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カオスロワ避難所スレ2
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「この殺し合いだってそうだ。まあおかげで僕も人間を殺しやすいんだけどね。
多分クランさん達がそれと同時にここを狙ったのは、彼らも人間の愚かさを知っているから。
魔物というだけで人間は寄ってたかって攻撃するけど、人間も敵となれば注意はそっちに向くから。
ここももうすぐ完全な世界樹になる。そうすれば……」
「レスト様……」
最後まで口にすることはなかったが、その続きは容易に想像がつく。
自然を壊してきた、魔物を迫害してきた人間の抹殺。
自身も人間から迫害され続けてきたことにより、おそらく人を信じるということも忘れてしまったのだろう。
口ぶりからして、かつて共にいた魔物のほとんども人間に住処を奪われたか、大災害で命を落としたのかもしれない。
そしておそらく、最初に住んでいたという国も。
ここは彼にとって、最後の心の拠り所でもあるのかもしれない。
「んっ?」
不意に、周囲の気温が急激に下がった。
何者かが、都庁へ超速で向かってきている。
雷竜の磁場操作もなんなく突破している様子から、相当な実力者だろう。
レストとサクヤは急いで武器を構えるが……
『さあ、ついたぞまどかよ。む……お前達は?』
「は、速すぎるよ……」
空から舞い降りたのは三つ首の竜と、それに掴まれていた少女であった。
「あなたは……もしかしてクランさんの言っていた氷竜?」
『ほう、あいつが人間に名を告げるだけでなく私達のことまで教えるとは。
我ら竜は人の忌むべき怨敵、人間に恐怖という名の試練を与え続ける理不尽の権化であるとは我らが主の言葉だが……
なるほどお前が人の身でありながら、我らを助けようとする人間か』
「レストです。どうぞよろしく。しかし随分急いだ様子でしたね、それにその女の子も……」
『うむ、私は大阪を拠点としていたが、グンマーの民の訃報を聞いてな。雷竜達が心配になり、急いで飛んできた。
大阪も中々の危険地帯だったぞ。人間が放った大量破壊兵器のエネルギーが飛んできたかと思えば……
それを二人の汚い忍者が斬って捨てて見せたからな。思わず私も全身縛られて虐殺されるかと思った程だ。
この娘は大阪で出会った、グンマーの血を引く者だ。今となってはかなり希少だろう』
「そうでしたか……ではとりあえず、まずクランさんにも報告を。ここはもうしばらく僕が守っておくので」
『すまないな』
氷嵐の支配者はまどかを連れたまま都庁に入ろうとする。
しかし、支配者の手から解放されたまどかはすぐさま都庁には入ろうとせず、入り口にもたれるレストの方を向いた。
「あ、あなたは……」
「ん、僕かい?」
「あなたは人間なのに……ここの魔物の味方をしているの?」
震える声で、まどかは尋ねた。
彼女は二度殺されかけた。一度目は怪物に、二度目も怪物に。二回とも同じ人物に庇われ事なきを得たが、彼はそれが原因で命を落とした。
同行していた氷竜は友人達を殺してこそいないが、かなりの傷を負わせた。放送では新たに佐倉杏子の名前も呼ばれ、辛い体験はしている。
しかしそれでも、まだ人間が人間を殺すといった場面には出くわしたことがなかった。
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