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カオスロワ避難所スレ2
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「ぐ、おおおおおおおお!?」
かつて、ゴロリを一撃で戦闘不能に追いやった『黒棺』がナッパを包み込む。
本来のナッパの機動力であれば、たとえ詠唱を破棄し速度を重視した黒棺であっても回避することは可能。
しかし『完全催眠』に捉われてしまったナッパは、敵がどこにいるかも、攻撃がどこからくるのかすらもうわからない。
「くそ、ナッパ……!」
「あのゲスオチ○ポめ……!」
それは彼と行動を共にするドラゴンズの面々も同じこと。
いくら並外れた攻撃力と守備力を持つドラゴンといえども、攻撃をあてられなければ意味はないし体力は削られ続ける。
「ぐ、く、サイヤ人を舐めるなよ……!」
「まぁだ倒れねえのか……流石にうんざりだ。狛村みたいに綺麗に一発退場してくれよな」
久保帯人の一方的な攻撃を、彼らはただ耐えることしかできない。
そんな中でも、ナッパは最も多くの攻撃にさらされながらもその全てを肉体で受け止め、耐えきっていた。
完全催眠及び自身の負ったダメージから攻撃を躊躇するドラゴンズに対して、ナッパは休まず動き続けているのが原因だ。
「そのふざけた頑丈さだけは評価してやるよ。でもな、単細胞なパワー馬鹿は俺の漫画じゃ最下層の存在なんだぜ?」
「うるせぇぇ!てめえだけは、許さねえぞ!」
完全催眠とはいえ、攻撃をしかけるために久保帯人は確かに周囲のどこかに存在する。
だからこそナッパは手当り次第に攻撃を繰り返す。いつかは当たるだろうという、分の悪すぎる賭けをして。
「ち……」
そして催眠状態のナッパは知らないが、久保帯人は直撃こそしていないが爆撃の余波で極僅かだが傷を負っている。
当然ドラゴンズの面々も余波を浴びているが、肉体の頑丈さだけを見ればここに集った生存者の中では久保帯人が最も脆い。
負ける気はしないが、それでも久保帯人にとって、現状で一番の邪魔で厄介な相手はナッパとなっていた。
(何故倒れない……?)
この邪魔で馬鹿な単細胞をとっとと沈めて、頭がきれるらしいギムレーを葬り去ってやろうと考える久保帯人。
だが彼の予想を遥かに上回る程に、ナッパは丈夫であった。
普通の相手ならとっくに殺せている筈なのに、殺せない。
ドラゴンズの三体は攻撃を躊躇っている現状、相手はナッパ一人だというのに。まるでチャドのような男だというのに。
それが、殺せない。
久保帯人の中で、無自覚の内に怒りと焦りの感情が蓄積されていく。
「……」
ナッパが傷つき、久保帯人が密かに焦る中、ギムレーは口を開かない。
(完全催眠による行動制限範囲は、ここまでか。
リオレウスのワールドツアーが妨害された地点から察するに、球状に催眠空間の形成がされていると考えるべきかな)
彼は外への逃走を試みるふりをしながら、完全催眠によって支配された自分たちの行動可能範囲を計測していたのだ。
あくまで推測の域をでないが、広すぎず狭すぎず絶妙な範囲の催眠空間。
これでは助けを呼んだとしても、救援者も完全催眠の餌食となり殺されるか自分たちを認識できなくなるだけだ。
(結局結論は、僕たち四人でこの場をどうにかするしかないってことだね……)
ギムレーは小さく舌打ち顔を歪める。
絶望の使者たる自分が絶望的な状況に陥っていることが、実に腹立たしい。
そしてこの状況を覆す手段が考えつかない自分自身にも腹が立っていた。
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