したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

ゲームの物語紹介スレ

1名無しさん:2008/03/04(火) 20:27:18
ゲームの物語の紹介はここで

127ロックマンゼクス 後半1:2008/06/14(土) 21:41:48
姿を現したのは少女、パンドラ。プロメテの姿はここにはなかった。

「…解った」
「いよいよプロジェクトヘヴンは最終段階に入る
 そこでしっかりと見ていたまえ…新たな時代の幕開けをな!」
「モデルZXの…ロックマン 邪魔は…させない」

杖をくるくると回転させたと思うと消え、戦闘が始まった。
彼女の戦い方もプロメテのそれと似ていた。
しかし彼のように自らの体で戦うのではない。

魔女の異名の通り、魔法のように雷や氷を自在に操っての攻撃だった。
消えては出現し落雷させ、氷の弾を撃ち、ふらふらと空を舞う。
だが今のエールは負けるわけがなかった。負けるわけにはいかなかった。

エールはパンドラの動きについて行き、攻撃を繰り出し続けた。

…ふと、二人が戦ってる間に彼らの後ろにあったモデルVが動き始めた。
しかしモデルV自体が動くのではなく
これはどうやらどこかへ移動させている様子…。

「くっ…モデルVが!」
「運命は…動き出した。滅びの運命は…誰にも止められない。
 あなたにも…セルパンにも。そう…誰にも」

そう言ってパンドラは消えた。セルパンにすら…?これはどういうことなのだろう。

そしてプレリーの通信が入る。
「ごめん、モデルVの発掘を阻止できなかった!そっちで追跡できる?」
「解った、反応を追ってみるわ…」

だがそう簡単に事は進まなかった。
「! これは…!イレギュラーの大群が出現したわ!
 イレギュラー反応が多すぎて、モデルVの動きを追うことができない!」
「セルパンのやつ、なんとしても逃げ切るつもりね!」

「…トランスサーバーにイレギュラー撃退のミッションを追加しておいたわ
 準備ができたらミッションを開始して!」
町を覆うイレギュラー。動き出したモデルV。姿を消したプロメテとパンドラ。
事態は刻一刻と悪化していた。

市街地エリアO。そこはもう火の海と化していた。
空は真っ黒な煙で覆われ、火の粉が舞う。
そして町を徘徊するおびただしい数のイレギュラー。

彼らを倒しながら彼らを指揮するリーダーとなる存在を探しに奔走するエールは
とうとう最奥部でそのリーダーに出くわす。

焼けた町、瓦礫の上に立っていた二人。プロメテとパンドラだった。

「やっぱりお前達か…プロメテ、パンドラ!」
「さぁ…クライマックスだ、エール!
 我らロックマン…力を持った者同士が殺し合う滅びの運命!
 そう…俺達は呪われた運命に魅入られた同じ仲間なんだよ!」
「アタシは…お前達の仲間なんかじゃない!」
「ううん。あなたは…私達と同じ。
 ライブメタルの真の力を引き出せる…特別なロックマン」

「セルパンはよくやってくれたよ!
 モデルVを掘り当てただけでも十分役に立った。
 だが、奴如きにモデルVは扱いきれん…
 取り込まれるのがオチだ!」

セルパンの部下だと思いきやなんと彼らが単にセルパンを利用していただけだったのだ。

「あなた達…初めからセルパンを利用していたのね!」
「…もう遅いわ。モデルVは…もうじき覚醒する」
「もう少し俺達に付き合ってもらうぞ…ロックマン…モデルZX!」

そして二人の姿が消え、彼ら二人との戦いが始まる。
二人揃った彼らの戦い方はコンビネーションを駆使した攻撃だった。

プロメテが炎を巻き上げ、パンドラは氷の像を作り出しエールにぶつける。

「さようなら…」
「もらったァ!」

極めつけはパンドラのビットによる誘導とプロメテの鎌による奇襲の二段攻撃。
滅びあう運命だと自ら言ってのけた彼らにしては恐ろしいコンビネーションで襲い掛かる。

激しい戦闘は続き、エールはかなりの苦戦を強いられた。
現時点で彼らがどの程度の力を出しているかは不明だが
とにもかくにも、戦闘はエールの優勢に終わった。

「お前達の目的は何!?何でアタシに付きまとうの!」
「…私達ロックマンは…戦い合う運命」
「フッ…フフフッ…全てを知りたければ…戦い続けろ…!
 お前も…セルパンも…そして俺達も…
 『あの男』の仕組んだゲームからは、逃れられないのさぁ!!」

こう残し、ロックマン達を戦いの場へといざない続ける者達は去って行った。

「イレギュラー達の勢いが弱まったわ…敵のリーダーを倒したのね!」
「まだ終わりじゃないよ…モデルVの場所は特定できないの?」

ガーディアンベースに戻ったエールに、いよいよ決戦の場が伝えられる。
モデルVがある場所…それは、セルパンカンパニー本社だった。

128ロックマンゼクス 最終決戦1:2008/06/14(土) 22:32:05
いよいよセルパンカンパニーへと突入する時が来た。

そこでエールの前に立ちふさがったのは、まず8体のフォルスロイド達。
しかし今のエールにとって敵ではなく、すぐに8人とも倒され
エールはエレベーターに乗り、最上階へとたどり着いた。

そこにあったのはおびただしい数のカプセル…それにはサイバーエルフが入れられていた。
モデルVの部屋には部屋を覆い尽くさんばかりの更なる数が。

そしてもちろんそこにいたのは…セルパンだ。
「何故…モデルVの覚醒にこれだけのサイバーエルフを必要とするか
 君にわかるかね?」

「それはモデルVが人々の恐怖と絶望を取り込み、
 自らの力とするからだ!」
「!?」
「さぁ…モデルV、この国の恐怖と絶望を食らい尽くせ!」

そう言ってセルパンがモデルVの欠片を掲げた瞬間、
一斉に部屋を覆い尽くすカプセルが割れ、サイバーエルフが
モデルVの中へと吸い込まれていった。

「弱き者は我らと一つになることで苦しみから解放される。
 選ばれし者、ロックマンによる人々の救済、それが
 プロジェクト・ヘヴンだ!」
「ロックマンによる人々の救済だって…?
 この国の人々を犠牲にして、それでも救いだと言うの?」

そしてセルパンの口から語られるロックマンが力を持つ訳。

「我らは多くの犠牲者から選ばれた新世界の王…その候補者なのだよ
 モデルVは滅びをもたらすものではない…進化を促すものだ!
 私は進化についていけない人々に生きる意味を与えてやろうと言っている!」

「お前はただ…過去の自分に、イレギュラーの恐怖に怯えているだけだ!
 だからヒトの上に立とうとする。そんなものが進化だと…お前の理想だっていうの!」
「理想だと!?戯言だ!
 私はこの国の人々の魂を食らうことでモデルVの力を得た!
 君もあの赤のロックマンからモデルZを受け継いだからこそ今ここにいるのだろう!?」

「犠牲なくして、ヒトに進化はない!それを証明するのが…
 我ら、ロックマンだ!」

セルパンが高らかに宣言すると共に手の中のモデルVが大きな輝きを放ち…
セルパンはそれを掌握し前へと突き出し…ロックオンした。

「最後に…君の恐怖と絶望を…最高の感情をモデルVに捧げよう!」


モデルVのロックマン、セルパン。ジルウェが敗れた相手。
それにとうとうエールが挑戦する時が来た。


「ぐはっ…!」

セルパンはエールの使う他のライブメタル同様、一時的な強化能力を持ち
そしてワープ能力さえも備えていた強力な力を持っていた。
だが戦いはやはりエールの勝利に終わった。

129ロックマンゼクス 最終決戦2:2008/06/14(土) 22:32:45
「クク…ククク…
 プロメテ達の…言っていたとおりだ…君が最後の鍵だったのだよ!」
膝をついたセルパンは意味不明なことを呟き始めた。

「君は今…とても強い感情に突き動かされている。
 この私をも超えるほどの…強い感情にだ!」

モデルVが強烈な光を発する。
その瞬間、何故かエールの変身は解除され…
そしてエールの体からどす黒い何かが放出され…モデルVの核へと吸い込まれて行った。
「変身が…解けた…今のは一体…!?」
そして辺り全体が大きな揺れに包まれる。

「君をここまで突き動かしてきた…ある感情だよ
 それは…勇気でも…正義でもない
 君の大切なものを奪った私への…そう、憎しみの心だよ!」
「え…!?」

そしてモデルVから真っ赤な触手が伸び、セルパンの体の各所に繋がれる。
「クックックック…フッハッハッハ…アーッハッハッハッハ!」

そして彼の体を持ち上げ、大きな光に包まれたモデルVの中へと導く。

「今ここに、新たな時代が始まる…!
 新たな支配者…ロックマンの時代がぁ!!」

丸い光の中からヒトの上半身らしきシルエットが飛び出る。
そしてそれは見る見るうちに巨大化し…

強烈な光を発し、収まった時にそれは姿を現した。
モデルV本体にロックオンしたセルパンだった。

「アタシが…モデルV覚醒の鍵だったっていうの…?
 それじゃあ…今までの戦いは…何のために…」
力なくただそこに立ち尽くすエール。

そのとき、彼女に声がかかる。モデルXと、モデルZだ。
「…あきらめないで」
「お前の戦いは、まだ終わってはいない」

続いて現れたのは4体のライブメタル。
「我らは、お前の復讐のために力を貸したのではない」
「ムカついた奴をぶん殴って終わりだなんて、ガキの喧嘩じゃねえんだ」
「熱くなっちゃダメ。力任せに泳いでも、水を濁すだけよ」
「例え闇の中にあろうと、目指すべき光を見失ってはならない…」

「君の力は…憎しみの力なんかじゃない。本当の勇気は…まだ君の中にある!」
「自分を…信じろ!」

エールはその言葉に励まされ、再び力を得た。
6体のライブメタルがエールの中に吸い込まれて行き…
彼女を大きな光が包み…そして。

「そうだ。アタシはあの時誓ったんだ。
 アタシが…全てを守るって」
視界を覆い尽くす巨大なセルパン。だがその前にまっすぐに立つ、
一人の小さな、しかしそれと並び立つ、一人の戦士が…そこにあった。

「ならば決めようじゃないか…新たなる支配者…ロックマンの王を!」
「アタシはそんなものにはならない!
 セルパン、お前が全てを破壊するロックマンなら…
 アタシは全てを守るロックマンになる!」

130ロックマンゼクス ED:2008/06/14(土) 22:57:59
現れた本当のモデルVの顔。憎しみの塊と言える鬼のような顔の
その額にあるクリスタル、モデルVの核。
そこにとうとうエールのセイバーが振り下ろされ…決着がついた。
「ぐはぁああっはあぁあ!」


「…終わりよ、セルパン!
 アタシはお前のようにはならない!」

動きの停止したセルパン。だが彼は突然笑い出した。
「フハ…ハッハッハッハ!
 私のようにはならない…か?まだわからないのか…?」

「我らロックマンは…モデルVを奪い合い…殺し合うために作られた…
 ゲームの駒だ…。
 最後に生き残った者が世界の支配者となる…
 あの男が仕組んだゲームの、駒なのだよ!」

あの男…。プロメテも言っていた単語だ。
「あの…男…!?」

「そうだ…!君にもあの男の血が流れている…!
 モデルVを作った…あの男の血がな…!」
「な…なんですって…!?」

「ダメだ…もう部屋が持たない…脱出しなければ!」

「滅びの運命は…変わらない、戦いは…終わらない
 人々に心がある限り…憎しみは生まれ続ける…。
 感情を生み出す心がある…限り、
 心を持つ君達こそ…真の…イレギュラー…なの…だから…!」


6つのライブメタルの力で脱出したエール。
だが…明らかにされた真実に戸惑いを隠せなかった。

「アタシには…モデルVを作った男の血が流れている…。
 アタシは…アタシの力は…世界を支配するためのものだっていうの…?」

「おいおい、あの時の言葉を忘れたのか?」
するとどこからか、暖かな赤い光が降りてきた。…ジルウェだった。

「俺の魂を受け継いで…戦い続けると言ってくれた、
 あの言葉はウソだったのか?」
「ジルウェ!…でも、アタシに流れる血は…」
「ならお前は、知りもしない男に決められた運命に従うのか?
 運命は、誰かに与えられるものなんかじゃない。
 文字通り、自分が目指す未来へと、命を運ぶことだ。」

「お前の運命は、お前だけが決められる。」
「アタシの運命は…アタシだけが決められる…」
「そうだ お前が何者だろうと関係ない、
 お前の力はお前だけの未来を掴むための力なんだ」

「セルパンが言ってた。アタシの力は…たくさんの犠牲の上にあるものなんだって。
 けど、受け継いだのは力だけじゃない。
 ライブメタルを作った、初代司令官、アタシを守ってくれたジルウェ、
 それにガーディアンのみんな…
 この世界を守って欲しいっていう願いも…みんなはアタシに託してくれたんだ!」
「なら…お前が世界を運べ。
 お前の信じる未来まで、この世界を…送り届けろ。
 それが…お前に託す最後の…運び屋の仕事だ。」
ほっとした表情で微笑んで、ジルウェは消えて行った。
そしてモデルX、Zが言う。
「エール、僕は君の勇気を信じている。
 君の作る未来を、僕は信じるよ」
「未来を作れ、未来を切り開け。
 それが…この世界に住むお前達全ての…戦いだ。」

「エールーーーー!」
降り立った場所は高速道路。
そこに、プレリーやみんなが出迎えてくれた。

「…運命に立ち向かい未来を切り開くことが…アタシたちの戦いか
 アタシには…みんなに託されたものがある。託された力がある。
 アタシは戦うよ、みんなの大切なもののために…!」


モデルVを作ったあの男。セルパンを倒しても戦いが終わらない理由。
エールにあの男の血が流れている訳。殺し合う運命のゲーム。
やがて「あの男」が動き出し、彼らはそれに巻き込まれていくこととなる…。

131大戦略1941 〜逆転の太平洋〜:2008/06/17(火) 20:12:46
1939年
ヨーロッパで勃発した第二次世界大戦…
遠く離れた地で、激しい戦闘が繰り広げられていた頃、
日本はアジア諸国に対して派兵を繰り返し、
その勢力を拡大していた。

これを危惧したアメリカ合衆国は、
対抗策として日本との通商条約を破棄、
経済制裁を発動するに至った。

資源輸入の道を絶たれ、国力を維持するための資源を
南太平洋に求めざるを得なくなった日本…。
アメリカは、太平洋艦隊を西海岸から
ハワイの真珠湾に移動させ、日本の動きを牽制する…。

1941年、日本はある決断を下した。

米国との開戦…
多大な悲劇を生み出す結末となった太平洋戦争の勃発である。
その結末は歴史の必然であったのか?
「if」
もしも、その歴史の流れが変わっていたら…?

132シャイニングフォース・イクサ:2008/06/29(日) 13:51:37
人と獣人、そして魔族の住む世界。
大陸は、人間たちの治める「ノスワルド帝国」と
魔族の領土「フィアランド」のふたつに大きく分かたれていた。
こぜりあいを起こしながらも長く共存してきた両勢力だったが、
強大な武力を持つふたりの王が各国を治めるようになってから
その対立は一気に深まっていた。
大陸の各地で戦乱が起こり、戦争が日常の風景となっていく。
そんな歪んだ世界になじめないアウトローたちが辺境に集まり、
世の中を変えようと静かに動き出していた。

ここは大陸のはずれ、人々に忘れられた土地、イルゴニア渓谷。
廃墟の点在する森で、持ち主に無双の力を与えるという
「聖剣シャイニングフォース」を探し続ける四人の姿があった。
無鉄砲な少年トウマ、騎士ガドフォール、エルフ族のメーベル、
そして彼らと距離を置いて行動する少し謎めいた少女、シリル。
ある日、朝食を終えたトウマたちは、いつもどおり聖剣の探索を始めた。
昨日までと変わりのない午前の優しい光と、のどかな渓谷のせせらぎ。
この日の出来事をきっかけに、大陸全土をゆるがす戦いと冒険の日々が
始まるとは、誰一人、予想すらしていなかった…。

133Ar ronelico 世界の終わりで詩い続ける少女たち:2008/06/29(日) 14:00:17
この世界「ソル・シエール」には、1本の塔と
1つの小さな浮遊大陸しかなかった―。

蒼空を貫く巨大な塔「アルトネリコ」。
この独特な世界を舞台に、主人公ライナーと詩魔法「ヒュムノス」を奏でる
能力を持つ種族「レーヴァテイル」の絆が織りなす感動のストーリーが
展開する。レーヴァテイルの「詩魔法」による攻撃を取りいれた斬新なバトル
システム、欲しいアイテムを自分で創り出す「グラスメルク」、
調合にも必要なアイテム「グラスノ結晶」により、
レーヴァテイルの詩魔法を強化する「インストール」や、
武器を自在にカスタマイズするパワードが出来る。
(総合カタログより)

134名無しさん:2008/06/29(日) 14:01:27
>>133
タイトルですが間違えましたorz
正しくは「Ar tonelico」ですorz

135まとめ:2008/06/30(月) 20:09:51
「どうだ?開きそうか」
「もう少しだ。これはまた…ガッチリとプロテクトかけてるな」

扉の前に立つ男たちの声。
そしてその少し後に、ピッという電子音が響いた。

「よし、開いた!開けるぞ…」
賞金稼ぎの集団ハンターキャンプの一員である男達は今、
古くからあるとされる研究所へと発掘のため来た所だった。

「なんだ、ここもハズレか?中々うまくいかないもんだ。
 一発お宝見つけて、ハンターキャンプの仲間に自慢してやろうと思ったのにな」

ドアの中へ入った男達の目に飛び込んできたのは
ガランと開いた広い部屋にある4つのカプセル。そしてその中心に…

「これは…!レプリロイドの少年!? なんだってこんな所に…」
4つのカプセルが置かれた部屋のその中央に設置され、
天井に直結した大きな、5つめのカプセルの中に謎の少年。
彼らには意味がわからなかった。

「おい、無闇に触るなって!!
 セキュリティに引っかかったら、メカニロイドどもが沸いてくるぞ!」
しかし彼の言葉はすでに遅かった。
けたたましいアラーム音が響くと共に
手をバスターパーツにした機械兵、ガレオン達が部屋へと押しかけ、
瞬く間に彼らを取り囲んだ。

そしてすぐに部屋中に沢山の銃声が鳴り響いた。
二人いたハンターの一人は悲鳴を上げ腹を打ちぬかれ吹き飛ばされ、カプセルへと激突。
それはカプセルのガラスを破損させ、カプセルを誤作動させる結果へと導いた。

そしてもう一回の悲鳴がこだましたとき、銃声は鳴り止んだ。
静寂の後、カプセルの開く機械音がし…
中の少年はマフラーのように首から繋がったコードのプラグを抜かれ、
外へと投げ出される。

衝撃で目が覚めた少年が見たのは…いくつかの死体だった。
「これは…!一体何があったんだ?!
 ここは…誰だ?僕は…誰だ? ダメだ…何も思い出せない…」

頭を抱える少年。だが、悩む時間すら彼には与えられていなかった。
少年の背後に、突如として白いレプリロイドの少女が出現する。
彼女は宙に浮いていた…ただものではない。
「き…キミは?」

ゆっくりとした、感情のこもらない言葉で少女は話し始める。
「私は…パンドラ。
 グレイ…あなたを処分する。」
「グレイ…?それが僕の名前なのか?処分って…どういうことだよ!」
「あなたは…私と同じ…ロックマンの一人。
 でも…目覚めが早すぎた。
 まだ…マインドコントロール…済んでない」

「ロックマン…?マインドコントロール…?
 一体僕に何をしたんだ!」
それに答えることなく、パンドラは雷をグレイに向かい放つ。
グレイは腰を抜かしながらも寸前で回避する。

「わぁあ!」
「失敗作は…処分する…」
グレイを追い詰めるパンドラ。
腰を抜かしたグレイはおびえながらも、近くの死体が持つ銃を見つける。
「この人の武器…まだ使える!」

それを手に持つと、恐怖を叫びながら一心不乱に銃をパンドラへ放つ。
「うわああああああああああああああああああああ!」

パンドラは冷静にその銃弾をバリアで弾く。
だが、なんとかその隙にグレイは逃げることに成功したようだ。
「はぁ…はぁ…!僕が失敗作だって…?なんだよ…何なんだよ!」

メカニロイドの蠢く広大な研究所の中を、銃一つを使い切り抜けるグレイ。
追いつけれたくない。死にたくない。

何も覚えていないその心に宿った恐怖のままに、どんどんと研究所の中を突き進んでいった。

そして研究所の出口にたどり着いた…
と思いきやそれはまだ早かった。
大きな滝にかけられた橋。それは…研究所の二つの棟を繋ぐものでしかなかった。

そしてグレイの行く手を阻む者が更に現れた。
宙に浮いた顔と両手…それは研究所に配備された巨大メカニロイドだった。

グレイを潰すべく動き始めるメカニロイド。
しかしグレイはその手へと乗り、メカニロイドの目を直接銃撃し、
その動きを停止させることに成功した。しかし…

「うぁああああああああああああああ!」
力を失ったメカニロイドは橋の上に落下。そして橋もまた崩れ…
グレイは遥か、滝の下へと落ちていったのである。

136ロックマンZXA 第二話 ライブメタル:2008/06/30(月) 21:08:34
「あれ…?ここは?」

目が覚めるとグレイは、何処だか解らない建物の中のベッドにいた。
ふと、ドアのロックが開かれ、自動的に開く。
その音にグレイは反射的に、ドアに向かい銃を構える。

「わぁああ!?おいおい、落ち着けよ!」
「僕を殺しに来たのか!」
「武器を下ろせって!君を殺す気なんかない!
キャンプの外で倒れていたのを助けてやったってのに、随分な挨拶だな!」

彼の話によると彼はハンターの一員で、ここはそのキャンプ。彼がグレイを保護してくれたらしい。
彼に複雑な事情がありそうだと察すると、とりあえずはここにいるといいと言って、
トランスサーバーのある4号棟へ来るようにと言い、外へ出て行った。

そして彼はトランスサーバーでハンターライセンスを取得した。
これにより彼はハンターの一員として登録されたことになり、
ハンターの施設への自由な立ち入りができるようになるのだという。

そして…何も覚えていない彼に生きていくために色々経験を積む必要があるとし、
彼はグレイにミッションの一つを手伝わせてみることにした。

そしてハンター達への挨拶を済ました彼はミッション先へと向かうことにした。
彼らの親切には感謝しているが…グレイには少し自信がなかった。

ミッションの内容はコンテナの輸送。
この世界を仕切る連合政府「レギオンズ」から彼らへ託された重要任務。
レギオンズが探している不可思議な物体「ライブメタル」が違法ハンターによって発見され、
違法ハンターらからハンターが押収したライブメタルを守り、レギオンズ本部へと届けるというものだ。
よって、ミッション先としてまず向かうのは、
レギオンズへ行くための足…貨物列車の待つ駅だ。

「レギオンズは数百年前の戦争の後に、各国の代表が集まって作った連合政府のことさ。
 人間とレプリロイドの為の法律を作った…要するにこの世界で一番偉い組織だ
 レギオンズのデータベースなら君のことも解るかと思って、誘ってみたんだ」
そしてミッション内容がここでグレイへと話されることとなる。
そこで出た「ライブメタル」の単語を、グレイは知っているようだった。
「コイツ…オイラのことを知っているのか?」
コンテナの中から、何かの声がした。
「…なんだ、何の声だ?」
「お前、オイラの声が聞こえるのか?」

そのとき。予期せぬ事態が発生する。
ライブメタルに、イレギュラー達が群がってきたのだ。
ハンターはそれを打ち落とすと先頭車両へ向かって行った。
「君はここで待ってろ!」

続いて現れたのは…パンドラだった。
そしてもう一人、鎌を持ったレプリロイドも。
「お前は…!」
「見つけた…ロックマンの…失敗作」

「何だパンドラ。こんなガキ一人処分できてないのか」
「ごめん…プロメテ。」
「まぁいい…さっさと処分して、ライブメタルを取り返すか」

「うっ…うるさい!何も知らないまま、殺されてたまるか!」
するとプロメテは突然、鎌を振り下ろし、衝撃波を放ってきた。
グレイは避けようとしたものの腕を負傷。
そしてなんと、後部にあるライブメタルに衝撃波が直撃、破損してしまった。

「クズが…大人しくここで死んでいろ!」
「いやだ…僕は…僕は…!」

「おい!そこのグレイっての!死にたくなかったらオイラの言うとおりにしろ!」
背後から声がする。さっきと同じ声だった。

「オイラの声が聞こえるなら、変身できるはずだ!お前に力を貸してやる!」
「だ…誰だ!」
そして声は、名を明かす。
「オイラはライブメタル・モデルA!意識を集中して、叫べ!ロックオンって!」

腕をかばい立ち上がり、叫ぶ。
「ロック…オーーーーン!」
プロメテの目が変わった。

その瞬間、背後のコンテナのライブメタルは光となってグレイへと注がれ…
光に包まれ…グレイは変身した。ロックマン・モデルAへと。
「力が沸いてくる…なんでだろう。僕はこの力を知っている…これが…ロックマンの力!」

「フハーーッハッハッハ!まさかお前がモデルAを使い変身するとは!
 いいぞ、認めよう!お前はこのゲームに参加する資格がある!」
「プロメテ…あの子は…」
「ふん、かまうものか!さて…グレイとか言ったな。モデルAはお前にくれてやる…
 これからお前の前に、何人ものロックマンが現れるだろう!ソイツらと戦い、勝ってみせろ!」

「最後まで生き残ったとき、お前は自分の正体を…世界の全てを知るだろう!
 さぁ、楽しもうじゃないか!『あの男』が仕組んだ…運命のゲームを!」

137ロックマンZXA 第二話 ライブメタル:2008/06/30(月) 21:49:54
プロメテとパンドラは姿を消した。
ふと、先頭車両の方から爆発音が聞こえた。

