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ライトノベル総合

1どるき:2009/11/07(土) 09:24:00 ID:WzPGfqK.
The 男爵ディーノ掲示板のノリでライトノベルを語りたい人とか
とにかくライトノベル総合

828ゆうまお:2016/10/26(水) 20:12:23 ID:slHMF61A
◆恋するタイムマシン

穂瑞沙羅華シリーズの第5弾(「神様のパズル」を入れると)。である。
1作目「神様のパズル」で宇宙を作ろうとして、全人類を破滅させる危機を引き起こした、引きこもり天才女子高生「穂瑞沙羅華」が、
今度は「タイムマシン」を作ろうとして、また宇宙崩壊の危険な実験や主人公の綿貫さん達に大迷惑を懸ける小難しいラノベっぽい話でした。

いやあ懐かしい「粒子加速器むげん」とか量子コンピューターとかネオピグマリオンとか、「神様のパズル」を読んだのがかなり前なので、懐かしくて涙が出ましたw
映画はラストの盛り上がりがイマイチだったけど、それなりに楽しめますから、そちらを試し観為てみるのもいいと思います。

今回の話も半分分けがわからなかったので、雰囲気で物理工学の専門用語を読み飛ばしました。陽子と電子の絡み合いとかスピンとかルミノシティとか量子のゆらぎとか宇宙のひも理論とか、なんとなくしか分らないから、もっと易しく解説してくれって何度も思いました。
須藤っていうアニメオタク学生が観てるアニメは「シュタインズゲート」かな。あのアニメが最初に行う実験がメールを過去に送るんだけど、この小説でも題意一段階として信号を過去に送る実験をします。その理論が2カ所で速度差を付けた陽電子・電子の絡み合いの間には高速を越えた伝達があって、それをりYぽうするとかって分る?俺には分りませんw
一方ラブコメの部分もあって、そっちはラノベっぽいと言うかちょっと物理工学の専門的な話に比べちょっと感情表現が稚拙な感じがした。

ラストがちょっと盛り上がりも乏しくダラダラとして長いなあって感じたけど、タイムマシンを真面目に今の科学で作ろうとしてるのは楽しかった、読後にちょっとだけ頭が良くなった気にさせてくれる面白いシリーズだと思います。
今回はまだ続いてたんだって言う懐かしさで最後まで読んでしまったけど、次回作はもっと事件性の高く、どんでん返しや謎の助っ人が活躍してくれるものを期待してます。
それにしても今回は、位置エネルギーは低い綿貫くんのひらめきや発想が結構活躍してたよね。

829ゆうまお:2016/10/26(水) 20:18:10 ID:slHMF61A
訂正
この小説でも題意一段階として信号を過去に送る実験をします。その理論が2カ所で速度差を付けた陽電子・電子の絡み合いの間には高速を越えた伝達があって、それをりYぽうするとかって分る?俺には分りませんw

この小説でも第一段階として 信号を過去に送る実験をします。その理論が2カ所で速度差を付けた陽電子・電子の絡み合いの間には光速を越えた伝達があって、それを利用するとか・・って分る?俺には分りませんw


失礼しました。

830ゆうまお:2016/11/06(日) 02:50:39 ID:slHMF61A
◆レディ・ヴィクトリア 新米メイドローズの秘密

いやあ面白かった。ヴィクトリアシリーズの第2巻なのだが、1巻がヤングアダルト向けだとすると、この2巻は完全にジュブナイルでティーンズむけでした。
作者によると、1巻は主人公以外の登場人物紹介の外伝でプロローグ・2巻目が女主人公ローズ登場の本編スタートらしい。
舞台はイギリス・ビクトリア朝時代のロンドン。行方不明の兄を探しに田舎から出てきたローズはメイドとなって働きながら休日を使って兄を探しに治安の悪い地区へ行くのだが、そこでアヘン絡みの貴族の大騒動に巻き込まれる話です。

さて感想だが、ちょっとハードな世界名作劇場かって感じですか。この作者の話の持って行き方、表現にはいつも感心する。前にも書いたが、参考資料やら取材の量が半端ないから、話に深みや説得力があるというか、読んでいて色んな意味で勉強になる。
それから、恥ずかしい話だが、主人公の生い立ちや決意や心情が心にしみ、さりげない感動で、2回ぐらい泣いた。フィクションなのに、みんな苦労してるんだなあって泣けてくる。
多分この本を読んだ後だと、ゆるふわアニメのメイドとかメイド喫茶のファッションメイドなんか、白々しくて醒めてしまうだろうなあw当時のメイドって大変大変な仕事なんだよなって思う。まあ、メイドだけでなく、貴族以外は生きるのが大変な時代だったんだろう。

あと、厨二的な設定も大盛りで、アニメ「黒執事」にちょっとだけ雰囲気が似てるかな。そういうのが好きな人にはお勧めかな。なにせ超人的な侍女や頼りになる執事・従僕・探偵や館の未亡人(1巻では主人公)など出てきますから。
そして主人公のローズが結構お転婆で行動力があり、ザ・フッラパーガールってかんじですなあ。

次回はロンドンの日本人村の殺人事件で日本人が出てくるらしい、楽しみだ・・けど、「黎明の書」の最終刊も早く書いてねw
アニメにしたら面白いだろうなあ。

登場人物
ローズ・・・新米メイド。口癖は「この家の住人はどこか変。」
ヴィクトリア・・・貴族で未亡人。貴族としては変わり者。
シレーヌ・・・侍女。頼りになる謎の女。裏社会に強い。
ディーン・・・執事。元軍人で争いごとに強い。
モーリス・・・従僕。インドの少年で、剣を使ったりする。
ベッツィ・・・キッチンメイド。気のいい少女。好奇心旺盛なおしゃべり。
早耳ビル・・・したたかなアメリカの探偵。シレーヌに気がある?。情報通で意外とジェントリメン。

あと、親族でヴィクトリアを貶めようとする貴族がいたけど、名前を忘れましたw読みやすいからお勧めです。

831真ナルト信者:2016/11/06(日) 08:30:03 ID:???
age

832ぺんぼー:2016/11/15(火) 21:50:11 ID:LZpvKveU
クトゥルーオペラってまだ発行してたんですなー
朝日ソノラマ版は全巻読破しましたけど

833d.s:2016/11/19(土) 19:20:50 ID:eIAfqPZU
ゴブリンスレイヤー読んでる人いますか?

834ゆうまお:2016/11/26(土) 00:28:43 ID:slHMF61A
◆雨の日も神様と相撲を

漫画「スパイラ推理の絆」や「絶園のテンペスト」の原作者が執筆した相撲好きな神が住む奇異な村に越してきた少年の奇妙な体験を描いたジュブナイル。
まるで、「おおかみこども(略)」みたいな少年向け長編アニメの原作を読んでるかのような雰囲気の小説でした。

最初、読み始めてすぐに、両親があっけなく事故死するのですが、物語を面白く動かしやすくするためなんの躊躇い無く不要な者を消去する、または少年の冒険物に扱いづらい両親の枷を除くため切り捨てるそんな作者なのかなって感じて、
失敗したかなあってかなり落胆させられました。そして、両親を亡くしてたった2週間で立ち直り、生きていこうとする前向きというかドライな感じの少年描写に、違和感感じまくりであまり好感が持てませんでした。
ただ、導入部は気に入らなかったのですが、カエルに相撲を教えはじめ、殺人事件が起こる辺りから、なかなかに読み応えが出てきました。それゆえに両親のあっさり死の導入部が残念。

もう一つ気に入らなかったのが主人公の性格ですか。
謙遜しすぎて否定しすぎて返って嫌味な性格と言いますか、少年っぽくない、人生諦観や悟った風な考え方、カエルに食べられる事も他人事な妙な腹の据わり方、とにかくこの主人公あまり好きでは無いですね。アルドノアゼロのいなほ君と言えば分るでしょうか。
それでいて、頭が良くて何事も最後は上手く解決してしまうスーパーヒーローっぷり。それで「僕はそんなに凄くないですよー、当然の成り行きですよー」ってやっぱり嫌味としかw

さて嫌なところは全部吐きだしたので、あとは褒めます。
相撲好きにはたまらない、歴史や色んな技、そしてこの小説独自の新技も出てきます。またこの村の闇の部分とかカエル様の正体とか喪なかなかに面白かったですね。
そしてカエル様からのヒントによって殺人事件の真相が解明していくところ、ラストの現代社会とむ関係でいられない神様達の苦悩と考えさせられる部分もあり読後感はまあまあ良かったです。
劇場用長編アニメ化に向いた小説だと感じました。

835ガフ:2016/12/01(木) 01:30:11 ID:dHwqNv5Q
○ハリーポッターと呪いの子
ヴォルデモートに子供がいたりハ―マイオニ―が黒人だったり、一体どういうことだってばよサスケェ…

○ニンジャスレイヤー
主役の世代交代が上手くいった作品というのをあまり知らないのだが、大丈夫だろうか

836ゆうまお:2016/12/06(火) 18:49:32 ID:slHMF61A
◆晴追町にはひまりさんがいる ー恋と花火と図書館王子ー

ひまりさんシリーズ第2弾である。が、どっちかって言うと主人公の「ハルチカ」君シリーズと言った方がしっくりくるけど、某吹奏楽部アニメと被るので駄目かなw
内容は日常の謎に春近君が巻き込まれ、クリーニング店のパートの人妻「ひまり」さんと飼い犬’サモエド犬)の有海さんが優しく解決する、ほっこりストーリーです。

某未亡人の管理人さんの漫画とは違うと作者は最初に断ってあるけど、結局「管理人さーん、好きだー!」じゃねえかw
体の弱い王子や70歳のおじいさんに本気で恋する大学生、強面の幼稚園園長やた色んなキャラが上手くかみ合っていてなかなか楽しくて切なくて暖かい小説でした。
前読んだ本が「カエルの神様」の村の男性作者の話で、この本は「白い犬が守り神」の町の女性作者の話で、男女の感性の比較も出来てその点も興味深かったです。

ファンタジーとして考えると、ひまりの夫で民俗学者の「有海」さんは、何らかのアイテムを発見して、ひ弱な王子を救うために「守り神の犬」になる呪いを受けて、七夕の日だけ人間に戻れる、って感じかなあ。
結局、謎は謎のままで、春近くんの片思いが実るのかどうかは保留。続きがあれば是非読んでみたいかなあ。

あと、長崎出身だから「有海(有明海)」なんだろうなあw
サモエド犬に日常の謎に年上の美人といえば「骨」大好きなアニメを思い出しますね。

837ゆうまお:2016/12/14(水) 20:05:07 ID:slHMF61A
◆屋根裏の美少年

美少年探偵団シリーズの第3巻である。若者に超人気の西尾維新って事で下手な感想を書くとファンに怒られそうだが、正直な感想を書きたいと思う。

キャラや設定や言葉遊びはさすが人気作者で凄く熟れていました。ただ謎の解答がねえ、物足りないというか、ちょっと考えればわかっちゃうというか。
何故人物を描かなかったのかの謎は、まどろっこしいというか、分かりにくいというか、何か無理矢理こじつけた感があるというか・・・。

2回ぐらい読み返して、人物を描かなかった理由がようやくわかった(作者を●●するあまり、モブを●●●●なかったんだね)けど、スッキリはしなかったなあ。
あと、ライバル校の札槻さんはスーパーマン過ぎない?何でもお見通しの神(筆者)の様な存在で、美少年探偵団でも勝てなそう(2巻を読んでいないけど、一応2巻で勝っているらしい)。
都合良すぎる展開だが、面白くなくは無いので、片手間にするりと読めて且つ楽しくなれるのはライトノベルの本来のあるべき姿かもしれない。

巻末に凄い量の西尾維新の小説の宣伝があって、講談社に愛されてるなあって少し笑った。
「悲鳴伝」がこんなに続刊がで照るとは思わなかった。「物語」シリーズもまだ続々出てくるみたいだし、これ全部読むの大変だなあ。

とりあえず、掟上さんがゲストで出てくるそうなので、「美少年探偵団」シリーズだけは読みたいと思います。

838わんのねこ:2016/12/16(金) 17:54:46 ID:AbW3Sq56
ヒーロー文庫って主婦の友社だったのか・・・。
一人くらいその辺り考慮して普通のおばさんが主役のラノベを
書いてくれないものだろーか

