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『解析概論』輪読
113
:
Мечислав(☆11)
◆QRDTxrDxh6
:2005/10/11(火) 01:25:28
a>0,b>0とすると(ab)^x=a^xb^x.
証明 xに収束する増加有理数列を{x_n}とすると,定理
>>18
より
(ab)^x=lim_{n→∞}(ab)^{x_n}=lim_{n→∞}(a^{x_n}b^{x_n})
=lim_{n→∞}a^{x_n}lim_{n→∞}b^{x_n}=a^xb^x.■
114
:
Мечислав(☆11)
◆QRDTxrDxh6
:2005/10/11(火) 01:28:36
二変数x,yの函数f(x,y)が連続であるならxを固定してyの函数と見たとき,
yを固定してxの函数と見たとき,それぞれ連続となるが,逆に,xを固定してyの函数と見たとき連続で,
yを固定してxの函数と見たとき連続であったとしても,二変数函数としては連続であるとは限らない.
証明 f(x,y)が連続であるとする.
xを固定してyの函数と見たf(x,y)をg_x(y)とおく.
任意の正数εに対し,ある正数δがあって,√{k^2+l^2}<δであるなら
|f(x+k,y+l)-f(x,y)|<εとできる.
よって
任意の正数εに対し,ある正数δがあって,|l|<δであるなら|g_x(y+l)-g_x(y)|<εとできる.
yを固定してxの函数と見たf(x,y)をh_y(x)とおく.
任意の正数εに対し,ある正数δがあって,√{k^2+l^2}<δであるなら
|f(x+k,y+l)-f(x,y)|<εとできる.
よって
任意の正数εに対し,ある正数δがあって,|k|<δであるなら|h_y(x+k)-h_y(x)|<εとできる.
(x,y)≠(0,0)でf(x,y)=2xy/(x^2+y^2),f(0,0)=0とおけば,f(x,y)はxを固定してyの函数と見たときも,
yを固定してxの函数と見たときも連続であるが(命題
>>90
よりわかる),二変数函数と見たときは(0,0)で不連続.
実際,任意の実数θに対して点列{(1/n,tanθ/n)}は(0,0)に近づくが,f(1/n,tanθ/n)=sin2θとなる.■
115
:
Мечислав(☆11)
◆QRDTxrDxh6
:2005/10/21(金) 06:35:17
11. 連続函数の性質
この節では連続函数の性質として,中間値の定理,最大値の原理,
閉区間上での連続函数の一様連続性の3つの定理を証明する.
定理 f(P)を2点A,Bを含む範囲において定義された連続函数であるとする.
P_1,P_2,P_3,…,P_nを定義域内の点とし,これらの点をこの順で結んだ折れ線がすべて,
定義域内にあり,さらに,この折れ線上にA,Bが含まれているとする.
P_1からこの折れ線にそって測った距離がsである折れ線上の点をQ_sとし,
φ(s)=f(Q_s)とおく.
P_1から折れ線に沿って測ったAまでの距離をa,
P_1から折れ線に沿って測ったBまでの距離をbとし,
f(A)≠f(B)即ちφ(a)≠φ(b)とする.
このとき,任意のf(A)とf(B)の間の値μに対して,
a<c<b,φ(c)=μなる正の数cが存在する.
116
:
Мечислав(☆11)
◆QRDTxrDxh6
:2005/10/21(金) 06:35:48
証明 f(A)<f(B)であるとする.φ(a)<μ<φ(b)なら
ψ(x)=φ(x)-μとおくとψ(a)<0<ψ(b).
命題
>>90
よりψ(x)は連続函数.よってaのある近傍ではψ(x)<0.
よって[a,a+ξ]に属するすべてのxでψ(x)<0となるξが存在する.
しかしψ(a+b-a)>0であるから[a,a+ξ]に属するすべてのxでψ(x)<0となる
ξの集合は上に有界.
定理
>>6
より[a,a+ξ]に属するすべてのxでψ(x)<0となる
ξの集合には上限ηが存在する.
b-aは[a,a+ξ]に属するすべてのxでψ(x)<0となる
ξの集合の上界の1つであるからη≦b-a.
ψ(a+η)<0であるとすると,ψ(x)が連続であることからη<η'で,
ψ(a+η')<0なる実数η'が存在し,ηが上限であることに反する.
ψ(a+η)>0であるとするとψ(x)が連続であることから
η''<ηでψ(a+η'')>0となる実数η''が存在するが,
ηが上限であることからη''<η'''≦ηで[a,a+η''']ではつねに
ψ(x)<0となるη'''が存在する.これはψ(a+η'')>0に反する.
ゆえにψ(a+η)=0.ψ(a+b-a)>0であるのでη≠b-aとなり,a<a+η<b.
f(A)>f(B)のときも同様.■
117
:
Мечислав(☆11)
◆QRDTxrDxh6
:2005/10/21(金) 06:36:19
定理 有界な閉集合K上で定義された連続函数f(P)は最大値と最小値を持つ.
証明 {f(P);P∈K}が上に有界でないとするとf(P_1)>0,P_1∈KなるP_1が存在する.
このP_1に対してf(P_2)>2f(P_1),P_2∈KなるP_2が存在する.
このP_2に対してf(P_3)>2f(P_2),P_3∈KなるP_3が存在する.
この操作を繰り返してKに属する無数の点{P_n;n∈N}がとれる.
>>53
の二つ目の命題より点列{P_n}は収束する部分列{P_(n_k)}をもつ.
\lim_{k→∞}P_(n_k)=P_0とおくとKは閉集合であるのでP_0∈Kであるが,
f(P)が連続であるから命題
>>94
より\lim_{k→∞}f(P_(n_k))=f(P_0).
しかしf(P_(n_k))>2^((n_k)-1)f(P_1)となるのでこれは矛盾.
したがって{f(P);P∈K}は上に有界.
下に有界であることも同様に示される.
定理
>>6
より{f(P);P∈K}は上限Mと下限mを持つ.
f(P)=Mを満たすP∈Kが存在しないとしてg(P)=1/(M-f(P))とおくとg(P)は連続であるが,
Mが上限であることから有界閉集合Kで定義されたg(P)は{g(P);P∈K}が
非有界であることになってしまい不合理.よって
f(P)=MなるP∈Kが存在する.f(R)=mなるmの存在も同様に示される.
このM,mがf(P)のKにおけるそれぞれ最大値,最小値である.■
118
:
Мечислав(☆11)
◆QRDTxrDxh6
:2005/10/21(金) 06:37:28
定理
>>115
と定理
>>117
から,有界閉区間上で定義された連続函数の値域は
有界閉区間であることがいえる.
函数f(P)がある範囲において連続であるとは,その範囲の任意の点Pについて,
任意の正数εに対してある正数δがあって,
PQ<δであり定義域に属するすべてのQに対して|f(P)-f(Q)|<εとなることであったが,
この定義によるとδはPによってまちまちであってよい.
この定義よりさらに強く,δのありようがPによらないとき
f(P)はこの範囲で一様に連続であるとか,一様連続であるなどという.
119
:
Мечислав(☆11)
◆QRDTxrDxh6
:2005/10/21(金) 06:38:08
例 (-π/2,π/2)で定義された函数\tan xはこの区間で連続ではあるが
一様連続ではない.
証明 任意の正数εに対してδをπとεの大きくない方とすると
|y-x|<δなるyに対して,
つねに|sin y-sin x|=2|cos{(y+x)/2}sin{(y-x)/2}|
≦2|sin{(y-x)/2}|=2sin{|y-x|/2}<|y-x|<δ≦ε,
|cos y-cos x|=2|sin{(y+x)/2}sin{(y-x)/2}|
≦2|sin{(y-x)/2}|≦2|sin{(y-x)/2}|=2sin{|y-x|/2}<|y-x|<δ≦ε
とできるので,sin x,cos xは連続,命題
>>90
よりtan xも連続.
0<x<x+h<π/2とすると
tan(x+h)-tan x={(tan x+tan h)/(1-tan xtan h)}-tan x
={(tan h)(1+tan^2x)/(1-tan xtan h)}>0
なのでtan xは(0,π/2)で増加.
任意の正数Kに対して0<1/√(1+K^2)≦1となるので,cos x=1/√(1+K^2),0≦x<π/2
を満たすxが存在する.
このxに対して,sinx=√(1-cos^2x)=K/√(1+K^2)であるのでK=tan xとなる.
よっていかなる正の数Mに対してもtan x>Mを満たす実数xが存在する.