そう、あのハンターが向かった先だ。
「しまった!みんなを助けないと!」
「ちょっと待てよ!ここから逃げるんじゃないのかよ!」
「嫌なら変身を解け!僕だけでも行く!」

「わかったわかった!着いていくよ!
 またさっきの奴らに捕まって、どっかの遺跡に入れられるのはゴメンだぜ!
 力を貸してやるから、オイラを置いていかないでくれよ!」
「…よし、行くぞ!」

そしてロックマン・モデルAとなったグレイの初陣が始まる。

先頭車両までには多数のイレギュラーが群がっていて
最短ルートで近づくには危険な箇所も存在した。
しかし身についた大きな力の前には敵などではなく…
すぐにグレイには超えられるものだった。


先頭車両上に到着したグレイの足元から、雄叫びが聞こえ始めた。

「アオアオアオアオーーーーー!」

声と同時に赤き矢が天井を突き破り姿を現す。
赤き矢…それは強力なエネルギーを纏い上昇した、体躯のレプリロイドの姿だった。
ディアバーンと名乗るそれは、フォルスロイドと呼ばれる存在らしい。

「モデルA…!お前、掟、破った!
 ロックマン、選ばれし者!その少年、失敗作!力貸す、よくない!」
「掟も何も、オイラはお前らのことなんか知らないっての!」
どうやら、モデルAも記憶を失っていたようだ。
ディアバーンが知っている何かの記憶を。

「プロメテとパンドラ…お前、逃がした。
 でも、俺、逃がさない!
 俺、掟、従う!お前、蹴り砕く!」

戦いが始まる。
ディアバーンは炎と格闘の使い手。
出現した時のように勢いよく飛び上がったと思えば、
その空中から一気に地上へと狙いを定め蹴りを繰り出す。
そして地上では炎の矢を放ち、近距離では赤きブーメランを発射する。

まさに戦士タイプといったそのディアバーンだが、
猪突猛進のように何も考えず戦っているわけではなかった。
彼は一定の距離を置き、常に相手の出方に合わせ戦う戦いのプロだった。

初めてのまともな戦いとなるグレイには手ごわい相手だったが、
上空への飛び上がりをかわした際に弱点を発見する。
それは彼の誇りであるたてがみと立派なツノ。
背後からの攻撃や高い位置により彼は弱いのだ。

攻撃を見切り、かわし、チャンスを狙い定め、的確に射撃を加える。
そうして戦いを続け、そしてついに…
ディアバーンの体に、風穴が開いた。

胴体左半分をえぐり取るように弾丸は貫通し…
左腕が吹き飛び、床へと落ち、四散した。
「お前…裏切るか…!俺たちの…未来…!俺たちの…世界を…!」
そしてディアバーンは消滅した。

後に残された光はグレイへと真っ直ぐに吸い込まれていく。

「い…今のは?」
「へっへーん!いいこと教えてやろうか?」

すると、グレイの姿が光に包まれ…ディアバーンになった。
「これがオイラの力!コピーした相手に変身できるトランスオンだ!」

姿だけではない。どうやらこの能力によって技までの自らのものにすることができるらしい。

「お互い、記憶もない上に変な奴に追われる身だ。仲良くやろうぜ!」


列車も壊れてしまい、先へは進めそうにない。面倒臭がるモデルAを説得し怪我人を救助した後、
グレイはハンターキャンプへと戻った。


「いやぁ、助かったよグレイ。
 ライブメタルは君が持ってた方が安全だろう。
 ミッションレポート、出しといてくれないか?」

138ロックマンZXA 第4話 三賢人:2008/06/30(月) 21:50:27
トランスサーバーでミッションレポートを提出する。
これをすることでどうやら1つのミッションが完了するようだった。

「今、ミッションレポートを出したのは…君だね?
 レギオンズの専用回線をトランスサーバーに繋げる。
 そのまま、アクセスしていてくれ」

壮年の男の声が画面の向こうから聞こえてくる。
しばらくして現れたのは、3人の男の顔。

がっしりとした赤髪赤髭の男。
仮面のような顔をした、三つ目の老人。
アホ毛と糸目が特徴の、温厚そうな紳士の3人だった。

「君がライブメタルに選ばれた者…ロックマンか」
「お前達は…?」

「ハハッ、お前達ときたか!
 記憶がないと聞いていたが…本当らしいな!」
「やめないか、ミハイル。仕方ないだろう…。」
「我らはレギオンズの最高権威者…三賢人と呼ばれている者だ」

この3人こそが世界を取りまとめる機関、レギオンズの最高指導者達。
世界の頂点に立つ3人の賢者であるという。

まず名乗ったのはがっしりとした厳しそうな顔の赤髭の男。
「私は三賢人の一人、マスター・トーマス」
次に仮面のような顔をした三つ目の老人。
「ワシの名は、マスター・ミハイルだ…よろしく、ロックマン。」
最後にアホ毛の温厚そうな男。
「すまない、ミハイルはああいう性格でね…
 私は、マスター・アルバートだ。はじめまして、グレイ君」

「何で僕のことを!? 僕のことを知っているのか!」

「落ち着きたまえ。君のことは、ハンター達のレポートで知っている程度だ。
 今、レギオンズのデータベースで調べている。直に君が何者か解るだろう。」

「だが…待つだけなのも辛かろう?そこで、だ…
 君に一つミッションをお願いしたい。
 君の持つライブメタルを直接、レギオンズの本部へ持ってきてもらいたいのだ」

「レギオンズ本部へ向かう列車は、壊れてしまったそうだね…。
 そのカードキーで、新たなエリアへ行けるようになるはずだ。
 実は、キャンプからそう遠くないエリアに、違法ハンターの飛行艇が墜落している。
 その飛行艇からなら、列車の修理に必要なパーツを確保できるだろう。」

「ライブメタルには、われわれも知らない技術が使用されている…
 君をロックマンへ変身させている技術ROCKシステムや…」
「数百年の時で失われた、歴史の真実の姿とかな。」
「やめろミハイル!
 …とにかく、私達はライブメタルを調べる義務がある。
 その技術やデータを…悪用されないようにね。グレイ君。頼めるかい?」

「レギオンズまで行けば…僕が何者か、わかるんだな?」
「そういうことだ。まずは飛行艇の墜落現場を目指してくれ。」

こうして、レギオンズまで向かう旅が始まった。

139ロックマンZXA 第5話 極寒の海:2008/06/30(月) 22:27:23
ハンターキャンプから墜落現場までの道のりは二通り。
そのうちの1つのルートは、氷に閉ざされた地帯だった。

「聞こえるかね?ワシじゃ、ミハイルじゃ。またエライ所に足を踏み入れたのう…」

イレギュラーがはびこるその場所は、本当に「エライ所」だった。
足を踏み外せば極寒の海へとまっさかさま。
海の中にも大量のイレギュラーが生息し、
水中では蛸の形をした巨大メカニロイドにも遭遇した。
氷を割って進む場面ではディアバーンの能力を活用して進むことも必要になった。

そんな険しい道の奥で待ち構えていたもの。それは…
二人。青髪の小柄の少年と、赤髪の長身の少女だった。

「何だ、プロメテが面白い奴を見つけたというから見に来たが…
 テティス。お前と同じくらいのガキじゃないか」
背の高い少女が言う。
「ヒドイやアトラス。君だってそう変わらないじゃないか」
テティスと呼ばれた青髪の少年が返す。

「何だ、お前たちは…?」

すると少女は足元…凍りついた水面に拳を突きつけ叫ぶ。
「ロックオン…!」
火の粉を発し、炎を纏った。
少年は手に持っていた氷を宙へと放り投げて言う。
「ロック・オン」
水に包まれた。

そして二人とも変身した。二人ともロックマンなのだ…。
「プロメテから聞かなかったかい?君の前に何人ものロックマンが現れるって
 僕はテティス。氷のロックマン…モデルLの適合者さ」
「アタシはアトラス…炎のロックマン。モデルFの適合者だ!
 戦いに生き残った者が世界の王となる運命のゲーム…知らないとは言わせない」

「世界の王だって?なんか話が大きくなってないか?」
モデルAが素っ頓狂な声を上げる。
「何だっていいさ…コイツらに勝てば、僕は自分の正体を知ることができるんだ!」

「ゴメンね…今はまだ君と戦う気はないんだ。
 僕らにも、やらなきゃいけないことがあるからね」
「まぐれでロックマンになったような奴に用はないってことだ
 お前はここで、氷付けになってるのがお似合いさ!」

ロックマンに変身したアトラスが再び拳を地にたたきつける。
すると地響きが起こり、氷は割れ、グレイは海中へと落ちてしまった。

「シャーッシャッシャッシャ!
 時間すらも凍りつく氷点下の世界へようこそ!」
続いて現れたのはフォルスロイド。
「失敗作の貴様がロックマンを名乗るなどおこがましい!
 貴様のライブメタル…このクロノフォスが貰い受ける!」

氷の使い手、クロノフォス。
海中では想像もつかない速度での動きを見せるフォルスロイドだった。

氷の矢を発射し、自らの突進と合わせる2種の波状攻撃。
一旦下がったかと思うと子型追尾メカニロイドを発生させ、グレイを追撃する。
驚くべき速度でのスクリュー移動の後に氷の矢を全身から発しての氷のカーニバル。
そしてそれはそれだけではない。
それらは彼の特殊能力、時間操作により逆行し、逆の進路をたどりグレイにぶつかってくる。
また、タイムボムといわれる自らの時間そのものを速める恐ろしい攻撃。

水中はまさに彼の独壇場といったところだった。
だが彼の動きは非常に直線的。そして前に進むと戻ることもない。
速度にさえ気をつければ、彼のトリッキーな動きも見切るのは容易だった。

氷の矢を発しようと体を曲げたそのタイミングそのままにグレイはバスターで
クロノフォスの胴体を貫いた。
「貴様も…あの男の掌で…生かされているに過ぎん…
 せいぜい…限られた時の中であがくがいい…シャーッシャッシャッシャ…!」
発射するそのままの体勢で胸に穴を開け苦しみ、消滅した。

そして新たにクロノフォスの能力を得、彼は墜落現場へのゲートへとたどり着いた。

140ロックマンZXA 第6話 薔薇の誘惑 前半:2008/06/30(月) 23:18:11
墜落現場へのゲートにたどり着いたはいいものの、
そこは三重の扉によって塞がれていた。エレメントトラップと呼ばれるもので、
属性を持つ攻撃を部屋の奥にある水晶球に触れさせなければ開かないというもの。

まずは炎。ディアバーンの炎の矢ですぐに開いた。
次は水。クロノフォスの放つ氷の矢ですぐに開いた。
だが三つ目…雷。天井上の部屋にあり、トラップの先にあるそこにはどうしても届かず…
そして雷属性の攻撃など持ち合わせていないため、どうしても通ることはならなかった。

何か方法があるのかもしれない…
そう思いグレイはハンターキャンプと墜落現場を結ぶ、もう一つのルートへと足を踏み入れた。
彼はそのとき知らなかったが、実はこっちの方が遥かに短い距離で済む。
一つイレギュラーのいるタワーを横切るだけで済むのだから。
しかし。
「アラート!アラート!セキュリティシステムに異常発生!
 警戒レベル3を発動!外部へのルートを封鎖する!」
警告音と共に扉が封鎖される。
どうやらグレイは運が悪かったらしく、タワーの中に閉じ込められてしまったというのだ。

「おい、なんかまずくないか!?」
そして来た扉すら開かない。
どうやらタワー最上部のコンピュータを修復するしかないらしい。
緑に侵食され、古代のレプリロイドが吸収されタワーの一部と化している恐怖の塔。
そこをよじ登るのは容易なことではなかった。

イレギュラーがうようよと存在し、タワーのあちこちからトラップが出現する。
巨大なクモのメカニロイドに天井から襲われながらも、
彼はなんとか最上階へと到達した。

「ここまでたどり着くとは、違法ハンターながら見所のある男だ。
 ふっふっふ…気に入ったぞ♪
 我が茨の腕に抱かれ、我らのためにその魂散らせるがいい!」

恐らく墜落現場から逃げてきた者であろう怯えた違法ハンターを
壁へ追い詰める大きな緑色の物体が…。フォルスロイドらしい。

奇妙な回転をしながら近づくフォルスロイド。
「やめろ!」

その声に反応しフォルスロイドが振り向く。
彼はグレイに興味を示したようだ。
「ほう…甘い罠に誘われ迷い込んだミツバチがここにも…か
 中々素敵な少年じゃないか…♪ 気に入ったぞ!」
「うわぁああああああああ!」
恐怖から違法ハンターが逃げ出す。

「セキュリティを狂わせたのはお前か!ここで何をしている!」
「種を育てているのだよ 新たな世界、新たな王の礎となる種をね
 このタワーに迷い込んだ者の恐怖を食らうことで、その種は成長するのだ…」
恐怖を取り込む新世界の種…よくわからないことを言うフォルスロイド。
「見 て ご ら ん ♪
 私の名はローズパーク。君も我が胸で泣きたまえ。恐怖と苦痛の声をあげてな!」

男色の気があると思われる奇妙なフォルスロイド…ローズパークとの戦いが始まった。

戦い方も至って奇妙。ツタからツタへと渡り、雷を発射する。
そして時折地面へと落下し回転しながらグレイを追い詰める。
よけやすい攻撃であり、グレイには楽勝な相手…と思われたが
「召されよ…さらばだ!」

ローズパークの股間の角に電撃が集中し…巨大な雷撃が放たれる。
直撃を受け、グレイは一気に窮地に追い込まれる。
しかしなんとかグレイは逃げきり…ローズパークの体のど真ん中を打ち抜いた。
「君の力が…ここまで激しいものだったとは…!
 ち…散ってしまう!我が美しき花びらが!うぉおおおおおおおお!」

141ロックマンZXA 第6話 薔薇の誘惑 後半:2008/06/30(月) 23:18:41
先へと進むグレイ。
そこには不気味な巨大な物体と怯える男の姿。
そしてそこで、ローズパークの言う言葉の意味がわかることとなる。
「ひぃ、お前も俺たちの飛行艇を襲ったやつの仲間か!!
ちくしょう、やめろ、くるなーーー!
ぐあぁ、あああああああああああああああああ!」

突然男は苦しみだし、そこからドス黒い何かが放出され…背後の不気味な物に吸い込まれていった。
そして…男は息絶えた。

「な…なんだ…何が起きたんだ?」
そしてそのタイミングで何者かが現れた。
二人の男。一人は片目を髪で隠し、一人はマスクをしている。

「完全なる敗北…その男は恐怖に耐え切れず、モデルVのいけにえとなった」
「モデルV…?このでかいのが、ライブメタルだってのか!」
「データ照合…該当データアリ ロックマンモデルA 発見」
「お前たちは一体…?」
すると。

髪で片目を覆った気取った男が言う。
「ロック・オンっ!」
手にした長い棒が風を纏った。
そしてマスクの男も。
「ロックオン…」
体全てが影と消え、新たな体が現れた。

「大いなる失望…お前のような奴がモデルAの適合者とはな
 我が名はヘリオス…風のロックマン・モデルH」
「コードネーム シャルナク 闇ノ ロックマン・モデルP」

「モデルHにモデルP…こいつらがプロメテの言っていたロックマンか!」
「作戦時間超過…モデルVヲ回収スル」

どうやら彼らの目的はモデルVと呼ばれるそれの回収だったようだ。
「ま、待て!逃げる気か!」
「愚かなる間違い…我らは逃げるのではない お前を見逃してやると言っているんだ」
「現在ノ 優先目的ハ ライブメタル・モデルVノ育成ト回収
 ロックマン・モデルAトノ戦闘ハ 作戦行動ニ 含マレナイ」

そして彼らはモデルVと共に姿を消した…。
「やっと通じたようだよ。無事かい?
 セキュリティの修復を確認した、これで先のエリアに進めるはずだ」

142ロックマンZXA 第7話 墜落現場:2008/07/01(火) 22:23:42
「た、助けてくれぇええええ!
 アイツ、俺らの仲間皆殺しにする気だぁ!!」

墜落現場…油田地区。
エレメントスイッチを解除して踏み込んだグレイにしがみつき訴え始めたのは、
違法ハンターの生き残りの一人だった。

イレギュラーか、フォルスロイドか…
人命を見捨てるわけにはいかない。
飛行艇を破壊されてしまっては列車の修理はできない。
本心から目的が一致したモデルAとグレイは飛行艇へと急行する。

炎を吐く巨大な蛇のメカニロイドを退けたグレイは飛行艇の中へと入っていくと
通路の真ん中に力なくへたり込んでいる違法ハンターの生き残りを発見する。

どうやらハンターの生き残りが墜落のショックで電力が足りず、
部屋に閉じ込められているという。

まずは電力の確保から。幸い電力室の扉は開いていたため、
中へと入り、6機の装置にローズパークのトランスにより
電力を供給することで、ひとまず船内の動力は確保した。

そして残るは飛行艇内のイレギュラーの殲滅と違法ハンターの救助。
急いで各部屋を回り、イレギュラーを退治し人々を助け出す。
素直に感謝する者だけでなく飛行艇を襲った者と勘違いし怯え逃げ出す者もいたが
ひとまずは見当たる範囲は全員救出することに成功した。

残された場所はあと一つ。後部に存在する広大な貨物室。
そこに入り込んだ瞬間…なんと大きな爆発音が聞こえた。


「違法ハンターどもめ。こんな所に逃げ道を残してたか」
ふと前を見るとそこにいたのは…アトラス。
人々を皆殺しにしようとしていたのはイレギュラーではない。フォルスロイドでもない。
そう…人。ロックマンだったのだ。
「お前たちはモデルVの生贄となってもらう…ひとり残らずな!」

床を破壊し、下階へと降りていくアトラス。女性とは思えぬ…それはパワーの塊だった。
違法ハンターでも関係ない。
人の命を助けるために…、グレイは何も考えず彼女を追い、下へと落ちていった。
「待て!」

声に反応し、振り返るアトラス。
「生きていたか…ロックマン・モデルA
まさか違法ハンターを助けに来たとでも言うのか?お前の仲間でもないのに」

「僕のように…何も知らないまま傷つく人が増えていくのは見過ごせない!」
心のままに言葉を発するグレイ。それに対しアトラスは呆れたように言う。
「何も知らないんじゃない。お前たちが知ろうとしていないだけだ
 世界の歴史は戦いの歴史…人々は戦いの中にあってここまで進化してこれた。」

その言葉には…重みが感じられた。
「今世界は、これから決まるロックマンの王によって新たに進化しようとしている
 何も知らずに死ぬ者は進化についてこれなかった…それだけのことだ」
「だからってモデルVの餌にしちまうのか!随分勝手な進化だな!」
「それが間違っているというのなら、アタシに勝ってみせろ!」

そして、アトラスはまた拳を地面へと突き出す。戦いの始まりを告げる合図を。
「ロックオン!」

143ロックマンZXA 第8話 蘇る記憶 前半:2008/07/01(火) 22:46:27
モデルFへとロックオンしたアトラス。
モデルAへとロックオンしたグレイ。
運命のゲームの戦いの一つがここで始まった。

先手を打ったのはアトラス。
ルーフの上にいるグレイの真下へとすばやくダッシュし、
真上へと火炎弾を打ち上げる。

これに対しすばやく回避し床へと飛び降り、周り込みアトラスへ一撃を加え、
また素早く上へと移動していく。
だがアトラスはひるむこともなく壁を蹴り上段へ登る。

自ら近づいてきたアトラスに向かいチャージショットを放つグレイだが
それは拳を地面に突き出し出現させた炎の波により阻まれ、その波はグレイへと伝わってくる。

急いで下段へと降りたグレイにアトラスはまた火炎弾を撃つ…
しかしそれは単なる軌道ではない。異様な角度で曲がった弾道だ。
避けても今度は別の弾道。それを避けてもまた…。
時にはフェイントをかけるように2度、3度と曲がる場合さえ。

自由自在な弾道操作。
それこそがモデルFの特殊能力…バスターエディットだった。

しかし…グレイには見えていた。
彼女の闘志の如く真っ赤な、アトラスの弾道が…。

弾を避け、正面に立ち一撃を加える。
すると今度はアトラスはチャージショット…大きな火炎を放つ。
これもくぐり今度はホーミングショットで一撃。
そうして戦いを続けたがグレイの優勢。

勝負は決したかと思いきやアトラスがまたチャージを始めた。
地面を走る炎の波も、宙を浮く火炎の弾も見切った。怖くはない…

しかし甘かった…これこそがアトラス最強の技だった。
アトラスのバスターに直径1mほどの巨大な熱…エネルギーの弾…いや、「球」ができている。

「吹っ飛べ!」
そしてそれをグレイに向かって放つ。しかし直線的なその軌道では怖くはない。
即座に上段へと逃げる…しかしその「球」はまさに爆弾だった。
壁へと放たれたその瞬間、弾け飛び、沢山の弾となってグレイを襲う。
これは流石に回避しきれず、その恐るべき熱量を浴びてしまう。
恐るべき攻撃…しかしアトラスはまたその攻撃を使用しようとしている。

いちかばちか…グレイはその球へと照準を合わせ…
ホーミングショットを放った。

グレイの読みは成功。そのショットは球の発射を封じ…アトラスに隙ができた。
そこへもう片方の腕からチャージショットを放ち…
戦いは幕を閉じた。

「失敗作とはいえ…あの男が残したものには変わりはないということか…!
 …いいだろう。ここは退いてやる。
 お前に戦う意思があるなら、いつか自分の正体を知るときが来るだろう…
 きっとお前は後悔する。何も知らずに死んだ方がよかったとな!」

そしてアトラスの能力をグレイが手に入れた、その瞬間…
「ぐあぁああああああああああ!
 なんだ…どうしたんだ、モデルA…!?」

144ロックマンZXA 第八話 蘇る記憶 後半:2008/07/01(火) 23:03:22
コードAW15からCE70までを開放…
レポートデータ 展開

「…おめでとう
 私が作ったこのモデルAは戦いの中で開放されていくプロテクトを施してある。
 一つ目のプロテクトを解いた君には、真実を知る資格と力を継ぐ権利がある。」

何者かからグレイへ宛てたメッセージのようだった。
運命のゲームに勝利することは…真実を知ること。まさにその通りの仕組みが
モデルAには出来上がっていたのだ。

「私はロストテクノロジーの研究を経て、ついに新たな進化の扉を開く鍵を作り上げた。」

モデルAの展開したデータによりグレイの脳裏に、ある風景が映し出される。
それは…沢山のモデルVだった。

「…ライブメタル・モデルV これを手にした者は何者をも支配する力を手に入れるだろう。
 だが、人々が私の研究を理解するには、まだまだ時間が必要だ
 そして、モデルVを覚醒させるための生贄も…。
 私はモデルVを世界のあちこちに隠し覚醒の時を待つことにした
 私の研究を理解し、力を受け継ぐ者が現れる、そのときを…。」

メッセージはそこで終了していた。
「うう…今のは一体…?」
「モデルVと…オイラを作った奴のデータか…」

「モデルA、大丈夫か?
 この奥に逃げ込んだ人たちがいるはずだ。早く助けよう!」
失われた記憶より…グレイにはまず、目先の人命が大事なようだった。

「ひぃ!また誰かきやがった…!?
 こいつはセラミカルチタンでできたシールドだ!
 テメーの攻撃なんかにゃビクともしねーぞ!諦めて帰りやがれ!」

中へ入り込んだグレイに言うのは違法ハンターのリーダーらしき男。

「オイラ達のことをイチイチ説明すんのも面倒くせーな…
 おい、さっきのアトラスに変身しよーぜ」
「…わかった」

そしてグレイはアトラスへと変身し…
セラミカルチタンの壁へと力一杯の拳を繰り出す。

すると、いとも簡単にその壁は破られ…
中からは怯えたハンターのリーダーの姿があった。
「ひぃいいいいいいい!い、命だけはお助けをぉおお!」

…逆を言えば、アトラスの力一つでその壁は破られていたということ。
グレイが来なければ…どうなっていたかは、想像に難くない。


「いやー、助かったぜグレイの兄貴ー!
 俺らはこれから、心を入れ替えて全うなハンターとしてがんばるつもりだぜ!
 もうそろそろ列車の修理も終わってる頃だろう!」


かくして、誤解の解けた違法ハンター達の協力を経て
グレイ達はいよいよ、当初の目的地へと足を踏み入れることとなった。

世界の頂点、連合政府レギオンズ。そこでは一体…何が待ちうけているのだろうか。

145ロックマンZXA 第九話 レギオンズ強襲 前半:2008/07/01(火) 23:37:48
列車から降りた所はもはや都会の雰囲気。豪華なシャンデリア、品揃えの豊富な店、
エスカレーターエレベーターも配備された駅…ここはレギオンズの玄関口だった。

だがそう都会の雰囲気に浸っている暇もなかった…
イレギュラー達が絶えず、グレイ達を襲っていたのだから。

駅を出たグレイにはまず、歓迎するかのように爆発音が聞こえてきた。
「どこかでドンパチやってるな…
 イレギュラーに先を越されたか…?
 三賢人のおっさんにも通信が繋がらない…コイツはまずそうだぜ」
「レギオンズの本部はこの先だな…急ごう!」

破壊された広場を通り抜け、レギオンズ本部に突き進む。

巨大な建物には沢山の階段。そしてそれはイレギュラーと戦う場所としては最悪の地形となっていた。
バイクに乗り階段を駆け降りるガレオン。階段を登ったグレイを狙う銃口。

いくつもの建造物から成るレギオンズ本部。
イレギュラーの巣窟となった階段を上へ上へと駆け上がり、
今いる建物の最上階へとたどり着いた所で、
何者かが姿を現した…。マスクの男、シャルナクだ。

「目標捕捉…情報分析開始
 計画ニ従イ コレヨリ 戦闘行動ヲ開始スル 回答ノ入力ヲ」
「うへぇ…一番不気味なのが出てきたよ」
「ソノ入力ハ認メラレナイ 他ノ回答ヲ」
「僕は、自分の正体を知るためにここまで来たんだ!邪魔はさせない!」