839ゆうまお:2016/12/26(月) 20:09:17 ID:slHMF61A
◆君と時計と雛の噓

<君と時計シリーズ>の最終巻です。主人公以外にも2人もタイムリープする人がいるから、一見ややこしいのだけど、タイムリープする条件がそれぞれ決まってるのでそこまでややこしくなかったってのが味噌ですね。

主人公達はなんとかッ世界の繰り返しや人間消失や避けられない運命の死をかいひするべく4巻にわたって悪戦苦闘します。なかなかの力作でした。
結局、世界は20回近く繰り返してしまうので、10回同じ世界を繰り返したヒロインの一人なんて頭が狂うだろうなあって思いましたw

正直、面白かったです。特に千歳先輩の推理力、判断力、寛容さはこの本の世界の神(作者)レベルですね。まだもう一人のヒロイン雛美未の噓つきっぷりには、怒りとともに辟易させられましたw
お前噓ばっかりついて、本当に解決したいと思ってるのか!って何度も思いましたね。またもう一人のヒロイン芹愛は主人公と話しもしたくない嫌われっぷりで、クソ面倒くさいですw千歳先輩が神で無かったら解決しなかったでしょうね。

少しだけ疑問と不満を書きます。まず、千歳先輩が超推理過ぎるところ、これはまあ仕方が無いですね。誰かが名探偵じゃないと同じ時間の繰り返しという密室人間消失&殺人の謎は解けなかったでしょう。またそこが厨二的でおもしろいところですし。
次に、余剰時間消費と人間消失と雛美がこの世界に持ってきた時間の関係。これがイマイチ納得できません。まあ、SFタイムリープ物にはよくある作者が決めたルール、格闘物で言うところの気合いで色んな技を出せるみたいな疑ってはいけないルールなんでしょうけどね。
そして、簡単に自殺してしまう主人公達。いくら時間が戻って生き返るからって、電車に飛び込んだり飛び込み自殺が簡単に描かれすぎです。時間が繰り返しすぎて頭のネジが緩くなった、いやぶっ飛んだと考えて納得させましたがw多分消える雛美より自殺しなければいけない他の二人が辛いんじゃ無いかなあw
それから、絶望したときタイムリープするルール。時間が過去に戻り助かる、ハッピーエンドのための自殺と分っていて、絶望するでしょうか。多分<時振>が何時まで経っても起こらなくて、しまったどうしよう失敗した!という意味で絶望するなら分ります(そういう事で納得しますw)。
まだあります、記憶は共有できても緒美は雛美ではありません。雛美は犠牲になったのだと思います。だからあの結末でみんなハッピーエンドになったとは小野得ませんね。主人公が勝手に解釈して自分を納得させ罪の意識をうすめているていると解釈したいですね。
雛美がもとの世界に戻ってそこで主人公と出会って・・・、こそハッピーでは無かろうかと思いますね。その辺が惜しいですね(自分としては)。

あとは「プロローグ」が少し冗長かなあ、「あとがき」がふざけすぎ!wまあこれだけの長編を書ききって、苦痛の反動と喜びの余りに浮かれポンチになって<走れメロス>をパロってみたくなった気持ちは分りますw

色々不満を書いたけど、新しいタイムリープ(¥ものとして大変面白いので、結構お勧めですね。タイガ文庫の中では結構人気あるみたいですね。

840スパイク ◆o3P2SVPdNQ:2016/12/28(水) 18:59:27 ID:Lo9YSlPU
まほいくの原作を読んだが、シスターナナが「王子様に護られるヒロインを演じたいから地雷原は危険だとわかった上で笑いながら地雷原に突っ込んでいくサイコ女」だとわかった上でアニメを見るとまた感覚が違ってくるな……
あの首を吊った時のシーンも「王子様を愛してたからそれを悲しんで自殺した」のではなく「悲劇のヒロインは王子様が死んだら後を追って自殺するものと思ってるから(『私の王子様が死んでしまった、私はこれから王子様の意志をついで戦う勇敢なヒロインにだってなれる』『――うん、でも趣味じゃない』こんな感じのセリフ付き)」というノリだったと思うと

841ぺんぼー:2016/12/30(金) 22:45:24 ID:TW.kgnNQ
まほいくが竜騎のパクリで
竜騎がバトロワのパクリで
バトロワが死のロングウォークのパクリ
という評価を見かけましたので
死のロングウォークを読んでみましたが
自分にとっては、明らかに
バトロワ>ロングウォークでした

842フーガ:2016/12/30(金) 22:52:25 ID:DvUNlRyA
パクリだからってオリジナルより劣っているとは限らないので、そういう感想がでてくるのは割と当たり前では……。

843ぺんぼー:2016/12/30(金) 22:55:46 ID:TW.kgnNQ
別に自分は
バトロワがロングウォークのパクリという感想が間違っているとか
申してませんが・・・

844フーガ:2016/12/30(金) 22:57:58 ID:DvUNlRyA
えっ、僕もそんなこと言ってないんですけど、どこからでてきました!?
いや、煽りじゃなくてなんか間違ったこといってたらすみません

845園田英:2016/12/30(金) 23:06:35 ID:lrtTABSs
バトロワは映画と漫画もありますが
原作、映画、漫画にそれぞれいい面もあって…悪い面もありますよね

846ぺんぼー:2016/12/30(金) 23:25:16 ID:TW.kgnNQ
原作は無双していた桐山が典子さん如きに仕留められるだろうか
というのと、システムが意外とザルね、というのは感じました
映画は未見
漫画は最後まで読んでませんが
七原が全く落ち度のない完全正義に描かれてるんじゃないかな、とおもいましたね

847ヤカル:2016/12/31(土) 01:32:46 ID:d2UMT.vQ
>漫画は最後まで読んでませんが
七原が全く落ち度のない完全正義に描かれてるんじゃないかな、とおもいましたね

正解です
最後、政府の船で、政府関係者を川田が殺そうとするのを止めて、
生かして救命ボートに乗せて逃がします
「ふざけんなよてめえ」って思いました
すぐ見つかって生存がバレたら何もかも無駄になるかもしれないのに…
さすがに偽善者過ぎる…

848ぺんぼー:2016/12/31(土) 05:25:37 ID:TW.kgnNQ
自分が漫画版で最初にうーん?と思ったのは
七原がハンドボール部員の男子と接触した際に
原作だと七原の挙動にも非があった為に
戦闘になってしまったのが
漫画だと最初から殺る気満々、に変更されてたところですね

849ガフ:2016/12/31(土) 22:41:21 ID:X5OQBkX2
○桜花忍法帖
甲賀忍法帖バジリクスの続編

良い所
・せがわまさき先生の描いた表紙、ただし挿絵は一枚もない。

・愛し合っている童貞と処女がセックスすると死者をよみがえらせる事が出来るのだ!とかいうお前セックスをなんだと思ってるんだ感。

悪い所
・バジリスクが「愛し合う二人は結局結ばれませんでした、忍びの運命は変えられませんでした」と悲劇ではあるが綺麗に終わったのに、
「実は二人は生きていて子供も作ったが、罪悪感に負けて自殺しました」と色々台無しな後付けをした事。

・成尋衆(今回の敵)に特に理由もなく毒が効かない、敵味方あわせて20人しかいないのに即死能力がガンガン決まったバジリスクと同じ世界な自覚あるのか疑問。

・成尋衆の能力が時間操作、空間操作、怪物を召喚、と作者は前作を読んだのかといいたくなる代物。しかも明らかに世界観から浮いてる事に理由も説明もない。

・犀防具(さいぼうぐ)という単語が出てきたり、幻術を光子が脳に〜と地の文で解説しだす。前作に外来語や術の科学的説明なんかなかったろ…。

850ぺんぼー:2017/01/03(火) 12:20:41 ID:TW.kgnNQ
>>844フーガさん
申し訳ございませんでした
少し冷静さを欠いていたようです

○そして誰もいなくなった
去年末にやってたドラマがくそ面白かったので
原作を読んでみましたが
くそ完成度が高かったです
自分がツッコミどころと感じたのは1.5ヶ所くらい?
ドラマは推理ものじゃなくてホラーぽかったので
そういう演出なのかと思ってましたが
原作もかなりホラーでした

851フーガ:2017/01/04(水) 00:25:20 ID:DvUNlRyA
>>850ぺんぼーさん
いえ、こちらこそ言い方が悪かったようで申し訳ないです。
以後気をつけます。

852ヤカル:2017/01/04(水) 14:08:15 ID:QMbgn5JA
>>849
ガフさん

バジリスクの原作小説「甲賀忍法帖」では、忍法に科学的説明(もちろん科学的風説明ですが)がついてる物が多いです
それは忍法帖シリーズ全体を通して多く見られる特徴です
また、アナフィラキシーショックを基にした忍法「穴開き」など、
忍法帖では外来語というか、舞台の当時ではなかった横文字に当て字をした忍法などが出るのもあります

さらに、一応の科学的説明もぶっ飛ばした、完全に超常現象のような忍法や、死人を生き返らせる忍者などもあります

その小説は読んでいませんが、説明を見る限りでは、「実は二人は子供を作っていました」と言う点以外は、
山田風太郎テイストを踏襲しようとしているのでは、と思いました

853通りすがりの山風ファン:2017/01/08(日) 20:49:50 ID:FjMEdzvw
>>852
ヤカルさん

横からすみません。

私は山風と正紀、どちらの作家も好きなんですが、
『桜花忍法帖』は、ハッキリ言って期待外れだった、と言う感想です。

ヤカルさんが仰る通り、忍法帖シリーズに登場する忍法は、
現実的に出来そうな地味なものから、あらゆる理屈を無視した魔法のようなものまで存在するので
忍法帖の名を関した作品に出てくる忍法がどれだけ現実離れしていても、特に気になりません。
しかし、これは個人な考えなのですが、
忍法帖シリーズは作品ごとにフィクションラインが違う、と考えています。
中でも『甲賀』はかなり現実より(=人間辞めるくらいの修練をすれば身につくかもと思える)の世界観、という認識です。
朧のアレはまぁ、ヒロイン特権と言う事で……

そういう意味で、『甲賀忍法帖』の続編に出てくる忍法としては、
受け入れられない感じなんですよね……
(『月影抄』とか『外道』の続編ならアリ)

『甲賀』の無常観を台無しにした上でこれか……と思ってしまったため、
作品そのものも受け入れられませんでした。

854ヤカル:2017/01/09(月) 02:15:08 ID:JhBRyfgk
忍法や技術はかなり現実路線の「銀河」の続編である「いま破る」で超常現象忍法出してるので、アリ…ということで、どうでしょうw

855わんのねこ:2017/01/28(土) 10:08:11 ID:ylihwu8A
「魔界転生」と「柳生十兵衛死す」という2大超常現象があるので大概のことはセーフっすよ。

マクロスΔの小説版2巻いつ出るんですかね?
小太刀右京作品なので地味に待っているわけですが。
ちゅかなんで講談社ラノベ文庫なんですかね?
マクロスFの叢書(レーベル)は角川スニーカーだったんですけど。漫画版Δも講談社シリウスだったか?
どうでもいいが、初代マクロスの小説版は、井上敏樹の筆で小学館から出てますね。

終りのセラフ(ジャンプSQ連載)の小説版も講談社ラノベ文庫から出てるんですね。
むしろスーパーダッシュ文庫は何をしたんだ、って話ですよ。

856わんのねこ:2017/01/28(土) 10:16:58 ID:ylihwu8A
山田正紀の山風オマージュといえば「神君幻法帖」(2013年)も忘れないでね><

「ジャバウォック 真田邪忍帖」(友野詳 ノベルゼロ/KADOKAWA)は忍法帖フォロワー系列かと思ったけど、
山風度が低かったです。なんでだろう?歴史考証の度合いでしょうか?
TRPGが好きな人には好きなんじゃない?じゃない?

857シェイバ:2017/02/04(土) 17:54:07 ID:slHMF61A
◆魔法の色を知ってるか?

