な申し出だと思うがね。」
メイレンをいやらしい目で見てきます。
彼は指輪の交換条件としてメイレンに何をするつもりなのでしょう。
「…解ったわ。」
しかしメイレンは要求を呑んでしまいます。
「約束を守るような奴には見えないぜ?」
ゲンさんが言います。
「ここで押し問答をしてても仕方ないわ。
それに、指輪はあなたにとって大切なんでしょ?クーン」
「うん!」
そしてメイレンは手下達と共に事務所の裏口から消えていってしまいました。
町の奥にある工場に向かうようです。
酒場に戻ったクーン達ですが、やっぱりメイレンのことが心配です。
メイレンを救出することにしました。
「おい、にいちゃん、工場の情報を集めてきな。お前は作戦を考えろ。」
ゲンさんがリュートと、T260Gに言います。
「メイレンの救出が最優先。主力班で正面に敵を誘導し、
警護の薄くなった地点から救出班を潜入させます。」
T260Gはその優秀な頭脳で即座に作戦をはじき出しました。
そしてリュートも情報を得て帰ってきました。
「カバレロの工場は十字路を北に行ったところだ。
正面は用心棒達が固めてるらしいが裏は警戒してない。」
「犬っ子とにいちゃんは裏へまわれ。正面の連中は引きつけておく。
それじゃ、行くぞ!!」
メイレン救出作戦が始まりました。
T260Gとゲンさんは正面でカバレロの相手をします。
その隙にクーンとリュートは裏口から。
すると、いきなりカバレロとメイレンのいる部屋へとたどり着きました。
今正にカバレロにメイレンが手を出そうと…
しかし、その瞬間すぐにメイレンはカバレロを
ボコボコにしてしまっていました。
「メイレン、大丈夫?」
「別に助けはいらなかったみたいだね。」
「あはは、そんなことないわよ。
指輪はカバレロが持ってるみたいね。」
「カバレロを追わなきゃ!」
そしてゲンさんとT260Gと合流し、
5人はカバレロファクトリーへ潜入します。
沢山の敵が待ち構えていましたが、クレーンを操作し、時には強行突破し、
5人はとうとう工場の最奥部へとたどり着きました。
「くそーーー、ここからが本番だ、行け!」
そして奥から出てきたのはなんと大きなロボット。
ヴァルカン改と呼ばれたそのロボットにクーン達は立ち向かいます。
指輪の力も用いながら、クーン達はヴァルカンを倒し、
カバレロを降参させることに成功しました。
「わかった。あんたの言うとおりにする。指輪は譲ろう。
10000クレジットだ。」
「え、何?私の聞き間違い?0が2つ多いんじゃないの?」
「ひーー…女は怖い…」
そんなこんなで、指輪を手に入れることに成功しました。
「よかったね、クーン!」
「うん!」
そして彼らはリージョン間を航行するリージョン・シップへ乗り、
新たな地へと向かいました。
34
:
サガフロンティア・クーン編 指輪その3:盗賊の指輪 前半
:2008/03/13(木) 17:58:22
着いた場所はクーロン。
この世界を隅々まで行くためのリージョンシップの中継地点、
中心地とも言えるような場所でした。
しかしその場所は中心地とは程遠い雰囲気を持つ、
治安の悪い、ネオンの輝く夜も眠らぬ繁華街。
とりあえずこれからはこの場所を拠点とするようです。
「次はどこに行くの?メイレン」
クーンはたずねます。
すると、メイレンはぺらぺらと物凄いスピードで指輪の情報を話し始めました。
「そうね〜
ムスペルニブルには指輪の君って呼ばれている妖魔がいるらしいの。
それから、シュライクには指輪に関する伝説がたくさんあるでしょう
マンハッタンで売りに出てる指輪もあったし、
ヨークランドの富豪が指輪を持ってるって言うし、
指輪の持ち主がリージョン間の混沌で行方不明になった噂もあるし、
監獄ディスペアには刑期100万年の男がいて、そいつが指輪を持ってるらしいっていうし〜」
「あ〜!!! そんなにいっぺんに言われたら分かんないよ!」
あまりにも情報が多すぎます。
とりあえず今回はその中の一つの情報から、
行き先となるリージョンシップへと乗り込みます。
長い船旅。
しかしその途中、なんとリージョンシップが大きな揺れを起こしてしまい…
気がつき、外へ出てみるとそこは…
紫、青、赤の柔らかい壁。床からはぐちょぐちょとした肉の感触。
…伝説といわれる、リージョン界を漂う巨大生物…
別名「生きたリージョン」タンザーの中でした。
リージョンシップがイカの形をしていたせいでしょうか。
クーン達はなんと飲み込まれてしまったのです。
他の乗客たちは慌てふためきます。
そんな所に、人間一人と、骸骨のモンスター一人が奥の穴から現れ、
クーン達に銃口を突きつけました。
「久しぶりのシップだな。」
「オラオラ、そこに荷物を並べろ!」
クーンはすかさず、彼らに立ち向かい、すぐに勝利します。
「く、くそー…」
すると奥の穴からもう一人…女性が姿を現しました。
「ほー、あんたら、強いね。
この馬鹿が!
…手荒なまねして悪かったね。どうにも気の短い連中でさ。許しとくれ。」
「うん!」
「…あんたいい子だね」
どうやら彼女達は大分前に彼女達は船ごと飲み込まれてしまったらしく、
今はここで暮らしているといいます。
「さあ、早く荷物をまとめて移動しないと。
こいつが次に大口を開けたときに奥まで流されちまうよ。」
そんなときでした。
「この女について行ってはいかん!
こいつはリージョン強盗団の首領ノーマッドだぞ!!」
奥の別の穴から、弁髪の格闘家らしき男が姿を見せました。
これに対しノーマッドは言い訳するつもりはなく、
この男についてくるか自分についてくるかは自由だ、と残して姿を消しました。
と、メイレンが黙っています。
「僕、クーン!変わった頭だね、病気?」
クーンは容赦ありません。
「病気じゃないさ。修行のためにこういう髪型にしてるんだ」
突然、メイレンが怒鳴りました。
「フェイオン!」
驚いた弁髪の男は振り返ります。
「メイレン!なぜここに…?」
「それはこっちのセリフよ! 何の便りもよこさないと思ったら、
こんな所にいるなんて。京に精神修養の修行に行くなんて言って、
ウソつき!」
メイレンは大声でまくしたてます。
「何を言ってるんだ。私だってタンザーに飲み込まれて仕方なく…」
そうです。クーン達だって飲み込まれたのは偶然。
フェイオンが飲まれたのもまた、仕方のないことのはず…ですが。
「言い訳なんか聞きたくないわ!あなたはいつもそう。修行のため、拳のため、技のためって、
私はいつも待って、待って…」
そしてメイレンは奥へ走っていきました。
「メイレンを泣かせたな!?」
クーンが追いかけてすぐにメイレンは泣き止み、
一行はひとまずフェイオンのいる、飲み込まれた人達のいる場所へと向かいました。
35
:
サガフロンティア・クーン編 指輪その3:盗賊の指輪 後半
:2008/03/13(木) 19:19:50
「ねえ、指輪知らない?」
単刀直入にクーンはフェイオンに聞きました。
「指輪かー…あまり縁がないからなぁ」
「クーン、このハゲに指輪を見せてやって。」
「は、ハゲ!?」
クーンは指輪を見せ、事情を話しました。
クーロンで話した中には、行方不明になった指輪の持ち主の話がありました。
そして、タンザーに飲み込まれたという話も。
「ひょっとするとノーマッドが知っているかもしれないが…」
そうと決まれば出発です。フェイオンを加えた一行はノーマッドのアジトへ向かいます。
「よく来たね。来なくていい奴まで来てるけど。」
ノーマッドがアジトの奥から姿を見せました。
「今日は彼らの用件で来た。お前に尋ねたいことがある。」
「あら、偶然だね。こっちも聞きたいことがあるのさ。
持ってるんだろう、指輪。お出しよ。」
なんとノーマッドもまた、クーンの指輪を狙っていたのでした。
恐らくはノーマッドがタンザー内の指輪を持っている。
ノーマッドはなんと、手下たちをフェイオンの所に向かわせていました。
そして、フェイオンの所にいる人達を人質に、指輪を要求してきたのです。
「おとなしく指輪を出しな。あいつらタンザーのエサになっちゃうよ。」
「ヤダ!ボク関係ないも〜ん。指輪はあ〜げない。
こんなことするなんて、おばさん悪い人だね。」」
その一言でノーマッドは怒りました。
「お、おばさん!! キー、きざんじまいな!」
沢山の部下がクーンに襲い掛かります。
しかし、そんな彼らを物ともせず、クーン達は奥へと進み…
アジトのノーマッドの部屋へたどり着きました。
「もう来たのかい!役に立たない手下どもだよ。
あんた達、時間稼ぎをおし!」
現れたモンスター、カモフックはノーマッド最強の用心棒です。
なかなかの手ごわい相手でしたが、指輪の力、フェイオンの力を借りて
倒すことができました。
そしてクーン達はその奥にいるノーマッドを追いかけます。
アジトから続くその道はタンザーの本体、つまり心臓に通じていました。
しかしここで予期せぬ出来事が。
なんと、ノーマッドはタンザーに飲まれかかっていたのです。
「ヒー、助けてー!!」
「あんな奴でも助けねばいかん!!」
「うん!」
そして今度はタンザー本体との戦いとなりました。
何せここはタンザーの体内。本体を守るべく周りの沢山の臓器が
クーン達を攻撃してきます。それでも頑張ってタンザーを攻撃し…
そしてノーマッドを助けることに成功しました。
そして指輪をもらいます。
「指輪をありがとう、ノーマッドさん!!」
「チッ、あたしを助けたこと後悔するよ!!」
助かったノーマッドは逃げていきました。
…と、ここで。
「あいつも少しはおとなしくなるだろう。」
「だといいわね、フフ」
「あ、メイレン笑った!」
慌ててそっぽを向くメイレンですが、どうやら二人も仲直りできそうです。
しかしここでなんと、攻撃されたタンザーが激しく苦しみ始めました。
これは危険…ですが同時に、脱出のチャンスでもありました。
戻ったフェイオンは中にいる人達を、リージョンシップへ向かうように呼びかけ始めます。
クーン達はリージョンシップ前で待機。
しかしなかなかフェイオンは現れません。
早くしないと脱出のチャンスを逃してしまいます。
…なかなか現れません。
「もう少し‥‥ もう、行きましょう。」
メイレンも諦め、リージョンシップへ足を向けたその時。
「あ、来た!」
残っていた子供たちを連れて、フェイオンがやってきました。
「フェイオン…」
「待たせたな。」
「ホントよ、どれだけ待ったと思ってるの。」
そして、みんなを乗せたリージョンシップは、無事タンザーの口から脱出することができました。
36
:
サガフロンティア・クーン編 指輪その4:勇気の指輪
:2008/03/13(木) 21:05:01
「クーン!いい知らせよ。ある指輪の持ち主が売ってくれるって。
以前から交渉してたんだけど、なかなかうんって言ってくれなかった人よ。
気が変わったみたいね。」
クーロンの町でメイレンが嬉しそうに声をかけてきました。
次の指輪の情報のようです。今回はすぐに手に入りそう。
行き先のリージョンの名前はバカラ。
それ自体が巨大な娯楽施設であり、
下から駐車場、ホテルフロア、カジノフロア、バーフロアに分かれています。
ホテルフロアの最上階の一室に彼はいました。
「この部屋ね…
な、何をやってるの!」
部屋に入るなりメイレンは驚きました。
なんと、指輪の持ち主が首を吊ろうとしているのです。
「死なせてくれーーー!」
「だめだよー。」
クーンはどこまでもマイペースです。
「キャッ!」
メイレンが天井からの縄を解こうとして、手が滑ってしまいました。
「うおっ あがー!」
「大変!」
それからしばらくして、なんとか持ち主が死ぬのをとめることができました。
そして、彼の話を聞きます。
どうやら、カジノで遊びすぎて全財産をなくしてしまったというのです。
指輪を売ろうとしたのはそのせいだとか。
なのに何故死のうと…?
「…その指輪が…無いんです。」
「どういうこと!」
何者かに盗まれたようです。一体犯人はどこに……?
ふと、金庫の中からひょっこりとネズミが顔を出しました。
「ああ〜、指輪だ!」
「待ちなさい!」
「わしの指輪!」
指輪を持ったネズミとの追いかけっこが始まりました。
カジノフロアでスロットを渡り歩きます。
お客さんの足元にもぐりこみ、大騒動が起こりました。
巨大スロットに入り込み、大量のネズミのフィーバー。
そしてとうとう、バーフロアのシャンデリアにて、追い詰めることができました…
が。
シャンデリアはクーンを乗せた途端、突然下がり始め…
どんどんバカラのフロアを落ちて行き…
最下階、駐車場でシャンデリアは崩壊。
ネズミは地下洞窟へと逃げてしまいました。
どんどん洞窟の中を逃げていくネズミ。
ここには精霊も住むといいます。
そして…そこには…
一番奥でネズミは恐れ、震え上がっています。
それもそのはず。そのフロアにいたのは…
巨獣でした。
愛らしい顔をした、けれど凶暴な巨獣との戦い。
岩を投げつけてきたり、パワフルな彼もクーン達の前に敗れ去り…
そしてネズミは捕まったのでした。
「やっと捕まえたぞ!大丈夫、君には何もしないよ。」
37
:
サガフロンティア・クーン編 指輪その5:隠者の指輪
:2008/03/13(木) 21:31:48
今度は巨大刑務所リージョン・ディスペアにいる、
刑期100万年の男が持つ指輪にすることにしました。
ですがこれまで入り込む方法が見つかりませんでした。
しかし…
「ディスペアに定期的にパイプや電装関係の修理工が入るらしいわ。
これを利用して入り込みましょう。」
「ボク、修理なんてできないよ?」
「振りだけでいいのよ。上手く入れたら、
刑期100万年の男の所へ行きましょう。」
話していると突然、通りを紫色の、揃ったショートの髪をした女性が通りかかりました。
「ディスペアに詳しい女が、向こうの通りのレストランの前に立ってるわ。」
突然出てきた怪しい女性。この話を信用するべきでしょうか…。
ひとまずクーン達は女性の情報どおりにイタメシ屋の手前まで行ってみました。
いたのは金髪の、胸の大きく派手な服装をした若い女性。
「あなた、ディスペアに詳しいんですって?」
「ええ、まあね。」
「噂はね。ディスペアのどこかにいるらしいわ。でも、正体は誰も知らないわ。」
「そうね、大体の場所の見当はつくわ。」
そしてこの後、報酬のお金の話をメイレンと女性の間で交わし、
クーン達はその女性、アニーを仲間に加えディスペアに向かうことにしました。
「おや、今日は美人が来たね。」
「いやだもう。御世辞を言っても何もあげませんよ。」
大監獄・ディスペア。脱出した人間は数少ないと聞きます。
「いやいや。許可証確認と。はい、どうぞ。」
その時でした。
「待て。」
男性が一人、こちらに向かってきます。
…どうやら、この人こそがディスペアの所長らしいのです。
「いつもと違う作業員だな。」
「許可証は本物です。」
どうやらクーンたちを怪しんでいるようです。ただものではありません。
「そこの犬も作業するのか?」
「犬じゃないやい、クーンだよ!」
「鼻が利くんです。何かと便利なんですよ。」
クーンはすっかり犬扱いです。
「よかろう、作業は迅速、かつ、確実にな。」
所長の目もごまかし、なんとかディスペアの内部に入り込みました。
ここからはガイド役のアニーに任せ、クーン達は言われるままに進んでいきます。
内部には沢山のモンスター。どこから出てくるか解りません。
アニーによると物凄く強いモンスターも居たそうなのですが、
今回はそこには入らないそうです。
そしてとうとうたどり着いた一室。
刑期100万年の男の部屋…一体どんな人なのでしょうか。
「ご苦労だったね。やはり、ここの囚人に用があったのかね。」
…そこにいたのは、なんと所長でした。
「どうして、ばれたの…」
「君らが来たとき、これが光ってね。」
そして所長は指を見せます。
なんと…指輪でした。
「そう、私はここの所長でもあり、同時に囚人でもある。
このディスペアすべてが私のための監獄と言ってもいいだろう。」
なんと刑期100万年の男とは、所長自身のことだったのです。
「いったい、何したの?」
「フッ。指輪が欲しいのではないのか?」
「ウン!」
そしてクーンは事情をめちゃくちゃに所長に説明します。
「そうか、まあよかろう。
こんな所まで私に面会に来る者はそうはいない。
持って行け。」
そして指輪は牢屋の床を転がり…、
クーンの元に届いたのでした。
所長が一体何をしたのか…それは誰も知りません。
38
:
サガフロンティア・クーン編 指輪その6:戦士の指輪
:2008/03/13(木) 22:05:07
次の指輪はシュライクの指輪伝説に関するものでした。
歴史と伝統のある、古い都市シュライク。歴史に名を残す王の中でも有名な王の一人、
済王が大事に持っていたという指輪が彼の墓に収められているというのです。
シュライクで彼らはシュライクの伝説に関する本をまず読みました。
その記述によると、済王の妻である女性は死した王に会うため、
三種の神器を祭壇に供え、扉は開かれたというのです。
そして子供たちから済王の古墳の入口を聞き、彼らは中へ入り込みます。
内部はモンスターがはびこる危険な場所。
まずは手前の方で見つかった神器、鏡を見つけ、向かいます。
しかしなんと床が開き…下階へと落ちてしまいました。
下はモンスターが一層多い階層でした…
上階へと戻り今度は仕方なく奥へと向かい、古墳最奥部にあった勾玉を見つけました。
しかしそこには神器を守る死した兵がいました。彼らと戦い、勾玉を手に入れました…
そして戻るとなんと、古墳の一室の床が光っています。それも一部だけ…
一体これは何を示すのだろう…そう思って光る床を踏むと、落とし穴になっており、
またも下階へ落とされてしまいました。
これは罠を避けるためのものだったのでしょうか…そう思ったときです。
なんとこの階の一番高い所にある祭壇に、神器の二つ目、剣が刺さっていたのです。
しかしどうやってもこれは取りにいけない。…そこでクーンは考えました。
落とし穴のどれかが、祭壇の所に落ちるものなのではないかと。
あたりでした。いくつかある落とし穴の箇所のうちの一つから、
剣のある祭壇へと落ちることができたのです。ここもまた兵が守っていました。
そして最後の神器、鏡を手に入れようとします…
しかしここはさっき落とし穴があって取れなかった場所…
しかし、今度は落ちません。剣が持つ力は落とし穴を封じるものだったようです。
そして今度もまた死した兵を倒し、
揃った神器を玄室の前の祭壇へと捧げ…
とうとう扉は開かれました。済王の部屋です。
「指輪はこの中だな!」
王の眠る墓の扉を開けると…
「シュライクを脅かす悪しき者達め、余の剣を受けよ!」
「出たな。」
ゲンさんが言います。
「何か勘違いしてるわ、あの骨。」
アニーも言います。
「骨ではない。我はシュライクの王、アメノシタシラスミコトなるぞ。」
そう、とうとう現れました…済王です。
名を馳せた古代の王…果たして勝てる相手なのでしょうか。…しかし。
「指輪だ!!」
全く危機感のないクーンは王に近づきます。
「そうか、指輪を奪いに来たのか、盗人どもめ。」
「あなた、死んじゃってるんだから、
その指輪をしていても意味が無いでしょう。私たちに譲って。」
アニーは言います。
「指輪を集めてどうする?シュライクを支配する気か?許さんぞ!」
王は怒ります。
「違うよ。マーグメルが壊れちゃうんだ。ボクの故郷が消えちゃうんだ。」
「リージョンが無くなるというのか?馬鹿げた作り話を。」
王はクーンの話を信じようとしません。
「クーン、危ない!!」
しかしその時…済王とクーンの、二つの指輪が共に光りだしました。
そして…
指輪が見せたのは、マーグメルの風景でした。
今にも滅びそうな赤茶色の大地。萎れた木、水があった場所もマグマに変わり…
それでも懸命に、楽しく生きるラモックスたち。
「今のは、何?!」
「指輪が語り合った… お前の言葉は真実だな。
よかろう、この指輪はお前に預けよう。」
「ホント! ありがとう!!」
「ただし、余も指輪の行く末を見届けたい。お前達と行くぞ。」
「ウン!」
そして、心強い仲間が増えました。
「死体と旅するのか…」
アニーがぼそっと言います。
「死体ではない!余はシュライクの」
「王様だ!!」
この二人、結構気が合うのかもしれませんね。
39
:
サガフロンティア・クーン編 指輪その7:命の指輪
:2008/03/13(木) 22:39:29
おいしいお酒を作ることでも知られる田舎町…ヨークランド。
実はそこはリュートの故郷でもあります。
そこの富豪が、今回の指輪の所持者らしいのです。
「アニキー!俺も連れてってくれよー!」
巨体の怪物、サンダーがリュートの帰りを待っていました。
「おー、解ったよサンダー。お前もついてこい!」
予期せぬタイミングで新しい仲間、サンダーを加えると
一行は富豪の邸宅に入ります。
「あなた方も娘を助けに来てくださったのですか?」
「うん!」
しかしどうやら富豪の娘は今病気の身だといいます。
「もう、どんな方でも構いません。今も一人来ているのですが…」
娘のいる部屋の方を見つめる富豪。そのドアから、
一人の男が猛スピードで飛び出し、
クーンの後方の入口から逃げていきました。
「俺の手には終えねえ!!」
「…とまぁこんな具合で。」
「何が起きるんだろう!?楽しみだなー♪」
そして富豪の娘さんの部屋へと入ります。
そこには苦しそうな娘さんの姿。まだクーンと同じくらいの歳でしょうか。
そのときです。
「この人間の命は私のもの…
邪魔はさせぬぞ…!」
そう、この子の病気はただの病気ではありません。
恐るべき妖魔…病魔モールに取り付かれたことによる、吸血でした。
術を用い、不老不死の体を持ち、強い者ほど美しい姿を持つとされる種族…妖魔。
下級妖魔である、美しいか醜いか…というより人間とは程遠い外見をした
下級妖魔であるモールですが、恐ろしい戦闘能力を有しており、
とても敵いません。追い詰めましたが、すぐに逃げられてしまいました。
「いまのなんだろう?」
「取り付かれてるみたいね」
「指輪を入手後退却するのが最善です」
T260Gは冷酷な判断を下します。しかし…助けないわけにはいきません。
「待って!指輪の力が、この子を生き永らえさせているのかも知れない。」
メイレンが言います。
「マーグメルみたいに?」
「クーン…クーロンに行きましょう。病気に詳しい妖魔がいたはずだわ。」
クーロン、裏通り…治安の悪化が激しく、汚い無法地帯。
地下水路にはモンスターもはびこるその場所…。
薄暗い病院の中。患者と思われた骸骨が倒れ、ケタケタと笑った後呼び出された先に…彼はいました。
「君が患者か?」
黒く、前に垂らした髪と、蒼白な肌…そして白衣を着こなす、美形の医者。
妖魔医師ヌサカーン。モールとは違うその外見は…恐らく上級妖魔と思われます。
そしてクーンは事情を話します。
「…往診は行わないことにしている。例外はあるが。」
「相手は大富豪。報酬は望みのままよ」
「報酬か…興味深い患者だな。」
己の興味のみで動くのが上級妖魔という生き物…。ヌサカーンが加わりました。
そして再びヨークランド、富豪の家にて。
「よろしくお願いします。」
「まずモールをこの娘に取り付かせる。そうすれば簡単には逃げ出せない。
そこで処置をする。取り付かせる前にダメージを与え過ぎれば、
モールは逃げる。だが、ある程度のダメージを与えておかないと娘の生命力が持たないぞ。」
つまりはモールをある程度痛めつけた上で娘に取り付かせ、
その後で攻撃し、倒すというもの。
「この人間の命は私のもの…邪魔はさせぬぞ…」
そして「治療」という戦いが始まり、
モールは娘に取り付き…そしてその時を見計らい攻撃を加え、そしてモールは倒れました。
「やったー!!」
クーンの喜びの声。同じく富豪の娘が目を覚ましました。
「おとうさん!」
「ハイ、これ!」
「その指輪は!それを渡してはお前が…」
「もう大丈夫よ、おとうさん。それに、夢の中で
この指輪が兄弟達に会いたいって言ったの。
クーンが持ってるのよね、この指輪の兄弟を。」
「ウン!」
「良かった、良かった…!」
富豪は本当に嬉しそうです。そしてここにも一人…。
「ホントによかった…」
そういえば、アニーには養子に出した妹がいたとの話を
聞いたような気がしました。この子はもしかして…?