そして、戦意を確認したシャルナクが戦闘態勢へと移る。
「回答ノ入力ヲ確認…戦闘ヲ開始スル…!
 ロックオン…。」
シャルナクが影に包まれ、戦闘が始まる。

まず手始めにシャルナクはチャージを開始する。
グレイはすぐにチャージショットを浴びせるが、その後にシャルナクは
巨大な二つの手裏剣を出現させ横と縦、2方向に投げる。
ゆっくりとしたそれは微妙に斜めになった軌道を描き飛んでいき…
壁に冷たい音を響かせ跳ね返り、部屋中を暴れまわる。
そしてシャルナクは消え…

動きをよく見てそれをかわしたグレイの前に現れ今度はクナイを一直線に投げる。
二度に分けて放たれたそれを避け、グレイは背後から撃つ。

シャルナクがまた消えたので手裏剣に備え高い位置にある足場へと移動するグレイ。
姿を現したシャルナクは今度は4方向にクナイを投げる。
そして同じく高台へと器用に爪を引っ掛け登り、また投げる。
非常に読みづらい動きをしている奇妙なことこの上ない存在といえた。

奇妙な動きに惑わされることなく、確実にチャージショットを当てるグレイ。
どうやら2発続けて当てることでシャルナクの動きを止めることができるらしい。

戦いに慣れ、今度は楽に勝利を得られるかと思われた時にそれは来た。
「捕捉…!」

突如として部屋の4方向にシャルナクが現れ、いっせいにグレイに向かい
クナイの集中攻撃を始めたのだ。

影を最大限に活用した攻撃。おそらく本体はその中の一人。
サイトを展開、2つの影にホーミングを当てるが失敗、
もう2つに当てようとするもそのときはすでに遅く、シャルナクは消えていた。
後もう少しで勝利を掴めるのにこれではらちがあかない…

そこでグレイは考えた。絞ることなど何もない。
部屋全体に照準を合わせ攻撃すればいいのだと。
またシャルナクが分身を始めた。
そしてクナイがグレイに飛んだその瞬間…
グレイは奥義、ギガクラッシュを放った。辺り一面に銃弾をばら撒くその技。
止めぬ限りは回避は不可能に等しいその銃弾の雨を食らったシャルナクは床へと落ち…
戦闘行動の終了を告げた。

146ロックマンZXA 第九話 レギオンズ強襲 後半:2008/07/01(火) 23:51:29
「ダメージ…危険域…!現状デノ 戦闘続行ハ危険…!
 …撤退…スル…!」

シャルナクにも勝利したグレイ。
その能力を手に入れると同時にまた、あの頭の痛みが彼を襲った。
「うあぁああああああああああ!」


コードCE71からFC60までを開放
レポートデータ 展開

「二つ目のプロテクトを解いた君は今、
 運命の分かれ道に立っている。
 このデータを読み進めるならばもう後戻りはできない。
 君もこの計画の一部となるのだ。」

二人目のロックマンを倒したグレイが今いるのは運命の分かれ道。
どうやらここから、内容は核心へと迫っていくらしい。

…そしてまた同じように大量のモデルVが映し出される。
「ライブメタルには適合者に力を与え、新たな生命体へと作り変える機能がある。
 ロックマンへの変身機能…いや、もはやこれは変身ではない
 進化と呼べるほどのものだ。
 モデルVを作った私は次に 進化にふさわしい適合者を選び出すことにした。
 世界中の人々から進化するにふさわしい者を見つけ出すのは不可能に近い…」

またもレポートの読み込みは進められる。
そして…この先を読んだ者は計画の一部とするしかない理由。
それは恐らくこの一言があるからであろう。

「だが…私にはできる。何故なら私は世界の全てを知る者…
 レギオンズの三賢人の一人なのだから…。」

全ての黒幕。モデルAにメッセージを込めた者。
それは今まで彼を導いてきた、レギオンズの三賢人の一人だというのだ。

「モデルVを作ったのは…レギオンズの誰か…?」
「それってつまり、裏でソイツとプロメテ達が繋がってるってことだよな…
 こうなると三賢人の奴らも信用できないぜ
 それでも行くのか…?」

「行こう、モデルA!
 僕らのことを知ってるのは三賢人だけなんだ!」

グレイは最早迷わない。
彼は、運命の分かれ道を暗い方へと進み始めた…その先に光があると信じて。

147ロックマンZXA 第10話 提案:2008/07/03(木) 18:52:07
「ええい…忌々しいイレギュラーどもめ!」
「奴らが組織的に行動するとは…信じ難い話だな」

レギオンズ本部最上階、三賢人の間。
顔を見合わせ、突如として発生したイレギュラーの襲撃に頭を悩ませていた…

「イレギュラーを組織する者がいるのかも知れませんね」
「だが、その者の狙いは何だ!全ての国家を敵にしようというのか!」
…そう、一人を除いて。

一人の男が背を向け…
「理由、ですか。」

窓から眼下の風景を見渡し呟く。
「例えば、この世界に愛想が尽きた、とか」
「何だと?」

その瞬間、その男…マスターアルバートの手から宙に浮く金属…ライブメタルのようなものが…
一つ。
「新たな支配者…究極のロックマンへと進化するため…」
二つ。
「そして、一人の科学者として、進化の行き着く先を見たいがため…ですかね。」
三つ、四つ。
それらはアルバートを囲むように回り始める。
「それは一体…!? まさか貴様…!」

「これは…提案ですよ。数百年かけて導き出した…この世界への…、提案です。」

「我ら三賢人は、三人の協議を以って公平な答え導き出すためのシステム。
 否定をするのなら、あなたがた二人で止めてみてはどうです?…そう、三賢人として。」

そこに一人の少年が張り詰めた空気のその部屋へと入ってくる。…グレイだ。

「お、おい!アレ…ライブメタルじゃないか!?」
「解かれたプロテクトは二つ。どこまでバレてしまったかな?
 早めに君を処分したかったのだけど…裏目に出てしまったようだね。」

微笑みを絶やすことなく余裕を持った表情で彼に言葉をかけるアルバート。
グレイの怒りがここで頂点に達する。
「お前を殺そうとしていたのは…お前だったのか!」
「そう、怖い顔するなよ…レギオンズへようこそ。…失敗作君。」

彼は走り出す。
「マスター・アルバートおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
照準が次々にアルバートの体に浮かび上がる。
そして銃弾を彼の体に力任せに一斉に放つ。
とてつもない速度での連射…しかし、
その弾は彼を守護するライブメタル…4つのモデルVの作り出す透明な壁により阻まれ、
笑うアルバートの顔にはかすり傷一つ負わせることもできない。

そうして…アルバートは宙に浮き始める。
「また、会えるさ…。」

勢いよくガラスが割れ、外気が部屋の中に吹き抜ける。
アルバートの体はそこと吸い込まれ…そして…
「君は私の、影なのだから。」
消えていった。

窓から見渡しても最早どこにもいない。
そしてその言葉の答えも、今見渡せるどこにも…ありはしなかった。

「…なるほど、君の話はわかった。
 我らは機械の体を持ち、数百年の時を生きる事を許されている。
 アルバートは三賢人となる数百年前に、すでにモデルVを作り上げていたのだな」

そして、トーマスからの話は続く。
「それから…グレイ君。データベースで君のことを調べさせてもらったよ」
「それじゃあ…僕のことが解ったの!?」
「君のデータはなかった…君はこの世界には存在しない者ということになる。」
「そんな…」
「君が何者かは解らない…だがアルバートは、君のことを自分の影だと言った。
 恐らく、君が現れたがために計画を早めなければならなかったのだろう。
 その理由は…解らんがね」

そして追い討ちをかけるようにミハイルが言う。
「悪い知らせだ…世界の各地にイレギュラーが現れている。
 アルバートめ、モデルVの生贄を集めるために狩りを始めおったのだ…」

自分のことも何も知らないグレイ。
そのグレイが立ち向かうは世界の全てを知るアルバート。
グレイは、自信を失っていた。
「お前のことなら、オイラが知ってるぜ
 ガキのくせに強がりで意地っ張りで、何の得にもならねえのに、
 どんなやつでも助けようとする、大馬鹿のお人よしだ!」
「…!」
「見えないとこで苦しんでる奴らはほっとくってのか!?大した正義感だな!」
「そうだ…まだ僕にはやれることがある…!行こう、モデルA!
 勝てないかもしれない…それでも、アルバート達と戦えるのは僕達だけなんだ!」

人々を助けなければならない。
人々が襲われているのはモデルVのある所。
そしてモデルVの先には…アルバートが待っている。

グレイは新たなる戦いへと飛び込んだ。

148ロックマンZXA 第11話 死のライブ:2008/07/03(木) 20:17:41
始めに向かった場所はガラクタだらけの山地。
砂が露出し、ぐちゃぐちゃとしていてスクラップと相まって非常に気持ちが悪い。

「そこはスクラップ置き場じゃ。
 捨てられた機械が山のように積み重なっておる。
 もっとも、ついこの間までは雪に埋もれていたんじゃがな」


その場所がどうして雪の全くないどろどろとした砂地になったか。
それはモデルVによってスクラップがイレギュラーと化し動き始めることで
熱が発生したからなのだという。

捨てられた機械が蠢く奇妙なエリア。
そこではスクラップそのままに動き出しているさながら機械のゾンビといったようなイレギュラーを始めとし、
奇怪なイレギュラーが数多く存在していた。

足を絡め取るようなスクラップの動き。
天井から降り注ぐ鉄屑。
レバーによる手動操作でトゲのついた破砕機を引き上げ、くぐるなど
どうにも面倒な場所だった。

その機械の墓場の奥にそれはいた。モデルVの力を使い
イレギュラーを動かしている張本人…フォルスロイドだ。

天井からの骸骨型のスポットライトが集中したその部屋の中心に…。

「イレギュラーどもをかきわけて!
 俺様のステージを特等席でかぶりつきか!?
 なかなかロックな事しやがるじゃねえか、ロックマンモデルA!」

そう。このフォルスロイドは音楽を…
ロックをこよなく愛する、熱きフォルスロイドだった。

「俺様は、コンドロック!
 モデルVに目覚めのキスをする王子様役、ってとこだ。」
「モデルV!?この奥にあるのか!」
「おっとぉ!? ここから先はVIP席だ!
 先へは行かせねぇぜ?」

そして、ステージを盛り上げる最高の一言として彼は叫ぶ。
「さぁ、ライブを始めるかぁ!
 ギターは俺様! ボーカルは俺だ!
 期待してるぜ…断末魔の!ロックなシャウトをよぉ!!」

そしてノリのいいフォルスロイド、コンドロックはその姿を消し、
ステージ上部へと移動した。
「ついてこいよぉ!?」

ギターをかき鳴らし破壊音波を発生させるコンドロックは
客席へのパフォーマンスを忘れはしない。
平行な滑空から音波を直接スクラップ…死した客へと注ぎ込み、奮い立たせるのだ。
そしてボーカルたるグレイに群がるスクラップ達。
彼らを静めたグレイに今度は音波を浴びせる。
大音量のスピーカーで鳴らされたそれはグレイの動きを制限し、
直接鳴らしているコンドロックのそれは銃弾をも弾き、
グレイの体にも直接作用する。
そしてギターをうならせての攻撃。
更にはステージ全体を大きく揺るがす最大の攻撃も。
「クライマックスぅ!!」
大音量と共に骸骨の照明が狂気に共鳴し動き始め、
観客たるスクラップ達は魂を揺さぶられ激しく蠢き…
最後には床へ落下し、
スピーカーに吸い寄せられた大量のジャンクが一斉に放たれる。
グレイには攻撃の暇がないほどの激しいライブとなっていた。

だが演奏中のコンドロックにも空中にいるコンドロックにも隙は存在する。
客を鎮め、照明を破壊した上で再びクライマックスを迎えたその直後の一瞬を突き…
コンドロックの背骨に向かい銃弾を見舞った。

背筋をえぐり取られ、そのままの体制で動きを止めるコンドロック。
「なんだよ…こんなの…ありえねえ!全然ロックじゃねえ…!!」

スクラップと言う客席の中へギタリストを飛び込ませてやったグレイは、
いよいよその先、モデルVの在り処へとたどり着く。

そこには…ライブを聴いていた者がまだいた。
「聞こえる…。
 捨てられた機械達の…メカニロイド達の悲しみ…憎しみ…怒りの声
 全てが…モデルVの…糧になる。」
「パンドラ…!」

そう。目覚めたグレイを殺そうとした少女…パンドラだ。
「あなたには…聞こえないの?世界の…この星の悲鳴が」
「聞こえるさ…聞き逃すはずがないさ!
 悲鳴の中心には…必ずお前たちがいるはずだからな!」
「この悲鳴は…あなたと…アルバートのためのもの。
 全ての運命は動き始めている…あなたの目覚めと共に」

グレイとアルバートのための悲鳴…
またもや言葉の意味を理解できない様子のグレイとモデルAに向かい
パンドラは最後にこう残し、モデルVと共に消えた。

「いつか…全てを知る時が来る
 そしてあなたはきっと…全てに絶望する。」

149ロックマンZXA 第12話 灼熱の摩天楼:2008/07/03(木) 22:16:32
「うわっ…凄い暑さだ!一体何が起きてるんだ!?」

次に向かった先はエネルギー炉のコントロールセンターだという巨大なタワー。
とはいっても壁も床も天井も破壊され、柱は傾き、
シャンデリアからは炎が滴り落ちている。
どうやらイレギュラーにより熱暴走を起こしているというのだ。
最上階にあるとされるエネルギー炉をなんとしてでも止めるべく、
グレイ達はタワーを上へと登っていく。

階段のないそのタワーにはエレベーターしかない。
トラップの仕掛けられたタワーを登り、
時には防犯システムと思しき装置と戦いを繰り広げながら、上部へと進んでいった。

最上階…謎のカプセルの割れた跡などが残る、天井のない空の見える部屋に
モデルVがあった…そしてそこにはアイツもいた。

「久しぶりだな、運命のゲームにまだ生き残れているようじゃないか」

プロメテだ。
「どうだ?少しは自分のことがわかったか」
「黙れ!力づくでも聞きだしてやる!」
憎き相手プロメテは冷静に返す。

「ハッ、吼えるなよクズが。
 俺はこのモデルVを回収しに来ただけだ…
 焦らなくても、お前はいずれこの俺が切り刻んでやる…
 楽しみに待っていろ!」

そしてプロメテは姿を消し、代わりに現れた者…それは。

「あら…プロメテの坊やはもう行ってしまったの?せっかちな子ね」
身の丈の2倍の直径はあろうかという巨大なコンテナに直結したフォルスロイドだった。

「あと少しで、エネルギー炉が爆発して、
 この国にキレイな炎の花が咲きますのに♪
 甘くて…とろけるような恐怖と言う名の蜜が取れる花が…ウフフフフッ♪」
「この熱暴走はお前の仕業か!」

「その通りよ、坊や…いえ、ロックマンモデルA。
わたくしはカイゼミーネ。あなたにも味見させてあげますわ…
絶望と言う、ちょっぴりほろ苦い…とっておきの蜜をね♪」

貴婦人のような口調で話す、蜂型フォルスロイド…カイゼミーネとの戦いが始まった。

蜂の巣の形をした巨大なコンテナの力を自在に活用して戦う、
珍しいタイプのフォルスロイドだった。
蜂型の追尾爆弾やミサイルを飛ばしての攻撃に加え…

「お熱いのはお好き?♪」
強力な熱を帯びた光を照射する攻撃などの激しい攻撃。
それでいて自らは攻撃の手の到底届かぬ高い位置にいることでの安全な戦闘方法。

ならばコンテナを破壊するしかない。
コンテナに銃撃を与え、破壊するグレイ。
思惑通り、コンテナの爆発はカイゼミーネ自身に大きなダメージを与える。
そして同時にカイゼミーネは次のコンテナを用意するまでの間、
非常に脆くなる。

この間になんとかして銃撃を与え続けることができれば勝てる…
「見てらっしゃい…」
しかし間に合わず、次のコンテナを用意されてしまった。
しかも更なるカイゼミーネ最強の技を使わせてしまうことになる。

「とっておきですの♪おーっほっほっほっほ!」
コンテナにエネルギーを集中させて、遥か上空へと舞い上がり
強力な熱線を照射する攻撃。
これにより直撃した地点は突如として大爆発を起こし巨大な火花が炎の花を散らす…
後に現れることになるフォルスロイド達の攻撃とあわせても指折りに恐ろしい攻撃と言えた。

しかしその攻撃も長くは続かず、またもコンテナを破壊されたカイゼミーネが
低空でグレイに狙いを定めようとした瞬間…

グレイは反射的に飛び上がり…カイゼミーネの腹部を貫いた。
「あ… ああ… なんてこと…!
 私のもてなしを…拒むのですか…!」

だがエネルギー炉の問題が解決した訳ではない。
奥の部屋にてタワーのメインコンピュータを発見する。

「そこにあるのはエネルギー炉を制御しているコンピュータだな?
 いかんな…冷却機能が追いつかず、熱暴走が止まらないようだ。
 コアモジュールを抜き出して無理やりにでも止めるしかない。」

巨大なモジュールを抜き出す方法…グレイにはわからなかった。
だが、モデルAがそこで提案した。
「おい、さっきのカイゼミーネに変身だ!」

そう。カイゼミーネはコンテナに直結し持ち上げる力を持っていた。
それほどの力を以ってすれば…。

彼の読みは成功。コアモジュールの引き上げに成功、
コントロールタワーの暴走は停止させられたのだった。

150ロックマンZXA 第13話 ハイウェイの下にあるもの:2008/07/03(木) 23:21:28
次はコントロールタワー近くと思われる市街地。
「その先のハイウェイでイレギュラーに追われる人々がパニックになっておる。
 車で逃げ出した連中が渋滞を起こし、逃げるに逃げられん状態じゃ
 イレギュラーを撃退して、なんとか彼らが避難する時間を稼いでくれ。」

夜の市街地は大量のイレギュラーであふれかえっていた。
その中でも交通の要所とされるのがハイウェイ。

乗用車への被害を抑えつつ巨大なイレギュラーを撃退する。
それを二回繰り返したところで突然…道路が途切れていた。
その先端にいたのは…青髪の少年。

そう、テティスだ。
「嬉しいねえ…僕の名前、覚えてくれたんだ。
 ロックオン!」

すぐに変身し、ハイウェイを落下していくテティス。
「おいでよ。君に見せたいものがあるんだ」
その下は…海の中だった。

「モデルV!? ハイウェイを襲ったのもコイツの生贄のためか!」
「正解、だけど見せたいのはもっと下。
 この汚い海の底さ…昔、戦争があった頃の海は、生き物が居られるような場所じゃなかった。
 戦争が終わって一度は綺麗になった海も…
 人々が増えたらまたこの始末さ」

「解るかい?結局人々はこの世界を汚さないと生きていけないんだ!」
「だからって…何も知らない人の命を奪うのか!
 人同士で殺しあうのか!」

「人同士? 僕らは普通の人じゃない…ロックマンに進化したんだ
 そして、僕は君を倒して更に進化する…ロックマンの王になって、
 自分勝手な人々からこの世界を救うんだ!」

テティスはそう言って泳いで姿を消した。

どこから来るか解らない…そう思って構えているグレイに
「こっちだよ!遅いなぁ!」
テティスは恐るべきスピードで近づき、ハルバードを振り回してV字型に去っていく。
去り際にチャージショットを当てることには成功したが、
こちらもうまく避けることができず傷を負ってしまう。

水の中では思うように身動きができない…
その上下を見ると何もない…そこは海中の中に立つ一本の柱でしかなかったからだ。
左右にほんの少しの柱はあるがそれでも戦いの場としては心許ないものだった。

「食らえ!」
今度は急に泳いできて巨大な水の刃を飛ばしてくる。
これもうまく避けることは今のグレイには難しかった。


チャージをしながらゆっくり現れたテティス。
すかさずチャージショットをぶつけ、もう一発…と思った瞬間。
「出て来い!」
銃弾は現れた二頭の氷の竜に阻まれてしまう。
上と下に回りこみ、グレイを噛み殺さんとする氷の竜。
だがグレイは紙一重でそれを避けテティスを撃つ…
が、すでに届かない位置に居る。

そして次に現れたときは更にゆっくりだった。何を…?
すると、テティスはおもむろに一つの装置を海中に取り付ける。
そこからはなんと大きな、トゲの生えた氷が噴射されていく。

マリンスノーと呼ばれるモデルLの十八番と言える技だった。
装置は海面からその氷を降らせると同時に渦を作り出し、
柱から落とし海底へとグレイをいざなおうとする。
「楽しいだろうー?」

必死に逃げるグレイ。だがもう無理か…
そう思ったグレイはある手段を使った。クロノフォスへのトランスオンである。

そして海中を自在に逃げた後、
ハルバードで斬り刻むべく猛スピードで泳いできたテティスへ
グレイはクロノフォスもう一つの能力を使う。
タイムボム。自分の時間を著しく加速させる能力だ。

これによりテティスの猛スピードの動きも遅いものとなり…

「遅いな…」
前も言ったその台詞を言い終わる前にグレイは、テティスへと連続してチャージショットを叩き込み…
勝負は決した。

「くっ…残念だよ。
 君なら僕の言うことをわかってもらえると思ったのに…
 僕は諦めないよ。モデルVを覚醒させてこの世界を変えてみせる!」

151ロックマンZXA 第13話 ハイウェイの下にあるもの つけたし:2008/07/03(木) 23:28:02
「うわぁああああああああああ!」

そしてロックマンをまたも倒したロックマンに
アルバートからのメッセージが展開される。

「ライブメタル・モデルVに相応しい適合者を探し出すため、
私はまず、二人の兄妹レプリロイドを作り上げた。」

「彼らにはモデルVの力の一部を与えると同時に、
 一つの命令を与えた。
 それは…最強のロックマンを決めること。
 私が選び出した適合者たちにライブメタルを与え、
 最後の一人となるまで戦い合わせる…という命令である。
 この戦いに生き残った者がモデルVの力を手にし、
 究極の進化を遂げる。そう、新たなる世界の王…ロックマンの王となるのだ。」

「また一つプロテクトが開かれたな…
 でも、オイラのことは一体いつ出てくるんだ?
 それに…兄妹のレプリロイドってのは一体何のことなんだ?」


未だにグレイたちには解らないことが山ほどある。
そして…どんどんと増えていく。
それがいつか解る日が来るのであろうか。

152ロックマンZXA 第14話 浮遊する遺跡:2008/07/04(金) 00:12:57
次の場所は森林地帯。

だがしかし、洞窟の中から外に出ると突如として地鳴りが起こり始めた。
そして…

「うわぁあああ!
 …な、何が起きたんだ…?」
森が、周りの大地が沈んでいく…いや、違う。
グレイのいる一帯が突然空高く舞い上がったのだ。

「大丈夫か!今、そのエリア全体に重力の異常が起きている。
 それと同時に強大なエネルギー反応も発見した。
 おそらく、それが重力異常の原因だろう…調べてくれ。」


この場所のイレギュラーはどれも、こうなることを知っていたかのように
地についているか空を漂うものばかり。
激しい風に煽られ、巨大な竜巻が発生するその場所を、
空を飛ぶ足場に乗ったり木に乗ったり…不安定極まりないその場所を恐る恐る進んでいく。

いくつもの浮遊地帯を乗り越えた先に…
遺跡と思しき、比較的大きな浮遊島が存在した。
そこには…やはりモデルV。
そしてロックマンが待ち構えていた。それは…ヘリオスだった。

「逃れえぬ運命…やはり来たか、ロックマンモデルA
 だが…このモデルVは私が回収する。」
「ヘリオス!モデルVを集めてどうする気だ!」
「愚かなる問い…モデルVの価値もわからずロックマンを名乗るか。
 理解できぬからと恐れ、恐れるから排除する…。
 お前のような愚か者がいるから、この世界から争いが耐えぬのだ」

「ヘッ!天才様の考えることはわかんねえな!
 オイラには、邪魔するやつは死ねって言ってるようにしか聞こえないぜ!」

「そう。私が目指す世界に愚か者の居場所はない…
 ゆくぞ、ロックマン・モデルA!愚者に…死を! ロックオン!」
風に包まれてヘリオスは姿を変える。
そして…持っていた棒を二つに分け、ダブルブレードへと変化させた。

「切り裂け!」
戦闘が始まると同時にチャージを始めたヘリオスは
剣から縦に巨大な竜巻を二つ発生させ、グレイへとぶつける。

上下の竜巻の合間ぎりぎりを縫ってそれを回避しチャージショットを叩き込む。
その後ヘリオスは跳んだ。
「はぁ!」
地上に落下すると同時に重力に任せ剣を振るう。
後退しそれを避けてまたチャージショットを叩き込む。

「ふん!へあ!たぁあ!」
地上で両手の剣を一回づつ振るう。
3発目のタイミングでグレイはチャージショットを叩き込むが
その瞬間の、二つを交差させての衝撃波によって阻まれる。

そしてまたヘリオスがジャンプする。
以前で見切った攻撃だからと後退したグレイをヘリオスの刃が切る。
「はぁ!」
エアダッシュと呼ばれる空中での一定距離の平行飛行から繰り出す刃だったのだ。

エアダッシュでの攻撃がくるか、地上への攻撃を繰り出すか。
それを見極めて攻撃しなければならない。

もう一度跳ぶ。次は上か…下か。
上と見切ったグレイはダッシュで下を駆け抜け、背後からショットを撃つ。

追い詰められたヘリオスは上方向へのエアダッシュを発動。
空の上へと舞い上がる。

「かわせるか?」
そして降りてきたのは三つの出っ張りのついた丸いコア…グレイを挟む形で配置された。
それはヘリオスの支援ビット。

三方向に電撃を放射し、ぐるぐると回転する。
これにより相手を惑わせ疲労させ、電撃で嬲り殺すという算段だ。

だが電撃ではショットは止められない。
かわしながらもチャージショットをヘリオスへと叩き込もうとする…
が、動きにわずかなズレが生じ、電撃の餌食となってしまう。
グレイの体力も限界…ならば、とグレイはヘリオスへの攻撃を思いつく。