120
:
Мечислав(☆11)
◆QRDTxrDxh6
:2005/10/21(金) 06:38:40
さて,tan xが(-π/2,π/2)で一様連続であるとしよう.
そうするとxの位置に無関係なδで,
|x-y|<δならば|tan x-tan y|<1/2となるものが存在することになる.
各自然数nに対して,n=tan x_nを満たすx_nが[0,π/2)内に存在し,
tan xは増加であるので数列{x_n}は上に有界な増加列となる.
定理
>>20
より{x_n}は収束列であり,
さらに定理
>>36
より{x_n}はCauchyの判定条件を満たす.
即ち,任意の正数εに対して,ある自然数mが存在し,
p>m,q>mならば|x_p-x_q|<εならしめることができる.
したがって自然数nを適当に選べば|x_(n+1)-x_n|<δ/2ならしめることができる.
このときx_(n+1)とx_nは|x_(n+1)-x_n|<δを満たすが,
|tan x_(n+1)-tan x_n|=1なので|tan x_(n+1)-tan x_n|<1/2を満たさない.不合理.■
121
:
Мечислав(☆11)
◆QRDTxrDxh6
:2005/10/21(金) 06:39:40
定理 有界閉集合で定義された連続函数は一様連続である.
証明 Kを有界閉集合,f(P)をKで定義された連続函数とする.
定理
>>117
よりf(P)は最大値と最小値を持つが,その差を総振動量といいVで表す.
Kの点Pを中心,半径をrとする閉円板をC(P,r)とし,
これとKの共通部分をC'(P,r)とする.
命題
>>57
よりC'(P,r)は閉集合である.定理
>>117
より
C'(P,r)上でもf(P)は最大値と最小値を持つ.
その差をC'(P,r)におけるf(P)の振動量といい,v(P,r)と書くことにする.
任意の正数εに対して,v(P,δ)<εとなるδが
Pの位置と無関係にとれることを示せばよい.
任意のKの点Pと任意の正数rに対してv(P,r)≦VであるからV<εなら,
任意のKの点Pと任意の正数rに対してv(P,r)<ε.
122
:
Мечислав(☆11)
◆QRDTxrDxh6
:2005/10/21(金) 06:40:14
0<ε≦Vとする.f(P)は連続であるから,
任意のKの点Pに対してv(P,δ_P)<εなるPに依る正数δ_Pが存在する.
Kは有界だからC(P,R)がKを含むような正数Rが存在するが,
このRについては,v(P,R)=V≧εだからv(P,δ_P)<εなる
δ_Pの集合は上に有界であり,定理
>>6
よりその集合には上限がある.
この上限はPによる数,即ちPの関数なのでρ(P)と表す.
ρ(P)がKで定義された連続函数であれば,定理
>>117
により
ρ(P)に最小値が存在するので,この最小値を与えるKの点をP_0とすれば,
任意のKの点Pに対して0<δ_p≦ρ(P)であるので,0<ρ(P_0)となり
ρ(P_0)はv(P_0,σ_(P_0))<εとなるσ_(P_0)の上限なので
Pに無関係なδでv(P,δ)<εとなるものがとれる.
以下ρ(P)がKで定義された連続函数であることを示す.
C'(P,ρ(P))の内部に点Qをとり,ABをQを通るC(P,ρ(P))の直径で,QA≦QBとする.
このときv(Q,QA)≦v(P,ρ(P))≦v(Q,QB)よりQA≦ρ(Q)≦QB.
またρ(P)-QA=PQ,QB-ρ(P)=PQであるのでρ(P)-PQ≦ρ(Q)≦ρ(P)+PQ,即ち
|ρ(P)-ρ(Q)|≦PQ.
これは,任意の正数εに対してPQ<εなら|ρ(P)-ρ(Q)|<εであること,
即ちρ(P)が連続であることを示している.■
123
:
臺地
◆6rqpPuO9q2
:2005/10/30(日) 23:42:42
えーと突然ですが、先生の書いている解析概論ノートのpdf版がここで公開されています
http://jp.msnusers.com/61m4frk8dd99uihb3fbshibfu7
の「ドキュメント」
ピクチャは誰でも見れるのですが、ドキュメントはメンバでないと見れないらしく、
原稿速報が見たい方はお手数ですがメンバ参加申し込みをやってください。簡単です。
聞きたいことがあれば僕(alittlehigh@ほっとめーるどっとこむ)にでもどうぞ。
124
:
たま
◆U4RT2HgTis
:2005/10/31(月) 03:51:02
>>123
入ってみた。こんなんあってんね。
125
:
Мечислав(☆11)
◆QRDTxrDxh6
:2005/10/31(月) 05:46:53
>>124
>>123
のURLでは入れないかも。
そういうときは
http://groups.msn.com/61m4frk8dd99uihb3fbshibfu7
だと入れます。
126
:
Мечислав(☆11)
◆QRDTxrDxh6
:2005/10/31(月) 12:09:44
12. 区域・境界
内点・外点・境界
Sを点の集合とする.点PがSの内点であるとは,
Pに十分近いところの点がすべてSの点であることをいう.
点PがSの外点であるとはPに十分近いところの点が
すべてSに属さない点であることをいう.
Sに属さない点全体の集合をSの余集合といいS'と書く.
PがSの外点であることはS'の内点であることと同じことである.
Sの内点でも外点でもない点全体の集合をSの境界という.境界の点を境界点という.
Pが境界の点ならPはSの内点でないからPのどんな近くにもS'の点が存在するし,
Sの外点でないからPのどんな近くにもSの点が存在する.
Sの内点であることとS'の外点であることは同じことであるから
Sの境界はS'の境界である.
127
:
Мечислав(☆11)
◆QRDTxrDxh6
:2005/10/31(月) 12:10:16
命題 Sが全空間でも空集合でもないならSは境界点を持つ.
証明 AをSの点,BをS'とし,A,Bを線分で結び,線分AB上の点PとAとの距離をxとする.
Aは外点でないのでAが内点でないならAは境界点.
Aが内点なら十分小さいxに対する線分AP上の点はみな内点である.
Bは内点でないので,このようなxは上に有界である.
定理
>>6
により上限x_0が存在しAP_0=x_0とすると,
0<x<x_0を満たす任意のxに対してAP=xならPは内点なのでSの点となり,
P_0は外点ではない.
P_0に十分近い点がすべてSの点なら,
x_0<xでAP=xとなる内点Pが存在することになってしまうので
P_0は内点でもない.ゆえにP_0は境界点である.■
128
:
Мечислав(☆11)
◆QRDTxrDxh6
:2005/10/31(月) 12:12:42
例 Sをxy座標平面上の有理点全体の集合とするとSは内点も外点も持たない.
即ち平面全体がSの境界である.
なお,有理点とはx座標もy座標も有理数であるような点のことである.
証明 無理数のどんな近くにも有理数があり,
有理数のどんな近くにも無理数があることを示せばよい.
xを無理数とする.[10^nx]/10^n=x_nおくと,
各x_nは有理数で,lim[n→∞]x_n=x.
これは無理数のどんな近くにも有理数があることを示している.
rを有理数とする.([10^nr]/10^n)+(π/10^(n+1))=r_nとおくと
各r_nは無理数でlim[n→∞]r_n=r.
これは有理数のどんな近くにも無理数があることを示している.■
129
:
Мечислав(☆11)
◆QRDTxrDxh6
:2005/10/31(月) 13:07:33
開集合・閉集合
集合Sが開集合であるとはSの各点がSの内点であることである.
集合Sが閉集合であるとは定義
>>54
で述べたように
Sに関する集積点がSの点であることである.
命題 互いに余集合であるSとS'は一方が開集合であれば他方は閉集合である.
証明 Sが開集合であるとし,点PがS'に関する集積点であるとする.
PがSの点であるなら,PはSの内点となるのでPに十分近い点はみなSの点となる.
これはPがS'に関する集積点であることに反するのでPはS'の点である.
すなわちS'は閉集合である.
Sが閉集合であるとし,点PをS'の点であるとする.
Sは閉集合であるからPはSに関する集積点ではない.
即ちPの十分近くにはSの点は存在しない.
よってPに十分近い点はみなS'の点であることになり,
PはS'の内点となる.したがってS'は開集合.■
130
:
Мечислав(☆11)
◆QRDTxrDxh6
:2005/10/31(月) 13:15:12
同じ集合Sが次元によって開集合であったり開集合でなくなったりすることがある.
例えば平面上の円の内部は,円の内部のどの点をとっても,
その点に十分近いところに元の円に含まれる円がかけるから
平面上においては開集合であるが,
空間内における円の内部の点は,どの点も内点でなくなる.
