したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |
レス数が1スレッドの最大レス数(1000件)を超えています。残念ながら投稿することができません。

カオスロワ避難所スレ2

1混沌な名無しさん:2013/09/05(木) 20:26:58 ID:XVx2BHo60
こちらは投下スレです。

2叫びます、叫びます:2013/09/16(月) 12:47:16 ID:PC6Efojc0
「はぁ……はぁ……」

東京都庁の屋上で、一人の男が文字通り飛び回っていた。
腰に装着した不思議な装置を用いての、高速空中機動。
そして両手に持つ刃、その斬撃の鋭さから男がかなりの実力者なのは誰もが気がつくであろう。

「なんなんだ、こいつは……!?」

男の名はミケ・ザカリアス。
彼は本来巨人を狩る達人であるが、この殺し合いに巻き込まれた直後、突然竜の群れに襲われた。
言葉を発することはなかったが、竜が人間を家畜としか見ていないことは、その臭いから判断できた。
竜の群れから逃げることもできたが、人間の尊厳のために戦い続けてきた彼にとっては、その竜の態度が気に入らない。
知能の低い、人間を喰らう害獣。無駄に数が多いところなど、まるで宿敵の巨人のようであった。
気がつけばミケは竜の群れに突撃していた。
群れを蹴散らしたしばらく後に現れた知性を持つ金竜には流石に恐怖を覚えたが……

「――」

それも今ではこうして、地に墜ちている。

【真竜ニアラ@セブンスドラゴン】 死亡確認

おそらくこれが指揮官、あるいは親玉であったのだろう。
有翼の巨大生物に対して、人類が勝利したのだ。
しかし――

「グオオオオオオォォォォォ!!!」

死に際に親玉が呼び出したと思われる、赤黒の巨竜が立ち塞がった。
都庁の屋上を住処とする叫帝竜・ウォークライである。
手負いならともかく、このウォークライは健康そのもの。
とてもではないが、いくら歴戦の剣士であっても仲間の援護もなしに一人で討伐することなど不可能だ。

「ぎゃあああぁぁぁぁぁ!?」

そしてついに、必死で攻撃をかわしていたミケの右脚にウォークライの強靭な顎が襲い掛かった。
身体を捻り、完全に噛み千切られることこそなかったが、肉は抉り取られ、骨は粉々の酷い有様だ。

「ぐ、ぅぅぅぅ……!」

追撃の爪撃を、地面を転がりながらなんとか避けるミケ。
だが地面を転がったのが不味かった。

「!?」

階下から聞こえる、無数の咆哮。無数の血の臭い。
屋上から、この叫帝から逃げれたとしても、次はこの無数の咆哮から逃げなくてはならないのだ。

3叫びます、叫びます:2013/09/16(月) 12:48:45 ID:PC6Efojc0
戦う意思を持ち続ける限り、負けではないとするのがミケの持論ではあったが……

「嫌だああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

避けようのない残酷な死の運命を前に、ついにミケの何かが決壊した。
心の底からの、死にたくないという叫び。
涙を流しながら、ミケは叫び続けた。

「俺も死にたくない!死にたくなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁい!!!」

その叫びに触発されていたのか、屋上の片隅で震えていたサングラスの男も魂の叫びをあげた。
だがウォークライは、そんな叫びなど意に介さずに、とどめの一撃を放とうとしていた。
叫帝竜は、その口から灼熱の豪火球ともう一つ、暴風を巻き起こす凶悪なおたけびをあげるのだが……
今放とうとしているのは、まさにそれだった。

「「やめてえええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」」

若干カマっぽくなってしまった男二人の叫びがシンクロした直後。

「ガアアアアアアァァァァァァァァァァ!!!」

ウォークライ必殺のタイフーンハウルが放たれた。

「「いやあああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」」

強烈な風圧により、完全にカマっぽくなった男達の全身は麻痺し、軽々と吹き飛ばされた。
繰り返すがここは都庁の屋上である。
落ちたら文句なしの即死だ。

【一日目・10時20分/東京都庁・屋上】

【ウォークライ@セブンスドラゴン2020】
【状態】すごく健康
【装備】無し
【道具】支給品一式
【思考】
基本:生存優先
1:階下のモンスター達と同盟を結ぶ
2:できれば都庁リフォームして住みよくしたい

4叫びます、叫びます:2013/09/16(月) 12:49:32 ID:PC6Efojc0
――ウォークライが屋上から降りている頃

「「いやだぁぁぁぁぁ!!!死にたくなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁい!!!」」

叫び続けていた男二人は……


「あら、いい男!」
「「!?」」

空中で空飛ぶオカマにキャッチされていた。


【一日目・10時25分/東京都上空】

【オルゴ・デミーラ@ドラクエ7】
【状態】健康、美しい人間形態
【装備】不明
【道具】支給品一式、香水、口紅
【思考】
基本:主催者を美しく皆殺しにして自分が支配者となる
0:この二人、顔が美しいわ!
1:美しく早く主催者本部を見つける
2:かつての部下を美しく回収する
3:部下にふさわしい参加者がいれば、新しい魔王軍として美しくスカウトする
4:日本以外を潰した首謀者がいるなら、そいつも美しく殺す
5:できれば醜い本気形態にはなりたくない
※美の感じ方は人それぞれです

【ミケ・ザカリアス@進撃の巨人】
【状態】中ダメージ、右脚重傷
【装備】立体機動装置一式
【道具】支給品一式
【思考】
基本:死にたくない
1:!?
※心が落ち着くまでしばらく戦闘できません

【平山幸雄@アカギ〜闇に降り立った天才〜】
【状態】中ダメージ
【装備】サングラス、雀稗
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】
基本:死にたくない
1:!?

5動き出す主催:2013/09/17(火) 00:27:22 ID:bOGkX7Ww0
 結月ゆかりは他の参加者の死体を漁ったら手に入ったセコイヤチョコレートを食べながら、不思議のダンションの探索を続けていた。
もちろん、ズバーンもついてきていた。
そんな二人の前に現れたのは身長2.3mくらいのロボットらしき存在だった。
それは、ヒトマキナの主にして神に近い力を得た自立機械、デウスエクスマキナだった。
最も、本来は20m以上の巨体だったりするのだが、ここでは何故か小さかった。

「新種のモンスターでしょうか?まあ、やる事は変わりません」

 そう言って、ゆかりはエンシェントソードを振るって雷を放つ。
しかし、雷を放った時にはもう、デウスはその場には居なかった。
それどころか、デウスは既にゆかりの背後に居て、エンシェントソードを振り抜いた直後のゆかりを手のひらから発生した力場で包み込んだ。
その力場の名は圧縮転送フィールド。
その名のとおりゆかりは何処かへと飛ばされてしまったのだ。
もちろん、ズバーンにはそんな事が解る訳無く、彼はデウスに突撃した。

「ズバズバン!」

しかし、ズバーンが攻撃する前にデウスは消えていた。
オーバーライドという転移能力で、ゆかりの放った雷と同様にして避けたのだ。

「残念だ!」

 そう言うと、デウスは両掌からビームを連射した。
力の源である人間の前向きな想いをろくに感じれず、力の弱っていたズバーンにそれを耐える力などなく、ズバーンは爆散した。
それを見届けたデウスもまた、不思議のダンションから姿を消した。



一方、キョウスケとLilyは渋谷にいた。
さっきまで休憩がてらネットカフェで情報収集していたのだ。
しかしカオスロワちゃんねるは、返り血で顔を赤く染めた状態で街を歩く初音ミクの写真が貼られた事で祭りになっていてそれ以外の情報が殆ど入ってこなかった。
ショックが大きすぎるという理由で、キョウスケはその事をLilyには伝えない事にした。
ちなみに、キョウスケがパソコンを使っている間Lilyが支給品を整理したら、キョウスケには包帯が、Lilyには一日分の食料が支給されていたことに気づいたそうな。
そして今、二人は探索を再開したという訳だ。
すると、Lilyが変わった形の刃の剣を持った女性を発見した。

「あっ、あれはゆかりさんたい。おーい」

 そういって、女性に駆け寄るLily。
しかし、その女性はこう言って剣を振るった。

「あら、また新種のモンスターですか」

 驚く間もなく雷を浴びて炭と化すLily。
確かに彼女はデウスに転移させられた結月ゆかりその人であった。
しかし、彼女の精神はテラカオス化の進行により、あらゆるものを不思議のダンション内の事象でしか認識出来なくなっていたのだ。
つまり、彼女には今いる場所は不思議のダンションで、他の参加者はモンスターやダンション内の露天商としか認識しないのだ。

「良い武器を落としましたね。と、また新種のモンスターですか」

 何事も無かったかのように斬鉄剣をデイパックに入れるゆかり。
その狂気には、流石のキョウスケも戦慄した。

6動き出す主催:2013/09/17(火) 00:28:03 ID:bOGkX7Ww0
 主催の本拠地である九州ロボのとある一室にはココと二人の少女がいた。
少女の片方は美国織莉子、未来予知能力を持つ魔法少女であり、特務機関の隊員だ。
もう一人は、織莉子の大切な人であり、護衛であり、支給品でもある呉キリカだ。
その部屋に、入ってきたのはさっきまで不思議のダンションにいたデウスだった。
特務機関隊長、それがデウスの肩書だった。

「流石ね、デウス。それに織莉子も。おかげで計画が進むわ」

 と、ねぎらいの言葉をかけるココ。
というのも、今回の事は主催幹部による作戦だったのである。
ゆかりのテラカオス化の進行が確認した幹部達であったが、不思議のダンションでは一定以上の進行は望めないと判断し、殺し合いの場に連れてくることにした。
そこで、ゆかりの移動ルートを織莉子の未来予知で割り出し、其処にデウスがオーバーライドで転移して彼女を地上に転送するというものだった。
カオスロワという状況では未来予知だと誤差が生じるのだが、そこは日本が誇るスーパーコンピューター「京」を使って修正したそうな。
なお、幹部でない二人はテラカオス化なんて事はしらないが、そこは上手く誤魔化した。

「これも人類が想像力を失うのを防ぐためだ」

 そう言うデウス。
彼は、死ぬ可能性が大幅に減った事で人類が想像力を失い、滅びた世界から大災害の影響でやってきた存在だ。
それ故に、彼は死を身近に感じさせることで人類の想像力の喪失を防ぐ事を決意し、幹部からのスカウトを受け入れたのだ。
ちなみに、身体が小さくなっているのは、動きやすくするためにあえてスモールライトで身体を縮めたからである。

「人類を救う為ですから、協力は惜しみません」

 今度は織莉子が言う。
彼女は、未来予知で世界が滅ぶ事を知り、それを覆す方法がその明晰な頭脳を持ってしても解らず、途方に暮れていた。
そんな彼女に声をかけたのが、死んだ彼女の父親の知り合いでもあったココだった。
ココに、人類を救う為に協力するよう頼まれた彼女は、その誘いに乗ったのだ。

「では、デウスはヒトマキナの技術力で本拠地周辺の要塞化の手伝いを、織莉子とキリカは別名があるまで待機よ。」

 ココがそう言ってこの集まりは解散し、部屋にいる全員が退室した。
余談だが、ココとデウスが居なくなった途端、キリカが織莉子に名前を呼びながら抱きついたそうな。

7動き出す主催:2013/09/17(火) 00:28:32 ID:bOGkX7Ww0
【一日目・10時50分/東京都渋谷】

【結月ゆかり@VOCALOID】
【状態】上機嫌、あらゆるものを不思議のダンション内の事象でしか認識出来ない
【装備】エンシェントソード@Minecraft
【道具】支給品一式×3、土×99@Minecraft、松明×99@Minecraft、鉄×3@Minecraft、
    鉄のツルハシ@Minecraft、作業台@Minecraft、ヒミツのコハク@ポケモン、
    かまど@Minecraft、石炭@Minecraft×99、ロトのつるぎ@ドラゴンクエスト、
    ハートのうつわ@スマブラ、あなぬけのヒモ@ポケモン、スクール水着@現実、
    ガン・デル・ソル(エネルギー0%)@ボクらの太陽シリーズ、斬鉄剣
【思考】
基本:未知の世界を求める
 0:ふふふ♪
 1:このダンジョンを制圧する
 2:素材を集めてアイテムを作る
 3:身内のことはわりとどうでもいい
 4:新種のモンスターが多いですね
※Lilyの斬鉄剣以外の支給品は炭と化しました。

【キョウスケ・ナンブ@バンプレストオリジナル】
【状態】普通
【装備】護業@NAMCOxCAPCOM
【道具】支給品一式、包帯
【思考】
基本:主催者の打倒
1:知り合いの捜索
2:危険人物の排除
3:強敵に出会ったな……

【太陽少年ジャンゴ@ボクらの太陽シリーズ 死亡確認】
【おてんこさま@ボクらの太陽シリーズ 死亡確認】
死因:モンスターハウスでリンチされる

【大剣人ズバーン@轟轟戦隊ボウケンジャー】
死因:ビーム

【Lily@VOCALOID 死亡確認】
死因:雷

【同時刻/九州ロボ(日本海を飛行中)・福岡県】

【ココ・ヘクマティアル@ヨルムンガンド】
【状態】健康
【装備】オスプレイ@現実
【道具】不明
【思考】
基本:テラカオスを生み出す計画を遂行する
1:計画のために殺し合いを促進させ、計画の邪魔をするものは撃つ

【デウスエクスマキナ@スーパーロボット大戦UX】
【状態】普通、身長2.3mになるまでスモールライトで縮んだ
【装備】デウスの斬馬刀@スーパーロボット大戦UX
【道具】支給品一式、スモールライト
【思考】
基本:人類絶滅及び人類の想像力喪失の阻止
1:命令に従う
2:殺し合いによって人類の想像力喪失を阻止する
3:本拠地周辺の要塞化を手伝う
※現時点では指名手配犯の捜索に加わらないようです。

【美国織莉子@魔法少女おりこ☆マギカ】
【状態】普通
【装備】ソウルジェム(穢れ無し)、呉キリカ@魔法少女おりこ☆マギカ
【道具】支給品一式、大量のグリーフシード@魔法少女まどか☆マギカシリーズ
【思考】
基本:世界滅亡の阻止
1:命令に従う
2:世界を救う為なら犠牲もやむ負えない
※現時点では指名手配犯の捜索に加わらないようです。

8動き出す主催:2013/09/18(水) 01:25:44 ID:P/ZyZY6k0
 円楽とリンは一人の男に別れを告げていた。
男の名はガルマ・ザビ、カオスロワの開始を聞いて衝動的に家出したザビ家の生き残りである。
休憩していた二人に出会った彼は、軍人としての知識を利用してリンの骨折に応急手当をしたのだ。
しかし、ガルマの目的は家族の仇を討った上でカオスロワに生き残る事であって殺し合いを止める事では無いので2人に同行する事にはならなかった。

「チェーン一つで勝てるような相手では無いかもしれないが、私も頑張るのでどうかご武運を」
「ありがとう、ガルマさん」
「そちらも、気を付けて下さい」

 敬礼し、飛び立つペガサスを見送るガルマ。
しかし、彼は円楽とリンの目の前でミンチと化した。
彼を殺したのはエアーマンというロボットだった。
ダークミヤビを殺した彼は、さらに腰につけた機械で空を飛んでいた参加者を殺害した後タクシーを名乗るバイクによって東京に向かった。
そのタクシーによってとてつもない速さで東京に辿り着いたエアーマンは、運賃としてエアーシューターをそのバイクに打ち込んだ。
そして今、ガルマを殺害したのだ。

「何という事を……!」

 エアーマンの攻撃は止まらない。
エアーシューターという小型の竜巻によって二人の乗るペガサスを攻撃し始めた。
手綱さばきに集中して攻撃をかわす円楽だが、次々と襲い掛かるエアーシューターの前ではそれが精いっぱいだった。

(不味いですね……逃げる事も近づいて天馬の蹄で蹴り飛ばす事も出来ませんか……)

 そんな円楽の心の中を知ってか知らずか、リンは今まで確認してすらなかったデイパックの中身を調べた。
中に入ってたのはデザートイーグルという大型拳銃だった。
勿論、リンはその名前を知らないが、それの使い方くらいは知っていた。

「あ……」

 リンの放った弾丸は、エアーマンのエアーシューター発射装置を破壊した。
しかし、その代償は大きかった。
ろくに訓練したことも無いリンは、反動でバランスを崩し、落馬してしまった。
そして、ペガサスの手綱を握る円楽は、エアーシューター発射装置の破壊に気を取られていてリンの落馬に気づくのが遅れてしまった。
その結果、リンは地面に叩き付けられ、死亡した。

「くっ……貴方だけは、逃がすわけには行きません」

 エアーマンに向けてペガサスを走らせる円楽。
対するエアーマンもまた、鈍重そうな見た目に似合わぬ跳躍でペガサスに突撃する。
そして、ペガサスの蹄がエアーマンの動力炉に致命的な損傷を与えた。
しかし、エアーマンの槍もペガサスの心臓を貫いていた。

(どうやら私はここまでのようです。師匠、ピンクさん、残念ではありますが、今、行きます)

 致命傷を受けたペガサスと共に落下しながら円楽は心の中でそう呟き、その人生に幕を閉じた。

【一日目・11時00分/東京都永田町】

【水野灌太@砂ぼうず 死亡確認】
【プラシド@遊戯王5D's 死亡確認】
【ガルマ・ザビ@機動戦士ガンダム 死亡確認】
死因:エアーシューター

【鏡音リン@VOCALOID 死亡確認】
死因:転落死

【エアーマン@ロックマン2 死亡確認】
死因:動力炉破壊

【ペガサス@ギリシア神話 死亡確認】
死因:刺殺

【六代目三遊亭円楽@現実 死亡確認】
死因:墜落死

9混沌な名無しさん:2013/09/18(水) 15:41:39 ID:P/ZyZY6k0
おおっと、タイトルを変え忘れてた。
>>8のタイトルは「落語戦士、散る」でお願いします

10幸せは長く続かない:2013/09/19(木) 00:43:25 ID:eaVfhSUs0
 さとりとクマ吉は乗り捨てられていた車に乗って東京まで来ていた。
観光地と言うだけあって車が多かったので車の調達は割と楽だったのだ。
人の多い此処ならこいしが見つかるかもしれないと意気込みながら車を降りる二人。
そして、道を歩く二人が目にしたのは、二人の参加者の死体と、返り血を大量に浴びたマーダー、初音ミクだった。

「あああああああ、い、嫌あああああああ」

 さとりに流れ込んでくる初音ミクの心だった何か。
それは完全に壊れていて、言葉では言い表せないほどの狂気と悲しみに溢れていた。
流れ込んでくる負の感情に耐えきれず、さとりは恐慌状態となり、ふらつきながらその場から逃げ出した。
それを見たクマ吉もさとりの後を追った。
しかし、彼が逃げ切る事は無かった。

「アハハハ」

 初音ミクの投げた木製のブーメランがクマ吉の首輪に直撃し、首輪がブーメランもろとも爆発したのだ。
爆音に気づいたさとりが振り向くと、頭と身体が別れを告げたクマ吉の死体がそこにあった。

「そんな……どうし……て……」

 あらゆる気力を失い、放心するさとり。
希望を失った彼女の元へ近づく狂った笑い声。
そしてまた、一人の参加者が死んだ。

【一日目・11時15分/日本・渋谷】

【初音ミク@VOCALOID】
【状態】身体のあちこちを打撲、精神崩壊、顔を中心に大量の返り血、海水で濡れている、裸コート
【装備】空の注射器
【道具】無し
【思考】
基本:とにかく殺す
 1:アハハハハハハハ
※海水でびしょ濡れだったのがある程度乾きました。正午には完全に乾くでしょう。

【古明地さとり@東方project 死亡確認】
【フェイト・T・ハラオウン@魔法少女リリカルなのはStrikerS 死亡確認】
【南方妖怪チンポ@ゲゲゲの鬼太郎 死亡確認】
死因:刺殺

【クマ吉@ギャグマンガ日和 死亡確認】
死因:首輪爆発

11変わる未来・変わらない未来:2013/09/20(金) 02:26:02 ID:HPxdp0dg0
(後一部屋……そこを潰せばこのホテル内の命は全部手に入る……)

 ディエンドはなのはとユーノがいる部屋の前まで来ていた。
そこにいる参加者を殺してハス太の支給品だった一斗缶(ガソリン入り)でホテルに放火する事で士への手向けを完了させるためだ。
そして、扉を開けたディエンドは翡翠の鎖に縛られた。

「なのははやらせないよ」

 それを言ったのは、蜂蜜色の長い髪をリボンで括り眼鏡をかけた男――タイムふろしきで19歳となったユーノ・スクライアだった。
ショッキングな出来事が連続し過ぎて一周回って冷静になったユーノは、未来が簡単に変わってしまった事に疑問を抱き、とある仮説を立てた。
カオスロワという状況では未来は幾らでも変わる可能性があるというものだ。
それ故、自分を成長させた上で襲撃者との戦いに挑むことにした。
ユーノが、唯一使える射撃魔法であるシュートバレットを2発放つ。

「この程度で僕を止められるとでも!」

 ディエンドはバインドを引き千切り、魔力弾をディエンドライバーの射撃で打ち落とす。
そのまま接近戦で方をつけようと殴りかかるディエンド。
しかし、その拳がユーノに届くことは無かった。

「ウェイブゲイザー!」

 地面に仕掛けられていた魔法陣から鎖が幾つも伸び、ディエンドを攻撃する。
士の死亡によって冷静さを失っていたディエンドは、魔法陣に気付かず踏んでしまっていた。

「シールドバッシュ!」

 突然の攻撃にひるんだディエンドに防御魔法を纏った拳が叩き付けられた。
これらの攻撃も、仮面ライダーであるディエンドには大したダメージではない。
しかし、格下相手にしてやられた事による苛立ちでディエンドの動きのキレが無くなってきていた。

『アタックライド』

 ディエンドインビジブルで透明になるディエンド。
そのまま、ユーノの背後に回り込んで射撃を行うが、ユーノのスフィアプロテクションに防がれてしまった。
成長してより数の増えたマルチタスクを活用することによって、ユーノは相手の行動を予測しつつ、次々と術式を組み上げている。
それ故、ディエンドの攻撃はあっさりと防がれたのだ。

「うぜぇよ!これならどうだ!」
『アタックライド』

 今度はディエンドブラストでユーノを攻撃する。
強化された光弾をディエンドライバーで連射するディエンド。

「プロテクションスマッシュ!」

 対するユーノは防御魔法を纏ってディエンドに突撃した。
ユーノの強力な防御魔法は光弾を全て弾き、ディエンドをも跳ね飛ばした。
それでも有効打とはいえず、体勢を立て直すディエンド。
だが、それだけでユーノには十分だった。

「広がれ、戒めの鎖!捕らえて固めろ、封鎖の檻!アレスターチェーン!!」

 無数の翡翠の鎖がディエンドの全身を締め付け、そのまま縛り上げる。
あらゆる方向からかかる強烈な不可に耐えられずディエンドは変身が解け、そのまま引き千切られた。

「悪いけど、なのはと守る為だから」

 ディエンド――海東大樹の残骸を見下ろしてユーノはそう呟いた。
そんな光景をびくびくしながら見ていたハス太に彼が気付くのは数分後だった。



 一方、ユーノの指示で浴室に隠れていたなのはは千年タウクで見える未来が変わった事に気づいた。
それは、世界を襲った大災害が数日以内に日本を襲うというものだった。

(どうしようユーノ君、世界、滅んじゃうよ……)

 未来は変わった。
しかし、未だ最も大きな災厄の未来は変わる事が無い。

12変わる未来・変わらない未来:2013/09/20(金) 02:26:23 ID:HPxdp0dg0
【一日目・11時20分/日本・千葉県 ホテル】

【高町なのは@魔法少女リリカルなのは】
【状態】思考暴走、25歳の身体、ボンテージを着ている、激しいショック
【装備】レイジングハート@魔法少女リリカルなのは、千年タウク@遊戯王、タイムふろしき@ドラえもん、ボンテ―ジ
【道具】基本支給品一式
【思考】
1:どうしよう、世界滅んじゃうよう
※千年タウクの効果によって、高町ヴィヴィオの存在と日本に世界を襲った大災害が起こる未来を知っています。
※タイムふろしきを使ったので、25歳の肉体に成長しました。

【ユーノ・スクライア@魔法少女リリカルなのは】
【状態】魔力消耗(小)、19歳の身体
【装備】なし
【道具】基本支給品一式
【思考】
1:なのはを護る。
※タイムふろしきを使ったので、19歳の肉体に成長しました。
※PSP版の技が使えます。

【ハス太@這いよれ!ニャル子さん】
【状態】健康、びびる
【装備】
【道具】支給品一式、ガソリンの入った一斗缶
【思考】
1:ニャル子ちゃんたちは大丈夫かな
2:このお兄ちゃんは……こわい人なのかな?
※古の謎のパワーでホテルの出入り口を封鎖しています。外に出れません。

13どんなに強くても死ぬときは死ぬ、それがカオスロワだ:2013/09/21(土) 00:24:44 ID:XjE3OYgE0
 6時間以上前の話だが、ほむらと殺せんせーの戦いは一瞬で終わった。
ほむらが時間停止で仕掛けた爆弾が首輪の至近距離で爆発したため、首輪も爆発したからだ。
今回の首輪は、爆発したらどんな参加者も確実に死ぬように出来ていた。
これは、どんな強者にも確実に死ぬ可能性を与える事で、一方的な虐殺じゃなくて殺し合いだと理解させる主催の策だ。
圧倒的な力を持ち、主催をなめていた殺せんせーはその事実に気づくことは無く、ほむらに油断してあっさり殺されたのだ。

 そして現在、ほむらは武器の調達方法について悩んでいた。
というのも、怪しい二人組を爆殺し、そのデイパックを開けたら中にはジュースの空き缶と国語辞典が入っていたのだ。
そして、殺せんせーも武器は持っていなくて、ヤクザの事務所に忍び込んでも武器なんて無かった。
使える支給品を持っている参加者ばかりではないという事にほむらは気付いたのだった。
カオスロワ開始前から盾の中の異空間に入れていた武器は無事だったとはいえ、無限ではない。
かといって自作できる爆弾だけでは攻め手が単調になってしまう。
甘い事言ってた少女と一時的にでも手を組んでた方が良かったかもしれないと今更ながらに少し後悔したほむらであった。
最も、殺したと思ってるその少女は生きているのだが。

「あのー、ちょっと話があるんやけど……」

 そして、そんなほむらにとある生物が話しかけた。



【一日目・11時30分/日本・大阪】



【暁美ほむら@魔法少女まどか☆マギカ】
【状態】健康、魔法少女
【装備】ソウルジェム@魔法少女まどか☆マギカ(ほぼ穢れ無し)
【道具】支給品一式、爆弾(ロワ開始後に自身で作成したもの)
【思考】
基本:まどかを守る
1:待っててまどか……
2:無事よねまどか……?
3:作戦ミスったかしら
4:今度は一体何よ
※ほむらがカオスロワ前から持っていた武器は能力扱いになってます。内訳は他の書き手に任せます。

【ケルベロス(小)@カードキャプターさくら】
【状態】健康
【装備】無し
【道具】支給品一式
【思考】
基本:どうしようか正直迷っている
1:桜と合流したい
2:あの子は一体何者なんや……?
3:一か八か、ほむらと話してみる

【殺せんせー@暗殺教室 死亡確認】
死因:首輪が爆発

【スービエ@ロワラジオツアー3rd 死亡確認】不明支給品は国語辞典でした。
【三角頭@ロワラジオツアー3rd 死亡確認】不明支給品はジュースの空き缶でした。
死因:爆死

14黒の暗殺者:2013/09/22(日) 21:43:39 ID:.o54LBLk0
 恭子は千葉大学の女子トイレに居た。
ラインハルトを信頼しきれなかったので、トイレに行くふりをしてこっそり支給品を確認することにしたのだ。
しかし、結果は大きめの石がひとつ入っているだけだった。
これでは護身にも奇襲にも使えないという事で意気消沈してトイレから出た所で、彼女の額にナイフが刺さった。

 恭子を殺したのは特務機関隊員の黒だった。
ラインハルトという強すぎる同行者のお蔭で、指名手配犯争奪戦になるはずが対主催組織早期大合流になりかねないと判断した主催によって命令が捕縛から抹殺へと変わったのだ。
ちなみに、うぐいすと恭子に対してキレてる野田総理は、ダースベイダーの心理操作で二人の殺害を許可するように思考を変更されている。
あえて休む事で殺気を抑え込んでから行動していた黒は三人の尾行に成功し、一人になった恭子を殺害したのだ。

 そして、黒は恭子の死を知らないまま彼女を待つラインハルトとうぐいすの元へ向かい、うぐいす用に仕掛けたワイヤートラップを起動させた。
ワイヤーがうぐいすを締め付けてその動きを封じるが、仕掛けを動かす僅かな動作をしただけにもかかわらず、ラインハルトは隠れていた黒に気づき、聖約・運命の神槍を具現化させた。
そのまま、周囲の地形ごと黒を破壊しようとするラインハルトだが、黒のほうが僅かに速く動いていた。
黒はうぐいすを縛っているワイヤーに高圧電流を流してうぐいすを殺害し、そのままラインハルトの一撃で千葉大学ごと破壊された。

【一日目・11時30分/千葉県・千葉大学跡】

【ラインハルト・ハイドリヒ@Dies irae】
【状態】健康
【装備】聖約・運命の神槍(ロンギヌスランゼ・テスタメント)
【道具】支給品一式 
【思考】基本:さて、どのような強敵が現れるかな
1:野田総理の配下にしてやられたな
※この獣殿は存知がありません
※創造と流出は使えないもよう、ただしこれから使えるようになるかも

【末原恭子@咲 -Saki- 死亡確認】
【千石うぐいす@泣くようぐいす 死亡確認】
【黒@DARKER THAN BLACK -黒の契約者- 死亡確認】

15絶対悪も行動中:2013/09/23(月) 10:45:02 ID:8RbIMLHI0
「ふむ、黒が死んだか」

一人の男がそのようにつぶやく
男の名前はシックスという
どうして黒の死がわかったかというと特務機関員が所持する特別なスマートホンがあるからである
そして、下には首と顔が離れた哀れな死体がある
その死体の名前は初音ミクという

「無差別に襲ってきたからな自衛のためだ、とはいえテラカオス化になっている存在を殺すのはいかんな」

シックスは言う本来なら幹部しか知らないことをなぜ知っているのだろうか

「まあ、こちらの計画にもうまく使わせてもらおう」

そう言ってシックスは歩いていく
何かをたくらんでいるのだろうか
その企みがはたして明かされる日がくるかもしれない

【一日目・11時30分/日本・渋谷】


【シックス@魔人探偵脳噛ネウロ】
【状態】健康
【装備】剣 デザートイーグル
【道具】支給品一式 
【思考】基本:任務遂行
1:次の標的は
※主催者側です
※なにやらたくらんでいる様子ですが

【初音ミク@VOCALOID 死亡確認】

16絶対悪の計画が動き出す時:2013/09/23(月) 18:17:54 ID:XYBA.igM0
 シックス率いる新しい血族は大災害によってシックスと五本指を除いて全滅していた。
そこで、シックスはカオスロワ開始前に五本指を招集し、とある計画を準備した。
それは、テラカオスの力を私物化するというものだった。
そして、彼らはそれが人類救済の手段を失う事だと知らぬまま、行動を開始した。

 地の文あるなら存在意義が無い気がした的な事を天の声が言って以来、天の声が聞こえなくなったからくりドームで、それは始まった。
銃声が鳴り響くと同時に、はしごを作っていたワクワクさんが倒れたのだ。
彼を殺したのは、五本指の一人、ヴァイジャヤであり、ほかの五本指のメンバーと二人の男が一緒だった。
二人の男の内、釘バットを装備しているのがうちはイタチで木刀を装備しているのがサスケだ。
二人は五本指の一人、ジェニュインの能力で彼女のファンという名の下僕と化していた。

「な、何や……がっ」

 状況の急激な変化についていけず、思考停止したユー子の頭を五本指の一人、テラの両刃斧がカチ割る。
五本指の一人、葛西が折り畳み式ナイフで言葉の喉元を切り裂く。
ジェニュインの下僕と化したやる夫が巨人小笠原を射殺し、死んだことで、巨人小笠原が退場となり、からくりドームの聖域が消滅する。
そんな惨劇を目の当たりにして、怒りの咆哮をあげる者がいた。

「うおおおおおおおおおおお」

 仮面ライダーGとなったゴロリだった。
ゴロリは胸のプロテクターから、コルクスクリューのような柄と、ソムリエナイフのような剣先を持つ剣を取り出した。
ゴロリは飛び膝蹴りでやる夫の顎を粉砕してショック死させると、そのまま近くにいた葛西に剣を振り下ろした。
崩れ落ち、こと切れる葛西。
それを見たジェニュインが指示を出した。

「あの謎のパワードスーツを私の“ファン”で抑え込んで、第二段階に移行するわ」

 ゴロリを接近戦で抑え込もうとするイタチとサスケ。
その隙に、ドームに入っていくジェニュイン、ヴァイジャヤ、テラ、そして五本指最後の一人DR。
彼女等の作戦は犠牲を出しながらも、今の所は上手く行っていた。



「使える支給品は実況やっていた男の包丁くらい……使えないわ」
 と、三人もの死体が転がった実況席でジェニュインが呟く。
そう、転がっている死体は彼女の毒が塗られたダガーによるものだった。
彼女等の作戦の第二段階にして肝は、ドーム内で大規模な殺し合いを引き起こしてテラカオス予備軍やマーダーを増やすというものだった。
すると、こっちに向かってくる足跡が聞こえてきた。
作戦では、五本指全員が別の入り口から球場に出るようになっており、同じ場所に誰かが来ることは無い。
武器を構えるジェニュインの前に現れたのはゴロリだった。

「さあ、工作の時間だ。作るのは勿論……お前等の死体だ!」

 ゴロリはサスケを瞬殺し、イタチの首輪を切り裂く事で首輪を爆発させてここまで来たのだ。
そして、ゴロリの剣が一閃され、ジェニュインは横に真っ二つになった。

17絶対悪の計画が動き出す時:2013/09/23(月) 18:18:27 ID:XYBA.igM0
【一日目・11時45分/東京・からくりドーム】

【ゴロリ@つくってあそぼ】
【状態】仮面ライダーG
【装備】仮面ライダーGの剣@仮面ライダーG
【道具】支給品一式、工作道具もろもろ
【思考】
基本:見敵、必殺
1:さあ――工作の時間だ
2:ワクワクさんの仇は皆殺しだ

【ヴァイジャヤ@魔人探偵脳噛ネウロ】
【状態】健康
【装備】デザートイーグル
【道具】支給品一式 
【思考】基本:シックスに従う
1:イチローチームのベンチに行き、味方以外の参加者を殺しまくる。

【テラ@魔人探偵脳噛ネウロ】
【状態】健康
【装備】両刃斧
【道具】支給品一式 
【思考】基本:シックスに従う
1:大正義巨人軍のベンチに行き、味方以外の参加者を殺しまくる。

【DR@魔人探偵脳噛ネウロ】
【状態】健康
【装備】コルトパイソン
【道具】支給品一式 
【思考】基本:シックスに従う
1:観客席に行き、味方以外の参加者を殺しまくる。

【ナレーション(キートン山田)@ちびまる子ちゃん 死亡確認】
死因:存在意義を見失い、自殺

【ワクワクさん@つくってあそぼ 死亡確認】
【巨人小笠原@現実? 死亡確認】
死因:射殺

【ユー子@Aチャンネル 死亡確認】
死因:頭をかち割られる

【やる夫@2ch 死亡確認】
死因:顎を粉砕されたことによるショック死

【桂言葉@School Days 死亡確認】
【葛西善二郎@魔人探偵脳噛ネウロ 死亡確認】
【サスケ@ニニンがシノブ伝 死亡確認】
【ジェニュイン@魔人探偵脳噛ネウロ 死亡確認】
死因:斬殺

【うちはイタチ@NARUTO 死亡確認】
死因:首輪の爆発による穢土転生強制解除

【太田光@現実? 死亡確認】
【カメナシくん@現実? 死亡確認】
【姫川友紀@シンデレラガールズ 死亡確認】
死因:刺殺

18光熱斗の奇妙な冒険 Part3:2013/09/23(月) 23:06:39 ID:gd1xCS4M0

「つまり、ネットバトルってのは最終的に勝てばいいんだよ!」
『流石、熱斗君! 身も蓋もないセリフだね!』
「……はぁ」
『上条当麻よ、今の貴様は仮初にも我が主である……光熱斗の話は聞いておけ』

 ……熱斗少年の話長かった。
 しかし、妙にためになる話だった。ネットバトルガチ勢となるとそこまでになるのか……
 人生の修羅場を何度もくぐり抜けると、人はここまでになるのか……

 その時であった。

『熱斗君、メールだよ……パパからだ』
「パパから?」

 おい、今はロワ中だぞ! マナーモードにしておけ!
 ……とは、言えなかった。まあ、静聴しよう。

『読むよ……『九州ロボはカプコン製だ、あと一日か二日で落ちる パパより』……なんだろう、これ?」』
「さぁ?」
「あのう……九州ロボっていいますのは……?」
『先程から、我々たちの上空を飛んでいる、アレであろう……ふっ、主催共にそんな玩具は必要ない』

 ロボかかっけーな、おい……
 とはいえ、カプコン製ということは墜落フラグですね、わかります。
 というか、また九州が飛んだのか…… 

『で、どうする?』
「とりあえず、まずはチップを集めてからでも遅くはない。
 ……まだ焦るような時間帯じゃない」
『そうだね』
「一理ある」
『……シグナムよ、最近それしか言ってないぞ?』
「会話文が正直めんどい」

 そんな時であったか、あの男が、再びやってきた。

「フフフ、このディオとそのネットナビ、デューオが貴様らにネットバトルを申し込むッ!!」

              /( j { i { \ / // // //    _ -=ニミ、\
          冂冂 \{ i V :}{ :{ { :{///    -=ニ/\⌒ヽヽ \
.     /ヽ  _L」L」\  ___________ \ \   /ヽ
    / /  | |  __\\___________> \/ / /;
.   / /   .| | |_ /___)ゝ  、       ー=ミ   \丶,/ / /
  / /    | |  | |[/(⌒    :} }`^^⌒ ̄``ヽノ   )ハヽ  / /、  〈
. / /     .| |  |_|/__ノ ィミVノ   . : :  /,ハ   : :i iL/、\ \ }
/ /      | |  ( (て ,ハヘ \   : :   ( (〈 〈 (  V 乂  \\ハ
l_,/       .| |  _)ノ ⌒ゝ_} :{\ム{ j :/ ノノ厶斗≧彡 ー=ミ  ヽハ{
         |__j  ̄     { i| ゝ弋ソ} 厶斗ャ≦二 ̄ヽ「ヽ _⌒\ :} } }
  ( (             V|   // ヽ< 弋ソフ  / },_ }   )  } }
   \ 、______ _ _ _ ^|   / _  : .⌒ヽ¨´   {__/ノ / /:}  /
      ー―――‐‐‐ ‐  |  `¨¨´   : : .       ´ / / //
__                 /,  `⌒\   : :     /7'´/  _ __{ ____) )
__>、__       ___,///,  こヽ         / / ‐ ‐‐‐――一
.      / ̄ ̄ ̄   / / /, :       _ イ::  :{ //__/
   /   /⌒\__{  { :{/ゝ:. __ -=ニ=-‐¬冖  ̄}匚
   \   j{   `ヽヽ/⌒\\__,/    ,、<ニ= ̄ └――- 、
/ ̄ ̄^ヽノノ  ー=ミ} { /⌒ハ、     ,、<ニ= : : .           \
    /∠ ..,,____ノ人(   ,ハ\/ /ニ= : : .               \
   / _____/  Χ⌒ヽヽ  } :}/ニ= : : . /________
.  /⌒/{ {  Χ    } :} ,ノ ,ノニ= : : .  ´ ̄ ̄ ̄`ヽ   、____
  . : /  :{ {Χ    //   }ニ= : : .      . : : : : : ノ   =ミ: : : \
 . : :/\ {   ̄ ̄ ̄( ( ___ノ= : : .       . : : : : :/      =: (___
. : :./\_   ̄ ̄ ̄ ̄ ヽ/ /ニ= : : .     . : : : : :/       =ニ: : .

 そこにはPSPを持ったディおじさんが奇妙なポージングで仁王立ちしていた。

19光熱斗の奇妙な冒険 Part3:2013/09/23(月) 23:07:15 ID:gd1xCS4M0

【一日目・11時30分/日本・秋葉原】
【光熱斗@ロックマンエグゼ】
【状態】健康、激しい怒り
【装備】自分のPET(ロックマン入り)
【道具】支給品一式×2、大山デカオ@ロックマンエグゼ、大山デカオ@ロックマンエグゼ2、仙豆
    デカオ(ロックマンエグゼ3)が作ったおべんとう、チップトレーダー@ロックマンエグゼ、
    大量のガッツマンのチップとバグのかけら、ガンデルソル3(実物)ネオバリアブル(実物)、
    大量の金、他不明
【思考】基本:野田総理にネットバトルを挑んで勝つ!
0:ディおじさん!
1:プリズムとフォレストボムのチップを探す
2:その為に色んな人にネットバトルを挑む
3:上条(ジョジョ)さんとディおじさんの決着をつけさせる
4:千石うぐいすと末原恭子を野田総理に引き渡す、その際にネットバトル挑む。

【ロックマン@ロックマンエグゼ】
【状態】HP満タン
【装備】ロックバスター
【道具】なし
【思考】基本;熱斗をサポートする
0:ディおじさんがボロボロだ!
1:野田総理がネットバトルを受けてくれるか、心配。
※PETの中にいます

【シグナム@リリカルなのはシリーズ】
【状態】健康、自称フリーター
【装備】レヴァンティン
【道具】支給品一式、PET(カーネル入り)
【思考】基本:働かなくて済むように動く
0:ディおじさんだー(棒)
1:二人についてくる
2:野田は倒す
3:上条(ジョジョ)か……一理ある
※今までとは別人ですが記憶を受け継いでいます

【カーネル@ロックマンエグゼ】
【状態】HP満タン
【装備】カーネルのブレード
【道具】なし
【思考】基本;ロワの破壊
1:今は(仕方ないので)シグナムに従う
※PETの中にいます


【上条当麻@とある魔術の禁書目録】
【状態】健康、不幸
【装備】PET(シャドーマン入り)
【道具】エスパー伊東@現実
【思考】
基本:
                    いいぜ ヘ(^o^)ヘ
                            |∧
                            /
                野田総理が
             何でも思い通りに
             出来るってなら
                 /
             (^o^)/
           /( )
          / / >

      (^o^) 三
      (\\ 三
      < \ 三
..\
(/o^)
( / まずは
/く そのふざけた
   幻想(ロワ)をぶち殺す
0:この人がディおじさん……?
1:ディおじさんというやつと戦わないといけないのか……

【シャドーマン@ロックマンエグゼ】
【状態】HP満タン
【装備】ムラマサ
【道具】なし
【思考】基本:上条に従う
1:敵は殺す、慈悲はない
※PETの中にいます

20光熱斗の奇妙な冒険 Part3:2013/09/23(月) 23:07:49 ID:gd1xCS4M0


【ディオ・ブランドー@ジョジョの奇妙な冒険】
【状態】疲労、全身にダメージ
【装備】PSP(デューオ入り)
【道具】支給品一式×3
【思考】基本:ネットバトルを極める
1:ジョースター家を手に入れる
2:ジョジョより優越感を得る
3:熱斗達にネットバトルを挑む
4:ディカオ・ビッグマウンテンには気を付ける

【デューオ@ロックマンエグゼ4】
【状態】HP残り5%くらい
【装備】ジャスティスワン、ザ・ワールド
【道具】なし
【思考】基本;とりあえず、ディオを見守る
1:……回復させてくれ、なんでもしますから、本当に……
※PSPの中にいます

 その頃、心停止していた祐一郎さんはというと……

「我がドイツの医学薬学は世界一ィィィ!! 不可能はないィィィ!!」
「ならば、僕の科学力は世界一ィィィ!! 無論、不可能なことなどないィィィ!!」

 誇り高きドイツ軍人の力でサイボーグ化に成功していた。

「しかし、我が波紋の前には戯言と同義だ!」
「貴様らが世界一なら俺はさしずめ 『ズーパーアドラー』というところだ!」
「ドラえもん、君がいなくて、ツッコミが間に合わないよ」

 と、今日も四国は平和であった。
 何にもないけどな!

【一日目・11時30分/日本・高知】
【光祐一郎@ロックマンエグゼ】
【状態】サイボーグ化、首輪解除
【装備】なし
【道具】支給品一式、ノートPC、自作爆弾、大山チサオ@ロックマンエグゼ
【思考】基本:息子たちをサポートする。
1:ひとまず、四国空母化計画に取り掛かる

【ルドル・フォン・シュトロハイム@ジョジョの奇妙な冒険】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式、不明
【思考】
1:祐一郎達と行動する

【野比のび太@ドラえもん】
【状態】動揺
【装備】なし
【道具】支給品一式、ボーリングの玉@現実、龍星座の紫龍@聖闘士星矢
【思考】
基本:生き残る
0:死人が出るぞぉ!!
1:ドラえもんを探す

【ダイアー@ジョジョの奇妙な冒険】
【状態】割と健康
【装備】イカ墨とパスタ@現実
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】基本:主催を倒す
0:目の前の少年からディオと主催者の居場所を聞けなかったので、目の前の二人組から聞く
1:ディオとかいう奴も倒す
2:アドラーと行動する。

【アドラー@エヌアイン完全世界】
【状態】それなりに健康
【装備】電光機関@エヌアイン完全世界、四次元ポケット@ドラえもん
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】基本:ダイアーと行動する
0:俺は……ズーパーアドラー……えもん

21神父は強い:2013/09/24(火) 00:35:18 ID:DVKqtj1s0
ばんぱいあとなった四条貴音とヤギは空腹を満たすためにさまよっていた
そして、男を見つけた

「いただきます」

この言葉を言うと四条貴音は一気にその男に近づく、ばんぱいあとなった四条貴音にはこの距離を縮めるのには造作もなかった
しかし、その獲物が大量の銃剣を投擲してきた
さすがの数に四条貴音も食いきれず何本かささる、さらにヤギが銃剣を大量にくらい死亡した
その銃剣投擲のにも負けずに何とか接近する、が
その男が一気に四条貴音の下にもぐりこみ銃剣を一気に振り、四条貴音を胴体ごと切断した
しかし、ばんぱいあとなっている四条貴音なら復活できるはずである、相手が普通なら
だが、復活もできずに四条貴音の体は灰になっていく
四条貴音はなぜと思いながら灰になり死亡した

四条貴音はばんぱいあとなっていたならそれが敗因だろう、たぶん
男――アレクサンドル・アンデルセンにはこのような相手なら、なれっこだからだ

【アレクサンドル・アンデルセン@HELLSING】
【状態】健康
【装備】銃剣@HELLSING
【道具】支給品一式
【思考】基本:このような殺し合いを始めた主催人を殺す
1:ばんぱいあを殺したぞ

【四条貴音@アイドルマスター 死亡確認】

22混沌な名無しさん:2013/09/24(火) 00:39:39 ID:DVKqtj1s0
>>21
【一日目・11時30分/日本・渋谷】いれ忘れていました

23年貢の納め時:2013/09/24(火) 00:47:34 ID:X.rbOEV60
 かつて、カオスロワ8期の主催の一人に???というものがいた。
そいつは、7期参加者を8期に巻き込んで外道な振る舞いを行いつつも、身勝手な理由で引退したクズだった。
そんな???だが、8期で散って行った7期参加者の怨念により、祖母を呪殺された上でカオスロワ10期に参加者として飛ばされてしまった。
しかも、支給品は掛け時計で転送先は東京都庁というベリーハードモードだった。

 そんな彼が最初に出会ったのは黄色い鱗と三つの目の龍だった。
その名も、雷鳴と共に現る者。
東京都庁のモンスターのボスであり、ウォークライを新たな仲間として迎え入れた後、偶然にも???と出会った。
???が行動を起こすよりも早く、雷鳴と共に現る者は咆哮した。
それは、呪いと恐怖を撒き散らす雷竜の咆哮、呪われし遠吠え。
???は汗と涙と鼻水と小便を垂れ流しながら恐怖に震えた。
そして、次に放たれたのは、雷鳴と共に現る者の必殺技、サンダーブレスだ。
その雷の奔流は、???を飲み込み、灰すら残らないほどに焼き尽くした。

【一日目・12時/日本・東京都庁】

【雷鳴と共に現る者@新・世界樹の迷宮 ミレニアムの少女】
【状態】とても健康
【装備】じしゃく@ポケットモンスターシリーズ
【道具】支給品一式
【思考】
基本:都庁を住処にしたモンスター達で協力して生き残る。
1:都庁をよりすみよい環境(迷宮)にリフォームする。
※ウォークライを仲間に引き入れました。

【???@TCBR8 死亡確認】
死因:サンダーブレスにより蒸発

24気絶したまま海を漂流したらごらんの有り様だよ。:2013/09/24(火) 08:17:24 ID:jUnFqeV.O
【ルーファウス@FF7 死亡確認】
死因:溺死

25混沌な名無しさん:2013/09/24(火) 08:21:58 ID:jUnFqeV.O
>>24
【一日目・12時/瀬戸内海】が抜けてた。

26乱入者あり:2013/09/24(火) 20:43:07 ID:0G.u50Hg0
仮面ライダーディエンドとの戦いを制したユーノ。
大切な人を守るためとはいえ、他人の命を奪ってしまった彼の心中は穏やかではなかった。
しばらくその場に立ち尽くしていたユーノだったが、やがて自分に向けられた視線に気づく。

「君は……」
「はうっ!」

ユーノに声をかけられて体を震わせたのは、彼と同じく鮮やかな金色の髪を持った少年だ。
その表情からは強いおびえが見て取れる。明らかにユーノに危害を加えようとしている風には見えない。
だが、ユーノは警戒を緩めていなかった。彼の高い魔力が、少年から発せられる得体の知れない力を感じ取っていたのだ。

「君は、この男の仲間かい?」
「ち、違いますっ! ぼく、無理やり……」

ユーノに問い詰められ、少年……すなわちハス太は、弁解の言葉を口にしようとする。
だが、その言葉は途中で止まってしまう。

「え? こ、これって……」
「……どうしたんだ?」
「結界が……破られた?」


◆ ◆ ◆


その頃ホテルの入り口には、リーゼントとサングラスという強面の二人組が立っていた。
リーゼントの方は霊能力者・桑原和真。
サングラスの方はハンター・レオリオである。

「ずいぶんと厳重に封印されてたが……。俺の次元刀にかかればこの通りよ!」
「すげえもんだなあ、あんたの念能力は」
「だから、念能力じゃねえって言ってるだろ! 俺のは霊能力だ!」
「ええー? 呼び方が違うだけじゃねえの?」

他愛のない言い合いを続けていた二人だったが、やがてそれどころでないことに気づく。

「とにかく、こんな封印をされてたってことは、このホテルには何かあるってことだ。
 気をつけて調べていくぞ!」
「ああ、なんかやべえ妖気も感じるしな。ふんどし締め直していくぜ!」

こうして、二人はホテルの奥へと足を踏み入れていった。

27乱入者あり:2013/09/24(火) 20:43:58 ID:0G.u50Hg0
【一日目・11時30分/日本・千葉県 ホテル】

【ユーノ・スクライア@魔法少女リリカルなのは】
【状態】魔力消耗(小)、19歳の身体
【装備】なし
【道具】基本支給品一式
【思考】
1:なのはを護る。
2:少年(ハス太)から話を聞く。
※タイムふろしきを使ったので、19歳の肉体に成長しました。
※PSP版の技が使えます。


【ハス太@這いよれ!ニャル子さん】
【状態】健康、びびる
【装備】なし
【道具】支給品一式、ガソリンの入った一斗缶
【思考】
1:ニャル子ちゃんたちは大丈夫かな
2:いったい何が……


【桑原和真@幽遊白書】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】
1:ホテルを調べる


【レオリオ・パラディナイト@HUNTER×HUNTER】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】
1:ホテルを調べる

28自然は大切にね!:2013/09/25(水) 00:17:00 ID:O5JpQPrw0
東京都庁は数多の怪物、FOE軍団や竜に支配された。
さて、そこのボスである金色の竜であるが、それさえも従える存在を知っているだろうか?

「わしじゃよ」

「だまれドM野郎」

「アッーーーー!」

【エルダードラゴン@世界樹の迷宮3】 死亡確認。死因・全身を縛られて絶頂死

邪魔が入ったが、とにかく上位の存在はいるのだ。
あいつに限らず、残りの炎竜や氷竜もとある者により生み出された存在なのだ。
世界樹の核であり、世界を滅ぼす災厄ともされる怪物、【フォレスト・セル】が生み出したのだ。
いわば自己防衛のための免疫細胞と言ったところか。
一度強力な竜を生み出したら、今度はそこからクローンまで量産できるらしい。
そんな防衛網を用意するということは、セル本体は弱いのではなかろうか?
結論から言ってしまえば、まともにやり合って敵う相手ではない。強いのだ。
しかし。しかし、だ。
実はこのフォレスト・セル、実は過去のカオスロワにおいて即退場していたりする。
今期の雷竜その他FOEは3DS版出身のため、連中は勿論、裏ボスであるセルも強化されているだろうが……
大事なのは、過去にあっさり負けているという事実だ。
セルだけではない。2の裏ボスである【始原の幼子】も、実はカオスロワで即退場の経験を持っている。
夜の時間帯、発狂モードの幼子さえも、だ。
続いて先程締め上げたドMの世界の裏ボス、こいつは許せない。
【昏き海淵の禍神】……そう、かつてのカオスロワで主催者を務めたりマリネになった野郎だ。
このタコ神、世界樹裏ボス軍の中では、ぶっちぎりで弱いのだ。
強いことは強いが、紙装甲に加えて全体即死級の大技を持っていないのだ。
そんな野郎が、主催者をできるってんだから驚きである。
長々と喋ってきたが、何が言いたいかと言うと、どいつもこいつも裏ボスのくせにだらしがない、と。
そして……

「なんで、俺が登場するよりも先にリメイク版の軍勢が登場してるんだよ!?」

自己紹介が遅れたが、俺の名は【歪みし豊穣の神樹】という。世界樹4の裏ボスだ。
名前から大体察しはつくと思うが、要するに歪んじゃった世界樹ね。
自慢じゃないが、世界樹裏ボスの中では最強を自負している。
密室で嫌な薬品使われたらお手上げだが、この広々とした日本が舞台ならそんな心配もいらない。
弱体化無しの俺は、膨大なHP、全体一撃必殺技、4つの蕾と鉤爪を用いた凶悪な連続攻撃などを備えている。
再生能力は持っていないが、必要ない。攻撃は最大の防御だ。
どこぞのタコのように、いちいちびくついて身を守りながらちまちま再生を繰り返すようなチキン戦法など真っ平だ。
力こそ全て!無駄な状態変化技も必要ないのだ!
 
先に言ったが、都庁は雷竜どもに支配された。そしてセルは雷竜より強い。そして俺はセルや禍神よりも強い。
つまり、俺ならば都庁どころか東京全体、否!この日本を楽に掌握できるというわけだ!
ちょっとばかり蟲から脱皮するのに手こずったが、目覚めた俺にもはや敵はない!

「どいつもこいつも……真っ赤な血の華を咲かせてやるぜぇ!」

【一日目・10時30分/日本・東京都】
【歪みし豊穣の神樹@世界樹の迷宮4】
【状態】やどりぎ

「ん!?」

29自然は大切にね!:2013/09/25(水) 00:19:36 ID:O5JpQPrw0
「まあ、なんて大きくて立派な華ポケモンなんでしょう。是非ゲットしたいですわ」
「貴様の仕業か!ならば、死ぬがいい!ライオットランス!」
「モジャンボ、まもる!」
「モジャー」
「!?」
「モジャンボ、みがわり!」
「小癪な(ry「やどりぎとたべのこしで体力を回復なさい」「おいこら、ちょ(ry

…30分後…

「も、もうやめ(ry
「キノガッサ、再びキノコのほうし!」
「Zzz……」

…30分後…

「お、俺よりお前らの方が害悪(ry
「またまたキノコのほうし!」
「スカーフずる……Zzz……」
「そろそろ、頃合いでしょうか?」

アッー

【歪みし豊穣の神樹@世界樹の迷宮4】捕獲確認


【一日目・11時30分/日本・東京都】
【エリカ@ポケットモンスター】
【状態】健康
【装備】モジャンボ、キノガッサ、歪みし豊穣の神樹、他不明
【道具】基本支給品一式、モンスターボール×3
【思考】
1:ポケモンと一緒に生き延びる
2:珍しい植物タイプはゲットしておく
※神樹はポケモン扱いになりました

裏ボスの野望が、ジムリーダーによってあっさり打ち砕かれていたその後ろには……

「あの戦術、人間じゃねえ!」

ちゃっかり生き返ったもう一人のジムリーダーもいましたとさ。

【タケシ@ポケットモンスター】
【状態】健康
【装備】不明
【道具】基本支給品一式、モンスターボール×10
【思考】
1:症候群やテラカオス化を避けつつ、生き延びる
2:できれば症候群仲間と連携をとりたい
3:自分も強いポケモンが欲しいな……

30異世界からのマーダー現る:2013/09/25(水) 00:32:35 ID:quMnek8s0
 ばんぱいあを殺したアンデルセンは、意気揚々としながらも主催の本拠地を探していた。
すると、暗い青色のローブを着た老人と目があった。
それだけなら大した事もなく終わる話だが、そうではなかった。
その瞳から生者を恐怖させる魔力が流れてたのだから。
勿論、アンデルセンの信仰心の前では無力なものだが、その老人が人でない事を証明するには十分だった。

「ほう、わしの瞳に耐えるか」

 そう言う老人の顔が骸骨に似たものになり、肌が青白くなり、その身体が宙に浮いた。
彼の名はカナン。とある異世界にかつて存在した国の王にして、不死者の王と呼ばれるその世界における最強のアンデット「リッチ」だ。
構えるアンデルセンに対し、カナンは呪文を唱えて掌を一閃させた。
すると真空の刃が発生し、アンデルセンの胴体を切り裂く。
並の人間なら致命傷な一撃だが、再生者であるアンデルセンは直ぐに身体を再生させた。
銃で眉間を撃たれても再生する彼だから出来る事である。

「風の刃に耐えるか……暇潰しにしかならんと思ったが、良い余興になりそうじゃ」
「悪魔共(バケモノドモ)に遠慮はせん!Amen!!」

 大量の銃剣を投擲するアンデルセン。
しかし、対するカナンが先程とは違う呪文を唱えて掌を一閃させると無数の真空の刃が現れた。
風刃乱舞というカナン王が誇る秘術だ。
無数の真空の刃は投擲された銃剣を全て破壊し、アンデルセンに傷をつけていく。
しかし、アンデルセンはそれに構わずカナンに向かって行く。

「エ゛ェェイ゛ィメン゛ッッ!」

 絶叫と共に放たれた銃剣による渾身の一撃。
それはカナンの魔力障壁に阻まれながらも彼に傷をつける。
しかし、アンデルセンの反撃も其処までだった。
カナンの右手がアンデルセンの頬に触れた途端、アンデルセンが死んだ。
死の接触という、触った生物を死に至らしめる一部のアンデットにのみ備わる特殊能力だ。

「テラカオスバトルロワイアル……猿共が考えたにしては良い余興じゃな」

 再生能力で傷を癒し、支給品の魔法薬を飲み干すと、カナン王は次の相手を求めて移動を開始した。

【一日目・11時50分/日本・渋谷】

【カナン王@カードワースサンプルシナリオ「賢者の選択」】
【状態】無傷
【装備】無し
【道具】支給品一式、大量の魔法薬@カードワース
【思考】基本:殺し合いに乗る
1:殺し合いを楽しむ

【アレクサンドル・アンデルセン@HELLSING 死亡確認】
死因:死の接触

31覚醒のジャイ子:2013/09/26(木) 00:25:32 ID:aYvwtbl.0


「お兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃん……」

 ぐるぐると鍋の中の兄達だったものをおたまで回す。
 ぐつぐつと煮立つ鍋を焦げないようにするためだ。
 かれこれ数時間ほどこのような行為を続けている。
 そして、シチューが完成した。
 所謂、ジャイアンシチューである。

「お兄ちゃん達……いただきます!」

 鍋の両端を掴み、一気食いした。
 ……というより、一気に飲み干した。

「お兄ちゃん達を感じる……」
「ヤンデレか!」

 ぐちゃッ! という鈍い音が鳴った。
 腕がありえない方向に曲がっていた――――トシの腕が、だ。

「なに、これ……?」

 次の瞬間、ジャイ子は目を疑った。
 死んだはずの兄たちがそこにいて、自分を守ってくれていた。
 ついでにブタゴリラとジャイアント馬場とスネ夫もいた。

『いともたやすく行われるえげつない行為(ジャイアンズアタック)』
 
 そして、四人のジャイアンとブタゴリラとジャイアント馬場とスネ夫の同時攻撃が決まったのである。

【三浦敏和@タカアンドトシ 死亡】

 ジャイ子は数秒ほどぽかーんとなった。
 そして、自分の見に起こった変化にやっと理解した。

「まさか、これが……私のスタンド……?」
『そうだよ、ジャイ子』
『お前は俺らの分も頑張れ』

 これがジャイアンシチューの効果である。

『ジャイ子、この殺し合いを止め……いや、そんな大義を背負う必要はないさ』
『せめて、精一杯生きろ』
「お兄ちゃん達………」

 兄たちの言葉をジャイ子は涙を流しながら噛み締める。

『悪いな、ジャイ子ちゃん、僕じゃ力になれそうにないや』
『なんで俺まで……俺はただジャイアンポジションに……』
『アッポー!』
「あんたらはいらないや、帰れ」

 こうして、ジャイ子はスタンド使いになったのであった。

【一日目・12時00分/日本・熊岡県】
【剛田ジャイ子@ドラえもん】
【状態】覚醒
【装備】スタンド『ジャイアン×4&ブタゴリラ&ジャイアント馬場withスネ夫』
【道具】支給品一式
【思考】
基本:家族を殺した奴を殺す
 1:お兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱい
   お兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱい
   お兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱい
   お兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱい
   お兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱい
   お兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱい
   お兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達……でも、ブタゴリラさんと馬場さんとスネ夫さんはいらないや

32初人狼です:2013/09/27(金) 17:14:14 ID:BWrhTfuo0
その頃、日本各地で参加者の謎の変死が4件ほど起こっていた。

【小牟@ナムコクロスカプコン 死亡確認】
【蔵馬@幽☆遊☆白書 死亡確認】
【キュウコン@ポケットモンスター 死亡確認】
【八雲藍@東方project 死亡確認】


【一日目・12時00分/日本・???】

【占い師@汝は人狼なりや?】
【状態】健康
【装備】不明
【道具】支給品一式
【思考】
基本:人狼を見つけ出して吊る
1:妖狐の呪殺
2:占いCO、八雲藍○

33大災害を阻止せよ:2013/09/28(土) 00:52:02 ID:J6Hb3eso0
「其処に転がっている肉片……お前らの仕業か」
「そっちのガキの妖気……何者だ!」
「わわわわわわ」

 ハス太から事情を聴こうとしたユーノだったが、二人の乱入者によって見事に邪魔された。
強面の二人に威圧されハス太は完全にパニックになってしまい、ユーノもまたサングラスの方にショットガンを向けられてて動くに動けない。
しかし、乱入者は彼等だけではなかった。

「ちょっと待った!子供を二人がかりで威圧するとは何事だ!」

 それは、上半身裸の筋肉質な白長こと、やらない夫だった。
ハス太の助けてほしいという思いを感知した彼が遂にやってきたのだ。

「てめえは……!?」
「今度は一体何?」

 乱入者の人からかけ離れた姿に思わず固まる一同。
そして、やらない夫が次の行動に入る前に今度は浴室の扉が勢いよく開かれた。

「ユーノ君!大変なの!!」

 ボンテージを着た高町なのはの乱入でさらに混乱する一同。
しかし、驚くべき所はこれからだ。

「大災害が……日本に大災害がくるの!」

 驚く声が5つ重なった。



「そういう事だったのか……」
「悪いな、怒鳴ったりして」
「い、良いよ……気にしてないから……」

 世界の危機を知って驚いたユーノ達は色々と話し合う事になった。
世界の危機って時に殺し合いなんてしてる場合じゃないといった感じに全員が思ったからだ。
それぞれの誤解も解け、打ち解けあう6人。
ちなみに、なのはは普通の服に着替え、ついでにタイムふろしきで19歳まで戻った。

「未来、変えないといけないよね……」
「なのは、僕がついてる。それに」
『I am with you, too.』

 なのはを励ますユーノと彼女のデバイスであるレイジングハート。

「ぼ、僕も……役に立てるか解らないけど……」
「俺も協力するぜ」
「これを見過ごすわけにはいかねえよなあ」
「ここで君達を見捨てたら、一生後悔することになるしな」

 ハス太が、桑原和真が、レオリオ・パラディナイトが、やらない夫が協力を申し出た。
そして彼等は進む、破滅の未来を変えられると信じて。

34大災害を阻止せよ:2013/09/28(土) 00:52:21 ID:J6Hb3eso0
【一日目・12時15分/日本・千葉県 ホテル】

【高町なのは@魔法少女リリカルなのは】
【状態】健康、19歳の身体
【装備】レイジングハート@魔法少女リリカルなのは、千年タウク@遊戯王
【道具】基本支給品一式、タイムふろしき@ドラえもん、ボンテージ
【思考】
基本:大災害による世界滅亡を防ぐ
1:まずは情報を集めないと
2:ヴィヴィオに再会してきちんと話し合いたい
※千年タウクの効果によって、高町ヴィヴィオの存在と日本に世界を襲った大災害が起こる未来を知っています。
※タイムふろしきを使ったので、19歳の肉体に成長しました。

【ユーノ・スクライア@魔法少女リリカルなのは】
【状態】魔力消耗(小)、19歳の身体
【装備】なし
【道具】基本支給品一式
【思考】
基本:大災害による世界滅亡を防ぐ
1:なのはを護る
2:大災害の情報を集める
※タイムふろしきを使ったので、19歳の肉体に成長しました。
※PSP版の技が使えます。
※魔力消耗は第二回放送が流れるころには全快するでしょう。

【ハス太@這いよれ!ニャル子さん】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式、ガソリンの入った一斗缶
【思考】
基本:大災害による世界滅亡を防ぐ
1:ニャル子ちゃんたちは大丈夫かな
2:僕も頑張らないと

【桑原和真@幽遊白書】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式
【思考】
基本:大災害による世界滅亡を防ぐ
1:怒鳴りつけた借りを返す為にも、ハス太を護る
※不明支給品はM16でしたが、使わないのでやらない夫に譲りました。

【レオリオ・パラディナイト@HUNTER×HUNTER】
【状態】健康
【装備】スパス12
【道具】支給品一式
【思考】
基本:大災害による世界滅亡を防ぐ
1:大災害の情報が足りないな
※不明支給品はスパス12でした。

【やらない夫@2ch】
【状態】健康
【装備】M16
【道具】なし
【思考】
基本:大災害による世界滅亡を防ぐ
1:なのは達に全面協力する
※このやらない夫は精神が超タフです。
※和真からM16を譲り受けました。

35恋は!スリル!ショック!サァーースペェーーンス!!:2013/09/28(土) 02:39:29 ID:ZMYWVuiU0

「何じゃ、新一、せっかく光彦君をテラカオスにする装置を作ったというのにいらんのか」
「バーロー、そんなもの作ってる暇があったら、俺の身体を元に戻す薬でも作ってろ」

一方その頃、もうひとりの天才科学者は微妙に使えるかどうかわからない装置を作っていた。
 
「この装置は一秒間にスイッチを100連打することで光彦君がテラカオスになるんじゃよ」
「バーロー、そんなことは無理だろ」
「……にしても、新一、さっきから何をしとるんじゃ?」
「パラパラの練習に決まってんだろ!」

それでもコナンは真顔で一心不乱にパラパラを踊り続ける。
 

 恋は!スリル!ショック!サァーースペェーーンス!!
 見えーない力、頼ーーりにーー!!心の扉!閉ざさーーずに!
 強くぅ〜〜〜……強くぅ〜〜〜!!!!


非常にキレがある動き。
その動きのキレの良さだけでカナン王は死んだ。
そら、キレのあるパラパラを見せらて、死なない奴はいない。
例えそれが主催者であろう、なんだろうと。

【カナン王@カードワースサンプルシナリオ「賢者の選択」 死亡確認】

【一日目・12時/日本・渋谷】
【江戸川コナン@名探偵コナン】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式、キック力増強シューズ、ホテルの浴衣、その他不明
【思考】
基本:恋は! スリル! ショック! サァーースペェーーンス!!
 1:阿笠博士に自分の身体を元に戻す薬を作らせる

【阿笠博士@名探偵コナン】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式、光彦君をテラカオスにする装置
【思考】
基本:全ての黒幕はわしじゃよ、新一
 1:もちろん、哀君たち内緒じゃよ

36殺し合いによってテラカオスを生むって大前提を壊すのはねぇ……:2013/09/29(日) 01:15:19 ID:ZSgjmPKU0
「新一、今度は一秒間に百回ボタンが押せる機械をt」

 そう言い終わる前に銃声が聞こえ、阿笠博士の額に風穴があいて、彼は死んだ。
そして、博士が作った二つの機械にも銃弾が撃ち込まれ、破壊された。
コナンが銃声の聞こえたほうを振り向くと一人の男が居た

「愚か者め。そんなやり方でテラカオスを作っても、あっさりズガンされる程度の奴しか出来ないのだよ」

 銃を撃った男はシックスだ。
特務機関隊員でありながら、テラカオスの力を望む男だ。

(何だこいつは……黒の組織の奴らよりも遥かにやばい目をしてやがる……)

 シックスの放つプレッシャーに押し潰されるコナン。
そんな動けないコナンを見逃すシックスではなかった。
シックスはその強化された肉体によって得られた力で剣を振るう。
切れ味はそんなに良くはない剣ではあったが、シックスの力ならば人の首を刎ねることなど容易い事だった。

(しかし、あの機械を破壊してその開発者を殺せとは、主催も気づいてるのか?激しい殺し合いを通して目覚めたテラカオス程強くなるという事に……)

 そう、シックスが博士を殺し、テラカオス化装置を破壊したのも主催の任務だった。
そして彼の予想通り、主催も強いテラカオスが生まれる条件には気付いていたりする。

(まあいい、テラカオスの力を手にするのは私だ)

 そう考えながらシックスは使えそうな支給品を拾いつつ歩みを進めていく。
その果てに何が待っているのか……それはまだ誰も知らない。

【一日目・12時15分/日本・渋谷】

【シックス@魔人探偵脳噛ネウロ】
【状態】健康
【装備】剣 デザートイーグル
【道具】支給品一式、手榴弾×5
【思考】基本:任務遂行しつつテラカオスの力を手にする。
1:五本指は上手くやっているだろうか。
2:次の標的は
※一応主催者側です
※手榴弾×5はコナンの不明支給品でした。

【阿笠博士@名探偵コナン 死亡確認】
死因:射殺

【江戸川コナン@名探偵コナン 死亡確認】
死因:斬殺

37混沌すぎるバトロワ:2013/09/29(日) 01:59:02 ID:/kwT52cs0

「どっせぇぇぇいッ!!!」
「!?」

特に理由のない拳がシックスを襲う。
その衝撃で顔どころか全身が砕け散った。

「あまり主催側のキャラが出張ってんじゃねぇぞ、こんドクズ野郎が!!」

その形相はもう激怒プンプン丸をはるかに超えていた。
どうしてこうなったかわかるだろ? 理解しろよ。

「お前のやってることはつまんねーだよ!」

そして、シックスのアイテム等を奪い、律はからくりドームに向かった。
もちろん、目立つためである。

【一日目・12時20分/日本・渋谷】

【田井中律@けいおん!】
【状態】健康、ちょっとカオス
【装備】剣 デザートイーグル、参加者詳細名名簿
【道具】支給品一式、手榴弾×5
【思考】基本:目立つ、そして、全員殺す


【シックス@魔人探偵脳噛ネウロ 死亡確認】
死因:拳

38走れ〜、走れ〜:2013/09/29(日) 18:28:53 ID:v7Nnn2VU0
「うおおおおおおお!!」

すごい叫び、すごい形相で全力疾走している夜神月
彼がなぜ全力疾走しているのかというと

「グオオオオ!!」

その咆哮の主ナルガクルガ
そのようなモンスターに追われていたのだった

(どうしてこうなった!!)

そう思いながら月は全力で逃げるのだった

【一日目12時20分/日本・千葉県】

【夜神月@DEATH NOTE】
【状態】少々走り疲れてきた
【装備】栄養ドリンク
【道具】支給品一式
【思考】基本:全力で逃げる
1:どうしてこうなった!

【ナルガクルガ@モンスターハンターシリーズ】
【状態】健康
【装備】
【道具】なし
【思考】基本:暴れる

39殺人的な加速だ:2013/09/30(月) 14:26:26 ID:KVpc55TwO
カオスロワちゃんねるによると、高木の奴もMSを手に入れたらしいな。
なら、この私もMSで勝負するだけだ。
首を洗って待ってろよ、高木。
トールギス、最大加速だ。

【一日目・12時30分/福井県小浜市】
【黒井崇男@アイドルマスターシリーズ 死亡確認】
死因:トールギスの加速によるGに身体が耐えきれなかった

【占い師@汝は人狼なりや? 死亡確認】
死因:墜落してきたトールギスにより圧死

40殺し合いによってテラカオスを生むって大前提を壊すのはねぇ……:2013/10/01(火) 22:42:34 ID:lGw/1uvs0
 からくりドームでは、複数名のマーダーとそれを追う者が侵入したり、実況と解説が全員死んだりしたけど死合が続行されている。
カオスロワの野球は選手がいる限り中止されないのだ。
むしろ、マーダーと殺し合いながらも続けるのがカオスロワの野球だ。
12時30を過ぎた頃に1回裏の攻撃が終了したのだが、今回は1回表第三打席以降の流れをダイジェストで説明しよう。

 まずは1回表第三打席。
投げられるボールと同時に攻撃を仕掛ける双方のヴァンガードユニット。
そして、“騎士”が“翼竜”を両断し、闇DAIGOのボールもまた、DAIGOによって打たれた。

「こ、このオレが、奴に……うわああああああああ!!」

 余りの悔しさにショック死する闇DAIGO。
もう一人の自分に野球とヴァンガードの両方で敗れたのだから仕方ない。
しかし、DAIGOの打球もナッパの大ジャンプによって取られてしまい、DAIGOはアウトとなった。

 一回裏、最初のバッターはナッパだ。
ちなみに、死んだ長友に代わって霊夢が入った。
200km/hオーバーなストレートを投げるイチローだが、サイヤ人であるナッパには打ちごろの球でしかなかった。

(ホームランでもいいが……こいつだ!)

 打球は、TDNの胸元に構えられたグローブに向かっていき……。

「ごふっ」

 着弾の衝撃でTDNの心臓を破裂させていた。
これでボールが落ちればナッパのランニングホームランだったが、そうはいかなかった。
ボールがグローブにめり込んでいたので落ちなかったのだ。

「おとなしくホームランにしておけば、畜生!!」

 ナッパの悔しげな叫びが響きわたった。

 続く第二・第三打席だが、あっさりと三振で終わった。
その理由は、TDNの代役としてセンターに入った勇次郎だった。
勇次郎の気迫でレンのPSIクオリアが封じられてしまい、イチローの剛速球に対応出来なかったのだ。
そして、死合はマーダー来襲の可能性を秘めたまま2回表へ進む。

41混沌な名無しさん:2013/10/01(火) 22:43:30 ID:lGw/1uvs0
タイトルミス。「死合と死闘」で

42死合と死闘:2013/10/01(火) 22:43:53 ID:lGw/1uvs0
その一方で、観客席では既にマーダーとの死闘が始まっていたのだった。

「代役に選ばれたくない、選ばれたら死ぐはっ」
「うはっwww支給品がトイレットペーパーとkうぐっ」

 誠と、慌てて自分の支給品を漁ったニコ厨が射殺されたのだ。
二人を殺したのは、五本指の一人、DRだった。

「みんな!これに隠れて!」

 誠の支給品のいいボートを出して、即席の遮蔽物とする千本桜ミク。
しかし、生き残った応援団全員が隠れた所で、千本桜ミクの頭に風穴があいた。

「お前ら全員、私が目立つために死ね!」

 テラカオス化の進行で得た身体能力によって早くもからくりドームに到着した田井中律であった。
大した新ネタも無くキレて暴れて殺しまくるだけのキャラが目立つわけないのだが、律は気付いていなかった。
そんな浅はかな律に黒いエネルギー弾が襲い掛かり、突然の事にかわし切れず律はデザートイーグルを破壊された。
そのエネルギー弾の名前はシャドーボール、そしてそれを撃ったのはダイゴの出したメタグロスだ。

 一方、海と真は横倒しにされたいいボート越しにDRと対峙していた。
千本桜ミクのデイパックから釘バットを取り出した真は、コルトパイソンを構えたまま動かないDRを見据えてこう言う。

「あいつは近づかれるのをおそれやがるんだ。だからこっちから近づいてやる!」
「やめろまこっちゃん!!」

 真は海の静止も聞かず、DRへ奇襲をかけた。
DRへ接近に成功し、釘バットを振り上げる真。

「かかったなダニが!!」
「真!!」

 槍の穂先のように変化したDRの爪が、釘バットを振り下ろそうとする真の心臓を貫いた。



 その頃、ダイゴと律の戦いは、ダイゴが優勢だった。

「ちっ、じゃあこれならどうだ!」
「メタグロス、サイコキネシスだ!」

 律が怒りに任せて手榴弾を5つ全て投げつける。
しかし、メタグロスのサイコキネシスで手榴弾は誰もいない場所まで飛ばされ、爆散した。
確かに、シックスを素手で粉砕したりする等、律の身体能力は驚異的だ。
しかし、一般人でしかなかった律は戦闘経験に乏しく、怒りに飲まれ過ぎていてそれを学ぶ事すら出来ていない。
対するダイゴは優秀なポケモントレーナーであり、戦術眼は備わっている。
その差が、戦いの流れを作り出していた。

「コメットパンチ!」

 メタグロスの必殺の一撃を剣で受け、そのまま剣を砕かれながら吹き飛ばされる律。
しかし、律は幸運にも打撲くらいで済み、ダイゴとメタグロスから距離を取る事も出来た。
そして律は、一人怯えているちなつを見つけた。

(作戦変更、まずはあの子供から殺し、そしてあのポケモントレーナーを殺して、他の観客もぶっ殺して、ドームの参加者を皆殺しにしてやる)

 そう考え、律は飛びあがってちなつの元に向かう。
空中からの一撃は、ちなつを確実に仕留めるはずだった。

「ごめんなさい!」

 そう言いながらちなつは支給された武器を構え、撃った。
その武器の名はRPG-7……いわゆるロケットランチャーだ。
空中にいた律にそれを避けられるはずもなく、律は爆死した。

律は死んだ。
しかし、観客席にはまだDRというマーダーがいるのだ。
観客席の死闘は続く。

43死合と死闘:2013/10/01(火) 22:44:07 ID:lGw/1uvs0
【一日目・12時40分/東京・からくりドーム】

≪大正義巨人軍≫

【◆6/WWxs901s氏@カオスロワ書き手】――目的:目立つ
【ラミレス@横浜DeNAベイスターズ】――目的:ハラサン…
【ハレクラニ@ボボボーボ・ボーボボ】――目的:契約金
【武田観柳@るろうに剣心 】――目的:契約金
【雀ヶ森レン@カードファイト!! ヴァンガード】――目的:勝利
【中邑真輔@現実?】【真壁刀義@現実?】――目的:闇DAIGOの仇討
【ナッパ様@ドラゴンボールZ 】――目的:とりあえず野球に勝つ
【松本人志@現実】――目的:浜田を生き残らせる。ハラサンに協力。DCS状態
※松本は闇DAIGOの後釜として5番セカンドになりました。

ポジション表
1番 サード    ナッパ様
2番 センター   武田観柳
3番 ファースト  雀ヶ森レン
4番 ピッチャー  ◆6/WWxs901s氏
5番 セカンド   松本人志
6番 キャッチャー ラミレス
7番 ショート   ハレクラニ
8番 ライト    中邑真輔
9番 レフト    真壁刀義

≪巨人軍ベンチ≫

【ハラサン@大正義巨人軍】――目的:大正義巨人軍を優勝させる。
【ポッチャマ@ポケットモンスター】――目的:野獣先輩捜索組。とらわれの身

≪イチローチーム≫

【イチロー@現実?】――目的:川崎宗則を倒すため仲間を集める
【DAIGO@現実?】&【ウルトラマンゼロ@ウルトラマンサーガ】――目的:殺し合いを止める
【美堂蛮@GetBackers-奪還屋-】――目的:とくになし。野球しようぜ組
【佐治雪哉@LIGHT WING】――目的:とくになし。野球しようぜ組
【伊吹萃香@しゅわスパ大作戦】――目的:野獣先輩捜索組
【北島○介@現実】――目的:野獣先輩捜索組
【ロイ@FE封印の剣】――目的:レンにモテるコツを聞く
【博麗霊夢@クッキー☆】――目的:野獣先輩捜索組。声がヘン
【範馬勇次郎@範馬刃牙】――目的:禁欲など無意味だとレンに教える。

ポジション表
1番 ショート   博麗霊夢
2番 ライト    ロイ
3番 セカンド   DAIGO
4番 ピッチャー  イチロー
5番 サード    北島〇介
6番 レフト    美堂蛮
7番 ファースト  佐治雪哉
8番 センター   範馬勇次郎
9番 キャッチャー 伊吹萃香

【ダイゴ@ポケットモンスター】
【状態】健康、イチローチーム応援団
【装備】メタグロス、チアガールのコスチューム
【道具】支給品一式 
【思考】基本:きれいな石をあつめる
1:襲ってきたマーダーは倒す
2:イチローチームを応援する

【万玖波海@LIGHT WING】
【状態】健康、DRに対して怒り、イチローチーム応援団
【装備】チアガールのコスチューム
【道具】サッカー道具一式
【思考】基本:イチローチームを応援する
1:真の仇を討つ

【吉川ちなつ@ゆるゆり】
【状態】軽度の精神的ショック、イチローチーム応援団
【装備】RPG-7(弾切れ)、チアガールのコスチューム
【道具】支給品一式
【思考】基本:野獣先輩を殺す
1:イチローチームを応援する
2:人殺しちゃった。

【DR@魔人探偵脳噛ネウロ】
【状態】健康
【装備】コルトパイソン
【道具】支給品一式 
【思考】基本:シックスに従う
1:味方以外の参加者を殺しまくる。

【闇DAIGO@現実? 死亡確認】
死因:精神的ショック

【TDN@真夏の夜の淫夢 死亡確認】
死因:打球による心臓破裂

【伊藤誠@School Days 死亡確認】
【ニコ厨@現実 死亡確認】
【千本桜ミク@VOCALOID 死亡確認】
死因:射殺

【平田真@LIGHT WING  死亡確認】
死因:刺殺

【田井中律@けいおん! 死亡確認】
死因:爆殺

44リョナ展開が見たかった(小並):2013/10/02(水) 16:56:35 ID:FCp1ahG20
「あ〜今日も絶好のサボリ日和だねぇ」

なんてことをほざきながら惰眠を貪る少女が一人。
彼女は小野塚小町、死神である。
小町のスタンスはバトロワに乗じてサボることである。
異常事態っちゃあ異常事態なのだがどうせ他の誰かが解決してくれるだろという考えからである。
巫女とか巫女とか巫女とか。
そろそろ横になろうかと思ったその時…

「何やってるの小町!」
「きゃん!」

あまりにも聞き覚えのある声が響く。
案の定声のした方に振り向くと見覚えのありすぎる少女がいた。
幻想郷屈指の威圧感。そして東方屈指の身長の高さとデカすぎる肩幅。
言ってしまえば地獄の閻魔大王四季映姫・ヤマザナドゥである。
三途の水先案内人、小町が江戸っ子キャラを崩して素っ頓狂な声を上げるのも無理は無い。
ちなみに四季映姫が幼女という風潮は二次創作に毒され続けた結果である。念のため。

「四季様…」
「こんな時でもサボっているのですか貴方は」
「すいませんすいません!」
「言い訳なんて聞きたくありません。仕事をサボる悪い子はこうです!」
「え…何を…」

ヤマザナドゥは強引に小町を四つん這いにさせる。
そして尻を突き出させると、手に持つ悔悟棒で小町の胸にも負けず劣らずの豊満な尻を叩き始めた。

「きゃん!」
「だらしないケツですねぇ…いつもサボっているからこんな体になるんですよ!」
「痛いです!四季様、痛い!」
「こんなんじゃ済ませませんからね。仕事に対して従順になるまで続けますよ!」
「すいませっへぇぇぇぇぇん!」
「(地獄に)落ちろぉ!」



――という夢だったのさ


「ハッ!」

小町が目覚めると病院の廊下だった。
説明しよう。長門の襲撃から逃れた影薄御一行は大阪府に上陸。
そして近くの病院で長門との戦闘で負傷した黒子と日之影の二人を治療していたのだ。
二人を看護をあかりとモモの二人の天使に任せて、死神小町は人が来ないか廊下に出て見張っていたのだが…。
人が全く来ず、サボり気質のあった小町はそのまま眠りこけてしまったのだ。

「やれやれ、どこぞの門番じゃあるまいにねぇ…」

部屋の中からは仲間の談笑が聞こえてくるので寝ている間に何かあったというわけではないようだ。
夢に四季映姫が出てきてくれたことにある意味感謝する。

(これからどうするかねぇ…)

小町はこれからのことを考える。
自分としてはできるだけ殺し合いから遠く離れた位置にいたい。
そのために最初は海の上にいたのだが、先ほどのズガン師や乳もぎ魔の襲撃があったように海上も安全とは限らないと分かった。

(できればしばらく…というかずっとここにいたいねぇ)

どうやら今の状況ではこの大阪という場所は割と過疎らしい。
つまり過疎地にずっといれば多少安全ということになるだろうと小町は考えた。
最も、そこらの相手にやられるほど小町は柔ではないが。

また一眠りでもしようか、と考え始めたその時――



「あら、やっぱりサボっているのね」

夢の時と同じく声がかけられる。
小町はこの声の主を知っていた。

「なんだい、まさかあんたも参加していたのかい。花映塚の件以来だねえ」

小町の視線の先には四季のフラワーマスターにして主催者の手先、風見幽香が笑みを浮かべて立っていた。

45リョナ展開が見たかった(小並):2013/10/02(水) 16:57:46 ID:FCp1ahG20


「こんな状況でも相変わらずなのね」
「サボっているわけじゃない、見張りをしていただけだ」
「横になろうとしていた癖によく言うわ」
「ぐぬぬ」

雑談しながらも小町は幽香に対する警戒心は解いていなかった。
知り合いとはいえ彼女は無く子も黙る大妖怪。
自分以外の空気組の適う相手ではない、花をへし折るが如くだろう。
小町は斬魄刀をいつでも使用できるように握り締める。

「で、何の用だい?できれば物騒なことはやめてもらいたいんだが」
「別に争いごとをするつもりはないの。私はただ貴方にお願い事をするために来たのよ」
「お願い事だって…?」
「そう、貴方には…殺し合いに乗ってもらいたいのよね」

幽香の言葉に小町は怪訝な表情を浮かべる。

「なん…だって…?」
「そう、貴方には積極的に殺しをしてほしいの。
貴方にはそのための支給品が二つあるはずでしょう?もったいないじゃないの」
(なんで私の支給品のことを…あんたは一体…?)
「冗談じゃないね。なんであたいがこんなことをしなきゃならないんだ?そういうくだらないことなら他をあたりな!」
「いいじゃない。貴方死神でしょう?」
「人を殺すだけが死神の仕事じゃないんだよ!」

小町は断固として反論する。
死神といえど『お迎え』は小町の管轄外であり、殺しは小町の望むことではない。

「あら、断るのね」
「ほら帰った帰った!」
「そう、じゃあ仕方ないわね………言うこと聞くようにしてあげるわ」

次の瞬間幽香から殺気が放たれた。
そして差していた傘を閉じて振りかぶり襲い掛かる。
その間わずか1秒。
小町はかろうじて斬魄刀の鞘で傘の一撃を防いだ。
そして咄嗟に距離をとると斬魄刀を抜き、解号する。

「射殺せ――神鎗!!」

解号された斬魄刀『神鎗』の刃が幽香の喉元に超スピードで伸びる。
が、幽香は手元の日傘で神槍の軌道を反らし回避する。
そして小町の懐に潜り込み、日傘を小町の腹に突き刺した。

「が…はっ…!」

突き刺すといっても貫かない程度にである。
が、当然ダメージはデカい。そこらの腹パンを遥かに超えるだろう。
あまりの痛さに小町は地面に蹲り悶絶する。
偶然、夢の中で四つん這いにされたときと非常に似ている構図となった。

「抵抗はしないでほしいのよね。貴方程の実力者を相手に殺さないように手加減するのは難しいのよ?」

幽香は足元で悶える小町を見下しながら話しかける。

「さてと、私に楯突いた罪は重いわ…。少しお仕置きが必要ね」

幽香は蹲る小町の尻を日傘で叩き始めた。
夢の中で四季映姫がそうしたように。
何度も叩くたびに小町は声にならない悲鳴を上げる。
何発も叩いた後、幽香は最後に日傘のフルスイングを尻に叩き込む。
その結果小町の上半身は病院の壁にめり込んだ。

「それじゃ元気になったらよろしくお願いするわね死神さん。
もし明日になっても何もしないようだったら……『また来るからね』」
「…………」

そう言い残して幽香は立ち去る。
一方小町はなんの返事をする気力も無かった。





46混沌な名無しさん:2013/10/02(水) 17:00:04 ID:FCp1ahG20

あかりとモモが駆けつけてきた時は既に小町が壁にめり込んでいる状況であり幽香は既にいなかった。(黒子と日之影は怪我人なので来れなかった)
腹に打撲の跡、そして尻が真っ赤に腫れているというある意味酷い怪我をしていたので小町もまた病室に担ぎ込まれることとなったのだ。
慌てるあかりとモモには襲撃者が来て何とか撃退したとだけ伝えてある。
襲撃者が幽香のことと殺し合いに乗るか否かという件については話してはいない。

(まさか風見幽香…彼女は主催者側なのか)

殺し合いを促進させようとする行為。
そして自分の支給品を把握していること。
それならばある程度合点はいく。

(どうやら事は思った以上に厄介になっているようだね…)

死神は病室のベッドの上でため息をつきながら考える。
これからの動向。風見幽香の言うことを聞くか聞かないか。

(さて、あたいはどうしたらいいもんかねぇ〜)

【一日目・12時/日本・大阪 病院】

【小町と影薄な仲間たち】
【小野塚小町@東方Project】
【状態】腹に打撲、尻が真っ赤
【装備】斬魄刀『神鎗』@BLEACH、デスノート@DEATHNOTE、舟
【道具】不明
【思考】
基本:バトロワに乗じて仕事をサボる?
1:しばらく考えさせておくれよ
2:どっかに安住の地はないもんかねぇ

【黒子テツヤ@黒子のバスケ】
【状態】顔が包帯でミイラ(顔の皮膚喪失)
【装備】なし
【道具】死出の羽衣@ 幽々白書
【思考】
基本:友人たちと生き残る
1:顔が痛いです、死ぬかと思いました

【東横桃子@咲-Saki-】
【状態】健康
【装備】不明
【道具】不明
【思考】
基本:加治木先輩や友人たちと生き残る

【赤座あかり@ゆるゆり】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】マムルの肉×2@風来のシレン
【思考】
基本:主人公らしく活躍する

【日之影空洞@めだかボックス】
【状態】ダメージ(大)、右腕欠損(止血済)
【装備】不明
【道具】不明
【思考】
基本:主催者を倒す
1:仲間を守る
2:↑の両方やらなくちゃあならないのが先代生徒会長の辛いとこだな。



【風見幽香@東方project】
【状態】健康
【装備】日傘
【思考】
基本:テラカオスを生み出す計画を遂行する
1:計画のために殺し合いを促進させ、計画の邪魔をするものは地に還す
2:九州ロボに戻る
3:小町が働かないならその時は…

47特務機関員はこぐ:2013/10/02(水) 22:59:36 ID:.Y9frPLg0
「どうしてこんなことをしているのでしょうか」

舟をこぎながらハザマはそうぼやく
ハザマは特務機関の一員だ、だがなぜか海におり舟をこいでいる
だが、舟をこいでいるのは一人ではない
もう一人ハザマと同じく特務機関員の人物が舟をこいでいる

「………」

何もしゃべらずに淡々と舟をこいでいる、大尉と呼ばれる人物だ
実は彼は人狼と呼ばれる種族だが今はあまり関係ない

「ああ、疲れますよ舟をこぎっぱなしだと」
「………」

ハザマはそう愚痴りながらもこぎ
大尉は無言でこぐ
彼らはいつになれば陸地に着くのだろうか

【一日目・12時40分/日本・富山湾近く】

【ハザマ@BLAZBLUE】
【状態】少々疲れた
【装備】ウロボロス@BLAZBLUE ナイフ 舟
【道具】支給品一式
【思考】基本:命令に従う
1:早く陸地は見えないかな

【大尉@HELLSING】
【状態】健康
【装備】モーゼルM712@HELLSING
【道具】支給品一式
【思考】基本:命令に従う

48スニーキング・ラクーンドッグス:2013/10/03(木) 01:11:29 ID:nl455Mn.0
とあるマッドサイエンティストによって改造されロボとなり、現在ではこの殺し合いの主催者の本拠地と化した空飛ぶ九州。
その一角・福岡はYahoo Japanドームでは、現在進行形で施設の要塞化が始められていた。

野田総理の命により運悪く周辺にいた参加者達は有無を言わさず拉致され、要塞建造のための労働力として使役させられていた。



「畜生……殺し合いだけでもやべぇってのに、何だって俺がこんな作業させられなきゃならねぇんだ。
それもこれも全部あの総理の野郎がいけねぇんだ! 野田のバーカ!バーカ!バーカ!」
「まったくだぜ! このブラックサタン最高幹部である俺様が奴隷同然の扱いなど笑い話にもならねぇ!」
「チェッ……あのMSパイロット共のうすのろめ、どうせ死ぬんなら野田を道連れにしてから死にゃあよかったんだ!」

ガォンガォンガォン!!

望まぬ強制労働に不満を露わにして叫ぶ3人の参加者は、突如として鳴り響いた銃声と共に倒れこみ、そのまま
物言わぬ躯と化した。
見ると3人の脳天が正確に打ち抜かれているのが分かった。
いきなりの状況に周囲にいた他の労働者たちにも緊張が走る。

【DXファイター@秘密結社鷹の爪 死亡確認】
【デッドライオン@仮面ライダーストロンガー 死亡確認】
【カナディアンマン@キン肉マン 死亡確認】


「はいそこのお三方、無駄口を叩かずに作業に従事してくださいね? ……と言っても、既に死んでますので
言っても無駄ですがね」
『………』
パンパンと手を叩きながら彼らの背後から二人の人影が姿を現す。

蝙蝠のような意匠を持つ異形の宇宙人、触覚宇宙人バット星人グラシエ。
銀色に輝く装甲を持った無感情な戦闘ロボット、ギャバンブートレグ。

彼らはこの福岡ドーム要塞化作業の現場監督指揮者として主催から送り込まれたエージェントである。


「そこにいる他の皆さんも死にたくなければ作業に集中する事ですよ。あまり作業態度がよろしくない方、
この3人のように野田総理殿への罵詈雑言を口にするような方、そういった方々は容赦なく私の隣にいるこの
ギャバンブートレグ君が長い長い休憩時間をプレゼントして差し上げますのでそのつもりで」
『………』
「ああそれと、ここにいる面々で造反しようなどと馬鹿げた事を考えるのも控えて方がよろしいかと。あなた方の
命はその首輪によって我々が握っているという事もお忘れなきよう」


グラシエの慇懃無礼な態度、銃を構えたままのブートレグの無言の圧力、そして首輪という枷の再認識によって、
労働者たちは何も反論できぬまま手を動かし始め黙々と作業を再開し始めた。
彼らは数こそいれど空中を飛翔する主催の本拠地に隔離されたこの状況を打破できる手段を持っている訳ではない。
今はまず当面の命だけでも拾わねば。
皆そう思うだけで精一杯だった。

「(フフフ、まあ今は精々生き長らえる事ですね。もっともあの方々が仰っていた世界滅亡が阻止できなければ
あなた方の頑張りもすべて無に帰すのですが……どうなります事やら)」


【一日目・12時30分/九州ロボ(日本海を飛行中)・福岡Yahoo Japanドーム内部】

【バット星人グラシエ@ウルトラゼロファイト】
【状態】健康、上機嫌
【装備】なし
【道具】不明
【思考】
基本:エージェントとして野田総理(及びベイダー卿達幹部)に協力する
1:監督役として本拠地周辺の要塞化を手伝う
2:反逆者は容赦なく処分する
3:世界滅亡は知った事ではないが、いざとなれば己の保身に尽力する

【ギャバンブートレグ@海賊戦隊ゴーカイジャーVS宇宙刑事ギャバン】
【状態】正常
【装備】ブートレグブレード、ブートレグビームガン
【道具】なし
【思考】
基本:主催の命令に従う
1:反乱分子の排除

49スニーキング・ラクーンドッグス:2013/10/03(木) 01:12:47 ID:nl455Mn.0


「この地にいた者達を奴隷にするだけでは飽き足らず、なんという残酷な真似を……」
「皆を救うためにも、一刻も早くこの殺し合いを止めんとあかんな」

所変わって場所は九州ロボ内部にあるモニタールームの一室。
各地に設置された監視カメラによって映し出される日本全国の映像の内、福岡ドーム内での凶行が映し出された
モニターを見て怒りの表情を浮かべる二人の人物がいた。

一人は時空管理局海上警備部捜査指令にして特務六課隊長、八神はやて。
もう一人は佐渡の化け狸の頭領、二ツ岩マミゾウである。


主催者の関係者でもない二人が九州ロボの内部に侵入できている事に諸君は疑問を持つだろう。
無論理由はある。
先の3機のドムによる福岡ドーム襲撃の際、偶然現場近くにいた二人はこの状況を幸いとばかりに、襲撃の
ドサクサに紛れてドーム内部への潜入に成功していたのである。

とはいえ何の苦も無く潜入できた訳ではない。
奇襲による対応の遅れがあったとはいえマミゾウの持つ『化けさせる程度の能力』を駆使してマミゾウ自身と
はやてを警備兵の姿に化けさせる事で何とか目を欺けたのは正直軽い奇跡だと二人は感じていた。
墜落した九州ロボを野田総理が火事場泥棒のごとく接収してから間が無かったためドームの警備状況が比較的
手薄だった事も幸いだった。
そんな数々の幸運に助けられ、二人は本拠地内部へと潜り込む事に成功したのである。


「それにしても、さっきデータベースを軽く調べて見つけたこの動画……世界中の大陸が沈没した瞬間の映像が
収められとったけど、この『TC計測値』言うんは一体何なんや? 何か重大な情報に繋がりそうな気がするんやけど……」
手元の機械を操作して呼び出した動画には、彼女の言うようにバトルロワイアル開始前の世界の状況が映し出されていた。
世界中の日本以外の大陸が沈没するというショッキングな映像が流れるその横には、何やら数値の計測記録が並行して
映し出されていたのである。
少なくともTCなどという値ははやての記憶にはなかった。

「はやて殿、真面目に考えておる所申し訳ないんじゃが」
「何や、マミゾウさん」
「いい加減その着ぐるみは脱いだらどうじゃ。わしの能力があるとはいえ目立って仕方ないじゃろ」
そこにいるのは真顔の八神はやて。
ただし、何故かタヌキの着ぐるみを装着した状態だったが。
はやてが着ているのは某赤い配管工ご用達の変身アイテム『タヌキスーツ』だったのである。
「いやぁ、私もそうは思っとるんやけど、どうしても脱ぐ気になれなくてなぁ。何というか『馴染む!実に馴染むでぇぇぇぇぇ!!』
っていう感じなんよ。まったくもって不思議や……」
「いやまあ、はやて殿がそこまで満足ならわしも強制はせんが……」
半ば呆れながら、マミゾウはご満悦なはやてのコスプレを黙認する事とした。


「それはさておき、この動画の謎を調べるのもそうじゃが問題はいかにしてこの殺し合いを打破するかじゃな」
先の動画を保存したUSBメモリを抜きつつ、マミゾウは話題を本来の目的へと戻す。
はやての操作により画面には主催者陣営の面々の情報が映し出されていた。
「主催者たる野田総理はともかく、奴の背後にいる連中はいずれも劣らぬ強者揃い。特に風見幽香はわしも直接の
面識は薄いが幻想郷においても最大の実力者の一人である大妖怪じゃ。少なくとも連中に正面から殴りこんだ所で万に
一つも、いや億に一つもわしらに勝ち目はあるまい」
彼女が弾幕ごっこに応じてくれればいいが、この殺し合いにおいてとてもそれは期待できない。
強者ひしめく主催、首輪という枷、さらに無関係とは思えぬ大陸沈没の謎の解明。
難問は山積みである。
「ともかく今は圧倒的に私達は戦力が足りん。主催が私達に気付くのも時間の問題や。ここでの情報収集が終わったら
一刻も早く日本に戻って体勢を立て直さんと……」
「ああ、それなんじゃがのはやて殿」
はやてが今後の対応に悩んでいると、マミゾウが何やら小声で口を挟んだ。
「(さっきついでに調べてみたんじゃが……この九州ロボ、カプコン製なんで1,2日で墜落するそうじゃ)」
「(何やて!?)」
「(九州を改造した輩の手記がファイルの隅に書いておった。間違いない)」
「(……主催は気付いとるんやろか?)」
「(わからん。じゃが要塞建造に躍起になっている今は確実に気付いておるまい)」

50スニーキング・ラクーンドッグス:2013/10/03(木) 01:14:43 ID:nl455Mn.0
つまり放っておけば勝手に主催の拠点は壊滅する確率が高いという事になる。
だが新たな問題も浮上した。
「あかん。主催の拠点が潰れるのは喜ばしいんやけど、このままやと関係ない九州の住民まで巻き添えや」
「様々な意味でわしらがここに長居する訳にはいかなくなったという訳か、これは事を急がねば」
「せめて何か役に立つアイテムでも調達できればええんやけど……」
はやて達に支給されたアイテムは役に立たないという訳ではない物だったが、この殺し合いを止めるには力不足な
物ばかりだった。
はやてには自身のデバイスと夜天の書、先のタヌキスーツの3つ。
マミゾウには何やら神々しい雰囲気の銀色のスティック状のアイテムと怪獣のソフビ人形が3つ。
これではとても主催陣営には対抗できそうにない。


その時である。
ピコーン!ピコーン!ピコーン!
マミゾウのスティック型アイテムが急に音を立てて鳴り出した。
「何や!?」
「何かに反応しておるというのか……?」
二人はモニタールームを後にし、マミゾウの手により再び姿を変えて九州ロボ内部を探索し始めた。
途中何度か警備兵に出会ったが、何とか誤魔化す事に成功し、二人は先を急ぐ。



そしてたどり着いたのは地下の格納庫の一角。
「どうやら機動兵器の格納庫のようじゃの」
「ハンガーがガラガラな所を見るに、まだ戦力はあまり整ってないみたいやな」
空きはまだかなり多いものの、内部には何機か機体が配備され始めていた。
「あれは確か……『ばるきりー』とかいう機体じゃったかのう?」
「マミゾウさん、ちゃうで。あれはまさか……『ゴースト』か!?」
かつてマクロスシティを恐怖に陥れた最凶の無人自立飛行兵器。
その機動性は精神コマンド・必中をかけたパイロットでなければ当てることさえ至難の業と言われる怪物レベルの機体である。
「あっちにあるのは……コンバトラーVにダイモスにライディーン!? どういう事や?」
驚くはやての目にした先にあるのは、確かにかつて地球を守ったスーパーロボットによく似た機体だった。
だがはやては知らなかったが、これはそのロボット達のデータを基に作られた量産機なのである。
コンバトラーやボルテスといった超電磁ロボの能力統合機『マグネスファイブ』。
闘将ダイモスの量産機『マルス』。
ムーの巨神、勇者ライディーンのコピー機体『ザマンダー』。
その戦闘力は皆、スペック上はオリジナルに勝るとも劣らない機体である。

「こんな危険なデカブツは早めに壊しておきたい所じゃが……どうやら近いぞ?」
スティックからの反応はますます強くなっていく。
どうやらマグネスファイブの一機の足元から反応があるらしい。
「一体あそこに何があるんや……」
そうはやてがつぶやいた時である。


『ムッ、そこに誰かいるのか? 君達はあの殺し合いに乗っているのか?』
何者かの声が反応の場所から聞こえてきた。
「私達は今行われている殺し合いを止めようとしている者です。姿を見せてもらえませんか?」
『……うむ、どうやら君達からは悪意は感じない。君達を信じよう』
その声と共に二人の前に現れたのは――――――


「「……人形?」」
どこかで見た事がある姿をした小さなソフビ人形だった。

51スニーキング・ラクーンドッグス:2013/10/03(木) 01:15:20 ID:nl455Mn.0


【一日目・12時30分/九州ロボ内部・機動兵器格納庫】

【八神はやて@魔法戦記リリカルなのはForce】
【状態】健康、困惑、タヌキはやて
【装備】シュベルトクロイツ@魔法少女リリカルなのは、タヌキスーツ@スーパーマリオシリーズ
【道具】基本支給品一式、夜天の書@魔法少女リリカルなのは
【思考】
基本:殺し合いを止める
1:……人形が喋った?
2:九州ロボから離脱し、殺し合いを打破するため仲間を集める
3:大陸沈没の謎を探る
4:それにしてもこのスーツ、実に馴染むで!
※主催側が大災害について何か関与していると考えています(細かい部分は分かっていません)
※九州ロボが1,2日後に墜落する事を知りました。

【二ッ岩マミゾウ@東方project】
【状態】健康、困惑
【装備】なし
【道具】基本支給品一式、ギンガスパーク@ウルトラマンギンガ、スパークドールズ(ザラブ星人、ババルウ星人、ダークガルベロス)
【思考】
基本:殺し合いを止める
1:……何じゃこの人形は?
2:九州ロボから離脱し、殺し合いを打破するため仲間を集める
3:大陸沈没の謎を探る
4:謎のアイテム(ギンガスパーク)の使い道が知りたい
※主催側が大災害について何か関与していると考えています(細かい部分は分かっていません)
※九州ロボが1,2日後に墜落する事を知りました。

【ウルトラマンタロウ(SD)@ウルトラマンギンガ】
【状態】健康、スパークドールズ状態
【装備】なし
【道具】基本支給品一式
【思考】
基本:殺し合いを止める
1:目の前の二人と話す
2:殺し合いを止めるため仲間を集める
3:あれは……ギンガスパーク!?
4:早く大きくなりた〜い


※現在、九州ロボ内部格納庫に判明しているだけで以下の機体が多数配備されています。
【ゴーストX−9@マクロスプラス】
【マグネスファイブ@ゴッドバード】
【マルス@ゴッドバード】
【ザマンダー@ゴッドバード】
この他にも別の機体が配備されているかは次の書き手さんにお任せします。

52混沌な名無しさん:2013/10/03(木) 02:33:54 ID:FZQLLTyEO
「ガキ一人殺すくらい待ちくたびれてたが、やっと出番が来たぜ」

そういったのは、特務機関の一員のアリー・アル・サーシェスだ。
彼は、戦力を温存するために今まで待機させられていたのだが、シックスと黒の死により、遂に命令が下った。

「ジョーカーか……悪くねえじゃねえか」

【一日目・12時45分/福井県福井市の大戸屋】

【アリー・アル・サーシェス@機動戦士ガンダム00】
【状態】健康、上機嫌
【装備】熱線銃
【道具】支給品一式、ホイポイカプセルにはいったアルケーガンダム@機動戦士ガンダム00+ドラゴンボール
【思考】
基本:命令通り、ジョーカーとして行動する。
1:カオスロワという戦争を楽しむ。

53混沌な名無しさん:2013/10/03(木) 02:37:53 ID:FZQLLTyEO
ごめんなさい。
【円谷光彦@名探偵コナン 死亡確認】
死因:サーシェスに射殺される
を追加で。

54戦いの前触れ:2013/10/04(金) 00:48:13 ID:t7mXeKTo0
 流石に疲れたのか、ハザマは漕ぐのを止めて休んでいた。
まあ、ずっと船を漕ぎつづけてたのだから仕方ない。

「疲れも取れたし、また漕ぎ始めましょうか」

 そう言って、休憩を終えて舟を漕ごうとするハザマ。
しかし、その前に主催側専用のスマートフォンが鳴ったので、ハザマと大尉は電話に出た。

『コーホー、ハザマと大尉だな。お前達に命令がある。』

 声の主は主催幹部の一人、ダース・ベイダーだ。

「命令、といいますと?」
「…………」
『有力な対主催組織の殲滅だ。ハザマには拳王軍を、大尉には光熱斗達をやってもらいたい』

 しかし、ハザマと大尉が居るのは海の上である。
このままでは、最悪の場合、作戦目標に会う前にカオスロワが終わりかねない。
だが、そんな心配は無用だった。

「あのー、こちらは今海の上にいまして……」
『移動手段としてデウスに転送ゲートを作らせる。船の前側に出来たゲートにはハザマが、後側のゲートには大尉が入ってくれ』
「了解です」
「…………」

 通信が切れると同時に出現する二つの転送ゲート。
ちなみに、このゲートはデウスのいた世界において地球への侵攻用に使うものだったりする。
勿論、そんな事は知らない二人だが、陸地に戻れる上に任務まで与えられたとあってはゲートを潜らない理由は無い。
そういう訳で、指定されたゲートを潜る二人であった。

【一日目・12時50分/日本・富山湾近く】

【ハザマ@BLAZBLUE】
【状態】健康
【装備】ウロボロス@BLAZBLUE ナイフ
【道具】支給品一式
【思考】基本:命令に従う
1:やっと陸地に戻れますね
※拳王軍の近くに転送されました。

【大尉@HELLSING】
【状態】健康
【装備】モーゼルM712@HELLSING
【道具】支給品一式
【思考】基本:命令に従う
※光熱斗達の近くに転送されました。

【同時刻/九州ロボ(日本海を飛行中)・福岡県】

【ダース・ベイダー@STAR WARS】
【状態】健康
【装備】ライトセーバー@STAR WARS
【思考】
基本:テラカオスを生み出す計画を遂行する
1:計画のために殺し合いを促進させ、計画の邪魔をするものは消す

55電車は急に止まれない:2013/10/04(金) 02:24:50 ID:40dOeJjc0

「せ〜ん〜ろ〜は続くよ、ど〜こ〜までも〜♪」

 上機嫌で歌いながら道なき道を突き進む。
 歌っているのはもちろん我らが拳王・ラオウである。
 非常に低音かつ伸びのあるいい声である。
 伴奏は元軽音部部員のムギさんと殿馬だ。
 彼女たちは走りながらキーボードとグランドピアノを弾いている。
 非常に器用である。

「それにしても、東京はまだなのか?」
「さっき東京は通りすぎたのだよ」
「ですなぁ」
「そんなことより……蜂蜜を……」
「イチローさんがなんだか、ピンチのような気がする」
「時には遠回りすることこそが最短の道になることもあるのよ」

 結構、呑気に話す彼らだが、その勢いはとんでもなく速い。
 電車ごっこと言えど、本気でやれば本物の電車並みのスピードは出せるのだ。
 砂塵を巻き上げ、どんどん加速していく。
 電車ごっことは本来こういう危険な行為なのだ。
 現在の速度は約160km/hくらい出ているであろう。

「ここでドリフトだ!!」
「……曲がれ」
「できねぇよ!!」

 ほとんどスピードを落とすことなく曲がり角を曲がる。
 所謂、ドリフト走行、電車でDである。

 彼らは十人で本気の電車ごっこしている。
 殺し合いなのに本気にならないで一体どうするの?
 だから、こそ全力で野球の試合をしていた。
 本気で戦ってこそ得るものがあるのだから。

 そんな最中、彼らの前にいきなり転送ゲートが現れ、中からハザマが飛び出してきた。

 さて、トップスピードで走っている電車は急停止が出来るであろうか?
 否、急停止など出来るはずはない。

「………………えっ?」

 つまり……

  /      |[拳王]|     \
  |        ┏━━┓        | /
  |┯━━┓┣━━┫┏━━┯|  プアァァァァァァァァン!
  |│    ┃┃    ┃┃(´酈`) | \
  |┷━━┛┣━━┫┗━━┷|
  |───.\ 超快速 /.───|
  |  (○)⑪\__/⑪(○)  |
  |        ┃    ┃        |
  |__●_┃__┃_●__|
   |       ┃    ┃       |
   |____ .二二二. ____|
   │    │[=.=]|     |
   └── ヽ(´Д`;)ノ うわああああああ〜ッ!! ←ハザマ
      / (___)  
     /  |   | \
    /   ◎ ̄ ̄◎   \
   /             \
※イメージ図です。実際に起こったこととは異なります。

56混沌な名無しさん:2013/10/04(金) 02:25:35 ID:40dOeJjc0

 そんでもって……ハザマは綺麗に電車に撥ねられた。
 そら、生身で電車の前に飛び出したらこうなるわな。
 その衝撃でハザマはものすごい勢いで吹っ飛ばされた。
 勢いが凄すぎて地球を二周ほどして、飛行中の九州ロボの鹿児島あたりまで吹っ飛ばされた。
 ハザマはその九州ロボとの衝撃で全身の骨が砕け、日本海に沈んだ。
 
「拳王さん、今、前になんかいましたが?」
「この拳王を阻むものなどいなかったわ!!」
「そんなことより、イチローさんを……」
「ハチミツを……」
「イチロー選手に蜂蜜を塗りだくるなんていやらしいわね」
「ですなぁ」

 進撃の拳王軍の勢いは止まらなかった。
 今日の教訓、『電車は急に止まれない』。

【一日目・13時00分/日本・茨城県】
【MEIKO@VOCALOID】
【状態】健康
【装備】アルティメットアーマー@ロックマンXシリーズ
【道具】支給品一式、ノートパソコン@現実
【思考】
基本:殺し合いに乗った者達を殺す
 1:ミクとKAITOを殺す
 2:ラオウ達に協力してもらう
※今までとは別人です。
※『黄金の回転』を習得しました

【琴吹紬@けいおん!】
【状態】精神的にぶっ飛んでる
【装備】核ミサイル、キーボード、現金1兆円ほどが入った特注ジュラルミンケース
【道具】支給品一式、たくあん@現実、その他不明
【思考】
基本:生き残ることを最優先
0:また、打順を考え直さないといけませんね、それにメンバーもあと少し欲しいですね
1:拳王とやらの配下になる
※今までとは別人に決まってんだろ!!いい加減にしろ!!

【ラオウ@北斗の拳】
【状態】健康
【装備】炭酸水
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】
基本:野田総理を倒す
0:東京に向かって、千石うぐいすとかいう奴を拳王軍に引き入れるぞ!!
1:そして、拳王が新たな時代を作る
2:死兆星から使者の小娘を配下にしたぞ!
3:トキ似の男を配下にしたぞ!
4:強そうな鎧の女を配下にしたぞ!
5:謎の黒猫たちを配下にしたぞ!
6:ミクとKAITOを倒すぞ!

【平等院鳳凰@新テニスの王子様】
【状態】健康
【装備】テニスラケット、テニスボール×∞、諭吉一枚
【道具】支給品一式、少年ジャンプとヤンジャン、その他不明
【思考】基本:主催者達を滅ぼす
1;マーダーも滅ぼす
2:ラオウたちと行動する
3:テニスがしたいが、野球をする

【プニキ@くまのプ○さんのホームランダービー】
【状態】健康、全ステータスMAX
【装備】木の棒
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】基本:ムギさんからハチミツを貰うために野田を野球で潰す
1;ホームランを打つ

57混沌な名無しさん:2013/10/04(金) 02:25:57 ID:40dOeJjc0

【川崎宗則@現実?】
【状態】健康
【装備】バット、ボール、グラブ
【道具】支給品一式
【思考】基本:イチローを倒してでも、マリナーズに連れ戻す
1:戦力を集める
2:イチローがいるであろう、東京に向かいたい

【クロえもん@ドラベース ドラえもん超野球外伝】
【状態】健康
【装備】バット、ボール、グラブ
【道具】支給品一式 電車ごっこロープ
【思考】基本:野田総理に野球で挑んで勝つ!
0:矢部君の意志を継ぎ、殺し合いを打破する
1:最低でも四国アイランドリーグが出来るくらいの仲間を集める
2:イチロー選手を仲間に引き入れたい

【殿馬一人@ドカベンシリーズ】
【状態】健康
【装備】バット、ボール、グラブ
【道具】支給品一式、グランドピアノ@現実
【思考】基本:生き残る
1:イチローと合流したい

【デューク渡邊@新テニスの王子様】
【状態】健康
【装備】テニスラケット、テニスボール×∞、キャッチャー用具一式
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】基本:お頭(平等院)たちについていく
1;デュークホームランを打つ

【緑間真太郎@黒子のバスケ】
【状態】冷静
【装備】ハンマーブロスの無限ハンマー@マリオシリーズ
【道具】支給品一式、ホワイトボードとサインペン
【思考】
0:赤司に勝つ
1:野球をするのだよ

【一日目・13時00分/日本海】
【ハザマ@BLAZBLUE】
【状態】気絶、全身複雑骨折
【装備】ウロボロス@BLAZBLUE ナイフ
【道具】支給品一式
【思考】基本:命令に従う
1:結局、また海なのか……

58混沌な名無しさん:2013/10/04(金) 12:20:44 ID:WVf85ZwoO
 ウロボロスの重量が原因でハザマは海に沈んでいった。
そして、全身複雑骨折な身体では水圧に耐えれなかった。
こうしてハザマは死に、主催には誰が悪い訳でもない不幸な事故として片付けられた。

【一日目・13時05分/日本海】

【ハザマ@BLAZBLUE 死亡確認】
死因:水圧

59受け継がれる「シ」:2013/10/04(金) 14:07:33 ID:5541QGdM0
シンフォギアの装者である風鳴翼が東京に到着した頃には、現場は混沌としていた。
僅か数時間の間に殺し合いの進行によって首都のいたるところに死体が転がっている。
東京特有の賑わいと喧騒は、あちこちから響く銃声と爆音や悲鳴に取って代わられていた。
ダメ押しに都庁には怪物たちが住み着き、時折建物を降りてきて人々を襲い喰らう始末。
彼女が本来戦っていた怪物・ノイズによる被害と同じかそれ以上の被害が街に出ていた。

大災害の影響で所属していた組織とは音信不通になり、頼りになる後輩たちとも散り散りになってしまった翼。
例え、その最中でも彼女のやるべきことは一つ、人々のために戦うことである。
方針としては戦えない一般人をひとりでも多く、巨大な伏魔殿と化した東京から避難させることだ。
途中で殺し合いに乗った者に遭遇すれば力づくでも鎮圧し、怪物は斬る――やることはノイズと戦っていた時期と何ら変わらなかった。
一人で東京全域への民間人救助は流石に骨が折れるが、運良く現場で協力者たちを得た。
大神官の幼女フォズと、精霊術の使い手の青年アゼルである。

「罪なき人たちを見捨てるわけにはいきませんもの!」
「人助けなら協力させてもらうぜ!(これこそまさに主人公っぽい行動だよなww←本音)」

二人の協力によって、より多くの民間人が東京から避難できただろう。
救出活動は今でも続いており、現在は街中をうろついていたラッコのぼのぼのを回収し、東京の外へ逃がすつもりだ。

「ツバサおねえさんたち、いきがあがってるよ? だいじょうぶ?」

三人に他県へ誘導されてるぼのぼのは、能天気ではあるが観察力に関しては一級品であった。
彼のつぶらな瞳は、終わりの見えない救助活動で三人の疲労が蓄積されているのを見抜いていた。

「……流石に疲れが溜まってきましたね」
「なあ、翼、そろそろ休憩しないか?」
「何を悠長な……と言いたいところだがこれ以上は少しでも休まないと身が持たないか。
この子を東京から逃がしたらどこかで休憩に入ろう」
「わかりました」
「主人公たるもの無茶は禁物だしな」

翼としては多少の無茶を承知で人命救助に打ち込みたかったが、これ以上の疲労蓄積は救助活動そのものに支障がでる危険性があったため休む

ことを選択したのだ。
シンフォギアをもってしても短時間で多大な負担を強いられる、それだけ東京は過酷な激戦区と化しているのだ。
屈強な戦士でも生半可な覚悟では死ぬか心が折れるほどの場所、東京。
しかし、翼は高い戦闘技術で死を回避し、それ以上に心を折らない理由を持っていた。

(立花も雪音も司令たちもどこかで人々のために戦っているはずだ。 装者である私がくじけるわけにはいかないしな)

行方知れずの仲間たちもどこかで生存して戦っていることを信じているからこそ、彼女は彼女の戦いをやめないのだ。
多少の休憩を取ったら、また身を削ってシンフォギアの剣を罪なき人々のために振るっていくのだろう。


青いシンフォギアを纏っている故に耐久力は集団で最も高い翼は、仲間たちより先行して安全なルートを見極めて一行を誘導していく。
その最中に『何か』がバサリと彼女に襲いかかった。

「うわぁッ! ゴホッゴホッ!」
「翼さん!?」
「おい、どうしたんだ翼!」
「……いや、塵を被っただけだ。 ゴホッ!」

翼はどこかから飛来してきた大量の塵らしきものを頭から被っっていた。
怪物の襲撃やマーダーの放った凶弾なら予測できたものの、風によって巻き上げられた塵は予測だにしてなかった。
彼女は咳き込み、髪にまとわりついた塵を払い落としていく。
その様子に仲間たちは警戒をとき、胸を撫で下ろす。

「なんだよ、ビックリさせんなよ」
「魔物かと思いました……」
「驚かせてすまない……クッ、少し目に入ったようだ……」









「うわあああああぁあああぁあああぁあああぁあああぁあああッ!!!」

60受け継がれる「シ」:2013/10/04(金) 14:08:07 ID:5541QGdM0


突如、翼は頭を抱えて狂ったように叫びだしたッ!

「埃が目に入ったぐらいで大げさな……」
「待ってください! 様子がおかしいです!」
「なに!?」

仲間たちも翼の異変に気づきだす。
目から血の涙を流し、瞳孔は散大している。
表情に凛々しい少女だった翼の面影はなく、その顔は苦しみから酷く歪んでいた。
明らかな異常事態に、仲間たちは急いで駆け寄る。

「しっかりしろ! 大丈夫か!?」
「あ、頭が割れる……脳がまるで…食われ……がああああああッ!!」
「まさかさっきの塵に毒の類が!? とにかく回復呪文をかけなければ!」

悶え苦しむ翼をアゼルは胸元で抑え、フォズは大慌てで回復呪文(ベホイミしか使えないが)をかけようとする。
だが、手遅れだった――風鳴翼は直に死ぬのだ。

 @

――そう、あなたもアイドルですのね。 波長が合いそうな人に会えて良かった。

(誰だッ!?)

翼の脳裏に長い銀髪を持った少女が現れた。

――私は四条貴音。 私自身はもう死んでしまったけど、どうしても食に対する未練があって……
――あなたにはそれを引き継いで欲しいのです。

己の食欲を満たすために数多の人を喰らってきたヴィジョンと人肉らぁめんの風味が翼の瞳と舌に広がった。

(やめろ! 私はこんなおぞましいことは絶対にやらんぞッ!!)

――もう遅いですわ。 勝手ながら脳の大半を私の細胞が侵『食』させていただきました。 今更取り除くことはできません。
――ただ、欲望のままに全てを食すのです。

(いやだ! ノイズのように人を襲う化物になんかなりたくない!!)

――御免なさい。 でも私にもどうしても譲れないものがあるのです……例え死んでもね。

(ああ、私が私でなくなっていく……立花……雪音……奏……)

消えゆく意識の中で深い絆を持った仲間たちのことを思い浮かべながら翼は死んだ……

――せめてもの選別として私が生前まで持っていた能力の全てを差し上げます。

――さぁ、行くのです。 次に目を開けたらあなたは新しい『四条』なのですから。

 @

「……」

ピタリと、翼の叫び声が止んだ。

「……収まったのか?」
「……ああ、なんとかな」
「回復呪文が効いてきたのでしょうか? なんにせよ翼さんが無事で良かったです」

翼の返事に胸元を貸していたアゼルと隣にいたフォズは安堵する。
短い時間しか行動を共にしていないとはいえ大切な仲間である。
その仲間が死ぬのではないかと思い、二人は焦ったが、杞憂で終わってくれたようだ。

「……そういえば昼食がまだだったな」
「は?」

唐突にランチの話をし始めた胸元に顔を埋める翼にアゼルは首を傾げるが、特に深い疑問を持つでもなく応じた。

「ああ、そうだな。 おまえには治療も必要かもしれないし、さっきの予定を変更して今からでも休憩を――
                     ガリッ
――え?」

急にアゼルは腹部に何かが刺さるような感覚を覚える。
何かと思い、視線を下ろすと翼の長く青い髪があった。
その数秒後……口元を真っ赤に染めた翼と、自分の腹から伸びるピンク色の紐を彼女が加えているのも見えた。

――翼がアゼルの腹を食い破り、その奥にある彼の腸を口で引きずり出したのだッ!
それを理解したアゼルとフォズは悲鳴を上げ、安堵の空気は一瞬で凍りついた。

「あああああああああッ!?」
「きゃあああああああッ!!」

61受け継がれる「シ」:2013/10/04(金) 14:11:25 ID:5541QGdM0

翼は二人の悲鳴に何の反応も示さず、ブチリッとそのままアゼルの腸を歯で引っ張ってちぎってしまった。

「ぐッ……がはッ」

裂かれた腹から漏れる大量の血液と臓器を破壊されたショックで、アゼルは倒れた。
一方で翼は彼の腸を麺料理をすするように口の中へ吸い込み、咀嚼した。
急に猟奇殺人に走った仲間にフォズは戦慄に駆られて後ずさり、震えた声で問い詰める。

「つ、翼さん! どうしてこんなことを……ハッ!?」

そこでフォズは気づいた。
彼女の青い髪の中に見覚えのない銀と赤のメッシュが入り、口には吸血鬼の如き牙。
明らかになんらかの異常を彼女は孕んでいた――思い当たる原因はあの『塵』ぐらいしかありえない。
そして小声で何かを口ずさんでいることに。

「……いくつもの虹が重なり合うと風を受けて一人の意味を知った♪」

フォズは知る由もないが、それは怪物と化し先刻死亡したアイドル『四条貴音』の持ち歌なのだ。
その詩を歌いながら翼はフォズに刀を向ける。
フォズは仲間の豹変と生きながら臓器を抜き取られるショッキングなアゼルの最後を見たことによる恐慌状態から抜け出せず、切り替え追いつ

かない。
このままではかつての仲間に斬り殺されて、喰われる末路しかないだろう。

「正気に戻ってください! 翼さん!!」
「砕け散った空に風花が舞う……♪」

混乱などの対する回復呪文を覚えていないフォズは翼に必死に問いかけるも、修羅と化した彼女は応じてくれない。
ただ、目の前の獲物を喰らうため、ジリジリと近寄ってくるだけである。

しかし、ここで動けぬ幼女の代わりに主人公が動く。
風前の灯火であるアゼルが最後の力を振り絞って液体の入ったビンを翼に投げつけたッ!

「グッ……?!」

ビンは翼の顔面に直撃し、ガシャリと割れた。
だが、硝子の塊が当たった程度ではシンフォギアに守られている彼女に大したダメージは与えられまい。
真打はビンの中身にある液体であった。

「ぐ、うわああああああああああああッ!?」

液体を浴びた翼が悲鳴を上げ苦しみ、彼女の顔面が煙を上げて焼け爛れ始めた。
こうかは ばつぐんだ!

「これは……せいすい!」
(ほとんど直感だったが…試しに聖水をぶっかけたら大当たりだったな……)

アゼルの支給品は魔物を追い払うせいすい(聖水)であった。
バンパイアのようになっていた翼をアゼルはバンパイアと似た存在になったのではないかと思い、聖水を彼女にぶつけて見ることにした。
結果はドンピシャ、闇の属性を持った彼女に大打撃を与えたのだ。

「フォズ…後は頼…む……」

なけなしの気力体力が限界を迎え、仲間に後を託してアゼルは逝く。
主人公として生きられぬのならば、主人公としての意地を見せつけて死んだのである。

「アゼルさん! ……ううッ」

目の前で仲間を失った悲しみにフォズは涙する。
風の噂によると大災害以来、ザオラルなどの蘇生呪文の効きが悪いらしく、彼はもう生き返れないかもしれない。
しかし、感傷で立ち止まっている暇もなく、すぐにでも翼を『救わねば』ならない。

「あがッ…ぐふッ!」
「翼さん……せめて苦しまぬように一撃でッ!」

聖水で悶え苦しむ翼に向けて、フォズは賢者の杖を振りかぶる。
フォズの覚えている呪文の中に翼を救う術はない。
暴走状態の彼女を救うには、かいしんのいちげき を与える死の救済しか道はなかったのだ。
ここで逃げ出しても元気を取り戻した彼女が、また別の誰かを襲うのだろう……大神官としてそれは許せない。
弱っている今がまたとないチャンスなのだ。

「お許し下さい! 翼さんッ!!」

仲間のために仲間を打たねばならぬ運命を呪いつつ、フォズは杖を振り落とそうとし――



ガオンッ バスッ



――後方からの銃声、肉が弾け飛ぶ音と共にフォズの猫耳のような帽子が宙を舞った。
銃弾を受けたフォズの頭は、皮膚・頭蓋骨の一部を吹き飛ばされ、それによって生まれた穴からピンク色の脳が顕になった。

「え゛……な、にが……」
「ふわふわと たよりなげに きえた♪」

62受け継がれる「シ」:2013/10/04(金) 14:12:48 ID:5541QGdM0

一瞬何が起きたかわからない瀕死のフォズは後ろを振り返る。
そこには銃口から煙を吹くウィンチェスターM1912を構えた『ぼのぼの』がいた。
その体毛の一部が水色から銀と赤に変わっており、鋭い牙が生え、歌まで口ずさんでいる。
フォズたちの注意が翼に向いている間に、ぼのぼのも塵を被り、翼と同じ怪物と化していたのだッ!
怪物ぼのぼのは間髪入れず、脳漿したたる彼女の頭部に齧り付き、口で豆腐のように柔らかい脳みそを吸い取った!
悪意の全くないつぶらな瞳でそれをやっているので、近くに第三者がいたらなお恐ろしく感じただろう。

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛……」

脳みそを吸いつくされ、フォズは死に地に倒伏す。
ぼのぼのは脳みそをクチャクチャと咀嚼しながら聖水で苦しむ翼に駆け寄り、口移しで脳汁を翼に分け与えた。
するとどうだろうか? ケロイドが出てくるほど焼け爛れていた翼の顔面は元の凛々しい顔立ちに戻っていた。
そして窮地を救ってくれたぼのぼのに翼は問いかける。

「おまえはいったい……?」
「ぼくもツバサおねえさんとおんなじものになっちゃったみたい。
ゆめのなかで『しじょうたかね』ってひとにあったよ」
「そうか、言うなれば私たちは同族というわけか……」

どういうわけか同族は喰わないようになっているらしい。
ペットのヤギ二匹を貴音はなぜか食べなかったことに起因するのか。
そこで、ぐうううぅぅぅ、と一人と一匹の腹の虫がなった。
生まれ変わった身体が肉とらぁめんを欲しているがわかった。
両者の視線が自然と周囲に転がっている二つの死体に向く。

「この身体……トンでもない悪食になったな」
「はやくたべようよ。
たかねおねえさんも、いきることはたべること。
たべなきゃしんじゃうってこと。
たべるためには『ころしあい』をするひつようがあるっていってたよ?」
「ああ、そうだな。
アゼル、フォズすまない……いただきます」

死体の前で謝罪と食への敬意の意味を兼ねた手合わせをし、死体にかぶりついた。
人として最悪と言える仲間への裏切りと食人行為をしていることに翼は大粒の涙をする。
彼女は人食いの怪物になっても辛うじて人としてのモラルは残っていたのだ。
だが、どんなに悲しくても食べることを止められない。
精神力や意識の問題ではなく、本能として体が勝手に動くのだ。
もはや正義の味方で現代の防人である風鳴翼は死んだのである。

 @

四条貴音は確かに死んだ。
闇の属性を持つばんぱいあになったことが仇になり、魔を滅する技に長けた神の使徒であるアンデルセンによって討たれ、灰と化した。
しかし、彼女の細胞の極々一部は灰の中に混じって生きていた。
それはただの細胞ではなく、テラカオス化に最も近い恐るべき細胞だ。
灰はやがて風に煽られて飛散し、その灰は後に風鳴翼とぼのぼのが被ることになる。
灰に混じった細胞が体内に侵入し、一人と一匹の脳髄を侵し、体質まで作り替えてしまった。
細胞は貴音が生前まで持っていた能力と、本能という形で何もかもを食したい欲望まで引き継がせたのだった!

四条貴音は確かに死んだ。
しかし、彼女の未練と『詩』は細胞という形で受け継がれ、新たなる怪物を二体も生み出した。
ちなみに両者は殺し合いによるテラカオス化を期待できない陰性側だったが、四条の細胞の影響で陽性側に塗変わった。
主催本部でこの様子をモニターで見ていたジャック・Oは、この細胞による現象を『四条化』と呼ぶことにした。

63受け継がれる「シ」:2013/10/04(金) 14:13:32 ID:5541QGdM0



「「ごちそうさまでした」」

怪物たちは手を合わせて、自分たちの血肉となった者たちに敬意を表した。
アゼルとフォズの死体は骨も残さず食い尽くされ、仮に蘇生呪文が使えても復活は不可能になった。
そして、二人分の人肉を丸々食べてもなお、怪物たちの空腹は満たされなかった。
次に翼はどこかで拾ったビンの中の水を飲む。

「ツバサおねえさん、それなあに?」
「ん、これか? これはアゼルの持っていた聖水だ」

支給品である聖水はアゼルのデイパックに複数個入っていた。
それはともかくとして、聖水と言えば先ほど翼を多いに苦しめたハズだが……?

「そんなののんでたらおなかがとけちゃうよ?」
「溶けない理由がある、とりあえず君も飲んでみてくれ」

翼は手元の聖水をぼのぼのに渡し、飲ませた。
ぼのぼのは意を決して飲んでみたが、腹はもちろん口や喉が焼け爛れたりなどはしなかった。

「あれ? ただのみずみたいにのめるよ?」
「君もフォズの肉は食べただろう? 彼女は大神官だ。
その彼女の肉を食べることで私たちは聖なるモノへの耐性を手に入れた。
もう吸血鬼の弱点である聖水もニンニクも十字架も通用しない」
「ああ、わかった。 ぼくたちはたべればなるほど強くなれるんだね?」

神の大いなる加護を受けているフォズ大神官の肉を取り込むことで、聖の耐性を手に入れる体質改善がされたのだ。
かつて貴音がハバネロを食べて炎の耐性を手に入れたのと同じことである。
これについて翼は考察する。

「四条貴音は何もかもを食したいと思っていながらも、そのマイペースな性格が失敗を生んだ。
手当たり次第になんでも食べようとした結果、肉体の変化による弱点の増加を忘れて相性の悪い敵に挑んだことだ。
肉体の変化で弱点が増えるかもしれないのは私たちにも充分言えることだが、その点は今回のように耐性がつくものを食べることで補えるだろ

う。
水を使ってくる獲物には水耐性がつく肉を、雷を使ってくる獲物には雷耐性がつく肉を……それを続けていく内にいずれは全てを食いつくせる

ハズだ」

ほとんど何も考えずに無軌道な食人を繰り返していた貴音と違い、元々戦士であった翼は戦略的に食べていく算段ができていた。
全ての耐性を手に入れれば弱点もなくなって自分たちを滅ぼせる敵はいなくなり、この世の全てを食いつくせるだろう。
ぼのぼのには翼の説明が難しかったのか首をかしげるが、すぐに自分なりの解釈で飲み込んだ。
おもむろにデイパックから一つのキノコを取り出すぼのぼの。

「つまり、その『たいせー』っていうのをてにいれたら、いつかはあぶない毒きのこもたべられるようになるんだね?」
「その通りだ。 ひょっとしたらその毒キノコは一口で私たちを死に至らしめる代物かもしれないが、耐性を手にすれば苦もなく食えるように

なる。
食べられる獲物を見つけても、その点は注意して行動しよう」

方針が決まり、翼はどこかへと歩みだした。
その背中についていくのは、ぼのぼの。

「どこへいくの?」
「都庁だ。 あそこは怪物の住処になっていり、私たちにとっては獲物の多いホットスポットになりえる。
あわよくば、耐性という耐性を得て、今より格段に強くなれるかもしれんな」
「そうなんだ。 じゃあ、らぁめんやおにくをいっぱいたべようね!」
「ああ、それが私たちの継いだ四条貴音の意思ならばな」

修羅は獲物の巣窟である都庁へと足を運んでいく。
そんな修羅の目にはホロリと一筋の涙が溢れていた。

(立花たちは今の私を見てどう思うだろうか……
落胆、軽蔑、恐怖……間違いなく良い感情は持ってくれないだろう。
だがもう遅い、もう戻れない、私は私自身を止められない。
このまま死ぬまでノイズと大差ない悪食の怪物なのだ。
だからせめて仲間たちには、躊躇なく私を滅ぼしにかかってほしい。
死でしか私を止める手段はないのだから)

まだ微かに残っている人間性からくる悲しみの想いを、翼は歌いながら解消しようとする。



――過去が明日に変わり吸い込まれる未来に心覆う闇は晴れることは無く

64受け継がれる「シ」:2013/10/04(金) 14:14:18 ID:5541QGdM0




【一日目・13時00分/日本・東京都のどこか】

【風鳴翼@戦姫絶唱シンフォギア】
【状態】空腹、炎耐性(強)、きゅんっバンパイア化、聖耐性(強)、四条化
【装備】シンフォギア・天羽々斬@戦姫絶唱シンフォギア
【道具】支給品一式
【思考】
基本:四条貴音の意思を継ぎ、空腹を満たす
1:食べられればなんでも良いが、特にらぁめんを食べたい
2:貴音の失敗を鑑みて、より多くの耐性が得られそうなものを優先して食す
3:ペットとしてぼのぼのは連れて行く
4:立花たちが今の私を見たらどう思うか……
※四条貴音の細胞に肉体を侵食されたため、四条化し貴音の能力と一部の記憶を受け継ぎました
※テラカオス化の進行度合いも受け継がれています

【ぼのぼの@ぼのぼの】
【状態】空腹、炎耐性(強)、きゅんっバンパイア化、聖耐性(強)、四条化
【装備】ウィンチェスターM1912
【道具】支給品一式、ヒョウヘンダケ@ぼのぼの×10
【思考】
1:おなかすいたなあ
2:「ころしあい」っていうのはたべることなんだね!
3:ツバサおねえさんについていく
4:みんなどこにいるのかなぁ
※四条貴音の細胞に肉体を侵食されたため、四条化し貴音の能力と一部の記憶を受け継ぎました
※テラカオス化の進行度合いも受け継がれています


【アゼル@ルーンファクトリーオーシャンズ 死亡確認】
【フォズ大神官@ドラクエ7 死亡確認】

65魔境グンマーの奥地にて:2013/10/04(金) 22:27:38 ID:dWYBru9g0
魔境グンマー、そこは危険地帯である
凶暴な動物、行ったらまず迷う大自然、そんなところである
第一今は殺し合いの最中である、だれだってここには余りよりつかないだろう
そんな魔境に話し声が聞こえる

「ふむ、地図によるとここらった辺か」
「だな」
「ですね」

その三人は地図を見ながら言った
上から順番に脳噛ネウロ、アーカード、 赤屍蔵人
なぜ、こんな三人がグンマーを冒険しているのかというと、本人たち曰く戦っているよりこっちのほうがおもしろそうだったとのこと

「しかし、いつになったら遺跡につくのやら」
「まあ、そう愚痴らないでくださいあの集落の住人たちは私たちよりもここには詳しいのですから」

そうこの三人は原住民の集落へ、行っていたのだそしてそこで地図をもらったのだ
余談ではあるがなぜかグンマーの原住民たちは首輪がついていなかったらしい
そして、三人の首輪も一時的に停止しているようだ
そんな彼らの目的地はグンマーのさらに奥にある遺跡なのだ

「まあ、とりあえず確実に進んでいるのは事実であろう、たぶん」
「最後に聞き捨てならない聞いたのだが」
「まあまあ、ここは抑えてくださいよアーカードさん」

そうして三人はグンマーを歩いてゆく
なお猛獣たちはこの三人に何頭か倒されている

【一日目・13時00時/日本・グンマー】

【脳噛ネウロ@魔人探偵脳噛ネウロ 】
【状態】健康
【装備】魔界777ツ能力@魔人探偵脳噛ネウロ  グンマーの地図
【道具】支給品一式 缶詰×25 テント
【思考】基本:さあ探索だ
1:遺跡はどこだ?

【アーカード@HELLSING】
【状態】健康
【装備】対化物戦闘用13mm拳銃「ジャッカル」×2@HELLSING
【道具】支給品一式 缶詰×25 テント
【思考】基本:グンマーを探索する
1:ネウロについていくか
2:やれやれしっかりしてくれ

【赤屍蔵人@GetBackers-奪還屋-】
【状態】健康
【装備】メス
【道具】支給品一式 缶詰×25 テント
【思考】基本:グンマーを探索する
1:ネウロについていく

※彼らの首輪は一時停止しているようです

66ある戦いの結末:2013/10/05(土) 01:29:10 ID:TBc4Kmmw0
 キョウスケはゆかりから逃げ続ける事しか出来なかった。
エンシェントソードの前では、銃で牽制しつつ逃げるしか、キョウスケに手札は残されていなかったのだ。
しかも、ゆかりは不思議のダンジョンで鍛えられており、軍人のキョウスケでさえも逃げ切れなかった。

(駄目だ、今回ばかりは突破口が見つからん……)

 そんなキョウスケだが、一人の少女とすれ違いそうになった。
そして、その少女が雷に焼かれた。
キョウスケの目の前で。

(仲間の仇から逃げ続けるどころか、無関係な人間まで巻き添えに……俺は……)

 それは、怒りだった。
目の前で二人の人間を殺されたという怒り、そして、それを防げなかった自分への怒り。
それは、キョウスケの原動力となるのに時間はかからなかった。

「ただ、撃ち抜くのみ!」

 自信に気合を入れ反転し、捨て身の射撃を試みるキョウスケ。
それを見たゆかりはエンシェントソードを振るう。
雷に焼かれるキョウスケだが、ゆかりもまた銃弾に頭を貫かれていた。
そう、キョウスケは雷が来るよりも早く銃を撃っていたのだ。

【一日目・13時10分/東京都渋谷】

【キョウスケ・ナンブ@バンプレストオリジナル 死亡確認】
【四季映姫ヤマザナドゥ@東方Project 死亡確認】
死因:雷

【結月ゆかり@VOCALOID 死亡確認】
死因:射殺

67混沌より這いよる絶望――――それが、彼。:2013/10/05(土) 01:32:15 ID:UrtsExQk0
熊本か、なんかそこらへんにあると言われている隠れた県、熊岡県。
そこで、クマの虐殺や、クマの斬首。挙げ句の果てには少女の覚醒。
そんな不思議な県にある一人の男が来訪していた。

「うわあああぁ! くっ、熊の死体ですと!?」

それは、斬首されたフリッピーの死体。
それを発見したクマのようなブタのような……そんな大きい体格と、ネコのような上唇を持つ青年が絶叫しているところであった。

「どうやら軍服を着た緑色のクマのようですが……そんな漫画のような生き物を見たのは、前代未聞ですぞ!
 しかも、首を切られて……あわわわ、いくら殺し合いが起きているとはいえ、これは明らかに異常ですなぁ……」

彼は【超高校級の同人作家】山田一二三。
学園祭で1万部もの同人誌を完売させた偉業を持つ、同人界のカリスマ的存在である。
希望ヶ峰学園に入学。そしていつの間にやら白黒の謎のクマ。コロシアイ学園を命じられてから……そんな間もない頃。
彼は、いつの間にやら学園から抜け出していた。それは、モノクマの口から語られた。

「まさかあの時は、『大統領がコロシアイを宣言したからここから出ていいよ』なんて言われるとは夢にも……
 しかも、世界は人々が殺し合うまさにYouはShokな世界……
 これも……モノクマの仕業なんでしょうかねぇ?」

山田は思考を巡らせる。
さすがに高校生名探偵とはいかないが、彼もそれなりに知力はある。
しかし――矢張り真実は頭から出てきはしない。

「……とにかく、この死体は埋葬しておくことにしましょう。
 いくら奇妙な生き物だからといって、放っておくのも可哀想ですからな……」

そう言って山田がフリッピーの死体に手を触れる瞬間だった。



「待ってよ山田クン!」

「うおっ!? モノクマァ!?」


そこにいたのは――
白い左半身に黒い右半身。
右の片方の口が悪魔のようにせり上がり、左目は赤く光っている。そんなクマ――
そう。モノクマだった。

「あれ? もしかして埋めようとしてた?
 山田クンって結構優しいんだね! もっと狼狽えて逃走しそうなキャラだと思ったんだけどなぁ〜」

モノクマは相変わらず顔をニヤニヤさせながらいつもと変わらない様子で減らず口を叩く。

「それで……なんの用なんですか。
 もしかしてモノクマもこれに用事があるというのですか?
 はっ、もしかして……共食い?」
「んなわけないじゃーん!
 絶望の使徒・テラカオス誕生の材料にするだけだよ!
 ……はっ。言ってしまった……!」
「……見事に語るに落ちてますなぁ。
 で、テラカオスってなんなんですか!? まっ、まさか……悪の大魔王を降臨させるとか、そんな厨二的な?」
「ま、そんなもんかな。混沌の大魔王って言った方がしっくりくるんだけどさ!」

68混沌より這いよる絶望――――それが、彼。:2013/10/05(土) 01:32:51 ID:UrtsExQk0





モノクマは、自分が知っていることを大体話した。
そのために自分と同じ思想を持つ者たちと徒党を組んだこと。
そのために大統領である野田総理を傀儡として利用したことを。
そして、テラカオス誕生のために色々な材料を集めていることを。
……本来言ってはいけないはずの絶望的な真実を、彼は語るに落ちていた。

「なっ、なんですかそれ!?」
「まぁ、シックスクンとかはなんか殺されちゃったみたいですけどね!
 まあ絶望の芽を摘んでたんだから、いつか相応の絶望が来るとはよそうしてたけど……
 うぷぷぷ、絶望のための栄養になったんだから、それもまた絶望的にOKなんだけどね!
 ちなみに、ボクだけじゃないよ……日本中にボクの仲間はいっぱいいるからね! 以前までに出てるのは本当にごく一部なんだからね!
 ま、ボクもですけどね……ボクも本当にただの一部……そもそもボスとかそーゆーのいないんですけどねー!
 ぶひゃひゃひゃ、絶望的だねー! いるとすれば、コーホーとか言ってる黒づくめの仮面の人ですかね。計画立案者はその人みたいだし。
 まあボクも希望ヶ峰学園の学園長としてプロジェクトテラカオスに賛同したわけだけど、当然後悔はしてないよ。
 だって、コロシアイ学園生活よりも、もっと早く簡単に絶望を与えられる……だからボクもこの計画に乗ったんだし?」
「な……なんてことだ……
 いつの間にか世界がこんなことになっていたなんて……
 最早、二次元と三次元の区別が……これこそがまさにテラカオスですぞ!?」
「うぷぷ……だからこそ、このコロシアイで大虐殺を行っていた、このフリッピー。それも凶暴性のある人格を手に入れようとしたんですよ。
 テラカオス化の進行には、やっぱり混乱という名の絶望……それが必要不可欠だと思ったのです! だから、ボクが思いついたのが、ナノマシンを混入させた水に、更にボクたちが改良を加えて進化させようということですよ! いや、改悪かな?」
「えっ……それは……つまり……」
「おっと、お話はこれまで!
 ボクの話を聞いたからには無事では帰さないよ! 山田クンには開発実験の実験台になってもらうからね!」
「えっ、なんで……僕が……?
 ……ぁ、なんだか――ねむ――――」

――――山田の意識はそこで途切れた。



「……うぷぷぷ。麻酔銃を持ってて良かったよ。
 それじゃ、ボクはみんなと合流しようかな」

プロジェクトテラカオスは、新たな段階へと――登り始める。
いや、降り始める?

「そういや、テラカオスの理とかいうイレギュラーが気になるけど……まあいいや」






【一日目・13時02分/日本・熊岡県】

【モノクマ@ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生】
【状態】健康
【装備】フリッピーの死体、腕時計型麻酔銃@名探偵コナン
【道具】支給品一式
【思考】
基本:テラカオスを生み出し、全人類を絶望させる
0:新たなテラカオス化の材料のため新たな実験をする
1:計画のために殺し合いを促進させ、計画の邪魔をするものはオシオキする
2:本部へ帰還し、実験を遂行する

【山田一二三@ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生】
【状態】健康
【装備】
【道具】支給品一式
【思考】
基本:昏睡中
0:――――――――

69混沌より這いよる絶望――――それが、彼。:2013/10/05(土) 02:00:10 ID:UrtsExQk0
色々とつけ忘れたので修正します

【モノクマ@ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生】
【状態】健康
【装備】フリッピーの死体、腕時計型麻酔銃@名探偵コナン
【道具】支給品一式
【思考】
基本:テラカオスを生み出し、全人類を絶望させる
0:新たなテラカオス化の材料のため新たな実験をする
1:計画のために殺し合いを促進させ、計画の邪魔をするものはオシオキする
2:本部へ帰還し、実験を遂行する
3:テラカオス誕生後の彼ら(幹部)に対してはどうしようかな……
※主催側の一員です。科学技術班としてプロジェクトに参加しています
※テラカオスについては盗み聞きにより知っています

70混沌を覗いた時、混沌もまたこちらを覗いているのだ:2013/10/06(日) 01:18:57 ID:FCaMpeU60
 転送ゲートによって主催の本拠地にある自分の研究室に戻ったモノクマは、さっそく実験を開始していた。
他に誰も人が通らない区画に研究室を作った為、邪魔が入る心配は無い。

「うぷぷぷ、山田クンにはこの新型ナノマシンを投与してあげるからね」

 そう言って麻酔で眠っている山田に注射するモノクマ。
あとは、計器を見ながら山田が目覚めるのを待つだけになるはずだった。

「あれ、なんかシュミレーションよりも数値が上がって……まずい!?」

 モノクマが気付いた時にはもう遅かった。
山田の身体が急激なテラカオス化に耐えきれず、自壊して内包するエネルギーをブチ撒けようとしてたのだ。
実は、テラカオス化の進行による変化は、テラカオス化する際に耐えきれず身体が自壊するのを防ぐ為に起こるものだったのだ。
そして、モノクマの作った新型ナノマシンは、そのプロセスを簡略化する事でテラカオス化の進行を早めるというものだった。
勿論、それは、安全装置兼リミッターを外すも同然のことである。

「ひいいいいいいぃぃぃぃぃぃ!!」

 自分の仕出かした重大な計算ミスに気付き、思わず悲鳴を上げるモノクマ。
山田が自壊した際に放出されるエネルギーは、自分の研究室を破壊しつくすには十分だったからだ。
必死に逃げ出すモノクマだが、それは失敗した。
パニックになるあまり、ドアの開閉に必要なカードキーを落としてしまったのだ。

「助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて」

 恐慌状態になり、ドアに何度も体当たりするモノクマ。
絶望を与える側だった彼は今、絶望する側になっていた。
そして、山田が自壊し、モノクマは研究室ごと破壊しつくされた。

【一日目・13時15分/九州ロボ・モノクマの研究室跡】

【山田一二三@ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生 死亡確認】
死因:自壊

【モノクマ@ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生 死亡及び再起不能確認】
死因:身体を完全破壊

71モノクマが再起不能と書いてあったので:2013/10/06(日) 21:45:17 ID:tJ3Hh5YYO
一方、モノクマの本体もまた、モノクマを通じて発狂し、自害していた。

【一日目・13時15分/九州ロボの何処か】

【モノクマの本体@ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生 死亡確認】
※原作のネタバレ防止の為、名前はこの表記です。

72ワラウカオス:2013/10/07(月) 01:41:37 ID:r7583BlI0
「んー、こりゃひでえ。どこもかしこもメチャクチャか。
 まさに『無残な状況』だぜぇ」

山田の自壊により無残にもバラバラと化したモノクマの技術室。
そこでモノクマと同じくプロジェクトテラカオス、科学技術班のバッジを着けた黄色のカエルかなんだか分からない宇宙人がいた。
彼はゾディアーツ化して火野ケンイチと共に行動している宇宙人、ケロロ軍曹の部下で、ケロロ小隊作戦通信参謀、クルル曹長である。
加入理由は『面白そうだから』らしい。
大爆発により発生した轟音を聞きつけここに来たのである……が。

「あー、ナノマシンの実験とかどうとか言ってたなァ。これを見る限り失敗したと見ていいな。
 クックックッ。いきなりプロセスをすっ飛ばそうとするからこんなことになんだよ。まっ、アイツラのやってることはわからないぜぇ。総理大臣まで利用して殺し合いさせちまうんだからよ」

クックックッ。
そんな笑い声をあげながらほくそえむ黄色いカエル。
そんなとき、彼はあるものを見つけた。
そう。爆発の際培養液から割れたフリッピーの死体である。
モノクマや研究室は全壊したはずなのに、爆発の原因となった彼自身の肉体はは硬い培養液の容器に守られてほぼ傷のない。いや首だけ斬り傷のある死体として残っているのはまさに皮肉であろう。

「あー、こりゃ前半参加者を大量虐殺してた暫定トップマーダーか。まさかブタに殺されるとは思わなかったけどな。
 …………クックックッ」

クルルはなにやら良からぬことを企んでいた。
いつにも増して黒い笑いを浮かべている。
そして、彼はあることをするため、研究室に向かって行った。





◆   ◇   ◆   ◇   ◆   ◇   ◆   ◇

73ワラウカオス:2013/10/07(月) 01:48:31 ID:r7583BlI0




「お前のDNA、使わせてもらうぜぇ。ちょっと面白れぇことになりそうなんでなァ」

クルルはなにやらよくわからない機械にフリッピーの身体をスキャンさせる。
すると、その機械のモニターに彼のDNA情報が明確に記載されたのだった!

「コイツの殺人鬼の人格のデータをナノマシンに組み込む……
 これでナノマシンにはこのクマのデータが入るはずだぜぇ」

モノクマが失敗した理由。
それはモノクマが『テラカオス化』を目的としてナノマシンを改悪したからである。
初めからテラカオス誕生を目的として作られたため、いろいろ大事なプロセスをすっ飛ばした結果があの大惨事である。
しかし、クルルはあくまで班の一員というだけであり、本来の目的については知らない。
つまり、彼は、ただの興味本位でこの実験をしたのである。
テラカオスは、狙ってやるのではなく、ひょんな些細な出来事から起こる――シックスやモノクマが大きな失敗をしたのは、テラカオスを知りすぎたためである。と自分、――――は説明したい。




「……無事完成したぜぇ。さすが俺様、どこかのクマとは大違いだったなぁ。
 これで口にした参加者は殺人鬼の人格を持つはずなんだが……実験はどうするか……まっ、転送装置で参加者のディパックにでもこっそり入れとくか。失敗したとして、俺様にとっては関係ねぇからなぁ。クーックックックッ……」

こうしてクルルは無意識に、改造ナノマシンによる飲料水を発明し、こっそりと転送した。
当然だが転送は無事に済んだ。さすがケロン軍脅威のメカニズムと言うべきか。

「……面白くなってきそうだぜぇ。クックックッ……」


この飲料水がテラカオス誕生にどう繋がるかはまだ分からない。
何故なら、クルル曹長はテラカオス化を促進させるのではなく、この効果に加えフリッピーという名の殺人鬼の人格を植え付けるという付加効果を付けただけなのだから。
そしてそれは付加となるのか、それとも――――
そして、暫定トップマーダーだったクマの死体は、いまだに『呪い』のようにそこに無傷でいる。

ソノクマハ、シンデイルハズナノニ、イマニモワライダシソウダッタ――――




【一日目・13時21分/九州ロボ・クルル曹長の研究室】

【クルル曹長@ケロロ軍曹】
【状態】健康
【装備】
【道具】研究用具一式
【思考】
基本:面白そうなのでプロジェクトテラカオスに加担する
1:命令通り新たな殺し合い促進のための兵器開発を続ける
2:新型ナノマシン飲料水について報告。ついでにモノクマの死亡も
3:隊長、ハッスルしてやがるなァ
※主催側の一員です。科学技術班としてプロジェクトに参加しています。
※主催側の真意についてはまだ知りません。



【その他備考】
※フリッピーの死体がクルルの研究室に横たわっています。
※クルルの発明した新型ナノマシン入り飲料水が全参加者のディパックにこっそりと転送されました。

74混沌な名無しさん:2013/10/07(月) 02:16:59 ID:r7583BlI0
全員だとやりすぎだと指摘があり、確かにバランス崩壊が顕著だと判断したので
ランダム数人に修正します

※クルルの発明した新型ナノマシン入り飲料水が一部の参加者のディパックにこっそりとランダムに転送されました。

75再会のプリキュア! 愛の名を持つ少女達!!:2013/10/07(月) 22:56:13 ID:GSN6xUWc0
「レイプ!」
「レイプ!」
「レイプ!」
「レイプ!」
「レイプ!」
 聞くのも恥ずかしくなってくるような単語が遠くから響いてくる。
 老若男女関係なく、空気を震えさせんばかりの勢いで叫んでいた。大阪の天守閣にあるライブハウスでは、今が殺し合いという状況であるにも関わらずコンサートをやっている。
 そこには桃園ラブもいた。黒い衣服を纏った少女と戦っていたら、いつの間にかこんな所にいた。キュアパッションのパートナーである妖精・アカルンが瞬間移動をしてくれた訳でもない。そもそも彼女の姿すら見られなかった。
 だけど、それをここで考えても仕方がない。今はワドルディの方が心配だった。
 案内してくれた二人には悪いと思うけどワドルディを安静にさせるのが優先だったので、ライブからこっそり抜け出してラブはここまで来たのだ。
「ワドルディ、大丈夫かな……」
 ライブハウスの医務室に備え付けられたベッドで眠るワドルディの手をラブは握る。
 あの戦いで気絶してから何時間も経つけれど、ワドルディは目覚める気配がない。怪我はしていなさそうだけど、だからといって大丈夫とは思えなかった。ワドルディの為に何かをしたかったけど、ラブは医者じゃないからどうすることもできない。
 ワドルディが一刻も早く起きてくれるのを祈るしかできなかった。
(ブッキーだったらどうにかできたのかな? シフォンが便秘になった時みたいに。あの時はブッキーがいたからシフォンは元気になったけど、今はあたししかいないんだよね……あたしにできることがあればいいのに)
 憂いを帯びた表情でワドルディを見つめながら、ラブは思わず溜息を吐いてしまう。溜息をすると幸せが逃げると昔から言われている。だけど、溜息を吐きたかった。
 ライブの大合唱であまり聞こえて来なかったけど、主催者は放送を行った。朝になるまで、たくさんの人が死んでしまっている。それがラブには悲しかった。
 助けられたはずの人を救えなかったし、誰かを殺そうとしている女の子を止めることができない。これじゃあプリキュア失格だった。本当なら今すぐにでも殺し合いを止める為に動きたいけど、ワドルディを放っておくわけにもいかない。
「そういえば、せつなもずっと前に今のワドルディみたいな事があったっけ……あの頃はまだ、あたし達は敵同士だったっけ」
 不意に、ラブは昔のことを思い出す。
 東せつながまだラビリンスの幹部・イースだった頃の話だ。あの頃の彼女は真夏の暑い日だろうと、ラビリンスの為に相当無理をしていた。その結果、せつなは倒れてしまい、ラブは医務室まで運んだ。
 それからせつなの正体がイースだったことを知って、ラブは悩んだ。だけど、蒼乃美希やカオルちゃんの助言を聞いて立ち直り、イースと戦うことを決める。そして、彼女はキュアパッションになった。
 そんなに昔の出来事じゃないのに、ラブにとっては懐かしく感じてしまう。
(みんな大丈夫かな……何もなければいいけど、やっぱり心配だよ……)
 主催者である野田総理は日本国民全員に殺し合いをさせたと言った。その言葉が正しければ、プリキュアのみんなやクローバータウンストリートを始めとした街に生きる人達も巻き込まれているかもしれない。それにワドルディの友達だってどこかにいるかもしれなかった。
 そう考えると、ライブステージだって心を躍らせることができない。いつもなら浜田雅功や鹿目まどかと一緒に盛り上がっていたかもしれないが、今はそれどころではなかった。
 あそこにいる人達はこんな状況であるにも関わらず、音楽を楽しんでいた。もしもスイートプリキュアのみんながいたら、きっと喜んでいたかもしれない。
「……そうだよ! あたしはプリキュアだから、落ち込んじゃ駄目だよ! 落ち込んでいたら、ワドルディだって悲しむって!」
 ラブは両手で頬をパン、と叩きながら、自分にそう言い聞かせた。
 本当なら落ち込んでいる場合ではない。むしろ、みんなを励まさなければいけなかった。みんなを支える立場なのプリキュアが悲しんでいたら、誰がみんなを支えるのか?
 もしもここに美希がいたら、また引っ叩かれる所だった。
「ごめんねワドルディ。あたし、どれだけ辛くても頑張るから……あなたのことだって守ってみせるから!」
 未だに眠っているワドルディに、ラブは優しく告げる。
「……おーい!」
 その瞬間、部屋の外から女の子の声が聞こえてくる。会場の大声に負けないくらい、凄い声だった。
 それを聞いたラブが振り向いた瞬間、ドアが勢いよく開かれた。それに驚いたラブはピクリと身体を震わせてしまう。
「お待たせー!」
 少女は姿を現した。
 あまりにも唐突すぎてラブも一瞬だけ目を見開いてしまう。しかし、現れた少女の姿を見てすぐに笑みを浮かべた。

76再会のプリキュア! 愛の名を持つ少女達!!:2013/10/07(月) 22:57:04 ID:GSN6xUWc0
「あなたはもしかして……マナちゃん!?」
「そうだよ、ラブちゃん!」
「おまたせシャル〜!」
 そこに現れたのは、フレッシュプリキュアとは違うプリキュアであるドキドキプリキュアの一人。ジコチュー達と戦っているプリキュアの一人、キュアハートに変身する少女だった。
 その名を相田マナ。妖精シャルルとパートナーを組み、大貝第一中学校の生徒会長である少女だった。ちなみに全開ロワに参戦したキュアハートとは関係ない……かもしれない。
 そんなマナの隣では今、シャルルが飛んでいる。
「話は大体聞いたよラブちゃん! 大丈夫! このあたしが来たからには、もう大丈夫だから!」
 胸を張ってそう宣言する相田マナを見て、桃園ラブは満面の笑みを浮かべた。



【一日目・13時20分/日本・大阪・ライブハウスの医務室】



【桃園ラブ@フレッシュプリキュア!】
【状態】健康
【装備】リンクルン@フレッシュプリキュア!
【道具】基本支給品一式、大量のドーナツ
【思考】
基本:絶対に殺し合いを止めて、みんなが助かる方法を探す。
0:マナちゃん!?
1:誰かを探しながら、ワドルディを守る。
〔備考〕
※9期とは関係ありません。


【ワドルディ@星のカービィ】
[状態]:気絶なう
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、不明支給品
[思考・状況]
基本:殺し合いには乗らない。
1:桃園ラブと一緒に行動する。
〔備考〕
※6期とは関係ありません。
※アニメ出展なので、喋る事ができません。


【相田マナ@ドキドキ!プリキュア】
【状態】健康
【装備】シャルル@ドキドキ!プリキュア
【道具】基本支給品一式、不明支給品
【思考】
基本:殺し合いを止める。
 0:もう大丈夫だから、ラブちゃん!
 1:ラブちゃんと一緒にいる。
〔備考〕
※全開ロワとは関係ない……かもしれませんが、実際はどうなのかは後続の書き手さんに任せます。
※上記以外に何を考えているのかは現時点では不明です。

77混沌な名無しさん:2013/10/07(月) 22:57:37 ID:GSN6xUWc0
以上で投下終了です。

78死を覚悟しろ:2013/10/08(火) 00:36:02 ID:FsS.p49Q0
夜神月はナルガクルガから逃げていた、しかしそろそろ限界でもあった

(ああ、もう無理だな足も限界だ)

そうして、なんか達観しかけて足元がおるすになっていたのか
おもいっきりこけた
こけるとき顔面を地面にぶつけた
そしてあわてて振り向くと目の前にナルガクルガがいた

(あ、終わったなこれ)

そして夜神月は死を覚悟し目をつぶった
ナルガクルガはそのまま月を殺そうとした瞬間
ナルガクルガが吹っ飛ばされた、そしてそのままナルガクルガは近くにあった塀を壊し家に衝突する
そして、月が目を開けるとそこには金髪の槍をもった男が立っていた
しかし気絶はしなかったようですぐに起き上がり、自分を吹っ飛ばした人物のところへと一気にせまった
そして、攻撃を行おうとしたが金髪の男の一撃がナルガクルガを襲いそのままナルガクルガの命を奪った

【ナルガクルガ@モンスターハンターシリーズ 死亡確認】

そして、金髪の男、ラインハルト・ハイドリヒはつぶやく

「強いと思ったのだが案外弱かったな」

【一日目・13時20分/日本・千葉県】

【ラインハルト・ハイドリヒ@Dies irae】
【状態】健康
【装備】聖約・運命の神槍(ロンギヌスランゼ・テスタメント)@Dies irae
【道具】支給品一式 
【思考】基本:さて、どのような強敵が現れるかな
1:野田総理の配下にしてやられたな
2:このモンスターは弱かったな
※この獣殿は存知がありません
※創造と流出は使えないもよう、ただしこれから使えるようになるかも


【夜神月@DEATH NOTE】
【状態】疲労
【装備】栄養ドリンク
【道具】支給品一式
【思考】
1:なにがおきたんだ

79光熱斗の奇妙な冒険 Part4:2013/10/08(火) 03:40:32 ID:K8vSVlnQ0

「ジャスティスワン・ザ・ワールド! 時は止まるッ!」
「そんなのありかぁぁぁ―――ッ!」
「ディおじさん、タイム連打はずるいよ」 
「タイム連打ではないッ! ちゃんとチップを使ったぞッ!!」

 大画面モニターに映し出される、大迫力のネットバトル。
 しかし、二時間近くも戦ってるのに決着が付かない。うーん、このネットバトル素人ども。
 
『シグナムよ、ランダムミステリーデータの徴収が終わったぞ』
「うむ、ご苦労」 
 
 と、私はこの二時間の間、ネット徘徊兼ランダムミステリーデータで資金稼ぎ兼情報集めをしていた。
 軽くジョースター家の財産以上は稼いだ、やったぜ。
 しかし、疑問に思うんだが、このランダムミステリーデータは一体、いつ誰が何のために設置しているのだろうか?

『それとな、面白い情報を手に入れた』
「ほう、面白いか」
『どうやら、あの九州ロボを作ったのは光祐一郎という男らしい』
「それは知っている」
『……だが、本来彼は九州ロボをこの殺し合いとは別の目的で作ったらしい』
「別の目的……か」

 正直、どうでもいいが、一応驚いておく。
 私にとっては本当にどうでもいい。殺し合いの次にどうでもいい。
 ……一応、対主催だからね。働きたくないけど一応は。

 そんな時であったか……上条さんの頭上に何やら人影が……
 まさかとは思うが、ワープという奴か? 科学の力ってすげー。
 というより、上条の不運もここまでくると逆に笑えないな。
 まあ……上条さん、上から来たぞ、気を付けろッ!


「リアル・ガッツシュート!!」


 瞬間、一人だけ反応した熱斗少年が思いっきり何かを投げた。
 いや、投げたでは語弊であった……正確には殴り飛ばした。
 あれは……デイバックに入ってたデカオと呼ばれていたネットバトルガチ勢だ。
 すごい勢いで放たれたデカオと呼ばれていたネットバトルガチ勢は上からの襲撃者にぶつかった。
 そして、凄い真顔で襲撃者に言い聞かせた。


「男同士の真剣勝負であるネットバトルの邪魔をするんじゃない」
「………!?」


 ……ヤバい。
 真顔なのも相まって殺気というかそういうのが凄まじくなってる。
 ここまで殺気はこのシグナムも感じたことはなかった。
 
「……これがネットバトル……!」
『いや、恐らくは違うと思うが?』

 そして、デカオと襲撃者は大画面モニターにぶち当たった。
 そのまま、襲撃者は動かなくなったが、デカオと呼ばれていたネットバトルガチ勢は立ち上がりデイバックの中に戻った。
 しかし、大画面モニターの液晶がぶっ壊れてしまった……ふむ、これで上条さんとディおじさんの決着は付けられない。

「プラグアウトだッ! デューオ!」
『……ふむ(安心)』
「こっちもプラグアウトだ、シャドーマン」
『御意』

 一時中断となった……もう引き分けでいいだろ、これ。
 しかし、一つだけ分かったことがあった。

「貴様、ジョースター家の者ではないなッ!」
「だから、さっきからそう言ってるじゃないですか!!!」

 上条さんはジョースター家のものではなかった。ですよねー。

80光熱斗の奇妙な冒険 Part4:2013/10/08(火) 03:40:59 ID:K8vSVlnQ0

「それにしても、ディおじさん、そんなネットバトルしてたら、いつかデリートされちゃうよ?」
「知ったことではないッ! ……と、言いたいが、回復用のサブチップがないッ!」

 残りHP一桁だからね。
 ムラマサを振れば最高威力が出せそうだ。

『そうだ、熱斗君、あの豆で回復できるんじゃないかな?』
「そうだな、ディおじさんちょっとそのPETかしてくんないかな?」
「いいだろうッ! 壊すなよ、熱斗!」

 そして、熱斗少年はディおじさんからPETを受け取った。
 ……あれがPSPであることは今は放っておいてもいいだろう。
 そして、PSPのディスク居れるところを開いて……

「仙豆だ、食え」

 PSPの中に5粒ほど豆を詰め込んだ。
 すると、不思議なことが起こった。

 ▽デューオのHPは全回復した。

「なっ!?」

 まあ、仙豆だからね。
 これにはディおじさんも驚愕していた。
 PSPでネットバトルするような奴が驚いているということは相当なことだろ。

「しかし、さっきの男は一体なんだったんだ?」
「デカオだよ」
「違うそうではないッ! アイツだッ! ……って、あれ?」

 ディおじさんはモニターに磔になっていた男の方を指差した。
 しかし、そこには何もなかった。逃げたのか……しぶとい奴め。 

【一日目・13時30分/日本・秋葉原】
【光熱斗@ロックマンエグゼ】
【状態】健康、激しい怒り
【装備】自分のPET(ロックマン入り)
【道具】支給品一式×2、大山デカオ@ロックマンエグゼ、大山デカオ@ロックマンエグゼ2
    デカオ(ロックマンエグゼ3)が作ったおべんとう、チップトレーダー@ロックマンエグゼ、
    大量のガッツマンのチップとバグのかけら、ガンデルソル3(実物)ネオバリアブル(実物)
    大山デカオ@ロックマンエグゼ3(BLACK版)、大量の金、他不明
【思考】基本:野田総理にネットバトルを挑んで勝つ!
1:プリズムとフォレストボムのチップを探す
2:その為に色んな人にネットバトルを挑む
3:上条(ジョジョ)さんとディおじさんの決着をつけさせる
4:千石うぐいすと末原恭子を野田総理に引き渡す、その際にネットバトル挑む。


【ロックマン@ロックマンエグゼ】
【状態】HP満タン
【装備】ロックバスター
【道具】なし
【思考】基本;熱斗をサポートする
1:野田総理がネットバトルを受けてくれるか、心配。
※PETの中にいます


【シグナム@リリカルなのはシリーズ】
【状態】健康、自称フリーター
【装備】レヴァンティン
【道具】支給品一式、PET(カーネル入り) 、大量の資金とかチップ
【思考】基本:働かなくて済むように動く
1:二人についてくる
2:野田は倒す
3:上条(ジョジョ)か……一理ある
※今までとは別人ですが記憶を受け継いでいます

81光熱斗の奇妙な冒険 Part4:2013/10/08(火) 03:41:30 ID:K8vSVlnQ0

【カーネル@ロックマンエグゼ】
【状態】HP満タン
【装備】カーネルのブレード
【道具】なし
【思考】基本;ロワの破壊
1:今は(仕方ないので)シグナムに従う
※PETの中にいます

【上条当麻@とある魔術の禁書目録】
【状態】健康、不幸
【装備】PET(シャドーマン入り)
【道具】エスパー伊東@現実
【思考】
基本:

                    いいぜ ヘ(^o^)ヘ
                            |∧
                            /
                野田総理が
             何でも思い通りに
             出来るってなら
                 /
             (^o^)/
           /( )
          / / >

      (^o^) 三
      (\\ 三
      < \ 三
..\
(/o^)
( / まずは
/く そのふざけた
   幻想(ロワ)をぶち殺す
1:知り合いに会いたい


【シャドーマン@ロックマンエグゼ】
【状態】HP90%くらい
【装備】ムラマサ
【道具】なし
【思考】基本:上条に従う
1:敵は殺す、慈悲はない
※PETの中にいます

【ディオ・ブランドー@ジョジョの奇妙な冒険】
【状態】疲労、全身にダメージ
【装備】PSP(デューオ入り)
【道具】支給品一式×3
【思考】基本:ネットバトルを極める
0:主催を倒すのはこのディオだッ!
1:ジョースター家を手に入れる
2:ジョジョより優越感を得る
3:熱斗達にネットバトルを挑むのは後回しだ!
4:ディカオ・ビッグマウンテンには気を付ける

【デューオ@ロックマンエグゼ4】
【状態】HP満タン
【装備】ジャスティスワン、ザ・ワールド
【道具】なし
【思考】基本;とりあえず、ディオを見守る
1:回復したぞォォォォッ!!
※PSPの中にいます

82光熱斗の奇妙な冒険 Part4:2013/10/08(火) 03:41:57 ID:K8vSVlnQ0




 傷ついた身体を引きずりながら、大尉は歩く。
 彼に『ネットバトル』という戦いはまさに未知のものであった。
 ならば、自分もPETを手に入れ、ネットバトルすれば、勝てるのではないかと考えも出てきた。

 しばらく、大尉が歩くと放置された一つのデイバックを発見した。
 そして、その中には――――  

「…………!」

 一台のPETが入っていた。
 さらにネットナビもいた……その名は……

「おまたせ……ってなんだ、お前は!?」
「…………!」

 まるで野獣のようなナビ、ビーストマン(先輩)である。

【一日目・13時40分/日本・東京のどこか】
【大尉@HELLSING】
【状態】全身にダメージ
【装備】モーゼルM712@HELLSING、PET(ビーストマン入り)
【道具】支給品一式×2
【思考】基本:命令に従う
0:一先ず、ネットバトルの練習をする

【ビーストマン@ロックマンエグゼ3】
【状態】HP満タン
【装備】なし
【道具】なし
【思考】基本;PET所有者に従う
※PETの中にいます

83狂気の暴走:2013/10/09(水) 16:54:28 ID:b9ia00fw0
 今回のカオスロワには二人の◆6/WWxs901s氏が存在する。
一人は大正義巨人軍のエースとしてからくりドームでカオスロワ式野球の試合を行っているカオスロワ書き手出典の彼だ。
もう一人はVOCALOID達のプロデューサーであり、健康法によって壮年でありながら20台に見えるカオスロワ出典の彼だ。
そして、後者の彼は長くて丈夫な棒の先に支給品のナイフを取り付け、布で固定した手製の槍を片手に埼玉県を歩いていた。

「くそっ、僧侶も白熊もVOCALOID達も、まるで痕跡が見当たらねえ!」

 彼はまず、ミクとKAITOが向かっているという東京を目指していた。
僧侶と白熊を優先したかったが、彼等の居場所はまるで掴めなかったのだ。
それどころか、探している人物の大半は既に死んでいるのだが、彼はそれを知るはずもなかった。
そんな彼は、一人の太った少女と一つの惨殺体を見つけることとなる。

「お兄ちゃん、また一人殺したよ。もっと殺して生き残るからね」

 少女の名は剛田ジャイ子。
彼女はもともと熊岡県に居たが、クルルの転送装置のテストとして関東平野に転送されてしまっていたのだ。
そして、近くにいた参加者をスタンド全員でリンチして殺害したところを6/に発見されたのだ。

(悪いが、VOCALOIDに危害を与える可能性のある奴を生かしておく訳にはいかないからな)

 そう心の中で呟き、手製の槍でジャイ子の頸動脈を切断する6/。
しかし、彼の目の前で、ジャイ子の傷は瞬時に塞がっていた。
驚愕する彼に6方向からの打撃が襲い掛かった。



「あれ、私、生きてる?」
『これが俺らの能力だよ』
『俺らの内一人を身代わりにしてジャイ子を復活させるんだ』

 スタンドを構成する一人を生け贄にして復活する、それがジャイ子のスタンドの能力だった。
それにより、ブタゴリラと引き換えにジャイ子は復活したのだ。

『お前は俺らが必ず守るからな』
『だから、生き残れよ』
「……ありがとう。お兄ちゃん達。なるべく消さないようにするから」

 こうして、参加者を殺す事で生き残るという決意を新たにするジャイ子であった。

『ジャイ子ちゃん。僕も頑張るからさ』
『アッポー!』
「あんたらはいらないから身代わりになって消えろ」



【一日目・12時45分/日本・埼玉県】

【剛田ジャイ子@ドラえもん】
【状態】覚醒、狂気
【装備】スタンド『ジャイアン×4&ジャイアント馬場withスネ夫』
【道具】支給品一式
【思考】
基本:他の参加者を殺して生き残る
 1:お兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱい
   お兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱい
   お兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱい
   お兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱい
   お兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱい
   お兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱい
   お兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達……でも、馬場さんとスネ夫さんはいらないや

【◆6/WWxs901s氏@カオスロワ 死亡確認】
【シレン@風来のシレンシリーズ 死亡確認】

84TCBR10第2回放送:2013/10/09(水) 22:00:23 ID:8oCIIUIE0


ピーンポーンパーンポーン♪

午後14時、バトルロワイアル開始から二度目の定時放送が日本中に響き渡る。
アナウンスを勤めるのは前回と同じく野田総理である。

「七時間ぶりだが、野田だ。
今回は色々と参加者である全ての者に伝えたいことがあるが、まずは定時放送だ。
では死者を読み上げるぞ、七時間前より死人が多いから聞き漏らさないように。
では、発表する。

アルヴィン、ジラ、先導エミ、ティガニキ、お魚くわえたドラ猫、トランプ兵×いっぱい、ホッシー、
ドクター中松、お注射天使リリー、村田、吉村、アレルヤ・ハプティズム、草壁メイ、フグ田サザエ、
志村新八、キュアピース、孫悟空、ジャポニカ王子、コニーちゃん、ゴンさん、ネガタロス、
ヒトデヒットラー、コマサンダー、サイ怪人、ピンクラビットイマジン、シュバリアン、親子丼ドーパント、
イカジャガーヤミー、野球仮面、リザードダブラー、ショッカー戦闘員×大量、悪魔神官アントリア、
パズー、ダッフィー、ドクター・ギバ、無敵将軍、ラディッツ、ギロロ、ジョン・ランボー、秋山澪、
キャプテントンボーグ、ジョウカエン、その他岩手県民、柊かがみ、保阪、ギャルA、ギャルB、本郷猛、
大山デカオ(ディカオ・ビッグマウンテン)、フリッピー、マルコ・ボット、ポックル、タケシ、タケシ、
エリック・カートマン、日本政府軍、一塁塁審、矢部明雄、ヒ・ダリ、くま、メタモン、横井るみ、
フィロキセラワーム、茂野吾郎、ホモォ、蕎麦屋さん、菊地真、萩原雪歩、星井美希、
マドハンド×いっぱい、ブラッドハンド×いっぱい、マスターハンド、クレイジーハンド、
激おこぷんぷん丸、ハバネロ男爵、ラッセル、長友祐○、ブラストマン、メットール×20、
サマナ・フュリス、トール・ケーニヒ、ジョブ・ジョン、ヨハン・トリニティ、クロト・ブエル、ガイア、
ギャオスベイダー、安心院なじみ、アンドリューW.K.、シン・アスカ、ハクオロ、松岡勝治、山下さん、
重音テト、ハンター、シャア・アズナブル、ブラックジャック、ダークミヤビ、オタチ、俺、
田所 (野獣先輩)、フロストバイト、歌愛ユキ、ハム蔵、ラミー、機械獣ダブラスM2、魔王オディオ、ひで
KAITO、大宇宙の大いなる意思、カーズ、閻魔大王、猪狩進、オールアメリカ、加藤良三、
ボブ・デービッドソン、真竜ニアラ、太陽少年ジャンゴ、おてんこさま、大剣人ズバーン、Lily、水野灌太、
プラシド、ガルマ・ザビ、鏡音リン、エアーマン、ペガサス、六代目三遊亭円楽、古明地さとり、
フェイト・T・ハラオウン、南方妖怪チンポ、クマ吉、海東大樹、殺せんせー、スービエ、三角頭、末原恭子
、千石うぐいす、黒、初音ミク、ナレーション(キートン山田)、ワクワクさん、ユー子、桂言葉、
巨人小笠原、やる夫、うちはイタチ、葛西善二郎、サスケ、ジェニュイン、太田光、カメナシくん、
姫川友紀、四条貴音、???、ルーファウス、アレクサンドル・アンデルセン、三浦敏和、小牟、蔵馬、
キュウコン、八雲藍、カナン王、阿笠博士、江戸川コナン、シックス、黒井崇男、占い師、闇DAIGO、TDN、
伊藤誠・ニコ厨、千本桜ミク、平田真、田井中律、DXファイター、デッドライオン、カナディアンマン、
円谷光彦、ハザマ、アゼル、フォズ大神官、キョウスケ・ナンブ、四季映姫ヤマザナドゥ、結月ゆかり、
山田一二三、モノクマ、モノクマの本体、ナルガクルガ、◆6/WWxs901s氏、シレン……以上だ。

次は禁止エリアについて発表する。
沖縄とその他の離島全てを15時より禁止エリアとするぞ。
それからくれぐれも一歩海上に出てしまえば安全と勘違いを起こさぬように、その周辺海域も禁止エリアとする。
禁止エリアについては、以上だ」

85TCBR10第2回放送:2013/10/09(水) 22:03:37 ID:8oCIIUIE0

次に総理は改まって、また話を始める。

「最後に全ての者に伝えたいことがある。
しっかり放送を聞いていた者はお気づきかもしれないが、先の放送で指名手配した千石うぐいす・末原恭子の両名は死亡した。
私の手で拷……失礼、間違えた。
あくまで『公正』にこの手で裁きたかったが間抜けな者がうっかり殺してしまったらしいのだ、私としては甚だ遺憾である」

この男は洗脳状態にあったとはいえ、配下に両者への抹殺命令を下したことを隠した。
実際は政府の手先である特務機関が動いたのだが、不特定の誰かの過失ということにした(そして命を捨ててまで任務を全うした者に賛辞の言葉もない)。
おそらく主催が命じながら主催が勝手に消したことに対する、参加者への反発を避けるためだろう。
多くの参加者はそのようなことは知る由もないが。

「まあ、死んでしまったものはしょうがない。
本来なら我々、政府に逆らった者がどうなるか、二人に身をもって教えてもらうつもりだったが予定を変更する。
バーダック、出番だぞ」
「おう……」

全国のテレビ画面より、野田の横に孫悟空似の男が静かに現れた。
彼こそ戦闘民族サイヤ人の戦士バーダックである。

「手筈通り、例の三箇所に撃ち込め。 くれぐれも津波は起こすなよ」
「ああ、わかっている。 威力はなるべく抑えるから安心しておけ」

総理と会話を交わした後に、バーダックは片手を天に向け三つの輝くエネルギー弾を作り出した。

「ハアアアーーー!!」

エネルギー弾は造り主の気合と共に天高くへと昇り、その後三つの軌道に分散して地球の各所に落ちていった。
その位置はちょうど、かつて大国と言われたが大災害で跡形もなく沈んでしまったA国・R国・C国の位置である。

そして――


          ,,-'  _,,-''"      "''- ,,_   ̄"''-,,__  ''--,,__
           ,,-''"  ,, --''"ニ_―- _  ''-,,_    ゞ    "-
          て   / ,,-",-''i|   ̄|i''-、  ヾ   {
         ("  ./   i {;;;;;;;i|    .|i;;;;;;) ,ノ    ii
     ,,       (    l, `'-i|    |i;;-'     ,,-'"   _,,-"
     "'-,,     `-,,,,-'--''::: ̄:::::::''ニ;;-==,_____ '"  _,,--''"
         ̄"''-- _-'':::::" ̄::::::::::::::::;;;;----;;;;;;;;::::`::"''::---,,_  __,,-''"
        ._,,-'ニ-''ニ--''" ̄.i| ̄   |i-----,, ̄`"''-;;::''-`-,,
      ,,-''::::二-''"     .--i|     .|i          "- ;;:::`、
    ._,-"::::/    ̄"''---  i|     |i            ヽ::::i
    .(:::::{:(i(____         i|     .|i          _,,-':/:::}
     `''-,_ヽ:::::''- ,,__,,,, _______i|      .|i--__,,----..--'''":::::ノ,,-'
       "--;;;;;;;;;;;;;;;;;""''--;;i|      .|i二;;;;;::---;;;;;;;::--''"~
               ̄ ̄"..i|       .|i
                 .i|        |i
                 i|        |i
                 .i|          .|i
                .i|         ..|i
                .i|           |i
               .i|      ,,-、 、  |i
               i|      ノ::::i:::トiヽ、_.|i
           _,,  i|/"ヽ/:iヽ!::::::::ノ:::::Λ::::ヽ|i__n、ト、
     ,,/^ヽ,-''":::i/::::::::/:::::|i/;;;;;;/::::;;;;ノ⌒ヽノ::::::::::::ヽ,_Λ
     ;;;;;;:::::;;;;;;;;;;:::::;;;;;;;;:::/;;;;;;:::::::::;;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::::::::::;;:;;;;:::ヽ

86TCBR10第2回放送:2013/10/09(水) 22:04:26 ID:8oCIIUIE0

――大爆発。
その瞬間、爆発の光で日本中で視界が真っ白になるような閃光と、日本中のどこにいても聞こえる爆音が響いた。
この爆発の前では、核爆弾が爆竹に見えるレベルである。
幸いなのはエネルギー弾が放たれた場所が今は誰もいない場所であったことと、威力は確かに抑えられていたために津波や地震などの二次被害は起きなかったこと、総じて日本にいる者は誰一人死んでいないということである。
しかし、今の爆発は日本より何倍も大きい大国を安々と吹き飛ばせそうな威力だ。
もし今の攻撃が日本に直撃したらどうなっていたか?
それを考えた瞬間、野田総理に反旗を翻していた対主催の多くは戦慄し、その中から恐怖に負けた対主催(対主催が必ずしも正義の味方や心強き者とは限らない)は手のひら返しをするだろう。

閃光と爆音が止んでからしばらく経ったところで、総理はテレビ越しに参加者たちに語りかける。

「――今のは、ほんのデモンストレーションだ。
我々、日本政府はその気になれば日本を十回は滅ぼせるだろう。
といっても、人類最後の砦になった日本にそんなことをすれば我々まで自滅してしまうから流石にやらないがな。
日本にいる参加者の諸君がまとめて相手になっても、我々は勝てるだけの戦力を持っているということだ。
私の言う戦力はこのバーダックだけではなく、強力な兵隊・超人・機動兵器・技術力・オカルト的なものまでなんでも揃えている。
愚かにも私の家から金を盗んだ千石うぐいす・末原恭子の二人は、相手がどれほど強大か理解していない身の程知らずだったというわけだ。

さて、諸君に問いたい。
私たちに逆らうのと、殺し合いに乗って規定の人数まで人口を減らす……どちらが簡単だろうな?」

諭すような口調から、最後は語気を強めて参加者たちをまとめて怒鳴りつけるように語る。

「……最近この殺し合いが開かれた理由忘れないか!?
この日本で全ての人間を養うには食料も水も土地も何もかも足りない以上、人口調整しなければならんのだ!
仮に殺し合いを破綻させても、あらゆる資源が足りないのにその先があると思っているのか!?
先を見据えている私たちと、後先考えない反逆者のどちらに正義があるのかよーく考えることだな!
さあ、理解したのならさっさと殺し合いを再開しろ!

ついでに私の家から次に万札一枚でも盗んだら必ず殺すからな! 絶対殺すからな!!
……少し熱くなりすぎたが、ともかく放送は以上だ」

そして二回目の放送は終わり、野田やバーダックの姿はテレビの砂嵐の中に消えていった。


――殺し合いはまだまだ続く、多大な犠牲の上で生まれる何かが世界を救うか、世界が滅びを迎えるまで――



【野田総理@現実?】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】なし
【思考】
基本:バトルロワイアルを完遂させ、自分の理想の社会を創り上げる
1:ロワを主催する
2:最悪の場合、幹部五人を人身御供にして生き残る
3:なかなかいい演説だったろ(ドヤッ)
※傀儡の主催者です。本人は気づいていません。

【バーダック@ドラゴンボール】
【状態】疲労(中)
【装備】スカウター@ドラゴンボール
【思考】
基本:テラカオスを生み出す計画を遂行する
1:計画のために殺し合いを促進させ、計画の邪魔をするものは殺す
2:……何も知らねえ傀儡め(軽蔑)
3:ラディッツが死んだ? 知ったこっちゃねえ
※カカロット(孫悟空)の死に気づいているか、次の書き手氏におまかせします。

87匠たちのリフォーム・未知との遭遇編:2013/10/10(木) 23:03:14 ID:9u.mbbYk0
「……」

何故かロン毛の青熊、魂の裁断者はもくもくと作業を続けていた。
勿論、都庁のリフォームである。

ピーンポーンパーンポーン♪

「……!」

その時、定時放送が流れ、やがて凄まじい閃光と爆音が轟いた。




「…………」

裁断者の野生の本能が、主催者の危険性を知らせる。
本人も言っていたが、今の行為はデモンストレーションなのだ。その気になれば、都庁にも攻撃は可能だろう。

――急がねば

裁断者だけでなく、集った魔物たちが全員同じ事を考え、作業のスピードを速める。

そもそも、何故魔物たちは都庁を占拠したのか。
共通思考は、協力し合っての生存。
これは揺るがぬ思考ではあるが、実はもう一つ、大きな目的を持っていた。

――大地の再生

それを成すために、まずは人間を滅ぼす。
愚かな人間は自分達の利益のみを考え、科学に頼り、大地への感謝を忘れ去った。
過剰な森林伐採、大気汚染、猛毒化学物質の垂れ流し……環境破壊はとどまるところを知らない。
陸・海・空、世界の自然環境はもはやどこも修復不可能なレベルだ。

裁断者たちは、身勝手な人間に住処を奪われ、滅びてゆく沢山の生物を見てきた。
帰りたい、あの頃へ。自然が豊かであった頃の時代に。

この殺し合いが開かれた時、ただ生き延びるだけであれば、世界樹の迷宮と称されるグンマーにでも逃げればよかったはずだ。
しかし彼らはグンマーには向かわず、あえてこの都庁に、都会のど真ん中へと進撃した。
グンマーの民に迷惑をかけないために。
グンマーの民は、大地をとても大切にしている。彼らは人間ではあるが、仲間でもあった。
滅ぼしたいの願う人間は、あくまで大地を想わない穢れた人間のみ。

「……」

もしかしたら、グンマー以外の地にも、とても大地を大切にする人間がいるかもしれないが、極少数だろう。
できることなら、そんな理解ある者にも手伝ってほしい、助けて欲しい。それが本音だ。
だがそれはできない。

88匠たちのリフォーム・未知との遭遇編:2013/10/10(木) 23:05:16 ID:9u.mbbYk0
都庁を狙った理由。それはこの都庁の地下深くで復活のときを待つ、大いなる森の守護者がいたからだ。

それが目覚めさえすれば、穢れた人間も、平気で環境破壊をしそうな主催者連中も、滅ぼせる。
欠点をあげるとすれば、守護者は悪意無く人間を喰らい尽くしてしまうこと。
たとえ大地への感謝を忘れないグンマーの民であっても、容赦なく喰われてしまう恐れがある。
守護者に会ったことはない。どこまで話が通じるかもわからない。だからグンマーには協力を求められない。
最終的に自分も滅ぼされるかもしれないとわかっていながら、魔物の手助けをする人間などいようはずがないだろう。
守護者を都庁に迎え入れるのは、あくまで最終手段。自分達で戦力を集め、人間を滅ぼせればそれにこしたことはない。
だからこそ魔物たちは、魔物のみの編成で、独力で大地の再生を目指していたのだが……
先ほどの主催者の攻撃で確信した。やはり、守護者を都庁に迎え入れねばならないのだと。

「……!」

都庁の外装を大体リフォームし終えた頃。
裁断者は予想外の来客に出会った。

「Эцгёдб%ω……?」
「!?」

紫色の巨大な球体、人間とも魔物とも違う、未知の存在と。




【一日目・14時30分/日本・リフォーム都庁】

【魂の裁断者@新・世界樹の迷宮 ミレニアムの少女】
【状態】健康
【装備】無し
【道具】長くて丈夫な木の棒、支給品一式
【思考】
基本:都庁を住処にしたモンスター達で協力して生き残る
1:目の前の物体に対処
2:都庁を住み良くリフォームし、森の守護者を迎え入れる準備を整える
3:人間は見つけ次第殺す。ただしグンマーの民、あるいはそれに匹敵する人間は殺さない。
※東京都庁の外装リフォームがほぼ終了しました
※グンマーと親交があったようです


【セプテントリオン・ミザール@デビルサバイバー2】
【状態】健康
【装備】ミザール触手×2
【道具】不明品、支給品一式
【思考】
基本:視界に人間及びその仲間が入ったら殺す。相手によっては戦略的撤退
1:目の前の熊に対処
2:都庁の屋上からぶらさがってリフレッシュしたい
※超速再生無限増殖能力には制限がかかっています

89過激にファイヤー!:2013/10/11(金) 01:38:24 ID:Q0bAh4dY0

 第二回放送終了後、名古屋に赤き竜が来襲した。
それは、このロワにおいて歪みし豊穣の神樹がその存在を示唆した炎竜、偉大なる赤竜だ。
その圧倒的な力で自然を汚し過ぎた人間を粛正する為だけに、彼?はこの殺し合いに乗っていたのだ。
最も、開始と同時に離島に飛ばされてしまい、今になってようやく本州に上陸できた為、殺害数は0なのだが……。
しかし、そんな圧倒的な力を持つ竜に挑む一人の男が居た。

「戦いなんてくだらないぜ、俺の歌を聴け!!」

 ビルの屋上に立つその男は、そう叫ぶと手にしたギターを鳴らし始めた。
男の名は熱気バサラ。歌に情熱を注ぎ、戦争すらも歌で終わらせた熱い男である。
そして、常に彼のやる事は変わらない。

「歌い始めた頃の、鼓動揺さぶる思い 何故かいつか 何処かに置き忘れていた」

 その灼熱の炎で街を焼き払おうとする赤き竜に向けて歌うバサラ。
その場にいた誰もが、それを無駄な事だと思った。

「ナマヌルい毎日に ここでサヨナラ言うのさ そうさ誰も オレの熱い思い止められない」

 しかし、偉大なる赤竜は攻撃を中止し、バサラのほうを向いていた。

「Dynamite Dynamite Dynamite explosion once again」

 それに気づいたバサラのハートはより熱く燃え上がり、その歌にますます力が込められていく。

「Dynamite Dynamite Dynamite explosion once again」
「……グルル、グルルルル」

 バサラに注目していた偉大なる赤竜が唸り声を挙げ始める。

「Dynamite Dynamite Dynamite explosion once again」
「グルルルルル、グルルルルル、グルルルルル、グルルルルルル、グルル、グルルルル」

 その唸り声はまるで、バサラの歌に合わせて歌っているかのようだった。

「Dynamite Dynamite Everyday everynaight everywhere」
「グルルルルル、グルルルルル、グルルルル、グルルルルル、グルルルルルルルル」

 それはまさしく一人と一匹のデュエットだった。

【一日目・14時15分/日本・名古屋】

【熱気バサラ@マクロスダイナマイト7】
【状態】とても健康、上機嫌
【装備】ギター
【道具】支給品一式
【思考】
基本:戦いなんてくだらねえぜ、俺の歌を聴け!
1:あのドラゴン、良いサウンドじゃねえか。

【偉大なる赤竜@新・世界樹の迷宮 ミレニアムの少女】
【状態】健康
【装備】無し
【道具】もくたん@ポケットモンスター、支給品一式
【思考】
基本:自然を汚す人間を滅ぼす。
1:なんだこの感覚は。身体の芯から熱くなるようだ。
2:グンマーの民のような人間は殺さない。

90Double-Action Emperor form:2013/10/11(金) 04:12:51 ID:fZvmTQr20

 霧切響子。
 彼女は超高校級の???(ネタバレ回避のため伏せます)である。
 彼女はとある遊園地で怪しげな男たちの取引を目撃した。
 取引に夢中になっていた彼女は背後から迫りくる男の存在に気付かなかった。
 そして、背後から一撃受け倒れてしまい、そして何やら怪しい薬(not媚薬)を飲まされてしまった。

「一体、何が起こったの……?」
 
 そして、響子が気付いた時には身体が縮んでしまった。
 つまり、見た目は子供、頭脳は高校生状態になってしまった。
 そんな彼女は今、バトロワに巻き込まれて……
 
 伝説のスーパーサイヤ人に追いかけられていた。


 ☆彡


「くっ、ゴルゴムめ! 人の命を何だと思っているんだ!!」

 移動中に放送を聞き、光太郎は怒りを露わにする。
 自分とクライシス皇帝が氷漬けになっている間にこれほどまでの死者が出たのだ。
 それを感情に出さずにはいられないのだ。

「そんな……さとり様」
「ふむ……これはゴルゴムの仕業だな」
「………そうなの?」
「そうだ……恐らくは、な」

 悲しみにくれる空を皇帝は皇帝なりに励ます。
 その最中、皇帝はとあることに気付く。

(人口を減らすならば、もっと効率いい方法があったはずだ……
 やはり、この世界の頂点に立つものの考えはよくわからない)

 そんなことを考えていた時であった。
 目の前から可愛らしい格好の少女が走ってきた。
 ……金髪の大男を引き連れて。  

「……助けなさい」
「それが人にものを頼む態度か?」
「皇帝、こんな緊急事態にそんなことを言っている場合ですか?」
「助けてください……これでいい?」
「よかろう、何をすればいい?」
「追ってきたあいつをどうにかしてちょうだい……」
「わかった、つまり、あれはゴルゴムの怪人なんだな!」

 ゴルゴムの怪人ではないが、金髪の大男の名はブロリー。
 伝説のスーパーサイヤ人である。
 もちろん、殺し合いに乗っている、ブロリーだもの。
 相手が幼女だろうと容赦はしないブロリーだもの。


「変身ッ!」
 

 光太郎は太陽をつかむように右腕を上げ、ゆっくりと顔まで下ろす。
 右腕を払い、立ち向かうことを鼓舞するかのように左腕を立てる。そして、空中へと飛び上がった。

91Double-Action Emperor form:2013/10/11(金) 04:13:16 ID:fZvmTQr20

「俺は太陽の子!! 仮面ライダーブラック、アールエッ!」
「さぁ、来い、ここが貴様の死に場所だぁ!!」
「ふっ、貴様一人だけにいい恰好はさせないぞ、光太郎よ」
「クライシス皇帝……?」
「少女はこの私に助けを求めてきた、ならば私が戦うのも道理であろう……見るがいいッ!!!」
 
 皇帝は手にした携帯に『0・0・0』と手早く入力する。

 ――Standing By――

「変身ッッ!」

 そして、ベルトに携帯を装填する。

 ――Complete――

 もう一人の黒いライダーが顕現した。
 黒き身体に赤き複眼、くしくも光太郎と似たような姿。
 
 しかし、違う。

 その右手には世紀『王』の剣―――サタンサーベル。
 その左手には『帝王』の剣―――オーガストランザー。
 振るう者の名は―――クライシス『皇帝』。

 二つの王を従えた皇帝は―――負けることなどありえない。

「なんだお前は? なんだその姿は!? お前は一体なんなんだぁぁぁ―――ッ!!!」
「――――我が名はクライシス。クライシス皇帝だ、覚えおかなくてもいい」

 溢れ出す黄金のフォトンストリームが真っ赤な刀身を包んでいく。
 赤と金色の螺旋が天へとぐんぐん伸びあがっていく。 
 
 二つの剣が重なった。

「――――我が眼前から消え失せろ、オーガストラッシュッ!!」

 振り下ろされた剣はブロリーの身体に命中した。
 大爆発にも近い爆煙が辺りを包み込んだ。
 
「やったか!?」
「いや、まだのようだ!」

 命からがら ブロリーは立ち上がった。
 このまま回復されると非常に厄介である。
 ならば、ここで倒すのが先決である。

「光太郎よ……次で決めるぞッ!!」
「はい!」

 二人の黒いライダーが空高く飛び上がる。
 そして、高速で、一直前で、真っ直ぐにブロリー目がけて急降下していく。

「RXキィィィィック!!!」
「皇帝キィィィィック!!!」 

「「うおおおおおおおおおおぉぉぉォォォォ!!!! ぶっちぎるぜぇぇぇぇぇッッ!!!!!」」
「ばぁかぁなぁぁぁぁっ!!!」

 二人の必殺キックがブロリーの体を貫いた。
 文字通りの必(ず)殺(す)キックであった。

【ブロリー@ドラゴンボールZ 死亡確認】


 ☆彡

「つまり、君は……」
「ええ、そういうことよ」
「信じられないわ」
「……信じるかどうかは貴方たち次第よ」
「随分とマセた子供だな……」
「だから、私は高校生よ」

 こうして、なんやかんやで助けられた恩もあったので……
 ロリ切さんは光太郎たちと行動を共にすることを決めたのであった

92混沌な名無しさん:2013/10/11(金) 04:13:35 ID:fZvmTQr20
【一日目・14時30分/日本・山梨】

【南光太郎@仮面ライダーBLACK】
【状態】健康
【装備】キングストーン、パーフェクトゼクター@仮面ライダーカブト
【道具】支給品一式、カラオケマイク
【思考】
基本:この殺し合い、ゴルゴムの仕業だ!
1:クライシス皇帝と空、響子と共に行動する
2:あの少女(歌愛ユキ)を追う
※RXに進化しました。ロボライダーとバイオライダーにはまだなれません。

【クライシス皇帝@仮面ライダーBLACKRX】
【状態】健康
【装備】サタンサーベル オーガギア@仮面ライダー555
【道具】基本支給品一式
【思考】基本:光太郎とともに主催者とゴルゴムを潰す
1:戦力を集めて、『ネオ・クライシス帝国』を建国する
2;一先ず、地球人類抹殺は置いておく。(総理を潰したら取り掛かる)
3:カラオケマイクを取り戻す
※参戦時期は仮面BLACKRX本編開始前です。

【霊烏路空@東方Project】
【状態】悲しみ
【装備】制御棒
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】基本:???
1:光太郎たちについていく

【霧切響子@ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生】
【状態】健康、ロリ切さん
【装備】なし
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】
基本:殺し合いの打開
0:殺し合いについて調べる
1:苗木くんに会いたい

93混沌な名無しさん:2013/10/11(金) 15:01:36 ID:GMU8uNlQ0
 俺と佐々木の二人は、やっとの事で大阪に着いた。
呑気こいてコーヒーを飲んでばかりもいられなくなったからだ。

「あんなに大勢の死者が出ているなんてな……」
「僕たちは甘かったのかもしれないね。本腰を入れてかからないと」

大阪に行くことにしたのは、人が集まる町だからだ。
第二の首都、と言われる場所だし、まあそれなりにな。
ハルヒ達も、俺たちの事を探しているはずだ。
無事に会えるといいが…

「うっ…!!」

な、何だ?
銃声!どこで!
そうだ、佐々木は…?

「…嘘だろ」

さっきまで一緒に居た佐々木が、血を流して倒れている。
何があったんだ?どうしてこんな…

「ぐぁっ…!!」

いてえ…
そんな、嘘だろ…
こんな、こんなところで……

@@@@@@@@@@@@@@@

二人の高校生の死骸の前に、二人の男が立っていた。
彼らは無言でうなずきあうと、その場を去っていった。
更なる惨劇を生むために。

94混沌な名無しさん:2013/10/11(金) 15:02:59 ID:GMU8uNlQ0
【一日目・14時35分/日本・大阪】

【キョン@涼宮ハルヒの憂鬱 死亡確認】
【佐々木@涼宮ハルヒの憂鬱 死亡確認】

【ベン@D-LIVE!!】
【状態】健康
【装備】防弾ベスト@現実、猟銃@現実
【道具】支給品一式、クレイモア地雷@コマンドー
【思考】
基本:殺戮

【ゴゴ@ファイナルファンタジーⅥ】
【状態】健康
【装備】防弾ベスト@現実、猟銃@現実
【道具】支給品一式
【思考】
基本:物真似をする
 1:ベンの物真似をする

95野獣、動く:2013/10/12(土) 00:25:52 ID:9D.RQ8KE0
「いやー、凄い地震だったね」
「けどさ、こんな地震が起きた場所ならきっと誰も来ないモヤモヤした場所になるんじゃね?」
「確かにね」
「両開きのドアや缶ジュースが支給品でもさ、他に誰も来なけりゃ生き残れるよな」

 そんな会話をしているのはとある少女の起こした地震から奇跡的に生き残ったさまぁ〜ずの二人だ。
しかし、彼らは地震から生き残る事で運を使い果たしていた。

「地震の原因は戦場で寝てる只のガキだったんで気が立ってんだ。楽しませてもらうぜ」

 そう言いながら血の付いたチェーンクロス片手に襲い掛かる野獣のような男、ヤザン・ゲーブルがいたからだ。
必死ににげようとするさまぁ〜ずの二人だが、中年の二人が軍人から逃げられる訳もなく、チェーンクロスが三村の頭をカチ割った。

「三村あああ!?」

 相方の死に驚き、狼狽える大竹。
勿論、そんな隙だらけの相手を見逃すヤザンでは無かった。

「戦場でびびってんじゃねえ!!」

 ヤザンの振るうチェーンクロスが大竹の頭に直撃した。

【一日目・14時40分/日本・岩手県だった所】


【ヤザン・ゲーブル@機動戦士Zガンダム】
【状態】健康、不機嫌
【装備】チェーンクロス@ドラゴンクエストシリーズ
【道具】支給品一式
【思考】
基本:戦いを楽しむ
1:大災害ではぐれた部下を探す
2:つまらん相手しかいねえ、場所変えるか


【五十嵐まゆみ@機動刑事ジバン 死亡確認】
【三村マサカズ@現実 死亡確認】
【大竹一樹@現実 死亡確認】
死因:撲殺

96混沌な名無しさん:2013/10/12(土) 01:09:10 ID:neCa5GEw0
「さて、主催のところに行くにはどうすればいいか」

ラインハルト・ハイドリヒが歩きながらつぶやく
先の放送のときにバーダックの力を見てさらに放送を聞き、主催には強敵がいるのではないのかと思い
主催本部さがしているのだ

「いやまあ、その前に主催本部を探さないと」

そして、ラインハルトについていくのは夜神月だラインハルトについていくのはこの人のそばにいれば大丈夫だろうと思っているからだ

「どこにあるのだろうな」
「九州が飛んだと言うことは九州にいるのかもしれませんね」

そう言いつつ主催本部を探す
余談だがラインハルトは創造を使えるようになった、本人はきずいてはないが

【一日目・14時40分/日本・千葉県】

【ラインハルト・ハイドリヒ@Dies irae】
【状態】健康
【装備】聖約・運命の神槍(ロンギヌスランゼ・テスタメント)@Dies irae
【道具】支給品一式
【思考】基本:主催本部に行って強敵と戦う
1:主催本部を探す 
※この獣殿は存知がありません
※創造を使えるようになりました本人はきずいてませんが

【夜神月@DEATH NOTE】
【状態】疲労
【装備】栄養ドリンク
【道具】支給品一式
【思考】基本:ラインハルトについていく
1:主催本部に着いたら逃げようかな

97最近ヒゲ伸びてきたな:2013/10/12(土) 22:01:35 ID:Zx6oUtKo0
アリー・アル・サーシェスに、主催から新たな命令が下された。
その内容は、秘密に近づきつつあるなのは組を殺せ、と言うものだった。

光彦の支給品には、キメラの翼があった。
これは、一度訪れた町に移動できるアイテムだ。
サーシェスはコレを使い、千葉県に飛んでいた。
なお、キメラの翼は使い捨てなので、一回使ったら消えてしまった。

「さあ…戦争の始まりだ」

ニヒルな笑みを浮かべるサーシェス。
そのとき、彼の前に二人の男が現れた。

(…!)
(気配も無く…こいつら一体?)

身構えるサーシェス。
しかし、次の瞬間彼は驚くべき光景を目にする。

「君も最高のリフレッシュを体験しよう!」

満面の笑顔を浮かべるのは、のび太のパパと碇ゲンドウだった。
言葉の意味が分からず、呆然とするサーシェスに、髭剃り関連グッズが差し出される。
それは、男なら誰でも使いたくなる魅力にあふれていた。
気が付けばサーシェスは、Schickの髭剃り関連グッズ一式を手にトイレに向かっていた。

98最近ヒゲ伸びてきたな:2013/10/12(土) 22:03:21 ID:Zx6oUtKo0
「こいつは…すげえ!」

髭剃りが終わった後、サーシェスはその感触に感動していた。
それは、戦争などよりもすばらしいものだった。
笑顔で手を差し伸べる二人の男。
サーシェスもまた笑顔になり、その手を握り返していた。

「さあ、君も最高のリフレッシュを体験しよう!」




【一日目・14時50分/千葉県】

【アリー・アル・サーシェス@機動戦士ガンダム00】
【状態】健康、上機嫌 、ヒゲがない
【装備】熱線銃
【道具】支給品一式、ホイポイカプセルにはいったアルケーガンダム@機動戦士ガンダム00+ドラゴンボール
【思考】
1:Schick製品を宣伝する
2:主催の命令も、戦争も、もうどうでもいい

【のび太のパパ@ドラえもん】
【状態】健康、ヒゲがない
【装備】なし
【道具】支給品一式
【思考】
1:Schick製品を宣伝する

【碇ゲンドウ@Schick×エヴァキャンペーン】
【状態】健康 、ヒゲがない
【装備】なし
【道具】Schickの髭剃り関連グッズ一式
【思考】
 1:Schick製品を宣伝する

99馬鹿に構ってたのが失敗でしたね:2013/10/13(日) 21:09:33 ID:T9ePx0s60
 15時になり禁止エリアが施行され、全ての離島と沖縄県に居た参加者は死亡した。
そして、とあるボートにも3匹?の参加者の死体があった。
その中の一匹のヘラジカに状況を理解させるのに時間を使いすぎて時間内に禁止エリアを脱出出来なかったのだ。
誰もいないボートだけが、寂しく海を漂っていた。

【一日目・15時00分/日本・沖縄県近海】

【ランピー@HappyTreeFriends 死亡確認】
【クロ@サイボーグクロちゃん 死亡確認】
【天の邪鬼@学校の階段 死亡確認】

100くってねてあそんでる場合じゃねーぞ!:2013/10/13(日) 22:20:17 ID:.viiwy8s0

「馬鹿な……この殺し合いはバイオロンの仕業ではなかったのか!?」


場所は東京都・新宿。
機動刑事ジバンこと田村直人と音無キルコは、2度目の放送において発表された死者の名前を聞いて
驚きを隠せなかった。

二人は派手に東京タワーをへし折ったのち、ボールが飛んできた渋谷方面をくまなく捜索したものの指名手配された
二人を見つける事はかなわず、仕方なく方針を変更して別方面へと進む事にしていた。
ちなみに本来ならジバンはレゾン・バイカン・スパイラスの3大メカに乗って移動しようと考えていたのだが、
何故か3機とも応答する事がなかったため「さてはバイオロンの仕業か!」といつものように断定して徒歩で
移動する事と相成った。

そして放送において呼ばれた死者の名には探していた指名手配の2名、そしてバイオロンの首魁である
ドクターギバの名が含まれている事をジバンは聞き逃さなかった。


「……ジバンさん、そのバイオロンのボスの名前が呼ばれたって事は、やっぱりこの殺し合いはバイオロンの
仕業じゃなかったんですかね?」
「信じられない事だがそうだろう。僕達が先に倒したあの怪人達の名前が呼ばれたのが放送が偽りではない証拠だ。
だがキルコ君、たとえこの殺し合いがバイオロンの仕業ではないとしても、僕は微塵も躊躇したりはしない!」


対バイオロン法第9条
機動刑事ジバンは、あらゆる生命体の平和を破壊する者を、自らの判断で抹殺することができる。


そしてこの法律である。
かつて月面からやってきた侵略者クイーンコスモのようなバイオロンではない存在とも戦ったジバン。
今更相手がバイオロンであろうとなかろうと本人にはあまり関係なかった。
まあ流石にドクターギバを始末した下手人が探し人のまゆみちゃんだとは思いもしなかったが。


「まゆみちゃんの安否も心配だ。行こうキルコ君、早く主催者の本拠地を探し出さなければ!」
「もちろんです! 私もハル先輩達を早く探さないといけませんし―――」

と、二人が決意も新たに立ち上がった時である。

101くってねてあそんでる場合じゃねーぞ!:2013/10/13(日) 22:21:23 ID:.viiwy8s0
「そこのお二方、逃げるでござるーーーーーーーーーっ!!」
「「えっ?」」

突如として後方から聞こえてきた叫び声に驚き、ジバンとキルコは振り返ってみた。
そこに見えたのは―――

「かっか!」
「かっか!」
「かっか!」
「かっかっか!」
「はるかっか!」
「ヴぁーい!」

頭にリボンを付けた妙な生き物の大群と、それに追いかけられる男の姿だった。
見ると男は両脇に後方の生き物とよく似た生き物を2匹抱えていた。


「何だあの生き物は? まさかバイオロンの怪物か!?」
「っていうか、こっちに近づいてきますよ!?」
「理由はどうあれあの男性は明らかに追われている! 助けるんだキルコ君!!」
「はいっ!!」

普段の素行が色々とアレな二人だが、警察官としての正義感は流石に捨ててはいなかった。
男性を救うべくキルコはトンファーブレイドを構え、ジバンは続いてオートデリンガーを構える。

「キルコストーム!!」
「オートデリンガー、サブマシンガンモード!!」


ドガァァァァァァァァァァァァン!!


「「「かっかぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」」」
「うわぁぁぁぁぁぁぁ!?」

キルコの起こした竜巻とジバンの銃撃により、迫りくる謎生物はまとめて爆炎の向こうに吹っ飛ばされた。
………逃げていた男を明らかに巻き込みながら。

102くってねてあそんでる場合じゃねーぞ!:2013/10/13(日) 22:22:12 ID:.viiwy8s0
「お二人とも、助けていただいたのはかたじけないが……次からはもう少し穏便に頼むでござる……」
「す、スミマセン……」
「我々はてっきりバイオロンの怪物とばかり……」

追われていた男は幸い吹っ飛ばされただけで命に別状はなかったため、二人は彼を介抱しつつ話を聞く事にした。
彼の名は空蝉丸といい、人類絶滅を目論むデーボス軍という組織と戦う「獣電戦隊キョウリュウジャー」の
一員なのだという。
また彼もこの殺し合いを止めるべく仲間を探しながら現在まで活動している事が判明した。


「ところで空蝉丸さん」
「ウッチ―と呼んでくだされ。仲間からはそう呼ばれているでござる」
「は、はぁ……まあそれはそれとして、その子達は一体?」
「この者達は拙者が道中で保護した子供達でござる。彼女達も探し人がいるというので、共に今まで行動して
いたのでござるよ」

「かっか!」
「くっ」
「ヤー」

「子供……なんですかね、ジバンさん?」
「何を言うんだキルコ君、どこからどう見ても子供じゃないか」
「いやでも、このリボンの子なんかさっき分裂してましたよ?」
「少なくともバイオロンでなければ問題ないだろう」
「いいんですか、それで……?」

空蝉丸によるとリボンの子が「はるかさん」、ロングヘアの子が「ちひゃー」、ボーイッシュな感じの子が
「まこちー」という名前との事である。
話によればはるかさんは水をかけると分裂してしまう特異な性質を持っているらしく、空蝉丸が知らずに水を
渡してしまったために先ほどまではるかさんの大群に追い回されていたらしい。
ちなみに分裂したはるかさんはジバンとキルコに吹っ飛ばされた衝撃で一体に戻ったらしく、他の個体はすべて
消滅していた。


「まきょー………」
「まこちーちゃん、何だか悲しそうですけど……何かあったんですか?」
「その子は先の放送で探していた者の名が呼ばれてしまったそうでござる。それ以外にも知り合いがこれまで何名も
命を落としたらしく……」
「何という事だ。こんな小さな子供までも悲しませるとは、血も涙もない所業! やはり野田総理を許すわけには
いかない!!」
「拙者も同じ気持ちでござるジバン殿。このような不毛な戦、なんとしても止めなければ!」

同じ子供好き同士で通じ合うものがあったのか、ジバンと空蝉丸はどちらともなく固い握手を交わすのだった。
その空気についていけず、やや遠巻きにキルコは二人を見ていた。

「……まあとりあえず、これからよろしくお願いしますね。はるかさんちゃん、まこちーちゃん、ちひゃーちゃ―――――」
「シャーッ!!」
「うおあっ!? な、なんか私ちひゃーちゃんに嫌われてる!? 私なんかしましたか!?」

ちひゃーは普段はおとなしいが、ばいんばいんな女性には噛みつくなどする習性がある。
その事をのちにキルコは空蝉丸から教えられ、少々へこむのであった。

103くってねてあそんでる場合じゃねーぞ!:2013/10/13(日) 22:23:15 ID:.viiwy8s0

「ところでこれからどうしましょう? 野田総理のいる場所を探そうにも手がかりもありませんし、何か情報が
あればいいんですけど……ウッチーさん何か知りません?」
「拙者もここに来るまでの間にいくつか噂を聞きましたが、役に立つかどうか……」
「この際真偽はどうあれ情報はあった方がいい、教えてください空蝉丸さん」
「では、拙者の知る限りの情報をお教えするでござる」


曰く、野球で野田総理に勝負を挑もうとする集団がいる。
曰く、『ねっとばとる』という勝負で野田総理を打倒しようとする一団がいる。
曰く、九州が空を飛んで日本海に陣取っている。
曰く、出会った相手を中華蕎麦にして平らげる食人鬼がいる。
曰く、東京都庁という建物が魔物の巣窟と化した。

空蝉丸の口から語られた有力そうな情報が次々と挙げられる。
どれも色々とカオス極まりないが、この状況から考えると本当にありそうなので二人は少々身震いした。

「この中で僕達が今すぐ対応できる物と言えば、空飛ぶ九州と東京都庁の二つだが、九州は何か飛行手段を
確保しないと難しいだろう……くっ、スパイラスさえあれば……」
「拙者のプテラゴードンを使えればよいのでござるが、この状況ではスピリットベースに行く事もかなわぬゆえ、
獣電池のチャージを考えると無駄な使用は避けなければ……」
「となると、私達が行くべきは都庁ですね! 幸い近いですし、もしかしたら他の殺し合いを止めようとしている
人達とも会えるかもしれませんよ!」
「かたじけないお二人とも……拙者も全力を持ってお手伝いさせていただくでござる!」
「何言ってるんですか、困ってる人を助けるのは婦警として当然ですよ!」
「かっか!」
「くっ!」
「まきょー!」

3人に呼応するように、ぷちどる達も声を揃えて応じた。
心強い仲間と合流したおかげか、まこちーもやや精神的に持ち直したようである。

「だが、都庁が怪物の巣窟と化しているなら、こちらも準備を整えてから行った方がいいだろう。みんなの
持ち物を確認しておこう」

方針が決定した後、ジバンの提案により全員の持ち物が改めて確認される事となった。
ダンジョンに向かう前の装備の強化はいつの時代もやはり必須である。
特にぷちどる達の支給品はよく確認されていなかったのでなおさらだった。


「おおっ、これはガーディアンズの獣電池! まさかこの子達が持っているとは!」
「ジバンさん、ちひゃーちゃんの荷物になんか忍者が入ってたんですけど……」
「忍者……まさかバイオロンのシノビノイドか!?」
「いえ、それはないかと」

調べてみると様々なアイテムが発見された。
特にぷちどる達の持っていたガーディアンズ獣電池というアイテムは空蝉丸が使えるものという事だったが、
何かの運命を感じるという事でしばらく彼女達に持たせておく事となった。

「では各々方、いざ『都庁』へ向かうでござる!」
『おおーっ!』

104くってねてあそんでる場合じゃねーぞ!:2013/10/13(日) 22:24:02 ID:.viiwy8s0
だが、彼らは気付いていなかった。
数多くのアイテムの中で、はるかさんの支給品の中に紛れていたあるものの存在に。

その名は新型ナノマシン入り飲料水。
第2放送直前、主催陣科学班のクルル曹長によって開発されランダムに転送された狂気の発明。
その一つが今ここに送られていたのである。

そしてもう一つ。
本来はるかさんは日光を苦手としており、日陰を好む習性があった。
だが今、はるかさんは日の光の下を何の苦も無く歩いている。
何故なら彼女は水を吸収した時点で、既にテラカオス化の影響を受けて体質が変化していたからに他ならない。
この上新型の水を彼女が何かのはずみで手に入れたらどうなるか―――――

それはまだ誰にもわからなかった。

「………かっか!」



【一日目・15時00分/日本・新宿】

【田村直人@機動刑事ジバン】
【状態】健康、強い決意、機動刑事ジバンに変身中
【装備】マクシミリアン、電子手帳、パワーブレイカー、ニードリッカー、オートデリンガー
【道具】支給品一式、ダイダロス
【思考】
基本:野田総理を倒して殺し合いを止める
1:まゆみちゃんは無事だろうか……
2:東京都庁へ向かう
3:野田総理の本拠地を探す
4:黒幕はバイオロンではなかったが、ためらわず戦う
5:やはり子供は可愛いな
※殺し合いを仕組んだのがバイオロンではないと知りましたが、本人はあまり気にしてません

【音無キルコ@新米婦警キルコさん】
【状態】健康、やる気充分
【装備】トンファーブレイド
【道具】支給品一式
【思考】
基本:野田総理を成敗して殺し合いを止める
1:ジバンさんやウッチーさん達と協力して悪党を成敗する
2:東京都庁の魔物を成敗する
3:野田総理の本拠地を探す
4:ハル先輩達、無事かなぁ?
5:ちひゃーちゃんとも仲良くしたい

【空蝉丸@獣電戦隊キョウリュウジャー】
【状態】健康
【装備】ガブリチェンジャー、ザンダーサンダー
【道具】支給品一式、獣電池(プテラゴードン)×6、モンスターボール(プテラ)
【思考】
基本:野田総理を倒して殺し合いを止める
1:ジバン達に同行する
2:東京都庁へ向かう
3:野田総理の本拠地を探す(九州が怪しいと睨んでいる)
4:ぷちどる達を守る
5:キング殿達と合流したい

【はるかさん@ぷちます!】
【状態】健康、日光を克服、テラカオス化進行中
【装備】なし
【道具】支給品一式、獣電池(フタバイン)、新型ナノマシン飲料水
【思考】
基本:かっか!
1:空蝉丸達と行動する
2:おなかがすきました
※水を吸収した事でテラカオス化が進行し、日光を克服しました。他に影響が出るかもしれません

【ちひゃー@ぷちます!】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式、獣電池(トペランダ)、牛乳×大量、大盾忍@戦闘中
【思考】
基本:くっ
1:空蝉丸達と行動する
2:765プロの面々の死に悲しみ
3:千早に会いたい
4:とりあえずキルコは嫌い

【まこちー@ぷちます!】
【状態】健康、深い悲しみ
【装備】きあいのタスキ
【道具】支給品一式、獣電池(プクプトル)、モンスターボール(ダゲキ)
【思考】
基本:まきょー
1:空蝉丸達と行動する
2:真と765プロの面々の死に深い悲しみ
3:襲われたら全力で戦う

105脅威!新型ナノマシン:2013/10/14(月) 02:07:27 ID:fuhEZzSQ0
「何故だ……私達と新しいリフレッシュを……ごふっ……!」
「悪ぃな。水を飲んだら目が覚めちまったんだ」

 また一人、参加者が死んだ。
それをやったのはSchick製品に目覚めたはずのサーシェスであった。
というのも、彼のデイパックの中にはクルルの開発した新型ナノマシン入りの水が転送されており、彼がそれを飲んでしまっていたのだ。
そして、それに含まれていた人格データは髭剃りによって眠っていたサーシェスの残虐性・好戦性を復活させてしまったのだ。

「さあて、戦争だ。髭剃りなんかよりもすげえ戦争って奴をおっぱじめようじゃないか!」

 ホイポイカプセルから出した愛機・アルケーガンダムに乗るサーシェス。
ライフルモードとなったGNバスタードソードが、開戦の狼煙とばかりに街に向かって連射された。
しかし、大規模な火災が発生した街に佇み血のような色の粒子を撒き散らす手足が異様に長い機体に立ち向かっていく一台のトラックがあった。

「トランスフォーム!!」

 そのトラックはロボットへと変形した。
その正体は、このロワでタクシー業を営んでいたコンボイだ。
みんなの役に立ちたい一心でタクシー業を始めた彼に無差別マーダーを見逃す理由などなかった。

「うおおおおおおお!」
「ちょいさー!」

 右手をエナジーアックスに変化させ、飛びかかるコンボイ。
対するサーシェスは、GNバスタードソードで切りかかり、コンボイを逆に弾き飛ばした。
そして、堕ちていくコンボイの胴を両足に装着されたGNビームサーベルで2度も斬りつけたのだ。
それはまさしく致命傷だ。

「くっ……ま、まだだ……」

 それでも立ち上がるコンボイ。
その闘志は未だ消えず、背中に収納されたレーザーライフルを取り出した。
だが、何もかもが遅すぎた。

「とっとと逝っちまいな!!」

 アルケーガンダムのGNバスタードソードがコンボイに振り下ろされた。


【一日目・14時50分/千葉県】

【アリー・アル・サーシェス@機動戦士ガンダム00】
【状態】健康、とても上機嫌 、ヒゲがない
【装備】アルケーガンダム@機動戦士ガンダム00
【道具】支給品一式、熱線銃
【思考】基本:カオスロワという名の戦争を楽しむ
1:参加者は片っ端から虐殺
※新型ナノマシンにより、闘争本能等が増大しました。
※主催の一員ですが、すっかり頭の中から抜けてしまいました。

【のび太のパパ@ドラえもん 死亡確認】
【碇ゲンドウ@Schick×エヴァキャンペーン 死亡確認】
死因:射殺

【鳴滝@仮面ライダーディケイド 死亡確認】
【オ○マ@現実? 死亡確認】
死因:GNバスタードソード・ライフルモードのビームにより蒸発

【コンボイ司令官@トランスフォーマー(初代) 死亡確認】
死因:斬殺

106しらねーよ、カス!なんて言わせないよ絶対。:2013/10/14(月) 05:29:33 ID:DgBA2pmQ0
「オレのこの法則の名を、そしてそれが何を指し示すか言ってみろ!」
ジョン・フレミング。テラカオスに導かれし1人の物理学者。
フレミングはどこかの忘れられた義兄弟の一員のようなこのセリフとともに
目についた人間に問いを投げかけ、間違えた輩を問答無用で殺害し続けていた。

【名もない新潟県民×10@現実? 死亡確認】
【大勢のモブキャラ×10@いろいろな作品 死亡確認】
死因:射殺

フレミングは流れ流れてここ、山形県までたどり着いていた。
で、第1県民を発見し、冒頭のセリフに戻るというわけだ。

「そんなことより、俺のセリフをぱくるんじゃねぇ!!!」
「右に同じいいいいいいいいいい!」
「問いにはちゃんと答えろおおおおおおおおおおおお!」

こうして、この物理学者は元ネタとなったキャラをもぶっ殺したのであった。

【ジャギ@北斗の拳 死亡確認】
【ジャギ@DD北斗の拳 死亡確認】
死因:射殺

からん。
徐に、フレミングは自身の武器である機関銃を地面に落とした。

「……」
『フレミングの左手の法則』ポーズのままのそれに電気がこもる。
そう、彼もまたテラカオス化し始めたのである。

っていうか、テラカオスっていう領域越えてるよね。

【一日目・14時52分/山形県酒田市】

【ジョン・フレミング@現実?】
【状態】テラカオス化
【装備】なし
【道具】支給品一式
【思考】
基本:フレミングの左手の法則をきちんと知らん奴を皆殺し。(野田総理でも許さん)
1:……

107混沌な名無しさん:2013/10/14(月) 13:33:58 ID:YLYlEnvYO
一方、富士山は噴火した
しかじ火口に出現した転送魔法によって溶岩その他が全て富士山周辺の地下にある大空洞に転送された為、地上への被害は無かった。
全魔力を使ってそれを為したシャマルという女性は、満足そうに微笑んで意識を失い、火口に落ちた。
転送先の大空洞が不思議のダンジョンだと知らぬままに。

【一日目・15時05分/富士山の火口】

【シャマル@魔法少女リリカルなのはシリーズ 死亡確認】
※富士山の噴火は収まりました。

【一日目・15時05分/不思議のダンジョンだった所】

【ドラキー@ドラゴンクエスト 死亡確認】
【メットールV2@ロックマンエグゼ 死亡確認】
【地雷蜘蛛@遊戯王OCG 死亡確認】
【イシツブテ@ポケットモンスター 死亡確認】
【ヒカりん@パズル&ドラゴンズ 死亡確認】
【クリーパー@Minecraft 死亡確認】
【骸音シーエ@VOCALOID 死亡確認】
【ファイアバー@マリオシリーズ 死亡確認】
【黒谷ヤマメ@東方project 死亡確認】
【巨大ネバルー@クロノクロス 死亡確認】
【動く石像@鋼の錬金術師 死亡確認】
【みみず@手のひらをたいように 死亡確認】
【おけら@手のひらをたいように 死亡確認】
【あめんぼ@手のひらをたいように 死亡確認】
【怪傑ズバット@怪傑ズバット 死亡確認】
※不思議のダンジョンが埋め立てられました。

108修正が必要か:2013/10/14(月) 15:44:50 ID:k4bbgnCU0
高速で移動する機体がある
その機体はナインボールセラフ、そしてそのパイロットはハスラー・ワンだ

「秩序を乱すものは排除するそして大きすぎる力を持つものも排除する」

ハスラー・ワンはそう言う、このそんざいにとってはこの殺し合いをはじめた主催を秩序を乱すものとして排除するのだろう
大きすぎる力を持つものも排除対象なのだろう


【一日目・15時05分/日本・千葉県】

【ハスラーワン@ARMORED CORE MASTER OF ARENA】
【状態】健康
【装備】ナインボール・セラフ@AnotherCentury'sEpisode:R
【道具】支給品一式 
【思考】基本:秩序を乱すものと大きすぎる力を持つものの排除
1:主催の排除

109クレイジーファイターズ:2013/10/14(月) 16:35:57 ID:VnHArrSE0
「サーシェスが任務放棄、しかも暴走だと!? 何をやっているのだ、あいつは!」

野田総理は激怒していた。なのは組の抹殺を命じたはずのサーシェスがそれを成さないどころか、無関係の参加者を襲っているという報告が入ったためである。

「別の刺客を送り込むか? しかし他の連中は、なんだかんだで忙しいし。
 新たな人員を雇うにしてもな……」

頭を抱える野田総理。何せターゲットは超一流の魔導師二人。
さらに幾多の死線をくぐり抜けてきた霊能力者や、人知を超えた力を持つ邪神型宇宙人までいるのだ。
生半可な実力の刺客では、返り討ちに遭うのは目に見えている。
かといって強い力を持つ者を雇うには、相応の金がいる。
ただでさえロワの運営には金がかかるのに、これ以上の出費はできることなら避けたいところだ。

「総理、私に考えがあります」
「なんだ、言ってみろ」

悩む総理に声をかけたのは、モブの部下だった。総理に促され、彼は自分の考えを述べる。

「金を払わずとも動かせる参加者を誘導して、例の組にぶつければいいのです。
 調べたところ、奴らの近くにいてこちらの思惑どおりに動いてくれそうなのは……」


◆ ◆ ◆


なのは達はホテルを後にし、千葉を移動していた。
幸か不幸か、彼女たちは他の参加者に遭遇することはなかった。
しばらく歩き続け、そろそろ小休止を入れようかと話していたところで、一同は放送を聞くことになった。

「ううっ、フェイトちゃん……」
「…………」

無二の親友の死を知らされ、なのはは感情を抑えられず号泣し始めていた。
そんななのはを、ユーノは黙って抱きしめる。

「まさか、蔵馬が死んじまうとは……。信じられねえぜ……」

その傍らで、桑原も強い衝撃を受けていた。彼もまた、数々の戦いを共にくぐり抜けていた戦友の死を知ったのである。

「お前らは、知り合いの名前呼ばれなかったか?」
「ぼ、僕の知り合いは呼ばれなかったよ」
「ポックルっつー同期のハンターが呼ばれた……。それほど仲がよかったわけじゃねえが、それでもきついな……」

なおレオリオの親友であるゴンも死んでいるのだが、放送では「ゴンさん」と呼ばれていたためレオリオは気づいていなかった。

「俺の親友の、やる夫って名前も呼ばれたが……。やる夫なんて、どこにでもいる名前だからなあ。
 俺の知ってるやる夫かどうか、判断できないわ」
「……そんなに多い名前だったっけ?」
「俺に聞くなよ。俺はもともとこの国の人間じゃねえんだから」

やらない夫の発言に、困惑する桑原。彼に話を振られたレオリオは、あきれ顔で首を横に振った。


◆ ◆ ◆

110クレイジーファイターズ:2013/10/14(月) 16:36:47 ID:VnHArrSE0


その後一行はなのはが落ち着くまで休憩したあと、再び移動を開始した。
そしてしばらく後、彼らは道の真ん中に倒れている血まみれの男を発見した。

「た、助けてくれ……」

弱々しいつぶやきを捉え、なのははとっさに男へと駆け寄る。
その次の瞬間、ユーノは言いようのない悪寒を感じた。

「危ない!」
「えっ……?」

とっさに、ユーノはなのはの体を突き飛ばす。
直後、男の体を無数の突起物が貫く。
その突起物は直進を続け、ユーノの左腕をも貫いた。

「うわああああ!!」
「ユーノくん!」

たまらず悲鳴を上げるユーノ。なのはは半ばパニックになりつつ、彼にすがりついた。

「ヒヒヒ、惜しいなあ……。もうちょっとで、女の体を串刺しにできたのに……」

そう呟きながら亡骸と化した男の影から出てきたのは、禍々しい狂気をその顔に浮かべた小柄な男だった。
その男を見たとたん、桑原の顔色が変わる。

「てっ、てめえは……。戸愚呂兄! また復活しやがったのか!」
「久しぶりだなあ、桑原……。会いたかったぜ……。
 今度こそおまえをぶっ殺してやるよぉぉぉぉ!! 他の連中も一緒になぁ!!」
「なめるなよ……! 何度生き返ろうと、てめえはこの俺がぶっつぶしてやるぜ!」

さらに狂気の色を強める戸愚呂兄に対し、桑原は霊剣を発動させて戦闘態勢に入る。
だが怨敵の出現に興奮していた彼は、背後から迫るもう一つの脅威に気づいていなかった。

「危ない!」
「なにっ!?」

背後より飛来したのは、巨大なハサミ。
それにいち早く気づいたハス太は、突風を発生させてハサミの軌道をずらす。
明後日の方向に飛んでいったハサミは、近くのビルに突き刺さりその壁を粉々に砕いた。

「なっ、新手か!」
「ゲギャギャギャギャ! 多少はやりそうな連中じゃねえか! 斬りがいのねえやつばっかりでイライラしてたんだよ!
 俺のストレス発散に付き合ってもらうぜぇ!」

姿を見せたのは、白髪を長く伸ばした筋肉質の男。マルハーゲ四天王の一人、極悪斬血真拳のOVERであった。


◆ ◆ ◆


「どうやら上手くいったようだな」
「はい」

部下からの報告を受け、野田総理は満足そうに笑う。
戸愚呂兄とOVERがなのは組を襲ったのは、むろん主催側が彼女たちの居場所を二人にリークしたからだ。
かつて桑原に敗北し、彼に恨みを持つ戸愚呂兄。そして戦闘狂のOVER。
彼らなら報酬を用意せずとも、なのは組と戦ってくれるだろうともくろんでのことである。
そしてそのもくろみは、見事に成功していた。

「全ては私の思うがまま……。くくく……」

いかにも黒幕っぽく呟く野田総理。しかし実際には、部下の提案をそのまま実行しただけだ。
その振る舞いは、あまりにも滑稽であった。

111クレイジーファイターズ:2013/10/14(月) 16:37:48 ID:VnHArrSE0
【一日目・15時10分/千葉県】

【高町なのは@魔法少女リリカルなのは】
【状態】動揺、19歳の身体
【装備】レイジングハート@魔法少女リリカルなのは、千年タウク@遊戯王
【道具】基本支給品一式、タイムふろしき@ドラえもん、ボンテージ
【思考】
基本:大災害による世界滅亡を防ぐ
1:この場を切り抜ける
2:情報を集めないと
3:ヴィヴィオに再会してきちんと話し合いたい
※千年タウクの効果によって、高町ヴィヴィオの存在と日本に世界を襲った大災害が起こる未来を知っています。
※タイムふろしきを使ったので、19歳の肉体に成長しました。


【ユーノ・スクライア@魔法少女リリカルなのは】
【状態】左腕負傷、19歳の身体
【装備】なし
【道具】基本支給品一式
【思考】
基本:大災害による世界滅亡を防ぐ
1:なのはを護る
2:大災害の情報を集める
※タイムふろしきを使ったので、19歳の肉体に成長しました。
※PSP版の技が使えます。


【ハス太@這いよれ!ニャル子さん】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式、ガソリンの入った一斗缶
【思考】
基本:大災害による世界滅亡を防ぐ
1:この場を切り抜ける
2:ニャル子ちゃんたちは大丈夫かな
3:僕も頑張らないと


【桑原和真@幽遊白書】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式
【思考】
基本:大災害による世界滅亡を防ぐ
1:戸愚呂兄をぶっ倒す
2:怒鳴りつけた借りを返す為にも、ハス太を護る


【レオリオ・パラディナイト@HUNTER×HUNTER】
【状態】健康
【装備】スパス12
【道具】支給品一式
【思考】
基本:大災害による世界滅亡を防ぐ
1:この場を切り抜ける
※ゴンの死に気づいていません


【やらない夫@2ch】
【状態】健康
【装備】M16
【道具】なし
【思考】
基本:大災害による世界滅亡を防ぐ
1:この場を切り抜ける
※このやらない夫は精神が超タフです。

112クレイジーファイターズ:2013/10/14(月) 16:38:20 ID:VnHArrSE0


【戸愚呂兄@幽遊白書】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】
基本:殺しまくる
1:桑原とその仲間を殺す
※首輪解除防止のため、肉体変形能力はかなり強く制限されています


【OVER@ボボボーボ・ボーボボ】
【状態】健康
【装備】オリハルコン製のハサミ@ボボボーボ・ボーボボ
【道具】支給品一式
【思考】
基本:暴れまくる
1:なのは組と戦う


【一日目・15時10分/主催本部】

【野田総理@現実?】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】なし
【思考】
基本:バトルロワイアルを完遂させ、自分の理想の社会を創り上げる
1:ロワを主催する
2:最悪の場合、幹部五人を人身御供にして生き残る
※傀儡の主催者です。本人は気づいていません。

【ブルりん@ジョジョの奇妙な冒険 死亡】
死因:戸愚呂兄による刺殺

113光と闇が合わさり……:2013/10/15(火) 08:09:22 ID:0EyIDvJQO
強い岩ポケモンを探しに長野県までタケシは来ていた。
しかし、そこに居たのは血走った目で奇声をあげながら襲いかかる自分自身だった。

「ぐげげげげげげげげ」
「うわああ、な、なんだこりゃあ!?」

慌てて逃げるタケシにもう一人のタケシが触れたその時、カオスな事が起こった。
このもう一人のタケシは、同じタケシでありながら発狂し、デブガキ一人を惨殺した奴である。
そして、同じタケシでありながら真逆の性質を持つもの同士が触れ合い、対消滅が発生した。
その余波は凄まじく、長野県にクレーターが出来たが、幸いにも他の参加者は三人死んだだけだった。


【一日目・15時15分/日本・長野県】

【タケシ@ポケットモンスター 死亡確認】
【タケシ@ポケットモンスター 死亡確認】
【策士・諸葛亮孔明@ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日 - 死亡確認】
【うさみちゃん@ギャグマンガ日和 死亡確認】
【ホッシー@横浜ベイスターズ 死亡確認】

114いきなり止まれないのよ:2013/10/16(水) 00:38:08 ID:tZfczTI.0
全力疾走をする少女がいた、その少女の名前はIAという
IAはVOCALOIに所属しているアイドル歌手だ、だが今はそんなことはどうでもいい
なぜ彼女が全力疾走しているかというと

「あはははははは」

後ろからハイテンションの笑い声が聞こえてくる
この人物こそがIAを追っている存在だ名前は雨生龍之介人殺しを趣味とする青年だ
龍之介はクルルが開発した新型ナノマシン入りの水を飲んでこんなことになってしまったのだ

「ハア…ハア…」
(逃げないと)

IAは息切れしながら走る
だが

「きゃ……!」

こけたのだ、普段運動は軽くしているが限界が来たのだろう
そしてそのまま死ぬと思い目をつぶる
そして龍之介はそのままIAを殺そうとした瞬間、何かがいきおいよく轢かれ死んだ

【雨生龍之介@Fate/Zero 死亡確認】

そしてIAがその音を聞き後ろを向くと

「…なんか轢いちまいましたか」
「とくに気にすることないんじゃないの」

と言っている二人組みの男キャスパー・ヘクマティアルと阿紫花英良がいた

【一日目・15時15分/日本・山口県】

【IA@VOCALOID】
【状態】疲労(大)
【装備】なし
【道具】支給品一式 
【思考】
1:助かったの?

【キャスパー・ヘクマティアル@ヨルムンガンド】
【状態】健康
【装備】自動式拳銃
【道具】支給品一式
【思考】
基本;どこか、落ち着ける場所を探す
1:降りかかる火の粉は払う
2:このこどうしようか


【阿紫花英良@からくりサーカス】
【状態】健康
【装備】グリモルディ@からくりサーカス
【道具】支給品一式
【思考】基本:キャスパーに雇われたので付いて行く
1;降りかかる火の粉は払う
2:なんか轢いちまいましたかねえ

115野球って危ないからね:2013/10/17(木) 14:22:03 ID:l5sLUsYk0

「ぬぅ……千石うぐいすとやらが死んでしまったのか……ふっ、所詮その程度の輩だったということなのか」
「そんな澪さん……ついでに田井中さん」
「いろいろ死んだか、まぁ別にいいけどね」
「イチローさんはまだ無事のようだ」
「矢部くん……」
「ティガニキ……」
「この程度で死ぬようでは話にならないのだよ」
「ですなぁ」
「ずら」

 放送を聞き、拳王軍の皆さんはここ静岡県の地方球場で一時足を止めていた。
 ……東京は先程、『また』通り過ぎてしまった。
 電車は急に止まれないからね。仕方ない。
 そんな時であった。

「我ら『十傑集』、貴様らに野球勝負を挑ませてもらう!!」

 ▽あっ、十傑集が野球を勝負を仕掛けてきた。

 もちろん、負けたら全員死亡という理不尽なルールの下で行われることにあった。


「では、新しいスタメンを発表します。
 一番ショート、川崎さん
 二番セカンド、殿馬さん
 三番サード クロえもんさん
 四番レフト、プニキさん
 五番ピッチャー、MEIKOさん
 六番センター、平等院くん
 七番ファースト 緑間くん
 八番キャッキャー デュークくん
 九番ライト 拳王さん……以上です」
「ぬぅ、何故この拳王が九番なのだぁッ!」
「打てないからづら」
「一理あるのだよ」
「ですなぁ」
「くっ、まあよい、この試合で活躍すれば問題ない!」

 そして、ついに試合が始まろうとしていた。

「プレイボール!!」

116野球って危ないからね:2013/10/17(木) 14:22:38 ID:l5sLUsYk0

【以下ダイジェスト】

「MEIKOシュート」

 ほぼ直角に曲がるシュート回転(黄金の回転)が掛かったMEIKOシュートがヒィッツカラルドの身体にぶち当たる。
 ヒィッツカラルドの身体は再起不能なまでにぶち壊された。

【素晴らしきヒィッツカラルド@ジャイアントロボ 死亡確認】

「デュークツーラン!!」

 サードの怒鬼、ショートの残月がボールごと場外まで吹っ飛ばされる。
 その勢いで二人は富士山火口に落ちた。ついでにランナーはいなかったが何故か二点入った。

【直系の怒鬼@ジャイアントロボ 死亡確認】
【白昼の残月@ジャイアントロボ 死亡確認】
   
「滅びよ」

 平等院さんが打ち返したボールが光りだした。
 その打球をキャッチしようとしたファーストのカワラザキ、ライトのセルバンテスの両名が吹っ飛びフェンスに激突する。
 平等院さんはアウトになったものの二人の命が散った。

【激動のカワラザキ@ジャイアントロボ 死亡確認】
【眩惑のセルバンテス@ジャイアントロボ 死亡確認】

「腹痛いから、帰るわ」

 そう言い残し、マスク・ザ・レッドは一時帰宅した。
 汚いなさすが忍者きたない。

【マスク・ザ・レッド@ジャイアントロボ】
【状態】十傑集走り中
【装備】いろいろ
【道具】いろいろ
【思考】
1:一旦、体勢を整えるため帰宅する。

「ぬぅ、この拳王がまた退場だと……」
「拳王さん、今のは仕方ないですね」
「野球とはここまで難しいものだったとはな……」

 ラオウは再び退場処分になっていた。
 十常寺とクロスプレイの際、審判(デカオ)共ぶっ殺してしまったから仕方ないのだ。
 罰金33万4千円ほどの処分が言い渡されたが、ムギさんが支払い事なきを得た。

【命の鐘の十常寺@ジャイアントロボ 死亡確認】
【大山デカオ@ロックマンエグゼ4(ブルームーン版) 死亡確認】

「せめて、一点を返s……」
「イチローさん直伝(無許可)レーザービーム!!」

 ショート川崎のレーザービームがホーム突入しようとした樊瑞の身体に当たる。
 送球が少しそれてしまったのだ、命懸けだからね、プロでも失敗するよ、人間だもの。

【混世魔王・樊瑞@ジャイアントロボ 死亡確認】

「これでゲームセットづら」

 最後のバッター・幽鬼をセカンドゴロに打ち取り、ゲームセット。
 長かった試合もついに終戦を迎えたのであった。
 そして、約束通り暮れなずむ幽鬼は自害した。

【暮れなずむ幽鬼@ジャイアントロボ 死亡確認】

117野球って危ないからね:2013/10/17(木) 14:23:05 ID:l5sLUsYk0

「この拳王に勝負を挑むから、骨がある輩かと思ったが大したことがなかったな!!」
「野球ってこんなスポーツだったかなぁ……」
「ハチミツ食べたいなぁ……」
「イチローさんイチローさんイチローさんイチローさんイチローさん……」

 こうして、拳王軍は初めて犠牲を出さずに野球で勝利したのであった。

「さて、今度こそ東京に向かうぞぉ!」

 そして、拳王軍は電車ごっこロープを握り締め、東京に向かった。

【一日目・15時00分/日本・静岡県】
【MEIKO@VOCALOID】
【状態】健康
【装備】アルティメットアーマー@ロックマンXシリーズ
【道具】支給品一式、ノートパソコン@現実
【思考】
基本:殺し合いに乗った者達を殺す
 1:ラオウ達に協力してもらう
※今までとは別人です。
※『黄金の回転』を習得しました


【琴吹紬@けいおん!】
【状態】精神的にぶっ飛んでる
【装備】核ミサイル、キーボード、現金1兆円ほどが入った特注ジュラルミンケース
【道具】支給品一式、たくあん@現実、その他不明
【思考】
基本:生き残ることを最優先
1:拳王とやらの配下になる
※今までとは別人に決まってんだろ!!いい加減にしろ!!


【ラオウ@北斗の拳】
【状態】健康
【装備】炭酸水
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】
基本:野田総理を倒す
0:主催者チームを全員屠る
1:そして、拳王が新たな時代を作る
2:死兆星から使者の小娘を配下にしたぞ!
3:トキ似の男を配下にしたぞ!
4:強そうな鎧の女を配下にしたぞ!
5:謎の黒猫たちを配下にしたぞ!
6:ミクとKAITOを倒すぞ!

【平等院鳳凰@新テニスの王子様】
【状態】健康
【装備】テニスラケット、テニスボール×∞、諭吉一枚
【道具】支給品一式、少年ジャンプとヤンジャン、その他不明
【思考】基本:主催者達を滅ぼす
1;マーダーも滅ぼす
2:ラオウたちと行動する
3:テニスがしたいが、野球をする

【プニキ@くまのプ○さんのホームランダービー】
【状態】健康、全ステータスMAX
【装備】木の棒
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】基本:ムギさんからハチミツを貰うために野田を野球で潰す
1;ホームランを打つ

118野球って危ないからね:2013/10/17(木) 14:23:33 ID:l5sLUsYk0

【川崎宗則@現実?】
【状態】健康
【装備】バット、ボール、グラブ
【道具】支給品一式
【思考】基本:イチローを倒してでも、マリナーズに連れ戻す
1:戦力を集める
2:イチローがいるであろう、東京に向かいたい

【クロえもん@ドラベース ドラえもん超野球外伝】
【状態】健康
【装備】バット、ボール、グラブ
【道具】支給品一式 電車ごっこロープ
【思考】基本:野田総理に野球で挑んで勝つ!
0:矢部君の意志を継ぎ、殺し合いを打破する
1:最低でも四国アイランドリーグが出来るくらいの仲間を集める
2:イチロー選手を仲間に引き入れたい

【殿馬一人@ドカベンシリーズ】
【状態】健康
【装備】バット、ボール、グラブ
【道具】支給品一式、グランドピアノ@現実
【思考】基本:生き残る
1:イチローと合流したい

【デューク渡邊@新テニスの王子様】
【状態】健康
【装備】テニスラケット、テニスボール×∞、キャッチャー用具一式
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】基本:お頭(平等院)たちについていく
1;デュークホームランを打つ

【緑間真太郎@黒子のバスケ】
【状態】冷静
【装備】ハンマーブロスの無限ハンマー@マリオシリーズ
【道具】支給品一式、ホワイトボードとサインペン
【思考】
0:赤司に勝つ
1:野球をするのだよ

119サヨナラ、ガキ大将:2013/10/18(金) 18:40:39 ID:tXjcrgkE0

 拳。
 ただの拳が黄色い宇宙人の頭部を破壊した。
 先ほど、自分の妹のことを『ブタ』呼ばわりされたことに腹がたった。
 家族を……妹を馬鹿にされて、ここで動かなかったら男が廃ると思った。
 勇気を振り絞り、黄色い宇宙人の目の前に立ちふさがった。

 拳を何度も振るった。
 何度も。
 何度も何度も。
 何度も何度も何度も。
 何度も何度も何度も何度も何度も何度も。
 何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も……。

 暴力は好きじゃなかった。
 ただ殺したら、もう戻れない気がした。
 ジャイ子やのび太、ドラえもんにもう会えない気がした。
 死んでしまったジャイアンたちやのび太のおばちゃん……そして、自分の母のいる場所にも行けない気がした。

「はぁ……はぁ……こんな……こんな殺し合いして楽しいのかよ!!!」

 拳を止めた。
 自身の拳が真っ赤になっていた。 

「お前みたいのがいるから、こんな殺し合いが始まった!!
 お前みたいのがいるから、ジャイ子みたいな不幸な子が生まれる!!
 こんな殺し合いを開いた奴らは僕が絶対許さない――――だから」

 激しい嘔吐感がした。非常に気分が悪い。
 殺したのに、まだイライラが収まらない。
 そこで水を一口飲み、気持ちを落ち着けようとする。
 そこで、何もかもどうでもよくなった。
 

 
「だから――――皆殺さなくちゃな」

 

 きれいなジャイアンはきれいではなくなっていた。 
 

【クルル曹長@ケロロ軍曹 死亡確認】

【一日目・14時30分/九州ロボ・クルル曹長の研究室近く】
【きれいなジャイアン@ドラえもん】
【状態】血濡れ、汚くなった
【装備】さすまた
【道具】支給品一式
【思考】
基本:全て殺す
1:ジャイアンポジションにはぼくが座らないと!
※ナノマシン入りの水を飲みました。

120涼宮ハルヒの最期:2013/10/18(金) 20:56:24 ID:ja8CLp160
 9時間以上に及び県をも跨いだ逃走劇の末、ハルヒは一人っきりになってしまっていた。
唯も、こなたも、にゃんぱいあも、そしてボッスンも、皆たった一匹のニホンザルに射殺されてしまった。
そして、ハルヒも袋小路に追い詰められ、また一人参加者が死んだ。

「チーチッチ、おっぱーい、ボインボイーン」

 なぜなら、怪しげで奇妙な歌を歌う少女に、ニホンザルの首がもぎ取られたのだから。

「あ……有希……?」

 極限状態から解放され、ハルヒはその場にへたり込んだ。
 そんなハルヒに長門は近づき、その胸を鷲掴みにした。


「もげ、もげ、もげ」
「きゃっ、い、痛い、どうして!?」

 長門がその両手に力を込めていく。
自分の想像を遥かに上回る状況に混乱するハルヒ。
しかし、情報操作により、幾ら足掻いても指一本すらも動くことは無い。

「チチをもげ!!」
「嫌あああああああぁぁぁっ」

 ハルヒの両胸がもぎ取られた。

【一日目・15時15分/日本・栃木県】


【長門有希@涼宮ハルヒの憂鬱】
【状態】ナイン
【装備】コアファイター@機動戦士ガンダム
【道具】支給品一式 、朝倉涼子の両おっぱい×2、涼宮ハルヒの両おっぱい
【思考】
基本:チチをもぐ
1:朝比奈みくるのチチをもぐ
2:とにかくチチをもぐ
3:邪魔者はもぐ

【平沢唯@けいおん! 死亡確認】
【泉こなた@らき☆すた 死亡確認】
【にゃんぱいあ@にゃんぱいあ 死亡確認】
【藤崎佑助@SKET DANCE 死亡確認】
死因:射殺

【ニホンザル@龍馬伝 死亡確認】
死因:頭をもぎ取られる

【涼宮ハルヒ@涼宮ハルヒの憂鬱 死亡確認】
死因:両胸をもぎ取られる

121悪魔の誇り:2013/10/20(日) 18:13:54 ID:tjJylung0
巨大な岩のような超人と、長身の少女というおかしな組み合わせの二人組が、
てくてくと道を歩いていた。
二人の間に会話は無い。
長身の少女−諸星きらりは、本来は元気な性格だったが、
放送を境に様子が変わってしまった。
同行する超人−ザ・魔雲天は、彼女の心境の変化を察していたが、
慰めの言葉をかける事は無い。
悪魔である自分には慰めなど似合わないと言うこともあるが、
彼女自身の手で乗り切らねば意味がないと考えているからだ。

「……!」

悪魔としての勘か。
魔雲天はとっさにきらりを抱えると、高くジャンプする。
すると、さっきまで魔雲天達がいた場所を、氷の槍が通過していった。
あのまま動かなければ、二人ともやられていただろう。

「グ、グム〜…。ゴング前の攻撃とは、俺たち悪魔にも劣るぜ〜!」

「…悪魔でも、構わない」

「あっ…ああ……」

現れたのは、青髪の少女−タバサ。
タバサと魔雲天の間に火花が散る。
魔雲天の背後に隠れながら、恐怖に震えるきらり。
魔雲天は、きらりを気遣うように視線を向ける。

122悪魔の誇り:2013/10/20(日) 18:14:26 ID:tjJylung0
「……隙あり」

タバサが呪文を唱えると、再び氷の槍が精製され、魔雲天達を襲う。
轟音が響く。タバサは気を抜かず、前を見続けている。

「残念だったな。俺はここだ〜!ゲヘラァー!」
「マウンテンドロップ!!」

野太い声が周囲に響く。
攻撃がくると察知し、タバサは横に飛ぶ。
だが避けきれず、魔雲天の攻撃を食らってしまう。
マウンテンドロップ。相手の頭上から1トンの体重を叩きつける大技だ。
タバサの攻撃を受けてあちこちに傷が目立つが、その威力に変わりは無い。

「ぐううっ……!」

激痛にうめきながらも、タバサは呪文を唱えようとする。
だが、唱えかけたそれは途中で止まってしまう。
ダメージが大きすぎたのだ。
それを見た魔雲天は、静かに技を解いた。

「な、何のつもり?」

「お前には執念を感じる」
「悪魔の俺でも…いや、悪魔の俺だからこそわかる」
「お前にはやらなければいけない事があるんだろ」

「…礼は言わない」

強がりを言うと、タバサは気を失った。
魔雲天はタバサを背負うと、隠れていたきらりに声をかける。

「て、天ちゃん、その人を連れて行くの?」

「ああ。こいつは死なせるには惜しいからな。」

123悪魔の誇り:2013/10/20(日) 18:16:19 ID:tjJylung0
【一日目・14時55分/日本・新潟県】

【ザ・魔雲天@キン肉マン】
【状態】疲労(小)、あちこちに傷跡
【装備】柔道着
【道具】なし
【思考】
基本:『あのお方』の命に従い野田総理を抹殺する。
1:他の悪魔超人達と合流する(できればミスターカーメンかBH)
2:邪魔者はすべてマウンテンドロップでペシャンコにする。
3:とりあえずこのデカい女(きらり)は今は保護しておく。
4:女(タバサ)を安全な所まで運ぶ。また襲ってきたら返り討ちにする


【諸星きらり@アイドルマスターシンデレラガールズ】
【状態】182cm、ちょっち悲しみ!
【装備】ないにぃ!
【道具】支給品一式、巨大化爆弾@五星戦隊ダイレンジャー、
芋丁の芋羊羹@激走戦隊カーレンジャー、ビービ虫の巣@天装戦隊ゴセイジャー
【思考】
基本:Pちゃんを探すにぃ!
0:いっぱい人が死んじゃった…
1:天ちゃん(魔雲天)は強くて優しいにぃ!
※殺し合いが始まった事を理解しました

【タバサ@ゼロの使い魔】
【状態】全身にダメージ(大)
【装備】杖、マフラー、ジーンズにジャケット姿
【道具】支給品一式
【思考】
基本:???
1:???

124戦闘中のまま放置するのはどうかと思う:2013/10/20(日) 21:32:02 ID:vtawVjlQ0
 埼玉で、9時間に及ぶ大激戦が終わろうとしていた。

『アクセル!マキシマムドライブ!』
『It's time for buster!』

 仮面ライダーアクセルがエネルギーを纏った後ろ回し蹴り「アクセルグランツァー」を叩き込む。
気絶から立ち直って変身したレッドバスター・桜田ヒロムの超加速からの必殺の斬撃がそれと同時に放たれる。
その同時攻撃は、再びゴルゴ13が乗り込んだヤッターペリカンを破壊するには十分すぎた。
ゴルゴ13はヤッターペリカンの爆発の中に消えて行った。

「ニック……じゃ、無かったのか?」
「俺に質問をするな……」

 変身解除した照井を見てようやく彼が相棒でない事に気づいたヒロム
それに対して照井が何時もの返しをした所で、二人はその場に座り込んだ。
9時間もの間強敵と戦い続けた事による疲労とダメージは並大抵のものでは無かったのだ。
悪と戦うヒーローも流石に今は休みたかった。


【一日目・6時20分/日本・埼玉県】

【桜田ヒロム@特命戦隊ゴーバスターズ】
【状態】ダメージ(中)、疲労(大)
【装備】モーフィンブレス@特命戦隊ゴーバスターズ、サングラス
【道具】支給品一式
【思考】
基本:殺し合いを止める
1:身体を休めたい
※戦闘中だったため第一回・第二回放送を全く聞けていません。

【照井竜@仮面ライダーW】
【状態】ダメージ(中)、疲労(大)
【装備】アクセルドライバー@仮面ライダーW
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】
基本:殺し合いを止める
1:身体を休めたい
2:俺に質問をするな……
※戦闘中だったため第一回・第二回放送を全く聞けていません。

【ゴルゴ13@ゴルゴ13 死亡確認】
死因:爆死

125124:2013/10/21(月) 00:44:52 ID:LooLzYQY0
すみません、6時は15時の間違いでした。

126交通事故には気を付けましょう:2013/10/22(火) 14:28:43 ID:MF4gp5rYO
【一日目・15時20分/日本・千葉県】

【ガメラ@平成ガメラ三部作】
【状態】健康、飛行中
【装備】無し
【道具】支給品一式
【思考】
基本:生態系を破壊する者を倒す
1:ギャオスは特に殺す
2:何かにぶつかった気がする

【ハスラーワン@ARMORED CORE MASTER OF ARENA 死亡確認】
死因:ガメラが激突

127カオスロワからは逃げられない:2013/10/22(火) 22:02:04 ID:J8avXxnc0
「ぐっ……」

 それが、二人の男が連れて行くと決めた少女・IAの最期の声だった。
支給品を確認する為に自分のデイパックを覗き込んだIAの顔を、デイパックの中から飛び出した拳が粉砕したのだ。
そして、二人の男が驚いた隙をついて、デイパックから少女を殺した存在が飛び出した。

「ごふぅぅ!」

 男の片方である英良が我に返ったのは、依頼人であるもう一人の男・キャスパーの断末魔を聞いてからだった。
キャスパーは、少年の持つさすまたに刺されて死んでいた。
きれいなジャイアンと呼ばれるその少年は、殺した宇宙人の遺した転送装置で自分を転送したのだ。
テラカオス化によって強化された身体能力を武器にして、より多くの参加者を殺す為に。

(捕縛用の道具であるさすまたで人を殺しちまうとは、どんなバケモノでえ)

 依頼人を殺されても、英良は冷静だった。
しかし、怒りを抱いてないという事では無い。
むしろ、その逆だ。

「だがね、依頼人を殺されて黙って引き下がる程、あたしは情けなくは無いんでね!」

その一言に彼の怒りが凝縮されていた。

【一日目・15時25分/日本・山口県】

【阿紫花英良@からくりサーカス】
【状態】健康
【装備】グリモルディ@からくりサーカス
【道具】支給品一式
【思考】基本:降りかかる火の粉は払う
1:キャスパーとIAの仇を討つ

【きれいなジャイアン@ドラえもん】
【状態】血濡れ、テラカオス化進行、汚くなった
【装備】さすまた
【道具】支給品一式
【思考】
基本:全て殺す
1:ジャイアンポジションにはぼくが座らないと!
※ナノマシン入りの水を飲みました。

【IA@VOCALOID 死亡確認】
死因:撲殺

【キャスパー・ヘクマティアル@ヨルムンガンド 死亡確認】
死因:刺殺

128戦闘激動:2013/10/23(水) 01:14:49 ID:12ffGY8M0
アリー・アル・サーシェスは獲物を探していた
殺すためにさがしていた
そして

「見つけたぜ」

そう言って見つけた参加者に対してGNバスターソードをライフルモードにして発砲した
そして、ライフルモードが放たれた先では
着弾の音が聞こえた
そして、着弾場所では弾が直撃はしなかったものの地響きは起きた

「おわなんだなんだ!」
「っ……!、どうやら原因はアレのようですよ!」

そして一人の男Lがアルケーガンダムを指差し
その指差した先をピップ・ベルナドットは見た

「おいおいおい、まずいんじゃないか」
「まずいですよ、こちらには対抗する武器はない」
「じゃあ逃げるか」

そう言って二人は逃げ出した

その様子をサーシェスは見ていた

「ははは、そうだよ逃げろよ!、ミンチにしてやるからさあ!」

そう言って、アルケーで二人を追おうとするしかし
そこに一機の機体が乱入してきた

「さすがに見過ごせんよ!」

その機体の名前はガンダムエピオン、搭乗者はゼクス・マーキス
そしてその機体に邪魔されながらもサーシェスは笑みを浮かべて

「おいおい、今度はガンダムかよおもしれ!」

そう言ってサーシェスはエピオンに向かって攻撃を開始した


【一日目・15時25分/日本・千葉県】

【アリー・アル・サーシェス@機動戦士ガンダム00】
【状態】健康、とても上機嫌 、ヒゲがない
【装備】アルケーガンダム@機動戦士ガンダム00
【道具】支給品一式、熱線銃
【思考】基本:カオスロワという名の戦争を楽しむ
1:参加者は片っ端から虐殺
2:目の前のガンダムエピオンを倒す
※新型ナノマシンにより、闘争本能等が増大しました。
※主催の一員ですが、すっかり頭の中から抜けてしまいました

【ゼクス・マーキス@新機動戦記ガンダムW 】
【状態】健康
【装備】ガンダムエピオン@新機動戦記ガンダムW
【道具】支給品一式 そのほか不明
【思考】基本:バトルロワイヤルを止める
1:アルケーガンダムを倒す

【ピップ・ベルナドット@HELLSING】
【状態】健康
【装備】自動式拳銃 M16
【道具】支給品一式
【思考】基本:バトルロワイヤルを生き残る
1;この場所から逃げる

【L@DEATH NOTE】
【状態】健康
【装備】自動式拳銃
【道具】支給品一式 手榴弾×25
【思考】基本:バトルロワイヤルを止める
1:この場所から逃げる

129タヌキと奴隷と魔術師とそれからMS:2013/10/24(木) 01:01:36 ID:u2l3Hoic0
「その残虐な振る舞いの数々……報いを受けるがよい」
「ぐえええ、この私が、こんな所で、ぐぎゃあ!」

 強烈な打撃のラッシュがバット星人グラシエに次々と叩き込まれる。
それを放つは、ウルトラマンタロウにウルトライドした二ッ岩マミゾウだ。
そして、ウルトラマンタロウの正拳突きがグラジエを人のいない地表に吹っ飛ばした。

「止めじゃ、ストリウム光線!」
「ぎゃああああああああああ」

 ウルトラ戦士の代名詞ともいえる必殺の光線がグラジエを撃破した。

「ブリューナク!そしてバルムンク!」
「…………!?」

 ダガー状の誘導弾がギャバンブートレグの銃を弾き飛ばし、12本の光の剣が彼に突き刺さる。
それを為したのは勿論八神はやてだ。
奴隷にされた参加者を巻き添えにしてしまう為得意の広域攻撃魔法こそ使えないが、それでもその力は強力だ。

「クラウ・ソラス、てえぇっ!」

 白い砲撃魔法がギャバンブートレグに止めを刺した。


 こうして、福岡ドームで奴隷にされていた参加者達を救出した二人(と一つのスパークドール)は、予め発見していた機体格納庫から脱出した。
格納庫にあった機体に乗った参加者たちを引き連れ、後は九州ロボから全力で逃げるだけだった。
しかし、そうはいかなかった。
真空の刃が救出した参加者の乗った機体全てを両断したのだから。

「おらよ!全員バラして一丁上がりだ!」

 少年らしき声が異形の機体から聞こえてきた。
その声の主は特務機関の一員である魔術師クラウディウス。
そして、異形の機体の名はロードビヤーキー、セラエノ断章から召喚された鬼械神だ。

「アカン。早すぎて有効打になる攻撃があたりそうにあらへん!」
「なんて禍々しい力じゃ……」
『くっ……下が海では変身した所で勝ち目は……!』

 巨体に見合わぬスピードで動き回りながらビームや真空の刃『ハスターの爪』で攻撃するロードビヤーキを前に、流石のはやて達も防戦一方だった。


「ちょこまかと動きやがって……粉々にしてやろうかぁ!」

 とはいえ、被弾する事無く攻撃をかわし続ける二人に、クラウディウスがしびれを切らした。

(や、やられる……!?)
(くぅぅ……ここまでかのう……)

 避けようがない死を直感する二人。

「スクリーミングバード!!」

 魔力を纏った超高速の突撃が二人に向かって放たれ、突如やってきた赤い翼の機体の光の盾に受け止められた。

「早く逃げろ!あんまりもたねえ!」

 機体各所から火花を出す赤い翼の機体から放たれる声に従い逃げる二人。

「てめえ!邪魔しやがって!!」
「此処から先には行かせるもんか!この俺とデスティニーがある限り!」

 爆発寸前の機体の中で、二人の離脱を確認したパイロットがそう言った。

(ああ……これで、本当に死ぬんだな……)

 そして、赤い翼の機体が爆散した。

130タヌキと奴隷と魔術師とそれからMS:2013/10/24(木) 01:02:12 ID:u2l3Hoic0
【一日目・15時30分/日本海】

【八神はやて@魔法戦記リリカルなのはForce】
【状態】健康、飛行中、タヌキはやて
【装備】シュベルトクロイツ@魔法少女リリカルなのは、タヌキスーツ@スーパーマリオシリーズ
【道具】基本支給品一式、夜天の書@魔法少女リリカルなのは
【思考】基本:殺し合いを止める
1:九州ロボから離脱し、殺し合いを打破するため仲間を集める
2:大陸沈没の謎を探る
3:死んだ仲間(フェイト)や赤い翼のMSのパイロットの為にも主催を倒す
4:それにしてもこのスーツ、実に馴染むで!
※主催側が大災害について何か関与していると考えています(細かい部分は分かっていません)
※九州ロボが1,2日後に墜落する事を知りました。
※PSP版の技も使えます。

【二ッ岩マミゾウ@東方project】
【状態】健康、飛行中
【装備】なし
【道具】基本支給品一式、ギンガスパーク@ウルトラマンギンガ、スパークドールズ(ザラブ星人、ババルウ星人、ダークガルベロス)
【思考】基本:殺し合いを止める
1:九州ロボから離脱し、殺し合いを打破するため仲間を集める
2:大陸沈没の謎を探る
3:そういえば、TC計測値とは一体……
※主催側が大災害について何か関与していると考えています(細かい部分は分かっていません)
※九州ロボが1,2日後に墜落する事を知りました。

【ウルトラマンタロウ(SD)@ウルトラマンギンガ】
【状態】健康、スパークドールズ状態、マミゾウのデイパックの中
【装備】なし
【道具】基本支給品一式
【思考】基本:殺し合いを止める
1:殺し合いを止めるため仲間を集める


【同時刻/九州ロボ(日本海を飛行中)】

【クラウディウス@機神咆哮デモンベイン】
【状態】健康
【装備】ロードビヤーキー@機神咆哮デモンベイン
【道具】支給品一式、 セラエノ断章@機神咆哮デモンベイン
【思考】基本:命令に従う
1:今度八神はやてと二ッ岩マミゾウをみつけたら必ず殺す

【バット星人グラシエ@ウルトラゼロファイト 死亡確認】
死因:ストリウム光線

【ギャバンブートレグ@海賊戦隊ゴーカイジャーVS宇宙刑事ギャバン 死亡確認】
死因:砲撃魔法

【福岡ドームで奴隷にされていた参加者達@色々 死亡確認】
死因:乗機が撃墜される

【シン・アスカ@機動戦士ガンダムSEED DESTINY 死亡及び野比玉子症候群完治確認】
死因:乗機が爆散

131小さなヒビ:2013/10/24(木) 14:51:16 ID:sR2.A.8U0
モブの部下は、野田総理からの叱責にただ耐えていた。
野田総理が怒っている原因は、きれいなジャイアンにクルル曹長が殺された事だ。

「ええい、何故ああも簡単に進入されたのだ!」
「現在調査中で…」
「何が調査中だ!早く報告しろ!愚図が!」
「申し訳ありません!」

理不尽さを感じながらも、部下はただ叱責を受け続けるしかない。
しかし、何度と無く怒鳴られ続け、ついにモブの部下も苛立ってきた。

「…もしかしたら、我々の中に裏切り者が居たのかもしれませんね。
その者が『きれいなジャイアン』を手引きした、とか」
「何だと?」

野田総理の怒号が止んだ。
部下が野田総理の顔色を伺うと、彼は腕を組んで考え込んでいた。

132小さなヒビ:2013/10/24(木) 14:53:21 ID:sR2.A.8U0
(やべぇ…。適当に言っただけだけど真に受けちまったかな)

「裏切り者か…思い当たる節が無いではない」
「そ、そうですか………」
「お前はもう下がれ」

部下は自分のした事の重要さに青ざめながら退出した。
あとには考え込む野田総理だけが残された。


【一日目・15時30分/主催本部】

【野田総理@現実?】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】なし
【思考】
基本:バトルロワイアルを完遂させ、自分の理想の社会を創り上げる
1:ロワを主催する
2:裏切り者だと…?
3:最悪の場合、幹部五人を人身御供にして生き残る

※傀儡の主催者です。本人は気づいていません
※裏切り者が本当にいるかどうかは分かりません
今のところ、野田総理は裏切り者の有無について半信半疑といったところです

133タヌキと奴隷と魔術師とそれからMS(修正版):2013/10/24(木) 18:43:55 ID:u2l3Hoic0
「ぐえええ、この私が、こんな所で、ぐぎゃあ!」

 強烈な打撃のラッシュがバット星人グラシエに次々と叩き込まれる。
それを放つは、ギンガスパークで元に戻ったウルトラマンタロウだ。
そして、ウルトラマンタロウの正拳突きがグラジエを人のいない地表に吹っ飛ばした。

「ストリウム光線!」
「ぎゃああああああああああ」

 ウルトラ戦士の代名詞ともいえる必殺の光線がグラジエを撃破した。

「ブリューナク!そしてバルムンク!」
「…………!?」

 ダガー状の誘導弾がギャバンブートレグの銃を弾き飛ばし、12本の光の剣が彼に突き刺さる。
それを為したのは勿論八神はやてだ。
奴隷にされた参加者を巻き添えにしてしまう為得意の広域攻撃魔法こそ使えないが、それでもその力は強力だ。

「クラウ・ソラス、てえぇっ!」

 白い砲撃魔法がギャバンブートレグに止めを刺した。

「わしの能力で警備員等の姿に化けさせた。焦らずついて来るのじゃ」

 一方、マミゾウは戦闘に乗じて奴隷となっていた参加者達を救出していた。
その風格で、一人もパニックになる者を出さず救出していく手腕は見事だった。

 こうして、福岡ドームで奴隷にされていた参加者達を救出した二人(と一つのスパークドール)は、予め発見していた機体格納庫から脱出した。
格納庫にあった機体に乗った参加者たちを引き連れ、後は九州ロボから全力で逃げるだけだった。
しかし、そうはいかなかった。
真空の刃が救出した参加者の乗った機体全てを両断したのだから。

「おらよ!全員バラして一丁上がりだ!」

 少年らしき声が異形の機体から聞こえてきた。
その声の主は特務機関の一員である魔術師クラウディウス。
そして、異形の機体の名はロードビヤーキー、セラエノ断章から召喚された鬼械神だ。

「アカン。早すぎて有効打になる攻撃があたりそうにあらへん!」
「なんて禍々しい力じゃ……」
『くっ……下が海では変身した所で勝ち目は……!』

 巨体に見合わぬスピードで動き回りながらビームや真空の刃『ハスターの爪』で攻撃するロードビヤーキを前に、流石のはやて達も防戦一方だった。


「ちょこまかと動きやがって……粉々にしてやろうかぁ!」

 とはいえ、被弾する事無く攻撃をかわし続ける二人に、クラウディウスがしびれを切らした。

(や、やられる……!?)
(くぅぅ……ここまでかのう……)

 避けようがない死を直感する二人。

「スクリーミングバード!!」

 魔力を纏った超高速の突撃が二人に向かって放たれ、突如やってきた赤い翼の機体の光の盾に受け止められた。

「早く逃げろ!あんまりもたねえ!」

 機体各所から火花を出す赤い翼の機体から放たれる声に従い逃げる二人。

「てめえ!邪魔しやがって!!」
「此処から先には行かせるもんか!この俺とデスティニーがある限り!」

 爆発寸前の機体の中で、二人の離脱を確認したパイロットがそう言った。

(ああ……これで、本当に死ぬんだな……)

 そして、赤い翼の機体が爆散した。

134超便利な移動手段:2013/10/24(木) 23:27:51 ID:hwuYkpdM0
 二度目の放送でキュアピースの名前が呼ばれてしまった。
 それはキュアピースがもうこの世にいないことを意味している。バッドエンド王国と戦い続けたスマイルプリキュアの一人である彼女までもが、この殺し合いの犠牲になってしまった。
 桃園ラブと相田マナは泣いた。それから、どこかで死んでしまったキュアピースに黙祷を捧げて、立ちあがった。キュアピースの死は悲しかったけど、彼女の為を想うのなら戦わなければならない。彼女だって誰かの為に戦い、そして死んでしまったのかもしれないから。
 キュアピースの為にできることは彼女の分まで生きて、殺し合いを止めること。それだけだった。
「ピース……あたし達、あなたの分まで頑張るからね」
 ラブは寂しそうな表情で呟く。
 キュアピースとそこまで深い交流があったわけではないが、それでも何度か会って一緒に遊んだことがある。だから、こんな戦いで死んでしまうことがとてもやり切れなかった。
 彼女だって本当ならやりたいことがたくさんあったはず。それができないまま一生を終えてしまうなんて悲しすぎた。
 せめて、彼女が生まれ変わってから幸せに過ごせることを祈るしかない。
「ラブちゃん。こんなこと、早く止めさせないとね」
「うん……必ず止めないと!」
 真摯な表情を浮かべているマナの言葉にラブは頷く。
 彼女も本当は辛いかもしれないけど、気丈にもそれを耐えていた。生徒会長をやっているのだから、心も自然に強くなっているかもしれない。
「その為にも、一刻も早くプリキュアのみんなを見つけないとね! あ、美希ちゃんはもう見つけたから!」
「美希たんを!? ねえ、どこにいるの!」
「多分、そろそろここに来ると思う……あ、来た!」
 マナが横に振り向いた直後、空間に歪みが生じる。
 それにラブが驚いたのと同時に、歪みの中から二人の少女が悲鳴とともに飛び出してきた。一人は蒼乃美希で、もう一人は見知らぬ青髪の少女だった。
「もう、どうなっているのよー!」
「美希たん! 美希たんだよね!」
「えっ……もしかして、ラブ!? ラブなの!?」
「美希たん! 無事でよかった〜!」
 現れた美希に飛び付いてから、ラブは勢いよく抱きしめる。
 友達を一人失った彼女にとって、幼なじみとの再会は最高の薬になっていた。





 ワドルディが目を覚ました後、相田マナは集まったメンバーに話をしていた。
 それは、この日本に各地にある物が設置されているという話題について。
「入るとワープができる空間があちこちにあるって本当なの!?」
「うん、信じられないかもしれないけど、そうじゃなかったら美希ちゃん達だってここに来ることができなかったでしょ? ただ、本当なのかどうかはあたしも自信ないけど……」
「そう……でも、実際に経験したから他にあってもおかしくないかも」
 相田マナの言葉に美樹さやかは頷いた。
 マナは桃園ラブと合流する際の移動にワープゾーンを使っている。この殺し合いの促進の為かはわからないが、主催者が日本各地に設置したらしい。ちなみに暁美ほむらに襲われた桃園ラブとワドルディがライブハウスに辿り着いたのも、たまたまそこに飛び込んでしまったからだ。
「美希たん、ワープってアカルンもやっているあれだよね? それが色々なところにあるなんて凄くない?」
「呑気な事言わないでよ、ラブ! あたし達はそこに飛び込んでから、何時間も漂い続けたのよ! もう、本当に一時はどうなることかと思ったわよ!」
「それは……確かに災難だったね」
 マナはラブを見つける為にワープゾーンを使っている最中に、美希とさやかの二人を見つけた。しかしその直後に、マナはラブのいるライブハウスにまで辿り着いた。マナがワープゾーンにいた時間は長くないのに、美希とさやかは何時間もいたらしい。もしかしたら、入った場所によって目的地に辿り着ける時間は違うのかもしれなかった。
 しかも、ワープゾーンを使っている最中は主催者からの放送が耳に届かない。便利かもしれないが、うっかり禁止エリアに飛び込むかもしれないのでとんでもない罠になる恐れもある。
「でも、これさえあれば他のプリキュアのみんなも見つけられるかもしれないよ!」
 希望が芽生えたと確信したマナはワープゾーンの入り口に指を向ける。
 しかし……
「……あれ? ワープゾーンは……?」
「いつの間にか無くなっているシャル……」
 美希とさやかが出てきたはずのワープゾーンは、既に影も形もなくなっていたのだった。

135超便利な移動手段:2013/10/24(木) 23:28:56 ID:hwuYkpdM0

【一日目・15時40分/日本・大阪・ライブハウスの医務室】


【相田マナ@ドキドキ!プリキュア】
【状態】健康
【装備】シャルル@ドキドキ!プリキュア
【道具】基本支給品一式、不明支給品
【思考】
基本:殺し合いを止める。
 0:ワープゾーンが無くなってる……
 1:ここにいるみんなと一緒にいる。
〔備考〕
※全開ロワとは関係ない……かもしれませんが、実際はどうなのかは後続の書き手さんに任せます。
※上記以外に何を考えているのかは現時点では不明です。


【桃園ラブ@フレッシュプリキュア!】
【状態】健康
【装備】リンクルン@フレッシュプリキュア!
【道具】基本支給品一式、大量のドーナツ
【思考】
基本:絶対に殺し合いを止めて、みんなが助かる方法を探す。
1:誰かを探しながら、ワドルディを守る。
2:ここにいるみんなと一緒にいる
〔備考〕
※9期とは関係ありません。


【蒼乃美希@フレッシュプリキュア!】
【状態】健康
【装備】リンクルン@フレッシュプリキュア!
【道具】基本支給品一式、不明支給品
【思考】
基本:殺し合いを止める。
1:ここにいるみんなと一緒に殺し合いを止める。
2:さやかが何だか他人のような気がしない。
〔備考〕
※放送の内容をまだ把握していません。


【ワドルディ@星のカービィ】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、不明支給品
[思考・状況]
基本:殺し合いには乗らない。
1:ここにいるみんなと一緒に行動する。
〔備考〕
※6期とは関係ありません。
※アニメ出展なので、喋る事ができません。


【美樹さやか@魔法少女まどか☆マギカ】
【状態】健康
【装備】ソウルジェム@魔法少女まどか☆マギカ
【道具】基本支給品一式、不明支給品
【思考】
基本:マミさんの為にも、殺し合いを止める。
1:ここにいるみんなと一緒に殺し合いを止める。
2:美希が何だか他人のような気がしない。
〔備考〕
※8期、9期とは関係ありません。
※放送の内容をまだ把握していません。

136続・魔境グンマーの奥地にて:2013/10/25(金) 00:33:54 ID:mZopGcR.0
グンマーの奥地で探索を続ける三人は敵を蹂躙していた
アーカードが襲ってきたオークに拳銃をぶちかまして穴だらけにして
赤屍が襲ってきたランポスを切り刻み
ネウロが襲ってきた イャンクックを魔界777ツ能力使い倒す

【オーク @ドラゴンクエストシリーズ 死亡確認】
【ランポス@モンスターハンターシリーズ 死亡確認】
【イャンクック@モンスターハンターシリーズ 死亡確認】

「この程度なのか、まだ前のほうが骨があったぞ」
「本能的に奥に逃げていたのかもしれませんね」
「少々時間をとったな先へ進もう」

そう言ってネウロが先に歩いていきそれに二人が着いていく
そのまま進んで歩いていくと遺跡が見えてきたのだ

「ここ遺跡か」

ネウロはそのようにつぶやいた
そして遺跡に近ずこうとした瞬間
なにかが上空からネウロ達の進行方向へと着地した
その正体はミラボレアス と言うモンスターだ

「ほう、この遺跡を守っているのか」
「クス…そのようですね」
「ならそこをどいてもらおうか」

そう言って三人はそれぞれの武器を取り出し戦闘を開始した

【一日目・15時40分/日本・グンマー奥地の遺跡近く】

【脳噛ネウロ@魔人探偵脳噛ネウロ 】
【状態】健康
【装備】魔界777ツ能力@魔人探偵脳噛ネウロ  グンマーの地図
【道具】支給品一式 缶詰×25 テント
【思考】基本:さあ探索だ
1:目の前の邪魔者を倒して遺跡を探索する

【アーカード@HELLSING】
【状態】健康
【装備】対化物戦闘用13mm拳銃「ジャッカル」×2@HELLSING
【道具】支給品一式 缶詰×25 テント
【思考】基本:グンマーを探索する
1:ネウロについていくか
2:目の前の敵を倒して遺跡を探索する

【赤屍蔵人@GetBackers-奪還屋-】
【状態】健康
【装備】メス
【道具】支給品一式 缶詰×25 テント
【思考】基本:グンマーを探索する
1:ネウロについていく
2:目の前の敵を倒して遺跡を探索する

※彼らの首輪は一時停止しているようです

137混沌な名無しさん:2013/10/25(金) 00:36:20 ID:mZopGcR.0
>>136
抜けていました

【ミラボレス@モンスターハンターシリーズ】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】不明
【思考】基本:この遺跡に入ろうとするものを倒す
1:目の前の敵を倒す

138卑怯者の運命:2013/10/25(金) 01:25:05 ID:GTp1gqow0
 拳王軍から逃げ出したマスク・ザ・レッドは、京都で一人の子供の首を刎ねて支給品を奪っていた。
強力な支給品を手に入れて体勢を立て直すためだ。
しかし、命惜しさに仲間を見捨てた時点で彼の命運は尽きていた。
次に彼が出会ったのは氷嵐の支配者と呼ばれる蒼き三つ首竜だったのだから。
そして、冷気の嵐が彼を葬り去った。

【一日目・15時40分/日本・京都】


【氷嵐の支配者@新・世界樹の迷宮 ミレニアムの少女】
【状態】健康
【装備】無し
【道具】とけないこおり@ポケットモンスター、支給品一式
【思考】基本:自然を汚す人間を滅ぼす。
1:グンマーの民のような人間は殺さない。

【野比セワシ@ドラえもん 死亡確認】
【マスク・ザ・レッド@ジャイアントロボ 死亡確認】

139酔っ払い達:2013/10/29(火) 23:29:59 ID:BuEOuHrw0
日本は血で血を洗う殺し合いの場となっていた。
そんな中。

「zzz…」
「ふふふ…ゴン。強くなったね…」
「遊戯ィ……今度こそお前を」

3人の男達は、酔いつぶれて眠ってしまっていた。
彼らが目を覚ますのは、いつの事か。

【一日目・15時20分/日本・青森・某飲み屋】


【ヒソカ@ハンターハンター】
【状態】泥酔、睡眠中
【装備】トランプ柄の服、【アルカナ】デッキ
【道具】支給品一式
【思考】
基本:飲み屋で自分を慰める
1:zzz…

【海馬瀬人@遊☆戯☆王】
【状態】泥酔、睡眠中
【装備】襟の立ったスーツ
【道具】支給品一式、【青眼の白龍】デッキ
【思考】
基本:フン!
1:zzz…

【怪盗キッド@まじっく快斗】
【状態】泥酔、睡眠中
【装備】キザな白マントにモノクル
【道具】支給品一式、【盗賊】デッキ
【思考】
基本:怪盗も探偵も……人を暴くって点では同じだぜ
1:zzz…

140息子ノ死ニモ負ケズ:2013/10/30(水) 21:03:03 ID:BWIWX.Sc0
 主催本拠地のとある廊下で、美国織莉子と呉キリカがとある侵入者と戦っている。
織莉子の飛び回る水晶玉が、キリカのかぎ爪が、侵入者の振るうライトセーバーと幾度となくぶつかり合っていた。

「Nooooooooooooooooooooooo!!!!!!!!」

 そう叫ぶ侵入者はルーク・スカイウォーカーだ。
自身をギャオスの子供だと誤解した彼は、テラカオス化の影響もあり完全に暴走していた。
その為、彼はそうと気付かぬまま主催本拠地に侵入し、立ち塞がるものを切り捨てながら突き進んでいた。
しかし、錯乱しきった思考ではろくにフォースを使いこなせなくなっていた。

「フォースという力は強力ですが、その精神状態では宝の持ち腐れです」

 そして、それによる隙を見逃す程織莉子は甘くなかった。
キリカの一撃離脱の斬撃に合わせて水晶玉による援護射撃を行い、ルークの動きを妨害していた。
その結果、格上相手にキリカ共々無傷だ。

「織莉子と私の世界に君は不要だよ!ステッピングファング!」

 織莉子の援護射撃でがら空きになったルークの胴へかぎ爪が撃ち出される。
また斬撃が来ると予想していたルークの虚を突いた一撃が、彼の命を奪った。



一方、主催本拠地の五大幹部専用の区画の一室にその戦いの顛末が映し出されていた。

「俺だって二人の息子を失ってはいるが、これで本当に良かったのか?」
「コーホー、それはどういう意味だ」

 そう問いかけるのは身体を休めて第二回放送で行われた演出による疲労を取っていたバーダックだ。
対するダース・ベイダーは質問の意図が掴めず、その真意をバーダックに問う。

「息子と戦わなくて良かったのかって事だ。せっかく本拠地に侵入してきたんだ、直接戦いに行ってもバチがあたらねえだろ」
「そういう事か。だが、独断で行動して計画に悪影響を与える訳にはいかないだろう。」

 ベイダーは、そう返答し、さらにこう続けた。

「それに、心配は無用だ。息子の死を後になって聞かされる覚悟を余はしていたのだ。モニター越しとはいえ、その最期を見届けられただけで十分だ」
「そうか……しかし、予想できた事とはいえ、侵入者が多いな」
「九州ロボが墜落するという欠陥の修理に本来警備を担当する人員までもを使う羽目になったからな……」

 そう話題を切り替えて話を終える二人。
しかし、彼らはまだ気づいていない。
雑務を丸投げしていてそのことを知らない野田総理がとんでもない勘違いをしつつあるという事に。

【一日目・15時50分/九州ロボ(日本海を飛行中)・福岡県】

【美国織莉子@魔法少女おりこ☆マギカ】
【状態】普通
【装備】ソウルジェム(穢れ微小)、呉キリカ@魔法少女おりこ☆マギカ
【道具】支給品一式、大量のグリーフシード@魔法少女まどか☆マギカシリーズ
【思考】
基本:世界滅亡の阻止
1:命令に従う
2:世界を救う為なら犠牲もやむ負えない

【ダース・ベイダー@STAR WARS】
【状態】健康
【装備】ライトセーバー@STAR WARS
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】
基本:テラカオスを生み出す計画を遂行する
1:計画のために殺し合いを促進させ、計画の邪魔をするものは消す

【バーダック@ドラゴンボール】
【状態】健康
【装備】スカウター@ドラゴンボール
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】
基本:テラカオスを生み出す計画を遂行する
1:計画のために殺し合いを促進させ、計画の邪魔をするものは殺す
2:カカロットとラディッツが死んだ? 知ったこっちゃねえ

【ルーク・スカイウォーカー@STAR WARS 死亡確認】
死因:刺殺

141光熱斗の奇妙な冒険 Part5:2013/10/31(木) 03:11:20 ID:m3YCMzSQ0

「なんで……どうしてデカオが死ななきゃならないんだよ……!」
『熱斗君……千石うぐいすと末原恭子って人が死んで計画が台無しだね』
「ふん、ディカオ・ビッグマウンテンとやらは死んだようだな……(正直危なかった)」
「インデックス達はいるのだろうか……」
『お館様、死んだか……ふっ、金に目が眩んだ男など、その程度だろうよ』

 相も変わらず定時放送とやらは聞くだけでかったるい。
 テスタロッサが死んだのはまあ残当でありそうな気がするが、そういうことなのだろう
 それにしてもこの死者の数。調べるだけで大変である。
 恐らくはこの首輪に発信機か何か付いているのだろう?
 
 この首輪……倉田君がいれば速攻で外せそうなのに……。
 肝心な時にいないし、いても多分別人だろうしな。
 現にディおじさんは二回くらい前の殺し合いで所ジョにボコられたのを知らないみたいだしな。
 私のことを覚えていないとすると、別人であると言える。
 
「ここまで来ると流石に【アレ】を使うぞ、ロックマン!」
『熱斗君、シンクロチップは?』
「さっき手に入れた!」
『よし!』

 そして、熱斗少年は何かのチップを自身のPETにINした。
 すると、熱斗少年とロックマンが融合した。(物理的に)
 熱斗少年×ロックマンと書くというと如何わしいにもほどがあるな。

「『これがクロスフュージョンだ』」
「「「!?」」」

 あれは特質系のオーラ!?
 私は両目にオーラを集中させる技【凝】を使った。
 と、まあ私はPSP版の技が使えないが、念(ネン)は使える。
 そりゃあグリードアイランなんとかってゲームは念能力者用のゲームだしね。 

 そして、ここで余談になるが、私は強化系の系統らしい。
 『単純で一途』とは……まあ否定はしない。
 
「『この状態でサイトスタイル+獣化(ビーストアウト)も出来るけどね』」
「正直、疲れるのさ」
『そうだね、きっとこのチップが必要になる時もあるはずさ』

 元に戻ったが、流石【裏の王】といった感じだ。
 オーラの総量も増えている。
 というか、もはやこれはガチ勢ってレベルじゃない。
 全一だ、ネットバトル全一だ。
  
「なるほど、熱斗よ、ネットバトルを極めるとここまでできるのだな」
「違うよ」
『シンクロチップとナビと心を通わせる必要があるんだ』
「何ッ!? それは初耳だぞッ!?」
「初めて言ったからね」
(果たして私はディオとクロスフュージョンできるのだろうか?)

 一先ず方針は決まった。
 シンクロチップを探すのと首輪を外すということだ。
 
 九州ロボとやらに行く方法は恐らくは他の参加者がどうにかするだろう。
 きっと最終決戦の舞台になるだろうしねぇ……今、主催側の奴らと戦っても返り討ちになる
 私の予測はおそらく当たる。

(それにしてもパパは無事だろうか? 心配だなぁ……)

【一日目・14時30分/日本・秋葉原】
【光熱斗@ロックマンエグゼ】
【状態】健康、激しい怒り
【装備】自分のPET(ロックマン入り)
【道具】支給品一式×2、大山デカオ@ロックマンエグゼ、大山デカオ@ロックマンエグゼ2
    デカオ(ロックマンエグゼ3)が作ったおべんとう、チップトレーダー@ロックマンエグゼ、
    大量のガッツマンのチップとバグのかけら、ガンデルソル3(実物)ネオバリアブル(実物)
    大山デカオ@ロックマンエグゼ3(BLACK版)、大量の金、シンクロチップ、他不明
【思考】基本:野田総理にネットバトルを挑んで勝つ!
1:プリズムとフォレストボムのチップを探す
2:その為に色んな人にネットバトルを挑む
3:上条(ジョジョ)さんとディおじさんの決着をつけさせる
4:パパが心配


【ロックマン@ロックマンエグゼ】
【状態】HP満タン
【装備】ロックバスター
【道具】なし
【思考】基本;熱斗をサポートする
1:野田総理がネットバトルを受けてくれるか、心配。
※PETの中にいます

142光熱斗の奇妙な冒険 Part5:2013/10/31(木) 03:11:47 ID:m3YCMzSQ0

【シグナム@リリカルなのはシリーズ】
【状態】健康、自称フリーター
【装備】レヴァンティン
【道具】支給品一式、PET(カーネル入り) 、大量の資金とかチップ
【思考】基本:働かなくて済むように動く
1:二人についてくる
2:野田は倒す
3:上条(ジョジョ)か……一理ある
※今までとは別人ですが記憶を受け継いでいます
※PSP版の技は使えませんが、念能力が使えます。


【カーネル@ロックマンエグゼ】
【状態】HP満タン
【装備】カーネルのブレード
【道具】なし
【思考】基本;ロワの破壊
1:今は(仕方ないので)シグナムに従う
※PETの中にいます


【上条当麻@とある魔術の禁書目録】
【状態】健康、不幸
【装備】PET(シャドーマン入り)
【道具】エスパー伊東@現実
【思考】
基本:
                    いいぜ ヘ(^o^)ヘ
                            |∧
                            /
                野田総理が
             何でも思い通りに
             出来るってなら
                 /
             (^o^)/
           /( )
          / / >

      (^o^) 三
      (\\ 三
      < \ 三
..\
(/o^)
( / まずは
/く そのふざけた
   幻想(ロワ)をぶち殺す
1:知り合いに会いたい


【シャドーマン@ロックマンエグゼ】
【状態】HP満タン
【装備】ムラマサ
【道具】なし
【思考】基本:上条に従う
1:敵は殺す、慈悲はない
※PETの中にいます


【ディオ・ブランドー@ジョジョの奇妙な冒険】
【状態】疲労、全身にダメージ
【装備】PSP(デューオ入り)
【道具】支給品一式×3
【思考】基本:ネットバトルを極める
0:主催を倒すのはこのディオだッ!
1:ジョースター家を手に入れる
2:ジョジョより優越感を得る
3:熱斗達にネットバトルを挑むのは後回しだ!
4:シンクロチップを手に入れ、デューオとクロスフュージョンする。


【デューオ@ロックマンエグゼ4】
【状態】HP満タン
【装備】ジャスティスワン、ザ・ワールド
【道具】なし
【思考】基本;とりあえず、ディオを見守る
1:カオスロワでもそれは無理そう。
※PSPの中にいます

143光熱斗の奇妙な冒険 Part5:2013/10/31(木) 03:12:15 ID:m3YCMzSQ0


 一方、その頃、祐一郎さんたちは……

「「我々の科学力は世界一ィィィ!!」」
「流石、俺の祖国のナチスドイツの科学力だ」
「ふっ、これも私の波紋の力だ!」

 四国で遂に空母を完成させていた。

「提督…? あの、なんでしょう?」
「ねぇ、どうして、燃料と弾薬とポーキサイトと鋼材と火炎放射器で女の子ができるの!?」

 艦これ風の空母だけどな!
 息子達の心配をよそにそれなりに絶好調だった。

【一日目・14時30分/日本・高知】
【光祐一郎@ロックマンエグゼ】
【状態】サイボーグ化、首輪解除
【装備】なし
【道具】支給品一式、ノートPC、自作爆弾、大山チサオ@ロックマンエグゼ
【思考】基本:息子たちをサポートする。
1:一先ず、四国を捜索する

【ルドル・フォン・シュトロハイム@ジョジョの奇妙な冒険】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式、不明
【思考】
基本:主催共に一泡吹かせる
1:祐一郎達と行動する

【野比のび太@ドラえもん】
【状態】動揺
【装備】なし
【道具】支給品一式、ボーリングの玉@現実、龍星座の紫龍@聖闘士星矢
【思考】
基本:生き残る
0:死人は出ないぞぉ!!
1:ドラえもんを探す

【ダイアー@ジョジョの奇妙な冒険】
【状態】割と健康
【装備】イカ墨とパスタ@現実
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】基本:主催を倒す
1:ディオとかいう奴も倒す
2:アドラー達と行動する。

【アドラー@エヌアイン完全世界】
【状態】それなりに健康
【装備】電光機関@エヌアイン完全世界、四次元ポケット(中身入り)@ドラえもん
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】基本:ダイアー達と行動する
0:俺は……アドラー……えもん

【翔鶴@艦これ】
【状態】万全
【装備】紫電改二、流星改、 零式艦戦62型
【道具】なし
【思考】
基本:提督(祐一郎)に従う
1:敵は爆撃する

144運がいいということはそれだけでも実力かな?:2013/11/01(金) 00:59:29 ID:kjiI2LcM0
阿紫花英良は防戦一方だった
テラカオス化が進行し強化されたきれいなジャイアンに反撃の隙が見れないのだ

(なかなか厄介なもんで!)

阿紫花英良は少々焦る
さすがに体力が消費されているからだ

(どうしやしょうかねえ)

阿紫花が巻き返しの方法を考えているとき、銃声が鳴った
その銃弾はジャイアンに向かっていき腕に当たった
阿紫花英良との戦いに集中しきっており反応できなかったのだろう

そしてジャイアンは阿紫花英良から距離をとり銃弾が発射された場所を見る
するとそこからまた銃弾が発射された
避けようとするもののテラカオス化が進んでいるとはいえ避けきれずに胴体に当たる
幸いというべきか避ける動作をしていたため直撃しなくてすんだ
そして形勢不利を悟りIAの支給品にあったスタングレネードを投げて逃走した

「ふう、なんとかなりやしたか、でそろそろ姿をあらわしてくれやしませんかね」

その言葉と同時に隠れていた場所から姿をあらわした
その姿の全容はパーワドスーツを着ている人物だった
マスターチーフとそう呼ばれている人物だった

【一日目・15時40分/日本・山口県】

【阿紫花英良@からくりサーカス】
【状態】健康
【装備】グリモルディ@からくりサーカス
【道具】支給品一式
【思考】基本:降りかかる火の粉は払う
1:できればキャスパーとIAの仇を討つ
2:逃げられてしまいやしたね

【マスターチーフ@ヘイロー・シリーズ】
【状態】健康
【装備】ミョルニル・アーマー@ヘイロー・シリーズ MA5D ICWS@ヘイロー・シリーズ
【道具】支給品一式
【思考】基本:何が起こっているか把握する
1:助けた人物から情報収集

【きれいなジャイアン@ドラえもん】
【状態】血濡れ、テラカオス化進行、汚くなった、軽傷
【装備】さすまた
【道具】支給品一式
【思考】
基本:全て殺す
1:ジャイアンポジションにはぼくが座らないと!
2:体勢を立て直す
※ナノマシン入りの水を飲みました。

145大混戦!からくりドームの戦い:2013/11/02(土) 02:11:39 ID:puBKiPs60
 DRは必死になってダイゴのメタグロスの攻撃を避け続けていた。
無謀な攻撃を繰り返した結果命を落とした田井中律と違って避けに徹する事でダメージを最小限にし、仲間を待つ事にしたのだ。

「おのれ、一匹でも多くのダニをシックス様の元に送らねばならんというのに……」
「いや、お前は此処で死ぬんだ!」

 そんなDRを万玖波が羽交い絞めにした。
メタグロスに集中し過ぎた為、DRは背後から忍び寄っていた万玖波に気づかなかったのだ。

「ダイゴ!俺ごとやれ!」
「だが、それでは……」

 戸惑うダイゴに万玖波は続けてこう言う。

「気にするな。これで真の仇が討てるんだ。だからさ……」
「解った。メタグロス、コメットパンチだ!」

 必殺の一撃がDRを万玖波ごと撃ち抜いた。


 一方、グラウンドでは二回表の攻撃が開始されていた。
一回裏終了後の昼食休憩兼作戦会議に流れた第二回放送で、ドームから締め出された仲間の死を知りつつもイチローチームの闘志は衰えてない。
助けに入ったら以降の試合でそいつ等を殺すと大正義巨人軍に脅されて見過ごす事しか出来なかった応援団達も、二人のマーダーを撃破したのだ。
自分たちが負ける訳にはいかなかった。
ちなみに、野獣先輩の死を知った野獣先輩捜索組は自らの手で殺せなかったことを悔やみつつも、彼が死んだことに安堵したそうな。

「もう一人の自分が死んだが関係ねえ……こいつを喰らいな!」

 魔球ゴルドーボールを投げる6/。
対するイチローはバットを振るい――ゴルドーボールが電光掲示板に突き刺さった。

「その魔球、見切ったよ。あくまで投球である以上、絶対に打てないなんて概念は存在しない。けどね、そんな概念があったとしても僕は打つよ」

 そう、ゴルドーボールの移動プログラムは完全ではなく、強烈なヒットを喰らえば打たれるのだ。
そして、特殊能力が厄介なだけでボール自体の性能は並以下なゴルドーボールをイチローが打てないはずは無かった。

「さあ、次は俺だ。くだらない魔球なんか捨ててかかってこい」

 続く第二打席、バッターの北島に対して6/が投げたのは130km/h程度のストレートだった。
打球がヒットして北島が走りだし、何かを踏んで転倒した。
転倒したまま動かない北島を見て、同じ野獣先輩捜索組でもあった萃香と霊夢が彼に駆け寄った。

「北島!……って、こいつは……!!」
「嘘……死んでる……どういう事!?」

 そう、北島は転倒した際に頭を強打してしまい、死亡していた。
その足元には胡桃が一つ転がっていた。

「これがクルミボール1号……打たせて殺す魔球だ。」

 笑みを浮かべながら宣言する6/。

「あと二人の打者を殺せばそちらのチームは応援団を入れても8人で守備をすることになりますよ。ゴルドーボールや僕のPSIクオリアを封じたくらいで調子に乗らないでくださいね」

 イチローチームの苦境は続く。


 そのころ、ポッチャマは大正義巨人軍のベンチから逃げ出していた。。
ハラサンだけが相手なら、ポケモンの力を使って逃げ出すのは容易だった。
ポッチャマは廊下からイチローチームのベンチに向かって歩いていき、その頭が弾け飛んだ。

「まずは一匹っと……」

 ポッチャマを射殺したのはヴァイジャヤだ。
イチローチームのベンチを目指していた彼だったが、追手の存在に気づき、逃げたり隠れたりしながらとにかくグラウンドを目指す事に作戦を変更していた。
シックスの死を知った彼は、シックスへの手向けとして一人でも多くの命を殺す事にしたのだった。

 そして、からくりドームの別の場所で、ゴロリとテラが戦っていた。
強化細胞の力で筋骨隆々の大男になって両刃斧を振り回すテラだったが、仮面ライダーGとなったゴロリのほうがパワーは上だった。
何合にもよる打ち合いの末、ゴロリの剣によって両刃斧が砕かれた。

「ば、化物め……」
「お前達にそれを言う資格は無い!スワリング・ライダーキック!!」

 そして、仮面ライダーGの必殺キックがテラに炸裂した。

146大混戦!からくりドームの戦い:2013/11/02(土) 02:11:57 ID:puBKiPs60

【一日目・16時00分/東京・からくりドーム】

≪大正義巨人軍≫


【◆6/WWxs901s氏@カオスロワ書き手】――目的:目立つ
【ラミレス@横浜DeNAベイスターズ】――目的:ハラサン…
【ハレクラニ@ボボボーボ・ボーボボ】――目的:契約金
【武田観柳@るろうに剣心 】――目的:契約金
【雀ヶ森レン@カードファイト!! ヴァンガード】――目的:勝利
【中邑真輔@現実?】――目的:闇DAIGOの仇討ち
【真壁刀義@現実?】――目的:闇DAIGOの仇討
【ナッパ様@ドラゴンボールZ 】――目的:とりあえず野球に勝つ
【松本人志@現実】――目的:浜田を生き残らせる。ハラサンに協力。DCS状態


ポジション表
1番 サード    ナッパ様
2番 センター   武田観柳
3番 ファースト  雀ヶ森レン
4番 ピッチャー  ◆6/WWxs901s氏
5番 セカンド   松本人志
6番 キャッチャー ラミレス
7番 ショート   ハレクラニ
8番 ライト    中邑真輔
9番 レフト    真壁刀義


≪巨人軍ベンチ≫


【ハラサン@大正義巨人軍】――目的:大正義巨人軍を優勝させる。試合は既に始まっているのでポッチャマの逃走はひとまず放置。


≪イチローチーム≫


【イチロー@現実?】――目的:川崎宗則を倒すため仲間を集める。
【DAIGO@現実?】&【ウルトラマンゼロ@ウルトラマンサーガ】――目的:殺し合いを止める。
【美堂蛮@GetBackers-奪還屋-】――目的:とくになし。野球しようぜ組
【佐治雪哉@LIGHT WING】――目的:とくになし。野球しようぜ組
【伊吹萃香@しゅわスパ大作戦】――目的:大正義巨人軍を倒す。
【ロイ@FE封印の剣】――目的:レンにモテるコツを聞く。
【博麗霊夢@クッキー☆】――目的:大正義巨人軍を倒す。声がヘン。
【範馬勇次郎@範馬刃牙】――目的:禁欲など無意味だとレンに教える。
【ダイゴ@ポケットモンスター】――目的:きれいな石を集める。
※死んだ北島○介の代わりにダイゴが5番サードとなりました。
※ダイゴはDRが持っていたコルトパイソンを拾いました。


ポジション表
1番 ショート   博麗霊夢
2番 ライト    ロイ
3番 セカンド   DAIGO
4番 ピッチャー  イチロー
5番 サード    ダイゴ
6番 レフト    美堂蛮
7番 ファースト  佐治雪哉
8番 センター   範馬勇次郎
9番 キャッチャー 伊吹萃香


【吉川ちなつ@ゆるゆり】
【状態】軽度の精神的ショック、イチローチーム応援団
【装備】RPG-7(弾切れ)、チアガールのコスチューム
【道具】支給品一式
【思考】基本:イチローチームを応援する 。
1:人殺しちゃった。


【ゴロリ@つくってあそぼ】
【状態】仮面ライダーG
【装備】仮面ライダーGの剣@仮面ライダーG
【道具】支給品一式、工作道具もろもろ
【思考】
基本:見敵、必殺
1:さあ――工作の時間だ
2:ワクワクさんの仇は皆殺しだ
3:グラウンドに行ってみるか。

【ヴァイジャヤ@魔人探偵脳噛ネウロ】
【状態】健康
【装備】デザートイーグル
【道具】支給品一式 
【思考】基本:シックスへの手向けとして参加者を殺しまくる。
1:ゴロリに見つからない様にしつつグラウンドへ向かう。

【DR@魔人探偵脳噛ネウロ 死亡確認】
【万玖波海@LIGHT WING 死亡確認】
死因:コメットパンチ

【北島○介@現実 死亡確認】
死因:胡桃による転倒

【ポッチャマ@ポケットモンスター 死亡確認】
死因:射殺

【テラ@魔人探偵脳噛ネウロ 死亡確認】
死因:スワリング・ライダーキック

147幾らなんでも気を抜きすぎだ:2013/11/02(土) 16:24:17 ID:R4mGuNv.O
青森県のとある飲み屋で三人の参加者がマーダーに撲殺された。
幾らカオスロワだからって泥酔して眠ってたら幸運だって尽きるのである。

【一日目・15時20分/日本・青森・某飲み屋】

【ヤザン・ゲーブル@機動戦士Zガンダム】
【状態】健康、不機嫌
【装備】チェーンクロス@ドラゴンクエストシリーズ
【道具】支給品一式
【思考】
基本:戦いを楽しむ
1:大災害ではぐれた部下を探す
2:つまらん相手しかいねえ、場所変えるか
3:良い支給品も見つからねえな

【ヒソカ@ハンターハンター 死亡確認】
【海馬瀬人@遊☆戯☆王 死亡確認】
【怪盗キッド@まじっく快斗 死亡確認】

148獣殿死す!?:2013/11/05(火) 00:31:52 ID:nhhkg3q60
 夜神月を連れたラインハルトは、主催本拠地を探して埼玉県に移動していた。
ちなみに、彼が求めている強敵は千葉県にも複数いるのだが、全員、ラインハルトから離れた位置にいたためラインハルトは気付かなかったりする。
そんな彼が埼玉県で見つけたのは、複数の人間に素手で殴り殺されたと思われる男の死体だった。

「群れているだけの雑魚か……」
「こんなのは無視して主催本部にいきましょうよ」

 そんな感じであっさりと流して先を急ぐラインハルト達だったが、そう時間の経たないうちに不思議な事が起こった。
月が複数の見えない打撃のラッシュを受け、撲殺されたのだ。
殺気を感じた方向にラインハルトが振り向くと、そこには異様な目つきのジャイ子がいた。

「お仲間さんと同じように、死んで」

 そうジャイ子が発すると同時に襲い掛かる複数の見えない打撃の数々。
しかし、ラインハルトはそれらに耐えきり、逆に聖約・運命の神槍をジャイ子に突き刺す。
その一撃は、致命傷となった。

「少しは出来るかとは思ったが、大したこと……何!?」

 しかし、ジャイ子は何事も無かったかのように立ち上がる。
スタンドを構成する一人であるジャイアント馬場を生け贄に復活したのだ。
そして、再び見えない打撃による攻撃が始まる。
しかし、その打撃の数が減ったのをラインハルトは感じ取っていた。

「ほう……だが、完全な不死身ではないようだな。」

 見えない打撃に耐えつつ、再びジャイ子を刺殺するラインハルト。
そして、再び復活するジャイ子だったが、今度は様子がおかしかった。

「嫌だ嫌だ嫌だ!これ以上死んだら、お兄ちゃんが減っちゃうじゃない!!」

 悲鳴を上げるジャイ子と、それを意に介さずもう一度ジャイ子を視察しようとするラインハルトだった。
しかし、ラインハルトに先程までとは比べ物にならないほどの威力の見えない打撃が襲い掛かった。
ジャイ子のスタンドが、兄の死を恐れる気持ちによって急激に成長したのだ。

「アハハハハハハ、殺される前に皆殺せば死ぬ事ないわよね」

 狂った笑い声をあげるジャイ子の目の前でラインハルトが物言わぬ肉塊となるのにそう時間は掛からなかった。


【一日目・16時00分/日本・埼玉県】

【剛田ジャイ子@ドラえもん】
【状態】覚醒、狂気
【装備】スタンド『ジャイアン×4』
【道具】支給品一式
【思考】基本:他の参加者を殺して生き残る
1:お兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱい
  お兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱい
  お兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱい
  お兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱい
  お兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱい
  お兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱい
  お兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱい
2:殺される前に全員殺す

【夜神月@DEATH NOTE 死亡確認】
【ラインハルト・ハイドリヒ@Dies irae 死亡確認】
【VIPPER@現実 死亡確認】
死因:いともたやすく行われるえげつない行為(ジャイアンズアタック)

149きずいたらなぜかそこにいた:2013/11/07(木) 14:06:24 ID:Aff1E2Y20
「なんだ、ここは?」

大阪にある病院の屋上そこに黒い鎧を身にまとった男がいた
その男がなぜ自分がここにいるのか理解できなかった

(なぜ、私がここにいやその前に私はいったい?)

その男は自分の記憶をなくしていた
なぜだかはわからない

かつてここと似た世界で大暴れした存在がいたその存在とここにいる男は似ていた
その男の名前は混沌の騎士そのような存在だ

【一日目・16時00分/日本・大阪 病院・屋上】


【混沌の騎士@カオスロワ】
【状態】健康、記憶喪失
【装備】不明
【道具】支給品一式 そのほか不明
【思考】
1:私はいったい?
2:ここはどこだ?

150悪夢の果てに:2013/11/08(金) 01:53:08 ID:OfHB..h60
「ハハハハハ、俺ってやっぱりどうしようもない人殺しだったんだ、アハハハハ」

 危険なジャングル“グンマー”の片隅に泣きながら笑う一人の少年と真っ二つになった二人の男の死体があった。
二人の男の名はスギちゃんと小野妹子、結局同盟を組んでワイルドキャラを探しにグンマーに来ていた参加者だ。
そして、少年の名は鏡音レン、家族を探す為に合流した仲間と共にグンマーのシャーマンを探していたはずのアイドルだ。
彼がどうしてマーダーとなったのか、その答えは2時間程前にあった。


「嘘だ、兄さんも、ミク姉さんも、リンも死んだなんて……うわあああああああ」

 第二回放送で告げられたのは大切な家族や同じVOCAROIDの仲間達、生みの親やプロデューサーといった人達の死だった。
特に家族の大半が死んだという事実は、彼に深い悲しみと絶望を与えていた。
しかし、それ以上の絶望を受けた仲間が彼のそばにいたのだ。

「や、やめたまえ、ガール!」
「テトが死んだのよ。もうこの世界に意味は無い……全部壊して私も死ぬのよ」

 そう言い、アルファーガンの黄色い光線でドン・観音寺を殺害するネル。
自身の知らぬところで家族のように慕っていた師を失った悲しみは、彼女に大きな衝撃を与えていた。
一見すると精神的に強いように見える彼女だったが、実は精神的なダメージを受ける経験に乏しく、プライドが高くなり過ぎて自信過剰になっている側面があった。
それ故、彼女は悲しみを制御できず、発狂した。

「あ……ね、ネル……どうして……」

 すぐ近くで起きた非常事態に気付き、反射的にゼットセイバーを構えるレン。
そんなレンに、ネルはアルファーガンを向け、こう告げた。

「ルカだって、キヨテルだって、もう死んでるのよ。だから……」

 それを聞いた時、レンの頭が真っ白になった。
そして、気が付いたら、目の前に真っ二つになったネルが転がっていた。
度重なる精神的ダメージで疲労しきっていたレンに、人を殺したという事実に耐える力は無かった。


 これが、レンがマーダーとなった理由だ。
もはや、彼に残っているのは自身が殺人者であるという認識だけだ。
そして、泣き笑いを続けながらも、彼は再び歩き出した――他の参加者を殺す為だけに。


【一日目・16時00分/群馬県・グンマーの片隅】

【鏡音レン@VOCALOID】
【状態】疲労(中)、精神崩壊、不眠症
【装備】ゼットセイバー@ロックマンX
【道具】支給品一式
【思考】基本:俺はどうしようもない人殺しだ、だから殺さないと。

【ドン・観音寺@BLEACH 死亡確認】
死因:アルファーガン

【亞北ネル@VOCALOID派生 死亡確認】
【スギちゃん@現実 死亡確認】
【小野妹子@ギャグマンガ日和 死亡確認】
死因:斬殺

151少女の最期:2013/11/08(金) 13:46:00 ID:bNjG9M560
ケルベロスに話しかけられた瞬間、ほむらはケルベロスを殺すべきだと判断した。。
自分が殺せんせーを殺すところを見られたなら、生かしておくのは危険だ。
故に

「わぁぁ!なんやなにするんや!!」
「…っ、外した」

一切の躊躇いも無く、ケルベロスを攻撃した。
ケルベロスは目の前の相手の危険性に改めて気づき、慌てて逃げようとする。
それを見逃すはずも無く、ほむらは更なる攻撃に移ろうとする。

獲物を追う者というのは、他の者からしたら隙だらけになってしまう物だ。
それに加えて、ほむらは無意識に相手を侮り、時間を止める能力を使わなかった。
それが彼女の敗因であり、死因となった。

一発の凶弾が、あっけなく、暁美ほむらの命を奪い取った。


「・・・凄い反動だな。そう何回も使えないか。」
「しかし、便利なものだ。スナイパーライフルという物は」

織田敏憲は、未だに痛む肩を抑えながらも、笑みを浮かべる。
逃げていく小動物にも攻撃しようと思ったが、弾が少ない上に反動が大きいこの銃を、
あんな小さな獲物に使うのももったいない。

織田は大きく伸びをした後、ほむらの死体に近づいて支給品を回収し、その場を後にした。
残されたのは、暁美ほむらの無残な死体。
彼女の首輪には、大きな弾痕が残っていた。
その美しい顔から毀れる涙は、自分の愛しいものを救えなかった悲しみか。

152混沌な名無しさん:2013/11/08(金) 13:48:04 ID:bNjG9M560
【暁美ほむら@魔法少女まどか☆マギカ 死亡確認】

【一日目・16時10分/大阪】

【織田敏憲@バトルロワイアル(漫画)】
【状態】無傷、銃の反動が少し残っている
【装備】スプリングフィールドM1903小銃(4/5)@現実
【道具】支給品一式×2、爆弾
【思考】
基本:殺せそうな相手は殺す
1:これからどこに向かおうか


【ケルベロス(小)@カードキャプターさくら】
【状態】健康
【装備】無し
【道具】支給品一式
【思考】
基本:どうしようか正直迷っている
0:ほむらから逃げる
1:桜と合流したい
2:ほむらは危険だと認識

153とりあえず補完しとくか……:2013/11/09(土) 02:37:28 ID:KEnQ6j0g0
 織田は公園を歩いていた。
公園にはモブの参加者が下手糞な埋め方をした地雷が転がっていたが、彼は気にせず進んで地雷を踏んだ。
その動きは、まるで地雷が見えていないようだった。
そして、彼が地雷の爆発で死ぬ様子を一人の少女が見届けていた。

「これで二人目ねえ。私の改竄力でカオスロワも楽勝だゾ」

 少女の名は食蜂操祈、学園都市最強の精神系能力者だ。
彼女は心理掌握と呼ばれる能力で、織田に対戦車地雷を踏ませたのだった。
それどころか、暁美ほむらがそれまでの思考を無視してケルベロスに襲い掛かったのも、そんな彼女を織田が狙撃したのも、食蜂が二人を洗脳して引き起こしたものだった。

「こうやって私を殺しそうな人を自滅させていけば、私の勝ちは決定力よねえ」

 そう言い残し、食蜂は去って行った。
後には哀れな道化の死体だけが残された。


 話は変わるが、今回のカオスロワでは、参加者の生死と現在位置の把握にテラカオス化の研究の副産物である魂センサーを使用している。
これは、その名の通り参加者の魂(無ければそれにあたるもの)の位置と状況を調べる機械であるが、何らかの要因で魂が変質し過ぎるとそれが別の魂だと誤認するという欠陥を抱えていた。
実は、暁美ほむらは狙撃されたものの生きてはいたのだが、彼女の能力では傷を治し切れず魔女化してしまっていた。
そして、魂センサーはほむらの魔女化を、ほむらが死んで新しい参加者が現れたのだと誤認していた。
食蜂の気づかぬところで、想定外の自体が起こり始めていたのだ。


【一日目・16時10分/大阪】

【食蜂操祈@とある科学の超電磁砲】
【状態】健康
【装備】ミニミ軽機関銃@現実、食蜂のリモコン@とある科学の超電磁砲
【道具】支給品一式
【思考】基本:どんな手を使ってでも生き残る。
1:自分を殺しそうな人間を洗脳して自滅させる。

【此岸の魔女ホムリリー@魔法少女まどか☆マギカ】
【状態】無傷
【装備】不明
【道具】支給品一式、他不明
【思考】基本:???
※暁美ほむらが魔女化した存在ですが、別の参加者扱いになってます。

【織田敏憲@バトルロワイアル(漫画) 死亡確認】
死因:爆死

154壬生浪の魂は今も残る:2013/11/09(土) 11:11:37 ID:GqiIXh1E0
「こいつか、例の侵入者ってのは」
「ハハハ、ぐちゃぐちゃだぜ」
「ひっでぇ臭いだ。ハンサム顔が台無しだな」

ルーク・スカイウォーカーの死体を前に、モブの部下達が下品な声を上げている。
彼らにとっては、人の死など取るに足らない者なのだろう。

(下衆どもめ…)

山崎烝は、内心で彼らの発言に不快感を覚えながらも、それを顔に出すことはない。
密偵としての経験から、彼は感情を抑えることに慣れていた。
やがて、モブの部下達は去っていく。

(……さて、これからどうするか)

ルークの侵入のどさくさに紛れて、山崎もまた九州ロボへの侵入に成功していた。
彼は混乱に乗じて雑兵を殺し、制服を奪い取ってモブの部下になりすましていた。
その死体はルークがやったように偽装している。

彼の目的は情報収集。
新撰組の一員として訓練を受けてはいたが、ルークと織莉子の戦いを見た限りでは
戦いでは自分に付け入る隙は無さそうだ。
ならば、自分の本来の役目を果たすのみ。

上から命令でもあったのか、多くのモブ達が一箇所に移動している。
山崎は彼らの中に紛れこみ、しばらするとすっかり溶け込んでいた。
その様は、忍者というにふさわしいものだった。

【一日目・16時20分/九州ロボ(日本海を飛行中)・福岡県】

【山崎烝@史実】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式
【思考】
基本:主催の情報を探る
1:モブの部下に紛れて情報収集
2:できれば有力な対主催と合流したい

155忍者の潜入:2013/11/09(土) 19:03:50 ID:vIY4s.Zc0
「……なるほど」

そのようにつぶやきデータベースを調べているのは飛竜だ
ルーク侵入のどたばたによって飛竜も侵入に成功したのだ
ちゃんと変装もしている

「……もうすこしか」

彼はデータベースを調べ、主催者側の情報を手に入れていた
そしてロックが厳しいデーターももう少しでロックが解除できるときたときに

ビッー!ビッー!
「……っ!」
(しまった!)