ヘリオスが空へと舞い上がった瞬間に…
ディアバーンへとトランスし、そしてシャルナクの、上方への攻撃に適したクナイを放つ。

見事にそれは全てヘリオスへの体へとヒット。
ヘリオスはとうとう、地へと落ちた。

153ロックマンZXA 第14話 浮遊する遺跡 つけたし:2008/07/04(金) 00:15:07
「恥ずべき…誤算!この私が…失敗作などに遅れをとるとは…!
 何も知らぬ貴様がロックマンであるなど私は認めない…!
 愚者に死を!この世界は私が変えてみせる…!」

悔しさに顔を歪ませながら、ヘリオスは去っていった。
「うああああああああ!」
そして、ヘリオスの能力を得るとともにまたもプロテクトの展開。

「ライブメタルの力は誰もが手にしていいものではない
 選ばれし者、世界を変えうる者こそが手にすべき力である。
 そこで私は、ライブメタルを作ったとき、あるプロテクトを施した
 選ばれし者のみがライブメタルの力を引き出せるというプロテクト…
 即ち、適合者を決定したのだ。
 全てのレプリロイド達は寿命を決定するとき、レギオンズのチェックを受ける。
 このチェック時、私が設定にかかわったレプリロイド達には
 私のDNAデータを組み込んだ。それこそがプロテクトの鍵であり…
 適合者の証なのである。
 そう…このデータを見ている君もまた、私のDNAを
 私の血を受け継ぐ者なのだ。」

「僕が…アルバートの血を受け継ぐ者…」
「気にすんな…ってのも、無理な話だけどよ…
 アルバートの野郎が勝手につけた…ラベルみたいなもんだ。
 あんまり深く考えるなよ」
「う…うん」

新たなる事実が明らかになった。
即ち…ロックマンは全てアルバートの血を受け継いでいる。

モデルVが回収されたことにより重力異常が収まるその場からは撤退することとなったが、
その際にトーマスからある報告があった。

「実は先ほど、ハンターキャンプの採石場から、
 モデルVの反応が確認されたそうだ。
 イレギュラーはハンター達が食い止めているが、
 道が険しく、奥へは進めないで居るらしい…」

第五のモデルVの在り処…それは、ハンターキャンプだった。

154ロックマンゼクス あれから4年:2008/07/04(金) 21:45:24
「…私達ロックマンは…戦い合う運命」
「フッ…フフフッ…全てを知りたければ…戦い続けろ…!
 お前も…セルパンも…そして俺達も…
 『あの男』の仕組んだゲームからは、逃れられないのさぁ!!」

「ならば決めようじゃないか…新たなる支配者…ロックマンの王を!」
「アタシはそんなものにはならない!
 セルパン、お前が全てを破壊するロックマンなら…
 アタシは全てを守るロックマンになる!」



あの時から…4年の月日が経過した。
エールはその日からずっと、モデルVと戦い続けていた。
人々を救う、全てを守るロックマンとして。
一つだけではなかったモデルVを全て破壊するその日まで…。


そしてその日…
彼女はモデルVの反応を感知し、採石場に来ていた。
それはハンターキャンプという、賞金稼ぎ達の拠点の地下。
入るなり現れた蜘蛛型のメカニロイド、スパイダリルを切り刻んだ彼女は、
その奥へと進み…
とうとうモデルVが見えるその場所までこぎつけた。

だがそのときである。背後から…何者かの気配がした。


「…誰だ!」
声がする。高い声ではあってもそれは女のものではない。
男…それも少年だ。

「こんなところに少年?
 一体どうやってこんな所まで…」
エールは振り返る。
変わった姿をした彼は…ただものではないのは一目瞭然だった。

モデルXがエールと彼の間に現れ、警告する。
「エール…気をつけて。彼からライブメタルの気配がする。」
そしてエールの後ろに周り、じっと相手を見つめるモデルZ。
「…感じたことのない気配…何者だ」

そして、少年の中から別の少年の声がした。
「ライブメタルを二つも!コイツもロックマンか!」
「モデルVから離れろ!」

『我々ロックマンはあの男が用意した…モデルVを奪い合うゲームの駒なのだよ』
セルパンのかつての言葉だ。
やはりその少年はロックマンの一人…
そして…ロックマンがモデルVを狙っているということはその意味は。

「モデルVはどうするつもり?」
「これは僕らが回収する。お前らなんかには渡さない!」

彼もまた、モデルVの力を得て世界を支配しようとする者だ…
エールはそう感じた。
「やっぱりか… じゃあ、仕方ないわね。」

手にモデルX、モデルZを持ち…
「モデルX!モデルZ! ダブルロックオン!」

そしてモデルZXへとロックオンしたエールは敵を見据えた。
両手に銃を構えた…モデルVを狙うそのロックマンを。

「悪いけど…アタシもモデルVを渡す気はないの。
 君がロックマンなら…尚更ね!」

155ロックマンZXA 第15話 5人目 前半:2008/07/04(金) 22:03:58
アトラス、シャルナク、テティス、ヘリオス…
今まで戦ってきたロックマンよりも格上の存在が目の前に現れた。

グレイがローズパークのいた塔で戦った相手、スパイダリルをものの見事に破壊したその女性。
エールとライブメタルに呼ばれたそのロックマンは、
聞きなれない能力、「ダブルロックオン」を用いて変身をした。

真っ赤なアーマーに身を包んだそのロックマンは戦闘が始まるなり近づき、
弾丸をグレイに向かい発射してくる。
それを回避すると今度はグレイの体を飛び越え、壁を蹴り、登り始める。

グレイは彼女を撃つべく反対側へ移動する。
敵は壁を滑り降りながら銃弾を発射し…
「あたって!」
そして強力なチャージショットを放ってくる。
弾と弾の合間を抜け、なんとかチャージショットを当てる。

すると今度は敵は跳び、連続して回転斬りを行ってくる。
グレイは一度は避けたものの二度目までは避けられず、それを食らってしまう。
「エイッフッヤァ!」
そして続けて三段の斬撃へと移行。敵は明らかに戦いに慣れているようだ。

すばやく移動するそのロックマンにはホーミングが一番確実。
照準を定め、ホーミングレーザーを放ち、続けてチャージショットを当てる。
敵にその瞬間隙ができた。

そして敵はもう一度壁を蹴りのぼり始める。
それを追うように反対側からチャージしつつ壁を登る。

だがそれも敵の計算の内。壁から今度は飛び降り、それと同時に
必殺の斬撃をグレイに向かい打ち込んできたのだ。
深手を負うグレイ。
だが敵の手の内はまだ存在した。
ジャンプからセイバーを下へ…地面へと垂直に突き立て落下し、
地面との衝撃でできたエネルギーの塊を飛ばしてくる「エナジーフィシャー」。

ただの下突きとはかけ離れたその技を避け、
グレイは敵が壁を登ったそのタイミングでギガクラッシュを敵に向かい放つ。
無数の銃弾を敵に浴びせる。

敵が怯んだ…その時を見計らい、チャージショットを放つ。
それは敵の体にクリーンヒットし…決着をつけた。

彼はモデルZXのデータをコピーし、またもモデルAのデータを展開する。
そしてそれは…相手にも作用した。

「きゃああ!な…何これ…!?」
「共鳴している…奴のライブメタルのせいか!」

156ロックマンZXA 第15話 5人目 後半:2008/07/04(金) 22:24:25
「これが最後のプロテクトとなる。
 計画の全てを知った君は、究極のライブメタルを手にする権利がある。
 各地で眠るモデルV達は、人々の恐怖を食らいつつ覚醒の日を待っている。
 
 そして、全てのモデルVが一つとなったとき…
 究極のライブメタルが誕生する。その名はウロボロス…
 ウロボロスを手にした者こそが、人と機械を越える進化の果てにいる者
 私が追い求める究極のロックマンとなるのだ。

 我が名はマスター・アルバート
 世の理を定める三賢人の一人にして…新たな世界、新たな命を創造せんとする者。
 いつの日か、私の研究が進化の地平を切り開かんことを願う」

ついに明らかになったアルバートの計画の全て…
そして、モデルAは全てを思い出した。
「そうか…やっとわかった…なんでオイラが作られたのか
 なんでグレイがオイラで変身できるのか!」

そして、意外にも今戦ったロックマンも、
グレイに話しかけてきた。
「…アタシにも説明してくれない?
 今、君と共鳴したときにいろんなデータが見えたわ」

そして、驚くべきことを口にする。
「マスター・アルバート…その男がモデルVを作ったのね?
 君たちは一体何者なの?」

アルバートのことも知らないらしいそのロックマンが何故モデルVを…?
そして突然、背後に存在したモデルVが落下する。
採石場の恐らく下層であろう。

「しまった…モデルVが!」
「戦いの衝撃に耐えられなかったか」
敵のライブメタルが言う。

「教えてくれ…モデルA!僕は一体誰なんだ!」
「ごめんよ…今は、まだ言えない」
「モデルA!」

「やめなさい!
 ライブメタルが可哀想よ。今はそれどころじゃないでしょ?
 こうしてる間も、モデルVはイレギュラーを増やしているわ。
 また近づくのが大変になる」

「…ごめん、モデルA。先へ進もう」
負傷した敵を置き、グレイは一人先へと進む。

「アタシにトドメは刺さないの?」
「…僕は、そんなことのために戦っているんじゃない」

157ロックマンZXA 第16話 新たな仲間:2008/07/04(金) 22:49:07
採石場での戦いはその後も続いた。
巨大な採掘メカに追われたり、爆弾を足場として下層へ向かったりもした。


モデルVの落下した場所は、採掘場の最下層。
そしてそこにはもう一体のスパイダリルがいた。

そして何と…それはモデルVと融合し、進化を遂げたのだ。
これはモデルVとのある意味直接対決と言っていい。

「おい、どうするよ!こいつを回収しろってのか!」
「仕方ない…こうなったらもう破壊するしかない!」

しかし強くなってもスパイダリルはスパイダリル。
強力なボディを更に強力なものへと改造はしたものの、
基本的には何も変わってはいなかった。

しかし…いくらなんでもタフ過ぎた。
これが雑魚なりに、モデルVに与えられた力なのだろう。
「くそっ…!まだ動けるのか! これがモデルVの力…!」

戦いは長きに渡りそう…そう思われたとき。
「コイツぅ!!」

上空からスパイダリル目がけて一筋の赤い光が飛んできた。
いや…それは先ほど戦ったロックマンだった。

手に持ったセイバーでスパイダリルを一刀両断。
敵はただのガラクタへと変わっていった。

「な…なんで僕を助けた!?僕を殺しに来たんじゃなかったのか!」
予想外の行動。そしてそれに今度は予想外の言葉が付け加わる。
「アタシもそんなことのために戦ってるんじゃないの」

「初めからアタシの目的はモデルVの破壊。
 ロックマン同士が戦い合う運命のゲームを止める為にね。
 君。名前は?」

どうやら敵ではないようだ。
「僕はグレイ。コイツはモデルAだ。
 お前達こそ何者なんだ!」

ロックオンを解く。
エールというらしいそのロックマンは、
自分が青いライブメタル、モデルXのロックマンであること、
赤いライブメタル、モデルZをある人から受け継いだことを話した。

「とにかく、キャンプまで戻ろっか。話は途中で聞かせてよ」


「マスターアルバートにプロメテ…パンドラ。
 それと4人のロックマンか…アタシ達の研究所から盗まれたモデルH達が
 こんなことになってたなんてね」

モデルH、F、L、P。
4つのライブメタルは、かつてエールと共にモデルVと戦った仲間なのだという。

「恐らくモデルH達は、その4人の適合者たちに
 意識を封じられているんだろう…。」
「俺たちは、奪われたモデルH達を追ってここまで来た。」

そしてエールの戦う理由を聞く。
「アタシも、あなた達と同じ。
 何も解らない頃に、イレギュラーやモデルVとの戦いで、
 大切な人を沢山失ったの」
「復讐か?」
「ううん。アタシのように苦しむ人を増やしたくないだけ。
 だから決めたの。運命のゲームを終わらせるために、モデルVを全て破壊しようって。
 みんなを守るためのロックマンになろうって決めたんだ。
 君は自分の正体を知るために戦っているんだよね?
 
「でも忘れないで、君の運命は君だけが決められる。
 正体が何者でも関係ない…君の力は、君だけの未来を掴む力なんだよ。
 …って、これもアタシの大切な人からの受け売りなんだけどね。
 そうだ、これをあげるわ」

新たに手に入れたのは緑色のキー。
フォルスロイドが待つとされる、
今まで開かなかった、ハンターキャンプの扉を開くための鍵だった。
「アタシは仲間たちの所に戻るわ。モデルH達を追わなきゃ
 お互い、同じ敵を追っているならまたどこかで会うかもね」
そう言って、もう一人の戦士エールは去って行った。


「グレイ…オイラ…。」
「モデルA,さっきはごめん。
 僕が何者かとか、そんなのは関係ないことだったんだ。
 僕はこの力で、僕を助けてくれた人たちのために戦いたい。
 モデルA、僕のことは話したくなったときに話してくれれば、それでいいよ」

「トーマスだ。ミッション完了、ご苦労だった。
 モデルVを回収できなかったのは残念だが、1つを失ったことで
 アルバートの計画にも狂いが生じるはずだ。
 何とかこのチャンスに奴を追い詰めたいのだが、
 残念ながら手がかりがない…頼む、グレイ君。君だけが頼りなのだ。」

緑色のキーが導くその先にアルバートがきっといる。
アルバートへは、着実に近づいているようだった。

158ロックマンZXA 第17話 汚水の奥に:2008/07/04(金) 23:31:39
ハンターキャンプ内の、厚い壁をぶち破った先は汚水の溜り場。
そこにあった扉には以前から入れずにいた。
その扉の色は緑。エールから手に入れた緑色のキーの出番だ。


「うわっ…凄いにおいだ…
 ただの下水じゃないぞ、この奥から流れてきてるのか…」
「オイラには匂いってわからないな ライブメタルでよかったぜ!」
「…ズルいなぁ。
 でも、この匂いはやっぱり変だ。奥を調べてみよう」

たどり着いた所は下水道。
イレギュラー達が町の奥深くを根城にしていたのだ。

そこから先へ進むと扉があった。何かの施設のようにも見える。

…そこからは一気に雰囲気が変化する。
青い壁、床。整備されたその場所は工場だった。

「さっきの匂いは、ここから流れていた工業排水だったんだ。」
「しっかり整備されてるし、遺跡って感じじゃないな
 行くか。この施設の正体を暴いてやろうぜ」

そう言って踏み出した矢先、真っ青な床があったので踏んでみる…
するとたちまちグレイの足はその床へと埋まってしまった。

よく見ると泡を吹き出している。
それは床ではない…考えられないほどに粘度の高い汚水だったのだ。

上から開いたシャッターからはメカニロイドの首がごろごろと転げ落ちてくる。
汚水に漬かった瞬間、それは汚水を体にまとったイレギュラーへと変化する。
一体ここは何の施設だというのか…
巨大な塊の目立つ、施設の奥深くにて、その答えは明らかとなる。
「大型のメカニロイド…?奥にも沢山あるぞ!」

すると、グレイの前にあった巨大な塊が蠢き、ぐるりと反対側を見せる。
顔。 そう、それはフォルスロイドだった。エールの言葉は本当だったのだ。

「驚いたか?彼らはこの施設で生まれた兵士だ
 いつの日かロックマンの王に仕える兵士達なのだ!
 儂の名はバイフロスト。眠れる兵士たちの番人だ。
 新たな世界が生まれるとき、彼らは目覚め、古き者たちを滅ぼすという役目がある。
 ロックマンモデルA…彼らに代わり、この儂が貴様を滅ぼしてくれよう!
 骨一本、ネジ一つ残さずこの儂が噛み砕いてくれる!」

バイフロストが大きな大きな口を開け
その鋭い氷の牙で噛み砕こうとしてくる。

だが緩慢なその動きにグレイが遅れを取るわけはない。
即座にグレイは後ろへと下がり、変身する…ロックマンモデルZX、エールの姿に。

バイフロストの口が閉じられたその瞬間めがけ
グレイはセイバーを振り下ろす。

噛みつき攻撃、その巨体を用いての踏み潰し、
歯車で相手を切り殺すスピンホイール、
氷の息で発生させた氷を自ら踏み潰しての破片攻撃、
口を開けたまま氷の牙をミサイルとして飛ばす攻撃。
だが…彼はその動き全てが緩慢で大味なもの。

それらは全て今のグレイには大した脅威ではなく、軽々と避けられ、
スピンホイールをエナジーフィシャーで破壊され、グレイに撃たれ切り刻まれ、
エネルギーが尽きた所でモデルAに戻ってのチャージショットにより
バイフロストの巨体はわき腹を中心に大きく削られ、彼はその命を終えた。

「ぐ…おお…滅びるのはこの儂の方だというのか…!
 貴様は…我らに代わり世界を作ろうと言うのか…!
 やはり…貴様は…アルバート様の…ぐあああああああ!」


無傷でバイフロストを倒した先でグレイはトランスサーバーを見つける。
ミッションレポートを提出しようと上に乗るが…反応がない。

「現在待機モード中…起動には起動キーが必要です」
どうすれば…?
そう思い、更に奥へと進んだ先に…あった。
もう一つのトランスサーバーは正常に作動し、彼はミッションレポートを提出し終えた。

159ロックマンZXA 第18話 あの研究所:2008/07/04(金) 23:58:35
ハンターキャンプにはもう一つ、緑色の扉がある。
漫画好きの少女、シャロンの背中の扉だ。

その先には二つの扉があったが今回はそのうちの右側の扉をくぐることにした。
そこには画面と移動用のみのトランスサーバー。
画面には何かの転送座標が映し出されている。まずはその転送先へと移動してみた。


「ここは…?」

一部が壊れた、滝にかかった橋の上。
「ここは僕が眠っていた建物だ…」
「へぇ…お前こんな所に閉じ込められていたのか」

何も知らずに生きることだけを考えて逃げていたあの時があり…
力を得て、仲間を得て、アルバートを追うべく来た今がある。
今のグレイならば、ここにある物の意味もわかるかもしれない。

「なるほど、君がここでロックマンとしての調整を受けていたのならば、
 アルバートの計画に関する手がかりがあるかも知れん。
 調べてみてくれないか」

中心に会ったグレイのカプセルと共に4つのカプセルがあった。
それはヘリオス達のものだったのかもしれない。
ならばこちらは…?あの時の橋の先のもう一つの棟へとグレイは入っていく。
「よし、行ってみようぜ!」

ガスが漏れ出しているのは相変わらず。
中にガレオンがいるのも。

そしてその先にカプセルの部屋があったのも。
…今度は誰のものであろうか。

「これ…僕が入っていたカプセルと同じだ」
「おい、パネルに何かメッセージが出てるぜ!」

「DAN−001「プロメテ」 再調整までの活動限界時間246924秒
 DAN−002「パンドラ」 再調整までの活動限界時間246939秒」

「プロメテ達のカプセルだ!あの二人もここで作られたのか…」
「なぁ。もしかして、オイラのデータにあった兄妹のレプリロイドって…
 アルバートが最初に作った二人のロックマンって、プロメテ達のことじゃないか?」

トーマスの声がする。
「それで間違いないだろう…このカプセルは恐らく、彼らを繋ぎ止める鎖だ。
 アルバートの計画に逆らえないようにするための…な。
 パネルのカウントはプロメテ達の寿命だろう。かなり短く設定されている
 定期的にカプセルでの調整を受けなければ死んでしまう…そういう仕掛けだ。」

「酷い」 そうとしか言えない…それは悪魔の仕掛けだった。
少しづつ謎が明らかになって行っている…この先には一体何があるのだろう。

防壁を解除するためのバッテリーを挿入しつつ進むと…
仕掛けが満載のヘンテコな部屋に小さなフォルスロイドがいた。
「このやろー!」


「何よ何よ!この先は閉鎖チューなのよ!
 誰も通すなって、アルバート様からの命令を遂行チューなのよっ!」

フォルスロイドはモデルVと繋がっている以上、
いずれアルバートに従う身であろう。
だがクロノフォスはアルバートをあの男と言っていた。
あくまで今は決定していない「王」に従う者。

だが、バイフロストや彼女はそうではなかった。アルバートの忠実なしもべだった。
「この先にまだ何かあるんだな!?通してもらう!」
「何よ何よ!せっかくのこのテスラット様のチュー告を無視するわけ!?
 アンタなんか処刑よ!電気ショックの系なのよっ!
 アルバート様の命令は、絶対なのよっ!」

電気ネズミ型フォルスロイド、テスラットが小さな体でグレイに戦いを挑む。

丸まってぐるぐる部屋を駆け巡るテスラット。
時に小さな電撃を手から発し、時に電撃を体から遠距離にまで放射する。
「くるのよっ!」
ネズミ型メカニロイドにグレイを追跡させたり、
部屋の歯車を自ら回し、場所を水中に変えたりもする。
だがもうグレイの敵ではない。
撃たれ斬られ飛ばされ、最後にはチャージショットにより
左半身全体を消し飛ばされた。

「何よ…何なのよっ!
 アンタのその力…ズルいじゃないのよ!
 その力は…アルバート様の…くっ…うう…!」

テスラットの部屋のすぐ先に一つのカプセルの置かれた部屋が。

「DAN−000「オリジナル」
 最終調整完了 ファイナルフェイズ 発動」
プロメテ、パンドラ以前に生まれた何者かいる…。
スロットから何かのディスクを抜き取り、その調査は終了した。

160ロックマンZXA 第19話 奴の死を以って 前半:2008/07/05(土) 00:21:11
シャロンの扉の先にある左の扉に入ると
そこは森だった。
「ワシじゃ、ミハイルじゃ。お前さんについて以前調べてみたことじゃが、
 どうもデータベースを外部からハッキングしてデータを消した者がいるようじゃ。
 その反応の元を辿ってみたんじゃが、今お前さんがいるエリアのネットワークで
 反応が消えておるんじゃ。その辺りで大きなコンピュータ施設は見えんかね」

グレイの正体を掴む手がかりはこのエリアにあるであろうコンピュータ。
踏み出した彼は妙な入り口を見つけた。
そして、変な奴らがそこに落ちてきた。…フォルスロイドだ。

「待たれよ!ここから先は何人たりとも通ることは許さぬ!」
「…うぬ。」
双子だろうか。お喋りな一人と寡黙な一人の二人組だった。
「フォルスロイド…!アルバートの仲間だな!」
「さよう!我が名はアーゴイルっ!そして!」
「……うぬ。」
名前も言いたくないとは…寡黙過ぎはしないだろうか、グレイは少しそう思い始めていた。
「……我が半身、ウーゴイル!
 我らはアルバート様の命によりこの地を守りし者なり!
 貴様らに我らの守り、崩せると思うてか!」
「…うぬっ!」
「さぁ、参られよ!ロックマン・モデルA!
 冥土への旅路、我らが案内して進ぜよう!」
「………死ねい!」

ようやくまともなことを話したウーゴイルと共に、
アーゴイルは戦闘態勢へと移行する。

言葉数とは裏腹に彼らの動きはまさに同調していた。
左右から同じタイミングでグレイに近づき、交差し駆け抜ける。
上と下、二つの駆け抜け方があるにもかかわらず寸分狂わぬ動きでグレイを翻弄する。
そして時にはタイミングのみをずらした同じ動きによるローテーション。

交互に移り変わりアーゴイルが弾を蹴り、落とす。
時にはアーゴイルが蹴った弾をウーゴイルが蹴り返し、エネルギーを増幅させて
強力なエネルギー弾と変えてグレイを襲う。

「決める!」
「えい」「うぬっ!」「てい!」「うぬっ」「せい!」「うぬっ!」「食らえ!」
見事なリズムで爆弾を蹴り、膨大なエネルギーを空中で爆発させる。

今までになかったこの戦法には、フォルスロイドを楽にしとめられるようになってきたグレイも
流石に苦労させられた。

だがこの戦法はどちらか一人がいなければ通用しない。
グレイはモデルHへと変身し、彼らの動きを見極めている最中、
あることに気づく。

アーゴイルとウーゴイルで弱点部位が異なる。
ウーゴイルは仕留めづらい脚。対してアーゴイルは腕。
どちらが仕留めやすいか。どちらが爆弾のボールを蹴り始めるか。
そう考えるとどちらが仕留めやすいかは一目瞭然。

ギガクラッシュで両方を攻撃した後、アーゴイルを倒し
そして走るしかできないウーゴイルの脚をチャージショットでもぎ取り、戦闘は終了した。


「おのれっ…我らの…連携が…破られるとは…!」
「ぬう…」
「だが…所詮出来損ないの貴様ではこの戦いは生き残れん…ぐっ…ぐぐ…」
「ぐあああああ!」
こうして、双子の子供フォルスロイドは同時に消滅して行った。
「間違いない…コンピュータはこの先だ、行こう!」

161ロックマンZXA 第19話 奴の死を以って 後半:2008/07/05(土) 00:38:25
テティスのトランスで滝を登った先にいた、
緑の樹脂を固めたようなクリスタルを動力とする
巨大メカニロイドとの戦いを経て、とうとうグレイはその森の最深部へとたどり着く。

と、突然爆発音が聞こえてきた。
この先にはグレイの正体の記されたコンピュータ…
いやな予感は…正に的中した。


そこにはコンピュータ…壊れたコンピュータが。
そしてそれを実行した者、プロメテとパンドラ。

「お前達がやったのか!」
「そのとおりさ。計画は最終段階に入った…
 もうハッキングの必要はないが、お前に自分のことを知られるわけにも
 いかないんでな。」

「5人ものロックマンに勝ったお前に、今更リタイヤは許されないのさ。」
「あなたを生かしておいたのは全て…私たちの計画のため
 もうすぐ…全てが終わる。
 滅びの運命が…終わる。全てが…滅ぶ。」