集合Sが閉集合ならSは次元に関係なく閉集合である.
PがSに関する集積点であるということは,
Pの近くにいくらでもSの点があるということであるが,
SがSを含むより高次元の空間の部分集合であってもそのことは変わらないからである.
集合Sの内点全体の集合をSの開核といって(S)と書く.
命題
>>56
の[S]をSの閉包という.
131
:
Мечислав(☆11)
◆QRDTxrDxh6
:2005/10/31(月) 13:15:43
命題 [S]はSを含む最小の閉集合であり,(S)はSに含まれる最大の開集合である.
証明 命題
>>56
により[S]はSを含む閉集合である.
FをSを含む閉集合であるとする.
このときPが[S]の点であるならPはSの点かSに関する集積点であるが,
PがSの点であるならSはFに含まれるのでPはFの点である.
PがSに関する集積点であるならFに関する集積点でもある.
よってFは閉集合だからPはFの点である.
したがってFはSを含む最小の閉集合である.
Sの境界点はSに関する集積点でありSの外点はSに関する集積点ではないから,
[S]とは畢竟,(S)とSの境界の和集合である.Sの境界はまたS'の境界でもあるので
(S)=[S']'.
Sの内点はSの点でもあり
[S']は閉集合であるから(S)はSに含まれる開集合である.
OをSに含まれる開集合であるとする.
このときPがOの点であるならPはOの内点であり,
OはSに含まれるからPはSの内点でもある.よってOは(S)に含まれる.
したがって(S)はSに含まれる最大の開集合である.■
132
:
Мечислав(☆11)
◆QRDTxrDxh6
:2005/10/31(月) 13:16:17
Sの部分集合Tが[T]⊃Sを満たすときTはSの中で稠密に分布しているという.
点の集合の間の距離
2つの集合A,Bの距離ρ(A,B)とはAの点Pと,Bの点Qとの距離PQの下限のことをいう.
133
:
Мечислав(☆11)
◆QRDTxrDxh6
:2005/10/31(月) 13:16:50
命題 A,Bが共通部分を持たない有界な閉集合なら
ρ(A,B)=P_0Q_0となるAの境界点P_0とBの境界点Q_0が存在する.
証明 下限の意味からAの点列{P_n}とBの点列{Q_n}で,
lim[n→∞]P_nQ_n=ρ(A,B)なるものが取れる.
Aは有界であるから{P_n}から収束する部分列{P'_m}がとれる.
このとき定理
>>15
よりlim[m→∞]P'_mQ_m=ρ(A,B).
Bは有界であるから{Q_m}から収束する部分列{Q'_k}がとれる.
ふたたび定理
>>15
よりlim[k→∞]P'_kQ'_k=ρ(A,B).
定理
>>15
と同様の証明によりlim[k→∞]P'_k=P_0,
lim[k→∞]Q'_k=Q_0なる点P_0,Q_0が存在する.
A,Bは閉集合なのでP_0,Q_0はそれぞれA,Bの点である.
任意の正数εに対して,ある番号以上のkでP'_kP_0<ε/2,Q'_kQ_0<ε/2とできるが,
このとき
|P_0Q_0-P'_kQ'_k|≦|P_0Q_0-P_0Q'_k|+|P_0Q'_k-P'_kQ'_k|≦ Q_0Q'_k+P_0P'_k<ε
となるので
ρ(A,B)=lim[n→∞]P_nQ_n=lim[k→∞]P_kQ_k=lim[k→∞]P_klim[k→∞]Q_k=P_0Q_0.
もしP_0がAの内点であるとすると
線分P_0Q_0上にρ(A,B)=P_0Q_0>RQ_0をみたすAの点Rが存在し,
ρ(A,B)が下限であることに反する.
もしP_0がAの外点であるとするとAの点列{P'_k}がP_0に収束することはありえない.
よってP_0はAの境界点.同様にQ_0もBの境界点である.■
134
:
Мечислав(☆11)
◆QRDTxrDxh6
:2005/10/31(月) 13:17:24
上の証明によれば,この定理はA,Bが閉集合でなくても成り立つことが分かる.
A,Bが閉集合であればP_0,Q_0がそれぞれA,Bの点となるに過ぎない.
このときP_0とQ_0は同じ点ではないのでρ(A,B)>0.
A,Bのどちらかが閉集合でなければρ(A,B)>0であるとは限らない.
例えばEを有界な集合としてB=A'ならρ(E∩A,E∩B)=0.
領域・閉域
空でない開集合が連結しているとは,
その開集合が共通部分を持たない2つの空でない開集合に分割されないことをいう.
連結している開集合を領域という.領域の閉包を閉域という.
領域内に任意に1点Pをとり,その点から領域内の別のある点Qへは
いかなる領域内のみを通る折れ線を辿っても到達できないとするなら,
領域はPを含む開集合とQを含む開集合という共通部分を持たない
2つの空でない開集合に分割される.
したがって領域内の任意の2点を領域内のみを通って連結する折れ線が存在する.
空でない閉集合が連結しているとは,
その閉集合が共通部分を持たない2つの空でない閉集合に分割されないことをいう.
連結されている閉集合が2点以上をもつとき,その閉集合を連続体という.
点Pを含む領域を点Pの近傍という.近傍の径は議論の必要に応じて小さくとる.
135
:
Мечислав(☆11)
◆QRDTxrDxh6
:2005/10/31(月) 13:17:55
例 一次元においてSを開集合とする.
x∈Sとすると,xはSの内点であるから
xを含みSに含まれる開区間がとれるが,
そのような開区間の左端の下限をa,
右端の上限をbとすると(a,b)はSに含まれる.
ただしSは非有界かも知れぬゆえ,
a=-∞,b=∞であることを妨げない.
S=(a,b)でない限り,(a,b)に属さぬSの点x_1が存在する.
このx_1もSの内点であるからx_1を含みSに含まれる開区間がとれるが,
そのような開区間の左端の下限をa_1,右端の上限をb_1とおくと
(a_1,b_1)はSに含まれる.先ほどと同じくa_1=-∞,b=∞であるかもしれぬ.
もし(a_1,b_1)と(a,b)が共通部分を持つなら,a<b_1またはa_1<b.
これはaが下限であることや,bが上限であることに反する.
よって(a_1,b_1)と(a,b)は共通部分を持たない.
このことより,Sは一つの開区間か,
二つ以上の共通部分を持たない開区間の和集合で表されることが分かる.
Sが閉集合でSが内点を含むなら,その内点を含む閉区間をSは含む.
上の議論と同様に,Sは無数の共通部分を持たない閉区間を持ちうるが,
閉区間を構成しない孤立した1点をも含みうる.
そのような孤立した点の集合に関する集積点がもしあれば,
その集積点もまたSの点である.
136
:
Мечислав(☆11)
◆QRDTxrDxh6
:2005/10/31(月) 13:18:28
例 二次元において円の内部は領域.円周はその境界.
円内の1点や円内の一つの線分を除いた集合も領域,1点や線分はその境界.
この領域の閉包は演習を含めた円板.
円板とその円周上の一点から円の外へ一本の線分を引いて出来た集合は
端点を含めれば閉集合.この閉集合の開核は円の内部のみ,内部の閉包は円板.
例 正方形Q(0<x<1,0<y<1)の内部は領域.
Qから無数の線分x=1/n,(n=2,3,4,…)を除いたものは連結でなくなる.
この集合に正方形Q'(0<x<1,-1<y≦0)を付け加えて,
さらに無数の点(1/n,0),(n=2,3,4,…)を除いたものをSとすると,
Sは再び連結性を取り戻し,領域となる.
線分x=0,0≦y≦1はSの境界であるが,
この境界上の点からはSのいかなる内点へも
Sの内点のみを通っては線が結ばれない.
境界上の点から如何に短い線分をとろうとも,
その線分上にS'の点が含まれるからである.
137
:
Мечислав(☆11)
◆QRDTxrDxh6
:2005/10/31(月) 13:18:59
二次元において閉区間[a,b]を定義域とする連続函数x=φ(t),y=ψ(t)を考える.
このとき点P(x,y)の軌跡を(φ(a),ψ(a))を始点,(φ(b),ψ(b))を終点とする
連続曲線の定義としたいのだが,これを連続曲線の定義にしてしまうと,
異なるtとsに対してφ(t)=φ(s),ψ(t)=ψ(s)となる重複点の存在を許すことになり,
さらにこの重複点を何回も,無数に通過することをも許すことになり,
重複点自体の無数の存在をも許すことになってしまう.