森博嗣のWシリーズの第2巻である。人間の代わりに「ウォーかロン」という人間そっくりの人造人間を製造して危険な仕事に就かせている世界。
人間の方も体を改良して長寿になった代わりにその影響で子供が生まれなくなり、いまや「ウォーかロン」が人間より増えた世界。
ウォーかロンと人間の識別装置を作ろうとして「ウォーカロン」のテロに狙われ始める主人公の波乱を描いた物語です。

ストーリーは淡々としていて最初はこの緊張感のない感じに違和感を覚えたけど、だんだん癖になる文章でした。
いやあ、面白い。じわじわくる面白さというか、護衛の二人は凄く真面目でギスギスしてるのだが、主人公に危機感がないのが凄く不思議な面白さを醸し出してますね。
今回は新しい男の凄腕ガードマンが登場するのだが、こいつがまた不思議。女装がうまいのか実は女性なのか、男なのに色っぽいドレスを着て敵と戦うのに、そのことに誰も突っ込まないw
その上人間なのかウォーカロンなのかも謎。実はX-MENだったりする?また性格がツンツンなのかツンデレなのかじつに謎だらけの不思議な味のあるキャラクタでした。
女の護衛の方も任務以外は無関心で秘密主義であきれる性格ですねw

少しネタバレなのだが、あの「真賀田四季」(すべてがFになる)がまたもや登場。お前は「ルナティックシティ」の女王の先祖か、森博嗣ワールドの「ブギーポップ」かっていいたくなる存在ですねw
真賀田四季→魔型シキ→魔方色→魔法色→魔法の色を知ってるかにつながるんですね。主人公は魔法の色を知っていってよかったですねw

面白いので次巻「風は青海を渡るのか?」を早く読みたいです。

858ぺんぼー:2017/02/06(月) 00:05:26 ID:TW.kgnNQ
○太陽の塔
アニメの有頂天家族と四畳半神話大系が面白いので
これも読んでみましたが
この作品に関してはファンタジー要素は不要な気がしましたなー
まあ応募先がファンタジー賞なんで仕方ないんですが

859シェイバ:2017/02/06(月) 20:44:04 ID:slHMF61A
>>858 べんぽーさん

昔読んだ時のここに書き込んだ感想です。淀川教授は「金曜倶楽部」で狸を食べようとしてましたねw

◆四畳半王国見聞録

四畳半の部屋で自分だけワールドを創る引きこもりの話かと思って読んだら大体当たってたw
まるで、記憶力を要する人間関係のパズルみたいな内容だ。誰が主役とか無くて、大体は詭弁論部の4人と人間関係研究会の2人が中心で
マンドリンの丹波と映画制作の初音や大日本凡人会の超能力者5名とヒッキーの余と阿呆神が脇役って所か。
前作(未読)の樋口と3人の学友もちょこっと出る。あと狸好きの淀川教授(もしかして有頂天家族の?)と図書館警察の新人など。

はっきりいって良く分からない取りとめの無い小説ですわ。何が言いたいのか何を表現したいのかぼんやりとしていて初読では分からんです。
山田正紀氏の小説よりは分かりやすいけど、あの系統ですわ。時空電波小説ですわ。
二回読んでみて、この世は多彩な人間関係で繋がってるんだなそして、宇宙は11次元、阿呆神はミクロの世界の異次元で水玉パンツ1丁で寝そべってたまご丼食っていつでも交代要員を捜してる。
怠けてると阿呆神に目をつけられるぞ。って事なのかも。



↑読み返してみると恥ずかしい文章ですね。

860ガフ:2017/02/18(土) 15:47:57 ID:FgIDx3Fs
>>852
ヤカルさん
原作から忍術に解説あるんですか
それは失礼しました

861まほろ:2017/02/21(火) 00:29:49 ID:slHMF61A
◆鹿の王(上) 生き残った者
ある日、塩の採掘抗で伝説の国を滅ぼした凶悪な「黒狼熱」が流行り、奴隷として働く元勇敢な戦士ヴァンと幼女ユナだけが助かり、彼らは脱走して新しい生活を始める。
一方もう一人の主人公医者のホッサルと助手のマコウカンは「黒狼熱」の特効薬を作るため、病を生き延びたヴァン達を捜し求める。果たしてこの病は神の怒りなのか、征服された民族の呪いなのか、二組の主人公達は謎の陰謀に巻き込まれながら段々とその真実近づいていくミステリ&冒険小説・・かな。
いやあ、この人は独特の世界観を読者を少しずつ納得させ引き込みながら構築するのが上手いなあ。ただし、「黒狼熱(ミツツアル)」「火馬(アツアル)」「民(オマ)」とか漢字を独特の読み方で読ませるのだけは辛かったなあw
ユーラシア大陸では本当にそういう言葉があるのかも知れないけど、普通に「コクロウネツ」でいいじゃんって何度思ったか。

さて感想ですが・・面白い!さすが書店が選ぶ本一位になっただけはありますね。ヴァンを応援したくなるし、ユナちゃんが可愛い。ヴァンを信頼して一緒に生活をしている家族にも幸せになって欲しい。なんて言うか架空の物語なのに感情移入が半端ないねw
ヴァンの章はは冒険担当でホッサルの章は謎解き担当で交互に話が進むので読者を飽きさせない構成も良いね。世界観は「精霊の守人」に似ていて、結構複雑な国や民族構成で、隣の軍事大国がラスボス(予想だが病を流行らせたのはこの国の陰謀かも?)の気もする。
とにかく後半が楽しみで早く読みたい作品でした。(2年前の作品なのに、今頃ようやく読みましたw)

862ぺんぼー:2017/02/21(火) 21:30:24 ID:TW.kgnNQ
○RDG
和歌山が舞台かと思ったら奈良だったでござる
慧文学園=智弁学園ですね
内容的には微妙でした
男から見て魅力的な男のツンデレって難しいんですかなー
後、地味でした
シリーズものの第一巻だとしても
もう少しダイナミズムが欲しかったです

863まほろ:2017/02/23(木) 23:48:39 ID:slHMF61A
>RDG『レッドデータガールですよね)
アニメもいまいち盛り上がらなかったですよね。

864ぺんぼー:2017/02/24(金) 22:22:47 ID:TW.kgnNQ
アニメの情報を目にしていたので
図書館で借りてみたのですが地味でした
アニメのスタッフとか声優さんとか見てますと
良作そうなんですけどね

865ぺんぼー:2017/03/05(日) 07:02:56 ID:TW.kgnNQ
○RDG二巻
ちょっと面白くなってきました
空気枕ぶく先生の伝奇小説ぽくもあり
コバルト文庫な感じもします
鳳城学園はコドクですよなーおそらく
公式動画の第一話を見たおかげで
泉水子さんのセリフが早見さんの声で再生されて
声優さんってやっぱりすごい

866まほろ:2017/03/08(水) 21:58:23 ID:slHMF61A
◆ぺてん師と空気男と美少年
言わずもがな月刊ARIAで連載されて好評を博してる漫画の原作で有るシリーズ第2弾。
美少年が出てくるからボーイズラブ系?いやいや、全然違うんだなあ。主人公は何でも見えすぎて最早透視レベルの能力持ちの根暗な美少女。
彼女は有る事件をきっかけに美術部に巣くう、少年探偵団の6番目のメンバーと成り、「美観のマユミ」として色んな事件に挑むことになる・・つまり江戸川乱歩の「明智小五郎と少年探偵団」シリーズのパロディのコメディ小説。
全員美形なのだが、どっちかというと通り名に「美」が付くので美少年なんだろうなあと思う。団長が小学五年生なので「小五郎」w本名かどうか怪しいなあ。ライバルが犯罪集団「トゥエンティーズ」(20面相のパロだね)。
メンバーの通り名は「美学のコゴロウ」「美声のナガヒロ」「美術のソーサク」「美足のヒョータ」「美食のミチル」がいます。

さて今回の事件はライバル中学のカジノの秘密や裏を暴き、穏便に解決する事かな。まあ言葉遊びは面白いんだけど、事件そのものは物足りないかなあ。トリックとか推理とかを楽しむような内容じゃなくて、漫画のようなキャラたちの絡み合い掛け合い漫才を楽しむ者だから、こんなもんだろうなあって感じ。
クスクス笑えて、暇なときに楽しむのにぴったりですね。だから多くを期待しちゃ肩すかしを喰らいます。漫画やアニメにしたら面白いだろうなあ的な小説でした。
一言言いたい、ロリコンで生徒会長をいじめすぎだろw犯罪・違法ギャンブルより悪い事のように描かれていてそこが1番笑った。
あの「掟上今日子」さんも出るって言うから、その辺が楽しみです。

867スパイク ◆o3P2SVPdNQ:2017/03/12(日) 06:10:31 ID:mnKPaTjs
昔はクロスオーバーは大嫌いみたいな事を言われてましたが、今はそうでもないみたいですよね西尾先生

868スケB:2017/03/15(水) 11:57:38 ID:A4bpm/5M
*霊感少女は箱の中
ノロワレが地味すぎて打ち切られたせいか、初っ端から巫女と魔女っ子が出てきてフフッてなった。まあ、この2人ほとんど活躍しないんですけどね!
いままでは1巻だと設定説明ばかりの印象だったんだけど今回はちゃんと盛り上がり所もある。いや、むしろなかったいままでがおかしかったんだけど。
しかし虫おくり、幽霊マンションと続いてイジメの話多くない!? いや、いろいろエグくて楽しかったけども!!

869まほろ:2017/03/16(木) 22:30:43 ID:slHMF61A
◆風は青海を渡るのか?

「ウォーカロン」シリーズの三作目である。ウォーカロンとは危険な仕事をさせる為に人類が開発した人造人間である。
彼らが寄り人間に近づき見分けが付かなくなったため、主人公は識別システムの開発を政府に任される。
その事と関係あるのか、一部のウォーカロンに命を狙われることになる。裏で手を引く物は何者か?寿命を延ばす治療のせいで子供を産めなくなった人類はウォーカロンに取って代わられるのか?
主人公達の前に現れる伝説の天才「マガタ・シキ」博士らしき人の意図するところは何か?チベットを舞台にした冒険ありのミステリィ小説です。

3作目は前2作と比べると、ちょっと冒険小説としては大人しいかなって感じですが、着実にストーリーは進展はしてるのでまあまあ面白かったです。
この小説の不思議な感覚についてちょっと考えたら、英語の教科書だと気付きました。

A「これは二つのりんごですか?」B「はいそうです、二つのりんごです。」
A「美味しいりんごですか?」B「はい美味しいりんごです。」
A「その他に変わった所はありますか?」B「有ると思います」

こんな感じw

実に会話が淡泊で、そこが癖になりますね。実際日本語が通じない人と他国語で会話するとこんな感じになるのかなあ。慣れてくると味わい深いですね。外国人と言葉が通じるだけでも凄いことなんですよね。

あと主人公とボディガードのウグイさんの関係が好きだなあ。勝手な行動をするし世間ずれした主人公(博士)の世話をするウグイさんの苦労が良く分かって面白いです。危険な目に遭って貧乏くじですね。
謎がいっぱい残る終わり方でしたが、田中は「マガタ・シキ」博士と会っているのでは?って思わせる終わり方でしたね。
「すべてはFになる」では頭おかしいんじゃないかって思ったシキ博士(殺人犯)、この小説では神聖化しちゃって、変な物いっぱい作って、いったい何を考えているのやら、次巻に続くですね。

あと、主人公は真賀田四季の知り合いの子孫なのかな。

870まほろ:2017/04/20(木) 22:57:56 ID:05iCaUEY
◆鹿の王(下)
黒狼熱という一国を滅ぼした病が流行るのを防ごうとする主人公サイドとその病を利用して大国に復讐しようとする一族との戦いを描いた異世界ファンタジー。
とはいっても、主題は戦いの行方にあるのでは無く、病とは何か、生命とは何か、死とは何か、生命と生命の関わりを描いているとこが深いなあって思います。

結局の所、題名の「鹿の王」とは何だったか、さらっと読んだだけでは良く分かりませんでした。
自分なりに解釈すると「鹿の王」とは主人公の生き方であるのですが、主人公は自分を犠牲にして仲間(一族)を助ける者を「鹿の王」などと称えることには否定的で、それをやれる能力がある者がやるのは当然のことだと思ってる。
つまり、「鹿の王」は主人公の諦観めいた生き方に対する皮肉っぽいものと思ってるらしい。それでも自己犠牲の精神はすばらしい生き方だと思うけどね。たしかにその能力が無いと自己犠牲な生き方なんて上手くいかないけどね。

