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カオスロワ避難所スレ2

61 受け継がれる「シ」 :2013/10/04(金) 14:11:25 ID:5541QGdM0

翼は二人の悲鳴に何の反応も示さず、ブチリッとそのままアゼルの腸を歯で引っ張ってちぎってしまった。

「ぐッ……がはッ」

裂かれた腹から漏れる大量の血液と臓器を破壊されたショックで、アゼルは倒れた。
一方で翼は彼の腸を麺料理をすするように口の中へ吸い込み、咀嚼した。
急に猟奇殺人に走った仲間にフォズは戦慄に駆られて後ずさり、震えた声で問い詰める。

「つ、翼さん! どうしてこんなことを……ハッ!?」

そこでフォズは気づいた。
彼女の青い髪の中に見覚えのない銀と赤のメッシュが入り、口には吸血鬼の如き牙。
明らかになんらかの異常を彼女は孕んでいた――思い当たる原因はあの『塵』ぐらいしかありえない。
そして小声で何かを口ずさんでいることに。

「……いくつもの虹が重なり合うと風を受けて一人の意味を知った♪」

フォズは知る由もないが、それは怪物と化し先刻死亡したアイドル『四条貴音』の持ち歌なのだ。
その詩を歌いながら翼はフォズに刀を向ける。
フォズは仲間の豹変と生きながら臓器を抜き取られるショッキングなアゼルの最後を見たことによる恐慌状態から抜け出せず、切り替え追いつ

かない。
このままではかつての仲間に斬り殺されて、喰われる末路しかないだろう。

「正気に戻ってください! 翼さん!!」
「砕け散った空に風花が舞う……♪」

混乱などの対する回復呪文を覚えていないフォズは翼に必死に問いかけるも、修羅と化した彼女は応じてくれない。
ただ、目の前の獲物を喰らうため、ジリジリと近寄ってくるだけである。

しかし、ここで動けぬ幼女の代わりに主人公が動く。
風前の灯火であるアゼルが最後の力を振り絞って液体の入ったビンを翼に投げつけたッ!

「グッ……?!」

ビンは翼の顔面に直撃し、ガシャリと割れた。
だが、硝子の塊が当たった程度ではシンフォギアに守られている彼女に大したダメージは与えられまい。
真打はビンの中身にある液体であった。

「ぐ、うわああああああああああああッ!?」

液体を浴びた翼が悲鳴を上げ苦しみ、彼女の顔面が煙を上げて焼け爛れ始めた。
こうかは ばつぐんだ!

「これは……せいすい!」
(ほとんど直感だったが…試しに聖水をぶっかけたら大当たりだったな……)

アゼルの支給品は魔物を追い払うせいすい(聖水)であった。
バンパイアのようになっていた翼をアゼルはバンパイアと似た存在になったのではないかと思い、聖水を彼女にぶつけて見ることにした。
結果はドンピシャ、闇の属性を持った彼女に大打撃を与えたのだ。

「フォズ…後は頼…む……」

なけなしの気力体力が限界を迎え、仲間に後を託してアゼルは逝く。
主人公として生きられぬのならば、主人公としての意地を見せつけて死んだのである。

「アゼルさん! ……ううッ」

目の前で仲間を失った悲しみにフォズは涙する。
風の噂によると大災害以来、ザオラルなどの蘇生呪文の効きが悪いらしく、彼はもう生き返れないかもしれない。
しかし、感傷で立ち止まっている暇もなく、すぐにでも翼を『救わねば』ならない。

「あがッ…ぐふッ!」
「翼さん……せめて苦しまぬように一撃でッ!」

聖水で悶え苦しむ翼に向けて、フォズは賢者の杖を振りかぶる。
フォズの覚えている呪文の中に翼を救う術はない。
暴走状態の彼女を救うには、かいしんのいちげき を与える死の救済しか道はなかったのだ。
ここで逃げ出しても元気を取り戻した彼女が、また別の誰かを襲うのだろう……大神官としてそれは許せない。
弱っている今がまたとないチャンスなのだ。

「お許し下さい! 翼さんッ!!」

仲間のために仲間を打たねばならぬ運命を呪いつつ、フォズは杖を振り落とそうとし――



ガオンッ バスッ



――後方からの銃声、肉が弾け飛ぶ音と共にフォズの猫耳のような帽子が宙を舞った。
銃弾を受けたフォズの頭は、皮膚・頭蓋骨の一部を吹き飛ばされ、それによって生まれた穴からピンク色の脳が顕になった。

「え゛……な、にが……」
「ふわふわと たよりなげに きえた♪」




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