この音は明らかに侵入者などの発見した際の警告音だ
飛竜は重要なデーターをロック解除をしようとして何かしらのミスをしてしまったのだろう
そして走ってくる音が聞こえる
明らかにデータベースに近づいてくる

「ちっ!」

そのように舌打ちし壁づたいし、天井まで近づき、その天井を自分が入れるくらいに切った
そしてその天井に侵入し身を隠す、なお切った天井の一部はちゃんと戻している

(さて、ここにこれ以上いても無意味か、ならここから脱出するか)

そう考え飛竜は機動兵器格納庫へと向かう
先ほど脱走騒動があったが残った機体もあるだろう
ちゃんと九州ロボの地図も手に入れているため迷うことはないだろう

【一日目・16時35分/九州ロボ(日本海を飛行中)・福岡県】

【飛竜@ストライダー飛竜】
【状態】健康
【装備】光剣サイファー@ストライダー飛竜 各種オプション
【道具】支給品一式 
【思考】基本:主催を抹殺する
1:今は九州ロボから脱出する
2:そのために機動兵器格納庫へ行く

156アンチヒーロー、空を往く:2013/11/10(日) 19:31:53 ID:sPsmHO1g0

 一方その頃、滋賀上空では。

「ハーッハッハッハッハ、ハーッハッハッハッハ!」
黒いマントを羽織った黄金の髑髏男が、高笑いしながら空を飛んでいた。

このロワでの彼の行動指針は、まだわからない……。

【一日目・16時37分/滋賀県大津市】

【黄金バット@黄金バット】
【状態】健康
【装備】タケコプター@ドラえもん
【道具】支給品一式
【思考】
基本:???
1:ハーッハッハッハッハ

157デビルズ・アイシング:2013/11/14(木) 21:27:22 ID:NVbi89ic0
「はぁ……やっと人間に戻れたわ……」

 と、犬だった頃に拾ったデイパックに入っていたヒートテックな衣類に身を包んだムーンブルクの王女が呟いた。
どうにか恐山でラーの鏡を見つけた彼女は、ヒートテックな衣類に身を包みながらラーの鏡を見る事で全裸で凍え死ぬなんて事にならず、無事元の姿に戻った。
しかし喜ぶのも束の間、彼女は自分を見下ろす巨大な影に気づいた。

「なっ!?今度は魔物!?いい加減に……」

 それは、成人男性20人分以上もの身長を持ち、豚のような頭に蝙蝠のような耳がついた、六本の腕を持つ黒い何かだった。
その名はオーバーデビル、古より存在する最凶のオーバーマンだ。
それは、ムーンブルクの王女が何らかの行動を起こす前に動き出していた。

「あ、あれ……なんか力が……」

 オーバーデビルの“オーバーフリーズ”というあらゆるものを凍らせる力がムーンブルクの王女の心を凍りつかせたのだ。
どういう訳か、ムーンブルクの王女にはオーバーマンのパイロットとしての適性であるオーバーセンスがそれなりに優れていたのだ。
それに目を付けたオーバーデビルは、彼女の心を凍らせ、そのまま彼女を取り込んだのだった。


 一方、恐山へと向かっていたはずのフリーザーは恐山の近くで止まっていた。
恐山を中心に気温が異常なまでに低下しているのにフリーザーが気付いたのだ。
ちなみに、この現象もオーバーデビルのオーバーフリーズによるものなのだが、フリーザーがそれを知るはずもなかった。

「青森県に入ってから二人も凍死した奴がいたし、恐山に行かないほうが良いのか?」

 考え込むフリーザー。
幾ら伝説のポケモンとはいえ、これ程までに強烈に気候を操る力を持つ存在と戦うのは無謀だが、氷タイプの自分としては過ごしやすい気候であるのも確かだった。
そして、そんなフリーザーを後目に極寒のエリアが徐々に広がって行っているのであった。


【一日目・16時40分/青森県・恐山】

【オーバーデビル@OVERMANキングゲイナー】
【状態】無傷、ムーンブルクの王女を取り込んだ
【装備】なし
【道具】支給品一式、他不明
【思考】基本:世界を凍りつかせる
※恐山にいる彼?を中心にして気温が急激に低下しているエリアが広がっています。

【ムーンブルクの王女@DQ2】
【状態】心が凍りついた、オーバーデビルに取り込まれた
【装備】ヒートテックな衣類
【道具】支給品一式
【思考】基本:オーバーデビルに従う


【同時刻/青森県・恐山の近く】

【フリーザー@ポケットモンスター】
【状態】陽気最速HC振り
【装備】なし
【道具】支給品一式、カゴのみ
【思考】基本:生き残る
1:恐山に行くかどうか迷っている

【織田敏憲@バトルロワイアル(漫画) 死亡確認】
【食蜂操祈@とある科学の超電磁砲 死亡確認】
死因:オーバーフリーズの影響で凍死

158疑惑の、□□:2013/11/15(金) 12:19:14 ID:w13JZ9BU0
煌びやかな豪邸の廊下に、銃声と同じ音程のドスの効いた声三つが響く。

「ザッケンナコラー!」
「ザッケンナコラー!」
「ザッケンナコラー!」

発砲しているのは強面のヤクザ集団。
スーツや装備に関してはまだしも、そのヤクザたちの背丈・顔つき・髪型・声質までもが全てが同じであった。
こいつらはクローンのヤクザ、クローンヤクザなのだ。 コワイ。
そんな彼らはこの豪邸の警護を任されており、今はある侵入者たちとの交戦状態に陥っている。
その侵入者たちは仮面ライダーフォーゼとカエルゾディアーツと、ついでに患者が一名……すなわちヒノケン一行である。

「うるさい! おまえらまとめて死ねィ、であります!!」

カエルゾディアーツことケロロ軍曹は豪邸に備え付けられたテレビから先の放送を聞き、戦友の一人であるギロロ伍長の死を知って非常に気

が立っていた。
その怒りを力に変えるかのごとくカエルゾディアーツの機敏さとサイズの小ささを利用してヤクザたちの放つ弾幕をかわしていき、己の間合

いまで接近すると、舌を長く伸ばして一人のヤクザの首を絡め取る。

「どりゃあああああ!!」

次にゾディアーツとして強化された舌の力を活かして、捕縛したヤクザの首根っこを引っ張って浮き上げさせ、そのまま鈍器代わりに他の二

人のヤクザに叩きつける!
そのパワーは数撃で三者の全身を複雑骨折させるほどの強さである。

「「「グワーッ!!」」」

独特な断末魔の叫びを上げ、アバラを粉々に、手足や首の骨は曲がってはいけない方向に向けさせて三人のクローンヤクザたちは死んだ。
だが、すぐに増援として別のクローンヤクザたちが現れた。 そちらはケロロではなくヒノケンを狙っている。
クローンヤクザは量産型であり、相当の金持ちの家ならば敷地に何十人と配置されている場合がある。
一人二人殺しただけでは大局は変わらないのだ。
それでも侵入者のリーダーはWWWの一角であるヒノケン、それに加えて仮面ライダーフォーゼ・ファイアーステイツを纏っている。
質より量を優先したクローンヤクザ程度に負ける道理などなく、ヒーハックガンですぐに焼却された。

「「「グワーッ!!」」」
「クソッ、軽く三時間以上戦っているが、いくら焼き殺してもキリがねえ」

ヒノケンとケロロの周りには、クローンヤクザの死骸が奇麗な床を血と炭で汚しきるほど転がっていた。
たった今、殺した分も含めれば約20人は殺している。
それでも増援が止む気配は一向になく、仮面ライダーとゾディアーツと言えど、このままでは消耗は必死である。

「オイ、ファイアマン! まだ脱出ルートを割り出せねえのか!?」
『申し訳ありません、全力でやっていますがセキュリティレベルが高く、地図検索すら難しい状態です』
「早くしろ、チンタラやってたら三人まとめて地獄行きだ!」


炎を喰らう謎の女、四条貴音からエスケープのバトルチップを使い、逃走に成功したヒノケン一行。
ただし逃走成功の代償として場所は選べず、東京都内のどこかにランダムでワープさせられるのであった。
その場所は――

(まさか首相官邸の地下に飛ばされるとはな……)

159疑惑の、□□:2013/11/15(金) 12:21:18 ID:w13JZ9BU0

送られた先は首相官邸であるとファイアマンの検索により知った……といっても多くの日本人が知る『表の』首相官邸ではなく、地下に建て

られた『裏の』首相官邸である。
小奇麗だが地味な印象がする地上部分とはうって変わって、贅沢な豪邸の如き造りの空間が地下にはあったのだ。
50人は収容できそうなパーティルーム、世界の美味珍味が揃った厨房、いろんな機能の風呂があるバスルーム、『禁則事項』用の大部屋、大

量の札束や宝石が眠ってそうな巨大金庫(うぐいすが盗みに入ったため、一つ開いてた)、娯楽に関してはなんでもありの施設である。
さらに付け加えれば、建物の状態からしてまだ築4年も経ってなさそうだ……つまり、時期からして野田総理か先代総理辺りが政権を取って

から勝手に改装したのだと想像できる。

(十中八九、この豪邸は税金をちょろまかして建ててやがるな。
これだけのものを建てられる金があるなら、国民の何百人かは路頭に迷わずに済んだろうに……
ま、税金を払ってない犯罪者の俺には関係のねぇ話だが)

国民が納めた血税でこんな豪邸を地下に隠すように建てていたと知られたら総理の支持率低下は必至だったろう。
少なくともバトロワ前はそうであったに違いない、とヒノケンは考える

日本の税関連の事情はともかく、現在、ヒノケンたちが目指しているのは地上への脱出である。
貴音から逃げてきたようにもう一度、エスケープのバトルチップを使ったが、制限によるものか再使用できなかった。
ファイアマンによるとあと数時間は使用できないらしい。
ならば自力で脱出するしか道はないのだが、この地下豪邸はちょっとしたダンジョンになっていると過言ではないほど広い。
反して強力すぎる武器を使うと崩落で生き埋めになるリスクも存在し、多少のボヤならまだしも、病院を襲撃してきた時のように天井や壁を

燃やしながら進むこともできないのだ。
警護のクローンヤクザたちは一切聞き耳持たず攻撃してくるので、倒しながら進むしかないのだ。

「それよりヒノケン殿! 一体いつまでこの善野とかいう女を連れて行くつもりでありますか!?
さっきの放送で末原たちが死んで先の作戦ができなくなった以上、殺すかその辺に放置でもいいのでは?」
「人質ごと野田を殺す作戦はおじゃんになったが、奴隷商にでも売りつけて貴重な食料と医療品と交換する程度の利用価値はある。
苦労して手に入れた以上タダで手放すのはもったいない、その女は生かしておけ」
「りょ、了解であります」

放送より指名手配されていた二人が死亡により、引渡しの際に人質ごと野田を焼き殺す計画は台無しになった。
よって動けない善野監督は荷物でしかないが、まだ利用価値を見出しているヒノケンはこの場で手放さないことにした。
実際、武器には恵まれている彼らだが、食料は有限で体を治す薬の類は一切ない。
万が一のためにどこかで手に入れる必要があり、善野はそのための引換券だ。
ケロロは不服には思いながらも忠誠を誓っているヒノケンの命令には従い、長く伸ばした舌で女を運ぶのであった。

(しかし、不可効力とはいえ首相官邸に入っちまったが、首輪を爆破されてないところからして主催への反抗と見なされてないのか?
それか、クローン共で事足りると思われているのか、いちおう何も盗っちゃいないから問題なしとされているのか?
どちらにせよ、今は主催に目をつけられると面倒だぜ……暗殺しづらくなるからな)

脱出口を求めて廊下を走るヒノケンは、主催側のリアクションがやけに薄いことに疑問を持つ(考えようによってはクローンたちの人海戦法

で十分すぎる応酬だが)。
ちなみに犯罪者のヒノケンが、この場で何も盗んでいないのは正義心からではなく、野田を殺せばこの豪邸の全てを総取りできると思ってい

るからである。

そんな考えを脳裏に浮かべていたヒノケンはここでミスを犯す。

「ヒノケン殿、前、まえ!!」
「……はっ!」

思考による一瞬の集中力の乱れが、ヒノケンに10数m先への見落としを起こさせた。
天井に備えつけられた無人の機関銃――セントリーガンだ!
セントリーガンの銃口が火を吹き、放たれた銃弾がヒノケン胸部に数発直撃する。

「ぐはぁ!!」

多大な衝撃を受け、ヒノケンは床に尻餅をつく。
コズミックエナジーで作られたライダースーツに守られていなければ、肉塊となって弾け飛んでいたところだ。
ケロロは急いでヒノケンを助けおこし、善野も含めて廊下の曲がり角に隠れる。

160疑惑の、□□:2013/11/15(金) 12:22:53 ID:w13JZ9BU0

「ヒノケン殿! 無事でありますか!?」
「俺としたことが油断したぜ……」
「よくもヒノケン殿を! これでも喰らえ!」

ケロロは曲がり角から飛び出して口から粘性を帯びたものを吐き出し、セントリーガンにぶつけた。
それを食らったセントリーガンは、黒煙を上げながら故障する。

「今、吐いたのはなんだ?」
「カエルゾディアーツの能力の一つ、ガマ油であります!」
「……ガマ油って口から吐くもんだったか? まあいい」

油を被って動けなくなったセントリーガンにヒノケンはヒーハックガンの炎を、先程の報復と言わんばかりに撃ち込む。
セントリーガンはメラメラと燃えて爆散した。

「なるほどな、軍曹のガマ油の引火で火炎の威力底上げができるわけだ。
今後はこの能力を利用させてもら……ツッ!?」

ヒノケンは言いかけて、先ほどセントリーガンにやられた胸部を抑えてかがみ込む。
ケロロには仮面越しでもヒノケンが痛みで顔を青くしているのがわかった。

『ヒノケン様!』
「ヒノケン殿! どうしたでありますか!?」
「……さっきの銃撃でアバラにヒビを入れられたかもしれねぇな」
『怪我をされたのですか!』
「大丈夫でありますか?」
「余計な気遣いは無用だ、俺にも男としての意地がある……それに――」

並の防弾チョッキよりは遥かに頑丈なライダースーツとはいえ、肉体への衝撃を完全には殺しきれなかったようだ。
ヒノケンは胸部に多大なダメージを受けていたにも関わらず、新しいクローンヤクザの援軍はすぐ近くまで接近していた。

「「「ザッケンナコラー!」」」
「――おちおち、休んでいる暇はなさそうだ……」
「ええい、やかましいカトンボ共でありますな!」

ヒノケンは痛みをこらえて立ち上がり、ヤクザたちにヒーハックガンの銃口を向ける。
それに続いて、ケロロはファイティングポーズを構えた。

「軍曹、この場所じゃ火炎放射を持ったコギャルを焼き殺した時のような大技が使えねえ。
この局面だと俺の火力より、おまえの肉弾戦がモノをいうだろう。
性に合わねえが、今回は後方でサポートに回る。 おまえが前衛で暴れろ」
「了解であります!」

そして、ヤクザたちとの何度目かの交戦が始まる――筈だった。
クローンヤクザたちはヒノケンたちに一定距離まで近づくと、機械のようにピタリと止まって銃を下ろした。

「?!」
「急に撃ってこなくなったでありますな……?」

敵の突然の戦闘行為の中止を、戸惑うヒノケンとケロロ。
何かの罠かと思い、警戒して様子を見てみると、ヤクザをかき分けて一人と一匹の男と虎が現れた。
男は三白眼をした一見臆病者のような顔に小柄な体格を持ち、知らない者から見ると学ランに見えなくもない大正風の軍服を着ており、白い毛並みに非常長い犬歯を持った虎――サーベルタイガーが隣にいた。
そんな突然の来訪者にヒノケンは凄むように正体を問いた。

「なんだてめえは! 主催の手先か?」
「ああ、そうだ。 僕は新城直衛、この首相官邸の管理を任されているものだ。
こっちのネコ(サーベルタイガー)は僕の相棒の千早だ」
「グルルルル……!!」

どこぞのアイドルと似た名前を持つ虎は、主人に敵意を向ける相手に対して白い毛を逆立てて威嚇する。
引き金を引こうとする瞬間、襲いかかってきそうな迫力はあったが、それでたじろぐほどヒノケンはヤワではなかった。

「その主催の手先が何の用だ……と聞くまでもねぇな。
この官邸で散々暴れまわったんだ。 大方、俺たちを殺しに来たってところか」
「……だったらどうする?」
「決まってんだろ、てめえを殺してここから出るぜ!」
「僕を殺してここから出るか……そう、うまくいくかな?」
「なんだと!」

161疑惑の、□□:2013/11/15(金) 12:23:22 ID:w13JZ9BU0

殺意を向けてくるヒノケンに、新城は不敵な笑みを浮かべると自身のディパックからカードケースのようなものを取り出し、妙に複雑なポーズを取りながらカードケースを手近な鏡に向けてかざす。
すると、鏡の中からベルトが現れ、新城の腰に装着された。
さらに新城は一言つぶやきながら、ベルトの窪みにカードケースを挿入した。

「変身」

新城の姿がみるみるうちに変わっていき、虎をイメージした騎士鎧の如き戦闘スーツがまとわれた。
ここでヒノケンたちは、ベルトによる変身プロセスの類似性から、ある可能性に気づいた。

『これは……』
「ヒノケン殿、こいつはもしかして」
「仮面ライダーか!」
「そうだ。 君のとはタイプが違うが、れっきとした仮面ライダーさ」

新城はタイガのデッキをもってして仮面ライダータイガに変身した。
仮面ライダーの戦闘力の高さはヒノケン自身が身をもって理解している。
すなわち、交戦によって自分たちが命を失うリスクが格段に増したことを意味していた。
しかも、よく見ると鏡の中には虎型のモンスターまでいる。

「こっちのねこはデストワイルダーだ。
ミラーモンスターという鏡の中に住む魔物だけど、短時間なら鏡の外に出て人を襲うこともあるそうだ。
さらに……!」

周辺から多数の「ザッザッザッザ」という足音と、「ザッケンナコラー」という咆哮がこだました。
ヒノケンたちは辺りを見回すと、前後左右合わせて数十のクローンヤクザに包囲されていることに気づいた。

「囲まれたでありますか……!?」
「君たちと話をしている間に、この官邸に残っている兵隊を集結させてもらったよ。 ザッと30人はいる。
さて、これだけの戦力を相手に君たちは無傷でここから出られるかな?」
「コイツ!」

構図で言うならば動けない善野を除いて2対33、ヒノケン側が数の上で不利である。
クローンヤクザだけなら仮面ライダーやゾディアーツの敵ではないが、敵側の仮面ライダーと虎の怪物二匹相手は厄介である。
ケロロはもちろん、流石のヒノケンもこれには焦りを禁じ得なかった。
だが、どんなに困難でもこいつらを焼き払わなければ死ぬだけだ。
怯えている暇はない……すぐに攻撃に移らなければ――

「まあ、待ってくれ。 僕は君たちと戦いにきたわけじゃないんだ」
「なんだと……?」

ヒノケンが恐れを捨てて戦いを始めようとした時、新城の方から意外な言葉が出てきた。

「ついさっき、君たちは殺し合いを盛り上げてくれそうだから地上に返してやれ、と上から命令がきたんだ。
このまま何もせずに出ていき、二度と官邸の中に入ってこないと約束するのだったら、三人ともここから出してやろう」

けして難しくない条件付きで、主催者の手先がこの場を見逃してくれるのだという。
しかし、ケロロは相手の言葉を疑い、ヒノケンに意見をする。

「ヒノケン殿、これはきっと罠であります! 敵の言葉なんて信じてはなりません!」
「……信じる信じないは勝手だけど、どちらにせよ君たちに勝ち目は薄いぞ。
大軍相手に戦うなら火力が必要になるけど、あまりに強力な炎を出せば建物が崩落して自滅しかねない。
この閉鎖空間は火のバトルチップ使いである火野ケンイチの実力を100%発揮できないのだからね」
「貴様……!」
「さぁ、早く選ぶんだ。 僕の言葉を信じてここから出るか、信用せずに僕らと戦うかね!」

新城は敵が強力なバトルチップを使えないことは既に把握しており、おまえらなど怖くないという余裕が仮面ごしに伝わってくる。
ヒノケン側は仮に交戦すれば厳しい条件下で戦わなければならない。
故に、男の決断は――

「……チッ。 さっさと地上に案内しろ」
「ヒノケン殿!?」
「ただし!!」

ヒノケンは新城に承諾し、交戦回避の道を選んだ。
だが、ヒノケンは同時にバトルチップをPETに詰めていき、いつでもヘルズバーナーを放てる態勢をとった。

「俺たちを罠に嵌めようとか、少しでも妙な真似をしやがったら容赦なくぶっぱなす!
崩落が起きれば俺たちも死ぬが、その時は同じ建物にいるてめえだって道連れだ。
そこんとこ、忘れんじゃねぇぞ?」

ただ言われるがままではなく、最悪の場合でも敵を道連れにする。
ヒノケンもこの閉鎖空間を利用して、相手の命を握ったのだ。

「わかった。 君ならやりかねないしな。
それじゃあ地上に案内しよう。 ついてくるんだ」

新城の先導に沿って、ヒノケンたちは官邸地下にある豪邸を後にした……




162疑惑の、□□:2013/11/15(金) 12:24:17 ID:w13JZ9BU0


――地上、首相官邸の門前。
主催者の手先である新城はヒノケンたちを罠に嵌める気は一切なかったようで、三人は無事に地上に出ることができた。

「最後に一つ言っておくけど、生き埋めになることはなくなったからと言って外から官邸を燃やそうとするなよ?
そんなことをすれば主催に目をつけられて、寝食もろくにできなくなるくらい命を狙われると思ったほうがいい。
その前に首輪を爆破されるかもしれないけどね」
「うるせえ、その程度のことはわかってらぁ! とっとと失せろ!」

相手に釘を刺した後、新城は官邸の中に戻っていった。
それを見送るヒノケンはどこか不機嫌そうであった。
新城の見下すような態度が癪に触ったのだろう。

「あの野郎はあとで燃やす……野田を殺してバトロワを支配できるようになったら絶対に丸焼きにしてやる」
「ヒノケン殿、これからどうするでありますか?」

新城を官邸ごと燃やしてしまいたい衝動を今は抑え、部下のカエルと今後を話し合う。

「末原たちが死んじまった以上、例の作戦は無理だ。
どっかで計画の練り直しを考える必要があるな。
……それに何時間も戦いっぱなしだぜ、いいかげん休みてぇ」
「そういえばお腹も空いてきたでありますな、どこかに手頃な休憩場所でもあればいいでありますが」
「そうだな……」

二人が話し合っている中で、ファイアマンが話に割り込んできた。

『……ヒノケン様、少しよろしいでしょうか? 少し疑問に思ったことが……』
「悪いがもうクタクタだ。 質問なら後でいくらでも聞いてやるから今は休憩場所を探してくれ」
『しかし……いえ、わかりました。 急いでヒノケン様たちが休憩できる安全地帯を探します』

その後、疲労困憊のヒノケン・ケロロ・人質の善野の三人はファイアマンが見つけた休憩に最適な場所に向けて移動を開始した。



主たちを安全地帯へ誘導する中で、フォーゼドライバーの内部でファイアマンは考えていた。

(あれだけの数の警備兵とセントリーガンなどのトラップがある豪邸から、どうやって千石うぐいすたちは一億円を盗んだんだ?)

カオスロワちゃんねるで調べたところ、千石うぐいすは野球が上手いだけの高校生、片や末原恭子は麻雀が上手いだけの女子高生。
カオスロワちゃんねるに嘘がなければ戦闘や潜入に関する技術はないはずなのだ。

(――だのに、この豪邸は私たちが来るまで戦闘の痕は一切なかった。
仮に官邸に入った際、壁に銃痕の一つでも残ってないのはおかしいのでは?)

ファイアマンの疑念は募っていく。

(先ほど訪れた金庫だって考えてみれば不可解なのだ。
盗み取った形跡はあったが、爆弾の類を使って強引にこじ開けたのではなく、普通にダイヤルを回して開けていたのか無傷だった。
……つまり、二人は『金庫の正しいダイヤルの回し方』を最初から知っていたことにならないか?)

うぐいすと末原は戦いに関しては素人である筈なのでヤクザとトラップの多い地下豪邸から一億円を持ち出すのは難しい。
にも関わらず、豪邸には戦闘の形跡がなく、金庫は強引な手段ではなくダイヤルを回す普通のやり方で開いていた。
それを考え始めると、ファイアマンの中で千石うぐいす・末原恭子の二人が得体のしれないものに見えてきた。

(強引に解釈すればエスケープのようなバトルチップのように、移動や潜入に関する支給品に恵まれていたからとも考えられるが。
もしかすると千石たちの指名手配自体が、参加者同士に窃盗犯を奪い合わせることで殺し合いを加速させるための『出来レース』だったのか?)

出来レースだとすれば、末原をおびき寄せる人質に取るために病院を襲撃し何人か焼殺した自分たちは、まんまと主催の掌で踊っていたことになる。
しかし、いくら考えても真実にたどり着けはしない。 なぜなら情報というパズルのピースが足りないからである。

(クッ、現状では憶測しか出てこない。
せめて官邸のコンピューターにハッキングできれば良かったんだが、セキュリティレベルが高すぎた。
そもそも、あの乱戦状態ではハッキング自体できる余裕がなかった)

そして、主催者の手先によって官邸から追い出され、二度と入ることはできない。
真実が手に入らない以上、もはや千石うぐいすたちの事は考えるだけ無駄だろうか?

163疑惑の、□□:2013/11/15(金) 12:25:08 ID:w13JZ9BU0

(――しかし、なんだか嫌な予感がする。
知っておかないと、あとで後悔しそうな何かを感じる。
……ただの気のせいならそれで良いのだが)

千石・末原両名に何かアンタッチャブルなものを感じ、考察を続ける。
将来的にそれがヒノケンの助けになるかもしれないともファイアマンは考え、安全地帯にヒノケンらを導いたら自分の考えを報告するだけしてみよう、とファイアマンはフォーゼドライバーの内部で考えていた。


【一日目・16時00分/東京・首相官邸近く】

【ケロロ軍曹@ケロロ軍曹】
【状態】疲労(大)意気高揚、カエルゾディアーツ
【装備】ゾディアーツスイッチ@仮面ライダーフォーゼ
【道具】支給品一式
【思考】
基本:バトルロワイアルを支配する
0:どこか安全な場所で休憩し、作戦を練り直す
1:ノダの抹殺
2:ヒノケン殿に尽くす
3:ギロロ……
※カエルゾディアーツの能力として、高所への跳躍・高所からの着地可能・舌を長く伸ばす・ガマ油を吐く能力があるようです。
まだあるかもしれません。

【火野ケンイチ@ロックマンエグゼ】
【状態】疲労(大)、ダメージ(中)
【装備】フォーゼドライバー @仮面ライダーフォーゼ
【道具】支給品一式
【思考】
基本:バトルロワイアルを支配する
0:どこか安全な場所で休憩し、作戦を練り直す
1:ノダの抹殺
2:ケロロ軍曹を従える
3:あの女(四条貴音)が死んでくれてなによりだ
4:善野はまだ使い道がありそうなので、しばらくは生かしておく
※制限により、エスケープのバトルチップは一度使うと長時間使用できないようです

【ファイアマン@ロックマンエグゼ】
【状態】フォーゼドライバーの内部プログラム補助
【装備】火のバトルチップ一式
【道具】なし
【思考】
基本:ヒノケン様に尽くす
1:燃やしたい……!
2:千石うぐいすらに対する疑念

【善野監督@咲 -Saki-】
【状態】気絶
【装備】患者服
【道具】なし
【思考】
基本:……。
1:恭子……。




164疑惑の、□□:2013/11/15(金) 12:25:41 ID:w13JZ9BU0

新城直衛は変身を解き、官邸のモニターがある一室で相棒の千早の頭を撫でながら椅子に腰掛けている。
侵入者が荒らし回った地下の豪邸は一部のクローンヤクザたちに修復・清掃を任せている。

新城は主催者の手先であり、その中でも精鋭として抜擢された特務機関員である。
しかし、彼は主催側の人間でありながら、野田をはじめとする主催への反感を持っていた。
誰に言うでもなく、愚痴を呟くほどにだ。

「まったく、首相官邸の警護なんて嫌な仕事を任されてしまったね。
どんなに敵わない相手でも、参加者からも怪物たちからもここを守らなきゃいけない。
逃げたら反逆者と見なされて主催陣から追われる身になる……本当に貧乏くじもいいところだよ」

東京は激戦区になっており、そこにいる参加者のほとんどは対主催・マーダー問わず強者ばかり。
都庁はいつからか大量の怪物が巣食う死の塔になっている。
幸いにも前者は第二回放送での総理の警告及び、総理がここにはいないという情報が出回っているために積極的に足を運ぶ参加者は少なく、後者の怪物たちはここを無視している節があるようだ。
だが、いざ襲撃を受ければ仮面ライダーとサーベルタイガー、ミラーモンスターにヤクザたちがいるとはいえ、防衛しきれるかは疑問だ。
余談だが先の襲撃によってクローンヤクザが半数近く殺されたため、その分だけ防衛力は大幅に下がってしまった。
ヒノケンたちの前では涼しい顔をしていたが、内心は多くの部下を殺されて戦々恐々であった。

「第一、総理も総理だ。
そんなに自分の財産を守りたいなら、最初から官邸の外に持ち出しておけよ。
それが無理なら禁止エリアを東京に設定して参加者を東京自体に近寄れないようにしとけばいいものを」

総理の浅慮ぶりに呆れるばかりの新城。
おまけに首相官邸の地下にある豪邸を見てしまったため、新城の中で総理の人間性への評価もガタ落ちである。
そんな不満ばかりであるが、彼には主催から離反できない理由があった。
新城は苛立ちを千早の喉を撫でることで忘れようとする。

「グルルルルル」
「……いかんいかん。
ここで癇癪を起こせば蓮乃姉さんの身が危なくなる。
この官邸から出ていける言い訳が立つまではここから出て行くべきじゃない」

新城は主催に協力する見返りとして幼馴染で義理の姉である蓮乃を殺し合いの参加者から外されることになっている。
今頃、彼女は主催の用意したシェルターで殺し合いが終わるまで匿われている手筈だ。
新城が裏切れば、蓮乃は良くて他の参加者同様に首輪を嵌められた上にシェルターから追放、最悪の場合はその場で殺されるのだ。
他の機関員については知らないが、一部は新城と同じように大切な人を守るために主催に与した者もいるだろう。


「はあ……しいていうならコイツが裏切らなければ、僕がこんな任務につくこともなかったんだろうな」

実は、首相官邸の警護を任されていた者は新城が最初ではない。
最初に警護の任務についた者が、バトロワ開始直後にいきなり裏切ったために、後釜として新城が赴任してきたのだ。
その当時の映像を新城はモニターで確認している。

主催に属する機関の者なので、警護のクローンヤクザたちを素通りでき、セントリーガンによるトラップも作動しない。
そのまま金庫に入り、ダイヤルを回して金をディパックに詰め込み、官邸から黙って出て行く……そんな一部始終を新城を見ていた。


「□□、そんなに金が欲しかったのか?
その金は主催に追われるリスクに見合ったものか?
それとも、金はついでであって、主催を裏切るだけの理由が君にはあったのか?」

映像の中に映る□□に問いかけた新城だが、答えが返ってくることはなかった。



さあ、諸君にクイズである。
□□に入る名前は何でしょうか?


【一日目・16時00分/東京・首相官邸内部】

【新城直衛@皇国の守護者】
【状態】健康
【装備】タイガのデッキ@仮面ライダー龍騎
【道具】支給品一式、千早@皇国の守護者、クローンヤクザ@ニンジャスレイヤー×30
【思考】
基本:義理の姉(蓮乃)のために特務機関員として任務を全うする
1:首相官邸の警護をする
2:さっさと官邸から出たい
3:□□(元特務機関員)……なぜ、裏切ったんだ?
※特務機関員です
※□□が誰なのかは次の書き手氏にお任せします
※クローンヤクザは支給品扱いのため、殺してもキルスコアは増えません

165疑惑の、□□:2013/11/15(金) 12:27:35 ID:w13JZ9BU0
投下終了です。

166赤い屈辱:2013/11/17(日) 23:47:24 ID:DdS7QwP20
千葉県の某所で、2機のモビルスーツが激戦を繰り広げていた。

かたや赤い異型のMS、アルケーガンダム
それを駆るのは殺意と闘争本能のままに戦う男、アリー・アル・サーシェスだ。
かたや赤い騎士のような風体のMS、ガンダムエピオン。
それを駆るのはライトニング・カウントの異名を持つ亡国の王子、ゼクス・マーキス。
勝利の女神は、果たしてどちらに微笑むのだろうか。


「くたばりなぁ!!」

アルケーガンダムはライフルを敵のガンダムに向けて放つ。
それは正確な射撃だったが、ガンダムエピオンは軽々と避けてしまう。
これはもう30分以上も繰り返されてきた光景だ。
ガンダムエピオンの動きを見ただけで、サーシェスは相手が只者ではないと悟る。
だが、それはサーシェスにとって望む所。
弱者をつぶすのも戦争の醍醐味だが、強者との戦いもまた戦争の醍醐味。
サーシェスは歓喜に目を大きく開き、攻撃を続行する。

「そうそう!そうゆう相手を待ってたんだよ、俺はなぁ!!!」

サーシェスはライフルを放ちながらも、別の武装、GNファングを展開する。
ライフルとファングの同時攻撃でガンダムエピオンを仕留めるつもりだ。

「……お前のような男に!」

ゼクスの声と同時にガンダムエピオンの瞳が光る。
まるで主の闘志に答えようとしているように。
次の瞬間、ガンダムエピオンは変形し、鳥のような姿へと変わる。
ガンダムエピオンのモビルアーマー形態だ。
その並外れた機動性とゼクスの技量により、ガンダムエピオンはアルケーガンダムの攻撃を回避しながらアルケーガンダムへと接近していく。

その美しい様は、逃げようとしていたLとベルナドットが思わず見とれてしまうほど。

167赤い屈辱:2013/11/17(日) 23:50:42 ID:DdS7QwP20
「くるかァ!!」

自分の攻撃が全て回避されたというのに、サーシェスに焦る様子はない。
目の前のMSは確かに高い性能を持っており、パイロットの技量も自分に匹敵するものだ。
それでも、サーシェスには敵を倒す絶対の自信があった。

「貰った!」

ガンダムエピオンのクローが大きく展開される。
すれ違いざまにアルケーガンダムに一撃を加えるつもりなのだろう。
2機の距離はどんどんと縮まっており、ガンダムエピオンが標的を引き裂くのは時間の問題のように思えた。

「詰めが甘いぜ、ガンダムさんよ!」

ガンダムエピオンの行く手を阻むように、4機のGNファングが展開され、一斉射撃を行う。
これはガンダムエピオンが突撃してくることを読んだサーシェスが予め配置しておいたもの。
その射撃精度は先ほどのそれとは段違いだった。
前回の攻撃の際、サーシェスは相手の油断を誘う為手を抜いていた。
今度の攻撃はサーシェスの本気の一撃。
新型ナノマシンで闘争本能が強化されていることを加えれば、サーシェスの生涯最高の一撃といえるかもしれない。

「捕らえたぜ!!ガンダム!」

そして、ガンダムエピオンの居た場所にGNバスターソードが振り下ろされる。
この一撃で、ガンダムエピオンは無残に撃墜される。
筈だった。

「何ィィィ!?」

そこには何も無く、サーシェス渾身の一撃は空しく空を切っていた。
そして、アルケーガンダムの背後には無傷のガンダムエピオン。
すでにモビルスーツ形態に戻っている。
ガンダムエピオンが静かにビームソードを振りかぶる。
サーシェスは必死で回避を試みる。
それにより、致命的なダメージを負うことは避けられたが、左腕を綺麗に切断されてしまう。

「ぐぅぅ!!!」
「仕留め損ねたか…だが!」

再度ビームソードを振りかぶる。
だが、アルケーガンダムから放たれていた全てのGNファングが一斉に突撃してきた為、その一撃は空を切る。
ガンダムエピオンがGNファング達を全て破壊したときには、既にアルケーガンダムは離脱していた。

168赤い屈辱:2013/11/17(日) 23:55:56 ID:DdS7QwP20
「これ程とはな………。」

ガンダムエピオンのコックピットの中で、荒い息を吐きながら一人呟く。
その顔にはいくつもの汗が流れている。
操縦の際に訪れる殺人的な加速や、ゼロシステムの精神的負担により彼は気力・体力共に消耗していた。
結果的に無傷で勝てたとは言え、ゼクスにとっても楽な戦いではなかったのだ。

コックピットに常備された携帯飲料を口にしながら、ゼクスは眼下の人影を見下ろす。
アルケーガンダムに追われていた男達、Lとベルナドットだ。
彼らをどう扱うべきだろうか。
二人の男を見ながら、ゼクスは静かに考える。



「あのデカブツ…俺達を護ってくれた、んだよな?」
「………そうですね。少なくても敵意は見えない。」

一方で、Lとベルナドットもまた、ガンダムエピオンへの対応を決めかねていた。



【一日目・16時20分/日本・千葉県】

【ゼクス・マーキス@新機動戦記ガンダムW 】
【状態】疲労(中)、精神的疲労(中)
【装備】ガンダムエピオン@新機動戦記ガンダムW
【道具】支給品一式 そのほか不明
【思考】基本:バトルロワイヤルを止める
1:目の前の男達への対処を考える

【ピップ・ベルナドット@HELLSING】
【状態】健康
【装備】自動式拳銃 M16
【道具】支給品一式
【思考】基本:バトルロワイヤルを生き残る
1;あのデカブツ(ガンダムエピオン)は味方なのか?
2:逃げそびれちまった

【L@DEATH NOTE】
【状態】健康
【装備】自動式拳銃
【道具】支給品一式 手榴弾×25
【思考】基本:バトルロワイヤルを止める
1:あのロボット(ガンダムエピオン)と接触する?

169赤い屈辱:2013/11/17(日) 23:59:32 ID:DdS7QwP20
あれ以上戦っても、サーシェスに勝ち目はなかっただろう。
闘争本能が増大しているサーシェスも、不利な時はさっと引くのだ。
この状況判断の的確さが、彼が多くの戦場で生き残った強者である証といえるだろう。

「はぁぁ……、はぁぁ………。ちくしょォォ!!」

まんまと逃げ切ったサーシェスだったが、その顔は屈辱にゆがんでいた。
必殺の一撃を軽々と避けられた上、大きなダメージまで負ってしまった。

「次会った時は…必ず堕とすぜぇ、赤いガンダム!!」



【一日目・16時30分/日本・千葉県】

【アリー・アル・サーシェス@機動戦士ガンダム00】
【状態】疲労(中)、強い屈辱 、ヒゲがない
【装備】アルケーガンダム@機動戦士ガンダム00 (左腕無し、GNファング全機喪失)
【道具】支給品一式、熱線銃
【思考】基本:カオスロワという名の戦争を楽しむ
1:参加者は片っ端から虐殺
2:赤いガンダム(ガンダムエピオン)には必ず雪辱する
※新型ナノマシンにより、闘争本能等が増大しました。
※主催の一員ですが、すっかり頭の中から抜けてしまいました

170練習って大事だからね:2013/11/18(月) 21:13:30 ID:JWQqrEbo0

 明治神宮野球場。
 拳王軍は国会強襲とは名ばかりの国会見学を終え、ここに立ち寄っていた。
 国会には誰もいなかったので、とりあえず、野球の練習をすることになったのだ。
 第一の目的はこれからの激戦に備えての各々レベルアップ。
 なお、ラオウは野球のルールブックを一から読むことになった。

「ぬぅ……字が多すぎて読めんわ!!!」
(小学生用のルールブックなんですけどねぇ)

 そら、拳王様だもの。
 仕方ないので、他の配下の様子を見に行くことにした。

「さて、ムギちゃん、どこに行く?」
「そうですね、まずはブルペンに行きましょうか」

<ブルペンにて>

 ズバン、ズバン、ズバーン。と小気味良い音が響く。
 
「次、曲げていくわよ」
「ですなぁ」

 綺麗なオーバースローから放たれるシュートボールが構えたミットに収まる。
 球威、キレ共に問題はない。しかし、MEIKOは浮かない顔を浮かべる。 

「右バッターに有効でも、左バッターに効かないんじゃどうしようもないわね……」
「ですなぁ」

 あの試合、先頭バッターのヒィッツカラルドにぶつけて以降。
 全員が『左打席』に立たれてしまったのだ。
 これでは文字通り必殺の『MEIKOシュート』をバッターにぶつけることが出来ない。

(あくまでも自然を装うのは難しいわね)

 ストレートを普通にぶつければ退場になる。
 そこでデュークと一緒に新たな球種を覚えることにした。
 理想はストライクを取って、相手にぶつける。
 これならばバッターを壊しても退場にはならないのだ。

 それから試行錯誤が数回ほど行われた。
 途中、ラオウ達が来たが、MEIKOは一心不乱にボールを投げ続けた。
 そして―――

「行くわよ、新球……」

 身体を大きく捻る。
 バッターに背中が見えるくらい程度には捻る。

「ぬっ、MEIKOのフォームが変わった!?」
「あれは……横手投げ(サイドスロー)ですか?」

 今までのオーバースローではない。
 ピッチャープレートの右端からホームプレートの左端を狙う。
 所謂、『クロスファイヤー』と呼ばれる類のものである。
 ホームベースの左隅をギリギリでかすめ取るようにボールは通過する。
 そこから左バッターの内角をさらに抉るように急激に曲がる。
 それもほぼストレートと同じ速度を保ったまま、所謂『高速スライダー』。
 それに加えて、アルティメット・アーマーの出力を20%くらい開放して、『黄金の回転』を加えている。
 
 ギュイィィィンというわけのわからない音がバッターボックスにバッターとして見たてられた案山子から響いた。
 そのまま、案山子は錐揉み回転しながら宙に舞い上がり、見るも無残な姿になった。
 
「完成したわ……『MEIKOスライダー』が!」
「姉御の努力が報われましたなぁ」
(今、一瞬ボールが消えたような気がしたんですが気のせいでしょう)

 右打者には『MEIKOシュート』。
 左打者には『MEIKOスライダー』。
 もはやケンカ投法ではない、殺人投法のレベルまで昇華させた瞬間であった。

171練習って大事だからね:2013/11/18(月) 21:13:56 ID:JWQqrEbo0

<グラウンドにて>

「センター、行くぞ!」

 クロえもんがバットでボールを打つ。
 所謂、守備練習(ノック)という奴である。

「遅すぎるぞ」

 それを平等院さんは難なくキャッチする。
 サーブの速度が時速200km/h以上超えるのだ。
 そして、テニスボールで人体が飛び、テニスボールで壁がぶっ壊れる世界の住人なのだ。
 ただの外野フライなど取れて当然なのだ。
 
「次、レフト!」

 ボールはレフトに向かって飛んでいったが、プニキは全く動かない。
 プニキは守備などする気はないのだ。だって、打撃が化け物なのだから。

「よっと」

 背面キャッチした、ショートを守っていたムネリンが。
 そう、所謂、『ショフト』というポジション取りである。
 レフト前ならムネリン。左中間よりなら平等院さんがカバーするシフトをとっているのだ。
 こうしなければ、外野にボールが飛んだ時に危険なのだ。
 もっとも内野は経験者が多いのであまり抜けないのだ。

「次はライト……イチロー選手!?」

 次にクロえもんがライトに打とうとした時であった。
 まるでそこに一流の野球選手がいたような感覚に陥った。
 
 クロえもんが見ているのは川崎が持っているイチロー選手のイメージだ。
 一流のスポーツ選手ならばイメージトレーニングのイメージを共有できるのだ。
 これがイチローさんへの愛が抑えきれない男の本気である。
 ……もっとも今、ライトには誰もいないのである。

「……ふっ、いいイメージだ」
「櫂さん、焼きそばをどうぞ」
「……ッ、これは……いいソースを使っている」

 その様子を一人のヴァンガードと一人の少女が焼きそばを食べながら見ていた。

<スタンドにて>

「奴らもリンクジョーカーの糧に……」
「櫂さん。さっきからリンクジョーカーってなんですか?」
「イメージしろ!」

 シャロは不安だった。
 同行者、櫂トシキの様子が明らかに変なのだ
 なんというか何かとりつかれたような表情をしている。
 そんな時であった。 

「お前らは強いのか?」
「ん? ネットバトルなら負ける気はしないけど?」
「一理ある」
「このディオにネットバトルを挑むなど、このマヌケがぁッ!」
「あのう……皆さんはもう少し人の話を聞いた方が……」

 常識を投げ捨てた光熱斗一行だ。
 彼らは一先ずの目的、『シンクロチップ』をチップトレーダーで手に入れ。
 首輪解除方法を捜索しているときにここ明治神宮球場に立ち寄ったのだ。

「貴様はレン……!?」
「いえ、違いますけど……?」
「どうでもいい、俺とファイトしろ……!」
(絶対どうでもいいことじゃないような)
「イメージしろ……! お前が俺に無様に負ける姿を……!」

 知り合いの声が似ている男。
 その男―――上条にヴァンガードファイトを挑みにかかる。
 というか、問答無用でヴァンガ魔法を放ったが……

「そのイメージは間違ってる、イリュージョン、幻想だ!」
「それ、私の中の人のセリフです〜」

 飛んできたヴァンガ魔法を右腕の幻想殺しで無効化して接近する。
 まるで忍者のような動きで素早く、迅速に。
 学園都市最強の能力者と戦えるのだから上条さんにとっては造作もないことである。

「―――まずはそのふざけた幻想をぶち殺す、目を覚ませッ!!」
「なっ!?」
 
 上条さんの右腕で、櫂を思いっきりぶん殴った。
 所謂、上条さんの男女平等パンチである。
 パリン――という、ガラスが割れるような音がした。
 櫂の体は数メートルほど吹っ飛んだ。

「……俺は今まで一体何を……?」

 櫂トシキは正気に戻った。
 リバースの呪縛を、ぶち殺したのだから。

「そこの者達、何をしておるッ!!」

 そこでラオウに声を掛けられた。

172練習って大事だからね:2013/11/18(月) 21:14:19 ID:JWQqrEbo0

<再びグラウンド>


「ほう、貴様もまた野田とやらを倒すために……」
「うん! おじさんたちは?」
「おじさんではない、我が名はラオウ……! この世から野田を屠るものだ!」
「へぇ」

 こうして、光熱斗とラオウが出会ってしまった。
 そして、互いに情報交換した。

「つまり、東京にはいないだね」
「うむ、そのようだな!」
「では、どうするのだ、熱斗ッ!!」
「……俺がネットバトルで野田総理を引きつける、その間に熱斗とラオじさんたちが野球勝負を仕掛ければいいんじゃないかな?」
「デカオ!!」
「それだッ!」
「多数決を取るわ! 賛成のものは手を上げなさい、上げなかったらものは殺す!」

 満場一致で手が上がった。
 こうして行動方針が決定したのだ。

『熱斗君、本格的にいみがわからないよ』
「一理あるが、めんどいので流れに身を任せる」
「では、ならばここにはもう用はない、東京を出るぞ!」
「そうですね」
「いい判断だな」
「イチローさんは主催を倒してからでも遅くないですね(マジキチスマイル)」
「ハチミツがあれば、構わない」
「まあ、この首輪邪魔だしね」
「人事を尽くした甲斐があったのだよ」
「一理ある」
「ですなぁ」
「づら」

 こうして、拳王軍&光熱斗一行は日本最恐の辺境地『四国』を目指すことになったのだ。
 四国には恐らく熱斗の父・祐一郎がいるはず、そこで彼に首輪を外して、主催の居場所を発見すればコールドゲームである。
 そして、総勢新たに加わった仲間と共に電車ごっこロープで電車を編成し、彼らは駆け出した。

【一日目・17時00分/日本・東京都・明治神宮野球場】
【MEIKO@VOCALOID】
【状態】健康
【装備】アルティメットアーマー@ロックマンXシリーズ
【道具】支給品一式、ノートパソコン@現実
【思考】
基本:殺し合いに乗った者達を殺す
 1:ラオウ達に協力してもらう
※今までとは別人です。
※『黄金の回転』を習得しました

【琴吹紬@けいおん!】
【状態】精神的にぶっ飛んでる
【装備】核ミサイル、キーボード、現金1兆円ほどが入った特注ジュラルミンケース
【道具】支給品一式、たくあん@現実、その他不明
【思考】
基本:生き残ることを最優先
1:拳王とやらの配下になる
※今までとは別人に決まってんだろ!!いい加減にしろ!!

【ラオウ@北斗の拳】
【状態】健康
【装備】炭酸水
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】
基本:野田総理を倒す
0:主催者チームを全員屠る
1:そして、拳王が新たな時代を作る
2:死兆星から使者の小娘を配下にしたぞ!
3:トキ似の男を配下にしたぞ!
4:強そうな鎧の女を配下にしたぞ!
5:謎の黒猫たちを配下にしたぞ!
6:なんかいろいろ配下にしたぞ!

【平等院鳳凰@新テニスの王子様】
【状態】健康
【装備】テニスラケット、テニスボール×∞、諭吉一枚
【道具】支給品一式、少年ジャンプとヤンジャン、その他不明
【思考】基本:主催者達を滅ぼす
1;マーダーも滅ぼす
2:ラオウたちと行動する
3:テニスがしたいが、野球をする

【プニキ@くまのプ○さんのホームランダービー】
【状態】健康、全ステータスMAX
【装備】木の棒
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】基本:ムギさんからハチミツを貰うために野田を野球で潰す
1;ホームランを打つ

173練習って大事だからね:2013/11/18(月) 21:14:50 ID:JWQqrEbo0

【川崎宗則@現実?】
【状態】健康
【装備】バット、ボール、グラブ
【道具】支給品一式
【思考】基本:イチローを倒してでも、マリナーズに連れ戻す
1:戦力を集める

【クロえもん@ドラベース ドラえもん超野球外伝】
【状態】健康
【装備】バット、ボール、グラブ
【道具】支給品一式 電車ごっこロープ
【思考】基本:野田総理に野球で挑んで勝つ!
0:矢部君の意志を継ぎ、殺し合いを打破する
1:最低でも四国アイランドリーグが出来るくらいの仲間を集める
2:イチロー選手を仲間に引き入れたい

【殿馬一人@ドカベンシリーズ】
【状態】健康
【装備】バット、ボール、グラブ
【道具】支給品一式、グランドピアノ@現実
【思考】基本:生き残る
1:イチローと合流したい

【デューク渡邊@新テニスの王子様】
【状態】健康
【装備】テニスラケット、テニスボール×∞、キャッチャー用具一式
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】基本:お頭(平等院)たちについていく
1;デュークホームランを打つ

【緑間真太郎@黒子のバスケ】
【状態】冷静
【装備】ハンマーブロスの無限ハンマー@マリオシリーズ
【道具】支給品一式、ホワイトボードとサインペン
【思考】
0:赤司に勝つ
1:野球をするのだよ

【光熱斗@ロックマンエグゼ】
【状態】健康、激しい怒り
【装備】自分のPET(ロックマン入り)
【道具】支給品一式×2、大山デカオ@ロックマンエグゼ、大山デカオ@ロックマンエグゼ2
    デカオ(ロックマンエグゼ3)が作ったおべんとう、チップトレーダー@ロックマンエグゼ、
    大量のガッツマンのチップとバグのかけら、ガンデルソル3(実物)ネオバリアブル(実物)
    大山デカオ@ロックマンエグゼ3(BLACK版)、大量の金、シンクロチップ、他不明
【思考】基本:野田総理にネットバトルを挑んで勝つ!
1:プリズムとフォレストボムのチップを探す
2:その為に色んな人にネットバトルを挑む
3:上条(ジョジョ)さんとディおじさんの決着をつけさせる
4:パパが心配

【ロックマン@ロックマンエグゼ】
【状態】HP満タン
【装備】ロックバスター
【道具】なし
【思考】基本;熱斗をサポートする
1:野田総理がネットバトルを受けてくれるか、心配。
※PETの中にいます


【シグナム@リリカルなのはシリーズ】
【状態】健康、自称フリーター
【装備】レヴァンティン
【道具】支給品一式、PET(カーネル入り) 、SPW財団以上の資金とか多数のレアチップ、シンクロチップ
【思考】基本:働かなくて済むように動く
1:二人についてくる
2:野田は倒す
3:上条(ジョジョ)か……一理ある
※今までとは別人ですが記憶を受け継いでいます
※PSP版の技は使えませんが、念能力が使えます。

【カーネル@ロックマンエグゼ】
【状態】HP満タン
【装備】カーネルのブレード
【道具】なし
【思考】基本;ロワの破壊
1:今は(仕方ないので)シグナムに従う
※PETの中にいます

174練習って大事だからね:2013/11/18(月) 21:15:16 ID:JWQqrEbo0

【上条当麻@とある魔術の禁書目録】
【状態】健康、不幸
【装備】PET(シャドーマン入り)
【道具】エスパー伊東@現実、シンクロチップ
【思考】
基本:

                    いいぜ ヘ(^o^)ヘ
                            |∧
                            /
                野田総理が
             何でも思い通りに
             出来るってなら
                 /
             (^o^)/
           /( )
          / / >

      (^o^) 三
      (\\ 三
      < \ 三
..\
(/o^)
( / まずは
/く そのふざけた
   幻想(ロワ)をぶち殺す


【シャドーマン@ロックマンエグゼ】
【状態】HP満タン
【装備】ムラマサ
【道具】なし
【思考】基本:上条に従う
1:敵は殺す、慈悲はない
※PETの中にいます

【ディオ・ブランドー@ジョジョの奇妙な冒険】
【状態】疲労、全身にダメージ
【装備】PSP(デューオ入り)
【道具】支給品一式×3、シンクロチップ
【思考】基本:ネットバトルを極める
0:主催を倒すのはラオウではない、このディオだッ!
1:ジョースター家を手に入れる
2:ジョジョより優越感を得る
3:熱斗達にネットバトルを挑むのは後回しだ!
4:シンクロチップを手に入れ、デューオとクロスフュージョンする。

【デューオ@ロックマンエグゼ4】
【状態】HP満タン
【装備】ジャスティスワン、ザ・ワールド
【道具】なし
【思考】基本;とりあえず、ディオを見守る
1:カオスロワでもそれは無理そう。
※PSPの中にいます

【櫂トシキ@カードファイト!! ヴァンガード】
【状態】ヴァンガ脳
【装備】自分のデッキ、やきそば
【道具】支給品一式
【思考】
1:強いファイターと戦う
2:上条達についていく

【シャーロック・シェリンフォード@探偵オペラ ミルキィホームズ】
【状態】謎ミルキィ
【装備】かまぼこ、自分のデッキ(「ロイヤルパラディン」デッキ)
【道具】支給品一式
【思考】
1:櫂に着いて行く

175遺跡に突入だ:2013/11/19(火) 00:40:42 ID:5US4Z8360
長い激闘が今終わりを迎えようとした
ミラボレアスはタフであった、あの怪物たち相手にこれほどまでにもったのである
だがそれも限界であった

「よくもまあ、これだけ耐えたものですねですがそろそろ終わりにしましょう」

そう言って赤屍蔵人がメスを頭部に投げつけあて
アーカードが対化物戦闘用13mm拳銃「ジャッカル」を撃ちこみ足部分にあて転倒させる
そして最後にネウロの魔界777ツ能力の花と悪夢《イビルラベンダー》を使用
転倒したミラボレアスに強力な一撃を叩き込んだ
そしてその一撃によりミラボレアスは完全に沈黙した

【ミラボレアス@モンスターハンターシリーズ 死亡確認】

「なかなか、手こずらせてくれたな」
「とはいえ、障害は倒したのだ早く行くぞ」

そう言って彼らはミラボレアスの死体を一瞥し遺跡の入り口へと向かう
そしてそこから遺跡に入っていくだろう

【一日目・17時00分/日本・グンマー遺跡入り口】

【脳噛ネウロ@魔人探偵脳噛ネウロ 】
【状態】健康
【装備】魔界777ツ能力@魔人探偵脳噛ネウロ  グンマーの地図
【道具】支給品一式 缶詰×25 テント
【思考】基本:さあ探索だ
1:遺跡内部はどうなっているのだろうな

【アーカード@HELLSING】
【状態】健康
【装備】対化物戦闘用13mm拳銃「ジャッカル」×2@HELLSING
【道具】支給品一式 缶詰×25 テント
【思考】基本:グンマーを探索する
1:ネウロについていくか

【赤屍蔵人@GetBackers-奪還屋-】
【状態】健康
【装備】メス
【道具】支給品一式 缶詰×25 テント
【思考】基本:グンマーを探索する
1:ネウロについていく

※彼らの首輪は一時停止しているようです

176マギカ新喜劇:2013/11/19(火) 18:30:40 ID:ikWVAcMk0
1人の魔法少女、1人の魔法オバハン、そして1匹の淫獣は運命に導かれて滋賀までやってきていた。
最後の登場が3時30分ごろだから、これぐらい移動していても問題ないのだ。マジで。
さて、このおかしな一団が現在いる場所は……ショッピングモールのようだ。
しかし、人はこの2人と1匹しかおらず店もほとんど開いていない。
それもそのはず。ここはだめショッピングモールで有名なピエリ守山。
先頃、どこぞがここを買い取ったという情報があったようだがまだ改装は始まってないようだ。

「……お買い物でもしようと思ったけど、ここってスーパーがないのね」
眼鏡の主婦、野比玉子が腕組みをした。
「……だから言ったんだがな。ここにはないと」
黒髪ロングのJK、黒神めだかはため息をつき、言った。
「確か、近くに平和堂があった気がするぞ」
「あらそう。じゃあ、長居は無用ね。いきましょ。
この時間だと割引シールが貼られだしていそうだし」
と、この場を去ろうとしたその時だった。

「チーチッチ、おっぱーい、ボインボイーン」

いきなり奇天烈な歌が聞こえてきたものだから、2人と1匹はコケそうになった。

「何だ、この変な歌は。頭痛がしてきたぞ」
「……かかわらない方が身のためだな」
「そうだね」
そうして、3人が出口に向けて歩き出そうとすると。

「いやぁ、なんやのぉ!?」
……どうやら、まだ人が1人いたようだ。
その声の主は……女性だ。
その女性に向かって蒼いショートヘアの女子高生がつかつかと歩み寄る。

「チーチッチ、おっぱーい……」

その珍妙な歌を口ずさみながら。
そう、情報統合思念体によって造られた対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェースで、
簡単に言えば宇宙人にしてチチもぎニストの長門有希ちゃんである。
しかし、ついさっきまで栃木にいたというのに今は滋賀県にいる。神出鬼没とはまさにこのことだろう。
まあそれはさておき。長門はみょうちきりんな歌とともにくだんの女性の胸をもがんとしていた。

177マギカ新喜劇:2013/11/19(火) 18:31:42 ID:ikWVAcMk0
「あ」
気付かれた。
「いい胸が近くにある……」
その目線は明らかに玉子達に向けられている。
「まあ、これは後にして今は……」
と、すぐに背を向け長門はすっかり腰を抜かした女性の方へと歩みを進めた。
「いやー!やめてよしてよらないで!ビビデバビデブー!」

「このままじゃ、私達とあの女性(ひと)の危険が危ないわ……」
「玉子、二重表現になってるぞ。それはさておき、変身だ」

と、2人がソウルジェムを掲げようとした時……

「待て待て待て!!!!」

突如女性がぶち切れて、そしていいタイミングで胸をガシモとつかんだ長門を払い落した。

「同性だからってなれなれしく人のBODYに触るんやないわあああああああああああ!」
長門の腹の上でストンプを繰り返す、女性。
「ぐえ」
長門はうめいた。
その後も、女性は長門を殴り蹴り投げ飛ばし噛みつき首を絞め暴力の限りを尽くした。
「お前の頭、スコーンと割って脳みそちゅーちゅー吸うたろけ!!!ゴルアアアアアアア!」
先ほどのしおらしい態度から一変、ものすごい豹変っぷりだ。
「コンワレエエエエエエエエエエエエエエエエエ!」
そして、長門の体をチューチューアイスよろしく中央からポキリと割った。
ドズサッ……。あわれ、返り討ちにあった長門は廃墟ショッピングモールでその命を散らすことになった。

【長門有希@涼宮ハルヒの憂鬱 死亡確認】 
死因:虐殺

こんな感じの虐殺ショーを見つめる、キョトンな魔法少女の一団。
「はっ……!」
その視線に気づいたのか、即我に返る女性。……そして。
「怖かったーん☆」
可愛くふるまった。

「「「ぎゃふん!!!」」」
この女性のキャラ激変っぷりに……
玉子は両脚を天井高く投げ出し、
めだかは両脚をガニ股にし、これまた天井高く放り投げ、
キュゥべえは身体をまっすぐにのばして頭から豪快にダイブし、足を軽くひん曲げる
と、それぞれ違う体制で、こけた。


ホワワワッワワホワワワッワワホワワワッワワッワッ、ワ♪

178マギカ新喜劇:2013/11/19(火) 18:32:01 ID:ikWVAcMk0
【一日目・17時01分/日本滋賀県・ピエリ守山】


【キュゥべえ@魔法少女まどか☆マギカ】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式
【思考】
基本:女性参加者全員を魔法少女にする。
1:ぎゃふん
2:必ず鹿目まどかとも契約してみせる。

【野比玉子@ドラえもん】
【状態】健康
【装備】買い物かご、サンダル、ソウルジェム@魔法少女まどか☆マギカ(穢れ無し)
【道具】支給品一式
【思考】
基本:野比家の面々に夕食を作る
1:ぎゃふん
2:スーパーに行かなきゃ。

【黒神めだか@めだかボックス】
【状態】健康
【装備】箱庭学園の制服(めだか仕様)、ソウルジェム@魔法少女まどか☆マギカ(穢れ無し)
【道具】支給品一式
【思考】
基本:バトルロワイアルを叩き潰す!!
1:ぎゃふん
2::善吉……


【未知やすえ@吉本新喜劇】
【状態】健康、返り血たっぷり。
【装備】私服
【道具】支給品一式
【思考】
基本:新喜劇メンバーとの再会。
1:怖かったーん☆

〜おまけ〜

「そこのお嬢さん!僕と契約して魔法少女になってよ!」

「……見境ないわね」
「まったくだ」

179混沌な名無しさん:2013/11/19(火) 18:50:55 ID:Ohw9UGEI0
まーたずっこけの人かよ

180ugoku:2013/11/20(水) 02:42:53 ID:BTGdmv.Q0
 デウスエクスマキナは、ヒトマキナのナノマシン技術の応用で九州ロボの欠陥を治していた。
本拠地へ侵入した者の存在にはとっくに気づいては居た彼だが、五大幹部の命令により九州ロボの修理を最優先していたのだ。
そんな彼だが、一か所での作業を終えて次の区画へ移動している間に裏切った部下の事を考えていた。

(千石うぐいす……“アレ”を見てしまったのなら裏切ってもおかしくは無いか……)

 千石うぐいすは、特務機関の隊員であり、本来なら首相官邸を警備するはずだった。
しかし、彼は首相官邸にあったホームシアターを勝手に使った結果とある映像を見てしまい、主催を裏切って一億円を盗んで逃走したのだった。
その映像とは、主催に協力する者への人質や見返りとして主催の用意したシェルターに匿われた人々が、そのシェルターに仕込まれた毒ガスによって虐殺されるというものだった。
これはカオスロワ開始前に野田総理が独断で行ったものであり、この事は主催側でもごく一部の人間しか知らない事であり、うぐいすが見た映像も後任の新城が来る前に抹消された。

(やはり、野田総理は生かしておくべきではない……だが、まだその時ではない……か……)

 形はどうあれ人類を生かす事が目的のデウスにとって、野田総理による想像を生む機会を与える事すらない無意味な虐殺は許しがたい行いである。
すぐにでも殺しておきたいところではあったが、それは五大幹部に止められていた。
しかし、それでもデウスが主催を裏切ってはいなかった。
何故なら、野田総理が手に負えなくなったり計画の邪魔となった時点で彼を殺害して主催の座を奪うという五大幹部の計画に協力しているからだった。
ちなみに、デウス以外にも、美国織莉子や大尉、死んだ黒やクルル曹長等と、五大幹部に信頼された者達がこの計画に協力していたりする。

(ひとまずは、自分のやるべき事をするだけだ)

 そして、次の区画での作業に移るデウス。
実はこの九州ロボの修理、五大幹部による野田総理への反逆計画にも係わっていたりする。
九州ロボを五大幹部の一人であるココ・ヘクマティアルをファクターとしたマキナへと改造し、野田総理から主催本拠地を奪うのが目的だ。
また、これ以外にも様々な所で計画の準備がこっそりと進められていたりする。
そう、参加者の見えないところで、主催に大きな変化が訪れようとしているのだ。


【一日目・17時05分/九州ロボ(日本海を飛行中)・福岡県】

【デウスエクスマキナ@スーパーロボット大戦UX】
【状態】普通、身長2.3mになるまでスモールライトで縮んだ
【装備】デウスの斬馬刀@スーパーロボット大戦UX
【道具】支給品一式、スモールライト
【思考】
基本:人類絶滅及び人類の想像力喪失の阻止
1:命令に従う
2:殺し合いによって人類の想像力喪失を阻止する
3:九州ロボの欠陥を治しつつ、ココをファクターとしたマキナへと改造する。
4:野田総理へ非常に強い不信感

【蓮乃@皇国の守護者 カオスロワ開始前に死亡していたのを確認】
【主催に協力する者への人質や見返りとして匿われていた人々@色々 カオスロワ開始前に死亡していたのを確認】
死因:毒ガス
※参加者じゃないので死亡者リストに載らないし、放送で呼ばれることもありません。

181混沌な名無しさん:2013/11/20(水) 02:44:39 ID:BTGdmv.Q0
ごめん、タイトルをミスった。
タイトルは「機械仕掛けの神は想像する」でお願いします

182混沌な名無しさん:2013/11/20(水) 10:15:12 ID:YOmXE..AO
「ハーッハッハッハッハ」

そんな笑い声が聞こえてきたのでキュゥべえの勧誘を受けていたやすえが背後に振り向くと、そこには黄金バットがいた。
そして、やすえが動く前に黄金バットがやすえを殴り飛ばした。
やすえは首があり得ない方向に曲がった為、死んだ。

「素質が低かったけどせっかく契約してくれそうだったのに」
「あれが使い魔かしら?」
「解らないが、とりあえず倒さないと」

【一日目・17時05分/滋賀県・ピエリ守山】

【キュゥべえ@魔法少女まどか☆マギカ】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式
【思考】
基本:女性参加者全員を魔法少女にする。
1:必ず鹿目まどかとも契約してみせる。2:素質が低かったとはいえ契約してくれそうだったのにな

【野比玉子@ドラえもん】
【状態】健康
【装備】買い物かご、サンダル、ソウルジェム@魔法少女まどか☆マギカ(穢れ無し)
【道具】支給品一式
【思考】
基本:野比家の面々に夕食を作る
1:これが使い魔?
2:スーパーに行かなきゃ。

【黒神めだか@めだかボックス】
【状態】健康
【装備】箱庭学園の制服(めだか仕様)、ソウルジェム@魔法少女まどか☆マギカ(穢れ無し)
【道具】支給品一式
【思考】
基本:バトルロワイアルを叩き潰す!!
1:目の前のマーダーを倒す
2:善吉……

【黄金バット@黄金バット】
【状態】健康
【装備】タケコプター@ドラえもん
【道具】支給品一式
【思考】
基本:殺し合いに乗る
1:ハーッハッハッハッハ

【未知やすえ@吉本新喜劇 死亡確認】

183時を止める男:2013/11/21(木) 22:20:15 ID:dTCm/yf60
醜い顔をした男が、一人地べたに座り込んで何かを考えていた。
その姿は明らかに人間ではなかった。

(あれはサイヤ人だよな…。フリーザ様がベジータ達以外を全滅させたはずだが…)

彼、グルドが考えているのは放送に出てきたバーダックの事。
絶滅したはずの種族の男が生きていて、野田総理に従っている。
これはどうゆうことなのだろうか

「ま、考えても仕方がねえか」

よっこいしょと立ち上がり、笑みを浮かべる。
その視線の先には今も歌声が響くライブハウスがあった。

「へへへ、いつもどおり暴れさせてもらうぜ」

彼にとっては、殺し殺されなどいつもの事。
深く考えもせず、彼は殺し合いに乗ることにした。


【一日目・17時00分/日本・大阪・ライブハウスの傍】
【グルド@ドラゴンボール】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式、不明支給品、
【思考】
基本:殺し合いに乗る
 1:ライブハウスを襲撃する

184地獄の太陽:2013/11/23(土) 12:27:22 ID:x8ozE1As0

「ふむ、ここは……」
「怪しいな」
「そのようね」
「…………」

 偶然にも、長野県の避暑地にて怪しげな研究室みたいな小屋を発見した光太郎たち。
 見るからに怪しく、絶対中に何かありそうな雰囲気を醸し出している。

「二手に分かれるぞ」
「そうね、私は中に行くわ」
「では、光太郎と空は外に残ってくれ」
「分かった」
 
 光太郎と空は外で見張りをすることになり……
 皇帝と響子は小屋に突入することになった。
 
 ☆彡

「なにこれ?」
「スイッチであろう」
「それは見ればわかるわ」

 二人が中に入ると、そこには……
 『円谷光彦の家が爆発するスイッチ』。
 『円谷光彦の身体を浮かせるスイッチ』。
 『円谷光彦の身体が分裂するスイッチ』他色々あった。

「とりあえず、押してみるか……」
「なんでよ!?」
「響子よ、男は度胸という言葉があってだな、やってみないと分からないということがあってだな(カチカチカチカチ……)」

 皇帝は適当にスイッチを連打する。
 しかし、特になにも起こらない。
 
「……なにも起こらないわね」
「言ったろ?(カチカチカチカチ……)」
「何時まで押しているの?」
「無論、私が飽きるまで、だ(カチカチカチカチ……)」
「……………」

 他にもいろいろなスイッチがあったので適当に押しまくる皇帝。
 それをスルーして、響子は調べごとを進めていく。

「……これは……?」
「どうしたのだ?(カチカチカチカチ……)」
「さっきからカチカチカチカチ……うるさいわ」

 響子はとりあえず皇帝の持っていた全てのスイッチを回収した。
 そこから、本題に切り出す。

「この写真に写っている白髪の爺とメガネのイケメンは誰だ?」
「私が知っているわけないじゃない……でも、何かの計画の責任者みたいね」
「プロジェクト・反カオス計画……? プロジェクトと計画がかぶってるではないか」
「何やら計画書みたいね……九州をカタパルトにして……」
「ほう……さっぱり意味がわからんぞ」
「同感ね」

 ☆彡

185地獄の太陽:2013/11/23(土) 12:27:56 ID:x8ozE1As0
 
「皇帝たち、大丈夫かな……」
「……大丈夫じゃないかな……」

 二人で周囲を警戒しながら、響子たちが戻ってくるのを待つ。
 そんな時であった。
 一人の男が二人に近づいてきた。
 右腕の袖がない黒いロングコートに何か金属の装飾品を沢山付けた男。
 ブーツの踵に付けた金属から変な音が響く。
 
 男の名は矢車想。
 矢車は一歩また一歩と二人に近づいていく。
 そして……

「俺は矢車……お前ら、俺の弟と妹になれ……」
「なに……?」
「……?」
「お前らの目から地獄の闇を感じる……大切なものを失ったんだろ?」

 シャドームーン……いや、かつての親友・秋月信彦を失った光太郎。
 そして、先ほど自分の飼い主を失った空。
 その瞳に矢車は地獄を見たのだった。

「俺は……」
「貴様、何者だ?」
「怪しい人ね……」

 捜索を終え、二人が戻ってきた。
 沢山の資料を抱えて……

「仲間がいたのか……いいよなぁ、お前らは悲しでくれる仲間がいて……どうせ俺なんか……」
「なんだこのやさぐれた男は?」
「矢車さんです」
「ふむ、矢車とやら……貴様は殺し合いに乗っているのか?」
「俺みたいな奴が、殺し合いに乗るわけ無いだろ……?」
「……そうか(この男、地獄を見た眼をしているな)」
 
 一先ず、矢車は光太郎たちに同行することにした。
 特に危害を与えるつもりはないが、特に何もしない。
 ただ見極めるためだけについていくのだ。

186地獄の太陽:2013/11/23(土) 12:28:31 ID:x8ozE1As0

【一日目・16時30分/日本・長野・阿笠博士の別荘】


【南光太郎@仮面ライダーBLACK】
【状態】健康
【装備】キングストーン、パーフェクトゼクター@仮面ライダーカブト
【道具】支給品一式、カラオケマイク
【思考】
基本:この殺し合い、ゴルゴムの仕業だ!
1:クライシス皇帝と空、響子と共に行動する
2:あの少女(歌愛ユキ)を追う
※RXに進化しました。ロボライダーとバイオライダーにはまだなれません。


【クライシス皇帝@仮面ライダーBLACKRX】
【状態】健康
【装備】サタンサーベル オーガギア@仮面ライダー555
【道具】基本支給品一式
【思考】基本:光太郎とともに主催者とゴルゴムを潰す
1:戦力を集めて、『ネオ・クライシス帝国』を建国する
2;一先ず、地球人類抹殺は置いておく。(総理を潰したら取り掛かる)
3:矢車から地獄の匂いがする
4:カラオケマイクを取り戻す
※参戦時期は仮面BLACKRX本編開始前です。


【霊烏路空@東方Project】
【状態】悲しみ
【装備】制御棒
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】基本:???
1:光太郎たちについていく
2:矢車の妹になる……?


【霧切響子@ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生】
【状態】健康、ロリ切さん
【装備】様々な資料
【道具】支給品一式、沢山の光彦関連のスイッチ、その他不明
【思考】
基本:殺し合いの打開
0:殺し合いについて調べる
1:苗木くんに会いたい

【矢車想@仮面ライダーカブト】
【状態】やさぐれ
【装備】ライダーベルト&ホッパーゼクター@仮面ライダーカブト
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】
1:光太郎、空を地獄兄弟の弟、妹にする
2:上記のために、光太郎たちについていく。(率先して戦うつもりはない)


 一方、その頃、元太は……

「光彦の遺体を入れたデイバックが浮き上がった!?」

 友の亡骸をデイバックに入れてたらなんか浮いた。
 デイバックの中に入れた光彦の遺体が100体くらいに増えて上昇しているから、しゃーない。

【一日目・16時30分/日本・福井県上空(まだ大気圏内)】
【小嶋元太@名探偵コナン】
【状態】固い決意
【装備】ガンダムX@機動新世紀ガンダムX
【道具】支給品一式、光彦の遺体×100(上昇&増殖&発光&爆発&石化&発電&灰化他色々起こっている)、その他不明
【思考】
基本:主催者を潰す
1:コナンと博士と光彦の仇をとる

187魔法少女とマスコット:2013/11/23(土) 17:16:06 ID:e12PDEhg0
「そういう事やったんか……」

 ケルベロスはほむらの事情を一通り聞いていた。

「とりあえず、そうやって参加者殺していってもその間にまどかって子が殺されたら意味無いで」
「うぅ……」

 痛い所を突かれておもわず呻くほむら。
落ち着いて考えてみれば、自分の考えが浅すぎた事に気づいていた為、ダメージが大きかった。

「とりあえず、互いに知り合いを探さへん?武器が多い内に動いたほうがいいんとちゃう?」

 ほむらの盾の中には爆弾以外にも、ベレッタM92、レミントンM870、ミニミM249、M16クレイモア、L16 81mm迫撃砲、M84 閃光手榴弾、88式地対艦誘導弾、長ドス、ゴルフクラブといった銃火器+αがあった。
中には弾数が心もとないものや対人戦ではあまり使えそうにないものもあるが、強力な敵が来なければ十分だと考えられた。
ちなみに、デイパックには基本支給品一式以外の物は入っておらず、これらの武器は能力扱いであると同時に支給品扱いでもあったようだ。

「それもそうね。余裕がある内に動いておきたいわ」
「決まりやな。とりあえず、あのライブハウスとかどうや?人が集まってそうやし」

 こうして二人?はライブハウスへと足を進めた。

【一日目・17時10分/日本・大阪】

【暁美ほむら@魔法少女まどか☆マギカ】
【状態】健康
【装備】ソウルジェム@魔法少女まどか☆マギカ(ほぼ穢れ無し)
【道具】支給品一式、ベレッタM92(残弾100)、レミントンM870(残弾20)、ミニミM249(残弾50)、M16クレイモア×10、L16 81mm迫撃砲×5、M84 閃光手榴弾×20、88式地対艦誘導弾、爆弾(ロワ開始後に自身で作成したもの)、長ドス、ゴルフクラブ
【思考】基本:まどかを守る
1:待っててまどか……
2:無事よねまどか……?

【ケルベロス(小)@カードキャプターさくら】
【状態】健康
【装備】無し
【道具】支給品一式
【思考】基本:桜を探す
1:ほむらと一緒にまどかって子も探す

188おいしいラーメン:2013/11/26(火) 13:09:06 ID:qZZa3.16O
「おねえさん、ひとってらあめんにするとよりおいしいね」
「それだけじゃないぞ、今度の獲物は私の見立て通り何らかの力で肉が変質していたらしく闇耐性がつくぞ」
「やみたいせーってそんなにすごいの?」
「聖耐性がついたかわりに、闇属性が弱点になっていた可能性があったからな。都庁に行く前に見つかって良かった」
「じゃあ、すぐにとちょうにいく?」
「いや、都庁に強敵がいるかもしれん。焦らずに耐性の得られそうな獲物を探しつつ向かうぞ」

【一日目・17時10分/日本・東京都のとあるラーメン屋】

【風鳴翼@戦姫絶唱シンフォギア】
【状態】空腹、炎耐性(強)、きゅんっバンパイア化、聖耐性(強)、四条化、闇耐性(弱)
【装備】シンフォギア・天羽々斬@戦姫絶唱シンフォギア
【道具】支給品一式
【思考】
基本:四条貴音の意思を継ぎ、空腹を満たす
1:食べられればなんでも良いが、特にらぁめんを食べたい
2:貴音の失敗を鑑みて、より多くの耐性が得られそうなものを優先して食す
3:ペットとしてぼのぼのは連れて行く
4:立花たちが今の私を見たらどう思うか……
※四条貴音の細胞に肉体を侵食されたため、四条化し貴音の能力と一部の記憶を受け継ぎました
※テラカオス化の進行度合いも受け継がれています

【ぼのぼの@ぼのぼの】
【状態】空腹、炎耐性(強)、きゅんっバンパイア化、聖耐性(強)、四条化、闇耐性(弱)
【装備】ウィンチェスターM1912
【道具】支給品一式、ヒョウヘンダケ@ぼのぼの×10
【思考】
1:おなかすいたなあ
2:「ころしあい」っていうのはたべることなんだね!
3:ツバサおねえさんについていく
4:みんなどこにいるのかなぁ
※四条貴音の細胞に肉体を侵食されたため、四条化し貴音の能力と一部の記憶を受け継ぎました
※テラカオス化の進行度合いも受け継がれています

【阿倍高和@くそみそテクニック 死亡確認】
※リバース化した事により食べたら闇耐性を得られるようになっていました。

189コクピットはそんなに広くない:2013/12/01(日) 21:25:40 ID:B4dV86ukO
大気圏から福井県に向かってとあるMSが全速力で墜落していた。
そのMSは友人達の仇を取る事を誓った少年が乗っていた。
しかし、デイパックに積めていた友人の死体が突如増殖し、膨らんだデイパックがコクピットを埋め尽くしてしまっていた。
その結果、機体は操縦不能になり墜落し始めた。
そして今、通りすがりの空飛ぶ巨大戦艦に激突して機体が爆発四散、少年は若い命を散らした。
ついでに、戦艦もMS墜落のダメージで墜落し始めたそうな。

【一日目・17時15分/福井県上空・墜落し始めた戦艦】

【ガーゴイル@ふしぎの海のナディア】
【状態】健康
【装備】仮面
【道具】支給品一式、アニメ7話に登場した銃@ふしぎの海のナディア
【思考】
基本:人間を全員下僕に
1:戦艦の墜落阻止
2:駄目そうなら戦艦からの脱出
3:ブルーウォーターを手に入れる
4:ネモとノーチラス号の抹殺
5:あの殺せんせーが死ぬとは、一体何があった?

【小嶋元太@名探偵コナン 死亡確認】

190母の死:2013/12/03(火) 23:29:38 ID:mLHbEk/g0
放送を聴いた瞬間、高町ヴィヴィオの体がガックリと崩れ落ちた。
彼女の母フェイトの名前が呼ばれてしまったのだ。
そばに居た佐倉杏子は、無言で少女の肩を抱き寄せる。

「…フェイトママ。フェイトママがぁ…」
「…くそっ」

杏子は何も出来なかった自分に無力感を感じながらも、ヴィヴィオを抱きしめ続けていた。


@@@@@@@@@


「…………なのは、ママ」
「…あ?」

泣き続けていたヴィヴィオが、突然顔を上げた。
不思議そうな表情を浮かべる杏子をよそに立ち上がると、駆け出そうとする。

「おいおい、待てって!どうしたんだよ!」
「行かなきゃ………なのはママが!なのはママが死んじゃうかもしれない!」

ヴィヴィオの悲痛な声に、ハッとした表情になる杏子。
フェイトは相当な実力者だったそうだが、放送で名前を呼ばれてしまった。
次に呼ばれるのがなのはではないと言う保証はない。

「分かった。行くぞ!」

杏子は手早く身支度を整えると、ヴィヴィオと共に民家を出た。
二人は知らない。
なのは達が既にホテルを後にしており、主催者の手先と戦っていることに。
二人の少女は求める女性と出会えるのか。それは誰にも分からない。


【一日目・17時10分/日本・千葉県】


【佐倉杏子@魔法少女まどか☆マギカ】
【状態】健康
【装備】ソウルジェム@魔法少女まどか☆マギカ
【道具】基本支給品一式、不明支給品
【思考】
基本:マミの仇を取る為にも、殺し合いを止める。
1:ヴィヴィオとなのはをもう一度引き合わせ、生き残らせる
2;なのはを正気にもどす
3:1,2のためにもまずはホテルに向かう
〔備考〕
※最終回で世界が改変された後からの参戦なので、鹿目まどかの存在を知りません。
※なのははパニックで奇行をしてたのだと思っています


【高町ヴィヴィオ@魔法少女リリカルなのはVivid】
【状態】健康、激しいショック(若干回復) 、フェイトの死に深い悲しみ
【装備】セイクリッドハート@魔法少女リリカルなのはVivid
【道具】基本支給品一式、不明支給品
【思考】
基本:殺し合いには乗らず、みんなを助ける
1:ママ……何で、あんなことを……
2:なのはママに会いたい。そのためにもホテルに向かう
3;フェイトママ……

191悪は蔓延り続ける:2013/12/07(土) 23:51:00 ID:TAf/.3Is0
「セキュリティのセの字も知らずに潜入するとは……とんだ大馬鹿者だなあ」

 主催本拠地の一室で、痺れ薬と死なない程度に薄められた毒を盛られた上に木製の首枷まで嵌められた侵入者を野田総理はそう言いながら嘲笑った。
侵入者の名は山崎烝。彼は、その忍者の如き密偵の技能で本拠地への潜入に成功したものの、最新式のセキュリティの知識が無かったが為にその存在が主催にばれてしまっていた。
そして、マミゾウのように機械すらも欺いて身を隠す術も、ルークやきれいなジャイアンのように強行突破できるほどの戦闘能力も持たない彼はモブ警備員の数に押されてあっさり捕まってしまったのだ。

「ぐぅぅっ……」
「何だその眼は?お前の立場を教えてやる!」

 身体の自由を奪われても睨み付ける事で抵抗する山崎の太ももに、野田が楔を突き刺した。
痛みに苦しみ、悲鳴を上げる山崎。

「お、おのれ……があぁぁっ!」

 口答えする山崎のもう一つの太ももにも野田が楔を突き刺す。
再び悲鳴を上げる山崎と、それを満足げに見つめた上で殴りつける野田。

「ハハハハハハ、これは良い映像が取れるぞ。次の放送で流して私に逆らうとこうなるのだと参加者共に教えてやろう」
「下衆め……ぎゃああああ!」

 野田が、未だに反抗心の消えない山崎の頭を蹴り飛ばす。
無防備な状態で急所を攻撃されて、山崎の意識は途切れ途切れとなった。
そんな山崎に対して、野田は楔を突き刺して止めを刺した。



 別の部屋では五大幹部の内の二人、ジャックとココが野田による拷問の様子をモニターで見ていた。

「ちっ、野田の奴め、調子に乗りやがって……」
「けど、まだその時ではないわ。とはいえ、この様子だと例の計画を実行に移すのも遠くないかもしれないわ」

 五大幹部の中でもバーダックと並んで野田を嫌っているジャックを、たしなめるココ。
最も、既に五大幹部全員が野田に対して大小あれど怒りを抱いているのだが……。

「解っている。しかし、そのライトセーバーという武器は扱いが難しいと聞くが……」
「一応、時間を見つけてベイダー卿に使い方を習っているし、ファクター化による身体強化もあれば護身用としては十分よ」
「それもそうか。早ければ20時、遅くとも今日中には九州ロボのマキナ化が完了するんだ。それまでの辛抱だな」


【一日目・17時20分/九州ロボ(日本海を飛行中)・福岡県】



【一日目・15時30分/主催本部】


【野田総理@現実?】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】なし
【思考】基本:バトルロワイアルを完遂させ、自分の理想の社会を創り上げる
1:ロワを主催する
2:裏切り者の存在については半信半疑
3:最悪の場合、幹部五人を人身御供にして生き残る
4:いい映像が取れたな。
※傀儡の主催者です。本人は気づいていません

【ジャック・O@ARMORED CORE LAST RAVEN】
【状態】リンクスに改造
【装備】フォックスアイ(ネクストに魔改造)@ARMORED CORE
【道具】不明
【思考】
基本:テラカオスを生み出す計画を遂行する
1:計画のために殺し合いを促進させ、計画の邪魔をするものは抹殺する
2:野田め、何時までもそうしてられると思うなよ

【ココ・ヘクマティアル@ヨルムンガンド】
【状態】健康
【装備】ライトセーバー@STAR WARS
【道具】オスプレイ@現実、他不明
【思考】 基本:テラカオスを生み出す計画を遂行する
1:計画のために殺し合いを促進させ、計画の邪魔をするものは撃つ
2:野田総理が邪魔になってきたけど今はまだ我慢しておく
3:キャスパーの死は仕方ない
※ライトセーバーは死んだルークのものを織莉子から受け取りました。

【山崎烝@史実 死亡確認】

192極寒の大地故仕方なし:2013/12/08(日) 11:48:30 ID:hCTims8IO
「気温が急激に下がって……くっ……眠気が…………」

こうして、オーバーフリーズの影響で一人のマーダーが凍死した。
青森県が凍結する程の冷気が発生していたから仕方ないね。

【一日目・17時20分/日本・青森】

【ヤザン・ゲーブル@機動戦士Zガンダム 死亡確認】

193その胸への問いかけ:2013/12/12(木) 23:53:36 ID:S/83oN.I0
――大阪のとある病院。 放送直後。

「四季様が……死んだっていうのかい!?」

治療を終え、旅仲間である影薄たちと同じ病室のベットで眠っていた小町も、二回目の定時放送を聞くことになった。
そこで彼女は、上司である四季映姫・ヤマザナドゥの死を知ったのだ。
さしもの小町もこれにはショックを受けていた。
影薄たちも彼女にかける言葉が見つからず、病室の空気は重いものになっていた。
しばらくしてから、彼女はベットから起き上がり一言だけ言って、病室から出ていこうとする。

「こまっちゃん……」
「小野塚さん……」

急に立ち上がった小町に黒子と日之影が呼び止めようとしたが、彼女は仲間たちと視線を合わせようとせず、背を向けたまま一言だけいって病室から出ていった。

「悪い、ちょっと一人にさせてくれ」


 ― ― ―

――同時刻、小町たちのいる大阪の某病院の屋上。

「ぐおお……なんだ、この空気は……」

その屋上には一人の騎士がいた。
騎士はガスでも吸ったようにむせ返っている。
だが、周辺は何らかのガスで汚染されたような場所はない。
これはどういうことか?

この騎士の正体は五番目のカオスロワで生まれ、暴虐の限りを尽くした者――ロワで散っていった怨霊の集合体テラカオス――の成れの果てである。
勇者たちによって敗北し、力と記憶を失った六番目のカオスロワにおいては「混沌の騎士」という名で仲間たちを守る対主催となっていた。
最終的に彼はある理由により自ら討たれたが……

つまり、騎士は『元・テラカオス』ということである。
そして主催者の幹部・プロジェクトテラカオスは秘密裏に、適正ある者をテラカオス化させていくナノマシンを参加者に配られた飲料水に仕込んでいた。
そのナノマシンを含んだ水は時間の経過により、ロワで亡くなった死人等の血液から蒸発した水分に混じって大気中にも溶け込むようになった。
それを吸った騎士にとっては懐かしくも思い出したくない何かを口に入れる気分にさせた。
元がテラカオスだったため、テラカオス化を促進させるナノマシンと身体が共鳴しているのかもしれない。
何にせよ、騎士にとってはこの空気が害に感じられた。
情報が手元に無いので本人は理屈などさっぱりわからないが。

「く……だが、ほんの少しだけ思い出してきた…私がどこからきた何者なのかを……」

ナノマシンを吸った影響なのか、本当に僅かでおぼろげだが騎士の記憶が蘇った。
自分は過去に悪魔の如く暴れまわったこと、その後に力と記憶を失って今度は誰かを守るために戦ったこと、最後は悪魔として暴れまわったことに対する償いをするために死に、自らの魂を浄化されるために煉獄へ入ったこと。
詳細は全く思い出せないが三つの記憶は確かであった。

「帰らねば……私は煉獄へ帰って償いの続きをしなければならない。
ここは私がいていい場所ではないでしょう」

記憶が蘇った結果、騎士に目的が生まれた。
それは黄泉の世界の終着点の一つである煉獄へ帰ることだ。
現世において自分は存在が許された者ではないことを自覚しての判断であった。
ならば、この病院の屋上から身投げでもすればすぐに黄泉に帰ることができるだろう。
……できるだろうが、騎士はしなかった。
死が恐ろしいのではなく、死ぬ前にいくつか確かめたいことができたからだ。

「それにしても、なぜ私は煉獄から現世に戻っているのだ?
さらに言えば得体の知れない空気……いや、瘴気はなんだ?
この世界で一体何が起きているんだ?」

己の記憶についての事を省いても、いくつかの疑問が残っている。
煉獄に封印されていた身であるのになぜか現世に黄泉返っている。
遠くからは銃声や爆音が響き、何か戦争か内戦でも起きているのか。
そして、大気中に溶け込んでいる『何か』。
この世界に取り巻いている異常について騎士は見過ごす気にはなれなかった。

「帰るのは、この世界に何が起きているのかを確かめてからでも遅くはないか」

騎士は冥府へ帰る前に、この世界の調査に乗り出すことにした。

「調べた結果、邪悪な者が世界を混沌とさせようとしているなら止めなければなりませんね」

自分を呪われた存在だと自覚している騎士は、できることならばこの混沌を止めたいとも思っていた。
この世界のカオスさは自分の産まれた環境に似てる気がすると本能でわかるのだ。
ということは放っておくと自分と似た存在――テラカオスが生まれてしまうかもしれない。
ならば自分のように世界を脅かすであろう悪魔の誕生を許すわけにはいかない。
それが再び記憶は失いつつも、正義の心は失わなかった騎士の判断であった。

194その胸への問いかけ:2013/12/12(木) 23:54:35 ID:S/83oN.I0

「一先ずは情報を集めるか」

自分がいる建物には沢山の人の気配がすることに気づいた騎士は、他者に会って情報収集をするために階段を降りていった。


 ― ― ―

――その頃。
大阪のある場所にて殺した参加者から奪った支給品を検品する二人組がいた。
その中でも特異な支給品があったらしく、二人は互いに首をかしげている。
それは一つのカプセルであった。
とりあえず説明書に書いてあった通りに、その辺に投げてみるとカプセルがBONと爆発した。
そして大量の煙の中から現れたのは、それはそれは大きな大きな物体が現れたのである。
大きすぎてもはや塔とも言える代物であった。

その『塔』を足元から見上げる二人の参加者の瞳には、『畏怖』と『歓喜』が映っていた。

 ― ― ―
(四季様……部下であるあたいより先に死んじまうなんて……)

病院のとある女子トイレの洗面所には小町が立っていた。
その顔には嗚咽というほどではないが瞳に涙が貯められていた。

(うっとおしいと思ったことは数あれど、死んでほしいとは思ってなかったのに……
閻魔である四季様がいなくなったら誰が幻想郷の死後の世界を司るんだ?)

サボリ魔である小町にとって頑固で説教臭い四季は煙たい存在ではあったが、同時に何事にも流されずに白黒を決められるなど閻魔としては有能であり幻想郷には必要な存在であるとも小町は思っていた。
四季は苦手な部分も多いが信頼できる部分も多い人物だったのだ。
されど、そんな上司はもうこの世にいない。

死者を裁き導ける閻魔無き幻想郷はパニックになるだろう。
それどころか四季の上司かもしれない閻魔大王まで死ぬ始末……幻想郷どころか世界の死後事情が混乱しかねない事態に、死神である小町は顔を蒼くした。
その事態は彼女にある考えを思い起こさせる。

(あたいがバトロワに乗じてサボろうなんてしてたから四季様たちが死んだのか?
殺し合いには乗らなくても、そこらにいるマーダー連中を満身創痍にさせるぐらいはやるべきだったのか?)

小町は近畿、一方で四季は関東にいたため、この距離では小町一人頑張ったところで四季を助けることなどできなかっただろう。
だが危険人物を一人排除する度に四季が生存できる可能性がほんの僅かでも上がったのではと思うと、小町は後悔の念を禁じ得なかった。

(クソッ、あたいはいったいどうすりゃよかったんだ?! これからどうすりゃいいんだ?!)

195その胸への問いかけ:2013/12/12(木) 23:55:11 ID:S/83oN.I0

今さら慌てふためいたところでどうにもならないことはわかっていながらも、どうしても気持ちが落ち着かなかった。
そしてもう一つ、小町には主催絡みで一つの問題を抱えていた。
小野塚小町は主催側の風見幽香との接触時に殺し合いに乗るよう命令されている。
この件は影薄たちに喋ると後が面倒になりそうなので隠している。
今日中に殺し合いに乗らねば、小町はきっと彼女に殺されるだろう。
力量差は先ほどの戦闘で小町が一方的にやられるという形で証明された。
彼女に勝る点といえば足の早さぐらいなものだが、周辺をまとめて灰にしてしまえる力がある以上、ちょこまか逃げ回ったところで意味はない。
同行者の影薄たちを引き連れても辺り一面を焼き払える相手に勝てる見込みは薄い。
ついでに鈍足だが瞬発力が無いわけではないではないので、小町はカウンターを腹に喰らって屈辱の尻叩きを受ける羽目になった。
幽香には弾幕ごっこ以外では絶対に勝てない相手なのだ。

(できれば四季様の仇討ちでもしたいところだが、今のままでは奴には勝てない。
殺し合いなんてしたかないが、どうすりゃいいのかねあたいは……ああ、ケツが痛い)

尻叩きを受けて未だに赤い尻を抑えつつ、苦悩する小町の脳裏に、ふと旅仲間である影薄たちの顔がチラついた。
日之影と黒子は怪我で弱っており、桃子とあかりはろくに戦えない。
影の薄い連中だが、半日以上過ごしている中で小町にもだいぶ見えるようになってきたので今なら殺すのは簡単だろう。
それで当面の命は拾えるが彼女はそれだけはやるべきではないと考えている。

(あいつらは気のいい奴らだ。
二回もあたいを助けてくれた命の恩人たちでもある。
殺したくはないし、こんな馬鹿げた殺し合いで死んで欲しくもない)

いつの間にやら影薄たちに愛着でも湧いたのだろうか、とにかく小町は彼らを死に追いやる真似はしたくなかった。
しかし、彼らに関してある問題が浮上する。

(だが、あたいが殺し合いに乗らねば、あいつらも風見幽香に殺されるかもしれない。
殺し合いに乗れば、他の参加者から一緒にお尋ね者扱いだ。
……影薄だから後者は大丈夫か? いや、乳もぎ魔のように見える奴には影薄たちが見えるんだ。
安易な考えを持つべきじゃない)

どちらを選んでも自分と一緒に行動していれば影薄たちに弊害が来る。
影薄たちになるべく害を与えないようにするにはどうすればいいか?
しばらく考えた後、小町の中で答えが出た。

(……あたいが一緒にいるとあいつらに迷惑がかかる。
こちらの都合には巻き込みたくない……だから、あいつらとは別れよう)

ここで離別し、単独行動を取れば殺し合いに乗っても乗らなくても影薄たちに迷惑はかからない。
別れは名残惜しいが、彼らの安全を想うならばそうするしかないと小町は決心を固めた。

(さあ、そうと決まればあたいはこれからどうするかだが……ん?)

考え事をしていると、今いるトイレの近くにある部屋から物音がした。

「なんだ?」

やたらと大きい物音だったので、気になった小町は考え事を一時中断してトイレから出て物音がした部屋を探す。
物音が聞こえた病室を見つけると、小町はゆっくりと扉を開けた。

196その胸への問いかけ:2013/12/12(木) 23:56:45 ID:S/83oN.I0


「な……ッ!」

思わず言葉を失いかけた小町の目には、血の惨状が映っていた。
病室の中には大量の血を床に広げてうつぶせに倒れているツインテールの少女と、ひと振りの刀を手に持って立ち尽くすカチューシャをつけた額の広いの少女がいた。
ツインテールの少女は既に事切れているのか微動だにしない。
状況から察するに額の広い少女がもう一人の少女を斬殺したというところか。
先程の物音の正体は殺された少女が床に倒れた音なのだろう。
小町は思わず声を出して呟いた。

「なんてこったい……こんな病院でも殺し合いが起きてるなんて……」
「う、うわあああ!!」

つぶやきによって少女が小町の存在に気づき、突然の来訪者に驚き震えながらも刀を小町に向ける。
その刀で目撃者を殺すつもりらしい。
だが、小町は彼女が撃つよりも早く、小銭を取り出して少女の四肢に向けてぶつけた。
小町の十八番の一つである銭投げによる弾幕、それを攻撃に使ったのだ。

「痛いッ!」
「遅いね!!」

少女は銭の直撃による激痛に耐え切れずに刀を取り落とし、地面に尻餅をついた。
そんな少女につかさず、小町は神鎗の切っ先と冷たい視線を彼女に向けた。
小町のその姿はまるで人の命を奪わんとする死神そのものであり、少女を身震いさせた。

「ヒィッ!」
「観念しな」

刀を向けながら小町は相手の命の与奪について考える。
彼女を殺せば自分は主催に殺し合いに乗ったと見なされて今日分の命は確保できるかもしれない。
それでも目の前の少女はまだ子供であり、黒子かモモぐらいの若さで斬るのをためらいそうになった。
しかし、高校生ぐらいでも誰かを殺すことぐらいはでき、放っておけばまた誰かを殺す危険性もあるのだ。
最悪の場合、影薄たちにも被害が出るだろう。

(お迎えの仕事はあたいの管轄外で四季様にも後でこってり絞られそうだがね、やるしかないんだ)

目の前のマーダーを殺せば誰かが死なずに済み、マーダーを殺す分には良心も痛まない、おまけに自分も助かるのだ。
そう思うと、小町は少女を殺す決心がついていった。

「他人を殺した以上、手前が死ぬ覚悟もできてんだろうねぇ? 悪いけど死んでもらうよ」
「ま……待って、これには事情が」
「事情だあ? 人を殺しておいた上に殺した現場を見た奴を斬り殺そうとした癖に言い訳かい。
口から出まかせを言うぐらいなら閻魔様に舌を引っこ抜いてもらいな! ……上司の説教グセが伝染ってるな。
とにかく、せめてもの情けに痛みは一瞬で済ましてやるよ」
「い、いやあ!」
「じゃあね」

涙ぐむ少女に対する一切の情けを捨てて、小町は斬魄刀で相手の首を撥ねようとする。
――そこへ、ある者の妨害に入った。
刃が少女の首に到達する寸前で何者かが後ろから刀を握る手を抑えて、動作を中断させた。

「!?」
「なんだか穏やかな様子ではなさそうですが、あまり婦女子が刃物を振り回すべきではありませんよ」

小町が後ろを見ると、そこには一人の黒い騎士がいた。
その騎士は屋上から降りてきた混沌の騎士である。

「どこの誰だがわからないけど、この手を離しな」
「お断りします。 事情は知りませんが誰かが死ぬのを黙って見過ごすわけにもいきませんからね」 
「事情を知らないならなおさら口出しすんな! こいつは殺し合いに乗っているんだ!」
「殺し合い……?!」

小町は乱入者をキッと睨みつけ、怒鳴りつける。
騎士は彼女の怒声には特に怯む様子はなかったが、『殺し合い』という言葉には引っかかり、この世界に異常が起きていることも理解した。

「なんだアンタ? 今、この日本で殺し合いが起きていることも知らないって顔だな。
とにかく、あたいだってこいつを見過ごすわけにはいかないんだよ!!
進んで殺しはしたかないが、他の連中を守るならそうするしかないんだ」

騎士の腕を払いのけようとするが、そうこうしている内にもう一人の乱入者が現れ、小町から少女を守るように間に入り込んだ。

「待ってくださいっす、小町さん!」
「モモ!?」
(あれ? この少女、ここまで接近するまで全く気配がなかったような……)

仲間である東横桃子がこの場に現れたことに驚く小町と、彼女の高すぎるステルス性故に少女がまるでその場から湧いて出たように見えて面食らう騎士。

「おまえが何でここにいる?」
「帰ってくるのがあまりにも遅いから心配して探しにきたんすよ。
あちこち探し回っていたらこの部屋にたどり着いたわけっす。
ちょうど小町さんが刃物を振りおろそうとした所だったんでビックリしたっすよ」
「そうか、その時からいたのか……とにかく、そこをどきな。
そいつを生かしておくと後が面倒になるよ」

197その胸への問いかけ:2013/12/12(木) 23:59:09 ID:S/83oN.I0

騎士の次に少女の殺害に邪魔になっていたモモにどいてもらおうとする小町。
これにモモは小町に声を荒げて真っ向から反対する。

「落ち着いてください小町さん!」
「あたいはいたって冷静だよ!」
「冷静ならこの人の持ってた刀に血がついてないことだって気づいてる筈っすよ!」
「……なに?」

モモは床に転がっている凶器を拾い、小町に見せつける。
それには誰かを斬れば必ず付くはずの血糊が一切なかった。

「つまり、ここに転がっているツインテールのガキを殺したのはコイツじゃないってことかい?!
だったら、誰が殺したというんだ?」
「それは――」

モモはツインテールの少女の死体の下へ移動し、うつぶせになっている身体を仰向けにさせた。
すると、小町も騎士も驚きの表情を浮かべざるをえなかった。

「!?」
「なるほど……そういうことか」
「――思った通り、これが答えっすよ」

ツインテールの少女は一本のナイフを手に持っており、そのナイフを自分の胸元に突き刺していた。
今までうつぶせになっていたため、小町も騎士も気づけなかったのだ。
これが指し示す符号とは――

「お、お願い。 話を聞いて……」

そして、問題の少女は泣きじゃくりながら口を開き、この部屋で起きた部屋の惨劇の真実を語りだした。
ちなみに額の広い少女の名前は峰岸あやの、背景に溶け込みかねないほどにどこにでもいそうな女子高生である。

 ― ― ―

殺さしいの中で峰岸あやのは家族やクラスメイトを捜してさ迷っていた。
その最中で彼女は同行者を得た。
それが超高校級のギャルとして有名な少女、江ノ島盾子だった。
キツそうな性格をしてそうな見た目通り性格はキツかったが殺し合いに乗る気はないらしく、あやのと同じく知り合いを探していたため同行することになった。
あやのは優等生然としており、反対に江ノ島はチャラチャラしてはいたが、それなりに仲良く行動を共にしていた。
……第二回放送が流れるまでは。

放送により、あやのは友人である柊かがみの死を知っておおいに悲しみ、バーダックと言われた男の凄まじいパワーを目の当たりにして主催の恐ろしさを知り、悲しみと恐怖で震え上がった。
それでも彼女は人道に反する殺し合いに乗る気はなく、かといって生きることを放棄する気も起こさなかった。
だが、同行者の江ノ島盾子は違ったらしい。

放送で知り合いの名が呼ばれたのか、主催の力に怯えたのかはわからないが彼女は黙り込んでしまい、数時間はとても話しかけられない状態が続いた。
しばらくして彼女は突然、あやのの前で支給品のナイフを取り出した。

「え、江ノ島さん、何をするんです!?」
「……悪いけど、もう耐えられないや」

江ノ島が殺し合いに乗った。
そう思い込んだ、あやのは自分の支給品である一本の刀『斬鉄剣』を手に取った。
相手を殺す気はなく、あくまで身を守るためであり、威嚇目的で刀を抜いたのだ。
しかし、刀を見てもなお江ノ島に臆した様子はなく、彼女は暗い表情のまま、ナイフを振った――



――自分の胸に向けて。

「え…えぇ……!?」

ナイフを己の心臓に届くまで刺し、傷口から漏れる大量の血を床に巻きながら江ノ島はうつぶせに倒れた。
江ノ島盾子は誰に殺されるでもなく自殺したのである。
当人が語る前に死んだために自殺した理由はわからないが、おそらくロワによって生み出された悲しみや恐怖に屈したのだろう。

同行者の悲しく惨い死に様にショックを受けたあやのは放心状態になって立ち尽くしていた。
その直後に小町が部屋に入り、刀を握ったままだったので江ノ島を殺したと勘違いされてしまったのだ。
うまく状況説明できれば良かったのだろうが、この前まで同行していた者が目の前で死んだショックにより冷静さを失っていた彼女にそれは難しく、小町も半ば聞く耳持たなかったため、騎士とモモが来なければ危うく首を撥ねられていただろう。
江ノ島の死については偽装した可能性もなくはないが、ナイフを調べればあやのの指紋がついてるか否かで真偽の確認ができるため、嘘をつくメリットはあまりないものとされた。
かくして騒動は既に自殺した江ノ島を除いて、犠牲者を出さずに終わりを迎えた。

198その胸への問いかけ:2013/12/12(木) 23:59:44 ID:S/83oN.I0


「なんていうか、その……すまないね。 こっちの勘違いで怖い目に合わせちまって」
「いいえ、私こそ、ちゃんと説明できなくてごめんなさい。
そもそも私がもっとしっかりしていればあの人も死ななかったんですから……」

説明により納得した小町は、危うく自分が殺しかけた少女に向けてお辞儀と謝罪をした。
あやの自身も小町に対して悪い感情は持っておらず、すんなりと受け入れられた。

「おまえさんが止めてくれなかったら、あたいは無実の人間を手にかけていたところだ。
感謝するよ……ええと」
「すみませんが私は自分の名前も思い出せないほどの記憶喪失なのです。
便宜上、騎士とでもお呼びください」
「ああ、ありがとうな、騎士さんよ」
「お役に立てて光栄です」

混沌の騎士にはお礼と握手をした。
彼の介入がなければ、小町はあやのを誤殺していただろう。

(しかし、殺し合いか……
この世界で起きている状況を知ることはできたが、なんだろうな……このザラついた感覚は)

心の中で騎士はため息をつく。
あやの語った言葉の節々から、この世界でバトルロワイアルという殺し合いゲームが開かれていることを知った。
その催しは自分が生み出された要因であり、唾棄すべき事態であると記憶として思い出せなくとも本能としてわかるのである。
表面上は明るく振舞っているが内心は暗い気分の騎士であったのは小町は知る由もない。

最後に小町は一連の誤解を解いたモモを讃える。

「モモ、あやのが殺し合いに乗ってないとよく気づいてくれたよ」
「えへへ、麻雀は思考力と観察力の世界っすからね。 細かい事に気付くのは朝飯前っす」

東横桃子は雀士であり、一介の雀士として味方や対戦相手の捨て牌から手の内に読んで考察するスキルがこの場では活きたのである。
生来のステルス性に加えて、戦闘力の代わりに彼女が持ち合わせている能力であった。

「でも小町さんもどうしたんすか?
厄介事に自分から首を突っ込む人じゃなかったのに……それにさっきは物凄く怖い顔をしてたっすよ」
「それは……」

モモの問いかけに小町は答えられなかった。
影薄たちのような他の参加者に危害が及ばないようにマーダーを倒そうとしたのは嘘ではないのだが、小町ほどの実力があれば素人相手に対して殺さずに無力化するのも容易かったハズだ。
マーダーを殺そうとした大きな要因は主催の者に命を握られているからであるのだが、それを口にすれば関係ない三人もで巻き込むことになりかねない以上、言うわけにはいかなかった。

「なんだか酷く焦っているように見えましたね」
「ええ、間近で小町さんの顔を見てた私にもそんな印象がありました」
「おまえさんたちにもそう見えたのかい……」

騎士やあやのも小町の行動について不可解な点を指摘している。

「……やっぱり、上司の人が死んじゃったのが小町さんを焦らせているんじゃ」
「おい!」
「ご、ごめんなさい! 悪気があって言ったわけじゃないっす!」

モモの一言は逆に小町の神経を逆撫でしてしまったが、それは図星でもある。
上司である四季の死を起因に、小町は焦っていたのは確かであった。
焦りが小町の目を曇らせ、危うく誤殺を招くところだったのだ。
自分が助かるにしろ、マーダーでもない者を殺すのは自分の望むところではない。
そう思うと小町は胸の奥に痛みを感じた。

「……すまないねモモ、今は理由を話したくないんだよ」

謝りつつもどこか浮かない様子の小町。
そんな彼女にモモは優しく言葉を投げかけた。

「そう、なんすか……小町さんが嫌なら無理には聞きませんっすけど……
でも、どんな理由があったとしても、私や黒子くん、日之影さんやあかりちゃんは小町さんの仲間っすよ。
仲間はみんなで支えあうものっすから、何か困っていることがあれば気兼ねなく言ってくださいっす」
「仲間……」

影薄たちとは半日と少ししか一緒に過ごしてないが、小町の中でも守るべき仲間になっていた。
仲間でなければ、迷惑や危害を加えたくないとは思わない。
迷惑をかけたくないが故に、これからは仲間と行動を共にするわけにはいかなかった。

(仲間か……良い響きだけど、影薄たちには迷惑をかけないために縁を切ると決めたばかりだ……
本当はこいつらとのらりくらりと過ごしたかったけど、ここでお別れにしよう)

ここで袂を分てば、小町が殺し合いに乗っても乗らなくても影薄たちに悪影響は出ない。
だからこそ、小町はこの機会に別れを切り出すことを決めたのである。

「悪いけど、モモ。 あたいはこれからはアンタら影薄たちとは――」

199その胸への問いかけ:2013/12/13(金) 00:01:53 ID:9Iv.hGOw0



そこへ、小町の決心など知らんと言わんばかりの大きな揺れが病院を襲う。

「――きゃん! 地震かい!?」
「かなり、大きいっすよ!」
「……地震にしては変な揺れ方に思えますが」
「揺れもだんだん大きくなってませんか!?」

突然揺れだした施設に四人は戸惑う。
そんな中で、四人の中で最も窓に近い位置にいたあやのの視線が外を向いた。

「え……あれは、なに?!」

窓の外を見たあやのの表情が驚愕で染まる。
彼女が何を見たのか気になった小町は、足元が未だに揺れる中、あやのの下に寄ろうとするが。

「どうしたんだあやの! 外に何かあんのか?」
「ダメッ、逃げてください小町さん!!」

寄ろうとした小町にあやのは体当たりをし――その直後、小町たちのいた病室が轟音と閃光に包まれた。
轟音と閃光は小町たちがいた病室以外にも響き、それが数回繰り返された後に病院は崩壊し瓦礫となった。

 ― ― ―

粉塵の中から一人の騎士と少女たちが現れた。

「クッ、間一髪か。 大丈夫ですか小町さん、モモさん!」
「なんとか……騎士さんが守ってくれたおかげで怪我もないっす」
「……」

病院が崩壊する寸前に混沌の騎士は小町とモモを連れて脱出に成功し、瓦礫の下敷きになることは回避された。
だが、そこに峰岸あやのの姿はなかった。

「あやの……あたいをかばって……!」
「峰岸さんが死んでしまうなんて……」

あやのは謎の閃光に包まれて蒸発し、小町たちの目の前で死んだ。
彼女は死ぬ間際に小町を体当たりすることで、閃光の有効範囲から外した。
その結果、軽い火傷と服はボロボロになったものの小町は救われたのだった。
あやのの死に悲しみに暮れそうになる小町とモモ。
しかし、そんな二人に騎士は注意を呼びかける。

「水を差すようで恐縮ですが、悲しんでいる暇もないようです……あれを見てください」

騎士が指をさすと、その先には80m近い巨大ロボットが街を襲っていたのだった。
今もまた参加者を踏み、施設を鉄拳で壊し、時には腕に内蔵されたプラズマ砲で周囲を焼くなど、さながら特撮映画の怪獣の如く破壊の限りを尽くしていた。

「きょ、巨大ロボット!?」
「まさか、あのデカブツがあやのを殺し、病院を粉々にしやがった奴かい!」
「おそらくは。 私たち病院にいたものはあのロボットから攻撃を受けたようです」

ロボットの持つプラズマ砲の色が、病院を襲った閃光の色と全く同じであり、病院を襲ったのはこのロボットで間違いないだろう。
ロボットは病院を破壊した時と同じように、人だろうが建物だろうが無差別に壊し続けている。
このままでは街の被害が拡大して沢山の人名が奪われるだろう。
しかし、強くて巨大な物体に立ち向かおうとする者はいない……普通なら。

「は、早く逃げないと…って小町さん、何をやってるんすか?」

逃げようとしていたモモの目に、斬魄刀を抜きて一人で巨大ロボットの下へ向かおうとしている小町の姿が映った。
巨大ロボットを睨みつつ、小町は質問に答える。

「あのデカブツをぶっ壊す……それが死んじまったあやのへのせめてもの手向けだ」
「無茶っすよ、小町さん! 小町さーーーんッ!!」

モモが止めようとした矢先には、小町は既にロボットの下へ駆け出していた。


走りながら小町は一人考える。

(ヤバげな奴に命かけて立ち向かうなんて我ながら自分らしくないとは思うけどねえ……
でも、あやのは殺しかけた相手であるにも関わらずあたいを助けてくれた。
その恩があるのに何もしないままじゃあ、先に彼岸に行ったあやのに悪い。
殺し合いに乗る乗らないはこの際、保留だ。
アイツだけは絶対に仕留めてやる!)

燃え上がる怒りと復讐の決心を胸に、小町は巨大ロボットに立ち向かっていく。


「仕方がありません、私も行きます」
「騎士様もいくんすか!?」

次に、遠くなった小町の背中を騎士が追いかけようとする。

「彼女一人では不安ですからね。
それに私自身も虐殺を続けるあのロボットを止めたいと思っていたところです。
モモさんはどこか安全なところに隠れていてください」

モモにそう告げると、騎士もロボットとの戦いに赴いた。
その手にはあやのの支給品であった斬鉄剣が握られていた。
病院が崩壊する前の病室から拾い、彼女の忘れ形見として騎士が拾ったのだ。
鞘から太刀を抜き、騎士は一言呟いた。

「峰岸さん、この刀をお借りします!」

200その胸への問いかけ:2013/12/13(金) 00:02:36 ID:9Iv.hGOw0

そうして騎士も去っていき、この場には東横桃子一人が残された。

「行ってしまったっす……
そういえば、黒子くんたちは無事っすかね……?」

ふと、他の仲間たちの安否がモモは気になった。
同じ病院にいた以上、仲間たちも被害を被ったはずである。
崩落から逃げ遅れでもしていたら命を落としている可能性もあるが。

「ひょっとして、この瓦礫の山に埋まって死んでるなんてことは」
「ちょっと、モモちゃんそれはひどいよー」
「僕たちだったらみんな無事ですよ」
「俺があかりや黒子を抱えて逃げたからな、片腕しか残ってねーから少し大変だったがな」
「!! みんな!」

振り返るとあかり、黒子、日之影の三人の無事な姿を拝むことができ、モモは安堵した。
ちなみに小町は最初から他の仲間の生存を信じており、あえて三人の安否を無視したのだ。

「ところでこまっちゃんはどうした? 無事なのか?」
「それは……」

日之影の質問にモモは視線を巨大ロボットに向けるという形で答えた。

「……なるほど、戦いに行ったってわけか。
なら、仲間としちゃあやるべきことは一つだな」
「へ? やるべきことって?」
「そりゃあもちろん、こまっちゃんと一緒に戦ってやることさ。
最も、腕一本しかないから彼女の援護が関の山だろうがね」
「戦いに行くってあんなロボット相手に!?」

あやのが目の前で死んだ件もあって若干怯えている様子のモモであったが、反対に日之影はあくまで陽気に答えた。

「敵のサイズなんて問題じゃねぇさ。 ただ、仲間である以上は助けてやりてえからな」
「日之影さん……」

そして、黒子やあかりも各々の支給品をディパックから出して戦いに備えているのだった。

「おいおい、おまえらは戦闘系キャラじゃないだろ。 無理して戦う必要はないんだぜ?」
「そう言う日之影さんだって右腕が無いのに戦おうとする無茶ぶりじゃないですか。
死出の羽衣とバスケの腕でどこまでできるかわからないけど、僕はできるだけ力になりますよ」
「ふっふーん、私なんて肉が武器でもあのロボットと戦っちゃうもんねー」
「ずいぶん大した自信だな、おまえら」

他の三人は戦う気満々であった。
その姿を見てモモも感化されてしまったのか、逃げようとする気は失せ、代わりに戦意が湧いてきていた。

「わ、私も戦うっす!」
「おいおい、おまえもか。 無理せず隠れててもいいんだぞ」
「今さら嫌っすよ、自分だけ逃げるなんて。
私は影の薄さと麻雀しか能がないっすけど、きっと小町さんたちのお役に立てるっす! だから戦うっす!」
「モモ……わかった、全員でこまっちゃんたちをサポートするぜ。 そうと来ればいくぞみんな!!」
「「「おーッ!」」」

日之影を筆頭に影薄たちも遅れて戦地へ足を運ぶことになった。
こうして六人の戦士が巨大ロボットに挑むことになる。

 ― ― ―


人類を守るために作られた巨大ロボット『イエーガー』。
その一機であるジプシー・デンジャーのコクピットにはマーダーコンビであるベンとゴゴがいた。
このロボットは元はキョンの支給品であったが、使用にはある問題を抱えていた。
二人乗りのイエーガーには操縦を円滑にするために互いの思考を繋いでしまうシステムがあるのだが、これにより知られたくない過去を見られてしまうなどの問題が発生してしまう。
このために自分や佐々木のプライバシーを守るために、キョンはこの強力な支給品の使用を渋ったのだ。
しかし、ベンと、ベンのモノマネをしているゴゴにはプライバシー程度などなんら問題ではなかった。
ゴゴに至ってはモノマネをし続けてきた結果、もはやベンのコピーとも言えるほど戦闘技術が似ているのでイエーガーの性能を100%発揮できている。
そして、ベンの目的は『殺戮』、ゴゴもそれをモノマネする。
そこへ、イエーガーという力が加われば、彼らの進む先に虐殺の嵐が吹き抜けるのだ。

この殺戮マシーンと化したジプシー・デンジャーに、影薄たちは、混沌の騎士は、小町は勝てるのだろうか? 果たして……?



【一日目・17時00/日本・大阪 病院跡地周辺】

201その胸への問いかけ:2013/12/13(金) 00:03:13 ID:9Iv.hGOw0

【混沌の騎士@カオスロワ】
【状態】健康、記憶喪失(一部復活)
【装備】斬鉄剣@ルパン三世
【道具】支給品一式
【思考】
基本:殺し合いには乗らず、煉獄へ帰る
0:被害をこれ以上拡大させないために、ロボット(ジプシー・デンジャー)を止める
1:煉獄へ帰る前にこの世界で何が起きてるのかを知る
2:できれば記憶の詳細を思い出したい
※主催がバラまいた『何か』(ナノマシン)の存在に感づいています
※5期・6期のごく一部の記憶と、自分が煉獄にいたことを思い出しました


【小町と影薄な仲間たち】
【小野塚小町@東方Project】
【状態】尻が真っ赤、ダメージ(小)、服がボロボロ、怒り
【装備】斬魄刀『神鎗』@BLEACH、デスノート@DEATHNOTE
【道具】舟
【思考】
基本:バトロワに乗じて仕事をサボる?
0:あやのへの詫びも兼ねてあのロボット(ジプシー・デンジャー)を倒す
1:殺し合いに乗るにしろ、乗らないにしろ、影薄たちとは別れるべき?
2:殺し合いに乗るかどうかは一旦保留
3:どっかに安住の地はないもんかねぇ


【黒子テツヤ@黒子のバスケ】
【状態】顔が包帯でミイラ(顔の皮膚喪失)
【装備】なし
【道具】死出の羽衣@ 幽々白書
【思考】
基本:友人たちと生き残る
1:小野塚さんの援護をする


【東横桃子@咲-Saki-】
【状態】健康
【装備】不明
【道具】不明
【思考】
基本:加治木先輩や友人たちと生き残る
1:小町さんの援護をする
2:峰岸さん……


【赤座あかり@ゆるゆり】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】マムルの肉×2@風来のシレン
【思考】
基本:主人公らしく活躍する
1:小町さんと一緒にロボットを倒して主人公らしく活躍!


【日之影空洞@めだかボックス】
【状態】ダメージ(中)、右腕欠損(止血済)
【装備】不明
【道具】不明
【思考】
基本:主催者を倒す
0:こまっちゃんの援護をする
1:仲間を守る
2:↑の全部やらなくちゃあならないのが先代生徒会長の辛いとこだな。



【死人が出るぞぉ!! コンビ】

【ベン@D-LIVE!!】
【状態】健康、ジプシー・デンジャーに搭乗中
【装備】防弾ベスト@現実、猟銃@現実 、ジプシー・デンジャー@パシフィック・リム
【道具】支給品一式、クレイモア地雷@コマンドー
【思考】
基本:殺戮


【ゴゴ@ファイナルファンタジーⅥ】
【状態】健康、ジプシー・デンジャーに搭乗中
【装備】防弾ベスト@現実、猟銃@現実 、ジプシー・デンジャーの入っていたホイポイカプセル@ドラゴンボール
【道具】支給品一式
【思考】
基本:物真似をする
1:ベンの物真似をする


【江ノ島盾子@ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生 死亡確認】
【峰岸あやの@らき☆すた 死亡確認】
【大阪の病院や、その周辺にいた参加者×多数 死亡確認】

202雨降って地固まる……のだろうか?:2013/12/15(日) 17:45:40 ID:SQfnUo9U0
「ちっ……俺もヤキがまわったか……」
「あっ……浜田さん……そんな……」

 熱狂していたライブ会場に尖った石の雨が降り注ぐ、それがまどかが目を閉じる前に見た光景だった。
目を開けると、無残な死体と化したクラウザーさん達と観客達、そして自分を庇って死んだ浜田がそこにいた。

「ちっ、一匹残ったか……今度は串刺しにしてやる」

 声の聞こえたほうには、緑の肌で四つの眼を持った人型の異形がいた。
異形ことグルドは、サイコキネシスで観葉植物を削って木の矢を作り、爆炎に包まれた。

「まどかはやらせないわ」
「なんとか間に合ったみたいやな」

 まどかの視界に、髪をかき上げるほむらの姿が現れた。
何故かその肩には関西弁で喋る小動物がいたが……。

「やってくれるじゃねえか……殺してやるぜ!」

 爆炎が収まると、そこには頭の側面についた二つの眼が潰れたグルドがいた。
グルドは自身の切り札である時間停止をする為に息を止めようとして、背後から切り上げられ、真上に飛ばされた。

「させるかぁぁぁ!」

 グルドを剣で切り上げたのはさやかだった。
さやかは飛び上がり、宙に浮いたグルドを切りつけ、床に叩き落とす。

「プリキュア・ハートシュート!」
「プリキュア・ラブサンシャイン・フレッシュ!」
「プリキュア・エスポワールシャワー・フレッシュ!」

 そして、3つの光が、立ち上がろうとするグルドを消滅させた。
ほむらはグルドに止めを刺した者達の内の一人を見て驚いた。
それと同時にほむらが見た人物こと桃園ラブもまた、驚くことになる。

「「何で貴方がここに!?」」

ほむらからしたら、殺したはずの人間が何故か無傷で生きており、ラブからしたら、自分に襲い掛かってきた人が何故か小動物を肩に載せてまどかを庇うように立っているのだ。
彼等の関係がどうなるか、それはまだ誰にもわからない。

203雨降って地固まる……のだろうか?:2013/12/15(日) 17:46:04 ID:SQfnUo9U0
【一日目・17時30分/大阪・ライブハウス】

【鹿目まどか@魔法少女まどか☆マギカ】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式 その他不明
【思考】とにかく生き残りたい
1:ほむらちゃん!それにさやかちゃんも
2:浜田さん……
※ライブに夢中で放送を全く聞いていませんでした。

【暁美ほむら@魔法少女まどか☆マギカ】
【状態】健康、変身中
【装備】ソウルジェム@魔法少女まどか☆マギカ(ほぼ穢れ無し)
【道具】支給品一式、ベレッタM92(残弾100)、レミントンM870(残弾20)、ミニミM249(残弾50)、M16クレイモア×10、L16 81mm迫撃砲×5、M84 閃光手榴弾×20、88式地対艦誘導弾、長ドス、ゴルフクラブ
【思考】基本:まどかを守る
1:まどか……無事で良かった……
2:嘘、何で生きて……!?

【ケルベロス(小)@カードキャプターさくら】
【状態】健康
【装備】無し
【道具】支給品一式
【思考】基本:桜を探す
1:まどかって子が見つかって良かった
2:一体どういう事なんや?

【相田マナ@ドキドキ!プリキュア】
【状態】健康、変身中
【装備】キュアラビーズ@ドキドキ!プリキュア、ラブリーコミューン@ドキドキ!プリキュア、ラブハートアロー@ドキドキ!プリキュア、シャルル@ドキドキ!プリキュア
【道具】基本支給品一式
【思考】基本:殺し合いを止める。
1:ここにいるみんなと一緒に殺し合いを止める。
2:あの子(ほむら)、悪い子じゃないのかも。
※前回のロワとは関係ありません。

【桃園ラブ@フレッシュプリキュア!】
【状態】健康、変身中
【装備】リンクルン@フレッシュプリキュア!、キュアスティック・ピーチロッド@フレッシュプリキュア!
【道具】基本支給品一式、大量のドーナツ
【思考】
基本:絶対に殺し合いを止めて、みんなが助かる方法を探す。
1:誰かを探しながら、ワドルディを守る。
2:ここにいるみんなと一緒に殺し合いを止める。
3:これ、どういう事?
※9期とは関係ありません。

【蒼乃美希@フレッシュプリキュア!】
【状態】健康、変身中
【装備】リンクルン@フレッシュプリキュア!、キュアスティック・ベリーソード@フレッシュプリキュア!
【道具】基本支給品一式、不明支給品
【思考】基本:殺し合いを止める。
1:ここにいるみんなと一緒に殺し合いを止める。
2:さやかが何だか他人のような気がしない。
3:死んだキュアピースの分も頑張る。
4:あの黒いプリキュア?の出方を見る
※放送の内容をラブ達から聞きました。

【美樹さやか@魔法少女まどか☆マギカ】
【状態】健康、変身中
【装備】ソウルジェム@魔法少女まどか☆マギカ
【道具】基本支給品一式、不明支給品
【思考】基本:マミさんの為にも、殺し合いを止める。
1:ここにいるみんなと一緒に殺し合いを止める。
2:美希が何だか他人のような気がしない。
3:て、転校生……!?
※8期、9期とは関係ありません。
※放送の内容をラブ達から聞きましたが、上条恭介の死を知りません。

【ワドルディ@星のカービィ】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】基本:殺し合いには乗らない。
1:ここにいるみんなと一緒に行動する。
※6期とは関係ありません。
※アニメ出展なので、喋る事ができません。

【根岸崇一@デトロイト・メタル・シティ 死亡確認】
【立花響@戦姫絶唱シンフォギア 死亡確認】
【浜田雅功@現実 死亡確認】
死因:サイコキネシスによる尖った石の雨

【グルド@ドラゴンボール 死亡確認】
死因:消滅

204混沌な名無しさん:2013/12/17(火) 13:04:51 ID:JdOWOUtYO
「戦艦の墜落を防ぐのじゃ!」

そう言ってネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲を落ちてきた巨大戦艦に向けて発射したじーさん。
戦艦は爆散し、福井県の地上に戦艦の残骸の雨が降った。
その中の一つが、ネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲ごとじーさんと孫を押し潰した。
勿論、他の残骸も福井県の地表に大きな被害を与えた。
まあ、ろくに考えずに行動したらこうなるのもおかしくはない。
そんな光景を、どうにか戦艦から脱出できたガーゴイルがただ呆然と見つめていた。
【一日目・17時35分/日本・福井県】

【ガーゴイル@ふしぎの海のナディア】
【状態】精神的疲労
【装備】仮面
【道具】支給品一式、アニメ7話に登場した銃@ふしぎの海のナディア
【思考】
基本:人間を全員下僕に
1:どうしてこうなった
2:私の戦艦が……
3:ブルーウォーターを手に入れる
4:ネモとノーチラス号の抹殺
5:あの殺せんせーが死ぬとは、一体何があった?

【じーさん@でんぢゃらすじーさん邪 死亡確認】
【孫@でんぢゃらすじーさん邪 死亡確認】

205死んだクラウザーさんは生きてるときより性質が悪い:2013/12/17(火) 20:56:33 ID:kMSZQvzc0
「クラウザーさんが……死んだ?」
「そんな…俺達のクラウザーさんが…」
「嘘だっ!クラウザーさんが死んだなんて嘘だっ!」
「お前だってライブハウスの映像見ただろ…クラウザーさんがあのチビにSATSUGAIされたのを…!」
「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
「なんてこった、俺があの場にいればあんなことには…」
「その仇もあのメスガキどもにSATSUGAIされたしな…
 くそっ俺があの糞チビエスパー野郎をSATSUGAIしたがったぜ…!」
「俺たちはどうすればいいんだ…」



「クラウザーさんを蘇らせよう…」
「…っ!!」
「そうだ、クラウザーを再びこの世に再臨させるのだ!!」
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
「でもどうやって?」
「とにかくまずは生贄だ!クラウザーさんを復活させるための生贄を捧げろ!」
「一千人…いや一万人…いやもっとたくさんの生贄が必要だ!」
「そのためにもSATSUGAIじゃぁぁぁぁぁ!!」
「この世を地獄に変えてやれぇぇぇぇぇぇ!!」
「飯食ってる場合じゃねぇ!」
「笹食ってる場合じゃねぇ!」
「人喰ってる場合じゃねぇ!」
「SATSUGAIせよ!」
「SATSUGAIせよ!SATSUGAIせよ!」
「SATSUGAIせよ!SATSUGAIせよ!SATSUGAIせよ!SATSUGAIせよ!」
「SATSUGAIせよ!SATSUGAIせよ!SATSUGAIせよ!SATSUGAIせよ!SATSUGAIせよ!SATSUGAIせよ!SATSUGAIせよ!SATSUGAIせよ!」


「「「「「「「「SATSUGAIせよ!!」」」」」」」







206混沌な名無しさん:2013/12/17(火) 20:58:57 ID:kMSZQvzc0
「俺より強い奴に会いに行く」殺し合いに巻き込まれたとしても格闘家リュウの本筋は変わらなかった。
そしてリュウは先ほど襲い掛かってきた男との戦闘に入っていた。
だが、その身はズタボロである。相手はそれ程の実力者であった。
名前は蟹座のデスマスクと名乗っていた。

「波動拳!」

リュウは溜めた気を放つ。
だが、黄金の鎧を身に纏ったデスマスクは波動拳を拳で砕いた。

「クッ、こんなに手も足も出ないなんて…!」
「無駄だ!黄金聖闘士(ゴールドセイント)に同じ攻撃は二度通用せん!」
「うぉぉ!竜巻旋風脚!」

リュウは空中に跳び、回転しながらデスマスクに迫るが…

「効かんと言っているだろうが!!」

デスマスクはテレポートしたようにその場から姿を消し竜巻旋風脚を回避する。
そして、リュウの真横に現れ黄金聖闘士特有の光速の拳を浴びせる。
が、リュウはデスマスクの拳を察知し防ぐ。
そして、驚愕するデスマスクに昇龍拳を喰らわす。

「か、かにぃ!?」

デスマスクは素っ頓狂な叫び声をあげて吹っ飛ぶが、流石は黄金聖闘士。空中で体勢を立て直し着地する。

「ちぃ、このデスマスクに一撃を与えるとは…」
「まだまだこれからだ、かかってこい!」
「この男、戦いの中で成長しているというのか…?」
「確かみてみろ!!」

再び対峙する強者二人。
こうして第2ラウンドが始まろうとしていた。



「フフ、ですが背中がお留守ですよ」
「ぐわぁっ!」

突如、リュウが背中から大量の血を吹き出して地面に膝を突く。
その背後には両手に血の滴った大鎌をもった白い長髪の男がいた。

「光秀か。手を出しやがって…巻き添えでSATSUGAIされたいのか?」
「これは非道い…私達同志じゃありませんか。クラウザーさんを復活させるためのね。
楽しむことも結構ですけどそれを忘れなきよう…フフフ」
「…ちっ」
「ぐぅぅっ…!」
「フン、まだ息があったか。後ろからの不意打ちに気づかぬとはマンモス愚かな奴よ」
「お前…卑怯だぞ…!」
「なんとでも言うがいい。止めを刺してくれる…積尸気冥界波!!」

デスマスクの突き出した人差し指から白いオーラが飛んでいく。
たちまちリュウの体は白いオーラに包まれる。
最後にリュウの魂が肉体と分離し、冥界へと叩き落され、魂を失ったリュウの体はそのまま倒れ伏した。
笑みを浮かべたデスマスクと光秀は新たな生贄を探すためにこの場を立ち去っていった。
彼ら二人はクラウザーさんの狂信者である。
だがクラウザーさんの狂信者は彼らだけではない。それこそ全国に存在する。
日本が地獄を見るのはまだまだこれからなのだ…。

【一日目・18時/全国各地】
【DMC狂信者】
共通思考:クラウザーさんを蘇らせる
1:生贄のために参加者をSATSUGAI
※携帯やらネットやらツイッターやらで連絡を取り合っています。

【一日目・18時/千葉県】

【蟹座のデスマスク@聖闘士星矢】
【状態】健康
【装備】蟹座の黄金聖衣@聖闘士星矢
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】
1:SATSUGAI

【明智光秀@戦国BASARA】
【状態】健康
【装備】大鎌×2
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】
1:SATSUGAI

【リュウ@ストリートファイターシリーズ 死亡確認】

207混沌な名無しさん:2013/12/19(木) 14:34:18 ID:N0i9DTk6O
黒神めだかの攻撃が首輪に当たったから、あの金色のマーダーは首輪が爆発して死んだ。
変身した野比玉子が頭部についたソウルジェムをマーダーに破壊されて死んだけど、頭も砕け散ったからソウルジェムの秘密は話さすにすんだ。
野比玉子の死は残念だけど、悪くない結果だね。
しかし、問題は僕の他の個体が殺し合いに巻き込まれて全滅した事だ。
大災害の混乱でカオスロワ開始時には僕を入れて100体しか残っていなかったとはいえ流石に早すぎる。
他の参加者から姿が見えなくても流れ弾や広範囲攻撃で死ぬ個体が多すぎだ。
大災害が起きてから母星に連絡できないし、連絡出来るまでは死なないようにしないといけないか。

【一日目・17時30分/日本滋賀県・ピエリ守山】

【黒神めだか@めだかボックス】
【状態】健康
【装備】箱庭学園の制服(めだか仕様)、ソウルジェム@魔法少女まどか☆マギカ(穢れ無し)
【道具】支給品一式
【思考】
基本:バトルロワイアルを叩き潰す!!
1:善吉……

【キュゥべえ@魔法少女まどか☆マギカ】
【状態】健康、他の個体が全滅
【装備】なし
【道具】支給品一式
【思考】
基本:女性参加者全員を魔法少女にする。
1:必ず鹿目まどかとも契約してみせる。2:母星と連絡出来るまでは生き残る。
3:黒神めだかに守られるように行動しておきたい。

【野比玉子@ドラえもん 死亡確認】
【黄金バット@黄金バット 死亡確認】

208残る命、散る命:2013/12/20(金) 20:24:43 ID:Bir1tBxI0
「ゲギャギャギャギャ!防ぐだけで手一杯じゃねえか!」

 なのは組とマーダー二人の戦闘は、なのは組が不利となっていた。
人数自体は多いとはいえ、怪我で動けないユーノをなのはが魔法で治療し、それをハス太が護衛している為戦力は半減していた。
しかも、戸愚呂兄を桑原が一人で相手にしている為、OVERに対処できるのはレオリオとやらない夫の二人だけだった。
そして、やらない夫はすでにM16を撃ち尽くしてレオリオにスパス12を受け取っていた。

「どうしよう……このままじゃみんなやられちゃうよ」

 弱音を吐くハス太。
ユーノとなのはを護衛しつつ、風を操って他の仲間を援護していた彼は戦況をしっかりと把握していた。
それ故、自分達が危険な状態である事を誰よりも実感していた。

「ぐっ……皆、僕に構わないで……」
「そんな事言わないで!フェイトちゃんが死んで……ユーノ君まで死んだら私……」

 自分の命を諦めはじめるユーノと、それを必死で止めさせようとするなのは。

「ユーノ!大災害を防ぐのに頭のいいお前が必要なんだ!だから死のうとするな!」
「隙ができてるぜ、桑原!」
「ちぃっ!」

 そして、桑原もユーノを激励しつつ、戸愚呂兄の攻撃を防いでいた。
しかし、悪い流れは続くもので、やらない夫のスパス12の弾もついに切れた。

「遂にそっちの銃も弾切れか、じゃあ死ね!」
「やらない夫!?」

 OVERの投げたオリハルコン製のハサミがやらない夫の身体を貫いた。
だが、やらない夫はそれでも笑みを浮かべていた。

「ふっ……俺一人だけで……済んだ……な」
「何!?」

 OVERは、やらない夫の意味深な最後の言葉に疑問を浮かべ、背後からの攻撃により木端微塵になった。
その背後には、ところどころに植物らしき意匠を持つ巨大な怪物とそれを従えてると思われる一人の女性がいた。

「タマムシジムのジムリーダー、エリカ。助太刀に参りますわ」
「支給品のメディカⅣで俺のHPは全回復してんだ。トレーナー様のお墨付きも出たんでもう一人もぶっ殺してやるぜぇ!」

 そう、やらない夫は彼女達の存在に気づいていた。
だが、彼はそれをOVERに気づかせないためにあえて誰にもそのことを教えず、時間稼ぎに徹していた。
そして、自身の命と引き換えにOVERに致命的な隙を生み出したのだ。

「やらない夫が命と引き換えに作ったチャンス、無駄にするかよ!」
「もうお前の好きにはさせない!死んだやらない夫さんの為にも!」

 レオリオの念能力とハス太の暴風が戸愚呂兄を吹き飛ばす。

「どうにか動けるくらいには回復したし、逃がさないよ。チェーンバインド!」
「未来の自分が使っていた魔法……これなら。アクセルシューター!」

 翡翠の鎖が戸愚呂兄を縛り付け、桃色の幾つもの誘導弾がその身体に生えた突起物を次々と砕いて行く。

「追い詰めたぜ……これで終わりだ!!」

 そして、桑原の霊剣が戸愚呂兄を切り捨てた。

「があぁぁっ……だが、俺は、何度でも蘇って……」
「なら、復活できなくすればいいだけですわ。神樹!」
「焼き尽くしてやるぜ、メギドフレイム!」

 歪みし豊穣の神樹の放つ炎は、戸愚呂兄を細胞一つ残らず焼き尽くした。
灰すら残らず蒸発した彼に復活する術は無い、つまり彼は完全に死んだという事だ。


「という訳で、俺達は共に行動していたんだ。」
「そんな事になっていたのですか……」

 やらない夫を埋葬したなのは組は、神樹をモンスターボールに戻したエリカにこれまでのいきさつ等を話していた。

「けど、流石にこれ以上は無理に協力しなくても……」
「いえ、このままだと生き残っても意味ないので、私も協力しますわ」
「そうと決まれば、出発するか。傷も癒えたし身体も休まったしな」
「で、ユーノ君。政府の施設を調べていくって言ってたけど、何処から行くの?」
「国会議事堂も気になるけど、首相官邸かな。マーダー登場のタイミングからして主催に目をつけられてるだろうし、いっそのことね」

209残る命、散る命:2013/12/20(金) 20:25:02 ID:Bir1tBxI0
【一日目・17時45分/千葉県】

【高町なのは@魔法少女リリカルなのは】
【状態】健康、19歳の身体
【装備】レイジングハート@魔法少女リリカルなのは、千年タウク@遊戯王
【道具】基本支給品一式、タイムふろしき@ドラえもん、ボンテージ
【思考】基本:大災害による世界滅亡を防ぐ
1:情報を集めないと
2:ヴィヴィオに再会してきちんと話し合いたい
※千年タウクの効果によって、高町ヴィヴィオの存在と日本に世界を襲った大災害が起こる未来を知っています。
※タイムふろしきを使ったので、19歳の肉体に成長しました。
※未来の自分が使っていた技の一部が使用可能です。

【ユーノ・スクライア@魔法少女リリカルなのは】
【状態】健康、19歳の身体
【装備】なし
【道具】基本支給品一式
【思考】基本:大災害による世界滅亡を防ぐ
1:なのはを護る
2:大災害の情報を集める
3:主催が妨害してきている可能性が高いね
※タイムふろしきを使ったので、19歳の肉体に成長しました。
※PSP版の技が使えます。

【ハス太@這いよれ!ニャル子さん】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式、ガソリンの入った一斗缶
【思考】基本:大災害による世界滅亡を防ぐ
1:ニャル子ちゃんたちは大丈夫かな
2:僕も頑張らないと

【桑原和真@幽遊白書】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式
【思考】基本:大災害による世界滅亡を防ぐ
1:戸愚呂兄をぶっ倒す
2:怒鳴りつけた借りを返す為にも、ハス太を護る

【レオリオ・パラディナイト@HUNTER×HUNTER】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式
【思考】基本:大災害による世界滅亡を防ぐ
1:主催と大災害に関係があるのだろうか?
※ゴンの死に気づいていません

【エリカ@ポケットモンスター】
【状態】健康 、歪みし豊穣の神樹のトレーナー
【装備】モジャンボ、キノガッサ、他不明
【道具】基本支給品一式、モンスターボール×3
【思考】基本:大災害による世界滅亡を防ぐ
1:ポケモンと一緒に生き残る
2:珍しい植物タイプはゲットしておく

【歪みし豊穣の神樹@世界樹の迷宮4】
【状態】健康、エリカのポケモン、モンスターボールの中
【装備】なし
【道具】支給品一式
【思考】基本:エリカに従う
1:モンスターボールの中で盗み聞きしたけど、世界滅亡ってやばくね?

【やらない夫@2ch 死亡確認】
死因:刺殺

【OVER@ボボボーボ・ボーボボ 死亡確認】
死因:粉砕

【戸愚呂兄@幽遊白書 死亡確認】
死因:蒸発

210落ち込んどる場合かーッ:2013/12/20(金) 22:41:00 ID:nSESj1PU0

「ふむ……」

 四国の最西端、。香川県高松市。
 日本人なら誰でも知っているだろうが、ここの地名は竹居観音岬。
 そこに集まったひとつの集団。
 
「祐一郎よ。あれはなんだ?」
「あれは……本来、人類の希望になるべきものだった」
「ほう、俺が求める『大いなる遺産』とは違うが、実に興味深いな」

 サイボーグの超視力を持ってすれば、空中浮遊しているロボなど肉眼で捉えることができるのだ。
  、
「提督、偵察機は送りますか?」
「一応は送っといてくれ、ここから北東200kmだ」
「流石にそこまでは、無理です」
「いや、我が波紋の力を持ってすれば可能だ」

 勢いよく波紋入り艦載機を飛ばす。
 ついでに波紋入りチサオくんも飛ばす。
 が、波紋入りチサオくんは広島県辺りで墜落した。
 こんな感じで

211落ち込んどる場合かーッ:2013/12/20(金) 22:41:20 ID:nSESj1PU0


             / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ > | ̄| | ̄|
            <______     /   |_| |_|
                    /    /             / ̄ ̄/  | ̄| | ̄|
                   /    /                /    /    ̄    ̄
                    /      <            ____/    /____
                   /         \         |                /
                 /     /\    \       |___     __    /
           /    /   \    \          /    /   /    /
    _     く____/      \  \\      /    /   /    /      _____
   /Υ]            〈_]      \__\、>     /    /   /    /        |        |
    !::::!<             \ 、     \、   \ 、  / \、/、  /    /          ̄ ̄ ̄ ̄|  /
   ヽ/      く>    \\ 、 、  ヾ;.、   ヽ\ ̄ )\_)::、──<             | ̄| |/
     :  .  ・ .  ; :   ; \: .\):.、  }::..\  } :.、゙ー':;.:彡:三=::;.ヾ、 \、           |  |
   <7      _:   .  ' . 、 \ : :.、\/:::.::...:\/: : : :./ミ:::..   ..:.:ミミ:、 )\ ):、      |/   □□┌┐
         / レ:ヘ:.   : .  \  〉: : : ::::\:::.:.:: : : : : :;:'::...:.:.. ∵   ..::-=ミv二三ミミ:て            ││
       / /::::::lノ  ___>、_)>': : ::.::: : :::::::.. : : : ::..::.:..::.::.. ;     ...:.::-=ソ:ノ:=:::.・. :.::三ミ:、          |_/
─ = 二  ー'──'  ̄      . . : : : : : : : : : ::::::: : : : : ::..:::.:..    ・ .:.:-=彡;’=-  ..:.:-=彡、
       ̄ ̄__ ̄ ̄_ ≡=─     /\:::.:.. : :..:::゙:、::;;.:.. .   ..:.::-=彡'=-  : ..:.:-=彡
=二 __ ̄ ̄           ・    /  __>、: :..:,: :..:ミ=:.. :._.:-::=彡'::ミ=-:.._ ..:.:::-=彡;
         ̄ ̄__二≡=─  - /__/:::::::::::::>: ,':=-:.:..::=::._.: ::三ミ:、:r ─── 、:=_:彡'::{、     ,.;r ─── 、
─ = 二  ̄ ̄   く>          レ'::::::::::::/  ̄. :.::{=-::. :. >' ̄ ̄ ̄|::|        |:: ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|::|        |:: ̄ ̄ ̄
                        ◇   ̄ ̄ . . : : : :::.::ミへ/         |::|        |::            |::|        |::
─  = ── = 二__        . . . . : : : ::::::::::l:!______!_|       !::______!_|       !::___
  ,  .・ .  ;  . :   '    ̄ =二_. . . : : : : : ::::::::::::: /|________|        |::________|        |::___
.    ,   ' .  :,rへ、 , .  ’  ' _>: : : : : ::::::::::::__}/| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|::|        |:: ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|::|        |:: ̄ ̄ ̄
 :   . ' :  .; /:|  く__ ;  '  ̄ ̄`ヽ,へ::::::::::://.::: |______|::|        |::______|::|        |::___
 ∠フ   ; '   ヾ!   _/        !:::::::)::__l/::::::://|:::::::::::::::::::::::: |::|        |::::::::::::::::::::::::::::::::::|::|        |::::::::::::::::::
    __     \厂           | :: //.:::: //! :|:::::::::::::::::::::::: |::|        |::::::::::::::::::::::::::::::::::|::|        |::::::::::::::::::
   ∧::::/く          く>     l//::::::://;';';|  ! :::::::::::::::::::::: |::|        |::::::::::::::::::::::::::::::::::|::|        |::::::::::::::::::
    ∟∨/                  l/ .:::://;';';';/| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |        l::  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |        i:: ̄ ̄ ̄
                        !::::://! ;';'/ .: |            !         l::            !         l::

212落ち込んどる場合かーッ:2013/12/20(金) 22:41:42 ID:nSESj1PU0

「所詮、チサオくんはチサオくんだったようだな」

 チサオくんに飛行能力はないからね。
 墜落するのも当たり前。そんなわけで、広島が焦土になってしまった。

 そんな中、のび太は不安だった。
 この集まった集団で唯一の一般人。
 戦闘力で言えば、おそらくは参加者内でも最底辺。
 下手すれば、足を引っ張るかもしれない。

 そう考えると手足が震えてきた。
 ここまで無傷で生き残っているのも運がいいだけなのかもしれない。
 現にジャイアン×4、スネ夫、父に母、そしてジャイアンの母が死んでしまったのだから。

「どうした不安なのか?」
「光さん……」
「だが、しかぁぁぁし、我がドイツの科学力は世界一ィィィィ!!」
「シュトロハイムさん、それはもう分かりました」
「恐怖を乗り越え『恐怖』を我が物とすることは波紋修行の初歩だ」
「ダイアーさん……」
「ふっ、私を忘れてもらっては困る」
「紫龍さん……デイバックの中に戻ってください」
「俺は……」
「アドラーえもん」
「俺もいるぜ」
「テリーマン」
「提督、これが友情パワーですか?」

 だが、のび太は悟った。
 正義超人の友情は不滅である、と。
 勉三さんの支給品であったキン肉マンの単行本読みながら悟ったのであった。
 

【一日目・17時30分/日本・香川】
【光祐一郎@ロックマンエグゼ】
【状態】サイボーグ化、首輪解除
【装備】なし
【道具】支給品一式、ノートPC、自作爆弾
【思考】基本:息子たちをサポートする。
1:主催者について調べる



【ルドル・フォン・シュトロハイム@ジョジョの奇妙な冒険】
【状態】健康、首輪解除
【装備】なし
【道具】支給品一式、不明
【思考】
基本:主催共に一泡吹かせる
1:祐一郎達と行動する


【野比のび太@ドラえもん】
【状態】健康、首輪解除
【装備】キン肉マンのコミックス全巻@現実
【道具】支給品一式、ボーリングの玉@現実、龍星座の紫龍@聖闘士星矢
【思考】
基本:生き残る
0:死人は出ないぞぉ!!
1:ドラえもんを探す


【ダイアー@ジョジョの奇妙な冒険】
【状態】割と健康、首輪解除
【装備】イカ墨とパスタ@現実
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】基本:主催を倒す
1:ディオとかいう奴も倒す
2:アドラー達と行動する。


【アドラー@エヌアイン完全世界】
【状態】それなりに健康、首輪解除
【装備】電光機関@エヌアイン完全世界、四次元ポケット(中身入り)@ドラえもん
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】基本:ダイアー達と行動する
0:俺は……アドラー……えもん


【翔鶴@艦これ】
【状態】万全
【装備】彩雲、紫電改二、流星改、 零式艦戦62型
【道具】なし
【思考】
基本:提督(祐一郎)に従う
1:敵は爆撃する

【ザ・テリーマン@キン肉マン】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】
基本:殺し合いを止める

213横着するからだ:2013/12/21(土) 10:19:38 ID:yoTAXQ2.O
主催の存在と居場所に気付いたガメラは、九州ロボにプラズマ火球を撃ち込もうとしていた。
そこに、ダイアーの飛ばした波紋入り偵察機がやってきて、ガメラに激突、偵察機は砕け散った。
その衝撃でガメラもプラズマ火球を発射する寸前で口を閉じてしまい、口内でプラズマ火球が爆発してガメラは死んだ。

【一日目・17時50分/日本海・九州ロボ周辺空域】

【ガメラ@平成ガメラ三部作 死亡確認】

214俺達の歌を聴け!:2013/12/21(土) 23:10:33 ID:zu6VPULE0
 第三新東京市は火の海と化し、地下にあるジオフロントまでもが炎に包まれていた。
そこに侵攻していたのはネイティブドラゴンが一柱、火幻竜フレクザィードだ。
正確にはシアレンスの迷宮の奥深くで隠しボスの内の一体として君臨する個体だったりするのだが、それに気づく存在などこの場にはいなかった。

「振り向くな いつだって 情熱の向かう先に そこはきっとある」

 最大出力のATフィールドで炎から身を護っていたカヲルは確かにそう聞いていた。

「砕け散る 星たちよ 新しい 光となれ 闇を照らせよ」

 最大出力のATフィールドの向こうから聞こえてくる歌声だ。
それを不思議に思い、カヲルは歌声が聞こえてきた方向を向いた。

「Long long Time 忘れてただけさ」

 そこには、フレクザィードとは別の赤い竜が飛んでいた。

「扉はもう開いているのさ あとは飛び込んじまえよ」

そして、その背に立ってフレクザィードに向かって歌う歌う一人の男が居た。

「It's NEW FRONTIER そうさ オレたち ここにいると」

 その男、熱気バサラの歌はサビに入り、彼を乗せている赤竜も彼と共に歌うように声を上げる。

「鐘を打ち鳴らせ Woo Woo」

 それを聞き、ついにフレクザィードの動きが止まる。
その光景にカヲルはますます驚いた。

「It's NEW FRONTIER だから もっと 胸に火をつけろ」

 そして、フレクザィードもまた歌うように声を上げ始める。
カヲルは気付いた。バサラの歌の力に、そしてその魅力に。

「かげがえのないもの 解き放つさ」

 そして、カヲルもまた歌に合わせて歌い始めた。



【一日目・18時00分/日本・第三新東京市】

【熱気バサラ@マクロスダイナマイト7】
【状態】とても健康、上機嫌
【装備】ギター
【道具】支給品一式
【思考】基本:戦いなんてくだらねえぜ、俺の歌を聴け!
1:偉大なる赤竜と共に歌を届ける
2:あっちの奴ら(フレクザィードと渚カヲル)も良い歌してんじゃねえか。

【偉大なる赤竜@新・世界樹の迷宮 ミレニアムの少女】
【状態】健康
【装備】無し
【道具】もくたん@ポケットモンスター、支給品一式
【思考】基本:歌で自然環境の保護を世界に訴える。
1:都庁組や氷嵐の支配者といった仲間達やグンマーの民、そして歌の素晴らしさを教えてくれたバサラを護る為なら戦う事も厭わない。
2:バサラと共に行動する。

【フレクザィード@ルーンファクトリー4】
【状態】健康
【装備】無し
【道具】歌エネルギー変換システム@マクロス7、支給品一式
【思考】基本:殺し合いを止めて、今は歌う
1:これが歌というものか

【渚カヲル@新世紀エヴァンゲリオン】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式
【思考】基本:シンジ君と一緒にピアノを弾く
1:こんな素晴らしい歌があるなんて

【ホメ春香@ニコニコ動画 死亡確認】
死因:焼死

215因縁の終わり:2013/12/22(日) 19:14:20 ID:VgcGPyrIO
物凄い速さで飛んできた何ががマスターチーフの首輪に突き刺さり、マスターチーフの首輪が爆発する。
英良は、飛んできたものがさすまただと気付き、グリモルディをそれが飛んできた向ける。
予想通り、そこにはきれいなジャイアンがいた。
しかも、自然治癒力が強化されているのか傷が全て塞がっていた。
一瞬で間合いを積めてきたきれいなジャイアンの拳をグリモルディに受けさせたが、前のきれいなジャイアン戦のダメージもあってグリモルディは大破してしまった。
二撃目を放とうとするきれいなジャイアンだが、英良もまたキャスパーの支給品だった自動式拳銃を取り出していた。
きれいなジャイアンの拳が英良の腹部を粉砕するが、英良もきれいなジャイアンの眉間を撃ち抜いていた。
あくまで自然治癒力が強化されただけにすぎないきれいなジャイアンは致命傷から回復出来る訳がなく死亡した。

【一日目・18時00分/日本・山口県】

【マスターチーフ@ヘイロー・シリーズ 死亡確認】
【阿紫花英良@からくりサーカス 死亡確認】
【きれいなジャイアン@ドラえもん 死亡確認】

216戦慄の捕食者:2013/12/25(水) 22:47:42 ID:S1mvucYc0
「この分だと、既にこの日本でも参加者の諸君は勝手に散っているだろうな」
 朱色に染まった太陽が地平線の彼方に沈んでいき、辺りが徐々に暗くなっていく中で一人の男はそう呟く。闇に同調しそうな衣服を身に纏う男の名前は乃木怜治。その正体は、乃木怜治と言う男に擬態したワームの首領・カッシスワームだった。
 人間同士で互いに殺し合い、生き残った者達だけを国民として認めるバトルロワイアル。それに対して、乃木は大して関心を向けていなかった。
「同じ地球に生きる人間同士が醜い本性を曝け出し、殺し合う……やはり人間とは実に愚かで悲しい生き物だ。そして、哀れすぎるよ」
 フン、と鼻を鳴らしながら乃木はつまらなそうに呟く。
 存亡の危機に陥ったのならば、普通は同族同士で助け合うべきだろう。互いに潰し合っている場合ではないのに、主催陣営は殺し合いを強いる。そんな方法で生き延びたとしても、生き残った群れがいずれ破綻するだけだ。こんな下らない戦いで平和を得たとしても、疑心暗鬼に駆られた末に同じ戦いが起こるだけ。その程度のことにも気付けないくらいに、人間は落ちぶれてしまったのか。
 だが、例えそうだとしても関係ない。そんな人間どもを駆逐してワームが残った日本を占領すればいいだけのこと。
「どうやら、君達みたいな人間にこの地球を任せるわけにはいかなくなったな。我々ワームが頂き、そしてよりよい世界を築き上げていこう……世界はワームの物だ」
 乃木の方針は今までと何も変わらない。日本に跋扈する低俗な人間どもを一人残らず狩って、それからワームが支配権を握る。その為にも、首領である自分自身が進んで動かなければならなかった。
 同胞がこの日本にいるかどうかはわからないが、今は関係ない。いるならこれまでのように指令を出せばいいだけで、例えいなかったとしても一人で戦うだけ。
 どんな相手がいようとも負けるわけにはいかなかった。
「その為にも、まずは見つけなければならないな……俺の餌となるべき人間と、有能な配下が」
 愚かで弱い人間は餌にする。また、強者でも反抗的な態度を取るのならば餌にする。餌となった存在の力を己の物にできるのだから。反対に、もしも利益になる参加者がいれば配下にする。切れ者ならば参謀にするし、それなりに戦闘力を誇るのならば兵士にすればいい。どちらを選ぶにしても損はなかった。
 だが、戦うにしても油断はできない。日本のどこかにはZECTが生み出したマスクドライダー達もいるはずだった。奴らにはこれまで何度も煮え湯を飲まされた。小賢しい策を弄して戦いを挑んでくるかもしれない。負けるつもりはないがその対策もする必要があった。
 今は他の参加者を探しながらワームが支配を握る地盤を固めなければならない。道のりは長いかもしれないが、苦にならなかった。
「もうすぐ、戦場は再び闇に包まれる……その時、どれだけの参加者が生きていられるだろうね……」
 誰かに問いかけるかのような口調で呟きながら乃木は歩く。
 人の気配が一切感じられず、ゴーストタウンにいるかと錯覚させてしまうような道路。普段ならば人間どもの活気で溢れているのだろうが、今は誰の姿も見られない。もしや、主催陣営が殺し合いの為に前もって住民達を駆逐したのだろうか? だとしたら、尚更愚かだった。貴重な労働力を自ら刈り取るなんて普通の神経ならばありえない。尤も、それは人間の問題でワームには関係の無い話だが。
「死んだ人間の諸君は実に哀れだ。信じていた国のトップに裏切られ、命を終える羽目になるなんて……」
 乃木は静かに紡ぐ。
 その瞬間、どこからともなく二つの足音が響いてきた。場所はそれほど遠くない。それに気付いた乃木は瞬時に振り向き、そして笑みを浮かべた。
「おやおや、ようやく現れてくれるか……待ちくたびれたよ」
 漆黒のコートを翻しながら、乃木は高く跳び上がる。
 闘いの時はもうすぐだった。

217戦慄の捕食者:2013/12/25(水) 22:48:08 ID:S1mvucYc0





 佐倉杏子は高町ヴィヴィオを連れて歩いていた。ヴィヴィオの母親である高町なのはを見つける為にホテルの中を捜索している。
 先程、何故か小さな子供に性的な虐待をしようとしていた。子どもの方は怯えていたのを見る限り、もしかしたら性行為は無理矢理しようとしていたのかもしれない。逃げるヴィヴィオを追ってしまったが、助けた方がよかったかと今になって思う。後悔してももう遅いので、一刻も早くなのはと会わなければならないが。
 そうしてホテルへ戻ったが、そこには誰もいない。ホテルの中を隅から隅まで探しても、誰も見つからなかった。きっと、すれ違いになってしまったのだろう。
「見つからないな、お前の母親は」
「ごめんなさい、杏子さん……私が何時間も落ち込んでいたせいで……」
「気にするな。あの状況だったら、誰だってショックを受けるよ。ヴィヴィオが謝る必要なんてある訳ないだろ」
「でも……」
「ストップ! ヴィヴィオ、落ち込んでいる暇があるのなら二人を探すことを考えろ! いいな」
 杏子はヴィヴィオが吐く弱音を遮る。すると、ヴィヴィオは一瞬だけ驚いたような表情を浮かべたが、すぐに笑顔になった。
「……はい! ありがとうございます、杏子さん!」
「いいってことよ」
 やはり、落ち込んでいるよりも笑っている方が杏子としても気分が良かった。いつまでもウジウジしていたって何にもならないし、杏子だって落ち込んでしまうかもしれない。
 亡くなった妹のモモだって、ヴィヴィオのように笑っている頃があった。もう少し大きくなったら、ヴィヴィオと同じ活発な少女になっていたのだろうか……そう、杏子は思ってしまう。
「さて、ホテルにいないとなったらいつまでもここにいたって仕方がないし……どこか他の所に行くか」
「わかりました!」
 杏子とヴィヴィオの声がホテルのロビーで響き渡る。
 それからホテルの正門を潜ると冷たい風が肌に突き刺さる。何か温かい服をホテルで探せばよかったかもしれないが、今から探すのは面倒だ。それにこの程度の寒さならコートを羽織る必要もないし、耐えられないほど寒くなってから考えればいい。
 今はなのはを見つけることが最優先だった。
(あの放送じゃ呼ばれていなかったけど、安心はできないな……どうか無事でいてくれよ)
「おやおや、ようやく見つけたと思ったら小娘が二人か……」
 杏子は思案していたが、それを阻害するかのように男の声が耳に入る。
 それに気付いた杏子が振り向くと、黒い衣服を纏った男を見つけた。
「だが、ただの小娘ではなさそうだ……もっとも、俺の配下になりうる人材ではなさそうだが」
 開口一番、男は意味のわからないことを言ってくる。その態度はとても高圧的で、杏子は表情を顰めた。
 何故、見知らぬ男から上から目線でそんなことを言われなければならないのかがわからない。一体、何の権利があるのか?
 偉そうな相手が好きになれない杏子に、目の前の男と仲良くなるのは無理な話だった。
「いきなり何だよ、オッサン」
「だが安心したまえ。君達はもうこの愚かな戦いに怯える必要はない……俺の餌にしてあげよう」
 冷たい目線を突き刺してくる男は静かにそう呟く。すると、男の身体から紫色のオーラが噴き出された。
 薄気味悪い音が響き渡り、男の体は変わっていく。瞬く間に、カブトムシのような姿へと怪物へと変貌した。
「なっ……!?」
 刹那、怪物から物凄い勢いで殺気が放たれ、杏子は反射的に魔法少女に変身する。
 目の前の怪物・カッシスワーム グラディウスはあたし達のことを殺そうとしているし、話し合いの余地などない。一目見ただけで杏子はそう確信した。
 ならば、相手が何かを仕掛けてくる前に叩き潰すしかない。そう思った杏子は槍を振りかぶりながら突貫し、勢い良く振るう。だが、それはカッシスワームの左腕から生えた刃によって軽々と受け止められてしまった。
 杏子は力づくで押し込もうとするがカッシスワームは微動だにしない。
「おやおや、随分と凶暴だねぇ……」
 嘲るような声がカッシスワームから聞こえてきて、杏子の中で怒りが湧きあがっていく。
 その直後、カッシスワームが腕を振るったことで槍は弾かれてしまい、そこから杏子の身体は切り裂かれてしまう。
 身体に激痛が走り、杏子は声にもならない悲鳴をあげてしまった。それを好機と見たのかカッシスワームは攻撃を続ける。その勢いは凄まじく、歴戦を乗り越えた魔法少女である杏子でも見切ることができなかった。

218戦慄の捕食者:2013/12/25(水) 22:49:15 ID:S1mvucYc0
「杏子さん!」
 度重なる攻撃によってよろめいた後、後ろからヴィヴィオの声が聞こえてくる。
 それに振り向いた直後、いつの間にか変身していたヴィヴィオも拳を掲げながらカッシスワームに突貫したが、カッシスワームは背後に跳んだことでその一撃を避けた。
 だが、そのおかげで杏子はカッシスワームの攻撃から解放される。そんな杏子の元にヴィヴィオは駆け寄った。
「大丈夫ですか、杏子さん!?」
「ああ……」
 心配そうな表情を浮かべるヴィヴィオに杏子は勝気な笑みで答えるが、それはあまりにも力が溢れていなかった。
 目の前の怪物・カッシスワームはあまりにも強すぎた。それこそ、これまで戦ったどの魔獣も凌駕してしまいそうなほどに。
 これまでの戦いで養われた経験から、カッシスワームは自分達二人を圧倒的に上回る強さを誇っていると杏子は察する。認めるのは癪だが、それだけのオーラを発していた。
「お喋りはそこまでだ……」
 戦慄する杏子の耳に、カッシスワームの声が響く。
「終わらせて貰おう……ライダースラッシュ!」
 カッシスワームの腕から二発の鋭い衝撃波が放たれていき、杏子とヴィヴィオを標的に進んだ。
 その速度は音を遥かに凌駕して、二人に反応する暇を与えない。
「ヴィヴィオ――!」
 杏子はヴィヴィオに言葉をかけようとしたが、それが最後まで紡がれることはなかった。
 何故なら、杏子の身体はカッシスワームの放つライダースラッシュによって切り裂かれてしまうのだから。





 高町ヴィヴィオには抵抗をする余裕すらなかった。
 カッシスワーム グラディウスによる死の斬撃が彼女の身体を容赦なく切り裂き、そこからあらゆる力を奪われてしまう。起き上がろうとしても身体が言うことを聞かない。
 首も動かない。そのせいで、ヴィヴィオの視界には暗くなっていく空しか映らなかった。
 まるで、その闇が自分を引きずり込もうとしているかのように見えてしまい、ヴィヴィオは不安になってしまう。
(私……死んじゃうの?)
 意識がどんどん薄れていく中、ヴィヴィオの鼻に生臭い血の匂いが届く。
 それに伴って身体がどんどん冷たくなっていくのを感じてしまい、自分の死が近づいてきているのをヴィヴィオは察した。その瞬間、ヴィヴィオの脳裏にこれまでの人生が見てきた光景が走馬灯のように過っていく。
 愛する母親である高町なのはと出会い、そして戦った幼い日々。たくさんの人と出会い、そして絆を深めあった学園の毎日。アインハルト・ストラトスと拳を交わし合って、互いに色々なことを語り合った日常。
 どれもかけがえのない時間であり、宝石よりも輝いて見えた。そんな毎日がこれからも続いて欲しかったが、それはもう訪れることはない。
 そう思うと、全ての思い出がこの上なく愛しく感じられてしまった。

219戦慄の捕食者:2013/12/25(水) 22:49:47 ID:S1mvucYc0
(杏子さん、アインハルトさん、それとなのはママ……ごめんなさい)
 ヴィヴィオはどこかにいるはずのなのはのことを考える。
 どうして小さな子どもにあんな変なことをしたのかがわからない。なのはに何があったのかが知りたかったけど、もう叶わないだろう。
 きっと、なのはは自分の死を知ってしまう。そうなったら、なのはは泣いてしまうかもしれなかった。
 それがヴィヴィオにとって何よりも心残りだった。
 そして、自分を守ってくれた杏子はどうなったのか? 無事でいて欲しいけど、確かめる術はない。
 ヴィヴィオが杏子の為にできることは、生きていることを祈るだけだった。
(ママ……)
 ヴィヴィオは願う。
 高町なのはが元に戻って、こんな殺し合いを止めてたくさんの人を助けてくれることを。強くて優しいママだったら、簡単にできるはずだから。
「ヴィヴィ、オ……」
 ヴィヴィオの耳に震えるような杏子の声が届く。
 それを聞き取ったヴィヴィオは、最後の力を振り絞って首を動かす。そこには、自分と同じように横たわる佐倉杏子の姿が見えた。
 既に杏子も身体の半分が切り裂かれていて、とても助かる様には見えない。だけど、今のヴィヴィオにはそれを気にする余裕などなかった。
「杏子、さん……」
 最後に杏子を見ることができて、ヴィヴィオは思わず微笑む。
 佐倉杏子が腕を伸ばしてきたので、それに答える為にヴィヴィオも腕を伸ばす。
 二人の掌が触れ合うまで、そう遠くはなかった。
「おやおや、こんな身体になっても互いを気遣うとは……泣かせるじゃないか」
 しかしそんな最後の想いさえも打ち砕くかのような、冷酷な声が響く。
 それに気付くことのないまま、高町ヴィヴィオの世界は闇に飲み込まれてしまった。





「俺としたことが、少しばかり大人げなかったかな……? 今まで誰にも会えなかったとはいえ、やりすぎたようだ」
 カッシスワーム グラディウスの変身を解除した乃木怜治は能面のように硬い表情で呟く。
 たった今、二人の少女を糧としたが何の感慨も抱かない。ある程度の力は得られたかもしれないが、それだけでこの戦いを生き残れるとは限らなかった。
 高町ヴィヴィオと佐倉杏子という奇妙な力を持った小娘。そんな二人を勝利したところで余韻に浸れるわけがない。この程度で酔うなど小物のすることだ。
「悔やむことはない。この俺の糧となれたのだから、むしろ誇るといいさ」
 もうこの世にいないヴィヴィオと杏子に言い聞かせるかのように言葉を残しながら、乃木はその場を去っていく。
 食事の時間は終わった。次の訪れるのは主催者による放送の時間だ。
 その時には何人の参加者が呼ばれるか……そんなことを、乃木怜治は考えていた。

220戦慄の捕食者:2013/12/25(水) 22:50:05 ID:S1mvucYc0
【一日目・17時50分/日本・千葉県 ホテル】

【乃木怜治@仮面ライダーカブト】
【状態】健康、
【装備】なし
【道具】基本支給品一式、不明支給品
【思考】
基本:愚かな参加者の諸君を始末し、最後には主催者の諸君も始末する。
  1:さて、どうするか……?
  2:利用出来る参加者がいるなら利用するが、そうでないなら餌にする。
〔備考〕
※佐倉杏子と高町ヴィヴィオの肉体を吸収しました。




【佐倉杏子@魔法少女まどか☆マギカ 死亡確認】
【高町ヴィヴィオ@魔法少女リリカルなのはVivid 死亡確認】
※杏子とヴィヴィオの肉体は乃木によって吸収されました。

221人狼、獣化する:2013/12/26(木) 16:56:15 ID:efbqkFLk0
 熱斗組と拳王軍が合流した事により一時的に熱斗組討伐の任を解かれた大尉は、全裸の少年を射殺し、その少年が持っていた服を死体に被せていた。
大尉は、その少年が変態な趣味のせいで他の参加者に逃げられた葵・トーリという存在だという事を知らない。
ただ、五大幹部から彼が熱斗組が探しているシンクロチップを所持していると伝えられたから殺しただけだった。
そんな大尉の元に銃声を聞きつけた二人の対主催が現れた。

「お前、なにしてやがる!」
「マーダーめ、撃つぞ!」

 駆けつけてきたのはゴッドフェニックスもヤマトも無い事に気づいたコンドルのジョーと南部の二人組だった。
それを見た大尉は、既に抜き取っていたシンクロチップを使用、ビーストマンを模した装甲に身体が覆われ、両手はビーストマンと同じ鋭利な爪と化した。

「何!?」

驚くジョー達に対し、大尉は両手を前に突き出し、ジグザグな軌道の突撃を行う。
ビーストレイというその技を、ジョーは飛行することで回避出来たものの、南部は動きを目で追う事すら出来ずに内蔵を爪で抉られた。

「南部を、よくも!」

 大尉めがけ、羽根手裏剣を投げるジョー。
しかし、ビーストマンとクロスフュージョンした大尉のスピードが早すぎて、掠りすらせずに羽根手裏剣を使い切ってしまった。

「ちっ……」

 今度はエアーガンを取り出して構えるジョー。
しかし、その時には既にジョーの目の前まで大尉は跳躍して接近していた。
そして、ジャンピングクローと呼ばれる爪の一撃がジョーの身体を切り裂いた。

【一日目・18時10分/愛知県・名古屋】

【大尉@HELLSING】
【状態】健康
【装備】PET(ビーストマン入り)、シンクロチップ@アニメ版ロックマンエグゼシリーズ
【道具】支給品一式×5、モーゼルM712@HELLSING、14年式コスモガン@宇宙戦艦ヤマト2199、エアーガン@科学忍者隊ガッチャマン
【思考】基本:五大幹部の命令に従う
1:これがネットバトルの力か……
2:とりあえず、ジョーカー参加者として動く
3:ネットバトルの練習も忘れない
※人狼としての力でダメージが完治しました。

【ビーストマン@ロックマンエグゼ3】
【状態】HP満タン
【装備】なし
【道具】なし
【思考】基本:PET所有者である大尉に従う
1:主催の一員として動く
※PETの中にいます

【葵・トーリ@境界線上のホライゾン 死亡確認】
死因:射殺

【南部康雄@宇宙戦艦ヤマト2199 死亡確認】
死因:ビーストレイ

【コンドルのジョー@科学忍者隊ガッチャマン 死亡確認】
死因:斬殺

222最強の死:2014/01/04(土) 01:41:51 ID:O9juRzfAO
その圧倒的な超能力でギャオスを一方的に殺害したと同時に楠子が背後からの斬撃に倒れた。
知覚に役立つ超能力の制限に順応しきれなかったのと、ギャオスの気配が大き過ぎて他の気配が非常に解りづらくなっていた為、背後に潜んでいたマーダーに気付けなかったのだ。
そのマーダーとは朝倉威、彼は仮面ライダー王蛇に変身していた。

「クラウザーさんが死んでイライラすんだよ」

そう吐き捨てた朝倉は変身解除して楠子の死体から支給品を奪った。

【一日目・18時00分/日本・三重県】

【朝倉威@仮面ライダー龍騎】
【状態】健康
【装備】王蛇のデッキ@仮面ライダー龍騎、モンスターボール×5
【道具】支給品一式
【思考】
基本:SATSUGAI
1:クラウザーさんが死んでイライラする
【ミカルゲ@ポケットモンスター】
【状態】健康、朝倉にボールごと拾われた
【装備】かなめいし@ポケットモンスター
【道具】支給品一式
【思考】
基本:おんみょ〜ん
1:ヤバい奴に拾われたっぽい

【ギャオス@ガメラシリーズ 死亡確認】
【斉木楠子@斉木楠雄のΨ難 死亡確認】

223混沌な名無しさん:2014/01/04(土) 12:17:30 ID:sVvb26nw0
王蛇は朝倉じゃなくて浅倉だよ

224混沌な名無しさん:2014/01/04(土) 12:19:37 ID:O9juRzfAO
すまねえ、修正しといてくれ。

225アルケーガンダム新生:2014/01/05(日) 19:02:28 ID:Al8j5LcQ0
 高木社長とミスティアは、リグ・コンティオでサーシェスの乗るアルケーガンダムと戦っていた。
二人は、765プロのアイドル達や幻想郷の住人達、ライバルである黒井社長の死を悲しみつつもカオスロワを生き残って765プロの活動を再開させることを決意していた。
しかし、彼等はPETを操作していた参加者がアルケーガンダムのビームで消し飛んだのを目撃し、逃げたり隠れたりしても一方的に殺されるだけだと判断してリグ・コンティオで迎撃を試みたのだ。
左腕とGNファング全てを失ったアルケーガンダムに対し、支給品が出刃包丁で能力もMS相手には役に立たないミスティアが無線式ショットクローを操作して援護する事で、ビームライフルとヴァリアブルビームランチャーでの射撃戦に持ち込む高木。
だが、サーシェスはその程度でやられるようなパイロットでは無かった。

「ちっ、やってくれるじゃねえか、だが甘いぜ!」

 サーシェスは無線式ショットクローの軌道を先読みし、GNバスターソードでそれを切り捨て、さらにGNバスターソードをライフルモードに変形させて連射した。
機体性能の高さとビームシールドのお蔭でどうにか被弾を防ぐリグ・コンティオ。
しかし、防ぎ切れなかった二つのビームが、ビームライフルとヴァリアブルビームランチャーを破壊していた。

「嘘……このままじゃ……」
「安心したまえ、こいつを取っておいた!」

 そう言い、止めを刺そうと近づくアルケーガンダムに向けて、リグ・コンティオは胸部の三連ビーム砲を発射する。
高木社長が直感で今まで使っていなかったこの武装は、サーシェスの知識に類似の武装が存在しなかった為虚を突かれたアルケーガンダムに直撃した。
サーシェスを乗せたコアファイターが脱出すると同時に爆散するアルケーガンダム。
その時、戦場にコアファイターの無いアルケーガンダムを重武装にしたようなMSが出現した。

「こいつは……知っているぞ!」

 そのMSの名はヤークトアルケーガンダム。対多数戦を目的とした重武装型アルケーガンダムとも言うべき機体であり、コアファイターの無い状態で主催本拠地の格納庫の収納されていた。
そして、爆散したアルケーガンダム共々主催によって改造された事でコアファイターとの再合体機能が追加され、転送ゲート等を活用する事で状況に応じて機体を換装する事が可能になっていたのだ。
勿論、主催の一員である事を忘れたサーシェスはそんな裏事情も知らないのだが、ヤークトアルケーガンダムを見てコアファイターとの再合体機能だけは思い出し、三連ビーム砲による追撃を躱しつつコアファイターをヤークトアルケーガンダムに合体させた。

「えええええええ!?」
「まさか!?」
「そうよ、そのまさかよ!行けよ、ファング!!」

 コクピットで思わず悲鳴を上げる二人。
それに構わず、ヤークトアルケーガンダムのGNファングによる一斉射撃が放たれる。
ビームシールドでそれを防ぐリグ・コンティオだが、その隙にGNファングがリグ・コンティオを取り囲んでいた。

「さあ、機体諸共逝っちまいな!!」

 GNファングによる一斉射撃がリグ・コンティオの四肢と頭部を破壊し、ビームサーベルを発生させた幾つものGNファングがリグ・コンティオを貫いた。

「さあて、次の相手はどいつだ!」

 GNファングを全機収納したヤークトアルケーガンダムの背後でリグ・コンティオが爆散した。


【1日目・18時15分/日本・神奈川】


【アリー・アル・サーシェス@機動戦士ガンダム00】
【状態】疲労(小)、強い屈辱 、ヒゲがない
【装備】ヤークトアルケーガンダム@機動戦士ガンダム00V
【道具】支給品一式、熱線銃
【思考】基本:カオスロワという名の戦争を楽しむ
1:参加者は片っ端から虐殺
2:赤いガンダム(ガンダムエピオン)には必ず雪辱を果たす
※新型ナノマシンにより、闘争本能等が増大しました。
※主催の一員ですが、すっかり頭の中から抜けてしまいました。

【福田康夫@現実 死亡確認】
【ビデオマン@ロックマンエグゼ4 死亡確認】
死因:(PET諸共)ビームライフルにより蒸発

【高木社長@アイドルマスター 死亡確認】
【ミスティア・ローレライ@東方project 死亡確認】
死因:GNファング

226混沌な名無しさん:2014/01/05(日) 21:13:06 ID:2s/UKMdM0
まーたサーシェス贔屓か、飽きないねぇ君も

227汝ら『悪』を滅ぼす『刃』になれ:2014/01/06(月) 21:14:05 ID:TRBzgX1g0

 走る。
 縦横無尽に要塞と化した九州を駆け抜ける。
 そして、辿りついた九州ロボ機動兵器格納庫。
 
「退け……!」

 残っていた残像兵をプラズマの力を纏ったスライディングで文字通り蹴散らす。
 そのまま空中に飛び上がり、さらに跳躍。正確にクナイを投擲する。
 そして、チャージした力を開放し、空中でさらに加速する。
 と、最新作で覚えた技の数々を惜しげも無く使いまくる飛竜。

 風よりも早く動き。
 林よりも徐かに。
 火の如く勢いよく。
 陰のように動きを悟られないように。
 山のように一切ブレない精神力で。
 その姿まさに雷神。
 
「ちっ……」

 全員をぶち殺したところで、思わず飛竜は舌打ちをする。
 脱出用の機体が何一つ残っていないかったのだ。
 仕方ないので、敵を殲滅を決行することにした。
 この決断に至るまで舌打ちからわずか0.1秒。

「そこまでだ!」
「!?」

 その時、一機のオスプレイが飛来した。
 操縦しているのは我らが野田総理だ。
 記念すべき5000話だからといって自ら出撃してきたのだ。うーん、この主催者は。
 
「ハッーハハハハハハハハハハハハハァッ!! たまんねぇなァ!!!」

 オスプレイに装備された回転式機関砲をぶっぱなす野田。
 それを飛竜はサイファーで作り出した特殊な磁場を発生させ、リフレクトする。
 しかし、弾丸を弾き返せても、弾き返した弾の射程距離ではない。

 だが、次の刹那。『ソレ』はオスプレイの上からやってきた。

「虚空陣奥義……ズェア!!」
「なっ……!?」

 上空から飛んでいたオスプレイをぶった斬った。
 オスプレイはそのまま、空中で大爆発を起こした。

【野田総理@現実? 死亡確認】
死因:オスプレイの爆発に巻き込まれた。

 そら、生身の人間だよ。
 爆発に巻き込まれれば死ぬし、刀で斬られたら死ぬだろ、常識的に考えて。
 だが、オスプレイを斬った男はそのまま、地面に着地した。
 
「貴様、何者だ?」

 飛竜の目の前にいるのは長い白髪を9本に束ね、白を基調とした甲冑。
 そして、何より目をひく、その白い仮面。

「……我は空、我は鋼、我は刃……
 我は一振りの剣にて全ての『罪』を刈り取り『悪』を滅する」
「答えになっていない」
「我は白! 世界を白く染め、無に回帰させし者。我が名は『ハクメン』!」


【一日目・18時00分/九州ロボ・福岡県】
【飛竜@ストライダー飛竜】
【状態】健康
【装備】光剣サイファー@ストライダー飛竜 クナイ、各種オプション
【道具】支給品一式 
【思考】基本:主催を抹殺する
1:主催陣営の殲滅
※2014年2月22日発売予定の新作『ストライダー飛竜』の技が使えます。

【ハクメン@BLAZBLUE】
【状態】不明
【装備】斬魔・鳴神
【道具】支給品一式
【思考】基本:『悪』を滅する
1:世界に災いをもたらす者を『刈り取る』

228新たな戦いの前触れ:2014/01/08(水) 00:59:03 ID:XUUYJmpE0
 話し合った結果意気投合した飛竜とハクメンは機動兵器格納庫の一角にいた。
そして、主催を殲滅する為に動き出そうとした所で二人は光に包まれ……気が付いたら山形県にいた。

「ひょっひょひょひょ。見てみろよ丁度良い所に参加者がいるぜ」
「ああ、時臣や遊戯とやらを殺す為のシュミレーションといこうか」
「…………」

 そんな二人の元に現れたのは異様な雰囲気の三人組だった。
特に、男二人は昆虫装機デッキの力に酔いしれたせいで解りやすい悪役オーラを出しており、そんな彼等を見逃すハクメンと飛龍では無かった。
故に、戦闘が始まるのは必然の事だった。


 その頃、主催本拠地の一室でココがとある男と通信で話していた。

「という訳で、九州ロボの要塞化……いや、超巨大特機化計画はマキナ化を除き完了した」
「フーフフ。ご苦労様」

 男の名はビアン・ゾルダーク、主催の科学技術班班長であり、五大幹部の信頼を受けている人物の内の一人である。
彼は、その天才的な頭脳で自身と主催が持つ様々な技術を集約させ、九州ロボの要塞化を進めていた。
その過程で、自身の趣味とそれを実現するだけの能力と今は亡きクルル曹長の協力があったせいで要塞化計画は超巨大特機化計画へと変わってしまったのだが、実現したので主催にとっては問題無かった。
だって、九州ロボの性能が当初の想定を遥かに上回るものになったのだから。

「だが、良かったのか?あの二人を攻撃しなくて……私がヴァルシオンで出撃する事もできたが」
「こっちのほうが都合がいいのよ。あのハクメンという男、場合によっては対主催であろうと斬るわ」

 そう、ハクメンと飛竜は主催によって山形県へと転送されたのだ。
というのも、たまたま二人がヤークトアルケーガンダムが置かれていた場所に居たため、それをサーシェスのもとに転送するのに使った装置を使って二人を転送したのが真相である。
ちなみに、主催の一員である事を忘れて暴走するサーシェスの元にヤークトアルケーガンダムを転送したのは、彼を暴れさせる事でより殺し合いを激しくするためだったりする。
ついでにいうと、この転送装置はクルル曹長が遺したものを元に作った物だったりする。

「ふむ。まあいい、これも人類が力尽くでも災厄から生き残る未来を勝ち取る為だ。」
「ええ、それではまた。」

 そして通信が切られ、ココは最後にこうつぶやく。

「しかし、野田総理には最後まで迷惑をかけられたわ……私のオスプレイで無断出撃して撃墜されるなんて」

229新たな戦いの前触れ:2014/01/08(水) 00:59:20 ID:XUUYJmpE0
【一日目・18時20分/日本・山形県】

【飛竜@ストライダー飛竜】
【状態】健康
【装備】光剣サイファー@ストライダー飛竜 クナイ、各種オプション
【道具】支給品一式 
【思考】基本:主催を抹殺する
1:ハクメンと共に主催陣営及び『悪』を殲滅する
※2014年2月22日発売予定の新作『ストライダー飛竜』の技が使えます。

【ハクメン@BLAZBLUE】
【状態】不明
【装備】斬魔・鳴神
【道具】支給品一式
【思考】基本:『悪』を滅する
1:飛竜と協力して、主催及び世界に災いをもたらす者を『刈り取る』

【間桐雁夜@Fate/Zero】
【状態】健康
【装備】昆虫装機デッキ
【道具】支給品一式
【思考】基本:時臣ぶっ殺して葵を寝取る。
1:羽蛾と組む
2:時臣戦の練習として目の前の二人を倒す

【インセクター羽蛾@遊戯王デュエルモンスターズ】
【状態】健康
【装備】昆虫装機デッキ
【道具】支給品一式
【思考】基本:遊戯をぶっ殺す。
1:雁夜と組む。
2:ウォーミングアップとしてまずは目の前の二人を殺す。

【間桐桜@Fate/Zero】
【状態】健康
【装備】蜂の子、ち○こ蟲
【道具】支給品一式
【思考】基本:一応おじさんに着いていく
1:凛を見つけたら蟲攻めする
2:あの二人強そうだし、やばくなったらおじさん達を見捨てて逃げようかな?


【同時刻/九州ロボ・福岡県】

【ココ・ヘクマティアル@ヨルムンガンド】
【状態】健康
【装備】ライトセーバー@STAR WARS
【道具】不明
【思考】基本:テラカオスを生み出す計画を遂行する
1:計画のために殺し合いを促進させ、計画の邪魔をするものは撃つ
2:野田総理死亡後の動きについて五大幹部で話し合う
3:キャスパーの死は仕方ない

【ビアン・ゾルダーク@スーパーロボット大戦OG】
【状態】健康
【装備】ヴァルシオン@スーパーロボット大戦OG
【道具】支給品一式
【思考】基本:大災害から人類が生き残る未来を勝ち取る為に主催に協力する
1:自身を倒すほどの力と、人類の未来を勝ち取る強い意志を併せ持つ者達が現れたのなら後を託す事も考える。
2:だが、主催の一員として手を抜くことは絶対にしない
3:資材の都合で九州ロボの外観を自由に変えれなかったのが心残り

230最後の力:2014/01/08(水) 11:30:04 ID:dvg1ZBHo0
イエーガーというのはドイツ語で狩る者…つまりハンターという意味であり、ジプシー・デンジャーをはじめとした巨大ロボの総称である。
その狩人は対怪獣用の兵器である。
よって、ただの人間など相手にもならないわけで、戦いにすらならないのだ。
だから、騎士と影薄達はズタボロになって地面に這い蹲っている。

「クッ、まさかこれほどやられるなんて…」

鎧の所々にひびが入り、身体も鎧と同じようにボロボロな混沌の騎士が立ち上がろうとする。
横には同じくボロ雑巾と化した日之影が横たわっている。

「全くだ、前回かっこつけたこと言ってたくくせに…こんなんじゃ笑い話にしかならねぇよ……」
「大丈夫っすか皆さん……」
「……」
「……」

桃子が周囲を気遣う。黒子は既にスタミナ切れでうつ伏せになって倒れている。
あかりにいたってはレイプ目状態で倒れており、何の反応も示さなくなっていた。
この絶望的状況が表す通り、これこそがイエーガーと彼らの力の差に他ならない。

「それにしても、圧倒的だな……」
「ええ、私はどれほど無力なんでしょうね…」
「あぁ…」

騎士と影薄達が一瞥する。その先には

各所に火花を上げ、膝をつくジプシー・デンジャー、そして……
刀を持った小野塚小町が鬼気迫る表情でジプシー・デンジャーを見下ろしていた。





231最後の力:2014/01/08(水) 11:32:08 ID:dvg1ZBHo0



イエーガーに乗るベンは焦っていた。
確かに圧倒的だった。このジプシー・デンジャーは。
何でも斬れる程度の「斬鉄剣」を持つ混沌の騎士も、箱庭学園最強《知られざる英雄》の日之影空洞も、
キセキの世代『幻の6人目』黒子テツヤも、鶴賀学園麻雀部の副将『ステルスモモ』東横 桃子も、
……『特徴がないのが特徴』の赤座あかりも、全員圧倒的な性能で蹴散らしてやった。

だが目の前のこの少女は…『三途の水先案内人』小野塚小町は何だ?何故倒せない?
ロケットパンチも、冷却攻撃も、プラズマキャノンも、チェーンソードも当たらない。
いや、当たらない…というよりは届かないのだ。
それだけではない、避けられないのだ。相手の攻撃が。
ジプシー・デンジャーはデカイとはいえ機体の各所にスラスターがついており、機動性はかなり高い。
のにも関わらず小野塚小町の放つ弾幕が、神槍による伸縮自在の攻撃が必ず全て当たる。
まるで必ず当たるというよりは、逃げられないような……。
サイズの差ゆえ一つ一つのダメージは小さいが、それが少しずつ…長時間にわたる戦闘によりいくつも確実に積み重なっている。
その事実がベンの心を揺さぶる。

小野塚小町の能力は『距離を操る程度の能力』である。
これは呼んで字のごとくで、用途は主に三途の河の彼岸までの距離を変えることに使用される。
この殺し合いでも序盤、船が陸地に着かないよう使われていた。
一見地味な能力に思えるのだがそれを戦闘に使うとどうなるか。
つまり距離を操れば相手の攻撃を届かなくさせたり相手を強制的に有効的な間合いに引き寄せられる…。
要するに『間合いを支配する程度の能力』と化す。
こと戦闘、特にタイマンではとても有用的な能力なのだ。
小町が長時間イエーガー相手に孤軍奮闘できたのはこの能力とあやのを殺されたことに対する復讐の業火のおかげに他ならない。
例え仲間が次々に倒れても小町の炎は消えはしなかった。

小町の能力によって引き起こされる不可解な現象にベンは焦りと苛立ちを募らせていた。
それが災いし大振りで拳を繰り出してしまい、小町には能力なしで避けられ大きな隙を晒してしまう。
無論それを見逃す小町ではない。

「さあて、そろそろ切り札を使わせてもらうかねぇ…卍解――『神殺鎗』ッ!!」

斬魄刀『神鎗』の刃がこれまでとは比べ物にならない程瞬く間に伸びていく。
それは79m程のジプシー・デンジャーを越すどころか、天を貫くやもしれない領域まで。

「これどこまで伸びるか分かるかい?13kmらしいよ。眉唾物だけどね」

13kmは流石に大法螺が過ぎるのだが、実際そうなんじゃないかって程の長さに見えるのは確かであった。
そして、その超尸魂界級の刃と化した『神殺鎗』が、ジプシー・デンジャーに向かって振り下ろされ――ジプシー・デンジャーの左腕を切断した。


ジプシー・デンジャーが左腕を失ったのにも関わらずゴゴは冷静だった。
ゴゴはものまね師である。ベンの行動方針や戦闘技術のコピーはもちろん、カオスロワ第4回ではジャイアンの母やYOKOAZUNAの戦闘力すらものにするレベルのものまね師である。
故に麻雀士の桃子に匹敵する洞察力の持ち主なのだ。そんな彼がこれからすることは…

「俺はものまね師ゴゴ。ならばお前の『距離を操る程度の能力』のものまねをしてみよう」

やはりものまねであった。

「射殺せ――『神鎗』ッ!!」

斬魄刀『神鎗』の刃がジプシー・デンジャーの残った右腕に迫る…がその刃が届くことはなかった。

232最後の力:2014/01/08(水) 11:37:36 ID:dvg1ZBHo0

「何…だと…?」

小町は一瞬驚いた顔をした後唇を噛み締める。
この不可解な現象には見覚えがある。いや、ありすぎる。

「まさか、あたいの『距離を操る程度の能力』を……使ったっていうのかい!?」

そう、『距離を操る程度の能力』をゴゴはものまねしたのだ。
コクピットに座るゴゴとベンは「Exactly(そのとおりでございます)」と言いたげに笑みを浮かべる。
後はもうこちらの攻撃と同時に能力を使い、小町との距離を縮めればいいだけ。
それによるゼロ距離のプラズマキャノン…もう避けられまい。
小町を消し飛ばした後はそこでズタボロになっている可哀想な連中にきれいさっぱり止めを刺してしまおう。
歓喜の笑みを浮かべ、プラズマキャノンの砲口を光らせると同時にゴゴは『距離を操る程度の能力』を使用した――

「!!!!?」

二人は目を疑った。能力使用と同時に小町の姿が消えたのだ。プラズマキャノンの光は空しく空を切る。
プラズマキャノンの砲口の前に来るように距離を操作したはずなのだが…二人は動揺を隠せないでいた。

「あたいの能力を真似したのには驚いたさ。でもそれであたいに勝てるほど甘くはないよ」
「ッ!!」
「あたいの能力を手に入れたアンタが嬉々としてとどめに使うだろうと思ってたよ…だから重ねてやったよ。距離を縮める能力をね」

あの女の声が聞こえるが、どこを見渡しても見つからない。
そんな彼らの様子を知っていたか再び声が聞こえる。

「どこ見ているんだい?あたいはここだよ!」

小町はジプシー・デンジャーの頭上に立っていた。
小町は『神槍』の刃先をジプシー・デンジャーの頭部…コクピットに向ける。
ゴゴの距離を縮める能力に小町の能力を重ね、彼女は一気にデンジャーの頭部に移動していたのだ。

「今度こそ決めさせてもらうよ、射殺せ――『神鎗』!!!」

解号と同時にジプシー・デンジャーの頭部は爆発。
コクピットを失い機能停止した狩人はそのまま倒れ伏し、動かなくなった。







ゴゴは爆発に乗じて脱出していた。
ゴゴの行動方針は決まっている、ものまねである。

「俺はものまね師ゴゴ。次のものまね相手を探して真似してみよう」

ベンは先ほどの爆発で死んだだろう…なので次のものまね相手を探す必要がある。
次の標的を探そうとその場を離れようとした時、冷たい声がかけられた。

「逃げられると思ってるのかい?」

ゴゴが冷や汗を垂らしながら振り向くと後ろには先ほどコクピットを貫いた刀とは違う刀、斬鉄剣を持った小野塚小町が立っていた。
斬鉄剣は倒された騎士から託されたものだ。

「こいつぁアンタが殺した峰岸あやのからの贈り物さ。三途の渡し賃代わりにとっておきな」

次の瞬間、ゴゴの首が宙を舞った。

【ゴゴ@ファイナルファンタジーⅥ 死亡確認】

ゴゴを斬首して殺した小町は物音に気づき、振り向く。
すると、猟銃に防弾チョッキと完全武装した猿…ベンがいた。
だが、ベンは小町を見るなり奇声を上げ怯えたような様子を見せる。
カオスロワが始まってから殺戮しか頭になかったベンだったが、先ほどの戦いやゴゴが目の前で殺されたことで本能的に恐怖が頭を支配したのだ。

「なるほどね、アンタもこいつと一緒になって殺しに加担していたってわけだ。
 だったら、コイツみたいに殺される覚悟はできてるんだろうねぇ?話通じるか分からないけど」

ベンは思った。この女は一体何なんだ?
刀の切っ先、自分を見るその視線。全てが命を刈り取るような形をしているようだった。
まるで死神――
お前は一体何なんだと叫びたかった。
そんなベンの気持ちを見通すが如く小町は答える。

「あたいは三途の川の一級案内人、小野塚の小町。地獄の果てまで落ちても覚えておくんだね」

233最後の力:2014/01/08(水) 11:39:43 ID:dvg1ZBHo0
恐怖極まったベンは一目散に逃げる。
もちろん小町は逃がしはしない。『距離を操る程度の能力』を使おうとする、その時。
小町は全身から力が抜けるような感覚を味わい、そのままがっくりと膝をつく。
彼女の能力には実はパロロワ特有の制限がかかっていた。
それに一回使うごとに体力を消耗するという制限。
復讐心に駆られた小町は消耗に全然気づいていなかった。
何度も能力を使うごとに彼女の身体は確実に限界まで衰弱していたのだ。
これはあまりにも本気を出すのが遅すぎた故の結末なのだろうか。
『そう、貴方は遅すぎた』
誰かの声が聞こえたと様な気がしたと同時に小町の視界はだんだんとぼやけ、小町は完全にうつ伏せに倒れる。

(制限…?はは、多分そんなものじゃないだろうね……。
これはきっと…三途の船頭としてのこの能力を、営業外で殺しに使ったことに対するあたいへの罰なんだよ……。
あぁだめだ目の前が見えなくなってきやがった…あたいはこれでもう死ぬんだろうな……。
丁度いい。あの世での無期限休暇でももらうとするかねぇ…四季様も向こうにいるだろうし……)





小町はぴくりとも動かない死体のようになっていた。
その様に桃子とあかりは涙を浮かべる。

「小野塚さん…」
「死んだのか…?」
「そんな…」
「いいえ、まだ生きています。かろうじて…ね」

小町の左胸に耳をあてていた混沌の騎士はそう答える。
が、その表情は暗い。

「ですが、何とかしなければ彼女はそのまま死んでしまう…」
「こうしちゃいられねぇ…何とかして回復させてやらねぇとな」
「騎士様も手伝ってくださいっす!」
「当然です東横さん。彼女はたった一人で巨大な敵と戦ってくれた。そんな彼女を絶対に死なせはしませんよ」

騎士と影薄達はボロボロの身体に鞭を打って小町の身体を担ぐ。
当てのない回復手段、刻一刻と迫る死へのカウントダウン。
彼らの行く末は一体どうなるのか…?

234最後の力:2014/01/08(水) 11:42:38 ID:dvg1ZBHo0
【一日目・18時30/日本・大阪 病院跡地周辺】

【混沌の騎士@カオスロワ】
【状態】ダメージ(大)、記憶喪失(一部復活)
【装備】斬鉄剣@ルパン三世
【道具】支給品一式
【思考】
基本:殺し合いには乗らず、煉獄へ帰る
0:小町を絶対に助ける
1:煉獄へ帰る前にこの世界で何が起きてるのかを知る
2:できれば記憶の詳細を思い出したい
※主催がバラまいた『何か』(ナノマシン)の存在に感づいています
※5期・6期のごく一部の記憶と、自分が煉獄にいたことを思い出しました

【小町と影薄な仲間たち】
【小野塚小町@東方Project】
【状態】瀕死、尻が真っ赤、心身衰弱(極大)、服がボロボロ
【装備】斬魄刀『神鎗』@BLEACH、デスノート@DEATHNOTE
【道具】舟
【思考】
0:………(死んだと思っている)

【黒子テツヤ@黒子のバスケ】
【状態】顔が包帯でミイラ(顔の皮膚喪失)、スタミナ切れ
【装備】なし
【道具】死出の羽衣@ 幽々白書
【思考】
基本:友人たちと生き残る
1:小野塚さんを絶対に助ける

【東横桃子@咲-Saki-】
【状態】ダメージ(中)
【装備】不明
【道具】不明
【思考】
基本:加治木先輩や友人たちと生き残る
1:小町さんを絶対に助ける
2:峰岸さん……

【赤座あかり@ゆるゆり】
【状態】ダメージ(大)、
【装備】なし
【道具】マムルの肉×2@風来のシレン
【思考】
基本:主人公らしく活躍する
1:小町さんと一緒にロボットを倒して主人公らしく活躍!

【日之影空洞@めだかボックス】
【状態】ダメージ(大)、右腕欠損(止血済)
【装備】不明
【道具】不明
【思考】
基本:主催者を倒す
0:こまっちゃんを助ける
1:仲間を守る
2:↑の全部やらなくちゃあならないのが先代生徒会長の辛いとこだな。


【死人が出るぞぉ!!】
【ベン@D-LIVE!!】
【状態】健康、恐怖
【装備】防弾ベスト@現実、猟銃@現実
【道具】支給品一式、クレイモア地雷@コマンドー
【思考】
基本:殺戮
1:死神怖い

235殺って良いのは殺られる覚悟のある奴だけだ。:2014/01/09(木) 16:53:13 ID:cG9zkhLMO
諸葛亮孔明が死んだ事を知らず、彼を探していた衝撃のアルベルトは大阪に辿り着いた。
そこで目にしたのは射殺された少女と、立ったまま機能停止した青い狸型ロボットを狂ったように猟銃で撃ち続けるベンだった。
実際、ベンは恐怖のあまり発狂しており、立ち塞がるように見えた参加者全てを殺して小町から逃げる事しか頭に無く、メインコンピュータが破壊されても立っていたドラえもんを攻撃し続けていた。
そして、ベンはアルベルトに気付いて彼に猟銃を向け、そのままアルベルトの衝撃波で砕け散った。
これが、ろくな覚悟もなく野生のままに大量虐殺した猿の最期だった。

【一日目・18時35分/日本・大阪】

【衝撃のアルベルト@ジャイアントロボ】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式 、葉巻
【思考】
基本:単独行動する
1:カオスロワについていろいろと探る
2:孔明を探し、知っていることについて問いただす
3:自分から殺しはしないが邪魔な奴には容赦しない

【松実玄@咲 -Saki-阿智賀編 死亡確認】
【ドラえもん@ドラえもん 死亡確認】※支給品扱いの為死者リストに乗らない
【ベン@D-LIVE!! 死亡確認】

236グンマーの悲劇:2014/01/16(木) 12:36:52 ID:uBExwDUcO
戸愚呂弟はカオスロワ開始直後からグンマーをさまよっていた。
ちなみに、当初は同行者として支給品の女性に変身する犬が居たが、11時過ぎに急死していた。
そんな彼は、グンマーの集落で民が皆殺しにされていたのを発見された。

(幅広の熱した刃物で焼き切ったのか?……しかし、グンマーの民を全滅させるなんて、どんな化物だ?)

実際の所は、ナノマシンという人工物を大量に摂取したせいで大自然の力が使えなくなり、グンマーの民が大幅に弱体化しただけなのだが彼がそれに気付くわけが無かった。
そうやって考え事をしていた彼に光の刃が突き刺さり、彼はそれがグンマーの民の死因だと気付き、そのまま意識を失った。

【一日目・18時30分/群馬県・グンマーの民の集落】

【鏡音レン@VOCALOID】
【状態】疲労(中)、精神崩壊、不眠症
【装備】ゼットセイバー@ロックマンX
【道具】支給品一式
【思考】基本:俺はどうしようもない人殺しだ、だから殺さないと。

【アルフ@魔法少女リリカルなのは 死亡確認】※支給品扱い
【グンマーの民@グンマーコピペ 絶滅確認】
【戸愚呂兄@幽遊白書 死亡確認】

237混沌な名無しさん:2014/01/16(木) 16:12:31 ID:uBExwDUcO
すまん、ミスった
【戸愚呂弟@幽遊白書 死亡確認】
に訂正しといてくれ

238混沌な名無しさん:2014/01/18(土) 00:22:31 ID:hd22L14k0
「お前も俺たちの歌を聞け!!!」
「ところがぎっちょん、歌ってるだけで生き残れるほどカオスロワは甘くねぇんだぜ?」

 理不尽なまでGNファングによる一斉射撃が歌っている奴らを爆撃した。
サーシェスさんだし、贔屓してもいいんですよね?

【1日目・18時30分/日本・第三新東京市】
【アリー・アル・サーシェス@機動戦士ガンダム00】
【状態】疲労(小)、強い屈辱 、ヒゲがない、テラカオス化
【装備】ヤークトアルケーガンダム@機動戦士ガンダム00V
【道具】支給品一式、熱線銃
【思考】基本:カオスロワという名の戦争を楽しむ
1:参加者は片っ端から虐殺
2:赤いガンダム(ガンダムエピオン)には必ず雪辱を果たす
※新型ナノマシンにより、闘争本能等が増大しました。
※主催の一員ですが、すっかり頭の中から抜けてしまいました。

【熱気バサラ@マクロスダイナマイト7 死亡確認】
【偉大なる赤竜@新・世界樹の迷宮 ミレニアムの少女 死亡確認】
【フレクザィード@ルーンファクトリー4 死亡確認】
【渚カヲル@新世紀エヴァンゲリオン 死亡確認】
死因:GNファング

239荒らしには容赦しない:2014/01/18(土) 12:43:10 ID:Fx8r6kUgO
幾らカオスロワとはいえ、20分で神奈川から第三新東京市(長野あたり)という無理が有りすぎる移動時間。
描写はおろか、説明すらないテラカオス化。
そんな矛盾を解消する為に世界そのものによる修正が行われた。
全て無かった事になったのだ。

【一日目・18時35分/日本・神奈川】

【アリー・アル・サーシェス@機動戦士ガンダム00】
【状態】疲労(小)、強い屈辱 、ヒゲがない
【装備】ヤークトアルケーガンダム@機動戦士ガンダム00V
【道具】支給品一式、熱線銃
【思考】基本:カオスロワという名の戦争を楽しむ
1:参加者は片っ端から虐殺
2:赤いガンダム(ガンダムエピオン)には必ず雪辱を果たす
※新型ナノマシンにより、闘争本能等が増大しました。
※主催の一員ですが、すっかり頭の中から抜けてしまいました。

【一日目・18時35分/日本・第三新東京市】

【熱気バサラ@マクロスダイナマイト7 死亡は誤認】
【偉大なる赤竜@新・世界樹の迷宮 ミレニアムの少女 死亡は誤認】
【フレクザィード@ルーンファクトリー4 死亡は誤認】
【渚カヲル@新世紀エヴァンゲリオン 死亡は誤認】

240電車って危ないからね:2014/01/18(土) 16:16:03 ID:HL3.It5I0

 箱根の山には神が住むという。
 年始の箱根駅伝を見たら良く分かる。
 そんな箱根の山を今電車ごっこで爆走しているわけだが。
 申し遅れた、シグナムだ。

 いま、どんだけ速いかというと東京から四国をガチで一直線で駆け抜けて3時間くらいで走れる速さだ。
 流石、拳王電車だ。移動時間に何一つケチがつかないぜ!
 まあ速くなったのにもわけがある。
 
「電車ごっこロープにオートダッシュとシノビダッシュを組み込んだぞ!」
『まさかそんなことが出来るなんて、やっぱり熱斗君はすごい』

 熱斗少年はひみつ道具にナビカスタマイザーを使うとかね。
 雑魚戦はスルーする。まあ最速クリアには必須だわな。
 まあ、乱数調整とかできないから仕方ないと、わけわかんないこと言ってたけどね。
 そんなわけで異常な速度で爆走してるのに全く疲れない上に楽という奴になった。
 だからこそ、このようにこの場の解説に専念できるわけだ。
 カオスロワの解説王……それも私だ。

「ケイデンスをあと30000上げるぞ!」
「それ死にますからね、やめてね」

 その電車ごっこの先頭を引っ張る拳王様。
 筋肉ムキムキな上に足がわけわかんないくらい速い。正直怖いってレベルじゃないぞ。
 その横のタクア……ムギさんも怖いもの知らずとかそういうレベルじゃない。
 
「この移動時間を利用して、遠投の練習するぞ!」
「確かに球速アップには肩作りには遠投よね(ぶっ殺す球威アップにもなりそうだし)」
「このディオもベースボールを学ぶぞッ!」
「ですなぁ」
「づら」
「いや、あぶねぇからな!」
「そうです!」

 髭とMEIKOの姐さんとデュークとディおじさんととんまがテニスボールを豪快に投げる。
 それを黒いドラえもんみたいなパチモン……いや、クロえもんさんとピンク髪の幼女・シャーロックが止めようとする。
 だが、彼らの静止を振り切りボールは空を飛んでいく。
 凄まじい勢いで飛んでいくテニスボール。しかも、すぐに新しいテニスボールが出てくる。
 確かに状況表に「テニスボール×∞」ってあるけどさぁ……
 そこらへんの木にぶつかったテニスボールは跳ね返ることなく、木をなぎ倒した。
 森林破壊ってレベルじゃねーな。というか、テニスボールってなんだっけ?

241電車って危ないからね:2014/01/18(土) 16:16:54 ID:HL3.It5I0
「こうなったら、ブラックホール打ち!」
「私のトイズで!」

 クロえもんさんはバットをぐるぐると回す。
 ヘッドスピードがやべぇ……。流石アマチュア野球日本代表にも選ばれるほどの実力者だ。
 飛んでいこうとするテニスボールはクロえもんさんのバットにどんどん吸い込まれていく。
 そら、ブラックホールだからね。吸い込まれるよ。うん。
 その集まったテニスボールをシャーロックのトイズで制御する。
 ……なるほど、ゲーム版出典の能力じゃねーの!
 どんどんデイバックの中にテニスボールが収容されていく。
 だが……

「言ったはずなのだよ……。――俺のコートはこの日本全土なのだよ」

 緑間君の放った超高角度テニスボールは日本海に向かって飛んでいく。
 流石、キチガイ……いや、キセキの世代だ。

 放たれた超高角度テニスボールは九州ロボの方面に飛んでいく。
 私のゲームで鍛えた動体視力なめるなよ。
 まあ、あんな速度で放たれたテニスボールはブラックホールでも吸い込めないよ、多分。

 そして、その横では……
 
「上条、俺とファイトしろ!」
「いや、俺やったことないし……ほら、俺の口癖『不幸だぁぁぁぁ!』だし、カードゲームはちょっと……」
「カードゲームじゃない……ヴァンガードファイトだ!」
『上条よ、ムラクモデッキを使え』

 ヴァンガ脳乙。
 櫂君もすっかり丸くなったものだ。
 そういや、リバースって言う名の虚無(ヴォイド)の力は闇属性じゃないそうですね。
 それにしても上条さんは誰とも恋愛フラグが立たないな……私か?
 
 いや、天地がひっくり返ってもそれはない。
 ここにいる女性は私を含めて四人。
 フラグが立ちそうか、考える?
 タクア……ムギさん→精神的にぶっ飛んでいるから、立つわけない
 MEIKOの姐さん→野球バカだから、立つわけない。
 シャーロック→小林先生がいるだろ? 立つわけない。

 これから、導き出せる結論は……『上条さんに恋愛フラグは立たない』

「踏み切りだ!」
「いや、俺心太だから! 踏み切りじゃないから!」

 途中、踏り切りごっこをしていたところ天の助がラオウに踏まれた。
 パァ――――――ン!! という破裂音が響いた。

【ところ天の助@ボボボーボ・ボーボボ 死亡確認】 
死因:ラオウに秘孔を踏まれた

 な ぜ 殺 し た し?
 と、言おうとしたが、カオスロワだからね。仕方ないわ。

242電車って危ないからね:2014/01/18(土) 16:17:45 ID:HL3.It5I0

                     /三三三三三三三三三三三ゝ'7 / __  _ \
                   / 三三三三三三三三三三 ,、 / //ο|゙i i))i^ヽ
                    / 三三三三三三三三三三//` _ノ∧-='//‐ゝ-'|
                |三三三三三三三三三三三>-ニニ-‐ _´=‐⌒' |
              , <⌒ヽ三三三三>┐三三三三三`''`ー= ´ 三三三|
                 /,/¨¨ヾヽ」,> '¨´   .丿 二二二二二二二三三三三 .|
                 | i :、, <´     _, - 'ヽ、三三三三三三三三三三 > .i、
                {:,/    ,>::'´;;'     `<三三三三三三三三三三三> 、
           _,/  ___∠ ::、::;'    : : : :: ::`''=_ニ三三三三三三三三二≡≡、ヽ,
            , '´ ¨¨ ̄- ,__     |      ':: _____  ヾ 、ヽ ̄ ̄   ,ヘ、      ヾハ
         ./          ̄ ヽ, |        ヾゾヾi:: ::`'゙   ,'ニ_゙ソ  \        リ
       ,/             i  , ヽ        ヽ_ ̄ノ::::  ,rャッ、 _,ノ     `''ー-=-‐'゙
      /           i、_ノ`ニ!   i : :             !ヾ´'' /
   __ /         ノ  _,i´ ゙i::'゙ l : : : :    ,       !   /
 /三 \         ムィ´ | ::|   |: : :      ,': : : : :  |  ,/        『そうだね』
 三三三 \       ,/`    ゝ-ゝ ,」         ゝ-=、   i/
三三三三三\     /    ,/、: :i:: i:: . .   ,,; ::i:: : ::: ::i::;'¨::´/
三三三三三三ヽ  /   /、,_  \::i :: : :   i::'、 ヾー- ニ__-_、/
.三三三三三三 ヽノ  / ヽ三> 、:::\i:: ::: : :  ヽ, `¨'ー‐´ノ
三三三三三三三 |,/  ∧ 三三 ゙>ヽ;i::i: :    ゝ---,/
.三三三三三三 ,ノ 、    ∧ 三三三三 ゙ゞ,、_:::i,,... ::...;;ノ
三三三三三r''´ / ∨   ∧三三三三 i .|ヽ ゙゙̄ヾ゙゙´
三三三三 ノ ,/ 三 ∨   .∧三三三三| |三ヽ   \
三三三 //三三三 ∨   ∧ 三三三 | |三三ヽ   ハ



 あばたは……イチローさん!?
 と、思ったが……ムネリンのイメージだった。
 
(イチローさんイチローさんイチローさんイチローさんイチローさんイチローさんイチローさん
 イチローさんイチローさんイチローさんイチローさんイチローさんイチローさんイチローさん
 イチローさんイチローさんイチローさんイチローさんイチローさんイチローさんイチローさん
 イチローさんイチローさんイチローさんイチローさんイチローさんイチローさんイチローさん
 イチローさんイチローさんイチローさんイチローさんイチローさんイチローさんイチローさん
 イチローさんイチローさんイチローさんイチローさんイチローさんイチローさんイチローさん
 イチローさんイチローさんイチローさんイチローさんイチローさんイチローさんイチローさん
 イチローさんイチローさんイチローさんイチローさんイチローさんイチローさんイチローさん
 イチローさんイチローさんイチローさんイチローさんイチローさんイチローさんイチローさん
 イチローさんイチローさんイチローさんイチローさんイチローさんイチローさんイチローさん
 イチローさんイチローさんイチローさんイチローさんイチローさんイチローさんイチローさん
 イチローさんイチローさんイチローさんイチローさんイチローさんイチローさんイチローさん
 イチローさんイチローさんイチローさんイチローさんイチローさんイチローさんイチローさん
 イチローさんイチローさんイチローさんイチローさんイチローさんイチローさんイチローさん
 イチローさんイチローさんイチローさんイチロ一さんイチローさんイチローさんイチローさん
 イチローさんイチローさんイチローさんイチローさんイチローさんイチローさんイチローさん
 イチローさんイチローさんイチローさんイチローさんイチローさんイチローさんイチローさん
 イチローさんイチローさんイチローさんイチローさんイチローさんイチローさんイチローさん
 イチローさんイチローさんイチローさんイチローさんイチローさんイチローさんイチローさん……)

 ラオウと別の意味でこえーよ。

243電車って危ないからね:2014/01/18(土) 16:18:22 ID:HL3.It5I0
(はちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたい
 はちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたい
 はちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたい
 はちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたい
 はちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたい
 はちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたい
 はちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたい
 はちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたい
 はちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたい
 はちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたい
 はちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたい
 はちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたい
 はちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたい
 はちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたい
 はちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたい
 はちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたい
 はちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたい
 はちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたい
 はちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたい
 はちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたい
 はちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたい
 はちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたい
 はちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたい
 はちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたい
 はちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたい
 はちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたい
 はちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたい
 はちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたい
 はちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたい
 はちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたい
 はちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたい
 はちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたい
 はちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたい
 はちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたい
 はちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたい
 はちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたい
 はちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたい
 はちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたい
 はちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたい
 はちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたい
 はちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたい
 はちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたい
 はちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたい
 はちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたいはちみつ食べたい……)

 こっちもこえーよ。
 タクア……ムギさん、早くはちみつをプニキに渡さないと……食われるぞ。

 あっ、今、名古屋駅を無事に通過しました。
 やっぱ速いわ、拳王電車。

244電車って危ないからね:2014/01/18(土) 16:19:02 ID:HL3.It5I0

【一日目・18時30分/日本・愛知県名古屋】
【MEIKO@VOCALOID】
【状態】健康
【装備】アルティメットアーマー@ロックマンXシリーズ
【道具】支給品一式、ノートパソコン@現実
【思考】
基本:殺し合いに乗った者達を殺す
 1:ラオウ達に協力してもらう
※今までとは別人です。
※『黄金の回転』を習得しました

【琴吹紬@けいおん!】
【状態】精神的にぶっ飛んでる
【装備】核ミサイル、キーボード、現金1兆円ほどが入った特注ジュラルミンケース
【道具】支給品一式、たくあん@現実、その他不明
【思考】
基本:生き残ることを最優先
1:拳王とやらの配下になる
※今までとは別人に決まってんだろ!!いい加減にしろ!!

【ラオウ@北斗の拳】
【状態】健康
【装備】炭酸水
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】
基本:野田総理を倒す
0:主催者チームを全員屠る
1:そして、拳王が新たな時代を作る
2:死兆星から使者の小娘を配下にしたぞ!
3:トキ似の男を配下にしたぞ!
4:強そうな鎧の女を配下にしたぞ!
5:謎の黒猫たちを配下にしたぞ!
6:なんかいろいろ配下にしたぞ!

【平等院鳳凰@新テニスの王子様】
【状態】健康
【装備】テニスラケット、テニスボール×∞、諭吉一枚
【道具】支給品一式、少年ジャンプとヤンジャン、その他不明
【思考】基本:主催者達を滅ぼす
1;マーダーも滅ぼす
2:ラオウたちと行動する
3:テニスがしたいが、野球をする

【プニキ@くまのプ○さんのホームランダービー】
【状態】健康、全ステータスMAX
【装備】木の棒
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】基本:ムギさんからハチミツを貰うために野田を野球で潰す
1;ホームランを打つ

【川崎宗則@現実?】
【状態】健康
【装備】バット、ボール、グラブ
【道具】支給品一式
【思考】基本:イチローを倒してでも、マリナーズに連れ戻す
1:戦力を集める

【クロえもん@ドラベース ドラえもん超野球外伝】
【状態】健康
【装備】バット、ボール、グラブ
【道具】支給品一式 電車ごっこロープ
【思考】基本:野田総理に野球で挑んで勝つ!
0:矢部君の意志を継ぎ、殺し合いを打破する
1:最低でも四国アイランドリーグが出来るくらいの仲間を集める
2:イチロー選手を仲間に引き入れたい

【殿馬一人@ドカベンシリーズ】
【状態】健康
【装備】バット、ボール、グラブ
【道具】支給品一式、グランドピアノ@現実
【思考】基本:生き残る
1:イチローと合流したい

【デューク渡邊@新テニスの王子様】
【状態】健康
【装備】テニスラケット、テニスボール×∞、キャッチャー用具一式
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】基本:お頭(平等院)たちについていく
1;デュークホームランを打つ

【緑間真太郎@黒子のバスケ】
【状態】冷静
【装備】ハンマーブロスの無限ハンマー@マリオシリーズ
【道具】支給品一式、ホワイトボードとサインペン
【思考】
0:赤司に勝つ
1:野球をするのだよ

245電車って危ないからね:2014/01/18(土) 16:19:59 ID:HL3.It5I0
【光熱斗@ロックマンエグゼ】
【状態】健康、激しい怒り
【装備】自分のPET(ロックマン入り)
【道具】支給品一式×2、大山デカオ@ロックマンエグゼ、大山デカオ@ロックマンエグゼ2
    デカオ(ロックマンエグゼ3)が作ったおべんとう、チップトレーダー@ロックマンエグゼ、
    大量のガッツマンのチップとバグのかけら、ガンデルソル3(実物)ネオバリアブル(実物)
    大山デカオ@ロックマンエグゼ3(BLACK版)大山デカオ@ロックマンエグゼ5チームオブブルース、
    各種ナビカスタマイザーパーツ、大量の金、シンクロチップ、他不明
【思考】基本:野田総理にネットバトルを挑んで勝つ!
1:プリズムとフォレストボムのチップを探す
2:その為に色んな人にネットバトルを挑む
3:上条(ジョジョ)さんとディおじさんの決着をつけさせる
4:パパが心配

【ロックマン@ロックマンエグゼ】
【状態】HP満タン
【装備】ロックバスター
【道具】なし
【思考】基本;熱斗をサポートする
1:野田総理がネットバトルを受けてくれるか、心配。
※PETの中にいます


【シグナム@リリカルなのはシリーズ】
【状態】健康、自称フリーター
【装備】レヴァンティン
【道具】支給品一式、PET(カーネル入り) 、SPW財団以上の資金とか多数のレアチップ、シンクロチップ
【思考】基本:働かなくて済むように動く
1:二人についてくる
2:野田は倒す
3:上条(ジョジョ)か……一理ある
※今までとは別人ですが記憶を受け継いでいます
※PSP版の技は使えませんが、念能力が使えます。

【カーネル@ロックマンエグゼ】
【状態】HP満タン
【装備】カーネルのブレード
【道具】なし
【思考】基本;ロワの破壊
1:今は(仕方ないので)シグナムに従う
※PETの中にいます

【上条当麻@とある魔術の禁書目録】
【状態】健康、不幸
【装備】PET(シャドーマン入り)
【道具】エスパー伊東@現実、シンクロチップ、他人のデッキ(「ムラクモ」デッキ)
【思考】
基本:

                    いいぜ ヘ(^o^)ヘ
                            |∧
                            /
                野田総理が
             何でも思い通りに
             出来るってなら
                 /
             (^o^)/
           /( )
          / / >

      (^o^) 三
      (\\ 三
      < \ 三
..\
(/o^)
( / まずは
/く そのふざけた
   幻想(ロワ)をぶち殺す


【シャドーマン@ロックマンエグゼ】
【状態】HP満タン
【装備】ムラマサ
【道具】なし
【思考】基本:上条に従う
1:敵は殺す、慈悲はない
※PETの中にいます

246電車って危ないからね:2014/01/18(土) 16:20:23 ID:HL3.It5I0

【ディオ・ブランドー@ジョジョの奇妙な冒険】
【状態】疲労、全身にダメージ
【装備】PSP(デューオ入り)
【道具】支給品一式×3、シンクロチップ
【思考】基本:ネットバトルとベースボールを極める
0:主催を倒すのはラオウではない、このディオだッ!
1:ジョースター家を手に入れる
2:ジョジョより優越感を得る
3:熱斗達にネットバトルを挑むのは後回しだ!
4:シンクロチップを手に入れ、デューオとクロスフュージョンする。

【デューオ@ロックマンエグゼ4】
【状態】HP満タン
【装備】ジャスティスワン、ザ・ワールド
【道具】なし
【思考】基本;とりあえず、ディオを見守る
1:カオスロワでもそれは無理そう。
※PSPの中にいます

【櫂トシキ@カードファイト!! ヴァンガード】
【状態】ヴァンガ脳
【装備】自分のデッキ、やきそば
【道具】支給品一式
【思考】
1:強いファイターと戦う
2:上条達についていく

【シャーロック・シェリンフォード@探偵オペラ ミルキィホームズ】
【状態】謎ミルキィ
【装備】かまぼこ、自分のデッキ(「ロイヤルパラディン」デッキ)
【道具】支給品一式、テニスボール×∞
【思考】
1:櫂に着いて行く


 その頃、九州ロボの右腕、佐賀に緑間が放った超距離テニスボールが届いた。
 緑間君のシュートレンジは日本全土だからね。そりゃあ、届くよ。
 でも、箱根から日本海を1,2分で届くとしたら、その速度と威力は少なくとも大砲以上になる。
 まあ、つまりだな……

247電車って危ないからね:2014/01/18(土) 16:20:54 ID:HL3.It5I0




             ┌──┐                                        "
             │::::::::: │                                          ,   ,
             │::::::::: │ ┌─┐            ┌──┐               /
             │::::::::: │ └─┼─┐        │::::::::: │  ┌┐         /   '
             │::::::::: │     └─┘        │::::::::: │  └┼┐      /    /
             │::::::::: └───┐           │::::::::: │    └┘     "     /
             |::::::::::::::::::::::::::::::::::│           │::::::::: └───┐          / ___
             | :::::::::::┌───┘           │::::::::::::::::::::::::::::::::│ /        \::::::::::::l        /:|
             │::::::::: │                   │::::::::: ┌───┘        /     \::::::|     /:: |
              │::::::::: │                   │::::::::: │     /           /        ヽ:|    /:::::/
              │::::::::: │                   │::::::::: │              /              /::::::::/
              │::::::::: │                   │::::::::: │/          '          /:::::::::::/
.            └──┘                   └──/            ,         /::::::::::::::/
                  i       ,              /               /           く :::::::::::::: /
                  |i       /             "             /           ̄ ̄ ̄
         <7         人_    /(         /         ,      /
            、 、   ,:彡'三 ≡ヾV  て      /く>  !      /     /
             \_)\/ミ:::.:..  ..:.::ゞ-≡三ミミ:、  "   _,人,、_   /(      '    '
        `ヽ.__ノーシ=二≡=、;::=-::.:.. ’.:.::=、彡 、  ,:彡'=三≡ヾV  て  /     ◇
    _    ヾ:;:./=≡:::.....:.:/ミ::.:.    ..:.:::-=ヾ:_)\/ミ:::.:.  ..:.:::ゞ-≡三ミミ:、 /
            _冫三::;  ..:.:::::::|ミ:::.:.. .・.::`ヽ._三ノー.シ=二≡=、;::=-::.. ’.:.:::=三|!l/(_ /    ´
         )三:::...    ..::::゙ミ、:..   ..::-=:ヾ:;:./=≡:::.....:.:/ミ::.:..   ..:.::-=ミ:v'  て_ _
         ⌒ヾミ=-:/=::... ..:.::゙ミ:=-=彡'::. _冫三::;  ..:.:::::::|ミ:::.:.. .・.:.::-=彡':.;. (_      <>
    <7      )ミ/三::.     ..:::`ミv彡::.:.. )三:::...    ..::::゙ミ、:..  ..::-=彡三=三ミミ:v'´
         _ノ三|三:::::... ∵  ..:.::=il=::.. ⌒ヾミ=-:/=::... ..:.::゙ミ:=-=彡'::.. ..::::=三|!l
          ´⌒):..ヾミ=-.::;    ..-彡ミ:::..  . )ミ/三::.      ..:::`ミv彡:::.:.. .::-=彡ノム _
             ヽ∧ヘ、ヘ人从ヽ∧ヘヘ从ヽ_ノ三|三:::::... ∵  ..:.::=il=::.  ・..:.::三ミ:、て ̄
                              ´⌒):.ヾミ=-.::;    ..-彡ミ:::...   . ..::::ノソ⌒` 、
                                ヽ∧ヘ、ヘ人从ヽ∧ヘヘ从ヽ∧ヘ、ヘノ(
     ※イメージではありません。

 その佐賀(九州ロボの右腕)は消滅した。

 ※佐賀(九州ロボの右腕)は消滅しました。
 ※他にも九州ロボに被弾したかもしれません。

248混沌な名無しさん:2014/01/18(土) 16:26:05 ID:HL3.It5I0
すんません。
一人称間違えてる箇所がありました。

×「私のトイズで!」
○「あたしのトイズで!」

wiki収録時に修正しておきます。

249敵が強くないと面白くないだろう?:2014/01/19(日) 00:37:27 ID:NNdYINC2O
「やむをえん、スーパーリペアキットを使う」

そんなベイダーの指示により、九州ロボの右腕が復活した。
これが、スパロボでお馴染みの強化パーツの力だ。

「しかし、こんな所でこいつを使う羽目になるとはな……」

実はこのスーパーリペアキット、本来は対主催との戦闘の切り札として使う為にとっておくはずだったものだ。
超大型特機となった九州ロボには歪曲フィールド等の強力な防御兵装が搭載されているものの、制御システムの都合でマキナ化が完了しなければ機能しなかった。
今は、ビアンにマキナ化作業を手伝わせる事で作業効率を上げる事しか出来ない事をもどかしく思うベイダーであった

【一日目・18時40分/日本・九州ロボ】

【ダース・ベイダー@STAR WARS】
【状態】健康
【装備】ライトセーバー@STAR WARS
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】
基本:テラカオスを生み出す計画を遂行する
1:計画のために殺し合いを促進させ、計画の邪魔をするものは消す
2:他の幹部と今後について話し合う
3:九州ロボのマキナ化が待ち遠しい

250東京のカオス度がさらに加速するようDEATH:2014/01/19(日) 21:40:39 ID:T4zTJCMQ0
東京都江東区にあるビッグサイトは今ではショッカーの幹部である死神博士らに占拠されていた。
彼の目的はもちろんバトロワに乗じてショッカーによる世界制服を実現させることである。
そのために死神博士は東京のビッグサイトに潜伏し、カオスロワ開始の混乱で各所に散り散りになった怪人や戦闘員などの戦力を集め雌伏の時を得ていつか表舞台に出ようとしていたのだ。
その矢先のことである。

「イーッ!(大変です死神博士、敵襲です!!)」
「(クッ、まさかここに潜伏してたのがばれたか?)何だと、数はどのぐらいだ?」
「イッー!(それがその……監視カメラの映像をご覧ください…)」
「……何だこれは!!!?」

死神博士は映像を見て驚いた。何と、こちらの兵を遥かに上回る数の参加者が押し寄せてきたのだ。
しかもそれぞれが殺害だのレ○プだのとアレな言葉を連呼している。明らかにイカれている連中だ。
なんとなく分かると思うが、襲い掛かってきているのはクラウザーさんを信仰するDMC狂信者達。
クラウザーさんのファンに全国に存在するので数で言えばショッカーの一支部を軽く上回るのは当たり前である。
彼らの目的はDMC狂信者の活動拠点としてビッグサイトをレイ○することにしたのだ。
もちろんショッカー戦闘員は応戦するものの、その圧倒的な数に次々と薙ぎ倒されていく。

「仕方がない…。待機させてる怪人達を出撃させろ!!」
「イーッ!(それが……)」

実は既にショッカーの怪人たちは出撃しており侵入者と戦闘していた。
戦闘員は死神博士にその様子を見せる。
死神博士はその映像に目を向ける。







「終わったな…所詮クズはクズなのだ…」
「ケンシロウ、SATSUGAIはいいぞ!!」
「金!暴力!SEX!」
「黄金の鉄の塊で出来ている天人が皮装備のジョブに遅れをとるはずは無い」
「殺ってやるDEATH!」
「おもちうにょ〜ん」


【ユニコルクス@仮面ライダー 死亡確認】死因:ラリアット(ラージャン)
【ヒルゲリラ@仮面ライダー 死亡確認】死因:秘孔を突かれる(トキ)
【蜘蛛男@仮面ライダー死亡確認】死因:ジェットストリームアタック(意味深)(KBSトリオ)
【シードラゴン@仮面ライダー 死亡確認】死因:グラットンソードでバラバラに引き裂かれる(天子)
【ガマギラー@仮面ライダー 死亡確認】死因:ギターによる48の殺人技(あずにゃん)
【蜂女@仮面ライダー 死亡確認】死因:餅を喉に大量に詰まらされる(つかさ)






その映像はDMC狂信者のメンバーによってSATSUGAIされている怪人の面々であった。
死神博士は驚愕の表情を浮かべる。

「馬鹿な…怪人が全滅…?一レスもたたずにか…?」
「イーッ!(どうしますか?)」
「クソッ、こうなったら仕方がない。遺憾ながらビッグサイトを放棄する!脱出だ!!」

だが、その瞬間死神博士が見たものは首から上が無くなっていた戦闘員だった。
後ろを振り向いた死神博士が見た光景は巨大な蟷螂のような化け物だった。
巨大な蟷螂の名前デスマンティス。都庁の軍勢の一員でありながら、実は隠れクラウザーさんのファンだったのでDMC狂信者側についたのである。
そして、死神博士は首はデスマンティスによって刎ねられた。

【ショッカー戦闘員@仮面ライダー 死亡確認】
【死神博士@仮面ライダー 死亡確認】


こうして東京ビッグサイトはDMC狂信者達によって占拠されたのであった。
辺りは狂信者たちのSATSUGAIコールが延々と響き渡っていた……。

251混沌な名無しさん:2014/01/19(日) 21:43:03 ID:T4zTJCMQ0
【1日目・18時30分/日本・東京都江東区ビッグサイト】
【DMC狂信者】
共通思考:クラウザーさんを蘇らせる
1:生贄のために参加者をSATSUGAI
2:ビッグサイトを活動拠点にする
3:ビッグサイトに集結
※携帯やらネットやらツイッターやらで連絡を取り合っています。

【デスマンティス@世界樹の迷宮4】
【状態】健康
【装備】無し
【道具】支給品一式
【思考】
基本:SATSUGAI

【ラージャン@モンスターハンター4】
【状態】健康、ギルクエレベル100、擬人化
【装備】擬人化パッチ
【道具】支給品一式
【思考】
基本:SATSUGAIし尽くすだけだぁ!

【トキ@北斗の拳】
【状態】お前のような病人がいるか
【装備】無し
【道具】支給品一式
【思考】
基本:SATSUGAIはいいぞ!
※まごうことなきトキ本人です

【KBSトリオ@真夏の夜の淫夢】
【状態】3人とも健康
【装備】不明
【道具】支給品一式
【思考】
基本:SATSUGAI

【比那名居天子@東方project】
【状態】健康、謙虚
【装備】グラットンソード@FF11
【道具】支給品一式
【思考】
基本:SATSUGAI

【中野梓@けいおん!】
【状態】健康
【装備】ギター
【道具】支給品一式
【思考】
基本:SATSUGAI
1:殺ってやるDEATH!

【柊つかさ@らき☆すた】
【状態】健康
【装備】無限の餅製、バルサミコ酢
【道具】支給品一式
【思考】
基本:SATSUGAI

252ビアン総裁やらヤークトアルケーやら出した人:2014/01/20(月) 00:32:24 ID:zYqUj0dE0
ジプシー・デンジャーが暴れまわったせいで、あちらこちらで火の手が上がっている大阪のとある区画のデパートに影薄組と混沌の騎士はいた。
ひとまず家具売り場のベッドに小町を横たえたが、小町は衰弱するばかり……あきらめムードが漂い始めたその時、一人の男が立ち上がった。
その男、日之影空洞は自分のデイパックから宝石のついた変わった意匠の腕輪を取り出した。

「これだけは使いたく無かったが、こまっちゃんの為だ」
「そ、それは……あのゲームの……!」
「メガザルの腕輪じゃないっすか!?」

 あかりとモモが驚いたのも無理もない。それはまさしく有名なRPGシリーズのアイテム、メガザルの腕輪だったのだから。
これが日常なら偽物だと認識したかもしれない……だが、カオスロワという状況ではそれが本物であるのは十分想像できた。

「ああ。制限によって死者は復活できないが、俺の命と引き換えになるが、これならこまっちゃんを助ける事が……」

 そういって、脚を使って無理矢理にでもメガザルの腕輪を左腕にはめようとする日之影だが……。

「いや、その役目は私です」

 その前に、混沌の騎士がメガザルの腕輪を掠め取った。

「騎士さん!?」
「おい、まさか……」
「し、死ぬつもりっすか!?」
「ど、どうしてそんな事を……」

 驚く小町を除いた影薄組に向け、混沌の騎士は語り始めた。

「私は、この世界の住人ではありません……元いた世界で犯した非常に重い罪を煉獄償っていた罪人なのです。それがどういう訳か、記憶を失ってこの世界に来ていました」

 信じられない事実に言葉を失う影薄組。

「そして、私はこの世界の空気中に漂う瘴気に似たような何かによって記憶をある程度取戻し、このカオスロワの裏で起きている事を知ろうとしました。それと同時に、私が此処に来た理由も心の何処かで探していたのかもしれません」

 混沌の騎士は、そう言いながらメガザルの腕輪を自分の腕にはめた。

「そして、後者は見つかりました。それは、貴方達を助ける事です。心配しないでください、もといた場所に帰るだけですから……」
「そんな……」
「空気中に漂っている何か……それには注意してください。あれはおそらく非常に危険なものです。それでは……」

 混沌の騎士は自分の首輪を思いっきり引っ張り、彼の首輪が爆発した。

(ああ……そうか……私は……)

死の間際に全てを思い出して混沌の騎士は散り、メガザルの腕輪が発動した。


「それで、あたいは生きていて、黒子の顔や日之影の右腕も治って……」

 死の淵から蘇った小町は、仲間達から気絶している間に起きた事を教えられていた。
気絶した事で頭が冷えたのか、小町は聞かされた話を冷静に受け止めていた。
余談だが、小町の服は男性陣が使えそうなものを探している間にモモとあかりによって着替えさせられていた。
そして、小町は迷いを捨て、自身の決意を語り始めた。

「あたいは……カオスロワを終わらせたい……映姫様や、あやのや、混沌の騎士を奪ったこの殺し合いを……もう嫌なんだ、こうやって失っていくのは……だから……」
「そうやって、また一人で行こうとする気っすか?」
「あかりも皆も、どんな事があっても小町ちゃんと一緒に行くってもう決めてるんだよ」
「けど、こっから先は危険だし、主催だって目をつけて……」
「既に、あんな巨大ロボットと戦ったんです。今更ですよ」
「命と引き換えに腕を治してもらってるしな。ここで逃げたら一生後悔するぜ」
「アンタたち……解ったよ。ただ、一つだけワガママをさせてくれないか。置いてったりはしないからさ」

 そう言うと、小町は家具売り場の近くにあったフードコートの厨房に入って行き、ガスコンロでデスノートを燃やした

「あのノートがあれば強敵も楽に殺せるかもしれないさ。けどね、あれを使ってたら力に溺れてあのデカブツに載っていた奴らみたいになっていた気がしたからねぇ……ま、行こうか。」

253Life goes on:2014/01/20(月) 00:33:04 ID:zYqUj0dE0
「ふうん、まあ、最低限の目的は果たしたわね」

 そう、モニターの前で幽香が呟いた。
実は、小町をマーダーにするのは出来たら儲け物程度でしか無かったのだ。
そして真の目的は、小町達影薄組を何等かの形で積極的にカオスロワに関わるようにする事だったのだ。
世界を救う為にテラカオス化を促進させるという目的がある為、カオスロワに関わろうとせずに逃げ隠れしたり遊んだりしている者達は主催にとって下手な対主催以上に厄介な存在だったのだ。
だから、影薄組が対主催になったとしても主催としてはプラスになるのであった。

「こっちからはこないであげるから、せいぜい頑張りなさいね」

 別のモニターでとある光景を確認すると、幽香は他の五大幹部と今後について話し合う為に席を立った。
そのモニターには、三つ首の蒼い竜が大阪に襲来したという事実を映し出していた。
その名は氷嵐の支配者。都庁の軍勢と志を同じくしていながら、とある理由で都庁組とは別行動していた氷竜である。
その理由とは、自身が都庁から離れた場所で派手に暴れる事によって、少しでも参加者の注目を都庁からそらす事だった。
そんな彼?が、強力なマーダーが死んだりマーダーをやめたりした結果比較的安全なエリアとなりつつある大阪へと足を踏み入れたのだ。
要するに、大阪に新たな惨劇と戦いが起きようとしているという事だ。


【一日目・18時45分/大阪・デパート】

【小町と影薄な仲間たち】
※メガザルの腕輪により、全員のダメージ等が完治しました。

【小野塚小町@東方Project】
【状態】健康
【装備】斬魄刀『神鎗』@BLEACH
【道具】舟
【思考】基本:もう仲間を誰も失わない為にカオスロワを終わらせる
1:もう二度と仲間を置いて行こうとしない
2:幽香と戦う事を覚悟する

【黒子テツヤ@黒子のバスケ】
【状態】健康
【装備】猟銃@現実
【道具】死出の羽衣@ 幽々白書
【思考】基本:仲間と共にカオスロワを終わらせる
1:友人たちと生き残る
2:混沌の騎士の言っていた空気中に漂う何かが気になる
※実はゴゴの死体から猟銃を回収していました。

【東横桃子@咲-Saki-】
【状態】健康
【装備】不明
【道具】支給品一式、他不明
【思考】基本:仲間と共にカオスロワを終わらせる
1:加治木先輩や友人たちと生き残る
2:混沌の騎士が言っていた空気中に漂う何かって主催の仕業?
3:峰岸さん……

【赤座あかり@ゆるゆり】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】マムルの肉×2@風来のシレン
【思考】基本:仲間と一緒にカオスロワを終わらせて主人公らしく大活躍!
1:混沌の騎士の分も頑張る

【日之影空洞@めだかボックス】
【状態】健康
【装備】斬鉄剣@ルパン三世
【道具】支給品一式
【思考】基本:主催者を倒す
1:仲間を守る
2:混沌の騎士が遺した謎を解く
3:↑の全部やらなくちゃあならないのが先代生徒会長の辛いとこだな。
※斬鉄剣は混沌の騎士のものを受け継ぎました。
※不明支給品はメガザルの腕輪でしたが、効果が発動したため、砕け散りました。

【混沌の騎士@カオスロワ 死亡確認】
死因:首輪が爆発


【同時刻/九州ロボ・主催本拠地】

【風見幽香@東方project】
【状態】健康
【装備】日傘
【道具】不明
【思考】基本:テラカオスを生み出す計画を遂行する
1:計画のために殺し合いを促進させ、計画の邪魔をするものは地に還す
2:他の五大幹部と今後について話し合う。


【同時刻/日本・大阪のどこか】

【氷嵐の支配者@新・世界樹の迷宮 ミレニアムの少女】
【状態】健康
【装備】無し
【道具】とけないこおり@ポケットモンスター、支給品一式
【思考】基本:自然を汚す人間を滅ぼす。
1:グンマーの民のような人間は殺さない。
2:自分が暴れる事で、都庁の軍勢から参加者の注目を少しでもそら

254混沌な名無しさん:2014/01/23(木) 10:55:08 ID:MRhu4ODEO
ビッグサイトを占拠したDMC狂信者達は、そこを拠点としつつ、参加者を襲い始めていた。
その中の一組のKBSトリオが国会議事堂に乗り込むと、黒い雲に乗った金色の何かがいた。
KBSトリオはそいつを殺そうと構え、無数の真空の刃で細切れとなった。
そう、そいつの名はヘルクラウダー、オルゴ・デミーラの配下にしてドラクエ7最強とまで言われるボスだ。
彼は主君との合流に成功し、主君が居城とした国会議事堂を防衛していたのだ。
ちなみに、オルゴ・デミーラは拾った二人の怪我を治療していた。

【一日目・18時45分/東京都・国会議事堂】

【ヘルクラウダー@ドラクエ7】
【状態】健康
【装備】ベビークラウド×いっぱい@ドラクエ7
【道具】支給品一式
【思考】
基本:オルゴ・デミーラに従う
1:国会議事堂を防衛する。

【オルゴ・デミーラ@ドラクエ7】
【状態】健康、美しい人間形態
【装備】不明
【道具】支給品一式、香水、口紅
【思考】
基本:主催者を美しく皆殺しにして自分が支配者となる
1:美しく早く主催者本部を見つける
2:かつての部下を美しく回収する
3:部下にふさわしい参加者がいれば、新しい魔王軍として美しくスカウトする
4:日本以外を潰した首謀者がいるなら、そいつも美しく殺す
5:できれば醜い本気形態にはなりたくない
6:ミケと平山を治療する
※美の感じ方は人それぞれです

【ミケ・ザカリアス@進撃の巨人】
【状態】中ダメージ(治療中)、右脚重傷(治療中)
【装備】立体機動装置一式
【道具】支給品一式
【思考】
基本:死にたくないのでオルゴ・デミーラに従う

【平山幸雄@アカギ〜闇に降り立った天才〜】
【状態】中ダメージ(治療中)
【装備】サングラス、雀稗
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】
基本:死にたくないのでオルゴ・デミーラに従う

255混沌な名無しさん:2014/01/23(木) 11:04:47 ID:MRhu4ODEO
ごめんなさい、【KBSトリオ@真夏の夜の淫夢 死亡確認】を追加しといてください

256蒼白:2014/01/25(土) 03:08:08 ID:xRSahQoE0

 一瞬だった。
 ハクメンと雁屋おじさんが対峙し瞬間、デュエルが始まった瞬間。

「虚空陣奥義……悪滅」

 ハクメンはアストラルヒートを発動させる。
 さて、皆さんご存知であろうがアストラルヒートの条件はかなり厳しい。
 ここでは現在絶賛稼働中&絶賛発売中の『BLAZBLUE CHRONOPHANTASMA』での条件を記す。
 ・自分がこのラウンド取得で勝利の状態。
 ・対戦相手の体力が35%以下。
 ・ヒートゲージが100%
 ・バーストアイコンを1つ以上使用可能。
 となる。
 では、これを現在の彼らの状況で当てはめてみる。
 ・自分がこのラウンド取得で勝利の状態。⇒これ、ロワだよ? 次のラウンドなんてあるわけないじゃん?
 ・対戦相手の体力が35%以下。⇒前回まで長野県にいた昆虫コンビが描写なしでいきなり山形まで移動した。⇒当然、疲れる。
 ・ヒートゲージが100%⇒ハクメンの【状態】不明⇒ヒートゲージが100%かもしれない。
 ・バーストアイコンを1つ以上使用可能。⇒ハクメンの【状態】不明⇒バーストアイコンを1つ以上あるかもしれない。
 となり、雁夜おじさんは『テーレッテー』基、『アキラメナーイ』されてしまった。
 まあ、実際は『そのゲージとバーストを立ち回りに回して体力を35%奪いきった方が堅実』だからね。
 
 と、いうわけで

【間桐雁夜@Fate/Zero 死亡確認】

 となった。
 その一方、飛竜と羽蛾の戦いだが……

「その程度か?」
「お、俺様のカードがぁぁぁ!?」

 飛竜はプラズマエネルギーから発せられる熱量を注ぎ込むことで炎の力を纏わされたサイファーを振るう。
 カードの主原料は紙やらプラスチックである。これは遊戯王カードにも言えるであろう。
 例え紙で出来ていれば炎で燃えるし、プラスチックで出来ていれば溶けるよ。
 まあ、無謀にも人の話を聞かないことで有名な特A級ストライダーにカードで挑んだ決闘者がいたことを私は忘れない。

「貴様は……あいつ(主催者)らの仲間か?」
「ち、ちがう……俺は……」
「そうか、ならいい……死にな」

 サイファーを一閃。
 そこに慈悲などない。
 こうして、飛竜は任務の障害を排除した。

【インセクター羽蛾@遊戯王デュエルモンスターズ 死亡確認】

257蒼白:2014/01/25(土) 03:08:34 ID:xRSahQoE0
 
 ◆

「さて、どうするのだ、蒼き竜よ?」
「……一旦、拠点【四国】に戻る」
「御意」

 そして、彼らは日本随一の過疎地・四国に向かった。

 飛竜は駆け抜ける。
 ハクメンもまた駆け抜ける、アニメ版で見せたようなダッシュで。

【一日目・18時30分/日本・山形県】
【飛竜@ストライダー飛竜】
【状態】健康
【装備】光剣サイファー@ストライダー飛竜 クナイ、各種オプション
【道具】支給品一式 
【思考】基本:主催を抹殺する
1:ハクメンと共に主催陣営及び『悪』を殲滅する
※2014年2月22日発売予定の新作『ストライダー飛竜』の技が使えます。

【ハクメン@BLAZBLUE】
【状態】不明
【装備】斬魔・鳴神
【道具】支給品一式
【思考】基本:『悪』を滅する
1:飛竜と協力して、主催及び世界に災いをもたらす者を『刈り取る』


「やばい……マジやばいわ……アイツら」

 桜は逃げていた。
 どう考えても分が悪いと咄嗟に判断した。
 元々、逃げる気マンマンだったし、スタコラサッサとあの場を後にしていた。
 だが……命惜しさにおじさん達を見捨てた時点で彼女の命運は尽きていた。

「えっ?」

 キキーン! ドーン!!

【間桐桜@Fate/Zero 死亡確認】
死因:車にはねられた

「あのう、今小動物か何かはねましたか?」
「いえ?」
「そうですよね」
「まあいざとなったら、先生もいますし」
「流石、黒を白にするスーパー弁護士だなぁ」

 制限速度を守ってようといきなり飛び出した子供は避けられないよ?
 

【井之頭五郎@孤独のグルメ】
【状態】普通
【装備】不明
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】
1:北岡先生を探すのを手伝う
2:どこか食事ができる店は無いのか?

【由良吾郎@仮面ライダー龍騎】
【状態】健康
【装備】ザビーゼクター&ライダーブレス@仮面ライダーカブト
【道具】支給品一式、高級外車
【思考】基本:北岡先生を探す
1:五郎と行動する

258有名な風評被害がいなかったので:2014/01/25(土) 23:07:02 ID:1RVmg58g0
ゴロリに見つからないよう、うまく隠れながらグラウンドを目指すヴァイジャヤ。
だが、彼は気づいていなかった。さて彼はいつからゴロリの他に追っ手がいないとを錯覚していた?

「ちょっと眠ってろお前―――」
「ッ!!!?」

背後から声をかけられたときはもう遅い。
屈強な腕がヴァイジャヤの首を締め付ける。
その力は尋常ではなく、特殊な細胞によって強化されたヴァイジャヤの肉体でさえ抵抗できないものだった。

「よくも俺の駒を殺しやがったな!もう許せるぞオイ!!」

男が何か言っているがもはや彼には何も聞こえなかった。
ヴァイジャヤの意識がみるみるうちに薄れていく。
そして……

「落ちろ―――」

男の言葉と共にヴァイジャヤは意識は闇に落ちた。




「こいつどの漫画に出てた何て言うキャラだったかな…。
 俺より先に終わったジャンプ漫画のキャラなんて覚えてないんだよねぇ」

そう言って、首がおかしすぎる方向に捩れ曲がって倒れているヴァイジャヤを男は踏みにじった。
男の名は久保帯人。おそらく読み手諸君は知らない者はいないであろう漫画家である。代表作は言うまでもない。
久保帯人は野獣先輩討伐隊の一人…いや、それを結成した本人であった。
彼はジャンプの看板作品ブリーチの作家としてジャンプ内での地位をじわじわと向上させ、いずれ天に立つ…はずだった。
だが、その矢先自分がホモビにも出てオーソドックスなSMプレイで少年を調教していたことがバレてしまったのであった。
その影響で久保帯人に絶望してブリーチのファンをやめた読者が続出、女と結婚して自分はノンケ(大嘘)であることをアピールしたが効果はなかった。
これが久保帯人に地位の陥落に影響し、天に立つことが遠退いたのは語るまでもないだろう。
その報復のために自分と同じく野獣先輩…もしくは彼のカテゴリーに対して恨みを持つキャラを集めて討伐隊を結成し、彼らを動かして自分は後から動くはずだった。
が、からくりドームの野球の死合に巻き込まれるという予想外の事態が発生したために自分が動かざるを得なくなったのだ。

「大丈夫ですか久保先生」
「…多田野数人か」

久保帯人に話しかける男は多田野数人。
先ほどナッパ様の打球で死んだクッソ情けないホモビのTDNとは違う。
イチローが探していた正真正銘の野球選手としての多田野数人選手である。
彼も討伐隊の一人であり久保帯人と共に行動していた。

「状況は?」
「最終イニング表でイチローさんのホームランで一点のリードです。もっと差を広めなければ相手の力量からして一転攻勢による逆転もありえますね。
 ちなみに負けたほうは全員切腹ですよ。まぁ負けたからって素直に切腹する奴はいないと思いますが。この試合、僕らも加勢しますか?」

多田野の提案に対して久保帯人は腕を組みながら答える。

「まぁ別にただの駒がいくら死んでも別にかまわないけど…やっぱりここで戦力が削れるのはマズイかな」
「まだ一日目ですし。博麗の巫女霊夢、山の四天王伊吹翠香を失うのは大幅な戦力ダウンですよ。
それに運良く合流してきた方にもチートバッカーズの美堂蛮、元ポケモンチャンピオンのダイゴ、地上最強の生物範馬勇次郎。
そしてイチローさんもいます。彼らを…特にイチローさんを失うのは避けたいですね」
「これだけの人材がいるんだったらひとまず様子見でいいと思うよ。まぁ、博麗の巫女に至っては代わりがいるんだけどね」
「何よそれ!この私をあいつの代替品みたいな言い方…、あ〜腹立つわぁ^〜」

久保帯人の発言に多田野と同じく行動していた博麗霊夢は彼に噛み付く。
今試合に出ているほうの霊夢とは違う出展作品である。それにしてもこの霊夢もまたヘンな声である、なんか関西のおばさんっぽい。
ちなみに彼女は大晦日に風呂に入っているところを殺し合いに巻き込まれたのでバスタオル一枚である。
健全な男子なら興奮して自分の息子がスタンドしかねない光景だがホモである二人は特に興味がなかったのだった。

「とにかく悪いようにはしないよ。僕らの目的のためにもね」
「そうですね。ホモビに出たことがばれてるなら仕方ない」
「私はただ風呂で生き返ってるのを邪魔した奴をぶちのめしたいだけだけどね」

259混沌な名無しさん:2014/01/25(土) 23:08:30 ID:1RVmg58g0

久保帯人らはこの殺し合いが世界の崩壊を防ぐための手段であり、殺しあわないと世界が滅びるのを知っていた。
だがそれは彼らにとって不都合だったのだ。久保帯人は天に立つことをあきらめてはいなかったのだから。
この世界では久保帯人と多田野数人がホモビで出ているという事実が判明してしまっているからだ。
久保帯人の真の目的は野獣先輩の属するカテゴリーに対しての報復ではない。
まずこの世界を災害で滅ぼして、その後の新世界で漫画界の天に立つことなのだ。
そのために『野獣先輩の抹殺』を表の目標として掲げ同志を集め、殺し合いによって世界の崩壊を防ごうとするダース・ベイダーらの目的を阻止し抹殺しようとしていたのだ。
『世界の崩壊』が目的の久保帯人。この先彼はこの試合に対してどう動くのか。

「ククク…世界を芸術品にしたてy…仕立て上げてやんだよ。
 世界を芸術s…ヒィンにしたんだよ!!
 世界を芸術品にしてやるよ…」
「先生、決め台詞くらいちゃんと決めてくださいよ…」

【一日目・16時10分/東京・からくりドーム】

【久保帯人@現実?】
【状態】健康
【装備】斬魄刀「???」@ブリーチ
【道具】支給品一式、サングラス、SMプレイ用の道具一式
【思考】
基本:世界を滅ぼし天に立つために主催者を殺す
0:さて、どうするかな…
1:自分が結成した野獣討伐隊を上手く操る
2:できればイチローチームを戦力として取り入れたい

【多田野数人@現実】
【状態】健康
【装備】野球道具
【道具】支給品一式
【思考】
基本:世界を滅ぼしてホモビに出ていた過去を抹消する
1:久保帯人に協力
2:最低でもイチローを味方に引き入れたい

【博麗霊夢@東方お正月ボイスドラマ企画】
【状態】健康 、バスタオル一丁、声がヘン
【装備】バスタオル、お札
【道具】支給品一式
【思考】
基本:主催者をぶちのめす
1:久保帯人に協力

【ヴァイジャヤ@魔人探偵脳噛ネウロ 死亡確認】

260オツベルとマンモス:2014/01/26(日) 13:04:08 ID:0oo3raqc0
オツベルときたらたいしたもんだ

オツベルが道を歩いていると、その、マンモス達がいた。
マンモスだぜ。どういうわけでいたかって?見ろよ。マグロをがつがつ食べている。
こいつらは7時半から今までずっとマグロを食べていたんだ。
だけどもうマグロはほとんどのこってないみたいだ。

さあ、オツベルはいのちがけだ。パイプを右手にもちなおし、度胸をすえてこういった。

「どうだい、マグロはうまかったかい」
「まあな。だけどもう食えねえのは残念だ。」マンモスがからだをななめにして、目を細く
して返事した。
「おれはマグロをもってるぜ。もっとうまい食い物もな。よかったらおれとこないかい」

オツベルは言ってしまってから、にわかにがたがたふるえだす。
ところがマンモスはケロリとして
「いってもいいぜ」と答えたもんだ。
「そうか、それではそうしよう。そういうことにしようじゃないか。」オツベルが顔を
くしゃくしゃにして、まっ赤になってよろこびながらそういった。

どうだ、こうしてこのマンモス達は、もうオツベルの財産だ。今に見たまえ、オツベルは、このマンモス達を戦わせるか、働かせるか。
どっちにしてもこいつはいいひろいものだぜ。

261オツベルとマンモス:2014/01/26(日) 13:10:10 ID:0oo3raqc0
【1日目・18時30分/日本・東京・築地市場】

【オツベル@オツベルと象】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】グルメテーブルかけ@ドラえもん
【思考】
基本:不明
1:マンモスマン達を利用する

【マンモスマン@キン肉マン】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】蛍石×大量
【思考】
基本:ウメーウメー
1:とりあえずオツベルについていく

【マンモス怪人@仮面ライダーBLACK】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】タウリンエキス×大量
【思考】
基本:ウメーウメー
1:とりあえずオツベルについていく

【ビッグコンボイ@ビーストウォーズネオ】
【状態】健康、ビーストモード
【装備】ビッグキャノン、マンモストンファー
【道具】なし
【思考】
基本:何やらノリで仲間に加えられてしまった。
1:とりあえずオツベルについていく

※オツベルを除く全員が放送を一切聞いていません。
※ジラ@ゴジラ FINALWARS は完食されました。

262悪意と狂気のスタジアム:2014/01/26(日) 18:07:42 ID:VS3HE5BE0
 美堂蛮の怒りを込めた打球がからくりドームを飛ぶ。
アスクレピオスの力を使って振るわれたバットで飛んだ打球はナッパ様の放った打球に匹敵するほどの威力を持っており、手を伸ばして取ろうとした中邑真輔の腕を肩ごと引き千切り、フェンスを突き破って観客席に突き刺さった。
打球の衝撃を腕だけで受けたが為に、肩ごと腕を引き千切られる結果となった中邑真輔は激痛と出血に耐えきれず、ショック死した。
そして、ホームランではクルミボール1号の効果も発揮できないらしく、蛮は大正義巨人軍から1点をもぎ取った。

「どうだ、お前等だって後は監督しか控えがいねえんだろ?」
「だからこの攻撃で全員殺してやるとでも言うつもりか?甘いな」
「PSIクオリアが無くとも、この回に貴方達が得る点数は2点だと決まってるんですよ」

 仲間が死に、点差を広げられても余裕を見せる大正義巨人軍。
だが、この機をイチローチームが逃すわけにはいかない。
そして、バッターボックスに次の打者である佐治雪哉が立った。

「時間の都合上、引き分けになったら生き残った人数で勝敗が決まるしな。殺してやるよ」

 そう言い放ち、6/が195km/hもの速さのボール……ではなく胡桃を投げ、佐治の両手をバット諸共貫いた。

「があああああっ!?」
「雪哉!?」
「これが、クルミボール2号だ。そして、打席はまだ終わってないぜ」

 悲鳴を上げて蹲る佐治にチームメイトが駆け寄る前に、6/の投げたゴルドーボールが佐治に止めを刺した。

「ハハハハハハ!面白い、全て叩き潰してくれるわ!!」

 そういい、次の打席に立ったのは、地上最強の生物・範馬勇次郎。
そのオーラは、PSIクオリアを無効化するほどの力を有しており、身体能力はイチローチームでもトップクラス。
再び投げられるクルミボール2号だが、それは前とは比べ物にならないほど早かった。
260km/hもの速さのクルミは勇次郎のこめかみを貫き、彼の命を奪った。

「一試合一回しか使えない全力のクルミボール2号……だが、これでお前等はもうPSIクオリアを封じる事は出来ない。俺達の勝ちだ!」

 イチローチームは、2点で攻撃を終えたのだ。


一方、久保帯人達は、こっそりとイチローチームと大正義巨人軍の死合をからくりドームのどこかで覗いていた。
もちろん、グラウンドや観客席にいる参加者から気づかれないような所に居た訳だが……。

「やれやれ、地上最強の生物も案外だらしないねえ……」
「久保先生、早く加勢しないと……がっ!?」

 久保に意見しようとした多田野の首が背後からの斬撃で飛んだ。
倒れる多田野の死体の背後には仮面ライダーGとなったゴロリが居たのだ。

「ワクワクさんの仇を殺したのは感謝するが……人を駒扱いするお前等を、見逃す訳にはいかんな」
「替えが効くとはいえ俺の駒を殺した上に、話を聞かれたとあっては、殺すしかないよねぇ」
「訂正する……貴様は此処で殺さねばならぬ相手だと!」

 久保の狂った言動から彼の危険性に気づいたゴロリは、必殺のスワリング・ライダーキックを放つ。
しかし、久保は傍にいたもう一人の霊夢を掴み……盾代わりにして攻撃を防いだ。
倒れる霊夢には目もくれず、久保は斬魄刀を引き抜き、こう言った。

「肉壁にしては豪華だったけど、代わりはいるし別に良いか」
「貴様あああああああああああっ!!」

 その狂気に、ゴロリは激怒した。

263悪意と狂気のスタジアム:2014/01/26(日) 18:08:01 ID:VS3HE5BE0
【一日目・18時50分/東京・からくりドーム】


≪大正義巨人軍≫

【◆6/WWxs901s氏@カオスロワ書き手】――目的:目立つ
【ラミレス@横浜DeNAベイスターズ】――目的:ハラサン…
【ハレクラニ@ボボボーボ・ボーボボ】――目的:契約金
【武田観柳@るろうに剣心】――目的:契約金
【雀ヶ森レン@カードファイト!! ヴァンガード】――目的:勝利
【真壁刀義@現実?】――目的:闇DAIGOの仇討ち
【ナッパ様@ドラゴンボールZ】――目的:とりあえず野球に勝つ
【松本人志@現実】――目的:浜田を生き残らせる。ハラサンに協力。DCS状態
【ハラサン@大正義巨人軍】――目的:大正義巨人軍を優勝させる。
※死んだ中邑真輔の代わりにハラサンが8番ライトとなりました。

ポジション表
1番 サード    ナッパ様
2番 センター   武田観柳
3番 ファースト  雀ヶ森レン
4番 ピッチャー  ◆6/WWxs901s氏
5番 セカンド   松本人志
6番 キャッチャー ラミレス
7番 ショート   ハレクラニ
8番 ライト    ハラサン
9番 レフト    真壁刀義


≪イチローチーム≫

【イチロー@現実?】――目的:川崎宗則を倒すため仲間を集める。
【DAIGO@現実?】&【ウルトラマンゼロ@ウルトラマンサーガ】――目的:殺し合いを止める。
【美堂蛮@GetBackers-奪還屋-】――目的:とくになし。野球しようぜ組
【伊吹萃香@しゅわスパ大作戦】――目的:大正義巨人軍を倒す。
【ロイ@FE封印の剣】――目的:レンにモテるコツを聞く。
【博麗霊夢@クッキー☆】――目的:大正義巨人軍を倒す。声がヘン。
【ダイゴ@ポケットモンスター】――目的:きれいな石を集める。
【吉川ちなつ@ゆるゆり】――目的:大正義巨人軍に勝つ。
※死んだ佐治雪哉の代わりに吉川ちなつが7番ファーストとなりました。
※吉川ちなつは死んだ平田真が持っていた釘バットを拾いました。

ポジション表
1番 ショート   博麗霊夢
2番 ライト    ロイ
3番 セカンド   DAIGO
4番 ピッチャー  イチロー
5番 サード    ダイゴ
6番 レフト    美堂蛮
7番 ファースト  佐治雪哉
8番 キャッチャー 伊吹萃香
※空席となったセンターは、ライト、レフト、ショートの3人でカバーし合います。

【久保帯人@現実?】
【状態】健康
【装備】斬魄刀「???」@ブリーチ
【道具】支給品一式、サングラス、SMプレイ用の道具一式
【思考】基本:世界を滅ぼし天に立つために主催者を殺す
1:自分が結成した野獣討伐隊を上手く操る
2:できればイチローチームを戦力として取り入れたい
3:自身の本性を知ったゴロリを抹殺する

【ゴロリ@つくってあそぼ】
【状態】仮面ライダーG、激怒
【装備】仮面ライダーGの剣@仮面ライダーG
【道具】支給品一式、工作道具もろもろ
【思考】基本:見敵、必殺
1:さあ――工作の時間だ
2:危険人物である久保帯人を殺す
3:ワクワクさんの仇、最後の一人も殺してやる

【中邑真輔@現実? 死亡確認】
死因:ショック死

【佐治雪哉@LIGHT WING 死亡確認】
【範馬勇次郎@範馬刃牙 死亡確認】
死因:クルミボール2号

【多田野数人@現実 死亡確認】
死因:斬首

【博麗霊夢@東方お正月ボイスドラマ企画 死亡確認】
死因:スワリング・ライダーキック

264混沌な名無しさん:2014/01/26(日) 18:47:37 ID:VS3HE5BE0
すまねえ、佐治の死因とポジション表のミスを修正しといてくれ。

265ディナーは戦いの後で:2014/01/26(日) 23:59:07 ID:cLfJjwaU0
「――♪」

セプテントリオンが一人、武曲星ミザールは上機嫌であった。
念願であった都庁の屋上にぶらさがれたのだから、当然と言えば当然だろう。


「「都庁にまた変な化け物がくっついたぞ!?逃げるんだ!」」


もっとも、その珍妙な巨体で都庁にぶらさがろうものなら、周囲からは注目の的である。
かなりの距離が離れていても、一般参加者はミザールの姿を確認し、都庁から少しでも離れようと逃げるに決まっている。
こういった化け物に立ち向かう力がない参加者が各地で都庁の危険性を口々に話す為、これでさらに都庁に近寄る人間は減るのだろう。
化け物を退治してみせようとする正義の味方やら賞金稼ぎなどはあえて近づくのかもしれないが……
生半可な腕前では、今や植物の織り成す迷宮へと姿を変えつつある都庁の養分になるのがオチだ。

「ふふ……潜行が可能となる我がシークレット・トレイルならばなんなく都庁へも侵入でき――」

※ あ あ っ と ! ※

「オレサマオマエ、マルカジリ」
「な、なんだこのドラゴ――」

【根来忍@武装錬金】死亡確認 死因・骨竜による丸かじり

もちろん、下手な小細工をしても結果は変わらない。


だが。
ぶらさがるミザールはぶらさがることに熱中し、骨竜は地下からの侵入者に気をとられていた。
他の魔物も、しばらく人間が近寄らないために内装のリフォームに集中していた。
だから気がつかない。


「さて、魔物がいた以上、ここが都庁のはずなんだが……随分様変わりしているな」
「おおきいねぇ……」

「グ、グオオオオォォォォォ……!」

恐ろしい食人鬼、全てを喰らい取り込む二人組が、四条化した怪物が、堂々と都庁の正面口へとやってきたことに。
番人の役割も兼ねていた魂の裁断者が果敢に挑むも、四条化した風鳴翼の強さはこれまでの人間の比ではなかった。
刀剣での近接攻撃、その戦闘技術もさることながら、真に恐ろしいのはその口。
裁断者の体は既にところどころが抉られている。翼に『食われた』のだ。

「こいつには特に耐性があがる効果はないみたいだが、意外と熊肉というのも美味しいな」
「はごたえがあるね」

ぐっちゃぐっちゃと裁断者の肉を咀嚼する二人の怪物。
数々の冒険者を引き裂いてきた裁断者は、だからこそ相手の強さも理解してしまう。
おそらく、仲間であるアイスシザースや大王もこの怪物には勝てない。
リーダーか、あるいは新入りの叫帝クラスでなくては。

「オオォゥ……」

しかし、連中は気になる言葉を口にしていた。耐性が上がるだのなんだのと。
万が一、雷への耐性をこの怪物が持っていたら?炎耐性も同じく危ない。
もし耐性持ちだとすれば、非常にまずい。こちら側の敗北もそうだが、怪物がさらに手をつけられない存在となってしまう。
相手を食うことで飛躍的に強くなる怪物など、樹海でもいるかどうか……
目の前の怪物の外見は人間とラッコだが、限りなく得体の知れない存在にしか見えなかった。

「さて、この分なら中の魔物も楽しめそうだな」
「そうだね。おなかいっぱい食べられるかな?」
「グォウ!」

裁断者は、恐怖していた。
それでも爪を掲げ、臨戦態勢をとった。
たとえ勝てずとも、時間稼ぎはできる。
自分の肉は食い尽くされたところで、敵に耐性を与えることもない。
自分の遺志は、仲間が継いでくれるだろう。
少しでも戦いを長引かせ、リーダー達にこの怪物の存在を気がつかせねばならない。

「いきがいいくまさんだねぇ」
「だが悪いな、私たちが欲しているのは耐性があがる肉なんだ」

翼が刀を構え、裁断者にとどめを刺そうとする。

266ディナーは戦いの後で:2014/01/27(月) 00:01:38 ID:mBl4h5BA0
――その時だった。

「それなら、僕の肉を食べてみればいいんじゃないかな?」
「っ!?」
「――そう簡単に食べさせはしないけどね?」


翼の背後から現れた青年はそれだけ言うと、体を捻り、高速回転させながら突撃をしかけた。
間一髪でそれをかわす翼だが、わき腹に激痛を覚える。

「ツバサおねえさん!」

ぼのぼのの叫びを聞き、翼はようやく自分のわき腹が、ほんの少しだけ削られていることに気がついた。
そして、裁断者と自分の間に割ってはいった青年を睨む。
青年の口の端からは――血が滴っていた。

「もぐもぐ……ぺっ!」

青年が何かを咀嚼後、吐き捨てた。
確認するまでもないだろう。まさに今『食われた』翼の肉だ。

「駄目だね、美味しくない。君らが人を食べるのは理解に苦しむよ」
「くっ……下衆め……私に何をした!?」
「どっちが下衆なんだい?ここの魔者達からは、大地を大切にする思いがひしひしと伝わってくる……そんな彼らを食べるだって?
 ふざけるのも大概にしなよ。不味いけど、君らも少しは食べられる側の気分を味わってみる?」

開かれた口と、その奥に並ぶ歯はごく普通なもの。断じて牙ではない。
しかし真っ赤に染まったそれは、間違いなくその歯が、翼の肉を食った証でもあった。

「悪いけど、僕はオリハルコンを練りこんだ料理も問題なく食べられる程度には歯も胃も丈夫なんだ。
 ああ、劇毒にも慣れてるよ。昔は毎晩寝る前に飲むのが日課だったからね。食人鬼の肉でも問題なく食べられる。
 君たちが望んでいる完全耐性も、僕には備わっている。まあ、装備品も含めてではあるけど……
 全属性吸収に加えて、無属性も半減できるんだ。君たちが僕を食べれたら……お得だとは思わない?」
「何者だ……一体……」
「僕はレスト。……君たちに食べられたアゼルと同じ、アースマイトだよ」

アゼルの名が出た瞬間、翼は僅かに顔を歪めた。
かつての仲間を自分が食い尽くしたのだという現実の再認識と……
そして彼が魔物を庇い、自分を狙う理由がわかったからだ。

「もしかして、フレイって言う子も食べたのかい?彼女もアースマイトだったんだけどね」
「悪いが、知らないな」

短い間ではあったが、アゼルとは仲間であり、彼の口からアースマイトのことも聞いていた。
いわく、大地の声を聞き、大地を守り、大地と共にあることを宿命づけられた希少種族。
まさか、都庁に群がる魔物の声まで聞きつけたというのか。

「まあどっちでもいいよ。君らは殺す。ここの魔者達に手を出す奴は殺す。自然をなんとも思わない連中は――皆殺しさ」
「ふん、アゼルの仲間かと思えば、随分と恐ろしい考えを持っているようだが?」
「僕だって、話し合いでどうにかしようと思った時期もあったよ?でもそれじゃあ駄目なんだ。
 その昔、一人のアースマイトが帝国の世界征服の野望を阻止した。その時彼は、皇帝を手にかけず、見逃した。
 優しいと思うだろう?でもね、皇帝は改心なんてしてなかった。どころか、アースマイトという種族そのものを逆恨みしてたよ。
 そのとばっちりは僕や街の人にも及んで……あろうことか、僕の愛した女性、セルザまで傷つけたんだよ。下らない野望のためにね……だから――

ガォン!

レストの言葉を、発砲音が掻き消す。

「くっ!?」
「あれ、この距離でかわされちゃった。ごめんよツバサおねえさん」

見れば、いつの間にかぼのぼのが回り込み、銃を構えていた。
彼は以前に殺害したフォズのことを思い出し、脳味噌を食うつもりでヘッドショットの奇襲をしかけたのだ。
もうそこには、かつての心優しいラッコは存在しない。同族の翼以外全てを食糧としてしか認識できない、怪物しか存在しない。

267ディナーは戦いの後で:2014/01/27(月) 00:02:31 ID:mBl4h5BA0
「へえ、君は動物だからまだ見逃そうと思ったのに。銃を、使うんだね?行く行くは近代兵器にまで手を出すつもりかい?
 ――ああ、憎いったらないよ。行き過ぎた銃火器も科学も軍隊も……それを扱う人間も、何もかも!」
「どうやら完全耐性とやらも、銃弾には……いや、物理的な力には意味を成さないらしいな?ならば……」

翼は自らのギアである天羽々斬を巨大化させ、構える。
彼女は足にも刃を装備しており、言うなれば完全武装の状態だ。
そこに四条化で手に入れた強靭な歯があわされば、弱点となりがちな頭部も克服したことになる。

「私がお前を――食ってやろう」

相手はただの人間ではないようだが、銃弾が翳めた頬から血が滲む存在。
純粋な物理攻撃には耐性を持たない、物理攻撃を最も得意とする自分にとっての――獲物でしかない。

「蒼ノ一閃ッ!」
「そうだね、僕を殺して食べたいなら、物理攻撃しかない。でも……」
「何っ!?」

放出された巨大な蒼い刃を、レストは鞄より取り出した大剣で叩き伏せる。
並の剣ではそのまま蒼ノ一閃に切り裂かれるであろうが、振るわれた剣には傷一つなかった。

「僕の得物はこの天ノ村雲ノ剣。……大剣が得意なのは、何も君だけじゃあないんだよ?」
「ちっ……!」

続けざまに振るわれた大剣からは衝撃波が放たれる。
蒼ノ一閃ほど巨大ではないが、牽制には十分。直撃すれば深手になるだろう。

(迂闊には近寄れないし、蒼ノ一閃では決定力に欠ける。なんとか懐に飛び込めれば……
 そのまま、そのハラワタヲ、ニクヲ……あぁ、駄目だ。お腹が空いて空いて……)

「ぼのぼの、そこを離るんだ!千ノ落涙でこいつを――」



「光よ、焼き尽くせ!」
「ぐぁっ!?」
「うわぁ!?」


突然、圧倒的な光の奔流が翼とぼのぼのをまとめて吹き飛ばした。

「何をしているレスト。愚か者共を始末するのはいいが、まずは負傷している魔物の治療が先ではないのか?」
「す、すみませんダオスさん……」

乱入者――ダオスと呼ばれた長身の男性は、光の放出を続けたままレストへ目配せをする。
状況を把握しきれていない、手負いの魂の裁断者を癒せと。
慌てたレストは剣をしまい、裁断者に回復魔法をかけはじめた。

(これで、あの魔物も一命は取り留めるだろう。問題は……)

両の手からの光線は、未だに続いている。
都庁付近の建物も巻き込まれ次々に崩れ落ちていく程の威力だ。

「……タイダルウェイブ」

しかしダオスは突然攻撃を中断し、何かを呟く。
次の瞬間には、光ではなく凄まじい激流が周囲を容赦なくなぎ払った。



268ディナーは戦いの後で:2014/01/27(月) 00:04:18 ID:mBl4h5BA0
「一応、応急処置が終わりました」
「ご苦労。しかし警戒は怠るな。連中はおそらく、まだ生きているぞ」
「さっきのレーザーの直撃を受けて、ですか?」
「ああ。光の中でこちらの隙を窺っているように見えた。
 おそらく完全ではないが、光と熱に対して既にある程度の耐性を得ている可能性が高い」
「それで水魔法に切り替えたんですね」

捕食者を撃退した二人は、改めて都庁を眺めた。
もうそこには、コンクリートやガラスなどで構成された都庁の面影はほとんど残っていない。
絡み合う樹木、茂り始めた大きな葉、自然の産物が文明の象徴を覆っていく。

「「美しい……」」

それはさながら、新たに生まれた世界樹のようで。

「……これこそ、この世界のあるべき姿ですよ。自然と共に生き、大地の恵みに感謝を忘れない。
 行き過ぎた文明や科学なんて必要ないんです」
「私はお前のような熱心な自然崇拝者というわけではないが、科学の根絶には賛成しよう。
 人間共がくだらぬ化学兵器を使うせいで、世界は穢れて枯れ果てるのだ。もっと大樹のありがたみというものをだな……」

彼らは大地の守人と大樹の守人。
都会の真ん中で生まれつつある新たな大樹と、自然を愛する魔物達を守るために手を組んだのだ。
共に科学的なものを毛嫌いしていたのも大きな理由であったといえる。
そしてさらに、互いが互いの弱点を補う存在であったことも。

「連中以外にも、ここを狙う輩はいるだろう。
 お前の使役していた三幻竜のうち一体も行方不明だというし、戦闘は私に任せ、援護とそやつの治療にまわってくれ」
「わかりました」

ごきごきと手を鳴らすダオスは、魔王と称され、魔術でしか倒すことができないと言われた男である。
膨大な魔力と卓越した格闘術も十二分に脅威だが、彼は物理的な攻撃を受け付けないことが売りであった。
裁断者を治療するレストは、特殊な装備練成と肉体強化により、あらゆる魔法攻撃を受け付けない。
二人が揃うことによって、擬似的にあらゆる攻撃を受け付けない完全な状態が作り上げられるのだ。

(私はもとより、レストも戦いに秀でている。魔物達もここを占拠するだけの力を持っている。
 科学使用者共に負けるつもりはないし、負けてはならぬのだが……
 あの二人組は、一体なんなのだ……? 魔物でも、人間でもない、もっと得体の知れない……)

【一日目・18時50分/日本・東京都庁樹】
【ダオス@テイルズオブファンタジア】
【状態】健康、物理攻撃無効、雷耐性低
【装備】ダオスマント
【道具】支給品一式、不明品
【思考】
基本:星の自然環境改善
1:主催者含めあだなす存在は全身全霊で滅ぼし、協力者は助ける
2:機械っぽい外見の奴は問答無用で潰す
3:四条化コンビを警戒
4:都庁の魔物を狙う参加者を迎撃する
5:グンマーの世界樹の迷宮も気になる

【レスト@ルーンファクトリー4】
【状態】健康、全属性攻撃吸収、無属性攻撃半減
【装備】天ノ村雲ノ剣、
【道具】支給品一式、不明品
【思考】
基本:星の自然環境改善
1:主催者含めあだなす存在は全身全霊で滅ぼし、協力者は助ける
2:機械っぽい外見の奴は問答無用で潰す
3:四条化コンビを警戒
4:魂の裁断者の治療
5:あわよくば竜と結婚できる世界を作りたい
※フレクザィードの飼い主でしたが、バサラによりその権限を奪われていることに気がついていません

【魂の裁断者@新・世界樹の迷宮 ミレニアムの少女】
【状態】瀕死(治療中)
【装備】無し
【道具】長くて丈夫な木の棒、支給品一式
【思考】
基本:都庁を住処にしたモンスター達で協力して生き残る
1:気絶中



269ディナーは戦いの後で:2014/01/27(月) 00:05:54 ID:mBl4h5BA0
「かはっ……」
「うぅ……」

濁流に揉まれた翼とぼのぼのは、都庁から離れた位置まで流されていた。
持ち前の生命力と、食への渇望により命に別状はないが、初めてダメージらしいダメージを負っていた。
浴びた攻撃は水属性のもの。都庁に向かう途中で手に入れた耐性は風であり、水にはまるで耐性ができていなかったのだ。

【疾風のゲハ@ボボボーボ・ボーボボ】 翼とぼのぼのに捕食され死亡

「あの男達……かなりの強さだな。だが同時に……アア、ゼヒトモ食べてミタいな?」
「でもでも、かなりたいへんそうだよ?」
「なに、食べるのが困難な食材ほど、美味いというものサ……お腹、スイタな。
 あの男の攻撃を耐えるためにも、次は水耐性を得られそうな相手を狙って……いや、今はとにかくダレデモ……」

初めて、かなりの傷を負い。
初めて、食事をとることに失敗した。
それと同時に死亡してしまった四条貴音の無念はどれほどのものだったことだろうか。
だが彼女と違うのは、翼もぼのぼのもまだ生きているということ。
そしてご馳走を前に『お預け』をくらったことにより……より『食』への思いが強くなったことだ。
前菜ともいえる熊肉すら満足に食えていないのだ。当然の結果といえる。
だんだんと理性が削られていき、より獣に近くなっていっていることに、二人はまだ気がつかない……

【一日目・18時50分/日本・東京都のどこか】

【風鳴翼@戦姫絶唱シンフォギア】
【状態】中ダメージ、超空腹、炎耐性(強)、聖耐性(強)、闇耐性(弱)、風耐性(弱) 四条化、きゅんっバンパイア化
【装備】シンフォギア・天羽々斬@戦姫絶唱シンフォギア
【道具】支給品一式
【思考】
基本:四条貴音の意思を継ぎ、空腹を満たす
0:水耐性を上げたいが、今はとにかく空腹
1:食べられればなんでも良いが、特にらぁめんを食べたい
2:貴音の失敗を鑑みて、より多くの耐性が得られそうなものを優先して食す
3:ペットとしてぼのぼのは連れて行く
4:立花たちが今の私を見たらどう思うか……
5:都庁の敵を警戒
※四条貴音の細胞に肉体を侵食されたため、四条化し貴音の能力と一部の記憶を受け継ぎました
※テラカオス化の進行度合いも受け継がれています。さらに本人も気がつかないうちに現在も進行しています

【ぼのぼの@ぼのぼの】
【状態】中ダメージ、超空腹、炎耐性(強)、聖耐性(強)、闇耐性(弱)、風耐性(弱) 四条化、きゅんっバンパイア化
【装備】ウィンチェスターM1912
【道具】支給品一式、ヒョウヘンダケ@ぼのぼの×10
【思考】
1:すごくおなかすいたなあ
2:「ころしあい」っていうのはたべることなんだね!
3:ツバサおねえさんについていく
4:みんなどこにいるのかなぁ
※四条貴音の細胞に肉体を侵食されたため、四条化し貴音の能力と一部の記憶を受け継ぎました
※テラカオス化の進行度合いも受け継がれています。さらに本人も気がつかないうちに現在も進行しています

270守護天使?:2014/01/27(月) 17:09:56 ID:r6ZoDfuA0
DMC狂信者の活動拠点、ビッグサイト。
ショッカーの拠点にされたりもして、踏んだり蹴ったりである。
そんなビッグサイトではあるが、普段も色々と拠点にされていたりする。
アニメとか同人誌の一大イベントでは、それはそれは沢山の人々が集まるわけで……
その中には、腐った連中もいる。
外見ではなく中身が腐った思考の連中にとってもビッグサイトはある意味聖地であり、守護獣的なものも存在していた。

「ホモォ……!」

それが、ビッグサイト上空で荒ぶっているこの天使、ルシ腐ェルである。
堕ちたうえに腐った、最狂の天使とされるルシ腐ェルは、下界のホモォ達を優しく見守ると同時にたまに手助けをする。
感情が昂ぶった瞬間、ビッグサイト上空から地上に舞い降りて、ルシフェル砲で超広範囲を爆撃するのだ。
本来であれば、美味しい薄い本でもないとすぐには荒ぶらないルシ腐ェルであるが、今はご覧の通りフル充填状態。
ルシ腐ェルの真下、ビッグサイトから漏れ聞こえるはクラウザーさんの歌(CD)と信者のSATSUGAIコール。
圧倒的なSATSUGAIコールは最狂の天使の思考さえ掻き回し、ホモォ以外の存在でも手助けしたくなるような……

「……光秀×デスマスク……イケル!」

――などということは別に無く、単にルシ腐ェルが勝手に狂信者達を頭の中でホモに仕立て上げているだけであった。

「レイ○……ソウダ、光秀総受けもオイシイ……」

少なからず、影響は受けているようだが。
とにかく、妄想力逞しいルシ腐ェルは、息を荒げてビッグサイト上空に居座っていた。

【1日目・18時50分/日本・東京都江東区ビッグサイト上空】
【ルシ腐ェル@しんげきのホモォ】
【状態】健康、チャージ100パーセント
【装備】不明
【道具】支給品一式、大量の薄い本
【思考】
基本:ビッグサイトに近づく連中をルシフェル砲で爆撃する
1:DMC狂信者でカップリング妄想する

271つく相手を間違えたな:2014/01/29(水) 08:36:07 ID:vMn5lDkUO
ビッグサイトの屋根に登ったラージャンの気光ブレスがルシ腐ェルを焼き尽くす。
DMC狂信者からしたら、ビッグサイトを護っていようとSATSUGAI対象に変わりはなかった。
味方する相手を間違えた時点でルシ腐ェルに未来は無かったのだ。

【1日目・19時00分/日本・東京都江東区ビッグサイト】

【ラージャン@モンスターハンター4】
【状態】健康、ギルクエレベル100、擬人化
【装備】擬人化パッチ
【道具】支給品一式
【思考】
基本:SATSUGAIし尽くすだけだぁ!

【ルシ腐ェル@しんげきのホモォ 死亡確認】

272右手だって、あるんだよ:2014/01/29(水) 17:55:41 ID:yZ/YJRkg0
「はぁはぁ……ようやく復活できたか……」

息を荒げて、糸目の男――タケシは近くの壁にもたれかかった。
彼は野比玉子症候群の一員であるが、今回は復活にかなりの時間を要していた。
原因としては、玉子本人の長期生存である。
玉子が長期生存した場合、症候群はその効力を弱らせ、症候群メンバーも即退場する可能性が減るわけだが……
メンバーが玉子より先に既に死亡していた場合、逆に復活ができないor再生に時間がかかるというデメリットも存在している。
玉子が何者かに殺害されたため、ようやくタケシも復活できたのである。

「いい加減に、この不毛なバトルロワイアルを破壊する方法を探さないと――」

「そこの少年、この手の法則を言ってごらん?」

「なっ!?」

「はずれだ。罰として……両手攻撃・ダブルフレミングバスター!」

しかし復活して間もないタケシは、現れたチョビ髭の男が繰り出した電撃の嵐により一瞬で炭になってしまった。
彼の名はジョン・フレミング。
ある意味で、野比玉子症候群と同等に凄まじい扱いを受ける、テラカオス化参加者の一人である。
その力はより強大に、そしてより理不尽なものへと進化していた。

「私の左手の法則と……そして右手の法則……両方を正しく知らない奴は……すべて……ぶち殺す!」

【一日目・19時/栃木県】

【ジョン・フレミング@現実?】
【状態】テラカオス化進行中、電撃能力会得
【装備】なし
【道具】支給品一式
【思考】
基本:フレミングの左手と右手の法則をきちんと知らん奴を皆殺し。(野田総理でも許さん)
1:子供の参加者を優先して質問を投げかける
2:答えられなかったら当然始末する
※テラカオス化進行により、両手から電撃を放てるようになりました

【タケシ@カオスロワ】 死亡確認

273二人はH / 地獄で髑髏を拾う者達:2014/02/01(土) 23:02:48 ID:DyvPe7js0
 桜田ジュンは、同じく魔女と呼ばれる謎の生命体が支給された水谷絵理というアイドルを仲間にしていた。
絵理もまた、友人や仲間たちを探しており、魔女が支給された者同士という事もあって共に行動することになったのだ。
ちなみに、絵理に支給されたのはハコの魔女H.N.エリー(キルステン)というツインテールの生えたパソコンのモニターのような生物だった。
そんな二人は今、京都の街中を歩いていたのだが、平和な時間はここまでだった。

(それにしても絵理とエリーって……えっ)
「数秒間だけ、空が真夜中みたいに……きゃっ!?」

 絵理が言った通り数秒間だけ空が暗くなったかと思うと、犬耳の生えた筋肉質な銀髪の男が吹き飛ばされてきた。
その男・ザフィーラは二人の足元で止まると、倒れたまま光に包まれながら消滅した。

「……に……逃げ……ろ……」

 そう言い残し、事切れる青い狼と、それを見て絶句する二人。
そして、粗暴さを感じさせる大声が周囲に響き渡った。

「次はお前等か!お前等もクラウザーさんの元に送ってやるぜぇ!」

 その声の主は、キバという男だ。DMC狂信者の一員だったりする彼は、支給品のキバットバットIV世を使って(未来の世界の)仮面ライダーキバに変身していたのだ。
ザフィーラを殺したのも、こいつの放ったダークネスムーンブレイクだったりする。
そんなキバを見て、主の危機を感じ取ったシャルロッテが彼に噛みつこうと身体を伸ばしたが……。

「なっ!?」

 逆に、シャルロッテに蹴り上げが三発も叩き込まれ、さらに回し蹴りを喰らってシャルロッテが弾き飛ばされた。
脱皮による再生でシャルロッテは無事ではあったものの、相手の強さを思い知らされる事になった。
そんな時だった。彼等が現れたのは……。

「随分と楽しそうじゃねえか、キバの大将よぉ!」
「弱い物いじめで悦に浸るとは、程度が知れるな」
「そ、その声……テメエ等は、髑髏の奴の……だが、この力があればこっちの、何ぃ!?」

 彼等は、ジュン達の後ろからやってきた。
一人は獰猛さを感じさせる笑みを浮かべ、もう一人は冷たい目でキバを睨んでいた。
そんな、どう見ても悪人にしか見えない二人は、海動剣と真上遼。マジンカイザーSKLのパイロットである善良な公務員だ。
自身の宿敵の登場に、驚くも仮面ライダーの力で自分の有利は揺るがないと思い持ち直すが、二人もまた腰にベルトを巻いていた。

「真上、こいつは俺にやらせろよ」
「ああ……で、其処のお前等。俺の身体に傷一つつけさせるなよ」
『サイクロン!ジョーカー!』

 海動が変身したのは緑色の右半身と、黒色の左半身を持つ仮面ライダー。
仮面ライダーWの基本形態ともいえるサイクロンジョーカーだ。
ちなみに、意識が変身した海動に転送された為に倒れた真上の身体は、ジュンと絵理が半泣きになりながら必死で保護しました。

274二人はH / 地獄で髑髏を拾う者達:2014/02/01(土) 23:03:38 ID:DyvPe7js0
「お、俺と同じ……仮面ライダーだとぉ……!?」
「よそ見してんじゃねえよ」

 うろたえるキバにWは掴みかかり、そのまま蹴りと拳を浴びせ、頭突きで突き飛ばした。
そして、キバが間合いを詰めようとしている間に、メモリチェンジを行うW。

『ヒート!メタル!』

 ヒートメタルにチェンジしたWのメタルシャフトと、キバの拳がぶつかり合い、キバが押し負ける。
そんなキバにWは、メタルシャフトでの突きを三発叩き込む。
海動がヒートとメタルに、真上がヒートとトリガーに高い適合率を持っている為にヒートメタルはそのポテンシャルを十分に発揮できていた。
一方、キバは無理矢理変身しただけであり、本来の力をまるで発揮できていなかった上に、ザフィーラとの戦いで少なからずダメージを受けていたのだ。
その差が、同じ仮面ライダーと戦う事でついに表面化したのだ。

「フッ、どうした?その程度か?」
「チッ、良い気になってんじゃねえぞコラァ!!」
(怖いけど……凄い……)
(こっちまで殺されそうだけど……どこか安心する?)

 キバの回し蹴りが、後ろ回し蹴りが、踵落としが、Wの振り回すメタルシャフトに弾かれていく。
その圧倒的な強さに、ジュンと絵理と二人?の魔女は恐れつつも見とれていた。

「ちぇええええいっ!!」
「ずおおおおりゃああああああ!!」

 そして、飛び蹴りを放つキバを、Wの投げたメタルシャフトが撃ち落とした。
それまでに受けたダメージに苦しみながらもどうにか起き上がり、体勢を立て直すキバ。
しかし、Wは既にメタルシャフトを回収していた。

「海動、決めるぞ!」
「おう!!」
『メタル!マキシマムドライブ!!』
「うおおおおお!メタルブランディング!!」

 先端に炎を宿したメタルシャフトをWが横に薙ぎ払う。
その一撃はキバのベルトに止まっていたキバットバットIV世を粉砕し、その勢いのままぐるりと一回転する。
そして、二撃目がキバの胴に直撃し、キバを爆散させた。

「「俺達が、地獄だ!」」

 その禍々しくも雄雄しいその勇姿を、ジュン達はただ目に焼き付けるのだった。

275二人はH / 地獄で髑髏を拾う者達:2014/02/01(土) 23:14:45 ID:DyvPe7js0
【一日目・19時10分/静岡県】

【海動剣@マジンカイザーSKL】
【状態】健康、ヒートメタルに変身
【装備】ダブルドライバー@仮面ライダーW ガイアメモリ(ジョーカー、メタル、ルナ)@仮面ライダーW
【道具】支給品一式
【思考】基本:戦いを楽しみながら主催を倒す
1:マーダーは片っ端から倒す
2:俺達に大義名分なんて無いのさ!
※真上がボディサイドを担当する場合は、変身前にジョーカーメモリとサイクロンメモリを交換する予定です。

【真上遼@マジンカイザーSKL】
【状態】健康、変身により意識が転送されてる
【装備】ダブルドライバー@仮面ライダーW ガイアメモリ(サイクロン、ヒート、トリガー)@仮面ライダーW
【道具】支給品一式
【思考】基本:戦いを楽しみながら主催を倒す
1:マーダーは片っ端から倒す
2:俺達に大義名分なんて無いのさ!
※真上がボディサイドを担当する場合は、変身前にジョーカーメモリとサイクロンメモリを交換する予定です。

【桜田ジュン@ローゼンメイデン】
【状態】健康
【装備】
【道具】支給品一式、シャルロッテ@魔法少女まどか☆マギカ
【思考】基本:死にたくない
1:あの二人が怖い……
2:結果的に女の子(巴マミ)を殺してしまったことへの後悔
3:家族や友人、ドール達と再会したい
4:見せしめに殺された女(巴マミ)が生きていたのは……?

【水谷絵理@アイドルマスター ディアリースターズ】
【状態】健康
【装備】
【道具】支給品一式、H.N.エリー(キルステン)@魔法少女まどか☆マギカ
【思考】基本:尾崎さんやサイネリア、876プロの皆と再会して生き残る
1:あの二人が怖いけど……護ってくれた……?

【ザフィーラ@魔法少女リリカルなのはA's 死亡確認】
死因:ダークネスムーンブレイク

【キバ@マジンカイザーSKL 死亡確認】
死因:メタルブランディング

276:2014/02/02(日) 03:35:24 ID:Gq0tekwc0

 長崎県(九州ロボ・第二の右腕)。
 そのハウステンボスは現在『真・ゆうかりんランド(仮)』への改装中であった。

「オラぁ! 働け、屑共ォ!!」
「ひっ……」 

 ゆうかりん信者と化した現場監督が奴隷(モブ参加者)を鞭で叩く。
 そんな最中、とあるモブ参加者が空を指差した。

「空から、無数のテニスボールが!?」
「は……?」

 次の言葉を口にすることなく、彼らの命は塵屑のように消えた。







 ※印で書いてあった。『他にも九州ロボに被弾したかもしれません。』 
 そう、ここにも届いたのだ。

 

 さて、緑間君の超距離テニスボールの威力を実際に計算してみる。
 まず速度であるが……
 約1、2分で約1,000km放れた距離に届くとすると、その速度は約30.000㎞/hとなる。
 ここでマッハ1を約340m/sとする。これを時速に換算すると約1.224Km/h。
 つまり、大体マッハ24となる。これでも充分速さである。
 (ちなみに光速はマッハ881.742である)
 しかし、問題はそのテニスボールの持つエネルギー量である。
 このテニスボールの質量を一般的な重さの50ℊとする。
 これは一般的なライフルの銃弾の約4gの約12.5倍ほどの質量である。
 一般的なライフルの初速は約947.5m/s≒約マッハ2.8である。
 物体のエネルギーは1/2×質量×速さ×速さである。
 単純計算でも一般的なライフルの400倍のエネルギーを持つ。
 
 それが一発分の威力であるが……
 九州にいくつ届いたか?
 その超距離テニスボールの個数は『限』りが『無』い。故に『∞(無限)』。

 つまり、前SSで書かれていた『少なくとも大砲以上』という表現では足りない。
 全然足りないのだッ!!

 そして、そんな破壊兵器と化したテニスボールが九州ロボ全土に降り注ぐ!!

277:2014/02/02(日) 03:37:17 ID:Gq0tekwc0

||:|:| | |                  :.   :;;,   ,;:  .::                          | | |:|:||
||:|:| | |                      ::.  :.:;;, ,;;;::. .:.::                       | | |:|:||
||:|:| | |                  :::.:... :.:;;;,,,;;;,::.:::.:.::                     | | |:|:||
||:|:| | |                  :: ::.::.:::;;;;;;;;;;::::.:: :: 、                    | | |:|:||
||:|:| | |                 :: ::.::.::::::::;;;;;;;::::.::.::.:: ::)                       | | |:|:||
||:|:| | |    | ̄| □□  /       :: i::.::::::::::;;;;;;;:::::::.:.:;: ::                        | | |:|:||
||:|:| | |    |  |__//       :l i:.:::::::::::;;;;;;;:::::/::!.::                    | | |:|:||
||:|:| | |    |   __|         i .:l i::::::::::::::;;;;;:::::::::::::i ::            、             | | |:|:||
||:|:| | |    |  |               ;l i:::::::::::::::;;;::::::::::::::; l:              \         | | |:|:||
||:|:| | |  /|_l           //|l i::::::::::::::::;:::::::::::::::i l;             \\        | | |:|:||
||:|:| | |  ((           ((   |l i::::::::::::::::;:::::::::::::::i l:               \     .| | |:|:||
||:|:| | |   \            \ |l ;::::::::::::::::;:::::::::::::::i l| \      くl  /|         | | |:|:||
||:|:| | |    \\    ウ     |l i::::::::::::::::::::::::::::::::i l|  ))        / /      \ . | | |:|:||
||:|:| | |      \\          |l i\: : : : : : : : : : i l|/  、     く_/       )) | | |:|:||
||:|:| | |          \     /  |l i : :: : : :: : : : : : ::i l| i  、\               /   | | |:|:||
||:|:| | |         \   (   |l i: : : : : : : i l|  )  \\       //    | | |:|:||
||:|:| | |    .     /   \   \! |l i : : : !: : : :.i l| /       \     /         | | |:|:||
||:|:| | |      /           |∨l i: :   : |:   :  i l| i         )) /    .    | | |:|:||
||:|:| | |    ((            |l i \ :  :  : :/i l| |      /   /             | | |:|:||
||:|:| | |     \       / |l i  \     /  :l∨!i   /              | | |:|:||
||:|:| | | .       \     // |l i        /     i l|  /                 | | |:|:||
||:|:| | |            /    |l i              i l|     ,                  | | |:|:||
||:|:| | |           ((      |l i            i   i l|!   ,  く>           | | |:|:||
||:|:| | | ,          \     |l i  i       | /i l|         /,              | | |:|:||
||:|:| | |   ;    .\   \  |  i|l i  |            i l|    / /  /      .     | | |:|:||
||:|:| | |    \ )\_ノヽ.人_从|l i                i l|人ノヽ._从/( /         | | |:|:||
||:|:| | |     )\.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;从 l ,             人.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;./(  .        | | |:|:||
||:|:| | |    /)\.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;ヽノ(_人人 从_)ヽ'_)\ノ.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;/(\   :      | | |:|:||
||:|:| | |       )ヽ.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;. ̄ ̄;:;:;:;:;: ̄ ̄:;:;:;:;:;:;: ̄.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;/(          | | |:|:||
||:|:| | |         `)ヽノヽノヽノヽ/ヽノヽノヽ/ヽノヽ/ヽノヽノヽ/(            | | |:|:||

278:2014/02/02(日) 03:37:51 ID:Gq0tekwc0


 結果的に『真・ゆうかりんランド(仮)』諸共九州ロボは粉々に砕け散った。
 
 九州の大きさは日本人なら誰でも知っていると思うが35,640平方キロメートルである。
 解り易く言えば敷地面積が46,755平方メートルの東京ドーム約762.271個分である。

 そんな距離を一時間やそこいらで移動・修復できるわけないだろ?
 光博士とかビアン博士とか阿笠博士とかの科学者でも無理に決まっている。
 スパーリペアキットでも完全に消滅したものは修復は不可能である。

 それは単純である。
 スパロボでHP0の機体を行動させることは出来るか?
 否である。

【一日目・18時45分】
【九州ロボ 完全破壊確認】

※九州にいた参加者及び主催者の安否は不明です。

279真 カ オ ス ロ ワ 史 上 最 低 の 糞 回:2014/02/02(日) 15:40:00 ID:oybROXCo0
SATSUGAIの名の本に犠牲がまた出た。

【野比玉子@ドラえもん 死亡確認

280真 カ オ ス ロ ワ 史 上 最 低 の 糞 回:2014/02/02(日) 15:44:07 ID:oybROXCo0
SATSUGAIの名の本に犠牲がまた出た。

【野比玉子@ドラえもん 死亡確認

だが誰も気付くことはなかった。彼には。

281真 カ オ ス ロ ワ 史 上 最 低 の 糞 回:2014/02/02(日) 15:56:04 ID:oybROXCo0
彼、ジョン・フレミングは乗り捨てられていた車を使い東京に来て一人ほど抹殺した後眠ろうと思った。
【モブキャラ@いろいろな作品 死亡確認!】
だが、騒音のせいで眠れなかったので、騒音を断とうと思った。

彼は能力を使い電気を集め放つとうと思った。
23:55 光が薙ぐ。
およそ2kmを移動した雷はビッグサイトを破壊した。

【ビッグサイト 消滅】
【DMC狂信者 壊滅】

そして、フレミングがテラカオス化した。
その時不思議な事が起こった。
なんと空間に穴が空いた!

282真 カ オ ス ロ ワ 史 上 最 低 の 糞 回:2014/02/02(日) 16:03:32 ID:oybROXCo0
知っているだろうか。TCBR7期でノトーリアスDECOは死んではいなかった事を。
ソースは保管庫にて。

ノトーリアスDECOは異次元に今もいる。
もし…

「おわっ!」
フレミングは突然現れた怪物に取り込まれた。

「とでも思っていたのか!」

テラカオス化したフレミングが怪物、ノトーリアスDECOを乗っ取り、そして感じた。
そう、カオスを。

283真 カ オ ス ロ ワ 史 上 最 低 の 糞 回:2014/02/02(日) 16:23:54 ID:oybROXCo0
ノトーリアスDECOは7期に繋がっている。
何故かは不明だ。
しかし、かがみとアカギから見て7期は4-6,8期に繋がっている。

ゆえにフレミングは4-8期に繋がった。

流れ込んでくる怨念は、フレミングをテラカオスへと変貌させた。

イチローは試合中、ルーファウスは死んだ。
他の阻止できそうな奴らも殺された。
世界は因果律を書き換えられた。
彼はもう止められない。

【しまっちゃうおじさん@ぼのぼの 死亡確認】
【田中@爆笑問題 死亡確認】
【ユニクロン@トランスフォーマー 死亡確認】
【マグニスさま@テイルズオブシンフォニア 死亡確認】
【女神イシター@ザ・ナイトメア・オブ・ドルアーガ 不思議のダンジョン 死亡確認】
【オタチ@ポケットモンスター 死亡確認】
【武藤遊戯@遊戯王 死亡確認】
【老賢者@誤爆スレ 死亡確認】
【692@夢オチ 死亡確認】
【マルク@星のカービィシリーズ 死亡確認】
【エンペラ星人@ウルトラマンメビウス 死亡確認】
【バグラモン@デジモンクロスウォーズ 死亡確認】
【世界 因果律書き換え確認】

【一日目 東京都】

【テラカオス・フレミング@いろいろ】
【状態】テラカオス
【装備】なし
【道具】なし
【思考】カオス
※テラカオス化+ノトーリアスDECOと融合 でテラカオスになりました
※四〜八、十周目の死者の能力を使えます。

284はいはいリセットリセット:2014/02/02(日) 18:09:41 ID:kxoT26EoO
新潟県の海岸で一人の悪の斬り殺していた飛竜達は、設置されていた望遠鏡で大量のテニスボールが九州ロボを破壊するのを目撃した。
しかし、爆煙が収まるとそこには九州ロボと大してサイズの変わらないロボットがあった。
実は、九州ロボは地表を反応装甲として使う事で難を逃れていたのだ。
最も、九州ロボにいた主催以外の参加者は地表にいた為全滅しており、主催以外の参加者が地表に残されていた事を知っていた飛竜達はテニスボールを放った者を悪と認定した。
幾ら主催を倒す為とはいえ、多数の犠牲が出る事を二人は容認しなかったのだ。

【一日目・19時00分/日本・新潟県の海岸】

【飛竜@ストライダー飛竜】
【状態】健康
【装備】光剣サイファー@ストライダー飛竜 クナイ、各種オプション
【道具】支給品一式 
【思考】基本:主催を抹殺する
1:ハクメンと共に主催陣営及び『悪』を殲滅する
2:九州ロボを大量のテニスボールで攻撃した者を抹殺する。
※2014年2月22日発売予定の新作『ストライダー飛竜』の技が使えます。

【ハクメン@BLAZBLUE】
【状態】不明
【装備】斬魔・鳴神
【道具】支給品一式
【思考】基本:『悪』を滅する
1:飛竜と協力して、主催及び世界に災いをもたらす者を『刈り取る』
2:九州ロボを大量のテニスボールで攻撃した者を抹殺する。

【ガーゴイル@ふしぎの海のナディア 死亡確認】

【同時刻/日本・九州ロボ】

【九州ロボに居た主催以外の参加者全員@いろいろ 死亡確認】

285はいはいリセットリセット:2014/02/02(日) 18:17:04 ID:kxoT26EoO
一方、すぐ隣の石川県では、異次元より現れたノトーリアスDECOが多数の参加者と戦い、相討ちとなって消滅していた。

【同時刻/日本・石川県】

【ノトーリアスDECO@カオスロワ7期 消滅確認】
【しまっちゃうおじさん@ぼのぼの 死亡確認】
【田中@爆笑問題 死亡確認】
【ユニクロン@トランスフォーマー 死亡確認】
【マグニスさま@テイルズオブシンフォニア 死亡確認】
【女神イシター@ザ・ナイトメア・オブ・ドルアーガ 不思議のダンジョン 死亡確認】
【オタチ@ポケットモンスター 死亡確認】
【武藤遊戯@遊戯王 死亡確認】
【老賢者@誤爆スレ 死亡確認】
【692@夢オチ 死亡確認】
【マルク@星のカービィシリーズ 死亡確認】
【エンペラ星人@ウルトラマンメビウス 死亡確認】
【バグラモン@デジモンクロスウォーズ 死亡確認】

286混沌な名無しさん:2014/02/02(日) 23:59:00 ID:Gq0tekwc0
色々荒れているので、破棄します。申し訳ありませんでした。

287探し人は今:2014/02/03(月) 00:12:48 ID:o2Eix1vI0
千葉県の公園にて、少女雪音クリスと小動物シマリスが情報交換を交わしていた。
彼女らが求める情報…それは知り合いの情報であった。

「うーん、ぼのぼのとかいうのは知らねえな…。
 というか、お前みたいな喋れる小動物がいるのがビックリなんだが」
「わたしは人間はアウトオブ眼中だったからよくわからないのでぃす」
「まぁ、翼は心配ないと思うけどな。
 響の奴はいろいろ抜けててちょせぇからなぁ」
「ああ、ぼのぼのもそんな感じなのでぃすね。早く見つけてやらないとでぃすね…」

だが、会話の内容を聞く限り仲間の手がかりは見つかったとは言えないようだ。
とりあえずはお互い人探しというスタンスを持ったもの同士、一緒に行動するかという話になった。
と、その時目の前に人影が現れる。
ひらひらな羽衣を着用し、右手の人差し指を天に向けたそのサタデーナイトフィーバーポーズをとった女性はクリスたちに話しかけてきた。

「話は聞かせてもらいました。貴方達はどうやら知人を探しているようで…」
「シマリス達になんの用でぃすか?」
「私は永江衣玖と申します。実は私も丁度知り合いを探しているのですが。比那名居天子という少女を探しているのですが知りませんか?
 頭に桃を乗せた帽子を被り、ナイト専用の剣を持ち、おかしな言葉で喋る方なのですが…」
「知らねぇよそんな個性豊かな奴…で、お前はさっきから何で変なポーズを取り続けているんだ?」
「えぇ、実は私は首輪の制限でこの体勢を維持していないと呼吸が出来なくなって死ぬんです」
「お、おう…」
「心配は要りません、これには慣れておりますので。
 あぁそれと…近日中にこの日本を地震を含めた大災害が襲いますよ」
「えっ」

空気を読んでいるのかいないのか、最後に爆弾発言を淡々と投下する永江衣玖。
まぁ、それが彼女の仕事みたいなもんだからしょうがない。
果たしてこの言葉をクリスとシマリスはどう受け取るのか?
そして彼女らは知らない、この3人の探している面子がマーダー化していることに。

【一日目・19時/千葉県 公園】

【雪音クリス@戦姫絶唱シンフォギア】
【状態】健康、呆然
【装備】イチイバル
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】
基本:仲間を探して現状を打破する
1:えっ

【シマリス@ぼのぼの】
【状態】健康、呆然
【装備】胡桃五千個
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】
基本:仲間と共に生き残る
1:えっ
2:胡桃の扱い方を極める

【永江衣玖@東方project】
【状態】健康
【装備】イクサベルト@仮面ライダーキバ
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】
基本:???
1:天子を探す
※サタデーナイトフィーバーポーズをとり続けないと呼吸困難で死にます

288見かけで判断するのは危険:2014/02/03(月) 02:24:57 ID:s.X/vkYs0
「おもちうにょ〜ん」

 柊つかさは、DMC狂信者の一員として、参加者のSATSUGAIに勤しんでいた。
拠点であるビックサイトを出発してから2人の参加者をSATSUGAIし、今まさに3人目を餅で窒息死させていた。
そして、次の獲物を探そうとあたりを見回すと、そこには青い軟体生物がいた。
それはまさしく、某有名RPGでおなじみのスライムだった。
楽にSATSUGAI出来る獲物を見つけ、つかさははりきってそのスライムに近づこうとして……スライムが吐いた灼熱の炎に包まれて灰と化した。

「ピキー!」

つかさを返り討ちにしたのはまさしくスライムであった。
ただ、そのスライムは、伝説のモンスター使いの元で戦い続け、仲間と共に地獄の帝王にすら勝ち、種族としての限界に至るまで強くなった個体であった。
仲間内でもトップクラスのスピードで放った灼熱の炎は、並の相手では自身の身に何が起こったか理解する事すら出来ない程の絶技だったのだ。
そう、そのスライムの名はスラリン。グランバニア国王が逃げ出した奴隷だった頃から共に戦い続けたモンスターの内の一体だ。

「ピキー、ピキキー」

 そして、スラリンは仲間を探して殺し合いを終わらせる為、移動し始めるのであった。

【1日目・19時30分/日本・東京都】

【スラリン@ドラゴンクエストV 天空の花嫁】
【状態】健康、LV99
【装備】無し
【道具】支給品一式、ナイフ
【思考】基本:殺し合いを終わらせる
1:主であるグランバニア国王とその家族と同僚の仲間モンスター達を探す
2:それ以外の仲間も探す
3:マーダーは可能な限り倒す。
※人間の言葉は聞けば理解できますし、(出身世界の)人間の文化や常識も理解できますが、人間の言葉は全く喋れませんし読めません。

【兜甲児@マジンガーZ 死亡確認】
【原監督@現実? 死亡確認】
【野比玉子@ドラえもん 死亡確認】
死因:餅による窒息死

【柊つかさ@らき☆すた 死亡確認】
死因:焼死

289無限のテニスボールを無駄にするのは惜しい気もしたので……:2014/02/03(月) 16:48:28 ID:kAwx2RUgO
実は九州ロボの右腕を破壊したテニスボールの他にもそれと同じ威力のテニスボールが無数に存在し、九州ロボを破壊するはずだったのだが、それは起こらなかった。
何故なら、九州ロボの右腕を破壊した一発を除き、テニスボールは全て上空でカオスロワを傍観していたユニクロンに直撃し、彼を粉砕していたのだから。
一発だと九州ロボの右腕を破壊する程度の威力でも、無数に集まれば惑星サイズのユニクロンをも破壊出来るのだ。

【一日目・19時00分/日本海の上空】

【ユニクロン@トランスフォーマー 死亡確認】

290長野って埼玉にも面しているんだよね:2014/02/03(月) 19:16:59 ID:SmzCAQos0
長野から埼玉まで車で移動していたカール・フリードリヒ・ガウスの近くに人が近寄ってきた。
ガウスは車を止めた。

「おーい、そこの人!水をくれ」
「誰?」
「俺は◆02GOODMe2.」

ガウスは水を差し出した。
だが運の悪い事にそれは新型ナノマシン入り飲料水だった。
電波を受信した彼らは思った。

ガウスは思った。
(カオスを加速させる為に)
◆02GOODMe2. は思った。
(この殺し合いを終わらせる為に)
そして2人は言った。

「主催を倒す!」

でも出来なさそうなので戦力強化に走った。

【一日目・20時/長野県・埼玉との境界近く】

【もっとカオスにし隊】
共通思考:とりあえず、マーダーは倒す
1:主催を倒したい
2:カオスの加速

【カール・フリードリヒ・ガウス@現実?】
【状態】テラカオス化進行中
【装備】なし
【道具】支給品一式、車
【思考】
基本:どんな手を使ってもカオスを加速させる
1:◆02GOODMe2. に付き合う

【◆02GOODMe2.@現実?】
【状態】テラカオス化進行中
【装備】なし
【道具】支給品一式、銃
【思考】
基本:どんな手を使っても殺し合いを終わらせる
1:とりあえず、マーダーは倒す
2:主催を倒したい

291長野って埼玉にも面しているんだよね:2014/02/03(月) 20:08:06 ID:/1CmSjhU0
長野から埼玉まで車で移動していたカール・フリードリヒ・ガウスの近くに人が近寄ってきた。
ガウスは車を止めた。

「おーい、そこの人!水をくれ」
「誰?」
「俺は◆02GOODMe2.」

ガウスは水を差し出した。
だが運の悪い事にそれは新型ナノマシン入り飲料水だった。
電波を受信した彼らは思った。

ガウスは思った。
(カオスを加速させる為に)
◆02GOODMe2. は思った。
(この殺し合いを終わらせる為に)
そして2人は言った。

「主催を倒す!」

でも出来なさそうなので戦力強化に走った。

【一日目・20時/長野県・埼玉との境界近く】

【もっとカオスにし隊】
共通思考:とりあえず、マーダーは倒す
1:主催を倒したい
2:カオスの加速

【カール・フリードリヒ・ガウス@現実?】
【状態】テラカオス化進行中
【装備】なし
【道具】支給品一式、車
【思考】
基本:どんな手を使ってもカオスを加速させる
1:◆02GOODMe2. に付き合う

【◆02GOODMe2.@現実?】
【状態】テラカオス化進行中
【装備】なし
【道具】支給品一式、銃
【思考】
基本:どんな手を使っても殺し合いを終わらせる
1:とりあえず、マーダーは倒す
2:主催を倒したい

292覚醒邪気眼イズム:2014/02/03(月) 20:49:10 ID:o2Eix1vI0
質問に答えられなかったタケシを抹殺したジョン・フレミングは新たなターゲットを探していた。
そして間もなく見つけた。左目に眼帯を付け、右手に包帯を巻いた少年だ。
当然の如くフレミングは少年に質問を投げかける。

「少年。私の生み出したこの法則を知っているかね…?」

そう言って両手のあの法則のポーズを少年に見せ付ける。
するとその少年はそれを見るなり驚愕したような表情を浮かべワナワナと震え始めた。

「どうした、答えられないのか?」
「バカな…貴様が何故ソレを知っている…?」
「ん?」
「黒の教科書でしか知らなかったが本当に存在していたとはな…
 しかしアレは既に黒歴史の果てに人々の記憶から抹消された存在のはず…それがどうして…?」
「は?」
「正気か?ソレを…『バルギスの定理』で世界の真理を暴くことがどれほど危険なことか…。
 貴様は…貴様は一体何をしようとしている!?『バルギスの定理』を使って…貴様ァァァァァァッ!!」
「違う…この馬鹿のバルギスがぁ…ダブルフレミングバスター!!死ねえぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」

少年の意味不明な珍回答に今までにない程の怒りをこめて電撃を放つフレミング。
が、少年は突如何もない空間から最上級悪魔の力が宿った闇色の剣『魔剣ルシファーブレード』を具現化させるとフレミングの放った電撃をその一振りで打ち払った。

「何だとッ…!」
「ククク…攻撃してくるとはな。それが貴様の選択か…
 やはり貴様は禁じられた『バルギスの定理』を使ってよからぬことを企んでいるらしいな…」
「いや、だから違うって言ってんだろ」
「貴様の野望は俺の邪気眼が跡形もなく次元の彼方へ消し去ってやる!!闇の炎に抱かれて消えろ…」
「さっきから話聞けやこの厨二野郎」

そして少年は左目の眼帯と右手の包帯を脱ぎ捨てる。
少年の左目と右腕に刻まれた謎のタトゥーが妖しく輝いていた…。

【一日目・20時/栃木県】

【ジョン・フレミング@現実?】
【状態】テラカオス化進行中、電撃能力会得
【装備】なし
【道具】支給品一式
【思考】
基本:フレミングの左手と右手の法則をきちんと知らん奴を皆殺し。(野田総理でも許さん)
0:邪気眼使いを殺す
1:子供の参加者を優先して質問を投げかける
2:答えられなかったら当然始末する
※テラカオス化進行により、両手から電撃を放てるようになりました

【邪気眼使い@邪気眼ネタ】
【状態】邪気眼覚醒、邪気眼解放中
【装備】魔剣ルシファーブレード@作者の妄想
【道具】支給品一式
【思考】
基本:邪気眼の力に導かれるまま動くだけだ
0:フレミングをこの世界から消し去る
1:それが世界の選択か…

293悪を薙ぎ倒せ:2014/02/04(火) 00:05:28 ID:1DWWM/t.O
飛竜とハクメンは福井県で、再起を誓って新たに部下を集めていたガーゴイルと彼が集めた部下4人と1匹を全員斬り殺していた。
全人類を下僕にしようとしていた悪だから仕方ないね。
そんな彼等だが、風の噂で九州ロボの右腕が一度破壊された事を知り、それを行った者を悪だと認定していたりする。
主催以外の参加者が九州ロボの地表に残されている事を知っていた二人は、彼等もろとも主催を倒す事を容認しなかったのだ。

【一日目・19時30分/日本・福井県】

【飛竜@ストライダー飛竜】
【状態】健康
【装備】光剣サイファー@ストライダー飛竜 クナイ、各種オプション
【道具】支給品一式 
【思考】基本:主催を抹殺する
1:ハクメンと共に主催陣営及び『悪』を殲滅する
2:まだ主催以外の参加者が残っている九州ロボをテニスボールで攻撃した者を抹殺する。
※2014年2月22日発売予定の新作『ストライダー飛竜』の技が使えます。

【ハクメン@BLAZBLUE】
【状態】健康
【装備】斬魔・鳴神
【道具】支給品一式
【思考】基本:『悪』を滅する
1:飛竜と協力して、主催及び世界に災いをもたらす者を『刈り取る』
2:まだ主催以外の参加者が残っている九州ロボをテニスボールで攻撃した者を抹殺する。
※ヒートゲージ等の状態は次の書き手に任せます。

【ガーゴイル@ふしぎの海のナディア 死亡確認】
【しまっちゃうおじさん@ぼのぼの 死亡確認】
【田中@爆笑問題 死亡確認】
【老賢者@誤爆スレ 死亡確認】
【692@夢オチ 死亡確認】
【オタチ@ポケットモンスター 死亡確認】

294既知との遭遇:2014/02/04(火) 19:45:37 ID:2ye0aUeM0
バガン!

【サキエル@新世紀エヴァンゲリオン(テレビ版) 死亡確認】

戦いは終わった。
サキエルは◆02GOODMe2. により転んだ後、ガウスによる50回以上のしき逃げアタックによりコアが砕けたのだ。
と言ってもテレビ版なので死体が残る。どうしよう。

ガウスは言い出した。
「そうだ、焼肉しよう」
「おお!いいな!」

こうして新型ナノマシン入り飲料水を飲みながらサキエルの焼肉を食べるのであった。

それにしてもガウス、いつの間にか肉を1/5まで食べたり、さっきまで1/10くらいだったのに、ノリノリである。…ってあれ?

【一日目・20時30分/長野県・埼玉との境界近く】
※サキエルの死体が4/5ほど残っています

【もっとカオスにし隊】
共通思考:とりあえず、マーダーは倒す
1:カオスの加速
2:主催を倒したい

【カール・フリードリヒ・ガウス@現実?】
【状態】テラカオス化進行中
【装備】なし
【道具】支給品一式、車、新型ナノマシン入り飲料水(空)
【思考】
基本:どんな手を使ってもカオスを加速させる
1:◆02GOODMe2. に付き合う
※テラカオス化が進行し、時間停止(?)ができるようになりました
※1秒続きます

【◆02GOODMe2.@現実?】
【状態】テラカオス化進行中
【装備】銃
【道具】支給品一式
【思考】
基本:どんな手を使っても殺し合いを終わらせる
1:とりあえず、マーダーは倒す
2:主催を倒したい

295晴れのち雨のち、猛吹雪:2014/02/04(火) 21:56:40 ID:2z50rPbI0
「ほら、ほむらちゃん! もう一回!」
「うっ……く、殺そうとして申し訳なかったわ、桃園ラブ……」
「だーかーらー、駄目だってば転校生! 謝る時はもっとちゃんと謝る! ほら目ぇみて目を!」
「だ、だからさっきから何度も謝っているでしょう!?」
「私なんかのために、誰かを殺してまわろうだなんて、そんなの絶対おかしいよっ! おかしいよっ!
 大事なことだから二回でも何回でも言うよ!」
「うぐぅ……わ、私はまどかのために……」

1時間以上に渡り、暁美ほむらは正座の姿勢であった。
彼女の探し人であったまどかと、魔法少女仲間のさやかに何度もダメだしを受けながら。

「ふ、二人ともその辺にしてあげて? その子ちょっと涙目だし……」
「確かに殺されかけたけど……ほら、ワドルディ共々元気だからさ!」
「当人がいいって言ってるし、そろそろいいんじゃないさやか?」

その様子に、三人のプリキュアも思わず苦笑い。
特にほむらに殺されかけたラブは、ほむらへの印象を大きく変えていた。
対峙した時こそその態度に驚いたものの、いまやほむらは別人のようにしょげかえっている。
おそらくこちらが本来の姿なのだろう。あの執念も、大切な友達を思っての行為かと思うと憎めない。
……恐怖心が完全になくなったかと言えば、嘘になるが。
なにしろ彼女の使用武器が武器なだけに。

「ほ、ほらまどか? 本人が水に流してくれて……」
「駄目だよほむらちゃんっ!」

「あの子、普段からあんな感じ?」
「いや、普段はもっとクールというか、愛想がない感じ。ただあのまどかがあそこまで怒ってるからねぇ……
 ……マミさんがいたら全身縛られてもっと怒られてただろうけど。正義の魔法少女が殺し合いに乗るだなんて言語道断だーってね」
「そうだよ、私達と、あの子と、みんなで殺し合いを止めないと」

「あ、あなた達は考えが甘すぎ「ほむらちゃん?」……ごめんなさい」

この場にまどかがいたのは大きい。
いなかった場合、再びプリキュアと魔法少女の殺し合いが起きていてもおかしくはない状況だったのだから。
この場の全員が、ある種和やかな空気を作り出してくれたまどかに感謝をしていた。
怒られ続けているほむらさえも。


「ガアアアアアアアアアァァァァァァァァァァ!!!!」

「「!!?」」


そんな空気は一瞬で凍りつき、そして破壊された。
ライブハウスの壁を粉砕し乗り込んできた、巨大な蒼き竜の咆哮によって。

296晴れのち雨のち、猛吹雪:2014/02/04(火) 21:57:40 ID:2z50rPbI0
「な、なんなのこいつ!?」
「グルル……」
「ひっ……!?」
「っ! まどかから離れなさい、化け物!」

誰よりも早く、ほむらが竜に対して銃撃をしかける。

「あぐっ……!?」
「転校生!?」
「な、何が起きたの!?」

だがしかし、放たれた弾丸は竜ではなくほむらの身体を貫いた。
あまりに一瞬の出来事に誰もが状況を把握できない。

「こ、氷……いや、鏡の盾!?」

遅れてその原因が竜の生み出した反射装甲・ミラーシールドであると気がついた時にはもう遅い。
既に竜の、氷嵐の支配者の三つ首は必殺の一撃の構えに入っていた。

「ゴオオオォォォォォォ!!!」
「「――――!?」」

全ての生命を拒絶する絶対零度の吹雪が、少女達に放たれる。
その一撃はまさに天災、人間が浴びていい代物ではない。
だが……

「くっ……!」

彼女は、人間ではない。天災級の魔女と幾度となく戦ってきた魔法少女。
盾に魔力を集中し防御力を高め、吹雪を四散させることで、ほむらはその場の全員を守り抜いた。

『ほう、魔力からただの人間ではないと思っていたが、我が洗礼を耐え抜くとはな』
「こ、こいつ直接脳内に……!?」
『やはり、私の声も聞けるか。ならば、話は早い……
 この娘、頂くぞ』
「きゃ!?」
「ま、まどかぁ!?」

テレパシーで語りかけるやいなや、支配者はまどかを連れ去り、どこかへと飛び去っていった。
ほむら達も後を追おうとするが、吹雪の威力を完全には殺しきれず、寒さで体の動きも鈍ってしまっている。

「は、はやくまどかを助けないと……!」
「無茶だよ! あんたはあたし達庇ったうえに、銃弾も跳ね返されてるんだよ!? 今回復するからじっとしてて!」
「ぐっ……このままじゃ、まどかが、まどかがぁ……!」
「落ち着きなって! わざわざ攫ったんだ、すぐには殺さないって! あんたとみんなの傷を治したら、すぐに追いかける!
 みんなもそれでいいよね!?」
「もちろん! まどかちゃんを、貴方の大切な友達を助けないと!」
「あ、貴方達……」

くしくも、かつて敵対した魔法少女とプリキュアは同じ目的のために、共に行動することとなった。
これもまた、まどかのおかげと言えるのだろう。

297晴れのち雨のち、猛吹雪:2014/02/04(火) 21:58:18 ID:2z50rPbI0
【一日目・19時20分/大阪・ライブハウス】

【暁美ほむら@魔法少女まどか☆マギカ】
【状態】ダメージ大(ジェムは無事な為、命には別状なし)、変身中、寒さによる体の痺れ
【装備】ソウルジェム@魔法少女まどか☆マギカ(穢れ35パーセント)
【道具】支給品一式、ベレッタM92(残弾95)、レミントンM870(残弾20)、ミニミM249(残弾50)、M16クレイモア×10、L16 81mm迫撃砲×5、M84 閃光手榴弾×20、88式地対艦誘導弾、長ドス、ゴルフクラブ
【思考】基本:まどかを守る
1:まどかを早く助けたい
2:桃園ラブに僅かに罪悪感

【ケルベロス(小)@カードキャプターさくら】
【状態】健康
【装備】無し
【道具】支給品一式
【思考】基本:桜を探す
1:えらいこっちゃ!

【相田マナ@ドキドキ!プリキュア】
【状態】ダメージ中、変身中
【装備】キュアラビーズ@ドキドキ!プリキュア、ラブリーコミューン@ドキドキ!プリキュア、ラブハートアロー@ドキドキ!プリキュア、シャルル@ドキドキ!プリキュア
【道具】基本支給品一式
【思考】基本:殺し合いを止める。
1:ここにいるみんなと一緒に殺し合いを止める。
2:まどかを助けに行く
※前回のロワとは関係ありません。

【桃園ラブ@フレッシュプリキュア!】
【状態】ダメージ中、変身中
【装備】リンクルン@フレッシュプリキュア!、キュアスティック・ピーチロッド@フレッシュプリキュア!
【道具】基本支給品一式、大量のドーナツ
【思考】
基本:絶対に殺し合いを止めて、みんなが助かる方法を探す。
1:誰かを探しながら、ワドルディを守る。
2:ここにいるみんなと一緒に殺し合いを止める。
3:まどかを助けに行く
4:ほむらはまだ少し怖いが、仲良くしたい
※9期とは関係ありません。

【蒼乃美希@フレッシュプリキュア!】
【状態】ダメージ中、変身中
【装備】リンクルン@フレッシュプリキュア!、キュアスティック・ベリーソード@フレッシュプリキュア!
【道具】基本支給品一式、不明支給品
【思考】基本:殺し合いを止める。
1:ここにいるみんなと一緒に殺し合いを止める。
2:さやかが何だか他人のような気がしない。
3:死んだキュアピースの分も頑張る。
4:まどかを助けに行く
※放送の内容をラブ達から聞きました。

【美樹さやか@魔法少女まどか☆マギカ】
【状態】ダメージ小(自動回復中)、変身中
【装備】ソウルジェム@魔法少女まどか☆マギカ(治癒魔法使用のため、穢れ蓄積中)
【道具】基本支給品一式、不明支給品
【思考】基本:マミさんの為にも、殺し合いを止める。
1:ここにいるみんなと一緒に殺し合いを止める。
2:美希が何だか他人のような気がしない。
3:ほむらを治療後、まどかを助けに行く
※8期、9期とは関係ありません。
※放送の内容をラブ達から聞きましたが、上条恭介の死を知りません。

298晴れのち雨のち、猛吹雪:2014/02/04(火) 21:58:56 ID:2z50rPbI0
【ワドルディ@星のカービィ】
【状態】混乱
【装備】なし
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】基本:殺し合いには乗らない。
1:ここにいるみんなと一緒に行動する。
2:みんなの役に立ちたいけど……
※6期とは関係ありません。
※アニメ出展なので、喋る事ができません。



……



『さて、ここならいいか』
「きゃっ!?」

しばらく飛行した後、支配者はどこかに降り立った。
現地の地理に疎いまどかに、ここがどこかなどわかりはしないだろう。
わかったところで、この竜相手に逃げ延びることなど不可能なのだが。

「わ、私をどうするつもりなの……?」
『少女よ、お前は私の声が聞こえるか?』
「は、はい……聞こえます……」
『であろうな。そうでなければ、わざわざ攫わずにあの場で凍結させている』
「ひっ……!?」

支配者の言葉に、まどかは思わず竦みあがった。
あの一瞬の戦闘だけで、ベテラン魔法少女であるほむらがおそらく深手を負ったのだ。
自分如き小娘など、一秒たりとも持ちこたえられないに決まっている。

『少女よ、問おう。……その身から溢れる魔力はなんだ? とても人間の持つ魔力ではない』
「その、キュゥべえにも言われたけど……私なんかが、そんな凄い力をもっているわけが……」
『我が目に狂いは無し。その気になれば、私を消し飛ばすことぐらい容易いであろうに……それに、その魔力の波長は……』
「え?」

目の前の、人智を超えた力を持つ竜の言葉に、思わずまどかは聞き返す。
恐ろしい外見であり、友人達を傷つけた存在なのだが……何故か、不思議と会話を続けてみたくなっていた。
最初に自分を襲ってきた怪物とは違う、蒼き竜はどこか知性を感じさせ、先ほどまで抱えていた恐怖心も薄れてきている。

「魔力の波長……ですか?」
『そうだ。誰しもが様々なものを持っているが、少女よ、お前の……」
「あ、私、鹿目まどかって名前で……」
『……まどかよ、お前の魔力の波長はそう、我が第二の故郷であるグンマーのそれに限りなく近い……』
「え? グンマーって、あのグンマーですか? 世界樹の迷宮とまで呼ばれていて、イャンクックさんとかがいる?」
『そのグンマーだが……妙に詳しいな?』
「その、私が住んでいる見滝原市は、グンマー圏に最も近い市なので……」
『見滝原の者だったか……。あの地域は、とあるグンマーの民が作った特別な場所なのだ』
「そ、そうなんですか!?」

まどかは思わず叫ぶ。
自分の住んでいる見滝原と、グンマーとでは、明らかに方向性が違う為だ。

299晴れのち雨のち、猛吹雪:2014/02/04(火) 21:59:55 ID:2z50rPbI0
『その昔、東京などの都会の人間はグンマーの自然の素晴らしさを理解せず、未開の地と馬鹿にし続けていた。
 その程度の戯言は放置すれば構わぬが、それを信じ込み、グンマーに面白半分で乗り込む愚者も急増したのが問題だった。
 屍を喰らうことはできるが、持ち込まれた機械や科学製品などはグンマーの生物も喰うことはしない。つまりグンマーの環境が穢された。
 それに怒った一部のグンマーの民は、あえて森の外に超文明の街を作り上げた。それが見滝原だ』
「どうして、そんなことを?」
『超文明都市を存在させることで、未開の地と蔑ませないためというのも理由の一つだが……
 見滝原ほどの科学力をもってしても、グンマーに侵攻するのは不可能であると言うある種の警告の役割もはたしている。時定市なども、同じような理由だ。
 ちなみに見滝原に存在する大部分のものはグンマーの術により生み出されたもの故に、地域全体を自然に還しやすい反面、魔力含有量も凄まじい。
 その影響から野良生物が吸い寄せられたり、魔の存在も集まりやすい場所でもあるな』
「確かに先生がよく鹿に襲われるって話、聞いたかも……」
『そんな環境下で生活していれば、魔力を持つ人間も生まれやすいのだが、お前の場合は祖先にグンマーの民がいて……何らかの理由で、その力を覚醒させたのだろう』
「そうだったんだ……と、ところで、いくつか質問しても、いいですか……?」
『む、構わないが』

ここでようやく、まどかは一番気になっていることを目の前の竜に尋ねることにした。
話が一段落した今であれば、話の腰を折ったとして殺されることはないだろう。

「貴方は、私とこうしてお話してくれている。でもさっきは、ほむらちゃん達を、私の友達を傷つけた。それは、どうして?」
『決まっているだろう。この殺し合いの状況を利用し、自然を汚す人類をこの世から残らず滅ぼすためだ』
「そ、そんな!?」
『人類は、身勝手だ。己の利益ばかり追い求め、争う。利便性を求めて、どこまでも科学を発展させていく……
 科学の全てを否定はしない。時に科学は動物や自然を助けることもあるからな。問題なのは……それの使い方だ。
 科学を制御しきれない、扱いきれないにも関わらず、人間はそれでも手を伸ばし……自滅していく。周囲の環境も生物も巻き込みながらな。
 残された地は日本のみ。ここの大地の再生が叶わねば、どの道人類には未来はないというのに……』
「そ、それなら、国の偉い人に訴えかけるとか……」
『この殺し合いを開いたのは誰だ? 上層部の人間ほど腐った人間は多い。それに私のこの姿で乗り込んだところで、話の前にまず撃たれるであろうな。
 先ほどの火薬臭い少女も、まず撃ってきたな? 私が傷つけたのではない。彼女が私を傷つけようとしたから、私は身を守っただけだ』
「っ!」

言い返すことはできなかった。
人類が環境を壊していることも、いくら状況を説明したところで、野田総理らがそれを聞き入れるわけがないことも、ほむらが先に攻撃をしかけたことも。
全て、竜の言う通りだからだ。

「そ、それじゃあ、どうして私はまだ殺さないんですか……?」
『感じ取った魔力の波長がグンマーに近いものだったからだ。我らは人類を憎むが、グンマーの民など自然を愛し守る者には敬意を表し、また彼らの敵も討つ』
「私は……グンマーの人たちほど、自然に感謝できてないよ……お花の咲く弓矢とかいいなぁとかは思ったりするけど……」
『そこから考えを改めていけばよいのだ。……まあ、本音を言ってしまうとだな、我ら竜や他の魔物にも、色々な感情や好みがある』
「?」
『赤竜の一族は金髪美女の騎士が好きだし、雷竜の一族はああ見えて、熟女の人妻と酒が好物だ。そして我ら氷竜の一族は……』


『桃色の髪の低身長少女をみかけると、つい攫いたくなっちゃうんだ☆』
「えええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!??」
『ああ、安心するがいい。私のモットーはイエスロリータ! ノータッチ! だからな』
「何をどう安心すればいいんですか!?」

知りたくもない、先ほど感じさせた知性とは真逆の性癖を聞かされてしまったまどか。
しかし逆にそれが、彼女の心を揺さぶった。
外見で判断してはいけない、魔物達にも心や思うところがあるのだという事実。
人間と魔物、どちらが正しいのか?