そうすると作りようによっては,全円板や全正方形を塗りつぶしてしまうような
「曲線」もあるかもしれない.
これを避けるためには重複点の存在を許さないというのが一つの手である.
重複点の存在を許さない曲線をJordan曲線,
さらに(a,b)においては重複点は存在しないが,
始点と終点のみで一致する曲線をJordan閉曲線という.
Jordan曲線は線分[a,b]と一対一かつ連続に対応する点の集合であり,
Jordan閉曲線はいわば円周と一対一かつ連続的に対応する点の集合である.
円周が平面を内外二領域に分割し,それら二領域の境界をなしているように,
Jordan閉曲線も平面を内外二領域に分割し,それら二領域の境界をなす.
うーむ.証明には多大な準備がいりそうなので(中村八束教授(信州大)の
「完全証明」は別にしても)今日のところは勘弁.
解析概論で扱うJordan閉曲線はさらにいろんな制限を付け加えたりする予定である.
三次元以上では境界はさらに厄介であるが,球や立方体を適当に活用すれば,
相当なことが出来るようです.
138
:
臺地
◆6rqpPuO9q2
:2005/10/31(月) 23:09:30
>>125
ありゃホントですね。これはメンバに対して表示される画面だったか。失礼しますた
139
:
たま
◆U4RT2HgTis
:2005/11/07(月) 22:54:41
>>101
この証明うまいなぁ。なんか先生はこういうのの構成がうまい気がする。
>>106
>|((a+2)/2^n)-(a/2^n)|<εならしめるnは存在するのでAの点は,稠密に分布されており
任意のxに対して∃aがあって、x∈[((a+2)/2^n),(a/2^n)]となるって言うのも言っといた方がいいかも。
>>112
>任意の正数εに対して|h|をxよりもnx^{(n-1)/n}εよりも小さくとると,
>|(x+h)^{1/n}-x^{1/n}|=|h|/|(x+h)^{(n-1)/n}+(x+h)^{(n-2)/n}x^{1/n}+…+x^{(n-1)/n}|
>≦|h|/|nx^{(n-1)/n}|<ε
ここのギャップが大きいのと、ちょっと|h|のとり方がおかしいので補足。
|(x+h)^(1/n)-x^(1/n)|={|(x+h)^(1/n)-x^(1/n)||h|}/|h| ーーー(*)
ここで、
x^n-y^n=(x-y){x^(n-1)+x^(n-2)y+・・・+xy^(n-2)+y^(n-1)}
であることに注意すると、
|h|=|(x+h)-x|=|{(x+h)^(1/n)}^n-{x^(1/n)}^n|
=|(x+h)^(1/n)-x^(1/n)||(x+h)^{(n-1)/n}+(x+h)^{(n-2)/n}x+・・・+(x+h)x^{(n-2)/n}+x^{(n-1)/n}|
これを(*)の分母に代入して
|(x+h)^{1/n}-x^{1/n}|=|h|/|(x+h)^{(n-1)/n}+(x+h)^{(n-2)/n}x+・・・+(x+h)x^{(n-2)/n}+x^{(n-1)/n}|
δ=min{x/2,n(x/2)^{(n-1)/n}ε}として、|h|<δとすれば
(x+h)>x/2,x>x/2なので、
|(x+h)^{(n-1)/n}+(x+h)^{(n-2)/n}x+・・・+(x+h)x^{(n-2)/n}+x^{(n-1)/n}|
>|n(x/2)^{(n-1)/n}|
従って、|(x+h)^{1/n}-x^{1/n}|<|h|/|n(x/2)^{(n-1)/n}|<ε
140
:
たま
◆U4RT2HgTis
:2005/11/07(月) 22:55:48
とりあえず114まで読みました。pdfが見れるからちょっと読みやすくなったヽ(´ー`)ノ
141
:
Мечислав(☆11)
◆QRDTxrDxh6
:2005/11/14(月) 08:13:11
>>139
いつも精読ありがとうございます。
>
>>101
㌧。ほめられるとうれしい。
>
>>106
実は稠密ってのは
>>132
ででてくるまで定義されてないんですよね。
この本では。で、「数集合Aの点が稠密に分布されている」
というのは、文字通り「どんな小さな距離の範囲のところにも
Aの点はいくらでも存在する」を、いっとけばいいかな
とおもったもので。
>
>>112
ギャップ大きいですか。以後気をつけます。
>|h|のとり方
。。。迂闊でした。すみません。
えー、返信一週間も遅れてしまってすみませんでした。
今後ともよろしゅう。
142
:
Мечислав(☆11)
◆QRDTxrDxh6
:2005/11/28(月) 02:14:36
復刊!
ttp://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/33/8/3392410.html
143
:
臺地
◆6rqpPuO9q2
:2005/11/28(月) 23:48:02
すごい本なんですか?
144
:
Мечислав(☆11)
◆QRDTxrDxh6
:2005/12/08(木) 00:29:42
>>143
すごいというか。
一応「原作者」の本だし。
145
:
たま
◆U4RT2HgTis
:2005/12/08(木) 00:42:29
古本屋で100円で売ってたのを去年買ったなぁ。
最初のほうだけ読んでほったらかしだけど。
146
:
たま
◆U4RT2HgTis
:2005/12/10(土) 13:57:26
>>119
>0<x<x+h<π/2とすると
>tan(x+h)-tan x={(tan x+tan h)/(1-tan xtan h)}-tan x
>={(tan h)(1+tan^2x)/(1-tan xtan h)}>0
この最後の行はどう考えてるんでしょうか?
分母>0はtan xが(0,π/2)で単調増加であることと、tan(π/2-x)=1/(tan x)を使わないといえないと思うんですが。
>>127
>0<x<x_0を満たす任意のxに対してAP=xならPは内点なのでSの点となり,
>P_0は外点ではない.
0<x<x_0を満たす任意のxに対してx<AP<x_0なるSの内点Pが存在するので、
P_0は外点ではないじゃないとだめかな。AP=xでもPは内点とは限らない。
>>136
>この領域の閉包は演習を含めた円板.
演習→円周?
147
:
たま
◆U4RT2HgTis
:2005/12/10(土) 14:14:52
>>137
Jordanの曲線定理の証明の概略とか載ってる本はないんでせうか?
やっと追いついた。振動量使った証明はじめてみて面白かった。
「区域・境界」はなんか申し訳程度って感じがしますね。
148
:
Мечислав(☆11)
◆QRDTxrDxh6
:2005/12/16(金) 00:47:09
>>146
長らく返信できずにごめん。
とりあえず最初のところだけ答えときます。
なんで分母が正だっておもったのかちょっと忘れてしまったんだけど。。
1/(1-tan xtan h)=(cos xcos h)/cos(x+h)>0
って考えたのかなあ。たしかにここでグッとつまって、
ああ、なんだ簡単じゃん。これな理由なしでかいてええな。
って思ってしまったおぼえが。。
149
:
たま
◆U4RT2HgTis
:2005/12/16(金) 03:55:25
>>148
なるほろ。えっと、
>>119
の前半ではcosとsinの連続性からtangentが連続を示してるのに、
後半でtanの式変形だけで押し切ろうとしてるのはなんか思惑があるのかなぁと思ったんです。
どこまで、cosとかsinの性質を認めて話を進めようとしてるのかちょっと気になって。
150
:
Мечислав(☆11)
◆QRDTxrDxh6
:2005/12/18(日) 23:16:21
>>146
二段目。
はい。うっかりでした。Sが非連結のときとか、連結でもドーナツ型みたいなときは
0<x<x_0でAP=xでもPはSの内点とは限らないですね。
三段目。
はい。遠州とでもでればさすがにおかしいって一発で気付きますが。
演習なら、ときどきつかう言葉なんでぼーっとしてたら見過ごしてしまったり。
むかし「無限次限」ってセミナーで黒板に書いてしまって、なんか変だなあ。
ってなったけどだれもつっこんでくれんかったことがあります。
151
:
Мечислав(☆11)
◆QRDTxrDxh6
:2005/12/20(火) 00:42:12
>>147
Jordan閉曲線定理は
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/0387941266/qid=1135006618/sr=1-1/ref=sr_1_8_1/503-9919346-1555113
に証明がのってるようです。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4320016246/qid=1135005271/sr=8-2/ref=sr_8_xs_ap_i2_xgl14/503-9919346-1555113
に演習問題の形でその証明がのってるようですが、
幾何専攻の学生が読んでも難しいようです。
いずれにしても多大なる準備が要りそうですね。
152
:
Мечислав(☆11)
◆QRDTxrDxh6
:2005/12/31(土) 04:17:40
一章の練習問題は9問ありますが、
最後の問題を除いて解答を作成しました。
最後の問題は高木のヒントにこだわらなければ
>>112
で既にやってあります。
一章の本文を読んで、練習問題を解くと
本文の理解が深まると思います。
したがって問題解答ともにここにうpするというのは
ちょっと躊躇われます。
問題とわたしの解答を読んでアレコレダメだしをしたり
ってのも悪くないとは思います。
そこで皆さんにご意見を求めたいのですが。。
1.問題解答ともテキスト版でこのスレにうp
2.問題だけテキスト版でこのスレに、解答はpdf版で「て」にうp
3.問題だけテキスト版でこのスレにうp。解答はうpしない
4.問題解答ともうpしない
5.その他の提言
どれがよろしいでしょう。たまちゃん、臺地、ラメさん、そしてRSKTTMくん。
153
:
うどん
◆csFiRniTeg
:2005/12/31(土) 18:30:57
>>152
俺はこのスレには参加してないんでよくわからないんですが・・・
今までとは違って練習問題には特別な意味があるということですか
うーん、なんとなく2.ですかねー
154
:
臺地
◆6rqpPuO9q2
:2005/12/31(土) 18:58:06
先生が回答も一緒に出すのがよくないと思ってるみたいなので2.がいいんじゃないでしょうか
・・・でしゃばってすみません
155
:
うどん
◆csFiRniTeg
:2006/01/01(日) 00:00:24
あけおめ
156
:
臺地
◆6rqpPuO9q2
:2006/01/01(日) 00:04:41
毎度のことながらあっけない・・・
でも、おめでとうございます!