物語は「鹿の王」ではなく「キンマの犬(病気を体内に抱えてる犬)」を操る「犬の王」を巡って進むので、あれ、いつになったら「鹿の王」が真ん中に来るのだろうってずっと思いながら読んでました。
結局最後まで「俺が鹿の王だ!」って展開にはなりませんでしたけどw

感想としては人間関係が複雑で絡み合ってるところと、病気とは生命とは何か人間の体の中の混沌さを話し合い探究してるぶぶん、病気の誕生や感染経路、征服した者や征服された複数の一族の思惑の違いが大変面白かったです。
主人公が二人(3人以上かも)いて交互に話が進み最後に交わるところも、興奮して読みましたw主人公ヴァンが格好いいねえ。
あとこの作者、やたらユナって幼女を可愛く描くので「子供好き」なんだなあってひしひし伝わってきましたwそれにしてもユナちゃんはたくましすぎますね。

あと、やたら「眉根しかませる」とか「微苦笑する」とか何度も出てくるので、また使ってるって自分も微苦笑してました、ごめんなさい。
でも、作者によって文書に特徴が出るなあって、そういう発見も面白いです。

面白かったので、未読の人(こういうジャンル好きでまだ読んでない人っているのかなw)にお勧めです。

871まほろ:2017/04/30(日) 10:41:44 ID:05iCaUEY
◆押絵と旅する美少年

ご存じ美少年探偵団シリーズの第4弾である。今回は探偵団本部である美術室に巨大な羽子板が飾られていた。
そして犯人らしき”妖怪・座敷童”と遭遇する美観の眉美(主人公)。座敷童の正体と羽子板の謎を解き明かせって感じです(面白そうに書くとねw)。
面白くないのかと問われれば、それなりに面白かったけど、なんか手抜きというか、作者が片手間に書いた感じがするくらい、ライト・軽いOFライト・軽い小説でしたw

なんて言うか、羽子板・座敷童の事件が起こって、美術室でみんなで謎の検討、次の日再び集まって、考えてきた回答を披露する。そしてその場で事件解決!
ボリュームというか事件の展開がこれだけですよwいやロリコン生徒会長の婚約問題とか夏期合宿中断事件とか細々したサイドストーリーはありましたがね。

でも美少年探偵団シリーズが好きな人には大変楽しめると思います。おまけで、生足くんと主人公(女の子だよ)が絡む、陸上競技大会のショートショートもあるし、オチが秀逸で、自分も最後にニヤリとはしました(ラストが爽やかなのもいいね)。
そして、次回の合宿先があそこに決まりましたし。ファンは必読ですね。あと、星は天空にだけ有るわけじゃ無い、って発想も素晴らしい。
ただね、犯行方法には多少無理があって、強引で納得しかねる部分もありました(いつものことかなw)。

さて、次回の「パノラマ島美談」には掟上今日子さんが出るみたいなので早く読みたいです。
あと、巻末の西尾維新の作品群のCMの多さにはいつも笑って染まします。「物語」シリーズもいっぱい出てるなあ。
あ、本編で「ブギーポップ」(言葉だけ)が出てきましたね。よし、本当に出しましょうよw

872まほろ:2017/05/15(月) 22:22:04 ID:05iCaUEY
◆デボラ、眠っているのか?
Wシリーズ第4巻。人類に代わって危険な仕事に従事する人間そっくりなアンドロイド「ウォーカロン」がかなり浸透した世界。
主人公は人間と区別がつかなくなった「ウォーカロン」を判別する装置を開発していて、何者かに狙われるという話。

ただ今回は、個人を狙う展開からスケールアップして、人工知能(人間側)と人工知能(人類抹殺側)との戦いの話である。抹殺側はウォーカロンを操作して主人公達を狙う。主人公側もウォーカロン(少女)で対抗する感じである。
たまに工学用語やコンピュータ用語やビジネス用語が出てきて辞書引きながら読んでたのだが、如何にも森博嗣だなあって感じました。

いやあ、戦いが面白かった。戦闘では全く役に立たない主人公がひらめきと知能で危機を乗り越えたりするのが大変爽快感があって良かった。あと、ウグイ、ペイシェンス、アネバネ、サリノ(デボラ)の戦闘のプロ達が100人の修道僧との攻防戦も手に汗握る展開で良かった。
ヴォッシュ教授のアシストもグッド。いいチームワーク戦が読めて充実の一冊でした。
そして、最後の最後でウグイがデレルのは作者の趣味&読者サービスですかねwあのデレでウォーカロンが人間に取って代わるのが50年遅れましたね。

まだまだマガタ博士関連の謎が多く続きそうなシリーズである。

873まほろ:2017/05/19(金) 23:54:34 ID:05iCaUEY
◆パノラマ島美談

美少年探偵団'シリーズ第5巻、冬期合宿でこわ子先生の住む孤島を訪れた探偵団は島の5つの美術館でこわ子先生の描いた「隠された絵画」を見つける謎に挑む。
絵画と言いつつも一つも絵の具を使っていないのがチョット笑えました。ネタバレになるぁ良これ以上は掻けないけど、だいたい読んでる途中で「ああそういうタイプの絵か」って和かっっっちゃうぐらいの謎だったけど、
ラストのビニールハウスだけは、哲学的で奥が深くて残酷で読み応えが有りました。
ビニールハウスの外では生きられない生き物・・・。紙で作った一発芸の美術館は作り直さないんですねwいやあ無駄遣いのパノラマ島です。

おまけのショートストーリー「白髪美」は掟上今日子さんが登場します。今日子さんの推理は結局なんだったんだろう?って成りますが。やっぱりアレは「トエンティーズ」のルパン3世的な仕業だったのかな。
まあまあ、どの話も面白かったです。
ちなみに「アジャスト」とは「〜に合わせる」ッって意味だそうです。「パノラマ」というのは、遮蔽物のない見晴らしの良い風景または回転画という意味です。

息抜きにぴったりライトオブライト。次巻も楽しみですね。

874まほろ:2017/06/15(木) 19:09:37 ID:05iCaUEY
◆レディ・ヴィクトリア ロンドン日本人村事件

レディ・ヴィクトリアシリーズの3作目。今回は怪しい外国人主催でロンドン内に建てられた日本人村テーマパーク内で起こる殺人事件にヴィクトリアチームが挑む話です。

最初、日本人の侍がロンドンに来るまでの生い立ちを綴っていたので、この侍が今回の主役かなあって呼んでみると、途中からばったり出てこなくなりアレ?って思いましたが、なるほどあれがああなってああ繋がるのかあって、作者の構成力に感服しました。
久々に「建築探偵」シリーズの前中期の頃の濃厚な人間模様の話を読んだなあって感じです。無駄な登場キャラがいなくて、さすがです。この3作目が一番面白かったですね。それにしても「ブヒクロサン」って酷い名前ですね、気に入りました。
次回が楽しみです。篠田真由美さんはもっと評価されてもいい作家だと思います(やや耽美だけど)。NHKラジオとかでゲスト出演しないかなあ。そういえばこの間「魔女宅」の作者がインタビューされてたなあ。

とにかくこの3作目は「建築探偵」系が好きなら、おすすめです。

875まほろ:2017/06/22(木) 18:03:47 ID:05iCaUEY
◆シャーロックホームズの十字架

ホームズ遺伝子シリーズの第二弾。まさかこれがシリーズ化するとは思わなかった。

簡単に内容を説明すると、ホームズ遺伝子を持つ口のきけない妹とハリホタの様な容姿の兄の主人公が、不可能犯罪を解いていくミステリー。
敵はアメリカの経済界。ホームズ遺伝子(発想の天才)を持つ者を誘拐して、アメリカ経済のために酷使しようとするのを防ぐため、御子柴グループの御曹司が防衛チーム(主人公も含む)を率いて、アメリカよりも早くホームズ遺伝子保有者を保護しようとする物語です。

この小説の変わってるところが、アメリカの工作員が、講談社を使って難しいクイズを出題、いい解答をした者たちをイベントで誘い出し、そこで密室殺人事件などを起こし、ホームズ遺伝子を持つものを見つけようとする(遺伝子を持つものは不可能犯罪を見ると解きたくてたまらなくなるらしいw)。
その怪しいイベントを発見した御子柴グループは主人公と妹をそこへ送り込んで、誰よりも早く謎を解くことで、候補者のホームズ遺伝子を覚醒させないようにするという、変わったミステリーですw

今回は事件が3つあり、現場に行っては魁傑を回繰り返すので、少々マンネリな感じはしたが、面白いものを作ろうとする熱意は十分感じられたし、一気に読まないでインタバルを置いて読むのがいいかもしれないと思いました。
とはいえ、少々ぎこちなさは感じたが、キャラクターがそれなりに魅力的なので、3作目が出たらまた読みたいなとは思いました。
特に珍獣の妹の仕草が可愛らしく、メイド兼ボディガードの幸村さんもなかなか好きですね。主人公はまだ考え方が青臭くて好きになれないけどね。
でもでも、ラスト付近のバス事故問題の御子柴と主人公のエピソードは、なかなか良かったですね。

しかし、最後のトリックは豪快すぎて笑っちゃいました。アメリカはお金持ちだなあw

876ビックリバコ:2017/07/05(水) 22:37:57 ID:2Xu5fDAQ
ガガガ文庫から俺ガイルのコピー…もといオマージュ作品が出版されたと思ったら俺ガイル作者さんが絶賛してる……
まぁはまちだってはがないの後追いから始まったけど、はがないは完結したんだから俺ガイルも終わらせればいいのに。

877まほろ:2017/07/06(木) 00:54:50 ID:gVk8kjHE
◆私たちはいきているのか?

ウォーカロンシリーズの第五作。人間の代わりに危険な仕事に就くアンドロイド「ウォーカロン」が人間より増えて、人間と見分けがつかなくなった時代。
人間の方は、医療技術の進歩で不老不死に近くなった代わりに、子供ができない体になってしまう。一方「マガタ博士」が関わった人工知能やそのトランスファーが暗躍する時代に突入しようとしていた。
主人公は世界各地の施設や工場や遺跡を訪れ、そこで人間とウォーカロンの関係の研究や、そして人工知能やマガタ博士のコピー?などと出会い、トラブルに巻き込まれながらも、世界の変遷を感じてい一種の探検物語ともいえる。

今回は南アフリカの謎のウォーカロンだけの村に潜入して調査(博士の勝手な好奇心w)する話でした。主人公のハギリ博士は温厚でのんびり屋なのだが、トラブルメーカーだなあw
行く先々で、敵の罠にかかったり、テロに巻き込まれたり、護衛のウグイやアネバネを巻き込んで危機一髪な事件に遭遇しますねえ。
でも博士には新たな能力ともいえる、神の目神の手の「デボラ」がいるから、もう寺澤武一の「ゴクウ」もビックリ、電子世界の住民となった某少佐よりも便利で強いかもしれません。
いやあ、こういう展開になるとは思わなかった。実に面白い、少年漫画を読んでるみたいです。

護衛のウグイは頼りになる木の強い女性だが、だんだん柔らかくなって、いまやコメディ担当かな。もう一人の護衛アネバネは全身サイボーグっぽい(無口で何も話さないけど)。すごく頼りになるやつ。たまの会話がほえましい。
人工知能「デボラ」は頼もしすぎるが、人間に見切りをつけて、敵になる可能性もあるからちょっと怖い。その他わき役も味があってこのシリーズ最高です。

間口が広いけど、淡々とした文章に最初は戸惑う(文学的に飾りがない)かもしれないが、慣れれば心地よい癖になる文章でした。これからまだ二冊も出版予定なので、まだまだ楽しめそうです。

今回の肝は生命とは何か?生きてるってのは何か?アンドロイドや高度な機械も生きているのか・・・考えただけでも頭が痛くなるテーマでした。知性がなくても虫だってオケラだっていきてるもんねw

878ぐん:2017/07/06(木) 22:34:32 ID:dFQc5jgI
検索 bit.ly/2paTTNF 流出?