(……人も魔物も、みんなで、仲良く出来たらいいのになぁ……)

300晴れのち雨のち、猛吹雪:2014/02/04(火) 22:00:37 ID:2z50rPbI0
【同時刻/日本・大阪のどこか】

【氷嵐の支配者@新・世界樹の迷宮 ミレニアムの少女】
【状態】健康
【装備】無し
【道具】とけないこおり@ポケットモンスター、支給品一式
【思考】基本:自然を汚す人間を滅ぼす。
0:大阪近辺でしばらく暴れる。魔法少女たちが追ってきた場合は迎え撃つ
1:グンマーの民のような人間は殺さない。
2:鹿目まどかの魔力に興味。可能であればこちら側(都庁軍勢)に引き入れたい
3:状況によっては都庁の仲間と合流する
4:誘拐はノータッチに分類
※一定の魔力を有する相手であれば、テレパシーで会話可能

【鹿目まどか@魔法少女まどか☆マギカ】
【状態】健康、混乱
【装備】なし
【道具】支給品一式 その他不明
【思考】基本:とにかく生き残りたい
0:どうしようもないので、氷嵐の支配者に同行する
1:できれば人間が殺されるのを止めたいが、魔物が殺されるのも止めたい
2:魔法少女たちが心配
3:本当に強い魔力があるなら、キュゥべえを探して願いを叶えてもらう……?
※ライブに夢中で放送を全く聞いていませんでした。
※極めて高い魔力を有しているが、現時点では持ち腐れ状態です

301希望の船と絶望の戦場:2014/02/05(水) 00:06:54 ID:2SLvrujI0

僕の名前は出来杉英才、小学生です。
大災害の影響で家族や友達とはぐれてしまった僕は一人で日本をさ迷っていた。
そのまま、殺し合いが始まってしまい、出会った仲間たちの助力もあって何とか今まで生き残ることができました。
……でも、放送で友達や知り合いの名前が出た時(なぜか死んだハズののび太くんのお母さんやジャイアンの名前が数回も呼ばれてた気がす

るけど)、とても悲しくなりました。
今でも日本のどこかで生きてるだろう家族や友達の身が心配です。

そのために僕はこの殺し合いを終わらせようとしている人々に身を寄せ、力になることを選びました。
僕には操縦センスがあったらしく訓練の末にガンダムパイロットになりました。
ちなみに青い配色が多いこのガンダムは、デュエル(決闘)という名前があるそうです。

「出来杉くん! 君も出撃するのかい?」

格納庫にて自分の機体のコクピットに座る僕に心配そうに話しかけたのは、この殺し合いの中で友達になった研くんであった。
彼は僕と同じ小学生でありながら、宇宙人から地球の平和を守るヒーロー・チャージマン研でもあるんだ。

「うん、十神さんに出撃しろって言われたからね。
訓練もできるだけやったし、研くんたちの力にもなりたいからね」
「そうか……でも、いくらガンダムに乗れるからって無茶しちゃダメだよ。
もしもの場合は僕に任せていいんだから」
「ありがとう、研くん。
でも研くんだって戦いに出るのに、一人だけ何もしないままなのは嫌なんだ」
「心配するなよ、僕らは戦い慣れてるからね。
実戦経験のない出来杉くんはあんまり前に出過ぎないようにね」
「わかった、なるべくみんなの足を引っ張らないように頑張るよ」

僕と研くんがそんなやり取りをしていると、格納庫に放送が入った。

『本艦はまもなく戦闘区域に突入するであります』
『パイロットは直ちに出撃準備を、地上部隊は降下準備に取り掛かってください』

「やっと出番か! マーダー共を細切れにしてやる!!」
「まさかBATAじゃなくて人間相手に戦うことになるとはね……」
「ミゲル隊長、俺、この殺し合いが終わったら結婚するんです」
「その台詞は死亡フラグだぞPJ」
「時間だね、平和に仇なすマーダーはこのチャージマンが全員やっつけてやるぞ!」
「研くん、お互いに頑張ろう!」

僕を含めたパイロットたちが、それぞれの機体に搭乗していく。
もうすぐマーダーの組織との戦闘が始まるのだ。
……本当のところ、悪人が相手でも殺し合いなんてやりたくない。
マーダー相手だからって人殺しをしにいくのは変わりない。
でも、誰かが戦ってマーダーや主催といった敵を倒さないと、罪のない人たちが次々と死んでいく。
ジャイアンやスネ夫くんのように、これ以上友達にまで被害を及ぼしたくないから僕は嫌でも戦うしかないんだ。
マーダーの人たちには悪いけど……死んでもらわないと、いけないんだ……

 ◇

302希望の方舟と絶望の戦場:2014/02/05(水) 00:08:30 ID:2SLvrujI0

僕の名前は出来杉英才、小学生です。
大災害の影響で家族や友達とはぐれてしまった僕は一人で日本をさ迷っていた。
そのまま、殺し合いが始まってしまい、出会った仲間たちの助力もあって何とか今まで生き残ることができました。
……でも、放送で友達や知り合いの名前が出た時(なぜか死んだハズののび太くんのお母さんやジャイアンの名前が数回も呼ばれてた気がするけど)、とても悲しくなりました。
今でも日本のどこかで生きてるだろう家族や友達の身が心配です。

そのために僕はこの殺し合いを終わらせようとしている人々に身を寄せ、力になることを選びました。
僕には操縦センスがあったらしく訓練の末にガンダムパイロットになりました。
ちなみに青い配色が多いこのガンダムは、デュエル(決闘)という名前があるそうです。

「出来杉くん! 君も出撃するのかい?」

格納庫にて自分の機体のコクピットに座る僕に心配そうに話しかけたのは、この殺し合いの中で友達になった研くんであった。
彼は僕と同じ小学生でありながら、宇宙人から地球の平和を守るヒーロー・チャージマン研でもあるんだ。

「うん、十神さんに出撃しろって言われたからね。
訓練もできるだけやったし、研くんたちの力にもなりたいからね」
「そうか……でも、いくらガンダムに乗れるからって無茶しちゃダメだよ。
もしもの場合は僕に任せていいんだから」
「ありがとう、研くん。
でも研くんだって戦いに出るのに、一人だけ何もしないままなのは嫌なんだ」
「心配するなよ、僕らは戦い慣れてるからね。
実戦経験のない出来杉くんはあんまり前に出過ぎないようにね」
「わかった、なるべくみんなの足を引っ張らないように頑張るよ」

僕と研くんがそんなやり取りをしていると、格納庫に放送が入った。

『本艦はまもなく戦闘区域に突入するであります』
『パイロットは直ちに出撃準備を、地上部隊は降下準備に取り掛かってください』

「やっと出番か! マーダー共を細切れにしてやる!!」
「まさかBATAじゃなくて人間相手に戦うことになるとはね……」
「ミゲル隊長、俺、この殺し合いが終わったら結婚するんです」
「その台詞は死亡フラグだぞPJ」
「時間だね、平和に仇なすマーダーはこのチャージマンが全員やっつけてやるぞ!」
「研くん、お互いに頑張ろう!」

僕を含めたパイロットたちが、それぞれの機体に搭乗していく。
もうすぐマーダーの組織との戦闘が始まるのだ。
……本当のところ、悪人が相手でも殺し合いなんてやりたくない。
マーダー相手だからって人殺しをしにいくのは変わりない。
でも、誰かが戦ってマーダーや主催といった敵を倒さないと、罪のない人たちが次々と死んでいく。
ジャイアンやスネ夫くんのように、これ以上友達にまで被害を及ぼしたくないから僕は嫌でも戦うしかないんだ。
マーダーの人たちには悪いけど……死んでもらわないと、いけないんだ……

 ◇

香川県にある浜辺で一機のガンダムが大砲を構えていた。
標的は数キロ先の沖にある岩塊。
そこに向けて大砲からビームを放つと、岩塊にクリーンヒットし蒸発させた。
ガンダムは続けて他の岩塊にもビームを当てて蒸発させていく。

近くにいた少女・翔鶴はこれに対した驚いた面持ちで答えた。

「凄い! 最新式のFCSもびっくりの命中精度です!」
「昼寝とあやとりと射撃だけは得意だからね。 この浜辺で拾ったこのガンダムは良い拾い物だよ」

ガンダムの現在のパイロットは野比のび太であった。
そして彼の乗るガンダムは高火力遠距離仕様のMS、バスターガンダムである。
大災害の影響で浜辺に流れ着いていた機体をのび太たちが見つけて、技術力に優れた祐一郎さんが修理して一行の戦力に加えたのだ。
さらに自分が操縦できるようにしてほしいというのび太の強い要望により、改修されて彼に合わせた機体になったのである。
これは仲間たちの友情パワーに感化されたのび太が、力のない自分でもできることはないかと探した結果、高い射撃スキルを活かせそうなMSパイロットになる道を選んだのだ。

(というか、祐一郎さんたちに守ってもらうには不安があるんだよね……実力じゃなくて性格な意味で。
自分の身ぐらい自分で守れるようにしとかなきゃ)

ともかく今は、操縦に慣れるために訓練中である。

「あの少年、ロボットを与えれば意外と戦えそうではないかぁ!!」
「磨けば光りそうな逸材だな」
「俺はアドラーえもん……」

シュトロハイム、ダイアー、アドラーえもんも訓練に精を出すのび太を温かく見守っていた。

303希望の方舟と絶望の戦場:2014/02/05(水) 00:11:33 ID:2SLvrujI0


そこから少し離れた場所にある海の家で、祐一郎とテリーマンが会話をしていた。
この面子の中では珍しいぐらいシリアスな雰囲気だ。

「ミスター祐一郎、あなたはさっき九州ロボを作ったと言っていたが本当か?」
「その通り。 九州ロボを作ったのは、この僕だ」

九州ロボ――それは祐一郎が九州そのものを改造して作った超ド級ロボット。
ロワ序盤ではこれを使って主催の本部を探り当てるつもりだったが、逆に主催に奪われ本拠地にされてしまった土地である。

「なら、いくつか質問がある。 答えてもらえるか?
さっき、アンタは九州ロボが希望だと言っていたが、あれはどういう意味だ?」

祐一郎が呟いた一言をテリーマンは聞き逃さなかった。
そして疑問に思い、答えを求めている。
祐一郎はしばらく顎に手を添えて考えた後に、回答した。

「君は平和を愛する正義超人だし、この話をしても良いだろう。
――世界を復興させるための計画をね」
「計画?」
「九州ロボは元々、バトロワを終わらせるために作ったわけじゃない。
大災害で滅茶苦茶にされた世界を立て直すための巨大な作業機械であり、方舟なんだ」
「作業機械? 方舟? すまないがもっと詳しく教えてくれないか」

祐一郎は今までにないくらい真剣な面持ちで言葉を紡いでいく。

「まず九州ロボ自体を巨大なワークローダー(作業ロボ)として使い、本州・四国・北海道や沖縄もロボに改造する。
日本全土の改造は手作業より、巨大なロボットを使った方が早いからね。
続いてワークローダーと化した日本全土を使って、人類の生存に必要な資源を海面から引き上げたり、それらの資源を使って沈んでしまった他の大陸分の土地をロボとして復元し、またそのロボを使って土地ロボを増やす……それを続けていく内に世界は復興していく予定だ」
「なるほど、土地さえ増えれば難民問題も解決できるだろうしな」
「完全な復興までに長い時間といくつかの問題も起こるだろうが、僕はやらないよりはマシだと考えて計画の一手である九州ロボを作り上げたんだ」

一見すると夢物語みたいな馬鹿げた話だが、光祐一郎にはこの計画を実行に移せるだけの科学力を持っているので無問題である。

「そして、九州ロボは飛行できる浮島だ。
空を飛んでいれば大災害がもう一度来ても、飛び続ける限り沈むことは無いからね」
「大災害がもう一度来るだって!?」
「例えの話さ、それでも一度あったことがもう一度来ないとも限らない。
次の大災害があるとしたら百年先かもしれないし、明日にも来るかもしれない。
何にせよ、聖書にあるノアが大津波を避けるために方舟を作りあげたように備えは必要だろう」

巨大なロボによる世界の復興と、二度目の大災害が発生に対する対策としての浮島。
その二つの要素を持つ九州ロボの計画はまさしく世界の希望になりえるものだった。
しかし……

「それも僕のミスで奪われた……
いまや九州ロボは主催の本拠地、そして要塞という戦いの道具に成り下がってしまった……」
「気を落とさないでくれ、あなたの言う計画が実現するなら世界にとっても望ましいことのハズだ。
俺たち皆で力を合わせて取り戻そう、世界の希望を!」
「ありがとう、テリーマン」

落ち込む祐一郎をテリーマンはなだめ、激励する。
すると祐一郎は改まり、神妙な顔つきになった。

304希望の方舟と絶望の戦場:2014/02/05(水) 00:12:26 ID:2SLvrujI0

「テリーマン、君に一つだけ話しておきたいことがあるんだ。
九州ロボを作ったのは僕だが、この計画を発案したのは別の人なんだ」
「なんだって?」
「数日前に、その人物が今言った世界の復興計画の大筋と大災害が再び来る可能性を指摘したから、九州ロボ開発に着手したんだ。
それがなければ九州ロボなんて作ってはいなかった」

祐一郎の口から新たに発覚した事実にテリーマンは驚きを隠せない。

「誰なんだ?」
「匿名のメールで何者かはわからない。
だが、ある程度は先見性のある人物のようで、本格的に計画を実行に移せるまでは悪人にロボが奪われてもいいように、部品を墜落で有名なカプコン性で作った。
実際に奪われ悪用されているが、運がよければ明日にでも主催者たちを墜落させ、そうでなくても修繕作業によって動きを鈍らせるぐらいはできているハズだ」
「そこまで見越しているとはたまげた人物だな」
「流石に最初は怪しんだりもしたが、復興は世界にとっても望ましいことであるし、せいぜい部品にカプコン性を使えと言ったぐらいで要求らしい要求は他にはなかった。
だから僕はメールを寄越した相手が誰であっても構わずに九州ロボを作り上げたんだ」

超一流の技術者である祐一郎に九州ロボの作成を頼み込んだ者は誰なのか?
祐一郎はそれが誰であろうと構わないというスタンスであるが、テリーマンはその人物に対して疑念のようなものを感じざるおえなかった。

「……んん!! なんだ!?」
「どうしたんだ祐一郎?」

話の途中で祐一郎が唐突に騒ぎ出した。

「僕がサイボーグ化されて手に入れたレーダー装置の調子が突然悪くなった? いや、この感じはまさか!」
「何が起きているんだ!?」
「電波そのものが消えている……まさかミノフスキー粒――」

次の瞬間、二人のいた海の家が爆ぜた。



「て、提督ーーーッ!!」
「オイ、祐一郎とテリーマンがいた海の家がいきなり爆発したぞ!?」

外にいた仲間たちが大慌てで黒炎を上げる海の家に駆け寄る。
すると中から一人の影がヨロヨロと現れた――祐一郎だ。
身体の各所から火花を散らしつつも、彼は生きていた。

「提督、無事だったんですね!!」
「……! テリーマンはどうしたんだ?」
「す、すまない。 助かったのは僕だけだ。
彼は爆発でミンチより酷い状態に……ああなってはサイボーグ化も無理だろう」
「死人が出たぞぉ……」

ダイアーを始め、他の者たちもショックを受ける中、シュトロハイムが何かを発見した。

「12時の方向に空飛ぶ白い戦艦が見えるぞ!! 奴の砲撃がテリーマンを粉々にしやがったんだ!!」
「マーダーの襲来か!?」
「主催の手先か?」

シュトロハイムの示した通り、遠方で白い戦艦が見えた。
それはすぐに、二発目のビームによる艦砲射撃を放ってきた。
暴力が祐一郎たちを襲う!!
直撃こそ無いが、多少の損害は避けられなかった。

「「「うわああああああああああああ!!」」」
「死人がでるぞぉ!! ってなんか降りてくる!?」

慌てふためくのび太がモニターごしに見えたものは、戦艦からこちらに向けて飛んでくる六つの光だった。

 ◇

305希望の方舟と絶望の戦場:2014/02/05(水) 00:15:20 ID:2SLvrujI0

祐一郎さんご一行を砲撃した白い戦艦はホワイトベースである。
その艦橋には四人の男女がいた。
艦長席には超高校生級の御曹司・十神白夜、舵に超高校生級の文学少女・腐川冬子(十神の支給品)、オペレーターにはアンドロイドのアイギスそしてホライゾン・アリアダストが担っていた。
ちなみにアイギスとホライゾンはホワイトベースと電脳的に接続されているのでオペレーターだけではなく各砲座やエンジンコントロールも担当している。
すなわち、本来なら動かすのに何十人も必要なこの戦艦を少人数で動かせるようにしているのである。

「よし、先手は取れたな。
このまま艦砲射撃で援護しながら機動部隊の降下を援護しろ!」
「了解であります」「jud.(ジャッジメント)」
「急ぐのよ、白夜様のご命令なんだから」
「犬、おまえはいいから黙って操舵してろ」

艦長を務める十神白夜は十神家繁栄の邪魔になる主催者たちを撃破するために対主催の参加者をスカウトし、戦力を集めていた。
彼自身の目的はともかく、主催者を打倒しようとする参加者は集まっていき一つの勢力となった。
そう、彼らは対主催の集団なのである。
しかしなぜ、対主催である彼らが同じ対主催である祐一郎さんたちを襲っているのか?
それには理由がある。

実は祐一郎さんたちの預かり知らぬところ――カオスロワちゃんねるというネット掲示板で、ある情報が流れていた。
今は亡き初音ミクやKAITOのマーダー疑惑、クラウザーさんの死、そして『光祐一郎は危険人物である』と。
なぜマーダーでもない対主催の祐一郎さんが疑われているのか?

――このロワで最初に首輪を外したのは光祐一郎、そして主催に奪われた九州ロボ。
これは見方を変えると『九州ロボの引渡しを取引材料に主催に首輪を外してもらった』ように取られたのである。
つまり、主催の手先もしくは関係者であるということだ。
九州ロボを使って主催本部を探そうとしていた事と、早すぎる首輪解除が裏目に出たのだ。
だが、これだけなら強引な解釈と取られ、万人の目に止まる情報にはなり得なかった。
ところが、問題はここから水面下で加速していったのだ。

九州ロボを奪われる前に祐一郎さんが役に立たないチサオを上空から投棄した瞬間を目撃した者がいた。
そして、そのチサオの激突で女性が死亡する瞬間を目撃した者がいた。
ここから彼の人格は疑われ始め、さらには世間一般で忌まわしきものとされるナチス所属のシュトロハイムと秘密結社ゲゼルシャフトの構成員で危険人物とされるアドラーの同行、小学生男子の誘拐(これは誤解)、危険な空母の開発(ある意味、誤解)等の噂が流れ、ネットでは悪い意味で注目度が上がっていったのだ。
そして決定打となったのが、九州ロボに送った波紋入り偵察機とついでに投げ込まれたチサオ、そのチサオでうっかり広島を焦土に変えてしまった祐一郎さんたち。
チサオを投げ込む瞬間を収めた動画がネットで拡散してしまい、『光祐一郎とその一味は人間爆弾を使って広島を焼いた超危険人物』として一般参加者は戦慄し、とうとう討伐に乗り出す者も現れた――それがホワイトベースの面々である。
ちなみにPCを持っていた祐一郎さんは、一時的に死亡していた時間以降、翔鶴の開発やガンダムをのび太用に改造することに時間を割かれてネットをしている暇がなく、状況がここまで悪化していることに気づかなかった。
要約すると今までの悪ノリのツケがここで巡ってきたのである……



視点は戦艦から降下中のロボット・戦闘機の部隊に移る。
隊長であるミゲルがオレンジ色のMS・ジンから他の機体に指示を下す。

「よし、ホワイトベースが降下を助けてくれる内に地上に降りるぞ。
研とPJは空から空爆、山城と出来杉は後方から援護、俺とアイアンハイドで突っ込む!」

戦力はロボット4機に戦闘機2、危険集団が相手とはいえオーバーキル過ぎる戦力と一見思われた。
――しかし、瞬く間に一筋の閃光が一機の戦闘機に直撃し、爆散させた。

「なに! PJがやられた!?」
「地上からの攻撃だ!」
「そんな馬鹿な、あんな距離から撃ってきたっていうのか!?」

ミゲルたちが驚くのも無理はない。
地上からの距離はまだまだ遠く、プロの軍人でも当てるのが難しいハズであった。
だが、無慈悲なビームは降下中の部隊を容赦なく屠っていく。

306希望の方舟と絶望の戦場:2014/02/05(水) 00:15:42 ID:2SLvrujI0

祐一郎さんご一行を砲撃した白い戦艦はホワイトベースである。
その艦橋には四人の男女がいた。
艦長席には超高校生級の御曹司・十神白夜、舵に超高校生級の文学少女・腐川冬子(十神の支給品)、オペレーターにはアンドロイドのアイギスそしてホライゾン・アリアダストが担っていた。
ちなみにアイギスとホライゾンはホワイトベースと電脳的に接続されているのでオペレーターだけではなく各砲座やエンジンコントロールも担当している。
すなわち、本来なら動かすのに何十人も必要なこの戦艦を少人数で動かせるようにしているのである。

「よし、先手は取れたな。
このまま艦砲射撃で援護しながら機動部隊の降下を援護しろ!」
「了解であります」「jud.(ジャッジメント)」
「急ぐのよ、白夜様のご命令なんだから」
「犬、おまえはいいから黙って操舵してろ」

艦長を務める十神白夜は十神家繁栄の邪魔になる主催者たちを撃破するために対主催の参加者をスカウトし、戦力を集めていた。
彼自身の目的はともかく、主催者を打倒しようとする参加者は集まっていき一つの勢力となった。
そう、彼らは対主催の集団なのである。
しかしなぜ、対主催である彼らが同じ対主催である祐一郎さんたちを襲っているのか?
それには理由がある。

実は祐一郎さんたちの預かり知らぬところ――カオスロワちゃんねるというネット掲示板で、ある情報が流れていた。
今は亡き初音ミクやKAITOのマーダー疑惑、クラウザーさんの死、そして『光祐一郎は危険人物である』と。
なぜマーダーでもない対主催の祐一郎さんが疑われているのか?

――このロワで最初に首輪を外したのは光祐一郎、そして主催に奪われた九州ロボ。
これは見方を変えると『九州ロボの引渡しを取引材料に主催に首輪を外してもらった』ように取られたのである。
つまり、主催の手先もしくは関係者であるということだ。
九州ロボを使って主催本部を探そうとしていた事と、早すぎる首輪解除が裏目に出たのだ。
だが、これだけなら強引な解釈と取られ、万人の目に止まる情報にはなり得なかった。
ところが、問題はここから水面下で加速していったのだ。

九州ロボを奪われる前に祐一郎さんが役に立たないチサオを上空から投棄した瞬間を目撃した者がいた。
そして、そのチサオの激突で女性が死亡する瞬間を目撃した者がいた。
ここから彼の人格は疑われ始め、さらには世間一般で忌まわしきものとされるナチス所属のシュトロハイムと秘密結社ゲゼルシャフトの構成員で危険人物とされるアドラーの同行、小学生男子の誘拐(これは誤解)、危険な空母の開発(ある意味、誤解)等の噂が流れ、ネットでは悪い意味で注目度が上がっていったのだ。
そして決定打となったのが、九州ロボに送った波紋入り偵察機とついでに投げ込まれたチサオ、そのチサオでうっかり広島を焦土に変えてしまった祐一郎さんたち。
チサオを投げ込む瞬間を収めた動画がネットで拡散してしまい、『光祐一郎とその一味は人間爆弾を使って広島を焼いた超危険人物』として一般参加者は戦慄し、とうとう討伐に乗り出す者も現れた――それがホワイトベースの面々である。
ちなみにPCを持っていた祐一郎さんは、一時的に死亡していた時間以降、翔鶴の開発やガンダムをのび太用に改造することに時間を割かれてネットをしている暇がなく、状況がここまで悪化していることに気づかなかった。
要約すると今までの悪ノリのツケがここで巡ってきたのである……



視点は戦艦から降下中のロボット・戦闘機の部隊に移る。
隊長であるミゲルがオレンジ色のMS・ジンから他の機体に指示を下す。

「よし、ホワイトベースが降下を助けてくれる内に地上に降りるぞ。
研とPJは空から空爆、山城と出来杉は後方から援護、俺とアイアンハイドで突っ込む!」

戦力はロボット4機に戦闘機2、危険集団が相手とはいえオーバーキル過ぎる戦力と一見思われた。
――しかし、瞬く間に一筋の閃光が一機の戦闘機に直撃し、爆散させた。

「なに! PJがやられた!?」
「地上からの攻撃だ!」
「そんな馬鹿な、あんな距離から撃ってきたっていうのか!?」

ミゲルたちが驚くのも無理はない。
地上からの距離はまだまだ遠く、プロの軍人でも当てるのが難しいハズであった。
だが、無慈悲なビームは降下中の部隊を容赦なく屠っていく。

307希望の方舟と絶望の戦場:2014/02/05(水) 00:17:02 ID:2SLvrujI0

「やらせはしないぞって、ぐわああああああああ!!」

二射目の砲撃でトランスフォーマー・アイアンハイドが閃光に焼かれて死んだ。

「この命中精度と弾速、まるで光線級BATA並――」

三射目の犠牲になった戦術機のパイロットである山城上総は、コクピットへの直撃によって蒸発した。

「馬鹿な、こんな長距離を正確に攻撃できる機体なんて一機しか俺は知らな……うおおおおおおお!?」

四射目の砲撃はミゲル・アイマンの乗っていたMSを上下真っ二つに分けて、跡形もなく爆発させた。


「みんなが!」

僅か数秒の間に四人の仲間が殺されたことに戦慄を覚える出来杉。
その恐怖に取り憑かれたことが仇となり、それが彼にとって致命的な隙を生み出し、自分の機体への五射目の接近を許してしまった。

(ハッ、しまった! 防御が間に合わない!)

デュエルガンダムはPS装甲によって物理攻撃への高い耐性は持っているが、ビームには弱い。
それでもシールドにはビームを弾く防御力があるのだが、仲間の死に気を取られすぎた彼には操縦が追いつかない。
――そんな彼を救ったのはヒーローであった。

「出来杉くん危ない!!」
「研くん!?」
「うわああああああああああああ!!!」

なんと、チャージマン研の乗る戦闘機のスカイロッドが射線に入り、盾となって出来杉を守ったのだ。
だが、小さいなヒーローの命は出来杉の乗るMSの目の前で爆炎と共に散っていった。

「研くぅぅぅぅぅぅんッ!!!」

悲痛な慟哭を上げる出来杉だったが、次の砲撃が迫っていた。
だが、この砲撃に見切りをつけてきた出来杉をこれ以降の砲撃を盾で防御してやり過ごしつつ、降下をしていく。

「研くんごめんよ……でも仇は必ず取るからね」

出来杉の心を仲間を奪われたことに対する怒りが支配していった……


一方、ホワイトベース艦橋では。

「クソッ、いっぺんに駒が5人もやられたか!」
「ミゲル様、アイアンハイド様、山城様、PJ様、研様、以上の機体が大破炎上、生命反応なし……」
「そんな! 出来杉くん以外は戦死でありますか!?」
「何やってるのよアイツら」

四者四様の反応で仲間の死を受け取るクルーたち。
しかし、その中で十神はすぐに表情を驚嘆から不敵な笑みへと切り替えた。

「だが、この損害は予想外だったが、別動隊の存在に気づかせない目的は果たされた。
愚民共め、本当の戦いはこれからだぞ」

 ◇

308希望の方舟と絶望の戦場:2014/02/05(水) 00:17:53 ID:2SLvrujI0

「テリーマンの仇討ちだあ!」
「マーダー共は波紋の味を喰らうがいい!」

地上では仲間を殺されて怒り狂ったのび太の乗るバスターガンダム、そして長い砲身の上には波紋を練るダイアーが乗っていた。
先に5機の戦闘兵器を撃ち落としたのは彼らなのだ。
超高インパルス長射程狙撃ライフルにダイアーが波紋を付加することで弾速の強化を行い、さらに命中精度の強化がなされたのだ。
しかし、それだけ力を入れても一機だけ撃ち漏らしてしまったようだ。

「ダイアーさん、一機だけこっちに降りてくるよ」
「あれはいっそ地上におろしておけ、我々でで袋叩きにする。 君はあの木馬みたいな船を撃ち落とせ」
「わかったよ!」

ダイアーがバスターの大砲から降りて、自らを筆頭に仲間たちと敵ロボットを撃滅に乗り出した。
すると突然、シュトロハイムは腹から重機関砲を取り出し、明後日の方向に乱射した。

「こそこそ隠れている奴は誰だぁぁぁ!!」

機関砲から無数の弾丸が近くの茂みに向かっていく。
しかし、それらの弾丸はほとんど切り伏せられてしまった。

「何ッ!? 我がナチスの誇る機関砲の弾丸を切り落としただと!
貴様はまさか、カーズか!?」
「カーズ? 知らないな。
だが一つ言えることは、俺はアンタと同じサイボーグだってことだ。
そして、もう一つアンタたちには死んでもらいたいということだけだ」

茂みの中からゆらりと現れたのは一本の刀を持ったサイボーグ忍者の雷電であった。

「貴様ぁ! あの戦艦に乗っている奴らの仲間かぁ?!」
(なんか喧しいヤツだな)「そうだと言ったら?」
「決まっているだろう、貴様はこのルドル・フォン・シュトロハイムが粉砕してくれるわぁぁぁ!!!」

シュトロハイムが咆哮し、雷電は静かに刀を構える。
サイボーグ同士の戦いが始まった。

「ついでに言っておくが、お前たちを殺しにきたのは俺だけじゃないぞ」
「なんだと!?」



「BANBANBANBANBANBAN!!」

シュトロハイムにも負けない煩い声と共に二丁拳銃から弾丸が放たれた。
それをアドラーえもんは飛び道具を無効化する特殊防御法・攻性防禦で防ぐ。
そして雷電が現れた別の茂みから赤タイツに赤マスクのお喋りな男が現れた。

「もうダメじゃないの、この俺ちゃんの鉛玉無料配布サービスを受け取ってくれなきゃww」
「俺はアドラー……えもん。 おまえは誰だ? 吐け、吐くんだ!」
「俺ちゃんはデッドプール、カプコンで有名な格ゲーにも出た賞金稼ぎだよ〜w」

アドラーの前に現れたのはマーベルコミックきっての狂人にしてアンチヒーローのデットプールであった。

「おまえら一人殺す度に賞金が下りるんだよね、だから俺ちゃんのためにいっちょ死んでくれ。
フヒャーッヒャヒャヒャwwwwww」

イロモノ扱いされるもの同士の戦いが始まった。



ダイアーの前に現れたのはギターを持った一人の鬼であった。

「貴様も武人のようだな」
「おまえもそのようだが、なぜこのようなことな事をする?」
「ハッ、武人とはいえ、鬼に堕ちた者に話す舌は持たん」
「堕ちたのはおまえだろう、それにこれは堕ちたのではなく修行の成果なのだが、まあいい。
もう我々に言葉はいらぬだろう」

波紋戦士ダイアーと仮面ライダー斬鬼の戦いが始まった。



仲間が敵を引きつけている間に一人のテッカマンが祐一郎の元に向かう。

「祐一郎、その首もらった!!」
「くッ、まずい」

生成したランスで祐一郎を討とうとするDボゥイことテッカマンブレード!
そこへ一人の少女が砲撃を加え、テッカマンの突撃を失敗させた。
辛うじてダメージは薄かったDボゥイは空中へと舞い上がる。
見ると、物騒な大砲を構えた少女がいた。

「翔鶴!」
「提督は下がってください。 敵を迎撃いたします」
「女の子!? ……いや、ロボットか。 なら遠慮はいらないな!」

ロボットっぽい奴らの戦いが始まった。

309希望の方舟と絶望の戦場:2014/02/05(水) 00:18:49 ID:2SLvrujI0



「うわあ! こっちに来るう!」
「おまえが仲間を撃ったんだな! やっつけてやる!」

のび太の乗るバスターは、出来杉の乗るデュエルから逃げ惑っていた。
デュエルはバスターに向けてビームサーベルを執拗に振り回してくる。
バスターはビームサーベルなどの格闘装備が無いので接近戦は不得手なのだ。
バルカンやランチャーも撃ってるが、敵もPS装甲を持っているので物理攻撃は効果が無く、中途半端なビーム攻撃は盾で弾かれてしまう。
ちなみに補足すると、両者は目の前の敵機にクラスメイトが乗っていることを知らないのだ。
散布されたミノフスキー粒子の影響で互いに通信もできない。
さらにネットで拡散された動画にはたまたま、のび太だけ映ってなかったので、出来杉は祐一郎さんご一行にのび太がいることさえ知らないのである。

「うわあああん、ドラえもーーーん!」

そうこうしている内に、バスターの腹部にデュエルのキックが入り、バランスを崩させる。
それは必殺の一撃を与えるための布石であり、回避も防御もできなくなった相手にデュエルはビームサーベルを振り下ろす。

「ビームサーベルでトドメを刺す!」
「僕が死人になるぞぉ!!」

ダイアーたちは他の敵を相手にしていて手一杯であり、援護は望めない。
のび太、万事休す。

その時、ディパックからいつの間にか飛び出していた一人の男がデュエルを殴って攻撃を阻止。
殴りつけられたデュエルは一度宙に吹っ飛ばされて少し離れた地面に落ちた。
間一髪でのび太を救ったのは――龍星座の紫龍。

「紫龍さん!」
「急いで態勢を立て直せ、接近戦は俺に任せろ!」

接近戦は不得意なバスターとのび太の補助機代わりに紫龍が前衛についた。
一方、ぶっ飛ばされたもののPS装甲に助けらてダメージのないデュエルもすぐに立ち上がっていた。

「いててて、不意をつかれたか……でも僕は負けないぞ!」

そしてバスターとデュエルが互いの装備を構え、二人のパイロットはコクピットの中で吠えた。

「「仲間の仇を討つ!!」」

ガンダム同士、そして友人同士の戦いが始まってしまった……


このようにして対主催同士の争いは始まってしまった。
互いの仲間を殺してしまったため、もはや話し合いによる解決は困難だろう。
どちらかが滅びるまで、この悲しき戦いは終わらないかもしれない……


【一日目・19時30分/日本・香川】

310希望の方舟と絶望の戦場:2014/02/05(水) 00:20:15 ID:2SLvrujI0

【光祐一郎さんご一行】

【光祐一郎@ロックマンエグゼ】
【状態】サイボーグ化、首輪解除、ダメージ(大)
【装備】なし
【道具】支給品一式、自作爆弾
【思考】
基本:息子たちをサポートする。
0:襲いかかってきたマーダー集団(ホワイトベース)を撃退する
1:主催者について調べる
2:できれば九州ロボを取り戻したい
※九州ロボの制作を提案した人物がいるようです
※カオスロワちゃんねるにより、危険人物扱いのレッテルを貼られました
※砲撃によりノートPCは全壊しました

【ルドル・フォン・シュトロハイム@ジョジョの奇妙な冒険】
【状態】ダメージ(小)、首輪解除
【装備】なし
【道具】支給品一式、不明
【思考】
基本:主催共に一泡吹かせる
0:マーダー集団を駆逐する、雷電を倒す
1:祐一郎達と行動する

【野比のび太@ドラえもん】
【状態】健康、首輪解除、怒り、バスターガンダムに搭乗中
【装備】バスターガンダム@機動戦士ガンダムSEED、龍星座の紫龍@聖闘士星矢、
【道具】支給品一式、ボーリングの玉@現実、キン肉マンのコミックス全巻@現実
【思考】
基本:生き残る、できる限り祐一郎さんたちを手伝う
0:戦わなければ死人が出るぞぉ!!  デュエルガンダムを倒す
1:ドラえもんを探す
※ミノフスキー粒子の影響で通信がしづらくなっています
※デュエルガンダムのパイロットが出来杉だと気づいてません

【ダイアー@ジョジョの奇妙な冒険】
【状態】割と小ダメージ、首輪解除
【装備】イカ墨とパスタ@現実
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】基本:主催を倒す
0:マーダー集団を打ち倒す、ザンキを倒す
1:ディオとかいう奴も倒す
2:アドラー達と行動する。

【アドラー@エヌアイン完全世界】
【状態】それなりに小ダメージ、首輪解除
【装備】電光機関@エヌアイン完全世界、四次元ポケット(中身入り)@ドラえもん
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】基本:ダイアー達と行動する
0:俺は……アドラー……えもん
1:とりあえずマーダー集団を撃破する、デッドプールを倒す

【翔鶴@艦これ】
【状態】損傷軽微
【装備】彩雲、紫電改二、流星改、 零式艦戦62型
【道具】なし
【思考】
基本:提督(祐一郎)に従う
1:マーダー集団を殲滅する、テッカマンブレードを倒す

【ザ・テリーマン@キン肉マン 死亡確認】

311希望の方舟と絶望の戦場:2014/02/05(水) 00:21:04 ID:2SLvrujI0
【ホワイトベース】

【十神白夜@ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生】
【状態】健康、艦長ポジション
【装備】ホワイトベース@機動戦士ガンダム
【道具】支給品一式、腐川冬子@ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生
【思考】
基本:愚民たち(対主催)を従えて十神家繁栄の邪魔になる主催を倒す。
1:祐一郎一行を殲滅する
2:その後は北上してマーダー掃討、対主催を集める

【アイギス@ペルソナ3】
【状態】健康、ホワイトベースと接続、右舷担当
【装備】超磁鋼レールガン@ペルソナ3
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】
1:十神たちについていき、殺し合いを破壊する
2:殺し合いを破壊して平和になったらSEESと合流する

【ホライゾン・アリアダスト@境界線上のホライゾン】
【状態】健康 、ホワイトベースと接続、左舷担当
【装備】悲嘆の怠惰@境界線上のホライゾン、拒絶の強欲@境界線上のホライゾン、憤怒の閃撃@境界線上のホライゾン
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】
1:十神たちについていき、殺し合いを破壊する
2:殺し合いが破壊されてからトーリたちと合流する

【Dボゥイ@宇宙の騎士テッカマンブレード】
【状態】ダメージ(小)、テッカマンに変身
【装備】テッククリスタル
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】
基本:仲間と共に主催者たちを倒す
0:祐一郎たちを倒す、翔鶴を倒す
1:変身したからまた服がなくなるな……

【財津原蔵王丸(ザンキ)@仮面ライダー響鬼】
【状態】斬鬼に変身
【装備】音錠、烈斬
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】
基本:仲間と共に主催者たちを倒す
0:祐一郎たちを倒す、ダイアーを倒す
1:変身したからまた裸になるな……

【雷電@METAL GEAR RISING】
【状態】健康
【装備】高周波ブレード
【道具】支給品一式、 その他不明
【思考】
基本:仲間と共に主催者たちを倒す
0:祐一郎たちを倒す、シュトロハイムを倒す
1:ローズマリーやスネークの安否が心配

【デッドプール@DEADPOOL】
【状態】健康、狂気(デフォルト)
【装備】自動拳銃×2
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】
基本:主催やマーダーを殺して十神から金をもらう
1:祐一郎たちを倒す、アドラーえもんを殺す
2:こいつら実はマーダーじゃなかったりして……そんなわけねーかwwwww

【出来杉英才@ドラえもん】
【状態】健康、怒り、デュエルガンダム(小ダメージ)に搭乗
【装備】デュエルガンダム@機動戦士ガンダムSEED
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】
基本:仲間と共に主催者たちを倒す
0:祐一郎たちを倒す、バスターガンダムを倒す
1:よくも仲間を!
2:のび太くんたちは大丈夫かな?
※ミノフスキー粒子の影響で通信がしづらくなっています
※バスターガンダムのパイロットがのび太だと気づいていません

【ミゲル・アイマン@機動戦士ガンダムSEED 死亡確認】
【山城上総@トータル・イクリプス 死亡確認】
【アイアンハイド@戦え! 超生命体トランスフォーマー 死亡確認】
【PJ@ACE COMBAT ZERO 死亡確認】
【泉 研@チャージマン研! 死亡確認】

312混沌な名無しさん:2014/02/05(水) 01:11:30 ID:O1dcSsGw0
研が他人を庇った……だと?
あのキチガイが……これもテラカオス化の影響なのか

313そのための凶刃:2014/02/05(水) 01:45:55 ID:mM9O67420
魂の裁断者が翼たちと交戦していた頃、アイスシザースは別の侵入者と交戦していた。
だがその侵入者の戦い方はアイスシザースを内心苛立たせた。
というのも侵入してきた人間は自分を見るや否や懐からボールのようなものを投げた。
すると、中から全身に殻を纏った魔物が姿を現したのだ。
そして人間が魔物に命令して戦わせてきたのだ。

(絶対に許さん…)

アイスシザースは激怒した。
魔物を従わせて自分の代わりに奴隷の如く戦わせ、自分は安全圏で指示を出すという行為に。
しかもその従わせているモンスターは自分と同じく氷系のモンスターであった。
もう一度言うがアイスシザースは激怒した。必ずやこの卑劣な人間を切り刻んでやると。

が、アイスシザースの思う通りにはいかなかった。
まず素早さはこっちが圧倒的に上なので攻撃はくらわないし攻撃を当てるのも容易い。
だが殻の魔物は防御力が異様に高く自分の鎌による攻撃があまり効かないのだ。
人間の使う様々なアイテムのサポートもあってか言ってしまえばgdgdな泥試合。
本当は人間を先に倒して魔物を人の支配から解き放ってやりたかったが残念なことにそんな余裕はないようだ。
死を持って解放するしかないかもしれない。

(骨竜が未だに来ないのは別の侵入者と戦っているのか?
 クソッ…それにしてもデスマンティスの奴はどこ行ったんだ?勝手に行動しやがって)

デスマンティスは自分と同じく蟷螂系統のモンスター。
ここでいうデスマンティスは雑魚敵ではなく世界樹4出身のFOEなので立場は自分と同じくらいだ。
やはり同じく蟷螂系統だけあって交流はそれなりにあったのだ。
三度の飯より殺戮が大好きな困った奴だったが。
…あのスキルだけは強制発動だから仕方ない。
ともかく決定打がない以上援軍が来るまで時間稼ぎしかないだろう。
そのときだった。

「ウオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!」

聞き覚えのない咆哮が響き渡る。
咆哮といえば木の下の大王だが明らかにそれとは違うものだ。
自分達の軍ではないようだが殻の魔物を使役している人間とも関係ないようで、人間もこの咆哮に驚いていた。
アイスシザースは上に見ると、夜空の中で一際輝く黄金の光があった。
その黄金の光は電撃のようなものを纏うと…殻の魔物に向かって回転しながら急降下。
その一撃をくらった殻の魔物は大きく吹っ飛び倒れた。
突然の出来事に唖然とするアイスシザース。

「まさか横合いからいきなりくらったとはいえここまでダメージを受けるとはね。
 やっぱり気合のタスキを持たせて正解だったよ」

殻の魔物は全身ボロボロになりながらも立ち上がっている。
人間の言う気合のタスキとやらのせいなのだろうか。
殻の魔物は瀕死寸前のようだが何故だかアイスシザースは嫌な予感しかしなかった。
下手をするとここで自分がやられるんじゃないかというような…。
人間は余裕の笑みで殻の魔物に指示を飛ばす。

「よし、パルシェン!からをやぶ…」

が、途中で指示が途切れた。
何故なら殻の魔物…パルシェンは白い刃によってその身を貫かれていたからだ。
白い刃の持ち主はアイスシザースのよく知っているデスマンティスだった。
パルシェンに止めを刺したデスマンティスは殻の中身をバリバリムシャムシャと咀嚼した。
中身を完全に喰ったデスマンティスはパルシェンの残された殻を乱雑に捨てる。

「ひぃっ…!」

パルシェンを倒された人間は逃走を試みる。
が、アイスシザースがそれを逃すはずがなく凍土の大鎌でその命を刈り取ったのだった。

【パルシェン@ポケットモンスター 死亡確認】
死因:仕留めの一刃
【エリートトレーナー♂@ポケットモンスター 死亡確認】
死因:凍土の大鎌

314混沌な名無しさん:2014/02/05(水) 01:49:31 ID:mM9O67420
※ここからはモンスター同士の会話なので人間には言葉で聞こえていません

「不味いな…ゲテモノは美味いと相場が決まってるもんだが」
「おい」
「よう、アイスシザース。あぶねぇとこだったな」
「ようじゃないだろこの野郎。今までどこほっつき歩いてたんだ?」

デスマンティスがヘラヘラした態度で話しかける。
その態度に対してアイスシザースは苛立ち半分と心配して損したという感情半分で答える。

「決まってんだろ?外の人間をぶっ殺してたんだよ」
「お前な…使命を忘れたのか?新しい住処を守ることだろうが」
「ほんっとお前頭固いのな。外の人間をぶち殺せばぶち殺すほど外の戦力を減らせる。いわばここを守ることに繋がるだろ?」
「チッ、ああ言えばこう言いやがる。とにかくそこの人間の死体はお前が処理しとけよ。…魔物のほうは殻だけでも手厚く葬っておこう」
「へいへい…丁度口直しもしたいしな。そういや俺新しい仲間を連れてきたんだわ。おい、ラージャン」

アイスシザースはハッとする。
あの時殻の魔物パルシェンを強烈な一撃でノックアウトしたあれは何なのだ?
それに関係するものなのか?

「何だぁ…?」

姿を現したのは人間だった。まず目に付くのは天に向かって獅子の如く逆立つ金色の髪。
いや、人に見えるが何かおかしい。人のものとは思えない屈強な肉体。
それに頭部には鬼のような角が二本生えている。そして千切れたような尻尾もついている。
まるで人と魔物が中途半端に混ざり合ってるようなかんじだ。

「おい、こいつ人間なのか?」
「出身地は違うけど俺らと同じ魔物だぜ。なんだか配られてた擬人化パッチで奴でこうなっちまったらしいんだわ。しかもパッチは外せないときた」
「それで人間みたいな姿にされたってわけか。可哀想にな」
「俺をこんな姿にしやがって…主催めぇSATSUGAIしてやるぅぅ」
「分かったから気を静めろ、な?ラージャンって言ったな。とりあえずまずは他の奴らに挨拶して回ろうか。仕事の説明もしなきゃならんし」
「はい…」

デスマンティスの単独行動は褒められたものではないが、結果的にはOKだろう。
だがアイスシザースは疑問に思った。
先ほどパルシェンを瀕死寸前まで追い詰めたあの戦闘能力、かなりのものだ。
はっきりと分かる。自分やデスマンティスよりも強いだろう。他のFOE連中でも勝てるかどうか…。
そんな魔物をどうやってデスマンティスは仲間にしたのだろうか?
まぁ、考えても仕方ないだろうとアイスシザースは考えるのをやめて戦力が増えることを素直に喜ぶことにした。

【一日目・18時/日本・東京都庁付近】

【アイスシザース@新・世界樹の迷宮 ミレニアムの少女】
【状態】極小ダメージ
【装備】無し
【道具】ちりとり、支給品一式
【思考】
基本:都庁を住処にしたモンスター達で協力して生き残る
1:デスマンティスと共にラージャンを案内する
2:パルシェンを埋葬する

だがアイスシザースは気づかなかった。後ろでデスマンティスが不気味な笑みを浮かべていることに。

(悪ぃなアイスシザース。そして都庁の皆。俺にとっては世界樹よりクラウザーさんのほうが大事なんだ。
俺はクラウザーさんの歌のおかげで味方も自動的に殺しちまう仕留めの一刃を喜んで奮うことができるようになったんだぜ?
そして上の連中はいつか都庁軍もSATSUGAI対象にすると言っていた…。だから魔物勢である俺とラージャンがその時まで都庁に潜伏しろとな)

それ以上の指示は受けていないが要するに狂信者が都庁に進撃した時に裏切れということなのだろう。
たった二名でもここぞという時のタイミングでの裏切りは大打撃となりうる。それで勝敗が決してしまうレベルで。

(いいぜぇ、その時になったら俺は元の仲間でさえも笑ってSATSUGAIしてやるよ…。クラウザーさんのためだからな)

白い死神と黄金の暴力は殺意を静かに研ぐ。いずれ来るクラウザーのための聖戦(ジハード)の時まで。

【デスマンティス@世界樹の迷宮4】
【状態】健康
【装備】無し
【道具】支給品一式
【思考】
基本:SATSUGAI
1:しばらくは都庁軍に潜伏
2:パルシェンが不味かったのでエリートトレーナーで口直しする

【ラージャン@モンスターハンター4】
【状態】健康、ギルクエレベル100、擬人化
【装備】擬人化パッチ
【道具】支給品一式
【思考】
基本:SATSUGAIし尽くすだけだぁ!
1:しばらくは都庁軍に潜伏
2:都庁の仕事を覚える

315混沌な名無しさん:2014/02/05(水) 01:51:54 ID:mM9O67420
おっとアカン、時間を【一日目・20時/日本・東京都庁付近】に訂正してくれ

316ただのこじつけだ! 気にするな!!:2014/02/05(水) 02:36:30 ID:E7UmmWG60

「しかし、だ。蒼き竜よ」
「どうした?」
「我が知っている限り、テニスボールはテニスをするためのものであってだな。
 材質からして、途中で燃え尽きるのではなかろうか?」
「確かに一理ある……情報が操作された可能性か?」

 走りながら、会話する。
 移動時間がもったいないのだ。
 でなければ、約1時間で山形県から福井県間の約440.0kmを走破することは出来ないのだ。

 ここでとある疑問が生まれる。

 Q.二人の移動速度速すぎじゃね?

 単純な時速で表せば驚きの時速440km/h(世界最速の鉄道とされるTGVでも最高時速320km/h)である。
 途中、噂を聴いたり、ガーゴイル達と戦ったりしていたらもっと速くなる。
 ちなみに東京〜四国間を3時間で突っ走ろうとしている最中の拳王電車の速度は。
 最東端である徳島に行くとしても平均速度約時速170㎞/hほどである。
 彼らはほぼバグキャラということが周りから認知されているのでセーフらしい。
 だが、当の飛竜とハクメンの二人はどうだろうか?
 モブを地の文で大量に殺害したり、オスプレイを一撃撃墜したり、蟲組瞬殺等はした。
 確かに二人は尋常ならざる強さを持っているが、バグキャラの域ではない。 
 使っているのは己の技術だけであるのだから。

 ……本題に戻る。これでは二人の移動速度が【お前ら人間じゃねぇ!!】レベルである。
 乗り物もロボットも支給されていない彼らであるが、ならば、何故こんなにも移動が速いのか?

 答えは簡単だ。

 A.ハクメンさんが斬魔・鳴神を用いて刻を斬っているから、セーフ

 以上。(詳しくはブレイブルーをレッツプレイ!)

「所謂、相対性理論という奴だ」
「……そうか」

 多分、違う。

【一日目・19時40分/日本・石川県】

【飛竜@ストライダー飛竜】
【状態】健康
【装備】光剣サイファー@ストライダー飛竜 クナイ、各種オプション
【道具】支給品一式 
【思考】基本:主催を抹殺する
1:ハクメンと共に主催陣営及び『悪』を殲滅する
2:まだ主催以外の参加者が残っている九州ロボをテニスボールで攻撃した者を抹殺する。
※2014年2月22日発売予定の新作『ストライダー飛竜』の技が使えます。

【ハクメン@BLAZBLUE】
【状態】健康
【装備】斬魔・鳴神
【道具】支給品一式
【思考】基本:『悪』を滅する
1:飛竜と協力して、主催及び世界に災いをもたらす者を『刈り取る』
2:まだ主催以外の参加者が残っている九州ロボをテニスボールで攻撃した者を抹殺する。
※ヒートゲージ等の状態は次の書き手に任せます。

317あんなデカイのが死んだら嫌でも目立つよね:2014/02/05(水) 08:25:05 ID:.z86dywoO
サキエルの焼肉を食べていたガウスが見えない打撃に殴り殺される。
それに気付いた◆02GOODMe2.が慌てて銃片手に周囲を警戒し、太った少女を見つけた所で見えない打撃の餌食となった。
彼等はサキエルを殺した所までは良かったが、死体で焼肉をしたのが失敗だった。
サキエルが倒れた事で参加者がその場を注目していたのに移動しなかった為、それに注目していたマーダーがやってきたのだ。
彼等を殺したマーダーはもといた埼玉へと歩き始めた。

【一日目・20時30分/長野県・埼玉との県境付近】

【剛田ジャイ子@ドラえもん】
【状態】覚醒、狂気
【装備】スタンド『ジャイアン×4』
【道具】支給品一式
【思考】基本:他の参加者を殺して生き残る
1:お兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱい
  お兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱい
  お兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱい
  お兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱい
  お兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱい
  お兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱい
  お兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱい
2:殺される前に全員殺す

【カール・フリードリヒ・ガウス@現実? 】
【◆02GOODMe2.@現実? 死亡確認】

318混沌な名無しさん:2014/02/05(水) 08:32:04 ID:.z86dywoO
悪い、ガウスの死亡確認を書き忘れてた。

319This Is Done With Great Ease Vulgar Act:2014/02/05(水) 17:15:42 ID:zkt2waEE0
グンマーの民の集落へ彼女がやってきた。
レンを発見した彼女は、手を振る。

発見したレンは一直線に剣を構え走る。
だがその動きが欠点。

パララララ!

レンは殺された。

「マーダーは…殺す…」

前田敦子。彼女が殺したのである。

【一日目・20時55分/群馬県・グンマーの民の集落】

【前田敦子@AKB48】
【状態】通常
【装備】M240B@アメリカ軍
【道具】支給品一式
【思考】
基本:マーダーは殺す
1:対主催とは仲良くしたい

【鏡音レン@VOCALOID 死亡確認】

320天の海:2014/02/05(水) 18:49:09 ID:psdtp9a20
 カイザの日を祝い終えた草加は、友とさえ呼べる愛車のサイドバッシャーで埼玉県をツーリングしていた。
すると、ごつい装甲に覆われた仮面ライダーが若い女性を射殺しているのを発見。
対主催でもある彼は早速カイザに変身し、サイドバッシャーをバトルモードと呼ばれるロボット形態に変形させた。

「あら、私の僕になる気はないのね」

 ごつい装甲に覆われた仮面ライダーこと仮面ライダーカブト・マスクドフォームから聞こえてきたのは異様に威圧感のある少女の声だった。
その異様さに危険なものを感じた草加は、言い返さずにサイドバッシャーに装備された六連装ミサイル砲“エグザップバスター”を一斉掃射。
カブトも、カブトクナイガンからイオンビームを放つアバランチシュートを放ち、両者共に爆炎に包まれた。

「くっ……俺のサイドバッシャーを、よくもこんな姿に……」

 サイドバッシャーはアバランチシュートが直撃して下半身を構成するサイドカー“二ーラーシャトル”を破壊されてしまっていた。
敵には勝ったとはいえ相棒の無残な姿に悲痛な声を出す草加だが、悲劇はこれからだった。
カブトを包んでいた爆炎からカブトムシのような角が生えた赤い仮面ライダー、つまりライダーフォームとなったカブトが飛び出してきたのだ。
それも、ライダーキックをしている状態で。

「!?!?!?」

 草加は、エグザップバスターが全弾命中しても相手が戦闘可能な状態だった事に驚いてしまい、動けなかった。
実際の所、カブトはエグザップバスターが直撃する寸前にキャストオフする事で、パージした装甲を盾にして難を逃れただけだったりするのだが草加がそれを知る訳が無かった。
そして、カブトのライダーキックが草加……ではなく彼が乗っていたサイドバッシャーに直撃し、サイドバッシャーは完膚なきまでに破壊されてしまった。

「ぐはっ……さ、サイドバッシャー……がふっ!?」

 サイドバッシャーの爆発で吹き飛ばされたものの、どうにか受け身を取った草加。
しかし、彼にカブトの強烈なアッパーが決まり、その一撃だけで草加は大きく吹き飛ばされ、地に伏せた。

「私は天の海を往き、春を香らせる者……天海春香」

 カブトに変身していたのは765プロのアイドル、天海春香。
同じ事務所のアイドルが次々と死んでいくのを放送で聞いて悲しみに暮れた彼女は、もともとの素質もありテラカオス化が進行して超人的な身体能力を手に入れていた。
それだけなら今回のカオスロワで良くあるケースだったのだが、彼女の支給品であるカブトゼクターとライダーベルトが思わぬ事態を引き起こしていた。
(テラカオス化の進行により)超人的な身体能力を得た彼女が変身したカブトは、カタログスペックを遥かに上回る身体能力を持ってしまっていたのだ。
それ故、同じ仮面ライダーであるカイザをアッパー一発で吹き飛ばす事も、今のカブトには容易な事だった。

「さあ、畏れ、平伏し、崇め奉りなさい!!」
「俺のサイドバッシャーを……何!?」

 どうにか起き上がった草加に対し、春香は跳躍して空中から攻撃しようとする。
しかし、草加は必殺技であるカイザスラッシュの準備を終え、カイザブレイガンからマーカーを発射する。
だが、マーカーで拘束されるはずだった春香は、マーカーの拘束を圧倒的な力で強引に破ってアバランチスラッシュを放つ。
そして、アバランチスラッシュとカイザスラッシュ、二つの斬撃がぶつかり合い、カイザブレイガンが弾き飛ばされた。

「フフフ、跪きなさい」

 春香はクロックアップを発動し、素手での連続攻撃を叩き込み、そのまま殴り飛ばす。
そして、クロックアップを解除した春香のライダーキックがベルトごと草加の身体を粉砕した。

「待ってなさい愚民どもよ。この救い様の無い世界……私が支配してあげる」

 変身を解除し、笑みを浮かべる春香の目から一筋の涙が零れ落ちた。


【一日目・19時45分/日本・埼玉県】

【天海春香@アイドルマスター】
【状態】健康、テラカオス化進行中、それにより春閣下化
【装備】カブトゼクター&ライダーベルト@仮面ライダーカブト
【道具】支給品一式
【思考】基本:この救いようのない世界を征服し、絶対的な支配者となる。
1:傘下に入らぬ者は殺す
2:765プロの皆の死に深い悲しみと怒り
3:天の海を往き、春を香らせる

【柊かがみ@らき☆すた(大学生編) 死亡確認】
死因:カブトクナイガンによる射殺
※なのはとユーノが出会ったかがみとは別人です。

【草加雅人@仮面ライダー555 死亡確認】
死因:ライダーキック

321混沌な名無しさん:2014/02/05(水) 20:21:09 ID:zkt2waEE0
This Is Done With Great Ease Vulgar Act
>>319
【一日目・20時55分/群馬県・グンマーの民の集落】を
【一日目・19時/群馬県・グンマーの民の集落】
に修正します。

322ほぼ丸パクリでごめんなさい:2014/02/05(水) 20:47:23 ID:mM9O67420
「なんだ、ここは?」

名古屋にある民家の一室そこにしまむらの服を身にまとった男がいた
その男がなぜ自分がここにいるのか理解できなかった

(なぜ、私がここにいやその前に私はいったい?)

その男は自分の記憶をなくしていた
なぜだかはわからない

「とりあえずエロ画像でも漁るかwwwwうぇwwwwネットの世界にダーイブwwww」

かつてここと似た世界で大暴れした存在がいたその存在とここにいる男は似ていなかった
その男の名前はテラカスまるでカスのような存在だ

【一日目・20時00分/日本・名古屋 民家】

【テラカス@カオスロワ】
【状態】健康、記憶喪失
【装備】しまむらの服
【道具】支給品一式 自宅のPC
【思考】
1:私はいったい?
2:ここはどこだ?
3:そんなことよりオ○ニーだ

323グンマーに入った所で首輪は……:2014/02/06(木) 00:18:03 ID:yON2ni3YO
ネウロ達が遺跡の最深部に辿り着くと、そこには中から突き破られた巨大蟲の死骸があった。

「どうやら、この遺跡は世界樹の成れの果てを封印していたものだったらしいな」
「最も、封印が弱まってたらしく、此処には世界樹の成れの果てを封じてたらしい蟲だったものしか残ってませんが……」

遺跡を探索して解った事を纏めるネウロと赤屍。
彼等の予想通りこの遺跡には歪みし豊穣の神樹が封印されていたが結局脱出されていた。
最も、神樹はとあるジムリーダーのポケモンになっていたりする。

「そう言えば、首輪の機能が停止しているなら解除出来るだろうし外さないか?」

全員首輪を窮屈に感じていたので、そのアーカードの提案に二人共賛成し、三人は首輪を外そうとして、首輪の爆発で死んだ。
実は、グンマーでも首輪が外れそうになったら爆発する機能だけは動いてたのだ。

【一日目・20時00分/群馬県・グンマーの遺跡最深部】

【脳噛ネウロ@魔人探偵脳噛ネウロ 死亡確認】
【アーカード@HELLSING 死亡確認】
【赤屍蔵人@GetBackers-奪還屋- 死亡確認】

324混沌な名無しさん:2014/02/06(木) 12:08:26 ID:letrfki.0
オ○ニーしてたテラカスは、あっさりと大尉に絞殺されました。

【一日目・20時05分/日本・名古屋 民家】

【大尉@HELLSING】
【状態】健康
【装備】PET(ビーストマン入り)、シンクロチップ@アニメ版ロックマンエグゼシリーズ
【道具】支給品一式×5、モーゼルM712@HELLSING、14年式コスモガン@宇宙戦艦ヤマト2199、エアーガン@科学忍者隊ガッチャマン
【思考】基本:五大幹部の命令に従う
1:これがネットバトルの力か……
2:とりあえず、ジョーカー参加者として動く
3:ネットバトルの練習も忘れない

【ビーストマン@ロックマンエグゼ3】
【状態】HP満タン
【装備】なし
【道具】なし
【思考】基本:PET所有者である大尉に従う
1:主催の一員として動く
※PETの中にいます

【テラカス@カオスロワ 死亡確認】

325深まる結束と新たな出会い:2014/02/06(木) 23:46:42 ID:LiADd8lI0
なんとかクラウディウスの追撃を振り切った八神はやて一行は新潟県に居た。
しかしはやての表情は暗かった。

『早く逃げろ!あんまりもたねえ!』

はやての脳裏をよぎるのは、自分達を救ってくれた男性の声。
彼の機体が破壊されるのを見ながら何も出来なかった自分に苛立ちを感じていたのだ。
すると、はやての華奢な肩が優しく叩かれた。

「マミゾウさん…?」

マミゾウは何も言わず、優しくはやての顔を見つめている。
彼女のデイパックの中のウルトラマンタロウも同じ。
二人の顔をみただけで、はやては二人の心を感じ取った。
マミゾウもウルトラマンタロウも、あの男性の死に心を痛めている。
だが、彼の意思を無駄にしない為にも、自分達がしっかりしなければ。

3人は目線を交わし頷きあう事で、さらに結束を強め決意を新たにした。




人が多く集まる場所である東京へと移動を開始してから、数時間がたったとき。
3人は近くに何者かの気配を感じ立ち止まる。

「これは…、妖怪の気配じゃな。それも相当の実力者じゃ。」

マミゾウの言葉に警戒を強める一同。
だが、拍子抜けと言うか、出てきたのはひょうきんな老人と着物を着た青年だった。

「おや、お嬢さん。たぬきの格好とはおしゃれじゃの。」
「おお、このセンスがわかるんか?」
「…はやてよ。そんな事をいっとる場合か。」
「…くだらん」

なぜかお洒落の話で意気投合するはやてと老人。
それを見て少し呆れているのは2人の妖怪。
こうして、はやて達とブリーフ博士達は出会った。

世界最高クラスの科学者と、強大な力を持った妖怪。
彼らとの出会いははやて達に何をもたらすのだろうか。

326深まる結束と新たな出会い:2014/02/06(木) 23:52:46 ID:LiADd8lI0
【一日目・19時55分/新潟県】

【八神はやて@魔法戦記リリカルなのはForce】
【状態】健康、タヌキはやて、
【装備】シュベルトクロイツ@魔法少女リリカルなのは、
タヌキスーツ@スーパーマリオシリーズ
【道具】基本支給品一式、夜天の書@魔法少女リリカルなのは
【思考】基本:殺し合いを止める
1:ブリーフ博士達と接触
2:殺し合いを打破するため仲間を集める
3:大陸沈没の謎を探る
4:死んだ仲間(フェイト)や赤い翼のMSのパイロットの為にも主催を倒す
5:それにしてもこのスーツ、実に馴染むで!
※主催側が大災害について何か関与していると考えています(細かい部分は分かっていません)
※九州ロボが1,2日後に墜落する事を知りました。
※PSP版の技も使えます。

【二ッ岩マミゾウ@東方project】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】基本支給品一式、ギンガスパーク@ウルトラマンギンガ、
スパークドールズ(ザラブ星人、ババルウ星人、ダークガルベロス)
【思考】基本:殺し合いを止める
1:ブリーフ博士達と接触
2:殺し合いを打破するため仲間を集める
3:大陸沈没の謎を探る
4:そういえば、TC計測値とは一体……
※主催側が大災害について何か関与していると考えています(細かい部分は分かっていません)
※九州ロボが1,2日後に墜落する事を知りました。

【ウルトラマンタロウ(SD)@ウルトラマンギンガ】
【状態】健康、スパークドールズ状態、マミゾウのデイパックの中
【装備】なし
【道具】基本支給品一式
【思考】基本:殺し合いを止める
1:ブリーフ博士達と接触
2:殺し合いを止めるため仲間を集める



【ブリーフ博士@ドラゴンボール】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】基本支給品一式 、不明支給品
【思考】基本:対主催
1:はやて達と接触

【殺生丸@犬夜叉】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】基本支給品一式 、不明支給品
【思考】基本:対主催
1:はやて達と接触

327覚醒:2014/02/07(金) 01:46:44 ID:shKzoDQU0
 ジバン達は、都庁の軍勢よりも派手に暴れまわっているDMC狂信者に目標を変更してビックサイトに向かう途中、マーダーのグループを発見した。
ロボットモードの肩部ミサイルポッドの一斉掃射でモブキャラ達を虐殺するビッグコンボイに、その攻撃からどうにか生き延びた男に冷凍ガスを浴びせるマンモス怪人。
ビッグ・タスク・ドリルで赤毛の男の心臓を貫くマンモスマンに、マグロで彼等を釣って参加者の殺害を命じて自分の手を汚さずに生き残ろうとするオツベル。
ジバン達がそんな奴等を見逃す訳がなく、戦闘が始まったのだ。

「対バイオロン法第9条、機動刑事ジバンは、あらゆる生命体の平和を破壊する者を、自らの判断で抹殺することができる!」
「迂闊だな、ビッグキャノン……何!?」

 ジバンの前口上の間にビッグキャノンの発射準備を終え、それを発射しようとしたビッグコンボイだが、ビッグキャノンはいきなりペラペラの紙みたいになってしまっていた。
空蝉丸が、戦闘開始直前にぷちどる達から受け取っていた3つの獣電池のうちの一つ“トペランダ”の力でビッグキャノンをペラペラにしたのだ。

「だが、惜しかったな」

 ビッグコンボイはそのまま脚部に内蔵されたマンモスハーケンを発射した。
2発のマンモスハーケンを身体で受け止めたのは、まこちーのモンスターボールから出てきたダゲキと、ちひゃーのデイパックから飛び出した大盾忍だった。
彼等は主の命令を待たず、主とその仲間を護る為にその命を散らしたのだ。
その死に報いるべく闘志を燃やし、ジバン、キルコ、空蝉丸は駆け出した。

「ろ、六人に、分身しただと!?」
「馬鹿な……ゴルゴム最強の怪人が……こんな小娘に……」
「攻撃が、当たらない……だと……!?」

 変身せずにフタバインの獣電池を使って6人に分身した空蝉丸が、マンモスマンを圧倒する。
トンファーブレイドを振るうキルコが、マンモス怪人に一方的に手傷を負わせる。
マンモストンファーによる攻撃をかわしつつ、ジバンが次々とビッグコンボイにダメージを与えていく
そして、弱った相手に、3人が止めの一撃を放つ。

「これで、止めでござる!!」
「キルコストーム!!」
「エネルギーチャージ、オートデリンガー・ファイナルキャノン!!」

 空蝉丸とその分身達による六連続の斬撃が、マンモスマンを切り刻む。
キルコの起こした竜巻が、マンモス怪人を飲み込んで爆散させる。
ジバンの必殺の砲撃が、ビッグコンボイを貫き、彼を撃破する。
その光景と絶望的な状況にオツベルは呆然と佇み、上から振ってきたものに潰された。

「かっかー!」

 それは、何故か巨大化したはるかさんだった。
それに気づいたちひゃーとまこちーが彼女に駆け寄り、はるかさんの右腕がちひゃーを押し潰した。
一瞬にして場の空気が凍りつき、それに構わずはるかさんはまこちーを潰そうとする。
しかし、空蝉丸がとっさにプクプトルの獣電池を使い、まこちーを風船みたいに膨らませて攻撃を防がせた。
そして、弾性力によって跳ねながらジバン達の元に帰ってきて元の姿に戻ったが、その間にはるかさんにも変化が訪れていた。

「アハハハハ……」

 はるかさんのリボンの形状が変化し、顔の上半分が影に覆われ、目が怪しく光り出す……暗黒化とよばれる状態になっていたのだ。
実はこのはるかさん、戦闘中にこっそり新型ナノマシン入りの水を飲んでおり、テラカオス化が一気に進行。
身体能力が大幅に上昇し、巨大化や分裂を自分の意志で制御する能力を手に入れ、ついには暗黒化したのだ。

328覚醒:2014/02/07(金) 01:47:12 ID:shKzoDQU0
【一日目・20時15分/東京都・中央区】


【田村直人@機動刑事ジバン】
【状態】健康、強い決意、機動刑事ジバンに変身中
【装備】マクシミリアン、電子手帳、パワーブレイカー、ニードリッカー、オートデリンガー
【道具】支給品一式、ダイダロス
【思考】基本:野田総理を倒して殺し合いを止める
1:これは、どういう事だ!?
2:まゆみちゃんは無事だろうか……
3:東京都庁は後回しにしてビッグサイトに向かう
4:野田総理の本拠地を探す
5:黒幕はバイオロンではなかったが、ためらわず戦う

【音無キルコ@新米婦警キルコさん】
【状態】健康
【装備】トンファーブレイド
【道具】支給品一式
【思考】基本:野田総理を成敗して殺し合いを止める
1:ジバンさんやウッチーさん達と協力して悪党を成敗する
2:ちひゃーちゃん……どうしてこんな事に……!?
3:東京都庁の魔物も気になるが、まずはより多くの被害を出してそうなDMC狂信者を成敗する
4:野田総理の本拠地を探す
5:ハル先輩達、無事かなぁ?

【空蝉丸@獣電戦隊キョウリュウジャー】
【状態】健康
【装備】ガブリチェンジャー、ザンダーサンダー
【道具】支給品一式、獣電池(プテラゴードン×6)、使用済み獣電池(トペランダ、プクプトル、フタバイン)モンスターボール(プテラ)
【思考】基本:野田総理を倒して殺し合いを止める
1:ジバン達に同行する
2:何故はるかさんが!?
3:ビッグサイトに向かう
4:野田総理の本拠地を探す(九州が怪しいと睨んでいる)
5:キング殿達と合流したい

【まこちー@ぷちます!】
【状態】健康、深い悲しみ
【装備】きあいのタスキ
【道具】支給品一式
【思考】基本:まきょー
1:空蝉丸達と行動する
2:真とちひゃー765プロの面々の死に深い悲しみ
3:はるかさんの豹変にショックを受けた
4:襲われたら全力で戦う

【はるかさん@ぷちます!】
【状態】健康、日光を克服、テラカオス化進行中、新型ナノマシン服用、巨大化、暗黒化
【装備】なし
【道具】支給品一式
【思考】基本:アハハハハ……
1:とりあえず殺す
2:おなかがすきました
※テラカオス化の進行により、巨大化と分裂を自分の意志で行えるようになりました。

【モブキャラ@いろいろな作品 死亡確認】
死因:爆殺

【アミバ@北斗の拳 死亡確認】
死因:凍死

【マグニスさま@テイルズオブシンフォニア 死亡確認】
死因:刺殺

【マンモスマン@キン肉マン 死亡確認】
死因:斬殺

【マンモス怪人@仮面ライダーBLACK 死亡確認】
死因:キルコストーム

【ビッグコンボイ@ビーストウォーズネオ 死亡確認】
死因:オートデリンガー・ファイナルキャノン

【オツベル@オツベルと象 死亡確認】
【ちひゃー@ぷちます! 死亡確認】
死因:圧殺

329異次元から来た怪物を倒せ:2014/02/07(金) 12:45:23 ID:zj00i0h.O
岡山県では、異次元よりノトーリアスDECOが現れ、その存在を危険視した周囲の有力な参加者達が協力して討伐を試みていた。
しかし、ノトーリアスDECO討伐隊のブロントさんが力尽きて踏み潰された為、戦線は崩壊し、流れは一気に傾いた。
バグラモンが体液で溶かされ、マルクが触手に貫かれ、デッキを使い果たした遊戯が喰いちぎられ、エンペラ星人までもがDECOビームの前に倒れた。
しかし、ノトーリアスDECOが受けたダメージも大きく、動きはかなり鈍っていた。
そこで動いたのはノトーリアスDECO討伐隊最後の一人にして最大の切り札、女神イシターだ。
彼女は全ての力を解き放ち、呪いに近い力を源とするノトーリアスDECOを浄化しようとしたのだ。
そして、女神イシターの命と引き換えにノトーリアスDECOは浄化され、消滅した。

【一日目・17時01分/日本・岡山県】

【ブロントさん@ファイナルファンタジーXI 死亡確認】
【バグラモン@デジモンクロスウォーズ 死亡確認】
【マルク@星のカービィシリーズ 死亡確認】
【武藤遊戯@遊戯王 死亡確認】
【エンペラ星人@ウルトラマンメビウス 死亡確認】
【女神イシター@ザ・ナイトメア・オブ・ドルアーガ 不思議のダンジョン 死亡確認】
【ノトーリアスDECO@カオスロワ7期 消滅確認】

330TCBR10第3回放送:2014/02/09(日) 15:07:50 ID:b.rniMs.0
ピーンポーンパーンポーン♪

午後9時、バトルロワイアル開始から三度目の定時放送が日本中に響き渡る。
アナウンスを勤めるのは野田総理に代わりダース・ベイダーである。

「幹部のダース・ベイダーだ。
そしてこれから始めるのは定時放送だ。
では死者を読み上げる。

ブロリー、キョン、佐々木、五十嵐まゆみ、三村マサカズ、大竹一樹、ランピー、クロ、天の邪鬼、のび太のパパ、碇ゲンドウ、
鳴滝、オ○マ、コンボイ司令官、名もない新潟県民×10、大勢のモブキャラ×10、ジャギ、ジャギ、シャマル、ドラキー、
メットールV2、地雷蜘蛛、イシツブテ、ヒカりん、クリーパー、骸音シーエ、ファイアバー、黒谷ヤマメ、巨大ネバルー、
動く石像、みみず、おけら、あめんぼ、怪傑ズバット、ブルりん、タケシ、タケシ、策士・諸葛亮孔明、うさみちゃん、ホッシー、
雨生龍之介、素晴らしきヒィッツカラルド、直系の怒鬼、白昼の残月、激動のカワラザキ、眩惑のセルバンテス、命の鐘の十常寺、
大山デカオ、混世魔王・樊瑞、暮れなずむ幽鬼、クルル曹長、平沢唯、泉こなた、にゃんぱいあ、藤崎佑助、ニホンザル、
涼宮ハルヒ、ゴルゴ13、ハスラーワン、IA、キャスパー・ヘクマティアル、バット星人グラシエ、ギャバンブートレグ、
福岡ドームで奴隷にされていた参加者達、シン・アスカ、オーク、ランポス、イャンクック、野比セワシ、マスク・ザ・レッド、
ルーク・スカイウォーカー、DR、万玖波海、北島○介、ポッチャマ、テラ、ヒソカ、海馬瀬人、怪盗キッド、夜神月、
ラインハルト・ハイドリヒ、VIPPER、ドン・観音寺、亞北ネル、スギちゃん、小野妹子、織田敏憲、食蜂操祈、ミラボレアス、
長門有希、未知やすえ、阿倍高和、小嶋元太、山崎烝、ヤザン・ゲーブル、江ノ島盾子、峰岸あやの、その周辺にいた参加者×多数、
根岸崇一、立花響、浜田雅功、グルド、じーさん、孫、リュウ、野比玉子、黄金バット、やらない夫、OVER、戸愚呂兄、ガメラ、
ホメ春香、マスターチーフ、阿紫花英良、きれいなジャイアン、佐倉杏子、高町ヴィヴィオ、葵・トーリ、南部康雄、
コンドルのジョー、ギャオス、斉木楠子、福田康夫、高木社長、ミスティア・ローレライ、野田総理、ゴゴ、松実玄、ベン、
グンマーの民、戸愚呂弟、ところ天の助、ユニコルクス、ヒルゲリラ、蜘蛛男、シードラゴン、ガマギラー、蜂女、ショッカー戦闘員、
死神博士、混沌の騎士、KBSトリオ、間桐雁夜、インセクター羽蛾、間桐桜、ヴァイジャヤ、中邑真輔、佐治雪哉、範馬勇次郎、
多田野数人、博麗霊夢、根来忍、疾風のゲハ、ルシ腐ェル、タケシ、ザフィーラ、キバ、兜甲児、原監督、野比玉子、柊つかさ、
ユニクロン、ガーゴイル、しまっちゃうおじさん、田中、老賢者、692、オタチ、サキエル、ザ・テリーマン、J、アイアンハイド、
山城上総、ミゲル・アイマン、泉研、パルシェン、エリートトレーナー♂、カール・フリードリヒ・ガウス、◆02GOODMe2、
鏡音レン、柊かがみ、草加雅人、脳噛ネウロ、アーカード、赤屍蔵人、テラカス、モブキャラ、アミバ、マグニスさま、マンモスマン、
マンモス怪人、ビッグコンボイ、オツベル、ちひゃー、ブロントさん、バグラモン、マルク、武藤遊戯、エンペラ星人、女神イシター、
ノトーリアスDECO

次は禁止エリアについて発表する。
中国地方全てを10時より禁止エリアとする。
禁止エリアについては、以上だ。
これにて放送を終わりとする」

【ダース・ベイダー@STAR WARS】
【状態】健康
【装備】ライトセーバー@STAR WARS
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】
基本:テラカオスを生み出す計画を遂行する
1:計画のために殺し合いを促進させ、計画の邪魔をするものは消す
2:他の幹部と今後について話し合う
3:九州ロボのマキナ化が待ち遠しい

331混沌な名無しさん:2014/02/09(日) 16:51:10 ID:gIRdJdhQO
放送を聴き、知り合いの名前を呼ばれなかったのに、安心した一人の男が持病の悪化で倒れた。
カオスロワによって病院の機能が停止した今、怪我は兎も角病気の治療なんて出来る訳がなかった。

【一日目・21時05分/日本・新潟県】

【北岡秀一@仮面ライダー龍騎 死亡確認】

332魔女のハートを奮わせろ!:2014/02/10(月) 00:58:24 ID:NExCvSxQ0
 フレクザィードとカヲルを仲間にした熱気バサラ達は、グンマーの上空でグンマーの民を弔う為の歌を歌っていた。
第三回放送時に丁度グンマーの上空にいた彼等は、偉大なる赤竜からグンマーの民の事を(バサラはカヲルによる通訳で)知っており、此処に居ない赤竜の仲間の分も弔う事にしたのだ。
そして、歌い終えた彼等が見たのは、グンマー付近にある都市がそれまで全く予兆が無かったのにも拘らず、嵐に包まれている光景だった。

 群馬県見滝原市では、ワルプルギスの夜が出現して嵐が吹き荒れていた。
その圧倒的な力はビルを次々と破壊していき、死亡リストにも載らないようなモブ参加者を殺していき、今また銃を持った女性が飛んできた瓦礫に潰された。
それと戦うはずだった魔法少女も不在という状況の中、バサラ達が駆け付けた。

「何て絶望に満ちた魂なんだ……バサラ、思いっきり歌うんだ」
「ああ、嵐の中でも、俺の歌を聴け!!」

 それに合わせて守りは任せろとばかりに二体の火竜が咆哮を上げ、バサラのギターと道中で調達したカヲルのキーボードが鳴り響く。
狂った笑い声を上げる強大な魔女と使い魔を客とした、バサラのコンサートの始まりだ。

「SOMEDAY 星に変わる ハートと引き換えに」

 嵐の中でもはっきりと聞こえるバサラの歌が始まった。
フレクザィードの支給品だった歌エネルギー変換システムを装備したバサラは、それにより赤い光を放っていた。

「深い 闇の向こう いかせてくれ」

 歌を聴いたワルプルギスの夜の笑い声が収まっていく。
しかし、そこからの展開は今回は今までとは違った。

「ないものねだりだって 構わないから」

 ワルプルギスの夜の使い魔が消えていき、ワルプルギスの夜自身も苦しみ始めたのだ。
バサラの心に少しだけ戸惑いが生まれるが……。

「バサラ、その希望の歌であの少女の魂を絶望から救ってくれ!」
「ENDLESS 止められない 胸騒ぎの数」

 カヲルの激励に、熱い歌声で応えるバサラ。
使徒故かカヲルは気付いていた。ワルプルギスの夜が抱えている絶望がバサラの歌声に込められた希望のエネルギーによって中和されている事に。
ワルプルギスの夜が苦しんだのも、使い魔が消えたのも、全て抱えている絶望の力がバサラの希望の力によって消えて行ったのが原因だ。

「ムチャと 言われたって つなげたいのさ」

 ワルプルギスの夜が消されまいと、バサラの歌を止める為にバサラと彼を乗せた偉大なる赤竜に攻撃を集中させる。

「なりゆきまかせだって 止まってるよりはマシさ」

 降り注ぐ瓦礫を、偉大なる赤竜のファイアブレスが全て焼き尽くす。

「種子は芽をだして 夜は朝になる」

 ワルプルギスが吐く炎の槍をフレクザィードがわざと受けて、その炎を自分の生命力へと変換する。

「パレード 続いてく 昨日なんて遥か彼方」

 サビに入った所で、ついに嵐が収まり、夜空が広がっていく。
もう、ワルプルギスに嵐を起こすほどの力は残っていなかった。

「パレード いっしょに行こう 目ざす場所へ 風の吹くまま」

 ワルプルギスの夜は、攻撃を止めて穏やかな笑みを浮かべていた。
自身の絶望の殆どが無くなった今、彼女に暴れる意志など無かった。
今、彼女の心を満たしていたのは、魔女化以前に感じる事が出来ていた温もりだったのだ。

「GO ON OUR WAY PARADE」

 そして、ワルプルギスの夜は、全ての絶望を失い穏やかに消えて行った。
バサラの歌は彼女の魂を絶望から救ったのだ。
しかし、彼女を見送ったと思ったら、フレクザィードが吠えた。

「どうしたんだい……!?」
「なっ……雪雲が広がって……北の方、真っ白じゃねえか!?」

 そう、彼等は知らないがオーバーデビルの力によって青森県を中心として発生した冷気は、既に東北地方全域に雪が降るレベルにまで広がっていたのだ。
そして、偉大なる赤竜は、この冷気の広がりを放置すると都庁にまで被害が広がる事になると気付き、都庁の仲間達の為にこの状況を解決する事を提案した。
こんな自然を歪める状況を他の二人と一体も見過ごす事が出来るはずもなく、バサラ達の次の目的地が決まったのだ。
極寒の大地へ向けて、人と使徒を乗せた二体の火竜が飛び立った。

333魔女のハートを奮わせろ!:2014/02/10(月) 00:58:42 ID:NExCvSxQ0
【一日目・21時15分/群馬県・見滝原市上空】

【熱気バサラ@マクロスダイナマイト7】
【状態】とても健康、上機嫌
【装備】ギター、歌エネルギー変換システム@マクロス7
【道具】支給品一式
【思考】基本:戦いなんてくだらねえぜ、俺の歌を聴け!
1:仲間達と共に歌を届ける
2:東北地方に広がる冷気をどうにかする。

【偉大なる赤竜@新・世界樹の迷宮 ミレニアムの少女】
【状態】健康
【装備】無し
【道具】もくたん@ポケットモンスター、支給品一式
【思考】基本:歌で自然環境の保護を世界に訴える。
1:都庁組や氷嵐の支配者といった仲間達、そして歌の素晴らしさを教えてくれたバサラとその仲間を護る為なら戦う事も厭わない。
2:バサラと共に行動する。
3:東北地方に広がる冷気をどうにかする。
4:フレクザィードの言ってたレストという男が都庁の軍勢に協力してくれれば助かるのだが……。

【フレクザィード@ルーンファクトリー4】
【状態】健康
【装備】無し
【道具】支給品一式
【思考】基本:バサラ達と共に歌い、その歌でレストが愛した自然の素晴らしさを伝える。
1:レストや他のネイティブドラゴンを探して合流する。
2:マーダーは止めたが仲間達を護る為なら全力で戦う。
3:東北地方に広がる冷気をどうにかする。

【渚カヲル@新世紀エヴァンゲリオン】
【状態】健康
【装備】キーボード@楽器
【道具】支給品一式
【思考】基本:共に歌いつつバサラの歌を届けて殺し合いを終わらせる
1:シンジ君を探して一緒に歌う。
2:東北地方に広がる冷気をどうにかする。
※使徒だからか、偉大なる赤竜やフレクザィードと会話が可能です。

【前田敦子@AKB48 死亡確認】
死因:ワルプルギスの夜が飛ばした瓦礫により圧死

【ワルプルギスの夜@魔法少女まどか☆マギカ 死亡確認】
死因:バサラの歌による希望エネルギーで浄化される

334楽園への導き手:2014/02/10(月) 23:53:03 ID:MI9ax9r60
世界滅亡ってやばくね?
モンスターボールの中で会話を盗み聞きした時、確かに俺はそう思った。
思った後に、違和感に気がついた。何故、俺が、こんな世界が、滅びることを、心配したのか?
本来なら、ありえない。こんな感情を俺が持つことなど、絶対に。

自覚がある程に、俺は歪んでしまっている。
破壊衝動を、捕食衝動を、未だに強く持っている。
この世界の何もかもが憎い。壊してやりたい。そう考える。それを実行に移せるだけの力が、俺にはあった。
そう、俺こそが、俺自身が、世界を滅亡させる存在だった。
気が遠くなるほどの昔、もう完全には思い出せない程の太古の時代。
人間達は俺を恐れ、封印した。
後の世でも変わらず人間は俺を恐れ、様々な名で俺を呼んだ。
世界樹の成れの果て……歪みし豊穣の神樹。蟲に憑きしかのもの。
Warped Savior……歪んだ救世者。
俺は……こうなる前は、世界を救う存在だった。
汚染され、作物も家畜も育たない死の大地を救う存在、世界樹だった。
勝手に世界を荒野にして、勝手に俺を生み出して救世を願う。人間はあの頃から自分勝手だった。
それでも俺は確かに作られ、生まれた。救世を目的として生まれたのだから、ただ救世行為だけを行った。
植物としての本能でもあったが、大地が自分の手で元の美しい姿に戻っていく光景を眺めるのは、嫌いじゃなかった。
『楽園への導き手』だと人間達は俺を崇めていた。
そんなある日、俺の身体は得体の知れない化物に喰われた。
強大な力を持つ俺が、世界樹が、いつか自分達の手で制御できなくなるのではないか?
そう考えた人間が産み出した、世界樹キラーとでも言うべき蟲、悪食の妖蛆。
竜をも上回る異常に強靭な顎に噛み砕かれ、その際限のない食欲の前に、当時の俺は為すすべなくそいつに喰われた。

人間達の考えは、間違ってはいない。
世界樹の持つ浄化の力は絶大だが、あいつらは俺の体のことなんてまるで気にしていなかった。
樹木だって、生物だ。大地から毎日毎日毎日毎日、穢れた物質を取り込んでみろ。
しかも、連中が行った人工生命体実験その他のせいで、汚染物質が当初よりもさらに増えてみろ。
浄化が、追いつかなくなる。体内に、処理しきれない嫌な物質が残り、溜まっていく。
思えばあの頃から俺は歪み始めていたんだろう。人間達の言う、暴走の予兆。
それが、蟲に喰われてさらに歪んだ。
勝手に生み出して、勝手に滅して。
俺を使い捨ての道具として扱って、より自分達の手で扱いやすい世界樹を別の場所で作り始めようとした。
まだ懲りないのか人間は?身勝手な人間が、世界が、全てが憎くなった。
こんな世界、人間のいる世界を、浄化する必要なんてない。浄化されるべきは――人間だ。
そう思った時には、俺の意識ははっきりとしていた。目の前の光景を眺めることもできていた。
蟲を乗っ取り、俺の意識で操れるようになっていた。俺自身が、動けるようになった。
今でもよく覚えている。白衣の研究者達の驚愕した顔。泣き叫ぶ声。
研究施設にいた人間を片っ端から血祭りにあげてやった。血煙がまるで花のようで、とても綺麗だったのも覚えている。
だがすぐに、研究者達は俺が蟲を逆に喰い殺して乗っ取ったことに気がついた。
誤算だったのは、俺でなくとも蟲が暴走する危険性も考えられていて、ある程度の対策が練られていたことだ。
人間は脆いが、数は多かった。奴らの産み出した人工生命体も含めると、かなりの人数だった。
結果として俺は人間を滅ぼす前に、密閉空間で強烈な化学薬品を大量散布され、蟲を喰い破る前に封印されてしまった。
最後の抵抗として、蟲の身体から俺の瘴気をばら撒き、近隣の生態系を根こそぎ狂わしてやった。
その時生まれた突然変異の魔物が、俺に代わって研究者のほとんどを殺したらしい。
それでも人間は滅びず、未だに地上の覇者だというのだから、驚かずにはいられない。

335楽園への導き手:2014/02/10(月) 23:54:20 ID:MI9ax9r60
長い長い封印だった。自然を本当の意味で愛するという変わった人間、グンマー人ですら、俺を受け入れることはなかった。
まあ、無理もない話だ。あの日俺は浄化の力を捨てた。代わりに得た能力は、ただそこに在るだけで生態系を狂わせ、滅ぼす力。
俺とは異なる世界樹でさえも、抗いきれない強力なもの。他の生命体を守るために、俺は切り捨てられたのだ。
封印はグンマー秘術やら黒龍ミラボレアスが加わり、より強固なものに……ならなかった。むしろ弱まったと言えた。
俺を蟲の中に封印し続けられたのは、あの忌々しい化学薬品によるところが大きい。
だがグンマー人は科学を嫌い、森にそういったものを持ち込むことは一切なかった。使う術は自然由来のもの。
元世界樹に使うのはいかがなものか。
黒龍その他の所謂番人も、食事の際は離れるわけで。事実俺はその隙をついて、封印の遺跡から脱出してきたのだ。
まさかとは思うが、グンマー人はあえて俺の封印を弱めたのかもしれないが……

とにかく、俺は封印を破って自由の身となった。
力を溜め込み、この国を支配するには十分な力を持っていた。
この世界を、今度こそ滅ぼしてやろう。そう、思っていたはずなのに……

『まあ、なんて大きくて立派な華ポケモンなんでしょう。是非ゲットしたいですわ』

俺のトレーナー様は、エリカは、開口一番こう言った。
あの時の俺は気がたっていたからなんとも思わなかったが、思い返すと凄まじい発言だ。
何しろ俺の姿と力は、蟲の頃から恐れられてきたのだから。脱皮したこの姿はさらに恐ろしいだろうに。
逃げずに、立ち向かってきた。この俺を恐れずに。
それどころか……俺を立派な華だと……そう、言ってくれた。
自覚はある。歪んだのは精神だけじゃない。姿形もだ。侵された体はかつてと異なり、どす黒く禍々しい。
それでも、俺を認めてくれた。歪んでしまった俺を、植物の一つとして受け入れてくれた……
……俺の捕獲方法は、思い出したくもない程えげつないものだったが。
捕まった直後、俺はエリカにすぐ外に出された。

『シンジュー!ってなんだこの鳴き声!?』
『これからよろしくお願いしますわ。ええと、神樹さんでよろしいのかしら?』

あの時から、俺はどうかしていたんだろう。

『ふん、飼い主らしく命令すればいいだろ。何をすればいい?』
『で、では神樹、どうか私と共に生き延びてください。私の願いは、また緑に囲まれた場所で、ポケモン達と過ごすことですから』
『……俺はもう、緑とは縁遠い存在だがなぁ。それに俺は、ポケモンとかじゃない』
『まあそうでしたの?どうりでポケモン離れした立派さだこと。きっとあなたの作る木陰はいいお昼寝場所になりますわね』
『……そうか。で、そっちの願いを叶えるのは半々になるだろうな。俺はもう豊穣を提供する楽園への導き手じゃあない』
『あら、あなたに住みよい環境を用意すべきなのはトレーナーの私の方ではないのですか?』
『……本当に、妙な人間だな』

ゲギャギャギャギャギャ!

『あっちにハサミを振り回している快楽殺人者っぽい連中がいるが、どうするよトレーナー様?』
『……行きましょう。念のため、一撃で仕留められますか?』
『おお、意外と恐ろしい命令を出すな。だが問題ないぜぇ!』

自ら、人間に従って動くなんて。
俺が、人間を、この世界を守ろうと動くなんて。
何故かはまだわからない。わからないが、今の俺にできるのは……



336楽園への導き手:2014/02/10(月) 23:55:45 ID:MI9ax9r60
「うあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
「なのは……」

高町なのはは泣き叫び続けていた。
親友に続き……娘のヴィヴィオまでもが殺されてしまったのだから。
放送で呼ばれる名前が、時間に沿ったものだとしたら、仲間であったやらない夫が殺されたすぐ後のことだろう。
ヴィヴィオを探して助ける時間的余裕はない。
しかし、ヴィヴィオとは既に一度顔をあわせている。声も聞いている。
あの時、もっと自分が冷静であったならば。
馬鹿なことをしていないで、いやせめて普通の格好をしていれば。
今も親子共に行動し、ヴィヴィオが誰かに殺されることはなかったのかもしれない。
いまさら、もしもの話をしても遅いのは、なのはもよく理解しているのだが。
それでもなのはは自分を許すことができず、ボンテージ衣装を床に叩きつけながら泣き続けた。


「ニャル子ちゃん達は無事みたいだけど……そっちはどうだった?」
「仲間じゃないが、ヒソカって奴が呼ばれていた。あいつが死ぬなんざ、想像がつかねえが……」
「戸愚呂弟がいたな。あいつもかなり強い妖怪だったんだが……」
「私はその……同じジムリーダーのタケシさんの名前が何度も。ここまで呼ばれると、同姓同名では説明がつかないような……」

なのはから少し離れた場所では、彼女の仲間達が放送の情報をまとめていた。
仲間の名前こそ呼ばれなかったが、知り合いの名前は呼ばれている。
次こそ、仲間の名前が呼ばれてしまうのではないかという不安が、一同の頭をよぎる。

「…………」
「神樹、あなたの知り合いの方は?」
「……現代の俺の封印主が死んだよ。番人だったミラボレアスもだ」

放送で呼ばれたグンマーの民。それは神樹にとっては因縁深い存在だ。

(俺を狙う冒険者がグンマーに乗り込んだ? いや、わざわざ好き好んで俺に挑む奴なんてこいつぐらいだ。グンマー人を殺す必要もないはずだが……)

「……いや、ヒソカ以上にすごい奴が死んでいたな。野田総理って……主催者だろ?」
「そうだな。間違いなく、あのいけすかねえ主催者の名前だ。誰かが、倒したってことか?なんのために首相官邸にまで来たんだか……」

レオリオ達は、ちらりと前を見る。
そこに建っているのは、まごうことなき首相官邸。野田総理の居城である。

「……いえ、無駄ではなかったようですわ」
「あ、あれは……!?」


「「「ザッケンナコラー!ザッケンナコラー!ザッケンナコラー!」 」」


そんな官邸の入り口から、傍の茂みから、ドスの効いた声のヤクザの群れが一斉に躍り出てきた。
それぞれが銃を持ち、叫びながら向かってくる。
明らかに、近づくものを排除しようとする意思を持って。

「総理が死んだのに、まだこの場所を守ろうとするってことは……」
「やっぱりなんかここには秘密があるってことか。かなり数は多いが、いまさらヤクザ程度にびびりはしねえよ!」

「「「ザッケンナコラー!ザッケンナコラー!ザッケンナコラー!」 」」

その数、およそ30。

337楽園への導き手:2014/02/10(月) 23:56:57 ID:MI9ax9r60
「……なあ、トレーナー様よ?」
「なんですか?」
「俺の封印主も、そいつらと一緒にいた竜も死んだ。蟲から脱皮して、俺は自由の身、どこにでも行けた。……ポケモンになってなけりゃな」
「怖いのですか?ならばせめてボールの中に避難してください。大丈夫、私も護身術は習っていますので、ヤクザ程度なら問題はありませんわ」
「おいおい、何勘違いしてんだ?自由の身の俺の飼い主ってことは、今やあんたこそが、俺の唯一の主人ってことなんだぜ?」
「!!」
「さあ、遠慮せずに命じな。今の俺に出来ることは、せいぜいあんたの敵を死後の楽園に導くことぐらいだからなぁ!」

「……神樹! カ ギ ヅ メ ギ ロ チ ン !」

「ひゃっはぁ!死に失せろクローン生物どもぉ!」






「あ、あ、あぁ……」

新城直衛は椅子から転げ落ち、震えていた。
モニターに映し出された光景……いや、真上から聞こえる轟音のせいだ。
野田総理が死んでなお、彼は首相官邸の警備を任され続けていた。
侵入者は即刻排除しなくてはならない。ならないのだが……

「う、恨むぞ、うぐいす……!君が裏切らなければ、僕はこんな……!」

モニターに映し出されたのは、首相官邸前まで訪れた対主催の一団。
そんな彼らの先頭にそびえ立つのは、全身を把握できない程の巨大な怪物だった。
怪物が左右の鉤爪を勢いよく振るった瞬間。

全てのクローンヤクザの命と、首相官邸そのものが刈り取られた。

幸いにも作業のために地下に移動していたため命こそ無事だが、地上の表の首相官邸は壊滅状態。地下への道を守る罠も全て潰されただろう。
次の攻撃は、確実にこの地下まで届く。
侵入するしない以前の問題だ。こんな無茶苦茶なことをする相手からも、ここを守り続けなければならないのか?

(もう、野田総理も死んだというのに……!?だが、主催を裏切れば……)

傍らの千早も、動物の本能からか震えていた。

(自分が仮面ライダーになったところで、せいぜい連中の誰かを殺せる程度。あの化物には勝てるわけがない……!)

直衛は知る由もないが、先ほど振るわれた鉤爪は勇気を嘲笑うもの。敵対者の勇気を根こそぎ摘み取るといわれる鉤爪。
彼が自分の意思とは関係なく震えてしまっても、仕方がないことなのだ。

(蓮乃姉さん……!)

決断の時が迫る。


【一日目・21時15分/首相官邸・地下情報室】

【新城直衛@皇国の守護者】
【状態】健康、恐怖
【装備】タイガのデッキ@仮面ライダー龍騎
【道具】支給品一式、千早@皇国の守護者
【思考】
基本:義理の姉(蓮乃)のために特務機関員として任務を全うする……?
1:なんとか主催から裏切り扱いされずに、首相官邸から逃げたい
2:ここを守り続けることへの疑問
※特務機関員です
※クローンヤクザは全員殺害されましたが、キルスコアには影響ありません
※首相官邸(地上部分)が壊滅的な被害を受けました

338楽園への導き手:2014/02/10(月) 23:57:44 ID:MI9ax9r60
【一日目・21時15分/首相官邸前】

【高町なのは@魔法少女リリカルなのは】
【状態】健康、19歳の身体、深い悲しみ
【装備】レイジングハート@魔法少女リリカルなのは、千年タウク@遊戯王
【道具】基本支給品一式、タイムふろしき@ドラえもん
【思考】基本:大災害による世界滅亡を防ぐ
1: ヴィヴィオ……
※千年タウクの効果によって、高町ヴィヴィオの存在と日本に世界を襲った大災害が起こる未来を知っています。
※タイムふろしきを使ったので、19歳の肉体に成長しました。
※未来の自分が使っていた技の一部が使用可能です。
※近くにボンテージ衣装が放置されています

【ユーノ・スクライア@魔法少女リリカルなのは】
【状態】健康、19歳の身体
【装備】なし
【道具】基本支給品一式
【思考】基本:大災害による世界滅亡を防ぐ
0:仲間と共に首相官邸に突撃
1:なのはを護る
2:大災害の情報を集める
3:野田総理の死の原因を探りたい
※タイムふろしきを使ったので、19歳の肉体に成長しました。
※PSP版の技が使えます。

【ハス太@這いよれ!ニャル子さん】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式、ガソリンの入った一斗缶
【思考】基本:大災害による世界滅亡を防ぐ
1:ニャル子ちゃんたちは大丈夫かな
2:次の戦闘は神樹より先に敵を倒したい

【桑原和真@幽遊白書】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式
【思考】基本:大災害による世界滅亡を防ぐ
1:怒鳴りつけた借りを返す為にも、ハス太を護る

【レオリオ・パラディナイト@HUNTER×HUNTER】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式
【思考】基本:大災害による世界滅亡を防ぐ
1:主催と大災害に関係があるのだろうか?
※ゴンの死に気づいていません

【エリカ@ポケットモンスター】
【状態】健康 、歪みし豊穣の神樹のトレーナー
【装備】モジャンボ、キノガッサ、他不明
【道具】基本支給品一式、モンスターボール×3
【思考】基本:大災害による世界滅亡を防ぐ
1:ポケモンと一緒に生き残る
2:珍しい植物タイプはゲットしておく

【歪みし豊穣の神樹@世界樹の迷宮4】
【状態】健康、エリカのポケモン
【装備】なし
【道具】支給品一式
【思考】基本:大災害による世界滅亡を防ぐ
1:エリカに従う
2:エリカの敵を楽園(死)に導く
3:グンマーの民の死に疑問

339もうゆっくりするような時間じゃない:2014/02/11(火) 02:02:24 ID:pNsg.tEY0
「これマジ?知り合い死にすぎでしょ(棒読み)」

第3回放送直後、それを聞いた女性(?)が呟く。感情が全くこもってなさそうな棒読み口調で。
見た目も何だかヘンテコで普通の身体に対して頭が何だかデカくその表情はまるで常時人を煽っているような表情であった。
彼女?の名前はゆっくり。これでもVOCALOIDの一人である。余談だがゆっくりは饅頭のような顔が本体で首より下は義体なのだ。
彼女?は仕事のたびにコスプレ(というかカツラ)を変えてくるのだが今はどこぞの幻想郷の巫女のようなカツラをしていた。
一応VOCALOIDの一員?ではあるがゆっくりがアイドル活動することはない。
何故ならゆっくりは歌が絶望的に下手というボカロとして致命的な欠点があった。(顔がウザイという欠点もある)
もはや「音程が来い」「棒歌ロイド」というレベルでありハクが可愛く見えてくるレベルなのだ。
かと言ってゆっくりに仕事がないわけではなく、仕事はかなりあったりする。
他のVOCALOIDの歌った曲を音程を外して歌い笑いを取ったり、替え歌歌ったり、漫才したり、ナレーションをしたり、司会をしたり、最翻訳をしたり。
彼女?はバラエティ方面において大活躍をしているのだ。
他にも
『重火器握って戦場に行って来い』
『敵軍基地に侵入してばれない様に敵兵を全部拿捕して来い』
『数十人くらいの村に行って人狼を殲滅して来い』
『邪神を蘇らせようとする狂信者の野望を阻止しろ』
『街に大量発生したゾンビを皆殺しにして来い』
『屍が蠢く村を何とかして来い』
『お化けが出るという噂の館に行って来い』
『何かしら条件を縛って魔王を討伐して来い』
『今日中にダンジョン全クリして来い』
『全裸で強力なモンスターを討伐して来い』
etc、etc……
といった命がけの無茶振りを実況しつつ四苦八苦しつつこなしてきた。
いまやゆっくりは他のボカロ達とは違うベクトルで有名なのだ。

「アイエエエエエ…後知り合い生き残ってんのってがくぽとかMEIKOおばさんくらいしかいないんじゃないかなぁ…。おぉこわいこわい」

彼女らとは血縁関係はなくただの仕事仲間なのだが彼女らがこれまでに大量に死んだことにゆっくりは困惑していた。
ちなみにMEIKOをおばさん呼ばわりしているが流石に本人の前ではNGである。おお、こわいこわい。
と、そんなゆっくりが今何をしているのかというと…たったいまプラスチック爆弾の大量製作を終えたとこだった。
材料さえあれば素人でも手軽に作れるうえに余程の衝撃でないと爆発しない程度の安全性があるのだ。
材料はほぼ全てのものが置いてある万能なホームセンターで取り揃えたのである。
ゆっくりは作り終えたプラスチック爆弾×50を車の後部座席に詰め込んでいく。
言っておくとゆっくりは上述したような困難を乗り越えてきたゆっくりである。
重火器での銃撃戦も出来るし、剣を使った白兵戦、クトゥルフTRPGにおいて万能なマーシャルアーツ、常識に囚われない発想、人外めいたメンタル性を兼ね備えている。
だから爆弾製作中にマーダーに襲われたとしても……。

「ヒャッハー!死ねぇぇぇぇ!!」
「イヤ〜〜(棒読み)」
「グワーーッ!!」
【モヒカン男@北斗の拳 死亡確認】

…という風に素手でもゆっくりのマーシャルアーツによる返り討ちが可能である。
殺し合いを生き残こることもできなくもないスペックを持っているがゆっくりが選んだのは彼女曰く王道を征く対主催。
やるからには最終的にハッピーエンドが彼女の信念だったりするのだ。
そんな彼女が今標的に選んでいるのは……都庁軍であった。
現在東京都でかーなーりHOTなのが都庁軍とDMC狂信者の東京都二大勢力であるのはもはや有名。
ゆっくりの数々の激戦を潜り抜けた感が囁いたのだ。都庁軍を攻略すれば何かフラグが立つぞと。
そのためにプラスチック爆弾を大量生産したり武器や重火器をあらゆる手段で手に入れたりしていたのだ。
だがゆっくりはまだ足りないと思っていた。

「もしかしたら敵に物理攻撃が効かないのがいるかもしれないね、仕方ないね。
 魔力のないゆっくりでも魔法攻撃が使えるようになる奴とかないかなぁ。
 できれば仲間もほしいんだよなぁ…ゆっくりしてる場合じゃねぇ!!!」

物理が効かない敵に対する対抗手段にいざという時の仲間。
もちろんなんでもありの都合上魔物と同じ土俵に立つ必要はないのだが、都庁を攻略するためにあるにこしたことはない。
一日目も後数時間で終わってしまうのだ。急がなければ。そう思ったゆっくりはもはや火薬庫と化した軍用トラックに乗り込み発進させた。

340混沌な名無しさん:2014/02/11(火) 02:03:58 ID:pNsg.tEY0
【一日目・21時/日本・茨城県】

【ゆっくり@SofTalk】
【状態】健康
【装備】霊夢のカツラ、爆砕の太刀@MH4、サブマシンガン、ロケットランチャー、義体
【道具】支給品一式、工具セット、ノートPC、プラスチック爆弾×50、軍用トラック
【 思考】
基本:主催者を倒す
0:ゆっくりしてる場合じゃねぇ!!!
1:都庁軍を滅して何かしらのフラグを立てる
2:仲間と魔法攻撃の手段がほしい

341心折れて……:2014/02/11(火) 14:48:46 ID:GuzC0MnEO
神威がくぽは、支給品のレバ剣で切腹した。
ボカロ勢の相次ぐ死に耐えきれず、精神的疲労が限界にまで達していたのだ。
カオスロワが始まる前の楽しかった頃を思い返しながら、彼は死んだ。

【一日目・21時10分/日本・石川県】

【神威がくぽ@VOCALOID 死亡確認】

342殺し合いはまだまだ続く:2014/02/11(火) 22:54:38 ID:EnuHyVWM0
 ニックの操縦するオートバジンで駆け巡り、どうにか支給品を配りきった鴻上光生。
彼は今、ケーキを食べながら一休みし……そのまま見えない打撃の雨に襲われて死んだ。

「総理が死んでも殺し合いが終わってないって事は、もっと人を減らさないと生き残れないってことよねえ」
「お、お前がやったのか!?」
「そうよ、お兄ちゃん達と一緒に生きる為に殺し合いが終わるまで殺し続けるの」

 ニックは、鴻上を殺したのが目の前にいるジャイ子だという事に気づく。
ジャイ子は、スタンドとなった兄達をうっとりと眺めながら、彼等にニックを攻撃させようとして……

『It's time for special buster!』

 強烈なビームに頭を消し飛ばされた。

「その攻撃……ヒロム!良かった……無事だったんだな」
「ニック!」

 ジャイ子を攻撃してニックを護ったのはバイクモードの照井竜が変身する仮面ライダーアクセルに乗ったレッドバスターこと桜田ヒロムだった。
彼等は、ゴルゴ13を倒してから第三回放送までの間を、休憩と照井の支給品の包帯を使った怪我の治療に専念していた。
そして、放送が終わったタイミングで行動を開始し、ジャイ子に襲われるニックに出会ったというわけだ。
しかし、再会を喜ぶ時間はそれまでだった。

「お、お兄ちゃんが一人……殺す、3人共皆殺しにしてやる!!」
「頭を失っても再生した!?」
「脳を破壊されても再生できるだと……!?」

 頭を消し飛ばされたジャイ子が新テレビ版のジャイアンの犠牲により復活したのだから。

343合流、そして……:2014/02/11(火) 22:56:47 ID:EnuHyVWM0
 ニックの操縦するオートバジンで駆け巡り、どうにか支給品を配りきった鴻上光生。
彼は今、ケーキを食べながら一休みし……そのまま見えない打撃の雨に襲われて死んだ。

「総理が死んでも殺し合いが終わってないって事は、もっと人を減らさないと生き残れないってことよねえ」
「お、お前がやったのか!?」
「そうよ、お兄ちゃん達と一緒に生きる為に殺し合いが終わるまで殺し続けるの」

 ニックは、鴻上を殺したのが目の前にいるジャイ子だという事に気づく。
ジャイ子は、スタンドとなった兄達をうっとりと眺めながら、彼等にニックを攻撃させようとして……

『It's time for special buster!』

 強烈なビームに頭を消し飛ばされた。

「その攻撃……ヒロム!良かった……無事だったんだな」
「ニック!」

 ジャイ子を攻撃してニックを護ったのはバイクモードの照井竜が変身する仮面ライダーアクセルに乗ったレッドバスターこと桜田ヒロムだった。
彼等は、ゴルゴ13を倒してから第三回放送までの間を、休憩と照井の支給品の包帯を使った怪我の治療に専念していた。
そして、放送が終わったタイミングで行動を開始し、ジャイ子に襲われるニックに出会ったというわけだ。
しかし、再会を喜ぶ時間はそれまでだった。

「お、お兄ちゃんが一人……殺す、3人共皆殺しにしてやる!!」
「頭を失っても再生した!?」
「脳を破壊されても再生できるだと……!?」

 頭を消し飛ばされたジャイ子が新テレビ版のジャイアンの犠牲により復活したのだから。

344合流、そして……:2014/02/11(火) 22:57:33 ID:EnuHyVWM0
【一日目・20時20分/日本・埼玉県】

【桜田ヒロム@特命戦隊ゴーバスターズ】
【状態】ダメージ(小)、変身中、身体のあちこちに包帯
【装備】モーフィンブレス@特命戦隊ゴーバスターズ、イチガンバスター@特命戦隊ゴーバスターズ、ソウガンブレード@特命戦隊ゴーバスターズ、サングラス
【道具】支給品一式
【思考】基本:殺し合いを止める
1:ジャイ子を倒す
※戦闘中だったため第一回・第二回放送を全く聞けていません。
※イチガンバスターとソウガンブレードは変身した際に基地から転送しました。
※オートバジンをニックの支給品だと誤認しています。

【照井竜@仮面ライダーW】
【状態】ダメージ(小)、変身中、身体のあちこちに包帯
【装備】アクセルドライバー@仮面ライダーW
【道具】支給品一式
【思考】基本:殺し合いを止める
1:ジャイ子を倒す
2:俺に質問をするな……
※戦闘中だったため第一回・第二回放送を全く聞けていません。
※不明支給品は包帯でしたが、使い切りました。
※オートバジンをニックの支給品だと誤認しています。

【チダ・ニック@特命戦隊ゴーバスターズ】
【状態】損傷無し
【装備】カーナビック@激走戦隊カーレンジャー
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】基本:殺し合いを止める
1:ジャイ子を倒す
2:乾巧を警戒する

【オートバジン@仮面ライダー555】
【状態】損傷無し、バイクモード
【装備】なし
【道具】支給品一式、ファイズブラスター(乾巧)、その他不明
【思考】基本:殺し合いを止める
1:たっくん(乾巧)との合流

【乾巧@仮面ライダー555】
【状態】FFR状態(ファイズブラスター)
【装備】ファイズギア@仮面ライダー555
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】基本:殺し合いを止める
1:元に戻れない……!
2:というか、誰か気付け!
3:草加……
※オートバジンのデイバックの中にいます。
※支給品なので首輪はありません。

【剛田ジャイ子@ドラえもん】
【状態】覚醒、狂気、激昂
【装備】スタンド『ジャイアン×3』
【道具】支給品一式
【思考】基本:他の参加者を殺して生き残る
1:お兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱい
  お兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱい
  お兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱい
  お兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱい
  お兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱい
  お兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱい
  お兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱい
2:殺される前に全員殺す
3:消えたジャイアンのスタンドの仇を討つ
※オートバジンをニックの支給品だと誤認しています。

【鴻上光生@仮面ライダーオーズ 死亡確認】

345迷惑者達の戦い、決着:2014/02/11(火) 23:30:51 ID:ghlwemtk0
「ふはは、喰らうがいい! 邪王焔殺黒闇破!」
「ちぃ、ダブルフレミングバスター!」

邪気眼使いとジョン・フレミングの死闘は実に一時間以上に及んでいた。
放送が流れても、お互いの手が休まることはなかった。

意味不明な言動に反して、邪気眼使いはフレミングが戦った相手の中では間違いなく最強であった。
ルシファーブレードの切れ味もさることながら、右腕から放たれる黒焔の威力も凄まじいのだ。

(これが、邪気眼とやらの力だというのか……!?)

電撃を自身の体に流すことで、フレミングは己の肉体を限界まで活性化させて攻撃をかわし続ける。
しかし必殺のダブルフレミングバスターは、ルシファーブレードに弾かれてしまう。
決定打がない以上、フレミングは逃げ続けるしかない。
だがそれもいつまでも続かないだろう。邪気眼使いの方が若く、体力もあるのだから。

「いつまで持つかな! 闇の炎の慈愛の抱擁を受け入れた方が楽になれるぞ!」

優勢である邪気眼使いは、笑いながら魔剣を振るう。
そもそも何故、彼はこれほど強大な力を得たのか?
邪気眼が覚醒したから、そういえば済む話だが、そもそも覚醒には理由がある。

そう、ナノマシン入りの飲料水である。

彼もまた、フレミングと同じように水を飲み、テラカオス化が進行していたのだ。
フレミングが電撃能力に覚醒したように、邪気眼使いは本当に邪気眼に覚醒。
つまりこの戦いは、テラカオス予備軍達の戦いだったのである。
戦闘能力の差は、進行度合の差だ。

(こ、こんな奴に私は負けるのか……!?)

フレミングは、知らず歯軋りをする。

(こんな……答えられないどころかバルギスの定理などと抜かす大馬鹿者に……!?)

(あってはならない……この素晴らしい私の法則を、全人類は知らねばならない……! それを確かめるまでは……死ねぬ!)

(それも相手が……ゆとり教育の糞餓鬼なら、尚更のことっ!)

「うおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉ! 雷よ、雷よ! 我が叫びを聞け雷よっ!」
「ぐあっ!?」

フレミングの中で、何かが切れた。
その瞬間、天からの雷が、邪気眼使いの体を撃った。

「くっ……! この俺に一撃を与えるとは、だが……!」

テラカオス化が進み、邪気で体を防護していた邪気眼使い相手に雷一発では致命傷にはならない。
しかし駆け巡る電流は、確実に邪気眼使いの動きを鈍らせる。

「今だ、食らうがいい! ダブルフレミング……!」

フレミングには、その僅かな隙で十分だった。
両手を自身の産み出した法則の形に変え、叫ぶ。

「馬鹿め、何度も同じ技を繰り出すとは。その技はすでに見切っ
「……ブラインディングッ!」
「!?」

346迷惑者達の戦い、決着:2014/02/11(火) 23:31:41 ID:ghlwemtk0
放たれたのは、電撃ではない。両手からは何も放たれなかった。
あえて放たれたと表現するならば……それはフレミングそのものだった。
電気強化により素早さが上がったフレミングの、渾身の体当たり。
そして突き出す両手はフレミングの両手の法則。
その中でも一番突き出ているのは……人差し指。

「ぐ、ぎゃあああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

そしてフレミングの人差し指は、的確に邪気眼使いの両目を穿った。
ジョン・フレミング。人生で一番力を込めた目潰しである。

「ふん、眼の力に頼りすぎたな。眼の無くなった貴様など、ただの子供よ!
 今度こそ死ねぇい! ダブルフレミングバスターッ!」

そしてその姿勢のまま、フレミングは今度こそ必殺の一撃を放った。
邪気眼を潰され、防護が弱まった邪気眼使いに、脳へ直接ぶちこまれる電撃を防ぐ手段は残されていなかった。

【邪気眼使い@邪気眼ネタ】 死亡確認

「はぁ……はぁ……これでわかったか……私の法則は、素晴らしいものなのだ……!」

戦利品としてルシファーブレードを回収し、フレミングはまた彷徨い始めた。
いつか、両手の法則を答えてくれる参加者が現れることを願って……



【一日目・21時10分/栃木県】

【ジョン・フレミング@現実?】
【状態】テラカオス化進行中、電撃能力会得、ダメージ(小)疲労(中)
【装備】魔剣ルシファーブレード@作者の妄想
【道具】支給品一式
【思考】
基本:フレミングの左手と右手の法則をきちんと知らん奴を皆殺し
0:次の参加者を探す
1:子供の参加者を優先して質問を投げかける
2:答えられなかったら当然始末する
3:野田総理は法則を知っていたんだろうか……?
※テラカオス化進行により、両手から電撃を放てるようになりました
※感情が昂ぶると、両手を使わずとも相手に落雷を落とせるようになりました

347もはや災害ってレベルじゃねーぞ:2014/02/12(水) 01:28:21 ID:FUN3NHmA0
日本、青森、恐山、そこには東北地方全域に冷気を広げた存在オーバーデビルがいる
青森にいるものはもはや生きているかは怪しいしかし生きているものもいるかもしれない
だが、いまはオーバーデビルが恐山から動かないためか雪が降る程度で済んでいる

「まったく災害以上のことになっているなあ」

ロックオン・ストラトスはガンダムサバーニャのコックピットからそのように言った
いまロックオンがいる場所は青森の隣秋田県である
秋田は青森の隣にあるためすぐにオーバーデビルの影響が出た
とはいえ今はまだ雪と強い風が吹くだけで収まってはいるがオーバーデビルが動き出したら何が起こるかはわからない

ロックオンがここに来た理由はごく単純、この東北地方を襲った異常気象の調査のために来たのだ
なにものかがやったのかと悪用しているのなら倒すと思って秋田までに来て青森県境までは行ったものの強烈な吹雪が起こっており地上からは行こうとすれば行けるが強烈な吹雪に妨害され
空中から入ろうと思えば空中でも強烈な吹雪に妨害される

(いままでのミッションの比じゃねえぞ)

心の中でそのようにそのように思いながらもどうやって青森に侵入しようか考える

【一日目・21時14分/日本・秋田県】

【ロックオン・ストラトス@機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer-】
【状態】健康
【装備】ガンダムサバーニャ@機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer- ハロ×2@ガンダムOO
【道具】支給品一式 ドラグノフ狙撃銃@現実
【思考】 基本:殺し合いを止める
1:どうやって青森まで行くか

348焦りは禁物:2014/02/12(水) 10:07:42 ID:kwRq2bMQO
ゆっくりは一つ致命的なミスを犯していた。
彼女は徒歩ではなく軍用トラックで移動していた為、周囲の気配を探れなくなっていた。
だから、彼女の運転する軍用トラックは死角から現れたDMC狂信者の妖に斬られ、積み荷のプラスチック爆弾が爆発して彼女は死んだ。
たった一つの判断ミス、それが彼女の死因だった。

【一日目・21時15分/日本・茨城県】

【火黒@結界師】
【状態】健康
【装備】人皮(旧型)@結界師
【道具】支給品一式
【思考】
1:SATSUGAI
2:ビッグサイトへ向かい、仲間と合流する

【ゆっくり@SofTalk 死亡確認】

349汝は大尉なりや? part1:2014/02/13(木) 01:31:24 ID:S8y7xMVw0
オッス、オラ大尉!人狼です。
人前では無口キャラで通してきましたが、俺だって普通に喋る時あります。HELLSINGのカバー裏だって喋ってる時あるし。
どうやら今回俺中心の話みたいだし普段無口な分地の分でたくさん喋ってやりますか。
キャラが二転三転するかもだけどよろしく。
ちなみに俺は今主催者側でジョーカーをやってるんですよ。
でも完全に無差別なわけじゃなく、幹部に指定された参加者を殺してる…って感じです。
余計なことはしません。プロですから(キリッ
え?さっき名古屋でテラカスをズガンした件はどうなんだって?
んー…だって俺見ちまったんだよねテラカスのオナ○ー。
普通人前でオ○ニー見られるとか死ぬほど恥ずかしいよね?だからせめて楽に死なせてやろうと思って…。
よかれと思ってやったことなんですよ。コレデヨイ…

前置きはこれくらいにして愚痴いきますかね。
俺は元々熱斗組の抹殺を任せられてたわけなんですよ。拳王組と合流したから今はフリーなんだけど。
でもいつか奴らと戦うことになるよね?あいつら対主催だし。
多分俺も駆り出される事になるよね?あいつらとの戦いに。
いや〜勝てる気しねえわ(笑)
確かに俺は元々人狼としての戦闘能力があるし、霧に変身できるし、ナビとシンクロできるけれどもそれでも勝てる気がしねーんだよ。
せいぜいジョジョとニート女を殺せるレベルだわな。
元々やりたい放題でやばい奴らなのに拳王グループと合流してさ、合流させた奴何考えてんだよ!!
もうあいつら全員首輪爆破してさ、終わりでいいんじゃない?
元々はあいつら俺とハザマさん(故)が殺れって話だったよね…ブラック企業乙だよ。
まぁ、あんま愚痴愚痴言ったってしょうがないか、これからどうすべきか考えなきゃ。
………………………
生まれ変わったらどうするか考えておくか^^
俺は…そうだな、来世だったら学校の先生兼殺人鬼になってキャスターと契約した後キャスターと結婚したい。
キャスターって言っても四次じゃねぇぞ?あんな虐待おじさんと契約してたまるかってんだヨ。
そういや、セイバーは俺の嫁とか言ってた少佐達はどうしてるかな。大隊に戻りてえ…グスン。

「敵と戦う前にそんな情けない考え恥ずかしくないの?ジョーカーの屑がこの野郎…」

うるせーよ野獣。ちなみにこいつはビーストマン。
なんやかんやで俺のナビになりました。
どういう経緯でかは追跡表見て来い…カオスロワにそんなモンねぇか。
つかたびたび淫○語録喋ってきて正直うぜえ、俺ホモネタ嫌いなんだよね。
ったく…なんでこんな野獣なんかと。

「大尉はネットバトル始めたばっかなんだからさ。とにかくネットバトルをして経験値溜めないとイカンでしょ」

確かにこいつの言うことには一理あるわ。エグゼに経験値なんてシステムはないと思うが。
経験積んでチップ集めてセオリー覚えて戦術考えて…ってわけだな。熱斗もそうして強くなったんだろう。
でもネットバトラーなんてすぐに見つかるもんかな…?

「ていうかこのへんにぃ、ネットバトラー来てるらしいっすよ」

うぉ、マジかよ。つーかそういう機能付いてんだ。

「そりゃ今時エリアサーチが付いてないわけないでしょ。これで近くにPET持った奴がいるかどうか分かるんすよ」

へぇ〜…そうなのか。と、俺はあたりを見渡してみたが…いた。
何かこんな時期で半袖半ズボンのおじさん…どうみてもあの有名な松岡修造だ。いつも思うけど寒くないのかな。
持ってるのはテニスラケットと…あぁあったPETだ。
とりあえず話しかけてネットバトルをしてもらおう。そして俺の経験値になれや!

「ネットバトルか?いいぜ!!お互い熱い血燃やしていこうよ!!行くぜヒートマン!!」
「もっと熱くなれよ!!!」

うわっニコ動でしか見たことないけど暑苦しい奴だな。気のせいか周りの温度が超上がった気がするわ。
持ってるナビも…うん、いかにもそんな感じだね。
どうやらネットバトルしてくれるみたいだ…じゃあ俺もビーストマン、トランスミッション!

350汝は大尉なりや? part1:2014/02/13(木) 01:33:58 ID:S8y7xMVw0
「俺の勝ちだッッ!!!」

俺の負けだ。強すぎる…戦闘描写すらないとはな。クソッまさかこんなにも手も足も出ないなんて。
ちなみに俺がボロボロになってるのはネットバトル魔法のせいです。
まぁ人狼の力ですぐに健康になると思うけどね。
あ〜なんてザマだ。こんなんじゃあいつらを倒すなんて無理だわ。
俺もう諦めた。修造さん、さっさと俺を殺……

「諦めんなよ…諦めんなお前!!」

え?

「どうしてそこでやめるんだそこで!もう少し頑張ってみろよ!」

いやもう無理だってば。アカンわ大尉、折れとる…心が。

「ダメダメダメダメ諦めたら。周りの事思えよ、応援してくれる人達の事思ってみろって!!」

周り?応援してくれる人…あぁそうだ。俺には幽香さんが……
そして俺はゆうかりんとの主催側での思い出を思い浮かべた。
そう、あれはゆうかりんと出会ったときのこと…

〜人狼回想中

幽「ワンワン鳴いてみなさいよ」
俺「ワン、ワン」
この後滅茶苦茶虐められた

〜回想終了

そうだあんな感じだった。あれはかなり興奮した。

「汚い思い出だなぁ」

うるせーよ野獣マン。とにかくだ、俺を信頼してくれる人がいるんだ。
危ないとこだった、危うく俺は間違いを犯すとこだったよ。
その人のためにも俺は強くなりてえ…理不尽クラスに。
修造さん…どうか俺をもっと強くしてください!!お願いします!!

「世間はさぁ…冷てぇよな…みんな君の想いが…感じてくれねぇんだよ!
 でも大丈夫!わかってくれる人はいる!そう!俺について来い!! 」

俺の熱意が伝わってくれたみたいだ。
こうして俺は修造さんにいろいろと鍛えてもらうことになってもらったのだった。

「鬱状態から第三者から叱咤されて己の使命のために立ち上がる…まるで王道を行く展開ですね」

そうだね、俺が主催側じゃなかったらね。

【一日目・21時30分/日本・名古屋】

【大尉@HELLSING】
【状態】健康、熱血
【装備】PET(ビーストマン入り)、シンクロチップ@アニメ版ロックマンエグゼシリーズ
【道具】支給品一式×5、モーゼルM712@HELLSING、14年式コスモガン@宇宙戦艦ヤマト2199、エアーガン@科学忍者隊ガッチャマン
【思考】基本:五大幹部の命令に従う、松岡修造に鍛えてもらう
1:俺、熱くなるよ…
2:とりあえず、ジョーカー参加者として動く
3:ネットバトルを究めていつの日か熱斗を倒す!!
4:地の文じゃない時は無口キャラを演じる
※ネットバトル魔法のダメージは人狼としての力と熱血補正でダメージが完治しました。

【ビーストマン@ロックマンエグゼ3】
【状態】HP満タン
【装備】なし
【道具】なし
【思考】基本:PET所有者である大尉に従う
1:主催の一員として動く
※PETの中にいます

【松岡修造@現実】
【状態】熱血
【装備】PET(ヒートマン入り)、シンクロチップ@アニメ版ロックマンエグゼシリーズ、テニスラケット&ボール
【道具】支給品一式
【思考】基本:熱くなる
1:大尉を鍛えて熱くする

【ヒートマン@ロックマンエグゼ2】
【状態】HP満タン
【装備】なし
【道具】なし
【思考】基本:修造と共に熱くなる
※PETの中にいます

351ズカンされた名無し:2014/02/14(金) 11:48:57 ID:Df85.Pr.0
22時になりました。禁止エリア発動のお時間です。
という訳で、中国地方から脱出し損ねた参加者の首輪が爆発した。

【一日目・22時00分/日本・中国地方】

【サシャ・ブラウス@進撃の巨人 死亡確認】
【沙耶@沙耶の唄 死亡確認】
【もょもと@ドラゴンクエスト2 死亡確認】
【KBTIT@真夏の夜の淫夢 死亡確認】

352NoName1:2014/02/14(金) 21:25:46 ID:2LHNDp4U0
「こんにちは。私は町田市長だ」

「おや…空飛ぶ人がいるぞ」

---

「あなたの命を、ゲット」

町田市長は死んだ。

なぜ死んだのだろうか。
理由は空を飛んでいる キンタロー。 にあった。
キンタロー。 は前田敦子ポジを乗っ取りたかった。
そこにロワ開催。絶好のチャンス。
キンタロー。 は開始直後から水を飲んだため、テラカオス化が進行し、フライング と相手の何かを奪える ゲット を獲得したのだ。

【一日目・22時00分/東京都・町田市】

【キンタロー。@松竹芸能】
【状態】通常
【装備】なし
【道具】支給品一式
【思考】
基本:前田敦子を殺し、ポジションを乗っ取る
1:北上する

【町田市長@町田市 死亡確認】

353青森は東京とは別の意味で危険地帯になってました:2014/02/15(土) 21:08:44 ID:/OdTQUh20
 冷気の嵐が吹き荒れる極寒の大地と化した青森県をフリーザーが飛んでいた。
彼?は、オーバーデビルによって異常なまでに気温が低下した青森県からの脱出を試みていたのだ。
しかし、吹雪による視界不良と風の強さのせいで思うように進まないどころか何処を飛んでいるのかさえ分からなくなっていた。
そして、冷気はフリーザーの体力を徐々に奪っていた。

「畜生、こんな時にファイアーが居れば……」

 見殺しに近い事をやっておきながら今になってファイアーの事を思い返すフリーザー。
図々しい思考ではあるが、確かにファイアーがいたならば炎で吹雪を溶かして視界を確保したり暖房代わりになったりと大活躍していただろう。
それどころか、青森県からの脱出だって出来ていたかもしれない。

「あれ、何かが落ちて……また凍死体かよ……」

 フリーザーが見つけたのは、防寒着を着た二人組の死体だった。
ちゃんとした防寒着を着ている事から東北地方の寒冷化を調査しようとしてそのまま遭難して凍え死んだと判断するフリーザー。

(こうやって後から来た奴でも死ぬんだ……ああ、俺もこうなるんだな……)

 フリーザーの心を諦めが支配する。
仲間を失い孤独となった彼にそれを振り払う事など出来るはずもなく、フリーザーは心も身体も力尽きた。

【一日目・21時45分/日本・青森県】

【ポコ@ジョジョの奇妙な冒険 死亡確認】
【火野映司@仮面ライダーオーズ 死亡確認】
【フリーザー@ポケットモンスター 死亡確認】
死因:オーバーフリーズの影響で凍死

354NoName2:2014/02/16(日) 13:21:28 ID:OVrziGCU0
キンタロー。 はSATSUGAIコールの鳴り響くビッグサイトに到来した。

そして言い放った。

「あなたたちの命を、ゲット」

モブが300人ほど死んだ。

「うぉ!?」

戦いが始まる。

【一日目・22時42分/東京都・江東区ビッグサイト】

【キンタロー。@松竹芸能】
【状態】通常
【装備】なし
【道具】支給品一式
【思考】
基本:前田敦子を殺し、ポジションを乗っ取る
1:奴らと交戦する
2:北上する


【DMC狂信者】
共通思考:クラウザーさんを蘇らせる
1:生贄のために参加者をSATSUGAI
2:ビッグサイトを活動拠点にする
3:ビッグサイトに集結
※携帯やらネットやらツイッターやらで連絡を取り合っています。

【トキ@北斗の拳】
【状態】お前のような病人がいるか
【装備】無し
【道具】支給品一式
【思考】
基本:SATSUGAIはいいぞ!
※まごうことなきトキ本人です

【比那名居天子@東方project】
【状態】健康、謙虚
【装備】グラットンソード@FF11
【道具】支給品一式
【思考】
基本:SATSUGAI

【中野梓@けいおん!】
【状態】健康
【装備】ギター
【道具】支給品一式
【思考】
基本:SATSUGAI
1:殺ってやるDEATH!

355NoName2:2014/02/16(日) 13:24:30 ID:OVrziGCU0
【モブ狂信者×10@いろいろ 死亡確認】【モブ狂信者×10@いろいろ 死亡確認】【モブ狂信者×10@いろいろ 死亡確認】
【モブ狂信者×10@いろいろ 死亡確認】【モブ狂信者×10@いろいろ 死亡確認】【モブ狂信者×10@いろいろ 死亡確認】
【モブ狂信者×10@いろいろ 死亡確認】【モブ狂信者×10@いろいろ 死亡確認】【モブ狂信者×10@いろいろ 死亡確認】
【モブ狂信者×10@いろいろ 死亡確認】【モブ狂信者×10@いろいろ 死亡確認】【モブ狂信者×10@いろいろ 死亡確認】
【モブ狂信者×10@いろいろ 死亡確認】【モブ狂信者×10@いろいろ 死亡確認】【モブ狂信者×10@いろいろ 死亡確認】
【モブ狂信者×10@いろいろ 死亡確認】【モブ狂信者×10@いろいろ 死亡確認】【モブ狂信者×10@いろいろ 死亡確認】
【モブ狂信者×10@いろいろ 死亡確認】【モブ狂信者×10@いろいろ 死亡確認】【モブ狂信者×10@いろいろ 死亡確認】
【モブ狂信者×10@いろいろ 死亡確認】【モブ狂信者×10@いろいろ 死亡確認】【モブ狂信者×10@いろいろ 死亡確認】
【モブ狂信者×10@いろいろ 死亡確認】【モブ狂信者×10@いろいろ 死亡確認】【モブ狂信者×10@いろいろ 死亡確認】
【モブ狂信者×10@いろいろ 死亡確認】【モブ狂信者×10@いろいろ 死亡確認】【モブ狂信者×10@いろいろ 死亡確認】

356四国ではたまにあることです。:2014/02/16(日) 19:24:47 ID:vvcoRctk0

「あー根岸の野郎が死んだのか……」

 定時放送を聞き、ボールを弄りながら、MEIKOおばさんは浮かない顔をする。
(アイツはあんな変な音楽じゃなくて自分のやりたい音楽をやればよかったのにね……)
 一先ず、こないだ乗っ取った根岸のツイッターアカウント(本名垢)にビフォー(根岸)アフター(クラウザー)の写真を載せてそっと消す。
 そんで、DMC信者のサイトに『根岸(クラウザーさん)は東京都庁で死んだ』と情報を流す。
 自分の勘は9割くらい当たると信じているから、そういう情報を流した。
 ちなみに家族の何人かが死んだことも0.2秒ほど悲しんだ。
 が、すぐに切り替えた。
 打たれても引き摺らないそれがエースピッチャーとしての役目だからだ。
 一方、その横で……

「ぬぅ、どういうことだ!!! 野田総理の名前が呼ばれたぞッ!!!」
「恐らく、これがカオスロワでよくあることって奴ですね」
「そうか!!」
「おい、これじゃあ野田総理に野球を挑めないぞ!!」
「では、ダース・ベイダー達残った主催共を(野球で)滅ぼす」
「いい提案だ」
「ですなぁ」
「づら」
「「「「「「『『『『「「「「「「「「それにしても四国って本当に何もないね」」」」」」』』』』」」」」」」
「あのう、皆さん……それはちょっと失礼なんじゃ……?」
「何を言っているのだよ?」
「ジョジョ、四国を舐めるなァ、この間抜けがッ!!」

 というわけで瀬戸内海の海をテニスボールで割り、過疎地・四国に着いた拳王軍とネットバトラー軍団。
 四国の大地を踏んだ瞬間に、ほぼ全員で同じ感想を漏らした。うーん、この常識外たちは。
 そんな中、ムギちゃんも知り合いが呼ばれたが、開き直ることにした。
 悲しい顔などしてる暇なんてないのだ。

「それにしても、『コーホー』ってまるでウォーズマンみたいですね」
「きっとベイダー卿も30分以上戦えないね」
「一理ある、21世紀になっても30分以上戦えないとかね」

 ついでに主催者の一人もベイダー卿をディすっとく。
 息を吸って吐くようにさりげなくディする。
 さらにウォーズマンもディする。
 そんな時であった。

「ラダム……ラダムゥゥゥッ!!!! うおおおぉぉぉぉぉッ!!!!」
「……まだこんなところに、一般人が……逃げて……」

 マイクを二、三本ほどぶっ壊しそうな声量の白い騎士が。
 ボロボロの服の女性を追っかけていた(薄い本みたいに)。

 ことの発端は放送の前、だいたい20時くらいのことである。
 艦載機を発進させ、擬似的な人海戦術を展開していた翔鶴。
 その数は通常の艦載機の3倍から100倍くらいの数である。
 明らかに無茶苦茶をやっているように見えるが……
 ナチスドイツと祐一郎さんの科学力と友情パワーを組み合わせれば超人強度1000万50パワーくらいになるのでどうにかなる。
 まあ、善戦していたそれなりに、ね。
 それを律儀にもDさんは各個撃破していたわけだが……《1ターンは1分》。
 んでもって、知っての通りDボゥイは30分以上戦うと暴走状態になってしまうのである。
 そりゃあ、現在時刻は放送終わって21時過ぎだからね、余裕で30分以上たっているよ。

 要はその白き魔人から理性はなくなり。
 ――――――、一体のバーサーカーが生まれた。

357四国ではたまにあることです。:2014/02/16(日) 19:25:19 ID:vvcoRctk0

「無差別マーダーか(棒)」
『シグナムよ、もっと本気を出して驚け』
「いや、だって今回の地の文が私じゃないから、正直なところやる気が出ない」
『……このニートは……!』
「ニートではない、フリーターだッ!」
「ハチミツ美味しいな〜」
「イチローさん……」

 シグナムやプニキたちが適当なことを言っている最中も戦いは続く。

「うおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉッ!!! ボォォォルッ……テッカァァァァァァァァァッッ!!!!!!!!!!!」

 白い騎士の装甲が開き放たれる特大の極光が翔鶴諸共拳王軍達を包み込む。
 しかし……


「ボルテッカを完全ガード!」


 櫂君のヴァンガ魔法(防御)が決まる。
 この場で完全ガードのカードを持ってるとはやっぱり櫂君は凄い(YKS)。
 This is the 櫂トシキ。
 しかし、これで分かった、前にいる白い騎士は放っておいたら四国唯一の公式戦が出来る野球場が……
 『松山坊っちゃんスタジアム』が確実に破壊されてしまう。

「ぬぅ、この危険人物めッ!!」
「マーダーはぶち殺す、慈悲はないのよ!」
「滅びよ……」

 ラオウの右腕から特大の闘気(オーラ)が飛び出し、平等院さんの右掌からよく分からないオーラが放たれる。
 それに合わせるようにMEIKOの右腕から黄金の回転が掛かった野球のボールが放たれた。
 二つのオーラと黄金の回転が加わった野球ボールは視覚的に巨大化して見えるだろう。

 それはまさに『阿修羅の神道』。 

 超巨大野球ボールはデカい上にやたら速い。
 当たったら、もう死ぬよ? 次元の壁とかをぶち壊しながら進んでいくよ。
 そして、白い魔人に超巨大(に見える)野球ボールが当たった瞬間であった。
 閃光と共に超巨大(に見える)野球ボールと白い魔人が大爆発を起こした。

「ボールとバッターが消えた?」
「この場合はルール上どうなるんだ、クロえもんさん?」
「知らねぇよ!!」
「なるほど、これが消える魔球って奴だな」
「それよりも……彼女に一体、何が……?」
「あたしが聞きます!」

 シャロが翔鶴に何があったかを聞く。
 その姿は非常に探偵っぽかった。


 ◆


 一方、その頃……。
 ダイアーさんの非常にスローな動きから繰り出される飛び蹴り。

「  稲  妻  空  烈  刃  !  」
「……がはっ!?」

 ダイアーさんの技が斬鬼の装甲をギターごと破壊した。
 首輪を解除したことにより、制限がなくなり全開になったダイアーさんは強いのだ。

「外道に名乗る名はない……だが、死ぬ前に我が名くらい教えてやろう!」
「……べ、別に、聞きたくは……」
「我が名はダイアー! 誇り高き波紋戦士だ!!」

 止めの波紋パンチが決まった!!
 こうして、ダイアーさんは勝利した。

「ふむ、みんなとはぐれてしまったな、どうするか?」

 戦いの最中、仲間とはぐれてしまったダイアーさん。
 一先ずは合流することにしたのだが……

「……なんだ、あれは?」

 そこでダイアーさんが見たものとは!

358四国ではたまにあることです。:2014/02/16(日) 19:26:01 ID:vvcoRctk0

 ◆ ◇


「なるほど、つまり……」
『翔鶴さんは僕の妹になるんだね?』」
『ロックマン、今はそんなことはどうでもいいのでは?』
「……提督の息子さんたちでしたか……」
「光祐一郎……たしか、特A級の危険人物ってことでネットに晒されてたわね」
「そんな……確かにパパは超が程の危険人物だけど……悪人じゃないよ!!」
「一理あるのだよ」
 
 熱斗は熱弁を奮う。
 確かに息子達に六度ほど世界の命運を委ねたり、アジーナの国宝を盗ませたりした。
 だが、自らすすんで殺人をするような輩ではないことを熱斗たちは知っている。

「まあ、まずは首輪解除したあとに事情を聴きましょう」
「ん? あれは……」

 走らせていた電車を急停止させる。
 そこには…………

「シュテルベン!(死ね)」
「死なねーよ!wwwwww」

 激しい削り合いが行われていた。
 多くのひみつ道具を使うアドラーえもんも割とアレだが……
 元々、化け物染みた不死性を持つデッドプールも大概である。
 首輪を外したアドラーは全開であるが、それでも決定打が足りなかった。

「お前らは殺人野球軍団wwww確かお前らにも賞金が掛かっていたぜwwww」
「ぬぅ、この拳王は普通に野球をしていただけだ!!」
「一理もない」

 多くの獲物をしたデッドプールは獲物を変更した。
 だが、それが命取りだった……死なないけど。

「ブラックホール打ち(応用編)!!!」

 クロえもんはバットをぐるぐると高速回転させる。
 自信が大好きな野球を目の前に男に馬鹿にされたのだ。
 そりゃあ切れるよ。感情があるからね。
 そのスピードはダイソン社の掃除機となんら遜色ない速度である。
 ブラックホール打ち、吸引力が変わらないただ一つの打法である。
 
 そして、デッドプールの身体がバットに当たる寸前であった!

「デューク……」

 デュークが構えを取る。

『返せない打球なら返さなければいい』という格言がある。
 つまり、『死なない相手なら殺さなければいい』のだ。

 特訓により強化されたデュークのパワーは今までの比ではない。
 元々5段階評価で7が付くパワーがさらに倍以上になったであろう。
 今のデュークはパワーだけならば恐らくは平等院さんを軽く上回っている。
 

「……『場外』ッ! ホームランッッ!!」
「んな、ありえるか!!wwwwww」


 凄まじい剛球になったテニスボールがデッドプールの身体に突き刺さる。
 そして、そのまま四国を飛び出し、禁止エリアである中国地方を飛び越え、デッドプールの身体は九州ロボに激突した。
 激突の衝撃は凄まじくかったが、デッドプールの不死の肉体は滅びず、九州ロボの左腕。
 そう、だいたい熊本県辺りに磔状態でとどまることになった。

359四国ではたまにあることです。:2014/02/16(日) 19:26:48 ID:vvcoRctk0
 
「アドラーえもんさん……提督たちは!?」
「そこだ」

 アドラーえもんが見たその先には!

「我がナチスドイツの光学迷彩技術も世界一ィィィィィ!!!
 喰らえェェェ!! 雷電!!! 紫外線照射ァァァァ!!!」
「うおっ、まぶしっ!?」
「隙を見せたな! 今だっ、サイボーグパァァンチッ!!」

 サンタナの握力の2倍のスペックを持つシュトロハイムに改造してもらった祐一郎。
 その握力はシュトロハイムの3倍! 握力×速さ=破壊力!!!!
 祐一郎さんは己の拳で雷電をホワイトベースまで吹っ飛ばした。
 その影響か、ホワイトベースはどこか損傷したのか、後退していった。

「勝ったッ! 第3部完!!」
「シグナムさん、もう少しだけ続きますよ」
  
 シグナムが適当なことを言っている最中……

「パパ!!」
「おお、熱斗か!!」

 こうして、熱斗と祐一郎さんは鬱も感動もへったくれもない形で再会した。
 そして、すぐにラオウたちは祐一郎さんに首輪を外してもらった。
 
「それで熱斗のパパさん、ここで一体何が……?」
「実はな……」

 祐一郎さんが事情を話そうとした、その時であった!

「その話、少し待ってもらおう!」
「貴方は……ダイアーさん!!!」

 そこには一人の波紋戦士が堂々と立っていた。


 ◆ ◇ ◆ 

 互いにダメージは受けている。
 決着はもうすぐ着く。
 そう、それは唐突な形で。

「月が出ているぞぉッ!!!」
「!?」
 
 バスターガンダムの一部が開き、リフレクターが展開する。
 そう、祐一郎さんはバスターガンダムにある改良を施していた。
 これが俗にいうサテライトシステム……超大技『サテライトキャノン』である。
 ガンプラのようにガンダムの改造は自由でいいのだ。 

「サテライトキャノンだッ! いっけぇぇぇぇぇぇッ!!!!!」
「……ッ! 回避を!」

 放たれたサテライトキャノン デュエルガンダムの右腕を掠った。
 しかし、その威力は絶大に強大、掠めただけで右半身を吹っ飛ばし、そのまま大阪方面にビームが飛んでいった。
 そのまま、デュエルガンダムは戦場を離脱した。

「ドラえもん、僕勝ったよ……」

 この勝利はドラえもんに捧げようと、のび太は思った。
 追撃をしようとしたがオーバーヒートしそうなこの機体状況では無理と判断した。
 そんな時に祐一郎さんご一行総数20人くらいが合流した。
 
「のび太君、無事か!!」
「えっ、ドラえもん……? いや、人違い……?」
「ロボット違いですね」

 そこにドラえもんに似た猫型ロボットがいた。
 どことなくドラえもんに似ていて、違いといえば毛と耳があり、ボディが黒いことである。
  
 そして、なんやかんやで拠点が必要になった。
 さっきのマーダー達が乗っていたホワイトベースような奴がほしいという考えに至った。

「あっ、私のデイバックの中に核ミサイルがあったのを思い出しました」
「それをベースにしよう!」
「パソコンはあるかい?」
「ノートパソコンだったら、私持ってるし」
「よし。あとは道具と機材が必要だな!」
「俺は……アドラーえもん……ひみつ道具なら俺が!」
「足りない道具は俺が!」
「力仕事なら我々が!」
「ですなぁ」
「づら」

 その後、彼らの世界一の科学力とかイメージとかオーラとか波紋とか金の力とか主催者を倒すという一丸の想いとかが結集した。
 そう、所謂一つの友情パワーである。あと足りない道具は皆が外した首輪を使った。そして、それから15分後である。

「完成したぞぉ!!」

 そこには見事な戦艦が完成していた。
 時間短縮のために高速建造材を20個も使ったの功を奏したのだ。
 
「熱斗の父よ、この戦艦の名前は何だ?」
「そうだな……幾度もの『死』線を乗り越える『国』……そうだ、戦艦『死国』とでも名付けようッ!!!」
「いいネーミングセンスだ!」

 こうして【超弩級戦艦『死国』】が爆誕した。
 なんで『死国』かって……まあいつかの『伏線回収』って奴だ。

360四国ではたまにあることです。:2014/02/16(日) 19:27:08 ID:vvcoRctk0

【一日目・22時00分/日本・香川県】

【超弩級戦艦『死国』】

【MEIKO@VOCALOID】
【状態】健康、首輪解除
【装備】アルティメットアーマー@ロックマンXシリーズ
【道具】支給品一式、ノートパソコン@現実
【思考】
基本:殺し合いに乗った者達を殺す
 1:ラオウ達に協力してもらう
※今までとは別人です。
※『黄金の回転』を習得しました

【琴吹紬@けいおん!】
【状態】精神的にぶっ飛んでる、首輪解除
【装備】超弩級戦艦『死国』、キーボード、現金1兆円ほどが入った特注ジュラルミンケース
【道具】支給品一式、たくあん@現実、その他不明
【思考】
基本:生き残ることを最優先
1:拳王とやらの配下になる
※今までとは別人に決まってんだろ!!いい加減にしろ!!
※核ミサイルは超弩級戦艦『死国』に改造されました。

【ラオウ@北斗の拳】
【状態】健康、首輪解除
【装備】炭酸水
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】
基本:ダース・ベイダ―たちを倒す
0:主催者チームを全員屠る
1:そして、拳王が新たな時代を作る
2:死兆星から使者の小娘を配下にしたぞ!
3:トキ似の男を配下にしたぞ!
4:強そうな鎧の女を配下にしたぞ!
5:謎の黒猫たちを配下にしたぞ!
6:なんかいろいろ配下にしたぞ!

【平等院鳳凰@新テニスの王子様】
【状態】健康、首輪解除
【装備】テニスラケット、テニスボール×∞、諭吉一枚
【道具】支給品一式、少年ジャンプとヤンジャン、その他不明
【思考】基本:主催者達を滅ぼす
1;マーダーも滅ぼす
2:ラオウたちと行動する
3:テニスがしたいが、野球をする

【プニキ@くまのプ○さんのホームランダービー】
【状態】健康、全ステータスMAX、首輪解除
【装備】木の棒
【道具】支給品一式、最高級ハチミツ、その他不明
【思考】基本:ムギさんからハチミツを貰うために主催者たちを野球で潰す
1;ホームランを打つ

【川崎宗則@現実?】
【状態】健康、首輪解除
【装備】バット、ボール、グラブ
【道具】支給品一式
【思考】基本:イチローを倒してでも、マリナーズに連れ戻す
1:戦力を集める

【クロえもん@ドラベース ドラえもん超野球外伝】
【状態】健康、首輪解除
【装備】バット、ボール、グラブ
【道具】支給品一式 電車ごっこロープ
【思考】基本:主催者たちに野球で挑んで勝つ!
0:矢部君の意志を継ぎ、殺し合いを打破する
1:最低でも四国アイランドリーグが出来るくらいの仲間を集める
2:イチロー選手を仲間に引き入れたい

【殿馬一人@ドカベンシリーズ】
【状態】健康、首輪解除
【装備】バット、ボール、グラブ
【道具】支給品一式、グランドピアノ@現実
【思考】基本:生き残る
1:イチローと合流したい

【デューク渡邊@新テニスの王子様】
【状態】健康、首輪解除
【装備】テニスラケット、テニスボール×∞、キャッチャー用具一式
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】基本:お頭(平等院)たちについていく
1;デュークホームランを打つ

【緑間真太郎@黒子のバスケ】
【状態】冷静、首輪解除
【装備】ハンマーブロスの無限ハンマー@マリオシリーズ
【道具】支給品一式、ホワイトボードとサインペン
【思考】
0:赤司に勝つ
1:野球をするのだよ

361四国ではたまにあることです。:2014/02/16(日) 19:27:29 ID:vvcoRctk0

【光熱斗@ロックマンエグゼ】
【状態】健康、首輪解除
【装備】自分のPET(ロックマン入り)
【道具】支給品一式×2、大山デカオ@ロックマンエグゼ、大山デカオ@ロックマンエグゼ2
    デカオ(ロックマンエグゼ3)が作ったおべんとう、チップトレーダー@ロックマンエグゼ、
    大量のガッツマンのチップとバグのかけら、ガンデルソル3(実物)ネオバリアブル(実物)
    大山デカオ@ロックマンエグゼ3(BLACK版)大山デカオ@ロックマンエグゼ5チームオブブルース、
    各種ナビカスタマイザーパーツ、大量の金、シンクロチップ、他不明
【思考】基本:主催者たちにネットバトルを挑んで勝つ!
0:パパがサイボーグになってて驚いたなぁ……
1:プリズムとフォレストボムのチップを探す
2:その為に色んな人にネットバトルを挑む
3:上条(ジョジョ)さんとディおじさんの決着をつけさせる

【ロックマン@ロックマンエグゼ】
【状態】HP満タン
【装備】ロックバスター
【道具】なし
【思考】基本;熱斗をサポートする
0:僕に妹が出来たぞォ!
1:主催者たちがネットバトルを受けてくれるか、心配。
※PETの中にいます

【シグナム@リリカルなのはシリーズ】
【状態】健康、自称フリーター、首輪解除
【装備】レヴァンティン
【道具】支給品一式、PET(カーネル入り) 、SPW財団以上の資金とか多数のレアチップ、シンクロチップ
【思考】基本:働かなくて済むように動く
1:熱斗たちについてくる
2:主催者たちは倒す
3:上条(ジョジョ)か……一理ある
※今までとは別人ですが記憶を受け継いでいます
※PSP版の技は使えませんが、念能力が使えます。

【カーネル@ロックマンエグゼ】
【状態】HP満タン
【装備】カーネルのブレード
【道具】なし
【思考】基本;ロワの破壊
1:今は(仕方ないので)シグナムに従う
※PETの中にいます

【上条当麻@とある魔術の禁書目録】
【状態】健康、不幸、首輪解除出来てない
【装備】PET(シャドーマン入り)
【道具】エスパー伊東@現実、シンクロチップ、他人のデッキ(「ぬばたま」デッキ)
【思考】
基本:


                    いいぜ ヘ(^o^)ヘ
                            |∧
                            /
                主催者たちが
             何でも思い通りに
             出来るってなら
                 /
             (^o^)/
           /( )
          / / >


      (^o^) 三
      (\\ 三
      < \ 三
..\
(/o^)
( / まずは
/く そのふざけた
   幻想(ロワ)をぶち殺す
1:なんで俺だけ……

362四国ではたまにあることです。:2014/02/16(日) 19:28:16 ID:vvcoRctk0
【シャドーマン@ロックマンエグゼ】
【状態】HP満タン
【装備】ムラマサ
【道具】なし
【思考】基本:上条に従う
1:敵は殺す、慈悲はない
※PETの中にいます

【ディオ・ブランドー@ジョジョの奇妙な冒険】
【状態】疲労、全身にダメージ、首輪解除
【装備】PSP(デューオ入り)
【道具】支給品一式×3、シンクロチップ
【思考】基本:ネットバトルとベースボールを極める
0:主催を倒すのはラオウではない、このディオだッ!
1:ジョースター家を手に入れる
2:ジョジョより優越感を得る
3:熱斗達にネットバトルを挑むのは後回しだ!
4:シンクロチップを手に入れたし、デューオとクロスフュージョンする。

【デューオ@ロックマンエグゼ4】
【状態】HP満タン
【装備】ジャスティスワン、ザ・ワールド
【道具】なし
【思考】基本;とりあえず、ディオを見守る
1:カオスロワでもそれは無理そう。
※PSPの中にいます

【櫂トシキ@カードファイト!! ヴァンガード】
【状態】ヴァンガ脳、首輪解除
【装備】自分のデッキ、やきそば
【道具】支給品一式
【思考】
1:強いファイターと戦う
2:上条達についていく

【シャーロック・シェリンフォード@探偵オペラ ミルキィホームズ】
【状態】謎ミルキィ、首輪解除
【装備】かまぼこ、自分のデッキ(「ロイヤルパラディン」デッキ)
【道具】支給品一式、テニスボール×∞
【思考】
1:櫂に着いて行く

363四国ではたまにあることです。:2014/02/16(日) 19:28:48 ID:vvcoRctk0
【光祐一郎@ロックマンエグゼ】
【状態】サイボーグ化、首輪解除、ダメージ(大)
【装備】なし
【道具】支給品一式、自作爆弾
【思考】
基本:息子たちをサポートする。
1:主催者について調べる
2:できれば九州ロボを取り戻したい
※九州ロボの制作を提案した人物がいるようです
※カオスロワちゃんねるにより、危険人物扱いのレッテルを貼られました
※砲撃によりノートPCは全壊しました

【ルドル・フォン・シュトロハイム@ジョジョの奇妙な冒険】
【状態】ダメージ(中)、首輪解除
【装備】なし
【道具】支給品一式、不明
【思考】
基本:主催共に一泡吹かせる
1:祐一郎達と行動する
2:雷電は確実に倒す

【野比のび太@ドラえもん】
【状態】健康、首輪解除、怒り、バスターガンダムに搭乗中
【装備】バスターガンダム@機動戦士ガンダムSEED、龍星座の紫龍@聖闘士星矢、
【道具】支給品一式、ボーリングの玉@現実、キン肉マンのコミックス全巻@現実
【思考】
基本:生き残る、できる限り祐一郎さんたちを手伝う
0:戦わなければ死人が出るぞぉ!!  
1:ドラえもん……
2:クロえもんってドラえもんにそっくりだな
※ミノフスキー粒子の影響で通信がしづらくなっています
※デュエルガンダムのパイロットが出来杉だと気づいてません
※バスターガンダムにはサテライトシステムが搭載されています。

【ダイアー@ジョジョの奇妙な冒険】
【状態】割と大ダメージ、首輪解除
【装備】イカ墨とパスタ@現実
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】基本:主催を倒す
1:ディオとかいう奴も倒す
2:アドラー達と行動する。
※ディオを『吸血鬼ディオ』と思っていません。
※何か見ましたが、別に物語とは関係ありません。

【アドラー@エヌアイン完全世界】
【状態】それなりに大ダメージ、首輪解除
【装備】電光機関@エヌアイン完全世界、四次元ポケット(中身入り)@ドラえもん
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】基本:ダイアー達と行動する
0:俺は……アドラー……えもん

【翔鶴@艦これ】
【状態】損傷(大)
【装備】彩雲、紫電改二、流星改、 零式艦戦62型
【道具】なし
【思考】
基本:提督(祐一郎)に従う
0:お風呂に行きたい
1:襲い掛かる者たちを殲滅する

364四国ではたまにあることです。:2014/02/16(日) 19:29:15 ID:vvcoRctk0

 ◆ ◇ ◆ ◇ ◆


「くそ、くそ……畜生ぉぉ!!!」
「出来杉……ぐずぐずするな、切り替えろ」
「……はい」

 ホワイトベースに帰還した出木杉は一人悔しさを口に出す。
 仲間を失い、ガンダムも大破寸前、非常に不甲斐ない。

「力が……力がほしいよ……!」

 自分の無力を悔いても悔みに切れない。
 ただ、ひたすら打ちのめされているだけだった。  

「戦力が圧倒的に足りない」

 十神も十神も頭を抱える。
 ただでさえ無茶苦茶な連中だけだったのに、さらに化け物たちが加わった。
 祐一郎たちに合流した彼らはネットの噂で……
 《筋肉モリモリマッチョマンの化け物》
 《前世は化け物のタクアン女》
 《超高校級のテニヌプレイヤー》
 《回転で人を殺す鎧の女》
 《ブラックホールを発生させる化け猫》
 《おっさんみたいな高校生》
 《イチローのストーカー》
 《戦場のピアニスト》
 《裏の王》
 《悪のカリスマ》
 《伝説のニート》
 《幻想殺し》
 《音速を超えた速度でバスケットボールを投げる男》
 《妙なカードを操る男》
 《謎ミルキィ》 
 と、凄まじいことにはなっている連中だ。
 勝てる気がしなかった。
 
「白夜様……」
「だが、次はこういかん……十神の名に懸けてだ」

 ホワイトベースは飛んでいく。
 新たなる仲間を求めて。

【一日目・22時00分/日本・兵庫県上空】

【ホワイトベース】


【十神白夜@ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生】
【状態】健康、艦長ポジション
【装備】ホワイトベース@機動戦士ガンダム
【道具】支給品一式、腐川冬子@ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生
【思考】
基本:愚民たち(対主催)を従えて十神家繁栄の邪魔になる主催を倒す。
0:一旦、体制を立て直す
1:祐一郎一行を殲滅する戦力を集める。
2:その後は北上してマーダー掃討、対主催を集める


【アイギス@ペルソナ3】
【状態】健康、ホワイトベースと接続、右舷担当
【装備】超磁鋼レールガン@ペルソナ3
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】
1:十神たちについていき、殺し合いを破壊する
2:殺し合いを破壊して平和になったらSEESと合流する

【ホライゾン・アリアダスト@境界線上のホライゾン】
【状態】健康 、ホワイトベースと接続、左舷担当
【装備】悲嘆の怠惰@境界線上のホライゾン、拒絶の強欲@境界線上のホライゾン、憤怒の閃撃@境界線上のホライゾン
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】
1:十神たちについていき、殺し合いを破壊する
2:殺し合いが破壊されてからトーリたちと合流する

【雷電@METAL GEAR RISING】
【状態】ダメージ大
【装備】高周波ブレード
【道具】支給品一式、 その他不明
【思考】
基本:仲間と共に主催者たちを倒す
0:祐一郎たちを倒す
1:シュトロハイムは倒す
2:ローズマリーやスネークの安否が心配

【出来杉英才@ドラえもん】
【状態】無力感
【装備】デュエルガンダム(右半身消失)@機動戦士ガンダムSEED
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】
基本:仲間と共に主催者たちを倒す
0:力がほしい
1:よくも仲間を!
2:のび太くんたちは大丈夫かな?
※ミノフスキー粒子の影響で通信がしづらくなっています
※バスターガンダムのパイロットがのび太だと気づいていません

365四国ではたまにあることです。:2014/02/16(日) 19:29:35 ID:vvcoRctk0

【一日目・22時00分/九州ロボの左腕(元熊本県)辺り】
【デッドプール@DEADPOOL】
【状態】気絶、狂気(デフォルト) 九州ロボの左腕(元熊本県)辺りに磔状態
【装備】自動拳銃×2
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】
基本:主催やマーダーを殺して十神から金をもらう
0:ここどこだよwwwww
1:祐一郎たちを倒す
2:こいつら実はマーダーじゃなかったりして……そんなわけねーかwwwww


【Dボゥイ@宇宙の騎士テッカマンブレード 死亡】
【財津原蔵王丸(ザンキ)@仮面ライダー響鬼 死亡】

 ◆ ◇ ◆

 一方、その頃、大阪では……


「ズエェア!!!」


 飛んできたサテライトキャノンをハクメンが斬った。
 真っ二つに切り裂かれたサテライトキャノンは力を無くし近くのビルにぶつかり消滅した。
 こうしていなければ被害は甚大になっていただろう。

「相変わらず、無茶なことが出来るな」
「四国は拠点があるのではなかったのか?」
「……どうせ、滅びる運命。そういうことだったんだろうよ……なあ、貴様もそう思うだろ?」
「ひっ……」

 飛竜の鋭い視線の先には無数の鎖で繋がれた三つ首の竜がいた。

 激しい戦闘だった、氷嵐の支配者と英雄とストライダーの死闘は。
 勝負の決め手は飛竜のダブルウロボロスだった。
 富山湾付近で拾った蛇双・ウロボロス装備した飛竜。
 相手を捕縛し、完全に動けなくし、そこから自身のウロボロスを乱射する。
 肉体をウロボロスで破壊し、精神をウロボロスで破壊する。
 いともたやすく行われるえげつない行為である。

「さらばだ。『凶(マガト)』につながる竜よ」

 最後にハクメンによってその命は絶たれた。
 
「四国は危険地帯か」
「そのようだな」

 恐らくは四国の拠点は潰された。
 ならば、これからどうするか? 決まっている。

 ――――悪を滅する。

 彼らにあるのはそれだけだった。


【一日目・22時00分/日本・大阪のどこか】

【飛竜@ストライダー飛竜】
【状態】ダメージ小
【装備】光剣サイファー@ストライダー飛竜 クナイ、各種オプション、ウロボロス@BLAZBLUE
【道具】支給品一式 
【思考】基本:主催を抹殺する
1:ハクメンと共に主催陣営及び『悪』を殲滅する
2:まだ主催以外の参加者が残っている九州ロボをテニスボールで攻撃した者を抹殺する。
※2014年2月22日発売予定の新作『ストライダー飛竜』の技が使えます。


【ハクメン@BLAZBLUE】
【状態】ダメージ小
【装備】斬魔・鳴神
【道具】支給品一式
【思考】基本:『悪』を滅する
1:飛竜と協力して、主催及び世界に災いをもたらす者を『刈り取る』
2:まだ主催以外の参加者が残っている九州ロボをテニスボールで攻撃した者を抹殺する。
※ヒートゲージ等の状態は次の書き手に任せます。


【氷嵐の支配者@新・世界樹の迷宮 ミレニアムの少女 死亡】

366四国ではたまにあることです。:2014/02/16(日) 21:13:41 ID:vvcoRctk0
ミスあったので飛竜とハクメンのところはカットします

367戦いは数だよ:2014/02/16(日) 23:25:47 ID:XwNssTBM0
 テラカオス化によって得た能力で300人ものDMC狂信者の命を奪ったキンタロー。
ちなみに、キンタロー。が殺害したモブ狂信者達は状態表がないから死亡者リストには載らないので、キンタロー。の殺害数は一人のままだったりする。
しかし、キンタロー。を何時の間にか背後にいたデスマスクが殴りつけ、彼女に致命傷を負わせた。
彼は、同行者の明智光秀だけでなくビックサイトを目指す道中で合流したモブ狂信者達と共に、ついにビックサイトに到着したのだ。
そんな彼の拳を受けて致命傷を受けたはずのキンタロー。だが、彼女は命を“奪った”際に奪った分の命を手に入れていたので復活した。
後、301回殺さない限り、キンタロー。は死なないのだ。

「あなたたちの命を「「「「「SATSUGAIせよぉぉぉっ!!」」」」」

 だが、DMC狂信者達からしてみれば、たったの301回でしか無かった。
わざわざ口に出さないといけないような能力以外は大したことないキンタロー。なんて彼等の敵ではなかった
トキの秘孔を突く一撃が、天子のグラットンソードが、梓のギターによる48の殺人技が、デスマスクの小宇宙を燃やした打撃が、光秀の二つの大鎌による斬撃が、モブ狂信者達の攻撃の数々が次々とキンタローの命を奪っていく。
圧倒的な物量差による一斉攻撃は、流石に1秒間に12回とはいかないものの、1秒間に2回のペースでキンタロー。を殺していったのだ。

「フフフ、これで終わりですよ」

 そして、明智光秀がデスマスクに殴られたのを除いて300回死んだキンタローの首を刎ね、戦いという名の蹂躙劇は終わった。
死んでも自分がクラウザーさん復活の生贄になるとしか考えてないが故の、死を恐れない猛攻がこんな結果を出したのだ。
こんなイカれた集団だが、MEIKOが流した『クラウザーさんは東京都庁で死んだ』という情報はデマだと気付く程度には理性が残ってたりする。
だが、どっちにしても都庁の軍勢もデマを流した奴もSATSUGAIする事に変わりは無いのでMEIKOの行動に意味は無かったりする。
まあ、彼等より都庁の軍勢のほうが理性的で人間らしいと言われたら両者を知る者には否定出来ないだろうがね。


【一日目・22時45分/東京都・江東区ビッグサイト】

【DMC狂信者】
共通思考:クラウザーさんを蘇らせる
1:生贄のために参加者をSATSUGAI
2:ビッグサイトを活動拠点にする
3:ビッグサイトに集結
※携帯やらネットやらツイッターやらで連絡を取り合っています。

【トキ@北斗の拳】
【状態】お前のような病人がいるか
【装備】無し
【道具】支給品一式
【思考】基本:SATSUGAIはいいぞ!
※まごうことなきトキ本人です

【比那名居天子@東方project】
【状態】健康、謙虚
【装備】グラットンソード@FF11
【道具】支給品一式
【思考】基本:SATSUGAI

【中野梓@けいおん!】
【状態】健康
【装備】ギター
【道具】支給品一式
【思考】基本:SATSUGAI
1:殺ってやるDEATH!

【蟹座のデスマスク@聖闘士星矢】
【状態】健康
【装備】蟹座の黄金聖衣@聖闘士星矢
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】基本:SATSUGAI

【明智光秀@戦国BASARA】
【状態】健康
【装備】大鎌×2
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】基本:SATSUGAI

【キンタロー。@松竹芸能 死亡確認】
死因:斬首
※死がカウントされるのは最後の一回だけです。

368グンマーに代わってお仕置きよ:2014/02/17(月) 00:30:10 ID:hM0VdpUk0
都庁がモンスターの巣窟になった。この件を知らない参加者はもはやほとんど存在しないだろう。
口コミに加えて、ネットでも徐々に広まっているのだ。それでも、まだ都庁に向かう参加者はいた。
モンスターが色々な意味で好きな連中である。

「効かぬわ、ミリオンアサルト!」
「「ぎゃああああぁぁぁぁぁ!!!」」

【ハンターA(フンター)@モンハンシリーズ】死亡確認
【ゴルルナ一式装備ハンター@モンハンシリーズ】死亡確認

もっとも、勇気と無謀は別物であるが。
彼らはモンスターの長に会う前に、自ら番人役を買って出ている二人の人間に叩きのめされていた。

「ここが新しい降臨ダンジョン……1階から火力インフレとかなんて糞仕様なんだ! 
 だが舐めるなよ。俺のこの麒麟ホルスパの圧倒的な火力なら……! くらえ、全属性25倍攻撃!」
「はいはい、全属性は吸収しちゃおうねー。そしてさようなら」
「待っ――

【パズドラテイマー@パズドラ】死亡確認

真っ二つにされてしまった主人の姿に、彼の召喚していたモンスター達は震え上がる。

「死にたくなければ去れ。そして次は愚かな人間に従わないようにするのだな……」

だが、番人の二人が叩きのめすのはあくまで人間であり、モンスターは基本的に見逃していた。
都庁の構成員がモンスターであるし、中には無理矢理人間に従わせられている者もいるうえ……

「に、逃げるぞみんな!」
「あ、そこの角と尻尾があるドラゴンっぽい子だけちょっと残ってくれるかな?」
「え? わ、私ですか? どうして――

ナ、ナニヲスルンデスカ!? ダイジョウブ、キモチイイコトダヨ ダメデス、ソンナ…… ホラ、ヨーシヨシヨシ。ココガイイノカイ? アッ……

「ふにゃぁ……サクヤのご主人様はレスト様だけですぅ……」
「やりましたよダオスさん、竜娘っぽい子を仲間にできました!」
「そ、そうか……まあ、戦力が増えたなら良しとしておこう……」

レストはその能力で、モンスターを手懐けることもでき、うまくいけばこのように戦力を増やせるためだ。
もっとも制限からか、連れて歩けるのは二体までのようだが。

「ダオスさんも、洗脳の魔法が使えるならそれで戦力を増やすのはどうですか?」
「いや、洗脳も万能ではないし、解ける危険性がある。やはり説得するか外部から協力者がやってくるのを祈ろう。
 幸いにもこの者は、トレーナーを自ら殺害して我らについてくれたがな」
「ア゛オ゛ォォォォ!」

そういうダオスの傍らには、自身のトレーナーをアイアンヘッドで叩き潰したモンスター、メガボスゴドラがいた。
彼は自分の住処の環境が荒れた場合、自ら土を運び植林するエコなポケモン。
住処を荒らした主催者や人間に復讐するため、都庁の軍勢に寝返ったのである。

【エリートトレーナー♀@ポケモン】死亡確認

何故彼らが都庁を守りつつ、戦力の増強を考えているのか?
それは放送が原因であり、都庁軍にとっては緊急事態であったためだ。

369グンマーに代わってお仕置きよ:2014/02/17(月) 00:32:04 ID:hM0VdpUk0
「……グンマーの民、……」

放送でその名が呼ばれた瞬間、都庁には激震がはしった。
グンマーといえば、人間であるが都庁軍勢と協定を結んだ、いわば同胞である。
加えて圧倒的な力を持ち、世界樹と化しつつあるこの都庁よりもさらに広大な世界樹の迷宮に住む者達だ。
その彼らが、死んだ。
一体誰が、どうやって。その疑問は残るが、とにかく彼らは殺されてしまった。
当然、都庁の者はたまらず怒り狂い、悲しみに沈む。
そして――自分達の身の危険も感じた。
当初は絶対安全圏と認識していたグンマーがこれでは、都庁も危ういのではないか。
そう考えた彼らは、リーダーの命によりさらに都庁の守りを固め、一部のモンスターは外に同志の生き残りを探しに行き……
さらに一部の参加者に意識改革と協力を求めているのである。
これはもはや自分達だけの戦いではない。グンマーを背負った戦いでもあるのだから。

「オンジン、モンバンマカセテスマナカッタ。リーダーヨンデル」
「骨竜か。しかし我ら以外に、ここの番をできる者がいるのか?」

「グオオオオオォォォォウ!」

「ウォークライガヤッテクレル。クウフクデソロソロニンゲンマルカジリタイラシイ」
「へえ、これはかなり強そうだ。ではここは任せて、僕らはリーダーに会いに行きますか」

【一日目・21時50分/都庁樹の迷宮入り口】
【ウォークライ@セブンスドラゴン2020】
【状態】すごく健康、空腹
【装備】無し
【道具】支給品一式
【思考】
基本:都庁の防衛
1:都庁に近づく相手を蹴散らす
2:美味そうだったら喰う



----


「リーダー、オンジンツレテキタ」
『ご苦労。では君はアイスシザースと合流し、彼の補佐を頼む。
 さて……まずは魂の裁断者を、我らを助けてくれた礼を言わせてくれ強き人間よ』


骨竜に案内された先にいたのは、金色の巨大な竜。
その堂々とした佇まい、迸る雷から流石の二人も息を呑んだ。

『我が名は……そうだな、ここはあえてツバサビトのものを使わせてもらおう。クランヴァリネだ』
「レストです。そして後ろがダオスさんです」
『改めて、礼を言わせてくれ。君たちがいなければ、あの怪物がここに侵入し、甚大な被害がでるところだった』

雷竜、クランヴァリネは深々と頭を下げた。

『しかも後ろの魔物二人は新たな協力者か?戦力の補充までしてもらい、本当に申し訳ない』
「いえ、僕も竜娘が仲間にできてよかったですよ。……ところでクランさん、雄ですか? 雌ですか?」
『……雄だが』
「あはは、まあドラゴンなら雄も雌も大丈夫なんですけどね。プロテもアクナもフレクも雄ですし」
『……流石に、いくら恩人とはいえそういった要望には応えられないな。我の性癖は至ってノーマル、人妻至上主義なものでな』
「あぁ、人妻もいいですよね。なんかこう、吸い込まれそうというか、染めたいというか……ぐっときますよね」
『おお、わかってくれるか! いや赤竜と氷竜とも趣味があわなくてなかなか難儀していたのだが……』

「貴様ら……」

370グンマーに代わってお仕置きよ:2014/02/17(月) 00:35:13 ID:hM0VdpUk0
不毛なやりとりを、頭を押さえたダオスが止めに入る。
この都庁の軍勢の長だというので警戒はしていたが、どうやら意外と俗な生き物らしい。
何故か意気投合している様子であり、このまま放置すれば『本題』に戻るのはだいぶ先になるだろう。

「念話が私にも聞こえていること、理解しているか? 無駄口を叩く前に、伝えるべきことを伝えて貰いたいものだ」
「す、すみませんでした」
『済まぬ。……ゴホン、君たちを呼んだのには勿論、理由がある。
 まずは話すべきであろう。我らがこの都庁を乗っ取った理由を……
 目的の一つは、ここを新たな世界樹、拠点として大地の再生を図ること。人間に住処を奪われた者を匿う役割もある。
 恐らくこれは、君たちならば既に理解しているだろう。二つ目の目的は――樹海守護者、フォレスト・セルを目覚めさせることだ』
「フォレスト・セル……」

真面目な声色で、クランヴァリネは言葉を続ける。

『セルは、或いはセルに類似する存在は世界樹と呼ばれるものの地下深くに複数体存在するが、この都庁の下に眠るセルはその中でも最強の存在。
 こうして生まれた森を守るため、常に進化を続ける。世界樹を守るために際限なく強くなり、自然以外の余計なものを排除する。
 ……目覚めた場合、君らは勿論、我や仲間達ですら、命の保障がないがな』
「なんだと!?」
『あくまでこれは最終手段のつもりだった。だが……グンマーの民が殺されたことは完全に想定外だ。
 彼らであればあるいはセルを制御できたかもしれないが、それも叶わない。
 彼らが死んでしまったということは、もはや外部に我らの味方はいないものと思ったほうがいい』
「なんのために、私達がここを訪れたと思っている? このボスゴドラ達も、味方ではないというのか?」
『……言葉が悪かったな。そう、君たちのような存在は本当に希少だ。本当に感謝をしている。
 仲間が何人か外に協力者を求めてここを旅立った。もしかしたら彼らも協力者を見つけてくれるかもしれない。
 だが自然に対するその思いと、戦えるだけの力は、必ずも比例はしない。だからこそ――君たちを頼りたいのだ』

瞬間、周囲に激しい稲妻が奔る。
クランヴァリネの三眼が見開かれ、その身体と四肢に力が込められる。
地形を変え、磁場を歪める最強の雷竜。
その全力の殺意が、ダオスとレストに対して向けられた。

「……」
『……ふっ』

だがそれは、すぐにおさめられる。

『身じろぎ一つしてくれないとはな……だが、それでこそこの無茶な願いもできるというものだ。
 
 
 ――ダオス、そしてレストよ。どうか我に代わり、君たちにこの都庁に集まった者を導いてもらいたい!』

やや間を置いてから、クランヴァリネはそう告げた。
それはつまり、長の権限の譲渡。
自分を含めて仲間達の命を部外者に預けるという、暴挙に近いものである。

371グンマーに代わってお仕置きよ:2014/02/17(月) 00:35:52 ID:hM0VdpUk0
「私達を信用してくれるのは嬉しいが、ここの魔物達は納得するのか?」
『問題はない。既に君たちのことは全員に伝えてあるよ。
 ダオス、君には支配者……王の風格がある。君ならば、ここの個性的な面々であっても上手く纏め上げることが可能だろう。
 レスト、君は王というより、王子の風格だな。その親しみやすさであれば、多くの者が勝手に君に寄ってくるだろう。
 そしてなにより……二人とも、我を遥かに上回る力を持っている。君たちに無理であれば、我に目的が遂行できようはずもあるまい』

恐らく既に魔物同士で念話を済ませていたのだろう。
見ればクランヴァリネ以外にも、大小様々な魔物が服従の構えでいつの間にか広間に集まっていた。

「これは……責任重大ですね」
「私の双肩に、こやつら全員の命がかかっている、か。
 ……いいだろう! グンマー亡き今、ここを守れずして大地が救えようか! 全ては救世のためにっ!」

ダオスが拳を天に突き上げ、叫ぶ。
あわせて、魔物達もそれぞれが様々な咆哮をあげた。
それは新たなリーダーの就任を祝うと同時に、グンマーの民への手向けでもあった。



----



「まずは防衛網を見直せ。骨竜の報告によれば、突然内部に現れた忍者もいたらしい。
 外部だけに集中せず、内部での争いにも対処できるような編成をこころがけるように。強敵が現れた場合は生存を優先し撤退せよ!」

早速てきぱきと都庁軍の者たちに指示を出すダオスを見ながら、クランヴァリネは満足げに頷いた。

『うむ、我もトップを退いたとはいえ、彼に全てを押し付けるわけにはいかぬな。
 この都庁の周囲全体の磁場を捻じ曲げ、近づける者の数を減らしておくとしようか』
「ここが完全な迷宮に変化すれば、弱い魔物でも逃げ隠れはできるようになりそうですね。
 そうしたら今度は、僕達も本気を出して積極的に邪魔者を排除していった方がいいでしょう」

都庁のまだ樹になっていない壁材をべりべりと素手で剥がしリフォームしつつ、レストもまた思案する。

「レスト様の言う通りかと……こちら、レスト様はあまりお好きではないとのことですが、ネットに……」
「あれ? パソコンなんてここにあったんだ。……ってちょっと」

『都庁は化物の巣窟。退治しないと』
『いや無理だろあれ。触らぬ神になんとやらだ』
『なんか都庁が見当たらない件』
『把握。都庁が木製になってた。火炎放射器ありったけもってけばいいんじゃね?』
『おk、凸するは』
『やばい、なんか屋上にきもいぶどうがなってる』
『さっき放送で忍さんの名前が呼ばれた……俺が都庁の潜入捜査なんか依頼したからだ……』
『でもさ、珍しいモンスター沢山いるんだろう?ゲットしたくね?』
『むしろ狩りたい』
『ここが新しい降臨ダンジョンか』
『上の書き込みしたっぽい奴ら、俺の目の前で惨殺されたよ……』
『マジかよ。情報くれ』
『金髪の人間二人が魔物庇ってるっぽい。いや多分あれも魔物だな』
『それイケメン?ならちょっと会って来る』
『おいごらぁ、イケメンいねーぞ!てか明らかにやばいドラゴン……あらやだ巨根じゃn
『うわああああ!痴女がドラゴンに食われたああああああ!お、俺は逃げるぞ!』
『あえて言おう。ドラゴンGJ』

【右代宮桜座@うみねこのなく頃に】死亡(ウォークライに食われました)

372グンマーに代わってお仕置きよ:2014/02/17(月) 00:38:06 ID:hM0VdpUk0
「なんだこれは……」
『ふむ、リアルタイムでどうやらこの都庁は話題にされたり、見られていたりするようだな』
「他のアプリとか掲示板でも、かなり話題にされちゃってますね……」
「……これは割と早めに手を打った方がよさそうだね。パソコンとかは嫌いだけど、今回は素直に感謝しよう」
『ちなみにこれ、都知事からの戦利品。まあ我らの身体じゃ、扱えなかったんだがな』
「で、でしたら私がチェックをしておきます。こう見えて私、スマホとかアプリとか掲示板とか慣れてるんで……」
「ありがとうサクヤ。それじゃあ僕は……うん、この壁材とか採取物で色々道具を用意しておこうか」

バトルロワイアル開始から、もう間もなくで二日目。
都庁の軍勢の目的は自然環境の改善であり、環境をないがしろにした人間の抹殺である。
魔物達が本格的に人類に牙を剥くのは、もうすぐだ。

【一日目・22時20分/都庁樹の迷宮・内部のどこか】

【雷鳴と共に現る者@新・世界樹の迷宮 ミレニアムの少女】
【状態】健康
【装備】じしゃく@ポケットモンスターシリーズ
【道具】支給品一式
【思考】
基本:仲間達と共に、世界樹の環境を整える
1:都庁の防衛のため、周囲の磁場を捻じ曲げておく
2:赤竜と氷竜が気になる
3:安らかに眠れ、グンマーの民よ……
※人間に対しては、クランヴァリネと名乗っています

【ダオス@テイルズオブファンタジア】
【状態】健康、物理攻撃無効、雷耐性低、都庁リーダー襲名、メガボスゴドラの飼い主
【装備】ダオスマント
【道具】支給品一式、不明品
【思考】
基本:都庁の軍勢を守りつつ星の自然環境改善
1:都庁の軍勢を束ね、主催者及び敵対者を葬る
2:機械っぽい外見の奴は問答無用で潰す
3:四条化コンビを警戒
4:雷竜とレストが少しアレなので、その分自分が頑張る
5:自分達が健在な限りは、フォレスト・セルの召喚は控える

【レスト@ルーンファクトリー4】
【状態】健康、全属性攻撃吸収、無属性攻撃半減、サクヤの飼い主
【装備】天ノ村雲ノ剣
【道具】支給品一式、不明品、謎の壁材、水晶の壁材等の素材
【思考】
基本:都庁の軍勢を守りつつ星の自然環境改善
1:都庁樹の施設と素材を使い、戦闘準備を整える
2:機械っぽい外見の奴は問答無用で潰す
3:四条化コンビを警戒
4:あわよくば竜と結婚できる世界を作りたい
※フレクザィードの飼い主でしたが、バサラによりその権限を奪われていることに気がついていません
※連れて歩けるモンスターは二匹までです

373グンマーに代わってお仕置きよ:2014/02/17(月) 00:40:50 ID:hM0VdpUk0
【極光の麒麟・サクヤ@パズドラ】
【状態】健康、調教済み
【装備】不明
【道具】支給品一式、スマホ、都知事のパソコン
【思考】
基本:レストに服従
1:ネットに疎い主に代わり情報収集
2:実は青龍と違ってドラゴンではないことはこの際黙っておく

【メガボスゴドラ@ポケモン】
【状態】健康
【装備】不明
【道具】支給品一式、大量の土と樹
【思考】
基本:ダオスに着いていく
1:縄張り以外でも自然環境を破壊する奴は容赦なく頭突く
2:リフォームを手伝う


『ところで、本当にあの屋上にぶら下がっているぶどうっぽい者はなんなのだ?』
「知らぬ。敵意はないようだが……」


「……♪」

その頃、より快適な環境になった都庁にぶらさがり続けていたミザールは目的を忘れていた。
今の彼が考えることはただ一つ。
――仲間と一緒にぶら下がったらもっと楽しいのではないだろうか?――

……都庁がさらに人外魔境と化する日も、遠くないのかもしれない。


【セプテントリオン・ミザール@デビルサバイバー2】
【状態】超健康、超上機嫌
【装備】ミザール触手×6
【道具】不明品、支給品一式
【思考】
基本:都庁樹にぶらさがる
1:自分を都庁から降ろそうとする奴には反撃
2:セプテントリオン仲間を呼びたい
※超速再生無限増殖能力には制限がかかっています
※セプテントリオンとしての使命は完全に忘れ去りました
※魔物でも悪魔でもない存在なので、都庁軍勢の誰も彼の言葉を理解できていません
※裁断者相手にはジェスチャーでぶらさがりたい旨を伝えたようです

374302回ですよ:2014/02/17(月) 16:51:59 ID:VS26tj/g0
死んだはずのキンタロー。 が立ち上がる。
実は302回殺さないと死なないのだがそんなことを知らなかった彼らは油断していた。
「えっ…」

「あなたたちの…命を…」

向かってくる大軍。だがもう遅い。

「ゲ ッ ト ォ ォ ォ ォ ォ ! ! !」

今の衝撃で6千人ほど死んだ。
耳栓をしていても目に響いて死んだ。
そう。複数人指定は聞くか響くかすると効果を発揮するのだ。

「あなたたちの命をゲット!あなたたちの命をゲット!あなたたちの命をゲットォ!」

今の衝撃で3万人ほど死んだ。

「今の内に逃げよう」

キンタロー。 は他に誰かが来る前にそそくさと逃げた。

【一日目・23時00分/東京都・江東区ビッグサイト】

【キンタロー。@松竹芸能】
【状態】通常
【装備】なし
【道具】支給品一式
【思考】
基本:前田敦子を殺し、ポジションを乗っ取る
1:北上する

【トキ@北斗の拳 死亡確認】
【比那名居天子@東方project 死亡確認】
【中野梓@けいおん! 死亡確認】
【蟹座のデスマスク@聖闘士星矢 死亡確認】
【明智光秀@戦国BASARA 死亡確認】
【モブ狂信者×35995@いろいろ 死亡確認】

375ズカンされた名無し:2014/02/17(月) 18:18:19 ID:WAzCfMZc0
その頃、殺し合いが開かれていない世界では…
S君とD君が創作活動に励んでいた。

S「という話はどうかな?」
D「………」
S「どうしたんだよ、いつものハンバーガー何個分とかいうのは?」
D「ハンバーガーに入ってるピクルス10分の1くらいかな」
S「今まで一番最低な評価じゃん…」
D「そうかな、評価してあげただけ有情だと思うよ☆」

〜終わり

376大阪、危機一髪:2014/02/17(月) 23:11:44 ID:PqKEOagw0

「はっ!!」
「ズェア!!」

バスターガンダムのサテライトキャノンは大阪に届いていた。
しかし、大阪に立ち寄っていた飛竜とハクメンによってサテライトキャノンは斬られた。
サテライトキャノンはビーム兵器である。そう、彼らはビーム兵器を斬ったのだ。
片や特A級ストライダー専用のプラズマ光剣《サイファー》。片や事象兵器アークエネミーの一つ《斬魔・鳴神》。
これを以てして一撃でスペースコロニーを撃滅可能な《サテライトキャノン》を防いだのだ。

「なんだい、今のは? マスタースパーク以上の威力みたいだったが?」
「―――大量広域先制攻撃の一つだ、恐らくは殺し合いに乗った者が放ったに違いない」
「四国ってあたいたちが向かおうとしていた場所だよね?」
「恐らくは大阪に集まった参加者を一網打尽にするために撃ったのだろう」
「えげつないっすね」
「まったくだ……えげつねぇな……」
「白いお侍さんたちは四国に行くの?」
「無論だ、凶(マガト)に繋がる縁は断たねばならない」
「行くぞ、ハクメン」

影の薄い対主催チームと別れた情報交換した後、飛竜とハクメンはそれでも四国に向かうことにした。
ただ一つ、全ての『悪』を刈り取るために。

「僕たちはどうします?」
「留まるか、別のところに行くっすかね?」
「俺はこまっちゃんに一任するぜ」
「私も」
「あたいが決めていいのかい?」

残された小町たちは悩んだ。
自分たちも四国に行くか、それとも別の方面に向かうか。
決断の時は近い。


【一日目・22時00分/日本・大阪のどこか】

【飛竜@ストライダー飛竜】
【状態】健康
【装備】光剣サイファー@ストライダー飛竜 クナイ、各種オプション、ウロボロス@BLAZBLUE
【道具】支給品一式 
【思考】基本:主催を抹殺する
1:ハクメンと共に主催陣営及び『悪』を殲滅する
2:まだ主催以外の参加者が残っている九州ロボをテニスボールで攻撃した者を抹殺する。
※2014年2月22日発売予定の新作『ストライダー飛竜』の技が使えます。
※ウロボロス@BLAZBLUEはどっかから拾ってきました。


【ハクメン@BLAZBLUE】
【状態】健康
【装備】斬魔・鳴神
【道具】支給品一式
【思考】基本:『悪』を滅する
1:飛竜と協力して、主催及び世界に災いをもたらす者を『刈り取る』
2:まだ主催以外の参加者が残っている九州ロボをテニスボールで攻撃した者を抹殺する。
※勾玉ゲージ等の状態は次の書き手に任せます。

377大阪、危機一髪:2014/02/17(月) 23:12:13 ID:PqKEOagw0

【小町と影薄な仲間たち】
※メガザルの腕輪により、全員のダメージ等が完治しました。
※飛竜たちとの情報交換して、主催達が九州ロボにいることを知りました。


【小野塚小町@東方Project】
【状態】健康
【装備】斬魄刀『神鎗』@BLEACH
【道具】舟
【思考】基本:もう仲間を誰も失わない為にカオスロワを終わらせる
1:もう二度と仲間を置いて行こうとしない
2:幽香と戦う事を覚悟する


【黒子テツヤ@黒子のバスケ】
【状態】健康
【装備】猟銃@現実
【道具】死出の羽衣@ 幽々白書
【思考】基本:仲間と共にカオスロワを終わらせる
1:友人たちと生き残る
2:混沌の騎士の言っていた空気中に漂う何かが気になる
※実はゴゴの死体から猟銃を回収していました。

【東横桃子@咲-Saki-】
【状態】健康
【装備】不明
【道具】支給品一式、他不明
【思考】基本:仲間と共にカオスロワを終わらせる
1:加治木先輩や友人たちと生き残る
2:混沌の騎士が言っていた空気中に漂う何かって主催の仕業?
3:峰岸さん……

【赤座あかり@ゆるゆり】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】マムルの肉×2@風来のシレン
【思考】基本:仲間と一緒にカオスロワを終わらせて主人公らしく大活躍!
1:混沌の騎士の分も頑張る

【日之影空洞@めだかボックス】
【状態】健康
【装備】斬鉄剣@ルパン三世
【道具】支給品一式
【思考】基本:主催者を倒す
1:仲間を守る
2:混沌の騎士が遺した謎を解く
3:↑の全部やらなくちゃあならないのが先代生徒会長の辛いとこだな。
※斬鉄剣は混沌の騎士のものを受け継ぎました。
※不明支給品はメガザルの腕輪でしたが、効果が発動したため、砕け散りました。

378鬼神誕生:2014/02/18(火) 01:24:09 ID:Lkd/Th.o0
 織莉子の放った魔法の水晶玉が気絶しているデッドプールの首輪に当たって首輪にひびが入って爆発、デッドプールは死んだ。
いくら不死身だろうと、首輪が爆発したらその首輪をつけていた参加者は問答無用で完全に死ぬのである。
命を幾つ持っていようと、何者かの呪いだろうと、何等かの概念だろうと関係なく死者スレ送りにしてしまうのだ。
最も、爆発した首輪をつけた参加者以外に対してはただの爆発でしかないのだが。

「さっすが織莉子!!で、この変な奴だけど、金で雇えばいいのに何で殺すように命令されたんだい?」
「金が動機だから寝返りやすく、不死身だから寝返った時が大変な上、万が一その時首輪が解除されてたら倒せなくなるもの。仕方ないわ」

 五大幹部によるデッドプール殺害命令の意図を理解していた織莉子は、キリカにそれを教える。
この文面だけなら余計な心配だと思う人もいるだろう。
だが、超強力な対主催勢力である超弩級戦艦『死国』の面々には首輪解除手段(祐一郎とシュトロハイム)と膨大な資金(紬とシグナムが所持)がある。
存在自体がバグってるチート集団に不死身の男を渡す可能性を作る訳にはいかなかったのだ。

「この変な奴の支給品は拳銃が二丁と……トイレットペーパーだけだね」
「拳銃はココさんとジャックさんに渡して……って、そろそろ時間よ、キリカ」

 デッドプールの支給品から使えるものだけを抜き取った織莉子とキリカの前に転送ゲートが現れる。
その転送ゲートを織莉子とキリカは迷いなく潜り、転送ゲートは消えた。


 九州ロボのとある区画に、壁に大きな目玉のような機械っぽいものが一つだけある部屋が存在する。
その部屋に五大幹部とデウス、ビアンがおり、さらに転送ゲートから織莉子とキリカが現れた。

「コーホー、これで全員揃ったな」
「ええ、ベイダー卿、始めて」

 目玉のような機械の背後に立っているココの合図を聞いたベイダーは、なんとライトセーバーを引き抜いた。
そしてベイダーは、ココの心臓をライトセーバーで突き刺してそのまま引き抜く、どう見ても致命傷だ。
しかし、ココを含めその場にいた誰も驚かず、むしろ何かを期待していた。

「ここからが本番だな」
「ええ、駄目だったら私達に未来は無いわ」

 そうジャックと幽香が言うと、目玉のような機械から先端に針が付いたチューブが幾つも伸び、その全てがココに突き刺さり、何かが流れ始めた。
そして数分後……
 
「フフーフ、待たせたわね」
「無事、成功したみたいですね」
「もし失敗したら織莉子が悲しむから一生恨んでたよ」

 ココの傷が完全に塞がり、彼女は目覚めた。
そう、ココは完成した超大型特機型マキナ『九州ロボ』のファクターとなったのだ。
五大幹部やデウスとビアンが居るのも、ベイダーがココに致命傷を負わせたのも、このためだったのだ。
なお、織莉子とキリカは、一度死に近い状態になる必要があるココの精神面への配慮として呼ばれていたりする。
旧佐賀県に配属されていたが為にHCLI社の全社員(死者リストには載らない)が死んでいた為、カオスロワ開始前の自分を知る二人はココの支えになっていた。
というか、元々織莉子とは彼女の父経由でそれなりに親しく、キリカとも織莉子によって打ち解けていたので、双子の兄も死んだ以上、二人は数少なくなったココの身内である。

「これで、九州ロボは完成したって事か」
「勿論だ。最も、外見を余り弄れなかったのが心残りではあるが……」
「本格的な戦闘に突入しない限りファクターがコクピットで操縦しなくとも問題は無い。緊急時以外は第二制御室だけで十分なはずだ」

 そう、圧倒的な火力の武装と歪曲フィールド等による防御、スパロボUX換算で100万ものHPとマキナとなった事による自己修復能力、そしてそれらをフル稼働させても余力があるほどの動力。
これらの力を得て九州ロボは超大型特機型マキナへと生まれ変わったのだ。
しかも、ファクターであるココを護る為という名目があるので、第二制御室から操縦している時でもマキナの原則に縛られず人間を殺害する事が可能だ。
そして、機体性能が大幅に向上した事で、作業用ロボとしての性能も段違いになってたりする。
まあ、今回の主催は再び来る大災害を阻止して世界を救うのが目的だし、世界復興に使える力まで摘み取る気はないのだ。
余談だが、今の九州ロボのコクピットは、上で出てきた目玉のような機械の内部にあり、それがあるこの部屋が第一制御室となってたり、元々の九州ロボのコクピットが第二制御室になってたりする。

379鬼神誕生:2014/02/18(火) 01:24:34 ID:Lkd/Th.o0
【一日目・22時15分/日本・九州ロボ 第一制御室】

【ダース・ベイダー@STAR WARS】
【状態】健康
【装備】ライトセーバー@STAR WARS
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】基本:テラカオスを生み出す計画を遂行する
1:計画のために殺し合いを促進させ、計画の邪魔をするものは消す
2:他の幹部と今後について話し合う

【ジャック・O@ARMORED CORE LAST RAVEN】
【状態】リンクスに改造
【装備】フォックスアイ(ネクストに魔改造)@ARMORED CORE、拳銃
【道具】不明
【思考】基本:テラカオスを生み出す計画を遂行する
1:計画のために殺し合いを促進させ、計画の邪魔をするものは抹殺する
2:他の幹部と今後について話し合う

【バーダック@ドラゴンボール】
【状態】健康
【装備】スカウター@ドラゴンボール
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】基本:テラカオスを生み出す計画を遂行する
1:計画のために殺し合いを促進させ、計画の邪魔をするものは殺す
2:他の幹部と今後について話し合う

【ココ・ヘクマティアル@ヨルムンガンド】
【状態】健康、九州ロボのファクター
【装備】超大型特機型マキナ『九州ロボ』。ライトセーバー@STAR WARS、拳銃
【道具】不明
【思考】基本:テラカオスを生み出す計画を遂行する
1:計画のために殺し合いを促進させ、計画の邪魔をするものは撃つ
2:他の幹部と今後について話し合う
3:HCLI社……無くなっちゃったわね……

【風見幽香@東方project】
【状態】健康
【装備】日傘
【道具】不明
【思考】基本:テラカオスを生み出す計画を遂行する
1:計画のために殺し合いを促進させ、計画の邪魔をするものは地に還す
2:他の幹部と今後について話し合う

【デウスエクスマキナ@スーパーロボット大戦UX】
【状態】普通、身長2.3mになるまでスモールライトで縮んだ
【装備】デウスの斬馬刀@スーパーロボット大戦UX
【道具】支給品一式、スモールライト
【思考】基本:人類絶滅及び人類の想像力喪失の阻止
1:命令に従う
2:殺し合いによって人類の想像力喪失を阻止する
3:死んだクルル曹長の代わりとして技術開発班を手伝う
4:とりあえずはビアンと共に艦載機の開発・制作・量産を進める

【ビアン・ゾルダーク@スーパーロボット大戦OG】
【状態】健康
【装備】ヴァルシオン@スーパーロボット大戦OG
【道具】支給品一式
【思考】基本:大災害から人類が生き残る未来を勝ち取る為に主催に協力する
1:自身を倒すほどの力と、人類の未来を勝ち取る強い意志を併せ持つ者達が現れたのなら後を託す事も考える。
2:だが、主催の一員として手を抜くことは絶対にしない
3:資材の都合で九州ロボの外観を自由に変えれなかったのが心残り
4:デウスと共に艦載機の開発・制作・量産を進める

【美国織莉子@魔法少女おりこ☆マギカ】
【状態】健康
【装備】ソウルジェム(穢れ微小)、呉キリカ@魔法少女おりこ☆マギカ
【道具】支給品一式、大量のグリーフシード@魔法少女まどか☆マギカシリーズ
【思考】基本:世界滅亡の阻止
1:命令に従う
2:世界を救う為なら犠牲もやむ負えない
3:九州ロボの警備及びその他後方支援任務に戻る

【同時刻/九州ロボの左腕(元熊本県)辺り】

【デッドプール@DEADPOOL 死亡確認】
死因:首輪が爆発
※支給品の拳銃はココとジャックの物になりました。
※不明支給品はトイレットペーパーでした。

380第三の法則:2014/02/18(火) 23:53:13 ID:qCMmgOJg0
 どさり、どさり……

 フレミングの質問に答えられず、また新たな犠牲者が生まれた。

【豪鬼@ストリートファイターシリーズ】死亡確認
【ベガ@ストリートファイターシリーズ】死亡確認

「これは……」

 もう、質問に答えられない参加者がいることには驚かない。
 むしろフレミングは、自分自身に驚いていた。
 
 今しがた倒した男達は、かなり屈強な肉体の持ち主だ。
 フレミングはそれを、電撃を放たずに倒した。
 二人の死因は、失血死なのである。

「そうか、そうだったのか。やはり私の法則は素晴らしい……!」

 一人納得した様子で、フレミングは頷くとまた歩き始めた。
 ……否、走り始めた。
 猛然と、走る。
 走る、走る、走る。
 フレミングはかつてないほど『獲物』を求めていた。

「む……!」

 そしてそれは程なくして見つかった。
 眼鏡をかけた、いかにも秀才そうな青年を。
 服越しでも、鍛え上げられた肉体だというのがわかる。
 文武両道。そんな言葉がぴったりだろう。

 それこそ、今現在フレミングが求めている獲物だった。

「そこの君、この手の法則を知っているかね?」
「はい?」

 すっ……とフレミングは両手でフレミングの法則を差し出してみせた。
 この殺し合いが始まってから、この質問に答えられた参加者は誰一人としていない、魔の法則。

「それは、フレミングの法則じゃないですか。
 左手がローレンツ力、右手が起電力におけるそれぞれの向きを示す画期的な法則ですね」

 だが青年は、言いよどむことなくフレミングの質問に答えて見せた。

「正解だ!」

 初めて得られたまともな解答に、フレミングは笑みを浮かべる。






「……だが、それだけではない」
「!?」

 酷く残酷な。
 悪魔の笑みを。

381第三の法則:2014/02/18(火) 23:54:26 ID:qCMmgOJg0
「馬鹿な、フレミングの法則がそれ以上、何を示すというのです!?」
「馬鹿は君の方だ。いや、今までの屑どもに比べたら遥かに賢いがね。
 賢いだけじゃあ駄目だ。そう……強くなければな」
「あなた、何を言って……」
「まあ、私も馬鹿の一人だ。自分で作った法則の素晴らしさを、半分しか理解できていなかったのだから」

「我がフレミングの法則は、電気工学における革命であると同時に……格闘学においても革命なのだよ」
「……はい?」

 青年の間の抜けた声が漏れる。
 しかし次の瞬間。

「ダブルフレミングブラインディング!」
「っ!?」

 フレミングは、邪気眼使いを破った必殺攻撃をしかけた。
 だが青年も相当鍛えているのかこれに反応し、眼鏡を前方に投げ捨てることでこれを防御。
 フレミング両手の人差し指は眼鏡のレンズを砕くだけで、青年の眼を破壊するには至らなかった。

「ほほう、やるではないか」
「……フレミングの名を語る殺人鬼か。許すわけにはいかないね」
「だがな……甘いのだよ」

 風を切る音が響いた。

「かっ……は……!?」

 高速の一撃。
 青年には、何が起きたのか事態を把握することができない。
 そしてそれを、言葉にすることも、もうできない。

「っ……! ……!」

 両手のフレミングの法則。
 攻撃手段は、人差し指だけではない。
 太い親指が、青年の喉に深々と捻り込まれていた。

「驚くのはま早いぞ!」
「――――っ!?」

 フレミングの法則、最後に残るは中指。
 それは青年の側頭部に襲いかかり、彼の両耳を刺し貫く。

「これぞ、真・フレミングの法則。構えた三本の指には、それぞれちゃんと意味があるのだよ。
 人差し指で目を抉り。
 親指で喉を潰し。
 中指で耳を貫く。
 人間の身体はどれだけ鍛えようと脆弱な部位が存在するが、我が法則はそこを的確に攻撃できる素晴らしいものなのだ」
「―――!」

 青年はたまらず飛び退き、フレミングから距離をとる。

「さらに、この法則にはもう一つ利点があってな……!」

 とびかかるフレミングは再びフレミングの法則の構え。

(っ! どれだ、次はどの指で僕を攻撃して来るんだ!?)

 それを見た時、青年はフレミングの言うもう一つの利点に気がついた。

382第三の法則:2014/02/18(火) 23:56:55 ID:qCMmgOJg0
 それは、致命傷になりうる攻撃を放つ指が、どこを狙ってくるかわかりにくいことだ。
 三本の指はそれぞれ全く異なる向きであるし、ガードをしようにも必ずどこか一箇所ががら空きになってしまう。
 フレミングが狙う場所を読み違えれば、無防備なところに凶悪な一撃を受けてしまい、そのまま再起不能に陥るだろう。

(……! 既に喉と耳をやられている! だとすると狙いは、最初にやり損ねた眼か! もう眼鏡を使った防御もできない……!)

 青年は腕を交差させ、眼を守る。

「だから、甘いと言っているのだ」
「がっ――!?」

 だが無情にも、フレミングの指は青年を貫いた。
 狙われていたのは眼ではない。
 フレミングの二本の親指は青年の鼻の穴に突き刺さり、血が止めどなく溢れていた。
 親指が狙う場所は、喉だけではない。そうだと思い込まされてしまった青年の負けであった。

「私の法則を知らない愚か者に裁きをくだそう。
 私の法則を言えぬ口は、喉はいらない。潰してしまえ。
 質問を聞き返す馬鹿に鉄槌をくだそう。
 私の質問が聞こえない耳など全くもって無価値。鼓膜も三半規管も蝸牛も貫いてしまえ。
 我が法則に抗う阿呆には仕置きをしよう。
 あくまで仕置きだ軽めにしよう。鼻を削ぐ程度で許してやろう。
 私の法則を首を振って拒絶する屑なら仕方がない。諦めよう。
 もはや美しきこの法則を、その眼に映すことまかりとおらん。抉ってしまえ。
 私の法則、フレミングの法則は素晴らしい……
 ああ、これでもまだ賛同はしないというのか?
 見えない聞こえない喋れない嗅げないは言い訳にはならぬ。
 ならば止む無し。原点に返ろう。
 表の法則により、電気の力によりお前を人間の原点に返してやろう。
 無の世界に帰してやろう。静かなる安息の世界で我が法則を魂に刻み、人生を最初からやり直せ」

【右代宮譲治@うみねこの鳴く頃に】死亡確認

 青年が失血死する前に、フレミングは電撃で脳を焼き尽くした。
 両眼も潰された青年はこのまま放置してもいずれ死んだであろうが、フレミングは時間が惜しかったのだ。
 自身の素晴らしい法則を教えてまわるのは吝かではないが、個人レッスンばかりというわけにもいくまい。

「この世界には無知が多すぎた。これは私自身が、再教育しなければならないということなのだろう。
 私の左手の法則と右手の法則、そしてこの第三の法則。全てを、国民は知らなければならない……
 もっと、もっとだ。もっと沢山の人間に……私の法則の素晴らしさを理解させねば」

 フレミングは己の発言のおかしさに気がつくことはない。まだ自分は正常であると思い込んでいる。
 
 左手と右手の法則はともかく、物理的な第三のフレミングの法則は邪気眼使いや格闘家との戦いでフレミングが先程考えついたものだ。
 教科書などに載っているわけがない。それはつまり、最初から答えられる人間などどこにもいないということ。
 しかし今のフレミングにとって、もはやそれさえどうでもいいのだ。
 視界に誰かが入ったならば、自分が思いついたこの真のフレミングの法則を実践したいのだ。
 人間の感覚を奪いに奪い、己の法則の素晴らしさを立証することに、無情の喜びを感じているのだ。
 もうそこにかつての天才学者の姿はない。
 ジョン・フレミング――テラカオスに蝕まれゆく、狂気の魔人。

383第三の法則:2014/02/18(火) 23:58:23 ID:qCMmgOJg0
【一日目・22時10分/埼玉県】

【ジョン・フレミング@現実?】
【状態】健康、テラカオス化さらに進行中、電撃能力会得
【装備】魔剣ルシファーブレード@作者の妄想
【道具】支給品一式
【思考】
基本:フレミングの左手と右手の法則と真・フレミングの法則をきちんと知らん奴を皆殺し
0:次の参加者(獲物)を探す
1:子供の参加者を優先して質問を投げかける
2:答えられなかったら当然始末する
3:野田総理は法則を知っていたんだろうか……?
※テラカオス化進行により、両手から電撃を放てるようになりました
※感情が昂ぶると、両手を使わずとも相手に落雷を落とせるようになりました
※三本の指を用いた戦闘術、真・フレミングの法則を思いつきました

384I want:2014/02/20(木) 00:19:31 ID:2lHsx9B20
 真正面から棍棒で殴りかかってきた少年を殴り、背後から掴みかかってきた少年を振り向きざまに殴りつける。
天海春香は、襲い掛かってきた少年二人を変身せずに殺害したのだ。

「冬馬!北斗!……嘘だろ!?」
「変身せずに大の男二人を……有り得ない……!?」

 同じアイドルグループだった仲間の死に悲鳴を上げる御手洗翔太と、春香の圧倒的な強さに驚愕するゴシップ芸能記者。
悪徳又一という名のゴシップ芸能記者は、変身していなければ楽勝だと言って生存優先だったジュピターというアイドルグループを唆し、春香からライダーシステムを強奪する作戦を実行しようとした。
しかし、その浅はかな考えの結果がこれだ。
そんな二人の目の前で、春香が仮面ライダーカブト・マスクドフォームへと変身した。

「さっきの二人は服従するなら許してたけど、仲間にいろいろとしてくれた貴方達は私の世界には要らないわ」

 鉄パイプで応戦しようとして踵落としで頭から足元のアスファルトごと粉砕される翔太。
恐怖に震えながらバットを構えるが回し蹴りでひしゃげ、横に合った壁にぶち捲けられる悪徳。
ただのアイドルだった頃の恨みを晴らす為だけにわざわざ変身した春香によって、人の残骸が二つも作り上げられた。
そして、周囲に誰も居ないはずなのに春香は言った。

「で、居るんでしょ。出てきなさいよ」
「ちっ……ガキが良い気になりやがって」

 出てきたのは961プロお抱えのゴシップ記者、渋澤だ。
彼は、春香の親友である如月千早のトラウマを突いて彼女を歌えなくなる程に追い詰めた男だ。

「貴方は跪いて許しを乞うても許してなんてあげない。あの世で後悔していなさい」
「フン、これを見てもそう言えるか」

 渋澤はデイパックからドレイクゼクターが装着されたドレイクグリップを取り出す。
これ等があるという事は、彼がカブトと同じZECT製ライダー、仮面ライダードレイクに変身できるという事だ。
早速、渋澤はドレイクへ変身しようとするが……

「けど、無意味よ。世界は私を中心に回っているもの」

 ドレイクゼクターがドレイクグリップから飛び立ち、春香の手元にやってきた。
ドレイクゼクターは渋澤より春香のほうが資格者に相応しいと判断したのだ。
勿論、ZECT製ライダーシステムの要であるゼクターは離れた以上、ドレイクへの変身は不可能だ。

「なぁっ!?ど、ドレイクゼクター!何処へ行く!?」
「賢いゼクターね。誰が主に相応しいか解ってるみたいよ」

 手元に飛んできたドレイクゼクターを撫でながら春香は言う。
その姿はまさに女帝と呼ぶのが相応しかった。

「さて、お掃除の時間よ」

 春香の拳により、絶望に打ちひしがれる渋澤の首が千切れ飛んだ。
そして、使えそうな支給品を回収した春香は、移動を開始したのだった。


【一日目・22時20分/日本・埼玉県】

【天海春香@アイドルマスター】
【状態】健康、テラカオス化進行中、それにより春閣下化
【装備】カブトゼクター&ライダーベルト@仮面ライダーカブト
【道具】ドレイクゼクター&ドレイクグリップ@仮面ライダーカブト、ゼクトマイザー@仮面ライダーカブト、支給品一式
【思考】基本:この救いようのない世界を征服し、絶対的な支配者となる。
1:傘下に入らぬ者は殺す
2:765プロの皆の死に深い悲しみと怒り
3:天の海を往き、春を香らせる
※ゼクトマイザーは伊集院北斗のデイパックに入っていたのを回収しました。

【天ヶ瀬冬馬@アイドルマスター2 死亡確認】
【伊集院北斗@アイドルマスター2 死亡確認】
死因:撲殺

【御手洗翔太@アイドルマスター2 死亡確認】
【悪徳又一@アイドルマスター 死亡確認】
【渋澤@アニメ版アイドルマスター 死亡確認】
死因:虐殺

385決着! からくりドームの戦い!:2014/02/20(木) 11:21:14 ID:G.gjyT360

第三回放送が流れてなお、からくりドームで行われるイチローチームと大正義巨人軍の血で血を洗う戦いは続いており、それは大詰めを迎えようとしていた。
主催者の野田総理が死んだり、なぜかドームにいる霊夢の名前が読み上げられたりしたが、両軍とも疑問は後回しにする形で試合を続行した。(原監督についてはハラサン≠原監督で解決)
先に二点先制をしているのはイチローチームであり、対する大正義巨人軍は未だに0点のままである。
現在は最終イニングであり、普通ならばイチローチームはこのまま逃げ越せば勝利となる。
……だが、イチローたちに勝ち逃げさせてくれるほど、状況は甘くなかった。

カキーンッ

「くッ!」
「へっ、PSIクオリアが復活した以上、レーザーを投げられないイチローなんて怖くねえよ」

二回表にて範馬勇次郎が死亡したため、雀ヶ森レンのPSIクオリアが復活したのだ。
これによりイチローの投球コースが予測され、規格外のスペックを持っているナッパを除いて打てなかった球がある程度打てるようになってしまった。
しかも二回裏でのイチローの最初の相手はハラサンが手塩にかけて育てられたであろう四番バッター・6/。
パワーではナッパに劣り、経験ではラミレスに負けるものの、総合的な能力はチームでも高い。
そこへPSIクオリアの恩恵も受けた6/氏のバットがイチローの投げた打球を捉えるのも必然だったのかもしれない。

球は軽快な音と共に空高くへと舞い上がる、進路は場外コースだ。
二次創作出展とはいえ飛行能力を持っている霊夢を始め、イチローチームの選手たちが追いかける、だが。

「ダメッ! 間に合わない!」

霊夢達の追走虚しく、ボールは場外へと飛んでいき……ホームランとなった。
大正義巨人軍は一点をもぎ取ったのである。
この快進撃に6/は歓喜をあげ、イチローチームを嘲笑う。

「見たかーッ、俺の実力を! あと一点でも入れられれば同点だなぁ!?
おっと、さっきも言ったが同点の場合、数の少ないチームの方が負けになるルールだぜ?
俺たちは9人に対しておまえたちは8人……この意味わかるよな? フッフッフ」
「そんな……私たち負けちゃう……」
「クソッ!」
「焦るな二人共! まだ負けが決まったわけじゃない」
「無駄ですよ、僕のPSIクオリアではあなたの打球がどうくるかお見通しです。
いっそ、お得意のレーザーでも投げますか?
こちらで打てる人こそいませんが、その前にそちらのキャッチャーが蒸発しますけどね」
「……悪いけど、少し黙ってもらえないか?」

6/の死刑宣告にちなつとダイゴは焦り、イチローが二人をなだめに入るも、すぐに雀ヶ森レンによる煽りが入った。
応援を台無しにされ、イチローチームの心境は焦るか苛立つかの二つに分かれた。
卑怯に見えるが焦りや苛立ちが禁物な勝負にて、それを誘発させること……戦いにおいて精神攻撃は基本である。

大正義巨人軍の次の打席はDCSによってマッチョマンと化したお笑い芸人、松本。
彼は相方である浜田の生存のためにマーダーの道を選んだ者だが、その守るべき浜田は死んでしまった。
彼は放送後、意外にも暴れるでもなく嘆くでもなく黙々と試合に参加する姿勢であった。
しかし、それに対してイチローは一抹の不安を覚えていた。

(妙に静かなのが逆に不気味だな……)

ともかく見る限り6/以上のパワーは確実に持っていそうだ。
PSIクオリアの件もある以上今までと同じ球速では打たれるだろうし、変化球による小細工も意味がない。
ならば、より打たれにくくするためにひたすら早いストレートを投げるだけである。
そう判断したイチローはキャッチャーである萃香に、彼女がギリギリで耐えられるレベルのパワーで投げることをアイコンタクトで伝えた。
が……

カキーンッ

「これも、ダメか!」
「……」

並の選手では打てぬであろうイチローの豪速球は、DCSで強化されPSIクオリアの恩恵を受けた松本の前では歯が立たなかった。
雀ヶ森レンの予言通り球は打たれ、6/を上回る物凄い勢いでからくりドームのセンター壁面につき刺さった。
あと、数10センチ上にボールが飛んでいればそのままホームランとなっていた。
今回は松本の制球力がそこまで高くなかったのが僥倖だったが、選手たちが壁にくい込んだ球を取るまでに三塁までの進行を許してしまった。
これは最悪、もう一度ホームランが来るものなら2-3でゲームセット、そうでなくとも次も打たれる可能性が高い……イチローチームは全員切腹が待っている。
やがて、イチローチームの側から嘆きや諦めの声が上がってきた。

386決着! からくりドームの戦い!:2014/02/20(木) 11:22:01 ID:G.gjyT360

「俺たちはここで負けるのか……」「クソッ、打つ手なしかよ」
「野獣が死んだのにここで終わりだなんて……」「あのさぁ」
「ポッチャマ、不出来なトレーナーを許してくれ」「やだよう……あかりちゃんに会えなくなるなんて」
「おい、みんな落ち着くんだ! まだ負けと決まったわけじゃない!
イチローさんもなんかいってくれよ!」
「……」
「イチローさん……? なんで黙っているんだ?」

ザワつくチームをいちおうの監督であるDAIGOが必死に抑えようとするが、負のムードは一ミリたりとも収まる気配はない。
これまでの戦いによる戦力の大幅な激減、僅か一点で敗北確定、PSIクオリアによってほぼ絶対に打たれる打球、レーザービームは使えない。
これだけの要素が集まれば、希望を持てという方が無理な話なのかもしれない。
そして、チームの要であるイチローも野球帽を深々と被って無言のままマウンドに立ち尽くしている。

「ピッチャービビってるというヤツだな」
「いけませんね〜、負けがほぼ確定してるから棒立ちしてもらうのは。
その分だけ契約金をもらう時間が遅くなってしまいますよ、ふふふ」

大正義巨人軍のベンチでは、ハレクラニや観柳を始め、勝利が既に約束されているが如く相手チームを嘲笑う声が上がっている。

 @



(まずいな……思っていたより状況は芳しくない。
殺し合いを壊すためにはイチローの手は不可欠だし、今からでも大正義巨人軍には消えてもらわねば……)
「よそ見している暇か? スワリングライダーキックッ!!」
「邪魔をするなよ、そういうタイプは俺の漫画じゃ負け確定だぞ」
「知るか!」

両軍の見えない位置では世界を救う殺し合いの破壊を望む漫画家、久保帯人と仮面ライダーGの戦いが続いている。
久保からしてみれば、今すぐにでも大正義巨人軍を皆殺しにしたいところだったが、ワクワクさんの作った仮面ライダーは思いのほか高性能であり、互いの戦闘力は拮抗していた。
少なくとも試合への乱入はできないレベルだ。

(まあいい、最悪イチローさえ助かれば他はどうでもいいか。
助け出すのは試合が終わってからでも遅くない……今は先にヴァイザードをパクったようなコイツを殺すことに集中するか!)

刀と鬼道、拳に蹴りの応酬が続く……両軍に最も近く、されど預かり知らぬ所で死闘は繰り広げられていた。

 @

387決着! からくりドームの戦い!:2014/02/20(木) 11:22:42 ID:G.gjyT360



「もう、勝ちが決まったのも同然だなあ、ハッハッハ」
「……つまらんな」
「は?」

大正義巨人軍の監督であるハラサンは怪訝そうな顔で呟き、それを聞くまで大笑いしていたナッパは首を傾げる。
すると、ベンチに置いてあったメガホンを使ってありったけの大声でハラサンは相手チームに向けて叫んだ。

「イチロー君、君の本気はそんなものか!!」
「ちょ、ハラサン何してるんです!?」
「6/ちゃん、試合を盛り上げる邪魔はするなよ!」

監督の突然の行動に隣にいた6/は静止に入るが、ハラサンはそれを無視して払い除け、ひたすら声を張り上げた。

「確かに我々は変則的なルールの殺人野球ゲームを強要はした。
おまけにそっちは素人の寄せ集めでこっちは鬼のような能力を持つ選手ばかりだが……
まさかその程度で心が折れたわけではあるまい?」
「……」
「君が今、マウンドでそうやって立ち尽くしているのは絶望したからではあるまい。
おそらく、全力を今出すべきか、『隠し種』を今使うかどうかで悩んでいるんだろ?」
「……!」

その時、イチローの反応が確かにあったのを、どの選手も見逃さなかった。

「全力を出す? あいつが本気を出したらレーザーが出て試合にならないような……」
「違うな6/ちゃん。 イチロー君のあの目は彼自身が持つ秘密兵器を出すべきか迷っている目だ。
おそらく、それはいつものレーザービームを超える投球だ」
「レーザーを超えるだって?」

ハラサンの言葉に6/は驚く。
すると今度は雀ヶ森レンが頭を抱えだした。

「うわあ! PSIクオリアが急に使えなくなくなった!?」
「おい、勇次郎はもうとっくに死んでいるはずだぞ?!」
「ち、違う……勇次郎を超える威圧を出している人がいる……彼だ!」

雀ヶ森レンが指をさした先にいる者は――イチローであった。
よく見れば、彼からはオーラのようなものが滲みだしている。
これには両軍とも何事かと困惑する。
その中で唯一ハラサンだけが笑みを零していた。

「ようやく出てきたな、彼の本気が」

そして、イチローは言った。

「ハラサン……あんたの言う通りだ。
僕は今、奥の手を今使うかで迷っていた……本当はもっともっと後に使う予定だったからね。
だけど、あんたのおかげで考えが変わった。
大正義巨人軍は力の出し惜しみをして勝てる相手じゃないってね! それに……」

イチローは深々と被っていた帽子を上げた。
そこには少年のように輝いた二つの目があった。

「マーダーとはいえ、全力でぶつかってきているんだ。 こっちも全力で挑まなくちゃ失礼ってものさ」

次にイチローは仲間たちに向けて告げた。

「このチームを必ず勝たせる! だからみんなは僕を信じてくれ!」


イチローの出した言葉とオーラによって乱れ始めていたイチローチームの連携は元通りになった。
反対に大正義巨人軍の面子は、勝てる試合だったのにわざわざイチローの本気を引き出してPSIクオリアを再び使えなくさせたハラサンを責め立てたが、ハラサンは涼しい顔でこう答えた――「本気を出してない相手と戦ってもつまらないだろう?」と。

388決着! からくりドームの戦い!:2014/02/20(木) 11:23:48 ID:G.gjyT360


試合は続行。
大正義巨人軍の次の打席はラミレスだ。

「サア、ドコカラデモキテクダサイ!」

相手は本気を出したイチローとはいえ、怯える様子なくラミレスは立ち向かおうとする。
どんな打球が来ても打つ気満々である。
そして、イチローは一球目を投げた――なんとそれは光を纏った球だった。

「レーザービーム!? 嘘だろ!?」
「そんなの投げたら萃香まで木っ端微塵になるわよ!?」

ロイや霊夢のように多くの選手が目を疑った。
イチローのレーザーは鬼である萃香すら耐えられぬものではない。
というよりドーム自体が破壊されて試合どころではなくなる。
イチローの本気とはレーザーをぶっぱなすことだったのか……この時、ほとんどの選手がイチローの正気を疑った。

「クレイジー!! ダケド、チームノ勝利のタメニ打チマス!!」

打席に立っていたラミレスは己の命を捨てる覚悟でレーザーに挑む。
ラミレスは豊富な経験に任せてバットを振るった。
バットは球をしっかりと捉えた、が、ここで何かにラミレスが気づく。

「コ、コレハタダノレーザージャナイ!? AIEEEEE!! ウデガモタナイ!!」

球を守るレーザーが、打たせんと言わんばかりにバット防ぐ。
打者であるラミレスの腕には多大な不可がかかり、それに打ち負けたラミレスのバットを弾いた。
そしてレーザービームは真っ直ぐキャッチャーである萃香へ飛んでいき、彼女を消し去るものだと、誰もが思った……

しかし、レーザーのエネルギーは彼女の手元に届く直前で霧散し、誰も傷つけることなくグローブの中に吸い込まれていった。
ワンストライクである。

「なんだ、今の球は……」

たった今、球を取った萃香はそう言ったが、他の選手も同じ意見だっただろう。
それについてイチローは答える。

「いつか来るだろう強敵との戦いを想定して僕が開発した投球。
レーザーのエネルギーを数倍に高め、キャッチャーが受け取る直前でエネルギーを分散させるようにコントロールしたものさ」
「つまり、どういうことだってばよ?」
「徹底したコントロールで投球に大概の相手を消滅させるレーザービーム以上の威力を持たせ、かつキャッチャーに届く頃には消える仕組みにより試合向けに安全性を付加した魔球――名づけて“ネオ・レーザービーム”」
「なんだそのチート魔球は」


ネオ・レーザービーム、それこそがイチローの切り札。
敵にはこの世のだいたい全てを消し去る威力のレーザーを打たねばならず、かといってコントロールされたエネルギーによって味方選手は傷つけられることないまま球を取れる。
このイチローの新必殺技に勝利への希望が見えてきたイチローチームと、動揺し始めた大正義巨人軍の面々(ハラサンだけはニッコリしていた)。
この魔球によるイチローの反撃は始まった。

ラミレスは構わずに座席に立ち続けて魔球を取ろうとするが、二打目……一打目以上のパワーで押し切ろうとバットを振るうが、バットが先に折れて、ツーストライク。
ラミレスの腕へのダメージだけが増大した。

「ナラバ、バットヲコウカンシテ、バントデショウブ!」

どこからか取り出したオリハルコン性の金属バットに変え、バントで強引に押し切ろうとしたが結果は――

「ジーザス!! オリハルコンデモダメデスカ!?」

球を守るレーザーのパワーはオリハルコンの硬度を遥かに上回っており、オリハルコンのバットを容易く追ってしまった。
スリーストライク・バッターアウト、さらにその折れたバットの金属片の一つが大正義巨人軍のベンチへと飛んでいき……


「あ゛」グシャッ
「うわああああ、雀ヶ森ーーッ!!」

飛来した金属片が雀ヶ森レンの頭を潰してしまった。
PSIクオリアが使えていればこの死は避けられたのだろうか?
それを答えられる人間はこの場にいない。


【雀ヶ森レン@カードファイト!! ヴァンガード 死亡確認】

389決着! からくりドームの戦い!:2014/02/20(木) 11:24:29 ID:G.gjyT360


「ラミレス、てめーなんてことしやがった!!」
「おまえのせいでPSIクオリアが完全に使えなくなった!!」
「どうしてくれるんだ! 人数も8人に減って同点による勝利はなくなったぞ!!」
「アイムソーリー……」

ベンチに戻ってきたラミレスを、貴重なPSIクオリア持ちの雀ヶ森レンを殺したとして責める大正義巨人軍の選手たち。
完全にチームワークに乱れが生じ出してきた……大正義巨人軍は高い能力を持っているが、契約金目当てやなし崩し的にチームに入った面子が多いため、イチローチームよりも仲間意識が低いのだ。
ラミレスが責められているのも仲間である雀ヶ森レンが死んだ悲しみではなく、PSIクオリアの消失で勝利から遠のいたことに起因している。
そんな今にも乱闘沙汰になりそうなベンチを抑えたのは、範馬勇次郎以上の気迫を持ったハラサンの一喝だった。

「よさんか、おまえたちッ!!!」
「「ヒッ!」」
「雀ヶ森君は確かに残念だったが、あくまで不慮の事故だったのだ。
ラミレスに責任はない……ボールを投げたイチローも狙ってやったわけではないから向こうにも責任はない、誰も悪くないんだ」
「ハ、ハラサン…」
「ともかく、怒りを仲間にぶつけるぐらいなら試合に集中するんだ!」

助け舟を出してくれたハラサンにラミレスは心から感謝する。
その代わり、批難と疑問の声がハラサンに集中することになった。
特にハラサンの弟子とも言える6/は納得いかない様子である。

「ハラサン! あんたのせいで勝てる試合だったのに眠れる獅子が目覚めちまったぞ!
特に雀ヶ森を失ったのはデカすぎる損失だ。 本当に大正義巨人軍を優勝させる気あるのか!?」
「優勝させるさ。 しかし、さっきも言ったが全力を出してない敵と戦ってもつまらないだろう?
それとも手抜きの敵を相手にして君は目立てるものなのか? その程度が君の大正義か?」
「そ、それは……」
「強敵と戦って勝利した方が君の価値も上がり、このロワでより目立ちやすくなるんじゃないのか?」

目立つことこそが存在意義と化している6/にとって、ハラサンの言葉は重かった。

「それから彼には悪いがPSIクオリアがこれからは通用するとは思えない。
試合を続けていく内に勇次郎クラスの能力や威圧を持つ者はゴマンと出るだろうからな」
「マジっすか」
「それに、我々はどうしても全力でぶつかり合わなければならない――この世界のためにもな」
「は? 世界がなんだって?」
「なんでもない。 さあ、次の打者のハレクラニ君を応援しよう(ニッコリ」

一瞬口走った『世界のため』という言葉。
それについてハラサンは濁すようにいつもの笑みを6/に向けるのだった。

 @

「ゴージャス真拳奥(ry ぐわあああああああ!!」

次の打席においてもイチローは全ての球をネオ・レーザービームで投げた。
ハレクラニはそれを攻略すべく、ゴージャス真拳で立ち向かうが成す術なく完封された。
辺りには折れた純金製バット、溶けて原型を無くした無数の硬貨、燃えて炭となった山盛り札束の成れの果てが散らばっていた。
これにて大正義巨人軍はツーアウトとなり、試合は最終局面を迎える。

「ダメだ……あのレーザーの出力の前ではどんなバットでも折れ、どんな金属でも溶けちまう……あんなの打てるわけねーだろ!?」
「騒ぐなナッパ、俺たちはもう監督を信じるしかねえんだ!」

エースとしてチームメイトをなだめる6/。
そして彼が見据える先には、イチローと一人の男……イチローチーム25人以上の参加者をからくりドームに閉じ込めた元凶にして、大正義巨人軍の監督でもある男。

「ハラサン……」
「やあ、イチロー君、最後の試合になるかもしれないからお互いに楽しもうではないか(ニッコリ」
「……そうだな。 僕らに言葉はいらない、必要なのは野球ボールとバットだけ!」

親玉であるハラサンが八番目のバッターとして打席につき、バットを構える。
それに対してイチローはほんの少しの手抜かりも許さないように一球入魂のフォームを取る。
全身全霊を込めて投げる球はもちろん、ネオ・レーザービーム!
ラミレスとハレクラニを退けたように、バリア付きの野球ボールが物凄い早さでキャッチャーグローブに向けて飛んでいき、ハラサンの振るった木製バットを砕いていく……

――だがしかし。

バキィ!! ヒュン ドオオオオオンッ!!!


「なん…だと……?」
「ネオ・レーザービームが打たれた!?」

390決着! からくりドームの戦い!:2014/02/20(木) 11:25:06 ID:G.gjyT360

その時、誰もが面食らった。
どんなバットでも砕く、難攻不落と思われたイチローの魔球がハラサンに打たれたのだ。
幸いにも球が飛んでいった先はイチローチームのベンチであり、ファールボールだ。
しかし、ベンチはバズーカでも撃ち込まれたかのように滅茶苦茶になり、ベンチに一人でも残っていたら確実に死人が出ていたであろう。
それ以上に、イチローチームの希望であった魔球が打たれたことがチームを困惑させる。
対してハラサンは涼しい顔でバットを交換するのだった。

「やれやれ、まだ沢山あるとはいえバットを一打ごとに代えなくてはいけないね」
「いったいどうやって僕の魔球を打ったんだ?!」
「それは自分で考えたたまえイチローくん。
なにより『投球である以上、絶対に打てないなんて概念は存在しないが、そんな概念があったとしても打つ』と言ったのは君自身だ。
僕はそれを実践しただけだよ」
「……その通りだな。 だけどこの試合に勝つために絶対にあなたからアウトをとってみせる!」
「それでいい」

なにはともあれ、攻防は続けないといけない。
今度はレーザーの出力を数倍に上げ、イチローは投げる。

バキィ!! ヒュン

が、この魔球も木製バットをへし折りながらも打たれたのだ。
6/のホームラン打球を超える速度で飛んでいったためにイチローチームの守備は追いつく追いつかない以前に、反応すらできなかった。
異常な飛距離を持ってボールは場外へと飛んでいった――これはファールボールだったが。

「く……」
「惜しいな、もう少し右寄りだったらホームランだったのに」

これにてハラサンはツーストライク、しかし確実にイチローを追い詰めている。
この攻防に両軍は息を飲んだ、誰が言ったかは定かではないがこんな声が聞こえた。

「すげえ……ハラサンはあんな力を力を隠し持っていたのか」
「これはいよいよ勝負が見えなくなってきたな」
「しかし、なんでも消滅させるパワーを持ったレーザーを、ハラサンはあんなバットでどうやって打ってるんだ?」

バットはただの木製、なにかしらの特殊な材質や細工が施されているようには見えない。
仮に強力な魔法じみた技で正面から挑んでもハレクラニのように、圧倒的パワーに屈してしまう。
ではハラサンはどんな手品を使って打っているのか?
それを解き明かしたのは、彼とリアルタイムで対峙しているイチローその人であった。

「!! わかったぞ、あなたの使うカラクリの正体が!」
「からくりドームだけに、なんてね。 冗談はさておき、僕の魔法の正体を答えてもらおうか?」
「ああ、答えは――“風圧”だ」
「どうしてそう思ったのかな?」
「あなたが打つ瞬間、音に違和感があったんだ。
木のバットに球が当たる音が全くしない、あるのはバットが折れる音と風を切るような音だけ。
おそらく、あなたはバットを振るときに起きる風圧を利用してレーザーには触れずにボールを打っている。
そうすればバット自体はレーザーでへし折られても、その先に中身の球は風で巻き上げられて吹き飛ばされてしまう、それが僕の推測さ」
「ふふふ……ご明察だ」

ハラサンは当てつけのように地面に向けて力強くスイングする。
すると風で砂が舞い上がり、誰から見ても小さな竜巻が発生していることがわかった。
イチローが思った通り、ハラサンはレーザーの中にある球をを風圧で打っていたのだ。
だが、ボールを場外へ吹き飛ばすほどの風を生み出すには相当なパワーと技量がいる。
そもそもレーザー自体が早いので風で捉えるなど至難な技のはずだ。
大正義巨人軍の他の誰ににもこんな芸当はできないだろう。
つまるところ、ハラサンとは6/やナッパを超える怪物であることを意味していた。

「ハラサン、あなたは恐ろしい人だ。
まだ二打席分しか投げてない魔球の攻略方を見つけるなんて」
「君こそ、たった二回でからくりを見抜くとは、流石は何十何百の試合をこなしてきた男だけはあるね(ニッコリ」
「「はっはっはっは」」
「二人共笑ってる……」

イチローは魔球の弱点をつかれ、命の奪い合いに近い滅茶苦茶なルールの試合中にも関わらず楽しそうに笑っていた。
なぜなら、こんなに緊張してこんなに胸が熱くなる試合は久しぶりだったのだ。
ハラサンもたぶん、似たような感情を抱いているのだろう。
強敵を前にすると恐怖よりも先に出会えた嬉しさを感じてしまうもの……アスリートとはそういうものなのだ。

391決着! からくりドームの戦い!:2014/02/20(木) 11:25:42 ID:G.gjyT360


「さて、名残惜しいが次の本当に最後にしよう」

ひとしきり笑った後に、ハラサンはバットの先端をセンター上側に向けた……ホームラン予告である。

「三塁には松本君がいる、つまり僕がホームランをもぎ取れば2-3でこちらの勝利だ。
サヨナラホームランをいただくよ、イチロー!
さあ、君はどうやってネオ・レーザービームを打ち破った僕からアウトを勝ち取るんだい?」

イチローは得意のポーカーフェイスに小さな微笑みを加えて返した。

「あなたには200キロ程度の速球や変化球は通用しそうにない。
だから、僕が投げるのはネオ・レーザーボールだ――ただし!!」

ネオ・レーザーボールはさっき破られただろう……という反論をする者はいなかった。
イチローの纏うオーラがさらに凄まじいものになったので、皆絶句したのだ。

「今まで以上のパワーをこの一球に込める。 命を削ってでも、そっちのチームには一点も取らせない」
「よかろう、真剣勝負だ!」

ハラサンの身体からもイチローと同じかそれ以上のオーラが吹き出した。
それはオレンジ色のオーラであり、それは一匹の獣を型どり始めた。
大きな瞳に長い耳を持ち、野球帽と白いユニフォームが特徴的なそれはまさしく――

「オオウ、アレハ巨人軍ノ守護神(マスコット)、ジャビット!!」

――ジャビットだ。 ラミレスはそう言った。
長年に渡り巨人軍の象徴となってきた獣がハラサンのオーラによって顕現したのである。
されを皮切りにマウンドとベンチから二種類の声援が響き渡る。

「「「ガンバレガンバレ、イチロー!!!」」」
「「「かっとばせー、ハラサン!!!」」」

負けた方は切腹であるにも関わらず、己のチームの勝利しか信じていないように声の限り応援していた。
ほぼ皆がこの戦いでテンションを上げており、DAIGOも蛮もロイも萃香も霊夢もダイゴもちなつも6/もナッパもラミレスもハレクラニも観柳も真壁もこれが殺し合いであることも忘れて熱く応援していた。

そして今、最高潮に達したからくりドームの死闘劇に終止符が打たれる!!

「勝って証明してみせる、我々の大正義を!!」
「僕は、負けない」


イチロー選手、投げた。
エネルギーというエネルギーを込めたネオ・レーザービーム。
その凄まじさはもはや光る大波というレベルという大きさになっており、普段のレーザービームの倍はあるんじゃないか思わせる神速だ。
ナッパ曰く「ベジータのファイナルフラッシュ以上だ」である。
イチローはハラサンの超・圧倒的パワーで押しきろうというのか、こんなものが迫ってきたら並の精神力の持ち主は失禁ものだろうが、ラサンは勇者の如くそれに立ち向かっていく。

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!!!」

ハラサンはバットを振るう、レーザーがバットに当たってすぐに消し炭となるだろう。
それでもハラサンは先の魔球を破ったように、折られるより先にバットで風を発生させてバリアの先にある球を打つ(吹き飛ばす)つもりなのだ。
バットを粉々にし、腕の血管がいくつか切れて血を吹き出すほどのパワーを込めたスイングは風を……否、一瞬とは言え大きな竜巻を発生させていた。
からくりドームに強風が吹き荒れる。 カオスロワの強豪野球選手は嵐すら巻き起こすほどの戦いをするのだ!

「これだけの竜巻ならどんな球でも場外に……!」

大正義巨人軍の選手たちはは勝利を確信した。
レーザーは今までと同じくキャッチャーの前で消えた、ハラサンが生み出した竜巻もそれと同時に消える。

そして、キャッチャーの萃香のグローブに……収まるべき野球ボールは、なかった。

392決着! からくりドームの戦い!:2014/02/20(木) 11:26:00 ID:G.gjyT360














なぜなら、ボールはまだ『打席にまで』届いていなかったのだから。


「!!?」

ハラサンは目を疑った。
打たれているハズのボールが、イチローの手元からこっちに向かっていることに。

(馬鹿な、打ったはずの球がこっちに戻ってきている!?)

刹那の内に混乱するハラサン、しかし次の刹那には理解した。

(違う、僕は打った気になってただけだ。 これは『スローボール』だ!!)

ハラサンの目の前で異様にゆっくり飛んでくる投球。
次に脳裏に浮かぶのはイチローの戦略。

(僕はレーザーボールの中身にはが必ず、ボールがあるものだと勝手に思い込んでいた。
彼はその精神的死角をつき『レーザーだけを先に投げた』!
そしてボールが僕の起こした風が消えた瞬間に届くようにレーザーとスローボールを時間差で届くように投げたんだ。
わざわざレーザーを大袈裟に見せたのはパワーで押しきるためじゃなく、後から続くスローボールに気づかせないための“演出・目隠し・囮”!!)

そして、スローボールはゆっくりとハラサンの横を通り過ぎていく。
既にバットは振るってしまったため、空振りによってストライクは確定している以上、見送るしかできなかった。

(僕は駆け引きに負けた……試合はパワーで決まるものじゃないかということか。
レーザービームがここまで応用の効く投球だと見抜けなかった詰めの甘さが敗因かな。
なんにせよ、僕の闘いはここで終わりのようだ。
だが、イチローそしてイチローチーム、勝者である君たちは――)



乾いた音と共に、一つの球がキャッチャーグローブに飲み込まれていった。
そして広がる歓声と嘆き。



バッターアウト ○イチローチーム 2-1 大正義巨人軍● ゲームセット

393さらば! からくりドーム!:2014/02/20(木) 11:27:18 ID:G.gjyT360
チームの勝利が決定した瞬間、イチローチームから歓声が上がった。
チームの全員がイチローに駆け寄り、熱い戦いをやり遂げた感動と、生を勝ち取れた嬉しさのあまり、この試合におけるMVPのイチローの胴上げする。

「「「ワーッショイ! ワーッショイ!」」」
「イチローさん、マジウィッシュ!」
「ははは、僕だけの力じゃない、皆のおかげさ」

勝者が仲間と喜びを分かち合う一方、敗者たちは暗いムードであった。
負ければ切腹すると約束した以上、当然か。

「畜生、このナッパ様が二度に渡って地球人如きに負けるとは!」
「闇DAIGO様、仇を取れなくて申し訳ございません……」
(わ、私は切腹なんてゴメンです。 向こうに賄賂でも送って見逃してもらいましょうか? ハレクラニさん)
(……それもそうだな観柳)
「ハ、ハラサン…」

彼らは約束を守るならばもうじき切腹をせねばならない。
その前にハラサンは愛弟子である6/に声をかけた。

「……すまない、全力をかけて挑んだつもりが負けてしまった。
僕があそこでイチローの変化球に気づけば、勝てたかもしれないのに。
特に君はもっともっと活躍して目立ちたかっただろう」
「いや、いいんだ。 チーム全体で死力の限りを尽くして負けたんだ。
だったらハラサン一人責めたところで何も変わりはしない……それに」

6/の顔は先ほどまでの手段を選ばぬマーダーの顔立ちから、悟った仏のような顔立ちになっていた。

「あなたが野球という道を俺に示してくれたおかげで、俺はそれなりには目立てたハズだ。
ズガンや空気よりは遥かにマシな扱いで死ねるだろうし、それだけでも十分さ」
「6/ちゃん……」
「さあ、ハラサン。 野球の続きは死者スレでしようぜ。
こっちじゃ初戦敗退で終わったけど、あの世ではクルミボールで優勝を勝ち取るぞ!
ハラサンも手伝ってくれよ、チームにはあなたの指導が必要不可欠だ」
「ああ、向こうでも監督をやらせていただくよ(ニッコリ」

師弟同士、最後になる会話は笑顔で交わす。
そして、大正義巨人軍は配られた切腹用ナイフで自刃の準備(約二名はポーズだけ)に入った。

「くそう、俺もサイヤ人の端くれだ! 負け犬のままなら潔く死んでやる!」
「子供ト孫ガ心配デスガ、仕方ナイ……」

そして、自決の時間がきた。

394さらば! からくりドーム!:2014/02/20(木) 11:28:04 ID:G.gjyT360


だが、そこへ胴上げから戻ってきたイチローが静止に入った。

「ちょっと待ってくれ!」
「おい、試合に負けて、せっかく約束通り死ぬ覚悟を決めてきたのに水を差すなよ」

6/が睨みつけてくるが、イチローは構わずに言葉を続ける。

「いや、そもそも野球の試合で切腹すること自体おかしいだろうに。
確かに君たちは僕らを閉じ込めて、仲間を何人も殺してきた。
だからと言ってこっちの勝った横で自殺されるのは気分が悪い。
罪を償うんだったら、牢屋にでも入ってればいいだろ!」

善人である彼は、敵とはいえ目の前での人死を許す真似はとてもできなかった。
彼が躊躇いなくレーザーを打ち込むのは、あくまで自重を欠片ともしない危険人物だけである。
そんな彼の言葉にハラサンが反論した……怪しい笑顔をニッコリ浮かべて。

「クックック、あまいなイチロー君」
「ハラサン、何がおかしいんだ?」
「君はこの世界における野球をただの球技だと思ってるのかい?」
「?」


「魂を込めた球を投げ合い、打ち合い、捕球し、マウンドを走り回って大気に汗を振りまき。
そして敗者たち……生贄の血を大地に捧げる、野球とは必要な儀式なのだよ――世界を救うためのね」


「あんた、何をいきなりふざけたことを……」
「僕は至って真剣だよ!」
「!?」

突然、意味がわからないことを語り始めたハラサン。
字面だけを見ると妄言としか取れない言葉を並べているが、彼の目は真剣そのものであり、適当な虚言を抜かしているようにも見えない。

「ふむ、だが今ここで若くて有能な才能を失うのは心もとない。
イレギュラーな事態とはいえ、観客席の方で大勢の死者を出していた……“ここでは”もう血を流す必要はないかもしれん」
「さっきからアンタは何を言ってるんだ!」

ハラサンはしばらく考えた後に、イチローたちに向けて言った。

「……イチロー君、DAIGO君、もしよければ選手をトレードしないかね?
我々の試合に付き合って、多大な犠牲を払ってくれた見返りにナッパ君、ラミレス、真壁君、ハレクラニ君、観柳君、そして6/ちゃんをそちらに移籍させよう」
「「「!!?」」」

彼の言葉に両軍の選手が驚いた。
大正義巨人軍のほとんどの選手を切腹前にイチローチームに移籍させようというのだ。
これには多くの者たち、主にイチローチームから批判も上がった。

「ふざけんなテメー! おまえらのせいでこっちの仲間が何人死んだと思ってやがるんだ!」
「そんな奴らを一緒に連れて行くなんてできるわけねーだろ!?」
「いつ裏切るかもわかんないわよ」
「私も反対です! 闇DAIGO様の仇と戦うなんてとてもできない!」

各所からブーイングが飛ぶ中、エースであるイチローだけはこう答えた。

「わかった、その申し出を引き受けましょう」
「ちょっとイチローさん、マジ勝手に言ってんスか!」

多くの者の不服に構わず、イチローは移籍を受け入れたのだった。
そんなイチローに蛮が彼の胸ぐらを引っつかむ。

「今の言葉、マーダーでも死んで欲しくない……みたいな薄っぺらい偽善的な考えで言ったんじゃないだろうな!?」
「僕は安っぽい考えで申し出を受け入れたわけじゃない。
ただ、宗則のような強者に勝つためには6/たちの力は必要になる……それに同意しただけさ」
「もし、奴らが裏切ったり、何かあった時に責任を取れるだけの覚悟はあるか?」
「ある! そうなったら僕が切腹でもなんでもしてやろう」
「……わかったよ」

395さらば! からくりドーム!:2014/02/20(木) 11:28:32 ID:G.gjyT360

掴みかかった蛮だったが、イチローの曇りない瞳に覚悟と責任を背負えるだけの強さを感じた蛮は彼を解放した。

「俺はハラサンの言ったことには従う。
そしてハラサンがイチローに従えと言えばそっちに従うまでだ。
一人でも裏切者が出たら容赦なく全員殺せばいいい」
「私モデス」
「あ〜、俺はこの試合で野球の面白さに目覚めちまったしなー。
しかし、試合は一人じゃできねえし、野球やりたきゃアンタのチームについてくしかないだろう」
(なんとか命拾いできそうですね、ハレクラニさん)
(この場は話を合わせておこう、観柳)

不服そうな顔をしている真壁を除いて6/たちも移籍を受け入れ、今後はイチローチームの一員として戦っていくつもりのようだ。
移籍前にハラサンと6/の師弟コンビが話し合う。

「移籍は決まりだね。 6/ちゃん、イチローチームでも頑張るんだぞ」
「任せてくれハラサン。 ところでハラサンはこれからどうするんだ?」
「どうするも何も」

ザクッ

――その時、6/の眼前でハラサンは己の腹に自決用のナイフを刺しこんだ。
その光景に茫然とする6/や周りの者たち。

「……え?」
「な、なんのケジメもつけないわけにはいかないだろうからな……
選手の責、任は監督の責任、6/ちゃんたちの業は全て私が持っていく……
だからこれで、君らの仲間を奪ったことを許、してくれ……」
「は、ハラサァーーーーーンッ!!」

腹部から出血し、顔を青くして地面に倒れるハラサン。
涙を流しながら彼はイチローチームに懇願した。
6/は大粒の涙を流しながら死にゆく男に泣きついた。

「ハラサンッ!!」
「6/ちゃん…我が愛弟子よ。
君はもっともっと良い選手になれる……あの世から活躍を見守っている。
もっと活躍してもっと目立つんだぞ……」
「ハラサーンッ!!」
「泣くなよ……私は監督としての責務を全うしたいだけだ」

既にからくりドームから歓喜や批判の声も消え、あるのは静けさの中に木霊する6/の嗚咽だけだった。








「監督の責務? そんなくだらないことに命を使うなんて勿体無いデス。
どうせ死ぬんならクラウザーさんのためにその命を捧げるデス」
「「「!?」」」

静けさを打ち破るように唐突に少女の声が響き、全員が何事かと辺りを見回す。

「いったい何が……」
「真壁、上だーッ!!」
「は……」

誰よりもいち早く何かを見つけた6/の言葉に従い上を見上げる。
すると、そこには魔法少女と死神をかけあわせた姿をした少女がこちらに向けて大鎌を振りかぶり――気づいた時には真壁は頭から足元へとかけて両断され、主である闇DAIGOの下へ旅立っていた……

【真壁刀義@現実? 死亡確認】

396さらば! からくりドーム!:2014/02/20(木) 11:29:13 ID:G.gjyT360


「真壁が殺られた!」
「テメー、何もんだ!?」

突然の来訪者は選手たちは悲鳴と怒号を浴びさせられるも、それを何でもないことのように微笑んで自己紹介した。
微笑むといっても、その眼は狂気で爛々と輝いていた。

「私の名前は切歌、クラウザーさんを信望する者の一人デス」
「いきなり出てきてなんて酷いことしやがる!」
「全てはクラウザーさんの復活のため、SATUGAIすべき生贄がまだまだ足りないのデス」
「こいつ……狂ってやがる」

シンフォギアの使い手である切歌はDMC狂信者である。
クラウザーの生贄を求めてからくりドームにやってきたのだ。
そんな彼女に対してナッパや蛮などの戦闘力を持っている選手は応戦しようと武器や拳を構える。

「おっと、私たちとやる気デスかー?」
「……私“たち”?」
「SATUGAIしにきた私だけじゃないデスよ」

彼女がそう言うと、50人以上の暴徒がドームの入口から突入してきた。

「うわッ、なんだこいつら!?」
「同志たちデス」
「「「SATUGAIせよ! SATUGAIせよ!! SATUGAIせよ!!!」」」

巨人小笠原の結界(ぶっちゃけ役立たずだった)がなくなったので、先の五本指や律と同じくドームへの侵入を許してしまったのだ。
もちろんその全てが一人としてまともな精神状態ではない狂信者たちである。
その証拠として彼らの異常な狂気は、ある猟奇的行動に走らせていた。
それを見たちなつとダイゴは吐き気を覚えた。

「ひ、酷い……」
「アイツら人の生首を! 人間のやることじゃねえ!!」

ドームの外で死んでいった者たちの生首を長い槍に刺し、晒し者のように天へと掲げられている。
そのどれもが彼らが殺した者ではないが、それでも惨たらしいことをやっているのは変わりない。
ダイゴが言った通り人間の所業ではないが、彼らの“宗教”にとってはクラウザーへの大切な供物であるのだ。

晒し者となった生首には、マドカ・ダイゴ、多くの美少女たち、白饅頭等々が苦悶の表情を浮かべていた。
そしてその中には赤い帽子に丸い眼鏡の男もいて――

 @

「ウワアアアアアアアア!!! ワクワクさんがあああああ!!!」

久保帯人と戦っていた仮面ライダーゴロリは、これ以上ないほどの絶叫を上げた。
既に亡くなっていたとはいえ、親愛するワクワクさんの亡骸を狂った連中に“工作”されていたのを見てしまったからだ。

「よくもワクワクさんを……まとめて皆殺しに「滲み出す混濁の紋章 不遜なる狂気の器 湧き上がり・否定し・痺れ・瞬き・眠りを妨げる
爬行する鉄の王女 絶えず自壊する泥の人形 結合せよ 反発せよ 地に満ち己の無力を知れ――破道の九十 『黒棺』!!」」

彼の怒りは今、戦っていた相手の存在を忘れるほどであった。
しかし、それがいけなかった。
敵に隙ができたと見て、ここぞとばかりに久保帯人は鬼道を唱えたのだ。
詠唱が終わるとゴロリの四方を黒い壁が覆う。

「なんだこれは……」
「重力の奔流さ、言っただろ? 邪魔をする奴は俺の漫画じゃかませ犬だって」
「貴様ッ!! うおわあああああああああああああああ!! ……」

ゴロリは脱出を試みるも、その前に重力の柩によって身体を押しつぶされてしまった。
彼の悲鳴が消え、鬼道によって生み出された柩も消えると、そこには瓦礫とひしゃげた仮面ライダーGだけが残されていた。

「終わったな……さて、イチローたちの下へ向かおうか」

戦いに勝利した久保帯人は、踵を返して選手たちと狂信者たちがいるマウンドへと向かった。

 @

397さらば! からくりドーム!:2014/02/20(木) 11:29:58 ID:G.gjyT360

「一気に吹っ飛ばしてやる!」

ナッパがクンッと腕を握ると、狂信者たちのいた足元が爆ぜ、直前で避けた切歌を除いた数十人の狂信者がいっぺんに死亡した。

「ハッハッハ、こんな木っ端共50人程度なんてちょろいちょろい…って何!?」

ナッパの笑顔は長く続かなかった。
ドームの外からさらに50人……いや、100、200、300、400と矢継ぎ早に入ってきたのだ。

「500人ぐらい連れ回してたんデスからね。
たかだが50人殺したくらいでいきがるなデス」

イチローたちはあっという間に囲まれてしまった。
あまりにも数が多すぎる上、モブといっても軍隊出身の者もいる、魔法使いや超能力者もいる、ロボット兵器に乗っている者もいる。
そんな者たちに包囲されてしまったら絶望しかなかろう。

「しまった! 囲まれたぞ!」
「どうやらそのようだな……だが、俺たちにはイチローがいる! イチロー、出番だぜ!」

だが、彼らは自身の生存を諦めなかった。
なぜなら今まで自重知らずを再三に渡って葬ってきたイチローのレーザービームがこちらにはあるからだ。
イチローならば狂信者たちを一掃できるだろう……そう信じて6/はイチローに振り返った。

振り返った先には苦しそうに地面に倒れているイチローがいた。
彼の両腕からは夥しい血が流れていた。

「い、イチロー!! おまえ、その腕はどうしたんだ!?」
「魔球の反動が出たんだ……」
「反動!?」
「ネオ・レーザービームはレーザービームを超えるパワーと、安全性のためにエネルギーが霧散する仕組みだけど、それを使うには非常なパワーとコントロール力を要求され、腕には莫大な負担がかかる……ちょっと投げただけで腕が壊れそうになるぐらいね……」

考えてみれば、全打席を最初からネオ・レーザービームを投げていれば勝てた試合だろう。
それができなかったのは、たったの三打席分投げただけで血を吹く程のダメージを腕にかける代償を負うためである。
イチローがギリギリまで魔球の使用を出し渋っていた理由はこのためである。
逆に二回裏では三打席を全て魔球で通したのはチームの勝利を完璧にするためであり、そうでなければポンポン投げられる球ではなかった故の秘密兵器だったのだ。
だが、勝利のために選手生命を削って投げた負荷が、最悪のタイミングで出てきたのである。

「じゃあレーザービームは!?」
「この腕ではしばらく投げられんない、投げたくとも投げられないんだ!」
「そんな……」

レーザービームに一縷の望みをかけていた選手たちの心を黒い絶望が塗りつぶしていく。
それでも希望を諦めないものは応戦するが、如何せん数が多すぎた。
ちなみに6/のクルミボールはこんなに多人数を相手取れるほどの技がまだ無く、イチローに次ぐ火力を持つナッパがこれ以上技の威力を上げると味方を巻き込みかねないため、満足に戦えないでいた。

そして……狂信者たちの猛攻が始まろうとしていた。
この一団のリーダーシップを取っていた切歌がモブ信者たちに指示を下す。

「クラウザーさんのために急げデス!
一斉攻撃でちゃっちゃとカタをつけるデス!」
「まずい!」

リーダーの指示を受けてモブ信者たちがロケットランチャーや魔法など、それぞれが持つ中で最も火力の高い武器や技を構える。

「放てーーーッ! デス!!」
「「「レ○プせよーーーッ!!」」」

号令と共に信者たちの一斉射撃がきた。
手数が多すぎて飽和攻撃・絨毯爆撃と化しているそれはイチローたちを爆炎に包まれて見えなくなった。
打ち方が終わり、煙が晴れた後には肉塊と化した無数の生贄たちが転がっている……そう、信者たちは思っていた。


だが、煙が晴れた先には誰一人として欠けず健在しているイチローチームと、彼らを守るように立っていた約50mはある銀色の巨人であった。
その巨人の突然の出現に流石の狂信者たちも動揺を隠せないでいた。

「あ、あれはウルトラマン!? なぜここにいるデスか!?」

398さらば! からくりドーム!:2014/02/20(木) 11:31:12 ID:G.gjyT360


ウルトラマンゼロの出現――攻撃を喰らう直前にDAIGOと融合しているゼロは彼にウルトラゼロアイを被らせた。
その瞬間、彼らにはチームの仲間を守りたいという強い想いが一致したため、変身は何の問題もなく遂げられた。

(助かった〜、ありがとうウルトラマン)
『礼は後でいい。 DAIGO、ここは皆を引き連れて逃げるぞ』
(え? あいつらやっつけないの?)
『確かに俺の力なら倒すのは簡単そうだが、彼らはクラウザーさんとかいう精神的支えを失って暴徒化しているだけだ。
無闇に殺すことはできない。 イチローたちを守りながらは戦いづらい、だから俺たちの手で彼らを安全な場所まで送るぞ』

彼は信者たちを蹴散らすよりもイチローたちを逃がすことを選択した。
ゼロがしゃがみこみ、仲間たちに巨大な手をかざしつつ、テレパシーで伝えた。

『さあ、俺の体に乗るんだ! 安全地帯まで飛んで逃げるぞ!』
「「「わかった!」」」

イチローたちは狂信者たちの次の攻撃が始まるより早く、大急ぎでゼロの腕の中や背中に乗りこんでいく。
そこで6/があることに気づいた……誰かがゼロに乗らずに残って戦っていたことに。
その誰かとは――

「ハラサン!?」

先ほど、自らの腹に刃を突き刺して倒れたハズのハラサンがバットを両手に持って、狂信者たちに特攻していた。
手負いとは思えない、10人以上が粉々になるほどの一撃を信者たちに叩き込んでいる。

「ここは……僕が食い止める」

ハラサンはそのまま静かに死にゆくより、イチローチームと元大正義巨人軍の面子を逃がすために戦って死ぬ道を選んだのだ。
腹に刺さったままで出血し続け、青い顔に大粒の汗をかいているその姿はとても痛々しく、思わず6/は助けにいこうとゼロの腕から飛び出しそうになったがラミレスに掴まれて止められる。

「はなせ! ハラサンが戦ってるんだ!」
「6/サン、冷静ニナッテ! アノ傷ジャモウ助カリマセン!」
「ラミレスの言う通りだ。 6/ちゃんは僕に構わずに逃げてくれ……!」
「ハラサン……!」

悲しむ6/にハラサンはニッコリとした表情で諭した。

「大正義巨人軍は敗れ、ついさっき解体してしまった。
だが、我々の大正義は死んでいない……その意思をどうか引継いでくれ6/」
「ハラサン……わかったよ、俺はアンタに教えられたこと何一つ無駄にしない!
だから最後にこれだけは言わせてくれ――ありがとう」
「(ニッコリ」

6/は命を削りながら自分たちのために戦ってくれるハラサンにこれ以上ないほどの感謝の気持ちを伝え、ハラサンは静かに微笑むのだった。
最後にハラサンは狂信者たちと戦いながらイチローに向けて言葉を遺した。

「イチローくん! 一度しか言わないからしっかり聞いてくれ!」
「ハラサン!」

「“九人の最良の戦士たちによる儀式の完遂、全てを虜にする歌、巫女の祈り、器たりえる巨像、不屈の精神を持った勇者。
全てが揃いし時、争いの淀みから生まれた化身は救いの神に転じる”」

「それはいったい?」
「僕が現役時代のキャンプの時にある遺跡で見つけた大いなる古の予言……少なくとも、君なら最初の部分の意味だけはわかるはずだ!」
「まさか決闘の儀式とは“野球”のことか!?」

ハラサンが言い出した謎の予言……彼は最初の“儀式の完遂”をするべく大正義巨人軍を率いてこんな殺人野球を開いた動機というのか。
だが、それにしてはイチローにとっては難解で意味不明なワードが多すぎた。

「だが、残された他の予言の意味は? そもそも救いの神とはなんだ?!」
「それは自分で確かめたまえ、だがわかっていることは3つ。
大災害で滅びかけた世界には救いが必要だということ、この予言は野球の試合と同じで一人で達成できるものじゃないこと、そして最良の戦士たちによる儀式の完遂とは……すなわちチームの“優勝”であるということだ」
「優勝……!」
「この予言をどう思うかは君たちの勝手だ、行動の強制はしない。
しかし、予言が眉唾じゃないと思ったのなら勝ち上がった先に何かがあるはずだ。 優勝を目指してくれイチローチーム!!」
「ハラサン!」
『これ以上は危険だ! このドームから脱出するぞ!』

制限によって時間切れが迫っていると見たゼロは脱出を敢行する。
みるみる内に上空へと飛んでいき、気が付けばイチローチームは狂信者たちの届かない場所まで飛んでいった。

「あー! 生贄が逃げたデス!
おまえが邪魔しなければ5人ぐらいは殺せたかもしれないのに!」
「ふふ(ニッコリ」

399さらば! からくりドーム!:2014/02/20(木) 11:31:49 ID:G.gjyT360

ハラサンの周りには屍が累々と転がっている。
全て狂信者であり、チームに犠牲が出なかったのは一重に彼のおかげであった。

「それにしても、君はさっき言ったよね?
監督の責務がくだらないとかさ……あれすっごくムカついたな」

ハラサンの顔がいつもの微笑み面から、鬼の形相に変わる。
それは勇次郎のそれよりも遥かに恐ろしく、切歌に恐れを抱かせるには十分であった。

「ひッ」
「人のプライドを貶した覚悟はできてるか? 小娘が」
「だ、だが、こっちにはシンフォギアとまだまだ同志が残ってるデス!
SATUGAIされるのはおまえの方デス!!!」

バットを構えるハラサンに切歌と狂信者400人あまりが容赦なく、一斉に畳み掛けた。

(イチロー君、是非優勝してくれよ。
優勝の先に、僕らの散っていた意味もあるだろうからさ)

 @

――東京上空。
ウルトラマンゼロによって辛くも狂信者たちの魔の手から逃れたチームであったが、戦いの傷跡は深く選手たちの心に影を落としていた。


「ポッチャマ……」

飛び立つ前に回収したポッチャマの亡骸をダイゴは涙を流しながら抱きしめる。
6/が申し訳なさそうに彼の背中に声をかけた。

「そいつを殺ったのは俺たちじゃない、きっと乱入者が……いや、これは言い訳だな。
すまない、俺たちがちゃんと見張っていれば……」
「俺は……約束を守れなかったおまえたちを信用できない」

ダイゴは静かに6/たちに向けて恨みの言葉を呟いた。

「だが、イチローも言ったとおり、この殺し合いで生き抜くにはおまえらの力が必要だし、おまえらがこのチームのために戦うつもりがあるのは眼を見てわかる……今ここでおまえたちと争うのは間違いなことくらいわかる。
だからおまえたちは死んだ仲間の分も戦ってくれ、そして二度と約束を破らないと誓えよ」
「ああ、誓う」
「そうか。 それから、悪いが今はソっとしておいてくれ、俺はポッチャマの冥福を祈ってるんだ……」

全員試合に出ていたため、全選手にはアリバイがあり、ポッチャマを殺したのは乱入者以外ありえないのは理解していたダイゴは必要以上に6/たちを恨まないようにした。


「アレ?」
「どうしたラミレス?」
「観柳サン、ハレクラニサン、松本サンガイマセン」
「あ! 本当だ、あいつらどこ行きやがった!?」

ラミレスとナッパは自分たちに以外に移籍したハズの3人の選手たちがいないことに気づいた。

「マサカ、乗リ遅レタノデハ……」
「考えづれえな。 観柳とハレクラニは元々金が目当てで野球をやっていただけだし、イチローたちに金があるようには見えなかったからゼロに乗らずに逃げたんだろう……松本は知らねぇ」

三人中二人は雑魚なら容易に蹴散らせる実力を持っており、その気になれば狂信者たちをかき分けて脱出もできるだろう。
ゼロの腕や背中を念入りに探すも結局見つからず、ナッパたちは件の三人を諦めた。

「仕方ねぇ、奴らの分も俺たちがチームに貢献すっか」


一方、腕を故障寸前まで壊しかけたイチローはちなつの看病を受けていた。
腕には包帯が巻かれている。

「イチローさん、その腕大丈夫なんですか?」
「ああ、少し休めば、またいくらでもレーザーを投げられるようになるさ」
「良かった……心配しましたよ」

イチローはちなつに向けて笑顔を向けて怪我についてはなんでもないように言ったが、それは彼女を安心させるための嘘である。
実際は腕がもげそうな痛みが今も彼を襲っている。

(ネオ・レーザービームで予想外の痛手を受けてしまった。
ろくな休憩が取れるわけないロワという環境、これが仮に三日は続くと過程して、ネオ・レーザービームを投げるのは3球が限界……それ以上は僕の選手生命が終わる!)

故障に強いことに定評があるイチローすら壊してしまう魔球をあと何球投げられるか、イチローは見立てる。
野球選手を続けたいならできるだけ投げたくない魔球だが、これから投げなくてはいけない局面もくるだろう。
できれば三球目に到達する前にロワに決着をつけたいと思うイチローであった。
そしてもう一つ、イチローは気になることがあった。
別れ際にハラサンが言っていた“予言”についてである。

(予言に嘘偽りがないなら優勝は救いの神とやらを呼ぶのに必要らしいけど、果たして……)

優勝すれば審議は明らかになるのだろうが、どこかよくわからない故の怖さがあった。
救いの神とやらはロワを終わらせて日本を平和にしてくれるのか? そもそも自分たちの望むような神なのか?
ハラサンに従い、このままチームは優勝を目指すべきなのか、イチローは思い悩んでいた。
すると、そこへイチローに声をかける存在が現れた。

400さらば! からくりドーム!:2014/02/20(木) 11:32:45 ID:G.gjyT360

「お困りのようだね、どうしたんだ?」
「って、誰だ! いきなりどこから現れたんだ?」
「あ、久保先生だ」
「知り合いなのか、ちなつちゃん?」

その男こそ野獣捜索組の盟主にである久保帯人であった。
先程までドームにはいなかった男に戸惑うイチローたちであったが、同じ野獣捜索組のちなつら女性陣によって知り合いであり、悪い人ではないと説明され、互いに情報交換がなされた。

「そんなことがあったのか……すまない、もっと俺が早く駆けつけていれば何人かは助けられただろうに……」
「いや、あなたのせいではないさ」
「ここで会ったのも何かの縁だし、俺も力を貸そう」
「それはありがたい」

久保はイチローチームの一員として手を貸してくれるらしいが、すぐに改まってイチローたちに懇願をした。

「それでポジションについてなんだが、監督をやらせてもらってもいいかな?」
「監督って、あなたできるんですか?」
「俺は一度に20〜30人以上のキャラをライブ感で動かしてる漫画家だよ。 それぐらいはお手の物さ。
そもそも野獣捜索組を結成して動かしてたのも俺だしね。
さらに話を聞く限り、しっかりと指揮できる監督がいないのがこのチームのネックだと思ったし、チームを勝利に導く指導者は必要だろう」
「まあ、一理ありますね」

野獣捜索組のメンバーは久保を監督には賛成であり、他に反対する者も特にいなかったため、久保帯人は晴れてイチローチームの監督に迎えられた。


――誰も彼の中にある邪悪な野望も知らず。

(ふふふ……うまいことチームに潜り込めたぞ。
霊夢(その1)たちが俺の本性を知らないのは僥倖だった。
イチロー、悪いけど君には世界の滅亡の手伝いをしてもらうよ)

この男は殺し合いの破綻による世界滅亡を望んでいる。
対主催のグループに力を貸して主催の打破を目指しつつ、殺し合わねば滅亡という真実を知らぬまま死んでもらうのが彼の理想であった。
特にチームの監督としてグループの行動を管理できるポジションにつけたのは久保にとって大きいものだった。
そしてもう一つ、彼には計画があった。

(予言とやらは俺も聞いていた。
救いの神を作るみたいな感じだったが、世界に滅んで欲しい俺にとってはそうなると困る。
ならば俺のすることは一つ、予言“九人の最良の戦士たちによる儀式の完遂”を実現させない――すなわち、どの野球チームにも優勝させないことだ。
そのためにチームの皆には死んでもらう……といっても優勝する寸前までは生かしておくがね。
今、イチローチームを全滅させると、俺の手の届かないところで別のチームが優勝してしまうかもしれない。
だったら、このまま監督してチームを勝ち続けさせ、最後の2チームが残って試合によって疲弊したところを両チームとも叩く。
こうなれば“優勝チームはなし”となる……我ながら天才的な計画だ)

チームの信頼を利用し、最後にはゴミのように葬る……それは悪魔の計画であった。
そんな闇を抱くの男は監督として最初の指示を出した。

「しかし、このまま次の試合へ……というわけにもいかないだろう。
みんな試合で疲れているようだし、どこか安全な場所で休むべきだろう」
「そうですね、ゼロどこか安全な場所は無いか?」
『少なくとも東京はダメだな、俺たちがドームで戦っている間に全部が危険地帯に塗変わったらしい』

上空から見れば、都庁があった場所には謎の大樹が生え、ビックサイトには先ほどの狂信者たちが集まっており、官邸では怪獣が暴れている。
その他の場所も、マーダー・魔物・狂信者の闊歩によって瓦礫と死体だらけであった。
東京はカオスが凝縮した世紀末状態であった。

「僕たちが戦っている間に外は酷いことに!」
『俺の変身が切れる前に他県に移動すべきだな……ん? なんだあれは?』
「どうしたんだ?」
『みんな、あれを見ろ!』

ゼロに促されて彼の示した先には、先ほど死合をしていたからくりドームがあった。
なんと、そのマウンドに野球ボールをあしらったような輝く呪印らしきものが大きく浮かんでいた。

「なに、あれ?!」
「からくりドームにあんなマークが出てくる設備なんてつけた覚えないぞ!?」
「あれがハラサンの言っていた儀式なのか……?」

この呪印が見えるのはあくまで上空からであり、地上にいる狂信者たちは気づいていない。
(実は拳王軍たちも試合に勝つ度に現場にはこの呪印が出ていたのだが、わざわざ空中から試合見る者がいなかったため、誰も見ていないのだ)
そして呪印はしばらくして消えていった。


多くの血を流したからくりドームの戦いは終わりを告げた。
しかし、これは新たな戦いへの幕開けであると、イチローチームの面々は予感していた……

401さらば! からくりドーム!:2014/02/20(木) 11:34:05 ID:G.gjyT360


【一日目・22時00分/東京上空】

【イチローチーム】

【イチロー@現実?】
【状態】両腕のダメージ(大)、疲労(大)
【装備】野球道具
【道具】支給品一式
【思考】基本:イチローチームを優勝させる?
0:一時、どこか安全地帯へ
1:川崎宗則を倒すために仲間を集める
2:ハラサンの言っていた予言とは一体……?
※ネオ・レーザービームは使用すると腕に多大な負担がかかり、あと三球以上使用すると選手生命が終わる危険があります

【DAIGO@現実?】
【状態】ウルトラマンゼロに変身、疲労(中)
【装備】ウルティメイトブレスレット@ウルトラマンサーガ
【道具】支給品一式、ヴァンガードデッキ
【思考】
0:イチローチームについていく
1:ウルトラマンマジ頼れる
2:ダイゴさんマジリスペクト……意思は引継ぐっス

【ウルトラマンゼロ@ウルトラマンサーガ】
【状態】DAIGOと合体、変身中
【装備】無し
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】基本:殺し合いを止める
1:知らない内に東京がカオスなことに……
2:ティガ、助けられなくてすまない……
※制限によって一度に数分までの間しか変身できません

【美堂蛮@GetBackers-奪還屋-】
【状態】疲労(中)
【装備】サングラス
【道具】支給品一式
【思考】
0:イチローチームについていく
1:銀次を探す

【伊吹萃香@しゅわスパ大作戦】
【状態】疲労(中)
【装備】なし
【道具】支給品一式、日本酒×99
【思考】
基本:イチローチームについていく
1:久保先生が監督かー
2:野獣が死んでメシウマ状態ww

【博麗霊夢@クッキー☆】
【状態】疲労(中)
【装備】なし
【道具】支給品一式、御札×99
【思考】
0:イチローチームについていく
1:円環の理に召されたのね、もう一人の私……
2:野獣が死んでメシウマ状態ww

【ロイ@FE封印の剣】
【状態】疲労(中)
【装備】マスターソード
【道具】支給品一式
【思考】
0:イチローチームについていく
1:レンが死んでしまい、少しがっかり
2:女性と支援A関係になる夢は諦めてないぜ!

【ダイゴ@ポケットモンスター】
【状態】疲労(中)、深い悲しみ
【装備】メタグロス
【道具】支給品一式
【思考】
0:イチローチームについていく
1:助けてあげられなくてごめんな、ポッチャマ……
2:きれいな石集めは一時保留

【吉川ちなつ@ゆるゆり】
【状態】軽度の精神的ショック、疲労(中)
【装備】RPG-7(弾切れ)
【道具】支給品一式、チアガールのコスチューム
【思考】
0:イチローチームについていく
1:人殺しちゃった。
2:野獣死んでも素直にメシウマできない……

402さらば! からくりドーム!:2014/02/20(木) 11:34:31 ID:G.gjyT360

【◆6/WWxs901s氏@カオスロワ書き手】
【状態】疲労(中) 、悲しみ
【装備】胡桃五千個
【道具】支給品一式
【思考】基本:ハラサンの意思を継ぎ、イチローチームを優勝させる
1:ハラサン……ありがとう
2:大正義を忘れない
3:目立つことも忘れない

【ラミレス@横浜DeNAベイスターズ】
【状態】疲労(中)、ダメージ(小)
【装備】野球道具一式
【道具】支給品一式
【思考】基本:ハラサンの意思を継ぎ、イチローチームを優勝させる
1:ハ、ハラサン…

【ナッパ様@ドラゴンボールZ】
【状態】疲労(微小)、野球の面白さに目覚めた
【装備】なし
【道具】一人用のポッド
【思考】基本:ハラサンの意思を継ぎ、イチローチームを優勝させる
0:野球楽しいぜ!
1:バーダック生きてたのか
2:あのガキ(光熱斗)にはいつか報復する、野球で
3:ベジータはそのうち探す

【久保帯人@現実?】
【状態】疲労(小)、イチローチームの監督
【装備】斬魄刀「???」@ブリーチ
【道具】支給品一式、サングラス、SMプレイ用の道具一式
【思考】基本:世界を滅ぼし天に立つために主催者を殺す
1:監督としてイチローチームを上手く操り、他のチームを全て全滅させる
2:イチローチームが優勝を勝ち取る寸前で裏切り、儀式(野球)を台無しにさせる


【DMCモブ狂信者 約50人 死亡確認】
※イチローチームとの応戦によって死んだ者たち

 @


「ハアハア、やっとくたばったデスか」

からくりドームにはダメージを受けてシンフォギアのあちこちにヒビを入れ、自身もそれなり怪我をした切歌。
300人以上は転がっている狂信者たちの死体。
そして切歌の大鎌によって首を絶たれてトドメを刺されたハラサンの骸があった。
その顔は死に際に出来るとは思えないほど穏やかなものであった。

【ハラサン@大正義巨人軍 死亡確認】

【DMCモブ狂信者 約350人 死亡確認】
※ハラサンによって撲殺された者たち

ハラサンの強さはまさに鬼神の如きものであり、手負いでなければ切歌や残った信者たちも全滅していたと思わせる。

「500人いた兵隊が一気に100人に減っちまったデス。
アンタが手伝ってくれなきゃもっと減っていたデス――まっちゃん」

切歌の後ろにはハラサン撃破に手を貸した人物――相変わらずDCSでムキムキ状態の松本人志がいた。
さらに彼の足元には観柳とハレクラニ……の頭が潰れた死体が転がっている。
松本の大きな両掌は血と頭蓋と脳漿で真っ赤であり、彼こそが観柳とハレクラニを殺した張本人だった。

【ハレクラニ@ボボボーボ・ボーボボ 死亡確認】
【武田観柳@るろうに剣心 死亡確認】


「しかし度胸あるデスね、信者とはいえクラウザーさんのために仲間を裏切るなんて」
「ワイはこいつらを仲間だと思ったことは一度もあらへん。
巨人の星並に進まない野球試合で時間を無駄に浪費させられたわ。
それにワイもクラウザー……さんの信者やからね、生贄は殺害や」
「そうデス、その意気デス! とにかくSATUGAIデス!」
「お嬢ちゃん、これだけしてやったんやからワイも連れてってくれへんか?
そこらのモブ信者の千倍は働けるでえ〜」
「もちろんデス、今からまっちゃんは同志デス!」

こうして松本人志は仲間を裏切り、イチローチームには移籍せずにDMC狂信者に鞍替えした。


……表向きは。

403さらば! からくりドーム!:2014/02/20(木) 11:35:06 ID:G.gjyT360

読者はお気づきだろうか?
ハラサンが生き残った大正義巨人軍の選手をほぼ全員移籍させようとしている中、彼だけ名前が上がらなかったことに。
実はハラサンは松本がこのように裏切ることで、移籍させる事はイチローチームにとってプラスにならないと見抜いていた。
相棒の名前を放送を聞いて以来、暗く静かだったのは何かを企んでいたためだと、ハラサンだけは看破していたのだ。

(ワイはどっちの勝利なんて関係あらへん、隙を見て両軍とも皆殺しにできるタイミングを狙ってたんや。
野球は時間食うだけで参加者をあんま減らせんことがわかったしな。
だが、こいつらの乱入は嬉しい誤算やった……)

彼は浜田のために殺し合いに乗ったものの、その浜田が既に死んでしまっている。
試合が終わり次第、自分をドームに時間的な意味で拘束した両軍を、逆恨みに近い理由で全滅させようとした。
しかし、DMC狂信者の出現に松本は希望を見出した。

(こいつらクラウザーの復活云々抜かしてるしな。
もし、本当に蘇生できるんやったら、その蘇生手段を奪って浜田を蘇らせる!
そのためならワイは好きでもないクラウザーの信者を演じるし、仲間だって裏切るで)

あくまで浜田を生き返らせるためにだけ狂信者たちに取り入ったのだ。
そして狂信者の仲間入りをする証としてゼロに乗って逃げようとしたハレクラニ・観柳を後ろから捕まえ、その大きな腕で二人の頭をトマトのように握り潰し、手土産にしたのである。
さらに狂信者から、より信頼を得るためにハラサンと戦う切歌の戦闘の助力もした。
全ては浜田蘇生のためである。

(でもこいつらも基本狂った連中や、復活についてもただの虚言かもしれへん……いや、虚言でもええわ。
だったらあの世の浜田が寂しがらないように一人でも多く殺すだけや……老若男女も野球選手も狂信者も皆殺しや)

例え、相棒の蘇生ができなくても彼は殺し合いをやめる気はない。
浜田の生存のために殺し合いに乗った男は、浜田が死してなお、殺し合いを続けるのだった。
全ては浜田のためである。

【一日目・22時00分/東京・からくりドーム】

【DMC狂信者】

【暁切歌@戦姫絶唱シンフォギアG】
【状態】ダメージ(中)、疲労(中)、変身中
【装備】シンフォギア「イガリマ」
【道具】支給品一式、DMCモブ狂信者約100人
【思考】基本:SATSUGAI
1:東京中を練り歩いて生贄を見つけ次第SATSUGAIしまくるデス
2:松本人志はとりあえず連れて行く
3:調やマリアに会えたら説得してこちら側に引き込む

【松本人志@現実】
【状態】疲労(小)、DCS状態
【装備】浜田雅功人形
【道具】支給品一式、メトロン星人人形
【思考】基本:浜田の蘇生
1:DMC狂信者に手を貸し、隙あらばクラウザーの蘇生手段を奪って浜田を生き返らせる
2:浜田を生き返せないようなら一人でも多くの参加者をあの世に送る

【大正義巨人軍 解体】


 @

404さらば! からくりドーム!:2014/02/20(木) 11:35:37 ID:G.gjyT360

――からくりドームの地下にある下水道。
暗く汚いその場所に一人の男がいる……ゴロリだ。
久保帯人の鬼道によって死んだと思われた彼は、生きていた。
実は重力の奔流によってゴロリがいた場所に下水道へ続く穴が空き、偶然その中に入ってしまったのだ。
その直後に穴は瓦礫で塞がったため、久保はゴロリは死んだものと誤認したのである。
もっとも、鬼道によるダメージは深く、ちぎれた下半身はドームに置き去りになってしまった。
サイボーグでなければ即死確定の満身創痍の身体であった。
だがそれでもゴロリは残った両手で匍匐前進しながら下水道の中を進み続ける。
その両目に映る復讐の炎を燃やしながら。

(DMCの信者共め、必ず皆殺しにしてくれる。 久保帯人とかいう奴も必ずな!!
だが、この体じゃどのみち戦闘はできない……工作に必要な場所と部品を探さねば……)

彼は自分を工作(修理)できるものを求めて地下を彷徨っているのである。
工作ができたら、ワクワクさんの死体を陵辱した者たちや、その者たちへの復讐の邪魔をした悪党へ報復にでるのだろう。

「ワクワクさん……」

ふと復讐だけではなく、彼は殺されてしまったワクワクさんのことを思い浮かべる。
彼を失ったことは悲しいハズなのに涙を流せない……今の自分はサイボーグ故に。
その代わり、彼の瞳には機械油が漏れていた……


【一日目・22時00分/東京・からくりドーム地下下水道】

【ゴロリ@つくってあそぼ】
【状態】ダメージ(特大)、下半身喪失
【装備】仮面ライダーGの剣@仮面ライダーG
【道具】支給品一式、工作道具もろもろ
【思考】基本:見敵、必殺
1:今はとにかく、自分を工作(治療)できる宛を探す
2:DMC信者を皆殺しにする
3:久保帯人は次に会ったら殺す

405ズカンされた名無し:2014/02/20(木) 11:37:14 ID:G.gjyT360
投下終了。
短くまとめるつもりが長ったらしくなった、ゴメン。

406Westbound Crisis:2014/02/21(金) 03:33:57 ID:hWonoVUU0

(……彼女が黒幕じゃなかったようね……)

「おかしいわね」

 滋賀県。
(東京の渋谷から車で三時間くらいのところにある滋賀県、時間間隔無茶苦茶に見えるが……
 古明地さとりとクマ吉の死亡話とその一話前を見れば何の問題ない……に誰も突っ込まないのが悪い)
 
 そこの大きな湖近くまでやってきた光太郎一行。
 彼らはそこで第三回目の放送を聞いていた。
 そこでこのメンツの中でも割と頭が切れてる部類に入る霧切さんがあることに気づいたのだ。 

「響子ちゃん、どうしたんだい?」
「よもやと思うが、知り合いが呼ばれたから?」
「まあ……それもあるけど……」

 少し複雑な表情を浮かべたが、すぐにいつもの冷静な顔に戻る。

「禁止エリアの順番が少し気になってね」
「ほう……聞かせてもらおうではないか?」
「最初の放送で北海道を封鎖して、次の放送で沖縄を封鎖、ここまではいいわね?」
「問題は……次の場所か?」
「そうよ」

 北海道と沖縄は本州から海を挟んでいるから分かる。
 殺し合いのエリアを狭めるなら、問題はない。
 だが、次である。
 響子は拾ってきた日本地図の禁止エリアをペンで赤く斜線を引く。
 
「九州や四国ではなく、何故か本州と陸続きの中国地方なのか……ということである?」
「ええ」
「九州や四国を禁止エリアに出来なかったのには何か理由があるっていうのかい?」
「そうね、九州はなにか改造されているのは、ちょっと考えづらい……常識的に考えてね」
「何を言う? 変形ロボは男のロマンだぞ!!」
「……もし、そうだったとしても、殺し合いエリアを狭めるなら先に九州を封鎖しないかしら?」
「確かにありえる」

 九州にはきっと何かある。
 そう考えた三人。そして、決断した。

「まずは四国か……」
「そうね、でも、もうこんな時間だし……」
「警戒しつつ、進むぞ」
「確かにゴルゴムの連中なら夜道に奇襲を仕掛けてきますからね!」

 とりあえず、九州に向かうために近くの四国を目指す。
 そのために、一先ず関西の大都市・大阪に向かう。
 大阪⇒四国⇒九州というルートを選択した。
 さて、これが本当にいいルートだったか、どうかなどまだ誰も分からない。

「それにしても……」
「あんな服、どこで売っているのだろうか?」
「簡単だ、自分で作ったに決まってるじゃないか……」
「貴方、案外器用なのね……」
「空……中々、似合っているじゃないか……」
「でしょ?」

 そこには地獄兄弟風の服に着替えた空とその姿にちょっと満足している矢車さんがいた。
 なお、その服は矢車さんお手製だった。まあ、矢車さんだったらやりかねない。

407ズカンされた名無し:2014/02/21(金) 03:34:34 ID:hWonoVUU0
【一日目・21時30分/日本・滋賀県琵琶湖付近】

【南光太郎@仮面ライダーBLACK】
【状態】健康
【装備】キングストーン、パーフェクトゼクター@仮面ライダーカブト
【道具】支給品一式、カラオケマイク
【思考】
基本:この殺し合い、ゴルゴムの仕業だ!
0:西に向かう
1:クライシス皇帝と空、響子と共に行動する
2:あの少女(歌愛ユキ)はどこに行ったんだ?
※RXに進化しました。ロボライダーとバイオライダーにはまだなれません。

【クライシス皇帝@仮面ライダーBLACKRX】
【状態】健康
【装備】サタンサーベル オーガギア@仮面ライダー555
【道具】基本支給品一式
【思考】基本:光太郎とともに主催者とゴルゴムを潰す
0:西に向かう
1:戦力を集めて、『ネオ・クライシス帝国』を建国する
2;一先ず、地球人類抹殺は置いておく。(総理を潰したら取り掛かる)
3:矢車から地獄の匂いがする
4:私のカラオケマイクはどこに行ったんだ?
※参戦時期は仮面BLACKRX本編開始前です。

【霧切響子@ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生】
【状態】健康、ロリ切さん
【装備】様々な資料
【道具】支給品一式、沢山の光彦関連のスイッチ、その他不明
【思考】
基本:殺し合いの打開and殺し合いについて調べる
0:西に向かう
1:苗木くんに会いたい
2:元に戻る方法はあるのかしら……?

【霊烏路空@東方Project】
【状態】悲しみ、やさぐれた……?
【装備】制御棒、地獄兄弟みたいな格好(女性用)
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】基本:さとり様殺した奴は殺す
1:光太郎たちについていく
2:矢車の妹になった!

【矢車想@仮面ライダーカブト】
【状態】やさぐれ
【装備】ライダーベルト&ホッパーゼクター@仮面ライダーカブト
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】
1:光太郎、空を地獄兄弟の弟、妹にする
2:上記のために、光太郎たちについていく。(率先して戦うつもりはない)

408正義とはなんぞや:2014/02/21(金) 23:32:13 ID:XmnUiFYY0
グンマーの民が何者かに滅ぼされ、都庁の魔物に大きな衝撃を与えた。
生物である以上、魔物も人間もいずれは死んでしまう。
それを理解していても、信じられない程の衝撃だった。
永い時を生きてきた雷竜などの魔物はともかく、まだ若い魔物にとっては殊更に。

「これが、電源かな?」
「よし、それじゃあ掲示板ってのを早速開こうよ!」

アーマービーストと呼ばれる、小型の魔物もその一人であった。
彼は同族を連れて外に協力者を求めて旅立ち、ここ山梨県のネットカフェまで来ていたのだ。
都庁の周辺はともかく東京全域はまさに地獄絵図であり、落ち着ける場所などなかったため隣県まで避難したのである。

「手伝ってくれる人、いるといいね」
「きっと大丈夫さ。グンマーの人だって、きっと全員が殺されたわけじゃないし」

彼らが協力者を得るために取った手段はインターネット。
いきなり協力者を都庁に集めては、その身を危険に晒してしまうだろう。
その点寂れたこの場所であれば、安全に協力者との交渉もできるはずだ。

ちなみにアーマービーストは非常に小柄であり、現在都庁にいるダオス、レスト、サクヤを除けば唯一キーボードが打てる魔物だ。
これも彼らがインターネットを選んだ大きな理由の一つである。
戦う力はさほどでもないが、自分達に出来ることをやろうと、小さいながらに頑張っているのだ。

「でも人間って基本は野蛮だから心配だな。この殺し合いだって、開いたのは人間じゃないか」
「でもあの人たちは僕らや裁断者さんを助けてくれたじゃないか」
「そういえば、タマムシジムってところのリーダーも人間だけど自然を愛しているって聞いたよ」
「人間もそういう人ばかりだったらいいのになぁ……」

仲間たちがお喋りを続ける中、リーダー格のアーマービーストは懸命に両手を動かしてキーボードを叩く。
そしてやがて、カオスロワちゃんねるというページが開かれるが……

「あー、ここは駄目だね。というかむしろ僕らを殺そうとする人間の書き込みの方が多いよ」

341:パルマーNANASHI 22:20:18

おい、とうとう都庁が完全に馬鹿でかい樹になったぞ。てっぺん見えねえ

348:名も無き名無し 22:20:52

それ以前に、都庁周辺がなんかおかしい。来た道戻されてるし、空間捻じ曲げられてるのか?

351:隣の名無し 22:21:21

別にいいだろ。基本的にあそこは近寄らなければ被害でないみたいだし。むしろ戻してくれてありがたいわ
むしろ今はそれより、狂った連中の方が数段やばいっての

353:この身を名無しに奉げよう 22:21:33

DMC信者の連中だろ?あいつらは祐一郎クラスのイカれた奴らだからな……
会ったら間違いなくリアルで晒し首にされそうだよ

「……でも僕ら以上に、DMC信者っていうのが恐れられてるみたいだね」
「どんな人間なんだろう?」

ふとアーマービースト達は、話題にされていたDMCという単語に興味を持った。
魔物以上に恐れられているDMC信者とはどんな存在なのか?

409正義とはなんぞや:2014/02/21(金) 23:33:30 ID:XmnUiFYY0
カタカタと少しキーボードを打つだけで、目的の物はすぐに見つかった。
DMC公式サイトにDMC絡みのファンサイト、ブログ、ツイッター、フェイスブック、掲示板……

「「 こ れ は ひ ど い 」」

あまりに過激な行動や画像の数々に、アーマービーストらは口を揃えた。
魔物以上に魔物らしい悪逆非道な行為の数々を行うDMCと、それの信者達。
なるほど危険視される理由がよくわかる。あえてこいつらを何かに分類するとすれば、それは悪魔しかないだろう。

「DMCファンクラブ№37564・ブロリー☆DEATHのブログ……」
「DMCファンクラブ№4649・アケチフォトギャラリー……うぇっ……」

「これがついったーってやつか。……東京ビッグサイトに集合、とにかくSATSUGAIとか書いてあるよ!?」
「こっちの掲示板は……駄目だ、ロックがかかってて見えないや」

「非情なるギター炸裂の瞬間……うわああああああ!」
「DMC血みどろ謝肉祭……あれ?」

動画を見ていた一匹が、あることに気がついた。
過激すぎるパフォーマンスの様子を撮影した動画の一部に……

「これって……デスマンティスさんだよね?」
「ああ、間違いなくデスマンティスさんだ。でもどうして……?」

そこに映し出されていたのは、都庁の軍勢の一員であるデスマンティス。
動画の中の彼は、嬉しそうに鎌を振り回している。
歌詞にあわせて、心底嬉しそうに。

「デスマンティスさんが……DMC信者の一人……?」
「ま、まさか。あの人が人間を相手に……」

「っ……DMCファンクラブ№666666・死蟷螂のSATSUGAI日記……!?」

思わぬところで、信じられない事実を知ってしまったアーマービースト達。
それなりの付き合いにはなるが、こうやってインターネットを、ましてやデスメタルバンド絡みのページを見ることは通常ありえない。
だからこそ今の今まで気がつけずにいたのだろう。おそらくこれは、リーダー達すら知らない真実。
あのデスマンティスがまさかとは思ったが、ビーストの野生の勘が警鐘を鳴らしていた。

「た、確かデスマンティスさん、怖い顔の新入りを連れて帰ってきてたよね……!?」
「もし、あれもDMC信者だったとしたら……」


――SATSUGAIせよ! 都庁を○イプ!――


最悪の光景が、一同の頭をよぎった。

「いけない、リーダー達にはやく知らせっ


「おやおや、まだ見落としている参加者がいましたか」
「SATSUGAI、しようぜ!」


そして彼らは最悪の光景を目の当たりにすることとなる。
人間の大人と子供が、巨大な武器をそれぞれこちらに向け……
仲間が、自分の体が、ごみくずのように千切れ飛んでいく光景を。

【アーマービーストA〜Z@新・世界樹の迷宮 死滅】
※殺害数は1カウント

410正義とはなんぞや:2014/02/21(金) 23:35:23 ID:XmnUiFYY0
アーマービーストの群れを殲滅したのは、彼らが直前まで調べていたDMCの信者だった。
アーマービーストは知ってはいけない真実を知ってしまったがために、殺された……

「僕としたことが、こんな大量の生贄を見落とすなんて。いけませんねぇ……」
「やっぱSATSUGAIは最高だよなー!」


……というわけではなかった。
第一、魔物の言葉を普通の人間が理解することはできないのだから、彼らはアーマービーストが何をしていたのか全く知らない。
証拠となりそうなパソコンも、先程の攻撃で巻き込まれて大破している。
ただ単に、大勢で群れていたために殺された。
そこに善も悪もない。視界に入ったために殺された。
あまりに理不尽、これを悪魔の所業といわずしてなんといえよう。

しかし悪魔とは、魅力的なものでもあるのだ。
かつて正義感に溢れていた者ですら、悪魔色に染め上げられてしまうのだから。
今の彼らの正義は、信奉するクラウザーさんのために生贄を殺すこと。

「この調子で、もっと多くの生贄をクラウザーさんに捧げましょう」
「おう!」

邪悪な正義もまた、ビッグサイトを目指す。

【一日目・22時30分/山梨県・ネットカフェ】

【杉下右京@相棒】
【状態】健康
【装備】ガトリングガン
【道具】支給品一式
【思考】基本:SATSUGAI
1:他のメンバーと合流する

【円堂守@イナズマイレブン】
【状態】健康
【装備】イナイレ仕様サッカーボール
【道具】支給品一式
【思考】基本:SATSUGAI、しようぜ!
1:他のメンバーと合流する

※アーマービーストの会話は理解できていません
※アーマービーストがネット上に何かを書き込んだかどうかは不明です

411開放の喜び:2014/02/22(土) 03:19:32 ID:IZAd.dqU0
新城直衛は地面で恐怖しながらも考えていた
今対主催の一団が地下に移動しようとしている、その一団を迎え撃つかどうかを
もし迎え撃てば誰かを殺せるかもしれないだがその前に自分が怪物に殺されるかもしれない
逃げるという手段もあるがそれをやると自分の義理の姉が殺される
考えに考えをかさねる、自殺しようかとそう思ったが自分がいなくなれば主催が義理の姉になにをするかわからない
自殺することもできずに悩みに悩みその悩みが極限に達しそうになろうとしたところで
――ピンク色のドアが現れた

「ッ!!」

すぐさま直衛は立ち上がりそのドアに対して警戒する
千早もすぐさまに応戦態勢に入る
そしてそのドアが開いて現れたのは忍者の格好をした男――風魔小太郎だ
その男の登場に対し直衛は肩の力を抜いて安堵した

「や、やあ君だったのかあまり驚かせないでくれよ」

自分との同僚が来たことにより直衛に若干ながらも余裕を見せた
そして直衛は小太郎と知り合いつまりは小太郎も特務機関員であるということだ

「それで、君は何のためにここへ?、君もここの守備を任されたのかい?」

なぜここに小太郎が来たのか、それを疑問に思いすぐさま問う
すると小太郎がペンとメモ帳を取り出してそのメモ帳に文字を書いて直衛に見せた
その内容は直衛を主催本部九州ロボットまで連れ戻すということが書かれていた
その内容を見て直衛は震えながらも小太郎の顔を見て

「こ、ここに書いてあることは……本当なのかい?」

小太郎はその問いに対して肯定して無言のまま首を縦に振った

(キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!)

心の中でそのようにモーレツに喜ぶ
なんせもはや絶望的な状況だったのだ、その状況が変わるのだから喜ばずにはいられない
そして興奮気味に

「それならすぐに行こう!すぐに!すぐに!」

そのように興奮している直衛に戸惑うこともなく自分の移動手段であったどこでもドアに移動する
直衛も小太郎の後についていってどこでもドアの前に付くとすぐさま入っていき千早も直衛の後についていって最後に小太郎が入ってどこでもドアが閉まり
首相官邸から姿を消した

そして九州ロボに着けばいい笑顔で直衛は笑っている
それを目撃したモブたちは思いっきりドン引きするのであった

【一日目・21時45分/日本・九州ロボのどこか】

【新城直衛@皇国の守護者】
【状態】健康、恐怖から開放された喜び
【装備】タイガのデッキ@仮面ライダー龍騎
【道具】支給品一式、千早@皇国の守護者
【思考】基本:任務を遂行する
1:助かった!!
※特務機関員です

【風魔小太郎@戦国BASARAシリーズ】
【状態】健康
【装備】対刀“衝"・乙@戦国BASARAシリーズ
【道具】支給品一式 どこでもドア@ドラえもん  他不明
【思考】基本:任務遂行
※特務機関員です
※どこでもドアは主催から貸し出されたものです

412今期のアニメはまだ鬼灯しか見てなかったり…:2014/02/22(土) 04:11:27 ID:3ZZng0yg0
魔物に占拠され、もはや依然とは別物になった東京都庁。
その魔境に足を踏み入れている長身の和服の男が一人、頭部には角が生えている。
彼の名前は『鬼灯』。地獄の鬼である。

「噂には聞いていましたが、本当に様変わりしてますね…」

鬼灯はもはや巨大な樹と化した都庁を見上げるとハリトンボイスで呟いた。
彼が都庁に足を運んだのは理由があり、都庁の責任者と話をするためである。
話の内容はもちろん都庁軍の都庁占拠行為及び人類の抹殺をやめてもらうため。
そしてすぐに殺し合いを終わらせるために行動してもらうためである。
都庁が何故こんなことをするのか理由は知っている。鬼灯もどちらかというと環境には気を使うほうだ。
だが地獄の鬼から見ても彼らの行為は明らかにやりすぎだと判断したためにこうして都庁に向かっているというわけだ。

「人間とて自然から生まれた自然の一部。彼らは気づかないのでしょうか…自分の目的のために自然を刈り取ろうとしていることを。
科学の発展を理由に自然を刈り取った人間と同じようにね。はて、それは愚かなのやら哀れなのやらブツブツ……」

と説教染みた事をいうが実は彼の本音は違った。
鬼灯は元々休暇を何日かもらって、その間旅行のために地獄から現世に舞い降り…いや這い上がってきたのだ。
そのときに丁度カオスロワに巻き込まれてしまったのである。
殺し合いが長引いてはせっかくとった休暇が全部台無しになってしまうというわりと俗な理由で一刻も早く殺し合いを止めようとしていたのだ。
そんな彼の耳に入ってきたのは都庁軍の噂だった。

「やれやれ、連中に教えてやらねば…」

鬼灯は恐れずに足を進めていく。
もちろんこの間に魔物からの襲撃は受けている。
が、彼は地獄の閻魔大王に仕える鬼であり襲ってきた魔物を追っ払えるくらいの力量は持っていた。
ちなみに殺しはせず撃退に留めているのはあの世の住人が現世の殺生に関わるのはどうなのかと思ったからだ。

「それにしてもここの魔物は妙に引き際がいいですね…。これはかなり統率の取れてる動きですよ。
もしかしたら上の連中に報告しているかもしれませんね」

だがそれは鬼灯にとっては好都合。彼は話し合いが目的なのだから、なるべく話の通じて地位の高い者を引っ張り出したいとこだった。
ツイッターによると都庁軍は魔物だけでなく金髪の人間が何人か味方しているとのこと。
最近では超サイヤ人みたいな奴も現れて都庁への侵入者を相手に暴れて何人も\デデーン/しているという情報まであり、
それを目撃した人物らしき人が『もう駄目だ…おしまいだぁ…』というツイートを残しており、その後もいくつか『皆殺される…』『逃げるんだぁ…』などと言ったヘタレなツイートを残している。

「金髪の魔王と青年ならともかく、その戦闘民族には会いたくありませんね…。
っとようやく着きました。やけに時間がかかりましたね。あれは…竜?なるほど、都庁の番人というわけですか」

鬼灯の視線の先には都庁の入り口そして入り口を守る番人ならぬ番竜、叫帝竜・ウォークライ。

「グオオォォォォォォォォウ!!!」

ウォークライは鬼灯を見つけるとウォークライは大きな雄叫びを上げた。
鬼灯は思わずその端正な顔を歪ませて耳を塞ぐ。
そしてウォークライは鬼灯を喰らおうと大きな口を開けて迫る!
完全に鬼灯を捕捉したウォークライは彼の身を引き裂くべく巨大な口を閉じ…

「グォウ!!?」

閉じられることは無かった。
喰われる瞬間、鬼灯の持っていた鬼の金棒がウォークライの口の中でつっかえ棒になり、口を閉じることが出来なかったのだ。
大口を開けて驚愕するウォークライ、今度は彼を鬼の怪力による蹴りが襲った。
あまりの威力にその巨体を大きく吹き飛ばされるウォークライ。鬼の力は竜をも吹き飛ばすのだ。
その際にウォークライの口から飛び出した金棒をキャッチする。
そして立ち上がろうとするウォークライを見下すように話しかける。

「そこの竜、聞こえてますか?通じてるかは分かりませんが…。
私に敵わないと認めていますぐ話を通じる責任者を連れてきなさい。早く!!」

が、ウォークライは再び立ち上がって臨戦態勢を取る。

413今期のアニメはまだ鬼灯しか見てなかったり…:2014/02/22(土) 04:14:56 ID:3ZZng0yg0

「やれやれ、分かってくれませんか。こうなったらしょうがないですね。鬼の怖さをそこの竜に教えてあげねば」
「待ちなよ」

鬼灯が溜め息をついてウォークライを撃退しようと金棒を構えるが、その時声がかけられた。
都庁の入り口から出てきたのは金髪の青年レスト…それと彼に従う角と尻尾を生やした少女サクヤ。
レストは鬼灯を敵意バリバリで睨み付け、ウォークライに合図を出して下がらせる。

「『鬼のように強い人間にやられた』って傷つけられて逃げてきた魔物から報告があったから来たけど…それは君かい?だとしたら許せないな、僕は」
「これは失礼、私は地獄で閻魔の補佐をやっております、鬼灯と申します。ですが、貴方は勘違いをしておられる。
まず先に襲い掛かってきたのはそちら方の者で、私は自分の身を守るために戦わざるをえなかっただけのこと。
そして次に、貴方は敵意むき出しですが私には貴方方と殺しあうつもりはないということ。
最後に、私は鬼のように強い人間では決してございません―――」

そして鬼灯は目を閉じ、溜めるように息を吸い込むと目をカッと開いて口を開いた。

「私は鬼ですから」

レストは鬼灯の目を見て本当に殺しあうつもりはないと察する。
その目は今まで接してきた人間のどれとも違っており、自己紹介をして鬼灯の話に応じることにした。

「僕はレスト。……分かったよ。貴方が話し合いをご所望だとね。じゃあ僕がここで話を聞こう。
僕はここの責任者とは親しい関係にあるからね。でも話の内容次第では貴方の命は保障できないよ」
「それは有難い…では早速用件を言いましょう。まずは東京都庁解放及び修繕…
そして、貴方達が進めている人類抹殺の計画を今すぐに止めていただきたい――」
「断る」

鬼灯の要望をレストは一刀両断。
鬼灯はやっぱりと言った態度で溜め息をつく。

「やはり、自然の保護が最優先。そして自然を破壊してきた人間は許せないということですか…」
「そういうことさ。これ以上君と話すことは無い、僕らの機嫌が悪くなる前に消えたほうがいいよ」
「分かりますよ、貴方方の気持ち。私とて自然には気を使っている方ですから
ですが貴方達はやりすぎた……このままだと貴方達、地獄に落ちますよ?」

地獄に落ちるというワードにウォークライとサクヤは焦る様な反応するが、レストはただ悠然としているだけだった。

「地獄に落ちるだって…?舐められたものだね。そんな脅し文句が通用すると思うのかい?」

レストの回答に鬼灯は人差し指と中指を立てた状態で前方に突きつける。

「貴方はまたまた勘違いを二つ程しておられますね。
まず一つ目、地獄は本当に存在するということ。
二つ目は地獄を舐めているのは貴方だということ。地獄は貴方が思っている以上に辛く苦しい場所ですよ?
ですが、ご安心ください。罪を悔やみ償えばその分罰も軽くなるのが地獄の良い所です。今からでも…」
「罪?ふざけるな、僕らがこんなことをしたのは、全ては自然とそこに棲まう生物のためだ!
貴方が仮にもあの世にすむ鬼…しかも閻魔大王の側近というなら、僕らの行動が間違っていないことが分かるだろう!?
間違っているのは自らを生んだ自然を壊し、軽視する人間のほうだっ!」
「分かりますよ。ですが…」

414今期のアニメはまだ鬼灯しか見てなかったり…:2014/02/22(土) 04:16:47 ID:3ZZng0yg0

鬼灯はずいっとレストのすぐ眼前に迫る。
そして間髪いれずにレストに顔面陥没パンチを喰らわした。
鬼の拳をまともに喰らってしまったレストは吹っ飛んで尻餅をつける。
鬼灯はレストを見下ろし眼前で今までの紳士的な態度を崩し絶○先生の如く次々と捲くし立て始めた。


「それで人を殺し、都庁を私物化することを正当化する理由にはなりませんっ!!
都庁の元住人を皆殺した上で乗っ取る…手段としては最悪じゃないですか!
他に手段なんていくらでも考えて見つけられたはずでしょう!
何故こんな物騒な手段を選んだのですか!?
そう、貴方方は手段を選ばなさ過ぎる!!!
そして何より、何故今自然保護活動をやるんですかっ!
よりによって殺し合いの真っ最中にするんですか!?
『じゃあいつやるの、今でしょ!』ってもう既に廃れてるネタでしょうに!!
こんな緊急時に自然に熱心になってる場合じゃないって分かるはずでしょう!!
何ですか?貴方は頭良さそうな顔して馬鹿なんじゃないですか!?
手段の選ばなさは殺し合いを止めることに使いなさい!!
それが貴方方の今積める善行ですよ!!
自然保護活動はその後に存分おやりになればよろしいでしょうがっ!!」


「ちょっと、レスト様に何を――」
「貴女は黙っていなさい!私はこの人と話をしているんです!!」
「あひぃっ…」

主人を殴った上に上から目線で説教を働く鬼灯をサクヤは止めようとする。
が、鬼灯の半端無い気迫につい悲鳴を上げて恐縮してしまう。ウォークライも割り込めずにいる。
鬼灯は再びレストに説教しようとするが、レストは既に立ち上がり剣を構えていた。

「もう貴方の話はたくさんだ。貴方が僕等の理想を理解しないのならッ!
今ここで殺すしかない!ここの自然と魔物達のためにも――」
「やれやれ、暴力で訴えるということですか。
いいでしょう、どうやら貴方は558459(ここはじごく)回くらい引っ叩かないと分かりそうにないですからね。
歯食いしばりなさい、貴方のような人間は修正してやります――」

レストは天ノ村雲ノ剣、鬼灯は金棒を取り出し構える。
自分のそれぞれの得物を持ち互いはぶつかりあった――

その時、鬼灯の背後から何かが飛来。それが鬼灯に当たったかと思うと鬼灯の姿は一瞬にして消え去った。
鬼灯を消したものの正体はアイテムのバシルーラの杖@トルネコシリーズ。
本来はモンスターを別の場所に飛ばすアイテムで、カオスロワでは日本のどこかに飛ばす効果になっている。
それはサクヤがダンジョン化した都庁内部で拾ったもの。
鬼灯がレストの相手をしているのを見計らって使用したのだ。ここでは使い捨て式なので杖はもう消えている。

「勝手に杖を使ってすみませんレスト様。
さっきのお方はいろいろな意味で手に負えなさそうなくらい理不尽だったので…」
「いや、助かったよ。あの男の言葉に冷静さを失うとこだった、ありがとう」
「グォウ…」
「君も心配してくれているのかい、でもこのぐらい大丈夫さ。
ウォークライもあの男に一発蹴られただけで大してダメージが無いみたいでよかったよ」

レストはウォークライの無事を確認し笑顔を浮かべる。
そこにはもう自然を壊す人間を憎む面影はどこにもない。
彼らは願った。願わくばあの鬼が二度と現れませんように――

415ズカンされた名無し:2014/02/22(土) 04:18:18 ID:3ZZng0yg0
【一日目・22時50分/都庁樹の迷宮入り口】

【レスト@ルーンファクトリー4】
【状態】顔に打撲の跡(軽症)、全属性攻撃吸収、無属性攻撃半減、サクヤの飼い主
【装備】天ノ村雲ノ剣
【道具】支給品一式、不明品、謎の壁材、水晶の壁材等の素材
【思考】
基本:都庁の軍勢を守りつつ星の自然環境改善
0:なんだったんださっきの鬼は…
1:都庁樹の施設と素材を使い、戦闘準備を整える
2:機械っぽい外見の奴は問答無用で潰す
3:四条化コンビを警戒
4:あわよくば竜と結婚できる世界を作りたい
※フレクザィードの飼い主でしたが、バサラによりその権限を奪われていることに気がついていません
※連れて歩けるモンスターは二匹までです

【極光の麒麟・サクヤ@パズドラ】
【状態】健康、調教済み
【装備】不明
【道具】支給品一式、スマホ、都知事のパソコン
【思考】
基本:レストに服従
0:さっきの鬼が怖い…
1:ネットに疎い主に代わり情報収集
2:実は青龍と違ってドラゴンではないことはこの際黙っておく

【ウォークライ@セブンスドラゴン2020】
【状態】ダメージ(小)、空腹
【装備】無し
【道具】支給品一式
【思考】
基本:都庁の防衛
1:都庁に近づく相手を蹴散らす
2:美味そうだったら喰う


「やられました。まさか侵入者を転送させる手段を持ち合わせているとは…。はて、ここはどこなのか」

鬼灯は先ほどいた場所とは違う所にワープさせられていた。
周りの風景を見るにちゃんとした陸地であることは間違いない。
そして首輪も爆発しないことから禁止エリアではないのも確かだろう。
もちろんいしのなかだというオチもなさそうだ。

「残念です、都庁の彼らを何とか反ロワ派にできれば殺し合いの終わりに近づけたものを。
それに狂信者を何とかするには彼らの力が必要でしたでしょうに…」

そして鬼灯が目をつけていたのは都庁の軍勢だけではなくDMC狂信者と呼ばれる連中もであった。
だが彼らはどう見ても問答無用で殺そうとしてくる奴らばかりで話が通じそうに無かった。
規模も凄いことになっていたので、恐らく戦力としては互角だろう都庁の軍勢に何とかしてもらいたかったのである。
せめて狂信者を何とかしろぐらいは言うべきだったかと鬼灯は後悔していた。

「このままではせっかくの休暇が全てバトロワで潰れてしまう…。何か手を打たねばなりませんね」

これ以上失敗を悔やんでもしょうがない。
立ち上がった鬼灯はとりあえず場所を把握すべく辺りを探索することにした。

【一日目・22時50分/日本の陸地のどこか(禁止エリアではない)】

【鬼灯@鬼灯の冷徹】
【状態】健康、若干不機嫌
【装備】自分専用の金棒@鬼灯の冷徹
【道具】支給品一式、不明品
【思考】
基本:休暇がつぶれる前になるべく早く殺し合いを終わらせる
0:現在地の把握
1:間違っていると思った奴には説教
2:できるだけ殺生はしない

416話を壮大にし過ぎたかも:2014/02/22(土) 23:05:02 ID:NssvPB0c0
 東京都のとある民家にパソコンでとある女性がカオスロワちゃんねるを見ていた。
彼女の名はノーヴル・ディラン、世界でも有数の技術力を持つ科学者である。
しかし、彼女には重大な秘密があった。

(これで何回目だったかしら、未来から記憶を転写してきたのは……)

 ノーヴルは、幾度となく未来から過去の自分に記憶を転写させていたのだ。
かつて彼女は、日本中から終結した対主催勢力の一員として主催と戦い、主催を倒してカオスロワを終わらせていた。
しかし、その後に二度目の大災害が襲来し、主催と戦った多くの戦士達が命を引き換えにしたにも拘らず、世界の殆どは滅亡した。
辛うじて生き残った彼女は、滅びを待つしかない未来を変える為、自身の研究成果とカオスロワの最中に集まった技術の数々を使って過去の自分に自身の記憶を転写したのだ。
そして、彼女は幾度とない失敗と記憶転写を繰り返し、ついに世界滅亡を回避する為に必要な要素を全て見つけ出したのだ。

(そろそろ、器は完成したころかしらね……そして、他の可能性達も目覚めつつある……現時点で出来る事は全てやれたわね)

 今回、ノーヴルが最初に行ったのは、ループの中で技術を集めて理論を完成させたタイムマシン(使用後に破壊した為現存してない)で世界滅亡の回避に必要な要素を伝える為にあるものを過去に転送した。
その転送したものこそが、ハラサンが現役時代に見つけた遺跡だったのだ。
そして彼女は、光祐一郎に九州ロボを作らせ、主催に匿名でその情報をリークして九州ロボを奪わせ、主催が九州ロボを“器たりえる巨像”に改造するように仕向けたのだ。
また、九州ロボを欠陥だらけにする事で主催の行動を鈍らせ、他の要素が育つ前に潰される可能性を減らしてもいた。

(まあ、とにかく今回が最後のチャンス……この世界に次はないわ)

 ノーヴルの記憶転写には、記憶と同時に世界の因果が転送されて転送後の世界の因果が増加するという重大な副作用があった。
因果の増加は、世界滅亡を回避する為に必要な要素が生まれる可能性を増やす働きがあったが、一方で世界が滅亡する可能性も増やしていたのだ。
そして、因果自体が増えすぎたが為に、空間の歪みが日本中で発生し、滋賀県から車で移動していた参加者がそれに気付かず突入した結果、車に乗ってから3時間で東京に移動するといった事が起きていた。
それを知ったノーヴルは、次に記憶転写をしたら因果の量に世界が耐え切れず、世界そのものが崩壊すると気付き、記憶転写技術を抹消してこの世界に全てを賭けたのだ。
ちなみに、空間の歪みは参加者の間で主催の設置したワープゾーンだと認識されており、便利な移動手段として利用されている。

(全ては世界の為……しかし、後はこの世界の者達に託してもいいのかもしれないわね……)

 そんな感じに回想していたノーヴルの元に、侵入者が現れた。

「考え事をしているようですが、クラウザーさんの為に殺ってやるDEATH!」

 そんな事を言いながら侵入してきたのは10名ものモブ狂信者を連れた梓だ。
梓は、これまでもそうしたようにギターによる48の殺人技でノーヴルをSATSUGAIしようとする。
それに対し、ノーヴルはデイパックから支給品の暁美ほむら特製パイプ型爆弾を取り出した。

「こんな事もあろうかと私が持っている爆弾と同じものが4つ、この家に設置してあるわ。だから悪いけど貴女は世界の為に、私と一緒に死んでもらうわ」

 そう言い、ノーヴルは5つの爆弾を起爆し、彼女達がいた民家が爆炎で吹き飛んだ。


【一日目・23時00分/東京都・とある民家だった所】

【ノーヴル・ディラン@スーパーロボット大戦UX 死亡確認】
【中野梓@けいおん! 死亡確認】
死因:爆死

417:2014/02/24(月) 00:44:19 ID:/GQTadFQ0
「おお……歌、何と素晴らしい!!」

老人がある曲を聴き感動していた。
それは今現在カオスロワを揺るがせている要因の一つ、クラウザーさんの曲である。
クラウザーさんの死により大暴れしているDMC狂信者達のように、また一人クラウザーさんの魅力に取り付かれてしまったのだ。

「元はバラバラの思考の人々が今やたった一つの夢の為に動く!
 これこそ、私の描いていた夢!!」

老人は心底感激していた。
クラウザーさんにより統一された大多数の意思。
一つの夢を叶える為に夢に進み立ち上がる大群衆。
これが、これこそが老人が長年思い、描き続けた夢なのだ!
完全では無いにしろ、この歌を全世界に広げれば……世界はクラウザーさんに釘付けになり、平和となる!
ああ、是非とも会ってみたい! この素晴らしい曲を生み出し、人々の心を捉えて離さないクラウザーさんとやらに!!

「何やら、東京ドームというものに集まってるみたいですね。行ってみましょうか」

DMC狂信者達が東京ドームに集まるらしき事を察知した老人に近づいてくる二つの影がある。

「あんたも東京ドームに行くのか!!」
「かっとビングだ! クラウザーさん!!」

クラウザーさんの虜になった蒼月潮と九十九遊馬である。

「ええ、私もクラウザーさんに会いたいんですよ」
「よし、じゃあ一緒にSATSUGAIしながら行こう!」
「SATSUGAIだ!俺!!!」
「ああ、幸先が良いですねぇ。早速私と同じ志を持つ同志に会えるなんて」

老人は喜んだ。
その喜びを表すために両手を広げ、二人の少年へと向かっていった。
軽いハグだ。海外ではよくあるちょっとしたスキンシップである。

「ぐっ、……ごほっ……」
「が、ああ……げほっ……」



「――あれ?」

数分後。そこには二つに人だった肉塊が転がっていた。
辺りは血に塗れ、二人の少年だった物の表情は苦痛に染まっている。

「ああ……またやっちゃった……ごめんなさいごめんなさい……」

老人は別に二人に殺意があった訳ではない。
本当にちょっとハグしようとしただけなのだ。
ただ、不運なことに嬉しさの余りちょっと力が入っちゃって二人を惨殺してしまっただけなのだ。

「……潮君、遊馬君。ごめんなさい。
 でも君達は私の中で生き続ける」

例え誰かが死のうとも自分の心の中で相手は生き続けている。つまり、死んでいないのだ。
だから、無問題である。老人は一通り謝り、そう言いその場を後にした。

血に塗れた右手のカギ爪。
かつてそれを見た男は老人をこう呼んだ。
カギ爪の男と。


【蒼月潮@うしおととら】死亡
【九十九遊馬@遊戯王ゼアル】死亡



【一日目・23時30分/神奈川】

【カギ爪の男@ガン×ソード】
【状態】クラウザーさんとDMC狂信者に感動
【装備】カギ爪の義手
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】基本:世界を平和にする。
1:クラウザーさんに会うためにSATSUGAIしながら東京ドームに向かう。
2:クラウザーさんや道中出会った参加者、DMC狂信者達ともお友達になりたい。

418夢 修正版:2014/02/24(月) 00:49:12 ID:/GQTadFQ0
「おお……歌、何と素晴らしい!!」

老人がある曲を聴き感動していた。
それは今現在カオスロワを揺るがせている要因の一つ、クラウザーさんの曲である。
クラウザーさんの死により大暴れしているDMC狂信者達のように、また一人クラウザーさんの魅力に取り付かれてしまったのだ。

「元はバラバラの思考の人々が今やたった一つの夢の為に動く!
 これこそ、私の描いていた夢!!」

老人は心底感激していた。
クラウザーさんにより統一された大多数の意思。
一つの夢を叶える為に夢に進み立ち上がる大群衆。
これが、これこそが老人が長年思い、描き続けた夢なのだ!
完全では無いにしろ、この歌を全世界に広げれば……世界はクラウザーさんに釘付けになり、平和となる!
ああ、是非とも会ってみたい! この素晴らしい曲を生み出し、人々の心を捉えて離さないクラウザーさんとやらに!!

「何やら、ビッグサイトというものに集まってるみたいですね。行ってみましょうか」

DMC狂信者達が東京ドームに集まるらしき事を察知した老人に近づいてくる二つの影がある。

「あんたもビッグサイトに行くのか!!」
「かっとビングだ! クラウザーさん!!」

クラウザーさんの虜になった蒼月潮と九十九遊馬である。

「ええ、私もクラウザーさんに会いたいんですよ」
「よし、じゃあ一緒にSATSUGAIしながら行こう!」
「SATSUGAIだ!俺!!!」
「ああ、幸先が良いですねぇ。早速私と同じ志を持つ同志に会えるなんて」

老人は喜んだ。
その喜びを表すために両手を広げ、二人の少年へと向かっていった。
軽いハグだ。海外ではよくあるちょっとしたスキンシップである。

「ぐっ、……ごほっ……」
「が、ああ……げほっ……」



「――あれ?」

数分後。そこには二つに人だった肉塊が転がっていた。
辺りは血に塗れ、二人の少年だった物の表情は苦痛に染まっている。

「ああ……またやっちゃった……ごめんなさいごめんなさい……」

老人は別に二人に殺意があった訳ではない。
本当にちょっとハグしようとしただけなのだ。
ただ、不運なことに嬉しさの余りちょっと力が入っちゃって二人を惨殺してしまっただけなのだ。

「……潮君、遊馬君。ごめんなさい。
 でも君達は私の中で生き続ける」

例え誰かが死のうとも自分の心の中で相手は生き続けている。つまり、死んでいないのだ。
だから、無問題である。老人は一通り謝り、そう言いその場を後にした。

血に塗れた右手のカギ爪。
かつてそれを見た男は老人をこう呼んだ。
カギ爪の男と。


【蒼月潮@うしおととら】死亡
【九十九遊馬@遊戯王ゼアル】死亡



【一日目・23時30分/神奈川】

【カギ爪の男@ガン×ソード】
【状態】DMC狂信者に感動
【装備】カギ爪の義手
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】基本:世界を平和にする。
1:クラウザーさんに会うためにSATSUGAIしながらビッグサイトに向かう。
2:クラウザーさんや道中出会った参加者、DMC狂信者達ともお友達になりたい。

419ズカンされた名無し:2014/02/24(月) 00:49:58 ID:/GQTadFQ0
すいません
東京ドームじゃなくビッグサイトでした

420とある魔法少女候補の祈り:2014/02/24(月) 21:40:28 ID:3DAKD7Lw0
 世界樹と化した東京都庁。
 そこの入り口では、二つの人影があった。

「はいサクヤ、温かい飲み物だよ」
「あ、ありがとうございます」

 現在都庁の軍勢の中でナンバー2にあたるレストと、彼に付き従うサクヤだ。
 先の鬼の襲撃により、都庁の警戒態勢はさらに強まっていた。
 叫帝竜が手こずる相手ともなると、他にぶつけられる門番は必然限られる。
 現在のリーダーであるダオスは指揮官として都庁全体を把握しなければならない。
 元リーダーである雷鳴と共に現る者も、都庁周辺の磁場を捻じ曲げる仕事がある。
 そもそも都庁内での移動をスムーズにするための樹海磁軸は彼がいないと作れない。
 よって力を持ち、かつ比較的自由に動けるレストが再び門番の役を買って出たのだ。

「ネットで、何か情報は手に入ったかい?」
「一応は。東京全域が超危険地帯であり、魔物とDMC狂信者の闊歩が原因とされているそうです」
「妙だね……ここの魔物は、基本的に都庁周辺しか活動させていない。
 それでいて原因の一つにされているってことは……そのDMC狂信者にも魔物がいるってことかな?」
「可能性はあります。しかしDMC狂信者の活動は本当に……酷すぎます……」
「魔物ならできれば殺したくはないんだけど……ここに手を出すつもりなら、容赦はしないよ」

 会話を続けつつも、レストはその手を動かし続けていた。
 都庁から剥ぎ取った素材を錬金し、さらなる装備の充実――戦いの準備をしていた。

「その……どうしてレスト様は、ここをそれ程までに守ろうとするのですか?」
「うん?」

 そんな様子を見たサクヤは、思わず疑問を口にしていた。
 自然を守るため、おそらくその言葉に偽りはないのだろう。
 しかし彼の場合は、自然だけでなく魔物も守ろうとしている節がある。

「……あの日、世界は大災害に飲み込まれた。残された陸地はここだけだ。
 僕の住んでいた国とは違って、この国はあまりにも自然が少ない。ここの世界樹は、最後の希望だ。
 魔物にとっての、最後の住処になるかもしれない。人間なんかに、邪魔はさせない……」
「どうして、そんなに……」
「人間を嫌うのか、かい?」
「……っ」

 先を読まれ、サクヤは息を呑む。
 この新しい主に抱く、一つの疑念。彼はあまりにも、人間に憎悪の感情を持ちすぎている。
 前の主は目の前で切り裂かれて死んだが、その時のレストの表情には一切の感情がなかった。
 自然を壊してきたから、都庁の魔物を狙ったから……それだけが理由とは思えなかった。

「……君にはまだ話してなかったね。
 昔、一人の軍事帝国の皇帝が自然を壊すは僕の愛した女性を傷つけるは魔物を実験道具にするはで、とにかく酷かった。
 多分、初めて人間に殺意が沸いた時だと思うよ。力と支配に執着した皇帝は最終的に自壊したけど……
 驚いたことに、死後の世界であいつに会ったら、まだ力に執着していた。死してなお、神になろうともがいていた」
「……!」

 人間の際限のない欲望。
 大きすぎる力を得てしまった人間の末路。
 それはこのバトルロワイアルの傀儡主催者に通ずるものがあった。

421とある魔法少女候補の祈り:2014/02/24(月) 21:42:27 ID:3DAKD7Lw0
「人間はそう簡単に改心できない生き物なんだって痛感したよ。
 僕は自分を、装備を徹底的に鍛え、何度も何度もあいつを倒した。結局、今に至るまで完全に滅びもしないし改心もしていないんだけど」
「……」
「まあ、幸いなことにあいつが現世に現れて暴れることはできないみたいだったけど。馴染みの街にもようやく平和が戻った。
 ようやく一段落ついて、僕は街を出て異国へ旅に出た。……まさかその行く先々で、さらに人間の醜さを知ることになるとは思わなかったけどね」
「え……?」
「色々な村や町に寄った。困りごとを抱えている人も多くて助けてまわった。飛んできたのは感謝の言葉じゃなくて石とか武器だった」
「ど、どうしてですか!?」

 ふー、と一度大きく息を吐くと、レストはいつの間にか作り上げた装飾品をサクヤに渡して見せた。
 それは銀色に輝くペンダントだった。

「こ、これは?」
「草原のペンダント。僕が身に着けておけば、一緒にいるサクヤや他の魔物達の力が増して、受けるダメージも半減する便利な物さ。
 驚いたでしょう? 僕らが使う錬金術は、一瞬で物を完成させちゃうからね」
「は、はい。先程までは、何を作ろうか思案なさっている様子でしたので……」
「これを街の人の前でやったらさ、悪魔の技だとかなんとか……
 村を襲う巨大な怪物を正拳突き一発で仕留めたら、僕が化物呼ばわりされて……
 その後も似たようなことの連続。農作業の手伝いをしただけで怖がられたのは特に驚いたっけなぁ……
 最終的にはなんと賞金首さ。国が違うからだろうけど、随分物騒な国王だよ。人の皮を被った化物討伐――
「もうやめてください!」

 なおも語られる言葉を遮るように、サクヤはたまらずレストに抱きついた。
 本来であれば人も自然も愛していたであろう青年を歪ませたのは、身勝手な人間そのもの。
 愛する者を、育った街を守るために手に入れた力だというのに、何故迫害されなければならないのか。

「あはは、サクヤ意外と大胆だね?」
「茶化さないでください……」
「……別に平気さ。今の僕は強いからね、一般人からの攻撃なんて痛くもかゆくもなかった。
 僕一人が我慢すればいいだけさ。ただ……僕と一緒にいた、巨大だったからというだけで魔物まで迫害されたのは許せなかった。
 あの時一緒にいたフレクザィードも怒っちゃってさ、危うく一国を焼き尽くすところだったよ」

 なんでもないといった様子で、変わらずにレストは言葉を続ける。
 苦悶の表情を浮かべるでも涙を流すでもなく、ただ淡々と。

「サクヤ、君は僕が怖くはないのかい? 君の前の主をばっさり斬った僕が。
 君はかなり高位の存在だろうけど、本気で戦えば僕が勝つ。人間には過ぎた力を持つ僕が、怖くはないのかい?」
「……怖くなかったと言えば、嘘になります。
 でもあの時、レスト様が私を撫でてくれた時……とても深い慈しみの心を感じました。この方は本当に優しい方だと……そう思いました。
 それにその……とても、気持ちいいので……」
「それは嬉しいな。僕のなでなでは皆からも好評でね、よくせがまれたよ……」
「んぅ……」

 レストはゆっくりとサクヤの頭を撫でる。
 その表情は実に穏やかなものであり、かつての侵入者である翼やぼのぼのに向けたものとは大きく異なっていた。
 一切の悪意を持たない温かい掌はとても安心できるものであり、サクヤも目を細めてそれを受け入れる。

「なんだか昔を思い出すなぁ……自然に囲まれて、皆と一緒にゆっくり生活する……あの頃は楽しかった……
 ――なんで、くだらない娯楽施設建設のために皆が住んでいた山を丸々潰すのかな?
 ――なんで、最終的に自分に返ってくるのに工業排水や化学物質をわざわざ海に流すのかな?
 ――なんで、大量破壊兵器を作ってまで戦争を考えるのかな? 僕は一応人間のはずなのに、人間の考えがわからない」
「……っ」

422とある魔法少女候補の祈り:2014/02/24(月) 21:43:18 ID:3DAKD7Lw0
「この殺し合いだってそうだ。まあおかげで僕も人間を殺しやすいんだけどね。
 多分クランさん達がそれと同時にここを狙ったのは、彼らも人間の愚かさを知っているから。
 魔物というだけで人間は寄ってたかって攻撃するけど、人間も敵となれば注意はそっちに向くから。
 ここももうすぐ完全な世界樹になる。そうすれば……」
「レスト様……」

 最後まで口にすることはなかったが、その続きは容易に想像がつく。
 自然を壊してきた、魔物を迫害してきた人間の抹殺。
 自身も人間から迫害され続けてきたことにより、おそらく人を信じるということも忘れてしまったのだろう。
 口ぶりからして、かつて共にいた魔物のほとんども人間に住処を奪われたか、大災害で命を落としたのかもしれない。
 そしておそらく、最初に住んでいたという国も。
 ここは彼にとって、最後の心の拠り所でもあるのかもしれない。

「んっ?」

 不意に、周囲の気温が急激に下がった。
 何者かが、都庁へ超速で向かってきている。
 雷竜の磁場操作もなんなく突破している様子から、相当な実力者だろう。
 レストとサクヤは急いで武器を構えるが……

『さあ、ついたぞまどかよ。む……お前達は?』
「は、速すぎるよ……」

 空から舞い降りたのは三つ首の竜と、それに掴まれていた少女であった。

「あなたは……もしかしてクランさんの言っていた氷竜?」
『ほう、あいつが人間に名を告げるだけでなく私達のことまで教えるとは。
 我ら竜は人の忌むべき怨敵、人間に恐怖という名の試練を与え続ける理不尽の権化であるとは我らが主の言葉だが……
 なるほどお前が人の身でありながら、我らを助けようとする人間か』
「レストです。どうぞよろしく。しかし随分急いだ様子でしたね、それにその女の子も……」
『うむ、私は大阪を拠点としていたが、グンマーの民の訃報を聞いてな。雷竜達が心配になり、急いで飛んできた。
 大阪も中々の危険地帯だったぞ。人間が放った大量破壊兵器のエネルギーが飛んできたかと思えば……
 それを二人の汚い忍者が斬って捨てて見せたからな。思わず私も全身縛られて虐殺されるかと思った程だ。
 この娘は大阪で出会った、グンマーの血を引く者だ。今となってはかなり希少だろう』
「そうでしたか……ではとりあえず、まずクランさんにも報告を。ここはもうしばらく僕が守っておくので」
『すまないな』

 氷嵐の支配者はまどかを連れたまま都庁に入ろうとする。
 しかし、支配者の手から解放されたまどかはすぐさま都庁には入ろうとせず、入り口にもたれるレストの方を向いた。

「あ、あなたは……」
「ん、僕かい?」
「あなたは人間なのに……ここの魔物の味方をしているの?」

 震える声で、まどかは尋ねた。
 彼女は二度殺されかけた。一度目は怪物に、二度目も怪物に。二回とも同じ人物に庇われ事なきを得たが、彼はそれが原因で命を落とした。
 同行していた氷竜は友人達を殺してこそいないが、かなりの傷を負わせた。放送では新たに佐倉杏子の名前も呼ばれ、辛い体験はしている。
 しかしそれでも、まだ人間が人間を殺すといった場面には出くわしたことがなかった。

423とある魔法少女候補の祈り:2014/02/24(月) 21:44:53 ID:3DAKD7Lw0
「勿論。意外とここに攻め込んでくる人間は多くてね。もう何人か斬ったよ」
「そ、そんな……!」

 しかし目の前の優しそうな青年は、さも当然といわんばかりに殺人を告白した。
 突き立てられた巨大な剣は美しい輝きを放っていて、とても殺人に使われた道具には見えない。
 しかし実際のところは、これからも誰かを斬るため、念入りに手入れされているからだ。

「どうしてそんな酷いことをするの……!?」
「酷いことって……自然への感謝を忘れた挙句、魔物の住処を奪った人間の方が酷いとは思わないのかい?
 魔物というだけで、見かければ人間は攻撃する。ああ、普通の動物でも同じことだったね。
 いいかい? 動物が人間の町に現れるのだって、ほとんどが住み場所が減ってしまったりしたせいなんだよ?」
「だからって……! 説得するとか、見逃すとか、もっと人間と魔物が共存できるような――
「それが一番甘いんだよ! 説得なんてその場だけのフリだ。見逃せば後になって逆恨みで余計な被害が出る!
 人間と魔物の共存なんて……人間が一方的に壊すだけじゃないか……!」

 吐き出された怒声に、思わずまどかはすくみあがってしまう。
 しかしそれでも、次の言葉を口にしようとするが……

『レストよ、お前の言葉はもっともだがその辺にしてやってくれ。まどかはまだ幼いのだ』
「言う程幼いようには感じませんけど。それより氷竜さん、その全身の細かい傷……
 まさかとは思いますけど、ここに来るまでその子に人間を殺さないでとでも言われたんじゃないんですか?」
『……行くぞ、まどか』
「あっ……」

 氷竜は再びまどかを掴むと、都庁の中へと消えていった。

「……」

 その様子を、レストはただ黙って見つめていた。

「レスト様……」
「似てるな、あの子。昔の僕に……」
「え?」
「多分無理矢理ここに連れてこられたんだろうけど、それでもあの子は人間と魔物の共存を口にした。
 綺麗ごとを並べても、無駄なのに。底抜けに甘い子なのに、目はしっかりと僕を見ていた。
 まったく、氷竜さんもあの子を気に入ってるみたいだし、意外と大物かも。
 ……その願いを叶えたければ、頑張ってみるといいよ。僕は僕のやり方でやらせて貰うけどね」

 剣を突き立て、臨戦態勢を維持しつつレストは再び素材を弄り装備を作り始める。
 次に侵入を試みる人間を、かつて侵入を試みた食人鬼と地獄の鬼を確実に殺す為に。
 その様子を、傍らのサクヤは寂しげな表情で見つめていた。

(レスト様……私、黙っていましたけど貴方の独り言を聞いてしまったんです。
『竜と結婚できる世界を作りたい』……自分だけでしたら、勝手にしてしまえばいいですよね?
 それでもそういった世界を、法を求めているということは、貴方だって完全には人間のことを……
 願わくば、どうかこの方が元の――)

424とある魔法少女候補の祈り:2014/02/24(月) 21:45:38 ID:3DAKD7Lw0
【一日目・23時10分/都庁樹の迷宮入り口】
【レスト@ルーンファクトリー4】
【状態】健康、全属性攻撃吸収、無属性攻撃半減、サクヤの飼い主
【装備】天ノ村雲ノ剣、草原のペンダント
【道具】支給品一式、不明品、謎の壁材、水晶の壁材等の素材
【思考】
基本:都庁の軍勢を守りつつ星の自然環境改善
0:しばらく都庁の入り口を守る
1:都庁樹の施設と素材を使い、戦闘準備を整える
2:機械っぽい外見の奴は問答無用で潰す
3:四条化コンビ、鬼灯を警戒
4:あわよくば竜と結婚できる世界を作りたい
※フレクザィードの飼い主でしたが、バサラによりその権限を奪われていることに気がついていません

【極光の麒麟・サクヤ@パズドラ】
【状態】健康、調教済み
【装備】不明
【道具】支給品一式、スマホ、都知事のパソコン
【思考】
基本:レストに服従
0:レストと共に都庁の入り口を守る
1:ネットに疎い主に代わり情報収集
2:実は青龍と違ってドラゴンではないことはこの際黙っておく








 都庁内部では、氷嵐の支配者の帰還に魔物達が歓声が響いていた。

『お帰りなさいませ支配者様!』
『ご無事でなにより! ところでその人間の娘は?』
『グンマーの血を引く者だ。皆、粗相のないようにな』

 さらに連れられていたまどかの正体がわかると、より一層歓声は大きくなった。
 グンマーの血はまだ完全には途絶えていなかったのだと、喜びを身体で表現する者までいる。

『さすがは伝説の三竜の一角! ただのロリコンじゃなかったんですね!』
『凍らすぞ』
「す、すごい……」

 氷竜とはテレパシーによる会話が可能だが、流石に普通の魔物の言葉まではわからない。
 それでも魔物達が大いに喜んでいるのだということは、まどかにも理解できた。
 雷竜への報告があると早めにその場を去っても、後ろからの歓声が止むことはなかった。

425とある魔法少女候補の祈り:2014/02/24(月) 21:46:43 ID:3DAKD7Lw0
『……だから言っただろう? 私と共にいれば、襲われる心配はないと』
「は、はい。みんな、すごくあなたの帰りを喜んでた……」
『もっとも……入り口にいたあの男、レストがもし敵であったなら……お前を守ることはできなかっただろうがな』
「え?」
『奴が剣を構えた時……この私が、寒気を感じた。おそらく、我ら三竜が束になっても勝てぬ相手だ。
 人間の中でも勇気を持ち、我らを屠れる者をドラゴンスレイヤーや勇者などと呼び、人間は称えるそうだが……
 あれはそれさえ凌駕している。味方としてはこれ以上ない存在と言えるだろう』
「そう、ですか……」

 氷竜の言葉を聞き、まどかは俯いた。
 氷竜と同格の竜が、三体がかりでも敵わない。それはつまり、一体だけであればほぼ確実に仕留められたということだ。
 先程の魔物達の様子から判断すれば、竜は最高位に位置するのだろう。それが勝てない相手に、他の魔物が敵う筈がない。
 つまりあの青年は、その気になれば都庁がこんなことになる前に都庁を、周りの人間を救えたということに他ならない。
 都庁を救えば人間にとっての英雄になれたであろうに、逆に魔物の手助けをするなど……普通では考えられない。

(あの人も、魔物の声が聞こえるんだ。だから……)

 だが都庁を救うということは、そこを陣取っている魔物を……つまりはつい先程会った者を殺すということだ。
 何も知らなければ、魔物を退治する人間は勇者だったのかもしれない。だが今は違う。
 魔物にも人間と同じような感情があるということを、まどかは知ってしまったのだから。

(それを知らなかった、私達人間がいけないの……?
 ううん、人間だって、誰かの帰りを待ち望む人は沢山いる。人間だって生きたい、殺していい理由にはならない。
 そうだよ……人間も魔物も、みんな生きたいに決まってる。お互いがどうにかして、殺し合わない方法はないの……?
 魔物に言葉を教えて、お互い意思疎通をはかるとか……駄目だ、氷竜さんの話だと、外見から判断されちゃう。
 かわいく着飾って……無理だよ! 歌で……いやいや、クラウザーさんの曲はテンション上がるけど、平和とは無縁だよ……
 やっぱり……魔法のような奇跡がないと、実現できないのかな……?
 私が本当に凄い魔法の力を持つなら、グンマーの血を引いてるなら……どうにかならないの?
 キュゥべえ……いや、キュゥべえじゃなくてもいい。誰でもいい、私のこの祈りを……!)