157
:
たま
◆U4RT2HgTis
:2006/01/01(日) 00:52:35
あけましておめでとうございます。
>>152
2か3で。
みんなで解いてダメだしし合うのがいいんだろうけど、それもなかなか大変か。
ROMで読んでる人とかいないのかな。
158
:
Мечислав(☆11)
◆QRDTxrDxh6
:2006/01/02(月) 10:34:43
お三方のご意見は2が三票、3が一票ですか。
ではとりあえず、問題だけうpし、8日後に解答を
pdfで「て」にうpということにします。
159
:
Мечислав(☆11)
◆QRDTxrDxh6
:2006/01/02(月) 11:02:00
練習問題(1)
(1) a_1>b_1>0;a_n=(a_(n-1)+b_(n-1))/2,b_n=√(a_(n-1)b_(n-1))とすれば,
数列{a_n},{b_n}は同一の極限値に収束する.
この極限値をa_1,b_1の算術幾何平均という.(Gauss)
(2) a>0,b>0,a_1=(a+b)/2,b_1=√(a_1b),
一般にa_n=(a_(n-1)+b_(n-1))/2,b_n=√(a_nb_(n-1))とすれば,
l=lim[n→∞]a_n=lim[n→∞]b_nが存在する.
[1°] |a|<bのとき,a=b*cos x,-π<x<πとおけば l=b((sin x)/x).
直径1の円に内接,外接する辺数nの正多角形の周の長さをp(n),P(n)とし,
a=1/P(k),b=1/p(k)とすればl=1/π
[2°] a>b>0のとき,a=b*cosh xとおけばl=b((sinh x)/x).
ただしcosh x=(e^x+e^(-x)/2),sinh x=(e^x-e^(-x)/2).
160
:
Мечислав(☆11)
◆QRDTxrDxh6
:2006/01/02(月) 11:02:25
(3) 有界なる数列{a_n},{b_n}に対して
limsup[n→∞](a_n+b_n)<limsup[n→∞]a_n+limsup[n→∞]b_n,
liminf[n→∞](a_n+b_n)>liminf[n→∞]a_n+liminf[n→∞]b_n.
また,差,積,商だとどうなるか.
(4) xが正の無理数ならf(x)=0,
x=p/qが負でない有理数(p/qは既約分数で,q>0)ならば,f(x)=1/qとする.
このx>0で定義された関数f(x)の連続性を論ぜよ.
(5) f(x)とg(x)は[a,b]で連続,S⊂[a,b]⊂[S]でS上ではf(x)=g(x)であるとする.
このとき[a,b]でf(x)=g(x).
(6) S⊂[a,b]⊂[S]とする.f(x)がSで定義されており,Sで連続であるとする.
f(x)が[a,b]上の連続関数に拡張できるための必要十分条件は
f(x)のSでの連続性が一様性を持つことである.
(7) f(x)は(a,∞)で連続でlim[x→∞](f(x+1)-f(x))=lならば
lim[x→∞](f(x)/x)=l.
(8) f(X)を領域Kで定義された連続関数とし,XがKの点のときf(X)が領域Gに属するとする.
g(x)をGで定義された連続関数とすると,g(f(X))はKで定義された連続関数となる.
161
:
Мечислав(☆12)
◆QRDTxrDxh6
:2006/01/10(火) 15:40:22
第2章 微分法
1.微分 導関数
ある区間で関数y=f(x)が与えられているとする.
x,x_1が共に関数の定義区間に属するとき,
⊿x=x_1-x,⊿y=f(x_1)-f(x)
とおくと⊿y/⊿xは函数yのxとx_1の間での平均変化率であるという.
xを固定したときlim[⊿x→0](⊿y/⊿x)がもし存在すれば,
その値を函数yの点xにおける変化率といいdy/dxと書く.
dy/dxが存在するとき函数yは点xで微分可能であるという.
函数yがある区間のすべての点で微分可能であるとき,
yはその区間で微分可能であるという.
このときdy/dxはxの函数となるがこの関数をyの導函数といい,f'(x)と書く.
162
:
Мечислав(☆12)
◆QRDTxrDxh6
:2006/01/10(火) 15:41:07
導函数の表記の仕方にはいろいろな方法がある.
dy/dxはLeibnizによるものであり,
f'(x)やy'はLagrangeによるものであり,
y^(・)はNewtonによるものであり,
D_xf(x)やD_xyはCauchyによるものである.
derived function 導函数は,微分法によって導かれた函数という意味である.
1点におけるdy/dxはNewtonのいうところのfluxion 流動率である.
ドイツではLeibniz以来これをDifferentialquotient 微分商といい,
英米ではdifferential coefficient 微分係数という.
フランスでは微分商も導函数もともにd{'e}riv{'e}eという.
163
:
Мечислав(☆12)
◆QRDTxrDxh6
:2006/01/10(火) 15:41:39
以下しばらく直観的な説明をする.
函数y=f(x)のグラフにおいて⊿y/⊿xは2点(x,y),(x_1,y_1)を結ぶ弦の傾きである.
ただしf(x_1)のことをy_1と略記した.
dy/dxは点(x,y)における接線の傾きである.
接線上の点を(X,Y)とするとY-y=f'(x)(X-x).
これはまさしく接線の方程式であるが((Y-y)/(X-x))=f'(x)であるので,
dxとdyをdy/dxとは別に,単独で
dx=X-x,dy=Y-x
と定義すれば
dy=f'(x)dx…☆
なる式の意味が明確になる.式☆はxの近傍で考えることが多く,
そのためdxを変数xのdifferential 微分,dyをそれに対応する函数yの微分という.
164
:
Мечислав(☆12)
◆QRDTxrDxh6
:2006/01/10(火) 15:42:24
上の議論では直観的にf'(x)を接線の傾きだとしたが,
接線とはどういう直線かが明確ではない.
以下点(x,y)における傾きf'(x)の直線を
函数y=f(x)のグラフの(x,y)における接線であると定義して,
微分商や微分の定義をしなおす.
165
:
Мечислав(☆12)
◆QRDTxrDxh6
:2006/01/10(火) 15:42:46
命題
y=f(x)をある区間で定義された微分可能な函数,
x,x_1を函数が定義されている区間に属する異なる2点であるとする.
⊿x=x_1-x,⊿y=f(x_1)-f(x)とおく.εが
⊿y=f'(x)・⊿x+ε・⊿x…★
なる関係を満たしているとする.このとき,
εは(x,⊿x)の函数であり
xを固定すれば
lim[⊿x→0]ε=0.