その言葉にプロメテは嬉しそうに笑う。
「クックック…!
 そうだ…アルバートが始めた…下らんゲームがついに終わるんだ…!
 奴自身の死を以ってな!」
「アルバートの死…?一体どういうことだ!
 何でお前たちが!」
「全てが終わったら話してやるさ…お前の死に際にでもな!
 ハーッハッハッハッハッハッハ!」
「…また、会いましょう」
今にも狂いそうな叫び声を残し、プロメテはパンドラと共に去って行った。

困惑するグレイ。
「なんじゃ、なんじゃ…?
 奴らは、アルバートの手先じゃなかったのか?
 コンピュータの方はどうなんじゃ…?何も残ってはおらんのか…?」
「これは…」

結局、データディスクのみを手に入れたに過ぎなかった。
ミハイルが落ち込むグレイに珍しい言葉をかける。
「…そんなに気を落とすな。
 データなどなくとも…お前さんは紛れもなくこの世界の住人じゃ…。」

そしてその奥のトランスサーバーにデータファイルを送信して少しが経過し、
トーマスから連絡があった。

アルバートの研究所とこことで手に入れた二つのデータにより、
何かの起動キーが復元されたというのだ。
トランスサーバーのものだという。

起動キー…トランスサーバー…
グレイにはすぐに心当たりが見つかった。

そう、バイフロストのいた工場。
そこのトランスサーバーの先にきっとアルバートがいる。
最終決戦の時が今、訪れようとしていた。

162ロックマンZXA 第20話 アルバートのアジトへ 前半:2008/07/05(土) 10:49:47
「行こうぜ!アルバートのアジトに殴り込みだ!」

バイフロストのいた研究所からのワープで導かれた先は…
古い一室。ここにアルバートが潜んでいる…ここで決着が着く。
モデルVの反応が確かに、ここにはある。
グレイは部屋の扉をくぐった。

深い水溜りと奥に続く通路。通路は進んでもすぐに行き止まり。
どうやら正しいルートは、水の中らしい。

水は海水。そこは水路へと繋がっていて、イレギュラーを倒して先に進むと
開けた場所に出た…海の中だ。

遥か上には水面が見え、見渡せる場所には炎を吹き上げる火山が沢山。
どうやらここは海底火山のようだ。

イレギュラーが大量に沸く海底火山を進んで行くと
一つの火山に大きな火口が開いているのが見えた。
下を見ると真っ暗。マグマの熱さなどは感じない…。

火口を落下していく…一番奥は人工物となっていて、先へ進むと
水面が。ここから先は完全に建造物の内部のようだ。

二手に分かれた通路はまた合流し、その下層の扉をくぐった所に…
それはあった。いつか見たような、大量のモデルVが。
そして…
「フッフッフ…驚いたかい、グレイ君。
 私が、この計画にどれほどの時間をかけたと思っているんだ」

マスター・アルバート。グレイ達…いや、今や世界の敵。
「君がモデルVを一つ二つ壊した所で、私の計画は揺るがない。」

余裕を崩さぬアルバート。だが…
「それはどうかな?」
二人組が現れる。プロメテにパンドラだ。

163ロックマンZXA 第20話 アルバートのアジトへ 後半:2008/07/05(土) 11:04:25
「プロメテ…パンドラ…?」

「回収されたモデルVをこんな所に溜め込んでやがったか…
 まさか、お前がここを見つけ出してくれるとはなぁ…」
「例を言うわ…ロックマンモデルA」

そしてプロメテは数百年分の憎しみをアルバートへとぶつける。
「こうして会うのは…何百年ぶりだろうなぁ!!マスター・アルバートぉ!
 モニターで見るより、随分間抜け面じゃあないか!」

アルバートには状況が飲み込めていなかった。
「お前達…どういうつもりだ?」
「こう…いう…つもりさぁ…!!」

その巨大な鎌をアルバートに突き刺し、目いっぱいの力でその肉体を斬る。
大量の血を噴出し、アルバートはその場に倒れた。


「フフ…フハハッ…!ハーッハッハッハッハッハッハ!」
狂気に満ちた笑い声を上げるプロメテ。
「自分が作った最初のロックマンに倒される…か!
 屑に相応しいフィナーレだ!」

そして状況が飲み込めていないのはグレイ達も。
「何だ…?何がどうなっているんだ?」

モデルAのその声でやっと二人は彼の方を向く。
「お前らは…利用されてたんだよ。
 俺たちにな……」
笑いが止まらないプロメテは笑いを堪えながらグレイに話し始める。
だが次にそれはまた憎しみに満ちた表情に変わる。
「俺とパンドラは…目覚めたときからロックマンとして戦い合うことを運命付けられていた…
 この男の…究極のロックマンを作ると言う、下らん計画のためにな」
「だから…私たちは決意した。アルバートへの…復讐を」
「復讐だって…?」

この二人がロックマンでありながら、殺しあわなかった理由。
この二人もまた、グレイやエールと同じく…戦いたくはなかったのだ。
それは…もう一つの答えだった。
「俺たちは何人ものロックマンを見つけ出してはこの戦いに巻き込んで行った。
 計画が進めば、アルバートは必ず姿を現すはずだからな…。
 そしてお前はアルバートを追い詰め…俺たちは復讐を遂げることができたってわけさ」

「まさか…こんな形で戦いが終わるなんて」
モデルAは目の前の光景に唖然としていた。
だが…プロメテは言う。
「フッフッフ…何を言っている…?まだ終わっちゃいない…!」

「まだ…残っているじゃあないか…
 屑に作られた…!
 屑の塊…!
 俺達ロックマンがぁ!」

「私とプロメテは…元の体には戻れない この運命は…変えられない
 だから…滅びの運命を終わらせる。私達で…終わらせる」

「アルバートが作ったもの全てを滅ぼす!
 それが俺達の復讐だ!
 さぁ…楽しもうじゃないか!最後の宴を!!」

164ロックマンZXA 第21話 ウロボロス:2008/07/05(土) 11:24:29
姿を消した二人。
まずはパンドラが現れ、杖を回転させ…周りに雷の槍が4本形成されていく。
パンドラを守る2本。
グレイを攻撃する2本は高速で回転し、グレイに向かい飛んでくる。
そしてその後立場を交代してもう2本が。
グレイは槍の間を縫うようにホーミングショットを当てていく。
「焼き尽くせ!」
次にプロメテが現れ、炎の柱を左右に作り出す。
グルグルと回転して広がっていくその柱はとてつもないスピードでグレイにぶつかろうとする。
グレイはエールへと変身し、プロメテをセイバーで叩く。

そして次は二人合わせての攻撃。
パンドラが空中をゆらゆらと浮遊し、攻撃をひきつけると同時に動きを狭める。
「こっちだぁ!」
そこにプロメテが現れ、鎌でグレイを斬ろうとする。
鎌を弾丸で止め、二人を飛び越えたグレイは背後から二人をまとめて斬る。
そして…また二人は消えていく。

「ひゃははははは!」
今度はプロメテが現れ、髪を地面へと刺しこみ、
地面からエネルギーの針を出現させる。
波のように出現、消滅を繰り返し進んでいくその針を避け、プロメテを斬る…
が、動きは止まらず、パンドラが続けて現れ、氷と雷のビットを回転させる。


そして二人は奥の手を使う。
パンドラが現れ、ビットでグレイを集中攻撃し…プロメテが上空から襲い掛かる。
この攻撃を避けられないと判断したグレイはギガクラッシュで二人を同時に攻撃。

「もうやめろ!こんな戦いに意味なんてないだろ!」
戦いたくないがために復讐を決意し、何百年も戦い、
そして傷つく二人がグレイには悲しくて仕方がなかった。

「そうさ…この戦いに…この世界に意味などない!
 お前も見てきたはずだ…!」
「…イレギュラーが…人々を襲い
 その憎しみを…モデルVが吸収する
 アルバートは…レギオンズを隠れ蓑に…適合者を選び出す
 ロックマンを…生み出して…殺し合わせて…
 アルバートを…満足させるためだけの…世界」

プロメテが言う通りだった。パンドラが言う通りだった。
戦争の後からもこの世界は…狂っていたのだ。

「世界の全てはアルバートが自分のために用意した…
 作り物だったってことなのさ!
 ロックマンが…人々の進化した姿だとぉ!?
 ふざけるなあああああああああああ!
 作り物の英雄など…
 狂った世界ごとぉ!!
 ぶっ壊してやるのさぁあああああああああああああああ!」

だが…その叫びの瞬間…突然何かが起こり始める。
「ぐああああああああああ!」
「きゃあああああああああ!」

以前ローズパークの塔で見た、違法ハンターの体から出てきたどす黒い何か…
それが、プロメテとパンドラの中から溢れ出す…洪水のように溢れ出す。
それら全てが…背後にあるモデルV達へと注がれていった。
いや…これはまるで、モデルVに貪られているようだった。

そして、大量のモデルVのコアがあの時のように、禍々しい光を放ち始める。
「お…おい…これって…もしかして!」
「全てのモデルVが…覚醒した!」

そこに、何者かが降り立った。

165ロックマンZXA 第21話 ウロボロス 後半:2008/07/05(土) 11:36:42
「プロメテ…パンドラ。
 君たちの数百年分の怒り…憎しみ…悲しみ…そして狂気。
 様々なロックマンと戦ったこのデータ…確かに頂いたよ」

現れたのは赤い髪をした、眼帯をかけ、拘束具のような物に身を包んだ者。

そしてその声は…あり得ないはずのものだった。
「その声…まさか…マスター・アルバート!」
「じゃあ…プロメテ達が倒したのは…?」

「アレはダミーだ。
 三賢人として働いてきた、私のダミーボディだよ。」

続けて彼は自らの名を名乗る。
「私は、DAN−000「オリジナル」
 この私こそ、正真正銘本物のマスターアルバートだ!」

モデルVに注がれる膨大なエネルギーにより部屋が崩壊し始める。
「全て、計画通りだ…!
 まもなくモデルVが融合を始める!
 私が究極のロックマンとなって、この計画は完成する!」
「おい、ここも持たないぞ!早く脱出しようぜ!」
「だけど…プロメテ達が!」
倒れている彼らを放っておくわけには…だが。

「ここでお前が死んじまったら、誰がアルバートの野郎をぶっ飛ばすんだ!」
「くそぉ…っ!!」
グレイには、その場を立ち去るしかなかった。
背中に、アルバートの笑い声を受けながら。




「お、おい!なんだあれは…!」
ハンターキャンプに戻ったグレイが外に出るなり、
ハンターの一人が驚嘆の声を上げる。


見ると、海から巨大な何かが浮かび上がる。
バイフロストの工場で作り出された、巨大なメカニロイドの兵に囲まれた、
大きな大きな輪。
それこそが…

「あれが…モデルVが一つになった姿…ウロボロスか!」
「アルバートは…きっとあの中に!」

乗り込んでやる。そう意気込むグレイだが、
どうやらもう飛行艇は全て破壊され、残されていないらしい。

打つ手はないのか…? 頭を抱えるグレイの背中に声がかかる。
「いいえ、まだ手はあるわ」


現れたのはエールだった。
「実は君に見せたいものがあるの。
 ただし…ここから先は後戻りできないわよ」

166ロックマンZXA 第22話 最後の戦いへ:2008/07/05(土) 19:28:51
グレイを待つ間、エールは空を見ていた。

「大変なことになったわね。あれが究極のライブメタル…ウロボロスってわけね
 アレから出てきた凄い数のイレギュラーが各国を襲っているらしいわ
 アタシもあの後いくつかモデルVをつぶしてきたけど、焼け石に水だったみたい」

「もう、飛行艇も残されていない…どうすればいいんだ」
「しっかりしなさい、君に見せたいものがあるって言ったじゃない
 行くんでしょ、自分の運命を取り戻しに」


エールは空に向かって指を指す。その先には…飛行艇。

「あ…あれは…!」
「アタシと…アタシの仲間たちの船…ガーディアンベース!
 残された手はただ一つ…
 ガーディアンベースでウロボロスに乗り込んでアルバートを倒すしかない!」

「おい!親玉のとこに行くんだろ?俺達にも暴れさせろよ!」
グレイを助けてくれたあのときのガーディアンが駆けつけてくれた。
たくさんのガーディアンを引き連れて。
「待ってくれよ!これはミッションじゃないんだぞ?」
そこにまた声がかけられる。
「いや…これはレギオンズからの正式なミッションだ。」
マスター・トーマスだ。
「逞しいな、君達は。こうでもしないと…おさまってくれないのだよ」
呆れたように…でもこの世界のため戦う彼らに嬉しそうな顔で。

「最早、レギオンズでも各国への対応が追いつかない状態だ。
 グレイ君…君に、全てを託したい。」
「みんな…!」
運命に立ち向かうことこそがこの世界の人々全員が背負った戦い。今、その戦いがやってきた。

「どうやら、守るべきものを見つけたみたいね 行くよ、アタシについてきて!」
エールは走り出した。


「ウロボロスに取り付いたら、イレギュラーがわんさか集まってくるはずよ
 ハンターのみんなでなんとしてもガーディアンベースを守りきって!
 いい…?絶対に勝って、みんなで帰るのよ!」
そしてガーディアンベースはウロボロスへと到着…もとい、激突をした。
「グレイ!あなたは先に行って!アタシもここを守りきったら、すぐに追うわ!」

そして荒れ狂うモデルVの塊…ウロボロスへと突入した。
内部には沢山のイレギュラー。バイフロストのトランスで壁をぶち破り
イレギュラーをテティスのトランスで破壊、
天井の敵をアトラスのトランスで攻撃しつつ先へ進む。

そして、立派に整備された通路に出る。
警戒をしつつ、赤い絨毯の上を歩くグレイに…どこからともなく、声が響く。

「まさか、飛行艇でこのウロボロスに突っ込んでくるとはね…。
 進化に追いつけぬ者のやることは…野蛮だな」
そして姿を現す。マスターアルバートだ。
「アルバート!」
「所で…君に会いたいという者達がいるのだが。
 相手をしてやってくれないか?」

するとアルバートが眩い光に包まれ…姿を変えた。その姿は…

ディアバーン。
「裏切り者、モデルA、俺、お前、倒す!」
クロノフォス。
「シャーッシャッシャッシャ!この時を待っていたぞ…復讐の時をな!」
ローズパーク。
「また会えて嬉しいよ、少年♪」
カイゼミーネ。
「あら…私にもおもてなしさせて欲しいわ…?」
コンドロック。
「アンコールに応えて、来てやったぜぇ!」
アーゴイル、ウーゴイル。
「覚悟せよ!二度も不覚は取らぬ!」
テスラット。
「処刑はまだ継続チューなのよっ!」
バイフロスト。
「王に仇なす者め!今度こそ滅ぼしてくれる!」

まさか…。
「トランスオン…!」
「モデルAと同じコピー能力をなぜ…お前が!」
「言ったろう?君は私の影だと。だが、私の力はコピー能力などではない…
 モデルVの生贄となった全ての魂が、私の中で生き続けている
 全ての命を操る力…それが究極のロックマンの力…真の、トランスオンだ!」

真のトランスオン。ライブメタルの力を使うアルバートは一体…?
消えたアルバート。乗り越えてきた者達と再び会いまみえ、全てを知るべく…彼は先へと進む。

167ロックマンZXA 第23話 蘇る敵達:2008/07/05(土) 21:38:25
「今回はVIP待遇だ…お前だけのために歌うぜ
 とっておきの…レクイエムをな!」
8人全員を早く倒すには、やはりエールの力を借りるのが手っ取り早い。
グレイはエールにトランスオンし、まずコンドロックの背筋から足にかけてを斜めに切り裂いた。
「俺様は…引退するぜ 後はお前たちだけで盛り上げな…ロックな悲鳴を頼んだぜ…」

「私の所に来てくれたのだね、嬉しいよ少年♪君の魂の美しい散り様を私に見せてくれ!みてごらん♪」
回転斬りでローズパークの顔面から体の中心線に沿って真っ二つにする。
「おお…何故私を拒むぅ…進化なき世界に…光なき世界に…花は咲かぬというのにぃ…」

「シャーッシャッシャッシャー!さぁ始めるか、至福のひと時を!じっくりたっぷり、時間をかけていたぶってやろう!」
氷のトゲをかわしてクロノフォスを切り刻む。
「時の流れは…止められん!新たな時代の波に…飲み込まれるがいい!」

「アオアオアオオー! 新たな王、生まれた!新たな世界、生まれる!お前、もう、いらない!」
ディアバーンの背中から上半身と下半身を真っ二つに。
「お前…掟…破った!王の…罰…受けろ!」

「この先へ進める者は新たな王に従う者と、新たな王に捧げられる者のみ!」「うぬ!」
「貴様がここを通る術はただ一つ…王に捧げる生贄となることだ!」「死ねい!」
アーゴイルを倒した後、ウーゴイルを斬る。
「よかろう…進むがいい そして、我らが王の力に…ひれ伏すがいい!」「ぐあああああ!」

「来たわよ来たわよ、アタシの番なのよ!やるわよ!やるわよ!アンタなんかやっつけちゃうのよー!」
テスラットの小さな体を輪切りにし…
「無駄よ、無駄なのよ!アンタはどうせ、アルバート様にやられちゃうのよ!」

「貴様など所詮は大海に浮かぶ氷の粒に過ぎん 進化の波に飲まれる前に、一思いに我が牙で噛み砕いてやろう!」
バイフロストの巨体をダイナミックに一刀両断し
「滅びよ!王の影たる貴様に光ある世界は作れぬ!」

「今宵は素敵なパーティになりそうですわ…♪あなたも祝いなさい?
 だって…新たな王が降臨された、記念すべき日なのですから!」
カイゼミーネの胸から腹を真っ二つにした。
「我らよりも…進化できぬ者との馴れ合いを取るのですか…どこまでも…愚かですわ!」

8人を倒したグレイは更に奥へと進む。
そこはさっきとは違った雰囲気。
ドクドクと脈動する背後のモデルV達の音が聞こえる…生物的な場所だった。

先ほどの硬いブロックとは違い、ここのブロックはすぐに破壊できる。
だが…すぐに再生する。細胞壁のような奇妙な物質だった。
モデルVは…生きている。飲まれるわけにはいかない。
細胞壁を破壊しながら進んでいくグレイ。
素早く、且つ足元の細胞を破壊して落ちないように気をつけながら。

コンドロックのトランスで注意深く渡り、
分厚く行く手を阻む細胞壁をヘリオスのトランスオンの能力で削った先に大きな扉が。
その先はアルバートの間へ続く、最後の通路のようだった。

一直線に走っていくグレイ…だが彼を阻むべく現れたのは。
「愚かなる選択 あのまま地上で逃げ回っていればよかったものを」
ヘリオス。そして背後には…
「まだ僕らとの決着はついてないだろ?勝ち逃げなんかさせないよ」
「これ以上、先へは行かせない!」
「戦力差4対1…コレヨリ目標ノ完全破壊ヲ開始スル」
テティス、アトラス、シャルナク。あわせて…4人の適合者達だ。

「お前ら…!アルバートは僕たちを利用していたんだぞ!
 アイツは最初から自分が王になるつもりだったんだ!なのにまだ戦うってのか!」
勝負のついた、見せ掛けだけの下らないゲーム。それにまだ本気で乗っている奴らが、グレイには理解できなかった。
「些細なる問題 ならばこの中の勝者が奴を倒し新たな王となるまで
 最後の勝者が王となる アルバート自身が決めたルールだ」
「お前ら!!」
その瞬間、何者かが彼らの中に飛び込んできた。エールだ。

「ここはアタシが引き受けるわ!グレイ、先へ行って!」
チャージショットをヘリオスに向かって放つ。
倒せはしない。だが、かつてモデルHの能力を手に入れた彼女なら、ヘリオスの行動は予測できた。

エアダッシュでとっさに空中へ逃げるヘリオス。そう…道が開いた。
グレイはショットを追うがごとく、ヘリオスの下を駆け抜ける。
「貴様…!」
「アタシは、あなた達の方に用があるのよ
 あなた達が使っているライブメタル達を…返してもらうわ!」

それぞれの最終決戦が始まろうとしていた。

168ロックマンZXA 第24話 モデルA:2008/07/05(土) 22:17:04
風に乗り、花びらがグレイの視界を覆う。
血の如く赤い、気色の悪い脈動するモデルV達の奥…そこは花畑だった。
花畑の真ん中にまっすぐにひかれた道の先には地球儀の嵌められた玉座。
そしてそれに座っていたのはアルバートだ。

「…そろそろ来ると思っていたよ。いや…むしろ来てもらわねば困る。
 これでようやく…私の計画は完璧だったことが証明されたというわけだ。」
「どういう意味だ」
「…なんだ?モデルA。まだ彼に話していないのか?君は全てを思い出したはずだ」
「う、うるさい!グレイ、相手にすんな!こんな奴、さっさとやっつけちまえ!」
モデルAの言葉には焦りを感じる。
それで全てを察したアルバートは玉座から立ち上がり、彼に話し始める。
「ハハッ、残酷だな、君は。グレイ君。教えてあげよう
 君は私の影だ!もしも、私が何者かに敗れた時…この玉座に座るのは、君だったのさ

 私が作った究極のロックマンのスペアボディ。それがグレイ君、君の正体だ!」

三賢人としてのアルバートの他に、アルバートはもう一人自分を用意していたのだ。
「僕が…究極のロックマンのスペア!?」
「モデルAも私が作った物さ。適合者…つまり君にこの計画を伝えるためにね」

アルバートは続けて、楽しそうにグレイに言う。
「私の計画と知識の全てを収めたバックアップシステム…
 故にモデル・アルバート…モデルAとー名づけたー!」

明かされた、Aの意味。黙っていたモデルAはアルバートを睨み付ける。
「むかつく名前だ…!」
「そう言うな。直にその名前も意味がなくなる」

そう言うと地球儀が真っ赤に染まり、玉座が光となってアルバートを包み、姿を変える。
三つ首の龍の姿に。

「計画が完成した今、君らは居てはならない存在なのさ
 究極のロックマンは…私一人でいい!」

アルバートとの戦いが今、始まる。

「食らえ!」
グレイの方から見て右の首の口から雷が床に放たれ、当たった場所に真っ黒な重力波が発せられる。
それは床板を引き剥がしながら首の動きとともに前へ進んでいく。
シャルナクに変身したグレイは、それを垂直に飛び避けた後、クナイを龍の腹…アルバートを包む壁へと連射する。
「それ。」
今度は左の首。グレイに向かい数個の爆弾を吐き、床に当たったそれは炎へと変化する。
わずかな移動でそれを避け、絶え間なくクナイを腹へ突き刺し続ける。

「諦めろ。」
真ん中の首が真っ直ぐに伸び、地面に角を突き立てて火花を散らし縮んでくる。
鋭いその角でグレイを切るつもりのようだ。
クナイの方向を変えて角に連射するグレイ。その衝撃で首が動き、避けるスペースができた。
ダッシュでそれを潜り抜け、すかさず変身。クロノフォスのタイムボムで時間を遅くし…
エールに変身し腹へ向かいセイバーの連撃を食らわし続ける。

アルバートは効果が切れた後、左右二つの首を使ってブラックホールを発生させると同時に
中央の首から闇のブレスを吐き、それをブラックホールの中へ入れていく。

炎に当たっても、ホールの中にも入っては危険。
急いで逃げたグレイに、今度はブラックホールの出口、ホワイトホールからブレスが放たれる。

この方法以外にあり得ない位置から飛んでくる黒き炎をかわし、またエールへと変身。
チャージショットとセイバーの二段攻撃を当てる。

「頑張るなぁ…」
腹が煙をあげたが破壊まではまだ早い。
三つの首がもげていく。

それも別に倒したからではない。
三つの首は空へと浮かび、グレイに向かい雷の集中射撃を行う。
頭の取れた首からはミサイルが発射される。

だが集中射撃はその場でかわせば怖くなどない。ミサイルも近くに居れば問題ない。
かわしてすぐに腹へセイバーをぶつけたそのとき…

アルバートの腹部から閃光が発せられ…爆発した。

169ロックマンZXA 第25話 神 前半:2008/07/05(土) 23:05:15
「究極とは。 進化の果てにあるものとは。
 私は…それが知りたかった。」
花畑の真ん中でアルバートは語り始めた。

「三賢人として。何より…一人の科学者としてだ
 進化の果てにあるもの…それは空しさと哀れみだ。人々は、またいつか争いを始めるだろう。
 平和だ、正義だと キレイごとを並べ、そんな自分に酔いしれ、あがき続ける…
 この世界は空しく、哀れな未来しか生まないことを、私は悟ってしまった」
アルバートはそう…この世界に失望していた。

「だから…自分が支配者になろうってのか」
「支配者?それこそ空しいじゃないか…」

アルバートはアホ毛を揺らし…真っ青な空を見上げる。
「私はね…新たな世界を作ろうと思うんだ。
 天と地を定め…新たな生命を生み出し、行く末を見守ろうと思っている」
「ふざけるな…!神様にでもなったつもりか!」

その言葉を聞いたアルバートはこう言うと同時に、纏っていた拘束具を外した。

「神になったつもりではない…私は… 神だ!」
バサっ…と、その衣服を脱ぐとボディを包む闇に顔が覆われる。
その場の花畑も青空も、ガラスのような音を立てて割れ、崩れていく。

考えてみればこのウロボロスの場所からして、こんなに風のない場所のわけがない。
割れた空からは、まもなく闇が訪れることを告げる夕焼けが支配していた。
空と花畑がアルバートに吸い込まれていく。
そして…アルバートは真の姿を現した。
顔全体をバイザーで覆った、金色のアーマーを着た姿に。これこそが神なのだという。
アルバートに三角の形をしたビットが集結し、アルバートの周りに配置される。
合図とともにそれらはエネルギーを発し…翼のような、刃のようなアルバートの体の一部となる。