『どうしたまどか。もうじき雷竜の部屋だぞ』
「ご、ごめんなさい」

 氷竜の言葉により、まどかは現実に戻される。
 見れば、周囲はぐにゃりと歪んだ結界のような空間がある。
 都庁の周辺と似た感じであり、奥にそれを引き起こしているであろう竜がいるのがよくわかる。

『一応、気をつけてくれ。前にも話したが、あいつは人妻、それも熟女好みの頭がちょっと残念な奴だ』
「と、友達なんですよね……?」

(なんとか、お話ができれば……)

 性癖はともかく、思考はやはり人間抹殺なのは間違いないだろう。
 いくら自分がグンマーの血を引いているおかげと氷竜の性癖のおかげで生き延びているとはいえ……
 ここの魔物をこのまま放置すれば、いずれは自分の友人達や多くの人間が犠牲になる。
 都合よく契約を迫るキュゥべえは現れまい。
 ならばせめて、自分が根気強く話して少しでも計画の実行を遅らせるようにするしかない。
 きっと自分は、生きて都庁内部に入れた数少ない人間なのだから。

(やらなきゃ……!)

 まどかは心の中で、決意を固めていた。

426とある魔法少女候補の祈り:2014/02/24(月) 21:47:31 ID:3DAKD7Lw0
【一日目・23時10分/都庁樹の迷宮内部・??階】

【氷嵐の支配者@新・世界樹の迷宮 ミレニアムの少女】
【状態】ダメージ(微小)
【装備】無し
【道具】とけないこおり@ポケットモンスター、支給品一式
【思考】基本:自然を汚す人間を滅ぼす。
0:雷竜と今後の相談
1:グンマーの民のような人間は殺さない。
2:鹿目まどかの魔力に興味。可能であればこちら側(都庁軍勢)に引き入れたい
3:残るは赤竜だが……
※一定の魔力を有する相手であれば、テレパシーで会話可能

【鹿目まどか@魔法少女まどか☆マギカ】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式 その他不明
【思考】基本:とにかく生き残りたい
0:人間と魔物が共存できる方法を考えたい。そのためにもまずは雷竜を説得
1:魔法少女たちが心配
2:レストに僅かに恐怖
3:外で暴れてたの、DMCのファンの人に見えたけど……?
※ライブに夢中で放送を全く聞いていませんでした。
※極めて高い魔力を有しているが、現時点では持ち腐れ状態です

427ズカンされた名無し:2014/02/24(月) 21:49:38 ID:3DAKD7Lw0
投下終了。
『今期のアニメはまだ鬼灯しか見てなかったり…』の前から書いてたもんを直したやつなんで
どこかしらに矛盾があるかも。指摘があれば修正します

428睡眠は大事:2014/02/25(火) 01:42:29 ID:zU3pPzIY0


一方、その頃、サーシェスさんは……

「Zzz……」

アルケーガンダムの中で睡眠を取っていた。
そりゃあ、サーシェスさんだって人間だよ?
戦争屋っていっても年がら年中四六時中、戦争してるわけじゃないっしょ?
まあ、常識的に考えて寝てない状況でガンダム操縦したら、きっと事故るよ、人間だもの。
だから、皆さん、夜は寝ましょう。
寝ずに行動し続ける輩は……きっともう『人間』ではないのだから。

【1日目・21時15分/日本・東京都新宿中央公園】
【アリー・アル・サーシェス@機動戦士ガンダム00】
【状態】睡眠中、強い屈辱 、ヒゲがない
【装備】ヤークトアルケーガンダム@機動戦士ガンダム00V
【道具】支給品一式、熱線銃
【思考】基本:カオスロワという名の戦争を楽しむ
0:今は寝る、起きたら虐殺の続き
1:参加者は片っ端から虐殺
2:赤いガンダム(ガンダムエピオン)には必ず雪辱を果たす
※新型ナノマシンにより、闘争本能等が増大しました。
※主催の一員ですが、すっかり頭の中から抜けてしまいました。
※第三回放送を聞いていません。

429ズガン:ズガン
ズガン

430その便利なものをこんな事にしか使えないとはな:2014/02/25(火) 10:29:43 ID:AOWkvnqg0
実は、空間の歪みの大きさはせいぜい車一台くらいが限界だったりする。
えっ、何が言いたいかって?
九州ロボが空間の歪みで転移なんてありえないって事だよ。
もちろん、九州ロボは今も日本海上空にいます。

431ズガン:ズガン
ズガン

432管理人★:2014/02/25(火) 10:52:41 ID:???0
こういうことは出来るだけしたくないのですが……あまりに酷いの敢行させて頂きました。

433ズカンされた名無し:2014/02/25(火) 10:56:31 ID:VX5Rzf5o0
>431
スパロボじゃなくて、このロワの設定として車一台分だと思うが…
つーか展開が早い、早いよスレッガーさん!
盛り上がってきた中、まだ死国に狂信者に都庁やその他伏線諸々が片付いてないのにいきなり決戦地はないだろJK
空気を嫁ないのはカオスロワでもNGやで 続きは毒吐きで

434ズカンされた名無し:2014/02/25(火) 21:30:12 ID:cOSdXigs0
えー、なんかいろいろあったっぽいですが作品投下しますね

435いざ東京へ:2014/02/25(火) 21:32:52 ID:cOSdXigs0
飛竜、ハクメンと別れた後、小町率いる影薄チームは大阪を探索していた。
本当はすぐに四国に行ってもよかったのだが、小町自身気になることがあったのだ。

「どう見ても不自然だね、この氷…」
「ホント寒いっすね」

先ほど撃破したデンジャーが暴れたことによる炎の被害は既に収まっている。
だがその代わり、大阪の建物のあちこちが凍結していたのだ。
まるで一面大吹雪に遭ったかのように。
もしかして先ほどあちこちに上がっていた火の手も吹雪によって強制的に…。
この光景を見て小町は日之影に話しかける。

「あたいの知っている奴には冷気を操る奴がいるんだが、正直あいつがここまでやるとは思えないねぇ…。
日之影、あんたの学園にこういうことできる奴はいるかい?」
「あぁいるぜ、黒神くじ…いや名瀬夭歌って奴さ。厳密に言えば冷気を操っているわけじゃないんだが。
もっとも俺もあいつが無意味にこんなことする奴だとは思えねぇよ。
恐らく俺らの知らない奴の仕業だろうな…というかこの規模から考えれば人外の可能性すらある」
「あたいだって一応人外だけどね」
「人外っすか…まさか『都庁の軍勢』の魔物かもしれないっすね」
「そういえばいましたねモモさん。東京にそんなのが」
「えぇ!?モンスターさんここまで来てるの?」
「え、あたい知らないんだけど。詳しく教えてくれるかい」

桃子と黒子とあかりの口から出た都庁の軍勢というワードに小町が反応する。
桃子は自分に支給されていたスマホを駆使して今まで情報を集めていたのだ。
彼女自身が今まで戦えなかったのは支給品が戦闘向きではなかったことに起因する。
なので今は素手でもA級ズガン師をボッコにできる日之影から斬鉄剣を預かっているのだ。
桃子はスマホのネット掲示板のページを見せながら説明する。

「突如魔物の集団が東京都の都庁を占拠したんすよ。で、今は都庁を巨大な大樹に改造しているという話っす。
人間を敵視しているらしくて、魔物による被害も多発しているとか」
「要するにあたいの世界で言う山の妖怪共を過激にしたような奴らかい、困ったもんだ」
「他にもDMCに心酔する信者の暴動も酷いらしいっす」
「DMCってあのクラウザーさんが率いるカリスマメタルバンドですね。確かクラウザーさん死んじゃったんですよね」
「私も実はDMCのファンなんすけど、流石にここまでは…ドン引きっす」
「やれやれ、つまり東京はいろいろヤバイってことかねえ…」

桃子たちの話を聞いて小町は頭をクシャクシャと掻いた。

「そういやモモ、騎士の奴が行ってたことについて何か分かったか?」
「すいませんっす、こっちに関しては全然サッパリっすよ」
「しょうがねぇな…何せキーワードがなぁ」

他にも空気中に漂っていたという『何か』。
混沌の騎士だけがその存在を感じ取っていたという。
彼の死に際から紡がれた言葉も断片的なもので釈然としないのだ。
解決すべき問題がやまほどあることに頭を悩ませる影薄一行。
そんな彼女達の前に女子のグループ+αが現れた。
彼女達は魔法少女とプリキュアに変身する5人組であった。
影が薄かったためにいきなり現れたことに驚かれたが互いに敵意は無かったため自己紹介及び情報交換は滞りなく進んだ。
そんな中で…

「何?あんたの友人が巨大な竜に攫われたってぇ?」
「えぇ!?ドラゴンさん大阪に来てたの?」
「そうなんだよ、あんた達は見てない?全身氷で三つの首を生やした竜なんだけど…」

さやかは話した。友人であるまどかが吹雪を操る竜に攫われたことを。
彼女達はさやかの治癒魔法で回復した後大阪中を探索してみたが未だに見つかっていないこと。
大阪中で建物が凍結していた氷の竜の仕業だったことに小町と日之影は納得し、あかりは驚く。

「いや、あたいらは見てないねぇ」
「こまっちゃんに同じだぜ。どうやら話聞く限りかなり時間が経っちまってる。
大阪どころか西日本にいるかどうかすら怪しいぜ?その竜の飛行速度によるがな」
「そんな…」
「ほ、ほむらちゃん!?気を確かに!」

小町たちの回答に、元々疲弊していたほむらは足元がふらつく。
相田マナが支えたことで倒れずにすんだがほむらの表情からは今にも絶望に落ちそうな気配が漂っていた。
それを見て桃子が口を開く。

436いざ東京へ:2014/02/25(火) 21:34:09 ID:cOSdXigs0
「話聞く限りそのドラゴンはまどかって子を殺すつもりはなさそうだから大丈夫っすよ」
「それは本当!?」
「ちょ、ちょっと落ちつくっすよ重火器の魔法少女さん。それに連れ去られた場所は見当がつくっす」
「…やはり東京か」
「あのドラゴンが都庁の軍勢の一人だったらの話っすけどね」
「でも違う可能性もあるよね…」
「確かに…でもこれが唯一の手がかりなんだ。あたいはこの手がかりにかけるしかないと思うけどね」
「小町さんの言うとおりだよ、その可能性に賭けよう!」

小町の言葉に桃園ラブは頷く。
その言葉を受けてマナに支えられていたほむらはしっかりと立ち上がる。

「そうね、一桁でも可能性があるならそれで十分だわ」
「あの竜の飛行速度には追いつけないだろうし…やはり東京に行くしかないか」
「こまっちゃん、アンタの能力で竜との距離を縮められないか?」
「それは無理だね、あたいはあの竜に姿を認識していないからね。東京との距離も同様だ。自力で行くしかないね」
「そうね、そうさせてもらうわ」
「でもこっから東京都って相当遠いよね…」
「関係ないわ、まどかを助けるためだったら距離なんて」
「その意気だよ転校生!」

どことなく盛り上がりたくなるような対主催チームの雰囲気と言える。
が、そんな中で小町は気づいていた。ずっとこちらに向けられている視線に。

「さて、盛り上がっているとこ悪いが…出てきな。そこにいるのは知っているんだよ?」
「え、誰かいるの?」
「確かに言われてみりゃ気配は感じるぜ…」

小町がいないはずの存在に話しかけるが返事や反応は返ってこない。
小町は斬魄刀『神槍』の刃を誰もいない空間に向ける。

「出てこないんじゃしょうがない…射殺せ、『神槍』ッ!!」

神槍の刃が伸びるが、突如ガキンッ!という音がして弾かれた。
そして聞きなれない声が辺りに響いた。

「んんwww舌で防がねば危ないとこでしたぞwww死んだらどうするのですかなwwww」

草を盛大に生やしたロジカル言語口調と共に巨大なソレは姿を現した。
紫色を基調とした歪な形。翼を生やした四足歩行の体、ぎょろついた目、そしてチロチロと動く伸縮する舌。
醜悪な化け物が現れたのだ。

「な、何アレ?キモッ!!」
「カメレオンさんかな?」
「失礼なwwwこれでも古龍、すなわちドラゴンですぞwwww」
「ドラゴンって…嘘でしょ?」
「ていうか喋ってますね…」
「モンスターが喋れないといつから錯覚していたんですかなwwww」

先ほどの氷竜とは全く違うこのカメレオンがドラゴンを名乗ることに一同は戸惑いを浮かべる。
実際このカメレオンのような醜悪なモンスターはオオナズチ、霞龍と呼ばれる列記とした古龍だ。
竜巻を発生させる、全てを焼き払う業火を吐く、天より雷を落とす…古龍はそれぞれ災害クラスの能力を持つ。
そんな彼が持っているのは自身の姿を消すとどのつまりステルス能力…古龍の中でショボイとか言うな。能力を他の飛竜にパクられたことは触れてやるな。
彼は同期であるクシャルダオラやテオ・テスカトルがモンハンの最新作に出た中一人だけハブられた…。
つまり影の薄い古龍であった。
そんな彼は何が目的で彼女らに近づいてきたのだろうか?

「決まっていますなwwww美少女は全員拉致った上で都庁にお持ち帰りですぞwwww」
「変態だぁぁぁぁ!…って今都庁って言ったよね?」
「でも男二人と淫獣とカービィっぽいのはいらねwwww」
「僕らはお呼びではありませんか」
「淫獣って、カメレオンの分際で好き勝手言ってくれるやないか」
「で、そこのおっぱいツインテ女は何故我のステルス能力を見抜けたのですかなwwww」
「生憎あたいはあんたみたいな影薄い奴らと長い間一緒にいるからねえ」
「こうなったら強行手段以外ありえないwwww」
「っ…みんな来るよ!」

こうして彼女らと霞龍との戦いが始まった。

437いざ東京へ:2014/02/25(火) 21:37:46 ID:cOSdXigs0
そして数分後、そこには草を生やす気力も失せるくらいにボロボロになって正座の姿勢をとるオオナズチがあった。
そりゃ相手は死神に学園最強に魔法少女二人にプリキュア三人だからね。
前述した古龍ならともかくオオナズチじゃ一方的にフルボッコされてもしゃーない。

「ぐぬぬ、ここまでですかな…煮るなり焼くなり好きにするといいですぞ…」
「そういえばアンタ都庁に持ち帰るって言ったよねぇ」
「その通りですぞ。我は都庁で美少女達と同人誌みたいなことをしまくって悠々自適な生活を送るつもりだったんですぞ…」
「もしかして都庁の軍勢の一匹なんすか?」
「まだあいつらの仲間ではありませんぞ。ですが一応知り合いのロリコンドラゴンが都庁にはいるかもですなwwww」

オオナズチは元々グンマーの住人でありそのよしみで氷竜とは一応知り合いだったのだ。
本当はグンマーに持ち帰りたかったがグンマーは原住民が皆殺しにされてヤバイっぽいので都庁に持ち帰ることにしたのだった。

「と、言うことはアンタは都庁の場所を知っているわけだね」
「知ってますぞ」
「丁度いい足が見つかったじゃないか。こいつに乗せてってもらえばいいんじゃないかい?」
「そうね、それがいいと思うわ。まどかを攫った奴よりは速度が落ちそうだけど」
「えー、こいつに乗るの…?」
「サラマンダーとどっちが速いのかな」
「んんwwww持ち帰られる気になったんですかなwwww」
「今度余計なこと言うとその舌引っこ抜くよ?」
「サーセン…」

こうして彼女らの足代わりにされたオオナズチであった。
敗北したからしゃーない。
魔法少女+αは次々とオオナズチの巨体に乗っていく。

「さて、あたいも行くとするかね」
「小町さんも行くんすか?四国に行くんじゃ…」
「どうやら東京が凄いことになってるみたいだからねぇ。
この分じゃ先に九州ロボに乗り込んで主催者を倒したって殺し合いが終わるとは思えないんだよ。
どうやら後回しにすることになりそうだねえ」
「言われてみりゃそうだな。四国の方はあの忍者達に任せちまっていいかもな」
「ちょwwwwお前らも乗るんですかなwwww」
「その巨体なら全員乗れるでしょう」
「あかりも乗りたい!」
「そうだねぇ、あたいら全員拉致しようとしてたくらいだし…」
「確かに我は最大金冠のキングサイズですがなwwww」
「じゃあできないとは言わせないよ?」
「え、あ、はい…」
「まぁ重かったらあたいが一人分くらいは持ってやるよ」
「飛行中でもさやかちゃんが治癒してあげるからさ」
「ありがとナス…ですがこの程度のダメージなら問題ありませんぞwwww」

小町の『神槍』の刃の光と死神の眼光にオオナズチは逆らえなかった。
もっとも、小町は飛行能力を持っているので彼女はオオナズチに飛びつく必要は無いが。

「では行きますぞwwww」

小町以外の全員を乗せたオオナズチは歪な翼を広げて飛び立つ。
先ほどのダメージを感じさせずに上空を飛行するその様はその雄雄しい姿はまさにドラゴンそのものであった。
草を生やした口調でも、こんなヘンテコな姿でもドラゴンなんだなぁとオオナズチの横を飛ぶ小町は思ったのだった。

438いざ東京へ:2014/02/25(火) 21:39:14 ID:cOSdXigs0
【一日目・22時30分/日本・大阪上空】
【小町と影薄な仲間たち】
※メガザルの腕輪により、全員のダメージ等が完治しました。
※飛竜たちとの情報交換して、主催達が九州ロボにいることを知りました。
【小野塚小町@東方Project】
【状態】健康、飛行中
【装備】斬魄刀『神鎗』@BLEACH
【道具】舟
【思考】基本:もう仲間を誰も失わない為にカオスロワを終わらせる
0:東京へ向かって東京の情勢を何とかする
1:もう二度と仲間を置いて行こうとしない
2:幽香と戦う事を覚悟する

【黒子テツヤ@黒子のバスケ】
【状態】健康
【装備】猟銃@現実
【道具】死出の羽衣@ 幽々白書
【思考】基本:仲間と共にカオスロワを終わらせる
1:友人たちと生き残る
2:混沌の騎士の言っていた空気中に漂う何かが気になる
※実はゴゴの死体から猟銃を回収していました。

【東横桃子@咲-Saki-】
【状態】健康
【装備】斬鉄剣@ルパン三世
【道具】支給品一式、スマホ
【思考】基本:仲間と共にカオスロワを終わらせる
1:加治木先輩や友人たちと生き残る
2:混沌の騎士が言っていた空気中に漂う何かって主催の仕業?
3:スマホを使ってネットで情報を探る
4:DMCファンだけど信者の暴動にはドン引き

【赤座あかり@ゆるゆり】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】マムルの肉×2@風来のシレン
【思考】基本:仲間と一緒にカオスロワを終わらせて主人公らしく大活躍!
1:混沌の騎士の分も頑張る
2:あかりドラゴンに乗ってるよ!

【日之影空洞@めだかボックス】
【状態】健康
【装備】己の拳
【道具】支給品一式
【思考】基本:主催者を倒す
0:東京都の情勢を何とかする
1:仲間を守る
2:混沌の騎士が遺した謎を解く
3:↑の全部やらなくちゃあならないのが先代生徒会長の辛いとこだな。
※斬鉄剣は混沌の騎士のものを受け継ぎました。
※不明支給品はメガザルの腕輪でしたが、効果が発動したため、砕け散りました。

【オオナズチ@モンスターハンターシリーズ】
【状態】ダメージ(中)、飛行中
【装備】不明
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】基本:美少女を都庁にお持ち帰りたい
1:影薄、魔法少女、プリキュアを乗せて東京都へ向かう
2:ボレアスさんや原住民まで死んでるとかグンマーヤバくねwwww

439いざ東京へ:2014/02/25(火) 21:39:59 ID:cOSdXigs0

【暁美ほむら@魔法少女まどか☆マギカ】
【状態】ダメージ小
【装備】ソウルジェム@魔法少女まどか☆マギカ(穢れ35パーセント)
【道具】支給品一式、ベレッタM92(残弾95)、レミントンM870(残弾20)、ミニミM249(残弾50)、M16クレイモア×10、L16 81mm迫撃砲×5、M84 閃光手榴弾×20、88式地対艦誘導弾、長ドス、ゴルフクラブ
【思考】基本:まどかを守る
1:まどかを早く助けるために東京へ向かう
2:桃園ラブに僅かに罪悪感

【ケルベロス(小)@カードキャプターさくら】
【状態】健康
【装備】無し
【道具】支給品一式
【思考】基本:桜を探す
1:えらいこっちゃ!
2:東京都におるかなぁ

【相田マナ@ドキドキ!プリキュア】
【状態】健康
【装備】キュアラビーズ@ドキドキ!プリキュア、ラブリーコミューン@ドキドキ!プリキュア、ラブハートアロー@ドキドキ!プリキュア、シャルル@ドキドキ!プリキュア
【道具】基本支給品一式
【思考】基本:殺し合いを止める。
1:ここにいるみんなと一緒に殺し合いを止める。
2:まどかを助けに行く
※前回のロワとは関係ありません。

【桃園ラブ@フレッシュプリキュア!】
【状態】健康
【装備】リンクルン@フレッシュプリキュア!、キュアスティック・ピーチロッド@フレッシュプリキュア!
道具】基本支給品一式、大量のドーナツ
【思考】
基本:絶対に殺し合いを止めて、みんなが助かる方法を探す。
1:誰かを探しながら、ワドルディを守る。
2:ここにいるみんなと一緒に殺し合いを止める。
3:まどかを助けに行く
4:ほむらはまだ少し怖いが、仲良くしたい
※9期とは関係ありません。

【蒼乃美希@フレッシュプリキュア!】
【状態】健康
【装備】リンクルン@フレッシュプリキュア!、キュアスティック・ベリーソード@フレッシュプリキュア!
【道具】基本支給品一式、不明支給品
【思考】基本:殺し合いを止める。
1:ここにいるみんなと一緒に殺し合いを止める。
2:さやかが何だか他人のような気がしない。
3:死んだキュアピースの分も頑張る。
4:まどかを助けに行く
※放送の内容をラブ達から聞きました。

【美樹さやか@魔法少女まどか☆マギカ】
【状態】健康
【装備】ソウルジェム@魔法少女まどか☆マギカ(治癒魔法使用のため、穢れ蓄積中)
【道具】基本支給品一式、不明支給品
【思考】基本:マミさんの為にも、殺し合いを止める。
1:ここにいるみんなと一緒に殺し合いを止める。
2:美希が何だか他人のような気がしない。
3:まどかを助けに行く
※8期、9期とは関係ありません。
※放送の内容をラブ達から聞きましたが、上条恭介の死を知りません。

【ワドルディ@星のカービィ】
【状態】混乱
【装備】なし
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】基本:殺し合いには乗らない。
1:ここにいるみんなと一緒に行動する。
2:みんなの役に立ちたいけど……
※6期とは関係ありません。
※アニメ出展なので、喋る事ができません

440ズカンされた名無し:2014/02/25(火) 21:42:24 ID:cOSdXigs0
投下終了。
人数が多すぎるから主に状態表に間違いがあるかもわからんね。
上の人同様おかしいとこがあったら指摘して、どうぞ。

441家庭崩壊:2014/02/27(木) 02:53:49 ID:y8hp5EjU0
ええ……本当何年くらい前から……でしょうね。
あの頃はまだ働いてたんですよ。ええはい。
それが、七回目くらいのカオスロワからですかね? 家から出ないって引きこもり始めて。
最初は私やヴィータにザフィーラ、はやてちゃん。皆で家から出るように声を掛けたんです。
それでも逆効果で……ついにはズガン師をズガンして、所さんにまでご迷惑掛けて……。
しかも、シグナムったら読みもしないこち亀全巻揃えたり、お金使いまくって八神家を崩壊寸前にしてもまだ働かなくて……。
だから私が服を脱いで薄い本で稼いで……ギリギリ家計を支えてたのに
はやてちゃん笑って「良かったなーシグナム、シャマルが良い仕事就いて」なんて言っちゃったりして。
甘やかしすぎたんですよ。もう駄目です、あの頃の……烈火の将シグナムはもう居ないんです。
記憶引き継いでるとか、別人とか関係ないです。あれはもう筋金入りのニートなんです。

「おやおや、それはいけませんねぇ」

はい、ですから私決めたんです……。





「クラウザーさんの為にSATSUGAIしようって!!
 皆SATSUGAIして、ついでに生きる価値の無いニートは生贄になるべきなのよぉ!!!」
「ああ、一緒にSATSUGAIしようぜ!!!」



「いや、その理屈はおかしい」



ヴィータは驚いていた。
変なサッカー小僧と小柄のおっさんがSATSUGAI!!とかほざいてると思えばシャマルまでそれに同調したことに
更にリリカルなのはの薄い本は基本なのはとフェイトが出ずっぱりで、シャマルなんて脱ぐどころか禄に書かれもしない人気だろということに内心突っ込んでいた。

(どっちかと言えば、シグナムのが薄い本多いよな)

「死になさい!! ヴィータァ!!」

とか言ってる場合じゃない。
シャマルがぶち込んできたロケットランチャーをかわしヴィータはグラーフアイゼンを構える。

「おやおや、足元がお留守ですよ!」

更に右京がガトリングで射撃してくるのをシールドで防ぐ。

「うおおお!! SATSUGAIだああああああ!!」!

しかし円堂守の放ったイナイレ仕様サッカーボールが巨大なエネルギーを帯びヴィータを襲う。

「く、そ!! グラーフアイゼン!!」

巨大化したグラーフアイゼンがサッカーボールを打ち返しシャマルたちへと直撃する。

「皆さん! 伏せて下さい!!!」

咄嗟に右京はスタンドを発動。
カオスロワ内を漂っていた霊を従わせ自らのスタンドにしていたのだ。
彼の天才的な頭脳なら造作も無いことである。

「行きますよぉ! 神戸くん!!」

右京が使ったのは第六天魔王織田信長。
信長の瘴気を応用しサッカーボールを消失させた時には既にヴィータは消えていた。

「あら? ヴィータは?」
「居ない……逃げたのか……」
「いけませんねぇ。僕とした事がボールを消すのに精一杯でした」

紅茶を高いところからジョバジョバ入れながら右京は反省する。
とはいえ生贄はまだまだ一杯居るのだ。焦らずじっくり狩ろう。
三人はその場を後にした。



【一日目・23時30分/山梨県】

【杉下右京@相棒】
【状態】健康
【装備】ガトリングガン、織田信長@信長のシェフ
【道具】支給品一式、紅茶セット@相棒
【思考】基本:SATSUGAI
1:他のメンバーと合流する

【円堂守@イナズマイレブン】
【状態】健康
【装備】イナイレ仕様サッカーボール
【道具】支給品一式
【思考】基本:SATSUGAI、しようぜ!
1:他のメンバーと合流する

【シャマル@リリカルなのはシリーズ】
【状態】健康
【装備】クラールヴィン、ロケットランチャー
【道具】支給品一式
【思考】基本:ニート含めてみんなSATSUGAI
1:特にシグナムはぶっ殺す
2:二人に着いていく

442家庭崩壊:2014/02/27(木) 02:54:07 ID:y8hp5EjU0






「はやては行方不明、ザフィーラは死ぬしシャマルは変な宗教に嵌るし本当に家庭崩壊しちまった……。
 次会ったら、シグナムの奴は絶対ぶん殴る!!」


拳を握り締めヴィータは決意する。
シグナムはぶん殴り働かせ、シャマルは絶対に正気に戻すと。
そしてはやてを見つけ、もう一度あの頃の家族に戻るのだと。

「でも、戦力が足りねェ……。ともかくシャマルは一先ず置いといてシグナムとはやてだな」






【ヴィータ@リリカルなのはシリーズ】
【状態】健康
【装備】グラーフアイゼン
【道具】支給品一式
【思考】基本:元の家族に戻す
1:はやてを見つけ、シグナムを働かせ、シャマルを正気に戻す
2:先ずは戦力を集める
3:ザフィーラ……

443草を見てこいつを思い出した:2014/02/27(木) 16:42:22 ID:mD5F64ZI0
「はあはあ…流石にここまでは追ってこれないみたいホルね…」

一匹の炎の鳥が息を荒げながら休憩をしていた。
鳥の名は白光炎隼神ホルス。都庁でマスターをぶった切られながらも、なんとか逃げ延びたのだ。

「どうやら麒麟の奴は捕まったみたいホルね。やはりホルの方が格上ということホルな!」

ちなみに、その時共にいた麒麟とは超絶仲が悪い。本人達どころか、マスター間のいがみ合いなぞ日常茶飯事である。

「仕方ないホルね…やはりここは、ホルが一肌脱いであの恐ろしい都庁を攻略するホル!
 そのためにもまずは新しく頼れる仲間を集めないと…」

「うはwwwwwwお前wwwwwなにさまwwwwwww」
「ホルッ!?」
「カオスロワでホルスと言えばwwww俺以外にwwwww誰がいるwwwwwww
 てかwwwwwオオナズチの奴wwwwww草wwwwww生やすなwwwwww
 キャラかぶるwwwwwwだろうがwwwwwww」

ホルスは早速強そうな参加者を見つけた。ホルスの黒炎竜Lv8だ。
しかし喋り方が異様に腹立たしい奴であった。

【一日目・23時00分/日本・東京都】
【白光炎隼神ホルス@パズドラ】
【状態】健康
【装備】不明
【道具】支給品一式
【思考】基本:主人の代わりに都庁を攻略する
0:仲間を集める
1:こいつうざいホル…

【ホルスの黒炎竜Lv8@遊戯王】
【状態】健康、常時魔法無効
【装備】不明
【道具】支給品一式
【思考】基本:対主催として活躍する
0:とりあえずホルスについていき、どちらが真のホルスかはっきりさせる
1:オオナズチは見つけ次第殺す

444救いの歌、滅びの歌:2014/02/28(金) 00:07:38 ID:w.jsWjBA0
 青森県。
 そこは極寒の地であり、侵入者を猛吹雪が頑なに拒む魔境であった。
 しかしそんな中、歌を歌いながら真っ直ぐ進む一団が。
 そう、熱気バサラ達である。
 名前の通り暑苦しい一行は、吹雪をものともせず吹雪の発生源に近づいていた。
 ATフィールド+火幻竜の灼熱領域+赤竜のブレスという万全すぎる構えだから当然といえば当然だ。

「暑いぜぇ、暑くて死ぬぜぇ!? いや大丈夫だがな!」

 むしろバサラは汗をかく程である。
 そんなこんなでかなり早めに目的地にたどり着いたのだが……

「なんだ、これは……!?」
「グォウ……」

 彼らの目の前には、惨殺体が転がっていた。
 それこそ、東北地方全域を飲み込む程の吹雪を生み出し、とうとう下山し本格的に動こうとしていたオーバーデビルそのもの。
 冷気や凍結とは無縁のバサラ達が到着した以上、どのみちオーバーデビルは倒されていたであろうが……
 目の前の光景は倒したというよりも、嬲られて殺されたように見えた。

【ムーンブルクの王女@DQ2】 死亡確認
【オーバーデビル@OVERMANキングゲイナー】 死亡確認

 しかし、オーバーデビルは非常に強い。
 単独で世界を滅ぼすことも可能な、生ける災厄と言っていいだろう。
 それが、こうも無惨に殺されるとは。一体何があったのか?

「む?」
「!!!」

 そして、その理由はすぐにわかった。
 オーバーデビル程の実力者を惨殺するなど、同等かそれ以上の生ける災厄以外にできるわけがない。
 そしてその姿を見たとき……バサラを乗せる赤竜は恐怖した。
 残る面々も思わず息を呑んだ。

 下手人は、漆黒の竜。
 その竜は偉大なる赤竜より巨大で。
 雷鳴と共に現る者より美しく。
 氷嵐の支配者より知的に見えた。

「くくっ……誰かと思えば、愚かな三竜の一匹ではないか」

 だが、彼の纏う気が全てを台無しにしていた。
 破壊と殺戮を好む隠しようのない嗜好が、その表情から滲み出している。

「な……なんなんだい、あのドス黒く歪んだ存在は……!?」
『冥闇に堕した者……俺達三竜が、神竜エルダーより封印を任されていた……邪悪な存在だ』

 カヲルの言葉に、赤竜は震えながらに答えた。
 
「神竜に仕えし忌まわしき三竜よ! 我の封印を守る使命がありながら人の世に干渉し、その性癖を隠そうともしないとは!
 しかもわざわざ新たな世界樹も生み出してくれるとは……実に愚かなリ!」

 冥竜の醜悪な笑みに、赤竜はただ低く唸る。
 何故、自分達が存命している今でも封印は破られてしまったのか?
 それはわからないが、ただ一つ確かなことはあった。
 この竜を放置すれば、間違いなく世界は焦土と化し、地獄となる。

445救いの歌、滅びの歌:2014/02/28(金) 00:08:53 ID:w.jsWjBA0
「よくわからねぇが……とりあえず俺の歌を聴けえぇぇぇぇぇぇ!」

 しかし、赤竜には今までにない希望があった。
 熱気バサラ、この人間の素晴らしい歌があれば、いかに冥闇に堕した者であっても浄化される。
 好みの女性以外の人間に対する憎悪の塊であった自分を、この男は救ってくれたのだから。

「グオオオォォォウ!」
「さあ、相手が誰であろうと僕らがやるべきことは一つ! 歌おう!」
「グルルルルル!」

 バサラの歌声にあわせて、竜と使徒も歌い始める。
 ワルプルギスの夜と同じように、冥竜を浄化しにかかる。

「 は は は は は は ! く だ ら ぬ ! そ ん な も の が 歌 だ と ! ? 」

「なっ!?」

 しかし冥竜は浄化されるどころか、笑い始めた。

「愚かなリ、愚かなリ赤竜よ! どこまでも愚かなリ! その程度の歌、我の心にはまるで響かぬわ!」
「ば、馬鹿な!?」
「よいか……? 歌というのはだな……! こ う い う も の だ !」

 突然、冥竜の咆哮にあわせて1000はいるであろう人間が飛び出してきた。
 そして……

「「 俺 は 地 獄 の テ ロ リ ス ト !
   昨 日 は 母 さ ん 犯 し た ぜ ! 明 日 は 父 さ ん 掘 っ て や る ! 」」
「な、なんだこの吐き気のする歌詞はぁ!?」
「「 殺 せ 殺 せ 殺 せ ! 親 な ど 殺 せ ! 殺 せ 殺 せ 殺 せ ! 全 て を 殺 せ ! 」」

 世にも恐ろしい歌詞の大合唱が始まった。
 彼らはDMCの狂信者であり、敬愛するクラウザーさんの歌を歌い続ける。

「っ! そんな歌より、俺の歌を聴けっ……!」
「愚かなリ人間! 貴様如きが、神聖なるクラウザーさんの歌を妨害するなど赦されぬ!
 しばし黙るがいい…… 冥 闇 の 呪 縛 ッ ! 」
「がっ!?」

 歌い返すことにより反撃を試みるバサラ。
 しかし彼の歌声は圧倒的な物量差に飲み込まれ、さらに冥竜の放った闇の鎖で口を塞がれてしまう。
 いや、腕にも脚にも鎖は絡みついていた。
 見れば赤竜もカヲルもフレクザィードも、どこかしらを鎖で封じられていた。

「バサラ! 不味い、ここは一旦退くんだ!」
「……! ……!」

 顔には鎖が巻きつかなかったカヲルが叫ぶが、バサラは自分の鎖を外そうと、歌おうともがき続ける。

「く、ハァ! どうだ、こうやって身体を縛られると、堪らなく気持ちいいであろう……!?」

 自分自身にも鎖を巻きつけた冥竜は、興奮した様子だ。

「その状態で……クラウザーさんへの生贄になって貰おうっ!」

 それでいて、振るわれた冥竜の死の爪、デッドクローは。

「「 S A T S U G A I せ よ !  S A T S U G A I せ よ ! 」」

446救いの歌、滅びの歌:2014/02/28(金) 00:10:42 ID:w.jsWjBA0
 まるで歌にあわせるように力強く、無慈悲に。
 歌を愛した熱い男の体を、完膚無きまでに蹂躙した。

【熱気バサラ@マクロスダイナマイト7】 死亡確認

『バサ……ラ……!?』

 赤竜が全身に巻きついた鎖をようやく引きちぎった頃にはもう手遅れだった。
 彼の背に乗っていたバサラであった肉の塊は、力無く狂信者達の中へと堕ちていく。

「「 S A T S U G A I せ よ !  S A T S U G A I せ よ ! 
   未 来 な ど 血 に 染 め て や れ ぇ ぇ ぇ ぇ ! ! ! 」」

 瞬く間に、肉塊はくず肉へと変えられていった。
 飛び散る血飛沫に、狂信者達も冥竜も、おぞましい笑い声をあげる。

「よぉし、また一人クラウザーさんへの生贄が出来た……だが足りぬぞっ!
 オーバーデビル? 世界を凍結? はっ、クラウザーさんが望むのはそんな白い世界ではない!
 世界中の大地を穢せ! 血と内臓と骨で徹底的に! あらゆるものを染め上げろ! それこそクラウザーさんに相応しき世界!」
「「 う お お お お お お お お お ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ ! 」」

 もう、バサラであったものはどこに行ってしまったかわからない。
 そこらじゅうに赤黒く飛び散ったものが、そうだというのだろうか。
 そして冥竜は、狂信者達は、次の生贄……バサラを殺され呆然とする赤竜へと向かっていった。

 その時……


「 ゴ ガ ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ア ア ア ア ア ッ ! ! ! 」
「むぅ!?」

 凄まじい咆哮を上げ、全身を真っ赤にさせたフレクザィードが冥竜達に突っ込んだ。

『ゆけ、カヲルよ! 赤竜と共に!』
「き、君はどうするつもりだ!?」
『我とて四幻竜が一柱、破壊を司る火幻竜フレクザィード! そう易々とやられはせん!」

 背に乗せていたカヲルを赤竜へと投げ飛ばし、自身は狂信者の中央に降り立った。
 直接踏み潰されてさらに地面を赤く染める狂信者、発生した巨大な衝撃波でばらばらになり、やはり血をぶちまける狂信者。
 それでも彼らは笑いながらフレクザィードへと襲いかかる。
 彼らは一切死への恐怖を持たない。自らも生贄になれるのだと考えているのだから。
 炎の翼に焼かれ、巻き起こる火災旋風を浴びても、それでも笑い続ける。

「「 S A T S U G A I せ よ !  S A T S U G A I せ よ ! 」」
「面白い、ただの火竜ごときが我に挑むなど、身の程をわきまえるがいい!」

 この集団のリーダーである冥竜もまた、醜悪な笑みを浮かべながら火幻竜へと爪を振り下ろす。
 灼熱の鱗が一部欠け、続けて振るわれる爪によりその身が切り裂かれ、炎のように真っ赤な血が飛び散った。

「 ゴ ア ア ア ア ア ア ア ア ! 」
「うごぁっ!? き、貴様ぁ!」
「「 S A T S U G A I せ よ !  S A T S U G A I せ よ ! 」」

 火幻竜は自分の傷も気にせず片足を軸にその場で回転し、テイルストライクで狂信者もろとも冥竜を吹き飛ばす。
 最も強固な鱗と棘で武装された尻尾は、冥竜の翼を切り裂き、禍々しい紫色の血を流させる。

「く、行くぞ赤竜!」

447救いの歌、滅びの歌:2014/02/28(金) 00:12:11 ID:w.jsWjBA0
 巨大な竜同士の戦いは一進一退。
 しかしカヲルは赤竜に命じ、この戦場からの離脱をはかった。
 彼には……いや、赤竜にもわかっていた。
 連続では使えないようだが、冥竜はあの凶悪な呪縛を持っている。
 再びあの鎖を放たれ、身動きがとれなくなってしまえば、どうなるか。
 フレクザィードもそれを承知であの場に残ったに違いない。
 彼の決意を無駄にしないためにも、二人は振り返らずに空を行く。








 ……どれだけ飛んだだろうか。
 もう竜の咆哮も、あの恐ろしい歌声も聞こえてこない。
 もう……自分の背中で歌を歌う人間も、新しくできた友人もいない。

『お、俺が奴の呪縛に捕らわれなどしなければ……そうすれば……!』
「……君のせいじゃない。僕も、あの呪縛にはまるで反応できなかった。
 しかし今は悲しむ時ではない。彼の、バサラの遺志を継いで僕らは歌い続け、この悲しい戦いを終わりにしなければならない」
『だが……!』
「……わかるさ。だからこそ歌おう。せめて彼らの魂が、恐ろしい生贄とやらになってしまう前に……」

 東北地方の雪の止んだ夜空。
 そこにはしばらく、竜と使徒の悲しげな歌声が響いたという。
 大切な仲間へ捧げる、レクイエムが……

【一日目・23時20分/東北地方上空】
【偉大なる赤竜@新・世界樹の迷宮 ミレニアムの少女】
【状態】ダメージ小、傷心
【装備】無し
【道具】もくたん@ポケットモンスター、支給品一式
【思考】基本:歌で自然環境の保護を世界に訴える。
1:都庁の仲間達、カヲルを守る
2:バサラ……フレクザィード……
3:仇であるDMC狂信者は確実に根絶やしにする
4:冥竜への対抗策を考える

【渚カヲル@新世紀エヴァンゲリオン】
【状態】ダメージ小、傷心
【装備】キーボード@楽器
【道具】支給品一式
【思考】基本:バサラの遺志を継ぎ、彼の歌を届けて殺し合いを終わらせる
0:これからどうするべきか……
1:シンジ君を探して一緒に歌う。
2:DMC狂信者と冥竜は許さない
3:しかし僕にバサラの代わりが務まるのか……?
※使徒だからか、偉大なる赤竜と会話が可能です。

448救いの歌、滅びの歌:2014/02/28(金) 00:13:10 ID:w.jsWjBA0
 漆黒の瘴気が撒き散らされ、冥竜に膨大な力が集中する。
 眼前には、全身を鎖で雁字搦めにされてしまい、もはや全く身動きが出来なくなってしまった火幻竜。

「クラウザーさんのために死ぬがいいっ! ス ー パ ー ノ ヴ ァ  ! ! ! 」

(ここまでか……歌、素晴らしいものであった。ああ、我が主よ、最後にもう一度……)

 火幻竜の体を持ってしても耐え切れない程の、圧倒的な破壊エネルギーが辺りを全て破壊し尽くす。
 眩い閃光が収まるころには、もうそこには何も残されてはいなかった。

【フレクザィード@ルーンファクトリー4】 死亡確認

「やっと……死んだか。おのれ、余計な力を使わせおって……」

 完全に敵が滅んだことを確認してから、冥竜は忌々しげに吐き捨てた。
 体のあちこちから紫色の血液を流しながら、特注のスマホでツイッターを開き

『翼折れた。少し遅れそう』

 とだけ呟いた。

「この傷はあの愚か者共が新たに生み出した世界樹を喰うことで癒すとして……
 くそ、こうも多くの同志が殺されるとは……
 足りぬ、足りぬぞ! もっと多くの生贄を捧げ、クラウザーさんを復活させるのだ……!
 クラウザーさんが蘇るに相応しい世界を作り、クラウザーさんを正式に王の座につかせる……
 その時こそ、新たなる時代の幕が上がるのだ!」

【一日目・23時20分/青森県】
【冥闇に堕した者@世界樹の迷宮4】
【状態】ダメージ中
【装備】DMC狂信者50人
【道具】支給品一式、スマホ
【思考】基本:あらゆる生物をSATSUGAIし、クラウザーさんを蘇らせる
1:道中信者仲間と合流しつつ、ビッグサイトを目指す
2:到着後、東京の世界樹を喰らい力をつける
3:クラウザーさんの歌以外は歌と認めない

449信者が増えるよ!やったね光秀!:2014/02/28(金) 01:38:16 ID:VzLzcFYM0
『翼折れた。少し遅れそう』
「了解、返信っと」

スマホを鮮やかに使いメールを返す明智光秀。
何故彼がスマホを扱えるかは知らないが、ともかく彼はスマホが使えたのだ。

「随分と集まってきましたね」
「ああ、早くクラウザーさんを生き返らせたいんだろう。
 俺達もとっとと生贄を殺さなきゃな!」

息巻く蟹座のデスマスクだが、光秀はある種の不安を覚えていた。
それは戦力の事だ。
今でこそ人海戦術、ごり押しが効くがこのままではこちらが殲滅されてしまうのではないか?
現にハラサン、キンタローといった者達に数百人殺されている。
確かに、血が流れる事はクラウザーさん蘇生に近づくことになる。しかし、その蘇生を完遂させるDMC信者が居なければ意味が無い。

(強者をスカウトすべきですかね……。
 取り合えずビラ配りしつつ、街頭にクラウザーさんの曲でも流しましょうか?)

「あの……」

その時、右手にカギ爪を着けた老人がビッグサイトへと足を踏み入れた。

「私、クラウザーさんの歌に感動しまして……」
「ほう、なるほど私達と同じですね。良いですよ、共にクラウザーさんへの生贄を……何?」

光秀は老人にだけ気を取られていたが、良く見れば老人以外にも人が居た事に気付く。

「彼らは……?」
「ああ、ここに来る途中、お友達になったんですよ」

「僕はね正義の味方になりたかったんだ。一度は諦めたその夢を同志は認めてくれた。
 同じ夢を見ようと共に歩んでくれる。だから僕はクラウザーさんとやらを生き返らせるのに協力するよ」
「同志のお陰でマスターとの不仲が改善しました」
「同志の話を聞くとうわぁ頑張ろうって思えるんです」
「逃げちゃ駄目だって同志は教えてくれたんです」

クラウザーさんの信者かと言われれば微妙だが決して使えないわけではない。
むしろ利用価値は大いにある。

(なるほど、人を惹く力のあるこの老人。中々使えるかもしれませんね)

「あの、それで……」
「構いませんよ。貴方は今から私達の同志です」
「ああ、良かった……! 私、これから頑張りますよぉ。
 皆が幸せになれるように!」

光秀はほくそ笑む。
思わぬ掘り出し物を見つけたと。
果たして、彼が抱え込んだ爆弾はどのように機能するのか。
今はまだ誰も知らない。

450信者が増えるよ!やったね光秀!:2014/02/28(金) 01:38:53 ID:VzLzcFYM0
【二日目・00時30分/東京都・江東区ビッグサイト】

【蟹座のデスマスク@聖闘士星矢】
【状態】健康
【装備】蟹座の黄金聖衣@聖闘士星矢
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】基本:SATSUGAI


【明智光秀@戦国BASARA】
【状態】健康
【装備】大鎌×2
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】基本:SATSUGAI
1:カギ爪の男を利用する

【カギ爪の男@ガン×ソード】
【状態】DMC狂信者に感動
【装備】カギ爪の義手
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】基本:世界を平和にする。
1:クラウザーさんに会う為にSATUGAIする
2:皆とお友達になる

【衛宮切嗣@Fate/Zero】
【状態】健康
【装備】銃
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】基本:同志の夢を叶える。
1:取り合えずSATSUGAIしてクラウザーさんとやらを生き返らせる

【セイバー@Fate/Zero】
【状態】健康
【装備】約束された勝利の剣
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】基本:同志の夢を叶える。
1:取り合えずSATSUGAIしてクラウザーさんとやらを生き返らせる

【碇シンジ@新世紀エヴァンゲリオン】
【状態】健康
【装備】エヴァ
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】基本:同志の夢を叶える
1:取り合えずSATSUGAIしてクラウザーさんとやらを生き返らせる

【斎藤佑樹@現実?】
【状態】健康
【装備】野球道具
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】基本:同志の夢を叶える
1:取り合えずSATSUGAIしてクラウザーさんとやらを生き返らせる
2:うわぁ頑張ろう
3:何で俺、野球組じゃないんだろう……

451主催が本気を出してくるようです:2014/02/28(金) 22:09:13 ID:MmKMoT6Y0
「まさか、転送先が九州ロボだったとは……まあ、主催を止めればDMC狂信者と都庁以外は収まるでしょうし、好都合ですね」

 周囲を探索した結果、此処が福岡県だと気づいた鬼灯は、そのまま主催本拠地へと侵入しようとしていた。
すると、上空で打撃音が聞こえてくるので上を見上げると、辛うじて見えるくらいの速さで第二回放送に出ていた男と誰かが戦っていた。

「あの戦いが終わる前に侵入しないと気付かれますね……」
「遅いな」
「!?」

 背後から聞こえた声に驚いて鬼灯が振り向くと、そこには腕組みをした白いロボットが居た。
そのロボットは特務機関隊長デウスエクスマキナ、そしてその首には首輪がなかった。
首輪が無い事から上層部の人間?だと判断した鬼灯は、デウスとの交渉を試みようとするが……

「お前は、自身の都合の為に殺し合いを終わらせ、人類を滅びの道へと進ませるつもりか……」
「なっ、何を言って……!?」

 殺し合いが終わったら人類が滅ぶとでも言っているかのようなデウスの言葉に戸惑う鬼灯。
実際の所、人類どころか世界が滅亡するのだが、殺し合いを終わらせる事しか頭に無かった鬼灯には意味不明な言葉でしかなかった。

「これを聞いて想像出来ぬのなら最早言葉は不要……人類の為に排除させてもらう」
「くっ……」

 デウスの左腕から放たれたビームの連射を躱す鬼灯。
逃げ切れないと悟ってそのまま接近して金棒でデウスを殴りつけようとするが、デウスも拳を振りかぶっていた。

「がああぁぁぁっ!?」

 金棒と拳がぶつかり合った結果、鬼灯が金棒ごと弾き飛ばされる。
首輪を外した事で制限が無くなった為、デウスはスパロボ終盤のボスキャラとしてのスペックを十分に発揮していたのだから。
圧倒的な能力値だけでなく、1ターン(=1分)ごとにHPとENが最大値の3割ずつ回復したり、弱体化等を無効化したりといった能力も完備。
しかも、スモールライトで小さくなってもサイズがSSになっただけでHPは20万のままだ。
まあ、死国組なんてチート集団な超強力対主催がいるからね、主催側だって首輪と制限を外したくなるよ。

「ぐぅぅぅ……何て力……」

 金棒を杖代わりにしてどうにか起き上がった鬼灯。
だが、もう既にデウスは斬馬刀を取り出して距離を詰めていた。

「終わりだ!」

 デウスが真っ直ぐ振り下ろした斬馬刀は、盾代わりにした金棒ごと鬼灯を両断した。


「さてと、デウスのほうは終わったから、こっちも終わりにするか」
「何!?」

 デウス同様に首輪が解除されているバーダックは敵に向かってそう言った。
その敵ことサイヤ人の王子ベジータ(サイヤ人編からの参戦)は、制限のせいとはいえ互角に戦っていた相手の思わぬ言葉を不審に思う。
だが、その不審は驚愕へと変わる。

「で、伝説の……超サイヤ人だと……下級戦士のバーダックが……!?」

 そう、ベジータの目の前でバーダックは超サイヤ人となった。
やけになってエネルギー弾を乱射するベジータ。
だが、爆煙からは無傷のバーダックが現れていた。

「くっ、くそったれええええ!!」

 そしてベジータは、バーダックの放ったエネルギー弾の爆発に消えた。

「勝ったか……けど、この程度で満足してたら奴らには勝てない……さらなる高みを目指さなければな」

 バーダックはそう言って戦闘を締めくくった。
最早、彼等主催には一切の驕りは無い。
超弩級戦艦『死国』の面々は、それ程までに彼等を本気にさせたのだ。

452主催が本気を出してくるようです:2014/02/28(金) 22:09:57 ID:MmKMoT6Y0
【一日目・23時30分/九州ロボ・福岡県】
※主催側人員の首輪解除が進んでいます。

【バーダック@ドラゴンボール】
【状態】疲労(小)、首輪解除
【装備】スカウター@ドラゴンボール
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】基本:テラカオスを生み出す計画を遂行する
1:計画のために殺し合いを促進させ、計画の邪魔をするものは殺す
2:超弩級戦艦『死国』の面々等の強敵に備えて、超サイヤ人を超えた高みを目指す

【デウスエクスマキナ@スーパーロボット大戦UX】
【状態】普通、身長2.3mになるまでスモールライトで縮んだ、首輪解除
【装備】デウスの斬馬刀@スーパーロボット大戦UX
【道具】支給品一式、スモールライト、不明支給品×1
【思考】基本:人類絶滅及び人類の想像力喪失の阻止
1:命令に従う
2:殺し合いによって人類の想像力喪失を阻止する
3:死んだクルル曹長の代わりとして技術開発班を手伝う
4:強敵に対抗する為にもビアンと共に艦載機の開発・制作・量産を進める

【鬼灯@鬼灯の冷徹 死亡確認】
死因:斬殺

【ベジータ@ドラゴンボール 死亡確認】
死因:エネルギー弾による爆殺

453テイオー!見参!チャンピオン!:2014/03/01(土) 01:13:18 ID:2BPRhKoA0

「まゆみちゃん………ッ!」
「ジバンさん……」
「まきょ……」

ビル街の路地裏に身を潜めながら、ジバンは怒りと悲しみに身を震わせつつ拳を握った。
巨大化、狂暴化したはるかさんを止めるべくキルコ達と共にしばし奮戦したものの、状況は思わしくない。
ジバンの砲撃、キルコとまこちーの打撃、空蝉丸の電撃を纏った斬撃を立て続けに受けてもはるかさんは
ほとんどダメージを受けず、ジバン達の命を奪おうとさらに分裂して暴走し続けた。
だが空蝉丸がとっさにモンスターボールから繰り出したプテラが思わぬ活躍を見せ、現在は状況がこう着状態に
なり始めていた。

「アハハハハハ!?アハハハハハ!?アハハハハハ!?」
「プテラ、続けて『ねごと』でござる!」

プテラが先制で繰り出した『ステルスロック』で分裂はるかさんの周囲に鋭利な岩がまき散らされ、さらに『ねむる』
からの『ねごと→ふきとばし』の立て続けの応酬で分裂はるかさんは次々とダメージを受け続ける羽目になり
ジバン達を襲撃できずにいた。
俗に「昆布」と言われる長期戦に適した戦法である。
ちなみにプテラにはあらかじめまこちーから借り受けたきあいのタスキを装備させている辺りが抜け目ない。


だがその間にも新たな放送が流され、探し人である五十嵐まゆみの死を知ったジバンは愕然とした。
自身の妹でもある少女の自分の与り知らぬ場所での死。
その事実に主催者の野田総理の死や後釜のダースベイダーの登場といった情報はジバンの中では完全に
霞んでしまっていた。
オートデリンガーを握る両手も心なしか頼りない。


「ジバンさん、しっかりしてください! 今ウッチーさんがはるかさんを足止めしてますけど、そう長くは
 もちませんよ!? 早くなんとかしないと!」
「キルコ君……」

わかってはいるが身体が動かなかった。
別に内部メカの不調とかそんな事ではない。
これは守るべき者を守れなかった自身への無力感からのものだ。

たった一人の少女も守れず、何が警視庁秘密捜査官警視正か?
もはやそんな思いばかりが彼の頭を渦巻いていた。

「まゆみちゃんが死んだのはジバンさんの責任じゃありません! 悪いのはこんな殺し合いを始めた野田総理
 です! 今はなんかもう死んじゃってダースベイダーって人が代わりに出てきましたけど!」
「わかっている! わかっているんだ……ッ!!」

思わず声を荒げてしまったが、キルコは怯まなかった。
彼女とて婦警になる前は傭兵として戦い続けた前歴がある。
仲間や親しい者の死にはむしろジバンより敏感かもしれない。

「そうやってふさぎ込んでたらまゆみちゃんが生き返ってくるんですか? そんな都合のいい話があるわけ
ないでしょ!? 立ってくださいジバンさん! まゆみちゃんの為にも私達が――――」

454テイオー!見参!チャンピオン!:2014/03/01(土) 01:14:10 ID:2BPRhKoA0
そこまでキルコが言いかけた時である。


「SATSUGAIせよ! SATSUGAIせよ!」
「SATSUGAIせよ! SATSUGAIせよ!」
「おい見ろ、あんな所に妙な生き物がいるぞ?」
「ちょうどいい、アレもクラウザーさんへの生贄として捧げるぞ―ッ!!」

空蝉丸とプテラの後方から、何やらアレな発言をしながら怒涛のように押し寄せる集団が現れたのである。
その数およそ200人超。
言うまでもなくDMCの狂信者の集団である。

「ぬうっ、いかん!」

とっさに彼らに気付いた空蝉丸はプテラの背に飛び乗り、空中へと一時退避する。
その間にも狂信者の一団は逃げた空蝉丸よりも目の前にいるはるかさんの方に標的を絞り突撃する。
だがそれが不味かった。

「アハハハハハハハハハ…………!!」

厄介な一人と一匹が離れた事を確認したはるかさんは分裂を解き再び巨大な一体の姿へと変化し、狂信者達へと
怪しく輝く目を向けた。


『笑う』という行為は本来は攻撃的な行動である。
そんな言葉をはるかさんの姿を見たキルコはふと思い出した。


「食らえ妙なデカブツがーッ! ウルトラ兄弟必殺光線!!」
「アハハハハハハ!(失せろ!)」
「ウボァーッ!?」

マントを羽織った宇宙人の光線を平然と身体で受け止めつつ、それを片手で蠅のように叩き潰すはるかさん。

「次鋒レオパルドンいきます! グオゴゴゴ!」
「アハハハハハ!(はるかさんフェンシング―ッ!)」
「ギャアアーッ!?」

続けて出てきた戦車みたいな超人も間髪入れず片手を突き出して串刺しにする。

「なるほどただの化け物ではないようだな。だがこのバスク様をさっきの野郎どもと一緒にすると後悔する事に
 なる。どああ〜〜〜っ! 華山獄握爪!!」

今度はその様子を見ていた巨漢の男が片腕を突きだし、高速回転しながら飛び出してきた。
その手ははるかさんの胴体を握りつぶし、そのまま粉々に――――

「おりゃあはは、は!? あ? い!!」
「アハハ、アハハハハハハ!(どうした、まわるんじゃないのか……)」

――――する事無く、はるかさんの身体に当たり、そのまま静止してしまった。
その腕を馬鹿にしたような目で見ながらはるかさんは掴む。
そしてその掴んだ手が運ぶ先は――――

「な……な……きさまなんの化身だ!!」
「アハハハハ!(ただのぷちどるだ!)」

バリッ! バリボリバリッ! グチャッ!

生々しい音を立てつつ、はるかさんは男を口内へと運び、そのまま捕食した。
いつもの甘噛みとかいう次元を超越した完全なる野生動物の獲物の咀嚼である。
その光景に空蝉丸やキルコは思わず目を背けてしまった。


【テンペラ―星人@ウルトラマンタロウ】死亡確認
【レオパルドン@キン肉マン】死亡確認
【バスク@北斗の拳】死亡確認

455テイオー!見参!チャンピオン!:2014/03/01(土) 01:15:00 ID:2BPRhKoA0
「アハハハハハハ、アハハハハハハハハハ!!」
「おのれリボンの化け物め、よくも同志を!」
「おとなしくクラウザーさんにその身を捧げろーッ!!」

怒りに燃えた狂信者達は一人、また一人と巨大なはるかさんへと特攻していく。
だがそれも暖簾に腕押し。
攻撃を仕掛けるたびに不気味に笑うはるかさんに叩き潰され、踏まれ、投げ飛ばされ、捕食されていく。
しまいには数の多さに業を煮やして分裂したはるかさんによって片っ端から喰い千切られていく始末だった。
だが信奉するクラウザーさんの為なら死をも恐れない狂信者達の辞書に後退の文字はなかった。
あるのは前進制圧あるのみ!

数分後。
気が付けば残されたのは呆然とするキルコ達と、血にまみれた市街地。
そして暗黒色のオーラすら醸し出す血濡れのはるかさんが佇んでいた。

【DMC狂信者×約200人】死亡確認


「アハハハハ!」

大量の狂信者集団がいなくなった事を確認したはるかさんは、その眼を再び空蝉丸とプテラへと向ける。
『次はお前だ』
言葉は分からないが、そう言っているようにも思えた。

「させません!」

それを阻止すべく、トンファーブレイドを構えたキルコがはるかさんの横っ面を殴りつけようとした。
これではるかさんの目をそらし、再びプテラの昆布戦法に持ち込める。
そう考えたキルコだったが、彼女は焦るあまり相手を侮っていた。

「「アハハハハハハ!(阿呆が!)」」
「なっ……」
「いかん、キルコ殿!」

同じ轍は踏むまいと、はるかさんはすぐさまキルコの方へ多数の分身を生み出し突撃させた。
テラカオス化が促進されたはるかさんはこの短時間で高度な知能を手に入れ、もはや奇妙なマスコットの概念を
超越した存在へと足を突っ込んでしまっていたのである。
もちろんそんな事情をキルコ達が知る由もない。

「ッッ! キルコストーム!!」
「「アハハハハハ!」」

ギリギリで迎撃が間に合い、分身はるかさんは次々と竜巻に吹き飛ばされていく。
だが今度は分身達が再び合体、巨大はるかさん2号と化してキルコに襲いかかった。
再度キルコストームを放つものの、その巨体は風に揺れるばかりでまったく吹っ飛ぶ気配を見せない。
空蝉丸の方も分身と巨大化を交互に繰り出される事でかく乱され、昆布戦法に持ち込めぬまま攻めあぐねていた。
残されたジバンは未だ動けず、まこちーもどうしたらよいのか分からずオロオロするばかり。

「うわああああああああああ!?」
「キルコ殿―――ッ!?」

そして遂にキルコは巨大はるかさん2号に身体を鷲掴みにされ、宙へと運ばれてしまった。
行き先はただ一つ、暗く血にまみれた口内。
何とか脱出を試みるものの、巨大なはるかさんの馬鹿力に彼女も手も足も出ない。




ああ、私、ここで終わりなんですかね?


先輩、私、流島分署には戻れそうも―――――

456テイオー!見参!チャンピオン!:2014/03/01(土) 01:15:43 ID:2BPRhKoA0
『タテガミライオー! バディアニマル、ガルルルルーン!』
「アハハハハガァッ!?」
「うわぁぁっ!?」

死を覚悟したキルコだったが、その思いは寸前で却下されてしまった。
突如現れた巨大な物体が、はるかさん2号を1号もろとも跳ね飛ばしたのである。
その勢いでキルコも吹っ飛ばされたが、寸前で空蝉丸にキャッチされ事なきを得た。

「い、一体何が……」
「あ、あれはもしや……」
「知ってるんですか雷電……じゃなくてウッチーさん?」

空蝉丸はその巨大な物体に見覚えがった。
以前宇宙大恐竜ボルドスとの一戦で共闘した先輩戦隊、特命戦隊ゴーバスターズの駆るマシン。
巨大な青いライオンのような姿をしたその雄姿。
バディゾード・LT-06 タテガミライオーである。

「アハハ!アハハハハハハハ!!(邪魔をするな!何者だ!?)」

一体に戻り突然の乱入者に怒りを露わにするはるかさんの問いに答えるかのように、タテガミライオーの中から
一人の人物が姿を現した。
そこに乗っていたのはエネルギー管理局所属の特命戦隊の一人――――


「そこのリボンの怪物よ! それ以上好きにはやらせないゼーーーーーーーーーーーット!!」


ではなく、何やら不自然になびく赤いマフラーを巻いたやたら熱い男だった。

「お……お前は……いや、貴方は!?」
「えっ、ジバンさんはあの人を知ってるんですか?」
「無論だ。彼を知らない正義の戦士はおそらくこの日本にはいない!」

路地裏からまこちーと共に顔を出したジバンは驚愕の声を上げながら男性の方を見ていた。
だがその眼差しは驚きよりも尊敬に満ち溢れていたと言ってよかった。

彼の名は水木一郎。通称アニキ。
レジェンドヒーローであれば知らぬ者はいない、言わずと知れたアニメソング界の帝王である。
ジバンの歌は基本串田アキラ氏の楽曲だが、彼の偉大さはジバンもしかと耳にしていた。


「アハハハハハ!!(いいだろう、貴様から殺す!!)」

この不愉快な男を今すぐ始末する。
そして皆殺しにする!
テラカオス化による殺人衝動が頭を渦巻き、はるかさんは怒りのままにアニキに襲いかかった。
だがアニキはタテガミライオーの頭上から一歩も動こうとしない。
それどころかタテガミライオーも迎撃に入る気配がない。
どうしたのかと慌てるジバン達だったが、その理由はすぐに明らかになった。


「♪飛ばせ鉄拳 ロケットパンチ!!」
「アハガァッ!?」

ディバックからマイクを取り出したアニキは何を思ったか突然自身の持ち歌の一節を歌い始めた。
するとアニキの背後に巨大な幻影のような物体が浮かび上がり、その幻影が拳を発射してはるかさんを殴り
飛ばしたのである。
よく見ると幻影の姿はスーパーロボット、マジンガーZの姿そのものだというのが確認できた。

「♪今だ 出すんだ ブレストファイヤー!!」
「アハァァァァァァァァァァ!?」

続けざまに幻影の胸の放熱板から発射された熱線がはるかさんの身体を焼き尽くしていく。
たまらずはるかさんは分裂して回避を行ったが、アニキは慌てることなく歌い続けた。

「♪必殺パワー サンダーブレーク!!」
「「「アハァァァァ!?」」」

今度は幻影の姿が偉大な勇者へと変貌し、全方位に繰り出された雷がはるかさん全員に降り注いだ。
これでは被害が広がると判断し、再び巨大化して一体になるはるかさん。

そろそろ説明せねばなるまい。
これぞアニキが自身の熱いスピリットを燃やす事で独自に生み出したスタンド『ザ・アニキング』。
その能力は『アニキがこれまでに歌い続けてきた物語の英雄達の姿へと自在に変化し、その能力を行使する事』である!!


黒焦げになりながらもめげずに立ち上がってきたはるかさんだったが、その後は散々の一言だった。
マグネットパワーで動くロボットにサバ折りをかけられ。
5体合体のロボットにヨーヨーを叩き付けられ。
何人もの仮面のヒーローに蹴りを叩きこまれ。
鬼畜そうな赤い巨人にトゲ付き鉄球をぶつけられ。
脳髄むき出しの黒いロボットに銃撃でハチの巣にされかけ。
終わった時にはボロ雑巾に近い状態でヨロヨロと地面に這いつくばっていた。

457テイオー!見参!チャンピオン!:2014/03/01(土) 01:16:55 ID:2BPRhKoA0
「よし、とどめだゼーーーーーーット!」
「いやあの、流石にもうやめたげてくれまs―――――――」
「♪雲を裂き 風を巻いて 夢を夢を夢を〜」

キルコの制止もむなしく、アニキは追い打ちとばかりに歌い始める。
幻影の姿は何やら猿っぽいゴルファーのような姿へと変わっていった。

「♪夢を勝ち取ろう!!」
『ワイは猿や!』

「アハハァァァァァ―――――――――ッ!?!?」

幻影の振り下ろしたゴルフクラブを叩き付けられ、はるかさんは遥か彼方の空へとナイスショットされてしまった。
おそらく落下地点にホールがあったら旗に包まれていただろうが、流石にそれはないだろう。
誰もがその時そう思った。



「助けてもらってありがとうございます! やりすぎな気もしますが……」
「礼には及ばないゼーーーーーット! 礼なら俺をこの場所に連れてきてくれた彼女に言ってほしいゼーーーーット!」
「彼女……でござるか?」
「ああ。俺は元々暴走するDMCの信者達の目を覚まさせるためにビッグサイトに向かっていたんだが、途中で
 彼女と出会い、そして君達に出会ったんだゼーーーット!」

戦いを終え、改めて恩人であるアニキに礼を述べるキルコ達。
だが話によると彼は自分の意志でこの場に来たのではなく、ある人物の導きでこの場に来たのだという。
するとその問題の人物が、タテガミライオーの中からキルコ達の元へと歩いてきた。


「どうも〜、みなさん初めまして! 間に合ってよかったよ!」
「この子は……ロボットか?」
「あれ……どこかで見た事あるような……」

現れたのは、緑色のツインテールが特徴的な機械の少女。
しかしそれはキルコ達も知っていた『彼女』ではない存在。
彼女達とジバン達が出会ったのは果たして偶然なのか。
それはまだ、誰にも分からない。


【一日目・23時30分/東京都・中央区】


【田村直人@機動刑事ジバン】
【状態】健康、深い悲しみと無力感、機動刑事ジバンに変身中
【装備】マクシミリアン、電子手帳、パワーブレイカー、ニードリッカー、オートデリンガー
【道具】支給品一式、ダイダロス
【思考】基本:野田総理を倒して殺し合いを止める
1:まゆみちゃん………
2:アニキ達と接触する
3:もし次に戦闘になったら、自分は戦えるのか?
4:東京都庁は後回しにしてビッグサイトに向かう
5:野田総理の本拠地を探す
6:黒幕はバイオロンではなかったが、ためらわず戦う
※五十嵐まゆみの名前が出てから後の第3放送の内容をよく覚えていません

【音無キルコ@新米婦警キルコさん】
【状態】疲労(中)
【装備】トンファーブレイド
【道具】支給品一式
【思考】基本:野田総理を成敗して殺し合いを止める
1:ジバンさんやウッチーさん達と協力して悪党を成敗する
2:とりあえずアニキさん達と話してみる
3:はるかさんの行方が気になる
4:東京都庁の魔物も気になるが、まずはより多くの被害を出してそうなDMC狂信者を成敗する
5:野田総理の本拠地を探す
6:ハル先輩達、無事かなぁ?

【空蝉丸@獣電戦隊キョウリュウジャー】
【状態】疲労(小)
【装備】ガブリチェンジャー、ザンダーサンダー
【道具】支給品一式、獣電池(プテラゴードン×6)、使用済み獣電池(トペランダ、プクプトル、フタバイン)モンスターボール(プテラ)
【思考】基本:野田総理を倒して殺し合いを止める
1:ジバン達に同行する
2:アニキ殿達と接触する
3:はるかさんが気がかり
4:ビッグサイトに向かう
5:野田総理の本拠地を探す(九州が怪しいと睨んでいる)
6:キング殿達と合流したい
※プテラの現在の習得技は ねむる、ねごと、ふきとばす ステルスロック の4つです。

【まこちー@ぷちます!】
【状態】健康、深い悲しみ
【装備】きあいのタスキ
【道具】支給品一式
【思考】基本:まきょー
1:空蝉丸達と行動する
2:赤いマフラーの人(アニキ)達と話してみる
3:真とちひゃー、765プロの面々の死に深い悲しみ
3:はるかさんが心配
4:襲われたら全力で戦う

458テイオー!見参!チャンピオン!:2014/03/01(土) 01:17:17 ID:2BPRhKoA0
【水木一郎@現実】
【状態】健康だゼーット!
【装備】赤いマフラー、マイク、ライオアタッシュ、LT-06タテガミライオー
【道具】支給品一式
【思考】基本:俺の歌で殺し合いを止めるゼーット!
1:ジバン達と接触してみるゼーット!
2:DMCの信者達を俺の歌で改心させるゼーット!
3:そして殺し合いの主催者も懲らしめるゼーット!
4:そのためにも仲間を集めるゼーット!
※スタンド『ザ・アニキング』を呼び出す事が可能です。
 アニキの歴代の持ち歌のヒーロー達をヴィジョンとして呼び出し能力を行使できます。

【フェイ・イェンHD@スーパーロボット大戦UX】
【状態】健康、等身大
【装備】ジェイド・フォーキー
【道具】支給品一式、ドラムセット、獣電池(トバスピノ)
【思考】基本:殺し合いを止める
1:このメカっぽい人や眼帯の婦警さんと話してみる
2:アニキと共に自分の歌をみんなに届ける
3:死んだ『あの子』のためにも必ず殺し合いを終わらせる
4:SATSUGAIとか言ってる人達は必ず止める
5:東京都庁がなんか気になる
※アニキの持ち歌はほぼマスター済みです。
※獣電池にブレイブインできるかは不明です。

459あーあ、出会っちまったか:2014/03/01(土) 01:18:15 ID:2BPRhKoA0

ドスンッッッ!!


「アハ……ハハハ……ハハ……」


アニキの手によって吹っ飛ばされたはるかさんは、しばらく空中散歩を楽しまされた後、地表へと激突した。
巨大化していた身体は先ほどのダメージにより普段の大きさへと縮小している。
もはや体はボロボロだったが、戦意だけはまったく衰えていなかった。
これもテラカオス化の影響だろうか。


ここがどこなのかは今はどうでもいい。
この体の傷が癒えたら、あの暑苦しい男は必ず殺す。
一緒にいたデカいライオンも殺す。
ロボット刑事も眼帯の女も金色の侍もまこちーも殺す。
SATSUGAIとか叫んでいた連中も殺す。
とにかく全員殺す。
叩き潰して殺す。
踏み潰して殺す。
噛み砕いて殺す。
分裂して蹂躙して殺す。
殺して殺して殺して殺して殺し潰す。

もはやはるかさんの脳内には殺意という感情がほとんどを占めはじめていた。


その時である。
怨嗟にまみれたはるかさんの背後から何者かが歩み寄ってくるのを感じたのは。

誰だ?
いや誰だろうが関係ない。
目の前に現れた者は誰だろうが殺し潰す。
捕食すれば少しは回復の足しになるだろう。

そう結論付け、はるかさんは振り返ると同時に背後の相手に飛びかかろうとした。

460あーあ、出会っちまったか:2014/03/01(土) 01:18:52 ID:2BPRhKoA0

「アハ(死n―――――――   !?」


その間わずか0.05秒。
宇宙刑事の蒸着が完了してしまうレベルの時間ではるかさんは気付いた。
夜の暗闇の中で相手をはっきり認識する必要などなかった。
目の前にいる相手が何者なのか。
そして自分が過ちを犯した事に。


「空から急に何か降ってきたかと思ったら――――――」


勝てない。
今の『この人』には。
早く謝れ。
這いつくばって服従するんだ。


「まさか貴方だったとはね、はるかさん」
「アハハ………」


強者はより強い強者に屈服する。
テラカオスはより強大なテラカオスに屈服する。
この瞬間、暗黒のぷちどるは一匹の従者と化した。


【一日目・23時30分/日本・埼玉県】

【天海春香@アイドルマスター】
【状態】健康、テラカオス化進行中、それにより春閣下化
【装備】カブトゼクター&ライダーベルト@仮面ライダーカブト
【道具】ドレイクゼクター&ドレイクグリップ@仮面ライダーカブト、ゼクトマイザー@仮面ライダーカブト、支給品一式
【思考】基本:この救いようのない世界を征服し、絶対的な支配者となる。
1:傘下に入らぬ者は殺す
2:はるかさんを介抱し、傘下に加える
2:765プロの皆の死に深い悲しみと怒り
3:天の海を往き、春を香らせる
※ゼクトマイザーは伊集院北斗のデイパックに入っていたのを回収しました。

【はるかさん@ぷちます!】
【状態】ダメージ(極大)、日光を克服、テラカオス化進行中、新型ナノマシン服用、暗黒化
【装備】なし
【道具】支給品一式
【思考】基本:アハハハハ……
1:春香に服従する
2:傷が癒えたらあの男(水木一郎)は必ず殺す
3:とにかく全員殺す
※テラカオス化の進行により、巨大化と分裂を自分の意志で行えるようになりました。

461リサイタル対決:2014/03/01(土) 03:08:02 ID:cJ1V0tX60

「オーロラのかーぜーにーのーて!!」


歌、音楽。

人間が生み出した文化の一つであり、今も数多くの人たちに親しまれ浸透している。
そしてここに音楽を愛する者達が集い対峙していた。。
一人は歌で戦うというコンセプトでありながら
主人公側のとんでもない歌唱力(悪い意味で)で視聴者の度肝を抜いたアニメぴちぴちピッチのなかでも更に郡を抜き、デスボイス、深海のジャイアン等の異名を取るかれん様である。




『SATSUGAIせよ! SATSUGAIせよ!』
もう一方は説明不要、DMC狂信者。
音楽を愛しながらも殺戮を続ける彼らと、かれん様がぶつかるのは、時間の問題であった。
互いに互いの全身全霊を振り絞った歌唱対決。圧倒的数の暴力の前に彼らは良く健闘したといえるだろう。
しかし、一人。数百近くの暴徒を相手取るには限界があった。
今まで数々の水妖を自慢の歌でねじ伏せたマーメイドプリンセスであろうと、あまりにも数が多すぎる。

『SATSUGAIせよ! SATSUGAIせよ!』『SATSUGAIせよ! SATSUGAIせよ!』『SATSUGAIせよ! SATSUGAIせよ!』
『SATSUGAIせよ! SATSUGAIせよ!』『SATSUGAIせよ! SATSUGAIせよ!』『SATSUGAIせよ! SATSUGAIせよ!』
『SATSUGAIせよ! SATSUGAIせよ!』『SATSUGAIせよ! SATSUGAIせよ!』『SATSUGAIせよ! SATSUGAIせよ!』
『SATSUGAIせよ! SATSUGAIせよ!』『SATSUGAIせよ! SATSUGAIせよ!』『SATSUGAIせよ! SATSUGAIせよ!』


「か、数が多すぎる……」

普段は強気なかれん様だが、流石に今回ばかりはそうでもいられない。
もうチェスや将棋で言うチェックメイトを掛けられてしまっているようなもの。
勝てない……。

「私の歌じゃ……駄目なの……?」




「ぽよ」

その時だった妙なピンクボールが現れたのは。
DMC信者達は新たな生贄が来たと踵を返す。
だがピンクボールは動じずマイクを取り出した。

「ぽ〜よ!!」

歌だ。歌を歌い始めたのだ。
この絶望的戦力差にも関わらずピンクボールいやカービィは歌った。
その目には諦めは無い。自暴自棄になった訳でもない。
ただ歌を愛するものとして、目の前の惨劇を許さない正義の心を賭して声を上げているのだ。

462リサイタル対決:2014/03/01(土) 03:08:14 ID:cJ1V0tX60

(私は何を諦めてたのかしら……)

かれん様の瞳に再び闘志が宿る。
上げる歌唱、響く歌声。
明らかに押していたDMC信者達の歌声が徐々に霞んでゆく。

「ぽよぽよぽよぽよ!! ぽーよぽよ!!!」
「オーロラのかーぜーにーのーて!!my wish届いてる!!!!」

「ば、馬鹿なこんな歌に……!」「嘘だ……クラウザーさんの曲が、そんな」
「や、やめろおおおおおおおおおおおおお!!!」

一人倒れ二人倒れ三人倒れ。
数百人居たDMC信者は今やたったの一人だけとなった。

「こんな事があああああああああああああああ!!!!」
「ラブシャワーピッチ! アンコールはいかが?」


問いに答える事も無く最後の信者が倒れた。
無論、死んではいない。歌で人が死ぬなんて、そんなオカルトあり得ません。

「勝ったのね……私達……」
「ぽよ」
「行きましょう。他にもこんな奴らが居るなら、止めなくちゃいけないわ」
「ぽよ」

ここに新たに歌で結ばれたコンビが結成した。

【二日目・00時00分/広島】

【カービィ@星のカービィ】
【状態】健康
【装備】マイク
【道具】支給品一式
【思考】基本:歌う
1:DMC信者を止める
※今までとは別人です

【かれん@マーメイドメロディーぴちぴちピッチ】
【状態】健康
【装備】パープル真珠
【道具】支給品一式
【思考】基本:歌う
1:DMC信者を止める

463リサイタル対決:2014/03/01(土) 03:08:51 ID:cJ1V0tX60








「うるせええええええ!!!」

その頃、気絶したDMC信者を皆殺しにした男が居た。
彼の名は佐村河内守、有名な作曲家だった男だ。
DMC信者とカービィ、かれん様の対決の際、彼は近くでその大合戦を聞いていた為、イライラしていた。

「声聞こえてるじゃねえか!」
「やかましい!!」

突っ込みに来た上田晋也を佐村河内は手刀で殺す。
そう彼は耳が聞こえないと偽っていたが、その実普通に聴力があったのだ。
彼は憎んでいた。ともかく音楽を憎んでいた。
DMC信者も、そうでない歌を振りまく連中も全て。

「殺そう……全て殺して再び音楽界に復活してやる」

佐村河内は歩みだす。
自らの野望と復讐の為。



【二日目・00時10分/広島】

【佐村河内守@現実?】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式
【思考】基本:音楽に携わる者全てを抹殺し再び自分が音楽界に舞い戻る。
1:DMC辺りから血祭りに上げる。

【DMC狂信者@カオスロワ】死亡
【上田晋也@くりぃむしちゅー】死亡

464ズカンされた名無し:2014/03/01(土) 07:07:19 ID:Rlp1r44w0
広島は中国地方ですよ

465ズカンされた名無し:2014/03/01(土) 10:11:09 ID:cJ1V0tX60
すいません
【二日目・00時10分/広島】を【二日目・00時10分/長野県】に変更でお願いします

466ズカンされた名無し:2014/03/01(土) 10:11:19 ID:cJ1V0tX60
すいません
【二日目・00時10分/広島】を【二日目・00時10分/長野県】に変更でお願いします

467ズカンされた名無し:2014/03/01(土) 10:11:55 ID:cJ1V0tX60
連続でレスしてしまったw

468死に花を咲かせたかった夜:2014/03/02(日) 03:51:42 ID:BcEF01Yo0
主催者達が首輪を外し侵入者に対処していた頃、もう一人の参加者が九州ロボに乗り込んできていた。
だがその強さは圧倒的だった。
モブ兵の乗るロボット達をいとも簡単に撃墜し、周囲にはスクラップとなったロボ達が倒れ伏している。
そんな中、襲撃者は葉巻に火をつけて一服していた。
彼の名は衝撃のアルベルト、衝撃波を操りスパロボαでは使徒さえ圧倒する男。
彼は放送で孔明と十傑集の死を知り、彼らへの手向けのために単身九州ロボに特攻を仕掛けてきたのだ。
アルベルトと対峙するクラウディウスの乗るロードビヤーキーも所々火花を上げている。
アルベルトは葉巻を吐き捨てると次はお前だと言わんばかりにロードビヤーキーに乗るクラウディウスを睨みつける。

「おい小僧、貴様ではワシを倒すには力不足よ。大人しく退けば見逃してやらんでもないぞ」
「この糞ジジィがぁ…!絶対にぶっ殺してやる!!」
「あまり強い言葉を使わんほうがいいぞ?そこいらの雑魚と変わらん」
「てめえぇぇぇぇ!!」

激昂したクラウディウスはハスターの爪による真空刃攻撃を行うがアルベルトは目にも止まらぬスピードで避ける。
これは今に始まったことでなかった。
この衝撃のアルベルトという男は運動性能に優れているはずのロードビヤーキーの動きについていってるどころか圧倒しているのだ。
そして死角から衝撃波を発射し、ロードビヤーキーにダメージを与えていったのだ。
そういえば聞いたことがある。数々のMSの素手で撃墜した東方不敗という男を、襲撃のアルベルト…彼はそいつと同レベルの猛者なのか。
ロードビヤーキーの攻撃を避けたアルベルトは両手を横に広げた構えを取る。
その両手の中には真紅の衝撃波がフラスコ内の竜巻が如く渦巻いていた。

「貴様程度の役者ではワシは倒せん。これで決めてやる…」
「糞がぁ!スクリーミングバード!死ねぇぇぇぇ!!!」

クラウディウスはロードビヤーキーの全身に風を纏わせて突進を仕掛ける。
その時、アルベルトの衝撃波が彼の手から解放される。
暴れ狂う真紅の巨大竜巻。ロードビヤーキーの四肢は瞬く間に竜巻に飲み込まれズタズタに切り裂かれていく。

「てめえは一体……何なんだ……」

爆発する乗機の中、クラウディウスは衝撃のアルベルトに対する畏怖を最後に主催側での人生を終えた。

【モブの部下×10@色々 死亡確認】
【クラウディウス@機神咆哮デモンベイン 死亡確認】


クラウディウスを倒したアルベルトは次の敵と対峙していた。
戦闘民族サイヤ人バーダック。ベジータを倒した後、新たな侵入者の気配を感じて赴いてきたのだ。
その全身から溢れる気に衝撃のアルベルトはこの男が今まで戦った誰よりも強いと実感させるに十分だった。
それほどの敵を相手にしてもアルベルトは不遜な態度を崩さない。

「フン、貴様ほどの者が出てくるとはな…」
「他の特務機関の連中じゃお前を倒せそうにないんでな…。幹部である俺を引きずり出したことを誇りに思え」
「そうか、特務機関というのは随分と人材不足のようだな!」
「俺の名はサイヤ人の戦士バーダック…。
 お前には敬意を評して、いきなり全開で戦ってやる…はぁぁぁぁぁぁっ!!」
「面白い、この衝撃のアルベルトを倒すというか!」

バーダックは超サイヤ人に変身しアルベルトに猛攻を仕掛ける。
互いに飛び交う拳、拳、拳……両者の実力はほぼ互角であった。
その事実にサイヤ人の本能かバーダックはこれ以上ないほどの笑みを浮かべた。
それはアルベルトも同様だった、こんな戦いは九大天王のあの男以来だった。

「ハハッ…ハハハハハハハハ!!」
「フ、フハッ…フハハハハハハハ!!」

互いは周囲のことなど眼中にないと言わんばかりに拳を打ち込んでいく。
もはや二人の拳の軌跡は残像すらもない。
拳と拳がぶつかり合ったときの衝撃と火花が二人の攻防の壮絶さを語る。
まさに彼ら二人だけの男の世界!

469死に花を咲かせたかった夜:2014/03/02(日) 03:57:36 ID:BcEF01Yo0

が、それ故にアルベルトは気づかなかった。
バーダックと同じく駆けつけたデウスが掌を光らせ、ビームの照準をアルベルトに向けていることに。

「おのれ、小癪なぁっ…!」

デウスの掌から発射されたビームに気づいたアルベルトは掌から赤い衝撃波を発射。
ビームと衝撃波が相殺し合い爆発の閃光が上がる。
…が、相殺したのは悪手だったのかもしれない。
爆発により周囲が見えなくなっていたのだから。
そして、煙の中からバーダックが姿を現し殴りつける。
バーダックはスカウターによる探知のおかげで、ビームと衝撃波の相殺による煙の中でもアルベルトを探知できていたのだ。
周囲が見えなくなっていたせいでアルベルトは拳をまともに喰らい吹っ飛ぶ。

「ぐぅっ…なんて重い拳だ…」

致命傷にこそなっていないが、その状態では戦うには辛すぎる。
かろうじて立ち上がるが誰が見てもフラフラのよろよろで戦闘続行困難だと分かる。

「…デウス」
「言いたいことはわかる。だからとて一人の侵入者にいつまでも構ってはいられまい。
 その男がS級の実力者ならなおのこと。止めを下すのだ」
「チッ…」

バーダックは舌打ちをしてアルベルトに止めを刺さんと近づく。

「おのれぇ…貴様!」
「お前ほどの実力者はそうそういねぇ。お前を実力を評し、一撃であの世に送ってやる」

バーダックは右手に気をこめる。
最大のエネルギー波でアルベルトに止めを刺すつもりだ。
アルベルトは目を瞑り、最期の時を待った…。




「いいえ、その男に死なれては困ります」
「ッ!?」

声が聞こえると同時に何者かの蹴りがバーダックを襲う。
バーダックは右腕で防ぐが、その蹴りの威力は思いのほか強く、バランスを崩した。

「バカな、何故貴様が生きている…?」

デウスはいきなりの乱入者の姿に驚愕する。
何故ならその男は先ほど一刀両断したはずの男だったのだから。
男は鬼灯。地獄の閻魔の第一補佐官を務める鬼神。
鬼灯はデウスの疑問に無表情で答える。

「デウスさんと言いましたっけ、貴方主催者の一人なんですよね?」
「それがどうした」
「だったら参加者の支給品くらい把握したほうがいいですよ?私の不明支給品がリバースドールだったことを…」

リバースドール…戦闘不能に陥った時に所持していれば復活できるアイテムである。
それにより彼は生き返った。首輪の反応で生死が分かるはずだが、戦いに赴いているのなら話は別だ。
確かに主催者という参加者を監視できる立場なら把握していたはず。
先程彼が回収した支給品は既に使用済みのリバースドールだった。
バーダックは彼の迂闊さを咎める。

「迂闊だったな、デウス」
「ならば再び殺すまで」

デウスが再び斬馬刀を奮い鬼灯に襲い掛かる。
鬼灯を一刀両断せんと迫るものの、鬼灯は刀をひらりとかわした。

「避けた?」
「生憎同じ攻撃を二度くらうほど私は愚かではありません」
「図に乗るな、自分の都合のみでバトロワを終わらそうとする愚か者め」
「何故私の考えを知っていたのやら。人の支給品の管理は出来ないのに人の独り言の管理は完璧なんですか?
 ええ、確かに私は自分の都合で終わらそうとしています。ですが…
 独善的な理由で殺し合いを強いるのもどうかと思いますがね?貴方は確実に無間地獄逝きでしょうね」
「黙れ」

再び鬼灯に斬馬刀が奮われるが再び避け、デウスの頭部に着地し、踏み台にして飛び上がる。
そしてアルベルトの近くに着地し、彼の肩を持って立ち上がらせる。

「貴様…」
「アルベルトさんですね?先ほどの竜巻を周囲に展開できませんか?」
「何のつもりだ…?」
「いいから、もはや猶予はありませんよ。そして竜巻を展開したら…」
「フン、勝手にするがいい…」
「ちぃっ…逃がすか!」

バーダックとデウスが阻止しようとするがもう遅い。
アルベルトは周囲に真紅の衝撃波を巨大竜巻の如く展開。
流石の彼らもこれでは近づくどころか自身が吹き飛ばされそうになるのを防ぐのが精一杯だ。
そして竜巻が収まった頃には既に二人の姿は消えていた…

「クッ、逃がしたか…」

そして、後にはデウスとバーダックが残された。
悔しがるデウスに対し、バーダックは笑みを浮かべていた。
衝撃のアルベルトという強敵に会ったことに対する笑みだった。

470死に花を咲かせたかった夜:2014/03/02(日) 03:59:39 ID:BcEF01Yo0

【一日目・23時40分/九州ロボ・福岡県】

【バーダック@ドラゴンボール】
【状態】疲労(小)、首輪解除
【装備】スカウター@ドラゴンボール
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】基本:テラカオスを生み出す計画を遂行する
1:計画のために殺し合いを促進させ、計画の邪魔をするものは殺す
2:超弩級戦艦『死国』の面々等の強敵に備えて、超サイヤ人を超えた高みを目指す
3:アルベルトとは再戦したい

【デウスエクスマキナ@スーパーロボット大戦UX】
【状態】普通、身長2.3mになるまでスモールライトで縮んだ、首輪解除
【装備】デウスの斬馬刀@スーパーロボット大戦UX
【道具】支給品一式、スモールライト、不明支給品×1
【思考】基本:人類絶滅及び人類の想像力喪失の阻止
0:逃がしたか…
1:命令に従う
2:殺し合いによって人類の想像力喪失を阻止する
3:死んだクルル曹長の代わりとして技術開発班を手伝う
4:強敵に対抗する為にもビアンと共に艦載機の開発・制作・量産を進める


日本海上空にて、衝撃のアルベルトは鬼灯を抱え衝撃波を足からジェットのように噴射し空を飛んでいた。
先ほどの竜巻は逃走するための布石。竜巻を展開している間に足から衝撃波をジェット噴射、あの九州ロボから一瞬にして離脱したのだ。

「何のつもりだ鬼灯とやら。何故ワシを助けた」
「…そうですね。貴方がいなければ脱出できなかったというのがまず一つ。
 主催者の本拠地にいきなりついたことに浮かれ、一人だったのにも関わらず突撃したのがまずかった…。
 私は何故そのような愚考を犯したかはさておき…反省しましょう」
「ハッ、ワシを利用したということか」
「それに、あのデウスという機械が気になることを言っていたので…。気にしたままあの世に帰るのは惜しい」
「気になることだと?」

そう、彼はデウスと交戦したときの台詞が妙に引っかかっていた。
人類の滅びの道がどうたらと言っていた。嘘をついているような様子はない。
察するに人類が滅ぶのを防ぐために殺し合いが必要だということだろう。
その事にアルベルトはムゥ…と唸る。

「この殺し合いと人類の滅亡がどう関係しているのか私には分かりません…。
 もしかしたらただ殺し合いを止めるだけでは駄目なのかもしれませんね、面倒くさい」
「ワシには関係のないことだ。ワシ以外の十傑集は既に死んだ、真実を知っていそうな孔明もな。
 だからせめてもの手向けに主催の連中と戦い、最期の死に花を咲かすつもりだったのだ…。だのに貴様、余計な邪魔をしおって」
「カッコいいことを言っておいて不意打ちのせいで死んでは負け戦に花は咲きません。
 互いにここは一度死んだ身と思って協力してみる気にはなりませんか?する気がないなら私を突き落として結構。私が死ぬだけですから」

アルベルトは黙って葉巻を咥えて考える。
そして、考えがまとまったところで口から葉巻の煙を吹き出した。

「ふむ、それも一興よの。ワシの気まぐれだがな」
「ありがとうございます。それではこれを一つどうぞ」

鬼灯は懐からアイテムを取り出す。
リバースドール、先ほどデウスの攻撃に死んだ鬼灯の命を救ったものだ。
残りの二つはあらかじめ下着の中に隠しておいたので奪われることはなかった。

「私にはこれが三つ程支給されてましてね、一つは先ほど発動してしまい丁度二個なんですよ。
 お互いに持っておきましょう。何があるか分かりません」
「フン、ワシにはそんな人形必要ない…と言いたいが好意は素直に受け取っておくとしよう」

二人は俗に言う戦える男なので戦闘には不自由せずいちも簡単に命を奪われる程ではない。
が、バトロワの秘密を調べる以上主催者は何かしらの手を差し向けてくる可能性は高く、いつ危険が迫るか分からないのだ。

「後はどこに上陸するかですね…おっと、中国地方は禁止エリアですからね。間違っても上陸しないように」
「分かっておるわ」

そして鬼灯と衝撃のアルベルトは虚空の闇を飛ぶ。
二人が通った後は真紅の軌跡が残っていた…。

471ズカンされた名無し:2014/03/02(日) 04:06:32 ID:BcEF01Yo0

【一日目・23時40分/日本海上空】

【衝撃のアルベルト@ジャイアントロボ】
【状態】ダメージ(中)
【装備】なし
【道具】支給品一式 、葉巻、リバースドール
【思考】
基本:死んだ仲間への手向けに主催者を皆殺す
1:鬼灯と共にカオスロワについていろいろと探る
2:できれば死んだ十傑集の仇もとりたい
3:自分から殺しはしないが邪魔な奴は容赦しない
4:後でバーダックに借りを返す

【鬼灯@鬼灯の冷徹】
【状態】健康、若干不機嫌
【装備】なし
【道具】支給品一式、リバースドール
【思考】
基本:なるべく早く殺し合いを終わらせる
1:バトロワと人類の滅びの関連を調べる
2:間違っていると思った奴には説教
3:できれば新たな武器が欲しい
4:後でデウスに借りを返す

472Cの食卓:2014/03/02(日) 13:05:10 ID:OGCW7Gt60
放送が流れたと同時にとある二人が玉ねぎ頭と落ち武者ヘアーの男たちを惨殺し、二人でらぁめんにして食べたとさ。
ついでに二人は植物耐性(強)を手に入れた。

【熱狂的なファン@OBLIVION】
【ルイス・レットラッシュ@SKYRIM】
死因:翼とぼのぼのに捕食され死亡。 なぜ植物耐性が上がったか、知らない人は検索してみよう!


「立花……」

亡くなった親友のシンフォギアを受け継ぎ、後輩として大事にしてきた立花響の死は、今や食人鬼と化した翼の心にもショックを与えていた。
寂しそうにらぁめんを啜っていた彼女をぼのぼのは心配する。

「ツバサおねえさん……後輩のひとが死んで悲しいんだね……」
「……ああ、だがこれで良かったのかもしれない。
あの子の性格じゃ、仮に私に出くわしても私を殺せず傷つけられず躊躇しそうだったしな。
正義感溢れる子だし、きっと人々を守る名誉ある戦いの中で死んでいったに違いない……食人鬼となった私と違ってな」

心配するな、と言わんばかりに翼はぼのぼのの頭を撫でた。

(立花、安らかに眠れ。 そして天国で先輩の奏と仲良くしてくれ)

修羅に身を落としても、散った後輩の冥福を祈る元・防人であった。
冥福を祈る暇もなく、二人の体内にある四条化細胞は新たな肉とらぁめんを要求するように腹を鳴らした。

「くっ、まだ足リンカッ!!」
「おなかのむしさんたちがなき止まないね」

人肉らぁめんを食べてから間もないというのに、二人はもう空腹になっていた。
先ほど都庁でお預けを喰らったツケが出ているのかもしれない。
強すぎる空腹は二人を一層ケダモノに近づける。

「このままではお腹の空きすぎで自分のニクすらクイカネナイぞ」
「ぼく、しんじゃいそう……」

できるだけ早く強烈な飢えを満たしたい二人は急いで獲物を探す。
もはやダオスに対抗するために水耐性の獲物を探すことは頭から抜けている。
……と、それだけ必死に糧となる参加者を求めていた二人だったが、翼がここで何かを嗅ぎつけた。

「クンックンッ……」
「どうしたのツバサおねえさん?」
「匂いがスル……こっちだ!」
「やった! お肉やらぁめんをたべられるんだね!」

歓喜の表情で、駆け出した翼の後ろについていくぼのぼの。
翼はきっと自分たちの胃を満足させる何かを見つけたに違いない、彼はそう思っていた。

■□■□■□

二人は渋谷にたどり着いた。
そして渋谷の路上まで翼に連れられてきたぼのぼのは驚きの表情をしていた。

「えっ……なにこれ?」

473Cの食卓:2014/03/02(日) 13:05:38 ID:OGCW7Gt60
二人の食人鬼の前には肌が変色し悪臭が立ち込め、蠅も少々たかりだしているほど廃れた女の死体があった。
明らかに死後から十数時間は立っている遺体だが、それを見た風鳴翼はぼのぼのに一言だけ言った。

「喰うぞ」
「ええええええ!?」

基本的に呑気なラッコであるぼのぼのですらドン引きする発言であった。
死後から対して時間の経ってない死体なら散々食べてきたが、腐った肉は食べる気がしないのだ。

「ツバサおねえさん、いくらなんでもこれは……おなか壊しちゃうよ?」
「わかってないなぼのぼの、腐りかけが旨いとどこかで聞いたことはあるだろう?」
「いや、どう見てもこれは腐ってるうちにはいるとおもうんだけど……」

アライグマやシマリスが見たら驚くであろう、珍しくツッコミに回っているぼのぼの。
しかし、彼の忠告を押しきるように風鳴翼は死体を頑なに食べようとするのだった。

「ふっ、これをタベロと囁くのだよ、私のゴースト〈魂〉が」
「……ちゅうにびょう?」
「次それを言ったらおまえをクウゾ」
「ごめんなさい」
「まあ、魂というのは冗談だ。 おまえは貴音の細胞のタカブリを感じないか?」

バトロワが始まって約一日、死体自体はそこらじゅうに転がっている。
もし新鮮さを欠いた肉でよければ、その死体を食べれば良かったものの、二人は今まで無視していた。
しかし、四条化細胞がこの死体だけはどうしても食べろと命令を下している気がするのだ。
翼はこの死体を前にして言葉では言い表せない高揚を感じており、同じく四条化したぼのぼのもそれは感じていた。

「ぼくも薄々だけど感じているよ。 でも、それと一緒にこわいんだ」
「……なるほど、警戒心の方が勝っているトイウことだな」
「うん……」

一方、ぼのぼのはこの死体を食べることへの恐れを感じており、どうにも食べる気が起きないようだ。

「仕方ない、私が先に味見をシテやろう」
「あぶないよツバサおねえさん!」
「心配するな。 まずいと思ったら吐き出せばイイダケの話だ」

怯えるぼのぼのを尻目に死体の前にたちに手を合わせてから食事に入った。

「いただきます」

らぁめんにする時間が惜しいのでそのまま死体にかぶりつく。
翼は匂いがキツくなっている肉を歯で食いちぎり、咀嚼して飲み込んだ。

「これは………」
「?」
「………………」
「つ、ツバサおねえさん?」
「………………」

いきなり黙りこくってしまった翼にぼのぼのは恐る恐る声をかける。

すると。

474Cの食卓:2014/03/02(日) 13:07:26 ID:OGCW7Gt60

          /: /     / /:/: : : ィ/: : / .:/: .: /i:/: : : : : : : : : : ヽ:::: l l/ ::::l:::. : : : lハ ヽ
           /: /     / //  /:/  l / .: //^/ /: : : : : : : : : :∧:: l/| :::∧:::. : : :lハ: l
.          /: /|: : : : : : : : //. :/. / : : : l:/ /:イ/ l / : : : : : : : : : /i:il::/l::| :::l:::l    l  : l
         /: /l |: : : : : : : /イ: / ,,, /: /:/: l !// //  l l : : : . : : .:|: /i:i/l// :| :::l:::l  . . l. : : l
.         .: /: l |: : : : : : / / /__  j: :/:/ : l l:/ // ,, l l : : : i   .:|/ i/V:/.::::|.::::!:::!:::: : : :!: : : l
       l/  l | : : : l: / l:/   `l /:/.:::::l l __l l_  l l : : : :l: : : .::|:.::lノ_,. ヘ :|:::::!:::!:::: : : :!: : : l
.        /l   H: l: : l/l _,.x== 、l/N.::/.::l l  l l  `:lハ 、: :l : : .::::|:::l \;;;;| |::::l::::l:::: : : :l: : : :!
       l::l   l |: l: : l:/lヾ! f:心  l l::::/::/l l 'l lx==l:l、 l: : l: : .::::::|:::l\ V| |::::l::::l:::: : : :l: : : :l
       l::l   H: l: : l.::l  Viソ l八/l:/ :l l Νf:心.l:l ヾ: :l : .:::::/|:::l/ /l| |::::l::::l:::: : : :l: : : :l
       l::l   V: :l: : !l::! 7r=ヶ /从l l'  l l l Viソ.l:l.ノl :l: .:::::/ !::l  イl l| |::::l::::l:::: : : :l: : : :l
       ヽl  l/ l∨lハl,i!  ,i!  .:j l l   l l !tゥzzzヘl  Vl:.:::::/ ゚ ∧l/ /:レl| |::::l::::l:::: : : :l: : : :l
        \/ l |:::::|l ;i!  ,i!   /  l  l l  ,i! 洲' l/.::::l:::::/ >'/// レ' l| |::::l::::l:: : : :,′: :/
         / / l::|:::::|l ;i! ,, ;i!       N ,i!  洲;/.::::::l:::/l /// レ'l  l| |::::l::::l: : : ,′: イl
        /  /'  l::|:::::|l,;i!  i! 、__       ,i! ,洲/.::::::/:∧l/// レ l /l| |::/.:/ : : ,' : イ//
.       /  /   l:ハ::::|l ヘ ;i! i!  :.`iァzッ ゙ ,i!  洲.:/l/.:/lVl‐ 'レ   l/.::::l| |'.::/. : : ,' イ V/
      /    ト、_.j/:lハ::::l戈i>i! i!   i! ;i!  ;i!彡洲/ィ l:::::l/l l ノ} ゙/ ..::::: l| | /. : : / : l/イ
.     /  -ri'  / l::l:::::l : 戈i>,i!   i! ;i! ,,;;i!ヌ // l/l:::::l八 j' イ::::::::::::  / l/.: : :/l:/ : l
    / <ニ'゙  /   !:lヽ::l : : : 戈i>ェェj!ェ'爻ヌ   Ν / l:::::l  ´,, l:::::::::::  /l/l::: : /: l:::. : : l
.   /  _,.},.- 、__   lノ ヽl\: : : :¨ i!¨  ,;i;."  </ /l/ハ   j':::::::: /:/:::l::: /: : l:::::. : :l
  /   //:::/::://`ー 、  \ .   i!  ,;;i!ィミミミミミxl//    ,「.::::: : : : .:/.::::l/: : : l::::::::.: :l
. /   //:::/::://////l}ュ   __,,zzxi!  ;;;i/⌒;⌒ ー ミ    |::::: : : : .::/.::::∧: : : : :l:::::::::::. l




次の瞬間に翼の表情はぶわりっと目や口から血を流し、瞳孔を極端に萎縮させたものに変わっていた。
俗に言う絶唱顔である。
そんなトラウマになりそうな顔を見てぼのぼのは半ばパニックになった。

「ひいいいいい! ツバサおねえさん!?」
「……きゅう」

壮絶な絶唱顔の後に、翼は眼を回して倒れてしまった。
意識を失った飼い主にパニックから立ち直ったペットは呑気に呟いた。

「あ〜あ、だから危ないって言ったのに、いわんこっちゃない」

気絶して変身の解けた翼をどこか安全な場所へ運ぼうとして、ぼのぼのは彼女を背負おうとする。

「よいしょっと……あれ?」

そこで彼は気づいた。
自分たちが何者かに囲まれているということに。
ぼのぼのは自分たちの身を守るために、そして獲物を狩るためにジャキリッと銃を構えるのだった。


■□■□■□

「!!」

翼が目覚めたのは渋谷にあるショッピングセンター、渋谷109の屋内であった。
彼女の体には毛布がわりにオシャレな服がかけられていた。

(ここはどこだ……? 私は確かあの死体を食べて……)
「あっ、ツバサおねえさん目が覚めたんだね!」
「ぼのぼの!」

475Cの食卓:2014/03/02(日) 13:10:32 ID:OGCW7Gt60

しばらくすると、相棒のラッコが湯気の立つ大きな鍋を持って現れた。
匂いから察するに鍋の中身はらぁめんであろう。

「おまえが私をここまで運んでくれたのか?」
「うん、あのまま寝てたら風邪をひいちゃうと思ってここまで運んでおいたんだ。
おなか空いてると思うかららぁめんも作っておいたよ」
「かたじけない……ん?」

よく見てみると翼はぼのぼのの変化に気づいた。
腰には見慣れぬ剣を装備しており、体のあちこちには大小様々な怪我があった。

「傷だらけじゃないか! どうしたんだ!?」
「ツバサおねえさんをここまでひきずろうとしている時に、おそわれたんだ。
ぼくはツバサおねえさんほどつよくないし、おそってきたひとは何人もいて、しばらくしたら大きな巨人さんまで出てきてたいへんだったけど、もってた銃と拾った雷をだす剣でたたかったらなんとか勝てたよ。
倒したひとたちは皆このらぁめんに変えておいたからね」
「ぼのぼの……おまえって奴は……」

翼はぼのぼのの優しさに感動する。
襲いかかってきたなら気絶した自分を放っておいて逃げても良かったのに、ぼのぼのはたった一人で戦い抜いたのだ。
幾多もの獲物を食べつづけ、かつテラカオス化進行で強化された見た目に反する高い戦闘力を手に入れているとはいえ大変だっただろう。
そう思うと勝手に気絶した自分が恥ずかしくなる。
例え四条化細胞を持つ者同士の本能によるものだとしても、彼の優しさには涙を禁じえなかった。

「きずはらぁめんを食べていれば治るよ。 だから、さめないうちに一緒にたべよ?」
「ああ、そうだな……」

二人は渋谷109の一角を陣取り、遅くなったディナーをいただき始める。
残念ながらこの食事で得られた耐性は何もないが、ぼのぼのが命懸けで狩った獲物で作られていると思っただけでも翼は胸が熱くなった。



「ごちそうさま。
そう言えば、さっき食べた死肉についてだが、なんだか不思議な感じがしたな。
旨い不味いとはまた違った……食べると身体に電気が走った気がしたぞ」
「ふーん、でもあの時はほんとうにしんぱいしたよ、やっぱりくさったお肉は食べちゃだめだよ」
「以後気をつける」

彼女たちは知るよしもないが、翼が喰らった死体は二人と同じテラカオス候補者である結月ゆかりである。
ついでにぼのぼのが拾った雷を出す剣は彼女が生前に使っていたエンシェントソードなのだ。
テラカオス化が進行している者が同じく進行している者の肉を喰らうとどうなるか……それはこれから明らかになるだろう。

(しかし、あの肉を食って何らかの耐性を得たようには思えない。
身体能力が上がったようには見えないし……ん? 待てよ?)
「Imyuteus amenohabakiri tron〜♪」

何を思ったのか、翼はシンフォギアの起動詠唱を唱える。
彼女は解けた変身をもう一度し直すのだ。
歌の後に彼女は光包まれ、その身にシンフォギアが纏われる。
だが、翼の鎧として顕現したシンフォギアは、彼女らの知るものとはだいぶ違っていた。

「ツバサおねえさん、なにかいつもと姿がちがうよ」
「変化は、ギアの方に現れたか」

持ち主が候補者の肉を食べたことによってテラカオス化の進行がさらに強まったことにより、使用するギアが影響を受けたのだ。
外見としては全体的に色合いが黒くなり、刺々しいデザインに変わっている。
刀は獲物への殺傷能力を高めるために歪な形状になっており、相手を引き裂けそうな尖った爪が指部分に何本か追加されている。
元から体のラインを強調されていたデザインだったが、さらに扇情的になり胸の谷間部分が空いている。
具体的に言えば、悪堕ちした魔法少女のようなデザインに変わっていた。
おまけに戦いながららぁめんを作成できる器具が、各部に備え付けられていた。
外見だけではなく、全体的なスペックの向上も翼は肌で感じていた。
シンフォギアは総数301,655,722種類のロックが施され、技量やバトルスタイルに応じて限定解除されるような造りであるが、それだけではこうはならないだろう。
全てはテラカオス化進行の影響である。

「蒼ノ一閃ッ!!」

力試しに技の一つを109の向かいのビルに向けて放ったら、足のブレードから出た斬撃はビルをいくつもいくつも貫通していった。
限定解除状態でもない限り、普通は蒼ノ一閃でこんな威力は出せない。
この力に二人は驚かざるおえなかった。

「すごいね〜」
「蒼ノ一閃でこれほどの威力が出るとは……
貴音の細胞があの死体を食えと言っていたワケも頷けるな」

いわば、あの死体は彼女らにとってのパワーアップアイテムだったのだ。

476Cの食卓:2014/03/02(日) 13:12:13 ID:OGCW7Gt60

「少しの肉片でここまで変わるとは、では全部平らげたらどうなる?
ぼのぼの、あの死体は今どこにある?」
「ああ、ごめん…さっきのたたかいの途中で剣から出した雷が当たってくろこげになっちゃった……」
「そうか……まあ、死体を齧って簡単に強くなれるほど、この世は甘くはないか」

ゆかりの死体は戦闘の余波で炭に変わってしまった。
ついでに回収済みのエンシェントソードを除いたゆかりの支給品も全て雷に当たって焼き砕けてしまっている。
その死体を食べ続ければ更なる力が手に入るかもしれないと思った翼は期待したが、炭になってはもう食べられないとして諦めた。

「それでツバサおねえさんはとっても強くなったけど、また都庁にいく?」
「確かにギアが強化され強くはなったが、この程度でうぬぼれてはいけない。
特にダオスとレストは強大だ。 水耐性……いや、他にも隠し種があることを想定してもっと多くの耐性を得てから挑んだ方が良いだろう」

自分たちを撃退した都庁の二人の強さはまだ覚えている。
物理攻撃しか効き目がないレストと、強力な魔法を使うダオス。
彼らに勝つにはパワーだけではダメだと翼は確信している。
より多くの耐性を得て、相手のカードを潰していかねば敗北して今度こそ死ぬだろう。
そんな彼らに勝つために彼女は狩りの続きを始めようとする。

「サア、行くぞぼのぼの!
夜の闇が支配するコノ時間は、私たちにとって絶好のジカンだ。
エモノをたべて、食べて、タベマクッテ、どんどんツヨクなるぞ!
この世のスベテを喰らい尽くすツモリでな!」
「うん、いこう」

大量のらぁめんを食べて多少は飢えが満たされるも、まだまだ足りない。
獣のような言葉をねじ込みながら翼は従者に言いつけ、新しい獲物とらぁめんを見つけるために東京へをさすらわんとする。

「……その前に、ぼのぼの」
「ん」


渋谷109を発つ前に翼はぼのぼのと目を合わせ……唇を重ねた。
数時間前にぼのぼのが翼を助けるために口内の食物を分けた口移しではなく、これは口吸いというものである。
しばらくして翼は唇を放して語りかける。

「おまえには二回も命を助けられているからな……こんなものしか返せなくてすまない」

四条化した翼にとっての仲間は、同じく四条化したぼのぼのしかいない。
そして唯一の仲間であり命の恩人でもある、すなわち翼にとって特別な人物である彼へのお礼が、この口吸いであった。
が、ぼのぼのにはこれの意味がよくわかってなかったようで頭に「?」マークを浮かべて首を傾げるだけだった。

「??? ぼくの口にまたナルトでもくっついてた?」
「……ぼのぼのには私のコウイを理解するには難しかったか。 まあいい、出発するぞ」
「???」

苦笑しながら翼はぼのぼのの手を握って、今度こそ渋谷109を後にした。
東京という狩場〈グルメスポット〉を巡るために。


(それにしてもあの死体は結局なんダッタンダ?
死体に限らず、生きてるものの中に私をパワーアップさせてくれたものと同じ肉を持つ者はイルノだろうか?
もし、いるならばモウイチド食べてみたいナ。
あの肉は私をキット強くしてくれるハズだろう。
どうやってサガス?
されはおそらく、さっきと同じように四条タカネの細胞があの肉のありかをまた教えてくれるだろう……)

477Cの食卓:2014/03/02(日) 13:14:20 ID:OGCW7Gt60
【一日目・0時00分/東京都・渋谷区】

【風鳴翼@戦姫絶唱シンフォギア】
【状態】空腹、炎・聖・植物耐性(強)、闇・風耐性(弱)、四条化、きゅんっバンパイア化
【装備】シンフォギア・天羽々斬(禍々しく変化)@戦姫絶唱シンフォギア
【道具】支給品一式
【思考】基本:四条貴音の意思を継ぎ、空腹を満たす
0:夜の闇に紛れてツギのエモノをサガス
1:食べられればなんでも良いが、特にらぁめんを食べたい
2:貴音の失敗を鑑みて、より多くの耐性が得られそうなものを優先して食す
3:ぼのぼのに特別な感情……?
4:雪音たちが今の私を見たらどう思うか……
5:都庁の敵を警戒、水耐性をはじめ、もっと多くの耐性を得てから挑む
6:あの肉を持つ者(テラカオス候補者)を見つけたらもう一度食べたい
※四条貴音の細胞に肉体を侵食されたため、四条化し貴音の能力と一部の記憶を受け継ぎました
※テラカオス化の進行度合いも受け継がれています。さらに本人も気がつかないうちに現在も進行しています
※テラカオス化候補者の結月ゆかりの死体を食べた事により、テラカオス化進行度がさらに上昇しました。
それに伴い、シンフォギアの形状が禍々しく変化し、全体的な能力が上がっています。

【ぼのぼの@ぼのぼの】
【状態】ダメージ(小)、空腹、炎・聖・植物耐性(強)、闇・風耐性(弱)、四条化、きゅんっバンパイア化
【装備】ウィンチェスターM1912、エンシェントソード@Minecraft
【道具】支給品一式、ヒョウヘンダケ@ぼのぼの×10
【思考】
1:とってもおなかすいたなあ
2:「ころしあい」っていうのはたべることなんだね!
3:ツバサおねえさんについていく
4:みんなどこにいるのかなぁ
※四条貴音の細胞に肉体を侵食されたため、四条化し貴音の能力と一部の記憶を受け継ぎました
※テラカオス化の進行度合いも受け継がれています。さらに本人も気がつかないうちに現在も進行しています


【大神さくら@ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生】
【レイ@北斗の拳】
【カイ・シデン@機動戦士ガンダム】
【天津飯@ドラゴンボール】
【ストレイツォ@ジョジョの奇妙な冒険 part1 ファントムブラッド】
死因:ぼのぼのによりらぁめんにされる

※渋谷に放置されていた結月ゆかりの死体が炭になりました

478燃えよドラゴンズ:2014/03/04(火) 14:38:08 ID:MbMj5FfE0
「これからどうすんだよお前wwwww」
「都庁を攻略するのに必要な仲間を探してるに決まってるホル!
 お前は誰か知り合いとかいないんでホルか?」
「知り合いねぇwwwww」

バトロワ二日目の夜中、仲間集めに奔走するホルスコンビ。
彼らは既に神奈川県にまで飛んでいた。すると…

「久しぶりだなホルス、何やってんだよ」

駄目ドラゴン筆頭、オシリスの天空竜が現れた。

「オシリスさんwwww久しぶりwwwww9期以来wwwww」
「お前の知り合いホルか?こいつ」
「ロリコン野郎だけどなwwwww」
「ロリコンとは言えばさぁ、さっき氷竜がまどかを拉致して飛んでるの見たんだけど」
「マジかwwwwwあいつのロリコンっぷりはドラゴンネットワークじゃ有名だからなwwww」
「でも妥協しない限りまどかはロリじゃないと思うんだよねえ、中学生だし…正直氷竜にはがっかりだよ。
 まぁ何が言いたいかっていうとさやっぱ小学生は最高だぜってことかな!」
「知らねーよwwww」
「それはそうと今回主催側にはロリがいなくて残念ったらありゃしないな。何がゆうかりんだよ…あんなんもうBBAだろうが」
「お前死んだわwwww」
(話についていけないホル…)

オシリスとホルスの黒炎竜のハイレベルな会話に戸惑う中、オシリスが本題に入る。

「それとそうと野球やろうぜお前ら!!」
「は?」
「ちょwwwwなんでwwwww」
「野球で世界を救うのは誰だ…?俺だよ!!そして世界を救った俺はロリにモテモテなのだ!」
「ねーっつってんだろwwww前回ドゥバイ討伐するって言ってwwwwそのままスルーされて終わっただろwwww」
「今回は大丈夫だ、都庁の軍勢のおかげで今期はまさにドラゴンブームと来てやがる。
 そして野球で世界を救うという流れ…乗るしかねえ、このビッグウェーブに!!」
「乗んなくていいからwwwww」
「ていうか竜がどうやって野球をするんでホルか?」
「多分気にしたら負けだと思うwwww」
「とりあえず今のところは俺とホルスとホル…名前ダブってんな黒炎竜じゃないほうは『B』でいいや。仲間集めんぞ」
「ホルもやることになってんでホルか…」
「てか『B』ってお前wwwwwニコロワのピエモンかよwwwww懐かしいwwww」
「じゃあホルホルうるせぇからホル・ホースにするか」
「『B』でいいホル…」
「俺拳王チームとやりたくねぇwwww昔ラオウにコテンパンにされてんだよwwww(6期参照)
 その後背中に乗られてwwww乗り物扱いwwww(6期参照)」
「今更6期をステマする必要あるホルか…?」

と、その時一つの影が現れた。
彼らの後輩であるヴァンガードのドラゴニック・オーバーロード“The Яe-birth”だ。

「あ、久しぶりっすね先輩達。9期ぶりっすね」
「ちょwwオバロwwwwwЯしてるwwww大丈夫かお前wwww」
「それがねホルス先輩。Я化してるのは最新弾の宣伝のためなんすよ。
 そして俺のは自分を見失わず完全に呪縛の力を自分の意思で制御したЯって設定だから大丈夫っす。他のЯユニットとは違うんす」
「宣伝は基本だからねしょうがないね」
「よかったなwwww強化されてwwww」
「ていうか先輩ら野球やるってマジっすか?俺も混ぜてくださいよ。今期こそ主要出場者紹介に乗ってやりますよ!」
「お前の使い手の方は乗ってるけどなwwww」
「やる気あるのは相変わらずだな。いいよ」
「コラ!オーバーロード、何をやってるんです!」

479燃えよドラゴンズ:2014/03/04(火) 14:40:01 ID:MbMj5FfE0

突如響くどこか母性溢れる声がドラゴニック・オーバーロードを叱る。
すると上空からソウルセイバー・ドラゴン(♀)が現れた。
着地と同時に彼女の大きな乳が激しく揺れる。

「あ、ソウルセイバーさん」
「ソウルセイバーwwwwおっぱいドラゴンwwww
 聖域の騎士達がwwww眠れぬ夜を悶々と過ごしているのはwwww大体こいつのせいwwww」
(うわ、大きなおっぱいホル…)
「何を言ってるんですか貴方は…ゴホン、オーバーロード!野球なんてやってる場合じゃないでしょ!
 私達は都庁の軍勢を止めるために東京に向かってるんじゃないですか?」
(ソウルセイバーが動くたびにおっぱいが揺れるホル…)
「あ、そうだった…先輩達との再開に浮かれて忘れてたっす。
 でも向こうの方はなるかみのディセンダントさんに任せていいんじゃないっすか?」
「オバロは知らんけどソウルセイバーが都庁に行くのはやめとけ。ドラゴンフェチが都庁の№2にいるから。
 ♀、巨乳、溢れ出る母性…この三点セットが揃ったお前が突撃してみ?
 レストの股間のブラスター・ブレードはたちまちスタンドアップ・THE・ヴァンガード…手篭めにされちまうから」
「なっ…///私が人間のオチ○ポに負けることは決してありません!」
(ソウルセイバーのおっぱい…)
「うはww立ったwwww即落ちフラグが立ったwwwww」
「やかましい!大体なんですかさっきからオチ○ポ、オ○ンポ、オチン○って…下品ですからやめなさい!」
「連呼してるのはお前だろwwww」
(ソウルセイバーのおっぱい…)
「何騒いでんだお前ら…こんな真夜中によ」

また上空から一つの影が舞い降りる。
それはモンスターハンターの看板モンスターリオレウスだった。

「お前嫁のレイアに逃げられたへたレウスじゃんwwww」
「ハッ、あんなビッチくれてやるってんだよ。ていうかへたれ言うなや」
「丁度いい、お前も野球やる?世界を救ってやろうぜ」
「いいぜ、世の中のふんたー共に俺がヘタレじゃないことを見せてやるぜ!
 レイアの奴が惚れ直したって言っても聞いてやんねーぞ!」
「本当はwwww未練たらたらなんじゃねーのかwwwww
 女々しくてwww女々しくてwww女々しくてwww辛いよwwww」
「うるせぇ!歌うな!下手くそなんだよてめーの歌はよ」
(何かキャラの濃い奴らが集まってきてホルの立場が危ういホル…というか話がぶれてきてるホル…)

「ま、これで6匹だな。最低でも後3匹集めねぇと。キメラテックとボルシャックはそこらにいるか?」
「オオナズチは仲間にすんなwwwwキャラが被るwwww」
「これから倒そうとしてたとこっすけど、都庁の軍勢の竜からスカウトするってのはどうっすか?DMC狂信者は?」
「都庁の竜は人間の文化嫌ってそうだからな。聞く耳持たなさそうだからやめたほうがよくね?
 まぁ竜同士だし駄目元で誘ってみるのもありかもわからんね」
「鎖国状態wwww江戸時代のJAPANかwwww」
「DMC狂信者とか論外だろ、キチ○イの集まりだろうが。俺はワールドツアーで逃げるぜ」
「できればロリもチームにほしいわ」
「自重しろよてめえwwww」
「何で私が野球なんか…でも、世界を救うためですから仕方ないですね」
(ソウルセイバーのおっぱい…イカン、キャラがおかしくなってるホル)

こうして新たな野球チームが生まれたのであった。

「せっかくチームができたんだから名前付けるか。じゃあ全員ドラゴンだからシンプルに『ドラゴンズ』で」
「パクリじゃねーかwwww」
「ホルはドラゴンじゃないでホル…」

480燃えよドラゴンズ:2014/03/04(火) 14:41:11 ID:MbMj5FfE0
【二日目・0時30分/日本・神奈川県】
【ドラゴンズ】
【オシリスの天空竜@遊戯王デュエルモンスターズ】
【状態】ロリコン
【装備】バット、グローブ、ボールを多数
【道具】支給品一式
【思考】基本:ロリにモテるためにドラゴンズを優勝させて世界を救う
1:戦力を集める、ロリもほしい
2:どっかで練習しようぜ

【白光炎隼神ホルス@パズドラ】
【状態】健康
【装備】不明
【道具】支給品一式
【思考】基本:主人の代わりに都庁を攻略する…はずだった
1:流れでオシリスに着いていく
2:ホルスがうざいホル…
3:ソウルセイバーのおっぱい…

【ホルスの黒炎竜Lv8@遊戯王】
【状態】健康、常時魔法無効
【装備】不明
【道具】支給品一式
【思考】基本:オシリスの野球に付き合う
1:とりあえずホルスとはどちらが真のホルスかはっきりさせる
2;オシリスに着いていく
3:オオナズチは仲間にすんじゃねぇぞwwwwてか殺すwwww

【ドラゴニック・オーバーロード“The Яe-birth”@ヴァンガード】
【状態】健康、Я状態
【装備】オバロの二丁拳銃、オバロの剣
【道具】支給品一式
【思考】基本:ドラゴンズを優勝させる
1:オシリスに着いて行く
2:都庁軍討伐は後

【ソウルセイバー・ドラゴン@ヴァンガード】
【状態】健康、巨乳
【装備】不明
【道具】支給品一式
【思考】基本:世界を救うためにドラゴンズを優勝させる
1:何で野球なんか…
2:人間のオチ○ポには絶対に負けたりしない
3:都庁軍討伐は後
※♀です

【リオレウス@モンスターハンターシリーズ】
【状態】健康
【装備】不明
【道具】支給品一式
【思考】基本:へたれイメージ払拭のために野球で優勝する
1:オシリスに着いて行く
2:実はレイアと仲直りしたい

481休息と疑問:2014/03/04(火) 16:38:42 ID:8qsOO07w0
「うーん…これは骨がおれるなぁ…」

パソコンとにらめっこをしつつ、ハス太は唸っていた。
彼が現在操作しているパソコンは、首相官邸地下にあったものだ。
幾重にも張り巡らされたプロテクトは、解除にも相当な手間がかかっている。

「そんだけ厳重ってことは、やっぱりなんか隠してるんだろうな」
「そもそもこの地下豪邸も隠してやがったわけだからな。ったく、野田総理の野郎め…
 てめぇのためにこんな金無駄遣いするくらいなら、国民に配るなり減税しろってんだ!」

レオリオと桑原はその隣でやはりパソコンを操作している。
彼らが担当しているのは一般の掲示板、カオスロワちゃんねるでの情報収集だ。
戦闘続きであり、休まる暇もなかった一同のようやくの休憩時間を有効に利用しているのだ。
幸いなことに食糧は無駄に高級なものが大量に保管されており、寝室もある。休むにはこれ以上適した場所はないだろう。
さらにハス太が結界を張り、外部からの侵入者は察知可能。
護衛として眠らなくても活動に問題のない神樹がいるため、ここは一時だけとはいえ安全圏とも言える。
それでも彼らは油断せず、交代で睡眠をとることにしていた。
現在は娘の死に落ち込むなのはと、彼女にもっとも近しい者であるユーノが休んでいる。

「しかし、くまなく探してみたが、あのヤクザをけしかけてきた黒幕は結局見つからなかったな」
「やっぱり、最初の神樹の一撃でぶっ飛んだじゃねえか?」

「いや、今さっき瓦礫を全部どかして確認してみたが、見つかったのはクローン生物だけだった。
 ち…この俺としたことが、みすみす逃げられたってことか…?」

遥か上の方から、神樹の声がかかる。
本来であればとてつもない身長差で会話は難しいが、そこはハス太が風の流れを操作しているためである。
彼らは知る由もないが、ここにはつい最近までちゃんと管理者がいた。
まさかどこでもドアで仲間が助けに来ていたなど、夢にも思わないだろう。

「でもぎゃくによかったよ。もし強い人がたくさんいたら、こうやってじっくりパソコンもいじれないもん」
「ま、確かにな…」
「しっかしまあ、情報を集めれば集めるほどやばいぞ、これ…」

レオリオはげんなりとした顔でおもわず溜息をついた。
無理もない話だろう、自分たちの現在地は首相官邸。つまりは東京都だ。
そして東京都周辺の情報だけでも絞って調べてみれば…
世界中からキチ○○集団がビッグサイト目指して集まっているだの。
東京都庁は巨大な樹に変貌し、今も成長を続けているだの。
からくりドームは血と屍で真っ赤に染まっているだの。
国会議事堂まで都庁と同じように魔物に占拠されているだの。
分裂と巨大化を繰り返す珍生物が暴れているだの。
人をらぁめんにして食い尽す恐ろしい化け物が徘徊しているだの。
首相官邸を粉砕する怪物…これは自分たちであるが。
とにかく、どれか一つでも十分な衝撃の情報が大量に出回っていた。
これらの点からして、いくら守りを固められても首相官邸に長居しすぎるのは危険だろう。

「ちっくしょう、都庁の世界樹、俺よりもでかくなってやがる。きっといい養分吸ってるんだろーなー…羨ましい」

この内都庁の世界樹化に関しては神樹がある程度のことを知っている様子であった。
彼曰く、下手に刺激しなければ一番襲われる危険性は低いらしい。

「問題はこのDMC信者か…」
「どの書き込みも、やはり一番こいつらを警戒しているな。遭遇=戦闘確定、しかも大量に湧いてるってなぁ…」
「一応、まともなファンもいるみたいだが…ん?」

そんな時、ひとつの書き込みが目にとまった。

482休息と疑問:2014/03/04(火) 16:39:32 ID:8qsOO07w0
450:影無し名無し 22:20:44

空気中に、よくわからないけど『何か』が漂っているそうっす。
非常に危険なものらしいんすけど、誰か何か知らないっすか?

「何かって…なんだ?」
「これへの返信も、知らないってのばかりだな」

結局、すぐに別の話題により流されてしまったこの書き込み。
しかしこれに、神樹が反応を示した。

「俺も、それは感じていたな」
「あら、そうなんですの?」
「どうして黙ってたんだよ!?」

飲み物を注いで持ってきたエリカも、驚いた様子だ。
トレーナーであるエリカにさえ秘密にしていたということなのだろうか?

「いや、感じるって言っても…本当に微かなもんだ。
 ただ俺の、世界樹の勘というか本能が、これを嫌ってるんだが…なるほど、危険と言った方が正しいな。
 おそらくだがこれは、かつて俺を弱らせるために使用された薬と同じような…
 自然界には本来存在しない『人工的に作られた』何かだ。それ以上は俺にもわからねえよ」
「人工的に作られた危険な何か…猛毒兵器でしょうか?」
「だが、俺たちは別になんともないぞ?」

大気中に漂うという、危険な何か。
一体誰が、何の目的で?
首相官邸での調査もまだ完了しない中、新たな疑問が彼らの中に生まれるのであった。

【二日目・00時15分/首相官邸・地下情報室】


【ハス太@這いよれ!ニャル子さん】
【状態】健康、結界展開中
【装備】なし
【道具】支給品一式、ガソリンの入った一斗缶
【思考】基本:大災害による世界滅亡を防ぐ
0:首相官邸のパソコンから情報を手に入れる
1:ニャル子ちゃんたちは大丈夫かな
2:次の戦闘は神樹より先に敵を倒したい

483休息と疑問:2014/03/04(火) 16:40:42 ID:8qsOO07w0
【桑原和真@幽遊白書】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式、大量の食糧
【思考】基本:大災害による世界滅亡を防ぐ
0:カオスロワちゃんねるで情報収集
1:怒鳴りつけた借りを返す為にも、ハス太を護る

【レオリオ・パラディナイト@HUNTER×HUNTER】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式
【思考】基本:大災害による世界滅亡を防ぐ
0:カオスロワちゃんねるで情報収集
1:主催と大災害に関係があるのだろうか?
2:東京都のカオス具合に少し恐怖
※ゴンの死に気づいていません

【エリカ@ポケットモンスター】
【状態】健康 、歪みし豊穣の神樹のトレーナー
【装備】モジャンボ、キノガッサ、他不明
【道具】基本支給品一式、モンスターボール×3
【思考】基本:大災害による世界滅亡を防ぐ
0:余裕があれば、神樹も休ませる
1:ポケモンと一緒に生き残る
2:珍しい植物タイプはゲットしておく

【歪みし豊穣の神樹@世界樹の迷宮4】
【状態】健康、エリカのポケモン
【装備】なし
【道具】支給品一式
【思考】基本:大災害による世界滅亡を防ぐ
0:仲間たちが交代で休んでいる間、首相官邸を守り抜く
1:エリカに従う
2:エリカの敵を楽園(死)に導く
3:グンマーの民の死に疑問
4:大気中の人工物に疑問

484ドラゴン=残念のイメージを払拭する!:2014/03/05(水) 20:02:15 ID:pEITRJaE0
 野球で世界を救う……
 正確には野球の優勝は古の予言の一節でしかないが、とにかく壮大な目的のために集まったドラゴン達。
 しかし問題はまだあった。

「仲間足りねえwwwwww」
「どうするんだホル! 野球は最低9人集まらないと始まらないホル!」
「それに、カオスロワ方式野球なら確実に試合中に死人でるっすからね……予備のメンバーも欲しいっす」
「ナルガとか走るの得意だったんだが、もうやられてるしなぁ……」

 そう、メンバーが足りないのだ。
 現時点で6人、最低あと3人は必要であり、かつ謎のドラゴン縛りまで発生している。
 まず、ある程度の知性を持つドラゴンを集めるのも大変だが、そこからさらに野球をやりそうなメンツを集めるのは至難の業だ。
 優勝を目指すためにもまずは早急にチームを作り、ポジションを決め、練習をしなくてはならないというのに。
 欲を言えば、からくりドームで死闘を演じたというチームのように必殺の打法やボールも習得したい。

「やはり、都庁に行きましょう。大丈夫です、この私が人間のオチン○に負けることなどありえないのですから。
 都庁の竜を強引にでもチームに参加させて、頭数を揃えるのです」
「だから無理だってwwwwwむしろソウルセイバーリタイアで人数減るwwwwww」
「何度言えばわかるのです! 私は人間のオチ○ポには負けません! オ○ンポに負けるような竜はただの○○です!」
「だwwwかwwwらwww連呼すんなやwwwww純粋に力比べでも勝てねえって言ってるんだよwwwww」
「……仕方ない、こうなったらあれだ。【ドラゴンネットワーク】に頼るしかないな!」

 そう言うとオシリスは、謎の神パワー的な何かで近隣のドラゴンのみを対象に呼びかけを行った。
【野球を知る者よ来たれ!】と。
 なお念のため、都庁やDMC所属のドラゴンには届かない様にピンポイントでブロックしておいた。
 オシリスの天空竜……ロリコンだからといって、雑魚というわけではないのである。
 というか、腐っても神の一柱だよ。忘れちゃいけない。

 するとその時、不思議なことが起こった!

「フハハハハ! ワレを呼ぶはキサマらか?
 ワレは真竜フォーマルハウト……丁度いい暇ツブシだ。野球とやらにつきあってやろう」

 闇夜を切り裂き、虹色の翼を持つドラゴンが舞い降りたのだ。

「うはwwwww本当に来たwwwwww」
「お前とは初対面だな。しかし真竜というと……」
「アアそうだ! あの不甲斐無いニアラの盟友よ! あの馬鹿者、とうとう台詞無しで都庁で討たれおって!
 ここはワレが野球で優勝して、真竜の大幅なイメージアップをはからねば……食事も満足にできぬワ!
 ちなみにワレは人型形態があってナ……手なのか翼なのかよくわからない部位でバットを持つことが可能ダ!」
「よし採用!」

 こうして、7人目の仲間が生まれた。さらに……

485ドラゴン=残念のイメージを払拭する!:2014/03/05(水) 20:03:48 ID:pEITRJaE0
「……野球をするのは、貴方達?」
「き、綺麗な子ホル……」

 続いて現われたのは、紫色のローブを纏った少女であった。
 しかしその佇まいと空気から、彼女もまた竜であることがわかる。

「……私はイドゥン。かつて魔竜とよばれた、神竜族の一人です……参加条件は、満たしていますよね?」
「大丈夫だが、レイアと違って随分大人しそうな奴だなお前。なんで野球やりたいんだ?」
「……私を暗闇から救って下さったロイ様も野球に目覚めたと聞いて。
 以前の戦いではフルドーピングしたロイ様に申し訳ないほど情けない姿を晒したので……野球なら同じ土俵で戦えるのではないかと思いました。
 ……ご安心ください。魔竜石も持っていますし、この姿ならバットもグローブもボールだって扱えます」
「採用ぅ!」

 こうして、8人目の仲間が生まれた。さらにさらに……

「へえ……本当に野球をするつもりみたいだねぇ……」
「な、なんですかあなたは! その邪悪さ、きっとさぞかしオ○ンポも真っく「お前もうちょっと黙ってくれない?」

 イドゥンと反対方向から、黒いローブを纏った青年が現われた。
 こちらも人型ではあるが、全身から凄まじい邪気が溢れているあたりからして人間ではないと判断できる。

「僕は邪竜ギムレー……この姿は器の姿を借りているだけで、本当はお前達よりも遥かに巨大だぞ」
「いや、野球をやるとなるとむしろ小型の方が小回りきくんだが……」
「まあいいだろ。とにかく、この世界の宗教はDMCばっかりで、我がギムレー教の信者がろくにいなくて寂しいのだ。
 ここは野球で優勝して、他の選手を敗北の絶望に叩き込みつつ僕の凄さもアピールしようと思ったわけさ。
 ああ、器の身体は無駄にハイスペックだから、このまま普通にホームランだって量産してみせるよ?」
「おいキサマ、ワレと微妙に目的かぶってないカ?」
「とりあえず採用っすね!」

 こうして9人目の仲間が生まれた。
 テッテレー! チーム【ドラゴンズ】が誕生しました!

「よし、これで最低限必要な9人が集まったぞ」
「さすがオシリスさんwwwwww一瞬で仲間を揃えるとかwwwww」
「イドゥンがロリじゃないのが残念だが、贅沢は言ってられないしな。
 欠員に備えて今後も仲間集めたり、応援団も用意しなければならないし、そっちでロリを狙おう」
「まずはチームとして成り立たないと、試合もできず忘れ去られる危険性があるホルからね……」
「それじゃあ、仲間も集まったところで早速練習っすよ!」
「とりあえず新規の三人は実力もみたいし、試しになんかボール投げてくれる? 適当でいいから」

 オシリスが大量に持っているボールを、新たなメンバー達に配っていく。
 彼らはボールをしばらく見つめて考えた後、適当なビルに向かって思い思いに、投げた。

「魔槍フォーマルハウトボォォォォル!」
「……では、リザイアボール」
「造作もないねぇ、トロンボールッ!」

 結果、ビルは炎と闇と雷のボールの直撃により倒壊した。
 普通の選手が受けたら間違いなく致命傷になりうるボール。
 オシリス達は知らないが、オシリス同様にこの三人も腐ってもラスボスであり、単純なステータスだけは非常に高いのである。
 それぞれどこかしら残念なのだが、野球にはそんなの関係ない。

「予想外にすげえwwwwwwww」
「よし、俺たちも行くぞ!」

 こうして、ドラゴンズは正式に野球界への第一歩を踏み出したのであった。

486ドラゴン=残念のイメージを払拭する!:2014/03/05(水) 20:04:49 ID:pEITRJaE0
【二日目・1時00分/日本・神奈川県】
【ドラゴンズ】
【オシリスの天空竜@遊戯王デュエルモンスターズ】
【状態】ロリコン
【装備】バット、グローブ、ボールを多数
【道具】支給品一式
【思考】基本:ロリにモテるためにドラゴンズを優勝させて世界を救う
1:欠員に備えてさらに戦力は集める、ロリもほしい
2:これで練習ができるぜ
3:ポジションどうするか……

【白光炎隼神ホルス@パズドラ】
【状態】健康
【装備】不明
【道具】支給品一式
【思考】基本:主人の代わりに都庁を攻略する…はずだった
1:流れでオシリスに着いていく
2:ホルスがうざいホル…
3:ソウルセイバーのおっぱい…
4:キャッチャーやりたくないホル……

【ホルスの黒炎竜Lv8@遊戯王】
【状態】健康、常時魔法無効
【装備】不明
【道具】支給品一式
【思考】基本:オシリスの野球に付き合う
1:とりあえずホルスとはどちらが真のホルスかはっきりさせる
2;オシリスに着いていく
3:オオナズチは仲間にすんじゃねぇぞwwwwてか殺すwwww

【ドラゴニック・オーバーロード“The Яe-birth”@ヴァンガード】
【状態】健康、Я状態
【装備】オバロの二丁拳銃、オバロの剣
【道具】支給品一式
【思考】基本:ドラゴンズを優勝させる
1:オシリスに着いて行く
2:都庁軍討伐は後

【ソウルセイバー・ドラゴン@ヴァンガード】
【状態】健康、巨乳
【装備】不明
【道具】支給品一式
【思考】基本:世界を救うためにドラゴンズを優勝させる
1:何で野球なんか…
2:人間のオチ○ポには絶対に負けたりしない
3:都庁軍討伐は後
※♀です

【リオレウス@モンスターハンターシリーズ】
【状態】健康
【装備】不明
【道具】支給品一式
【思考】基本:へたれイメージ払拭のために野球で優勝する
1:オシリスに着いて行く
2:実はレイアと仲直りしたい

487ドラゴン=残念のイメージを払拭する!:2014/03/05(水) 20:06:15 ID:pEITRJaE0
【神体フォーマルハウト@セブンスドラゴン2020-Ⅱ】
【状態】健康
【装備】不明
【道具】支給品一式、不明品
【思考】基本:真竜のイメージアップのために野球で優勝する
1:ドラゴンズの一員としてまずは練習
2:ニアラとは格が違うところを見せる

【イドゥン@ファイアーエムブレム 封印の剣】
【状態】健康、人間形態
【装備】魔竜石、リザイアの書
【道具】支給品一式、不明品
【思考】基本:野球で優勝して、過去のふがいない自分と決別する
1:ドラゴンズの一員としてまずは練習
2:ロイ様どこかな……

【ギムレー@ファイアーエムブレム 覚醒】
【状態】健康、人間形態
【装備】トロンの書、鋼の剣、邪竜の鱗
【道具】支給品一式、不明品
【思考】基本:野球で優勝して、自分の信者を増やす
1:ドラゴンズの一員としてまずは練習
2:どいつもこいつもDMCなんか信仰しやがって……
※外見はデフォルト設定の銀髪青年です

488星野監督、野球がしたいです……:2014/03/07(金) 00:13:41 ID:gMVGH./E0
未だにDMC信者たちがうろつくからくりドーム周辺。
そこで周囲の様子をうかがう、一人の男がいた。

「うーん、もう終わっちゃってるみたいだなあ……。間に合わなかったか……」

そう呟く男の名は、田中将大。日本の頂点にいるといっても過言ではない、超一流ピッチャーだ。
我々の世界ではメジャー移籍を果たした田中だが、この世界ではアメリカが消滅したためその夢を叶えられずにいた。
今の彼は、非常に野球に餓えているのだ。
このからくりドームで野球が行われているという情報を手に入れた田中は急いで駆けつけたのだが、間に合わなかったのである。

「ああ、悔しいなあ……。せっかく野球ができると思ったのに……。
 この胸でくすぶる思い、どうしたものか……」
「じゃあ、俺と組まねえか?」
「うわっ!」

突然後ろから声をかけられ、思わず飛び退く田中。
そこにいたのは、彼もよく知っている顔だった。

「あなたは……佐々木さん!?」
「佐々木様だ。そう呼べ」
「あっ、はい」

田中に話しかけてきた男の正体は、佐々木主浩。
かつて「大魔神」の異名で恐れられた、日本球史に名を残すストッパーである。

「それで佐々木……様。あなたと組まないかっていうのは、どういうことです?」
「おう、イチローのやつが野球でなんかしようとしてるみたいだからな。俺もチーム作って、対抗しようかと思って」
「なるほど……」

視線を落とし、田中は考える。
常識で考えれば、この頃試合の真っ最中に野球などやっている場合ではない。
しかし、他でもないイチローのことだ。
何か自分では思いもつかない考えがあるのかもしれない。
それにもう、野球をやらずにいるのは我慢の限界だ。

「わかりました! 佐々木……様のチームに入らせてもらいます!」
「そうかそうか! 歓迎するぜ、田中!」
「それで、他のチームメイトは……」
「今、タカシが集めに行ってるところなんだが……」
「佐々木さん!」

そのとき、まるでタイミングを合わせたかのように一人の男が駆け寄ってきた。
彼は斎藤隆。中学、高校、大学、そしてプロとずっと佐々木のパシリ……もとい、後輩だった男だ。

「おう、タカシ! どうだった?」
「いやー、この辺はダメですね。なんかやばい連中が集団でうろついてて、スカウトどころじゃないです。
 それでも、何人かは連れて来られましたよ」

斎藤が手招きをすると、さらに数人の男たちが姿を見せる。

489星野監督、野球がしたいです……:2014/03/07(金) 00:14:15 ID:gMVGH./E0

「おおっ!」

それは田中の目から見ても、充分に豪華なメンバーであった。

水島漫画ナンバー1投手との呼び声も高い豪腕、不知火守!
怖いのは目にゴミが入ることだけだ、茂野吾郎!
敵はみんな呪っちゃうぜ、クワタ!
絶賛アニメ放送中、沢村栄純!

「……いや、ちょっと待ってください」
「どうした、田中」
「たしかに豪華ですけど……全員ピッチャーじゃないですか!」
「そうなんだよねー」
「いや、そうなんだよねーじゃなくて!」


はたして、マー君が野球をできるときは来るのか!
それは誰にもわからない!


【二日目・0時40分/東京・からくりドーム周辺】

【田中将大@プロ野球】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】
1:野球がしたい
2:このチームで大丈夫かな……


【佐々木主浩様@ササキ様に願いを】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】
1:イチローに対抗できるチームを作る


【斎藤隆@ササキ様に願いを】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】
1:佐々木に従う


【不知火守@ドカベンドリームトーナメント編】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】
1:佐々木に協力する


【茂野吾郎@MAJOR】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】
1:佐々木に協力する


【クワタ@かっとばせ!キヨハラくん】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】
1:佐々木に協力する


【沢村栄純@ダイヤのA】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】
1:佐々木に協力する
2:アニメも見てくれると嬉しい

490生き残るためには…!:2014/03/07(金) 16:10:23 ID:tHrxJShE0
「もう駄目だ…おしまいだぁ…」

一人のMッパゲ…もう説明不要だろう、サイヤ人の王子ベジータはへたれていた。
彼はどこぞのニート騎士のように、ずっととあるビルに引きこもっていたのだ。

「皆殺される…逃げるんだぁ…」

彼も、最初からへたれていたわけじゃあない。
放送でブロリーの名前が呼ばれた時など、実は高笑いしつつ踊り狂っていたりする。
しかし都庁に近づいたのが駄目だった。

金色のまるで超サイヤ人のような男が、まるでブロリー…いやもう完全にブロリーの台詞で暴れ狂っていた。
そんな光景を見てしまったベジータは全力でビルに飛び込みパソコンを起動。
ツイッタ―でへたれた発言を繰り返したりしたわけだが…
しばらくすると、ブロリーっぽい奴は氷のカマキリに叱られて大人しくなった後、中に引っ込んでいった。
これによりベジータは再び元気を取り戻すが、直後やっぱりへたれることとなる。

「超サイヤ人のバーゲンセールゥゥゥ…」

入れ替わるように入り口に現れたのは金髪の青年と少女。
そう、金髪のである。
気を抑えているが実力者であることはすぐにわかり、少女の方にいたっては常時光を纏っており、こころなしか雷も見えた。
これらからベジータが導き出した結論は、あの少女も超サイヤ人であるというものだった。ここでまず1へたれ。
さらにその超サイヤ人を手懐けられる青年も必然的に超サイヤ人以上の存在であると誤認し、2へたれめ。
ツイッタ―でこのことを呟くが、彼はここでさらにおそろしいものを見つけてしまう。
『その金髪はナンバー2らしい。さらに上に金髪巨躯の魔王がいるらしい』
『魔物のリーダーも常時雷を纏ってしょっちゅう地形を変える怪物だったらしい』
との呟きだ。これにより、さらに都庁には2人の超サイヤ人がいると勝手に思い込んだ。3と4へたれめである。

「助けてくれぇ…」

一応ネット上では、都庁の怪物は近寄らなければ安全という認識が広まっているが、実はベジータの執拗なおしまいだぁコールのせいだったりする。
過剰な思い込みにより、もう金色というだけで恐怖の感情が暴走してしまう哀れなベジータ。
彼はひたすらにツイッタ―や掲示板でへたれな発言を繰り返す機械へとなり果てていた…

しかし、彼に希望の光が差し込んだ!

『なんかナッパが野球をやってたらしいよ。イチロー選手と』

ナッパ!同じサイヤ人の生き残り!しかもあのイチローと一緒!
イチローと言えば、レーザービームで世界滅亡可能な恐ろしい地球人だ。(引き籠ってる際、気を紛らわせるためにベジータは動画を漁っていた)
イチローならば、超サイヤ人にも対抗できるだろう。
同族のナッパの口添えがあれば、自分もイチローに保護してもらえるかもしれない!

491生き残るためには…!:2014/03/07(金) 16:11:25 ID:tHrxJShE0
「だ、だが…俺はナッパの奴を…」

確かに自分は、ナッパに対してあまり良い態度はとってこなかった。
ナッパが気をつかってくれても、それを無下にしてきた。
いまさらのこのこ会いに行って、助けてくれるだろうか?
無理だろう、多分。しかし書かれている、野球というキーワード。
球を投げて打って走ってなスポーツ。ナッパがこれをやっているなら、自分もこれをやってみたらどうだろう。
同じ趣味の相手には気を許しやすくなるというし、なにより…

「俺さまはサイヤ人の王子ベジータ様だ…今までどれだけエネルギー球(弾)を投げてきたと思ってやがる…!」

密かに、投球には自信があったベジータ。
そして彼は決意した。

「生き残るには、野球をするしかないんだ…!」


【二日目・1時10分/日本・東京都】
【ベジータ@ドラゴンボール】
【状態】健康、へたれ、金髪恐怖症
【装備】なし
【道具】支給品一式、ノートパソコン
【思考】基本:死にたくないので野球をする
0:まずは野球を覚える
1:ナッパとイチローを探して保護してもらう
2:絶対に都庁には近寄りたくない
3:多分ピッチャー向きだと思う
4:移動しつつツイッターはやる

492巨星堕つ:2014/03/07(金) 16:49:08 ID:yg2D.CY20
2日目初のフレミングによる犠牲者が出た。

【ラオウ@DD北斗の拳】死亡確認

だがそれだけではなかった。

ガサッ…

「!?」

フレミングは戦闘体制となる。
そして音のした草むらに出た顔に向けて真・フレミングの法則を放つ。


歴史に「もし」は無い。
だがもしフレミングがこの時ダブルフレミングバスターを放っていたら。
もし敵が「本当の」顔を出していたら。


フレミングが貫いたのは生首だった。
草むらから影が飛び出す。
フレミングはその影と対峙する。

493巨星堕つ:2014/03/07(金) 16:50:35 ID:yg2D.CY20
佐村河内守。
「貴様はDMC信者か?」
「そこの君、この手の法則を知っているかね?」
「「…」」
「質問に答えろ!」
「それはこっちのセリフだ!ダブルフレミングバスター!」

だが、佐村河内は両手に持った石で受け止める。

「知ってるか…石は電気を通さない」

佐村河内は距離を詰め、頭に石で殴りかかった。
フレミングは手で防御する。

「「ぐおっ!」」
2人はせめぎあっていたが、フレミングが押される。
そして、フレミングは手も頭も切り裂かれた。

【ジョン・フレミング@現実?】死亡確認

何故フレミングはただの石に切り裂かれたのか。
実は佐村河内もテラカオス化が進行し、音波、つまり振動を操る事が出来るようになった。
石を振動させると鉄は切れないが、骨は切り裂ける程度まで振動させることが出来る。
要するにエヴァのプログ・ナイフと同じ原理である。

【二日目・2時10分/埼玉県】

【佐村河内守@現実?】
【状態】健康、テラカオス化進行中、振動能力会得
【装備】なし
【道具】支給品一式
【思考】基本:音楽に携わる者全てを抹殺し再び自分が音楽界に舞い戻る。
1:DMC辺りから血祭りに上げる。
2:証拠隠滅
※テラカオス化進行により、モース硬度4〜6の固体を振動させ、剣のように使えるようになりました

495聞く耳もたぬ混沌:2014/03/08(土) 16:56:55 ID:aEOCLHg60
敵を抹殺した佐村河内は、証拠隠滅をしようとしていた。
無残に殺されたフレミングはもうほとんどが土の中だ。

「ふぅ……」

ところで、プラズマというものを御存知だろうか?
物質の第四態とされたり、怪奇現象の正体とされたりするあれである。
地球上で身近なプラズマといえば雷であるが、殺されたフレミングはまさにこれの化身であったと言える。
それはつまり、プラズマの化身であったともいえ……

『こ、こんな意味不明な奴に殺されてたまるか!』

佐村河内の真後ろで、プラズマ霊魂状態でフレミングが浮いていたりする。
フレミングがすることは決まっている。もちろん佐村河内の身体を乗っ取るのだ。

『ダイナミックエントリィィィィィ!』
「はぅん!?」

耳から脳天直撃の突入をされ、佐村河内は悶える。
しかしまがりなりにもフレミングを倒す程のテラカオス化進行者である彼も負けてはいない。

『出てけこらぁ!?』
『こ、こいつ抵抗する気か!?』

侵入してきたフレミングの魂を追い出そうと、第二ラウンドが始まった。
もちろん、佐村河内の体内でである。


……


「……えーと、私は何をしていたんだったかな?
 ああそうだ、DMC信者かどうかを聞いた後に、フレミングの法則を知っているかどうかを聞くんだった。

 ま あ 私 は 耳 が 聞 こ え な い か ら 何 と 答 え よ う が 血 祭 り だ が ね 」

結果としてはドロー試合だった。
二人の魂は妙な具合に混じり合い、テラカオス化はさらに進む。


【二日目・2時20分/埼玉県】

【佐村河内フレミング@現実?】
【状態】健康、テラカオス化加速中、振動能力会得、電撃能力会得
【装備】なし
【道具】支給品一式
【思考】基本:音楽に関係する者全てを抹殺し再び自分が音楽界に舞い戻る。
1:三種のフレミングの法則を知らない奴も全て抹殺する。
2:もうぶっちゃけいらついたら誰でも抹殺する
※テラカオス化進行により、モース硬度4〜6の固体を振動させ、剣のように使えるようになりました
※ジョン・フレミングのテラカオス化進行度が加算されました
※真・フレミングの法則などのフレミングがこれまで体得した技も引き継ぎました
※他のテラカオス化進行者を倒す、或いは返り討ちにされた場合も勝者の方に進行度が加算されます

496黒の通訳者:2014/03/08(土) 20:23:38 ID:k/XzoNF.0
色々あって爆誕した佐村河内フレミングは更なる獲物を探していた。
道中、DMC信者やフレミングの法則に答えられなかった者達を次々と殺害し、歩み続ける佐村河内フレミング。
ざっと三人殺しただろうか。ふと見ると前方に黒人男性が立っていた。
日本以外が全部沈没したのだから、別に黒人が居ても不思議ではない。

「君はDMC信者かな? それとこの手の法則を知っているかね?」

佐村河内フレミングは何時も通りの台詞を口にして黒人に問いかける。
だが、どのような返答をしようが黒人男性の死は免れない。何故なら佐村河内フレミングの耳は聞こえないのだから。
真・フレミングの法則を放てるよう佐村河内フレミングは構えを取り、獲物を狩ろうと待ち構える。

「何?」

だが次の瞬間、黒人男性は目にも留まらぬ速さで両手を動かし始める。
一瞬気でも狂ったのかと見紛うたが、違う。顔は真剣そのもの、これは―――佐村河内に縁のある存在、手話だ。
黒人男性は手話にて自分はDMCとは何の関係も無いこと、そして真・フレミングの法則を良い当てたのだ。
佐村河内フレミングは感動し、手話で黒人男性にありがとうと礼をする。黒人男性もどういたしましてと手話で返す。
初めてだった。ちゃんと真・フレミングの法則を言い当てたのは、世の中まだまだ捨てたものじゃない。
こうなれば、とことん真・フレミングの法則を広めつつ、DMC信者とかぶっ殺そう。新たな希望を胸に抱き佐村河内フレミングは駆けるのであった。


【二日目・2時40分/埼玉県】

【佐村河内フレミング@現実?】
【状態】健康、テラカオス化加速中、振動能力会得、電撃能力会得
【装備】なし
【道具】支給品一式
【思考】基本:音楽に関係する者全てを抹殺し再び自分が音楽界に舞い戻る。
1:三種のフレミングの法則を知らない奴も全て抹殺する。
2:もうぶっちゃけいらついたら誰でも抹殺する
3:あの黒人男性は良い奴だ。
※テラカオス化進行により、モース硬度4〜6の固体を振動させ、剣のように使えるようになりました
※ジョン・フレミングのテラカオス化進行度が加算されました
※真・フレミングの法則などのフレミングがこれまで体得した技も引き継ぎました
※他のテラカオス化進行者を倒す、或いは返り討ちにされた場合も勝者の方に進行度が加算されます

【でたらめな手話の黒人男性@現実?】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式
【思考】基本:殺し合いに優勝する。
1:一先ず佐村河内フレミングの手話通訳をする。
※彼の手話はでたらめです。そして佐村河内フレミングの手話もでたらめです。


【天野河リュウセイ@人造昆虫カブトボーグV×V】死亡 死因:DMCの騒動に便乗して世界征服しようとしたら佐村河内フレミングに殺害された。
【龍昇ケン@人造昆虫カブトボーグV×V】死亡 死因:耳聞こえてるじゃないかと突っ込んだら佐村河内フレミングに殺害された。
【松岡勝治@人造昆虫カブトボーグV×V】死亡 死因:心臓発作。

497メタルの魔王を愛した者たち:2014/03/12(水) 00:51:15 ID:8mZiKjnw0

軽く一万人を超すDMC狂信者に占拠された東京ビックサイト。
その内部はいつの間にやら怪しい装置がいくつも組み込まれ、連結している。
これらの装置はビックサイトが占拠されてから数時間の間に狂信者たちが手を加えたものだと伺える。
都庁が世界樹と化して自然のダンジョンになりつつあるのに対局するかの如く、ビックサイトはさながら機械のダンジョンと化していた。
そしてビックサイトの中央の空間には、装置の中枢であると思われる設備と狂信者たちをまとめる『上層部』という者たちがいた。
ちなみにその部屋のBGMにはもちろんデトロイト・メタル・シティが用いられている。


「このような装置で本当にクラウザーさんが蘇るのか?」

装置に向けて、そう疑問気に言ったのはセルベリア・ブレスという女傑だった。
黒い軍服に白銀の髪と血のように赤い瞳、スタイルは抜群の上にそのバストは豊満であった。
彼女は東ヨーロッパ帝国という国の軍人でヴァルキュリアという存在であり、ラグナイトという力を用いて単身で大部隊と渡り合える戦闘力から敵対国にとっては驚異の存在となっていた。
しかし、大災害によって所属していた国家が消滅してしまい、流れ着いた日本で心の拠り所となっていたのはクラウザーの歌であった。

「私はオカルト的な物はあまり信用できないんだがな」

セルベリアの問いに便乗したのはドリスコルという男である。
緑の軍服を着た金髪の美人ではあったが、氷のような冷酷な雰囲気を醸し出していた。
彼はザーフトラという国家の軍人であり、ハフマン島という島でとある任務を受けていたが大災害でハフマン島そしてザーフトラが沈んでしまったため、愛機のヴァンツァー(ロボット兵器)であるレイヴンと共に日本へ避難することに。
目的のためなら手段を選ばぬ卑劣漢ではあるが同時に愛国者でもあった彼は忠誠を尽くしていた国家を失い、途方に暮れていた彼にはクラウザーの歌によって新たな生きる意味を見つけたのだった。

「フンッ、できないのなら俺が首をへし折るまでだ」

そのように吐き捨てたのは格闘家・三島一八であった。
幾多もの戦いを乗り越えた証である傷跡の数々を刻まれた筋骨隆々の身体を持つ元日本人(国籍は捨てた)。
かつては三島財閥の冷血御曹司もしくは冷血当主と言われ、現在は財閥からは追い出された代わりに遺伝子工学で名を馳せたG社を操る立場となっている。
今は人間の形をとっているが、デビル因子という力によって悪魔の如き姿と力を行使できる恐るべき男である。
そんな彼は鉄拳トーナメントという格闘大会では試合前に必ずDMCを聞くほどのクラウザーの大ファンであった。

「不安を持つのは仕方ないと思うけど、僕の作ったマシンは完璧だよ。
……あとは、この中で一番強いかもしれないカミサマが裏切らないことを祈るばかりだね」

狭間偉出夫という少年は仲間たちにそう言った。
彼は黒いウェーブの髪を持つ白い学ランを着た怪しい雰囲気の少年だ。
この中でも得に若いがIQ256を持ち、悪魔召喚を可能にするアームターミナル型COMPを独力で開発できる天才的頭脳の持ち主だ。
しかし、恵まれた頭脳に反して学校では孤立し、他生徒からのイジメも受けていた上に愛のない家庭で生活をしていた。
そんな彼の生き甲斐はDMCだけであり、クラウザーの歌がなければ大災害より先に学園を生徒ごと魔界に封じ込めるようなテロを引き起こしてただろう。

「セルベリア、ドリスコル、三島、狭間。私のクラウザーさんへの敬愛と畏怖は本物だ、そこだけは信じて欲しい」

そして中央の玉座にいるディーという男は仲間の疑問に答えた。
一見すると髪や衣装や生えている翼まで白づくめの、まるで天使でも意識したような出で立ちの青年だったが、その正体は大いなる神とうたわれるもの『ウィツァルネミテア』……の片割れ、分身である。
彼は闘争こそが進化の本道であるとし、人間の感覚を超越した愛を持って戦乱を引き起こして人間をより高い存在へと導こうとする存在である。
そして種を進化させて自分と同等かそれ以上の高次的な存在を作り出すことによって「無限の孤独から解放される」己の願いを叶えるために、元の世界では歴史の裏舞台から様々な闘争を引き起こしていた。
だが、何かの力が働いたのか、大災害後の世界に彼は転送され、そこで彼はDMCそしてクラウザーに出会ったことによって状況は一変する。
彼の歌は既に高次的なものになっており、すなわち神をも魅了するレベルにまで至っていた。
よって、ウィツァルネミテアの目的である孤独からの解放は果たされたも同然であり、もはや闘争を生み出す意味もなくなったのだ……クラウザーが生きている内までは。

498メタルの魔王を愛した者たち:2014/03/12(水) 00:53:45 ID:8mZiKjnw0
今はもう一度、自分を孤独から解放したあの歌を聴きたいがために、殺し合いには不干渉を貫くつもりだった彼は再度血染めの世界に身を投じることになる。
ついでに神の片割れである空蝉の方はとっくの昔に死んでいるが、今の彼にとってそんなものよりクラウザー復活の方が大事であった。

彼らこそDMC狂信者を総括する上層部である。
いかに人数が多くとも指導する者なくして組織は成り立たない。
力だけではなく知力や指揮力に冷酷さ、そしてクラウザーへの多大なる忠誠を持っている彼らは、信者たちを統率する権利を持つ上層部として信者たちから認められた者である。
彼らがいなければ、DMC狂信者たちは祐一郎や都庁軍に並ぶ驚異にはならなかっただろう。



ここで彼らの考えるクラウザーさん復活計画を教えよう。
この世界では大災害以降、死者を蘇生する手段がほとんど使えなくなっている(byフォズ大神官)。
瀕死までなら魔法やアイテムでどうとでもなるようだが、完全なる死からの蘇生は難しくなっている。
どういうわけか黄泉から魂が戻らないのだ。
その気になれば一国をまるごと滅ぼせる力を持ち、人間の体細胞を変化させてスライムに変えてしまうこともできる万能の神であり、その気になれば人間の蘇生もできる筈だったディーもといウィツァルネミテアですら、それは例外ではなかった。
いちおうサイボーグ化することで蘇生した人物もいるらしいが、クラウザーは遺体の損傷が激しすぎたために機械化による蘇生は不可能であった。
では、どうやって復活させるというのか?

神であるディーと、神話や霊的なものの知識が深い狭間は互いに知恵を出し合い、考えた。
その結果、一つの案にまとまった――『黄泉から魂を呼び戻せないなら、こちらから黄泉に出向いてクラウザーさんの魂を取り戻す』と。

これだけでは荒唐無稽な話にしか聞こえないので詳しく説明しよう。
死後の世界には、天国地獄といった冥府の前に中継地点である『霊界』が存在する。
霊界については読み手の方々には『死者スレ』と言い変えた方がわかりやすいかもしれない。
クラウザーも地獄に帰る前には必ず死者スレにいるだろうと想像がつく。
その死者スレにいくための装置を狭間はその頭脳をフルに使い、ディーからの入れ知恵や法術、他の三人からは資金、資材、人材を提供してもらい、完成させたのであった。

装置の名は『黄泉レ○プシステム』、彼らの目の前にある装置がそれである。
この装置が起動すれば現世と死者スレとを結ぶゲートが開き、その門を潜れば死者スレへと行けるのだ。
術がダメなら、死後の世界そのものを犯した方が早いと見た結論である。
狂信者の誰かが死者スレへと向かい、そこでクラウザーの魂を見つけ、またゲートから現世へと戻らせる。
クラウザーの肉体は大阪のライブハウスで滅茶苦茶になったが、一八がG社に楽屋から彼の体毛を発見回収させ、体毛から再生したクローンの肉体を用意させている。
クローンだけでは彼の美しく狂っている歌声や人格は再現できず、魂だけではまた死者スレに帰ってしまう。
だが肉体を完全にコピーしたクローンに、彼自身の魂が宿るとどうなるか?
二つが合わされば、ヨハネ・クラウザー二世は現世へと完全復活を果たし、狂信者たちの悲願は果たされる……それこそが計画であった。

しかし、この死者スレとの境界を無くす黄泉レ○プシステムを起動するには莫大なエネルギーが必要であった。
発電所から大量の電力を回してしまうと、そこを辿って他の参加者や主催の手勢に妨害される恐れがある。
かといってディーやセルベリアのような超能力を持つDMC狂信者全員がエネルギーを結集させても起動にはまだまだ足りないことが狭間の計算でわかった。
計画は暗礁に乗り上げるか……否、狭間は自分の知りうる中で使えそうなエネルギーを思い出し、それを装置の動力に使うことにした。

「狭間、現在までで生体マグネタイトはどれくらい溜まっている?」
「まだまだ規定量には届かないけど予定していたペースよりは早いぐらいだよ、ディー。
信者たちがしっかりと『殺し』『殺されている』おかげだね」

499メタルの魔王を愛した者たち:2014/03/12(水) 00:54:29 ID:8mZiKjnw0

生体マグネタイト――それは磁鉄鉱のことではなく、召喚された悪魔が人間界に実体化するために必要なエネルギーである。
そして生体マグネタイトや人間や魔物などの生きとし生けるもの、すべてが持っている。
これに目をつけた狭間は黄泉レ○プシステムマシンの他に、COMPの要領でビックサイトを超巨大なマグネタイト収集マシンに変えた。
収集範囲は北海道・沖縄・中国・九州(どれも諸事情で不可侵領域である)を除いた日本全域まで届き、日本で死んだ者のマグネタイトはほぼ全てビックサイトに集まるようになっている。
死ねばマグネタイトを抽出されるのは狂信者たちも例外ではなく、彼らは自分たちが死んでも、クラウザーさん復活のための生贄になると信じている……サバトに必要なエネルギーになっているという意味では、その考えは間違いではない。
発電所などの大掛かりな設備が必要なく、狂信者たちは本拠であるビックサイトだけを守り、ひたすら他の参加者を殺して、死ねばいい。
もっとも計画については、情報が漏れると主催をはじめとする他の組織に狙われる危険が予想され、クラウザーさんが復活するその時までは上層部間での秘密となってため、他の信者たちは何も知らないが。

「では、あとどれくらいかかる?」
「このペースなら放送に換算するとあと二回分…どんなに早くても半日は無理だ」
「よろしい、信者たちには引き続きSATUGAIを続けてもらおう。
さて、クラウザーさんの復活計画も大事だが、我々のいる日本の情勢にも目を向けなくてはな」

上層部はクラウザーとSATUGAIのことしか考えていない他の信者に比べれば冷静に事態を見つめられる者たちだ。
この組織の行く末にもしっかりと見通しを立てている。

「日本海の巨大ロボを拠点としているらしい殺し合いの主催たち、都庁を巨大な樹に変えた魔物の軍、四国には超危険人物の祐一郎たち、不気味な沈黙を保っている議事堂の魔物たち……現状で目立った勢力はここいらだな。
だが、どれもこれも危険な集団であることには違いない。
クラウザーさんに危害を加える可能性がある以上、いずれは残らず排除しなけばなるまい」

ディーはそう言った。
仮にクラウザーさんが生き返っても、もう一度死んでは意味がない。
クラウザーさんの安全のためにもそういった組織には残らず消えてもらうしかないのだ。

一八曰く「総理が死に、主催は参加者の攻撃でダメージを受けていたらしいが、その割にはピンピンしている印象だ。
第二回放送でデモンストレーションを行ったバーダックも、あれで全力とは思えんし相変わらず底の知れない連中だ」
ドリスコル曰く「都庁の魔物たちは刺激しない限り、仕掛けてくるつもりはないらしいが、どれも凶悪な魔物ばかりだ。
幸いにも二匹の工作員をうまく送り込めた。戦いになれば大いに役に立てるだろう」
セルベリア曰く「祐一郎は行動の先が読めない怖さがある。最近、危険な戦艦と人員をこしらえたとの噂があるな」
狭間曰く「他の勢力に比べれば圧倒的に数が少ないけど議事堂の魔物の動きにも注意するべきだ。
あそこにいる魔物たちは冥闇に堕した者レベルじゃないと歯が立たない」
ディー曰く「ふむ、その者たちが相手では、今まで通りの人海戦術だけでは心もとないな……」

DMC狂信者の人数は異常と言えるほど多いが、人材自体は有限だ。
強者たち相手に無為に攻めさせて虐殺の憂き目を受けるわけにもいかない。
死ねば生体マグネタイトが取れるとはいえ、狂信者たちが減れば殺し合いも減速しマグネタイトは集まりにくくなり、さらにはクラウザーさん復活の要であるビックサイトを守る人員もいなくなる。
されど、今のDMC狂信者たちには他の組織と渡り合える決定打が少なかった。

500メタルの魔王を愛した者たち:2014/03/12(水) 00:55:17 ID:8mZiKjnw0

「では、クラウザーさん復活の計画と並行して、他の勢力との殺し合い…いや、戦争に備えるために組織全体の強化に取り掛かろう。
それぞれの才能に合わせて、狭間は魔界魔法を、三島は格闘技を、セルベリアは銃の扱い方を、ドリスコルは機動兵器の操縦方法を教えるんだ」
「わかったよ、アギラオやブフーラぐらいは使えるようにする」
「了解だ」
「了解した。ついでに死んだ狂信者たちの脳をブレインデバイスに加工し兵器に装備させれば、性能が向上するだろう」
「俺に指図するな……と言いたいところだが、全てはクラウザーさんのために腕に覚えのある奴は三島流喧嘩空手を教えてやろう」

ディーの示した提案は上層部をトレーナーに名も無きモブ信者たちの訓練をさせ、強化することであった。
これにより組織全体の力は上がる見立てである。

「私はここで情報を統括し、必要に応じて信者たちに指示を出す。それでは信者たちの強化を任せるぞ」
「「「「全てはクラウザーのために! SATUGAIセヨ! SATUGAIセヨ! SATUGAIセヨ!!!」」」」

ディーを除いた上層部の者たちは狂った掛け声をあげ、クラウザーへの忠誠を胸にビックサイトの外へと向かっていった。



四人が見えなくなった所で玉座に座るディーは考えていた。

(しかし、なぜ蘇生術が使えないのだ?)

彼は某騎士と同じく、別世界から来た存在である彼はこの世界のことについて考えていた。
ウィツァルネミテアの力は流石にロワ及び日本を滅ぼしかねないとでも思われたのか、主催にはめられた首輪によって制限はされている。
だが、蘇生術に関しては首輪による制限だけでは説明できない事柄がある。
狭間のCOMPにはリカーム・サマリカームという蘇生魔法を使える悪魔がいるが、呼び出された悪魔には首輪はついていないにも関わらず、蘇生魔法でモブ一人生き返せなかった。
もし、使えてたら黄泉レ○プシステムなんて作らずともクラウザーさんは復活でき、そもそも狂信者たちの暴走自体あり得なかっただろう。
蘇生術を使えないのは首輪以外の要因があるようだ。

(何か大きな力がこの世界で働いているようだが…いったい誰が、どうして?)

ディーは考える、そして目星を立てる。

(主催者たちによるものか……いや、もっと怪しいのは大災害とやらだな)

この世界の大半を滅ぼした大災害……ディーはそれが起きた後にこの世界に来たため、詳しい事情はわからない。しかし。

(私にはどうも大災害がただの天災には思えない。
話を聞くところによれば宇宙にまで被害が出ている……大規模な地殻変動でもこうはならんな。
きっとその大災害こそ蘇生術が使えない原因なのではないか?)

大災害について考察するディー、だがしかし彼の手元には大災害絡みの情報があまりにも少なすぎた。

(……やめよう、考えても埒があかない。
クラウザーさんを甦えらせ、敵対勢力を駆逐した暁にはいくらでも調査できる。今はそんなことよりクラウザーさんだ)

大災害への考察を早々に打ち切り、自分の役割である組織運営の仕事に戻ることにした。
だが、二度目の大災害による危機が迫っていることを彼はまだ知らない。
クラウザーさんへの狂った『愛』が、彼の視野を狭めてしまっているのも原因だ。
他の四人の上層部の者たちや下々の狂信者たちすら、それは同じであった……

501メタルの魔王を愛した者たち:2014/03/12(水) 00:56:01 ID:8mZiKjnw0


【二日目・1時00分/東京ビックサイト】

【DMC狂信者上層部】
※ビックサイトは日本中の生体マグネタイトを集められるように改造されており、日本中のほぼ全域における死者のマグネタイトはここに集まる仕組みになっています。
※集めた莫大なマグネタイトをのエネルギーで現世と死者スレを繋げるマシン『黄泉レ○プシステム』を起動させ、クラウザーさんの魂を現世に戻す計画を立てています。

【ディー@うたわれるもの】
【状態】健康
【装備】刀
【道具】支給品一式
【思考】
基本:クラウザーさんの復活
1:他の狂信者たちにマグネタイトを集めさせ、黄泉レ○プシステムを用いてクラウザーさんを復活させる
2:クラウザーさんのために、いずれくる各勢力との戦争に備えて戦力を増強する
3:大災害などに疑問はあるが、後回し
4:空蝉がSATUGAIされたのは坊やだからさ……
※制限によりウィツァルネミテアの力がある程度制限されていますが、蘇生関連の能力制限だけは首輪とは別の力が働いていると見ています。


【狭間偉出夫@真・女神転生if...】
【状態】健康
【装備】アームターミナル型COMP(悪魔数体入り)
【道具】支給品一式
【思考】
基本:クラウザーさんの復活
1:戦力を増強するために他の狂信者たちに魔界魔法を使えるようにする
2:クラウザーさんを死なせたこの世界への裁きとして、より多くの者をSATUGAIする
※召喚できる悪魔の種類や数(少なくとも一体は蘇生呪文が使える)については次の書き手氏にお任せいたします。


【三島一八@鉄拳6】
【状態】健康
【装備】己の肉体、デビル因子
【道具】支給品一式
【思考】
基本:クラウザーさんの復活
1:戦力を増強するために他の狂信者たちに格闘技を教える
2:親父(三島平八)を見かけたら容赦なくSATUGAI


【セルベリア・ブレス@戦場のヴァルキュリア】
【状態】健康
【装備】ラグナイト製の槍と盾
【道具】支給品一式
【思考】
基本:クラウザーさんの復活
1:戦力を増強するために他の狂信者たちに銃の使い方を教える
2:マクシミリアン殿下が生きてたらクラウザーさんとSATUGAIの素晴らしさを伝える


【ドリスコル@フロントミッション】
【状態】健康
【装備】Type 11 DS(レイヴン)
【道具】支給品一式、カレンデバイス
【思考】
基本:クラウザーさんの復活
1:戦力を増強するために他の狂信者たちにロボット操縦技術を教える
2:SATUGAIされた信者の脳はブレインデバイスにして再利用

502メタルの魔王を愛した者たち:2014/03/12(水) 00:57:12 ID:8mZiKjnw0
>501修正

【二日目・1時00分/東京ビックサイト】

【DMC狂信者上層部】
※ビックサイトは日本中の生体マグネタイトを集められるように改造されており、日本中のほぼ全域における死者のマグネタイトはここに集まる仕組みになっています。
※集めた莫大なマグネタイトのエネルギーで現世と死者スレを繋げるマシン『黄泉レ○プシステム』を起動させ、クラウザーさんの魂を現世に戻す計画を立てています。

【ディー@うたわれるもの】
【状態】健康
【装備】刀
【道具】支給品一式
【思考】
基本:クラウザーさんの復活
1:他の狂信者たちにマグネタイトを集めさせ、黄泉レ○プシステムを用いてクラウザーさんを復活させる
2:クラウザーさんのために、いずれくる各勢力との戦争に備えて戦力を増強する
3:大災害などに疑問はあるが、後回し
4:空蝉がSATUGAIされたのは坊やだからさ……
※制限によりウィツァルネミテアの力がある程度制限されていますが、蘇生関連の能力制限だけは首輪とは別の力が働いていると見ています。


【狭間偉出夫@真・女神転生if...】
【状態】健康
【装備】アームターミナル型COMP(悪魔数体入り)
【道具】支給品一式
【思考】
基本:クラウザーさんの復活
1:戦力を増強するために他の狂信者たちに魔界魔法を使えるようにする
2:クラウザーさんを死なせたこの世界への裁きとして、より多くの者をSATUGAIする
※召喚できる悪魔の種類や数(少なくとも一体は蘇生呪文が使える)については次の書き手氏にお任せいたします。


【三島一八@鉄拳6】
【状態】健康
【装備】己の肉体、デビル因子
【道具】支給品一式
【思考】
基本:クラウザーさんの復活
1:戦力を増強するために他の狂信者たちに格闘技を教える
2:親父(三島平八)を見かけたら容赦なくSATUGAI


【セルベリア・ブレス@戦場のヴァルキュリア】
【状態】健康
【装備】ラグナイト製の槍と盾
【道具】支給品一式
【思考】
基本:クラウザーさんの復活
1:戦力を増強するために他の狂信者たちに銃の使い方を教える
2:マクシミリアン殿下が生きてたらクラウザーさんとSATUGAIの素晴らしさを伝える


【ドリスコル@フロントミッション】
【状態】健康
【装備】Type 11 DS(レイヴン)
【道具】支給品一式、カレンデバイス
【思考】
基本:クラウザーさんの復活
1:戦力を増強するために他の狂信者たちにロボット操縦技術を教える
2:SATUGAIされた信者の脳はブレインデバイスにして再利用

503都庁樹の迷宮・金色との遭遇:2014/03/13(木) 17:28:24 ID:VrCfRdBs0
「ぜぇぜぇ……ここが、都庁ですぞ……」
「ごくろうさま。思ったよりも時間がかかったわね……」

全速力で都庁まで飛ばされたオオナズチは、息も絶え絶えであった。
それに対して、ほむらは一応労いの言葉をかけるが文句も忘れない。

大阪からこの都庁までの所要時間はおよそ3時間半、常識的に考えればかなりの速度だ。
これは運悪くオオナズチの不明支給品が大量の強走薬グレートに加速装置であったことが原因である。
もう最初から『お前は女の子の尻に敷かれて移動手段になれ』と言わんばかりの支給品。
一同もさながら安全装置のついていないジェットコースターを長時間体験したようなものであり、疲労の色は隠せない。

「ここに……まどかが……」

合間合間で時間停止まで行い、ほむらはひたすらに都庁を目指していた。
少しでも早く、1分1秒でも早く、あの氷の竜に追いついてまどかを取り戻す……
それだけを考えて動いていた。同じ時間軸を何度も繰り返した時と同じように。

「しっかしまぁ……かなり前から見えてはいたけど……立派なもんだねぇ……」
「こまっちゃんに同じくだぜ……こんなにでかい樹は見たことがないぞ」
「あたしたちもだよ……ここが本当に元は東京都庁だなんて信じられない……」

仲間達は例外なく大樹の存在感に息を呑む。
桃子の情報により、大樹になっていることは理解しているつもりであったが、予想以上だ。
大樹とは関係なしに、地面にもかなりの草が生い茂り始めている。
これが大樹の力なのか、いずれ新宿地方は草にまみれることだろう。

「それにしても、ネット上であれだけ騒ぎになった場所にしてはおかしいっす。魔物がいないっすよ……?」
「モンスターさんも、やっぱり夜は眠いのかな?」

ステルス状態を維持したまま、まどか救出隊は妨害にあうことなく順調に都庁の入り口に辿りついた。
そこでついに、一人の魔物を発見する。

(女の子……? いや、角に尻尾があるし、あの子も魔物か?)
(入り口で待ち構えているってことは、門番みたいなものかしら?)

「……! ここから先は通しません!」

「なっ!?」

その瞬間、入り口にいた魔物は強烈な閃光を放った。
あまりに突然、かつ闇夜に目が慣れた人間にはたまったものではない。
そして当然……

「ちょwwww開幕閃光玉とか聞いてないですぞwwww」
「うわぁ!?」
「きゃあ!?」

一行を乗せたオオナズチも閃光の餌食となりふらついた。
乗り物がふらつき、閃光目潰しもされたとなっては、乗っている一行も次々に地面へと落ちていく。
幸いにも既に飛行はしていないため、大惨事にはならなかったが地味に痛い。

「今度は随分と……人数が多いですね。それにここまで気配を感じにくいなんて……」
「っぅ〜! あんた、ここの番人!?」

いち早く復帰したさやかが、閃光を放った魔物を睨みつける。

504都庁樹の迷宮・金色との遭遇:2014/03/13(木) 17:29:05 ID:VrCfRdBs0
「極光の麒麟、サクヤと申します。これ以上進むのはどうかご遠慮ください」
「ふん、それではいわかりましたって引き返すわけないでしょ?」
「美樹さやかの言う通りよ。どんな手段を使ってでも、私は……!」
「ま、待つっすよ二人とも!」

武器を構える二人の魔法少女に対して、桃子は慌てて止める。

「麒麟と言えば、東南西北の各地を守護する四神を束ねる長、中央を守護する最強の聖獣っすよ!?
 でも同時に麒麟は、とても殺生を嫌う心優しい獣のはずなのに……」
「……ええ、殺生は嫌いです。だからどうか、これ以上進むのは止めてください。
 けれど、そのことを知っているなら、当然麒麟のもう一つの性質も知っていますよね……?――必要に迫られれば、私も全力で戦います」
「っ!?」

さやかとほむらは思わず一歩後ろに下がる。
サクヤの言葉と同時に、彼女の周囲に光と雷が集まったのだ。
さらに立てかけてあった巨大な戦鎚までも軽々と持ち上げ、一気に臨戦態勢となる。

「……四神乱舞っ!」

次の瞬間には、四神を模した闘気がその場にいた全員を容赦なく襲った。

「うわっ……って、思ったより……」
「痛くないで、これ?」

しかし黒子やケルベロスといった面々は怪我こそすれ、軽傷程度であった。
最強の聖獣が放つ仰々しい攻撃にしては、いささか威力が低すぎる。

「ぐあああああぁぁぁぁっ!? こ、これは……っ!?」

そう思った矢先、日之影の苦しそうな声があがった。
見れば彼は盛大に血を吐き出し、それより程度は軽いが魔法少女やプリキュア達も同じ症状だ。
これは四神乱舞という技が、相手の体力の多さに比例して威力をあげる性質であるためだが、それを知る者はいない。

「その様子から察するに、貴方がこのチームの最強格みたいですね」
「ぐおっ!?」

苦しむ日之影に対して、光の戦鎚が叩きつけられる。
体勢を立て直し蘇った腕で受け止めるも、その衝撃は凄まじいものだった。

「あたい達がいることも忘れないで貰いたいね! 射殺せ、『神槍』ッ!」
「くっ……!」
「た、助かったぞこまっちゃん……あの細腕で、なんて威力してやがる……」
「いやはや、あの子も幻想郷なら大妖怪の類だろうねぇ……
 まったくなんであたいらの戦う相手は、こんなに厄介な連中ばかりなんだい……!」

お互いが飛び退き、一度距離をとる。
人数では圧倒的に有利だが、相手の力も相当なものだ。

(どうする……また距離を操るか……? いやこれだけの人数、魔法少女たちと連携をとった方が……)

たらりと汗を流しながら、小町は考える。
自分の能力を使えば、多分勝てるだろう。しかし下手をすれば仕留め損ない、自分が死ぬ。
かと言って仲間達と共に戦って勝てるかどうかはわからない。何しろ戦えない者までいるのだ。
彼女らを狙われた場合、戦いはより厳しくなるだろう。仲間を誰も失わずに切り抜けるには、どうすればいいか……

「んんwwwここは我の出番ですかなwwwww」
「はぁ!?」

そんな小町の耳に、耳障りな言語が飛び込んできた。

505都庁樹の迷宮・金色との遭遇:2014/03/13(木) 17:29:47 ID:VrCfRdBs0
「……いやいや、あんたあたし達に散々ボコボコにされたでしょ?」
「確かに皆で協力しなきゃ勝てそうにない相手だけど、ねぇ……?」
「うん、オオナズチは正直邪魔になるかなーって……」
「ひどいですぞwwwww」

サクヤを押さえ込もうとする魔法少女とプリキュアからも、どこか生暖かい視線を送られるオオナズチ。

「……」
「ちょwwwwwと、とにかく我にお任せなのですぞ! 我の真骨頂は1対1、ソロハンター相手の時に発揮されるwwww」

見れば、あのワドルディまでもが可哀想なものを見る目で見つめている(ように見える)
それでもオオナズチは、自信満々で自分に任せろと言い張り、サクヤの前に躍り出るのであった。

「魔物……しかし都庁の方々とは無関係のようですね。何故、彼女達に……」
「言葉は不要wwww今こそ我の真の実力を見せてやるのです
「せいっ!」

「「うわぁ……」」

凄まじく嫌な音が響く。
見ればサクヤの戦鎚はオオナズチの顔面を真横からしっかりと捉えており、素人目で見てもクリティカルヒットは明らかだった。
もともと酷い顔のオオナズチであるが、今の一撃によりさらに顔面は大変なことになり、もはや潰れたアンパン以下である。
期待はしていなかったが、ある種期待以上に派手にやられたオオナズチを見た一同はただただ呆然とするだけだ。

「ごべは……ふふふ、どうですかな我の攻撃はwwww」
「え? 攻撃をしたのは私の方ですが……」

それだと言うのに、オオナズチは歪んだ顔で笑みを浮かべていた。
それは、もうまるで戦いに勝利したような、そんな笑み。

「ど、どうしてそんな顔を……はっ!?」


【下着を盗まれた!】

「「!?!?」」


「ふひひひひひひwwwwwどうですかなどうですかなwwww
 我の強力スキルその1【龍殺しの実だろうが秘薬だろうがありとあらゆる物を盗む力】はwwwwww」
「な……あっ……!? か、返してください!?」
「いやですぞwwwwwwうーwwwwwまーwwwwwいーwwwwwぞーwwwwwww」

あまりに一瞬、神速の一手。
オオナズチは顔面偏差値をさらに下げる代償を払うことにより、舌でサクヤの下着を盗んだのである。
さらに盗んだものはもちゃもちゃと咀嚼して楽しんだ後、飲み込む。
このオオナズチの略奪スキルはメラルーのそれと異なり、盗まれたら取り返すことは不可能なのだ。
このいやらしい能力の前に、どれほどのハンターが殺意を覚えたか推してしるべし。

この予想外の一手に、オオナズチ以外の誰もが凍りつき、身動きがとれなくなっていた。
それはつまり、このままオオナズチの独壇場であるということ。

506都庁樹の迷宮・金色との遭遇:2014/03/13(木) 17:30:37 ID:VrCfRdBs0
「んんwwww明らかに動きが鈍くなってますぞwwwwwこれを見逃すとかありえないwwwww」
「あうっ!?」

伸ばされた舌はぐるぐるとサクヤに絡みつき、その身動きを封じる。
さらにその口内には緑色の嘔吐物が蓄積されており、容赦なく身動きのとれない獲物に浴びせかけた。
するとどうだろうか……

「ふ、服が溶けて……!?」
「これぞ強力スキルその2【相手の防御力をがくっと下げる緑色の何か】ですぞwwwwww」
「こ、この……うっ……!?」
「ぷはぁぁぁ……そしてこれが強力スキルその3【相手のスタミナを根こそぎ奪って回復もできなくする息】wwwwww」

がくりと脱力したサクヤは戦鎚を落とし、もはや一切の抵抗ができない状態となっていた。
あのオオナズチが、最初の一撃以外は一方的に攻めきり、勝利したのだ。

「し、信じられないっす……麒麟を相手にここまで……」
「ええ。ですけど、ちょっと目のやり場が……」
「あたし達はよってたかってボコったけど、確かに1対1じゃあいつの能力は半端なくいやらしいわ……二つの意味で」

「これでフィニッシュとかありえないwwww我は一度絡みついたら離さないんですぞwwwwww」
「「!?」」

しかし、それでもオオナズチの動きは止まることはなかった。
驚く仲間達を尻目に、オオナズチの長くぬめぬめとした舌はサクヤの身体を這いずり回る。
その動きはダメージを与えるためのものではない。残された衣服を引きちぎり、直接肌の感触を楽しむためのものだ。

「い、いやぁ……!? な、何をするんですか……!?」
「もちろん、同人誌みたいなことですぞwwwwww
 我がこれまで、どれだけキリン装備やアスール装備の女ハンターを食べてきたと思ってるんですかなwwwww
 四神を束ねる麒麟だろうが、古龍のキリンだろうが、ついでに首の長いきりんや芸人の麒麟でも、キリンになら我は絶対無敵wwwww
 人間だってキリンを眠らせた後に集団で襲いかかって爆殺するのですから【キリン=蹂躙される存在】の法則は崩せませんなwwww」
「〜〜〜〜〜っ!?」
「おっと、念のために強力スキルその4【声帯麻痺】もかけておきますぞwwwwww
 おまけで同人誌によくあるExスキル【媚薬効果を持つ粘液】もなすりつけておきますかなwwwwww」



そこからはあまりにも惨い光景が続いた。
辺りに響くのはおぞましい舌が這いずり回り、麒麟の身体を嬲る音のみ。
オオナズチの舌は獲物の胸を好き放題に弄りまわし、尻をなで、口内奥深くまで侵入した。

麒麟を倒さなければ先に進めないとわかってはいても、誰もが思わず目をそむける。
それでもまだ足りない。ぬちゃぬちゃぐちゃぐちゃと淫猥な水音とくぐもった悲鳴が聞こえてくる。

「久々に極上の獲物に出会えたんですぞwwwwwこれで我のガンランスが滾らないわけがないwwwwwww砲撃準備wwwww」
「〜〜〜っ! 〜〜〜〜っ!」

耳を塞いでなお、実にいきいきとしたオオナズチの声が聞こえ……


「それではwwwwwwキリンの貞操も盗んでやるとしますか――っ!?」

その声は、途中で途切れた。
代わりに、何かが折れる音が響く。
何が起きたのか振り向けば、そこには無惨な姿で横たわる麒麟と、舌を踏まれたまま強烈な蹴りを受けて吹き飛ばされるオオナズチ。

「……覚悟はできているのかな?」

そして、凄まじい気を纏った青年がいた。

507都庁樹の迷宮・金色との遭遇:2014/03/13(木) 17:31:19 ID:VrCfRdBs0
◆ ◆ ◆


暁美ほむらは目の前の光景に言葉を失っていた。
確かに先程の麒麟の攻撃は凄まじかった。まともに戦えば相当な苦戦を強いられただろう。
だがそれも、あまりいい手段ではないがオオナズチの手により戦闘不能に追いやれた。
最強の聖獣を倒せたのだから、この先もなんとかなる……一瞬でもそう考えた自分を、ほむらは内心罵りつくす。

かつて、ワルプルギスの夜と戦う際にも、同じミスをしてしまったことがあった。
巴マミと佐倉杏子を失わずに挑めた時間軸では、頼れる仲間がいた喜びから銃火器の準備が不十分で……最終的に火力不足に陥り、敗れてしまった。
この殺し合いでも、彼女達は命を落としてしまった。それはとても辛いことであったが……
紆余曲折の末、美樹さやかとの合流に成功し、桃園ラブらプリキュアと呼ばれる戦士達とも一応の友好関係を築けた。
少し会話をしただけだと言うのに、彼女たちはまどかの救出に快く同行してくれ……口には出さないがとても感謝していた。
さらに道中たまたま出会った影の薄い集団さえもが、見ず知らずの自分に協力してくれるなど夢にも思わなかった。
こんな殺し合いの最中だと言うのに、自分が思っている以上に人間とは捨てたものではなかった。
新しい、頼もしい、そして優しい仲間達。あとは、まどかがいてくれたならば。

喜びと、焦り。そして油断。
決して犯してはならないミス、致命的な準備不足。

少し冷静になるべきであった。
まどかが絡むと、自分はあまりにも周りが見えなくなってしまう。それは十分わかっていたはずなのに。
逃げ惑う他の参加者から、東横桃子から、聞かされていた筈なのに。
【東京の都庁は屈指の危険地帯】
それを抜きにしても、あの氷竜がまどかを連れ去っているのだ。普通に考えれば、氷竜との再戦は当然だろう。
一瞬にして致命傷を負わされたあの氷竜。それに対抗するための準備を、全くせずに、ただまどかの身を案じてここに来てしまった。

あの氷竜がかわいく思えるほどの、さらなる化物への準備など、しているわけがない。

「なん……だと……!?」
「……ぬるいね」

あの日之影空洞が、拳の打ち合いで押し負けてそのまま吹き飛ばされ、そのまま樹の幹に磔状態にされる。
そのまま敵は反対側の拳を振り上げ、上空から切りかかる小野塚小町の腹部に重い打撃を打ち込んだ。
その瞬間に美樹さやかが高速の剣技を放つが、あろうことかそれは口で受け止められ……そのまま噛み砕かれた。
あまりに異常な光景に思わず固まってしまった美樹さやかは蹴り飛ばされて、地面を数回跳ねる。

「これなら……!」

今度こそ、拳も脚も頭も全身の攻撃が終了している。
その隙をつかんと相田マナ、桃園ラブ、蒼乃美希の三人は力を集結させて特大の攻撃を打ち込んだ。
魔法少女よりも魔法少女らしい、プリキュアの煌びやかにして苛烈な必殺攻撃。

「……属性反応あり、か」

だが、敵はそれをかわすそぶりすら見せず……自らすすんで直撃を受けた。

「嘘……そんな……!?」

そして土煙の中からは何事もなかったように、無傷の敵が飛び出し……文字通り、プリキュア達をまとめて蹴散らした。

気がつけば、残された戦える者は自分一人。オオナズチはずっと痙攣したまま。
なんなのだ、この悪夢のような光景は。
絶望してはいけないとわかってはいても、あまりにも理不尽な暴虐の嵐。
心が、折れそうになる。

508都庁樹の迷宮・金色との遭遇:2014/03/13(木) 17:32:00 ID:VrCfRdBs0
銃を構える手が、震えていた。
あの驚異的な反応速度、脚力では至近距離から撃ってもかわされかねない。
引き金を引く前に……殺されるかもしれない。
全て、自分の軽率さが招いた結果だ。

「あ、あぁ……!」
「残るは君ひとりかい……っ!?」
「!?」

その時、敵の動きが止まった。
一体何が起きたのか……目を凝らしてみれば、僅かに景色が揺らいで見えた。

「!」
「……っ、なるほど、三重ステルスか。霊的な存在すら見える僕が、反応しきれないとはね……」
「こ、これ以上みんなを傷つけることは、許さないっすよ……!」

途中から姿が見えないと思っていた、非戦闘員の東横桃子、黒子テツヤ、赤座あかり。
その三人が、戦う力など持っていない三人が、斬鉄剣を敵の腹部へと突き立てていた。
それぞれが固まることで、より強力なステルス状態となり……あの化物への懐深くまで忍び寄れていたのだ。
だが……
斬鉄剣、鉄を易々と斬るはずの刃は、服の一枚も貫通できずにいた。
明らかに異質、外見に反した超硬度の服が、一切の攻撃を受け付けていない。
決死の不意討ちで、この結果。
一度解除したステルスは、強敵を前にした場合は再度消えるのに時間がかかる。
もう回避不能、絶対射程範囲。三人が、あの強烈な拳や蹴りを受けたらどうなるか。想像に容易い。

「っ!」

ほむらは、思わず目を瞑った。

「……仲間を傷つけられるのは、嫌かい?」
「あ、あたりまえっす!」
「ああ、僕もそうだ」
「……!」

だがほむらの予想に反して、三人が攻撃されることはなかった。
東横桃子が震える手で握っていた斬鉄剣はやんわりとどけられただけ。
残る二人がそれぞれ猟銃と肉を構えるが……

「どうして、君たちは戦う? どうして、魔物を攻撃する?
 この都庁に魔物がいたから、魔物が悪だと決め付けてるからかい?」

投げかけられる、問い。

「全ては、まどかのためよ……! まどかは私の……!」

返す、答え。

「……君の考えはわかったよ。それじゃあ、残りの人間にも聞いてみようか」
「え?」
「……キュアオール」

次の瞬間には、辺り一帯を癒しの光が覆った。
自分の、そして仲間達の傷がかなりの速度で治っていく。
美樹さやかの治癒魔法の効果と範囲を思いきり広げたような、高位魔法。
それを発動しているのは、紛れもない、つい先程まで自分達を叩きのめしてきた恐ろしい化物。
理解が追いつかない。
暁美ほむらは目の前の光景に、再び言葉を失っていた

◆ ◆ ◆

509都庁樹の迷宮・金色との遭遇:2014/03/13(木) 17:32:42 ID:VrCfRdBs0
「げほげほ……あたし達……助かったの!?」
「……いいえ、見逃されただけよ」
「その言い方も語弊があるな。あれ以上の時間サクヤを放置することなんてできなかったからだよ」
「あ、あんた……今度こそ……!」
「やめなさい美樹さやか。……今度攻撃を仕掛けたら、私達全員今度こそ殺されるわよ。それがわからないほど、あなたも馬鹿じゃないでしょ?」
「うぅ……」
「ものわかりがいいね。さて……君らを殺そうと思えば簡単だけど、殺さないでおいてあげたんだ。全員、僕の質問に答えて貰おうか」

都庁の入り口に座った青年、レストの言葉に反抗する者は誰一人としていなかった。
いくら回復されたとはいえ、完治まではしていないのだ。全快の状態であの戦闘結果であれば、今は万にひとつも勝ち目はないのだから。

「問い1。何故、ここに来たんだい?」
「……あたい達は、東京都の惨状を聞いてね。なんとかそれを止められないかと来たはいいが……ご覧の有様だよまったく」
「あたし達は、ほむらちゃんの友達のまどかって子を助けられないかなって……それに、魔物が暴れてるなんて聞いて放っておけないよ」
「あたしとほむらもそうだよ。氷の竜がここの軍団の一員かもしれないって聞いて……」
「なるほど、つまり【まどかを助ける】と【僕らを止める】ために来たってことだね?」
「ええ、そうよ……」
「……とりあえず、そっちの物騒な黒髪の子、君には朗報だ。君らの予想通り、探している鹿目まどかはここにいる。そして無傷だ。
 彼女を傷つけようとする存在が現れたら、ここの魔物がその存在を許さず攻撃するからね。下手な場所よりよっぽど安全と言えるよ」
「ど、どういうことなの!?」

一同は、まどかの無事を聞き一応の安堵の表情を浮かべる。
しかしその後に語られた内容には、驚かずにはいられなかった。魔物がまどかを守るとは、どういうことなのか。

「氷竜さんから聞いてないのかい? 彼女はグンマー……今は滅ぼされた民の血をひいているらしくてね。
 彼女がいればここの世界樹はもちろん、踏み躙られたグンマーの森も元の聖域に戻せるかもしれないんだってさ。
 そしてそのまどかは……人間と、魔物の共存を説いた。人間も魔物も争うな、何か方法がある。
 まったく実に甘い考えだとは思うんだけど……中には彼女に賛同する魔物もいるから困ったものさ。
 あげく僕に対して、ほむらちゃんが来たら殺さないでください! もちろん他の人も! なんて釘を刺してくるし……手加減する身にもなってほしいよ」
「おいおい、あれだけ暴れて、特に俺だけ妙にダメージが大きい気がするんだが……それでも手加減だと……?」
「ああ、あなたは厄介そうだから割と本気で殴ったよ。他の子達はある程度加減してあげたけど」
「い、痛かったよ!?」
「問い2。サクヤをあんなになるまでいたぶる必要性はあったのかな?」
「「それは全部あのオオナズチの単独行動です」」
「わかった。彼は魔物だから一応殺さないけど、罰として後で屋上から吊るしておくよ」

自分達が殺されずにすんだのは、まどかのおかげ。
そしておそらく、一度殺されかけたのはオオナズチのせい。
それを理解した一同は複雑な感情が混ざり合うのであった。

「で、でもまどかがそんなことを言うなんて……」
「あなた達に無理矢理従わされていると考える方が普通じゃない?」
「まあ、その反応は当たり前だよね。実際、僕も面と向かって言われた時は驚いたよ。
 さて、問いその3だ。君たちは、魔物をどう思っているのかな?」
「そ、そりゃあ人を殺してまわる奴らでしょ!? 実際、被害報告もいっぱい出てるんだから!」
「そうよ、プリキュアとして人々の平和を脅かす存在は無視できない!」
「……それは、思い込みじゃないかな?」
「だって、人間と違って
「はぁ……なら、君が抱きかかえているその丸っこい子は? 横の犬だか狸だかわからない子は?」
「……!」
「な、失敬なやっちゃな! わいはケルベロスや!」

レストは、少女達が抱えるワドルディとケルベロスを指差した。
確かに彼らの外見は人間とはかけ離れ、どちらかといえば魔物に分類される。
しかし彼らは人間に危害を加えたことは一度たりともない。それどころかずっと行動を共にしている。
思い返せば、あのオオナズチもどうしようもない変態ではあるが、人を殺そうとまではしていなかった。

510都庁樹の迷宮・金色との遭遇:2014/03/13(木) 17:33:22 ID:VrCfRdBs0
「確かに人を襲う魔物はいるけど、そうじゃない子だっているんだ。偏見はやめて欲しいな」
「それは……」
「それに環境のことも……まあ今はいいか……君たちの目的はあの子、まどかなんだろう? まずは会って直接話してくるといい」
「っ! ここを、通すということ?」
「ああそうさ。どの道サクヤをこのままにはしておけないし、君たち程度の装備と力じゃここを攻略するにはあまりにも力不足だし」
「こ、この……!」
「……早く行くといいよ。僕の気が変わらないうちにね。さっき僕が使った磁軸から彼女や氷竜さんのいる部屋に飛べる」

レストが指差す先には、ピンク色の光の柱があった。
迷宮内の移動をスムーズに行える、本来であれば都庁に属する存在だけが使用可能な樹海磁軸だ。

「くれぐれも魔物には手を出さず、彼女と会うことだけを考えるんだ。ああそれと、そこの三人は悪いけどちょっとここに残ってもらおうか」
「僕たち……ですか?」
「あかりも!?」
「し、従うほかなさそうっすね……」

◆ ◆ ◆

非戦闘員の三人が残され、残る戦う力を持つ面々は磁軸へと追いやられ、転送される。
素直に従う者、渋々といった様子の者、悩んだ様子の者。
それぞれの思いを抱きながら、あっという間に目的地に飛ばされた一行は固唾を飲んだ。

「ほ、本当にこの扉の向こうにまどかがいるっての……!?」

飛ばされた先が、何階かはわからない。しかし目の前の扉からは尋常ではない威圧感を感じた。
大阪で戦った氷竜の気配、そしてそれと同類の雷の気配に、まだ見ぬ魔王の気配。
間違いなく、ここはこの都庁の魔物を束ねる者達の部屋だ。果たして本当に、この扉を開けて大丈夫なのだろうか。

(……もしさっきの話が本当なら、ここの魔物はまどかに手を出さないどころか、守ってくれる存在。
 インキュベーターだろうがなんだろうが、倒してくれる。それならいっそ……私も魔物側についた方がいいの……?)
(あいつは気に食わない……罠の可能性だってある。
 どんな理由があっても、ここの魔物が沢山の人を殺してることには違いないんだ! あたしは正義の魔法少女、それならどうするべき!?)
(……考えもしなかったけど、確かに人間と違う姿だからって魔物をすぐに攻撃するのは、間違っているかも……)
(さっきは、まるで歯がたたなかったけど……一応、いつでも戦える準備はしておこう。みんなを、守るためにも……!)
(駄目だ、考えがまとまらない……今、プリキュアとしてなすべきことは、何……?)
(やれやれ……さながら妖怪の山の大天狗……いや天魔とご対面って感じかね。
 こんな連中に加えて、DMC信者まで蔓延っているなんて本当に東京どうなってんだい……ここだけでもうお腹いっぱいだよ)
(間違いなく、さっきの男はここの戦力でもトップクラスの奴だろう。だがこの先にいる連中が、それよりも強かったら……俺は、仲間たちを守れるか……?)

さあ混沌の世界の冒険者たちよ、覚悟ができたならその扉を開くといい。

【二日目・2時20分/日本・都庁深部】
【小野塚小町@東方Project】
【状態】小ダメージ、中疲労
【装備】斬魄刀『神鎗』@BLEACH
【道具】舟
【思考】基本:もう仲間を誰も失わない為にカオスロワを終わらせる
0:警戒は怠らない
1:もう二度と仲間を置いて行こうとしない
2:幽香と戦う事を覚悟する
※飛竜たちと情報交換して、主催達が九州ロボにいることを知りました。
【日之影空洞@めだかボックス】
【状態】大ダメージ、中疲労
【装備】己の拳
【道具】支給品一式
【思考】基本:主催者を倒す
0:まずは扉を開ける。全てはそれから
1:仲間を守る
2:混沌の騎士が遺した謎を解く
3:↑の全部やらなくちゃあならないのが先代生徒会長の辛いとこだな。

511都庁樹の迷宮・金色との遭遇:2014/03/13(木) 17:34:02 ID:VrCfRdBs0
【暁美ほむら@魔法少女まどか☆マギカ】
【状態】ダメージ小、中疲労
【装備】ソウルジェム@魔法少女まどか☆マギカ(穢れ45パーセント)
【道具】支給品一式、ベレッタM92(残弾95)、レミントンM870(残弾20)、ミニミM249(残弾50)、M16クレイモア×10、L16 81mm迫撃砲×5、M84 閃光手榴弾×20、88式地対艦誘導弾、長ドス、ゴルフクラブ
【思考】基本:まどかを守る
0:まずはまどかの無事を確認する。その後は……
1:自分の準備不足を痛感
2:桃園ラブに僅かに罪悪感

【ケルベロス(小)@カードキャプターさくら】
【状態】健康、小疲労
【装備】無し
【道具】支給品一式
【思考】基本:桜を探す
1:ほむらについていく
2:魔物と一緒にせんといて!

【相田マナ@ドキドキ!プリキュア】
【状態】ダメージ小、中疲労
【装備】キュアラビーズ@ドキドキ!プリキュア、ラブリーコミューン@ドキドキ!プリキュア、ラブハートアロー@ドキドキ!プリキュア、シャルル@ドキドキ!プリキュア
【道具】基本支給品一式
【思考】基本:殺し合いを止める。
1:ここにいるみんなと一緒に殺し合いを止める。
2:警戒は怠らず、戦えるようにしておく
※前回のロワとは関係ありません。

【桃園ラブ@フレッシュプリキュア!】
【状態】ダメージ小、中疲労
【装備】リンクルン@フレッシュプリキュア!、キュアスティック・ピーチロッド@フレッシュプリキュア!
道具】基本支給品一式、大量のドーナツ
【思考】
基本:絶対に殺し合いを止めて、みんなが助かる方法を探す。
1:誰かを探しながら、ワドルディを守る。
2:ここにいるみんなと一緒に殺し合いを止める。
3:ここの魔物にもワドルディみたいな子が……?
4:ほむらはまだ少し怖いが、仲良くしたい
※9期とは関係ありません。

【蒼乃美希@フレッシュプリキュア!】
【状態】ダメージ小、中疲労
【装備】リンクルン@フレッシュプリキュア!、キュアスティック・ベリーソード@フレッシュプリキュア!
【道具】基本支給品一式、不明支給品
【思考】基本:殺し合いを止める。
1:ここにいるみんなと一緒に殺し合いを止める。
2:さやかが何だか他人のような気がしない。
3:死んだキュアピースの分も頑張る。
4:今何をすべきか、よく考える
※放送の内容をラブ達から聞きました。

【美樹さやか@魔法少女まどか☆マギカ】
【状態】ダメージ中(回復中)中疲労
【装備】ソウルジェム@魔法少女まどか☆マギカ(穢れ約50パーセント)
【道具】基本支給品一式、不明支給品
【思考】基本:マミさんの為にも、殺し合いを止める。
1:ここにいるみんなと一緒に殺し合いを止める。
2:美希が何だか他人のような気がしない。
3:とりあえずはまどかの保護を優先
4:都庁の軍勢を警戒
※8期、9期とは関係ありません。
※放送の内容をラブ達から聞きましたが、上条恭介の死を知りません。

512都庁樹の迷宮・金色との遭遇:2014/03/13(木) 17:35:27 ID:VrCfRdBs0
【ワドルディ@星のカービィ】
【状態】健康、小疲労
【装備】なし
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】基本:殺し合いには乗らない。
1:ここにいるみんなと一緒に行動する。
2:みんなの役に立ちたいけど……
※6期とは関係ありません。
※アニメ出展なので、喋る事ができません


◆ ◆ ◆


「おーよしよし、泣かない泣かない。オオナズチは後で紫葡萄の横に吊るしておくから……」
「ひっく……レストさまぁ、申し訳ございませんん……」
「その……止められなくて、申し訳ないっす……」
「ごめんね、麒麟さん……」
「その……僕の服でよければ、どうぞ」

その頃、影の薄い三人とレストは、オオナズチの被害にあったサクヤを慰めていた。
ちなみに当のオオナズチは未だにぴくりとも言葉を発さない。先程の回復魔法も使われていないためである。

「助かるよ。とりあえずサクヤ、これとさっき持ってきた布切れで身体隠して……」

影薄三人は、ただ黙って目の前の光景を見つめる。
すすり泣く麒麟も、布切れを器用に服のようにしていく魔人。
両者とも、つい数十分前までは圧倒的な力を見せつけた存在だが、こうしてみるとごく普通の人間に見えた。

「とりあえず今はこれで……さて、君たちに残ってもらったのは他でもない。
 ……どうしてさっき、ステルスアタックを仕掛ける際に、僕の脇腹を狙ったのかな気になってね」
「ひぃっ!? ご、ごめんなさいっす! みんなを守らなきゃと思って、その……」
「いや、それは別に構わないよ。敵なんだからさ。ただどうして……顔を狙わなかったのかなって思った。
 あの時、斬鉄剣を僕の顔に向けていれば……あの距離じゃ反応しきれずに僕は重傷か……あるいはそのまま死んでいたのに」
「……え?」

不意に声をかけられ、桃子は思わず悲鳴をあげるが、返ってきたのは予想外の言葉だった。
あの局面で、自分たちの非力な攻撃で、この圧倒的な強さを誇る青年を殺せるとは到底思えない。
それは黒子もあかりも同じようで、頭に疑問符を浮かべている。

「僕も無敵じゃないってことさ。ちょっと種明かしをすると、僕は常時透明化させた錬金装備で身を固めている。
 君たちと違って、装備だけがステルス状態みたいなもので、こう見えて脚も胴も腕も頭も、相当な防御力の装備で守っているんだ。
 ……ただ一か所、顔面だけは装備がとどいていないんだけどね。だからあの時、君たちは僕を殺すことができたってわけさ」
「「「!!」」」
「まあ前なら顔面でも素の防御力で弾けただろうけど、首輪のせいか僕の身体もだいぶ制限がかけられていてね……
 どうだい、もう一度さっきのステルスアタックを僕にしかけてみるかい?」

自分の顔面を指差しながら、レストは三人を煽る。
斬鉄剣は未だ桃子の持ち物であり、三人揃っている状態のため実際にステルスアタックをしかけることは可能だ。

「いえ、遠慮しておきます」

しかしすぐさまに三人は首を横に振った。
レストの顔が、僅かに歪む。

513都庁樹の迷宮・金色との遭遇:2014/03/13(木) 17:36:04 ID:VrCfRdBs0
「カウンターを警戒して、かい?」
「いやいや、そんなことしなくても今こうして話している間に十分殺せるはずっすよね?」
「僕らは基本的に、影が薄い以外は普通ですからね。日之影さんが吹っ飛ぶようなパンチされたら、まず首がもげますよ」
「もし本当に殺しちゃったら、麒麟さんもっと泣いちゃいそうだもんね」
「……はぁ」

あかりの言葉を受けて、とうとうレストは深いため息をついた。
なんとなくわかってはいたが、この三人……特にこのあかりという少女はある意味でまどか以上に扱いにくい相手だった。

「なんなんだい君たちは……まったく……致命傷を負わされかけたかと思えば、僕を怖がるでも憎むでもなく……」
「そりゃあ最初は滅茶苦茶怖かったすよ……でもなんだかんだで皆の怪我を治してくれたし、意外と普通に話せるっす!」
「同じくです。たまたまあなたが守ろうとする仲間が魔物だったということみたいですし」
「ねえねえ、麒麟さん以外にもたくさんのモンスターさんがいるんだよね? 誰かあかりを乗っけてくれるモンスターさんいないかな?」
「いるわけないだろう!? ここをなんだと思っているんだい!?」
「サ、サクヤでよろしければどうぞ……でも、一番最初はレスト様に乗って頂きたいです……」
「サクヤ、復活したなら安静にして冷静になるんだ。今の君に僕が乗ると画的に非常にまずい」
「ま、まさか自ら人間と魔物の共存をこの場で実演するつもりっすか!?」
「しないよ! やっぱり君たちは斬っておくべきだったかな!?」
「さすがにそれは困りますので、今度は三人ステルスで逃げさせてもらいます」
「でもあかりも、人間とモンスターさんの共存っていいと思うな。きっと毎日楽しいと思うよ。 わあ、麒麟さんの尻尾気持ちいい!」
「あ、尻尾は……!」
「こらそこぉ!?」

まどかと同じように、魔物への恐怖心を持っていないのか共存を平然と口にするあかり。
残る黒子と桃子も、都庁内部に送った面々と比べれば明らかに魔物や自分への敵対心が少ない。
戦う力を持たない、ただの人間。ぬるい考えの、いつでも殺せる存在だというのに。
魔物に敵意を向けないその姿勢が、つい刃を鈍らせる。
都庁を守護する最強の番人は、影の薄い最弱の少女達に振り回され続けるのであった。

【二日目・2時20分/日本・都庁入り口付近】
【黒子テツヤ@黒子のバスケ】
【状態】ダメージ微小
【装備】猟銃@現実
【道具】死出の羽衣@ 幽々白書
【思考】基本:仲間と共にカオスロワを終わらせる
0:意外と人間と魔物の共存は可能なのでは?
1:友人たちと生き残る
2:混沌の騎士の言っていた空気中に漂う何かが気になる
※実はゴゴの死体から猟銃を回収していました。

【東横桃子@咲-Saki-】
【状態】ダメージ微小
【装備】斬鉄剣@ルパン三世
【道具】支給品一式、スマホ
【思考】基本:仲間と共にカオスロワを終わらせる
0:思ってたよりも話しやすいっす
1:加治木先輩や友人たちと生き残る
2:混沌の騎士が言っていた空気中に漂う何かを都庁軍にも聞いてみる?
3:スマホを使ってネットで情報を探る
4:DMCファンだけど信者の暴動にはドン引き

【赤座あかり@ゆるゆり】
【状態】ダメージ微小
【装備】なし
【道具】マムルの肉×2@風来のシレン
【思考】基本:仲間と一緒にカオスロワを終わらせて主人公らしく大活躍!
1:混沌の騎士の分も頑張る
2:まどかと同じく、人間と魔物の共存に賛成
3:オオナズチ以外の都庁のモンスターの背中に乗ってみたい

514都庁樹の迷宮・金色との遭遇:2014/03/13(木) 17:36:40 ID:VrCfRdBs0
【レスト@ルーンファクトリー4】
【状態】精神疲労、小疲労、全属性攻撃吸収、無属性攻撃半減、サクヤの飼い主
【装備】天ノ村雲ノ剣、草原のペンダント
【道具】支給品一式、不明品、謎の壁材、水晶の壁材等の素材
【思考】
基本:都庁の軍勢を守りつつ星の自然環境改善
0:あかり達に対処
1:都庁樹の施設と素材を使い、戦闘準備を整える
2:機械っぽい外見の奴は問答無用で潰す
3:四条化コンビ、鬼灯、影薄と魔法少女組を警戒
4:あわよくば竜と結婚できる世界を作りたい
5:まどかに自決されて魔物の士気が下がっても困るので、しばらく敵は半殺しで我慢
6:オオナズチは吊るす
7:サクヤは竜じゃなかったけど、角と尻尾があるから無問題

【極光の麒麟・サクヤ@パズドラ】
【状態】超絶精神ダメージ、調教済み
【装備】戦鎚、黒子の服、布切れ
【道具】支給品一式、スマホ、都知事のパソコン
【思考】
基本:レストに服従
0:レストが影薄三人を殺しそうになったら止める
1:ネットに疎い主に代わり情報収集
2:オオナズチにはいずれお返しする

【オオナズチ@モンスターハンターシリーズ】
【状態】超絶ダメージ、角破壊
【装備】不明
【道具】支給品一式
【思考】基本:美少女を都庁にお持ち帰りたい
1:気絶中
※尻尾も破壊された場合、ステルス能力を失います

515加速するカオス:2014/03/14(金) 19:43:49 ID:NCTXT4Lc0
結果として桜田ヒロム達はジャイ子を倒せず、逃走した。

それから放送が流れ、日をまたぎ、数時間してジャイ子の前に佐村河内フレミングが現れた。

「ちょうどいいわね……あの3人の代わりにあなたを殺してやる!」
「君はDMC信者かな? それとこの手の法則を知っているかね?」

だがジャイ子は襲い掛かる。

「ダブルフレミングバスター!」

…そしてジャイ子は電撃に体をズタズタにされ死んだ。
だがジャイ子は旧テレビ版のジャイアンの犠牲により復活した。

「お、お兄ちゃんが2人に……殺しt」
「!?ダブルフレミングバスター!」

…再びジャイ子は電撃に体をズタズタにされ死んだ。
だがジャイ子は旧映画版のジャイアンの犠牲により再び復活した。

「お、おお、お兄ちゃ…」
「消えろ!」

だがジャイ子は新映画版のジャイアンの犠牲により三度復活した。

「あああああああお兄ちゃんがああああ…」
「!!ダブルフレミングバスター!」

ジャイ子は死んだ。
間髪入れず攻撃を仕掛けてくる相手にはジャイ子は弱かったのだ。

そのような特徴を持つ佐村河内フレミングに完敗した。

【剛田ジャイ子@ドラえもん】 死亡確認

「…東京に行こう。DMC信者達を抹殺するために…」
佐村河内フレミングは看板を見て東京方面へと向かった。

516加速するカオス:2014/03/14(金) 19:44:17 ID:NCTXT4Lc0
【二日目・3時00分/埼玉県】

【佐村河内フレミング@現実?】
【状態】健康、テラカオス化激加速中、振動能力会得、電撃能力会得
【装備】なし
【道具】支給品一式
【思考】基本:音楽に関係する者全てを抹殺し再び自分が音楽界に舞い戻る。
1:三種のフレミングの法則を知らない奴も全て抹殺する。
2:もうぶっちゃけいらついたら誰でも抹殺する
3:あの黒人男性は良い奴だ。
※テラカオス化進行により、モース硬度4〜6の固体を振動させ、剣のように使えるようになりました
※ジョン・フレミング及び剛田ジャイ子のテラカオス化進行度が加算されました
※真・フレミングの法則などのフレミングがこれまで体得した技も引き継ぎました
※他のテラカオス化進行者を倒す、或いは返り討ちにされた場合も勝者の方に進行度が加算されます

517聖帝の野球!:2014/03/19(水) 00:20:16 ID:9vw4I/oo0
「おのれラオウめ………よもやこの聖帝を差し置いてこれほどの軍勢を作り上げるとは!」


場所は東京都・両国国技館。
その観客席の一角で、ノートPCを操作しつつ憎々しげに吐き捨てる男が一人。
ご存じ南斗の聖帝サウザーである。

彼もまたこの殺し合いを主催する野田総理を打倒しようと当初は息巻いていたのだが、あまりにも目まぐるしい
状況の変化に焦りを覚え、現在この国技館に潜伏し様子を見ている最中である。
なにせここまでの間に主催者の野田総理は死に、東京都庁は魔物の巣窟と化し、日本中のDMC信者達が
クラウザーさん復活の為に暴れまわり、九州が空を飛び、からくりドームが血に染まり、etc.etc………
更には自分が目をつけていた国会議事堂までもが制圧されたと聞きサウザーは当時血の涙を流した。
「2代目聖帝十字陵に改造しようと思ったというのに!」とは彼の弁である。
そして現在、支給されたノートPCで拳王軍の動向に関する状況を調べつつ、サウザーは今後の方針を
決定するために頭を悩ませていた。


「(……これ以上奴に後れを取る訳にはいかんが、この東京都一帯には既にトチ狂ったDMC信者の連中が
 ウヨウヨしている。迂闊に外に出ては数の暴力で連中になぶり殺しにされるのがオチだ。とはいえこの
 SUMOUの殿堂・国技館にもいずれ連中の手が及ばんとも限らん。くっ、せめてもう少し我が軍勢を強化して
 おくべきであったか!)」

サウザーとて何もどこぞのMッパゲの王子のように今まで引き籠っていた訳ではない。
各地を転々と周りながら、拳王軍に匹敵する軍勢を生み出さんとスカウトを地道に続けていたのだ。
だが今にして思えば最初の方針が不味かったかもしれない。
そうサウザーは思い返した。


「サウザー! いつまで悩みこんでいるつもりですか? こうしている間にも罪もない人々が命を奪われて
 いるのですよ!? 彼らの愛を守るためにも私達も動くべきですわ!」
「ええい、貴様はまたそれか! 何度も言わせるな、この俺に愛などいらぬ!」
「どうでもいいがオッサン、これからどうするか早く決めようぜ。今俺達がいる場所も相当やばくなってんだろ?」
「レイジの言う通りですよ。ネットでも東京は相当危険な場所になってるって言ってましたし……」
「全くです。帝王を名乗る貴方がまさかこのまま穴熊を決め込むなどという情けない手を打つとは思えませんが、
 どうなんですか?」
「二人の言う通りです! 悪者は僕達が早く退治しないと!」
「そうだよせーてー! あたいもうガンプラ作るのもアニメ見るのも飽きちゃったよ!」
「……ルビー、あたし達連合組む人間違えちゃったかな?」
『まあこのオッサンを当たりとみるか外れと見るかと言われれば、まあ十中八九大ハズレでしょうねー。格ゲー
 だったらきっと酷い紙キャラですよこの人? 病人と相性最悪だったりして』
「ぐむむ………」

518聖帝の野球!:2014/03/19(水) 00:21:19 ID:9vw4I/oo0
小学生か中学生にしか見えない少年少女達(と、なんか変な喋るステッキ)に散々ボロクソに言われ流石に
サウザーもキレかけたが、今ここで激おこぷんぷん丸した所で彼らの不信を買うだけだと思いとどまり、何とか
怒りを鎮めた。


『反逆する大人よりも従順な子供を部下にしていく』

その方針で仲間を集め続けた結果がこのざまである。
ここにいる面子のほとんどは子供でありながら実力者が多かった事に喜んでいたら、いつの間にか軍団の中で
自分のランクが底辺になりかけているのだ。
このままでは主催者を打ちのめすどころか目指すべきラオウに『聖帝(笑)』と鼻で笑われるのが目に見える。
どうにかしなければと思い、先ほどまで情報集めに利用していた掲示板にふと目を向けてみると、サウザーの目に
ひとつの書き込みが映った。


『なんかドラゴンの一団が野球チーム結成したらしいよ?』


「これだ!」

その時サウザーの脳に電流走る!
自分は肝心な事を失念していた。
そもそも拳王軍は野田総理を野球で倒そうとしているという情報もある。
からくりドームで行われたという血の試合、そしてドラゴンの野球チーム結成。
これを利用しない手はない。

「決めたぞお前達! これより我が聖帝軍は野球チームを結成する!」
「「「!?」」」

あまりにいきなりの発言に一同は動揺しつつもサウザーの次の言葉を聞いた。

「あのラオウが野球をし、ドラゴンまでもが野球を始めたのだ。連中にできる事がこの聖帝に出来ぬ訳がない!
 そうと決まれば早速特訓だ、ゆくぞお前達!」
「ちょっとお待ちなさい! いくらなんでもいきなりではありませんか!?」
「そもそも野球は9人必要です、僕達だけではあと一人足りません!」
「それに野球をする道具もないよ?」
「野球ならガンプラ使って一度やった事あるんだがなぁ……」
「野球って何? サッカーならやった事あるけど?」
「……貴方は馬鹿ですか?」

その一言がトドメだった。

「ええい貴様ら、いい加減にしろーーっ!! この俺の軍団に入ったからには俺はアリの反逆も許さぬ!!
 命が惜しくなければ黙って俺の指示に――――」
「鉄人! ハンマーパンチだ!!」
『ガォォォーン!!』
「すみません、調子に乗りました、お願いですから付き合ってください」
「分かりました。だったらまずは残りの一人と野球道具を探しに行きましょう。話はそれからです」
「あ、相変わらず容赦ないね、正太郎君……」

少年の操る巨大ロボットに危うく殴られかけ、速攻で平謝りする聖帝であった。
もはやどっちがリーダーかわかったもんじゃなかった。

「(おのれこのガキ共めぇぇっ! いずれ必ずこの俺が目に物見せてくれるわ! 最後に笑うのはラオウでも
 主催者でもない、この聖帝サウザーよ!! フハハハハハハハ!!)」
「何を土下座したままニヤついてるんですか!? 早く行きますよ!」
「アッハイ」

こうして、色々と立場的におかしい聖帝軍は本格的な野球チーム結成の為に動き出すのであった。

519聖帝の野球!:2014/03/19(水) 00:22:03 ID:9vw4I/oo0

【二日目・3時10分/東京都・両国国技館】

【サウザー@北斗の拳】
【状態】健康、心労(中)、内心マジギレ
【装備】なし
【道具】支給品一式、ノートPC
【思考】
基本:主催者を打倒し日本を支配、そしてラオウも倒す
1:聖帝野球軍を結成し、拳王軍を打倒する
2:そのためにも自分の現状の地位をどうにかしたい(血涙)
3:配下のガキ共にはいずれ思い知らせる(今はとりあえず下手に出る)
4:愛などいらぬ!
5:退かぬ!媚びぬ!省みぬ!

【円亜久里@ドキドキプリキュア!】
【状態】健康
【装備】ラブアイズパレット、ラブキッスルージュ
【道具】支給品一式、アイちゃん
【思考】
基本:殺し合いを止める
1:とりあえず野球チーム結成の為に残り一人を探す
2:さしあたって野球道具も探す
3:サウザーは頼りにならないので自分がチームを引っ張る
4:他のプリキュアとも合流したい

【金田正太郎@太陽の使者 鉄人28号】
【状態】健康、強い意志
【装備】Vコン
【道具】支給品一式、鉄人28号
【思考】
基本:殺し合いを止める
1:悪い奴は許さない
2:野球チームを結成するための準備をする
3:サウザーには(一応)従う

【イリヤスフィール・フォン・アインツベルン@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ】
【状態】健康、ちょっと先行き不安
【装備】マジカルルビー
【道具】支給品一式、クラスカード全種、魔法少女マジカル☆ブシドームサシDVD-BOX
【思考】
基本:殺し合いを止める
1:や、野球チーム……?
2:組む仲間を間違えたかもしれない
3:このおじさん(サウザー)は当てにならない
4:お兄ちゃんや美遊達が心配

【金色の闇@ToLOVEるダークネス】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式、たい焼き×大量
【思考】
基本:主催者を打倒する
1:とりあえず今は野球チーム結成に尽力する
2:野球のルールを把握しておく
3:サウザーは当てにしない
4:美柑達が無事か気がかりですね

【チルノ@東方project】
【状態】健康、やる気十分
【装備】アイスソード@ロマンシングサ・ガ
【道具】支給品一式、ガイアメモリ(アイスエイジ)@仮面ライダーW
【思考】
基本:『だーすべいだー』を倒す
1:野球って何?
2:とりあえずみんなに着いていく
3:せーてーは頼りないからさいきょーのあたいが皆を引っ張る

【イオリ・セイ@ガンダムビルドファイターズ】
【状態】健康、不安
【装備】HGスタービルドストライクガンダム、HGビルドガンダムMk-Ⅱ
【道具】支給品一式、ガンプラ用工具一式、その他ガンプラ(大量)
【思考】
基本:殺し合いを止める
1:とりあえず野球チーム結成を手伝う
2:大丈夫かなぁ……
3:サウザーさんの声、ギレン・ザビを思い出すなぁ
4:知り合い一同が心配
5:歴代ガンダムキャラ達の死に悲しみ

【アリーア・フォン・レイジ・アスナ@ガンダムビルドファイターズ】
【状態】健康
【装備】HGビギニングガンダム
【道具】支給品一式
【思考】
基本:主催の連中をぶっ潰して殺し合いを止める
1:セイと共に殺し合いを止める(まずは野球)
2:野球か……
3:オッサン(サウザー)は信用しない
4:ガンプラで戦う方法を探したい

520野球って大変だからね Part1:2014/03/20(木) 03:09:06 ID:jm2G8LRg0

死国・特設スタジアム。
祐一郎さんたちが作った死国に何故か作ってある野球場(スタジアム)である。
マウンドもベンチもナイター設備もすっごく充実している。
まあスタジアムと言っているけど厳密にはドーム球場だ。
そこに集まった私ら(拳王&熱斗少年&祐一郎さん一行)計22人+ネットナビとか色々。
全員の体力は回復してる、流石祐一郎さんが作った施設だ。
……ここまで集まると、何が心配かって? パーティ内での空気化だよ。
申し遅れたが、シグナムだ。

「皆さんに重大発表があります……」 

 ざわ……

     ざわ……

という擬音が聞こえてきた。
どことなく、タクア……ムギさんの顎と鼻が尖がってきたように見えたが、そんなことはなかった。

「スタメンを白紙に戻したいと思います!」
「なん……だと……?」


驚愕の発言だった。
監督兼オーナーをしているからしょうがないかも知れないが、まあそれはそれで驚いた。

「ぬぅ……どういうことだ、ムギちゃんッ!!」
「拳王さん、今のままでこのチームでは主催チームを……いえ、恐らく軽音部最弱を誇る田井中さんにも勝てません」
「な、なにィッ!?」

今、田井中さん関係ないだろ! いい加減にしろ!!
と、言いたくなったが、言葉の重みが違う。

「そこで新しいスタメンの座を掛けて皆さんには今から、ころし……じゃなかった紅白戦をしてもらいます」

レギュラー争奪のために殺し合いとか物騒すぎるだろ。
まあ、しゃーないかな。試合は六回まで。延長はなし。
けが人が出たら即試合終了というルールで行われることになった。
そりゃあ、安全第一だわな。
以下、チーム分け。

紅組
MEIKO
琴吹紬(紅組監督)
川崎宗則
プニキ
クロえもん
光熱斗
シグナム
ディオ・ブランド―
翔鶴
ルドル・フォン・シュトロハイム
エルンスト・フォン・アドラー

白組
ラオウ
平等院鳳凰
殿馬一人
緑間真太郎
デューク渡邊
シャーロック・シェリンフォード
櫂トシキ
上条当麻
光祐一郎(白組監督)
ダイアーさん
野比のび太

チーム分けはタクア……ムギさんの独断と偏見で行われたわけだが……
さて、どうなるかねぇ……?

521野球って大変だからね Part1:2014/03/20(木) 03:09:38 ID:jm2G8LRg0

【紅組ベンチ】

「言っておくけどマウンドは誰にも譲らないから」
『こう見えても、僕は甲子園にも出場したことあるんだよ!』
「ロックマン、それって本当なのか?」
「パワポケ7か!」
「提督は別チームですか……」
「我がドイツの技術力をもってすれば野球など造作もないィィィィ!!」
「こんなチームで大丈夫なのだろうか?」

【白組ベンチ】

「ぬぅ……まさかMEIKOと勝負することになるとは……」
「ですなぁ、監督も向こうチームですから」
「はっ、関係ねぇ、蹴散らすぞ!」
「人事は尽くした……今日のラッキーアイテムは『ヴァンガード』もばっちりなのだよ」
「それは……?」
「2014年05月16日発売予定の『竜剣双闘』のカードです!」
「緑間、一体どこでそのカードを……?」

まあ、そんなわけで電光掲示板に両チームのスタメンが発表された。


紅組
一番 ショート   川崎宗則
二番 ライト    シュトロハイム
三番 レフト    光熱斗
四番 サード    クロえもん
五番 ピッチャー  MEIKO
六番 キャッチャー 琴吹紬
七番 センター   翔鶴
八番 セカンド   アドラー
九番 ファースト  シグナム

白組
一番 レフト    ダイアーさん
二番 セカンド   殿馬一人
三番 センター   平等院鳳凰
四番 ライト    ラオウ
五番 キャッチャー デューク渡邊
六番 ファースト  緑間真太郎
七番 ショート   上条当麻
八番 サード    櫂トシキ
九番 ピッチャー  シャーロック・シェリンフォード


「解説はジャイアンズが誇るクソレフト野比のび太君、実況はこのディオだッ!」
「僕はクソレフトじゃありません、打たれまくるジャイアンとちゃんと糞みたいなリードしかしないスネ夫が悪い」
 
実況席にディおじさんとのび太少年が座る。
まあ、ベンチで二人っきりとかいやだろうねぇ、絵的に。
あっ、審判はデカオと呼ばれたネットバトルガチ勢たちがやるらしい。

球審   大山デカオ
一塁審判 大山デカオ
二塁審判 大山デカオ
三塁審判 大山デカオ

きっとこのために四人になっていたのだろう。

 ◆ ◆

522野球って大変だからね Part1:2014/03/20(木) 03:10:21 ID:jm2G8LRg0
「サインは……」
「つーか、アンタにキャッチャー出来るの?」
「勿論、軽音部ですから、どんな球でもこのミットで受け止めますよ(ニッコリ)」
「へぇ〜、ま、怪我だけには気を付けるのことね、つーか、プニキはベンチでよかったの?」
「私にいい考えがありますからね」

キャッチャーの格好したムギちゃん。
決して体格はよくないし、運動もあまり得意ではないと言ってはいたが……

一回の表、白組の攻撃は一番サード、ダイアーさんから
右のバッターボックスに入り、バットを構える。
雰囲気や鍛え方は流石に波紋戦士と言ったところである。

「我が名はダイアー……野球はしたことないがトップバッターを任せれられている」
「まあ、お手柔らかに(ニッコリ)」

マスクの下から笑顔魅せるムギさん。
しかし、ダイアーさんはMEIKOの方をにらんでいる。

「プレイボール!」

球審のデカオが試合開始を告げる。
そして、MEIKOは投球モーションに入る。
大きく振りかぶり、身体を捻る。全身のバネを使いボールに勢いを付ける。
左足を踏み込み、それと同時に右腕からボールが放たれる。

「ストライク、ワンッ!!」
「ッシ!」

ダイアーさんの胸元に鋭い速球が決まる。
速さ、キレ、球威共に悪くはない普通のストレート。

(へぇ、やるじゃない……半分以下の力で投げたけどちゃんと取れてるじゃない
 ……すこし、ギアを上げるか)

少し感心したが、これくらいしてもらわないと困る。
続いて、二球目を投げ……

ギュイーン!!!

「ファッ!?」

ファーストのシグナムの顔面近くを凄まじい速度で通過していった。
これには思わず、ファースト・シグナム驚愕!

「フフフ……波紋入りバットはよく飛ぶであろう……」

ライト方向への弾丸ライナーのファール。
二球目で芯を捉えられたが、速さと球威に負けて若干振り遅れた。
バットを伝わる波紋―――『打棒の波紋疾走(バッティング・オーバードライブ)』。

(彼は間違いなく、波紋の呼吸をしているッ!)
(……やれやれだわ)
(ですが、追い込みました……一番バッターがこんなにあっさりツーストライクになったらね)

三球目を放る。
だが、二球目と全く同じコース、同じスピードである。

「また同じボールだと! このダイアーに同じ手は通じん!!」

ダイアーさんのバットのヘッドが出た瞬間にボールは大きく軌道を変える。
バットをすり抜けるようにアウトコースに向かって急激に逃げていくッ!

「ストライッ、バッタッ、アウトッ!!!」
「何ィ!?」

ダイアーさんのバットは空を切った。
ボールはミットに収まっていた。

「インコースからアウトコースへのスライダーです。三球同じコースに同じ球が行くなんて甘い考えですね」
「くっ!」
「まぁ、ドンマイづら」

凡退したダイアーさんに入れ替わり、二番打者殿馬がバッターボックスに入る。

(厄介なバッターよね)

嫌らしい二番打者であることは重々承知している。
あのイチローとオリックス時代に一、二番コンビを組んでいただけある。

523野球って大変だからね Part1:2014/03/20(木) 03:10:55 ID:jm2G8LRg0

(さぁて、どう攻略するづらか)
(秘打が怖いですね……)
(ストレートでゴリ押すわ)

バッテリーとバッターの間で様々な思考が交錯する。
そして、それを切り裂くように殿馬に対して第一球が放たれた。

カァン!!!

「なっ!?」
「秘打じゃない!?」
「秘打・なんもなし……づら」

普通に打ってきた。
しかし、芯で捉えて、しっかりと打ってきた。
白球はライト方向に高々と上がっていった。
フェンスを越えるか、どうか微妙なとこ――――


「我々の守備はそう簡単に破れないィィィィ!!!


ライトから騒がしい球場全体に響き渡る大声。

「アドラーッ、俺を腕を踏み台にしろォォォ!!」
「シュトロハイム!! ドイツにだって友情はあるんだッ!!」
「「ベルリンの赤い壁だッ!」」

ライトから大声でシュトロハイムが指示を出す。
それに従いアドラーがライトに走りこむ、そして、アドラーを空中に放り投げる。
サイボーグの力を舐めたらだからね? きっとすげーよ?
そのままアドラーはホームランボールをガッチリとキャッチした。

「アウトォ!!」
「まあしょうがないづら」

セカンドキャンパス付近で殿馬は止まっていた。
もし、アウトに取られていなくてもスリーベースヒットにはなっていただろう。

「さて……」
「問題はここからよね」
「来な」

その威圧感は極めた強者の強さの証。
右のバッターボックスに入る平等院鳳凰。
しっかりと右手でバットを握り、MEIKOに睨み付けるような視線が向かう。

(隙が無い構えですね)

ちらりとキャッチャーマスクの下から見る。
流石にテニスのU-17代表のNo.1だけあり、鍛え方も精神力も化け物クラスだ。

「アンタとやるのを少し楽しみにしてたわ」
「さぁ、殺(や)ろうぜ、命の殺(と)り合いをよ」
「……ただ、負ける気はさっぱりしないのよ、これがッ!」

ズドォン!!

「ストライッ、ワンッ!!」

ど真ん中に渾身のストレートが決まった。
恐らく150㎞/hくらいは出ていただろう。
しかも、スピードだけではなく伸びと球威も抜群である。
だあ……

「あぁ? 遅すぎじゃないか?」

平等院は余裕であった。
時速150㎞/hなど彼の世界ではテニスのサーブで中学生でも出せる。
寧ろ、コースがフォアハンド側のみに来るのであれば、打ち返すのも造作もない。

しかし、やらない。
高みを目指すのならば、相手の上限を己の力でねじ伏せる。

そして、平等院は若干バッターボックス内で姿勢を変える。
腰を落とし、バットを正面で構える。

524野球って大変だからね Part1:2014/03/20(木) 03:11:20 ID:jm2G8LRg0

「やっぱ、こいつだな」
(テニスのリターンの構えですか……)

このフォームが平等院にとっての自然体。
七つの海を越えてきたこのテニスの構えこそが彼にとって一番打ちやすいのだ。

「シッ!」

瞬間、ランナーはいないが、セットアップのクイックモーションで投げる。
いつも同じフォームの同じタイミングで球を投げるとは限らないのだ。

だが……

「オラよッ!」

片手でテニスラケットと同じようにバットを振る。
そのスイングがボールをとらえたのだ。
しかし、クイックモーションで投げたのが幸いしたのか若干振り遅れた。
そして、打球は再びファーストのシグナムの顔面近くを凄まじい速度で通過していった。
これには再び、ファースト・シグナム驚愕!

「ファール!」

(投げる球がなくなったわけじゃない……色々と試してみるか)

息を大きく吐き、一度呼吸を整える。
そして、再び投球モーションに入る。


…………

……



パァン!

「ボール、スリー!!」
「嘘でしょ?」
「ボール一個分内側だ」

決めに行ったインローのMEIKOシュートの判定はボールであった。
カウントはツーストライクスリーボールになった。
フルカウントにまできっちり粘られてしまった。

(勢いを出すには三者凡退がベストなんですけどねぇ……)
(……まあ、『アレ』が実践で使えるかどうか……使うとしたら、ここね)

MEIKOは大きく振りかぶり、背中が見えるくらいに身体を捻る。
この一球で決めるという気迫をボールに込めるように押し出す。
コースはさっきと逆のアウトハイ。
右バッターの平等院さんに対してのクロスファイアー。

「甘いぜッ!!!」

平等院は外側に思いっきり足を踏み込む。
所謂、オープンスタンス打法と言われるものである。
丁度、身体とボールが平行になった。
配球を読んで、山を張りあてたのだ。
あとは真芯に捉えて、振り抜くだけ……のはずだった。



ボールがバットの芯を抉り抜いた。



(何だ、今の球は……!?)

どんづまりのピッチャーゴロ。
平等院の手は未だにしびれている。

「(新球……いや、MEIKOスライダーVer.2……)名付けて『MEIKOカッター』……!」

切れ味抜群のカット・ファスト・ボール。
打者の手元でボール一個分スライドして、絶妙に芯から外れる。
あのスライダーとは違い変化量はないがほぼストレートと同じスピードでくる。
速さがストレート≧カットボール>スライダーといった感じだ。
これで平等院の真芯(スーパースイートスポット)を僅かながらさけたのだ。


「言っておくけど、この試合、一点もやらないから」
「MEIKOォ! さっきの我々の守備を忘れたのかァ!!」
「バックを信じずに、エースが務まると思うわけ? 頼りにしてる」


一回の表終了 0−0

525野球って大変だからね Part1:2014/03/20(木) 03:11:47 ID:jm2G8LRg0


「あの体格差と見た目じゃ完全に親子よね」
「ですねぇ」
「それはデュークさんの口癖……」
「いや、アイツは【ですなぁ】だから」

白組の先発はシャロ。
受けるキャッチャーはデューク。
見た目からして危険な香りが漂うバッテリーだ。

「あのう、デュークさん本当にノーサインでいいんですか?」
「ストライクゾーンに入ればと身体を使って止めてでもします」
「ぬぅ、貴様のような小娘が先発とはこの拳王にも先見の明がなかったぞ」
「祐一郎さんのことだ、きっと何か考えがあって送ったんだろう」
「系統も視野にいれているな」
「うぅ〜頑張ります!」

「プレイッ!」

左のバッターボックスにムネリンが入る。
リーディングヒッターとしては定石として置かれ、一番バッターとしての使命を果たすべく打席に入った。

「えいっ」

シャロの女の子投げからボールは力なく投じられた。
山なりのTDNボール……ではなく、超スローボール。
これにムネリンは焦ることなく、しっかりとボールを引きつける。

だが、次の瞬間。
カクン、カクン、カクン……とボールは物理法則を無視した曲がり方を始める。
MEIKOのような鋭い変化ではなく、一度だけではなく二度も三度もグネグネと曲がる球である。

「!?」
「ストライク、バッタッ! アウトッ!!」

これに対して、ムネリンは手が出ず三球三振。
続くシュトロハイムも演算が間に合わず、得意の技術力を生かすことなく三振に終わった。

(なんかズルしてる様な気がしますけど……)
(ばれなきゃイカサマじゃないんですねぁ)

種を明かすと使っているのはシャロのトイズ【念動力】。
重さ1㎏程度なら目に見える範囲内なら自在に動かせるのだ。
その球を抜群の反射神経でデュークはキャッチしている。
デュークはただのパワーオンリーの男ではないのだ。

「『主役にはいいところが回ってくる!!』」

三番のロックマンとクロスフュージョンした熱斗が入る。

「『僕の』」

ブン!(ストライクワン!)

「『いいところを!』」

ブン!!(ストライクツー!!)

「『見ててよね!!! 翔鶴さん!!!』」

ブン!!

「ストライク、バッタッ! アウトッ!! チェンジッ!!」

だが、あえなく三振に終わった。
ゲームは投手戦の模様を醸し出していた。

一回の裏終了 0−0

526野球って大変だからね Part1:2014/03/20(木) 03:12:10 ID:jm2G8LRg0

【二日目・1時00分/日本・香川県】


【超弩級戦艦『死国』】


【MEIKO@VOCALOID】
【状態】健康、首輪解除
【装備】アルティメットアーマー@ロックマンXシリーズ
【道具】支給品一式、ノートパソコン@現実
【思考】
基本:殺し合いに乗った者達を殺す
 1:ラオウ達に協力してもらう
※今までとは別人です。
※『黄金の回転』を習得しました


【琴吹紬@けいおん!】
【状態】精神的にぶっ飛んでる、首輪解除
【装備】超弩級戦艦『死国』、キーボード、現金1兆円ほどが入った特注ジュラルミンケース
【道具】支給品一式、たくあん@現実、その他不明
【思考】
基本:生き残ることを最優先
0:新スターティングメンバーを選考する
1:拳王とやらの配下になる
※今までとは別人に決まってんだろ!!いい加減にしろ!!
※核ミサイルは超弩級戦艦『死国』に改造されました。


【ラオウ@北斗の拳】
【状態】健康、首輪解除
【装備】炭酸水
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】
基本:ダース・ベイダ―たちを倒す
0:主催者チームを全員屠る
1:そして、拳王が新たな時代を作る
2:死兆星から使者の小娘を配下にしたぞ!
3:トキ似の男を配下にしたぞ!
4:強そうな鎧の女を配下にしたぞ!
5:謎の黒猫たちを配下にしたぞ!
6:なんかいろいろ配下にしたぞ!


【平等院鳳凰@新テニスの王子様】
【状態】健康、首輪解除
【装備】テニスラケット、テニスボール×∞、諭吉一枚
【道具】支給品一式、少年ジャンプとヤンジャン、その他不明
【思考】基本:主催者達を滅ぼす
1;マーダーも滅ぼす
2:ラオウたちと行動する
3:テニスがしたいが、野球をする


【プニキ@くまのプ○さんのホームランダービー】
【状態】健康、全ステータスMAX、首輪解除
【装備】木の棒
【道具】支給品一式、最高級ハチミツ、その他不明
【思考】基本:ムギさんからハチミツを貰うために主催者たちを野球で潰す
1;ホームランを打つ


【川崎宗則@現実?】
【状態】健康、首輪解除
【装備】バット、ボール、グラブ
【道具】支給品一式
【思考】基本:イチローを倒してでも、マリナーズに連れ戻す
1:戦力を集める


【クロえもん@ドラベース ドラえもん超野球外伝】
【状態】健康、首輪解除
【装備】バット、ボール、グラブ
【道具】支給品一式 電車ごっこロープ
【思考】基本:主催者たちに野球で挑んで勝つ!
0:矢部君の意志を継ぎ、殺し合いを打破する
1:最低でも四国アイランドリーグが出来るくらいの仲間を集める
2:イチロー選手を仲間に引き入れたい


【殿馬一人@ドカベンシリーズ】
【状態】健康、首輪解除
【装備】バット、ボール、グラブ
【道具】支給品一式、グランドピアノ@現実
【思考】基本:生き残る
1:イチローと合流したい


【デューク渡邊@新テニスの王子様】
【状態】健康、首輪解除
【装備】テニスラケット、テニスボール×∞、キャッチャー用具一式
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】基本:お頭(平等院)たちについていく
1;デュークホームランを打つ

527野球って大変だからね Part1:2014/03/20(木) 03:12:33 ID:jm2G8LRg0

【緑間真太郎@黒子のバスケ】
【状態】冷静、首輪解除
【装備】ハンマーブロスの無限ハンマー@マリオシリーズ
【道具】支給品一式、ホワイトボードとサインペン、ヴァンガードのデッキ
【思考】
0:赤司に勝つ
1:野球をするのだよ
2:今日のラッキーアイテムはヴァンガードのデッキなのだよ

【光熱斗@ロックマンエグゼ】
【状態】健康、首輪解除
【装備】自分のPET(ロックマン入り)
【道具】支給品一式×2、大山デカオ@ロックマンエグゼ、大山デカオ@ロックマンエグゼ2
    デカオ(ロックマンエグゼ3)が作ったおべんとう、チップトレーダー@ロックマンエグゼ、
    大量のガッツマンのチップとバグのかけら、ガンデルソル3(実物)ネオバリアブル(実物)
    大山デカオ@ロックマンエグゼ3(BLACK版)大山デカオ@ロックマンエグゼ5チームオブブルース、
    各種ナビカスタマイザーパーツ、大量の金、シンクロチップ、他不明
【思考】基本:主催者たちにネットバトルを挑んで勝つ!
0:パパがサイボーグになってて驚いたなぁ……
1:プリズムとフォレストボムのチップを探す
2:その為に色んな人にネットバトルを挑む



【ロックマン@ロックマンエグゼ】
状態】HP満タン
【装備】ロックバスター
【道具】なし
【思考】基本;熱斗をサポートする
0:僕に妹が出来たぞォ!
1:主催者たちがネットバトルを受けてくれるか、心配。
※PETの中にいます


【シグナム@リリカルなのはシリーズ】
【状態】健康、自称フリーター、首輪解除
【装備】レヴァンティン
【道具】支給品一式、PET(カーネル入り) 、SPW財団以上の資金とか多数のレアチップ、シンクロチップ
【思考】基本:働かなくて済むように動く
1:熱斗たちについてくる
2:主催者たちは倒す
3:上条(ジョジョ)か……一理ある
※今までとは別人ですが記憶を受け継いでいます
※PSP版の技は使えませんが、念能力が使えます。


【カーネル@ロックマンエグゼ】
【状態】HP満タン
【装備】カーネルのブレード
【道具】なし
【思考】基本;ロワの破壊
1:今は(仕方ないので)シグナムに従う
※PETの中にいます

528野球って大変だからね Part1:2014/03/20(木) 03:18:18 ID:jm2G8LRg0
【上条当麻@とある魔術の禁書目録】
【状態】健康、不幸、首輪解除してもらえた
【装備】PET(シャドーマン入り)
【道具】エスパー伊東@現実、シンクロチップ、他人のデッキ(「ぬばたま」デッキ)
【思考】
基本:


                    いいぜ ヘ(^o^)ヘ
                            |∧
                            /
                主催者たちが
             何でも思い通りに
             出来るってなら
                 /
             (^o^)/
           /( )
          / / >


      (^o^) 三
      (\\ 三
      < \ 三
..\
(/o^)
( / まずは
/く そのふざけた
   幻想(ロワ)をぶち殺す




【シャドーマン@ロックマンエグゼ】
【状態】HP満タン
【装備】ムラマサ
【道具】なし
【思考】基本:上条に従う
1:敵は殺す、慈悲はない
※PETの中にいます


【ディオ・ブランドー@ジョジョの奇妙な冒険】
【状態】疲労、全身にダメージ、首輪解除
【装備】PSP(デューオ入り)
【道具】支給品一式×3、シンクロチップ
【思考】基本:ネットバトルとベースボールを極める
0:主催を倒すのはラオウではない、このディオだッ!
1:ジョースター家を手に入れる
2:ジョジョより優越感を得る
3:熱斗達にネットバトルを挑むのは後回しだ!
4:シンクロチップを手に入れたし、デューオとクロスフュージョンする。


【デューオ@ロックマンエグゼ4】
【状態】HP満タン
【装備】ジャスティスワン、ザ・ワールド
【道具】なし
【思考】基本;とりあえず、ディオを見守る
1:カオスロワでもそれは無理そう。
※PSPの中にいます


【櫂トシキ@カードファイト!! ヴァンガード】
【状態】ヴァンガ脳、首輪解除
【装備】自分のデッキ、やきそば
【道具】支給品一式
【思考】
1:強いファイターと戦う
2:上条達についていく


【シャーロック・シェリンフォード@探偵オペラ ミルキィホームズ】
【状態】謎ミルキィ、首輪解除
【装備】かまぼこ、自分のデッキ(「ロイヤルパラディン」デッキ)
【道具】支給品一式、テニスボール×∞
【思考】
1:櫂に着いて行く

529野球って大変だからね Part1:2014/03/20(木) 03:18:39 ID:jm2G8LRg0

【光祐一郎@ロックマンエグゼ】
【状態】サイボーグ化、首輪解除
【装備】なし
【道具】支給品一式、自作爆弾
【思考】
基本:息子たちをサポートする。
1:主催者について調べる
2:できれば九州ロボを取り戻したい
※九州ロボの制作を提案した人物がいるようです
※カオスロワちゃんねるにより、危険人物扱いのレッテルを貼られました
※砲撃によりノートPCは全壊しました


【ルドル・フォン・シュトロハイム@ジョジョの奇妙な冒険】
【状態】首輪解除
【装備】なし
【道具】支給品一式、不明
【思考】
基本:主催共に一泡吹かせる
1:祐一郎達と行動する
2:雷電は確実に倒す


【野比のび太@ドラえもん】
【状態】健康、首輪解除、怒り、称号『クソレフト』
【装備】バスターガンダム@機動戦士ガンダムSEED、龍星座の紫龍@聖闘士星矢、
【道具】支給品一式、ボーリングの玉@現実、キン肉マンのコミックス全巻@現実
【思考】
基本:生き残る、できる限り祐一郎さんたちを手伝う
0:僕はクソレフトじゃないぞぉ! 
1:ドラえもん……
2:クロえもんってドラえもんにそっくりだな
※ミノフスキー粒子の影響で通信がしづらくなっています
※デュエルガンダムのパイロットが出来杉だと気づいてません
※バスターガンダムにはサテライトシステムが搭載されています。


【ダイアー@ジョジョの奇妙な冒険】
【状態】割と健康、首輪解除
【装備】イカ墨とパスタ@現実
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】基本:主催を倒す
1:ディオとかいう奴も倒す
2:アドラー達と行動する。
※ディオを『吸血鬼ディオ』と思っていません。
※何か見ましたが、別に物語とは関係ありません。


【アドラー@エヌアイン完全世界】
【状態】それなりに健康、首輪解除
【装備】電光機関@エヌアイン完全世界、四次元ポケット(中身入り)@ドラえもん
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】基本:ダイアー達と行動する
0:俺は……アドラー……えもん


【翔鶴@艦これ】
【状態】損傷回復
【装備】彩雲、紫電改二、流星改、 零式艦戦62型
【道具】なし
【思考】
基本:提督(祐一郎)に従う
1:襲い掛かる者たちを殲滅する

530凶悪非童:2014/03/24(月) 20:12:54 ID:Gzz5jYCo0
キュゥべえと黒神めだかは玉子の死を悲しみながらも、三重県に移動していた。
そこで彼女達が出会った男は凶暴を絵に描いたような男、浅倉威だった。
浅倉は仮面ライダー王蛇に変身すると、ミカルゲという不思議な生物と共に突然攻撃を仕掛けてきた。

「よせ!私達が戦わねばならないのはこの殺し合いを仕組んだ者達だろう!」
「うるせぇな……城戸みてぇなことを言いやがる!」

めだかは懸命に説得を試みるも、王蛇は執拗に攻撃を仕掛けてくる。
その一撃一撃は油断すれば命を一瞬で刈り取りかねない物だった。

「”あくのはどう”だ!」
「おんみょ〜ん」

加えてミカルゲの攻撃もある。こちらにも注意を払わねばならない。
王蛇の天性の戦闘センスにより、彼はミカルゲを完全に使いこなしていた。
魔法少女の力を得ためだかであっても苦戦を強いられる相手。
それが仮面ライダー王蛇とミカルゲだった。

(何とか反撃しなければ…だが!!)

『アドベント』

王蛇がベルトから出したカードを杖に挿入すると、突如現れた毒蛇がめだかに向かってくる。
王蛇の契約モンスターのベノスネーカーだ。
こいつの出現によりめだかは更なる苦境へと立たされる事となった。




(う〜ん…これは逃げたほうがいいかな)

その戦闘のさなかキュゥべえは冷静に状況を見ていた。
状況は王蛇達が有利。
めだかは素養は高いものの、ためらいがあるのかその力を使いこなせていない。
そしてついに、キュゥべえの視線の先でめだかがミカルゲの攻撃を喰らってしまう。
何とか立ち上がり戦闘を続けるも、ダメージの為明らかに動きが鈍くなっている。
ここらが切り時だろうか?
めだかの力は惜しいが、女性参加者は彼女だけではない。

(…どうしようかな)

531凶悪非童:2014/03/24(月) 20:24:15 ID:Gzz5jYCo0
【二日目・1時50分/日本・三重県】

【黒神めだか@めだかボックス】
【状態】ダメージ(中)
【装備】箱庭学園の制服(めだか仕様)、ソウルジェム@魔法少女まどか☆マギカ(穢れ無し)
【道具】支給品一式
【思考】
基本:バトルロワイアルを叩き潰す!!
1:浅倉とミカルゲに対処
2:善吉……

【浅倉威@仮面ライダー龍騎】
【状態】健康
【装備】王蛇のデッキ@仮面ライダー龍騎、モンスターボール×5
【道具】支給品一式
【思考】
基本:SATSUGAI
1:めだかをSATSUGAI
2:クラウザーさんが死んでイライラする

【ミカルゲ@ポケットモンスター】
【状態】健康、浅倉にボールごと拾われた
【装備】かなめいし@ポケットモンスター
【道具】支給品一式
【思考】
基本:おんみょ〜ん
1:とりあえず浅倉の指示通りめだかを攻撃
2:ヤバい奴に拾われたっぽい

※ミカルゲは「あくのはどう」が使えます



【キュゥべえ@魔法少女まどか☆マギカ】
【状態】健康、他の個体が全滅
【装備】なし
【道具】支給品一式
【思考】
基本:女性参加者全員を魔法少女にする。
1:黒神めだかを見捨てて逃げる?それとも…
2:必ず鹿目まどかとも契約してみせる。
3:母星と連絡出来るまでは生き残る。

532残念だったな、桜トリックだよ:2014/03/26(水) 16:05:03 ID:XBohXUlg0

高山春香と園田優。
彼女たちは早々に合流し、カオスロワで誰にも真似できないことをしようとしていた。
そして、二日目の夜が過ぎた辺り、ヨハネ・クラウザーI世と名乗るおっさんとものすっごくガタイのいいDMC狂信者に襲われた。

たまたま近くにあった特設リングで戦った。
試合時間も一時間近くは経過していた。そしてそろそろそれも終わりに近づいていた。

「優ちゃん!」
「春香!」

春香はヨハネ・クラウザーI世をキン肉バスターの体制に持ち込んだ。
それと同時にものすっごくガタイのいいDMC狂信者をキン肉ドライバーの体制に持ち込んだ。


「「マッスル・ドッキング〜〜〜〜〜〜〜っ!!!!」」


あーっとキン肉バスターとキン肉ドライバーの夢のドッキングだ――――っ!!
その威力は単体で掛けるキン肉バスターとキン肉ドライバーの二倍……いや、十倍!!

「ま、まさか!!」
「キン肉バスターとキン肉ドライバーのドッキングなんて……」
「こんなことが……!!」
「ただの女子高校生たちが物理的に可能なのか」
「これが桜trickだ……! 彼女たちの場合……威力はマッスル・ブラザーズ、ザ・マシンガンズ以上だ」
「「「「何という冷静で的確な解説なんだ!」」」」

それを見ていた超人血盟軍のみなさんは冷静に筆頭であるアタル兄さんを讃えると共に。
その技を掛けた女子高生二人をさらに強くするために、もっと鍛えることを固く決心した。

【二日目・1時/神奈川県・特設リング】
【高山春香@桜trick】
【状態】ダメージ(大)
【装備】なし
【道具】なし
【思考】
基本:優ちゃんとイチャイチャする
1:なんだろうこの人たち……?

【園田優@桜trick】
【状態】ダメージ(大)
【装備】なし
【道具】なし
【思考】
基本:春香と一緒
1:なんだろうこの人たち……?

【キン肉アタル@キン肉マン】
【状態】健康
【装備】キン肉マンソルジャーのマスク
【道具】不明
【思考】
基本:殺し合いを止める
1:二人を鍛える

【ブロッケンJr.@キン肉マン】
【状態】健康
【装備】ドクロの徽章
【道具】不明
【思考】
基本:アタルに着いていく
1:二人を鍛える

【バッファローマン@キン肉マン】
【状態】1000万パワー
【装備】ロングホーン
【道具】不明
【思考】
基本:アタルに着いていく
1:二人を鍛える

【アシュラマン@キン肉マン】
【状態】健康
【装備】誰かの腕×6本
【道具】不明
【思考】
基本:アタルに着いていく
1:二人を鍛える
2;ところでこの腕は誰の何だ?

【ザ・ニンジャ@キン肉マン】
【状態】健康
【装備】忍者着
【道具】不明
【思考】
基本:アタルに着いていく
1:二人を鍛える

【北原元気@デトロイト・メタル・シティ 死亡確認】
【ものすっごくガタイのいいDMC狂信者 死亡確認】
死因:マッスル・ドッキング

533大魔神軍始動のお知らせ:2014/04/08(火) 19:30:55 ID:WwXHjnJY0
数時間後、マー君(田中将大)と佐々木様たちが必死に選手集めをした結果、とうとう8人目と9人目が揃ったのだった!


チームの紅一点となりえるパワプロ球界からやってきたオテンバ女性選手、橘みずき!
スパロボにおける参戦枠に新たな可能性を開拓したロボット選手、マグナムエース!


(って、また投手だーーーーーッ!? orz)
「これで9人揃ったな! チームとして試合ができるぞ」
「やりましたね佐々木様!」
「いや、本当にいいんですかこれで!?」

結局ピッチャーしか集まらなかったことにショックを受けるマー君だったが、佐々木様とパシリ(斎藤)は特に意に介さず、むしろ野球ができるとご満悦な様子であった。
まあ、何はともあれ彼らはこの激戦区の東京で、無事に選手を集めることができたのである。


9人揃ったところで佐々木様はポジション決めを始め出した。

「それじゃあ全員よく聞け、オレ様が監督兼ピッチャーをやろう、異論はないな?」

だが、その言葉にマー君とパシリの斎藤以外が難色を示した。

「あん?(怒)」
「おいおい、冗談だろ?」
「なんだオレ様が監督をやることがそんなに不服か?」
「違ぇよ! なんでアンタがピッチャーなんだよ!」
「なんだと! 大魔神と言われた俺以外投手を務められるわけないだろ!?」
「「「「「「はあッ!?」」」」」」

今まで佐々木様に協力的な姿勢だった選手たちが一斉に反抗的な態度を示しだした。

「まてまて、イナズマや超遅球を投げられるおれのほうがピッチャーに向いているハズだ!」
「俺はロボットだ、人間と違って故障は修理すれば直る上に、44のような人間には投げられない球も投げられるぞ」
「いいや、キレのあるジャイロボールを投げられる俺のほうが適任だね! だいたいおまえを修理する時間が勿体無い」
「目にゴミが入る奴は黙りなさいよ! 変化球なら私の右に出るやつはいないわ」
「それなら俺のムービングファストボールでも似たようなことができるぞ!」
「おまえはバントをやってろ、俺は相手の選手を呪い殺せるぞ」
「ふざけるな! 監督はまだしも投手はこのオレ様以外にありえない!」
「いいや、投手にふさわしいのは「おれだ!」「俺しかいない」「俺さ!」「私しか考えられない!」「俺に決まっている!」「俺だけだ!」

――ギャーギャーギャーギャー


「あわわわわ、これはまずいことになったぞ……」


ピッチャーのポジションを巡って乱闘寸前になりつつあるチームにマー君は頭を抱えだす。
皆が皆、野球をやりたいのと同時に本来のポジションであり誇りであるピッチャーをやりたくてチームに入ったのだ。
そして、そんな連中ばかりが集まった結果、ピッチャーのポジション一つで喧嘩に発展してしまった。
誰も頑なにピッチャーのポジションを譲ろうとしないため、チームの輪に大きな亀裂が入りだしている。
このまま放置するとせっかく集めた野球チームは本格的に始動する前に解散、危険な殺し合いの中から再び選手の集めなおしに戻る。

(このままじゃ危ないぞ、どうすれば……)

マー君自身も目の前のポジション争いには入ってないものの本心ではピッチャーをやりたいと思っている。
他の選手の気持ちも十分にわかるのだ。
だが、それ以上になんとしても野球をやりたいところである。
投手ばかりとはいえ面子も豪華ではあるし、彼らと同じチームで戦える機会も滅多にないだろう。
チームを解散させるには勿体無いと考えたマー君はここで行動に出ることにした。

「皆さん! 争いはやめてください!」
「どうする田中、パシリ以外ピッチャーを譲る気はないようだし、俺は譲りたくないぞ!」
「そうですね、ですからコレで決めましょう」

マー君が取り出したのは9本のくじが入った筒であった。

534大魔神軍始動のお知らせ:2014/04/08(火) 19:33:44 ID:WwXHjnJY0

「おいまさか、そのくじ引きで決めろというのか?」
「何言ってんだコラ! 運任せのくじ引きのどこが公平だ!」
「付き合ってられん」

マー君の提案に誰もがブーイングを出したが、彼は続けて言った。

「落ち着いて僕の話を聞いてください。
これで決めるのは誰がこのチームで誰がピッチャーをやるかじゃなくて、一イニングごとにピッチャーを交代する順番です!」
「つまり?」
「野球の試合は基本的に9回まで、僕らは9人、くじで順番を決めてしまえば全員が一回ごとにピッチャーをできるので公平になります」

ちなみに9回も投手を交代させるのは本来の野球の試合では前代未聞だが、『カオスロワ式』野球なら何の問題もない。

「そんなことしなくても実力勝負で一番上手い奴が投手をやればいい話じゃないか?」
「佐々木様、それだとピッチャーになれなかった人は不満に思うだろうし、そうなるとチームワークにヒビが入ります。
それにせっかく集まったピッチャーばかりのチームの強みも殺してしまうと思います」
「このチームの強み?」
「一口にピッチャーと言っても得意分野が違います。
佐々木様は200キロの球速を簡単に出せる強肩、不知火さんはイナズマやハエが止まる魔球を出せるし、直線ならジャイロボールの茂野さんがモノを言う、パワーなら全身機械のマグナムエース、同じ変化球の使い手でも『打たせない』沢村君と『打たせて捕る』橘さんじゃタイプが違う、あとは……クワタさんの呪い攻撃も捨てがたいですね」
(あれ? ぼくは?)

一人だけ説明をハブられたパシリの斎藤の視線を他所に、マー君は熱く語る。

「こんな個性に溢れた面子が一堂に会したのに、その中から1人だけに投手を任せるのは他の8人の個性や戦術を使わないのは宝の持ち腐れじゃないですか。
全員の力を結集させればイチローさん以上にどんな球でも投げられるチームになると思うんです。
ピッチャーがコロコロ変われば相手チームのバッターを振り回すことだってできる!
優勝したいのならチームの特色を生かさない手はないでしょう!」
「なるほど、一理あるな。
できればオレ様が全試合通して投手で活躍したかったが、おまえの提案も面白そうだ。
いいだろう、おまえの提案に乗ってやろう」

佐々木様や他の選手たちも納得したようだ。
マー君は自分の提案を受け入れられ、選手間の諍いを沈め、何より自分も投手として活躍できる機会が生まれたことにホッと胸をなで下ろした。
こうしてこのピッチャーオールスターチームは、試合前にくじでピッチャーをやる順番を決めることでまとまったのである。

「いよいよもってチーム『大魔神軍』の始動だな!」
「佐々木様の異名から取っただけに強そうな名前ですね!」
(大がついている分、大正義巨人軍と被っているのは黙っておこう……)

チーム名は佐々木様によって大魔神軍と付けられた。
パシリが称賛し、マー君以下の選手もよっぽど変なチーム名でない限り突っかかる必要は無いと見て異議を唱える者はいなかった。
チーム名より大事なのは野球の試合ができること、この事実のみである。

「さてと、チームが出来上がったことだし、さっそく試合と行くぞ!」
「え? 佐々木様、どこと戦うんですか?」

マー君の質問に佐々木様が笑顔で答える。

「決まってんだろ、初戦の相手はイチローチームだ」
「いきなり強豪のイチローさんたちと戦うんですか!?」
「当たり前だ。 このチームは今、誰ひとり怪我も疲労もないベストコンディションだぞ。
最良の状態で最強の敵にぶち当たればこれ以上なく楽しい試合ができる」
「それもそうですけど、イチローチームはウルトラマンに乗って既に他県に移動してるハズ、近くには聖帝軍やドラゴンズっていうチームもいますけど、そのチームとは戦わないんですか?」
「ふんッ、そいつらの事は俺様もついさっき知ったが、オシリスのホニャララとかいうトカゲと額に小豆くっつけたヘタレ臭いサンダーだかシャウザーだかの画像を見たが……あれは野球を舐めてるとしか思えない顔立ちだった。
きっと俺たちのように選手として気高いプライドや碌な目的も持ち合わせずに野球チームを作ったに違いない、おまえはそんな奴らと肩慣らし程度でも戦いたいか?」
「う〜ん、僕もあの2チームとはイマイチ良い感情を持っていないのは佐々木様と同意見です……」
「だろ? ドラゴンズと聖帝軍は後回しだ。 そいつらといずれ戦うにしろ消化試合のノリでいい、みんなもそうだろ?」

535大魔神軍始動のお知らせ:2014/04/08(火) 19:34:59 ID:WwXHjnJY0

佐々木様以外の大魔神軍の面子全員が静かに頷いた。
聖帝軍もドラゴンズもスペック的な意味では弱くないのだが、モテたいとか比較的安全に日本を支配しようなど芯にある下心を大魔神軍は見抜いていた。
大魔神軍にとって野球自体が崇高な目的であるのに対し、野望の手段程度にしか野球を考えていない下賎な連中とは本気を出して戦う気になれないのだ。

「拳王軍ならイチローチーム並に楽しめそうだが、流石に東京と四国じゃ距離が離れすぎているし、こいつらとの試合はイチローチームの後になりそうだな。
……となると現状で大魔神軍の対戦チームに相応しいのはイチローチームのみとなるわけだ。
それに……メインディッシュは冷める前に喰いたい、最高の相手は手の届く内に戦いたい、おまえもそうだろ?」
「それは、もちろんです!」

マー君は今までの佐々木様の発言の中でも最も強く同意した。
イチローチームは諸事情で他県へと移動したが今のうちならそう遠くはない隣県にいるはずだ。
今から追えば対戦もできるまたとない好機である。
逆に見逃せば二度と対戦できなくなる恐れがある。
何より野球がしたい欲求を満たすにはドラゴンズや聖帝軍では不足と見て、手の中の疼きを満たすのは先の対戦で大正義巨人軍を下したイチローチームしかないとマー君は思えたからだ。
そんなマー君の様子を見て佐々木様は青筋混じりに大声でチームに伝える。

「よし、決まりだな。 対戦相手はイチローチームに決定だ! 気張っていくぞ!!」
「「「「「「「「オオーーーーッ!!」」」」」」」」

号令に全員が腕を振り上げる。
もうすぐ試合ができるということによって士気は皆十二分だ。
そこへパシリが佐々木様へ告げた。

「佐々木様、カオスロワちゃんねるでイチローチームの居場所を特定できました」
「でかしたぞタカシ!
さっそくバスを出してイチローたちのいるところまで俺たちを乗せていけ!
ここに来て万が一、交通事故やマーダーに襲われてチーム全員ズガンとか下らないことやらかしたら承知しねぇぞ!」
「はい、もちろんです」

斎藤が支給品のホイポイカプセルでバスを出し、斎藤を運転手に他の選手たちが乗車していく。
そして大魔神軍は東京を出発した。
バスの中でマー君はグローブを握り締めて考える。

(イチローさん、待っててください。
大災害でアメリカが無くなってメジャーリーグでの対戦はできなくなったけど、その変わりにこのカオスロワで正々堂々勝負しましょう。
若手投手の力、見せてあげます!)

大魔神軍を載せたバスは東京とイチローたちがいる他県との県境に入った。
時刻は三時半を過ぎているのでイチローチームとの対戦は最低でも次の放送後だろうが、その頃にはイチローの疲労もあらかた取れていると思われる。
すなわち、両チームが試合をできれば、お互いに全力でぶつかりあえるだろう。



【二日目・3時30分/東京の県境】

【大魔神軍】
※試合を申し込むためにイチローチームを追っています。
※一試合前にくじをすることでピッチャーをやる順番を決めることになりました。


【田中将大@プロ野球】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】
基本:大魔神軍の優勝
0:イチローさんに勝つぞ!
1:野球がしたい
2:このチームで大丈夫かな……


【佐々木主浩様@ササキ様に願いを】
【状態】健康、監督兼選手
【装備】なし
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】
基本:大魔神軍の優勝
1:手始めにイチローチームから倒す
2:後に関西方面へ向かった拳王軍も倒す
3:野球を舐めてそうなドラゴンズと聖帝軍は後回し


【斎藤隆@ササキ様に願いを】
【状態】健康
【装備】バス@現実
【道具】支給品一式
【思考】
基本:大魔神軍の優勝
1:佐々木に従う

536大魔神軍始動のお知らせ:2014/04/08(火) 19:35:48 ID:WwXHjnJY0


【不知火守@ドカベンドリームトーナメント編】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】
基本:大魔神軍の優勝
1:佐々木に協力する


【茂野吾郎@MAJOR】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】
基本:大魔神軍の優勝
1:佐々木に協力する


【クワタ@かっとばせ!キヨハラくん】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】
基本:大魔神軍の優勝
1:佐々木に協力する


【沢村栄純@ダイヤのA】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】
基本:大魔神軍の優勝
1:佐々木に協力する
2:アニメも見てくれると嬉しい


【橘みずき@パワプロシリーズ】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】
基本:大魔神軍の優勝
1:佐々木に協力する


【マグナムエース@疾風!アイアンリーガー】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】
基本:大魔神軍の優勝
1:佐々木に協力して活躍しもう一度スパロボ参戦する

537生き残くためにも…!:2014/04/09(水) 00:21:55 ID:rOPOida.0

「こ、ここが横浜スタジアムか……」

 危険地帯・東京都を抜け出し、ベジータがやってきたのは横浜DeNAベイスターズの本拠地横浜スタジアム。
 ここならば、野球道具は揃うと信じてここにやってきたのだ。(明治神宮野球場は都庁が近いからスルーした)
 とりあえず、スタジアム内に踏み込むベジータ。

「桜色パワープラス!」
「桜色パワーマイナス!」
「「桜色クロス・ボンバー!!」」
「なっ!?」

 と、同時に前と後ろから同時に桃色に光る腕のラリアットを食らった。
 それは女子高校生の力とはとても思えないほどの威力だった。
 それを食らったベジータは顔面が外れそうになったが、寸での所で耐えた。
 だが、ベジータの身体は凄まじいまでの大ダメージを受けて、ボロボロだ。

「ねぇこの人誰? アシュラマンさんでもソルジャー隊長でもないよ!?」
「優ちゃんの知りあい?」
「違うよー」
「カーッカッカッカ! 甘いぞ二人とも!」
「むっ、この男は……」
「ゲエェ〜〜ッ! クロス・ボンバーを誤爆しちゃった!」

 ここでようやく本来の特訓(スパーリング)相手であったアタル兄さんとアシュラマンが出てきた。
 というわけで、超人血盟軍と女子高校生二人も横浜スタジアムに来ていた。
 もちろん、身体を鍛えるためである(彼らはプロの野球場ならトレーニング機材は沢山あると踏んだのである)
 
「皆少し、放れててくれないか?」
「?」

 アタル兄さんは仲間たちから少し距離をおく。
 そして、ベジータを抱きかかえ、徐に自身のマスクを捲りあげた。

「フェイス・フラッシュ!」

 アタル兄さんのマスクの下から眩い光が放たれた。
 すると、その光を浴びたベジータの傷が徐々に治っていった。
 
「貴様ら! 今一体何をしたッ!」

 全快したベジータは再び立ち上がったのであった。
 そして、ベジータはアタル兄さんにすぐに飛びかかろうとした。 

「「ごめんなさい!!」」

 だが、その寸前だった。
 先程、クロス・ボンバーを誤爆した女子高校生二人が頭を下げた。
 誤解を解くのは謝罪が一番。
 
「……ふん、まあいいだろう」

 昔のベジータなら、すぐに殺していただろう。
 だが、今のベジータは違う。
 少なくとも、地球暮らしが長くなり、カオスロワ補正もあり、性格が丸くなったんだろう。

 そして、彼らは情報交換を始めた。

「ツイッターの情報によると九州ロボのコクピットは福岡ドーム……つまり、ここと同じ野球場らしい(ソースはガチのツイッター)」
「そうか!」
「どうした、ソルジャー!」
「つまり、野球の決戦はこの福岡ドームでするということだ!」
「だが、ソルジャー……福岡ドームは恐らく最も厳重な警備なはずだ! なんて言ったって九州ロボなんだぞ!」
「…………私にいい考えがある!」

 アタル兄さんは自分の上着を破き、近くにあった白いペンキの缶に突っ込んだ。
 そして、そのペンキが塗り立ての上着を羽織った。
 すると、どうであろうか!

「な、なんだ。あれはホークスのユニフォームじゃないか!!」
「ソルジャー隊長、そんな格好してどうしようっていうんだ!?」
「そうか!!」

 ブロッケンJr.はあることに気づいた。

「他の者なら福岡ドームの警備員を刺激するかもしれんが、ホームチームであるホークスの選手なら警備員も気を許してしまう!!」
「「「「「「「なんという冷静で的確な判断力なんだ!!(AA略)」」」」」」」

 とりあえず、みんなで上着を脱いでペンキを塗り、ユニフォームを作った。
 ペンキを塗っただけなのに何故ユニフォームに出来たのか春香と優は疑問に思ったが、気にしないことにした。
 だが、ほぼ半裸のバッファローマンとアシュラマンと自身の忍者着に誇りを持つニンジャはやらなかった。
 こうして、また新たなる野球チームが結成した。
 
「でも、八人しかいないよ、野球って九人でやるんじゃないの?」
「なぁに、七人の悪魔超人も『八人いたり』、『次の話でメンバーが入れ替わってたり』したから大丈夫だ、きっと」
「それなら問題ない……のかな?」

 が、人数が足りなかった。
 でも、アタル兄さんの『冷静で的確な判断力』と彼らの『ゆで理論』があればきっと大丈夫でしょう。
 
 そして、彼らは一先ず野球の練習を始めたのであった。

538生き抜くためにも…!:2014/04/09(水) 00:22:41 ID:rOPOida.0
【二日目・2時00分/神奈川県・横浜スタジアム】
【ベジータ@ドラゴンボール】
【状態】健康、へたれ、金髪恐怖症
【装備】野球のユニフォーム
【道具】支給品一式、ノートパソコン
【思考】基本:死にたくないので野球をする
0:まずは野球を覚える
1:ナッパとイチローを探して保護してもらう
2:絶対に都庁には近寄りたくない
3:多分ピッチャー向きだと思う
4:移動しつつツイッターはやる
※瀕死状態から回復したので少し戦闘力が上がったかもしれません。

【高山春香@桜Trick】
【状態】健康
【装備】野球のユニフォーム
【道具】なし
【思考】
基本:優ちゃんとイチャイチャする
1:超人血盟軍についていく
2:野球……?

【園田優@桜Trick】
【状態】健康
【装備】野球のユニフォーム
【道具】なし
【思考】
基本:春香と一緒
1:超人血盟軍についていく
2:野球よりもバレーボールがしたい

【キン肉アタル@キン肉マン】
【状態】健康
【装備】キン肉マンソルジャーのマスク、野球のユニフォーム
【道具】不明
【思考】
基本:殺し合いを止める
0:野球チーム(超人血盟軍)を率いる。
1:二人を鍛える
2:ついでにベジータも鍛える

【ブロッケンJr.@キン肉マン】
【状態】健康
【装備】ドクロの徽章、野球のユニフォーム
【道具】不明
【思考】
基本:アタルに着いていく
1:二人を鍛える

【バッファローマン@キン肉マン】
【状態】1000万パワー
【装備】ロングホーンで出来たバット
【道具】不明
【思考】
基本:アタルに着いていく
1:二人を鍛える

【アシュラマン@キン肉マン】
【状態】健康
【装備】誰かの腕×6本にミットが5つ
【道具】不明
【思考】
基本:アタルに着いていく
1:二人を鍛える
2;ところでこの腕は誰の何だ?

【ザ・ニンジャ@キン肉マン】
【状態】健康
【装備】忍者着
【道具】不明
【思考】
基本:アタルに着いていく
1:二人を鍛える

539傲慢なる偽神、動く:2014/04/20(日) 23:50:01 ID:zIxsRzYc0
 魔物。
 一口にそう言っても、実際のところは非常に種類が多い。
 それぞれの種が、多種多様な生活をしている。
 外見や性格だって、みんながみんな違っている。
 このカオスロワの会場を見わたせば、それが理解できるであろう。

 たとえば、グンマー・都庁の軍勢の魔物。
 彼らは自然と共に生活することを好み、外見は一般的な動物が進化、巨大化したような者が多い。
 自然を壊す人間は憎むが、逆に自然を大切にする人間とは友好関係を築いている。

 たとえば、DMC狂信者の魔物。
 彼らは少々頭がよろしくないというか、残念と言うか、もう狂っている。
 しかしながら、一人のメタルモンスターが生み出す歌で繋がれた縁は、種族の枠を超えて非常に強大だ。

 たとえば、チーム・ドラゴンズの魔物。
 彼らは非常に社交的な性格であり、人間の文化もどんどん取り入れて独自のコミュニティを形成している。
 その影響か完璧に人語を操り、下手な人間よりも人間らしい。そして人間と同じように欲望に忠実だ。

 たとえば、今は亡き不思議のダンジョンの魔物。
 彼らは何故かいつもダンジョンをぐるぐると回り続ける。何者かに操られたように。
 だが一歩一歩がダンジョニストとの駆け引きであるスリリングな生活を彼らは気に入り、挑戦者を待ち受ける。

 たとえば、ポケモンやスライム。
 彼らはボールや馬車に入り、主人と定めた人間の命令に従い行動する。
 中には勝手に行動したり、反逆するものもいるが、基本的には人間と良好な関係といえるだろう。

 他にもまだまだ色々な魔物が存在するが、これらの例を見て何か気づかないだろうか?
 そう、どの魔物も程度に差はあるが人間と関係があるのだ。
 ある時は友、ある時は崇拝する存在、ある時は性欲の対象、ある時は好敵手、ある時は仕えるべき存在。
 人間を殺してきた魔物も数多く存在するが、彼らは決して、人間という種族そのものをこの世から消そうとまでは考えていない。

 だがほとんどの人間は、そんな魔物達の違いが理解できない。
 自分達と違う姿、大抵の場合は巨大であったり爪や牙が鋭いというだけで、魔物だと認識し、逃げ惑う。
 武器を持っていれば、自分の身を守るために斬ったり撃ったりするのだろう。
 その魔物は、本当に危険な存在だったのか。敵意はあったのか。
 そんなものは知ったことではない。魔物は悪であり、倒すべき存在。
 それがこの世界の人間の大多数が抱く感情である。
 力なきモブは魔物に怯え、力ある名有りは魔物や危険人物を倒そうと奮闘する。

 さて、長々と魔物について語ってきたが、ここで一つ思い出してもらいたい。
 
 からくりドームの死闘を生き延びたイチローチームは、空から東京都の惨状を目の当たりにした。
 今期のカオスロワちゃんねるは利用者が多く、参加者の情報収集や誤解に一役買っており、東京都の惨状もリアルタイム更新だ。
 東京都はかつてないほど濃密混沌空間であり、放送で名前を呼ばれない名無しの死体はいくつあるだろう。
 一度戦闘が起きれば、東京都の建築物は大抵被害に遭い、倒壊し、地獄絵図に拍車をかける。
 それらの原因は『マーダー』と『狂信者』と『魔物』とされているが……
 
 違和感に気がつかないだろうか?

 都庁の軍勢は専守防衛の戦略を基本とし、樹木が拡がった都庁周辺のみを行動範囲としている。
 新たな指導者である魔王の言葉を受け、魔物達は統率もとれている。単独行動する者はまずいないだろう。
 DMCの魔物は、そもそも人間と比べた場合はやはり人数が少ない。そしてその魔物は現在、都庁に潜伏中である。
 圧倒的な力と残虐性を持つ冥竜は負傷により未だ東京都へは辿りつけていないため、東京都での虐殺は不可能。
 チーム・ドラゴンズ。彼らは野球による世界救済とそれにより手に入る名声などを目的としている。
 東京都の一般参加者を根こそぎ焼き払うだけの力を持ってはいるが、それを実行するメリットはどこにもない。
 不思議のダンジョンは崩落済み、ポケモンはそれなりの数が死亡して数が減っている、スライムは対主催思考。
 そう……東京都を闊歩し、参加者を殺しまわれる魔物は、彼らの中にはいないのである。

540傲慢なる偽神、動く:2014/04/20(日) 23:50:37 ID:zIxsRzYc0
 だが、魔物が東京都の地獄絵図に一役買っているのは紛れもない事実。
 その理由は――これまで挙げた魔物達とはまた違う、別の軍勢が存在していたためである。
 カオスロワちゃんねるの情報網を欺き、目立つことなく参加者を殺していた凶悪な魔物の軍勢が。


「……」

 それに貢献していたのはこのサングラスをかけた男――平山幸雄である。
 彼は天魔王オルゴ・デミーラに拾われ一命を取り留めた後、生き延びるために天魔王へと忠誠を誓っていた。
 とはいえ、文字通り魔物が犇きあうカオスロワにおいて平山の戦闘能力など塵芥に等しい。
 そこで天魔王が彼に命じたのは、情報の収集及び操作であった。
 
 ヘルクラウダーを始めすぐにかつての配下達と合流していた天魔王は、すぐさま参加者狩りを命じていた。
 価値のない人間を排除し支給品を奪い、価値のある参加者や魔物をこちら側に引き入れるためである。
 勿論、凶悪な魔物がそんな真似をしていれば、いつかは正義感の強い参加者……特に警察組辺りに目をつけられた筈だ。
 しかしそんなことはなく、今の今までほとんどの参加者に気づかれることもなく目的は遂行されていた。
 その理由が、平山が行った情報操作である。
 この度のカオスロワにおいて、非常に重要な情報共有掲示板であるカオスロワちゃんねる。
 彼は手始めにそこに、こう書いたのだ。
「都庁の魔物が各地で暴れて参加者が次々に犠牲になっている」と。
 都庁の魔物と天魔王の配下の魔物――魔族――はかなりタイプが違うため、すぐに嘘であるとばれそうだが……
 先に言った通り、普通の参加者に魔物と魔族の区別などつくわけがない。
 元々都庁を乗っ取り世界樹へと変貌させ目立っていた都庁軍勢はこの書き込みにより、完全に凶悪な集団と認識された。
 あとは簡単である。平山の嘘の情報を信じ、魔物討伐に参加者が都庁に向かえば……世界樹防衛を基本とする彼らは必ず迎撃する。
 その光景を別の参加者が目撃すれば、嘘の情報すら本当のものになる。
 その後もどれだけ天魔王軍勢が暴れようとも、既に巨悪と認識された都庁軍勢の仕業ということにしてしまえる。
 自分達が狙われることはなく、同時に敵対勢力である都庁軍勢を包囲させてその戦力をじりじりと減らせられる……一石二鳥の作戦だ。

 麻雀牌の位置を瞬時に全て覚える、いわゆる瞬間記憶能力に優れた平山はずっと国会議事堂のパソコンの前に座っていた。
 複数のウインドウを開き、同時に複数の掲示板を確認、情報収集と操作をまとめてこなしてみせた彼の功績は大きいだろう。

「だが……そろそろ限界……ッ!」

 だが彼の言う通り、情報収集はともかく操作の方は限界であった。
 誤算は、都庁の魔物に味方する金髪の人間と、それに恐怖したと思われる者の執拗な書き込みである。
 金髪の人間の戦闘能力は都庁を統べていた魔物すら軽く凌駕し、参加者の誰もが都庁に近寄ることを止めてしまったのだ。
 定期的に「勝てるわけがない……」「みんな殺される……」という書き込みがあり、それがまた拍車をかけた。
 さらにそれだけ強い番人も、都庁の入り口付近から自ら動くことはないため、むしろ都庁は近寄らなければ安全と言う認識まで広まった。
 いくら平山が情報操作を行えども、それよりも遥かに多い人数が実際に都庁の現状を見ているのだ。
 そこから、都庁の魔物が実際には防衛が基本思考であると気づかれるのも最早時間の問題だ。

 これ以上、都庁の魔物の名を語り暴れまわることも、都庁軍勢に参加者をぶつけて戦力を削ぐことも難しい。
 どうやら現在の都庁のトップも魔王であるというし、都庁軍勢との戦いはおそらく双方、魔王の軍勢同士の真っ向勝負になるだろう。
 オカマ口調であり、やたら胸をはだけて香水と口紅を愛用する天魔王だが、その強さは折り紙つきである。
 元々その時に備えて、参加者から支給品を奪い戦力を確保しているのだから、負ける気はしない。

「……落ち着け、都庁は勝てる相手だ。あのドラゴンだって、デミーラ様にかかれば一捻りに違いない。これ以上、無理に操作して怪しまれるのは愚策。
 こっちは情報の収集だけに集中して……本当に問題なのは……こいつら……ッ!」

 頭を抱えながら、平山は別の掲示板……DMC狂信者達が主に使用している掲示板を確認する。
 基本はカオスロワちゃんねると同じだが、書き込まれる内容は全く異なる。
 誰を生贄に捧げられたか、レイ○できたか……敬愛するクラウザーさん復活のためのSATUGAI報告板状態なのだ。

541傲慢なる偽神、動く:2014/04/20(日) 23:51:11 ID:zIxsRzYc0
〜〜その頃・東京都某所〜〜

「SATUGAI、SATUGAI、またSATUGAIデス!」
「オラオラ、お前の首も捻り切ったろうか!」
「いけませんねえ……こんなに生贄が湧き出てくると、蜂の巣にせずにはいられませんよ!」
「これが俺のドリブル技、ゴー・トゥ・ヘルだあああああぁぁぁぁぁぁ!」
「クラウザーさんへの生贄のくせに生き延びやがってよぉぉぉ! 何がク○ニだよレ○プすんぞオラァァァ!」

【バリクナジャ@DS版DQ7】【グラコス@DS版DQ7】【ボトク@DS版DQ7】【セト@DS版DQ7】全員クラウザーさんへの生贄としてSATUGAIされて死亡

「いやー助かったデスよ右京さん達。こっちの兵隊は全員殺られるし、流石に都庁の魔物は強敵が多いみたいデスね……」
「そのようですねぇ。しかしここで貴女と合流できたのは幸いでした。これでさらにSATSUGAIしやすくなるというもの。
 嫌らしい僕の上司に非情なるギターをぶちかまし、クラシック以上に素晴らしいメタルの世界を教えてくれたクラウザーさんのためにも……」
「もっともっとみんなでSATSUGAI、しようぜ! 待っててくれよ、クラウザーさん!」
「どいつもこいつもクラウザーさんのために○イプされろよオラアアァァァ! そして私は蘇ったクラウザーさんにレイ○されるんだヨッシャァァァァ!」
(……やっぱこいつら、狂っとるな)

【DMC狂信者】
【暁切歌@戦姫絶唱シンフォギアG】
【状態】小ダメージ、小疲労、変身中
【装備】シンフォギア「イガリマ」
【道具】支給品一式
【思考】基本:SATSUGAI
1:東京中を練り歩いて生贄を見つけ次第SATSUGAIしまくるデス
2:他の信者とも合流しておく
3:調やマリアに会えたら説得してこちら側に引き込む

【松本人志@現実】
【状態】小ダメージ、小疲労、DCS状態
【装備】浜田雅功人形
【道具】支給品一式、メトロン星人人形
【思考】基本:浜田の蘇生
1:DMC狂信者に手を貸し、隙あらばクラウザーの蘇生手段を奪って浜田を生き返らせる
2:浜田を生き返せないようなら一人でも多くの参加者をあの世に送る

【杉下右京@相棒】
【状態】健康
【装備】ガトリングガン、ショットガン、スマホ
【道具】支給品一式
【思考】基本:SATSUGAI
1:切歌と共に行動し、参加者をSATSUGAIしていく

【円堂守@イナズマイレブン】
【状態】健康、ゴー・トゥ・ヘル習得
【装備】イナイレ仕様サッカーボール
【道具】支給品一式
【思考】基本:SATSUGAI、しようぜ!
1:切歌と共に行動し、参加者をSATSUGAIしていく

【河名コトミ@エデンの檻】
【状態】全裸
【装備】グラコスの槍
【道具】支給品一式
【思考】基本:参加者をレイ○したうえでSATSUGAIする
1:切歌と共に行動し、参加者をSATSUGAIしていく

〜〜〜〜

542傲慢なる偽神、動く:2014/04/20(日) 23:52:09 ID:zIxsRzYc0
「また殺害報告が……くそっ、やはりあっちの魔物部隊も殺されたか……っ!」

 更新された掲示板を見るやいなや、平山は思わず机を叩いた。
 書き込まれた参加者の特徴はどう見ても天魔王が送り出した配下の者達であり、しかも名有りの上級魔族である。
 これはかなり手痛い損失と言えた。都庁やDMC、そして主催者を殺すための貴重な戦力だったのだが……

「どうやら、旗色が悪いようねぇ……」
「デ、デミーラ様!?」

 そんな時、平山に背後から声がかけられる。
 それこそ天魔王オルゴ・デミーラその人であった。
 彼は大量の部下を失い続けているというのに、余裕の表情を崩さない。

「でも別に問題はないわ。あのコ達は既に十分な数の参加者を殺し、道具を集めてくれたのだから」
「し、しかし現状、壊滅的な損害……っ! 作戦の続行も厳しいものと思われますが……」
「オーホッホッホッ! 人間なぞ、一部を除けば神が創りし無能なデク人形なのよぉ?
 この天地を統べる私の敵じゃないわ。こうして、我が手に闇のルビーも戻ってきたことだしねぇ……」

 そう言う天魔王の手には、暗い色をしたルビーが二つ握られていた。
 強力な闇の力を宿した、天魔王の力をさらに引き上げる宝珠だが、これも配下達が参加者から奪ったものである。

「それにそろそろここに潜んで暗躍するのも限界のようよ?
 どうやったのかはわからないけどDMC信者の上層部には、ヘルクラウダーだけじゃなくて私の存在もばれているみたいだから。
 あともう少ししたらミケが例のものを完成させて持ち帰ってくるだろうから、そうしたら……」

「……ただいま、戻りました」

「あらぁ、本当にいいタイミングね。やっぱり美しい男達は仕事も美しいわぁ!」

 床に膝をつき、平山とは別の人間が天魔王に頭を下げる。
 かつては人類の尊厳のために戦っていた戦士であるミケも、この死臭溢れる世界では生に縋らずにはいられなかったのである。
 彼の手には、奇妙な石版が二枚あった。

「さきほどすれ違った参加者で、おそらくこの2枚の石版の価値は最大になったものかと……。
 それと、配下のデスマシーンと思われる参加者も発見したのですが……」
「ああ、マシンマスターが作った殺戮マシンね。でも正直、今頃デスマシーンじゃ……あら?」

「ウイーン、ウイーン……」

「……それデスマシーンはデスマシーンでも別のデスマシーンじゃない!? でもむしろ褒めてあげるわ! そっちの方が強いもの!」
「ありがとうございます!」
「折角だから緑のペンキで後で塗装しておいて。そしてこの二枚の石版から……出てきなさい、私の最強の部下達よ!」

 二枚の石版が天魔王に手渡され、それに魔力が込められた瞬間。

「グゴゴゴゴゴ……!」
「ピピッ、アルジ、オルゴ・デミーラヲニンシキ。ゴメイレイヲ」

 巨大な怪物兵器、エビルエスタークとキラーマジンガが姿を現した。
 これで連れて来れれたデスマシーンとあわせて、三体もの極悪なマシンモンスターが揃ったことになる。

「醜いDMC信者に都庁の魔王よ、知りなさい? 真に美しい者は大軍を連れることはしない。少数精鋭こそが、美なのよ!
 さあ、あなた達も準備なさい? もう遊びの時間はおしまい……都庁もDMCも、そして主催者のダースベイダー達も……
 全員骸にして、私の名前を刻みこんであげるわぁ! オーホッホッホッホッ!」

 深夜の国会議事堂に、魔王の笑い声はしばらく響き続ける。
 それは、東京都がさらなる混沌とした地獄と化する合図でもあった。

543傲慢なる偽神、動く:2014/04/20(日) 23:52:39 ID:zIxsRzYc0
【二日目・2時45分/東京都・国会議事堂】
【天魔王軍】※議事堂外の配下の生存率は不明
【オルゴ・デミーラ@ドラクエ7】
【状態】健康、美しい人間形態
【装備】不明
【道具】支給品一式、香水、口紅、闇のルビー
【思考】
基本:主催者を美しく皆殺しにして自分が支配者となる
0:どこから向かおうかしら……?
1:都庁、DMC、主催者その他、邪魔な勢力を一掃する
2:首輪も処理できれば処理しておきたい
3:部下にふさわしい参加者がいれば、新しい魔王軍として美しくスカウトする
4:日本以外を潰した首謀者がいるなら、そいつも美しく殺す
5:できれば醜い本気形態にはなりたくない
※美の感じ方は人それぞれです
※平山より、主催者が九州ロボにいる情報を手に入れました

【ミケ・ザカリアス@進撃の巨人】
【状態】健康
【装備】立体機動装置一式
【道具】支給品一式、大量の不明支給品、緑色のペンキ
【思考】
基本:死にたくないのでオルゴ・デミーラに従う
1:デスマシーンを緑色にしておく

【平山幸雄@アカギ〜闇に降り立った天才〜】
【状態】健康
【装備】サングラス、雀稗
【道具】支給品一式、大量の不明支給品
【思考】
基本:死にたくないのでオルゴ・デミーラに従う
1:戦闘は無理なので、後方支援に徹する
2:参加者から奪った大量の不明支給品の確認をしておく

【ヘルクラウダー@ドラクエ7】
【状態】健康
【装備】ベビークラウド×いっぱい@ドラクエ7
【道具】支給品一式
【思考】
基本:オルゴ・デミーラに従う

【エビルエスターク@DS版DQ7】
【状態】すれ違い通信によりレベルMAX状態
【装備】不明
【道具】無し
【思考】
基本:オルゴ・デミーラに従う

【キラーマジンガ@DS版DQ7】
【状態】すれ違い通信によりレベルMAX状態
【装備】不明
【道具】無し
【思考】
基本:オルゴ・デミーラに従う

【デスマシーン@FF・SaGaシリーズ】
【状態】健康
【装備】大量のかくばくだん、大量のミサイル
【道具】支給品一式
【思考】
基本:オルゴ・デミーラに従う

544ストロングメロン:2014/04/22(火) 00:25:04 ID:b/cbLIuk0
「や、やっとここまで辿りついたぞ……」

くたびれた様子で、おいしそうなカラーリングの仮面ライダーがひとりごちる。
彼の名は呉島貴虎。またの名を仮面ライダー斬月・真。
カオスロワのごたごたで潰されてしまったが、ユグドラシルコーポレーションの主任も務めていた若きエリートである。
そんな彼がやっとの思いで辿りついたのは、東京都のある意味名所と化している都庁樹の迷宮のある新宿区であった。

「急激な植物による侵食……間違いないな。見た目は美しいが、これもヘルヘイムの森の侵食に違いない!」

冷徹に思われがちな貴虎であるが、彼の望みは人類種の存続。
明らかに国民選別以外の目的を持っているであろう主催者に、突如都庁を巨大な樹木へと変えた魔物達も、自分の手で止めて見せようと奮起していた。
していたのだが……今に至るまで、なかなか思うようにことが運んでいなかったりする。
決意した矢先に、謎のヴイ字型の怪人に「キャッチマイハート!」だの「ベリーメロン!」だのと強烈な求愛行動を受け続けたのが災難だった。
あしらえどあしらえど尋常じゃないストーキングをされ、先刻ついに堪忍袋の緒が切れて貴虎はストーカーどもを射殺したのだった。

【華麗なるビクトリーム@金色のガッシュ!! 死亡確認】
【バルバトス・ゲーティア@TOD2 死亡確認】

相手が妙に手強く、それだけでも相当に疲れたが、この程度ではへこたれない。
ヘルヘイムの森がこうも表舞台に侵食してきたのであれば、自分が止めなきゃ(使命感)
とか言っていたら……

「なあなあ兄ちゃん、正直に言えよ。俺のファンなんだろ? サイン欲しいんだろ?」
「いらん!」

今度は土下座ポーズの妙なドラゴンにうざったいストーキングをされ始めていた。

「またまたぁ、さんざんヘルヘイムヘルヘイムって、俺の名前を連呼していたじゃないかぁ」
「お前のことではない!」
「隠さなくていいんだよ。わかる、わかるよ兄ちゃん! やっぱ俺ら闇のドラゴンってかっこいいもんな!
 なんかホルスの野郎に産廃とかなんとか言われたことあるけど、きっと僻みだしな!」

これがただのインベスあたりなら速攻でぶちのめしたであろうが、先のストーカー戦で体力を消耗している。
今回のストーカーは巨大なドラゴン。これも倒すとなるとまた面倒な相手だ。
ストーキングはうざいが、敵意はない様子なので放置するのが一番安上がりだろうという判断から貴虎は我慢しているのである。

(そうだ、ここで余計な力を使うわけにはいかない……)

なにしろ貴虎は絶賛危険度最高クラスの都庁を一人で踏破しようとしているのだ。
いかに斬月・真が非常にハイスペックであるとはいえ万全の態勢で挑みたいのである。

(……この自称ヘルヘイムとやらも、いざと言うときの肉盾になるか)

使えるものは何でも使う。貴虎は戦闘以外の面でも優秀だった。

(念のため、再びカオスロワちゃんねるを確認してあの森の現状を確認しておくか。
 さてパソコンパソコン……パソ……コン……?
 …………
 ……前の潜伏場所に置き忘れたか! しかもロックした記憶もない! 今から戻ってまだあるか!?)

だが残念ながら、彼は微妙に抜けている男でもあった。
溺愛している弟の露骨で見え見えな窃盗や不法侵入に気がつかない程抜けていたりする残念な強者なのだ!
ついでに重要データひらっきぱなしでパソコンを放置したりもしちゃうお茶目さんだよ!

ちなみに彼が置き忘れたノートパソコンは同じく残念な強者であるベジータに置き引きされているが、当然知る由もないのである。

545ストロングメロン:2014/04/22(火) 00:25:39 ID:b/cbLIuk0
【二日目・2時00分/東京都・新宿区】

【呉島貴虎@仮面ライダー鎧武】
【状態】中疲労、斬月・真に変身中
【装備】ゲネシスドライバー、メロンエナジーロックシード
【道具】支給品一式、夕張メロン×5
【思考】基本:人類種を守るため、危険な存在を倒す
0:パソコンを取りに戻らねば……
1:自称ヘルヘイムはとりあえず放置
※都庁の変貌をヘルヘイムの森の侵食だと思っています
※ベジータが所有しているパソコンの本来の持ち主です
 パソコン内に何かしらのデータが保存されているかもしれません

【究極邪龍・ヘルヘイム@パズドラ】
【状態】健康、防壁展開
【装備】不明
【道具】支給品一式、何らかのロックシード
【思考】基本:ドラゴンこそナンバー1と思われるような行動をとる
0:自分の熱烈なファン(貴虎)についていく
1:自分のファンを増やしたい
※防壁効果により、自身と貴虎への闇属性攻撃を半減します

546焼肉だと思ったか?残念火事だよ:2014/04/29(火) 08:02:06 ID:1vQZAJs60
佐村河内フレミングは何故か道に迷い、その結果煙の立っている方に向かおうとしていた。

「あちゃー、ここは長野県との県境か、っっ!?」
そこに在ったのは放置されたカール・フリードリヒ・ガウス、◆02GOODMe2、サキエルの成れの果てだった。
なんと放置された焼肉の器具が発火し、それが燃え移りガウスと02とサキエルを焼いていたのだ。

「グゥ〜」
そして、ここに腹が減った男が一人。
そう、佐村河内フレミングは、ガウスと02とサキエルの焼かれた肉を食ったのだ!

ところで、エヴァのテレビ版では、ゼルエルを喰った初号機がS2機関を獲得したという。

【二日目・3時45分/埼玉県と長野県の県境あたり】

【佐村河内フレミング@現実?】
【状態】健康、テラカオス化加々速中、振動能力会得、電撃能力会得
【装備】なし
【道具】支給品一式
【思考】基本:音楽に関係する者全てを抹殺し再び自分が音楽界に舞い戻る。
1:三種のフレミングの法則を知らない奴も全て抹殺する。
2:もうぶっちゃけいらついたら誰でも抹殺する
3:あの黒人男性は良い奴だ。
※テラカオス化進行により、モース硬度4〜7の固体を振動させ、剣のように使えるようになりました
※ジョン・フレミング及び剛田ジャイ子のテラカオス化進行度が加算されました
※真・フレミングの法則などのフレミングがこれまで体得した技も引き継ぎました
※他のテラカオス化進行者を倒す、或いは返り討ちにされた場合も勝者の方に進行度が加算されます
※S2機関を獲得したかもしれませんし、獲得していないかもしれません

547死者冒涜の報い:2014/04/29(火) 19:58:15 ID:nSB7opzY0
その直後、突如として佐村河内フレミングは腹を抱えて動かなくなった。
考えてみてば分かる話である。数時間放置された人間だったもの肉だぜ?
それも死後の処理を全くしていない状態だ。衛生状態が最悪である。

幾らテラカオス化したからって胃袋は変わらない。
死因は『食中毒』だ€。


【二日目・3時45分/埼玉県と長野県の県境あたり】

【佐村河内フレミング@現実? 死亡確認】

548お茶会〜希望を求めて〜:2014/05/01(木) 00:26:45 ID:XMk3BdWA0
新潟県のとある民家。
ここには二人の人間と、二人の妖怪、一人のウルトラマン(スパークドール)がいる。

三回目の放送以降、タヌキスーツを纏う魔道士・八神はやての表情は誰から見ても暗いものであった。
先の放送で家族同然の者たちと、親友の愛娘の名が呼ばれたのだ。
それで落ち込むな、という方が無理があるだろう。

「はやて殿……」
「心配せんでええで、マミゾウさん。 私はこんな若年でも機動六課の課長や。
悲しんでいる暇があるなら、こんな悲しい殺し合いを一秒でも早く終わらせるために力を注ぐで。
それが死んでいった人たちへの私の義務や」

心配そうに話しかけた狸の妖怪少女・二ッ岩マミゾウに、はやては気にするなと気丈に振舞った。
しかし、纏う悲しみのオーラは覆い隠せるものではなかった。

(ヴィヴィオが死んでしまうなんて、私はなのはちゃんにどんな顔をすればいいんやろうな?
シャマル、ザフィーラ、堪忍な……本当はあなたたちのために泣きたいところやが、今はできへんのや。
一回でも泣き出したらそのまま立ち止まってしまいそうで怖いんや。
今はどうしても泣けへん、許してや二人共……)

悲しみの感情と涙をグッと堪えるはやて。
そんな彼女の背中を後ろから見守るマミゾウは沸々と静かな怒りを滾らせていた。
その憤りはこの殺し合いを開催した主催陣、特に風見幽香に向けられている。

(主催者たちめ、正気の沙汰とは思えぬ殺戮ゲームによって死を振りまいては、はやて殿のように悲しむ者を作り出して何をする気なのじゃ?
それに風見幽香め、この殺し合いで博麗の巫女を殺しおった以上は覚悟しておれ!
もう幻想郷にお主の帰る場所はないと思えよ)

先の放送で幻想郷を守る結界の維持に関わる巫女・霊夢の名前が呼ばれた。
彼女の喪失により妖怪たちの楽園である幻想郷は混乱に包まれるであろうとマミゾウは見ており、故にこの殺し合いの一翼を担っている幽香への強い怒りを感じていた。
ちなみにこのロワでは霊夢が二人以上もいることをマミゾウは知らず、死んだ霊夢もマミゾウの知る博麗の巫女かは不明である。

『痛たたたたたたた! ま、マミゾウ、爪がツメが!』
「おお、タロウよ、すまぬ!」

怒りで手に握っていたソフビ化しているウルトラマンタロウの存在を忘れ、うっかり爪を立ててしまったマミゾウ。
そんな彼女の腕の中に握られているタロウも、少女たちの怒りや悲しみの前に何もできない己への無力感を感じていた。

549お茶会〜希望を求めて〜:2014/05/01(木) 00:27:24 ID:XMk3BdWA0

(人々を守ってきたウルトラマンの一人でありながら今は目の前の少女たちの心一つ救ってやれないとは我ながら情けない……)

どれだけ悔いたとしても死んだ者が戻ってくることはない……普通はそうなのだ。
生者にできることは三つ、冥福を祈ることと死者が生きられなかった分も生き残ること、そして各々の使命を全うすること。
彼女らの使命は専ら、この殺し合いの破壊である。
悲しみを糧にしてでも殺し合いを終わらせないといけないのだ。

「お嬢さん方、色々思うところがあるんじゃろうが、少しでも気分を紛らわせるためにお茶でもせんか?」

そんな彼女らに老科学者のブリーフ博士が人数分のお茶を一つの盆に乗せて持ってきた。
殺し合いの最中だというのうに随分呑気であるが、このご老人なりに気を使ったつもりなんだろう。

「ありがとうなぁブリーフ博…士?」

博士の心遣いに感謝するはやてだったが、その視線はブリーフ博士と後ろについていた銀髪の妖怪・殺生丸……の手に持っている字が書かれたメモ用紙に向いていた。

「勘違いするな、いつまでもウジウジしていても邪魔で仕方がないからな」
「まあそう言うなて、殺生丸くん」
『話を合わせろ。 演技をしろ』
『そのまま情報交換すると盗聴される可能性があるんじゃ。 以降は筆談で頼む』
(盗聴……? ハッ!)

メモを読み、はやては理解した。
お茶はただのカモフラージュであり、二人の本当の目的は情報交換である。
情報交換を筆談で行う意味は首輪に備えられた盗聴器の可能性や、はやてとマミゾウが九州ロボで入手した主催陣営の人員・特務機関の構成員がどこかで聞き耳を立てている可能性を考慮してだ。

『盗聴の危険についてはわかりましたが、カメラか何かで監視されている可能性はないんか?』
『首輪は見た所、盗聴器はともかくカメラが付いている様子はなさそうじゃ』
『機械工学の専門家が言うんやからそうなんやろが、それじゃ人員や小型ロボットによる監視は?』
『監視をさせないために情報交換の場所にこの密室を選んだ。 窓も完全に閉め切り、鼠一匹入れないようにしてある』
『万が一虫サイズの小型監視ロボットが入ってきても警報がなるように部屋に細工をしておる。 準備は万端じゃ』

出会ってから数時間以上立っていたのに情報交換がほとんどなされていなかったのは、安全性の確保のために博士たちが手間をかけていたからだ。
カメラに関して言えば、はやてたちが福岡ドームのモニタールームに入った時点で首輪は爆破させられているハズだ。
ブリーフ博士の首輪にカメラはついていないという発言は信じても良いだろう。

「マミゾウさんも座って飲みましょう」『わかりました、博士たちを信じます』
「ほほう、美味そうな茶じゃな」『それじゃあ情報交換と行きましょう』

一つのテーブルを四人と一体の人形が囲う。
そしてお茶を交えた筆談による情報交換が始まった。
表向きはどうやって対主催の仲間をつどるか今後どこにいくのかを適当に、裏では殺し合いの根幹に根差すかもしれない内容を持ち出しながら四者はペンを立てていた。



550お茶会〜希望を求めて〜:2014/05/01(木) 00:27:59 ID:XMk3BdWA0

はやてたちはまず、部屋に備え付けのパソコンにUSBメモリを通して手に入れた情報を画面上に展開する。
一つ目は日本海の上空に浮かぶ九州ロボが主催陣営の拠点であり、粗悪な部品によって一日二日で墜落すること。
二つ目は主催陣営の面子。
三つ目ははやてたちの知らないTC観測値という単位である。

『ううむ、残念じゃが九州ロボの墜落はなさそうじゃな。
科学技術班にロボット兵器開発の大御所であるビアン・ゾルダーク博士がおる。
そんな彼がロボの欠陥に気づいていないハズはないじゃろうし、むしろ改良を加えられてそうじゃ』
『そうか……』
『野田以外は有能な奴らばかりじゃ。そう簡単には墜ちぬか』
『まあ、九州に取り残された人たちもいるし、前向きに考えればその人たちが墜落の巻き添えを喰らわずに済んだとも考えられるで』

実際、九州ロボはビアンを始めとする卓越した技術力を持つ者によって難攻不落の要塞ロボと化した。
同時に時間経過による墜落はなくなり、望んでいないのに九州ロボに残されてしまった人々の身を案じて必要以上に焦る必要も無くなったのだ。
敵の強大さに驚きつつ、肩の荷も降りた複雑な気分をはやて・マミゾウは味わっていた。

次に一同は主催陣営のリストを見る。

『あの泥鰌顔の主催が死んでも殺し合いが続いている……奴は傀儡でこの中の誰かが殺し合いの糸を引いていると見るべきか』
『黒幕はおそらく幹部の五人の内一人か、科学技術班長のビアン・ゾルダーク、特務機関隊長のデウスエクスマキナとかいうロボットが怪しいのう』
『その七人を打倒しなければ殺し合いは終わることはないということか』
『じゃろうな』

そう書き連ねるのは殺生丸とマミゾウ。
主催者が殺害されても殺し合いは終わりを見せないどころか、平然と運営している主催陣営。
野田総理が傀儡に過ぎなかったのは火を見るより明らかだった。

『ブリーフ博士はこの中で知っている人物はおるんか?
私たちが知っている内では風見幽香はマミゾウさん曰く幻想郷の実力者である大妖怪らしいですが』
『ビアン・ゾルダークは言わずもがな、HCLI社の令嬢であるココ・ヘクマティアルと、傭兵でありテロリスト集団バーテックスのリーダーであるジャック・Oについての噂をワシもいくつか聞いたことはある。
二回目の放送で姿を見せたバーダックは知り合いと顔が似とるし、あのパワーや尻尾のあるところからして少なくともサイヤ人であるのは間違いないじゃろう』
『サイヤ人?』
『宇宙の戦闘民族サイヤ人。かくいうワシの娘の旦那のベジータくんもサイヤ人じゃ。
彼らサイヤ人のエリート戦士はたった一人で惑星を破壊することもできるらしい』
『え゛!?』

第二回放送時のデモンストレーションにて、核兵器を超えるパワーを見せたバーダックだったがあれでも本気ではなかったというのか。
そんな敵が相手では闇の書の力を全開に振り絞っても戦いになるかどうかも怪しいと、はやては驚愕する。

『だが、サイヤ人も生き物。食料と水が絶えれば飢えて死んでしまう。
生存において最後の砦になっている以上、地球を破壊する真似は流石にせんだろう』
『せ、せやろな』
『ちなみにベジータくんも昔はともかく、今は角が取れて丸くなっているから殺し合いに乗ることはまずないじゃろう。
孫くんが死んでしまった今、戦闘力でバーダックに対抗できる数少ないサイヤ人じゃ。
とても勇敢な男じゃし、できるだけ早く合流したいところじゃな』

ブリーフ博士はそのベジータがめっちゃヘタレてる上に金髪恐怖症に陥っていることを知らず、彼の中でのベジータ像は勇猛で頼れる漢のままであった。

551お茶会〜希望を求めて〜:2014/05/01(木) 00:29:29 ID:XMk3BdWA0

『あとは幹部級で出自がわからないのは放送にも出ていたダース・ベイダーとデウスエクスマキナってところやな』
『外見からして地球の技術で作られたものではない装備をしておるな。
地球外か異世界から来た可能性があるな』
『人物像が掴みきれない分、こいつらには注意が必要やな』

他にも拠点の防衛やジョーカー参加者として日本に紛れ込んでいる特務機関の隊員についての情報も映される。
暗殺者、テロリスト、魔法少女、魔術師、傭兵、軍人、スパイ、忍者、人狼……情報を見る限り、各方面で腕の立つ者の多くが主催に組みしていた。

『こやつらの顔は覚えておいて損はないな』
『マミゾウさんの言うとおりや、一般参加者のフリをして対主催集団に潜伏された挙句に壊滅にでも追い込まれたら目も当てられへんわ……ん?』
『どうかしたのか、はやて殿?』
『この子って確か……』

情報を読み漁っていると、ある一つの名前に当たることは必然だったのかもしれない。
リストには主催者に名指しで指名手配されて死亡した野球少年・千石うぐいすの名前があった。
彼のプロフィールには造反と死亡の烙印が押されている。

『対主催かと思いきや主催の一味やったんか! でも裏切り者って……』
『どんな理由で裏切ったのか知ったことではないが、指名手配してしまえば褒美目当ての参加者に付け狙われ、対主催からも白い目で見られる場合も考えられる。
そうすれば他の参加者との合流は慎重にしなければならず、情報の漏洩は防ぎやすくなるだろう。
ついでに犯人の奪い合いで参加者同士が殺し合ってくれれば御の字となる。 下衆共の考えそうなことだな』
『生きていれば主催側に関してもっと貴重な情報を手に入れることもできたかもしれへんのに……保護できなかったのは残念やな』

死んでしまった以上、彼への詮索は無意味ということで千石うぐいすのページを閉じた。
一同は特務機関の隊員たちの情報全てに目を通した。
情報を覚えた以上、対主催への潜伏を防ぐことができ、戦闘になってもある程度の対策を練ることができるようになっただろう。

最後にTC計測値という謎の値が付随した世界中が沈没した瞬間の映像が再生された。
その映像をブリーフ博士が固唾を飲んで見ている。

『ふむ、これは……』
『博士、何かわかりますか? 特にTC計測値について』
『いや、残念だがTCという言葉はワシも知らない。
なんらかのエネルギー数値なのは間違いないようじゃが、少なくとも地球には存在しないエネルギーじゃろう』
『そうですか……』
『しかし、何となくわかることもある。皆、ここに注目してくれ』

博士が指を指したのはTC計測値の部分であった。

552お茶会〜希望を求めて〜:2014/05/01(木) 00:32:35 ID:XMk3BdWA0

『この値が最も低いのはワシらがいる日本。 他の国は日本の何倍もの数値をたたき出しておる。 そして全ての映像の中で数値が最も高いのは――』

地震が起こるはずがない宇宙空間において、サイド3などの多くのスペースコロニー郡が前触れもなく「大災害」に襲われた。
内部は大きく揺れ、外部からひしゃげ、最後には盛大に爆散する。
その衝撃的な映像には最も高いTC計測値を示されていた。

『――宇宙じゃ』
『科学的なものはサッパリだが、大災害による多くの大陸の沈没はただの天変地異ではないというのか?』
『おそらくな。
これはワシの仮説じゃがTCというのは地球外のエネルギーであり、宇宙のどこかから地球に降り注いだ影響で地殻変動を誘発して多くの国々を沈没させたのかもしれん』
『宇宙規模の災害……なんらかのロストロギアの暴走やろうか?』
『わからん、TCに関してワシには憶測しかできん。
エネルギーの専門家や他の科学者たちと知恵と技術を合わせればもっと詳しいこともわかるかもしれないがな』
『主催を打倒して情報を根こそぎ奪うのが一番手っ取り早く思えるがな』
『それも一つの手じゃな、殺生丸くん』

ホイポイカプセルを開発した天才であるブリーフ博士でもTCについてはわからなかった。
より多くの科学者と手を合わせるか、大災害について何かを知っているであろう主催を倒すしか情報を得る手段は無いようだ。

『私たちが主催から潜入して入手した情報はこれで全部です』
『ありがとう、はやてくん。
君たちが命がけでこれらのデータを手に入れてくれてきたおかげで、主催打破への近道になるはずじゃ』
『ここにいる私たちだけの力じゃありません。
このデータを取ってこれたのは尊い犠牲があったからなんです……』
『なるほど、なおさら無駄にするわけにはいかんな』

あなたの犠牲は無駄にしない――はやては先刻、自分たちを庇ってくれた名も知らぬパイロットに心の中で言った。

『さて、次はどうやってこの殺し合いを打破するかじゃが。
主催と戦える者を集めるのはこれから地道にやっていくしかないとして、首輪の解除ならワシに任せてくれ。
見たところ、ワシの知らない技術は使われてなさそうじゃ』
『本当ですか、博士!』

博士の言葉にはやてたちは殺し合いを終わらせられる可能性を見た。
首輪という枷させ外れれば、主催からの首輪爆破や盗聴の危険を無くすことができる。
戦力の問題は残るが、この拘束がある限り主催に反抗など夢の話である。
ブリーフ博士は自分の腕なら首輪解除に役立てると見たのだ。
しかし、そこでマミゾウが疑問を口にした。

『大した自信じゃが、それならどうしておぬしらは未だに首輪を付けたままなのじゃ?』
『首輪を外すには解析のためのサンプルが欲しいんじゃ。
いくら腕が立つといっても解析無しにいきなり外そうとするのは気の触れた者のすること。
綿密な解析には最低でも10個、より簡単で技術力のない者でも簡単に外せるように解除法を模索したいなら20個は欲しいところじゃ』
『その首輪集めのために俺と博士は新潟中を練り歩いたが、この新潟では骸を探すのも困難なくらい殺し合いが活発でないようでな。
首輪は一つたりとも集まらなかった……生者から首輪を毟ろうとすると博士が拗ねて首輪の解除に協力してくれなくかもしれんしな』

物騒な発言は敢えて聞き逃し、マミゾウは話を続ける。
殺生丸が対主催なのはあくまで自分に首輪をはめた主催の思惑通りに動きたくないためだと、事前に本人から聞いているのだ。

『では、どうするのじゃ?』
『決まっている。 場所が悪いなら変えればいいだけのこと。
東京ではこことは比べ物にならぬほど参加者たちが多く、さらに血みどろの殺し合いが繰り広げられている危険地帯となっているらしい。
そこへいけば、首輪の十や二十はすぐに集まるだろう』

東京は強力なマーダーに魔物や狂信者まで跋扈する伏魔殿だ。
少し歩けば嫌でも死体に接触するほどの地獄は、危険と引き換えに首輪集めも容易になるというわけである。

『ここを探す利点は首輪集めだけではない。
東京でここまで正気を保ちつつ生き残っている奴らは、間違いなく戦闘力もしくは胆力に優れた猛者だ。
過疎地に引きこもっている腰抜け共に比べれば役に立つだろうし、戦力集めも関東で行うべきだろう』
『なるほどなー、虎穴に入らずんば虎子を得ず……危険っちゃ危険やけど殺生丸さんの意見も最もや。
首輪解除と仲間集めはなるべく早急にやっておきたいし、私は賛成や。
でもマミゾウさんはどうなんや?』
『ワシは化け狸の頭領じゃ。 マーダーだろうがなんだろうが倒してしんぜよう』
『ワシは戦いの心得はないが、自分の身ぐらいは自分で守れる』

553お茶会〜希望を求めて〜:2014/05/01(木) 00:33:24 ID:XMk3BdWA0
『一般人の博士には危険です。 この新潟に殺生丸さんと一緒に残っていたほうが……?』
『いや、こうしている間にも沢山の人が死んでいる。
一秒でも早くこの殺し合いから皆を解放するためには、ワシや殺生丸くんも付いていった方が早かろう。
危険は承知の上だ、是非同行させて欲しい』

博士の強い覚悟を受け取ったはやては、断るわけにもいかず博士と殺生丸を同行させることにした。

『……それじゃあ、決まりやな、仲間と首輪を集めるために東京に向かいましょう』



一先ずの目的地が定まった一行はさっそく出発の準備に取り掛かった。
ブリーフ博士が首輪の解除に使えそうな機材をまとめ、はやてとマミゾウは情報収集に使えそうなインターネットに繋げられる携帯電話を近くの民家から拝借。
一通り準備が済んだところで殺生丸が巨大な化け犬に変化し、三人を載せる。

「よし、出発進行や!」

はやてが声高に告げると殺生丸は天へと昇っていき、関東に向けて飛んでいった……


ふと、殺生丸の背中の上ではやては考える。

(しかし、大災害が宇宙規模の天災とは……話がでっかくなってきたな。
TC計測値ついてはブリーフ博士ほどの人でもわからへんかったし、謎は尽きへんね)

博士の検証によってわかったのは、TCは宇宙から降り注いだ何かということだけ。
具体的に何なのかはわからず終いだ。
出発前に博士がTCについて余裕があれば調べると言っていたが、宇宙に飛ばせる観測機を作るには資材も時間もないため、調べるのはとても難しそうだ。
殺生丸の意見の通り、主催者たちを倒して情報を手に入れた方が早いのかもしれない。
はやては夜空を見た。

(特に変わった様子は無さそうやが、宇宙に何かあったんやろうか?
……今は情報もないし、考えるだけ無駄かもしれへん。
だが、大災害に関して主催者たちが参加者に隠し事をしてることも事実や。 秘密は必ず暴いたるで!
そんで良からぬことを考えてたり、主催が大災害の原因やったりした暁には時空管理局の名のもとに、裁きを入れたるわ!)