40
:
サガフロンティア・クーン編 指輪その8:策士の指輪
:2008/03/13(木) 23:13:30
リージョン界を統べる3つのリージョンからなる統治組織・トリニティ。
その中の一角、大都会マンハッタンにその指輪はあるそうです。
海に浮かぶ超高層ビル街に囲まれたお洒落なショッピングモール。
若い男女に人気のその中のアクセサリーショップにそれはあります。
以前はあまりに高くて手が出なかったその指輪が今なら買える。
クーンは指輪を買いに店へと足を運びますが…
「残念ながら、その指輪でしたらすでに
オウミの領主様がお買い上げになりました…。」
オウミ。軍港ネルソンへ通じるシップを出す唯一のリージョンにして、
オウミ自体は綺麗な浜辺で有名な港のリージョンでもあります。
そこもまたお洒落で綺麗な町。
クーン達はそこに向かい、領主に話をつけてみることにしました。
「帰ってきてきておくれ…愛しているんだ…」
花びらの舞う水面にかかる橋の上で独りつぶやく、
綺麗な服に身を包んだ男性を気にせずに。
広い花畑に囲まれた大きな屋敷。
羅針盤をかたどったエントランスホールでクーン達は
領主に会いました。
「これはこれは、私に何か御用ですかな?」
もさもさとした赤い髪と髭、そしてメガネ。
屋敷の雰囲気に似合わぬ男が姿を現しました。
「マンハッタンで指輪を買われたそうですね。」
「それが何か。」
「その指輪を譲っていただけませんか。」
メイレンは言います。
ですが領主はそれを聞くと態度が変わりました。
「ほーほー。あなた方も指輪を集めておられるのですか。」
「うん!!」
そして領主は言いました。
「では、あなた方の集めた指輪を頂きましょうか。」
「なんですって!?」
「そう…これは罠。」
ホール中央の床が抜けます。
「そしてこれは、落とし穴。」
クーン達は遥か地下へと落とされてしまいました。
「ふふふふ、指輪は後で回収しよう。」
「いててて、なんかヤバそうな場所に落とされたわね…
あれ。クーン、どこ?」
薄暗い屋敷の地下。明かりはなく、長いこと手入れされていないであろう
ボロボロになった床や装飾が目に付きます。
「ワオ!どきどきしちゃった…」
「もう、クーンったら。さあ、早くここから出ましょう」
そこはモンスターの巣といっていい状況でした。
色んな種類のモンスターが彼らを襲い、戦いに勝ちながら
彼らは上を目指します。
上への階段、恐らくもう地上も近いでしょう。
そこになんと巨大なイカが通せんぼをしています。
かなり強そうです…何か対抗する手立てがあれば…。
ふと、すぐそこにあった部屋から水の音が聞こえ、入ってみると
なんとそこには海に繋がる水路がありました。
綺麗だなー…と眺めていると…なんと。
「高貴なお方の匂いがします…」
黒い肌をした、美しい人魚が現れました。
名はメサルティムといい、ヌサカーンの気配を感じ現れたそうです。
「ご協力できることならば、何でもさせていただきます…」
メサルティムを加え、巨大イカ、デビルテンタクラーとの戦いへ入ります。
彼女の協力もあり、クーン達は難なくそれを倒すことができ、
とうとう屋敷の地上階へと戻ることができました。
領主は懲らしめねばなりません。部屋へ行ったクーン達は、
そこで領主の正体を見ます。
「お前、あのイカの化け物を倒したのか!! ヒー、許してくれ!!」
そして領主は本当の姿を現しました。
小さな、小悪魔のような…それでいて少し太った、卑しい下級妖魔でした。
「なんだ、妖魔だったんだ。」
「指輪は頂くわよ。どうせ、店の人をだまして手に入れたんでしょう?」
「く、くそー。
おい、この女に気をつけるんだな。
指輪を狙ってる奴に、ロクなのはいないぜ!」
「あんたと一緒にしないでくれる?」
そして領主を騙っていた妖魔は姿を消し、
彼らは策士の指輪を手に入れることに成功しました。
一体本物の領主はどこに…?
41
:
サガフロンティア・クーン編 指輪その9:神秘の指輪
:2008/03/14(金) 20:58:17
そして最後の指輪の持ち主の話をメイレンから聞きます。
最後の指輪はここ、
炎と氷が支配する、幻想的なリージョン…
ムスペルニブルにありました。
そのムスペルニブルに建つ、大きな大きな館。
妖魔の中でも上級中の上級。
3人の「妖魔の君」のうちの一人、
「指輪の君」ヴァジュイールが持つものでした。
小金色に煌く内装。1階の左右と2階の左右にあわせて大きな4つの扉…
その先にそれぞれ扉が2つづつ…計8つの扉があります。
そして2階の中央にある巨大な扉から奥へ突き進むと長い長い階段があり、
その先の、天井まである大きな扉を潜った先に…
燃え盛る炎を映す大きな窓を背に、
黒くウェーブのかかった長髪が特徴の、長身の…館の主が現れました。
巨大な魔物を基に作ったような椅子に深く腰掛けています。
彼こそが…ヴァジュイールです。
「おお、指輪の挑戦者か。久しぶり、久しぶりだな。」
重々しい空気の中、最後の指輪の持ち主は指をかざします。
「見よ。この指輪が欲しければ奪い取れ!
しかし、それ相応の力の無い者の挑戦は許さん。」
やはり、条件があるようです。
「我が宮殿には8つの小部屋がある。
それぞれの部屋は対応する指輪を持つ者に扉を開く。
部屋の謎を解き、鍵を集めよ。
8つの鍵が揃ったとき、挑戦の扉が再び開かれる。健闘を祈るぞ!」
そして扉は閉じられました。
先ほどのホールにあった4つの扉の先にある8つの試練。
それを乗り越えて初めてヴァジュイールへの挑戦権が得られるのです。
ヴァジュイールにその様子を鑑賞されながら、
クーンたちの挑戦が始まりました。
護りの間ではモンスターを封じる9つの墓から鍵の入ったものを探し出し…
商人の間ではヴァジュイールの趣味で開催されている恐怖のクイズ番組、スーパーハイ&ローを勝ち抜き…
盗賊の間ではモンスターの駆け回る迷路からすべての金袋を持ち出し…
勇気の間では一面の針山の上の、透明な床を踏み外すことなく渡りきり…
隠者の間では沢山の樽を移動し続けるネズミを、探し当て…
戦士の間では3種のモンスターと、クーンをあわせた4つのチームによるトーナメントを勝ち抜き…
生命の間では生命力をひたすらに削るマグマスライムの集団との長い長い戦いを耐え…
策士の間では歩き回るモンスターにトラップを用いて全員倒すことを…
それぞれ課せられました。
クーンたちはそれらを全て…仲間たちと共に勝ち抜き、
そして…
クーンは再び2階の扉の前に立ちました。
指輪の挑戦者として。
42
:
サガフロンティア・クーン編 最後の指輪
:2008/03/14(金) 21:37:38
「待ちに待った真の挑戦者よ、
かかってこい!
そして私を楽しませてくれ!」
そしてクーンの、最後の指輪をかけた戦いが始まりました。
「美しい連携を決めてみせよ!」
そう、ヴァジュイールとの戦いはただの戦いではありませんでした。
仲間達との連携攻撃。それを見せる…いや、魅せる戦いだったのです。
しかしここまでの旅で培われた仲間達との絆がここで発揮されました。
クーン、続いてメイレン、続いてフェイオン、続いて済王、続いてヌサカーン。
戦いに参加した5人だけではありません。
アニー、リュート、ゲンさん、T260G、サンダー、メサルティム。
沢山の仲間が彼らの戦いを見守っていました。
彼らは次々に連携を繰り出していきます。心を一つにして。
そして…
「見事であったな!!」
そして戦いに勝利しました。ヴァジュイールは彼らの力を…絆を認め、
最後の指輪…神秘の指輪を渡したのです。
かくして9つの指輪の兄弟は揃い…
「クーンが帰ってきた!」
クーンはいつの間にか戻ってきていました。
マーグメルに。
「ここがマーグメル…クーンの故郷なのね…。」
メイレンがつぶやきます。
「今まさに息絶えんとするリージョンだな。」
ヌサカーンが言います。
「早く長老殿に良い知らせを持っていくといい。」
フェイオンが言います。そして彼は良い知らせを持って、
長老の所へ向かいます…
ラモックスのみんながクーンに声をかけてくれます。
「凄く強くなったみたいね。」
「私たちじゃバトルの相手にならないわね…」
「どこ行ってたの?」
「また遊んでたんだろう?」
「凄い姿になったな!」
そして…旅を終えたクーンはまた、長老の部屋に入ります。
「ほら!」
クーンの周りには九つの光。
全ての指輪を手に入れたのです。
「おお、おお…!
よくやった、クーン!さぁ、マーグメルを救っておくれ!」
「長老がお願いするんじゃないんですか?」
「お前こそが、ふさわしかろう」
そして…いつぞやのように、高台に立つクーン。
その姿は以前とはまるで違っていました。
しっぽと獣耳の生えた人間の姿…
いえそれだけではありません。、
旅を終え、苦難を乗り越え、仲間達との楽しい思い出を作った、
それは強い旅人の姿でした。
クーンは、幼くも力強い声で、言います。
「マーグメルよ、よみがえれ!!」
そして…マーグメルは蘇りました。
澄んだ青い空、緑豊かな大地に…美しい花に、潤いをたたえる水…。
…美しいリージョン、マーグメルが蘇ったのです。
「ばあちゃん…
これがばあちゃんの知ってるマーグメルなんだね………」
…つづく。
43
:
サガフロンティア・クーン編 最後の指輪
:2008/03/14(金) 21:51:08
蘇ったマーグメル。
みんなはきっと喜ぶだろうな…そんなことを思いながら、
クーンは喜び勇んで、階段を駆け降ります。
すると…
「キャーーーーー!」
「どうしたんだ!?」
見るも恐ろしい光景が広がっていました。
ラモックスの姿が次々と消滅していくのです。
真っ黒い闇になって。
逃げても、逃げても。
ラモックスたちは抵抗すること逃れることもできず、
次々に消えていきます。
まるで、その存在さえ否定されたように。
この世にあってはならないもののように。
一体何が…
すると、メイレンが突然口を開きました。
「マーグメルが生まれたときには…
あなた達はいなかったのね。」
…その口ぶりは、こうなることを知っていたかのようです。
「どういうこと、メイレン!!」
クーンは慌ててメイレンに詰め寄ります。
「願いどおりにマーグメルは蘇ったのよ、生まれたままに。
そこにいなかったものは消える。」
「それじゃ意味ないよ!止まれ!!」
しかし止まりません。
どんどんみんなは消滅していきます。
何の罪もない仲間たちが。
どうすることもできないのでしょうか。
メイレンは淡々と言葉を続けます。
「何でも願いが叶うなんて、
そんな都合のいいことあるわけないわ。
この指輪は欲望を吸い寄せる道具に過ぎない…」
そして…指輪の研究家、メイレンは指先を掲げます。
「遥か古代に、何者かが
欲望のエネルギーを集めるために集められた力は…
ここに!」
その手には…
なんと黒い指輪がはめられていました。
第10の指輪が…。
「この指輪こそが真の指輪、
この力があれば何でもできるわ!!」
変わり果ててしまったメイレン。
これが本性だったのでしょうか…
「メイレン!気でも触れたか!」
フェイオンは嘆きます。
「やはりな…。」
聡明なヌサカーンもまた、この事態を予期していたようです。
「じゃあ、止めて!
マーグメル壊れちゃってもいいからみんなを戻して、メイレン!」
そう。例えマーグメルが元に戻っても、そこに住むみんながいなくちゃどうしようもない。
大事なのは場所ではなくそこに住むみんななのです。
クーンは今まで…マーグメルのためじゃない、
そのマーグメルに住むみんなのために戦ってきたはずだったのです!
「クーン、今まで協力してくれて有難う。
指輪の研究も最終段階ね…皆さんのことは忘れないわ。」
欲望に満ちた笑みを絶やさないメイレン。
最早さっきまでの面影はありません。
そしてクーンは決意します。
「止めてみせる、
メイレンと戦ってでも!」
「あはははははははははは!
やってみれば?
この指輪の力に勝てるかしら?」
そして、クーンは最後にして最強の敵…メイレンとの戦いに挑むのでした。
44
:
サガフロンティア・クーン編 ED
:2008/03/14(金) 21:59:15
バレ注意
メイレンを元の、優しいお姉さんに戻すため…。
全員が彼女を前に戦闘体制に入ります。
すると、メイレンの指輪が輝き…
眩い光に覆われてメイレンは巨大な…黒い、大きな装置のような…あまりに強大な欲望の化身、
マスターリングへと姿を変えました。
そして彼女を守護すべく現れたのは9体の魔物。
それらは全て、今まで集めてきた9つの指輪の化身でした。
全ての指輪…そして一番の仲間がクーン達に牙を剥きます。
重なり連携する攻撃、指輪の化身を倒される度に力を手に入れていくメイレン。
こちらが不利な戦いでした。
何より精神的な穴が大きい。クーンやフェイオンは特に…。
どうしてメイレンが…。どうしてこんな酷いことを。
大事な大事な仲間だったのに。大好きだったのに。
クーンの子供の心にはあまりに残酷すぎる目の前の事実。
しかし、だからこそ負けられません。指輪の魔力に溺れてしまった…メイレンのためにも。
全ての魔物が倒され、その力を取り込んだメイレンは
最強の術、レヴォリューション9を唱えてきます。
あまりに強い攻撃。しかしそれでも倒れるわけにはいきません。
クーン達は仲間達と一丸になり、彼女に技を浴びせ、戦い続け…ついに。
マスターリングは翼を動かし苦しみ始め、
出現したときのように光に覆われ、
少しづつ体を小さくし…世界が、マーグメルがどんどん輝きを失っていき…
そして、大きな音と共に指輪はメイレンの指から弾け飛び、
乾いた音を立ててカタカタと地面に転がり…止まりました。
その瞬間メイレンが倒れました。
それが…戦いの終わりでした。
「メイレン、大丈夫?」
クーンは優しく声をかけます。
「クーン、ごめんなさい。私、あなたをだましてたわ。」
起き上がるメイレン。
「メイレンが悪いんじゃないよ、黒い指輪が悪いんだよ。」
そう、メイレンを狂わせたのは人間の欲望でした。
続いてフェイオンがメイレンに謝ります。
「メイレン、済まない。私がいつもそばにいれば、
あんな指輪に付け入られる隙も無かったはずだ…」
「肉体的には問題ない。黒い指輪の呪縛も解けた」
ヌサカーンが言います。それならば安心でしょう。
「だが…マーグメルはおしまいだ。」
長老が寂しそうにつぶやきます。
そこに、ラモックス達が声をかけます。
「長老、元気を出してください。どこででも生きていけますよ。」
「そうそう。私たち明るいのだけがとりえだもんね〜!!」
そう。みんな、元に戻っていたのです。
「いい仲間だな、クーン。」
「うん!」
「では…いくか。」
「長老!僕は行く所があるんだ。こんな不幸の指輪、
誰も取れないところに捨てにいかなきゃ!」
クーンは提案しました。
「私も行くわ、クーン。」
そして、それぞれの場所に指輪を返しに、或いは捨てに行きました。
ムスペルニブルの、さらさらとした真っ白な雪の中に。
オウミの深くきれいな海の底に。
クーロンの裏通りにあるヌサカーンの病院に。
刑期100万年の男の…いや、ディスペアの所長としての立派な所長室に。
仲がいいけど喧嘩ばかりしてるノーマッドとカモフックの所に。
シュライクで再び眠りについた済王の所に。
サンダーのいる、ヨークランドの高台に。
滅びた剣豪のリージョン、ワカツに残った、ゲンさんの所に。
マンハッタンでデートしているフェイオンとメイレンへのプレゼントに。
そしてマーグメルに最後の指輪を投げると
ぐにゃぐにゃに曲がった、元気で大きな文字でお別れの挨拶を書きました。
『さよなら、マーグメル』
45
:
チョロQ ワンダフォー!
:2008/03/15(土) 13:36:04
ここはチョロQ達が住むとある町、レッドタウン。
とある一台のチョロQが家に戻ってきた。
いつものように家(ガレージ)にバックで入ると…
「グジャッ!」
……………………
主 人 公 は ト ロ フ ィ ー を 踏 み つ ぶ し て し ま っ た !
そこに現れる幼馴染…というよりはライバル。
急いでトロフィーの上に乗って隠す主人公。
「よう!うん?なんか顔色が悪いな。」
そりゃそうです。返還しなくてはいけないトロフィーをつぶしてしまったのですから。
「まもなくワールドグランプリの季節だな!お前んとこのご自慢のトロフィー、
次は俺様のところへ…あれ?どこに隠した?
まあいい、それを拝むことができるのもあと少しだからな!
しかし貧弱なパーツつけてんな…それじゃ町の予選にも落ちるぞ
おっと、燃料が切れているんじゃないのか?