166
:
Мечислав(☆12)
◆QRDTxrDxh6
:2006/01/10(火) 15:43:04
証明
ε=⊿y/⊿x-f'(x)
となるのでεは(x,⊿x)の函数だが,
固定されたxに対しては⊿xの函数となり,
f(x)は微分可能であるので
lim[⊿x→0]ε
=lim[⊿x→0]((⊿y/⊿x)-f'(x))
=lim[⊿x→0](⊿y/⊿x-f'(x))
=0.■
167
:
Мечислав(☆12)
◆QRDTxrDxh6
:2006/01/10(火) 15:43:34
命題
y=f(x)をある区間で定義された函数,
x,x_1を函数が定義されている区間に属する異なる2点であるとする.
⊿x=x_1-x,⊿y=f(x_1)-f(x)とおく.
g(x)をf(x)とは別の函数,ε(x,⊿x)を(x,⊿x)の函数で,
固定されたxに対してはlim[⊿x→0]ε(x,⊿x)=0であるとする.
これらの式の間に
⊿y=g(x)・⊿x+ε(x,⊿x)・⊿x
なる関係があったとする.このとき,
f(x)は固定されたxで微分可能でありg(x)=f'(x).
168
:
Мечислав(☆12)
◆QRDTxrDxh6
:2006/01/10(火) 15:43:54
証明
⊿y/⊿x=g(x)+ε(x,⊿x)
であるので固定されたxに対しては
lim[⊿x→0]⊿y/⊿x=g(x)+0.
よってf(x)はxで微分可能でありf'(x)=g(x).■
169
:
Мечислав(☆12)
◆QRDTxrDxh6
:2006/01/10(火) 15:44:42
f(x)が命題
>>165
の条件を満たし,
⊿x,⊿y,f'(x),εが
式★を満たしているとする.このとき
固定されたxに対して⊿x→0とするとε→0なので,⊿xよりも
ε・⊿xの方がはるかに0に近くなる.そこで⊿x→0のとき⊿yの主要部分は,
式★の右辺第一項であると考え,この項をyの微分といいdyで表す.
したがってdy=f'(x)・⊿xとなる.
φ(x)=xとおけばφ'(x)⊿x=⊿xよりxの微分dxは
dx=⊿xとなる.これらより
dy=f'(x)・ dx
となる.
これをdy/dx=f'(x)とかけばdy/dxは,それぞれ独立に定義された
yの微分とxの微分の商という意味を持つので
Leibnizによる微分商という術語はこの概念にふさわしくもある.
またdy=f'(x)・ dxという書き方においては,
y=f(x)の微分dyにおけるxの微分dxの係数と読めるので,
f'(x)に微分係数という術語を与えるのもまたもっともである.
170
:
Мечислав(☆12)
◆QRDTxrDxh6
:2006/01/10(火) 15:46:23
えー、
>>158
で予告した日から8日たちましたんで
演習の解答(と二章一節を併せて)[て]にpdf版でうpしときました。
171
:
あしぺた
:2006/01/10(火) 16:17:26
補足
>>165
は
微分可能なら線形近似可能
>>167
は
線形近似可能なら微分可能
を意味する
ところで今日はずいぶん努力なさいましたね(笑)すさまじい努力ぶりに感動しました!!素晴らしい!
ところで微分の一意性は示されてなかったのかな(笑)
173
:
Мечислав(☆12)
◆QRDTxrDxh6
:2006/02/16(木) 02:42:18
うーむ。このスレも一ヶ月以上はなれてしまった。
えー、二章の二つ目の節、通算十四節「微分の方法」
「て」にうpしますた。テキスト版は近日中にうpの予定。
174
:
Мечислав(☆12)
◆QRDTxrDxh6
:2006/02/16(木) 03:37:29
2.微分の方法
定理
u,vはある区間で微分可能な関数であるとする.このとき,
(1) (u±v)'=u'±v'
(2) (uv)'=u'v+uv'
(3) (u/v)'=(u'v-uv')/v^2
ただし(3)においてはv≠0なる区間でのみ考える.
175
:
Мечислав(☆12)
◆QRDTxrDxh6
:2006/02/16(木) 03:37:53
証明
(1):⊿u=u(x+⊿x)-u(x),⊿v=v(x+⊿x)-v(x)より複合同順で
⊿(u±v)=(u±v)(x+⊿x)-(u±v)(x)
=u(x+⊿x)±v(x+⊿x)-(u(x)±v(x))
=(⊿u+u(x))±(⊿v+v(x))-(u(x)±v(x))
=⊿u±⊿v.
よって⊿(u±v)/⊿x=(⊿u/⊿x)±(⊿v/⊿x).
⊿x→0のとき(⊿u/⊿x)→(du/dx),(⊿v/⊿x)→(dv/dx)なので
(d(u±v)/dx)=(du/dx)±(dv/dx)即ち(u±v)'=u'±v'.
176
:
Мечислав(☆12)
◆QRDTxrDxh6
:2006/02/16(木) 03:38:10
(2):⊿(uv)=(uv)(x+⊿x)-(uv)(x)
=u(x+⊿x)v(x+⊿x)-u(x)v(x)
=(⊿u+u(x))(⊿v+v(x))-u(x)v(x)
=⊿u・v(x)+u(x)⊿v+⊿u⊿v.
よって
(⊿(uv)/⊿x)
=(⊿u/⊿x)・v(x)+u(x)(⊿v/⊿x)+(⊿u/⊿x)・⊿v.
⊿x→0のとき(⊿u/⊿x)→(du/dx),(⊿v/⊿x)→(dv/dx),⊿v→0なので
(d(uv)/dx)=(du/dx)・v(x)+u(x)(dv/dx)+(du/dx)・0即ち
(uv)'=u'v+uv'.
177
:
Мечислав(☆12)
◆QRDTxrDxh6
:2006/02/16(木) 03:38:27
(3):
⊿(u/v)
=(u/v)(x+⊿x)-(u/v)(x)
=(u(x+⊿x)/v(x+⊿x))-(u(x)/v(x))
=((⊿u+u(x))/(⊿v+v(x)))-(u(x)/v(x))
=((⊿u・v(x)-u(x)⊿v)/((⊿v+v(x))・v(x))).
よって
(⊿(u/v)/⊿x)=(((⊿u/⊿x)・v(x)-u(x)(⊿v/⊿x))/((⊿v+v(x))・v(x)}))
⊿x→0のとき(⊿u/⊿x)→(du/dx),(⊿v/⊿x)→(dv/dx),⊿v→0なので
(u/v)'=(u'v-uv')/v^2.■
178
:
Мечислав(☆12)
◆QRDTxrDxh6
:2006/02/16(木) 03:38:51
(2)を繰り返し使うと三つ以上の微分可能な函数についても,たとえば
(uvw)'=((uv)w)'=(uv)'w+(uv)w'=u'vw+uv'w+uvw'.
あるいはuvw≠0である区間では
((uvw)'/uvw)=(u'/u)+(v'/v)+(w'/w).
と書ける.
定数cをxの函数とみると⊿c=0であるのでc'=0.
したがってuが微分可能な函数であれば(2)より
(cu)'=c'u+cu'=cu'.
恒等函数xについては(⊿x/⊿x)=1であるので
x'=1.
よって(2)を繰り返し使うと自然数nに対して
(x^n)'=nx^(n-1).
179
:
Мечислав(☆12)
◆QRDTxrDxh6
:2006/02/16(木) 03:39:20
定理
>>174
を繰り返し使うと有理関数が微分可能であることが分かる.
⊿sin x
=sin(x+⊿x)-sin x
=sin x+(⊿x/2)+(⊿x/2)
-sin x+(⊿x/2)-(⊿x/2)
=2cos x+(⊿x/2)sin(⊿x/2)
で⊿x→0のとき(⊿x/2)→0,(sin(⊿x/2)/(⊿x/2))→1より
(⊿sin x/⊿x)→cos x即ち
Dsin x=cos x.
⊿cos x
=cos(x+⊿x)-cos x
=cos x+(⊿x/2)+(⊿x/2)
-cos x+(⊿x/2)-(⊿x/2)
=-2sin x+(⊿x/2)sin(⊿x/2)
で⊿x→0のとき(⊿x/2)→0,(sin(⊿x/2)/(⊿x/2))→1より
(⊿cos x/⊿x)→-sin x即ち
Dcos x=sin x.
180
:
Мечислав(☆12)
◆QRDTxrDxh6
:2006/02/16(木) 03:39:37
(3)より整数nに対してx≠(2n-1)π/2となるxに対しては,
Dtan x
=((sin x)'(cos x)-(sin x)(cos x)')/cos^2x
=1/cos^2x=1+tan^2x.
すでに定理>>の証明中で使っているが次の定理が成り立つ.