「君たちが住むこの世界そのものが失敗作だ。
 新たな世界を作る前にこの世界をリセットしなければならない…
 モデルVがもたらした、この究極の力を使ってだ。
 これは神である私が決めた事だ、滅びの運命は変えられない!」

神としてのアルバートの言葉に、人としてのグレイが言葉を返す。
「例えこの世界を作ったのがお前だとしても…僕達の運命は僕達が作る!
 お前を倒して…僕は自分の運命を取り戻すんだ!」

その言葉にアルバートが、柄にもなく反応する。
「それだ!その姿だ!
 空しく!哀れで!虫唾が走る!!
 だから私はロックマンを生み出した、進化するために!!」
彼もまた弱い人としての自分を捨てるため…進化をしたのだろうか。

「神になり損ねた者よ!
 お前はロックマンですらない…ただのヒトだ!」

吹き抜ける風と滅びを示すかのような夕日。
ここに最後の戦いが始まった。

170ロックマンZXA 第25話 神 後半:2008/07/05(土) 23:06:10
「大いなる嵐だ!」
まずアルバートは4つのビットを射出する。

それは上下2組となりグレイを囲み、あり得ない速度で回転し竜巻を発生させる。
自分の体から離れたビットを手足のように自由自在に操作し、自在に力を引き出す力…
それが神の力だった。
攻撃に使うビットとバリアに使うビットとを自在に使い分けることができるらしい。
まずはバリアを破壊する必要がある。

ビットをホーミングレーザーで攻撃し、グレイはその竜巻を停止させることに成功する。

アルバートがまた姿を現す。そのタイミングでグレイはサイトを展開、
アルバートのビット全てに照準を合わせ、レーザーを撃つ。

「漆黒の刃だ!」
今度は二つのビットを取り外しどこかへ飛ばす。

アルバートが消えるとそこには巨大な手裏剣型のエネルギーを纏い回転してくるビットが。
ヘリオスのトランスでそれを回避し、現れたアルバートにまたホーミングレーザー。
そしてバリアがとうとう破れる。
そこに向かいグレイはヘリオスになり飛び上がり、空中で解除、チャージショットを放つ。
「ぐっ!!」
情けのない格好でボトリと床へ落ちるアルバート。
クロノフォスへと変身しタイムボムを発動。
続けてエールに変身し、回転斬りから三段斬りへと連携させる。
アルバートはこのときは無防備らしい。
だがその瞬間…
「消え去れ!!」
突然アルバートがビットを並べ時計のようにし、素早く回転させた。
するとなんとタイムボムが解除されてしまった。これが神の力だということか。
すぐに姿を消し、次の攻撃へと切り替わる。

「ふんっ!」
地面に拳をたたき付けるアルバート。
その動作と同じく、突然巨大な拳が地面に落下してくる。よく見るとそれはビット。
火柱が噴出され、辺り全体が揺れる。グレイはその場に動けなくなってしまった。

「逃がさん!」
続いて上下にうなりながらビットを氷で繋いで作った龍が踊りだす。
これを回避するのは容易。すぐに剣をアルバートに当てる。

「絶対の光だ!」
ビットを引き連れてアルバートが遠くへと移動する。
そして左右にビットで輪を作り、巨大なレーザー砲として打ち出す。
ヘリオスへ変身しそれを回避したグレイは、戻ってきたアルバートに一撃。
だがアルバートもこれを見て同じことをし始めた。
「ハァ!!」
ビットで今度は大きな剣を作り出し、地面へ叩きつける。
これを直に食らい、グレイは一気にピンチへと陥る。
「貴様如きに…」
あと一発という所。またバリアを纏うと次の攻撃へと移行する。
「信念の刃だ!」
下部のビットを刃へと変形させ、床を切り裂きながらグレイへと近づいて行く。
「ああぁあああ!」
ギガクラッシュでアルバートのビット全体を攻撃し、決着をつけようとする。
…が、そうはいかなかった。そして、グレイのエネルギーは底を尽いた。
もう、自然回復に身を任せ攻撃するしかない。

ここまで来てグレイは解った。
嵐はモデルH、手裏剣はモデルP、炎の拳はモデルF、氷の龍はモデルL。
レーザーと剣はモデルZXのもの。
そして、今の攻撃は解らないが…どれもライブメタルの攻撃に酷似している。
ならば恐らく…この攻撃が残っている。

「絶対の光だっ!」
照準のようなものが飛んでくる。

やはり来た。モデルAの攻撃…ホーミングレーザーだ。
苛立つように、認めたくないように一発、二発とグレイを始末するべく光が放たれる。
グレイも同じくアルバートへ向かい、やっとのエネルギーでホーミングレーザーを放つ。
バリアが…剥がれた!

そしてアルバートはグレイへとはっきりと照準を合わせ、一斉射撃を行おうとする。
これが最後の攻撃…
グレイは高く飛びあがり…アルバートへと平行に向かい合いチャージショットを放つ。
アルバートのレーザーとグレイの渾身のチャージショット。

早かったのは…グレイだった。
「馬鹿な…!?」

171ロックマンZXA 第26話 ただのヒト:2008/07/06(日) 14:16:25
「そうさ、お前の言う通り…僕は失敗作だ。グレイって名前の、ただのヒトだ」

割れたバイザーから顔を覗かせ、膝をつくアルバート。
それを見下ろすように、グレイは立っていた。
「…お前は、そんな僕一人の運命さえ変えることができなかったのさ」

そして戦いの前のアルバートの言葉に返すように言う。
「…これは僕が決めた運命だ。僕は、この世界でみんなと生きていく!」

その言葉をに対し、アルバートは最後の言葉を口にする。
「それが…もう一人の私が出した答えか…。フフッ…さらばだ、究極の失敗作よ」
そして、嫌味も込めて。
「緩やかな平和の中で…ゆっくりと…朽ちて行くがいい」


かくして、戦いは幕を閉じた。

だが、グレイにはまだやるべきことがあった。皆の元へ帰ることだ。
「やばいぜ!アルバートがやられて、この要塞が落下し始めてる!」
「はぁ…はぁ…これで、終わったんだ…
 なんだか…つかれたよ…みんなの所へ…帰ろう」
その言葉を最後に、バタリと倒れてしまった。
「おい、しっかりしろよ!グレイ!」

一方、すっかり光を失った…死したウロボロス内部。
エールは今も、4人の適合者と戦い続けていた。
「エール、ここはもう危険だ。グレイを助けに行かないと!」
「わかってるけど…4対1ってのはちょっとまずかったかな」
その瞬間…エールの姿が青いロックマンへと変化する。
モデルZXから、赤いライブメタル、モデルZが遊離し…モデルXになったのだ。
「先に行け。ここは俺が食い止める」
「ちょっと、何を言ってるの?無茶よモデルZ!」
「心配するな。死ぬつもりはない」

「エール…行こう」
「その言葉、信じてるからね!」
そしてエールは駆け出した。

「美しき覚悟…友のために命を捨てるか」
ヘリオスは言う。
だが、英雄の魂は考えなしにそんな事をするわけはない。
そして、彼には余裕さえ見られた。
「死ぬつもりはないと、言ったはずだ。それに…」

突然ヘリオスが地へと落ち、他の3人も苦しみ始める。
「モデルH達のことは、俺の方がよく知っている。」
4人のライブメタルは一体モデルZとは過去に何があったのだろうか。
単に彼と同じく戦った者なのか。それとも…

「くっ…何だ、体が…重い!どうした…モデルL!」
「ライブメタルどもめ、まだアタシ達に抵抗する力が残っていたのか!」
「理解不能、理解不能!!」
「エール。グレイのことは、頼んだぞ」

そして全てが眩い光に包まれ…究極のライブメタルは滅びの時を迎えた。
ライブメタル・モデルV…ガーディアンベースのリーダーが言うには、
大昔の戦争で、ある一人の邪悪な科学者が自ら作り出した要塞の破片だという。
そして、科学者はその要塞と一体化し支配者になろうとするが、
ある一人の英雄に破れ地に落ちたのだそうだ。その英雄がどうなったのかは…解らないが。


「うわぁあああ!」
いつぞやのように医務室のベッドから叫び声とともに起き上がるグレイ。
「あれ…?ここは…」

だが、彼は今度は一人ではなかった。
「グレイ!やっと目が覚めたか!よかった、よかった!
 オイラもう心配でさぁ!」
「………」
「どうした?何かまだ痛むところでもあるのか?」
「モデルAが…人の心配してる…」
「悪いかよ!オイラは眺めてるくらいしかできなかったんだし、心配くらいさせろよ!」
「はは…ごめんごめん」

医務室の外に出る。
そこにはつきぬけるような真っ青な空。
何事もなく過ぎていく…平和がそこにあった。

「体の方は大丈夫?倒れてた君を担いで逃げるの、大変だったんだからね」
外にはエールがいた。
「そうだ!ウロボロス!モデルVはどうなった?」
「大丈夫よ、あのまま海に沈んだ。モデルVの反応もない、ただの瓦礫になって消えていったわ」
「そうか…エールはこれからどうするんだ?」
「アタシはこれからまたガーディアンベースで世界中を廻って見ようと思う。
 探し物も増えちゃったしね 君は?」
「あ…そうか 考えたこともなかった。これは僕の運命なんだ 僕が決めるんだよね
 …旅に出ようと思う。どこまで行けるのか、何ができるのか…僕は自分のことを何も知らない。
 だから、旅に出たいんだ。自分を知るために」
「え!?お、おい…オイラは?オイラはどうすればいいんだ?」
「それも君の運命でしょ」
「そ、そうか!えーと…じゃ、グレイ、オイラも行くよ!一緒に連れてってくれ!」
「うん。一緒に行こう、モデルA!僕らの居場所を探しに!」

グレイは走り出す。
「また、会えるといいね!」
「いつでも会えるさ!ここは僕たちの世界なんだから!」

172ロックマンZXA 後日談:2008/07/06(日) 14:53:32
ネタバレ注意














「天と地を定め、新たな命を生み出す神となる、か」
「最後のミッションレポートか…アルバートめ
 随分とたいそれたことを言ったもんだ…」


レギオンズの最上階、三賢人の間にて。
いつぞやのようにトーマスは窓へと向かい、話していた。
「ミハイル。君は我らが新たな命を生み出すなど、おこがましいと思うかね」
「バカなことを…トーマス。お前さんでもそんな妄想を抱くことがあるのかね?」

そう。いつぞやの…マスターアルバートのように。
「人間とレプリロイドを平等にするための法律があるだろう。
 覚えているか?あれが決まったのは、私とアルバートが賛成したからだ」
「? 何が言いたい」

「人間に機械の体を与え、レプリロイドに寿命を設定する」


「では…機械と入れ替わったオリジナルの人間の肉体はどこにあると思う?」
 寿命を設定する前のオリジナルのレプリロイドのデータは、どこにあると思う?」

彼の周りに4人の男女が現れる。ヘリオス。アトラス。テティス。シャルナク。
「トーマス、貴様!」
「アルバートは間違っていた。だから私も、ハンター達に力を貸した」
そして付け加える。

「だが…奴の言葉にも一つだけ、正しかったことがある。」




「この世界は、リセットしなければならない」

173Metal Slug:2008/07/31(木) 19:47:49
20XX年、ドナルド=モーデン元帥は数年間かけて準備していた
軍事クーデターによる覇権掌握を実行に移した。
彼と、彼を取り巻く有能な賛同者と、
世界に散らばる彼の同志達の電光石火の侵略によって、
世界の主要都市はモーデン元帥の計画発令より、
わずか170時間(7日と2時間)で統制下におかれ、抵抗力を失った。
世界が感じたその時間は、まさに一瞬のことであった。

元帥反逆軍の奇襲に遭い、瞬く間に一蹴されてしまった正規軍だったが、
わずかながらも生き延びた者達はレジスタンスとなり、
兵力の立て直しを図りながら元帥討伐の機会を伺っていた。

そんなある日、轟音と共に砕け散るレジスタンスの秘密工場。
ついに秘密工場を突き止めた元帥反逆軍の攻撃だった。
十分な兵力の整わないままのレジスタンスの抵抗は、
まさに蟷螂(とうろう)の斧(弱者が力量を弁えずに強敵に立ち向かうこと)で、
試作の段階までこぎつけていた数輌の新型万能戦車、
「メタルスラッグ」は敵の手に落ちてしまった。

もはや一刻の猶予も許されない。
正規軍特殊工作部隊ペルグリン・ファルコンズ通称PF隊に指令が下った。
「小人数の部隊編成をもって、元帥反逆軍の拠点をピンポイント攻撃、これを破壊せよ。
奪われたメタルスラッグは、機密保持の為に奪還、
困難な場合は、この破壊も止むなしとする。」

この失敗の許されない任務にマルコとターマの二人の兵士が選ばれた。
いま、たった二人の元帥討伐戦が始まる…。

174Metal Slug2&3:2008/08/06(水) 12:47:34
前回の対戦(初代メタルスラッグ)から2年が過ぎたにも関わらず、
世界各地で散発的な反乱が発生していた。
そこにモーデン元帥の影を感じ取った正規軍の参謀本部は
マルコとターマに第二次クーデターを未然に防ぐ任務を与える。
そしてさらに今回は情報局特殊部隊スパローズ所属の
エリとフィオとの共同作戦が義務付けられるのだった。
「おいおい、こんなお嬢さん達とドンパチやらかすのかよ」
「これは任務だ、やるしかない!」
そしてPF隊とスパローズ隊による第二次クーデターを
未然に防ぐための掃討作戦が始まるのだった。

175Metal Slug3:2008/08/06(水) 12:51:54
再びクーデターを食い止めたマルコとターマ、そしてエリとフィオ。
しかし残党狩りの中でマルコとターマの2人はモーデン元帥の影を感じていた。
そして同時に世界の異常気象や怪事件の調査を行っていた情報部は、
さらなる脅威を察知していた。
マルコら4人が残党軍の潜む孤島へ潜入したのを皮切りに、
史上最大の任務が始まる―。

176Metal Slug4:2008/08/10(日) 10:39:23
各国軍事システムを乗っ取るコンピュータウイルス、
「ホワイト・ベイビー」の誕生と発信がネット上で予告された。
これを受け、テロ組織「アマデウス」の職滅作戦が決議され、
PF隊はマルコとターマに加え、若手のとレバーとナディアを選抜。
彼らは出撃前に送られた衛星画像にモーデンの姿を発見する…。

177Metal Slug5&6:2008/08/10(日) 10:46:51
5
次世代メタルスラッグを開発中の研究所が襲撃を受け、
機密ディスクが強奪されてしまう。
これを奪還するためにマルコとターマはその行方を追う。
一方、スパローズ隊のエリとフィオは調査に訪れた古代遺跡で、
一連の犯行が武装組織「プトレマイック・アーミー(*1)」によるものだと知る。
機密奪還と組織壊滅のため、4人が再び集う!

6
メタルスラッグ3の大戦から間もなく(*2)、
正規軍情報部には未確認飛行物体や、
宇宙人の目撃応報が寄せられていた。
そして、とある山岳地帯で、
「モーデン軍らしき一団が潜伏している」という情報が入ると、
参謀本部はマルコ達4人を召喚した。
新たに傭兵のラルフとクラークを含めた6人の精鋭たちが、
これで最後の任務になるようにと祈りながら戦いに挑んでいった…。

178Metal Slug7:2008/08/10(日) 10:53:18
驚異的な速さで進む復興作業により、
徐々に破壊の爪痕を薄れさせ、活気と秩序を感じ始めたころ、
ゴミ問題を報じた番組で、モーデン兵らしき人物が一瞬だけ、
横切っていく映像が流されたのだ。
真偽の確認とモーデン軍発見の際の職滅を目的とした、
6名の潜入チームが編成された。
集められたメンバーはPF隊のマルコ、ターマ、
そしてスパローズのエリとフィオ、
傭兵でKOFでは有名な「怒」チームのラルフとクラークが
前回に引き続いて召集されることとなった。

かくして、彼らはモーデン兵が潜伏すると思われる、
ゴミの島への潜入を開始する―。

>>177
*1 のちにモーデン軍と判明
*2 MS4、5はパラレルワールド扱いらしい

179風のクロノア -door to phantomile-:2008/08/16(土) 09:48:41
「そしてぼくは不思議に思う
あさ目がさめると確かにみたはずの夢が思い出せないことがある
その夢はいったいどこへ行ってしまうのだろう
でもその日の夢は鏡を見るようにはっきりと覚えているんだ」

ここはどこか別の世界、ファントマイル。
ファントマイルにはひとつの伝説があります。
それによると、人々が見る夢のエネルギーは、
月の国と呼ばれる幻の国に集められ、
世界を形造るのに使われるといいます。
目が覚めたあと確かに見たはずの夢が思い出せないのは、
そのためだというのです。

ある日のことです。
風の村ブリーガルに住むクロノアは、鐘の丘に飛空艇が墜落し、
邪悪な影が迫ってくるという悪夢にうなされて目を覚ましました。
不思議なことに、この夢は時間がたっても
はっきりと思い出すことができるのです。

そんなおり、鐘の丘に本当に飛空艇が墜落しました。
「夢で見たのと同じだ。」
一瞬よぎった不安は、あふれんばかりの好奇心に吹き飛びます。
「行ってみようクロノア!」
幼いころからの親友、リングの精ヒューポーが声をかけました。

ドキドキとワクワクを胸に、クロノアとヒューポーは元気に駆け出しました。

180ファントマイルに伝わる伝説:2008/08/16(土) 09:59:44
かつてファントマイルには、風の神、木の神、水の神、
そして月の神の4人の神々が君臨していました。
月の神は人々の夢のエネルギーを集めて世界全体を形作りました。
そのほかの神々もそれぞれの与えられた資質、
風の力、木の力、水の力を互いに与えあって平和が保たれていました。

そんなある日のこと。万物を創造することのできる月の神の力をねたんで、
闇の王が反乱を企てました。神々は力を合わせて戦いました。
はじめは圧倒的に優勢だった闇の王も、光と天翔ける鱗によって
次第に追い詰められていったのです。
戦いは100日間続き、ついに闇の王は封じ込められたのでした。

このあと二度とこんなことが起こらないように、
月の神は姿を隠すことにしました。
月の神は風、木、水の神々が思いを合わせない限り、
決して現れることはありません。
夢みる力は永遠に夢の彼方へと秘められたのです。

181メタルスラッグ2&X フルストーリー:2008/09/11(木) 18:16:17
初代メタルスラッグの舞台となった第一次大戦終結から2年…

世界を破壊と混乱の淵に叩き込んだモーデン元帥のクーデターは、
正規軍の反攻作戦により寸前の所で鎮圧された。
作戦成功の立役者、マルコとターマは昇進。
自分たちがもたらした平和を満喫しつつ、
特殊部隊ペルグリン・ファルコンズの再生に尽力していた。

そんなある日、マルコとターマは正規軍の参謀本部に召還を受けた。
モーデン一党の動きが最近活発化しているらしい。
モーデン反逆軍の勢力はすでに根絶されていたが、
正規軍上層部や各国政府の腐敗ぶりを唱えたモーデン元帥の主張には
同調者が意外に多く小規模な反抗反乱の類は散発的ながら絶えることがなかった。
ところが、最近の反乱は組織化されますます計画的になってきている。
全世界の情報を総合的に分析した結果、それら各地の反乱は、
ある大規模な作戦計画の存在を明確に差し示していた。
そのような大作戦を立案実行指揮できる人間はただ一人。

 デビルリバース・モーデン元帥、本名ドナルド・モーデン。

2年の歳月をもってしても、モーデンの影を消し去ることはできなかったのか。
しかし、いかにモーデンと言えどもこんな短期間で
二度目のクーデターを準備することなどできはしない。
果たしてモーデンは生きているのか。
生きているとすれば、どのような手段で、いつクーデターを開始するのか。
そして、こんな短期間でクーデターの準備を可能にした秘密は…?
マルコとターマには反逆軍に機先を制して、
第二次クーデターの勃発を未然に防ぐという秘密任務が与えられた。
反逆軍の作戦を少人数の精鋭部隊で次々と奇襲鎮圧し、
全て叩きつぶしてしまおうという過酷な作戦だ。
当然最高度の機密性が要求される。
モーデン派には情報が漏れないように、
彼らの上司ですら全貌を知らされることはない。
そして何よりも未だモーデンの影のおびえる世界の人々を刺激しないように…。

前大戦以上に過酷と言える任務だが、彼らは即座に承知した。
モーデンが生きているなら、今度こそ息の根を止めてやる。
意気込む二人であったが、この任務には意外な付帯条件がついていた。

情報局所属の特殊工作部隊、スパローズと共同作戦を行うこと。
PF部隊だけで片を付けるつもりでいた二人は反対したが、
参謀本部は聞き入れてくれなかった。
実戦部隊に対抗意識を燃やす情報局の意向や、
上層部の対立などが複雑に絡み合った結果なのだが、
マルコたちには分かるはずもない。
結局うやむやのまま、将軍たちに押し切られてしまうのであった。

作戦当日。スパローズから二人の兵士がやってきた。
エリ・カサモトとフィオリーナ・ジェルミ。若い女性だ。

「エリ・カサモト軍曹だ。エリでいいよ。」
「あの、えっと、前大戦の英雄お二人にお会いできて光栄です。
  スパローズのフィオリーナ・ジェルミ一等軍曹です。
  こんな大規模な作戦は初めてですが、わたしは大丈夫です。
  がんばります。よろしくお願いします。」
「おいおいマルコ、こんなお譲さんたちと一緒にドンバチやらかすのかよ」
「今さら何を言っている。時間だ。作戦開始!」

こうして、クーデター鎮圧作戦は発動された。
マルコたちは第二次クーデターを未然に防ぐことができるのか。
本当にモーデンは生きているのか。そして、反逆軍の恐るべき秘密とは。
今度も戦争だ!

182Driver -潜入!カーチェイス大作戦-:2008/10/16(木) 18:19:54
マフィアが暗躍する大都会の夜
マイアミ、サンフランシスコ、ロサンゼルス、ニューヨーク――。
華やかにアメリカの大都市は、ドラッグや武器の密売で
甘い汁を吸うマフィアたちの温床でもある。
そこへひとりのアンダーカバー、潜入捜査員が入りこもうとしていた。

危険を顧みず非情な世界へ
その名はターナー。彼はヤバい仕事をうけおうドライバーとして
ファミリーに認められ内部から組織の壊滅を図ろうとする。

信じられるのはステアリングを握る両腕だけ
この世界に信じられる者は誰もおらず、警察をも敵に回さなくてはならない。
はたして彼のこの任務は成功するのか?そして無事に帰還できるのだろうか?

だが、これだけは言えた。
ターナーは、カスタルディファミリーのしようとしていることをまだ、
何も知ってはいなかったのだった―。

183ツインビー オリジナル版:2008/10/16(木) 20:29:21
宇宙暦2801年のこと。
平和だったドンブリ島に突如スパイス大王が大軍で攻めてくる。
スパイス大王の軍の前にドンブリ島は占領され、
さらに島に伝わる5つの玉のうち、4つを4人の部下に分け与えた。
そしてその部下たちが4分割された島を統治しはじめたのだ。

これを重く見たシナモン博士の弟子であるアンナモン、ドンナモンは、
シナモン博士が作り上げた傑作戦闘機、ツインビー、ウインビーに乗って、
スパイス大王率いる大軍に勇敢に挑んでいったのだった。

184ぼくのなつやすみ2 海の冒険編:2008/10/18(土) 21:22:13
海の上に白い入道雲が浮いていた…

昭和50年8月。
母親が臨月を迎えた9歳の少年「ボク」は、
夏休みが終わるまでの1ヶ月間、黒潮が洗う伊豆半島の田舎町、
富海(ふみ)に住むおじさんの家に預けられることになりました。

ボクが居候するのは、おじ夫婦が経営する民宿「茜屋」。
あかね……、それは夕間暮れの空の色。
潮館の港で父親と別れ、独りぼっちで連絡船にのってきたボクが
たどり着いた富海の町は、美しい夕焼けに包まれた幸せな、
そして、ちっぽけな町でした。

夏休みだというのに、
さっぱり客がやって来ない民宿を切り盛りする
おじちゃん、おばちゃんと、その子供のタケシとシゲル。
台風が来たら壊れてしまいそうな海の上の食堂で毎朝、毎晩食事する。
元気印がでっかく付いたやんちゃな家族との生活は、
都会っ子のボクの心と体にきっと暖かい何かを残すでしょう(たぶん)。

富海の人々との触れ合いや、
さびれた民宿にやってくる謎のお客が巻き起こすチン騒動………。
それは愛すべき人々と、愛すべき風景が織り成す幸せな物語。
潮の香りが漂う富海の町で、ボクはどんな思い出を作るのでしょうか…。

185ぼくのなつやすみ ムシムシ博士とてっぺん山の秘密!!:2008/10/19(日) 18:38:18
1975年、夏。
小学3年生のボクは、おじさんの家で
「なつやすみ」の一ヶ月間を過ごすことになりました。
おじさんの家のある田舎町は、
都会育ちのボクが見たことのないものでいっぱいです。
さあ、どんな「なつやすみ」になるのでしょうか。

186ポポロクロイス 月の掟の物語:2008/10/19(日) 18:57:27
これは、昔々のお話です。
まだ、妖精が森に溢れ、世界が精霊に満ちていたころ、
あるところにポポロクロイスという小さな王国がありました。
緑あふれる森には鳥たちがうたい、
草原にはお菓子よりも甘い香りのする花が咲き、
町には平和に感謝する大人と笑顔の絶えない子供たちが住んでいました。
ポポロクロイス王国は、小さくとも大きな幸せに満ちた国でした。

ポポロクロイス王国を災厄から救ったピエトロ王子は、
やがて立派な奥王となり、妖精王の娘ナルシアを王妃に迎えました。
月日が流れ、二人の間にかわいい王子が誕生しました。
王子はピノンと名付けられ、すくすくと大きくなりました。

ピノンが生まれるずっと前のこと。
世界に龍や人間が増えていくにしたがって、
妖精たちの住みかが少なくなっていきました。
住処を奪われた妖精たちの心にいつしか闇が生まれ、
ついに妖精の王ゼフィスが闇の力を手に入れてしまったのです。
闇の妖精王となったぜふぃすは、闇の力を使い、
ほかの種族を次々と追放しました。

ゼフィスが闇の力を振るうたびに悲しみと憎しみがあふれ、
世界は光を失っていきました。
様子を見ていた神々はたいそう怒り、創造主デュオンの力を持って、
ゼフィスを闇の世界へ封じ込めることにしました。
そして、妖精族を森と海にわけ、
互いが交わることのないように「月の掟」を科したのです。

187ナビット:2008/10/19(日) 23:06:03
イライラする渋滞を一発解消、めざせ交通管制大臣!