879まほろ:2017/07/20(木) 19:48:21 ID:gVk8kjHE
◆臨床真実士ユイカの倫理

嘘か本当かを相手の言葉を聞いただけで判断できる「障害」を持つ本田ユイカが閉じられた村「文渡村」の一族の嘘に挑むミステリーです。

面白いことは面白いのだけれど、何というか論理パズルを解いてる気分になりました。
殺人犯を見つけるだけでなく、文渡一族の複雑で隠された真実や謎の数式パズルまで暴いてしまうスーパーコンピュータ&うそ発見器の様な主人公。この隠された真実が「えーこんなの絶対分からないよー」って感じでした。

ただあまり好きになれなかったのが、主人公の口調かなあ。相手の会話に対して「否、絶対的に否」「諾、素晴らしく諾」ってこんな口調。冷たく偉そうなのがねえ。まあなれの問題だと思います。

もう一度言います「論理パズル」みたいな小説でした。次回作があったらまた読みたいとは思います。真犯人は多分(口封じ)殺されてはいないでしょうねw脅されて一生あれでしょうね。

880まほろ:2017/07/22(土) 23:36:11 ID:gVk8kjHE
訂正
臨床真実士ユイカの倫理→臨床真実士ユイカの論理

881winwin:2017/07/28(金) 00:43:13 ID:pBso1L.U
あんさんぶるスターズの腐男子になって日日日先生の小説を数冊読みました
日日日作品のキャラや台詞回しは西尾維新の影響なんだなと思いましたね
あんスタだと日日日はBL推し腐男子だけど、西尾維新はめだかボックスでも
ノマ推しでBLも百合もやらなかったんだよな

882スパイク ◆o3P2SVPdNQ:2017/07/29(土) 12:56:34 ID:mnKPaTjs
■盾の勇者の成り上がり外伝・槍の勇者のやり直し

とある事情から(一部を除き)女性が豚にしか見えなくなってしまったサイコパス・槍の勇者こと元康君が主人公の物語、盾の勇者の登場人物も勿論出てくるんだけど視点は元康君だから赤豚とかキール君とか女性キャラのほとんどが「ブー」「ブヒブヒ」という喋り方になっていてもうw

883多鎖:2017/07/29(土) 13:22:29 ID:fQFx7VA6
覚醒後の槍はヤバい……。
コミカライズではその段階に行くまで数年以上かかりそうなので、盾の漫画しか読んでない人が槍のコミカライズ読んだらポルナレフ不可避。

884スパイク ◆o3P2SVPdNQ:2017/07/29(土) 13:49:51 ID:mnKPaTjs
あっちもコミカライズされるそうですもんねー、でもホント色んな意味でどうするんだろうとw

885まほろ:2017/07/30(日) 17:16:25 ID:gVk8kjHE
◆少年Nのいない世界01
13匹の猫の首を切り取って、ビルの屋上から投げ捨て自分も飛び降りたクラスメートの呪い?の所為で、仲良し6人組の小学生達は巻き込まれて異世界へと飛ばされてしまった。
そして異世界で5年が過ぎた所から話は始まります。バラバラに飛ばさせた7人はそれぞれ違う星で違う人生を歩みます。ある日その7人の内の一人が、ほかの仲間を探し始めます。
そこで起こる色んないざこざや、事件や冒険、体験を描いた物語でした。

感想:意外に面白かったです。一人一人の苦労の人生が細かく結構リアルな感じで描かれていて、続きが気になりました。攫われて踊り子にされたり、自ら記憶を封印してエクストリームスポーツ選手に成ったり、広告会社のエージェントになったり、過酷な労働をさせられたり、行方不明になったり、様々です。
謎と言えば誘拐された12歳くらいの大人口調の少年と行方不明になったN君、ダラニエという悪党の存在、5年も経った今、二葉がなぜ急に仲間探しを始めたのか?って所でしょうか。あと猫殺しの張本人や文乃も行方不明ですね。謎が多い第一巻でした。
こんなに面白そうな物語とは本当に意外でした。題名で損してるような気もするw今までにない精霊も魔法も中世ファンタジーでも無い(星のよってはまだ中世的な文化の星はあるかも)、宇宙規模の異世界物語です。するする読めるので、気になったら読んでみそ。

886まほろ:2017/07/30(日) 21:02:44 ID:gVk8kjHE
調べたら「少年N」シリーズって結構有名なんですね。
「少年Nの長い長い旅」ってシリーズがあって、N君はそちらで活躍してるから
「少年N」以外が活躍する小説なので「少年Nのいない世界」なのかw
いつか一つにつながる物語なんでしょうね。

887まほろ:2017/08/15(火) 11:27:36 ID:gVk8kjHE
◆トイプー警察犬 メグレ
犯人臭をかぎ分けて、ずばり犯人を当ててしまう特殊能力持ちのトイプードルと訓練士早乙女が活躍する事件簿です。
はんにん
表紙が可愛らしいトイプーでほんわかコメディ系かなっと、自分には合わないなあと思って読んでみたら、いがいとハードでミステリーしてて、面白かったです。
いやあ、表紙で間違うされる系だなあ。主人公の早乙女がクールなブラックジャック系で、「メグレが犯人だと言ってるから間違いがない!」って頑固一点張りで、どんな完全犯罪でも、関係なく犯人が最初に分かっちゃうんで、笑っちゃいましたw
しかし、そこが既存のミステリーと違っていて面白かったですね。
続きがあるならぜひ読んでみたいです。まだ、殺された伝説の刑事の犯人がつじゃっまってないし。ただ表紙が可愛らしすぎて、女性向けみたいで読む人が限られるだろうなあw

888まほろ:2017/08/15(火) 11:51:40 ID:gVk8kjHE
◆先生、大事なものが盗まれました
凪の島を舞台にした、三つの特殊な高校の生徒たちが伝説の怪盗フェレスにかかわる謎に挑戦していくコミカルでホラーでなジュブナイル小説。
三つの高校とは「犯罪を発見する特殊な灯りを貰える灯台守高校・エリート官僚や探偵を育てる高校・特殊な能力を持った体に黒い痣を持った生徒が通う怪盗を育てる高校」である。

いやあ、清々しいほど現実に有り得ないファンタジーさに最初笑ってしまったwまあ夢があってこういうのもありかなって思って読み進めていたら、段々キャラクターに思い入れが出てきてはまってしまいましたw
特に、怪盗の高校の壁と壁に挟まって登場したおちゃめなコノミちゃんが好きだなあ。能力を使ったミステリー部分も意外と面白かった。
あとは、怪盗フェレスが嫌味にならない感じの無敵系なのもいいね。

ただ、「次元を盗む」てのは今一理解しにくく、今一楽しめなかったかなあ。

それにしても、探偵高校と怪盗高校の幼馴染チトセとシシマルはあまり役に立たないですねえw続巻があるみたいだからそこでは活躍するかな。集合写真の謎もまだ解いてないしね
漫画にすると結構面白いかもしれない、不思議な島の不思議で突飛な能力バトルもありなストーリーの小説でした。

889まほろ:2017/08/18(金) 21:06:50 ID:gVk8kjHE
◆少年Nの長い長い旅01
猫殺しの呪術?によって巻き沿いを食って「異世界」に飛ばされた6人の小学生の一人「五島野依」を主人公にした冒険ストーリー。
もう一つの異世界小説「少年Nのいない世界」の本篇。先に読むべきはこちらでしたねw

完全に小中学生向きのジュブナイル小説なんですが、心理描写が上手くて、大人が読んでも面白いです。異世界と言っても「剣と魔法と中世」の世界では無く、リアルな現実の延長と若干のSFが入ってます。実は〇〇規模の壮大な物語なんですけど、この一巻だけでは、古代文明に紛れ込んだ感じで、謎の高度文明人物「サット」さんが出るだけ、まさか〇〇規模になるとは思わないでしょうね。
冒険がリアルで、小中学生が読んだらショックを受けるのではないかと思うほど、古代都市に生きる人々の命がけの暮らしのかで、子供も簡単に死にます。それも結構むごい死に方です。ヒロインのバレエ少女も足に重りをつけられて湖に落とされます。
これが、あの「少年Nのいない世界」に続くのかと思うと感慨深いです。どっちも早く続きが読みたいかな。
テンプレの異世界ストーリーに飽きた人にはお勧めです。

890まほろ:2017/08/28(月) 03:01:09 ID:gVk8kjHE
◆青白く輝く月を見たか?

ウォーカロンシリーズの第六弾。危険な仕事を人間そっくりの人工生命体ウォーカロンにやらせるようになった世界。
いまやウォーカロンは人間より増えて、かつ見分けがつかない。主人公は人間とウォーカロンの区別をつける装置の研究をしているのだが、謎の組織命を狙われ始める。ってのが導入で、
6巻目となると、人は医療の発達により、長生きできる様になった代償に、子供が埋めなくなってしまった。このままでは人類は滅びてしまうのだが、主人公たちは色んな事件に巻き込まれ、その原因と解決方法ウィ知ることになる。
そして今回はあのマッドサイエンテスト「マガタシキ」博士(すべてはFになる参照)の依頼により北極海の海底に眠る核ミサイル搭載の潜水艦「青月」に搭載されている人工知能がおかしくなったのを、主人公ハギリ博士が何とかしようとする話です。

「マガタシキ」さんはまだあの「すべFの事件」で逃亡中だったのねん、ちょっと笑っちゃった(あの事件から何百年も経っていますから長生きにもほどがある)。そして一方では人類を導く神のような存在でもあります。

今回の話も面白かった。特にトランスファーと人工知能の対話(どっちもコンピュータだが、微妙に違う)、そして意志だけになったウォーカロンやら、ほんとごっちゃになりそうなのに良く書き分けるなあって感心しました。
そして、主人公とボディーガードのウグイさんとの掛け合い夫婦漫才もにやにゃして読みました。
描写は淡々としてるのに何このコーヒーみたいな深いコクのある内容は、ほんとこのシリーズは良い感じで成熟してるなあって思いました。(最初は単発で終わる内容かと思ったけどまだまだ続く)
早く次巻を読みたいです。

所で悲しいお知らせです。ウグイさんが出世してボディガードは解任、主人公から離れていきました。
もうほっこりツンデレ夫婦漫才が楽しめないのか・・・寂しいなあ。

891まほろ:2017/09/05(火) 01:35:08 ID:gVk8kjHE
◆D坂の美少年

別にBL物とか耽美物が好きで読んでるわけではない、あの西尾氏が美少年を題材にどんな物語を書くか興味本位で一巻を読んでんて、まあまあ面白かったので、
ズルズルと5巻目まで読んできたのだが、ちょっとマンネリ感を覚えてた自分はこの6巻も義務的に期待せずに読み始めた。
相変わらず表現が回りクドイなあ、言葉で遊んでるなあ、話が進まないなあって最初は感じてたけど、祭りにも終わりがあるように、楽しいバカ騒ぎにもいつか終わりが来る、そんな時間の流れを感じて、アレ?いつもと少し違うなあって感じてから面白くなりました。

副リーダーの生徒会長が卒業するので、自分の後継者を選挙で当選させようしたが、何者かの陰謀か?邪魔する対立勢力がいるのか?ただの勘違いか?といった内容です。
対立候補の目立たない存在の普通の生徒のはずの沃野君はイラストで見る限り、結構な美少年で全然普通代表じゃねえwそして何でリーダーは女装なのかwっていう腑に落ちない疑問はあるけれども、
一巻に続く面白い話でした。いつもこの位のミステリーだといいのに。
雪女は自演で学園側のスパイか?または電話してた友達が学園側の刺客か?髪飾中学の陰謀か?トゥエンティーズの仕業か?沃野の選挙妨害か?といかくミスリードが激しかったですねw

主人公はそれほどクズとは思わないけど、自分で自分の事をクズクズって言ってるので、不良ぶりたいのと同じでクズぶりたいのかな。果たしてクズの本懐は遂げられるのか?なんちゃって。
いやあ、急に次巻が楽しみになりましたよ。



892わんのねこ:2017/09/15(金) 20:41:08 ID:xa3xctJI
12月刊行予定の「半乳捕物帖」(花房観音‏)は、
永井豪、山田風太郎、岡本綺堂オマージュです。

この一文だけで買わざるえないよ

893ぺんぼー:2017/09/27(水) 05:56:49 ID:SqjS78/w
魔乳秘剣帖みたいなノリですかね

○サクラダリセット新装版第1巻
アニメにつられたニワカが衝動読書
出張中でヒマでもありましたし
ジョジョファンこの巻を読んだら、多くの方が村瀬さんに
「殺したなら使ってもいい」というツッコミを入れそう
アニメではこれほどのものだったとは伝わってきませんでしたが
ケイくんは菫さんの死にめっちゃダメージ受けてたのね