すぐ前のQ'sファクトリーで給油してもらいな じゃあな!」
そして去っていくライバル…さて、主人公はこの失態をどうするのか…
46
:
T260G編 任務その1 敵メカを破壊せよ 前半
:2008/03/15(土) 19:12:06
「機関部被弾、機関部被弾、任務続行不可能。」
戦艦のブリッジにけたたましい警告音と、女性の声が艦内に響く。
「リージョンに再突入できるか!?」
『コントロールします。ただし、着陸は不可能です。』
「解った。再突入後、総員退避。お別れだな」
そう言ってスーツから機械の翼を生やす艦長。
『お元気で、艦長。』
総員退艦を確認‥‥有機体保護機能解除、
全エネルギーを推力に転換
条件変更により任務遂行不能 回転120
何も見えぬ暗闇。そこに乱れた画面が開き…何かが映る。
少しづつはっきりし、彼女の視界を覆ったのは…少年の顔だった。
そして画面は再びプツンと停止した。
ここはボロ。古代の戦争の跡であるこの地の土から
過去の遺産を発掘することを生業とする者が多いリージョン。
この日、技術者タコおじさんの家に一つのコアが発掘され、それに外装…ボディがつけられた。
「本当に生きてたの、そのコア?」
桃色の髪をした少女がタコおじさんに声をかける。
「やってみればわかる。ほれ、動かすぞ。」
タコおじさん…その名の通りタコのモンスターである彼は
沢山の足…というより沢山の腕を用いてコアを修理したのだ。
…だがコアは動かない。
「死んでるみたいね。良かった。
生きてるコアって変な癖がついてて高く売れないんだもん。」
それに対し、声をあげるのはコアを発掘した少年。
「お姉ちゃん、こいつを売るつもりだったの!」
「あたりまえでしょう。コアだったら安くても1月分の生活費になるのよ。」
すると、ボディをまとったコアが起き上がった。
「やった!生きてるぞ!」
「ふふ、俺様の腕だからな。」
ロボットは辺りを見回す。
「ああびっくりした。まったく、癖悪そうね。」
「パーツ動作確認完了。
攻撃性能最悪防御性能最悪移動性能最悪攻撃性能最悪防御性能最悪移動性能最悪…」
最悪、の言葉を発し続けるロボット。
初めての言葉がそれ…タコおじさんは呆れてしまう。
「なんて奴だ、生き返らせてやったのに最悪最悪って、この恩知らずめ。」
「任務確認:不能 任務確認:不能 任務確認:不能 任務確認:不能」
今度は任務確認。
「戦闘用だったみたいね。」
「戦闘用!?すっげー!! すげーもん見つけちゃったぜ。」
「動作不良、修理を要します。」
台から起き上がったロボットは、
周りにいる3人…少年、少女、タコおじさんに情報収集を行う。
「ボクはタイム。お前を掘り出してやったんだぞ。感謝しろよ。」
「私はローズマリー、タイムのお姉さんよ。ローズでいいわ。」
「あの人はタコおじさん。機械や技術に詳しいのよ。あんたを組み立てたのもおじさんよ。」
挨拶を済ませた後、ロボットはローズに聞かれる。
「あんたは何て名前なの?あるんでしょう、名前ぐらい?」
「制式形式番号T260 認識ID7074−8782−1099」
「何て呼ぼうか?」
「T260でいいじゃん」
そこに、タコおじさんが割って入る。
「Gだ、Gをつけろ!俺が組み立てたんだ、俺の意見も聞け。」
「じゃあ、T260Gね」
そして彼女はT260Gと呼ばれることになり…
タイムの仕事、ガラクタ集めを任された。
「ネエちゃんに一人であちこち行くなって言われてるけど、
もう一人じゃないし。これから探検だ、
タイム探検隊だ!ボクが隊長だぞ。」
少年はT260Gに言う。いかにも子供らしい発想だ。
「はい、タイム隊長。」
そして彼女の所属と階級は、タイム探検隊・隊員となった。
ガラクタを掘り起こしているクレーターに到着する。ここがT260Gの掘り起こされた場所だ。
「お前のにんむって何なんだよ?」
「S級優先任務が存在、任務内容は情報欠落により不明。
特殊状況のため任務確認がA級優先となります」
「ふ〜ん、何だかむずかしいんだな。」
47
:
T260G編 任務その1 敵メカを破壊せよ 後半
:2008/03/15(土) 19:13:07
何かの、最優先任務があったらしい彼は、
タイム隊長につられ、今度は換気の悪く暗い、
鉄の焼けた匂いのするガラの悪い建物へと連れてこられた。
「ここはとーき場さ。がらが悪いから一人で来るなって言われてるんだ。
でも、時々来てるんだぜ。あ、これネエちゃんにはないしょだぞ。」
ボロの闘機場。機械と機械が戦うところだ。
そこには闘機だけでない。酒とタバコを楽しみに来る者もいた。
「おお? 見かけない奴だな。」
男の名はゲン。捻り鉢巻を締めた中年の男だ。
理由は不明だが、喧嘩となると滅法強いといわれる。
「おおタイムか。 お前のか?」
「えへへ、そうだよ。組み立ててくれたのはタコおじさんだけど、
コアを掘り出したのはボクだよ。」
自慢気に語るタイム。戦闘用だからね、とつけて。
「へえ〜、いい出来じゃねえか。
じゃあ闘機に出すのか?」
日課でもあり、T260Gをゲンさんに見せるために来たのだが
タイムはここで思わぬことを聞かれ、驚く。
「えっ!」
「戦闘用なら強えんだろう? よし、俺が賭けてやる、一発やってこい!」
彼らは受付に行き、エントリーを済ませそして…彼らの試合が始まる。
1回戦、2回戦、3回戦と彼らはトントン拍子に勝利を続けた。
T260Gの強さはどうやら本物らしい。
思わぬ彼の強さに、相手に賭けていた客は舌打ちをし、
相手メカの持ち主は弱気になり、
強さを見抜いていたゲンはにやりと笑っていた。
だがそこで今日の試合はおしまい。
ゲンさんに喜びの報告をしようとしたとき…だった。
「ゲッ、ネエちゃん!」
ローズがゲンさんの隣に、腕を組んで立っていたのだ。
「まったく、こんな所で遊んでるんだから。
だいたい、T260Gが壊れたらどうするの!
もしコアが壊れたら、T260Gは二度と生き返らないのよ!」
叱られてしゅんとするタイム。
だが突如として、闘機場から銃声が響き渡る。
「おらおら、カバレロさんに楯突く奴は、
おいらがバラバラにしちまうぞ。ケヒャヒャヒャ」
大声を発し、辺り構わずバルカンを撃ち出すロボット、ヴァルカン。
カバレロというのはここらを根城にしている悪徳商人で、
彼はそのカバレロの自慢のロボットらしい。
「いい加減にしなさいよ!カバレロが何だってのよ、
T260G、やっちゃいなさい!」
威勢よく怒鳴るローズ。T260Gを心配していた先ほどとは大違いだ。
そして闘機に出していたタイムが逆に弱気になる。
「おねえちゃん、それムチャだよ。
いくらT260Gでも、あんなヤツに勝てるわけないよ!」
ローズはT260Gに聞く。
「あんた、どうなの? 勝てる?」
「命令を復唱します。敵メカを撃破せよ。」
そう言ってすぐ、T260Gはヴァルカンの方へと走っていった。
48
:
T260G編 任務その2 タイム隊長を救出せよ
:2008/03/15(土) 21:43:11
ヴァルカンとの戦いはあっけなくT260Gの勝利に終わった。
帰ってからタコおじさんにメンテナンスを受けたT260Gは、翌日になって目を覚ました。
「よしっと、これで大丈夫だ。あんまり無茶するなよ!」
ふと見ると、タイムが家にいない。
「ローズ様。タイム隊長は?」
「タイム隊長?そんな風に呼ばせてるのか…タイムならあんたの部品になる物を探しに行ったわ」
T260Gは家を出て、闘機場へと向かった。
「やるな、おまえ。賭けといて正解だったぜ」
嬉しそうに言うゲン。だがどうやらここにはタイムはいないようだ。
そんな時、突然ローズが部屋に飛び込んできた。
「タイムが奴らに…連れて行かれちゃったわ!T260G、なんとかして!」
奴らとはカバレロのことだ。昨日ヴァルカンをやられた腹いせなのだろう。
「何とかするとは…どうするのですか」
「タイムを助けるのよ!」
「了解しました、ローズ様。」
そしてゲンも立ち上がった。
「俺も行こう。」
喧嘩の腕には自信があるという彼がいれば心強い。
彼らはタイムを探しに今度はクレーターへと向かった。
「………。」
タイムの帽子がそこに落ちていた。この先に来い…ということだろう。
クレーターにある大昔の装置のものと思われる昇降装置を用い、
モンスターの巣窟である洞窟へと降りる。そしてまた昇降装置から地上へ…
それを繰り返し、最深部でとうとうタイムを見つける。
「タイム!」「隊長!」
動かなくなったタイムを。
そしてその傍にはカバレロの部下、
骸骨モンスタースパルトイと、カバレロの用心棒、ダエモン。
「お前達、タイムに何をした!」
「い、いや、別に、そんな怒るなよ。」
突然慌て出すダエモン。
「…隊長の生命反応を確認。」
どうやらタイムは無事のようだ。
「そうか、生きてるか。お前達、良かったな。
タイムに、もしもの事があったら、ただじゃおかんところだ。
見逃してやるからどこへでも行け。」
「へ? そ、そうですか。」
そう言って、一瞬逃げようとする…が、すぐに向き直り、ツッコミを入れる。
「バカ言ってんじゃねえ!!てめえ立場がわかってんのか?ぶっ殺すぞ!!」
「…やってみるか?」
言うとゲンはそこら辺に落ちていた鉄パイプを手に取り…
そして戦いは圧勝だった。T260Gの強さもあったが、それ以上に
鉄パイプを手に、今まで使わなかった剣術を用いるゲンの強さは計り知れないものだったのだ。
「大丈夫かタイム!」
「ご無事でなによりです、タイム隊長。」
その翌日、T260Gは本題をタイムに話す。
「隊長、[A級優先任務:最終任務確認]の遂行を希望します。
別のリージョンへの出発許可を願います。」
そう、T260Gには最優先任務が存在し
今は何よりその最優先任務を思い出すという優先任務が存在するのだ。
だが、子供心にはそれが通じるはずもなく。
「ダメだよ! 隊長を見捨てるのか?!」
「任務確認が優先します。」
「まあ、ここじゃ情報も部品も手に入らんしな。」
タコおじさんも言う。続けて、ローズはタイムを説得する
「タイム、T260Gは私たちやボロの人達のために十分戦ってくれたでしょ」
「そんなこと解ってるよ!」
「隊長の許可が無ければ出発できません。」
そしてタイムは泣きながら、家を飛び出していった。
「そんなに行きたきゃ、どこでも行けよ!」
だがその言葉は、文字の通りにしかT260Gには認識されなかった。
「ありがとうございます、タイム隊長。」
その日、彼女はリージョン・シップに積荷としてベルトコンベアで運ばれていった。
「クズ鉄と一緒に…」
「ひどいよ、ゲンさん!」
「あいつがああしろって言ったんだ。あれならタダで乗れる。しかも金までもらえる。ほれ。」
「T260G、私たちのために…」
そう。T260Gは自分をクズ鉄として売りに出すという形で無料でシップに乗ることにしたのだ。
「あいつはメカだから、思いやりとかそういうんじゃないだろうがな。
まあ、あいつなりに何か考えてるんだろうさ。
あいつのことは俺に任しとけ。カバレロとも話をつけてくる。」
そう、カバレロとカタをつけることもまた目的の一つだったのだ。
「ゲンさんでだいじょうぶかな〜」
「お酒飲んじゃダメ!」
「わかった、わかった。それじゃ、元気にしてろよ。」
そして…リージョンシップは旅立っていった。
二人の子供たちをボロに残して。
「かえってこいよ〜、ぜ〜〜〜ったい帰ってこいよ!!!」
49
:
T260G編 任務その3 ファクトリーに侵入せよ
:2008/03/15(土) 22:48:08
「おお、酒場だ!酒場だ!!」
目的地、スクラップに着くなり、ゲンは酒場に入る。
T260Gも一緒に入る。
ゲンはひたすらお酒を飲んでいるようなので
その間にT260Gは情報収集を行うことにした。
「メカが酒場で何してるんだ?」
青髪の男、リュートや
「記憶障害か… 君のコアは相当に古いタイプのようだね。
詳しく調べてみないと何とも言えないな。
ああ、私はこういう者だ。」
シュライクの中島製作所の社長などがいた。
奥にいた緑色の髪の少年と、チャイナドレスの女性にも話をしてみた。
「なに?」
「うわー、鉄のかたまりだ!!」
少年の名はクーン、女性の名はメイレンというらしい。
「カバレロってやっぱりひどい奴ね。
私たちもカバレロに用があるのよ。一緒に行きましょう。
十字路を上へ行った左側にカバレロの事務所があるわ。」
メイレンとクーンも何かの用事でカバレロに用があるらしく、
4人はカバレロの事務所へ向かった。
「あんたがカバレロか?」
「そこのメカ、もしかして、うちの連中がやられたってのはお前か?」
黒服でタバコをふかす男。コイツがカバレロだ。
「そうか、そうか。よ〜くわかった。
かわいい子分どものお礼はたっぷりさせてもらおう。
うちのファクトリーまで来い。ぺちゃんこにしてやる!」
と…怯えたような口調で言うと奥の扉から微妙に速い足取りで歩いていってしまった。
「カ、カバレロさん…」
「に、逃げた…?」
ゲンは女子供、即ちメイレンとクーンに言う。
「ってわけだ。ここから先は危険だ、あんた達は帰ったほうがいい。」
だが意外にも度胸があるこの女性はゲンに言う。
「心配してくれてありがとう。でも、危険は承知の上よ。
それにしてもカバレロのあの慌てよう、笑えたわ。
そのメカ、いったいなんなの?」
「まあ、秘密兵器みたいなもんさ。」
へー…と、面白そうにクーンはT260Gを見てきた。
そして4人はカバレロファクトリーへ。
工場の倉庫でこっそりついてきたリュートも加えた5人は
怯えたカバレロが待つ工場へ潜入した。
沢山のカバレロの部下達のテリトリー。
高台の上からの射撃もなんのその、5人はどんどんと突き進み
カバレロの元へたどり着く。
「くそー ここからが本番だ!行け!!」
そして現れたのは復活したヴァルカン、ヴァルカン・改。
だが彼ら5人の敵ではなく、あっさりと敗れる。
「わかりました。ボロには決して手出ししません。」
「わかりゃいいんだよ。」
頭を下げるカバレロに、ゲンは更に加えて要求をする。
「ところでだ、こいつがシップに乗りたがってるんだ。
あんたの力で何とかしてくれよ、カバレロさん。」
「……ハイ。シップのパスを用意します。
もうどこへでも行っちゃってください。」
ひたすら頭を下げ続けるカバレロ。
そして一件落着。5人は情報収集のためクーロンへと飛んだ。
50
:
T260G編 任務その4 博士にコンタクトせよ
:2008/03/15(土) 23:16:45
クーロンの情報端末で得られた情報は3つ。
マンハッタンにいる天才科学者・レオナルド博士のこと。
スクラップの酒場にいた中島社長の構える中島製作所のこと。
シンロウの奥地に古代のリージョンシップが遺跡として残っていること。
そして今回はそのうちの
レオナルド博士へのコンタクトを試みることにした。
マンハッタンのファーストフード店。
すらりとした体の美青年がそこにいた。
「レオナルド・バナロッティ・エデューソン
という人物の情報を求めています。ご存知ですか?」
青年に彼女は話を持ち出した。
「うん、まあね。ところで君、見かけないタイプのメカだね。
どこのメーカー?」
「タコ様に組み立てていただきました。」
「タコ様?個人の手作りメカなのか…よく出来てるな……
君は、レオナルドの何が知りたいの?」
「レオナルド氏に、自分の解析を御願いしたいのです。」
そして彼女は、青年に事情を話した。
「そういうことなら、レオナルドも興味を持つと思うな。
案内するよ、ついておいで。」
そしてセントラルゲート内の研究所へ案内する彼。
こういう口ぶりであることは、恐らくは彼は…
「さあ、ここだ。
そう、ボクがレオナルドだよ。
君の名前を聞いていなかったね。」
やはり彼こそがレオナルド博士、その人だったのだ。
「T260Gです。」
「じゃあ、さっそく調べてみよう。」
そう言って彼は、T260Gを装置に入れ
体の解析を開始した。
様々な色の光が彼女の体を透過する。
まず博士は結論から口にした。
「君のコアは、現在使われているタイプのコアではないね。」
「トリニティ・タイプとの共通点もあるんだけど、
違っている所の方がずっと多いんだ。」
トリニティといえば、マンハッタン、タルタロス、ニルヴァーナで構成される
現リージョン界の統治機関。
その政府のロボットと少しだけタイプが近いのだという。
これは何を意味するのか。
「だから、これ以上はコアを分解しないと調べられないな。
それにしても、君を組み立てたタコさんはすごい技術者だね。
手が4、5本は無きゃ出来ない様な仕事がしてあるよ。」
そう、タコおじさんは名前の通りのタコだからだ。
彼の技術力もさることながら、
これは彼の体を最大限に活かしての仕事だったのだ。
「それに、君のパーツ一つ一つに注意書きがしてあって、
ボクが調べることはほとんど無いような状態だったよ。」
本当にタコおじさんは丁寧にT260Gの復元を行ってくれたらしい。
そして最後にレオナルドは言った。
「調査ついでに少しパーツを追加しておいたよ。
メモリーが足りないって殴り書きがしてあったんだ。」
パワーアップまでしてくれた。
これで彼の能力は飛躍的に上昇することだろう。
「ありがとうございます、レオナルド博士。」
「ボクも楽しかったよ。通行証を渡しておくから、いつでもおいで。」
人柄のいい博士であった。だが、こんな人に限って…不幸は訪れるものである
51
:
T260G編 任務その5 最終任務を確認せよ
:2008/03/15(土) 23:48:26
シュライクの中島製作所。
平和なこの町にあるこの製作所の真ん中に技術者達が集まっている。
皆、揃って難しい顔をしたり、青ざめたりしている。
「やあ。よく来たね。君のことを調べてあげると言ったんだが…
困ったことになってね。」
社長の言うには、こうだ。
重要なデータを乗せたメカマウスを、
古の王、済王の眠る古墳に逃がしていたのだが
帰還命令を出しても戻って来ず、反応もないらしい。
「社長、彼に頼んだら?」
「おいおい、それはないだろう……
いや、君に頼めないかな?マウスを探してきて欲しいんだ。」
「それがあれば、私の調査ができるのですね。
わかりました。それでは出発します。」
製作所の開発した修理用メカ、特殊工作車を加え、
一行は古墳へと急ぐ。
モンスターのはびこる古墳の中でも下の階層、
王の玄室を開けるための鍵、三神器の一つ…剣のある階層で
メカマウスはのんびりくつろいでいた。
「目標物回収。これより帰還します」
「ありがとう、ありがとう…!」
そして製作所に戻った彼は、メカマウスに収められていたデータの中身を知ることとなる。
「うちでは人が乗り込んで、完全変形する戦闘メカを開発していたんだよ。
コードネーム「ワルキューレ」だ。」
「それが、トリニティから横やりが入ってね。
人が乗るタイプはダメになった。そこで、
これが「ワルキューレ」の技術を応用して
若い連中が試作した自律型の戦闘メカ「零式」だ。
「れいしき」なんて名前、近ごろの若い連中のセンスは理解できん!」
ナカジマ零式。スリムな青いボディが特徴のメカだ。
「「零式」起動準備完了。」
そしてそれは起動された。するといきなり彼は縦横無尽に
製作所内を飛び回り始めた。
「こんな狭い所で起動するなんて、非常識ですね〜。」
「だれだ、 こいつの疑似人格のモデルは? ヒロシか!」
どうやら性格に癖のあるメカらしい。
「失われた任務ですか〜、ロ〜マンチックですね〜」
そしてナカジマ零式を加え、新たにボディを6タイプから選んだものに新調し、
彼は得られた3つめの情報、シンロウの古代シップへと向かった。
「周辺環境、推定経過時間を考慮すれば、
保存状態は極めて良好。微弱ながらエネルギーを感知できます。」
この先に何かがある。
内部は薄暗く、道がわかりづらい。
そんな中でも彼女らはモンスターの巣食うシップの中を進んでいき、
最深部の情報端末の部屋にたどり着くことが出来た。
「ここなら何か情報がありそうだな。」
まずはT260で検索をかけてみた。
形式番号:T260
種別:システム・コア
設計:KT 製造:MMW
対RB3型用に設計された
Tシリーズの最新型
詳細諸元は極秘
RB3…。
今度はこの単語で検索をかけてみる。だが…データが破損しているという。
今度は一部破損しているながらも、日誌のページを読んでみることにした。
@諦┛らけQへドライブ中。臨戦態勢を解き、第2警戒へ移行
HQにて任務受領。目的地へ発hヶ!χ
そして戦闘プログラムをT260Gがダウンロードすると…
数千年生きた端末は電源を落とした。まるで最後の力を振り絞り、
T260Gに未来を託したかのように。
「電源が死んだな。何か分かったか。」
「T260タイプの情報とHQの存在情報を得ました。
私の任務はRB3型の破壊であることが確認されました。」
「HQとかRB3型ってのは何だ?」
「HQは司令部だと推定できます。RB3型については情報がありません。」
「次の目的地は司令部か。」
とうとう明らかになった最後の…本来の敵。RB3.
この名前と、次の目的地、司令部HQの名を脳裏に刻み込み、
彼女らはシップを後にした。
そして…中島製作所に戻った彼女達は驚くべき事実を耳にする。
レオナルド博士が、謎の爆発事故によりこの世を去ったというのだ。
52
:
T260G編 任務その6 中央情報室へ潜入せよ
:2008/03/16(日) 18:32:40
セントラルゲート・レオナルド博士の研究所。
博士の身に一体何が起こったのか。
そして、彼は死ぬまでの間に何か情報を掴んでいたのだろうか。
それらを調べるべく、T260Gはパスを用いて
主なき研究所へ入り込んだ。
研究所を一回りしてみるT260G。
彼女がパネルに立ったところで、あり得ない声が聞こえてきた。
今はこの世にいないはずの者…そう、レオナルド博士の声だ。
「今そこにいるのは、T260G君だね。
済まないが、そのスイッチを押してくれないか」
博士は亡霊…つまり、モンスターになったのだろうか。
彼女はボタンを押すと、以前から存在していた部屋の中心にある
円形の、少し盛り上がったフタらしき部分が開いた。
そして…
蒸気をあげるその中から現れたのは、
真ん丸い顔と丸みを帯びた小さな体…コケシのような形をしたロボットだった。
そのロボットから声が発せられる。レオナルド博士の声が。
「こういう事態に備えて、
自分の人格マトリックスをこのメカに移しておいたんだ。
君と同じになったね。」
そう、レオナルド博士の体は機械になっていたのだ。
全く姿は変わってしまったが、意外にも彼は落ち着いた様子だ。
しかし備えたとはどういうことだろう。
単に、有名人は命を常に危険にさらされるということや、
これほどの頭の切れる人物なら
万一のことも万全に対策してあったということならいいのだが。
「何と御呼びしましょうか?」
「ボクはレオナルドだよ。体はメカになってしまったけれど、
他は変わらないからね。君の方はどうだい?
何か新しい情報は手に入った?」
そしてT260Gは簡単に説明を行った。
「ボクも色々と調べてみたんだけど、
トリニティの情報セキュリティに引っ掛かって先に進めないんだ。
これ以上は、もっと中枢部に行かないと無理だね。
タルタロスの内部に中央情報室が置かれている。そこへ行こう。」
タルタロス。トリニティの機密が収められているとされる、
トリニティの一角にあたるリージョンである。
無論、そんな所へは民間人が入り込むことはできない。
…そして、レオナルド博士でさえも。
「このコンテナに乗って潜り込もう」
狭いコンテナ内。それに乗り込み、彼女達はいよいよ
タルタロスへと潜入した。
中は常時厳戒態勢。
無数のメカが蠢き、幾重ものセキュリティが働き、侵入者の行く手を阻む。
途中、脅威の巨大マシン、モービルマニューバとも4度遭遇することとなった。
だが彼らはそんな厚き壁も乗り越え、
いよいよ中央情報室の巨大端末から情報を引き出す段階まで来た。
「ボクのパスワードではダメだね……
これならっと…」
すると出たのは謎の数列。これは一体何を意味しているのか。
博士にもわからないようだった。
「ダメだ! 信じられないな〜。君の構造から情報をたどっていくと
執政官クラスのパスワードがないとアクセス出来なくなるんだ。
君ってすごい秘密の持ち主だね。この数字を解決する糸口があればな…」
T260Gの情報を手に入れるにはここでも無理だという。ならば…
次はRB3について検索を行ってみる。
だがそれも良い成果は得られず。
「「HQ」との関連性は?」
そう、彼らが向かうべき場所だ。
…そこで博士は気がついた。
「そうか! シップドライブの航行データだ!