このゲームの主人公は新米の交通管制官。
渋滞を解消し、スムーズな交通環境を整えることが主人公の任務です。
管制室のモニターに映るのは、それぞれに意志と個性を持った車が
右へ左へと走りまわる小さな世界。
でも、見とれているだけではあっという間に渋滞発生。
ここからが主人公の腕の見せ所です。
信号の設置や調整、車線の規制、道路の整備、駐車場の運営など、
やることはいっぱい。
限られた時間と予算で、交通量の目標値を達成できればマップクリアです。
さあ、あなたの頭脳で渋滞に挑戦!
思いのままに道や道路を操って、交通管制官大臣の座を獲得しましょう!

188ラジアータ ストーリーズ:2008/10/29(水) 22:06:56
―大地産声を上げしとき一対の眼生まれる
      眼平衡を護り交互に大地を照らす―

―定まる大地繁る森根ざす塔
      四の光現れ大地を照らす光堅固となる―

―終焉の日塔高まり歪む大地翳る森
      塔の頂天を突くとき龍現れこれを崩す―

世界の中心に位置する人間の王国、ラジアータ。
人々はその王国で繁栄の時は謳歌していました。
世界には人間のほかに妖精に属する”エルフ”や”ドワーフ”、
”ゴブリン”などがそれぞれの生活を営んでいます。
人間と妖精族は決して仲良くはありませんが、
対立することもなく平和な日々を送っていました。
そんななか、姉と二人暮らしをしていたジャックは、
父のような立派な騎士になるべく、
王国騎士団の入団セレクションを受けることになりました。

189サムライスピリッツ 天下一剣客伝:2008/11/13(木) 21:11:36
              告

駿府御前試合之事

御前にて尋常なる仕合に臨む武辺者を
素性不問にて世界各国より広く募りて候
勝者には以下の報奨を約束す

一、天下無双の証

一、大願の成就

一、金一千両及び米一千石

存分に剣技を尽くすもの也

                         徳川廣寅

その御触書は江戸を始まりとして各地をめぐり、
やがて世界に知れ渡る。

時は天明。舞台は世界。目指す高みは天下一。

サムライ世界大活劇、ここに開幕。
いざ、尋常に勝負せよ!

190TRUECRIME NEWYORKCITY:2008/11/13(木) 21:19:35
ニューヨーク市警。
アンダーカバー・コップ“マーカス・リード”。

自分の信念、自分の正義に基づいて犯罪に手を染めることになった彼は、
そこで父親同然である刑事によって救われ、
その後犯罪者を取り締まる道を選択した。

しかし、何者かに恩人である刑事を殺され、
真犯人を探すため、単身ニューヨークの
強大な犯罪組織調査に乗り出すことになる。

だが、マーカス自身も、組織的な陰謀にとらわれていることに気がつく。
すべてを解決するためには、自分の権限を最大限に行使し、
自らの信念に基づいて行動しなければならない。

次々に起こる犯罪、強力な敵が登場するミッション…。
自らを鍛え、犯罪都市ニューヨークに挑め!

191VIEWTIFUL JOE:2008/11/15(土) 20:02:06
PROLOGUE

映画館に彼女シルヴィアと一緒にデートに来ていた青年ジョー。
だが突然、恋人のシルヴィアが映画の中の悪者にさらわれてしまった。
ジョーはすぐに彼女を追いかけ、自分も映画の中に飛び込んでいく。
そこで彼は、美しきヒーロー「ビューティフルジョー」に変身する、
驚異のパワーを手に入れたのであった!

さあ、悪の手からシルヴィアを取り戻せ!

What's VIEWTIFUL?

VIEWTIFULとは?
VIEW(光景、眺望)の言葉をいただく通り、
ただ美しい(BEAUTIFUL)だけではなく、
人の目を奪って放さず、その心をたちまち悩乱の境地へと誘う程、
揺るぎなき、果てしなき、偽りなき
“美々(ヴィヴィ)しさ”が備わっていることを表す造語である。

192LocoRoco:2008/11/15(土) 20:05:30
“惑星さん”の上には、楽しい歌を歌う不思議な生き物、
“ロコロコ”がたくさん住んでいました。
ある日惑星さんがお昼寝をしていると、
宇宙から“モジャ軍団”がやってきて、
ロコロコを襲い始めたのです。
ハッと目覚めた惑星さんは、雷を鳴らし、大地をを傾け、
ロコロコをこの危機から救うことにしたのでした。

193チョロQ ワンダフォー!:2008/11/15(土) 20:27:03
ここはチョロQワールド。
たくさんの仲間たちが生活しているんだ。
レースをしたり、ゲームをしたり。
楽しい毎日を送っているよ。
今回は色々な街を冒険して、
チョロQの世界の謎や秘密の場所を解き明かしていこう!!

今回のお話
ボクの親友で幼馴染の友達は、遊び仲間でもあり、よきライバルなんだ!
間もなく開催されるチョロQたちの祭典「ワールドグランプリ」。
ボクは前回行われたワールドグランプリで見事優勝を果たした!
もちろん今年も、優勝を目指して出場するつもりさ!
再びガレージにトロフィーを飾るんだ。

ところが…。
ボクとしたところが、慌てていて大切なトロフィーを踏みつけちゃった!!!
こんな無残な姿じゃ、大会委員会に変換できないよ。
なんとかしなくちゃ!!

194ツインビーヤッホー!ふしぎの国で大あばれ!!:2008/12/08(月) 20:37:49
ナァーンセンスッ!!

ふしぎの国―――、そこはどんぶり島より遥か北にあり、
ファンタスティックアイランドの中にある平和な国。
ふしぎの国の代表であるメロディ女王は、
「ふしぎのハープ」の力を使い、
「ふしぎな生物たち」に力を与えていた。
しかし、平和な時代はそうそう長くも続かなかった。
ナンセンス大公のクーデターにより、その平和は早くも崩れ去る。
すぐにメロディ女王は幽閉され、そして、
「ふしぎのハープ」もナンセンス大公の手に落ちてしまった。
そしてナンセンス大公はその「ふしぎのハープ」を使い、
「全世界ふしぎの国化計画」を企てたのだ。
だがそんなとき、妖精であり、メロディ女王の側近でもあったフルートが、
助けを求め、遥か南のどんぶり島へと向かっていた―――。

195セクシーパロディウス:2008/12/08(月) 20:55:43
一時期はMr.パロディウスの長男として、名を馳せ、活躍したタコスケ、
そのタコスケも今はお年頃、つまり思春期を迎えたのだ。
―タコに思春期があるかなんて知ったこっちゃないが―
彼は同世代であり、戦友でもあるペン太郎を会計に迎え入れ、
探偵事務所を開くことを決意した。
―理由は欲望を満たすためのお金を稼ぐためだが―
昔からの戦友はもちろん、ファンタスティックアイランドからエース、
惑星グラディウスからはオプション、
そして南極大陸から新たなサイボーグペンギンと、新たな顔も揃い始めた。
―ツインビー?さあ、どこへ行ったのやら―

そして今日も仕事が舞い込んでくる。
…え?牧場の巨大トウモロコシ退治?これは腕が鳴るぜ!
よし、金のために行ってこーい!

196HALF-LIFE2 冒頭:2009/01/12(月) 09:12:55
Rise and shine, Mr. Freeman. Rise and shine. Not that I have a mission to invite you having been
the sleeping one but the job......no one is more deserving for the rest and all the effort in
the world would gone to the waste until ...... well, let's just say your (…) hasn't come again.
So, wake up Mr. Freeman. Wake up and smell the ashes.

目覚めのときが来ました。 フリーマンさん。 さあ、目を覚ますのです。

任務を先送りしていると言いたいのではありませんよ。
あなたは、休息を取ってしかるべきですからね。
世間の皆が頑張ったところで、その努力は結局…
まあ、あなたが活躍するときがまたやってきたとだけ言いましょうか。

肝心な者が必要とされている場所にいないと、世界の運命は大きく変わるでしょう。

目覚めるのです、フリーマンさん。目を覚まして、灰の臭いを嗅ぐのです。

197HALF-LIFE 採用通知:2009/01/12(月) 09:19:57
ブラックメサ研究所
管理事務局
Black Mesa、New Mexico
(ニューメキシコ州、ブラックメサ)

200X年5月5日

Technikerstr.25
A-6020 Innsbruck、Austria
(インシュブルック、オーストリア)
インシュブルック大学
実験物理学研究所
客員研究員 ゴードン・フリーマン博士


 採用のお知らせ


親愛なるフリーマン博士:

この手紙は、先日お電話にてご連絡申し上げましたように、貴方をブラックメサ研究所の職員として
採用いたします事を正式に通知するものです。すでにお伝えの通り、貴方はアクセスレベル3の
准研究員として特殊物質ラボラトリ(Anomalous Materials Laboratory)で勤務する事となります。
合衆国へのご帰国については、インシュブルック大学との調整が必要のこととお察しいたします。
つきましては、帰国のご予定が決まり次第、直ちに人事部までご連絡いただけるようお願いいたします。

未婚であり扶養者もいない貴方の為に、当研究所では社員寮に適当な部屋をご用意いたしました。
ただし、レベル3の安全検査が完了するまで、寮への引越しは出来ません。 搭載用通知と添え付けの
リストに記載されたものをご持参の上、遅くとも5月15日までにブラックメサ研究所人事部までおいで下さい。
なお、今回は、網膜スキャンは必要ありませんが、雇用期間中の健康履暦の基礎データとして、尿検査と
血液検査が行われます。

定期的な健康診断は、特殊物質を扱う職員の必須項目とお考え下さい。 また、就労中はHEV(環境防御)
スーツの着用が必要となるかもしれません。 HEVスーツの使用法については、オリエンテーション中に
トレーニングが行われます。 ブラックメサ研究所、また准研究員としての貴方の職務などについての
疑問には、全てオリエンテーション中にお答えする事といたします。

ご存知の通り、当研究職に貴方を推薦されたのは、マサチューセッツ工科大学で貴方の担当指導
教授であったクライナー博士です。 博士から、当研究所で新しいスタートを切る貴方に祝福と励ましの
メッセージが届いております。 貴方がブラックメサ研究所で末永く実りあるキャリアを築かれる事を期待
しております。

ブラックメサ研究所
民間人雇用センター
管理事務局

198HALF-LIFE エンディング:2009/01/12(月) 09:20:36
これは、これは、生身のゴードン=フリーマン氏…いやハザードスーツのと言うべきですかな。
とりあえず武器は預かっておきましたよ、邪魔でしょうからねぇ、まあ殆どは元々政府の所有物
であるわけですし。 そのスーツに関しては、ふむ、報酬とでもしておきますか。

あなたの活躍のおかげで、Xenという異次元は今のところ我々の手にありましてね、 それに
しても見事に殺し尽くしたものですねぇ、私も感心してしまいましたよ。

まあそれで、私がここに来たわけです。私、あなたを私の…上司に推薦いたしまして、あなたに
我々の元で働いてもらうよう依頼する権限を貰ってきましてね。上司も私も、あなたの能力には
素晴らしい可能性があると確信しているのですよ。あなたの決断力の高さは証明済みですから、
どうすべきかあなたが決断に悩むことなどないと思いますが。興味がおありならポータルをくぐる
だけでよろしい、それで、私の依頼をお受けになったと考えましょう。

もし、お受けにならないのなら…かわりに素晴らしい戦いを提供させていただきましょうか、 ただし
残念ながらあなたには勝つ見込みがない。ここまで生き延びたと言うのに、大変つまらない幕切れ
でしょうねぇ。

Yesと答えた場合
ああ、良い選択をしましたねぇ、ではこの先でお待ちしてますよ。

Noと答えた場合
ふむ、私達は一緒に働くことにはならないということですか。本当に後悔はないのですか、
Mr.フリーマン?

しかし、あなたの虐殺を生き延びたものがまだいくらか残ってまして。自分の種族を壊滅に
追いやった張本人に復讐できるチャンスがあるとしたら、それはうれしいでしょうねぇ?

199CALL OF DUTY 4 MODDN WAR FAIR:2009/01/24(土) 21:13:57
ロシアの過激派テロリスト、イムラン・ザカエフ

スターリンを崇拝し、旧ソ連の理想を現代によみがえらせようと目論む超国家主義者
彼は、野望の障害になるアメリカに対抗するため、中東の反米武装テロ組織を率いるアル・アサドと手を組む
国家と人種を超えた国際テロネットワークが組織され、大規模なテロ活動を計画する

この情報を察知したイギリス陸軍特殊部隊SASはアメリカ海兵隊に協力を要請、テロ計画を阻止するため、共同作戦を展開する…

そのころ、イギリス陸軍特殊部隊SAS選抜試験に合格した新米隊員、ジョン・ソープ・マクダヴィッシュ軍曹はテロリストがタンカーで核を運搬する
という情報を諜報部から受け、上官のプライス大尉、ギャズらと共にヘリからのファストロープ降下でテロリストのタンカーへ潜入した

これはこれから始まる世界の命運を賭けた戦いのほんの序章にすぎなかった…

200CALL OF DUTY 4 MODEN WAR FAIR:2009/01/24(土) 21:14:26
ロシアの過激派テロリスト、イムラン・ザカエフ

スターリンを崇拝し、旧ソ連の理想を現代によみがえらせようと目論む超国家主義者
彼は、野望の障害になるアメリカに対抗するため、中東の反米武装テロ組織を率いるアル・アサドと手を組む
国家と人種を超えた国際テロネットワークが組織され、大規模なテロ活動を計画する

この情報を察知したイギリス陸軍特殊部隊SASはアメリカ海兵隊に協力を要請、テロ計画を阻止するため、共同作戦を展開する…

そのころ、イギリス陸軍特殊部隊SAS選抜試験に合格した新米隊員、ジョン・ソープ・マクダヴィッシュ軍曹はテロリストがタンカーで核を運搬する
という情報を諜報部から受け、上官のプライス大尉、ギャズらと共にヘリからのファストロープ降下でテロリストのタンカーへ潜入した

これはこれから始まる世界の命運を賭けた戦いのほんの序章にすぎなかった…

201CALL OF DUTY 3:2009/01/30(金) 19:56:11
時は1944年、第二次世界大戦中のフランス近郊。
ノルマンディー上陸作戦後、ドイツ軍に占領されたフランスを奪還すべく、
アメリカ、イギリス、カナダ、ポーランドを中心とした連合国軍が侵攻を開始した。
しかし大勝していた一部の戦場とは裏腹に、
多くの戦場では激しい戦いが繰り広げられ、一進一退の攻防が続く日々だった。
フランスを奪還しなければ、多くの犠牲を払ったノルマンディー上陸作戦は無駄となり、
光の街と呼ばれたパリは闇に沈んだままになってしまう。
各軍は互いを援護し合いながら、時には地元のレジスタンスとも協力しながら、
フランス奪還への戦いへと赴いてゆく―。

202メタルスラッグ3D:2009/02/06(金) 12:44:05
激動の2030年代、世界は度重なるモーデンの軍事侵攻により混乱の時代を迎えていた。

世界征服を策謀する独裁者デビルリバース・モーデンは、
これまで幾度となく正規軍に対しクーデターを仕掛け、
ある時は正規軍の万能戦車『メタルスラッグ』を強奪し、
またある時は未知の生命体と手を組んだり…と、
熾烈な戦いを繰り返してきた。
しかし、その度に正規軍が誇る4名の精鋭の活躍によって、
彼、デビルリバース・モーデンの野望は悉く打ち砕かれてきた。

敗北を重ね、疲弊しきったモーデン軍の戦力は、
今や各地に散ったわずかな残存部隊と首都を残すのみであった。
もはや、モーデンに戦う力、戦う術など残っていない、
正規軍の誰もがそう思い始めたころ、
情報部から潜伏中のモーデン軍発見の報告が飛び込んでくる。
正規軍本部基地に程近い山村にモーデン軍の中規模部隊が潜んでいるという。
これに対し、信憑性が高いと判断した司令部は、
特殊工作隊ペルグリン・ファルコンズ、通称PF隊に再調査を命じる。

命令を受けたマルコとターマは直ちに輸送ヘリに乗り込み現地へと向かう。
「どうせ誤報」と楽観視するターマ、
だがマルコは、再び動き始めたモーデンの存在を感じ取り、
妙な胸騒ぎを覚えずにはいられなかった。

203HALF-LIFE2 エンディング:2009/02/10(火) 15:05:47
時間は大丈夫ですか、フリーマン博士?
もうそんな時間ですか?
あなたが来て間もないような気がしますが。
短い時間で、大仕事をしましたね。
あなたの仕事振りがあまりにもいいので、興味深い仕事の
依頼がもういくつか来ていますよ。
普通は、お断りするんですが、
このような時勢ですからねぇ。
あなたに選択の自由という幻想を与えるよりも、私が選んで
さしあげましょう…またあなたが必要とされるときが来たら。
任務を一方的に押し付けられていると思っているなら、謝り
ますよ、フリーマン博士。
そのうちにすべてがはっきりするときが…その…
私からはこれ以上は言えません。
とりあえず今は…
ここで失礼しましょう。

204メタルサーガ 砂塵の鎖:2009/02/19(木) 22:53:21
あんた、ハンターになるんだって?

時は近未来。
地球の自然環境を汚染と破壊から守る方法を見つけだすことを目的として、
人間の叡智を駆使して作られた巨大電子頭脳『ノア』。
だが『ノア』が選択した道は、自らを生み出した人類の抹殺であった。

『ノア』の作り出した兵器やモンスターによって、
人類の文明はわずか数日の間に破壊し尽くされ、
その生活は瓦礫の下へと崩れ去って行った。
後の世に言う『大破壊』である。

月日が過ぎ、僅かに生き残った人類とその子孫からは
『大破壊』の記憶も薄れつつあった。
先人が残した過去の遺産を細々と使いつぶし、
『ノア』の作り出したモンスターの脅威に怯えながら暮らす人々。
しかし希望を捨てたわけではなかった。
人々は集い、いつしか村や町ができ、ささやかな活気を取り戻しつつあった。

生活に幾許かの余裕を取り戻した人々の中には、
人類が陥った運命に逆らうかのように戦い始めた者たちもいた。
『大破壊』以前に人類が使用していた強力な兵器、
『戦車』を駆って、地上を闊歩し空を支配するモンスターどもをなぎ倒す。
情け無用の賞金稼ぎ。

彼らはモンスターを狩る狩猟者であると同時に、
より強力な武器や戦車を求めて廃墟をさすらう冒険家であった。
人々は彼らを畏敬の念を込め、『ハンター』と呼んだ。

『大破壊』を引き起こした『ノア』は、
『とあるハンター』によって破壊されたが、
この世界からモンスターたちが姿を消したわけではなかった。
『大破壊』の傷痕は未だ癒えず、世界に様々な恐怖と悲劇をもたらした。

そしてこの世界にまた一人、ジャンクヤードと呼ばれる鉄クズの街から、
腕利きのハンターである父親に小さい頃からあこがれ、
自らもまたハンターを目指した男の子がやっとハンターとなり、
今、広大な砂漠に旅立とうとしていた。

その少年こそ、この物語の主人公である。

205メタルサーガ 砂塵の鎖Ver.Ⅱ:2009/02/23(月) 22:44:40
鋼鉄(メタル)の意思を継ぐ、新たなる伝説(サーガ)

『大破壊』のあと大部分が砂漠化し、荒廃したこの世界。
大地の底に眠る前世界の遺産『戦車』を手に入れ、
自由に生きる為、君は旅立つ。

あんた、ハンターになるんだって?

206メタルサーガ 砂塵の鎖Ver.Ⅲ:2009/02/24(火) 15:39:03
3丁目に住む斉藤さんちのポチくん、
ある日突然バズーカ担いで言い出したことには
「俺、ハンターになるよ」
えぇっ!ハンターになりたい、ですって?
いったい何を言い出すんだい、このコは!
「自由に生きてみたいんだ、俺」
そう語る彼の瞳には決意を秘めた炎が燃え上がっているのであった。
彼の脳裏にさまざまな想いが走る!
「飼い犬稼業も楽しいが、自分の力で生きてみよう。
聞くところによると同じプレイステーション2のゲーム、
「ドッグズ ライフ」に主演しているジェイクとかいうビーグル犬は、
自由にあちこち動き回ってるっていうじゃない。
こちらも日本犬の意地がある。なんたって名前はポチだからな。
どうだい、日本の伝統、重みを感じさせるいい名前だろう?
だけど俺は伝統には縛られないぜ。伝統の誇りを持って自由に生きるのさ。
自由に生きるには義務が伴う。大きな力に大きな責任が伴うように。
ハンターを相棒にするなら、その覚悟を持った奴を選ぶぜ。
飼われる訳じゃないんだぜ。相棒になってやるのさ。
決して強くなくたっていい。俺のアシストで成長していく
男をみるのも楽しみなんだよ。
幾多の試練を乗り越えて少年は「男」になるのさ。
なぁあんた。あんたもハンターを目指すなら俺の相棒になれるような、
そんなハンターになってくれ。楽しみにしてるぜ。
そしたら俺は、あんたにとことんついていくよ。
俺は戦車には乗れないけどな。俺だって武器の扱いは手馴れたものさ。
いろいろな場面で役に立つ特技も覚えるから安心しな。
たまには戦闘中に逃げ出すこともあるけど、
そこは犬ってことで勘弁してくれ。チキンよりマシだろ。
わんわんグルメをたーんとくれれば体を張って守って見せるぜ。
なんたって俺は犬だからな。余計な事には囚われないで
あんたの役に立ってやる。そこが人間とは違うところさ。
ところで、人間ってのはどうしてあぁも不器用なんだ。
素直じゃないというべきか。
犬に対して素直になれるのに、人間同士じゃ素直じゃないんだよな。
余計な悩みを抱えてらぁ。
そんな時に人はドラム缶を押したくなるのか?
それは人間の一人遊びなのか?
俺たちが自分の尻尾を追ってぐるぐる回るかのように
いつまでいつまでもドラム缶を押しつづける。
まぁ、そんなところも人間の愛すべきところだ。
とにかくハンターになったら俺は世界中の賞金首を退治してやるぜ。
戦車の改造はあんたに任せるよ。人間のハンターだったら戦車が必要だぜ。
犬よりひ弱なんだから。さぁ、行こうぜ。まだ見ぬ相棒よ!」
…そして、ポチは旅立つのであった。
戦車(クルマ)に乗ってハンターとして旅に出る。
どこへ行くのか自分次第。狙うは世界中の賞金首。
バリバリ稼いで戦車(クルマ)を改造。どんな危険が待っていようと、
俺は自由に旅をする。世界を救う?竜退治?そんなことにはもう飽きた。
全方位系(なんでもありあり)RPG。
「METAL SAGA 〜砂塵の鎖〜」いよいよ登場!

あんた、ハンターになるんだって?

207アルカナハート:2009/03/04(水) 12:04:52
これは、小さな愛と、少しの勇気の物語

あなたは、天使や精霊の存在を信じますか?
普通の人には見えていないだけで、
この世界には聖霊―アルカナ―という存在がいます。
不思議なことに、聖女―純粋な心の女の子―にしか、
アルカナは見えないので、一般的な信憑性は低いですが、
アルカナは確かに私達の身の回りにいるのです。

もしも、二つの世界が一つになったら
聖霊界と物質界。
いつ、なぜ、世界が二つに分かたれたのか…、それを知る手段はありません。
ただ、漠然と世界は境界を隔てて並行に存在しているのです。
その境界は、今、とても曖昧になりつつあり、
ふたつの世界の均衡は危うい状況にあるという現実を知っているのは、
聖霊庁と呼ばれる組織のほんの一握りの人だけ。
アルカナを見ることができる少女たちも、うすうす気づいています。
―――アルカナ達が騒いでいる、おかしなことが起こり始めている―。

東京上空に出現した次元の歪み

そこにある危機に気づいた時、あなたは?
アルカナに関する事変を一手に担う組織、聖霊庁。
総本部をイギリスに起き、世界各地に支部を設けています。
どこの国でも国家機関の一部として、秘密裏に活動を続けています。
日本では環境省の外局という扱いになっています。
英国聖霊庁は、日本、東京上空に次元の歪みを観測しました。
それは、放っておけば世界の境界がおかしくなるほどの規模。
なのに、英国聖霊庁はその事実を各国に伝えませんでした…。

関東崩壊まで、後8日

そして、女の子たちの運命は?