894まほろ:2017/09/28(木) 18:22:08 ID:gVk8kjHE
◆臨床真実士ユイカの論理 ABX殺人事件
ユイカシリーズの第二弾。今回は予告連続殺人事件の真実に挑むストーリー。
ABXとは何か、第一の殺人が血液型A型の被害者、第二の殺人が血液型B型の被害者だったので、血液型順に殺していくと思いきや、X型というのは無い、そこの謎が最後に明かされるって感じです。

相変わらず主人公ユイカの口調が「否、絶望的に否」「諾、素晴らしく諾。」みたいな言い方をするのが特徴。でも二冊目となるともう慣れた、だんだんその口調も愛着がわいてきました。
しかし天才少女と冴えない男性助手、そして大学の小難しい講義という構成は「神様のパズル」を思い出すなあw
「神様のパズル」シリーズといえば「量子コンピュータ」。時代の先取りですねw

話はそれましたが、このシリーズの小難しい講義は臨床心理学になるのかなあ。三角形のABX図式ってのは勉強になり結構面白かったです。
あと、ミステリー部分はパズル本とかにある「論理パズル」をややこしくした感じなので、謎解きファンには好き嫌いが分かれるかも。こういうミステリーもあっていいと自分は思いますが。
もうひとつ、二重三重のどんでん返しがややこしくて、理解するのが大変でした。そこも魅力の一つだと思います。第四の殺人はユイカちゃんちょっと非情だなあって自分も思いました。
第3弾があればやっぱり読んでみたいと思います。

895まほろ:2017/09/28(木) 18:44:49 ID:gVk8kjHE
◆ブギーポップ・アンチテーゼ オルタナティブ・エゴの乱逆
ご存知ブギーポップシリーズの第20弾。今回は統和機構の中の派閥同士の戦いに巻き込まれた織機綺(おりはたあや)と谷口正樹の危機を描いたストーリー。
もうこの辺になると「炎の魔女」「フォルテッシモ」「オキシジェン」「リセット」とか出ないで、第二世代?「マキシムG」「ミニマム」「メローイエロー」とかが活躍する話がメインになるのな。
もう少し言えば「九連内朱巳」とか「カチューシャ」とか今までわき役ちょい役として出てたのがメインキャラになってきてますね。まあ強すぎなく動かし安いんだろうなあ。炎の魔女とかフォルテッシモは無双すぎるもんなw

ブギーポップ自体もすでに「観念的存在」「神的存在」になっちゃって、動かしにくいんだろうなあ。正体は狐憑きの高校生なんだけどね。しかし、話は広がる一方で、いつ締めに入るのか、このまま永遠に終わらないのか(終わりがないのが終わりw)。どうすれば終わるのか読んでて気が遠くなるシリーズです。

今回の話は前半やや退屈で、後半はそれなりに楽しめました。特にブギーポップが久々に強敵と飄々と戦うところ。さすが主人公ですね。腐れ縁、これからも出れば読みたいと思います。

896まほろ:2017/09/28(木) 19:12:20 ID:gVk8kjHE
◆ブギーポップ・ダウトフル 不可抗力のラビット・ラン

ご存知ブギーポップシリーズの第21弾。今回は「統和機構」の九連内朱巳と正義の味方「炎の魔女」の助手の羽原健太郎の対決も対なストーリーです。
炎の魔女やブギーポップは出るんだけどあくまでわき役なのがみそ。まあ一応ラストでは活躍するんだけどね。
いいのかこんな脇道ストーリーばかりでって思うけど、多分書きたい主題みたいなのがあって、ちょうどいい役者を選んでるみたいな書き方で、このシリーズを終わらせる気はないんだろうなあw
漫画で言うと「火の鳥」みたいな感じか。終わりがないのが終わり(二度目)なシリーズですね。今回の主題は多分「迷い・ブレ」なんだろうなあ。

久々に「ラウンダバウト」が出てきたけど、どんな奴か忘れちゃったわw人物紹介みたいなのが欲しいなあ。
あと前作に続き、天狗の精神汚染キャラが暴走パターンだが、今回は戦いは炎の魔女、ブギーポップは世界の敵に説教って感じですが。
まあ、ほんの少しずつだけど物語は動いてるからこのシリーズは気長に付き合うしかないかなw
あ、釘斗博士も出てきたから,「しずる」さんシリーズファンにも必見ですな(うーんマニアック)。次の話で物語が大きく動いてくれることを望んでます。

897まほろ:2017/09/28(木) 19:47:09 ID:gVk8kjHE
◆螺旋のエンペロイダー スピン3
ご存知(いやあまり知られていないかも)エンペロイダーシリーズの第3弾。統和機構が超能力者(MPLS)ばかりを集めて鍛える塾(スクール)でおこる
「エンペロイダー」(皇帝みたいなものかな?まだ謎です)に関する騒動を描いたシリーズです。

主人公や雰囲気が「ペルソナ」っぽいのが特徴。といっても「ブギーポップ」外伝みたいな感じ。今回は「オキシジェン」「パール」「ジィド」「ホルニッセ」「マキシムG」「カチューシャ」「釘斗博士」「九連内朱巳」が出てきます(名前だけの人もいます)。
主人公の能力が螺旋+時間操作って所がなんとなく「ジョジョ」を思い起こさせます。そして陰の主役?流刃昻夕が実は〇〇王だったというオチ。いや〇〇王ってなんだっけ?他小説の主人公だっけ?忘れたよー。
今回の話のメインは主人公と母の対決なんだけどね。

あと、今回も他人を小馬鹿にする精神汚染キャラが暴走して大活躍します(またかよw)。ブギーポップが出てきそう。ブギーポップ以上に理屈が難解なストーリーに好き嫌いが分かれるだろうなあ。で、結局エンペロイダーって何なの?
まあ、宇宙からの侵略者に対抗するものって話なら主人公の名前からも「虚空」シリーズにつながる話なんだろうなあって分かります。
これも最後まで付き合いますから、ちゃんとまとめてくださいね(希望)。

898まほろ:2017/10/07(土) 04:35:43 ID:gVk8kjHE
◆螺旋のエンペロイダー スピン4

知る人しか知らないエンペロイダー(作者によると「皇帝もどき」という意味)シリーズ完結編。
統和機構という巨大組織によって超能力をもつ少年少女が集められた塾を中心にして起こるエンペロイダーに関する事件を描いた物語。
今回は完結編ということで、ブギーポップ・ロストメビウスでも出てきた「牙の痕」の地で何かが起こります。エンペロイダーが誰なのかも何となく答えも出ます。そして未来の人類の天敵となるあいつも出ます。
さらに枢機王が実は〇〇だった、という事実も。あとは、ブギーポップ最強の強化人間のあいつも。
さらに、最近よく出る九連内朱巳(フライディ)も。お前よく出るなあw作者のお気に入りかよ。将来の統和機構の中枢候補らしい。たしか「物知り眼鏡っこ」も中枢候補だよなあ。
前回に引き続きパールさんオキシジェンさんも健在です。さすが最終巻。

ただ、ビートやヴァルプルギスシリーズにもいえるけど、結局元のさやに戻るだけで、ツケはみんな未来に持って行って、物語が先へ進まないんだよなあw元の日常に戻ってお終いなのがなあ。
いや、少しは進んだけど、このペースだと作者が絶筆するまでに上遠野ワールドは終わらないよねwどこかで、一旦一区切りしてほしいよなあ。
ディアゴスティーニの何時までも終わらない配本を買っている気分だぜ。でも自分の気力の続く限りは出たら読みたいと思います。

内容は完結編にふさわしい激しい戦いでした。ただ、ブギーポップ初期のパンドラ辺りのジーンとくる感動ものも読んでみたいなあ。厨二哲学ぬきでもう少しわかりやすいものを。

899まほろ:2017/10/11(水) 19:59:48 ID:gVk8kjHE
◆少年Nの長い長い旅 02
知ってる人知ってる「少年N」シリーズの第二巻です。猫殺し13キップ(JRの青春18切符みたいw)の呪い?の所為で異世界へ飛ばされた7人の小学生のうち少年N(野依)に焦点を当てた冒険ジュブナイル小説です。
もう一つのシリーズ「少年Nのいない世界」ですでにネタバレ読んじゃったから、文化レベルが古代世界の星に飛ばされた野依が実は〇〇規模の冒険に出る事になっても大体予想できたw
アニメに例えるなら「ID-0」っぽい雰囲気(雰囲気だけです)かな。でもこういう展開になるとは予想してなかったけどね。
いやあ、ネタバレ読んでいても、面白い!。十代前半向けなので、文字が大きくするする読めるのも爽快感に繋がったのかもしれない。少年Nを助けてくれる大人たちがみんな魅力的で仕事には厳しいがその他は優しいのが良い。読んでいて心地よい。
そして、十代向けだと舐めていると、心理描写の絶妙さにドキッとします。文章が上手い。
ただね、コアラの被り物で顔を隠している船員が出てきたときは、少年少女向けにサービスかなwって苦笑いしました。コアラくん(シーアール)には顔を観られたくない秘密がありそうだ。
主人公は連れ去られた嫁さんを探しに仲間と旅立つのだが、もう一つのシリーズでまだ出会ってないところを見ると、本当に長い長い旅になりそうだなあって感じですね。

題名で損してる部分があるから、中世異世界転生ものに飽きたら人におすすめです。この人の他のシリーズ「お面屋たまよし」「死神うどんカフェ1号店」も読んでみたくなりました。
もう3巻目も出てるらしいので、ぜひ読みたいですね。

900まほろ:2017/10/17(火) 22:55:00 ID:gVk8kjHE
◆少年Nのいない世界02
猫殺しの呪い?によって異世界に飛ばされた7人の小学生。異世界で生活を初めて17歳になった少年少女たち、彼らのその後を綴ったビタースイートな物語。

やばいね、このシリーズ面白いわ。世界名作劇場の異世界版を読んでるかのようです。それぞれに違った物語があり、それぞれに苦労してきた過去があり、凄くしっくりとくるほろ苦いストーリーでした。
異世界に慣れるため苦悩してある程度の安定した生活を築き上げたアーミーは、逆に小学の同級生と再会して、今の少し居心地のいい生活に別れを告げることを恐れる。工場エリアに飛ばされたアーヤは過酷な工場の労働から逃げるため体を売ってお金を貯める。
うーんビターだね。
その他の3人は結構恵まれた感じの成功と生活を手に入れていて、他の行方不明の同級生を探しているって感じだな。少年N(野依)はまだあいつらと一緒なのだろうかとか、猫殺しの和久田はどうなったのか、アーヤが連れて来られた研究機関は何なのか?二葉の<あの人>の正体とは?
未だ色々と謎を残しつつ次巻へ続くって感じでした。早く続きが読みたいですね。

で、一番メインで感動したところはやっぱりいじめ問題やドムド建設と食堂の仲間との別れかな。ちょっとジーンときましたね。でもその後の歩巳の気持ちの切り替えの早さはリアルで、リアルだなあって感心しました。安っぽい感動小説なら何時迄も過去を引きずるけど、きれいさっぱりだもんなあw
しかしいつか再会しそうですね。果たして元の世界に戻れるのか?その時戻りたがるのか?って所も興味津々ですね。

901ぺんぼー:2017/10/20(金) 07:55:17 ID:SqjS78/w
サクラダリセット読了
やばい、アニメの内容けっこう細かいところ忘れてたwwww

それにしても浦地さん、なかなかムカつかせてくれて、いいラスボスですね

ケイは、浦地さんと自分が
どちらが正義でどちらが悪、というわけではない
というようなことを独白してますが
自分的には浦地さんはとても横暴だわー
のでケイが勝ったときには凄くスッキリしました

しかし、この作品は構成がかなり図抜けている

気になるのは「。」と「けれど」の多用がくどい、というところですが
まあ完全に自分の個人的好みの問題

902まほろ:2017/10/23(月) 17:55:45 ID:gVk8kjHE
◆ベイビー、グッドモーニング
「サクラダリセット」で有名な作者の短編連作小説。可愛い死神が月に4個の魂ノルマ達成のため、死期の近い4人の主人公の人生にかかわる4つ物語です。