君の言う「HQ」かどうかはわからないけれど、
このデータでドライブしてみれば、
その先にきっと何かがあるに違いないよ。わくわくしてきたぞ。」
そう、謎の数列こそがHQへの道標。
これを辿っていけば…いよいよT260Gの秘密が明かされるかもしれないのだ。
そうと決まれば話は早い。彼らはタルタロスから速やかに退散し、
HQへのシップを手配するのだった。
53
:
T260G編 任務その7 メインフレームに接触せよ
:2008/03/16(日) 19:10:21
「レオナルドだけど、シップをチャーターしたいんだ。」
「レオナルド様?あなたが?」
面食らっていたシップ発着場職員。
しかし、本人証明が終わるとにわかには信じられない様子ではあったが
シップを手配してくれた。
「すごい基地だね。トリニティが最高機密にしているだけのことはあるね。」
そして着いた場所はタルタロスと違い、綺麗に整備された
巨大な施設。強力な兵器の数々が収められたこここそが、HQ…司令部である。
別れ道の片方が兵器庫へと繋がり、もう一つは次のフロアへと繋がる。
そんな構造のHQをひたすら進んでいくと…
開けた、下が見えないほど高い場所にある中央端末へとたどり着く。
「機能停止状態です。
侵入したウイルスによるシステムの崩壊を防ぐために、
システム自身が部分停止しウイルスを食い止めています。
これから、システム内部へダイブしウイルスを除去し、
機能を回復させます。皆さんはここに残ってください。」
バーチャル空間での、HQを侵したウイルスとの戦い。
だが、残っていろといわれては男ゲンは黙ってはいなかった。
「ここまで来て、お前だけを行かすわけにはいかないさ。
ガキんちょどもとの約束もあるからな。
どこへでも飛び込んでやろうじゃないか。」
「了解しました。作業を行います。」
そしてバーチャル空間へとシフトする。
そこは、虫に食われフレーム部分が露出したポリゴンの町。
人工物であることがはっきりとわかる。
至る所に虫が沸いている。近づくと虫は本性を表す…ウイルスだ。
四本の触手を生やした丸い物体として認識される。
ウイルスを倒すことによりどんどん町が復興していく。
城門の中に入ると、突然ウイルスたちが群がってきた。
どうやらメインフレームにウイルスが群がっているらしい。
それらを排除し、メインフレームにコンタクトをすると
途端に全てのウイルスがデリートされ…
町は元に戻った。
後は、メインフレームと真にコンタクトするための場所へ行くだけ。
そこは教会の中。複雑なパズルを解き、
彼女はとうとう…何もない無の空間でメインフレームと対峙した。
「システム中枢だ。遂に秘密が明かされる時が来たぞ。」
気がつくとレオナルドが人間に戻っている。
「レオナルドさん、なんで人間に戻ってるんだ?」
「ここでの姿はどうせ偽物だよ。どんな姿だってとれるのさ。」
彼女は、「ただいま」を告げる。
「システムに対して、認識を要請します。」
「適合要素として認識しました 攻撃目標から削除します」
「認識番号 ID7074−8782−1099」
そして「おかえり」の言葉。
「ID確認
よく帰ってきました7074−8782−1099
ウイルスを撃退してくれたことにも感謝します」
そして、一言で長らく悩み続けてきたことが解消されることとなる。
「破壊されているデータがあります。修復しましょう」
破損データの修復、即ち…記憶の回復だ。
「おい、思い出したか?」
「S級優先任務・RB3型破壊を遂行します。
すべての機器の優勢使用権を要請します。」
残存機器の確認中…
機能停止中に多くの機器が何者かによって撤去されています
オメガタイプのボディ1体が残存しています
その他しべての機器の優先使用権を付与します
このHQの機能回復でRB3型も活動を再開します
速やかな任務達成を希望します
それが何を意味するのか…ゲンさんにはわからなかった。
そして彼女達は現実に戻り、T260Gは戻ってくるなり…
その言葉を発した。
「出撃します!!」
54
:
T260G編 任務その8 RB3を破壊せよ
:2008/03/16(日) 19:32:32
HQからの帰り道。
ゲンはT260Gを追いかけつつ、彼女と話をする。
「おい、待てよ! RB3型って何なんだ!」
「RBタイプはリージョン破壊兵器です。
1、2型は通常の方法で破壊できましたが、3型は全く異なる製造をしており、
その破壊のために私のタイプT260が作られました。」
RB、リージョンバスターシリーズ最強の3型。
それに対抗すべく生まれたのが彼女…古代の戦闘艦、T260だったのだ。
「リージョン破壊兵器!?」
「リージョン破壊砲による攻撃を受けると、
リージョンは圧壊し混沌に飲み込まれ消滅します。
3型は進路上のリージョンを無差別に破壊していきます。」
「なんてこったい…」
話は一気に、リージョン界の存亡を賭けたものとなっていた。
道の傍らに安置されていたT260最強のボディ…
オメガタイプが目に止まる。純白の流線型ボディ、頭の輪、翼。
まるで天使のようだった。
「オメガボディ、エネルギー注入中。エネルギー充填終了。」
そして…鋼鉄の天使となったT260は、飛行形態になってHQを飛ぶ。
「このHQの活動再開を探知して、侵攻してくるものと予想されます。」
「それじゃ、ここをぶっ壊しちまおうぜ!」
そう。HQさえなくなればRB3の破壊対象はなくなるのだ。
「私の任務はRB3型の破壊です。」
任務には従わなければならない者の、それが定めだったのだ。
「仕方ねえな。まったく、大事になっちまったぜ。」
「敵はどんなヤツなんだ?」
「形態は遭遇するまでわかりません。ただし、
シップとしてのドライブ能力を持っているのは間違いありません。
こちらも接近のためにシップが必要です。」
そう、相手は混沌の中を走るもの。
近づくためにはこちらもシップがなければ。
「接近してどうする?」
「RB3型の中枢に侵入して破壊します。」
「簡単に言うぜ。」
彼女達の最後の戦いが今始まる。
マンハッタンから発着される最新鋭リージョンシップ。
それをまたもチャーターし、彼女達はいよいよRB3へと近づいていく。
敵が…現れる。
「でかい…… 誰がこんなもの作ったんだ。」
相手は、あまりにも巨大すぎた。
「RB3型自身です。
蓄積されたデータから最も効果的な形態を選択し、
混沌から自らを創造するのです。」
自己を再生し、自己を変形させ、自己を防衛する、あまりに強大な自律兵器。
「それが、RB3型の機能です。」
「創造主というわけか。」
とてつもなく大きな船体を持ち、船体に比べて小さな、
持ち上げられた4機の砲門一つの直径で
すでにシップの5倍はある。
こんなものを向けられたらひとたまりもない。
エネルギーの高まる砲門の傍を通り…
「開口部より侵入します。」
彼女達は降り立った、RB3の戦艦内に。
中は強力なメカばかり。
開けた場所に出たと思えば、侵入者を阻む巨大なレーザーの雨。
スイッチを使いこれを止め、奥へ進むと今度は大量の迎撃メカ。
9回の戦闘の後に暗い闇から姿を現した巨大メカ、機械神バロール。
それら全てを破壊した所で彼女達は行き止まりに到達する。
端末室だ。
「ここをぶっ壊せば終わりか?」
「いいえ。これから、RB3型の内部へダイブして、破壊します。」
RB3のコアはどこにあるかなんて解らない。
恐らくは外部からの物理的破壊など不可能。
「ダイブして、内部から破壊します。それが私、T260型の機能です。」
だからバーチャル空間にまたシフトし…コアを直接彼女達が叩くのだ。
彼女達自身がウイルスとなって。
「それが、お前の本当の任務か。」
「はい。ゲン様は皆さんを連れて脱出して下さい。
コアが機能を停止した場合の事態は予測不能です。」
ここまできてそんなことを言うT260Gにゲンは呆れる。
「お前な、いい加減にしろよ。HQの時もそうだったが、
ここで帰れって言われて、ほいほい帰る奴はいないんだ。
少しは学習しろ!」
そして最後にゲンは言った。
「さあ、さっさと終わらせて一杯やるぞ。」
「了解しました。」
55
:
T260G編 任務その8 RB3を破壊せよ 後半
:2008/03/16(日) 20:37:52
「これより自己再生コードの分解を開始します。
ここは、最も強固に守られているコードです。準備はよろしいですか。」
バーチャル空間は洞窟、密林、砂漠の3層に分かれていた。
最奥部、砂漠の中心部に、一本だけ生えた樹…
それが…最後の敵だった。
捻り鉢巻の酔っ払いの中年、純真無垢なモンスター少年、
いびつな人格を持つロボット、元人間のロボット博士。
そしてRB3を倒す任務を担った古代兵器。
電気信号に変換された彼らが今、意志を持って戦いの場に戦闘態勢で構える。
辺りの風景が細切れになり突然砕け、真っ暗な闇に包まれ…
そして樹が光束に包まれ本当の姿を現すと共に辺りは明るくなる。
RB3の本体、ジェノサイドハート。
部屋の中心に位置するそれを
彼女達がそれを取り囲み、
それの周囲で起動するは無数のディスプレイ。
そして背景には無数の情報が光となり行き交う。
これがRB3の中心部、メインルームだ。
「警告、警告、セントラルシステム内にウイルスの侵入を感知。
セキュリティレベル1 アイスシステム作動」
戦いの始まりを告げる警告だった。
『NO FUTURE』
開幕早々、システム音と共にジェノサイドハートは文字列を表示し、
無数のディスプレイに向かって恐るべき速度のレーザーを5本発射され、
カカカカカ、とディスプレイに反射音を響かせ、恐るべき精密さを以って
彼らの元に降り注ぎ、貫く。
これがジェノサイドハート最強の技、カーネイジだ。
その後すぐにディスプレイはどこかの風景を表示し、
そのどこかへと世界はヴァーチャルシフト、
ジェノサイドハートの攻撃パターンはそれへと変わっていく。
そのパターンが破られるとメインルームに戻り
セキュリティレベルを一段階引き上げ、
カーネイジを発射、そしてまたヴァーチャルシフト。
3回目のヴァーチャルシフトが破られたジェノサイドハートは、
これまでの3つの空間の能力を全て用いて、
メインルームにて最後の戦いを挑む。
そしてT260Gはこの時のために用意された最強の機能、
V−MAXを起動する。
全能力が大幅に上昇し…彼女はとっておきの、最強の技を
ジェノサイドハートにぶつける。
空中へ飛び上がり、光の雨を降らせるスターライトシャワー。
そして自らが光となって縦横無尽に飛び回り、敵に自らをぶつける
コズミックレイヴ。
その攻撃の瞬間、ジェノサイドハートはフリーズし…
「NO FUTURE」
バグを起こしカーネイジを発動するそのままの体勢で止まった。
自分の状況を悲観したか、或いは捨て台詞のようにも見えた。
ディスプレイは力を失いガシャリガシャリと落下し、
あたりはけたたましい警告音と電流に包まれ…
そしてジェノサイドハート、即ちRB3最期の瞬間が訪れる。
…大爆発だった。
56
:
T260G編 最終任務
:2008/03/16(日) 20:39:16
バレ注意
帰りのシップの中、彼女は眠っている。
「おい、どうした。 エネルギー切れか?」
「任務が終わったのさ。敵を消滅させて、彼の存在意義も消滅した。」
レオナルドが言う。
古代の存在はこの時代にいるべきではない。
もう彼らの時代なのだから。
RB3も…T260Gこと、T260も。
「楽しかったよ、T260G君。さようなら。」
レオナルドは帰っていった。
そしてさようなら、T260G…
だが、それを許さない男がいた。
「おい、眠ってる場合じゃないだろう。
もう一つ任務が残ってるだろうが!しゃんとしろ!
この、クズメカが!」
T260Gをゴツンと叩く。
その瞬間、暗闇だった画面にメモリーが一瞬フラッシュバックした。
少年の顔…。
「かえってこいよ〜、ぜ〜〜〜ったい帰ってこいよ!!!」
「これから探検だ、タイム探検隊だ!ボクが隊長だぞ。」
そう、タイムだ。
「ゲン様。」
「やっと御目覚めか?みんな帰っちまったぞ。」
T260Gは起きた。
「HQでのデータ修復時に任務処理優先ファイルがマスクされ、
不正な動作を行っていました。」
「また、小難しいことを言う。で、どうするんだ?」
そう、本来の任務を思い出した彼女は、
この時代で彼女が帯びた任務を忘れかけていたのだ。
「ボロへ帰ります。」
「分かってりゃいい。それじゃあな。」
「ゲン様はボロへ帰らないのですか。」
「俺が帰るべき場所は別にある。ガキんちょどもによろしくな。
おっと、帰るなら元の体に戻っといたほうがいいぞ」
そして、彼女は最後の任務を読み上げる。
「認識ID7074−8782−1099
タイム探検隊所属
直属指揮官タイム隊長
総指揮官ローズマリー様」
「これより、原隊駐留地ボロへ帰還します。」
そして任務を果たした彼女は、
小さな上官達の、暖かな力いっぱいの歓迎を受けたのだった。
57
:
戦え!アルカイザー 第一話 誕生、正義のヒーロー・アルカイザー!
:2008/03/17(月) 00:22:26
平和な町、シュライク。
リージョン界の中でも平和なこの町には
事件といえば、10年前に少女が失踪した事件ほどのものであり、
今では至って平和な日々が流れていた。
その日、バイオニクスの権威、小此木博士は、
息子の小此木烈人と車で外出、そして夫人と妹の待つ自宅へと帰宅中であった。
「…Dr.クラインがブラッククロスの幹部と結託している証拠だ。
これを、IRPOへ持っていけば、Dr.クラインの悪事を阻止できる。」
「父さん、なぜそこまでDr.クラインの事にこだわるんだ?」
「彼と私は共に学んだ。だが、彼は研究のためには手段を選ばなくなっていった。
私はそれを止めることができなかった。学会から疎外されていく彼を救えなかった…
私はこれ以上彼に悪事を重ねて欲しくない。
あんな風になってしまっても、彼は私の友だ。」
Drクラインを止めんとする小此木博士の想いは確かなものだった。
だがその日、彼らに惨劇が待ち受けていようとは誰が予想したであろうか。
その時である
突如として、謎の鉄の塊が彼らの車に降ってきたのだ!
「うっ…… 父さん!
くそっ、ブラッククロスの奴等め…」
襲い掛かってきたブラッククロスの魔の手。
起き上がり、車から抜け出すことに成功した烈人は
すぐさま自宅へと急ぐと、なんと…自宅は炎の中だったのだ!
「ウォオオオオオオオオオオオ!!」
妹も、母も…父も。一瞬にして家族全てを失ってしまった烈人。
そんな烈人の前に立ちふさがったのは5人の男。
そのうち4人は悪の組織ブラッククロスの戦闘員。
そして中央の1人はそれらを束ねる男…
改造人間・シュウザーだった!
「キサマ、小此木博士の息子だな。
死ね、母と妹の後を追わせてやる!」
シュウザーは烈人に容赦なく襲い掛かってきた。
爪でのクロー攻撃。
抵抗は試みるもまるで歯が立たず…
烈人は無惨にも倒れてしまったのだ。
その時、黒き戦士がシュウザーに一撃を輝ける一撃を放った!
「シャイニングキック!」
腹部を押さえ、シュウザーが苦しみだした。
「遅かったか…
シュウザー、私が相手だっ!!」
燃え盛る炎を前に、黒き戦士はシュウザーと互角の勝負を繰り広げた。
クロービット、アル・ブラスター。激しい技の応酬が続き…そして
シュウザーは跳躍し、その場を去っていった。
気を失い、命も危うい烈人に向かい戦士は言葉をかける。
「しっかりしろ! いかん…このままでは助からない!」
そう言うと、なんと黒き戦士は烈人を変身させたのだ。金色と赤の戦士へと!
「おい、しっかりしろアルカイザー。」
起き上がった烈人。もう怪我はどこにも見当たらない。
「アンタ一体何なんだ、その格好は!
俺にもこんなもの着せて、ふざけているのか!」
昂る烈人。
「いいか、君の命を救うにはこれしか方法がなかった。
君をヒーローにするしか方法がなかったのだ。
君にその資格があるかどうかを細かく調べている余裕がなかった。」
「だが、君は今日からヒーロー『アルカイザー』だ!
ヒーローになってしまったからにはヒーローの掟に従わなければならない。
ヒーローにふさわしくないと判断されれば、消去される。
一般人に正体を知られた場合は、すべての記憶を消される。」
英雄への厳しき道。彼はこの場で、それらを辿ることを余儀なくされたのだ。
「ヒーローは強いのか? 俺を強くしてくれたのか?」
「ヒーローの力は正義のために使わなければならん。」
しかし烈人にはまだ、ヒーローとしての自覚が足りなかった…
「ブラッククロスの奴等をぶちのめす!」
「復讐はいかん!正義の戦い以外に力を使えば、君は消去されるぞ。」
だが、彼の悪を憎む気持ちは確かだった。
「どのみち死んでいたんだろう。ブラッククロスだけは許さねえ!」
こうしてここに、新たなるヒーローが生まれたのだ。
戦え、アルカイザー!
58
:
戦え!アルカイザー 主題歌(歌詞は非公式)
:2008/03/17(月) 00:34:29
熱き想い 鋼の胸に宿した 白き光の翼
(ウォーオー オー オー オー)
世界の奥 深く蠢くブラッククロス
その野望打ち砕く 日まで
悲痛に塗れた 遠い記憶が
その拳を炎へと 『変える』!
進めっ!アルカイザー!! そうさお前は
愛に彷徨い 歩き続ける 旅人
(ウォーオー オー アルフェニックス!×2)
平和の日が 邪悪に霞みそうなら 魂を振り絞れ
(ウォーオー オー オー オー)
揺るぎのない心が 暗黒をかき消す
突き抜けろ 必殺アル・フェニックス
友に授かった 優しさという
名の力を勇気へと 『変えて』!
戦えっ!アルカイザー!! そうさお前は
孤独に強く 歩き続ける 旅人
(ウォーオー オー アルフェニックス!×2)
「例えこの身が朽ち果てようとも、決して諦めはしない!」
「この世に明日を信じる心がある限り!」
「失いはしない、希望のエナジー!」
「説明しよう!!
小此木烈人は、サントアリオからやってきた戦士アルカールから授かった力で
正義のヒーロー・アルカイザーへと変身するのだ!」
「うぉおおおおおおおおお!変身!アルカイザー!!」
友に授かった 優しさという
名の力を勇気へと 『変えて』!
戦えっ!アルカイザー!! そうさお前は
孤独に強く 歩き続ける旅人
進めっ!アルカイザー!! そうさお前は
愛に彷徨い 歩き続ける旅人
(ウォーオー オー アルフェニックス!×4)
59
:
戦え!アルカイザー 第二話 地下駐車場の戦い!
:2008/03/18(火) 22:15:41
「あと3つ上げろ、よし、ストップだ。
お前も少しは使えるようになってきたな。どうした?」
「いや、ホークが俺を誉めるなんて何かあったのか?」
「ちゃんとやれば誉めてやる
到着準備までに間がある、休憩にしよう。」
家族を失ったレッドは、父の親友ホークの勤める
豪華客船シップ・キグナス号乗員の見習いとして働き始めた。
レッドは同じく働く少女、ユリアにデートの約束を取り付けると
すぐに仕事に戻った。
今日の行き先は娯楽で知られるリージョン・バカラ。
ブラッククロスはここにはいるはずはないので今回は何も情報は得られない…
と思いきや。
「ブラッククロスの慰安旅行か?」
なんと青き戦闘員達が何食わぬ顔でスロットに励んでいるではないか。
「…無視するなよ。」
全然動じることのない彼ら。
青い戦闘服ということは…おそらく上司は彼。
「あ、シュウザーだ」
そういうと彼らは一目散にどこかへ走っていった。
本当にやつはここにいるらしい。
地下へ向かったらしい戦闘員達を追い、こちらも地下へエレベーターで急ぐ。
…そうだ、エレベーター!
「何なさるんです、お客様!!」
エレベーターガールを強引にどかし、エレベーター内で変身すると
レッド…いや、アルカイザーは、地下駐車場で彼らと出くわす。
「バカどもが!カジノに遊びに来たわけではないぞ!」
「ブラッククロスが修学旅行か?シュウザー、お前がここにいるとはな」
「誰だ、キサマは!」
アルカイザーとしての初の対面。
「正義の使者、アルカイザー! ブラッククロスの悪党ども覚悟しろ!」
ここで勝負をつけることができるか…?
と思われたが。
「キサマのようなイカレた奴に構っているほどヒマではない。
始末しろ!」
シュウザーはアルカイザーを相手にもせず、
部下を放って去っていってしまった。
戦闘員達を次々に蹴散らし、
リーダーと思われる怪人との対決となった。
昆虫怪人・アームウォーカー。
虫ならではの強靭な体を持つ強敵だ。
だがアルカイザーの力はそれに屈するようなものではない。
愛剣レイブレードを手に怪人を追い詰めていく。
だがそんなときに。
「ブ、ブラッククロスさま… お力を…」
突然空間がゆがみ…あたりは目玉のような床をした、揺らめく空間になっていた。
「ここは、不思議空間トワイライトゾーン。
怪人たちの能力はここでは3倍になるのだ!」
思わぬブラッククロスの力。
だがそれに屈することなく、アルカイザーは
必殺技のひとつ、ブライトナックルを打ち込み、アームウォーカーを撃破した!
次はシュウザーだ…そう意気込んだ彼に
呼び出し音が鳴り響く。キグナスへ戻れとのことだ。
「シュウザー、次は逃がさん!!」
60
:
戦え!アルカイザー 第三話 狙われた子供達
:2008/03/18(火) 22:24:26
次の行き先はレッドの故郷、シュライク。
今回は何か情報が得られるのだろうか。
「済王陵の入口を知りたくな〜い?」
公園の子供達から得られたのは別の情報だった。
特にほしくはないような情報だったが…
思わぬ人物が食いついてきた。
「それを知りたいのは俺達だ!」
「ブラッククロス!!」
現れたのは緑色の戦闘員。
変身するまでもなくさっさと片つけるが、
なんと女の子が浚われてしまった!