都立御苑(みその)女学園。その上空に次元の歪みは確認されました。
日本聖霊庁がそれに気づいた時には、予断を許さない状況でした。
異変に気づいた学園の女の子。次元の歪みを知っている女の子。
聖霊庁のから調査のため編入してきた女の子。
都立御苑女学園を中心とした関東一円を中心に、この物語は始まります。

208メタルサーガ 砂塵の鎖:2009/03/19(木) 13:10:20
無限に広がる広大な砂漠、汚染された湖、未だ絶えぬ人同士の争い…。
だが、それでも彼らはたくましく生きていた。それはその中の一人のお話。
その物語はジャンクヤードという、小さな町から始まった。

「ハンターになりたい、ですって?」
青い作業着を着た一人の若い女性が、自分の息子へそう言った。
彼女の名はニーナ。そこらじゃ有名な名メカニックだ。
「あのね、ハンターになるってそう簡単なことじゃないのよ?」
モンスターハンター、それはノアによって作り出されたモンスターを狩ることを仕事とする者たち。
だが気を抜けばあっという間に殺されてしまう。彼女はモンスターハンターの厳しさを知っていた。
なぜなら、ニーナの夫(そして彼女の息子の父)であるキョウジがモンスターハンターだからだ。
かつて、ニーナはメカニックとして、キョウジはハンターとして、、
そして友達であったジャックはソルジャーとして、三人でよく西部を旅をしていたのである。
それがゆえに、モンスターハンターとしての辛さをよく知っているのである。
だが、ニーナとの思いは裏腹に、彼、主人公はキョウジの生き方にあこがれを抱いていた。
そして、とうとう「ハンターになる」と言い出したのだ。
「ねぇ、あなた、どうしてもハンターになるつもりなの?
 私の息子なんだから、メカニックの才能はあるはずなんだから、
 ね、メカニックになりなさい?」
ニーナは主人公にそう言った。だが、主人公の答えは、「ハンターになる」、だった。
さすがのニーナもこれ以上は反対できず、主人公をハンターとして送り出すことにしたのだった。
主人公の妹、エミリは兄に「頑張ってね」と寂しそうな目で行った。
そしてニーナは主人公にお小遣いを少し渡して、旅立つ息子を見送ったのだった。

209萌え萌え二次大戦(略):2009/03/25(水) 17:53:32
19XX年―――…。

ドイツ、日本に対し、アメリカ、イギリス、ソ連が参戦。
俗に言う第二次世界大戦の勃発。
火の粉は戦線拡大によって世界中に広がって行った。

そこに兵器少女―鋼の乙女―として開発され、
戦場を駆け巡る乙女たちの姿があった。
太平洋には零式艦上戦闘機、いわゆる零戦のレイが、
中国大陸にはフライング・タイガースの一員としてP-40のクレアが、
北アフリカの大地ではドイツの傑作戦車、ティーガーのフェイが、
そしてイギリスには本土を守らんとせんスピットファイアのマーリンがいた。
さらにいろんな国の多くの他の鋼の乙女たちを交え、
太平洋と欧州を中心とした戦いの物語が始まろうとしていた。

210CALL OF DUTY4 MODERN WARFARE:2009/03/31(火) 23:18:34
ここはイギリスのとある建物。
あご髭をたくわえた男性が、口髭が立派な男性に話し始めた。
あご髭の男性の方はギャズ、口髭の男の方はプライスと言った。
何かあったらしく、ギャズがプライスに説明をしていた。
「今日はいいニュースと悪いニュースがある
 まずはいいニュースから言おうじゃないか、
 世界情勢は極めて良好だ」
だが、ギャズの言葉にはわずかではあるが、余裕は感じられなかった。
「ロシアで超国家主義者たちとの反乱が起きた
 今ロシアは15000発もの核を取り合っている状態だ」
それにプライスが鼻で笑って答える。
「いつものことだな それで?」
「カレド・アル・アサド。中東でのNo.2、No.1に最も近い男だ
  今諜報員がアル・アサドを探っている」
一通りのいいニュースを聞き終えたプライスは、ギャズに一言
「悪い方のニュースは?」
「選抜試験を通過したばかりの新人が
  新しい仲間として編入することになった、名前はソープ。」

所変わって、イギリス S.A.S基地。
そこに一人の男がいた。彼の名はソープ。
ジョン・ソープ・マクタヴィッシュ。
ソープは基地につくとすぐにギャズの元へ行くように指示され、
そしてギャズに会うと実力拝見とばかりに射撃訓練場へとソープを案内した…。

211名無しさん:2009/04/10(金) 13:53:09
あいつのことか ああ、知っている
話せば長い そう、古い話だ
知ってるか?エースは3つに分けられる
強さを求める奴、プライドに生きる奴、戦況が読める奴、この3つだ
あいつは―

彼は『片羽の妖精』と呼ばれた傭兵
『彼』の相棒だった男

よう相棒、いい眺めだ ここから見ればどの国も大して変わらん

私は『彼』を追っている

あれは雪の降る寒い日だった

『エリアB7R』で大規模な戦闘!
援軍か?どこの隊だ!

―ACE COMBAT ZERO―

ガルム隊、撤退は許可できない
だろうな、報酬上乗せだ

こちら、クロウ隊のPJ、可能な限り援護する

落ちるなら俺の見えないところで頼む

ベルカ戦争には謎が多い
誰もが正義となり、誰もが悪となる
そして誰が被害者で、誰が加害者か
一体、『平和』とは何か

ベルカ戦闘機接近、全機撃墜し、制空権を確保しろ
玄関でお出迎えだ

―THE ROUND TABEL エリアB7R 通称『円卓』―

―エースたちに与えられた部隊―

野犬狩りだ

円卓の鳥だ!油断すんな

円卓がなんだ!俺がやってやる!

空戦にルールはない、ただ敵を殺すだけ
この戦いはどちらか死ぬまで終わらない

―人は彼らを『円卓の騎士』と呼んだ―

受け入れろ、小僧 これが戦場だ

―変化する出会い―

―変われない世界―

連合の犬が!

撃てよ!臆病者!

ACE COMBAT ZERO THE BELKAN WAR

―交戦規定はただ一つ、生き残れ―

生き残るぞガルム1!

212名無しさん:2009/04/23(木) 22:58:20
あいつのことか ああ知っている
話せば長い そう 古い話だ
知ってるか?エースは3つに分けられる
強さを求める奴 プライドに生きる奴 戦況を読める奴
この3つだ あいつは――

ガルム隊へ 撤退は許可できない 迎撃せよ
だろうな 報酬上乗せだ
10年前――世界を巻き込んだ戦争があった

『エリアB7R』で大規模な戦闘!
上も下も戦闘機だらけだ!
ガルム隊、掩護に向かえ!
よう相棒、俺たちにお似合いの任務だ

彼は『片羽の妖精』と呼ばれた傭兵
『彼』の相棒だった男
ベルカ戦闘機接近!全機撃墜し、制空権を確保しろ
玄関でお出迎えだ
私は『彼』を追っている

今までの奴より速い
円卓の鳥だ! 油断すんな
片羽の赤いのがいる、噂に聞いた奴か
野良犬どもには贅沢な墓場だ
ここは『円卓』 死人に口なし
そして――『片羽』の言葉で、物語の幕は上がる

あれは雪の降る寒い日だった

生き残るぞ!ガルム1

213戦場のヴァルキュリア:2009/04/26(日) 21:28:12
征暦1930年代のヨーロッパにおいて、
大陸は強大な軍事力を誇る「帝国」と「連邦」にほぼ二分されていた。

覇権を争う両国はついに開戦。
ヨーロッパ全土を巻き込む「第二次ヨーロッパ大戦」(E.W.Ⅱ)が勃発したのである。

帝国と連邦に挟まれた小国、ガリア公国。
中立を掲げるこの国を突如、帝国軍が侵略する。

その強大な軍事力の前にガリア軍は敗走。
首都陥落寸前、という絶体絶命の危機を迎えるが、
ガリア義勇軍の小隊長の意表を突いた作戦の前に帝国軍は撃退される。
その小隊長の名は…

214ACE COMBAT X Skies of Deception:2009/05/05(火) 17:42:55
見上げると相変わらず左回りに動く太陽が寝不足気味の眼にしみた。
こんな先の見えた戦争取材はとっとと終わらせてしまおう。
季節が裏返ったこの国にはどうもなじめそうにない。

<<グリフィス1、聞こえますか? 攻撃態勢に入ってください>>

-X-

<<レーダーに反応!>>
<<オーレリアの航空戦力は全滅したんじゃないのか!?>>

-Project Aces "The dawn of a New Chronicle"-

<<星のエンブレムなんてレサスにはない!>>

この戦争は内乱と代わるデモンストレーションにすぎない

<<グレイプニル、ミサイル発射!>>

-Skies of Deception-

それを国のためと信じて戦う兵士達はどこまで知っているのか

<<真正面に機影多数!>>
<<なんて数だ!嘘だろ>>

-An Ace Pilot-

だが―
世の中すべてが思い通りにはならないさ

<<俺たちの命はあんたに預けたぞ!>>

-He Alone knows the truht-

なあ、そうだろ?

Ace Combat X Skies of Deception

-The Ace legacy is now in your hands-

215ぷよぷよフィーバー2 紅き『まもの』の魂について:2009/08/14(金) 01:24:33 ID:lUFliKzI0
ゲーム中でいう、はらはらコース関連の内容+α

その昔、アルカの地にそれはそれは恐ろしい姿をした『まもの』がいた。
ある日、アルカに商人がやってきた。本を開いた者の魂を封印できる本と共に。
アルカに住む一人の人物(性別不詳)は、商人からその本を買った。

そしてその人物は、『まもの』の魂を封印することを試みた。
が、本には邪悪な魂のみが封じられるらしく、
『まもの』は紅き邪悪な魂と、『まもの』とは似ても似つかぬ少年に分離した。
紅き邪悪な魂は、本に封印された。
少年は魂が抜けたように、四時六中ぼーっとしていた。

長い年月が流れた。
アルカ文明は天災によって滅亡しており、
プリンプタウンや近隣の町によってアルカ文明の発掘調査が行われていた。

クルークは、プリンプ魔導学校の成績最優秀生徒。
豊富な知識と魔力欲を持つ一方、クラスメート達をひどく見下しており、
感じのいいタイプではなかった。

そして、巡り巡ってその本は彼の手元に来てしまった。
その本を手に入れたことで、彼の魔力は増幅された。
しかしそれでは彼は満足できず、その本の力をさらに引き出すことを考えついた。
やがて彼は、本の力を解放するためには、「星のランタン」「月の石」「太陽のしおり」という
3つのアイテムが必要であることを見いだした。

そして、彼は3つのアイテムを集めきり、
アルカ遺跡の奥で解放の為の儀式を行った。
しかし。「本の力」とは「本に封印された魂」のこと。
そう、長い年月に渡り本の中に閉じこめられたあの『まもの』の紅き魂である。

『まもの』の魂の封印が解かれた。
そして空になった本に、あろうことかクルークの魂がまるごと封印されてしまった。
そして、その『まもの』の魂がクルークの体を乗っ取ったのである。

しかし、『まもの』にとって、それは本来あるべき体ではない。
彼は本来あるべき体を探し始める。

216名無しさん:2009/08/14(金) 01:25:05 ID:lUFliKzI0
一方、シグもプリンプ魔導学校の生徒。しかしクルークと違い成績は壊滅的。
そして…彼こそが、『まもの』から分離した少年の血を引く者であった。
クルークが本の力を解放させ始めた結果なのか、
シグの左手は少し前から、明らかに人間のものではない、赤くて鋭いものに変化していた。

シグは別の用件で「星のランタン」を探していた。
そんな彼に、プリンプの地で何千年も暮らす霊物であり、
プリンプタウンにある「プリサイス博物館」の名誉館長でもある「あくま」が現れた。
あくまはシグに災いの警告をし、そして護符である「くまもりのじゅ」を授けた。

そして、シグはとうとう『まもの』の魂に出会ってしまった。
『まもの』の魂はシグの体を奪おうとするが、
「くまもりのじゅ」によって魂の共鳴を防がれてしまう。
シグにとっても、「星のランタン」を手に入れなければならない。
シグと『まもの』の魂の戦いはシグに軍配。
シグは「星のランタン」を手にその場を立ち去った。

『まもの』の魂は恐慌状態だった。
復活が完全でない現状では、三つのアイテムのうち一つは手元にある必要がある。
そうしないと、本に閉じこめたクルークの魂に体を取り戻されてしまうのだ。

だが、ここにプリンプ魔導学校の生徒で、高飛車なお嬢様である「ラフィーナ」が現れる。
彼女も私用で「月の石」を探していた。
シグとの戦いのキズがまだ癒えていない『まもの』の魂はラフィーナにあっさり敗れ、
「月の石」を持ち去られてしまう。

217名無しさん:2009/08/14(金) 01:26:06 ID:lUFliKzI0
そしてもう一人、この場所を訪れた者がいた。
プリンプ魔導学校の生徒である、元気が取り柄の少女「アミティ」である。
そして彼女は事情が違った。

とある事情でアミティはクルークと一戦交えることになったのだが、
予想外なことに、アミティはあっさりとクルークを破ってしまった。
成績不振な彼女に敗北を喫したクルークはそのことが認められず、
本の力を持って彼女に再戦を挑むことにした。
再戦の場所は…アルカ遺跡。

アミティは正直なところ、あまり乗り気ではなかったが、
やむを得ず遺跡に向かった。
しかし、そこにいたクルークは明らかに様子がおかしい。
勿論、それはクルークではなく、『まもの』の魂だった。

当然、『まもの』の魂も必死だった。次の敗北は決して許されない。
そのため、クルークのフリをして相手を油断させようと考えていた。
しかしそのフリは、クルークを僅かでも知ってる人間からすれば
「やる気あるのか」というレベルでしかなく、アミティにあっさり見破られた。

『まもの』にとってあるまじき、三度目の敗北。
「そのしおりだけは持って行かないでくれ」
そうアミティに懇願するも、天然ボケが入ってるアミティはそのしおりを手に取ってしまった。
その瞬間、『まもの』の魂は再び本の中に閉じこめられ、
クルークの肉体に本来のクルークの魂が戻ってきたのである。

とりあえず概説的に。
それぞれの私用の内容まで書いてるとキリないので

218笹森水希:2009/09/01(火) 00:29:08 ID:bw1AzgmA0
リッツ・マルール from ファイナルファンタジータクティクスアドバンス

それは彼女にとってはどうでもいいことだった。
人にあらざる事だと言われようと、おしゃれな服が着られなくなろうと、ましてクラスメイトからババァと言われようと、
リッツにはそんなことを気にしないだけの力があった。
ただ… 普段はその髪の色を白からピンクに染めてくれる母の顔がいつも悲しそうな顔をしていたこと…
これだけはどうしても耐えることが出来なかった。そしていつも終わった後に自らも涙する…
そんな日常を変えられない自分がとても嫌だった。
しかし、ある日そんな彼女の心を変えてしまえるだけの、ある事件が起こった。本屋で友達が買ってきた一冊の本…
それを開くことで、彼女の住む町、セント・イヴァリースは一変… 『ファイナルファンタジー』の世界に変わって
しまったからであった。

219笹森水希:2009/09/01(火) 03:08:01 ID:bw1AzgmA0
何も分からない世界にいきなり放り出されたリッツ。
そんな彼女に最初に手を差し伸べたのは、通りすがりの一人の女性だった。
名前はシャアラ。
その美しい風貌でひときわ目立ったのが白い髪。訊けば、彼女達−−− ヴィエラ族はみんなこのような
髪の色だという。
シャアラはリッツを”クラン”に誘ってくれた。恐らくは彼女達が人数不足に悩んでいたという理由も
あるのだろうが、それでもリッツにはそれに乗るしかなかった。
「でも珍しい髪の色よね」
そう言われてリッツは鏡を見てみる、すると何もしないのにリッツの髪はピンクのままになっていた。
そして… リッツはこの世界に留まる決意をすることになった…。 この髪の色を守りたいがために。

220笹森水希:2009/09/24(木) 01:28:34 ID:s34UZoA.0
…全てが終わった。
主人公マーシュによってクリスタルは壊され、世界の創造主もその力を失った
イヴァリースは元の田舎町に戻ろうとしているのだ

「雪… 珍しいわね」
「私がこの世界に来たときも雪が降ってたわ」
「そう…」
「世界が元に戻ろうとしているのよ」
リッツはそう言って空を見上げる
その髪の色はピンクではなく、白に戻っていた

「綺麗な髪よね」
リッツの側にいつもいたヴィエラ族の女性、シャアラはそう言った、それは慰めでも何でも無く、本心で
「綺麗?」
「ええ… あなたはきっとヴィエラの神に祝福されているんじゃないのかなって思うの」
「…」
リッツは答えられなかった
そう、今まででもシャアラの、そして自分の白い髪をどうこう思ったことは無かったからだ
ただ思うとすれば、自分に悲しみをもたらすだけの存在、ぐらいなものか

しかしシャアラの本心からの言葉で、リッツは自分の髪のコンプレックスが消えていくような気がした
世界が元に戻っても悲しむことは無い
自分が気持ちを強く持っていればいいのだ、と

221真・女神転生 STRANGE JORNY:2009/10/21(水) 19:55:13 ID:tKOqcCzYO
人類よ、これ以上何を望むのだ。

人口、70億に達してもなお繁栄を続ける人類
しかし、その代償――貧困、環境破壊、水質汚染、地球温暖化、紛争……これはあまりに大きなものだった
そして、ある日……
南極大陸に突如出現した滅びの地、『シュバルツバース』
あらゆるものを分子崩壊させながら巨大化するこの亜空間によって人類は、地球と共に消滅する危機にたたされていた
国連は対策機関を設立し、民間人がパニックにならないよう非公表で問題解決を図るが
人知の及ばないその存在には対策法はおろか調査もままならない状況であった
拡大を続けるシュバルツバースに猶予を失った国連はその内部に有人探索艦を送るという最後のプラン、
『シュバルツバース調査隊』を承認した
調査隊には各国の優秀な兵士や科学者が集められ
国家間の利害を越えた最高のテクノロジー試練がなされた
乗り込むのは――
亜空間への侵入能力をも備えたレッドスプライト号を始めとする次世代揚陸艦
装備するのは――
米軍が開発したあらゆる過酷な環境に耐え、装備者の身体と戦略に応じて拡張進化する高性能戦闘服であるデモニカスーツ
人類の科学技術を結集したシュバルツバース調査隊は滅び行かんとする人類の未来を救うべく
彼らの想像を超えた存在ざいたちが待つ世界へと旅立つのである……

222ウォーシップガンナー2:2009/10/25(日) 21:05:28 ID:tw1Jlo.Q0
シベリア極東にある小国家"ウィルキア王国"。
1938年、そこでライナルト・シュルツという一人の若者が、
日本から来た教官、筑波貴繁大尉より艦長として、
また一人の軍人として立派になるための訓練を受けていた。
そして、訓練が終わるころにはシュルツは技術的、精神的に一人前となっていた。
そのシュルツを見届けた後、筑波大尉は日本に帰って行った。
エリート軍人であった彼は訓練後、近衛軍近衛艦隊に配属された。
この時、彼は、また他の人々も彼が世界を救うとは予想だにしていなかった。

1939年、国王直属の近衛軍と、国防省管轄下にある国防軍との、
総合大演習がオホーツク海の沖合で行われることになった。
しかし国防軍が近衛艦隊に向け急に砲撃を開始、
国防軍防衛艦隊の数と質に押され被害は広がるばかりの状態で、
近衛艦隊は同盟国であった日本への逃走を開始した。

だが奇跡的にも国王マンフレート・フォン・ヴィルクはシュルツの上官であり、
近衛海軍副司令アルベルト・ガルトナーの艦に乗って、
奇跡的に戦域を脱出していたのだ。
ぼろぼろの状態で日本についたウィルキア近衛艦隊、

だが彼らは日本軍によっていきなり抑留されてしまう。
ウィルキア帝国軍が国王の引き渡しを日本に要求、
さらにそれに呼応した君塚日本海軍司令の手によって拘束されたのだ。

223ウォーシップガンナー2:2009/10/25(日) 21:47:46 ID:tw1Jlo.Q0
だが、シュルツに軍人としてのイロハを教えた筑波大尉の手によって、
また、その同僚であり、親友の天城大佐の手によってウィルキア軍人たちは解放される。
さらにすでに解放されたガルトナー司令とともに国王が国外へ脱出したという情報も届いた。
しかし、それを知らない君塚艦隊は彼らが抑留されていた横須賀港の封鎖を敢行、
筑波大尉、天城大佐に支援してもらいつつ、何とか横須賀港の封鎖網を突破した。
天城大佐は君塚司令の説得に当たることになり日本に残ることになった。
だが筑波大尉はこの戦い以降、近衛軍と行動を共にすることになった。

そのころ、君塚司令とウィルキア反乱軍の手によって、
日本はウィルキア反乱軍の支配下に置かれることになってしまった。
またほぼ時を同じくして国防軍大将兼国防議会議長だった、
フリードリヒ・ヴァイセンベルガーがウィルキア帝国の建国を宣言。
それと同時に全世界に向けての宣戦布告を行った。

帰る場所を失った旧ウィルキア王国近衛艦隊は、
アメリカ合衆国の協力により一時的にハワイ沖への投錨を許される。
その途中、同じくウィルキア帝国軍から逃げていたドイツ潜水艦を救助、
兵器研究のプロフェッショナルであるブラウン博士を新たな仲間にした。
帝国軍の太平洋上の追撃を振り切りハワイへ着いた一行は、
ドック艦スキズプラニル上でウィルキア解放軍を組織、
総司令官にはアルベルト・ガルトナーが着任することになった。

だが、ウィルキア帝国も黙ってはいなかった…。

224ウォーシップガンナー2 後日談:2009/11/03(火) 18:52:35 ID:Ld1WGMII0
全ての戦いが終わった。
超兵器を擁したウィルキア帝国軍相手に戦う必要はなくなった。
そして最後の究極超兵器を永の眠りに就かせ、世界をも救った。
だがウィルキアを、そして世界を救った英雄は政治の世界では蚊帳の外だった。

ウィルキア王国に突きつけられる賠償請求、領地の割譲等々の問題、
そして別の地で新たに起こった戦争…。
結局ウィルキア帝国との戦いで人間は何を学んだんだろう、
世界を救ったシュルツ艦長、ならびに元解放軍クルーはそう思っていた。

だが数年の後、戦争が終わり真の平和の時が訪れた。
この時シュルツは少将となっていた。
今日は日本近海にとある用で哨戒の任に就いていた。
言うならば日本海軍と共同での国境警備、と言ったとこだろう。

その時、小笠原諸島のほうから遭難信号に似た電波を受信した。
彼らが受信したものとは一体…?

225ウォーシップガンナー2 後日談:2009/11/03(火) 19:09:46 ID:Ld1WGMII0
深夜、真暗闇からの通信も慣れた手つきで
通信士のナギがその電波を解析し、艦内に流す。
「発信源は小笠原諸島のようです …通信、流します」
『ちゃーんちゃーんちゃんちゃか
  ちゃんちゃんちゃんちゃんちゃんちゃんちゃん!』
その声は低く、けれど大きく、何かの歌を歌っているようなそんな感じであった。

ナギは困り果てたように艦長であるシュルツにこれは何かと聞いたが、
シュルツにこの歌が理解できるわけがない。
するとブラウン大尉が知っているらしく、ぼそりと答えた。
「これは軍用のBGMですね 日本のパチンコ屋で聞いたことがあります。」
ブラウン大尉が知っているのにさほど驚きはしなかった。
むしろ驚いたのはパチンコ屋で聞いたことがある、ということだ。
「行かれるんですか?パチンコ」
シュルツはすぐさま聞き返す。
するとブラウン大尉は舌打ちをし、その場をなんとかごまかそうとした。
そんなブラウンを無視し、ナギは話を進める。
「近所迷惑ですよね、こんな時間に 誰かわからないけど、しょっぴいて来ましょう」
シュルツは彼女のその発言に対し、「いや、近所ってどこだよ」と言った。
だが確かに迷惑だ、そう思って一応注意しに行くことにはした。
「よぉ〜し、行くかぁ〜 出撃準備〜、急がなくていいぞぉ〜」
シュルツもこんな任務は時間をかける必要はないと、やる気のない声で準備を促した。

そして、いよいよ小笠原諸島へ向けシュルツ一行を乗せた艦が動き出した。

226ウォーシップガンナー2 ウィルキア王国歴史:2009/11/04(水) 21:39:32 ID:gyJtmEp20
ウィルキア王国(英語表記は『Kingdom of Virkia』、漢字表記では漆亜王国)とは、
ヴィルク国王が統治する議会制の君主国家だ。
その歴史はかなり浅く、19世紀末帝政ロシアより独立を果たす。

ウィルキア人の祖先はアイスランドに住んでいたデーン系部族の一つ、
ヴィルク族と言われている。
13世紀初頭に新大陸に渡り更に西へ西へと進んでいき、
アムール川流域に定住したと言われている民族だ。
長らくヴィルク族は帝政ロシアの支配下におかれ、
クリミア戦争の際に欧州勢力は後方撹乱をするため、
当時高まっていたウィルキア独立運動を利用、
この二年後に講和、独立しウィルキア王国が誕生する。
この戦争のことをウィルキアでは漆露(しつろ)戦争と呼んでいる。
首都はアムール川河口にある大都市、シュヴァンブルグ。
この際地名も変更され、ウラジオストックはシェルドハーフェンとして生まれ変わった。

ウィルキア王国は第一次世界大戦のとき、日本とともにドイツ国内の革命に加担し、
見事プロイセンを打倒し、ドイツ共和国を樹立した。
しかし第一次世界大戦後、ウィルキア国防会議では異常事態が起こっていた。
国民から選出された議員によって運営されるウィルキア国防議会では、
ヴァイセンベルガーを中心に軍出身者が過半数以上を占めていた。

通常、武力行使には国防議会の議決及び国王の承認が必要と定められていたが、
これであとは国王の承認だけとなったのだ。
対する近衛軍はウィルキア国王ヴィルクに指揮権が残された直轄軍であり、
国防軍の4分の1程度の数しかいなかった。

1856年独立時に制定された国旗には、白鳥を中心としたデザインとなっている。
ウィルキア国民は自らをアイスランドから飛来した白鳥と例える人が多く、
国のシンボルにもなっていた。
ちなみにシュヴァンブルグは白鳥という意味であり、
ウィルキア国民が白鳥と自分たちをどれほど重ね合わせているかがうかがえる。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板