要するに粒子と波動は、その動作が直接観察され、何よりも数式で表現されていたのです。波動の基礎となる単振動は先に書いたように「x = A cos ωt」の形をとりますが、粒子の移動は等速運動なら「x = vt」、等加速度運動なら「x = at²/2」と全く異なる形で、同じものが両方の形をとるのは不可能です。
やはり光は粒子なのです。ただし量子サイズの粒子なので不確定性原理が働き、粒子の位置を特定できません。ただし特定できないといってもランダムではなく、どの位置にどれだけの確率で存在するかは、厳密な法則に従うのです。第1節(38–1 Probability wave amplitudes)の3つ目の段落に登場する式が、量子の存在確率を表現します。
機械工学科の出身なのでフーリエ変換は教わったはずですが、30年もたつと教授の顔すら思い出せません。現在の知識はファインマンで読んだものです。フーリエ変換は25章(www.feynmanlectures.caltech.edu/I_25.html)の2節で初登場しますが、最も重要な級数展開は50章(www.feynmanlectures.caltech.edu/I_50.html)の2節「50–2 The Fourier series」で説明されています。このような教科書で書かれていることなら理解しているつもりですが、仕事で使う機会はありませんでした。(社会人になって数年で情報部門に転じました)