181
:
Мечислав(☆12)
◆QRDTxrDxh6
:2006/02/16(木) 03:40:06
定理
微分可能であることは連続であるための十分条件ではあるが必要条件ではない.
証明
uが微分可能であるとすると命題
>>165
よりε=(⊿y/⊿x)-u'(x)とおくことにより
⊿u=u'(x)⊿x+ε⊿xでありlim[⊿x→0]ε=0となるので⊿x→0なら⊿u→0.
即ちuは連続.
x≠0でf(x)=x sin(1/x),f(0)=0とおく.
x≠0においてはxもsin(1/x)も連続であるからf(x)は連続.
|f(x)|<|x|であるからlim[x→0]f(x)=f(0).
即ちx=0においてもf(x)は連続である.
しかし(f(h)-f(0))/h=sin(1/h)
であるのでたとえば
h_n=2/((2n-1)π)とおくとlim[n→∞]h_n=0だが
lim[n→∞]sin(1/h_n)=1,
k_n=1/nπとおくとlim[n→∞}k_n=0だが
lim[n→∞]sin(1/k_n)=0.
したがってlim[h→0]sin(1/h)は存在しない.
即ちf(x)はx=0では微分可能でない.■
182
:
Мечислав(☆12)
◆QRDTxrDxh6
:2006/02/16(木) 03:40:29
高木函数
p(x)を0≦x≦1で定義された関数p(x)=1-|1-2x|,
2以上の自然数nに対して
p^n(x)=(p・p^(n-1))(x) (・は合成を表す)
とする.
このとき0≦x≦1を満たす各実数xに対して数列
��[k=1→n](1/2^k)p^k(x)
は収束する.
実際,0≦x≦1で0≦p(x)≦1であるから,
帰納的にすべての自然数nで0≦p^n(x)≦1.よって
0≦��[k=1→n](1/2^k)p^k(x)≦��[k=1→n]{1/2^k}=1.
定理
>>121
より各xに対して数列は収束する.
したがって0≦x≦1なる実数xに対して
��[n=1→∞](1/2^n)p^n(x)は確定する.
0≦x≦1で定義された函数
f(x)=��[n=1→∞](1/2^n)p^n(x)
を高木函数という.
183
:
Мечислав(☆12)
◆QRDTxrDxh6
:2006/02/16(木) 03:40:45
f_n(x)=��[k=1→n](1/2^k)p^k(x)とおくと
0≦x≦1なる各実数xに対して
lim[n→∞]f_n(x)=f(x)である.
また,定理
>>121
によって,各自然数nに対して
f_n(x)は一様連続である.
即ち,任意の正数εに対してxによる自然数N(x)で,
n≧N(x)ならば|f_n(x)-f(x)|<ε/3となるN(x)と,
nによる正数δ(n)で|x-y|<δ(n)ならば|f_n(x)-f_n(y)|<ε/3となるδ(n)が存在する.
よってn≧N(x),n≧N(y)のとき|x-y|<δ(n)ならば
|f(x)-f(y)|≦|f(x)-f_n(x)|+|f_n(x)-f_n(y)|+|f_n(y)-f(y)|<εとなりf(x)は連続.
184
:
Мечислав(☆12)
◆QRDTxrDxh6
:2006/02/16(木) 03:41:04
nを自然数,qを2^nより小さい正の奇数,kを0<k<1を満たす実数とすると
p(q/2^n)=q/2^(n-1)であるなら
p((q+k)/2^n)=((q+k)/2^(n-1),
p(q/2^n)=(2^n-q)/2^(n-1)であるなら
p((q+k)/2^n)=(2^n-q-k)/2^(n-1).
よって-2≦m≦2を満たす整数mを用いて
f((q+k)/2^n)=f(q/2^n)+(mk/2^n)
と書ける.
p^n((q+k)/2^n)=1-kであるから任意の自然数lに対して,
f((q+2^(-l+ν))/2^n)=f(q/2^n)+(2^(-l+ν)l/2^n)
を満たす自然数νが存在する.
したがってf(x)はx=q/2^nで微分可能でない.
qが偶数であっても同様にf(x)がx=q/2^nで微分可能でないこともわかる.
rを0<r<2^nをみたす実数とすると,任意の正数εに対して
自然数m,νを選べばr/2^n=(ν+ε)/2^mとできるので
f(x)はx=r/2^nで微分可能でないこともわかる.
以上により高木函数は定義域内のいたるところで微分不可能な連続函数
である例になっていることが分かった.
185
:
Мечислав(☆12)
◆QRDTxrDxh6
:2006/02/16(木) 03:41:27
上ではlim[⊿x→+0]((f(x+⊿x)-f(x))/⊿x)が存在しないから
f(x)は微分不可能という説明をしたが,
lim[⊿x→+0](⊿y/⊿x),lim[⊿x→-0](⊿y/⊿x)
がもし存在すれば,それぞれの値は右微分商,左微分商とよばれ,
D^+y,D^-yなどとかかれる.
右微分商(resp.左微分商)が存在するときを右微分(resp.左微分)可能という.
右微分可能かつ左微分可能であることを微分可能であるというのである.
例
y=|x|とすればx=0においてD^+y=1,D^-y=-1.
証明
x>0のとき|x|=x,x<0のとき|x|=-xであるので
lim[⊿x→+0](⊿y/⊿x)=lim[⊿x→+0](⊿x/⊿x)=1,
lim[⊿x→-0](⊿y/⊿x)=lim[⊿x→-0](-⊿x/⊿x)=-1.■
186
:
Мечислав(☆12)
◆QRDTxrDxh6
:2006/02/16(木) 03:41:45
高木函数のところですでに出てきたが,
函数f(x)が閉区間[a,b]で連続(resp.微分可能)であるとは,
開区間(a,b)で連続(resp.微分可能)であり,
x=aで右連続(resp.右微分可能),x=bで左連続(resp.左微分可能)であることを指す.
これも高木函数のとこれで触れたが,
函数f(x)についてlim[h→0]((f(a+h)-f(a))/h)=∞やlim[h→0]((f(a+h)-f(a))/h)=-∞
であることをf'(a)=∞なりf'(a)=-∞なりと略記することもあるが,
解析概論ではこれを微分可能のうちに入れない.
たとえば
>>63
の5つ目の例であげたsign x=f(x)とおくと
lim[h→+0]((f(h)-f(0))/h)=lim[h→+0](1/h)=∞,
lim[h→-0]((f(h)-f(0))/h)=lim[h→-0](-1/h)=lim[-h→+0](-(-1/-h))
=lim[-h→+0](1/(-h))=∞であるからf'(0)=∞であるが,
たとえばh≠0のときf'(h)=1であるからlim[h→0]f'(h)=1となり
f'(a)=∞であってもlim_{h→0}f'(a+h)≠∞であることもある.
187
:
あしぺた
:2006/02/16(木) 09:10:24
微分可能でもC^1級とは限らない(例:x^2 sin(1/x)でx=0では0の値を持つとした関数)ので
>>186
の説明は不自然ですね
188
:
Мечислав(☆12)
◆QRDTxrDxh6
:2006/02/16(木) 09:32:41
>>187
?
189
:
あしぺた
:2006/02/16(木) 09:56:22
微分可能とみなさない説明の部分です
微分係数を計算して∞になる場合に限らず、微分可能だがC^1級なケースはありますよ
連続だがいたるところ微分不可な例って
リアス式海岸みたい(笑)
f(x) = Σb^n cos(a^n πx)
(0<b<1, aは正奇数)
も、その意味では素朴な例ですが、ワイエルシュトラスの示した命題には
ab > 1 + 3π/2
という十分条件がついてました
190
:
あしぺた
:2006/02/16(木) 10:08:18
あと任意の有理点で微分係数+∞になるような連続関数もありますよね。
191
:
Мечислав(☆12)
◆QRDTxrDxh6
:2006/02/16(木) 10:12:45
>>189
>微分係数を計算して∞になる場合に限らず、微分可能だがC^1級なケースはありますよ
微分可能な函数はみなC^1級なのでは?というかC^1級の話は
していないのですが。
>連続だがいたるところ微分不可な例
ワイヤストラス函数は
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/4125/1078053072/155-157
でも話題に。
なおボルツァノもこのテの函数を1830年代にすでに考えていたという
説がありますね。
192
:
あしぺた
:2006/02/16(木) 10:18:51
>>186
で
∞の微分係数を認めないことにする。
例えば、・・
とありますが、その下に認めたとするとC^1級でないことになるとありますよね
ちなみに微分可能だがC^1級でない例が先ほどのx^2 sin(1/x)
193
:
Мечислав(☆12)
◆QRDTxrDxh6
:2006/02/16(木) 10:55:59
>>192
ああ。そゆことですか。
ぼくも
高木の
>f'(a)=∞であってもlim_{h→0}f'(a+h)≠∞であることもある.