「キャー」
彼らが知りたがっていたのは済王の古墳の入り口。
ならば彼らがいるのはそこに違いない。
「泣いてばかりで、話にならん。なんとかせんか!」
「キー」「キー」「キー」「キー」
「何言ってるのか分かんないよーウェーン」
「ほれ、お菓子をあげるから」
緑色戦闘員達の上司の教育が行き届いているのだろうか。
割と穏便な手段で情報を得ようとする彼ら。
だが子供を連れ去っていいわけがない。
レッドは黙っていられず、見つからないように…
「小さな子供を寄ってたかっていじめやがって、許せん!!
アルカイザー、変身!!」
変身すると崖から飛び降りて女の子を助ける。
「アルカイザー!!」
「覚えてくれたようだな。それじゃ、遠慮無くいくぜ!!」
鳥獣怪人・スフィンクス。
アームウォーカーとは違い上級の怪人だったが、
アルカイザーの必殺技・シャイニングキックの前に敗れ去る。
子供達は助け出した。
キグナスからの呼び出しがここでかかり、レッドはここでキグナスへ帰還した。
61
:
戦え!アルカイザー 第四話 キャンベルの謎
:2008/03/18(火) 22:39:08
「こんな所で何してるんだ、ユリア?」
貨物室にいたのはユリアだった。
「ああ、レッド、ちょうど良かった。
大変なものを見つけちゃったの!」
そう言って入っていくとあったのはブランドのものと思われるロゴのついた
大きなダンボール箱。
中を覗いてみると…
「これは武器だぞ。
こっちもだ。まさか、これ全部か!
どこかで戦争でも始めようってのか?」
そう、兵器が中に積んであったのだ。
一体何が…?誰が…?
「怪しいな。ユリア、このことは誰にも言うなよ。」
「うん。ホークにも?」
「じゃあ、おっさんには話をしといてくれ。俺は荷主を調べてみる。」
その荷主は、大都会マンハッタンに居を構える大会社
キャンベル貿易会社のものだった。
「社長に会いたい。」
「おはようございます。どちら様でしょうか?」
「えーと、レッドだ。キグナス号の。」
「申し訳ございませんが、本日の面会者リストに御名前がございません。」
「話があるんだよ、キグナスの積み荷のことで!」
だが言っても聞いてももらえず、レッドは警備員に取り押さえられてしまう。
「来い。」
「放せよ!」
そこに、一人のスーツ姿の男が通りかかった。
「社長に会いたい
IRPOの者だ。2、3聞きたいことがあってね。
な〜に、時間は取らせないよ。」
同じく社長に用のある、警察の者らしい。
「おい、来いよ。俺の助手なんだ、放してやってくれ。」
警察官が気を利かせてくれて、レッドもなんとか社長へ面会することができた。
「何の御用かしら、ぼっちゃん?」
会うなりいきなり食ってかかるレッド。
だが警察官に殴られ、その場は黙っていることにした。
警察官が話し始める。
「ミス・キャンベル、あなたの取引相手の事でうかがいたいことがあります。
クーロンのシーファー商会、どういう会社ですか?」
「なぜ当社に?先方に直接問い合わせてはいかがです?」
「それが、クーロンのその会社、存在しないんですよ。
連絡もつかない。」
どうやら怪しい会社との取引があったらしい。
…積荷はそれだろう。
「まあ、不思議ですわね。」
「とぼけるなよ!!」
またも殴られるレッド。
「黙ってろと言ったはずだ。2度言わすな。
…そんな怪しい会社とも取引を?」
「注文があり代金が振り込まれれば、
どんな方でも私どものお客様です。
伝票があります。お見せしましょう。」
「それには及びませんよ。また寄らせてもらいます」
今回は尻尾をつかむことはできなかった…しかし、怪しいのは確かなようだった。
「これじゃ、何にもわかんないぜ。いいのかよ、おっさん!」
「おっさん!? まだ若いつもりだがな〜
まあ、これでどう出るかだな、キャンベル社長が。」
警察官はビルを見上げながらつぶやいた。
彼の名前はヒューズというらしい。
62
:
戦え!アルカイザー 第四話 キャンベルの謎
:2008/03/18(火) 23:04:21
キャンベル社長に詰め寄ったその日、
あるシップがキグナスに向かってきていた。
「未確認シップ急接近、衝突コースに入ります。」
「コンマ1回避、エマージェンシーパルスで警告!一体どこのヘタクソだ。」
「回避パターンに追随してきます!進路を押さえています。」
「パイレーツシップか! 緊急事態発令、全乗客・乗員を速やかに固定位置に。」
キグナスのブリッジに衝撃が走った。
前方から来た謎のリージョンシップが、キグナスに向かってきたのだ。
そう…パイレーツシップ、強盗団だ。
そして機関部のホークとレッド。
「出力が落ちた。やつら、乗り込んでくるぞ。」
「来た!」
ホークの頭上に男が降ってきた。
「おっと、そこまでだ。」
「ホーク!」
「俺はいい、こいつらをやっつけちまえ!」
攻撃を躊躇うレッド。…だがそんなレッドの背後にもう一人の男が忍び寄り…
レッドは意識を失った。
気がつくと二人とも縛られている。
「すまん、レッド。」
「仕方ないさ。しかし、こいつらの狙いはなんだ?」
「しゃべるんじゃねえ!…ふげっ!」
突然、パイレーツを殴り飛ばして現れたのは…警察官、ヒューズだった。
「積み荷さ。あの武器が狙いだろう。」
「パイレーツが武器密輸の情報をつかんで襲ってきたのか。」
「ああ。だが、その情報を流したのは、あの女さ。
たいした悪だぜ。」
キャンベルが…やはりやつは黒だった。
「この奥からレストランの裏へはい上がれる。」
ホークにアドバイスをもらい、キグナス内のレストランへとあがり込み
キグナス奪回へ向けて彼らは奔走することとなった。
だが2人では心細い。協力者を必要がある。彼らは敵を倒しつつ客室を回る。
「やつらはブリッジを占拠している。乗客もどこかに捕まっているだろう
急がないと倉庫の荷物も処分してしまうだろう。」
「ユリア、無事だったか!」
「ああ、おっさんは大丈夫だ。他の人たちは?」
まずはユリアを発見。
「異常ありません。」
「異常大有りだろう!ちょっとついて来い!」
医療ロボBJ&K。
「ほー、お前が乗ってるとはな、ルーファス。」
「腕利きパトロールが何をしている?さっさとシップを取り戻せ。」
ヒューズの旧知の仲らしい男、ルーファス。
「協力してくれ。俺はヒューズ。こいつはレッドっていうんだ。あんたは?」
「…やめた。貴様の名前が気にくわん。」
クールな術士ブルーなどがいた。
そしてある客室にて…彼は思わぬ人物と再会を果たす。
「アセルス姉ちゃん?」
「誰?」
アセルス姉ちゃんと呼ばれた少女は目を丸くする。
「やっぱそうだ。俺だよ。
烈人、おこのぎ れっと!」
そう。シュライクで10年前に行方不明になった少女、
彼女がアセルスだった。9歳のころまでレッドがよく遊んでもらっていた。
「ああ〜、小此木先生とこの烈人君か!
大きくなったな〜。全然分かんなかった。
でも、目の辺りなんか変わってない感じ。」
「良く遊んでもらったもんな〜。
姉ちゃん、全然変わってないよな〜、髪の色は緑じゃなかったけど……」
再会を喜び、会話する彼ら。だが…すぐにレッドは気づいた。
「ちょっと待て、変だぞ。どう見ても高校生ぐらいだ!
もう10年以上前の話だ。キサマ、一体何者だ!」
そう。アセルスは失踪当時高校二年生の17歳、
対してレッドは9歳、小学生。
今のレッドは19歳、大学生相当。アセルスより年上になっていたのだ。
アセルスの隣にいたおしとやかそうな女性が口を開く。
「待って。この方は本当にアセルス様です。
複雑な事情があって、
十数年も年を取らずに眠り続けていたのです。」
「そんな眠り姫みたいな話を信じろって言うのかい?」
「今は、そんな話をしている場合じゃないだろう?」
俺はパトロールのヒューズ。ここでじっとしているように。」
何はともあれ、アセルスが生きていたことだけでもうれしい。
レッドは部屋を出ようとする。すると…
「どこへ行くの!」
「キグナスを取り戻すんだ。」
「私たちも行くわ。烈人君を放っておけない。
私も戦える…。」
「わかったよ。一緒に行こう。
…誰にだって人に言えない秘密があるもんだよな…」
そして新たに二人の仲間を加え、6人はブリッジを目指す。
63
:
戦え!アルカイザー 第五話 キグナス襲撃 後半
:2008/03/18(火) 23:21:21
(訂正:前回は5話の前半です)
「おい!こんな所から行ったら、狙い撃ちだぜ。他に通路はないのかよ?」
「この下にも非常用の通路がある。でも、ドライブ中はここしか使えない。」
ブリッジに繋がる通路は二つ。
飛行中でも使える上の通路は敵の弾丸の雨。
下の通路は短時間だけなら外に出ることもできるという。
そちらの通路を突っ走り、レッド達はブリッジを目指す。
「ブツの積み込みはまだ終わらないのかい!」
「もう少しです、お頭。」
出たところはリーダーのノーマッドの立つ指令台の下。
一気に左右の階段から回り込み、ノーマッドの前に現れる。
「パトロールだ!全員動くな!」
「こいつらどこから沸いて出たんだい!やっちまいな!!」
登場したのはノーマッドの右腕、カモフック。
姿に似合わない射撃力が特徴のモンスターだ。
だが5人の攻撃の前にあっけなく敗れた。
「やられたカモ…下っぱカモーン」
続いて現れたのはカモフックの部下、ソルジャービル。
数で攻めるつもりだろうがそれに屈する彼らではない。
すぐに彼らも全滅させる。
「ボスが逃げた、追うぞ!!」
ノーマッドが一人、客室の方に逃げていった。
彼女を追ってレッド達は急ぐ…が。
「逃げられちまったな。積み荷も奪われて証拠は消滅だ。
あとはあのパイレーツを取っ捉まえて吐かせるしかない。」
その時。
「ヒューズ!あれはなんだ!!」
黒い、エイのような巨大なシップが姿を現し…
強力な電撃をノーマッドのシップに見舞い、跡形もなく消し去ってしまったのだ。
「ブラックレイ……実在するのか……
ブラッククロスの戦闘シップ………」
ブラッククロスの旗艦ブラックレイ。
恐らくはこれもキャンベルの仕掛けたもの…
「キャンベルとブラッククロス……」
64
:
戦え!アルカイザー 第六話 巡礼者を追え!
:2008/03/18(火) 23:34:40
クーロンでブラッククロスの情報を求め、歩いていたレッドは
街で若い男女に絡まれる。
「おい、あの頭、見ろよ!」
「鳥の巣か?」
「サボテンだろ!」
ゲラゲラ笑う若者たち。
中にはおかしな口調である者も…ろれつが回っていないようだ。
酒の類のものよりもっとおかしな…。
恐らくは麻薬。
クーロンは恐ろしい町のようだ。
「サボテン君戻って来たよ。」
「おひゃ、らいふえげ」
すると突然、妙な男が男たちを殴り飛ばしていった。
「ウゴ、ググッげ」
その男を倒した後彼らに事情を聞くと、
どうやら男が暴れだしたのは麻薬を買ったから。
売っていた男は…傘を被った、巡礼者らしき風貌の男だった。
裏通り、下水道を通り、彼を追うレッド。
「キグナスの中ならこっちのもんだぜ!」
最後に着いたのはクーロンのシップ発着場奥。
キグナスに通じる通路だった。
だが……
キグナスの次の行き先は京。巡礼者などキグナス内に溢れていたのだ。
仕方なく、追跡は京まで諦めることにした。
65
:
戦え!アルカイザー 第七話 鋼鉄のサムライ
:2008/03/18(火) 23:42:37
ゆったりとした時間が流れるリージョン、京の書院。
そこにいたのは、黒き鎧に身を包んだ鋼鉄のサムライだった。
「巡礼達がどこへ行くか知らないか?」
「彼らは自らの心の不安を求めてこの地にやってくる。
彼らの目的地は心の中にあるのだ」
「メカのくせに哲学的なことを言うんだな。」
BJ&Kのようなメカとはまったく違う。
人間のようだった。
「古人は言った。石には石の心があると。
ならば、メカにもメカの心があって然るべきだ。
だが、メカであるこの私には、自分の心が見えてこない。
心を求めれば求めるほど、己の中には心が無いことを確信することになる。
これは虚しい。」
彼の言っていることがよく解らないレッド。
「なんか眠くなってきたぞ。それじゃ、急ぐんで。」
書院の入り口に足を向けるレッド。だが。
「待ちたまえ、若者よ。
君はブラッククロスのことが聞きたいのだろう。」
突然出てきたブラッククロスの単語。
「何か知ってるのか!…なぜわかった?」
「自分の心は見えずとも、
他人の心は読みやすいものだ。」
そしてサムライは情報を彼に告げる。
「ブラッククロスには4人の幹部がいる。
四天王などと呼ばれ、己を見失った愚か者ぞろいだ。」
「四天王……もっと詳しく教えてくれ!
クソー、こんなときに…」
いずれ戦うであろう強敵・ブラッククロス四天王。
その名を脳裏に刻み、サムライと別れを告げ
レッドはキグナスへと帰った。
66
:
戦え!アルカイザー 第八話 Drクラインの影
:2008/03/19(水) 00:13:24
今回キグナスが行く先はシンロウ。古代の遺跡が残る、
密林のリージョンだ。
このリージョンにはブラッククロスの黄色の戦闘員がよく現れるとされる。
レッドはひとまずシンロウ王宮で開かれる、仮面舞闘会へと出場することにした。
「仮面をつけていない人は出られませんよ」
受付でいきなりストップを食らったレッドは
アルカイザーとして出場することにした。
だが…アルカイザーの名を出すわけにもいかない。
かといって本名で出てしまうなど以ての外だ。
「レ……レ、レ、…」
「レレレですね。では、どうぞ。」
変なリングネームがついても気にすることなく、
レッド、いやアルカイザー…いや、レレレは
仮面舞闘会へと出場する。
まず最初に現れたのはマスクをつけたたぬきか猫か解らぬロッキーのマスキャット。
輝ける二連の拳打、スパークリングロールで倒す。
続いて現れたのはクリミナルナイツ。
バイザーをつけ、ビームソードを構える剣士だ。
だがレイブレードから放たれる技、カイザーウイングの前に彼はあっけなく敗北した。
3回戦の相手は女性妖魔の剣士、タイタニア。
拳から放たれる光弾、アル・ブラスターの前に沈む。
決勝戦。最後に現れたのは巨人族のモンスター、仮面の巨人。
これまでの敵の比ではない…
強力な体術を用いてくる強敵。
おまけにブライトナックルやシャイニングキックもまるで当たらない。
巨人族のモンスターであるはずなのに。
ならば、と遠距離からのアル・ブラスターやカイザーウイングをレレレは放ち
仮面の巨人を追い詰めていく。
だが長い戦いの後、仮面の巨人は突然逃げてしまう。
「ふっ、だいたい見切らせてもらった」
こうして優勝したレレレだが、
彼を讃える主催者、シンロウ王と王妃の傍から立ち上がった
ある人物を見て走り出す。
「あれは…Drクライン!?」
レレレはアルカイザーの顔へと戻り、王宮内を駆け回る。
王宮の隠し通路を見つけ出した彼に襲い掛かるは黄戦闘員。
彼らをなぎ倒し、奥へ奥へと進んだアルカイザーは
行き止まりらしき場所で怪人に出くわす。
「Dr.クラインはどこへ行った!」
「Dr.クラインは、もうここにはいない。
Dr.を追っているとは、貴様、パトロールか?」
「そんなものは関係ない、邪魔するな!」
「そうか、では殺しても問題ないな。死ね。」
鉄球怪人・ゴブリンと戦闘員達が襲い掛かってきた。
しかし彼らも仮面の巨人に比べると全く敵ではない。
必殺技・スパークリングロールでゴブリンを打ち砕いた。
そしてまたキグナスからの呼び出しが。
…これではブラッククロスを追えるはずもない。
キグナスに戻った彼は、ホークに言った。
「ホーク、俺、キグナスを降りる。」
「やはり、行くのか。」
「世話になったよ。」
「そうだな、二度と会えないわけでもない。頑張れよ。」
そしてレッドはキグナスを降り…
独り、ブラッククロスとの戦いに向かった。
67
:
戦え!アルカイザー 第九話 歩き続ける旅人 前半
:2008/03/19(水) 00:39:04
「あ!その頭、間違いないわ。」
ふと、派手な格好をした巨乳の若い女性がレッドに声をかけてきた。
「あんたでしょう、ブラッククロスのことをいろいろと調べていたのは。
いい情報持ってんのよ、買わない?」
「内容と値段次第だな。」
そして彼女の口から発せられた言葉は…
「シュウザーの情報よ。」
「聞かせてくれ!」
「あたし、おなか空いてるんだ。この店、おいしいんだよ。」
「わかったよ。」
二人は食事をしながら話をすることとなった。
「それで、どういう情報だ?」
「ちょっと待って、デザートを選ばなきゃ。」
マイペースなその女性にイライラしつつも話を進める。
「なんでブラッククロスの情報が欲しいの?」
「家族の仇だ。父さん、母さん、妹、みんな奴等に……」
「そう。ヒドイ話ね……そういうのって、我慢できないな。
でも、これはビジネスだからね。
シュウザーの基地の場所を知っているの。そこまで案内できるわ。」
その女性、アニーと報酬の話を終えると、
中から店主が現れた。…その姿は。
「いらっしゃいませ。」
「ねえルーファス、ちょっと聞いてよ。」
なんと彼は以前キグナスで協力した、
ヒューズの知り合いでもある男性ルーファスだった。
彼もまた、アニーの知り合いらしい。彼に事情を説明する。
「それがどうかしたのか?」
「やっぱりそういう反応ね。相談したあたしがバカだったわ」
横から、紫色のショートヘアの女性・ライザが姿を現す。
「この機会にブラッククロスを叩いておくのも選択肢の一つだと思うわ。」
「甘いなライザ。敵の戦力分析も出来ていないんだぞ。」
「今回はそれでいいのよ。主役は彼。私たちは脇役でいいんじゃない?」
「偵察ということか。よし、メンバーを決めよう。」
アニーの他にあと一人。ルーファスかライザが
ついて行くことになった。
「私はライザ。よろしくね、レッド君。」
そしてライザとアニーを加えた3人は
裏通りから下水道へと向かう。
シュウザーのアジトへの道は長かったがもうすぐそこらしい。
「こっちよ。」
「ここを渡るのよ。楽勝でしょう?
さあ、渡って!」
水面の上に小石が積んで足場となっている場所。
「(渡れるかな‥‥?)」
少しづつそろりそろりと歩いていき…
すぐそこというところでバランスを崩しそうになり、
とっさに対岸にいるアニーのところにジャンプする。
「もう、どこ触ってんのよ!行くわよ?」
と、バランスが崩れ、アニーの胸をタッチしてしまった。
「うーん…でかい。」
感触に頭が煩悩で渦巻きながら…
レッドはシュウザーの本拠地へとたどり着いた。
68
:
戦え!アルカイザー 第九話 歩き続ける旅人 後半
:2008/03/19(水) 01:10:05
「なんでついてくるんだ?もう、金はないぜ。」
「ここからはボランティアよ。」
シュウザーの根城としていた廃墟へと入り込む。
途中、巨大な怪人・サイクロプスとの戦いを繰り広げたりしつつ、
青戦闘員達を蹴散らしていくレッド達。
そして着いたのはアジトの最上階。
とうとう復讐を遂げる時がやってきたのだ。
「シュウザー!!」
「誰かと思えば、小此木の小僧か!
このシュウザー城を突破してきたことは誉めてやろう。
だが、ここが貴様の墓場だ!」
そしてかつて父を、母を、妹を殺した復讐すべき相手
改造人間・シュウザーとの対決が始まる。今度はもう、アルカールはいない。
爪によるクロー攻撃、回転攻撃、ジェットで飛び上がってのグランダースパイク。
いずれも強力な攻撃で、レッドの力ではキツい相手。
おまけに腕を射出し宙を自在に舞わせ、本体と別に攻撃を繰り出す
シュウザー得意の技、クロービットが彼らを追い詰める。
時折、攻撃をしておいて「やめろ!」という謎の声を発しながら。
だがレッドももう、変身なしでも闘えるだけの力を持っていた。
BJ&Kやアニーという仲間もいる。
レッドは仲間たちと共に攻撃を続けていき…
「なかなかやるなっ、だが…」
レッド達に突如として銃弾が降り注ぐ。
そして同時にシュウザーは高く飛び上がり…
ヘリに乗って逃げようとしている。
「待て!シュウザー!!」
レッドはヘリから降りた梯子に掴まり、シュウザーを追う。
「まったく、しつこい奴らだったぜ。」
遠く離れた、乾いた滑走路らしき場所で
部下と共にシュウザーは安心しきっていた。そこに。
「逃げられると思っているのか!」
「だ、誰だ!」
そう、レッド…いや、アルカイザーだ。
やっと…やっと追い詰めたシュウザー。
彼に、アルカイザーはこのときを待っていたとばかりに台詞を浴びせる。
「ブラッククロス四天王シュウザー、
キサマは様々なテロ活動でブラッククロスの力を誇示し、恐怖をばらまいてきた。
そのために多くの罪も無い人々が巻き添えになって命を落とした。」
そして最後の一言。
「その所業、許すわけにはいかん!覚悟しろ!!」
「は!この世に罪が無い人間などいるものか。
能書きはいい、かかってこいアルカイザー。
キサマを血祭りに上げ、四天王のトップに立ってやる!」
シュウザーとの再戦が始まる。またも爪攻撃に始まりクロービット、
そして火炎放射、毒ガスなどがアルカイザーを襲うが
こんなものはレッドの家族が負ったものに比べたら大した痛みなどではない。
ブライトナックル、シャイニングキック、スパークリングロールなど
さまざまな必殺技を彼に浴びせる。
追い詰めても尚強敵。アルカイザーは激闘を繰り広げ…
そしてシュウザーが苦しみだした。
トドメを刺してやる!そう意気込んだとき。
シュウザーの口から思わぬ言葉が発せられた。
「オレ様の頭には、小此木の脳が埋め込んであるんだ!