読み終えて、鈴木光司氏の「仄暗い水の底から」(映画の影響でみんなホラー小説だと思っているようですが、実は短編集で・・)と同じような感動がありました。うまく4つの物語が繋がっていてエピローグでさわやかな感動があるって感じでした。
文章に関しては読みやすくスッと感情が頭に入ってきて、「サクラダ」から少し上手くなってる気がしました。初期の上遠野浩二作品(ブギーポップとかブギーポップとか・・)みたいの透明感も感じました。
そうですねぇ一番印象に残ってるシーンは「馬鹿みたいで夢みたいな何かを一つ、最後まで諦めないでいることに決めたんです」から「馬鹿みたいで、夢みたいな何かを一つ、諦めないで死にたいだけだ。までのヘリコプター内のハラダとヒカリの会話ですね。

ゲームシナリオライターって聞いたから、ゲーム的な表現の文章だったらいやだなあって思ってたけれど、結構好きな文章を書くので、これから「階段島シリーズ」とか「北野坂探偵舎シリーズ」とかにも手を出してみようかと思いました(何時になるかは未定っす)。

903まほろ:2017/10/27(金) 01:14:26 ID:gVk8kjHE
◆トイプー警察犬メグレ 神隠しと消えた殺意の謎

知らない人は全く知らない、トイプー警察犬シリーズ第二弾。いやあ、これが本当にシリーズになってるとはちょっと意外でした。
でももうこのちょっと変わったミステリーにも慣れて、親しみが湧いて来ました。

内容は、犯罪のにおい「犯罪臭気」をかぎ分け、犯人の前に来ると尻尾を激しく振るトイプードル警察犬メグレと不愛想な訓練士早乙女が、事件の解決のきっかけを作るって感じの話です。
すぐに犯人が分かっちゃうところは、「刑事コロンボ」的な事件解決方法に似てます。ただ、捜査や証拠集めとかは、自分たちでやらないで警察に丸投げするところが面白いというか無責任というか、このシリーズの特徴ですね。
そのうえ、完全解決まではいかず、逮捕をにおわせて終わるところがこれまた特徴です(その後どうなったかは読者の想像に任せるって感じですね)。

ただ、一巻に続き、犯人が警察関係者って(今回は真の犯人では無かったけど)警察終わるぞwしょうがない事情はあるんですがね。ボリュームが短編と長編の間ぐらいで、「え?もう終わり」って位スルスル短時間で読めました。
文章も小気味良く、構成も途中で読み終えるのがもったいない位上手いと思います。この人の長編推理小説を読んでみたいなあって思いました。

出てくるキャラクターも自然な感じだけど、性格付けが上手くて映像が思い浮かぶくらいでした。「トイプー」シリーズ、出るならまた読みたいと思います。

後、あの父親はコートを間違えて持って帰ったと言ってましたが、多分高級ブランドだったので、盗んだのでは?(苦笑い)wまあそれは誘拐事件とは別の話。

904まほろ:2017/11/05(日) 01:51:16 ID:gVk8kjHE
◆おそれミミズク あるいは彼岸の渡し綱

ゲームシナリオライターが描いたホラーって事で、アドベンチャーゲームっぽい文章を書くのかなと心配したが結構文学的な面白い文体で安心した。
とはいうものの、出だしはやたら使い慣れてないなって感じさせる文飾を使ってる感じがして、ちょっと戸惑ったけど。

と言いたいことを書いたので、後は誉めます、誉めちぎりますよw

内容は両親を失って田舎に引き取られた主人公が、ある事情で暗い牢に閉じ込められている手足の不自由な少女と会い、彼女の友達となるべく彼女の好きな怖い話を毎週聞かせるが、ある日、田舎にやってきた怪しいおじさんと出会い、運命が思いもかけない方へ急転するというストーリーです。
まず、体の不自由な少女が屋敷の奥の暗闇に閉じ込められてるが、彼女は何も苦痛を感じていないという時点で、何なんだこれ?って思いました。そして、このことは秘密に、他人に漏らしたら取り返しのつかないことになるぞと脅される。その上、毎週必ずきて怖い話を彼女に聞かせろといわれ、10年間もそのことが続いてる、やめたくても辞められないって所がまた何なんだこれ?って疑問だらけの導入部。すぐ話に引き込まれましたね。
じわじわ来る田舎の閉鎖的な恐怖、そして章の合間に挟まれる、意味不明なあの世の者たちと思われる物語。実に不思議で独創的な物語、化け物達のネーミングも「かうけう」「とのとと」など、天才的なクリエイターだなあって感じました。
自分独自の世界観を構築でき、かつ読者に納得させる文章力がある作者だとも感じました。

もしかしたらホラーの傑作と出会ってしまったかも?って思いました。「京極堂」や「リング」とかに出会った時と同じような衝撃ですね。
この人のゲームを一回やってみたいなって思わせるほどです。

それで、この話は一巻で完結できないんじゃッて思ってたら、まとめるのも上手いです。読後感もホラーなのに爽やか、これは凄いと久々に思いましたね。思わね掘り出し物でした。

ただ疑問が一つ、お母さんが死んだ日エレベーターでみた赤鬼は何だったんでしょうか。恐怖する脳が作った幻影なのかな。続編?うーん続編を作って欲しいような、このまま完結したほうが綺麗のような。作品がチープになりそうで微妙ですね。

面白い怖い小説が読みたい人におすすめです!いやあ読んでよかった。

905まほろ:2017/11/12(日) 23:45:18 ID:gVk8kjHE
◆少年Nの長い長い旅03
知ってる人知っている少年Nシリーズの3巻目。<猫殺し13キップ>の儀式によって異世界にバラバラに飛ばされた7人の小学生。そのうち一人に視点を絞ったSF冒険物語です。
今回は主人公が2年間この世界で暮らして仕事にも環境にも慣れたころから始まります。行方不明の音色を探して宇宙に飛び出して新たな仲間とともに宇宙を旅してる途中、思いがけないトラブルに遭い、思いがけない人物と出会うストーリーです。

もう3巻目となると文体に慣れて来たのかスラスラ内容が入ってきて、暇なときに読むスタイルでも、約二日で読めちゃいました。一、二巻目の衝撃や意外性は感じなかったものの、それでもやはり面白かったですね。特にある知り合いとの出会いと別れのシーンの「え?そうなるの?」という衝撃と感慨(やっぱりそれなりの衝撃はありました)が凄かったです。
確かに、ああいう別れは後味が悪いですね。そして、謎の誘拐&強奪組織。謎の施設の存在。船長(店長)の過去と旧友に何があって、何を決意しようとしてるのか?
なぜ物語の発端の張本人はあんなに他人に壁を作って、殻に閉じこもっているのか?喫茶店で合っていた女性との関係は?色んな謎を伸したまま4巻へ続きます。

読みやすいので、読書になれてない人にもおすすめですね。しかし完結まで何巻かかるのかな(題名が長い長いとかつけてるしw)。

906まほろ:2017/11/17(金) 03:32:45 ID:gVk8kjHE
◆いなくなれ、群青
一部で結構有名らしい「階段島」シリーズの第一弾。主人公が意識を失い次に目覚めたら2000人が暮らす「階段島」にいた。帰ろうとしても「失くしたものを見つけるまで帰れない」ルールらしい。なぜここにいるのか、ここはいったい何の島なのか。
そして、ある日旧友の少女もこの島で目覚め、主人公と出会い、物語は動き出すといった物語です。

はっきり言います。あまり面白くなかったです。独語の満足感が得られないというか、推理物でも冒険ものでもなく、センチメンタルで胡乱なポエムって感じで、肩透かしを食らったからかなあ。満足度で言えば4,5点(10点満点)くらい。でも設定やアイデアの発想はなかなかでした。
感情豊かな10代の思春期に読めば、また違った面白さや感じるところもある気がします。感想など見ると大学生で結構読まれて高評価な人が多いみたいで、やっぱり10代の内に読むべき小説なのかもしれませんね。

と悪い点ばかり書きましたが、行間を読む、かなり何かを含んだ文章だったので、何度も読めばまた違った良さが分かるような気もします。これがシリーズになってるって事はまだ自分の理解が足りないのかもしれません。
機会があったら続編も読んでみたいと思います。

夢を観る時、記憶は整理され、いらない記憶は捨てられるという人間の生理現象がヒントになってる気がしますね。そこからこういう物語を作るところに感心しました。
主人公がやけにヒロインに冷たいそっけないドライなのも、捨てられた感情で・・(ネタバレ)・・なるほどねえ。
現実の世界で二人の間でなにがあったのか、子供の家庭で何があったのか、その問題は解決するのか、2巻目以降で分かるのかもしれないので、やっぱり読もうかな(二転三転)。
今の所、自分の中では自分が迷う意味での迷作ですが、続きを読むことによって名作のなることを期待します。

それから「いなくなれ、群青」という題名の意味が分からなかったなあ。某漫画「orange」という題名と同じくらいに、あやふやにしか分かってませんw本の中では群青とはピストルスターが照らす夜空の色?の事かなあ。いやあこの小説、考察好きにはたまらないかも。
最後に心に残ったフレーズ「極端な楽観主義と諦観は似ている」・・そうかもしれないし、そうじゃないかもしれません。良く分からないや、でもまあいいじゃん(上遠野さんごめんなさい)。ブギーポップ辺りが言いそうなセリフですねw

907まほろ:2017/11/26(日) 17:00:53 ID:gVk8kjHE
◆未来恐慌
これは思ったより怖い小説でした。これを読むと「人類は滅ぶしかねえ」って悲観主義になっちゃうかも。

ストーリーはウェブ万博に出展予定の「人類の未来」において、未来学の学者がスパコンでシミュレーションしたら、どんな好条件を与えても人類の文明の崩壊につながるという結果が出たが、スポンサー企業は無理矢理にでも「明るい未来」にしようとして、その結果を無視する。
ある日、急激な株価下落が始まって、その結果、人類文明は崩壊へと向かう。何とか食い止めようともがく主人公達って内容です。

いやあ、怖面白い。この人の書く小説は、専門用語や専門知識が無いと良く分からないのが特徴。今回は株についての知識が必要だったし、ペンディングとか会社用語?が飛び交って、辞書で調べながら読みました。しかし、調べなくても何度も読み返せば何となくわかるので気にはなりませんでしたが。
小松左京の「日本沈没」に影響されたらしく、人類の危機を描いたらしく、まさにその深刻さが伝わってきましたわ。
こういうのをアニメで膨らませてやって欲しいなあ。

あと、この本を読むと、日本の自給率はこのままで大丈夫なのか、日本の借金は大丈夫なのか、コンピューター任せの経済システムでいいのか?政府は肝心な事は隠して目を背けて、いい事ばっかりのように国民に伝えているのでは?って色々妄想が頭の中をよぎりますw
お化け心霊現象やサイコパスとかじゃなく、人間の本質に迫るホラーともいえますね。いやーおもしろかった。ただ、「田舎の素朴な生活に帰れ」ってのはちょっと安易ではないかなってもおもいました。

908まほろ:2017/12/04(月) 02:01:35 ID:gVk8kjHE
◆ウォーター&ビスケットのテーマ1 <コンビニを巡る戦争>

簡単に言えば、異世界なのか架空現実なのか分からないゲームのような世界<架見崎町>に迷い込んだ主人公達が、同じ巻き込まれた人間同士で能力を使って陣取り合戦をする物語です。
もちろん痛みを伴って死にますが、死んでも現実世界に戻るだけで、合戦範囲も街の中だけ、全領土を我が物にすれば勝利で好きなものを何でも一つ貰える。
細かいルールが多くて、全部書くととてつもない量になるので書けませんが、結構複雑で分かりにくく、ルールに穴がありそうです。大体の人は「チーム」を組んで戦います。
主人公は弱国のチームの一員となって、隣国と戦う事になります。そして、参加者は主催者に何らかの理由(主人公はいい事をした功績が認められて)で選ばれた者らしいです。

さて、感想ですが、いかにも架空現実バトルロイヤルTVゲームっぽくて、自分の嫌いなジャンル感じで、感動も心に残るものも得るもの無いですが、ゲーム実況を眺めてる感覚で読めばそれなりに面白かったです。
臆病で頭が切れる主人公を活躍させて凄い奴に見せかけるために、都合の良い設定を作った感じがして、少しわざとらしいと感じますが、別の意味でよくこういう細かいゲーム設定を作れるなあってゲームクリエイターとしては凄いと感心しました。