という説明は、「なんでこんな話すんねやろ。微分係数無限大
なんかはじめから認めなくたっていいじゃん」と思ってましたが、
「微分係数無限大を認めたくないのは、それを認めると
C^1でなくなるからだ」とは読めませんでした。
第一、「f'(a)=∞であってもlim_{h→0}f'(a+h)≠∞であることもある.」
がfの導函数のaでの連続性が崩れるとは読みにくくないですか?
194
:
あしぺた
:2006/02/16(木) 11:16:27
>>193
さあ読みにくいかもしれませんね
というわけでこの件は落着ですか(笑)
195
:
たま
◆U4RT2HgTis
:2006/02/16(木) 20:09:05
>>193
>「f'(a)=∞であってもlim_{h→0}f'(a+h)≠∞であることもある.」
ってのはただの表記法の注意じゃないですか?
ここの文章って、われわれは微係数±∞を微分可能としない立場をとるが、
微係数±∞を認める立場をとる人がときどきf'(a)=±∞なんて表記をすることがあるけど
lim_{h→0}f'(a+h)という意味で使っているわけじゃないから気をつけろよ
ってつもりで書いてるんだと思うんですけど。
196
:
◆ZFABCDEYl.
:2006/02/28(火) 02:29:06
>>2
数の連続性
全ての実数を次の性質を満たす二つの集合A, Bに分けることを考えます。これらは本文中の表現と同じものです。
(鄯)R=A∪B(Rは実数全体の集合).
(鄱)A≠∅ฺ, B≠∅ฺ,
(鄴)a∈A, b∈B⇒a<b.
ここで躓いてしまった_| ̄|○
このA,Bのイメージって,数直線上にAとBという棒があって
Aの右端<Bの左端ってなっているような感じですか??
Aの最大値<Bの最小値っていう意味ですが・・。
197
:
◆ZFABCDEYl.
:2006/02/28(火) 02:36:35
数の連続性から急に難しい_| ̄|○
あ・・少し意味が分かった!!
数が連続していることを証明するのに,はじめから数直線なんてものを
持ち出してはダメなんだ・・。飛び飛びになっている数が最終的に
数直線のように並ぶってことを示すのが目的なのかも。
なんか逆説的な気がするんだけどな・・。
198
:
◆ZFABCDEYl.
:2006/02/28(火) 02:39:30
ダメ・・本当に頭痛がしてきた。
僕には休脳が必要であります。
199
:
Мечислав(☆12)
◆QRDTxrDxh6
:2006/02/28(火) 05:52:13
>>198
ぼくが「て」にうpしたpdfファイルにはそこにいたるまでと
そこのあたりをもう少し丁寧にかいてありますけど
「て」のファイルはよめますか?
200
:
◆ZFABCDEYl.
:2006/02/28(火) 06:20:20
>>199
さっきはなぜか調子が悪くてエラーが出てアクセスできなかったけど,
最初にアクセスしたときは読めました。
先生て凄まじくないですか・・?(´Д`;)畏敬すぎるんですけども。
201
:
Мечислав(☆12)
◆QRDTxrDxh6
:2006/02/28(火) 06:29:00
>>200
あのpdfファイルをゆっくり読んでみてください。
急いで理解しようとしなくていいですよ。
読んですぐに分かることばかりではないと思います。
ぼくも最近、ひとつの問題を毎日すこーしずつ、すこーしずつ
考えて十日ほどかけて解明したことがあります。
そこまでいかなくてもひとつの証明を論理的にフォローするのに
そこそこ時間がかかり、いってる内容がしっくりするまでは
もっと時間がかかったりするものです。
質問は、歓迎します。
202
:
◆ZFABCDEYl.
:2006/03/01(水) 02:51:41
>>201
先生の数学に対する情熱というかやる気は一体どこから
くるのだろうか・・。やっぱり生まれつきですか?
203
:
Мечислав(☆12)
◆QRDTxrDxh6
:2006/03/01(水) 19:06:54
>>202
やる気は満々だったり、あんまりなかったりですよ。
いまはちょっと気力があんまりない時期だったりします。
昨日も、そろそろ今年の入試問題でも解いとこうかなーとおもって
東大の一番を問題だけtex打ちしては、2chを見、(1)の目途がつけば
また違う本を読み、(2)でちょっと詰まれば研究所にレスをし、
脳内答案ができあがればTVを見。。ってな調子でしたよ。
まあやる気があんまりないときはないときなりに、よそ事をしながら
すこしずつ取り組むことにしています。
204
:
あしぺた
:2006/03/01(水) 20:46:36
いやいや(笑)
したくないときしないのがいいよね
したいことしなきゃね(笑)
したいことしっぱなし人生が最高の人生(笑)
数学人生もそうです
したくないときはしないのがやる気のコツ(笑)
こけ氏は頑張りすぎたりするでしょう?
マジメはミジメの第一歩とは名言です(笑)
欲を抑圧したら自分が可哀相だけど
現代人にはそれが分かりにくい
スピード社会のなか必要性に追われすぎててね
205
:
◆ZFABCDEYl.
:2006/03/01(水) 20:55:14
>>203-204
その通りですね(´Д`;)
あしぺたワールド。
でも数の連続性ってすごい発想ですよね。連続していることを
数式で表わせるってすごい発見だなと。
206
:
あしぺた
:2006/03/01(水) 21:07:49
現実世界から連続性を読みとってるのは感性です
その連続であるように感じられる現実世界ってのは、実数で表現できる
だから実数は連続だ
という気がするに過ぎないのでは
論理式で書ける実数の性質に"連続"という意味を付与するのは
人間の感性ですよ
決して論理式自体がそれだけで連続という意味合いを持ってるわけではない
と形而上学的な発想を好むおれは思う
207
:
あしぺた
:2006/03/01(水) 21:14:43
でもたしか第一階の論理では実数の連続性が表せないんだよね
そのあたりは深遠だと思うよ
実数の整列化を具体的に構成するのも普通の意味では不可能だし
208
:
あしぺた
:2006/03/01(水) 21:23:52
今調べたら数学的帰納法も第二階の論理でないと表せないらしい
第二階の論理とは考えてる集合の部分集合に関して∀∃の記号がつくような論理
実数の連続性は、『任意の単調収束列に対して』といったふうだし
数学的帰納法は、自然数に関する任意の性質X (⊂N)に対しての命題だし、
どちらも第二階の論理でないと表せない。
209
:
Мечислав(☆12)
◆QRDTxrDxh6
:2006/03/01(水) 21:35:48
>>207
>>208
?
210
:
あしぺた
:2006/03/01(水) 21:44:51
第二階の論理では完全性定理が不成立であるなど特殊扱いしないといけなくなるらしいですよ
211
:
Мечислав(☆12)
◆QRDTxrDxh6
:2006/03/01(水) 23:55:01
>>あしぺたさん。
第一階の論理、第二階の論理ってのは
一階術語論理、二階術語論理のことですよね。
>>207
からしてよくわからんのですが
一階術語論理では実数の連続性が表せないってどういうことでしょう?
ZFCからペアノの公理を経て、Rを作るっていう作業のどこかで
高階の術語論理が使われてるってこと?
それと実数に具体的にどんな順序を入れたら整列集合にできるか
よーわからんって話は何かつながりが?
>>208
術語論理ってのは術語=命題関数に量化子がついたものをつかう論理でしょう?
で、二階の術語論理ってのは術語p(x)のxがさらに術語であるという論理ですよね。
>第二階の論理とは考えてる集合の部分集合に関して∀∃の記号がつくような論理
と同じことをいってる?解説おねがいします。
>>210
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/4125/1078049875/551
みたいな話のこと?
212
:
あしぺた
:2006/03/02(木) 00:28:33
大体そうです
議論領域である集合をUとして、Uの元に関する命題はUの部分集合のことです
だから部分集合を表す変数が量化されると考えても同じことです
実数の連続性の話は聞きかじりですが
実数の連続性を第1階の述語論理の論理式で表せないということです
整列化の話も実数のある種の超越性の例です
選択公理にしても具体的な選択を構成する方法は記述できない
それが実数の連続性というか連続濃度であることと関係があるらしい
自然数の部分集合全体も連続濃度ですね
第二階の述語論理と連続濃度とは関係がありますが、
それが具体的構成の存在とも関係があるとか
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