やれるか、アルカイザー!オレ様をやれるか!!」
やめろ、という声の主は…小此木博士、烈人の父だったのだ。
シュウザーを殺すことは…父を本当に殺すことになる。
烈人は躊躇う。そこにシュウザーは容赦なく攻撃を加えてくる。
…その後…彼は迷いを振り切った。
それが父の望んでいることならば。
そして何より、今の自分は烈人ではなく、
悪を許さぬ正義のヒーロー…アルカイザーなのだから。
レッドは高く飛び上がり、シュウザーに向かって最後の一撃を見舞う。
必殺 ディフレクト・ランス。
光の槍となったアルカイザーのキックはシュウザーの体を貫き…
そしてシュウザーは大爆発を起こし…消滅した。
復讐のときは終わった。
金色の仮面でその表情を隠しながら
暗く、音のひとつもない静かな滑走路を彼はただ独り…歩いていった。
69
:
戦え!アルカイザー 第十話 三日月の秘剣
:2008/03/19(水) 01:50:15
復讐を終えた時に会得した技…ファイナルクルセイド。
自らの生命力を使い仲間達の傷を癒すその技が意味するものは…。
だが解っていることは、
レッドは戦わなければならない。ブラッククロスと。
以前追跡した巡礼者の行く先は…京。
アニーとライザ、シュライクでルーファスを仲間に加え、共に
京を探索していると、小さなロボットに遭遇した。
「メタルブラックの基地を探索中です。」
メタルブラックとは一体…?
どうやら、京に潜伏する四天王の一人らしく、
ヒューズと同じくIRPO隊員である彼は捜査をしているのだという。
「それじゃ、ついて来てくれ!」
着いた先は書院。以前、機械のサムライがいた場所だ。
すると小さなメカ、ラビットが反応した。
「この裏に空間があります。」
彼が指した先は掛け軸。その裏に隠し通路があったのだ。
その先はなんと麻薬の製造工場。こんなところにあったのか…
驚きを隠せない彼らは奥へ進むと
そこにいたのはシュライクで子供を誘拐した緑戦闘員達。
シュウザーの部下が青戦闘員なら彼らはメタルブラックの部下らしい。
一番奥の麻薬製造釜に爆弾を仕掛けるとレッド達は工場を脱出した。
彼らが脱出したときにちょうど爆発し…書院は火に包まれた。
外に出たところで何者かがレッド達の前にすばやい動きで現れた。
「我が基地を破壊するとは、見事な腕前。
一手御手合わせ願おう。」
そう。書院で四天王の情報をくれた鋼鉄のサムライ。
彼こそがメタルブラックだったのだ。
雷を落としたり、激しい拳打の連続技・ライガーランページを使ってきたり
持っている刀で突きを放ってきたり体当たりをしたり…
とても素早い動きで向かってくる彼は、
人心を狂わせる薬を作る工場の主とは思えぬほどに
真っ直ぐな心で技を繰り出してくる。
そして背中からジェット噴射をしてサムライが繰り出すは彼の得意とする
必殺剣・ムーンスクレイバー。
超高速の動きをもって、三日月形の軌道で複数人を一気に斬り伏せる
見事な技だった。
一気にレッド以外の仲間が倒れる。
レッドも膝をつく。どうしたら…そう、こちらもあの技があった。
レッドはアルカイザーへ変身し、
ファイナルクルセイドを発動、仲間たちの傷を癒した。
自らの生命力を削って。
自らの身を犠牲にしてでも仲間を、そして人々を守るヒーローであれ。
それがこの技に込められた意味だった。
仲間達と共にメタルブラックに攻撃をし続け、
最後にアルカイザーは必殺中の必殺技を繰り出す。
金と赤…アルカイザーのアーマーと同じ色の炎を身に纏い、
敵へと身ごとぶつかっていく…
これが最強の技、アル・フェニックスだった。
そしてメタルブラックは大爆発を起こし、敗れていった。
強敵ではあったが、武士の心を持ち、
アルカイザー以上の力を持つかもしれない…好敵手と呼べる相手だった。
70
:
戦え!アルカイザー 第十一話 見切りの巨人
:2008/03/19(水) 02:36:32
「あのー、遺跡探検の方ですか?」
「いや、違うけど。」
シンロウに着くなりレッドに声をかけてきたのは、
流れるような髪を持つ女性、ドールだった。
「そうですか。実は、弟が遺跡探検から帰ってこないんです。」
「それで、遺跡に行く人を探していたんですね。
わかりました。ボクが行きましょう。」
こうしてドールと共にレッドはシンロウ遺跡へと向かった。
そこはガイアトード、ヴァルキリー、巨大スライムなどの強敵と
睡眠ガスを放出し、その隙に戦闘員が襲ってくるトラップなどが仕掛けられた
危険な場所だった。
民間人にしてはやけに強い女性ドールと共に先へ進んでいくと
思わぬ人物に遭遇する。
仮面武闘会決勝の相手だった、仮面の巨人と名乗っていた巨人だ。
「ここまで来るとは相当な強者だな。
強力な改造戦士になりそうだ。ふふふ」
「キサマ何者だ!」
そして巨人は正体を現す。
「ブラッククロスの四天王ベルヴァ様よ!」
「この遺跡は、やはりブラッククロスのワナだったのか!!」
「そうよ、小僧。
遺跡探検に来る連中を捕らえて改造戦士にするのだ。
中には、使い物にならん貧弱な連中もいるが、
そういう奴等にも戦闘員として、
われわれブラッククロスに役立ってもらっている。フハハハ」
すると今度はドールが正体を現した。
「笑っていられるのもここまでよ。
リージョン指名手配20348号ブラッククロス幹部ベルヴァ、
逮捕します。」
そして手帳を突きつける。
「あんたパトロールだったのか!」
「そうよ、レッド君。あなたのことはヒューズから聞いてるわ。
その頭、すぐわかったわ。」
彼女もヒューズやラビットと同じIRPO隊員だったのだ。
「あのおっさんめ…」
「おっと、ベルヴァ、ブラッククロスのことをゆっくり聞かせてもらうぞ!」
「ほざけ、小僧め!来い!!」
仮面の巨人ことベルヴァとの再戦が始まる。
以前と同じく技をかわしてくるベルヴァ。
そして今度は本気でかかってきているらしく、技も力も以前とは比べ物にならない。
技をかわされては本気を出せない…
しかも変身もできない。遺跡内での敵に力を消耗している。
彼らは力が今一歩及ばず、ベルヴァに敗北してしまう。
「ここは‥‥どこだ?どこへ連れていく!」
…その先はベルヴァの言っていた通り、改造室だった。
だがそこには仲間はいなく、戦闘員しかいない。好都合だ。
改造台の上でレッドは変身してみせた。
「キー(おお、強そうなのが出来たぞ)」
「キー(まだ俺何もしてないよ)」
鈍い彼らを倒すとアルカイザーはベルヴァの基地内を動き
仲間を探して回る…。
すると、地下でドール達を見つけた。
「アルカイザー!ありがとう。
ねえ、レッドっていう子、知らない?」
レッドは大丈夫だとドールに言ってみせた後、
彼女を含めた仲間達全員を助け出し、地下にあるらしい基地の
階段を昇り抜け出す。
するとそこは…シンロウ王宮だった。ここがベルヴァの本拠地だったのだ。
そうなるとベルヴァのいそうな場所となると…
そう、闘技場だ。そこでベルヴァはアルカイザーを待ち構えていた。
「アルカイザーよ、ブラッククロスの四天王をなめるな!
貴様の技は仮面武闘会で見切った。俺には通用せんぞ!」
そして仲間達を避難させ、アルカイザーとベルヴァの
あのときの勝負の続きが…勝負が始まった。
グランドヒット、雷炎パワーボム、怒りの鉄拳、ゴッドハンド。
やはりベルヴァは力技が中心。
だが攻撃が効かぬのも相変わらず。
アルカイザーがブライトナックルを繰り出すとベルヴァの体は揺らめき、
必殺の蹴りで返してきた。
これこそが彼の必殺技 ベルヴァ・カウンターだ。
アル・ブラスターなどで追い詰めるも効果はない。
そう、ベルヴァは人間の能力をモンスターに付加した、改造モンスターだったのだ。
アルカイザーはカイザーウイングなら通用したことを思い出し、
その強化版たる必殺・カイザースマッシュを叩き込む。
そしてベルヴァは敗れた…だがベルヴァもただでは死なんと
シンロウ王宮を爆破したのだった。
71
:
戦え!アルカイザー 第十二話 都市に巣食う妖女
:2008/03/19(水) 02:56:17
シュライクの生命科学研究所でIRPOモンスター捜査員コットン、
ルミナスでIRPO妖魔隊員サイレンスを加えたレッドは、
マンハッタンのファーストフード店で彼を誘った。
「お、来たな。待ってたぜ。キャンベルの化けの皮を剥がしに行こうぜ。」
そしてキャンベル貿易会社へ。
「社長に会いたい。」
すると、受付に社長の声が響いた。
「キャンベルです。御通ししなさい。
ようこそ。小此木博士のおぼっちゃま。」
そして受付に言われるままにエレベーターに乗る。
マンハッタンの夜景が写るエレベーター内。
「あいつ、やはりブラッククロスの一員か。
父さんのことも俺のことも知っている。必ず、正体を暴いてやる!!」
するとヒューズが叫んだ。
「レッド、上だ!!」
上から降ってきたのは桃色の戦闘員達。
青はシュウザー、緑はメタルブラック。黄はベルヴァ。
そうなると桃色はキャンベルか。
彼らを撃退するが、どうやらエレベーターが止まってしまったらしい。
そこからは自力で登ることになった。
「エレベーターが故障です。申し訳ございません。」
「ブラッククロスの仕業だ!君は早く逃げろ。」
「そうは参りません。お客様の御世話をするのが私の仕事ですから。」
「キャー」
今度は怪人にが戦闘員を連れて襲ってきた。
彼らを倒し、ビルを登る。
警備員もどうやらブラッククロスらしく武装して襲い掛かってくる。
ビルの非常階段では大量の怪人が彼らを待ち伏せしていた。
そうこうしながらとうとう最上階、社長室の前まで来た。
…と、先ほどのエレベーターガールがいる。
「よくここまでご無事で。ぜひ受け取って頂きたい物があるのです。」
素直に頂くとこれは電撃砲。思わぬ武器が手に入った。
彼女は単に仕事熱心だっただけだったようだ。
「キャンベルはどこだ!」
「住居不法侵入だぞ、キサマ。排除する。」
キャンベルはそこにはいなく、居たのは黒服の男。小型のマシン3台を引き連れている。
どうやらキャンベルのSPらしい。
彼を倒すと突然の停電に。
この隙に変身し、彼らは非常口から外へ出ると…
高層ビルの合間にキャンベルはいた。
その決戦の地はなんと蜘蛛の巣。
するとキャンベルは眩い光に包まれ…正体を現した。
彼女はブラッククロス四天王・改造妖魔アラクーネだったのだ。
アラクーネは体に機械を搭載しており、
対ミサイル用の妨害システムECMやビット攻撃を用いて戦ってくる。
妖魔の機械嫌いも克服されているようだ。
ブレードネット、ミニオンストライクなどの強力な攻撃を用いてくる。
失われたとされた邪術まで。
そして彼女の必殺・ライトニングウェブがアルカイザー達に襲い掛かる。
だが…もう四天王3人を倒したアルカイザーはそれに耐え、
必殺・フラッシュスクリューを放つ。
そしてキャンベル社長、アラクーネは力を失い、大爆発を起こし消滅した。
四天王がこれで全滅した。
アルカイザーも全ての技を会得した。あとは最終決戦…
そんな時、キグナスからの呼び出しが入る。ホークは一体何を…?
72
:
戦え!アルカイザー 第十三話 突入!ブラッククロス本部
:2008/03/19(水) 21:23:58
「何かあったのか、ホーク?」
久しぶりに機関室へ戻ったレッドはホークに問う。
「ブラッククロスの戦闘員のユニフォームを手に入れた。何かの役に立つだろう。」
見せたのは赤い戦闘員服。見たことがないものだった…。
ホークはもしかして…
「いったいどうやって… まあいいか。
これで奴等の巨大シップ、ブラックレイに乗り込んで、
そのままブラッククロスの本拠地へ突入してやる!ありがとよ、ホーク。」
「レッド!」
「分かってるよホーク。お互い、言えないことが多すぎるよな。」
そう告げて、レッドはブラックレイへと乗り込んだ。
ブラックレイの中にはレッドのものと同じ赤い戦闘員ばかり。
赤が所属のない下級、
青がシュウザー直下、緑がメタルブラック直下、黄がベルヴァ直下、桃がアラクーネ直下
そうなると恐らくは赤は上級戦闘員だろうか。
ブラックレイの中を歩き回り、二階の中心にあるブリッジを覗いてみる。
すると…そこにいたのは。
「(あれはメタルブラック?!俺が京で倒したはずだ…)」
そう。四天王最強の実力を有したあの鋼鉄のサムライ、メタルブラックだ。
すぐにドアを閉める…すると突然、ブラックレイの船内通信が響いた。
「今のは進入者だ、捕らえよ!」
メタルブラックの声。だが少し口調が変わっているような気がする。
とにかくブラッククロス本部までの間に逃げなければならない。
船内の戦闘員達が一斉にレッド達を追う。
なんとかまもなく到着のアナウンスが出るに至った…
が、そこまでだった。
メタルブラックはレッドの前に立ちはだかる。
「逃がさん!」
メタルブラック・改。以前と違う重量のあるボディで、
手には銃、体にはミサイル、重火器を満載した他の四天王を上回る強敵。
そして変わらずなのは秘剣ムーンスクレイバー。
更に磨きのかかったその技で彼らは追い詰められる。
メタルブラックは決して、改造の力だけに頼ってはいなかった。
しかし四天王を全員倒し、それからも技を磨き続けたレッド達は負けはしなかった。
メタルブラック改に数々の技を繰り出し、
そしてまたもメタルブラックを倒すことに成功する。
しかし…
「お前達を、ブラッククロス基地へ入れるわけにはいかん。
ブラックレイ、自爆スイッチオン!」
死ぬならばせめて道連れに…。
ブラックレイはブラッククロス本拠地上空で爆発を起こしたのだった。
だが彼らは誰一人として死んではいなかった。
仲間達とはぐれた隙に変身をしたレッドは、アルカイザーとして仲間達の前に姿を見せる。
「アルカイザー!」
アニーが言う。
「やあ、私もブラックレイに密航していたんだよ。
では、ブラッククロスを叩き潰しに行こう。」
「レッドが来てない。」
ヒューズが言う。
「彼なら大丈夫。ケガをしていたので、私が安全な所に連れていった。」
そして「レッド」は戦いの舞台から姿を消し、
アルカイザーの最後の戦いが今、幕を開けた。
そこはこれまでとは比べ物にならない警備だった。
大量の怪人や戦闘員が配備された巨大施設。
もう大分奥まで来た…そう思った時。アルカイザーはある部屋に足を踏み入れる。
そこにいたのはなんと…
「(!!母さん、藍子!!無事だったのか!!)」
そう、烈人の母と妹。彼らは生きていたのだ。
「イヤ、来ないで!!」
怖がる妹。思わずアルカイザーは口を滑らせかける。
「あい……
安心して、私はアルカイザー。怪しい者じゃない。
ブラッククロスの首領を倒してくるからここで待っていて。
(…良かった、本当に良かった。)」
妹と母の姿を見れた。天国の父も喜んでくれているだろう。
「あの、これを。」
「この鍵は?」
「Dr.クラインが持っているようにと。」
その鍵は、首領のいる間への鍵だった。
「Dr.クラインが…… ありがとう。」
折角生きていた母と妹だ。また平和な日々に戻してあげなければ。
…アルカイザーは最後の戦いへの、背中の最後の一押しをもらった。
73
:
戦え!アルカイザー 第十四話 首領の間の激闘
:2008/03/19(水) 21:33:21
そしてアルカイザーは決戦の場所へとたどり着く。
長く細い橋を渡った先の開けた間…首領の間だ。
「来たな、アルカイザー。
ブラッククロスに対するこれまでの数多くの不遜な行為、許すわけにはいかん!
ブラッククロスの首領である私が自ら鉄槌を下してくれるわ!!」
首領はマントを翻し、襲い掛かってくる。
全身が凶器のようなその体から繰り出される技は強力なもの。
だがアルカイザーにとっては大した攻撃ではなく…
首領は必殺・アルフェニックスによって敗れたのだった。
「(やったよ、父さん。ついにブラッククロスを倒した!)」
勝利に浸るアルカイザー。
これで戦いは幕を閉じた…そう思われた時だ。
「お見事、流石はアルカイザー。
我が改造物たちをことごとくなぎ倒しただけのことはある。」
「Dr.クライン! 首領は倒した、ブラッククロスはもうおしまいだぞ!」
余裕を崩さぬDrクラインに事実を突きつけるアルカイザー。
しかし…
「はははははは、首領?さっきのあれか?
確かに、この間まで、あれは首領だった。
だが今は、私がブラッククロスを指揮している。」
なんと…首領は先ほど倒した者ではなかったのだ。
「前首領にも改造を施してみたが、
元が悪くては改造も効果が無いと証明しただけだったな。」
だがDrクライン自体に大した戦闘力はないはず。
「Dr.クライン、お前の悪事もこれまでだ。おとなしく裁きを受けろ!」
「それは彼らと戦ってからにしてもらおう。出でよ、四天王!!」
そして彼らの前に現れたのはなんと、復活した四天王達だった。
いや、正確には先ほど倒されたメタルブラックを除いた3人。
これで四天王は全員、パワーアップを受けたことになる。
彼ら3人が入れ替わりながらアルカイザー達に技を繰り出してくる。
シュウザーのクロービット、
ベルヴァのベルヴァカウンター、
アラクーネのライトニングウェブ。
四天王のうちの3人。かつてない劣勢かと思われたが
アルカイザー一人で片付く相手であり、すぐに彼らは倒された。
今度こそ戦いの終わりか…そう思われた時。
「ふむ、あ奴等のボディでは、二度の改造には耐えられなかったか……」
「悪あがきはよせ!」
74
:
戦え!アルカイザー 最終話 さらば、アルカイザー 1/3
:2008/03/19(水) 21:39:30
今度こそ四天王は全員倒された。
そう思われた…だが。
「しかし、これは違うぞ。我が最高傑作、メタルブラックだ!」
アルカイザーの目の前に…黒いアルカイザーが現れる。
これがメタルブラックの姿だという。
「お前との戦いの分析の結果、お前の能力をコピーするのが最強であるという結論に達した。」
いや…アルカイザーにはわかっていた。
例え、厚いバイザーに覆われていようと。
その下の顔が別のものになっていても。
改の時と同じく、また口調が変わっていたとしても。
アルカイザーを真っ直ぐに見つめるその目が物語っている。
『アイツだ』と。
それは、初めて見た時と同じ鋼鉄のサムライ…
メタルブラックでしかない。
「二度の戦いの記録がメタルブラックを
最強のバージョン3として甦らせたのだ!」
変身に対し改造。
烈人がアルカイザーとなったように。
彼はバージョン3にして、
鋼鉄の勇者メタルアルカイザーとなったのだ!
そしてアルカイザーに向かって、落ち着いた口調でメタルアルカイザーは言う。
「アルカイザー、決着をつけよう。」
そしてアルカイザーは無言でそれに応え、彼の正面に立つ。
「傷ついたお前を倒しても最強の証明にはならん。
Dr.クライン、アルカイザーを回復させて下さい。」
「相手の弱みに付け込めないのが、メタルブラックの最大の弱点だ。
だが、その心を失っては最強にはなれん。」
Drクラインによりアルカイザーは回復され…そしてアルカイザー同士の戦いが始まった。
だがここでアルカイザーが言う。
「みんな、ここは俺一人に任せてくれないか。」
一同は沈黙する。
「わかった。でも、負けたら罰金よ」
まずアニー。
「がんばってね」
ドール。
「大丈夫でしょうか…」
ラビット。
「お前なら出来るはずだ。」
ヒューズ。
そして一人づつ去っていき…
「アルカイザー、その心意気や良し。
いざ尋常に……」
「「勝負!」」
75
:
戦え!アルカイザー 最終話 さらば、アルカイザー 2/3
:2008/03/19(水) 21:40:25
二人の戦いが始まる。
あらゆるアルカイザーの技をコピーしたメタルアルカイザーだが、
決してその力などには甘んじてなどはいなかった。
その技を効果的に組み合わせ、彼に次々と技を浴びせる。
レイブレードを模したブレード、シャイニングキックを模したキック、
アル・ブラスターを模したサンダーボール、フラッシュスクリューを模した竜巻攻撃、
カイザースマッシュを模した突進、ディフレクトランスを模したグランダースパイク。
一方のアルカイザーもアル・ブラスター、ディフレクトランス、スパークリングロールと
次々に技を繰り出していく。
「いい気迫だ…だがっ!」
メタルアルカイザーが秘剣・ムーンスクレイバーを放つ。
どれだけパワーアップしてもこの技だけは捨てはしない。そしてあまりにも強力。
流石に痛い…しかし負けてはいられない。
「ぐっ…まだだ…突き抜けろ!必殺…アル・フェニックス!」
彼に使ってきた最強の技、アルフェニックスをぶつける。
赤と金の炎に染まるメタルアルカイザーの体。
だがメタルアルカイザーも決して負けはしない。
タイガーランページなどの技を放ち…そして。
メタルアルカイザー最強の技がアルカイザーを襲う。
ダークフェニックス。アルフェニックスをコピーし、更なる破壊力を手に入れたその技は
アルカイザーの体を青黒い闇に染める。
そして…アルカイザーは力を失い、変身が解けてしまった。
「どうしたアルカイザー、もう諦めるのか」
メタルアルカイザーが言葉をかける。戦う力も体力も失われていく。
だが。
「お前の力はその程度なのか!」
その言葉は敵を貶すものなどではない。
奮い立たせるものだ。
そしてレッドは…再び、アルカイザーへと変身した!