八神はやて一行は、こうして新潟で首輪を解除できる博士と出会った。
彼が後に主催の魔の手から参加者たちを解放する希望になるかは誰にもわからない。
彼女らが東京に踏み込むことで何を得て何を失うかは誰にもわからない。
大陸沈没の謎を知ることができるかどうかは誰にもわからない。
わかるのは東京は間違いなく地獄であり、熾烈な試練が待ち受けているということだけであろう。


【二日目・1時00分/新潟県・上空】

【八神はやて@魔法戦記リリカルなのはForce】
【状態】健康、タヌキはやて、死んだ仲間たちへの悲しみ
【装備】シュベルトクロイツ@魔法少女リリカルなのは、タヌキスーツ@スーパーマリオシリーズ
【道具】基本支給品一式、夜天の書@魔法少女リリカルなのは、携帯電話
【思考】基本:殺し合いを止める
1:仲間と首輪を集めるために東京へ
2:殺し合いを打破するために仲間を集める
3:大陸沈没の謎の鍵は宇宙にある?
4:死んだ仲間たちや赤い翼のMSのパイロットの為にも主催を倒す
5:それにしてもこのスーツ、実に馴染むで!
※主催側が大災害について何か関与していると考えています(細かい部分は分かっていません)
※PSP版の技も使えます。


【二ッ岩マミゾウ@東方project】
【状態】健康、主催たちへの憤り
【装備】なし
【道具】基本支給品一式、ギンガスパーク@ウルトラマンギンガ、
スパークドールズ(ザラブ星人、ババルウ星人、ダークガルベロス)
【思考】基本:殺し合いを止める
1:仲間と首輪集めるために東京へ
2:殺し合いを打破するために仲間を集める
3:大陸沈没の謎を探る
4:TC計測値とは一体……
5:殺し合いによって博麗の巫女を殺した幽香は許さない
※主催側が大災害について何か関与していると考えています(細かい部分は分かっていません)
※霊夢が複数いることに気づいていません

554お茶会〜希望を求めて〜:2014/05/01(木) 00:33:52 ID:XMk3BdWA0


【ウルトラマンタロウ(SD)@ウルトラマンギンガ】
【状態】健康、スパークドールズ状態、マミゾウのデイパックの中
【装備】なし
【道具】基本支給品一式
【思考】基本:殺し合いを止める
1:仲間と首輪を集めるために激戦区とされる東京へ
2:殺し合いを止めるために仲間を集める


【殺生丸@犬夜叉】
【状態】健康、化け犬に変身中
【装備】なし
【道具】基本支給品一式 、不明支給品
【思考】基本:対主催
1:仲間と首輪を集めるために激戦区とされる東京へ
2:自分に首輪をはめた主催の存在が不愉快
3:2の理由により殺し合いには乗らない
※はやてたちとの情報交換により、主催陣営のメンバーの情報を知りました


【ブリーフ博士@ドラゴンボール】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】基本支給品一式 、機材一式
【思考】基本:対主催
1:仲間と首輪を集めるために激戦区とされる東京へ
2:首輪のサンプルを集めて解除に役立てる
3:主催打破のためにベジータ君と合流したい
4:見た目はそっくりだったが、バーダックは孫くんの血縁者?
5:余裕があればTC計測値について調べる
※はやてたちとの情報交換により、主催陣営のメンバーの情報を知りました
※首輪を外せる技術を持っていますが、解析のために10〜20個ほど回収する必要があるそうです

555嵐の様な混沌も旗から見りゃただのクロニクル:2014/05/05(月) 15:55:16 ID:ey2HWnLI0

   〃//  ト,_ノ    / /|ミ|
   / /  ,-''")  ,..-| .|,,...,,,, `"''ヽ
  / /  / /  .;/~|i^|   `"、  ヽ,,    人,_,人,_,人,_,人,_,人,_,_,人,_,人,_,_,人,_,人,_,人,_,人,_,人,
 ,ノ..-!、 (_ノ   ,.l'  i'U|     ヽ   'l  < 仮面ライダー555アクセルフォームが           >
『(o■ )ロ[][i   {  |「:i|       }   } < マッハスピードの速さを考慮して!!>>555ゲットだ!!>
 i。|ミ|。にニコ   'l..  |V|       i   i   Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒
/| | | |ヽ ||   'l. '|| |       l'  /\
| |  ̄.| |.|   ヽ、"iヘ    ,〃l"  /  〉、
|「  o  ~i 「|     ヘ...,ゞヽ三彡''"ヽ>'   /
、L __  」 |」     ヾ/^|^\〃、__,./」_ノ.,,
ヽヘ V | 77 ー―ァ ヾニニ/ ム∠´__ノ、
 ヾT~''Tミヽ   _ノ オ  ノ           オオオオォォォォ!!!!


 その頃、デイバックの中、支給品『乾巧』はアクセルフォームになった自分を想像していた。
 思い返せば、この状態になった当初何か撃たれたような気がした。
 そのままデイバックの中に詰め込まれて、早一日……誰にも気付かれずこの状態が続いた。

(外に出てぇ……熱いもの以外のなんか食いてぇ……ん?)

 一筋の光が見えた。
 そして、手が出て自分が取り出されたのが分かった。
 やっと、外に出れた、それと同時に身体が元の状態に戻った。
 そこで巧は見た。

「………」
 
 オートバジンが三人分の墓を作っていた。
 そこにはサングラスとスマートブレイン社が作ったものではないベルト、そしてカーナビみたいなものが捧げられていた。

「……そうか」
「…………」

 巧はオートバジンがしていた『埋葬』を手伝った。
 ただ、死体を埋めるだけならば『死体処理』である。
 だが、彼らが行ったのは『埋葬』である。

「……行くか」
「…………」
「行先はどこでもいいか」

 オートバジンをビークルモードに移行させ走らせる。
 行先は西の方、なんとなくそう決めた。


【二日目・1時20分/日本・埼玉県】

【乾巧@仮面ライダー555】
【状態】健康、首輪なし
【装備】ファイズギア@仮面ライダー555
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】基本:殺し合いを止める
1:西に向かう
2:草加……
※支給品だったので首輪はありません。

【オートバジン@仮面ライダー555】
【状態】損傷無し、バイクモード
【装備】なし
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】基本:殺し合いを止める
1:たっくん(乾巧)についていく


【桜田ヒロム@特命戦隊ゴーバスターズ 死亡確認】
【照井竜@仮面ライダーW 死亡確認】
【チダ・ニック@特命戦隊ゴーバスターズ 死亡確認】
死因:ジャイ子戦でのダメージ

556深淵なる混沌の予兆:2014/05/07(水) 00:44:45 ID:9P2xBe.w0
真夜中の東京都庁……

「――から、魔物にも好物はしっかり存在するのさ。
 別に血の滴る肉なんかじゃなくていい。魚の塩焼きやケーキが好物の子だっているんだ」
「へえ〜……モンスターさん、思ってたよりも全然身近なんだね!」
「そうさ。ちなみに撫でると喜ぶのも人間と変わらないよ。毛や鱗で覆われた子はブラシで、人型の子はこうやって素手で……」
「ふにゃ……」
「おお、麒麟さんの尻尾がまるで犬のようにぱたぱたしてますね」
「美味しいご飯を作って、スキンシップをかかさない。これだけでも、だいぶ仲良くなれるはずだよ。
 一番大切なのは、敵意を向けないことだけどね」

そこでは、都庁を守る最強の番兵たるレストの魔物講座が開かれていた。
とは言っても、彼の発案ではない。
モンスターさんと仲良くなりたいからその方法を教えてくれと、再三あかりに詰め寄られた結果、根負けしたのである。
闇夜に紛れてマーダーが動きやすいというこの時間帯に、なんとも暢気な提案である。
この都庁が抱え込む戦力を考えれば、まずマーダーは攻め込んでこないだろうが。

「それと環境も大切だね。部屋が用意できないなら、広々とした自然は欠かせない。だからこそ僕らはここを世界樹にしているわけなんだけど……」
「……高層ビルがこんなあっという間に大樹なるなんて、本当に驚きっすよ」
「いや、うーん……まあ喋っちゃってもいいか。ここには……元々世界樹があったそうなんだ。
 それが切り倒されて、都庁が建設されたみたいだけど……地下深くの、世界樹を生み出した核は無事だったらしい。
 それを雷竜さん達が再度活性化させて、僕が植物由来の成長促進剤を調合して定期的に撒いたんだよ。この、はげしくノビールを……」
「そのネーミングセンスはちょっと……」
「う、うるさいな。とにかく、この世界樹も後は内部の余計な都庁の残骸を廃棄すれば、完成する。
 魔物はもちろん、君たち人間にだって恩恵はあるんだよ? ほら、すでに今でも空気がおいしく感じるでしょ」

言われて改めて空気を吸い込んでみれば、一同はなるほど確かにと納得をせざるをえなかった。
都会のど真ん中とは思えない、新鮮な空気は確かに気持ちのいいものだ。
何かが焼け焦げる臭い、思わず顔を背けたくなる腐臭、巻き起こり続ける土煙……そして鮮血。
この場所でも幾多の血が流れたが、それらは既に土に還っているのか不快な臭いはしない。
地獄と形容するのが相応しいこの東京都において、ここ以外に美味い空気を吸える場所は存在しないだろう。

「は、空気で思い出したっすよ! 騎士様が言っていた、空気中に漂う瘴気のようなもの……!」
「あ!」

ここで影薄三人は、短い間だが仲間であった騎士の言葉を思い出す。
彼の正体は結局不明であり、自らを罪人と称していたが……騎士に窮地を救われたのは紛れもない事実だ。
この殺し合いを憎み、自ら犠牲となった彼のためにも……その遺志を継いで、殺し合いを終わらせる。
何よりも強い、その願い。

「その……魔物のことじゃないっすけど、いくつか質問して大丈夫っすか?」
「ん?」

すでに人間を殺し、これからも人間を殺そうと考えている相手に相談するような内容ではないだろう。
それでも、少しでも可能性があるのであれば……
影薄三人は、意を決して口を開いた。





557深淵なる混沌の予兆:2014/05/07(水) 00:45:16 ID:9P2xBe.w0
「……なるほどね。できればその騎士本人に会ってみたかったな。残念だけど、それについては僕も知らないや」
「そうですか……」

結果として、騎士の遺言の正体はやはりわからずじまいであった。
ネット上でも知る者はおらず、謎の物質への疑問は尽きることはない。
だがあの騎士の遺言である。彼が偽りを述べるメリットはどこにもなく、確かに謎の物質は存在しているのである。

「でも話を聞く限り、君たちやその騎士が嘘を言っているとは思えないね。そうなると……あまり放置できる問題じゃなさそうだ」
「え、やっぱり危険な物質なの!?」
「一応、これでも長いこと自然と共に過ごしてきたからね。大気の状態は大体把握できるし、薬学も齧ってるから毒とかにも詳しいつもりさ。
 その僕が全く気がつけないとなると……人工物、造られた自然界に存在しない物質だと思う。この状況下だと、主催者が造って撒いたと考えるべきかな」
「やっぱり、その線が濃厚っすか……」

ううむと桃子は唸る。
騎士の遺言を聞いたときから、彼女は空気中の物質について主催者を疑っていた。
しかし、そこから先がわからない。
じわじわと命を削り取る遅効性の毒を考えてはいたが、まさに今それは否定された。
そもそもそんなものを撒いてしまえば、この地球上に住める場所がなくなってしまう。

「瘴気のような、それでいて無味無臭の不可視物質……でも毒ではない……難しいですね」
「ねえねえ、ここの世界樹がこの辺りの空気を浄化してくれてるんだよね? それならそのよくわからない物質も……」
「確かにある程度は世界樹が浄化してくれると思うよ。だけど僕らの予定は、あくまで行き過ぎた科学による汚染を取り除いての環境改善……
『追加』で大量に正体不明の物質を撒かれていたとすると……世界樹一本じゃ処理しきれないどころか、逆に世界樹が枯れてしまう可能性すらある……!」
「えええええええぇぇぇぇぇぇ!?」
「ああ、もう! だから人間は自然と共に生きるべきなんだよ! 普段からもっと自然を大切にしていれば……!
 こうなると、北海道や九州でも世界樹を育てないと大地の再生は難しそうだな……」
「あ、途中で出会った忍者さんから聞いた情報なんすけど、九州は主催者の手でまるごとロボットにされたそうっす……」
「レスト様、残念ながらその情報は確かなようです……ネット上でも『無敵要塞キュウシュウ』などと……」
「残り少ない貴重な大地になにをしてるんだよっ!?」

憤り吼えるレストに、残りの面々は無言でうんうんと頷く。
彼の怒りの理由は九州の豊かな大地が穢されたことであろうが、それを抜きにしても誰もが怒りを覚える事態なのである。
なにしろこの殺し合いの一応の目的は『残された土地で人間が最低限の暮らしができるようになるまで人類総数を減らす』ことなのだから。
そもそも住む土地、それも県どころか九州丸ごと改造するなんて頭がおかしいとしか思えない。
数少ない陸地を減らすなど本末転倒もいいところだ。

「冷静になって考えると、九州をロボットにするって発想普通じゃないよね……」
「発想もそうですけど、それを実行できる技術力も普通じゃないっすよ。ここまで現実離れしていると……
 なんだか空気中の物質も、実は主催者に都合のいい殺し合いを促進させる物質だったり……」



その瞬間、空気が凍りついた。
あははと笑い飛ばすつもりであった桃子も、残る面々も、言葉を失ってしまう。
普段であれば、なにを馬鹿なことをと笑い話になっただろう。
だがしかし。
既にこの世界に今までの常識は通用しないということを、彼女らは身をもって知っている。
『日本以外沈没、さらに国民選別のために殺し合い』
『ふざけた歌詞とは裏腹に、乳も皮膚も腕も何もかも全てもぎとる乳もぎ魔』
『圧倒的な戦闘能力を誇った巨大殺戮ロボットに、それを見事止めて見せた死神』
『誰かの命と引き換えに、仲間全員の傷を完治させたメガザルの腕輪』
『まるでアニメキャラのような魔法少女にプリキュア、そして喋るドラゴン』
『ありえない速度で成長する世界樹に、狂った信者が闊歩する魔境東京都』
『手加減されてなお、自分達がまるで歯が立たない程の強さだった目の前の青年』
大災害前、せめて殺し合いであれば、冗談で済んだであろう話の数々。
これらは、僅か二日の間に起きた紛れもない真実なのだ。

もう、この世に、ありえないという言葉は通用しない。

558深淵なる混沌の予兆:2014/05/07(水) 00:46:00 ID:9P2xBe.w0
「……あ、あはは……やだなぁモモちゃんたら。そんな……」

凍りついた空気を溶かそうと、なんとかあかりが口を開く。
しかしいつもの明るさは失われており、それは彼女も冗談として流しきれていないことを表していた。

「そ、そうっすよね。そんな、そんなこと……あっちゃいけないっす……」

口では否定しながらも、桃子は内心では妙に冷静でいられた。
どうして今まで気がつかなかったのだろうか、と。
あの騎士がわざわざ死ぬ直前に、念入りに警告するほどの物質。
主催者の仕業だったとして、次に考えるべきはその目的だった。
毒殺目的でないのだとしたら、何が狙いなのか。
何故わからなかったのだろう。こんな狂った殺し合いを開く主催者の目的など決まっている。
殺し合い、それに関わる何かしかないだろう。
いくら住処が限られる、非国民のレッテルを貼られるとはいえ、ほとんどの人間は理性を持っている。
殺しあえと言われてそれに素直に従う奴の方が少ないはずだ。
だからこそ自分達は当初、仲間と共に船で雑談を楽しみ……死神はさぼりたがっていた。
だが予想に反して、死者は増え続けている。どうしてだろうか。
もし。もしも主催者が、たとえば理性を無くさせるような薬を日本全土に撒いていたとしたら。
なんて残酷、なんて非道な行為だろう。
だが主催者のこれまでの行動を考えれば、それが一番しっくりくる。ここまでくるともう、そうだとしか思えなくなっていた。

「ひっ……あ……」

存在を忘れつつあったが、自分たちの首には、冷たい首輪だってつけられているのだ。
言いようのない恐怖が襲いかかってくる。
主催者は、この光景を眺めて楽しんでいるのだろうか?
妙な物質をばら撒き、強制的に人々を殺し合わせ……それを愉快愉快と。
いや、事実あの総理大臣は楽しんでいなかっただろうか?
そして彼が死んでなお、平然と運営を続ける残りの主催者も……きっとそうなのだろう。

怒りと悲しみと恐怖と、様々な感情がごちゃ混ぜになり、叫びだしたい衝動にかられる。

「あはははは、いくらなんでも漫画とかの読みすぎじゃないかな」
「そうですね。レスト様の仰るとおりですよ」
「なっ!?」

だがその前に、レストの笑い声と、それに賛同するサクヤの声が響いた。
思わず俯いていた桃子は顔をあげ、言い返そうとするが……
差し出されたスマホを見て、思いとどまる。

『これ以上の深入りは危険です。首輪に盗聴器がつけられている可能性があります。
 スマホもいつかは遠隔操作される危険性があります』

おそらくこれは、サクヤが打った文なのだろう。
盗聴という言葉にぞわりとするが、確かに十分ありうる話だ。

「まったく、これだから俗世に塗れた人間は駄目なんだよ。やっぱり自然と触れ合うのが一番さ。
 まあ、折角の世界樹なんだから煩悩を振り払う呼吸法と精神統一の方法を教えてあげよう」
『君の予想は多分正しい。サクヤの言う通り、スマホは情報漏洩の危険性が高いからね。
 ここから先は表向きは適当に雑談しつつ、この紙を使って筆談するとしよう。うん、こんな機械なくても対話はできるいい例だ』

続いて差し出された紙を見て、全員が無言で頷く。
レストがデイパックから紙束と筆記用具を素早く無音で取り出すが……

『いや、無言すぎてもまずいよ』
「うーん……あかりにはその呼吸法難しそう。それより、さっきのモンスターさんのお話の続き聞かせてよ!」『これでいいの?』
「お望みならばどんどん語ろうか。そうだねまずは……」『その調子で頼むよ』



559深淵なる混沌の予兆:2014/05/07(水) 00:46:40 ID:9P2xBe.w0
「――から、全く喋れない魔物とも目と目で通じ合うことは可能なんだ」
「へえ〜……いいなぁ。あかりでもできるかな?」

レストが魔物や自然に関しての知識を語り、そして主にあかりがはしゃぎつつ相槌を入れる。
それは少し前に開かれていた魔物講座となんらかわらないが、あくまで表向きだ。
くしくも先ほどの講座は丁度いい隠れ蓑の役割を果たし、裏では筆談が続いていた。

『やっぱり、私の思い込みってオチにはならないっすか?』
『うん、あかりもできれば信じたくないかな。それに本当にそんな都合のいいものなんて』
『僕は直接見たことはないけど、ここの魔物達の話だと狂竜ウイルスというものがあるらしい。
 なんでも無自覚に周囲の生態を狂わせ、感染者はとても凶暴になるそうだよ』
『凶暴に、つまり相手を傷つけることに躊躇いがなくなるということですか?』
『ああ。人体にも影響があるそうだけど、克服は可能。ばら撒くのはシャガルマガラという古龍。
 自然界に大昔からいる存在だ。つまり、理性を奪い凶暴化させる未知のウイルスも自然界に存在しているわけだね』
『それじゃあ、騎士さんが言っていたものは、そのウイルスでしょうか?』
『いや違う。狂竜ウイルスは時間経過で治せるわけだし、抗体も存在する。
 推測の域を出ないけど、多分主催者が造ったのはこのウイルスをさらに凶悪にした感じのものじゃないかな』

自然界に既に生物を狂わせるウイルスが存在している以上、殺し合いを促進させるウイルスの存在もありえなくはない。
むしろ主催者の持つ技術を考えれば、ウイルスの改良に散布程度朝飯前なのではないだろうか。
なにしろ九州ロボを拠点にするような連中なのだから。

『でも、どうやってそんなものを大気中に?』
『一般的に薬の広範囲散布となると、戦闘機が空から撒いているイメージがありますね』
『でも、オオナズチに乗っている時にはそんなもの見なかったっすよ』
『もし怪しい戦闘機が飛んでいたら、僕らが撃ち落している』

仮に主催者が本当に殺し合いを促進させる物質を造り、撒いたとして。
次に問題となるのはその方法だ。日本列島は狭いようで、意外と広い。

『方法がわからないけど、存在はしているんだよね』
『いや、思いつく限りで最悪な手段はあるよ』
『え?』
『魔物や人間、あらゆる生物が生きていく上で欠かせないもの。それは水さ。
 各地の重要な水源に、いやこの殺し合いの状況ならもっと手っ取り早く――支給品の飲み水に入れてしまえばいい』
『?!』

レストが記す衝撃的な言葉に、思わず全員が息を呑んだ。
水に毒物を混ぜ込むなど、戦争においても非人道的とされる行為である。
だが同時に最も簡単であり、そして非常に効率的だ。

『でも、それじゃあ体内に入っても大気中には
『生物の殆んどは汗をかくだろう? そして殺し合いともなれば大量の血が流れる』
『まさか、それが蒸発して!?』
『効果は薄くなるだろうけど、水を飲んでない参加者でも呼吸で無意識のうちに体内にその物質をいれてしまうだろうね』

「……っ!」

思わず、表向きの会話すら途切れてしまう。
それほどの内容であり、もしこれが事実であるとすればもう何もかもが手遅れだろう。
人間誰もが腹は空くし喉は渇く。呼吸をしなければ死ぬ。
個人差はあるだろうが、もうこの世界に謎の物質を取り込んでいない参加者など存在しないのだから。

『それじゃああかり達も?』
『少なからず体内に入ってるね。でも一般的な病気と同じように、人によってはまるで影響がでないってことだと思うよ』
『僕らは運よく、謎の物質への抵抗があったというわけですか』

560深淵なる混沌の予兆:2014/05/07(水) 00:47:45 ID:9P2xBe.w0
『多分ね。むしろ問題なのはここからだ。君たちがおとなしいのは、ただ単にとりこんだ物質が少ないせいかもしれない』
『!!』
『この世界樹は大気の浄化を行いつつ、内部に濾過されたとてもおいしい水を供給する泉やそれで育った果物がある。
 だけどさっきも言ったとおり、世界樹の浄化にも限界はあるからね。このまま謎の物質を放置すればいずれ……』
『世界樹そのものが謎の物質に侵され、そこに住む魔物達にまで影響がでる可能性がある……ですね?』
『それだけじゃないよ。世界樹がなければここの大地は再生不可能だ。この国全域の植物や水は一瞬で汚染される。
 そうなればもう、あらゆる生物が謎の物質を嫌でも大量摂取して暴れ狂うことになるだろうね』

それは今以上の地獄絵図に他ならない。
自分や大切な人たちまでもが狂い、殺し合いに興じるなど断固阻止しなければならないと、一同は改めて決意を固める。

『止める方法はないんすか!?』
『方法その1として、世界樹の量産がある。分担して処理すれば世界樹が汚染されることもないからね。
 だけどこれは現状不可能。ほとんどの人間は協力しないだろうし、時間もない。まず首輪を外さないと禁止エリアにも入れないし。
 方法その2は、主催者本部に乗り込んで、この謎の物質の正体を把握する。そしてそこから中和剤が作れれば……』

そこまで書いて……ペンの動きが止まった。
いやペンは投げ捨てられ、代わりに巨大な剣が握られる。
突然どうしたのだろうか。


「ハハハ、また会ったなレストよ。今度こそ――お前たちのニクをイタダクぞ」
「ほかにもおいしそうなご飯があるよツバサお姉さん?」


そんな言葉を口にする前に、その場にいた全員が本能的に理解した。

突如現れた、禍々しい武装をした少女とそれに付き従うラッコ。
彼女達こそ、先ほどまで話し合っていた謎の物質を大量に取り込みすぎた結果生まれた……
絶対無比、極悪な殺人鬼なのであると。

――風鳴翼にぼのぼの――名前こそ明らかにされていないが、カオスロワちゃんねる等でも話題になる食人鬼。
彼女らはさらに多くの参加者を喰い……今再び世界樹の入り口に舞い戻ったのだ。

「悪いけど……お引取り願おうか!」

そんな彼女らに向けて、レストは殺意を隠すこともせずに灼熱の火炎魔法を発射する。
相手は狂った殺人者であり、自分の友人を喰い、ここの門番を瀕死においやり、今もなお世界樹を狙ういわば害獣。
生かしておく道理など、どこにもない。

「ムダだ、私達に――」
「それならこれはどうかな!」

炎を突き破りレストに迫る二体の食人鬼。
それに対し今度は風の刃が放たれ、追撃として地面から岩槍を繰り出す。
僅かに間を置いて、かつてこの食人鬼を撃退した水魔法を叩き込んだ。
魔王ダオスの扱うタイダルウェイブ程ではないが、それでも圧縮された激流、水のレーザーは殆んどの参加者を貫けるだろう。

だが……

「ワルイが、お前たちヲ相手にするんダ。コチラが何の準備モしていないわけがないダロウ?
 アアそうだ、外をウロツイテいたエイとトリの魔物はココの魔物カ?

 ジツに美味だッたゾ? おかげデこうして、お前ほどの使い手が放つ魔法スラかすりキズで済む程の耐性を得らレタしな」

【コロトラングル@世界樹シリーズ】翼たちに捕食され死亡。
【イワオロペネレプ@世界樹シリーズ】同上

561深淵なる混沌の予兆:2014/05/07(水) 00:48:28 ID:9P2xBe.w0
「……っ! そうか、そんなに……そんなにこの世界樹の養分にされたいなら、お望みどおりにしてあげるよっ!」

食人鬼は樹海守護獣まで喰らいつくし、完全とまではいかないがあらゆる属性に強い耐性ができていた。
さらに適当な食事で手に入れた植物耐性は大きく、その大本が大地の恵みルーンであるレストの魔法を著しく弱めていたのだ。

(まさか本当に、あらゆる属性に耐性がつくまで捕食行為を続けるなんてね……!
 僕は威力はともかく魔法を4種連続発動なんて器用な真似はできない以上、サクヤの援護を受けることはできない。
 魔法主体のダオスさんでもあれだけの耐性を突き破るのは難しいだろうし、なにしろあのラッコが持っている剣からは雷の気配を感じる。
 ダオスさんの唯一の弱点とも言える雷まで用意するなんて……これはダオスさんを狙ったのか、それとも彼を呼べなくして僕を狙ったのか……)

「どんなに策を練ってきたところで、無駄だよ……レベルを上げて、物理で殴ればいいんだからさぁ!」
「それハこちらのセリフだナ!」





その戦いは、あまりにも凄まじいものだった。

(これが……本当に人間の戦いっすか……?)

振るわれる剣によって発生する暴風は、弱者を寄せ付けることすら許さない。
ほんの少し前、自分達はステルス能力を駆使して懐深くまで接近できたが……あれは相手が手を抜いていたためだと今なら影薄三人は断言できた。
さっきよりもさらに速く、重く、鋭い斬撃の嵐。

「ナラバ、これデどうだ!?」

それを受け止め、かわすあの食人鬼も普通ではない。
もう魔法という存在には驚かないが、突然空中から剣の雨が降り注げば驚かずにはいられない。
さきほどは巨大な剣を蹴り飛ばしていたし、剣は無制限に湧き出るのだろうか?

「甘いね、吹き飛べっ!」

そんな無数の剣も、力を込めた剣の一振りで明後日の方向へ吹き飛ばされる。
双方共に、その攻撃の射程範囲が剣という武器の常識から遥かに逸脱しているため、影薄達は入り口付近に避難せざるを得なかったが……
素人目、遠くから眺めるだけしかできないが、剣の腕前はレストが勝っているように思えた。

「蒼ノ一閃ッ!!」
「くそっ!」

だが、勝負は中々つかない。
それは戦場が世界樹の前であるということが大きな理由であった。
放たれた巨大な刃は、相手を狙わず……世界樹そのものを狙っているのだ。
いかに世界樹が巨大かつ龍による防壁が張り巡らされているとはいえ、基本は植物。
高層ビルを連続でいくつも貫通するほど強化された蒼ノ一閃を受ければ、折れないまでもざっくりと痕をつけられることだろう。
それを防ぐために、レストはたびたび後手に回らされ、思うように攻めきれていない状態である。

「そろそろあたってくれないかなぁ」

そしてその隙を狙うように、ぼのぼのの援護攻撃が飛ぶのだ。時に銃で、時に剣で。
それも執拗なまでに頭部を狙って。
あの援護攻撃がなくなるだけでも、だいぶ戦況は変わってくるだろう。

(……どうしましょうか)

そんな中で黒子は、猟銃に手を伸ばしていた。
もし、あのラッコが倒れたならば……おそらく剣士の戦いはレストに軍配があがるだろう。
だがここで彼の手助けをすることは正しいのだろうか?
彼もまた、危険人物であることには変わりない。いくら自分達とは会話を許してくれても、基本は人間を嫌っているのだから。

562深淵なる混沌の予兆:2014/05/07(水) 00:49:07 ID:9P2xBe.w0
(……いや、悩む必要もなかったですね)

だが、黒子は躊躇わず銃口をぼのぼのへと向けた。
まだ出会って間もないが、レストにはまだ説得の余地があり……あの食人鬼達にはそれがないと思えたからだ。

(それに麒麟さんも大分慕っていましたし……本来は悪い人じゃないんでしょう)

銃を撃った経験はない。それでも方法は知っているし、この銃はかつて自分達を苦しめたあのベンが使っていた代物。
威力は十分であろうし、仮にラッコを仕留め損なっても動きを鈍らせることぐらいはできるだろう。
何しろ自分達は、トリプルステルスによって見えないのだから。じっくりと照準を合わせることが……


(……?!)


突然、ぼのぼのの首がぐりんと動き……
そのつぶらな、しかし狂気を感じる眼と黒子の眼が、がっしりと合った。

(まさか……!)

そしてぼのぼのは、その愛らしい顔のまま呟く。


「さきにらぁめんにしてほしいの?」


ステルスは、完全に見抜かれていた。
翼には及ばぬものの、ラッコ離れした速度でぼのぼのは一気に獲物へと接近する。
口を開き……ラッコにはありえないほど鋭い牙を覗かせながら。
黒子は引き金に手をかけるが、間に合いそうにない。


「いただきます――」
「っ!」


その瞬間、ぼのぼのの口は新鮮な肉にかぶりついた。

「チチッ?」

黒子の背後から投擲された、新鮮なマムルの肉に。
確かにいい肉であり、一番美味いとされる尻尾の部位だ。
一瞬頭の中が『おいしい』という言葉で埋め尽くされるが、すぐに自分の異変に気がつく。
そしてすぐに本能的に、元の姿に戻らねばと思う。

「あああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
「――え?」

だが、その反応の遅れがぼのぼのの致命的なミスであった。
元の姿に戻ると同時に、桃子が振り抜いた斬鉄剣をその身体に受け……

「あ――れ――?」

消え行く意識の中、ぼのぼのは真っ二つにされた自分の身体を呆然と見つめることしかできなかった。


【ぼのぼの@ぼのぼの】 死亡

563深淵なる混沌の予兆:2014/05/07(水) 00:49:49 ID:9P2xBe.w0
「はぁ……はぁ……油断は駄目っすよ黒子くん……ステルスは匂いでばれることもあるんすから……うちの部長もそのタイプっす……」
「マムルの肉が間に合ってよかったよー……」
「すみません……」

肩で息をする二人の少女に、黒子は謝罪する。
相手は元は野生の動物だ。それが食べることに重点をおいて進化しているのだから、匂いは最も警戒すべき点であった。
危うく今度は顔面の皮だけでなく肉もなくなるところであったが、とにかく今回も大切な仲間に救われ、そして敵は死んだ。
結果的には上々と言えるだろう。


「ぼ――の――ぼ――の――?」


逆に。
大切な仲間……いや、特別な感情を向けていた男を目の前で殺された翼にとって。
この結果はあまりにも残酷であり、受け入れがたいものであった。


「ぼのぼのぉおおおおおおおオオオオオオオオオオォォォォォォォァッッッッッ!!!!!!!!?」


狂ったような、ケダモノのような声で絶叫する翼。
いや、血の涙を流し、牙も殺意も隠そうとしないその姿はまさにケダモノそのものであった。
戦っていた相手に背を向け、別の獲物を狙う行為など本来の翼であれば決してしない行為。
だがぼのぼのを失い、我を忘れた彼女はそこまで頭がまわらない。

「……君は神話を知っているかな?」
「ガアアアアァァァァァ!??」

そしてそれを逃がすほど、この男も甘くない。

「天羽々斬は須佐之男命の剣。だけど彼が退治した八岐大蛇の尻尾を斬った際に刃こぼれする。中にあった天叢雲剣のせいでね。
 ――天羽々斬は、天叢雲剣には敵わない」
「ガッ!??」

――剛剣一閃。

それだけで翼のシンフォギアは粉砕され、肩から腹部までを深く深く切り裂かれた。

「ゴフ……ガ……ぼ……の、ぼの……」

普通の人間であれば文句なく即死の一撃。
それでなくともレストの作り上げた天叢雲剣は、本来であれば掠っただけで敵を即死させることもある剣なのだ。
それでもまだ翼が息絶えることなく、零れ落ちたハラワタも気にせず地面を這いずりもがくのは……
既に事切れているとはいえ……ぼのぼのを、最後に一目見たいという願いのせいだろう。

「……」

あの傷ではもう長くない。それは誰の目にも明らかだ。
だからこそ、その場の誰もが追撃をすることもなく。
食人鬼の……いや哀れな少女の最期を看取ろうとしていた。




564深淵なる混沌の予兆:2014/05/07(水) 00:50:24 ID:9P2xBe.w0
「まさか、君たちに助けられるとはね……礼を言うよ」
「黒子くんもモモちゃんも武器構えるからびっくりしたよ。でも、あかりも肉で助けられたよね!? 主人公っぽいかな!?」
「あはは……まるでアゼルみたいだね。うん……君たちのおかげで、彼の仇も討てたよ」
「仇って、まさか……」

「ぼ……の……ぼ……の……」

かつてぼのぼのというラッコであった二つの肉塊を抱き上げる翼を、レストは無言で見つめる。
それだけで、彼とあの食人鬼の因縁は理解できた。

「ノ……ニク……」

「?!」

だが、その行為はまずかった。
どうみても死人同然の翼への警戒心が、無くなり過ぎていた。
誰に責任があったわけでもない、誰も咎めることはできない。だが事実として、そこには確かな油断と反応の遅れが存在した。

「ボノボノノニク、ニクにクニクニくにく、肉、肉ニックゥゥゥゥゥゥァァァアアアアアア!!!」

ぐちゃり、ぐちゃり、がりがりぼりぼり……

目の前の異常な光景に誰もが言葉を失ってしまう。
雄叫びをあげながら、獣が獣の死骸を貪り喰っているのだ。
それだけならまだいい。
ぼのぼのを喰らった翼の身体から黒い霧のようなものが立ち込めたかと思えば……先ほど負った致命傷が塞がっていっている。

「ば、馬鹿な……!?」

レストが飛び出す。今度こそ、この醜悪な化物を八つ裂きにして確実に息の根を止めるために。

「ふ、ハァ……」
「な――!?」

だが、相変わらず腹部から腸をこぼしたままの状態で、翼は笑っていた。
そして彼女もまた飛び出した。死に損ないとは思えぬほどの速さで。
――レストの横を、すり抜けていった。

「ハ、ハ、フ、ぼの、ボノの、カタキィィィ……!」

狙いは、先ほどと変わっていなかった。つまり、ぼのぼのを殺した三人の影薄。

マムルの肉はまだあった。
しかし、あまりの事態にあかりはもちろん残りの二人も身動き一つとれない。
当然だろう。彼らは戦闘経験もろくにない、ただの人間なのだから。

ぼのぼのを喰らい、真っ赤に染まった牙が迫る。

「あっ――」

565深淵なる混沌の予兆:2014/05/07(水) 00:52:12 ID:9P2xBe.w0
「く、おおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ……っっっ!!!!」

だが、牙が彼女達を噛み砕くことはなく……代わりに、無理矢理身体を捻って飛び込んだレストの右腕に食い込んでいた。
本来であれば、盾を装備している左腕を伸ばしただろう。しかし、そんなことを考えている時間もなかった。
それでも剣の刺突で翼の頭部を破壊しようとしたレストは、さすがと言える。

(ぐ……こいつ、いくら苦し紛れに出したとはいえ……僕の刺突を、この距離でかわすなんて……明らかに身体能力が向上している……!)

だが、それは運悪く、最悪の悪手となっていた。
突き出された剣にあわせ、腕も伸びきった状態。さらに肘間接を巻き込んで噛み付かれては、思うように力が入らない。

「あ……? レ、レストさん……?」
「っ! いいからすぐに逃げろっ! こいつは……ぐぅ!?」

ぶしゅりと、レストの腕から初めて血液が噴き出した。
普通の人間では堪える間もなく、豆腐のように腕を喰われていただろう。
それがこの程度で済んでいるのは、彼の鍛え上げられた肉体と装備、そして大地の加護のおかげだ。

それでも、牙の一本が筋繊維の深くまで突き刺さった。
瞬間、本人の意思とは関係なく指の力が弱まり……剣がその手から零れ落ちる。

「しまっ――」

レストが左腕を動かすのと、翼が剣を拾うのはほぼ同時。

そして次の瞬間。
怪物の手に渡った天叢雲剣は。
その本来の主の右腕を切り飛ばした。

同じ名工が作った装備であれば、怪物の力が上乗せされている剣の方が勝るのは当然の結果と言える。


「――――っ!!!」


後ろから少女の悲鳴が聞こえた気がするが、腕を失ったレストはそれを気にする余裕などない。

(左腕、盾のガードは間に合った……! 右腕が無くなっても、胴体と両足は無傷、同時に拘束もなくなった……それなら……!)

すぐさま蹴りを翼の腕に打ち込み、剣を宙に飛ばさせる。
相手も腕を切断するためだけに振り上げた隙だらけの構えだったのだ。
そのまま空中の剣を左手で掴み、振り下ろす。

今度は翼の右腕が宙を舞う。
だが彼女はそれをまったく気にしたそぶりもみせず……切り飛ばされたレストの腕に齧りつこうとする。

「そう、簡単に、食わせてたまるか……! これでも、食べてろっ!」

レストは残された左手に力を集中させ、料理を生み出す。
ただし材料は都庁の引っぺがした壁材であり、それらから生み出された料理はいわばダークマター。超失敗作といわれる物質だ。
それを翼の顔面に叩きつけ、同時に自分の腕であった肉塊も蹴り飛ばして世界樹の中へ。

「オゴ、オゴァァアア、アアアアアアアアッ!?」
「サクヤ、合わせてくれ!」

超失敗作のあまりの不味さに翼は悶えるが、続けざまに天から降り注ぐ聖光にその身体を焼かれてさらに苦しむ。
そんな翼に対して、レスト渾身の正拳突きが撃ちこまれ、浮き上がったその身体にサクヤ渾身のフルスイングも叩き込まれ……
翼はそのまま遥か彼方まで飛ばされていくのであった。



566深淵なる混沌の予兆:2014/05/07(水) 00:54:22 ID:9P2xBe.w0
「レスト様、レスト様ぁ……!」
「泣くなってばサクヤ……ほらまだ左手は残ってるから、撫でてあげられるからさ……」
「ひっく、ひっく……」
「そしてなんで君たちまで泣くのさ……」
「だって……あかり達を庇って……!」

おびただしい量の血液で辺り一帯を真っ赤に染め上げ、様変わりしてしまった世界樹の入り口。
そこにはほんの少し前まであった和やかさは微塵も残っていない。
主催者が造ったかもしれない未知の物質の脅威、そしてそれを考えている最中に強襲して来た食人鬼。手痛い傷を受けた番人。
目まぐるしくかわる怒涛の展開に、誰もが混乱していた。

「……そうだね。確かに君たちを庇わなければ、少なくとも僕はここまで傷を負うことはなかっただろう」
「……!」
「でもね……動いたのは僕の意思だ。それに不思議と後悔はしてないよ。
 なんでだろうね、君たちと話してたら……昔を思い出したんだよ。あかりはアゼルみたいなこと言うしさ……
 気がついたら身体が勝手に動いてた。まあ、その前に僕も君たちに助けられてるし……おあいこでいいんじゃないかな?」
「で、でも……!」
「あー大丈夫大丈夫。僕は双剣も使える両利きだし、もう傷口は塞いでおいたし。多分首輪外せたら回復魔法で腕もまた生やせるんじゃないかな?
 むしろこれからのことを考えて起きている今の頭痛の方が辛いね」
「これから……ですか?」
「うん。……あいつは多分まだ、生きているからね」

その言葉に、泣いていた者達の涙も一瞬で引っ込んでしまう。

「ど、どうしてっすか!? だって、さっき……」
「ああ、あれは超失敗作で身体能力を一時的に奪って、さらに聖属性の耐性も下げたところをサクヤにかっとばして貰ったわけだけど……
 さっきはとにかく僕の腕を食べさせないことに必死だったんだよ。だって多分あれは……」
「……?……?!」

『謎の物質は殺し合いを促進させる物質じゃない。
 多分、体内の蓄積量が増えると徐々に身体を作り変えて化物にするんだと思う。
 だからあの時、ラッコを食べたあいつは傷が回復したし、身体能力が一気に上がったんだ。
 これ以上、謎の物質やあいつを放置すると――この世界が呑み込まれるかもしれない』


【二日目・3時30分/日本・都庁入り口付近】

【レスト@ルーンファクトリー4】
【状態】中ダメージ、中疲労、右腕喪失、全属性攻撃吸収、無属性攻撃半減、サクヤの飼い主
【装備】天ノ村雲ノ剣、草原のペンダント
【道具】支給品一式、不明品、風鳴翼の右腕
【思考】
基本:都庁の軍勢を守りつつ星の自然環境改善
0:まずはダオス達に未知の物質、進化する翼の存在などを伝え、今後の行動方針を決める
1:ここの影薄三人は、とりあえず助ける
2:機械っぽい外見の奴は問答無用で潰す
3:鬼灯、影薄と魔法少女組を警戒
4:あわよくば竜と結婚できる世界を作りたい
5:まどかに自決されて魔物の士気が下がっても困るので、しばらく敵は半殺しで我慢
※影薄との情報交換により、大気中の物質の存在を知りました
※少なくとも首輪を外さない限り、通常手段では右腕の再生はできません
※都庁の世界樹はナノマシンの浄化も可能ですが、限度があります

567深淵なる混沌の予兆:2014/05/07(水) 00:54:56 ID:9P2xBe.w0
【黒子テツヤ@黒子のバスケ】
【状態】健康、混乱、落ち込み
【装備】猟銃@現実
【道具】死出の羽衣@ 幽々白書、ウィンチェスターM1912、エンシェントソード@Minecraft
【思考】基本:仲間と共にカオスロワを終わらせる
0:これからどうすれば……
1:友人たちと生き残る
2:空気中に漂う物質への対処法を考える

【東横桃子@咲-Saki-】
【状態】健康、混乱、落ち込み
【装備】斬鉄剣@ルパン三世
【道具】支給品一式、スマホ、謎の物質考察メモ、筆記用具
【思考】基本:仲間と共にカオスロワを終わらせる
0:空気中に漂う物質への対処法を考えたいけど……
1:加治木先輩や友人たちと生き残る
2:スマホを使ってネットで情報を探る
3:DMCファンだけど信者の暴動にはドン引き

【赤座あかり@ゆるゆり】
【状態】健康、混乱、落ち込み
【装備】なし
【道具】マムルの肉@風来のシレン
【思考】基本:仲間と一緒にカオスロワを終わらせて主人公らしく大活躍!
0:主人公らしく活躍できたと思ったのに……
1:混沌の騎士の分も頑張る
2:まどかと同じく、人間と魔物の共存に賛成
3:オオナズチ以外の都庁のモンスターの背中に乗ってみたい

【極光の麒麟・サクヤ@パズドラ】
【状態】健康、混乱、落ち込み、調教済み
【装備】戦鎚、黒子の服、布切れ
【道具】支給品一式、スマホ、都知事のパソコン
【思考】
基本:レストに服従
0:もっとレスト様を支えられるようになるには……
1:ネットに疎い主に代わり情報収集
2:オオナズチにはいずれお返しする





――ああ、痛い。痛い。腕を落とされて、まだ腸もはみ出たままだ。殴り飛ばされた衝撃で全身の骨も砕けたみたいだ。
――でも何故かな……ぼのぼの。
――君が私の中にいると思うと、すごく安心するんだ。とても満たされて幸せな気持ちになる。
――ぼのぼのを食べてから、妙に身体の調子がいいんだ。相変わらず腹は減るがな?
――なんというかこう、ちょっとの怪我ならすぐに治るような……そう、再生能力にでも目覚めたのかな。
――これも、ぼのぼののおかげなんだろう?
――ありがとう。いつも私は助けられてばかりだな。
――レストの腕を食いそびれたのは辛いが、血液と肉片だけであれだけ美味しかったんだ。きっと全身はもっと……
――そうかそうか、ほんとうにぼのぼのは脳味噌が好きなんだな。わかったわかった。今度こそきっとご馳走するよ。
――私の好きな部位?そうだな、やはり最初に食べたからか腸だな。歯ごたえがたまらなかったよ。
――あ、一心同体になったから半分この必要もないのか。やったなぼのぼの、たくさん食べられるじゃないか!

――ところでぼのぼの、少し聞いてくれるか?

568深淵なる混沌の予兆:2014/05/07(水) 00:56:16 ID:9P2xBe.w0
――人間も魔物も、そして愛する君さえ食べてしまった私だからこそ気がついたんだが……
――この穏やかな気持ち、きっと君も抱いているんだろう?
――やはりな!どうやら私に喰われた存在は、みんな消化されるのではなく浄化されるらしい。

――みんな私の一部となり、私の中で穏やか気持ちで過ごせているんだ。この静かな優しい闇の中でな。
――誰も苦しまない、涙を零すこともないんだ。
――ほら、アゼルとフォズも笑っているじゃないか。
――おや、あれは私が喰った死体の少女か?生前はこんなにかわいい子だったのか。
――ははは、なんて素晴らしい場所だろう。ここならば、みんなが幸せなんだ。
――そうと決まれば、動かねばな。こんな殺し合いなんて平和とは無縁の世界から、私がみんなを救うんだ



 ソ ウ

 ワ タ シ ノ ナ カ ナ ラ ミ ン ナ シ ア ワ セ 



【二日目・3時30分/日本・???(少なくとも東京都外)】
【風鳴翼?@戦姫絶唱シンフォギア】
【状態】超絶ダメージ(再生中)精神不安定、炎・水・雷・風・植物(地)耐性(強)、闇耐性(弱)、聖弱点、四条化、きゅんっバンパイア化
【装備】シンフォギア・天羽々斬(さらに禍々しく変化・大破状態)@戦姫絶唱シンフォギア
【道具】支給品一式
【思考】基本:???
0:スベテヲタベテトリコモウ
※四条貴音の細胞に肉体を侵食されたため、四条化し貴音の能力と一部の記憶を受け継ぎました
※テラカオス化候補者の結月ゆかりの死体を食べた事により、テラカオス化進行度がさらに上昇しました。
それに伴い、シンフォギアの形状が禍々しく変化し、全体的な能力が上がっています。
※テラカオス化重度進行者であるぼのぼのを食べた事により、テラカオスにより近い存在となりました
それに伴い、捕食した相手から耐性を得る以外にも、能力略奪や身体能力上昇などの恩恵も受けられるようになりました
※大気中にナノマシンが存在する為、どんな参加者を食べても少なからずテラカオス化は進行します
※レストの手により、一定時間身体能力と聖耐性を下げられていますが、時間経過で聖耐性(強)に戻ります

569こちらでも混沌の予兆:2014/05/11(日) 13:25:25 ID:QRtojthw0
佐村河内フレミングが喰った肉は確かに数時間放置された人間だったものの肉だ。
でも焼かれてるので問題なし。

では何故死んだか。
実は死んではいない。
佐村河内フレミングは喰った肉に宿っていたガウスと02の精神が混ざり合い、もはや首輪が佐村河内フレミングを佐村河内フレミングとして認識できなくなったのだ。
今いるのは佐村ガウスフレミング02だ。

【二日目・3時45分/埼玉県と長野県の県境あたり】

【佐村ガウスフレミング02@現実?】
【状態】健康、テラカオス化加々速中、振動能力会得、電撃能力会得
【装備】なし
【道具】支給品一式
【思考】基本:音楽に関係する者全てを抹殺し再び自分が音楽界に舞い戻る。
1:三種のフレミングの法則を知らない奴も全て抹殺する。
2:もうぶっちゃけいらついたら誰でも抹殺する
※テラカオス化進行により、モース硬度4〜8の固体を振動させ、剣のように使えるようになりました
※ジョン・フレミング及び剛田ジャイ子のテラカオス化進行度が加算されました
※真・フレミングの法則などのフレミングがこれまで体得した技も引き継ぎました
※他のテラカオス化進行者を倒す、或いは返り討ちにされた場合も勝者の方に進行度が加算されます
※S2機関を獲得したかもしれませんし、獲得していないかもしれません

570生き抜くため振りかざす力:2014/05/14(水) 22:37:30 ID:ewSzYQUM0

「「バスター・バリエーションPART5!!!」」
「バ、バカなこのSTAP細胞でテラカオス化に完全に成功したこの小保方リーダーがああああ!?」

 二人同時にキン肉バスターを掛ける。
 あまりの衝撃で静岡に突如現れた特設リングが、小保方リーダー諸共破壊された。
 
「やったね、優ちゃん!」
「うん、春香!」

 ゴングが三度鳴り、試合終了を告げる。
 崩れたリング上で二人は手を繋ぎ、ガッツポーズをする。
 こうして、彼女たちは突然の襲撃者、小保方リーダーと【発明王】トーマス・エジソンを撃破したのであった。
(ちなみにトーマス・エジソンに二人が仕掛けた【昇技・トライアングルドリーマー】で血祭りにあげたのを見て……
 ザ・ニンジャは若干の苦笑いを浮かべた)
 

「しかし、だ、ソルジャー?」
「どうした、ベジータ?」
「何故、あんな小娘二人があんな凄まじい技なんか出来るんだ!」
「黙らんか〜〜〜ベジータ! 男というものはあまりしゃべるものではない!!」
(……くっ、なんだがよくわからないが言い返せない……
 だが、奴が秘めている何かこのベジータ様が惹かれているのは、確かだ……
 キン肉マンソルジャー、カカロットとはまた違うタイプだ)

 ベジータの問いかけにアタル兄さんは一喝。
 これにはサイヤ人の王子ベジータも一瞬たじろいだが、すぐに立て直す。
 そして、自身も特訓を再開する。だが、それは野球の特訓ではなかった!

「カーッカカカ!! サイヤ人の王子の貴様とて、この技を受ければ一たまりもないぞ!」
「構わん、さっさとやれ! アシュラマン!!」

 アシュラマンは2本の腕でベジータの両足首、2本の腕で両腕、そして残った2本の腕で首をガッチリと掴んだ。
 そして、その状態のままアシュラマンは空高く飛び上がった。


「これぞ! 改 良 阿 修 羅 バ ス タ ー ! 」
「ぐはっ!?」


 そのまま、地面に激突。
 ベジータは再び瀕死の重傷を負った。 

「フェイス・フラッシュ!」

 だが、その度にアタル兄さんのフェイス・フラッシュによって傷を癒す。
 こんなことをするのは、ベジータが別にマゾなわけではない。
 サイヤ人の特性『瀕死状態から回復することにより戦闘力が大幅に上昇する』ことを利用したトレーニングなのだ。
 現に小保方リーダーたちに襲われる前にベジータはアタル兄さんたちにこんなことをしてもらっていた。

「だが、こんな悠長なことしていていいのだろうか?」
「殺し合いも二日目に入り、あの『お方』も動き出したからでござるからな」
「あの『お方』か……」

【小保方リーダー@現実? 死亡確認】
死因:バスター・バリエーションPART5
【【発明王】トーマス・エジソン】
死因:昇技・トライアングルドリーマー

【二日目・3時00分/静岡県・特設リング跡地】
【ベジータ@ドラゴンボール】
【状態】健康、へたれ、金髪恐怖症
【装備】野球のユニフォーム
【道具】支給品一式、ノートパソコン
【思考】基本:死にたくないので野球をする
0:まずは野球を覚える
1:ナッパとイチローを探して保護してもらう
2:絶対に都庁には近寄りたくない
3:多分ピッチャー向きだと思う
4:移動しつつツイッターはやる
※何度も瀕死状態から回復したので戦闘力が上がったかもしれません。

【高山春香@桜Trick】
【状態】健康
【装備】野球のユニフォーム
【道具】なし
【思考】
基本:優ちゃんとイチャイチャする
1:超人血盟軍についていく
2:野球とか別にいいかなって……

【園田優@桜Trick】
【状態】健康
【装備】野球のユニフォーム
【道具】なし
【思考】
基本:春香と一緒
1:超人血盟軍についていく
2:野球よりもバレーボールがしたい

571生き抜くため振りかざす力:2014/05/14(水) 22:37:54 ID:ewSzYQUM0

【キン肉アタル@キン肉マン】
【状態】健康
【装備】キン肉マンソルジャーのマスク、野球のユニフォーム
【道具】不明
【思考】
基本:殺し合いを止める
0:野球チーム(超人血盟軍)を率いる。
1:二人を鍛える
2:ついでにベジータも鍛える
3:「あのお方」か……

【ブロッケンJr.@キン肉マン】
【状態】健康
【装備】ドクロの徽章、野球のユニフォーム
【道具】不明
【思考】
基本:アタルに着いていく
1:二人を鍛える
2:「あのお方」……一体、何将軍なんだ……?

【バッファローマン@キン肉マン】
【状態】1000万パワー
【装備】ロングホーンで出来たバット
【道具】不明
【思考】
基本:アタルに着いていく&あの「お方」に従う
1:二人を鍛える

【アシュラマン@キン肉マン】
【状態】健康
【装備】誰かの腕×6本にミットが5つ
【道具】不明
【思考】
基本:アタルに着いていく&あの「お方」に従う
1:二人を鍛える
2;ところでこの腕は誰の何だ?

【ザ・ニンジャ@キン肉マン】
【状態】健康
【装備】忍者着
【道具】不明
【思考】
基本:アタルに着いていく&あの「お方」に従う
1:二人を鍛える

572生き抜くため振りかざす力:2014/05/14(水) 22:38:24 ID:ewSzYQUM0

 あの『お方』。
 それはザ・魔雲天に野田総理に命じたあの男だ。
 それが今、この四国・徳島の飛竜が言っていた拠点からようやく動き出す。

「……以上が、今現在までに分かったことだ」
(……何という威圧感、この男に飛竜が従っていたのか)
「―――時は満ちた」

 飛竜とハクメンの前にどっしりと座っているこの男。
 西洋の甲冑を纏い、鉄仮面にも似たマスクを被ったこの男。

「動くのか」
「無論だ」

 その男の名は『完璧・壱式(ファースト)ゴールドマン』。
 またの名を………

「――――これより、我らは死者スレへの侵攻を開始する!!!」

  

  悪  魔  将  軍  。


(死者スレってどこだ?)

【二日目・3時00分/徳島県・???】
【悪魔将軍@キン肉マン】
【状態】健康
【装備】黄金のマスク
【道具】不明
【思考】
基本:主催たちの抹殺
1:死者スレに向かう
※目的は不明ですが、死者スレになんかあるそうです。

【飛竜@ストライダー飛竜】
【状態】健康
【装備】光剣サイファー@ストライダー飛竜 クナイ、各種オプション、ウロボロス@BLAZBLUE
【道具】支給品一式 
【思考】基本:主催を抹殺する
1:ハクメンと共に主催陣営及び『悪』を殲滅する
2:まだ主催以外の参加者が残っている九州ロボをテニスボールで攻撃した者を抹殺する。
※新作『ストライダー飛竜』の技が使えます。
※ウロボロス@BLAZBLUEはどっかから拾ってきました。

【ハクメン@BLAZBLUE】
【状態】健康
【装備】斬魔・鳴神
【道具】支給品一式
【思考】基本:『悪』を滅する
1:飛竜と協力して、主催及び世界に災いをもたらす者を『刈り取る』
2:まだ主催以外の参加者が残っている九州ロボをテニスボールで攻撃した者を抹殺する。
※勾玉ゲージ等の状態は次の書き手に任せます。

573止まらない流血:2014/05/16(金) 00:07:16 ID:vk/U6jV60
千葉県。
永江衣玖の空気を読む程度の能力によって大災害で生き残った日本も数日中に天変地異が襲うことを知った雪音クリスとシマリス。
知り合い探しを兼ねて、この緊急事態を伝えるべく奔走することにした一行であったが、そこで怪人の急襲を受けた。
シンフォギア「イチイバル」を纏った雪音クリス、究極の胡桃使いであるシマリス、サタデーナイトフィーバーポーズしか取れないとはいえ空気を読む程度の能力を応用した電撃技に加えて仮面ライダーイクサに変身することで能力を増大した永江衣玖の三者の前ではただの怪人などひと捻りだろう。
……そう、ただの怪人ならば。

「クソッ、死んだ仲間を悼む暇もなく、ヤバイ奴に出くわしちまったッ!」
「わ、わたしの技が全然効かないなんて……」
「これは少々まずいですね」

クリスもシマリスも衣玖ですら多大なダメージを受け、消耗していた。
強者の部類に入るであろう三人をここまで追い詰めるのはそこらに転がっている有象無象の怪人では土台無理な話だ。
つまり、彼女たちが戦っているのは自分たちより遥かに強い敵である。
その強敵こそ、宇宙生物ワームの中でも最強であるカッシスワーム・乃木であった。

「三人ともスジはいいようだが、もうここまでだ」

ボロボロのクリスたちに対してカッシスワームは全くの無傷である。
これは敵の攻撃をエネルギーに還元吸収する能力を持っているからである。
したがって、シンフォギアで生成した銃弾・投げ込んだ胡桃・電撃もエネルギーとして吸収されてしまったのである。
さらに吸収した技をコピーして返せる能力まで備わっているため、攻撃するということはそのまま自分に攻撃が返ってくるということであった。

「だが、諸君ほどの腕の持ち主を殺すのは些か惜しいな。
俺の傘下に下るのならば、降伏を認めてやってもいいぞ」

このまま押し切れば三人を殺せるであろう乃木が戦闘の最中に取った行動は、意外にも降伏勧告であった。

「そっちから襲いかかってきやがったくせに、何勝手なことを言ってやがる!」
「それは君たちを腕試しするためだ。
俺もこんな下らない殺し合いなど進んでしたくはない」
「……信用できませんね。
私たちに何かをさせたいようですが、あなたの目的は何なのです?」

衣玖の問いに、カッシスワームは淡々と答える。

「諸君には三つほど手伝ってもらいたいことがある。
一つは愚かな主催共の打倒、一つはこの邪魔な首輪を外せる技術者の捜索。
そしてもう一つは、弱くて愚かな他の参加者の間引き」
「間引きって……どういうことでぃす!?」
「力も技術も持たない弱者を生かす必要はない。
そういったものは俺の糧になってもらう形で有効利用させてもらう」

カッシスワームのスタンスは対主催である。
だが、日本という僅かに残った土地と資源では人類含む全ての生物を賄いきれない事ぐらいは理解しており、主催に対して反抗的な理由も社会基盤そのものを壊しかねない『殺し合いによる』人口削減を否定しているだけだ。
人口削減そのものは必要であると彼は思っている。
仮に、この男が殺し合いを打倒した暁にも壮大な間引きが待っている。
自分にとって不都合な存在……特に弱い人類は淘汰・虐殺し、自身が優れた種であると信じている宇宙生物ワームによる日本の統治を始めるつもりなのだ。
いわば超危険対主催、この男に殺し合いの破壊をさせても人類や弱者に未来はない。
そんな男を野放しにできる理由がクリスたちにはあるハズがなかった。

「……ざけんなッ!!」
「アンタみたいなのを放っておいたら、ぼのぼのちゃんたちの身が危ないでぃす!!」
「なおさら、あなたのような人を生かす理由がなくなりました」

ダメージを負った体に鞭を打ちながら、クリスは両腕のガトリングガンを、シマリスは大量の胡桃を、衣玖はイクサの上をいくライジングイクサに変身し、カッシスに再び戦いを挑む。

574止まらない流血:2014/05/16(金) 00:08:28 ID:vk/U6jV60

「諸君、それは交渉決裂と見ていいようだね。
だが君らでは俺に勝てる見込みはないだろうな」

余裕を見せるカッシスに三人は銃弾・胡桃・電撃による弾幕を浴びせる。
しかし、それでは攻撃をエネルギーに還元吸収できる敵に餌を与えているに過ぎない。

「無駄だよ、その程度で俺に勝とうなど……?」

ふと、カッシスは気づいた。
弾幕の影の中で自分を囲むように三者が移動をしていたことに。

「確かにあなたはあらゆる攻撃を吸収できる力をもっているようですが、限度は必ずあるはずです」
「バラバラだった火力を一点に集中させりゃあ、どうなるかな?」
「まさか……」
「そのまさかでぃす!!」

三人は一見無敵に見えるカッシスの吸収能力にも限界はあると見抜き、その可能性に勝負を賭けた。
三方向からの集中砲火でカッシスを倒すつもりなのだ。

「いくぜッ!! メガデスパーティーッ!!」
「秘奥義、ナッツアバランチでぃす!!」
「弾幕&ファイナルライジングブラスト」

クリスの方角からは大量の弾丸とミサイルが、シマリスの方角からは課長を確実に殺害できる雪崩のような胡桃が、仮面ライダーイクサライジングは必殺の光線とスペルカードによる弾幕がカッシスに押し寄せる。
それは嵐のような、回避不能の理不尽弾幕であった。
カッシスは襲いかかる弾幕の中に飲み込まれて見えなくなり、彼を中心に大きな爆炎が巻き起こった。

「やったか!?」

そう言ったのはクリスである。
いくらカッシスと言えど、吸収しきれぬほどのありったけの力を注ぎ込んだんだ。
パワーだけでなく攻撃から逃げられないように隙間もないほど撃ち込んだ……負けるハズがない。
彼女だけではなく、他の二人もそう信じていた。

だが。


「……ゴフッ!」
「衣玖さん!?」
「衣玖ッ!?」

突然、衣玖の腹部から見覚えのある二つの刃が飛び出した。
背中から腹部を貫くほどのひと突きに、腹部にかけてあったイクサベルトが全壊して変身が解除されてしまう。
変身が解けて元の美少女の姿に戻った衣玖の姿は、刃が刺さったままの腹部からの出血と口からの吐血で真っ赤に染まっていた。
そして彼女を背後から刺したのは一瞬でも倒したと思ったていた無傷のカッシスワーム・乃木であり、クリスとシマリスは目を見開かざるおえなかった。

「あの攻撃でピンピンしている……でぃすと……?」
「どうして生きてやがるんだ!」
「惜しかったな。
吸収能力を上回る火力で攻撃するという諸君らの着眼点は悪くなかった。
だが私のもう一つの能力……時間を止める力『フリーズ』を使わせてしまったのが悪手だったな」
「時間を止めるだって?!」

カッシスは通常のワームがもつ高速移動できる能力『クロックアップ』から進化した力、時間そのものを停止できるフリーズの力を持っているのだ。
もっとも『グラディウス形態』に移行した現在ではエネルギーの還元吸収能力と引き換えに使えなくなったハズだったが、先の佐倉杏子、高町ヴィヴィオの肉体を吸収した際に使用できるようになったのだ。
テラカオス化の進行か、それとも魔法少女と聖王という特殊な存在を取り込んだことでカッシスの肉体に変化を及ぼしたのだろう。
制限によって一度の使用に体力を消耗するので無限に使えるわけではないが、時間停止能力を持たぬ者にとってただ一度の使用ですら脅威となる。
回避不能に見えた理不尽弾幕ですら、彼の前では宙に浮いたオブジェにしかならないのだから。
クリス、シマリスはただ驚愕するしかなかった。

575止まらない流血:2014/05/16(金) 00:09:40 ID:vk/U6jV60

「能力の使用で少々小腹が空いてきたところだ。
歯向かった罰として、この小娘には最初に糧になってもらう」
「そんなことさせるか!」「でぃす!」
「安心しろ、諸君らも直に同じ場所に行き着く、そこで大人しく見ているがいい」

クリスたちが満身創痍の衣玖を救おうとするが、それよりも早くカッシスは衣玖の肉体をエネルギーに還元しようとする。

「……させませんよ」
「なにッ!?」

突如、衣玖は刺されてなお続けていたサタデーナイトフィーバーポーズを解き、腹から突き出ているカッシスの刃を握り締め、さらに自分とカッシスの周りが強く帯電をさせた。
それらの事象に対して直感的にまずいと感じたカッシスは急いで自分の体の一部でもある刃を引き抜こうとするが、衣玖は刃を腹や両手の肉に喰い込ませて、どんなに鮮血を垂れ流し激痛を感じても離そうとしなかった。

「あなたの一部である…この刀は絶、対に離し……ません。
時間を停めても無駄ですよ……あなたには私と共に死んでもらいます」
「貴様ッ……!」

周囲の帯電がより一層強くなる。
帯電の発生源は衣玖本人であり、その発生源から離れられない以上、カッシスはフリーズを使っても無意味である。
吸収能力の許容限界を超えたエネルギーはカッシスの身を焼くこともできる衣玖の会心の策である。
……引き換えに衣玖自身も命を落とすことになるが。
ポーズを解くと制限で呼吸困難に陥るが、致命傷で死ぬ以上、もう呼吸する必要もないと見越して彼女はポーズを解いたのだ。

「衣玖さん!」
「衣玖ッ! 馬鹿な真似はよせ!」
「お二方……どのみち、この傷…では私は助かりません……」

一人と一匹は衣玖を助けようとするが帯電が強すぎて近づくこともままならなった。
されど自分を助けようとしてくれている仲間たちの気持ちだけでも嬉しかったのか、衣玖は最後に微笑みかけ後を託すことにした。
「クリスさん、シマリスさん……私の代わりに天子様を、お願い致します……」

その言葉を最後に衣玖は力尽き、それと同時に莫大な量の電気が衣玖とカッシスを包んでその場を中心に大爆発が生じさせた。

「衣玖ぅーーーーーーーッ!!」
「衣玖さーーーーーーーん!!」

感情のままにクリスとシマリスが叫ぶが、爆炎が消えた跡にはクレーター以外は何も残っていなかった。
衣玖も……カッシスも……粉微塵になった、彼女と彼はそう理解した。

:::

それからしばらくして、クリスとシマリスは先の戦闘の爆音を聞きつけたゼクスを中心とする対主催グループに保護された。
MS・ガンダムエピオンの手に乗って彼らが拠点にしていた浦安市にある某遊園地まで案内されることになった。
現在はその遊園地の敷地内にあるホテルで身を休めている。

「先ほどの爆音はそういうことだったのか……」
「まあ、仲間に関しちゃ残念だったというしかねえが、お嬢ちゃんと小動物くんは立派に戦ったよ」
「しかし、あらゆる攻撃を自分のパワーにし、時間まで止める相手とはとんでもないですね。
あなたたちが止めてくれなければどれだけの被害が出ていたことか……」

応急処置を受けながら先の戦闘の顛末をクリスたちは、ゼクスと彼の仲間であるベルナドットとLに話していた。
衣玖と過ごした時間はとても短いが、それでもかけがえの無い仲間だった。
そんな彼女を守れなかったクリス・シマリスは自分を責め、己の無力さに恥を覚えていた。

(もっと強くなりてぇ……響や衣玖のような犠牲を出さないためにも)
(今のままのわたしじゃぼのぼのちゃんやアライグマくんを守りきれないでぃす、どうすれば……)

衣玖の死は、二人にカオスロワの厳しさを教えたのだった。
これが後の成長に繋がるかどうかはまたの後の話である。
二人は衣玖の死を嘆くと同時に、彼女が遺した言葉の一つを思い出した。

「そうだ! シマリス、あのことをゼクスたちにはまだ話してなかったよな!」
「ええ、まだでぇす」
「あのこと?」

576止まらない流血:2014/05/16(金) 00:10:22 ID:vk/U6jV60

衣玖は空気を読む程度の能力を使って、この日本であることが起きることを知っていた。
それはあの大災害を生き残った者全てに伝えるべき重大な事柄であった。

「みんな殺し合いなんて悠長なことやってる暇はないんでぃす!」
「近日中にこの日本にも天変地異が、あの世界を沈没させた大災害が生き残った日本にも襲いかかってくる……衣玖はそう言っていた」

世界が滅びるかも知れない将来の可能性を真顔で伝えるクリスとシマリス。
それを聞いたゼクス、ベルナドット、Lの三人の男たちは――


「えっ」「えっ」「えっ」


――面食らっていた。

(うん、まあ普通はそんなリアクションだろうな)
(シマリス達もそれを初めて聞いた時は似たような感じだったでぃす)


【二日目・1:00時/千葉県 浦安市にある某遊園地】

【雪音クリス@戦姫絶唱シンフォギア】
【状態】ダメージ(大)、疲労(中)、悲しみと怒り
【装備】イチイバル
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】
基本:仲間を探して現状を打破する
0:とりあえず、今はゼクスたちについていく
1:近日中に来る天変地異のことをより多くの者に伝える
2:もっと強くなりてぇ
3:響、どうして死んじまったんだ……
4:衣玖の代わりに比那名居天子を保護する

【シマリス@ぼのぼの】
【状態】ダメージ(大)、疲労(中)
【装備】胡桃百個
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】
基本:仲間と共に生き残る
0:とりあえず、今はゼクスたちについていく
1:近日中に来る天変地異のことをより多くの者に伝える
2:胡桃の扱いを極める
3:胡桃の補充をしたい
4:衣玖の代わりに比那名居天子を保護する

【永江衣玖@東方project 死亡確認】

【ゼクス・マーキス@新機動戦記ガンダムW 】
【状態】健康
【装備】ガンダムエピオン@新機動戦記ガンダムW
【道具】支給品一式 そのほか不明
【思考】基本:バトルロワイヤルを止める
0:えっ
1:今はクリスとシマリスの手当をする
2:殺し合いを止める意志のある仲間を集めたい
※浦安市にある某遊園地を拠点にしているようです。

【ピップ・ベルナドット@HELLSING】
【状態】健康
【装備】自動式拳銃×2 M16
【道具】支給品一式
【思考】基本:バトルロワイヤルを生き残る
0:えっ
1:生存確率が上がりそうなので今はゼクスについていく
2:あのアーカードの旦那が死ぬとは……

【L@DEATH NOTE】
【状態】健康
【装備】自動式拳銃
【道具】支給品一式 手榴弾×25
【思考】基本:バトルロワイヤルを止める
0:えっ
1:クリスたちと情報交換をする

577止まらない流血:2014/05/16(金) 00:11:10 ID:vk/U6jV60
:::


クリスたちが先程までいた戦闘跡地。
焦げ付いたクレーターの中から這い出るように怪人が現れた。
――カッシスワームだ。
クリスたちが死んだと思っていたカッシスワーム・乃木は生きていたのだ。

「くっ、おのれ小娘……だが俺を仕留めるには今一歩踏み込みが足りなかったな」

彼の身体は多少は焼き焦げており、ダメージは確かに与えられ、気絶によって数時間ほど行動不能に追い込んだ。
されど、殺すことはできなかった。
衣玖が命を投げ打って起こした電撃は、彼の吸収能力を超えるエネルギーだったが、その襲いかかるエネルギーで衣玖が粉微塵になる瞬間と同時にカッシスはフリーズを発動、手枷になっていた衣玖の骸が消滅することで腕の自由を取り戻す。
さらにその腕で地面を掘って天然の絶縁体である地中へと緊急避難、電撃ダメージを最低源まですり減らした。
結果的に一時的に気絶まで追いやれるダメージは与えたものの、殺しきるにはいたらなかった。
クリスとシマリスをカッシスから引き離すことができたという意味なら衣玖の死は無駄ではなかったが。

「もう一人の小娘と小動物はどこかに行ったか。
まあいい、無理に追いかける意味もない……殺すのは主催共を皆殺しにし、この無意味な殺し合いを終わらせた後からでも遅くない」

カッシスはあくまで感情に囚われず、クリスたちは後回しにすることにした。
ただし、ワームに逆らった者として次に遭遇した場合は確実に始末するつもりではあった。

「とにかく今は一刻も早く首輪を外したい。
これが外れてくれぬことには主催を皆殺しにはできないからな」

カッシスの現在の目標は自分を縛る首輪の解除である。
首輪が付いている限り主催との交戦ができない。
いち早く首輪を外せる技術者を確保する必要があった。
技術者以外は襲撃し、腕が立つ参加者は利用し、そうでないものは糧にする。
それが彼のロジックである。

「しかし、もっと効率の良い探し方を検討した方が良さそうだな。
虱潰しでは流石に時間がかかりすぎるし……ん?」

より良い技術者探しを思案するカッシスの目に止まったのは一軒のネットカフェであった。

「インターネット……地球人にはそんな便利なものもあったな」

今まで手を出さなかったが、パソコンでネットに繋げばまだ生きているであろう技術者の捜索も楽になる。
そう思ったカッシスは一旦、乃木の姿に戻りネットカフェの中に入っていた。

乃木怜治……彼が首輪を解除して主催に勝利したとしても、人類にもたらされるのは殺し合いからの解放ではなく、ワームが世界の支配権を握る地獄だけが待っている。


【二日目・1:00時/千葉県のネットカフェ】

【乃木怜治@仮面ライダーカブト】
【状態】ダメージ(中)、疲労(中)
【装備】なし
【道具】基本支給品一式、不明支給品
【思考】
基本:愚かな参加者の諸君を始末し、最後には主催者の諸君も始末する
0:ネットカフェでしばらく情報収集
1:特に首輪を外せる者を優先して探す
2:利用出来る参加者がいるなら利用するが、そうでないなら餌にする
3:クリスとシマリスは後回し、もう一度遭遇したら殺す
※佐倉杏子、高町ヴィヴィオの肉体を吸収しました。
※時間を止める能力・フリーズが使用可能ですが、使用毎に体力を消費する制限にがついています。

578大爆発!これがサーシェスさんの魂だ!!:2014/05/17(土) 20:02:52 ID:pnH6g6ko0

「ZZZ……」

一方、その頃サーシェスさんはまだ寝ていた。
だが、彼のテラカオス化は着実に進んでいた。
その結果、彼が『いびきを一回する度に周囲に爆発のエフェクトが発生する』ようになったのだ!
こんな感じに。
            . -‐ニ ̄ニ‐- .
       _/           \_
 =二 ̄ /               ',  ̄二=
     ̄7'' ―― ___ ―― 戈 ̄
――― 从,,i ;         `. 、 .尢r、――――――
      /\じ'jl|此ト=メ i;_,,爻,,i| 刈ゞメ
       ``‐ヾ:;!Iヅ 〃!iメト辷-" ^
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
            ↑この辺にサーシェスさん。

でも、エフェクトだからね? 特に周囲に影響はない。

【二日目・3時00分/日本・東京都新宿中央公園】
【アリー・アル・サーシェス@機動戦士ガンダム00】
【状態】睡眠中、強い屈辱 、ヒゲが生えてきた、テラカオス化進行中
【装備】ヤークトアルケーガンダム@機動戦士ガンダム00V
【道具】支給品一式、熱線銃
【思考】基本:カオスロワという名の戦争を楽しむ
0:今は寝る、起きたら虐殺の続き
1:参加者は片っ端から虐殺
2:赤いガンダム(ガンダムエピオン)には必ず雪辱を果たす
※新型ナノマシンにより、闘争本能等が増大しました。
※テラカオス化の影響で『いびきを一回する度に周囲に爆発のエフェクトが発生する』能力を得ました。
※主催の一員ですが、すっかり頭の中から抜けてしまいました。
※第三回放送を聞いていません。 。

579鳳凰どアホウ甲子園〜聖帝軍結成の時〜:2014/05/19(月) 00:25:42 ID:SZEcycVw0
到着です皆さん。ここが埼玉の西武ドームです」
「フフフ、早い到着だったな……ここなら野球道具の一つや二つ容易く手に入るはず!」
「ていうか、なんで俺達わざわざ隣県まで野球道具探しに来てんだよ……」
「元はと言えばサウザー、貴方が『とにかく今は東京から離れたい』と最後までごねるからわざわざ埼玉まで
 来たのですよ? 何か言う事はないのですか?」
「俺がいつそんなヘタレ臭い事を言った? 全く記憶にないなぁ〜?」
「誤魔化した! しかも微妙に獄長っぽく!」


レイジや亜久里に突っ込まれつつ我らが聖帝サウザー率いる聖帝軍がやってきたのは埼玉・西武ドーム。
彼らは一刻も早くカオス渦巻く東京都から離れたいサウザーのわがままによって、ここまで足を運ぶ事と相成って
いた。
ちなみにここまでの移動は正太郎の操縦する鉄人28号に全員が捕まる事で行われたため、その辺の交通手段よりも
比較的早く到着したのは幸いだった。


「まあサウザーさんの件は今は置いておくとして、今は野球の準備をしましょう」
「ムゥッ……!?」
「どうしたの、チルノちゃん?」

ドーム内に入ろうと足を進める一同だったが、急にチルノが何かに感づいたかのように歩を止めたためイリヤが
問いかけてみた。

「あたいのスパイダー感覚に反応あり! このドームの中に同胞の気配がするよ!」
「チルノちゃんの同胞って……まさか妖精がいるの?」
『ていうか、なんで氷の妖精にスパイダー感覚があるんですか』

ルビーの的確なツッコミに一同が内心同意する中、サウザーが口を開く。

「だがその妖精とやらがもし我が聖帝軍に入団してくれるならば9人目が揃いチームが成立する! これで
 イチローチームやドラゴンズ、先ほど結成したという超人血盟軍、そして掲示板で俺を散々ディスりやがった
 大魔神軍の連中とも試合ができるぞ!!」
「やっぱり気にしてたんですね、あの書き込み……」

サウザーがここに来るまでに再び覗いていた掲示板で、ハマの大魔神佐々木率いる球団・大魔神軍の面々の書き込みで
ドラゴンズもろとも自分がコケにされている事を知り『会ったら絶対血祭りにあげてくれる!』と先程まで息巻いて
いたのを思い出し、少々哀れに思うセイであった。



その後ドーム内に足を踏み入れた聖帝軍一同は、妖精がいるというグラウンドへの扉を開けようとしていた。

「『きみ いいからだ してるね せいていぐんに はいらない?』……よし、これで完璧だな」
「いや何ですか、その妙な勧誘は?」
「何を言う、確実に相手をチームに勧誘できる縁起担ぎ的な説得台詞だと正太郎が教えてくれたのだぞ?」
「……本当なんですの、正太郎?」
「昔から続く伝統的説得法だとゲッターチームの竜馬さんから教わったので大丈夫なはずだけど……」

そんな事をのたまいつつ、サウザーが扉を開いた時である。

580鳳凰どアホウ甲子園〜聖帝軍結成の時〜:2014/05/19(月) 00:26:34 ID:SZEcycVw0

「エビ反りハイジャンプ大回転梨汁魔球なっしーーーーーーーーー!!」
「ゴファッ!?」


突然甲高い声と共に飛んできたボールがサウザーの顔面を直撃した。
しかも何故かボールは梨汁にまみれていた。

「さ、サウザーさん、大丈夫ですか!?」
「何ですか、今の打球は!?」
「い……今のハイテンションな声、そしてこの梨汁……ま、まさかこのボールを投げたのは!」



ゆるキャラ界の異端児、船橋市非公認キャラ、ふなっしーだ!!



「すみません皆さん、こいつのせいで迷惑かけちゃったみたいで……」
「ごめんなっしー! 悪気はなかったなっしー!」
「グムム……まあいい、この聖帝サウザーは寛大だからな。今回は不幸な事故だと見逃してやろう!」
「さっきまで『何をするだァーッ、ゆるさんッ!』とか言ってたのはどこの誰ですか……」


ふなっしーの暴投のせいで一時は聖帝が極星十字拳をぶちかましそうになる事態に発展しかけたが、ふなっしーに
付き添っていた青年・葛葉紘太の取り成しによってなんとか事なきを得た。
彼もまたこの殺し合いを止めるべく行動していた一人であり、その途中でふなっしーと出会い共に行動していた
のだという。

「ところで、ふなっしーは球場でボールを投げていたという事は、もしかして野球の練習をしていたのかい?」
「その通りなっしー! ふなっしーは梨の神様からお告げを受けて、野球で世界を救うために練習をしていたんだ
 なっしー!」

正太郎の質問にふなっしーは相変わらずのテンションで答える。
だがその内容にサウザー達は何か引っかかるものを感じ、質問を続けた。

「野球で世界を救う? 何の話だ?」
「……確か俺と会った時も『仲間を集めて野球やるんだなっしー!』とか言ってたけど、ありゃどういう意味
 なんだ?」
「ふなっしーも詳しい事は分からないなっしー! けどお告げによると、もうすぐ日本に恐ろしい物が姿を現す
 らしくって、それを止める為には野球が必要らしいんだなっしー!」
「本当かよ? TVで見たが確かこいつ虚言癖があるんじゃなかったか?」
「ううん、ふなっしーの言ってる事は多分ホントっぽいよ。同じ自然の化身たる妖精のあたいには分かる!」

ふなっしーの発言をいぶかしむ一同に同じ妖精であるチルノが反論した。
普段から⑨と言われているものの、その真剣な表情にサウザー達も先の発言が与太話ではない事を感じていた。
元より妖精と言えば地球の大自然の一部たる存在。
氷と梨という違いはあれど、こういった事には敏感なのかもしれない。

581鳳凰どアホウ甲子園〜聖帝軍結成の時〜:2014/05/19(月) 00:27:17 ID:SZEcycVw0

野球で世界を救う、か……ならばふなっしーよ! 我が聖帝軍の軍門に下り、共に野球をする気はないか?」
「ええっ、聖帝達は野球チームだったなっしー!?」
「このオッサンの独断で決まった方針だけどな」
「しかしふなっしーの言っていた事がもし事実であれば、なおさら殺し合いなどしている場合ではありません。
 本当に野球を行えば世界が救えるというのであれば、それを拒む理由は皆無です!」
「もしかしたら、既に試合を終えたイチローチームの皆さんや、チルノちゃんやふなっしーのように自然界に
 深く属する種族はもっと詳しい情報を持っている可能性もあります。それを確かめる為にも他のチームや
 各地の参加者と接触していくのが一番です!」
「ならばまずは、彼らと対等に戦うための『特訓』が不可欠ですね」
「よーし! ピッチャーならあたいに任しといて! 弾幕ごっこに慣れてるあたいなら最強のピッチャー間違い
 なし!!」
「なんのなっしー! ピッチャーポジならふなっしーも譲らないなっしー!」
「お前はまずボールをまともに飛ばす練習をしろ」


こうして思わぬ情報から全員の意思が一つとなり、遂に野球チームとしての聖帝軍が正式に始動を開始した。
ゆるキャラ屈指の運動能力を持つふなっしー、後に仮面ライダーの一人だと判明した紘太。
戦力的にも申し分ない二人を仲間にできた事はある意味幸運だったかもしれない。
そして(一応)リーダーたる聖帝サウザーはというと―――――

「(フフフ………最初は思いつきで決めた野球チームだったが、思わぬ情報が手に入った。もしもふなっしーが
 言っていた事が事実だとすれば、わが聖帝軍が他のチームをすべて蹴散らし優勝すればこの聖帝サウザーが
 世界を救った大英雄として未来永劫語り継がれる事は必至! そうすれば事実上日本を支配したも同然となる
 はず……この世を統一するのは拳王でも竜でも大魔神でもない、天に羽ばたく鳳凰よ!!)」

などと不埒な思惑を巡らせていた。
そもそも世界を救うには野球だけでは無理なのだが、彼らはまだ知る由もないので仕方がない。


「――――――ん?」

ふとサウザーは何かの気配を感じ、背後を振り返った。
あるのは空の観客席とベンチのみ。
だがサウザーは確かに覚えのある『あの気配』を感じ取っていた。

「どうしたのですかサウザー? 道具も揃って今からいよいよ練習を始めるというのに」
「いや……俺の勘違いでなければこの球場にまだ『何か』がいるような気がしてな」
「『何か』?」
「ふなっしー達が来た時には、ドームには誰もいなかったなっしよー?」
「(だが俺には感じる……かつての俺の部下とよく似た気配……そう、『汚物を消毒』するかのような気配が
 この球場のどこかから漂ってくるのだ。そいつはどこにいる? いるならば是非この聖帝軍に加えたいぞ!
 主にパチスロにも出てきそうな配下のモヒカン的なポジで!)」

582鳳凰どアホウ甲子園〜聖帝軍結成の時〜:2014/05/19(月) 00:28:15 ID:SZEcycVw0
二日目・3時50分/埼玉県・西武ドーム】

【聖帝軍】

【サウザー@北斗の拳】
【状態】心労(中)、顔面にダメージ(小)
【装備】なし
【道具】支給品一式、ノートPC
【思考】
基本:主催者を打倒し日本を支配、そしてラオウも倒す
1:遂にチーム結成したので早速特訓を始める
2:本当に野球で世界を救えるというのか……?
3:何だ、この『汚物を消毒』しそうな気配は? 是非部下にしたいぞ!
4:配下のガキ共にはいずれ思い知らせる(今はとりあえず下手に出る)
5:愛などいらぬ!
6:退かぬ!媚びぬ!省みぬ!


【円亜久里@ドキドキプリキュア!】
【状態】健康
【装備】ラブアイズパレット、ラブキッスルージュ
【道具】支給品一式、アイちゃん
【思考】
基本:殺し合いを止める
1:野球の特訓を始める
2:野球で世界を救うという情報の真偽を確かめる
3:サウザーは頼りにならないので自分がチームを引っ張る
4:他のプリキュアとも合流したい


【金田正太郎@太陽の使者 鉄人28号】
【状態】健康、強い意志
【装備】Vコン
【道具】支給品一式、鉄人28号
【思考】
基本:殺し合いを止める
1:悪い奴は許さない
2:野球の特訓を始める
3:サウザーには(一応)従う


【イリヤスフィール・フォン・アインツベルン@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ】
【状態】健康、ちょっと先行き不安
【装備】マジカルルビー
【道具】支給品一式、クラスカード全種、魔法少女マジカル☆ブシドームサシDVD-BOX
【思考】
基本:殺し合いを止める
1:とにかく野球の特訓を始める
2: 本当に野球で世界を救えるのかな?
3:このおじさん(サウザー)は当てにならない
4:お兄ちゃんや美遊達が心配


【金色の闇@ToLOVEるダークネス】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式、たい焼き×大量
【思考】
基本:主催者を打倒する
1:とりあえず野球の特訓を始める
2:野球で世界を救う……本当でしょうか?
3:サウザーは当てにしない
4:美柑達が無事か気がかりですね


【チルノ@東方project】
【状態】健康、やる気十分
【装備】アイスソード@ロマンシングサ・ガ
【道具】支給品一式、ガイアメモリ(アイスエイジ)@仮面ライダーW
【思考】
基本:『だーすべいだー』を倒す
1:野球の特訓をする、あたいはピッチャー!
2:ふなっしーの言う通りならあたいが世界を救う!
3:せーてーは頼りないからさいきょーのあたいが皆を引っ張る

583鳳凰どアホウ甲子園〜聖帝軍結成の時〜:2014/05/19(月) 00:28:48 ID:SZEcycVw0


【イオリ・セイ@ガンダムビルドファイターズ】
【状態】健康、不安
【装備】HGスタービルドストライクガンダム、HGビルドガンダムMk-Ⅱ
【道具】支給品一式、ガンプラ用工具一式、その他ガンプラ(大量)
【思考】
基本:殺し合いを止める
1:とりあえず野球の特訓をする
2:本当に野球で世界を救えるのかなぁ
3:サウザーさんの声、ギレン・ザビを思い出すなぁ
4:知り合い一同が心配
5:歴代ガンダムキャラ達の死に悲しみ


【アリーア・フォン・レイジ・アスナ@ガンダムビルドファイターズ】
【状態】健康
【装備】HGビギニングガンダム
【道具】支給品一式
【思考】
基本:主催の連中をぶっ潰して殺し合いを止める
1:セイと共に殺し合いを止める(まずは野球の特訓)
2:あの梨の言う事は本当なのか?
3:オッサン(サウザー)は信用しない
4:ガンプラで戦う方法を探したい


【ふなっしー@ゆるキャラ】
【状態】健康なっしー!
【装備】野球のユニフォーム(背番号274)
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】
基本:殺し合いを止めるなっしー!
1:聖帝達と野球をするなっしー!
2:お告げを信じて野球で世界を救うなっしー!
3:妖精仲間が増えたなっしー!
4:ヒャッハー! 梨汁ブシャー!

【葛葉紘太@仮面ライダー鎧武】
【状態】健康
【装備】戦極ドライバー
【道具】支給品一式、ロックシード(オレンジ、パイン、イチゴ、スイカ)
【思考】
基本:殺し合いを止める
1:ふなっしー達と野球をする
2:野球で世界を救える……本当なのか?
3:知り合い一同が心配
4:ダースベイダー、絶対に許さねぇ!!

584鳳凰どアホウ甲子園〜聖帝軍結成の時〜:2014/05/19(月) 00:29:46 ID:SZEcycVw0
「………どうやら、あの連中は俺達にはまだ気づいてねぇみたいだな」
「そのようでありますな」

西武ドームのロッカールームの一角。
そこに身を潜める大小二人の人影。
危険人物の一角であるコンビ、火野ケンイチとケロロ軍曹。
彼らこそがサウザーが感じていた気配の正体であった。

前日の首相官邸での激戦の傷を癒すべくしばし潜伏していた二人だったが、その間に周囲は様々な動きを見せた。
主催者である野田総理の死と新たな主催・ダースベイダーの出現。
都庁の魔物やDMC狂信者らの暴走を始め、カオスな様相を見せ始めていた東京の惨状に二人は冷や汗をかき
つつも、冷静に状況を見極めていた。
主催者である総理が死んだにもかかわらず滞りなく殺し合いが進行する様からして、十中八九野田は傀儡だと見ていい。
真の主催者はあのコーホー言ってる男とその協力者達だろう。
ファイアマンから聞いた考察と合わせて今後の活動方針を決めあぐねていたヒノケン達は、一端激戦区である東京から
離れて体勢を立て直すべく埼玉へと足を運んでいたのだった。

「しかし連中の―――というかあのやかましい梨の言っていた話、ありゃ本当なのか?」
「にわかには信じがたいでありますなぁ……しかし少し前から急に野球チームを結成しだす連中がゾロゾロと現れ
 はじめているのは事実であります。もしかしたら本当に……」

周囲の状況からふなっしーの発言に信憑性を感じ、そう考えるケロロ。
実際はロリにモテたいだの日本を支配したいだの野球に飢えてるだのといったしょうもない理由で野球を始めた
連中がほとんどなのだが、彼らがそれを知る由もない。

「ともあれ、改めてあの連中を見て思ったが……軍曹、俺達に無くて他の主だった連中にあるもの、それは何だ?」
「……仲間の数、でありますか?」
「ああ。確かに俺達は戦闘力的には他の有象無象の連中よりは上のはずだ。だが今この殺し合いを動かしてる奴らは
 一部を除いて既に一定の数の集団を形成しつつある。電撃戦ならいざ知らず、強力な単騎と集団が正面からやりあう
 事がどれだけ不利かはお前も知ってるだろ?」
「ぐ、グム―ッ……」

先の首相官邸での一戦を思い出し、苦々しい顔をするケロロ。
どれほど強力な戦力を有していても、数の暴力で押し切られればいずれは消耗し敗北する。
主催側の底が未だ見えず、首輪の解除も不可能、徐々に集団を形成する参加者達。
このまま二人(実質的には人質含め3人)で闇雲に活動し続けるメリットは薄れ始めていた。

「……あの連中と手を組むつもりでありますか、ヒノケン殿」
「まだ本決まりじゃねえが、あの連中が俺達の目的達成の役に立つならな。とにかく今の俺達に圧倒的に足りない物は
 『仲間の数』と『情報』だ。主催の連中の首を取るにしても、奴らの本拠地に乗り込んで制圧するだけの算段もない以上
 今は集団の中にいた方がメリットが多い。何よりあのサウザーとかいう男は俺達と目的が合致しているらしいから
 部下にしてくれとでもいえばすんなり潜り込めるかもしれん」
『ただヒノケン様、問題は彼らの仲間の一部です。正義の味方で鳴らす仮面ライダーやプリキュア、さらには
 ICPO所属の少年探偵までもがいる以上、潜入するには彼らの説得こそが第一でしょう』
「だろうな……とりあえず今はしばらく気を見るとするか」

既に何人もの参加者を焼き殺し、首相官邸まで襲撃している以上自分達の素性はバレているとみていい。
果たしてどう説得するべきか。

灼熱の使い手と星座の力を得た蛙は、鳳凰の軍門に下るのか―――
それはまだ誰にもわからない。

585鳳凰どアホウ甲子園〜聖帝軍結成の時〜:2014/05/19(月) 00:30:06 ID:SZEcycVw0
ケロロ軍曹@ケロロ軍曹】
【状態】疲労(小)意気高揚、カエルゾディアーツ
【装備】ゾディアーツスイッチ@仮面ライダーフォーゼ
【道具】支給品一式
【思考】
基本:バトルロワイアルを支配する
0:可能であれば、あの集団(聖帝軍)に潜入する
1:ダースベイダーの抹殺
2:ヒノケン殿に尽くす
3:ギロロ……
※カエルゾディアーツの能力として、高所への跳躍・高所からの着地可能・舌を長く伸ばす・ガマ油を吐く能力があるようです。
まだあるかもしれません。


【火野ケンイチ@ロックマンエグゼ】
【状態】疲労(小)、ダメージ(中)
【装備】フォーゼドライバー @仮面ライダーフォーゼ
【道具】支給品一式
【思考】
基本:バトルロワイアルを支配する
0:可能であれば、あの集団(聖帝軍)に潜入する
1:ダースベイダーの抹殺
2:ケロロ軍曹を従える
3:あの女(四条貴音)が死んでくれてなによりだ
4:善野はまだ使い道がありそうなので、しばらくは生かしておく
※制限により、エスケープのバトルチップは一度使うと長時間使用できないようです


【ファイアマン@ロックマンエグゼ】
【状態】フォーゼドライバーの内部プログラム補助
【装備】火のバトルチップ一式
【道具】なし
【思考】
基本:ヒノケン様に尽くす
1:燃やしたい……!
2:聖帝軍への潜入を模索する
3:千石うぐいすらに対する疑念


【善野監督@咲 -Saki-】
【状態】気絶
【装備】患者服
【道具】なし
【思考】
基本:……。
1:恭子……。

586汝は大尉なりや? part2:2014/05/29(木) 22:15:50 ID:k5wDJTNU0
 オッス、オラ大尉!
 なんだかんだで書き手に放置されたりズガンされずにpart2にこぎつけたぞ。
 さっそくだが、俺はちょっと不機嫌です。
 なぜかって言うと遠くの地で俺の敬愛する幽香様がdisられた電波をキャッチしたからだ。
 厨二臭いベイダー卿、ショタコンのココ嬢、脳筋のバーダック、ゲイ疑惑のあるジャックはまだしも、世のM共にとって女神にも等しいゆうかりんの素晴らしさを理解できない不貞な輩め……ぶち殺すぞ(´・ω・`)
 くぅ〜、オイラこんな仕事早く終えて幽香さんに虐めてもらうんだい!
 あぁ〜幽香様の靴下美味しいれ(ry

『あんたの無駄話はどうでもいいから本編あくしろよ!』
 ヘイヘイ、わかりましたよビースト先輩。
 ルイズコピペも裸足で逃げ出す俺のゆうかりんラブっぷりを読者の皆様に見せたかったんだよ……
『ぬわああああん(大尉の相手をするの)疲れたもおおおおん』
 俺もだよ馬鹿野獣。
 というわけでこっから本編開始どぇ〜す。




 俺が太陽より熱き男・修造さんのトレーニングを受けてから、はや五時間前後。
 俺は自分でもびっくりするぐらいの力を手にしていた。

「もっと!!」
 もっと!!
「熱くなれよおおおぉぉぉ!!」
 熱くなれよおおおぉぉぉ!!

 信じられないと思うが、ネットナビとフュージョンした俺と修造さんはそれぞれの拳一本で高層ビルを持ち上げていた。
 いまいち絵面が浮かばない人は、某流派東方不敗の師弟コンビの修行風景を思い浮かべてみよう。
 例の二人も拳でビルを持ち上げる人外だったしね。 あいつらガンダムいらなくね?
 この力は修造さんの仕込み、特に火のバトルチップの技術力向上によるものだ。
 結果として俺は間違いなく強くなった。
 たぶん、特務機関員じゃ一番強くなったんじゃねーの?
 デウス隊長はともかく、おりこタンと支給品のレズ、裏切り者の焼け野原ひろし、生意気なクラウディウスのガキんちょに色々と貧乏クジがひど過ぎる直衛っち、あと俺と無口キャラが被ってる風魔の奴よりは確実に強い(確信)。
 ……だけど、この程度で満足しちゃダメだ。
 理不尽級の熱斗組や拳王軍はもっと強いからだ。

「なかなか飲み込みが早いじゃないか、教えがいがあるぞ」
 ありがとう修造さん。
「しかし、おまえはまだまだ熱く強くなれる!
もっともっと特訓を重ねよう!」
 その通りだ。
 俺の今の強さはせいぜいチート級がいいところで、チートの上をいく理不尽級には遠く及ばない。
 しかし、信じて特訓を重ねればきっと届くんだ!
 いつかは理不尽級の強さに到達し、主催に仇なす拳王軍や熱斗たちを必ず倒してみせる!
 特務機関員の名誉にかけてな!!



 そんでもって、ご褒美としてゆうかりんにたっぷり虐めてもらうんだい(はぁと)。
 鞭打ち、足踏み、三角木馬……今からどんなプレイを受けられるか楽しみで仕方ないぜwww
 嗚呼、俺の不届きなアハトアハトがイキりた(ry
『うわぁ、なんてクッソ汚い願望……何が特務機関員の名誉だよ(修造には聞こえない声)』
 引っ込んでろ淫夢厨!
「ボーっとしない! まだ特訓は終わってないぞ!」
 アッ、ハイ。
 ドーモ、すいませんでした修造=サン。
「それじゃあ次の熱い特訓は……」

 その時、俺たちの耳に銃声や爆音が鳴り響いた。

587汝は大尉なりや? part2:2014/05/29(木) 22:16:43 ID:k5wDJTNU0

「なんだ?」
 どうやらここからそう遠くない場所で戦闘が起きているらしい。
「誰かが襲われているのかもしれない、行ってみよう」
 そうですね。
 主催サイドの者としちゃ参加者に殺し合いをバンバンやってもらった方がありがたいんだけど、修造さんには秘密。
 とにかく俺と修造さんは戦闘が起こっている現場へ向かうのだった。



 現場到着。
 そこでは二人の仮面ライダーと三体のトランスフォーマーが戦闘を行っていた。
 トランスフォーマーと言っても乗り物に変形するタイプではなく、動物に変形するタイプ……そうアドリブで有名なビーストウォーズ仕様だ!

「仮面ライダーとロボットが戦っている?」
『加勢するにも、ここはどっちがマーダーか対主催か見極めるためにしばらく様子見した方がいいですね』

 というわけで、俺たちはしばし遠巻きから観察することに。
 トランスフォーマー側は体にあるシンボルで善のサイバトロン・悪のデストロンを識別できる。
 三体ともシンボルは蜂の頭をあしらったものであり、これは三体とも悪のデストロンに所属している事を意味している。
 構成は蠍型のスコルポス、プテラノドン型のテラザウラー、蜂型のワスピーターだ。

 仮面ライダー側は『シャバドゥビタッチヘンシーン』な喧しいベルトで有名な、宝石頭の魔法使いライダー『ウィザード』とライオンをあしらった頭を持つ古の魔法使いライダー『ビースト』だ。
 だが、この二人、動きに原作のようなキレや軽やかさがない。
 どっちも腰が引けてるし、本来ガンライダーな筈のウィザードは銃のリコイルが下手くそすぎて弾丸がほとんど敵に当たってないし、ビーストは剣をただ適当に振り回しているだけだ。

「ブ〜ンッwww」
「このこのッ! 中心(センター)を狙ってるのになんで当たらないんだ!」
「おやおや、銃の使い方がまるでなってないザンスね!」
「チクショーッ! ダイスサーベルの先制攻撃だべ!」
「何が先制攻撃だ! オラオラオラオラ!」
「「うわああああああああああ」」

 スコルポスの腕の鋏から出たミサイルで吹っ飛ばされる仮面ライダー二人。
 ……か、かっこわりい、弱すぎる。
 平成ライダー最弱と言われてるG3でもまだ戦えるぞ。
 とゆうか、両方とも声が違うな。
 ビーストはヘタレっぽくなってるし、ウィザードは声が若すぎる。
 ウィザードの中の人はダメージを受けたりすると「ぐあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」とか「コ゛ヨ゛ミ゛ーーーッ!」とか叫ぶ、某島で吸血鬼相手に丸太を振り回しているような兄ちゃんにそっくりだったハズだが……どっちかというと「逃げちゃダメだ」系のガキみたいな声だな。

「なんて弱っちい奴らだブゥ〜ンw これなら僕ちゃん一人でも楽勝……」
『シューティングストライク! 火ッ火ッヒーッ!!』
『セイバーストライク! ファファファッファルコッ!!』
「ブゥーンッ!!?」

 不用意に突っ込んだワスピーターが、ウィザードの火炎放射攻撃とビーストの剣から出した鷹のビジョンに貫かれて爆発四散した。
 いくら弱いといってもあれには勝てる気はしたよ、うん。

「ワスピーターがやられた!?」
「まあ、ほぼ予定調和ザンスwww」
「そうだなwwwオラッ!!」

 仲間の死など知ったことかと言わんばかりにデストロンたちは仮面ライダーのタッグに猛攻を加えていく。

「だべえええーーー!」
「や、やられるーッ!」

 ウィザードとビーストはデストロンから銃撃・爆撃に蹂躙され、その内に仮面ライダー恒例のダメージの受けすぎで変身が解除されてしまった。
 元の姿はウィザードは頭に一本のアンテナみたいなアホ毛の生えた小柄な少年で、もう一方のビーストはライオンのタテガミよりもデカい頭をした男だった。
 案の定、晴人や仁藤じゃなかったか。 まあ支給品にライダーの変身ベルトでも入ってたんだろうね。

「アララ、中身は可愛い男の子だったザンスね〜」
「オラッ、その自己主張の激しい髪を首ごと引っこ抜いてやるぜ」
「やめろーっ! アンテナだけは勘弁してくれ〜!」
「ひいいい、殺されるべぇ!! 占いでは対主催をやってた方が生き残るって出てたのに〜!!」

588汝は大尉なりや? part2:2014/05/29(木) 22:18:11 ID:k5wDJTNU0

 戦闘力を失い後退りするガキ共を落ち詰めるマーダーのデストロンたち。
 放置すればあのガキたちは間違いなく殺されるだろう。

『あれはダメみたいですね……(冷静)』
「何を冷静に言ってんだビーストマン!
マーダーはあのロボットの方みたいだ! あの子たちに加勢するぞ!」

 へいへい、特務機関としちゃあ殺し合いに積極的な奴らは放置したいところだが、師匠である修造さんの機嫌を損ねるわけにもいかない。
 それに修造式トレーニングでどこまで俺が熱く強くなれたか、実力を試す良い機会だ。
 というわけで俺は修造さんと共にガキ共を助けるべく物陰から飛び出そうとする、が。


「オラァアア?!」
「スコルポス!?」

 俺たちが仕掛けるよりも早く、衝撃波がスコルポスに襲いかかり粉砕させたのだ。
 その攻撃にテラザウラーだけでなく、俺や修造さんも驚いていた。

「なんだ、今の攻撃は!」
『修造、大尉、アレを!』

 ヒートマンが指し示した方角を見ると、黒スーツに片眼鏡と口にくわえた葉巻がチャームポイントなナイスミドルがいた。
 あのオッサンは確か……BF団十傑集の生き残り、衝撃のアルベルト!
 巨大ロボットだろうが使徒が相手だろうが殴り合いができる理不尽級に近い男だ!
 こんなところで出くわすとは……

 突然の実力者の出現に戸惑い焦るテラザウラー。
 さっきまでの余裕は無いみたいだな。

「こんなにお強い仲間がいたザンスか!」
「勘違いするな、ワシはそのガキ共に味方したつもりはない。
ただ、情報収集するなら話の通じる方は生かし、おまえのような話の通じない方には消えてもらう。 それだけのことよ」
「クッ……! ここは逃げるが勝ちザンス!」

 アルベルトには敵わないと見たテラザウラーはプテラノドンにトランスフォームし、一目散に空へと逃げる。

「ザ、ザンスーッ!?」

 しかし、空へと飛び立った瞬間、一本の槍と無数のナイフに貫かれてテラザウラーは爆散する。
 槍とナイフを投げたのは小さな吸血鬼の少女と鼻血の出てるメイドであった。

「あら残念、屍骸を持ち帰って剥製にしたかったのに」
「申し訳ございませんお嬢様、弾幕の加減を誤ってしまったようです」

 運命を操る吸血鬼レミリア・スカーレットと時を止めるメイド十六夜咲夜!
 アルベルトと並ぶ実力の主従コンビまで現れたか!
 新たに現れた乱入者に向けてアルベルトは警戒するが、そこで咲夜がストップをかける。

「お待ちください。 何か誤解されているようですが、私たちは殺し合いには乗っていません」
「まあ、私と戦おうというならそれでもいいけどね」
「そうか、仕掛けてくる気がないなら別にいい。
――だが、そこにコソコソと隠れている連中! 出てこい!」

589汝は大尉なりや? part2:2014/05/29(木) 22:18:46 ID:k5wDJTNU0

 アルベルトの腕がレミリアたちから俺たちに向く。
 どうやら最初から気づいていたみたいだな。 出てこなければ衝撃波をぶちかますと言わんばかりだ。
 マーダーも消えた以上、いつまでも隠れる意味もないので俺と修造さんは物陰から姿を現すことにした。

「待て、俺たちも殺し合いには乗っていない!」
 そう、僕は善良な対主催の一人です(大嘘)。



 ……と、なんやかんやあって俺、修造さん、アルベルト、レミリア、咲夜、仮面ライダー(仮)二人は情報交換することになった。
 どうやらアルベルトは単独で情報収集をしていた傍ら、仲間を皆殺しにした拳王軍を追っているらしい。
 レミリアと咲夜は睡眠後の運動に適当にマーダーを狩っていたそうだ。

 そして仮面ライダーウィザードに変身していたのは超高校生級の幸運 苗木誠。
 仮面ライダービーストに変身していたのは超高校生級の占い師 葉隠康比呂。
 こいつらは対主催グループ・ホワイトベース組に所属しているコンビであり、リーダーである超高校生級の御曹司 十神白夜から仲間集めを頼まれていたらしい。
 ちなみにこのホワイトベース組、主催や参加者のどちらからも危険視されている祐一郎一行と戦争中である。

「フンッ、しかしさっきのやられようからして、あんな実力でマーダーグループや主催を相手にしようなどとは、十神の奴の底がしれているな」
「それは違うよ! 僕らは二軍なんです」
「いちおう俺と苗木っちはこのライダーベルトを使えるだけの適正はあったんだべ。
でも元々戦闘は得意じゃないから二軍に回され、仲間探しの仕事を十神っちから割り当てられたんだべ」
「あなたたちが二軍なら、一軍にはどんなのがいるのかしら?」
「僕ら以外は皆精鋭揃いさ。 特にチャージマン研は有名だし、みんな知ってると思う。
その研くんも僕らに力を貸してくれたんだ」
「チャージマン……小学生の身でありながら悪い宇宙人と戦う熱いヒーローだな!」

 語る苗木と葉隠の顔がジョジョに……じゃなくて徐々に暗くなっていく。

「だけど、その研くんや多くの戦える人たちが巨悪の祐一郎たちに惨敗して死んでしまったって、さっき十神くんから連絡が来たんだ……」
「クソぅ! みんな気の良い奴らだったのに……せめて、あいつらさえ現れなければ!」
「チャージマンほどの者がやられるとは……」
「あいつら? 一体何が現れたんだ!?」

 少し間を置いてから紡がれた苗木の言葉に俺は目を見開かざるおえなかった。

「拳王軍……そして熱斗組っていう危険集団だ!」
「今は連合を組んで死国って名乗ってるらしいべ」

 なん……だと……?
 開始数分で首輪解除した理不尽マッドサイエンティスト光祐一郎!
 主催に度々打撃を与えてくる理不尽野球集団拳王軍!
 祐一郎の息子で、俺をネットバトル魔法で打ち負かした理不尽ネットバトラー軍団熱斗組!
 全部、主催から危険視されている奴らばっかじゃねーか!
 それが全部合流したおかげで理不尽が数倍増しになりやがった!
 本部の奴らは何を考えてこいつらを放置しやがったんだよ。
 祐一郎の手で首輪も全員外れてるだろうし、制限がなくなった以上は本気で洒落にならない連中と化したぞオイ……

590汝は大尉なりや? part2:2014/05/29(木) 22:19:36 ID:k5wDJTNU0

「拳王軍だと……?
本州にいないと思ったら、四国にいたというのか!」

 拳王軍に仲間を殺されているアルベルトの怒りの矛先は拳王軍に手を貸している熱斗組、及び祐一郎一行にも向いていた。
 冷静を取り繕っているが俺にはなんとなくわかる。

「光熱斗……親が親なら子も子……なんて思いたくはなかったが、広島を焼くような危ない連中に手を貸すなんてネットバトラーの片隅にも置けない!
そんな奴は俺が熱く根性を叩き直してやるぜ!」
『正義の怒りでもっと熱くなれよおおおおおお!』

 修造さんとヒートマンも怒りを覚えていた。
 悪に手を貸すやつは許せない熱い義憤からだろう。

 ここで苗木と葉隠が俺たちに向けて土下座を混じえて懇願する。

「助けてもらったばかりで申し訳ありませんが、皆さんにお願いがあります。
僕たちと一緒に祐一郎や死国と戦ってもらえませんか?」
「俺たちホワイトベースにはあんたらのような強い奴が必要なんだべ」
「死国を放っておくとどんな被害が出るかわかりません!
広島だけじゃなく、他の県も焼かれて沢山の人たちが死んでしまうかもしれません。
先に死んでしまった山田くんや江ノ島さんのように、友達や家族が犠牲にでもなったらと思うと気が気でないんです!」
「見返りとして欲しい物があれば十神っちがなんでも用意してくれるし、報酬は弾むべ」
「これ以上、祐一郎に絶望を振りまかせないためにはあなたたちの力が必要なんです!
僕たちと一緒に戦ってください! お願いします!」

 二人の頼みはホワイトベース組へのスカウトだ。

「もちろんだ! 悪者は熱くやっつけるだけさ」
「ワシは貴様らの傘下に収まる気はない。
だが、十傑衆を全滅させた拳王軍に報復せねば、我らが首領ビッグ・ファイアへの忠義に反する。
拳王軍を壊滅させるまでは一時的に協力してやろう」
「なんだか面白そうね、そろそろ本格的な弾幕ごっこをやりたいと思っていたところよ」
「私はお嬢様のいるところならどこへでもついていくだけです」

 苗木たちの懇願に他の皆も承諾した。
 俺はというと、なんで無理をしてまで理不尽級の集団を相手にせにゃならんのだ、と拒否していた……少し前の俺ならそうだっただろう。
 今の俺にそんな燃えない選択肢は選べない。
 例えどんなに強い奴らが相手でも、俺は立ち向かい、燃え尽きるまで熱く戦いたいのだ。
 それに光熱斗へリベンジする機会を得るためには苗木たちについていく他ないだろう。
 無口キャラを貫く身分である俺は、口の代わりに苗木と握手をすることで承諾の意を伝えた。
 すると、そこへビーストマンから周りには聞こえないように忠告が!

『ちょ、大尉いいんですか? どこぞの予備校生や森の妖精のようにホイホイついていっちゃって?』
 何が?
『光熱斗と戦いたいお気持ちは察しますが、対主催勢力に力を貸したら主催から裏切りとみなされますよ?
そんなのやだ、小生やだ!』
 フッ……甘いな野獣マン。
 ただの勢い任せに十神の手を貸そうとしているわけじゃない。
 熱斗とは戦いたいのは確かだが、ジョーカーとして対主催たちに打撃を与えるための計算もちゃんとしている。
『計算?』
 まずホワイトベースを始めとする大半の参加者が掲示板で死国をマーダーや主催とパイプのある危険集団と誤解している……実際は多少問題行動が目立つが対主催なんだけどな。
 両方対主催とはいえ参加者同士の争いが加熱するのは喜ばしいことのハズ。
 苗木たちを見ている限り仲間を殺されて死国に恐怖と怒りを覚えている以上、死国へのヘイトは殺し合いを加速させるには十分だ。
 だが、そのヘイトもいつまでもつかわからんし、最悪和解でもしだしたりすると面倒だ。
 だからこそ、俺がホワイトベースに潜入してそれをさせないように監視し、内部工作する必要がある。
『おお、なんだかステルスジョーカーっぽい』
 いざ戦いになって二つの対主催勢力が共倒れしてくれれば万々歳だな。
 まあ死国は主催のためにも確実に潰すとして、ホワイトベースが生き残った場合はこっちにもその内消えてもらうつもりではある。
『消すって……修造さんも殺す気ですか?』
 当たり前だ。 対主催である以上、あの人も敵だよ。
 俺を熱くしてくれた人だから殺すことに抵抗が全くないわけじゃないが……俺はプロだ、与えられた任務は遂行する。
 死国の連中を皆殺しにした後に「必要があれば」まとめて消えてもらう。
 流石に今は、実力的にも無理な話だし、ホワイトベースの奥深くに潜入するには仲間からの信頼を稼ぐ必要がある。
 信頼を稼ぐためにも死国と戦い、奴らを殲滅する……それまでは一対主催として戦おう。 表面上はだが。

591汝は大尉なりや? part2:2014/05/29(木) 22:20:12 ID:k5wDJTNU0

 そして頑張ったお礼にゆうかりんに虐め(ry
『天丼はいいかげんにしろよ! もう許せるぞオイ!!』


「ありがとう皆さん……
それじゃあ僕と葉隠くんについてきてください。
僕らの拠点である戦艦ホワイトベースに送ります」

 苗木と葉隠がベルトに指輪をかざして、バイクとキマイラを召喚する。
 俺たちをホワイトベースまで乗せて送ってくれるらしい。

 バイクはニケツまで、キマイラは頑張れば五人は乗れそうだな。
 俺は苗木よりレミリアたんと咲夜さんと一緒に乗りたいから一先ず、五人乗れるキマイラの方に……
「大尉、これも特訓の一貫だ! 俺たちは走って行くぞ!」
 ……え?
 苗木たちはバイクに乗ってるのに、俺たちは足二本で頑張れって……マジすか、修造さん。



 と、最初は面食らって俺だが、このトレーニングが結果として功を為した。
 なぜなら衝撃のアルベルトの走り方を真似していたら、上半身を一切動かさず数百キロの時速をだせる変わった走法「十傑衆走り」を習得したからだ。

「ほう、見様見真似でそこまでできるとは、やるものだな若造」
 俺や修造さんと同じく足で苗木たちについていくことにしたアルベルトも俺の飲み込みの早さに素直に驚いていた。
 アンタのおかげで機動性がグーンと伸びたよ、ありがとう。
「よし、このままノンストップでホワイトベースまでいくぞ大尉!」
 おう! てゆーか修造さん、アンタも十傑衆走りできたんだな……さすが理不尽級。

「な、なんて人たちなんだ……結構なスピードを出して走ってるバイクやキマイラに足でついてきてる」
「ばけもんだべ!」
「でも、これだけ凄い力があるなら祐一郎にも勝てるかもしれない……!」

 先頭を走る苗木と葉隠たちが、バイクに追いついている俺たちを見て驚いている。
 ちなみにレミリアたんと咲夜さんはキマイラの背に乗っている。
 おい葉隠、そこ代われ。

「苗木、時間が惜しい。 もっとスピードを出せぬのか?」
「ええ? 大丈夫なんですか!?」
「大丈夫! 俺たちなら絶対ついていけるさ!」
「わ、わかりました」

 先導していた苗木たちが修造さんたちの要求により乗り物のスピードを上げた。
 それに合わせて修造さん・アルベルト・俺の三人もより速く足を動かすのであった。
 こりゃあ燃えるにはちょうど良いトレーニングだぜ!


 そして俺の目標の一つである打倒光熱斗!
 以外にも早い内にその瞬間が来るのかもしれない。
 待っていろよ熱斗! 次に戦う時は俺の進化を見せてやるぜ!


【二日目・2時00分/日本・名古屋】

【大尉@HELLSING】
【状態】健康、熱血、修造式トレーニングにより強化
【装備】PET(ビーストマン入り)、シンクロチップ@アニメ版ロックマンエグゼシリーズ
【道具】支給品一式×5、モーゼルM712@HELLSING、14年式コスモガン@宇宙戦艦ヤマト2199、エアーガン@科学忍者隊ガッチャマン
【思考】基本:五大幹部の命令に従う、松岡修造に鍛えてもらう
1:苗木たちについていき、ホワイトベース組に潜伏する
2:熱斗たちのいる死国を殲滅した後、必要があればホワイトベースや修造にも消えてもらう
3:とりあえず、ジョーカー参加者として動く
4:もっとネットバトルを究めて熱斗を倒す!!
5:地の文じゃない時は無口キャラを演じる
※修造により火のバトルチップの技術が格段に向上しました。
※アルベルトにより十傑集走りを習得し、機動性が上がりました。


【ビーストマン@ロックマンエグゼ3】
【状態】HP満タン
【装備】なし
【道具】なし
【思考】基本:PET所有者である大尉に従う
1:主催の一員として動く
※PETの中にいます

592汝は大尉なりや? part2:2014/05/29(木) 22:21:15 ID:k5wDJTNU0

【松岡修造@現実】
【状態】熱血
【装備】PET(ヒートマン入り)、シンクロチップ@アニメ版ロックマンエグゼシリーズ、テニスラケット&ボール
【道具】支給品一式
【思考】基本:熱くなる
1:十神たちと協力し、祐一郎たちを熱く倒す
2:大尉を鍛えて熱くする
※十傑集走りができます


【ヒートマン@ロックマンエグゼ2】
【状態】HP満タン
【装備】なし
【道具】なし
【思考】基本:修造と共に熱くなる
※PETの中にいます


【苗木誠@ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生】
【状態】ダメージ(中)、疲労(中)、死国への怒りと恐れ
【装備】ウィザードライバー@仮面ライダーウィザード、マシンウィンガー@仮面ライダーウィザード、専用の指輪一式
【道具】支給品一式
【思考】基本:対主催
0:十神くんたちに協力
1:対主催の仲間を集って十神くんのいるホワイトベースへ送る
2:山田くんや江ノ島さんのように希望ヶ峰学園の生徒が次々に死んでいることが悲しい
3:てゆうかモノクマまで死んでるし……
※十神白夜率いるホワイトベース組の二軍です。


【葉隠康比呂@ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生】
【状態】ダメージ(中)、疲労(中)、キマイラ召喚中
【装備】ビーストドライバー@仮面ライダーウィザード、専用の指輪一式
【道具】支給品一式
【思考】基本:生存優先・対主催(対主催をすれば生き残ると占いで出たので)
0:十神っちたちに協力するべ
1:対主催の仲間を集って十神っちのいるホワイトベースへ送るべ
2:強そうだけどおかしな奴らばっかり集まったべ
※十神白夜率いるホワイトベース組の二軍です。


【衝撃のアルベルト@ジャイアントロボ】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式 、葉巻
【思考】基本:情報収集+仇討ち
1:他の十傑集を滅ぼした拳王軍への仇討ちのために十神と一時協力する
2:1が終わったらカオスロワについていろいろと探るために単独行動へ戻る
3:自分から殺しはしないが邪魔な奴には容赦しない
※情報収集によってチーム十傑集が拳王軍によって全滅させられたことを知っています。


【レミリア・スカーレット@東方project】
【状態】睡眠をバッチリとったので上機嫌
【装備】低反発枕
【道具】支給品一式、その他不明 、レミリア用上質なベット(オーダーメイド)
【思考】
1:面白そうだから苗木たちについていきマーダーたちと戦う


【十六夜咲夜@東方project】
【状態】鼻血(小)
【装備】十徳ナイフ
【道具】支給品一式、レミリア用上質なベット(オーダーメイド)、その他不明
【思考】基本:レミリアに従う
1:レミリア様の喜び顔!

【ワスピーター@ビーストウォーズ 超生命体トランスフォーマー 死亡確認】
【スコルポス@ビーストウォーズ 超生命体トランスフォーマー 死亡確認】
【テラザウラー@ビーストウォーズ 超生命体トランスフォーマー 死亡確認】

593野球って大変だからね Part2:2014/06/02(月) 16:13:35 ID:qRpIjggA0

(……来ましたね)
(なんつー威圧感だよ、全く)

その剛腕に握られたバットが玩具のように思えた。
バッターボックスが小さく見えるくらい巨大な身体がどっしりと構える。

「さあ4番ライトのラオウが打席に立ったッ!!」
「死人が出るぞぉ!」※出ません。

「ぬぅ……」

ラオウがバッターボックスに立っただけでグラウンドに緊張感が走る。
なんせこのラオウ、何をしでかすかわからないといった点で恐ろしい男なのは間違いないからだ。

(四番バッターに据えたのは間違いなく、祐一郎さんの仕業なんでしょうけどね)

白組ベンチできらりと祐一郎さんの眼鏡が光った(ような気がした)。

「行くわよ……!」

MEIKOは大きく振りかぶる。
右バッターのラオウに対して初球はインコース高めにシュート。
右バッターのインコースを抉る、球威は抜群だ。
だが、これに対してラオウは思いっきり踏み込む。

ブォォォォン!!!! と、バットが凄まじい風を起こし、空を切った。

「きゃー、ディおじさんとのび太さんのエッチ!!」
「なんでさ!?」
「魅せる方が悪いッ!!」

その際、スカートを着用していた女性陣のスカートが捲れたのをディオとのび太は見逃さなかった。
だが、のび太とディオだけが上条さんに殴られただけで済んだ。

「ぬぅ……当たらんか」

ラオウはバットを短く握る。
常人をはるかに凌ぐ常識離れした筋力を持つラオウならば、当てるだけで長打になる。

(ふむ、これは当たったら大変そうですね……内外野を下げますかね)

ムギちゃんは内野と外野を従来の守備位置から後退させる。
サインはアウトコース低めにストレート。
クリーンナップに対して、外角攻めは長打を防ぐという意味で定石である。

MEIKOから放たれたボールは外角に構えられたミットに一直線に向かっていく。

コン……

「なっ!?」

完全に意表を突いたラオウのセーフティバント。
後退していた内野陣……いや、この場の全員が完全に裏をかかれた。

コースは問題なかった。
だが、相手は身長2m以上の大男。
背が高いということは同時に腕の長さ(リーチ)も長くなる。
故に外角の球もバントで届くのだ。

サードファールライン上をボールは勢いを完全に殺して転がっていく。
サードのクロえもんが突っ込み、素手でボールを拾った時にはもう遅かった。

「フハハハッ!!!」
「拳王様、クッソ足速ぇぇ!!!」

一塁ベースをラオウはすでに駆け抜けていた。
パワーだけではない、スピードも備わっている。
北斗神拳の修行で鍛えた身体能力のポテンシャルは凄まじいのだ。

初ヒットを許し、ノーアウト一塁。
バッターは5番キャッチャー・デューク渡邊。

「ですなぁ」
(ホント、厄介な打線だわ……)

……

…………

……………………

594野球って大変だからね Part2:2014/06/02(月) 16:14:03 ID:qRpIjggA0

「ボール、フォアボール!!」
「チッ……!」

デュークに対して、フォアボールを出してしまった。
MEIKOのボールをいつも難なく取っているデュークに対して勝負すること時点で危険なのだ。
だが、これでバッターは……

「人事は尽くしたのだよ」

右手に持ったラッキーアイテムのヴァンガードのデッキをポケットにしまう。
非常にゆったりとしたフォームで左打席に入る。

バッターは6番ファースト・緑間。
スリーランが出せる場面での打率は9割近いアベレージ誇る脅威的なバッターである。

(さて、あそこまで超高弾道打球をどう攻略するか……)
(三点をほぼ確実に取るなんて理不尽クラスですからねぇ……)

剛速球で詰まらせる。
左右の変化球で揺さぶりをかける。
クイックモーションでタイミングをずらす。
と、方法はありそうだが……打たれるイメージがMEIKOとムギにはあった。

それほどのバッターなのだ、この緑間というバッターは。
【キセキの世代】とはそれほどのモノなのだ。(本職はバスケであるが……)

「なるようにしかならないわね……」
「そうなのだよ、言ったはずなのだよ、『人事は尽くした』」

ロージンバックを二、三度さわり、地面に投げる。

「オウラァッ!!」

セットポジションから放たれたボールはインコース高めに構えられたミットに行く。
極端なアッパースイングで信じられない程の超高弾道の打球を放つならば、高めの速球がセオリー。
だが、セオリーは所詮、『常識外の怪物』に通用しない。



「――――――狙い通りなのだよ」



打球が飛んだ。
打たれた瞬間に『それ』と分かる当たり。
緑間による先制のスリーランが飛び出した。

「フハハハッ! MEIKOよ! 初回の自信はどうした!!」
「……………」
(崩れないといいんですが……)

まだノーアウト。
序盤は凌いだが、初ヒットはあのラオウで、無失点宣言も破られた。
だが、それが逆にMEIKOの闘志に火を点けたッ!

「ビハインド上等ッ!!」

今まで以上の球威の速球が放たれた。

いつもそうだ。
自分のボカロ生は常にマイナスの位置から始まった。
負けるのが嫌だから、勝つための『努力』という対価を払う。

「私はまだ「マイナス」なんだッ!『ゼロ』に向かって行きたいッ!
『エースポジション』を手に入れて自分の『マイナス』を『ゼロ』に戻したいだけだッ!!」
 
7、8、9番を三者連続三振。
大きく崩れることなく、捌ききった。


二回の表終了 3-0

595野球って大変だからね Part2:2014/06/02(月) 16:14:44 ID:qRpIjggA0

「クロえもん、なんとかして塁に出なさい」
「そんなこといわれてもなぁ……」

赤組も4番からの攻撃。
というわけで、バッターは恐らく10期で最初に野球を始めた男・クロえもん。
野球にかける情熱ならチーム1と言っていいだろう。

(魔球打ちはよくやったことだけど……)

色々と考えつつ、バッターボックスに入る。

クロえもんのライバルは数多くの魔球を持っていた。
ジグザグに曲がるWボール、横に大きくジグザグに曲がるWWボール。
さらに縦に大きくジグザグに曲がるWWWボールなどなど。
自身はその都度、攻略していった。
さて、今回は……

「行きます」

シャロはボールを投げて自身のトイズを発動させる。
ボールはシャロが思った通りにグニャグニャと曲がっていく。

「ストライク!!」

一球目は見逃す。

(ここまで球数は10球か……あれだけ動いて全部ストライクならそれもそうか……
 ……いや、逆に考えろ、全てストライクということは……)

二球目をセットし、ボールを投げる。
今度は先程のようなグニャグニャとした曲りではなく鋭く曲がっていく。

「……秘打・満月打ち!」
「なっ!?」

ポコン、という力ない打球音と共にボールがバットに当たった。
クロえもんの推測は当たった。『シャロの球は必ずストライクゾーンを通過する』。
大きく円を描く軌道でバットを振り回す満月打ちならば、ストライクゾーンすべてをカバーできる。
だが、出来るのは当てるだけ、そこから問題だ。

「サード!!」
「任された!!」

サードの釣り人みたいな格好した櫂君がボールを拾って一塁に送球する。

「うおおおおおおおおぉぉぉぉぉ!!!」

クロえもんは気迫のヘッドスライディング。
ファーストの緑間のミットに収まった時には、ぎりぎりだった。

「セーフ!!」

一塁塁審のデカオの手が横に広がった。
判定は間一髪のセーフ。

「上出来よ」

左のバッターボックスに5番のMEIKOが入る。
右投げ左打ちの女、それがMEIKOなのだ。

「リー……リー……」
(うぅ……集中できないです)

初めてランナーを背負った場面。
緩いシャロのボールじゃ、盗塁されるかもしれない。

596ズカンされた名無し:2014/06/02(月) 16:15:15 ID:qRpIjggA0

(1球外しましょう)
(ですなぁ)

セットポジションから外に大きく外れるウエスト。
バットを降らなければ明らかなボール球。
だが、しかしMEIKOはこの球を狙っていた。

バットを長く持ち替え、外に大きく踏み込み、打ちに行ったのだ!!

「オラァッ!! 飛んでけッ!!!」
「「!?」」

罵声とも取れる声を上げ、バットを投げ捨てる。
打球は低い軌道だがレフト方向にと伸びていく。

「届け!!」

ショートの上条さんも必死の飛びつくが届かない。
だが、レフトのダイアーさん辺りで失速すると誰しもが思った。

「このダイアーの正面だッ!! ボールは確実に……なにっ!?」
「―――打撃版MEIKOボールよ、その打球に『黄金の回転』を掛けたッ!!」

打球はそこから勢いよく加速していった。
低い弾道のまま打球は伸びてそのままレフトスタンドにイン。
まさに自援護のホームラン。

これで3-2。取られた後にすぐに取り返した。

「投手交代!!」

祐一郎さんがピッチャーの交代を告げる。
6回という短いイニングならば、目先を、手先をガンガン変えていく。

ピッチャーだったシャロはライトに走っていく。
そして、ピッチャーには……


「ついにこの拳王が投手の時代か!!!」


ピッチャーは拳王こと、ラオウ!!!

二回の裏攻撃中 3−2

【二日目・1時30分/日本・香川県】


【超弩級戦艦『死国』】
※出番がないキャラの状態表はありませんが、ここにいます。

【MEIKO@VOCALOID】
【状態】健康、首輪解除
【装備】アルティメットアーマー@ロックマンXシリーズ
【道具】支給品一式、ノートパソコン@現実
【思考】
基本:殺し合いに乗った者達を殺す
1:ラオウ達に協力してもらう
※今までとは別人です。
※『黄金の回転』を習得しました

【琴吹紬@けいおん!】
【状態】精神的にぶっ飛んでる、首輪解除
【装備】超弩級戦艦『死国』、キーボード、現金1兆円ほどが入った特注ジュラルミンケース
【道具】支給品一式、たくあん@現実、その他不明
【思考】
基本:生き残ることを最優先
0:新スターティングメンバーを選考する
1:拳王とやらの配下になる
※今までとは別人に決まってんだろ!!いい加減にしろ!!
※核ミサイルは超弩級戦艦『死国』に改造されました。

【ラオウ@北斗の拳】
【状態】健康、首輪解除
【装備】炭酸水
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】
基本:ダース・ベイダ―たちを倒す
0:主催者チームを全員屠る
1:そして、拳王が新たな時代を作る
2:死兆星から使者の小娘を配下にしたぞ!
3:トキ似の男を配下にしたぞ!
4:強そうな鎧の女を配下にしたぞ!
5:謎の黒猫たちを配下にしたぞ!
6:なんかいろいろ配下にしたぞ!

【クロえもん@ドラベース ドラえもん超野球外伝】
【状態】健康、首輪解除
【装備】バット、ボール、グラブ
【道具】支給品一式 電車ごっこロープ
【思考】基本:主催者たちに野球で挑んで勝つ!
0:矢部君の意志を継ぎ、殺し合いを打破する
1:最低でも四国アイランドリーグが出来るくらいの仲間を集める
2:イチロー選手を仲間に引き入れたい

597ズカンされた名無し:2014/06/02(月) 16:15:40 ID:qRpIjggA0

【デューク渡邊@新テニスの王子様】
【状態】健康、首輪解除
【装備】テニスラケット、テニスボール×∞、キャッチャー用具一式
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】基本:お頭(平等院)たちについていく
1;デュークホームランを打つ


【緑間真太郎@黒子のバスケ】
【状態】冷静、首輪解除
【装備】ハンマーブロスの無限ハンマー@マリオシリーズ
【道具】支給品一式、ホワイトボードとサインペン、ヴァンガードのデッキ
【思考】
0:赤司に勝つ
1:野球をするのだよ
2:今日のラッキーアイテムはヴァンガードのデッキなのだよ

【上条当麻@とある魔術の禁書目録】
【状態】健康、不幸、首輪解除してもらえた
【装備】PET(シャドーマン入り)
【道具】エスパー伊東@現実、シンクロチップ、他人のデッキ(「ぬばたま」デッキ)
【思考】
基本:あのAA

【シャドーマン@ロックマンエグゼ】
【状態】HP満タン
【装備】ムラマサ
【道具】なし
【思考】基本:上条に従う
1:敵は殺す、慈悲はない
※PETの中にいます

【ディオ・ブランドー@ジョジョの奇妙な冒険】
【状態】疲労、全身にダメージ、左頬にダメージ、首輪解除
【装備】PSP(デューオ入り)
【道具】支給品一式×3、シンクロチップ
【思考】基本:ネットバトルとベースボールを極める
0:主催を倒すのはラオウではない、このディオだッ!
1:ジョースター家を手に入れる
2:ジョジョより優越感を得る
3:熱斗達にネットバトルを挑むのは後回しだ!
4:シンクロチップを手に入れたし、デューオとクロスフュージョンする。


【デューオ@ロックマンエグゼ4】
【状態】HP満タン
【装備】ジャスティスワン、ザ・ワールド
【道具】なし
【思考】基本;とりあえず、ディオを見守る
1:カオスロワでもそれは無理そう。
※PSPの中にいます

【櫂トシキ@カードファイト!! ヴァンガード】
【状態】ヴァンガ脳、首輪解除
【装備】自分のデッキ、やきそば
【道具】支給品一式
【思考】
1:強いファイターと戦う
2:俺のメイト達(上条達)についていく
※4期(レギオンメイト編)の格好に着替えました。

【シャーロック・シェリンフォード@探偵オペラ ミルキィホームズ】
【状態】謎ミルキィ、首輪解除
【装備】かまぼこ、自分のデッキ(「ロイヤルパラディン」デッキ)
【道具】支給品一式、テニスボール×∞
【思考】
1:櫂に着いて行く

598ズカンされた名無し:2014/06/02(月) 16:16:01 ID:qRpIjggA0


【光祐一郎@ロックマンエグゼ】
【状態】サイボーグ化、首輪解除
【装備】なし
【道具】支給品一式、自作爆弾
【思考】
基本:息子たちをサポートする。
1:主催者について調べる
2:できれば九州ロボを取り戻したい
※九州ロボの制作を提案した人物がいるようです
※カオスロワちゃんねるにより、危険人物扱いのレッテルを貼られました
※砲撃によりノートPCは全壊しました

【野比のび太@ドラえもん】
【状態】左頬にダメージ、首輪解除、怒り、称号『クソレフト』
【装備】バスターガンダム@機動戦士ガンダムSEED、龍星座の紫龍@聖闘士星矢、
【道具】支給品一式、ボーリングの玉@現実、キン肉マンのコミックス全巻@現実
【思考】
基本:生き残る、できる限り祐一郎さんたちを手伝う
0:僕はクソレフトじゃないぞぉ! 
1:ドラえもん……
2:クロえもんってドラえもんにそっくりだな
※ミノフスキー粒子の影響で通信がしづらくなっています
※デュエルガンダムのパイロットが出来杉だと気づいてません
※バスターガンダムにはサテライトシステムが搭載されています。

【ダイアー@ジョジョの奇妙な冒険】
【状態】割と健康、首輪解除
【装備】イカ墨とパスタ@現実
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】基本:主催を倒す
1:ディオとかいう奴も倒す
2:アドラー達と行動する。
※ディオを『吸血鬼ディオ』と思っていません。
※何か見ましたが、別に物語とは関係ありません。

599崩れ去る楽園:2014/06/16(月) 01:18:13 ID:if/SbZZI0
「さて……ようやく静かになったな」

 金髪の魔王の声が、木々の生い茂るその部屋に響いた。
 魔王と対峙するのは、赤髪の死神と黒髪の魔法少女。

「そうね……」

 魔王を取り巻いていた数々の魔物も、強大な力を持つ伝説のドラゴンも。
 影の薄い元生徒会長も、青髪の魔法少女も、プリキュアも、マスコットも。
 先刻までは部屋にひしめきあっていた面々は、今は誰もいない。
 人間と魔物、相容れぬ存在の激しい衝突により双方に甚大な被害が出た……

「しっかし……あんたらを討ち取りにきたあたい達まで回復の泉で休ませるなんて、随分と余裕だねぇ?」
「ただの人間には休息も必要であろう?」
「……できれば私も、もっとまどかと話がしたかったのだけれど?」
「本音を言うと……まどかを休ませるだけでなく、邪魔者を排除したうえでお前達と話したかったのだ」

 などということはなく、全員生存している。
 人間と魔物が出会った瞬間こそ空気が張り詰めたが、そこは鹿目まどかが双方を取り持ち事なきを得た。
 その後は時刻が時刻なだけに、魔物はそれぞれ巡回に戻ったり仮眠をとったり……
 都庁に挑んだ人間たちも魔王の計らいにより、まどかと共に安全地帯で休息をとることを許可されたのである。

「なんであたいとほむらなんだい?」
「お前が報告にあった影の薄い連中を引き連れる者だろう? その隠し切れぬ気迫は、何かを背負う者の証。
 そしてそちらは、とても少女とは思えぬ程の落ち着き具合と隙の無さ……そして、私と同じく時に関する魔法を扱えるのではないか?」
「……驚いたわね。まだ見せてもいないのに。それよりも、私と同じくってまさか……」
「自己紹介が遅れたが、私はダオス。時を駆ける男とも呼ばれ――今はここの魔物を率いさせて貰っている」

(この圧倒的にして底の見えない魔力……まさしく魔物を率いる王、魔王といったところか……)
(これほどの魔力の持ち主なら、私よりも遥かに優れた時空魔法の使い手でしょうね。身体つきからして、武術の心得もありそうだけど)

「問おう、強き意思を持つ者たちよ。お前達の目的は、なんだ?
 今この場限りではない、何を信念としてこれまで生き延び、ここへとやってきた?」

 ダオスの問いに、二人の少女は数瞬考える。
 何を目的として、この殺し合いを生き延びてきたか。

(あたいは……)

 死神である小町は、当初この殺し合いを軽く見ていた。
 誰かが解決するだろうと考え、自身はのんびりさぼることを考えていた。
 ……その結果、彼女は上司を失った。目の前で和解した少女が消し飛ぶ瞬間も見てしまった。
 自分を助けるために、この殺し合いで知り合った影の薄い仲間は傷ついた。
 そして黒き騎士は己の命を犠牲にした。
 今、自分の命があるのは彼らのおかげ。彼らの、そして映姫の願いは……

(私は……)

 魔法少女であるほむらは、当初この殺し合いを馬鹿正直に受け取っていた。
 野田総理の言葉を信じ込み、友達を生き延びさせるために自らの手を汚すことを厭わなかった。
 ……その結果、今の仲間を手にかけかけた。もしあの時、まどかがいなければ自分は今も殺人者の道を歩んでいたかもしれない。
 自分の師であった先輩の魔法少女は見せしめとして殺され、共に戦った紅い魔法少女もどこかで殺されてしまった。
 一番の友達であるまどかが幸せならばそれでいいと動いた結果だ。もう時間逆行は使えないというのに。
 自覚はあった。まどかが絡むと冷静さを欠いてしまう。現にこの都庁を訪れた際も、まどかがいなければ……
 遥か各上の相手に無謀に突撃し、ただいたずらに仲間達を死なせていたかもしれない。
 今度こそ冷静に考えよう。これ以上、犠牲を出さないためには。そしてまどかの願いは……

600崩れ去る楽園:2014/06/16(月) 01:19:11 ID:if/SbZZI0
「このふざけた殺し合いを、止める。犠牲になった連中のためにも、必ずね!」
「そうね。まどかだけじゃない。きっと……巴マミも、佐倉杏子も、生きていたなら必ず殺し合いに反逆したはず。
 いまさらかもしれないけれど……私も、止めてみせる。彼女達のためにも……!」
「主催者を止めるか……では、我らはどうする?」
「うーん……正直な話、あんた達にも殺し合いを止めてこっちを手伝ってもらいたいってのが本音かねぇ……」
「貴方達がまどかを守るというのなら、私には貴方達を攻撃するメリットはないわね。むしろ礼を言いたいくらいよ」
「……そうか」

 少女たちの答えを聞き、ダオスは小さく呟いた。

「ならば、私もお前達を排除しない。降りかかる火の粉は払うが、戦う理由の無い者とは戦わない主義でな」
「!!」
「それじゃあ……」
「あくまで、お前達を排除しないというだけだ。そちらに協力するかどうかは、まだ答えられぬ」
「あたい達を殺す気がないなら、協力してくれてもいいんじゃないかい?」
「こちらにも、譲れぬ信念があるのだ。……敵意がないのであれば、話すとしよう。我らの行動理由を。
 お前達も……包み隠さず、持ちうる情報を全て話せ」
「……わかったわ」


少女、魔王説明中……


 影薄、魔法少女、都庁……
 それぞれの一団の長とも言える面々は、殺し合いが始まってから今に至るまでのことを語る。
 誰が犠牲になったか、どのような相手と戦ったか。
 そして、これからのことも……
 その中で、小町とほむらはある違和感に気がついた。

「ちょっと待っとくれ。ここの魔物が、都庁周辺から動いてないってのは本当かい?」
「言ったであろう。ここの魔物はあくまでこの世界樹を、ここでの暮らしを守るために戦っている。
 一目で自然破壊しているとわかるような相手ならともかく、基本は専守防衛だ」
「あの氷竜は……と思ったけれど、確かに私の方が先にしかけてるわね」
「中には人間を憎む連中もいたが、少なくともレストとまどかがいる現状では、そういった者達もおとなしくなったな」

 東京都は魔物が闊歩し、数々の犠牲者が出ている……
 これはカオスロワちゃんねるに書かれていた情報であり、多くの人間が目撃した事実だ。
 しかし実際には、都庁の魔物が殺害した人数はそれよりも遥かに少ないというのだ。
 世界樹を生み出す際の都庁への侵入者、興味本位でやってきたモンスターハンターにモンスターテイマー……
 それに2体の食人鬼を相手にした程度であり、そのいずれも迎撃。ここを守るためだ。

「嘘をついている……ってわけでもなさそうだねぇ」
「自己中心的な下等生命体の殺害数などに虚偽の発言を交える必要がどこにある?
 あやつらはここを狩り場などと抜かし、自分では戦うこともせずに魔物を奴隷のように扱っていたのだぞ」
「オオオオォォォォ!」
「む……今は下がっていてくれ。とにかく、この私に付き従ってくれているメガボスゴドラも……
 お前達の相手をしたサクヤも元はその連中に従っていた」
「元の主を殺されても、貴方達についていったってことは……貴方達の方が信頼に足り、従うだけの意味があるということ?」

 ほむらの言葉に、メガボスゴドラが頷いてみせた。
 人間にポケモンの言葉がわからずとも、ポケモンは人間の言葉をしっかりと理解しているということだろう。

601崩れ去る楽園:2014/06/16(月) 01:19:45 ID:if/SbZZI0
「まあ、メガボスゴドラやサクヤの様な者は中々珍しいがな。主にこの世界樹に集まる者は、樹海生物やグンマーを追われて来たような者ばかりだ。
 それ以外にも賛同者が欲しいところだったのだが……どうしたことか、ここ数時間はお前達以外来る者はいなかった」
「あの門番のせいだと思うのだけど……はっきり言って、ワルプルギスの夜を相手にした方がマシだと思ったもの」
「幻想郷にも強い人間……普通の魔法使いや瀟洒な従者、蓬莱の人の形に……殺されちまったなんて信じられないけど、博麗の巫女もいた。
 だけどあれはねぇ……回復されたとはいえ、あいつにやられた腹パンは洒落になってないよ。あたいも一応女なんだけどねえ」

 そう言いながら、小町は腹をさする。
 思い返せば、自分はこうして生きているとはいえ中々にえぐい攻撃を受けている。
 密かに自慢であった大きな乳は危うくもがれかけ、傘で腹を刺され、ありえない尻叩きを受け、そしてさっきは腹パンだ。

(ま、えげつないのは風見幽香もだけど……)

 小町はまだ、幽香のことまではほむらにもダオスにも……仲間の影薄にも話してはいない。
 彼女の手心が加えられた傘の一撃と、同じく手心があったらしい腹パン……甲乙つけがたい悶絶ものの一撃だ。

(ここの連中なら、あの風見幽香ともやりあえるだろうけど……)

「あやつは信じられないだろうが、人間だ。そしてそれを恐ろしいと感じたのであれば……お前達も、いずれそう扱われることを覚悟するのだな」
「どういう意味かしら?」
「……レストは、元は救国、そして各地を回った勇者だ。だがその戦闘力と魔物を従える姿を恐れられ……人間はあやつに刃を向けた」
「!!」
「この世に悪と呼べるものがあるとすれば、それは人の心だ。……お前達も、主催者を止めようとするのであれば覚えておくのだな。
 殺し合いの最中は、お前達のような強い意志を持つ対主催思考の者は歓迎されるであろう。だが、殺し合いが終わったならば……
 あれだけの力を持つ主催者を止めた救世の英雄として扱われ……同時に少なからず恐れられるであろうということを」
「私は、まどかが幸せになるならそれでいい。私自身がどうなろうともね……」

 ダオスの言葉を受けてなお、ほむらは変わらぬ表情で呟く。しかし内心では、己の無力さを噛み締めていた。
 この殺し合いに巻き込まれて一番よくわかったのは、世界は広かったということ。
 かつてはワルプルギスの夜さえどうにかすれば平和な未来が待っていると思ったものだが、なんと現実は非情なのだろう。
 殺せんせーは見た目も性能も化物であったが、そんな彼すらもう死んでいる。近場に住んでいたグンマーの民もそうだ。
 見た目は人間でありながら、氷竜やワルプルギスの夜をも凌駕する歪んでしまった勇者がいる。
 目の前の、もし少女であったならばインキュベーターが迷わず契約を持ちかけたであろう魔力を持つ魔王までいる。
 だがそのいずれも、主催者の手により首輪をつけられ、その力の一部を封じられてしまっている。
 主催者の戦力はどれほどなのだろうか。止めるといっても、どうやって。
 相手は九州を機動要塞にするような、色々な意味で狂っている連中だ。
 いくら時を止めても、自分の武器は銃火器と爆薬が基本であり、大型の相手には致命的に火力不足だ。
 自分も巴マミのように、過剰ともいえる砲撃魔法があれば。

「……ねえ。さっき貴方、まどかがグンマーの力を扱えるから保護されたと言っていたわよね?」
「その通りだ」
「私も見滝原の住人なのだけれど、そういった力はないのかしら? もしあるならば、貴方達に協力するわ。だから……」
「お前達にも手を貸せ、と?」

 それは先ほど、小町からも言われた言葉。
 人間は確かに環境を壊してきた。そして住処を奪われた魔物の気持ちもわかる。
 だが今は、人間と魔物で争っている場合ではないのではないだろうか。
 レストと、そしてダオスとの会話で、小町とほむらは魔物もただ闇雲に暴れているわけではないことを知った。
 だからこそ、手を貸してくれと頼む。まどかの願いもあるが、ダオスらの圧倒的な戦力……
 それは現状、ほむら達に決定的に不足しているのだから。

602崩れ去る楽園:2014/06/16(月) 01:20:16 ID:if/SbZZI0
「……私達に協力するということはつまり、自然環境を破壊する愚か者の抹殺にも加担することになるぞ?」
「それで貴方達の力を貸して貰えるならば、構わないわ。もし、私がその愚か者なら……いますぐに改善してみせる。
 近隣の工場その他諸々手持ちの爆弾で跡形もなく吹っ飛ばして、そこに植林だってしてみせるわ」
「ちょ、ほむら!? なに言ってんだい!?」

 ほむらの言葉に、小町はぎょっとする。
 元々ほむらはまどかを対象とした奉仕マーダーであったと聞いている。
 まどか第一の彼女が、このまま再びマーダーの道を歩んでもおかしくはない。

「……そう、その心こそが、大切なのだ」
「え?」

 しかし、ダオスからは予想外の言葉が返ってきた。

「過去の自分の過ちを正す……全ての人間が、そうであればよかったのだがな。
 ……どれだけの時空を旅したかもう忘れてしまったが、いつの時代もどこの国の権力者も科学や自国の発展、己の利益に固執していた。
 私がどれほど忠告しようとも聞き入れず、自らの手で環境を破壊し、自ら不毛の大地を生み出し続けてきた……この国もそうだ」
「……」

「もしお前達が、自分に限らず過去の人間の過ちを正すというのならば……私はその手助けをしよう」
「「!!」」

 それは、条件付きではあったが了承ともとれるもの。
 今後の行動しだいでは、再び敵に回る可能性もある。それでも今は、確かに手助けをすると口にしたのだ。

「要するに、猶予をくれたと見ていいのかい? あたいらが強行手段じゃない方法で人間に自然を大切にするよう説得できたら、これ以上殺人もしないと?」
「容易い道とは思えぬがな。それに我らが更生の余地がないと判断した場合も、容赦なく攻撃を仕掛けるぞ」
「ご期待にそえるよう、力は尽くすわ。それにしても、思ったよりもあっさりと答えを返してくれたけどいいのかしら?」
「……私とて、今の勢力では主催者を滅ぼすことが難しいということは理解しているつもりだ」

 忌々しげに、ダオスは吐き捨てた。
 彼は元より、二人の少女がどう答えようと協力はするつもりだったのである。
 返答によっては、対等な関係ではなく相手を屈服させて強引に協力させていたのであろうが。

「お前達の話を聞き、それは確固たるものとなった。愚か者共を滅ぼしたい気持ちもあるが、今は少しでも戦力と情報が欲しい。
 先にもいったが、あくまで我らの目的は環境の改善と生存だ。そのための最大の障害を排除するためならば、折れねばならぬところは折る」
「あの二体のドラゴンに、腹パン男と四神麒麟、それにあんたと大量の魔物……これだけの大戦力で、まだ足りないってのかい?」
「報告にあった九州ロボ、これは非常に面倒な相手だ。片足でも私の最大出力レーザーで粉砕すれば、後は自重で勝手に倒壊するだろうが……
 倒れる先は、こちら側。大量の残骸や汚染物質を本州に撒き散らされ、最悪この世界樹も折れてしまう。
 それを避ける為にも、九州ロボを止める手段は一つだ。外部から破壊せず、内部で操っている者だけを倒す。そして可能であれば九州を元の大地に戻す……
 生憎と、ここにはそこまで器用な真似ができる者は少ないのだ」
「あー……確かに見た感じ、ほとんどの魔物がパワーファイターな感じだったね」
「協定を結ぶからには、我らの手の内も晒すべきか……」

603崩れ去る楽園:2014/06/16(月) 01:20:51 ID:if/SbZZI0
 その後、ダオスの口からは都庁の軍勢の総戦力が明かされた。
 あらゆる魔法と射程無限のレーザーを得意とする自身。多彩な能力と驚異的な防御能力を誇るレスト。
 それを慕い、戦闘の補佐を担当する屈強なメガボスゴドラと光雷を操る麒麟サクヤ。
 鉄壁の守りと再生能力で敵を苛立たせる氷嵐の支配者。嫌らしい搦め手を得意とする元リーダーの雷鳴と共に現る者。
 そしてまだ合流はできていないが、三竜最後の一体、純粋な力で敵を捻じ伏せる偉大なる赤竜。
 樹海を守護する四体の番人、スノードリフト、ケルヌンノス、コロトラングル、イワォロペネレプ。
 樹海の隠れた強者、ゴーレム、ワイバーン、アルルーナ、マンティコア。
 魂の裁断者、アイスシザース、死を呼ぶ骨竜、木の下の大王、デスマンティスなどのFOE軍団。
 レストの手によりいつの間にか丸くなった叫帝ウォークライに、デスマンティスがスカウトしてきたラージャン。
 さらにグンマーから受け入れた難民や、アーマービーストなどの無数の小型の魔物。
 そして……

「最終手段として、ここの地下に眠るフォレスト・セルが存在する。
 樹海を守護する最大にして最強の生物だが、そこに善意も悪意も存在しない。下手をすれば、私たちも攻撃対象にされるやもしれん」
「自分達の命すら犠牲にして、人間を滅ぼそうと思ってたってのかい……!?」
「私も、使いたい手段ではなかった。ところが、まどかの存在によりこのセルも正式に戦力に加えられる可能性も出て来たのだ。
 氷竜の話によればグンマーの巫女は自然を愛し、ただの植物もその愛に応えるように動いた……つまり心を、自我を与えたという。
 セルに欠けている心を、まどかがその祈りにより生み出すことができれば……文字通り、セルは我らにとって最強の守護者となるだろう」

 都庁の軍勢が誇る、最後の手段。
 それはグンマーの血を引くという鹿目まどかの存在により、最後の切り札になる可能性も出て来た。
 異国の地、巨神と化す世界樹もその制御に心優しい少女の存在が不可欠だったという点からも、セルの制御も夢物語ではないと言える。
 そういった面からしても、やはり都庁の魔物にとってまどかは守らねばならない存在なのである。

「なるほど、まどかを攫ったのにはそんな理由もあったのね……」
「いや、どうにもあやつの性癖の割合の方が大きい気がする……」
「「え?」」
「そういえば、言っていなかったな……確かに、環境をないがしろにする人間は抹殺対象。これはここの魔物の総意だ。
 だがそれ以外の人間に対する処遇で、実は内部で意見がわかれていてな。つい先刻も――」

『だから言っているだろう! ピンクの髪の小さい子供に悪い子はいないんだって! そして淫乱でもレズでもない!』
『やれやれ、まだお前のロリコン癖は治っていなかったのか。オシリスの奴といい、本当に理解に苦しむ。何故、熟女の良さがわからない?』
『知ってるか雷竜? お前の性癖の方がドラゴンネットワークでは浮いているんだぞ?』
『青二才どもめ……いいか、熟女は酒と同じだ。長い年月が経っているからこそ、熟成された奥深さがあるのだ。人妻ならさらにいい。
 私、この戦いが終わったら某婦人から桃酒を浴びるほど飲ませてもらうんだ……』
『おい馬鹿やめろ!』
「え、えーとその……雷竜さん? できれば、人間を殺すのをやめてくれたら、それはとっても嬉しいなって……」
『……グンマーの血を引く娘の願いとあっては、無視はできぬか。しかし安心するがいい。酒と熟女は元から保護対象だ』
『だから保護すべきなのは小さい子だろう!? 小さい子なら、今から自然の大切さを教えれば真っ当に育つし!』
『甘いな、熟女の方が古き良き時代、自然が溢れた時代を知っている!』
「ええい、少し貴様ら黙っていろ! 話が進まぬ!」

「――ということがあった」
「……貴方があのドラゴン達をこの部屋の外に出した理由がよくわかったわ」
「あのオオナズチといい、意外とドラゴンってのも人間と変わらないんだねぇ……」

 どこか諦めたように遠くを眺めるダオスに、二人の少女はそれ以上言葉を続けられなかった。

604崩れ去る楽園:2014/06/16(月) 01:21:37 ID:if/SbZZI0
「と、とにかくだ。あやつらは人間という種族全てを嫌っているわけではない。お前達の働きにもよるが……
 まどかの言葉もある。数日であれば、協定も受け入れるだろう。むしろレストが一番面倒だが……そこはサクヤにでも任せるとしよう」
「これで一応、ここの魔物全員との無駄な争いは避けられそうね」
「さて、ほぼこちらは手の内を晒したのだ。今度はそちらの戦力と能力を聞こうか」
「わかったわ。私の能力は今は時間停止ぐらい。武器は――」

 人間と魔物の停戦協定は結ばれた。
 いずれ崩れる関係かもしれないが、今は共に討つべき強大な主催者に矛先を向ける。
 ほむらはまどかの件もあり、魔物を信用し、己の武器を全て魔王の眼前に並べて見せていた。
 その光景を見ながら、小町は考える。

(あたいも……そろそろ正直に話すべきなのかね。主催者幹部……風見幽香のことを。
 それに、あいつの能力は『花を操る程度』の能力……拡大解釈すれば、植物は全て操る対象かもしれない。
 もしそうなら、ここの最大戦力のフォレスト・セルも無力化、それに世界樹だって……)

「――こんなところね。ああ、あとインキュベーターという侵略者がまどかを狙う可能性があるから気をつけて。こんな白っぽい生き物よ」
「ふむ……了解した。全魔物にインキュベーターを発見したら即座に滅ぼすよう指令を出しておこう」
「助かるわ。流石にここの魔物に狙われたらあいつもひとたまりもないでしょうね。……改めて聞くけど、本当にこの戦力でまだ不安なの?」
「うむ。主催者幹部と思われるバーダックという男、二体の食人鬼、そして首相官邸辺りから何故かこちらを凝視している漆黒の怪物……
 九州ロボを作ったという祐一郎、悪逆非道というDMC……警戒すべき相手は尽きぬな」

 ――この時、ダオスの不安は的中していた。
 これから僅か数分後、都庁が誇った最強の番人であるレストは決して軽くはない傷を負ってやってくる。絶望の情報と共に。
 下手人は件の食人鬼。麒麟の少女により都外まで飛ばされたが、生存はしている。既に二体の樹海守護獣を葬ったうえで……
 いくら影薄、魔法少女、都庁の軍勢が停戦協定を結ぼうが、殆んどの参加者にとってそれは無意味。
 何故なら既にネットの力によって、都庁の魔物は倒すべき悪の存在として認定されているのだから。
 そのような情報操作を行っている天魔王軍の存在を、まだ都庁の誰も知らない。
 そして、折角結んだ協定すら壊しかねない……いや、世界樹内での暮らしすら脅かしかねない爆弾の存在も知らない。

 当然――それが爆発するタイミングも。

【二日目・3時20分/日本・都庁深部】
【ダオス@テイルズオブファンタジア】
【状態】健康、物理攻撃無効、雷耐性低、都庁リーダー襲名、メガボスゴドラの飼い主
【装備】ダオスマント
【道具】支給品一式、不明品
【思考】
基本:都庁の軍勢を守りつつ星の自然環境改善
0:影薄、魔法少女達と停戦協定。他の魔物にもそれを伝える
1:都庁の軍勢を束ね、主催者及び敵対者を葬る
2:機械っぽい外見の奴は問答無用で潰す
3:警戒すべき相手への対策を練る
4:フォレスト・セルはまどかに任せる
※ほむらとの情報交換により、インキュベーターが都庁全体での殲滅対象になりました

【メガボスゴドラ@ポケモン】
【状態】健康
【装備】不明
【道具】支給品一式、大量の土と樹
【思考】
基本:ダオスに着いていく
1:縄張り以外でも自然環境を破壊する奴は容赦なく頭突く
2:ダオス達のサポートを行う
※現段階で判明している所持技はアイアンヘッドのみ。その他不明

605崩れ去る楽園:2014/06/16(月) 01:22:18 ID:if/SbZZI0
【小野塚小町@東方Project】
【状態】小ダメージ、小疲労
【装備】斬魄刀『神鎗』@BLEACH
【道具】舟
【思考】基本:もう仲間を誰も失わない為にカオスロワを終わらせる
0:風見幽香の危険性を伝えるべきか否か?
1:もう二度と仲間を置いて行こうとしない
2:幽香と戦う事を覚悟する
※飛竜たちと情報交換して、主催達が九州ロボにいることを知りました。
※ダオスとの情報交換で、カオスロワちゃんねるの信憑性に疑問を持っています

【暁美ほむら@魔法少女まどか☆マギカ】
【状態】ダメージ小、小疲労
【装備】ソウルジェム@魔法少女まどか☆マギカ(穢れ45パーセント)
【道具】支給品一式、ベレッタM92(残弾95)、レミントンM870(残弾20)、ミニミM249(残弾50)、M16クレイモア×10、L16 81mm迫撃砲×5、M84 閃光手榴弾×20、88式地対艦誘導弾、長ドス、ゴルフクラブ
【思考】基本:まどかを守りつつ、主催者を倒す
0:自分の装備をできればさらに整えたい
1:自分の準備不足を痛感
2:桃園ラブに僅かに罪悪感
 
……その頃……

「……」

 都庁の軍勢の一人、木の下の大王はゆったりとした足取りでとある部屋の周りを警戒していた。
 その部屋こそ、グンマーの血を引くというまどかと、魔法少女達が休んでいる場所であった。
 世界樹の要所要所にある、回復の泉の小部屋。休むには絶好の場所だろう。
 案内した時は蒼髪の魔法少女にはえらく警戒され、敵意をむき出しにされていたが、まどかのおかげでなんとか丸く収まった。
 蒼髪も渋々といった様子であったが、なんとかこの部屋には入ってくれた。これでなんとか上からの指令は守れただろう。

「……」

 あの反応を見る限り、やはり人間と魔物は相容れぬ存在に思える。
 だがそれでも、あのまどかとレストは、自分を受け入れてくれた。この恐ろしい呪いの牙も怖がらずに。
 外見からは想像もつかないが、木の下の大王は樹海に住むFOEの中では特に温厚な部類なのだ。
 基本はこのように守るべき己のテリトリーを離れず、そこに近寄らない人間には手を出さない。
 そんな彼は、まどかとレストの存在により人間に好感を持ち始めていた。
 全ての人間が魔物を迫害するわけではないのだと、知ることができた。だからこそ、まどか以外の人間の案内も引き受けた。
 背後から不意討ちを受ける可能性もあったが、まどかの言葉を信じ、彼女らに背を向けてこの部屋に案内をした。
 結果はこの通りだ。いくらまどかの言葉があったとはいえ、誰も攻撃はしてこなかった。

「……」

 仲間内でも、まどかとレストはあっという間に慕われていた。
 自分達よりも高位の存在である叫帝と麒麟もあっという間に文字通り尻尾を振るレベルだ。
 レストは元より魔物に理解を示し、まどかも最初は怯えていたがそれもすぐになくなった。

「……♪」

 そういえば、結構昔の話になるが氷嵐の支配者より人間の名言を教えて貰ったことがあったと思い出す。
『麒麟さんが好きです。でも象さんはもーっと好きです!』
 実に素晴らしい言葉だ。いまは特に寵愛を受けているのは麒麟だが、もしかしたらまどかもこの台詞を言ってくれるかもしれない。
 彼女は見ず知らずの猫の命でも大切にしそうな雰囲気だ。見ず知らずの象も大切にしてくれるかもしれない。
 そう思うと、ますますやる気が溢れてきた。何が何でも、鹿目まどかを守り抜こう――

「よう、ご苦労さん。後は俺らがやるから――もう眠っていいんだぜ?」

 ――突然死神の刃が、自分の心臓につき立てられるのが見えた。
 何故、どうしてお前が。そういった感情よりも先に、木の下の大王はただただ薄れ行く意識の中で願った。
 逃げてくれ、と。

606崩れ去る楽園:2014/06/16(月) 01:22:50 ID:if/SbZZI0
……泉の小部屋にて……

(くそ……どうやってまどかを説得すればいいんだ……)

 美樹さやかは、寝付けずにいた。
 愚直なまでに正義に拘る彼女は、やはり都庁の魔物を受け入れることに抵抗があった。
 確かに、親友であるまどかの言葉通りあちら側から襲ってくることはなかった。
 まどかが保護対象にされているというのも本当なのだろう。
 しかしそれでも、この都庁で働いていた職員や、ここに向かった一部の参加者は確かにここの魔物の手にかかって死んでいるのだ。
 それがどうしても、許せない。

(人間と魔物の共存だなんて、無理なんだよまどか。魔法少女と魔女、水と油なんだよ……
 いや、そりゃオオナズチみたいな変態もいるにはいたけどさぁ……あれはあれで、別の意味できついって……)

 同時に彼女は、己の力不足も許せないでいた。
 憧れの先輩であったマミには及ばないにしても、自分も正義の魔法少女一員だ。
 だと言うのに、さっきの体たらくはなんなんだと、自分を叱責せずにはいられない。
 たった一発。剣撃のカウンターでもらった蹴り一発で、自分は戦闘不能に追い込まれた。超回復が売りの自分がだ。

(あいつの体、どうなってんのよ……あたしの剣は噛み砕くわ、蹴りは魔女の一撃より遥かにやばいわ……
 あいつがいる限り、まどかを連れてここを脱出ってのも難しいだろうし……ん?)

 あれこれ考えるさやかは、その覚醒しきった意識で確かに部屋の外の物音を聞いた。
 泉に雫が垂れる音ではない。何か重いものが、地面に落ちたような……そんな鈍い音。

(今の音は……?)

 微かに地面も揺れた。魔法少女としての本能が、危険を知らせている。
 まるで、グリーフシードが孵化する寸前のような……嘆きと絶望の到来、その予兆が――

「ん、んぅ……?」

 遅れて、眠っていたプリキュア達も目を覚ました。
 彼女達も、それを確かに感じたのだ。
 だが――

「っ! は、はやくその扉から離れて!」
「え――」

 それは、僅かに遅かった。


「フハハハハハハハハ、ムシケラどもめ、まずはお前達からSATSUGAIしてやるゥ!」


 屈強な金色の大男が、扉をぶち破って乱入してきたのだ。
 その眼に宿るは、明確な殺意。無慈悲なる怪物。全てのハンターに絶望を与える理不尽な暴力の嵐。

「あっ――」

 ぶつり。ぐしゃり。

 その両腕は、有無を言わさず二人のプリキュアの命を一瞬にして奪った。

「クラウザーさんは言ったぁ……女は下半身だけあればいいとぉ……! これでお前達も立派な生贄だぁ……!」

 体を引き千切り、上半身と下半身に分断させた挙句、上半身を踏み躙るというあまりに残酷な方法で。

607崩れ去る楽園:2014/06/16(月) 01:23:36 ID:if/SbZZI0
「――――――ッアアアアアアァァァアアアァ!!!!」

 さやかは何が起きたのか、最初は理解が追いつかなかった。
 ただ、目の前でビクビクと震えている美希とマナであったモノを見た瞬間。
 叫ぶと同時に、心の中にどす黒い感情が生まれた。
 やはり魔物は信用してはならなかったのだ。こいつは今すぐに自分の手でバラバラに切り刻んでやらねば気が済まない。
 
 さやかは金色の怪物――ラージャンへと剣を向けた。

「シャシャシャシャアァァァァッ!」
「!?」

 だが、注意がそちらに向きすぎていた。もう一人の襲撃者を見落としていた。
 ラージャンの影から現れたのは白銀のカマキリ――デスマンティス。
 その白い鎌は既に血で真っ赤に染まっていたが、それでも次の獲物を求めて振るわれる。

(何が、こいつが、二人を、いや違う、殺したの、金色の、入り口、倒れてる、象、なんで、狙いは、クラウザーさん、こいつら、生贄、何が!?)

 さやかが戸惑うのも無理はない。デスマンティスはさやかを無視して、その後ろに狙いを定めていたのだから。

「きゃあああああああぁぁぁぁぁぁ!?」

 直後、悲鳴が聞こえた。今の声は、ラブのものだ。

「ラブッ……!?」

 慌ててさやかが振り向けば、声の主であった桃園ラブは無事であった。
 しかし、彼女の目の前で愛くるしい姿の生物――ワドルディが真っ二つにされていた。
 それはおそらく、咄嗟の行動だったのだろう。
 ずっと自分を守ってくれたラブを、今度は自分が守る為に、状況が把握できていなくても飛び出したのだろう。
 樹海で数々の冒険者を血の海に沈めた死神と、愛玩動物のような彼では、埋めようのない残酷な力の差があったのだが……

「こ、の……っ! 許さないんだからぁっ!」
「シャアアッ!?」

 ワドルディの犠牲により、ラブは一気に眠気を飛ばし、臨戦態勢となった。
 対するデスマンティスは標的を誤り、攻撃後の隙だらけな姿。
 そこにプリキュア怒りの一撃が叩き込まれ、デスマンティスはラージャンのもとまで吹き飛ばされた。

「ヌゥ!? だがその程度のパワーではこのオレを超えることなどできぬぅ!」

 仲間が思わぬ反撃を受けたことに一瞬驚くラージャンだが、すぐさまその髪の毛を逆立てて咆哮をあげる。
 いくら反撃を受けたとはいえ、相手は残り二人の人間のメスだ。
 すぐに上半身と下半身を分け、下半身をクラウザーさんへの生贄としてささげようと――
 ……残り二人?

「っオラァ!!!」
「グオオオオオォォォォ!?」

 疑問を感じた瞬間、ラージャンは見えない打撃を横っ面に受けて吹き飛んだ。

「な、なんだってんだこの状況は……!?」
「日之影さん!? み、みんなが……みんなが……!」

 ラージャンを吹き飛ばしたのは、それに劣らぬ巨漢――日之影空洞だった。
 彼はその特異な力により、普通の相手にはまずその姿を認識されない。
 故に木の下の大王や他の魔物の巡回もなんなく切り抜け、こっそりと都庁内部を偵察していたのだ。

608崩れ去る楽園:2014/06/16(月) 01:24:04 ID:if/SbZZI0
 だが日之影は、目の前の惨状に言葉を失っていた。
 自分が偵察に向かわなければ、これほどまでの犠牲を出さずに済んだのではないか。
 そう後悔すると同時に、頭の別の部分ではそれでも冷静に戦況を分析しようとする。

(やはり、俺達をはめるための罠だった……? 違う、こいつは、この像は、俺達を案内した奴だ……!
 殺されている、だがこの傷の形状……よほど油断をしない限り、こうは……まさか身内に……?)

「グオオオオオオ!!」
「ち、結構本気で殴ったんだがな……!」
「シャアアアア! シャア!」
「このクソカマキリ! あんたの相手はあたし達だ!」

 しかし、何を考える暇もこの金と銀の死神は与えてくれないだろう。
 仲間の死を悼むことも、その目的を考えることも、全ては後回し。
 何故なら、考え事をしながら倒せる相手でもなければ、彼らの目的を知ることも難しいのだから。

『ち、俺としたことがあんなガキに一発貰っちまうとはな……
 ああ、だけど早くあいつらの上半身と下半身も分けてやりたいなぁ!』
「クズがぁ……不意打ちをすればこの俺に勝てるとでも思っていたのかぁ……!?」
『落ち着けラージャン! そのデカブツはなかなか厄介そうだ。ある程度お前が削ったら俺が仕留めの一刃で確実に殺す。
 厄介なレストは今入り口でなんかやばいバケモンを抑えているし、ダオスは今頃のんびり人間どもとお話中だ。
 元リーダーと支配者は体がでかすぎて、ここにはこれない……やるなら今が絶好のチャンスだ!』
「予定変更だぁ……まずはお前からSATSUGAIしてやる……!」
『任せたぜラージャン。その間に俺はこの雑魚二人を殺して……
 奥でわけもわからず震えているあいつを……厄介なグンマーの血を引いているあいつを……

 DMCファンのくせにクラウザーさんの死を悲しみもせず、あのライブ会場で一人だけのうのうと生き延びやがった最低の雌豚を!

 鹿目まどかを、SATSUGAIしてやる!』

かつて、世界樹は魔物達の安住の地であった。
だがいまやその世界樹も、様々な要因で危険地帯と化していた。
全ての障害を排除しない限り、人間にも魔物にも安息の時は訪れない。
外も中も、同時刻に人も魔も関係なく鮮血で染め上げられていく。
そう、ここはもう戦場――散るもかなり。

609崩れ去る楽園:2014/06/16(月) 01:24:33 ID:if/SbZZI0
【二日目・3時25分/都庁・回復の泉の小部屋】

【日之影空洞@めだかボックス】
【状態】健康、混乱
【装備】己の拳
【道具】支給品一式
【思考】基本:主催者を倒す
0:まずはとにかくラージャンに対処
1:仲間を守る
2:混沌の騎士が遺した謎を解く
3:↑の全部やらなくちゃあならないのが先代生徒会長の辛いとこだな。

【桃園ラブ@フレッシュプリキュア!】
【状態】健康、混乱、怒り
【装備】リンクルン@フレッシュプリキュア!、キュアスティック・ピーチロッド@フレッシュプリキュア!
道具】基本支給品一式、大量のドーナツ
【思考】
基本:絶対に殺し合いを止めて、みんなが助かる方法を探す。
1:まずはとにかくデスマンティスを倒す
2:ここにいるみんなと一緒に殺し合いを止める。
3:ここの魔物にもワドルディみたいな子が……?
4:ほむらはまだ少し怖いが、仲良くしたい
※9期とは関係ありません。

【美樹さやか@魔法少女まどか☆マギカ】
【状態】健康、混乱、怒り
【装備】ソウルジェム@魔法少女まどか☆マギカ(穢れ約65パーセント)
【道具】基本支給品一式、不明支給品
【思考】基本:マミさんの為にも、殺し合いを止める。
1:まずはとにかくデスマンティスを倒す
2:まどかは守るが、説得もしたい
※8期、9期とは関係ありません。
※放送の内容をラブ達から聞きましたが、上条恭介の死を知りません。

【ケルベロス(小)@カードキャプターさくら】
【状態】健康、混乱
【装備】無し
【道具】支給品一式
【思考】基本:桜を探す
0:何がおきたんや!?
1:ほむらについていく
2:魔物と一緒にせんといて!

【鹿目まどか@魔法少女まどか☆マギカ】
【状態】健康、混乱、半覚醒
【装備】なし
【道具】支給品一式 その他不明
【思考】基本:とにかく生き残りたい
0:な、何が起きたの……!?
※ライブに夢中で放送を全く聞いていませんでした。
※フォレスト・セルを制御できる可能性を秘めています

610崩れ去る楽園:2014/06/16(月) 01:25:42 ID:if/SbZZI0
【デスマンティス@世界樹の迷宮4】
【状態】小ダメージ
【装備】無し
【道具】支給品一式
【思考】
基本:SATSUGAI
0:目の前の二人を分割してSATSUGAIする
1:フォレスト・セル召喚阻止のために、雌豚(まどか)をSATSUGAIする
2:個人的な恨みからも、雌豚(まどか)をSATSUGAIする

【ラージャン@モンスターハンター4】
【状態】微ダメージ、ギルクエレベル100、擬人化
【装備】擬人化パッチ
【道具】支給品一式
【思考】
基本:SATSUGAIし尽くすだけだぁ!
1:日之影をSATSUGAIし尽くす
2:雌豚(まどか)をSATSUGAIしたら、そのまま残りの魔物もSATSUGAI

【木の下の大王@新・世界樹の迷宮 ミレニアムの少女】死亡確認
【相田マナ@ドキドキ!プリキュア】死亡確認
【蒼乃美希@フレッシュプリキュア!】死亡確認
【ワドルディ@星のカービィ】死亡確認

611その未来は定めなの?:2014/06/16(月) 03:31:34 ID:EpD7JyoQ0
世界を滅ぼす大災害を阻止するべく動いていた私たちは最悪の敵と出くわしてしまった。

「ぐああああぁああああぁあああ!!!」
「神樹!!」

OVERや戸愚呂兄、複数のクローンヤクザを一撃で粉砕してきたあの神樹が、鮮血のように大量の樹液を吹き出しながら崩折れ。
幸いにもまだ絶命に至るほどのダメージではなかったが虫の息だ……
いや、虫の息なのは彼だけじゃない。
私も、ユーノ君も、ハス太君も桑原さんもレオリオさんもエリカさんも、みんな生きてはいるものの重症を負っていた。

そんな満身創痍の私たち相手に“敵”は容赦なくトドメを刺そうとしてくる。
敵が何者なのかは視界がボヤけてわからない、一人か集団なのかもわからない。
わかるのは敵は神樹よりも遥かに強大な力を持ち、まともに動けないほどのダメージがある以上、誰ひとり“敵”からは逃れられないのだ。
万事休す……私たちの誰もが生存を諦めかけていた。


だけど、倒れ伏していた私たちの中でただ一人だけ、立ち上がる者がいた。

「ユーノ君……?」

金髪の長い髪を持った眼鏡の青年……見間違えるはずもない、ユーノ君その人であった。
でも彼の様子はどこかおかしかった。
その瞳は思わず後ずさりしたくなるほどの、ギラギラした何か恐ろしいをはらんでいた……
私の知るユーノ君はこんな怖い顔ができる人じゃなかったハズだ。
そして。

「ウオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!!!!!!」

ユーノ君はまるで野獣のように叫んだ。
その咆哮と同時に彼の体に変化が現れる。
金色の毛皮を全身を覆い、加えて胴が細長くなり長い尻尾が長くなった。
シルエットだけは彼がよく変身するフェレットの姿に似ている。
しかし、全体的なサイズは大柄な桑原さんレオリオさんの何倍もあり、牙も爪も一目で危険とわかるくらい鋭く、目は赤い複眼の恐ろしい姿だった。
ユーノ君はフェレットによく似た謎の怪物になってしまった……
こうなった理由?
私にわかるハズがない。

突然、怪物に変身した彼に他のみんなは混乱にしている。
“敵”も一時は驚くも、すぐに私たちに攻撃を加えようとしていた。
神樹を倒した一撃が、私たちに襲いかかる。

しかし、その一撃が私たちに届く前にユーノ君は私たちの前に躍り出て、怪物の姿のまま防御結界を張った。
するとどうだろうか。
強力な攻撃は結界によっていとも容易く弾かれ、ユーノ君も彼の後ろにいた私たちも無傷だった。
彼は元々結界魔法に関して天才的な技術を持っていたけど、それでもあの一撃を防ぐのは不可能だったハズだ。
きっと怪物の姿になったことで魔力が大きく増大したのかもしれない。

「グラアアアアアアアアッ!!!」

攻撃を凌いだユーノ君が反撃に出る。
口からシュートバレット……らしき光弾が放たれた。
その光弾の威力も速度も、これまた私が知っている彼の技とは桁違いであり、私のスターライトブレイカーが花火に見えるくらいであった。
光弾で“敵”は粉砕し、この世から跡形もなく消滅した。
神樹すら勝てなかった相手を、ユーノ君はたった一撃で仕留めたのだ。

「やりましたね、ユーノさん!」
「こいつめ、こんな隠し玉あるんなら最初から使えよ」

敵を倒したユーノ君を私たちは賞賛し、褒め讃えた。



だけど、私たちは気づくべきだった……



今のユーノ君は敵味方の区別がつかない“怪物”になってしまったということに。



「え?」

ユーノ君と最も近くにいた誰かの首根っこが、彼にガブリと噛み付かれ、鋭い牙によって体と頭を切断させた。
体が外れてしまった頭が地面に落ちてコロコロと私の足元まで転がってきた。
……その首の持ち主は確か――

「いやあああああああああああああああああああああ!!!」



――のは! なのは!



 ☆

612その未来は定めなの?:2014/06/16(月) 03:32:24 ID:EpD7JyoQ0

「なのは!」
「はっ」

ユーノの呼びかけになのはは覚醒した。
彼女が目覚めた先にいたのはユーノ……恐ろしい怪物となったユーノではなく、心配そうに彼女の名前を呼ぶ心優しき青年のユーノであった。

「ゆ、ユーノ君?」
「酷くうなされていたよ。 怖い夢でも見たの?」
「夢……そうだ、私は……」

頭が徐々にハッキリしていく中、なのはは状況を整理する。
彼女とユーノがいるのは首相官邸地下の、ハス太たちがいる情報室とは別の個室。
一行はその個室で、なのはとユーノ・ハス太とエリカ・桑原とレオリオの順番に三時間ずつの交代で休憩する手筈だ。
そして娘の死に多大なショックを受けた彼女は、部屋のベッドの上で泣きつかれて寝てしまったのである。
その際にあの悪夢を見たようだ。

「夢……? あれはただの夢だったのね……良かっ、た……?」

おびただしい量の汗を流しながらも安堵したなのはだったが、片手に何かヒンヤリしたものが触れていることに気づく。
接触していたのはデイパックから漏れていた千年タクウ――未来を予知するアイテムだった。
睡眠時の寝返りの際に手に触れてしまったと推測できる。
そして千年タクウに触れるということは、未来を垣間見ることができるということ、すなわち――

(嘘……あれが現実に……ユーノ君が怪物になるっていうの?)

千年タクウが見せた血塗られた未来になのはの額から再び冷や汗が流れてくる。
しかし、その不安はすぐに彼女自身で払拭した。

(……いや、ホテルの時の仮面ライダーに殺される未来をユーノ君が変えてくれた。
第一、みんなの支給品にも人を怪物に変える物はなかったし、いくらなんでもユーノ君がいきなり怪物になるのは脈絡がなさすぎるの。
千年タクウの予知も完璧じゃないのかもしれない……)

彼女は千年タクウが見せた未来を信じないことにした。
普通に考えれば、ユーノが怪物になる展開自体ありえないのだから。
そう、“普通”ならば考えられないのだ……


 ★

それからなのはは、ただベッドに腰掛けてジッとしていた。
眠りたくとも先に千年タクウが見せた悪夢のせいで眠れないのだ。
されど、起きていたところで愛娘や親友が死んだ現実だけが彼女に暗い影を落とし、無力感と罪悪感に苛ませ、うなだれるさせるだけであった。
そんな中、ユーノが飲み物が入った二つのマグカップを持って部屋に戻ってきた。
飲み物は地下官邸のキッチン冷蔵庫から持ち出したものだ。

「……」
「なのは、ホットミルクを作っておいたよ。
千葉のホテルを出て以来、まともな食事もとってなかったしね。
これで君の気分が少しでも落ち着けばと思ったけど……どうかな?」
「……」

彼なりに気を使ったつもりだったが、なのはからの返答はなかった。
ユーノは二つのマグカップを適当なテーブルの上に乗せる。

「ごめん、今は食事なんて取れる気分じゃないよね……」
「……ねえ、ユーノ君」
「ん?」

彼女からの言葉は遅れてやってきた。
ただし、ホットミルクに対する返答が無いようだ。

「もし良ければ、私の話をちょっと聞いてくれる?
ユーノ君にしか話せない話なの……」
「僕にしか話せない話?」
「そう、誰よりも信頼してる……あなたにしか話せないこと」

なのはの表情は神妙であった。
そんな彼女からは冗談を言う雰囲気など微塵も感じられない。
本当にユーノにしか話せない事のようだ。

「わかった、聞こう。
それで話っていうのはどんなことなんだい?」
「それはね、未来の話……いや、“起こりえた未来”の話なの……」


 ☆ ★

613その未来は定めなの?:2014/06/16(月) 03:35:58 ID:EpD7JyoQ0

なのはの語った千年タクウによってもたらされた未来の話。
それは近い将来では闇の書事件が待っていて、プレシアとの戦いよりも遥かに過酷な激戦を経験するも、事件解決の後に八神はやてやヴォルケンリッターたちと親交を持つことになる。
11歳の時に待ち受ける戦いでは、それまでの無茶が祟って復帰までに半年かかる重症を負うこと。
エースオブエースとうたわれるようになった19歳の折にはストライカーズ結成とJS事件という大きな戦いが待っている。
JS事件を乗り越えた後にヴィヴィオという愛すべき娘ができる。
その後も様々な出会いや戦いが彼女を待っているとユーノは彼女に伝えられる。
ちなみにユーノとなのはの関係は、先に語れれた11の時になのはが重症を負う事件をきっかけにユーノは負い目を感じ、彼女と距離を置くようになってしまったそうだ。
娘の授業参観になのはと一緒に付き合うなど、親交は厚くとも恋人関係にはならないらしい。

ほとんどを訓練か仕事をするか戦ってばかりの人生であるが、その分の見返りは十分であり、沢山の友人や後輩たちに恵まれ、若年でありながらエースオブエースという管理局でも誉れ高い名誉を持ち、血の繋がりはないとはいえ愛娘もできる。
英雄を志す者ならば憧れる未来であろう……恋愛ができない側面を除けば。
なのはは未来の明るい部分より、暗い部分に目が行ってしまったのだ。
年不相応にしっかりしているとはいえ、所詮は視野の狭い9歳児。
視点を変えれば仕事や戦いに明け暮れ、喪女や行き遅れや魔法少女(笑)だの陰口を叩かれ、育児や仕事でやつれていく中で支えてくれる伴侶もいない、そんな未来の悪い側面にばかり目がいってしまったのだ。

そしてカオスロワ開始直後に、この未来を知ってしまった彼女は暴走してユーノを逆レイプしたのであった。

「そして私は未来を都合の良い方向に変えようとユーノ君との子供を作ろうとした」
「そうだったのか……」
「でも、変えなきゃよかった。 変えようとしなきゃよかった……」

ロワが始まってから何度目かの涙をなのはは流す。
自分が淫行にさえ走りさえしなければ、ヴィヴィオが同行して今でも生きていたかもしれないのだから。
戦いづくめで喪女な未来の中でも、娘はなのはにとっても大きな希望であった。
その希望を自分で壊してしまったと、なのはは思っているのだ。

「フェイトちゃんだってカオスロワが始まってからすぐに探しに行けば助けられたかもしれない。
はやてちゃんはまだ生きてるけど、シャマルとザフィーラが死んでしまった以上、闇の書事件と同じ出会い方をできるかわからない……」
「それはなのはのせいじゃない、フェイトたちに至ってはどこにいたかもわからないんだ。
自分を責めるのは止すべきだ」
「それでも!
私の未来には大切な友達も娘もいなくなったちゃった事実は変わりないよ!
例え殺し合いを終わらせても、大災害からこの世界を救ったとしても二人はもう帰ってこない……」

彼女らの喪失により二人がいた部分が空白になり、その空白部分がなのはの中で絶望に染まる。
なのはにとって二人は人生でも紛れもなく大きな存在だったが、彼女らはなのはの未来像から消えてしまった。
絶望しないために動いていたつもりが、最悪の方向に未来の天秤は傾いた。
こんなハズじゃなかったのに、そう悔いた所で失った希望を取り戻せるわけではない。
それでもなのはは、19歳の姿をした幼い少女は、己の行いを恥じて感情のままに嘆くことしかできないのであった。
二人の死に比べれば、喪女になる自分の未来への不安などくだらないもの、そう思えば尚更である。

「これは未来を変えようとした私への罰なの?
だとしたらあんまり過ぎる……私じゃなくて、どうして二人が犠牲にならなきゃいけないの?」
「気負い過ぎだ、なのは!」
「ごめんねユーノ君、こんな話に付き合ってくれて……
どれだけ悔いても嘆いても何も変わりはしない、わかっていても、あなたには話さなきゃいけない気がしたの。
同じ私でも“未来”の私と違って“ここにいる”私はこんなにも弱い女だということを。
……馬鹿だよね、私一人が未来を受け止められるくらい強くあれば良かったのに」

彼女の言う“弱い”とは戦闘力ではなく、心の強さの話であった。
なのはの中ではヴィヴィオの死は、未来を受け入れられなかった自分の弱さが原因であると思っているようだ。
そして、その弱さを曝け出せるのは特に信頼しているユーノだけであった。

614その未来は定めなの?:2014/06/16(月) 03:36:45 ID:EpD7JyoQ0

「ユーノ君も…私の勝手な都合であなたの初めてを奪ってごめんなさい……
無理やり抱かされるのはとても迷惑だったよね……本当に酷い女で、ごめんなさい」

嫌がるユーノを強引に操を奪わせた件をなのはは涙と共に謝罪する。
しかし、そんな彼女をユーノは力強く抱きしめた。

「ユーノ…君?」
「謝る必要なんかないよ、なのは」

そして彼女の耳元で優しい言葉を囁くのだった。

「なのはの気持ちはよくわかった。
君がヴィヴィオやフェイトの死に責任を感じてることも、二人のいない未来に不安を感じていることもね」
「……」

瞳から涙を零し続けるなのはと目を合わせながらユーノは告げる。

「でも言わせてくれ。
まず第一にヴィヴィオたちの死はやっぱりなのはのせいじゃない。
悪いのは彼女たちを殺したマーダーや、この殺し合いを開いた野田総理やダース・ベイダーだ!」
「でも私がホテルで変な事をしなければ……」
「君は千年タクウで過酷な未来を見て、取り乱してしまっただけだ。
極論になるけど、例えば“自動車に轢かれる”という未来を知って自分から道路に近づきたいと思う人はいないでしょ?
そんな風に君はただ危険が待つ未来に対して安全策を取ろうとしただけだ……方法はちょっとアレだったけど。
未来をより良い方向にしようとするのは誰だって一緒さ。それを弱さというのも違う気がする。
それから、君が千年タクウで未来を見てくれなければ、このままだと大災害で世界が滅ぶ一大事を知ることができた。
君が教えてくれなければ、桑原たちと勘違いで戦闘になってたかもしれないし、エリカさんだってついてこなかったかもしれない。
今、僕ら6人が一つの目的を胸にまとまって行動できているのは君のおかげなんだよ」
「でも……でも……」

ユーノはなのはの行動を責めず、優しく諭す。
しかし、彼の訴えでなのはにできた心の闇を溶かすにはひと押し足りなかった。
そこでユーノは――

「第二に、僕が君に貞操を奪われて全然嬉しくなかったと思うのかい?」
「……え?」

――顔を赤くしながら告白するのであった。

「ああ、うん、最初は戸惑ったし、こんな緊急時に何をするんだとか、なのはの豹変を怖く思ってた事もあった。
だけど、今思うと結構気持ちよかったというか、男として嬉しかったというか……その、うん。
なのはの事は嫌いじゃなかったし、女の子として意識してたし、むしろ、えっと……
……うわあ、だんだん自分でも何言ってるかわからなくなってきたよ!」

赤くなった顔を更に赤くし、半ば勢い混じりだったため、理知的な彼にしては酷く歯切れの悪く台詞を連ねる。
一旦なのはから視線を逸らし、咳こみと深呼吸で恥じらいを振り払い、再び自分の想いの丈を述べるのであった。

「一つ聞いて良いかな? 僕以外の人でも君は喪女を卒業するために純潔を捨てられたかい?」
「え? それは……」
「お願いだ、怒らないから素直に答えて。僕を選んだ理由を教えて欲しいんだ」
「……それは無いと思う。
“今”においても、“未来”でも一番信頼していた男の人はユーノ君だったから……」

喪女を捨てたいだけなら、そこら辺にいる誰かでも良かったハズだ。
異性の知り合いならフェイトの義理の兄であるクロノもいる。
しかし、彼女はあくまで数多くいる男の中から、一番信頼できる男を選んだのだ。
思考は暴走していたとはいえ理性の全ては失っておらず、自分の夫になるかもしれない男には最も信頼できる男――ユーノに純潔を捧げたのだ。

「それからホテルというシチュエーションもあって、チャンスはここしかないと思って……気持ちを抑えられずにあなたを襲ってしまったの」
「そうか……形がどうあれ、僕としてもはじめての相手がなのはで良かったよ」
「ユーノ君……」

615その未来は定めなの?:2014/06/16(月) 03:37:41 ID:EpD7JyoQ0

なのはに穏やかな笑顔を向けるユーノ。

「不謹慎な言い方かもしれないけど、このロワのおかげで君の事をもっとよく知ることができたと思う。
君は魔法の才能があるし、ある程度のことはなんでもできる……今まではそう思ってたけど、誰かが守ってあげないといけないか弱くて脆い部分もあると悟ったよ」
「……」
「だけど、弱い部分があってもいいんだ、脆い部分があってもいいんだ。
その欠点を支えあって助け合うのが人間ってものだと思う。
それに君が困った時には僕が助けにいくよ」
「ユーノ君が助けてくれるの?」
「ああ、なのはの話を聞いて思ったんだけど、未来の僕が君の伴侶にならなかったのは、11歳の時に君が負う重症の件で責任を感じている件に加えて、大親友であるフェイトと愛娘のヴィヴィオがいたから僕から支える必要が無いと判断したんだと思う」

本来の未来ならば心身共に支えてくれたフェイトとヴィヴィオの存在があったからこそ、なのはには伴侶が必要なかった。
なのはの未来についてユーノはそう結論づける。
だが、その二人は無常にも死んでしまい、未来は二人を欠いたものに変わったのだ。
それでもユーノは、なのはに希望を与えようとする。

「これからは亡くなったヴィヴィオたちの分も僕がなのはを支えるよ。
二人の代わりが務まるかはわからないけど、君の未来が明るくなるように努力する。
君が僕に純潔を奪わせたことを間違いだったと思わせないように頑張る。
だから――僕を信頼して欲しい」

ユーノはただひたすらに熱く、力強く、なのはに訴えかけた。
しかし、なのはからの答えはすぐに返ってこず、なのはの顔は俯いていた。

「ごめんね、僕が君にとって大切だった人たちの代わりになろうなんて、おこがましいこと言っちゃって迷惑だったかな……」
「……いいえ、ユーノ君」

ふと、俯いていたなのはの顔がユーノと向き合う。
彼女の表情に闇は感じられず、ただ恍惚と尊敬の視線でユーノと目を合わせる。
そして、ゆっくりと顔を近づけ、そっと唇を合わせた。
これがユーノに対するなのはの答えであった。

「なのは……!」
「私もユーノ君の事を見ていたよ。
元々あなたのことを信頼はしていた、だけどこのカオスロワで見せたあなたの姿は今まで見たことないくらい頼もしかった」

ある時はなのはを守るために強大な力を持つ仮面ライダーに一人で立ち向かう勇敢さ。
ある時は七人の仲間をまとめるリーダーシップ。
ある時はマーダー出現の不自然さから主催の介入を考察できる聡明さ。
ある時は逆レイプを受けても、弱みを見せても、相手を許し受け入れる懐の広さ。
非常時こそ、その者の本性が顕になるというが、ユーノは良い意味で内に秘めていた人間性をさらけ出したのだ。
いつしか男としてなのはは彼に心惹かれていたのかもしれない。

「千年タクウの映す未来でも見れなかったあなたの強さと優しさ。
普通の未来ではきっと気付けなかったあなたの良さを知ることができたの。
ヴィヴィオもフェイトちゃんがいない未来でも、あなたがいれば何も怖くない……そんな気にさせてくれるの」
「なのは……」
「ユーノ……」

この過酷な殺し合いを経てユーノとなのはは、互いが必要な存在になったのだ。
その感情は緊急時における不安からの依存や吊り橋効果によるものかもしれない。
それど、二人の間にカオスロワ以前よりも深い絆が生まれたのは確かであった。

その絆を人は愛と呼ぶ。

616その未来は定めなの?:2014/06/16(月) 03:38:17 ID:EpD7JyoQ0

「絶対に、絶対に君を守ると誓うよ」
「愛してる、ユーノ君」

二人は見つめ合い、二度目のキスを交わす。
今度は舌を絡ませ合うほどであり、相手と深く繋がりたい故の接吻であった。

「んん……」
「んはぁ……」

両者とも艶かしい声を上げながら、ユーノはゆっくりとなのはをベッドに押し倒す。
そして、これからする行為の邪魔になる服やズボンについているボタンやベルトを外そうとする。
なのはとしては、自分の淫行で招いた悲しい出来事を忘れたわけではない。
だが、今の内に相手と繋がらなければ離れてしまうような、後悔を生むような錯覚を覚えている。
ユーノもその気持ちは同じであり、彼女の心の傷を癒すために交じり合う必要があるとも思っていた。
とにかく今は愛を確めあいたい、その感情が二人を支配している。
仲間たちは情報室にいて、この部屋には監視カメラがないのも確認済み、神樹の存在によりマーダーはおそらく地下官邸に入ってこれない、つまり止める者は誰もいない、ベッドの上に二人だけの楽園が築かれていた。


ベッドを背に、お互いの手と手とを重ね合う。
繰り返す接吻で唾液を交換しあい、キスの味を覚える。
行為は次第にエスカレートし……





『マスター、水を差すようで恐縮ですが三時になりました。交代のお時間です』
「「!!」」

レイジングハートが時刻を通知した。
部屋の時計を見ると彼女の言うとおりに時刻は午前三時を回っており、休憩交代の時間である。
これによって二人の性交は未遂で終わったのだ。
我に返った二人は直前までの自分たちが勢いのままに淫らになっていたことと、レイジングハートの存在を忘れていたこと……告白や交じり合いかけるところを見られたことに羞恥心が蘇り、顔を真っ赤にしていた。

「は、ハス太たちと交代だね、戻ろうかなのは」
「そ、そうだね、ユーノ君。
あ、レイジングハート、私とユーノ君が……していたことはみんなには秘密にしておいてね」
『イエスサー、ご心配なさらずともプライベートの件は口外しません』

しどろもどろになりながらも、急いで外れかけた服のボタンやベルトを直す。
直し終わった頃になのははユーノに微笑みかけていった。

「ありがとう、ユーノ君。
あなたのおかげで気分が楽になったよ」
「なのは……」

次には強い意思を持って彼女は宣誓した。

「あなたがいれば、未来にどんなことがあっても乗り越えられる気がするの。
あなたがいればこそ私は生きていける、戦っていける!
だからこそ、必ずこの殺し合いを終わらせて、大災害から世界を救って、生き延びよう。
そうすることが死んでしまったヴィヴィオたちのためにもなるとも私は思うから……」
「……ああ!
殺し合いの破壊も世界の滅亡阻止も成し遂げよう!
そして僕たちは亡くなった人たちの分も生きるんだ」

ユーノの訴えはなのはを悲しみからふっきらせ、心に巣食っていた闇を払ったのだ。
こうして、高町なのはは魔法少女として再起した。

「よし、そろそろ行こうか、なのは。
ハス太たちが官邸の調査で何かわかったかもしれない」
「うん」

支度が整ったところで恋人たちは部屋を後にするのであった。

 ☆★

617その未来は定めなの?:2014/06/16(月) 03:40:35 ID:EpD7JyoQ0


情報室に向かうまでの廊下を、ユーノの後をついていくようになのはは歩いていた。

(そういえば、さっきの千年タクウが見せた未来……)

千年タクウが見せたユーノが怪物になる出来事、それについてはまだユーノに話してはいない。
話すには内容があまりにも荒唐無稽で滅茶苦茶過ぎると判断したからだ。

(いや、あれはひょっとすると私の不安が形になった夢を、千年タクウが見せた未来と思い込んでいただけかもしれない。
ユーノ君が怪物になるなんてありえないしね)

なのはから見て、ユーノの背中は実際の身長以上に大きく見えた。
彼女には、その背中を持つ男が恐ろしい怪物になるとはとても思えなかった。


一方、なのはがユーノの事を考えているように、彼女の前を歩いていたユーノもなのはの事を考えていた。
ただし、視点が少々、彼女と異なっていた。

(なのはが立ち直ってくれて良かった……
だけど、僕の愛しい人を悲しませた主催たちは許せない)

ユーノの脳裏にはカオスロワを開くことで、なのはにとって大切な人たちを死なせた元凶である主催の者たち――放送で姿を見せたダース・ベイダーやバーダック、既に故人となった総理のシルエットが映っている。
その者たちに対してユーノにしては珍しく強い憎しみを抱いている。
強い憎しみは、言い換えれば殺意だ。

(なのはをこれ以上悲しませないためにも、殺し合いを終わらせるためにも。
必ず報いを受けさせてやる……奴らをこの手で引き裂いてやる)

なのはを傷つけた者を絶対に許さない――怒りの感情がピークに達した瞬間、ユーノの片目が複眼に変化した。
奇しくもそれは千年タクウがなのはに見せた、ユーノが変身する怪物の複眼と全く同じであった。
しかし、次にユーノの脳裏に現れたのはなのはの笑顔が映る。

(……いけない、なのはを守るためにも怒りに因われずに冷静でいなきゃ。
彼女のためにも怒りは沈めて、いかにこの殺し合いを打破するかを考えなくては……この官邸の調査で殺し合いを打破できる何かが見つかればいいけど)

彼女の表情が頭に浮かんだ瞬間、複眼は元の瞳の形に戻ったのであった。
複眼への変化は一瞬であり、後ろにいるなのは気づかず、レイジングハートも感知できず、監視カメラは死角で映らず、本人すら気づいていない。
本人を含めた誰もが変異に気づくことはなかったのだ。



――ユーノの身に何が起きているのか?
答えは、テラカオス化の進行による肉体の変化である。
カオスロワという過酷な環境下によるストレスで、テラカオス化が進行したのである。
もっとも、風鳴翼やフレミングのような積極的に殺し合いをしているマーダーに比べれば、進行度は極めて遅いものである。
しかし、その進行は僅かながらもユーノの精神と肉体に影響を及ぼし始めている。
一例になのはを確実に守るためとはいえ、仮面ライダーディエンド・海東を説得や無力化で済まさずに惨殺したのも、穏やかな彼の性格からは考えづらい行動であろう。
千葉のホテルに滞在していた時点で、進行は既に始まっていたのかもしれない。

彼の進行度は遅い部類であると述べたが、何かの弾みで進行を早める可能性は十分にあり、多くの勢力がひしめき強大なマーダーが多数存在する激戦区東京にいる限りは、その可能性が格段に上がるのは想像に苦しくない。

そして千年タクウがなのはに見せた未来。
過去にユーノがなのは諸とも仮面ライダーに殺される未来を変えたように、カオスロワ下における千年タクウが見せる未来が確実に訪れる保証はどこにもない。
だが、その未来が変わる保証もどこにもないのだ。

もし千年タクウが示した未来が回避できなかった場合、近い将来、なのは組に試練の時が訪れるであろう……

618その未来は定めなの?:2014/06/16(月) 03:41:06 ID:EpD7JyoQ0


【二日目・3時00分/首相官邸地下の廊下】

【高町なのは@魔法少女リリカルなのは】
【状態】健康、19歳の身体
【装備】レイジングハート@魔法少女リリカルなのは、千年タウク@遊戯王
【道具】基本支給品一式、タイムふろしき@ドラえもん
【思考】基本:大災害による世界滅亡を防ぐ
0:ハス太君、エリカさんと休憩を交代する
1:死んでしまったヴィヴィオたちのためにもこの殺し合いを終わらせる
2:ユーノ君がいれば何も怖くない!
3:それにしても怖い夢を見たの……
※千年タウクの効果によって、高町ヴィヴィオの存在と日本に世界を襲った大災害が起こる未来を知っています。
※タイムふろしきを使ったので、19歳の肉体に成長しました。
※未来の自分が使っていた技の一部が使用可能です。


【ユーノ・スクライア@魔法少女リリカルなのは】
【状態】健康、19歳の身体、僅かにテラカオス化進行
【装備】なし
【道具】基本支給品一式
【思考】基本:大災害による世界滅亡を防ぐ
0:ハス太君、エリカさんと休憩を交代する
1:なのはを絶対に護る!
2:大災害の情報を集める
3:野田総理の死の原因を探りたい
4:なのはを悲しませた主催者たちは絶対に許さない
※タイムふろしきを使ったので、19歳の肉体に成長しました。
※PSP版の技が使えます。
※本人の知らない内にテラカオス化が進行しています。
※千年タクウによると将来的に“強大な敵”に襲撃され、その際のピンチに伴ってテラカオス化の進行が早まり、膨大な戦闘力を持った怪物に変身するようです。また、仲間の内の誰かを殺してしまう可能性があります。
実際にそうなるか、強大な敵は誰なのか、死ぬ仲間は誰なのかは次の書き手氏にお任せします。

619Certa mittimus dum incerta petimus.:2014/06/16(月) 08:49:46 ID:MGcJX4eE0
――われわれは不確実なものを求める間、確実なものを失う
――プラウトゥス(B.C.254-B.C.184)



佐村ガウスフレミング02と天海春香&はるかさんは、埼玉県庁前の道路にて遭遇した。

戦いが始まる。

先ずダブルフレミングバスターを繰り出す佐村ガウスフレミング02。
天海春香はカブトに変身し、アッパーを仕掛ける。
巨大化して佐村ガウスフレミング02を踏み潰そうとするはるかさん。

佐村ガウスフレミング02はぎりぎりはるかさんの踏み潰しを回避、しかし其処があだとなり天海春香のアッパーをまともに喰らう。
しかし佐村ガウスフレミング02も凡人ではない。指を突き立てダブルフレミングバスターを零距離で天海春香に食らわせる。

戦いは白熱する。そこに迫る物にも気付かずに。

620Certa mittimus dum incerta petimus.:2014/06/16(月) 08:50:13 ID:MGcJX4eE0
ザン!!

佐村ガウスフレミング02と天海春香は脳天を串刺しにされる。

「アハ―――――」
直後、はるかさんも首を切断される。

そして彼らは彼女に喰われた。

【佐村ガウスフレミング02@現実?】死亡
【天海春香@アイドルマスター】死亡
【はるかさん@ぷちます!】死亡

喰い終わった彼女、風鳴翼?が歩き始めた。

「ガッ…!?」

――その瞬間、彼女のテラカオス化が臨界値を超えた。

621Certa mittimus dum incerta petimus.:2014/06/16(月) 08:50:43 ID:MGcJX4eE0
彼女の肉体が膨らみ、破裂する。そして黒い霧となる。
黒い霧が凝縮して、人…ではなく、人の形をした「異質な物」が現れる。

それこそが、テラカオスである。
それには首輪はない。なぜならそれは主催者側の待ち望んだ物、首輪は邪魔になると判断されたからだ。

【風鳴翼?@戦姫絶唱シンフォギア】死亡
【テラカオス@テラカオスバトルロワイアル十周目】孵化

【二日目・3時59分/日本・埼玉県庁前の道路】

【テラカオス@テラカオスバトルロワイアル十周目】
【状態】損傷なし、テラカオス化完了?
【装備】不明
【道具】支給品一式
【思考】基本:世界をカオスにする
※風鳴翼?・佐村ガウスフレミング02・天海春香・はるかさんの能力を継承しました
※テラカオスバトルロワイアル十周目の死者の能力が使えるかは不明

622その頃フェイトちゃんは……:2014/06/16(月) 23:43:15 ID:yldjRJ520
「は、はひ……! ひッ…はッ!!」

クチュクチュ……ズップ……ズップ

「あッ…はあッ……くあッ!」

パンッ パンッ パンッ

「はあッあ くはッ!」

ズプッ ズプッ パンッパンッ
ヒクッ……ヒクッ

「やっ……はひあッ!!」

ドピュッ

「りゃめええええええ妊娠確実うううううううう!!!」

ドピュピュッドピュッ

「も、もっと頂戴……」





【二日目・3時00分/日本・渋谷】

【フェイト・T・ハラオウン@魔法少女リリカルなのはStrikerS】
【状態】異常、アヘ顔、ヘブン状態、アクメ 、白い液体塗れ
【装備】バルディッシュ・アサルト@魔法少女リリカルなのはStrikerS
【道具】支給品一式
【思考】
基本:チンポに負ける
1:チンポには勝てなかったよ…
2:気持ち良いよぉ……チンポ……

【南方妖怪チンポ@ゲゲゲの鬼太郎】
【状態】健康
【装備】マーラ様フィギュア@現実
【道具】支給品一式 、飲むヨーグルト
【思考】
基本:とりあえず生き延びる
1:飲むヨーグルトあげただけなのに……

623ごめんよく見たら死んでたわw:2014/06/16(月) 23:45:37 ID:yldjRJ520
という夢だったのさ

【俺@現実 死亡】

【その頃フェイトちゃんは……無効】

624TCBR10第4回放送:2014/06/19(木) 19:11:24 ID:.mPGfHyc0
――午前4時 九州ロボ 五大幹部しか入れない専用会議室。


会議室に備えられたモニターから、五大幹部は食人鬼・風鳴翼が暴食の果てにテラカオスへと転生する瞬間をその目で見た。

「やったわ! テラカオスの誕生よ!」

最初に歓声を上げたのはココ・ヘクマティアルであった。

「イレギュラーな事態が続き、一時はどうなるかと思ったが、なんとか誕生までこぎつけたな」

肩の荷が降りて安堵し、椅子に深く腰掛けるジャック・O。

「凄まじい力を感じるな……現状でもパワー以外なら俺よりも上かもしれねえ」

バーダックはサイヤ人の本能からテラカオスの危険性を感じながらも、笑っていた。

「計画は順調ね、ベイダー卿」

風見幽香は怪しい笑みを浮かべながら隣にいたダース・ベイダーに話を振った。

「ああ、我らの待ち望んでいたテラカオスは誕生を迎えた。







……だが、真の戦いはここからだ」

ベイダーは仮面越しでもわかる凄みをこめて同志たちに告げた。
彼らの目的はテラカオスの誕生。
ちなみにSTAP細胞でテラカオス化に完全に成功したと言う研究者がいたが、あれは精神汚染された結果の妄言であり、実際は候補者止まりである。
さらに今は亡き特務機関員のシックスが阿笠に述べた通り、過酷な環境を通さずにテラカオス化してもテラカス以下の紛い物しか生まれない。
そのような者たちとは違い、風鳴翼は本物のテラカオスとなったのである。
しかし、これだけでは彼らの計画はスタートラインから一歩踏み出した程度に過ぎないのだ。

「コーホー、皆、まだ気を抜くな。
テラカオスは誕生したが、これはまだ幼虫に過ぎない。
特性の一つであるロワで亡くなった死者の技はまだ使えぬだろうし、この世界を救う存在になり得るにはまだ力が足りぬ」
「……計器が示すエネルギー数値も規定の三分の一未満、ベイダー卿の言った通り、こんな生まれたばかりの赤ちゃんでは世界を救うには程遠いわね」

計器を見たココが肩を落とす。

「コーホー、テラカオスを完全体に導くために成長させる余地がある。
彼女の進化のためにもカオスロワはまだ終わらせるわけにはいかんな」
「それに、この殺し合いでテラカオスに転生できるのは彼女だけじゃないかもしれない。
第二・第三のテラカオスが生まれるかも知れないわね」
「ああ、不足の事態に備えて予備のテラカオスを生み出しておくべきかもしれぬ」

テラカオスが生まれただけでは計画は完遂とは言えず、そしてテラカオスを成長させるために、もしくは最初に生まれたテラカオスが消失する危険に備えて新たなテラカオスを用意するために、殺し合いという環境は必須であった。
すなわち、カオスロワはまだ終わらせるわけにはいかないのだ。

「ベイダー卿、放送について私に提案がある」
「提案?」
「ココ、バーダック、幽香にも聞いて欲しい」

策に長じたレイヴンであるジャックが仲間たちに己が考えたプラン

「テラカオス誕生の際に、卵の殻として役目を終えた風鳴翼の肉体は砕け散り、生物学的には既に死亡している。
だが、次の死者発表では彼女の名前は呼ぶな。その代わりに――」



五大幹部を尻目に、今もモニターは今も異質の者・テラカオスを写していた
その顔立ちはベースになった少女の面影を強く残していて……



------------------------------------------------------------------------------------------------

625TCBR10第4回放送:2014/06/19(木) 19:12:19 ID:.mPGfHyc0


四回目の放送は定時より10分も遅れてスタートした。

ピーンポーンパーンポーン♪


「幹部のダース・ベイダーだ。
少々不祥事が発生し、予定よりも遅れて放送することになった。
余からお詫び申し上げよう。
では、死者を読み上げる。

北岡秀一、前田敦子、ワルプルギスの夜、モヒカン男、神威がくぽ、鴻上光生、邪気眼使い、ゆっくり
サシャ・ブラウス、沙耶、もょもと、KBTIT、町田市長、ポコ、火野映司、フリーザー
財津原蔵王丸(ザンキ)、Dボゥイ、キンタロー。、ハンターA(フンター)、ゴルルナ一式装備ハンター
パズドラテイマー、エリートトレーナー♀、右代宮桜座、デッドプール、豪鬼、ベガ、右代宮譲治
天ヶ瀬冬馬、伊集院北斗、御手洗翔太、悪徳又一、渋澤、雀ヶ森レン、真壁刀義、ハラサン、ハレクラニ
武田観柳、アーマービーストA〜Z、蒼月潮、九十九遊馬、ムーンブルクの王女、オーバーデビル
熱気バサラ、フレクザィード、テンペラ―星人、レオパルドン、バスク、上田晋也、熱狂的なファン
ルイス・レットラッシュ、大神さくら、レイ、カイ・シデン、天津飯、ストレイツォ、ラオウ
ジョン・フレミング、天野河リュウセイ、龍昇ケン、松岡勝治、剛田ジャイ子、北原元気
ものすっごくガタイのいいDMC狂信者、バリクナジャ、グラコス、ボトク、セト、華麗なるビクトリーム
バルバトス・ゲーティア、佐村河内フレミング、桜田ヒロム、照井竜、チダ・ニック、コロトラングル
イワオロペネレプ、ぼのぼの、小保方リーダー、【発明王】トーマス・エジソン、永江衣玖、ワスピーター
スコルポス、テラザウラー、木の下の大王、相田マナ、蒼乃美希、ワドルディ、佐村ガウスフレミング02
天海春香、はるかさん、各地のモブ参加者が幾千人〜幾万人程度……

次は禁止エリアについて発表する。
九州地方の全てを午前5時より禁止エリアとする。
禁止エリアについては以上だ。

……放送を終わらせる前に、余から腕に覚えのある参加者全てに依頼したいことがある。
依頼とはある参加者だった女の抹殺だ」

映像にテラカオス――少女の顔写真が写される。

「この女の名前は風鳴翼。
ネットで危険視されている食人鬼とは彼女のことだ。
このロワの目的は人口削減であり、諸君らが積極的に殺し合いをしてくれるのは大変喜ばしいことなのだが……
この女の危険性は、もはやロワの許容範囲すらも超えてしまっている。
仮に人口を規定の範囲まで削減できたとしても、彼女は暴走をやめそうにない。
生かしておくことはロワ終了後の日本をも危険に晒すだろう。
首輪も外されてしまい、首輪の爆破による我々からの介入も不可能になった。
そこで、諸君らに風鳴翼の討伐を依頼したい。

特別報酬として討伐できた者に首輪解除、カオスロワ終了後の地位の保証、莫大な財宝の進呈を約束しよう。
さらにオプションとして、殺し合いとは無縁な安全地帯への誘導。
あるいはお望みならば主催陣営への迎入れを考えても良い。
ただし、報酬を受け取れるのは彼女を討伐できた一人までだ。

では、討伐が確認でき次第、首輪解除と同時にこちらの転送技術で討伐者を我らの本拠への転送を行おう。
諸君らの健闘を祈っているぞ、これにて放送を終わりとする」

------------------------------------------------------------------------------------------------

626TCBR10第4回放送:2014/06/19(木) 19:15:33 ID:.mPGfHyc0

――場面は再び 五大幹部専用会議室。
放送に出向いたダース・ベイダーを除いた五大幹部が放送の様子を見ていた。

「これでいい。あとは彼女に挑戦する者が何人現れるかだ」
「フフーフ、流石ねジャック」
「あなたもえげつないことを思いつくわね、私も見習いたいわ」
「おまえをロボット頼みのホモかと思っていたが、見直したぜ」
「私はホモでもゲイでもない……強い男に興味があるだけさ」
「オイ、そう言って俺に近寄んな」

ジャック・Oの提案とはこうだ。
特別報酬を餌に参加者と風鳴翼を戦わせること。
かつて総理が造反者のうぐいすを指名手配した時と同じように見えるが、今回は趣旨が違う。
無視しても参加者にとって害がなかった千石うぐいすと違い、彼女の場合は放置すれば自分達にも多大な危害が及ぶ。
既に食人鬼についての情報はネットで広く拡散しており、特に交戦して生き残った都庁の軍勢と影薄組は彼女の危険性を理解していると思われる。
討伐に乗り出すのはマーダーだけでなく、殺し合いに反対する正義感の強い対主催も動かざる終えないのだ。
また、報酬とは別に討伐者は本拠へ転送される件については、主催を打倒・暗殺して殺し合いの破壊もしくは支配を目指す者にとっては主催の本拠地へ侵入するためのチャンスであるという見方もできる。
そうして踊らされた参加者はテラカオスを成長させるのに必要な経験と血肉を提供することになるのだ。

「だけど、このテラカオスより強い参加者はそこそこいるわよ。
もしテラカオスがやられたらどうするの?」
「テラカオスについての情報や、俺達の計画に気づく奴らも出てくんじゃねーか?」

幽香とバーダックの質問にジャックは答える。

「バーダックの質問から答えよう。
DMC狂信者、都庁の軍勢、祐一郎、拳王軍、天魔王軍……彼らが状況をかき乱してくれたおかげで日本中で誤解と憎しみが渦巻き、殺し合いに勢いがついた。
ここまで来ると我々の目的が露呈したところで殺し合いは簡単には収まりはしまい。
そろそろナノマシンの存在に気づいた参加者も出ているだろうが、ネットに規制と検閲をかけてしまえばナノマシンを知る者はひと握りとなり、情報拡散は緩やかになる。
少人数が計画に気づいて殺し合いを放棄したところで、殺し合い全体は止められはしない」
「なるほどな。
ネット以外は俺達の介入無しでも、どうとでもなるというわけか」
「次に幽香の質問だが、せっかく生まれたテラカオスが討たれる心配は当然ある。
が、完成を急がねばならない以上、散発的な戦闘の繰り返しでは遅すぎるのだ。
甘やかさず、常に休みなく戦わせる必要がある。
……そして何より、彼女には他の候補者にはなかった特性がある。
その特性があるからこそ、私はあえてテラカオスを危険に晒す策を提案したのだ」

他の三人に見せるように、ジャックが何らかの肉片が入ったカプセルを取り出した。

「何それ?」
「収集した四条化細胞だ。
これは約30分前にレストに敗れた風鳴翼が埼玉に吹き飛ばされ、その落下地点に落ちていた肉片を回収したものをカプセルに詰めた。
彼女が誕生地点から移動次第、破裂して飛び散った風鳴翼の肉片も回収し、より最新の物を手に入れる予定だ」

四条化細胞――それはテラカオス候補者の四条貴音から生まれた、偶然の産物。
これの侵食により陰性であった風鳴翼とぼのぼのをテラカオス候補者という怪物に作り替えた。

「四条化細胞と言えば、本来テラカオスになれない奴でも候補者に作り変えられる細胞だな」
「少し違うな。正確には『能力や記憶を含めた特性を継承させる』が正解だ」
「それって……前任者の何もかもを手に入れさせることにならない?」
「ご明察だ、幽香。
そしてテラカオス化した彼女のこの細胞を他の参加者に埋え付けることは何を意味する?」

ココが生唾を飲み込み、ジャックの問いかけに答える。

「つまり、彼女が討たれても、次のテラカオスの誕生が容易にできるようになったということ」
「そうだ。しかもナノマシンと違って時間のかかるステップを踏む必要がない。
段階を踏まずにテラカオス化した故に器が耐え切れずに暴発した山田一二三と違い、四条化細胞は器を自発的に改造してテラカオス化に耐えられる存在に短時間で変異させることができ、時間の短縮ができる」
「……驚異の代物ね」
「もっとも誕生自体が全くのイレギュラーであるため、予測できない点も多い。
安易に使用するべきものではないが……もし彼女が討たれた場合は細胞を回収し、他の参加者に埋えつけ、新しいテラカオスを生み出すことを視野入れておくべきだろう、そして――」

ジャックは鬼気迫る表情で己の考えを述べた。

627TCBR10第4回放送:2014/06/19(木) 19:16:02 ID:.mPGfHyc0

「――仮に彼女を打倒した者には、この四条化細胞を用いて、新たなテラカオスになってもらおう。
倒した者は強運を含めた実力を持つ者、彼のものはより強く完成に近づいたテラカオスになってくれるだろう」

テラカオスを討った者に特別報酬などない。
あるのは新しいテラカオスにさせられてしまうという残酷な洗礼だ。
ジャック・Oは討伐者に対して、契約サイドとしては最悪の行為に及ぶことを考えていた。

「うわあ、恐ろしいことを考えるわね。
武器商をやっていた私としてはとても契約したくない相手ね」
「世界を救うためなら外道の謗りは覚悟の上だ。
この世界に残された時間が限られている以上、形振り構ってはいられない。。
例え悪魔と罵られようが石を投げつけられようが、我々は計画を完遂しなければならない。私から言える話は以上だ」

幹部達がジャックの策を一頻り聞いたところでテラカオスの映し出されたモニターを見る。

「彼女の誕生でようやく計画に光明が見えてきたわね」
「だが、事態は依然、予断を許さぬ状況だ」
「……上等だぜ、俺はどんな状況でも乗り切ってやる」
「フフーフ、ここからは今まで以上に忙しくなるわね」
「コーホー、計画はここまで来たのだ。もう後戻り出来ぬな」
((((ダース・ベイダー、いつの間に戻ってきたんだ……))))

時間ごとに激化するカオスロワ、そして裏に隠された計画。
それはテラカオスの誕生によって次の段階へ進もうとしていた……


――テラカオスロワ第十期 新章突入


【ニ日目・4時15分/日本・九州ロボ 五大幹部専用会議室】


【ダース・ベイダー@STAR WARS】
【状態】健康
【装備】ライトセーバー@STAR WARS
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】基本:テラカオスを成長させ完成に導く計画を遂行する
1:計画のために殺し合いを促進させ、計画の邪魔をするものは消す
2:不足の事態に備えて予備のテラカオスを作り出すことも念頭に入れる


【ジャック・O@ARMORED CORE LAST RAVEN】
【状態】リンクスに改造
【装備】フォックスアイ(ネクストに魔改造)@ARMORED CORE、拳銃
【道具】四条化細胞入りカプセル
【思考】基本:テラカオスを成長させ完成に導く計画を遂行する
1:計画のために殺し合いを促進させ、計画の邪魔をするものは抹殺する
2:四条化細胞に多大なる期待


【バーダック@ドラゴンボール】
【状態】健康
【装備】スカウター@ドラゴンボール
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】基本:テラカオスを成長させ完成に導く計画を遂行する
1:計画のために殺し合いを促進させ、計画の邪魔をするものは殺す
2:サイヤ人の本能としてテラカオスから凄まじい力を感じている


【ココ・ヘクマティアル@ヨルムンガンド】
【状態】健康、九州ロボのファクター
【装備】超大型特機型マキナ『九州ロボ』。ライトセーバー@STAR WARS、拳銃
【道具】不明
【思考】基本:テラカオスを成長させ完成に導く計画を遂行する
1:計画のために殺し合いを促進させ、計画の邪魔をするものは撃つ
2:不足の事態に備えて予備のテラカオスを作り出すことも念頭に入れる
3:HCLI社が無くなった分も頑張る


【風見幽香@東方project】
【状態】健康
【装備】日傘
【道具】不明
【思考】基本:テラカオスを成長させ完成に導く計画を遂行する
1:計画のために殺し合いを促進させ、計画の邪魔をするものは地に還す
2:……なんか誰かに崇められている気がする、正直気持ち悪い


※テラカオス@テラカオスバトルロワイアル十周目が風鳴翼名義で指名手配されました。

636クロイウタ:2014/06/30(月) 00:07:16 ID:o13O3O.g0
埼玉県庁前の道路。
そこには一人の少女がいた。

少女は多くの参加者を喰らった食人鬼・風鳴翼……を母体とし、卵の殻を突き破るように生まれた異質の存在。
彼女こそが混沌の魔王・テラカオスである。
そんな彼女は生まれたばかりの姿のまま立ち尽くしていた。

(私は一体……どうしてここに立っているんだっけ……?)

彼女は、自分が何者だったか、何のために今ここに立っているのかを必死に思い出そうとしている。
だが、意識が澱んでいてなかなか思い出せない。
まるで長い夢から醒めたばかりの寝ぼけている時と同じ感覚を彼女は味わっていた。

(私は確か、食べて自分が幸せになって、食べられた者も幸せになって。
奏者 シンフォギア SAKIMORI 右手と左手の法則。 DMC狂信者の駆逐。 天の海を往き、春を香らせる者。 世界をもっとカオスにしたい。
特異災害対策機動部 765プロ 音楽界 奏 司令 立花 雪音 アゼル フォズ ぼのぼの
……ダメだダメだ! 頭の中がゴチャゴチャしてて思い出せない!)

記憶の奥底まで探ろうとするも、自分のものとは到底思えぬ記憶まで入り混じった状態になっており、どれが本当の自分の記憶か思い出せないでいた。
無理に思い出そうとすると、圧倒的な情報量によって自分の心が壊れれてしまう錯覚を覚えていた。
さらに脳内には『世界をカオスにしろ』という言葉が反芻し、余計に思考を混乱させる。
それでも、頭を抱えながら本当の記憶を探り当てようとする彼女だったが、しばらくすると、どこからともなくアナウンス音が流れた。

ピーンポーンパーンポーン♪

(……この音は、聞き覚えがあるぞ?)

それは定時放送であった。
すぐ近くにあった電気店のショーウィンドウにあるテレビから、これまた見覚えのある全身黒づくめの男が現れ、テラカオスはそのテレビを覗き込む。
男の口から淡々と読み上げられる死者の名前――ぼのぼのという名前が出た瞬間、なぜか物凄く胸を締め付けられた――、次に禁止エリア、そして――

『……放送を終わらせる前に、余から腕に覚えのある参加者全てに依頼したいことがある。
依頼とはある参加者だった女の抹殺だ。
この女の名前は風鳴翼。
ネットで危険視されている食人鬼とは彼女のことだ』
「こ、これは……!?」

画面に映されたのは自分にとって重要な部分を締める存在、指名手配の食人鬼・風鳴翼。
……だが、写真に何か違和感を感じていた。

(ち、違う。 これは風鳴翼じゃない!
髪の色は銀色ではなく青だったハズだ……って、なんで彼女を知ってるんだ私は?)

自分の記憶の中にある翼は食人鬼などという人の道に反れた真似はしないはずだ。
写真での顔立ちこそほとんどそっくりだったが、髪は銀色になっていた。
周囲には怪しい黒い霧が立ち込めていたが、こんなもの翼からは出てこなかったハズ……

637クロイウタ:2014/06/30(月) 00:07:59 ID:o13O3O.g0


「ハッ!?」


そこで彼女はようやく気づいた。
放送が終わったテレビから窓ガラスに目を移す。
鏡のように映されたガラスには、風鳴翼とよく似た顔立ちの持ち主がいた。
凛とした顔立ちに銀髪、周囲には黒い霧も立ち込めている。
何もかも放送で指名手配された『食人鬼・風鳴翼』の顔写真、そのままであった。
鏡に映るものは、覗き込む者の姿をありのままに映し出している。
すなわち――

(――これが私?
……そうだ! 私は! 私が目指していたものはッ!)

鏡に写る少女が自分であると認識した瞬間、脳内にあるハズのシナプスが繋がって電気が走る。
ごちゃまぜ状態だった記憶が整理され、テラカオスは自分が何者であったか、これまでの自分は何のために戦っていたのか、どのような経緯で自分が生まれたかを思い出す。
夢から完全に醒め、寝ぼけた頭はすっきりするように全てを思い出した。

「……アハ、ハ」

そして、全てを思い出した彼女を映したウィンドウには、ケダモノのような笑みを浮かべる少女の顔が映っていた……

 @

テラカオスがいる電気店から数百m離れた場所に、一人の黒人がいた。
この男こそ佐村河内フレミングを前にして、戦闘ではなく唯一対話で生き延びた男『でたらめな手話の黒人男性』である。
カオスロワで優勝を狙っていた彼はしばらくは佐村河内フレミングの遠巻きからついていき、彼の力利用して生き延びようと画策していたが、焼肉を喰ったら食中毒で死んだ(ちなみ誤認、しばらくしたら佐村ガウスフレミング02として復活したことを彼は知らない)ので泣く泣く別れることに。
それからは、いかにカオスロワで優勝すべきか途方に暮れていた黒人男性。
そこに天啓のように第四回放送が流れたのだった。
たった一人の女を殺せば莫大な富と地位が約束され、さらには首輪解除に加えて安全地帯への誘導or主催陣営入りの特典までつくという依頼が主催幹部の男から語られたのだ。
この依頼を成し遂げれば優勝したも同然の報酬に、何不自由ない生活が約束される。

そして、幸運なことに指名手配の女は放送終了から五分後には、その女が見つかったのだ。
女は遠方にいるこちらに気づいた様子はない。
『このチャンスを逃すわけには行かない、ボヤボヤしていると他の参加者に獲物を横取りされてしまう』
と、黒人男性は手話で自分に言い聞かせ、デイパックから道中で拾ったスナイパーライフルを取り出し、構えた。
女に銃口を向け、スコープを覗き込む黒人男性の目は殺意でギラギラを輝いている。

スコープから見える女の姿はなぜか全裸であり、放送はとっくに終わっているにも関わらず電気店の中にあるテレビをボーッと眺めている。
『放送では危険な食人鬼と謳われていたが、長距離の狙撃ならば……それもあそこまで無警戒なら簡単に殺れるハズだ!』と黒人男性は手話で息を巻く。

照準は女の脳天にしっかりと合わせた。
あとは引き金を引くだけの簡単な作業。
それだけで黒人男性は薔薇色の余生への片道切符を手に入れるのだ。
『その可愛い顔を吹っ飛ばしてやるぜ!』と、男は唸った、手話で。
そして引き金は引かれ、ライフルは火を噴いた。

638クロイウタ:2014/06/30(月) 00:08:37 ID:o13O3O.g0



しかし、黒人男性が仕留めたと確信しかけた瞬間、風鳴翼と言われた女が突然こちらに向き直り、手をかざした。
すると、掌状の電気でできたバリアのようなものが銃弾から女の身を守った。

『ば、馬鹿な……あれは!?』

手話で驚きを表現する黒人男性だが、無理もない。
その電気でできた手は彼にとって見覚えのあるもの……強マーダーであるジャイ子すら屠った佐村河内フレミングが使っていた技・ダブルフレミングバスターとよく似ていたからだ。
女の場合は弾丸を凌ぐために電磁防壁のような使い方をしていたが、見間違いではないはずだ。

『なぜ、あの男の技をあの女が? いや、そんなことより今は!』

ともかく狙撃に失敗して、こちらの位置はバレてしまったが、距離自体は大きく開いている。
電磁防壁も無限ではないだろうし、スナイパーライフルの殺傷力なら一撃でも与えれば裸の女を殺すくらいはできるはずだ。
黒人男性はすぐにリロードをした後に再度、女に銃撃を浴びせる。
だが今度は、女の姿が一瞬にして消え、弾丸は彼女の後ろにあった電気店のガラスをぶち抜く程度に終わった。

『消えた!? どこだ! どこへ消え……あぐッ!?』

黒人男性は大慌てでスコープから目を離し、裸眼で女を探そうとするも、次の瞬間には彼は正面から顔を掴まれて持ち上げられ、苦しさからライフルを取り落としてしまう。
彼の首元を締めるのは自分が狙っていた獲物・風鳴翼と呼ばれる女であった。
先程まで数百mも離れていた場所にいた女が、僅か数秒足らずで男の眼前に現れたのだ。
とてつもない超スピード、もしくはそれを越える何か驚異的な移動手段を彼女は持っていたようだ。
見た目は線の細い体の持ち主でありながら、片手で大の男を軽々と持ち上げる膂力も凄まじいものである。

『あ、ありのまま今起こった事を手話で(ry ぎにゃあああああああああああ!!?』

次に黒人男性に襲いかかったのは彼女の片手から発せられた強烈な振動であった。
物体を振動させられることによって、超振動に耐えるようにできてはいない彼の肉体は鼻の粘膜も歯も眼球も鼓膜も潰れ、顔中の穴という穴から出血する。

『助けて、助けて、助けて』

顔のパーツ欠損による激痛に加えて視覚・聴覚・嗅覚すら奪われてしまい、黒人男性は戦意消失意気消沈。
何も見えず何も聞こえなくなった彼は、暗闇の中で風鳴翼に恐怖を抱きつつ、手話で命乞いをするのだった。
そんな彼の必死の手話あら何かを読み取った女は。

「……助けて欲しいのか。
いいだろう。 おまえを助けてやろう」



女の返答は意外にも、自分の命を奪おうとした男を哀れみ、助けてやると言ったのだ。
眼球と鼓膜の潰れた男には顔も声もわからないが、女の顔は確かに慈悲に満ちていた。
その顔に殺意や怒気も一切感じられない、女神のような表情であった。
そして――



「この狂った世界からな」



――彼女は慈愛の心を持って黒人男性の頭を掴んでいた片手でぐしゃりと握りつぶしたのであった……


【でたらめな手話の黒人男性@現実? 死亡確認】




「いただきます」

地面に落ちた頭の無い死体に向けて、テラカオスは礼儀正しく手を合わせてから食事に移る。
それから次の瞬間には、死体はあっという間に消えてしまった。
死体はどこに消えたのか、その答えは彼女の赤く濡れた口元を見れば一目瞭然であろう。
食事は僅か一秒にも満たない時間で終わったのである。

「ごちそうさまでした。
……アハハハ、私の口と手で、また一人の人間を『救う』ことができたぞ、アハハハハ」

そして彼女は人を喰らった彼女は、食欲を少しでも満たせた満足感と、一人の男を救うことができた達成感を感じていた。


 @

639クロイウタ:2014/06/30(月) 00:09:39 ID:o13O3O.g0


食事を済ませたテラカオスが、落ち着いたところで自分の記憶についてを思い出す。

「そうだ……私は風鳴翼……という存在だった」

テラカオスは己の身体をじっと見る。
頭髪が青から四条貴音のように完全な銀髪になり(四条化細胞の影響か?)、周囲には黒い霧が立ち込めいる。
外見の変化で大きく変わったものはそれだけだが、内面の変化は非常に大きく変わったと実感している。

能力としてはテラカオスが生まれる直前に、母体となった風鳴翼が喰らった能力を継承している。
風鳴翼のシンフォギアを使える奏者としての能力と、四条化細胞によって手に入れた捕食によって耐性を手に入れる力。
さらに四条化細胞は、ぼのぼの犠牲によって進化が促され、大ダメージ程度なら30分で再生できる力や喰らった相手の能力を略奪し、食えば食うほど身体能力が上昇するまでに至った。

さらに四条化細胞進化直後まもなくに喰らった天海春香、はるかさん、佐村ガウスフレミング02(フレミング・佐村河内守・ガウス・◆02GOODMe2.)の力もテラカオスは備えていた。

天海春香の何も身につけていない状態でも戦えるほどの身体能力、これにより大の男を片手で持ち上げることができるようになった。
はるかさんからは分裂・巨大化能力。
上記に加えて闇堕ちし、肉質も闇属性になっていた二人を喰らったことにより闇耐性も強化された。

ジョン・フレミングの電撃能力と特殊な格闘術、佐村河内守の音波(振動)を操る能力も強力だ。

カール・フリードリヒ・ガウスからは一秒ずつなら停止した時間で行動できるザ・ワールドやフリーズと同系統の能力。
黒人男性が彼女が瞬間移動しているように見えた能力の正体であり、死体をコンマ数秒で平らげたのもこの力である。
ガウス本人はまるで使いこなせてない故にスタンド使いのジャイ子に瞬殺され、佐村ガウスフレミング02も仮面ライダーカブトとなった春香のクロックアップに対抗できる程度しか扱えず、翼の不意打ちにまるで対応できなかった。
だがテラカオスに至っては、この能力を完全に掌握できていた。
時間停止系の能力を持たぬもの、もしくは超反応で動けるものでなくては、対応できずに某ヤムチャのように対応できずに翻弄されて死ぬだけだ。

◆02GOODMe2.の能力は……能力は……えーっとなんだっけ?

なんにせよ、テラカオスは数多くのテラカオス候補者の力を受け継いだのである。
だが、彼女が受け継いだのは力だけではなく、『意思』も受け継いでいた。
以前までに喰らった者たちとの魂の結びつきが強くなった印象があり、融合しているようだった。
四条貴音や風鳴翼が食らってきた亡者たちの魂と血肉でテラカオスの身体は成り立っているのだ。

しかし、そんな数多の魂と血が混ざりあった存在の中で、核となる存在があった。
五期の世界とは誕生のプロセスが違うためか、それとも単なる偶然か、今期のテラカオスは出だしから自我と決まった形状(肉体)がある。
そして自我と形状の大元になったのが、最も混沌を喰らい、自らを頂点に混沌そのものになった少女・風鳴翼である。
テラカオスを産んだ翼の肉体そのものは破裂して砕け散り、魂も混ざり合った状態で風鳴翼本人と言えるか疑問だが、少なくともテラカオスの容姿と人格のベースにはなっていた。

「二人と一匹の者を喰らい、すぐ後に今まで喰らった者たちと魂が結合しあう感覚と身体がバラバラになるような痛みが体中を駆け巡って……新しい私が生まれた。
私は以前とは全く別の存在に転生したとでも言うのか……?」

風鳴翼から生まれ変わったことに戸惑いを隠せないテラカオス。
食べ続けて進化していくことはわかっていたものの、存在そのものが別の何かに変わることは想定外だったからだ。
だが、その戸惑いもすぐに笑顔に変わった。
その笑顔は人を震え上がらせるような狂気がにじみ出ている。

「アハハ、好都合だ。
前の体では絶唱でも限定解除でも引き出せなった、溢れ出る力!
この力があれば、より多くの者たちを『食って』『救い』尽くせる!!」

スベテヲタベテトリコモウ――それが現代の防人を自称していた翼の新たなる信念。
自身に喰われ取り込まれた存在は消化されるのではなく浄化される。
腹の中では誰も苦しまず、涙を流す必要もない幸せな楽園があると知った翼は、全ての者を救うために全ての者を喰らうことを決めた。
それまでは四条化細胞による抗えない飢えと本能に付き従う形だったが、浄化の件を知って以降は確固たる自分の意思をもって人や魔物を喰らい続けることに決めたのである――人はこれを発狂と呼ぶが。

640クロイウタ:2014/06/30(月) 00:10:08 ID:o13O3O.g0

「殺し合いをしなければいけないような、この世界は歪んでいる。
しかし、私の腹の中なら争いもなく、差別もない、人間だろうと魔物だろうと何だろうと、全ての魂が分け隔てなく幸せになれるんだ。
ああ、なんということだ! もし奏や響がまだ生きていたら彼女たちを喰って、この素晴らしい世界を教えてあげたかった……
嘆いている暇はない、全ての者を救うために、全ての者を喰わねば……そして私の手と口で歪んだ世界に調和(カオス)をもたらし、塗り替えなければいけない」

このテラカオスは使命感に取りつかれていた。
皆を食べて取り込めば皆が救われる、そのような狂った理想に殉じようとしている。
しかし、己の思想が極めて危険なものであると気づけないほど、彼女の魂は狂気と混沌に塗れていた。

「新しい名前も必要だな……この体や魂は既に転生元の防人だけのものではない。
それに多くの者の血肉と想いを受け継いでいる特別な体だ、もっと相応しい名前が必要だろう」

一分経過。

「大いなる混沌……テラカオス。
四条貴音や結月ゆかり、天海春香のような歌を唄うもの少女たちの血を多く受け継ぐ者、歌姫……ディーヴァ。
決めたぞ、今から私の名前はテラカオス・ディーヴァだ!!」

余談だが、彼女は厨二病も全開であった。
新しい名前を自前で決めて嬉々として喜んでいる。
元々、ベースとなった翼は厨二病台詞(防人語)が目立ったが、テラカオスとなってタガが完全に外れてしまったらしい。

「さて、気持ちの整理も済んだことだし、そろそろ行こうか……おっと」

テラカオス改めテラカオス・ディーヴァが動き出そうとした時、彼女はあることに気づいた。
自身は未だに全裸であり、貧乳を天下に晒す一糸まとわぬ姿であることに。

「いけないな、人を救う混沌の身でありながら、裸というのは……このままでは流石に不躾すぎるな」

羞恥心は既に捨て去ったのか、己が裸であることを恥ずかしがっている様子はないが、人に合うには失礼に当たるとは思ったらしい。
すると彼女は歌のような言葉を囁き、その直後に肌身に風鳴翼の鎧だったシンフォギアが纏われた。
だが、その姿は以前よりも一層禍々しくなり、色は青色が失われ、闇と鮮血を思わせるような赤黒いものに変化し、原型とはだいぶかけ離れた形状になっている。
もちろん変わったのは見た目だけではなく、強さも格段に底上げされたであろう。
もはやシンフォギアギア・天羽々斬はカオスの影響をあまりにも強く受けすぎたため、性質も性能もデザインも全くの別物に変異していた。


「準備はできた! さあ動き出そう! もっともっと多くの人々をスクウために!!」

鎧を着た彼女は、人々を救うという信念を胸に、いよいよ動き出した。

「手始めにこの周辺の人々をスクウとしよう、誰ひとり残しはしない!」

混沌の歌姫はガウスの時間停止能力を利用して、瞬間移動しながら埼玉県庁周辺を探索することにすることにした。
そして、モノの数分も経たない内に建物の中に隠れていた数多くのモブ参加者たちの悲鳴と、一人の少女の狂喜が上がった。

「アハ…アハハ……アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!」

今の彼女ならば埼玉県庁周辺の参加者をひとり残らず食い尽くすのに一時間はかからないだろう……

641クロイウタ:2014/06/30(月) 00:10:38 ID:o13O3O.g0





テラカオス・ディーヴァ――杭となりし女、カオスロワという名の発火する皿の上で、何を握るのか?


【二日目・4時30分/日本・埼玉県庁周辺】

【テラカオス→テラカオス・ディーヴァに改名】

【テラカオス・ディーヴァ@テラカオスバトルロワイアル十周目】
【状態】損傷なし、首輪解除、厨二病全開、火水土風(木)電闇耐性(強)、聖属性弱点
【装備】シンフォギア・天羽々斬?(異常に禍々しく変化)@戦姫絶唱シンフォギア?
【道具】支給品一式
【思考】基本:世界をカオスにする
1:世界から全ての者を救い尽くす(喰い尽くす)
※風鳴翼・佐村ガウスフレミング02・天海春香・はるかさんの能力を継承しました
※テラカオスとしては未完成のため、テラカオスバトルロワイアル十周目の死者の能力は現在使用不能、進化すれば使えるようになるかもしれません
※風鳴翼の容姿や人格を色濃く受け継いでいます、ただし、進化するにつれて失われる可能性があります
※レストの手により、一定時間身体能力と聖耐性を下げられていますが、時間経過で聖耐性(強)に戻ります

642ズカンされた名無し:2014/06/30(月) 00:14:02 ID:o13O3O.g0
投下終了。
テラカオスの名前を改名したのは5期と差別化するためと、今後に別のテラカオスが生まれる可能性を考慮してのことだと思ってください。

643心を持たぬ悪意:2014/07/05(土) 13:53:07 ID:3z870hkI0
魔法少女・黒神めだかと仮面ライダー王蛇・浅倉威の長時間に渡る戦いは一瞬でカタがついた。

「チクショ…ウ……!!」
「……すまない」

魔法少女の拳が仮面ライダーの腹部を、ベルトにあるデッキごと貫いたのだ。
めだかが血まみれの拳を引き抜くと、デッキを破壊されて変身が解けた浅倉は口と腹から喀血し、地面に横たえて息絶えた。

浅倉と彼のポケモンであるミカルゲから一方的に攻められ、ダメージを受け続けていためだか。
しかし彼女は、ミカルゲの使う「あくのはどう」を、相手の能力をコピーして相手以上に能力を使いこなす強力な異常性「完成(ジ・エンド)」を使い、ミカルゲを上回る効果の「あくのはどう」を使って浅倉・ミカルゲ・ベノスネーカーをひるませたのだ。
あとはめだか自身が最初から持ち合わせている人間離れした攻撃力で浅倉の腹部へ一撃を叩き込み、決着をつけたのである。
ちなみにめだかは、この戦闘において魔法は一切未使用だったりする。
箱庭学園生徒会長の戦闘力は伊達ではないのだ。

「お、おんみょ〜ん……」

トレーナーを失い、そのトレーナーを一撃で殺害した相手の圧倒的な強さにミカルゲは戦意喪失してしまい、浅倉の契約モンスターであるベノスネーカーも鏡の世界へと逃走した。

「怯えるな、こちらや他者に害することをしなければ私はおまえを殺しはしない」

めだかは浅倉の所持品からモンスターボールを回収し、隅で怯えていたミカルゲを回収した。
マーダーがトレーナーだったとはいえ使われていたポケモンには罪はないと思っているようだ。

「やっと終わったね、めだか」

近くの草むらから、隠れて様子を伺っていたキュゥべえが姿を現した。
彼は一時は黒神めだかを見捨てて逃げることを考えていたが、魔法少女としての素質は別として、地の技量で彼女レベルの戦闘力を持つ少女の絶対数は少ないので、切り捨てはもうしばらく様子を見てからでも遅くないと考え残ったのだ。
結果としては彼女は自分に害をなすマーダーを駆逐してくれたので、めだかの切り捨ては時期尚早であると結論づけた。
倒したのは対主催かマーダーかは知らないが、超強大な魔女であるワルプルギスの夜も放送で呼ばれ、他所ではどんな危険が待ち構えているかもわからない以上、黒神めだかという大戦力を今、手放すのは惜しいのだ。
キュゥべえがそのような企みを抱いていたことも知らず、めだかは彼を大切な仲間の一匹として扱うのであった。

「なんとかな」
「しかし、君の戦い方の一部始終を見るに、君ほどの実力者なら最初から全力を出せば、こんな男くらいすぐに倒せたんじゃないのかな?
どうしてそうしなかったの?」
「玉子さんを殺した笑う黄金の骸骨と違って、こやつは話が通じると信じ、説得してマーダーの道から足を洗わせたかったのだ……」
「でも、結果はこの通りだね」
「ああ、ダメだった。 こやつはもう、手遅れだと感じて殺すことにした」

めだかの眼には涙がこぼれていた。
彼女は上から目線ではあるが、全ての人間や生き物を愛している。
故にめだかはマーダーが相手でも、多少のダメージを覚悟の上で戦いながら必死に説得を続けた。
しかし、浅倉は芯まで狂ってしまっているDMC狂信者であることに加えて、最初から大きく人道に外れた凶悪犯であり、説得による平和的解決は不可能と見ためだかは、とうとう浅倉の殺害を決意した。
彼女にとっては苦渋の決断であり、彼女の涙は浅倉の説得を諦めざるを負えなかった悔しさからくる涙であった。
浅倉を一撃で仕留めたのは、彼をなるべく苦しせないための慈悲の現れである。

「だがこれでハッキリしたことがある。
相手がマーダーである以上は、説得など時間の無駄であると」

644心を持たぬ悪意:2014/07/05(土) 13:54:02 ID:3z870hkI0

浅倉との戦いはめだかの考えに変化をもたらした。
彼女が涙をぬぐうと、その表情は泣き顔から厳格なものに変わっていた。

「例え殺し合いに乗っている者でも、話し合えばわかりあえると私は信じていた。
しかし、それは独りよがりな甘い考えに過ぎなかった。
今思えば、その甘さが玉子さんを殺す結果になってしまったのだ……」
「君はあの骸骨の時も、最初は対話から入ろうとしてたよね。
相手は笑ってばかりで会話が成立しなかったけど」
「今回も何時間も説得したが、こやつの心を動かすことはできなかった。
結果的に被害は私が少しばかり傷ついた程度で済んだが、あのままダラダラと戦い続けると、おまえや他の参加者が犠牲になる可能性だってあった。
これからはそんな犠牲がでないように、私は殺し合いに乗った者は説得せずに殺すことにするよ」

これまで己の持つ他者への愛情から誰が相手でも慈悲を持って接触していためだか。
しかし、彼女の情に答えてくれるマーダーなど稀であろう。
ならば説得は無駄、いっそマーダーを殺すことで罪なき人々をより多く守るべきだという考えに思い至ったのだ。

「俗に言うマーダーキラーというやつだな。
正直なところ、誰であれ殺すのは心苦しいが、これからは相手が殺し合いに乗っているとわかれば迷わずに殺すつもりだ……自分の手を血で汚すことも覚悟の上でな。
キュゥべえ、おまえはどう思う? マーダーを殺して他者を守るという考えは浅はかか?」
「この殺し合いという状況下ではそれも仕方ないさ。
むしろ、僕は君の考えは最良だと思うよ?」
「そうか」

キュゥべえはマーダーとあらば容赦するべきでない考えに賛同した。
というのも彼なりの思惑があってのことだが。

(彼女はマミや杏子を遥かに凌ぐ戦闘力を持っている。
今までは「優しさ」という感情のせいで実力を発揮できなかったみたいだけど、迷いや容赦を捨てた彼女なら僕の護衛として立派に務まるだろう。
それにマーダーが減れば、その分だけ魔法少女になれる女性の消耗も減り、鹿目まどかの生存率も上がる。
なんとしても彼女を有効活用して母星との連絡が取れるその時まで生存し、まどかを始めとする生き残った女性参加者達を魔法少女に変えなくては……!)

キュゥべえはあくまでめだかを生き延びるためのツールや、マーダーという害虫を駆除する道具としか思っていなかった。
だからこそ、彼女がマーダーを殺す決断をしたことを喜んで(彼に感情はないが)受け入れたのだ。
一方、そんな彼の思惑など知らないめだかは。

(まあ、箱庭学園には、その気になれば死者蘇生も何のそのな球磨川や安心院さんもいるし。
私自身もジ・エンドの応用で死者の蘇生ができるだろう。
マーダー達には悪いが、殺し合いが終わるまでの辛抱だ。
全てが終わったら必ず生き返してやろう、もちろん玉子さんもな)

実は彼女がマーダーキラーを志したのは、箱庭学園の生徒の中には死者の蘇生を行える者がいた事を思い出したからでもあるのだ。
つまり、生き返せるからこそ、マーダーには「一時的に」死んでもらうことにしたのだ。
その算段があって、マーダーを殺す考えに踏み切ったのである。
恐るべきは、実際に死者蘇生を片手間で行える生徒がいるチートの園・箱庭学園である。

……が、しかし、大災害以降、一部の例外を除いて死者の蘇生ができなくなっていることを黒神めだかはまだ知らないことをここに付け加えておく。



とりあえずの方針を決めためだか達は、次の目的地を決めようとしていた。

「めだか、次はどこに行くんだい?」
「そうだな。
次に行くとすれば、この男のような狂信者が集うビックサイトや凶悪な魔物が根城にしている都庁のある東京か、風の噂で凶悪なマーダー集団がいる四国方面のどちらかだろう。
私の考えでは――」


ドスリッ ――CLOCK OVER――


「――え?」

645心を持たぬ悪意:2014/07/05(土) 13:54:26 ID:3z870hkI0

それは余りにも唐突で突拍子がなさすぎた。
突如、めだかの目の前に蜂をあしらったデザインの仮面ライダーが現れ、同時にライダーのから伸びる針がめだかの心臓を貫いたのだ。
チートじみた身体能力を持つめだかすら反応できず、瞬きも許さぬほど、突然に現れたのであった。

「に、逃げろキュゥべえ……!」

――それが箱庭学園生徒会長にして魔法少女、黒神めだかの最後の言葉であった。

「ライダースティング」 ――RIDER STHING――

膨大なタキオン粒子が、仮面ライダーの腕から伸びる針を通してめだかの体内に注ぎ込まれる。
そして、刹那の後に彼女の内側からエネルギーの爆発が起こり、肉体を木っ端微塵に爆散させた。
さらに彼女の魂そのものが入っているソウルジェムすら爆発に巻き込まれ、砕け散った。
後に残ったのは彼女の支給品が入ったディパックと血だまり、そして夥しい返り血を浴びた仮面ライダーだけであった。

理不尽級とも言えた箱庭学園生徒会長の弱点……それは反撃も許されないほどの一撃必殺である。
この仮面ライダーはそれを実行できる能力「クロックアップ」を備えていたのだ。

「めだかがやられた……まさか彼女がやられるなん、って、きゅっぷい?!」

自分を護衛させる予定であっためだかをやられたキュゥべえは、逃げ出す暇もなく後ろから何者かに長い耳を掴まれて捕らえられた。

「なんだこれは? 猫? 兎? 喰ったら旨いんだろうか?」
「食べるって、え?」

キュゥべえを捕まえたのは一人の平凡そうなサラリーマンであった。

 $

クライシス帝国御一行は滋賀県から隣の三重県に移動していた。
……あれから八時間も立っているのに移動遅くね? と、思う読者もいるだろうが、これにはいくつか理由がある。
まず、クライシス皇帝が道に迷ったりとか、クライシス皇帝が道を間違えたりとか、クライシス皇帝がはぐれたりとか、クライシス皇帝が道に落ちていた物を拾い食いして腹を下すとか。
男性陣はまだしも、お空は夜になって眠気に襲われ出し、響子もまた児童になったことによって基礎体力が大幅に落ちたことによる疲労に体をやられていたので、これ以上の移動は危険と考え、仕方なく次の放送まで鋭気を養うためにキャンプを張ることにしたのだ。
ちなみに、キャンプの際に作られた矢車の麻婆豆腐は大好評であった。

朝になり、疲労も綺麗さっぱり抜けた一行は行脚を再開する。
一行の前方を歩いていた響子、皇帝、光太郎が先の放送について考察する。

「まさか超高校生級の格闘家である大神さんが死ぬなんて……」
「響子よ、休憩が仇になって九州が禁止エリアになってしまったぞ、どうするのだ?」
「いや皇帝、そもそもあんたが道中でやらかしまくらなければ、今頃四国はおろか九州までたどり着けた気がするんだが……
それはともかく、もう九州を調べることはできないのも確かだ。
どうするんだい響子ちゃん?」
「ええ、九州の調査はもう無理ね。
でも九州と隣り合っていた四国まで行けば、九州の事について何か知っている参加者はいるかもしれない。
四国まではいきましょう、今度はきっと放送前にはたどり着けるでしょうから」
「道草を食っている暇はないぞ、ボヤボヤしていると主催者共の企みを暴くことができなくなってしまう」
「「アンタがそれを言うか!」」

三人の後方には地獄の兄妹がいた。
こちらは和気藹々である。

「あり合わせで作った晩飯、しかも食糧難で足りない食材も多かったが、味はどうだった?」
「おいしかったよ、まーぼーどーふ! また作ってね矢車!」
「フフ、食材が手に入ったらまた作ってやろう」

そんなこんなで四国を目指す一行及び皇帝はあるものを目撃した。

「んん?」
「どうしたんだ皇帝?」
「……あれを見てくれ光太郎」

皇帝がしめした方角を見ると、そこには一台の外車と、一つの死体、一つの血だまりに、一人の仮面ライダー。
そして、一人のサラリーマンに調理されそうな一匹の獣がいた。

 $

646心を持たぬ悪意:2014/07/05(土) 13:56:09 ID:3z870hkI0

転がっていた浅倉の死体を見て仮面ライダーザビーこと由良吾郎は、仲間であるサラリーマン・井之頭五郎に呟いた。

「浅倉威……この男が殺されているなんて」
「由良さんの知り合いですか?」
「北岡先生と因縁のある男です。
だが、この男も北岡先生も死んでしまった以上はもう……しいていうならこれから俺もこの男と同じように殺人鬼として身を堕とすんだと思うと、色々考えてしまうんですよね」

この二人は東北から近畿まで車で約10時間かけて南下してきた。
ちなみに関東地区は、探し人の北岡の性格からして危険地帯である東京と周辺の関東地区には自分から近寄らないだろうと、ということでスルーした。

しかし、放送で探していた北岡秀一が死んだことを知った由良吾郎。
北岡の亡骸と彼を殺した人物を探そうとするも、この混沌とした殺し合いという状況下では全く情報が集まらない。
カオスロワちゃんねるも激戦区である東京や祐一郎などの危険人物についての事ばかりであり、一人の弁護士など構ってられないようだ。
この混乱化では北岡も下手人を探せない……そこから転じて、混乱を生み出している殺し合いの早期に終結殺し合いのために動くことになる。
だが、ザビーの力をもってしても、主催側にはバーダックなどの敵わない存在があり、主催撃破は不可能だと判断した。
逆に勝てないならば主催に従う、すなわち人口削減を実現した方が近道に感じられたのだ。
よって由良吾郎は、同行者以外は殺害するマーダーとして行動することにした。
……実際は北岡を守れなかった事に対する八つ当たりの面も大きいのだが、その感情はザビーのマスクで隠している。

「ぼ、僕なんか食べても美味しくないよ」
「それは食ってみなきゃわからんだろうに……おいコラ暴れるな、包丁を当てられないだろう!」

井之頭五郎はあくまでマイペースに、道中で拾ったまな板と包丁を使ってキュゥべえを捌こうとしていた。

「由良さんも手伝ってくださいよ!」
「いや……今はどうしても料理をする気になれなくて」
「あー、仕方ない。 自分でなんとかしよう」

五郎もまた生存優先の参加者から殺し合いに積極的に乗るマーダーに切り替えた男だ。
最も彼の場合、同行者の由良とは違った事情で殺し合いに乗ったのだが。
どこかで静かに一人で食事を取りたがっていた彼だが、ここまでの長い旅の内に彼はある事実に気づかされたのだ。
彼の行く場所行く場所のレストランや食堂のほとんどが閉まっていた。
その理由は殺し合いという状況だけではなく、「食糧難」もあった。
食料自給率が低い日本に世界中から難民が押し寄せてきたことにより人口が増大し、ただでさえ少ない食料事情が悪化したのだ。
その中でも商売でも他人に分けられるほどの食料が振る舞える店は、ほんのひと握りである。
このまま主催を倒したところで食糧問題が解決するとも思えず、その問題は自分自身にも降りかかるだろう。
これから死んでもらう参加者達には可哀想だが間引きをしなければ、どのみち自分を含めた全ての者に困窮が襲ってくる。
故に主催の人口削減にも一理あると感じた井之頭五郎は殺し合いに乗ることにした。

加えて、既に北海道でアームロックによって何人もの参加者の死因を作り、山形県では少女を車で跳ねている。
やっていることはマーダーと変わらず、殺し合いという状況下においても酌量の余地が無い場面もあり、自分達の行動を弁護してくれるだろう主催がやられた場合は、彼らは裁判で死刑判決を下される可能性が濃厚である。
黒を白に変える弁護士・北岡が死んだ時点で、彼らはもう引き返せないのである。

「ん? 人の気配?」

そんな彼らの下に、クライシス御一行が現れた。
警戒のために南光太郎とクライシス皇帝は既に仮面ライダーに変身しており、路空はキャノン砲によく似た制御棒を五郎達に構えている。

「死体に血だまり……只事ではないな」
「車のバンカーには血もついてる……誰かを轢き殺したというの?」
「率直に聞く! おまえ達は殺し合いに乗っているのか!?」

いつでも戦闘ができる態勢で二人の男に問いかける一行。
その時、五郎が余所見したところを見計らって、キュゥべえが彼の手元から逃げ出し、一目散に光太郎達の下へ向かった。

「あっ、しまった」
「気をつけて、この人達は殺し合いに乗っている!
僕の同行者だった黒神めだかも彼らに殺されたんだ」
「なんだって!?」

647心を持たぬ悪意:2014/07/05(土) 13:56:58 ID:3z870hkI0

キュゥべえがマーダーの危険性を光太郎達に伝えると同時に、仮面ライダーザビーこと由良吾郎が動いた。
クロックアップを使い、狙うのは見るからに火力が高そうな路空、彼女の命を取らんとライダースティングを叩き込もうとする。
しかし、彼の先制攻撃は側面から飛び蹴りによって失敗に終わる。
ザビーに飛び蹴りをかましたのはいつの間にか仮面ライダーキックホッパーに変身していた矢車想、その人だった。

「グフッ……」
「矢車!」
「俺の妹に手を出すとは覚悟はできてるんだろうな?」

キックホッパーも(設定上)他のライダーシステム同様、クロックアップが可能だ。
そして、最初のザビーゼクター所持者であったこともあり、ザビーの特性を知っていた矢車はクロックアップを使って迎撃に成功したのだ。

「矢車さん、あなたは戦わないつもりだったんじゃ……」
「妹の路空を殺そうとした事、敵は俺にとっては因縁があるザビーゼクターを使っている事、戦う理由がしっかりと揃っている。
何より高速移動能力を持つ能力を持ったライダーはおまえでも苦戦するだろう。
おまえの未来の義兄として今回ばかりは手伝ってやるぞ、光太郎」
「助かる、矢車さん!」
「それに、今さっきの攻撃でハッキリしたこともあるな」
「ああ! 兎猫が言ったとおり、こいつらは間違いなく危険なマーダーだ!」
「僕はキュゥべえ、兎でも猫でもないよ」

有無を言わさず攻撃してきた以上は状況証拠も十分であり、由良吾郎と井之頭五郎はキュゥべえの言った通りマーダーであることにクライシス一行は確信を持ち、本格的な戦闘態勢へ移行する。

「キュゥべえの仲間を殺すとは、おのれマーダー! ゆ゛る゛さ゛ん゛!」
「マーダーは死なす! 絶対に死なす!」
「お空、俺達闇の住人の恐怖を教えてやろうぜ」
「響子は下がれ、そのちんちくりんな生き物を守ってろ」
「わかったわ、皇帝」

戦える四人はそれぞれの武器を構え、戦えない響子は後方に下がってキュゥべえの保護に徹する。

「……クロックアップを使っても2対4はキツそうですね、どうしますか井之頭さん?」
「よし、これを使おう。
先ほど捕まえた、煮ても焼いても食えなそうな蛇の使い道もちょうどできたことだしね」

対する五郎達も黙って敵にやられるつもりはない。
五郎は二つのモンスターボールを取り出し、二匹の怪物を召喚した。

「おんみょ〜ん」
「シャーッ!!」

浅倉→めだか→井之頭の順に手に渡ったポケモンのミカルゲと、契約者の浅倉が敗れてからしばらく後に現場に戻り、そのまま捕獲されてポケモンになった大蛇型モンスター・ベノスネーカーだ。
これにて2対4から4対4となり、数の上では互角になった。

「数を増やしたか、だが俺達は絶対に負けんッ!」
「俺の食事を邪魔したからにはアームロックの洗礼をうけてもらうぞ」

光太郎と五郎が互いにタンカを切ったことを皮切りに戦いは始まった。
ベクトルもスタンスも違うが、カオスロワでも自重しないもの同士の死闘の幕開けである。

648心を持たぬ悪意:2014/07/05(土) 13:57:52 ID:3z870hkI0



遠巻きで、霧切響子の腕に抱かれて保護されていたキュゥべえ。
少女の腕の中で彼は思惑を巡らせる。

(運が良かった……危うく母星にエネルギーを持ち帰る任務を全うできないまま終わるところだった。
このまま僕を保護してくれた彼らが、めだかを殺した男達を倒してくれればいいけど……
それはともかく――)

キュゥべえはあることに気づいた。

(この響子という少女……僕が見るにかなりの魔法少女の素質を持っている。
流石にまどかには及ばないけど、確実にめだか以上に強い魔法少女になれるハズだ。
ともすれば魔女化した際に得られるエントロピーも――大きなものに違いない)

霧切響子には強大な魔法少女になれる素質があり、キュゥべえはそれを見抜いたのだ。

(どうにかして彼女と契約できないだろうか……それもできるだけ早い内に!)

響子と契約する、つまりは魔法少女にして自分の護衛を増やすことと、魔女化によるエネルギー獲得にも繋がるのだ。
キュゥべえは光太郎達の戦いの傍らで、契約のためにベストな戦略を練り、思考している。

キュゥべえはマーダーではない。
だが、自分を含めた全ての生物を道具としか見れない、心を持たぬ者であった。
南光太郎達はそれをまだ知らない。
そして彼が一行にどんな未来をもたらすかは誰にもわからないのであった。


【黒神めだか@めだかボックス 死亡確認】
【浅倉威@仮面ライダー龍騎 死亡確認】


【二日目・5時00分/日本・三重県】

【ネオ・クライシス帝国御一行】

【南光太郎@仮面ライダーBLACK】
【状態】健康 、RXに変身中
【装備】キングストーン、パーフェクトゼクター@仮面ライダーカブト
【道具】支給品一式、カラオケマイク
【思考】基本:この殺し合い、ゴルゴムの仕業だ!
0:殺し合いに乗ってる井之頭五郎たちを倒す、その後、四国に向かう
1:クライシス皇帝と空、響子と共に行動する
2:あの少女(歌愛ユキ)はどこに行ったんだ?
※RXに進化しました。ロボライダーとバイオライダーにはまだなれません。

【クライシス皇帝@仮面ライダーBLACKRX】
【状態】健康 、オーガに変身中
【装備】サタンサーベル オーガギア@仮面ライダー555
【道具】基本支給品一式
【思考】基本:光太郎とともに主催者とゴルゴムを潰す
0:殺し合いに乗ってる井之頭五郎たちを倒す、その後、四国に向かう
1:戦力を集めて、『ネオ・クライシス帝国』を建国する
2:一先ず、地球人類抹殺は置いておく。(主催を潰したら取り掛かる)
3:矢車から地獄の匂いがする
4:私のカラオケマイクはどこに行ったんだ?
※参戦時期は仮面BLACKRX本編開始前です。

【霧切響子@ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生】
【状態】健康、ロリ切さん
【装備】様々な資料
【道具】支給品一式、沢山の光彦関連のスイッチ、その他不明
【思考】基本:殺し合いの打開and殺し合いについて調べる
0:キュゥべえを保護する、戦闘後に四国に向かう
1:苗木くんに会いたい
2:元に戻る方法はあるのかしら……?
※めだか以上まどか未満の魔法少女になれる素質があるようです

【霊烏路空@東方Project】
【状態】悲しみ、やさぐれた……?
【装備】制御棒、地獄兄弟みたいな格好(女性用)
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】基本:さとり様殺した奴は殺す
0:井之頭五郎たちは必ず死なす
1:光太郎たちについていく
2:矢車の妹になった!

【矢車想@仮面ライダーカブト】
【状態】やさぐれ 、キックホッパーに変身中
【装備】ライダーベルト&ホッパーゼクター@仮面ライダーカブト
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】
0:由良吾郎を倒すために今回は戦闘に参加する
1:光太郎、空を地獄兄弟の弟、妹にする
2:上記のために、光太郎たちについていく。(率先して戦うつもりはない)
3:キュゥべえから下衆の香りがする……

649心を持たぬ悪意:2014/07/05(土) 13:58:14 ID:3z870hkI0

【キュゥべえ@魔法少女まどか☆マギカ】
【状態】健康、他の個体が全滅
【装備】なし
【道具】支給品一式
【思考】基本:女性参加者全員を魔法少女にする。
0:身を守るためにクライシス一行に保護してもらう
1:霧切響子は黒神めだか以上の素質を持っている……なんとか契約できないだろうか
2:必ず鹿目まどかとも契約してみせる
3:母星と連絡出来るまでは生き残る




【井之頭五郎@孤独のグルメ】
【状態】普通、ちょい空腹
【装備】モンスターボール×4
【道具】支給品一式、調理器具一式
【思考】基本:優勝狙いマーダー
0:食事の邪魔をしたクライシス一行を全員アームロック(殺害)
1:食糧事情の都合上、マーダーとして動く
2:生き残るために吾郎と行動する

【由良吾郎@仮面ライダー龍騎】
【状態】ダメージ(小)、精神不安定気味
【装備】ザビーゼクター&ライダーブレス@仮面ライダーカブト
【道具】支給品一式 、高級外車
【思考】基本:優勝を狙いマーダー
0:クライシス一行にライダースティング(殺害)
1:北岡先生を殺した奴は許さない
2:生き残るために五郎と行動する
3:優勝し、殺し合いが終わった後にでも北岡先生の亡骸がある場所や下手人を調べたい

【ミカルゲ@ポケットモンスター】
【状態】健康、トレーナーが浅倉から井之頭五郎にチェンジ
【装備】かなめいし@ポケットモンスター
【道具】支給品一式
【思考】基本:おんみょ〜ん
1:とりあえず井之頭の指示通りクライシス帝国一行を攻撃
2:もっとヤバい奴に拾われたっぽい
※ミカルゲは「あくのはどう」が使えます

【ベノスネーカー@仮面ライダー龍騎】
【状態】健康、井之頭五郎のポケモン
【装備】なし
【道具】支給品一式
【思考】基本:敵は食い殺す
1:井之頭の指示通りクライシス帝国一行を攻撃

650新たな難題と分かれ道:2014/07/05(土) 23:56:54 ID:3m0ZYGvU0
「これは、想像しておった以上に悲惨な光景じゃな……」

東京都に降り立った対主催チーム、その一人であるマミゾウは思わず目を背けた。
彼女だけではない。仲間であるはやても、ブリーフ博士も。

「ここまで濃い血の匂い、もはや瘴気と変わらんな」

この中では最も戦場を経験している殺生丸でさえもが、顔をしかめる。
無理も無いだろう。適当にうろつけば首輪の10や20程度集るだろうと思ったが、そんなことはなかったのだから。

一行の目の前、降り立った地点で既に100近い惨殺死体が転がっている。
それもただ殺されただけじゃない。まるで何かへの供物のように晒し者にされていた。

「これは多分、例のDMC信者の仕業やろうな。これも捨て置けん問題や」
「狂った雑魚共は今は放っておけ。所詮、群れなければ誰かを殺すこともできない連中だ。
 それよりも、さっきの放送で呼ばれていたあの女……風鳴翼の方が遥かに危険な匂いがしたぞ」

DMCの言う生贄にされた哀れな参加者の首を、殺生丸は淡々ともいでいく。
死者に鞭打つような行為ではあるが、少女二人に一般人の博士の手を煩わせるわけにもいくまい。
誰に言われるでもなく、殺生丸は汚れ役をかっていた。

「しかしあの翼という少女、ワシよりも早く首輪を外すとは……」
「制限の無くなった、ネットを騒がせた食人鬼……出会いたくない相手やなぁ」
「倒せたら報酬を出すとのことじゃが、まーず罠じゃろ。転送先で主催幹部連中に袋叩きされるのがオチじゃ」

殺生丸が首輪を回収している間に、残る面々は先程の放送を思い返す。
10分の遅延があった放送、そして主催者も干渉できなくなったという食人鬼、討伐者への報酬。
恐らく自分達だけが持っている主催者達との情報と合わせて、何かを探れないか考える。

「なんにせよ、10分の遅れがあったのだけは確かや。そうなると、放送直前に首輪を外されて焦ったんやろか?」
「しかし妙じゃな……この首輪は、割と解除は楽な部類じゃが、自分自身の首輪を外すとなるとワシでも少し手こずるぞ」
「それをあの娘は外した。考えられるのは仲間がいた可能性じゃが、それならその仲間も指名手配されて当然な気がするが……」
「よっと、携帯電話拝借して正解やったな。あったで、例の食人鬼についての書き込みが掲示板に」

そう言ってはやては、カオスロワちゃんねるのページを見せる。
膨大な数の書き込み、中には救援を要請する書き込みもあったがそれは今は無視する。
開くスレッドは、『東京都をうろつく食人鬼について語るスレ』だ。

「……みんな随分と命知らずなんやな、結構近場で動向探ってる人もいたみたいやで」
「放送直前に首輪を外したとするならば、3時30分くらいからの情報を見てみよう」

博士の言葉を受け、はやては画面をスクロールさせていく。
そして、程なくして目的の情報を見つけた。

「あった、今から一時間ほど前……『食人鬼二匹、都庁に狙いを定めたのか魔物二匹を捕食』……
『食人鬼、都庁の門番と遭遇した様子。両方死んでくれればいいんだが』『明らかにやばい空気』
『何が起きてるのかわからない』『ヤムチャ乙』『俺も目で追うのが精一杯。どうやら斬りあっているらしい』
『【朗報】なんか食人鬼の片方が勝手に真っ二つに』『ラッコ死亡のお知らせ』『キター!?』
『【速報】食人鬼一撃粉砕』『マジか』『メシウマだけど、それってやっぱ都庁の連中が超やばいってことじゃね』
『【悲報】食人鬼復活』『ファッ!?』『【続報】門番の右腕飛んだ』『食人鬼の右腕も飛んだ』『相討ちか』
『門番と尻尾の女ぶちぎれた。食人鬼場外ホームラン。どうみてもオーバーキル』『よっしゃあ都庁最高や!』
 これって、もう風鳴翼は死んでるってことじゃ?ん、少し時間があいて下にまだ続きが……
『【拡散希望】たすけてしょくじんきがさいたまに』『!?』『生きてたのかよ!?やっぱ都庁はクソ、はっきりわかんだね』
『ふざけんなよ都庁、東京の害悪が俺の埼玉に汚物よこすんじゃねえ』『おい、埼玉からの報告が途絶えたぞ……』
『【緊急】食人鬼、主催者も手を焼く』『ちょっと俺討伐いってくるは…』『最後の報告が確かなら埼玉のどこかか』
 ……後は延々と俺が討伐する、いやいや俺がとか様式美染みた書き込みばっかやな」

651新たな難題と分かれ道:2014/07/05(土) 23:57:26 ID:3m0ZYGvU0
おおよその内容を把握し、はやては携帯をしまう。
煽るような書き込みも目だったが、少なくとも風鳴翼のある程度の動向は掴めただろう。

「埼玉におるってことは、すぐに遭遇することはなさそうやね」
「やはり二人組で行動しておったみたいじゃが、これを見る限りだと既に討たれておるのう。
 そうなると、いつ首輪を外したのか気になるとこじゃな」
「あるいは、都庁に向かった段階で既に首輪を解除していた可能性か……」

三人はうーんと唸る。
カオスロワちゃんねるの情報が確かなら、すぐに遭遇してしまう事故はないだろう。
だが結局、風鳴翼がいつ首輪を外したのか、その手段はなんだったのかはわからない。
主催者もその方法がわからずに焦り、放送の遅延に繋がったと考えるのだが妥当だろうか。

(でも妙やで……ブリーフ博士の話では主催幹部のバーダックは間違いなく強者。
 首輪を外した食人鬼が暴走したのが計算外なら、緊急手段としてバーダックを向かわせればいいはず。
 あくまでロワだから主催者は手出しをしない?でも確かにロワの許容範囲すら超えたと言っとった。
 なにか、討伐に向かえない理由でもあるんか……?)

「考えるよりも先に、行動したらどうだ?」
「うひゃあ!?って殺生丸さん脅かさんといてや!」
「とっくに首輪の回収は終わっているぞ。気が付いていなかったのか」

見れば、殺生丸の両手は汚れ、大量の首輪が握られている。
これだけの数があれば、博士による解析もはかどるだろう。

「すまんな、殺生丸くん。次はいよいよ、わしが頑張る番じゃな」
「流石にこの場で作業をするわけにもいくまい。俺としては、件の都庁に向かいそこで作業すべきだと思うが」
「えっ!?」

殺生丸の予想外の言葉に、驚きの声が上がる。
先程カオスロワちゃんねるを見た際、都庁絡みのスレも相当にあった。
DMC狂信者や今まさにホットな風鳴翼ほどではないが、それでもネット上で危険視されている恐ろしい集団。それが都庁の軍勢である。

「考えてみろ。先程の情報が確かなら、都庁の門番は風鳴翼を正面から打ち倒していることになる。
 片腕を失った状態で、東京から埼玉まで食人鬼を吹き飛ばせる程の猛者。明らかに食人鬼より格上に思うのは俺だけか?」
「あ、確かにそうじゃな……」

言われてみて、確かにとマミゾウは唸る。
風鳴翼の首輪のことはいったん置いておくとして、とにかく都庁に攻め込んだ彼女は返り討ちにあっている。
ネットを震撼させ、主催者からも指名手配をされるほどの食人鬼は確かに討伐直前まで追い込まれていたはずなのだ。
それなのに、危険視されたのは門番ではなく風鳴翼、敗者の方である。これはどういうことだろうか。

「門番の方はまだ生きているし、戦えもするだろう。俺も過去に片腕を不覚にも失ったことがあるが、意外とどうにかなるからな。
 風鳴翼と都庁が敵対関係にあるならば、一時的に口約束でも共闘の申出をするなりすれば、おそらく受け入れるだろう。
 魔窟である都庁も中に入れば逆に外部からの邪魔は入りにくい。加えて門番本人から風鳴翼の情報も聞きだせるはずだ。
 自分では戦いもしない腰抜けどもの情報よりも、実際に戦った者に聞くほうがより確実な情報ではないか?」
「確かにそうじゃが、リスクもかなり高いのう。万が一戦闘になった際はどうするつもりじゃ?」
「俺を誰だと思っている……と言いたいところだが、博士を守りながら戦うのはおそらく不可能だな」
「虎穴東京都の、さらに深い虎穴に入る必要があるわけやね……」
「うーむ、風鳴翼も気になるが、どこかにもっと安全な場所はないものか。
 ワシはあの黒い物体が生えている首相官邸が、意外と安全な匂いがしているように感じるんじゃが……」
「意外と野球場が穴場だったりするかもしれないのう」

無数の絶望と恐怖渦巻く、近寄ってはならない禁断のパンドラボックスともいうべき東京都。そこに彼女達は足を踏み入れた。
把握している情報、首輪を解除できる博士、間違いないく対主催の要たりえるメンバーだ。
だからこそ、ここからはより一層慎重に動かねばならない。新たに風鳴翼の問題まで出てきたのだから。

絶望の中に輝く希望は、どこへと向かう?

652新たな難題と分かれ道:2014/07/05(土) 23:57:59 ID:3m0ZYGvU0
【二日目・4時20分/東京都】

【八神はやて@魔法戦記リリカルなのはForce】
【状態】健康、タヌキはやて、死んだ仲間たちへの悲しみ
【装備】シュベルトクロイツ@魔法少女リリカルなのは、タヌキスーツ@スーパーマリオシリーズ
【道具】基本支給品一式、夜天の書@魔法少女リリカルなのは、携帯電話
【思考】基本:殺し合いを止める
1:東京都に来たはええけど、この後どこへ向かうべきか……
2:殺し合いを打破するために仲間を集める
3:大陸沈没の謎の鍵は宇宙にある?
4:死んだ仲間たちや赤い翼のMSのパイロットの為にも主催を倒す
5:それにしてもこのスーツ、実に馴染むで!
※主催側が大災害について何か関与していると考えています(細かい部分は分かっていません)
※PSP版の技も使えます。
※カオスロワちゃんねるより、風鳴翼の情報を少し入手しました

【二ッ岩マミゾウ@東方project】
【状態】健康、主催たちへの憤り
【装備】なし
【道具】基本支給品一式、ギンガスパーク@ウルトラマンギンガ、
スパークドールズ(ザラブ星人、ババルウ星人、ダークガルベロス)
【思考】基本:殺し合いを止める
1:強力な妖気を放つが動かない黒いの(神樹)が気になるが……
2:殺し合いを打破するために仲間を集める
3:大陸沈没の謎を探る
4:TC計測値とは一体……
5:殺し合いによって博麗の巫女を殺した幽香は許さない
※主催側が大災害について何か関与していると考えています(細かい部分は分かっていません)
※霊夢が複数いることに気づいていません

【ウルトラマンタロウ(SD)@ウルトラマンギンガ】
【状態】健康、スパークドールズ状態、マミゾウのデイパックの中
【装備】なし
【道具】基本支給品一式
【思考】基本:殺し合いを止める
1:デイパックからまた出して欲しい
2:殺し合いを止めるために仲間を集める

【殺生丸@犬夜叉】
【状態】健康、小疲労
【装備】なし
【道具】基本支給品一式 、不明支給品、回収した首輪×50
【思考】基本:対主催
1:風鳴翼の情報を得る為に、都庁へ向かいたい
2:自分に首輪をはめた主催の存在が不愉快
3:2の理由により殺し合いには乗らない
※はやてたちとの情報交換により、主催陣営のメンバーの情報を知りました

【ブリーフ博士@ドラゴンボール】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】基本支給品一式 、機材一式
【思考】基本:対主催
1:出来る限り、安全な場所で首輪の解除実験をしたい
2:首輪のサンプルを集めて解除に役立てる
3:主催打破のためにベジータ君と合流したい
4:見た目はそっくりだったが、バーダックは孫くんの血縁者?
5:余裕があればTC計測値について調べる
※はやてたちとの情報交換により、主催陣営のメンバーの情報を知りました
※首輪を外せる技術を持っており、サンプルの首輪も集まりましたが、東京屋外での作業は不可能。
 集中力を乱されない『ある程度の安全圏』のみで首輪の解除が行えます

653新たなる発芽:2014/07/10(木) 23:12:33 ID:CiYikhRU0
埼玉県にあるホテル前。
ここでは放送に入る前に、ここではザ・魔雲天を筆頭とするグループと、一人のDMC狂信者との戦闘に突入していた。
そして4時30分前、その戦いも今、終わりを迎えようとしている。

タバサの氷結魔法が襲撃者であるDMC狂信者の一人、妖の火黒の足を氷で固めて動けなくした。

「マウンテンドロップ!!」

それに続くのはマウンテンドロップ。
それは相手の頭上から1トンの体重を叩きつける大技……それでトドメを刺すつもりなのだ。
回避不可能になった火黒は敵の必殺技に対して全身から刀を出して対抗する。
最悪、自分が潰されても相討ちを狙える――しかし。

「ク、クラウザーさ……ッ」

敵の防御力は刀の硬度を大きく上回っており、相手にはほとんどダメージを与えられず、接触と同時に全ての刀を折られてしまった。
そして畏怖し信仰している者の名を呼びつつ、火黒は自動車に轢かれて潰れた蛙のようにぺしゃんこになった。


【火黒@結界師 死亡確認】


襲撃者を仕留めた者が立ち上がる。
返り血塗れでありながらもおどろおどろしさはなく、どこか勇壮な雰囲気を醸し出しているのは、悪魔超人 ザ・魔雲天!

「にょわ〜、天ちゃんの必殺技の見様見真似だったけど、思いのほかうまくいったにぃ!」

――ではなく、巨漢系アイドルの諸星きらりであった。
火黒を倒したのは超人でも魔法使いでもなく彼女だったのだ。

(グムーッ、なんてことだ……)

ザ・魔雲天はただただ驚いていた。
思い返せば、諸星きらりという少女は自分を投げ飛ばせるようなパワーを持っていながら、生来の心優しさ故に戦闘に積極的に参加するタイプではなかった。
放送で知り合いの名前が呼ばれる度に恐怖と悲しみでビクビクしているような女であり、第三回放送が流れた際は一時的にふさぎ込んでしまった。
いくらポテンシャルが高そうとはいえ、こんな調子ではろくに動けない。
さらに夜の闇で視界が悪いということもあり、深夜は適当なホテルで休むことにした。

しかし、そんな彼女が魔雲天にいきなり「悪い奴と戦いたい」と言いだしたのだ。
彼女はその場の勢い任せで言ったでけではと魔雲天も最初は疑ったが、実際に火黒との戦闘では彼女は勇猛に戦い、そして高い戦闘力を見せつけた。
まず、3対1だったとはいえ、超人同士の戦いについていける身体能力の高さ。
スピードの高さによる手数の多さも手伝って、高い防御力を持つ魔雲天すら少なからずダメージを受けた火黒の剣を彼女の肌はほとんど受け付けず、軽いダメージで済ましたのだ。
さらには、多少なりとも消耗していた魔雲天やタバサと違って、彼女には疲労の色が全く見えない。
この驚異的な事柄に魔雲天は考える。

(このデカい女、いや、諸星きらりには間違いなく超人になれる才能がある。
この娘に超人の洗礼を受けさせれば、必ずや『あのお方』……悪魔将軍様のお役に立てるだろう!)

魔雲天はきらりに超人の素質があると結論づけた。
人の身でありながら超人に打ち勝ち、洗礼を受けて超人に昇華したジョロニモの前例もある。
彼女の力は殺し合いの打破のみならず、悪魔超人として迎え入れれば己の主のためにもなるだろうと、魔雲天は大いなる期待を抱くのだった。
そして、当のきらりは初めての戦いに勝利し、子供のようにはしゃぐのだった。

「天ちゃん、きらりんやったよ! 悪い人をやっつけたにぃ☆」
「正直、俺もビックリだ。
まさかおまえがここまでできるとは……上出来だ!
それになんだかおまえが一回り大きなった気もするぞ!」
「きらりんはもっと大きくなるにぃ☆ そんでもって悪い人をバンバンやっつけるにぃ☆」

魔雲天にはきらりの元から大きかった背中が、更に大きくなった気がした。
おそらく初戦を乗り切って戦士の道を歩み出し、なおかつ彼女の中から沸き続けている闘志が錯覚となり、彼女をより一層大きく見せているのだろう。
魔雲天はそのように物事を受け取った。

654新たなる発芽:2014/07/10(木) 23:14:18 ID:CiYikhRU0

「どういうわけか戦いたくてウズウズするにぃ、タバサちんもそう思わないにぃ?」
「……いや」

いつの頃からか馴れ馴れしく話しかけてくるようになったきらりにタバサは素っ気なく返す。
ちなみにタバサの話をすると、出会い頭に魔雲天へ襲いかかった彼女であるが、保護されるように拾われて以降は反抗する素振りは一切見せず、それどころか先の戦闘では積極的に援護してくれたほどである。
当人は相変わらず、殺し合いに乗っていた目的含め何も語りたがらないが、とにかく同行する気はあるようだ。
同行は仲間意識などではなく、あくまで生き延びる算段として魔雲天についていった方が賢いという判断かもしれず、いつか裏切る危険もあるが、「仮に寝首をかかれたら俺が未熟だっただけの話だ」と魔雲天は本人が付いてくる限り、もしくは再び襲いかかってくるまでは同行を認めることにしたのだ。

「ところで天ちゃん、これからどうするにぃ?」
「俺の方針は変わらず悪魔将軍様の命に従い、あのウォーズマンもどきを含めた主催者共を倒すことだ」

野田が死んだからといって彼の任務は終わらない。
抹殺対象の野田総理が死んでもロワが滞りなく続いているところからして、真の主催・黒幕は別にいるのは魔雲天も薄々感づいている。
ならば、その黒幕は主である悪魔将軍にとっての敵であり、魔雲天にとっても叩くべき相手だ。
その黒幕を潰す、あるいはウォーズマンによく似た主催幹部を名乗る男のように、主催の主だった者たちを全員叩けば良い。

「しかし、俺たちだけでは主催者の位置を特定するのも困難だ。
主催者共を叩きのめすのにも仲間が必要なのも変わらずだな。
それにしても関東で超人達が軍団を築き上げたと噂に聞いているが、関東のどこにいるんだ?
あのお方に仇なすものでなければ、これからの戦いのために協力してやってもいいところだが……」

軍団とは多くの超人たちを揃えた超人血盟軍……という野球チームである。
魔雲天たちは情報収集にネットなどを使ってないために、超人血盟軍の居場所は関東にあるとだけしかわからず、軍という名がつく通り、本当に超人による軍隊だと思い込んでいるのであった。

「放送に出てた食人鬼の翼ってひとも危なそうだよ? こっちはどうするの?」
「フンッ、俺は主催共の報酬には興味はない。
だが、あの女は放っておくと悪魔将軍様に害をなす……そんな危険な目をしていたな。
どこにいるのか知らんが、鉢合わせしたら必ず倒しておこう」
「それじゃあ、どっちが先にその人をやっつけられるかきらりん と競争だね☆」
「そうだな。
さっきの相手はおまえに譲ったが、今度は俺が先に仕留めてやるぜ。ゲヘゲヘゲヘ〜!!」
「まけないにぃ、にょわにょわにょわにょわ〜☆」
「……」
「ひとまず、関東中を虱つぶしに探せば主催者共に纏わる情報や、超人の軍団も見つかるだろう。
なんにせよ出発をしないことには何も始まらん。行くぞ、きらり、タバサ」

とりあえずの方針を決めた魔雲天たちは滞在していたホテルを後にすることにした。


しかし、魔雲天は気づいていなかった――きらりの異変に。
諸星きらりは殺し合いに強い恐怖心を抱いた結果、先輩である天海春香のようにテラカオス化が進行してしまったのだ。
超人並のパワーや防御力も、弱気だった彼女が突然闘志に目覚めたのも――全てテラカオス化の進行によってもたらされたものだった。
おまけに、戦う度に身長が大きくなる能力まで付随していた……彼女が大きく見えたのは魔雲天の錯覚などではなかったのである。
現在のきらりはとても血の気が大きくなっているが人間性は残っているため、少なくとも仲間やマーダー(悪いひと)以外を殺す気はない。
だが、その人間性すらもテラカオスへと近づく度に失われる可能性もある。
彼女が人間でいられなくなるのは時間の問題かもしれない……


「………………」

「………………」

「………………ニヤッ」


そして、魔雲天はもう一つ気づいていないことがあった。
今まで感情らしい感情を見せていなかったタバサが、変わりゆくきらりを見て微かに笑っていたことに……
その笑顔は果たして何を意味するのか?
それが解き明かされる時がいつかは来るのだろうか?

655新たなる発芽:2014/07/10(木) 23:14:50 ID:CiYikhRU0


【二日目・4時30分/日本・埼玉県にあるホテル前】


【ザ・魔雲天@キン肉マン】
【状態】ダメージ(中)、疲労(中)
【装備】柔道着
【道具】なし
【思考】基本:悪魔将軍の命に従い主催を抹殺する。
0:関東に超人の軍団ができたという話だが、どこにいるんだ?
1:他の悪魔超人達と合流する(できればミスターカーメンかBH)
2:邪魔者はすべてマウンテンドロップでペシャンコにする。
3:きらりは超人になれる才能がある?
4:女(タバサ)はとりあえず連れて行く。また襲ってきたら返り討ちにする
5:仮に風鳴翼と出くわしたら倒す。
6:自分を破ったテリーマンと再戦できなかったことは心残り。
※超人血盟軍が野球チームであることに気づいていません

【諸星きらり@アイドルマスターシンデレラガールズ】
【状態】ダメージ(小)、210cm、戦意もりもり!、全身返り血塗れ、テラカオス化進行
【装備】ないにぃ!
【道具】支給品一式、巨大化爆弾@五星戦隊ダイレンジャー、
芋丁の芋羊羹@激走戦隊カーレンジャー、ビービ虫の巣@天装戦隊ゴセイジャー
【思考】基本:Pちゃんを探すついでに悪い奴をやっつけるにぃ!
0:どういうわけか戦いたくてウズウズするにぃ!
1:天ちゃん(魔雲天)は強くて優しいにぃ!
2:もっと強く大きくなるにぃ!
3:翼って人と出くわしたらきらりんパワーで成敗するにぃ!
※テラカオス化の進行によってかなりの超人強度(身体能力)とザ・魔雲天を越える防御力を得ました。また、戦う度に身長が高くなります。

【タバサ@ゼロの使い魔】
【状態】ダメージ(小) 、疲労(中)
【装備】杖、マフラー、ジーンズにジャケット姿、服の下には包帯を巻いている
【道具】支給品一式
【思考】基本:???
1:???
※前話で受けたダメージは治療と時間経過によってだいぶ抜けました

656目覚めと運動と食事と:2014/07/13(日) 00:17:34 ID:PpPhddTs0
――誰かの声が聞こえた気がする

――助けてくれという、強い祈り、切なる願い



「―――――にしゃぁ」



『ソレ』はゆっくりと、口らしきものを動かし、僅かにその眼を開いた。
『ソレ』は何故自分が生まれ、このような場所にいるのかを理解していなかった。
『ソレ』は人間にとっての救世主であり、人間にとっての大災厄であった。
『ソレ』は明確な自我を持たない。ただ延々と、人間の願いを叶えるためだけに生き続けてきた。

――穢れた大地を、空気を浄化してくれ

『ソレ』は願いを叶えるために尽力した。
だが、人間の負の遺産は『ソレ』にも背負いきれるものではなかった。
汚染物資を幾千幾万もの歳月をかけ浄化し続けたが、やがて身体に異変が現れた。
分解しきれない汚染物質の残骸に蝕まれ、いつの間にか思考も変わっていく。

浄化のために必要な自分は、世界樹は滅びるわけにはいかない。
この森を守る為に、何人たりとも勝てぬ強靭な生命体にならなければならない。

「――にしゃあああああ」

『ソレ』は、フォレスト・セルは再び奇妙な鳴き声をあげる。
眠たげなその眼は、しかし時折まばたきをして覚醒はしていることがわかる。

「――――にしゃっ?」

自分を呼んだのは誰だろうか。
しかしフォレスト・セルにとって、誰が自分を呼ぼうが関係はない。
目覚めて、空腹なのであれば――まずは食事だ。

「にっしゃぁぁぁ、にっしゃぁぁぁ!」

勿論、朝の運動を済ませてから。
まずは万歳するように腕をあげて、大きく深呼吸。


その瞬間、大地が震えた。


【二日目・4時30分/日本・東京都庁地下】

【フォレスト・セル@新・世界樹の迷宮】
【状態】健康、空腹
【装備】不明
【道具】不明
【思考】固定思考:樹海を守る為により強き生命体になる
0:にしゃあ!
1:にしゃ……?
※現時点では、あらゆる生物を餌としてしか認識できません
※午前6時過ぎから活動を開始するようです
※体質により、テラカオス化ナノマシンも浄化、その影響も受けません
※関東全域に地震が発生しましたが、大きな被害はでないようです

657Welcome to this crazy Time:2014/07/13(日) 15:19:14 ID:vPGzYdIc0

「ふむ、主催者側もかなり焦ってきたというわけだな」
「そのようだな」
 一つの集団がいる。
 一人、白い仮面を被り身の丈並の日本刀を背負った男。
 一人、赤いマフラーで口元を隠した忍者風の男。
 そして、最後に西洋の鎧を着た凄まじいまでの威圧感と殺気を放つ男。
「……と、なると『愚かな主催者』ども底が知れたな」
「だが、将軍よ。あの少女はどうする?」
「放っておく……主催者どもあの小娘を恐れているのは明白であるからな」
「その通りだ」
「………」
 先程まで警備がガバガバだった九州ロボを禁止エリアにようやく指定し。
 放送にて風鳴翼>主催者という図式をもわざわざ示してきた。
「全く以て愚かで自分勝手な者どもだ……!」
 怒りを露わにする悪魔将軍。
 だからこそ、主催者の全員を殺す。
 そして、『死者スレの破壊』がこの男の目的である。
「……『悪魔将軍』を名乗っているが、やはり貴様は……」
「言うな、ハクメンよ……!!」
「すまない」 
 ハクメンは当初、自らを悪魔将軍と名乗ったこの男を信頼しきれていなかった。
 故に対立し、死闘に発展するまでに至った。、 
 真の力を解放すれば地球すらぶっ壊すほど英雄と人々に神と崇められた超人。
 二人の戦いは拮抗し、三人がいた拠点が粉々に砕け散った。
 詳しく書けば長くなるので、割愛させていただく。
 それが放送前に起こった出来事である。

 そして、今彼らは『死国』の甲板にいた。
 怪しい建物に行って探索したくなるそういう性の男がいたから仕方ない。

「しかし、九州が禁止エリアに取り残されていた者たちは……」
「切り捨てろ、何かを得るためには少なからず犠牲は必要だ」
 現在時刻は丁度禁止エリア執行の時刻。
 英雄と言えどそれは過去の実績。
 今を生きる者を全員救うなど到底無理な話なのだ。
 だからこそ、主催者並びにカオスロワを開いた者『真の黒幕』を抹殺する。
「だが、死者スレを破壊することになんの意味が……?」
「……『死者スレ』とは……死亡した者共が行き着く先。
 四次元やブラックホールよりも脱出困難な場所だ。
 そこに『あやつ』はおる……『あやつ』を抹殺する、それが私がすべきことなのだ。
 よって『死者スレ』を破壊することによって地上の現世が直結して『あやつ』を引きずり出すこと出来るというわけだ」
「それでその『死者スレ』がどこにあるか、目星はついたのか?」
「無論だ」
  
 その時である。

「ぬぅ……何者だ、貴様ら!」

 ☆

658Welcome to this crazy Time:2014/07/13(日) 15:19:38 ID:vPGzYdIc0
 デューオだ。
 ディオではないデューオだ。
 死国での紅白戦も終わり、中では決戦に備えて光熱斗達は休んでいる。
 
 いやぁ、本当にすごい試合だった。 
 ラオウとMEIKOの凄まじいまでの投手戦
 最後はプニキの劇的なサヨナラホームラン。
 だが、試合を通じて彼らはさらに結束を深めたのだ。
 
 『優しさ+愛情+思いやり=友情』

 のび太君に見せてもらったキン肉マン全巻で覚えたことだ。
 うーむ、至言だねぇ。というわけでこの死国の甲板にもプロレスリングが出来た。
 いや、作りたいから自動生成した。
 やってみたらできた、かがくのちからってすげー。

 そんなリングに六人くらい来た。
 私が知っているのは拳王様とシグナムとシャロだ。
 知らないのはニンジャみたいのとサムライみたいなのと………ゲェーッ!! 悪魔将軍様!? 
 やべぇ奴来ちまった……。
「こちらはこの私、悪魔将軍が出るとしよう」
「では、この拳王が直々に相手になってやろう!!」
 やばいわ。
 両方ともやばいわ。
 確実にリング破壊されそうだわ。

 そして、試合開始のゴングがなった。
 というか、デカオが鳴らした。
 どっから出てきたんだ、大山デカオ。 

 ゴングが鳴ると同時に両者はリング中央でガッチリと組み合った。

「あれは『審判のロックアップ』!?」
「知っているんですか!? シグナムさん!?」
「まあ、究極のタッグ編まで読んでキン肉マン新シリーズも追ってるからね」
 キン肉マン新シリーズ……だと……?
 気になる、あとでWEBの週刊プレイボーイを読もう。
 中央でガッチリと組み合った。

「審判のロックアップとは、組み合うだけで相手の実力を知ることができる特殊能力だ。
 だが、これは超能力の類ではない、つまり、あれは将軍様の百戦錬磨の経験による鋭い洞察力があれば出来る技だ」
「へぇ〜」

 解説乙。
 流石、カオスロワの解説王を自称するだけはある。
 テリーマンやスピードワゴン、雷電レベルの博識ぶりだ。
「むっ!」
「ぬぅ……!」
 将軍様が何かに気付き、ロックアップを解いた。
 拳王様は一旦距離をとった。
「これほどまで強者がいるとはケンシロウ以上だ……」
 拳王様が少しビビってる。
 それほどのものなのだ、将軍様の威圧感は。
 それに構わず、拳王様は拳を振るう。
「スネークボディ!」
「なっ!?」
 あれは超人硬度を0にするスネークボディ!?
 軟体超人ってレベルではないぞ!!
 その際、将軍様の首輪がポロリと取れたのを私は見逃さなかった。

 拳王様の無双の拳をするりと抜けだし、背後を取った将軍様。

「スピンダブルアーム!!」
 あの重量級の拳王様をダブルアームの体制で振り回している!?
 あれは1000万パワー以上ないと出来ない芸当だ!!
「見てください! 拳王さんの身体が!?」
「ラオウの身体が垂直に!? あれはザ・ニンジャのテクニック!!」
 そして、プラネットマン(notロックマンエグゼ)の宇宙的レスリング!
 あれ? プラネットマン(notロックマンエグゼ)のスピードだっけ?
 まあ、いいか
「地獄の断頭台!!」
 将軍様の右膝が拳王様の首に!!
 そのまま真下のリングに向かって自由落下していく!!

「ぬぅ、ならば……」

 落下の最中に拳王様は拳に気を送る。
 そりゃあ地獄の九所封じが完全に決まっていなかったからな。
「北斗剛掌波!!」
 自身の真下向かって、剛掌波を放った。
 多分落下の衝撃を抑えようとしたのかな?

 まあ、結果としてはリングが崩壊した。 
 拳王様はアホか……。

659Welcome to this crazy Time:2014/07/13(日) 15:20:07 ID:vPGzYdIc0

 ☆ ☆

「足りないな」
「ええ、足りませんね」
 一方、その頃、祐一郎さんとムギちゃんさんは新スタメンの選考を行っていた。
 先程の紅白戦で新たなる収穫もあった。
 だが、一つ問題点があった。
「ベンチ入りのメンバーが少し足りませんね」
「25人か……」
 主催者にガチな試合を申し込むのだ。
 真摯な姿勢こそが主催者に野球をさせるのではなかろうか?
 というわけで、監督とコーチである自分たちを除けば22人くらいいる。
 プロ野球の公式戦のような正式な試合を申し込むにはベンチにあと3人必要なのだ。
「私は監督業で手一杯ですからね……」
「ムギちゃんやっぱり君の左手は……」
 包帯でグルグル巻きになったムギちゃんの左手。
 大体試合中盤あたりから全力投球していたMEIKOのせいである。
 それを隠して、ムギちゃんは試合に出ていたのだ。
 これ以上やったら、もうピアノが弾けなくなる。
 だから監督とオーナーとスカウトに専念することにしたのだ。

 その時である。
 天井が崩れてきた。
 もの凄く頑丈に作った装甲なだけに祐一郎さんはすっごく驚いた。

 なにが来た?
 銃弾かな? 砲弾かな? テニスボールかな?

「見られてしまったな」
「「!?」」

 上から降ってきたのは拳王様と黄金のマスクの男だ。
 その黄金のマスクから放たれる光はあまりにも美しすぎた。


「一つ聞く、貴様らはあの主催者をどう考える?」


 だが、そのマスクはすぐに隠れ、感情を感じさせない三本角のマスクが現れた。
 そのあまりの威圧感に祐一郎ざんはビビリまくったのは言うまでもない。
 
 だが……

「あの主催者は必ず殺します……拳王さんが」

 ムギちゃんは全くと言っていいほどビビらなかった。
 だって、ムギちゃんだもの。そして、対主催ということしっかりと伝える。
「この悪魔将軍を前に表情を崩さない……貴様、ありとあらゆる感情を超越した完璧超人か?」
「いえ、私はただの元軽音部の部員です」 
「ほう……」
「ムギちゃん、そいつは危険だ!!」
「いえ、大丈夫です(ニッコリ)」

 その後はムギちゃんの巧みな話術独壇場だった。
 それを悪魔将軍は支給品であった高級そうなバイクの座席部分でどっしりと座り聞く。
 その横で凄まじい眼光を光らせる飛竜と後ろには鳴神を構えたハクメンがいる。
 そして、結論は出た。

「つまり、同盟を組むというのはどうですか?」
「ふっ、構わない……だが」 

 両手から飛び出た剣でムギちゃんをけん制をする。
 しかし、それでもムギちゃんは全くビビらない。
「下手な動きを見せれば……その時は分かっておるだろうな?」
「ヌフフッ!! それはこちらも同じことだ!」
 ラオウと将軍が握手をかわそうとしたが、シグナムに止められた。
 なにやら『地獄の九所封じ その8』らしいからだ。
「それでその『死者スレ』はどこに……」 
「それはな」

「富士山の麓の樹海の不思議なダンジョン……そこに死者スレへの入り口はある!!」

660Welcome to this crazy Time:2014/07/13(日) 15:20:31 ID:vPGzYdIc0
【二日目・5時00分/大阪府・超弩級戦艦『死国』】
【デューオ@ロックマンエグゼ4】
【状態】HP満タン
【装備】ジャスティスワン、ザ・ワールド
【道具】なし
【思考】基本;とりあえず、ディオたちを見守る
0:またリングを作り直さないと……
1:死国に対主催達を乗せて、九州ロボ及び主催者を殺す
※超弩級戦艦『死国』のメインAIになりました。
※キン肉マン(旧シリーズ)全巻を読み、友情パワーに目覚めました。
※36巻以降の知識(完璧・無量大数軍編)以降の知識はありません。

【ラオウ@北斗の拳】
【状態】全身にダメージ、首輪解除
【装備】炭酸水
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】
基本:ダース・ベイダ―たちを倒す
0:主催者チームを全員屠る
1:そして、拳王が新たな時代を作る
2:死兆星から使者の小娘を配下にしたぞ!
3:トキ似の男を配下にしたぞ!
4:強そうな鎧の女を配下にしたぞ!
5:謎の黒猫たちを配下にしたぞ!
6:なんかいろいろ配下にしたぞ!
7:悪魔将軍たちと協力体制を取るぞ!

【琴吹紬@けいおん!】
【状態】精神的にぶっ飛んでる、左手骨折、首輪解除
【装備】超弩級戦艦『死国』、キーボード、現金1兆円ほどが入った特注ジュラルミンケース
【道具】支給品一式、たくあん@現実、その他不明
【思考】
基本:生き残ることを最優先
0:新スターティングメンバーを選考する
1:拳王とやらの配下になる
※今までとは別人に決まってんだろ!!いい加減にしろ!!
※核ミサイルは超弩級戦艦『死国』に改造されました。

【シグナム@リリカルなのはシリーズ】
【状態】健康、自称フリーター、首輪解除
【装備】レヴァンティン
【道具】支給品一式、PET(カーネル入り) 、SPW財団以上の資金とか多数のレアチップ、シンクロチップ
【思考】基本:働かなくて済むように動く
1:熱斗たちについてくる
2:主催者たちは倒す
3:悪魔将軍じゃなくて……ゴールドマンじゃん……
※今までとは別人ですが記憶を受け継いでいます
※PSP版の技は使えませんが、念能力が使えます。
※キン肉マンの知識があります。

【カーネル@ロックマンエグゼ】
【状態】HP満タン
【装備】カーネルのブレード
【道具】なし
【思考】基本;ロワの破壊
1:今は(仕方ないので)シグナムに従う
※PETの中にいます

【シャーロック・シェリンフォード@探偵オペラ ミルキィホームズ】
状態】謎ミルキィ、首輪解除
【装備】かまぼこ、自分のデッキ(「ロイヤルパラディン」デッキ)
【道具】支給品一式、テニスボール×∞
【思考】
1:櫂に着いて行く

661Welcome to this crazy Time:2014/07/13(日) 15:20:52 ID:vPGzYdIc0
【光祐一郎@ロックマンエグゼ】
【状態】サイボーグ化、首輪解除
【装備】なし
【道具】支給品一式、自作爆弾
【思考】
基本:息子たちをサポートする。
1:主催者について調べる
2:できれば九州ロボを取り戻したい
※九州ロボの制作を提案した人物がいるようです
※カオスロワちゃんねるにより、危険人物扱いのレッテルを貼られました
※砲撃によりノートPCは全壊しました

【悪魔将軍@キン肉マン】
【状態】健康、首輪解除
【装備】黄金のマスク、サウザーのバイク@北斗の拳
【道具】不明
【思考】
基本:主催達の抹殺
1:死者スレに向かい、死者スレの破壊及び真の黒幕である『あやつ』の抹殺
2:他の悪魔超人たちには陽動を及び危険因子の排除。
※完璧・壱式ゴールドマンです。

【飛竜@ストライダー飛竜】
【状態】健康
【装備】光剣サイファー@ストライダー飛竜 クナイ、各種オプション、ウロボロス@BLAZBLUE
【道具】支給品一式 
【思考】基本:主催を抹殺する
1:主催陣営及び『悪』を殲滅する
※新作『ストライダー飛竜』の技が使えます。
※ウロボロス@BLAZBLUEはどっかから拾ってきました。

【ハクメン@BLAZBLUE】
【状態】健康、unlimitedモード
【装備】斬魔・鳴神
【道具】支給品一式
【思考】基本:『悪』を滅する
1:主催及び世界に災いをもたらす者を『刈り取る』
2:風鳴翼は滅する
※勾玉ゲージ等の状態は次の書き手に任せます。
※unlimitedモードに入りました。

【大山デカオ@ロックマンエグゼ5チームオブカーネル】
【状態】健康
【装備】自分のPET(ガッツマン抜き)
【道具】支給品一式、ゴング
【思考】
基本:熱斗や拳王たちをサポートする。

662野球って大変だからね Part3:2014/07/25(金) 10:39:58 ID:HK9.7CmM0

「オレの1000万パワーのバッファローハンマーと……」
「波羅蜜多(ハラミツタ)ラリアットの!」
「「2000万パワー・クロスボンバー!!!」」

 バッファローマンとアシュラマンの悪魔超人同士のラリアットによるクロスボンバーが炸裂した。
 それを食らったギニュー特戦隊のリクームとジースの首が吹き飛びそうになった。
 
「な、なんという、残虐な戦いなんだ……」
「フフ、ベジータよ。悪魔超人の拙者たちを甘く見るものではないでござる」

 それを見て、ベンチでベジータはビビる。
 彼らは今いるのは静岡県の富士山の麓の特設球場。
 やっている競技は……

「こ、これが『悪魔の野球(デビル・ベースボール)』……!」

 もちろん、野球である。
 なおも血盟軍の攻撃は続く。


 ――――ことの発端は放送直後。


「おい、ソルジャー!」
「どうした、ベジータ?」
「九州が禁止エリアにされてしまったぞ! これじゃあ九州ロボに近づくことすらもできないぞ!」
「まあ、落ち着け、ベジータ」
「だが……」
「まず、首輪を外せる技術者を探す。
 それが九州ロボに乗り込むには一番手っ取り早い」
(何という冷静で的確な判断力なんだ……!)

 と、道中を進みながら会話する。
 そんな彼らは静岡の野球場に辿り着いた。
 その球場にいたのは……

「これはこれはベジータさん」
「き、貴様はフリーザ(第一形態)!」

 超人血盟軍に前に現れたのは……
 フリーザ(第一形態)、ザーボンさん、ドドリアさん、コルド大王。
 何故か喪服を着て、グルドの遺影やら遺品を持ったギニュー特戦隊の四人。
 そして、キュイの通称『フリーザ軍』。
 コルド大王もいるけど『フリーザ軍』である。
 彼らが何故、超人血盟軍の前に現れたかとういう、と。

「貴方達が野球で世界を救おうとしているのは分かっています……」
「うぅ……グルド……」
「そこで私たちも野球で世界を……」
「グルド、なんで死んじまったんだよ……」
「そして、野球で世界を救おうとしている奴らを野球で……」
「グルド……」
「あなた達はいつまでグルドの死を悲しんでるんですか!!」
「フリーザ様、貴方にはわからないでしょうね……」
「あぁ!?」
「俺達、ギニュー特戦隊の絆の深さを知らないんだな!!」
「知らないですね!」

 フリーザ軍が球場を占拠していた。
 とりあえず、ベジータは真っ先にフリーザ(第一形態)にかみつく。

「で、貴様らは何をしに来た!」
「まずは八人しかいない、貴方たちを潰すことにしました!!」
「なっ!!!」
「ルールは負けたら、相手チームは自害というルールです!!」
「この外道が!!」
「まあ、貴方たちは八人しかいないですから、無条件で私たちの勝ちですがね」

 人数不足では野球にはならない。
 痛いところを突かれてしまった。 

「どうするんだ、ソルジャー!?」
「…………(これはまいったな)」

 マスクの下で少し焦るアタル兄さん。 

「「そんなことはさせないぜ!!」」

 その時ではある!!
 空間をぶち抜き、二人の超人が乱入してきた!!
 その二人とは!!

663野球って大変だからね Part3:2014/07/25(金) 10:41:33 ID:HK9.7CmM0

               _.   | ヽ
              /´:_:`l ./   |
     ゝ--―-―― l::://::/´ヽ_|
.   /ヽ、::::::l::::::::::::::::ヽ`イ:ヽ::ノ::/
   /   ゝ--ヽ:::/:::::lοヽ/::::::/
.  /  /   |::::::`l:::::::lο〈:|::ll:ll|
  l  /     ∨::::::\:::―:∧ll:/
 /  ヽ      ヽ:::::::::::>--<
. |  ∧l     />::´::/::::::::::::l
  ̄      //:::::::::/ ̄ ヽ:/
.         l/:::::::::::l   /
          ヽ:::::::::|   ∧   |
         \´l  /:::::ヽ .||
           /  /::::/ ̄  ̄ ヽ
      ,.-、  / ./ゝ/      .|
    ,ゝ'´  ¨l´  / /  な  悪  |
    ` ̄ ̄ ̄|  l ̄l   め  魔  |
         ∨ /  |  る.  を  |
.           ∨  |  な     |
                ヽ !     |
              \_____|

「同志BH!」
 そして、もう一人は……

664野球って大変だからね Part3:2014/07/25(金) 10:41:55 ID:HK9.7CmM0

    _
    ヽ`"''‐-..,,___
      `''‐..,,_ヽ..,,__ ̄"''-、
    ヽ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ `ヽ `ヽ  ヽ
  __,,,...二ニ=―‐ ⊂ニ⊂{  ヽ  ヘ
  ヽ ___,,...-‐  ⊂ニ⊂、  ヽ ヘ
  、-‐‐'''"´   _,,.-  ⊂ニ⊂ヽ  ', ヘ
  `"二ニ=‐''"´   ,,- ⊂ニ⊂}   i  ヘ
   ヽ ___,,,..-‐''´ _,,.- ⊂⊂ヽ  .|.  ヘ
     _,,,..-'__,,..-''___⊂ .}   |.  ヘ
     `ー彡-,-,、  { { __  `ヽ{___./y'"⌒ヽ
          U ノ/とヽ、 `ー― /  {/__,イ  l          _
.           `´   ⊂`ー--{ j     l ∨_|フ /_,,..- ニ=-..,,_,,..-''´   `ヽ
               ヽ三У `ヽ./ l/へ| ,イ ヽ./|  __ ,,...-'''"´`ヽ ヘ
                    /     } ヽ‐ ´ | <_ノ'´             ヘ ヘ
                 l   /  ̄"''‐----  }-、             ヘ ヘ
                  |  ./      {       ヘ_j、,、_,,.-、__      .ヘ l
                  |ヽ {       、     ∧ U | | |ヽfヽr 、 | |
                     、{ {ヽ        _ヽ  ̄   -、、.しし.し.し.| .| ト| !
                    i`{、_`ー  -''´ r ヽ..,,_{  .} ヽ | | | | .|し'し' !  、
                   |`{、_ ヽ  ニ二} / | ! `  __i.しししししし| ヽ ヽ
                   | 、__ヽ    ./   .しヽ、/  | | | | しし.|  l\j
                 , ' i     ,    ヽ   しし〉'⌒ヽ .| | | .| .|  .|
                   , ′      i   、 l     /    `ー-、 .| .| !  |
               /    ヽ  /      ヽ  と -''| n n l ̄  .|    ', ∧
               ,   ./   \       ヽ    .| |.U U |  .|     ∨∧
                  ,   }   ./ ヽ i      ∨   `'     | .,l .ll  |∨ \
              i i    /‐-┬'., ヽ     |         し' | |.∨ 、 \
                   l 、   i /  _,,.- | ヽ      .l          、j  ∨ l   ペ
                、  ノ , ̄ ,,.-''´ ̄ ヽ   ノ !、               ヽj   ン 白 
               ゝ-‐ '  ̄       ヽ i   !`ー 、               タ .き 球
                            \__     ヽ             ゴ 翼 .場
                             ヘ ヽ     !           ン の .に
                                  \     、            |  天 舞
                                 `''-、   ヽ _.         |  使 い
                                       \   ヽ ヽ       |     降
                                    `ヽ、   {      推    り
                                      ヘ   ヽ....   参    た
                                        ヘ   |    l l
                                         \_ノ    ・・

「ペンタゴンもいるじゃねーか!」

665野球って大変だからね Part3:2014/07/25(金) 10:42:27 ID:HK9.7CmM0


             /  ̄ \
            | , '⌒ヽ |              、
            | |    | |             Eヨ
.               | ヽ_/ .|             .├<             / ̄ \
.            ト、 ____,.イ                             | __∧_ |  
.        ___ ノ  \ / l               l ヽ             |ヽ  /|
.     /    `ヽr--、ー、,,└-‐―- 、         レ              ||/\| |
    /        /ニニ\          \                        ト、___ ,イ
.    {         ,  `⌒` <\  ,ィ―'⌒ヽ.`ー 、     ーフ           /\.ノ ゙、 /└-‐―-、
    ',      /        `Y´     ./⌒ヽ ヘ.   丁        /  ̄  ー 、, -‐/ニヽ    \
     ヽ、                 /    \}             /             /二ミ/      i
.     | {> 、   `ー--        /      ヽ   / 刀     / / ̄7 ̄ ̄ ̄`´         .|
.      | V  `> 、____    , く `ー'   ノ   V '    /  ´⌒ヽ'              /  /
.       |  V         `ー '  `7ー――'             {      \ヽ       ./   ∧
     |    \             /|         ┴ 才   .〈      _> 、__/    /.ハ
      |      |              /.|        = ┴   `ー―<´ { i  }        /  ハ
.    |    /―― '  ̄ ̄ ̄`ー/   |         口 日    | V ∧ --!--        /\V  ハ
.     |     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`ヽ  |                |V ./  〉 { !   }      〈  \V ハ
.      |   ./             ハ  |          ヨヨー   .   | /  /           ハ   V ハ
.      |  /, -―- 、           }  .|           ’ロ   .   し'  /           ハ    \リ
.      | ./´      \      /^\.|                   /  ヽ             ハ
                                 |
                                  ・
「我々も野球をするぞ!」

 BH(ブラックホール)とペンタゴン!
 通称『四次元殺法コンビ』が超人血盟軍の助っ人して乱入してきた。

「よし、これでこっちは10人だ」

 一先ず人数不足という最大の問題は解消された。
 そして、なんやかやんでアタル兄さんがスタメンを発表する。

666野球って大変だからね Part3:2014/07/25(金) 10:42:50 ID:HK9.7CmM0

「一番キャッチャー バッファローマン
 二番サード ブロッケンjr.
 三番ショート ザ・ニンジャ
 四番ファースト 私(キン肉アタル)
 五番センター ブラックホール
 六番セカンド ペンタゴン
 七番ライト 高山春香
 八番ライト 園田優
 そして……九番ピッチャー アシュラマン!」
「おい待て、ソルジャー!!!!」
「どうした、ベジータ?」
「何故、このベジータ様がスタメンじゃないんだ!! というかライトが二人いるぞ!!」
「黙らんか〜〜〜〜〜〜ベジータ!!!! 男というものはあまりしゃべるものではない!!
 両の眼で静かに結果だけを見ていればよいのだ!!」
「なにっ!?」
「とりあえず、お前は野球のルールを覚えろ」
「まあ、そういうことだぜ」
「カーッカッカッカ!!」
「大人しくベンチに座ってるでござる」
「やったぁ、優ちゃんと同じポジションだ!」
「うん、そうだね、春香(でも、これでいいのかなぁ?)」

 そして、試合が始まった。
 冒頭に戻る。以下この試合のダイジェスト。


 ◆ ◆ ◆


「阿修羅面、冷血」

 笑い顔を回転させるアシュラマン。
 その表情からは何も読み取れない、ポーカーフェイスそのもの。

「地獄めぐりNo.5!! 竜巻地獄!!」

 六本の腕の一つにはミットを付けている。
 だが、残り五本の腕の一ついずれかでボールを掴む。
 これによりバッターからは球の出どころ非常に分かり辛い上に。
 オーバースロー、サイドスロー、アンダースローのいずれかの球筋で竜巻と共に飛んでくる剛球。
 これがアタル兄さんがピッチャーをアシュラマンにした最大の理由である。

「ナイスボールだぜ!!」

 それを悠々とキャッチするバッファローマン。
 流石、超人強度1000万パワー以上を秘めた超人だけあって。
 そのプレイスタイルもまさにド迫力である。
 初回から3回までフリーザ軍を完全に抑え込んだ。


 ◆ ◆ ◆

667野球って大変だからね Part3:2014/07/25(金) 10:43:15 ID:HK9.7CmM0


「0パワー盗塁だぜ!」

 塁に出たバッファローマンが盗塁を敢行する。
 その際、自らの超人強度を0パワーにする。
 これによって光速で動けるようになる。
 バッファローマンの二盗、三盗は楽々成功した。
 これには相手ピッチャーのフリーザ(第一形態)も苛立ちを隠せない。

「やるっつぇ、ブロッケン!!」

 アタルの支持通り、スクイズをする。
 完全なボール球だったが、持ち前の気迫でバットに当てる。
 ブロッケンjr.の不屈の闘争心と絶対的な責任感が二番バッターの仕事を遂行させる。
 
「上出来だぜ、ブロッケン……ハリケーン・ミキサー!!」

 体当たり……どころではない。
 キャッチャー・ドドリアさんの身体が空中に回転しながら跳ね上げられ、受身も取れぬまま脳天から地面に叩きつけられた。
 これにはドドリアさんもノックアウトされ、ポジション変更を余儀なくされた。

 
 ◆ ◆ ◆


「優ちゃん///」
「春香///」

 ライトで二人はイチャイチャする(意味深)。
 まさに絶対領域、この二人を阻むものはほとんどなかった。
 フリーザ軍も空気を読んだのか、ライトに打つことはなかった。
 流石、紳士の集団・フリーザ軍。
 
「皆さん、レフトを狙い打ちですよ」

 半分ブチ切れつつ、フリーザ軍に指示を出すフリーザ(第一形態)。
 中盤になりアシュラマンの球にも少しは慣れてきた。
 そこでがら空きのレフトを狙う、だって誰も守っていないのだから。
 そして、ザーボンさんの打球は狙い通り、レフトに飛んでいく。
 
「今だ、至高のブラックホール!」

 レフトに向かってきた打球が急激にセンターに向かって曲がっていく。
 いや、厳密にはセンターを守っているBHの正面に吸い込まれていく。
 レフトを狙い打つことを意識しすぎて、無意識のうちにパワーが疎かになっているのだ。
 これではBHの至高のブラックホールを破ることはまず出来ないのだ。

(ここまで計算して、レフトをがら空きに……
 キン肉マンソルジャー……なんという冷静で的確な破断力なんだ!!) 

 その一方、ベンチでパソコンでツイッターをしつつ、ベジータは情報を集める。
 主な情報元は『危険人物を晒すスレ』と『首輪情報交換所スレ』。
 
(超人血盟軍を応戦するスレか……なっ、このベジータ様の話題が一つもないだと!?)

 これにはベジータも切れかけた。
 ので、とりあえず自演する。

 
 ◆ ◆ ◆

668野球って大変だからね Part3:2014/07/25(金) 10:43:58 ID:HK9.7CmM0


 そして、ついに試合も終盤を迎えた。
 試合は超人血盟軍のリードであった。 

「貴様ら、もう許さんぞ!!」

 全くもって上手くいかず、怒り狂うフリーザ(第一形態)。
 部下は未だにグルドの死を悲しんでいたり、つぎつぎと倒れたり、父親でコルド大王が野球が下手くそだったからだ。
 それで地球をぶっ壊して試合を無効試合にしようとしたが、制限でそんなことは出来なかった。

「カーッカッカッカ!!!」

 マウンドのアシュラマンはいつの間にか笑い顔になり高笑いしながら、ボールを投げ込む。
 その剛球の前にフリーザ(第一形態)のバットは三度空を切った。
 コルド大王同様、フリーザ(第一形態)も野球が下手だったから、仕方ないね。

(こうなったら、デスビームを使うしかない)

 ブチ切れたフリーザは人差し指の先に気を溜める。
 気付かないうちに相手チームの監督兼選手であるアタル兄さんを殺害しようとしたのだ。
 うーん、汚い。

 そして、人差し指の先から光線を出した。
 ズドンと、いう音が球場に響いた。
 のだが……

「なん……だと……」
「クロノス・チェンジ……私の空間を操る能力だ!」

 フリーザ(第一形態)とアタル兄さんの位置は入れ替わっていた。
 そう、ペンタゴンが顔の星を回していたのだ。
 フリーザ(第一形態)は自分のデスビームで倒れ、動かなくなった。

「ゲームセット!!」

 試合は終わった。
 約束通り、フリーザ軍は自害することになったのだが……

「宇宙最強である我が一族滅びるわけにいかない!!」

 コルド大王は一目散に逃げ出した。
 そりゃあ、勝手に息子が試合を仕掛けて、勝手に試合に負けたら誰だって切れるよ。
 だが……

「桜色パワー・プラス!」
「こっちは桜色パワー・マイナスだよ!」
「なっ、動けない!?」

 女子高校生二人に前後を挟まれていた。
 彼女たちのツープラトン技の源は『桜色パワー』である
 その桜色パワーで両者が引き合うことで高い威力を生み出す。
 それはまさに『マグネット・パワー』のように。
 ……いや、それ以上に強力なものだ!!


「「桜色クロス・ボンバー!!」」

 
 コルド大王の首が吹っ飛んだ。
 全力で放てば首が飛ぶ。それほどこの技は危険極まりないのだ。
 

 ◆ ◆ ◆

669野球って大変だからね Part3:2014/07/25(金) 10:44:21 ID:HK9.7CmM0


「ついにわかったぞ!」

 そして、ベジータは集めた情報を皆に流す。
 
「いいか、よく聞け貴様ら!」
「言われなくても聞いてるぜ!」
「どうやら、この『戦艦・死国』とかいう場所に首輪を速攻で外した光祐一郎とかいう危険人物がいる!」
「ほう……」
「だが、奴はかなり危険だ!! 近寄らない方がいい!!!」

 危険人物を晒すスレで名前が出ていた。
 主催者の手先かもしれないという危険人物だが、今会場にいる。

「よし、では我々もその『戦艦・死国』に向かうぞ!」
「なっ、ソルジャー、俺様の話を聞いていたのか!?」
「だからこそ、行く!」
「BH、この人数だが大丈夫か?」
「ふっ、『ロケーションムーブ』を使えば一瞬だ」
「流石でござるな」
「では、行くぞ!」
「やめろぉ……俺は行きたくない……!」
「往生際が悪いぜ、ベジータ!」
「カーッカッカッカ! サイヤ人の王子の名が聞いて呆れるぜ!」
「は、離せ……バッファローマンにアシュラマン……!」

 バッファローマンとアシュラマンにガッチリと掴まれ身動きが取れないベジータ。
 その状態のまま、超人血盟軍はブラックホールの顔に入り、死国に向かった。

 その先に『キング・オブ・デビル 悪魔将軍』がいることも知らずに。

【二日目・5時30分/静岡県・特設球場】
【ベジータ@ドラゴンボール】
【状態】健康、へたれ、金髪恐怖症
【装備】野球のユニフォーム
【道具】支給品一式、ノートパソコン
【思考】基本:死にたくないので野球をする
0:まずは野球を覚える
1:ナッパとイチローを探して保護してもらう
2:絶対に都庁には近寄りたくない
3:試合に出たい
4:移動しつつツイッターはやる
※何度も瀕死状態から回復したので戦闘力が上がったかもしれません。

【高山春香@桜Trick】
【状態】健康
【装備】野球のユニフォーム
【道具】なし
【思考】
基本:優ちゃんとイチャイチャする
1:超人血盟軍についていく
2:野球とか別にいいかなって……

【園田優@桜Trick】
【状態】健康
【装備】野球のユニフォーム
【道具】なし
【思考】
基本:春香と一緒
1:超人血盟軍についていく
2:野球よりもバレーボールがしたい

【キン肉アタル@キン肉マン】
【状態】健康
【装備】キン肉マンソルジャーのマスク、野球のユニフォーム
【道具】不明
【思考】
基本:殺し合いを止める
0:野球チーム(超人血盟軍)を率いる。
1:二人を鍛える
2:ついでにベジータも鍛える

670野球って大変だからね Part3:2014/07/25(金) 10:44:44 ID:HK9.7CmM0

【ブロッケンJr.@キン肉マン】
【状態】健康
【装備】ドクロの徽章、野球のユニフォーム
【道具】不明
【思考】
基本:アタルに着いていく
1:二人を鍛える

【バッファローマン@キン肉マン】
【状態】1000万パワー
【装備】ロングホーンで出来たバット
【道具】不明
【思考】
基本:アタルに着いていく&悪魔将軍様に従う
1:二人を鍛える

【アシュラマン@キン肉マン】
【状態】健康
【装備】誰かの腕×6本にミットが5つ
【道具】不明
【思考】
基本:アタルに着いていく&悪魔将軍様に従う
1:二人を鍛える
2;ところでこの腕は誰の何だ?

【ザ・ニンジャ@キン肉マン】
【状態】健康
【装備】忍者着
【道具】不明
【思考】
基本:アタルに着いていく&悪魔将軍様に従う
1:二人を鍛える

【ブラックホール@キン肉マン】
【状態】健康
【装備】ペンタゴン@キン肉マン
【道具】不明
【思考】
基本:悪魔将軍様に従う
1:超人血盟軍と共に戦艦・死国に向かう


【フリーザ(第一形態)@ドラゴンボール 死亡確認】
【コルド大王@ドラゴンボール 死亡確認】
【ザーボンさん@ドラゴンボール 死亡確認】
【ドドリアさん@ドラゴンボール 死亡確認】
【ギニュー@ドラゴンボール 死亡確認】
【リクーム@ドラゴンボール 死亡確認】
【ジース@ドラゴンボール 死亡確認】
【バータ@ドラゴンボール 死亡確認】


 ◆ ◆ ◆

671野球って大変だからね Part3:2014/07/25(金) 10:45:21 ID:HK9.7CmM0


「なんだかよくわからんが、生き残ったぞ!!」

 なんやかんでキュイは生き残った。
 理由は特に無い、だが、彼は生き残った。
 フリーザ軍がどんどん自害していく中、彼だけはやらなかった。
 だって、キュイだし、当然だよね。

 とりあえず、彼は復讐を目指すこともなく、生き残ることを大前提に行動をすることにした。
 一先ず、身を隠せる場所を探す。後のことはそれからだ。


【キュイ@ドラゴンボール】
【状態】ダメージ(極大)
【装備】スカウター(旧式)
【道具】不明
【思考】
基本:生き残る
1:身を隠せる場所を探す
2:もう野球はしたくない

672燕が飛んだ:2014/07/25(金) 22:37:24 ID:BYVxuf8E0
激戦区・東京の端っこ。
そこにある民家に潜み、ノートパソコンのキーボードを叩き続ける青年がいた。
青い髪とサングラスが特徴的な彼の名は、犬牟田宝火。
本能字学園生徒会四天王に名を連ねる、天才技術者である。

『やっぱり大魔神もチーム結成したみたいだな。試合はまだやってないみたいだけど』
『マー君キター!!』
『この写真の端っこに映ってるの、マグナムエースじゃね?』
『みずきたんハァハァ』

彼が閲覧していたのは、カオスロワちゃんねるの野球関連スレであった。

「どうやら、間違いないようですね」

パソコンの画面から一時目を離し、犬牟田は同行者に声をかける。

「ふふふ、やはりか。お前なら動くと思っていたぞ、佐々木!」

反応したのは、青い野球帽とストライプのユニフォームを身に纏った細身の男。
彼の名は、高津臣吾。
長年にわたりヤクルトスワローズのストッパーとして活躍した、名投手である。

彼は本来、日本野球史に名を残せるだけの投手だった。
いや、実際それにふさわしいだけの実績は残している。
だが彼の知名度は、実績と釣り合うほどのものではない。
理由は一つ。同じ時代に、佐々木というさらなる怪物ストッパーがいたからだ。

高津は何度も、佐々木に勝負を挑んだ。しかし、毎度毎度邪険に扱われるだけだった。
その事が高津のライバル心を、よりいっそう強くしていた。

「覚悟しろ、佐々木……。今度こそ俺の方が上だと証明してやるぜ!」

高津の目的はただひとつ。野球において佐々木に勝利すること。
このバトルロワイアルの場でも、それは揺るがない。

「佐々木の参戦が確認できた以上、俺がやることはひとつ……。
 佐々木のチーム以外のどこかに入れてもらい、やつと勝負する!
 いくぞ、犬牟田!」
「わかりました」

ちなみに犬牟田が高津と行動を共にしているのは、数時間前DMC狂信者に襲われていたところを支給品でブルースワローに変身した彼に助けられたからである。
スワローズのエースだもの、鳥人戦隊に変身くらいできるさ。

「しかしロワもおそらく終盤だというのに、ぽっと出の僕たちが活躍できますかね?
 はっきり言って、どこにも合流できずズガンされてもおかしくないと思うんですが」
「メタるなよ、お前……」

673燕が飛んだ:2014/07/25(金) 22:38:03 ID:BYVxuf8E0


【二日目・5時40分/東京の端っこ】

【高津臣吾@ササキ様に願いを】
【状態】健康
【装備】クロスチェンジャー@鳥人戦隊ジェットマン
【道具】支給品一式
【思考】
1:大魔神軍以外の野球チームに入り、佐々木と戦う


【犬牟田宝火@キルラキル】
【状態】健康
【装備】だいぶ古い型のノートパソコン@現実
【道具】支給品一式
【思考】
1:高津に同行する
2:もうちょっとまともなパソコンがほしい
3:できれば極制服もほしい

674絶禍繚乱:2014/07/27(日) 11:08:25 ID:GnTV73Ew0
「ついに誕生したか…あれが。ククク…」

提示の放送が終わったのを見て男の声をした人型の何者かが呟く。
その存在の名はベクター。人ならざるもの『バリアン』と呼ばれる存在だ。
最初に言っておくがベクターは主催が擁する特務機関の一員。
彼は大尉らと同じく今まで本部から離れてジョーカーとして行動していた。
そして先ほどの放送でベクターはテラカオスの誕生を察知していた。
彼は知っていた、上司であるダース・ベイダーをはじめとした幹部達の目的がテラカオスを利用して世界を大災害から救おうとしていることを。
ベクターは小さく笑った。当然だ。二日目入ってすぐにテラカオスが誕生していたということは世界を救う計画が順調に進んでいる証。
ベクターは計画の成就を心から願って―――



















(クククッ、キヒヒッ…なぁ〜〜〜〜〜んちゃってwwwwwwww)



精一杯のゲス顔を浮かべた。

(世界を破滅から救うぅ〜〜〜?テラカオス計画ぅ〜?誰がそんなもんに乗るかよバァ〜〜カ!!
 俺が望んでいるのは混沌と破壊!苦しむ虫けらどもの顔がみてえんだよ!!
 でも楽しかったぜえ?あいつらとの主催者ごっこはよぉ!!ヒャハハハハハァ!!)

