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ゲームの物語紹介スレ

147ロックマンZXA 第10話 提案:2008/07/03(木) 18:52:07
「ええい…忌々しいイレギュラーどもめ!」
「奴らが組織的に行動するとは…信じ難い話だな」

レギオンズ本部最上階、三賢人の間。
顔を見合わせ、突如として発生したイレギュラーの襲撃に頭を悩ませていた…

「イレギュラーを組織する者がいるのかも知れませんね」
「だが、その者の狙いは何だ!全ての国家を敵にしようというのか!」
…そう、一人を除いて。

一人の男が背を向け…
「理由、ですか。」

窓から眼下の風景を見渡し呟く。
「例えば、この世界に愛想が尽きた、とか」
「何だと?」

その瞬間、その男…マスターアルバートの手から宙に浮く金属…ライブメタルのようなものが…
一つ。
「新たな支配者…究極のロックマンへと進化するため…」
二つ。
「そして、一人の科学者として、進化の行き着く先を見たいがため…ですかね。」
三つ、四つ。
それらはアルバートを囲むように回り始める。
「それは一体…!? まさか貴様…!」

「これは…提案ですよ。数百年かけて導き出した…この世界への…、提案です。」

「我ら三賢人は、三人の協議を以って公平な答え導き出すためのシステム。
 否定をするのなら、あなたがた二人で止めてみてはどうです?…そう、三賢人として。」

そこに一人の少年が張り詰めた空気のその部屋へと入ってくる。…グレイだ。

「お、おい!アレ…ライブメタルじゃないか!?」
「解かれたプロテクトは二つ。どこまでバレてしまったかな?
 早めに君を処分したかったのだけど…裏目に出てしまったようだね。」

微笑みを絶やすことなく余裕を持った表情で彼に言葉をかけるアルバート。
グレイの怒りがここで頂点に達する。
「お前を殺そうとしていたのは…お前だったのか!」
「そう、怖い顔するなよ…レギオンズへようこそ。…失敗作君。」

彼は走り出す。
「マスター・アルバートおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
照準が次々にアルバートの体に浮かび上がる。
そして銃弾を彼の体に力任せに一斉に放つ。
とてつもない速度での連射…しかし、
その弾は彼を守護するライブメタル…4つのモデルVの作り出す透明な壁により阻まれ、
笑うアルバートの顔にはかすり傷一つ負わせることもできない。

そうして…アルバートは宙に浮き始める。
「また、会えるさ…。」

勢いよくガラスが割れ、外気が部屋の中に吹き抜ける。
アルバートの体はそこと吸い込まれ…そして…
「君は私の、影なのだから。」
消えていった。

窓から見渡しても最早どこにもいない。
そしてその言葉の答えも、今見渡せるどこにも…ありはしなかった。

「…なるほど、君の話はわかった。
 我らは機械の体を持ち、数百年の時を生きる事を許されている。
 アルバートは三賢人となる数百年前に、すでにモデルVを作り上げていたのだな」

そして、トーマスからの話は続く。
「それから…グレイ君。データベースで君のことを調べさせてもらったよ」
「それじゃあ…僕のことが解ったの!?」
「君のデータはなかった…君はこの世界には存在しない者ということになる。」
「そんな…」
「君が何者かは解らない…だがアルバートは、君のことを自分の影だと言った。
 恐らく、君が現れたがために計画を早めなければならなかったのだろう。
 その理由は…解らんがね」

そして追い討ちをかけるようにミハイルが言う。
「悪い知らせだ…世界の各地にイレギュラーが現れている。
 アルバートめ、モデルVの生贄を集めるために狩りを始めおったのだ…」

自分のことも何も知らないグレイ。
そのグレイが立ち向かうは世界の全てを知るアルバート。
グレイは、自信を失っていた。
「お前のことなら、オイラが知ってるぜ
 ガキのくせに強がりで意地っ張りで、何の得にもならねえのに、
 どんなやつでも助けようとする、大馬鹿のお人よしだ!」
「…!」
「見えないとこで苦しんでる奴らはほっとくってのか!?大した正義感だな!」
「そうだ…まだ僕にはやれることがある…!行こう、モデルA!
 勝てないかもしれない…それでも、アルバート達と戦えるのは僕達だけなんだ!」

人々を助けなければならない。
人々が襲われているのはモデルVのある所。
そしてモデルVの先には…アルバートが待っている。

グレイは新たなる戦いへと飛び込んだ。


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