そして…最強の技がここに体現された。
アルカイザーを不死鳥の形をした炎が包み…その体は空高く舞い上がり…
とてつもない速さを以ってメタルアルカイザーに己をぶつける。
これがアルカイザー最強の技『真・アルフェニックス』だった。
熱き炎に体を焼かれ、剣を握り締め耐えるメタルアルカイザー。
「なんという重い一撃だ…」
「今が好機!俺の全ての力をレイブレードに託す!」
もう一度真・アルフェニックスを放つ。
それから体全体を竜巻にしてメタルアルカイザーを包み…その勢いで再び宙へ舞い上がり…
アルカイザーの全エネルギーを帯びた最強の剣が振り下ろされる。
メタルアルカイザーの体もアルカイザーの体も、その周囲全てさえも力に包まれる。そして…
バキン!
…レイブレードが粉々に砕けた。そして…
メタルアルカイザーの体がエネルギーに包まれ…体全体が大きな熱の柱に覆われ…
爆発音のようなものとともに熱の柱は収束し…
そこにはもう体はなく、
メタルアルカイザーの体は全て、戦いの炎により燃え尽き…蒸発した。
アルカイザーの体に、紅く輝く灰が降り注ぎ、アルカイザーの体を癒す。
「…メタルアルカイザー
お前は強かったよ
しかし 間違った強さだった」
76
:
戦え!アルカイザー 最終話 さらば、アルカイザー 3/3
:2008/03/19(水) 21:41:36
辺りを静寂が包み込む。
「信じられん……
お前の力の秘密はなんだ!
私は、私は、ウォーーーーー!」
突然、Drクラインが吹き飛ばされ、辺りに轟音が鳴り響く。
「I am the real Master of BlackCross.
I contorol everything
I rule everyreagion
You shall die!」
仲間達が駆けつけたその時。
突然岩盤が崩れ落ち、暗闇の奥から巨大な単眼のメカ…
真の首領が姿を現す。
ゆらゆらと辺りが揺らめき、空間が歪み…以前とは比べ物にならない
トライワイトゾーンへと姿を変える。
だが…力を得たアルカイザーには…もう負ける気はしなかった。
真・アルフェニックスと仲間達の技が、
次々と真の首領へと繰り出され…
真の首領は敗れる。
巨大な体が、頭からどんどん塵になって消滅していった。
日差しの強い夏の日。
小此木一家は、その日墓参りに来ていた。…父である小此木博士の。
そこにホークが現れる。
「母さん、俺がずいぶん世話になったホークだ。
父さんの友達だったんだ。知ってるだろう?」
「ホークさん? 初めまして、小此木の家内でございます。主人とは古い御知り合いですか?」
「ええ、まあ。」
ホークは烈人の母と話を始める。
「俺、ホークと話があるから先に行ってて。」
話がひと段落したところで烈人は切り出した。
「ホーク、俺は……」
「レッド、向こうを向いて目をつぶれ。」
「なんだよ」
「いいから。」
烈人が目を開けると…そこにいたのは。
「アルカイザーよ、君からヒーローの力をはく奪する。」
「なぜだ、アルカール!」
「サントアリオのヒーロー委員会の決定だ。さらばだ、レッド。」
こうしてアルカイザーは…いなくなった。
「ホークさんは?」
「帰ったよ。」
「何かあったの、お兄ちゃん?」
「別に。それより、おいしいもの食べに行こう。」
「わたし、アイスが食べたい。」
「もう、二人とも。まだ子供ね。」
77
:
サガフロンティア ブルー編その1 課せられた使命
:2008/03/20(木) 20:35:31
ここは魔法王国の名を冠するリージョン、マジックキングダム。
魔術と呼ばれる、このリージョンに住む人間のみが資質を有するとされる術を
魔法科学の研究により発明したリージョンでもある。
より優れた術士を生み出すべく教育する機関がある。そう、学校だ。
だが、マジックキングダムの学院は普通の学校とは違う。
外に出ることも許されず、ただひたすらに術を磨く人生を送らせる場所。
この日はその年の修了式…最も優れた術士が選ばれる日だった。
「修士終了式 開会!
修了者の氏名発表を主任教授から行います」
「教授会による厳正な成績審査の結果
「全会一致により今期の修士修了者を修士ブルーに決定致しました」
「修士ブルー、前へ!」
金髪の術士、ブルーが部屋の中心へと歩む。
女神の描かれた高い高い天井。
広い吹き抜けの部屋の、何階分も上で彼を見下ろすのは
学院の教師達。
「ブルーよ、汝をマジックキングダムの術士に列する
術士としての義務を果たし、キングダムへの忠誠を全うせよ
慣例に従い、キングダムを離れ リージョン界への外遊を許可する
修了者の第一の務めはリージョン界を巡り、術の資質を身に付け
より高度な術を鍛錬することである。」
もっともらしい言葉。そしてこの言葉が付け加えられる。
「そのためにはあらゆる手段を用いてよい」
「異例の事だが、出発前に校長からのお言葉がある」
どうやらブルーは特に優れた術士らしい。
「ブルー、貴方は選ばれし者です。双子ゆえに魔力が強い」
そう。もう一つ存在するマジックキングダム裏の学院に…
彼が一度も顔を見たことのない、双子の弟がいるのだ。
「しかし、双子のままでは術士として完成することはありません
貴方はその運命に従わなくてはなりません
今日、別な場所で貴方の双子の片割れのルージュも
同じように終了の日を迎えています」
そして本題に入る。
「キングダムには不完全な術士よりも完璧な一人の術士を求めています。
それは貴方だと信じてますよ、ブルー」
彼らはキングダムにとって、恐らくは道具でしかないのだろう。
「行きなさい。資質を身につけ…そして」
「ルージュを殺せ!」
78
:
サガフロンティア ブルー編その2 より多くの術を
:2008/03/20(木) 20:59:42
「ここドゥヴァンでは秘術と印術の資質について情報が得られるだろう
急げ、ブルーよ!
ルージュの得た術を…お前が習得することはできないぞ!」
占いが盛んなリージョン、ドゥヴァン。
秘術と印術両方についての情報を集めた。
「秘術とは、アルカナ…タロットの力を用いる術です。
印術を持つものはこの術を習得することができません。
この4枚のカードがアルカナ・タローに変化したとき…
あなたは秘術の資質を身に着けることができているでしょう」
「印術とは、ルーンの力を用いる術です。
秘術を持つものはこの術を習得することができません。
この4つの小石がルーンの石に変化したとき…
あなたは印術の資質を身に着けることができているでしょう」
秘印の選択。
ブルーは秘術を選択した。
まずは人手がいる。スクラップというリージョンで
仲間を集めることにした。
「私はT260です。自分に関する情報を収集中です。」
「想像以上に使えない機械だな。」
機械T260。
「私は術を学ぶ者です。あなたは術について何かご存知ですか?」
「酒場の会話じゃ無いわね。でも、そういう話は好きよ。
わたし、陽術が少し使えるの。」
「それは素晴らしい。(この女、役に立ちそうだ)」
チャイナドレスの術士、メイレン。
「ボク、クーン!名前は?」
「(この動物、役に立つだろうか…)」
モンスターのクーンが仲間になった。
そして4つのアルカナタローの一つ、剣の在り処はワカツ。
滅んだそのリージョンへ行くにはそのリージョンの出身者がいなければならなかった。
「…あなたがゲンか?」
「ああ? 俺に用か、にいちゃん。まあ、飲めよ。」
「ワカツ城への案内を頼む。
あなたがワカツの出身だということは知っているんだ。
剣のカードがほしい。同行を願いたい」
そして剣のカードを求めて、亡霊のうろつくワカツへ。
城の最上階にて物の怪の影の写る間で剣の音を見切り、
剣のカードを手に入れる。
次は盾のカード。IRPOにあるとされるカードだ。
「あんたが盾のカードがほしいって人?
それじゃあ差し上げますよ、とは悪いがいかないんだ。
俺と一緒にムスペルニブルの山に登って、山頂の花を取ってきてもらう。
そしたら盾のカードをやるよ」
山頂では朱雀と出くわし、苦戦しつつも彼は盾のカードを入手。
ヒューズも仲間に加わった。
「杯のカードのことを調べている」
「おやおや。ここじゃカードのことを調べる人には
一杯飲ませる決まりなんだ。トリニティのお偉いさんにしか出さない
一級品だよ、さぁ飲んでおくれ。
カードのことなら隣の蔵が詳しいよ」
「杯のカードのことを調べている」
「おやおや。ここではカードのことを調べる人には」
酒の名産地ヨークランド。杯のカードを手に入れるための試練は
沼を歩かせることだった。ただし、酒を大量に飲ませ酔わせた後に。
ふらつく足元。手ごわいモンスターが襲ってくる。
困難を極めたがこれも突破し、杯のカードを手に入れた。
「ノームを追っているの、私も連れていって。」
「(頭の悪そうな女だが…)ついてこい。」
「金のカードがほしい?だったら金をもってこい!たくさんだ!」
エミリアを加えた彼は娯楽リージョン・バカラの地下洞窟に潜むノームを訪ねた。
大量の金と、金のカードを交換するという。
ここまでの旅で得た金を渡し、彼は金のカードを得…
そして彼は秘術の資質を手に入れた。
続いては陰と陽、二つの術を扱うリージョン、ルミナス。
「陽術は、光や熱の力を扱う術です。陰術を持つ者は資質を得ることができません。」
ここの試練は光を使ったもの。迷宮の中にある鏡の反射を用い
出口へと光を導くというものだった。
これも頭の切れるブルーには簡単なもの。
彼はいとも簡単に陽術を得る。
だが次の術はそれまでとは比べ物にならぬほど過酷なものだった…
79
:
サガフロンティア ブルー編その3 世界に一人だけの使い手
:2008/03/20(木) 21:19:46
「術のことを聞きたい」
ドゥヴァンの神社の境内にいた、妙に大人びた
小学生ほどの少女にブルーは尋ねる。
「術にも色々あるが、時術、空術という強力な術がある。知っておるか?」
その二つは、恐らく最強の術と言っていいだろう。
だが…それらの資質を持つものはこの世に一人しか存在できないらしい。
「時を操る、これほど強力な術はあるまい?
だが、本当にそんな術があるのか?
わらわも、その様な術は見たことはない。
妖魔の噂では、この広いリージョン界にただ一人、時術を操る妖魔がおるらしい。
「時の君」などと呼ばれているが、正体は分からん。
他の妖魔の君ならば、正体を知っておろう。
ムスペルニブルの「指輪の君」
ファシナトゥールの「魅惑の君」などがな。」
続いて空術。
「空間を自由に操作する術、これもなかなかに強力だ。
この術は、ある特殊な場所に行かなければ手に入らないのだ。」
「どこへいけば……」
「麒麟というものが、その術を使って特別な空間を作り出し、
そこに住んでおる。そこは少し変わった所だ。
まあ、行ってみれば分かる。」
彼が着いた所は…おかしな空間。もとい、お菓子のような空間だった。
アイスクリームやメロンパン、ワッフル、チョコレートで構成された床に
キャンディが漂っている空。
空間を操る術というのはそこまで自在に操れる力らしい。
そして、そこには子供たちがたくさん。
…恐らくは麒麟が育てているのだろう。
ヨーグルトに開けられた入り口から、麒麟のいる、
先ほどとは違った、水面のような床に雪のような
白い柱が立つ間へと導かれた。
「あなたの御用は空術ですね?
少々試させて頂きますよ。よろしいですか?」
「よろしい、来なさい。」
そしてブルーはお菓子の迷宮へと飛ばされる。
不思議な空間だった。多分ブルーのような者でなければ
大人でも楽しんでしまうような場所だろう。
体が小さくなる薬、重力の反転する扉、ぐるぐると回る空。
相当複雑なものであったが、ティーカップの中に入った彼は再び麒麟の元に導かれた。
「御見事です、御約束どおり、御話を伺いましょう」
ブルーは冷たくその言葉を口にした。
「その必要はない、お前を倒して、
資質を含めた空術のすべてを私が譲り受けるからな」
「そうですか、あなたの狙いは資質ですか。確かに空術の資質を持てるのはただ一人。
わたしを倒さない限りあなたは資質を得られない。
しかし、
私もあなたに譲る気はありませんよ!」
世界で唯一匹の空術の使い手、麒麟との戦いが始まる。
ライトシフトで辺りを光に照らしての、光による回復、
突然現れた数本の槍が一人を貫くヴェイパーブラスト。
流石にこれは危険。ブルーは上級魔術、
術に反応し相手を魔力の檻に閉じ込めるサイキックプリズンで術を妨害しつつ
麒麟に攻撃を加える。
麒麟の最強術・リバースグラビティも封じられ…
そして麒麟は死んだ。
外に出てみると…子供達がどんどん消えて行った。
声も出すこともできずに。
空術の使い手、麒麟が死んだ為に
彼らはその空間とともに消滅する運命にあるのだ。
「そこまでして資質を得たいの?」
メイレンが聞く。
「これでいい、これでいいんだ。
これで…ルージュとの対決ができる。」
80
:
サガフロンティア ブルー編その4 宿命の対決
:2008/03/20(木) 21:39:26
月が大きく映る、切り立った二つの岩柱。
最強の術士二人はここで初めてお互いに対面し…
ここで殺し合うこととなる。
表の学院で学び、秘術、陽術、空術を得たブルー。
裏の学院で学び、印術、陰術、時術を得たルージュ。
相容れぬ術を手にした双子の戦いが今ここに始まった。
そこは特殊な空間。時間とともに変化し、
一つの術のみを受け入れ、それ以外の力は減退する。
まず最初は魔術空間。
最強の魔術、ヴァーミリオン・サンズをルージュに繰り出す。
ルージュは気を失った。
これでブルーの勝利…
そう思われたが、なんと彼は炎に包まれ、爆発と共に傷を回復し立ち上がった。
謎の術、リヴァイヴァ…ルージュの術なのか…?
そして空間は変わり陽術。フラッシュファイアでルージュを追い詰めようとするが
ルージュの発動したサイキックプリズンにかかりブルーは倒れる。
だがブルーも同じくなんとリヴァイヴァが発動、即座に立ち上がったのだ。
…これはどちらの術でもない。
双子同士の戦いであるこの「場」にかけられた術。
倒れることは許されず、お互いが生命力の最後の一滴まで賭して戦い、
最後に「死」を迎えるまで戦わせ続けるための仕掛けだったのだ。
彼らは存分に術をぶつけ合う。
陰術・パワースナッチでブルーの体力を自らのものにするルージュ。
秘術・剣でルージュを串刺しにするブルー。
印術・活力のルーンで自己回復力を得るルージュ。
お互いに譲らぬ勝負…双方何度か倒れ続けた。
だがスパートをかけたブルーは優勢。
これで最後だ、と空術リバースグラビティを放とうとするブルー。
だがそこにルージュが必殺の術…
時術・オーヴァドライブが炸裂する。
これは時間を止め、効果が続く限り一方的に攻撃し続けることができる術だ。
だが使用後に全ての魔力を無くす。
得てきた術全てを使い、攻撃を続けるルージュ。
ブルーは何度も倒れたが、彼の生命力はあと少しというところで尽きず…
術は解けた。
これで最後だ。今度こそブルーはリバースグラビティを
虫の息のルージュへと放つ…!
だがそれは叶わなかった。
ルージュはオーヴァドライブの効果時間の最後に、
術を封じる術、サイキックプリズンを使っていたのだ。
魔力の檻に閉じ込められ、ダメージを負うブルー。
そこにルージュが術を用いる。エナジーチェーン。
これはブルー・ルージュ共に最初に使っていた初級術。
彼らはそれを魔力なしで放てるようになっていたのだ。
魔力の鎖に貫かれ…そしてブルーは……死んだ。
「貴様が…私より優れているのでも…言うの・・・か………!!」
81
:
名無しさん
:2008/03/20(木) 22:02:44
かつての三大魔界貴族の一人、冥王ジェダが復活。
彼は完全なる魂の救済を望み、その礎である「価値のある魂」の持ち主を、
魂の檻、「魔次元」へと呼ぶ。
果たして、その野望の行きつく先は何処なのか…。
「すべての命よ…私と同化せよ!」
82
:
サガフロンティア ブルー編その5 そして彼は…
:2008/03/20(木) 22:08:24
戦いは終わった。
勝者・ルージュはその場にしばらく呆然として立っていた。
「俺は…誰だ?」
勝利の余韻ではなく、呆然としていた。その理由…。
「ルージュの術が私を貫いた時…私はルージュの中に入り込んだ…」
「今、僕はルージュであって…ブルーだ。
…そして今分かった。僕たちは元から一人だったんだ!」
自分の体が一つとなって初めて解った事実。
「何故キングダムは教えてくれなかったのか…?
それを知らなければならない。
帰ろう、ルージュ。…マジックキングダムへ」
陰陽、秘印、時空。全ての相反する術を有し、そして
それにより究極の術、命術さえも手に入れた究極の術士がここに誕生した。
「一体、何があったんだ!」
二人が生まれ育った地、マジックキングダム。
たどり着いた場所は、破壊され尽くされた後だった。
凶悪なモンスターを退け、ルージュは町の地下へと進む。
学院のあったところだ。
「一体何があったんだ!」
「化け物どもが地下からあふれ出てきた…
封印が破られたのだ…」
それを最後に男は息絶えた。更に地下。
モンスター達がいる部屋で謎の腕輪…三女神の腕輪を手に入れると
彼は巨大な巨大な…マジックキングダムのシンボル、
三女神像の体に立つ。
「偽りの女神め…」
腕輪が光りだし、女神の額にルージュは吸い寄せられた。
そして…ワープする。
その場所は白と黒の二つに分かれた…大量の胎児の入れられた
カプセルのような丸い装置が並ぶ部屋。
そこにはマジックキングダムの教師がいた。
そしてルージュは全てを察した。
「俺は、俺たちはここで二人に分けられたのか…魔術的処置で…人為的に…
なぜ、こんなことを! キングダムは悪魔の巣窟か!」
「君は最後に旅立った術士だね。ということはブルー、それともルージュか?」
「そうだ、いや、違う。俺はブルーであり、ルージュであり、どちらでもない。
何故こんなことをした。俺たちを操り、殺し合わせ、何をさせる気だ。」
教師に食って掛かるルージュ。
「あなたも見たでしょう、この破壊を。封印が破られ、地獄の化け物どもがあふれだしたのよ。」
「地獄の者どもからキングダムを護りひいてはすべてのリージョンを護るのが我々の役目だ。
そのためには強い魔力を持った術士が必要なのだ。」
教師達は真実を次々に語りだす。かつて指輪の力で作られた封印された場所、「地獄」
封印を守るための強力な術士の養成機関、それがキングダムの学院だったのだ
「そのために、俺達を犠牲にしたのか! まだ何も知らなかった俺を!!」
「私たちの使命はもっと大きいのよ。
自らを犠牲にしてより多くのものを護るのよ。」
「そんな論法は通じない。
あなた達が押し付けた犠牲だ。自分では何も決めていない。
こんな施設は破壊する!」
ルージュが叫んだその瞬間…
モンスターが部屋に入り込んできた。
「ここまで侵入されたか!!」
モンスターを蹴散らしたルージュは冷静になり、教師に聞く。
「どうすれば、この子達を護れる。」
「封印を復活させるのよ。そのためには地獄へ行って敵の力を弱めなければ…
キングダムに栄光あ…」
その言葉を最後に息絶えた。
自分がしなければならないことが解った。
彼は再び走り出す。学院の地下へ。
倒れている一人の男に話しかける。
「ここから地獄へ行けるのか?」
「では、ブルーか、ルージュか……ならば期待も持てる。」
…そして…彼は地獄へと旅立った。
「お前たちは…本当の……」
そこは光にあふれた美しい場所だった。
光のアーチが出来、翼の生えた天使達が行き交い、蓮の花が咲く。
まさに天国のような場所…しかし、天使たちは凶悪なモンスター。
この中から溢れたモンスターがキングダムを襲撃している。…地獄だ。
ルージュは地獄の力を弱めるべく奥へ進み…封印の間にたどり着く。
そこで巨大な黒き卵から何者かが生まれた…地獄の君主だ。
これを倒すことによって封印は完成する。
七支刀、イルストーム。恐るべき破壊力を持つ攻撃が繰り出される。
だがルージュは屈することなく…術を君主にぶつけ続ける。
そして最後にルージュは時術の奥義オーヴァドライブを使う。
時間の止まった、時計の鐘の音が鳴り続ける巨大な時計。
そこでリバースグラビティを重ねてぶつけ続ける。
最後の術を君主にかけたそのとき…………。
83
:
名無しさん
:2008/03/20(木) 22:08:59
A.D20XX年、地中から突然大量に現れた謎のブロックのため、
地上は大パニックになってしまいました。
調査の結果、ブロックの発生ポイントが地底1000mにあることが判明しました。
普通、そんなところに行ける人はいません。
これはもう、穴掘りのプロ、「ドリラー」に頼むしかないという結論になりました。
そこで白羽の矢が立ったのが、ルーキーでありながら、
「ドリラーの最高のタイトル、「ミスタードリラー」に最も近い男」
という呼び声の高い少年で、とある島を救った伝説の英雄「ホリ・タイゾウ」の次男、
「ホリ・ススム」でした。
皆が困っている姿を見捨ててはおけないと、
依頼を引き受けたススム君は、ブロックの謎を解明するべく、
地底1000mを目指したのでした…。
84
:
ヴァンパイアハンター レイレイ編
:2008/03/23(日) 07:57:44
中国で仙術を教えてきた少(シャオ)家一族の双子の姉妹、
姉のリンリン(鈴鈴)とレイレイ(泪泪)。
ある日、二人が16歳を迎える前日に墓から蘇ってきた亡霊たちを倒すため、
彼女の母がそれらの亡霊と闘い、撃退した。
しかし、母は術の反動で闇の中へと彷徨うことになってしまう。
その母の魂を救うため、姉妹は「異形転身の術」を自らの体に施し、キョンシーとなった。
この術を使うと、使用者の魂が永遠に救われることのないことを知りながらも。
そして、闇の住人達との戦いに赴く。それが母を助けられる唯一の方法と信じて。
そしてついに、姉妹は最後の戦いで力尽きてしまう。
そこに現れた謎の女性―。母の魂そのものだった。
母は姉妹の命を現世に転生させた。新しいリンリン、レイレイとして。
こうして姉妹は平和で平穏な日々を暮らすことになる…。
85
:
ヴァンパイアセイヴァーEXエディション レイレイ編
:2008/03/23(日) 08:14:04
中国で仙術を教えてきた少(シャオ)家一族の双子の姉妹、
姉のリンリン(鈴鈴)と妹のレイレイ(泪泪)。
ある日、二人が16歳を迎える前日に墓から蘇ってきた亡霊たちを倒すため、
彼女の母がそれらの亡霊と闘い、撃退した。
しかし、母は術の反動で闇の中へと彷徨うことになってしまう。
その母の魂を救うため、姉妹は「異形転身の術」を自らの体に施し、
レイレイはキョンシー、リンリンはレイレイの暴走を抑えるため札となった。
この術を使うと、使用者の魂が永遠に救われることのないことを知りながらも。
そして、闇の住人達との戦いに赴く。それが母を助けられる唯一の方法と信じて。
そのうちに「漆黒の救世主」こと冥王ジェダ・ドーマが復活。
ジェダが価値ある魂を集めていたその矢先に、シャオ姉妹もその標的となる。
襲いかかってくる脅威をすべて振り払い、ジェダさえも倒したレイレイ姉妹。
しかし、ジェダを倒したことによって世界は無になってしまう。
「ここはどこ!?私たちはもう帰れないの!?」
その時、謎の女性が現れる。
「あなたたちの進む先はこの先にあります…」
二人はその進む先へと吸い込まれていく。
その時だった。謎の女性の正体がわかったのだ。
「あ、あなたはおかあさ―」
前世の記憶を一瞬だけ取り戻したレイレイとリンリン。
しかし、二人が目を覚ました時、前世の記憶はすでになかった。
母が二人を現世へと転身させたのだ。
家へと続く夜道を駆けるリンリンとレイレイ。
「街の道端で寝ちゃうなんて…」
「ヒッチハイクしていたからねー」
「変な夢を見ていたような気がするよ…」
「私もー」
「あ!見て!パパとママ!」
「本当だー!」
二人は荷物を投げ出し、待っていた親たちのもとへ駆けて行く。
その時、流れ星が遠くに現れた。
そして二人は平和な、平穏な暮らしを、前世の記憶と引き換えに取り戻した。
前世の母もこれを望み、転生した姉妹を見て安心している事であろう…。
86
:
ポケットファイター レイレイ編
:2008/03/24(月) 21:46:15
ダークストーカーズを追いかけるレイレイとリンリン。
ですが、彼らに会う前に旅費がそこをついてしまい、
今はアルバイト探しをしています。
「ろくな仕事がないアル…。人間界もシケたもんだなぁ…ん?