彼は嘲笑っていた。テラカオスプロジェクトを、そしてそれを実行する主催者達を。
先ほどの笑みも主催者達を祝福するものではなかった。
ベクターは残虐非道がこれ以上ないくらい似合うバリアンである。そんな彼がテラカオスを生み出す計画を知って世界を救うなどと思うはずがない。
彼はテラカオスを更なる破滅に利用しようと考えて行動していたのだ。
先ほどの笑みの意味は主催の…ではなくベクターにとってのテラカオスプロジェクトの成就が一歩近づいたことに対しての笑みであった。

(さぁてどうすっかな〜〜)

ベクターは考えた。早速テラカオスの力をどうにかして奪ってこの世界を破滅させてもいいがそれでは詰まらない。
彼が望む…そのための方法は―――

「やっぱこれだよなぁ!」

ベクターの歪な人型のような体が消える。代わりに現れたのは十代半ばの少年のような姿。
バリアンであるベクターが人間界で「真月零」として行動するための形態であり、彼の生前の姿。
ベクターは対主催グループに潜伏して利用しようと考えたのだ。

(最初は対主催共と協力して主催とテラカオスを弱らすための協力をする…おっと、途中で首輪外してもらったほうがいいなぁ。
 そしてここぞのクライマックスなタイミングで俺がテラカオスの力を奪い――対主催共にジャンジャジャーンと衝撃の真実を明かす。
 奴らは絶望するよなぁ?自分達がよかれと思ってやってきたことが世界の破滅を導くと知ったらよぉ!キヒヒヒヒヒヒィ…
 後はカオスの力を使って奴らを葬るか…いや、放っておけば自滅するかもなぁ?あぁ〜たまんねぇぜぇ…ヒヒヒヒヒヒィ!
 そして俺はカオスの力で別の世界へ逃げる。さらば混沌の世界、ようこそ新世界!
 奴らは地獄逝き俺無事♪あばよ虫けらってなぁ!アーッヒャハハハハハハハハハハァ!!我ながら天才的じゃねぇのおい!)

そう、彼の目的は黒幕ぶってる主催者達やヒーロー気取りの対主催達を奈落の底へ絶望させるというもの。
まさにゲスの極み!!見た目以上に歪な彼の心をこれでもないくらい現しているゲスの限りを尽くした計画だった。
本部のマヌケ(ベクター曰く)のせいで主催メンバーの情報が何人かの参加者に出回っているらしいが、その情報にはバリアンとしてのベクターのデータしかない。
真月零のデータなど存在しない…!
ベクターは早速動き出す。計画の成就の為に早く有力かつ利用できる対主催と合流しておかなければならない。

「さぁ、よからぬことを始めようじゃないか!!」

真月零となったベクターはカッと目を見開く。
最凶最悪のバリアン、ベクターの悪意が全参加者へと向けられる瞬間であった。

【二日目・4時30分/日本・東京都のどこか】

【ベクター(真月零)@遊戯王ZEXALⅡ】
【状態】人間形態
【装備】自分のデッキ
【道具】支給品一式、不明支給品その他
【思考】
基本:世界の破滅の為に暗躍する
1:対主催の「真月零」として対主催集団に潜伏
2:幹部や隊長に従順な特務機関員の振りをする
3:テラカオスの力を手に入れる
4:最終的に皆殺し
5:遊馬が死んで心底嬉しい

675血に染まる桜田門:2014/07/28(月) 02:51:36 ID:blTrCpxo0

水木一郎とフェイ・イェンを加えた警察組はDMC狂信者を止めるためにビッグサイトへ乗り込む前に、暴走したはるかさんとの戦闘で負ったダメージと疲労の回復、そして守るべき少女を失ったジバンこと田村直人のメンタルケアをするために東京の一角で一時休憩を取ることになった。
DMC狂信者は個々の戦闘力が低い者が多いとはいえ、その数は圧倒的であり、激戦が予想される。
実力をフルに発揮できるように休めるうちには休むべきという判断であった。


しかし、その判断が最悪の結果を招いてしまった。彼ら警察組は天魔王軍に目をつけられてしまったのだ。
正義を掲げる警察組は天魔王軍の傘下に相応しいとオルゴ・デミーラは思えず、逆に新たに手に入れた戦力、マシンモンスターの性能がいかほどのものかを試すためのモルモットに彼らが選ばれてしまったのだ……


交戦開始から約30分、既に警察組は中程度の打撃を受けており、逆に天魔王軍はほとんど無傷であった。
それでも諦めずに交戦するは正義の警察組!


「キルコストーム!」

キルコのトンファーブレイドから発生させた竜巻が天魔王軍を襲う……しかし、ヘルクラウダーが強力な真空波を放ち、竜巻を消し去ってしまった。

「そんな、キルコストームが効かないなんて! うっ、また眠気が……」

相手は風使いモンスターのヘルクラウダー。風の扱いに関してはキルコより何枚も上手であった。
そして、彼が呼び出した配下のベビークラウドが唱える睡眠魔法『ラリホー』によって幾度も睡魔に襲われ、彼女自身満足に戦えないでいた。
そして動きが鈍くなったところをつかさず、ヘルクラウダーのかまいたちが彼女を襲う!

「うわああああああ」

キルコは睡魔に足を取られながらも、気力を振り絞って回避しようとするが完全にはかわしきれず、肌と服が切り刻まれて周囲に血を撒き散らす。
彼女ほどの実力者でなければ出血どころか全身がバラバラになっていたところだ。


「プテラ、ねごとでござる!」

一方、空蝉丸ことキョウリュウゴールドはプテラに指示を出し、キラーマジンガへ攻撃させた。
戦法は今は亡き暴走はるかさんを苦しめた、ステルスロック→ねむる→ねごと→ふきとばしのコンボだ!
だが、その戦法はキラーマジンガには通用しなかった。
はるかさんとは防御力が桁違いであり、ステルスロックで生み出した鋭利な岩がキラーマジンガの装甲を貫徹しないのだ!

「硬い、硬すぎるでござる! なんとか活路を見いださねば……」
「おまえに考えごとをしている余裕はないぞ」
「ぬっ!?」

空蝉丸の耳に女性の声が響くと、上空から光弾のようなものが飛来してきた。
空蝉丸は光弾をローリングで回避するが、光弾が着弾した道路は穴あきチーズのように削り取られてしまった。
光弾を放ったのはアストロスイッチを使って変身する怪人ゾディアーツ、その中でも上位種である幹部級怪人ホロスコープスのヴァルゴ・ゾディアーツであった。
女性型のフォルムに天使のような羽を持つ妖しい女性のような姿に騙されてはいけない。
この怪人は空間を操る超強力なゾディアーツなのだ。

(最初はこの姿に戸惑ったが、使ってみればこれ以上にない武器になるな。
この力と天魔王オルゴ・デミーラの力があれば、巨人も竜も怖くない!)

ちなみにヴァルゴの中の人は、ミケ・ザカリアスという男である。
ゾディアーツは本来の性別に関係なく、異性の怪人に変身することもあるのだ。
彼はモブ参加者から奪った支給品の中で、強力かつ最も適合するスイッチとして天魔王から与えられたのだ。
さらにキラーマジンガの命令権を与えられ、コンビネーションで空蝉丸とプテラを追い詰めている。

676血に染まる桜田門:2014/07/28(月) 02:52:36 ID:blTrCpxo0


巨大ロボット・タテガミライオーに乗るフェイ・イェンが対峙していたのは緑色の塗装を施されたデスマシーンであった。
こちらでも他の警察組と同様、苦戦を強いられていた。

「ホラホラ、一撃でも喰らうとヤバい核攻撃だぞ〜!」
「この! 核爆弾やミサイルなんて物騒なものをあたり構わず撃ちまくるなんて……!」

デスマシーンには核爆弾――といっても都市一つを消し飛ばす戦略核ではなく、遥かに威力の低い戦術核を装備していた。
しかし、核が強力なのは変わりなく、一撃でも直撃を喰らえばタテガミライオーと言えどひとたまりもない故に、フェイ・イェンは敵の懐へ迂闊に飛び込むことができないでいた。
だがこのままでは、デスマシーンにもう一つ搭載されている武装・大量のミサイルで装甲を削られ続け、タテガミライオーは大破に追い込まれるであろう。

その様子をデスマシーンの内部でほくそ笑みながら見ているのは平山幸雄であった。
ミケの持ち帰った個体の内部には、ちょうどコクピットのように人一人が入れるスペースがあったので平山が入り込むことにしたのだ。
コンソールがないので直接操縦はできないが、その代わり最も近い場所でデスマシーンに指示を出すことが可能になった。
そしてミケがキラーマジンガを命令できるのに対し、平山はデスマシーンへの命令権を与えられていた。


メタルヒーローの一角である、ジバン・田村直人すら今までになく苦戦を強いられていた。

「ジバンエンド!!」

マクシミリアンソードにエネルギーを集め、敵に突進し、斬りつける。
メタルヒーロー伝統の必殺技、レーザーブレードによる必殺技だ!

「ビー、損傷軽微、戦闘行動二支障ナシ」
「なんだと、ぐはッ!!」

乾坤一擲の必殺技さえもエビルエスタークの装甲を貫ききれず、カウンターとして剣による一撃がジバンの胸部に襲いかかった。
その重い一撃は特殊合金で作られている堅牢なボディにも大きなヒビを入れる!

「ぐッ……なんてパワーだ!?」
「ジバンッ! 今、助けるゼーット!!」
「まきょー!」

ダメージを受けたジバンを援護するため、水木のアニキはスタンド『ザ・アニキング』を発動させるべく、魂を込めた熱唱を始める。
それはアニキの横にいるまこちーも思わず歌い出したくなるほど、熱い熱い歌であった。

「今だ 出すんだ ブレスト――♪」
「いてつくはどう!」

だが、その熱唱も天魔王軍の長であるオルゴ・デミーラによる凍てつく波動によっていとも容易く妨害されてしまった!
顕現しかけたマジンガーZが一瞬にして霞のようにかき消える。

「まきょ!?」
「ザ・アニキングが発動しない!?」
「歌によって精霊の類を召喚する能力かしらね? だけど私の魔力と美しさの前では全て無意味よ」

今まで多くのマーダーを倒してきた正義の警察組が、悪の天魔王軍の圧倒的な力の前に押されていた。
そして、今まで持ちこたえていた警察組も、いよいよ敗北の時を迎え入れることになる。


――最初に戦線が崩れたのは空蝉丸とプテラの一人と一匹であった。

「プテッーーーッ!?」
「プテラッ!!」

プテラがキラーマジンガの右手に装備されたハンマーで殴打されて吹っ飛び、そのままビルの壁にめり込んだ!
トレーナーである空蝉丸が必死に名前を呼んで安否を確認しようとするも、プテラは応じることはなかった。

「ペットの心配をするよりも自分の心配をしたらどうだ?」
「クッ、おのれ!!」

プテラが倒された空蝉丸が怒りのままにヴァルゴに突撃する。
ヴァルゴも迎撃のために光弾をいくつも放つも、空蝉丸はそれを全て回避し、愛刀・ザンダーサンダーの届く間合いまで詰め寄ることができた。

「!」
「プテラの仇でござる!」

677血に染まる桜田門:2014/07/28(月) 02:53:39 ID:blTrCpxo0

ヴァルゴを袈裟斬りにするべく空蝉丸は一太刀入れた、ハズだった……

「なにッ!?」

刀を振り下ろした瞬間、ヴァルゴは前触れもなく空蝉丸の眼前から消えた。
その直後、空蝉丸の両腕にワイヤーのようなものが背後から絡みつき、自由を奪う。
ワイヤーの正体は本来は巨人を駆逐するために作られた移動機械である立体機動装置。
そして空蝉丸を捕まえたのは目の前から姿を消したハズのヴァルゴ――ミケであった。

「う、動けぬでござる!」
「残念だったな、この空間能力を操れるヴァルゴには瞬間移動の能力もあるんだよ。
さて、遊びは終わりだ……アンタに恨みはないが、オルゴ様のために死んでもらうぞ」
「殿、先立つ拙者にお許しを――」

ヴァルゴは身動きの取れなくなった空蝉丸に無慈悲な光弾を撃ち込む。
光弾は避ける術のない相手にガオンと直撃し、空蝉丸はこなみじんになって死んだ。
この世に残ったのは彼の持っていた武器と支給品だけである……



「う、空蝉丸さーーーんッ!」

仲間の無残な死にキルコは叫ぶ。
だが、その僅かな隙を突くように敵は容赦なく攻撃を与えてくる。
デスマシーンが標的をタテガミライオーからキルコに変更し、大量のミサイルを撃ち出してきたのだ。

「くっ……あああ!」

ミサイルの雨をかわし続けるキルコであったが、すぐ近くにいるヘルクラウダーつとベビークラウドまで支援に回り、睡魔を誘う魔法と風魔法が彼女の動きを鈍らせ、そして一発のミサイルが彼女に直撃しようとした。

「させない!」

そこへフェイ・イェンの乗るタテガミライオーがキルコの前に躍り出てミサイル直撃を間一髪で防ぎ、仲間の盾となったのだ。
……しかし、その判断は悪手であった!

「バカめ、引っかかったな! 最初から俺の狙いは後ろの女じゃない……おまえだ!」
「なんですって……はっ!?」
「核爆弾発射!」

仲間の誰かを狙えば、タテガミライオーのパイロットは見捨てずにロボの堅牢な装甲を生かして守ろうとする……デスマシーンに乗る平山は戦っているうちに敵パイロットの献身的な性格を読み取り、そこを逆手にとったのだ。
核爆弾が直撃すればタテガミライオーとて危険である、かといって避けてしまうと後ろにいるキルコが焼け死ぬことになる。
自分を見捨てるか、他人を見捨てるか……平山はタテガミライオーは前者の行動を取ることに賭け、そして賭けに勝った。
核爆弾が発射される寸前にフェイ・イェンは相手の目論見に気づくも、全ては手遅れであった。
もっとも平山の狙いに気づいたところで、彼女は仲間を見捨てる選択肢はとれなかったであろう。

「きゃあああああああああああああ!!!」

核爆弾は炸裂し、タテガミライオーを大破炎上させる。
搭乗していた少女の悲鳴と共に、巨体がメラメラと燃えながら近くのビルを崩すように倒れた。
不幸中の幸いなのは核爆弾の破壊エネルギーは全てタテガミライオーが受けきったため、後ろにいたキルコが命を落とさずに済んだことだろう。

678血に染まる桜田門:2014/07/28(月) 02:54:09 ID:blTrCpxo0


「フェ、フェイ・イェーーーンッ!」
「空蝉丸に続いてフェイ・イェンまでもが……」
「そんな……私のせいで……」
「まきょーーーーーーッ!!」

二人目の仲間の死に警察組の面子は慟哭する。
対して圧倒的な力を見せつける天魔王軍率いるデミーラは、飛車角が落ちた相手に王手を宣言するのであった。

「さて、そろそろフィナーレに入ろうかしら。合わせなさいエビルエスターク」
『了解シマシタ』

デミーラとエビルエスタークの腕に魔力が収束する。
ヴァルゴとキラーマジンガ、デスマシーン、そしてヘルクラウダーが周りを囲っているため、警察組は逃げ場はなく、これからくる天魔王の猛攻を彼らは避けることができない!

「喰らいなさいな!『イオナズン!』」

警察組を中心に二重の魔力による大爆発が発生した。
戦車数台など易々と吹き飛ばせそうな大爆発だ。
爆炎の中からジバンの、キルコの、まこちーの、アニキの叫びが木霊した。

……しばらくして爆発が止み、爆煙が風にさらわれた。
そこには表面装甲を満遍なく焼かれ、装甲が向けた部分から痛々しくスパークさせながらも、なお立ち続けるサイボーグのジバン。
キルコはトンファーブレイドを喪失し、立っているのがやっとのダメージを受けていた。
まこちーはほとんど軽い火傷で済んだが、これは爆発が起きる瞬間に水木の兄貴が彼女に覆いかぶさって守ったからなのだ。
では、まこちーを守った水木一郎はどうなったのか――

「ごふッ……」
「あ、アニキさん!」
「まきょ!? まきょおーーーッ!!」

水木は四人の中で最も重症であった。
爆風を諸にくらい、全身の大火傷に加えて大小の破片が体のあちこちに刺さっている。
出血も酷く、昏睡状態に陥った状態で地面に倒れていた。
素人から見ても、早く治療しなければ命を落とすとわかるぐらいの重症を彼は負ってしまったのだ。
水木に駆け寄るキルコと傍で泣き叫ぶまこちー、次々と倒れる仲間に仮面の下で苦虫を潰したような顔をするジバン。
そんな彼らに対して天魔王軍は無慈悲にトドメをさそうとする。

「あの攻撃を喰らって四人とも生きているなんて褒めてあ・げ・る。
……でもここまでよ。次で確実に終わらせてあげるわ」
「フッ……」
「クックック……」

天魔王軍が嘲笑いながら警察組を囲み、今度こそ四人を仕留めるために各々が総攻撃の準備に取り掛かる。
万事休すの状況……仲間を失い、消耗激しい彼らに天魔王軍を打破できる戦力は残されていない。

679血に染まる桜田門:2014/07/28(月) 02:54:37 ID:blTrCpxo0

――だが、そんな絶望的な状況でも仲間のために戦い続けようとする漢がいた!

「キルコ君、僕が突破口を開く。君は水木のアニキとまこちーを連れてこの場から逃げてくれ」
「ジバンさん、無茶です! その体では……」

ジバンのボディは中破していた。
武器もオートデリンガー……しかも故障によりファイナルキャノンは使えない等、戦闘力はガタ落ちであった。
この状態で天魔王軍に挑めば確実に殺されるだろう。
それでも構わずにジバンこと田村直人は戦う道を選択した。

「キルコ巡査、これは警視正の命令だ! 反論は許さん!」
「しかし!」
「聞くんだ! どのみち誰かが犠牲になってでも道を切り開かなければならない。
現状でそれができるのは機動刑事である僕だけだ」
「ジバンさん……」
「すまない、だが瀕死のアニキを担ぎ、まこちーを守れるのは君にしか任せられない仕事だ。
……それから、今までありがとう。
君達のおかげでまゆみちゃんを失い失意の中にいた僕が、再びこうして戦うことができたんだ。礼を言わせて欲しい」
「ジバンさん!」

一度は守れなかった五十嵐まゆみの死に戦意を失ったジバンだったが、仲間達の存在が彼を平和を守る刑事として再起させたのだ。
その仲間を守るためにジバンは警官魂を限界まで燃やそうとしていた。そして。

「メラゾ――」
「させるか! 行くぞ平和を脅かす魔物達よ!」
「なッ、早い!?」
「デミーラ様!」

ジバンはヴァルゴやヘルクラウダー、他のマシンモンスターを無視して、大将であるデミーラへ向けて突貫した。
そのスピードはとても手負いとは思えないほど早く、他の者達が主人を守るべく援護射撃を放つも尽く外れ、尚且つデミーラが魔法を唱えるよりも早かった。
文字通り決死の覚悟をした漢の底力である。
そしてジバンはそのままデミーラにタックルし、最寄りの飯店の壁を突き破りながら厨房までデミーラを連れて行った。

「ちょっと、痛いじゃないの! ってここはキッチン?」

壁にぶつける程度では人間形態とはいえ天魔王にダメージを与えるには至らない。
だがジバンには考えがあり、その一つとしてデミーラをプロパンガスの入ったガスボンベに押し付け、サブマシンガンとしてはまだ使えるオートデリンガーの銃口をボンベに向けた。

「ガス爆発で私を殺ろうっていうの?
オーホッホッホ、その程度で私が死ぬわけないじゃないの」
「……だろうな」

ガス爆発など魔法に換算すればイオラ、高く見積もってもイオナズン程度の威力が限界であろう。
殺すにはとても威力が足りないハズであり、デミーラはジバンの行為を嘲笑った。

「だが、おまえの首についている首輪は別だ――しかもこれだけの超至近距離からの爆発に耐えられるかな?」
「なんですって!?」

どんな強力な参加者にも首輪はついている。首輪が爆発すればいかなる参加者でも死ぬ。
それに気づいたジバンは、デミーラ自身を狙うより相手の持つ首輪を破壊しようと思いついたのだ。
首輪はおそらくガス爆発に耐えられるようにはできていない。
そして、ジバンは自分の命も顧みずに敵を抹殺しようとしている。
そのようなジバンの目論見がわかった瞬間、デミーラから余裕の表情が消えた。
引き金を引かれるよりも早くジバンを消し飛ばそうとするが、ジバンの方が早かった。

「対バイオロン法 第九条 機動刑事ジバンは、あらゆる生命体の平和を破壊する者を、自らの判断で抹殺することができる」

680血に染まる桜田門:2014/07/28(月) 02:55:08 ID:blTrCpxo0

お決まりの言葉、そして辞世の句になるだろうとする言葉を吐いてジバンは引き金を――

「ぐはッ!!」
「ミケ! ヘルクラウダー!」
「デミーラ様、ご無事ですか!!」

――引く寸前でヴァルゴが杖で、ヘルクラウダーが抜き手でジバンの胸部を背後から貫き、射撃を妨害したのだ。
さらにはサイズの関係上で店に入れないデスマシーン以外のマシンモンスターも遅れて店の中に入り、ジバンを囲んだ。

「くッ……」
「オーホッホッホ、残念だったわね。私には頼りになる精鋭がついていたのよ。
さあ! この天魔王に楯突いたことを後悔してお死になさいな!!」

九死に一生を得たデミーラは怒りと殺意を隠そうともせずにシャドーボールでジバンの頭を消し飛ばそうとする。

だが、ここまでがジバンの思惑通りであった。

(こ、これでいい……魔物を四匹も店の中に誘い込むことができた。
残り一体ならキルコ君達でも逃げ切れるハズだ)

そもそも首輪を破壊するだけなら銃で直接狙えば良いだけなのだが、それをせずに回りくどい方法を取ったことこそ、ジバンのもう一つの作戦である。
リーダー格の魔物を攫えば他の魔物が助けにやってくる。
さすれば仲間を囲う敵の数が減り、キルコ達の逃走がそれだけ楽になるということだ。
そのために飯店の中に残った敵を誘い込んだのである。


(キルコ君、僕のように散っていった正義の者達の魂を引き継いでくれよ……)

そして、最後に部下のキルコへ願いを託し、ジバンの頭部は至近距離からのシャドーボールで粉々になった。



しかし、頭部が弾け飛ぶ寸前に、脳からの電気信号――否、彼の警官魂は銃を握る指にまで届き、引き金を引かせ、オートデリンガーに火を吹かせた。

「なっ……!」

弾を受けたボンベが爆発し、デミーラ達のいた飯店は大爆発を起こして木っ端微塵に吹き飛んだ。

 #

「で、デミーラ様ぁー!!」

ただ一人、店の外に残ったデスマシーン及び平山は、デミーラが連れ込まれた飯店が大爆発を起こした瞬間を目撃した。
デミーラがあの程度の爆発で死ぬとは考え辛いが、万が一ということもあり、平山は大いに焦っていた。
その平山の注意が爆発を起こした飯店に向いていた瞬間を見計らうように、先ほどまでビルの壁にめり込み死んでいたと思われていたプテラが自力で復帰し、キルコ達三人を背に乗せて急いでこの場から飛びたったのだ。

「はっ、逃がすか!!」

一息遅れて平山は仲間を乗せて逃げようとするプテラの存在に気づき、デスマシーンに搭載されたミサイルで撃ち落とそうとする。
ところが、突如足場が揺れ出してミサイルの照準が外れてしまった。

「クソッ……こんな時に地震か!?」

時刻は約4時30分、その地震は同時刻に都庁にあるフォレストセルが起こしたものであり、その偶然がキルコ達を救ったのだった。
再度、デスマシーンが捕捉しようとするが、その頃には敵に射程圏外まで逃げられていた。

「取り逃がしてしまったが……あんな手負い共、いつでも殺れる。それよりもデミーラ様だ!」

681血に染まる桜田門:2014/07/28(月) 02:56:05 ID:blTrCpxo0

この殺し合いを生き延びるにはオルゴ・デミーラの力が必要だ。
また、主催を下して殺し合いが終わった後の世界で成り上がるためには天魔王の力添えが必要である。
成り上がればわざわざアカギに成り済ます必要もなくなり、鷲巣以上の地位や権力を握って甘い蜜を吸いたいのならば天魔王には生きてもらわなければ困る。
そのためにもデミーラの安否を心配し、デスマシーンから急いで降りた平山であったが、それは杞憂に終わった。
デミーラはヴァルゴ共々、平山の前にワープしてきたからだ。
ついでにマシンモンスター達も大したダメージもなく、瓦礫の中から現れた。

「デミーラ様! ご無事でしたか!」
「ええ、ヴァルゴの瞬間移動能力でなんとか首輪が破壊される前に脱出できたわ。
やれやれ、時代や形は違っても『勇者』はいつも厄介だわね」
「だが、ヘルクラウダーは間に合わなかった……」

ヘルクラウダーだけ瞬間移動が間に合わずに爆発に巻き込まれてしまった。
番人として君臨していたヘルクラウダーがガス爆発一つで死ぬことはまずないのだが、首輪はそうはいかずに破壊され、首輪の爆発で首から上が吹き飛んでしまった。マシンモンスターが無事なのは支給品扱いである彼らには首輪が無いからである。
ちなみに、親玉の死を嘆くベビークラウド達はその後、デミーラが預かり直接の配下となった。

「今回の戦いでわかったこともあるわ。
マシンモンスターの素晴らしさと……やっぱり、この美しくない首輪は戦闘の邪魔になることね。
可能な限り早く、これを取り去る必要があると感じたわ」

どれだけ実力があろうとも首輪を破壊されてしまえばそれでおしまいであり、しかも制限によって一定以上の実力は発揮できないなど、首輪は足枷にしかならない。
誰にとっても無用の長物……先の戦闘でそれを取り去ることに性急性を感じた天魔王は、配下の平山とミケに指示を下した。

「平山ちゃん、首輪を外せそうな技術者の目星はついてる?」

平山がノートパソコンを開き、掲示板に目を通す。
記憶力に優れた彼ならば他の参加者が見落としそうな僅か数行の一レスすら見落とさない。

「東京都にいるだけで候補は数人ほどいますが、有名な技術者のブリーフ博士が最有力でしょう。
また、つい先ほど東京入りしたとの報告があります」
「あら、名前はアレだけど、おヒゲがチャーミングな可愛らしいミドルね」
「そ、そうですか……? ともかく、この博士の身柄を誰よりも早く押さえる必要があるでしょう。
捕まえた後は拷問するなり、人質を取るなり……いかなる方法を使ってでも首輪を解除させましょう」

ここでミケが地図と掲示板の最新情報を照らし合わせて意見をする。

「だが、この博士がいる場所は、都庁・官邸のどちらにも近い。どちらにでも博士を確保されたりすると非常にまずいぞ」
「確かにな。都庁は人間は迎え入れないのが基本方針らしいが、番人とされる男達や大阪で巨大ロボを破壊した赤毛の女の例外もある。
首輪解除できる技術者となれば都庁軍も殺さずに捕まえるだろう。
官邸に関しても、あの巨木を操っているのは人間らしい……スタンスはわからんが、こちらも首輪はさっさと外したい筈だ」
「掲示板も30分以上前の情報だし、この時間帯では既にどちらかに接触し匿われているかもしれないな」

どんな参加者でも首輪を外せる技術者は喉から手が出るほど欲しいハズだ。
もちろん天魔王軍とてそうであるし、技術者が他の勢力に渡るのは面白くないハズだ。
だが、天魔王はブリーフ博士が既にどこかの勢力に組み込まれている可能性があるにも関わらず大胆不敵に笑っていた。

「オーホッホッホ、そんな肝っ玉の小ささじゃせっかくの美貌が台無しよ二人共?」
「し、しかしデミーラ様……」
「その博士がどこかの勢力に引っ張られたら、その勢力を徹底的に叩き潰して博士を奪えばいいだけじゃないの。
私達はそれだけの力を持っている。さっきの戦いでそれが証明されたじゃない?
もう弾除けのために情報操作で悪事を都庁に押し付ける必要だってない。
都庁だって、ビッグサイトだって私達の敵ではないとわかったでしょ?」
「……そうですね!」
「あ……ああ!」

東京都のマーダーというマーダーを退治していた警察組は天魔王軍の圧倒的な力の前に敗れ去った。
ヘルクラウダーは犠牲になったが、戦力の要であるマシンモンスターは健在であり、マシンモンスターの強さはメタルヒーローやスーパー戦隊でも止めることはできなかった。おまけに所持している支給品もほぼ無数。
デミーラの言葉によってその事実を思い出し、自分達は都庁やDMC狂信者などの他の勢力を凌駕する力を持っていることを自覚した私兵達は士気を高めるのであった。

682血に染まる桜田門:2014/07/28(月) 02:56:58 ID:blTrCpxo0

「さて、それじゃあ博士を追うとしましょうか。平山ちゃんは案内をお願いね、ミケちゃんは周囲の警戒を頼むわよ」
「「おまかせくださいデミーラ様!」」
「我ら天魔王軍の快進撃はこれから始まるのよ!! オーホッホッホッホッホッホッホ!!」

高笑いを発しながら、平山の先導にしたがって天魔王軍はブリーフ博士確保のために歩を進めるのだった。


【二日目・5時00分/日本・東京某所】

【天魔王軍】

【オルゴ・デミーラ@ドラクエ7】
【状態】ダメージ(微小)、魔力消費(微小)、美しい人間形態
【装備】闇のルビー
【道具】支給品一式、香水、口紅、ベビークラウド×いっぱい@ドラクエ7
【思考】
基本:主催者を美しく皆殺しにして自分が支配者となる
0:首輪を外せそうな技術者のブリーフ博士を確保する
1:都庁、DMC、主催者その他、邪魔な勢力を一掃する
2:首輪も処理できれば処理しておきたい
3:部下にふさわしい参加者がいれば、新しい天魔王軍として美しくスカウトする
4:日本以外を潰した首謀者がいるなら、そいつも美しく殺す
5:できれば醜い本気形態にはなりたくない
※美の感じ方は人それぞれです
※平山より、主催者が九州ロボにいる情報を手に入れました
※エビルエスタークとベビークラウドを直接の指揮下においています

【エビルエスターク@DS版DQ7】
【状態】ダメージ(微小)、すれ違い通信によりレベルMAX状態
【装備】不明
【道具】無し
【思考】基本:オルゴ・デミーラに従う

【平山幸雄@アカギ〜闇に降り立った天才〜】
【状態】健康、 士気高揚、デスマシーンに搭乗中
【装備】サングラス、雀稗
【道具】支給品一式、大量の不明支給品(内容確認済み)
【思考】基本:死にたくないのでオルゴ・デミーラに従う
1:戦闘は無理なので、後方支援に徹する
2:天魔王軍の一員として、この世界で成り上がってやる……!
※デスマシーンを直接の指揮下においています、また内部に搭乗しています。

【デスマシーン@FF・SaGaシリーズ】
【状態】弾薬消費(小)
【装備】大量のかくばくだん、大量のミサイル
【道具】支給品一式
【思考】基本:オルゴ・デミーラに従う

【ミケ・ザカリアス@進撃の巨人】
【状態】疲労(小)、士気高揚、ヴァルゴ・ゾディアーツに変身中
【装備】乙女座のホロスコープススイッチ@仮面ライダーフォーゼ、立体機動装置一式
【道具】支給品一式、大量の不明支給品(内容確認済み)
【思考】基本:死にたくないのでオルゴ・デミーラに従う
1:ゾディアーツの力を使い、天魔王の手先として働く
2:天魔王の力があれば、ドラゴンも巨人も怖くない……!
※キラーマジンガを直接の指揮下においています、

【キラーマジンガ@DS版DQ7】
【状態】ダメージ(微小)、すれ違い通信によりレベルMAX状態
【装備】不明
【道具】無し
【思考】基本:オルゴ・デミーラに従う

【ヘルクラウダー@ドラクエ7 死亡確認】


 #

683血に染まる桜田門:2014/07/28(月) 02:57:31 ID:blTrCpxo0

同時刻、東京の上空。
生き残った警察組である音無キルコはプテラの背で水木の応急処置を行っていた。しかし……

「ダメだ……傷が深すぎる。応急処置だけじゃアニキさんが持たない」
「まきょ〜……」
「早く治療できるお医者さんと場所を見つけなければアニキさんが死んでしまう……」

水木のアニキを救うためには適切な治療ができる者の手が必要であった。さもなくば彼は命を落としてしまう。
しかし、医者のアテはなく、プテラは『ひんし』状態であり、体に鞭打ってかろうじて飛行している状態だ。
そう遠くへは――少なくとも危険地帯である東京都の外までは飛べない。
そうこうしている内に先に死んだ三人に続いてまた一人仲間を失ってしまうかもしれない事に、キルコは大いに焦っていた。

「まきょ!?」

――同時に激しい怒りもこみ上げ、キルコは今までにないくらいの殺意を込めて都庁を睨みつけた。
それは傍にいるまこちーが思わず竦むほどである。そして、都庁に向けて呪い言葉を呟いた。

「多くの人々を襲い、ジバンさんやウッチーさん、フェイ・イェンちゃんを殺し、アニキさんの命まで奪おうとする『都庁の魔物』! 絶対に許しません! ジバンさんのためにも一匹残らずやっつけてやります!!」

キルコは天魔王軍を都庁の軍勢の一派だと誤解している。
それもそのハズ、キルコには魔物と魔族を区別できるほど両種族のことを知らない人間の一人なのだ。
天魔王軍には人間の私兵はいたがミケは怪人に変身し、平山はデスマシーンに搭乗していたので人間がいたことを認識されていない。
都庁の魔物が機械文明を嫌う事も知らないのでマシンのモンスターがいたとしても彼女の中では違和感がなかった、
さらに、かつて天魔王軍が行った情報操作も手伝って、都庁軍は専守防衛しかしないことを知らず、今でも参加者を狩り続けていると思い込んでいる。
故に全く関係無い都庁の魔物に復讐心を向けてしまった。

「……だけど今は、アニキさんを助ける事が先です」

とはいえ、今すべきことを放棄してしまうほどキルコは怒りに飲まれてはいない。
報復に出たくともキルコ自身も手傷を負い、武器を無くし仲間を無くしと、今から都庁へ攻め入ったところで呆気なく返り討ちにあうのは目に見えている。
都庁に攻め込むのは仲間と武器を揃えるのが先だ。
何より今はデミーラから逃げおおせ、医者を見つけてアニキを救うことが先決である。

「お願い! 必ずあなたを治療できる人や場所を見つけますから、アニキさん、どうかそれまで持ってください……!」

ダメージで昏睡状態にある水木一郎はキルコの言葉に答えられない。
水木まで喪失するかもしれない不安がキルコの胸を刺していた。
それでも今はただ、ジバン達が残した希望を信じて飛び続けるしかないのだ。


【警察組 半壊】


【空蝉丸@獣電戦隊キョウリュウジャー 死亡確認】
【田村直人@機動刑事ジバン 死亡確認】

【音無キルコ@新米婦警キルコさん】
【状態】ダメージ(大)、疲労(大) 、強い悲しみと怒り
【装備】モンスターボール(プテラ/ひんし)
【道具】支給品一式
【思考】基本:主催を成敗して殺し合いを止める
0:今は都庁軍(オルゴ・デミーラ)から逃げ、アニキさんを治療できる場所と人を探す
1:都庁軍は必ず倒す、都庁軍と戦える仲間を探す
2:ジバンさんとウッチーさん、フェイ・イェンちゃんの仇は必ず取ります……!
3:はるかさん……!
4:ビックサイトのDMC狂信者も気になるが、危険な都庁の魔物を倒すのが先
5:主催者の本拠地を探す
6:ハル先輩達、無事かなぁ?
※オルゴ・デミーラ率いる天魔王軍を都庁軍の一派だと誤解しています
※ひんし状態のプテラでは東京都の外までいける距離を飛べません

【まこちー@ぷちます!】
【状態】ダメージ(中)、とても深い悲しみ
【装備】きあいのタスキ
【道具】支給品一式
【思考】基本:まきょー
1:キル子についていく
2:ウッチー、ジバンさん、緑色のロボットさん(フェイ・イェン)を悼んでいる
3:真とちひゃー、765プロ、はるかさんの面々の死に深い悲しみ
4:襲われたら全力で戦う

【水木一郎@現実】
【状態】ダメージ(極大)、とっても重症だゼーット!
【装備】赤いマフラー、マイク、ライオアタッシュ
【道具】支給品一式
【思考】基本:俺の歌で殺し合いを止めるゼーット!
0:昏睡状態
※スタンド『ザ・アニキング』を呼び出す事が可能です。
 アニキの歴代の持ち歌のヒーロー達をヴィジョンとして呼び出し能力を行使できます。
※早急に治療を受けないと死亡する恐れがあります

 #

684血に染まる桜田門:2014/07/28(月) 02:57:58 ID:blTrCpxo0

天魔王軍が去りし後、瓦礫の中から一体の少女が現れた。
――死んだと思われたフェイ・イェンHDだ。

「ありがとう、タテガミライオー……」

実は彼女は意思を持つロボ、バディゾード・タテガミライオーの手によって核爆弾が直撃する寸前で脱出させられたのだ。
搭乗機の献身にフェイ・イェンは感謝を禁じ得なかった。

脱出直後にはビルの瓦礫に巻き込まれて下敷きになり、その際にロボットである彼女は衝撃とダメージで一時的な機能停止を起こし、死んだものと誤認されたまま瓦礫に埋まることで天魔王軍の攻撃を偶然やり過ごした。
そして、天魔王軍が警察組を敗走に追いやり、今後の方針を話し合っているところで再起動したため、瓦礫の下を会話を盗み聞くことに成功したのだ。

「それにしても、あの人達は都庁の魔物じゃない? それに情報操作ですって!?」

デミーラ自身が語ったキーワードからフェイ・イェンは事態を理解した。
都庁の魔物に罪を擦り付けて自分達警察組や他の参加者の目を欺いていた邪悪な勢力の存在に彼女は気づいたのだ。

「都庁の魔物が人々を無差別に襲っているという話もひょっとすると情報工作によるもの?!
なんてこと! 早く他の人達に天魔王軍の危険性を伝えないと……あぐッ!」

天魔王軍が見えなくなったのを見計らって、急ぎ他の参加者に真実を知らせようとするフェイ・イェンだったが、核爆弾の直撃は避けたとはいえ彼女自身もかなりのダメージを受けていた。
特に右腕は破損し、これでは武器のジェイド・フォーキー(ネギ)も握れない。

「このままじゃろくに戦えない。例え今から機動兵器のサイズになっても、天魔王軍にはまず勝てない……
早く修理部品を探さなくちゃ。特にどんなダメージも一瞬で修繕できるリペアキットが見つかればなお良いんだけど……」

天魔王軍の危険を他者に知らせる他に、自分を修復できる部品を彼女は探す必要があった。
付近をざっと捜索するも、この場には彼女を直せる部品は存在しなかった。
自分を守ってくれたタテガミライオーは核で隅々まで黒焦げになり、気持ち的にも物理的にもパーツを拝借することはできない。
その代わり、武器を見つけることはできた。

「これは空蝉丸さんの形見……お借りします」

つい先ほど亡くなった空蝉丸が持っていたガブリチェンジャー、ザンダーサンダー、破損を免れた獣電池を回収した。
彼女に扱えるか不明だが、間違ってもDMC狂信者などのマーダーの手に渡ると厄介な事になるだろうし、自分でなくともこの装備を使いこなせる対主催の参加者はいるかもしれないので回収することにした。
一方、死体は見つからなかったので、フェイ・イェンは水木・キルコ・まこちーの三人は無事に天魔王軍から逃げ切れたことを確信する。

(どうにも不安が拭えないですけど、アニキ達はきっと無事ですよね?
もう一度、あの素晴らしい人達に会うためにも今は生き延びなきゃ!
そしてジバン、ウッチー、どうか私達を見守っててください……)

死者に祈り、仲間の安全を祈りつつ、機械少女は一人東京をさすらうのだった……



【フェイ・イェンHD@スーパーロボット大戦UX】
【状態】ダメージ(大)、等身大、右腕破損
【装備】ジェイド・フォーキー
【道具】支給品一式、ドラムセット、獣電池(トバスピノ) 、ガブリチェンジャー、ザンダーサンダー 、獣電池(プテラゴードン×2)
【思考】基本:殺し合いを止める
0:どこかに自分を修理できるもの(リペアキットなど)はないでしょうか?
1:天魔王軍の悪行を他の参加者に伝えたい
2:アニキたちの身の安全が心配
3:アニキと共に自分の歌をみんなに届ける
4:死んだ『あの子』のためにも必ず殺し合いを終わらせる
5:SATSUGAIとか言ってる人達は必ず止める
6:東京都庁がなんか気になる
※アニキの持ち歌はほぼマスター済みです
※獣電池にブレイブインできるかは不明です
※キルコたちや天魔王軍に死んだものと誤解されています
※都庁軍を偽る天魔王軍の存在に気づきました

685>684:2014/07/28(月) 11:14:07 ID:blTrCpxo0
タイトル誤字った。
wiki登録時は「血に染まる桜田門」→「血に染まる桜田紋」でお願いします。

686戦場 朱に染まる:2014/07/28(月) 11:31:07 ID:PluPhwa.0
それは、まさしく死闘だった。

白銀の鎌は幾度となく少女たちの柔肌を切り刻む。
黄金の暴力は幾度となく元英雄を打ちのめす。
戦闘経験――敵対者を殺した数――の埋めようない差、そして人間と魔物という種族の差。
さらに戦うことができない少女を守りながらという極めて重いハンデ。

それでも、彼らは諦めるということをしなかった。

この殺し合いで多くの仲間や友人を殺され、そしてまた目の前で仲間を殺されて。
これ以上、誰かを殺させてたまるかという強い思いがそこにはあった。
その意地が、格上の相手にも必死で食らいつく原動力となる。

二体の死神は、獲物のしぶとさに心底驚く。

彼らは確かに絶妙なタイミングで仲間を裏切った。結果として、多数の獲物を先制して狩ることができた。
しかし、同時に大きなミスを二つおかしていたのだ。

一つ。戦場が回復の泉であり、獲物であった魔法少女は耐久力と回復力が持ち味であったこと。
彼女は幾度切り刻まれても、まるで痛みを感じていないかのように攻め込み、その分白銀の死神は後ろに下がることなる。
二つ。攻め込んだタイミングが、放送まで1時間もない時刻だったこと。
少女たちと元英雄が、泉の恩恵もあり粘ったことにより……その時は訪れた。

定時放送。
無数に呼ばれる死者の中には、自分たちが殺した象と少女の名前も当然含まれる。
首輪を外したという危険人物、魅力的な報酬の情報も流れたが、そんなものはここに住む魔物にとっては二の次であった。

『総員、至急まどかを守れ!』

巨体故に救援に駆けつけられない氷竜は、代わりに配下の魔物に緊急指令を下す。
確かに氷竜と雷竜が駆けつけられないという読みは、死神たちの思惑通りだった。
しかし逆に言ってしまえば、他の魔物はこの場所に来れるのである。
それも、戦闘現場は既に割れているのだ。

雷竜が生み出す移動磁軸で、瞬時に大量の魔物が泉の部屋周辺になだれ込んだ。

『グオオオォォォォウ!』

仲間の危機には真っ先に駆けつける骨竜が、金色の死神の腕に齧りつく。
氷の蟷螂は、親友の裏切りに驚きつつも……次の瞬間にはお互いの鎌がぶつかりあっていた。
その隙に、他の魔物は少女たちと元英雄、そして守るべき希望を逃がした。
金色の死神が吐き出す破壊光線からも、その身を犠牲にして守り抜く。

『ど、どうして……』

逃がされる最中、魔物を悪だと決めていた魔法少女は思わず零していた。
目の前で、金色と銀色の死神はさらに暴れ狂っている。生贄だ、血祭りだと叫びながら。
骨竜の腹部が、金色の拳に打ち抜かれる。氷の鎌の一つが砕け散る。それでも彼らは止まらない。抵抗を続ける。

『……ニゲロ』

確かに、骨竜の言葉が聞こえた。

人間であり、ここを訪れたばかりの者には決してわからないであろう。
かつて食人鬼に一人果敢に挑んだ熊のように、ここの魔物はみな強い思いを持っている。
生きたい。自分にそれが無理ならば、仲間が生きられるようにしたい。自分の犠牲で他の仲間を助けられるならばそれで構わない。
ある種の自己犠牲精神、最大多数の幸福思想。

687戦場 朱に染まる:2014/07/28(月) 11:31:39 ID:PluPhwa.0
『ムシケラどもがぁぁぁぁぁぁ!』
『逃がすかよぉ雌豚どもがあああぁぁぁ!』

金と銀はかつての仲間を振り払い、本来の獲物を狙おうとする。
しかし――

『――覚悟はできているか、裏切り者よ』
『これ以上、あの方に負担はかけられない。だから、私が貴方を倒します!』

立ち塞がるは双璧、魔王と麒麟。
死神たちは僅かにたじろいだ。
魔王の実力はもはや説明不要。麒麟も怒りによるものなのか、まるで金色の死神と同じように髪を荒ぶらせ、雷を纏っていた。

『へ、どの道お前もSATSUGAIしてやるつもりだったんだ! この世に魔王は、クラウザーさん以外いらねェ!」
『真似をしたところで、この俺を超えることなどできぬぅ!』



――そして――



『ガ……』

白銀の死神、デスマンティスは満身創痍の状態で大広間に晒し者となっていた。
その体はいたるところが石化し、もはや己の意思で動かせるのは頭部のみ。
魔王ダオスの拳は石化の力を有しており、その体は物理攻撃を受けつけない。
物理攻撃しかできず、石化に対する耐性を有さないデスマンティスには最初から勝ち目などなかったのである。

「気分はどうだ?」
『いい気になるなよ……まだアイツが、ラージャンが……』

「極光連撃ッ!」
「ば、馬鹿なあああぁぁぁぁ……!?」

天井が崩れると同時に、金色の魔獣が金色の聖獣の一撃を受けて地面に叩きつけられる。
なんとか起き上がろうとするラージャンだが、巨大な鉄球による追撃を受けてそのまま動かなくなった。

『う、嘘だろ!?』

顔面への棘鉄球直撃。抉られ潰されたその凄惨な光景は、頼みの綱であった相棒の死を嫌でも認識させた。

「……石化した貴方に、この鉄球をぶつければどうなるでしょうね」

二つの巨大な鉄球を従え、サクヤはデスマンティスに歩み寄る。
聖煌天――その角と尻尾は得物と同じくさらに攻撃的な形状となっており――彼女の本気の姿に、デスマンティスは僅かな恐怖を覚えた。

「待てサクヤ。この裏切り者を砕くのはもう少し後だ」

今にも石化粉砕の一撃を繰り出そうとするサクヤを宥めるダオスではあるが、彼の眼の方が遥かに冷徹であった。
そして大広間に集った、多くの生き残った魔物たちの憎しみの言葉と視線が、一人残されたデスマンティスの身に突き刺さる。
まだ風鳴翼の強襲から大した時間も経っていない状態で、信頼を裏切った彼に対しては当然の対応だろう。
どう足掻いても、デスマンティスの生はここで終わりを告げる。それは揺るがない。

『クハ……ハハハ、ハハハハハハハ!』

それでも、デスマンティスは笑った。

688戦場 朱に染まる:2014/07/28(月) 11:32:17 ID:PluPhwa.0
『俺とラージャンを倒したくらいでいい気になるんじゃねえぞ……お前らは全員、クラウザーさんの生贄! それは絶対だ!』
『まさかお前が、DMC信者に寝返っていたとはな……』

雷竜が苦々しげに呟くと、さらにデスマンティスは笑う。

『わかってねえなぁリーダー? 俺は寝返ったんじゃない。正気に戻ったんだ。森の中での刺激の少ない生活なんて真っ平だ!
 SATSUGAI、SATSUGAI、SATSUGAI! 獲物の首をただただ刎ねる! この最高の快楽を、そしてあの素晴らしい歌を教えてくれた!
 クラウザーさんこそが! この世で! 何よりも大切なものなんだよぉ! 
 ハハハハハハ、俺らが殺して、お前らが俺たちを殺す。なんの問題もない、俺のこの魂もクラウザーさんの役に立つのかと思うと……
 興奮せずにはいられねえよなあ! お前らも、死んだ奴ももっと喜べよ! あのクラウザーさんの役に立てるんだぜぇっ!?』

――狂っている。
その場にいた誰もが、そう思った。
生き残り、魔物と同じようにこの部屋に集められた人間たちも、同じ感情を抱く。
蟷螂の言葉は普通の人間にはわからない。しかしその表情が、纏う空気が、全てが普通ではない。
心の底から殺戮を好み、メタルの魔王に心酔した狂気の、文字通りの魔物。

『確かに、我ら竜や魔物は多くの生を奪う存在。お前達の一族が特に闘争本能が強いことも知っている。
 特定の人間に肩入れをしてしまう気持ちもわかる。だが……何故ここまで無差別に命を刈り取る必要があった?』
『クラウザーさん復活のためには、多くの生贄が必要だ。質じゃなくて、量がな……
 今、この世界樹には俺の見知った顔が、見知らぬ顔が、数え切れない程沢山いる。それはとっても生贄向きだとは思わないか?』
『其れほどまでに、クラウザーという人間に――』
『さんをつけろよリーダーァァァァァ!』

噛み合わない、理解の出来ない会話と思考。
デスマンティスに飛びかかろうという魔物はいなかった。怒りよりも、困惑の感情が大きい。
代わりに、二人の人間がデスマンティスの前に歩を進めた。

「まだ状況を飲み込めてないっすけど……要するにこいつはDMC狂信者で、みんなを殺したってことっすよね?」
「私たちもDMCのファンだから、クラウザーさんが死んじゃったのは辛いよ。でも……」
『黙れメス豚がぁ! お前に俺たちの、クラウザーさんの何がわかる!』
「……誰か通訳お願いするっす」

「は、わかってないのはそっちっすよ! あんたたちの方が、DMCファンの面汚しっす!」
「なんでクラウザーさんが、こんな殺し合いの中でもライブを開いてくれたかわからないの?
 クラウザーさんの歌は、歌詞はちょっとアレだけど、とにかく盛り上がれる。嫌な気分を吹き飛ばしてくれる。
 弱い私の心さえ震わせて、勇気づけてくれる。クラウザーさんは――
『真にクラウザーさんを想うならSATSUGAIするっきゃねぇだろぉがっ! そうすりゃ、クラウザーさんの歌をもう一度……!』

DMCのファンであった桃子とまどかに対し、狂信者のデスマンティスが吼える。
ファンと信者は紙一重というが、ことこの三人に関しては永劫交わることのない平行線だろう。
それを察したダオスは、二人を下がらせる。

「やめておけ。こやつとお前たちの思想は相容れぬもの。こやつはもう手遅れだ」
『ははっ! 手遅れなのはお前たちの方だよ! 俺たちは既に目的を果たした! お前達の戦力を削り、同時に外への警戒も緩んだ!』

そう叫ぶと同時に、デスマンティスの口から薄い板が吐き出された。
粘液のようなものがかなりまとわりついているが、それが何かはすぐにわかる。
桃子やサクヤが持つものと同じ、スマートフォンだ。他の魔物に気づかれないよう、隠し持っていたものだろう。
都庁の軍勢が咆哮やテレパシーで仲間達とやりとりをするように、DMC信者は全員これら文明の利器を利用していた。
その伝達速度、範囲は都庁のものとは比較にならない。この場にいながら、デスマンティスは他の信者たちからメッセージを受け取っていたのだ。



 時 は き た !

 都 庁 を レ イ プ せ よ ! ! !

689戦場 朱に染まる:2014/07/28(月) 11:32:45 ID:PluPhwa.0
「っ貴様!」
『ははははははは! クラウザーさん! 今、俺の魂も――

デスマンティスが喋り終える前に、ダオスの鉄拳がその身体に打ち込まれる。
まさに一撃粉砕。デスマンティスの命は刈り取られ、石化したことによる稀少な素材を死に際に落とした。
だが滑るスマートフォンは既にDMC信者全体にメッセージを送信済み。いまさらデスマンティスを殺したところで事態は何も変わらない。

『こいつらは所詮は使い捨ての工作員、これからここに向かってくるのは本隊か、或いは質は低くとも大軍勢か。
 磁場操作で撒ける相手ではないな……戦闘可能な者は、準備を頼む』

雷竜の言葉を受け、魔物達はすぐさまに散った。
しかし、当初の万全な態勢ではない。
風鳴翼の襲撃により、4体の樹海守護者の中でも強者であった海王と鳥王が捕食されその数は半分に。
デスマンティスらの裏切りにより、大王は戦死しアイスシザースと骨竜も負傷。裁断者は病み上がりの状態。FOE軍団も半壊状態だ。
さらに被害は魔物だけではない。人間側にも出ている。
門番であったレストが負傷し、さらに一時的に同盟を組んだばかりの魔法少女組からも三人もの死者を出してしまった。
いくら回復の泉があったとはいえ、泉一箇所を飲み干す程に残った面々も消耗している。

「な、なにがなんだか、もう……」

特に、盾の役目も果たしたさやかは限界が近かった。魔力の使いすぎでソウルジェムは濁り、これ以上の戦闘は不可能というのがほむらの判断である。
残る日之影とラヴも、さやか程ではないが消耗が激しい。

「これから敵襲ってか……どうにも休まる時がないぜ……」
「あたいら、なんだかんだでずっと戦いっぱなしだったからねぇ……」

小町は思わず苦笑いを浮かべるが、事実彼女の言う通りである。
サボりを目的としていたロワ開始直後から現在に至るまで、彼女ら影薄組は強敵と出くわしてぶっ続けで戦闘と負傷を繰り返していたりする。
しかもその相手は

・超一級のズガンマスター、ルーファウス
・チート&カオスの塊、長門
・主催幹部、幻想郷でも指折りの大妖怪、風見幽香
・死人が出るぞぉ! ベン&ゴゴ
・強大な力を持つと言う古龍の一人、オオナズチ
・四神を束ねる黄龍より格上とされることもある、麒麟サクヤ
・都庁が誇った最強の門番、レスト
・絶賛警戒警報発令中、風鳴翼&ぼのぼの
・ショッカー軍団を一瞬で蹴散らした、デスマンティス&ラージャン

という、極悪なラインナップである。これを相手に休み無しで戦い続けるなど正気の沙汰ではない。
病院での治療→メガザル→ヒール→回復の泉と、肉体の傷だけはその度に回復しているとはいえ、精神や疲労までは回復しないだろう。
ほむらと小町は他のメンバーと比べれば比較的休めているが、前者は魔力の問題があり、後者はうかつに能力を使えば衰弱死コースだ。
つまるところ、流石の彼女たちも、これから起こるであろうDMCとの戦闘を切り抜けるだけの余力は残されていないということである。

690戦場 朱に染まる:2014/07/28(月) 11:33:14 ID:PluPhwa.0
「風鳴翼の問題を話し合おうと思った矢先に……いや、これが奴らの狙いか?」

自身も戦闘準備を進めながらも、ダオスは思わずぼやく。
あのレストが負傷したということにも驚いたが、彼らが差し出したメモ、そして放送の内容にはさらに驚いた。

『あれは風鳴翼じゃない。僕が戦った時には首輪をつけていたし、髪の色も違ってる。あえて言うなら、風鳴翼だった何かでしょうか。
 僕らの仮説が正しければ、あれに考え無しの人間が下手に挑んだら逆に喰われて、より手のつけられない化物になりますよ……』

放送直後、レストはそう言っていた。時間帯から考えて、おそらく最後に翼と戦ったであろう彼の言葉は説得力がある。
もしそれが本当であれば、風鳴翼を生み出した大元の原因は主催者であり、それを討伐しろというのは建前にすぎないのだろう。
覚醒させた怪物に、何も知らない欲に眩んだ参加者を餌として与え、さらに強化していく。それが主催者の目的だろうか。
だとすれば何故そのような存在を生み出したかが疑問となってくるが、それを話し合う余裕はなかった。
そのレストは自身の負傷よりも放送で呼ばれた、フレクザィードの名を聞いた瞬間から引きこもってしまったのだから。
そしてこの騒動である。まだまだ、風鳴翼について議論をする時間はなさそうだ。

「今は、目の前に迫る敵を迎え撃つことだけを考えるとしよう。私が前線にでる。残った樹海守護者は念のため内部を固めてくれ」
『了解致しました。しかしどうかこちらをお持ちください。我ら樹海守護者の想いの結晶、七王のグリモアでございます』
「……確かに受け取った」

出し惜しみするほどの戦力は、もう残っていない。
しかしこれ以上の犠牲を出さない為にも、あえてダオスは他の守護者たちをさげた。
想いは今受け取った。世界樹の力により、マナに溢れたこの場所であれば自分が負ける理由などない。

「来るがいい、DMC信者共。――我も全身全霊を賭して戦おうではないか!」

マントをなびかせながら、魔王が今、出陣する。




「どうしてこんなことに……やっぱり、あかりのせいなのかな?」
「どうしてそうなるっすか! と、とにかく折角和平が結べたんすから、私たちもなにかしないと!」
「さすがに、今の僕らの残ったスタミナじゃ足手まといですよ、モモさん」

話し合う影薄三人は、傷らしい傷を負ってはいない。
とはいえ本業は全員学生であり、戦闘経験も皆無だ。スタミナ不足でステルスさえ不安定となってはただの村人Aである。
足手まといという黒子の言葉は、残酷ながらも確かであった。

「レストさんも、あかり達を庇ったせいで……」
「むしろあの超人さん、さっきの放送を聞いてた時の方が辛そうだったっす……」
「目に見えて落ち込んで、部屋に閉じ篭っちゃいましたからね」
「……やっぱり心配っすね。この緊急事態に、まさかとはおもうっすけど自殺なんてしてたら――

桃子の言葉を遮り、罪悪感に苛まれていたあかりはたまらずその扉を開けた。
そして、彼女たちは恐ろしい光景を目の当りにすることとなる。

691戦場 朱に染まる:2014/07/28(月) 11:33:42 ID:PluPhwa.0
「――村雲剣継承アレンジ完了グリッタグリッタグリッタ確認グリッタ倍鉄歌小瓶10倍鉄歌小瓶愛結晶遮光石主鱗、世界樹剣完成。
 胴体継承完了物体Xリンゴリンゴ確認リンゴリンゴ物体X左岩破片10倍鉄赤コア青コア黄コア緑コア、四幻服完成。
 頭部継承完了物体Xリンゴリンゴ確認リンゴリンゴ物体X真実石版10倍鉄赤コア青コア黄コア緑コア、王冠完成。
 腕盾継承完了物体Xリンゴリンゴ確認リンゴ物体X地龍鱗右岩破片10倍鉄赤コア青コア黄コア緑コア、魔盾完成。
 脚部特殊アレンジ水蜘蛛ロケットゴースト確認三相胞子伝説布倍鉄大カブ10倍鉄赤コア青コア黄コア緑コア、妖精靴完成。
 装飾特殊アレンジ草原イルカシールド確認伝説布倍鉄三相胞子左岩破片10倍鉄赤コア青コア黄コア緑コア、魔道極意完成――」


「「何かやばそうな呪文唱えてる!?」」

「――ああ、なんだ君たちいたのか……悪いね、片腕だとどうしても装備の再練成は面倒で。
 まったく自分が嫌になるよ、僕は強いからと自惚れて、半端な装備で戦いにのぞんだ結果がこのザマさ。
 友達は殺されて、守るべきここの魔物も次々に殺されて、そして一緒に大災害を生き延びたフレクまで殺されて……
 この力は大切なものを守るために手に入れた筈なのに、僕はまた何一つ守れていない……」

ゆらりと立ち上がるレストの体には、以前は見られなかった装備が身につけられている。
かつて影薄たちと戦った時は透明化させ、相手の油断を誘うかたちであった装備群なのだろう。
両手剣であった天ノ村雲ノ剣も片腕となった現在にあわせるように、世界樹の素材を用いた片手剣へと変貌している。

「あの風鳴翼は得体の知れない怪物だけど、さっき僕が確実に殺していればそれで済んだ話だった。
 君たちのステルスで殺されかけもした。僕は甘すぎたんだ。
 それでも、僕にはまだ守るべきものが残っている。だから、もう一片の容赦もしない。風鳴翼も、ここを狙う全ての参加者も……僕が殺さなくちゃいけない」
「ま、待ってよレストさん! あかりたちも――」
「……君たちは戦う必要はない。これ以上僕らに肩入れするところを誰かに見られると、きっともう元の生活には戻れなくなるよ」
「いいよ別に! モンスターさんと一緒に暮らせる生活は、元とは違うでしょ?」
「やれやれ、本当に調子狂うなぁ……その気持ちだけ貰っておくよ。君たちは僕と違って、本当にただの人間だ。いい加減少しは休まないと。
 それに――きっと後で戦場を見なければよかったと後悔することになる」

ぞくりと、あかりたちの全身が震え上がる。
紛れもない殺気。しかしそれは自分たちに向けられたものではなく、これから戦うのであろう相手に向けられたものなのだろう。
これまで既に多くの血や人の死を見てきた。死線を潜ってきたという自信もあった。
それでも、今の気配は……風鳴翼とはまた違った意味で恐ろしいものであった。

「……こっちの不注意で、停戦を結んだ君たちの仲間にも犠牲者が出たんだ。僕らの戦いよりも、彼女たちを弔う方がいいと思うよ」

そう言われては、誰も言い返すことはできなかった。
殺された美希たちとは、短い間だったとはいえ確かに同じ志を持った仲間であった。
いくらいつ誰が死んでもおかしくない世界とはいえ、その死に無関心でいることができるほど薄情ではない。
せめて、埋葬ぐらいは行うべきだろう。ここは土と樹木に溢れており、簡素でも墓標は作れるはずだ。

「そう、これは僕らの戦いであって、一つのケジメだ。君たちの誰の力も借りない。
 もし本当に僕らに力を貸してくれるつもりなら、一段落したあとで風鳴翼のことを話し合う時にでもお願いするよ」

そう言って、レストは部屋を後にした。
向かう先は、都庁の入り口。これまでそうしてきたように、敵を迎え撃つために。

692戦場 朱に染まる:2014/07/28(月) 11:34:11 ID:PluPhwa.0
◆ 都庁・世界樹の入り口 ◆


「遅れました、ダオスさん」
「レストよ、傷の具合はどうだ」
「問題ないですよ。さすがに片腕な分、攻撃の手数は減ってしまいますけどね」
『そこは我らが補おう。さて――来るぞ』
『この気配、まさかとは思うが……』

明け方の世界樹は、陽の光を浴びて美しく輝いていた。
そこを目指してやってくるは、巨大な塊。
夥しいという言葉でも足りない程の、圧倒的なDMC狂信者の軍勢。
都庁が抱え込む魔物の総数、非戦闘員を含めても凌駕するほどの量だ。あれでも恐らく、敵勢力の一部に過ぎないのだろうが。

「全員が狂信者か……クラウザーという男は、確かに多くの者を惹き付ける存在だったようだな」
『……信じられない奴まで惹きつけているようだがな』
『アレが自分以外の誰かを信仰するとは……』

徐々に、塊が大きくなる。近づいてきているのだ。
そのたびに彼らが口にする歌も嫌でも耳にするが、迎撃する都庁精鋭軍はひるまない。

その塊の中に一際目立つ――雷竜や氷竜すら凌ぐ漆黒の竜がいても。


『フハハハハハハハハ! 赤竜はあの忌々しい火幻竜とやらのせいで逃したが、貴様らは逃がさぬぞ雷竜、氷竜!
 その後ろの世界樹もろとも……クラウザーさんを中心とした新たな世界の礎になるがいい!』

漆黒の竜――冥闇に堕した者。
その身体の大きさは赤竜を遥かにしのぎ。
その悪魔の知恵は氷竜も及ばぬほど。
その黒く輝く鱗は雷竜の鱗よりも美しい。
その戦闘力は、三色の竜の比ではない。
そのクラウザーさんへの心酔具合は、DMC狂信者の上層部にだって劣っていない。

そんな冥竜を筆頭としたDMCの軍勢が、ついに都庁を射程圏内にとらえた。


 都 庁 を レ イ プ せ よ ! ! !   レ イ プ せ よ ! ! ! レ イ プ せ よ ! ! !

 S A T S U G A I せ よ ! ! !  S A T S U G A I せ よ ! ! !  S A T S U G A I せ よ ! ! ! 


圧倒的な轟音。他の全てを塗り潰さんとするほどの狂った叫び声。全てを信仰するクラウザーさんに奉げた信者たちの、歓声。


『奴らをSATSUGAIせよ! そしてその血と肉で、この世界樹を穢しつくすのだ!』

冥竜が吼える。

『冥竜よ……私たちと貴様に因縁があるのは確かだが……今はそんなことはどうでもいい。
 我らが森を穢し、多くの同胞を命を奪ったDMC狂信者どもよ! その罪、死をもって贖うがよい!』

雷竜が吼える。

『『 総 員 か か れ ! 』』

それと同時に、決戦の火蓋が切っておとされた。

693戦場 朱に染まる:2014/07/28(月) 11:34:39 ID:PluPhwa.0
――その光景を、なんと喩えればいいのだろうか。

信者の言葉を借りるならば聖戦<ジハード>か。都庁にとっては防衛戦か。
どちらにしろ、双方にとって絶対に譲ることのできない戦いである。
信者からすれば、ここを落とすだけでクラウザーさんの復活はぐっと早まる。
都庁からすれば、ここを落とされた瞬間に後ろに控える仲間たちも含めて全員が殺される。
ただ。双方には決定的な違いがあった。
冥竜の力は都庁でも最高位に位置する雷竜たちよりも上である。
多くの信者たちは、上層部たちのしごきにより様々な異能を体得している。質も量も、都庁に遅れはとっていない。中級FOEなら秒殺可能だろう。
決定的な違い、それはDMC信者たちにとって無縁のものだった。彼らはただ、圧倒的な力と数で全てをゴリ押し蹂躙する。

――戦略というものを、知らなさすぎた。


『受けよ、我が奥義』

誰よりも先に動いたのは、この都庁を最初に乗っ取る計画をたてた雷鳴と共に現る者。
彼はその長い胴体を唸らせながら、雷を纏って空を泳ぐ。否、踊っていた。

「「うおおおぉぉぉぉ!?」」

――呪縛の円舞。雷竜の持つ補助スキルであり、誰よりも速く行動して敵対者全員の全身を一定確率で縛り上げる。
敵の数が多ければ多いほど、その妨害力は大きくなる。開幕から行動を大きく阻害されたDMC信者は、後手に回ることとなった。
それがそのまま、明暗を分けることになるとも知らずに。

『お、おのれ! ならば我も呪縛を――』
「させません、護光陣!」

なんとか雷の呪縛に全身を封じられることは避けた冥竜だが、そちらにばかり気をとられて足元を見ていなかった。
直後、陣から伸びる光の魔力に今度こそ全身を絡め取られて完全に身動きを封じられる。
サクヤが仕込んでいた護光陣は、雷竜のものよりも有効範囲が狭いが闇の者を確実に封殺する力を秘めていた。

「冥竜さんが滅茶苦茶に縛られた!?」
『――ウッ、ふぅ……///』
「しかもちょっと気持ちよさそうだと!? ええい、怯むな! クラウザーさんのための生贄を前に――」
『散れ、有象無象が』
『赤竜とやらの代役、我が引き受けよう』

身動きのとれなくなった冥竜に代わり最前線に出てきた信者たちは、直後高空からの吹雪と豪火球を受けて一瞬で蒸発した。
氷嵐の支配者の名の通り、その三つ首から吐き出される氷嵐は無対策であれば確実に敵対者の命を奪う。
叫帝竜ウォークライの吐き出す灼熱の豪火球も同じくであり、仮に耐え切ったとしても深い火傷により攻撃力と防御力を下げられ悶え苦しむこととなる。

「飛行部隊、あのトカゲどもをSATSUGAIせよ! SATSUGAIせよ!」
「ほう、私を前に余所見とはいい度胸だな。死ぬがいい、テトラスペルッ!」

無詠唱で繰り出されるは、魔王ダオスが最も得意とする高速四連魔法。
たかが下級術の連発と侮るなかれ。魔王の魔力から繰り出される魔法は、基礎のファイアーボールであっても致命傷たりえる。
そしてそんな四色の魔法の残照を吸い寄せながら、サクヤは舞を始めていた。
かつてレストに挑んだ際は破られたが、本来であれば絶大な火力を発揮する麒麟の美しき四源の舞。その恩恵は、彼女が仲間と認めた者全員に発揮される。
――その恩恵とは、攻撃力の5倍化だ。

「ドラゴンは好きだけど、君さっき火幻竜って言ったよね? フレクのカタキなら、尚更容赦はしない。
 この剣で状態異常まみれにして、嬲り殺しにしてあげようか。……とも思ったけど、サクヤの踊りが綺麗でいくらか気分がよくなったからね。
 ――ひと思いに一撃で生まれてきたことを後悔させてあげるよ。勿論状態異常フルコースのおまけつきでね」
『ふ、ふごぉぉぉ……///!?(な、なんだと……!?)』

仲間たちが冥竜の取り巻き信者たちを掻き乱しているなか、レストはゆっくりと未だ縛られている冥竜の前に立ち、身構えた。
これでも人間である彼は、竜や魔王のように超広範囲を殲滅するような規格外の大技は扱えない。
鍛えられた肉体と装備が本領を発揮するのは1対1。面を攻めるのではなく点を攻めることの方が得意であった。
その集大成が、呼吸を整えて、力を溜めてから放たれる中段の正拳突。あらゆる敵の防御を完全に無視したうえで無慈悲な鉄槌を与える、まさに必殺の一撃。

694戦場 朱に染まる:2014/07/28(月) 11:35:05 ID:PluPhwa.0
「チェストオオオォォォォォォッ!」

信じられないような爆音の後には、そこに冥竜の姿は残っていなかった。

「ん、これはあのドラゴンの核かな。まだサクヤの魔法に封じられたままだし、いい武器の素材になりそうだ」

冥闇に堕した者という存在が確かにいたことを示す唯一の品も、すぐさま拾われてデイバックへとしまい込まれた。

「……………は?」

そのあまりにも異常な光景に、叫び続けていた信者たちも思わず間抜けた声をあげてしまう。
都庁の三竜には必ず勝てると豪語していたあの冥竜の姿が、一瞬にして消えた。この軍勢の指揮官が、消えてしまったのだ。
狂気に染まった彼らでさえ、混乱せざるをえない状況であった。

「やれ――ステルスロック」

そしてそうしている間に、彼らの周りを鋭利な岩が取り囲んでいた。
おたけびをあげて岩を飛ばしたのは、ダオスのポケモンとなったメガボスゴドラである。
圧倒的な殲滅力を誇る都庁の軍勢において、彼は決して火力が高いとはいえない。
しかしながら、長丁場の戦いであればあるほどその力、ステルスロックは威力を発揮する。

「と、とにかくSATSUGAIうぐぅ!?」

交代、この場合は誰かの代わりに前線に出た者全員に鋭利な岩が突き刺さる。
強力な風などで早急に岩を吹き飛ばし、メガボスゴドラを沈めるのが対処法なのだが、信者たちはその戦法を取れないでいた。
これは正式なポケモンバトルではない。トレーナーダオスは次から次へと魔法を発動し、誰もメガボスゴドラに手出しができない。
そして別の信者に交代、ステルスロックに刻まれ、追撃のブレスや魔法ですぐさま消し飛ぶ。

『グオオオオォォォォォウ!』

さらには上空で吼える雷竜も自重せずに恐怖と呪いの状態異常をばら撒き、この最悪の循環を加速させる。
氷竜が劈く叫び声をあげれば、強烈な睡魔に襲われた信者は戦場の真ん中で爆睡し始める。
叫竜が大きく息を吐き出せば、信者たちの魔法やスキルは封印され、麻痺状態に陥る。

四源の恩恵を受けたステルスロックは通常時の5倍の威力。
なかにはそれだけで絶命する信者もおり、耐え切っても余波による火傷や凍傷の持続ダメージが襲い来る。
それらを凌いでも、まだまだまだまだ攻撃の嵐は止まない。

徹底的に状態異常漬けにして、縛り上げて、阻害して、億に一つの勝ち目すら潰す。
それぞれの力を最大限発揮できるよう連携を意識して動く。
都庁の魔物の強みは、とれる戦術の豊富さにある。

対する信者たちは、何もわからないまま倒れ続け、血を流し続けた。

695戦場 朱に染まる:2014/07/28(月) 11:35:32 ID:PluPhwa.0
――ギャァァァァ!

真下から聞こえる悲鳴を聞きながら、戦いを見守っていた死神、小町はやれやれとため息をついた。

「下手すりゃ、あたいらが……いや、多くの参加者があの信者たちと同じ目にあってたと思うと、ぞっとするよ。
 黒子やモモたちには見せなくて正解だねこりゃ。こんな、戦いなんていえない虐殺なんて……」

ひとりごちる間にも、信者たちは魔物の連携攻撃の前に次々と沈んでいく。

「くそ、くそ! 何故死なない! アギダイン!」
「なんで、俺の拳がぁぁ……」
「ク、クラウザーs

おそらく必死になって習得したのであろう魔界魔法は、吸収されるだけ。
魔王に打ち込んだ拳は逆にひしゃげ、使い物にならないだろう。
乱射した銃器の弾丸は全て、氷竜の生み出した盾に反射されて自分の首を絞めている。

「堕ちろ、堕ちろぉぉぉぉ!」
『貴様がな、蚊トンボ』

人型機動兵器も、雷でまとめて薙ぎ払われて空中で爆発四散していく。

「「¢$&#%¥℃$£⊂⊆>、ΦζЭё〜!」」

さらに途中からは、長い間都庁の屋上にぶら下がり続けていた怪生物、ミザールまでもが信者を敵と判断したのか攻撃し始める始末。
その能力はどうやら分裂と巨大化、そして触手を用いた強烈な物理攻撃の嵐のようだ。
十八番であった物量作戦すらミザールに奪われ、DMC信者たちは次々にその数を減らしていく。
戦況が安定してからは、世界樹内から魔物の援護射撃も繰り出され、殲滅力は時間経過と共に増していた。

「死ぬがいい! ダオスコレダー!」

再び魔王の放つ円範囲爆撃が信者の群れを容赦なく消し飛ばしていく。

「ワルプルギスの夜が滅んだ理由がよくわかるわ。私もあの魔女も、世界を知らなかっただけなのね……」
「おやほむら、なんであんたまでこんな凄惨な光景見てるんだい?」
「あらためて、彼らの力を知りたかったのよ。……私、これから本当にちょっと自然保護頑張ってみようと思うわ」
「あはは、あたいも同感だねぇ。この様子なら、あと3分もしないうちにDMCは全滅確定だよ」
「彼らの協力を得られたのは、やはり大きいわ。だからこそ、私たちも動かないと……」

小町は無言で頷く。
あくまで都庁の軍勢との関係は一時的な協定である。ここでサボろうものなら、それは即刻破棄される。
そうなれば、この凶悪な軍勢の矛先は再び人類に向く。それをさけるためにも、働かなければならない。
幸いにして、これからすべきおおまかなことは決まっているのだから。

「さっきの地震は、話にあったフォレストセルが起きた衝撃らしいわ。
 まどかの力があれば制御できるそうだけど、念のために護衛をつける……これは、私が適任ね。
 まさかグンマーの巫女の術を教える役目が、あのオオナズチになるとは夢にも思わなかったけど」
「あれでも一応グンマーの古参らしいし、通訳が必要ないのは大きいからね。
 さてと、じゃああたいはあの風鳴翼とかいうやばそうなの対策をみんなと考えるとするよ」

いつの間にか戦闘の音は止んでいた。
少なくとも、第一波は全滅したのだろう。これから動くべきは、さらなる厄介ごと。
魔物も人間も手を組み、考える必要がある。
果たして彼らは、森の細胞を引き入れ、混沌の歌姫の正体とその裏に潜む計画を見抜くことができるのか……?

【デスマンティス@世界樹の迷宮4】 死亡確認
【ラージャン@モンスターハンター4】 死亡確認
【冥闇に堕した者@世界樹の迷宮4】 死亡確認
【大量の強化DMC信者@色々】 死亡確認
※かなりの数が死んでいますが、まだDMC狂信者全体の活動には影響ないようです

696戦場 朱に染まる:2014/07/28(月) 11:36:35 ID:PluPhwa.0
【二日目・5時30分/東京都庁外部・内部】

【都庁の軍勢】
【雷鳴と共に現る者@新・世界樹の迷宮 ミレニアムの少女】
【氷嵐の支配者@新・世界樹の迷宮 ミレニアムの少女】
【ダオス@テイルズオブファンタジア】
所持品追加→七王のグリモア
【メガボスゴドラ@ポケモン】
→判明技、ステルスロック追加
【レスト@ルーンファクトリー4】
所持品変更→最大練成防具、世界樹の剣、封じられた闇核
【極光の麒麟・サクヤ@パズドラ】
→【聖煌天の麒麟・サクヤ@パズドラ】へと変化
【ウォークライ@セブンスドラゴン2020】
共通思考:風鳴翼とフォレストセル問題に対処。DMC信者は殺す

【FOE軍団@新・世界樹の迷宮 ミレニアムの少女】
共通思考:全員負傷しているため、早く傷を治す
【鹿目まどか@魔法少女まどか☆マギカ】
思考:フォレストセル制御へと向かう

【セプテントリオン・ミザール@デビルサバイバー2】
思考:都庁に攻撃する者を殺す

【影薄組】
【小野塚小町@東方Project】
【日之影空洞@めだかボックス】
【黒子テツヤ@黒子のバスケ】
【東横桃子@咲-Saki-】
【赤座あかり@ゆるゆり】
共通思考:休憩した後、都庁の軍勢に協力
【オオナズチ@モンスターハンターシリーズ】
思考:仕方ないので、氷竜に協力する
※影薄組は特に休憩が必要です

【魔法少女・プリキュア組】
【暁美ほむら@魔法少女まどか☆マギカ】
【桃園ラブ@フレッシュプリキュア!】
【美樹さやか@魔法少女まどか☆マギカ】
→ジェムをなんらかの手段で浄化しないかぎり、戦闘続行不可
【ケルベロス(小)@カードキャプターさくら】
共通思考:休憩した後、都庁の軍勢に協力

697寝るオッサンは育つ:2014/08/07(木) 18:56:03 ID:b21Ylxk.0

「まだ五時半じゃねーか! 放送する時間考えろ、クソ主催共……Zzz……」

周りが何やら騒がしい一方、サーシェスさんはまだ寝ていた。
その眠りの中、自分の眠りを妨げたうっとおしい主催を殺すことを決断した。
……ただし、もう少し寝てからだ。まだ焦るような時間帯じゃないからだ。

【二日目・5時30分/日本・東京都新 宿中央公園】
【アリー・アル・サーシェス@機動戦士ガンダム00】
【状態】睡眠中、強い屈辱 、ヒゲが生え変わった、テラカオス化 進行中
【装備】ヤークトアルケーガンダム@機動戦士ガンダム00V
【道具】支給品一式、熱線銃
【思考】基本:カオスロワという名の戦争を楽しむ
0:今は寝る、起きたら虐殺の続き
1:参加者と主催者は片っ端から虐殺
2:赤いガンダム(ガンダムエピオン)には必ず雪辱を果たす
※新型ナノマシンにより、闘争本能等が増大しました。
※テラカオス化の影響で『いびきを一回する度に周囲に爆発の エフェクトが発生する』能力を得ました。
※主催の一員ですが、すっかり頭の中から抜けてしまいました。
※第三回放送を聞いていません。

698熱斗の奇妙な冒険part6:2014/08/09(土) 12:26:40 ID:/RqcyDP.0
戦艦・死国のデッキにて。

「はぁ……スタメン落ち確定か……」
「落ち込まないで熱斗くん」
「いや、ロックマンの指示に従ったからこのザマになったんじゃないか! 試合中は翔鶴さんに見とれてばっかだし!」

デッキで海を眺めながら落ち込んでいる少年は天才ネットバトラー・光熱斗。
ところがネットバトラーとしては天才的な技術を持つ彼に、天は二物を与えなかったようだ。
先の紅白試合では三振連続、エラーも多い、足が早くないのに盗塁しようとして失敗する、肩も強くないので送球が遅い。
クロスフュージョンも付け焼刃にしかならず、野球に関しては一日の長がある拳王軍の面子には並べなかった。
相棒のロックマンの指示に従ってもいたが、そのロックマンは妹にデレデレと見とれてばかりで役に立たず、指示は適当なものばかりになっていた。
そんな感じでチームの足を引っ張りまくったのだ。

そして試合後、タクア……監督の紬さんから言い渡されたのは「スタメン落ち確定です。一軍にはまず入れないと思ってください」という残酷な言葉だった。
いちおう主催に公式戦を申し込むためにはベンチを含む25人は必要なので補欠としては在籍できるが、紅白試合における熱斗の評価は下から数えた方が早いというレベルであり、出番が回ってくる可能性はとてつもなく低いそうだ。
ちなみに同じくスタメン落ちが確定したメンバーは、やっぱりクソレフトだった野比のび太と、自分に横切る打球や投球に驚いてばかりでまるで仕事しなかったシグナムだけである。

そんな事情で落ち込む熱斗達に、優しく声を掛けた少女がいた。

「あら、こんなところにいたんですかロックマンさん、熱斗さん」
「『翔鶴さん!』」

翔鶴――祐一郎さんによって生み出されたロボットの少女であり、ロックマンにとっては妹に当たる存在であった。

「提督から熱斗さんやジョジョさんたちを連れてお使いに出て欲しいとのことです」
「パパからのお使い?』
「ええ、大阪の町で美味しい食料をできるだけ調達してきて欲しいとのことです。
お代はお店に領収書を置いておけば、後日紬さんが全額支払ってくだせるそうです。
ご要望としては多少割高でも、とにかく栄養がつくものを沢山持ってきて欲しいそうです」
『仲間がまた三人増えたからね、食料が足りなくなるんじゃないかと心配に思ってたんだ』
「流石のパパでもネジ釘から食べ物は作れないからな〜、これから悪魔おじさんと一緒に倒しに行く『真の黒幕』っていうのはなんか強そうだし、戦う前にモリモリ食べておきたいしね」

突然、死国組の前に現れた悪魔将軍は、この殺し合いを開いた『真の黒幕』を知っていると言った。
なんでも九州ロボにいるダース・ベイダー達に公式戦を挑むより先に、死者スレにいる黒幕を先に倒した方が主催陣に打撃を与えられるらしい。
だが、悪魔将軍はなぜか『真の黒幕』についてのことを、富士の樹海にある不思議なダンジョンにたどり着くまでは話す気はないようだ。
黒幕とくれば重要な情報であり、これから戦う相手とくれば情報も必要だろう。
首輪だって全員外れているので、主催からの遠隔操作による起爆で命を散らす危険もない。
だのに、悪魔将軍はその時が来るまで黒幕の情報について秘密にしようというのだ。
これに関しては多くのメンバーが反発し、実は真の黒幕についても自分達を騙す嘘や妄言ではないかと疑い不満を持つ者も多くいた。

しかし、祐一郎さん、紬さん、拳王様の
「この人の眼をよく見るんだ。妄言や嘘で誤魔化そうとする心の弱い男に見えるか?」
「その気になればこの地球を破壊し尽くせるかもしれない強さを持つ伝説の超人が、私達に嘘をつくメリットがどこにありますか?」
「うぬらの強さは前情報が無いごときで霞む程度のものなのか? うぬらの中にある友情パワーを信じるのだ」
意味がわかるような、わからないような台詞で皆納得した。

なんにせよ結局、主催やこれから戦うだろうマーダー達との戦闘は避けて通れまいだろうし、エネルギー摂取のために食事は大事だ。
食い倒れの町と言われる大阪なら、質の良い食料も手に入る。
大災害による食糧難でも多額の金を支払えばきっと譲ってくれる住民もいるだろう。

699熱斗の奇妙な冒険part6:2014/08/09(土) 12:27:37 ID:/RqcyDP.0
「なるべく早く出航したいらしいのでなるべくすぐに大阪の街に出かけて欲しいそうです」
『うん、わかった、それじゃあ行こう熱斗くん』
「ああ!」

熱斗達はデッキから降り、仲間を集めて死国から大阪の町へ移動するのだった。


(なあ、ロックマン)
『(なんだい、熱斗くん?)』
(翔鶴さんがロックマンの妹なら……俺にとっても妹になるんだよな?
俺には他人の様に接してるところからして、まだパパは『あの秘密』を彼女に教えてなさそうだし。
……兄妹なら『あの秘密』と『あの誓い』を打ち明けてもいいか?)
『(熱斗くん?!)』
(でも、俺達『兄弟』の秘密を教えてなくちゃいけないだろう? 教えるならなるべく早い方がいいだろ?)
『熱斗……』
(パパのこともあるし、なるべく他の人には聞かれないようにするから彼女に秘密を教えてあげようぜ)



(なあ、ロックマン。        いや、彩斗兄さん)



 @

「よし! パパ達のためにも旨いもの沢山集めようぜ」
『僕はPETの中にいるネットナビだから荷物を翔鶴さんに持たせてしまうのが気がかりだなあ』
「ふふふ、私は大丈夫ですよロックマンさん」
「デューオなしでも大阪で美味い飯を最も集めるのは、このディオだーっ!!」
「いつも無駄にテンション高いですねディオさんは……」
「ほっとけシャロ。そんなことよりヴァンガードだ」
「野球はダメでも僕にはガンダムがあるぞぉ!」
「のび太くん、クソレフト認定されたのが余程ショックだったんだな……」
「ストレイツォ……まさか戦友を失うことになるとは」
「気を落としてはダメづら、ダイアーさん」
「なんか熱斗を筆頭に行動するのも懐かしい気がするなシャドーマン」
『シグナムがいないことと、喧しい連中が沢山加わったことを除けばな』

食料調達へ大阪の町へ出かけたメンバーは、熱斗、翔鶴、ディオ、シャロ、トシキ、のび太、クロえもん、ダイアーさん、殿馬、ジョジョの10人と、ロックマンとシャドーマンのネットナビが2体(現在は死国のAIに使われているため、ディオの手元にデューオはいない)、そこに支給品である紫龍とエスパー伊東も加えて14人である。
のび太が操縦するバスターガンダムをタクシー代わりに、彼らは大阪の街に降り立った。

ちなみに熱斗達が降り立った街はかつて影薄組が滞在し、ジプシー・デンジャーが暴れまわった町である。
したがって、その暴挙を目撃したモブ参加者もとい住民達にはロボット兵器に対しての恐怖が染み付いていた。
さらにこの町は一度、超危険人物(と思われている)祐一郎が魔改造したバスターガンダムのサテライトキャノンで蒸発しかねなかった。
したがってそんな住民達の反応は――

「あかん! また巨大ロボットがきおったで!」
「しかもありゃあ、祐一郎んところのガンダムやないかい!」
「た、助けを呼ばへんと……昨日のイェーガーをお釈迦にした赤毛の姉ちゃんはどこに行ったんや?!」
「んなもんとっくに町を出たわ!」
「とにかくワイらじゃどうにもならへん! とにかく逃げるんや!」
「し、しかしまだ町には貴重な食料がぎょうさん置きっぱなしやで? それも置いていくんかい!?」
「命あっての物種や! 仕方あらへんやろ!!」

祐一郎一派の所有するガンダムを見た瞬間、脱兎の如く町から逃げ出した。
より早く逃げるために大災害の影響で貴重になった食料を手放すほどである。
結果、熱斗達が探索する前に町はもぬけの殻となった。

700熱斗の奇妙な冒険part6:2014/08/09(土) 12:28:26 ID:/RqcyDP.0

「あれ、誰もいないのかな?」
「しめたぞ、住民がいなければ食料はただで手に入れられるわけだ!」
「うわ〜……置き引きなんてドン引きだよディおじさん。
どうせディおじさんの財布は痛まないんだし、物をもらったら領収書ぐらいはしっかり置いていこうよ」
「なんでそうゆうところだけしっかりしているんだーッ!?」

「やかましいディオの奴は置いといてと。トシキ、どうやって探索する?」
「そうだな……」

ジョジョとトシキは周囲を見回す。
ジプシー・デンジャーによって半壊状態だが、探せば使える物資や食料はありそうだ。

「一塊で行動するより、分散して探した方が早く済みそうだ。
町の東側は熱斗・翔鶴・ジョジョ・殿馬さん。エスパー伊東が担当。西側は俺・シャロ・ディオ・クロエもん・ダイアーさんが引き受けよう。
瓦礫が積もって人が入るには危なそうな場所はガンダムに乗っているのび太と紫龍に任せる。
あとは30〜40分も時間があれば作業は済むだろう」
「わかったよ、東側は俺とジョジョ達に任せて!」
「それじゃあトシキさん、さっそく町の西側を探しましょうか」
「仕事をするぞぉ!」

ある者達は東へ、またある者達は西へ、のび太はガンダムで、それぞれ割り振られた探索ポイントへ向かった。

 @

町の東側。熱斗を始めとする四人は無人のスーパーやコンビニから食料をせっせと集め、一箇所にまとめていた。
そんな中、熱斗は翔鶴を連れてジョジョと殿馬から離れた場所へ移動し、適当な民家に入っていった。

「あの熱斗さん、私にどのようなご要件でしょうか?
あんまり、長く持ち場を離れすぎるとジョジョさん達に叱られてしまいますよ?」

相手は自分の主である祐一郎提督の息子なので翔鶴は熱斗の頼みを基本的に断れないが、ジョジョはそうはいかないだろう。
翔鶴はできるだけ早く食料調達の作業に戻るべきだと進言した。
だが、熱斗達にしても作業時間を割いてでも翔鶴に話したい事があるらしい。

「悪いけど翔鶴さん。今から君に話したい事は、こういう時にしか話せない秘密の話なんだ」
「秘密?」
『熱斗くんと僕の秘密さ』

熱斗とロックマンから語られる衝撃の真実とは……

「ロックマンの本当の名前は光彩斗。俺の兄さんなんだ」
『今でこそ人とネットナビだけど、熱斗は僕の血を分けた弟だ』
「?! どうゆうことですか? ネットナビと人間が兄弟? ありえないじゃないですか?」

熱斗達の口から告げられた言葉に翔鶴は混乱する。
データひいては機械であるネットナビと人間が血を分けた兄弟などと、普通は戯言にしか聞こえない。
翔鶴は機械なのでロックマンとは兄妹でも通じなくはないが……しかし、語る熱斗とロックマンの表情はこれまでになく真剣そのものであった。

701熱斗の奇妙な冒険part6:2014/08/09(土) 12:29:18 ID:/RqcyDP.0

「まあ、これには深い理由があるんだ」
『よく聞いて欲しい。君は僕らにとっても大切な妹なんだからさ』


双子の兄弟としてこの世に生を受けた彩斗と熱斗。
しかし彩斗は心臓が弱く、生まれて間もない間に心臓病を患い命を落としてしまった。
二人の父親である祐一郎は心の支えだった息子の死に悲しみに暮れる。
しかし祐一郎は『人間らしいネットナビ』を作成するために苦心していたのは研究者であり、彼はプログラムに人間のDNA構造を投影する事で人間らしいネットナビができるという己の理論を持っていた。
その理論を用いて息子を電脳世界で蘇らせないかと考えた祐一郎は行動に出る。
擬似人格プログラムに彩斗のDNAを組み込み『ロックマン.EXE(エグゼ)』として復活させたのだ。

祐一郎の行為は端から見ればマッドサイエンティスト……というより、実際そのものであるが、全ては息子のためでもあった。
そしてロックマン.EXEをベースに新世代型ナビの研究は躍進し、ネットワーク世界は大きく発展。
人類に対する技術的貢献も計り知れないものであった。

一方、ロックマンとして生まれ変わった彩斗は、父である祐一郎に熱斗には自分が彼の兄であることを秘密にするように頼んでいた。
もし熱斗が事実を知ってしまうと、自分に危険が付き物のウィルス退治を任せることをためらってしまうだろう。
例え、熱斗が事実を知らずに自分を兄として扱わなくとも、現実世界に生きられなかった自分が弟と同じ時を歩み、思い出を共有できる幸せを噛み締めることはできる。
兄としてではなくても、熱斗の側にいられればそれでいいという彩斗の願いであった。

やがて、その秘密もロックマンがドリームウィルスによる消滅の危機に立たされた時に、祐一郎の口から熱斗へ明かされた。
今まではプログラムだから大丈夫と思い込んで兄を危険に晒してきたことを熱斗は悔い、涙を流した。
しかし、この衝撃の事実を知ることが逆に熱斗とロックマンの絆を深め、最悪の場合は諸共死ぬような状況でも二人は一心同体となって力を合わせて苦境を乗り切り、今日までに至ったのである。


「じゃあ、お二人は本当に血を分けた兄弟……!?」
「いちおう、まだ他の人には秘密にしておいてね。
父さんが息子をネットナビの実験材料にしたとか世間が騒ぎ出すかもしれないし」
『僕としては、むしろネットナビにしてくれてでも生かしてくれた父さんに感謝してるんだけどね』
「あ、でもこの殺し合いじゃ既に危険人物扱いされているような……」
『こまけえことはいいんだよ!(AA略)』

事実を聞かされて衝撃を受ける翔鶴であった。
そんな翔鶴の様子を知ってか知らずか、彩斗と熱斗は話を続けていく。

「そうさ。それからも色々あったよね、彩斗兄さん」
『ああ、僕達兄弟は二人で力を合わせて事件を解決していったんだ。
WWWやゴスペルとの戦い、デューオとカーネル、シャドーマンとの出会いもあったね』
「世界も6回ぐらい救ったし、ネットバトルを極めているうちにチップだけじゃなくてバグの使い方まで覚えて裏の王ってよばれるようになったしなあ……だけどそれも……」

話の途中で熱斗と彩斗の表情が曇る。
気になった翔鶴は「どうしたのですか?」と声を掛けるが。

702熱斗の奇妙な冒険part6:2014/08/09(土) 12:30:53 ID:/RqcyDP.0

『ネットに関わる世界の危機を乗り越えてきたきた僕達は人とネットナビには明るい未来が待っていると信じていた』
「だけど、それを『アレ』が奪った……」
「アレ、とはなんでしょうか?」

改まって神妙な面持ちで二人は翔鶴に答えた。

「『大災害さ』」
「大災害……!!」

大災害――この殺し合いを開くようになった大元の原因であり、それは日本以外を沈没させた地球史上最悪の災害。
その被害は、隆盛だったネットバトル界及び多くのネットバトラー達にも及んでいた。

「その頃、ネットバトルの世界大会が海外で開かれると聞いて、俺と彩斗兄さんも参加することになったんだ」
『その大会には世界中のネットバトラーやネットナビの集まる、とても大規模な大会だったんだ。だけど……』
「大災害は俺達のいた大会が開かれた国にも襲ってきたんだ……多くのネットバトラーやナビが地割れや津波の中に飲み込まれてった……その中には俺や兄さんの友達もいたんだよ」
『……』
「それから命からがら生き延びた俺と兄さんはデカオと一緒に日本に戻った。
なぜか増えるようになったデカオには最初は戸惑ったけど、今となっては友達が一人でも生きてることが俺には嬉しかったし、もう生きてればなんでも良かった」
「熱斗さん、彩斗さん……」

思わず頬から涙を伝わせる熱斗と、涙は流せなくとも重い悲しみを感じさせる表情の彩斗。
そんな二人の悲しみに対して翔鶴は労ることしかできなかった。

「あの日の大災害で多くのネットバトラーやネットナビが命を落とした。
皆はまだ、ネットバトルやネットナビとの生活を楽しみ足りなかっただろうに……」
『さらに世界で盛り上がっていたネットバトルも、ネットバトラー人口が大幅に減ったことで以前のような勢いがなくなってしまった。
このままでは人とネットナビとの関係も廃れてしまう……僕達二人の問題だけじゃない、今まで全てのネットナビに関わってきた人全ての努力が水の泡になる』
「それに危機感を感じた俺と兄さんは死んでいった人達のためにある誓いを立てた」
「誓いとは?」

熱斗は涙を拭き、彩斗は顔を上げて、翔鶴に伝えた。


「『この世界に、以前のようなネットバトルの盛り上がりとネットナビとの絆を取り戻すこと』」


「ネットバトルはただの娯楽じゃない、ネットバトラーとナビの心身を切磋琢磨させる修行でもあるんだ。
俺達は大災害でめちゃくちゃになった世界でも生き残った皆にそのことを伝えるんだ」
『そして、ネットナビはただの道具じゃなく、人と肩を並べて歩んでいけるパートナーであることも二人で伝えていきたいんだ』

かつてのネットバトルの隆盛とネットナビとの絆、その再生こそ光兄弟が大災害で死んでいった者達への誓いであった。
その誓いこそ死者への手向けになると信じているのだ。

『だけど、この殺し合いが続いている限りは、それも叶わない』
「ネットバトルの面白さを知らないまま死んでいくのはあんまり過ぎる」
『確かに大災害のせいで、避難してきた人が沢山押し寄せて、食料に水や土地も不足しているかもしれない』
「だけど、それをなんとかするためにパパのような博士がいるんだ。
技術は人を幸せにするためにあるもの……なんでその技術の力を信じないで総理はこんな殺し合いなんて開いたのかな」
『殺し合いを開く前に、持てる限りの技術を使って問題に打ち勝とうとしても良かったハズなのに……』

総理は祐一郎などの技術者を集めて日本の問題を解決しようとか、世界を復興させようとする素振りは見せず、妥協するかのようにバトルロワイヤルを開催してしまったのだ。
それに対して光兄弟は大きく不満を募らせ、主催と戦う道を選んだのである。

「だから俺と彩斗兄さんは」『僕と熱斗は』
「『この殺し合いを終わらせることを決めたんだ』」
「それがあなた達の願いなんですね……」

703熱斗の奇妙な冒険part6:2014/08/09(土) 12:31:31 ID:/RqcyDP.0

熱斗と彩斗は決して遊び目的で主催と戦おうというのではなく、確固たる信念を持って主催に挑むつもりなのだ。
しかしふと、翔鶴に一つの疑問が過ぎる。
なぜ、そのことを今、自分に教えたのか? 殺し合いが終わってからでも遅くなかったのではないか?

「でも、どうしてそれを私に教えたんですか?」
「それはね……翔鶴さんも、いや翔鶴が俺達の妹だからだよ」
「!」
『兄妹なら隠し事はない方が良いって熱斗が聞かなくてさ、僕も半分は同意見だけど』
「でも私は熱斗さんとは違う……、彩斗さんも元は人間でした。
私はあなた達とは違って完全に機械なんですよ?」
『たぶん父さんは君の心を成す擬似人格プログラムに僕らネットナビと同じものを使ってる。
ネットナビのプログラムにはDNAが投影されている、もしそのDNAパターンが僕に使われたものと同じなら、すなわち僕ら三人は血を分けた兄妹でも間違ってないということになるのさ』
「例えそうでないにしろ、父さんが造ったなら俺達と血を分けたも同然さ。翔鶴は俺達にとって大切な家族なんだ」
「家族……」

熱斗と彩斗と兄妹であり家族であると認められた時、翔鶴の中で嬉しいという感情がこみ上げてきたのだった。

「それから、翔鶴に秘密や誓いを打ち明けたのはもう一つ理由があるんだ」
「え?」
『僕らがこの戦いで命を落とした時の……保険さ』
「そんな! お二方が死ぬようなことなんて!」
「俺達二人だって自分達は滅多な事では死なないと思ってる」
『でも万が一というケースもあるし、もしもの場合は翔鶴に引き継いで欲しいんだ……僕らの願いを』
「……わかりました」

仮に自分達が命を落とした場合、翔鶴にネットナビの未来を託そうというのだ。
翔鶴は二人の意図を理解して返事をした。

「でも、私もあなた達を死なせたくありません。
提督の息子さんだからじゃない、あなた達はかけがえのない私の兄だからです」
「『翔鶴……』」

だが、二人が死ぬことを翔鶴は認めるわけにはいかなかった。
知り合ってからまだ半日と経ってないが、それでも二人は翔鶴にとって大切な家族になっていた。
故に彼らのために戦おうと彼女は決心したのだ。

「これからはあなた達の妹、「光翔鶴」として熱斗さんと彩斗さんをお守りします。今後共よろしくお願いします」

翔鶴改め光翔鶴は熱斗に握手を求める。彩斗もPETの中にいなければ握手を求めていただろう。

「ああ、これからもよろしくな翔鶴!」
『よろしく翔鶴……みんなの前では「ロックマン」て呼んで欲しい。例の秘密はまだ家族だけに留めておきたいからね』
「わかりました彩斗さん」

握手をかわし、光兄妹は互いに微笑みあった。

――こうして翔鶴は本当の意味で二人の妹になったのであった。





一方、建物の裏側でその話をこっそり聞いていた少年がいた。
その少年はジョジョこと上条当麻であった。
作業中に消えた熱斗達に対し「あいつら、サボって何をやってるんだ」と彼らを探し、シャドーマンの探索能力で彼らの居場所を探り当て、内緒話をしているようだったので隠れて話を盗み聞きすることにした。
その結果……

704熱斗の奇妙な冒険part6:2014/08/09(土) 12:33:17 ID:/RqcyDP.0

『上条……泣きすぎだぞ』
「うっうっうっ……」

上条は大号泣していた。

「すまねえ。だけど俺、あいつらのことを勝手に誤解していた。
今まではなんでもかんでも問題の解決をネットバトルに頼り、周囲を振り回す変な奴らだと決めつけてた。
だけどそれは、俺が勝手に抱いていた幻想……あいつらにはあいつらなりの情熱と信念を持って戦ってたんだと思い知らされたよ。
幻想に振り回されていた自分が情けなくて仕方ないんだ」

話を聞いて、熱斗達は自分が考えていたほど安い人間ではなかったとわかり、途端に自分が恥ずかしくなった上条。
そして何を思ったのか自分の顔を右腕で殴りつけた。

『上条!?』
「シャドーマン……これは今の俺にとって必要な儀式なんだ。
俺の頭の中にある幻想をぶち殺し、頭の中をスッキリさせるためのな」

それから涙を拭った上条の表情は、どこかキリリとしたものに変わっていた。

「決めたぜ、シャドーマン。
俺も成り行きとはいえネットバトラーになったんだ。
これからはネットバトラーの一員・ジョジョとして迷わず主催やマーダーと戦う!
そしてあいつらの願いを叶えてやるんだ」

その目は以前のような、やる気なさげなものではなく、本気そのものであった。
熱斗の一本木すぎるほどのネットバトル・ナビ愛という信念が上条の考えを変えさせた。
熱斗と同じく、今の上条にとってはネットバトルはただの遊びではなくなったのだ。
さらに彼は信念を持ってまっすぐ生きている人間にはトコトン弱く、応援したくなるサガの持ち主。
だからこそ熱斗達の夢を応援したくなったのである。

『ようやく乗り気になったか、上条当麻』
「シャドーマン……」
『これまでのあなたは、どこか雲の上に乗っているように微妙な立ち位置で状況に流されているだけであったし、正直新たな持ち主にふさわしくないのではと思っていた。
だが、今は違う。己の行く道を決めた今の上条はダークミヤビ以上の器になりそうだ。
故に、今後はあなたに敬意を込めて「お館様」と呼ばせていただく』
「シャドーマン!」

本気になった上条の姿に、シャドーマンも彼を新たな主と認めたのであった。

『さてそろそろ戻らないと、エスパー伊東や殿馬に迷惑をかける、急いで持ち場に戻ることを提案する』
「おう、行こうか」

ひとしきり話がついたところで、上条は熱斗達が戻るより早く持ち場に戻ったのだった。
しかし、持ち場に戻った上条はここであることに気づいたのであった。


「あれ? エスパー伊東と殿馬さんはどこにいったんだ?」



【一日目・6時00分/日本・大阪】
※食料調達のため、死国とは一時的に別行動を取っています。
※悪魔将軍は目的地の死者スレがある不思議なダンジョンに着くまでは、他のメンバーに『真の黒幕』について話す気はないそうです。
※ちなみにこの場にいないシグナムもスタメン落ち確定です。野球の公式試合には一軍では参加できません。

705熱斗の奇妙な冒険part6:2014/08/09(土) 12:33:57 ID:/RqcyDP.0

【光熱斗@ロックマンエグゼ】
【状態】健康、首輪解除
【装備】自分のPET(ロックマン入り)
【道具】支給品一式×2、デカオ(ロックマンエグゼ3)が作ったおべんとう、チップトレーダー@ロックマンエグゼ、
    大量のガッツマンのチップとバグのかけら、ガンデルソル3(実物)ネオバリアブル(実物)
    各種ナビカスタマイザーパーツ、大量の金、シンクロチップ、他不明
【思考】基本:主催者たちにネットバトルを挑んで勝つ!
0:野球はダメダメだったけど、俺にはまだネットバトルがある!
1:プリズムとフォレストボムのチップを探す
2:その為に色んな人にネットバトルを挑む
3:大災害で死んだネットバトラーやネットナビ達のためにも、早く殺し合いを終わらせて世界を平和にし、ネットバトルの面白さを再び世界に広めたい
4:新たな家族として翔鶴は大切にしたい
※スタメン落ち確定です。野球の公式試合には一軍では参加できません。
※大山デカオ@ロックマンエグゼ、ロックマンエグゼ2、ロックマンエグゼ3(BLACK版)、ロックマンエグゼ5チームオブブルースは死国にいるようです
※熱斗やヒノケンなど一部を除く多くのネットバトラーが大災害で命を落としているようです。
 まだ生存しているネットバトラーの面子については次の書き手氏にお任せします。

【ロックマン(光彩斗)@ロックマンエグゼ】
【状態】HP満タン
【装備】ロックバスター
【道具】なし
【思考】基本;熱斗をサポートする
0:僕に妹が出来たぞォ!
1:主催者たちがネットバトルを受けてくれるか、心配。
2:新たな家族として翔鶴さんは大切にしたい
※PETの中にいます

【翔鶴(光翔鶴)@艦これ】
【状態】万全
【装備】彩雲、紫電改二、流星改、 零式艦戦62型
【道具】なし
【思考】基本:提督(祐一郎)に従う、熱斗
1:襲い掛かる者たちを殲滅する
2:二人の妹として彩斗さん(ロックマン)と熱斗さんはお守りする
3:二人に何かあった場合は二人の願いを引き継ぐ
※熱斗とロックマンより、二人の過去についての話を聞き、自身を光翔鶴と名乗るようになりました


【上条当麻@とある魔術の禁書目録】
【状態】顔に小ダメージ、不幸、首輪解除、本気モード、今ならクロスフュージョンできそう
【装備】PET(シャドーマン入り)
【道具】シンクロチップ、他人のデッキ(「ぬばたま」デッキ)
【思考】基本:あのAA
1:ネットバトラーの一員として主催やマーダーと戦う
2:あれ? エスパー伊東と殿馬さんはどこへ?

【シャドーマン@ロックマンエグゼ】
【状態】HP満タン
【装備】ムラマサ
【道具】なし
【思考】基本:新しきお館様(上条)に従う
1:敵は殺す、慈悲はない
2:ようやく乗り気になったようだな、お館様
※PETの中にいます

706コール・オブ・デューティ(忍殺風味):2014/08/09(土) 12:35:43 ID:/RqcyDP.0
時は数十分ほど遡り、大阪のとある町、西側。
こちらはトシキ、ディオ、シャロ、ダイアーさんの担当区分だ。
それぞれがせっせと町中から食料をかき集めている。


「ふう、探偵業のいいけど、こうやって汗を流す仕事もいいなあ〜」

そう、呑気に言ったのはシャロであった。
彼女はコンビニの一つに一人で入り、食料をまとめていた。

「領収書はちゃんと置いていくし、これは盗みじゃないですよね」
ガタッ
「ん?」

突然、店の奥から物音がした。

「誰かいる!?」

この町に残っている人間がいたのか。
いるとすれば善良な参加者か悪辣なマーダーか。
もし前者なら良い、例え後者だとしても自分にはいざという時のミルキィがあるし、ヴァンガードデッキもあり、並のマーダーの一人二人なら対処可能であると彼女は自信を持っていた。

「誰かいるんですかー?」

そう彼女は呼びかけるが返事がない。最初からいないのか、それとも隠れているのか。
真偽を確かめるためにもシャロは店の奥を確かめることにした。
だが、そこには誰もいなかった。

「変ですね、確かにここから物音が――」





次の瞬間、天井から何者かの腕が彼女の頭を掴み、彼女の首を、ゴキリッとへし折った。

(えッ……トシキさ――)

全ては一瞬であり、助けを呼ぶ暇もなく、ミルキィやカードを使って反撃する暇もなく、痛みもろくに感じることすらできないまま、彼女の意識は闇に落ちていった。

【シャーロック・シェリンフォード@探偵オペラ ミルキィホームズ 死亡確認】
死因:首の骨を折られた


シャロを暗殺したのは一人の忍者。主催の手先である特務機関員の一人、風魔小太郎であった。
天井に潜んでいた風魔はシャロを店の奥へ誘いだし、声も出せぬ間に殺したのだ。
そして今しがた殺害した少女の死体を抱えて風魔は支給品のどこでもドアで、どこかへ消え去った。

「おい、シャロ。そっちの作業はまだ終わらないのか?」

風魔が消え去った直後に、この殺し合いにおいて少女と付き合いが長かったトシキが店の中に入ってきた。
なかなか店の中から出てこないので、様子を見に来たのだ。

「……シャロ? あれ、いないのか?
変だな、確かに今まで店の中にいたような気がしたんだが……」

彼はまだ気づいていない。少女は既に帰らぬ人になっているということに。
そして彼がもっと早く店の中に入ってくれば、もしくは彼女の傍で作業していれば惨劇は防げたかもしれないことに……

 @

707コール・オブ・デューティ(忍殺風味):2014/08/09(土) 12:37:29 ID:/RqcyDP.0

熱斗達が探索している町より、少し離れた場所。
そこには主催者の手先である新城直衛がいた。
あれから数時間が立ち、神樹の襲撃による恐怖から立ち直った新城は五大幹部から特命を受けた。
その命令とは『クラウディウス、風魔小太郎を率い、十神白夜を中心としたホワイトベース組が再攻撃を仕掛けるまで死国を大阪に足止めしつつ、可能な限りの損害を与えよ』である
本部は拳王軍・祐一郎一行に敗れたホワイトベース組が、態勢を整えて再び死国に挑もうとしている情報をキャッチしたらしい。
その情報はホワイトベース組に潜伏した大尉からの情報であり、確実性は高い。
そして、死国をホワイトベースを戦わせるために指揮能力に長けた新城を筆頭に三人の刺客が派遣されたのである。


新城の前にどこでもドアが現れ、そこからさらにシャロの死体を抱えた風魔がドアを開けて現れる。
九州ロボに帰還した時のキャラ崩壊ぶりは何処やら、悪魔のような笑顔を新城は同僚に向け、普段から無口な風魔は紙とペンでコミュニケーションを取る。

「流石は忍者だ、さっそく一人片付けたか」
『指示通り、血の一滴たりとも痕跡は残していない。我々の存在に気づかれた様子もまだない』
「よし、それでいい。次もその調子で頼む」
『御意』

風魔は新城に死体を渡すと、どこでもドアを使って再び『狩り』にでかけたのであった。
新城がシャロの死体を千早の背中に乗せたすぐ後に、上空にいるロードビヤーキーの内部にいるクラウディウスから新城宛に通信がきた。

「おい新城! 俺の出番はまだかよ! いいかげん空からの監視なんて糞みたいな仕事は飽きてきたぜ!」

通信機からは無駄に喧しい声が響き、新城の鼓膜を少し痛める。
クラウディウスは以前に本部の侵入者を取り逃がした失態を犯しており、その失態を埋め合わせできる功を早く納めたいと焦っているのだ。
特に同じ特務機関員のベクターとは折り合いが悪く、そのベクターに先の失態で散々煽られたらしい。。
そのためか、元々減らず口が多い彼の口はさらにうるさくなっているのである。


「クラウディウス、君の出番もきっと用意するよ。
特にホワイトベースを一撃で沈め、それだけに留まらず、九州ロボを直接攻撃できる可能性を持つあの魔改造ガンダムを倒せるのは三人の中で君だけだ。
……だが、今はまだその時じゃない。奴を落とせる絶好のチャンスは僕と風魔が必ず作るから、その時まで大人しく待ってるんだ」
「……チッ、今はおまえの指揮に従わないとデウスに処刑されるから従うが、絶対に俺の出番を作るんだぞ!」

どっちが指揮官かわからなくなるような不遜な態度で、クラウディウスは通信を切った。
そして、新城は一人、思考に耽る。

(僕はなのは組、特に神樹と呼ばれる存在を目の当たりにして学んだよ。
ああいう戦闘力が桁違いに高い輩は正面から挑むべきじゃない―もちろん拳王軍に野球を挑むなんて論外だ。
相手の土俵に立たず立たせず、向こうが実力を発揮しきれず・仲間との連携が取れない内に手早く暗殺する。
そしてこちらの戦力を削ぎたくないなら無理な戦闘は避けるゲリラ的戦法でいく……それしかない!)

死国はたった十数人で九州ロボの腕を一本落とした猛者揃いであり、さらについ先ほど、本部でしこたま暴れ、サテライトキャノンすら跳ね返した飛竜やハクメン、さらには彼ら以上の実力を持つかもしれない悪魔将軍まで加わったという情報も入った。
死国の総戦力は新城が目の当たりにしたなのは組より高いかもしれない。
だが、戦いようが全くないわけではない。
新城は風魔には事前に、熱斗組に正面から仕掛けない・敵に気づかれないようにコソコソ隠れながら集団からはぐれた敵だけを優先して狙う・仮に見つかったら即逃げる等の三つの指示を与えた。
いずれも敵に発見されないことを重視した隠密戦略であり、一見地味だが敵の戦力をジワジワ削るにはうってつけの作戦だ。
事実、少女が一人、反撃も許されぬまま毒牙にかかり、熱斗組は自分達が攻撃を受けていることにまだ気づいた様子はない。

さらに幸運にも死国組は一時的とは言え二手に分かれた。
戦力が二部されたということは巨大対主催グループに打撃を与えられる、またとないチャンスであろう。
しかもその別れたグループの側にはラオウや悪魔将軍などの面子がいないようであり、新城達では確実に倒せないと思われる理不尽級の参加者は熱斗だけである。

708コール・オブ・デューティ(忍殺風味):2014/08/09(土) 12:38:31 ID:/RqcyDP.0
任務内容についても先の大尉の失敗(実力差がありすぎる敵に挑ませたこと)を汲んでか、はたまた主催側の介入より参加者同士の潰し合いを幹部達はご所望なのか、あくまで死国の敵対グループが到着するまでの時間稼ぎであり、敵も全滅させる必要はない。
危険を感じれば、どこでもドアを使うなり、鏡の世界へ逃げるなり、撤退や身を隠す手段はいくらでもあえう。
敵は25人以上、対する新城達は3人しかいないが、殲滅戦ならまだしも、隠密と破壊工作一択なら戦い用はあるのだ……立ち回りさえ間違えなければだが。


(しかし、やはり幹部の考えがさっぱりわからないな。
先の放送で風鳴翼を主催でも手のつけられない危険人物と参加者に吹聴しているが、僕には主催に直接的な打撃を何度も与え、県を二つも焦土に変え、あまつさえ首輪まで外されている死国組の方が遥かに危険集団だと思えるんだが……なんでそっちを指名手配しないんだ?)

新城は主催に仕える身だが、主催本部の……特に五大幹部の不可解な行動の数々に疑念を持ち始めていた。

(いや、そもそも、五大幹部でも一番強いと言われるバーダックが動きさえすれば、どうにかなるはずだ。
バーダックでも油断できない相手が死国には沢山いるにしても、奴の火力なら死国そのものを沈めることは容易なハズだ。
死国に攻撃さえすれば、殲滅は無理でも足止めは確実にできる。
そうすれば僕ら特務機関の出る幕はないはずなんだ……だのになぜそれをやらない?!
風鳴翼だってそうだ、九州ロボから県そのものを吹き飛ばせば、首輪がなくとも一発で問題は片付くだろうに!)

幹部達の行動は矛盾だらけでめちゃくちゃである。
本拠地の九州を禁止エリアにするのがあまりにも遅すぎるし、飛竜とハクメンは本拠地に潜入し主催の総理すら殺害したのに首輪の爆破などせず、死国組との合流を許した。
両者の首輪はまだついているというのに首輪爆破による介入は一切なしだ。
離反者であるうぐいすの殺害には総理の意見に同意したというのに、同じくらい主催の情報を握っているであろう離反者のサーシェスは放置プレイだ。
まとめると五大幹部は自分の首を絞める行動ばかりとっているのである。
しかし、これだけの疑問を持ちながらも新城は愛する義姉の命のために、表立ってそれを口にすることができないでいた。

(くっ、蓮乃姉さんを守るためにも僕は任務を全うすることだけしかできない……
だが、五大幹部にはこの殺し合いの中で、自分達を危険に晒すことも計算の上で何かを目論んでいるとも取れる。
だとすれば、五大幹部はこの殺し合いにおける真の目的はなんだ?)

新城はこのロワを運営する五大幹部にキナ臭さを感じ始めていた。
本当に人口削減だけが、このロワの目的なのか?
新城の疑念は強まっていき、五大幹部が何か得体の知れない秘密を抱えているのではないかと、やがて考えるようになっていった。

「いかんいかん、今は任務に集中だ。僕は僕の仕事をしなければ……おっと?」

考えに耽っていた新城は、道中で何かを見つけた。
何か青い物体のようだが……発見した新城は怪しい笑顔を浮かべている。

「見つけたよ……ちょうど僕が探したかった物だ」

709コール・オブ・デューティ(忍殺風味):2014/08/09(土) 12:39:04 ID:/RqcyDP.0



そんな新城を物陰から遠巻きで伺う者がいた。
それは死国組の野球選手の一人、殿馬一人であった。

「最近野球ばっかりで、仕事がてらに町をぶらつきたいと思って熱斗君についていったら、とんでもなく怪しい奴がいたづら」

作業中だった殿馬は偶然、新城を見つけたのだ。
殿馬は野球はともかく、戦闘力は拳王達と比べるまでもなく低いため、戦闘は熱斗やジョジョに頼る他ない。
怪しい男が彷徨いていることを仲間に報告しなければ。
そう思った殿馬は踵を返して、すぐに熱斗達のいる場所まで戻ろうとした。

「な、なんづらか、こいつは!?」

だが、それは叶わなかった。
戻ろうと後ろを振り向いた瞬間、虎型の怪人――新城の契約モンスターであるデストワイルダーが立っており、殿馬はその姿を見て驚き竦んでしまった。
デストワイルダーはその隙を見逃さず、彼を一瞬で最寄りの窓ガラスから鏡の世界へ引きずり込み、そしてそのまま……

「と、閉じ込められた?! 誰か助け、うわあああああああああああああああああああああ!!!」

殿馬は、抵抗むなしく喰われてしまった。
助けは呼んだ。だが、鏡の世界からは彼の叫び声は仲間には届かない。


【殿馬一人@ドカベンシリーズ 死亡確認】
死因:デストワイルダーによる捕食


そして、新城も周辺の様子に気づき、ターゲットの一人を文字通り屠った虎に彼はこう言った……「いい子だ」と。

 @

10分後、風魔がまた一人、熱斗組の暗殺に成功し、死体を新城の元まで運んできた。
今度はどうやら一人でいたところをシャロから奪った支給品を利用して殺したらしい。


【エスパー伊東@現実 死亡確認】
死因:かまぼこを喉に詰まされて窒息死
※支給品扱いのため、放送では名前が流れません


『これで三人目だが、そろそろ熱斗組も怪しみ出すころだ。
三人も突然いなくなったことで、周囲の警戒や仲間の捜索は始めるだろう』
「それでいい。仲間を捜索する分だけ、奴らは時間を消耗する。
死んでることを知っているならまだしも、彼らは仲間がまだ生きてると思い込んで捜索するだろう。
君が死体はもちろん、血の一滴たりとも現場に残さずに殺してくれたおかげだよ」

あえて、手間をかけて死体を隠し、首骨折や窒息死など血の出ない暗殺方法で殺害したことにより、熱斗組は蒸発した三人共が死んでることに気づいていない。
仲間が死んでいるとわかれば、熱斗組も諦めをつけて戦艦に帰るだろうが、生きてると思っている内は時間を割いてでも探すだろう。
そして熱斗組が帰ってくるまでは死国も港から発進しないと見越し、今から1〜2時間は足止めできると新城は踏んでいる。
その間にホワイトベースが襲撃を仕掛けてくれれば、御の字であり新城達の任務も完了する。

710コール・オブ・デューティ(忍殺風味):2014/08/09(土) 12:39:38 ID:/RqcyDP.0

『ところで、だ。なぜ殺した死体を集めている?
隠蔽するなら鏡の世界に閉じ込めるだけでもいいだろう。その虎の餌にするのか?』
「違うよ。千早はデストワイルダーと違って人肉なんか食べない。
これは熱斗組の精神面を攻撃するために取っておくつもりさ」
『精神面とはつまり……』
「僕がこの死体をどう使うかは君の想像力にお任せするよ」

新城は悪魔のように、否、魔王のような笑顔を風魔に振り向けていた。
生きていたと信じていた仲間が、無残な死体となって返ってくれば熱斗組は心に多少なりとも動揺を呼ぶことができるだろう。

「そうだ、クラウディウス。もしかしたら君の出番が巡ってくるかもしれないよ?」
「マジか!?」
「まあ、焦らずに僕を信じてくれ」

通信機を手にとった新城の前には三つの死体があった。
一つは首の骨があらぬ方向に曲がっているシャロ。
一つはかまぼこを口に詰められたまま、苦悶の表情を浮かべているエスパー伊東。
最後の一つは……のび太とクロえもんの親友であり、とある少女の支給品として行動し、この大阪にて発狂した猿に電子頭脳を撃ち抜かれて機能を停止した、二度と動くことのない青い猫型ロボット――ドラえもんであった。

そんな主催陣のアイテムと化した彼らに、どんな悲劇的な味付けを加えるかは手に入れた新城次第である。



【一日目・6時00分/日本・大阪】

【ディオ・ブランドー@ジョジョの奇妙な冒険】
【状態】頬にダメージ、首輪解除
【装備】PSP(デューオ抜き)
【道具】支給品一式×3、シンクロチップ
【思考】基本:ネットバトルとベースボールを極める
0:主催を倒すのはラオウではない、このディオだッ!
1:ジョースター家を手に入れる
2:ジョジョより優越感を得る
3:熱斗達にネットバトルを挑むのは後回しだ!
4:デューオがいないので戦闘になるとちょっと不安
5:シンクロチップを手に入れたし、デューオとクロスフュージョンしたい

【櫂トシキ@カードファイト!! ヴァンガード】
【状態】ヴァンガ脳、首輪解除
【装備】自分のデッキ、やきそば
【道具】支給品一式
【思考】
1:強いファイターと戦う
2:俺のメイト達(上条達)についていく
3:シャロの姿が見えないぞ?
※4期(レギオンメイト編)の格好に着替えました。

【ダイアー@ジョジョの奇妙な冒険】
【状態】割と悲しい、首輪解除
【装備】イカ墨とパスタ@現実
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】基本:主催を倒す
1:ディオとかいう奴も倒す
2:アドラー達と行動する
3:ストレイツォ……
※ディオを『吸血鬼ディオ』と思っていません。
※何か見ましたが、別に物語とは関係ありません。

【クロえもん@ドラベース ドラえもん超野球外伝】
【状態】健康、首輪解除、バスターガンダムに搭乗
【装備】バット、ボール、グラブ
【道具】支給品一式 電車ごっこロープ
【思考】基本:主催者たちに野球で挑んで勝つ!
0:矢部君の意志を継ぎ、殺し合いを打破する
1:最低でも四国アイランドリーグが出来るくらいの仲間を集める
2:イチロー選手を仲間に引き入れたい
3:ドラえもんがいない間、のび太くんは俺が守る

【野比のび太@ドラえもん】
【状態】健康、首輪解除、称号『クソレフト』、バスターガンダムに搭乗
【装備】バスターガンダム@機動戦士ガンダムSEED、龍星座の紫龍@聖闘士星矢、
【道具】支給品一式、ボーリングの玉@現実、キン肉マンのコミックス全巻@現実、大量の食料
【思考】基本:生き残る、できる限り祐一郎さんたちを手伝う
0:野球ができなくても僕にはガンダムがあるぞぉ!
1:ドラえもん……
2:クロえもんとは仲良くしたい
※デュエルガンダムのパイロットが出来杉だと気づいてません
※バスターガンダムにはサテライトシステムが搭載されています。
※スタメン落ち確定です。野球の公式試合には一軍では参加できません。

711コール・オブ・デューティ(忍殺風味):2014/08/09(土) 12:40:28 ID:/RqcyDP.0


【特務機関 新城破壊工作部隊】

【新城直衛@皇国の守護者】
【状態】健康、恐怖から復帰、五大幹部への強い疑念
【装備】タイガのデッキ@仮面ライダー龍騎
【道具】支給品一式、千早@皇国の守護者、通信機、シャロの死体、エスパー伊東の死体、全壊したドラえもん
【思考】基本:義姉のために任務は遂行する
0:風魔小太郎とクラウディウスを率い、ホワイトベース組が再攻撃するまで死国に可能な限りの損害を与え、大阪に足止めをする
1:損害を抑えるために熱斗組には正面から仕掛けない、危険と感じたら一時撤退する
2:さて、この回収した死体(シャロ・エスパー伊東・ドラえもん)をどう使うかな
3:できれば五大幹部が殺し合いを開いた本当の目的を知りたい
※特務機関員です

【風魔小太郎@戦国BASARAシリーズ】
【状態】健康、スニーキング中
【装備】対刀“衝"・乙@戦国BASARAシリーズ
【道具】支給品一式 どこでもドア@ドラえもん、「ロイヤルパラディン」デッキ、テニスボール×∞、謎ミルキィ
【思考】基本:任務遂行
0:命令により今は新城に従う
1:熱斗組には正面から仕掛けず、暗殺によってジワジワと戦力を削る
2:隠密重視、見つかったら即逃げる
※特務機関員です
※どこでもドアは主催から貸し出されたものです
※シャロから支給品を回収しました

【クラウディウス@機神咆哮デモンベイン】
【状態】健康、待機中でイライラ
【装備】ロードビヤーキー@機神咆哮デモンベイン
【道具】支給品一式、 セラエノ断章@機神咆哮デモンベイン、通信機
【思考】基本:命令に従う
0:今は新城に従う(従わないと処刑されるから)
1:新城の合図があるまで待機
2:早いところ、死国の参加者を殺して失敗の埋め合わせをしたい
3:今度八神はやてと二ッ岩マミゾウをみつけたら必ず殺す
4:ベクターにだけは舐められたくねえ
※特務機関員です

712戦いに行こうぜーーっ! 超人戦争だーーーーっ!:2014/08/13(水) 23:30:40 ID:DLGI0Xj60

 大阪の朝の風の身に染みる。
 紅白戦も終わり、大阪の港で止まっている死国の甲板で休んでいる最中だ。
 私のスタメン落ちはまあ、想定の範囲内だ。
 本当、野球って疲れるからね。

『……貴様はまだ本気を出してないように見えるが?』
「ばれてたか?」
『無論だ……貴様の本気はどこにある?』
「さてな、主催戦になれば本気を出す……可能性はある」
『…………』

 勘が鋭いな、カーネル。
 ……だが、半分は当たり、半分は外れだ。
 私とて本気を出せればいいが……出そうにも出せそうにない。
 そりゃあ、何年も出続けてその間の積み重ねた経験値ってのが相当なものになってるからね。
 ズガン師だって一撃だし、時の世界にも入門してるし、念能力だって使える。
 過去のラスボス戦に3度も顔を出した……大抵のラスボス如きじゃ私は驚かない自信はある。
 だが、どうにも自分のスペックとポテンシャルが釣り合わない。
 例えるなら100の潜在能力があっても10くらいしか出せないのだよ。
 その状態が首輪を外しても続いているんだから、考えられるのは……乾巧って奴の仕業。
 ……な訳はなく、あるとしたらこの世界自体に制限を掛ける何かがある。
 将軍様のいう真の黒幕はとりあえず、チートだな。ラスボスなんだから理不尽級の超チートだな。
 とりあえず、真の黒幕を倒せば制限が完全に解ける上に、主催陣がボドボドになるのは分かる。
 恐らく洗脳であろう、面識がない奴らが同じ目的あるからといって手を組むのはまずおかしい。
 それでこそ、武力をもっていればそれで相手を制圧するであろう。
 一つ言えるのは対等な『同盟関係』など決してあり得ない。
 あるのはどちらかが上でどちらかが下かの明確な『上下関係』だけだ。

 現に今、私の置かれている状況。
 絶対的な実力と統率力とカリスマ性を持つ将軍様が筆頭している。 
 その下にラオウ、タクア……ムギさん、祐一郎さんと続く。
 それと将軍様が対主催やってるんだから、そのほかの悪魔超人達も対主催なんだろうな。
 悪魔六騎士に7人の悪魔超人……彼らが対主催ならものすっごく心強い。

 ……ん? 何か迫ってくる!!
 四次元空間が開いた! ついに主催者側も動き出したのか!?
 あの上から来た狼男? 知らんなぁ!
 そして、私の前に現れたのは約10人。

「ここが死国か……」
「思ったよりも広い戦艦だな」
「もう駄目だぁ……逃げるんだぁ……皆、殺される……
 ……皆、祐一郎さん達に殺される……」
「いつまで、ヘタレている!!」
「カーッカッカッカ!!」

 ゲェーッ!? 超人血盟軍!??
 それに四次元殺法コンビとベジータ王子!? 残りの二人は知らん!!

「ん? そこの剣と携帯ゲームを持ったお嬢さん、ここが『戦艦・死国』か?」

 フルフェイスの迷彩マスクにホークスのユニフォーム!?
 正体はアタル兄さんなんだろうけど絶対に怪しい。
 冷静で的確な判断力だとしても、非常に怪しい!!
 だが、ここは『アレ』をやるしかない……。

「ああ、そうだが……それにしても、ホークスの選手にしては随分と筋肉が発達していらっしゃる。
 一体、どこで鍛えられたんですかねぇ?」
「それはもちろん球場でだが、それが何か?」
「あっ、はい……」

 まさかのツッコミどころ潰し!?
 ここまで見越して、あんな逆にツッコミどころのある格好を!?
 アタル兄さん……なんという冷静で的確な判断力なんだ!
 しかし、なんでこんなところに超人達が……?

「単刀直入に聞く、君と光祐一郎とはどういう関係だ?」

 私の周りを超人達が囲んでいる。
 下手な答えを出したら、竜巻地獄とかハリケーンミキサーとかベルリンの赤い雨が飛んできそうだ。

713戦いに行こうぜーーっ! 超人戦争だーーーーっ!:2014/08/13(水) 23:31:08 ID:DLGI0Xj60

「私と彼とは仲間だが、言っておくが主催者ではない。
 あとネットに書かれていることは、大半は嘘八百でたらめだ……!」
「ほう」
「だったら、お前の首輪はどうした!?」
「無論、祐一郎さんに外してもらったに決まっている、私の仲間も同様だ」
「外し方が分かるのか?」
「勿論だ、コツさえつかめば、ニー……フリーターの私にだって出来た」

 そう言い、私は彼らの首輪を外した。
 特別な力は入らない、必要なのはコツとちょっとした技術くらいだ。
 まあ、数十人分の首輪解除を見たからそれくらいはできるよ。

 そんな時である。

「何者だァァァァ!! 貴様らァァァ!! 
 特にそのホークスのユニフォームに迷彩マスクの男!!
 貴様、超人だなァァァァァァァァァ!!!」

 うるさい人が来た!
 スピーカーでも付いているかの如く騒がしい男。
 そう、シュトロハイムである。

「このナチスドイツのシュトロハイムの眼はごまかせんぞォォォォ!!」
「何、ドイツだと!」
「んん!?? その軍帽はドイツの名門ブロッケン一族の……貴様ァ! ブロッケン一族の者だなァァ!!」
「あ、ああ……」
「ならば、信用できるな! 我がドイツの愛国心も世界一ィィィィィ!!!!」

 ブロッケンjr.若干引いてるじゃねーか!
 そして、もう一人来た……この威圧感はまさか……!

「なにやら、騒がしいな」
「「「「「悪魔将軍様!!」」」」」

 悪魔超人4人となぜかペンタゴンが何故か立膝を着き、忠誠を誓うポーズを取っていた。
 流石、無法者を束ねるキング・オブ・デビルだ。

「こ、こいつが悪魔将軍……き、金髪だ……」
「悪魔将軍『様』だ……カーカカカ!」

 コキャッ!

 軽快な音ともベジータ王子の首がアシュラマンの手によってあらぬ方向に曲がった。
 それにしてもこのアシュラマン割とノリノリである……まさかマグニスさまの腕を奪ったんじゃね?
 
「これはいかん、フェイス・フラッシュ!」

 しかし、アタル兄さんの迅速な対応でことなきを得た。
 
「その技……貴様、キン肉族の……」
「まさか、貴様まで参加者だったとはな、悪魔将軍」

 知り合いだったのか!?
 確かにアタル兄さんはキン肉マン(キン肉スグル)の大事な試合を見に行ってたからな。
 だが、悪魔将軍様がアタル兄さんを知っているのか、どうかは知らん。

 その後、悪魔将軍様により色々と話された。
 流石に私も聞くのが二度目だから、省略する。

「……ならば、我々が陽動部隊になろう」
「悪魔将軍の指示なのは少しばかり癪だが……やるっつぇ!」
「「「「「全ては悪魔将軍様のために!」」」」」
「優ちゃん、ソルジャー隊長の足を引っ張っちゃだめだよ」
「いや、春香の方こそ」
「君たちはここに残りなさい」
「「ええーっ! どうして!?」」
「手を汚すのは俺達だけで充分だぜ」
「じゃあ、俺様も……」
「それは駄目でござる」

 超人達が九州ロボに奇襲を仕掛けることが決まった。
 ベジータもそのメンバーに入っていたのだが、嫌がっていた。
 そして、ずっとイチャイチャしていた女子高生二人はここに残ることになった。

「―――俺もそちらに加わろう、地図はある」

 飛竜さん、いつのまに……!?
 確かにこの人の場合、こういうところで大人しくしてるより、暴れてるイメージがある。
 こうして、電撃主催陣営大打撃作戦が7時から行われれうことが、決定したのであった。

714戦いに行こうぜーーっ! 超人戦争だーーーーっ!:2014/08/13(水) 23:31:34 ID:DLGI0Xj60

【二日目・6時00分/大阪府・超弩級戦艦『死国』】

【シグナム@リリカルなのはシリーズ】
【状態】健康、自称フリーター、首輪解除
【装備】レヴァンティン
【道具】支給品一式、PET(カーネル入り) 、SPW財団以上の資金とか多数のレアチップ、シンクロチップ
【思考】基本:働かなくて済むように動く
1:熱斗たちについてくる
2:主催者たちは倒す
3:そろそろ、本気出したい
4:『真の黒幕』と戦ってみたい
※今までとは別人ですが記憶(と一部能力)を受け継いでいます
※PSP版の技は使えませんが、念能力が使えます。
※キン肉マンの知識があります。
※首輪解除の技術を持っています。

【カーネル@ロックマンエグゼ】
【状態】HP満タン
【装備】カーネルのブレード
【道具】なし
【思考】基本;ロワの破壊
1:今は(仕方ないので)シグナムに従う
※PETの中にいます

【高山春香@桜Trick】
【状態】健康、首輪解除
【装備】野球のユニフォーム
【道具】なし
【思考】
基本:優ちゃんとイチャイチャする

【園田優@桜Trick】
【状態】健康、首輪解除
【装備】野球のユニフォーム
【道具】なし
【思考】
基本:春香と一緒

【悪魔将軍@キン肉マン】
【状態】健康、首輪解除
【装備】黄金のマスク、サウザーのバイク@北斗の拳
【道具】不明
【思考】
基本:主催達の抹殺
1:死者スレに向かい、死者スレの破壊及び真の黒幕である『あやつ』の抹殺
2:他の悪魔超人たちには陽動を及び危険因子の排除。
※完璧・壱式ゴールドマンです。

【ベジータ@ドラゴンボール】
【状態】健康、へたれ、金髪恐怖症、首輪解除
【装備】野球のユニフォーム
【道具】支給品一式、ノートパソコン
【思考】基本:死にたくないので野球をする
0:俺も戦わなくちゃならないのか……
1:悪魔将軍様が怖い
2:絶対に都庁には近寄りたくない
3:移動しつつツイッターはやる
※何度も瀕死状態から回復したので戦闘力が上がりました。

715戦いに行こうぜーーっ! 超人戦争だーーーーっ!:2014/08/13(水) 23:32:02 ID:DLGI0Xj60

【キン肉アタル@キン肉マン】
【状態】健康、首輪解除
【装備】キン肉マンソルジャーのマスク、野球のユニフォーム
【道具】不明
【思考】
基本:殺し合いを止める
0:超人血盟軍を率いる。
1:九州ロボに奇襲を掛ける。

【ブロッケンJr.@キン肉マン】
【状態】健康
【装備】ドクロの徽章、野球のユニフォーム
【道具】不明
【思考】
基本:アタルに着いていく

【バッファローマン@キン肉マン】
【状態】1000万パワー、首輪解除
【装備】ロングホーンで出来たバット
【道具】不明
【思考】
基本:悪魔将軍様に従う

【アシュラマン@キン肉マン】
【状態】健康、首輪解除
【装備】誰かの腕×6本にミットが5つ
【道具】不明
【思考】
基本:悪魔将軍様に従う
1;ところでこの腕は誰の何だ?

【ザ・ニンジャ@キン肉マン】
【状態】健康、首輪解除
【装備】忍者着
【道具】不明
【思考】
基本:悪魔将軍様に従う

【ブラックホール@キン肉マン】
【状態】健康、首輪解除
【装備】ペンタゴン@キン肉マン
【道具】不明
【思考】
基本:悪魔将軍様に従う
1:超人血盟軍と共に九州ロボに向かう

【飛竜@ストライダー飛竜】
【状態】健康、首輪解除
【装備】光剣サイファー@ストライダー飛竜 クナイ、各種オプション、ウロボロス@BLAZBLUE
【道具】支給品一式 
【思考】基本:主催を抹殺する
1:主催陣営及び『悪』を殲滅する
※新作『ストライダー飛竜』の技が使えます。
※ウロボロス@BLAZBLUEはどっかから拾ってきました。

716地獄スタジアム:2014/08/14(木) 19:26:18 ID:LWoVbkbI0
早朝の大和スタジアム。
そこでは暢気にも野球の試合が行われていた。
観客などほとんどいない、不毛な試合とも思えるが……試合を行う二つのチームには譲れぬ思いがある。
信念と信念のぶつかりあい、殺し合い世界の中で野球決戦。


7−1


しかし表示されるスコアを見れば、それがいかに一方的なものであるかがわかるだろう。

試合をしていたのは、大魔神軍とドラゴンズ。
ピッチャーだらけとはいえその道のプロと、数時間前に野球を始めたばかりのドラゴンどもで試合になるわけがない……
僅かな観客――休息の為に身を隠していたイチローチームの面々は、そう確信していた。

だが、大魔神軍相手に点をもぎ取ったのはドラゴンズの方であった。

「く、くそ……認めてたまるか!こんな、こんなふざけた連中に……!」

佐々木様は、歯軋りしつつバットを強く握り締める。
相手のピッチャーはなんのことはない、細身の少女だというのに。

「……ロイ様が見てる。だから、勝たせていただきます」

イドゥンが振りかぶり、ボールを投げる。

「っ!!!」

その瞬間だけ、彼女の腕は屈強な魔竜のそれに変貌していた。
武器の名称が【闇のブレス】でありながら、【実際の攻撃モーションは鷲掴みによる握殺】という点からもネタにされてしまうイドゥンではあるが、
逆に言えばその腕の力はブレスに勝るほど凄まじいのである。
暗黒の力を纏った剛速球を、佐々木様のバットは捕らえることはできない。
愚直なストレートだ。本来の彼であればなんなく打てるのだが、相手のパワーとスピードが凄まじすぎて迂闊に手を出せば両腕を持っていかれる。

「クハハ、ストライクだな。どうしたニンゲン、もっと足掻いてみせヨ?」

そんな殺人球を、捕手であるフォーマルハウトはなんなく受け止めて見せた。

「くっ……!」

そう、大魔神軍とドラゴンズの明暗を分けたのは……圧倒的なまでの基礎身体能力の差だった。
あまりに残念な言動と出典元の実績で笑いものにされる彼らではあるが、そのメンバーの殆んどは神だのラスボスだのである。
その圧倒的な力に大魔神軍の面々は気圧され、逆にドラゴンズの面々は勢いに乗る。
そもそもこの試合を強引に成立させたのはオシリスの天空竜だったりするのだが、彼らは初っ端からやる気満々であった。
理由は勿論、カオスロワちゃんねるに書き込まれた大魔神軍の大量のドラゴンズをディスる発言の数々。
せめてそれがなければ、大魔神軍にもまだ勝機はあったかもしれない。
だが正に竜の逆鱗に触れてしまった現在、大人気ないドラゴンズの本気の蹂躙劇は止まらなかった。

717地獄スタジアム:2014/08/14(木) 19:26:54 ID:LWoVbkbI0
「あいつ、口にボールを!?」
「超電導サンダーボールッ!」

ドラゴンの巨躯から繰り出されるボールは、誰が投げようが全員即死級であり……

「この両腕を犠牲にしてでも、打たせてもらうぞっ!」
「ちっ!?」

選手生命を失いかねないほどの危険をおかして打つことができても……

「おっとあぶねぇ、ワールドツアーでささっとキャッチ」
「」

ドラゴンの驚異的な機動力の前では次々とアウトにされてしまう。

「ピッチャーなめんな!」
「お前こそドラゴン舐めんなwwwww」

当然、ドラゴンパワーでヒットを出された場合はほとんどそのままホームランまっしぐら。
ピッチャーの意地でその回数こそ抑えているが、それでも当てられてしまっては手のつけようがない。

「貴方の球は見切りましたよ。球……タマ!?ああなんて卑猥な!まさか貴方、私に黄金の魔球とかいってオチン○と一緒に押し付けるつもりじゃ!?」
(おっぱい……もうおっぱいしか見えないや……)

しかもダメ押しで色仕掛け攻撃まであった。

反則とも思えるかもしれないが、なんでもありなのがこの理不尽なカオスロワ方式野球なのである。

その結果……


○ドラゴンズ 18−4 大魔神軍●


たった一試合で、すごいことになった。

――ゲームセット――



「ありがとう……ございました……!」

悔しい思いはあった。超理不尽なカオスロワ方式野球の洗礼を受け、血も涙も流している。
それでもマー君は、しっかりと相手チームへの礼を欠かさずに行った。
残る面々も、それは忘れない。試合には敗れたとはいえ、彼らは野球への強い誇りを持っているのだから。

「こちらこそありがとうホル。大魔神軍のおかげで、こっちも色々と課題が見つかったホル」
「まさかロボットだけじゃなくて生身の人間にも俺のボールが打たれるなんてwwwwwへこみそうwwwwwww」
「まあ、自分たちは野球初心者っすからね。今回の勝ちだってパワーごり押しだし、技術も磨いていきたいっす」

それに対して、ドラゴンズの面々も礼をする。
おちゃらけた、ふざけた集団ではあるが、信念を持って野球をしているのは彼らも同じであった。

「……実際に見もせず、お前たちを否定した俺の浅はかさが、この敗北の原因だな」
「ああ、流石にあそこまでコケにされたのは腹が立ったねぇ。聖帝軍もアレな言われ方だったけどさ。
 でも……なんだかんだで僕らの試合に応じてくれたし、色々な球を魅せてくれたのは感謝するよ」

クツクツとギムレーも笑うが、佐々木様達を殺すことはしない。
本来の彼の性格であれば敗者になど情けはかけないのだが、それだけ気分がいいということなのだろう。

718地獄スタジアム:2014/08/14(木) 19:27:26 ID:LWoVbkbI0
かつてのからくりドームでの死闘とは異なり、多少の血こそ流れたが死者は出ていない。
敗者は自害しろというルールもなく、ちょっと選手が普通じゃないところ以外は、一般的な野球の試合であった。

「……本当に、俺達を殺さずに逃がすつもりか?」
「だから言ってるだろうが。俺は、野球で世界を救いたいの。んでロリにモテる!
 相手がマーダーならともかく、腕のいい野球選手殺したりなんかしたらロリどころかショタからまで嫌われちまうよ」
「ちっ……やっぱふざけてやがんなテメェ……!次だ、この殺し合いが終わったら、今度こそお前ら叩き潰してやるからな!」
「おう、いつでもこいや!」

この殺し合いの最中、【儀式】のための野球では敗北したチームはもう野球をできない。
だからこそ、平和になった世界での再戦を望んで。オシリスに見送られながら、大魔神軍はスタジアムを後にした。




「ふぅー……っべぇ、割と俺ガチだったわ」
「滅茶苦茶しんどかったホル……」
「まあ、とにかく一勝目だ。このままイチローチームにも勝って……と、言いたいところだが」

ちらりと、ドラゴンズはイチローチームの様子を見る。
チアガールのちなつが心配そうにイチローの腕を見つめており、他のメンバーもイチローを守るような格好だ。

(こりゃ、イチローが結構重傷って感じだな)
(それよりも僕は、あっちのハゲが気になるねぇ。あれは相当の戦士だよ)

テレパシーで会話をし、おおよそのイチローチームの現状を確認する。
間違いなく自分達は警戒されているだろう。
大魔神軍を破った、野球の腕前……とかではなく、主に外見の方で。
ギムレーとイドゥンはほぼ人間の姿だが、さっきの試合中に竜の片鱗は見せてしまっている。
残るメンバーは全員がドラゴンであり、特にリーダーのオシリスはでかいし顔が凶悪である。
ネットをやっていなくても、逃げ惑うモブ参加者から話は聞いているだろう。各地で魔物が暴れていると。
自分達は、その魔物の中でも最上位の存在(一般的に)、ドラゴンである。
それもただのドラゴンじゃあない。なんと(一応)神だのなんだのと凄い肩書きをもった(設定では)強いドラゴンだ。
たとえイチローチームと言えども、警戒せざるを得ないだろう。

(逃げた方がよくね?あれナッパだよ絶対wwwwww戦闘力半端ねぇwwwwww)
(あの人間の頭……ああ、なんて卑猥なんでしょう!)

そしてそれはドラゴンズも同じ。
こちらを警戒するイチローチームには、腕を組んでこちらを見つめてくるサイヤ人ナッパがいた。
さらに彼の存在感により霞んでしまっているが、後ろにいる蛮もしっかりと戦闘に移れるように身構えている。

一触即発の空気が――





「ロイ様ー!」
「イドゥン、無事でよかったよ!」




――あっというまに砕け散った。
両陣営から飛び出した二人のおかげで。

719地獄スタジアム:2014/08/14(木) 19:28:30 ID:LWoVbkbI0
結局、知り合いであったロイとイドゥンの言葉により一応の誤解は解けた。
それでなくとも、オシリスやホルスは口を開けば威厳が地の底に落ちてある種の安心感が生まれるのだが。

「まさか、ドラゴンまで野球に夢中になるなんてなぁ。やっぱ野球はすげえ!
 今まで戦うことしかしてこなかった俺の人生って、なんだったんだろうなぁ……」
「ホルホル……明らかにやばそうな奴なのに、すっかり野球色に染まってるホル」

「やっぱイチロークラスになると、チアガールも持てるのか。いやでもロリではないし……」
(な、なんかすっごく見られてる……食べられないよね……?)

「……ロイ様、私変われたでしょうか?頑張れていましたでしょうか?」
「ああ、まさか君まで野球をやるとは思わなかったけど、凄かったよ。
 でもねイドゥン……僕は君が無事だったことの方が嬉しいな」(福山ボイス)
「あっ……」
「ほら、試合で君も疲れただろう?このスタジアムにも選手の休憩場所があるから休もう。
 ……久しぶりに会えたんだ。もっと君の声を聞きたい」(抱きしめながら耳元で本気の福山voice)
「はひぃん!?」

「君は?選手には見えないけど」
「ああ、俺は久保帯人。このチームの監督をさせてもらっているよ」
「……へぇ」

そしてそれぞれのメンバーが交流をする中、衝撃の事実が明らかになった!

「えちょwwwwwww野球だけじゃ世界救えないってwwwwwwマジでwwwwwwwww」
「あ、ああ。僕がハラサンから聞いた限りだと、野球以外の何かも必要らしい」

なんとドラゴンズの目的である、野球で優勝して世界を救う(そしてロリにモテる)ことが不可能だと判明したのだ。

「ちょっと、どういうことなんですかオシリス!貴方がそう言うから、私達もついてきたんですよ!」
「……………ドラゴンネットワークだって、たまにはミスするんだよ」

ぷいっとそっぽを向くオシリス。
彼はロリコンという残念さからこの残念チームのリーダーをやっているわけではない。
公式で複数回ドジをやらかし(そのいずれもそのまま致命傷に繋がる)、一部では【ドジリス】などと呼ばれている存在だ。
つまりこのオシリスの残念属性はドジっ子である。
何かとメタい発言をかますことが多いが、実はドラゴンネットワークの言葉を鵜呑みにしていたりする時もある。
そして残念ながら、少なくとも今のこの世界でドラゴンという種族はもはや一片の例外も無く【どこか残念】なのだ。
残念なドラゴンの情報を残念なドラゴンが受信し、それを残念なドラゴン達に配信する。これが誤った情報の正体。
無論ドラゴンネットワークには正しい情報も流れ、それがメタ発言にも繋がるのだが、とにかく信じ込むのは危険というわけだ。

「そ、それじゃあ正しくはどうなってるんすか!?」

「ええと
1・【九人の最良の戦士たちによる儀式の完遂】
2・【全てを虜にする歌】
3・【巫女の祈り】
4・【器たりえる巨像】
5・【不屈の精神を持った勇者】
 全てが揃いし時、争いの淀みから生まれた化身は救いの神に転じる……これが聞いた予言の内容だ」
「野球だけじゃ全然たりねえwwwwwwwwwwwwwwwwwwwしかも内容もわかんねえwwwwwwwwwwwwwwww」

ホルスが盛大に草を生やして笑うが、この事実はドラゴンズにとって洒落になってない事態である。
ドラゴンズの存在意義を否定されたようなものなのだから。
オシリスは頭の中で急いで修正情報をドラゴンネットワークに流している。

720地獄スタジアム:2014/08/14(木) 19:29:01 ID:LWoVbkbI0
「参りましたね……まさか、世界を救うには神を降臨させなければならず、しかも野球だけでは駄目だなんて……」
「ホルは一応神タイプホルが、このやばい世界を救うだけの力は無いホル」
「それより、争いの淀みから生まれた化身が救いの神にってことは、最初は邪神みたいなものってことか?」

ドラゴンズのメンバーはうんうんと唸る。
一応彼らは人語をペラペラと喋っているあたりでおわかり頂けるとは思うが、そこらのドラゴンよりも遥かに賢い。
ただどっかしらが残念なだけであって、馬鹿なわけではない。
しかしながら、考えども考えども予言の内容はさっぱりわからなかった。

「クハハ、しかしこの予言とやらが本当だとすれバ、逆に言ってしまえば誰がどう足掻こうトモこの混沌としたセカイを救えないというワケダ」
「ならば、やることはひとつだな」

そんな中、凹んでいたオシリスがもう復活した。神である彼にはいかなる魔法も罠も精神的ダメージも一瞬しか効果がないのだ。

「我らドラゴンズは、野球で優勝しつつ残りの謎も解き明かして世界を救い、そしてロリにモテるのだ!」
「「!!?」」

オシリスのまさかの提案に、ドラゴンズは勿論イチローチームも驚いた。
駄目ドラゴンの口からでたのは、明らかに茨の道なんてものでは済まない発想だったのだから。

「まったく……しかし私達の目的は元より殺し合いを止めて世界を救うこと。一人よりも九人、まだまだ貴方につきあう必要がありそうですね」
「そうっすねー。ちょっと仕事が増えたってだけっすよ」

だがソウルセイバーとオーバーロードは割とあっさりとその提案を受け入れる。
彼女らの目的を考えれば、目の前に置かれた新たな予言の問題も無視できるものではない。

「ま、確かに面倒っちゃ面倒だが、もっと大仕事ってことだろ?それを片付けたとなりゃ、レイアの奴だって……」
「ワレとしては、混沌とした世界は別に構わヌのだガ……いいだろう、これも真竜のイダイさを知らしめるためダ」
「僕も別につきあってもいいかな。救いの神ってのは僕の宗教の邪魔になりそうだけど、その神に恩を売ってやるのも一興か」
「オシリスさんマジすかwwwwwwwやばいwwwwwこれうまくいきゃ俺達本当のヒーローwwwwwww」
「ホ、ホルは「世界救ったら巨乳の子から抱きしめて貰えるぞ」やるホル!」

残るメンバーも次々とオシリスの提案を受け入れる。
彼らの行動理念は【野球で優勝】以前に【大きな功績を残すことでそれぞれ何かしらのものを得たい】なのだから、当然と言えば当然かもしれない。
欲望に忠実とも言うが。
だがどこかのドラゴンが言っていたように、龍は生まれた時から本能に従い好き勝手する生き物でもあるらしい。
だからなんの問題も無い。

(一体なんなんだろう、このよくわからないチームは……)

随分と俗物にして、それでいて非常に高い戦闘能力と恐ろしい外見を持つドラゴン。
そのギャップに、思わずイチローチームは呆れると同時に安堵した。
少なくとも、この場で試合か戦闘が行われる空気ではないからだ。

「あれ、イドゥンどこいったホル?」

「支援Aなったぞー!」
「……ぽっ」
「口で言うんじゃありませんあざとい!?駄目ですよ人間のオチ○ポなんかに負けたら!私と同じような鋼鉄の精神をですね……」
「うーん、痴女とは支援A関係になりたくないからパスで」
「んな!?」

少なくとも、一人と一匹は争うことはないだろう。

721地獄スタジアム:2014/08/14(木) 19:29:36 ID:LWoVbkbI0
「それじゃあ、さっそく行動を……」
「オシリス、ちょっといいかい?」

ギムレーがすっと手を挙げる。
彼の目は、未だ傷が癒えきっていないイチローチームに向けられていた。

「確かに野球だけじゃ世界が救えないことはわかったけど、折角始めた野球を捨てるのもここでイチローチームを逃すのも惜しい。
 どうだろう、ここはしばらく彼らの傷が癒えるまでイチローチームに同行させてもらうというのは?」
「なっ!?」

イチローチームサイドから、誰かの短い呻きがもれる。
ただでさえからくりドームの試合で疲労しているというのに、このうえ得体の知れない珍獣チームにストーキングされるなぞ迷惑である。
隙を見て自分達を喰うつもりかもしれないし、基本的に人間揃いのイチローチームからすれば警戒して当然の提案だ。

「何もただでつきまとうつもりはないさ。君らは万全の状態になったら、真っ先に僕らと試合してくれればそれでいい。
 その間、僕らドラゴンズが君らの【ボディガード】を引き受けよう。どうだい、そちらにとっても悪い条件ではないだろう?」
「た、確かに……」

続く言葉に、イチローチームはぐらつく。
彼らは野球の腕前もさることながら、かなり高めの戦闘力を持っている。
しかしそれは一部の個であり、戦えない仲間を巻き込まないよう戦うとその力は半減してしまう。
これから先も試合のために動き回れば、いずれまたあの狂信者とでくわして戦闘になるだろう。
それを思うと、ここで強力な護衛が増えることはのぞましい。

「待ってもらおうか。いきなりやってきた君たちのような連中を、信用しろと?
 いまやこの殺し合いの中でも最大級の戦力を持つ都庁のトップもドラゴンと聞いた。同じ種族に流石に背を預けるわけにはいかないよ」

唯一、監督である久保帯人が難色を示す。しかし、彼の言葉は潰されていく。

「ドラゴンが全て悪というわけじゃないですよ。確かに僕も過去に何体ものドラゴンと戦ってきましたけど、中にはちゃんと心を持つ人もいる。
 実は僕の母上は人間とドラゴンのハーフでして、僕にもちょっとドラゴンの血が流れてるんです。ドラゴンだからと警戒する必要はないかと」
「俺もこの提案には賛成だな。野球ってのは一人じゃできねえ、チームの仲間が必要なんだ。
 それを試合以外の邪魔な攻撃から守ってくれるってんなら、俺達からしたら大助かりだろ。……またいつあのDMC狂信者が来るかわかんねえんだしよ」

ロイとナッパの言葉に、久保帯人は反論ができなかった。
既にチームの中にドラゴンの血を継ぐ者がいては、ドラゴンだからという理由で断ることができない。
そして久保帯人の予想に反して、ナッパは面倒な相手であった。
外見、口調、気配。どれをとっても野蛮な男であり、とてもではないがチームを大切にするようには見えなかった。
ところがどうだ。今や彼が率先して、他のメンバーを説得しているではないか。
なにがここまでこの男を変えたのか……久保帯人には、わからない。

(おいギムレー、別に俺らは構わないが、急にどうしたんだ?)
(……僕のこの器、ルフレという男は人間であった頃は非常に優れた魔剣士であると同時に戦略家でね。神軍師と呼ばれるほどだったんだ。
 だからこそ、人を見る目にも優れている。イチローチームの中であの久保帯人という男だけ、嫌に臭うんだよ。少なくとも何かは企んでいる)

「君達との試合をいずれ行うことは構わないけど、その時のルールは?」
「ああ、別に負けたほうは自害しろなんてことは言わないぞ」
「ぶっちゃけ、本気でやったら両チームとも最悪瀕死状態になる気がするホルが……」
「それなら……」


「「ぐああああああぁぁぁぁぁ……!!!」」



その時、スタジアムの外から複数の悲鳴が聞こえた。

722地獄スタジアム:2014/08/14(木) 19:30:09 ID:LWoVbkbI0
「なっ……!?」
「今のは佐々木様の声か!?まさか……」

イチローチームとドラゴンズに、緊張がはしる。
今の悲鳴はただごとではない。近くに、何者かがいる。
それもおそらく、マーダーの類が。

「こりゃ、早速イチローチーム担いで逃げた方がいいパターンか?」
「いやいや、まずは相手を見るべきっすよ。単体ならドラゴンパワーで返り討ちにできますし」

全員が、一点を見つめる。
悲鳴の方向からして、敵はきっと目の前のゲートをくぐってやってくる。
そして案の定、数秒と経たずに大きな影が姿を現した。

「あ、なんだキメラテック先輩じゃないですか」
「っ!よけろ、オーバーロード!」
「え?」

「キメラテック・オーバー・ドラゴンの攻撃ィ!エヴォリューションレザルトバースト、グォレンダァッ!」

巨大な何かは、機械のドラゴンであった。
それはオシリス達の知り合いでもあるキメラテックと呼ばれるドラゴンであり、関係は悪くなかったはずだ。
それに油断し無用心に近づいたオーバーロードが、複数の光線に貫かれて爆散した。

「!?」

目の前で仲間を殺され、ドラゴンズのメンバーは驚愕する。
それはイチローチームも同じくであり、あのオーバーロードを一撃で倒すほどの敵の出現に驚かないわけがない。

「ちょ……wなんだってんだキメラテックよぉwいきなりごあいさつじゃねえかww」
「無理に草生やすなホルス。こいつは、俺らの知ってるキメラテックじゃねえ!既に魔改造されちまってやがる……!」

「魔改造とは心外だな。このヘルカイザーが、特別にチューニングした自信作だというのに」

そんな野球チームの前に現れたのは、黒いコートを着込んだ目つきの鋭い青年。
その表情は、笑っていた。

「切歌の情報をたよりにきてみれば、まさかこんなに新鮮なドラゴンまでいるとは。
 クラウザーさんの復活のためにも、貴様らはこのヘルカイザーが地獄に送ってやろう!さっきキメラテックで花火にしてやったあの選手共のようになぁ!」
「あの選手共だと……大魔神軍のことかあああ「落ち着けナッパ!」

つい先程試合を見せてくれた大魔神軍の死を知り、怒り滾るナッパ。
しかし彼が完全に何かに目覚める前に、静止が入る。
クラウザーさんという言葉からして、このヘルカイザーという男もDMC狂信者の一人なのだろう。
ここで戦えば、また以前と同じように数の暴力で押し切られてしまうのは明らかだからだ。

「悪いが俺は切歌のように甘くは無いぞ。ただでさえ、都庁を落とすのに失敗して予定が狂っているんだ。まとめて消えろ!」

再びキメラテックの複数の頭全てに、エネルギーがチャージされていく。
キメラテックの能力は、その首の本数だけ連続攻撃が可能というもの。多数の相手を殲滅するのにうってつけの力であった。

723地獄スタジアム:2014/08/14(木) 19:30:48 ID:LWoVbkbI0
「メンドウな相手だな。ならば現われヨ!帝竜オケアヌス!」

しかし発射よりも早く、フォーマルハウトが紋章よりドラゴンの幻影を呼び出した。
幻影のドラゴンが勢いよく水をキメラテックに浴びせかけると、その体はあっという間に錆びついていった。

「ち、強酸水か!確かに俺の操るサイバードラゴン達と相性はよくないが……俺のモンスターはこいつだけじゃない。
 現れろ、サイバー・ダーク・ドラゴン!」

錆びつき動きが鈍ったキメラテックを庇うように、カードから漆黒の機械龍が召喚される。

「サイバーダークの効果発動!墓地より、死んだドラゴンを装備カードとして引きずり出し、攻撃力を上昇させる!
 俺が選択するのは、冥闇に堕した者!」

地の底より、つい先刻跡形も無く吹き飛ばされたはずの冥竜がずるりとサイバーダークのコードによって引きずり出された。
その目には生気は宿っていない。確かに死んでいる。それでも、その体が持つ戦闘力はそのままであり、サイバーダークの糧となる。

「ハハハハハ、むしろこいつが死んでくれて助かったぞ。すぐにお前達ドラゴンズも全員、サイバーダークの装備品にしてくれる。
 やれサイバーダーク!フル・ダークネス・スーパーノヴァ!」
「ウオオオオォォォォ!?」

キメラテック以上の凄まじい暗黒のエネルギーは、幻影帝竜を消し飛ばして後ろにいた真竜すら吹き飛ばす。

「おいおい、ありゃドラゴンネットワークアク禁になった奴じぇねえか!?」
「僕らとは相性が最悪だ。これは逃げの一手しかないかな……!」

僅かに舌打ちをしてから、ギムレーがその身に闇を纏う。
次の瞬間そこにはオシリス以上、まるで浮遊大陸のように巨大なドラゴンが現れた。
邪竜ギムレーの、本当の姿だ。

「くっ……なんだこの大きさは!?ひるむなサイバーダーク、もう一度攻撃だ!」
「ぐおおおっ……!くそ、いくら鱗でダメージ半減できるとはいえ、僕だって痛いものは痛いんだ!
 イチローチームもドラゴンズも早く乗ってくれ!」

サイバーダークの砲撃を受け止めるギムレーからは苦悶の声が漏れ、慌ててイチローチーム達は彼の背中に登る。
その間にもサイバーダークの、そしてキメラテックの攻撃が続いたが、なんとか全員が空へと逃れることに成功するのであった。

724地獄スタジアム:2014/08/14(木) 19:31:20 ID:LWoVbkbI0
「……逃したか。イチローチームだけならず、ドラゴンズも……いや野球関係者は一筋縄ではいかないということか?
 まあいい。大魔神軍とドラゴンズの一匹は葬った。これで、クラウザーさんの復活にさらに近づいただろう」

キメラテックとサイバーダークをカードに戻し、ヘルカイザーはスタジアムを後にする。
カードの有効範囲が首輪により制限されており、サイバーダークなどでは深追いはできないのである。

「しかし楽しみだな。人間、一度地獄を経験すると強くなれるが……あのクラウザーさんが地獄から再び蘇ればどうなる?
 きっとさらに素晴らしい歌を、刺激を、興奮を、俺達に与えてくれる筈だ。ああ、もっと生贄を探して殺さなくては。
 俺は飢えている……渇いている……クラウザーさんの歌にっ……!」

【二日目・5時45分/神奈川県大和スタジアム】
【ヘルカイザー亮@遊戯王GX】
【状態】疲労(小)クラウザーさん欠乏症
【装備】デュエルディスク、スマホ
【道具】支給品一式、キメラテックオーバードラゴン、サイバーダークドラゴン、冥闇に堕した者(装備品)、他不明
【思考】基本:強敵をSATSUGAIして己も満たしつつクラウザーさんを復活させる
1:次の生贄を探しに行く
2:野球チーム全てを警戒。可能であれば自分の手で殺す
※サイバーダークはロワ中に死亡したドラゴンを装備品として装備可能ですが、一度に一体までの制限あり

【大魔神軍 壊滅】
【ドラゴニック・オーバーロード“The Яe-birth”@ヴァンガード 消滅】


「くそっ!DMC狂信者どもめ!」
「許せない……!」

からくりドームでの戦いの後と同じように、イチローチームとドラゴンズは再び空へと逃げ延びた。
スタジアムにまた謎の印があらわれるが、今はそんなことはどうでもいい。
DMC狂信者は、ハラサンを始め多くの大正義巨人軍の仲間を殺しただけでは飽き足らず、大魔神軍までその手にかけた。
外見や言動には難があるが、それでも確かに野球チームの一つであったドラゴンズの選手も犠牲になった。
自分達が気がついていないだけで、もしかしたらさらに多くの野球選手が、DMC狂信者によって殺されているかもしれない。
そう思うだけで、怒りは収まりそうになかった。

「オーバーロード……貴方の仇は、きっと討ちますよ……」
「野球も予言も大事だけどよ、まずはあいつらどうにかしないとおちおち地上に着陸もできないぜ?
 ずっと飛んで逃げ続けるってのも流石に限度があるしな」
「とりあえず、俺ら野球チームは球場で試合をやる必要がある以上、そこを待ち伏せされると痛すぎる。
 落ち着いて試合するためにも、確かに先にDMCを黙らせないとキツイな」
「どの道、ホル達は今はもう人数が減ったせいで野球できないホル……」
「流石にオオナズチを急遽加えるとかはないよなwwwww……でも他に入りそうな奴もいないのも事実かwwwwww」
「オシリス、イチロー、どっちでもいいから早く行き先を決めてくれ。僕もこの姿でいられるのに時間制限がありそうだ。
 それに敵はDMCだけじゃない。さっきの放送で呼ばれていた風鳴翼という女も警戒した方がいい」

野球の試合で優勝する。
共通の目的を持ったチームは、いずれ戦う者同士ではあるが、今は共に悩み考える。
野球の試合を行うたびに誰かが死ぬなどあってはならない。落ち着いて真っ当な試合をするにはどうすればいいか。
以降も試合を妨害してきそうなDMCだけでなく、東京都周辺には危険な参加者がうようよしている。
主催者にまで警戒される謎の少女がどれほどの脅威であり、どこにいるのかもわからない。
ハラサンが残した予言の言葉の正体は、どうやって突き止めればいいのか。
沢山の問題を抱えながら、彼らはどこへと向かう?

725地獄スタジアム:2014/08/14(木) 19:31:51 ID:LWoVbkbI0
【二日目・5時45分/神奈川県上空】
【イチローチーム】
【イチロー@現実?】
【状態】両腕のダメージ(中)、疲労(小)
【装備】野球道具
【道具】支給品一式
【思考】基本:イチローチームを優勝させる?
0:どこかへ避難。スタジアムは危険か?
1:川崎宗則を倒すために仲間を集める
2:ハラサンの言っていた予言とは一体……?
3:とりあえずドラゴンズは信用する
※ネオ・レーザービームは使用すると腕に多大な負担がかかり、あと三球以上使用すると選手生命が終わる危険があります

【DAIGO@現実?】
【状態】疲労(小)
【装備】ウルティメイトブレスレット@ウルトラマンサーガ
【道具】支給品一式、ヴァンガードデッキ
【思考】
0:イチローチームについていく
1:ウルトラマンマジ頼れる
2:ダイゴさんマジリスペクト……意思は引継ぐっス

【ウルトラマンゼロ@ウルトラマンサーガ】
【状態】健康
【装備】無し
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】基本:殺し合いを止める
1:どうにかしてDMCを止めたいが……
2:ティガ、助けられなくてすまない……
※制限によって一度に数分までの間しか変身できません

【美堂蛮@GetBackers-奪還屋-】
【状態】疲労(小)
【装備】サングラス
【道具】支給品一式
【思考】
0:イチローチームについていく
1:銀次を探す

【伊吹萃香@しゅわスパ大作戦】
【状態】疲労(小)
【装備】なし
【道具】支給品一式、日本酒×99
【思考】
基本:イチローチームについていく
1:久保先生が監督かー
2:野獣が死んでメシウマ状態ww

【博麗霊夢@クッキー☆】
【状態】疲労(小)
【装備】なし
【道具】支給品一式、御札×99
【思考】
0:イチローチームについていく
1:巫女の祈り……まさか私の祈り?
2:野獣が死んでメシウマ状態ww

726地獄スタジアム:2014/08/14(木) 19:32:23 ID:LWoVbkbI0
【ロイ@FE封印の剣】
【状態】疲労(小)、イドゥンと支援A
【装備】マスターソード
【道具】支給品一式
【思考】
0:イチローチームについていく
1:色々あったが、イドゥンと支援Aになれたのはよかった
2:支援A関係になる女性をさらに増やすぜ!

【ダイゴ@ポケットモンスター】
【状態】疲労(小)、深い悲しみ
【装備】メタグロス
【道具】支給品一式、コルトパイソン
【思考】
0:イチローチームについていく
1:助けてあげられなくてごめんな、ポッチャマ……
2:きれいな石集めは一時保留

【吉川ちなつ@ゆるゆり】
【状態】軽度の精神的ショック、疲労(小)
【装備】釘バット
【道具】支給品一式、チアガールのコスチューム、RPG-7(弾切れ)
【思考】
0:イチローチームについていく
1:人殺しちゃった。
2:野獣死んでも素直にメシウマできない……

【◆6/WWxs901s氏@カオスロワ書き手】
【状態】疲労(小) 、悲しみ
【装備】胡桃五千個
【道具】支給品一式
【思考】基本:ハラサンの意思を継ぎ、イチローチームを優勝させる
1:ハラサン……ありがとう
2:大正義を忘れない
3:目立つことも忘れない

【ラミレス@横浜DeNAベイスターズ】
【状態】疲労(小)
【装備】野球道具一式
【道具】支給品一式
【思考】基本:ハラサンの意思を継ぎ、イチローチームを優勝させる
1:ハ、ハラサン…

【ナッパ様@ドラゴンボールZ】
【状態】健康、野球の面白さに目覚めた
【装備】なし
【道具】一人用のポッド
【思考】基本:ハラサンの意思を継ぎ、イチローチームを優勝させる
0:野球を邪魔するDMCは許さない
1:バーダック生きてたのか
2:あのガキ(光熱斗)にはいつか報復する、野球で
3:ベジータはそのうち探す
【久保帯人@現実?】
【状態】疲労(小)、イチローチームの監督
【装備】斬魄刀「???」@ブリーチ
【道具】支給品一式、サングラス、SMプレイ用の道具一式
【思考】基本:世界を滅ぼし天に立つために主催者を殺す
1:監督としてイチローチームを上手く操り、他のチームを全て全滅させる
2:イチローチームが優勝を勝ち取る寸前で裏切り、儀式(野球)を台無しにさせる
3:ドラゴンズを警戒。邪魔になるようであれば始末していく

727地獄スタジアム:2014/08/14(木) 19:33:17 ID:LWoVbkbI0
【ドラゴンズ】

【オシリスの天空竜@遊戯王デュエルモンスターズ】
【状態】ロリコン
【装備】バット、グローブ、ボールを多数
【道具】支給品一式
【思考】基本:ロリにモテるために世界を救う予言の謎を解明し、ドラゴンズも優勝させる
1:これからどう動くか考え中
2:メンバーの補充をしたいが……
3:ヘルカイザー及びDMCを警戒
4:イチローチームとはしっかり野球で決着をつけたい
※イチローチームとの情報交換により、正式な予言の言葉を知りました

【白光炎隼神ホルス@パズドラ】
【状態】健康
【装備】不明
【道具】支給品一式
【思考】基本:世界を救うためにオシリスについていく
1:そういえばまだ麒麟の奴が放送で呼ばれてないホル
2:ホルスがうざいホル…
3:ソウルセイバーのおっぱい…
4:風鳴翼にはおっぱいなかったホルね……

【ホルスの黒炎竜Lv8@遊戯王】
【状態】健康、常時魔法無効
【装備】不明
【道具】支給品一式
【思考】基本:オシリスの野球に付き合う
1:とりあえずホルスとはどちらが真のホルスかはっきりさせる
2;オシリスに着いていく
3:オオナズチは仲間にすんじゃねぇぞwwwwと思っていたが……

【ソウルセイバー・ドラゴン@ヴァンガード】
【状態】健康、巨乳
【装備】不明
【道具】支給品一式
【思考】基本:世界を救うためにも、オシリスについていく
1:オーバーロード……
2:人間のオチ○ポには絶対に負けたりしない
3:都庁軍討伐は後
※♀です

728地獄スタジアム:2014/08/14(木) 19:33:40 ID:LWoVbkbI0
【リオレウス@モンスターハンターシリーズ】
【状態】健康
【装備】不明
【道具】支給品一式
【思考】基本:へたれイメージ払拭のために野球で優勝する
1:オシリスに着いて行く
2:実はレイアと仲直りしたい

【神体フォーマルハウト@セブンスドラゴン2020-Ⅱ】
【状態】ダメージ(中)
【装備】不明
【道具】支給品一式、不明品
【思考】基本:真竜のイメージアップのために野球で優勝する
1:ヘルカイザーは今度遭ったら殺す
2:ニアラとは格が違うところを見せる

【イドゥン@ファイアーエムブレム 封印の剣】
【状態】健康、人間形態、ロイと支援A
【装備】魔竜石、リザイアの書
【道具】支給品一式、不明品
【思考】基本:野球で優勝して、過去のふがいない自分と決別する
1:ロイ様と支援Aになれたのはよかった
2:でもメンバーが欠けたのは辛い

【ギムレー@ファイアーエムブレム 覚醒】
【状態】ダメージ(中)、邪竜形態、イチローチーム・ドラゴンズを乗せてる
【装備】トロンの書、鋼の剣、邪竜の鱗
【道具】支給品一式、不明品
【思考】基本:野球で優勝して、自分の信者を増やす
1:とりあえず、あるかどうかわからないが安全地帯まで飛ぶ
2:どいつもこいつもDMCなんか信仰しやがって……
3:久保帯人を警戒
※外見はデフォルト設定の銀髪青年です
※制限により、ずっと邪竜形態でいることはできません

729敵の敵は――:2014/09/04(木) 00:55:59 ID:b0UCdObc0
都庁から離れたビル郡にはDMC狂信者である蟹座のデスマスク、明智光秀の二人がいた。
都庁内部に潜入したデスマンティスの襲撃の合図があり、上層部からの指示もあって二人は冥闇に堕した者をサポートすべく、都庁に向かったのだった。

戦いは彼らがたどり着くよりも早く始まっていたが、冥闇に堕した者がこちらにいる以上、戦力的には何も問題ないだろうと踏んでいた。
むしろ、冥闇に堕した者が暴虐の限りを尽くし過ぎて、自分たちがたどり着く前に獲物である都庁が陥落していないか、それだけが心配であった。

……だが、結果は彼らが考えた展開とは大きく違うものになった。


「まさか、冥闇に堕した者があっさりと敗れさるなんて……」
「都庁……なんて圧倒的な強さなんでしょうか!」

光秀たちが到着する前に、戦いは終わっていた。
結果はDMC狂信者の大敗であった。
強化されたモブ信者たちは虐殺同然に魔物たちに殺され、組織としても戦力の要であった冥闇に堕した者はレストという少年に一撃で粉砕させられたらしい。
その事実に二人は衝撃を受けていた。

「クソッ、だ、だが、こちらにはまだヘルカイザー亮がいる。
奴のカードで冥闇に堕した者が復活出来る以上、俺たちの総戦力は落ちていない。
すぐにでも二度目の襲撃を――」
「ダメですよデスマスクさん!」

半ば狼狽しながらも士気を昂ぶらせて都庁襲撃を企てるデスマスクに、光秀は待ったをかける。
その光秀も、彼にしては珍しく焦っていた。

「光秀、なぜダメだと言うんだ!」
「冥闇の方が一撃で敗れ去ったのです。
それをやってのけた猛者相手に、何度冥闇の方を蘇らせても付け焼刃ですよ」
「だが、デュエリストやヴァンガードファイターには俺ルールとか言われる、どんな理不尽な強さを持つ相手でもカードの効果が通じる術がある。
狂信者たちにもカードの使い手は少なからずいるし、俺ルールの前ではレストやダオスなんぞもひと捻りだわ」
「……その俺ルールを使う方々にも弱点があるんですよ。
同じデュエリストやヴァンガードファイターを相手にすること以外でね」
「なに!?」

光秀は狂人ではあるが、軍をまとめる武将でもある。
本能寺で信長を罠にかけて討ち取ろうと計画できる程度には知略は備わっており、狂信者となった今でも戦略眼は失われてはいなかった。
そして光秀が気づいた俺ルール使用者――カード使いたちの弱点とは?

「カードの効果が発揮される前に攻撃されること、それが彼らの弱点なのです。
つまり、極端に動きの早い敵を相手にしたり、カードを引く前に暗殺もしくはカードを引けない状態に追い込まれること。
そしてカード自体は紙かプラスチックであるので火や熱にも脆弱。
以上のことがあると俺ルールそのものが発動せず、デュエリストやヴァンガードファイターはただの一般参加者と変わらない弱者になるのです」
「なん……だと……!?」
「あのレストと呼ばれる少年の機動力なら、デッキからカードを引く前に切りつけることも可能でしょう。
ダオス公という方の魔法の余波でカードが燃えてしまうかもしてない。
ヘルカイザーさんがいても、都庁への決定的な対抗手段にならないのです」

実際に光秀の言った通り、各地のデュエリストやファイターはそう言った理由で討ち取られている。
ヴァンガードに目覚めた阿部さんは四条化コンビによる奇襲で戦闘描写もろくにないまま捕食され、インセクター羽蛾はカードを燃やされて一閃、シャロは優れたデッキの持ち主でありながら一枚もカードを引く暇も与えられないまま暗殺された。
デュエリストやヴァンガードファイターも決して万能ではないのだ。

730敵の敵は――:2014/09/04(木) 00:56:38 ID:b0UCdObc0

「だがどうする?! 攻め続けなければ、奴らはいつかビッグサイトに攻め込んでくるぞ」
「それもそうです……なんとか手段を講じなければ。
しかし、現状では誰を送り込んでも付け焼刃にしか思えません。
あの戦力を相手に上層部の五人が束になっても勝てるかどうか……」

先ほどデスマスクが述べたように、ヘルカイザー亮がいる限り冥闇に堕した者が何度でも復活出来る以上、狂信者たちの総戦力はそれほど落ちたわけではない。
問題なのは都庁軍の戦力・戦略力・結束力がこちらを大きく上回っていることだ。
一度、こちらから戦争を仕掛けてしまったので、都庁軍へビッグサイトへ報復に出る可能性が高い。
クラウザーさん復活の儀式が行われるであろうビッグサイトが陥落すれば狂信者たちは詰みである。
魔物たちを都庁に釘付けするためには絶えず攻撃を加え続ける必要があるが、それにはまた多くの狂信者たちを失い、下手をすれば犬死になるだろう。

狂信者たちは死は恐れていない。だが、クラウザーさんが蘇生できなくなる敗北こそ、狂信者が最も恐れていることであった。
そして都庁軍はDMC狂信者に敗北をもたらしうる存在であると二人は恐怖していた。



「随分お困りのようだな?」
「!?」
「何者ですか?!」

困り果てていた光秀たちの前に、空から黒い龍に跨り、肩に青い物体を乗せた、白い仮面ライダーが現れた。
仮面ライダーは都庁周辺を嗅ぎまわっていた仮面ライダー斬月・真こと呉島貴虎。
龍は究極邪龍・ヘルヘイム。青い物体は貴虎の仲魔になったスライムのスラリンである。
雰囲気からして明らかに狂信者のものではない者たちの突然の来訪に、光秀とデスマスクは戦闘態勢に入って戦うことで出迎えようとしていた。

「対主催? マーダー? どちらにせよ狂信者でなければ全部クラウザーさんへの生贄ですがね」
「生贄はすべからくSATSUGAIだッ!」
「待て、共通の敵を持つもの同士、俺たちと手を組まないか?」
「なに? 手を組むだと?」
「こちらの都合により、都庁にはどうしても消えてもらわなければならないんだ。
例え、マーダーの中でも飛び抜けて狂っているお前たち狂信者の力を利用しなければならないほどね」

なんと貴虎は狂信者たちと手を組むと言いだしたのだ。

「はッ、狂信者以外の手など不要ッ! ここで大人しく死ぬがいい」
「だが、あの竜が敗れた今、おまえたちに都庁への勝算がないのも事実だ」
いいのか? せっかくの逆転のチャンスを土産として持ってきてやったというのに」
「ずいぶん強気だなこいつ」
「そう言うからには、あなたには彼ら都庁軍に勝てる秘策があるとでも言うのですか」

光秀の質問に貴虎は強気に「ある」と肯定した。

「俺には都庁を一撃で粉砕できる武器と作戦を持っている。それがこれだ」

貴虎はヘルヘイムから降り、デイパックの中から巨大な爆弾を取り出して見せた。

「なんだこれは?」
「N2爆弾……ネルフという組織が使っていた強力な爆弾だ。
起爆させれば都庁とその周辺は確実に吹っ飛ぶだろう」
「それは本当か!? ならばおまえをSATUGAIして、さっそく都庁へ仕掛けてこよう!」

731敵の敵は――:2014/09/04(木) 00:57:18 ID:b0UCdObc0

話を聞いたデスマスクは、貴虎を殺して爆弾を奪おうとする。
だが、貴虎と味方であるはずの光秀までがも急いで静止する。

「言っておくが、この爆弾の起爆コードは俺しか知らん。仮に俺を殺したらN2爆弾はただの粗大ゴミになるぞ」
「なにィ!?」
「それに、あの剣士や魔法使い、凶悪な怪物たちが目を光らせているのにどうやって都庁に接近するつもりだ?」
「外からの攻撃に対して都庁軍が何の策も講じてないとは考えられませんしね。結界やら魔法やらで防がれるかもしれません」
「ならこの爆弾をどう使うつもりだ仮面ライダー?」
「あの戦力を前にただ真正面から突っ込んで爆弾を設置するのは至難の業。
さらに光秀が言った通り、なんらかの防御策が都庁に施されていた場合、外側からN2爆弾を起爆させても効果は薄い。
――しかし、内側から起爆させればどうだ?」

貴虎は都庁の内部からの起爆を提案する。
しかし、それを聞いたデスマスクは不満気に返した。

「で、どうやって都庁の中に入るんだ?!
今自分で真正面から突っ込んでの爆弾設置は難しいって言ったばかりだろ!」
「ああ、だがそれは地上からの侵入での話だ。
地下からこっそりと侵入すれば危険も大幅に減る」
「地下ですか?」
「東京の地下には地下鉄や下水道が網の目のように張り巡らされている。
中には都庁に続いているものもあり、そこから中へ侵入すればいい」
「なるほどな」
「真正面から行くよりは幾分合理的ですね」

貴虎の解説にデスマスクと光秀は納得する。
しかし、作戦の解説はこれで終わりではなかった。

「いや、これだけでは不十分だ。
侵入の際に捌ききれないほど大量の怪物が内部にとどまっていれば作戦の遂行は困難なものになり、特に魔法使いや剣士、ドラゴンたちと内部で鉢合わせすることになると非常にマズイ。
最悪、爆弾の起爆前に解体・無効化される恐れがある。
できればそいつらを外に追い出せる出来事があればいいのだが……」

ただ内部に侵入するだけでは駄目だと主張する貴虎。
そんな彼の意図を呼んだのは武将・光秀であった。

「なるほど、ダオス公やドラゴンたちを外に引き付けるための囮が必要なわけですね。
つまるところ、あなたには数の多い私たち狂信者に囮をやってもらいたいのですね?」
「その通りだ。話が早くて助かる。
もう一度、おまえたちが都庁を襲撃してそいつらを外におびき寄せている内に、俺たちが内部から侵入して爆弾を設置し、起爆して都庁を潰す。
どんな強力な力を持つものでも、拠点を潰され休みなく戦わされればいつかは倒れる。あとは掃討戦だな」

以前に狂信者が送り込んだ魔物2体も、ドラゴン以外の強者が内部に残っていたために奇襲に失敗している。
だが、先ほどと同じように大量の狂信者による外側から大攻勢を仕掛けられれば話は別である。
ダオスとレストやその他の強力な魔物たちも迎撃のために都庁の外に出払わなければいけなくなり、本名はその隙に内部に爆弾を仕掛けて一気に都庁を滅ぼす。
その二正面からの作戦こそが貴虎の提示したプランである。

732敵の敵は――:2014/09/04(木) 00:57:49 ID:b0UCdObc0

「良いでしょう、私はその作戦に賛同しましょう」
「おい光秀、勝手に決めるな!」
「しかし、現状で都庁に打ち勝つ手段はこれしかないと思われますが。
この方しか起爆方法を知らない以上、爆弾を奪うことは不可能ですし、都庁は滅ぼす必要がある。
クラウザーさんのためなら多少の我慢も必要でしょう」
「ぐぬぬ……しかし」
「まあ、私の一存では全てを決められませんが、上層部の方々もきっとあなたの案に納得するでしょう」
「そうか……」

デスマスクは貴虎の提案にやや難色を示していたが、光秀は肯定的に受け取った。
だが、その肯定は貴虎を信用したからではない。
そう言わんばかりに光秀は鎌を貴虎に向け、貴虎も剣と盾を構える。

「――ただし、この協力関係はあくまで利害の一致による一時的なもの。
都庁が潰れるまでは協力しますが、それ以降はあなたもクラウザーさんのための生贄としてSATUGAIさせて頂きます」
「……俺も最初からそのつもりで計画を持ち出しただけだ。
もっとも、俺は大人しく殺される気もない。全てが終わったら敵同士だ」

狂信者たちと貴虎たちの間に信頼などない。
手を組む理由も共通の敵がいるからに過ぎず、互いを利用しあうだけの同盟である。
だが敵の敵は味方。また敵に戻るまでは味方である。

話がひとしきりまとまったところで二人は武器を降ろし、例の作戦が決行されるまでの準備に移ることにした。
光秀はスマホを取り出し、貴虎はヘルヘイムの背に乗って空に飛び立とうとしていた。

「私は例の計画を上層部につたえておき、許可が下り次第、戦力を再び都庁に集めさせておきましょう。
それまでに多少の時間はかかりそうですが、あなたはどうするのですか?」
「強者はなるべくおまえたちにひきつけるにしても、俺たちだけでの都庁侵入はまだ不安が残る。
作戦の成功率を少しでも上げるために、こちらでも可能な限り戦える者を何人か集めておこう。
白と緑の仮面ライダーとその同行者は狙うなと仲間たちに伝えろ」
「承知しました。では、またお会いしましょう」
「次に会った時はおそらく敵同士だがな」

貴虎がそう言うとヘルヘイムは飛び立ち、飛び切り昏く怪しい笑顔で光秀はそれを見送った。

「では、二回目の都庁侵攻に向けて準備いたしましょうか、デスマスクさん」
「お、おう……」

若干不服な様子のデスマスクを尻目に、光秀はスマホを操作して上層部との連絡を取り始めるのだった。






東京の空ではヘルヘイムを駆る貴虎が戦力集めのために眼下の街に目を光らせていた。

733敵の敵は――:2014/09/04(木) 00:58:19 ID:b0UCdObc0

「ぴきー?」
「“貴虎、本当に狂信者たちと組んでよかったのか?”って言ってるぜ」

スラリンの言葉を同じ魔物であるヘルヘイムが通訳し、背中に乗せている貴虎に伝えた。
マーダー集団である狂信者と手を組むことは、対主催であるスラリンには不服だったらしい。

「利用できるものは何でも利用する……そんな俺でも以前ならあんな狂った奴らと手を組むことなど考えられなかった。
だが、事情が変わった。
4時30分に起きた地震の震源は都庁だ。ヘルヘイムの森と化した都庁で何かが起きようとしている。
おまえたちも都庁から本能で何かを感じたんだろう?」
「ぴきー……」
「ああ、あん時はマジで身の危険を感じた。都庁の真下には絶対になんかヤバイものが埋まってるよ……」

地震の震源が都庁であると知り、これはただ事ではないと思った貴虎。
彼の仲間である魔物二人も本能で都庁の危険を感じていた。
都庁を世界を犯すヘルヘイムの森……と思い込んでる貴虎は、都庁を急いで破壊する必要があると大いに焦り、そして早急な都庁破壊のために、この殺し合い全体でも全体的にかなりの物量を持っている狂信者と手を組む決断をした。

「もはや利用できるものは何でも利用するというより、猫も杓子もマーダーでも利用せざる負えない状況になったのだ。
やらなければ、ヘルヘイムの森に侵食されて世界が滅ぶことになるぞ」
「そりゃそうだが、いずれあのDMC狂信者たちと戦うわけだし、奴らは都庁が落ちたら次は用無しになった俺たちにも襲って来るぜ?
狂信者共に対抗できる手段はあんの?」
「安心しろ、そのためにN2爆弾を複数購入したんだ」

貴虎のデイパックにはN2爆弾が三つも入っていた。爆弾は光秀たちに見せた一つではなかったのである。

「放送後に通りすがりの武器商人と接触できて良かった。三つもこんなに買ったら財布と貯金がだいぶ吹っ飛んだが、これも人類を守るためだ。仕方あるまい」
「あの姉ちゃん、なんとかって会社の令嬢さんなんだっけ、なんか殺し合いで会社がなくなったから最後の商売になるかもと言ってサービスしてくれたんだよね。
夕張メロンを50個も!」
(なんでまたメロンなんだ……偶然か?
まあいい、ヘルヘイムの森ほどにないにしろ、狂信者たちも十分に人類を脅かす害悪だ。
都庁がなくなり次第、狂信者の本拠地であるビッグサイトを都庁と同じくこの爆弾を起爆させ、跡形もなく消し去ってやる)


都庁もビッグサイトも一網打尽にする武器は手中に納めた。
あとは狂信者たちの都庁再攻撃の前にできるだけ戦える者を集め、作戦の成功率をあげるだけである。

しかし、彼らは未だに気づいていない。
都庁の世界樹はヘルヘイムの森とは違い、よほどのことがなければ人類に害を及ぼさないことに。
そして都庁の内部には、本来なら守るべき人間もいることに全く気づいていなかった。




「ところで質問なんだが、あの都庁の近くにある公園、なんで爆発しまくってんの?」
「俺の記憶が正しければ、あの辺りは地下にガス管が通っていたハズだ。
度重なる戦闘でその管が地表に露出し、引火して燃えてるんだろう。
心配するな、放っておけばガスが尽きて勝手に消える」
「何か違う気がするけど、貴虎が言うにはそうなんだろうな……」
「そんなことより仲間探しだ。あれに構ってる時間が勿体無い」


ついでに公園の爆発の正体も貴虎兄さんは知らず、間違った解釈をするのであった。


【二日目・6時00分/東京都・都庁から離れた位置にあるビル郡】

734敵の敵は――:2014/09/04(木) 00:58:43 ID:b0UCdObc0


【蟹座のデスマスク@聖闘士星矢】
【状態】健康
【装備】蟹座の黄金聖衣@聖闘士星矢
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】基本:SATSUGAI
1:都庁への二回目の侵攻に備える
2:仮面ライダー(高虎)と組み、作戦にはいちおう乗るが、いずれ殺す


【明智光秀@戦国BASARA】
【状態】健康
【装備】大鎌×2
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】基本:SATSUGAI
0:仮面ライダー(高虎)との作戦をいちおう、上層部に連絡しておく
1:都庁への二回目の侵攻に備える
2:仮面ライダーと組み、作戦にはいちおう乗るが、いずれ殺す



【呉島貴虎@仮面ライダー鎧武】
【状態】焦り、斬月・真に変身中、財布と貯金が素寒貧
【装備】ゲネシスドライバー、メロンエナジーロックシード
【道具】支給品一式、夕張メロン×55、N2爆弾@新世紀エヴァンゲリオン×3
【思考】基本:人類種を守るため、危険な存在を倒す
0:都庁にできたヘルヘイムの森を破壊する
1:DMC狂信者による二度目の都庁攻撃によって、内部が手薄になっている内に地下から潜入しN2爆弾を起爆させて都庁を吹き飛ばす
2:都庁潜入のために強力な仲間を集めたい
3:都庁が破壊できるまではDMC狂信者と組むが、いずれはこちらも滅ぼす
4:パソコンは……今は諦めるしかないか
※都庁の変貌をヘルヘイムの森の侵食だと思っています
※ベジータが所有しているパソコンの本来の持ち主です。パソコン内に何かしらのデータが保存されているかもしれません
※新宿中央公園で眠っているサーシェスの爆発エフェクト付きイビキをガス管の引火によるものだと誤解しています
※N2爆弾は通りすがりの武器商人から買った商品です。その武器商人はひょっとして……


【究極邪龍・ヘルヘイム@パズドラ】
【状態】健康、防壁展開
【装備】不明
【道具】支給品一式、何らかのロックシード
【思考】基本:ドラゴンこそナンバー1と思われるような行動をとる
0:自分の熱烈なファン(貴虎)についていく
1:自分のファンを増やしたい
2:本能的に強大な何かが都庁の真下埋まっていることを感じている
※防壁効果により、自身と貴虎への闇属性攻撃を半減します
※魔物同士なのでスラリンの言葉がわかります


【スラリン@ドラゴンクエストV 天空の花嫁】
【状態】健康、LV99
【装備】無し
【道具】支給品一式、ナイフ
【思考】基本:殺し合いを終わらせる
0:高虎の言ったとおり、仲間を集めて都庁に攻め込む
1:主であるグランバニア国王とその家族と同僚の仲間モンスター達を探し、それ以外の仲間も探す
2:マーダーは可能な限り倒す
3:本能的に強大な何かが都庁の真下に埋まっていることを感じている
※人間の言葉は聞けば理解できますし、(出身世界の)人間の文化や常識も理解できますが、人間の言葉は全く喋れませんし読めません。

735球場はさながら戦国:2014/09/08(月) 00:05:52 ID:anICu64A0
西武ドームにて野球道具一式を手に入れ、新たな仲間を加えてチームを成立させた聖帝軍は、他チームに
追いつくべく早速特訓を開始した。
理不尽級の拳王軍や強豪のイチローチームなどと張り合う事になるのだから当然特訓は苛烈を極めた。
チルノが野球のルールを把握するのにえらい時間を費やしたり、ふなっしーの投げた暴投がサウザーに直撃したり、
ジャンケンに負けたサウザーがコンビニまで弁当を買いに行かされたり、サウザーが自身のタンクトップ衣装型
のユニフォームを作ろうとして亜久里達から全力で止められたりと、それはもう色々と壮絶な特訓風景だったが、
全部語ると長くなりそうなので割愛する。

そうこうしている内に4回目の定時放送開始の時刻となり、聖帝軍一同は一端特訓を切り上げベンチに集まり、
放送を聞く事に集中する事にした。
定時よりも10分も遅れて放送開始した事に全員が疑問を持ちながらも、ダースベイダーによる死者名の読み上げ
と風鳴翼の指名手配に関する情報が淡々と続く。


「―――――では、討伐が確認でき次第、首輪解除と同時にこちらの転送技術で討伐者を我らの本拠への転送を行おう。
諸君らの健闘を祈っているぞ、これにて放送を終わりとする」


そして放送は終了し、一同は様々な思いを抱きながら口を開いた。

「……大丈夫かい、亜久里ちゃん?」
「心配はいりませんわ正太郎。確かにマナ達は死んでしまいましたが、だからといって私がここで逃げ出してしまっ
てはそれこそマナ達に顔向けできません。プリキュアの一人として、私はこれからもこの殺し合いを止める為に
戦い続けます!」
「(アグリちゃんは強いなぁ……私なんかミユ達が死んだらきっととても平静でいられないのに……)」
『友の死を乗り越えて更なる戦いへと身を投じる……う〜む、これぞまさにヒーローの王道ですねぇ』
「ごめんルビー、ちょっと空気読んで」

放送によって同じプリキュアであるマナや美希の名を呼ばれた亜久里を気遣う正太郎とそれを見ていたイリヤ
だったが、予想に反して亜久里は気丈な答えを返してきた。
無論ショックを全く受けた訳ではないだろうが、それでも彼女の心の強さに二人は改めて感心するのだった。


「フフフ、ラオウの奴め死んだか……いや待てよ、前の放送でもジャイアンやジャギと言った名前が何度も
呼ばれた事があったからな……拳王軍が瓦解したとも聞いていないし、並行世界の奴という可能性も捨てきれ
nぐほあっ!?」
「そんな事は今はどうでもいいです」

ラオウの名が呼ばれた事に気を取られて空気を読まないでいたサウザーをヤミが髪の毛パンチで殴り倒し、一同は
改めて現状を確認するため身を寄せ合う。
中心となって話をまとめるのはサウザー……なわけがなく、正太郎と亜久里である。


「先ほどの放送で気になる部分がいくつも出てきましたわ。一つは10分もの放送の遅れ、一つは今更になって
禁止エリアに指定された主催の本拠地である九州、そして指名手配された風鳴翼という人物……」
「放送が遅れたっていうのは、単にその翼って子が首輪を外したんで主催の連中が慌ててたんじゃないのか?」
「それは違うと思います。サウザーさんのパソコンで改めて色々と情報を集めてみましたが、首輪を外す事が
できた参加者は彼女以外にも拳王軍の面々がいます。ただでさえ危険人物の集団である彼らが各地でこれだけ暴れ
まわっているというのに、それを差し置いて一人の食人鬼の女性が指名手配されるなどあり得るでしょうか?」
「確かに、普通に考えればその風鳴翼よりも殺し合いを引っ掻き回しかねない拳王軍が放置され、彼女一人が名指しで全国に
指名手配されるというのはおかしな話ですね」
「ムムーッ、なんか怪しいなっしー!」

736球場はさながら戦国:2014/09/08(月) 00:06:42 ID:anICu64A0
紘太の指摘を正太郎が的確な意見で反論し、それにヤミやふなっしーも相槌を打った。
その後も少年探偵たる正太郎の推理は続く。

「次に今ごろ禁止エリア指定された九州についてですが、これは裏を返せば『主催の本拠地に侵入されてもそれほど構わなかった』
とも取れるんじゃないでしょうか?」
「えっ、どういう事?」
「ネット上での書き込みを信じるならば、今までにもロボット化した九州に侵入を試みた人々は何人もいるようです。
そんな事があったならば普通は次の放送を機に九州を禁止エリアにするはず……にも関わらず主催達は中国地方を
先に禁止エリアに指定しました。これは明らかにおかしい行為です」
「確かにそうだ。俺が主催者だったら侵入者なんぞが出た時点で本拠地を即刻禁止エリアにするはずだ。普通は誰だって
そうするはずだぞ?」
「あっ、せーてーが復活した」
「にも関わらず主催達はそれをせず、このタイミングで九州を指定した。つまり『今までは侵入されても別に平気だったが
ここから先は無闇に侵入されると困る』理由が出来たという事じゃないでしょうか?」
「侵入されると困る理由……そりゃ一体何なんだろうな?」
「それを解くカギは、おそらくこの風鳴翼さんでしょう」

正太郎はサウザーのパソコンで画像を検索し、風鳴翼の顔写真を画面に映し出した。
テラカオスとして覚醒する前の写真らしく、傍らには死亡したぼのぼのの姿も見られる。

「風鳴翼がカギ? どういう事だ正太郎?」
「考えても見てください。主催者側には以前の放送で凄まじい戦闘力を見せつけたバーダックという男がいたでしょう?
あれほどの人物がいるならば彼に討伐を要請すればいいはずです。なのに主催は彼ではなく僕たち参加者に討伐を
頼んだ………」
「殺し合いの後の日本の安全を脅かすとまで公言していながら、ですね?」
「おかしいなっしー! そんなにヤバい奴なら普通はあっちが退治すればいいはずなっしー!」
「全くです。まるで動物園の檻から逃げ出した猛獣をお客に捕獲してくれと言っているようなものですね」

ヤミの言葉に一同は心中で同意した。
いくら魅力的な報酬が出るからといって、そこまで殺し合いに影響を出すような存在を後々の国民に始末させるなどという
行為を要請するなど本来の趣旨から逸脱していると言わざるを得なかった。

「言うまでもないでしょうが、主催が提示した報酬云々はデタラメでしょうね。おそらく本当の目的は『参加者達を風鳴翼と
戦わせる事』なのではないでしょうか?」
「戦わせる? 一体何のために?」
「そこまでは流石にまだ分かりませんが……」
「……いや待て、もしかしたら連中の目的に見当がつくかもしれんぞ?」
「本当ですかサウザー!?」
「もしくだらない推理だったら承知しませんよ?」

思わぬサウザーの発言に一同が驚きと疑いの眼差しを向けつつ、サウザーは言葉を紡いだ。

「お前達、蠱毒という物を知っているか?」
「コドク? なにそれ?」
「蠱毒……確か古代中国に伝わる呪術にそんな名前の物があったような気が……」
「フフフ、その通りだ正太郎。蠱毒とは小さな入れ物に大量の虫を入れそれらを共食いさせ、最後に生き残った最も
生命力が強い虫を呪いの媒体にするという呪術だ。何か似ていると思わんか? 風鳴翼の状況に……」
「た……確かに言われてみれば!」
「おい待てよ、それってつまり主催の連中は……」
「そうだ。真の理由は分からんがおそらく奴らは報酬をダシにしてこの女と強豪参加者を戦わせ、この女を強化しようと考えて
いるのではないか?」
「なるほど! 確かにそれなら主催がわざわざ参加者に討伐を頼んだ理由にも辻褄が合う! 九州が今禁止エリアに
指定されたのも、彼女を強化する経過を安全に監視するための措置に違いない!」
「お手柄ですわサウザー! 主催の真の目的を掴む手掛かりが生まれましたよ!」
「フハハハハハ、見たか俺の推理! もっと褒めてくれてもいいのだぞ? ついでに俺に忠誠を誓っても別に
 かまわnゴヘッ!?」
「調子に乗らないでください」

737球場はさながら戦国:2014/09/08(月) 00:07:36 ID:anICu64A0

またしてもヤミに殴られたサウザーを横眼で追いつつ、一同はパソコンに映されたカオスロワちゃんねるの
書き込みに目を通し始めた。
これまでの周囲の状況を整理して今後の行動方針を決める為である。

「やっぱり2日目ともなるとかなり書き込みが多いな……こりゃ情報一つ探すのも一苦労だぞ?」
「正太郎、ここはふなっしーに任せるなっしー!」
「ええっ、大丈夫なのかい?」
「任せておくなっしー! ヒャッハー!」
「おおっ、見事なブラインドタッチ! しかも早い!?」


ふなっしーの見事な操作と正太郎の正確な情報整理のおかげで、ここ数時間の大きな動きを短時間でまとめる事に
無事成功した。
その結果得られた主な情報は。

『関東で地震が起きた。原因はなんか東京の地下にあるらしい』
『拳王軍が大阪に現れて食料を強奪してる。やべぇ逃げよう』
『国会議事堂前で魔物と警察官達が戦ってた。ガス爆発まで起きたぞ』
『DMC狂信者の大軍団が都庁の魔物に返り討ちにあった。都庁パネェ』
『大魔神軍、ドラゴンズに大敗。なお大魔神軍は試合後に別の参加者に全滅させられた模様』
そして

『風鳴翼は、今埼玉にいるらしい』


「ゲェーッ!? 奴は今埼玉にいるのかーっ!?」
「よーし、あたいが退治してやる!!」
「話を聞いてなかったんですかチルノ! 主催の目的が彼女をより強くする事だとしたら、今私達が行った所で
餌を与えに行くだけですよ!」
「とはいえ、彼女をこのまま放置する訳にもいきませんからね。誰かがいずれは討伐に行かなくては……」
「しかし金田正太郎、情報によれば彼女は魔物の巣窟と化した都庁の門番の片腕を奪うほどの手練れだと書かれています。
それほどまでの猛者を倒すとなると、流石の私も自身があるとは言い切れませんよ?」
「それは俺達も同じだぜヤミ。関係ない人達が犠牲になるのは避けてぇが、今の俺達じゃ明らかに力不足だ……」

ヤミの言葉に拳を握りながら紘太は同意した。
彼自身も今すぐにでも食人鬼の凶行を止めたいのだが、今の自分には強化変身の為のゲネシスコアやエナジーロックシード、
カチドキや極ロックシードといったアイテムが手元にない。
通常形態だけでネットの情報通りの怪物と戦うには流石に彼も心持たなかった。
他の面々も言葉や態度には出さなかったが同じ気持ちには変わりなかった(チルノは除く)。

「……となると、俺達が次に目的とすべきは風鳴翼以外のどれかとなるが……」
「私はできればDMCの狂信者達を止めに行きたいです。各地に散らばっている通り魔同然の彼らを放っておいては
私達の目的である野球の試合もおちおち出来ませんからね」
「もしそうなら、都庁の魔物達と協力体制を取れませんかね? 彼らもDMC信者とは敵対していますし、何より
野球で世界を救う詳細な情報に関して何か知っているかもしれませんよ?」
「詳細な情報というと、イチローチームの方も可能性がありそうだね。今ドラゴンズが一緒みたいだけど」
「拳王軍……は、色々と近寄りたくねぇなぁ。首輪を外せる奴がいるらしいのは気になるけどよ」

この殺し合いの主戦場と化した関東のどこに向かうか。
聖帝軍一同は大いに頭を悩ませた。
この後の選択次第で自分達の運命が左右されかねない、そんな気がしたからである。


「ところで紘太、さっき気になる書き込みがあったなっしが……」
「何だ、ふなっしー?」
「この画像を見てほしいなっしー」
そう言ってふなっしーはパソコン画面に映された添付画像を紘太に見せる。

738球場はさながら戦国:2014/09/08(月) 00:08:16 ID:anICu64A0

『東京の近くで妙なペア見つけたwww』


そこに映っていたのは、何やら美味しそうな鎧に身を包んだ白い男と土下座ポーズのドラゴンという妙な組み合わせの
参加者の画像だった。

「げぇっ!! これもしかして貴虎じゃねえか!?」
「やっぱり知り合いなっしー? 紘太の変身した姿に似てたから気になってたなっしー!」
「ああ! あいつならきっと俺達の力になってくれるかもしれねぇ!」
「何だ何だ、その白いのは強いのか? ならば是非聖帝軍に加えたいぞ?」

かつては敵対していたが、今は頼れる人物である呉島貴虎の変身する斬月・真の無事な姿に驚きながら、紘太は
彼との再会を模索し始める。
事情は知らないがドラゴンも一緒のようなので、もしかしたら野球に関しての情報も得られるかもしれない。
サウザーも食いつきだし、東京行きを提案しようと彼が口を開こうとした―――――


その時である。


「いるか聖帝軍ーッ! 俺達と勝負してもらおうーっ!!」
「な、何だ!?」

突如としてスタジアム入口の方から何者かの声が響いてきた。
それと同時に、野球道具を携えた9人の集団がゾロゾロと球場内に侵入してくる。
どう考えても野球チームである。

「ムゥッ、遂にこの聖帝軍に挑戦するチームが現れたか! 名を名乗れ!」
「俺達の名は『ウルフハリケーンズ』! 聖帝軍、お前達に野球の試合を申し込みに来たぜ!!」
「フフフ、いいだろう。この聖帝サウザーに勝負を挑んだ事を死者スレで後悔させてくれるわ!」

遂にやってきた初試合に、サウザーは意気揚々としながらバットを握る。
他の面々もそれぞれ心境は違ったが、芯の部分ではサウザーと同様の心持であった。

「それにしてもあのチームの面々………」
「どうにも形容しにくいオーラが強いですわね………」

「遂に試合の時が来たか、ドスコーイ!」
「フッ、このヘラクレスファクトリー主席の俺がいる限り勝利は揺るがないぜ!」
「男とは何ぞや? 命とは何ぞや? 返答せい!!」
「フフフ、君達に教えてやるザンス、勝敗は常に顔で決まるのだよ!」
「お前ら下がっていろ、俺一人でいい。超人レスラーや青銅聖闘士について来られても、足手まといなだけだ」
「いや、野球は9人じゃないとできませんから」

面と向かっては言いにくいが、ヘタレ臭、噛ませ犬臭がすごい。
そう思う亜久里と正太郎であった。
その後ほどなくして両チームはグローブを身に着け、球場の中央で全員が相対した。

「よーし準備は終わった! 後は双方のスタメンを発表するだけだが、そっちは決まっているか?」
「無論だ! 俺達のスタメンはまず―――――――」

739球場はさながら戦国:2014/09/08(月) 00:09:10 ID:anICu64A0


ドガァァァァァァァァァァァァン!!



「「「うわああああああああああああ!?」」」


ウルフハリケーンズがスタメンを発表しようとしたまさにその瞬間。
西武ドームの屋根を突き破り、球場のど真ん中に何者かの放ったビームによる砲撃が撃ち込まれた。
いきなりの事態に一同は慌てながらも状況を確認しようとする。

「な、何だ!? 何が起きた!?」
「みんな気を付けて! 上空からの砲撃だ!」
「おーいみんな、大丈夫か!?」
「こっちは何とか全員無事なっしー!」
「し、しかし、相手チームの方は………」

聖帝軍の面々は各々が回避や防御が間に合い全員が無傷か軽傷で済んだ。
しかし反応が遅れたウルフハリケーンズの面々の大半は直撃を受け、死亡した者がほとんどであった。
あまりの状況に一同は言葉を失い、ただただ呆然とするしかなかった。


【ヤムチャ@ドラゴンボール 死亡確認】
【ウルフマン@キン肉マン 死亡確認】
【ガゼルマン@キン肉マンⅡ世 死亡確認】
【独眼鉄@魁!!男塾 死亡確認】
【海蛇座の市@聖闘士星矢 死亡確認】
【ゴッド・リー@テラフォーマーズ 死亡確認】
【カツ・コバヤシ@機動戦士Zガンダム 死亡確認】
死因:爆死


―――――が、そんな中生き延びた者が2名。

「くっ、まさか空からの奇襲とはな………おい、大丈夫か?」
「お、おお……何とかウンメイノーするのは免れたみたいだ……だが他の仲間達が……」
「あんた達、大丈夫なのか!?」
「ああ、元より俺は頑丈なのが取柄でな」

鎧を着たワニのような男と、青いクワガタみたいな仮面ライダーは傷を負いながらも立ち上がり、仲間達の
無残な姿に怒りを隠せなかった。
かつて大魔王バーンの配下だった獣王クロコダインと戦いの神(笑)仮面ライダーガタックこと加賀美新。
世間的には噛ませ犬扱いの二人だが、共にこの場にいる面子の中では優れた実力の持ち主である。

「くそっ、せっかくヤムチャの奴が誘ってくれた野球の初戦をぶち壊しやがって! 一体誰がこんな事を!」
「落ち着け加賀美、どうやら下手人はあやつのようだぞ」

忘れられがちだが元高校球児である加賀美が激昂するのをなだめつつ、クロコダインは天井に開いた穴から見える
影を見るよう彼に促す。
そこから見えるのは巨大にして威圧的、そして機械的な外観をした物体――――――

740球場はさながら戦国:2014/09/08(月) 00:09:55 ID:anICu64A0
「ど、ドラゴンだと!? まさか都庁の魔物が攻めてきたのか!?」
「違うな。都庁に巣くっている魔物達にあのような機械の身体を持つ者はいないはずだ。おそらくあれは別の勢力だろう」
「えっ? ワニのおじさん、都庁の事を知ってるの?」

驚くサウザーに冷静に指摘するクロコダインの発言に驚いたイリヤが疑問を口にする。
実際のところ都庁の魔物に関する情報は単に『ドラゴンをはじめとする魔物の軍勢』という漠然としたものしかネットに
流布されていなかったため、機械の魔物は都庁にいないという情報を知っていたクロコダインに驚くのも無理はなかった。
だがその疑問は上空から聞こえてきた声によって無情にもかき消されてしまう。


「もーっ、全員やっつけたと思ったのに半分以上残ってるじゃない! しぶといわねぇ!」
「そ、その声はもしや………レジーナ!?」

巨大な機械の龍の頭の上から聞き覚えのある声がした事にもしやと思い、亜久里はその名を叫んだ。
出来れば最悪の予想が外れてほしいと思いつつ。
だがその期待は見事に裏切られる事となった。

「あら亜久里、殺し合いが始まる前以来ね。元気だった?」
「レジーナ……貴方は何故いきなりこんな真似をしたのですか!? 事と次第によっては……」
「何故? 決まってるじゃない、そのドームにいる奴らを全員SATSUGAIする為よ!」
「なっ………」

自身の片割れともいうべき少女から飛び出した発言に、亜久里は驚きを隠せなかった。
確かにかつてはキングジコチュー率いる悪の軍勢の一員として活動していた彼女だが、ここまで露骨に過激な発言を
した事はなかったはずである。

「おいちょっと待て、あの子今SATSUGAIって………」
「ま、まさかあのレジーナって子、DMCの信者!?」
「い、いえ、あの子はデスメタルのようなジャンルの音楽を聞くような子ではないはずなのですが……」
「………ねえ亜久里、マナがね、死んだんだよ?」
「!?」

それまでの無邪気な様子が一転、暗いトーンに包まれた声でレジーナは話し出した。
亜久里も彼女が何を言わんとしているのか察しつつ、今は彼女の言葉に耳を傾ける。

「さっきの放送でマナの名前が呼ばれた時、最初は何かの間違いだと思ったわ。でも放送は全部本当だった。
だから仇を討つためにマナを殺した奴を探し出そうと思ったの。でもネットのどこにもマナを殺した奴の情報はなかったし、
周りにいた人達も誰も知らなかった。どうすればいいのかわからなくなった私はいっそ自害しようとも思ったわ。
でもそんな時私を救ってくれたのがクラウザーさんの歌だった! クラウザーさんの歌を聴いていたら、マナが
死んでぽっかり穴が開いた私の心が塞がれていくのを感じたの! だから私は決めた! 私を救ってくれたクラウザーさん
を生き返らせるために、信者のみんなと一緒に殺し合いをする人も魔物も全部SATSUGAIするって!!」


駄目だ、この子は完全にDMCの狂信者に成り果ててしまっている。
殺し合いによるストレスとマナの死によるショックで弱り切っていた彼女の心にクラウザーさんの歌は猛烈な毒でしか
なかったのだ。
絶句した表情のまま、亜久里はそう痛感した。
彼女達は知る由もなかったが、相田マナを殺害した下手人は都庁にスパイとして潜り込んでいたDMC狂信者であるデスマンティスと
ラージャンの二人である。
それを知らぬレジーナが自身も狂信者に身を落としてしまった事は、まさに悲劇としか言いようがなかった。

「ヌゥ……これは話し合いができるような精神状態ではなさそうだぞ、あの娘」
「とにかくあの子を早く止めないといけない。出番だ、鉄人!」
「待ってください正太郎! レジーナと戦うのであれば、私も!」
「亜久里ちゃん、あのレジーナという子は君の友達なんだろう? 友達同士で殺し合いをさせるなんて悲しい事は僕には
させられないよ。その辛さなら僕も痛いほど知っているからね………」

かつて友情を育んだ宇宙魔王の息子グーラの事を思い出しながら、正太郎は亜久里を制止し鉄人28号をディパックから
出撃させ、Vコンを握りしめた。
あれほどの巨体であれば鉄人の出番であり、その機動性で攪乱する事が有効だと踏んだからである。

741球場はさながら戦国:2014/09/08(月) 00:11:08 ID:anICu64A0
「私と戦おうっていうなら相手になるわよ? ただし――――――」


「「「SATSUGAIせよ! SATSUGAIせよ! SATSUGAIせよ!」」」


「相手は私だけじゃないけどね?」


聞きたくもないが聞きなれたその合唱音。
言うまでもない、DMCの狂信者達の声である。
上空のレジーナに一同の注意が向いている隙に、球場入口から推定200人近い信者達が続々となだれ込んできた。
だが、彼らは普通のモブ信者達と違う点が一つあった。

「なっ………ありゃユグドラシルの!?」
「知っているのか紘汰!?」

そのモブ信者達は、全員が仮面ライダーだった。
彼らは皆、量産型戦極ドライバーとマツボックリロックシードの力によって黒影トルーパーと呼ばれる戦闘員ライダー
に変身を遂げていたのだ。
中には重装甲のスイカアームズを身に纏った者すらいる。
だがこのベルトと錠前はユグドラシルの関係者でなければ普通は手に入らない物。
ランダムの支給品がこれほどの人数に同じように配られるなどあり得ない事である。
だとすると理由は一つ。
何者かが彼らにベルトを大量に横流ししたと考えるのが妥当である。
そしてその犯人は隠れる事無く彼らのすぐ後方から姿を現してくれた。

「やれやれ、レジーナのお嬢ちゃんが一気に始末してくれると思ったが、念のためスタンバッといて正解だったぜ。
ヘルカイザー亮からの報告通り、野球関係者はゴキブリ並……いや、クマムシ並のしぶとさみてぇだな?」
「このトルーパー達……お前の仕業だったのか、シド!!」
「まあそういうこった。悪ぃがお前らもクラウザーさん復活の為の生贄になってもらうぜ?」

球場に現れた、何やらサクランボのような鎧を身に纏った仮面ライダー。
それは紘汰もよく知る人物。
仮面ライダーシグルドこと錠前ディーラー・シド。
彼もまた、DMCの狂信者の一人として参加者をSATSUGAIする為にこの場に現れたのだった。

「ふざけるな! お前らの自分勝手な野望でどれだけの人が死んだと思ってやがる! そんなにクラウザーって
人が大事なのかよ!?」
「あの人の素晴らしさが分からねえとは、やっぱりてめぇはまだ子供だな。それとな…………………
クラウザー“さん”だ!! さんを付けろよデコ助野郎ぉ!!!!」
「ッ!?」

崇拝対象を呼び捨てにされた怒りの声とともに、シドが手にしたソニックアローからエネルギーの矢が紘汰めがけて撃ち出される。
とっさに変身しようとベルトとロックシードを構えるが、明らかに間に合わない。
万事休すか―――――


「ぬんっ!」
『オレンジアームズ! 花道オンステージ!』

―――――と思われたが、その矢は誰よりも早く割って入ったクロコダインが振りかざした斧によって見事全弾防がれた。
その間に紘汰も仮面ライダー鎧武へと素早く変身を終える。

「すまねぇ、助かったぜ、ええと……」
「俺の名は獣王クロコダイン、礼には及ばん。聖帝軍達よ、ここはひとまずあの傍若無人な輩共を協力して追い払うのが
得策だと思うが、どうする?」
「フッ、俺も異議はない。ようやく訪れた初戦を台無しにされたこの恨み、晴らさでおくべきか! 何よりこの聖帝サウザーに
楯突く者は何人であろうと始末するのみよ! いいなお前達?」
「問題ありません」
「俺達もいいぜ!」
「分かりました、私も覚悟を決めます。今はここにいる皆の命を守るため、戦いましょう! プリキュア、ドレスアップ!」

742球場はさながら戦国:2014/09/08(月) 00:11:44 ID:anICu64A0
その場にいる聖帝軍とウルフハリケーンズ残党全員の意見が一致し、今ここに共通の敵を討つための連合軍が結成されたのだった。
亜久里やイリヤ達、変身能力を持つ者達も全員が変身を完了し、完全に戦闘態勢を整える。


「チッ、まあいい。これだけの数を相手にそれっぽっちの数……しかもガキだらけの連中なんぞに負ける気はしねえからな」
「フフフ、世間ではそういう台詞は死亡フラグというのだぞ、シドとやら? 我が聖帝軍を甘く見るなよ?」
「そのデカい口もそこまでにしときなヘタレ聖帝さんよ。てめえらがどんだけあがこうが俺達DMC信者は止められねぇ。
いずれクラウザーさんはこの世に復活し、てめえら豚共全員はSATSUGAIされるのさ!」
「ほざけこのヘンテコサクランボライダーが! 人の気も知らずによくも大事な試合を……」
「熱くなるなサウザーよ、吠えるだけなら犬でもできる事だ。お前も分かっているだろうが、俺達はこんな所で死ぬわけには
いかんのだ。野球をし、そして世界救済の5つの予言を成し遂げるため、無駄な犠牲を出す訳にはいかんからな……」
「フン、言われるまでもない………って、おい待て、救済の予言だと!? 一体何の話だ? もう少し詳しく教えろ!」
「お、お前ら……まさか知らずに野球をやっていたのか? まあ教えるのは構わんが、まずはこいつらが先だ!」
「お、おお!!」

何やら直前になって獣王から重大な情報を知らされてしまい焦るサウザーだったが、状況が状況なので目の前の狂信者軍団に集中し直した。
かくして西武ドームにて、今まさに野球ならぬ血で血を洗う殺し合いが勃発しようとしていた。
この戦いを生き延びるのは、果たしてどちらなのか―――――


【二日目・6時00分/埼玉県・西武ドーム】

【聖帝軍+α】
【サウザー@北斗の拳】
【状態】心労(中)、ダメージ(小)、激おこ
【装備】なし
【道具】支給品一式、ノートPC
【思考】
基本:主催者を打倒し日本を支配、そしてラオウも倒す
1:試合をぶち壊したDMC狂信者達を粉砕する
2:世界救済の予言!? 何だそれは!?
3:何だ、この『汚物を消毒』しそうな気配は? 是非部下にしたいぞ!
4:配下のガキ共にはいずれ思い知らせる(今はとりあえず下手に出る)
5:愛などいらぬ!
6:退かぬ!媚びぬ!省みぬ!

【円亜久里@ドキドキプリキュア!】
【状態】健康 、レジーナに動揺、キュアエースに変身中
【装備】ラブアイズパレット、ラブキッスルージュ
【道具】支給品一式、アイちゃん
【思考】
基本:殺し合いを止める
1:DMC狂信者を倒す、レジーナは可能であれば何とか説得したい
2:世界救済の予言……?
3:サウザーは頼りにならないので自分がチームを引っ張る
4:他のプリキュアとも合流したい
5:マナ達の死を無駄にはしない

【金田正太郎@太陽の使者 鉄人28号】
【状態】健康、強い意志、鉄人28号を操縦中
【装備】Vコン
【道具】支給品一式、鉄人28号
【思考】
基本:殺し合いを止める
1:悪い奴は許さない
2:DMC狂信者達を止める、レジーナとメカ龍の相手をする
3:世界救済の予言だって?
4:サウザーには(一応)従う

【イリヤスフィール・フォン・アインツベルン@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ】
【状態】健康、ちょっと先行き不安、プリズマイリヤに変身中
【装備】マジカルルビー
【道具】支給品一式、クラスカード全種、魔法少女マジカル☆ブシドームサシDVD-BOX
【思考】
基本:殺し合いを止める
1:とにかくDMC狂信者を止める
2:ワニのおじさん(クロコダイン)の言っていた事が気になる
3:このおじさん(サウザー)は当てにならない
4:お兄ちゃんやミユ達が心配

743球場はさながら戦国:2014/09/08(月) 00:12:19 ID:anICu64A0
【金色の闇@ToLOVEるダークネス】
【状態】健康 、静かに怒り
【装備】なし
【道具】支給品一式、たい焼き×大量
【思考】
基本:主催者を打倒する
1:DMC狂信者達をどうにかする
2:世界救済の予言……ですか
3:サウザーは当てにしない
4:美柑達が無事か気がかりですね

【チルノ@東方project】
【状態】健康、やる気十分
【装備】アイスソード@ロマンシングサ・ガ
【道具】支給品一式、ガイアメモリ(アイスエイジ)@仮面ライダーW
【思考】
基本:『だーすべいだー』を倒す
1:野球をぶち壊したDMCの狂信者達を倒す!
2:ふなっしーの言う通りならあたいが世界を救う!
3:せーてーは頼りないからさいきょーのあたいが皆を引っ張る

【イオリ・セイ@ガンダムビルドファイターズ】
【状態】健康、不安
【装備】HGスタービルドストライクガンダム、HGビルドガンダムMk-Ⅱ
【道具】支給品一式、ガンプラ用工具一式、その他ガンプラ(大量)
【思考】
基本:殺し合いを止める
1:ど、どうしよう……
2:本当に野球で世界を救えるのかなぁ
3:か、カツさん……
4:知り合い一同が心配
5:歴代ガンダムキャラ達の死に悲しみ

【アリーア・フォン・レイジ・アスナ@ガンダムビルドファイターズ】
【状態】健康
【装備】HGビギニングガンダム
【道具】支給品一式
【思考】
基本:主催の連中をぶっ潰して殺し合いを止める
1:DMC狂信者達と戦いたいが武器がねえ、何か手段はないか?
2:救済の予言がどうとか……何の話だ?
3:オッサン(サウザー)は信用しない
4:ガンプラで戦う方法を探したい

【ふなっしー@ゆるキャラ】
【状態】激おこなっしー!
【装備】野球のユニフォーム(背番号274)
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】
基本:殺し合いを止めるなっしー!
1:DMC狂信者達を成敗するなっしー!
2:な、何か武器はないなっしかー!?
3:救済の予言って何なっしー!?
4:ヒャッハー! 梨汁ブシャー!

【葛葉紘太@仮面ライダー鎧武】
【状態】健康、激しい怒り、仮面ライダー鎧武に変身中
【装備】戦極ドライバー、ロックシード(オレンジ)
【道具】支給品一式、ロックシード(パイン、イチゴ、スイカ)
【思考】
基本:殺し合いを止める
1:DMC狂信者達、もう絶対許さねえ!!
2:救済の予言だって!?
3:できれば強化用のロックシードが欲しい
4:知り合い一同が心配
5:ダースベイダー、絶対に許さねぇ!!

744球場はさながら戦国:2014/09/08(月) 00:12:51 ID:anICu64A0
【獣王クロコダイン@DRAGON QUEST ダイの大冒険】
【状態】ダメージ(小)、怒りと悲しみ
【装備】獣王の鎧、グレイトアックス
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】
基本:殺し合いを止める
1:今は聖帝軍と協力し、DMC狂信者の軍勢を倒す
2:世界救済の予言の謎を解く
3:この男(サウザー)、知らずに野球をやっとったのか……
4:チームメイトの皆、すまない……

【加賀美新@仮面ライダーカブト】
【状態】ダメージ(小)、怒りと悲しみ、仮面ライダーガタックに変身中
【装備】ガタックゼクター、ライダーベルト
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】
基本:主催者を倒し、殺し合いを止める
1:今は聖帝軍と協力し、DMC狂信者の軍勢を倒す
2:世界救済の予言の謎を解く
3:聖帝軍……子供ばかりだけど大丈夫なのか?
4:チームメイトの皆を守れなかった事への後悔

【DMC狂信者】
【レジーナ@ドキドキプリキュア!】
【状態】健康、やや精神不安定、電子星獣ドルの頭部に騎乗中
【装備】ミラクルドラゴングレイブ、電子星獣ドル
【道具】支給品一式、ギラン円盤
【思考】
基本:クラウザーさんの復活
1:クラウザーさんの為にすべての人や魔物をSATSUGAIする
2:ロボット(鉄人28号)の相手をする
3:マナ………

【錠前ディーラー・シド@仮面ライダー鎧武】
【状態】健康、仮面ライダーシグルドに変身中
【装備】ゲネシスドライバー、エナジーロックシード(チェリー)
【道具】支給品一式、大量のロックシード
【思考】
基本:クラウザーさんの復活
1:西武ドームの連中にはクラウザーさん復活の生贄になってもらう
2:レジーナの嬢ちゃん、大丈夫か?
3:葛葉紘太は特に殺す
4:いざとなれば『奴ら』が……

※西武ドームに終結した200人近いDMCモブ信者達は、全員黒影トルーパーに変身しています。
※西武ドームの屋根に穴が開きました。

745球場はさながら戦国:2014/09/08(月) 00:13:33 ID:anICu64A0

「……どうやら始まったようだな」
「そのようですね、キリツグ」
「馬鹿な人達ですよ、僕達がいるのも知らずに目の前の敵に夢中になって」
「球場で戦うのは気が引けるけど、これも同士の為、そしてクラウザーさんの為だ。今は耐えねば……」

戦いが始まったのと同時刻、西武ドームの通路内。
そこには4人の人影があった。
衛宮切嗣、セイバー、碇シンジ、斎藤佑樹。
全員がかのカギ爪の男の勧誘でDMC狂信者の一員となった面々である。
彼らはシドやレジーナとは別働隊としてこの西武ドームに潜入し、支援活動を行うために派遣された人員であり、
切嗣と斎藤に至ってはシドから支給されたドライバーによってそれぞれアーマードライダーへと変身を遂げていた。

「ところで衛宮さん、首尾は?」
「問題ない。あのお嬢ちゃんやシド達が気を引いているうちにおおかたの作業は済ませた。あとは起爆装置さえ
作動させればこの球場は数秒で崩壊するだろう」

切嗣は手元のスイッチを見せながらそう淡々と告げる。
彼は既に西武ドームの支柱の至る所に爆薬を仕掛けており、いつでもドームを爆破して内部の面々を殺す事が
できるように準備を終えていたのだ。

「流石ですキリツグ。これで万一彼らが敗れる事があっても相打ちに持ち込む事が出来るという訳ですね。
もし爆破から運よく逃げられても消耗した彼らを私のエクスカリバーやシンジのエヴァでまとめて薙ぎ払い、
さらにキリツグが狙撃する。素晴らしい二重、三重の策です」
「まさか君の口からそんな言葉が出るとはね。以前だったら同じ様な事をしたら僕を殺しかねない目つきで
睨みつけたというのに」
「何を言いますか。これもすべては同志の為、そして我らがクラウザーさんの為。クラウザーさんが蘇るので
あれば今の私は正々堂々だ騎士道だなどというくだらない拘りなど喜んでドブに捨てる所存ですとも!
あと復活の暁には是非ともクラウザーさんにレ○プしていただきたいです!」

ブリテンの騎士王にあるまじき酷いゲス発言を平然と言い放つセイバー。
もはや彼女もすっかりDMC狂信者の一員その物と化してしまっていた。
円卓の騎士達は泣いていい。

「さて、そろそろ僕達もこの場を離れるとしよう。どうやら都庁の襲撃部隊は侵攻作戦に失敗したらしい。
いざとなれば僕達もそちらの戦線に加わらないといけないようだ」
「まったくしぶとい連中ですよ、おとなしくクラウザーさんの為にその身を捧げればどれだけ幸せかも分からない
なんて、本当に愚かな人達だ――――――」
「言いたい事はそれだけか? このゲス野郎共」
「「えっ?」」

後方からかけられた聞きなれぬ声に、ふと振り返るシンジと斉藤。


「汚物は消毒だ――――――――――ッ!!」


「うわあああああああああ、熱い、熱いぃぃぃぃぃぃぃぃ!?」
「ぐあああああああ、し、シンジ君――――ッ!?」

振り返った先には全てを焼き尽くすかのような業火。
その炎の直撃を受け、二人はのた打ち回りながら苦悶の声を上げる。
その炎の向こう側にいたのは、火炎放射器を手にした赤いカラーリングの仮面ライダー。
その隣には小柄な蛙のような生き物。

746球場はさながら戦国:2014/09/08(月) 00:14:10 ID:anICu64A0
「おのれ不意打ちとは! 何者です!?」
「待てセイバー。こいつの姿はネットで見覚えがある………火野ケンイチにケロロ軍曹だな?」
「ほう、俺達の事を知っていたか。魔術師殺しの衛宮切嗣さんよ」
「この御仁を知っているでありますか、ヒノケン殿」
「まあ、お互い裏の世界じゃそれなりに有名な顔なんでな」

マスクの下でニヤリと笑いながら臨戦態勢の二人と転がり回る二人を見つめるヒノケン。

「各地で暴れていた放火魔が一体僕達に何の用だ?」
「知れたことだ。俺の計画にはてめえらDMCの連中は色んな意味で邪魔なんでな。ここらで聖帝軍に恩を売って
おいた方が得だと判断したまでよ」
「彼らの味方をするという訳ですか……キリツグ、ここは私が。この程度の相手であれば私一人で十分です」
「いや待てセイバー、君はシンジ達を連れて一時退避してくれ。同志を守るのはもとより、今後の作戦には
特にシンジの力が必要不可欠だ。ここで殺す訳にはいかない」
「確かに………分かりました。キリツグ、ご武運を」

言うが早いか、セイバーは火だるまになっていた二人を抱えてドーム外へと飛び出す。
現在進行形でDMC信者の数はじわじわと減りつつある現状を切嗣は冷静に把握していた。
今後都庁の軍勢や拳王軍と事を構える際、シンジの持つエヴァ初号機の力は重要な戦力である。
容易に補充が効かないモブ信者以外の戦力はこんな所で極力失う訳にはいかないのだ。
ああ、もちろん斉藤もである(棒)

「ヒノケン殿、あの女騎士を追わなくていいでありますか?」
「今はとにかくこの球場の連中を守るのが先決だからな。深追いは禁物だ」
『ヒノケン様、球場に仕掛けられた爆弾の位置はほぼ特定できました。よほどの衝撃がない限り誘爆の危険は
ないようですが、万一に備えて除去を急ぐべきかと』
「でかしたファイアマン。さて、だったらまずはここにいるゲスを消毒するとするか!」
「了解であります!」
「……仕方あるまい。正面からの白兵戦は専門じゃないが、このベルトの力、試させてもらおうか」

片や炎の力を持つライダーとその相方。
片や血のような色の果実の鎧を身に纏ったライダー。
戦いは場外でも巻き起こる。
この乱戦、生き残るのは果たして誰なのか。

747球場はさながら戦国:2014/09/08(月) 00:14:35 ID:anICu64A0

【ケロロ軍曹@ケロロ軍曹】
【状態】疲労(小)意気高揚、カエルゾディアーツ
【装備】ゾディアーツスイッチ@仮面ライダーフォーゼ
【道具】支給品一式
【思考】
基本:バトルロワイアルを支配する
1:まずは目の前の男(衛宮切嗣)を始末する
2:爆弾を解除し、聖帝軍に恩を売る
3:ダースベイダーの抹殺
4:ヒノケン殿に尽くす
※カエルゾディアーツの能力として、高所への跳躍・高所からの着地可能・舌を長く伸ばす・ガマ油を吐く能力があるようです。
まだあるかもしれません。

【火野ケンイチ@ロックマンエグゼ】
【状態】疲労(小)、ダメージ(小)
【装備】フォーゼドライバー @仮面ライダーフォーゼ
【道具】支給品一式
【思考】
基本:バトルロワイアルを支配する
1:まずは衛宮切嗣を始末する
2:爆弾を解除し、聖帝軍に恩を売る
3:ケロロ軍曹を従える
4:新手の食人鬼だと? どういう事だ?
5:善野はまだ使い道がありそうなので、しばらくは生かしておく
※制限により、エスケープのバトルチップは一度使うと長時間使用できないようです

【ファイアマン@ロックマンエグゼ】
【状態】フォーゼドライバーの内部プログラム補助
【装備】火のバトルチップ一式
【道具】なし
【思考】
基本:ヒノケン様に尽くす
1:燃やしたい……!
2:西武ドームに仕掛けられた爆弾解除を行う
3:千石うぐいすらに対する疑念

【善野監督@咲 -Saki-】
【状態】気絶、ヒノケンのディパックの中
【装備】患者服
【道具】なし
【思考】
基本:……。
1:恭子……。

【衛宮切嗣@Fate/Zero】
【状態】健康、武神鎧武に変身中
【装備】銃、戦極ドライバー、ロックシード(ブラッドオレンジ)
【道具】支給品一式、不明支給品、爆弾の起爆スイッチ
【思考】基本:同志の夢を叶える。
1:取り合えずSATSUGAIしてクラウザーさんとやらを生き返らせる
2:ヒノケンとケロロの二人を始末する
3:いざとなれば聖帝軍達を爆弾でドームごと始末する

【セイバー@Fate/Zero】
【状態】健康、色々と思考がゲス化
【装備】約束された勝利の剣
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】基本:同志の夢を叶える。
1:取り合えずSATSUGAIしてクラウザーさんとやらを生き返らせる
2:シンジ達を連れて一時退避する
3:キリツグが心配です

【碇シンジ@新世紀エヴァンゲリオン】
【状態】全身火だるま
【装備】エヴァ初号機
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】基本:同志の夢を叶える
1:取り合えずSATSUGAIしてクラウザーさんとやらを生き返らせる
2:焼け死ぬから早く助けて

【斎藤佑樹@現実?】
【状態】全身火だるま、仮面ライダー黒影・真に変身中
【装備】野球道具、ゲネシスドライバー、エナジーロックシード(マツボックリ)
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】基本:同志の夢を叶える
1:取り合えずSATSUGAIしてクラウザーさんとやらを生き返らせる
2:実はアーマーのおかげで軽傷だが言いそびれた
3:球場を血に染めるのは本意ではないが、クラウザーさんの為なら仕方ない

748巫女の祈り:2014/09/08(月) 20:02:04 ID:heUVaKB.0
時刻はまもなく午前7時……一般的な家庭であれば、そろそろ起床して朝食を用意する時間帯であろうか。
大災害にロワの二重苦の中で、食事はいつも以上に大切なものだ。
某グルメな男に言わせれば、食事は救いでもある。
こんな時だからこそ、この時間は食事をとるべきなのだ。

だが、おそらく東京都にいる参加者達は落ち着いて食事をする余裕はないだろう。
食料が僅かであるとかそういった問題ではない。


ゴゴゴゴゴゴゴ……!!!


頻繁に起きるようになった地震、それも数時間前に起きた地震よりもさらに大きな地震だ。
こんな状況下で、落ち着いてスープを飲むことなどできるわけがない。
それでなくとも、ここまで地震が多発すれば鈍い参加者でも気がつく。
何か自分たちの知らない場所で、大事が起きているのだと。

それは正しい。
東京都庁、正確にはその地下にあるかつての世界樹の名残。

――真朱ノ窟(まそうのいわむろ)――

そこの最下層に、百億の生と千億の死を見つめる怪物が住んでいる。

ゴゴゴゴゴゴゴ……!!!

だが震源は、真朱ノ窟の中ほど。



「くっ……!」
「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■!」



怪物フォレストセルとダオスの戦闘の余波で、地震が発生していたのだ。

巨大な触手を振り回し、周囲の全てを薙ぎ払う。
その口からは爆炎を吐き出しかと思えば、吹雪を巻き起こしたり雷の嵐を降らせたり。
世界樹の地下であるということを考慮してなお、フォレストセルは魔王を喰わんと怒涛の攻撃を続ける。

「これほどとは……!」

対するダオスは防戦一方。
何故彼がこれ程の窮地に追い込まれたのか。
少し、時を遡ろう。

 ◆ ◆ ◆

749巫女の祈り:2014/09/08(月) 20:02:50 ID:heUVaKB.0
「都庁の地下に、こんな空間があったんだ……」
『ここのおそらく最下層に、フォレストセルはいるはずだ』
「んんwwwwww赤くてぬるぬるぐちょぐちょで、扉らしきものは『くぱぁ……』と開くとはwwwwww
 天然のエロ洞窟ですなwwwwwwやばい興奮して(ry」
「そこまでにしておきなさいオオナズチ。まどかに卑猥なことはさせないし聞かせないわよ」
『お前は昔から、欲望を表に出し過ぎなのだ。我らの口添えがなければ、お前は今頃ミザールの横で吊るされていたぞ』
「サクヤを襲った件からレストはかなり立腹していたからな。命があるだけ良いと思った方がいい」
「サーセン……」

不気味な真朱ノ窟に足を踏み入れたのは、都庁の軍勢と魔法少女であった。
理由は勿論、グンマ―の血を引くというまどかの力でもってフォレストセルを制御するためだ。
その要たるまどかの護衛には、都庁のトップであるダオス・雷竜・氷竜に加え、ほむらがついている。
さらにグンマ―の巫女の術式を教える役目から古龍オオナズチも。

少女一人の護衛にしては、過剰とも言える布陣。
しかしながらDMC狂信者軍団の襲撃により、最初の地震発生から大分時間が経過してしまっている。
それはつまりフォレストセルへの対処が遅れてしまったという意味であり、都庁の軍勢からすれば予定外であった。
万が一フォレストセルが既に地上への侵攻を開始していた場合に備えて、ここまでまどか一人に戦力を割いているわけである。

「それにしても、まるで魔女の結界内のようなおぞましさね。異様に大きい白血球や赤血球がさっきから目につくんだけど」
『ルーカサイトにレッドコーパスルだな。フォレストセルが生み出した、外敵排除の免疫細胞のような魔物だ』
『やはり我らも同行して正解だったか。流石の彼らも、我らを攻撃しようとは思わないようだな』
「あれも魔物なの? じゃあ、さっきからじっとこっちを見ているあの銀色の巨大蟹は?」
『メタルシザース。あれは特に仲間思いな魔物でな、仲間が死ぬと激怒して手がつけられなくなるほどだ。
 逆にこちらから危害を加えなければ温厚で大人しい。先ほどの免疫細胞たちも、ああ見えて怖がりな性格だ』

忠告通りに、誰も真朱ノ窟に住んでいた魔物に手を出すことはしない。
長い年月をここに閉じ込められていた魔物たちだが、彼らはただじっと見つめるだけで動こうとしない。
ただ不気味な床を踏みしめるだけで、一行は先へ先へと進むことができていた。

「……この辺りは空間が歪んでいるな。迂闊に動けば逸れてしまいそうだ」
『そこは我が磁場調整しておこう。おそらくこれも、フォレストセルが外敵を惑わすために作った罠だ』
「んんwwwwwwこっちには落とし穴、そしてその下が毒茨ですぞwwwwww」
「ま、まるでゲームのラストダンジョンみたいだね……」
『まあ、我らは飛べるからなんの問題もないが。乗れ、まどか』

数々の罠が張り巡らされていたが、雷竜たちの手によりそれも無効化されていく。
魔物の脅威も罠の脅威も無くなり、もしここに他の冒険者がいればふざけるなと叫ぶであろう程易々と奥地に進んだ頃……

「む?」

複数の咆哮が響いた。

『これは……なるほど、少し面倒なことになった』
『ダオス、ほむら、ついでにオオナズチ。まどかを連れて先に行け』

二体の竜が立ち止り、その直後。

「「「グオオオオオオォォォォォォォ!」」」

彼らと全く同じ姿、大きさをした竜と、それに加えて赤く巨大な竜が飛び出してきた。

「なっ、あなたたちと同じ竜!? どういうことなの!?」
『かつてここに住んでいた我らを、森の記憶から生み出したクローンと言ったところだな。
 オリジナルである我らには劣るが、それでも護衛には十分な力を持っている』
『こちらには赤竜がいないぶん、少し厄介な相手だが問題はない』


 ■ ■ ■

750巫女の祈り:2014/09/08(月) 20:03:42 ID:heUVaKB.0
合計で五体の竜が絡み合った乱戦など、人間には天変地異もいいところである。
雷竜らの言うとおり、あの場は彼らに任せてまどか一行はさらに奥を目指していた。

「急がねばならんな。フォレストセルがクローン作製技術を持っているとなると、私やレストのクローンが作られる可能性もある」
「悪夢でしかないわね」








「にしゃ?」







「「「「!?」」」」

そんな時に、あまりにも唐突に、それは現れた。
都庁の軍勢にとって、いや人類にとって救世主であると同時に大災厄である存在。
毒々しい紫紅色の巨体から生えた4本の触手が、怪しく蠢く。
金色の複数の眼はぎょろぎょろと動き回り、獲物を探し求めている。

「これが、これが――」


 フォレストセル が あらわれた!!! ▼

「■■■■■■■!」
「っ……!? エクスプロウド!」

フォレストセルに、対話の余地はなかった。
今のフォレストセルは善でも悪でもない。ただ、空腹だから、自分の前に立っているから、それだけの理由で攻撃する。
開幕と同時に、あらゆる生命体を焼き尽くす爆炎がその口から吐き出された。
反射的にダオスも上級術、同じ爆炎の魔法で対抗するが……

「ぐうううぅぅぅぅぅぅ!?」

フォレストセルが吐き出した爆炎はあっさりとダオスの魔法を打ち破り、術者の体を焼き焦がした。
ダオスは物理攻撃への耐性だけでなく、雷を除くあらゆる魔法への強い耐性も備えているため致命傷にこそならなかったが、
それでも受けたダメージはかなり大きい。

(挨拶代りの一発で、この威力……! 下手に相殺を狙うより、回避に専念してキュアで回復していくのが得策か)

そしてその一撃だけで、ダオスは勝ち目がないことを悟った。
せめて万全の状態であれば。世界樹内であるため動力源であるマナの枯渇こそありえないが、やはり首輪の制限は大きい。
対するフォレストセルは首輪をつけておらず、常に全力で戦える。いかに魔王といえど、この差を埋めることは難しかった。

(まどかは……ほむらとオオナズチの能力で離れたか。どのような手段でこの怪物を従わせるのかは知らぬが……
 今の私にできることは、時間稼ぎ。グンマ―の巫女の術が発動するまで、耐え凌ぐ!)


 ◆ ◆ ◆

751巫女の祈り:2014/09/08(月) 20:04:36 ID:heUVaKB.0
そして現在。
ダオスはフォレストセルの猛攻を耐えつつ、常に動き回っていた。
一瞬でも動きを止めれば、致命傷を受けかねないからである。

「■■■■■■■■!」
「……っ!」

特に、フォレストセルの攻撃の中で警戒すべきは、このサンダーストーム。
ダオスの力が魔王であるなら、フォレストセルの力はいわば魔神。
絶対的な魔力から繰り出される弱点属性攻撃を受けてしまえば、さしものダオスも確実に戦闘不能に追い込まれる。
仮に耐えたとしても、雷特有の全身麻痺、その隙をつかれて結局は敗北してしまう。




「なんて怪物なの……」

荒れ狂うフォレストセルの姿に恐怖しながらも、ほむらはまどかの側を離れずにいた。
万が一まどかに攻撃の流れ弾がきた場合、時間停止の魔法で緊急回避を行うためだ。
またダオスはその力により時間停止の影響を受けない稀有な存在であり、彼の救出の役割も兼ねている。
どちらかが危機的状態に陥った場合、すぐさま時を止めなくてはならない……
盾に触れたままのほむらの手からは、汗が垂れていた。

(ソウルジェムの濁り具合からして、私もそう何度も時間を止められない。
 もしあの2体の竜がクローン三竜を倒してかけつけてくれても……あれにはまるで歯が立たないはず。
 ああまどか、またあなたに全てを背負わせてしまうことになるなんて……!)

戦況から判断して、フォレストセルの撃破は不可能。
そもそもここまで動き回るフォレストセルの相手をすることが、当初の予定とは大きく異なっている。
本来であれば、眠ったままの、或いは寝起きで寝ぼけているフォレストセルを相手にまどかの力で制御するはずだったのだ。
それができなかったのも、DMC狂信者軍団のせいである。

(予定外と言えば、この怪物の強さもそう。都庁の軍勢の話以上に強力で、巨大だわ。
 まるで、ここ数日でさらに成長したような……)
「いいいいそぐんですぞwwwwwwここにこれを供えて、陣を描けばいいんですぞwwwwww」
「わ、わかったよ!」
「いまさらだけどオオナズチ、あなたどうしてグンマ―の巫女の術を?」
「あの子はかわいかったですからなwwwwwww昔よく隠れてストーキングしたりお風呂覗いたりwwwwww
 でも、もうあの子も他のグンマ―人も、みんな死んでしまったんですな……」
「……」
「でも今は前を見るんですぞwwwww我には新たな天使がついていますからなwwwww
 魔物を嫌いであると言っておきながら、我の怪我を癒してくれた天使さやかちゃんの親友は、我の親友wwwww
 助けない道理がないですなwwwwwwww陣の生成はお任せあれwwwwwwwwww」

オオナズチがその舌で、地面を抉り取っていく。
見たこともない文字に模様は、おそらくグンマ―固有のものだろう。
そうして出来上がった陣の中心部に巫女、まどかを座らせる。


「◆◆◆◆◆◆◆◆◆!」
「ぐっ……ごほっ……!?」


「っ! ダオスもかなり消耗している、急がないと! この後はどうするの!?」
「グンマ―人は、自然と共に生きる者。そしてその巫女は、特に優れた魔力で自然との対話が可能であった子なんですぞwwwww
 いくらあの絶対エロ同人誌で何人もの女の子を触手の餌食にしてそうな怪物といえど、植物タイプなのは明らかwwwwww
 つまり、別段特殊な儀式を行う必要もなく、最低限の行為……つまりただ祈るだけでいいんですなwwwwwwww」
「祈るって……それで戦うのを止めて、力を貸してくれと頼むということ?」

752巫女の祈り:2014/09/08(月) 20:05:17 ID:heUVaKB.0
「そうですなwwwwwww本来は豊穣とかを祈るもの、しかし今はそれよりもとにかく大人しくさせること以外ありえないwwwww
 あるいはあの怪物ではなく、この世界の自然そのものに祈ってあいつを止めるのもありですぞwwwww
 幸いにしてここは世界樹の真下ですからなwwwwwww」
「わ、私が、頑張らないと……!」
「唯一注意点があるとすればwwwwwww」
「すれば?」
「相手に対して、決して恐怖心を持ってはいけない、ということですかなwwwwww……あれ?」


「◆■◆■◆◆!」
「ぐっ……!? 回避を……っ!」


オオナズチの間の抜けた声は、爆音によってすぐさまかき消された。
背後ではダオスが吹き飛ばされ、叩きつけられ、いよいよもって彼の限界も近いのがわかる。

「恐怖心を持ってはいけないって……あの怪物に対して!? ダオスすら歯が立たない相手、それもあんな外見の生物に対して!?」
「ほむほむ叫ばないでほしいですぞwwwwwここにきてなんですがwwwww…………無理ゲーですな……www」

オオナズチもほむらも、本人の意思とは無関係に震えていた。
フォレストセルの圧倒的すぎる力に加えてあの醜悪な外見は、生物に対して原初的な恐怖を植え付ける。
古龍として、魔法少女として、多くの戦場を体験してきた二人ですら恐怖せずにはいられない。
それを、ただの中学生であるまどかに恐怖せずに祈れなど……

「む、無理よ、そんなの……!」



「大丈夫だよ、ほむらちゃん」
「え?」








「私、あの子は怖くないよ。ううん、むしろ……」


<ソンナ、ソンナバカナァァァァ……!?


「あ、ほら見たほむらちゃん! あの攻撃直前にばんざーいってする時、かわいいよね!? 実はすっごいぱっちりおめめだし!」
「「」」



後に、暁美ほむらはこう語る。


「まどかは大切だけど、歌とか好みの動物とかそういった趣味に関してだけは、たぶん一生同意できない」



 ■ ■ ■

753巫女の祈り:2014/09/08(月) 20:06:03 ID:heUVaKB.0
「ごほっ……私としたことが、なんと無様な……」
「ごめなさいダオス、まどかのぶっ飛んだ発言のせいで時と止めるどころか一瞬私の時間が止まったわ」
「ああ……私も吹き飛ばされながらだが見ていた。吹き飛ぶ私をよそに、あの怪物を指さしてかわいいと言う彼女を……」

停止させられた時間の中で、ダオスは応急処置を施しつつ前線から退いた。
あの怪物をかわいいと言える時点で、まどかには恐怖心の類はないのであろう。となれば、後は祈りを捧げるだけだ。

「念のため、この停止中にありったけの魔法を打ち込んで無力化させておく?」
「無理だ。この怪物には尋常ではない力に加えて超再生能力まで備わっている。
 私ですら、預かったグリモアの力で障壁を張りながら戦ってこの様なのだ。下手にこれ以上怒らせてはまずい。
 不甲斐ないが、ここはまどかとグンマ―の術に全てを託すしかない」
「そう……」

――ほむらの時間停止が解除される


「にしゃ!?」


突然戦っていた相手が移動していたために、フォレストセルは驚いた。
樹海の、自身の存続を望むフォレストセルは絶対に滅びるわけにはいかず、故にどんなに弱い侵入者であっても敵であれば全力で潰す。
そこに一切の油断はなく、相手に未知の力があるとわかれば……そちらに注意を払い、一挙一挙を警戒する。

――魔神の攻撃の嵐が、戦いが、止んだ

一瞬の静寂、平穏。その隙を、狙う。


「今ですぞwwwwwwwww」
「グンマ―の人たち、私に力を貸して! そして……!」


――、――――、――、―――、―――――♪


紡がれるは、グンマ―の言葉。
自然を愛し、感謝し、敬い、畏れ、崇め、称える詩。

捧げられるは、巫女の祈り。
人と自然の調和、人と魔の共存の願い。

膝を折り目を瞑る巫女に眠る魔力は、未曾有のもの。
人を超え魔を超え、天の理さえ変えかねない神域の力。

異星の超文明を持つ者が彼女の願いを叶え、奇跡を起こせば、世界は生まれ変わっただろう。
大自然の力、世界樹の力といえども、そこまでの奇跡を叶えることはできない。

だが、今の祈りは過去や未来に干渉するものではない。
現在の極一部に干渉し、そして未来は自分自身の手で切り開いていくもの。
そして異星人とは違い、自然や世界樹には制限といったものは設けられていない。





――眩い光と共に、巫女の祈りが届く――



 ◆ ◆ ◆

754巫女の祈り:2014/09/08(月) 20:06:39 ID:heUVaKB.0
「にしゃ……」

閃光が収まると、そこには戦意を失ったのか大人しくなったフォレストセルの姿があった。
触手をだらりと下げ、そこには先ほどまでの荒々しさをまるで感じない。

「やったの……? まどかが、あの怪物を制御できたの……?」
「信じられぬが、どうやらそのようだな。恐れ入るとは、このことだな」
「や、やったわまどか! まど――」

喜び振り返ったほむらは、そこで言葉を失ってしまった。



そこにいたのは、深緑の衣に身を包んだまどか。
彼女のトレードマークであった、ピンク色の髪の毛は急激に伸びてしまっている。
唐突な衣装や外見の変化はまるで――魔法少女を彷彿とさせた。

「ま、まどかなの? その姿は一体……」

「ごめんね、ほむらちゃん。私が祈ったのは、あの子を制御して戦わせることじゃない」
「まさか……」
「うん。祈ったのは――あの子を役目から解放して、そして代わりに私が戦える力を貸してください――だよ。
 ほら見て、こうやって手をかざすだけで植物が生えて、自由自在に動いてくれる!」

まどかが手を動かせば、どこからともなく葉が生い茂り動き回った。
まるで、植物自身が意思を持っているかのように。

「こ、これはすごいんですぞwwwwwwww」
「え?」
「まどっちがやっているのはまさしく、グンマ―の長たちが使うのと同じものwwwwwww
 その気になれば水や土などの自然関係のものも操れるし、もしかしたら歴代最強の長のように翼を生やして飛んだりwwwww」
「あ、ほんとだ! できたよ!」
「パネェですぞwwwwwwww」

世界樹の加護に加え、自身の持つ魔力から薄翠色の翼を生み出しで羽ばたいて見せるまどか。
興奮した様子の本人とオオナズチをよそに、ほむらはがっくりと膝をついていた。
祈った相手こそ違えども、まどかが行使しているのは魔法であり、魔法少女になってしまったのとなんら変わりがないためだ。

「どうして、どうしてなのまどか! あなたが戦う必要はないじゃない! なんのために、この怪物のところまできたの!?」
「ううん、あの子は怪物じゃないよ。最初はね、確かにあの子を鎮めて力を貸してもらおうと思ったんだけど……
 途中で世界樹の、あの子の記憶みたいなものが見えたんだ」

まどかは表情を曇らせ、フォレストセルと向き合う。
醜悪にして巨大、災厄とされるそれは誰が見ても滅ぼすべき存在にしか見えない。

755巫女の祈り:2014/09/08(月) 20:07:11 ID:heUVaKB.0
「あの子も元々はただの植物だった。大昔の人に、世界を綺麗にしてくれと祈られて……その願いを叶えようと頑張り続けた。
 人が出した汚いものを浄化しようと、どんどん森を広げて……自分の体さえ犠牲にして、おかげで一度世界は綺麗になった。
 でもそれを壊したのは、また人だったの。世界樹は折られて、この地下は封印されて、世界はまた汚れ始めた。
 この子はもう限界だった。もし世界が綺麗なままでも、きっと用済みで危ないからって滅ぼされてたと思う。
 そして今、残された本能で……森を守って、この世界を綺麗に浄化しようとしてたんだ。
 そもそも世界を汚した、人間という種族そのものを汚れの一つと考えるようになってね……」
「……」
「そんな子を、無理矢理従わせて戦わせてこれ以上酷使するだなんてあんまりだよ。
 だから私は祈ったの。あの子が休めるように。それに、私自身が皆に守られたままで何もできないのも嫌だったからね」
「まどか……」

まどかは、今まで沢山の存在に守られてきた。
殺し合いが始まる前から両親に、親友に、頼りになる先輩に。
殺し合いが始まってすぐに、芸能人に命を救われた。それも二度も。
その後は魔法少女とプリキュアに窮地を救われた。
都庁に迎え入れられた後は、多くの魔物が身の回りを警戒してくれた。
DMC狂信者に命を狙われた時も守られ、そして自分を守った者たちは傷つき倒れていった。
自分の無力さを痛感し、唯一役にたてるかもしれないというこの場面で……
怪物の生い立ちを知ってしまった彼女は、それを制御できうるだけの力の一部を自分自身に集めた。

「あの子の代わりに私が戦う。今度は、私がほむらちゃんやみんなを守るから」
「でも、でもこれじゃあ……! それにこの怪物を戦力にできなければ、あの竜たちとの約束はどうなるの!?」
「……元よりフォレストセルを制御、暴走を阻止することが目的だったのだ。予定とは違うが、無力化には成功した。
 友の覚悟を無駄にしてやるな。なに、今は不覚をとったが、主催者やDMC狂信者など私やレストがいれば十分――!?」

「にしゃぁ……」

いつの間にか、フォレストセルは接近していた。
その巨体に似合わぬ速さで、まどかたちに詰め寄っていたのだ。

「そんな、こいつ……!?」
「待ってほむらちゃん! もう、いいんだよ? あなたは十分頑張った。だから……え!?」
「どうしたのまどか!」

「にしゃ、にしゃぁ……」
「ちょ、ちょっと待ってほむらちゃん。えっと……にしゃしゃにしゃ、にしゃーしゃ! にしゃ?」
「まどかああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁ!?!?!?」


 ■ ■ ■

756巫女の祈り:2014/09/08(月) 20:07:59 ID:heUVaKB.0
「えへへ、驚かせてごめんね。なんか、急にこの子の言葉がわかるようになったから……」
「まどかが怪物言語を使い始めて、この世の終わりかと思ったわ……」
「私も、おそらくレストですらこやつの言葉は理解できぬ。これが、グンマーの巫女の力か……それで、なんと言っていた?」
「掻い摘むと『お腹減ってるからあれ食べていい?』だって」
「あれってつまり私たちじゃない!?」

「にしゃあー」

「こっちみないで! もしかしなくてもそれはヨダレなの!? ってこいつソウルジェムに!?」

焦るほむらの手の甲に、素早くフォレストセルの触手が伸ばされる。
先程と同じように、その巨体からは考え付かない速度。とてもほむらに見切れるものではなかった。

「にしゃ」
「え……ソウルジェムがピカピカに!? どういうことなの!?」

フォレストセルがソウルジェムに触れた瞬間、黒く濁っていたソウルジェムが新品同様の輝きを取り戻す。
すぐさま触手は戻っていき、ほむらを捕食しようとする気配はない。

「長い年月の中で、浄化するためだけに集めてた『不純物や穢れ』がいつの間にかこの子の主食になっちゃったみたい。
 確かに私の祈りでこの子は役目を終えられたみたいなんだけど、食欲の問題からやることは変わらないんだって……」
「……つまりこいつがいれば、グリーフシード問題解決?」
「多分。でも限界はあると思うよ? 私の祈りの弊害なんだけど、役目を終えたら満腹感みたいなものができたんだって」
「つまり、今までは際限なく世界の汚れを一気に取り込みすぎて暴走する恐れがあったが……
 今度は暴走しない代わりに、一度に浄化出来る量が限られるようになったということか」
「そうですね。それと『最近地上からの不純物が一気に増えた。前ならともかく今なら胸焼けしそうな量』とのことです」
「おそらくそれが、レストたちが言っていた謎の物質だろう」

極めて高い浄化能力を持つフォレストセルをもってして、そう言わせる程の物質。
暴走の対価に浄化制限がついた今となっては、フォレストセルを地上に鎮座させても問題は永遠に解決しないだろう。
確実に謎の物質について知っているであろう主催者を問い詰めない限りは。

「ううん、私が祈らなければ、もしかしたらこの子が謎の物質も全部浄化してくれたのかな? でもやっぱりそんなの……」
「戦った私が断言するぞ。こやつが地上で暴走したらこの国は沈んでいた。お前の祈りは、我々や多くの生物を救ったのだ。
 謎の物質に関しては、我々が自分の手で解決すればよい。その為にも、これからどう動くべきか考えるのだ」


 ◆ ◆ ◆

757巫女の祈り:2014/09/08(月) 20:09:34 ID:heUVaKB.0
程なくして、自身のクローンを粉砕した雷竜と氷竜も合流した。
当初の予定とは異なったが、それでもまどかの祈りが世界を滅ぼす災厄の一つを鎮めた事実は変わらない。
二竜は惜しみない賞賛をまどかに送るのであった。

『さて……』

だが、ここにきて思わぬ問題……というよりも、誰もが失念していた基本的なことが発覚した。

『大人しくなったフォレストセル。それはいい。問題は――どうやって地上に連れて行くかだ』


そう、フォレストセルはでかすぎた。
その圧倒的な質量のせいで、雷竜による磁軸移動は不可能。
徒歩で上に戻った場合、世界樹の根や幹をごっそり粉砕して確実に世界樹は倒壊する。
本末転倒である。

「大人しくはなったんだから、ここで待機させとけばいいんじゃないかしら?」
「それが、どうしてか私の手伝いをするって言って聞かなくて……私としては、もうゆっくり休んでもらいたいんだけどなあ」
「まどっちの祈りで、いわば肩の荷がおりたんでしょうなwwwwww」
『役目を終えたとはいえ、フォレストセルの本質は世界樹最強の守護者。そのために動かずにはいられないのだろう。
 与えられた固定思考と、己の意思という大きな違いはあるがな』
「少々手荒になるが、やはりここから少し移動し、都庁付近にあった新宿中央公園の真下に行くのはどうだ?
 後は私のレーザーなり、こやつの触手なりで一気に地上まで道を繋ぐ」
『やむを得ないが、それしかあるまい』

※間もなく新宿中央公園が跡形も無く吹っ飛びます。

「もう一つ問題はあるわ。……はっきり言って、その怪物が怖すぎる。日之影空洞でも腰を抜かしかねないわよ」
「ええっ!? こんなにかわいいのに!? ですよね!?」
「……何故そこで私に同意を求める。ここまで私をうちのめすような相手をかわいいと言うのは無理がある」
『正直、我らも怖い』
『おそらく、謎の物質その他不純物が急激に増えた結果、それを食べ続け急成長したのだろう。
 ……それで想定していたよりも遥かに強くなったのはいい。だが大きくなりすぎだ。見下ろされて威圧感がすごい』

「……」

「ああっ!? 言葉がわからなくてもニュアンスで悪口言われてるってわかってちょっとしょんぼりしてる!?」
「まどか、あなたなんでわかるの!? 表情全く変わってないわよこいつ!」
「これが新たなグンマーの巫女まどっちの……グンまどかの力なのですなwwwww」
「まどかに変なあだなつけないで!」

「むう……そうだ! にしゃにしゃ、にーしゃ」
「にしゃしゃ? にしゃ……にしゃあ。にしゃん!」
「にしゃーしゃにんしゃ、にしゃーん。にしゃ?」
「……にしゃ!」


「頭が痛いわ……私のまどかが、もう色々手遅れよ……」
「見て見てほむらちゃん! ほら!」

頭を抱え込むほむらが振り向くと、そこには人差し指を差し出したまどかが。
そして反対側に、触手を伸ばすフォレストセルが。

758巫女の祈り:2014/09/08(月) 20:10:51 ID:heUVaKB.0
触手と指が、触れる。







「 マドカ マイ ゴッデス 」








「「!?」」


光り輝く触手の先端と指先、そしてフォレストセルのカタコトが放たれた瞬間、全員が驚きと同時に脱力。
無理も無いだろう。千年以上の時を生きてきたフォレストセル、やっと覚えて初めて喋った言葉がこれである。

「そこはちゃんとフレンドでしょうまどか!? いや、フレンドとして認めるわけでもないのだけど!」
「ティヒヒ、この一発芸でみんなもこの子をかわいいと思ってくれたら、それはとっても嬉しいなって!」

それはねーよというツッコミは心の中にしまいながら、一同は気を取り直して上を見上げる。
何はともあれ、巫女の祈りは達せられた。災厄の一つを封じ、結果としてはまどかも含めて大幅な戦力増強だ。
しかしこれはこの世界において、たった一つの問題が解決したにすぎない。
やるべきことは、まだまだあるのだ。まずは見上げ、地上への道を開通させよう。

刮目せよ。

――地上に降臨する魔神の姿を――


【二日目・7時10分/真朱ノ窟(新宿中央公園真下)】
※間もなく新宿中央公園が跡形も無く吹っ飛びます。大事なことなので(ry

759巫女の祈り:2014/09/08(月) 20:11:31 ID:heUVaKB.0
【ダオス@テイルズオブファンタジア】
【状態】ダメージ(大)、物理攻撃無効、雷耐性低、都庁リーダー襲名、メガボスゴドラの飼い主
【装備】ダオスマント、七王のグリモア
【道具】支給品一式、不明品
【思考】
基本:都庁の軍勢を守りつつ星の自然環境改善
0:都庁に帰還後、影薄組と協力し風鳴翼、謎の物質などの問題に対処
1:都庁の軍勢を束ね、主催者及び敵対者を葬る
2:機械っぽい外見の奴とDMC信者は問答無用で潰す
3:警戒すべき相手への対策を練る
※ほむらとの情報交換により、インキュベーターが都庁全体での殲滅対象になりました

【氷嵐の支配者@新・世界樹の迷宮 ミレニアムの少女】
【状態】ダメージ(中)
【装備】無し
【道具】とけないこおり@ポケットモンスター、支給品一式
【思考】基本:都庁の仲間と共に生き残る。DMC信者は殺す
1:都庁に帰還後、影薄組と協力し風鳴翼、謎の物質などの問題に対処
2:鹿目まどかは守る
3:赤竜は今どこに……?
※一定の魔力を有する相手であれば、テレパシーで会話可能

【雷鳴と共に現る者@新・世界樹の迷宮 ミレニアムの少女】
【状態】ダメージ(中)
【装備】じしゃく@ポケットモンスターシリーズ
【道具】支給品一式、竜の玉礎×3
【思考】
基本:都庁の仲間と共に生き残る。DMC信者は殺す
1:都庁に帰還後、影薄組と協力し風鳴翼、謎の物質などの問題に対処
2:真朱ノ窟の魔物にも協力要請しておくべきか?
3:赤竜は今どこに……?
※人間に対しては、クランヴァリネと名乗っています

760巫女の祈り:2014/09/08(月) 20:12:09 ID:heUVaKB.0
【暁美ほむら@魔法少女まどか☆マギカ】
【状態】健康、小疲労、精神疲労
【装備】ソウルジェム@魔法少女まどか☆マギカ(穢れ0パーセント)
【道具】支給品一式、ベレッタM92(残弾95)、レミントンM870(残弾20)、ミニミM249(残弾50)、M16クレイモア×10、L16 81mm迫撃砲×5、M84 閃光手榴弾×20、88式地対艦誘導弾、長ドス、ゴルフクラブ
【思考】基本:まどかを守りつつ、主催者を倒す
0:極力まどかが戦わずにすむようにする
1:手ばなしでは喜べないが、インキュベーターざまぁ
2:あとで美樹さやかのソウルジェムも浄化しておこう
3:桃園ラブに僅かに罪悪感

【オオナズチ@モンスターハンターシリーズ】
【状態】健康、角破壊
【装備】不明
【道具】支給品一式
【思考】基本:美少女とエロ同人誌みたいなことしつつ都庁で暮らしたい
1:やはりまどっちほむほむより、さやかちゃんですぞwwwwwww
※尻尾も破壊された場合、ステルス能力を失います

【鹿目まどか@魔法少女まどか☆マギカ】
【状態】健康、世界樹の巫女
【装備】世界樹の衣
【道具】支給品一式 その他不明
【思考】基本:自分も戦い、みんなで生き残る
0:この子(フォレストセル)はなんて呼べばいいかな?
1:クラウザーさんのためにも、DMC狂信者の暴走を止める
※巫女の祈りにより、魔法少女に近い存在へとなりました
※ソウルジェムなどはないので、肉体が致命傷を負えば普通に死亡します
※衣装はアルティメットまどかのものを2Pカラーにした感じです。戦闘力もそれの劣化版

【フォレスト・セル@新・世界樹の迷宮】
【状態】健康、空腹、沈静化
【装備】不明
【道具】不明
【思考】基本思考: マドカ マイ ゴッデス 
0:にしゃあ!(ワタシ マドカ ツイテク)
※巫女の祈りにより、固定思考の呪縛から解放されました
※体質により、テラカオス化ナノマシンも浄化、その影響も受けません
※他者の穢れなども浄化可能ですが、満腹状態では不可
※まどか以外には何を言っているか理解できませんが、まどかの手で言葉を教えることはできるようです
※関東全域に複数回の地震が発生しました

761ズカンされた名無し:2014/09/08(月) 20:14:33 ID:heUVaKB.0
投下終了
巫女の祈りによるフォレストセル制御は行いましたが、これが予言の巫女の祈りとは限りません

762野球場に連れてって:2014/09/08(月) 23:35:12 ID:oiiatCXc0
高津と犬牟田のコンビは、周囲を警戒しながらちまちまと移動を進めていた。
特に問題もなく時を過ごしていた二人だったが、何回目かの休憩でついに彼らの目的を揺るがす出来事が起きてしまう。

「高津さん……」
「どうした、犬牟田」

無線LANでネットにアクセスしていた犬牟田が、神妙な面持ちで高津に話しかける。
その表情にただならぬものを感じながら、高津は応えた。

「佐々木さん、亡くなられたみたいです」
「は……? え、ちょ、マジ?」
「ネットにあげられていた情報を信じれば、ですが……。
 どうもDMC信者によって、大魔神軍は皆殺しにされてしまったようです」
「そんな……バカな……」

崩れ落ちるように、高津は膝をつく。
今は日本全土を舞台にした殺し合いの真っ最中であり、いつ誰が死んでもおかしくはない。
それを理解していてもなお、高津にはあの人間離れした生命力を誇る佐々木が死ぬとは思えなかったのだ。
倒すべき宿敵の喪失という事態を前にして、高津はひどい動揺を隠せずにいた。

「…………」

崩れた体制のまま動かない高津を見つめながら、犬牟田はこれからのことに思いをはせていた。
高津がこのまま再起不能になるようなら、かわいそうだが見捨てていくことも考えなければならないだろう。
あるいは自暴自棄になり、無差別に人を襲うかもしれない。
その場合は、自分が彼を止めなければならないだろう。
とはいえ同じ生徒会四天王に名を連ねる蒲郡や猿投山と違い、犬牟田の生身での戦闘力は一般人レベル。
ろくな武器もない今の状態で、スーパー戦隊の力を持つ高津に勝てる可能性は非常に低い。

(展開次第では、僕もここで終わりかもねえ)

うっすらと冷や汗を浮かべつつ、それでもポーカーフェイスを貫きながら犬牟田は高津の観察を続ける。

どれほどの時間そうしていただろうか。やがて、高津はゆっくりと体を起こした。

「決めたぜ、犬牟田」
「何をです?」
「俺は、DMC信者をぶっつぶす!」
「……ほう」
「大魔神軍が全滅したってことは、佐々木だけじゃなくたくさんの野球選手が殺されたってことだ。
 とうてい許せることじゃねえ。落とし前をつけさせてやる!」

そう宣言する高津の瞳には、激情の炎が宿っていた。
それを見て、犬牟田は彼の決意が強固なものであると判断する。

「……わかりました。及ばずながら、俺も協力しましょう。
 乗りかかった船ですしね」
「助かるぜ!」

犬牟田の手を固く握りしめる高津。
その次の瞬間、轟音と衝撃が二人を襲った。

「なんだ!? また地震か!?」
「いえ、地震の揺れ方とは違いますね。おそらくは爆発です。
 様子を見に行ってみましょうか。いつでも変身できるよう、スタンバイしておいてください」
「わかった」

犬牟田の言葉にうなずくと、高津はすぐに走り出した。

763野球場に連れてって:2014/09/08(月) 23:36:08 ID:oiiatCXc0


◆ ◆ ◆


「これは……」

爆発の現場と思わしき場所にやってきた二人が見たのは、力尽きた三体の怪人であった。
地に伏す、亀のような顔の怪人。
野球ボールそのものの頭部だけになった怪人。
そして、ガレキに潰されたトカゲの怪人。

「これは……相打ちになったのか?」
「あれは!」

冷静に状況を分析する犬牟田をよそに、高津はあることに注目していた。
亀のような怪人のデイパックから、野球のグローブが転がり落ちていたのだ。

「誰か……いるのか……」
「お前、まだ息が!」
「すぐにでも力尽きるだろうがな……。誰でもいい、我が遺言を聞いてくれ。
 私はデュデュオンシュ……」

デュデュオンシュと名乗った怪人は、荒い息で高津に語りかける。

「私は野球仮面と出会い、野球のすばらしさを知った……。
 猿と見下していたこの世界の人間が、こんなに熱狂できる娯楽を生み出していたとは……。
 私も……野球チームを作りたくて……準備を進めていた……。
 だがサッカー派の怪人に襲われ……なんとか勝ったと思ったが……
 向こうも最後の力を振り絞って反撃してきて……このざまだ……
 まあやつも自分の技で崩れ落ちてきたガレキに潰されて、死んでしまったがな……。ぐふっ!」

デュデュオンシュの口から、大量の血が吐き出される。いよいよ最期が近いらしい。

「どこの誰か知らない相手に頼むのも失礼だとは思うが……どうか私の最後の願いを聞いてほしい……。
 これを……葛葉紘太という男に……。敵対していたが……彼もまた……野球に……!」

柑橘類をメタリックにしたようなデザインの錠前を取り出したデュデュオンシュは、それを高津に渡すと目を閉じる。
そしてそのまま、完全に息絶えた。

「どうします? 届けるんですか、それ」
「ああ……。人間じゃないが、こいつも真剣に野球を愛していた。
 そんなやつの最後の願いを、無碍にはできねえだろう」

静かな声で呟きながら、高津は錠前と共に爆発でボロボロになったグローブを自分のデイパックにしまう。

「じゃあ、さっそく行きましょうか。葛葉紘太という人は、聖帝軍に名前が確認できました。
 今は西武ドームにいるはずです」
「おお、調べが早いな! なら、すぐに行くぞ!」
「けど、徒歩で西武ドーム行くとなるとそうとう時間かかりますよ。
 それまで向こうが移動してなければいいんですけど……」
「そこは……うん、何とかしよう」

こうして新たな二つの目標を胸に、彼らは新たな旅立ちを迎えるのであった。

764野球場に連れてって:2014/09/08(月) 23:37:03 ID:oiiatCXc0


【二日目・7時20分/東京都】

【高津臣吾@ササキ様に願いを】
【状態】健康
【装備】クロスチェンジャー@鳥人戦隊ジェットマン
【道具】支給品一式、カチドキロックシード@仮面ライダー鎧武、ボロボロのグローブ
【思考】
1:DMC狂信者をぶっつぶす
2:カチドキロックシードを葛葉紘太に届ける
3:乗り物を調達したい


【犬牟田宝火@キルラキル】
【状態】健康
【装備】だいぶ古い型のノートパソコン@現実
【道具】支給品一式
【思考】
1:高津に同行する
2:もうちょっとまともなパソコンがほしい
3:できれば極制服もほしい


【デュデュオンシュ@仮面ライダー鎧武 死亡】
死因:失血死
【野球仮面@秘密戦隊ゴレンジャー 死亡】
死因:必殺シュートにより爆死
【トカゲロン@仮面ライダー 死亡】
死因:ガレキに潰され圧死

765汝は大尉なりや? part3:2014/09/11(木) 00:17:47 ID:VgP.Gi.U0
ドーモ、読み手=サン。
特務機関に務めております大尉です、種族は占い師に占われると黒判定が出る人狼です。
というわけでpart3スタートです。
さて、現在俺が潜伏している木馬ことホワイトベーススカウト組は本隊と合流するために待ち合わせ地点に向かっているところなんですよ。
え、待ち合わせ地点はどこかって?バッカ野郎お前…次の書き手にキラーパスするに決まってんだろ(ゲス顔)
俺と修造さんとアルベルトは十傑衆走りで向かっているんだけどね。
おっと、忘れてた。実は前回キマイラに乗ってた咲夜さんも途中から十傑衆走りを始めたんですよ。
しかもレミリアたんを後ろに背負った状態で…これには流石に驚いたよ。
完全で瀟洒と言われているだけあるわ、それともいつも鼻から出ている紅い忠誠心のおかげなのか…とにかくすげえ。
俺もゆうかりんへの忠誠心をもっと高めればなんでもできるようになるのかな?
『ん?今なんでもするって言ったよね?』
なぁ〜んてことをホモを無視しながら考えてるとき、いきなりピンポンパンポンという謎の効果音と共に放送が始まった。
そういやこれ一応バトルロワイヤルだったな…
というわけで俺達は一旦止まって放送を聞くついでに休憩することにした。

「そんな、大神さんが!?」
「あの女オーガが死んだとか考えられねぇべ…」
「だめだめだめだめ諦めたら!もしかしたら生きてるかもしれないじゃん!」
『今は死国の奴らを倒すために頑張れ!泣くのは後だッ!!』
『そうだよ(便乗)』

ダンロン組はクラスメイトやホワイトベース組本隊の名前が読み上げられてて動揺しているな。
が、即座に修造さんとヒートマンの熱い励ましを受けて立ち直っている。ホモビーストマン、お前は便乗すんな。
…どうでもいいけど大神さくらってオーガというよりはテイ○ズのバル○トスっぽいなぁ。

「あの天人の従者の名前が呼ばれているわね…まぁどうでもいいけど」
「そうですね」
「……」

紅魔館グループとアルベルトは特に何もないな。いろいろとクールだ。
そういや後数時間で太陽が昇る時間帯だけど、レミリアたんは別に太陽が嫌いなだけで弱点ではないらしい。
要するにあのアーカードと同じデイウォーカーなんやな。
禁止エリアは九州か。単純に侵入対策だろうなぁ。
んで放送終わりかと思ったら風鳴翼って女の抹殺が呼びかけられた。
おい、こりゃどういうことだよ聞いてねえぞ?皆はどうするんだ?

「これはどういうことだべ、苗木っち!?」
「そんなこと言われても全然分からないよ…」
「フン、どう考えても罠だろう。気にする必要もあるまい」
「フフッ愚かね。参加者の一人や二人、自分達でどうこう出来ないあの男に王の器はない。
 もちろん私はあんな小物の言うことに従うつもりはないわよ。ねぇ咲夜?」
「その通りでございますお嬢様」
『はえ^〜すっごいカリスマ…』
「むしろあの風鳴翼って少女を他の奴に殺させようとする腐りきった根性が許せない!
 ダース・ベイダーは俺が直々に熱血指導をぶちかましてやるぜっ!!!」
『俺達はお前らの思い通りにはならないっ!!!』
『当たり前だよなぁ?』

うん、そりゃこうなりますわな。ていうか本当にどういうことだよ、指名手配って。
拳王組&熱斗組の時もそうだったけどさぁ外そうとしたら首輪爆破すりゃいい話やん。
つか風鳴翼ってあれだよね、アニメのシンフォギアの頭が中二に染まった防人?
仮にあいつが首輪外して制限解除したってさぁ脳筋バーダック、リンクスと化したゲイヴン、そして我らがゆうかりんなら楽勝でぶっ殺せるだろ!!
インファイトに持ち込めばビーストマンや修造さんと出会う前の俺にだって何とかできそうなんだが。
てかこのメンバー内ならダンロン勢以外なら勝てないのはいないだろう。
う〜む、どういうことなんだろう。あの厨二な防人が何かの重要なキーパーソンだとでも?
その前にダース・ベイダーさん達の最終目的ってなんなんだろうね、人類の削減なわけないし。
読み手の皆さんに教えておくとカオスロワの真の目的って特務機関員にはほとんど知らされてないんだよね。特に俺みたいな本部から出払ってるジョーカーは。
同じ特務機関員でもデウス隊長やおりこタン辺りなら知ってそうな感じなんだが。それとゲス野郎のベクターとか実は知ってたりして。
一回ゆうかりんに聞いてみたんだけど『貴方に教えることなんて何もないわよ。身の程を知りなさいこの駄犬』と冷たい視線で罵られたよ、あれはたまんなかったなぁ。
いっそ身の程ってやつを直接体に教えて欲しかったぜ!!
そういやさぁ確か大阪で小野塚小町がゆうかりんに傘でケツを叩かれてたよね。
う、羨ましすぎる…そこ代わってくれこまっちゃん!!

766汝は大尉なりや? part3:2014/09/11(木) 00:20:40 ID:VgP.Gi.U0

『脱線しなくていいから(良心)』
チッ野獣め…しゃーないな。ここらで終わりにするか。
まぁともかく、上の考えてることが…
『これもうわかんねぇなぁ』
うるせぇ、ここぞとばかりに地の文に割り込むなよ野獣。
てか指名手配だったら死国の奴らを指名手配すべきだよなぁ?どう考えても。
いやいや熱斗はダメだ、あいつだけは俺が倒してやるぜ!!俺はそう決めたんだから!
俺は特務機関のジョーカーである以前にネットバトラーなんだぜ?
首輪爆破?暗殺?おい、ネットバトルしろよ。
『いや、ジョーカーとしての仕事を優先してくれよな〜頼むよ〜』
分かってるって。でも熱斗とロックマンだけは正々堂々ネットバトルで倒したいんだよ。
複雑な話だが俺がネットバトルを始めたのは良くも悪くもあいつらが関わってるわけだしな。
あいつらを倒すには悔しいが野獣先輩マンの力が必要なんだ。
『しょうがねぇなぁ(悟空)俺が勝たしてやるか!』
頼むぜビーストマン、汚いけど。
ああそれと今回の放送でもう一つ気に入らないことがあるんだよね。
『何すか?』
何で放送役がダース・ベイダーなんだよ!
俺はゆうかりんの声が聞きたかったのに…。
何せしばらく本部から離れてる身だからあの人の声が恋しいんだよ!
あぁ、放送越しで罵られたい…。次の放送で俺をこれ以上ないくらいに罵倒してくれ!
全国のドM達にファンサービスをお願いします!!

『大尉の頭はもうダメみたいですね…』
いいじゃねぇかよ。どこの陣営にも変態要因は基本的に必要だろ?
『変態なんか必要ねぇんだよ!!』
ホモナビに言われたかねーっつの。
とりあえず上の考えてることは分からないけど任務は遂行するよ、それが軍人って奴だ。
たとえどんな真実が待っていようとうろたえない!俺みたいなドイツ軍人は絶対にうろたえないッ!!
『どうせあの虐待姉貴に褒美もらいたいだけだろ、いい加減にしろ!あと安易なJO↑JO↓ネタはサムゥイ!のでNG』
――と、こんなかんじでビーストマンと無駄な茶番を繰り広げていたが、俺達は突然苗木達に呼ばれた。
『ほとんど大尉のせいで茶番が長くなってるんだよなぁ…』
どうやらホワイトベースにいる噛ませメガネから連絡があったらしい。
拳王軍ら相手に33−4すらも可愛く見えるレベルの大☆惨☆敗を喫したホワイトベース組は食糧だの機材だの道具類だのいろいろと不足しているらしい。
ホワイトベースはかなりの大損害を被ってロクに動けないから俺らに合流前に食料の調達やらなんやら頼みたいということだった。

「ということなんですけど、すいませんいろいろと…」
「いいって事さ、腹が減っては戦はできないからな!!よし、ホワイトベースに行ったら親睦を深めるためにも皆でバーベキューでもするか!!」
『あ^〜いいっすねぇ〜』
『よっしゃ焼き加減は任せろ!!』
「たまにはそういうのもいいかもね咲夜。食糧のほかにも日焼けクリームと日傘もお願いね。平気とはいえ嫌いなことには変わりないから」
「はい、かしこまりましたお嬢様」
「ワシは食事するつもりはない。主催の連中が用意したかもしれん食物など食いたくはないからな。
だが拳王軍…悔しいが奴らは曲がりなりにもワシ以外の十傑集を倒した奴らよ。よって情報と戦力をいくらでも整えるべきなのは事実。
ワシは情報収集と腕の立つ実力者使える奴を探すぞ。ついでに付近でお前達に危害加えそうな危険な連中を見つけたら始末する」
「あら、それじゃ私も付き合おうかしらアルベルトのおじ様。物資の調達よりそちらの方が面白そうだわ」
「勝手にしろ小娘」

俺とビーストマンも断る理由がないな。アルベルトのおっさんも間違ったことは言ってないし。
やっぱ、十傑集ともなると断食とか造作もないのかな。つかアルバルト基準の強者って相当だぞ…。
いつも通り俺は頷いてYESの意を示した。
『ま、いいじゃないっすかねぇ。もしかしたらバトルチップが落ちてる可能性も微レ存…?』
そうだな…ここは福井県、近くには京都や奈良に大阪があるし物資には困らないかもね。
十傑集走りを習得した以上動ける範囲は割と広いしな。
それに調達の傍らネットバトルの腕を磨くことも考えておかないと。
首を洗って待ってろや熱斗!チート級を超え理不尽級をぶち抜いて超熱血級と化した俺がお前を倒してやるからな!!


あ、今回の話これで終わりね。

767ズカンされた名無し:2014/09/11(木) 00:22:15 ID:VgP.Gi.U0
【二日目・6時00分/日本・福井県】

【大尉@HELLSING】
【状態】健康、熱血、修造式トレーニングにより強化
【装備】PET(ビーストマン入り)、シンクロチップ@アニメ版ロックマンエグゼシリーズ
【道具】支給品一式×5、モーゼルM712@HELLSING、14年式コスモガン@宇宙戦艦ヤマト2199、エアーガン@科学忍者隊ガッチャマン
【思考】基本:五大幹部の命令に従う(主に幽香)、松岡修造に鍛えてもらう
1:苗木たちについていき、ホワイトベース組に潜伏する
2:熱斗たちのいる死国を殲滅した後、必要があればホワイトベースや修造にも消えてもらう
3:とりあえず、ジョーカー参加者として動く
4:もっとネットバトルを究めて熱斗を自分の手で倒す!!
5:地の文じゃない時は無口キャラを演じる
6:今回はヤマもオチもなかったな
※修造により火のバトルチップの技術が格段に向上しました。
※アルベルトにより十傑集走りを習得し、機動性が上がりました。

【ビーストマン@ロックマンエグゼ3】
【状態】HP満タン
【装備】なし
【道具】なし
【思考】基本:PET所有者である大尉に従う
1:主催の一員として動く
※PETの中にいます

【松岡修造@現実】
【状態】熱血
【装備】PET(ヒートマン入り)、シンクロチップ@アニメ版ロックマンエグゼシリーズ、テニスラケット&ボール
【道具】支給品一式
【思考】基本:熱くなる
1:十神たちと協力し、祐一郎たちを熱く倒す
2:大尉を鍛えて熱くする
3:ホワイトベース組と親睦を深めたい
※十傑集走りができます

【ヒートマン@ロックマンエグゼ2】
【状態】HP満タン
【装備】なし
【道具】なし
【思考】基本:修造と共に熱くなる
※PETの中にいます

【苗木誠@ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生】
【状態】ダメージ(中)、疲労(小)、死国への怒りと恐れ
【装備】ウィザードライバー@仮面ライダーウィザード、マシンウィンガー@仮面ライダーウィザード、専用の指輪一式
【道具】支給品一式
【思考】基本:対主催
0:十神くんたちに協力
1:対主催の仲間を集って十神くんのいるホワイトベースへ送る
2:その前に食糧などの物資を皆で協力して調達する
※十神白夜率いるホワイトベース組の二軍です。

【葉隠康比呂@ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生】
【状態】ダメージ(中)、疲労(小)
【装備】ビーストドライバー@仮面ライダーウィザード、専用の指輪一式
【道具】支給品一式
【思考】基本:生存優先・対主催(対主催をすれば生き残ると占いで出たので)
0:十神っちたちに協力するべ
1:対主催の仲間を集って十神っちのいるホワイトベースへ送るべ
2:食糧を調達するべ
3:強そうだけどおかしな奴らばっかり集まったべ
※十神白夜率いるホワイトベース組の二軍です。

【衝撃のアルベルト@ジャイアントロボ】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式 、葉巻
【思考】基本:情報収集+仇討ち
1:他の十傑集を滅ぼした拳王軍への仇討ちのために十神と一時協力する
2:情報収集及び使える参加者のスカウト
3:1が終わったらカオスロワについていろいろと探るために単独行動へ戻る
4:自分から殺しはしないが邪魔な奴には容赦しない
※情報収集によってチーム十傑集が拳王軍によって全滅させられたことを知っています。

【レミリア・スカーレット@東方project】
【状態】睡眠をバッチリとったので上機嫌、カリスマ
【装備】低反発枕
【道具】支給品一式、その他不明 、レミリア用上質なベット(オーダーメイド)
【思考】基本:主催には従わない
1:面白そうだから苗木たちについていきマーダーたちと戦う
2:アルベルトに付き合う
※日光は嫌いなだけだから大・丈・夫!

【十六夜咲夜@東方project】
【状態】鼻血(小)
【装備】十徳ナイフ
【道具】支給品一式、レミリア用上質なベット(オーダーメイド)、その他不明
【思考】基本:レミリアに従う
1:レミリアお譲様のカリスマ!
2:物資の調達と日焼けクリーム、日傘を探す
※十傑集走りができます、てか忠誠心でカバーすればいろいろできます

768ヒゲの手入れって大事だからね?:2014/09/11(木) 01:04:15 ID:crlQ6ZuA0
        /して   )⌒! ilゝて
       /   (  ノ  )/  コ
       ((    \Wl レ/l /
       ヽ  il´ ̄ ヽ,,/ !V
:::....::::::........ . il l'.:::... .... ..::::::::::::::::....::::::........   ,,-'  _,,-''"      "''- ,,_   ̄"''-,,__  ''--,,__.::::::...
:::::... .... ..::_」 l____  )し'\.::::::... ....::::::::::.. .. . ,,-''"  ,, --''"ニ_―- _  ''-,,_    ゞ    "-.::.
 .:::: .. ...``l  - 、,, ̄     {   ...::   . .. て   / ,,-",-''i|   ̄|i''-、  ヾ   {...::   . .. .
... ...    ..l li   \  (         .("  ./   i {;;;;;;;i|    .|i;;;;;;) ,ノ    ii
 .:::: .. . .....il  l     ⌒´   . ...,,       (    l, `'-i|    |i;;-'     ,,-'"   _,,-"
  .. .. ..   ノ 丶             "'-,,     `-,,,,-'--''::: ̄:::::::''ニ;;-==,_____ '"  _,,--''"
..       .ゝ  ゝ             ̄"''-- _-'':::::" ̄::::::::::::::::;;;;----;;;;;;;;::::`::"''::---,,_  __,,-''"
... ...    .ヽ  /     . ..       ._,,-'ニ-''ニ--''" ̄.i| ̄   |i-----,, ̄`"''-;;::''-`-,,
 .::  :: .. . ..ー' ..   . ...     ... ,,-''::::二-''"     .--i|     .|i          "- ;;:::`、
  .. .. ..   . ...            ._,-"::::/    ̄"''---  i|     |i            .( )i
..                    .(:::::{:(i(____         i|     .|i           .{⌒---' ー'ヽ        /``ーュ
... ...    ..:  :      . .. . ...`''-,_ヽ:::::''- ,,__,,,, _______i|      .|i--__,,----..--''^^ ̄才⌒´      {     /
                       "--;;;;;;;;;;;;;;;;;""''--;;i|      .|i二;;;;;::---;;;;;;;::.入/ ||           {,,_   y
                               ̄ ̄"..i|       .|i     _,,.-ー.ゝ ノ  { )            ̄ヘて
___________________________________,,.--ー'''.i|        |i.'‐''"´ ... .. ..   . ... ...  ``'‐.、,,    ..\      ,, ‐"
.. .. . ... .::::.. . . .:: : :.. . ... :::,,,,-‐'゛``'、,,-‐'゛  ... .. i|        |i . ..::   . .. . .. ... .. ..   . ... ... ゙゙゙゙''''''''''‐-- 、 ,,.,, ‐",, "
_,,.--ー''''"゙゙`゙''ー-、_,,.--庁ー''''''"゙゙":;;;: : ;:.............;;;;; ; ::; :..i|          .|i ..... ...  .、丶"''':、丶、`丶.'.;';':;:';'::;:';'..::.;';':;:';'.,, ‐" ,, ‐"
i;;ii:i;;i ̄|rニユ l |l i: i:二i, .;';':;:';'::;:';'; ,. '':';;:::;:;;:爿|:::.:.....i| 、 ´ ,  ′ ..|i.:.:....;';':;:';'::;:';'; ,. '':';;:::;:;:;;::::.:....;'.、ヘ  ,,ィ ,, ‐" ,, ‐"
二.ll.| . 二 ̄ ̄|=,ィ'⌒ニニエニニil]1lー-il]|_三rーilil ̄|  .i|..| ||lll|||ii|||lliii..| ||ll|i.: ;: ;: ;:  ; ::; : ;:; :; :  :: 、/  `" "´ ,, ‐"
::;...;;.;;ii:i;;:; :;..; |l巫||、_,|斤il]il]|_三rーilil ̄|─r‐┬|i、_r−lT┐┬il]il]|_三rーilil ̄|─r‐┬r'⌒ヽ'' ,. ,)      /
韭|  |:::.. ..  |巫|il]il]|_三‐┬ lil「l ̄|i、_r lil「l韭l《fニニll ̄'' ;~'',;''゚ ;~'',;'', ;~,;''゚ ;~゚''゚ ;~'',;'',;''゚ ;~,;, ‐''"~ ̄.つ  _/`


朝七時。
軽快な爆発音が新宿に響く。

「俺がアルケーガンダムだ……ZZZ……」

サーシェスさんの爆発のエフェクトは時間経過と共に大きくなっていた。
それと同時にもう一つサーシェスさんにテラカオス化の影響が出てきだした。
それは……これである。

769ヒゲの手入れって大事だからね?:2014/09/11(木) 01:05:25 ID:crlQ6ZuA0
                           '|'ー 、
                           ! .、ヽ                         _
                              !  ! l                        {. ..`'-、
                           l  ! |                     ヽ  .\
                     _______ ./  ,i′/                      ヽ  、 .ヽ
                _,, ー'''"´  _.    `゙''┐ /                         l  .ヽ `'、
  ,,..,,,,_.    .._..-'"´   ._,,,.. -'゛    .__,,,.././                          l  ヽ ヽ
  \  .`',, ‐″   _,,..-'"  _,,.. -‐''ブ´ ., ‐ /                               l,   l  ヽ
    ゙ /   ,, i‐'"゛` ,..-‐゙´   ./  、,/,/                                  l  l、  .ヽ
  ./    ../  .,..-'´     ./  ,/" ./                                    l  ! ヽ  .ヽ
 /   ./   ./.,/゛'、      ./  ./.r /                               ,..-‐'"゙゙´゙ll. |.  l. .ヽ
"  ./   / ,./  .L  l     /  ./ .l .!                  l \           /  ./  / !   .!
  /   /  l  l  ゙L   .!  ./ l゙ !                ヽ ヽ       ./ .,.-'〉. /   .!   !  .,
../|  /    l  !  l   |  .!  ′.|                 l 'i l     ./   /  r'"    │ l .,!  .ゝ
  / /      l .l゛  .l_______                   l. | │    /  ,/, /       l  l li
  ! /      l !.、 .く_          `゙゙'''ー ..,,_          │} .}   .l . / │ !          !  l.l|,
 .゙/       .! ! ヽ  i `゙゙''''―- ..,,,_           `゙''ー、、      . l.从 .l    !│ .| !ー───_" }  .! .!
  l       l   、  !  l      .゙i゙''ー 、,    .\  `''-、  .// l| /   ,、.!.′ .,! ! '';;_,゙,゙¨''''''ーl゙   | . l
 ,!       l  t│  | / .l  .| .、 !   `ゝ、   \   . \ ゛   ./  ./._,..!  |   l´゛  . ゙゙̄''' |  | .;|  !
 !       l  .!.l  ! / .|  ././  l゙   .,、 .\   ヽ  '-, .\ ./   `゙´  .l .l   .ヽ     │ ! |,!
.│      /   ,!|  .l./  .| ./ ./   l   / !   .\  .|,  .ヽ  .ヾ        l l、 'i  .ヽ.    .! / l゙,!  l,
│         !   ./   /   レ゙,′ .l   ! |   ./\ .!ヽ  ヽ  . l       ヽ !ヽ.l-、 \   .l / .!
: !         !  ./  ./  /  |   |   /  |  /  ,- .ヽ.l. \  ゙‐  .l,       ゙'/ .".l . \ .\. ,! / 「
. |      l   l   /  ./  .l   .,!   |  ! / ,r,!   ヽ  ゙‐    .l           ヽ .ヽ  l- ,! .l゙

770ヒゲの手入れって大事だからね?:2014/09/11(木) 01:05:53 ID:crlQ6ZuA0
触手のように見えますが、サーシェスさんの髭です。
サーシェスさんのこれまでの状態表を見ればわかるようにサーシェスさんの髭はどんどん成長していたのだ!

そんな今の状況は正直、言って【キモイ】の一言である。
それでもまだサーシェスさんは眠り続ける。
彼が起きるのはまだかもしれないし、起きないかもしれない。

【二日目・7時00分/日本・東京都新宿中央ヒゲ公園】
【アリー・アル・サーシェス@機動戦士ガンダム00】
【状態】睡眠中、強い屈辱 、ヒゲが触手みたいになった、テラカオス化進行中
【装備】高級羽毛布団@現実
【道具】支給品一式、熱線銃
【思考】基本:カオスロワという名の戦争を楽しむ
0:今は寝る、起きたら虐殺の続き
1:参加者と主催者は片っ端から虐殺
2:赤いガンダム(ガンダムエピオン)には必ず雪辱を果たす
※新型ナノマシンにより、闘争本能等が増大しました。
※テラカオス化の影響で『いびきを一回する度に周囲に爆発の エフェクトが発生する』能力を得ました。
※テラカオス化の影響でさらに『髭が触手みたいになる』能力を得ました。
※主催の一員ですが、すっかり頭の中から抜けてしまいました。
※第三回放送を聞いていません。


「良かれと思ってお前のガンダムとそこらへんで買ってきた布団を交換しておいてやったぜ、感謝しな!」

一方、サーシェスさんが乗っていたヤークトアルケーガンダムはベクターに回収されていた。
……もとい、心優しい()真月零によって良かれと思って物々交換されていた。
彼はこのガンダムを手土産に対主催グループに潜伏しようしていた。
はたして、この作戦は上手くいくのだろうか?

【ベクター(真月零)@遊戯王ZEXALⅡ】
【状態】人間形態
【装備】自分のデッキ、ヤークトアルケーガンダム@機動戦士ガンダム00V
【道具】支給品一式、不明支給品その他
【思考】
基本:世界の破滅の為に暗躍する
0:しかし、気持ち悪いヒゲだな……
1:対主催の「真月零」として対主催集団に潜伏
2:幹部や隊長に従順な特務機関員の振りをする
3:テラカオスの力を手に入れる
4:最終的に皆殺し
5:遊馬が死んで心底嬉しい

771アノトキノコウフンヲモウイチド:2014/09/11(木) 01:13:51 ID:AtGaxmeI0
死国。それは常識外れの戦艦にして難攻不落の要塞。
搭乗者は皆首輪を外し、戦闘力も野球力も高い面々が揃っている。
さらに悪魔将軍にストライダー、理不尽の権化たちまでがここに降り立った。

カオスロワちゃんねるでは、リアルタイムで彼らの危険性が書き込まれていく。
だが誰も、死国を止めようとはしない。
それは何故かと聞くのは野暮ってもんである。勝てるわけがないからだ。

今現在、このカオスロワの会場では多くのグループが出来上がっている。
殺戮を繰り返す凶悪なグル―プ、打倒主催者を目指すグループ……
そして野球。

死国組は、この全てに当てはまるグループであった。
ある時は罪のない塁審をぶっ殺し、ある時は県を焦土に変え、ある時は大阪にサテライトキャノンをぶっ放した。
ある時は仲間の死を悲しみ涙を零し、ある時は主催者を倒すために新たな仲間を集め、ある時は主催陣営への奇襲も考えた。
ずっと野球の練習と試合をしてきた。紅白戦も行った。

死国は、間違いなく全てのグループの中で最強と言うにふさわしい。
これまでの行いから危険視こそされているが、一部の参加者はこうも考える。
この最強の布陣が揃った最強の要塞に招いてもらえれば、このロワでは生き残ったも同然なのではないだろうかと。
首輪すら一瞬で外せるのだから、怖いものは何もない。

ああ、保護してもらいたい。でもそこにいくまでが怖い。

ハイリスクハイリターンといったところだろうか。
カオスロワちゃんねるでは、ごく一部ではあるが死国に近寄ろうかと考え始めるものが出ていた。
もっとも、大阪での食料略奪行為に対するバッシングでその手の書き込みはすぐさま潰されているのだが。

ところで、このカオスロワにおいて非常に重要な役割を果たしているカオスロワちゃんねるではあるが……
お気づきだろうか。ここも決して万能ではないということを。
書き込んでいるのは匿名の者であり、書かれた情報の真偽は実際に確認しないことにはわからない。
そして書き込んでいる者の多くは、戦えない者達である。彼らは、遠巻きでしか状況を確認できない。
命知らずのクレイジーな者はこんな時でも激戦のすぐそばでカメラ撮影し、掲示板にアップして優越感に浸っていたりするが。
それでも、そんな実況に命を燃やす者どもでも限界はある。

東京の都庁がいい例だろう。
その外見、住む魔物の巨大さ、風鳴翼やDMCとの戦争からここの戦力がカオスロワ全体でも最強クラスなのは誰もが認めるところだ。
しかしながら、生み出された世界樹の内部がどうなっているのか、構成員が何人いるのかまでは情報が出てこない。
当然だろう。時間経過と共に門番担当がどんどんと強くなっており、誰一人として近寄れていないのだから。

772アノトキノコウフンヲモウイチド:2014/09/11(木) 01:14:42 ID:AtGaxmeI0
同じことが死国にも言える。
都庁以上に危険視されており、実際やってることも危険なここの内部情報は外に出回っていない。
実況魂よりも、近寄りたくないという本能が優先されてしまう。
だからこそ流される情報は、ただただ死国の連中が危険であるということだけ。


そう。


「……」
「――」


死国の中で死人が出ていても、その情報は決して流れることはない。

【デューク渡邊@新テニスの王子様】 緑間に首を捩じり切られて死亡

「……この感覚なのだよ」

誰もその現場を目撃することなく、デューク渡邊は仲間であった緑間真太郎に殺されていた。
あまりに突然だったのだろう。もがれた彼の頭部は、苦悶というよりも呆けた顔をしている。

「――コレをもう一度、富士山に入れたい――」

対する緑間の顔は、笑っていた。いつも通りの冷静な彼のまま、口の端を僅かに吊り上げて。
彼は狂気に――テラカオスに浸食されていた。それも、かつてのジョン・フレミングと同じ位に。

「投げたい、投げたい、投げたくてうずうずするのだよ。ああ、マウンテンシュートを決めたい……!
 そういえば最初に投げた『球』の名前はカミジョーだったか。ならば今の上条が帰ってくるまで待つのも……」

あくまで彼は大きく表情を崩すことはしない。しかし見る人が見れば、彼の狂気を一発で感じ取るだろう。
なにしろいきなり仲間を殺しただけでなく、次の殺す相手まで考えているのだから。

拳王も誰も知らない。緑間は、ロワ開始直後から既にテラカオスに蝕まれていたことを。
少年少女の首をちぎっては投げを繰り返し、協力者であった教授すら殺害してみせた緑間。
彼はその時から、テラカオス化の影響である残虐さと身体能力の向上が加速していた。

そんな彼が、どうして今の今まで症状を進ませないどころか沈静化させていたのか。
その答えこそ――野球だ。

野球には、不思議な魅力がある。
寄せ集めで作られていたイチローチームは、いつの間にかチームの絆で結ばれていた。
その際に、残虐非道であったナッパさえもが影響を受けたのか、野球を続けることを願った。
今では相手チームの死にすら反応し、激怒する程にまで至っている。
どう考えても野球に不向きなドラゴン達も野球を始めた。
動機こそ不純であるが、彼らは真面目に練習をこなし、真面目に試合を行った。彼らは紛れもない野球選手だ。
かなりへたれな聖帝が率いるチームもある。
彼は野望の男だ。しかしそれでも、試合前にはまるで少年のように心を躍らせ、それを台無しにされた時は憤慨した。
チームを結成しようとし、志半ばで死んでしまったオーバーロードがいた。
人間を見下していたが、彼は野球を通してその認識を改め、かつての敵の身を案じて散った。

野球は時に辛いこともある。死人がでるのも当たり前である。
それでも野球は――多くの者の心を動かした。

773アノトキノコウフンヲモウイチド:2014/09/11(木) 01:16:01 ID:AtGaxmeI0
悪い言い方をしてしまえば、野球脳。
野球に夢中になることで、殺意や敵意などの余計な感情を洗い流して野球で染めて忘れさせる。
それがたとえテラカオス化であったとしても、野球が持つ魅力は時にカオスすら超えることがあるのだ。

「クク……やはり野球よりも、バスケなのだよ」

だが逆もまたしかり。野球脳を覆い尽くす程の混沌の波動を受ければ、またテラカオス化は再発してしまう。
そして皮肉なことに、緑間のテラカオス化を再発させた原因は、紅白戦だった。
紅白戦で疲れた体に水分補給――それがテラカオス化促進ナノマシン入りであることも知らずに。
元々重度の進行だったのだ。駄目押しでさらにナノマシンが入ってしまえば、野球で抑えるのにも限界があった。

外に情報が漏れない死国内では、緑間がこうなってしまった理由は誰にもわからないであろう。
このナノマシン飲料水に関しても、今や主催者の介入に書き込みがブロックされてしまっているのだから。
緑間がテラカオス化に対して極めて適合性が高かったことも、誰も知ることはできない。

「野球なんて――もういらないのだよ」

風鳴翼とは異なり、静かに、静かに混沌の狂気を渦巻かせながら緑間は堕ちていく……

【二日目・6時00分/大阪府・『死国』内部】
【緑間真太郎@黒子のバスケ】
【状態】冷静にして狂気、首輪解除、テラカオス化再発&加速中
【装備】ハンマーブロスの無限ハンマー@マリオシリーズ
【道具】支給品一式、ホワイトボードとサインペン、ヴァンガードのデッキ、デューク渡邊の生首、空のペットボトル
【思考】
0:赤司に勝つ
1:やはり人の首が投げていて一番しっくりくるのだよ
2:どうして野球をしていたのか思い出せないのだよ……
※野球により封じ込められていた狂気がナノマシンの影響で解き放たれました
※再び野球をすれば抑えられる可能性がありますが、相当野球をやる必要があります
※マウンテンシュートはテラカオス化により手に入れた能力でした。他にも能力があるかは不明

774カウンセリング:2014/09/11(木) 04:33:27 ID:ejfxYhYg0
「良かれと思ってDMC信者をぶっ殺してやるぜ」

ベクターは対主催に紛れるため、手土産の一つとしDMC信者の生首を持っていこうと考えていた。
主催以上に厄介なDMC信者を潰せば信用を得やすいと思ったからだ。
そして見つけたDMC信者を殺そうと、ヤークトアルケーガンダムを駆る。

「ああ、同士!!」

クマ吉くんが踏み潰されて死んだ。

「イワーク!!!!」

叫び声から城之内くんに勘違いされそうだがタケシが死んだ。
イワークを出そうとしたのである。

「のびちゃあああああああああああああああん!!!」

野比玉子が死んだ。

「ああ……なんて事を」

カギ爪の男は悲しんでいた。
折角、集まった同志が次々と殺されていくのだから。

「この調子でDMC信者を殺しまくってやるぜ」

血に染まるヤークトアルケーガンダムの前にカギ爪の男が立ちふさがる。
無論、ベクターは止まる気もなく踏み潰そうと足を振り上げる。

「私と夢を見ませんか?」
「はあ?」

命乞いか罵声でも飛ばすのかと思えば、夢を見ないかなどという訳の分からない問い。
ベクターは咄嗟に操縦を止めてしまった。

「貴方は……何がしたいのですか?」
「それは良かれと思ってDMC信者を殺す事に決まってる」
「いや、それは貴方の夢ではありませんね」

有り得ない。自信の夢が野望が違うなど。
気付けば操縦桿を握るベクターの手が震えていた。

775ズカンされた名無し:2014/09/11(木) 04:33:59 ID:ejfxYhYg0

「何下らないこと……」
「僕には分かる!」

二人の会話に割り込んできたのは遠野。
某月姫は関係ない淫夢のあいつである。早く月姫2を出そう。

「貴方は、人を愛しているんだ! 僕と同じ……そして失ってしまった!」
「何を言ってやがる……! 馬鹿なことを……!!」
「じゃあ、僕のコイツを見てください。コイツをどう思います?」

更に全裸の男、道下正樹が立派なモノを見せ付けてきた。

「すごく……大きいです」
「やっぱり嘘は吐けませんね。貴方は大事な人を失って、そして腹いせに殺戮を行っているだけなんだ!」

大事な人が死んだ? 馬鹿な。知り合いなど遊馬ぐらいしか死んでいない。
一体何が大事だというのか。

「もう答えは出てるはずですよ?」

遠野が歩みよってくる。全裸で。

「僕だってレイ○してくる先輩が怖かった。でもやっぱり好きだったんだ」
「俺が……遊馬を……好き?」

股間が膨れていた。
そうだ。ずっと前からそうだったじゃないか。こんな自分に命を賭してまで付き合ってくれた遊馬。
そんな彼だからこそ好きだった。愛していた。

「うるせええええ!! 仮にそうだとしても遊馬はもう死んだ! こんな世界必要ないんだよ!!!」

主催に潜り込んだ時もそうだ。
遊馬は死なないと思っていた。こんな殺し合い遊馬が速攻で潰すのだと思っていた。
計画を果たす前に遊馬が来て、いつもみたいに邪魔しにきてくれるのだと。

「俺は……あの世で遊馬が寂しくならないよう殺しまくる!! それが俺のせめてもの……」

どうして、最初から遊馬の仲間として行動出来なかったのだろう。
もしもそれさえ出来れば、遊馬は死ななくても済んだかもしれない。
内に沸く後悔と自己嫌悪、気付けば本当の気持ちを騙しベクターは動いていた。

「遊馬くんはクラウザーさんを信じていました」
「え?」
「その死ぬ間際まで、クラウザーさんの歌を信じ彼は戦い抜いていました。それが彼の夢だったのです」
「それが、どうしたっていうんだ……どうせ遊馬は……」
「遊馬くんは私が殺しました」
「何!?」

今明かされる衝撃の真実ゥ!(ゲス顔)
九十九遊馬を殺したのはカギ爪の男だったのだ。

776ズカンされた名無し:2014/09/11(木) 04:34:23 ID:ejfxYhYg0

「お前が……お前が遊馬を!!」
「故意にではありませんが。でも私が殺してしまったのは真実です。
 それでも、遊馬くんは私の中で生き続けている。だからその夢を私が叶えようと思いました。
 彼の夢は私の夢でもあり、私の夢は彼の夢だから」
「心の中……?」
「胸に手を当ててみて下さい。聞こえる筈です遊馬くんの声が」

ベクターが胸に手を当てる。


――――かっとビングだ。ベクター!!!――――

かっとビング? 何言ってるんだ。お前もう死んじまってるだろ。

――――お前がするんだベクター! かっとビングを!!――――

俺がかっとビング……?

――――頼むぜベクター、クラウザーさんを生き返らせてやってくれ。真月!!――――

そうか……これが、これが答えなのか!?


「わしも、最初同志が潮を殺したと聞いた時は怒った。だが怒りなんてモノは捨てクラウザーさんに協力してくれと潮に言われた」

今まで事態を静観していたとらも口を挟む。
彼もまた大事な人をカギ爪の男に殺されたのだが、カギ爪の男の説得によりDMC狂信者に協力してくれるようになった。

「分かったよ。遊馬……。
 爺、お前達に協力してやる! 良かれと思ってな!!」
「おお、分かってくれましたか」
「勘違いするな。これは俺の計画の為だからな! 遊馬とか関係ねえからな!!」

ベクターいや真月零の頬を一筋の涙が伝った。
今は亡き友の最後の願いを叶えてやろう。それが自分に出来る最大の罪滅ぼしなのだと。

「俺の中で生き続ける……か。遊馬くん……」

777ズカンされた名無し:2014/09/11(木) 04:35:36 ID:ejfxYhYg0



【二日目・8時00分/日本・東京都新宿】


【カギ爪の男@ガン×ソード】
【状態】DMC狂信者に感動
【装備】カギ爪の義手
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】基本:世界を平和にする。
1:クラウザーさんに会う為にSATUGAIする
2:皆とお友達になる

【ベクター(真月零)@遊戯王ZEXALⅡ】
【状態】人間形態、綺麗なベクター
【装備】自分のデッキ、ヤークトアルケーガンダム@機動戦士ガンダム00V
【道具】支給品一式、不明支給品その他
【思考】
基本:遊馬の意思とかっとビングを継ぎクラウザーさんを復活させる。
0:遊馬くん……
1:一先ずカギ爪の男達に協力する。詳しい予定は未定。
2:遊馬は俺の中で生き続けているんだ……。

【道下正樹@くそみそテクニック】
【状態】健康
【装備】不明
【道具】支給品一式、不明支給品その他
【思考】
基本:クラウザーさんを蘇らせる。
1:SATSUGAIする。
2:阿部さんは僕の中で生き続けているんだ……。

【遠野@真夏の夜の淫夢】
【状態】健康
【装備】不明
【道具】支給品一式、不明支給品その他
【思考】
基本 基本:クラウザーさんを蘇らせる。
1:SATSUGAIする。
2:先輩は僕の中で生き続けているんだ……。

【とら@うしおととら】
【状態】健康
【装備】不明
【道具】支給品一式、不明支給品その他
【思考】
基本 基本:クラウザーさんを蘇らせる。
1:SATSUGAIする。
2:潮はわしの中で生き続けているんだ……。


【クマ吉くん@ギャグマンガ日和】死亡
【タケシ@ポケモン】死亡
【野比玉子@ドラえもん】死亡

7789月13日はカイザの日 Part2:2014/09/13(土) 00:01:38 ID:IhjD9Giw0

< 仮面ライダーカイザが>          〈ヽ           /7
 /Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Yヾ            ヽヽ           //
                          ヽヽ  __    //
                           >ヽ´ !   !`ヽ//
                          /,、ヾヽ.l   l::://ヽ
                         /:::/:: : :ヾヽi  !//:: ヾヽ
                         i:::::!::: : : : :ヾヽo,//: :  :!i
                         |::::|::: :    :ヾ、.,/::   ::l:|
             /)          |::: !::: : :   :::| |::     ::!i
           ///)        i::::::!::: : : : : :,/,_ヽ::   :;/
          /,.=゙''"/         ヾ::::ヽ:: : : ://: :ヾヽ: : :,イ
   /     i f ,.r='"-‐'つ       <\:`ー'//___,ンヾ';/
  /      /   _,.-‐'~          ヾ、ヾ、_/、ー―‐ァ、,〉
    /   ,i   ,二ニ⊃           l::::::>、ヾヾ_/ヾ/ンイ
   /    ノ    il゙フ           ,__,|::::::! |`ー――'i´!::l
      ,イ「ト、  ,!,!|            /ヽ`ーくヽ_::::::::::::::::! |::|-、     人,_,人,_,人,_,人,_,
     / iトヾヽ_/ィ"        ,--―く、 `ー- ,,, ヽ::::::::::::j..!:ノノ.ヽー-、< 9/13に登場>


「邪魔なんだよ……カイザの日を祝わないものは全て!」

 その頃、草加さんは今年は一人で寂しくカイザの日を祝っていた。
 ……去年も同じことを言っていたが、彼にとって大事なことなのだ。

 さて、今の彼の状態だがはっきり言って死んでいます。
 そりゃあ、かませにされてあっさり殺されたからね。

 でも、草加さんの現世に対する執念は凄かった。
 具体的に言えば、彼は死者スレに行かずに呪縛霊にような状態で草加市に憑いていた。

 草加(そうか)市を草加(くさか)市に改名するまで彼は成仏できないのだ。
 そのためには生き返り、主催者やらオルフェノクやらをぶっ殺し。
 世界を平和にして草加市の市長選に出馬し、当選する。
 そして、乾巧を陥れる。それが死んでから今日までに彼が決めたことであった。

【二日目・6時13分/日本・埼玉県草加市】
【草加雅人@仮面ライダー555】
【状態】草加市の呪縛霊
【装備】カイザギア@仮面ライダー555、サイドバッシャー@仮面ライダー555
【道具】ケーキ、支給品一式
【思考】
基本:生き返る方法を探す
0:どうして俺が死んで、碌に出番もない奴らが生きてるのかなぁ?
1:とりあえず、乾巧の仕業にする
2:来年のカイザの日も祝いたい

779ピュアクレイジー:2014/09/15(月) 01:11:40 ID:Wa7p.JqY0
「かあああぁぁぁぁ!」
「うぎゃあぁぁぁ……」

カエルのような太った悪魔がその口から氷の息を吐き出すと、アビゲイルはみるみるうちに凍りつき、やがて生命活動を停止。
死んだのだ。

【アビゲイル@高橋邦子作品】死亡確認

「魔術師一人で、このムドー様に敵うものか!ぐわははははは!」

氷像と化した魔術師を粉々に粉砕して高笑いする悪魔の名はムドー。
夢幻の世界を支配する悪夢の魔王である。
その実力はすさまじく、氷の息と稲妻を同時にしかけるという鬼畜っぷりで数々の人間を葬ってきた。
さてそんなムドーであるが、彼の行動方針は決まっていた。

「どこの馬鹿かは知らぬが、自身を天地を統べる魔王だとほざく者がいるとは……その思い上がり、私が正してくれようぞ」

隠蔽工作が必要なくなり、攻勢に転じた天魔王軍の討伐である。
カオスロワちゃんねるの情報によれば、強力な対主催であった警察組ですら歯が立たなかった相手だそうだが、問題はなかった。
いくら強いとはいっても所詮は人間、ムシケラでしかないのだから。
魔族の中でも特に秀でた力を持ち、且つその魔族からの信頼も厚い自分が敗れることはありえない。さらにいえば……

「おお、同胞ムドーよ。首尾はどうだ?」
「同胞ジャミラス、見ての通り我が力は制限されてなお健在!天魔王軍など一捻りだ。そちらはどうだ?」
「こちらも順調だ。肉屋を襲撃し、極上のしもふりにくを3つ手に入れたぞ」

ムドーには、仲間がいた。同じ魔王であるジャミラス、こちらは鷹のような頭をした悪魔だ。
彼もまた、部下の魔族からの信頼厚い魔族である。ちなみにお肉大好き。

「天魔王軍についた魔族は哀れな存在だ。我らを知らぬが故に、偽の魔王にたぶらかされてしまうとは!」
「うむ。首謀者の自称天魔王だけを殺害し、ほかの魔族は救ってやらねばな」

魔族という存在も決して一枚岩というわけではない。
人間でいうところの派閥争いのようなものがあり、彼らも彼らでなかなか苦労していたりする。

「よし、では食料も確保したことだしそろそろ場所を

780ピュアクレイジー:2014/09/15(月) 01:12:28 ID:Wa7p.JqY0


                        / /
                       / /
                     / /
二二二二二ニ、 二二二二二二 / /  /丶
ヽヾヾ、| l |   | | ;:<彡 L> ./ /     l  |
\l\_ll ;:l /  | l ヾ:j >/ / _  /  /
 >、ヾヾ、 ;/l | ;L  / /_ / l  l  /  , - ―
ミミヽ、 /V l>| };:;;l./ / / //  | / /
ヾ、ー ;> /l | |./ /__ _/ //  / 'ー'          , ´`ヽ、_
_L,_:;_____//´ // // //_/           、- ' ´
______/ / / // /       , - ' ´ ....::::::.::::| ̄ ̄ヽ、__
 ; ヾ l:;  lゞ / / ./ //_/    , - ' ´   ::::::::'''.   └ 、__ l
  <l  ;:  / / L/   , - ' ´ .....::::::::::::'''''          ヾ=ー
.!ヽ.◇;" .■-/ /    , - ' ´ ;:::::::::::'''''         ┌-―――-- 、
< ;} ;l.■/  /, - ‐'´            lゝ    /ー――--、_
 ヾ ;ソ┗/ /| ,,,,;;;;''''""            , - ―-|
  ,ゝ : /==='"   /~~ヽ、-― ' ´  ̄ ̄    :|
⊿ ゝ;:../ ,、 .;;;:::---―f;:::::::::::::ハ            .|
 ≧ ;:/ / ! //    /::::/`ヽ,|   _        :|C
  ;l  L_l/ツ/____|::::/⌒ゝ,リ  ヽ'        .|
 ゝ k `|;l|llll|:::::::::::::::/ /⌒ヾヾ-―‐┬――――┴-:::::::_______
 / L 、l ソ|l.l.l|:::::::::::::::|::| /  |.|.|.|||}}| l:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;;;''':::::::::::
  |l ヘ | リ/// ̄|l⌒~l::! l  l.|.|.|}}}|.l'''''''''''''''''''''''"""""゛゛゛  |l::::::::::::
__L__ヾ='"___l|  |:::l  ///ヽニ二ヽ、            ヾ、_;;;;;
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄    !::ヽ=f///ノ}ソ_/ ヾ \
      \ ヾ\ヾ\ヾ〜"゛゛゛"'''''"   \   ヽ、
         < \::::::::::ヾ::::::::::::::::::::::L:::::: \   ヾ
             \:::ヾ:::::::ヾ::::::::ヾ::\::
           ↑この辺にジャミラス


「ジャミラァァァァァァァァァスッ!!?」

【ジャミラス@ドラゴンクエスト6 幻の大地】死亡確認

突然やってきた装甲車に、ジャミラスは轢き殺された。
その衝撃の光景にさすがのムドーもカエルっぽいだけあってゲェーッと叫びたかったが、ぐっと我慢。
今はとにかく、この装甲車を運転していた奴を八つ裂きにしてジャミラスの手向けとしてやらねばならないのだから。

「おい貴様、我らが同胞ジャミラスを轢き殺したその罪、この魔王ムドー様が……
「ワハハ―、いやーごめんごめん。ちょっとカーブを曲がるのに失敗してさー」
「ここはどうみてもずーっと直線だが!?」

しかし意外や意外、装甲車を運転していたのはニンゲン、それも非力そうな女子高生だったのだ。
こんなムシケラに、しかも人を轢き殺すという魔族においてもあまり評価のよろしくない殺し方をしておいてへらへらとしている……
そのことは、ムドーに火をつけるには十分すぎた。

「骨も残さん!私のデスコンボを喰らってあの世へ

「わー!やっと魔王にあえたよー。それじゃあ早速で悪いんだけど、クラウザーさんのところへ逝ってくれないかなー?」
「なにっ、もう一人!?」

背後から聞こえてくる間延びした声に慌ててムドーが振り向く。
しかしそれが不味かった。そうして目にした姿は、やはり女子高生だったのだが……とにかくでかかった。
とびひざげりと正拳突きを繰り返すマシーンのような大工の息子以上にでかい。まるで某巨漢系アイドルのような女子高生だ。

781ピュアクレイジー:2014/09/15(月) 01:13:53 ID:Wa7p.JqY0
「せーのー」
「うおっ!?」

女子高生が、ムドーの体を掴む。そして……

「よいしょー!」
「ぐぺっ!?」

その巨体によるのしかかり叩きつけ、アバランシュホールドが炸裂。
この一撃でムドーの全身に致命傷が与えられたが、女子高生はさらにムドーを担ぐ。

「追っ(いうち)かけるけどー!」

楽しげに、しかしムドーからすればたまったもんではないツームストンパイルドライバーが決まった。
コンクリートの地面にずっぽり突き刺さったムドーは当然生命活動を停止。死んだのだ。

【ムドー@ドラゴンクエスト6 幻の大地】死亡確認

「やったー!魔王を倒せたよー!これで魔王クラウザーさんもあの世でぼっちじゃないよー!」
「ワハハ、都庁を撃ち落とせなかった分、クラウザーさんの復活にはまだ少し時間がかかるからなー」
「クラウザーさん、復活を待ってる間にぼっちじゃさみしいもんねー……」
「でも協力してくれて助かったぞー。部長として、モモが好きだったクラウザーさんを早く蘇らせるぐらいしてやりたいからなー」
「クラウザーさんのためなら、私もまだまだ頑張るよー!ところで、天魔王軍とかいうのには強い雀士の人もいるんだってー」
「ワッハッハー、それは是非あってみたいなー」

無邪気に笑いあう女子高生は、再び装甲車に乗って獲物を探し始める。
その暴走っぷりはかつての弱音ハクのごとし。
実に、実に狂っていた。

【二日目・6時00分/東京都・某首都高】
【蒲原智美@咲-Saki-】
【状態】健康
【装備】装甲車
【道具】支給品一式、しもふりにく×3
【思考】基本:モモのためにクラウザーさん蘇らせるぞー
1:そのためにはSATSUGAIすればいいんだろー?
2:天魔王軍の雀士(ニセアカギ)は個人的に戦ってみたいぞー
※無自覚で参加者に無差別に轢き逃げアタックを行います

【姉帯豊音@咲-Saki-】
【状態】健康
【装備】不明
【道具】支給品一式、スマホ
【思考】基本:クラウザーさんの復活頑張るよー
1:クラウザーさんのために魔王のSATSUGAIを優先したいなー
2:天魔王軍の雀士(ニセアカギ)さんとも戦ってみたいなー

782ブレイク・マイ・ハート ブレイク・ユア・ハート:2014/09/16(火) 00:33:32 ID:Cvn59PlA0

「アンタ……何してんのよ……?」
「バスケなのだよ」

衝撃。
その言葉以外に思い当たる言葉がなかった。

新しい魔球を思いつき、デュークの元に行った。
そこでMEIKOで見たものは『デュークの頭部でドリブルをする緑間』と『頭部がないデューク渡邉だったもの』だった。

「アンタが殺したの?」
「分からないのか? 当然なのだよ」

――――その言葉がMEIKOの逆鱗に触れた。

「決闘だ……」 
「は?」
「今ッ!! ここでッ!! アンタは殺すッ!!」

完全に臨戦体制を取るMEIKOに対して緑間は狂気の笑みを浮かべながら答える。

「武器はその鎧なのか?」
「ええ、当然! 『野球』だッ! 明治時代から日本が受け継ぐ『野球』ッ! それが流儀ィィッ!!」

二段ジャンプからの空中ダッシュで一気に間合いを詰める。
チャージからMEIKOボールと見せかけて、MEIKOシュート。
鋭角に曲がるボールが緑間に迫る。

「無駄なのだよ」

その迫るボールを空中で華麗にキャッチ。
そのまま、マウンテンシュートの体制でボールを放つ。

死国の天井に穴が開いた。
だが、自動修復機能ですぐに穴は埋まった。
その放ったボールで兵庫県が消滅しかけたが大丈夫だった。

「野球ではその程度なのだよ……やはり時代はバスケなのだよ」
「そんなにバスケがしてぇなら、デューク殺す前にAC版北斗の拳でもしてなさいよ!!」

MEIKOボールの連射。
それを緑間は華麗に裁く。
特訓や連続の長距離移動による足腰の強化とアルティメットアーマーの効果でMEIKOのスタミナやら運動能力は理不尽級に近づいていた。
だが、緑間もまた理不尽級。その運動能力の高さは折り紙付き、さらにテラカオス化の効果でさらに上がっている確実に超理不尽級なのだよ。
二人の差はほとんどない。二人の差があるとすれば……それは仲間に対する意識の違いくらいだ。

あっ、今のさっきのMEIKOボールの連射とマウンテンシュートで兵庫県は消滅しました。

「かはっ……」
「折角のボールをこんなところでは使いたくなかったのだよ」

緑間の放ったボール……否、デューク渡邉だったものの頭部がMEIKOの腹を直撃した。
胃液が逆流し、血と共に口から吹き出した。だが、精神力の高さで辛うじて立つ。
だが、ダメージがあまりにも大きかった。立つだけでやっとなのだ。

「お前もボールになるのだよ」

緑間の右手が鋭くなり、MEIKOの首に迫る。
刈り取られる、と思考回路が焼ききれるような感覚に陥った。
 
 
その時である。


「ズェア!!」
「「!?」」

横からのいきなりのタックル。
完全に不意を突かれた緑間は吹っ飛ぶが、すぐに体制を立て直す。

783ブレイク・マイ・ハート ブレイク・ユア・ハート:2014/09/16(火) 00:34:01 ID:Cvn59PlA0

「アンタは……」
「勘違いするな、MEIKOよ、貴様を助けたわけではない……私は『悪』を狩りに来ただけだ」

白い仮面に白い甲冑。
どこかサムライを思わせる男――ハクメンが現れた。
 
「俺が『悪』だというつもりなのか、英雄さん?」
「私の言う『悪』とは『世界に混沌をもたらす者』……その『凶(マガト)』を持つものは全て滅する」
「俺がそれだと言いたいのか?」
「魔道に堕ちた者にかける言葉などない」

ハクメンは鳴神を構え、静かに緑間に告げる。

「我は空、我は鋼、我は刃……
 我は一振りの剣にて全ての『罪』を刈り取り『悪』を滅する!!
 
我が名はハクメン! 推して参る!!」

名乗ると同時に緑間に接近。そして……

(5B>5C>623ディレイA)×3>5B>5C>632146Bのコンボを緑間に叩き込み。
緑間に7240ダメージを与え、大きく後方の壁に吹っ飛ばした。
さらにそこから火蛍>ディレイJ2C>C>2C>J2A>J2C>2C>J2A>66>J2A>JC>着地>J2A>J2A>66>J2A>J2A>JCの壁際コンボ。
トータル12000オーバーのダメージを与えた。

「なん……なのだよ……?」
「言ったはずだ……世界に災いをもたらす者……それが私にとっての『打ち倒すべき悪』だ……
 故に『凶(マガト)』に繋がり掛けている貴様……そして、『風鳴翼』という少女は私が狩る!」

秩序の力。
ハクメンの持つ力の一つである。
故にテラカオス化している参加者はその仮面の下の眼で見えてしまうのだ。 
テラカオス化した参加者に対しての『抗体』。それが『秩序の力』である。

ハクメンはさらに緑間に詰め寄り狩ろうとした、が……

「終いだ」
「待ちなさい……あいつにトドメを刺すのはあたしだ」

MEIKOが最後の気力を振り絞りハクメンを止める。
その言葉に凄まじいまでの意志の力を感じ取ったハクメンは止まった。

――進もダメだった。
――タクア……ムギさんもダメになった。
――そして、やっと出会えたデュークを殺された。


「……皆がいなくなったら、これから……」
 
ゆっくりと大きく振りかぶる。
ボールを黄金長方形のフォームで投げることによって生まれたエネルギーを込める。

「……一体、誰が……あたしの……あたしの……」

指先に神経を集中させる。
そして全身の力を己の指先に通達させる。
 

「……あたしの全力投球を受け止めてくれるのよッ!!」


『黄金の回転』は『無限の回転』へと昇華する。
次元すらを超えるエネルギー持った『無限の回転』。
その力に殺意を持って投じられれば……MEIKOの意志からは逃れられない

「―――全力版のMEIKOボールだッッ!!!!」

緑間の身体に当たり、さらに回転が加速。
緑間の左半身が綺麗なボール状に抉り取られる。
 そこから大量の血が吹き出し、もはや原型を留めない少年の躯だけが残った。

「……馬鹿が……」

涙は流れなかった。
ただ仲間を殺した罪を背負う覚悟はとうに出来ていた。


【緑間真太郎@黒子のバスケ 死亡】


「将軍から聞いた……『盤上で踊らされているのは愚かすぎる主催者達』
 『真の黒幕はその状況を笑いながら見ているだけだ』と……」
「そう、分かった、そいつは確実に殺す、勿論『 主 催 者 共 も 皆 殺 し 』よ」
「…………」 

MEIKOは腹の底から怒りが込み上げたのが分かった。
阿修羅のごとし怒り顔で、ハクメンにそう告げMEIKOは修羅に堕ちる。
その気迫は一人の英雄をただ……ただ黙らせるだけであった。

784ズカンされた名無し:2014/09/16(火) 00:34:33 ID:Cvn59PlA0

【二日目・6時30分/大阪府・『死国』内部】
【MEIKO@VOCALOID】
【状態】腹部にダメージ(大)、修羅化、首輪解除
【装備】アルティメットアーマー@ロックマンXシリーズ
【道具】支給品一式、ノートパソコン@現実
【思考】 基本:『真の黒幕』及び主催者共の皆殺し
1:ラオウ達に協力してもらう
2:デューク……緑間……
※今までとは別人です。
※『無限の回転』を習得しました

【ハクメン@BLAZBLUE】
【状態】健康、unlimitedモード、首輪解除
【装備】斬魔・鳴神
【道具】支給品一式
【思考】基本:『悪』を滅する
1:主催及び世界に災いをもたらす者を『刈り取る』
2:風鳴翼は滅する
※unlimitedモードに入りました。

785混沌トレード:2014/09/21(日) 23:26:24 ID:nDD8i4/M0
トントントン……
小気味良い包丁の音が響く。
その横では魚が焼かれ、食欲をそそる匂いを漂わせている。
皿にはおにぎりが盛られ、端には野菜の漬物が。
早めの朝食が、もうすぐできあがろうとしていた。

「ま、簡素すぎるけどこんなところかな」

その朝食を作っているのは、都庁の軍勢が一人であるレストであった。
片腕を失ってなお、彼の卓越した技術は料理においてもいかされている。
たった一人で、瞬く間に大量の料理を完成させていくのだから。
そう、たった一人。
DMC信者の内通者、そこから始まった信者の軍団との激戦を終えた都庁は休息の時に入っているのだ。
フォレスト・セルの制御に向かったダオス達を除けば、全ての者が仮眠をとっている。
入口の番人にはウォークライもサクヤも他のFOEもついていない。門番役も休ませた。
地下に潜ったため、雷竜の磁場操作も今は行われていない。
完全に無防備になっている都庁の中で、レストはただ一人起きて作業を続けていた。

「お風呂はさっきいれておいたし、後は……」

そんな彼に疲れの色は一切見えない。
鍛え続けた結果彼は寝不足による体調不良が……いや、あらゆる理由で体調を壊すことがなくなっている。
眠るよりも入浴するか料理を食べるだけで瞬時に全快する体質とあいまって、彼はとうの昔に睡眠という行為を放棄していた。
だからこそ、仲間が全員休む中で彼は一人で作業を続ける。


バトルロワイアルの中でマーダーの次に問題となるのが、食料問題。
ほとんどの参加者は飲み食いをしないことには、いずれ衰弱してしまう。よく言う腹が減っては戦はできぬというやつだ。
関西の方では食料の略奪行為が始まったというが、この都庁に限ってはその必要はなかった。
既に都庁は世界樹として完成されており、内部には様々な果実が実っている。
さらに一画を整地し、畑に作り替えて野菜の安定供給をはかっており、薬と世界樹の力で野菜は異様に早く成長してすぐ収穫。
内部にできた川で釣りをすれば様々な魚も釣れ、タンパク源も確保可能。
何故か一部は不思議のダンジョンのようになっており、そこに行けば確率だが大きなパンやおにぎりが手に入ることもあった。
そう、まったくもって食料に困っていないどころか余裕すらあるのだ。
牛肉や猪肉などが食べられない(そういう姿の魔物もいて、なんともいえない気分に陥るため)ことを除けば、天国とも言える。
さらに天然の樹を削って造られたお風呂も完備。お湯は炎と水の魔法で作られたもののため特殊な効能こそないが安らげるだろう。
大自然も全身で体感できるし、まったくもって素晴らしい場所である!




注意事項その1・なお、認められた者以外が都庁に入ると自分が魔物のご飯になります
注意事項その2・立地場所に難があります。敵対勢力から狙われる可能性が極めて高いです。というか既に狙われてます
注意事項その3・機械類の持ち込みは厳禁です
注意事項その4・屋上に管理人もよくわからない生物がひっついてます


「――それでもいい物件だと思うけどなぁ。鉄筋コンクリートなんかより断然いいのに」

誰に言うでもなく、レストは小さく呟いた。
流石の彼も、一人で退屈だという感情までは捨てれないのである。

786ズカンされた名無し:2014/09/21(日) 23:26:58 ID:nDD8i4/M0
「――!」
「ひいっ!?」

そんなレストが、作業を中断して背後に剣を向ける。

「ってなんだモモか。わざわざステルス状態で来ないでよ」
「いきなり剣向けるってどういうことっすか!? 今度こそ死ぬかと思ったっすよ!?」

しかしそこにいたのは、都庁と休戦協定を結んだ影薄組が一人、モモこと東横桃子であった。
その姿を確認するやレストは何事もなかったかのように作業に戻るが、桃子は手で自分の心臓辺りをおさえている。

「全員休むようにダオスさんから指示出されてるはずだけど?」
「さすがにあの時間まで起きてたらもう眠れないっす。大丈夫っすよ、先輩と徹夜で麻雀して慣れてるし。
 それに、もしまた狂信者のやつらが来たらと思うと……」
「少なくとも、さっきそれなりの打撃は与えた。また来るにしても、しばらく時間を置くと思うよ」
「……元は同じDMCファンの筈なのに、なんであんなに狂っちゃったんすかね?」

驚きの表情から悲しみの表情へ。
それはクラウザーさんが死んでしまったからではなく、一部の信者が暴走して罪もない人々を虐殺しているせいである。
全国に無数に存在するDMCファンの全てが狂信者ではなく、桃子やまどかといったまともなファンもいるのだ。
彼女らからすれば、狂った信者の存在は許しがたいものであった。

「クラウザーさんの歌は、過激っすけどとっても揺さぶられるんすよ。嫌な気分も恐れをなしてどっか逃げてくっす。
 さらになんと、この存在感皆無な私でも街中で歌ったら周りの視線一気に集められるっす! あれは最高っすよ!」
「……ちなみにその歌詞は?」
「オレの前にひれ伏せ女ども〜オマエの下半身を突き出し「よしストップ」え、まだ始まったばっかりすよ?」

レストが頭を押さえるなか、桃子はきょとんとした表情を浮かべる。

「そりゃ嫌でも注目集めるよ。君がこれじゃあ、まどかの方は……」
「ああ、さっきちょろっと話したっすけど、彼女は『あの娘をレイプ』がお気に入りだそうっす。
 わかるっすよ〜、やっぱりクラウザーさんを語るうえでレイプ連呼は欠かせないっすからね!」
「伏せて伏せて! ああもう、これが自然をないがしろにして都会に行った人間の末路か!?」
「あはは、長野は都会とは言えないっすよー」
「君らの相手をする方が、あの狂信者と戦った時以上に疲れるよ……」

深いため息をつきながら、レストは適当な場所に腰かける。
あかりといいまどかといい桃子といい、何故この都庁に生きて入ってきた人間の相手はこうも疲れるのか。
黒子はそれらと比べれば非常に大人しいが、魔物の大軍を見ても特に恐怖することもなく「大きいですね」で済ませる猛者だ。
顔面の皮をもがれた時すら大人しかったというし、ある意味で一番すごい。

(でも……嫌いじゃない疲れだ。癖の強い子と馬鹿みたいなことを語って聞かされて、そう……昔と同じだ。
 もう随分と久々な気がする、他愛のない――けれど大切な、人と人の会話……)
「レストさん?」
「っなんでもないよ。それより、ほら」
「わっと……これ、おにぎり? いただいちゃっていいんすか?」
「元々そのために用意してるんだよ。このまま起きてるつもりなら、先に食事を済ませとくといいよ。
 それこそ、いつ狂信者が来るかわからないからね」
「さっきは来ないって言ってたのに?」
「自称まともなファンの君らでさっきの有様だ。狂信者ならもう何をしでかしても不思議じゃないと考えを改めたのさ」
「あれ? もしかしなくても私ちょっぴりまともじゃないって言いたいんすか?」
「うん」
「ひどいっす!?」

787ズカンされた名無し:2014/09/21(日) 23:27:24 ID:nDD8i4/M0
そんなやりとりをしつつも、二人は朝食を食べていく。

「なんすかこの料理……むちゃくちゃおいしくて、女としてはかなり複雑な気分っすよ……」
「一応、宮廷御用達料理人程度の腕前はあるつもりだからね。ホットケーキとかは神の域って評価をもらったことあるよ」
「戦闘以外の面でまで人間を超越してるっすか!? 他にもすごい能力があったりとか?」
「うーん、後は強いて言えば投げることかな。僕の住んでた街のお祭りでよく投げたからね。カブを」
「カブ!?」
「スペインでトマト祭りってあるでしょ。それのカブ版。採れたての新鮮なカブを住人同士でぶつけあって点数を競うんだ」
「バイオレンスっすね!?」
「うん、実際痛かったよ。あと逆に何故か高速飛行するカブを射抜く祭りもあってね。苦労したけど技術は上がったよ」
「意味不明っす!?」
「僕の投げスキルレベルは9999です」
「インフレ!?」





「あ、あのー……」





「――!」
「ひいっ!?」

レストが箸を置き、剣を抜き、声のした方に剣を向ける。
先ほどと似たような状況であるが、今度は桃子は同じ食卓についている。
となれば今度の声の主は別人であり、さらにいえば都庁の誰にも当てはまらない声だった。

「――敵か」

故に、先ほど以上に剣先を相手の喉元、首輪を刺し貫ける位置にまでもっていっていた。
予想通り、声の主は見知らぬ少女。だがDMC信者は老若男女を問わず大量に存在するため、油断はできない。
レストが纏う空気は、数瞬前までのそれとは別物であり、明らかな殺意が込められている。

「ち、違う違う! 私らは争う気はないんや! 信じて、というかせめてもう少し剣離してくれへん!?」

それに対する侵入者の少女は、あまりのできごとにガタガタと震えつつも両手を上げて敵意がないことを示した。
入口に積まれた膨大な数の屍、門番も巡回役もいなくなった都庁、そして激しい爆発エフェクトの起こる公園……
これは都庁になんらかの異変があったのではないかと思い乗り込み、そして話し声を聞き……
つい先走ってしまった結果このような仕打ちを受けたのは――

「私は本当に、本当に怪しい者じゃないんや!」
「まず鏡を見たらどうかなぁ?」

なんともふざけた格好の狸娘が一人、八神はやてであった。


……

788ズカンされた名無し:2014/09/21(日) 23:28:03 ID:nDD8i4/M0
「寿命縮まったでほんま……さっきまでの会話の様子と全然別人やんか……」
「いや、流石に一人突っ走ったはやて殿にも問題あると思うぞ?」
「都庁は危険だとほざいていたのは、どこのどいつだ?」
「まあまあ殺生丸君、抑えて抑えて」
「要するに君達は、空腹でいたところ、いい匂いがして誘われてやってきたと?」
「わかるっす。私も正直それに引き寄せられて起きたっすからね」
「その魚の塩焼きは特にうまそうじゃな。どうか、少しでいいから分けてもらえんかのう?」
「やれやれ……命知らずな君らに敬意を表して、少しは恵んであげるとするか」

はやて達、通称狸組は目の前の食卓に目を奪われていた。
やはり彼女らも空腹には勝てない……などというころではない。

『とりあえずおにぎり食べながら筆談続けてください。食事中なら多少言葉が減っても怪しまれない』
『先に見せた紙に書いた通り、俺達は対主催だ。主催陣営の情報もある程度握っている』
『すごいっすね。こっちは騎士様とレストさんの話を併せた、大気中の危険物に関する情報程度っす』
『それも気になるが、まずは首輪や。これさえ外せば普通に会話できるで』

その裏では筆談が行われており、卓上ではお互いの軽い情報交換が行われていた。
双方とも既に筆談を経験済みであるため、その動きは実に慣れたものとなっている。

『首輪の解除、もし本当に可能なら横で見せてもらえませんか? 回収したというサンプルのやつでいいんで』
『構わぬよ。わしらは安全地域を探しておったんじゃ。それじゃあ早いとこ、作業にかかろう』

「うまい、うまいでー!」『少し騒がしくして、博士の首輪解体音消しとこ』
「ワシ狸妖怪じゃし、ここに住めんかの!?」『了解じゃ』

「その隙の無さ、貴様本当に人間か?」『風鳴翼を倒したのが貴様なら、何故奴は生きている?』
「そんなことよりその尻尾もふっていいですか?」『それは首輪を外した後に』
「断る」『わかった』

そうこうしているうちに、ブリーフ博士が首輪の解体に成功した。
博士の予想通り、爆破の威力以外の作りは比較的簡素なものであった。
これは装備者の能力制限、規格外の相手でも殺せる爆破、盗聴、膨大な識別番号等々色々オプション詰め込みすぎたせいらしい。

『やはり盗聴器はあったが、カメラはないみたいじゃな』
『盗聴だけでも管理が大変でしょうし、カメラまであったら主催陣営の人員どれだけ必要になるんでしょうかね』

『これで10個目。思ったよりも楽じゃな』
『見たいですね。これ以上サンプルを解体する必要もないほどに。次、僕の首輪を外してくれませんか?』

そしていよいよ、首輪が機能している状態……生者の首輪を解除しにかかる。
ここで失敗すれば、どれだけレストがラスボスも真っ青な耐久力を持っていようが絶命する。
確かに都庁の良い噂は聞かなかったが、博士は先ほどまでのやりとりでレストを信じていた。
姿がぼやけて見えるが、一般人であろう女子高生を匿い、自分達にもこの場所を提供してくれている点も加味したうえで。
少なくとも、主催者を討つ力にはなってくれるだろうと。だからこそ、慎重に、慎重に工具を扱い……

そして


――カラン


小さく軽い音と共に、首輪は地に落ちた。

789ズカンされた名無し:2014/09/21(日) 23:28:29 ID:nDD8i4/M0
そしてそれと同時にレストが動く。
鞄の中から取り出したのは、氷漬けにされた人間の腕。風鳴翼との戦いで失った、レスト自身の腕だ。
あの時は蹴り飛ばしたものの、内部では氷竜がしっかりと回収し、保管していたのだ。
氷を火炎で溶かすと同時に、最大威力の治癒魔法も施す。

(よし、これで……!)

切断面にかけられる生命の息吹。
程なくして、右腕はくっついた。軽く拳を握っては開きを繰り返し、正常に機能することも確認する。

(次だ!)

蘇った右腕の感慨にふける間もなく、レストはすぐさま両手に道具を持ち、博士の首を狙う。

「!?」

用済みになって消されるのかと博士は一瞬考えたが、直後に響いた軽い音で現実に引き戻される。
今の一瞬の間で、博士の首輪をレストが外してみせたのだ。
そのまま彼は無言のまま手招きし、影の薄い少女にこっちにくるよう指示を出している。
あっけにとられるが、博士も同じようにはやて達を手招きした。


そして、複数の小さな音がすぐに響くのであった。


……


「驚いたのう。まさか、ワシよりも早くあんなに簡単に首輪を外して見せるとは」
「技巧、手先の器用さに関しては元々自信ありましたからね。
 機械の仕組みはわからなくても、正しい手本を一回でも見ることができればそれを真似すればいいだけです」
「都庁の門番が色々と規格外とは書かれておったが、ここまでとは驚きじゃな」
「なんにせよ、これで盗聴されることはなくなったで。早速本格的に情報交換や! ちょっとパソコン貸してや」
「出端をくじくね、僕らがそんなもの持ってるわけないだろ? ってそういえばサクヤが一台だけ持ってたっけ……」

しぶしぶといった様子ながらレストは一度席を外し、しばらくして麒麟の角と尻尾を生やした少女、サクヤを連れてきた。
眠っていたのか少しだけ目を擦っているが、既に首輪を外されており、脇にはノートパソコンをしっかりと抱えている。
世界樹と化した都庁において、最後の文明機器がこれだったりする。

「レスト様から事情は聞きました。レスト様の首輪を外してくださったお礼等色々と言いたいことはありますが……
 今は手短に情報交換と行きましょう。私が電源役になりますので、その間にパソコンをお使いください」

サクヤがパリパリと電気を流せば、パソコンが起動する。
そこにはやてがUSBメモリを挿し込み、主催者本部から持ち帰れた情報を曝け出していく。
九州ロボが粗悪品の塊であったことは過去の話なので、ここで主に役立つのは主催者陣営の情報と、TC観測値だ。

790ズカンされた名無し:2014/09/21(日) 23:29:47 ID:nDD8i4/M0
「ワシらが知っておる中で、バーダックは勿論として風見幽香は特にお主らにとっては強敵じゃろう。
 奴が持つ能力は植物を操る程度の能力、規模はわからんがもしかしたら、ここの世界樹も操作されてしまうかもしれんぞ」
「能力を使う前に潰してやればいいさ。バーダックの能力は?」
「彼らサイヤ人のエリートは、戦闘の規模が惑星破壊レベルじゃ。
 いくら力を加減したところで、普通の人間じゃまず歯が立たぬよ。もしかしたら戦闘力を50倍に上げるスーパーサイヤ人やも知れぬしな」
「元がどれだけの強さかで、大きく変わってきますね。まあ僕も瞬間攻撃力の底上げなら……
 装備品で常時2倍+食事の追加効果で2倍+いつもの正拳突きで4倍+ダオスさんのグリモアで1.4倍+サクヤの舞でさらに5倍。計112倍までいきますけど」
「なにそれこわいわぁ……」

今後主催陣営と戦うことになっても、仲間の援護さえあれば決して勝てない相手ではないと言ってのけるレストに、はやては思わず素直な感想を漏らす。
首輪を外した瞬間から感じ取っていたが、この青年の戦闘能力は底が知れない。
だからこそ余計に、あの風鳴翼への恐怖も増してしまうが。

「このTC値についてはワシらもわからなかった。しかし今回の事件で何らかの鍵となっているのは確かじゃろう」
「聞いたことのない単位っすね。実は、私達も謎の物質について調べているんすけど……」

狸組から情報が渡され、そして今度は影薄と都庁から情報が渡される。
混沌の騎士の最期の言葉からその存在を知り、都庁で放置できない危険物だとわかった謎の物質。
そのおおまかな効果にこそ辿りついたが、それに対する対処法までには至っていない。

「レストさんの予想では、その物質を溜め込みすぎた存在があの風鳴翼ってことみたいっす」
「これもあくまで僕の予想だけど、それは大気中だけじゃなくて飲み水にも入ってる。誰が狂ってもおかしくないよ」
「生物を狂暴化させ、最終的に怪物にする物質か……その情報は俺達も持っていないな」

その情報は、主催者本部に侵入した狸組ですら初耳のものだった。
しかしあの風鳴翼に関係しているとなると、わざわざ彼女を指名手配した主催者とも因縁がないとは言い切れない。
持ち帰れた情報も全てはないのだから、実は謎の物質についての情報もあったかもしれないのだが、今となっては確認はできないだろう。

「指名手配された彼女は、髪の毛の色が変わっていたし首輪もなくなっている。進化した元、風鳴翼と考えた方がいいだろうね。
 僕が戦った時点で、能力はあらゆる属性への強い耐性、龍に匹敵する牙、無数の剣の召喚、捕食行為による能力略奪と超再生があった。
 今なら報酬に釣られた参加者が喰われ続けて、より強くなっているのは確実かな」
「既に埼玉県庁付近は根こそぎそいつに殺されてしまったそうやからな……」
「水と空気に毒に近い物質を混入されているとなると、俺達も含めて全ての参加者の体内に少なからずそれは溜まっていることになるな。
 腰抜けの雑魚共を適当に喰い殺すだけでも、風鳴翼は物質の体内総量を増やし、どんどんと手のつけられない怪物になるわけか」
「そんな危険人物にバーダックや風見幽香をぶつけないで、ただの参加者を報酬を餌にぶつけさせるのは……」
「十中八九、主催者の本当の目的は風鳴翼の討伐ではなく、強化じゃな」

マミゾウの言葉で、その場の空気は重たくなった。
予想はしていたが、やはり風鳴翼の指名手配は罠であり、そもそも彼女の存在が主催者の計画の一部。
大災害と殺し合いで疲弊した生き残りたちを間引くためだけにしては、手が込みすぎている。
主催者の、本当の目的までたどりつけないという事実がもどかしくてたまらないと、全員が心の中で歯噛みした。

「TC値をその謎の物質の値と考えた場合、唯一数値の低かった日本の数値を上げるためと考えることはできるのう。
 じゃがTC値が高い場所はどこも大災害に呑み込まれておる。これでは、最後の日本も九州ロボもろとも沈んでしまう」
「謎の物質とTC値は別物と考えるなら、さらに謎が深まるばかりやで」
「なんにせよ、もたもたしている余裕はないということだ。戦力を整え、主催者を叩くのが一番早いと思うがな」
「確かに首輪がなくなった以上、禁止エリアの九州ロボには近寄れる。けど本拠地がその謎の物質で一杯やったら?
 最悪の場合、乗り込んだ仲間が狂って同士討ちって可能性もあるってことやろ? まずは謎の物質の正体をつかまんと」
「むぅぅ、せめてサンプルがあれば……「ありますよ、サンプル」なんじゃと!?」

床の上に乱暴に、何かの塊が投げ捨てられる。
それは、切断された右腕だった。しかし先ほどのレストのものではなく、彼が切り落とした別の人間のもの。

791ズカンされた名無し:2014/09/21(日) 23:30:36 ID:nDD8i4/M0
「――その風鳴翼の右腕。油断したとはいえ僕の腕を落とす程の力を手に入れた後の腕だから、件の物質はたっぷりかと」

「うっぷ……!? わざわざとっといたんかこんなもの!?」
「少し落ち着いたら、僕もこの腕にあれこれして調査するつもりだったからね。
 ただ予想外に僕らは忙しくなってしまって、今はこっちまで手が回せないんだ」
「DMC狂信者か」
「その通り。彼らにとって一ヵ所に多くの生命が集まるこの世界樹は絶好の狩場だそうで。
 そのための迎撃、機を見て相手の本拠地を潰すとなると、ゆっくりと実験や解析をしている余裕はない」
「そのサンプルをワシらにくれる代わりに、解析も頼むということでいいのかの?」
「ええ。不本意ながら、その物質に関しては僕らの魔術よりもあなた方の科学の方が適任でしょうからね……
 流石にこの世界樹内だけじゃ、そういったものを調べるのには限界もあります」

すぐに首輪を外してもらう代わりに、そちらの首輪もすぐに外す。
貴重なサンプルを渡して邪魔なDMC信者は始末するから、謎の物質の調査は任せる。
情報交換の果ての、取引であった。

「それじゃあ、これは責任を持って扱わせてもらおうかの」
「ありがとうございます。それでは早速行動に移ってもらいたいので、出口へとご案内しましょう」
「うえ!? そこのご飯くれたり休ませてくれたりはしないんか!?」
「侵入者を始末しないで中に入れたとなれば、血の気の多い魔物が僕が説明するよりも早く君に噛みつくかもよ?
 僕はリーダーのダオスさんと違って、統率力はないからね。というか基本、自由にのびのび放任主義で個人の意思を尊重する。
 だからここの魔物がみんな人類抹殺を望んだら僕はそれに手を貸すし、逆に彼らも共存を願うなら……その場合はあの子の出番か」
「やれやれ、さすがにまだお主らを警戒しておるのはばれておったか。
 まああまり深くは考えないでもらいたいの。首輪を外したお主の力を警戒するなというのは無理な話じゃろ?」

半ば強引に、狸組は都庁の入口へと連れて行かれる。
しかしそのことへの文句はほとんど出てこず、あっという間に出口へと辿り着く。

「DMC狂信者がいつ来るかわからないんで、ここに次に来るにしても連中を壊滅させた後の方が安全でしょうね。
 あ、これは殺生丸さんへの餞別であげますよ。僕はもう新しく世界樹の剣を作ってあるんで」
「む……ほう、これは。ありがたく貰っておこう」

抜き身の大剣が殺生丸へと投げ渡され、それを受け取った殺生丸の口の端が和すかに上がる。
それを見届けると、用は済んだといわんばかりにレストは世界樹の中へと消えていった。



「ふぅ……なんとか無事首輪は外せたし、色々と情報も手に入ったけども、少しはゆっくりしたかったわ……」
「ワシもまたお茶会をしたいところじゃが、これを託されて主催者の目的がわかった以上はのんびりもしておられんの」
「奴程の実力者が、端々で焦りの感情を抱いていた。侵入者であった俺達を殺さずに支援までするとなると……」
「あの青年ももう気づいておるんじゃろ。しかしDMC信者のせいで本当に身動きがとれないと。
 だからこそワシらはまた託されたんじゃ。謎の物質の正体を探ることと、そして――第二第三の風鳴翼の誕生の阻止をな」

792ズカンされた名無し:2014/09/21(日) 23:31:10 ID:nDD8i4/M0
【二日目・6時50分/東京都・東京都庁付近】
※情報交換により、風鳴翼(テラカオス・ディーヴァ)の能力の一部を知りました
※情報交換により、謎の物質(ナノマシン)の存在および危険性を知りました

【八神はやて@魔法戦記リリカルなのはForce】
【状態】健康、タヌキはやて、死んだ仲間たちへの悲しみ、首輪解除
【装備】シュベルトクロイツ@魔法少女リリカルなのは、タヌキスーツ@スーパーマリオシリーズ
【道具】基本支給品一式、夜天の書@魔法少女リリカルなのは、携帯電話、USBメモリ
【思考】基本:死んだ仲間たちや赤い翼のMSのパイロットの為にも主催を倒す
1:都庁は大丈夫だったけど、首相官邸はどうやろ?
2:主催者打倒のため、情報と仲間を集める
3:TC値に謎の物質に、まだまだわからんことばかりやな……
4:それにしてもこのスーツ、実に馴染むで!
※主催側が大災害について何か関与していると考えています(細かい部分は分かっていません)
※PSP版の技も使えます。
※カオスロワちゃんねるより、風鳴翼の情報を少し入手しました

【二ッ岩マミゾウ@東方project】
【状態】健康、主催たちへの憤り、首輪解除
【装備】なし
【道具】基本支給品一式、ギンガスパーク@ウルトラマンギンガ、
スパークドールズ(ザラブ星人、ババルウ星人、ダークガルベロス)
【思考】基本:殺し合いを止める
1:やはり首相官邸の黒いの(神樹)が気になる……
2:殺し合いを打破するために仲間を集める
3:大陸沈没の謎や謎の物質、TC値の正体を探る
4:一応都庁はまだ警戒対象
5:殺し合いによって博麗の巫女を殺した幽香は許さない
※主催側が大災害について何か関与していると考えています(細かい部分は分かっていません)
※霊夢が複数いることに気づいていません

【ウルトラマンタロウ(SD)@ウルトラマンギンガ】
【状態】健康、スパークドールズ状態、マミゾウのデイパックの中
【装備】なし
【道具】基本支給品一式
【思考】基本:殺し合いを止める
1:デイパックからまた出して欲しい。切実に
2:殺し合いを止めるために仲間を集める

【殺生丸@犬夜叉】
【状態】健康、首輪解除
【装備】天ノ村雲ノ剣
【道具】基本支給品一式 、不明支給品、回収した首輪×40
【思考】基本:自分に首輪をはめた主催者を葬る
1:主催者本部を攻めるため早急に戦力を整えたい
2:風鳴翼を警戒

【ブリーフ博士@ドラゴンボール】
【状態】健康、首輪解除
【装備】なし
【道具】基本支給品一式、機材一式、風鳴翼の右腕
【思考】基本:対主催
1:TC値と謎の物質の調査のために、自分以外の科学者とも合流したい
2:対主催参加者と出会えたら、首輪を外す
3:主催打破のためにベジータ君と合流したい
4:見た目はそっくりだったが、バーダックは孫くんの血縁者?
※首輪解除が可能となりました
※風鳴翼の右腕は四条化細胞とナノマシンの塊です。うまくいけば抽出できるかもしれません
※現在所持している道具では抽出不可。どこからか調達するか設備のある場所を訪問する必要があります

793ズカンされた名無し:2014/09/21(日) 23:31:39 ID:nDD8i4/M0
……

「帰しちゃってよかったんすか、博士さん達」
「いくら情報提供してくれたとはいえ、こちらをかなり警戒していたからね。
 博士以外は全員が戦えるし、デイパックからは不思議な力を感じる人形まではみ出ていた。
 割と冗談抜きで、誰かが襲いかかる可能性はあったと思うよ。まあ今の僕なら楽に捻れはするんだけど……
 彼らには、生きて頑張ってもらわないと困るんだよ」
「謎の物質のことっすか……」
「僕らは動けないし、世界樹は住居であって研究所じゃない。そしてあのブリーフ博士の科学者としての力は本物だった。
 世界樹の浄化能力で謎の物質を凌ぐのは時間稼ぎにしかならない以上、誰かが早く正体を突き止めないと……僕らは皆死んでしまう」

右腕を動かし続けていたレストが拳を握る。
震えるその拳は、武者震いなどではなく悔しさからくるものだ。
首輪の制限がなくなった彼の力は、神の域すら踏み越える程。それでいてなお、彼は己の無力を悔やんでいる。

「で、でもレストさん異様なまでに強いっすよね? 本当に腕も元に戻ったし、首輪だってない。主催者陣営の誰が相手でも……」
「ああ。確かに僕は強いと自負できる。装備も本気で作ったし、もう誰であろうと油断はしない。レベルも50000だ」
「ごまっ!?」
「逆に言ってしまえば、僕はこれ以上は強くなれない。対して風鳴翼は恐らく限界がないだろう。
 今は勝てても、時間が経てば経つほど誰も太刀打ちできなくなるだろうし、彼女の同類が増える可能性もあるからね……」

風鳴翼の進化、そしてさらに生まれる可能性のある同類の怪物。それこそが謎の物質を放置できない最大の理由だった。
いつか誰も敵わない途方もない怪物が生まれるよりも先に謎の物質の正体を突き止め、それの特効薬を作る。
そのためにはなりふりなど構っている余裕はなく、だからこそ狸組に重要な証拠であろう風鳴翼の右腕を託したのだ。

「レスト様、どうかお一人でお悩みにならないでください。私も、微力ながら手助けをさせていただきます」
「サクヤさんの言うとおりっすよ。私や小町さん、重火器魔法少女さんもいるっすよ!」
「……ありがとう。しかしサクヤはともかくモモ、君は首輪を外した状態の僕を見ても恐怖を感じはしないのかい?」
「んー、多分私が戦闘はからっきしなせいもあると思うんすけど、一種の慣れもあるかもしれないっす。
 元々ここの魔物も言うほど怖くは感じなかったんすけど、それは清澄の嶺上さんのせいかもっすね。
 麻雀やってると魔物のような人に結構でくわすんすけど、あの人はクラウザーさんとは違った意味で魔王って言葉が相応しかったっすから」
「長野もグンマ―とは違った意味で魔境のようだね……」


                 その時、地面が激しく揺れた

「きゃっ、この揺れは……!?」

揺れは激しさを増し、不定期に発生した。
ほぼ真下から広がるこの揺れの正体はフォレスト・セルのものに間違いない。
都庁の守りを手薄にしてまで、制御のために主力を向かわせてこの揺れが発生するということは……

「……最悪、風鳴翼とかよりも先にこっちの問題を解決する羽目になるかもね」

794ズカンされた名無し:2014/09/21(日) 23:32:05 ID:nDD8i4/M0
【二日目・7時00分/東京都・東京都庁内部】
※情報交換により、主催者陣営の情報を取得しました
※情報交換により、TC値の存在をしりました。

【レスト@ルーンファクトリー4】
【状態】健康、全属性攻撃吸収、物理&無属性攻撃88%軽減、攻撃無効化率50%、サクヤの飼い主、首輪解除
【装備】最大錬成世界樹ノ剣、最大錬成防具、草原のペンダント
【道具】支給品一式、不明品、封じられた闇核
【思考】
基本:都庁の軍勢を守りつつ星の自然環境改善
0:フォレスト・セルが暴走した際に備える
1:影薄三人は助ける
2:謎の物質への対抗策を早く見つけたい
3:機械っぽい外見の奴とDMC信者は問答無用で潰す
4:鬼灯を警戒。協力はするが、狸組も一応警戒
5:フォレスト・セル対処後、他の仲間の首輪も外す
6:あわよくば竜と結婚できる世界を作りたい
※都庁の世界樹はナノマシンの浄化も可能ですが、限度があります
※ブリーフ博士の技を覚え、首輪解除が可能となりました

【東横桃子@咲-Saki-】
【状態】健康、混乱、首輪解除
【装備】斬鉄剣@ルパン三世
【道具】支給品一式、スマホ、謎の物質考察メモ、筆記用具
【思考】基本:仲間と共にカオスロワを終わらせる
0:自分も役に立ちたいが、この状況はどうしようもないっす……
1:加治木先輩や友人たちと生き残る
2:スマホを使ってネットで情報を探る
3:DMCファンだけど信者の暴動にはドン引き

【聖煌天の麒麟・サクヤ@パズドラ】
【状態】健康、調教済み、首輪解除
【装備】巨大棘鉄球×2
【道具】支給品一式、スマホ、都知事のパソコン
【思考】
基本:レストに服従
0:戦闘の際はレストの援護を心がける
1:ネットに疎い主に代わり情報収集
2:オオナズチにはいずれお返しする
※パソコン等の電気機器の電源代わりになります
※パソコン内に、主催者陣営の情報とTC値を示す動画が保存されました

795ご立派様がメタルに興味を持ったようです:2014/09/23(火) 19:48:11 ID:fuIloNVE0
「「「「「アッーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!」」」」」

東京都にて大勢の悲鳴が上がる。
男や女の悲鳴どころか人間ですらないモノの悲鳴まで轟いている。
そこには男や少女…はてには魔物のボスか何かまで倒れていた。
唯一共通している点は全員が恍惚の表情を浮かべて死んでいるということだった。

「ふぅ…今回もよかったのぅ…。来世までしばし安らかに眠っておるがいい」

周囲の死体に囲まれてマーラ様は満足げに呟く。
やっぱりなと思うが今回の犠牲者はこのマーラ様の淫行…いや凶行によるものだ。
要するにい つ も のご立派様なマーラ様であった。彼(?)は今回も無差別マーダーと化していたのだ。
申し訳程度の賢者タイムが終わったところでマーラ様はふと思い出す。
今回の犠牲者の一人…DMCモブ狂信者の存在に。
彼は変なコスプレをしながらSATSUGAIだのレ○プだの叫んでいた。

「なるほど!こやつが噂のDMCの者共だったというわけじゃな!
確か奴らの行動方針はクラウザーさんとやらを復活させることだったはず…。
その方法はレ○プしてSATSUGAI…なるほど」

そこまで考えてマーラ様は決めた。DMC狂信者に協力することを。
この終わりの見えない殺し合いの中、レ○プによる快感の中殺せば救いになる。
おまけにそれによる死もクラウザーさんとやらの復活に役立つとなれば死んだ者も喜ぶに違いない!…と。
ついでにクラウザーさんの体にも興味あるし。
いろいろと突っ込みどころがあるが、神とは往々にして理解し難いものである。

「そういえばこの感覚…誰だかは知らぬが混沌の神を呼び寄せたようじゃの。不完全ではあるがな。
確かにこの世界を救うにはアレの力は必要か。使い方を間違えなければの話だがな…。
ま、ワシの知ったことではないし…早速クラウザーさんとやらの復活のためにヤりまくるとするかのう!ホッホッホッ」

こうしてクラウザーさんに興味を持った気まぐれの神は次のターゲットを求めてその場を後にした。

【二日目・6時15分/日本・東京都】

【マーラ様@女神転生シリーズ】
【状態】とっても健康
【装備】己のご立派様
【道具】支給品一式
【思考】
1:DMC狂信者入りして男女種族問わずヤりまくる
2:復活したクラウザーさんともヤる
3:誰かが混沌の神を召喚した様じゃの…まあいい

【久慈川りせ@ペルソナ4 死亡及び絶頂確認】
【小早川ゆたか@らき☆すた 死亡及び絶頂確認】
【アカムトルム@モンスターハンターシリーズ 死亡及び絶頂確認】
【始原の幼子@世界樹の迷宮2 死亡及び絶頂確認】
【DMCモブ狂信者 死亡及び絶頂確認】

796嘆キノ壁ハ積上ゲラレテ:2014/09/25(木) 12:49:49 ID:c5q3Q50c0
「ぽよぽよぽよぽよ!! ぽーよぽよ♪!!!」
「オーロラのかーぜーにーのーて!!my wish届いてる♪!!!!」

東京、朝の築地に騒音じみた歌が響き渡る。
ずっと聞いていると鼓膜が痛くなるような酷い歌だ。
DMC狂信者の一団である暁切歌一行は、その騒音の震源地にいる者たちと対峙していた。

「ぎゃああああああ、このままじゃ鼓膜が破れるでぇーーーッ!!」
「気を失ってしまいそうデースッ!!」
「これが耳レイプって奴か、オラァ!?」
「いいですよ、お二人共。このまま感動で信者の方々を失神させてあげなさい」
「はい、鬼灯さん!」
「ぽよ!」

騒音の震源はカービィとかれんのジャイアンボイスコンビ、そして都庁からワープさせられた後に長野県にて彼女らと出会い、合流した鬼灯であった。

(転移させられた先で二人と会えたのは僥倖でした。
彼女らの声ならば、人を殺めず平和的に殺し合いを終わらせることができる。
DMC狂信者も都庁の魔物も、拳王軍や主催でさえ、彼女たちの歌の前では失神間違いなしだからです。
二人には騙しているようで悪いですが、これも平和のため……手を血に染めず死者を最低限に抑えるためには二人のジャイアンボイスが必要なのですよ)

鬼灯はかれんとカービィの歌を利用し、殺し合いに加担する者を片っ端から無力化して殺し合いを破綻させるつもりなのだ。
なお、かれんとカービィは鬼灯に乗せられていることに気づかず、道行く人々が自分たちの歌に感動するあまり失神していると思い込まされている。
もっとも近くにいる鬼灯自身が彼女らの歌に耐えられるのは耳栓に加えて、その身体に鬼の耐久力と精神力が備わっているからである。

「くっ……このまま倒れるわけにはいきませんよ!」
「ゴー・トゥ・ヘル!!」

狂信者側も負けじと反撃に出る。
右京と円堂が鬼灯たちに向けて、ガトリングの掃射とサッカーボールによる同時攻撃に出た。
ところが、かれんとカービィによる騒音によって空気の振動によるバリアが発生しており、銃弾もボールも三人に届くことなく、弾けて地面に落ちてしまった。

「銃弾が届かないとは……」
「俺の渾身のボールが……」
「お、オイ! ここは大人しく退くしかないんちゃうか?」
「バカか! ここで退いたらこいつらがビッグサイトに攻め込んでくるかもしれないだろ!? 松本はク○ニしろオラァ!!」
「そやけど、見えない壁まで張ってる以上、誰も奴らを殺害できへんで!」

コトミの指摘通り、ここで鬼灯たちの進路はビッグサイトに向いていた。
だが音による強力なバリアが張られている以上、切歌によるギア、松本の怪力、右京の銃撃、円堂のボール、コトミの凌辱も通用することはない。
万事休すである。

「よ〜し、アンコール行くわよ〜!
DMCの変な歌より、私たちの歌のほうが素晴らしいってことを証明するんだから!」
「ぽよー!」
「その意気です、お二人共」



ピキッ



しかし、かれんの不要な一言が、ある者の逆鱗に触れてしまったことで状況は一変する。
額に太い青筋と瞳に今まで以上の殺意を宿した者、それは――

「今、なんて言ったデスか……?
DMCが変な曲デスってーーーーーーッ!!?」
「「「「「!?」」」」」

――暁切歌だった。
少女の突然の咆哮に、敵対している鬼灯たちはおろか仲間である狂信者たちも驚いていた。

797嘆キノ壁ハ積上ゲラレテ:2014/09/25(木) 12:50:25 ID:c5q3Q50c0

「おまえたちに何がわかるデスか。
クラウザーさんの十分の一も練習を積んでないような歌で、DMCをコキ下ろすなんておこがましいんデスよ!!」
「なに、なんなの……?!」
「ぽよ……」
「か、かれんさん、カービィさん、構わずに歌い続けるんです!
相手のペースに飲まれてはいけません!」

その殺気はかれんとカービィのみならず、鬼灯すら竦ませるほどである。
とにかく早いところ気絶してもらわねば、と鬼灯を焦らせる。

「右京さん、みんなを下がらせるデス! こいつらにはアレを使うです!」
「アレってまさか……絶唱を使うおつもりですか!?
いけません! 絶唱を使えばおなたの身も危険になります!」
「聞く耳持たないデス! 絶望の淵にいた私や皆の希望だったDMCを、クラウザーさんを馬鹿にしたこいつらには死を持って償ってもらうデス!!」

右京の静止を振り切り、切歌は歌い始める。

「〜♪」
「なんや? 何が始まるんや?」
「歌い始めてしまったか……こうなっては誰も彼女を止められません。
松本さんも下がってください!」

狂信者たちが大急ぎで切歌の下から退避する。
絶唱を放つのに必要なプロセスである歌を歌いながら切歌は想う。

(私は世界に終わりをもたらす者、フィーネの器になる存在……
いつかは身も心もフィーネに呑まれるしかない絶望。
知らない内に姉にも等しいマリアにフィーネの役目を押し付けていた後悔。
そして大災害で調、マリア、マムと離れ離れになってしまった寂しさ。
それに打ちのめされていた私を救ってくれたのがクラウザーさんだった。
だから、希望だったクラウザーさんを奪われた時はただただ悲しかった……他の信者と同じように)

「ぽよぽよぽよぽよ!!」
「オーロラのかーぜーにーのーて!!」
「声が小さい! もっと大きく! 相手の鼓膜が破れるくらいに元気よく!」

(そこで私は生贄を捧げてクラウザーさんを蘇らせる話に乗った。
最初はバカらしく思ったデスけど、昨日会った上層部の一員のディーは間違いなく神格者……これからフィーネになる私にはわかるデス。
彼なら間違いなく皆の希望……クラウザーさんを蘇らせられると!)

「〜♪」
「ぽーよぽよ♪!!!!!」 「my wish届いてる♪!!!!!」

お台場にぶつかり合う二つの歌。

(そして私は決めた。
気狂だの鬼畜だの蔑まされ、自分を含めた何を犠牲にしてでもクラウザーさんを生き返らせると。
だけど、クラウザーさんが生きていても私が世界に終わりをもたらすフィーネになっては元も子もない。
マリアやマムが行方不明になった以上、今の世界にフィーネは必要ない。
だからクラウザーさんが蘇った後に私は自分の命を断つ必要があるでしょう……)

切歌の頬を伝って落ちる泪。

(それでも調たちがどこかで生きていて、多くの人に希望を届けてくれたクラウザーさんの歌を聞いてくれたら、それがきっと私の生きた証になるんデス。
風鳴翼のように、現代の防人と自分で謳っておきながら狂って食人鬼に身を墜としてしまうほどの救いようのない世界でも、みんなが元気に生きていけるハズ。
私が消えてしまっても、クラウザーさんさえ生き返り、あの人の歌を調たちが聞いてくれたなら私はそれでいいんデス。



――だから、DMCを侮辱したり、クラウザーさん蘇生の邪魔をする者は、誰であろうとも許すわけにはいかないデス!!
特にこんな奴らの歌がDMCに成り代わろうなど、あってはならないこと、デス!!)

798嘆キノ壁ハ積上ゲラレテ:2014/09/25(木) 12:51:00 ID:c5q3Q50c0


そして、切歌の歌から放たれた絶唱。
絶唱とはシンフォギアの力を限界以上に解放する歌であり、増幅したエネルギーをアームドギアを介して一気に放出するそれはあらゆる存在を一度に殲滅し得る絶大なエネルギーを発揮する。

そのエネルギーは騒音によって作り出された障壁すら打ち破った。
かれんとカービィの魂を込めた騒音によって生み出されたエネルギーよりも絶唱は上回ったのである。


「う、嘘……こんな終わり方って……ようやく夢に向かって歩きだしたのに!!」
「ああ、今までの中で最悪の休暇になってしまった……」

自分たちの歌が敗れたことを悟った鬼灯たちは後悔や無念の言葉を吐きながら、絶唱のエネルギーに飲み込まれていった。
そのエネルギーはマーメイドはもちろん、驚異的な肉体を持つ鬼でする耐えられる代物ではなく、塵一つ残さないほど分解させられこの世から消滅したのだった……


【鬼灯@鬼灯の冷徹 死亡確認 】
【かれん@マーメイドメロディーぴちぴちピッチ 死亡確認】



絶唱のエネルギーが放出され尽くされた後には何も残らず、強敵の打倒に一行は歓喜の声を上げた。

「すげえ……今まで倒せなかった奴が一撃だぜ」
「やったで! あいつら木っ端微塵に吹き飛びおったでぇ〜!」
「流石だぜ、切歌! ク○ニさせんぞオラァ!」
「そう……なんとか倒せたデスか……それは良かった…デス……うっ」

敵を倒したと確認した切歌が小さく微笑むも、彼女はそのまま倒れて気絶してしまった。
変身が解かれて鎧の消えた彼女の顔には疲労の色が色濃く映っていた。

「切歌さん、どうしたんだ!?」
「……絶唱を使ったからですよ円堂くん」
「どういうことなんだ右京さん?」
「絶唱はあらゆる者を倒せるであろう凄まじい力を持った歌。
その反面、装者への負荷も生命に危険が及ぶリスクが存在するのです。
彼女の場合はなんとか死に直結する最悪のケースは避けたようですが、無視できない負担をその身に受けたことは変わりありません」

絶唱は強力であるが故に代償となる負担も大きく、適正や状況によっては死と引換になる諸刃の剣なのだ。
まさに絶唱とはシンフォギア装者にとっての最後の切り札なのである。

「ん? ……ゲッ、おまえら、あそこを見るんや!」
「……ぽよ」

松本が指を指した先には瓦礫の中で蠢くピンク玉の姿が見えた……カービィだ。
彼だけは直感で身の危険を感じ取って回避行動をし、絶唱の直撃を避けて生き残ったのである。
切歌自身が正規の装者ではなかった点や、彼女のこれまで積んできた消耗も相まって破壊力がそれほど出なかった点もカービィを救った点である。
それでも仲間の二人も殺されてしまい、マイクも全壊、彼自身もダメージは深く単独での戦闘続行は困難と判断したカービィは一目散に狂信者たちから逃げようとする。
そんな彼を一人の全裸少女が血眼になって追う。

「待てやコラァッ、よくもクソみたいな歌を聴かせてくれたな!?
グチャグチャにレイプしてからSATUGAIしてやる!!」

槍を手に、逃げるカービィをコトミは凌辱せんと襲いかかる。

799嘆キノ壁ハ積上ゲラレテ:2014/09/25(木) 12:51:40 ID:c5q3Q50c0

「ダメですコトミさん! 迂闊な接近は……」
「えっ――」

血気にはやり独断専行したコトミを右京は忠告したが、手遅れであった。
カービィがディパックから星型の乗り物・ワープスターを取り出した。
(ちなみにワープスターは鬼灯の支給品であり、彼らはこれに乗って短時間で長野から東京へ移動してきた)
カービィはすぐさまその星に乗り込み、すぐに緊急で離陸を行った。
その際、コトミの身体が巻き添えになり……

「そんな大きいの入らな……ぎゃあああああああああああああああああ!!!」
「コトミさん!?」

ワープスターに衝突したコトミの下半身が、衝撃に耐えられず粉々に砕け散った。
周辺に血肉をバラまきながらも、カービィを乗せたワープスターはすぐに空中へと舞い上がり、そのまま狂信者の攻撃が届かないであろう大空へと飛び立とうとする。

「くっ、逃がしませんよ!」

右京は標的を逃すまいとガトリングガンを連射するが、鉛の雨は一発でもカービィを貫く前に止んでしまう。
それ以降、右京が引き金を引いてもカチカチと虚しい音がするだけであった。

「弾切れですか……ショットガンでは流石に射程外でしょうし、残念です」

今までの生贄を狩るための戦闘でガトリングの弾を撃ち尽くしたのだった。
狂信者たちは被害を出しながら生贄を取り逃がしたことに歯噛みしながら、大空へと逃げていったピンク玉を見送るしかなかった。


【二日目・6時50分/東京・築地】

【カービィ@星のカービィ】
【状態】ダメージ(大)、ワープスターに搭乗中
【装備】ワープスター@星のカービィ
【道具】支給品一式
【思考】基本:歌う?
0:今はDMC信者からとにかく逃げる
※今までとは別人です




「松本のおじさん、コトミさんは……?」
「衝突のショックで即死や。諦めるしかあらへん」
「彼女のクラウザーさんにレイプしてもらう願望は構わずじまいですか……せめてあの世で先にクラウザーさんにレイプしてもらえることを祈りましょう」

狂信者たちはコトミにつめよるが、彼女は既に亡骸と化していた。
狂った者には狂った者なりの情があったのか、円堂と右京はコトミの死を悼んだ。
もっとも松本はコトミの死に感傷など僅かほども持たず、骸から素っ気なくグラコスの槍を回収するだけであった。

それからしばらくして一行の参謀格であった右京が他の二人に提案する。

800嘆キノ壁ハ積上ゲラレテ:2014/09/25(木) 12:52:39 ID:c5q3Q50c0

「今の戦闘で切歌さんが気を失い、コトミさんが喪われ、我々も武器弾薬や体力の消耗が酷くなってきました。
この消耗ではこれ以上のSATUGAIは厳しいと思われます。
そこで戦力の補充のために一度ビッグサイドに戻るべきだと私は提案いたします。
特に切歌さんは冥闇に堕した者が倒れた今となっては貴重な戦力であり、放送にも出ていた食人鬼風鳴翼の対抗株になり得るのは同じシンフォギア装者である彼女だけである可能性があります。
ここで失ってしまうにはとても惜しい戦力なのです」

右京の提案とはビッグサイトへの一時撤退であった。
彼の言うとおり、この疲弊した戦力での生贄狩りは難しいだろう。
本拠地に行けば、怪我や疲労を取り去れる薬や呪文を持つ者も集まっているだろうし、補充できる弾薬や兵となるモブ信者も大量にあるはずだ。

「何を弱気な、って言いたいところだけど、このまま犬死だけはしたくないからね。
サッカー選手はボールがないと役立たずだし、死ぬならクラウザーさんのために戦って死にたい。
俺は右京さんの案には賛成だけど、松本のおじさんは?」
「ワイも賛成や。生贄を殺害し続けるための戦略的撤退って奴やろな」
「決まりですね。それではビッグサイトに戻りましょう」

こうして狂信者の一団はビッグサイトに足を運ぶことになった。
だが、一団の裏でほくそ笑んでいる者がいたことを右京と円堂は知らない。
心の中で笑っていたのは気絶した切歌を担ぐ、松本人志その人であった。

(ワイは運がいい。
このまま行けば殴り込みではなく、ビッグサイトに自然な形で侵入することができるで……クックック、浜田の蘇生にまた一歩近づいたわ)

松本の野望は浜田の蘇生、そのために偽狂信者となったのだ。
狂信者に潜り込んだは良いが、どうやってクラウザーの蘇生が行われるらしいビッグサイトに入るか考えあぐねていたところ、本拠地への撤退という形でそのチャンスは巡ってきたのだ。
流石に狂信者と言えど同じ狂信者への警戒は緩むであろうし、その隙を付け込んでビッグサイトへたどり着いたと同時にこっそり内部へ侵入し、上層部がやろうとしている蘇生方法とはなんなのか探るもしくは奪うつもりなのだ。

(しっかし、マーダーを続けるにしろ狂信者も都庁に負けてから一気に旗色が悪くなってきた気もするしな〜。
もしクラウザーの蘇生が上層部とやらのホラやったら、狂信者を見限って縁を切っとくか。
そして……蘇生手段が本当やったら、浜田の蘇生も夢物語じゃのうなる。
もし後者なら必ず蘇生手段を奪い、クラウザーよりも遥かに素晴らしいおまえをワイの手で生き返してやるからな!
待っててや浜田!)

築地からビッグサイトを見据える松本の瞳は、DMC狂信者たちとは違った狂気でギラギラと輝いていた。



【二日目・7時00分/東京・築地】

【DMC狂信者】

【暁切歌@戦姫絶唱シンフォギアG】
【状態】ダメージ(小)、疲労(特大)、気絶
【装備】シンフォギア「イガリマ」
【道具】支給品一式
【思考】基本:SATSUGAI、自分の生きた証として絶対にクラウザーさんを必ず蘇らせる。
0:気絶中
1:調やマリアに会えたら説得してこちら側に引き込む 、もしくは蘇ったクラウザーさんの歌を聴かせる
2:風鳴翼については大いに失望
3:フィーネになってしまう自分の危険性を考慮し、クラウザーさんが蘇り次第、自分の命を断つ
※アニメ視聴者の方はお気づきかもしれませんが、自分が新しいフィーネになると思い込んでいるのは 勘 違 い です
※また自分がフィーネになると勘違いしている時期からの参戦です

801嘆キノ壁ハ積上ゲラレテ:2014/09/25(木) 12:53:07 ID:c5q3Q50c0


【松本人志@現実】
【状態】ダメージ(小)、疲労(大)、DCS状態
【装備】浜田雅功人形、グラコスの槍
【道具】支給品一式、メトロン星人人形
【思考】基本:浜田の蘇生
1:DMC狂信者に手を貸し、隙あらばクラウザーの蘇生手段を奪って浜田を生き返らせる
2:浜田を生き返せないようなら一人でも多くの参加者をあの世に送る
3:一行のビッグサイトへの帰還に合わせてビッグサイトの内部に潜入し、クラウザーの蘇生手段を探るもしくは奪う
4:3の結果次第ではDMC狂信者と手を切る


【杉下右京@相棒】
【状態】疲労(大)
【装備】ガトリングガン(弾切れ)、ショットガン、スマホ
【道具】支給品一式
【思考】基本:SATSUGAI
0:一行の消耗具合を鑑みて、一旦ビッグサイトへ帰還する
1:体制が整ったら再び参加者のSATUGAIのために東京へ繰り出す


【円堂守@イナズマイレブン】
【状態】疲労(大)、ゴー・トゥ・ヘル習得
【装備】なし
【道具】支給品一式
【思考】基本:SATSUGAI、しようぜ!
0:右京さんの指示に従い、ビッグサイトへ帰還する
1:体制が整ったら再び参加者のSATUGAIのために東京へ繰り出す


【河名コトミ@エデンの檻 死亡確認】

802ラーメン戦争、勃発!:2014/10/03(金) 02:17:50 ID:.TJRB3TE0

「ラーメン三銃士を連れて来たよ」
「ラーメン三銃士?」

 西に向かっていたオートバジン(と、支給品の乾巧)の前に現れた男。
 そう、皆さんご存知日本ラーメン総合開発研究所所長の長井伸助氏である。
 それに困惑するオートバジン(と、支給品の乾巧)であったが、話だけを聞くことにした。

「麺の専門家、乃士勇造」
「うっす、よろしく」
「スープの専門家、出川実」
「がんばります、よろしく」
「チャーシュー・メンマなど具の専門家、多木康」
「よっす、どうも」

 だが、オートバジン(と、支給品の乾巧)は疑問に思った。
 ラーメン三銃士達の髪色が本来の黒ではなく、銀だということだ。
 それはどうしてか? と、支給品なのに乾巧は聞いた。

「それはな……」
「「「貴様をラーメンにするためだッ!!!」」」
「は?」

 全員四条化していた。
 そして、異変に気付いた支給品の乾巧はファイズに変身しようとしたが……
 オートバジンに止められた、流石に2(一人は支給品)対4では分が悪いのだ。

 三十六計逃げるに如かず。
 古来からある中国の兵法である
 しかし……

「クッソ! なんだよ、こいつらの脚力!?」

 全員十傑衆走りで追いかけてきた。
 その速さはオートバジン並にある。
 そりゃ、ラーメン三銃士もテラカオス化しかけてるからね。

「「「「貴様もラーメンにしてやろう!!」」」」
「馬鹿じゃねーの!!」

オートバジン(と支給品の乾巧)を追いかけつつもラーメン三銃士たちは参加者をラーメンにしていく。

【海動剣@マジンカイザーSKL 死亡確認】  
【真上遼@マジンカイザーSKL 死亡確認】
 死因:ラーメン三銃士にラーメンにされた。

 ラーメン三銃士達はラーメンを啜りながら走る。
 麺が飛び散り、スープが飛び散り、具が飛び散っていくが、それでもオートバジン(と、支給品の乾巧)に迫る。

「食えてねぇじゃねーか!!」

 そんな野暮なツッコミを入れつつも逃げる。
 そんな彼らが滋賀県に差し掛かった所であった!
 
「レッグラリアート!!」
「ガハッ!?」
「「「「!?」」」」

【長井伸助@美味しんぼ 死亡】

 もろにカウンターで入った鋭い蹴りは一撃で仕留めるには充分であった。

803ラーメン戦争、勃発!:2014/10/03(金) 02:18:17 ID:.TJRB3TE0


「「「何者だ、貴様!」」」
「――私は正義超人、ラーメンマン!!」
(またラーメンかよ……)

 ラーメンマンと名乗った額に『中』の文字が入った長身の男。
 すると、ぞろぞろとラーメンマンの仲間と思わしき者たちが現れた。
 
「どうした、ラーメンマン?」
「敵か?」
「邪気を感じますね」

 長い黒髪に非常に鍛え抜かれた肉体を見せる男――中国拳法の達人・烈海王ッ!
 黒いスーツ、白いローファーを着用した男――八極拳士・ジョンス・リー。
 赤い髪に華人服風の服を着た少女――気を使う程度の妖怪・紅美鈴。

「やるのか、このやろう!」
「貴様らもラーメンにしてやる!」
「ラーメンで一番大事なのは……具!」

 構えるジョンスと烈海王と美鈴。
 対峙するラーメン三銃士。

「八極拳士に二の撃はいらない」
「確かにな」 
「そうですね」

 そして、戦いの火蓋が切って落とされたッ!
 
 ……が、勝負はやはり『一撃』で決まった。


『八極拳士は一撃で相手を倒す』


 一撃。
 ジョンス達のたった一撃で。
 ラーメン三銃士達は凄まじく吹っ飛んだ。
 三者三様の方向に吹っ飛んだ。

 あまりの光景にオートバジン(と支給品の乾巧)は驚きを隠せない。
 そりゃあ、あんだけ強そうだったラーメン三銃士が一撃だったのだから、驚くよ。 
 
 そして、落ち着いたので情報交換に移る。

「アンタらは殺し合いには……」
「乗ってはいないが、乗った者は倒している」
「ラーメンマンのその考え……私は一向に構わんッッッ!!!」
「俺は特にやることは決まっていない……」
「私はですね、ジョンスさんに八極拳の手解きをしてもらいながらレミリアお嬢様を探しています」
「俺は別にそんなことはしてる気はねぇよ」
「で、アンタらはこれからどうするんだ?」
「一先ず、我々は四国に向かっている」
「なんでだ?」
「なにやらラーメンマンさんの知り合いがそこで殺されたって情報が流れたんです」
※ラーメンマンの知り合い=テリーマン
「四国に向かうことについては……私は一向に構わんッッッ!!!」 
「うるせぇ!」

 うるさい烈海王に一撃を入れようとしたジョンス。
 しかし、相手は中国拳法の達人、烈海王。
 その八極拳を上手く受け流した。

「やっぱ、アンタはいつか倒す」
「殺し合いが終わったらな」
「二人とも落ち着いてくださいよ」
(騒がしい奴らだ……だが、悪くはない)

 支給品の乾巧は少し寂しかった。
 この数時間、会話相手がほとんどいなかったから仕方ないのだ。

「それで君はどうするんだ?」
「俺は……一先ず、アンタらに着いていく……後のことはそれから考える」
「そうか」

 こうして、オートバジン(と、支給品の乾巧)の今後の行動方針は決まったのであった。

804ラーメン戦争、勃発!:2014/10/03(金) 02:18:44 ID:.TJRB3TE0


【二日目・5時55分/日本・滋賀県】

【乾巧@仮面ライダー555】
【状態】健康、首輪なし
【装備】ファイズギア@仮面ライダー555
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】基本:殺し合いを止める
1:一先ず、ラーメンマン達に着いていく
2:草加……
※支給品だったので首輪はありません。

【オートバジン@仮面ライダー555】
【状態】損傷無し、バイクモード
【装備】なし
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】基本:殺し合いを止める
1:たっくん(乾巧)についていく

【ラーメンマン@キン肉マン】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】不明
【思考】基本:対主催
1:情報を集めるために四国に向かう
2:ブロッケンJr.が心配
3:テリーマンの仇を討ちたい

【烈海王@範馬刃牙】
【状態】健康
【装備】スマホ
【道具】烈さん特製中華料理、砂糖水
【思考】基本:私は一向に構わんッッッ!!!
1:ラーメンマンたちに協力することには私は一向に構わんッッッ!!!
2:勇次郎が死んだことに衝撃を受けたが、私は一向に構わんッッッ!!!

【紅美鈴@東方project】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】不明
【思考】基本:ラーメンマンに協力する
1:レミリアお嬢様たちが少し心配。

【ジョンス・リー@エアマスター】
【状態】健康
【装備】必要ない
【道具】将棋セット一式、その他不明
【思考】
1:主催者倒して、ラーメンマン、烈海王と戦う
2:将棋セットを見ると頭が痛む

805ラーメン戦争、勃発!:2014/10/03(金) 02:19:11 ID:.TJRB3TE0


 一方、飛び散ったラーメン三銃士たちは……。
 まずはジョンスさんに吹っ飛ばされた麺の専門家、乃士勇造。
 天国まで吹っ飛ばされた……うん、死んだよ、八極拳士なめんよ。

【乃士勇造@美味しんぼ 死亡】

 次に烈海王に吹っ飛ばされたスープの専門家、出川実。
 山口県の下関まで吹っ飛ばされた結果……禁止エリアだったので首輪が爆発した。

【出川実@美味しんぼ 死亡】

 最後に美鈴に吹っ飛ばされた具の専門家、多木康は……。

「なんだ、お前は!?」
「お前こそ誰だ!?」

 何やら紫色の宇宙人と対峙していた。
 脇役たちの戦いが――――始まる!



【二日目・5時55分/静岡県・樹海】
【キュイ@ドラゴンボール】
【状態】ダメージ(極大)
【装備】スカウター(旧式)
【道具】不明
【思考】
基本:生き残る
0:目の前の地球人に対処する
1:身を隠せる場所を探す
2:もう野球はしたくない

【多木康@美味しんぼ】
【状態】ダメージ(極大)、四条化
【装備】チャーシュー・メンマなど具
【道具】不明
【思考】
基本:ラーメンで一番大事なのは……具!
0:目の前の宇宙人に対処する
1:あの女(紅美鈴)は許さない
2:他のラーメン三銃士たちと合流

806悪夢墜ちる日:2014/10/06(月) 12:48:14 ID:yxHOQQHY0
そこにたどり着くまで多くの犠牲が払われた……
熱斗組も、都庁軍も、DMC狂信者も、なのは組も、影薄組も、狸組も、天魔王軍も、ホワイトベース組も、拳王軍も、イチローチームも、ドラゴンズも、聖帝軍も、超人血盟軍も……
対主催も、マーダーも、主催やジョーカー、テラカオス候補者も、多くの者が天に召され、もしくは冥府に落ちた。
第四回放送時点でも200人以上いた強者達も、最終的に生き残ったのはたったの4人であった……


されど、この多くの犠牲があってこそ、彼ら4人は決戦の地に足を踏み入れることができたのだ。


紹介しよう。
最後に生き残った4人の勇者を!!



 世を統べる天魔王軍から オルゴ・デミーラ!! (結局AAが見つからなかったのでミス・ボンクレー氏に代理で登場していただきました)

   r‐'⌒ヽ、    ___   ,rーヽ、
  ト´    'r‐''"´::___`_ヽ〈   `i、
  {、   、 ソィ'''入ノ!ノヽィ_,`ヽ , ' _)'
  ヾ.ィ(_i_,r彳ノ~::i!::::::i!::::l!:::i!:´'.ト'-'´
      iー':::;r'ー'``''' ニ'、~ `'ー!|
      |::::i′   /i iヽ   |:!
      |:::::! .'ニ・ニ不下ニ・ネ!'
     !_:::| '"V゙V`' ||`'゙VV`|!          「私の美と力! 魅せてあげる!!」
     {ハ::l  f⌒i  || f⌒i n
      i ト';:! ``´ .-、!‐ `゙´ |ノ
     ヽ、ト、       ソ`V'`}
     ,_ |`|      _/_;-、;r、!
  r‐ヾ` / .!     ´ヾヽ、) /i
_r'  /::/ i :!     /`'、::`:;ノ、_
  /:i´  i i    ' 〃 厂{  } _,.ニ、_
./::::::::l   ! :',        } 〈/ `ヽ
:::::::::::::::l  l: .: '、    }  ,ノノ′  ',
::::::::::::::::',/:.:  .: .:`ーォ:'`ー'ヽ/ }    i}
::::::::::::::::::',.:.  .: .: ./ |:::::::::::::::`ヽ、  }
.``丶、::::::ト、   .: .ハ !:::::::::::::::::_;:、-` l}
    ノ:::::::', ヽ  /´!:::::::「 ̄




 主催幹部にしてリーダー格 ダース・ベイダー!!

                  .,,,--'r''''''r‐―-、,,、
             ,/`  l゙  |     `'-、
            : ,i´    |  l゙       ゙l
            .l゙     |  .|       ゙l
            |:   : :   |  | : _,,,,,,,,,,,,_   l
              | ,,-,,,, ゙゙̄''イ  ゙l゙,,,,,,-、,,,,`''-、|
              |l"",,,-ニニニ--''゙,―ー-,,"\`'゙l、
          .,i´| .j|`   `| : |`    .i゙l: .,!'i、│    「コーホー」
          │ .゙l:|゙'-,,,,,,,,,ri,l゙"'トrii,,,,,-,彡",l゙: ゙li、ヽ
         │  ゙li"二,,,,,,,,,,|/ii;|,,---ヽ,,,‐,i´.,/ ゙l,ヽ
         │   'lレ、  ,,/,|,,,,゙l゙lヽ、、 ,l゙,/.., |" ヽヽ
         :|    .゙レ゙l, , |i|'|| ||.|'|jヽ,゙''//.,,i´l゙   .ヾl、
         l、    .`ミ||r},|,|,|,||,{,||,レ/jニ'"  ヽ,,.._,,,,,-'"
         `゙'―---rr゙'": :=ニ'''''''',/' `゙` ..,,i´ ―ー、_
             _,,,,/: :)    `'''"   .,,-‐゙     `''-、、


 特命係にしてDMC信者 右京さん!!

  !三二';    ..     ....:::    "';::l      / ̄ ̄ ̄ \
  l-=ニ彡   ::        _.-‐=、 i/ヽ     |  |  十  |
   !三彡'  _,=-;;_-..、   :::',,..ニ-‐-、 ',~il    .|  レ (」ヽ  |
    'i,;'彡  '" __,,...二.,_::  i .ィ''t_テ` li"レ|     |.  l  、  |
   ,''-彡‐,_,'"、‐''t_ア> )‐=ヽ.__..,, ‐' .::iノ     |   レ . ヽ  |
   ',ヽ~;"  ` ..__,,.. '   :::..   ...:: l'    _ノ    (⌒)  .|
    ヽ`、!、          ;;::';:.    |      ̄ヽ   「   /
     \`、     .'゛ '‐- .:''^  '、  !       \  ・ ./
      `-、    '    .:: __.、 i ,.'ヽ_          ̄ ̄
.        ' 、   ;''-‐‐'' ~_ ' ' /  .〉\
          \     ''~   ,. '  /   '、.,,
       _,,...-''iト、ヽ、.., ___ _,,.. '   , '    i ゛' .、._

807悪夢墜ちる日:2014/10/06(月) 12:49:14 ID:yxHOQQHY0


 
 影薄組から美少女雀士東横桃子が参戦!!




                         「頑張るっす!」



          ↑この辺にモモ



以上の4人が最終決戦に挑む。

……このメンツにツッコミを入れたい人々もいるだろう。
対主催であるステルスモモはまだしも、主催の一人であるベイダー、世界征服を企んでいた天魔王、狂人マーダーと化していた右京さんなど、三人は折り紙つきの危険人物であったはずだ。
手短に説明すると、彼らはなんやかんやあって善の心に目覚めて改心し、今はこの殺し合いを開いた巨悪を討つべく一致団結したのである!
そしてこの世界に大災害という破滅的な打撃を与え、殺し合いという悲劇を起こした巨悪とは――


















     __
    γ,:-ミ:、.-―――-:、,ィニミ、
    弋,ゝ'´         ヽ.ノノ
     /   -―-    -―-   ヾ
     ,′   ●     ●     ’
     {       ,.、       }
    .    、__`ェ’__,     ,′
      ヽ     |__-一__|     /
      ヽ    ̄二 ̄   /        「僕だよ」
         >ュ- .___ ..ァ "`;ゝ、
       入:::::弋____,ノ::::::::;′ ヽ
      i l:::::::::::::::::::::::::::::::::{    ヽ
      | |::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ、    ヘ
.        l i!:::::::::::::::::::::::::::::::::::::、    ヘ
        ! l!:::::::::::::::::::::::::::::::::::::iヽ    i
       |  !::::::::::::::::::::::::::::::::::::| i    l
.         l  |::::::::::::::::::::::::::::::::::::i! l    !
.        |  i}:::::::::::::::::::::::::::::::::::ハ !   l
        ,:   j:::::::::::::::::::::::::::::::::::::'; i    {
      (o _/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i /   ,)
      `i、(j\::::::::::::::::::::::::::;ィ'''¨1`ーt_;:.ノ
.         l  \:::::::::::::/    |
.          l    ヾ::/      |
        |     |i      


「まあ! 可愛いクマちゃん!」
「あなたが全ての黒幕だったとは……」

――最凶の変態紳士、クマ吉であった。
なぜおまえが……と誰も予想できなかったぐらい、まさかまさかのラスボスとして登場である。

808悪夢墜ちる日:2014/10/06(月) 12:50:17 ID:yxHOQQHY0

「待ってください! この熊は確か見せしめで死んでいるハズっすよ!?」
「コーホー、こいつは野比玉子症候群患者。死んでもすぐに蘇る男だ」
「フフフ、その通りさ」
「答えてもらおう。なぜ大災害を起こし、我々主催を騙して殺し合いを開かせた!?」

そしてクマ吉の口から明かされるTCBR10の真実とは?

「世紀末的な世界でのバトロワなら、モテない僕にもなんらかの恋愛フラグが立つと思っていたのさ。
吊り橋効果って知ってるだろ? 危険な状況ほど相手に惚れたくなる……それを利用しようと思ったのさ」
ΩΩΩ<ナンダッテーーーッ!!?
「コーホー……なるほど、確かにおまえは序盤では一人の少女と行動を共にしていたな」
「ああ、あの娘は良い子だった。僕の嫁にするにはちょうどいい娘だった。
後は僕がこのロワの主役になれるような工作を各所で仕込み、僕が主催をかっこよく蹴散らして彼女の心を射止めれば僕の勝ちだった。
僕が黒幕だと気づかれないように状態表の偽装まで行ったほど用意も周到だった。しかし……」
「貴様の彼女候補は……序盤で死んだな」
「ああ、そうさ! せっかく恋愛フラグ立ちそうだったのにのにあっさりと折られたよ!
なんかドラマが生まれそうだったのに壮大に何も始まらなかったよ!
その後もめげずにDMC狂信者に入って彼女を作ろうとしたけどダメだった!
気がついたら参加者も一桁台に減って終盤の終盤だよ! いったい僕の何がいけなったんだ!?」
「カオスロワは何が起こるかわからないロワ。
いくら自分に都合の良い様な仕込みをしても容易く切り崩されるものなのですよ」
「えーっと、まとめると非リアがリア充になりやすい状況を作り出すために世界で大災害を起こし、自分が活躍できる出来レースになるようにベイダー卿達を騙して主催に仕立て上げたってことっすか?」
「ただのバカじゃない」
「コーホー、くだらん理由のために多くの者が犠牲になったというのか! 許さんぞクマ吉!!」

四人の勇者は怒りのままに戦闘態勢に入る。
しかし、クマ吉は一切臆した様子もなく毅然と立っていた。

「フッフッフ……愚かな。君達は何もわかっちゃいない。
なぜ僕がラスボスなのか? 参加者全員がまとめてかかってきても僕には敵わないからだ。
そして思い知るがいい。
一切の見返りもなく殺される野比玉子症候群患者の悲しみと、彼女作りたくとも作れない非リアのルサンチマンを!!」


そして、次の瞬間にはクマ吉の必殺の一撃が、四人に襲いかかっていた。

809悪夢墜ちる日:2014/10/06(月) 12:51:51 ID:yxHOQQHY0

                 ,.r= 、,..=ー-r'´¨ヽ
                 {,r<,  、/ ` 、リ
                 ,' ,,,゚ rっ ゚,,,   〈
                      i   t`=ァ'    }
                   ',           /  「究極紳士拳奥義 本 能 覚 醒 !!」
                  ゝ、     ,.ィ
                _ ,..ィ{ ', i! /チt-、=- .,_
              ,r'’  /::ム_ ` ,-=_,.|::l    `ー=、
             ,/   ノ:::::::::::: ̄::::::::::::::l `    l//:`x
           /   !::::‖{にゃん美}::::!. l/    `,////`、
             ,'./    l、:::::t:::::::Y:::::::::::::::::ム_!     V////ム
            ./ !    ノ/}::::i!:::-::!::-:::{:::::::::::ハ 丶   ,.V,..,////`=、_
           / l   ,.リ//!:::::i:::ー!-:::::i:::::::::::l//`・、` -=   `'<////// ̄/==─--
          ,r' 、  .r''’///}:::::l::::::::}{:::::::l:::::::::::l////ム         `<_,.._//////////
       _/    !/////::::::i::::r'´::::`:::!::::::、::マ/////`:.、      、   ` !_//////
      ム/    /////::::::::l::::::::::::::::::::l::::,r'::::ゝ、///////`=‐._  `ー  ノ `ォ/////
     ///    ,イ///ノー-=、::::::::::::::::::::::;::::::::::::::::マ///////////ム  r'_/  メ/////
    ///,'   ///,'/    }::::::::::::::::::/  ̄ ̄``t////////////`ー、  ,.ノ///////
  .,:'//‖  ‖////     `.V::::::::::::::{./     ':,//////////////`='/////////
 ,.:'////   `、//      ー`、:::::::::/          V////////////////////////
//////  r、 、 V   i    l   }::::':l      t,   V////////////////////////
////,'ム 、_ノv'   ,'    l  /'.^`l       '! .   Ⅶ//////////////////////
//////`ー='’‖  /  、   }///:l       l    Ⅷ/////////////////////
///////////,'  ノ    /   l////!         {    l//////////////////////
///////////!          /////:ム        ‖  ‖/////////////////////
//////////,l /         ∧/////ム     /   、!//////////////////////
.マ////////:l          /////////:ム         マ////////////////////
 `x//////_}          l////////////`、        }///////////////////>'


全ては一瞬であった。
攻撃が一つでもクマ吉に届く前に、一人でも回避行動に移るよりも早く、闘気の波が四人に襲いかかった。
クマ吉の闘気を受けた四人は弾けとんだ――

                   _
                  / jjjj      _
                / タ       {!!! _ ヽ、
               ,/  ノ        ~ `、  \        _
               `、  `ヽ.  /⌒ヽ , ‐'`  ノ      /  `j 
     ∧_∧_      \  `ヽ(´●▲●`)" .ノ/    /  /`ー' 
    (´□ω□`)  ̄"⌒ヽ    `、ヽ.  ``Y"   r '     〈  `ヽ    
   / ) ヽ' /    、 `、   i. 、   ¥   ノ       `、  ヽ<<<
  γ  --‐ '      λ. ;   `、` -‐´;`ー.イ         〉    ´△ω)    ,-、、
  f   、   ヾ    /   )    i 彡 i ミ/         / ノ    ̄⌒ヽ   「  〉
  !  ノヽ、._, '`"/  _,. '"     }    {         ノ  ' L     `ヽ./  /
  |   ̄`ー-`ヽ 〈  < _ ヽ.    /     `\      / , '    ノ\  ´  /
   !、__,,,  l ,\_,ソ ノ   /   /ヽ、  ヽ.     (     ∠_   ヽ、_, '
       〈'_,/ /   /   /  ノ    ヽ.   )     i  、      ヽ
      右京さん          ベイダー卿             天魔王様            ↑この辺にモモ



「「「「うわああああああああああああああ!!!」」」」

810悪夢墜ちる日:2014/10/06(月) 12:52:50 ID:yxHOQQHY0

――衣服が。
萌えポイントとして全員靴下以外(ベイダーのみ兜のオプション付き)の全ての身に纏うものが霧散した。

「フッフッフ。
究極紳士拳は某脱衣拳をベースに僕がアレンジを加えた拳法だ。
この拳の前にに脱がせられない服や鎧はない!」
「くッ、余のお気に入りのスーツとマントが……おのれ!」
「ですが所詮は服を脱がされた程度、被害は防御力が多少落ちたぐらいで戦闘に支障はなさそうです」
「あの……私は乙女の恥じらいが……」
「アンタどうせ皆から見えないんだから裸でも良いでしょう!」
「コーホー、たかが服を脱がしたくらいで図に乗るな!!」

全裸にひん剥かれたが肉体的な損害は一切なく、四人の戦意は衰えを見せなかった。
世界を救うためなら見てくれを気にする暇などないのだ。
……だが、そんな四人を前にしてクマ吉の表情は余裕そのものだった。

「抵抗するだけ無駄だよ。君達はもう――社会的に死んでいる」
「何を……あぐっ!?」

クマ吉に再度攻撃を加えようとした矢先、四人の身体に変化が訪れた。


                  .,,,--'r''''''r‐―-、,,、
             ,/`  l゙  |     `'-、
            : ,i´    |  l゙       ゙l
            .l゙     |  .|       ゙l
            |:   : :   |  | : _,,,,,,,,,,,,_   l
              | ,,-,,,, ゙゙̄''イ  ゙l゙,,,,,,-、,,,,`''-、| 「なんだか体が熱く……コーホーコーホー///」
              |l"",,,-ニニニ--''゙,―ー-,,"\`'゙l、
          .,i´| .j|`   `| : |`    .i゙l: .,!'i、│  
          │ .゙l:|゙'-,,,,,,,,,ri,l゙"'トrii,,,,,-,彡",l゙: ゙li、ヽ
         │  ゙li"二///,,,,,,,|/ii;|,,///ヽ,,,‐,i´.,/ ゙l,ヽ
         │   'lレ、  ,,/,|,,,,゙l゙lヽ、、 ,l゙,/.., |" ヽヽ
         :|    .゙レ゙l, , |i|'|| ||.|'|jヽ,゙''//.,,i´l゙   .ヾl、
         l、    .`ミ||r},|,|,|,||,{,||,レ/jニ'"  ヽ,,.._,,,,,-'"
         `゙'―---rr゙'": :=ニ'''''''',/' `゙` ..,,i´ ―ー、_



  !三二';    ..     ....:::    "';::l 
  l-=ニ彡   ::        _.-‐=、 i/ヽ   
   !三彡'  _,=-;;_-..、   :::',,..ニ-‐-、 ',~il
    'i,;'彡  '" __,,...二.,_::  i .ィ''t_テ` li"レ|
   ,''-彡‐,_,'"、‐''t_ア> )‐=ヽ.__..,, ‐' .::iノ  「他人をレ○プしたい感情が収まりません!!///」
   ',ヽ~;"  ` ..__,,.. '   :::..///...:: l' 
    ヽ`、!、 ///      ;;::';:.    |   
     \`、     .'゛ '‐- .:''^  '、  ! 
      `-、    '    .:: __.、 i ,.'ヽ_  
.        ' 、   ;''-‐‐'' ~_ ' ' /  .〉\
          \     ''~   ,. '  /   '、.,,
       _,,...-''iト、ヽ、.., ___ _,,.. '   , '    i ゛' .、._


   r‐'⌒ヽ、    ___   ,rーヽ、
  ト´    'r‐''"´::___`_ヽ〈   `i、
  {、   、 ソィ'''入ノ!ノヽィ_,`ヽ , ' _)'
  ヾ.ィ(_i_,r彳ノ~::i!::::::i!::::l!:::i!:´'.ト'-'´
      iー':::;r'ー'``''' ニ'、~ `'ー!|
      |::::i′   /i iヽ   |:!
      |:::::! .'ニ・ニ不下ニ・ネ!'
     !_:::| '"V゙V`' ||`'゙VV`|!
     {ハ::l  ///  || /// n
      i ト';:! ``´ .-、!‐ `゙´ |ノ   「もうギンギンよぉ〜///」
     ヽ、ト、       ソ`V'`}
     ,_ |`|      _/_;-、;r、!
  r‐ヾ` / .!     ´ヾヽ、) /i
_r'  /::/ i :!     /`'、::`:;ノ、_
  /:i´  i i    ' 〃 厂{  } _,.ニ、_
./::::::::l   ! :',        } 〈/ `ヽ
:::::::::::::::l  l: .: '、    }  ,ノノ′  ',
::::::::::::::::',/:.:  .: .:`ーォ:'`ー'ヽ/ }    i}

811悪夢墜ちる日:2014/10/06(月) 12:53:31 ID:yxHOQQHY0




         /// ///           「私もなんだか体が疼いてきちゃったっす」



          ↑この辺にステルスモモ


突如として四人が悶え苦しみ……訂正、肌を紅潮させてモジモジと悶え出した。
この異変についてクマ吉は説明する。

「究極紳士拳には肉体破壊能力はない。
その代わりに、確実に発情させて性本能に逆らえないようにする……そんな経絡秘孔を確実に突くのが究極紳士拳の極意さ。
すなわち――」
「余のライトセーバーがメイス・ウィンドゥのように!?」
「ああ、私の亀山くんが鑑識の米沢さんのように……」
「私のアイアンタートルがアストロン状態に!」
「――君達は既に淫夢の中の野獣さ。
ああ、ちなみに性欲が強くなりすぎて穴があれば性別問わず誰でも襲うようになるからね」

拳を食らった時点で、もはや四人に勝機はなかったのだ。
そしてクマ吉の説明通り、野獣と化した三人の男達は仲間同士で絡み合い始める。

「コーホー/// 右京よ、はやく余のダークサイドの中へおまえの立派なC3POを入れてくれ」
「今、とっておきの相棒を入れますよ///」
「右京、あんたのロンダルキアを貸しなさい……ああん、もうだめ我慢できない、アモールの水が溢れちゃう///」




その姿はまさしく、三連結だ!!




┏━━━━━━━━━━━┓                                      ┏━━┓
┃                      ┃                                      ┃    ┃
┗━━━━┓  ┏━━┓  ┃                                      ┃    ┃
          ┃  ┃    ┃  ┃                                      ┃    ┃
          ┃  ┃┏━┛  ┃                                      ┃    ┃
          ┃  ┃┃      ┃            ┏━━━━━━━━━━┓  ┃    ┃
          ┃  ┃┗━━━┛┏┳┓┏━┓┃                    ┃  ┃    ┃
          ┃  ┃          ┃┃┃┃  ┃┗━━━━━━━━━━┛  ┃    ┃
          ┃  ┃          ┗┻┛┃  ┃                          ┗━━┛
          ┃  ┃          ┏━━┛  ┃                          ┏━━┓
          ┃  ┃          ┃        ┃                          ┃    ┃
          ┗━┛          ┗━━━━┛                          ┗━━┛


色々酷すぎる、勇者の敗北であった。

「はっはっはっは! 見たか!
これが非リアの力だ……って、なんで皆、野獣のような目でこっちを見てるの?
ま、待って、僕は変態という名の紳士だけどそっちの趣味は(ryアッー!!!」

黒幕も掘られた。
こうして世界は勝者も敗者もなく、クッソ汚いノリで終末を迎えたのだった……


 ――GAME OVER――


「……あれ? 私は?」←空気過ぎて無視された東横桃子


■□■□■□

812悪夢墜ちる日:2014/10/06(月) 12:54:08 ID:yxHOQQHY0

少年の朝は嘔吐から始まった。

「うおえええええええ!!!」
「ひいい、ジュンくん!?」
「ハア…ハア……今のは夢か……」

埼玉県春日部市にあるお宅に参加者である少年桜田ジュンと、少女絵理は篭城していた。
数時間前に自分達を助けてくれた地獄公務員にはついていかなった二人は、殺し合いが終わるまで引きこもることにしたのだった。
休めるなら休めるうちにと、二人は交代で睡眠を取ることにしたのだがジュンは運悪く悪夢を見てしまったようである。
吐き下したジュンに若干引きながらも絵理は心配そうに声をかけた。

「大丈夫なの? 物凄くうなされてたけど……」
「とてつもない悪夢を見たんだ……放送にも出ていたダース・ベイダーと眼鏡をかけたおじさんと、オカマみたいな悪魔や透明人間……それからスクール水着を着たクマが出てきて……いや、もう思い出したくない」

荒唐無稽、そしてSAN値が確実に下がる刺激の強い夢だった……

「ジュンくん、起きたばかりで悪いんだけど、すぐに出発しなければいけなくなったわ」
「え? どうして?」

いきなりの発言に困惑するジュンに、絵理は深刻そうな顔で質問に答える。
ジュンが寝ている間にネットに関する知識が深い絵理は家のパソコンを拝借し、ネットを使って情報収集を行っていた。
情報収集の結果、放送で指名手配された食人鬼やDMC狂信者の大集団が出没したりなど、埼玉県も東京程ではないにしろ激戦区になりつつあるとのことだった。
この民家ひいては埼玉県にこのまま居座り続けるのは危険であろう。
そして絵理がこの場から発ちたい理由がもう一つあった。

「4時頃に小さな地震があったんだけど、その時からこの子達の様子がおかしいの」
「シャルロッテとキルステンが?」

ジュン達の支給品である二体の魔女が部屋の隅で震えていた。

「例の地震にあの子達を怖がらせるだけの何かがあるんじゃないかと私は睨んでいる」
「まさか大災害がまた来るとでも……」
「そんなことはない……と思いたいけど、ネットでの情報では震源は東京にあるらしいわ。
その情報が本当なら、東京に隣接している埼玉も危ない……かも」

埼玉県に留まる事の危険性を理解したジュンは唾を飲み込む。

「……わかった。移動しよう」
「うん、もっと安全な県を探した方いいかもしれないわね」

こうして二人は荷物をまとめ、春日部にある民家を後にするのだった。
しかし、いざとなればシャルロッテとキルステンがついているとはいえ、以前に襲撃された狂信者キバの件もあり、二人の不安は大きい。

「う〜ん、これだったら怖がらずに、あのヤバそうな二人組に付いていった方が」
「そうかもしれないわね……」

ヤバそうな二人組とはキバを倒した地獄公務員達のことであり、内向的な二人と過激な性格の彼らとはソリが合いそうになかったので別れてしまったが、それが間違いだったと後悔し始める。
だが、その公務員達もあっさりと敗北し、ラーメンにされて喰われて死んだことを二人はまだ知らない。
動向すれば確実にジュン達も餌食になったであろう……世の中は必ずしも強い者についていくことが正解とは限らないのだ。


そのように不安で重い足取りでしばらく歩くと、二人は一人の人間の死体を目撃する。


【俺@このSSの書き手 死亡確認】死因:自害


「うっ……これは……」
「ジュンくん、やっぱり埼玉県はやばいよ。 はやくこんな場所から出ようよ!」
「そ、そうだな!」

死体を見るや否や、耐え難い恐怖を覚えた二人は鈍足から駆け足に変わる。
死にたくないという思いが二人の足を早くしたのだ。


果たして、死と隣り合わせになった悪夢のような現実の中で少年少女は生き延びることができるのか?

813悪夢墜ちる日:2014/10/06(月) 12:54:35 ID:yxHOQQHY0


【一日目・6時30分/埼玉県春日部市】


【桜田ジュン@ローゼンメイデン】
【状態】精神疲労(中)
【装備】なし
【道具】支給品一式、シャルロッテ@魔法少女まどか☆マギカ
【思考】基本:死にたくない
1:少しでも安全な県に移動する
2:家族や友人、ドール達と再会したい
3:見せしめに殺された女(巴マミ)が生きていたのは……?
4:それにしても嫌な夢だった……


【水谷絵理@アイドルマスター ディアリースターズ】
【状態】精神疲労(小)
【装備】なし
【道具】支給品一式、H.N.エリー(キルステン)@魔法少女まどか☆マギカ
【思考】基本:尾崎さんやサイネリア、876プロの皆と再会して生き残る
1:少しでも安全な県に移動する
2:とりあえずジュンと共に行動する
3:魔女達がさっきの地震に怯えている?


〜おまけ〜

あるワンシーンにおいて、モモのステルス能力がなかった場合↓

                         .i
                      _,.||.-ー―――- _
,                      ,..-彡-.|| ::::::::::::::::::::::::::::::>ー 、
                   ,,ィiリ'":::/.|.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
                  /:/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\i
                     /::〃::::::::::〃::::〃::::::::|::r㍉:ヽ::::::::::::::::::||ヽ
                      /:;/:::::〃:://:::/:::::::::::::〃 ';:::';:::::';:::l::::::::::|.:::|
                      l:::li:::〃::/ l::::/::::::::::::/l::lu. |i::l:::::}::::|:::::::::::::::',
                   Y八:::i:l丁リi下::::::/ |:l _i::l:::::|::::l:l:::::::::::::::l
                 /:::リリ| f笊ハ/   ソ|丁リil:::/:::::';}:::::::::::::',
                   /::::::/::::| o弋ソ    __ _| |:/:::::::::',::::::::::::::',
                /|:::::::l:/l::| :::::::|:::     ´ ̄`|`|:::::::::::::l:㍉::::::::::l
.                    /::l:::::::リ::::|:_ゝ | ´   :::::::: |::|:::::::::::::|::::ヽ:::::::::l
                   l::/|::::r;-‐:||‐ - 、 ⊂ー_ァ _.イ|:l:|:::::::i::::ハ:::::',::::::::}
                    |:l l|'  !!   ヽヽ ,.イ/ _.|:| l:::::::|:::l ',::::l::::::::|  「私もなんだか体が疼いてきちゃったっす」
   i            |::::|           v >' ´ .リ リ:::::l::ノ l:',:::}:::::::l
   |            ,'\{          .,.'´       .ノ|::::l/\ノ |::ハ:::/
   |              i          ,'         l/ノ  ヽリ |/
   |i           八|!       ,.. -'、              |
   ||           ./ ...`ァ-|― '´     ` 、  i     u  i!八
   ||          /     |  !          `ヽ!  u'   ,. イ . \             .ii
``ヽ||  :        /      !       ,      | ` ーァ<      \           .||
   || ` 、     ./    ..∧       {          /  .\      \       ., - ‐ ||‐
   !!    ` 、 /      ./..ハ       ヽ         /   ...\       .\ , ' ´u   ||
          ||ヽ.   /  .:}        i}      ,.イ        \  ,  ' ´       } i!
\        ||  \ ./ ./ ヽ      ノ     ' <        , ' ´         /
  ヽ.i       !!    \V                      ヽ,  '´               i /
    ||            \                 /             ||
   ||             \ヽ           / /               /|
   ||                    \          /'                  /
    !`、 u             ヽ           /                    /
      、                   `、     /                  /

814悪夢墜ちる日:2014/10/06(月) 12:59:20 ID:yxHOQQHY0
投下終了です。
お目汚し失礼しました。
最後のおまけのAAは見えちゃいかんでしょってところは削除改変したつもりですが、健全ではないと思ったら削除してください。

815言えない……本編で全裸にしようと思っただなんて:2014/10/06(月) 20:57:13 ID:EEdwbzLk0
『1000』

この数字には、不思議な魅力と魔力がある。
たとえば現在の日本の貨幣。一番最初のお札が1000円である。
たとえば西暦。1000年周期で大はしゃぎし、2000年にはミレニアムベビーだの2000年問題だの色々とあった。
たとえばキャラ付け。1000年を生きる存在などと言えば、大抵強キャラになる(当然例外もいるが)
たとえば某略称支部。1000user超えまでくれば、相当な評価であるという基準になっている。
たとえば某電子掲示板。1000で一つのスレが終了するため、場所によっては1000の要望を叶えるスレ主もいるという。

さて、この混沌の殺し合いの中でも掲示板は非常に重宝されているわけだが、当然にスレの流れは異様に早い。
特に総合して危険人物を挙げていくスレの勢いは凄まじく、二日目の朝の時点で1000スレ目に到達。
そんな記念すべき1000スレ目の1000レス目に、とある名無しはこう書き込んだ。

1000なら次スレ>>2〜4のキャラが全裸になる。

と。そして続く1001スレ目が建つと同時に早速取り合いが始まり……


ほ、本当に全裸になるでござるか!? ならば一瞬しか姿を見れていないが、あの三つ目の美しき者を全裸にして欲しいでござる!


馬鹿ですか、ここはあのダース・ベイダーの奴を全裸にして辱めてやるのが一番。ついでに愚かな道に走ってしまった警部殿もね!


私ね、主人公なんだけどおもちがなくてしかも地味っていわれてるの。魔王だのマシーンだの感情がないとかもう風評被害もすごいの。
でね、自分は存在感が薄いとか言ってるくせに、登場するたびに存在感抜群のおもちがさらに増量されてく憎い子がいるの。
もう実名で書いちゃうね。この願い叶うなら、鶴賀の東横桃子さんを脱衣麻雀なりなんなりで全裸にひん剥いちゃって!

あっという間に>>2〜4は埋まった。
まあ所詮はいつもの>>1000のお遊び、戯れごとである。
命がいつ失われてもおかしくないこの世界においてボケ続けるのにも限度はあり、レスが10を超えたあたりから本来の用途……
つまりは危険人物の情報を取り扱うスレに戻っていき、前スレ1000の話題は早くも流されていった。




   そ   の   時   !   不 思 議 な こ と が 起 こ っ た ! 



1000スレ目の1000レス目、いつもの1000の力がこの時相乗効果をもたらす!
蘇生魔法の使用不可、なんでもないキャラが理不尽級まで底上げ、強キャラのズガン……
あらゆる補正、制限、カオスを超えて終末が近づく!

天の理さえを捻じ曲げ、1000の願望……つまり次スレ>>2〜4の願望は1000を司る神によって叶えられた!
その絶対的な力は、たとえ勇者や魔王だろうが神だろうが、主催者だろうが死者だろうが何人たりとて抗うことなどできぬ!
つまり……!

816言えない……本編で全裸にしようと思っただなんて:2014/10/06(月) 20:57:58 ID:EEdwbzLk0
〜東京某所〜

ズバーン!

「あら……何故かいきなり私の服が破れたわ。やあねぇ、あれ結構高かったのに。でも……」

たまたま側にあった鏡「コノヨデモットモウツクシイノハアナタデス」

「さすがワタシ……完璧な肉体だわ……思わず自画自賛しちゃうほどに!」
「な、なんて美しいんだデミーラ様の肉体は……! まるで麻雀の伝説の役、天地創造のような神々しさだ……!」
「巨人どもよ、貴様らは我らに執拗までにその醜い身体を見せつけてきたが……見るがいい、これが、真の肉体美だ……!」
「オーホッホッホッ!ありがとう二人とも。大体ねぇ、近年の魔王は魔法やブレスに頼りすぎて肉体の疎かな奴が多いのよ。
その点、ワタシは違う!私はちゃあんと正拳突きも体得してるのよぉ!(本当です)」
「「さ、さすがデミーラ様だ!」」

※オルゴ・デミーラにステータス『全裸』が付与されました



〜さらに別の東京某所〜

ビリィィィィィッ!

「うおっ!?なんや急に自分の服を破き捨ておって!?」
「いけませんねぇ……コトミさんが亡くなってついつい感情が昂ぶってしまい、抑えきれませんでした。
 昂ぶるとどこだろうとすぐに全裸になりたくなる……僕の悪いクセです」
「すっげー!さすが警察官!なんて鍛えられた肉体なんだ!クラウザーさんが蘇ったら一緒にサッカーやろうぜ!」
「そうですねぇ、たまにはサッカーもいいかもしれません。そのためにも、一刻も早く……」
「クラウザーさんを蘇らせるために、どんどん生贄を捧げないとな!」
「その通りです。それでは引き続きビッグサイトを目指しましょう」
(やっぱこいつら、色々な意味で狂っとるな……いや、あの嬢ちゃんも何故か最初から全裸やったけど……)

※杉下右京にステータス『全裸』が付与されました


〜東京都庁〜

バリーン!

「きゃああああああああぁぁぁぁぁ!?な、なんで私の服が弾け飛んだっすか!?」
「……巨乳もありかもしれない。ってそんなこと言ってる場合じゃなかった!もしかしたらフォレスト・セルの攻撃かもしれない!」
「ちょ、このまま私放置っすか!?レストさん装備品一瞬で作れるなら早く作って欲しいっす!」
「サイズの問題があるから、まず僕に3サイズを教える必要が出てくるよ?
それにフォレスト・セルを止めるとなると、僅かな魔力でも無駄にしたくない。悪いけどしばらくは全裸で我慢してくれないかな」
「大丈夫ですよモモさん。まだ服がなくなった程度、オオナズチにあんなことやこんなことされたわけじゃないんですから(遠い目)」
「それを言われると何も言い返せないっすけど……やっぱり恥ずかしいっす!かつてないほど万全のステルスしたいっす!」
「いや、きっと君のその身体は武器になるんじゃないかな。ステルスするのはもったいない」
「そうですね。これほどならホルスさんを誘惑してこちら側に引き込めるかもしれません。あの人、いっつも私の胸ばかり見てましたし」
「ジロジロ見ないでー!」

※東横桃子にステータス『全裸』が付与されました

817言えない……本編で全裸にしようと思っただなんて:2014/10/06(月) 20:58:41 ID:EEdwbzLk0
〜九州ロボ〜

ババババーン!

「コーホーッ!?な、何故、余の衣服が……!?しかも兜とマントだけ無事だと……!?
いかん、これでは他の者に示しがつかぬし、フォース的な意味でも大問題だ。はやく着替えを……」


『ベイダー卿へ
良かれと思って、スペアの服を念のためみんなクリーニングに出しておいたぜ!
黒い服だから汚れが目立ちにくいとはいえ、幹部クラスはやっぱりいつも綺麗な格好の方がいいからなぁ! ベクターより』


「…………なん……だと…………!?」


ガチャッ

「すまない、なにやらここに奇襲をしかける計画があるとか……」
「ジャック、すまないが急いで服を貸し……」
「ウホッ!いい身体!」
「!??」

※ダース・ベイダーにステータス『ほぼ全裸』が付与されました
※兜とマントは残っていますが、股間のライトセーバーは全開です


こうして、1000の奇跡は無事叶えられた。
しかし状況が状況であるため、あまり気にしている者もいなかったり我慢していたり。
結果として大局には影響のない、なんとも言えない奇跡に終わってしまった。
もし1000の力をもっと信じていたならば、1000スレ目の1000もきっと真面目に書き込んだだろう。
1000ならこの殺し合いがハッピーエンドで終わる、などと。
しかし再び1000の奇跡が起きる保証はない。
結局のところ、この殺し合いをどうにかしたければ1000の奇跡を願うよりも自分たちで行動した方が早いのだ。
全ての参加者に、幸あれ。

818言えない……本編で全裸にしようと思っただなんて:2014/10/06(月) 21:00:21 ID:EEdwbzLk0
投下終了。
微妙に先を越されてしまったため没にしようかと思ったけど、夢オチっぽいので一応投下。
ただこっちは普通に本編で不思議な力で全裸にしちゃってるんで、まずかったら破棄の方向で構わないです

819夏も終わり:2014/10/07(火) 17:07:05 ID:CaCSRdhA0
 一匹の蚊がいた。名前はない。
 彼女は餌を求めこの東京の街中を彷徨っていた。
 幸か不幸か、彼女は他の蚊よりも頑丈に出来ていた為、この季節にまで生き延びてしまっていたのだ。 
 しかし、季節は既に秋の初め。この時期、餌になる獲物は既に肌を服で覆い隠し、血を吸うのは難しくなっている。
加え、蚊の寿命も体力も限界にまで来ていた。とても吸血を行える状態ではなかった。
 それでも彼女が飛ぶ事を止めなかったのは生への執着故か、あるいはそれを理解する脳すらかったのか。
 今ここに、一匹のちっぽけで哀れな生が幕を閉じようとしていた。

 「おや。知らないのですか? 今、このファッションが英国で流行っているんですよ」

 移動しながら、一人の紳士が豪快に紅茶をティーカップに注ぐ音が響き渡る。
 何故か妙に高い位置からティーポットを傾けているその仕草は、マナー違反ながらもどこかしら上品さを感じられた。

 「すげえ。流石、右京さん。流行の最先端を行ってるぜ!」
 「時代を先取りしすぎとるな。誰も追い付けんほど」

 他に二人、サッカーをパンパン忙しくなく蹴りながら若干興奮気味な少年とガタイのAV良い男優のような男が目に入る。
 だが、そんなことはどうでも良かった。今、彼女の目に入ったのは、紳士のその姿が一糸纏わぬ姿であったということ。
 この季節には非常に珍しい。歓喜に震えながら、彼女は最後に力を振り絞り、紳士の肌へとしがみ付き針を刺し血を吸い上げる。
 味はそこまで良くなかったが、最後に食事を取れたのは良かった。そのまま彼女は力尽き、満足しながら生を終えた。

【蚊@現実】死亡

 「痒いですねぇ」

 そして杉下右京はテング熱に感染した。



【二日目・7時05分/東京・築地】


【杉下右京@相棒】
【状態】疲労(大) 全裸 テング熱感染
【装備】ガトリングガン(弾切れ)、ショットガン、スマホ 、ティーセット
【道具】支給品一式
【思考】基本:SATSUGAI
0:一行の消耗具合を鑑みて、一旦ビッグサイトへ帰還する
1:体制が整ったら再び参加者のSATUGAIのために東京へ繰り出す
※テング熱に感染しました。

【松本人志@現実】
【状態】ダメージ(小)、疲労(大)、DCS状態
【装備】浜田雅功人形、グラコスの槍
【道具】支給品一式、メトロン星人人形
【思考】基本:浜田の蘇生
1:DMC狂信者に手を貸し、隙あらばクラウザーの蘇生手段を奪って浜田を生き返らせる
2:浜田を生き返せないようなら一人でも多くの参加者をあの世に送る
3:一行のビッグサイトへの帰還に合わせてビッグサイトの内部に潜入し、クラウザーの蘇生手段を探るもしくは奪う
4:3の結果次第ではDMC狂信者と手を切る


【円堂守@イナズマイレブン】
【状態】疲労(大)、ゴー・トゥ・ヘル習得
【装備】なし
【道具】支給品一式
【思考】基本:SATSUGAI、しようぜ!
0:右京さんの指示に従い、ビッグサイトへ帰還する
1:体制が整ったら再び参加者のSATUGAIのために東京へ繰り出す

 
【暁切歌@戦姫絶唱シンフォギアG】
【状態】ダメージ(小)、疲労(特大)、気絶
【装備】シンフォギア「イガリマ」
【道具】支給品一式
【思考】基本:SATSUGAI、自分の生きた証として絶対にクラウザーさんを必ず蘇らせる。
0:気絶中
1:調やマリアに会えたら説得してこちら側に引き込む 、もしくは蘇ったクラウザーさんの歌を聴かせる
2:風鳴翼については大いに失望
3:フィーネになってしまう自分の危険性を考慮し、クラウザーさんが蘇り次第、自分の命を断つ
※アニメ視聴者の方はお気づきかもしれませんが、自分が新しいフィーネになると思い込んでいるのは 勘 違 い です
※また自分がフィーネになると勘違いしている時期からの参戦です

820朝に散る花/赤い血の雨は降る:2014/10/12(日) 13:53:23 ID:SPtFOXCQ0

朝7時。
朝日が差し込む。
この時を持って遂に電撃戦が執行された。

空間が歪んで、現れた一人の超人。
真っ黒い身体に顔面に穴が開いた超人。

「ロケーションムーブ!!」
「「「「「!?」」」」」

四次元空間に誘われたのは数人の主催陣。
その行為が超人達と主催達の全面戦争の始まりを告げたのであった。


【九州ロボの腰辺りの熊本県】


「俺の相手はあのデカブツか」
「まさか、侵入者か!?」


―――バッファローマン対ビアン・ゾルダーク(ヴァルシオン)、戦闘開始。


【九州ロボの右腕辺りの新長崎県】


「あら、案外イケメンね」
「イケメンとはなにかわからぬが……貴様、妖の類か?」
「俺が応援してるぜ―――っ! ニンジャ―――っ!!」
「頑張れ―――っ! 幽香様――っ!!」
「俺たちはあのドイツの若僧を――っ!」
「ベルリンの赤い雨!」


―――ザ・ニンジャ対風見幽香、開始。
(観戦、ブロッケンJr.&モブのゆうかりんファン達)


【九州ロボの左腕辺りの大分県】


「カーカカカ! 全ては悪魔将軍様のためだ!」
「例え相手が女子供、良い子の諸君だろうと主催ならば!」
「キリカ、頼むわ」
「織莉子のために負けられないのよ」


―――四次元殺法コンビ対白黒の魔法少女、戦闘開始。


【九州ロボの足辺りの鹿児島県】


「貴様には借りがある、悪いがその命で返させてもらう……!」
「…………!」


―――飛竜対デウスエクスマキナ、戦闘開始。

821朝に散る花/赤い血の雨は降る:2014/10/12(日) 13:53:47 ID:SPtFOXCQ0


「なんということだ……なんということだ」

その場になかったために難を逃れたベイダー卿とジャック。
だが、ほぼ全裸のベイダー卿はモニターを見て頭を抱えた。
五大幹部の一人とロボにいた主催幹部格全員が分断された。

そして、残りの三人のアタル兄さん、アシュラマン、ベジータ王子がこちらに向かっているとの情報が流れた。
恐らくはこの三人が本隊。たった三人であれど超人血盟軍のトップと魔界のプリンス。
そして、バーダックと同じサイヤ人、しかもエリート戦士。

「風呂なんて入っている場合じゃなかった!!!」
「ウホッ! いい男たち……」


【ニ日目・7時00分/日本・九州ロボ 福岡県・五大幹部専用会議室】
【ダース・ベイダー@STAR WARS】
【状態】ほぼ全裸
【装備】ライトセーバー@STAR WARS
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】基本:テラカオスを成長させ完成に導く計画を遂行する
0:なんということだ……なんということだ……
1:計画のために殺し合いを促進させ、計画の邪魔をするものは消す
2:不足の事態に備えて予備のテラカオスを作り出すことも念頭に入れる

【ジャック・O@ARMORED CORE LAST RAVEN】
【状態】リンクスに改造、ほぼ全裸
【装備】フォックスアイ(ネクストに魔改造)@ARMORED CORE、拳銃
【道具】四条化細胞入りカプセル
【思考】基本:テラカオスを成長させ完成に導く計画を遂行する
1:計画のために殺し合いを促進させ、計画の邪魔をするものは抹殺する
2:四条化細胞に多大なる期待
※何故か服を脱ぎました。



【ニ日目・7時00分/日本・九州ロボ 福岡県】
【ベジータ@ドラゴンボール】
【状態】健康、へたれ、金髪恐怖症、首輪解除
【装備】野球のユニフォーム
【道具】支給品一式、ノートパソコン
【思考】基本:死にたくないので野球をする
0:もう駄目だ……おしまいだぁ……俺が主催者に勝てるわけないだろ……。
1:けど悪魔将軍様の方がもっと怖い
2:絶対に都庁には近寄りたくない
3:移動しつつツイッターはやる
※何度も瀕死状態から回復したので戦闘力が上がりました。

【キン肉アタル@キン肉マン】
【状態】健康、首輪解除
【装備】キン肉マンソルジャーのマスク、野球のユニフォーム、飛竜が書いた地図
【道具】不明
【思考】
基本:殺し合いを止める
0:超人血盟軍を率いる。
1:九州ロボに奇襲を掛ける。

【アシュラマン@キン肉マン】
【状態】健康、首輪解除
【装備】誰かの腕×6本にミットが5つ
【道具】不明
【思考】
基本:悪魔将軍様に従う
0:最低でも主催者の一人は倒す
1;ところでこの腕は誰の何だ?

822朝に散る花/赤い血の雨は降る:2014/10/12(日) 13:54:44 ID:SPtFOXCQ0

ヴァルシオンの砲撃を素早い身のこなしで避ける。
巨大ロボと超人のサイズ差を生かした戦法である。
ヒット&アウェイを繰り返しロングホーンで攻撃していく。
その攻撃を受けるたびにヴァルシオンのボディが傷ついていく。

「ヴァルシオンのボディに無数の傷が……?」
「硬いものは傷ついたら脆い常識だ!」
「そんな常識はない……!」
「その程度の認識じゃ甘すぎるぜ、ハリケーン・ミキサー!」

ヴァルシオンはバッファローマンによってぶっ壊された。
それはまるで超人界の頭脳がバラバラにされた時のように。
これが悪魔超人・バッファローマンの真の能力である。
超人強度で示せば8000万パワー以上である。

「さぁて、貴様らの目的を教えてもらおうじゃねぇか?」
「くっ、殺せ……」
「生憎だが、真の目的を聞くまで殺すわけにはいかねぇな」

ヴァルシオンを失ったビアンを殺そうと思えば、殺せる。
だが、バッファローマンは他の悪魔超人比べれば甘い。
悪魔超人・バッファローマンと名乗ってるが、その根本的な甘さ、いや優しさは正義超人たちとそう変わらない。
故に例え悪魔将軍の命といえど、少し躊躇していた。
だからこそ、情報だけ聞き出し、逃すつもりであった。
そして、ビアンは口を開いた。

「全ては人類のためだ……」
「何?」
「そのために私たちは……ガッ!?」
「!?」

ビアンが何かを言いかけた直後、背後から撃たれた。
撃ったのは名も無き一般モブの部下の一人。
ただ、淡々と任務をこなすために。

「秘密保持のためです、死んでもらいましたwww」
「てめぇ……!」

あと少しのところだった。
もう少しで何かを聞き出せた。
だが、それはもう叶わなくなった。

一先ず、今のモブの一人をハリケーンミキサーで吹っ飛ばし、バッファローマンは仲間と合流を目指すことにした。


【ビアン・ゾルダーク@スーパーロボット大戦OG 死亡確認】
死因:秘密保持のため射殺

【ニ日目・7時15分/日本・九州ロボ 熊本県】
【バッファローマン@キン肉マン】
【状態】1000万パワー、ダメージ中、首輪解除
【装備】ロングホーン
【道具】不明
【思考】
基本:悪魔将軍様に従う
0:人類のため……?

823朝に散る花/赤い血の雨は降る:2014/10/12(日) 13:55:25 ID:SPtFOXCQ0

リング上で黒い超人と黒い魔法少女が戦う。
余談だが、何故、こんなところにリングあるのかというと。
超人たちにとってリングは一般人でいう自販機のように一般的なものなのだ。
故に超人がいるところにリングがあるのは当然なのだ(ゆで時空理論)。

そんなわけでリングで戦いをしていたのだが……

「フォーディメンションキル!!」
BHがキリカを変形式ツームストンドライバーの体制に持ち込んだ。
キリカちゃんのパンツは丸見えだ。そのままマットに沈んだ。

「なんで先読みが利かないの……?」
「お嬢さんが先を読めるなら、その先を引き延ばせばいい」
魔法少女が使い魔もBHの顔のブラックホールで操るすぐにすっ飛ばされる。
ペンタゴンの時空を操る能力がキリカのスローにする魔法と織莉子の未来予知を完全に封じている。
タッグ戦と言えど、その力量差は明らか名コンビ『四次元殺法コンビ』が優勢なのだ。
むしろ、相性的には最悪の相手だったのが、運のつきだったのかもしれない。


「赤き死のマント!!」
キリカの首と胴体が切り離された。
「そんな、キリ……カ…?」
「悪魔超人を舐めるな――っ! 主催者の犬ども―――っ!!」
悠々と勝ち名乗りを上げるその顔は紛れまなく悪魔超人であった。

「さて……」

次の殺意は織莉子に向ける。
もちろん、それは悪魔将軍様のために主催陣は倒す。
その時である。

無数のエネルギー弾が四次元殺法コンビを襲った。
撃ったのは五大幹部の一人、サイヤ人のバーダックだ。
騒ぎを聞きつけ、こうしてここに推参したのであった。

「お前はあの放送の奴か……!」
「ほう、ちょうど退屈してたんだ、二人まとめて相手になってやるよ。
 ……戦闘力200万と70万だと!?」
「それは多分、オレ達の超人強度だ、気にするな」
スカウターの数値を見て驚くが、それが超人強度ということをちゃんと話す。
「なら、倒せるということか」
「フフフ……それはどうかな?」

サイヤ人と悪魔超人たちの戦いが始まる。
そんな中、織莉子のソウルジェムが黒く濁っていたのをバーダックは気づかなかった。


【ニ日目・7時15分/日本・九州ロボ 大分県】
【ブラックホール@キン肉マン】
【状態】ダメージ中、首輪解除
【装備】ペンタゴン@キン肉マン
【道具】不明
【思考】
基本:悪魔将軍様に従う
1:他の仲間との合流

【バーダック@ドラゴンボール】
【状態】健康
【装備】スカウター@ドラゴンボール
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】基本:テラカオスを生み出す計画を遂行する
0:目の前の白黒の奴らと戦う
1:計画のために殺し合いを促進させ、計画の邪魔をするものは殺す
2:他の幹部と今後について話し合う

【美国織莉子@魔法少女おりこ☆マギカ】
【状態】錯乱、絶望
【装備】ソウルジェム(穢れほぼ100%)
【道具】支給品一式、大量のグリーフシード@魔法少女まどか☆マギカシリーズ
【思考】基本:世界滅亡の阻止
0:????

※呉キリカ@魔法少女おりこ☆マギカは胴体と首が分断されてますが、ソウルジェムは無事です。

824朝に散る花/赤い血の雨は降る:2014/10/12(日) 13:55:56 ID:SPtFOXCQ0


「水鳥羽輪の術!」
「蓬莱桜花!」
リング上で水鳥の羽が飛び、幽香の弾幕を防ぐ。
弾幕対弾幕。プロレスリングで行われる壮絶な弾幕ごっこ。

最強クラスの妖怪と悪魔六騎士の一人の戦い。
圧倒的なパワー対驚異的なスピード&テクニック。
文字通りの死闘になっている。
リングのそばで見ている者なら分かる。
確実にどちらかが死ぬデスマッチとかしている。

「忍法クモ糸縛り!」

ニンジャがロープで幽香の身体を締め上げる。
「「ゆうかりんの縛りプレイだああああああああ!」」
その光景を見て、モブの数人が興奮した。

「この程度……!」
「!?」

だが、常識外のパワーで無理矢理、ロープの拘束を解いた。
ニンジャは驚き、モブの数人は心底残念のそうに溜息を吐いた。

「拙者の目的はお主の首を狙う。それが悪魔将軍様からの使命である!!」
「そう、なら死ぬのは貴方ね、私はまだ死ぬわけにはいかない」

流血戦。
血みどろの戦いになってきた。
両者ともに凄まじい出血量だ。

「これで終わりよ、アルティメット・ゆうかりん・バスター!!!」

上空飛び上がって、キン肉バスターのような状態でさらに足でニンジャの首を絞める。
その状態で幽香はニンジャをマットに叩きつけようとする。


「ニンジャ―――っ!!!」

叫ぶブロッケン。

「勝ったな……!」

勝利を確信するモブの一人。




「 順 逆 自 在 の 術 ! ! 」
「!?」




一瞬、両者の姿が消えた。
そして、次の刹那。


「「「「「ゆうかりんのパンツが丸見えだあああああああああああああ!!」」」」」


試合を見ていたモブ達が一斉に叫んだ。
そこにはアルティメット・ゆうかりん・バスターで捉えらた状態になった幽香がマットに叩きつけられていた。
これぞ、悪魔六騎士随一のテクニックを持つザ・ニンジャの順逆自在の術だ。
そして、幽香は恥ずかし固めの状態でマットに沈んだ。
それを見ていたモブのゆうかりんファンは大興奮したが……。
少し経って、気が付いた幽香は絶命している、恥ずかし固めの状態で。

「古今東西、ドSは打たれ弱い……! ガハッ……!」
「ニンジャ――――っ!!」

だが、その直後にニンジャも倒れた。
蓄積のダメージが限界を超えた。
結果として、ニンジャは幽香を道連れという形になった。
だが、悪魔超人としての責務は果たした。

カーンカーンカーン!!

何処からともなくゴングが鳴り、その死合は決した。
最終結果は……両者死亡のドローゲーム。

△ザ・ニンジャ ― 風見幽香△
(決まり手:順逆自在の術)

【ザ・ニンジャ@キン肉マン 死亡確認】
死因:アルティメット・ゆうかりん・バスター
【風見幽香@東方project 死亡確認】
死因:順逆自在の術

「ゆうかりん様の仇討ちだーーっ!」
「あのドイツ軍人に俺たちの力を……」
「ベルリンの赤い連撃!!」

怒り狂って襲い掛かってくるモブを手刀で切りまくる。
その顔には熱い一筋の涙が流れていた。

825朝に散る花/赤い血の雨は降る:2014/10/12(日) 13:56:16 ID:SPtFOXCQ0

【ニ日目・7時15分/日本・九州ロボ 長崎県】
【ブロッケンJr.@キン肉マン】
【状態】健康、首輪解除
【装備】ドクロの徽章、野球のユニフォーム
【道具】不明
【思考】
基本:アタルに着いていく
0:ニンジャ……


「貴様を殺すのは……地球の能力『マグネット・パワー』だ」

デウスの身体をサイファーで強制的に磁力を纏わせる。
周囲には強力なS極の磁力を纏ったウロボロスとクナイ。デウスの身体にはM極の磁力。
磁力による絶対命中+超加速と数の暴力に機械仕掛けの神は一方的にやられていた。

「どういうことだ。貴様にここまでの能力は……」
「貴様の敗因は『自分が絶対の能力を持ってると過信しすぎ』だことだ、『デウス隊長』さんよぉ?」
「!? なぜ貴様がそのことを知っている?」
特務機関員しか知りえない情報を知っていることに驚きを隠せないデウス。
目の前の男はさきほどは全く違う口調でしゃべり続ける。
「オイオイ、いつからこの俺様が『ストライダー飛竜』だと思っていた?」
「な……に……」
「なあ、自分の部下だと思っていた奴が生きていて、さらに裏切られた気分はどうよ?」
デウスはこの喋り方と煽り口調を聞き思い出した。
あの時、確かに死んだはず、死んだはずだったのものだった。
「貴様は……ハザm……」
「ああっ!? 違ぇよ、バァカ!!」
追撃。
四肢をもがれ、完全に動けなくする。
そして、右足で蹴り飛ばし。デウスを見下し、それは悠々と告げる。
「俺は『ユウキ=テルミ』。……まっ、今から死ぬお前にとっちゃどうでもいいことだ……
 大変だったんぜぇ。あのハクメンちゃんや鉄仮面のおっさんを騙すのは、まあこっちはこっちでそれなりに有益だったけどよ

!」
黄色いフードで顔を隠した飛竜。
いや、顔は飛竜だが、それは飛竜ではない。
『ユウキ=テルミ』である。
「テメェとのお喋りは仕舞いだ……死ねやぁ!! 大蛇斬頭烈封餓!!」
無数の蛇に食われ、見るも無残な凄惨すぎる最期を迎え、機械仕掛けの神は消滅した。
「ヒャッハハッハ!! 弱すぎだッつの! いや、俺が強すぎるだけか?」
完全に肉体の主導権は奪った。
あの程度のことで『ユウキ=テルミ』自体が死ぬわけはない。
まぁ、ハザマの肉体は完全に死んだが、『ユウキ=テルミ』自体が生きている。その事実には変わりない。


全てはこの瞬間のために全てを偽ってきた。
主催も拳王軍も全てを……!



「さぁ、滅日《ほろび》を始めようじゃねぇか……!」




【デウスエクスマキナ@スーパーロボット大戦UX 死亡確認】
死因:神帰り・大蛇斬頭烈封餓
【飛竜@ストライダー飛竜 消滅】
死因:不明


【二日目7時30分/九州ロボのどこか】
【ユウキ=テルミ@BLAZBLUE】
【状態】飛竜の肉体、首輪解除
【装備】光剣サイファー@ストライダー飛竜 クナイ、各種オプション、蛇双・ウロボロス@BLAZBLUE
【道具】支給品一式 
【思考】
基本:テラカオス利用して、滅日計画を遂行する。
1:とりあえず、邪魔をする奴は殺す。
※飛竜の肉体を完全に奪いました。

826うたをうたおう:2014/10/12(日) 23:31:27 ID:1kP81ewI0

場所は東京都は千代田区にある日本武道館の中。
東京都庁やビッグサイトのように様々な団体に占拠される事も無く現在も無事なこの施設の中では、とある
二人の人物が身を潜めていた。


「……とりあえずこれで応急修理は完了ね。ありがとう、助けてくれて」
「シャアアアア………」

そこにいたのは今は亡きボーカロイド・初音ミクを思わせる姿のロボットの少女と、半漁人のような出で立ちの
緑色の生物。
片方は悪辣な天魔王軍との死闘の末なんとか生還した警察組の生き残りであるバーチャロイド、フェイ・イェンHD。
もう片方は深海を住処とするウルトラ怪獣の一体、海底原人ラゴンであった。

あの戦いの後、自身の修理に必要な部品を探して彷徨っていたフェイはその道中偶然ラゴンと出会い、最初は
警戒したものの敵意はないと分かり意気投合し現在まで行動を共にしていたのである。
それというのも海底原人ラゴンはかつて日本に出現した個体と同様音楽を好む習性を持っていたため、フェイが
自身を鼓舞するために無意識に口ずさんでいた歌(もちろんマーダーに気付かれない程度の声量)に引き寄せられるような形で
彼女の前に姿を現したのだった。

また運のいい事に、ラゴンの支給品には破損した機械を人間の怪我を治すように修復する事が可能な道具である
メカ救急箱があり、フェイは先の戦闘でのボディと右腕の損傷を無事に修理する事が出来た。
ちなみについ先ほどラゴンの助けを借りて、損傷個所にポリ包帯を巻き終えた所である。

「さてと……問題はこの後どうするか、ね」
「シャアア……」

体の各部に包帯を巻いた痛々しい姿で立ち上がり、フェイは今後の行動を思案し始めた。
とにかく最優先で行いたいのは自身と同じく無事生還したであろうキルコ・アニキ・まこちーの3人の捜索である。
彼女達も軽くない傷を負っている以上そう遠くへはいけないはずだが、闇雲に捜索した所で知らぬ間に死んでいた
というオチになる可能性も否定できない。
カオスロワちゃんねるで情報を調べられればいいが、あいにく自分はネットにアクセス可能なツールを持ち合わせていない。
あるのはジェイドフォーキー(ネギ)とドラムセットと空蝉丸の形見一式、そしてスピノサウルスの絵が描かれた
№00の獣電池である。
空蝉丸から聞いた話では、確かこの獣電池はもっとも最初に誕生したトバスピノという獣電竜の物らしいが、今は
あまり役に立ちそうもない。
ラゴンも持っていたのはメカ救急箱とどこかから調達してきた冷凍マグロ一匹だけである。
ここは近隣のネットカフェにでも行くしかないだろうか?
そう考えるフェイの横では、ラゴンが自分のディパックから獣電池を取り出してしげしげと見つめて―――――

「―――――って!? 待って待って! それは食べ物じゃないのよ?」
「シャアアアア……?」

よもや喰われたり壊されたりしないかと慌てながらラゴンを制止するフェイだったが、ラゴンはただただ獣電池を
見るだけでそれ以上の行動は起こさなかった。
それどころか何事もなくフェイの手に返してくれたので大事には至らなかった。

「シャアア………!」
「ど、どうしたの?」

だがほっと胸ををなでおろすフェイに、ラゴンは何かを訴えるように鳴き声をあげる。
短い間だが行動を共にしていたおかげか、はたまた同じ音楽を愛する者としてのシンパシーか。
ラゴンの言葉をだいたい理解できるようになっていたフェイは彼女(?)が何を言わんとしているのか理解しようと
耳を傾けた。

827うたをうたおう:2014/10/12(日) 23:32:21 ID:1kP81ewI0

「シャアア……シャア!」
「えっ、この獣電池から歌が聞こえるって?」

ラゴンの言葉に驚きつつ、フェイはトバスピノの獣電池を近づけ、そっと耳を澄ませる。
すると本当に聞こえてきた。
優しくも力強い、聞いた事はないのに何か懐かしい、そう思える不思議な歌が。
この殺し合いが始まってからずっと持っていた支給品だったが、こんな事は初めてだった。
何かきっかけを満たしたのだろうか。
それとも数々の歌い手達が足を踏み入れたこの武道館の気のおかげだろうか。
そう考えるより先にフェイは感じ、行動していた。
『歌いたい』と。



「この手からすり落ちる 運命の砂を 抱きとめて感じてる 永遠の繋がり」

武道館のホール全体に、フェイの歌が響き渡る。
マイクや機材の手を借りない完全なアカペラだが、そんな事は気にもならない美しい歌声だった。

「生命の輪を鎖にして 祈り歌を届けよう」

電子の歌姫の魂を宿した機械の少女は、ただ心の赴くままに歌った。
今だけでも、日本全土を股にかけた殺伐とした殺し合いの事を忘れるように。

「強き竜の者たちよ その心に牙を」
「シャアアアア……シャアア……」

その歌声を聴き、ただ一人の聴衆であるラゴンも横に立ち、共に歌い始めた。
何故だか知らないが実に心地よい、そして懐かしい。
そんな気持ちを抱きながら、ただただ歌った。

「かぎりなく燃えるソウルで 奏でる明日のメロディ……」


そこまで歌い、再び武道館は静寂に包まれる。
フェイ自身には何の問題もない。
獣電池から聞こえた歌の歌詞がそこで途切れてしまったのだ。

「(……今の歌、まだ先はあるみたいだけど、どうして途切れたんだろう? まだ何か足りない物があるの?)」
「シャアア……」

どうやらラゴンもそこから先が聞こえなくなったらしく、不思議に思い首をかしげていた。
ともあれ久しぶりに歌う事が出来た充足感に満たされながら、フェイは再び今後の方針を思案しようとした。
やはり情報を集める為にもネットのできる環境を探そう。
そしてはぐれたアニキ達と合流し、殺し合いを止める仲間を探そう。
そう結論付け、フェイがラゴンを連れて歩み出そうとした時である。

ズシィィィィィン………

「こ、この音は?」
「シャアア!?」

突如武道館の外から何かが落下してきたような轟音が聞こえてきたため、二人は顔を見合わせ急いで武道館の外へと
駆けだした。
落ちてきたのは何だ?
隕石か? 機動兵器か? それとも野球のボールか?

828うたをうたおう:2014/10/12(日) 23:33:00 ID:1kP81ewI0

「グルルルルルルルルル………」


残念、巨大な赤いドラゴンでした!!


「ど、ドラゴン……まさか、都庁の魔物なの?」
「シャアアアア!!」

まさかの巨竜の登場に驚きながらも、フェイは両手にジェイドフォーキー(ネギ)を握りしめ、ラゴンは竜を
威嚇するように唸り声を上げた。
場に漂う一触即発の空気。
体格差は歴然、しかもフェイは未だに手負いの状態であり機動兵器のサイズに戻っても勝てるか怪しい。
果たして二人はこのまま竜の餌食とされてしまうのか?

「すまない君達、驚かせてしまったようだね。安心してくれ、僕達に敵意はない」
「えっ? 人?」

―――――と思いきや、竜の背中から一人の少年が顔を出し、こちらに話しかけてきた。
よくよく感じてみると、この竜からはDMC狂信者達や天魔王軍のような殺意をほとんど感じない。
むしろこちらに何かを訴えたいような表情をしている。

「カヲル君、やっぱりいきなり赤竜さんが出てくるのは第一印象悪すぎだと思うわよ?」
「ケケケ、まったくだ。ただでさえ都庁の連中の悪評が出まくってる時にこれじゃ逆効果だぜ」
「おかげでここまでの間に仲間に加わったのは俺達だけだからな。少数精鋭と言やぁ聞こえはいいがよ」
「まあそう言うな3人とも。ところで………先ほどの歌を歌っていたのは、君達なのか?」
「え? は……はい!」

すると立て続けにその背後から何人もの人物が顔を出してきた。
どうやら少年の仲間のようである。
素性は分からないがとにかく話を聞こう。
そう思い、フェイ達は竜に乗った一団に歩み寄った。



その後武道館前において互いの情報交換が行われ、彼らの正体が明らかになった。
都庁の三竜の一角であり歌の素晴らしさに目覚めた者、偉大なる赤竜。
その現相方たる少年、渚カヲル(またの名を使徒タブリス)。
話によれば二人は熱気バサラという男性と共に各地で熱く歌を歌いながら魔女を浄化したり自然保護を訴えたり
している途中に邪悪な黒竜とDMC信者の一団に襲撃され、バサラや同行者であったフレクザィードという火竜を
惨殺されながらも何とか生還し、彼らの分まで再び歌で殺し合いを止めようと各地を回っていたのだという。
本来であれば赤竜の本拠地である東京都庁にまっすぐ向かっても構わなかったのだが、ほぼ手ぶらで帰還するよりも
やはりより多くの協力者(特に歌を愛する者達)を集めてからの方が同胞達にバサラの歌を布教しやすいと判断した
赤竜の采配により、遠回りしながら各地で同志を集めていたのだった。
そしてしばらく前に都庁がDMCの大軍勢に襲撃されたという情報をネット経由で手に入れた赤竜は、頃合いと判断して
都庁へと帰還する途中にフェイの歌を聞きつけ、ここに降り立ったのだという(ちなみにその際怨敵である冥闇に堕した者の死も知った)。

そして各地を行脚した結果、集まったのが彼らである。

ソレスタルビーイング所属のガンダムマイスターが一人、ロックオン・ストラトス!
悪魔超人軍所属の悪魔6騎士が一人、ワニ地獄の番人兼地獄の教官・スニゲーター!
獣電戦隊キョウリュウジャーの司令塔、閃光の勇者キョウリュウシルバーこと賢神トリン!
765プロに務める事務員、ピヨちゃんことダメ無……もとい、音無小鳥!
以上4名!!

829うたをうたおう:2014/10/12(日) 23:33:52 ID:1kP81ewI0

「随分とごった煮感ある面子だね……ていうか、久しぶりだねロックオン? 元気だった?」
「おお、おかげさまでな。とはいえ、サバーニャは訳あって使い物にならなくなっちまったがな」
『『オノレDMC! オノレDMC!』』

スパロボ経由で面識のある二人が互いの無事を喜びつつ、ロックオンは少々気落ちした表情を見せる。
ここに来る以前にロックオンは青森で今は亡きオーバーデビルが起こした寒冷現象の調査の為に東北にいたのだが、
青森への侵入方法を模索している最中にカヲル達が退けたDMCの軍勢の残党に目を付けられてしまい、反撃を試みたものの
返り討ちに会いガンダムサバーニャは大破。
2機のハロと共に命からがら逃げだした先でカヲル達に偶然合流したのだという。

「だが、今の俺にはトリンの旦那から貰ったこいつがある。戦闘に関しちゃ問題ねぇ」
「それは……ガブリボルバー!? まさかキョウリュウジャーになったの?」

ロックオンがディパックから取り出した黄色い銃を見て、フェイが驚く。
空蝉丸から聞いていたキョウリュウジャーの武器にして変身アイテムであるガブリボルバーと特徴が一致したからである。
話によるとサバーニャを失って途方に暮れていたロックオンを見て、トリンが彼に強き竜の者の資質を感じた事から
ガブリボルバーと獣電池を与え、ついでに獣電竜との勝負にも勝った事で正式にキョウリュウジャーとなり、
現在は弾丸の勇者・キョウリュウブラックとして戦っているのだという。

「ところでフェイ、空蝉丸の命を奪ったという天魔王軍という軍勢が、都庁の魔物達の名を騙って彼らに罪をなすりつけている
というのは本当なのか?」
「ええ、あの時はっきりとあいつらがネットで情報操作をした事を話していたのを聞いたから間違いないわ!」
『ムゥ……天魔王軍とやらめ。やるに事欠いて我々の悪評を日本中にばらまくとは、万死に値する行為! もし
この先出会うような事があれば、髪の毛一本たりともこの地に残さんッ!!!』

トリンから問われ、無念と怒りの感情を内包しながらもフェイは彼らに事の真相を伝えた。
彼女から伝えられた都庁の魔物の悪評がネット中に拡散している状況を生み出した張本人の存在を聞かされ、
赤竜は言いようのない怒りに体を震わせながら目を血走らせる。
その迫力は周囲にいた面々を余裕で戦慄させるほど強大だった。

「落ち着くんだ赤竜。フェイの言っていた事が事実なら彼らの操るマシンモンスター達は油断できない強さの持ち主だ。
冷静さを欠いたらいかに君と言えど無事では済まないだろう」
『す、すまん……しかし我々と連中の区別もまともにつかんとは……人間達はあまりにも異形の存在を一括りに
しすぎではないのか?』
「そりゃ仕方ないぜ赤竜さんよ。なにせ都庁の中にいる面子の情報は侵入して生きて帰った奴がいないもんだからゼロも同然だ、
流石に区別のしようもないぜ」
「ケケケ、違いねぇ。そもそも人間、特に日本人なんざ外国人を見ただけでアメリカ人だと思うような連中が多いからな。
その辺は諦めた方がいいぜ赤竜よ〜」

自分達と天魔王軍を区別できない人間達に落胆の表情を浮かべる赤竜にロックオンとスニゲーターがフォローするように
相槌を打った。
ちなみに二人とも普通に赤竜と会話しているが、ロックオンはキョウリュウジャーに選ばれた事で獣電竜と会話できる能力が
そのまま竜にも通用した為。
スニゲーターは悪魔超人としての適性と自身の正体がティラノザウルスの足だという事から彼の言葉を理解できていた。
ちなみにフェイもラゴンの言葉を理解した応用である程度は赤竜の言葉を理解できており、この集団で赤竜と会話できないのは
現在の所小鳥さん一人だった(その為トリンが通訳を引き受けている)。

「ところでフェイちゃん、さっきスマホで調べてみたけど、貴方の仲間のキルコさん達の目撃情報はどこにも書いてなかったわよ?」
「……そうですか。ありがとう小鳥さん」
「まあ今関東は都庁軍やらDMCの狂信者どもやら食人鬼やらで大わらわだからな。ただの婦警一行の情報なんか
誰も書き込まないだろうぜ」
「今はその人達の無事を祈るしかないわね……」
「シャアア……」

支給品のスマホを操作していた小鳥からの報告を受け、肩を落とすフェイ。
彼女を慰めるようにラゴンも肩を叩く。

830うたをうたおう:2014/10/12(日) 23:34:50 ID:1kP81ewI0

「さて、僕達はこれから都庁の世界樹に赤竜と向かうつもりだが、君達はどうするんだい?」
『我々としては自然や歌を愛する者は是非とも同行してほしい所なのだが……』

話も一段落終え、カヲルと赤竜は音楽を愛する彼女達に仲間になってもらえればと、声をかける。
数秒顔を見合わせ、フェイとラゴンは口を開いた。

「……さっきまでの話で貴方達が悪人じゃない事は分かったわ。カヲル君、赤竜、私達も連れてって!」
「シャア!」
「でも、私達と一緒に行くとキルコさん達を探すのは後回しになるんじゃ……」
「もちろんキルコさんやアニキ達の事も心配だけど、あのまま天魔王軍やDMCの狂信者達を放っておいたら日本はきっと恐ろしい事に
なっちゃうもの。きっとアニキだって『俺達の事より日本のみんなの事を守るんだゼーット!』って言うだろうから……
だから私は今はみんなと一緒に行くわ!」

小鳥の心配を払いのけるように、フェイは力強く答え、ラゴンも同調する。
これから先、天魔王軍・DMC・食人鬼・主催者達・あと本当に危険集団であれば拳王軍達と、相手にしなければ
ならない集団は山ほどいる。
このまま小規模のチームで虱潰しに彼らを倒していくよりも、文明を嫌ってはいるものの全うな対主催である
都庁の軍勢と連合を組んだ方が得策だと彼女は踏んだのである。
きっとキルコやアニキ、まこちーとは無事にまた会える。
そう信じての決断であった。

『あい分かった。ならば共に行こう、そして共に歌おうぞフェイ・イェン。この殺し合いを終結させるために』
「ええ! でも後々の人間との付き合いに関してはもう少し考えてくれると嬉しいかも」
『その辺りは同胞とも協議しておく』

フェイは無事な右腕を、赤竜は前足を出して擬似的な握手を交わした。
正式な同盟結成の瞬間である。

「では行くとしようか。赤竜の話では少し前に起きた地震はフォレスト・セルという世界樹の中核ともいうべき
存在が目覚めた合図だそうだ。きっと世界樹の方にも大きな動きがあるはずだ」
『その通りだカヲル。だいぶ長い事留守にしていたせいで世界樹の詳しい状況は分からんが、もし同胞達がセルの
制御を行う術を手に入れていれば、我々にとっても巨大な戦力たり得る。急いで確認に向かわねば!』
「でかい戦力ってのは嘘じゃねえだろうな。悪魔騎士たる俺でもあの強大な気配は気圧されるしかなかったぜ。
あれは悪魔将軍様に匹敵する、いやもしかしたら超えるかもしれねぇレベルだ」

数時間前にフォレスト・セルが発した気配を思い出し、スニゲーターは冷や汗を流しながらも頷いた。
彼は主である悪魔将軍の障害となりえる危険分子を排除する目的で赤竜達と同盟を組んでいたが、都庁の軍勢の
恐ろしさを改めて肌に感じ、彼らと敵対しなかった選択を内心何度も褒め称えた。
これが機械超人でヒラ悪魔のステカセキング辺りだったらどうなっていた事か。

「じゃあ皆さん、赤竜さんの背中に―――――」
『………いや、ちょっと待て』
「え?」

突然の赤竜からのストップに一同は面食らいながらも彼に向き直る。
何か問題があるのだろうか。

『忘れる所であった。フェイ、お前のその姿は不味い』
「……さっき話してくれた“都庁の魔物達は機械文明を嫌う”ってやつ?」
『そうだ。俺自身は歌を愛する者に種族も国境もないと考えてはいるが、俺の同胞達はそうもいかん。帰還した暁には
彼らにもその事を訴えるつもりだが、おそらく確実にお前が同胞の前に顔を出したら門前払いされるか反撃を受けるのが
オチだろう』
「むぅ……いくら自然回帰主義だからって顔を出しただけで攻撃されるってのも傷つくなあ……」

831うたをうたおう:2014/10/12(日) 23:35:43 ID:1kP81ewI0

申し訳なさそうに答える赤竜にフェイはどうしたものかと思案する。
いかに素晴らしい歌い手であろうと機械文明を極端に忌み嫌う都庁の住人たちの前にロボット然とした姿の彼女が
出て行けばどうなるか、想像に難しくない。
赤竜は知らなかったが、現在都庁には同じく機械文明や人間を嫌うレストとダオスという助っ人が在住しており、
彼らに目をつけられたら見敵必殺は免れなかっただろう。
それどころかドヤ顔でロボットを連れてきた事で赤竜自身が同胞から村八分にされる可能性も否めない。
何とかしなければ。
フェイ以外の面々も彼女のために知恵を巡らせていた。

「グムーッ、俺達超人であればオーバーボディで姿を偽る事も出来るんだがなぁ」
「オーバーボディ……ハッ、それですスニゲーターさん!!」
「何だピヨ子、いきなりデカい声出しやがって」
「誰がピヨ子ですか! それより思い出したんです、私の支給品にそれっぽい物があったのを!」
「本当か小鳥?」
「早速出してみてくれるか?」
「はい!」



数分後。


「『………………』」

何ともいえない空気が周囲にまき散らされていた。

「ご、ごめんなさい……悪気があった訳じゃ……」
「だ、大丈夫だよ小鳥さん、大丈夫、大丈夫だから……」

半泣きで謝罪する小鳥にフェイは自分に言い聞かせるかのように答えた。
とりあえず小鳥の支給品にはオーバーボディがあった。
だがその外観に果てしなく問題があった。

832うたをうたおう:2014/10/12(日) 23:36:34 ID:1kP81ewI0
                  ,《ヘ                    /)》,
              ,《//》  ´ ̄ ̄ ̄` ´ ̄ ̄ ̄`  〈/ 〈》,
                ,《//               . . . . . : : : : :\〈》,
            ,《/                   . . . . . : : : : : : :〈》,
              ,《/               {    . . . . . : : : : : : :〈》,\
          ,《/       . : /   :{:     . . . . . : : : : : : :〈》,: : .
             /         . : : :.{  . : :‘,     . . . . . : : : : : : :‘,: : :.
         /  /    . . : : : :{   . : :{ \    . . . . . : : : : : : :}}.: : : :.
.          ′〃Y   . . :/. : :∧   . : :{  \   . . . . . : : : : :.}}: : : : :.
        {{  {{:{:|  . . : { :|/__‘, : : {    __ヽ  . . . . . : : : : :.}} : : : : :.
        {{  }}:{:|  . . : { :|  `ヽ : : 、 ´   ` ー=ミ : : : : } : : : : : :.
          乂_八{:|   . : :∧/|竓芋ミ\: : \ ィf竓芋ミメ| }\.: : :}: : : : : : :.
.          /: : : :|   . : :{ :|Ⅶ℃勹}   \: : \i℃勹}刈Ⅳ: : :Y :} : : : : : : }
         /: : : : :|  . : :Ⅵヽ乂...乂    ` ー乂...乂  | : : : }i:/: : : : : : : }
.        /: : : : :八   . : : :|        ,          | : :.八: : : : : : : : }
       / . . . : : : : \ . : :人       ト----イ     人: :/] : : : : : : : : }
         . . . : : : : : : :{\. . : :>  __ ヽ ....ノ __  < /:/ |: : : : : : : : : :}
.      '   . . . : : : : : : .  `ト==<Ⅵ※/≧=≦ヘ※'⌒V777,\|: : : : : : : : : :}
.     ′ . . . : : : : : : : \/7777(O_O) |..........l━━: : ト、/// ∧: : : : : : : : :.}
.        . . . . : : : : : : : ,《/////| . . : |..........l: ,/: . . ∧∨////》,: : : : : : : :}
.       {  . . . . : : : : : : :,《//////| . . : |...........∨,/: . . ∧∨////》,: : : : : : :}
.       {  . . . . : : : : : :,《///////| . . 〓 ......... ∨,/: . . ∧∨////》,: : : : : :}
.       {  . . . . : : : : :,《////////| . . 〓...............∨,/: . . ∧∨////》,: : : : :
       ',.  . . . : : : :,《/////////|  ㌢|................... 〉,/: . . ..∧∨__彡'し}.: :./
       \丿: : : : : : :し'¨¨¨¨¨ヽノ ㌢//\........../㍉: . . .㌢∧しししし : /
        `⌒ヽ.: : : : :,しししし㍉㌢/////,\./////㍉㌢辷乂`⌒ヽ_/
           \__/     乂辷辿辷辿辷辿辷辿辷ノ⌒´
                   トェェェェイ    トェェェェイ
                   |/0////      |/0/// }
                   |/////'       |//////
                      ,|/0//        |/0 //{
                       ////,ハ       {////ハ
                  {/////}       /77777}
                  `¨¨¨¨´       {/////ノ
                            `¨¨¨´

833うたをうたおう:2014/10/12(日) 23:38:04 ID:1kP81ewI0
それはフェイのオリジナルたる少女に酷似していた。
だが猛烈にコレジャナイ感が半端じゃなかった。
周囲一同も何と言えばいいのかわからず途方に暮れてしまう。

『……とにかく行くぞ、皆の衆』
「「お、おお……」」

半ば強引に赤竜が話を切り上げ、一同は彼の背中に乗り移り空中へと飛び立った。
目指すは東京都庁、またの名を世界樹。

フォレスト・セルはグンマーの末裔たる少女の祈りにより完全に制御され役目を解かれた。
彼らを縛る首輪も既に解除の手立てを見つけた同胞がいる。
それらを知らぬまま赤竜は一路空を舞う。
果たして彼らは世界樹に受け入れられるのだろうか?
それはまだ誰にもわからなかった。

とりあえずこの珍妙極まりないオーバーボディは早く脱ぎたい。
そう切実に思うフェイであった。


【二日目・7時10分/東京・日本武道館前】
【偉大なる赤竜@新・世界樹の迷宮 ミレニアムの少女】
【状態】健康、傷心、思案中
【装備】無し
【道具】もくたん@ポケットモンスター、支給品一式
【思考】基本:歌で自然環境の保護を世界に訴える。
1:都庁の仲間達、カヲル達を守る
2:都庁に帰還し仲間達に歌の素晴らしさを伝える、及び雷竜達にカヲル達の来訪を許してもらう
3:バサラ……フレクザィード……
4:仇であるDMC狂信者は確実に根絶やしにする
5:許すまじ天魔王軍!!

【渚カヲル@新世紀エヴァンゲリオン】
【状態】健康、傷心
【装備】キーボード@楽器
【道具】支給品一式
【思考】基本:バサラの遺志を継ぎ、彼の歌を届けて殺し合いを終わらせる
0:赤竜達と共に都庁に向かう
1:シンジ君を探して一緒に歌う。
2:DMC狂信者や天魔王軍は許さない
3:しかし僕にバサラの代わりが務まるのか……?
※使徒だからか、偉大なる赤竜と会話が可能です。

【ロックオン・ストラトス@機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer-】
【状態】健康、弾丸の勇者
【装備】ハロ×2@ガンダムOO、ガブリボルバー、ガブリカリバー
【道具】支給品一式、ドラグノフ狙撃銃@現実、獣電池(パラサガン)×6
【思考】 基本:殺し合いを止める
1:カヲル達と共に都庁に向かう
2:上手く都庁の魔物達を説得したい
3:すまねぇ、サバーニャ……
4:フェイェ……
※キョウリュウジャーとして認められました。キョウリュウブラックに変身可能となり、竜と話せます。
※ガンダムサバーニャは大破しました。

834うたをうたおう:2014/10/12(日) 23:38:39 ID:1kP81ewI0

【スニゲーター@キン肉マン】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】基本:悪魔将軍様に従う
1:悪魔将軍様の障害となる危険分子を始末する
2:今は赤竜達と行動を共にする
3:フォレスト・セルに内心恐怖
4:ケケケ、他の悪魔超人達はどうしてやがるかな?
5:なんつーオーバーボディだ……
※正体はティラノザウルスの足なので、赤竜と会話できます。

【賢神トリン@獣電戦隊キョウリュウジャー】
【状態】健康、悲しみ(小)
【装備】フェザーエッジ、ギガガブリボルバー
【道具】支給品一式、獣電池(ブラギガス)×6
【思考】基本:殺し合いを止める
1:赤竜達と共に都庁に向かう
2:都庁の魔物達を説得したい
3:天魔王に出会ったら自分が決着をつけたい
4:フェイの歌からブレイブを感じる!
5:空蝉丸……
※赤竜と会話できます。

【音無小鳥@アイドルマスター】
【状態】健康、すごい申し訳ない気持ち、深い悲しみ
【装備】なし
【道具】支給品一式、スマホ
【思考】基本:殺し合いを止める
1:死んだ社長や765プロのみんなの分まで生きる
2:赤竜達と共に都庁に向かう
3:フェイちゃんごめんなさい……
4:赤竜とも話したい
※赤竜と会話できません

【フェイ・イェンHD@スーパーロボット大戦UX】
【状態】ダメージ(大)、等身大、右腕破損(処置済み)、ミクジャナイヨーフェイダヨー
【装備】ジェイド・フォーキー 、ミクダヨーさんの着ぐるみ@現実
【道具】支給品一式、ドラムセット、獣電池(トバスピノ) 、ガブリチェンジャー、ザンダーサンダー 、獣電池(プテラゴードン×2)
【思考】基本:殺し合いを止める
0:なぁにこれぇ……(早く脱ぎたい)
1:赤竜達と共に都庁に向かう
2:アニキたちの身の安全が心配
3:アニキと共に自分の歌をみんなに届ける
4:死んだ『あの子』のためにも必ず殺し合いを終わらせる
5:SATSUGAIとか言ってる人達は必ず止める
6:あの歌は一体……?
※アニキの持ち歌はほぼマスター済みです
※獣電池にブレイブインできるかは不明です
※キルコたちや天魔王軍に死んだものと誤解されています
※都庁軍を偽る天魔王軍の存在に気づきました
※獣電池から太古の祈り歌を聞きました。半覚醒なのでまだ1番までしか聞けません。

【海底原人ラゴン@ウルトラQ】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式、メカ救急箱@ドラえもん、冷凍マグロ
【思考】基本:シャアア!
1:フェイに同行する
2:赤竜達と共に都庁に向かう
3:いい歌が聞きたい
※雌です。

835セカンドイグニッション:2014/10/16(木) 16:57:41 ID:UQv0oRDg0
時刻は6時30分、拳王軍の所有する戦艦・死国(厳密には裏切者の緑間)によって兵庫県は壊滅的な打撃を被った。
そこには対主催集団ホワイトベース組に所属する男がいた。
その男はホワイトベース組の二軍として近畿の西側で仲間集めをしていた。

その男の名前はジョナサン・ジョースター。通称ジョジョ。
正義感に強く紳士的なこの男はホワイトベース組に参加し、苗木と葉隠と同じく、死国と戦える戦力を集めていた。

……だが、それも徒労に終わる。
突然の死国から放たれた無慈悲な空襲によって街は一瞬にして瓦礫の山となる。
そして彼の集めた仲間は全員即死し、ジョナサン自身は即死には至らなかったものの致命傷を負ってしまった。
地面に横たわるジョナサンの肉体から大量の血が溢れる。
そんな死に体の彼に向けて仲間からの通信が入り、ジョナサンはなけなしの体力を使って通信機を手に取り、弱々しくもなんとか現状を報告しようとする。

『ジョジョ、たった今死国から兵庫県に向けての攻撃があったが大丈夫か!?』

通信を送ったのはホワイトベース組のリーダー格である十神であった。

「す、すまない十神……せっかく集めた志を共にする仲間は、今の攻撃でみんな死んでしまった。
僕も、もう持ちそうそうにない……」
『……クソッ! 拳王軍め!』
「と、十神……頼む、裕一郎と拳王軍を倒してくれ……
奴らを野放しにしたら、沢山の心優しい父親が犠牲になってしまう……」
『必ず奴らは仕留める、十神の名にかけてな』
「ありがとう……あとは任せ、た……」


ジョナサンは仲間に全ての願いを託し、瓦礫の中で静かに逝った。


【ジョナサン・ジョースター@ジョジョの奇妙な冒険 死亡確認】
【マリア・カデンツァヴナ・イヴ@戦姫絶唱シンフォギアG 死亡確認】
【海のリハク@北斗の拳 死亡確認】
【日番谷冬獅郎@BLEACH 死亡確認】
 死因:緑間のマウンテンシュート


『……あいつらめ、もう許さん。必ず皆殺しにしてやる!』

ジョナサンが握っていた通信機から漏れたのは十神の呪詛だった。

 :

以前の襲撃で敗走したホワイトベースは京都に停泊していた。
この艦は裕一郎の攻撃によってかなりのダメージを負っており、少なくとも戦闘は不可能と思われるレベルだ。
この艦をもう一度、戦場に投入させるには修復させるための物資が必要と思われる。
そして、ホワイトベースの艦橋――そこには数時間前の敗北と、たった今仲間が殺されたのを知って苛立っている十神白夜がいた。

「白夜様……」
「なんだ、犬。くだらないことなら話しかけるな。
俺は今ハラワタが煮えくり返っているんだ」

犬と言われた少女は十神の支給品である腐川冬子である。
そんな彼女は、艦橋の窓に指をさし十神に報告した。

「あれを見てください、苗木達が仲間と物資を連れて戻ってきました!」
「なに!」

腐川が示した場所を見るとそこには大量の物資を抱えて(半分近くが十傑衆走りで)ホワイトベースに向かってくる者達と、バイクに乗って彼らを先導する苗木誠の姿があった。
戦力を失った矢先、二軍が戦力を回復させる兵隊と物資を引き連れて戻った事には十神も素直に喜んだ。

「愚民め、思っていたよりは良い仕事をしてくれるじゃないか。
……ん? 一時間前に聞いていたより人数が多いが?」

苗木から聞いた人数はネットナビを除くと五人ほどであったはずだが、前の報告よりも更に六人増えていた。

 :

836セカンドイグニッション:2014/10/16(木) 16:58:10 ID:UQv0oRDg0

――ホワイトベース、格納庫


「そんな……さっき兵庫県から火の手が上がったと思ったらジョジョさんが……」
「ああ、奴の集めていた仲間も全滅したらしい」

任務から戻ってきた苗木は十神に伝えられた。
死国によって生み出された惨劇と、それによって仲間がまた死んでいたことにショックを受け、同時に死国への怒りと憎しみを募らせ、そして誰かが奴らを止めなくてはいけないという正義感を刺激させた。
それは苗木だけではなく、ここにいる多くの者達も同じ気持ちであった。

「食料や機材、武器弾薬燃料はこれだけあれば足りるべか?」
「ありがたい、これだけあれば十分だ」
「……MSのパーツもある! これだけあればデュエルガンダムも蘇る……いや、改造して前より強くできるかも!」
「よくやってくれた。この物資は是非使わせてもらうぞ」

葉隠達が持ってきた大量の物資を検品した雷電と出来杉は感心する。
福井県やその周辺の県から集めてきた物資は実に大量であった。
その中には破損したホワイトベースやガンダム、そしてサイボーグである雷電を修復できる部品も多くあり、兵器の機能を取り戻すことも可能になった。

「後は苗木達の連れてきた戦力だが……」

一行のリーダーである十神は連れてこられた11人を見る。


○熱さと熱さが合わさって、最強に熱く見える男   松岡修造&ヒートマン!
○修造の弟子らしい謎の男と、淫夢大好きナビ   大尉&ビーストマン!
○十傑衆の一人にして巨大ロボとも渡り合える衝撃波の使い手   衝撃のアルベルト!
○紅魔館の主である吸血鬼   レミリア・スカーレット!
○鼻血には目をつぶれ、時を止めるメイド   十六夜咲夜!

ここまでは十神が前の報告で聞いた通りの面子であるが、あの後に苗木達は別の中華系な対主催グループに接触していた。

○正義超人の一角   ラーメンマン!
○中華拳法の達人   烈海王!
○一撃で倒す八極拳士   ジョンス・リー!
○レミリアの配下にして紅魔館の門番   紅美鈴!
○設定上、主人よりもスペックが高い変形バイクロボ   オートバジン!
○……と、支給品の仮面ライダー555  乾巧! 

彼らもまたホワイトベース組に加わることになった。
特に紅美鈴はレミリアの配下ということもあり、両者の合流は非常にスムーズなものであった。
ちなみにラーメンマンの探しているテリーマンを殺した者達とはこのホワイトベース組であるが、ラーメンマンはそのことを知らない。
そしてホワイトベース側もテリーマンが裕一郎一行に加わっていたことも知らず(参入が遅く、のび太同様ネットでの映像に映ってなかったため)、せいぜい裕一郎一行の中の誰か一人を殺した程度の認識しかないのであった。

彼らの参入にて、ホワイトベース組は一般人の十神・腐川、仮面ライダーに変身できるが戦闘技術は未熟な苗木・葉隠を除くと、多くのチート級・理不尽級の戦力が一箇所に集ったのだ。


「これで戦力は回復、いや前以上に増強されたな。愚民共、一旦ここに全員集まれ」

十神は一行の活動について話すべく、全員を集めようとする。が。

「人を愚民呼ばわり? 俺はこいつが気に食わねえ!」
『!……!!』←たっくんを愚民呼ばわりされて怒るオートバジン
「我々に喧嘩を売ろうというのなら私は一向に構わんッッッ!!!」
「典型的な仕切りたがりね、アルベルトおじ様もそう思いません?」
「ふん、そのようだな。自分の能力以上に自己顕示欲が強そうなタイプでもありそうだ」
「ちょっと、十神くん! せっかく連れてきた仲間を愚民呼ばわりはないでしょ!
怒って帰っちゃったらどうすんの?!」
「もっと熱くなれよおおおおおお!!」
「修造っち、煽るなっての!!」
『みんな、喧嘩はやめちくり〜^^』
「白夜様の前じゃアンタ達は愚民も同然なんだから仕方ないでしょ!」
「ええい、話が進まん! それから犬、おまえはもうディパックに戻れ」

全体的にプライドの高い面子が多いため、同じくプライドの高い十神が仕切ろうとすると喧嘩になるのは明白だったが、その場はなんとか事なきを得た。
そして格納庫に、艦橋から降りてきたホライゾンとアイギスを含めた19人とネットナビ2体が揃った。

837セカンドイグニッション:2014/10/16(木) 16:59:37 ID:UQv0oRDg0

「集まったな。さっそく今後の方針を話すぞ。
俺達の最終目的は日本から対主催の戦力を集めつつマーダーを駆逐し、最後には主催を討つことが目的だが、それにはこの近畿で破壊と暴虐の限りを尽くす裕一郎と拳王軍、そして奴らの戦艦である死国が邪魔だ。
先ほど兵庫県を瓦礫の山にしたように放置できない危険集団であるし、主催攻撃時に背後を取られないように必ず撃破する必要がある。
……だが、まず最初にやるべきことはこのホワイトベースの修復だな。
大量の人員を輸送できる戦艦が動かなけらば、何も始まらない。
物資そのものは十分にある、全員で修復に取り掛かるぞ」

まずは空を飛ぶ本拠地であるホワイトベースの修復を他のメンバーに十神は命じた。

「その次にはいよいよ、奴らとの戦いだ。それで奴らに立ち向かうのための作戦がある。
まずはホライゾン、アイギス。お前たちがネットで収集した情報を開示しろ」
「jud.つい先ほど、拳王軍の一団が死国から降り立って大阪の街で略奪の限りを尽くしていると情報がありました」
「その数はおよそ10人ほど、これは集団のおよそ半数にあたり、戦力が死国内と略奪集団で二分されているということであります」
「つまりはだ、戦力が二分されている今こそ、奴らを叩ける絶好の機会というわけだ」
「仲間がいる以上は、広島や兵庫県のような強力な爆撃はできないと考えられます」
「さらに略奪集団の中には光裕一郎の子息である光熱斗の姿が確認されています。なおさら死国から市街地への攻撃は難しいでしょう」

死国自体が理不尽の塊と言えども、戦力が分割されては理不尽さも半減する。
熱斗組が大阪にいるため、裕一郎達は強力すぎる破壊兵器を大阪には使わないというのが十神達の見通しだ。
逆に言えば、この機を逃せばホワイトベースが死国を攻勢をかけられる機会を失ってしまうかもしれないのだ。

「そこで、部隊を三つにわける。
市街地で略奪を行う者達に攻撃を仕掛ける班。
その班を支援するこのホワイトベース。
そして、ホワイトベースと市街地の班が敵の目を引きつけている内に死国の内部に潜入し、内分の駆逐を行う班によって三方向から攻撃を仕掛ける」
「十神っち、そんなことをしなくても片一方を全員で袋叩きにすりゃいいんじゃないべか?」
「葉隠、それだと略奪グループを殲滅した瞬間、裕一郎は迷わず大阪に爆撃を行うぞ。
光熱斗達は敵であると同時に、俺達を守る盾にもなるんだ。
逆に死国だけを攻めても市街地のグループが死国にすぐ戻ってくるだけだ。
三方向からの同時侵攻し、一方の部隊が市街地の熱斗組を足止めし、片方の部隊が内部から死国を破壊して市街地への砲撃を防ぐ。
そうすれば奴らの動きを止めやすくでき、お互いの部隊をカバーしあえる」
「な、なるへそ……」

裕一郎達は県一つを爆破できる兵器をもっているらしく、それを避けるには単純な各個撃破ではダメなのだ。
そのような説明で葉隠の懸念を払拭し、十神は全員に告げる。

「部隊分けだがホワイトベースは俺、犬(腐川)、ホライゾン、アイギスが担当するとして。
死国への潜入を行う者達は潜入技術があるものや、狭い艦内で戦うことを想定して白兵戦能力に長けている者がいい」
「なら、スネークほどではないにしろ多くの潜入ミッションをこなしている俺の出番だな」
「白兵戦なら我ら、このラーメンマンそして烈、ジョンス、美鈴が担当しよう」
「私は一向に構わんッッッ!!!」
「俺もそれでいい」
「美鈴、私とお嬢様がいなくてもしっかりやるのよ」
「任せてください咲夜さん。お嬢様達には一発の砲弾も死国には撃たせません」
「十神よ、ワシはどうしても仲間を殺した拳王なる男をこの手で討ちたい。
潜入グループにワシも入れさせてもらうぞ」
「……いいだろう。これで潜入班は決まりだ」

死国へ潜入する班は白兵戦に長けた、雷電、ラーメンマン、烈海王、ジョンス、美鈴、そして衝撃のアルベルトに決定した。

838セカンドイグニッション:2014/10/16(木) 17:00:08 ID:UQv0oRDg0

「残りは市街地の攻撃に回ってもらう。
それから苗木と葉隠もこっちで戦ってもらう」
「ええ?! 二軍の僕が?」
「お、俺も戦うんだべか!?」

十神の言葉に驚く苗木と葉隠。
二人とも仮面ライダーに変身できるとはいえ、戦闘に関しては素人であり今まで戦力に数えられてなかったからである。

「そうだ、万全を期すためにお前達にも戦ってもらう。奴らを確実に潰すには頭数は多いほうがいい。
お前達程度のゾウリムシでも弱っている敵は倒せるだろうし、他の連中の背後を守ることや、最低でも肉盾ぐらいはできるだろう」
「肉盾、ってオイ!」
「いや、僕はやるよ」
「苗木っち?!」
「修造さん達に戦って欲しいって頼んでおきながら、自分だけ指をくわえて見てたくはないからね。
こんな僕はウィザードには変身できる。皆の足を引っ張らない程度には頑張るよ」

苗木は死国と戦う覚悟を決めていた。
多くの仲間を殺された怒りと出会った仲間を守りたいという正義感が、彼の中に進んで戦う意思を生み出したのだ。
さっきのマーダーとの戦いで負った傷も回復薬で治して体調も万全となり、それなりには戦えるだろう。
とはいえ、死国と戦うことに全く恐怖を感じてないわけではなく、苗木の肩は些か震えていた。
そんな彼の肩をポンと叩き、ぶっきらぼうなりに優しく声をかけた乾巧であった。

「心配すんな。何かあったら俺が守ってやる」
「乾さん……」

先輩ライダーの優しさと頼もしさが苗木にはとても嬉しかった。

「十神っち、俺はちょっと腹の調子が(ry」
「葉隠、俺の手足として働けばおまえが抱えている多額の借金を全てチャラにしてやる契約……あれを白紙にしてやってもいいぞ。
戦闘の途中で勝手に逃げ出しても同じく契約破棄だ。
その後、ヤクザにどんな痛い目に合わされようが臓器を販売するハメになろうが俺は一切手助けしないからな」
「仮面ライダービースト葉隠! いつでも覚悟完了だべ! ……トホホ」

止むにやまれない事情もあって、葉隠も戦列に加わることに渋々承諾した。

こうして市街地の略奪チームを襲撃する班は、修造&ヒートマン、大尉&ビーストマン、レミリア、咲夜、乾巧、オートバジン、苗木、葉隠、そしてデュエルガンダムに乗る出来杉に決定した。

「チーム分けはこれでいい。予定通りホワイトベースとガンダムの修復に取り掛かるぞ」
「十神っち、ところでバーベキューは……?」
「……」←無言でバーベキューセットを出す大尉
「やるわけないだろ、作戦を聞いてなかったのか?! モタモタしてたら略奪チームが死国に戻ってしまうぞ。
そうすれば裕一郎は破壊兵器をバラ撒き放題になって俺達の勝機は薄くなり、周辺の被害も拡大する。
悠長に食事をしている時間なんてない」
「!?」←バーベキューが無くなったことにショックを受ける大尉
「皆の親睦を深めるために必要だと思ったんだが……」
「俺達はこれから死国に遊びにに行くわけじゃないんだぞ? もっと緊張感もてよ!」
「えーッ?!」「ブーブー!」
「まあまあ、落ち着くんだ皆。大事な作戦の前に豪華な食事を食いすぎた軍隊が、結果として動きが鈍って敵の格好の的になってしまい、以後その軍隊は大きな作戦前の食事は豪華な物から粗食に切り替えたという逸話もある。
殺し合いさえ終われば好きなだけ食事を取れるさ。今はパンと水で我慢しよう」

バーベキューをするしないでまたチーム内でこじれそうになるが、そこは兵士としての経験と知識がある雷電が作戦前の豪華な食事は危険であると説明し、とりなした。

そして、いよいよ十神達は船となるホワイトベースの修復に取り掛かる。

839セカンドイグニッション:2014/10/16(木) 17:02:11 ID:UQv0oRDg0
 :

――格納庫。

「……できた!」

出来杉の目の前には、このホワイトベース唯一の機動兵器となり、彼の搭乗機であるデュエルガンダムがあった。
バスターガンダムのサテライトキャノンで吹き飛ばされた半身も、苗木達の持ってきた部品によって完全に修理されていた。
さらに修理だけに留まらず、このガンダムは改造まで施されていた。
見た目はただのアサルトシュラウド装備のデュエルだが、内部には仲間達にもたらされた部品によって魔改造が施されている――彼の仲間の多くを殺したバスターのように、改造はガンプラ並に自由でいいのだ。
果たしてどんな機能をデュエルに施したか……出来杉は今は仲間にも秘密にしている。

(後からアイギスさんから聞いた話によると市街地に出ている略奪グループの中には、研くん達を殺したあのガンダムがいると知った。
あのガンダムだけは絶対に許さない……! アイツだけは必ず僕と、僕の新しい力『魔改造デュエルガンダム』で倒してやる!
……待ってて研くん、必ず君の仇を取りに行くよ。そして僕の手でのび太くん達を守るんだ!)

出来杉は以前の敗北から復讐心と力への渇望を抱いており、改造されたデュエルガンダムはその感情の体現であった。
そのガンダムが出来杉にもたらすのは生か死か、勝利か敗北か、希望か絶望か……果たして?

 :

――とある廊下。
そこには二人の機械の少女、ホライゾンとアイギスがいた。

「ホライゾンさん、本当にもう大丈夫でありますか?」
「jud.、トーリ様が亡くなられた事はホライゾンにとっては今でも悲しいです。
ですがそれをいつまでも引きずるわけにはいきません。
ホライゾンもホワイトベースの一員として平和のために戦っていくつもりです」

ホライゾンは前々回の放送で恋人である葵・トーリの死を知った。
だが、マシンである彼女は同じくマシンであるアイギスと共にホワイトベースに接続することでオペレーター、砲座、エンジン操作を担っている(余談だが、操舵もやろうと思えばできるが、腐川が頑なにやりたがるので操舵だけは彼女に任せている)。
よって今ホライゾンが抜けてしまうと、その役目を全てアイギスに押し付けてしまい性能は激減、ホワイトベースが機能不全に陥る可能性も上がる。
それを理解しているホライゾンは恋人の死は今はこらえて仲間と共に戦う道を選択した。



……泣けるねえ、恋人を失っても戦い続ける少女のシチュエーション、そんな友を支える少女。
だけど! 君達の魅力はゆうかりんの足元にも及ばねぇよ!

「な、なんであります くぁwせdrftgyふじこlp;@:」
「いきなり後ろから くぁwせdrftgyふじこlp;@:」

大尉つまり俺は背後から二人にこっそりと忍び寄り、彼女らがホワイトベース操作にも使っている端子(どこにあるかはご想像にお任せする)にビーストマンが入っているPETをプラグインし、二人のシステムにハッキングして即座に本部から転送されたウィルスを流し込んだ。
……おっと、おまえら深読みすんなよ! 上の行動に性的な表現は一切ないからなw

二人には当然ウィルスを防ぐためのセキュリティがあるわけだが、修造さんのおかげでネットバトルの技術が向上している俺はハッキング技術も向上しており、ファイアウォール程度ならショウジドに等しいのだ。


『パパパッとイッて、終わりっ!』

ビーストマン先輩がハッキング作業が終わったことを報告し、俺はすぐにその場から離れることにした。
工作のために俺に襲われた(非性的な意味で)数秒前までの記憶部分は抹消しておいた。
そうとは知らないメカ娘達が再起動する。

840セカンドイグニッション:2014/10/16(木) 17:02:45 ID:UQv0oRDg0
「――ゾンさん、本当にもう大丈夫でありますか?」
「jud.、トーリ様が亡くなられた事はホライゾンにとっては今でも悲しいです。
ですがそれをいつまでも引きずるわけ――」

おまえら、その台詞二回言ってるぞ。
二人はウィルスは仕込まれたことに気づいていない。
誰かに見られている様子はなく、監視カメラも死角を通った。俺の工作に抜かりはない。



ドーモ、読み手=サン。大尉です。
今回は俺が主役じゃないのでタイトルは『汝は大尉なりや?』ではないです、が、俺も話に大きく関わるっぽいのでこのSSの裏タイトルは『汝は大尉なりや? part3.5』だと思ってくだせえ。
この度、皆様の応援のおかげでワタクシは無事にホワイトベースに忍び込むことができました。
そしてたった今、二人のいたいけな少女にウィルスを流し込みました(ゲス顔)。

具体的にアイギスとホライゾンにどんなウィルスを使ったのかというと、特定の状況になると発動するタイプのプログラムだ。
死国との戦闘において、ホワイトベース側が戦況を覆せないほど不利になると、二人が腐川から操縦を奪い死国に特攻するように仕向けてある。
勝てないならいっそ、カミカゼをやってもらおうという寸法だ。
ちなみにこのホワイトベースの動力は熱核エンジン。
死国にぶつかれば核爆発がおこり、少なくとも周辺の市街地……つまり熱斗達のいる場所も吹き飛ぶだろう。
……それって市街地で戦う事になっている大尉もヤバくね? って思っているそこの貴方、心配ご無用モーマンタイです。
その時には本部にいるデウス隊長の転送技術で本部の九州ロボに戻れる手はずになっているからだ。まさに護身完成!
現場で今頑張ってる新城さん達も風魔のどこでもドアで容易く撤収できるだろうから向こうさんの心配もいらない。

あ、ちなみにホワイトベース側が勝っても、航行不能に陥っても戦艦のエンジンを暴走させて自爆させるプログラムも仕込んであるから、結局ホワイトベースは沈む運命にある。
殺し合いの運営に邪魔な二つの対主催勢力は綺麗さっぱり消えてもらいましょう。

『どうあがいても死ぬ運命にあるのは悲しいなぁ……』
特にホラ子は悲惨だな、恋人を殺されてた悲しみを振り払って戦うと決めた矢先に自分が仲間を殺すウィルスを、知らず知らずの内に仕込まれるとは。
『しかも、それをやったのは恋人であるトーリを殺した大尉であるし、彼女は恋人を殺した男が目の前にいたことも知らず仲間として迎え入れて毒牙にかかった……皮肉過ぎてなんか芸術的』
対主催であったこととリア充であったのが二人の運の尽きだ。
ホライゾンはトーリのいる天国に逝けるように祈ってはやるよ……いや訂正、リア充はやっぱ爆発して然るべき、二人共地獄に落ちろ。
『人狼の屑がこの野郎』


工作はこれでいい。
欲を張りすぎると他の連中に俺がジョーカーであることに気づかれてしまう
幸い物資収集の折にバトルチップも大量に手に入れた以上、奴と戦う武器は大量にある。
後は己と修造さんに授けられた技術を信じて、熱斗と決着を付けるだけだ。
『いよいよですね』
ああ、いよいよだ。
俺は早く熱斗と戦いたい。
そのためにホワイトベースには飛んでもらわなきゃ困るし、そろそろ修繕作業に戻るか。

「―――」

ん?
『どうしたんです大尉?』
今、幽香さんの声が聞こえた気がするんだが……『犬にしてはお利口さんね、その調子で頑張りなさい』って……
『やべぇよやべぇよ。この大尉、虐待姉貴に惚れ込みすぎてとうとう幻聴までを聞きやがった(ドン引き)』

確かにゆうかりん成分が不足気味な俺だが、幻聴でも幽香さんが俺を褒めてくるとなんか不安になるな。
いちおう幽香さんへのホットラインを持ってるしし、今から内部工作の進み具合を連絡しておくか?
ついでにゆうかりん成分もといユウカリウムを補充できるでござるなwどんな言葉で俺を虐めてくれるのやらwww

……ダメだ。ホワイトベースにはサイボーグ忍者の雷電がいる。
奴に通信を傍受されでもしたら計画が水の泡だ。
プロとして、そんなミスは許せない。
幽香さんのご褒美は、今はグッと堪えて帰還するまで我慢するしかない。

幽香さん、俺は精一杯頑張りますよ。
だから帰ったらご褒美として俺を虐めてください。
幻聴でも他人を褒めるあなたは似合わない……犬は厳しく躾られてこそ、主人のために戦う忠犬でいられるんですから。

 :

841セカンドイグニッション:2014/10/16(木) 17:04:12 ID:UQv0oRDg0

「まさかここまで早く終わるとは……最低でも一時間はかかると思っていたぞ」
「白夜様、その代わり艦内のあちこち鼻血塗れです」

ホワイトベースの修復は十神の予想以上に早く進んだ。
元々、体力自慢の参加者が多く、特に咲夜の時を止める程度の能力と、修造&ヒートマン・大尉&ビーストマンの火のバトルチップによる溶接技術が大きく貢献し、ホワイトベースの修復は見る見る内に完了した。
15分で戦艦を建造した裕一郎一行と比べれば遅いが、それでも30分以内には納まっているのは驚異的であった。
これにてホワイトベースはいつでも発進可能になった。

「せっかく時間を短縮できたんだ、生まれたアドバンテージを無駄にしないためにも、今すぐ戦地へ向かうぞ。
アイギス! ホライゾン! エンジンを始動させろ!」
「了解であります」「jud.」

十神の指示に従い、アイギスとホライゾンはホワイトベースに接続し、エンジンを始動させた。
エンジン始動と同時に他のメンバーも急いで艦内に乗り込む。
全員乗り込んだのを見計らって、十神は艦内に放送を流した。

『お前たちのおかげでホワイトベースが戦える状態まで戻った。
この十神が感謝してやろう。だが、問題はここからだ。
俺達はいよいよ死国との全面戦争に入る』

開戦間近という空気に艦内は緊張が走る。

『ホワイトベースの航行速度ならここ京都から戦場になる大阪まで30分ぐらいで付く。
それまでに覚悟を決めておけ。
死国は広島も兵庫も焼き、大阪すら瓦礫に変えようとした冷酷な破壊集団だ。
奴らによる死傷者は既に一万単位で出ている。
そんな奴らに情け容赦は一切するな! 命乞いは無視しろ! 油断すれば背後を取られて死ぬことになるぞ!
奴らは首輪を外す技術も持っていて、こちらの首輪を外してやるといっても信じるな。
きっと首輪じゃなくて首が外されるぞ!
それだけ冷酷で残忍なことに留まらず実力も高いときている危険な存在だ。皆、心してかかれ。
心配するな、この俺がお前達が勝てるようにしっかりと指揮してやる。十神の名にかけてな。
だからこそ全力を尽くして戦え。話は以上だ。
それではホワイトベース、発進!』

十神の艦内放送が終わり、戦艦ホワイトベースは京都から発進した。
そして艦内の全員がいつでも出陣できるように戦闘の準備をするのだった。

破壊の権化と化した死国に立ち向かう多くの戦士達と、一人と一体の悪意を乗せて大阪に向かう。



ホワイトベース対死国による第二次大戦……勃発は間近!


【一日目・7時30分/日本・京都上空】

【ホワイトベース組】
※30分後には大阪に居る死国組との交戦に入ります。

842セカンドイグニッション:2014/10/16(木) 17:05:01 ID:UQv0oRDg0
○指揮・艦砲支援担当班
※ホワイトベースの砲撃によって空から地上の部隊を援護します
※ただし、戦艦と接続しているアイギス・ホライゾン両名がウィルスに感染させられています
 戦況が覆せないほど不利になる、あるいは戦艦が致命的な打撃を受けると、自動的に死国に特攻します
 逆に、戦いに勝利した場合でも戦艦を自爆させるようにセットされています


【十神白夜@ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生】
【腐川冬子@ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生】※十神の支給品扱い
【アイギス@ペルソナ3】 ※大尉によりウィルスを仕掛けられました
【ホライゾン・アリアダスト@境界線上のホライゾン】※ 大尉によりウィルスを仕掛けられました


○市街地攻撃部隊
※市街地に出ている死国組のメンバー(熱斗組+α)に攻撃を仕掛ける部隊です

【出来杉英才@ドラえもん】※デュエルガンダムが魔改造されました(見た目はただのアサルトシュラウド) 具体的にどのような改造が施されたかは次の書き手氏にお任せ致します
【大尉@HELLSING】※ジョーカーです、アイギスとホライゾンにウィルスを仕掛けました
【ビーストマン@ロックマエグゼ3】※大量のバトルチップを入手しました
【松岡修造@現実】
【ヒートマン@ロックマンエグゼ2】
【苗木誠@ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生】※ダメージは物資収集時に手に入れた薬などで回復しました
【葉隠康比呂@ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生】※ダメージは物資収集時に手に入れた薬などで回復しました
【レミリア・スカーレット@東方project】
【十六夜咲夜@東方project】
【乾巧@仮面ライダー555】※支給品扱いです
【オートバジン@仮面ライダー555】


○死国潜入部隊
※ホワイトベースや市街地を攻撃する班が敵の目を引きつけているうちに、死国に潜入して内部の敵(拳王軍+α)を掃討する班です

【雷電@METAL GEAR RISING】
【衝撃のアルベルト@ジャイアントロボ】
【ラーメンマン@キン肉マン】 ※ホワイトベース組がテリーマンを殺したことに気づいていません(ホワイトベース側も然り)
【烈海王@範馬刃牙】
【紅美鈴@東方project】
【ジョンス・リー@エアマスター】

843未だになんと言っているのか聞き取れない:2014/10/18(土) 11:29:24 ID:OwySvBqo0
魔境グンマ―……そこの住人であったグンマ―の民は死滅してしまった。
世界樹の巫女となった少女のように、その血を引く者はまだ若干名生存しているかもしれないが、
とにかくジャングルで生活していた生粋のグンマ―の民が滅んだことは確かである。

そう、グンマ―の民は滅んだ。

だが、魔境グンマ―に住む住人が、グンマ―の民だけだといつから錯覚していた?

グンマ―のジャングルの奥地には、彼らと共存していたある部族がいたのだ!
彼らはグンマ―の民に比べて肉食であり、常に野生の動物とお互いの命を懸けて戦ってきた命知らずの戦士。

「 ダンソンッ! ビーーザキィー! トゥーザティーサザコンサァ! ――ニーブラァ!」
「ウゴァー!」

【レオナルド博士@秘密結社鷹の爪】死亡
死因:ファーストニーブラ

踊りながら、そんな戦士の一人は南下していた。
水源を化学物質で汚染されたせいでグンマ―の民が弱体化したことを見抜いたため、報復として狙うのは科学者。

「カチョー、カチョーニーブラ!」

どこからか妙な曲が流れ始めて、やがて狩られたレオナルドは首だけとなるのであった。


【二日目6時30分/東京都のどこか】

【ダンシングフィッソン族@お笑いネタ】
【状態】健康、喉の渇き
【装備】民族衣装、槍
【道具】支給品一式、不明品、レオナルドの首
【思考】基本:ジャングルの水を汚染したと思われる奴を狩る
0:でもわからないのでとりあえず怪しいと思った奴は全部狩る
1:安全な水が飲みたい

844地上に輝け死兆星☆:2014/10/22(水) 14:21:39 ID:.wUTz3T.0
超弩級戦艦『死国』内。
同性愛者二人以外の超人血盟軍たちを送り込んだ後から、今回の話は始まる。

艦内の一角、そこは緑間とMEIKOたちが激戦を繰り広げた場所でもある。
その場所に、市街地に出かけている熱斗たち、ムギちゃん、祐一郎さん、AIのデューオ、悪魔将軍、春香と優、シグナムを除いた拳王軍全員が集まっていた。

「そんな……デュークが……!」
「ハクメンよ、メイちゃんよ、うぬらの話は本当なのか?」
「全て事実だ」
「緑間の奴が突然狂ってデュークを殺したんだ!
手遅れだった緑間はアタシがぶち殺したが……奴がこうなったのも全部黒幕と主催共の仕業だ、皆殺しにしてやる!」

ハクメンとMEIKOから伝えられたデュークの死と、緑間の突然の暴走。
その事実はラオウ率いる猛者揃いの拳王軍すらショックを受けていた。
特にデュークとは親友であった平等院は、これを悲しまずにはいられなかった。

「いつまでも二人の死体を艦内に置いていくわけにはいくまい」
「放置すると艦内で疫病が発生する恐れがある。残酷なようだが、二人の死体は水葬しよう」

進言したのは戦場で多くの死を見てきたドイツ軍人のシュトロハイムとアドラー。
水葬と言えば聞こえがいいが、ようは海に死体を捨てていくということだ。
しかし、放っておくと傷んだ死体が病魔が呼び寄せ、拳王軍に害を及ぼすのも事実であった。

「……」
「平等院、辛いだろうがわかってくれ」
「……わかった。俺がやるべきことはいつまでも友の死に感傷にすることではない。
デュークができなかった分まで、主催と黒幕を滅ぼすことだ……!」

悲しみを振り払い、平等院は友の水葬に承諾した。
そして一行はデッキにあがり、そこから二人の死体を海へと放り投げた。
海へと沈んでいく二人の仲間だった者たちに、仲間たちは黙祷を捧げる。
裏切ったとはいえ、緑間も野球の試合中は良き選手だったので、そこには仲間も敬意を払って死を悼む。


そんな葬式ムードな彼らに割って入るように拳王軍のタクアンことムギちゃんがやってきた。

「皆さん、悲しんでいるところ悪いんですが、お話があります」
「琴吹さん、今はスタメンはちょっと……みんなが突然の仲間の死に心を痛めてますので後にしてもらえませんか?」

野球脳である宗則はムギちゃんがチームのスタメンに欠員が出たため、新しいスタメンに誰を組み込むかを決める話をしに来たのだと思い、空気を読んでいない行為だと一時は不満な顔をするが、それはすぐに勘違いであったと知る事になる。

「いいえ、スタメンの話ではなくて……これから私たちが向かう関東に起こっている問題についてです」
「関東で起こっていること?」
「ええ」


「皆さんはヘルヘイムの森についてご存知ですか?」

 #

845地上に輝け死兆星☆:2014/10/22(水) 14:22:14 ID:.wUTz3T.0

 死国の艦橋。そこに私、シグナムがいる。
 拳王軍の仲間が狂ったり死んだりした話は既に聞いている。
 死んでしまったのは可哀想だが、私は湿っぽいのは苦手なんで葬式はパスした。
 そもそも、テニヌ高校生とバヌケ高校生とは紅白戦以外の接点がないので悲しみたくとも悲しめないのだ。
 ……なんだかドライすぎると自分でも思っているが、別の世界で多くの殺し合いを経験してきた身として、原作以上に他者の死に慣れすぎてるものなんでね。
 あんまり冷酷とか思わんでくれよ。

 それはともかく、ここには私たちと同盟を結び、真の黒幕と言われるものが隠れる富士の不思議のダンジョン奥底にある死者スレへの侵攻を企てる男・悪魔将軍がいる。
 そんな彼は酷く苛立っているのは、なぜか?

「ええい、祐一郎よ! おまえの息子たちはまだ戻らんのか?」

 その理由は熱斗を主軸とする食料調達のグループが、送り出した大阪の街から一向に戻ってこないからだ。
 将軍様は九州ロボにいる主催陣への陽動のために自分の部下が多く含む超人血盟軍を送り込んだ。
 だが調達グループが戻らないようでは、いつまで経っても死国は関東へと発進できず、時間を無駄に消費する分だけ血盟軍の奇襲による陽動の意味もなくなってしまう。
 イライラするのも無理はない。

「さっき受け取った熱斗からの情報によると、どうやら何人かが街の中で迷子になってしまったらしい。
迷子になった仲間を探すために時間を食っているようだ」
「急がせろ、8時までに戻ってこないようなら置いていくと伝えろ」

 祐一郎さんの返答に対し、将軍はかなり酷なことを言った。
 いくらなんでも仲間を置いていくのは酷すぎやしないか?
 そんなことを思っていたらカーネルが私の気持ちを代弁してくれた。

『仲間を置き去りにするのか?
戦力としても彼らは必要だろう。もう少しくらい待つべきはないか?』
「当初の予定では死者スレ攻めは私と飛竜、数人の悪魔超人だけで行うつもりだった。
多少の戦力は欠けても問題はないが、時間は惜しい。
このままでは今頃、九州ロボで戦っているであろう配下の戦いが無駄になる。
どのみち迷子になるような迂闊な奴は死者スレ、ひいては『あやつ』との戦いでむざむざと死ぬだけだ。
置いていった方が、そいつの身のためでもある」
『しかし……』
「いや、いいんだ。わかった、悪魔将軍。
8時を過ぎたら死国は出港する旨を熱斗たちに伝えておこう」
『祐一郎?!』

 出港を強要する将軍に対して不満を顕にするカーネルに対し、祐一郎さんは意外にも将軍の意見に同意した。
 なぜ同意したのか、疑問に思った私は祐一郎さんに尋ねる。

「本当にいいのか?
だいぶ長く熱斗と行動を共にしてきた身として言わせてもらえば、あいつらはハチャメチャなネットバトル脳の持ち主だが仲間を置いていくような冷たい性格の持ち主でもないぞ」
「熱斗の父親だからこそ、あいつの性格はよくわかってるさ。
はぐれた仲間を置いていけと言っても、きっと熱斗は聞く耳もたずに仲間が見つかるまで探すのだろう。
だったら逆に考えるのさ、来ないなら置いてっちゃえばいいんだとね」

 ジョジョ一部でも知名度の高い台詞を前振りに、祐一郎は理由を答えた。

「熱斗たちが出港した死国に後から追ってこれるように高速艇を港に用意しておく。
念のため、高速艇は仲間内の誰かでないと動かせない仕組みにしておくつもりだから、知らない誰かに高速艇を奪われる心配もない。
後は熱斗たちでなんとかできるだろう」
「なるほどな」

 熱斗たちを置き去りにしても死国に合流できる手段を用意できるからこそ、先の将軍の催促に同意したようだ。
 祐一郎さんなら五分足らずで高速艇の一台くらいは作れるだろうし、何も問題ないね。
 そんなわけで祐一郎さんはさっそく船を作るべく格納庫へ向かおうとする……がその前に艦橋にムギちゃんことタクアンさんを先頭に、拳王軍の面々が入口から押し入ってきた。

846地上に輝け死兆星☆:2014/10/22(水) 14:23:10 ID:.wUTz3T.0

「拳王と小娘? 仲間の葬式を行ってたんじゃなかったのか?」
「将軍様、それどころじゃないんです。これを見てください……デューオさん」
『ああ、ヘルヘイムだな』

 タクアンさんの指示と共に艦橋のディスプレイにデューオが現れ、将軍や私たち全員に何かの情報を見せた。

「これは……」
「ベジータさんの持っていたパソコンに気になる情報があったので、本人の許可をもらった後でデータをコピーしておいたものです。
これはヘルヘイムの森だそうです」

 タクアンさんは緑間とMEIKOたちが戦っている間、そしてデュークたちの葬式を行っている間に姿を見せなかったのは個室でこのヘルヘイムの森の情報を調べていたからだ。
 開示された情報にはヘルヘイムとは異界の植物によって構成された森であり、クラックというブチャラティのスタンドの如く異界を移動できるジッパーから現れるその植物の成長速度は、通常の植物の何十倍も早いということ。
 ヘルヘイムの森にはインベスという怪物がおり、ヘルヘイムから生み出された果実を食べてしまった生物はインベスという怪物に変異してしまうということ。
 そして異界からやってくるヘルヘイムの植物はその生命力と成長測度から地球の植物を淘汰して覆い尽くし、食料がヘルヘイムの果実しかなくなる結果として地球上全ての生き物がインベスと化すので、最終的にこの世界が滅ぶという実に衝撃的な内容だった。
 ユグドラシルという組織は、(組織の利益を優先しつつも)このヘルヘイムの驚異から人類を守るべく動いていたらしい。

「怖いよぉ……優ちゃん」
「春香ぁ……」

 同性愛者二人のみならず、差異こそあれど皆が驚いていた。

「……」
「将軍様?」
「直接見たことは一度もないが、私はこの森と似たような話を聞いたことがある」
「本当ですか?!」

 元は神話級の超人である悪魔将軍はどうやらヘルヘイムのことを多少は知っていたらしい。
 彼の知りうる限りの情報が語られる。

「平行世界から現れ、恐ろしい速度で規模を拡大していく植物や、その植物になる果実を食らった者を怪物に変える森の存在があるとな。
手に入れたものに絶大な力を与えると言われる『禁断の果実』やそれを手にした強大な力を持つ『王』こそ載っていないが、それ以外の情報は私が知っているものと一致する。
 このヘルヘイムとは、私が噂で聞いた森で概ね間違いないだろう」
「やっぱり、ヘルヘイムは実在するんですね」
「だが小娘、なぜ今ヘルヘイムの話をする?」
「それはですね……」

 タクアンさんが次に出したのは、カオスロワちゃんねるに貼られた都庁――が大きな大樹と化した画像であった。

「なんだこれは?」
「都庁に僅か数時間の内に姿を変えたものです」
「都庁って確か、魔物が集まっているという東京の都庁のことか?」

 昨日まで熱斗たちと共に東京を探索していた私だが、その頃の都庁はこんなに植物じみた姿をしてなかったはずだ。
 これにはさすがの私もびっくりだ。
 あんな短時間で東京の真ん中にこんな大木が生えるなんて……短時間の間?

「皆さんも、そろそろお気づきでしょうか?」
「まさか……」
「周辺に被害を及ぼすほど凶悪な魔物が集まり、短時間の内に異常な成長を遂げる植物……すなわち都庁にできたこの大樹こそヘルヘイムの森なのではないでしょうか?」
ΩΩΩ<ナンダッテーーーッ!?
「この成長速度では数日……いや、十数時間の内に日本がヘルヘイムの森に侵略されてしまうかもしれません……」

 都庁はヘルヘイムの森に侵略されていたッ!!!
 タクアンさんからもたらされた衝撃の事実である。
 東京にいた時は都庁に魔物が集まっている話は大したことではないと思い、シカトしたのが仇になったようだ。

「いかがなさいましょうか、将軍様」
「これからこの殺し合いの黒幕である『あやつ』を討伐しにいくのだ。
森など『あやつ』を討った後に焼き払えばいい、捨て置け。
――と、言いたいところだが、今回ばかりは旗色が悪い。
なにせ、私は数時間前から私やハクメンに並ぶ力の存在が東京に現れたことを感知しており、それは時間増しに大きくなっている気がしていた。
ひょっとすると噂に効くヘルヘイムの『王』がこの世界に降臨したのかもしれない」
「禁断の果実を持つ王……!」
「悪魔将軍よ、王とやらはうぬほどの男が汗を流すほど無視できない存在なのか?」
「左様だ、それほどの危険な存在であるようだ。
もしヘルヘイムの王が悪辣さと知性を兼ね揃えているなら、この殺し合いという混沌とした状況はそやつにとって絶好の機会にもなる……そうだとしたら小癪なことこの上ない」

847地上に輝け死兆星☆:2014/10/22(水) 14:23:41 ID:.wUTz3T.0

 都庁にできたヘルヘイム、引いては王と言われる存在は悪魔将軍ほどの男でも汗を流すほどの力の持ち主らしい(この人、割と汗かきだが)。
 
「『あやつ』とも違う力に正体もわからず、最初は後回しにするつもりだったが……
考えてみれば、都庁のある東京は富士のある静岡・山梨にもさほど遠くない位置にある」
「これだと最悪、死者スレに私たちが攻め込んでいる時に背後を取られてしまう危険もあります」
「誰かが足を止め、もしくは殲滅に出向かせる必要があるな」
 
 ここにきて主力のために戦力を分ける必要ができてしまった。
 だが、今の都庁は将軍様曰く絶大な力を持つ存在がいるらしく、生半可な者ではズガンされてしまうだろう。

「では、私がヘルヘイムの怪物たちの成敗に向かうか?」
「ハクメン、おまえの惑星すら破壊できるパワーは『あやつ』との戦いのために温存しておきたい。
ヘルヘイムと戦うよりも、血盟軍の奇襲の効果が続いている間に死者スレにおいておまえの実力を発揮させたい」
「ではその役目、我ら拳王軍が引き受けよう」

 そこで都庁殲滅に名乗り出た男たち、拳王軍だ。

「拳王……確かにおまえたちほどの実力者なら都庁のヘルヘイムにも対抗できるだろうが……」
「都庁のヘルヘイム、そしてインベスという下賎な輩に我ら拳王軍が野球の試合を申し込み、王とやらも含めて全員屠る。
野球の試合をしなくても全員は屠るまでよ」
「ネットの情報によるとインベスたちは東京において多くの参加者を殺して回っているそうだ。
そんな凶悪な奴らは滅ぼすまでだ……!」
「黒幕をぶち殺す前座に、このクソッタレな殺し合いを助長する畜生どもを一匹残らず皆殺しにしてやる!」
(関東にはイチローさんがいる……チームもだいぶ集まってきたし、是非とも会いにいかなくては!)
(働けばハチミツをもっともらえるかな?)
「拳王たるこの俺からしてみれば、そやつらとはいつかは覇を賭けて戦う時が来ると思っていた。
その時が黒幕とやらと戦う前か後になるかだけだ」
「拳王さんたちほどの実力ならインベスもきっと殲滅できるでしょう。
後は、ビッグサイトを本拠地にしている大量のDMC狂信者が気がかりなところですが……もののついでにその人たちも倒してきましょう。
そうすれば背後を取られる心配もなくなりますね」

 この場にいない出っ歯さんや黒狸を除いて、拳王軍全員が都庁殲滅及び東京平定に乗り気であった。
 ヘルヘイムやDMC狂信者どもは涙目だな。

「ハクメンさんと、そして野球で役に立たない……もとい、熱斗くんたちのようにスタメンに入ってないメンバーを死者スレ攻略に割り当てます。
後は拳王さんが東京を平定して、東京から富士まで移動する時間を込みで考えても三時間以内にはそちらに合流できますね。
血盟軍のBHさんが戻ってこれれば、なお早く迎えると思います」
「なるほど……それでは東京は拳王軍に任せよう」

 拳王軍スタメンに入ってないメンバーは死者スレで黒幕と戦う側に回る……あ、スタメン落ち確定の私は死者スレ側だな。
 将軍も拳王とタクアンさんの案には賛成したようだ。
 さっき、死者スレ攻めは将軍自身が自分たちだけで行うつもりだったと言っていた上に、タフな血盟軍の超人連中も早々全滅はしないだろうし、拳王軍が抜けた分もたぶんなんとかなるでしょう。

「後は食料を調達しにいった連中さえ戻れば、すぐにでも出港できるのだがな……」
「うむ、殿馬とクロえもんがいなければ、次のキャッチャーやファーストだけだなくセカンドとサードにまで穴ができてしまうな」
「スタメンについては僕とムギちゃんでおいおい考えるさ」
「焦りは禁物ですよ。熱斗くんたちもきっと帰ってきますから」

 そう、タクアンさんが言ったとおり、ロワにおいて焦りは禁物。
 なるようしかならないんだ。
 幸い、主催は九州で超人たちの奇襲を食らってアタフタしているだろうし、ヘルヘイムとビッグサイトも東京、黒幕は富士山と、主だったマーダーや敵対者はみんな遠い場所にいる。
 この船が出港し、主戦場の関東に着くまでの間はゆっくりできそうだな。

 ……ふう、そういえば紅白戦で汗をかいたまんまだったな(私はほとんど動いてないけど)。
 ちと汗臭いのが気になるし、今のうちに温かいシャワーでも浴びとくか。


 #

848地上に輝け死兆星☆:2014/10/22(水) 14:24:12 ID:.wUTz3T.0


拳王軍をラオウ以上にコントロールしてきた琴吹紬は、大物との説得交渉に加えて野球もできる優秀な娘であった。
……だが、そんな彼女も時には間違いを犯す。
ベジータが持ってきた高虎のパソコンのデータを見て、特徴の一致から都庁にできた世界樹をヘルヘイムの森と勘違いしてしまったのだ。
彼ら都庁の魔物は条件付きではあれど本来は拳王軍と志を共にする対主催であるが、天魔王軍がかつてネットで行った情報操作によって都庁の魔物=凶悪なものとされ、悪魔将軍にもたらされた情報により拳王軍の中では都庁の魔物はインベスであると思い込んでいる。
特に拳王軍の中では紬の存在が大きく、彼女に頼ってきたことも相まって、彼女の過失を疑うものは誰ひとりいなかった。
このまま間違いに気づかねば、関東で対主催同士の争いに発展し、血で血を洗う悲しき戦いが待っているだろう。

そして、シグナムは暢気にシャワーを浴びてる場合ではなかった……主催や黒幕、関東で幅を利かせている勢力ばかりに目が行き、現在進行形で死国組の面子を次々に暗殺しているジョーカーの存在や、自分たちを討伐せんと向かってくる対主催集団の存在に気づいていなかったのだった……


教訓:置き引きは犯罪です。
   勝手に他人の者を持ち出すのは止めましょう。
   何が言いたいかと言うとベジータが全部悪い。


【二日目・7時30分/大阪府・超弩級戦艦『死国』】
※デュークと緑間の死体が水葬されました
※現在、死国に残っている全員がヘルヘイムの森について知り、都庁にできたヘルヘイム(誤解)を殲滅するために拳王軍が討伐に向かうことになりました

【ラオウ@北斗の拳】
【状態】健康、首輪解除
【装備】炭酸水
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】基本:ダース・ベイダ―たちを倒す
0:主催者チームを全員屠る
1:そして、拳王が新たな時代を作る
2:東京へ行き、拳王軍を率いて都庁のヘルヘイムを屠る
3:死兆星から使者の小娘を配下にしたぞ!
4:トキ似の男を配下にしたぞ!
5:強そうな鎧の女を配下にしたぞ!
6:謎の黒猫たちを配下にしたぞ!
7:なんかいろいろ配下にしたぞ!
8:悪魔将軍たちと協力体制を取るぞ!

【琴吹紬@けいおん!】
【状態】精神的にぶっ飛んでる、左手骨折、首輪解除
【装備】超弩級戦艦『死国』、キーボード、現金1兆円ほどが入った特注ジュラルミンケース
【道具】支給品一式、たくあん@現実、その他不明
【思考】基本:生き残ることを最優先
0:死者スレに向かう悪魔将軍と熱斗組を支援するべく、都庁のヘルヘイムを打ち倒す
1:新スターティングメンバーを選考する
2:拳王とやらの配下になる
※今までとは別人に決まってんだろ!!いい加減にしろ!!
※核ミサイルは超弩級戦艦『死国』に改造されました。
※ベジータの所持していたパソコンからヘルヘイムの情報を得ました、そして都庁の世界樹をヘルヘイムによるものだと誤解しています

【平等院鳳凰@新テニスの王子様】
【状態】健康、悲しみ、首輪解除
【装備】テニスラケット、テニスボール×∞、諭吉一枚
【道具】支給品一式、少年ジャンプとヤンジャン、その他不明
【思考】基本:主催者達を滅ぼす
1:マーダーも滅ぼす
2:ラオウたちと行動する
3:テニスがしたいが、野球をする
4:デューク……

【MEIKO@VOCALOID】
【状態】腹部にダメージ(大)、修羅化、首輪解除
【装備】アルティメットアーマー@ロックマンXシリーズ
【道具】支給品一式、ノートパソコン@現実
【思考】 基本:『真の黒幕』及び主催者共の皆殺し
1:ラオウ達に協力してもらう
2:ヘルヘイムのインベスはとりあえず皆殺し
※今までとは別人です。
※『無限の回転』を習得しました

【プニキ@くまのプ○さんのホームランダービー】
【状態】健康、全ステータスMAX、首輪解除
【装備】木の棒
【道具】支給品一式、最高級ハチミツ、その他不明
【思考】基本:ムギさんからハチミツを貰うために主催者たちを野球で潰す
1:ホームランを打つ

【川崎宗則@現実?】
【状態】健康、ウキウキ、首輪解除
【装備】バット、ボール、グラブ
【道具】支給品一式
【思考】基本:イチローを倒してでも、マリナーズに連れ戻す
1:関東からイチローさんの気配がする

849地上に輝け死兆星☆:2014/10/22(水) 14:24:56 ID:.wUTz3T.0

【シグナム@リリカルなのはシリーズ】
【状態】健康、自称フリーター、首輪解除
【装備】レヴァンティン
【道具】支給品一式、PET(カーネル入り) 、SPW財団以上の資金とか多数のレアチップ、シンクロチップ
【思考】基本:働かなくて済むように動く
0:ひとまずシャワーを浴びたい
1:熱斗たちについてくる
2:主催者たちは倒す
3:そろそろ、本気出したい
4:『真の黒幕』と戦ってみたい
※今までとは別人ですが記憶(と一部能力)を受け継いでいます
※PSP版の技は使えませんが、念能力が使えます
※キン肉マンの知識があります
※首輪解除の技術を持っています

【カーネル@ロックマンエグゼ】
【状態】HP満タン
【装備】カーネルのブレード
【道具】なし
【思考】基本:ロワの破壊
1:今は(仕方ないので)シグナムに従う
※PETの中にいます

【光祐一郎@ロックマンエグゼ】
【状態】サイボーグ化、首輪解除、高速艇製作中
【装備】なし
【道具】支給品一式、自作爆弾
【思考】基本:息子たちをサポートする。
0:死国を使って、関東まで仲間たちを運ぶ
1:主催者について調べる
2:できれば九州ロボを取り戻したい
3:熱斗たち遅いなあ……
4:息子たちのために念のため、港に高速艇を用意する
※九州ロボの制作を提案した人物がいるようです
※カオスロワちゃんねるにより、危険人物扱いのレッテルを貼られました
※製作中の高速艇は死国組の誰かでないと動かせない仕組みになっています

【デューオ@ロックマンエグゼ4】
【状態】HP満タン
【装備】ジャスティスワン、ザ・ワールド
【道具】なし
【思考】基本;とりあえず、ディオたちを見守る
1:死国に対主催達を乗せて、九州ロボ及び主催者を殺す
2:ディオの奴、まだ戻らないのか?
3:恐ろしいなあ、ヘルヘイム
※超弩級戦艦『死国』のメインAIになりました。
※キン肉マン(旧シリーズ)全巻を読み、友情パワーに目覚めました。
※36巻以降の知識(完璧・無量大数軍編)以降の知識はありません。
※ベジータの持っていたパソコンから情報を抜き出し、ヘルヘイムの情報を得ました

【ルドル・フォン・シュトロハイム@ジョジョの奇妙な冒険】
【状態】首輪解除
【装備】なし
【道具】支給品一式、不明
【思考】基本:主催共に一泡吹かせる
1:祐一郎達と行動する
2:雷電は確実に倒す
3:ブロッケンjr.を全面的に信頼

【アドラー@エヌアイン完全世界】
【状態】それなりに健康、首輪解除
【装備】電光機関@エヌアイン完全世界、四次元ポケット(中身入り)@ドラえもん
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】基本:ダイアー達と行動する
0:俺は……アドラー……えもん
1:ブロッケンjr.を全面的に信頼

850地上に輝け死兆星☆:2014/10/22(水) 14:25:15 ID:.wUTz3T.0

【悪魔将軍@キン肉マン】
【状態】健康、首輪解除
【装備】黄金のマスク、サウザーのバイク@北斗の拳
【道具】不明
【思考】基本:主催達の抹殺
1:死者スレに向かい、死者スレの破壊及び真の黒幕である『あやつ』の抹殺
2:他の悪魔超人たちには陽動を及び危険因子の排除
3:都庁のヘルヘイムは拳王軍に殲滅させる
4:8時までに戻ってこないようなら熱斗たちは置いていく
※完璧・壱式ゴールドマンです
※フォレスト・セル(ヘルヘイムの王と誤解している)の力を感知しています

【ハクメン@BLAZBLUE】
【状態】健康、unlimitedモード
【装備】斬魔・鳴神
【道具】支給品一式
【思考】基本:『悪』を滅する
1:主催及び世界に災いをもたらす者を『刈り取る』
2:風鳴翼は滅する
※勾玉ゲージ等の状態は次の書き手に任せます
※unlimitedモードに入りました

【高山春香@桜Trick】
【状態】健康、首輪解除
【装備】野球のユニフォーム
【道具】なし
【思考】
基本:優ちゃんとイチャイチャする

【園田優@桜Trick】
【状態】健康、首輪解除
【装備】野球のユニフォーム
【道具】なし
【思考】
基本:春香と一緒

851魔都シンジュク:2014/10/27(月) 22:28:31 ID:bISRWHrk0
【TCBR二日目・午前7時20分頃】

 この時、カオスロワちゃんねるは大いに盛り上がった。
 新たにスレが乱立され、多くの参加者は正確な情報を求めて右往左往。
 祐一郎さんご一行が戦艦『死国』を完成させ、その砲撃により兵庫県を崩壊させた事件の熱が冷める前にだ。

【緊急速報・都庁の地下から明らかにやばすぎる奴が出てきた】

 世界樹の核たる存在、フォレスト・セルがついに地上にその姿を現したのだ。
 都庁を統べるとされていた金色の巨龍さえ可愛く思えるほどの、圧倒的な迫力。
 そしておよそこの世の生命体とは思えぬ、形容しがたき姿。
 おぞましい雄叫びと共に地面をぶち抜き現れた異形のそれは、恐怖の対象となるには十分過ぎた。

【非常事態・都庁に新しい赤いドラゴンまで合流した】

 その僅か数分後、高速で都庁を目指していた赤い龍の姿を、一部の参加者は見てしまった。
 異形の怪物が、その際に龍を撃墜するような真似はしていない。
 そもそも都庁の地下から出現している以上、怪物も都庁の魔物の一人と判断すべきなのだろう。
 数時間前、各地で暴虐非道のかぎりをつくしているDMC狂信者の軍団を返り討ちにし、一人残らず土に還した都庁軍。
 それに加えて新たな怪物と追加の龍まで現れたとなっては、いよいよ都庁に対する恐怖の感情は最高潮である。
 それまで打倒都庁と書き込んでいた参加者でさえ、怯えてしまっている。
 もはや、警戒ではすまない。ただただ、参加者達は都庁の軍勢に恐怖していた……


――――



『俺は、バサラという男に出会って歌の素晴らしさと、歌を愛する者の素晴らしさを知った。
 そこに人間も魔物も機械も、種族や国境など関係ない。どうか、今少し考えてくれないか?』
『ふむ、我ら三竜一顔がいかついお前を恐れぬ人間達か……私は、まどかの意思を尊重しよう』
『……』


 都庁の、いや世界樹内の大広間には、とうとう三竜が揃い踏みとなっていた。
 圧倒的な三体の竜の会話を、周りにいる者達は固唾を飲んで見守る。

 そこには、実に多種多様な者が存在していた。
 東京都庁を乗っ取り、世界樹を完成させて生活する魔物達。
 殺し合いで多くの命が失われていく様を見てきて、それぞれの思いを胸にここまで生きてきた人間達。
 戦闘能力もピンからキリまで、国籍も年齢も何もかも全てがバラバラな集団。
 だが彼らはある一つの目的のために、紆余曲折の末ここに集まった。

『……わかっているさ、我も。迎え入れよう、赤竜とその仲間達よ。
 ――主催者を討つというためならば、我らもこの牙と爪を存分に振るってくれる』

 対主催、殺し合いの破壊。それがこの場に集まった者達の共通の目的だ。

852魔都シンジュク:2014/10/27(月) 22:28:57 ID:bISRWHrk0
 都庁の魔物を率いていた金竜の承諾が降り、赤竜の仲間達は大いに喜ぶ。
 その中には妙なきぐるみを着込んだ少女もいたが、まだその珍妙なブツを脱ぐことはできないでいた。
 確かに、赤と蒼と金、魔物の長たる三竜とは和解が成立した。
 だが現在、実質的に魔物を纏め率いているのは魔王。
 そしてこの都庁において、人間の身でありながら三竜をまとめて葬れる青年だ。

「……」
『……』

 今度は三竜も混ざり、二人の反応を固唾を飲んで見守った。
 ひっそりとこの二人が機械的な奴は見敵必殺思考であると聞かされていたフェイは、特に緊張しながら。

「戦力が増えることは、こちらとしても喜ばしい。
 そちらが我らを敵視しないのであれば、私も力を貸そう。ただし、よく覚えておくのだな。
 たとえここの魔物が今後許そうとも、世界樹を傷つけ、行き過ぎた化学兵器に頼った場合には……私は容赦しない」

 放たれる覇気に、フェイとつい先刻までガンダム(機動兵器)に乗っていたロックオンは思わず怯む。
 だが、この魔王も愚かではない。おそらくだが、この殺し合いの最中だけは多少そういったものを使っても許されるだろう。
 多分きっとおそらくだが。
 とにかく、これで魔王の許可も降りた。残るは一人。

「やれやれ……」

 そういいながら溜息をついた青年の動きに、その場の全員が身構えた。
 彼を知る都庁の魔物や魔法少女は勿論、来たばかりの赤竜達もだ。
 フォレスト・セルを除けば、彼はこの場にいる全員をあっという間に惨殺できるだけの力を持っているのだ。
 人間の姿であることが、余計に恐怖心を煽る。悪魔超人であるスニゲーターさえ、冷や汗を隠そうともしない。

「……レストさん」

 そんな中、ただ一人だけが怯むことなく彼をじっと見据えていた。
 その真っ直ぐな瞳の持ち主は、世界樹の巫女となったまどかだ。
 いかに彼女が世界樹の加護を受ける身となったとはいえ、それでも勝てないであろう相手を前に、一歩も退かない。

「わかったよ、僕の敗けだ。僕の力、もう一度……人のためにも使おう」
「それじゃあ!」
「積もる話はあるかもしれないけど、さあまずは手始めにその邪魔なものを外しちゃおうか」

 そして最後の番人も、ついに折れる。
 心底まいったといった表情を浮かべながらも、その両手には自作と思われる道具をいつの間にか握っていた。

 突風が吹きぬける錯覚を、誰もが覚える。

 次の瞬間には、次々に首輪の残骸が地面に落ちていく。
 つけられていた時間は決して長くはないはずだが、それでもまるで長年の呪縛から解き放たれたような解放感。
 瞬く間にその解放感を誰もが味わう。これでここに集まった者は、爆死の恐怖から救われた。

 一部から沸き起こる歓声。
 もう盗聴されることも、一方的に命を奪われることもない。
 同じ土俵に立った主催者を相手に、世界樹にて人と魔が手を組んで牙をむく。


――――

853魔都シンジュク:2014/10/27(月) 22:29:28 ID:bISRWHrk0
『さて、全員集まったか。まずは我らを恐れず、ここに集ってくれた者達に感謝を』

 金竜の言葉の後に、それぞれの竜が頭を垂らして人間でいうお辞儀をする。
 大広間には木製の椅子とテーブルが用意され、そこにはここに集った面々が全て揃っていた。
 なおトリンのみ、通訳担当ということで三竜の横が定位置となっている。

『正直なところ、我もまだ人間と言う種族全てへの憎しみがなくなったわけではない。それは諸君らも同じだろう。
 しかしながら、同時にまだ我々を理解しようとしてくれる人間も多く存在することも知ることができた。
 この場に限らず以後も諸君らと友好的な関係を築けるよう、我ら魔物も尽力していく所存だ。
 そのためにもまずはこの殺し合いの環境を終わらせることが先決だが、敵は主催者だけではない。
 これから我らが掴んでいる敵対勢力の情報をあげていくが、何かあれば遠慮なく挙手で意見を頼む』

 その後、都庁の軍勢のそれぞれの口から主な警戒すべき存在の情報が語られる。
 第一に、放送でも指名手配された風鳴翼。下手に挑んでは逆に相手を強化させてしまうことや、
 謎の物質のことも含めて最重要警戒人物であることなどが全員に伝えられた。
 第二に、各地を闊歩するDMC狂信者。世界樹内部にまでスパイが潜り込んでいたことや、
 襲撃を返り討ちにしてなお把握しきれない程の大軍勢であることなどが伝えられた。
 そして……

「あのー、ちょっといいかな?」
『はい、そこの妙に膨れた少女……フェイだったか。む、壇上に上がりたいのか?』
(この着ぐるみ動きにくい……なんでこんな太ましいの)

 よたよたと移動しながら、フェイが金竜に代わって壇上に立った。

「まだほとんどの人がその存在を知らないみたいだけど、天魔王軍という恐ろしい集団がいるの!
 殺人や略奪行為をこの都庁の魔物になすりつけて、ずっと前から暗躍していたんだと思う。
 天魔王軍がネットの情報操作をしていたということは、私が直接この耳で聞いたから間違いない。
 トップはデミーラと呼ばれていたオカマ。それに三体のマシ―ンモンスターとワイヤーや空間転移する怪人がいたわ!」
 
 フェイからもたらされた情報に、一気に広間はざわめいた。
 魔物達は自分達に濡れ衣を着せ続けていた新たな敵の存在に憤り、人間達はなるほどそういうことだったのかと納得をする。
 都庁軍と既に情報交換をしていた者は、彼らの話と実際の被害の食い違いをずっと疑問に思っていたのだ。
 そもそも信じていた情報が偽りのものであったのであれば、その疑問も解消される。

「ちょ、ちょっと待って!」
「デミーラって名前のオカマなんて、一人しか思いつかなないぞ!?」

 そしてそれを聞いた二名、あかりと日之影が勢いよく立ち上がる。
 暗躍しつづけていた天魔王軍の情報は、ほとんど出回っていない。
 しかしこの二人に限っては、その名前に聞き覚えがあったのである。

「そこの霞んで見える人達、天魔王軍について知ってるの!?」
「あ、ああ。とは言ってもゲームの話なんだがな。ドラゴンクエスト7ってゲームのラスボスがオルゴ・デミーラって奴だ。
 その正体はムカデみたいなドラゴンで、それを隠すための人間形態が何故かオカマ口調だったんでよく覚えてる。
 しかしまさか、ゲームの中の魔王が実在して暴れているってのか? メガザルの腕輪が実在していたのは確かだが……」
「もしかすると、その三体のマシーンモンスターも……」

 かつて、激戦に続く激戦で日之影は片腕を失い、黒子は顔の皮膚を失い、小町は生死の境を彷徨った。
 そんな彼らを救ったのは混沌の騎士の命とメガザルの腕輪。ゲーム内だけの存在と思われているものだった。
 しかしそれが実在していた以上、ゲーム内の装備品だけでなくキャラクターが実在していても不思議ではない。
 思わぬところからの有力な手掛かりに、視線が一気に二人に集まる。

854魔都シンジュク:2014/10/27(月) 22:29:59 ID:bISRWHrk0
「――マシーンモンスターの特徴は大体こんな感じよ」
「うーん、核爆弾を乱射するのは知らないけど、間違いなく残りの二人はエビルエスタークとキラーマジンガだね」
「両方共最強クラスの敵だ。エビルエスタークは猛毒に弱いという欠点があるが、キラーマジンガはただ単純に強い。
 特にあいつはドラゴンとメタル系の相手に対して特効の斬撃を繰り返すから、ここの魔物とはかなり相性が悪いな」
「オルゴ・デミーラもゲームの中だと弱いんだけど、完全な状態じゃない時に戦うんだよね。
 本気の本物がどれだけ強いのかはわからないや……でもきっと、人間形態が一番手強いはずだよ」
「ゲームでは俺、羊の群召喚しまくって速攻で倒しちまったから行動パターンは覚えてねえな……」

 ある程度の情報が集まり、天魔王軍への対策も不可能ではなくなった。
 ゲーム通りであれば、卑怯な手段を使うことなく真っ向から神を打ち倒す程の力を持つ恐ろしい魔王らしいが、
 今の世界樹にも強力な魔王がいる。決して勝ち目がない相手ということもないだろう。

『皆、情報提供感謝する。とりあえず天魔王軍には地獄を見せる方針でいこうと思う。
 機械兵器に我らを貶めようとする魔王などに、一切の遠慮はいらぬ!』
「次は私ですね。少し前にここを訪ねてきたブリーフ博士達から頂いたものですが、主催者陣営の情報が少しあります」

 続いてサクヤの持つパソコンに、主催者陣営の名簿が映される。
 あいにく世界樹内にはプロジェクターとかそういったものはないので(というか不要と判断され捨てられた)
 大勢が小さなパソコンに群がるという妙な光景が生まれてしまった。
 しかしこの名簿に書かれた名前等を記憶しておけば、ジョーカーとして忍び込まれることもないだろう重要な情報。
 全員が食い入るように見つめ、その内容を頭に叩き込んでいく。

「――さて、主催者の情報はこれくらいでしょうか。次に……ある種主催者以上に厄介な拳王連合軍についてです。
 彼らに関しての情報は溢れかえっていましたが、一言で言い表すなら殺戮集団以外には考えられません。
 少し調べただけでも、彼らと野球を行ったチームは皆殺し、広島県を焦土に変えた瞬間の動画もありました。
 さらに九州ロボへの砲撃、兵庫県への砲撃も確認されており、大地としての損害は甚大。
 世界樹をあちらにも生やしたとしても、完全に元通りにするには長い年月が必要となりそうです……」

 魔物達が、一気に騒がしくなる。彼らからすれば……いや人間からしても貴重な住み場所を奪われたのだ。
 それもちょっとやそっとではない、壊滅的な被害。自然災害で破壊された街ですら復興には数年がかかる。
 それだというのに、人為的に圧倒的な力で破壊されたとなっては……広島と兵庫が元に戻るのはいつになるだろうか。

「さらにそれだけではなく、機動兵器に乗って連合の一部人員が大阪の街に降り立ち、略奪行為を行っているそうです。
 ほとんどの人は避難しているそうですが、一部には小町さん達への悲痛な救援要請などもありました……」
「そっか、あたいがあの時に巨大ロボを止めたからみんな……
 そうだ、忘れるところだった! 白いお侍のおかげでなんとかなったけど、あの時大阪も強力な砲撃を受けたんだよ!」

 小町の言葉に、さらに周りがざわつく。
 これで広島、兵庫、九州、そして大阪。近畿地方を中心とした破壊活動の数々は、とても無視できるものではない。

855魔都シンジュク:2014/10/27(月) 22:30:34 ID:bISRWHrk0
「彼らは首輪も容易く外しており、一部では主催者とも繋がりがあるのではないかと――」
『もういい。ここまでの行いで、連中に対して我らが取るべき行動はただ一つ。
 ――皆殺しだ。これ以上連中を放置すれば、次々に廃地を増やされてしまう。迅速かつ徹底的に潰す必要がある。
 いかな理由であれ、大地を焼き払い続けた事実は変わらぬ以上、もはや対話の余地も無し!」
「私も同意見だな。冷酷な行為に加えて高い実力、仮に生かして拷問するにしても全力であたらねばこちらがやられる。
 この件に関しては反対する者もいるかもしれないが、先に言った通り私はこういった相手には容赦する気はない。
 影薄と魔法少女達も、文句は言わせぬぞ。協定は結んだが、そういった人間は殺す旨は伝えた筈だからな」

 金竜の咆哮にあわせるように魔物達は雄叫びをあげ、ダオスの静かながらも怒りに満ちた声に人間は黙り込む。
 だが元より、この方針に反対する人間はこの場にはいなかった。
 誰もが純粋な対主催であり、無益な犠牲を嫌う者達ばかりではあるが、ことこの拳王連合軍に関してだけは例外だった。
 既に彼らのせいで多くの命が失われており、都庁の行いが情報操作によるものだとわかった今となっては、
 おそらくDMC狂信者以上に人を殺めているであろう拳王連合軍は最悪最強のマーダー集団だ。
 あまりにも冷酷非道な行為の数々を知ってしまえば、どんな聖人であろうと説得は諦める。
 もう殺して次なる被害を抑えること以外、誰も思いつかなかったのである。

「どうしてなのよ……魔女や魔物が絶対悪だと思ってたのに、一番酷いのが人間だなんて……!」
「拳王連合軍、悪魔ですらここまでひでぇことはしないぞ……!」
「こんなの、あんまりだよ……」

 パソコンに、広島と兵庫が滅び去る瞬間の動画が映される。
 あまりの所業に、正義の魔法少女であろうとし続けていたさやかは拳をふるわせて。
 外見や肩書に反して意外と涙もろいスニゲーターは必死に涙をこらえて。
 人間と魔物の共存を願い、巫女となったまどかさえもが、拳王連合軍は殺してでも止めるしかないと考えていた。

『……これで、主だった危険人物は全てあがったか。
 風鳴翼の現在位置が埼玉周辺であり、また迂闊に手を出せない相手である以上これの討伐は一時保留だ。
 主催者を確実に滅ぼすにはやはり最低限関東地域の平定が必要となる以上、こちらも後だ。
 そうなると我らの優先して倒すべき存在は
 ○DMC狂信者軍 ○天魔王軍 ○拳王連合軍
 となる。いずれも強敵ではあるが、まずはこれを討伐しないことには始まらない。
 幸いなことに、ここにいる鹿目まどかのおかげで外にいるフォレスト・セルは暴走することなく、彼女の配下についた。
 巨体過ぎる故最終決戦でもない限り極力移動はさせられないが、ここを守る最強の固定砲台なのは間違いない。
 ああちなみに、出現時に開けた大穴は今メガボスゴドラが猛スピードで植林しつつ埋めているから安心してほしい。
 これにより、我ら三竜や他の者もも守りから攻めに転ずることが可能となった。
 よって我は諸君らとの連合軍を結成し、これら敵対勢力の殲滅に乗り出そうと考える!』


――――

856魔都シンジュク:2014/10/27(月) 22:31:02 ID:bISRWHrk0
「おそらく、DMC狂信者軍は再度ここを攻めてくる。
 フォレスト・セルの過剰な火力であれば9割方は消し飛ばせるだろうが、連中は意外と妙な技能持ちが多い。
 なんらかの手段を使い、フォレスト・セルの攻撃を掻い潜って内部に侵入してくる可能性もあるだろう。
 それに備えて、内部にも戦力は残しておく必要がある。情報収集、他参加者を説得できるよう人間も必須だ。
 世界樹防衛【○迎撃戦力部隊 ○後方支援部隊】 外敵討伐【○拳王連合軍討伐部隊 ○天魔王軍討伐部隊】
 編成例としてはこうなるだろう。天魔王軍討伐部隊に関しては、道中で私達の誤解を解きつつ協力者を募る手もある」

 金竜とダオスの説明に、それぞれがいろいろと思案する。
 現状で世界樹内に集まった戦力は、この殺し合いにおいても最大規模なのはまず間違いない。
 食料も水もあり、ここで防衛だけに専念していればそうそう落とされることはないだろう。
 しかし赤竜が合流した今、これ以上このままでいても新たな戦力が増えるとは考えにくい。
 対して敵対勢力はいくらでも強引な手段で物資と人員を補給できる連中ばかりだ。
 防衛だけでは、勝てない。じりじりと消耗していってやがては敗北するだろう。
 これは兵力分散の愚ではなく、勝つための一手なのである。
 しかし部隊を分けるにしても、その編成には悩まない者がいるわけがない。
 何しろ会ったばかり、いがみ合っていた人間と魔物+αの玉石混合混沌連合なのだから。

『まあ、急いては事を仕損じるという言葉もある。
 まずは軽く親睦会といこう。それぞれ思うところがあるかもしれないが、どうか今は憎みあわず手を取り合ってくれ。
 交流の中で、意外と気が合う仲間となれる可能性もある。その者と共に新たなチームを組むこともいいだろう。
 腹が減っては戦はできぬ。レストが朝食を用意しているので、それもつまんでくれて構わない』
「一応言っとくけど、毒は入ってないから安心していいよ。万が一体調不良になっても解毒魔法も使えるし」


             こうして、人魔入り乱れた混沌の交流会は開かれた。



『な、やはり私の持論は正しかっただろう? ピンク髪の幼女は色々な意味で最高だった!』
『馬鹿かお前は。そもそもあの子は幼女に入るのか? やはり時代は高貴な金髪女騎士だろう?
 閃いた、そんな騎士を題材にした歌を歌って広めるというのも……』
『まったく、歌に目覚めたなら熟女にも目覚めてはどうだ? というか何故熟女の仲間を連れてこなかった』
「おい……なんか想像してた三竜と違うぞ?」
「うむ、これはあまり通訳したくないが、いやむしろ通訳した方が親しみは持ちやすいか?」

『むう、凄まじい力を感じるぞ! これはワニというよりも、恐竜か?』
「ん、俺のことか? 熊に蟷螂にドラゴン……ここの古参の魔物か」
『指導者の力も感じる。教官殿、我らFOEも鍛えて頂きたい。我らも、もっとリーダー達の力になりたいのです』

「あたいは行くとしたら、拳王連合軍を止めたいところなんだけどねぇ」
「あたしも、まだ魔物への抵抗感は残ってるんだけどさ……拳王を止める方が優先だってのはわかるよ」
「僕はそれよりもDMCの方が危険な相手に思える。バサラを殺した、憎い相手でもあるしね……」

「ちょ、この着ぐるみチャック壊れて脱げない!?」
「……脱ぐより、なにかしら着てる方がいいっすよ」
「あら、また姿が霞んで見える……あなたなんで服が葉っぱ3枚なの!?」
「好きでこんな格好になったんじゃないっすよ!?」

「……まだ完全とは言えないけど、本当に人と魔物の共存状態ができあがるなんてね。
 それだけじゃなく、僕でも絶対に懐かせられないだろうフォレスト・セルまで手懐けるなんて……
 色々な意味で、僕は君に負けたわけだね。本当に……すごいよ君は」
「えへへ、でもこの状態になったのは皆が歩み寄ってくれたおかげ。そしてセルちゃんは手懐けたんじゃない。
 お料理もここまでは作れないし、レストさんには何一つ勝ってないよ? 結局私はまだ何もできてないの。
 だから、これから頑張って皆を守って、人も魔物も一緒に仲良く暮らせるようにできたらいいなぁって」

857魔都シンジュク:2014/10/27(月) 22:31:33 ID:bISRWHrk0
「んんwwwwwこまちちに天の恵みステルスおもち、まどっちのおぱーいも何故か増量wwwwwwww
 そしてここにきてピヨっぱい追加とかwwwwww絶対領域も殺人的wwwwwやばい み な ぎ っ て 」
「オオナズチ、大概にしないと四源の舞(物理)ぶち込みますよ。先に封印の波動であなたのスキル全部封じてから」
「キリン娘wwwwww究極進化すると何故かおぱーい減量して見えるけどまさかパッd
「四源「こいつは私の獲物よ。まどかを性的な目でみたら口の中に大タル爆弾Gじゃ済まない威力の爆弾ぶちこんでやるから」
「サーセン……4Gで復活できて嬉しかっただけなんですぞwwwwwwwあ、ほむほむはそもそもまな板

カチッ

「悪は滅んだわ」
「ほむらさん、本当に爆弾放り投げたんですね……
 でも駄目ですよ、あんなのでも戦力なのは間違いないんですから。……お気持ちはよくわかりますけど」
「威力は加減してあるわ。少なくともこの食事中の間は喋れないだろうけど」
「ぴよぉ〜……二人とも女の子だから後方支援担当かとおもったら、ばりばりに前衛系だったんですね……」
「……正直、ここの魔物の火力が凄すぎて私でも火力不足だと思うのだけどね」
「私も舞で皆さんの援護担当が基本でしょうね」
「むむ、しかし先ほどの様子から察するにサクヤさんは情報収集も担当していましたよね?
 事務員代表、音無小鳥! 負けずにスマホでの情報収集やお茶の用意で頑張りますよ!
 早速カオスロワちゃんねるを……ってこれは!?」



250:呉島貴虎

流れを切ってしまってすまないが、少し協力してもらいたい
私は呉島貴虎という者だ。東京都庁に出現した森を破壊するための協力者を集めている

252:マル・デ・ナナシ

正気か?DMCの大軍も戦い慣れしてる警察官たちもほぼ一方的にやられたんだぜ?

253:ななしのほこり

あそこは祐一郎の死国と同じくらいに情報が少なすぎるぞ。誰かまとめはよ

257:名無しカーニバル

色々いたけど既に金色の連中だけで既に勝てる気がしない
動きが洗練されてるし、魔物だから頭は弱いって認識は捨てたほうがいいぞ

259:呉島貴虎

連中の強さは十分理解している。あれに正面から挑むのは馬鹿がすることだ
私の計画は、内部から都庁を爆破するもの。広大に張り巡らされた東京地下道を利用して都庁に侵入
そして確実に都庁を吹き飛ばせるだけの威力を持つ爆弾を起動させる

260:戦国大名無し

なるほど。だが都庁の凶悪な連中が内部に残ってたら起動する前に殺られるんじゃね?

263:呉島貴虎

そこはDMC狂信者を利用する。奴らは再び都庁を正面から一回目以上の大軍勢で攻める計画を立てているからな
DMCの戦力も極めて大きい。弱い魔物だけでは対処しきれず、確実に主戦力は迎撃のために都庁の外に出るだろう
その隙に爆弾を設置する

267:ナイナイ名無し

確かにいい計画だ。だが、未だに都庁内部の戦力は不明。主力ほどでなくても強力な魔物はいるのではないか?

858魔都シンジュク:2014/10/27(月) 22:32:38 ID:bISRWHrk0
268:呉島貴虎

私もこれでも戦いにはかなりの自信がある。さらにレベル99のスライムと究極邪龍というドラゴンの協力も得られた
それでも念には念を入れて、強力な協力者をまだまだ集めている
そのためにこの掲示板に書き込ませてもらった

270:ナナシ―A

万全の構えってわけか。でもそんな大事な計画ここに書いたら、都庁の連中にばれるんじゃないか!?

275:呉島貴虎

安心しろ。都庁の連中は機械類は全て放棄したとの情報を得ている
つまり連中はこの掲示板を見ることはできず、私は安全に多くの協力者を募ることができる

280:名無しにだって友情はあるんだ

すげえ!なんて冷静で的確な判断力なんだ!

283:ナナシ・ザ・サン

さすが呉島主任だ!

285:ドリアン

抱いて!

287:名無しの財宝

あんたあのメロンの人か!
やっぱりブドウよりもメロンだな!

290:呉島貴虎

この計画の要は、いかに早く都庁に侵入して尚且つ爆弾を仕掛けられるかだ
その最短ルートを探るために、まずは私自ら都庁の地下道を下見に行ってみようと思う
それまでの間、私に協力してくれる者はここに書き込んでくれるとありがたい

293:あなたの支給品は名無し

自ら率先して危険地帯に足を踏み入れるなんて、すげえ!


「「……………」」

 気がつけば、ほとんどの者が小鳥の持つスマホを覗き込んでいた。
 ある者は笑いをこらえ、ある者は驚き、ある者はかわいそうなものを見る目をしていた。
 確かに着眼点は悪くないのだが、実は既に都庁への地下からの侵入は出歯亀忍者が試していたりする。

「……オレサマコイツモマルカジリ?」

 そしてそんな最期を迎えているのである。戦力が整いきる前から、既に都庁は地下からの侵入にも難なく対処できる力はあった。
 さらに現在は第六階層までの道が開通し、激おこプンプン蟹ことメタルシザース等の魔物も呼ぼうと思えば呼べる。
 それでなくとも世界樹は成長と共に根を伸ばしており、元々あった下水道の地図などくその役にも立ちはしない。
 だが呉島貴虎に落ち度はない。スマホ持ちのモモ、サクヤ、小鳥はイレギュラー。少なすぎる情報がいけないのだ。

859魔都シンジュク:2014/10/27(月) 22:33:17 ID:bISRWHrk0
『……いや、既に我々がいることも、フォレスト・セルが出現したことも理解した上でこれを書いているのか?
 だとすれば腕に余程の自信があるということになる。新たな油断できぬ相手の登場ということか』
「とりあえず、交流会は一時中断としよう。現状最優先なのは、この呉島貴虎一味を捕縛することだ」
「「イエッサー」」

【二日目・7時50分/東京都・世界樹】

○人魔混合世界樹連合
【フォレスト・セル@新・世界樹の迷宮】
【氷嵐の支配者@新・世界樹の迷宮 ミレニアムの少女】
【雷鳴と共に現る者@新・世界樹の迷宮 ミレニアムの少女】
【偉大なる赤竜@新・世界樹の迷宮 ミレニアムの少女】
【ダオス@テイルズオブファンタジア】
【レスト@ルーンファクトリー4】
【鹿目まどか@魔法少女まどか☆マギカ】
【暁美ほむら@魔法少女まどか☆マギカ】
【ウォークライ@セブンスドラゴン2020】
【メガボスゴドラ@ポケモン】
【聖煌天の麒麟・サクヤ@パズドラ】
【魂の裁断者@新・世界樹の迷宮 ミレニアムの少女】
【アイスシザース@新・世界樹の迷宮 ミレニアムの少女】
【死を呼ぶ骨竜@新・世界樹の迷宮 ミレニアムの少女】
【セプテントリオン・ミザール@デビルサバイバー2】
【小野塚小町@東方Project】
【日之影空洞@めだかボックス】
【東横桃子@咲-Saki-】
【黒子テツヤ@黒子のバスケ】
【赤座あかり@ゆるゆり】
【オオナズチ@モンスターハンターシリーズ】
【ケルベロス(小)@カードキャプターさくら】
【桃園ラブ@フレッシュプリキュア!】
【美樹さやか@魔法少女まどか☆マギカ】
【渚カヲル@新世紀エヴァンゲリオン】
【ロックオン・ストラトス@機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer-】
【賢神トリン@獣電戦隊キョウリュウジャー】
【スニゲーター@キン肉マン】
【音無小鳥@アイドルマスター】
【フェイ・イェンHD@スーパーロボット大戦UX】
【海底原人ラゴン@ウルトラQ】

現在の共通思考
1:呉島貴虎の捕縛
2:主催者及び危険な存在の討伐

※全員の首輪が解除されました
※いくつかの部隊に編成されますが、現時点では不明

860魔都シンジュク:2014/10/27(月) 22:33:50 ID:bISRWHrk0
「……!」

 その頃、(故)新宿公園の辺りを高速で移動する生物がいた。
 都庁軍の一人である、メガボスゴドラだ。その手際たるや無駄がなく、次々に植林して穴も埋めていく。
 首輪解除によりまどマギポータブル版の技【クロックアップ】が使用可能になったほむらの援護で、移動速度は通常の比ではない。
 こんなこともあろうかと、せっせと無限に色々入るデイバックにありったけの土と木を入れておいたメガボスゴドラに隙はなかった。
 エコポケモン代表として、元の新宿中央公園よりも美しくしてやろうと考えながら、植林は続けられる。
 そんな時、異物が目に入った。ズタボロになった羽毛布団だ。
 また人間がごみを放置したのかと呆れながら、それもしっかり回収して作業を再開するメガボスゴドラ。

 なぜ、こんなところに羽毛布団が? フォレスト・セルが埋まっていた場所にわざわざごみを?
 そこまで頭が回らなかったのは、一刻も早く元の姿に戻してやろうというはやる気持ちのせいであった。
 もし発見したのがメガボスゴドラでなくとも、誰もこの羽毛布団の残骸を気にする者はいないだろう。


――――


「……どこだ、ここは」

 きっしょく悪い髭を唸らせながら、男は起き上がった。
 そう――アリー・アル・サーシェスは生きていた!

 彼の命を救った要因は三つ存在する。
 第一に、フォレスト・セルが地層を破壊して地上に現れる際に使用した手段。
 世界樹本体への影響を少なくするために、デモンズラッシュで岩を高速で粉砕しながら登ったのだ。
 規格外の強さを持つフォレスト・セルの攻撃は、極限まで鍛えた冒険者と最高品質の装備でも一撃で粉砕されてしまうが……
 デモンズラッシュは速度重視、ランダム対象への8連続攻撃であり、一発だけならば前衛職なら素の状態でなんとか耐えられるのだ。
 まがりなりにもテラカオス化している戦闘狂のサーシェスの肉体がまさか後衛職と同等なわけがない。
 とはいえ、ここのフォレスト・セルは通常個体をさらに強化した化け物。
 理不尽すら超越しかねない、というか通常個体で既にゲームバランス度外視の攻撃能力を持ってるあたりで察してほしい。
 ここでサーシェスの命を救った第二の理由、ベクターが用意した羽毛布団が出てくる。
 実はあの羽毛布団、ただの羽毛布団じゃない。
 ベクターが用意したのは、高級羽毛布団だったのだ。高級なんだから、その柔らかさも一級品。
 羽毛布団はその包み込むような柔らかさで、デモンズラッシュ一発の威力をある程度受け流したのだ。
 さらにサーシェスは羽毛布団にくるまっていたため、サーシェスを貫くよりも先に布団が貫かれるのが先だ。
 これはつまり、二段階目の威力の減衰、羽毛布団一枚で、二度に渡りフォレスト・セルの攻撃を弱めたのだ。
 そして最後。サーシェスの気色悪い髭。まるで触手のようだが、実はこの髭、粘液が出てて本当に触手っぽい。
 つまり大量のぬめる髭、そのぬめり汁がサーシェスの身体に防護膜を作り、デモンズラッシュをさらに緩和させたのだ。
 代償として、羽毛布団に着てる服もデイバックも大破して、尚も衰えぬ衝撃でどこかに飛ばされてはしまったものの……
 生きていれば、きっといいことはあるさ。

【二日目・7時50分/日本・禁止エリア以外のどこか】
【アリー・アル・サーシェス@機動戦士ガンダム00】
【状態】ダメージ中、強い屈辱 、ヒゲが触手みたいになって伸びた、テラカオス化進行中
【装備】全裸
【道具】なし
【思考】基本:カオスロワという名の戦争を楽しむ
0:どこだここ?
1:参加者と主催者は片っ端から虐殺
2:赤いガンダム(ガンダムエピオン)には必ず雪辱を果たす
※新型ナノマシンにより、闘争本能等が増大しました。
※テラカオス化の影響で『いびきを一回する度に周囲に爆発の エフェクトが発生する』能力を得ました。
※テラカオス化の影響でさらに『髭が触手みたいになる』能力を得ました。
※髭からは粘液が滴っています
※主催の一員ですが、すっかり頭の中から抜けてしまいました。
※第三回放送を聞いていません。

861暴食マイウェイ!!:2014/11/02(日) 00:56:18 ID:h/4Zg/HA0


誰かが言った………


己の命を、住むべき土地をかけて争いあう、醜い者達がいると………


混沌から生まれし一つの存在によって『救済』されなければならない愚か者達がいると………


世は混沌(グルメ)時代………


未知なる餌を求めて、救済すべき時代………


※↑あくまでとある人物の主観による考えです。





「もうだめだぁ……おしまいだぁ……あんなの……勝てる訳がないよぉ………」
「く……そぉ……バケモンか……あの女は……ガハッ!!」
「お前らしっかりしろ……それでも息巻いて……『食人鬼倒そうZE☆』って言ってた奴らか?」
「お……俺にもよくわからないんだ……強力の神にそそのかされて無理矢理参加させられたんだ……」
「……ビッグボディ乙」

場所は埼玉と東京の県境周辺、荒川の土手。
そこは今や地獄絵図と化していた。
まあ元より今は殺し合いの最中、地獄絵図はどこも同じであろう。
東京は都庁の世界樹に巣くう魔物達のせいでパニック状態(天魔王軍の情報操作のせいでもあるが)。
大阪は拳王連合軍の上陸と略奪で阿鼻叫喚状態(これはやりたい放題のツケ、自業自得)。
だがこの二つは迂闊に手さえ出さなければ理不尽に殺される事は基本ない。
問題はこの場所、(便宜上)埼玉である。
忘れた訳ではあるまい。
この場所に今、『何』が練り歩いているかを。

862暴食マイウェイ!!:2014/11/02(日) 00:57:08 ID:h/4Zg/HA0



「アハハハ……私は今嬉しいぞ、実に嬉しい。こんなにも多くの者達が私に『救済』される為に集まってくれるとは
なぁ……歯応えこそなかったが、皆私の力になってくれるだろう。感謝するぞ? アハハハハ……」

禍々しい漆黒の武装に身を包み、周囲に黒い霧を纏う銀髪の少女。
風鳴翼……否、テラカオス・ディーヴァ。
主催者達の目論見により生まれたこの混沌の存在は、不気味に笑いながら周囲に散らばる者達に語りかける。

数時間前の定時放送で風鳴翼の討伐依頼は全国に伝えられた。
だが勘のいい者、知恵の周る者は先のバーダックの戦闘力を思い出し『なぜ彼が戦わないのか』とその依頼を不審に
思い、彼女に近づこうともしなかった。
中には都庁の軍勢や狸娘組などのように彼女の内なる危険性を察知した者達もいる。
だが世の中はそういった人物ばかりで構成されてはいない。
血の気の多い者、報酬に目が眩んだ者、正義感に燃える者、⑨な者。
そんな参加者達は皆こぞって彼女を討伐しに埼玉に駆けだしたのだった。

その結果が現在の惨状。
荒川の土手は血反吐を吐き、四肢をもがれ、己の無力さを嘆き、絶望する者達で溢れていた。
決して弱くない者もいたであろうに、なぜここまでの状況と化したのか?
原因はいくつかある。
一つに、テラカオスと化した彼女に関する情報が参加者間で不足していた事がある。
強力な再生能力、捕食による全属性攻撃への耐性、電撃・振動操作、近接格闘術、分裂と巨大化、怪力。
既にこれだけの能力を備えており、さらに埼玉県庁周辺のモブ参加者をまとめて食い荒らした事による身体能力の
強化によって、彼女の力は通常の参加者のそれをぶっちぎりで上回ってしまっている。
しかも覚醒間もない時間に彼女に襲われた者は情報をテラカオスちゃんねるに書き込む前に捕食されてしまったため、
実質テラカオス・ディーヴァはほぼ謎の存在も同然だったのである。

そしてもう一つ。
参加者達の統制が取れていなかった事もある。
魅力的すぎる報酬に目が眩んだ者達と、食人鬼から純粋に人々を守ろうとする者では、決定的に認識にズレが生じている。
皆が我先に「俺が倒す」「いやいや俺が」と飛びかかり、チームワークも何もない人海戦術が自動的に組みあがった事で
全員がほぼ烏合の衆と化し、結果として片っ端からテラカオスの攻撃で返り討ちにされてしまったのだ。
まさに彼らは東京都庁を数の暴力で攻め落とそうとしたDMC狂信者達と同じ失態を犯してしまったも同じだった。


「―――――さて」
「「「ひぃっ!?」」」

ひとしきり笑い終えた後、テラカオスはそこらじゅうに転がる参加者達に目を向け直す。
その一目でわかるギラついた視線を受け、全員が恐怖に駆られ身震いした。
これから何が起こるのか察したが故に。
無論逃げようとした者もいたが、大ダメージを受け、中には足をもがれた者もいたため皆身体が言う事を聞かない。
既に結末は見えていた。



「この世のすべての救済者(しょくざい)に感謝をこめて――――――い た だ き ま す」



食事は一瞬だった。
テラカオスの持つ停止時間でも1秒ずつ動ける能力を駆使した擬似的な高速移動により、周囲にいた参加者達は
皆、肉片も残さずこの世から姿を消した。
断末魔の悲鳴も、命乞いをする事も許される事無く。


【リグル・ナイトバグ@東方Project 捕食】
【ゼブラ@トリコ 捕食】
【城茂@仮面ライダーストロンガー 捕食】
【ダルメシマン@キン肉マン 捕食】
【ヒッポリト星人地獄のジャタール@ウルトラゼロファイト 捕食】
【その他参加者数十名 捕食】

863暴食マイウェイ!!:2014/11/02(日) 00:58:01 ID:h/4Zg/HA0


「ごちそうさまでした」

行儀よく手を合わせ、テラカオスは一礼してつぶやく。
そこだけ見ればマナーの良い女性だが、やっている行為が行為なのでとても褒められたものではない。

「アハハ……とても気分がいいな……これだけの者達が私の腹の中でもはや争う事も無く平和に過ごせるんだ。
こんなに嬉しい事はない……むっ?」

実に幸せな表情を浮かべていたテラカオスだったが、その表情はすぐに真面目な顔に戻る。
彼女は『未だ救済していない者(たべのこし)』を見つけたのだ。
周囲には血だまりがあるばかりで残った参加者の姿は見えない。
だが彼女は気付いていた。
つい先ほど捕食した完璧超人ダルメシマンの持つ人間の一京倍の嗅覚を手に入れた事で、この周囲に隠れ潜んでいる
であろう参加者の匂いを瞬時に嗅ぎ取ったのである。

「やれやれ……理解に苦しむ者達だ。私の救済を受け入れる気がないとは、わけがわからないぞ?」

どこぞの悪徳契約生物みたいな台詞を言いつつ、テラカオスは誰もいない土手の向こうへと振り返る。
そして軽く息を吸ったかと思うと―――――


「ボイスミサイル!」


テラカオスの口から発せられた巨大な音の塊が、無慈悲に前方の地形をえぐり取った。
これも先ほど捕食したゼブラの音を操る能力の一つである。
やがて濛々と上がる煙の向こう側から姿を現したのは―――――

「あ、あわわ……」
「に、逃げるんだぁ……」
「た、助けてくれぇ!」
「死にたくない、死にたくないぃぃぃぃぃ!!」

隠れ潜んでいた十数名の別の参加者達だった。
彼らもまた風鳴翼を討伐に来た集団だったが、先程の第1集団が戦っている最中も彼女が弱ってから出ていくべきだと
考える者や、様子見に徹する者が寄り集まって出来た集団となっていた。
簡単に言うといざ現場に来て尻込みした連中である。

「お前達なぜ逃げる? こんな殺し合いで血を流すよりも、争いのない私の中にいた方がずっと幸せなのだぞ?」
「ハァ!? 何言ってんだこの女!?」
「イカレてやがる! クレイジーだ!」
「お前それサバンナでも同じこと言えんの?」
「畜生主催の野郎、こんなふざけたバケモノの始末押しつけやがって! ぶっ殺してや――――」


「エレクトロファイヤー!」


参加者の怒声が飛び交う中、掛け声と共にテラカオスが地面に手刀を叩き付ける。
地面を流れてゆく高圧電流。
その瞬間、彼らは電撃に焼き尽くされ、終わった時には周囲に黒焦げの死体の山が築かれていた。
またも皆、悲鳴を上げる暇すらなかった。

「無礼な奴らだ……私がバケモノ? 違うな、私は救世主(メシア)だ!」

どこかの超サイヤ人のような台詞をのたまいつつ、テラカオスは改めて周囲を見渡す。
まだ救済していない者(たべのこし)はないだろうか。

「エコロケーション反響マップ!」

テラカオスの口から発せられた超音波により、周囲数10kmの地形や生物の位置が特定されていく。
1京倍の嗅覚も合わせて念入りに調べた。

864暴食マイウェイ!!:2014/11/02(日) 00:59:04 ID:h/4Zg/HA0

「……むぅ。どうやらこのあたりにいる者達はだいたい食べ尽くしたようだ。場所を移した方がよさそうだ。
できるだけ救済できる者が多い場所がいいが……」

次なる捕食の対象を探すべくテラカオスは思案を始める。
かつて覚醒前に素体となった風鳴翼に強大な手傷を負わせた都庁の連中へのリベンジも視野に入れると、万全を期すため
より強大な力を取り込む必要がある。
その辺にいる有象無象の連中を食べた所でこれ以上の強化はあまり見込めない。
無論すべての参加者を捕食という名の救済で救う事はもちろんだが、まずはメインとなる料理を食してからだ。
ゴロツキという名の間食は後からで構わない。

「……そうだ、確かネットに強者の情報が書かれているらしいな。参考になるかもしれん。どれ……」

捕食した者の記憶から人間達が使っているカオスロワちゃんねるの存在を思い出したテラカオスは、戦闘中に
誰かが落としたらしいスマホを見つけると手に取り、慣れた手つきで操作していった。
強い力を持った者を調べると、出てきた情報は3つ。
一つは自分もよく知っている都庁の軍勢。
もう一つは全国各地で猛威を振るっているDMC狂信者達。
そして最後に―――――

「拳王連合軍、か。大地を焦土にし、刃向う者は皆殺し……実に愚かで強い力を持った連中だ。アハハ……だが、
だからこそ私が救済せねばならないな。こんな理不尽で、混沌(カオス)な者達は!!」

一連の拳王連合軍への書き込みに目を通し、ニヤリと笑いながらつぶやくテラカオス。
確かに都庁の魔物達や、バラエティに富んだ面々を抱えるDMC狂信者達も魅力的だ。
だがテラカオスはあえて拳王連合を選んだ。
自身が混沌(カオス)の化身であるがゆえに、理不尽級にしてカオスな彼らに自然に惹かれたのだ。
彼女自身も自覚しないままに。


「だが、どうやら彼らは今大阪にいるらしい……私が救済する前に別の場所に行かれては面倒だな」

ネット情報によると彼らの現在地は大阪だと書かれていたが、彼らとていつまでもその場にはいない。
食料調達という用が済めば移動を始めるだろう。
彼女自身は飛行や擬似高速移動は可能だが、できる事なら道中に他の者達を救済しながら向かいたかった。
途中で思わぬ高級食材(つわもの)も見つかるかもしれないからだ。
まるで買い食いしながら旅行でもするかのような感覚である。

「おおそうだ……閃いたぞ」

そう言うとテラカオスはおもむろにスマホを操作し、何かをカオスロワちゃんねるに書き込んでいった。
そして数分後。



666:混沌の歌姫

この掲示板を見ているか、拳王連合軍。
私はカザナリツバサ。
お前達も放送で名前は知っているであろう。
私は今、この殺し合いの全ての参加者達を『救済』すべく活動している。
未だに愚かしい殺し合いを続ける人々を、争いも差別もない楽園へと導くために。
だが悲しい事に、私の救済を何故か拒む者も数多い。
そういった者達は私の前から逃げ隠れ、姿を眩ませ、無駄な抵抗を続ける。
故に私は彼らを何としても救うために更なる力を欲している。
簡単に言うとお前たちの力が必要なのだ。
私の力になってくれればお前達も楽園へと導かれる事となり、世界を救済する手助けをする事にもなる。
これは実に名誉な事だ。
私は今からお前達のいる大阪へと向かおうと思うが、動かずに待っていてくれたまえ。
お前達を一人残らず―――――スクってみせるからな。

865暴食マイウェイ!!:2014/11/02(日) 00:59:52 ID:h/4Zg/HA0



「これでいい。これで例え彼らが動き出したとしてもいずれ私を探し出すだろう。ああ楽しみだ、拳王連合軍。
早く彼らもスクってあげたいな……アハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!」

書き込みを終え、テラカオスは高らかに笑い出した。
ちなみにさっき黒焦げにした参加者達も書き込んでいる間に捕食済みである。
おそらく拳王軍もこの書き込みを見れば自分を攻撃対象とするだろう。
そして彼らが近づいてきた時が、救済のチャンスだ。
というか例え書き込みが理解できなくとも「言葉の意味はよくわからんがとにかくすごい自信だ!」と判断されて
結果的に攻撃してくるかもしれない(これは流石に彼女も考えていなかったが)。

「さて下ごしらえは済んだ。早速向かうか……むっ、これは……」

拳王軍の元へ向かうべく意気揚々と歩き出した彼女は、転がっていたディパックのひとつから飛び出していた支給品の
ひとつに気付き足を止める。
何やらワニのような形をした巨大なそれは、何故か猛烈に彼女の琴線に触れた。

「これは実にいい乗り物だな! すべてを食らいスクう私によく似合う! 貰っていこう!」

そう言って彼女は横転していたそれを怪力で起こし、コックピットに乗り込むと操縦席(何故かバイク)に座り
アクセルを吹かした。
その瞬間、その乗り物―――電車―――の周囲を黒い霧が包み、カラーリングを漆黒へと染め上げた。
増大したテラカオスの力に取り込まれた証拠である。
自動で線路が地面に生成され、車体が動き出す。

「アハハ……実に気分がいいぞ。この気持ちを是非とも歌にしたいな……よし、歌おう。歌姫(ディーヴァ)を
名乗るならば歌をないがしろにしてはいかんな!」



同じ腹 収まる仲間
同じ世界 住まう仲間
お前らとなら
暴食 My Way!!

私達の 力合わせ
ぶつけたら 無敵だな
さぁ、見せてやろう

強き者は 命をくれる
だからすべてに 感謝して
い た だ き ま す !!

負けられぬ!! 止まらん!!
救済(ソレ)は譲れない
勝ち取るんだ!! Shock! Shock! 食King!!
テラカオス!! 無限大!!
この能力で貫け
暴食 My Way!!

楽園(テーブル)を囲むのだ
私達は 混沌(あした)の為に
Bo! Bo! 食!!



荒川周辺から、そんな物騒な歌を垂れ流しながら走る列車を見た。
そんな書き込みがしばらくしてカオスロワちゃんねるに書かれたという。

混沌の歌姫は、一路西へと向かった。


【二日目・7時30分/日本・東京と埼玉の県境周辺】

【テラカオス・ディーヴァ@テラカオスバトルロワイアル十周目】
【状態】損傷なし、首輪解除、厨二病全開、火水土風木電聖闇耐性(強)、嗅覚と聴覚強化、ガオウライナーを操縦中
【装備】シンフォギア・天羽々斬?(異常に禍々しく変化)@戦姫絶唱シンフォギア?、ガオウライナーキバ@仮面ライダー電王
【道具】支給品一式 、スマホ
【思考】基本:世界をカオスにする
1:世界から全ての者を救い尽くす(喰い尽くす)
2:大阪へ向かい、拳王連合軍を救う(喰らう)
3:何故皆救済を拒む? まるで意味が分からんぞ?
※風鳴翼・佐村ガウスフレミング02・天海春香・はるかさんの能力を継承しました
※テラカオスとしては未完成のため、テラカオスバトルロワイアル十周目の死者の能力は現在使用不能、進化すれば使えるようになるかもしれません
※風鳴翼の容姿や人格を色濃く受け継いでいます、ただし、進化するにつれて失われる可能性があります
※ダルメシマンの人間の1京倍の嗅覚、ゼブラの聴覚と音操作能力を特に強く継承しました
※レストの手により下げられたステータスは時間経過と捕食ですべて回復しました

866:2014/11/15(土) 04:55:29 ID:HkqqagO60
長崎県。
そこでは超人血盟軍の一人であり、悪魔超人の一角であるブロッケンJr.が先にザ・ニンジャと相討ちとなった風見幽香の狂信的ファンであるモブ主催兵士達との戦いを繰り広げていた。
数十分に及ぶ戦いの中でブロッケンの足元には大量の死体が山積みになっており、それでも生き残っているモブ兵士は犠牲に構うことなく攻め続ける。

「ベルリンの赤い雨! ベルリンの赤い雨! ……くッ、こいつら、やけにしぶとい!」
「ふははははは! 俺達は普段から幽香様に“ご褒美”を貰い続けてきたため、全員打たれ強くなっているのだ!」
「腕がちぎれ飛ぶ程度ではゆうかりん親衛隊は倒れん! モルヒネなど邪道! 痛みこそ喜び!」
「ゆうかりん社会の完成形は大多数のマゾヒストとそれらを統べる女王である」
「この変態共が! おまえらと遊んでいる暇はない! ベルリンの赤い雨!」
「ひでぶ!」「あべし!」「たわば!」

ゆうかりん親衛隊を名乗る兵士達は日頃から風見幽香にいじめられ続けた結果、モブの中でも心身ともに打たれ強くなっていた。
致命的なダメージを与えねば、ゾンビのようにすぐ立ち上がってくる。
おまけに飼い主である風見幽香が死んだことにより、我も続くぞと言わんばかりに捨て身でかかってくる。
さながらDMC狂信者のようなものであり、違いといえば崇めていた対照が二度と戻らないと思っているか思っていないかの認識の違いだけである。
とはいえ、彼らの前には束になったところで超人であるブロッケンの足元にも及ばない実力差という大きな壁がある。
どれだけ打たれ強かろうが、赤き手刀によって切り裂かれて死体の山を増やし、逆に親衛隊はどれだけ犠牲を払おうともブロッケンに攻撃が届くことはなかった。
多少粘り強くても15分もあればこの場の兵士はブロッケンによって駆逐はされるだろう。

そこへ空から3機の巨大ロボットと複数の戦闘機が現れた。
主催陣が持つ機動兵器であるマグネスファイブ、 マルス、ザマンダー、そして戦闘機のゴーストの群れだ。
援軍の到着に親衛隊は歓声を上げ、増援の出現にブロッケンは苦い顔をするのであった。

「変態共の次は巨大ロボか……!」

1機ならまだしも、一人で巨大ロボ3機を一度に相手にするのは分が悪いと感じたブロッケンは、この場は引くべきだと思い、退却を試みる。



……しかし、それを許す親衛隊ではなかった。

「今だ! 畳み掛けろ!」
「「「ジーク、ゆうかりん!!!」」」
「「「アイーム、ゆうかりん!!!」」」」
「「「オールハイル、ゆうかりん!!!」」」
「!?」

多くの親衛隊達がブロッケンに向かって一斉に畳みかかり、隙間も作らないように覆いかぶさったのだ。

「誰が乗っているのか知らんが、俺達に構わず撃て! 俺達ごと幽香様の仇を討ってくれ!」
「こいつら……自分達ごと俺を撃たせるつもりか?!」

なんと親衛隊達は自分達の肉体を檻にしてブロッケンを閉じ込め、巨大ロボに諸共吹き飛ばしてもらう気なのだ!
超人と言えど巨大ロボによる攻撃の直撃……特に複数機による集中砲火には耐えられない。
親衛隊の真意を知ったブロッケンはベルリンの赤い雨を持って大急ぎで肉の壁を切り裂き、掘るように脱出を図る。

「離せ! 貴様ら、離せ!!」
「幽香様、今お傍に参ります……」

だが、幽香によって(虐められて)鍛えられた者達は異常に打たれ強く、死ぬまで……いや、死んでもブロッケンを肉の檻から出さんと言わんばかりに脱出を拒む。
ブロッケンが辛うじて外の様子がわかるくらい切り進んだ頃には手遅れであった。
その頃には既に3機の機体が自分に向けて一斉攻撃を放っていた。

「ここまでか……」

そして、ブロッケンJr.と彼を囲う親衛隊に向けて、マグネスファイブ、 マルス、ザマンダーによる一斉砲火が雨のように降り注ぐ……


【ブロッケンJr.@キン肉マン 死亡確認】



「やったぞー! 仇を討ち取ったぞーーー!」

ブロッケンが消し炭になったことを確認したゆうかりん親衛隊の生き残りが歓声を上げる。
あの男一人によって半数以上の者達が死亡したが、全滅止むなしというダメ元で戦っていたことを考えれば大戦果であった。
なにはともあれ、超人血盟軍の一角が崩れ、結果として亡き幽香の仇の一人は討ち取ったのだ。
まだ侵入者は多く存在し、戦いは続いているとわかっていながらも、親衛隊は戦果を喜ばずにはいられなかった。

だが、その喜びも束の間のことであった。

「お前達のおかげで本当に助かった。 ありが……」

867:2014/11/15(土) 04:56:33 ID:HkqqagO60

一人のモブ親衛隊が救援に駆けつけてくれた巨大ロボにお礼を言おうとした瞬間。
そのモブが巨大ロボの1機に踏む潰されたのだ。
これには目を見開き驚く親衛隊達。

「な、なにィ!?」
「どうして味方が……ぎゃああああああああああ!!!」
「うわああああああああああああああ!!!」

さらに機動兵器達がブロッケンを殺した時のように、無慈悲な火の雨を親衛隊の頭上から降らした。
いくら打たれ強いといえど、巨大ロボの集中砲火に耐えられる道理はない。
そうして親衛隊はものの数分で壊滅した……
リングの上で永遠の眠り付いたザ・ニンジャや風見幽香の亡骸も、リングごと手洗い火葬を受けることになった。



――時は遡り、ロワ開始前。
すなわち、ユウキ=テルミがハザマとしての肉体を失っておらず、バット星人のグラシエが存命時の話である。

「グラシエさん、この機械をいくつかの機動兵器につけておいてください」
「ハザマ様、これは?」
「AIに作用する一種の外部装置です。
取り付けて、時が経てばロボット達は私達の手足として働いてくれますよ。
ビアン博士などに気づかれないようにこっそり仕掛けてくださいね?
なお、できなかった場合はあなたのお命を……」
「わ、わかりました。 必ずやり遂げましょう!」
「その意気ですよ。
従順に働けば、あなたのことを私の“中にいる方”も気に入り、きっと滅び行く世界からあなたの命を助けてくれるでしょう」
「………」


あなたは、いつぞやの話を覚えているであろうか?
そう、ハザマこそがグラシエに世界滅亡の件を教えた人物であり、グラシエは裏でハザマと共謀して、彼の工作に手を貸していたのである。
その工作の一貫がマシンを掌握する装置を秘密裏に取り付けるというものだった。
その装置はユウキ=テルミの魔力を感知すると、機動兵器の自動AIを乗っ取って書き換え、オートパイロット(無人)で勝手に動き出すように仕向けられている。

その上でユウキ=テルミ(と既に亡くなっているグラシエ)以外の人間を抹殺する殺戮マシーンへと変えてしまうのだ。
件の機動兵器は主催陣の戦力であったが、今やユウキ=テルミのためだけの玩具に過ぎない。

そして殺人マシーン達は自身の脳であるAIを使って、次に殺す獲物を何にするか考える。
主催陣営の者達は言わずもがな、滅日の計画に邪魔になる超人血盟軍の超人もターゲットである。
飛竜を寄り代に復活したユウキ=テルミに超人血盟軍という隠れ蓑はもはや不要なのだ。
マシーンは主催陣だろうが侵入者だろうが見つけ次第、つい先ほどブロッケンやゆうかりん親衛隊を殺したように全力を持って殲滅しにかかるだろう。

そして、AI達は主人であるユウキ=テルミへ最も貢献できると思われる殺戮すべきターゲットを思いつき、兵器達は用のなくなった長崎県から飛び去っていった。
マシーン達が向かう先は少なくとも、九州ロボの中枢である福岡、バッファローマンのいる熊本、バーダックと四次元殺法コンビが交戦中の大分のどこかなのは間違いないだろう。
ちなみにデウスエクスマキナの配下であったヒトマキナ達も九州ロボの各所に配備されているが、司令塔であるデウスを失ったことによって彼らは混乱状態に陥っており、今の彼らでは殺戮マシーン達を足止めすることも難しいと思われる。
この九州ロボにおいて、彼らを止められる者は限られていた。



長崎県の赤い雨は止んだ。
しかし、殺戮と惨劇の雨は九州にまだまだ降り注ぐ。


【ニ日目・7時45分/日本・九州ロボ 長崎県】
※ユウキ=テルミの細工によって格納庫にあったマグネスファイブ、 マルス、ザマンダー、ゴーストが自動操縦で動き出しました
 いずれの機体も、ユウキ=テルミ以外の敵を殲滅する殺人マシーンになっています
※マグネスファイブ、マルス、ザマンダー、ゴースト複数機が熊本・大分・福岡のいずれかに向かいました
※グラシエに世界滅亡を教えた「あの方」とはハザマ(ユウキ=テルミ)のことです

868勝利への脱出:2014/11/24(月) 00:24:19 ID:IDcuJh5U0
超人血盟軍による奇襲、さらに与り知らぬ所での特務機関員の謀反。
この二つが重なり合った事で今まさに絶賛大ピンチとなっている主催の本拠地・九州ロボ。
この未曾有の事態に対して、五大幹部の一人ベイダー卿(全裸)は頭を抱えながら傍らに控える同じく幹部の
ジャック・O(全裸)を横目に対応を決めあぐねていた。


「(ぐぬぬ……こんな威厳もへったくれもない姿で連中と遭遇したら末代まで生き恥を晒してしまいかねん………
いやそんな事より、余とジャックの二人で果たして奴らに対処できるか否か……相手は理不尽ゆで理論に定評がある
超人二人にサイヤ人の王子……下手をすれば相打ちになる可能性も捨てきれぬ! 念のため先ほどオートマトンの
部隊をここまでの通路に配置しておいたが、それを突破されるのも恐らく時間の問題!)」


そこで問題だ!
この絶望的な状況でどうやって事態を打破するか?

3択‐ひとつだけ選びなさい。

答え①カリスマ溢れるベイダー卿は突如反撃のアイデアがひらめく

答え②他の幹部や部下が来て助けてくれる

答え③助からない。現実は非情である。


「(余が○をつけたいのは答え②だが期待はできない……連中の迎撃のために出払ってしまった幹部達や特務機関員、
モブの部下があと数分の間にここに都合よく現れてアメリカンコミックス・ヒーローのようにジャジャーンと登場して
『まってました!』と間一髪助けてくれるという訳にはいかぬ……風見幽香やビアン博士は死に、美国織莉子は
マジで魔女化する五秒前、バーダックは四次元殺法コンビと交戦中、デウスは何故か連絡も映像回線も繋がらぬし、
肝心の九州ロボのファクターたるココはこんな時に『ヒャア我慢出来ねぇ本職だ!』と倉庫からミサイルやらメロンやら
持ち出して関東に出かけてしまう始末……やはり答えは……………①しかないようだ!!)」

ライトセーバー(間違っても股間のではない)を握り直し、自分の頭脳に一抹の望みをかけながらベイダー卿はキン肉マン
ソルジャー率いる一団との戦闘を覚悟し扉の先に視線を向ける。
ジャックの方も何かよからぬことを考えているような気がしたが、彼と同じ心持ちのようだ、多分。

が、その時である。



デーレー デーレー デン! デデデン!!



突如として会議室に謎の音楽が鳴り渡り、何事かと二人が辺りを見回した刹那。

869勝利への脱出:2014/11/24(月) 00:25:32 ID:IDcuJh5U0

『ドーモ、ダース・ベイダー=サン。ランカスレイヤーです』


「「アイエエエエエエ! ニンジャ!? ニンジャナンデ!?」」
「コワイ!」
「ゴボボーッ!」


3m程度の大きさの白いニンジャのようなロボットが、二人の前に姿を現しアイサツを行う。
幹部二人は恐怖のあまり容易に失禁し、嘔吐した。
それらへ侮蔑的な視線を送りながら白色のニンジャは手近のオチョコを掴むと中のサケをイッキし、壁に投げつけて割った。
そして混乱している隙に二人を抱え上げ、まるでテレポートめいたスピードで会議室を飛び出し、そのまま姿を消してしまった。
ワザマエ!




そして十数分後。

「……来ましたか」
『ドーモ、メフィラス=サン。ランカスレイヤーです』
「もう忍殺語は結構ですから、お二人を下ろしてもらえませんか」
『ああ、すみませんねぇ。どうもこの経験値泥棒と合身してると実際自然と口から出ちゃうもんで』

計器やモニターにあふれた、まるで何かの操縦席のような場所にニンジャは姿を現していた。
相対しているのは黒づくめの体色をした異形の宇宙人。
かつて初代ウルトラマンと戦った、悪質宇宙人の異名で知られるメフィラス星人である。
言っておくが決して卑怯もラッキョウもない2代目ではない、初代だ。
そして殺人的な加速で完全に気絶してしまっていた幹部二人を床に下ろして数秒後、ニンジャの中から光と共に
一人の影が姿を現す。


「いつもニコニコ貴方の隣に這い寄る混沌ニャルラトホテプ、ただいま帰還しました♪」


特徴的なアホ毛をした銀髪の少女が仮面ライダー1号を思わせるポーズを取りつつメフィラスに報告した。
惑星保護機構所属のニャルラトホテプ星人こと這い寄る混沌・ニャル子さんだ。
そう彼女も、そしてメフィラスもまた、主催に属する特務機関員の一員なのである!
ちなみにニャル子が先ほどまで合身していたニンジャは支給品の一つで、ラドリオ星に伝わる伝説の経験値泥b……
もとい忍者ロボ・飛影である。


「まったく、無事だったからいいようなものの、私が来るのが遅れてたらこの二人ともまとめてナパームストレッチか
阿修羅バスターかファイナルフラッシュでネギトロめいた死体にされてた所ですよ!? だから私は最初から
本拠地をちゃんと用意しましょうと計画開始前から進言してたんですよ! そもそも世界の命運かけたプロジェクトを拠点構えないまま
開始するとか正気ですか? 運よくこの九州ロボを火事場泥棒的に奪取できたからいいようなものの、祐一郎博士がショック死しなかったら
どうするつもりだったんですかねぇ? しかも拠点構えても警備はガバガバだわデータは奪われるわ傀儡とはいえ主催者の総理がオスプレイで
勝手に出撃して返り討ちに会うわテニスボールで大ダメージ受けるわ特務機関員が次々離反するわ殺されるわ挙句の果てに奇襲されるわ、
真面目に世界救う気あるんですか? 馬鹿なんですか? 死ぬんですか? 私と真尋さんの愛の城たる地球にこれ以上なんかあったら
貴方達どう責任とってくれるんですか!? くっ、これも全てゴルゴムの乾巧ってディケイドの仕業ですか!!」

ポーズを解くと同時に怒りと呆れが入り混じった表情で倒れている幹部二人に向けてマシンガントークで罵声を浴びせるニャル子。
どうやら御多分に漏れず、彼女も無償で主催に協力している訳ではなさそうだった。

「落ち着きなさいニャルラトホテプ。あなたの言い分ももっともですが、今はベイダー卿達を非難するよりも先に、一刻も早く
この九州ロボから脱出する事が先決です」

手元の基盤を操作しつつ、メフィラスはニャル子を諭し彼女を手近の席に着かせた。
ちなみにベイダー卿とジャックはニャル子がディパックから取り出した布団に寝かせている。
ニャル子はここに来る前に未配布の支給品を管理する倉庫から適当に支給品をくすねてきており、これもその一つである。

「とはいえ、本当にそこに寝こけてる幹部の皆さんに断りもなく勝手に脱出なんかしていいんですかね?」
「貴方も言っていましたが、あのまま二人を放置していたら間違いなく超人血盟軍に返り討ちに会う可能性が高かった
ですからね。こんな所で幹部陣が半ば全滅などしたら本当に計画の遂行が不可能になります。それに………
仮に連中を排除したとしても、最大の問題たる反逆者に対応する術が現状ない以上、やむを得ませんよ」

870勝利への脱出:2014/11/24(月) 00:29:25 ID:IDcuJh5U0
メフィラスはモニターに録画された監視カメラの映像の一つを映し出し、苦悶の表情を浮かべた。
そこにはストライダー飛竜………否、ユウキ=テルミに無残に惨殺される特務機関員のリーダー、デウスの姿が
映し出されていた。
先程まではユウキの発していた強力なマグネットパワーの影響で機能を麻痺させられていたが、ようやっと
復旧が完了し、正確な映像が保存されたのだ。


『貴様の敗因は『自分が絶対の能力を持ってると過信しすぎ』だことだ、『デウス隊長』さんよぉ?』

『オイオイ、いつからこの俺様が『ストライダー飛竜』だと思っていた?』

『さぁ、滅日《ほろび》を始めようじゃねぇか……!』


「本当にやってくれましたよ、ユウキ=テルミ………まさかとうに死んだと思われていた特務機関員にここまで
してやられるとは………」
「全くですね。拳王電車に轢かれてズガンしたかと思ってたらいつの間にやらあの特A級ストライダーに憑依してたとは、
お釈迦様どころか他の書き手さんでもご存じありませんよ。調べた所によるとバット星人グラシエもグルだった
みたいですし、まったくもってとんだ反逆者ですよ彼は! 英語で言うとトリーズナー!」

ニャル子も同様に苦々しい表情でモニターを睨みつける。
メフィラスとニャル子は共に特務機関員用の詰め所で待機していたのだが、超人血盟軍の奇襲を受けて現場に向かおうとした
途中、ベイダ―卿達が全裸で取り残されている事と鹿児島のデウス隊長に連絡がつかない事への疑念から胸騒ぎを
感じ独自に行動を取った結果、今回の謀反の一件を密かに掴んだのである。

二人はそれぞれこの殺し合いの主催者に与したのには理由があった。
メフィラスは殺し合いが始まる以前に起きた大災害で母星が壊滅的被害を受け、命からがら脱出して漂流していた
所をベイダー卿達に助けられ、その恩を返すために彼らに協力することを決心した。
ニャル子は惑星保護機構の一人として大災害の一件を調査しているうちにベイダー卿達に出会い、彼らから地球を
新たな大災害から救う計画を教えられ、賛同したために特務機関員となったのだった。
ちなみにニャル子の愛する少年・八坂真尋を殺し合いから遠ざける事を絶対条件とした上での協力である。
だがその計画も今一人の男の手により破綻の危機を迎えており、日本各地では主催者を打倒せんと様々な勢力が
力を蓄えつつある(ただし、互いの足の引っ張り合いも酷いが)。
このままではこの地球を救う事は出来ない。
二人は積もり積もった主催達への不信も重なり、その感情がすでに表に出始めていた。


「……メフィラスさん、イチローチームと試合したハラサンが言ってた『救済の予言』っていうの、覚えてますか?」
「……確か“九人の最良の戦士たちによる儀式の完遂、全てを虜にする歌、巫女の祈り、器たりえる巨像、不屈の精神を持った勇者。
全てが揃いし時、争いの淀みから生まれた化身は救いの神に転じる”でしたね。それが何か?」

メフィラスはニャル子からの突然の問いに記憶を掘り返し正確に答えた。
彼は今まで出番が来ないまま待機していたため、念のためにとこれまで首輪の盗聴器から録音していた音声を
記録室で調べていた為、問題なく答えられたのだ。
知能指数1万の頭脳は伊達ではなかった。
またニャル子も同様だったので付き添って暇つぶしがてら聞いていたのだ。

「その最後の方の“争いの淀みから生まれた化身”って……もしかしたらベイダー卿達が完成させようとしてる
『テラカオス』の事なんじゃないでしょうかね? だとしたら………」
「ニャルラトホテプ、貴方の言いたい事は分かりますよ。つまり『ベイダー卿達の行おうとしている世界を救う
計画より、この救済の予言を完遂した方がむしろ大災害を防げるのではないか?』と言いたいのでしょう?」
「流石メフィラスさんですね、まあそんなとこです。いや割とマジな話、這い寄る混沌の私が言うのもなんですが、
本当にあんな得体の知れない今後の成長によってはSAN値が下がりそうな容姿になり得るバケモンを使って大災害を
食い止める事が出来るのか、甚だ疑問なんですよねぇ。そもそもこの計画の全貌に関してもあんまり詳しい情報
貰えてませんし、ど〜も引っかかるんですよねぇ。なんかこう、世界を侵食する森から生き延びる為に作ったベルトが
10億個しかないから選抜された奴以外は死ね!みたいなノリに近いものを感じるような………」
「貴方の例えはよくわかりませんが……確かに、可能性はゼロではないかもしれませんね」

871勝利への脱出:2014/11/24(月) 00:30:11 ID:IDcuJh5U0

首をひねるニャル子を横目に、メフィラスも彼女の意見におおむね同意していた。
ハラサンの発言が与太話ではない事は各地のカメラによる映像と盗聴器からの音声で把握している。
もし本当にこの予言で世界を救えるのであれば、それに越したことはないと彼は考えた。
自分はあくまでベイダー卿達に命を救われた恩を返すために彼らに協力している。
だがもし彼らの作るテラカオスで大災害から世界を救う方法が誰もが頷ける全うな物ではなかったら?
かつて自分が一人の少年の心に挑戦し敗れ、何人もの同胞が狙ったこの星が、敬意に値する地球人達が無意味に
犠牲になりかねないとしたら?

「(ベイダー卿、一体貴方はどうやってこの星を守るつもりなのですか? その真の答え如何によっては………
私は貴方に恩義を感じた事を後悔せねばならなくなる……)」

自分は暴力は嫌いだ。
何より宇宙人同士で争うなどという愚かな事はしたくない。
ベイダー卿、私に貴方を今一度信じさせてください――――――
メフィラスは心の内で強くそう願った。


「さあ、時間がありません。バーダック達を置いていく事になってしまいますが、急いで脱出しましょう」
「まぁあの人ならよほどの事がない限り大丈夫でしょうけど……では早速start your engineといきますよー!
隠しコマンド実行承認!」

ニャル子は手元の基盤を操作し、パスワードの入力が必要らしき画面を呼び出し文字を入力していった。
既に必要なパスワードは調査済みだったため、キーボードを打つ手も早い。



ふるいけや かわずとびこむ

みずのおと ばしや



【シークレットコマンド実行承認 九州ロボ緊急脱出システム起動します】


どっかで見たようなコマンドが承認され、先程まで起動していなかった計器も全て光を放ちはじめる。
そしてニャル子の座る席から操縦桿と思しきレバーが飛び出し、彼女もそれを握りしめ、力強くペダルを踏んだ。


「九州ロボ緊急脱出用ロケット『ASO−3』、発進!!」


その瞬間、凄まじい轟音と煙と共に、九州ロボから勢いよく何かが切り離された。
それは九州ロボの腰に位置する熊本県から飛び出した。
山のような形をしたそれは―――――
いや、その表現は適切ではない。

872勝利への脱出:2014/11/24(月) 00:31:00 ID:IDcuJh5U0



飛んだのは、阿蘇山だった!!



「いやはや、本当に阿蘇山が脱出艇に改造されていたとは驚きましたよ」
「事前に調べて分かっていたとはいえ……光祐一郎、一体何者なのですか彼は?」

発進からしばらくして、改めてこの九州ロボを生み出した科学者の力に驚愕しつつ二人は後方を振り返った。
かなりのスピードで飛ばしているおかげか、九州ロボがだいぶ小さくなっているのが分かる。
まだ追手が来る気配はなさそうだが、今のうちにできるだけ遠くに逃げなければならない。
メフィラスとニャル子が偶然発見したこのASO−3の存在は五大幹部達や特務機関員もまだ掴んでいないため、
逃走して行方をくらませるなら今しかないのだ。

「さて、脱出は成功したもののこれからどうするべきか……」
「まあ順当にいけばどこかに潜伏して身を隠すか、それともどこかの集団に身分を隠して仲間入りして反撃の
機会をうかがうのが適当でしょうね。あっでもメフィラスさんDMCだけは勘弁ですよ? 下手したら私達まで
洗脳されそうですし、あの集団」
「私も彼らに合流するのは流石に抵抗がありますよ……しかし他の集団となると拳王連合軍、都庁連合軍、ホワイト
ベース組、聖帝軍、天魔王軍、ネオクライシス帝国……予言に関してはイチローチームに入るという手もありますが
……」
「うーん、個人的にはてつをと矢車の兄貴がいるネオクライシスがいいんですけどねぇ……ああそうです! 
今首相官邸跡に陣取ってるハスター君達のグループがあるじゃありませんか! あそこなら私が説得すればそれなりに
楽に合流できますよ! まあここに寝てる二人はディパックにでも隠せば無問題ですし!」
「……一応我々の上司に対してその扱いはどうかと……」

無事に脱出には成功した。
果たしてこれからどこに行くべきか。
二人は思案しながら脱出艇の操縦桿を握り、今後の行くべき道を―――――


「(まったく、奇襲が起きた時には一時はどうなるかと思いましたよ。何だか猛烈に雲行きが怪しくなってきましたし、
下手すりゃこれ以上この主催陣営に加勢するのも考えた方がいいかもしれませんね。何より私の目的は無事に日本を
守り抜いて真尋さんとのGOD SPEED LOVEな生活を取り戻す事なんですから! この連中の大義名分なんぞ知った事じゃ
ありませんよ! あの予言の通りなら、野球やって歌を歌って巫女が祈って憑代用意して勇者捜せば世界は救われるんですから、
それでいいならそっちでオールOKですよ! ですよね、真尋さん!)」

主催への忠誠などあってないような心境を内心露呈しつつ、ニャル子はふと懐から何かをチラリと取出し、恋する
乙女の視線をその何かへと向けた。
それは何やら小さな人形のようだったが、ただのソフビ人形とは何かが違った。

その人形の名はスパークドールズ。
闇の力を宿したアイテム・ダークスパークの力によって時を止められ、人形と化した存在の総称である。
そしてニャル子が懐に持つスパークドールズこそ、愛しの八坂真尋その人であった。
彼女は真尋の安全を確保する約束で主催に協力していたが、彼女も馬鹿ではなかった。
同じく特務機関員の新城直衛の義理の姉のように極秘のシェルターに匿ってもらう事はせず、主催者が持っていた
支給品の一つであるダークスパークを秘密裏にかすめ取り、殺し合いの開始前にその力で真尋を人形に変えて
今の今まで手元に置いていたのだ。
彼女曰く『もしも自分の与り知らぬ所でズガンなんかされたら目も当てられませんよ』との事である。
いつものようにキレのあるツッコミやフォークが飛んでこないのは少々寂しいが、真尋の命には代えられない。
そう考えての彼女なりの判断だった。
全てが終わったらちゃんと元に戻すつもりである。

「(それにこのダークスパークがあれば、さっき持ってきた『アレ』が使えますからね。いざとなればその力で
九州ロボごとあの裏切り者を成敗!してあげますよ! 待ってなさいユウキ=テルミ!!)」

這い寄る混沌は己の切り札の一つを思い出し、笑みを浮かべる。
その笑みが意味するのは、果たして―――――

873勝利への脱出:2014/11/24(月) 00:31:33 ID:IDcuJh5U0


【二日目・7時50分/日本海上空・脱出艇ASO−3ブリッジ】
【メフィラス星人@ウルトラマン】
【状態】健康、思案中
【装備】なし
【道具】支給品一式、不明支給品、ラッキョウ
【思考】
基本:今は主催に従い、世界滅亡を防ぐ
1:ユウキ=テルミから逃れ、反撃のチャンスを伺う
2:どこかしらの集団に紛れたいが、どこにするべきか迷う(ニャル子がいるのでなのは組が第1希望)
3:ベイダー卿の計画で本当に世界を救えるのか見極める
4:救済の予言、果たして本当なのですかね?
5:なるべく暴力は使いたくない
※特務機関員です。
※ベイダー卿達への恩義で協力していますが、あくまで目的は地球を守る事なので、意に反した場合は
謀反も考えています。

【ニャル子@這い寄れ!ニャル子さん】
【状態】健康、主催への呆れと怒り、ASO−3を操縦中
【装備】名状しがたいバールのようなもの、冒涜的な手榴弾、ダークスパーク@ウルトラマンギンガ
【道具】支給品一式、盗んだ不明支給品×複数、シャンタッ君、スパークドールズ(八坂真尋、ダークザギ)
【思考】
基本:世界滅亡を防ぎ、真尋さんとの生活を取り戻す
0:とにかく真尋さんだけは必ず守る
1:ユウキ=テルミから逃れ、反撃のチャンスを伺う
2:ハスター君達のグループに紛れられませんかねぇ?
3:いざとなれば救済の予言の完遂に協力する、主催なんぞ知ったこっちゃない
4:駄目だこのベイダー卿当てにならない……
※特務機関員ですが、主催への忠誠心は限りなくゼロです。
※スパークドールズ化した八坂真尋を戻すには、ダークスパークもしくはギンガスパークが必要です。

【飛影@忍者戦士飛影】
【状態】正常
【装備】武装一式
【道具】なし
【思考】
基本:主催陣営の命令に従う
1:待機する
2:ランカ殺すべし、慈悲はない
※支給品なので首輪はありません。
※合身すると何故か忍殺語になる時があります。



「ファッ!?」
「こ、ここは何処だ? あのいい男は何処に!?」

そして気絶していた二人も目覚めたが、操縦席の二人はあえて目は合わせなかった。


【ダース・ベイダー@STAR WARS】
【状態】ほぼ全裸、困惑
【装備】ライトセーバー@STAR WARS、布団
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】基本:テラカオスを成長させ完成に導く計画を遂行する
0:こ、ここは何処だ!?
1:計画のために殺し合いを促進させ、計画の邪魔をするものは消す
2:不足の事態に備えて予備のテラカオスを作り出すことも念頭に入れる


【ジャック・O@ARMORED CORE LAST RAVEN】
【状態】リンクスに改造、ほぼ全裸、困惑
【装備】フォックスアイ(ネクストに魔改造)@ARMORED CORE、拳銃、布団
【道具】四条化細胞入りカプセル
【思考】基本:テラカオスを成長させ完成に導く計画を遂行する
0:ここは何処だ!?あといい男は何処に!?
1:計画のために殺し合いを促進させ、計画の邪魔をするものは抹殺する
2:四条化細胞に多大なる期待
※何故か服を脱ぎました。


※阿蘇山は九州ロボの緊急脱出艇『ASO−3』に改造されていました。性能に関しては不明です。

874拉麺乱れし修羅となりて:2014/11/28(金) 12:50:23 ID:0/wU2fUU0
大阪にいる拳王連合を喰らうべく、ガオウライナーに乗って埼玉を経ったテラカオス・ディーヴァ。
その道のりは未完成のテラカオスには険しく、埼玉から静岡までで電車強盗に二回、怪獣に一回、やたらに強い男に一回襲撃を受けることになった。
されど襲撃した者達の奮戦虚しく、誰ひとり彼女を討つことはできなかった……

「ハァ…ハァ……他の連中はまだしも、さっきの男は異常に強かったな。
この私が世界救済の使命も成し遂げられぬまま、危うく死ぬところだった……とても生身の人間とは思えん」

最後に襲撃してきた男にはかなり苦戦したらしく、あちこちから流血し、大ダメージを受けたテラカオス。

「だが良い教訓だった……まだまだ自分が弱いことを痛感させられたよ。
世界を救うためにもっともっと強くならねば……」

先ほど殺害した者の、体から抉りとった腸を取り出し、ソーセージにでもかぶりつくように食らっていく。
食べる際に惚けるような顔をしているが、これは彼女のベースとなった風鳴翼の好物が腸だったため、テラカオスの好物も腸だからである。
そして腸を食べると、ものの数秒で全ての傷が回復してしまった。
彼女は肉さえあれば、ぼのぼのから授けられた再生能力ですぐにダメージを回復してしまうのである。

「楽園は犯罪者だろうと怪獣だろうと拒まない……安心して召されるがいい」

自分を襲撃し、手傷を加えたものであろうと関係なく、テラカオスは新たに自分の腹にある楽園に加えられた者達を祝福する。
その顔は―――食人行為をしていると知らなければ―――慈愛に満ちた聖女そのものであった。


【ラッド・ルッソ@BACCANO! 死亡確認】
【トレバー・フィリップス@Grand Theft Auto V 死亡確認】
【ムートー@GODZILLA-ゴジラ- 死亡確認】
【スティーブン・セガール@現実? 死亡確認】


「この様子だと思ったよりも大阪への到着は遅れそうだな。
まあ、薬物中毒者や怪獣を食べたら新しい耐性は得られたようだし、収穫はあっただけ良しとするか。
今なら薬漬けでもウランでも何でも食べられそうな気がする」

テラカオスはジャンキーのトレバーを食らったことで薬物に対する耐性を少しばかり、核物質を主食とする巨大怪獣ムートーを捕食したことで核物質に対する強い耐性を手に入れていた。
新たな耐性を手に入れたことを実感し、テラカオスは大阪へと電車を進める。

「アハハ、さてと、気分が良くなったところで新曲いくぞ。

電車で電車で電車で 暴! 暴! 食! 食! ♪

電車で電車で電車で 暴! 暴! 食! 食! ♪」

相変わらず物騒な歌を歌いながら、ノリノリで突き進むテラカオス。
テラカオスの気分に呼応するように、ガオウライナーの速度は上がって行き現在は静岡と山梨の県境に入ろうとしている。


「電車で電車で電車で 暴! 暴! 食! 食! ♪

電車で電車で電車で 暴! 暴! しょ……!」


しかし、テラカオスの歌は唐突に止み、ガオウライナーも山梨に入ろうとしたところで静岡へUターンしてしまった。

「この細胞が痺れる感じは……同族のピンチ?!」

彼女が急に静岡へ引き返そうと思った理由―――それは、彼女の中にある四条化細胞からの警告によるものだ。
かつての翼やぼのぼのと同じく、四条化した仲間がピンチであると細胞が告げているのである。

「いかねば……!」

先ほどの上機嫌な様子から一変、緊張した面持ちでテラカオスは仲間がいるであろう現場へと急行する。

875拉麺乱れし修羅となりて:2014/11/28(金) 12:51:24 ID:0/wU2fUU0



 ――静岡の樹海――


「ハァハァ……なんとか勝てたぜ」
「ぐふぅ……」

フリーザ軍の残党であるキュイと、四条化細胞により魔人となった多木との遭遇戦の行方は、キュイの勝利で終わった。
お互いに満身創痍であり、途中まで互角だった彼らの勝負を決定づけたのは支給品の差であった。
キュイの支給品の中には劣化ウラン弾を打ち出すバズーカが入っていたのだ。
対する多木は体の殆どが焼けたミンチと化している。

「ひ…卑怯だぞ……『あ! 後ろに豚骨ラーメン!』とか嘘をついて、振り向いた瞬間を狙うなんて……」
「うるせー! 勝てばいいんだよ、勝てば!」

バズーカの弾速ぐらいなら四条化細胞で強化された多木でもよけられたハズだが、キュイはだまし討ちを巧みに使い、隙をついたらしい……
キュイの汚い戦法はともかく、劣化ウラン弾の威力と焼夷性は凄まじく、テラカオス化が進行している魔人とて直撃すれば特大級のダメージを受ける。
まだ辛うじて生きてはいるが劣化ウラン弾は毒性も強く、特に核物質や放射線に対する耐性を持っていなかった多木は酷く苦しんでいる。
元々、美鈴によって大打撃を受けていたのも重なって、極限まで弱っていた多木はこのまま放置しても死んでしまうだろう。

「へへ、核兵器か、地球人も良い武器を作る……俺はこれが気に入ったぜ」

威力はエネルギーボールには劣るものの、それらでは見られない相手が汚染で苦しむ姿を見てキュイは悦に浸っていた。

「それに……ちょうどベジータ達に野球でやられた怒りが治まらなかったところだ。
ウサ晴らしにもう一発ぶち込んでやるぜ!!」

……キュイは殺虫剤を巻かれた毛虫のように悶え苦しむ多木を嘲り笑い、そしてダメ押しと言わんばかりにトドメを刺さんとする。
腹いせの対象を超人血盟軍ではなく、手頃に倒せそうな相手に向けようとしているところが、この男の小物っぷりを物語っているが、そこは置いておこう。

キュイはゆっくりとバズーカの砲身を多木に向け――




『電車で電車で電車で 暴! 暴! 食! 食! ♪』




――引き金を引く寸前で、奇怪な歌と共に牙のついた黒い電車―――ガオウライナーがこちらに向かってきた。

「な、なんじゃありゃあ!?」

あまりの突拍子のなさと珍妙さにキュイは面食らう。
そして、直感的に危険を感じた彼はバズーカの砲身を電車に向け、すぐさま劣化ウラン弾を撃ち出した。

劣化ウラン弾は直撃し、爆炎を上げ、ガオウライナーを粉々した……ハズだった。


『電車で電車で電車で 暴! 暴! 食! 食! ♪』
「全く効いてないだとぉ!?」

爆炎の中から無傷のガオウライナーが現れた。
テラカオスの持つ耐性は本人のみならず、彼女が搭乗しているガオウライナーも影響を受けている。
すなわち、彼女が核物質に耐性をもっている以上、ガオウライナーにも核は通用しない。
もちろん火水土風木電聖闇といった魔法や攻撃は尚更、この電車には通用しなかった。

そして。


                                     ∩       .'  , ..
                                  ⊂、⌒ヽ   .∴ '     ';*;∵
                                 ⊂( 。A。)つ ←キュイ・.;,;ヾ∵..:
                   __,:--------:::.._____   ∨ ∨     :, .∴ '
.´ ハx'´ハ`ヽ  ,.-'''"~..。--'''"",.:´――─ii――――─――ミヽ    ∴ ';*;∵; ζ。∴
..  X _Vi'二ニ!-''''"^        |l |6|6|6| || [ ガオウライナー ] ||      .∴'
__ =!ニ-''" .:=.iニ! = -=''i l|~」 ||...________||_________||    _     :, .∴
:   _ー....... ..:i:::l:::|| |.|「|| | l||] ||     ||        ハ,,ハ  .||
iiilll|:||:|ll|:||:|:|::|. |:::|| |.||:|| | l||:|. ||     ||        ( ゚ω゚ )...||
ll!!!!!.||.llll.ll.l.l..l. l...|| |.||.|| | l||:|. || ̄ ̄ ━ ━━━ ━. ̄ ̄ ̄||
=ニニニニニニニニ | ̄.| l||:|. || (○).|  JR   .|  (○) .||
__''''  l.l    .......___|. |. |___l_l__||.──│ :混沌:  .|──―-||
 「「T"''''''''┬-:ニ....__└--! :-!|||| ◎________◎  .||
"u.l:_|讐讐|:| l:::|:::::| ~||⊂^ニニji.|ニニニニニニニ=======ニニニニニニ|
        `  ー__l_=''). l」‖__‖. !二-==-二!.‖__‖"

876拉麺乱れし修羅となりて:2014/11/28(金) 12:52:54 ID:0/wU2fUU0

テラカオスの影響によって出力が増大し、カタログスペック以上の速度を出していた電車をキュイは回避できず、衝突して空に投げ出された。
今期二度目の電車による人身事故である。

「ぶべらッ!!」

さらに電車の衝突による強烈な運動エネルギーがキュイの身体を駆け巡り、空中にて爆発四散した。
いわゆる「汚ぇ花火」である。


【キュイ@ドラゴンボール 死亡確認】


「あれ? 今、何か轢いた?」

なお、轢いた本人はキュイの存在に全く気づいてなかったりする。
同族のピンチでかなり焦っていたため、キュイが視界に入らなかったらしい。
更に余談であるが、爆発四散したキュイの血肉は静岡県の特設球場―――かつてフリーザ軍と超人血盟軍が争った場所に落ちた。
そして……特設球場に儀式が成し遂げられたという意味を思わせる呪印が現れる。
超人血盟軍が一人撃ち漏らしたことによって未完のままだった決闘の儀式の一つが、図らずもテラカオスの手によって完遂させられたのだ。
だが、テラカオスにそのような事情など知りもせず、特設球場の呪印も目に入っていなかった。
彼女はそんなことよりも同族の救助が最優先なのだ。

敵がいないことを確認し、大急ぎでガオウライナーから降りて、瀕死の多木の下に駆け寄る。

「おい、大丈夫か!? しっかりするんだ!」
「あ、あんたは放送で呼ばれていた風鳴翼……そうか、あんたも俺達と同じ四条の細胞で変異した同族だったのか……」
「おまえをこんなに痛めつけた敵は今どこにいる?」
「大丈夫だ……(あんたがたった今)倒したよ……」
「そうか……」

念のため、異常に強化された嗅覚とエコロケーションを使って周囲を索敵するが、多木の言葉どうり救うべき食材(敵)は周囲にいないと見ると、テラカオスは警戒を解き、引き抜こうとした刀を収める。
そして、憂いを帯びた眼差しで心配そうに多木に語りかける。

「ひどい傷だ。待っていろ、今ガオウライナーに残してある食料を持ってくるぞ」
「む、無理だ……自分の体の事は自分で解る……俺はもうじき死ぬ……」
「そんな……」

テラカオスは食料を分け与えて多木を回復しようと考えたが、手遅れであった。
多木にはテラカオスが持っているような捕食による超回復能力は持ち合わせておらず、加えて核による蝕みによって肉体は限界を迎えている。
せっかく細胞と志を共にする同族に会えたと思ったのに遅かった、もっと早く駆けつけていれば―――そんな後悔の念を抱いたテラカオスの瞳には涙が浮かんでいた。

「た、頼みがある……俺の肉でラーメンを作って喰ってくれ……」
「らぁめん?」

らぁめんは四条化細胞の起こりである四条貴音の頃から縁の深い料理である。
このテラカオスの全ては貴音でナノマシンの影響で狂い、同僚をらぁめんにして食べたところから始まっている。
今でこそ直接的な捕食の方が多くなったとはいえ、テラカオスを育てたのはらぁめんであると言っても過言ではない。

「ひと目見てわかった……あんたは四条貴音と同じく、ラーメンを愛してると……そんな人にラーメンとして食われるなら本望だ……」
「わかった、おまえで作ったらぁめんは残さず食べてやるから安心しろ」
「さ、最後に俺は……ラーメン三銃士、具の専門家……多木康、この名前を覚えていてくれよ……」
「ああ、忘れないさ……」
「ありが、とう―――」

混沌の歌姫の返答に満足し、彼女の手の中で多木は安らかに逝った……


【多木康@美味しんぼ 死亡確認】


「くッ……すまない。
私がもっと強く、そして早く駆けつけていればおまえを苦しませずに救うことだってできたハズだ……被爆はとても痛かっただろうに」

彼女は手遅れなほど、歪み狂いきっている。
それでも人々を救いたいという彼女の願いは本物であった。
途中の襲撃者をもっと早く倒していれば、ガオウライナーでもっと早く駆けつけていれば、多木は核で苦しむことなく救い出せたであろう、そう思うとテラカオスは力の至らなさを恥じた。
そして彼女の中の力への飢えが加速する。

「私はまだまだ弱い、全ての人々を救済するためにも、もっと強くならねば……!」

既にチート級レベルの参加者では相手にならない強さを持っているが、レストの件もあって、この程度の実力で満足も過信も彼女はしない。
自分はまだまだ弱く、なお強さを追い求めるべきだとテラカオスは確信したのだ。

877拉麺乱れし修羅となりて:2014/11/28(金) 12:53:21 ID:0/wU2fUU0

「そのためにもまずは……」

手始めにテラカオスは遺言通りに多木の骸でらぁめんを作り出す。
擬似的な高速移動でらぁめんはすぐに完成した。

「いただきます。
……む?! これは……今までで最高のらぁめんだ!」

そして、頂いた。
ラーメン三銃士の血肉で作ったラーメンはテラカオスが感動で涙を零すほどの旨さであった。
耐性を持っているため、核汚染などなんのそのである。

「ごちそうさまでした……感謝するぞ多木、とても美味しいらぁめんだった。
それに旨いらぁめんに体が呼応するかのように、力が溢れてくる!」

加えて多木はテラカオス候補者。多木で作ったらぁめんを食らったテラカオスの力が増大するのは必然であり、完成にまた躍進した。
ラーメンは世界を救う……多木の所属していた日本ラーメン総合開発研究所の掲げていたスローガンは、らぁめんを愛する歪んだ救世主の力となったのだ。

「さて、救済の旅に戻ろうか」

いつまでもここで立ち往生してはいられない。
大阪では拳王連合が自分を待っている。待たせ過ぎは失礼というものだ。
そう思ったテラカオスはガオウライナーに戻り、コクピットのバイクに跨り、出発進行する。

「うおお!? 速い!!」

テラカオスが驚いたのは明らかに速度を増したガオウライナーである。
多木を食らって力を増したため、影響を受けていたガオウライナーも合わせて加速スピードが上昇したのだ。
速度は十傑衆走りの何倍も早く、静岡の樹海をあっという間に抜けてしまった。
この速度ならば多木救出のために途中で脱線した分の時間的ロスも十分に補えるだろう。

「脱線したことでむしろ、速くなったか。道草も無駄ではなかったな」

旨いらぁめんに力の上昇……得たものを考えれば、脱線は大正解であったとテラカオスは納得するのであった。

「景気づけに歌うぞ!」


電車で電車で電車で 暴! 暴! 食! 食! ♪

電車で電車で電車で 暴! 暴! 食! 食! ♪

電車で電車で電車で 暴! 暴! 食! 食! ♪

電車で電車で電車で 暴! 暴! 食! 食! ♪



これまた物騒な歌を垂れ流しつつ、西への電車旅行を再開するテラカオス・ディーヴァ。
速度を大幅に増したガオウライナーは、何事もなければ次の放送前には大阪に到達すると思われる。


【二日目・8時30分/静岡県】

【テラカオス・ディーヴァ@テラカオスバトルロワイアル十周目】
【状態】損傷なし、首輪解除、厨二病全開、火水土風木電聖闇核耐性(強)、薬物耐性(弱)、嗅覚と聴覚強化、ガオウライナーを操縦中
【装備】シンフォギア・天羽々斬?(異常に禍々しく変化)@戦姫絶唱シンフォギア?、ガオウライナーキバ@仮面ライダー電王
【道具】支給品一式 、スマホ
【思考】基本:世界をカオスにする
1:世界から全ての者を救い尽くす(喰い尽くす)
2:大阪へ向かい、拳王連合軍を救う(喰らう)
3:何故皆救済を拒む? まるで意味が分からんぞ?
4:私はまだまだ弱い、もっともっと強くならねば……!
※風鳴翼・佐村ガウスフレミング02・天海春香・はるかさんの能力を継承しました
※テラカオスとしては未完成のため、テラカオスバトルロワイアル十周目の死者の能力は現在使用不能、進化すれば使えるようになるかもしれません
※風鳴翼の容姿や人格を色濃く受け継いでいます、ただし、進化するにつれて失われる可能性があります
※ダルメシマンの人間の1京倍の嗅覚、ゼブラの聴覚と音操作能力を特に強く継承しました
※テラカオス候補者の一人である多木を食らった結果として力を増し、その影響でガオウライナーの速度が上昇しました
 道中で何もなければ、次の放送までには大阪に到達できます

878悪性変異:2015/01/24(土) 04:19:28 ID:hjE6lcLA0

DMC狂信者からの刺客であるデュエリストのヘルカイザー亮から下から逃走した2つの野球チーム、イチローチームとドラゴンズ。
彼らは巨大な邪竜ギムレーに乗って空から東京湾を渡り千葉県へと移動した。
ヘルカイザーには高速で海路を渡る手段が無いという見通しから千葉県に進路を進めたのである。

そして、二つのチームは千葉県木更津市の浜にたどり着き、戦いに疲れた体を少しでも労わるべく休憩を取っていた。
しかし、その休憩も長くは続かぬだろう。
千葉は東京に隣接しており、東京のビッグサイトに本拠地を置いているDMC狂信者はすぐに兵隊を回してくるだろう。
おまけに殺し合いが続けば禁止エリアによって移動できる場所も狭まってき、最終的に逃げ道はなくなる。
故にイチローは決断し、皆の前で言った。
「このまま逃げ続けるだけじゃダメだ! DMC狂信者と戦おう!」と。

「イチローさんの言うとおりっス。
どうせ逃げられなくなるなら、戦った方が言いに決まってるっス」
「俺は……ハラサンの覚悟をくだらないとか言いやがったあいつらが許せねえ」

イチローチームの中に、思考や覚悟に差異こそあれどDMC狂信者と戦うことに反対する者はいなかった。
狂信者の横暴をこの目で二度も見てきた彼らには、なんとしても狂信者を倒したいという意思が生まれており、エースであるイチローのおかげで踏ん切りがついた形だ。

「イチローの言うとおりだ、あいつらがいる限りおちおち野球もできはしない」
「予言を成し遂げる前に邪魔者を排除しとくべきホルね」

イチローチームの面子と同じくドラゴンズもイチローの意見に賛成であった。
彼らは仲間であるオーバーロードを狂信者に殺されている。
狂信者と戦うにはそれだけの理由で十分であった。

「俺もイチローに賛成さ。奴らを止めなくては被害もどんどん拡大していく一方だしね」

影で世界の滅亡を望む者――久保帯人すらも同意見であった。
と言っても、善意から狂信者と戦うと発言していたわけではない。
某ご立派様同様、この殺し合いは世界を救う手段であると見抜いていた久保帯人は殺し合いを助長させてしまうDMC狂信者の存在は目の上のタンコブなのだ。
ダース・ベイダー達のやろうとしている救済の手段と、ハラサンの伝えた予言からの救済の手段は同じものかまではわからないため、万が一のために儀式の完遂阻止に加えて殺し合いも停滞させなくてはならないと久保帯人は見ている。
自分のチームの監督がそんなことを考えていることを知らず、イチローは二つのチームの方針を決めた。

「よし。ひとまず、DMC狂信者を倒すまでは試合は保留しよう。
無理に試合をしたところで奴らに邪魔されるだけだからね」
「でもイチロー、DMC狂信者の数は半端じゃないわよ。
千人ぐらい死んでも、まるで活動に支障がないって話だし、そいつら全員相手にするって言うの?」
「鬼の私でも、一万から先の敵を相手にして勝てる保証はないなぁ……」

霊夢と萃香の質問はもっともだ。
DMC狂信者の頭数は、現存するグループの中でもずば抜けて多い。
先の都庁への襲撃で実力者である魔竜と3000人の兵隊を失っておきながらも、狂信者の活動は傾くどころか僅かたりとも衰えを見せてない。
その総兵力は多すぎてどの組織も正確には把握できていないが、下手をすると百万人以上はいるかもしれないのだ。
クラウザーさんなら老若男女人外魔物問わず百万人程度の狂信的ファンを生み出す歌唱力を持っているのだから、それくらいの予想は誰でもつく。
もし仮に百万人も相手にするなら、例え理不尽級の力を持っているイチローチームやドラゴンズでも消耗して追い込まれて全滅するだろう。
そんな彼女らの疑問に答えたのはギムレーだった。

879悪性変異:2015/01/24(土) 04:20:08 ID:hjE6lcLA0

「いや狂信者全員を相手にする必要はない」
「どうゆうこと?」
「狂信者共が虐殺を働いている理由は奴らが信仰している存在……すなわちクラウザーの蘇生のためだ。
だったら霊夢、あいつらの信仰しているクラウザーが絶対に生き返らない状況になったらどうなる?」
「……そんな絶望的な状況になったらまず戦意を失うわよね、少なくとも足並みは揃わなくなりそう」
「さすがその手の世界で生きている巫女だ。信仰に対する理解が深い」
「勿体ぶらずに言ってよ、具体的に何をすればいいの?」

ギムレーは東京湾――正確には、東京のビッグサイトがある方角を指でさす。

「僕達ドラゴンズはドラゴンネットワークで狂信者達がビッグサイトにて、クラウザーをなんらかの儀式で生き返そうとしているのを把握している。
彼らの本拠地でもあるビッグサイトさえ陥落させればクラウザーの蘇生が不可能になり、狂信者達は戦意を失い総崩れになるだろう」

ギムレーが目をつけたのはビッグサイトであった。
そこは現在は狂信者達の要塞と化しており、ここでヨハネ・クラウザー二世の蘇生が行われる噂が流れている。
ドラゴンネットワークで入手した情報が本当ならば、ここを落とせばDMC狂信者という組織は崩れる。

「拠点としても人員こそ密集しているものの、一箇所の土地に集まれる人数には限りがある。
少なくとも日本中の狂信者全員を相手にする必要もないハズだ」
「なるほど、なんという冷静で的確な判断だ……だったら!」

ギムレーからの話を聞くや否や、ナッパは腕にエネルギーボールを作り出し、投げの構えに入る。

「な、何をしてるんだナッパ?」
「決まってんだろ?
今からビッグサイトにこいつをお見舞いしてやるのさ!
そうすりゃ、DMCの奴らとも一発でカタがつく……」

サイヤ人、特にナッパほどの逸材となれば都市の一つや二つの破壊は朝飯前である。
多少大きな建造物を一つ瓦礫に変えるなど造作もないことだ。
狂信者との因縁を一瞬で終わらせるべく、ナッパは千葉からビッグサイトへ向けて直接攻撃を敢行しようとした。

「なんだって!?」
「ちょい待てストップストップ!!」
「ヤメロッ! 落ち着け!!」

ところがギムレー、オシリス、ファーマルハウトが今にも光弾を投げようとしたナッパに対して待ったをかけた。

「なんで止めるんだ?!
狂信者達をぶちのめしさえすれば安心して試合もできるようになるんだぞ!?」
「それはそうなんだけど、ビッグサイトを爆撃をしてはいけない事情があるんだ!」
「事情?」
「それは僕達も気になるな、是非聞かせてほしい」

ビッグサイトを直接攻撃してはいけない事情があると聞き、ナッパは攻撃を中断し、他の面々も耳を傾けるとオシリスが解説する。

「ビッグサイトには今、膨大な魔力が集中しているらしい。
言わば核融合炉入の箱みたいなもんで、そんな場所に強力な爆撃をしようものなら超反応を起こして大爆発を引き起こす危険がある。
最低でも東京中が瓦礫に変わって、罪のない人間達や世界の希望たるロリも巻き添えになる。
ロリコンたる俺はそんなことをさせるわけにはいかない」
「なん……だと!?」
「それが本当なら、ナッパだけじゃなく、僕のレーザービームも使うわけにはいかないということか?」
「それの回答は『イエス』だ。
……クソッ、こうなるならもっと早めにDMCを潰しておくべくだった!」

イチロー達は知る由もないが、ビッグサイトは狂信者を指導する上層部によって巨大な生体マグネタイト収集装置に変わっており、日本中の死者から抽出されたマグネタイトはここに集まっており、度重なる殺し合いやどこぞの自重知らずな集団がマップ破壊をしまくったことで犠牲者が増え続け、狂信者自体も大量の死者を出すことでマグネタイトの量は膨大なものになっていた。
最初は大した量ではなかったが、現在はオシリスやギムレーのような位の高い竜ならば肌でわかるレベルである。
そうなった以上、施設にあまりにも強力な攻撃を加えた場合、大爆発を起こすリスクも考えられた。

880悪性変異:2015/01/24(土) 04:20:40 ID:hjE6lcLA0

「魔力って、まさかクラウザーを蘇らせるためのエネルギーなのか?」
「ああ、魔力の詳しい正体まではわからねえけど、たぶん生体エネルギーの類だろうな。
ロワによる死人が増える度に、ビッグサイトに集中している魔力がどんどん大きくなってやがるし」
「奴らはクラウザー一人を生き返らせるために大量の生贄を捧げる必要があると言っていたっス。
気が触れた連中の狂言だとばかり思っていたけど、あながち眉唾でもなさそっスね……」
「しかし、それだけの魔力を集めてどうやって奴らはクラウザーを生き返そうとしているんだ?
大災害以降、ザオラルのような蘇生呪文が使いものにならなくなったらしいのに……」
「方法までは流石に見当つかないな……もっと俺らより位の高い神ならそれもわかるんだろうけど……」
「オイオイ、奴らのクラウザーを生き返す方法なんてどうだっていい。
問題なのは、この俺様やイチローの爆撃を使うべきじゃないとわかった今、どうやってビッグサイトを攻めるかだろ?」

DMC狂信者の凶行を止めるために攻撃しようものなら、関係のない者達まで大量虐殺しかねないことがわかったナッパ達。
だからといってDMCを野放しにする理由はイチローチームやドラゴンズにもなかった。

「まあ、そう慌てるなナッパ。
ようはビッグサイトを爆発させないように戦えば良いんだ」
「となると……遠距離から強力すぎる一撃を叩き込むより、直接ビッグサイトに乗り込んで白兵戦を仕掛けて制圧した方良さそうだ」
「肉体一つでの殴り込みによる特攻っスか……」
「コノ面子ナラ、ホトンドガ殴リ合イニモ対応デキソウデスネ」

ちなつのような非戦闘員は例外として、幸いにも白兵戦に優れた猛者は両チームに揃っている。
イチローチームの戦闘要員は拳や剣だけでもモブ狂信者を一度に十人は倒せそうな実力を持っており、ドラゴンズの竜達は爪や尻尾の一薙だけで戦車を粉々にできる戦闘力を持ち合わせてはいる。
だが――

「でもww俺達だけであの異常な数を捌けるわけがないっすよww
全員相手にする必要ないにしてもビックサイトに一万人ぐらいはいるっしょwww」
「それが問題ホルね。
あそこを攻めるならもっと多くの戦力を掻き集める必要があると思うホル(特におっぱいが大きい子なら大歓迎ホル)」
「ヘルカイザー亮への対抗手段もないし、このままではどのみちダメだろうな。
東京に戻るまでに多種多様な戦力を集めたいところだ」

ビックサイトを攻めるには今以上の戦力を集める必要があると一行は決断づける。
そして力を貸してくれそうな目ぼしい対主催グループを、竜達の情報ツールであるドラゴンネットワークを織り交ぜつつ考える。

「危険集団らしい拳王軍は論外として、都庁の魔物達も世界の危機を救うためと聞けば力を貸してくれるかな?
関東でDMCと真正面から渡り合えそうな戦力を持っていそうなのはアソコぐらいなものだし」

そう発言したのはロイだ。
都庁の魔物は危険視されてはいるが、そのトップは竜である以上ドラゴンズの竜達ならば交渉できるだろう。
元々DMCとは戦争状態であり単純な戦力は向こうも欲しいだろうし、世界を救うためなら一時的でも人間への攻撃を止めて協力してくれるだろう。
都庁に所属するウォークライはフォーマルハウトと関わりがあり、オオナズチは黒炎竜と面識はある。
話し合いの余地は十分にあると、ロイは思っての発言なのだ。
しかし、それは彼のパートナーであるイドゥンの言葉によって一行から却下される。

「ロイ様、申し訳ありませんが……都庁の魔物はロイ様が思っているほど穏健な者達ではなさそうです」
「イドゥン、どういうことだ?」
「東京の対主催グループである警察組が都庁の魔物によって壊滅させられたとの情報が入りました」
「なんだって? それは本当かい!?」
「先に仕掛けたのも魔物側であり、警察組は一方的にやられる形になったそうです。
特に警察組でもリーダーシップを取っていたメタルヒーローのジバンは頭を砕かれて全身を焼かれた残骸を発見されています。
ただ敵を倒すためならこんな酷い殺し方をする必要はないはずですし、都庁の魔物は信用するべきではないマーダー集団でしょう」
「そんな……」
「狂信者や拳王連合と何も変わりゃしねえじゃねーか!」
「あのおチン○ども、やっぱりやっつけにいくべきだったわ!」
「オバロが抜けた分、オオナズチをチームに加えようかと思ってたけど……
ゴメンww俺が間違ってたわwwやっぱオオナズチはw早wよw死wねw」

881悪性変異:2015/01/24(土) 04:21:27 ID:hjE6lcLA0

イドゥンが話した情報の真実は、警察組を血祭りにあげたのは都庁の魔物がではなく天魔王軍である。
これは魔物と魔族の区別がつかない人々による誤報によるものだ。
だがイドゥン始め、両チームにそれがわかるハズがなかった……ドラゴンネットワークとて万能ではないからだ。
それに気づかず、他のドラゴン達も畳み掛けるように都庁の情報を口に出す。

「おまけにグロくてヤバイ怪物まで召喚したようだ……この魔力はガチでやべーな。
この俺、オシリスとイチロー……いや、二つのチームが死ぬ気で挑んでも勝てるかどうかわからないレベルだ」
「さっきの地震の正体はそれか」
「そんなもの呼び出してどうするつもりなのかしら?」
「支配か破壊、もしくはその両方に決まっておるダロウ? ワレならそうする」
「場合によっては都庁の軍勢とも戦うことを念頭に入れた方が良さそうだな……」

ドラゴンズがもたらした情報により、真実を知らぬ両チームから多大なバッシングを受ける都庁の軍勢。
これによって二つのチーム間で都庁の軍勢は信用すべきではないと結論に至った。

「オシリス、他に狂信者に対抗できそうなグループや組織はないのか?」
「ええい急かすなよイチロー。
今、ドラゴンネットワークで全力で探しているんだよ!」

自分達と共に戦ってくれそうな集団を探す一行。
残る有力対主催グループになのは組や狸組などもいるが、彼らはまだ存在を知らない。
ドラゴンネットワークでも、すぐに探し当てるには多少の時間を要するようだ。



その最中に突然の来訪者が現れた。


「おい、アンタら」
「「「!?」」」

全裸でヒゲが触手状で、なんか全身がヌルヌルしたキモいオッサンがいきなり現れた。
両チームは一旦、仲間探しに関する考察を中断し、皆がキモいオッサンへの警戒に移った。

(なんだこのクッソキモい奴は……)
(狂信者かマーダーかもしれんし、警戒はしておくに越したことはないな)
(ああ! ヒゲが触手オ○ンポまみれ!)
(ソウルセイバー、少し自重しろ)

警戒を強めていく一行に、オッサンは構わずに声をかけていく。
受け答えに応じるはイチローである。

「東京の公園で寝てたハズなんだが、寝る前と明らかに景色が違う……ここはどこだ?
それから俺のガンダムはどこに行ったか知らねえか? 赤いガンダムなんだが」
「ここは千葉県の木更津だ。赤いガンダムに関しては知らない」
「そうか……」
「ところで率直に聞くけど、アンタは殺し合いに乗っているのか?」
「いや……俺は殺し合いはやらねえ」








「俺がやるのは『戦争』だからな!!」

882悪性変異:2015/01/24(土) 04:23:13 ID:hjE6lcLA0

キモいオッサン――アリー・アル・サーシェスは確かにそう言った。
サーシェスはニタリと怪しい笑顔を浮かべると、次の瞬間には強い殺気と共にヒゲの触手が総毛立ち――

「 夢 想 封 印 」

――サーシェスが仕掛けてくるよりも早く、霊夢は奥の手であるボムこと夢想封印を放った。
辺りがしばらく眩い光に包まれ、光が消えた頃にはサーシェスは跡形もなく消えていた。

「よくやった霊夢。おかげで被害もなく敵を倒すことができた」
「ふふん、世界を救う祈りの巫女候補だからね。これぐらいは活躍しておかないと」

二次創作のクッキー☆出典とはいえ、この霊夢も紛れもない博麗の巫女。
原作通りの戦闘力はちゃんと備えているのである。
彼女がハラサンの言っていた予言にある祈りの巫女かは不明であり、皆もそれに関しては疑問に思っているが、戦闘力の面では霊夢は間違いなく頼りになる存在であり、イチローチームにとっては大正義巨人軍との戦いを乗り切ったかけがえのない仲間であった。
そんな彼女がマーダーを撃破した活躍に仲間達は素直に喜ぶのであった。


「さぁ、ゆっくりしている暇はないわ。狂信者を退治するために仲間集めの続きを――」


ブツンッ


しかし、彼女の言葉が最後まで紡がれることはなかった。
彼女の体から首が千切り取られたからだ。
頭を失った体が噴水のように赤い血を噴き出しながら浜辺に横たわる。
その凄惨な光景に仲間達の喜びの感情は、一瞬で悲鳴と戦慄の叫びに変わった。

「れ、霊夢ゥーーーーーーーーッ!!」

【博麗霊夢@クッキー☆ 死亡確認】


そして霊夢の首をちぎったのは今しがた倒したはずの触手男サーシェス――ではない。
その大きな腕で饅頭のように霊夢の首を握っていたのは――




「な、な、何をしてるんだホルスの黒炎竜ーーーッ!!!」

883悪性変異:2015/01/24(土) 04:23:41 ID:hjE6lcLA0

――ドラゴンズの一員であり、仲間であるはずのホルスの黒炎竜Lv8であった。
仲間が自分を殺そうと思わない……それが霊夢にとっての精神的な死角となった。
オシリスすら仲間が凶行に走ったことに理解が追いつかず、いつもの軽いノリを忘れて叫ぶ。
そして霊夢を殺したホルス自身は台詞に草を生やしながらも、酷く焦った様子で仲間に訴えるのであった。

「お、俺の意思じゃないよ……てかw助wけwてw先w輩w!!
体wのw自w由wがw効wかwなwいwだ!!」
「やれやれ、危うく死ぬところだったぜ……」
「!?」
「おまえは!」

黒炎竜が仲間の方に向き直ったとき、仲間達の視線は非難から驚愕に変わった。
胸元には霊夢が倒したと思っていた男、サーシェスが触手を使って彼の胸元に張り付いていた。
触手は深々と黒炎竜の胸に刺さっている。


――サーシェスはテラカオス化進行によって他の進行者同様に能力を手に入れていた。
しかし最初に手に入れた『いびきを一回する度に周囲に爆発のエフェクトが発生する』のように役に立つのかよくわからない能力であり、次に手に入れたのは『髭が触手みたいになって粘液が出てくる』という(フォレスト・セルが地上に出る際にはいちおう役に立ったが)ビジュアル的に致命的な能力だけだった……


 と こ ろ が ギ ッ チ ョ ン 。


東京から千葉まで吹っ飛ばされた後の短時間の間にサーシェスはさらに進化し、新たな能力を手にしていたのだ。
それは……『触手を通した他者への寄生と肉体の支配』である――


「俺自身もなんだかわからねーが、おもしれえ能力だぜ。
くっついたらこいつの体を自分のものみてえに動かせるようになったぜ」
「うほおおおおおwwwやめてくれえええwww俺は男に触手攻めにされる趣味はねぇwwww」

体を覆う触手からの粘液によって夢想封印のダメージがあまり通らなかったサーシェスは、ボムの光で皆の目がくらんでいるうちに黒炎竜の体に寄生して支配し、操った黒炎竜の腕で霊夢を殺害したのだ――イチロー達はそう理解した。

ちなみに明らかに人間の枠を外れた肉体の変化を起こしているが、サーシェスがそれを疑問に思うことはない。
クルルが作成した新型ナノマシンによる異常な闘争心にテラカオス化所以の精神汚染が重なり、狂乱状態に陥ったのだ。
サーシェスは戦争がやりたいという欲求のみに従う破壊者と化しており、疑問はとっくの昔に置き去りになっていた。
そして確定的に明らかなのは、サーシェスはもう人間ではないということだ。

「本当に楽しいぜ、戦争はよう。
もっともっと血の匂いを嗅ぎたくて嗅ぎたくて堪らないぜ〜」

瞳には狂気・口には愉悦の笑顔を振り向けながら、サーシェスは黒炎竜の手に握られていた霊夢の生首を、ジャムが入った饅頭のように握りつぶした。
黒炎竜の握られた手の隙間からグチャグチャパキパキという音と血と肉片が漏れる。

「この下衆め! よくも霊夢を……殺してやるゥッ!!」

サーシェスの所業には多くの者が恐怖だけでなく怒りを覚えていたが、その中でもっとも激情に駆られていたのは萃香だった。
友の死を目の前で陵辱されて怒り狂ったのだ。
萃香は腫瘍のように黒炎竜に張り付いたサーシェスに拳を叩き込む。

「ぐはあッ!!」

拳はサーシェスの横っ腹にクリーンヒットした。

「どうだ痛いか!! このまま嬲り殺しに……」
「いってええええええええwwwwwwぐぼぁッ!!」
「なッ?!」

萃香はすかさずニ撃目を叩き込もうとしたが、その直前に黒炎竜も苦しみだし吐血したのを見て拳を止める。

884悪性変異:2015/01/24(土) 04:24:14 ID:hjE6lcLA0

「そんなバカな……後ろのホルスに力が届かない程度には計算して殴ったのに……うわぁ!」

萃香は鬼として絶大な腕力をもってはいたが、打撃が仲間に入らないようにサーシェスを横から殴りつけたのだ。
しかし実際にはサーシェスのみならず黒炎竜もダメージが入った。
それに驚いている隙に萃香は尻尾で反撃を受け突き飛ばされる。

「どうやら俺がダメージを受けると、こいつにもダメージが入るようだな」
「な、なんだと!」
「こいつを痛めつけるとホルスも傷つく……それじゃ誰もこいつを攻撃できねえじゃねぇか!」

サーシェスが受けたダメージは黒炎竜にも及ぶという理不尽な事実に一行は困惑し憤慨する。
しかし、仲間が傷つくとあらば誰しも攻撃を躊躇せざる負えなかった。
高い攻撃力や仲間を徹底的に強化するの能力も、味方相手に使うわけにはいかなかった。
……約一匹を除いて。

「クリスタルシックッ!! 粘膜すら凍る我が技をクラエッ!!」
「フォーマルハウト!?」

ドラゴンズの一員であるフォーマルハウトは、サーシェス及び黒炎竜に強力な氷属性の技を叩きつけていく。
氷系の技を選んだのは粘膜を凍らせて防御できないようにして殺すためだが、それすなわち黒炎竜が死ぬ可能性もあるということだ。
ちなみに黒炎竜自体は常時魔法無効化の能力があるので魔法は効かないが、サーシェスはそうではない。
それに構わずに非情なる攻撃に出たフォーマルハウトをオシリスと仲間達は必死に止めようとするが……

「やめろ、フォーマルハウト! ホルスが死んじまう!」
「こんなもの、ワケのわからん男に取り憑かれたウツケの方が悪い。
それにこのままでは被害が増えるだけだ!
そして――ホルスの黒炎竜はもう助からない、ワレの本能がそう囁いている」
「フォーマルハウト……しかし!」
「甘っタレルなオシリス!
世界を救いたいのならココで要らぬ消耗をするわけにもいかんダロウ!」

フォーマルハウトは寄生された黒炎竜が助からないと見て、仲間を切り捨てる選択をした。
非情な判断であるが、黒炎竜を助けようとして被害を出すよりは殺して被害を防ごうという意味があるので、集団全体を考えれば間違いとも言えない選択である。
……されど、その行動自身も触手男には通用しなかった。

「……へっへっへ、涼しくて気持ちいいぜ」
「ナヌッ?!」

フォーマルハウトのクリスタルシックはサーシェスを凍死させるどころか、粘膜一滴すら凍ることはなかった。
そして技使用後の硬直した一瞬の隙を狙ってフォーマルハウトに向かって突進し、黒炎竜の腕がフォーマルハウトの口元を無理やりこじ開ける。

「ガッ!!」
「そうれ、お返しだ」
「グアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!」

こじ開けられた口に向かって、口移しのように黒炎竜のブレス――ブラック・メガフレイムが放たれた。
容赦のない黒い炎がフォーマルハウトを体内から焼き尽くし、やがて限界を迎えると、宝石を散りばめたような真竜の肉体が爆散した。
辺りにドラゴンズの仲間を失ったことに対する悲痛な叫びが木霊する。

「フォーマルハウトッ……!!」


【神体フォーマルハウト@セブンスドラゴン2020-? 死亡確認】

885悪性変異:2015/01/24(土) 04:24:34 ID:hjE6lcLA0


仲間を失っても、戦闘はなお続く。
その中でホルスBが疑問を口にする。

「奴には萃香の攻撃は効いたのにフォーマルハウトの攻撃が全く通じてなかったホル。 なぜホルか!?」
「……まさか! 寄生している奴自身も、宿主の能力を得られるんじゃ?」
「ギムレー、どういうことホル?」
「ホルスには魔法無効化の能力がある、触手男が乗っ取った相手の能力を使えるとすれば……触手男もホルス同様に魔法無効化の恩恵を受けているんだ!」

ギムレーの考察通り、サーシェスは黒炎竜を通して魔法無効化の力を得ていた。
故に萃香のパンチは効いたが、フォーマルハウトの魔法は効果がなかったのである。
それを聞いた仲間達が歯噛みする。

「クソッ、それじゃあ俺の蛇眼も通用しないってことか!」
「リザイアで弱らせてホルスさんを無力化する……この手段も使えませんね」

前者の蛮は蛇眼による催眠術でホルスから触手男引き剥がし、後者は体力吸収魔法を使って敵を殺さない程度に体力を奪って弱体化させ捕縛する作戦であったが、触手男にも魔法やそれに準ずるものが通じないとわかった以上、その戦法も使えなくなった。

「……このままじゃダメだッ! みんな、一旦退くぞ!」

そう切り出したのは6/である。
魔法こそ使えないとわかったが、素手でも強いナッパや萃香などが本気になればサーシェスを殺すことはできる。
だが、死亡したフォーマルハウトを除いて仲間を殺せるほど非情な判断を下せる者は、良くも悪くもお人好しばかりな2チームの中にはいない。
さらに言えば触手男の実力も未知数で、まだ隠し玉がある可能性もある。
それを鑑みた6/はイチローチームやドラゴンズに撤退させようとするべくディパックから大量の胡桃を取り出し、それらを両手で粉になるまで砕いていき、その粉を周囲に放出した。

「クルミボール番外技! クルミスモークだ!!」
「なんだこれは!? ゲホッ、ゲホッ!!」

胡桃の粉で作った茶色い煙幕が周囲を覆い尽くし、サーシェスの視界を覆った。

「敵の視界が潰れた! 今の内に逃げるんだ!!」
「しかし、ホルスが……」
「どのみち今の俺達にホルスを助け出す手段はない。
逆にここで逃げ切れれば、触手男からアイツを助け出せる方法や参加者を見つけられるかもしれない!
今は耐えるんだ! モタモタしていると煙幕が晴れちまうぞ!」

6/が逃げることを渋る仲間達を一喝すると、各々が煙幕に紛れて一目散に逃げ出した。
飛べる者は自力で、飛べない者は最寄りのドラゴンの背に乗り、その場から飛び去った。
煙幕が晴れた時にはサーシェスの周囲には誰もいなくなり、遠くを見ると集団は南北の二つに分かれて移動していた。

「クソッ、逃がすかよ!」

せっかくの獲物を逃がすかと言わんばかりに、サーシェスは黒炎竜の翼を使って集団の片割れを追う。
目をつけたのは……北側に逃げた集団だ!

886救いの光と残酷なる刃:2015/01/24(土) 04:26:16 ID:hjE6lcLA0
木更津市から北側に逃げたのは、イチロー、DAIGO、蛮、萃香、ロイ、ダイゴ、6/、ラミレス、オシリス、ホルスB、イドゥンの八人と三匹だ。
オシリスの背にはイチロー、DAIGO、蛮、萃香が乗り、ホルスBにはダイゴ、6/、ラミレスが、竜化したイドゥンにはロイが乗っている。
そして、サーシェスに寄生されたホルスの黒炎竜が遠巻きながら一行を追跡してきていた。
間隔こそ攻撃が届かない程度まで広がっているが、かなりの速度で追ってきているらしく、飛行速度を少しでも緩めれば追いつかれてしまうだろう。

「チクショウ、完全には撒ききれなかったか!」
「まずいのはそれだけじゃないホル、ソウルセイバー達とはぐれてしまったホルよ」
「ちなつもいないぞ!」
「久保サン、ナッパサン、ギムレーサン、リオレウスサンモイマセン……」
「落ち着くんだ、はぐれた仲間達はきっと無事さ。何かあっても戦闘力の高いナッパもいることだし」
「ロイ様の言うとおりです」

得体の知れない敵に追跡されているという現状と、仲間とはぐれてしまった事にホルスBと背にまたがっている仲間達が不安を口にし、ロイとイドゥンがそれをたしなめる。
一方、オシリスの背に跨るイチローも頭を悩ませていた。

(僕達はこれどうするべきか……? 活路を考えろ、考えるんだイチロー!)