『三食昼寝付き実動二時間』!これだ!
このザンギエフとかいう広告主に会いに行こう!」
「お前が三食昼寝付きか?」
「?? ああ、アルバイトの話か」
「ほんとの本当に三食昼寝付きか?」
「もちろんだ。だがその前に、試験をさせてもらおうか…フフフ」
「さあ勝ったアルよ。早く三食昼寝付きに案内するネ」
「うむ、その腕なら申し分ない よし、ついて来い」
ザンギエフの紹介でレイレイが働き始めて一か月が過ぎました…。
「いつもより多く回しております〜 でもギャラはおんなじアルよ」
ロシアからやってきたサーカス団の花形スターとなった二人。
ダークストーカーズのことなどすっかり忘れてしまいました。
「一回死んでる私が言うのもなんだけどさあ、人生楽しくいかないとねぇ」
The END
87
:
ヴァンパイアセイヴァーEXエディション レイレイ編改訂版
:2008/03/26(水) 08:27:45
中国で仙術を教えてきた少(シャオ)家一族の双子の姉妹、
姉のリンリン(鈴鈴)と妹のレイレイ(泪泪)。
ある日、二人が16歳を迎える前日に墓から蘇ってきた亡霊たちを倒すため、
彼女の母がそれらの亡霊と闘い、撃退した。
しかし、母は術の反動で闇の中へと彷徨うことになってしまう。
その母の魂を救うため、姉妹は「異形転身の術」を自らの体に施し、
レイレイはキョンシー、リンリンはレイレイの暴走を抑えるため札となった。
この術を使うと、使用者の魂が永遠に救われることのないことを知りながらも。
二人は闇の住人達との戦いに赴いた。それが母を助けられる唯一の方法と信じて。
そしてついに二人は、母に出会えた。
しかしそれはほんのわずかなことだった。
母は二人を忌わしい記憶から解放するため、現世へと転生させたのだ。
二人は前世の記憶を失った代わりに、新しい母と父と生活を得た。
その頃魔界では「漆黒の救世主」こと冥王ジェダ・ドーマが復活。
ジェダが価値ある魂を集めていたその矢先に、シャオ姉妹もその標的となる。
そしてレイレイは鉤爪をもったキョンシーレイレイとして、
リンリンはレイレイの暴走を抑えるためのお札のリンリンとして、
二人は魔界に再び降り立った。この魂の奪い合い戦争から逃れるために。
襲いかかってくる脅威をすべて振り払い、ジェダさえも倒したレイレイ姉妹。
しかし、ジェダを倒したことによって世界は無になってしまう。
「ここはどこ!?私たちはもう帰れないの!?」
その時、謎の女性が現れる。
「あなたたちの進む先はこの先にあります…」
二人はその進む先へと吸い込まれていく。
その時だった。謎の女性の正体がわかったのだ。
「あ、あなたはおかあさ―」
前世の記憶を一瞬だけ取り戻したレイレイとリンリン。
しかし、二人が目を覚ました時、前世の記憶はすでになかった。
母が二人を現世へと転身させたのだ。
家へと続く夜道を駆けるリンリンとレイレイ。
「街の道端で寝ちゃうなんて…」
「ヒッチハイクしていたからねー」
「変な夢を見ていたような気がするよ…」
「私もー」
「あ!見て!パパとママ!」
「本当だー!」
二人は荷物を投げ出し、待っていた親たちのもとへ駆けて行く。
その時、流れ星が遠くに現れた。
そして二人は平和な、平穏な暮らしを、前世の記憶と引き換えに取り戻した。
前世の母もこれを望み、転生した姉妹を見て安心している事であろう…。
88
:
ロックマンエクゼ・ファントムオブネットワーク その1
:2008/03/28(金) 07:28:13
ナビらの事を道具としか思っていない―
あらゆるナビや電脳の情報のバックアップを蓄積したサーバーから怨みを持って生まれたナビ―キャッシュは全ての人間に復習するため、密かに影を延ばした
ファイアマン―
アイスマン―
ウッドマン―
キャッシュはナビのキャッシュデータを用いて偽物のナビ―キャッシュナビを作り出していった
ことごとく熱斗とロックマンが被害を阻止していったが―キャッシュは目をつけた
「ナビと人間がなぜここまで出来るのだ―」
89
:
ロックマンエクゼ・ファントムオブネットワーク その2
:2008/03/28(金) 07:47:07
―手掛かりを掴んだキャッシュはジャミングマンを差し向けた、妨害電波で交信さえ断てばただのナビだと
―だが血からの繋がりを持つ二人にはかなわなかった―
ついにキャッシュは世界全国にキャッシュナビを差し向けた、人間を滅ぼすために本格的に動き出した―
キャッシュに対抗するため、科学省は壮大なる作戦を打ち立てた、その名は―「モバイル・オペレーション」―
その作戦とは全てのオペレーター、及びナビを囮にし―光熱斗、およびロックマンをキャッシュがいると予想される場所へ攻め込ませるという―壮大な作戦だった
キャッシュの手先を退け、友の手助けもあり、ロックマンはついにキャッシュとの戦いに臨む―
キャッシュはキャッシュにためられたデータを自らに取り込み、ジャミングマンの妨害電波を数倍にしたものを放ち、二人の交信を断った―
呼びかける熱斗、その声は深き絆に結ばれたロックマン―光彩斗に届いた。
そして、二人はラスト・バトルオペレーションに挑み―
キャッシュを倒した二人―それと同時にキャッシュナビは姿を消した―作戦は成功した
今まで助けてくれた修一君は引っ越しで熱斗と別れる事に―絆は繋がっている、ずっと友達だ―と
90
:
ヴァンパイアセイヴァーEXエディション ドノヴァン編
:2008/03/28(金) 09:06:27
謎の少女、アニタと共にダークストーカーズを狩るために、
旅を続けていたドノヴァン。
しかし、この二人もまた魂の奪い合いという名の戦争に巻き込まれていく。
「これも運命なのか」
しかし百戦錬磨のドノヴァンは何事もなく闇の住人達を倒していく。
バレッタを、フェリシアを、レイレイを、モリガンを、
とにかく狩って行った。
そして勝った。この戦争に。
眠るアニタ、そのアニタの上に魔剣を置きアニタの心を探る。
そしてドノヴァンは一言言った。
「お前も…お前も私と同じく運命に生きる者なのか…」
91
:
ヴァンパイアセイヴァーEXエディション バレッタ編
:2008/03/28(金) 09:39:05
ここは人間界、いわゆる普通の世界だ。
ここにとある一人の少女がいた。
いかにも童話「赤ずきんちゃん」を彷彿とさせるような少女だ。
そして当然のように近寄ってくる一体の吸血鬼…。
倒れていたのは吸血鬼のほうだった。
「お嬢様、これでございます」
「何〜?これだけ〜?」
そう、彼女は知る人ぞ知るハンター、バレッタだった。
そんなバレッタも魔界で魂の奪い合い戦争が起こっていると聞いて、
犬や執事を連れて魔界へ行くことへ決めた。
「これはひともーけできそうねっ!」
次々に魔界のダークストーカーズを狩っていくバレッタ。
いつしかそれはバレッタのなかの一種の心のやすらぎとなっていた。
そして魂の奪い合いを始めたジェダ・ドーマを難なく倒すと、
我こそが魔界最強と名乗るダークストーカーが現れた。
ゾンビのザベル=ザロックだ。
「ジェダはあっさり死んじまったってことは俺が魔界最強ってことだろ!?
ヒャーハハハハァッ!!!」
しかし、そのザベルでさえバレッタに狩られてしまう。
そして魔界に平穏が訪れた…わけはなかった。
魔界のとある家で…。
「今日の魔界ニュースです また殺人事件がありました。
被害者の体は無残にも切り刻まれていました。
目撃者の話によると、犯人は赤い頭巾をかぶった人間の少女で…」
「ママー、怖いよー」
「大丈夫よ、ここにまでは来ないわ」
「うん、そうだ だから安心しろ」
その時、家の前にとある少女が―。
92
:
StarOcean First Departure
:2008/04/02(水) 14:17:26
豊かな自然と多様な種族が共存している未開惑星、ローク。
そのロークの大陸の一つであるムーアの南端に、
辺境の小さな町グラトスがあった。
グラトスの田舎町を駆けてくる少女ミリー。
彼女が目指しているのは、町の自警団が集まる詰め所だ。
自警団と言っても、事故や事件と無縁の平和な町では仕事もなく、
詰め所では自警団人のラティとドーンが退屈な時間を過ごしていた。
そんな2人を見かねたミリーは2人を誘って町の見回りへと連れ出すのだった。
そして、物語は始まった―――
93
:
StarOcean2 Second Evolution
:2008/04/02(水) 14:21:17
未開惑星を調査中、事故によって見知らぬ惑星へ転送されてしまった少年クロード。
世界中に広がる異変、謎の隕石ソーサリーグローブ
…伝説の勇者の出現を待ち望む少女レナ
2人はなぜ、出会ったのか―――?
94
:
ぷちえゔぁ
:2008/04/02(水) 14:25:59
全 人 類 ま っ た り 計 画
碇ゲンドウ校長率いる第三新東京市立ねるふ学園を舞台に、
息子である気弱な生徒シンジを始め、
天才帰国子女アスカや綾波三姉妹など、
エヴァンゲリオンのキャラクター達による、
てんやわんやの楽しい学園生活が始まる。
95
:
ACE COMBAT ZERO The Belkanwar
:2008/04/05(土) 10:51:15
ベルカ公国 ―かつての雄武国家。
1980年代、行き過ぎた国土拡張政策は広告を経済危機へと陥れる。
連邦政府による国土縮小計画を持ってしても、
未曽有の経済恐慌が収集することはなく、
混乱に乗じて政党国家復古を掲げる極右政党が政権を獲得する。
1995年3月25日元ベルカ自治領ウスティオ共和国に眠る、
膨大な天然資源発見の報を機にベルカ公国は周辺国への侵攻作戦を開始する。
「ベルカ戦争」の開幕である。
準備不足の各国は、伝統のベルカ空軍の前に敗走。
隣接するウスティオ共和国は、数日でほぼ全土を占領下におかれる。
ウスティオ臨時政府は、残された第6航空師団を外国人傭兵航空部隊として緊急再編。
オーシア連邦、サピン王国との連合作戦に一縷の望みをかける。
この戦乱下、とある一人の男がウスティオ傭兵部隊へ入隊。
そこで、「片羽の妖精」の名を持つ腕利きパイロットたちと出会う。
彼のTAC(戦術航空師団)ネーム、「ピクシー」。
入隊間もない、1995年4月2日1249時(12時49分)、
ウスティオ最後の砦、ヴァレー空軍基地にスクランブル(緊急警報)が響く。
基地管制塔はベルカ爆撃機変態の接近を確認。
要撃任務を託された二つの翼が戦線に舞い上がった。
96
:
ACE COMBAT ZERO The Belkanwar ネタバレ注意
:2008/04/05(土) 11:15:07
ここからは後編です
ネタバレ注意
ピクシーとサイファーの活躍により徐々に領土を奪還され、
ついには本国侵攻まで許してしまったベルカ公国。
南ベルカの各都市では厭戦ムードが漂い始め、
住民たちは「非武装地域」を名乗り、ベルカ軍も北に敗走するしかなくなっていた。
そんな時、ベルカはある決断を下した。
それは国内での「七つの核」の始動だった。
ベルカ国内で立ち上がる七つのキノコ雲。死者は200万人にも及んだそうだ。
そしてウスティオとの決別を決意するピクシー。
何もかもが連合軍にとってはマイナスであった。
しかしこれ以降も戦線は連合軍に有利な形で動いていた。
サイファーと、サイファーの新しき相棒PJによって。
ベルカ戦争が終わりに近づいてくると新ベルカ暫定政権が連合軍の監視下で発足。
そして、とうとうベルカ国内のルーメンにて、ベルカの降伏調印式が行われた。
しかし降伏したベルカに突きつけられたのは、オーシア有利の一方的な条件。
これを許すまいとして、ベルカの極右政党がクーデターを起こした。
しかしそれは序章に過ぎなかった。
なんとその極右政党によって多国籍テロリスト軍団、
「国境なき世界」が誕生したのだ。
これを壊滅させるため、サイファーとPJは再び空へ舞い上がった。
97
:
ACE COMBAT ZERO The Belkanwar ネタバレ注意
:2008/04/06(日) 08:53:53
ここからは続後半です
ネタバレ注意
「世界をリセットする そしてその世界を一つにする。」
「国境無き世界」はアヴァロンダムを使って、
核搭載V2ミサイルを発射することを決めた。
連合軍側はこれを阻止するためサイファーとPJ、
そして選りすぐりのエースたちを戦場に送った。
川の水面ギリギリを高速で飛んでいくサイファー機。
そしてそれを護衛するPJやほかのエース達。
しかし、対空砲火は酷く撃墜されていく仲間たち。
中には壁に激突する者や、ベイルアウト(脱出)が間に合わなかった者もいた。
「第一架橋通過!第二架橋通過!第三架橋通過!第四架橋通過!…アヴァロンダムだ!」
アヴァロンダムに侵入したのはサイファーの一機のみ。
サイファーは狭いダム内に入り、コントロールルーム、モジュールを破壊。
V2の発射を阻止したのだ。歓喜にわきあがる連合軍とPJ。
「俺、基地に彼女がいるんすよ 帰ったら告白しようかなって思ってて…花束もかtt」
突然、サイファーとPJの後ろから出てきた光線が、PJ機を貫く。
空中で散っていくPJの機体。その時、無線が―――。
「戦う理由は見つかったかい?相棒」
そこにいたのは最新鋭戦闘機ADFX-02、コードネーム「モルガン」だった。
サイファーはすぐにわかった。モルガンに乗っているのはピクシーだと。
サイファーはピクシーと戦った。
ピクシーの多彩な攻撃―
レーザービーム、広域制圧兵器「MPBM」など、
多彩な攻撃に苦戦することなくピクシーを追いつめていく。
だが、ピクシーを追いつめたその時、途端にミサイルが効かなくなる。
よく目を凝らしてみるとピクシーの手前で直角に曲がり、
違う方向へと飛んで行っていたのだ。
そして本部から入る無線―
「いいかサイファー!ヤツは特殊な装置を用いてミサイルの軌道を変えてるらしい!
ヤツにミサイルを当てるには前から堂々と狙うしかないぞ!」
そして正面から挑むサイファーとなかなかミサイルを撃たないことにいら立ちを感じているピクシー。
「撃てよ!臆病者!」
その瞬間、サイファー機からミサイルが放たれ、ピクシー機を見事撃墜した。
それと同時に数分前に打ち上げられたV2が、アヴァロンダム付近で爆発した。
それがこの戦争の真の終止符だったのかも知れない。
98
:
ACE COMBAT ZERO The Belkanwar ネタバレ注意
:2008/04/06(日) 09:20:28
またもやネタバレです
ですので見るときは注意を…
OBCドキュメンタリーで追えた彼の存在はここまでである。
ベルカ機を多く撃墜し、かつ一回も撃墜されることなく、
円卓を生き抜いたことから、いつしか「円卓の鬼神」と称されたサイファー。
そしてその相棒で通称「片羽の妖精」と言われたピクシーこと、ラリー・フォルク。
口癖は「よう、相棒 まだ生きてるか?」
ピクシーはサイファーに撃墜された後も、生きていた。
爆心地近辺に住む、心やさしい人々によって。
だが彼は今、とある国境付近の戦場にいる。
「国境の本当の意味を確かめたいんだ。」
この話は、大体が彼の話によって証言されたものである。
だがそれだけじゃない。いまだに生き残っているサイファーと戦ったエース達。
彼ら一人一人の話は違ったが、ただ一つ、共通していることがあった。
彼の話をすると、皆少し嬉しそうな顔をしていたのである。
それは何故かわからないが、恐らく「鬼神」というライバルに、
親近感や戦うという友情を築いていたのであろう。
そうそう、この戦いには後の有名人も多くいる。
「凶鳥ヒュッケバイン」ことウォルフガング・グフナーや、
「ハートブレイク・ワン」ことジャック・バートレット、
さらにはアシュレイ・ベルニッツやミヒャエル・ハイメロートまで。
後の環太平洋戦争の主要人物たちである。
そしてサイファーのその後であるのだが………。
ベルカ戦争が終わってから鬼神ことサイファーは行方をくらましたらしい。
その行方は未だに誰もわかっていないという。
彼が皆の前に、そして大空に戻ってくるのはいつになるのだろうか…
99
:
俺の屍を越えてゆけ
:2008/04/06(日) 19:42:09
時代は平安時代にまで遡る。
とある二人の夫婦が平安の世を乱す鬼、朱点童子に挑もうとしていた。
その二人の名は、源太とお輪。
二人はいよいよ朱点童子のいる堂へ乗り込んだ。
しかしそこにいたのは一人の少女だった。
駆け寄り心配する源太。しかしそれは罠であった。
なんと正体は少女に化けた朱点童子だったのだ。
その場に倒れ、息を引き取る源太。
しかし朱点は源太を殺してもまだ飽き足らず、
お輪の産まれたばかりの赤子さえも殺そうとしていた。
お輪は朱点に懇願し、赤子との最後の対面を許される。
そしてそれを見た朱点は、何を思ったのか子供を生かせることを決めた。
わずか二年の間しか生きることができない「短命の呪い」と、
人間同士で交配し、子孫を残すことのできない「種絶の呪い」をかけて。
この一部始終を展開から見ていた神様たちは、
二人の子を保護し、そして神様たちは二人を助けるため、
神と交神してもいいという特別令を出し、
さらにはお手伝いのイツ花を派遣して、
朱点童子の討伐に向かわせるのだった。
しかし、神が討伐に向かわせたのは別に理由があった。
その理由とは…?
100
:
アウターヘブン蜂起
:2008/04/12(土) 07:38:26
南アフリカの奥地、1980年代後半に、英雄かつ狂人とうたわれた、
一人の傭兵によって武装要塞国「アウターヘブン」が生まれた。
そこで戦争史を塗り替える殺戮兵器が開発されているという情報を得た「西側」は、
ビッグボスが総司令官を務める特殊部隊FOXHOUNDの新入隊員ソリッド・スネーク単独で送り込む。
先に潜入し、囚われの身になっていたFOXHOUND隊員である、
グレイ・フォックスを救出したスネークは、その兵器の恐るべき正体を知る。
核搭載二足歩行兵器メタルギア―あらゆる地から核攻撃を可能にする重兵器である。
レジスタンス達の力を借り、開発途中のメタルギア破壊に成功したスネークの前に立ち塞がったのは、
FOXHOUND司令官でありながら影でアウターヘブンを統率していたビッグボスであった。
スネークを情報撹乱のために送り込んだにもかかわらず、
逆に野望を打ち砕かれたビッグボスは悲痛な叫びをあげる。
「お前はやりすぎた、やりすぎたのだ!」
地下100階でぶつかる、思想も政治も関与しない男と男の闘い。
やがてビッグボスを倒したスネークは、燃え上がるアウターヘブンを後にした。
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