6/のおかげで一時的に距離は離せたものの、追われている以上は窮地であることに変わりはない。
黒炎竜を触手男から助け出す手立てもなく、これから先にそれが見つかる保証はどこにもなかった。
レーザービームをぶつけて黒炎竜ごと触手男を消滅させる? ……かけがえのない野球仲間を殺す選択はイチローの中では論外であった。
しかし、ドラゴン達のスタミナは無限ではない以上、いつまでもこうして逃げ続けられはしまい。
いずれは仲間のために黒炎竜を殺す選択を強いられるかもしれない懸念がイチローを悩ませていた。

「イチローさん、俺とゼロならホルスを殺さずに助け出すことができるかもしれないッス」
「DAIGO? それは本当かい」

その時、DAIGOの口から光明につながるかも知れない言葉が出た。
仲間達にウルトラマンゼロが封じられているブレスレットを仲間に見せ、ホルス救出の手段について説明する。

「ゼロはこう言ってるッス。
時間が経つたびに力が戻っているのがわかるから、ひょっとしたらもうすぐ変身できるかもと言ってるッス」

ウルトラマンゼロの力は強力過ぎる故に制限によって一度変身すると12時間は変身できないようだ。
だが、ゼロが前に変身したのは一日目の22時で現在の時刻はもうすぐ8時30分になろうとしている。
ブレスレットの中でゼロは失ったエネルギーが時間増しに戻ってくるのを感じ、もうすぐ再変身できると察したのだ。

「あと1〜2時間は逃げてください!
そうすればもう一度ウルトラマンに変身できるかも」
「ウルトラマンのパワーは織り込み済みだけど、それでどうやってホルスを助けるんだ?」
「ウルトラマンの力は破壊だけじゃない。ゼロには『ルナミラクル』という力を持ってるそうです」
「ルナミラクル?」

DAIGOの口を借りたゼロの説明によると、ルナミラクルとはかつてゼロが異世界のウルトラマンであるダイナとコスモスと戦った折に二人から授けられた力の一つだという。
コスモスの浄化の力(ルナ)とダイナの超能力(ミラクル)の特性を併せ持ち、怪獣の魂を浄化したり治癒能力によって命を助ける力を有する、言わば救済救助の能力に特化した形態なのだ。
おそらく2チームの中で唯一、黒炎竜を傷つけずに触手男を分離できる存在であろう。

「しかし、奴には魔法が効かない。ウルトラマンの超能力も効かないんじゃないか?」
「イチローさん、ゼロはこうも言ってるッス。
あの触手男から……闇に近い強い邪悪な力を感じるって」
「邪悪な力?」
「ええ、闇に近い存在ってことは、うんと強い光の力があれば触手男の力をはね退けられる、と。
ウルトラマンは光の国の戦士だから触手男の力……ホルスの魔法無効化能力の干渉を受けずに無力化できるかもしれないッス」

ゼロは正体不明の触手男から、かつて戦った邪悪な宇宙人や怪獣と同質の『何か』を感じ取っていた。
その『何か』とは混沌そのものであるテラカオスの力なのだが、ゼロがそれを知る由もなかった。
それでも確証こそないが、相手が闇寄りの力の持ち主ならば自身の持つ光の力で対抗できるのではないかと考えたのである。

「不安もあるけど他に手段もない。オシリス、これに賭けよう!」
「頼むぜDAIGO、ウルトラマンゼロ。ホルスを助けてくれ!」
「ウィッシュ! ウルトラマンの奇跡の力を信じてくれよ!」

887救いの光と残酷なる刃:2015/01/24(土) 04:27:50 ID:hjE6lcLA0


サーシェスから逃げるべく、千葉の空を飛行する一行。
はぐれた仲間は気がかりであるが追いつかれれば確実に被害は出る以上、羽を止めて仲間を探す余裕が無いのだ。
そうして一方は仲間を救う唯一の手段のために、もう一方は破壊と殺戮の限りを尽くすために、一行と追跡者との間に緊迫走る空のデスマラソンが始まった。


【二日目・8時30分/千葉県木更津市から北側】

【アリー・アル・サーシェス@機動戦士ガンダム00】
【状態】ダメージ(中)、ホルスの黒炎竜Lv8に寄生、狂乱
    魔法無効、粘液による防御力上昇(大)、テラカオス化進行度(大)
【装備】ホルスの黒炎竜Lv8
【道具】なし
【思考】基本:せんそう、センソウ、とにかく戦争だ!
0:手始めに今、追っている奴ら(イチローチーム、ドラゴンズ)を皆殺しにする
1:参加者と主催者は片っ端から虐殺
2:赤いガンダム(ガンダムエピオン)には必ず雪辱を果たす
3:俺のアルケーはどこに行ったんだよ?!
※テラカオス化の影響で『いびきを一回する度に周囲に爆発のエフェクトが発生する』『髭が触手みたいになり粘液による高い防御力を手に入れる』『触手を通した他者への寄生と肉体の支配』能力を得ました
※ホルスの黒炎竜Lv8の肉体を奪ったことで魔法無効化能力を得ました
※主催の一員ですが、すっかり頭の中から抜けてしまいました
※闘争本能を増大させる新型ナノマシンとテラカオス化進行の影響による狂乱状態で、自分の肉体の変化に疑問を持っていません

【ホルスの黒炎竜Lv8@遊戯王】
【状態】ダメージ(中)、常時魔法無効、サーシェスに寄生されてる
【装備】不明
【道具】支給品一式
【思考】
0:うぇwwうぇwwた、たすけてwwww
※サーシェスに寄生されているため、体の自由が効きません
※サーシェスがダメージを受けると、こちらもダメージを受けます



【イチローチーム+ドラゴンズ A】

【イチロー@現実?】
【状態】両腕のダメージ(中)、疲労(小)
【装備】野球道具
【道具】支給品一式
【思考】基本:イチローチームを優勝させる?
0:今は触手男(サーシェス)から逃げる
1:DMC狂信者を倒すために多くの仲間を集める
2:邪魔をしてくるDMC狂信者を倒すまでは試合は保留
3:ハラサンの言っていた予言とは一体……?
4:とりあえずドラゴンズは信用する
5:DMC狂信者の本拠であるビッグサイトを攻略したい
※ネオ・レーザービームは使用すると腕に多大な負担がかかり、あと三球以上使用すると選手生命が終わる危険があります

【DAIGO@現実?】
【状態】疲労(小)
【装備】ウルティメイトブレスレット@ウルトラマンサーガ
【道具】支給品一式、ヴァンガードデッキ
【思考】
0:イチローチームについていく
1:ウルトラマンマジ頼れる
2:ダイゴさんマジリスペクト……意思は引継ぐっス

【ウルトラマンゼロ@ウルトラマンサーガ】
【状態】健康
【装備】無し
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】基本:殺し合いを止める
0:触手男から物凄い邪悪な力を感じる……
1:どうにかしてDMCを止めたい
2:あと数時間待てばもう一度変身できる?
3:変身できたらルナミラクルゼロに変身し、ホルスの黒炎竜を助ける
※制限によって一度に数分までの間しか変身できません
 一度変身すると12時間は変身できません
※二日目10時になれば再び変身ができます

【美堂蛮@GetBackers-奪還屋-】
【状態】疲労(小)
【装備】サングラス
【道具】支給品一式
【思考】
0:イチローチームについていく
1:銀次を探す
2:DMC狂信者達と戦う

【伊吹萃香@しゅわスパ大作戦】
【状態】疲労(小)、ダメージ(小)強い悲しみ と怒り
【装備】なし
【道具】支給品一式、日本酒×99
【思考】
基本:イチローチームについていく
0:霊夢が死んじゃった……できれば仇を討ちたい
1:監督の久保先生を信頼
2:野獣が死んでメシウマ状態ww……だったのに

【ロイ@FE封印の剣】
【状態】疲労(小)、イドゥンと支援A
【装備】マスターソード
【道具】支給品一式
【思考】
0:イチローチームについていく
1:色々あったが、イドゥンと支援Aになれたのはよかった
2:支援A関係になる女性をさらに増やすぜ!

888救いの光と残酷なる刃:2015/01/24(土) 04:28:15 ID:hjE6lcLA0

【ダイゴ@ポケットモンスター】
【状態】疲労(小)、深い悲しみ
【装備】メタグロス
【道具】支給品一式 、コルトパイソン
【思考】
0:イチローチームについていく
1:助けてあげられなくてごめんな、ポッチャマ……
2:きれいな石集めは一時保留
3:南側に逃れたちなつ達が心配

【◆6/WWxs901s氏@カオスロワ書き手】
【状態】疲労(小) 、悲しみ
【装備】胡桃四千個
【道具】支給品一式
【思考】基本:ハラサンの意思を継ぎ、イチローチームを優勝させる
0:進行方向(浦安市)に俺と同じ胡桃使いの気配がする
1:ハラサン……ありがとう
2:大正義を忘れない
3:目立つことも忘れない
4:ナッパ達は大丈夫か?

【ラミレス@横浜DeNAベイスターズ】
【状態】疲労(小)
【装備】野球道具一式
【道具】支給品一式
【思考】基本:ハラサンの意思を継ぎ、イチローチームを優勝させる
1:ホ、ホルスサン…
2:レ、レイムサン、フォーマルハウトサン…

【オシリスの天空竜@遊戯王デュエルモンスターズ】
【状態】ロリコン、健康
【装備】バット、グローブ、ボールを多数
【道具】支給品一式
【思考】基本:ロリにモテるために世界を救う予言の謎を解明し、ドラゴンズも優勝させる
0:今は触手男(サーシェス)から逃げる
1:ホルスを助けたい
2:メンバーの補充をしたいが……(切実)
3:戦力を集めてDMCの本拠地であるビッグサイトに殴り込む
4:イチローチームとはしっかり野球で決着をつけたい
※イチローチームとの情報交換により、正式な予言の言葉を知りました
※オシリスの見立てによると魔力(生体マグネタイト)が集中しているビッグサイトへの直接攻撃は大爆発を招き、東京を巻き込む危険性があるそうです

【白光炎隼神ホルス@パズドラ】
【状態】健康
【装備】不明
【道具】支給品一式
【思考】基本:世界を救うためにオシリスについていく
0:進行方向に素晴らしいおっぱいの気配がするホル
1:そういえばまだ麒麟の奴が放送で呼ばれてないホル
2:貴重なおっぱ(ryソウルセイバーと無事に合流したいホル
3:うざい奴だけどホルスはどうにかして助けたいホル!

【イドゥン@ファイアーエムブレム 封印の剣】
【状態】健康、竜形態、ロイと支援A、ロイを乗せて飛行中
【装備】魔竜石、リザイアの書
【道具】支給品一式、不明品
【思考】基本:野球で優勝して、過去のふがいない自分と決別する
1:ロイ様と支援Aになれたのはよかった
2:南側に逃れた他のメンバーが心配
3:ロイ様が私の上に乗っている……///

889救いの光と残酷なる刃:2015/01/24(土) 04:28:58 ID:hjE6lcLA0



木更津から南側にはちなつ、久保帯人、ナッパ、ソウルセイバー、ギムレー、リオレウスの三人と三匹がいた。
彼らは偶然南方向に逃げたため、北方向に逃げた仲間達と違ってサーシェスの標的にならずに済んだ。
ならば彼らは安全なのかと言えば……そうではない。
こちらでも一つの危機が起こっていた。
それは――

「ちょうどいい機会だ。
悪いが、君達にはここで死んでもらう」

――イチローチーム監督、久保帯人の突然の裏切りである。
そして、その言葉を皮切りに吉川ちなつが久保帯人に背後から斬魄刀で串刺しにされた……心臓を貫かれた致命傷である。

「久、保先生、どうして……?」

口から血反吐を吐き、目から涙をこぼしながら、ちなつは問いかけた。

「君のような何の力も持たない存在は俺には必要ない。
あと俺、女嫌いなんだよ。漫画でも織姫とかルキアとか本当は描きたくないんだよ。
本当に理由はそれだけなんだ。悲しいなぁ…(諸行無常)」

そう言って久保帯人から刀を引き抜かれたちなつの体は重力に従って地面に倒れた。
返答はあまりにも理不尽なものだったが、ちなつはある程度納得していた。
正当防衛とはいえ、彼女は人を殺めてしまったことに罪悪感を抱いており、ずっと気に病んでいた。
だがそれも終わる……信じていた人間に裏切られて殺されるのは人殺しに相応しい最期だと解釈すれば、幾分か気も晴れた。

(あかりちゃんは……こっちに、きちゃダメだよ……)

死にゆくちなつが最後に思い浮かべたのは、影こそ薄いが親愛に値する赤毛の少女の笑顔だった。
そして吉川ちなつの生は終わりを告げる……

【吉川ちなつ@ゆるゆり 死亡確認】


「ちなつゥーーーッ!!」
「久保帯人……アンタって奴は……!?」
「このオークのオ○ンポにも劣る卑劣漢め!!」
「キナ臭いと思っていたが、まさかこのタイミングで本性を現すとは……」

ナッパが霊夢やフォーマルハウトに続く仲間の死に慟哭し、リオレウスは突然の事態に困惑する。
ソウルセイバーは裏切り者を心の底から蔑み、ギムレーは頭を抱えて冷や汗を流す。
特にギムレーは以前から久保帯人に対して水面下で警戒しており、自分達ドラゴンズがイチローチームのつかず離れずボディガードに回れば、いざ久保帯人が行動を起こしても対処できると踏んでいた。
ところがサーシェス襲来というイレギュラーな事態の発生によって集団は分断されてしまい、久保帯人を見張るどころではなくなってしまった。
対する久保帯人は戦力分断という最悪の事態を逆手に取り、戦力にならないちなつと自分の野望の邪魔になりそうなナッパの抹殺、同じく野望の邪魔になりそうなドラゴンズの力を削ぐことができるまたとない好機として行動に出た。
結果、サーシェスという外的要因によってギムレー達は後手に回ってしまったのだ。

「久保帯人てめぇッ! これは何の真似だ!!」
「ナッパ、君は本当に頭の鈍い奴だな。見ての通り裏切ったんだ。
ここにはイチローもいない、オシリスもいない。触手男も北側に逃げたイチロー達を追っていったしね。
今こそ他の仲間には知られずに、俺にとって都合の悪い連中を消す絶好の機会なんだよ」
「貴様……ッ!!」

890救いの光と残酷なる刃:2015/01/24(土) 04:29:43 ID:hjE6lcLA0

ナッパは感情のままに怒りをぶつけるが、対する久保帯人は余裕の表情で返した。
次は半ば混乱状態のリオレウスが問いかける。

「お、おい。救済の予言はどうするつもりなんだよ!
野球の試合をして優勝チーム作らないと世界がヤバイんじゃないのか?」
「俺にとってはむしろ、この世界には滅んで欲しいんだ。滅んだ後の世界に俺が頂点に立つためにね……」
「滅んで欲しいなんて狂ってやがるぜ! だが、世界に滅んで欲しいならなんで野球監督になってんだ?!」

リオレウスへの返答から、久保帯人の監督の座についていた理由への考察をギムレーは口にする。

「世界に滅んで欲しいなら普通は監督になって優勝チームを作ろうなんて思わない。
だがもし、最後に残った2チームを全滅させることで優勝チームを無しにして予言の完遂を阻止しようと企んでいるなら、ある程度合点がいく。
仮にイチローチームを全滅させたらあずかり知らぬところで他の野球チームが優勝してしまう可能性もあるわけだ。
だったら1チームを自分の手元において管理し、時が来れば皆殺しにする……そういうことだろう」
「ご名答だよ、ギムレー」
「この腐れ外道め、くたばりやがれッ!!」
「ますます狂ってやがるぜ……」
「アンタって本当に最低の屑ね!」

的を得ていたギムレーの名考察に久保帯人は拍手をし、そしてナッパ達はありったけの罵声を久保帯人に叩きつけた。

「さて、能書きは良いだろう。
そろそろ君達を芸術ヒィンにしてやんよ!」

ちょっと噛みながらも、久保帯人はついにナッパ達に宣戦布告をする。
そして刀を向けると同時に、その身から強い殺気と霊圧を溢れさせる。
しかしその程度で竦むサイヤ人と竜達ではない。

「だが、相手が悪かったな!
おまえはドラゴンズの竜三匹と戦闘民族サイヤ人のエリート戦士を敵に回したんだからな!
それに比べておまえは孤立無援! 勝目があると思うなよ!」
「……待てナッパ! 何か嫌な予感が――」

ナッパはギムレーの静止するよりも早く、掌をクンッと握って久保帯人とその周囲を爆破する。
爆破した周辺に爆煙が立ち込める。

「やったか!?」
「それはどうかな?」
「なに!?」

どこからともなく葬ったと思った久保帯人から余裕を交えた声が聞こえた。
さらに爆煙が晴れるとそこにいたのは久保帯人ではなく、傷ついたリオレウスであった。

「いててて……ナッパ、どうして俺を撃ちやがった?!」
「馬鹿な!? 俺は確かに久保帯人だけを狙って……」

そして、混乱する一行の頭上から笑い声が聞こえた。

「ハハハハ、笑っちゃうぜ(素)」
「久保帯人、いつの間に移動していたの?!」
「4対1なのにあの余裕ぶりからして裏がある予感はしていたけど、何か隠し種があるみたいだな」
「その通り。この完全催眠を可能にする『鏡花水月』が手元にある限り、馬鹿力や技の威力だけで俺には勝てはしないさ」

斬魄刀「鏡花水月」――とある死神の元隊長格が使っていた斬魄刀。
その力は相手に完全な催眠状態にしてあらゆる幻覚を見せる反則じみた力を持つ刀である。
この刀を使って久保帯人はナッパを催眠にかけて欺き、リオレウスへ誤爆させたのだ。
頑丈な体を持つ竜でなければ、ナッパの攻撃でバラバラになっていたところだ。

実は久保帯人が野獣先輩捜索隊の盟主になれたのも、この刀を使ってメンバーから偽りの信頼を築き上げたためである。
主催による制限によって仮面ライダーG(ゴロリ)のようなサイボーグや、オシリスやホルスのように幻覚に一定以上の耐性がある者には効かないが、この場に前者はもちろん後者のように幻覚に強い耐性がある者はいない。

「完全催眠だと!?」
「ギムレー、絶大的な力を持つ邪竜のあなたならどうにかできないの?」
「……ダメだ! 首輪のせいか魔力が大幅に制限されている!
邪竜になれればその力を一時的に力を解放できるけど、これまた制限のせいなのか、先の変身からしばらくは邪竜の姿になれそうにない」
「打つ手なしかよ! ここは三十六計逃げるが勝ちだ」
「リオレウス、ちなつの仇を前にして逃げろっていうのかよ!?」
「戦うには相性が悪すぎだ! 俺は逃げさせてもらう。
それにこの件を完全催眠に対抗オシリス達に伝えりゃワンチャンあるかもしれないしな。
これは久保帯人を懲らしめるための戦略的撤退だ!」

リオレウスが久保帯人から逃れるべく、ナッパの非難を押しのけて逃げだした。
だが、彼はすぐに戻ってきた。
しかし、戻ってきたのは決して本人の意思ではない。

891救いの光と残酷なる刃:2015/01/24(土) 04:30:27 ID:hjE6lcLA0

「……アレ? なんで俺戻ってきてるんだ??」
「完全催眠によって正しい方角がわからないようにした。
どこへ逃げてもここへ戻ってくるようになってるぞ。
ちなみに助けを呼んでも無駄だ。
周辺にいる者も完全催眠にかけて声や姿も見せなくするだけさ」
「いくらなんでもチート過ぎだろオイ!」

完全催眠にかけられている以上、どこへ逃げようとも同じ場所に戻ってくるのだ。
そして完全催眠がある以上、一行が助けを呼んでも声が他者に届くことはなく、姿も見えないようにすることすらできる。
久保帯人にとって都合の良い幻覚を周囲に振りまくことこそが鏡花水月の恐ろしさであった。

「でも私達にはまだ――」
「――ドラゴンネットワークがある!!」

周辺からの救援が宛にならないならと、ソウルセイバーとギムレーがテレパシーでの情報発信を試みる。
通信をキャッチしてどこか遠くから友好的なドラゴンが駆けつけてくれるなら御の字だ。
最悪でも、北側に向かったイチローチームとオシリス達が久保帯人が危険人物だと知らせられると踏んでの通信だった。

「無駄だ。俺が完全催眠だけに頼る男だと思ったか?」

しかし、その通信も久保帯人から放たれた圧倒的な霊圧によって阻害されてしまう。

「なんてデタラメなパワーなの!?
おまけに霊的な力でドラゴンネットワークが繋がらない!!」
「こいつを倒さないとどうにもならないということか……ッ!
まずい、これは非常にまずいことになったぞ」

その強すぎる霊圧は、久保帯人がただの卑怯者ではなく、理不尽級の力を持った実力者であると一行は悟らせた。
しかも完全催眠によって下手に攻撃すると同士討ちになる。
同じく完全催眠によって逃げることもできず、ドラゴンネットワークによる救援も望めない。
南側に逃れた一行は、サーシェスに追われないことと引き換えに絶望的な戦いを強いられることになった!

戦慄する一人と三匹に対し、サングラスの下で余裕の笑みを浮かべながら久保帯人は言った。

「安心するんだ、君達の分も俺やイチロー達で頑張って殺し合いの打破はしておくよ。
仲間と合流できたら君達の死はDMC狂信者のせいだとみんなには伝えておく。
そうすればオシリスやホルスB達も、DMC狂信者の殲滅に躍起になってくれるだろうさ」



「だが、お前らはもう生きて帰れねぇからな?」

果たして三匹の竜とサイヤ人は、この悪意に満ちた男に打ち勝つことができるのか!?


【二日目・8時30分/千葉県木更津市から南側】
【イチローチーム+ドラゴンズ B】

【ソウルセイバー・ドラゴン@ヴァンガード】
【状態】健康、巨乳
【装備】不明
【道具】支給品一式
【思考】基本:世界を救うためにも、オシリスについていく
0:裏切った久保帯人を倒す
1:人間のオチ○ポには絶対に負けたりしない
2:都庁軍討伐は後
3:都庁軍は絶対に信用しない
※♀です

【ギムレー@ファイアーエムブレム 覚醒】
【状態】ダメージ(中)、人間形態
【装備】トロンの書、鋼の剣、邪竜の鱗
【道具】支給品一式、不明品
【思考】基本:野球で優勝して、自分の信者を増やす
0:裏切った久保帯人を倒す
1:完全催眠を使う久保帯斗にいかにして勝つか……
2:試合の邪魔をするDMC狂信者を倒すために、本拠であるビッグサイトを攻略したい
※外見はデフォルト設定の銀髪青年です
※制限により、しばらく邪竜形態でいることはできません

【リオレウス@モンスターハンターシリーズ】
【状態】ダメージ(大)、混乱気味
【装備】不明
【道具】支給品一式
【思考】基本:へたれイメージ払拭のために野球で優勝する
0:裏切った久保帯人を倒す
1:オシリスに着いて行く
2:実はレイアと仲直りしたい

【ナッパ様@ドラゴンボールZ】
【状態】健康、野球脳、激しい怒り
【装備】なし
【道具】一人用のポッド
【思考】基本:ハラサンの意思を継ぎ、イチローチームを優勝させる
0:裏切った久保帯人を倒す
1:よくもチームメイトを殺したな! 久保帯人!
2:野球を邪魔するDMCは許さない
3:バーダック生きてたのか
4:あのガキ(光熱斗)にはいつか報復する、野球で
5:ベジータはそのうち探す
6:無事でいてくれよみんな……

892救いの光と残酷なる刃:2015/01/24(土) 04:30:57 ID:hjE6lcLA0



【久保帯人@現実?】
【状態】疲労(小)、イチローチームの監督
【装備】斬魄刀「鏡花水月」@ブリーチ
【道具】支給品一式、サングラス、SMプレイ用の道具一式
【思考】基本:世界を滅ぼし天に立つために主催者を殺す
0:邪魔なドラゴンズの面子とナッパをここで始末する
1:ナッパ達を始末次第、イチロー達と合流
2:監督としてイチローチームを上手く操り、他のチームを全て全滅させる
3:イチローチームが優勝を勝ち取る寸前で裏切り、儀式(野球)を台無しにさせる
4:殺し合いを促進させてしまうDMC狂信者は消しておきたい
※鏡花水月の完全催眠と強い霊圧により、ナッパ達は外部への救援を望めません
※鏡花水月は制限により、耐性のある者やサイボーグなどの機械の体を持つ者には効きません

893未来への接近:2015/01/28(水) 00:11:34 ID:LV.x0JIc0
混沌とした殺し合いの世界において、安全と言える場所は極めて少ない。
一番安全であったはずの主催者本部・九州ロボも襲撃されて数々の戦死者を出した。

次点として言える安全地帯は戦艦『死国』。
だがここも、内部からのテラカオス感染者と外部からの巨大勢力により揺らぎ始めている。

続いて東京都庁改め世界樹。
豊富な食料と水は快適な生活を約束するだろうが、ここもやはり敵対勢力が多すぎる。

東京ビッグサイト。信者以外にとっては地獄そのものである。


「あー……光合成してぇ……」
「陽の光を浴びるのは、気持ちいいですよね」
「うん、ぼくもひなたぼっこは好きかな」
「まあ俺の場合、適当に獲物狩って喰った方が早いんだが、植物の本能ってやつだ」


そんな中、首相官邸跡地では和やかな朝がむかえられていた。
仲間同士で交代で休憩をとり、野田総理が溜め込んでいた食料で食事も難なく済ませた、なのは組である。
今は桑原とレオリオが休み、ユーノとなのはが情報室。そしてハス太とエリカが警戒という態勢だ。
夜間も続けて警戒していた神樹は、少しも疲れた様子を見せていない。

「しかし、まさかフォレストセルも起きるとはな……なんでかあいつ、動かないが」
「神樹と似た存在なのでしたよね?それならあの子もくさタイプポケモンの素質が……」
「ぼくにはあの生き物が邪神の類にしか見えないよ。エリカさんは勇気あるなぁ……」
「いやもうそういう次元じゃねえだろ。俺を見て嬉しそうにする奴なんて初めて見たもん」

彼らの休憩中にはいくつか事件があった。
なのはとユーノが夜の営み未遂をやらかし、遅れた定時放送では凶悪な食人鬼の情報が公開。
さらに数度の地震の末、都庁の地下からは神樹と同格のフォレストセルが目覚めた。
だが既に神樹はフォレストセルの存在を知っており、また動かないことから現在の危険性は低いと判断した。
そして指名手配された風鳴翼については聡明なユーノがきな臭さを感じたため、しばらくは様子をみるべきだとされた。
神樹すら、映像の風鳴翼を見ただけでこいつは俺以上に歪んだ気配がすると言ってのけたのだ。
相手の手の内がわかっているならともかく、得体のしれない怪物を討伐しにいくほど彼らは愚かではなかった。

「さてと、もーちょいして桑原とレオリオが起きたらいよいよ移動か?」
「どこに向かうべきだろう……」

そして情報室のパソコンより主催者陣営に関する一部の情報も引き抜き、休息もとれた彼らは次の行動方針を決めていた。
世界の滅亡を防ぐため、そして風鳴翼や各地を蹂躙するDMC信者への対抗として新たな仲間を求めるつもりなのである。
快適ではあったが、それだけでいつまでも首相官邸に留まっていては未来を変えることはできない。



「 オ ー ホ ッ ホッ ホ ッ ホッ ホ ッ ホッ ! ! ! 」



――後に彼らは後悔する。


――もう少し早く出発していれば……と





894未来への接近:2015/01/28(水) 00:12:02 ID:LV.x0JIc0
「神樹、右後方にグランドシザー!ミサイルをかわしてカウンターでレイジングバッド!」
「了解っ!」

グンマ―の民ですら持て余した凶悪な黒樹の鉤爪と蕾が、トレーナーの指示により的確に振るわれていく。
巨体から繰り出されるそれは、黒い嵐と言っても過言ではない。
首相官邸を薙ぎ倒した時以上の力は、周囲の建造物も同じように瓦礫に変えていく。
もしかしたら中には隠れていた参加者がいたかもしれない。だが、そんなことを気にしている余裕などありはしなかった。

キラーマジンガ は 持っている武器を激しく振り回した!

デスマシーン は ミサイルを乱射した!

エビルエスターク の攻撃! 痛恨の一撃!

ヴァルゴ は 光の弾を乱射した!

オルゴ・デミーラ は メラゾーマを唱えた!

「こっ……の鉄屑どもがぁ!」
「く……神樹!蕾を破壊される前にライオットランス!」

神樹とそれに指示を出すエリカを狙うのは、凶悪なマシンモンスターを引き連れた天魔王軍。
強力な対主催集団であった警察組を半壊させた彼らは、次なる獲物として首相官邸を根城としていたなのは組を狙ったのだ。
理由としては、明らかに強敵かつ邪魔になりそうな神樹の排除。
ここを目指しているらしいブリーフ博士らとの合流前に、ここは潰しておく必要があるのだ。
首輪解除のためにはブリーフ博士は生かしておかねばならず、神樹に博士を守られた場合は彼を殺さず神樹のみを倒すという、
極めて難易度の高い作戦となってしまうためである。
相手が滅ぼすべき存在だけであれば、存分にマシンモンスターは暴れることができる。

「ちょこまかしてんじゃねえ!」
「ぐおっ!?」

暴れ狂うマシンモンスターを見た瞬間、神樹はハス太をさがらせ、仲間にも地上に出てくるなと伝えるように言った。
天魔王軍と同じ理由だ。自分が周りを気にすることなく暴れるために。
トレーナーのエリカのみ、自分の頭部にしがみつかせて、神樹もまた存分に暴れる。
勇気を嘲笑う鉤爪が、ヴァルゴを捉えて大地へと叩きつけた。

「オーホッホッホッ!やるじゃない、でも私の美の前には全てが無力なのよぉ!?」
「がぁっ!?」

しかし、流石の神樹といえども、相手が悪かった。
強大な力を持つデミーラは、闇のルビーの力により更にその力を増大させ。
マシンモンスターは異常な攻撃力と守備力を兼ね備え、さらに元は支給品扱いであったために首輪がついていない。

「前に始末した連中も、ポケモンに指示を出していた奴が厄介だったな。やはりお前から始末すべきか」
「ぐぅっ……!?」
「エリカッ!?」

そしてマシンではないが、瞬間移動を繰り返しては神樹の死角へと回り込む怪人もまた厄介であった。
その死角を補うように指示を出していたエリカの腹部に、とうとうヴァルゴが放ったアンカーが突き刺さる。

「その項、削ぎ落としてくれる!」
「神樹、私は平気です……!真後ろにサイクロンボルト!」
「う、ごあああああああぁぁぁぁぁ!?」

局所的な雷嵐をまともに浴び、ヴァルゴは全身から煙をあげながら今度こそ落下し、地面へとぶつかって跳ねる。
だが同時に彼の得物であった立体機動装置のアンカーも重力により引っ張られ、結果としてエリカの肉を抉り取っていくこととなった。

895未来への接近:2015/01/28(水) 00:12:35 ID:LV.x0JIc0
「おい、大丈夫なのか!?」
「へ、平気です……この程度。神樹、左に囮のテンタクルロッド……相手がそれをかわしたところに混沌の抱擁を……!」

声から、エリカが相当なダメージを負っていることは明らかだ。
それでも神樹は、彼女の指示通りに動く。敵さえ葬れば、後から自分もエリカも治療ができる。

「 混 沌 の 抱 擁 」

そう判断したからこそ、神樹は己の持ち技の中ではあまり好まない搦め手を使う。
歪んだ世界樹の瘴気は、辺り一帯の存在に対して様々な身体異常をもたらし――それはたとえ機械であったとしても逃れることは不可能。

キラーマジンガは麻痺した!
ヴァルゴは盲目状態になった!
デスマシーンは石化した!
エビルエスタークは猛毒状態になった!

「や、やってくれるじゃない……の……!」

オルゴ・デミーラは睡眠状態になった!

「げほっ……今です神樹!蕾と鉤爪を復活させて……!」
「わかってるっての!」

刻まれ、焼き落とされた神樹の蕾と鉤爪が再生する。
そしてそれが奇妙な動きをすると、不思議な紋章が現れ、神樹の膨大な魔力をさらに増大させた。


「くたばれ――!  深  緑  の  聖  櫃  !  !  !  」


神樹の瞳が見開かれ、凄まじい魔力の奔流が解き放たれた。
本体に障壁を張る役割も兼ねている4つの蕾と鉤爪が存在している時、この魔力の暴走は最大の威力を発揮する。
属性など存在しない、純然たる破壊のエネルギーは、たとえ天魔王といえども一撃で消し飛ばすには十分すぎる威力だ。
ましてや相手は眠っており、回避不可能かつ睡眠時による被ダメージ倍増効果も乗る。
強大な自然の力と、人間の知恵が合わさり、恐ろしき魔王を打ち倒したのだ。





「ガガ、ピー……ダメージ、大。ミチノモウドクウイルス、ナイブフショクシンコウ――被害甚大。
ゼンポウ、チョウマリョクエネルギー感知。予測ダメージ――測定不能、測定不能。
エマージェンシー、緊急事態ノタメ『くろいきり』ノサンプヲ優先シマス」






「なっ……!?」

機械音声と共に、周囲を一気にのみこむほどの黒い霧がエビルエスタークの全身から噴出される。
たったそれだけのことで、今まさに魔王を仕留めようとしていた深緑の聖櫃は……霧散した。

896未来への接近:2015/01/28(水) 00:13:09 ID:LV.x0JIc0
「ば、馬鹿な!何が起きた……!くそ、この霧はまさか……!」
「そのまさかよ、お馬鹿さぁぁぁぁぁぁん!?」

困惑する神樹の鉤爪を、天高く舞い上がったデミーラの手刀が切り落とす。

「よくもやってくれたわねぇ?でもお生憎様。こういう事態に備えて、エビルエスタークには最終兵器があるのよ。
敵も味方も関係なく、どれだけ強力な魔法や加護であろうと無効化する、黒い霧がねぇ!」
「く……だが、それならてめえらも……!」
「ええそうねぇ。この霧の中じゃ、私でも魔法は使えないわぁ。でも私にはこの美しい肉体がある……
――あなたはどう?蕾と鉤爪をもがれた状態のあなたは…… 魔 法 し か 使 え な い ん で し ょ う ?」
「神樹!再生を……!」
「無駄よぉ!死・に・な・さーーーーーーーーーーい!」
「ぐああああぁああああぁあああ!!!」

動きが鈍ったといえどもキラーマジンガとエビルエスタークの攻撃力は凶悪であり、再生した側から蕾と鉤爪を切り捨てる。
そして神樹の再生よりも早く、デミーラの凶悪な攻撃が次々と神樹本体へと叩き込まれていく。
美しい動作で繰り出される正拳突き、美しい回転から生み出されるかまいたち、美しいフォームで投げられる燃え盛る火炎……
元々天魔王にとって、魔法など所詮は飾りにすぎなかったのである。

「まだまだいくわよぉ?」

さらに、美しく念じれば思念エネルギーの球が神樹とエリカの間を高速で移動し、二人の身体を容赦なく打ち付けた。
魔王の身でありながら、魔法を使わない方が強い魔王……それがオルゴ・デミーラであった。

「ぐ……ぅ……!」

ついに、神樹は崩れ落ちる寸前までの傷を負ってしまう。
触腕はいくらでも再生できるが、本体にまではその驚異的な再生能力が備わっていない以上……死は目前であった。

「うぅ……」

それはトレーナーであるエリカも同じくであり、人の身でよくここまで耐えたと褒められてもいい程にボロボロだ。
再び念じボールを撃たれたら、間違いなく死ぬ。

(ちくしょう……やっと、封印から解き放たれて……自由になって……
捕まっちまったが、はじめてこんな俺でもまだ植物として扱ってくれる人間に会えて……
あれだけ自分の力に自信を持っておきながら……そいつ一人も守れずに……こんなところで、俺は朽ち果てるのかよ……!)

神樹はもはや、意地だけで崩れ落ちることを拒み、立ち続けていた。
しかし、そこまでだった。デミーラの指摘通り、腕をもがれ魔法を封じられた神樹には何もできやしない。

「なかなか手こずらせてくれたけど、これで終わりよ」

マシンモンスターとデミーラの身体に、力が溜められる。
さらにどうやったのか、石化状態から回復したデスマシーンは――核爆弾の発射用意をしていた。

(せめて一矢……無理だ。それなら……!)

神樹が瞳を閉じる。
それと同時に4つの蕾と鉤爪が再生する。

「無駄だって言ってるでしょぉ!?」

止めをデスマシーンに任せたのか、残りのマシンとデミーラが一本ずつすぐさまそれを破壊する。
僅かな時間だけ、蕾を生やした腕だけが残った。

897未来への接近:2015/01/28(水) 00:13:38 ID:LV.x0JIc0
「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■!」
「な、なに!?」

その瞬間、神樹はこの世のものとは思えない叫び声をあげた。
突然のことに、デミーラさえもが一瞬動きを止め、デスマシーンも内部の操縦者が硬直した影響で動きを止める。
そんな中で、倒れ伏して虫の息であったエリカだけが、何故かその叫び声の内容を理解できた。

――セル、今から投げるこいつを受け止めて、救ってくれ!

(俺と同類のフォレストセルが、起きて人間を殺して回る行動を開始しないなんてまずありえない。
可能性として考えられるのは、俺と同じように……あいつにも、理解者が現れたということ。
どのみちこのままじゃ俺と一緒にエリカは殺されちまうんだ……俺はその可能性にかける……!)

「しん――」

エリカが静止するよりも早く、神樹は残された一本で主を拾い上げるとそのまま――投擲の構えに入る。
元首相官邸から元東京都庁までの距離は数キロメートル程度。傷ついているとはいえ、神樹の巨体と力ならば造作もない範囲だった。


エリカが投げられた直後、デスマシーンから大量の核爆弾が発射される。


小型とはいえ、複数のそれが続けざまに爆発すれば、あらゆるものを核の炎が飲みこむ。
たとえかつて世界樹とされた存在であれ、抗う術はない。


 オ ー ホ ッ ホッ ホ ッ ホッ ホ ッ ホッ ! ! ! 


燃え盛る核の炎は全てを焼き尽くしていく。
そんな猛る炎の音以上に響く魔王の勝利の笑い声は、しばらく続くのであった。





「も、申し訳ありませんデミーラ様……!敵の攻撃を浴びてしばらく行動不能に陥るなど……!」
「いいのよぉミケちゃん。あなたは美しく十分に活躍してくれたわ。平山ちゃんもよく頑張ったわぁ」
「ありがとうございます。まさかデスマシーンに石化耐性が無いとは思いませんでしたが……
こんなこともあろうかと、事前に石化回復薬を参加者から奪っておいて正解でした」

やがて炎が消えて、そこに燃えカスしか残っていないことを確認した天魔王軍は僅かな休息をとっていた。
相変わらず黒い霧が発生しているため魔法は使えないが、彼らには大量の支給品がある。
デスマシーンの石化を解除したのも、ヴァルゴとなっていたミケの傷を癒したのも、全てそれらのおかげだ。

「さすがにちょっとばかり厄介な相手だったけど、あいつは間違いなく全参加者の中でも最上位の実力者よ。
そんな奴を相手にしても、こうして私達は生きている……オーホッホッ!やっぱり美しいものは滅びないのよ!」
「しかし、あの化物は最期にトレーナーをどこかに投げたようでしたが……」
「木偶人形のひとつぐらい放っておきなさい。おおかた、自分に勝てる指示を出さなかった飼い主への怒りをぶつけたのよ。
それに仮に助けるつもりだったとして、あの傷でどこかのビルにぶつかったらそれだけで死ぬわ。
そう、人間は弱く脆い。生き残る価値があるのは、あなた達のような存在なのよ!オーホッホッホッ!」
「「ありがたきお言葉……!」」

魔王の高笑いを受け、ミケと平山の士気はさらに高まった。
それなりのダメージを受けてしまったが、デミーラの言うとおり今度はヘルクラウダーのような犠牲を出さずに全員が生きている。
見るからにやばい怪物を、一人も欠くことなく葬ったのだ。天魔王の、いや天魔王軍の力は本物であるという何よりの証拠だ。

天魔王軍はそのまま奪い取った支給品で傷を癒しつつ、今度は首相官邸の地下へと攻め込む準備を整えるのであった。

898未来への接近:2015/01/28(水) 00:14:10 ID:LV.x0JIc0
【二日目・8時00分/日本・首相官邸跡地】
※首相官邸跡地付近が戦闘の影響により炎上しています
※黒い霧の効果で魔法を使うことができません。霧の範囲は不明

【天魔王軍】
【オルゴ・デミーラ@ドラクエ7】
【状態】ダメージ(小)、魔力消費(小)、美しい人間形態
【装備】闇のルビー
【道具】支給品一式、香水、口紅、ベビークラウド×いっぱい@ドラクエ7
【思考】
基本:主催者を美しく皆殺しにして自分が支配者となる
0:地下の連中も始末し、ここに来るらしいブリーフ博士を確保する
1:都庁、DMC、主催者その他、邪魔な勢力を一掃する
2:首輪も処理できれば処理しておきたい
3:部下にふさわしい参加者がいれば、新しい天魔王軍として美しくスカウトする
4:日本以外を潰した首謀者がいるなら、そいつも美しく殺す
5:できれば醜い本気形態にはなりたくない
※美の感じ方は人それぞれです
※平山より、主催者が九州ロボにいる情報を手に入れました
※エビルエスタークとベビークラウドを直接の指揮下においています
※黒い霧を凍てつく波動で無効化することができます

【エビルエスターク@DS版DQ7】
【状態】ダメージ(大)、すれ違い通信によりレベルMAX状態
【装備】不明
【道具】無し
【思考】基本:オルゴ・デミーラに従う
※黒い霧は凍てつく波動や他の霧などで無効化、上書きすることができます

【平山幸雄@アカギ〜闇に降り立った天才〜】
【状態】健康、 士気高揚、デスマシーンに搭乗中
【装備】サングラス、雀稗
【道具】支給品一式、大量の不明支給品(内容確認済み、一部消費)
【思考】基本:死にたくないのでオルゴ・デミーラに従う
1:戦闘は無理なので、後方支援に徹する
2:天魔王軍の一員として、この世界で成り上がってやる……!
3:傷ついたマシンモンスターも支給品で回復し、万全の状態にしてから地下に乗り込む
※デスマシーンを直接の指揮下においています、また内部に搭乗しています。

【デスマシーン@FF・SaGaシリーズ】
【状態】ダメージ(中)弾薬消費(小)
【装備】大量のかくばくだん、大量のミサイル
【道具】支給品一式
【思考】基本:オルゴ・デミーラに従う

【ミケ・ザカリアス@進撃の巨人】
【状態】ダメージ(中)、疲労(中)、士気高揚、ヴァルゴ・ゾディアーツに変身中
【装備】乙女座のホロスコープススイッチ@仮面ライダーフォーゼ、立体機動装置一式(損傷有り)
【道具】支給品一式、大量の不明支給品(内容確認済み、一部消費)
【思考】基本:死にたくないのでオルゴ・デミーラに従う
1:ゾディアーツの力を使い、天魔王の手先として働く
2:天魔王の力があれば、ドラゴンも巨人も巨木も怖くない……!
※キラーマジンガを直接の指揮下においています、

【キラーマジンガ@DS版DQ7】
【状態】ダメージ(中)、すれ違い通信によりレベルMAX状態
【装備】不明
【道具】無し
【思考】基本:オルゴ・デミーラに従う

899未来への接近:2015/01/28(水) 00:15:01 ID:LV.x0JIc0



「あ……あぁ……!」

口元を抑え、叫びそうになるのを必死で堪えながら、なのはは地下へと降りていた。
神樹の強さは理解していた。していたからこそ、思ったよりも戦闘時間が長いことが気になった彼女は少しだけ地上に戻っていたのだ。
そこで見たのは、崩れ落ちる寸前の神樹の姿。

それは、夢の中で見た光景と全く同じではなかったが、似た状況であった。
もしあの夢が、未来を示すものであったとしたら?
この後に待っている運命は……

(ううん、弱気になっちゃ駄目!だって、夢の内容と完全に一致していないなら、ユーノ君が怪物になるとは限らない……!)

地上に漂っていた黒い霧は、すぐに危険なものだとわかった。
魔力の収束を邪魔する妨害攻撃は、未来でも受けたことがあるからだ。

(でも、まずい状況なのは変わらない……!はやくこのことをみんなに伝えて、神樹とエリカさんを助けに行かないと!)

夢は、現実のものとなるのか。
それは避けられない運命なのか。
僅かな不安を残したまま、魔法少女は仲間達が集まっている部屋の扉を開く。

【二日目・8時00分/首相官邸地下の廊下】

【高町なのは@魔法少女リリカルなのは】
【状態】健康、19歳の身体、焦りと不安
【装備】レイジングハート@魔法少女リリカルなのは、千年タウク@遊戯王
【道具】基本支給品一式、タイムふろしき@ドラえもん
【思考】基本:大災害による世界滅亡を防ぐ
0:仲間達に状況を伝え、未知の敵(天魔王軍)に対処する
1:死んでしまったヴィヴィオたちのためにもこの殺し合いを終わらせる
2:ユーノ君がいれば何も怖くない!
3:あの夢が現実になるわけ……ないよね?
※千年タウクの効果によって、高町ヴィヴィオの存在と日本に世界を襲った大災害が起こる未来を知っています。
※タイムふろしきを使ったので、19歳の肉体に成長しました。
※未来の自分が使っていた技の一部が使用可能です。




900未来への接近:2015/01/28(水) 00:15:36 ID:LV.x0JIc0
「はぁ……本当にほむらの言った通りソウルジェムがぴっかぴかになったよ。
いやだからって魔女を退治してグリーフシードを集めなくていいってわけでもないしなー……」
「にしゃ?」
「う゛……ちょっと、こっち見ないでくれる……?あんた見てると本当に魔女がかわいいもんに見えてくるよ」

その頃、魔法少女である美樹さやかは世界樹の入り口――フォレストセルの真横にいた。
他の都庁の主だった人員はメロンライダー捕獲のためにすでに行動しているが、彼女だけは待ったがかけられたのだ。
度重なる戦闘により濁りきったソウルジェムを浄化しろと、ほむらから釘をさされたために渋々とだが。
とにかく言われた通り、フォレストセルの元にソウルジェムを持っていけば、本当にその穢れを食べてくれた。
さやかはそれに驚くと同時に、何故か不思議と気分が明るくなったような気もした。

「これがかわいいって、まどかどういう感性してるんだか……」

用事も済んだため、正直一刻も早くフォレストセルから離れたいさやかは踵を返す。
しかしその瞬間。

「――――■■■■■■■■■■■■■■!」
「にしゃ!?」
「いぃっ!?」

首相官邸付近に生えていた、謎の黒樹の咆哮が耳を貫く。
フォレストセルも一瞬驚いたようだが、突然奇妙な動きを開始した。

「え、あんたなにして――」
「……にっしゃしゃー!」

咆哮の直後にこちらへ向かって飛んできた何かを、フォレストセルは4本の蝕腕を動かしてがっちりとキャッチしてみせた。
外見に似合わない精巧な動きにさやかは思わず感心してしまうが、飛んできたものを見て一気に表情を変える。
――人だ。

「ちょ、空から人が降ってきたの!?しかも血まみれじゃん!と、とにかく治療しなきゃだよね!?」
「ま……待って、ください……」

慌てるさやかに対して、地面に横たえられた人間――エリカは掠れた声でさやかを止めた。

「傷を治せるなら……私よりも、この子を……」

弱弱しく投げられたボールが光り輝くと……

「…………」
「うげぇ!?さっきまで生えてたよくわかんない黒い奴!?」

――ぐったりと崩れ落ち、ぴくりとも動かない神樹が姿を現した。
とどめの核爆弾が神樹を焼き尽くす前に、エリカが空中でモンスターボールを起動してひっこめたのである。
ポケモン扱いされている神樹だからこそできた真似だが、それでも瀕死状態なのは明白。

「ど、どうなってんのよ一体……!」

血まみれの少女に託された、瀕死の怪物の治療。
こちらの魔法少女もまた、葛藤する。

901未来への接近:2015/01/28(水) 00:16:02 ID:LV.x0JIc0
【二日目・8時00分/東京都庁入口付近】

【美樹さやか@魔法少女まどか☆マギカ】
【状態】健康、葛藤
【装備】ソウルジェム@魔法少女まどか☆マギカ(新品同然)
【道具】基本支給品一式、不明支給品
【思考】基本:マミさんの為にも、殺し合いを止める。
1:怪物を治療する?治療しない?
2:まどかは守るが、まだ魔物に対しては完全には心を許さない
※8期、9期とは関係ありません。
※放送の内容をラブ達から聞きましたが、上条恭介の死を知りません。

【エリカ@ポケットモンスター】
【状態】ダメージ(特大)、歪みし豊穣の神樹のトレーナー
【装備】モジャンボ、キノガッサ、他不明
【道具】基本支給品一式、モンスターボール×3
【思考】基本:大災害による世界滅亡を防ぐ
0:目の前の少女に神樹を治してもらいたい
1:ポケモンと一緒に生き残る
2:珍しい植物タイプはゲットしておく
3:できればすぐにでもなのは達のところへ戻りたい

【歪みし豊穣の神樹@世界樹の迷宮4】
【状態】瀕死、パーツ全破壊状態、エリカのポケモン
【装備】なし
【道具】支給品一式
【思考】基本:大災害による世界滅亡を防ぐ
0:気絶中

902超巨大少女対決の行方!!:2015/02/04(水) 02:42:45 ID:5sm/nn6w0

「にょわー! これは天ちゃんの分だにぃー☆」
「こっちだって負けられないよー追っかけるよー」

 リングで戦う二人の少女がいた。
 一人、身長200cmを先ほど越したアイドル。
 一人、身長197cmの女子高生雀士。

 事の発端は簡単だった。
 暴走してきた装甲車が魔雲天たちのグループに突っ込んできた。

 装甲車は魔雲天によって止められ事無きを得たが……。
 出てきた女子高生二人が実に狂っていた。

「ワハハ、3対2じゃずるいだろう!」
「ずるい、汚いは悪魔にとって褒め言葉だぜ!」
「そこでここは代表者同士一名ずつのシングルマッチで決着を着けるのはどうであろうか?」
「ほう、悪魔超人であるこの俺に戦いを挑むとは……
 いいだろう、ならば直々に……「にょわー! ここはきらりんが戦うにぃ☆」」

 魔雲天はきらりに投げ飛ばされた。
 そして、きらりは悠々とリングに立ったのだ!

「うわー大きい人だなー」
「じゃあスタートだにぃ☆」

 それと同時に豊音もリングに入った。
 舞台は埼玉ドームの近くにプロレスリング。
 こうして、始まった超ド迫力の女子プロレス。

「グムーッ、きらりと同等の超人になれる才能を持つ少女がいたとは……」
「ワハハ―」
「…………………」

 両コーナーでは二人の仲間が声援を送る。
 観客は今のところいない。

 そして、なにゃかんやで試合開始から20分経過し、遂に決着がついた。

「天ちゃん直伝マウンテン・ドローーーーップ!!」
「きゃあ!!」

 短い悲鳴と共に豊音はマットに沈んだ。
 同じ巨体である二人のスペックはほぼ同じ。
 だが、明暗を分けたのは『セコンドの差』であった。
 きらりのセコンドはザ・魔雲天、豊音のセコンドは智美。
 このセコンドの経験差はとてつもなく大きかった。 
 月と鼈くらい差があった。

「じゃあ、きらりんの歌を聞くにぃー☆」

 きらりは聞いていた。
 勝利後はマイクパフォーマンスをするものだと。
 だからこそ、マイクを握った。
 
 ―――マイクパフォーマンス(ライブ)をするために。

「曲は勿論『地獄の山脈』だにぃ☆」

 そして、歌うのは勿論『ザ・魔雲天のキャラソン』である。
 約4分間、きらりは熱唱した。 
 その歌を聞き、豊音と智美は戸惑ったが、次第に笑顔になっていた。 

 それはもうクラウザーさんやDMCなど『どうでもよくなる』ほどまでに。

 諸星きらりは超人レスラーではない。
 ――――――彼女は人々を笑顔にする『アイドル』である。

903超巨大少女対決の行方!!:2015/02/04(水) 02:43:34 ID:5sm/nn6w0


「豊音ちゃんもきらりんと一緒にハピハピするにぃ☆」
「えっ……?」
「ワハハ、リングで戦った後に友情が芽生える……これが友情パワーか……」
「きらりんのハピハピパワーだにぃ☆」

 こうして、豊音と智美は脱DMC狂信者を果たしたのだ。

「それでお前たちはこんなところで何をしようとしていたんだ?」
「ワハハ、クラウザーとかいう奴の歌で狂った奴らに加勢するためにあそこ(西武ドーム)に行こうとしていたんだ」
「でも、今は違うよーあんな変な歌よりもきらりさんの歌の方が素敵だってことを教えるんだよー」
「…………そうか」

 魔雲天は智美の指差した方向を見て悩む。
 確かに向こうから血みどろの戦いの気配がする……と悪魔の勘で分かった。
 だが……

「ゲヘゲヘゲヘ〜! ここで物怖じするほど悪魔超人は甘くないぜ〜っ!」
「だったら、きらりんも行くにぃ☆」
「………………」

 こうして、魔雲天たちは西武ドームに突入することを決めたのであった。

「………………ニヤッ」

 そして、再び雪風の少女は微笑んだ。


【二日目・7時30分/日本・埼玉県・西武ドーム近く】

【ザ・魔雲天@キン肉マン】
【状態】ダメージ(小)、疲労(小)
【装備】柔道着
【道具】なし
【思考】基本:悪魔将軍の命に従い主催を抹殺する。
0:西武ドームに向かう
1:他の悪魔超人達と合流する(できればミスターカーメンかBH)
2:邪魔者はすべてマウンテンドロップでペシャンコにする。
3:きらりは超人になれる才能がある?
4:女達(タバサ、豊音、智美)はとりあえず連れて行く。また襲ってきたら返り討ちにする
5:仮に風鳴翼と出くわしたら倒す。
6:関東に超人の軍団ができたという話だが、どこにいるんだ?
7:自分を破ったテリーマンと再戦できなかったことは心残り。
※超人血盟軍が野球チームであることに気づいていません

【諸星きらり@アイドルマスターシンデレラガールズ】
【状態】ダメージ(小)、215cm、戦意もりもり!、全身返り血塗れ、テラカオス化進行
【装備】ないにぃ!
【道具】支給品一式、巨大化爆弾@五星戦隊ダイレンジャー、芋丁の芋羊羹@激走戦隊カーレンジャー、ビービ虫の巣@天装戦隊ゴセイジャー
【思考】基本:Pちゃんを探すついでに悪い奴をやっつけるにぃ!
0:どういうわけか戦いたくてウズウズするにぃ!
1:天ちゃん(魔雲天)は強くて優しいにぃ!
2:もっと強く大きくなるにぃ!
3:翼って人と出くわしたらきらりんパワーで成敗するにぃ!
4:豊音ちゃんとタッグユニットを組むにぃ!
※テラカオス化の進行によってかなりの超人強度(身体能力)とザ・魔雲天を越える防御力を得ました。また、戦う度に身長が高くなります。

【タバサ@ゼロの使い魔】
【状態】ダメージ(小) 、疲労(小)
【装備】杖、マフラー、ジーンズにジャケット姿、服の下には包帯を巻いている
【道具】支給品一式
【思考】基本:???
1:???

【蒲原智美@咲-Saki-】
【状態】健康
【装備】装甲車
【道具】支給品一式、しもふりにく×3
【思考】基本:きらりの歌を広める
1:天魔王軍の雀士(ニセアカギ)は個人的に戦ってみたいぞー

【姉帯豊音@咲-Saki-】
【状態】ダメージ(中)
【装備】不明
【道具】支給品一式、スマホ
【思考】基本:きらりさんと一緒に頑張るよー
1:天魔王軍の雀士(ニセアカギ)さんとも戦ってみたいなー

904悪性変異 修正版:2015/02/05(木) 00:14:40 ID:aV78bQ/20
指摘を受けたので 悪性変異
>>882から>>885まで修正したSSを投下します

905悪性変異 修正版:2015/02/05(木) 00:15:39 ID:aV78bQ/20
キモいオッサン――アリー・アル・サーシェスは確かにそう言った。
サーシェスはニタリと怪しい笑顔を浮かべると、次の瞬間には強い殺気と共にヒゲの触手が総毛立ち――


「 エ ン ド ブ レ ス 」


――サーシェスが仕掛けてくるよりも早く、フォーマルハウトは殺気を感じたと同時にブレス攻撃を放った。
衝撃で浜辺の砂煙が辺りに立ち込め、煙が収まった頃にはサーシェスは跡形もなく消えていた。

「よくやったフォーマルハウト。おかげで被害もゼロですんだ」
「真竜として当然のことをシタまでだ、ハーハッハッハッ!」

フォーマルハウトはあからさまに怪しいサーシェスに対して、一目見た時から危険な匂いがしたことを察して、いつでも殺せる準備をしていた。
結果的には正解だったと言え、真竜としての株をまた一つ上げられたと思ったフォーマルハウトは高笑いを上げる。



だが、しかし。
彼の一瞬の慢心が不幸を呼ぶことになった。

「ハーハッハッ――ガッ!?」

フォーマルハウトの高笑いのためにアギトを広げていた瞬間を狙って、何者かが彼に向かって突進し、その口元を無理やりこじ開ける。

「そうれ、お返しだ」
「グアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!」

そして聞き覚えのある声と共に、口移しのように黒い火炎が放たれた。
容赦のない黒い炎がフォーマルハウトを体内から焼き尽くし、やがて限界を迎えると、宝石を散りばめたような真竜の肉体が爆散した。
辺りにドラゴンズの仲間を失ったことに対する悲痛な叫びが木霊する。

「フォーマルハウトッ!?」



【神体フォーマルハウト@セブンスドラゴン2020-? 死亡確認】


そしてフォーマルハウトを殺したのは、今しがた倒したはずの触手男サーシェス――ではない。
フォーマルハウトの残骸の前に立っていたのは――






「な、な、何をしてるんだホルスの黒炎竜ーーーッ!!!」

906悪性変異 修正版:2015/02/05(木) 00:17:13 ID:aV78bQ/20
――ドラゴンズの一員であり、仲間であるはずのホルスの黒炎竜Lv8であった。
仲間が自分を殺そうと思わない……それが両チームにとっての精神的な死角となった。
オシリスすら仲間が凶行に走ったことに理解が追いつかず、いつもの軽いノリを忘れて叫ぶ。
そして仲間を殺したホルス自身は台詞に草を生やしながらも、酷く焦った様子で仲間に訴えるのであった。

「お、俺の意思じゃないよ……てかw助wけwてw先w輩w!!
体wのw自w由wがw効wかwなwいwんwだ!!」
「やれやれ、危うく死ぬところだったぜ……」
「!?」
「おまえは!」

黒炎竜が仲間の方に向き直ったとき、仲間達の視線は非難から驚愕に変わった。
胸元には倒されたと思われた男、サーシェスが触手を使って彼の胸元に張り付いていたのだ。
その触手は深々と黒炎竜の胸に刺さっている。



――サーシェスはテラカオス化進行によって他の進行者同様に能力を手に入れていた。
しかし最初に手に入れた『いびきを一回する度に周囲に爆発のエフェクトが発生する』のように役に立つのかよくわからない能力であり、次に手に入れたのは『髭が触手みたいになって粘液が出てくる』という(フォレスト・セルが地上に出る際にはいちおう役に立ったが)ビジュアル的に致命的な能力だけだった……



 と こ ろ が ギ ッ チ ョ ン 。



東京から千葉まで吹っ飛ばされた後の短時間の間にサーシェスはさらに進化し、新たな能力を手にしていたのだ。
それは……『触手を通した他者への寄生と肉体の支配』である――


「俺自身もなんだかわからねーが、おもしれえ能力だぜ。
くっついたらこいつの体を自分のものみてえに動かせるようになったぜ」
「うほおおおおおwwwやめてくれえええwww俺は男に触手攻めにされる趣味はねぇwwww」

体を覆う触手からの粘液によってエンドブレスのダメージがあまり通らなかったサーシェスは、舞った浜辺の砂を隠れ蓑にして皆の目を欺いて黒炎竜の体に寄生して支配し、操った黒炎竜のブレス『ブラック・メガフレイム』でフォーマルハウトを殺害したのだ――イチロー達はそう理解した。

ちなみに明らかに人間の枠を外れた肉体の変化を起こしているが、サーシェスがそれを疑問に思うことはない。
クルルが作成した新型ナノマシンによる異常な闘争心にテラカオス化所以の精神汚染が重なり、狂乱状態に陥っているのだ。
サーシェスは戦争がやりたいという欲求のみに従う破壊者と化しており、疑問はとっくの昔に置き去りになっていた。
そして確定的に明らかなのは、サーシェスはもう人間ではないということだ。

(こんな自重しない奴は、僕のレーザービームを投げつけてやりたいところだが……レーザービームの威力では寄生されているホルスまで巻き添えになる危険がある……どうすればいい?)

イチローを始め、多くのメンバーが黒炎竜を助ける方法を考える。
あまり威力や範囲のありすぎる攻撃はサーシェスのみならず黒炎竜をころしてしまう危険があるので慎重にならざる負えなかった。
……約一名を除いて。

「夢想封……」
「ちょ、霊夢!?」

イチローチームの一員である霊夢は、サーシェス及び黒炎竜に向けて奥の手であるボムこと夢想封印を解き放たんとし、仲間がそれに待ったをかける。

「何を考えてるんだ霊夢!?」
「私だって考えなしに撃つわけじゃないわ。
ホルスは魔法が効かないんでしょ?
だったら、私のボムで触手男を倒しても、黒炎竜の方は無効化して無傷で済むはずよ」
「そ、そういえばそうだった!」

黒炎竜自体は常時魔法無効化の能力があることを思い出した仲間達。
加えて黒炎竜自体に魔法は効かないが、サーシェスはそうではなく焼き殺せるだろう。
それを見通した霊夢は、仲間を納得させて今度こそ夢想封印を放たんとする。

907悪性変異 修正版:2015/02/05(木) 00:17:53 ID:aV78bQ/20

「こんなとこでゆっくりしている暇はないわ!
私には世界を救う祈りの巫女としての仕事も残ってるしね!」
「いや、祈りの巫女はたぶんおまえじゃないと思「 夢 想 封 印 ッ!!」」

二次創作のクッキー☆出典とはいえ、この霊夢も紛れもない博麗の巫女。
原作通りの戦闘力はちゃんと備えている。
彼女がハラサンの言っていた予言にある祈りの巫女かは不明であり、皆もそれに関しては首を傾げてツッコミを入れるが、それを押し切るように夢想封印を黒炎竜に放った。
周辺が眩い光に包まれる……この光の後に最良の結果がまっていると誰もが信じていた。












「……あれ?」
「ずいぶん温いじゃねえか、お嬢ちゃん」

目論見は失敗に終わった。
どういうわけか黒炎竜の胸に張り付いた触手男は焼け死ぬどころかピンピンしている。
そして目のくらむような光が晴れた後に、触手男に操られた技発動直後の硬直で動けない霊夢の目の前に立っており、そして――



ブツンッ



――彼女の体から首が千切り取られた。
頭を失った体が噴水のように赤い血を噴き出しながら浜辺に横たわる。
その凄惨な光景に仲間達のぬか喜びは、一瞬で悲鳴と戦慄の叫びに変わった。


「れ、霊夢ゥーーーーーーーーッ!!」


【博麗霊夢@クッキー☆ 死亡確認】


二人もの仲間を失って怒りと恐怖でパニックになりかける両チーム。
その中でホルスBが疑問を口にする。

「奴には霊夢の攻撃が全く通じてなかったホル。 なぜホルか!?」
「……まさか! 寄生している奴自身も、宿主の能力を得られるんじゃ?」
「ギムレー、どういうことホル?」
「ホルスには魔法無効化の能力がある、触手男が乗っ取った相手の能力を使えるとすれば……触手男もホルス同様に魔法無効化の恩恵を受けているんだ!」

ギムレーの考察通り、サーシェスは黒炎竜を通して魔法無効化の力を得ていた。
魔法に準ずる霊夢の夢想封印は効果がなかったのである。
それを聞いた仲間達が歯噛みする。
すなわち、蛮の蛇眼による催眠術でホルスから触手男引き剥がすことも、ナッパのエネルギー弾やギムレーとイドゥンの書物による雷撃魔法や体力吸収魔法も、触手男には通じないとわかった以上、その戦法も使えなくなったのだから。
そんな両チームをサーシェスは嘲笑うように、霊夢の生首を弄る。

「本当に楽しいぜ、戦争ってのはよう。
もっともっと血の匂いを嗅ぎたくて嗅ぎたくて堪らないぜ〜」

瞳には狂気・口には愉悦の笑顔を振り向けながら、サーシェスはMSを操るのと同じ要領で、黒炎竜の手に握られていた霊夢の生首を苺ジャムが入った饅頭のように握りつぶした。
黒炎竜の握られた掌の隙間からグチャグチャパキパキという音と血肉が漏れる。

908悪性変異 修正版:2015/02/05(木) 00:18:30 ID:aV78bQ/20

「この下衆め! よくも霊夢を……殺してやるゥッ!!」

サーシェスの所業には多くの者が恐怖だけでなく怒りを覚えていたが、その中でもっとも激情に駆られていたのは萃香だった。
友の死を目の前で陵辱されて怒り狂ったのだ。
萃香は腫瘍のように黒炎竜に張り付いたサーシェスに拳を叩き込む。

「ぐはあッ!!」

拳はサーシェスの横っ腹にクリーンヒットした。

「物理攻撃は効き目があるようだな。
どうだ痛いか!! このまま嬲り殺しに……」
「いってええええええええwwwwwwぐぼぁッ!!」
「なッ?!」

粘膜で多少は防がれるとは言え、打撃が効くとわかった萃香はすかさずニ撃目を叩き込もうとしたが、その直前に黒炎竜も苦しみだし吐血したのを見て拳を止めてしまう。

「そんなバカな……後ろのホルスに力が届かない程度には計算して殴ったのに……うわぁ!」

萃香は鬼として絶大な腕力をもってはいたが、打撃が仲間に入らないようにあえてサーシェスを横から殴りつけたのだ。
しかし実際にはサーシェスのみならず黒炎竜もダメージが入った。
それに驚いている隙に萃香は尻尾で反撃を受け突き飛ばされる。

「どうやら俺がダメージを受けると、こいつにもダメージが入るようだな」
「な、なんだと!」
「こいつを痛めつけるとホルスも傷つく……それじゃ誰もこいつを攻撃できねえじゃねぇか!」

サーシェスが受けたダメージは黒炎竜にも及ぶという理不尽な事実に一行は困惑し憤慨する。
しかし、仲間が傷つくとあらば誰しも攻撃を躊躇せざる負えなかった。
高い攻撃力や仲間を徹底的に強化するの能力も、味方相手に使うわけにはいかなかった。


「……このままじゃダメだッ! みんな、一旦退くぞ!」

そう切り出したのは6/である。
魔法こそ使えないとわかったが、素手でも強いナッパや萃香などが本気になればサーシェスを殺すことはできる。
だが、それすなわち黒炎竜の死であり、仲間を殺せる非情な判断を下せる者は、良くも悪くもお人好しばかりな2チームの中にはいない。
さらに言えば触手男の実力も未知数で、まだ自分達の知らない能力がある可能性もある。
それを鑑みた6/はイチローチームやドラゴンズに撤退させようとするべくディパックから大量の胡桃を取り出し、それらを両手で粉になるまで砕いていき、その粉を周囲に放出した。

「クルミボール番外技! クルミスモークだ!!」
「なんだこりゃ!? ゲホッ、ゲホッ!!」

胡桃の粉で作った茶色い煙幕が周囲を覆い尽くし、サーシェスの視界を覆った。

「敵の視界が潰れた! 今の内に逃げるんだ!!」
「しかし、ホルスが……」
「どのみち今の俺達にホルスを助け出す手段はない。
逆にここで逃げ切れれば、触手男からアイツを助け出せる方法や参加者を見つけられるかもしれない!
今は耐えるんだ! モタモタしていると煙幕が晴れちまうぞ!」

6/が逃げることを渋る仲間達を一喝すると、各々が煙幕に紛れて一目散に逃げ出した。
飛べる者は自力で、飛べない者は最寄りのドラゴンの背に乗り、その場から飛び去った。
煙幕が晴れた時にはサーシェスの周囲には誰もいなくなり、遠くを見ると集団は南北の二つに分かれて移動していた。

「クソッ、逃がすかよ!」

せっかくの獲物を逃がすかと言わんばかりに、サーシェスは黒炎竜の翼を使って集団の片割れを追う。
目をつけたのは……北側に逃げた集団だ!

909悪性変異 修正版:2015/02/05(木) 00:18:58 ID:aV78bQ/20
修正版投下終了です。

910麻雀界ではよくあることかもしれない:2015/02/05(木) 21:52:26 ID:pa7SM1r.0
埼玉県・西武ドームは今や戦場となっていた。
神聖な球場は血で穢され、天井は破壊され、現在も戦いが止むことはない。

「ヒャッハー!」
「ぐああああぁぁぁぁ!」

謎の妖精に黒影トルーパーの一人が吹き飛ばされる。
絵面も叫び声も状況も何もかもが混沌、世紀末であった。
この大乱闘が終わるには、もう少しだけ時間を要するだろう。




――同刻。


「今であります!」
「ぐっ……!?しまった!」
「おら、燃えろぉ!」


ドームの通路では、二体の仮面ライダーの戦いが繰り広げられていた。
しかし一方の仮面ライダー、ヒノケンこと火野ケンイチにはケロロという強力なサポーターがついている。
吐き出されたガマ油の効果で転倒した衛宮切嗣は、ここで得物から手を離すという真似はしなかった。
たとえ転んだ状態であったとしても、相手の攻撃パターンは大体把握しているから対処できる……
そう考えていた矢先、ヒノケンの炎はあらぬ方向へと放たれる。
切嗣が転倒した際にデイバックより飛び出した、爆弾の起爆スイッチこそが彼の狙いだったのだ。

「ち……!」
「よくやった。これでドームが瞬間で崩落する危険性もなくなったぞ」

仮面の下で苦々しげな表情を浮かべる切嗣とは対照的に、ヒノケンは笑みを浮かべていた。
ドームの崩落こそがもっとも危惧していたことであり、さらに爆弾の位置はファイアマンにより特定済み。
あとは目の前の仮面ライダーを始末してしまえば、こちらの勝利確定だ。
燃やした死体と証拠の爆弾を手土産にすれば聖帝軍に恩を売れる。
そんなことをしなくとも、まだ戦闘が続いているらしい聖帝軍を援護すれば、それだけでも恩を売れるだろう。

「……そうなるとこの女ももう用済みか。万が一連中にこれを見られると不信感を持たれかねない」
「そうでありますな。いまさらながら、デイバックの中に人間をねじ込むのは結構外道だったであります」
「!?」

ぬるっとデイバックから取り出されてそこらへんに放置された女性に切嗣は驚愕する。
彼女こそ、初期からずーっとヒノケンに捕まり続け、気絶しっぱなしで、とうとうデイバックにねじこまれた不幸な善野監督である。
元は交渉のためにさらわれ、計画が潰されてからは食料などと交換するつもりで持ち歩かれていたが、聖帝軍と合流するなら必要ない。
むしろ万が一見つかってしまった場合、正義感の強い者が多い聖帝軍からは確実に危険視されるだろう。
少しばかりもったいないという感情もあったが、ヒノケンはこれからのことを考えて善野監督の放棄を決めたのだ。




まさかその判断が命取りになるなんて、わかるわけがない。

911ズカンされた名無し:2015/02/05(木) 21:53:32 ID:pa7SM1r.0
「ふっ……!」

次の瞬間には、切嗣は善野監督の元へと駆けていた。
まさかの行動に、ヒノケンもケロロも対処が遅れる。
そのまま切嗣はデイバックから不明品……小さな立方体を取り出すと、それを善野監督の口に入れて飲み込ませた。

ごくん

立方体が、食道を通って胃に向かう。溶けていく。





「イエアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッ!!!!!」





そして監督は、弾けた。

「な、なん……!?」

あの病人の、結構乱暴な担ぎ方をしても全く起きなかった女が、突然跳ね起きて奇声をあげる。
あまりの光景にヒノケンの頭は一瞬真っ白になったが、そのまま彼は人生に幕をおろすこととなった。

「フウウウウゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!」
「な……っ!」

高速で接近してきたのは切嗣ではない。善野監督の方だ。
その勢いのままヒノケンを担ぎ上げるとそのまま、死の技の構えに入った。

 デ ス バ レ ー ボ ム で あ る !

ぐしゃりと嫌な音が響く。

頭から硬い床にめり込むほど、その凄まじい衝撃は頭蓋骨は勿論のことベルトさえも破壊した。
ファイアマンもろともヒノケンは、何が起きたのか理解する間も無く息絶える。

【火野ケンイチ@ロックマンエグゼ】死亡確認
【ファイアマン@ロックマンエグゼ】死亡確認

「ヒ、ヒノケン殿!? おのれ、よくも……!」

復讐に燃えるケロロ。
しかし猛然と向かってくる軍曹に放たれたカウンターは……

 ド ロ ッ プ キ ッ ク だ っ た !

色々なものが砕ける鈍い音が鳴った。
小柄な体躯が災いし、全身に強烈なダメージを負ってしまったケロロもまた、ヒノケンの後を追う。

【ケロロ軍曹@ケロロ軍曹】死亡確認

912ズカンされた名無し:2015/02/05(木) 22:00:31 ID:pa7SM1r.0
「あー……生き返った気分……でもこの感じ、クラウザーさんは亡くなってしまったのね……」
「う、うむ……そのために今我々は生贄をSATSUGAIしているところだ」

ようやく少しは落ち着いたらしい善野監督に対して、切嗣は若干ひいていた。
相変わらず儚げな印象の女性であり、それでいて先程の凄惨な光景を見せられては何が何やら。
切嗣はただ、この女性がクラウザーさんに異常に飢えていることを悟り、回復させることで2対2の状況を作れればいいと思っていただけだ。
ちなみに食べさせた立方体の名前はDMC(ドーピング・メタル・コンソメキューブ)
熱狂的なDMCファンのとある有名シェフが作った、ドーピングアイテムである。
女性使用者からのクレームを受け、改良を重ねた結果、口からの摂取で十分効力を発揮できる代物となっている。
その主な成分は、大量の鉄分とクラウザーさん成分であるクラウザニウム。
クラウザーさんの歌が聞けない状況下でも、クラウザーさん成分を補給できる素晴らしい食べ物である。

善野監督の入院の理由も実はこれだったりする。
最初は普通に病気で倒れたのだが、「クラウザーさんの歌を3時間も聞けば全快する」といった善野監督の言葉を医者が無視。
病院内はお静かにという理由で、当然入院中のクラウザーさんの歌はご法度。食事も病院食であり、ドーピング食も食べられなかった。
結果として、病気のほうではなく極度のクラウザニウム不足により善野監督は衰弱しきり、長期入院していたのである。
ちなみにヘルカイザー亮は体質でクラウザニウムを体内に溜め込める量が少なく、常にクラウザーさんに飢えているらしい。
だがここまでであれば、ドーピング・メタル・コンソメキューブを食べたところで、善野監督が全快するだけ。
ドーピング・メタル・コンソメキューブはあくまでクラウザーさん成分を大量に取り込むことで興奮状態を生み出し、信者の力を一時的に上げるだけだ。
肉体に大きな変化がないことから分かるとおり、これはコンソメスープなどとは違いガチガチの戦闘用ではない。
いくら摂取したところでとてもではないが、病人にヒノケンとケロロを粉砕するような真似はできない。

913ズカンされた名無し:2015/02/05(木) 22:01:35 ID:pa7SM1r.0
善野監督は一般人の病人ではあるが……雀士だ。
首脳クラスになればもう宇宙レベルの強さになるというあの雀士である。
ここで、同じく雀士である東横桃子の言葉を思い出してもらいたい。
彼女は現在都庁の同盟の一員となっているが、魔物を見た彼女は清澄の大将と似た感じであると発言している。
そう――高校生であっても全国クラスの、特にふざけた異能持ちの雀士はもはや人間ではない!
この事実は女子高生雀士の間では既に周知のものとなっており、各校は魔物クラスの雀士の対策に追われている。
そんな中で編み出されたのが、己の雀力を攻撃力及び防御力に変換し、肉体を強化するというものであった。
全ての雀士がこれをできるわけではないが、この技を身に着ければ魔物クラスの攻撃を受け止め、貫く礎になる。
何しろ普通の試合中であっても、竜巻だのなんだのが発生する危険地帯なのだ。防御力を上げなければやってられない。

東横桃子は残念ながら全国大会への出場はできなかったものの、異能を持ちかつその雀力は魔境長野でも上位に入る。
その実力から彼女もこの雀力変換法を体得しているのだ。周りに説明していないだけで。
これがなければ、ジプシー・デンジャーの攻撃で中ダメージで済んだり、ぼのぼのを一撃で倒すことはできなかっただろう。

姉帯豊音も同じくである。彼女は全国出場を果たした異能持ちであり、さらにその能力は6つ。
フィールド制圧系能力やピンポイントなカンでもしない限りその能力を打ち破るのは難しく、基礎雀力も高い。
結果として彼女の雀力変換法は桃子以上の効力を発揮し、ムドーを秒殺する力とマウンテンドロップを耐えられる防御力を手に入れた。
これはテラカオス化ではない。雀力のおかげなのである。
名門姫松の監督を務める善野一美が、彼女達以上の雀力、つまり強さを持っていても不思議ではないだろう。

「久々に動いたら疲れた……ボディーシザースドロップの方がよかったかも……?」
「正直なんでもいい……」

ここで最後の疑問。何故、善野監督までもがプロレスを嗜んでいるのか。
答えは簡単。麻雀協会のお偉いさんがエンターテイメントとして、流行のものと麻雀を組み合わせてはどうかと発案したのだ。
大災害にあう前の世界では様々なものが流行っていたが、その中でも特に流行っていたのが
麻雀、DMC、格闘技、野球、ネットバトル……などである。
この時、コークスクリューツモという凄まじい荒業を生み出した選手が現れ、以後女性雀士は格闘技を学んでいるものが多いそうな。

とにかく言えるのは、聖帝軍の背後にまた一人、凶悪な相手が生まれてしまったということである。




【二日目・7時30分/埼玉県・西武ドーム】

【衛宮切嗣@Fate/Zero】
【状態】中ダメージ、武神鎧武に変身中
【装備】銃、戦極ドライバー、ロックシード(ブラッドオレンジ)
【道具】支給品一式、D・M・C×2
【思考】基本:同志の夢を叶えてクラウザーさんを生き返らせる
1:状況によっては、一個一個爆弾を発動させる
2:セイバー達との合流
3:正直この女にあまり近寄りたくない
※一斉起爆ができなくなりましたが、爆弾そのものはまだ生きています

【善野監督@咲 -Saki-】
【状態】すこぶる健康、クラウザニウムMAX
【装備】患者服
【道具】なし
【思考】基本:クラウザーさんの蘇生
1:恭子を殺した主催者もSATSUGAIする

914守護者:2015/02/06(金) 01:45:01 ID:QBfFkWPM0
「―――回答は出た。しかし―――」

テラカオスの脅威、迫り来る世界の終焉、苛烈を極めるカオスロワ。
混沌を極める殺し合いの中、一人の雄が名乗りをあげた。

「よもやあれ程とは………ッッ」

本部以蔵。
その人である。

「対主催も……野球チームも……都庁の軍勢も……マーダーも……主催者も

 否―――DMC信者でさえも―――」

雄は刀を手に立ち上がる。




「俺が守護(まも)らねばならぬ」




【二日目・9時00分/どっかの山奥】

【本部以蔵@刃牙道】
【状態】健康、守護らねばならぬ
【装備】日本刀
【道具】支給品一式
【思考】
1:守護る。

915大阪大炎上! 死国VSWB!!(前編):2015/02/26(木) 14:28:23 ID:8Ou8xTd60
【死国 居住エリア】


死国のある一室で、生まれたままの姿の女性が暖かいシャワーを浴びていた。
そう、その女性は私、シグナムだ。

設置された女性用シャワールームの中に私はいる。


                                > -- 、
                            , -==- ミ / ,,.. -―― 、
                        〈〈  ,.> r''^y´.-― ''  ̄`i |ヽ
                     /  ̄ ̄ ` <    `ヾーiャ  | |  \
             ヾ -  ..__ r /          ヽ     Viミ! __ { {   \
                   ` ̄ フ ´               ∨ / .}个{ ヾーソ.     ヽ
                  /            i        ∨  ルv!  ∨       \
                /       i    | ',.  i     i  j-〈/    ',        ∨
               /  ,    |   ト. |  |-ヽ  |.    |,-yiノ  ,:   i          ∨
           __ 彡ィ  /   i.   | ', {ヽ |.ィ==-ァ .  | / ノ  /    i!         ,
             /  ,     |ヽト、 !   ´ 弋rソ'  |  |/⌒ヽ/   ハ
               〃i |    ハ ,.ャォ    , , ,  | ,!  | / ノ ハ   /  ヾ
           /  | !| ハ     ヽ` j         ! ,   i__ ,イ    /     ヽ
                 |/ i'  ',   ハ `      ノィ  , }彡'  /      \
                   ヽ   八  r ,       |  /  ヾ,,/         ,
                     \  | \       レ′  i゛           ∨
                     \!  ヽ __ ィ //    .!            ∨
                            | .//     .!               ∨
                             ,. --ノ { {  r''"´  ̄ ̄ `ヽ       ∨
                       /       ヾ               ',.         i
                     __/,..イ                    i       |
                ,..> ´                      !        !
              > ´  ,,.  ´          ,       !           ,        ,
         > ´    /            '.    `i        ,′
        ,/      /               !    .|, - ― -- 、|        |
         ここから下は見せられん、許せ。




少女のようなあどけなさこそないが、大人としての色気を醸し出す顔。
薄紅色の鮮やか髪。
程よく膨らんだ2つの豊満な胸。
腹回りは腹筋で多少引き締まっているが、硬さを感じさせない柔らかさを残したスリム形状に、腹の中心で自己主張するヘソ。
お尻もプックリと大きいが、ブヨブヨではなくそれなりに引き締まっている。
すらっと長い両手足、それに付随するムチッとした太もも。
指先や爪先もそこまで汚れたり荒れたりしていない。
そして乙女にしか持ってない下腹部の下にあるYの字と、更にその下にある…………いや、こればっかりは書きこみすぎると色っぽい通り越して下品て言われそうだから読み手のご想像にお任せしよう。
それらがバランスよくまとまって私の体はできている。
自分で言うのもなんだか、とてもニート暮らしをしているとは思えない美しい裸体だ。
その裸体は今、シャワーノズルから降り注ぐ雫によって、更に色気を増している。
肌はお湯でピンクに近い色になり、雫は手先や爪先、胸の先端、お尻もしくは下腹部を伝って床に落ち、排水口に流れていく。

「ふう、そろそろ良いだろう」

汗や臭いを大方洗い流したと見て、私は蛇口をひねってシャワーを止める。
川のように流れていた雫が止まり、代わりに体のあちこちに流れそこねた水が玉のように残っている。
私はその水玉を真っ白なバスタオルで拭き取っていき、その度に胸や尻など体のあちこちがプルプルと震えた。
全部拭き取ったところで私はバスタオルを頭に撒き、肌身にバスローブを纏う。

916大阪大炎上! 死国VSWB!!(前編):2015/02/26(木) 14:29:10 ID:8Ou8xTd60

『なあ、シグナムよ……ちょっといいか?』

シャワールームの囲いの外に置いてあるPETからナビであるカーネルが私を呼んだ。

『食料調達なり野球のスタメン選考なり、そうでなければ武器を研いでいたりと他の連中はそれなりに働いているのに、おまえだけシャワーを浴びているとはどういう了見だ?』
「悪いか?」
『この前も言ったが、少しは本気を出す素振りくらい見せてみたらどうだ?
いくらなんでも緊張感がなさすぎるぞ』
「またその話か。慌てることはないさカーネル。時が立てばしっかり戦わせてもらう」

その時が来るまで徹底的に休むのが私の主義だ
まあ、私生活においてはそれで余計にめんどくさくなってダラダラと物事を放置してしまうクセがついてるし、今期のロワだって今の所ろくな活躍がありゃしないが、やる時はやるつもりだよ?
うん、最終話ぐらいには働くんじゃないのかな?

「しかし、さっきから何か嫌な予感がするのだが?」
「考えすぎだカーネル。
仮に襲撃があったとして、侵入されてもバヌケ高校生ぐらいの戦闘力なら私とカーネルでまず返り討ちにできるし、外側からの攻撃も死国の頑丈な装甲なら核ミサイルが直撃しても耐えられるだろう。
何も心配はいらないさ」

余計な心配ばかりするカーネルを前に、「死国は安全だ」という意味を込めて私はシャワールームの壁をコンコンと叩いた。










次の瞬間、シャワールームの壁が爆ぜ、私とカーネルは爆炎に飲み込まれた……

917大阪大炎上! 死国VSWB!!(前編):2015/02/26(木) 14:29:38 ID:8Ou8xTd60
【大阪 市街地中央】

時は死国のシャワールームが爆発する前に遡る。

ここは大阪の市街地。
食料調達のために死国を降りて市街地を探索することに熱斗一行であったが、その途中でシャロと殿馬、エスパー伊東が行方知れずになってしまった。
忽然と姿を消した仲間達を探すべく、熱斗達(熱斗、翔鶴、ディオ、トシキ、のび太、クロえもん、ダイアーさん、上条の8人と、ロックマンとシャドーマンの二体)は一旦作業を切り上げて集合し、仲間探しに専念することにした。
そして探索の末、熱斗達はとうとう三人のうち二人を探し出した。
だが、仲間を見つけ出した熱斗達は、変わり果てた二人に絶句せざる負えなかった。

「これはッ!?」
「シャロ……!」
「エスパー伊東!!」
「ど、ドラえもーーーん!!!」

市街地の中央に、シャロ・殿馬……そしてドラえもんの亡骸が適当な木材で作られた三つの十字架に磔られていた。
磔刑にみせかけたようなオブジェは、早く見つけてくれと言わんばかりに存在感をアピールしている。
この残酷な十字架には、ある者は熱斗やトシキのように驚愕し、ある者は仲間と親友の残酷な姿に上条とクロえもんと同じように叫び、そうでなければ言葉を失っていた。
のび太に至っては、ドラえもんが破壊されていたことに対して、ショックで完全に硬直していた……

「まだ生きてるかも知れない! 早く下ろそう!」

頭に風穴が空いていて誰が見ても手遅れなドラえもんはともかく、他の二人はまだ生きている可能性があるやも知れぬと上条は皆に訴え、三人を十字架から降ろそうとする。
しかし、ここで彼のネットナビであるシャドーマンが静止をかける。

『待つんだ皆!』
「シャドーマン!? どうして止める?!」
『冷静になれ、お館様。罠が仕掛けられてる可能性だってある』
「罠?」
『ああ、街の中心で明らかに目立つ磔……まるで見つけてくれと言わんばかりだ。
戦場ならば、こういったものに敵兵が爆弾が仕掛け、助けにきた仲間をトラップで諸共爆殺するケースもある』
「どうしてそう言い切れるんだ?」
『ダークミヤビと傭兵稼業を勤しんでいた俺だからこそ、わかることだ』
「そうか……」
『とにもかくにも冷静になれ……罠の探し方は俺が知っている、まずは罠の有無を確認するべきだろう。
マーダーが近くに隠れ潜んでいる可能性もある以上、他の者は周囲の警戒を頼む』
「「「わかった!」」」

シャドーマンの手ほどきを元に、上条が三人に罠が仕掛けられているかどうかを確認する。

「……シャドーマンの言ったとおりだ。 爆弾に落とし穴……罠だらけだ」
『よし、手順さえ間違えければ素人でも解除できない罠ではないな。
……しかし、三人に息はない。ここは罠を外さずに放置した方が』
「言うなシャドーマン!」

やはり息絶えていたシャロ達の遺体を放っておくべきだと進言したナビを、上条は涙ぐみながら叱責する。

『すまない。だが今のは、お館様達の安全を考えたら罠を解除して彼女らを十字架から降すより、後回しにした方が安全で効率的だと考えての発言なのだ』
「例えそうだとしても、俺はエスパー伊東達をこのままにしておくことはできない。
このまま野ざらしじゃ可哀想じゃないか……皆だってそう思うだろう?」

ディオのような根っからの悪人を除き、その場の全員が上条の意見に同意見であり、一行の方針は三人が既に死んでいたとしても十字架から下ろすことに決めていた。
そしてかけがえのない仲間が殺されていた事実に、熱斗組は強い悲しみと怒りを顕にしていた。

彼らはまだ知らない、すぐ後にこれとは比べ物にならない凄惨な戦いが待ち構えていることに……

918大阪大炎上! 死国VSWB!!(前編):2015/02/26(木) 14:30:05 ID:8Ou8xTd60
【大阪 市街地北側】

熱斗組のいる場所から北側。
そこには遠目から熱斗組を伺う二人の男がいた。
主催の手先である特務機関員の新城直衛と風魔小太郎だ。

「罠に気づいたか――計算通りだな。
罠が外そうとすると必ず隙ができる、その絶好のチャンスを本懐が一気に叩くことだからね」

新城がそう言うと通信機を取り出し、上空にいる味方に指示を叩きつけた。

「今だクラウディウス! 撃ちかたはじめ!」

そして、何条ものビーム砲が熱斗組の下へと落ちた。


【大阪 市街地中央】

その頃、上空では……


「ハハハハハ! やったぜ! この俺の手で熱斗組をぶち殺してやったぜ!」

新城の合図が来る――特務機関員の一人、クラウディウスは何時間もこの時を待っていた。
合図が来たと同時に上空から直下の熱斗組に向けてビーム砲を撃ち下ろすという手はずだったのだ。
例え、熱斗組と言えど仲間の死体に気を取られていれば、この奇襲攻撃に対応できずに壊滅的なダメージを被るだろう。
ビームの直撃によって爆発した市街中央を見て、熱斗組はまず殲滅できただろうと見たクラウディウスはロードビヤーキーのコクピットの中で歓喜に打ち震えていた。

「これだけの戦果ならデウスの奴も文句はないだろうし、ベクターの奴だって……ぐはッ!?」

だが、彼が歓喜を上げるのは間違いであった。
油断している内に、まだ爆煙の消えない直下の市街地から一条のビームが飛び、ロードビヤーキーに直撃したのであった。
そのビームの威力は鬼械神であるロードビヤーキーをダメージで航空不能にし、上空から落下させるには十分であった。
空から落下していく最中、クラウディウスはビームが飛んできた方向を見て愕然した。

「そんなバカな……熱斗組が一人も死んでないだとォ!?」

そして街の外れにロードビヤーキーは墜落した。




「……流石に今回ばかりは死ぬかと思った」
『危なかった……ありがとう、のび太くん』

ロードビヤーキーのビームが上空から降り注がんとした瞬間、一行の中でいち早く反応できたのび太はガンダムを操作し、ビーム砲でビームを落とす荒業……否、神業を持って対処したのだ。
熱斗組に直撃必至だったビームは、バスターガンダムのビームで全て相殺され、一行の被害を防いだのだ。
元々のび太は空中に浮いた空き缶を、宙に浮かせたまま五連続で当てられるほどの射撃技術の持ち主であり、弾丸を弾丸で相殺させることも不可能ではなかった。

「やっぱりシャドーマンの言ったとおり、罠だったのか」
『明らかに攻撃のタイミングが合いすぎている。
奴こそ、シャロ達を殺した犯人もしくは共犯者で間違いないだろうな』

一行が街の外れに墜落した巨大ロボットを見る。
仲間を殺した以上、許すわけにはいかない。
まだ仲間がいる可能性もあり、すぐにでもコクピットから引きずり出して洗いざらい吐かせ、相応の罰を受けさせる必要がある。
それができなければ倒すだけだ。
そう思い至った一行は、すぐにでも巨大ロボットの下へ向かおうとしていた――しかし。

919大阪大炎上! 死国VSWB!!(前編):2015/02/26(木) 14:30:38 ID:8Ou8xTd60

「……」
「なんだ? のび太のガンダムが急に……」

突然、のび太の乗るガンダムがバーニアを最大限に吹かして、熱斗組の誰よりも早くロードビヤーキーの近くまで接近する。
一方、町外れに墜落したロードビヤーキーも起き上がろうとしていた。

「イテテテテ……ひでえ目にあったぜ。だが見てやがれよ、すぐに巻き返しを」
「ドラえもんを殺したのはおまえなんだな!  死 人 に し て や る ぞ ぉ !!」
ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」

のび太は怒り狂っていた。
ロードビヤーキーが無二の親友であるドラえもんを殺した相手(実際に殺したのはベン(故)であるが)と見るやいなや、ビーム砲、スラッグ、ミサイル、バルカン……のび太はバスターの持ちうる砲門を全て開き、怒りのままにクラウディウスの乗るロードビヤーキーに浴びせる。
参戦するスパロボでもトップクラスの回避力を誇るロードビヤーキーと言えど、起き攻めを喰らえば避けられる道理などない。
そして回避能力と引き換えに防御力は非常に低い鬼械神であったため、バスターの全ての攻撃を跳ね返せる装甲は持っていなかった。

「のび太くん!?」
「のび太!?」

親友を殺されて感情を抑えられなくなったとはいえ、激情にかられたのび太の凶行には仲間も驚きを隠せなかった。

なお余談だが、怒りでクラウディウスを殺すしか頭にない現状の野比のび太に、暴力を制御するということはできず、滅茶苦茶に撃っているだけである。
仇に当たらなかった暴力は流れ弾となって、ロードビヤーキーの後方へ飛んでいく。
さらに死国の襲来に対して、市街地から遠くに避難していた多くの参加者達に流れ弾が落ち、血の惨状を作り上げた。

一人の警官は対MS用の弾丸で頭を吹き飛ばされた。一人の少女は瓦礫に潰された。
女はミサイル着弾による爆炎に焼かれながら死んだ。遠巻きから様子を伺っていた飛竜はビームで蒸発した。
他にも多くのモブ達がのび太の暴力の巻き添えを喰ったが、その悲鳴はあまりにも遠すぎて熱斗達は知る由もなかった……


「いやあああああ」「助けてくれえええええ」「がはッ」「ママーッ! パパーッ!」「ごめん、ね……モモ」
「死んじまうーーーッ」「こんなところで!」「助けて、ベジータ……」「アツゥイ!!」「グオオオォォォッ!?」

【安錠春樹@新米婦警キルコさん】
【加治木ゆみ@咲-Saki-】
【ブルマ@ドラゴンボール】
【リオレイア@モンスターハンターシリーズ】


「た、助けてくれ新城、風魔! ……うわああああああああああああああああ!!!」

そして、とうとうダメージに耐えられなくなったロードビヤーキーは爆発し、クラウディウスも濃密すぎる弾幕の中では脱出も叶わず、愛機と運命を共にした。


【クラウディウス@機神咆哮デモンベイン 死亡確認】


仇が大破炎上したのを見て、のび太もようやく発砲を止める。
これでドラえもんの仇は取れただろうと思うと、のび太の口元が自然に綻んだ。

ところが戦いはこれで終わりではなかった。
一つの爆音が、更なる戦いの始まりを告げる。

920大阪大炎上! 死国VSWB!!(前編):2015/02/26(木) 14:31:06 ID:8Ou8xTd60

「今度はなんだ!?」
「……みんな死国を見ろ! 火の手が上がっているぞ!」

クロえもんの言葉通りに、皆が港に停泊している死国を見ると火の手が上がっていることに気づいた。
慌てて熱斗と上条はPETを取り出し、死国に連絡を取ろうとする。

「緑間さんの次はなんなんだ!? とにかくパパに連絡を……」
『熱斗くん! 死国との回線が繋がらないよ!』
「なんで?! ジョジョの方は?」
「……ダメだ。シャドーマンもロックマンと同じことを言ってる」

突然、連絡がつかなくなった理由は翔鶴によって明かされる。

「電波そのものが消えてしまっている……これは、ミノフスキー粒子です!
ミノフスキー粒子が周辺に散布されています!」
「ミノフスキーだって!? 確かそれはパパ達を襲っていた連中の……」

ミノフスキー粒子と言えば、一行の中ではかつて祐一郎達を襲ったWB(戦艦ホワイトベース)に載ったマーダー集団を彷彿させた。
そして事態は熱斗組に息を付かせぬほど急転していく。
死国からの爆音、電波障害の次は、バイクと十傑集走りでこちらに向かってくる集団が現れた。
WBの市街地攻撃部隊(大尉、修造、苗木、葉隠、巧、オートバジン、レミリア、咲夜の八人とビーストマン・ヒートマンの二体)である
その集団の中には熱斗達にとって馴染みのある顔があるものがいた。

「アイツは東京でジョジョとディおじさんのネットバトルを邪魔してきた奴!」
「この殺気……気をつけろ、仕掛けてくるぞ!!」

ダイアーの言葉通り、一定の間合いに入ると集団は銃やナイフなどの飛び道具で熱斗組に攻撃を仕掛けてきた。
その濃密な射撃攻撃は、もはや弾幕である。
迫る弾幕に対し、トシキは一行の前に出て、デッキからカードを取り出した。


「弾幕を完全ガード!」


トシキは完全ガードのカードによって、弾幕から味方を守る行動に出た。
ヴァンガ魔法の防御によって落とされる無数の弾幕を前に、熱斗組は「やっぱり櫂君は凄い」略してYKSな展開が来るのだろうと予測していた。

一発の銀の弾丸が彼の心臓を貫くまでは。

「がはッ!!」
「トシキ!?」
「俺の……想像力が…足りなかったか……」

己の無念を嘆きながら、自身の胸に空いた穴から溢れ出た鮮血によって作られた血だまりの中にトシキは沈んだ。
一瞬の攻防の中で命を奪われた友に上条は叫び声をあげる。

「トシキィーーーッ!!!」

【櫂トシキ@カードファイト!! ヴァンガード 死亡確認】


トシキを殺害したのはWB組の仮面ライダーウィザードこと苗木誠であった。
ウィザードの持つウィザーソードガンは、ある程度まで弾丸の軌道を操作することができるのだ。
すなわち、無数の弾幕の中で一発だけ弾道を変えることで、トシキの完全カードの効果範囲を迂回して、トシキの心臓に直撃させたのである。

「あ……当たっちゃったのか?」

しかし、トシキを射殺した当の苗木本人は震えていた。
前述の通りに撃ったのなら、かなりの頭脳プレーのように聞こえるが実際はそこまで計算して撃ったわけではなく、半ばマグレであった。
何より、先ほど破壊したロボットのワスピーターならまだしも、自分の手で人間を殺したという事実が少年の心を刺す。
希望ヶ峰学園ではコロシアイをせず、誰ひとり手にかけなかったというのに……
そんな苗木の怯えを察して、仮面ライダーファイズこと乾は叱咤を飛ばす。

「怯むな苗木!」
「乾さん……でも!」
「奴らはこれまでに多くの人の夢や希望を奪った。
奴らを誰かが倒さないと、また罪のない誰か犠牲になるぞ!」
「夢や希望が奪われる……そんなこと許せない!」

乾の言葉によって苗木は奮い立たされた。
人殺しは嫌だが、拳王連合軍は情けをかけるに値しない最悪の殺戮集団であり、誰かが殺してでも止めなくてはいけない。
苗木としても既に、研やジョナサンなど多くの仲間を殺されており、彼らへの怒りと憎しみは大きい。
新たな犠牲を増やさないためにも、苗木は拳王連合の人間だけは殺害も辞さない覚悟を固め、銃を手に取る。

921大阪大炎上! 死国VSWB!!(前編):2015/02/26(木) 14:31:41 ID:8Ou8xTd60


一方、熱斗組もやられてばかりはいられず応戦に入った。
施設の壁や瓦礫を盾にして弾幕を防ぎつつ、反撃を開始する。
もちろん、一行のリーダーである熱斗も仲間を失った悲しみを怒りに変えて、バトルチップを用いての攻撃を試みようとしていた。

「シャロ達に続いてトシキさんまで! 絶対に許さないぞ!」
『熱斗くん! 上を見て!』
「あれは!」

ロックマンの言葉に従って上を見上げると一隻の戦艦、ホワイトベースが戦場の中央上空に到着していた。
そう、先ほどの死国の爆発の正体はこの船によるものなのだ。
ミノフスキー粒子が周辺にばら蒔かれている時点で、どの集団が攻撃を仕掛けてきたのか熱斗達は感づいていたが、やはり予測通りの相手であった。

「次は熱斗組に向けて砲撃しろ! 撃てッ!!」

ホワイトベースの艦橋にて艦長である十神の号令により、艦を接続しているホライゾンとアイギスが地上にいる熱斗組にむけて、メガ粒子砲やミサイルによる砲撃を行った。

「まずい! 攻撃がくるぞ!!」

的が非常に小さいため、この艦砲射撃で熱斗組の人員に直撃させることはできなかったが、地面に当たって発生する爆発の余波は確実に熱斗組にダメージを与えた。

「いってぇええ……」
『熱斗!?』
「熱斗さん!?」
「だ、大丈夫だ、兄さん、翔鶴さん。小石が頭にぶつかっただけだ」

その最中で爆発の際に跳ねた石が、熱斗の頭にぶつかった。
頭のバンダナを赤く濡らすほど多少の出血が見られたが、熱斗は問題ないと兄のロックマン(彩斗)と妹の翔鶴に伝える。

「く、密集はダメです! 散開してください!!」

翔鶴の指示により、熱斗組全員が一網打尽を防ぐべく、密集状態を解いて四方へとバラバラに逃げることにした。
これにより、ホワイトベースの支援砲撃による効果は薄まり、的も散ったために狙いが付けづらくなった。
となると、頼るべきは地上攻撃部隊であろうと十神は思考する。


「散開したか……愚民共、奴らを一人も逃がすな、追え!」


十神の指揮を受けて地上攻撃部隊がそれぞれ熱斗組の追撃に入る。
個々で誰が誰を狙うかを決め、部隊は分割されて四方に戦士達が別れて追撃することになった。

市街地戦は混迷を深めていた。
一方、その頃、死国では――


【死国 艦橋】

『敵襲! 敵襲!』

WBの砲撃を受けた衝撃で揺れ、警報の代わりにけたたましく騒ぐデューオの声が響く死国の艦橋。

「クソッ、いったいどこの連中が攻めてきやがった!」
「あれはあの時の白い木馬みたいな船じゃないか!」
「熱斗達のいる市街地からもモヤが立っている……チッ、どういうわけか連絡がつかない!」

おそらく死国出港の時間に間に合わないであろう熱斗達のために格納庫で高速艇を作っている祐一郎と、彼の手伝いに回っているダイアーとアドラーを除き、死国の艦橋にいる者達は突然の事態に騒然となった。

「再度、襲撃を仕掛けてきたようですね……船のダメージ具合から、もうしばらく襲撃はないと思っていたのですが。
……吹っ飛んだのはシグナムさんのいたシャワールームですか」
『カーネルと連絡がつかない……おそらく、シグナム達はもう……』

ニートのシグナムがやられた……その事実が、仲間達の胸を打つ。
だが、死国のタクアンこと紬は太い眉を潜める素振りもなく、冷静に指示に出す。

「いいえ、シグナムさんはきっと生きてますよ。最強のニートですもの。
それよりも敵を倒すことだけを考えましょう。デューオさん、迎撃を!」
『全ての砲台を使って沈めてやる!』

死国の頭脳となっているデューオが、死国の甲鈑に設置された砲台を操り、WBに向けてそれらを一斉攻撃を加えようとする。
ところが、砲台を回頭したところで、全ての砲台が次々に爆散した。

922大阪大炎上! 死国VSWB!!(前編):2015/02/26(木) 14:32:08 ID:8Ou8xTd60

「ッ!?」
「どうしたというのだ?!」
『ほ、砲台が全部破壊された!」
「……おい、あれを見ろ! 甲鈑に何者かがいるぞ!」

艦橋の窓から何かを見つけた平等院に促されて全員が窓の外を覗き見ると、各所で火災が発生した甲鈑と、数人の男女が甲鈑の上で死国に対して破壊の限りを尽くしていた。
WB組より死国制圧に趣いた衝撃のアルベルト、ジョンス・リー、ラーメンマン、紅美鈴の四人だ。
いつの間にか侵入していたらしい。

「あいつら、どこから入りやがったんだ?!」
『わからない……艦内のセンサーには何も反応しなかったのに!』
「ポンコツが!」
『なんだと!?』
「二人とも喧嘩している場合ではありませんよ!」
『すまない』
「フンッ」

喧嘩を始めかねなかったMEIKOとデューオを、ちょっと怖い顔で諌める紬。

『ただ侵入されただけじゃない、奴らはどんな方法を取ったかは知らないが、回路に変なエネルギーを流されたせいで自己修復装置に防壁機能や航行に関する機能にまで障害が出てる……!』
「それはつまり?」
『このままだと装甲や砲台の修復ができなくて反撃もできず、船を満足に動かすこともできないということだ。
防壁も働かないから、戦艦の砲撃で簡単に穴が開く』
「それはまあ、大変なことですね」
「……小娘よ、少しくらいは緊迫感を持った方が良くないか?
ともかく、これは非常に面倒なことになった。
どこの馬の骨かは知らんが、連中の妨害によって船は動かない。
ともすれば無駄な時間を喰うことになり、配下達の陽動作戦も水泡に帰す。
……小癪な! これでは『あやつ』の思うツボではないか!!」

悪魔将軍が憤るのも無理はない。
デューオの言ったとおり、現在の死国はWBが流し込んだ謎のエネルギーで反撃することも逃げることもままならないオブジェと化している。
さらに兵庫を滅ぼした緑間のマウンテンシュートですら沈まなかった艦が、メガ粒子砲程度が貫徹するほど弱体化している。
死国ひいては拳王連合はこれ以上ないくらい大ピンチなのだ。
WB組が攻めてきたことによって、陽動の意味を込めた超人血盟軍の決死の奇襲も、このままでは台無しになってしまう。
早急にWB組を排除する必要が拳王連合にはあった。

その窮地に率先して立ち上がった男がいた。

「うむ、死国が頼れぬなら是非もない。この拳王が直々に奴らを屠ってやろうぞ!」

拳王であるラオウだ。
ラオウがいの一番に艦橋を出て、敵を殲滅せんと甲鈑へ向かった。
その後ろ姿はいつもよりとても頼もしく見える。

「待てラオウ! 俺も奴らを滅ぼしに行くぞ!」
「アタシもだ! 獲物を独り占めすんなよ!」
「「「俺達も頑張るぞ!!」」」

ラオウに続いて、平等院とMEIKO、増えまくったデカオも全員、艦橋を出て現場に向かう。

「我々もいくぞハクメン」
「応!」

最後に悪魔将軍とハクメンも戦いに赴こうとした。
武闘派揃いの拳王連合の中でもぶっちぎりで強い彼らが出向けば、突発的に起きたこの戦闘も10分もあれば鎮圧できるだろう。
そう思われた矢先。

923大阪大炎上! 死国VSWB!!(前編):2015/02/26(木) 14:33:52 ID:8Ou8xTd60

「怖いよ……優ちゃん」
「ええ、でも大丈夫だよ春香!」



「みんな殺しちゃえば、誰も私たちを襲ってこない」
「うん、そうだよね優ちゃん♪」

「「「!?」」」

突如、超人血盟軍が連れてきたレズの二人――春香と優が周囲に向けて強い殺気を振りまき、それに気づいた悪魔将軍とハクメンが振り返る。
その時には既にレズ二人のラリアットが眼前にまで近づいていた。
そのラリアットは不意打ちであったとはいえ、悪魔将軍とハクメンすら避けきれず、ダメージを与えた。

「なに、早い!! それになんてパワーだ!!」
「ぐおおおおおおおおおおおッ!!」

その一撃は悪魔将軍とハクメンの鎧にヒビを入れた。
それすなわち、ただのラリアットだけで悪魔将軍の超人強度1500万パワーを上回っているということを意味していた。

(このパワー、片方だけでかつて私を下したキン肉マンに次ぐパワーは確実に持っている!)
「いったい、春香さんと優さんに何が……?!」
「突然狂ったように暴れだした!?」
「あわわわわわ」
『問題が次から次へと!』

レズ二人の異常なパワーを前に焦り、冷や汗を流す悪魔将軍。
艦橋に残っている非戦闘員の紬、ムネリン、プニキ、そしてデューオの四人も予想外の裏切りに戸惑いを隠せない。
対するレズ二人は次はどうやって攻めかかるべきか考えつつ、二人で腕を鳴らしている。
その瞳には狂気で曇り、もはや紬達を獲物としか認識していないようであった――たった数分前は仲間だったにも関わらず。
そしてただ一人、秩序の存在であるハクメンのみがレズ二人の豹変の正体に気づいていた。

「……二人から凄まじい混沌の気配がする。先ほど狂気に飲まれた緑間という少年と同じ力だ!
しかし、なぜ私とあろうものが、こうまで発見が遅れたのだ?」


つまり、高山春香と園田優の二人は緑間と同じくテラカオス化が人知れず進行していたのだ。
二人が超人並みの戦闘力に正体は、二人の百合力を戦闘力に変換できるという、テラカオス化進行によって手に入れた能力だ。
イチャつけばイチャつくほど、戦闘力が増大していくというものである。
超人血盟軍のキン肉アタルの冷静で的確な判断力でも、彼女らの戦闘力の正体を見抜けなかった……というのも、姉帯や善野監督のように雀力を戦闘力に変換できるという技術がロワ開始以前から確立していたため、それを事前に知っていたアタルは彼女らも同じ類の異能者であると思い込んでしまったのである。
だが、それは判断ミスであった。

彼女らは気が付けばコルド大王を二人で玉砕できる戦闘力を手にしていた。
更に過酷な殺し合いの環境とやりたくもない野球でストレスがかさみ、先ほど伝えられたヘルヘイムの件により恐怖心を刺激され、今回のWB組襲来によって、とうとう二人の中で狂気は弾けてしまったのだ。
ちなみにハクメンが彼女らの進行に今まで気付けなかったのは、二人がイチャつく際に過剰に分泌されるフェロモンによって気配を阻害されていたと補足しておく。

「緑間さんと同じ……ということは彼女達は元に戻れるのですか、将軍様?」
「無理だ。
できそこないでも、一度『争いの淀みから生まれた化身』に身を落とした者は始末するしかない。
さもなくば奴らは殺戮本能のままに災厄を振りまくだけだ」
「そう……手遅れなんですね」

悪魔将軍より、仲間だったレズ二人を助ける術はないという事実を知らされたことは、流石の紬といえど寂しさと切なさを感じていた。
百合に対して理解の深い紬は、二人と友達になり、二人の恋を応援してあげたいと密かに願っていたからだ。

「それよりも、この二人の始末は私とハクメンに任せてほしい。
おそらく、こやつらは外に出ている襲撃者共よりも厄介な存在になっている」
「……わかりました。デューオさん! リングをお願いします」
『了解!』

紬が指示を出すと悪魔将軍とハクメン、レズ二人の足元からリングが現れ、その中に四人が立った。

「これは?」
「リングの上ならば我ら超人の力も跳ね上がり、リング自体がこやつらを隔離し、小娘達を守る檻となる。
ハクメンよ、ここは私とタッグを組んで戦え。
今のこやつらはお前でも苦戦しかねん相手だぞ」
「……応!」

「みんなみーんな殺して私達だけの世界を作ろうよ春香ァ〜♪」
「うん、もっともっと殺しちゃおう優ちゃん♪」

今、艦橋に作られたこのリングの上にて悪魔将軍とハクメンと、テラカオス化進行者である春香と優のタッグマッチが開かれようとしていた……

924大阪大炎上! 死国VSWB!!(前編):2015/02/26(木) 14:34:52 ID:8Ou8xTd60



「私達もただ指を加えて待っている場合ではありません!
デューオさん、システムの復旧にどれだけかかりますか?」
『ざっと三時間はかかるかも』
「ニ時間で終わらせてください」
『りょ、了解。やれるだけやってみる!』

紬もただ待っているわけにもいかない。
死国の機能さえ復旧できれば事態は好転すると信じて、デューオに指示を出す。
彼女の背後では既にタッグバトルは始まっており、ムネリンとプニキに将軍達の応援兼レズ二人の監視を任せている。

「せめて、格納庫にいる祐一郎さんがここに戻ってくれば、復旧も早く終わるのですが……」
『格納庫とも連絡がつかない。
有線電話ぐらいならミノフスキーの影響は受けないハズなのに、何故でないんだ?』
「……正直、とっても嫌な予感がしますね。杞憂なら良いのですが」

奇しくも紬の悪い予感は的中することになる。
同時刻、格納庫では――

925大阪大炎上! 死国VSWB!!(後編):2015/02/26(木) 14:36:07 ID:8Ou8xTd60
【死国 格納庫】

高速艇を作り終えた直後の祐一郎、シュトロハイム、アドラーの三人も、WB組の別働隊である雷電と烈海王襲来を受けていた。


「防御の上から切られ……ぐああああああああああああああッ!!!」

迫る雷電の白刃に対し、アドラーは防御の構えを取った。
しかし、アドラーの受けは通用せず、防御した腕ごと切断され、その直後に十数個の細切れになったアドラーは格納庫の床にばら蒔かれた。

【アドラー@エヌアイン完全世界 死亡確認】


「アドラー!?」
「よくも同志をォ!! おのれ雷デェェェェェン!!!」

祐一郎達の前に現れたのは、甲板で暴れている四人組とは別行動で潜入していた雷電と烈海王の二人だ。

「クッ、なぜここまで侵入できたんだ!?」

如何様な潜入ルートを通っても多数の監視カメラや、無数の高性能センサーによってすぐに艦の頭脳であるデューオに伝わるようになっている。
そのはずなのに、雷電達はそれらを全て素通りして誰にも悟られることなく格納庫までやってきたのは何故か?
そんな祐一郎の質問に雷電は答える。

「これさ」
「ダンボール箱?!」

意外ッ! それはダンボールッ!!

「ダンボールを舐めてはいけない。
こいつのカモフラージュ率と俺の潜入技術が合わされば、全ての兵士は見張りもろくにできない無能になる。
ちなみにこのダンボールは元は精密機器が入っていた箱で、外部からの電波の干渉を受けない仕様になっている。
となれば、高性能なセンサーも無意味というわけさ」
「そんな盲点があったとは……」
「祐一郎ーッ、そんなことはどうでもいい!!
今、必要なのは早いところアドラーを殺したこいつらをぶちのめすだけだ!! さっきから外も騒がしいしな!!」

紫外線照射装置を取り出し、唸り声と共に放とうとするシュトロハイム。

「喰らえェェェ!! 紫外線照――」
「遅えよ」

だが、紫外線が放たれるより早く、雷電の刀によってバラバラに解体されてしまった。
あと、数瞬避けるのが遅ければシュトロハイムも共に解体されていたところだ、

「なぁにいいいいいいいいいい!?
た、太刀筋が前より鋭くなってやがる!! 貴様はいったい!?」

雷電の太刀捌きは以前よりも早くなり、威力もその分だけ増している。
よく見ると、雷電から血のように赤いオーラが放たれている。
目つきや太刀捌きも、まるで殺戮を楽しんでいるような雰囲気を醸し出していた。

「俺のもう一つの名前はジャック・ザ・リッパー。リベリアの白い悪魔とは俺のことだ」

その強さの正体は、リッパーモードと呼ばれる人斬りの本性を呼び覚ますことで攻撃力を高めた雷電のもう一つの素顔である。
今の雷電は分厚い装甲すらバターのように斬ることができ、その要領でアドラーを防御の上から切り裂いたのだ。
おそらくサイボーグであるシュトロハイムの装甲といえど、切り裂きジャックの刃を受けら止められないだろう。

926大阪大炎上! 死国VSWB!!(後編):2015/02/26(木) 14:36:41 ID:8Ou8xTd60

「切り裂きジャックだと!? 上等だッ!!
ナチスドイツの軍人魂を見せてやるぜェェェ!!!」

しかし、それを知って怖気づくシュトロハイムではなく、強敵を前にして逃げる素振りを見せはしなかった。


一方、交戦状態に入ったシュトロハイム達の横では、祐一郎と烈海王が戦いを繰り広げていた。
先手は祐一郎。握力シュトロハイムの3倍の強烈なパンチが繰り出される。
ところが、烈海王の前にはスカスカとよけられてしまう。

「サイボーグパァァンチッ!! サイボーグパァァンチッ!!」
「威力はありそうだ……だが、技量が足りていないなッ!!」
「クッ、当たらない! まるで羽に打ち込んでいるみたいだ!」

中国武術の技量については、世界を探した所で彼に勝ちうる人間など見つかるか分からないと呼ばれるほどの烈海王。
そんな烈海王の前では、ただの威力のあるパンチなど避けることは容易い。
おまけに祐一郎さんは元々格闘技とは無縁のホワイトカラー。
技量面では雲泥の差があり、烈海王相手に技巧ではまず勝ち目のない相手であろう。
そうこうしている内に、祐一郎の顔に烈の拳がめり込んだ。

「ぐはぁッ!」
「貴様を放っておく、私は一向に構わんッッッ!!!
……わけがなかろうッ!!! 祐一郎、貴様は私が倒すッッッ!!!」
「これは強敵だな……だが、僕も息子と世界のためには引けないんでね!!」

お互いに譲れぬ正義のために、シュトロハイムと雷電、祐一郎と烈海王の死闘が始まる……


【死国 甲板】

「砲台は全て破壊したな」
「そのようだ。これで市街地とWBへの援護はできまい」
「あとは私達が陽動に出ている分、烈さん達が内部を制圧してくれると良いんですが」

甲板の上で破壊の限りを尽くした四人。
彼らは別行動を取っている雷電達の陽動であり、暴れた分だけ拳王連合の目を甲板に向けさせ、手薄になった内部を雷電が制圧する作戦なのだ。
アルベルトに至っては拳王をおびき寄せる目的もあるのだが……

「しかし、まさか美鈴の気功が効くとはな」
「ええ、生き物みたいに損傷を自力で治しているところを見て、もしやと思っていましたが、回路に気を流したら修復が収まりましたね」
「警備が厳重かと思えばダンボール一つで侵入できたり、色々と奇っ怪極まりない船だな……」

デューオの言っていた回路を狂わせる謎のエネルギーは美鈴の気功である。
祐一郎の技術が高度すぎて、もはや生き物と謙遜ない域にまで作られた戦艦・死国。
だが、美鈴はそれを逆手に取り、自身の気を操る程度の能力で、死国に気を流し込んで回路を狂わせたのだ。
一度、気を流し込まれたら最低ニ時間は復旧できないであろう。

「さて、お嬢様達も今頃元気に戦っ――」
「危ない! 美鈴!!」
「え゛」

ラーメンマンの警告も虚しく、紅美鈴の胴体に超高速で飛んできた野球ボールが直撃し、上半身と下半身に分断させた。
ちぎれ飛んだ上半身はそのまま海に落ち、美鈴の意識とともに沈んでいった……

【紅美鈴@東方project 死亡確認】


「美鈴がやられた!?」
「貴様らは……!」

仲間が殺されたことを悲しむ暇もなく、ラーメンマン達が野球ボールが飛来した方向を見ると、そこには大量のデカオをバックにしたラオウ、平等院、MEIKOの三人がいた。

927大阪大炎上! 死国VSWB!!(後編):2015/02/26(木) 14:37:05 ID:8Ou8xTd60

「MEIKOボールの味はどうだ? 餓鬼ども」
「敵は滅ぼす……」
「うぬら、この拳王たる俺の船に手を出したからにはそれなりの覚悟があるのだろうな?」

ある種作戦通りに、拳王軍を支える大戦力が三人の前に現れたのであった。
両者の間では今にも激戦が始まりそうな中、その前にアルベルトが質問を挟む。

「貴様が拳王と呼ばれる男、ラオウか」
「いかにもだ」
「ワシはかつて貴様達拳王軍と野球で勝負して滅ぼされた十傑衆チームの生き残り、衝撃のアルベルト!」
「十傑衆チームだと?」
「滅ぼされた十傑衆と首領であるビック・ファイア様のためにも、報復として貴様はワシの手で討つ!」
「面白い。うぬとは全力を持って戦ってやろうではないか!」
「ラーメンマン、ジョンス! 手出しは無用だぞ!」

拳王ラオウと衝撃のアルベルト。一つの対戦カードがまず決まり、二人は拳を構える。

「なら俺はこいつを倒す」
「亡くなったデュークのためにも、この船を沈めようとする輩は滅ぼす……!」

平等院鳳凰とジョンス。続いて二つ目の対戦カードが決まった。

「アタシはこの弁髪のクソ野郎を……ぐふお!?」

三つ目の対戦カードはMEIKOとラーメンマン……かと思いきや、MEIKOの体がガクリと揺れ、膝を着かせた。
緑間との戦闘で負った怪我がまだ治りきっておらず、そんな状態でMEIKOボールを投げたので肉体の負担がピークを迎えたのだ。

「MEIKOおばさん無理すんなよ」「ここは俺達に任せてくれ!」
「まておまえら、アタシはまだまだ戦えるわ! 邪魔するならぶっ殺すぞ」

MEIKOはデカオ軍団を押しのけてラーメンマンと戦おうとするが、ダメージを負いすぎた体では押しのけきれず、逆に取り押さえられてしまった。
そしてデカオ軍団はラーメンマンと対峙する。

「MEIKOおばさんの投球はヘルヘイムとの戦いまで取っておくべきだ」「そのためにも今回ばかりは俺達も戦うよ」
「なんだか、姿が全員そっくりで妙ちくりんな小僧達が出てきたが……よかろう。
美鈴の仇でもある拳王連合の所属である以上は、子供とて容赦はせんぞ」
「望むところだ!」「熱斗のためにも負けないぞ!」

三つ目の対戦カードが出来上がったところで、いよいよ死国の甲板にて大激戦が開始された!



【大阪 市街地南側】

死国で激闘が繰り広げらている中、市街地もまた戦いの渦中にあった。
砲撃から逃れるべく東西南北に散開した熱斗組の面子と、追撃するWB組の市街地攻撃班。
まず南側において、交戦が始まった。

「貴様は吸血鬼か!? 吸血鬼なら波紋使いとして見過ごすわけにはいかないな!!」
「こいつら見てると、よくわからない苛立ちを覚えるのは、このディオだー!」

「フフフ、貴方達となら楽しい弾幕ごっこができるかもね?」
「なぜかわかりませんが、あの喧しい奴から因縁的なものを感じます、お嬢様」

南側に逃れたダイアーとディオ、そんな彼らを追ってきたレミリアと咲夜。
波紋使いと吸血鬼、パロディとパロディ元の因縁の戦いが始まる!

928大阪大炎上! 死国VSWB!!(後編):2015/02/26(木) 14:37:37 ID:8Ou8xTd60

【大阪 市街地西側】

西側に逃れたのはクロえもんと紫龍、そしてのび太のバスターガンダムだ。

「あの船はドラえもんを殺した奴の仲間だな?! だったら轟沈させてやるぞぉ!!」

クラウディウスに続くように急襲を仕掛けてきたWBは、あまりにも襲撃のタイミングが合いすぎていたため、のび太は先に討ったクラウディウスはWBの仲間であったと解釈し、復讐心に駆られていた。
そして怒りのままにビームランチャーをWBに向けて撃ち放とうとするが、MSの足元からファイズ、ウィザード、オートバジンといった仮面ライダー達が射撃攻撃を加えてくる。

「こ、こいつら邪魔を……!」

攻撃はPS装甲で全て弾かれるが、それでも砲撃の妨害くらいにはなるのだ。

「ホワイトベースは撃たせないぞ!」
「……硬えな。フォンブラスターじゃラチがあかねえ。
クリムゾンスマッシュで一気に決める、苗木とオートバジンは援護しろ」
「はい! 乾さん!」

生半可な攻撃はPS装甲に守られたバスターに通用しないと見抜いた乾は、必殺技のライダーキックでバスターを粉砕しようとする。
しかし、そこへ紫龍が迫り、ファイズがライダーキックをバスターへ繰り出すより早く、小宇宙を燃焼させた必殺のアッパーカットを放とうとする。

「廬山昇龍覇!!」
「なに!?」
「乾さん!!」

技発動直前の膠着状態で動けないファイズに紫龍の一撃を避ける術はなかった。
苗木は反応の遅れによって迎撃が間に合わない。
乾巧、万事休すと誰もがこの時思った。

『!!!』
「オートバジン!?」

紫龍のアッパーが直撃する寸前でオートバジンが主人である乾を押しのけて庇った。
しかし、それによって代わりにオートバジンが技の直撃を受ける形になり、バラバラに吹っ飛んで大破炎上したのだった……


【オートバジン@仮面ライダー555 大破炎上】

「オートバジンが!」
「俺を助けてくれたのか……すまねえ」

最後まで自分に尽くしてくれたバイクには、乾と言えど感謝の念を禁じ得なかった。
逆にオートバジンを破壊した紫龍には仮面越しに怒りの目を向けるのだった。

「チッ、機械人形に邪魔されたか。だが、次はこうはいかない。
あのガンダムに指一本触れさせないためにも、俺がお前達の相手になってやる」
「上等だ。今おまえが壊したバイクの分も、俺がおまえをやっつけてやるよ」
「乾さん、僕もお手伝いします!」

ダブルライダー(片や支給品)と聖闘士(支給品)の戦いは切って落とされた!


「よし、紫龍さんが邪魔者を引きつけてくれた。
このまま一気にあの船……って、警報が鳴ってるぞぉ!?」

仮面ライダー達が紫龍の相手をしている隙に、こっそりWBを墜とそうとするのび太。
だが、仮面ライダーに続いて第二の刺客がのび太の乗るバスターに急速接近していた。

「おまえの相手は僕だぁーーー!!」

それは出来杉の乗るデュエルガンダムだった。
バーニアを吹かして高速接近し、ビームサーベルを引き抜き、バスターを真っ二つにしようとする。
バスターはすんでのところで回避し、引き撃ちでビームランチャーをデュエルに放った。
ところが、ビームは見えない壁に阻まれるように弾かれてしまった。

「ビームが弾かれたぞぉ!?」
「ビームを弾くIフィールドだ! 物理攻撃を弾くPS装甲の弱点であるビームだってもう効かない!
ビームも実弾も効かないなら、おまえの正確な射撃だって形無しさ!」
※ミノフスキー粒子で通信機使用不可、外部スピーカー未使用のため、互いの声が聞こえません。

出来杉は苗木達が持ってきたパーツにIフィールド発生装置があったため、デュエルに組み込んだのだ。
それすなわち、デュエルは物理攻撃もビームも効かず、ほぼ絶対的な防御力を手にしたと同義である。
月が出てないのでサテライトキャノンも使用できず、状況はのび太にとって不利と言える。
それでもドラえもんを奪ったWBへの復讐心(勘違い)を抑えきれないのび太は戦いの道を選ぶ、

「こいつを倒さなきゃ、ドラえもんの仇の船を沈められない!!
どこかに勝機はあるハズ、だから絶対こいつに勝つぞぉ!!」

だが激昂して周りが見えなくなっているのび太はまだ気づいていない。
――バスターガンダムの残りのエネルギーと弾薬が半分を切っていることに。



「おい! なんで俺を狙うんだよ!」
「おまえと戦うと俺が生き残るって占いで出てたんだべ!」

隅っこの方ではクロえもんとビーストこと葉隠が、バットと剣を鍔迫り合う戦いが地味に繰り広げられていた。

929大阪大炎上! 死国VSWB!!(後編):2015/02/26(木) 14:38:50 ID:8Ou8xTd60



【大阪 市街地北側】

新城と風魔、そしてサーベルタイガーの千早が遠くから死国とWB組の戦闘を伺っている。

「ホワイトベースは間に合ったか……任務完了だな」
『クラウディウスは残念だったな』
「まあ、最初から彼ではバスターに勝てないことは承知の上の作戦だった。
激昂したバスターのパイロット・野比のび太に無駄撃ちさせて、弾薬とエネルギーを削ぐのが目的だったしね。
これで死国とWBのパワーバランスは五分と五分になっただろう」
『つまりクラウディウスは最初から捨て駒だったのか?』
「いや、クラウディウスの死は、あくまで計算の一つとして考えていただけさ。
ロードビヤーキーの回避能力なら勝てはしなくても逃げられるとも思ったし、ああも一方的にやられる確率は低いと思っていたからね」
『死も計算のうちとは恐ろしい男だ。
だがベイダー卿やデウス隊長もその程度の被害は込みで作戦を我々に与えただろうし、戦果も十分だろう。
あとは大尉が上手くやっていればいいが……』
「市街地でWB組と戦列を共にしているところからして少なくとも正体はバレてないだろう。
それよりも、ここもそろそろ危険だ。帰還しよう」

デイパックからどこでもドアを取り出し、特務機関員達は九州ロボへ帰還しようする新城と風魔。
しかし、ドアを開けようとする寸前にヴァンガードカードが手裏剣のように飛来し、ドアに突き刺さった。
二人がカードが飛んできた方向を見ると、そこには熱斗組の一員である上条がいた。
見つかってしまい焦る新城。

(クソッ、見つかった! 最後の最後で気を抜いてしまったか?)
『遠くから我々を伺う者の気配が感じていたが、お前達は何者だ!』
「!! おまえの持っているそれは……シャロのデッキじゃないか!!」
『しまった!!』

なんとか一般人を装うなり、この場をやり過ごそうとした新城達だったが、風魔の懐からはみ出ていたシャロのデッキである「ロイヤルパラディンデッキ」を発見され、それがシャロ殺害の証拠となってしまい、会話でやり過ごすことは不可能になった。

「さっきシャロの死体を見た時、あるはずのデッキがなかった。
つまりデッキを盗んだ奴がシャロやエスパー伊東を殺した犯人ということだ。
おまえ達だな? 仲間を殺したのは!!」
「……くッ」
『新城、こうなっては仕方ない――抹殺あるのみだ』

上条とは交戦止むなし、と判断した新城は仮面ライダータイガに変身し、風魔は手裏剣を構え、千早は威嚇する。

『武器を手にとった……ということは犯人はこいつらで間違いないようだ』
「よくも仲間を! 絶対に許さねえぞ!」
『それよりも状況をよく見てみるんだな』
「僕達は千早とデストワイルダーを含めれば二人と二匹。
君は孤立無援でナビを入れても二人。数の上ではこちらが有利だ!」
「くっ……」

実際に数の上では新城達が有利であった。
上条は幻想殺しという全ての異能を打ち消す右手を持っているが、ならば物理攻撃主体で攻めればいいということ。
幻想殺し抜きでも異様な身体能力を持ってはいるが、虎を殴り殺せるほどのパワーまでは持っていないだろうし、少なくとも新城達では絶対に倒せない理不尽級の力は持っていない。
味方はシャドーマンしかおらず、上条もこれは自分に圧倒的不利な状況であると理解している。

――何事も起こらねば。

「シャドーマン!! あれをやるぞ!!」
『あれとは……クロスフュージョンか!』
「あの姿になれば、こいつらに勝てるかもしれない。
いや、この俺ジョジョとシャドーマンで絶対に勝つ!!」
『この前まではともかく、我らは今や一心同体。承知した、いくぞお館様!』
「おう!」

クロスフュージョンの成功条件は「シンクロチップとナビと心を通わせること」。
上条とシャドーマンは、互いに信頼できる域に達しており、条件はすでにクリア済みだ。
そして上条はシンクロチップをPETにプラグインさせる。

「『クロスフュージョン!!』」
「なんだと!?」
『一体何が始まるというのだ!?』

新城と風魔が、上条の突然の行動に驚いた次の瞬間には、上条の姿は変貌していた。
その身にシャドーマンとよく似た、忍者の如きフォルムのアーマーが纏われる。
違いはマスクの部分に「幻 殺」の二文字が書かれていることくらいか。
そして、融合が完了して生まれた一人の忍は――

「『ドーモ、マーダー=サン。イマジンスレイヤーです』
「イ、イマジンスレイヤー……?」

930大阪大炎上! 死国VSWB!!(後編):2015/02/26(木) 14:39:18 ID:8Ou8xTd60

自身をイマジンスレイヤー(幻想殺し)と名乗り、丁寧にオジギをした。
呆気に取られる新城だったが、このオジギは戦う前に必ずやらないと大変シツレイに当たるという忍者の掟があるのだ。

『ドーモ、イマジンスレイヤー=サン。風魔小太郎です』
「君もやるのかい!?」

同じ忍者として風魔小太郎もついでにオジギした。
互いのオジギが終われば、いよいよ戦闘開始の合図である。

「『俺達を倒す。オヌシ達のそんな幻想はぶち殺すべし、マーダーに慈悲はない』」

どことない胡散臭さに反して、イマジンスレイヤーの放つオーラはかなりのものだ。
それは新城や風魔も察し、数のゴリ押しだけで勝てる相手ではないと感じさせ、身構えさせた。

イマジンスレイヤー、その実力はいかに?


【大阪 市街地東側】

熱斗、ロックマン、翔鶴の光三兄妹が逃れたのは街の東側である。
ここでもやはり、戦闘が勃発している。
それも実力者同士の衝突である。

『「お前達を熱くやっつけるぞオオオ!!」』
(決着をつけようぜ光熱斗!
俺が勝って、おまえの首をゆうかりんにプレゼントしてやるぜ!)

既にクロスフュージョン済みの修造とヒートマン、大尉とビーストマンが現れた!

「戦うしかない! クロスフュージョンでいくぞロックマン!!」
『うん!!』

クロスフュージョンした相手にはクロスフュージョンと言わんばかりに熱斗とロックマンは融合し、ロックマンのアーマーを纏った熱斗が現れた。

「『クロスフュージョン完了! さあ、どこからでもかかってこ……』」

息を巻いた熱斗だったが、次の瞬間、吐き気と頭痛と立ちくらみが熱斗を襲う。
さっきの頭に作った傷による出血が原因で肉体に悪影響が出ているのだ。

(『熱斗! やっぱりさっきの怪我がまずかったんじゃ……このままだと危険だ。クロスフュージョンを解除しよう』)
(待ってくれ兄さん。
どちらにせよこいつらは俺達を逃がしちゃくれない!
戦わなくちゃ、俺達だけじゃなく翔鶴だって危ないんだ。
奴らに勝つにはクロスフュージョンの力がいる! だから融合を解除しないでくれ)
(『熱斗……わかったよ』)

いきなり押し黙ってしまった熱斗に、心配そうに声をかける翔鶴。

「どうしたのですか熱斗さん! 彩斗さん!」
「『いや、大丈夫だよ翔鶴さん。その辺の小石につまづいただけだ』」
「そう……なら良いんですが。
ともかく援護なら任せてください!
先程も言いましたが、大切な兄であるあなた達を死なせたくありません」
「『うん、援護は任せたよ翔鶴さん!
三人でこの場を切り抜けて、兄妹揃って生き残ろう!』」
「ハイ!」

気を取り直した熱斗がロックバスターを構え、その横で翔鶴は弓を構えた。

裏の王にして最強のネットバトラー、熱斗&ロックマン(彩斗)。
熱斗と彩斗の妹の艦娘、翔鶴。

太陽より熱き男、修造&ヒートマン。
クッソ不気味に暗躍する人狼、大尉&ビーストマン。

ネットバトラー達の、熱い大熱戦の火蓋は切って落とされた!








こうして、様々な思惑のもとに二大勢力の死闘の幕が開かれた。
果たして勝利を手にするのは拳王連合とWB組のどちらか?
どちらがより多くの屍を構築するか?
生き残るのはどちらか?
それは神のみぞ知る。

931大阪大炎上! 死国VSWB!!(後編):2015/02/26(木) 14:40:59 ID:8Ou8xTd60


【二日目・8時30分/大阪市街地】
※簡易状態表の左横のマーク(☆○●★)は所属している勢力を表しています
 ☆=拳王連合軍 ○=ホワイトベース組 ●=特務機関員 ★=その他


【東側】

☆【光熱斗@ロックマンエグゼ】状態:頭部出血・ロックマンとクロスフュージョン中/思考:ロックマンと翔鶴と共に大尉と修造を倒す
☆【ロックマン(光彩斗)@ロックマンエグゼ】状態:HP減少(小)・熱斗とクロスフュージョン中/思考:熱斗と翔鶴と共に大尉と修造を倒す
☆【翔鶴(光翔鶴)@艦これ】状態:損傷軽微/思考:熱斗とロックマンと共に大尉と修造を倒す


○【大尉@HELLSING】 状態:健康・ビーストマンとクロスフュージョン中/思考:熱斗と決着をつける
○【ビーストマン@ロックマエグゼ3】状態:健康・大尉とクロスフュージョン中/思考:ロックマン達を倒す
○【松岡修造@現実】 状態:健康・ヒートマンとクロスフュージョン中/思考:熱斗達を熱く倒す
○【ヒートマン@ロックマンエグゼ2】 状態:健康・修造とクロスフュージョン中/思考:ロックマン達を熱く倒す


【西側】

☆【クロえもん@ドラベース ドラえもん超野球外伝】 状態:ダメージ(小)/思考:のび太を助ける、ビースト(葉隠)をどうにかしたい
☆【野比のび太@ドラえもん】状態:激昂・バスターガンダムに登場中・弾薬消費(中)/思考:デュエルガンダムを倒す、WBを轟沈させる
☆【龍星座の紫龍@聖闘士星矢】状態:ダメージ(小)・疲労(小)/思考:のび太を助ける、ファイズ(乾巧)ウィザード(苗木)を蹴散らす
 ※支給品扱い


○【出来杉英才@ドラえもん】状態:デュエルガンダムに搭乗中/思考:バスターガンダムを倒す
 ※デュエルガンダムにはIフィールド@機動戦士ガンダムが搭載されています
○【乾巧@仮面ライダー555】状態:健康、555に変身中/思考:紫龍・バスターガンダムを倒す
 ※支給品扱い
○【苗木誠@ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生】状態:疲労(小)、ウィザードに変身中/思考:乾さんを援護する
○【葉隠康比呂@ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生】状態:健康、ビーストに変身中/思考:占いで生き残るとでたのでクロえもんを狙うべ!


【北側】

☆【上条当麻@とある魔術の禁書目録】 状態:ダメージ(小)、怒り、シャドーマンとクロスフュージョン中/思考:怪しい男達(新城・風魔)を倒す
☆【シャドーマン@ロックマンエグゼ】 状態:ダメージ(小)・上条とクロスフュージョン中/思考:怪しい男達(新城・風魔)を倒す

●【新城直衛@皇国の守護者】 状態:健康、タイガに変身中/思考:上条を倒して本部に帰還する
●【風魔小太郎@戦国BASARAシリーズ】状態:健康/思考:上条を倒して本部に帰還する


【南側】

☆【ディオ・ブランドー@ジョジョの奇妙な冒険】 状態:ダメージ(中)、焦り/思考:デューオがいない時に敵に狙われて焦るのはこのディオだー!
☆【ダイアー@ジョジョの奇妙な冒険】状態:健康/思考:吸血鬼とメイド(レミリア・咲夜)を倒す

○【レミリア・スカーレット@東方project】 状態:健康/思考:ダイアー達を倒す
○【十六夜咲夜@東方project】 状態:健康/思考:ダイアー達を倒す、お嬢様は命に変えても守る


【上空(ホワイトベース艦内)】

○【十神白夜@ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生】 状態:健康/思考:愚民達(味方)を指揮して拳王連合を倒す
 ※アイギス、ホライゾンに仕掛けられたウィルスに気づいていません
○【腐川冬子@ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生】状態:健康/思考:白夜様に従い、操舵を頑張る
 ※支給品扱い
○【アイギス@ペルソナ3】 状態:ホワイトベースに接続・ウィルス感染中/思考:味方を援護する
○【ホライゾン・アリアダスト@境界線上のホライゾン】状態:ホワイトベースに接続・ウィルス感染中/思考:味方を援護する

932大阪大炎上! 死国VSWB!!(後編):2015/02/26(木) 14:41:31 ID:8Ou8xTd60




【二日目・8時30分/大阪・死国】

【艦橋】

☆【琴吹紬@けいおん!】 状態:左手骨折/思考:皆さんのためにも死国のシステム復旧を急ぐ
☆【川崎宗則@現実?】 状態:健康/思考:とりあえず悪魔将軍を応援する
☆【プニキ@くまのプ○さんのホームランダービー】状態:健康/思考: 契約外なので戦闘はパス
☆【デューオ@ロックマンエグゼ4】 状態:HP満タン/思考:死国のシステム復旧を急ぐ
 ※美鈴に気功を流されたことによって死国の迎撃装置と自己修復装置が一時的に麻痺しています
 ※テラカオス・ディーヴァがカオスロワちゃんねるに書き込んだレスをまだ見ていません

☆【悪魔将軍@キン肉マン】 状態:健康/思考:暴走した春香と優を始末する
☆【ハクメン@BLAZBLUE】 状態:ダメージ(小)/思考:暴走した春香と優を始末する

★【高山春香@桜Trick】状態:テラカオス化進行、暴走/思考:優ちゃん以外を皆殺しにして、優ちゃんとイチャつく
★【園田優@桜Trick】状態:テラカオス化進行、暴走/思考:春香以外を皆殺しにして、春香とイチャつく
 ※テラカオス化進行によって百合力を戦闘力に変えられますようになりました。現在はキン肉マンに次ぐパワーを発揮できます。


【甲板】

☆【ラオウ@北斗の拳】 状態:健康/思考:アルベルトを倒す
☆【平等院鳳凰@新テニスの王子様】 状態:健康/思考:ジョンスを滅ぼす
☆【MEIKO@VOCALOID】 状態:ダメージ(大)、戦闘続行不可/思考:戦いたいが……クソッ
☆【大山デカオ@ロックマンエグゼ】 状態:大量/思考:ラーメンマンを倒す

○【衝撃のアルベルト@ジャイアントロボ】状態:健康/思考: ラオウを討つ
○【ジョンス・リー@エアマスター】状態:健康/思考:平等院を倒す
○【ラーメンマン@キン肉マン】状態:健康/思考:デカオを倒す


【格納庫】

☆【光祐一郎@ロックマンエグゼ】 状態:ダメージ(小)/思考:烈海王を倒す、熱斗達が心配
☆【ルドル・フォン・シュトロハイム@ジョジョの奇妙な冒険】 状態:紫外線照射装置破損/思考:同志を殺した雷電をこの手で殺す

○【烈海王@範馬刃牙】状態:健康/思考:祐一郎を倒す
○【雷電@METAL GEAR RISING】状態:リッパーモード解禁/思考:シュトロハイムを殺し、祐一郎も殺す
 ※リッパーモードを解禁したことにより攻撃力が大幅に上がっています






【大阪 近海】

WBの砲撃を喰らったシグナムは、生きていた。
流石は今まで幾多ものカオスロワを生き抜いてきただけであり、首輪さえなければメガ粒子砲の直撃も大したダメージにならず、軽い火傷と一時的な脳震盪による気絶だけで済んでいる。

しかし、爆発の衝撃で死国の外に這い出されてしまい、今は全裸で海面にぷかぷかと浮いている。
さらにレヴァンティン含む支給品も全て喪失。
PETも爆発のショックと海水による内部浸水で破壊されている。
無論、PET内部にいたネットナビであるカーネルが無事でいるわけもなく、今までミステリーデータで貯めた財産ごと消滅したのだった。


【カーネル@ロックマンエグゼ 消滅確認】


生き残ったシグナム自身もこのままでは、サメの餌になるか、ズガン師ルーファウスと同じく溺れて死ぬ運命が待っている。
強き者も死ぬときは死ぬ、それがカオスロワ故に。

しかし、ここで天の助けか悪魔の導きか、ユラユラと海面を漂うシグナムの前にワープゾーンが突如として現れた。
ワープゾーンはかつて美樹さやか達を大阪へと転送したものと同じものである。
行き着く先はどこか不明だが、ここに入らなければどのみち死が待っている。
そして、気絶したシグナムの裸体は吸い込まれるようにワープゾーンに入っていき、ワープゾーンもすぐ後に消滅するのだった。


シグナム――人知れずに戦線離脱。


【二日目・8時30分/不明】

☆【シグナム@リリカルなのはシリーズ】 状態:気絶、ダメージ(小)、全裸、支給品喪失/思考:気絶中
 ※出現したワープゾーン(4955話参照)に吸い込まれて、どこかへと飛ばされました

933大阪大炎上! 死国VSWB!!(後編):2015/02/26(木) 14:41:53 ID:8Ou8xTd60
投下終了です

934強き者達:2015/02/27(金) 01:28:00 ID:y0P49pa20

 轟音。
 爆発音にも近いほど踏み込みの音が響く。
 踏み込んだ足で小規模なクレーターが出来る。 

 『八極』とは大爆発のことである。

「お前もソレ使うのか?」
「テニスを極める上で必要なことだ」
「球遊びに八極拳はいらねぇよ」
「ほう、テニスが球遊びだと……笑わせるな」

 奇しくも同じ構え。
 八極拳士、ジョンス・リー。
 そして、テニスプレイヤー、平等院鳳凰。

 世界各地を渡り戦い抜いてきた平等院は中国にて八極拳を習得していたのだ。
 それをテニスに取り入れてプレイもしたことがあるかもしれない。
 
 だが、それにイラつくジョンス。
 今まで八極拳しかしてこなかった。
 その八極拳に少なからずあった。
 『ソレ』にしがみついて生きていた。

(ここからやるのはちょっとした化物退治だ)

 再びの轟音。
 轟音。
 轟音。
 轟音。

 ―――死国の甲板の一部が抜けた。

「……つったく、どういう鍛え方してんのよ、あのヒゲ高校生と八極拳士は」

 MEIKOはぼやく。
 落下していく二人がやけにスローモーションに見えた。
 動体視力が異様にまで鋭くなってるのが自分でもわかった。

「……思えば遠くに来たものね」


 ◆ ◇ ◆

935強き者達:2015/02/27(金) 01:28:37 ID:y0P49pa20

(互角……だと……俺と?)
(この白髪……俺の強さの糧になるか?)

 二人とも下のフロアで立ち上がる。
 そして、再び構える。

「ナカナカやるな」
「同じ言葉を返す、なかなかやるな」
「……」
 
 再びジョンスは踏み込む。
 それと同時に平等院も踏み込む。
 
 スタミナはほぼ同等。
 八極拳のキレや精度はジョンスが格段に上。
 しかし、それでも全日本最強クラスのテニスプレイヤー平等院は一歩も引かない。
 
「俺はアンタに何発撃った?
 一撃、二撃、三撃、四撃……」
「さぁな」
「……三発以上耐えたアンタはVIP待遇だ……」
「?」







「まぁ……一言、言わせてもらうなら……」








「――――本気にさせたな」







 ジョンスの速度が倍以上に跳ね上がる。
 平等院の身体にジョンスが持つ最大に勁が入る―――――



 ◆ ◇ ◆

936強き者達:2015/02/27(金) 01:29:28 ID:y0P49pa20


「その程度の衝撃波がこの拳王に届くと思っていたのか?」
「ガハッ……!?」
「立てい」
(あーえげつねぇ……右目の死角ばっかり狙うとかひでぇわ)

 剛拳と覇気(オーラ)でアルベルトの衝撃波を打ち消す。
 そして、正確無比な打撃でアルベルトの秘孔を突く。

(生きたぞ、あの時の特訓が!!)

 明治神宮球場でのムギちゃんとの秘密特訓(意味深)の成果が出た。
 相手の弱点を突くリードの技術。
 明治神宮にはあの球界屈指のメガネの名キャッチャーがいた。

                        { :::::;:;:;リ^|,ヾヘ..:::::::::::ヾ辷_
                       (.::;r' '    ヽ:::::::::::::::-=
                        j:;}      ..,,_ヾ::::::;;:;;z::|
  ___/ ̄/         / ̄/___   1::|,;r'".._ _ _. ‐_ "''._ヾ.,;:::}         _ノ ̄/ / ̄/
 /___     ̄/ __ __ __ / __  .__/ __{(i''  ,.⌒、_'.`'ン' ̄ ::';`㍉ミ __ / ̄  ./ /  /
 _ノ ,:  /  // /// / /__ノ_,/ / /__`;:{` ´.; :,   .::  ::';{_,;リ`__/  ̄/ /   /_/
/_ノ,___/   ̄  ̄/_/   /__ノ       {l:.   ;、,_:.)   ..:  ;;';._,イ`       /__/   /_/
                          ヘ   ;',_,,,_ 、 ,   j" |:::{
                           ヽ: `゙-‐` :'; ,ソ /ヾ、
                           ヾ、,_,,,/// / \
                             ↑この人である。

 そのキャッチャーが残したメモがラオウの戦い方にえげつなさを加えたのだ。
 それでもなおアルベルトは立ち上がる。

「この拳王はうぬより強い奴と戦ったことがある。
 ……うぬのような復讐心で戦うような輩の拳がこの拳王に届くとでも思ったか?」
「それでもワシは……十傑衆の……!」
「ねぇ、ちょっといいかしら?」

 戦いを見ていたMEIKOはしゃしゃり出る。

「なんだ、小娘?」
「その十傑衆って奴ら、自分たちから野球で挑んできて負けたのよね」
「なに?」
「しかも、自分たちからルールを提案してきたわけで……」
「…………」
「解り易く言うなら……アンタの仲間とやら、所謂……『 か ま せ 犬 』だったわよ」
「……………貴様らァ楽に死ぬだけで済むと思うなぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああ!!!」










「うぬがな!」

 天将奔烈。
 ラオウの奥義の剛拳がアルベルトをぶっ飛ばす。
 その桁違いの闘気で衝撃波すら突き破る。
 
 アルベルトの全身から噴水のように赤い血が飛び出す。
 そのまま、アルベルトは全ての血を吹きだして絶命した。

937強き者達:2015/02/27(金) 01:29:53 ID:y0P49pa20

「相手との駆け引きっていうの野球じゃ重要なのよね」

 相手をイラつかせるには弱い所を突く。
 それは言葉だけでも十分だ。
 
 『平常心を保つ』

 野球でもそれ以外でも大事なことである。

「マウンドじゃ心は熱く、頭はクールに……ってね。
 それよりもアンタ、アタシの恋女房(キャッチャー)にならない?」
「……奴を倒したらな」

 目の前にいるのは長身の超人。
 どじょう髭に額には『中』の文字。

 中国四千年―――ラーメンマン!!

「その拳法……噂に聞く北斗神拳と見た」
「ほう、北斗の四千年の拳とうぬの拳、どちらが上か試してみるか?」

 最強の暗殺拳と最高の超人拳法。
 新たなる戦いの幕が開く。

「すまねぇMEIKOおばさん……」
「アイツ、強すぎるよ……」
「もう駄目だ……」
「勝てるわけないよ……」
「命があるだけマシだと思え!」

 やっぱり、デカオ×4じゃ駄目だったよ。

【二日目・8時45分/大阪・死国】
【甲板】
☆【ラオウ@北斗の拳】 状態:ダメージ小/思考:ラーメンマンを倒す
☆【MEIKO@VOCALOID】 状態:ダメージ(大)、戦闘続行不可/思考:戦いたいが……クソッ
☆【大山デカオ@ロックマンエグゼ】 状態:全員フルボッコ/思考:やっぱり応援に回る

○【ラーメンマン@キン肉マン】状態:健康/思考:ラオウを倒す

【衝撃のアルベルト@ジャイアントロボ 死亡確認】
【大山デカオ@ロックマンエグゼ バトルチップGP 死亡確認】


 ◆ ◇ ◆

938強き者達:2015/02/27(金) 01:30:13 ID:y0P49pa20


(やったか……?)

 自身最大の勁を連続で打ち込んだ。
 その一撃でありとあらゆるものをぶっ飛ばす。
 だが、平等院のタフさは異常に一点に尽きる。
 しかし、それ故に、何度もその一撃を食らう。

(もう、奴が立ち上がること無――――!?)

 何かがジョンスの頬を掠った。
 黄色い球体―――テニスボールだった。
 だが、ジョンスにはまるで別の物に見えた。

(ドクロの海賊だと!?)←イメージです。

 異次元のテニス。
 世界各地を巡りまわった平等院が辿り着いた境地である。

「なんだソリャ…ナメてるのか…」
「戦いには変わらんだろ?」

 相手を叩きのめすそれが平等院のテニス。
 今の平等院を言い表すのならば『テニスの覇王様』である。

「まだやるか? 俺は俺のやり方で行く」
「……そうかい、俺のやることは変わんねぇ……」

 三度ジョンスは構えを取る。

「俺は『安いプライド』にしがみついてる……!
 どんな人間でも『安いプライド』があれば戦える……!
 何だろうと戦える、アイツらだろうと……お前とだって!」
「ならば、俺は貴様のそのプライドごと……砕き滅ぼす」


 二人の戦いの終幕は―――どちらかが倒れるまで。

 
【二日目・8時45分/大阪・死国】
【甲板の下の階層】

☆【平等院鳳凰@新テニスの王子様】 状態:ボッコボコ/思考:ジョンスを滅ぼす
○【ジョンス・リー@エアマスター】状態:ボッコボコ/思考:平等院を倒す

939ベジータ泣く!の巻:2015/03/12(木) 22:16:36 ID:hR/qcbmI0

「カ〜カッカッカ〜!! 超人にその程度の銃弾が効くと思っているのか!」

六本の腕でオートマトンから放たれる銃弾を防ぐ。
アシュラマンが先陣を切り、後ろにベジータとアタル兄さんが続く。
 
「この程度の警備でこの俺を止められると思うな!
 地獄めぐりNo.5!! 竜巻地獄!!」

アシュラマンから放たれる竜巻が多くのオートマトンが吹っ飛ぶ。
それはもう『竜巻地獄』の名に恥じない凄まじいまで暴れっぷり。

「福岡ドームが見えたぜ!」
「おい、ソルジャー! このまま突入するのか!??」
「例え罠だったとしても突入するぞ!」
「だったら、俺は絶対にいかんぞ!! ここで待っている!! さっさと行って来い!!」
「……………」

ここでベジータ、強気にヘタレる。
これには流石のアタル兄さんはキレそうになった。
しかし……動いたのは。

「は、離せ、アシュラマン……」
「黙れ、このヘタレ野郎!!」

アシュラマンだった。
笑い顔ながらも怒っている。
そして、ベジータの身体を宙にぶん投げる。
それと同時にアシュラマンも飛び上がり、落下するベジータの足に自身の膝を乗せる。
その際にアシュラマンの膝が変形し、膝の骨でベジータの両足をガッチリとロックした。
そのまま、地面に向かって落ちていく。
これぞ、『阿修羅地獄芸』のひとつ! 『阿修羅稲綱落とし』である!

「貴様は主催者を倒す気はないのか!!!!」
「俺が倒せるわけないだろ!!!!」
「貴様には……足りないのだ!!!!」
「何がだ!!!!」
「とりあえず、この技を黙ってくらえ!!!!
  阿 修 羅 ∞(ムゲンダイ) パ ワ ー !」

地面に当たる直前に体勢が横向きに変わる。
『阿修羅稲綱落とし』は『数字の8の如く』と例えられている技である。
非常にバランスが悪く、ひっくり返れされれば自分に大ダメージを負う。
しかし、この技『阿修羅∞パワー』は体勢を横にすることでバランスがよくなる。
『8』を横にすれば『∞』になるのだ!!

940ベジータ泣く!の巻:2015/03/12(木) 22:17:20 ID:hR/qcbmI0


そのまま、二人は福岡ドームの扉を突き破った。
そして、ベジータはセンターのフェンスに突き刺さった。
無限大のパワーなめんなよ!

「こ、これはいかん! フェイスフラッシュ!」

無限大のパワーを食らったベジータは瀕死の重症に陥った。
が、すぐにアタル兄さんのフェイスフラッシュによって回復した。

「アシュラマン、俺様に何が足りないって言うんだ!!」
「貴様に足りないもの……それは『戦うという覚悟』だ!」
「俺様に『覚悟』が足りない……だと……?l
「そうだ!」
「ん? 二人ともあれを見ろ!」
「なんだ、ソルジャー?」

アタルが福岡ドームのモニターを指差す。
そこでは仲間たちが戦っていた。
バッファローマンが、ブロッケンJr.が、ニンジャが、四次元殺法コンビが。
何故か飛竜の戦っている様子はなかった。

バッファローマンがロボットと戦っていた。。
ブロッケンJr.が大勢相手に孤軍奮闘していた。
ニンジャがリング上でドSっぽい女と戦っていた。
四次元殺法コンビがファンシーな服の少女たちと戦っていた。
だが……

「「「ニンジャ―――――ッ!!!」」」

ニンジャが相討ちになった時。
そこですべての映像が止まった。

(あのソルジャーとアシュラマンが泣いてやがる……)

あのいつも厳しいリーダーが涙を流していた。
冷血・冷酷・冷徹な魔界の王子も流していた。
気付けば、ベジータも涙を流していた。
少ない時間とはいえ一緒にいた仲間だったから。

「ニンジャ……お前を失うのは二度目だ……この怒りはあの主催共にくれてやる! カーッカカカ!!」
「ああ、そうだな……行くぞ、アシュラマン、ベジータ」
「(悲しんでいる場合ではないということか……)……ああ」

そして、さらに奥に進んでいき遂に辿り着いた。
福岡ドームの最深部。おそらくここに主催者のあのウォーズマンもどきがいる。
三人は意を決して、扉をこじ開けた。

すると、そこには!

「誰もいないじゃないか!!」
「あのウォーズマンもどきはどこに行きやがった!」
「隠れてないで出てきやがれ!! このサイヤ人の王子ベジータ様が相手になってやる!!」

すでに蛻の殻だった。
行き先の手がかりを探そうにもどこにもない。
その時である。

「奴らなら、東京の方に向かったぜ」
「バッファローマン!」

背後にもう一人超人が立っていた。
二本のロングホーンに威圧感のある巨体。
怒れる猛牛『バッファローマン』である。

「だが、なぜそんなことがわかるんだ?」
「俺がいた熊本県の阿蘇山がさっき東京の方に飛んでいくのを見た。
 恐らく、阿蘇山には何か仕掛けがあったんだろうぜ……九州だってロボになってるんだからな」

その事実を知ったバッファローマンはすぐに知らせるために。
自身の超人強度を0パワーにして光速で移動してきた。
その速度は文字通り光速、途中の障害物を気にせず一直線にここまできたのだ。

「……この状況で主催者が逃げ出す必要があるか?」
「きっと俺様たちに恐れをなしたんだろう!」
「追うか?」
「ああ」
「ブロッケンたちはどうするんだ?」
「……あの黒い奴の瞬間移動で一瞬じゃないのか?」
「いや、あいつら今戦っている……奇襲の必要もないし我々だけでいくぞ」
「お前らも舞空術が出来るのか!?」
「超人が空を飛ぶことができるのは当然だぜ?」
「カ〜カッカッカ!ベジータよ、キン肉マンのコミックス読み直して来い!」

そして、彼らは九州ロボのコントロールルームをぶっ壊した後に飛び立った。
目指すは東京。狙うは主催者たち。

「ところでなんでこんな陸地が近いんだ? さっきまで日本海の上だったはずだが?」
「恐らく知らぬ間の移動したのだろう」

941ベジータ泣く!の巻:2015/03/12(木) 22:17:49 ID:hR/qcbmI0

【ニ日目・8時30分/日本・富山県上空】
【ベジータ@ドラゴンボール】
【状態】健康、金髪恐怖症、首輪解除
【装備】野球のユニフォーム
【道具】支給品一式、ノートパソコン
【思考】基本:死にたくないので野球をする
1:悪魔将軍様の方が怖い
2:絶対に都庁には近寄りたくないが……
3:移動しつつツイッターはやる
※何度も瀕死状態から回復したので戦闘力が上がりました。

【キン肉アタル@キン肉マン】
【状態】健康、首輪解除
【装備】キン肉マンソルジャーのマスク、野球のユニフォーム、飛竜が書いた地図
【道具】不明
【思考】
基本:殺し合いを止める
0:超人血盟軍を率いる。
1:飛んでいった阿蘇山を追う。

【アシュラマン@キン肉マン】
【状態】健康、首輪解除
【装備】誰かの腕×6本にミットが5つ
【道具】不明
【思考】
基本:悪魔将軍様に従う
0:最低でも主催者の一人は倒す
1;ところでこの腕は誰の何だ?

【バッファローマン@キン肉マン】
【状態】1000万パワー、ダメージ中、首輪解除
【装備】ロングホーン
【道具】不明
【思考】
基本:悪魔将軍様に従う


◆ ◇ ◆ ◇ ◆

942ベジータ泣く!の巻:2015/03/12(木) 22:18:18 ID:hR/qcbmI0


「どうした? あの放送の時の使った技は使わないのか?」
(ここでアレやったら、確実に九州ロボが轟沈してしまう!)

少し時間は遡る。
リング上でペンタゴンとブラックホールがバーダックを翻弄する。
ブラックホールの顔に出ては消え、消えては出てを繰り返すペンタゴン。
影を使い、分身やらを出し、攻撃を躱しに躱しまくるブラックホール。
一方のバーダック、打撃やらエネルギー弾が全くと言っていいほど当たらない。
攻撃が全てブラックホールの穴を通り抜けてしまう。
それと特大のエネルギー弾を放てば、九州ロボは確実に落ちる。
……なんというか、非常に汚いが相手を確実に倒すという点に特化している。

「貴様らには戦士としての誇りはないのか!! 汚いぞ!!」
「ヘヘ、汚いは悪魔にとって最高の褒め言葉だぜ!」
「それとな、殺し合いを開いた奴らにそんなことは言われたくはない!!」

一理ある。
戦いに美学はいらないのだ。

「ヘイ! 決めるぜ!ブラック!」
「来い、ペンタゴン!」
「くっ、離せ!!」

ペンタゴンはバーダックを捉えてブラックホールに放り込む。
ブラックホールは四次元空間にバーダックを閉じ込め、空中に飛び上がる。
そして、勢いつけて射出!! と、同時にペンタゴンは空中で技をかける。


「「フュージョン・フォー・ディメンション・キル!!!」」


地面に首から一気に叩きつける。
その衝撃でバーダックの首の骨を叩き折った。
いくらサイヤ人と言えど、首の骨が折れたら、ひとたまりもない。
仙豆があれば治るけど、今ここには仙豆はない。
なんやでかんやで二人は主催者相手に2連勝という大金星を上げてしまったのだ。

943ベジータ泣く!の巻:2015/03/12(木) 22:19:26 ID:hR/qcbmI0

「さて、私たちも福岡ドームに向かおう、ブラック!」
「おう、ディメンション・ム―――――ガッ!?」
「ブラック!??」
























「―――――はいはい〜ご苦労さまっと」






















黒い蛇がブラックホールの身体を呑み込んだ。
【ウロボロス】と呼ばれる大蛇にそれはもうあっさりと喰われた。

944ベジータ泣く!の巻:2015/03/12(木) 22:19:55 ID:hR/qcbmI0


「いやー本当にお前たちは、本当に俺様の役に立ってくれる。
 マジで感謝しねぇとな、ヒャッハハハハ!!」
「貴様、何者だ!?」
「クククッ『貴様、何者だ!?』だってよ。
 なに意味解んねぇこと言ってんの。マジうけるんですけど、まあいいや……死ねや」

白い羽にはクナイが突き刺さった。
顔の五芒星は身体ごと、サイファーで真っ二つに引き裂かれた。
―――――白き超人は地に落ちた。


「クククク……ヒャヒャヒャヒャッハハハハハ!!」



「本当最ッ高だぜ!!! クソ吸血鬼もクソ獣人もいねぇこの世界はよぉ!!
 ……んっ、あれあれ〜死にぞこないがいるみてぇだな」
「…………キリカキリカキリカキリカキリカキリカキリカキリカ…………」

壊れたように名前を連呼して真っ二つになったキリカの身体を抱きかかえる織莉子。

「ヤッベェ、超ウケる、もう生き返らないガキに喋りかけてやがる、ヒヒヒヒヒヒ!
 ……一思いに殺してやるよ、んじゃおつかれちゃ〜ん」

残った二つのソウルジェムもウロボロスに喰われた。
そこに残ったのは残虐非道な毒蛇だった。

「さて、ニャル子ちゃんたちは俺様を恨んでくれるだけでまだ生かす価値はある。
 鉄仮面のおっさんとハクメンちゃんはあの化物の女(風鳴翼)と相討ちくらいにはなってくれるだろうよ。
 ………と、なると後厄介なのは……あの【予言】か」

【バーダック@ドラゴンボール 死亡確認】
【ブラックホール@キン肉マン 死亡確認】
【ペンタゴン@キン肉マン 死亡確認】
【美国織莉子@魔法少女おりこ☆マギカ 死亡確認】
【呉キリカ@魔法少女おりこ☆マギカ 死亡確認】

【二日目・8時30分/九州ロボのどこか】
【ユウキ=テルミ@BLAZBLUE】
【状態】飛竜の肉体、首輪解除
【装備】光剣サイファー クナイ、各種オプション、蛇双・ウロボロス
【道具】支給品一式 
【思考】
基本:テラカオスを利用して、滅日計画を遂行する。
1:とりあえず、邪魔をする奴は殺す。
※飛竜の肉体を完全に奪いました。

945ひとこと、アンタじゃ無理:2015/03/27(金) 12:29:24 ID:KXT.pGu60
対主催もマーダーも、全てを守護(まも)らねばならぬと決めた男、本部以蔵はどっかの山奥――富士山を下山している途中であからさまに怪しいダンジョンを見つけた。

「この気配は……何か危険な存在を感じるぞ!
全てを守護(まも)るためにも、入ってみるか」

ダンジョンから言い知れぬ強い気配を感じた本部さんは、一先ず入って見ることにした。
危険な存在を感じ取った以上、内部の調査もしくは制圧は必要であろう。
そうでなくとも、強者の存在を感じ取った以上は戦わずにはいられない――それが闘士(グラップラー)という生き物であった。




……10分後。



「じょじょじ、じじじょう(こいつ、1階すら抜けられなかったな)」
「じょうじじょうじょじょじ(この程度の実力で不思議なダンジョンに挑んだのか)」

ダンジョンの中からじょうじじょうじと、黒い肌を持つ原人のようなモンスターが2体、一つの死体を抱えて現れた。
モンスターは悪名高き宇宙ゴキブリ、テラフォーマーである。
そして入口に運ばれる死体は本部以蔵その人であった。殴殺された後があり、このテラフォーマーたちにやられたのだ。
ダンジョン内部には数百匹のテラフォーマーが住み着いており、このダンジョンを突破するには本部さんではあまりにも実力不足であった。

「「じょじょじょー、じ!」」

いっせーの、っせ、という風なリズムを口ずさみつつ、テラフォーマーは本部さんの死体をダンジョンの外へとゴミのように放り投げた。
そして二匹とも仕事を終えると、ダンジョンの中へと帰っていった。


ダンジョンの前に野晒にされた死体。
これが全てを守護(まも)ろうとした漢、本部以蔵の悲しい末路であった。
ここがせめてダンジョンじゃなくて公園だったら生き残れたかもしれないのにね。

【本部以蔵@刃牙道 死亡確認】
死因:テラフォーマーにツーパンでダウン



さて、これを読んでいる者は気づいているだろうか?
富士にある不思議のダンジョンは、かつて結月ゆかりのテラカオス化を進行させた場所であり、シャマルが富士の噴火による被害を食い止めるためにマグマの転移先に選ばれて、壊滅したハズのダンジョンである。
そのダンジョンがいつの間にか再建していた。

不思議のダンジョンは立て直され、テラフォーマーのような怪物が配備されて本来の機能を取り戻していた。
広大なダンジョンをたった一日で再建するなど、有象無象の人間や魔物では数を揃えても絶対にできない所業である。

そして不思議なダンジョンとは悪魔将軍曰く、殺し合いの真の黒幕が隠れる「死者スレ」につながる場所であり、拳王連合軍が制圧すべき重要拠点である。
悪魔将軍の言うとおりに、真の黒幕が不思議のダンジョンの先にある死者スレにいるのかは不明であり、そもそもこの殺し合いに五大幹部以外の黒幕が存在するのかは謎だ。

しかし、不思議のダンジョン再建を一日で成せるほど絶大な力を持つ者が存在しているのは確かである。



【二日目・9時30分/どっかの山奥→富士山 不思議のダンジョン前】
※不思議のダンジョンが再建されました
※ダンジョン内には数百匹のテラフォーマー@テラフォーマーズが住み着いています
 他にもいるかもしれません

946第二次魔界大戦:2015/04/01(水) 22:07:39 ID:SfPaEuB20
「うぅー……」

さやかは、考えた。
目の前に転がるのは、瀕死の少女と化物。
フォレスト・セルがすぐそばにいる以上、負担はかかるが自分の回復魔法を惜しみなく使って助けることは可能だろう。
だが、どちらを助ける?
元は美しかったであろう着物を真っ赤に染め上げた少女は、早く回復しなければ失血死する。
ぐったりとした化物は、体液なのか不気味な色の液体を垂れ流している。生物なのであれば、おそらくこちらも失血死する。

さて、ここで問題がある。
自慢ではないが、さやかは回復魔法と再生には自信があった。これに関してだけは先輩のマミ以上であると胸を張れた。
目の前の重傷の少女を助けることは、確実にできる。
だが、そちらを回復している最中は化物を回復することはできない。
少女を助ければ、化物はこのまま死ぬのだ。

(ああもう、何を迷ってんのよあたしは!)

少し前の自分なら、化物の命などなんとも思わずに少女を助け、化物は見殺しにしたはずだ。
人を魔女(化物)から守る。それが正義の魔法少女だから。
だが……この世界樹において、不覚にもさやかは魔物に命を救われた。
そしてネットの情報により、魔物以上に暴れまわっている拳王連合の存在も知ってしまった。
助けるべき者の基準が、揺らいでしまったことをさやかは自覚している。

(自分よりも先にこの化物を回復してくれって言ってたけど……本当にあなたはそれでいいの?)

倒れ伏す少女からの頼みは、自分よりも化物の回復を優先してくれというもの。
だがそんなことをすれば、間違いなくその間に少女は死んでしまう。
救える少女の命を見捨てて、得体のしれない化物を救う……それは本当に、正義の魔法少女がとるべき行動か。
さやかは、考える。

(まどか……)

ふと、頭の中に親友の顔がよぎった。
魔物との共存を願い、このフォレスト・セルをも従える巫女となった少女の顔が。
三竜ですら若干引く程恐ろしい化物をかわいいと言ってのける、ちょっと世間ずれした彼女の顔が。
――どことなく、目の前の少女と親友の少女が、だぶって見えた。

「ああぁぁぁぁぁ、もうっ!」

一度、何かを吐き出すようにさやかは叫ぶ。

「あんた!」
「にしゃ?」
「そうよあんた! 言葉わかる!? わかるんだったらまどか呼んできて! それとついでにあいつ……レストも!」

その叫び声のまま、さやかは勢いに任せてフォレスト・セルへと命令を下した。
さやかが選んだ選択は、両方を救うというもの。
自分の回復魔法だけで足りないのであれば、他の者の手を借りればいい。
当たり前のことではあるが、さやかにとっては初めての決断だ。
それはすなわち、正義の魔法少女が化物を救うということなのだから。

「マドカ―」
「喋った!?」

そんなさやかの意思を汲みとったのか、フォレスト・セルはまどかを呼び寄せた。

947第二次魔界大戦:2015/04/01(水) 22:08:11 ID:SfPaEuB20
「お待たせさやかちゃん!」
「……これはまた、凄い状態だね」
「って早いなおい!?」

そして僅か数秒もたたないうちに、まどかとレストがさやかの目の前へと現れた。
何の前触れもなく、一瞬で。

「いや、早く来てくれたのはいいんだけどどうなってんの!?」
「変なことを言うね。首輪を外したから僕の魔法で瞬間移動しただけだよ。
 一度訪れた開けた場所の座標さえ覚えておけば、ダンジョンの最奥だろうが自宅だろうが一瞬で移動できて便利だからね」
「あんたどんだけチートなのよ!?」
「僕の住んでた町では住人全員が使える初期魔法だよ? 同行者二人までなら一緒に移動できるからまどかも連れてきてあげたのに」
「あーもう、色々言いたいけどとにかく今はこっち!」

顔をひきつらせながらも、さやかは二人に倒れ伏した少女と化物を見せる。

「突然降って来た人だから、よくは知らないけど……悪い人じゃないと思う。
 この人にこの化物の回復も頼まれたから、ちょっと回復を二人にも手伝って欲しくてさ……
 ま、まあ? この程度の傷、さやかちゃんならすぐに治せるんだけど――
「かわいそう……この子もかわいいのに、こんなにボロボロになって……今治してあげるね。
 世界樹の癒し『エタニティツリー』!」

まどかが祈りを捧げると、倒れた化物の傷がみるみるうちに塞がっていく。
その再生速度にさやかは呆然としてしまうが、彼女はこの魔法を知らないのだから無理もない。
本来この魔法は世界樹と一体化した『世界樹の王』にしか使用できない魔法であり、その効果は対象者の体力を割合で継続回復するもの。
化物こと歪みし豊穣の神樹の体力は膨大であり、それに比例して自動回復量も増しているのである。

「こ、これがまどかが手に入れた世界樹の力か……! な、ならさやかちゃんはこっちを――」
「あっちはまどかに任せて平気そうだね。それじゃあ僕はこっちの子……体力は普通そうだし、キュアでいいか。ついでに首輪もぱぱっと」
「なにケチってるのよ!? ここは最高の回復魔法で――」
「……はっ!? 神樹は!?」
「起きたぁ!?」

さやかが倒れていた少女、エリカに駆け寄ろうとした頃にはもう治療は終わっていた。
破れた着物こそそのままだが、痛々しく抉り取られていたはずの腹部は綺麗に元通りになっている。
これまたさやかは知る由もないが、レストが扱う回復魔法は使用者の知力に依存している。
極限レベルのレストの魔法は、初歩のものですら回復量に9の数字がいくつもつくとんでもない代物なのである。

「…………くやしくなんか、ないもん」

お株を奪われ、さやかはちょっと凹んだ。

「…………あ、ソウルジェムちょっと濁った」

※濁りはこの後スタッフ(フォレスト・セル)がおいしく頂きました

948第二次魔界大戦:2015/04/01(水) 22:08:40 ID:SfPaEuB20
「本当に、ありがとうございました」

程なくして、突然の来訪者の治療は済んだ。
エリカは深々と頭を下げ、そして……

「ヒャッハ―! なんか知らないが他の蕾まで成長したぜー!」

そこには元気に動き回る神樹の姿が!

「元気になってよかったよ。やっぱり元気に動いている方がかわいいよね!」
「あら……あなたも神樹のよさがわかりますか? そちらも随分とかわいらしい子を抱えているようですが」
「ですよね!? セルちゃんかわいいですよね!?」
「ええ、つぶらな瞳が特に」


「ねぇ、もしかしなくてもあの人、まどかと同類?」
「だろうね。というか、あの神樹って呼ばれてる子もフォレスト・セルと同類だよ多分。
 ……いや、この光景おかしくない? 僕も長年魔物使いとしても活動してきたけどさ、あんなの懐かせる自信ないよ」
「珍しく気が合うわね。あたしはもう、この光景が地獄だと言われても信じるよ?」

少女達の語らい、それは平和な世界でも争いに満ちた世界でさえも、どこでも見ることが出来る。
うちのペットのここがかわいいー、などといった会話も普通にある。

「にしゃしゃーん」
「そうか……お前もこのまどかって奴に存在を認めて貰えたのか。……まぁでも、うちのエリカの方が心は広いだろうがな」
「にしゃ!? にしゃぁっ」
「あん? 自分はまどかと一緒でピンクがメインカラーで瞳の色も同じ金だと!?
 舐めんなよ、だったら俺だってこの漆黒のボディはエリカの髪と同じだわ!」


そのペットが、普通じゃないことを除けば本当によくある会話だ。
首相官邸を一薙ぎで瓦礫にする化物に、新宿中央公園を地図から消す化物。
巨体も巨体、そして撒き散らされる瘴気に、この世の生き物とは思えない恐ろしい姿。
本来であれば、人類に牙剥く禍そのものである歪んでしまった世界樹の力の化身。
それをあっという間に手懐け、あまつさえかわいいと断言してみせる少女達の姿は、化物以上にある種の恐ろしさを感じさせた。
さらにどうやら飼い主のことで張り合っているらしい化物共も、より一層この光景を混沌としたものに変えている。

「あー……あのさ。エリカさん、だっけ? とりあえずその黒い奴のことは置いておくとして、どうして降ってきたの?」
「っ!」

そんな狂った光景に耐えきれなくなったさやかが、話題を変えようと話を振った。
その瞬間に、恐らく和やかであっただろう空気が一変した。
神樹が放つは凄まじいまでの殺気。唇を噛みしめたエリカから感じ取れるのは悔しさ。
無残に抉られた腹、フォレスト・セルと同じく強大な力を持ちながらもボロボロであった神樹。
それは、彼女達が強力な力を持っていながらも――さらに強力な力を持つ者に敗れ去ったということを物語っている。

「本当に、突然のことでした。全裸の殿方が率いる機械の軍勢に襲われて……」
「なんで全裸!? って、機械の軍勢てもしかして、リーダー格が三つ目のオカマとかだったりした!?」
「ああそうだよ、よく知ってるな。俺としたことが、あんな変態にやられちまうなんて……」
「……天魔王軍!」

そして神樹を打ち破った強力な軍勢は、さやか達が所属する都庁の同盟においても因縁の相手。
天魔王軍――情報操作をする狡猾な知恵と、神をも打ち砕く力を持つ軍勢。
都庁の敵を必要以上に生み出した、決して無視はできない存在だった。

949第二次魔界大戦:2015/04/01(水) 22:09:12 ID:SfPaEuB20



「……どうしたものかな」

都庁の入り口から少し離れた位置をレストは散策していた。
突然の来訪者からもたらされた怨敵の情報と強さは、都庁全体を揺るがすには十分すぎた。
赤竜は憤り、いますぐに八つ裂きにしに行くべきだと吠える。
彼以外も、多くの魔物が濡れ衣を着せてきた天魔王軍に対して強い怒りを剥きだしにしていた。

だが同時刻、スマホで情報収集をしていた面々から、拳王連合が大阪の街を焼き払い始めたという情報まで伝えられた。
ロックオンによれば、街を焼き払っているガンダムと呼ばれる兵器はあからさまな魔改造を施されているらしい。
カオスロワちゃんねるに投稿された動画を見る限り、攻撃対象は完全に無差別であり、目的は街の破壊以外には考えられないとも言う。
さらに小町と氷竜の情報も合わせると、数時間前に一度大阪を滅ぼそうとした砲撃も、そのガンダムが放った可能性が高い。

付近を偵察していた魔物から、マンホールの蓋を持ち上げて地下に潜る美味しそうな仮面ライダーを見かけたとの報告もあった。
特徴などから判断して、この仮面ライダー一行が内部爆破を企んでいるテロリスト共で間違いないだろう。
既に多くの魔物が配置につき確保の準備は整っているが、油断はできない。
なにしろあれだけ自信満々に書き込んでいるのだ、相当な戦闘力の持ち主であるに違いない。

そうなると近いうちに、DMC狂信者の再襲撃の可能性もある。
仮面ライダーの書き込みを信じるのであれば、DMC襲撃のどさくさに紛れて爆弾を使用するつもりなのだから当然だろう。
あの狂った連中は未だにその勢力の正確な人数が把握できていない。あと何回襲撃を返り討ちにすれば攻撃は止むのかわからない。

同時刻に、これだけ敵対勢力に動きがあるというのは正直予想外の事態であった。
どれを優先的に叩くべきなのか、などとは言っていられない。
事は急を要する。所在がわかっている今のうちに、全ての勢力を潰しておかなければならないのだから。
あくまで最終的な敵は主催者及び風鳴翼であり、またその特性から早急な討伐が必要な相手でもある。
そうなるとその戦いの邪魔になりそうな連中を全て排除し、拠点の完全な安全の確保が必要となってくる。
幸いにして人間と魔物を合わせれば都庁の勢力は中々のものであり、いくつかに分けたとして十分な力を持つ。
どのように部隊を分け、誰がどの勢力を叩くのか。これは今後の都庁の同盟の行方を左右する、大事な判断である。

現状都庁が抱える戦力の中で、フォレスト・セルを除けばレストが最大戦力であるというのは誰もが認めるところだ。
だからこそ彼には、多くの者が声をかけた。天魔王を、拳王を、仮面ライダーを、DMCを、一緒に倒そうと。
とはいえ、これでも彼は人間であり分身などはできない。討伐を手伝えるのはどこか一部隊のみだ。故にレストも悩む。

「……サクヤ、君はどうすべきだと思う?」
「いえ、私なんかの意見では……」

後ろからついてくる従者に問いを投げかけても、彼女は首を横に振るのみ。

「レスト様を、これ以上危険な目にあわせたくないですから……」
「危険、か」

950第二次魔界大戦:2015/04/01(水) 22:09:50 ID:SfPaEuB20
ただ続けられた言葉に、レストも頷いて肯定する。
そう、レストをもってしてもどの勢力も油断などできない存在なのだから。
オオナズチの情報によれば、あの黒い神樹はかつての世界樹の成れの果て。
グンマ―の民ですら制御しきれずに蟲に封じ込めて、その蟲も遺跡に封じ込めて、さらに門番として最凶の黒龍を配置したというのだ。
それほどまでの大いなる存在を、天魔王軍は打ち倒している。
エリカもどうやってそんな奴を捕まえたのかは気になるところではあったが、今はその問題は置いておくこととする。
大方、まどかに譲られたボールの中にあのフォレスト・セルがすっぽりと入ったことが関係しているのだろう。

「……そういえば、ダオスさんのメガボスゴドラも普段はあのボールの中だったな。
 つまり、フォレスト・セルも神樹も今はまどかとエリカのポケモン扱いに……?」





『よし、ピカチュウ! 君に決めた!』
『なら俺はプリン! かわいいタッグの前に敵はない!』
『ピッピカチュー!』
『プリュッ!』

『行って、セルちゃん!』
『神樹、お相手をしてさしあげて』

『 に し ゃ あ あ あ あ あ ! 』
『 シ ン ジ ュ ― ッ ! 』






「対戦相手が流石に哀れだよ!」
「ど、どうしたんですかレスト様!?」
「ごめん、ちょっと脱線した」

少し恐ろしい光景を考えてしまったが、とにかくその神樹が敗れている以上、天魔王軍は特に警戒すべきであるということだ。

951第二次魔界大戦:2015/04/01(水) 22:10:20 ID:SfPaEuB20
拳王連合はもはや説明不要だろう。あれを理不尽と言わずになんと言えばいいのか。
遡って情報収集をしていた小鳥からは、なんか電車ごっこで遊び半分に人を轢き殺したとかいう情報を得た。
まず、電車ごっこをする意味がわからないし、それで人を轢けるというのも意味が分からない。
常識が通用しない相手であることは間違いなく、こちらも油断はできない相手だ。
しかし同時に現在はホワイトベースと呼ばれる集団が交戦状態に入っているようで、彼らと共闘できればあるいは……
仮面ライダーは実力は未知数だが、書き込みの内容から残念臭がぷんぷんするので、ここは他に任せてもいいだろう。
最後にDMC……狂信者が果たして何人いるのか、その全貌は未だにわからない。
前回の襲撃の際に葬った狂信者の数はおよそ3000。これだけでも相当な数だが、次はさらに増えるだろう。
一人一人は弱くとも、数の暴力とはいつの時代も恐ろしいものだ。

「うん、ちょうどここから直進すれば、首相官邸か。
 全速力で向かって天魔王軍を片づけて、転移魔法で都庁入り口に帰還。
 そのまま地下に向かって仮面ライダーを捕獲、引きずって地上で狂信者を迎撃、大阪に向かって拳王連合を殲滅……
 理論上は可能だけど、やっぱりきついなぁ」

首相官邸の方角を眺めながらも、現実的ではないその考えを自身で却下する。
このポイントからダオスに頼んでレーザーを撃ってもらえば、直線最短距離で首相官邸への道は出来上がるのだが。


「まいったね――もう時間が残されていないかもしれないのに、決められないや」


そうして首相官邸の方角を眺めながら、レストは深いため息をついた。
左手で、右肩を押さえながら、悔しげに。

「レスト様、やはり……」
「あれ、やっぱりサクヤにはばれてたかな?」

少し驚いたという表情を浮かべながら、レストはおもむろに上着を脱ぎ始める。
少女の前で突然脱衣を始めるなど変質者の行う行為だが、見せられているサクヤはそれを止めようとはしない。
その表情は変質者に対する怯えではなく、嘘であってくれと願うような、そんな切ないものだった。

「……他のみんなには隠し通せてたんだけどね」
「私は能力の関係上、闇や悪しき気配には敏感ですから……」

晒されるレストの上半身。
細身であり、無駄なく引き締まってはいるが筋骨隆々というわけではない。
ただ刻まれた無数の傷痕が、彼が過ごしてきた人生の壮絶さを物語る。
そんな傷痕の中で二ヶ所だけ、異質な物があった。

「ちょっと迂闊だったかな。おかげでこのありさまだよ」

右肩と、右肘付近。
そこの傷痕から僅かながら黒い霧のようなものが溢れだしていた。
――ここはかつて、風鳴翼の攻撃によって傷を負った箇所。
――そして溢れる霧は、彼女のものと同じ。

952第二次魔界大戦:2015/04/01(水) 22:11:05 ID:SfPaEuB20
「吸血鬼か何か、多分そんな能力もあったんだろうね。噛まれた時に流し込まれてたらしい」

レストの推察通り、確かに風鳴翼――その前身である四条貴音は吸血鬼の特性を得ていた。
噛みつき、血を啜った相手を同族へと変える吸血鬼の牙。
だが四条貴音から風鳴翼へ、そして風鳴翼からテラカオスへと変異していく中で、その牙の特性も変異していた。
その牙で噛まれれば、その混沌の力を纏わせた剣で斬られれば、その箇所にテラカオスの因子が残留するのだ。
それが蓄積されれば、感染が加速すれば、どうなるか。もはや答えはわかりきっている。第二、第三のテラカオス候補となる。
テラカオスの一定以上の攻撃を受けた者は、同じテラカオスへと誘われる……この能力は、主催者達ですら把握してはいなかった。

何故、テラカオスが持つこの能力が今まで明らかになっていなかったのか。
答えは実に単純なものであり、現在のテラカオス・ディーヴァの行動方針に原因があった。
全てを食べて取り込む。自分に食べられた者は救われる。救済対象(食材)に対する敬意は失わず、残さず喰らう。
現時点において、テラカオスと対峙した者は一部の例外を除いて全員が喰い殺されている。
その例外は二人。ガオウライナーに撥ねられたキュイと、テラカオス・ディーヴァと化す寸前の風鳴翼と戦ったレストのみ。
キュイは噛まれたり、斬撃などで葬られていないためにそもそもこの能力の対象外だ。
レストのみ、テラカオスの一撃を受けて生存している希少な参加者なのである。
そんな彼もしばらくは腕を切断されたままであり、噛まれた右腕は氷竜の手で冷凍保存され、テラカオスの因子も休眠状態だった。
首輪が外され、腕の結合が可能となり、それから時間が経過して……切断された右腕の中で眠っていたそれは目覚めたということだ。

「なんとか、治療することはできないんでしょうか?」
「無理だね。気づくのが遅れたせいで、多分微量でももう全身にまわってるよ。
 フォレスト・セルの穢れ浄化が効くかもしれないけど、勢い余って全身食べられるかもだし」
「そんな……」
「ブリーフ博士が、この黒い何かに対する特効薬を作ってくれれば話は別だけど……
 薬学も嗜んでる僕に言わせれば、こんな意味不明な存在に対する特効薬なんてどんな天才でもすぐには作れない」

沈んだ様子のサクヤに対して、当のレストは悔しさこそ滲ませるが比較的落ち着いていた。
自分の傷口から漏れ出す霧を触ってみながら、どことなく他人事のように。

「今はまだ、特に体にも精神にも異常は感じないから大丈夫だよ。
 これも鍛えて状態異常耐性も上げておいたおかげかな? とにかく皆との約束だけは守ってみせるよ」
「約束、ですか?」
「ほら、僕の力をもう一度人間に貸すって言ったでしょ。言ったからには最低限……そうだね、どこかの勢力だけでも滅ぼすよ。
 まあそれで、どこに向かうべきかと悩んでいるんだけどね。でもどうせ死ぬなら、やっぱ無理してでも全勢力を高速で……」
「死ぬって……どういう意味ですか!?」

なんでもないと言わんばかりに、自然と混ぜられた死という言葉に、サクヤが噛みつく。

「言葉通りだよ。今は平気でも、いずれ僕もあの風鳴翼のようになるかもしれない。
 君も見ただろう、あれの危険性は異常だ。同類になる前に命を絶たないと、みんなに迷惑かかるでしょ。
 とりあえず危ないなーと感じたら、サクヤが四源の舞でフォレスト・セルを強化して、僕を集中的に爆撃してくれればいい。
 その間は無抵抗で受け入れるから、耐性があっても多分数十発撃ちこめば死ねるんじゃないかな? だから……」
「嫌です!」

主の言葉を、従者が遮り拒絶する。
その様子に一瞬驚いた顔をしながらも、すぐさま表情を戻して主は従者の頭に手を置いた。

「ほら、いい子だから落ち着いて」
「っ、今撫でていただいても、嫌なものは嫌です! どうして、レスト様が死ぬ必要があるんですか!」
「……まどかはさ、僕が思っていた以上にすごい子だった。
 甘い子なのに、躊躇いもせずに世界樹の巫女になった。ああなっちゃえば、もう元の生活になんて戻れやしない。
 あのフォレスト・セルにまで慈愛の感情を向けるっていうのは、魔物を大切だと言っておきながら、僕には真似できなかったと思う」

撫でる手は動かしたまま、独白は続く。

953第二次魔界大戦:2015/04/01(水) 22:11:34 ID:SfPaEuB20
「あのエリカって子もすごいよね。グンマ―の民ですら諦めた存在をあそこまで手懐けて愛情を向けられるんだから。
 彼女達だけじゃない。あかりも、モモも、黒子もそうだ。本当の一般人だろうに、僕も魔物も恐れた様子がない。
 会うことはできなかったけど、赤竜さんとフレクザィードの心を動かしたバサラという人もすごいよ。
 赤竜さんはわからないけど、フレクザィードとは長いこと一緒にいたからわかる。彼は僕以上に人間に憎悪の感情を持っていたのに。
 ああ、小鳥さんもすごいね。どういった経緯であの赤竜さんを怖がらずに着いていく気になったんだろう」
「それと、レスト様が、どう関係するんですか……」

以前は撫でられたら尻尾を揺らしていたサクヤも、今は尻尾が垂れたままだ。
はぐらかすような主の態度と事の問題が大きいだけに、喜びよりも悲しみの感情が勝ってしまう。

「……まどかや彼女達なら、きっとこの殺し合いが終わった後に、本当に人間と魔物の共存関係を築き上げてくれそうな気がする。
 僕は、魔物への理解を示す人間なんていないと決めて、多くの人間を斬ってきた。僕が、魔物達を守らなきゃって思ってた。
 でももう――僕の役目は終わりなんだよ。僕がいなくても、もっと心優しく人間にも魔物にも手を差し伸べられる子がいるんだから」

役目の終わり。
少し寂しげに、しかしそれを受け入れたように穏やかな声でレストはそれを口にする。
ここの魔物は、多くの人間を排除して自然を取り戻す道より、協力しあっていく共存の道を選んだ。
たとえそれが現状による一時的なものであるにしろ、一時的とはいえその道を歩んでいるということが重要なのだ。
今その道を歩めるということは、この後も歩むことは可能だということなのだから。

「僕の元々の思想は砕かれた。そんな僕に、今なにができるのか。
 決まっているよね? 魔物達やまどかが望んだ、そしてかつての僕が望んだ……人と魔物が共に暮らせる未来を切り開く。
 戦いに明け暮れ、行く先々で化物と言われ、そして今度は正真正銘の化物になってしまいそうな僕の居場所は戦場しかない。
 平和な未来に、僕みたいに穢れきった人間は必要ないし、彼女たちが戦いの中でこれ以上手を汚す必要もない――限界まで僕が殺る」
「……少なくとも、私はあなたを必要としています」
「ふふ、嘘でも嬉しいね」
「大丈夫です。まだ共に過ごした時間は短いですけれど、レスト様が優しい方だということははっきりわかります。
 きっともう少し時間をかければ、人間も魔物も関係なくわかってくれます」
「その時間がなさそうだけどね」
「そしてレスト様は強いです。そんな瘴気なんかに呑まれる人ではありません」
「これは僕にとっても未知の状態異常だ。克服できる確証はないよ」
「……頼りないかもしれませんが、私は聖光の神で、五行説では土を象徴する存在です。
 大地の守り人であるあなたに、闇を払う加護と土の恩恵をもたらしてみせます」
「ふっ……君の本来の主を、目の前で叩き斬ったいわば仇に、よくここまで肩入れしてくれるね」
「本当はあの時、私も死んでいるはずでした。私をこんな風にしたのは、レスト様なんですよ?」
「ちょっと全身撫でただけじゃないか。それでここまでするのは、尻軽ってやつじゃないかな」
「なんとでも言ってください。前のマスターからのあだ名が開幕欠損即イキビッチの私にはその程度の言葉責めは効きませんよ?」
「ぶっ!? ビッチなの!?」
「ビビビビッチ違います! あくまであだ名ですから!」

しばらく続いた主と従者の受け答えが、なんとも言えない言葉で一度終局を迎える。
どこか張りつめていた空気も、間抜けなまでに解されていく。

「やれやれ、折れないねサクヤも……」
「ええ。誰がなんと言おうと、私はあなたにつきます。万が一、闇に呑まれてしまったとしても」
「そっか……ありがとう」

くしゃりと頭を撫でながら、感謝の言葉が伝えられる。

「少し、救われたよ。だからこそ――僕は君も守りたい」
「え――」

次の瞬間、触れていた掌から淡い光が放たれる。
それに反応することもできないまま、サクヤは光の粒となってその場から掻き消えた。
現在、レストの管理下にある魔物はサクヤとウォークライの二人。魔物と明確な主従関係が構成されている場合……
アースマイトは従者の魔物に対して、主の身代わりとなるか、拠点への強制帰還を命じることができるのだ。
レストが今行使したのは後者、すなわち都庁の世界樹への強制帰還だった。

「さーて……そろそろ出てきなよ。あの意味不明な歌を歌わないで隠密行動ってのは成長したとは思うけど、殺気が隠せてないよ?」

954第二次魔界大戦:2015/04/01(水) 22:12:22 ID:SfPaEuB20
誰もいないはずの場所に声を投げかけると、景色が揺らいだ。
影薄組のような気配の薄さ、ではない。

「「SATUGAIセヨ! SATUGAIセヨ!」」

光学迷彩服を纏った、DMC狂信者だ。
しかしその手には何も持っていない。
機動兵器に乗るでも、魔界魔法を放つでも、銃を持つでもない。
ただ、他の狂信者達と比べて明らかに発達した肉体を持つ――マッスル狂信者の群れだった。
彼らは狂信者ではあるが、馬鹿ではない。
前回の襲撃の際にレストに属性魔法が効果をなさないことを知った彼らは、純粋な力で挑みかかってきたのだ。

「はは、思ったより早くきたね。――手間が省けて助かるよ」





無数の襲い掛かるマッスル狂信者の大群の中に、レストはただ一人で身を踊りいれた。
入れ替わり、立ち代わり、怒涛の勢いで押し寄せる肉弾の嵐。
その攻撃に流派は感じない。柔道、空手、喧嘩殺法、ボクシング……あらゆる格闘技の技が織り交ぜられている。
彼らはクラウザーさん復活のためだけに、肉体の限界を超えて技を短期間で習得した狂信者達であった。

「あっははははははは! やっぱり首輪がないのはいいね!」

だが、その鍛えられたマッスル狂信者達はわけもわからなかっただろう。
確かに報告を聞いたはずだ。都庁の最大戦力、冥闇に堕した者を一撃粉砕してみせた青年の弱点は物理攻撃だと。
それだというのに、何故技を繰り出した自分たちの拳や脚が、逆に見るも無残な潰れたザクロに成り果てるのか。
彼らは知らない。制限状態であっても、鬼の顔面陥没パンチを平然と耐える程にレストの肉体は異常に硬いことを。

「ひ――」

ある狂信者は、確かに恐怖を感じた。
自分達が死ねば、それはそれでクラウザーさん復活へ近づくということは理解している筈の狂信者がである。
触れれば潰され、触れられたら粉微塵にされる。
白い服を返り血で染め上げながら、レストは流れるような動きで、素手で相手の身体を容易く抉り取る。
戦いなどとは言えない、ただの殺戮。まるで何かの鬱憤を晴らすような、理不尽な暴力が狂信者を狩りつくす。

「ちっ……どいてろ貴様ら」
「へぇ、君がこの格闘家軍団の頭かな? 随分と化物染みた格好だね」
「ほざけっ!」

そんな暴虐の宴の中に、一人の男が文字通りに舞い降りた。
悪魔のような角、悪魔のような翼、悪魔のような尻尾……否、悪魔そのものであり、DMC狂信者幹部の一人――三島一八その人だった。

一八こそ、このマッスル狂信者を率いてきた存在だ。
先の襲撃で冥竜が敗れた以上、生半可な力の持ち主では都庁を倒せないと知った彼らは作戦を練った。
明智光秀より仮面ライダーとの共同計画を聞かされてはいたが、その仮面ライダーもいずれ殺すのだ。
そんな相手の協力をわざわざしなければならないというのは癪であったし、なによりも一八は惜しいと思ったのだ。
冥竜を一撃で消し飛ばす程の格闘家、爆弾で殺す前に自分の手で討ち取ってみたいと、格闘家としての血が騒いでしまった。
この男の弱点は意外にも物理攻撃だという。だからこそ特に覚えのよかった狂信者を引き連れて、戦いを挑んだ。
だが技を教えた付け焼き刃の狂信者はご覧のザマ、やはり俺自身が奴の首をとってクラウザーさんに捧げるべきだと……

「――もう、容赦も、遠慮もしないよ?」

にやりと笑ったその顔を見た瞬間、一八は本能的に全ての思考を放棄した。
ただただ、走馬灯のように流れる聞きなれたクラウザーさんの歌声を脳内へ求めて旅立ったのだ。
格闘家としてだとか、デビルとしてのプライドだとか、そんなものは投げ捨てた。
一八が強者だからこそ、彼は目の前の青年から繰り出される、首輪の制限も遠慮もない拳の異常さを感じ取ってしまった。

955第二次魔界大戦:2015/04/01(水) 22:12:51 ID:SfPaEuB20
一八に付き従っていた狂信者は、一八の行動が理解できない。
彼らは一八ほどの域に達していないためだからだ。
振るわれる、レストの拳。その威力を数値化し、何かと比べた場合、どうなるか。

かつて彼と同郷であり、世界を支配できるだけの力を持つ大いなる神と呼ばれるドラゴンがいた。
彼女の神竜としての腕力はおよそ3000。神を名乗れるだけの存在の腕力3000を基準とするならば。
限界までレベルを上げ、ドーピング薬に頼っていなかった場合のレストの腕力は。
表面上の測定限界値は99999、そして内部値においてはその上昇は実は止まっておらず、およそ200000である。
とてもではないが、人間が持っていい腕力でなければ、デビルとはいえ一応分類は人間の一八に対して打ち込んでいい代物ではない。
もっとも、その無慈悲な拳を止める気をレストが持ち合わせているわけもなく。
その力を察した一八も、察せなかったマッスル狂信者も、仲良く屑肉以下の細かな深紅の飛沫となって緑の大地を彩った。

【三島一八@鉄拳6】死亡確認
【マッスル狂信者の群れ@デトロイト・メタル・シティ】死亡確認


「……この程度か。再襲撃にしては随分と弱いね」


「ウヲヲヲヲヲヲヲヲヲッ!」

だが、敵は一八の率いる軍団だけではなかった。
第二波、おそらくは格闘集団が敗れた際に備えていたのであろう軍勢が飛び出してきた。
今度はあからさまな悪魔、一つ眼の象が猛然とレストに突進をぶちかます。
だが今更象の悪魔の突進程度で動ずるレストではない。カウンターの拳打で、一八達と同じように葬り去ろうとする。

「っ!? ごほっ!?」

だが、ダメージによりぐらついたのはレストの方であった。
そして吐血こそないものの、不可視の一撃を受けた彼は困惑してさらに一歩後ずさる。
一度脱いでいた上着を纏い――僅かに減少していた装備品分の耐性を元に戻してなお、攻めあぐねていた。

(今の一撃は……あの象のものじゃない。まるで、自分で自分を殴った時のような……)


「なるほど、確かに貴様の弱点が物理攻撃というのは間違ってはいないらしいな」
「やれやれ、あっさり逝ってしまって一八め……だから最初から、僕らに任せておけと言ったんだ」


象の悪魔の後ろには、二人の青年が立っていた。
白い学ランの青年と、逆に全身黒づくめのコートの青年が。

956第二次魔界大戦:2015/04/01(水) 22:13:24 ID:SfPaEuB20
「ふん、たかがファン歴が長いだけの野蛮な男が幹部などとは笑わせる。
 連れていた信者も有象無象の類では、勝てる戦も勝てぬというものよ……」
「まあそういうな大和。君だって最初はクラウザーさんの歌のことを、愚民どものくだらない娯楽だと言っていただろう?」
「ち……あれは私の人生において最も恥ずべき汚点だ。もっと早くからクラウザーさんと出会えていれば……」
「まあ今の君のクラウザーさんへの想いと、悪魔使いとしての強さは認めてるよ。だからこうしてここに来たんだからね」

一人は、一八と同じく狂信者幹部を務める狭間偉出夫。
もう一人は、その狭間が認める高位の悪魔使い狂信者、峰津院大和。
狭間はアームターミナル型COMPから、大和は携帯に内蔵された召喚アプリから悪魔を呼び出す所謂デビルサマナーだ。
彼らの後ろに控える狂信者も召喚アプリに適応した者であったり、狭間から直々に魔界魔法を叩き込まれたサマナー揃いであった。

「さて……今の様子を見る限りでは、奴のふざけた攻撃も所詮は物理攻撃の範疇。このままギリメカラで完封できるやもしれんが……」

そして大和が繰り出した悪魔の名はギリメカラ。
この名前を聞くだけで露骨に嫌な顔をするメガテニストもいるというほど悪名高い悪魔である。
その特性はシリーズ毎に微妙に変わるが、後期のものには揃って最悪な能力を引っ提げている。
それが――物理攻撃の完全反射である。よってオート戦闘をしたプレイヤーはそのままゲームオーバー。
完全なる反射であり、どれだけ高威力の物理攻撃でもダメージはそのまま跳ね返り『貫通は絶対に不可能』である。
これを貫くには、物理攻撃の枠を飛び出した、神の炎を纏わせた万能属性の一撃しかない。

「物理反射とはやってくれるね――ぺネトレイトソニック」
「ヴォォォッ!?」

しかしギリメカラは、レストが放った風の刃に切り刻まれてあっさりと死んだ。
物理反射と呪殺以外の耐性はザルなのがギリメカラ、オート戦闘さえしなければ言う程苦労はしないのだ。

【ギリメカラ@女神転生シリーズ】死亡確認

「ち……やはりこの程度の悪魔では物理反射も活かしきれないか」
「だが今の攻撃で確信したよ、大和。この勝負――僕らの勝ちだ」

だが、ギリメカラが倒されてもリーダー格の二人はまるで動じない。
それどころか、勝利すら確信していた。

「その機械から悪魔を呼び出しているのか。なら君らもろともそれを壊せば……!」

「無駄だ愚民。私も、そして狭間のCOMPにも召喚アプリを流用して物理反射のスキルをセットしてある」
「なっ!?」
「そして今、君はギリメカラを倒すのに風の魔法を使った。悪魔は同名でもスキルや弱点、種族まで変化するおもしろい生き物だ。
 そんな彼らを確実に倒すなら、ある程度強さをもった悪魔使いは無属性、万能属性の魔法を使う。
 それをしないってことは……君は、そういった魔法は使えないってことだ」

大和と狭間の言葉に、レストは一度退いて態勢を立て直した。
狭間の言うとおり、レストが操れる魔法は火、水、土、風、光、闇のみ。
いわゆるどんな敵にも通用する無や万能属性の魔法は使えない。
だが腕力が異常な時点で察せそうだが、彼は魔法攻撃力まで異常な値となっている。

「まさか、君らまで風鳴翼のように全属性吸収ってことはないだろう? なら普通に焼き尽くすまでだ!」

爆炎が放たれ――

「絶一門・火炎!」

ることなく、魔力を練る段階でそれは封じられた。
今の叫び声は、後ろに控えるサマナー狂信者のものだろう。

「物理反射を貫けるのは万能、無属性のみ。それ以外の魔法は全て絶一門スキルで封ずることができる」
「まあ僕らも絶一門時はその属性魔法が使えなくなるけど、それは大した問題じゃあない。何故なら……」

957第二次魔界大戦:2015/04/01(水) 22:13:53 ID:SfPaEuB20
「「 メ ギ ド ラ オ ン  」」

狭間と大和が、同時に叫ぶ。
その魔法こそが、万能属性の魔法。
いかなる手段をもってしても、防ぎきることも封印することも吸収することもできない、最強の属性たる魔法。
神の紫炎は、全てを飲みこんでいく。

「手を休めるな! 貴様らも続け!」

「「SATUGAIセヨ! SATUGAIセヨ!」」

「「奴をレイプ! レイプ! レイプ!」」

「「クラウザーさんへの生贄にするんだー!」」

「「「「 メギド メギド メギド メギド メギド メギド メギド メギド メギド メギド メギド メギド 」」」」

「「「「 メギド メギド メギド メギド メギド メギド メギド メギド メギド メギド メギド メギド 」」」」

二人ほどではないが、しごかれた狂信者達からも神の炎が絶え間なく放たれていく。
無敵とも言えるこのメギド系魔法の唯一の欠点は消費魔力が馬鹿にならない点であるが、彼らはそれさえ克服している。
狂信者必須アイテム、スマホ。その中に入っているクラウザーさんの歌を聞くだけで彼らには魔力切れという概念とは無縁だ。

「「「「 メギド メギド メギド メギド メギド メギド メギド メギド メギド メギド メギド メギド 」」」」

相手が普通ではないことは冥竜や一八の犠牲で嫌という程理解している。
だが物理反射+属性魔法封印or吸収は、万能属性攻撃を持たない相手には完封状態を生み出せる。
相手も全属性を吸収する化物だが、万能属性はその吸収対象外。このまま撃ち続ければいつかは撃破できるのである。
狭間の作戦は、一八のものとは異なり、盤石の構えであった。
さらに新入りとはいえ類い稀な統率力と力を持つ大和を連れてくることにより、他の狂信者達の統率も可能となった。

「ああ、クラウザーさん。今あなたに極上の生贄を捧げます」


「「「「 メギド メギド メギド メギド メギド メギド メギド メギ――


「 始 原 の 印 術 ! 」


メギドを放っていた狂信者の一角が、突然の大爆発により吹き飛ばされる。

「これ以上は、やらせません!」
「グオオオオオォォォォォウ!」

何事だと狭間と大和が構えれば、ウォークライの背に乗ったサクヤが魔道書を構えていた。
さらにウォークライも両手で何かを持っており、彼らがレストの援軍で再び駆けつけたということは明らかだった。

「ふん、雑魚共が私達に立てつこうというのか? そこで無様に燃えている男と金色の魔王以外は私達の敵ですらない」
「大和、油断はするな。奴らは悪魔に分類すれば龍王と神獣。おそらくこの二匹があの男の連れている手勢と考えていいだろう」
「いまさら雑魚共を呼び寄せ、メギド部隊の一部を倒したとしても既に召喚者は死に――」

958第二次魔界大戦:2015/04/01(水) 22:14:27 ID:SfPaEuB20
「ふー……どうして戻ってきちゃうかなサクヤは。それにウォークライまで連れて」
「だからなんでレスト様は一人で戦おうとするんですか! ご自身の弱点を把握されていないわけではないでしょう!?」
「いやー、ははは……うん、正直こうも簡単に僕への対策が練られるとは思ってなかったんだ。情けない主でごめん」
「もう……急いで世界樹の不思議のダンジョンから、無属性魔法の始原の印術書を拾ってきましたから、お使いください」
「いやいや、折角拾ってきたならそれは拾ったサクヤのものだよ。四源と始原で噛みあってるし」

「「なっ……!?」」

狭間と大和も、控えているサマナー狂信者も、誰もが絶句した。
あれだけ神の炎で焼き払ったというのに、その相手はぴんぴんして普通に増援と会話をしている。
その増援も動じた様子はなく、主人が生きているのは当たり前であるといった様子である。

「どうせまた強制送還しても戻ってくるんだろうけど……結構派手な殺し合いになるよ?、それでも二人とも来るのかい?」
「勿論です」
「グォウ!」

「ち……私と同じく、奴も万能属性に耐性を持っているということか。
 だがその左右の龍王と神獣を葬れば、サマリカームが機能しない今、奴は再び攻撃の手段を失う」
「全員、絶一門を維持したまま左右の悪魔を片づけることに専念しろ!」

狂信者と、世界樹の門番三人が再び対峙する。
お互いが強力な耐性を持ち、攻撃の手段が限られている現状では数の多い狂信者が有利。
そして先にも言った通り、狭間のこの襲撃作戦は盤石のものであった。
メギドの嵐を浴びてほとんどダメージを受けていない相手の体力値こそ想定外ではあったものの。
相手がこちらの物理反射及び絶一門の構えを突破する無、万能属性の攻撃を持っていた場合への対処も。
しっかりと、考えられていた。

「こうなったら仕方がない。プランCで行くよ大和」
「わかっている」

狭間と大和が、常人にはわからない何かを呟く。
すると二人の身体が宙へと浮いた。

「私は峰津院家の長、峰津院大和。この大地を巡る龍脈を操ることができる。龍脈にも色々な使い道があってな……
 一つは、大阪の通天閣とクラウザーさんのライブ会場から流れる龍脈とクラウザニウムを我が体に宿すことで私を超強化……
 そしてもう一つ、ここが東京都庁ということが幸いした。都庁の地下に奥の手を隠し持っているのは、貴様らだけではないのだよ!」
「僕はクラウザーさんを奪ったこの世に罰を下さなければならない。クラウザーさんが生き返っても罰を与え続けなければならない。
 クラウザーさんは――神だ。あの方は謙遜して魔王を自称されているが、あの方こそ魔界神。
 だから僕は……同じ位に立つことはおこがましくてできないから、その一つ下の階級『魔神皇』として、罰を与える……!」

大和が、黄金の光に包まれる。彼の変化はそれだけだ。
だが狭間の方は、人の姿から巨大な顔と手を持つ異形の存在――『魔神皇ハザマ』と化していく。
そしてハザマの手から、強力なエネルギーの槍が間髪入れずに放たれた。
狙うのはレストでも護衛の二匹でも世界樹でもなく、地面であった。


「目覚めろ――龍脈の龍よ。そして手始めに、あのセプテントリオンを始末しろ」





959第二次魔界大戦:2015/04/01(水) 22:15:00 ID:SfPaEuB20
それは、一瞬の出来事。
魔神皇の力によって、都庁地下に隠されていた峰津院の龍脈召喚の陣が起動した。
直後に召喚陣から飛び出してきたのは、三竜や神樹すら凌駕する……否、巨大な樹となった都庁をも超える大きさの異形の龍。
頭部のみの姿、自身で自身に噛みつく形で無限とも思える程に長大に連なった龍脈の龍。
一度天を衝き、やがて先端の頭部が狙ったのは世界樹の頂上にぶらさがり続けていたセプテントリオン、ミザール。

「ΩΩΩ、Φθ$ё……!」

突然の攻撃に、ミザールはまるで反応が間に合わず、龍脈の龍に思い切り噛みつかれてしまう。
しかしぶら下がり続け健康になった今の自分は以前とは違う、何しろ触手が増えているのだと果敢に反撃を試みる。
二本の触手で世界樹にしがみつき、新たに生えた4本の触手で龍脈の龍へ高速の突きと全てを粉砕する主星の圧撃を叩きつけた。
驚異的な増殖能力に加え、この触手を用いた強力な物理攻撃こそがミザールが持つ能力だ。

「ЁЁ……!?」

だが、ミザールは知らなかった。
龍脈の龍が持つ能力の一つは、物理攻撃の吸収。どれだけ攻撃しようとも、全て吸収されて逆に相手の傷を癒してしまう。
さらに本来の龍脈の力に加え、峰津院大和が独断で流し込んだクラウザー成分により、龍脈の龍は殺意全開。
必死の抵抗を嘲笑うかのように、龍脈の龍はミザールを噛みちぎり、分裂を許さない速度で次々に飲みこんでいった。

【セプテントリオン・ミザール@デビルサバイバー2】増殖不能、死亡確認

「な……」

そのあまりの光景に、レスト達は全く動くことができなかった。
いやもし仮に動けたとして、龍脈の龍を止めることなどできなかっただろう。

「いいぞ、そのまま――世界樹もレイプしろ」

大和が龍脈の龍へと指示を出す。
既に召喚時から龍脈の龍の巨体は世界樹全体へと巻き付いており、三竜が施した結界を破り世界樹そのものを締めあげている。
そしてミザールを食べ終えた頭部は、手頃に齧りつけそうな世界樹の幹へと噛みつく。

べき、べきべき、ばきりと、樹が噛み砕かれていく嫌な音が響き渡った。
その音はおそらく、関東全域に広まったことだろう。そもそも龍脈の龍があげた咆哮で、手の空いていた参加者の多くが世界樹を見ていた。
巨大な龍が、紫色の怪物を捕食し、魔物の巣窟である世界樹を喰わんとしている。
――怪獣大戦争。モブ参加者の頭の中には、そんな言葉が浮かんできたという。


「行って、セルちゃん!」
「神樹、お相手をしてさしあげて」



「 に し ゃ あ あ あ あ あ ! 」
「 シ ン ジ ュ ― ッ ! 」

960第二次魔界大戦:2015/04/01(水) 22:15:39 ID:SfPaEuB20
眩い閃光。
直後に現れた異形の存在により、噛みついていた龍脈の龍の頭が粉砕される。
すぐさまその粉砕された頭に噛みついていた別の龍脈の龍の頭が先頭の役割を果たすが、それでも大きくのけぞり後退した。


「にしゃあああああ!」
「おいおい、なんだってんだこのふざけたドラゴンは?」


そして大地を揺るがしながら、モンスターボールから繰り出された二体は地表へと降り立った。
新たな怪獣の投入――フォレスト・セルとその頭部にドッキングした歪みし豊穣の神樹である。
二人の巨体が縦に合わさったことにより、その身長は世界樹をも上回り、龍脈の龍へ対抗できる大きさとなっていた。
さらに……

「私も、戦う! サウザンドネイル!」

どこからかまどかの声が響くと同時に――世界樹そのものが動いた。
無数に伸びた枝の一部が、まるで鉤爪のような動きをし、龍脈の龍の身体を掴んで拘束する。

「ば、馬鹿な!? 何が起きている!?」
「あの黒い怪物は、首相官邸にいたはずじゃあ!?」
「この声は……まどか? それに神樹は……」

地上では誰もが混乱状態に陥っていた。
超大型の怪物が次から次へと繰り出され、さらには世界樹そのものが意思を持って動き始めたのだ。
ハザマの計画でも、ここまでは想定されていなかった。

『レストさん、聞こえる!?』
「まどか……まさか君は……!」
『うん。今私は――世界樹と同化している。雷竜さんから教えてもらったんだ。本来は男の王様がとる戦法らしいんだけどね』

「何をしている龍脈の龍よ! その化物共を始末して世界樹を圧し折れ!」

「にしゃあああああ!」
「ガアアアアアアア!」

再び牙を剥く龍脈の龍と、フォレスト・セルの触手が激しくぶつかり合う。
そこへ黒い鉤爪も加勢し、龍脈の龍は大口を開けたまま固定された。
そのまま触手が上下へと動き、龍脈の龍の頭部は引き裂かれて地面へと落下していく。
吸収の限度を超えた、圧倒的な怒りの力が龍脈の龍の守護を貫通しているのだ。

「よぉ、さっきはエリカを治してくれてありがとうな」
「神樹、君達はこんな連中の相手より、仲間のところへ急ぐべきじゃないのか?」
「エリカが俺達を助けてくれたあんたらの助太刀をするって言ってるんだ。俺はそれに従うまでよ。
 それにまだあっちには桑原がいる。ユーノならあのオカマ野郎の危険性わかるだろうし、次元刀で逃げ延びてくれるだろうぜ」

「ガアアアアアア!」

「うおっと! というわけだから、このドラゴンは俺とフォレスト・セルが始末してやんよ!」

左右から繰り出された尖った神樹の蕾が、龍脈の龍の両眼を貫く。
それに怯んだところを、今度は口内に炎を流し込んで爆散させた。

961第二次魔界大戦:2015/04/01(水) 22:16:12 ID:SfPaEuB20
龍脈の龍の頭部は無数に存在する。数個破壊したところで、次から次へと新たな頭が世界樹が生み出した二大怪物へと襲いかかる。
それを食い止めるように、世界樹の葉が盾の役割を果たしたりすることもある。
同化した世界樹の巫女たるまどかの力であり、今世界樹が傷つけばそれはそのまままどかへのダメージとなる。
だからこそフォレスト・セルは最初からアクティベイト状態、全力で龍脈の龍を始末しにかかっている。
それにドッキングした神樹は飼い主のエリカの命により、そして元は世界樹である彼も今の世界樹を守りたいと思い、容赦なく暴れる。
その光景を見たモブ参加者は、怪獣超戦争と題を改めてカオスロワちゃんねるに書き込みをするのであった。

「はは……まったくまどかには敵わないなぁ。そんな簡単に、人の体を捨てて自ら危険な目に遭いに行くなんて。
 風鳴翼のようになるかもしれない、本当に人間じゃなくなるかもしれないって恐怖してた僕が馬鹿みたいじゃないか」

そしてそんな怪獣超戦争の中で、レストは己の右腕に力を込めつつ道具袋の中から巨大な何かを取り出した。

「ついさっきまで普通の女の子だったまどかがあれだけ体を張ってるんだ。僕もやらなくてどうする。
 今まで散々化物呼ばわりされてきたんだ。今更姿形が変わろうが大差ないし、こんな力ごときに呑まれてたまるか!」

それは、巨大な石版とも見える竜の鱗だった。
三竜の鱗の中でも特に鋭く頑強であり竜の力を蓄えたそれは、彼らも一枚しか持っていない逆鱗と呼ばれる部位。
この3枚を加工すれば最強の剣が生み出せ、三竜もその思惑からレストに託した素材なのだが……

「本当はこの使い方はしたくなかったけど……古代秘術――エーテルリンク!」

モンスターボールのものとは異なる、閃光。
誰もがその光に一瞬目を閉じ、そして再び目を開けた瞬間。

「なん……だと……!?」

誰もが、化物を見つけてしまった。


「はは、ここまで細かくエーテルリンクできるとは、これは風鳴翼の力の恩恵かな? うん――悪くない」


レストが発動した禁術は、魔物と人の融合魔法。
素体となる者に、変化したい対象の鱗の一枚でも掛け合わせるだけでその力の大部分を行使でき、完璧に同一の姿となれるものだ。
生きた者を融合素材として取り込むことさえ可能であり、術者の力が強ければそのまま相手の精神を殺して乗っ取ることもできる。
かつてのレストの怨敵はこの術を用いて人間から神となったが、今この場に降臨した存在はそれ以上だ。
大きく異なる点は、レストが竜の体そのものではなく人間の体を維持した言わば人竜であるということ。
各竜を模倣するのではない。神をも超える力を持つ彼の肉体をベースに、竜の力を加算させた姿。

三竜の中で唯一二足歩行が可能であり、大地を踏むだけで強固な氷の盾を生み出せる氷竜の強靭な脚と翼。
三竜の中で最も鋭く、全てを薙ぎ払い噛み砕く屈強な赤竜の剛爪と牙。
三竜の中で最も美しく、敵対者を翻弄する技を繰り出す荘厳な雷竜の角と長尾。

伝説の竜になるのではなく、その力の全てを掌握して従える。完全に人の枠から飛び出た化物。

「レスト様……」
「グオオン!」

事前に彼の奥の手の一つを聞かされていた従者二人でも、驚かずにはいられなかった。
エーテルリンク最大の弱点は、融合状態を長時間続けると元の姿に戻れなくなるという点だが、彼は最初からそれを考慮していない。
混沌の力に呑まれればどの道化物と化す。抗えても既に異常な力を持っている自分は化物と同義。
ただただ敵対者を撃滅するためだけに、その力は振るわれる。もはや人間に戻る気などはないのだ。
そしてサクヤが魔術書を持参したように、ウォークライもレストの助けとなるある道具を持参してきていた。
むしろそれこそが、レストにエーテルリンク発動のきっかけを作ったと言っても過言ではない。

962第二次魔界大戦:2015/04/01(水) 22:16:39 ID:SfPaEuB20
ウォークライが人竜と化したレストの前に、どさりと何かを差し出す。
それは、死後かなりの時間が経過した屍であった。
死体の分際で黄金に輝くそれは不思議と力を放っている。

人はソレを――真竜ニアラと呼ぶ。

この世界樹、東京都庁において、一番最初に犠牲となったウォークライの元主人である。
野球チームに所属していた仲間の真竜に情けないと言われた、可愛そうな金ピカである。
並行世界においても色々と醜態をさらしていそうな雰囲気までする、残念なドラゴンの屍である。
これが一般の相手に対する贈り物であれば、こんな生ごみよこすんじゃないと憤慨されるところだろう。

「追加エーテルリンク――真竜ニアラ」

だがレストは、躊躇わずにその生ごみ(の鱗)とも融合してみせる。
ウォークライも内心ではこの生ごみが本当に役に立つのか不安ではあった。
やたらと派手好きであり、その脚から生えた青いよくわかんない部位は本当になんのためにあるのかとか疑念は尽きなかった。
さらに公式で出オチ、下品、無価値、醜い、最悪、邪魔、相当イタい、存在そのものが罪などとボロクソに言われる竜だ。
不安になるなという方が無理だろう。

「……どのパーツ出しても邪魔になるな。この王冠っぽい装飾だけでいいや」

案の定、融合完了したレストからの評価もいまいちであり、ニアラとの融合を証明するのは頭部の王冠っぽい部分のみ。

「――だけど能力は、今の状況下では最高だね」
「っ来るか人外! 総員構えろ! もう一度取り巻き共もろともメギドで焼き払え!」

「ゴアアアアアアァァァァァ!」
「たとえ微々たるものでも、レスト様を傷つける魔法は許しません!」

「うぐ!? ハ、ハザマ様! 俺達のスキルが全部使えなく……!?」
「なにっ!?」

身構える狂信者に対して、それよりも先にウォークライとサクヤが動く。
ウォークライの口から放たれたのは、かつてミケ・ザカリアスとニセアカギを都庁から追放したタイフーンハウル。
サクヤの手から放たれたのは、彼女の先制能力の一つである封印の波動。
双方共、相手のパッシブスキルを除いた全スキルを一定時間封じる強力な力を持っている。
さらにタイフーンハウルは付加効果が無くとも無属性の強力な全体攻撃であり、狂信者の隊列を乱すには十分であった。
そこに、竜の力を上乗せしたレストが襲いかかる。

赤竜の力『赤竜の猛攻』――物理・魔法攻撃力を約2倍に
氷竜の力『ミラーシールド』――連続使用はできないが、万能属性を含む全ての攻撃を無効化しカウンター
雷竜の力『古竜の呪撃』――与えたダメージの200%分体力を回復

そしてニアラの、真竜の力が発動される。


『キリングリアクト』――敵対者を死亡させた場合、即座に再行動が可能となる
『真竜ブレス』――使用者の魔法攻撃力依存の普通のブレス。ただし『無』属性


「ぐああああ! クラウザーさんばんざぁぁぁぁぁぁ……!」

信者の一人が呪撃を浴びて消し飛んだ――次の瞬間。キリングリアクト発動、Action+1!
即座に再行動、手に入れた竜の尾でまとめて一団が薙ぎ払われる。キリングリアクト発動、Action+1!
続いて人間の口から爆音と共にブレスが吐き出される。キリングリアクト発動、Action+1!
蹴り飛ばされ、殴り飛ばされ、引き千切られ、踏み砕かれ、裁断され、貫かれ……
キリングリアクト発動、Action+1! キリングリアクト発動、Action+1! キリングリアクト発動、Action+1……!



963第二次魔界大戦:2015/04/01(水) 22:17:10 ID:SfPaEuB20
リアクト中は、同じような即座に再行動が可能になるか超スピードの能力を持ってでもいない限り、誰も割り込めない。
そして行動はあくまで1ターン内の再行動であるため、能力を知らない者は同一時間内で仲間が惨殺される光景を目の当たりにする。

「オオォ……!」

ウォークライは感動していた。これこそが、キリングリアクト本来の使い道であると。
折角の再行動時に最大体力の4%しか回復しないへちょい再生能力を使ってチャンスを捨てる馬鹿な元主人とは大違いであると。
数多の竜を屠り、数多の竜の力を自在に使いこなす彼にこそ、自分は仕えるべきであったのだと。

瞬く間に狂信者は死んでいく。
フォレスト・セルと神樹の力であれば、龍脈の龍を相手取りながら隙を見て狂信者の群れを全滅させることはできただろう。
しかしながら彼らはあまりにも強すぎ、手加減の仕方というものを知らず、攻撃範囲が広すぎる。
ハルマゲドンをこの至近距離で発動させた場合、確実に余波で世界樹に被害がでてしまう。
だがレストはそれに並ぶ力を持ちながら、かつての侵入者に見せたように手加減ができる。
強力無比な竜の力を上乗せしたとはいえベースは人間であるレストであり、その攻撃可能範囲はどうしても本家に劣るが、
逆にそれが世界樹に被害を出さないまま、相手だけを殲滅できる武器となっているのだ。
数千人の狂信者を相手にちまちまと殺していては時間がかかるが、その問題点もキリングリアクトが補う。

「っ!」
「ようやく、捉えたぞ人外!」

だがついに、リアクトタイムが終了する。
龍脈を身体の隅々まで巡らせ超速移動する大和の物理反射が、レストの攻撃を弾いたのだ。

「さすがに一筋縄じゃいかないか。できれば君らなんかの相手をするより、あの巨大な龍をどうにかしたいんだけどね」
「黙れ人外。貴様なぞに私達の邪魔はさせぬぞ。今しがたミザールは始末した。あとはクラウザーさんを生き返らせ……
 最後のセプテントリオン、ベネトナシュを倒せば管理者ポラリスへの謁見が可能となる筈なのだ!」
「まあ、大和の管理者に頼んで世界をクラウザーさん主義に書き換える作戦が上手くいかなくても問題はないんだけどね。
 クラウザーさんを理解しない者には全て僕が罰を下す。そうすればどちみちクラウザーさん主義の世界は生まれる!」
「そんなよくわからない世界はごめんだね!」

さらに割って入ってきたハザマの巨大な拳に対して、レストが拳を突き返す。

「無駄だ、魔神皇の力を舐めるな!」
「っ! 腹が立つなぁそのインチキスキル!」

だがやはり、物理反射のスキルがそれを防ぐ。
竜の力を加算させても、やはりこのスキルだけは突破することはできないということだ。

「メギドラオ「ミラーシールド!」っこの!」
「ふむ、どうやら厄介な盾のようだが、私の速度なら背後から盾が生成される前に「始原の印術!」ぐあっ!?」

ハザマがメギドラオンを発動するよりも早く、氷の盾が生み出される。
超速移動により盾が生成されきる前に大和が背後を取ったかと思えば、その場所へサクヤの印術が放たれる。
門番達と狂信者達の戦いは一進一退の攻防が繰り広げられていた。

「つくづく邪魔な連中だ……! 現れろ『邪神 ニャルラトホテプ』『天使 メタトロン』!」

さらにその場に、大和の携帯から呼び出された巨大な二体の大いなる存在が現れる。

「我は這い寄る混沌なり。顔無き者なり。クラウザーさん復活を切望する者なり」
「Y・H・V・Hは神などではない! クラウザーさんこそが唯一神である!」

真っ黒な顔無しの悪魔は邪神ニャルラトホテプ。全身メタリックな機械の大天使はメタトロン。
強大な力を持つ二体もまた、例に漏れず熱狂的なクラウザーさんの信者となっていた。

964第二次魔界大戦:2015/04/01(水) 22:17:49 ID:SfPaEuB20
「大和、あまり悪魔は呼び出しすぎるなよ。それも微量とはいえ生体マグネタイトを消費するんだからな」
「わかっている。だが龍脈の力とて無限ではないのだ。出し惜しみせずに目の前の障害を排除する方が先だろう」

「次から次へと……! サクヤ、背中に乗って左右の警戒を頼むよ。ウォークライは後ろを!」
「りょ、了解しました!」
「グオオオオ!」

「「SATUGAIセヨ! SATUGAIセヨ! SATUGAIセヨ!」」

大和が邪神と大天使を従えて空を飛べば、レストも神獣と龍王を従えて空を飛ぶ。
空を飛ぶ必要もなく巨大な魔神皇ハザマはその両の手で獲物を捻りつぶさんとする。
地上からはSATUGAIコールが響き続け、さらに各サマナーも悪魔を召喚してハザマ達の援護へとまわる。

「ゴガアアアアアアア!」
「にっしゃあああああ!」

「セルちゃん、あまり無理はしないでね!」
「神樹、貴方もですよ?」
「わかってるっての! 少なくともあのオカマ野郎を殺すまでは意地でも死なねえ!」

その後ろでは、世界樹を締め上げる超巨大な地龍とそれに真っ向からぶつかる世界樹の権化達。
咆哮だけであらゆる生命体をすくみ上らせ、唸る鉤爪と蕾は見るものの心を折りに行く。

この殺し合いが始まって以降、大規模な戦闘は何回か起こっている。
また拳王連合の手により、多くの地域が壊滅的な被害を受けてもいる。
それに比べれば、現時点ではまだマシな状況だろう。
だがこうも規格外の化物が入り乱れた、誰もが近寄りたくないと思うような戦場は初めてだろう。
半数以上が殺害されてなお、初回よりも人数の多い狂信者のSATUGAIコールも相まって、そこは本当に悪魔の宴会場のようであった。

ただただ、モブ参加者はカオスロワちゃんねるへと書き込みをする。
自分程度が、いやもはやちょっと腕に覚えがある程度の人間が踏み入っていい領域ではない。
あれはそう、あれこそが魔界なのだと、誰もが思い、絶望する。
西も東も地獄絵図。北は凍結、南はロボ化。
逃げ場無きこの世界の混沌は加速していく。


新着スレッド
1:東京と魔界が繋がった (1)
2:大阪方面避難誘導スレ(985)




965第二次魔界大戦:2015/04/01(水) 22:18:21 ID:SfPaEuB20
【二日目・8時45分】
【世界樹近辺】
○世界樹門番三人衆
【レスト@ルーンファクトリー4】
状態:ダメージ(微)、全属性吸収、物理&無属性攻撃88%軽減、攻撃無効化率50%、首輪解除、物攻4倍魔攻2倍、テラカオス化制御中、エーテルリンク中
思考:従者二人を護衛しつつ、ハザマ達狂信者を全滅させる
※候補者の一人となりました。現在はその肉体と竜の力でテラカオスの力を制御していますが、なんらかの要因で抑えきれなくなる可能性もあります
※進行を抑えているため、テラカオス化が進むことによる新たな能力取得はできません

【聖煌天の麒麟・サクヤ@パズドラ】 状態:健康、レストに搭乗中、首輪解除、攻撃力1.5倍、被ダメージ半減
装備:巨大棘鉄球×2、始原の印術書
【ウォークライ@セブンスドラゴン2020】状態:健康、飛行中、首輪解除、攻撃力1.5倍、被ダメージ半減
道具:余った真竜ニアラ
思考:レストの援護をしつつ、ハザマ達狂信者を全滅させる
※レスト直属の魔物のため、装備の恩恵によりステータスが上がっています


☆デビルサマナー狂信者軍
【狭間偉出夫@真・女神転生if...】状態:魔神皇ハザマ(第一形態)、物理反射、メギドラオン習得
装備:アームターミナル型COMP(悪魔数体入り)、サマナー狂信者(残り2500人)
思考:クラウザーさんを殺した世界に対して魔神皇として罰を与える
※クラウザーさん効果で原作以上のステータスとメギドラオンを手に入れています
※ゲーム仕様ではないので、空しくランダマイザを繰り返す残念AIではありません

【峰津院大和@デビルサバイバー2】状態:ダメージ(小)メタトロンに搭乗中、万能耐性
コマンドスキル:メギドラオン、常世の祈り、吸魔
自動効果スキル:物理反射、全門耐性、真・龍脈の秘術
思考:世界樹連中のSATUGAI
※ニャルラトホテプ及びメタトロンが生存している限り、あらゆる攻撃ダメージを半減させます
※真・龍脈の秘術の効果により、邪神族の移動制限効果を受けてなお凄まじい速さで行動できます

【ニャルラトホテプ@女神転生シリーズ】状態:全属性半減
【メタトロン@女神転生シリーズ】状態:物理反射、風雷弱点、自動回復
思考:クラウザーさん復活のために大和に従う
※高位の悪魔ですが、やはり狂信者です

【世界樹・外部】
☆捕食者
【龍脈の龍@デビルサバイバー2】状態:健康、物理吸収、全属性耐性
思考:世界樹を破壊し、食い尽くす
※胴体の一部が外から世界樹を締め上げています

○バケモンとトレーナー
【鹿目まどか@魔法少女まどか☆マギカ】状態:ダメージ(小)、世界樹の巫女、世界樹と同化中
道具:支給品一式 その他不明、モンスターボール(フォレスト・セル)
思考:フォレスト・セルと神樹の援護、世界樹を守り抜く
※世界樹と同化状態のため、世界樹へのダメージを同じく受けます
※世界樹の王@世界樹の迷宮と同じスキルが使用可能です

【エリカ@ポケットモンスター】 状態:健康、衣服損傷、首輪解除
道具:基本支給品一式、モンスターボール×2
思考:世界樹の軍勢を手助けする

【歪みし豊穣の神樹@世界樹の迷宮4】(上)
【フォレスト・セル@新・世界樹の迷宮】(下)
状態:健康、激昂、ポケモン状態、首輪解除、ドッキング中
思考:世界樹と主人(エリカ&まどか)を守りつつ、龍脈の龍を始末する
※手加減ということを知らないので、現時点では世界樹付近への狂信者の群れに攻撃ができません

966第二次魔界大戦:2015/04/01(水) 22:18:54 ID:SfPaEuB20
「負傷者の治療を優先! 準備が整い次第、外敵への迎撃を開始しろ!」

同刻、世界樹内部ではダオスが矢継ぎ早に魔物達に指示を出していた。
これまでにはなかった、世界樹そのものの突然の損傷。世界樹内にいながら出てしまった負傷者の治療。
そしてそれをやってのけた龍脈の龍への対応。彼にはやることも考えることもあまりにも多すぎた。

「おのれ、世界樹を傷つけた罪、万死に値する……!」
「伝令! 現在DMC狂信者と思われる大軍勢とレスト様達が交戦中!」
「やはり奴らか! レストに増援を送るべきか、しかし天魔王軍に拳王連合との戦いを考えると……」

龍脈の龍は確かに目に見えたかつてない脅威である。
しかし敵は狂信者だけではなく、激情のまま全ての戦力をぶつけて万が一があれば、以後の戦いが厳しくなる。
レストの力を信じ、残る戦力を分けて、少なからず消耗しているであろう天魔王軍と拳王連合を同時に叩くべきか。

「狂信者が来たとなると、件の呉島とやらがこの世界樹の地下に到達している可能性も高い。
 捕縛班からの連絡はまだか……?」

【世界樹内部】

○世界樹司令塔
【ダオス@テイルズオブファンタジア】状態:健康、物理攻撃無効、雷耐性低
思考:早急に今後の方針を固める。態勢が整いしだい、狂信者と龍脈の龍に対して世界樹頂上からレーザーによる迎撃
【メガボスゴドラ@ポケモン】状態:健康
思考:ダオスの援護。狂信者が接近してきた場合、ステルスロック

【世界樹連合他メンバー】状態:健康〜ダメージ(?)
思考:状況整理
※少なからず負傷者が出ています

※世界樹の一部が龍脈の龍の攻撃で損傷しました。まどかやフォレスト・セルなど一部の能力者にしか修復はできません
※三竜の結界が破られました。バスターガンダムの砲撃などが来た場合も世界樹が損傷します









――ほんの少し時は遡り、世界樹地下。

「っ! 今の衝撃は何!?」
「んんんwwwwwwまたやばい敵が現れたんですかなwwwwwww
 だがあの封印の遺跡の化物にそれを下僕にするエリカ嬢がいればぶっちゃけ安心ですぞwwwww」
「あの子もえぐいもんマスコットにするわー……マスコットはやっぱりワイみたいにかわいくないと」
「いやいやwwwwwwマスコットなら強くてかっこよくて愛嬌もある我の方がむいてるに決まってるwwwwww」
「黙りなさい淫獣ども」

そこにはほむらと、それについてくる淫獣二匹がいた。
呉島貴虎なる人間の計画を阻止するために、多くの魔物が既にこの地下でスタンバイしている。
FOEもそこには加わっており、ほむらがわざわざここを訪れる必要はない。

だが彼女は、妙な胸騒ぎがしていたのである。
長年培った、まどか(世界樹)への危害を加えそうな気配というのであろうか。
とにかく直感だ。あえていうなら、魔物達の地下の定期報告が僅かに遅れていることぐらいである。

「だいたいなんで貴方達まで――っ!?」

そしてその直感は、当たってしまった。

967第二次魔界大戦:2015/04/01(水) 22:19:29 ID:SfPaEuB20
目の前に転がっていたのは、無数の魔物の屍であった。
殆どが爆散しているむごい有様であり、黒焦げの屍も多く見られた。
そんな中で、希少な原型を保ったままの屍があった。

「この、魔物は……」

忘れもしない。銀色の巨大カニ、メタルシザースだ。
フォレスト・セル制御に向かった際にその姿は目にしており、また雷竜からその強さは聞かされている。
そのメタルシザースが、メタルシザースの群れが、おそらく何かに射抜かれて殺されているのだ。

【メタルシザース@世界樹の迷宮シリーズ】死亡確認

「貴方達、気をつけなさい。これをやったのは相当に厄介な相手よ……」
「これはwwwwwwはやいとこ戻って報告したほうがいいと思いますなwwwwwww」
「そうね。時間が惜しいし、私が魔法を使って……」
「あ、ちょっと見てみい! 生き残りの魔物がおるで!」

時を止めて帰還しようとしたほむらを、ケルベロスが止める。
見れば確かに、無数の屍の中で一つだけ、ぷるぷると震えている影が見えた。

「おいお前、何があったんや!?」
「ぴ、ぴきー……」

震える魔物は、実に弱弱しい声で鳴いた。なんとも庇護欲をそそる声で。

「っ!? ケルベロス! そいつから離れなさい!」
「え――?」

だがほむらは、その弱弱しい――媚びた声に聞き覚えがあった。
まるでまどかをおびき寄せるために、怪我をしたいたいけな小動物を演じてみせたインキュベーターのような。
そしてそれもまた、当たってしまった。

「ピッキー!」

震えていた魔物は突如として強者の顔を見せ、近寄ってきたケルベロスを灼熱の炎で焼き尽くしたのだ。

【ケルベロス(小)@カードキャプターさくら】死亡確認

「くっ……!」
「ほむほむ危ないですぞwwwwww炎なら我の霞ブレス乱射で鎮火する以外ありえないwwwwww」
「ピキ!?」

咄嗟にオオナズチが前にでてほむらを庇うと、灼熱の炎を吐いた魔物はぴょんぴょんと飛び跳ねていった。

「逃走確認ですぞwwwwwww」
「違う、あれは逃げたんじゃなくて……」



「む……本当に人型のインベスがいるとはな」

968第二次魔界大戦:2015/04/01(水) 22:20:09 ID:SfPaEuB20
そこに現れたのは、美味しそうなカラーリングの仮面ライダー。
その手には機械仕掛けの弓を持ち、彼がメタルシザースの群れを下した存在と見て間違いないだろう。
そして……

(仮面ライダー……! こいつが、カオスロワちゃんねるに書き込んでいた少し抜けていそうな男、呉島貴虎!
 そうなると、さっきのぷよぷよがレベルが高いスライム……予想以上に厄介な相手だわ。それにしてもインベスって何よ?)

身構えつつ、ほむらはじりじりと後ずさる。
あの書き込みの内容を信じるのであれば、まだ究極邪龍が控えているはずだからである。
抜けた行動に反して、本当に高い実力の持ち主。これは報告をせねばならないであろう。

「ミツケタ。オマエ、マルカジリ!」
「なっ!?」

そんな時、凄まじい速度で天井をぶち破り骨竜が貴虎の頭上から奇襲攻撃をしかけた。
他のフロアを散策中だったのだろうが、仲間の死の気配を感じて救援に駆けつけたのだろう。
さしもの仮面ライダーも、完全な不意打ちで防御行動すらとれていない。

「真・双龍掌!」
「グォオオ……!?」

だがその完璧な奇襲をしかけた骨竜が、乱入者の拳によって吹き飛ばされた。
高い体力値を誇るはずの骨竜が、その攻撃を受けただけで四肢をもがれて息絶えてしまう。

【死を呼ぶ骨竜@新・世界樹の迷宮 ミレニアムの少女】死亡確認

「骨竜!?」

「すまない、助かった。しかしまさか、こうも警備の手が回っているとはな……」
「はっはっはっ! まあ全てワシに任せておけ。ワシの可愛い娘を攫った不届きなインベス共など、一人残らずこの拳で粉砕してくれるわっ!」
「さっすがファガンさん! 俺達ドラゴンタイプの希望の星! マジかっけえっす!」
「グオオオオォォォォン!」
「ピキー!」

吹き飛ばされた骨竜を見やる余裕すら、ほむらにはなかった。
仮面ライダーの背後から現れたのは、スライムと、やはりいた邪龍。そして、書き込みにはなかった新たな二体の龍。

例の書き込みはリアルタイムのものではない。呉島貴虎一行には、新たな協力者が増えていたのだ。
一人は逞しい上半身と立派な角を持つ龍、星輝の黄龍帝・ファガン。
四神を束ねる長にして、龍の力を極限まで高める力を持っている。
彼はヘルヘイムの救援要請により駆けつけたが、実は都庁に娘が囚われているという情報も手に入れており、快く一行へ加わった。
そしてもう一人、こちらも同じく金色に輝く龍、グレイトドラゴンのシーザー。
強力なブレス攻撃と強靭な爪と牙を持つ最強種族であり、またその鱗は灼熱の炎も輝く吹雪もよせつけない。
スラリンと同じくとある国王に仕えており、親友である彼の頼みであるならばと、打倒ヘルヘイムの森を誓ったのである。

(状況は最悪……! まさか間抜け男が、三体のドラゴン引き連れてるなんて予定外ってレベルじゃないわよ!?)
「wwwwww………大ピンチですな」
(オオナズチ、早いとこ霧を出して。どうにか隙を見て、時を止めている間に逃げるわよ!)

969第二次魔界大戦:2015/04/01(水) 22:21:08 ID:SfPaEuB20
○魔法少女と淫獣
【暁美ほむら@魔法少女まどか☆マギカ】状態:健康、疲労(小)
【オオナズチ@モンスターハンターシリーズ】状態:健康、角破壊
思考:隙を見て逃走、爆弾を仕掛けられる前に援軍を呼びたい
※貴虎が対主催だと気がついていません

☆残念な強者達
【呉島貴虎@仮面ライダー鎧武】状態:健康、斬月・真に変身中、財布と貯金が素寒貧
【究極邪龍・ヘルヘイム@パズドラ】状態:健康、防壁展開
【スラリン@ドラゴンクエストV 天空の花嫁】状態:健康、LV99
【星輝の黄龍帝・ファガン@パズドラ】状態:健康、LV99
【シーザー@ドラゴンクエストV 天空の花嫁】状態:健康、LV60
思考:インベス達を倒し、N2爆弾を起動させる
※全員が世界樹をヘルヘイムの森と誤認しています

971空からの救援、急がれたし:2015/04/29(水) 13:11:25 ID:/oTMJyNY0

聖帝軍がDMC狂信者の一軍に攻撃を受けている最中。
一台の青い戦闘機が埼玉県の上空に入ろうとしていた。

「いや〜、ブルースワローに変身できたから、もしやと思ったが、ジェットマシンまで呼べるとは思わなかった」
「なんにせよ、足が手に入って良かったです。
車による陸路の移動も狂信者やマーダーに襲われる可能性もありますし、何より戦闘機ですから移動も早い。
これなら、西武ドームもすぐに着くでしょう」

戦闘機の正体は超人戦隊ジェットマンの使う戦闘機、ジェットマシンの一つ、ジェットスワローだ。
そしてコクピットの中にはブルースワローに変身できる野球漢の高津、彼の補佐を務める犬牟田が乗っている。
先ほど出会い喪った友との約束を果たすべく、西武ドームへ向かうための乗り物を東京で探していた二人だが、偶然ジェットスワローを呼べると知った彼らは車を探すより、断然こちらの方が早くて安全ということで、呼び出した戦闘機に搭乗して西武ドームに向かうことにしたのだ。

「しかし、正直言って到着してからが大変ですよ。
現場には狂信者達の大軍がウジャウジャいる……子供ばかりの聖帝軍は持つんだろうか?」
「今は俺達がくるまで凌いでくれることを信じるしかない」

乗り物を探している途中、犬牟田の情報収集によって二人は聖帝軍が西武ドームにてDMC狂信者の大軍に襲われていることを知った。
ほぼ密閉されたドームなので内部がわからない以上、形勢はどちらに有利かまではわからず、戦闘はまだ続いているかも現状では不明だが、どっちにしても西武ドームに急いで向かう必要があると高津は判断した。
同じ野球仲間がピンチなら助けに行かねばならぬ、それが高津の胸中からの想いであり、犬牟田も聖帝軍の救援には同意し、二人は聖帝軍の救援に向かうことにした。

「せめて極制服さえ見つかれば、僕もあなたと一緒に戦えるのですが……」
「気にするな犬牟田。
おまえには情報収集という俺にはない武器がある。
聖帝軍の安否と、周辺のDMC狂信者の動きだけはリアルタイムで追ってくれ」
「ハイ!」
「……よし、コイツの操作にもだいぶ慣れてきた。
少しばかりスピードを上げるぞ!」

西武ドームへ一秒でも早くたどり着いて聖帝軍の味方をすべく、高津はジェットスワローを加速させた。



果たして彼らの救援は間に合うだろうか?
彼らの存在が聖帝軍の明日を決める……かもしれない。

972空からの救援、急がれたし:2015/04/29(水) 13:11:49 ID:/oTMJyNY0

【二日目・8時00分/埼玉県上空】

【高津臣吾@ササキ様に願いを】
【状態】健康、ブルースワローに変身中
【装備】クロスチェンジャー、ジェットスワロー@鳥人戦隊ジェットマン、
【道具】支給品一式、カチドキロックシード@仮面ライダー鎧武、ボロボロのグローブ
【思考】
0:大急ぎで西武ドームへ向かい、聖帝軍を支援する
1:DMC狂信者をぶっつぶす
2:カチドキロックシードを葛葉紘太に届ける
3:俺が間に合うまで耐え凌いでくれ、聖帝軍……

【犬牟田宝火@キルラキル】
【状態】健康
【装備】だいぶ古い型のノートパソコン@現実
【道具】支給品一式
【思考】
1:高津に同行する
2:もうちょっとまともなパソコンがほしい
3:できれば極制服もほしい
※パソコンによる情報収集により、聖帝軍がDMC狂信者の襲撃を受けていることを知りました

973影薄が斬る!:2015/05/15(金) 13:14:44 ID:4aaFUBFo0
DMC狂信者による二回目の都庁への進撃が始まる寸前の、都庁の地下ダンジョン・南部方面にある一室――

そこでは都庁に爆弾を仕掛けようとする男、他の都庁の同盟仲間と同じく呉島貴虎を捕獲しようと地下を奔走していた影薄組の五人は、貴虎達とは別に地下から潜入したDMC狂信者の一団と交戦状態に陥っていた。



攻防の中央では赤毛の死神と、青白い炎のような光を纏った銀髪の兵士との激しい一騎打ちが行われていた。

赤毛の死神は影薄組のリーダー格を務める三途の案内人の小野塚小町。そのバストは豊満であった。
銀髪の兵士は狂信者をまとめあげる上層部の一角にして伝説的存在であるヴァルキュリアのセルベリア・ブレス。そのバストは豊満であった。

「幻想郷で鍛えたあたいの弾幕を喰らいな!」

小町が懐から一枚のカードを取り出した――スペルカードだ。
それすなわち弾幕攻撃を仕掛ける合図である。

「投銭『宵越しの銭』!!」

気合を入れて放たれた言葉と共に、無数の銭による弾幕がセルベリアに襲いかかった。
一見すると回避不能な銭の弾丸の群れ、そこらの有象無象の戦士ではまず回避不能だろう。
しかし、セルベリアは伝説的種族であるヴァルキュリア人。
その弾幕の大半を超人じみた反応速度でかわし、回避しきれぬ銭はラグナイトでできた堅牢な盾で凌いだ。

「チィッ、防いだか!」
「これで終わりか? ならば次はこちらから行くぞ!」

銭による弾幕が止んだと同時に、セルベリアは小町にラグナイトの槍を向ける。
槍による突撃(ランスチャージ)?
否、槍先から繰り出されるのは突きではなく、一筋の巨大な閃光――光線であった。
戦車すら一撃で蒸発しかねないラグナイトの一撃。これが直撃すれば小町の命はない。

「きゃんッ!?」

そして、小町は眩い光に飲み込まれてあえなく消滅した……

「!?」
「今のは危なかった……」
「あの攻撃を防いだだと!?」

――かに見えたが、小町は生きていた。
セルベリアはレーザーが小町に飲み込まれる直前でレーザーの方が小町を避けていった奇怪な現象を目撃し、驚きの色を隠せなかった。

「なん…だと…?!」

さらに続けて、小町が幽霊のように姿を消したかと思えば、次の瞬間にはセルベリアの背後を取っていた。
背後から襲いかかられるも、セルベリアもヴァルキュリアの超反応で対応。
槍で刀を防ぎ、危うく袈裟斬りにされかけたところを鍔迫り合いにまで持っていった。

「流石に上層部を名乗るだけあって、あっさり勝たせちゃくれないね……!」
「絶対防御に瞬間移動の能力……いや、貴様はまさか『間合いを支配する能力』でも持っていると言うのか?!」
「だいたいあってるよ。
まだ数回しか使ってないのに能力まで見抜かれるとは、頭まで回るみたいだねぇ」

セルベリアの読み通り、小町は『間合いを支配する能力』=『距離を操る程度の能力』を使っていた。
レーザーを自分に届かないようにして防御したのも、縮地方より早くセルベリアの背後を一瞬で取れたのも、この能力によるものである。
間合いを支配するということは、敵のあらゆる攻撃を寄せ付けない絶対防御と、擬似的な瞬間移動能力、敵に攻撃を必ず命中させる必中攻撃を可能にさせることと同義だ。
しかし、この能力はあまりにも強力過ぎたために、首輪によって一度の使用における疲労が増加する制限がなされ、使いすぎれば過労で死にいたるなど、小町自身も能力を自由に扱うことができなかった。

だがそれも昔の話。
首輪が外れた今は、この能力を少し使ったぐらいでは疲労することはなくなった。
少なくともいっぺんに百回ほど使用しない限りは過労で倒れることはないだろう。

974影薄が斬る!:2015/05/15(金) 13:16:15 ID:4aaFUBFo0


(こちらの攻撃が尽く防がれる……まるで同じヴァルキュリアを相手にしている気分だ!)

それが、東ヨーロッパ帝国軍最強の歩兵にして敵対者であるガリア軍から鬼神の如く恐れられたセルベリアの、小町への評価――ガリア軍のヴァルキュリアと同じぐらいの力を持つと断定した強者認定である。
ならば戦況は小町に有利か、と言えばそうではない。


(こっちの攻め手のほとんどが弾かれちまってる! このアマを倒すにはあたいでは火力不足だ!)

セルベリアはヴァルキュリアゆえに攻撃力だけでなく、破格の防御力を持っている。
流石にレストやダオスのような規格外ならまだしも、FOE程度では彼女に爪を立てることもできはしないだろう。
小町の武器も銭の弾幕と、斬魄刀である神鎗である攻撃力は別段高くはなく、ヴァルキュリアを相手にするには決め手に欠けていた。
首輪解除によって『距離を操る程度の能力』がほぼ自由に使える状態で無ければ、とっくの昔に小町はやられていただろう。

(だが、ここで退いたら狂信者共が都庁の中になだれ込んじまう!
広いダンジョンで仮面ライダー一人探すのも大変なのに、面倒事を増やすわけにはいかない。
都庁の同盟のみんなや、影薄達に迷惑をかけないためにも、あたいは負けるわけにはいかない!
それにこいつに勝てないようじゃ、風見幽香に勝つのだって夢のまた夢だ!
活路はきっと見つかるハズだ! やっつけてみせる!)

敵の力は強大なれど、小町は意を決してセルベリアに挑む。

両者が膠着状態の鍔迫り合いから一旦距離をとる。戦いの仕切り直しだ。

「やるな……貴様、名はなんと言う?」
「小野塚小町……死神だ。
名乗ったからにはアンタにも名乗ってもらおうかい?」
「私はセルベリア・ブレス。とある帝国軍の侵攻部隊司令官をしていたヴァルキュリアだ。
帝国がなくなり、今の私にはクラウザーさんしかないがな」

そして二人の女は互いに啖呵を切った。

「実力のほどは概ね互角といった所か。だが、クラウザーさんのためにも貴様をSATUGAIするのは私だ。
ここからは更に全力を出させてもらおう」
「上等だぁ! こっちもアンタ相手に加減はしない。もっと本腰を入れてやるから遠慮せずに来な!」

啖呵を切ると同時に、刀と槍による白兵戦、もしくは銭と光線による弾幕合戦はよりビートアップする。
嵐のように飛び交う弾幕と、赤と青の閃光がぶつかり合う戦場には何人たりとも近づくことは叶わないだろう。



右翼。
ここでは影薄組にして箱庭学園元生徒会長の日之影空洞と、北斗神拳伝承者候補にしてDMC狂信者であるトキとのタイマン勝負が繰り広げられている。

「おお〜、こまっちゃんは派手にやってんな〜」
「貴様ぁッ! この天才であるトキ様を前にして余所見とはいい度胸だな!」ユクゾッ ナギッ ナギッ!!
「うおっと、わりィわりィ」

軽口を叩いて余裕そうな日之影だが、実際はとてつもない死闘が繰り広げられている。
こちらは完全な肉弾戦による拳の弾幕合戦であり、一撃一撃が死に直結しかねない拳の応酬が続いている。

「まさかジーミーで学園でも目立たない俺が、北斗真拳伝承者候補のアンタと拳を交えるなんてな……」
「クックックッ……嬉しいか?」
「それだけにアンタが狂信者に堕ちてたことが残念でならねえんだよ!」

軽口から一転、互いに百烈拳を打っているような無数の拳の嵐の中で日之影は怒声をぶつけた。

「フッ、貴様にSATUGAIとクラウザーさんの素晴らしさなどわかるか?
大災害によって世紀末となったこの世界にこそ希望が! クラウザーさんが必要なのだよ!」
「大災害で世が世紀末になってるのは知ってるし、そんな世界にこそ希望は必要なのはわかるが、だからってクラウザー一人のために無関係な人間を生贄に捧げようとするアンタらの行動が意味不明だな!」
「希望のためには犠牲も必要なのだ! 希望のためには命は投げ捨てるもの、わかるだろう?」
「ハッ、わかりたくもねぇや」
「ならば死ぬがよい!!」

もはやトキの人格はDMC色に染まっており、かつての高潔な人となりは消えていた。
クラウザーさんの死によるショックが彼を豹変させたようだ。
今なら、このトキが偽物だと言っても誰もが信じるであろう。

975影薄が斬る!:2015/05/15(金) 13:17:20 ID:4aaFUBFo0

(――だが、腐っても狂信者に成り果てても、実力者なのは変わらずか。
流石は病んでいなければ北斗真拳伝承者になれたと言われたほどだ)

日之影は自身の存在感を徹底的に薄くする異常性『知られざる英雄』による能力の補正も手伝って秘孔を突かれてしまうような致命打こそ躱わしているものの、それ以外の攻撃によるダメージを時折受けていた。
一発一発は軽いがダメージが蓄積すれば、いずれはやられてしまう。
一方のトキは日之影に比べればダメージは浅い。
相手の存在感のなさによって中々、秘孔をつけないことに苛立ってはいるが、日之影から放たれる幽かな闘気を辿って激流に身を委ねるが如く、攻撃のほとんどを躱している。
現状で有利なのはトキであった。
貴虎捜索に出かける前に、回復魔法や食事などで傷や疲労を取り払って万全な状態でなかったら、日之影の敗北は決定的なものになっていただろう。
それほどまでに、北斗真拳伝承者になりかけた男の強さは伊達ではないのだ。

(チッ、こりゃあ、できるだけ早くこまっちゃんやモモ達の援護に向かいたいが、ちょいと無理そうだ。
俺もこんなところで死ぬ気はねえが。なんとか持ちこたえてくれよ、四人とも!)



左翼。
こちらはセルベリアとトキが強者を抑えている間に、銃で武装したモブ狂信者の集団がダンジョンの奥へ突入しようとしていた。
しかし、ある者達によって侵入は阻まれていた。
残る影薄組である、黒子テツヤ・東横桃子・赤座あかりの三人だ。
彼らは(桃子には雀力を戦闘力に変える異能はあるが)基本的に非戦闘員である彼らは、自分達のステルス能力が役に立つと思い、貴虎捕縛に自ら志願した。
結果として、貴虎ではなくセルベリア達との戦いで手一杯である小町と日之影の代わりに、狂信者達の侵攻を抑える役目を引き受けることになった。

「……」
「SATUGAIセヨ! SATUGAぐわッ」

黒子は冷静にショットガンで狂信者を撃つ。撃たれた狂信者が地面に転がった。

「さっさとここから出て行ってくださいっす!!」
「うおおおお、いったいどこから!?」

桃子は黒子から借りた猟銃で狂信者を狙撃し、ダメージを負わせた。

「あかりっくサンダー!!」
「雷まで!?」

そして、残るあかりは黒子から譲渡されたエンシェントソードによる強力な雷撃で多くの狂信者の進軍を足止めする。

銃撃に雷撃、それに加えて影薄達特有の影の薄さも手伝い、どこから飛んでくるかわからない攻撃となって、狂信者達の突撃を押しとどめていた。
狂信者達も負けじと反撃するが、影薄達の前では銃弾は、せいぜいかすめるぐらいが精一杯だった。。
銃弾の放たれた方向から場所を推測して攻撃しても、その頃には三人はとっくに移動しており、無駄弾を増やすばかり。
狂信者も銃を持っているため、硝煙の匂いだけでは影薄達を辿れない。
そもそも三人揃えば、レストすら欺くほどのステルス能力の持ち主達であり、モブ狂信者程度の索敵能力では感知は不可能だ。
そうこうしている内に、モブ狂信者は一人また一人と倒れていく。
このようにして三人はモブ狂信者達の進軍を押し止め、翻弄していた。

「はあはあ……」
「……大丈夫、モモちゃん?」
「し、心配はいらないっす! ただ、人を撃つのには慣れてなくって……」
「東横さん……無理もないでしょう。
人を撃ったり傷つけたりするのは本当は嫌でしょうに。
赤座さんだってそうでしょう?」
「「……」」

しかし、普段から暴力を振るうことになれていない影の薄い少年少女達にとって、人を撃つ行為そのものが精神を削らせるものであった。
(桃子はマーダーであるぼのぼのを斬殺しているが、あれは必死だったため、仕方なく殺害しただけである)
いちおう、モブとはいえ大半は人間ではあるので、なるべく手足や武器を狙って命までは取らず、あくまで足止めに徹しているが、それでも人に銃弾を当てるのは気持ちの良いことではなかった。
手足を狙うと言えど、その怪我が原因で後で死んでしまう可能性だってある。
戦い疲れはあれど肉体的なダメージはほぼない三人だが、小町や日之影と違って戦う時間が増す度に精神的な疲労は蓄積されていく。

976影薄が斬る!:2015/05/15(金) 13:18:14 ID:4aaFUBFo0

「でも、ここであかり達が戦わなくちゃ、狂信者達が都庁の中に入っちゃうよ!
都庁のみんなのために主人公として……いや、主人公じゃなくても、ここで逃げ出すなんてあかりにはできないよ!」
「あかりちゃんの言う通りっす。
中には強力な魔物や仲間がいるとはいえ、油断はできないっすからね」
「小野塚さんと日之影さんは手一杯で助けを呼ぶ暇もない以上、こっちは僕達で戦うしかないということですね」

されど、三人は己の都合に構わず、戦う道を選んだ。
都庁を守り、信じる仲間達のためにも自分達だけ戦わないわけにはいかないのだ。
そうして三人は再び銃と剣を握った。


場面は再び右翼。
日之影とトキの戦いもいよいよ決着がつく時が来た。

「闘気は十分に溜まった。貴様を確実に殺せる私の必殺奥義で葬ってやろう」

そう言うとトキは一旦、日之影から十分な距離をとり、その場に胡座をかきだして両の手を上げた。

「なに!? あの構えは!!」
「惨めな醜態をさらしながら死ぬがいい。
クラウザーさん! 我が奥義で敵を葬り去るところを是非ご覧あれ!」

その構えは、かの有名な北斗有情破顔拳。
両の腕から放たれるビームのような闘気に当たれば、(体中を捻じ曲げつつ、快楽の中でアヘ顔になりながら)相手は死ぬ。
しかも射程は無限大で、発射速度も異様に早く、そのくせタメもほぼ無い。
直撃すればどんな相手でも確実に死ぬ、トキの一撃必殺奥義であった。

トキが技を放つ前に追撃する――間に合わない。
追撃を間に合わせないために十分な距離を取ったのだ。トキが闘気を放つほうが早いだろう。
さらに、追い打ちをかけるような現状を日之影は把握してしまう。

「後ろにはこまっちゃんやモモ達がいる! このままじゃ……!」
「フフフッ、気づいたか。だが、もう遅いわ!!」

トキの破顔拳の射線上にはセルベリアと戦っている小町、モブ狂信者を押しとどめている三人の影薄がいる。
もし放たれた闘気を避けられなかった場合、仲間は破裂して死ぬことになる。
しかし仲間に注意を喚起する時間も、もう無い。

ちなみに、この場合は狂信者達も巻き添えになるが、ラグナイトの光に守られたセルベリアには闘気は効かず、モブ狂信者達は死んでも代えが効く上に本人達もクラウザーさんのための死なら了承する、と計算してトキは味方ごと破顔拳を放てるのである。

「万事休す……か」


有情破顔拳を防ぐ手立てはなく、日之影は打つ手なしと諦めて――

               ・・・
「……なんてな! 俺はアンタがそれを使うのを待ってたんだ!!」


――などいない。
箱庭学園元生徒会長は諦めておらず、闘志は一切に鈍っていなかった。
先程も述べたが、トキの技の発射速度と、日之影と空いた距離からして、日之影の攻撃は間に合わない。
後ろには味方がいて、仮に日之影が避けても味方に大なり小なり被害が出る。
そのようにトキの計算は完璧なハズであった。

977影薄が斬る!:2015/05/15(金) 13:18:47 ID:4aaFUBFo0

相手が型破り(アブノーマル)に定評のある箱庭学園の生徒であることを除けば。


「ずおりゃああああああああああああ!!!」

トキが奥義を放つ直前、日之影は地面に拳を突きたて、そのままバキバキと床を引き剥がした。
剥がした床を盾にして防御?
いや、違う。
床と言っても僅か一部ではない。

戦場となっているダンジョンの一室・「右翼側のほぼ全部の床」だ。
その床の上にはトキも乗っており、トキが破顔拳を放つより早く、日之影はちゃぶ台返しのように剥がした床を座っているトキごとひっくり返した。

「――破顔拳……なにいいいいいい!?」

トキの体が床ごと90度ひっくり返る。するとどうなるのか?
有情破顔拳による闘気のビームの射線軸が変わり、日之影達のいる正面〜側面の横軸から、誰もいない天井と床の上下縦軸に放たれた。
相手が乗っている土俵を破壊し、発射軸を変えてしまうことで自分や味方の身を守る――それが日之影の有情破顔拳攻略に対する答えであった。
逆に言えば土俵を破壊して利用するなど、純粋な格闘戦能力やセンスならば黒神めだかでさえ足元にも及ばないと言われる彼以上の強者にしかできない芸当である。

「馬鹿な、この天才たる私の必殺奥義が敗れるハズが……うわらば!!」

そして、破顔拳発射直後による膠着状態、さらに奥義を破られたことへの動揺によって生まれた僅かな隙を日之影が見逃すハズもなく、トキの首に日之影の手刀が入り、その一撃がトキの首の骨をへし折り、絶命させた。

人殺しは日之影の望むところではなかったが、トキほどの強者を見逃せば、また狂信者として多くの人々が殺すかもしれない。
さらに付け加えれば、その一瞬しかトキほどの強者を仕留められるタイミングはなく、迷ってる暇もなかった。
そのような考えがよぎり、日之影に冷徹な判断を下させ、トキを殺害する道を選ばせた。


今しがた殺害したトキの死体に哀れみの表情を向けながら、日之影は呟く。

「アンタが病んでいたのが体だけだったら、負けていたのは俺かもしれねえ。
……まあ、アンタが心まで病んでなかったら、こうして殺し合うこともなかったんだろうがな」


純粋な格闘の腕はトキの方が上手であり、そのまま殴り合いを続けていれば死んでいたのは自分であったろうと日之影は考える。
トキの敗因はあの世にいるクラウザーへの顕示欲から大技に走ってしまい、日之影の死を貢物にしようとした結果、相手の機転に敗れたのである。
強すぎる信仰が、トキに激流に身を任せる彼本来の冷静な戦法を忘れさせたのだ。
クラウザーを失ったことで心の病に侵されたトキだからこそ、日之影に敗れたのである。


そして、中央。
こちらでも戦いの決着がつきかけていた。

互角と思われた戦いであったが、一定時間が過ぎたのを境にセルベリアの纏う光がだんだん弱まっていった。

「ハァハァ……ラグナイトの光が……! ぐうッ!!」
「息が上がってるってことは、その光と力は以前のあたいと同じく、首輪によって制限されていたみたいだね!」

ラグナイトの光の減衰は、セルベリアの防御力の減衰を意味する。
その機を狙って小町が銭の弾幕を撃ち込めば、そのほとんどが直撃し、若干のダメージをセルベリアに与えた。

ヴァルキュリア化は首輪によって力を使えば使うほど体力を大幅に消耗する制限がなされていたのだ。
そのため、セルベリアの体力は僅かな時間のうちに大きく消耗し、ヴァルキュリア化の維持も難しくなっている。
小町も首輪が外れて制限がなくなったとはいえ、この一戦で能力を大量に使ったために疲労の色は見られたが、セルベリアと比べればまだまだ余裕があった。
このまま戦えば、余力の差でセルベリアの勝率は低いと言え、そこへさらにダメ押しするように増援が現れる。

「スマンこまっちゃん! 待たせた!」
「日之影!」
「トキほどの猛者がやられたのか……!?」

978影薄が斬る!:2015/05/15(金) 13:19:26 ID:4aaFUBFo0

右翼にいたトキは倒され、影の薄い巨漢・日之影が小町の横に並んだ。
部下のモブ狂信者達は他の影薄達によって足止めを食らっているため、味方の援護は期待できない。
形成は明らかにセルベリアにとって不利であった。
それを見越して小町はセルベリアに降伏を迫る。

「さあ、白旗あげて降参するなら今のうちだよ、セルベリアさんよ」
「まだ負けが決まったわけではない……小野塚小町、貴様らを絶対にレ○プしてSATUGAIしてくれる!」
「そうかい。
あたいらは殺しなんてしたかないが、アンタらに殺害されんのもごめんだし、やるっていうんなら是非もない。
満身創痍か……最悪、死を覚悟するんだね!」

明らかに劣勢で勝機の薄いにも関わらず、セルベリアは影薄組との戦いを選んだ。
何が彼女をそうさせるのか?
勿論、クラウザーへの強い信仰である。


小町が刀を、日之影が拳を、セルベリアが槍と盾を構え、いざ、第二ラウンドが始まる……そう思われたとき。

DMC狂信者の側から突如、青い髪に桃のついた帽子と腕に持つグラットンソードが特徴的な少女が現れた。
その少女の姿に、小町は目を見開く。

「おまえは……緋想天の時の天人、比那名居天子?!」
「死神の小野塚小町……都庁の軍勢に組みしていたのね……汚い、さすが死神汚い」
「知り合いなのか、こまっちゃん?」
「どうやら互いに面識があるようだな、天子」

小町と天子は同じ幻想郷の出身者であり、緋想天という事件(黒幕は天子本人)の折に面識をもっているのだ。

「アンタも狂信者なのかい……ハッ! アンタの従者も浮かばれないね」
「おいィ? クラウザーさんの素晴らしさを理解出来ない愚か者はマジでかなぐり捨てンぞ?
それから衣玖に関しては……何も言うな」

天子は狂信者であり、これで1対2から2対2となることで両者のパワーバランスも対等に近づいた。
モブ狂信者達も「きた!盾きた!」「メイン盾きた!」「これで勝つる!」という喝采を上げており、天子の狂信者内での実力の高さを物語っている。
戦いになれば苦戦は強いられるかもしれないと思い、小町と日之影の二人は身構えた。

しかし、天子がこの戦いにおいて剣を抜くことはなかった。
彼女はあくまでメッセンジャーとしてここにやって来たのだ。

「おっと、勘違いするな。私は戦いに来たわけじゃない。
……セルベリア、狭間と大和が配置についた。陽動はもう十分だ」
「!……そうか」

天子の言葉を聞いたセルベリアとモブ狂信者達は、途端に撤退の準備に入った。
一方、天子の言葉に入っていた『陽動』という言葉に小町も反応し、問い詰めようとする。

「アンタらが陽動だって?!
おい! そりゃどういうことだい!?」
「お前達がそれを知ったところで意味はない。時既に時間切れだからな!
さあ、破壊力ばつ牛ンな地震がくるぞぉ」

小町の問いに対して返ってきたのは望んでいた答えではなく、天子のわけがわからなくはない言葉(ブロント語)と局地的かつ強力な地震であった。

「きゃん! 地震かい!?」
「こいつは……かなりでけえぞ!!」

979影薄が斬る!:2015/05/15(金) 13:20:54 ID:4aaFUBFo0


その頃、都庁の地上では魔神皇・狭間を中心としたDMC狂信者による侵攻が始まっていた。
そして、大和が都庁の世界樹攻撃のために龍脈の龍を召喚したのも、ちょうどこの時刻である。
龍脈の龍による世界樹へのダメージの余波は、地下にも広がり、大地震という形で影薄組を襲った。
具体的には玄室全体の床が揺れ、落石が落ちていき、一室が土砂で埋もれていく。
それによって影薄組が満足に動けなくなった内に、天子ら狂信者達は、自分達が侵入してきたルートからの脱出を図る。

「逃がすかい!」

小町はすかさず、距離を操る程度の能力でセルベリア達を引き寄せようとした。しかし……

「待て、こまっちゃん! あれを!」
「はッ、モモ達が!?」

日之影の指し示した方向を見ると、左翼でモブ狂信者集団と戦っていた三人の影薄達が地震に足を取られ、身動きがとれなくなっていた。
さらに彼女らの周辺には大量の落石が降っており、逃げ遅れた狂信者達が次々と岩に押しつぶされる惨状が広がっていた。

「あかり達、ひょっとしてピンチ?!」
「ひょっとしなくてもピンチですね、赤座さん」
「死にたくないっす! 助けてください、小町さん!!」

セルベリア達を追うなら今を置いて他になかったが、日之影のように頑丈な体を持つわけではない三人をこのまま無視すれば、落石によってまとめてミンチになってしまうだろう。
仲間を見捨てて狂信者達を追うという選択は小町の中にはなく、彼女は能力をセルベリア達ではなく、かけがえのない仲間達に向けて使った。

「今、助ける!」

小町はまず、距離を操る能力で三人を自分と日之影のもとに手繰り寄せ、さらに天井から降ってくる落石が一つも仲間に当たらないように距離を操って当たらないようにする。
それが仲間達を救うための最善の策であると小町は信じた。
――それは引換に、セルベリアを始めとする狂信者達をダンジョンから脱出を許すことを意味していた。

セルベリアは脱出する前に、落石でドンドン埋まっていく一室の中で、小町がいるであろう方角を見て、そして啖呵を切った。

「小野塚小町! おまえはこの程度で死ぬ輩ではあるまい。
再び相まみえることがあれば、その時はこの手で必ず貴様をレ○プ(倒す)する!
その時までは必ず生きていろ!」

それはセルベリアから小町への挑戦状であった。
その挑戦状を叩きつけたのを最後にセルベリアはダンジョンから脱出した。
一方、仲間を助ける作業をしていた最中に聞こえたセルベリアの言葉より、因縁をつけられたことを理解した小町はため息混じりに呟くのだった。

「チェ、また厄介そうなのに目ぇつけられちまったね」


 ※

龍脈の龍が都庁の世界樹に攻撃をしかけた隙にセルベリアと天子の狂信者部隊は都庁の地下を抜けて、南にある南新宿の地下まで脱出した。
セルベリアの部隊に、ディーから与えられた任務は陽動である。
暴れることで敵の目を引きつけ、地下では貴虎の都庁侵入の手助けを、地上では大和が龍脈の龍を召喚できるようにさせるための時間稼ぎをさせるために、陽動部隊が送られたのだ。
(ちなみに貴虎はネットで自分が都庁に侵入し爆弾を仕掛けることを吹聴していたが、これはスマホやパソコンが使える人間が僅かながらも組みしている都庁軍には高確率で気づかれていると見ており、突入支援に陽動部隊を送り込む必要があると見越しての判断である)

結果として大和は龍脈の竜の召喚に成功し世界樹に打撃を与え、貴虎の地下ダンジョン侵入への成功率を上げた。
一先ず、任務を終えたセルベリアは天子という護衛をつけて、態勢の立て直しのために一度、ビッグサイトまで後退することになった。


(だが、代償は高くついた……)

陽動そのものは成功したが、見返りに上層部にして古参ファンの一八と手練のトキが戦死した。
その事実にセルベリアは歯噛みする。

(元より独断専行し始めた一八はまだしも、トキまで失うハメになるとはな……
警戒が地上のフォレストセルや、レストとダオスにばかり目が行き過ぎていた。
我々はまだ都庁軍を侮っていたのかもしれない)

さらにセルベリアは先ほど戦った小町と影の薄い集団についても着眼する。
実は本来ならもっと多くの魔物を引き付ける予定だったが、セルベリア達はむしろ翻弄され、影薄組以外の敵を釘付けにすることができなかった。
セルベリア自身もこのまま戦闘を続行するには危険と思われる損耗をすることになった。
天子が駆けつけなければ、自分は小町達にやられていただろうとも自覚している。

980影薄が斬る!:2015/05/15(金) 13:22:10 ID:4aaFUBFo0

(デスマンティスの情報にもなかった異様に隠密性の高い集団……そして小野塚小町、大阪で巨大ロボットを破壊した赤毛の女……その女もレストやダオスほどではないにしろ、相当な実力を持っている。
こいつらの危険性を仲間達に伝えておくべきだな)

今後のためにも仲間達に、小町と影薄達という実力者が都庁にいることを報告する必要があるとセルベリアは見ていた。
ちなみにデスマンティスの報告に小町以外の影薄組の情報が載っていなかったのは、彼らの影が薄すぎて報告し忘れたためである。

「天子、おまえは小町と面識があるようだが、他に何か知らないか?」
「サボり魔で乳の大きい死神ということぐらいしか……だけど、幻想郷で会った時とは目つきが違う。
この殺し合いがぐーたらな奴の何かを変えたのか、まるで怒りが有頂天なナイトの如き本気さを感じた。
いずれにせよ、警戒の必要があるのは確定的に明らかだ」

なんにせよ、小町及び影薄組の存在が自分達DMC狂信者の障害になることを二人は予感させた。
そんな思惑を抱きつつ、二人は生き残ったモブ狂信者達と共にビッグサイトへの後退を急ぐ。

 ※


場面はダンジョンの一室に戻る。
龍脈の竜による巨大な地震は止み、一室に落石が降ってくることはなくなった。
未だに部屋が振動しているが、これは地上でレスト達とDMC狂信者の軍団が大規模な戦闘を始めたからである。
部屋は落石と土砂でほとんど埋もれていたが、小町の能力によって影薄組五人の周りだけは避けるように空間ができていた。

「みんな、大丈夫かい」
「ありがとうっす、小町さん。
おかげで全員無事で済んだっす」
「そのようだね……安心したよ」

小町が心配して仲間の安否を確認したが、全員がかすり傷や疲労は目立てど、命に別状のあるダメージは追っていなかった。
生き残った狂信者は全員ダンジョンから脱出し、そうでなければ落石に潰されて死んだのか敵は周辺にも見られず、ここ一帯は安全になったといえよう。
結果的に影薄組は誰ひとり欠くことなく危機を脱出した。

しかし、それは一つの危機を脱したに過ぎないのであった。

「でもまずいよ、小町ちゃん」
「完全に閉じ込められましたね、これは……」

影薄組が入ってきた部屋の出入り口は地震と落盤によって積もった大量の落石と土砂で塞がれてしまっていた。
同様に狂信者達が侵入してきたルートも同じく塞がっていた。
これでは部屋から出ることができず、影薄組は地下の一角に閉じ込められてしまったのだ。

「確かにまずいね、こりゃあ」
「ああ、さっきから上の方からの揺れを感じるし、地上で戦闘が起きてるのかもしれねえしな」
「狂信者の二回目の攻撃が始まったんすかね……」
「地上が攻撃を受けてるってことかい。
さっきの地震は尋常なものじゃなかったし、とにかく急ぐべきだね。
掘って掘って掘りまくって早いとこ、ここから出るよ!」

このままでは身動きがとれず、閉じ込められている以上は地上や他の仲間達との状況確認もできないため、脱出を急ぐ必要があった。
そのために五人は団結して落石や土砂を掘る作業に移った。


その中で小町には引っかかることが一つあった。

(あいつら、自分のことを陽動だって言ってたね……おそらく、さっきの地震と都庁に爆弾を仕掛けようとしている貴虎って奴のための陽動か?)

セルベリア達はあくまで陽動部隊。
その言葉が本当ならば、小町達はまんまとハメられたことになる。
自分達が目の前の敵に気を取られていた分、貴虎の侵入を許していないか、それが気がかりであった。

万が一、貴虎が都庁の内部で爆弾が作動し、世界樹が灰になればそれは都庁同盟軍の敗北を意味する。
爆弾が起爆すれば多くの魔物や、力を貸している人間達も死に絶えるだろう。
当然、都庁の地下にいる自分達も例外なく爆発に飲まれて死ぬかもしれない。
それだけでなく世界樹がなくなれば、主催がバラ撒いたであろう謎の瘴気を浄化する手段もなくなり、日本は風鳴翼のような怪物塗れになるかもしれない。
それでは自分達が打倒すべき主催の思うツボである。

そうなる前に同盟の誰かが先に貴虎見つけて捕縛できているならそれでいいが、あまり他人任せにばかりするべきではないと、四季の喪失から小町は学んでいる。
その考えが頭をよぎり、小町の中の焦りを加速させる。

981影薄が斬る!:2015/05/15(金) 13:23:25 ID:4aaFUBFo0

(あたいはもう、四季様、あやの、混沌の騎士、マナや美樹のように仲間が死んでいくのはゴメンだよ。
一人でも多く殺させないためにもあたいも全力で頑張らないと!)

この殺し合いで出会った多くの仲間への情と、仲間の喪失への恐れ、そして芽生えた責任感が小町を確実に変えていた。
今の小町の顔はロワ開始時点のダルそうな顔ではなく、凛とした一介の戦士そのものであった。



都庁同盟軍とDMC狂信者軍、そして貴虎を中心とした残念な強者達との熾烈な戦いはまだ始まったばかり……
果たして小町と影薄組は、閉じ込められたダンジョンから脱出し、貴虎の捜索に戻れるのか?



【一日目・9時00分/東京都・都庁地下南部】

【影薄組】
※落石と要石によって地下の一角に閉じ込められました
 自力での脱出には1〜2時間かかります

【小野塚小町@東方Project】
【状態】ダメージ(小)、疲労(中)、首輪解除
【装備】斬魄刀『神鎗』@BLEACH
【道具】舟
【思考】基本:もう仲間を誰も失わない為にカオスロワを終わらせる
0:早くここから脱出し、呉島貴虎を探す
1:殺し合い打破のためにも都庁には協力する
2:もう二度と仲間を置いて行こうとしない
3:幽香と戦う事を覚悟する
4:変なの(セルベリア)に因縁つけられちまったね
※飛竜たちと情報交換して、主催達が九州ロボにいることを知りました。
※ダオスとの情報交換で、カオスロワちゃんねるの信憑性に疑問を持っています(フェイ・イェンにもたらされた情報より、少なくとも都庁の悪評は天魔王軍による仕業だと理解しました)


【日之影空洞@めだかボックス】
【状態】ダメージ(中)、疲労(中)、首輪解除
【装備】己の拳
【道具】支給品一式
【思考】基本:主催者を倒す
0:早いとこ、ここから脱出し、呉島貴虎を探す
1:仲間を守る
2:混沌の騎士が遺した謎を解く
3:↑の全部やらなくちゃあならないのが先代生徒会長の辛いとこだな。


【東横桃子@咲-Saki-】
【状態】ダメージ(小)、疲労(中)、精神疲労(中)、首輪解除 、全裸(恥部を葉っぱで隠してる)
【装備】猟銃@現実、斬鉄剣@ルパン三世
【道具】支給品一式、スマホ、謎の物質考察メモ、筆記用具
【思考】基本:仲間と共にカオスロワを終わらせる
0:さっきの揺れ……地上の人達は大丈夫っすかね?
1:加治木先輩や友人たちと生き残る
2:時間があればスマホを使ってネットで情報を探る(現在は電波の届かない地下なので不可)
3:DMCファンだけど信者の暴動にはドン引き
4:早 く 服 を 着 た い


【黒子テツヤ@黒子のバスケ】
【状態】ダメージ(小)、疲労(中)、精神疲労(小)、首輪解除
【装備】ウィンチェスターM1912
【道具】死出の羽衣@ 幽々白書
【思考】基本:仲間と共にカオスロワを終わらせる
0:脱出を急がないと
1:友人たちと生き残るためにも、都庁に協力する
2:空気中に漂う物質への対処法を考える(世界樹が有力?)
3:狂信者には絶対に負けません


【赤座あかり@ゆるゆり】
【状態】ダメージ(小)、疲労(中)、精神疲労(中)、首輪解除
【装備】エンシェントソード@Minecraft
【道具】マムルの肉@風来のシレン
【思考】基本:仲間と一緒にカオスロワを終わらせて主人公らしく大活躍!
0:戦いは怖くても、あかり負けない!
1:混沌の騎士の分も頑張る
2:まどかと同じく、人間と魔物の共存に賛成
3:オオナズチ以外の都庁のモンスターの背中に乗りたい

982影薄が斬る!:2015/05/15(金) 13:23:52 ID:4aaFUBFo0


【一日目・9時00分/東京都・南新宿地下】

【DMC狂信者 セルベリア部隊】
※他にも狂信者の部隊があるかもしれません

【セルベリア・ブレス@戦場のヴァルキュリア】
【状態】ダメージ(小)、疲労(大)
【装備】ラグナイト製の槍と盾
【道具】支給品一式、モブDMC狂信者×10人
【思考】
基本:クラウザーさんの復活
0:態勢の立て直しのために一度、後退する
1:仲間に、小町と隠密性に優れた集団(影薄組)の危険性を伝える
2:小町はいつか、この手で必ずレ○プ(倒す)する
3:マクシミリアン殿下が生きてたらクラウザーさんとSATUGAIの素晴らしさを伝える
※制限により、ヴァルキュリア化による疲労が増大しています


【比那名居天子@東方project】
【状態】健康、謙虚
【装備】グラットンソード@FF11
【道具】支給品一式
【思考】
基本:SATSUGAI
0:セルベリアをビッグサイトまで送る
1:小町が都庁に組みしていたとは……汚い、さすが死神汚い
2:小町と、彼女の率いる影の薄い連中を強く警戒
3:従者が死んでも、ここは謙虚にポーカーフェイス

【トキ@北斗の拳 死亡確認】

983潰える者、潰れるモノ:2015/06/11(木) 23:15:03 ID:6hJrhCAw0
「ぐ、おおおおおおおお!?」

かつて、ゴロリを一撃で戦闘不能に追いやった『黒棺』がナッパを包み込む。
本来のナッパの機動力であれば、たとえ詠唱を破棄し速度を重視した黒棺であっても回避することは可能。
しかし『完全催眠』に捉われてしまったナッパは、敵がどこにいるかも、攻撃がどこからくるのかすらもうわからない。

「くそ、ナッパ……!」
「あのゲスオチ○ポめ……!」

それは彼と行動を共にするドラゴンズの面々も同じこと。
いくら並外れた攻撃力と守備力を持つドラゴンといえども、攻撃をあてられなければ意味はないし体力は削られ続ける。

「ぐ、く、サイヤ人を舐めるなよ……!」
「まぁだ倒れねえのか……流石にうんざりだ。狛村みたいに綺麗に一発退場してくれよな」

久保帯人の一方的な攻撃を、彼らはただ耐えることしかできない。
そんな中でも、ナッパは最も多くの攻撃にさらされながらもその全てを肉体で受け止め、耐えきっていた。
完全催眠及び自身の負ったダメージから攻撃を躊躇するドラゴンズに対して、ナッパは休まず動き続けているのが原因だ。

「そのふざけた頑丈さだけは評価してやるよ。でもな、単細胞なパワー馬鹿は俺の漫画じゃ最下層の存在なんだぜ?」
「うるせぇぇ!てめえだけは、許さねえぞ!」

完全催眠とはいえ、攻撃をしかけるために久保帯人は確かに周囲のどこかに存在する。
だからこそナッパは手当り次第に攻撃を繰り返す。いつかは当たるだろうという、分の悪すぎる賭けをして。

「ち……」

そして催眠状態のナッパは知らないが、久保帯人は直撃こそしていないが爆撃の余波で極僅かだが傷を負っている。
当然ドラゴンズの面々も余波を浴びているが、肉体の頑丈さだけを見ればここに集った生存者の中では久保帯人が最も脆い。
負ける気はしないが、それでも久保帯人にとって、現状で一番の邪魔で厄介な相手はナッパとなっていた。

(何故倒れない……?)

この邪魔で馬鹿な単細胞をとっとと沈めて、頭がきれるらしいギムレーを葬り去ってやろうと考える久保帯人。
だが彼の予想を遥かに上回る程に、ナッパは丈夫であった。
普通の相手ならとっくに殺せている筈なのに、殺せない。
ドラゴンズの三体は攻撃を躊躇っている現状、相手はナッパ一人だというのに。まるでチャドのような男だというのに。
それが、殺せない。
久保帯人の中で、無自覚の内に怒りと焦りの感情が蓄積されていく。


「……」

ナッパが傷つき、久保帯人が密かに焦る中、ギムレーは口を開かない。

(完全催眠による行動制限範囲は、ここまでか。
リオレウスのワールドツアーが妨害された地点から察するに、球状に催眠空間の形成がされていると考えるべきかな)

彼は外への逃走を試みるふりをしながら、完全催眠によって支配された自分たちの行動可能範囲を計測していたのだ。
あくまで推測の域をでないが、広すぎず狭すぎず絶妙な範囲の催眠空間。
これでは助けを呼んだとしても、救援者も完全催眠の餌食となり殺されるか自分たちを認識できなくなるだけだ。

(結局結論は、僕たち四人でこの場をどうにかするしかないってことだね……)

ギムレーは小さく舌打ち顔を歪める。
絶望の使者たる自分が絶望的な状況に陥っていることが、実に腹立たしい。
そしてこの状況を覆す手段が考えつかない自分自身にも腹が立っていた。

984潰える者、潰れるモノ:2015/06/11(木) 23:15:39 ID:6hJrhCAw0
(あの完全催眠も、穴はあるはずだ。
少なくとも、元からか制限のせいかはわからないが、一度発動した催眠は必ずしも永続というわけではない。
ナッパがリオレウスを誤爆した直後、僕らは傷ついたリオレウスと移動していた久保帯人を見ている。
つまりあの時は一度催眠から解放されているんだ。そしておそらく、目の前で傷ついているナッパは本物のナッパだ。
視界に映る全てが催眠ではない、奴が同士討ちを優先的に考えているとすれば、おそらくあれも……)

否、正確にはギムレーは一手だけ、戦局を変えられるかもしれない作戦を考えついていた。

(だが……)

しかしその作戦は、彼の器であるルフレが考えるような作戦ではない。
何も知らない第三者、いやドラゴンズの仲間やナッパからも批難されるだろうほどのものだった。
絶望と破滅を司るギムレーからすれば、本来は躊躇いもなく実行できる手段なのだが……

(くそ、僕は何を躊躇っているんだ。我はギムレー、絶対の存在。世界に絶望と破滅をもたらす邪竜、そのはずだ。
なのに、何故……?僕の中のルフレの記憶のせいか、あるいは……野球をしてしまったせいなのか?)

視線を動かせば、ナッパは今も見えない久保帯人を相手に戦っている。
全身ボロボロの状態で、しかし何かに突き動かされるように、ナッパは倒れる素振りすら見せない。

(仲間……絆……ああ、そうか)

ギムレーはナッパの行動を振りかえる。
彼は真っ先にドラゴンズとイチローチームの共同戦線を受け入れ、久保帯人の裏切りに激怒していた。
それだけではない。大魔神軍の死にも怒りを露わにしていた。
おそらく、自分と同じく冷酷で残虐な種族であったであろうナッパが。

(野球に出会って人生観が変わったと言っていたけど、どうやら本当らしいね。
まさか僕もそれと同類に……いや、こんな作戦を思いつく時点で僕とナッパは別物か)

自嘲気味に乾いた笑い声を漏らしながら、しかしギムレーの掌には闇の力が既に集まっていた。

(だが、こんな絶望的な状況下で『仲間』を助けるには……これしかない)

掌を地面に押し付ける。
完全催眠と言えども天地の認識をひっくり返すことまではされていないのは確認済み。
確実に地面であると断言できるその場所に、邪竜ギムレーの力が染み込み、駆け巡っていく。

(おそらく、地中から『甦らせる』ことは制限状態では無理だ。だが『目の前に』あれば、きっと……)

985潰える者、潰れるモノ:2015/06/11(木) 23:16:14 ID:6hJrhCAw0
それはとてもとても残酷で。非道で、無慈悲で、血も涙もない所業。
心境に変化があったとはいえ、冷静な軍師の一面も持つギムレーはそれを決行した。

「――ッ!」

びくりと、地面で何かが蠢いた。

(完全催眠には発動条件があるはず。『鏡花水月』が手元にある限りと奴は言っていた……
つまりおそらくは、あの刀を対象者に見せる行為こそが条件。完全催眠にかかる前に、絶対に刀を見ずに済む状況を作り出せれば……)

「――ァァァ」

蠢いたそれは、小さく不気味な唸り声を上げる。
ぎらりと輝くは、鮮血のような眼光。

(……っ、我が命ずる。両の眼を自ら潰せ。臭いで敵を捕捉せよ)

「――ア゛ア゛ッ!」

(本能に従い『人間』を襲え。それに奴にはまだ……君の血の臭いが残っている)

「――オオォ!」


蠢いていたそれは、ギムレーから送られる指令に忠実に動いた。
迷わずに赤眼を潰し、鼻を頼りに久保帯人を狙いに行く。
元は死人。鏡花水月による完全催眠の影響下にはあらず、視力を失うことで以後も催眠状態に陥ることはない。

とある世界を絶望で包み込んだギムレーが無尽蔵に生み出す生体兵器『屍兵』
その名の通り、人間の屍を材料として生み出される異形の怪物だ。
戦争で死んだ名もなき戦士達は勿論、英雄と呼ばれる程の存在でさえ、死んでいれば屍兵に変えることができる。
しかしあらゆる蘇生手段が使えなくなってしまったこの世界では、屍兵の製造も封じられていた。
殺し合いの世界、屍兵の材料など見渡す限りに転がっているにも関わらずギムレーがこれまで使用しなかったのもこれが原因である。

だが混沌の騎士がメガザルの腕輪で瀕死の仲間たちを救って見せたように、たとえこの状況下でも超強力な術や道具は多少の効果を発揮できる。
故にギムレーは実行した。
『とてつもなく新鮮な死体』に『邪竜ギムレーが直々に力を流し込む』ことで、短時間しか動けないが本来のものに遜色ない屍兵を作ったのだ。


「グルオオオォォォォォォ!」


出来たての屍兵……否、かつて『吉川ちなつ』と呼ばれた少女の怪物は釘バットを構えて猛然と走る。

986潰える者、潰れるモノ:2015/06/11(木) 23:16:46 ID:6hJrhCAw0
そして、釘バットはギムレーから見れば何もない空間に振り下ろされた。
だがその釘バットは『見えない何か』で防がれる。
ちなつの屍に与えた指令、見えない何か、それの正体など一つしかない。


「みんな!あの場所に攻撃するんだ!久保帯人本体はあそこにいる!」

自身もトロンの雷を極限までチャージした状態でギムレーが叫ぶ。

「わ、わかったぜ!火達磨になって無様に前転繰り返しやがれ!」
「オチン○野郎になんか絶対に負けない!裁きを下してくれるわ!」

それに合わせるように、リオレウスの炎の球とソウルセイバーの光の球が放たれる。
確実に致命傷たりえるドラゴンズ渾身の一撃だ。
そんなものを放てば、久保帯人に襲いかかったちなつの屍も跡形もなく吹き飛ぶ。
それをわかっていながらも、ギムレーは雷の砲撃を解き放った。
いくら屍兵とはいえ、素体は戦闘力を持たないちなつ。久保帯人の気をひけるのは一瞬であり、チャンスはこの一度しかないからだ。




「縛道の八十一『断空』」



「なん……だと……!?」

そんな一度きりの逆転のチャンスを。
仲間の屍を弄繰り回し、眼を潰させ、挙句捨て駒にするという非道な作戦をとったというのに。
たった一言、久保帯人の声が響いただけで。
全てが無へと還った。


「なるほど、この俺の催眠空間内で増援を作った上で眼を潰させるとは……なかなか恐ろしい真似をしてくれる。
だが詰めが甘かったなギムレー。お前の雷もそこの気持ち悪い女の光も霊術や魔術の類、チキンの火球も赤火砲と変わらない。
この八十九番以下の破道やそれに準ずるものを完全に防ぐ俺の断空の前じゃ……何発撃とうが無意味なんだよ」

ゆらりと、久保帯人が姿を現す。
ちなつの屍をなんなく撥ね退け、愕然とするギムレーを見下すかのような笑みを浮かべながら。

「だからいったろ?俺は、完全催眠に頼るだけの男じゃないってよぉ?」
「く……!?」
「でもちょっとだけ驚いたぞ。褒美にお前から殺してやるよ。
破道の九十……黒ひっっぎいいいいいいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃん!?」
「!?」




今まさにギムレーを葬ろうとしていたシリアスな久保帯人から、非常に情けない声が漏れた。

987潰える者、潰れるモノ:2015/06/11(木) 23:17:17 ID:6hJrhCAw0
それの理由は、すぐにわかった。

「ち、ちなつ!?」

あっという間に久保帯人に返り討ちにされ、地面に転がされていたちなつの屍が釘バットを久保帯人の股間へ振り上げたのだ。
断空はドラゴンズの猛攻から久保帯人を救ったが、同時に彼の側にいたちなつも救っていたのである。
そしていくらさほど強くはないとはいえ、屍兵の一撃を人体の急所に、しかもとびきりえげつない武器で強打されたともなれば。

「あひ、あひぃぃぃん!?」

どれだけ残酷で絶対な力を持つとはいえ、人間の男であれば悶絶しないわけがない。
さらにいえば、今の一撃はタマだけでなくホモには欠かせない大事な竿にすらも致命的なダメージを与えていた。
野望のためだったとはいえ、野球チームの監督が男の誇りをバットにより打ち砕かれるのはなんという皮肉だろうか。

「うおおおおおおお! くらえ久保帯人ォォォォォォ――――――ッ!!!!!!」

そんな悶絶する男に、絶叫しながらナッパが殴りかかる。
最高の技で跡形もなく消し飛ばすことも考えたが、彼の中には純粋な怒りがあった。
仲間を裏切った男を、この手でぶん殴りたいという強い怒りが。
そして戦闘民族サイヤ人の本能が、断空が気による攻撃も防ぐ可能性を見出していた。
この一瞬の戦闘、刹那の時ながらも視界に映った元ちなつと思われる少女には、手を出したくないという思いも。

「ひぎっ、ば、縛道の八『斥』……!」

結果として、ナッパの選択は正しかったと言える。
もし強力な技で攻撃して、倒し損ねてしまえば相手は土煙に乗じて退避、完全催眠で安全圏まで逃げてしまうだろう。
そして久保帯人の操る鬼道は強力ではあるが、接近戦で純粋な物理攻撃を防御する盾を生み出す術は断空よりも遥かに弱い。

ナッパの剛腕が、防御に使用された鏡花水月を粉々に粉砕する。
その勢いのまま鬼道で生成された盾も貫き、久保帯人の腕を破壊した。

「――ッ」

鬼道を唱えようとしたのか、それともなっさけない悲鳴でもあげようとしたのか。
しかしそのどちらも実現する前に、ナッパのもう一方の拳が久保帯人の顔面へ叩き込まれる。
ボッ!という音が響くと同時に、裏切りの監督はこの世を去るのであった。










「はぁ……はぁ……や、やったぜ……!」
「霊圧も感じないし、あのゲス○チンポが起き上がる気配もない。どうやら倒せたとみていいようですね」
「おい、伏せる位置ちがくね!?」

肩で息をするナッパに、ドラゴンズの面々が駆け寄る。
鏡花水月が破壊され、久保帯人が死んだことで完全催眠も解かれたのだ。

988潰える者、潰れるモノ:2015/06/11(木) 23:17:44 ID:6hJrhCAw0
「……」

そんなメンバーを、倒れ伏した屍が見つめていた。
眼は潰しているためその姿を見ることは叶わないが、臭いで判断しているのだろう。
そんな屍も、時間制限か或いは久保帯人の攻撃によるせいか、崩れて霧になっていく。
言葉も遺品も、何も残すことなく、消えていく。


「……」
「なあ、ギムレー。さっきのあれはやっぱり……」
「……そうだ。吉川ちなつ、彼女の屍を僕が兵にした」


消えていく屍を見ていたナッパは、先ほどよりは落ち着いた様子でギムレーに問いを投げかける。
ギムレーもそれに誤魔化すことなく答えて見せた。
リオレウスとソウルセイバーは僅かに驚きの表情を浮かべるが、以外にもナッパは激昂することはなかった。

「あいつ、さっきは助けてくれたんだよな。あれも、お前が命じたのか?」
「……最初はね。だが、倒されてから起き上がり、凶器で急所攻撃なんて追加命令はしていない筈なんだ。
おかげで僕は命拾いしたわけだけど、まさか偶に見られた自我の残った屍兵……?だが強固な精神を持つ英雄でもない彼女が……」
「理由はなんだってかまわねえよ。確かなのは、俺達のチームにはちなつが確かにいて、そいつに救われたってことだ」
「……」

それぞれ思うところはあるだろう。
しかし、彼らには休む間も悩む間もない。
久保帯人の裏切りは予定外のことであり、本来の倒すべき強敵はまだ残っているのだから。

「よし、とにかくイチロー達も早く助けて……っおぉ?」
「無茶をすんなナッパ!お前が一番ダメージ受けてるんだぞ!?」
「私達も少なからずダメージを受けています。あの触手オ○ンポが気になるところですが……」
「心の底から認めたくないが、今の僕らじゃ足手まといだ。まずは傷を癒す手段を探さないといけない」
「チ、チクショウ……!みんなが危険な目にあってるってのに……!」

ぎりぎりと歯噛みするナッパだが、その足取りはふらついている。
常人であればとっくに死に絶えているであろう程の傷なのだ。立って喋っていることすら奇跡である。

「俺が、ワールドツアーで何か探してくるか?」
「待てリオレウス、もはや飛ぶことすら控えた方がいい。この関東周辺は僕から見ても化物のような連中がうじゃうじゃいる。
回復しきる前にうかつに空を飛べば、最悪モブの狂信者にすら撃ち落されかねないぞ……」

ナッパ達のもとから、ひとまずの危機は去った。
しかし失った代償は大きく、決して軽視できない傷も受けた。
そして久保帯人が倒れ、彼の野望が潰えたとしても、彼の目的がはからずも遂行されてしまう危険はまだ在る。

狂信者と触手男の襲撃により、既にドラゴンズは野球を行えない状態。
霊夢とちなつが犠牲となり、イチローチームも存続の危機。
そして彼らは知らないが、あの拳王チームも次々にスタメンを失い、超人チームは既に崩壊。
ウルフハリケーンズは狂信者の手により壊滅し、聖帝軍も続いて狙われている。
久保帯人の暗躍だけでなく、野球選手はいつでもどこでも命を狙われているのだ。
全てのチームが機能しなくなった時、救いの予言は果たしてどうなってしまうのであろうか……

989潰える者、潰れるモノ:2015/06/11(木) 23:19:50 ID:6hJrhCAw0
【二日目・9時00分/千葉県木更津市から南側】

【イチローチーム+ドラゴンズ B】
【ソウルセイバー・ドラゴン@ヴァンガード】
【状態】大ダメージ、巨乳
【装備】不明
【道具】支給品一式
【思考】基本:世界を救うためにも、オシリスについていく
0:ドラゴンズAチームが気がかり
1:人間のオチ○ポには絶対に負けたりしない
2:都庁軍討伐は後
3:都庁軍は絶対に信用しない
※♀です

【ギムレー@ファイアーエムブレム 覚醒】
【状態】大ダメージ、中魔力消耗、人間形態
【装備】トロンの書、鋼の剣、邪竜の鱗
【道具】支給品一式、不明品
【思考】基本:野球で優勝して、自分の信者を増やす
0:傷を癒す手段を確保したいが……
1:ドラゴンズAチームが気がかり
2:試合の邪魔をするDMC狂信者を倒すために、本拠であるビッグサイトを攻略したい
※外見はデフォルト設定の銀髪青年です
※制限により、しばらく邪竜形態でいることはできません
※首輪を外したとしても、屍兵は簡単には生み出せません

【リオレウス@モンスターハンターシリーズ】
【状態】ダメージ(大)
【装備】不明
【道具】支給品一式
【思考】基本:へたれイメージ払拭のために野球で優勝する
0:ドラゴンズAチームが気がかり
1:オシリスに着いて行く
2:実はレイアと仲直りしたい

【ナッパ様@ドラゴンボールZ】
【状態】特大ダメージ、野球脳、激しい怒り
【装備】なし
【道具】一人用のポッド
【思考】基本:ハラサンの意思を継ぎ、イチローチームを優勝させる
0:早く傷を治して仲間を助けに行きたい
1:あの触手男も倒す
2:野球を邪魔するDMCは許さない
3:バーダック生きてたのか
4:あのガキ(光熱斗)にはいつか報復する、野球で
5:ベジータはそのうち探す
6:無事でいてくれよみんな……
※回復した場合、戦闘力が大幅に上昇します


【久保帯人@現実?】死亡確認
※鏡花水月以外の支給品は放置されています
※ちなつの遺体と支給品が消滅しました

990地下を走る死神の列:2015/07/08(水) 21:23:08 ID:iszudFbc0
時刻は9時前。
ここは巨大な世界樹と化した東京都庁の地下北部。
影薄組がセルベリア・トキを中心としたDMC狂信者の陽動部隊と戦闘を繰り広げていた頃、こちらでもDMC狂信者の一団による襲撃を受けていた。
地下から侵入した部隊はセルベリア・トキの一つだけではなかったのである。

「「「SATUGAIセヨ!! SATUGAIセヨ!!」」」

ざっと見て50人以上は確実にいるであろう人数の狂信者達が地下北部に侵攻してきていた。
それぞれが武装した銃、もしくは死に物狂いで鍛錬を積んで覚えた魔法や格闘技でダンジョンに破壊をもたらしている。
だが、これに対して黙って見過ごす都庁の軍勢ではない。
世界樹に爆弾を仕掛けんとする貴虎捜索に出ていた者達の中である三匹が騒ぎを聞きつけ、狂信者討伐のために北部に現れたのだ。


『シャアアアアア!! ブラインドブレード!!』
「目が、目が〜!?」

FOEの一角にして、都庁の守護者の一匹、アイスシザース。
デスマンティス達につけられた傷もとうに癒え、万全の状態でモブ狂信者達を死に誘う大鎌を振るう。

『力溜め……からの荒れ狂う爪牙だクマッ!!』
「うおおおおお!? クラウザーさん万〜歳!!」

さらにFOEの一角であり、かつて都庁の門番であった熊、魂の裁断者。
風鳴翼とぼのぼのに深手を負わされ一時的に戦線を引いていたが、レストの治療の甲斐もあり、つい先ほど復活を果たす。
門番の役目こそレストに譲ったが、世界樹を守る役目は現在も同じであり、世界樹を侵さんとする狂信者達をその爪で容赦なく裁断していく。

そして。

『我が吐息で灰になるがいい! サンダーブレスッ!!』
「「「ぎゃああああああああああ」」」

大量の狂信者を雷撃のブレスで宣言通りに灰にしたのは、都庁の軍勢の元リーダーである雷竜。
雷鳴と共に現る者、雷竜クランヴァリネである。
今でこそ純粋な実力や指揮能力の差、そして信頼に値する者としてリーダーの座をダオスに譲ったが、その実力は今でも都庁の軍勢上位クラスである。
少なくとも、メギドを覚えた程度のモブ狂信者に敗れることはないであろう。

雷竜、アイスシザース、裁断者。
この三匹が現場に駆けつけ、狂信者達の進軍を押し止めていた。

『こいつら、クマを喰おうとした貧乳の女やラッコほど強い奴はいないみたいクマ! いけるクマー!!』
『油断するな裁断者! おまえは復帰したての病み上がりなんだからな』
『だが、我々にとって大切な住処である世界樹である都庁に土足で足を踏み入れたこやつらの罪は重い。
この中にはどうやら貴虎に該当する輩はいないようだが、破壊工作を手伝おうとしているのは明らかだ。
みすみす見逃して被害を拡大するわけにもいかん。
アイスシザース! 裁断者! 必ずや、こやつらを皆殺しにするぞ!!』
『『応ッ!!』』

長の声に応じ、二匹のFOEは士気を上げた。
それに比例して地下の一角に狂信者の死体が次々と積み重なっていった。


狂信者側は数こそ圧倒的に多いが、三匹の実力に及ぶ戦力は持っていないようだ。
こちらには南部側に出現したセルベリアやトキのような実力者はいないようであり、三匹による駆逐は容易に可能と見られていた。




そう……何事も起こらなければ。




それは、彼らと狂信者との戦闘中……唐突にやってきた。

991地下を走る死神の列:2015/07/08(水) 21:23:43 ID:iszudFbc0

『次は呪縛の円……なに!? こんな時に地震だと!?』

突然に、彼らのいる世界樹の地下が揺れだした。
知らぬ者、魔力の動きがわからぬ者にはただの地震と思うかもしれない。
実際には同時刻に大和の召喚した龍が世界樹に攻撃を仕掛け、世界樹そのものが攻撃を受けたことによる余波が地下に響いているのである。

『……いや、違う。これは地上が攻撃を受けているのか!?』
『わかるのですか雷竜様?!』
『地上が攻撃を受けているですとクマ?!』
『この魔力の大きさ……まずい!! これは果たして地上に戻るべきか?』

地上から磁波もしくは多大な魔力の動きを読み取り、雷竜は地上が攻撃を受けていると結論づけた。
フォレスト・セルに結界やミザールなど、二重三重の防衛手段があるにも関わらず世界樹が打撃を受けた事実は、三匹を戦慄させるには十分であった。
狂信者側もこの地震に対して何か思い当たる節があるのか、退却を始めだした。
それを踏まえて、雷竜の脳裏に地上に引き返すべきであろうか、という疑問符が頭をよぎる。
しかし、彼らが行動を起こすより早く、ダンジョンの天井から大量の土砂と落石が三匹の頭上に降り注いできた。

『危ない!! 落盤だ!!』
『うおおおおおおお!!』
『クマァーーーーーーーーーーー!?』

防御手段を持たない三匹と、逃げ遅れた狂信者が落石と土砂に飲み込まれていった……





『……ようやく収まったか』

やがて大地震は収まり、土砂と落石の雨が止んだ。
その雨を雷竜はその身に受けたが、命に別状はなく、大したダメージは受けなかった。
落石によってダメージは受けはしたものの雷竜の防御力と耐久力でこれを凌いだのである。
土砂崩れや落盤程度で命を落とさなかった点は流石は都庁の軍勢を率いていただけの存在であると言えよう。

『くッ、怪我は大したことはないが……身動きがとれん……!』

しかし、ダメージこそ少ないものの、完全に無事で済んだとは言えなかった。
頭を除いた全ての部位が、不運にも土砂に巻き込まれて埋もれてしまったのだ。
今の雷竜は首以外は動かすことができないでいる。

『せめて私にも氷嵐の支配者のようなミラーシールドが使えれば……こんなことにはならなかっただろうに……
たらればを吐いてもしょうがないが……フンッこのッ動けッ! ……ダメか』

必死にもがいて脱出を図ろうとするも、爪一つ動かすこともできない。
相当な量と重さの土砂が積もっているのか、雷竜の力をもってしても自力脱出は不可能であり、抜け出すには他者の手を借りる必要がありそうだ。

『うむ、一緒にいたアイスシザースと裁断者は無事だろうか?
死んでるとは思いたくはないが……ん?』

するとそこへ、ダンジョンの闇の奥から一匹の熊が現れた……裁断者だ。
どうやらあの落盤の中で雷竜同様生き残れたらしい。

『魂の裁断者! 無事でだったか!』
『……』
『すまぬが助けてくれまいか? この通り身動きがとれんのだ』

雷竜は部下である魔物に助けを請う。
何をするにしても埋もれた体を出す必要があり、そのためには裁断者の協力が必要であるからだ。

『……』
『裁断者……?』

しかし、助けを求められた裁断者は返事をしない。



そして、僅かな間の後に、雷竜は裁断者の異常にいよいよ気がつくのであった。

『!!?』

よく見ると裁断者の頭部が凹の形にヘコんでいた。
二つの目からは眼球と脳漿が飛び出している。
裁断者は既に死んでいた……


【魂の裁断者@新・世界樹の迷宮 ミレニアムの少女 死亡確認】

992地下を走る死神の列:2015/07/08(水) 21:24:30 ID:iszudFbc0



「やったDEATH! クラウザーさんに生贄を更に一匹捧げることができたDEATH!」

裁断者の巨体がズシンと前のめりに倒れると、そこから血のついたギターを抱えた黒髪ツインテールの女子高生が現れた。
ギターによる48の殺人技の使い手にして狂信者の一人、中野梓だ。
ギターに真新しい血糊がついているところからして、裁断者を殺害した下手人は彼女であることを示していた。
更に先ほど雷竜達と戦っていたモブ狂信者達が数人ほど梓のバックについていた。

『狂信者共……まだ残っていたか!』
「おや、首から下が埋まっているようDEATHね。
都庁の軍勢のリーダーらしい竜を討ち取ったあらば、大功績DEATH!
逃げ道が塞がった時はヤバイと思いましたが、怪我の功名って奴DEATHね!」

この北部に現れた狂信者の部隊も、セルベリアが率いていた部隊同様、ディーから与えられた任務は陽動であった。
本当ならば、狭間と大和が配置についた時点で退却する手筈だったが、梓と数人のモブ狂信者達は逃げ遅れてしまった。
しかし、引き返してみれば傷ついたFOEと動けなくなった雷竜を討ち取るまたとない機会に遭遇したのだ。
雷竜にとっての不運は、梓ら狂信者達にとっての僥倖であった。

『おのれ! よくも裁断者を! サンダーブレスで灰燼に帰すがいい!!』

雷竜は首以外身動きが取れない状態でも臆すことなく、狂信者達に雷のブレスを吹きつけようとする。
しかし……それより早く、梓のギターが雷竜の顎に強烈な一撃を放って口を強引に閉じさせ、ブレスを阻止した。

『グガアアアッ!!』
「ふう……危ない危ない。
事前にモブ狂信者の人にタルカジャとスクカジャを目一杯かけてもらって正解でした」
『こ、これだからロリは嫌いだ……!』

梓やモブ狂信者は狭間から教わった攻撃力を上げる魔法・タルカジャと、素早さを上げる魔法・スクカジャによって肉体を強化していた。
機動力は雷竜がブレスを吐くより早くなり、一撃一撃が雷竜に通用するほどの威力を獲得していた。
逆に雷竜は埋もれていて身動きができず、敵の攻撃を一切回避することができず、首以外の部位に依存する「竜の鉄槌」や「呪縛の円舞」などの技で反撃することができないでいた。
首があれば「サンダーブレス」と「古龍の呪撃」は使えるが、攻撃する前に梓達に阻止されてしまうのだ。

雷竜が万全あれば、梓+モブ狂信者のひと束程度など苦もなく駆逐できるだろう。
しかし今の雷竜は本来の実力を発揮できない不利な状態で戦わなければいけないのだ。


それからの展開は至極一方的であった。


「さあ皆さん! クラウザーさんのためにこの雷竜を生贄に捧ぐのDEATH!!」

拳や蹴りなどの狂信者の鍛えられた格闘技が雷竜の頭部にクリーンヒットする。

『ぐがッ!』

マシンガンやライフルなどで武装した狂信者より放たれた銃弾が雷竜の頭部に降り注ぐ。

『ふぐッ!!』

「アギダイン」「ブフダイン」「メギド」という狂信者の詠唱と同時に魔法による一斉射撃が雷龍に襲いかかる。

『があッ!!』

一方的に攻撃を受け続けた雷竜は苦くるしい顔で狂信者達を睨みつけ、諦めずにサンダーブレスで反撃を試みる。

「お口は閉じてなさい!!」
『ぐああああああああッ!!』

だが、反撃は許さんとばかりに、攻撃をしようものなら梓のギターが叩きつけられる。
もはや、これは戦いではない。リンチか拷問と言った方が正しいだろう。
一撃一撃を食らうたび、雷竜の体力がゴリゴリと削られていった。


『この私がこの程度の輩に何もできないだと? おのれぇ!!』
「さて、そろそろトドメといきますか」

最後に梓が雷竜の頭に向けてギターを振り上げ、腕一杯に力を込めた。
そして、振り下ろす直前にボソボソと呟く。


「……唯先輩も澪先輩も死んじゃって、ムギ先輩は悪い奴らとつるんじゃって……
こんな最悪な世界、クラウザーさん無しじゃもう私、生きていける気がしないんですよ。



だから……クラウザーさん復活のために死んでください!! DEATHゥッーーーーー!!」
『うぐああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁ……』



タルカジャで強化され、なお威力を増した梓の最大限の一撃が、雷竜の脳天に振り下ろされた。

その一撃が、雷竜の中で切れてはいけない糸を、プッツリと切ってしまった……
雷竜の目から生気が急速に失われ、その長い首がぐったりと地面に横たわった……

993地下を走る死神の列:2015/07/08(水) 21:25:59 ID:iszudFbc0


「殺った! やりましたよクラウザーさーーーん!!」

雷竜とは対照的に狂信者側は歓声に湧く。
都庁の軍勢の元リーダー格である雷竜を、偶然が重なったとはいえこの手で討ち取ることができたのだから、当然と言えば当然であった。





しかし、その歓声もまた、一瞬の出来事であった。

『氷鎌……乱舞!!』

モブ狂信者達の首や胴がスパパパパーンと、一瞬にして宙を舞った。

「DEATH?」

仲間の歓声が突然消えたのを不思議に思い、梓は振り返った。

そこにはFOE・アイスシザースが自分に向けて鎌を向けていた。

『凍土の大鎌!!』

次の瞬間には、即死属性の一撃が梓の首を捉えた。
梓の死を理解する暇もまま、絶命した。
はねられた首がバレーボールのように宙を舞った。

【中野梓@けいおん! 死亡確認】



『雷竜様ッーーー!!』

狂信者を全て斬殺したアイスシザースは大急ぎで雷竜に元に詰め寄った。
アイスシザースは雷竜同様、土砂に埋もれていたが、自力で脱出できたのだ。
だが土砂から脱出した矢先に見たのは、殺害された裁断者と虫の息の雷竜、勝利に酔っていた狂信者達であった。
土砂に埋もれていた結果、今まで狂信者達に感知されなかったのだ。
そして自分に気が付いてない点と勝利に酔ってる最大の隙をつき、狂信者達を奇襲で全滅させたのだ。

『アイスシザース……生きていたのか……』
『申し訳ございません、私が落盤に巻き込まれず、もっと早く脱出できていればこんなことには……』
『そう…自分を責めずとも良い……』

息も絶え絶えの状態で、アイスシザースに語りかける雷竜。
アイスシザースは自分の救援が遅れたことを強く後悔していたが、雷竜はそんな彼を恨むことはせず、むしろ生きていたことを喜び、微かに微笑んでいた。

『ア、アイスシザース、私はもうダメなようだ……』
『そんな……!』

雷竜は頭部に致命傷を受け、もうすぐ己の命が限界を迎えようとしていることを悟っていた。

『すぐに怪我を治せる者をお呼びします! 世界樹の巫女やレストなら一瞬で治せるでしょう』
『間に合わんよ……それに先ほど感知した魔力の動きから察するに、巫女とレストは地上で戦っているようだ』
『なんと……』
『彼女らの戦いを……邪魔するわけにもいかんしな……』

超大な回復魔法持つまどかとレストはエリカと歪みし豊穣の神樹の回復のために地上に戻り、そのまま狂信者の大軍団との戦闘に入ってしまった。
さやかはおそらくまだ地上に残っており、地下で貴虎捜索に向かった者達の中に回復魔法を使える者もいない。
仮に使えても、周囲には雷竜とアイスシザースしかおらず、まず治療は間に合わないだろうというのが雷竜の見解だった。

『せ、せめて最期に一度くらい……美しい人妻熟女を見ながら、熟女に注がれた酒を飲みたかったが……な……』
『馬鹿なことを言わないでください!
トップの座は他者に譲ったとしても、あなたは我らが軍勢に必要な方なのですから!』
『その言葉を聞けただけでも嬉しいぞ……アイスシザース……』

雷竜の声が徐々に力をなくし、弱まっていく。

『親友たる氷竜や赤竜、ダオ…ス殿達には本、当に申し訳ないが、私はここまでだ……
……魔物と、共に生きてくれる良き人、間の未来のためにも、世界樹だけは絶対に守ってくれ……』
『雷竜様?』
『…………』
『雷竜様ァァァァァーーーーーッ!!!』


そして、人妻熟女と酒が大好きな誇り高き魔物の長、雷鳴と共に現る者は永遠の眠りについた。


【雷鳴と共に現る者@新・世界樹の迷宮 ミレニアムの少女 死亡確認】

994地下を走る死神の列:2015/07/08(水) 21:26:35 ID:iszudFbc0



『……雷竜様……この世界樹を守る役目、必ずや全うして見せます! この命に代えても!』

雷竜の死はショックではあるが、だからと言って踏みとどまっているわけにもアイスシザースはいかなかった。
今こうしている間にも、この地下ではどこかで爆弾を仕掛けようとする輩が侵入し、地上では大規模な戦闘が行われている以上、自分だけ立ち止まっているわけにもいかないであろう。

『本当は今からでも墓の一つでも建てて上げたいところですが、申し訳ありません雷竜様。
裁断者もスマン、後で必ず建てるから許してくれ』

事態が切羽詰まっている以上、雷竜と裁断者の死体は野晒しにするしかなかった。
今は単純な死体処理ですらやる時間がないのである。
死者を悼む時間すら与えられてない現状にアイスシザースは歯噛みする。

(落盤で多少のダメージは受けたが、戦う分には問題あるまい。貴虎捜しに戻ろう。
地上もとても気になるところだが、地上にはフォレスト・セルや巫女殿達もいる……きっと大丈夫、というよりフォレスト・セルですら止められないなら俺が行っても足でまといだろう、今は勝利を信じるしかない)

幸いにも落盤でダンジョンの部屋に閉じ込められてしまった影薄組とは違い、こちらには退路が残っていた。
その道からアイスシザースは貴虎捜索に戻っていった。

(仲間達は無事だろうか……特に骨竜には無事でいて欲しいが)

目の前で雷竜と裁断者が死なれたこともあり、仲間の身を案じるアイスシザース。
しかし、不幸なことに、既に地上・地下共に少なくない犠牲者が出ており、FOE仲間である死を呼ぶ骨竜は貴虎一行に既に討ち取られていることを、彼はまだ知らない。



【二日目・9時30分/東京・都庁地下南部】

【アイスシザース@新・世界樹の迷宮 ミレニアムの少女】
【状態】ダメージ(中)、疲労(中)
【装備】無し
【道具】ちりとり、支給品一式
【思考】
基本:都庁を住処にしたモンスター達と協力して生き残る
0:引き続き貴虎を探す
1:雷竜様(雷鳴と共に現る者)の意思を引き継ぎ、都庁の世界樹は死んでも守る
2:魔物を奴隷にする人間は嫌いだが、同盟の人間なら一応は信頼する
3:デスマンティス達の裏切りに未だにショックを受けてるが、戦いに私情は挟まないようにする
4:他の仲間は大丈夫だろうか?(特に死を呼ぶ骨竜)
※雷鳴と共に現る者より、地上が攻撃を受けていることを知りました

995Giant Step:2015/07/09(木) 18:35:09 ID:tME.iHsw0

「RXキック!!!!」
「お、おんみょ〜ん……」

 開幕必殺技に見えるが、この間にいろいろあったのだ。
 そう、光太郎はちゃんと悪の波動、痛み分け、不意打ち、鬼火の対策を練り戦った。
 悪の波動⇒キングストーンフラッシュで相殺。
 痛み分け⇒キングストーン+太陽の光で即回復。
 不意打ち⇒食らっても怯まない。
 鬼火⇒……

「この身体は炎を力に変えているのか……?」

 悲しみの王子・ロボライダーである。
 悲しみとキングストーンが反応して、ロボライダーに変身可能になったのだ。
 炎を自分の力に変えて戦う、それがロボライダーである。

 そして、冒頭RXに戻り、ミカルゲにRXキックをかましたのだ。


 ――CLOCK OVER――

「ハッ!」
「グ……!」

 超高速の中を二人のライダーが駆け抜ける。
 しかし、片方はやさぐれているが戦闘経験豊富なライダー。
 もう片方は変身アイテムを手に入れたてのライダー。
 その経験値の差は火を見るよりも明らかであった。
 立っているのはキックホッパー。
 地に伏せているのはザビー。

「止めだ……!」

 だが、次の瞬間ザビーの変身は解けた。
 
「!?」

996Giant Step:2015/07/09(木) 18:35:33 ID:tME.iHsw0

 ――KABUTO POWER――
 ――THEBEE POWER――
 ――DRAKE POWER――
 ――SASWORD POWER――

 ――ALL ZECTER COMBINE――

 大体、虫取り棒……もとい、パーフェクトゼクターが悪い。
 カブトとドレイクの資格者は死亡し、サソードは存在しない。
 そして、ザビーは今しがた奪った。

「そうか、この剣にはこういう使い方があったのか!」

 光太郎は戦いの最中、パーフェクトゼクターの使い方を理解したのだ。
 そして、パーフェクトゼクターをミカルゲにぶっ刺した。

「お、おんみょ〜ん……」

 ミカルゲは四散爆散した。ナム=サン。

【ミカルゲ@ポケットモンスター 死亡確認】


「由良さん……ここは一旦引きましょう!」
「井之頭さん!」

 形勢は圧倒的に不利。
 ならば取るべき行動は一つ。
 逃走である。
 高級外車に飛び乗り、逃走する。

997Giant Step:2015/07/09(木) 18:35:57 ID:tME.iHsw0

「逃すか! 来い、ジェットスライガー!!」

 ――3・8・2・1――
 ――Coming on Jet Sriger――

 オーガフォンで素早く入力して、追撃のためのジェットスライガーを呼ぶ。
 何故呼べるのか理由は定かではないが、きっと鴻上会長のおかげである。

                 ,ィ〃≦ミ三≧=z、_
                /ミヽ、j从リ l!i レノクミ、    実に・・・
               /ム彳jハリlソハ川リノノノ、ミ彡}    .!   _  !   、  、
              ,K≧=ヲ´─≠´ ̄ ̄`ヽK}|  三|三 L_| ヨ三 | ヽ |   、   ヽ.  /
                {彡'/クl ___ニ=ーィ=-- }≧}   幺 | | l二.l  L__  |   }   | /
                  j、ゝ' / 'ー─‐`ヽj!Kニ=、ハ |!  小   ̄ |─j  __)ゝ__ノ レ   ノ o
                 {fj  |  K´C、 }| |r´C、 | /
               トヽ、j   `¨ ノ !}`¨´ }|   
              ゝj`     ./r'_ j:、   ソ
               `.、 ;:    `^ー^ハ /i!'    私のプレゼントだ!!
                    ,ィ7!::.   __, -== 、_j /
              /|!八::.   `ゝ=彡',〈、     
          ,ィ≦//::::!、  \    ノ、 ノ/!::!≧z、
     ,.. ≠ ´№№,'№::::|№   `>‐‐'< /クハ::!№№≧=zュ、
  r、<№№№№N/№|:::::!N}  /∧___∧} ! ,'№l:::}№№№№№ヽ
.  {№Y№№№№K、№N:::::NNレ'/ /小、 ヽ、|№j:::::№№№№№リハ
  ソ№ハ№№№№№>N::::::№ハ'  ,:::::::::!  |NN::::::N№№№№V!N
. ∧|N№!№№№№〈N№|::::::L№l_j:::::::::::ゝ__jNN:::::::N№№№№|№|
/№№№!№№№№N、№|:::::::::::::::::::::::: ̄::::::::::::::::::::::::::::V№№№V!№}


 だが……

「来ない」

 来ない。
 来る気配がない。

「皇帝も地獄兄弟の資格者か……」
「矢車さん、バイクを持たないと入れるんですか?」
「ならば、私は地獄の父親になるな」
「皇帝、そういう問題じゃない」


 ◆

998Giant Step:2015/07/09(木) 18:36:24 ID:tME.iHsw0


「響子、早く契約を!」
「待って、まずはその契約で起こりうることを全て話して頂戴……でなきゃその契約とやらは出来ないわね」
(ガード固い!?)
「何か話せない理由があるの?」
「そんなことより、響子手伝って!!」
「ほら、だから早く契約を!」

 ベノスネーカーが吐く毒液を空は二人を抱えながら避ける。
 陸上と対空だが、流石の空も守りながら戦うのは鳴れていない。

 その時である。
 バイクの走ってくる音が周囲に響く。
 皇帝が呼んだジェットスライガーがやっと来たのだ。
 しかし、ジェットスライガーには先客が二人も乗っていた。

「弦十郎さん、いきなりどうしたの!!」
「わかんねぇッ! 急にコントロールが効かなくなったッ!」
「ええーっ!?」
「だが、なんかヤバい所にツッコミそうだッ!
 友紀ッ! 少し運転を頼むッッ!」
「あたし、リリーフカーしか運転したことないよ!!」
「それで十分だッ!」

 次の瞬間、『弦十郎』と呼ばれた男はジェットスライガーから飛び降りた。

「オラァッ!!」
「!?」
「!?」
「!?」

 拳。
 たった一発の拳でベノスネーカーをぶっ飛ばした。
 その光景はあまりにも衝撃的だった。
 光太郎や皇帝、矢車さんが変身するライダーたちと大差ないインパクトであった。
 こんなことができるのも彼が……


「お前たち、大丈夫か?」


 OTONAだからであるッ!


【ベノスネーカー@仮面ライダー龍騎 死亡確認】

 ◆ ◇

999Giant Step:2015/07/09(木) 18:36:54 ID:tME.iHsw0


「あたしは姫川友紀! こう見えてアイドルやってるんだ!」

 大正義巨人軍に似たユニフォームを着た少女が元気に挨拶する。
 彼女は野球好き畜生アイドルとして有名であった。

「光太郎、知っているか?」
「分からないな……」
「私も知らないわね……」
「ねぇねぇ、矢車、『あいどる』って?」
「アイドルか、俺達には眩しすぎる光だ……だが、お前のようなアイドルは知らん」
「……友紀、本当にお前は有名なアイドルなのか?」
「本当だよ! デビュー曲がオリコンウィークリーで5位だったんだよ!!
 ……ああ、もうあたしの知名度が低いのも……これも全部アライが悪い!」
「いや、これはゴルゴムの仕業だ」

 結構、落ち込む友紀であったが、全てをアライとゴルゴムのせいにすることでことなきを得た。
 そして、今度は先程の男の方に皆は視線を向ける。
 赤いシャツのいかにも屈強そうな男である。

「俺は風鳴弦十郎……」
「風鳴? まさか、あの放送で指名手配された『風鳴翼』と何か関係あるのかしら?」
「翼は俺の……姪だ」
「なんだって!?」
「詳しく聞かせてもらおうじゃない」

 弦十郎は話す。
 今までのことを、特異災害対策機動部二課のことを。
 そして、翼のことを。

「俺達は大阪に向かっていた」
「どうして?」
「それはッ! 勿論、野球ッ!」
「友紀、今はそんなことはどうだっていいだろう……これを見てくれ」
 
 弦十郎は持っていたノートパソコンの画面を見せる。
 主にカオスロワちゃんねるの掲示板を。

「なるほどね」
「それで大阪に行こうというのか?」
「おうよッ! もし本物の翼がやってきたらなら止める。
 偽物が来たなら、そいつを止めるッ!」 

 右拳にグッと力を込める。

「子供が間違った道を進んでいるなら、正してやるのが大人の仕事だ」
「弦十郎さん……! 俺も手伝います! それが仮面ライダーだ!」

 このことに光太郎は深く感銘を受けた。 
 ――この人は強い。身体だけじゃない、その心が。

1000Giant Step:2015/07/09(木) 18:37:14 ID:tME.iHsw0

「でも、野球はやってもらうよ!」
「友紀、さっきから野球、野球ってなんなのだ?」
「ふふふ、皇帝さん! よくぞ聞いてくれました!! これを見てよ、予言の書!」

 畜生な笑顔を浮かべながら、予言の書を見せびらかす。
 彼女は幼少のころ、宮崎県の大正義巨人軍のキャンプ地近くで育ったのだ。
 それがきっかけで彼女は大正義巨人軍の大大大ファンになったのだ。

「監督であるハラサンがいない今! 私がこの予言を完遂するしかないと思うんだ!
 勿論、歌姫兼九人の最良の戦士の一人はあたし!」

 声高々にそう宣言する友紀であったが……

「あの友紀ちゃん?」
「なんだい、光太郎君?」
「ふむ、そんなこと信じられるか?」
「野球ねぇ……」
「矢車、『やきゅう』って?」
「球遊びだ」
「わけがわからないよ」
「俺もそう思うッ!」
「皆ひどいなぁ……」

 一先ず、友紀の話は置いといて、大阪に向かうことにした。
 全員でジェットスライガーに箱乗り状態。

「狭いな」
「仕方ないな」

【二日目・8時00分/日本・三重県】

【ネオ・クライシス帝国御一行】

【南光太郎@仮面ライダーBLACK】
【状態】健康
【装備】キングストーン、パーフェクトゼクター@仮面ライダーカブト
    カブトゼクター、ザビーゼクター、サソードゼクター、ドレイクゼクター
【道具】支給品一式、カラオケマイク
【思考】基本:この殺し合い、ゴルゴムの仕業だ!
0:大阪に向かう
1:クライシス皇帝と空、響子、弦十郎、ついでに友紀と共に行動する
2:あの少女(歌愛ユキ)はどこに行ったんだ?
※RXに進化しました。ロボライダーに変身可能になりました。
※バイオライダーにはまだなれません。
※パーフェクトゼクターの使い方を理解しました。

【クライシス皇帝@仮面ライダーBLACKRX】
【状態】健康
【装備】サタンサーベル オーガギア@仮面ライダー555
【道具】基本支給品一式
【思考】基本:光太郎とともに主催者とゴルゴムを潰す
0:大阪に向かう
1:戦力を集めて、『ネオ・クライシス帝国』を建国する
2:一先ず、地球人類抹殺は置いておく。(主催を潰したら取り掛かる)
3:矢車から地獄の匂いがする
4:私のカラオケマイクはどこに行ったんだ?
※参戦時期は仮面BLACKRX本編開始前です。




掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板