でも、殺し合いが嫌なら、さっさと負けるのが良いんじゃない?ってどこか冷めて読んじゃいますね。ただ、死んだら元の世界でまた暮らせるというのが嘘だと疑うなら、簡単には死ねませんし、死ぬのはやっぱり怖いでしょう。だから、真剣にバトルロイヤルをするってのなら分かりますけど。
やたら、人生哲学(厨二哲学かな)っぽいのが出てくるのはやっぱり「ブギーポップ」っぽいです。
まだ、一巻目なので、主人公の戦いが始まったばかり、これからどうなっていくのか、この世界が一体何のためにあるのか、主催者の正体は?友の裏切りは?弱小チームの行方は?
一巻目はまだ何もわからいまま唐突に終わりましたので、もやもやするので、機会があったら二巻目も読みたいと思います(TVゲームのような小説はあまり好きではないけど)。

909まほろ:2017/12/07(木) 23:21:56 ID:gVk8kjHE
◆製造人間は頭が固い

知る人ぞ知るブギーポップで有名な「統和機構」の一員<製造人間>と呼ばれてるムビョウと気まぐれ?で助けた少年ヒノオを巡るトラブル&哲学めいた話です。
ブギーポップと言えば、電撃文庫。しかしこれは早川文庫。早川文庫と言えば「グインサーガ」とかが有名。あと、「正解するカド」や「ID-0」も早川文庫だった(驚)。
だから、ブギーポップよりちょっと上の年齢向けな感じがしました。

もう少し内容を説明すると、ムビョウさんは、普通の人を合成人間にする液体を作ることができる能力があり、反組織や彼を妬むライバルたちが攫ったり襲ったりする対象となっているが、本人はどこ吹く風といった風に無関心。一方、助けた少年も合成人間液を注射したにもかかわらず、何の変化も見せず<無能人間>と呼ばれてムビョウさんと一緒に暮らしている。そこへ双極人間(リミット・リセット)や最強人間(最強さんといえばあの人)や奇跡人間や交換人間が彼らと対立するって感じですね。
はっきりいって、主役のムビョウさんはめんどくさい性格ですねw

感想・最近のブギーポップシリーズよりは面白かったです。また、独特の上遠野哲学も、今回はなかなかに、自分の思うところとマッチしていて、実に共感できるものが多かったですね。しかし、交換人間はちょっと気に入らなかったですね。もう能力が悪魔じゃないですか、倒しようがないじゃないですか、やっぱり高能力にはそれなりのハイリスクや弱点があって欲しいものです。結局最後まで読んでも、何も引かない何も足さない哲学っぽい言葉の応酬でほとんど状況が変わらないじゃ、超スローペースのスポーツ漫画とかを読んでるみたいで、終わりが見えなくて読んだ甲斐があまり感じられないですね。
まあ、上遠野哲学を披露するために、合成人間たちは役者(スターシステム的な)として存在すると思えば少しは納得しますが。

厨二っぽい哲学や理屈っぽいのが好きまたは霧間誠一(霧間凪さんの父)語録のファンならお勧めします。何度も書きますが、自分はそれなりに面白かったです。

910まほろ:2017/12/14(木) 01:19:01 ID:gVk8kjHE
◆パンゲアの零兆遊戯

サーカム財団が主催する「パンゲアゲーム」のプレイヤーはみんな未来を見通す能力者ばかり。その一人「宇多方玲唯」が他のプレイヤーにより引退そして何者かに殺害されてしまった。
彼女を信奉していた主人公「生瀬亜季」は復讐のため、伝説のプレイヤー「零元東夷」を連れてきてプレイヤー達と戦わせる。勝てば巨万の富を築くことができる「パンゲアゲーム」のプレイヤー達と「零元東夷」の駆け引きは意外な展開を見せて、主人公をも巻き込んでいく、という話です。

「ブギーポップ」または「統和機構」に関係ない新ジャンル話キターって喜んだんだけど、これ「みなもと雫」とか「サーカム財団」とか出てくるんで、「ペイパーカット」シリーズに繋がってるし、「しずるさん」「釘斗博士」にも繋がり、結局「ブギーポップ」の世界と繋がってるんだね(上遠野ワールド)w
ほんと、この人の小説を読むと心が荒むわーwまあ好きで読んでるからいいんだけど、言う事書いてる事が極端で厳しいんだよね。今回の主人公達も刺々しい性格で、勝負強くてその点ではカッコいいんだけど、絶対友達になれない、なりたくないなあ、なったとしても厳しい事ばかり言われて指摘されて、へこむし楽しくないだろうなアって感じですね。

上遠野哲学もいつもより全開で、辛辣で、なかなかに難解で極端で、一回読んだぐらいでは自分には理解不能で、何回も読まないと本当の意味はつかめない感じですね。でも最近のブギーポップシリーズよりは面白かったです。
「みなもと雫」ってペイパーカットに殺されたんだっけ?(忘れたw)。相手の弱点を突く「零元東夷」が「ペイパーカット」じゃないかなあって思ったけど、どうなんでしょうかね。初代「零元東夷」も「ペイパーカット」に殺されてたりしてね。
あと、「パンゲアゲーム」ってジェンガみたいなゲームって書いてあったけど、簡易版で777このピースを使うって事は一個一個のピースはかなり小さいんじゃないか、またはかなり積み木の塔は巨大なものになるんじゃ。架空のゲームだからもう少し具体的なイラストや表現が欲しかったかな。

自分は一回しか読まなかったけど、霧間誠一語録(上遠野哲学)ファンの人は何回も読んで意味をつかんでみてはいかが。

911まほろ:2017/12/18(月) 23:55:56 ID:gVk8kjHE
◆美少年椅子

美少年探偵シリーズ第7巻。ひょんなことから生徒会長になってしまった自称クズの主人公「瞳島眉美」の苦悩を面白おかくしく描いた、一応「日常の謎」を解くミステリー。

まず、美少年とついてるが、作者は男で耽美や腐向けとはちょっと違う破天荒コメディである事を断っておきます。広義で見れば耽美ものかもなあ。
次にラノベの重鎮が描いた作品の中でもライトオブライト、スナック菓子よりも軽い作品だと思います。漫画を読んでるかのようです。作者もさらっと書いてる感じで、あまり心に残らない代わりに御大層な哲学や難解なストーリーに悩まされなくてもいい、ティータイムのような作品ですねw
それでも、考える部分はあるかもしれませんが。

で、今回の主題テーマは「勉強は何のためするの?何の役に立つの?」かと思います。小中学生にとって、単純で奥が深い(のか?)疑問かと思います。一応この本の中で答えは出てるので気になった人はぜひ読んでくださいw

まあ、この作品どこまでがおふざけなのか、真面目なのかの境界線があやふやで、適当に距離を置いて生温かい目で読まないと、真面目な人は本を放り投げるかも知れませんね。他校へ生徒会長がバニー姿で訪問したり、副生徒会長がコスプレ好きの変身願望の強い人だったり、ライバル校の生徒会長がエリートヤクザや軍事産業みたいなマネをしていたり(みんな中学生ですw)。
そういうのを笑って許せるのなら、まあまあ面白いですよ。美少年探偵団のメンバーもリーダーが小学五年生(爽やかな変人)で、副リーダー(ロリコン先輩)が中学3年生。メンバーの中に料理の上手い常識人の皮肉屋の喧嘩番長や無口の経営と美術の天才くんや口の悪い冬でも半ズボンの陸上のエースがいたり、個性的で慣れれば面白いです。

今回新しい敵組織「胎教委員会」というのが出てきました(今回話が進んだのはこれだけ、後は言葉遊びとおふざけw)。次巻で対決するそうですが、期待せず待ってますw
アニメにしやすそうな、アニメ監督がいじり易そうなラノベです。たぶんそのうち・・。

912まほろ:2017/12/23(土) 12:02:12 ID:gVk8kjHE
◆イヴルズ・ゲート 睡蓮のまどろむ館

イヴルズゲートシリーズ第一巻。角川ホラー文庫。イヴルズとは、多分EVIL(イヴル:悪魔・邪悪な)から来ていると思われます。つまり、邪悪な扉ってことですね。

物語は霊感や学識のある4人の男女が、謎の超心理学者に招待され、非業の死を遂げたエジプト学者の建てた奇妙な家「埃及屋敷」と呼ばれる幽霊屋敷に集まるところから始まります。そしてこの屋敷の怪奇現象を解明するため実験をするのですが、そこには邪悪な者の陰謀が蠢いていたという内容です。
4人の男女は「飼い犬を連れたエジプト考古学者」「元サイコメトリー心霊少女で訳ありの女性」「元サイコメトリー少女で今はお金持ちの女性」「ワイルドで女たらしの比較宗教学者」で、その他にも館の食事係やメイドも出ますが、主な登場人物は10人足らずと少ないです。
あと、設定として面白いのは、この舞台となる日本は1999年から始まる大災害(地震や原子力発電所のメルトダウンなど)で首都東京が壊滅して本州は放射能汚染と無政府状態で治安が悪く、北海道が首都となり、日本人は外国か北海道か九州に避難・移住しているという所ですね。怖い設定ですね。

さて感想ですが、この作者の書く物語は相変わらず、どろどろした恐怖、人の嫌な部分を描くのが上手く、そして序盤に何気なく提示される一筋の希望(ココが怖いだけの物語ではなく何かヒーロー的なカタルシスを期待)がそれによって際立つという実に上手い構成だなあと感心させられた。表現も独特で熟達していていつも感心させられます。
そして、久々の建築関係の専門知識、あの「建築探偵」シリーズを思い出しますね。そういえば、桜井恭介や栗山深春っぽい人がいますねw少し「龍の黙示録」のセバスティアーノが混じっていそうですがwまた飼い犬「アヌビス」が霊障に強そうで頼もしい。そいうえば、本に掲載されている広告に「バチカン奇跡調査官」ってのがありましたが、まさにそれっぽいです。ただし、相手にするのは奇跡ではなく邪悪なものですけどね。

いやー怖かった、怖かったけど読まずにはいられない面白さがあって、最後まで一気読みさせられましたね。一番心理描写の多い(多分この話の主役)が段々闇に落ちて、館に取り込まれるところが怖かったですね。でも真の主人公が何とかしてくれる!って期待しながら読んでいたので、ワクワクが止まりませんでした。結果的にやや後味の悪いものになりましたが、悪い事をした人には相当の罰が下ったという事でしょうか。ヒーローも万能ではないって所でしょうか。
そういえば「黒い聖母」の活躍が見れなかったのが残念。だが次巻以降の隠し玉っぽくて期待できます。まだまだ、サイキックな人達が出てきそうです。次巻もぜひ読んでみたいと思います。最後に、こんな某「双亡亭」みたいな屋敷で毎日食事係をしていた多和田さん、あんたが一番心臓が強い、よく憑りつかれなかったねw

913めんたい:2018/01/02(火) 16:29:27 ID:gVk8kjHE
◆僕らの映画のつくりかた

映画関係の仕事に就きたい浪人生の主人公(女性)が、地元の映画製作サークルに入会して、四苦八苦しながらも映画製作を体験していく物語です。
感想から言うと、すごく面白かったです。映画製作って大変だなあって時感じさせてもらうと同時に、みんなで一つの物を作る面白さがたまらない小説でした。

まずお金、製作費100万円を稼ぐために、夜の仕事についたり、居酒屋のバイトをしたり、そして自主制作映画のテーマのためにもめて、テーマが決まったらシナリオ作成やロケハン、最初は6人しかいないので一人一人の仕事量が半端ないw
制作期限は約半年後、最初の内は余裕があったが、段々スケジュールが遅れて最後はボロボロになってまで働く目に。どれだけ頑張っても趣味なので、それによる収入はないし、将来に繋がるのかもわからない、休日もなくなり毎日(人生が)が映画製作のためにあるって感じになる。
とうとう、テーマが難しい「自分とは何か」という哲学という事もあって、ノイローゼになり離脱者も。
そして穴埋めとして主人公は助監督という雑用係に任命され、監督と製作スタッフの意見の食い違いなどの板挟みに。そして、カチンコや記録や編集やホームページ作成やで、製作費不足のため貯金も降ろすはめになり、受験勉強どころではなくなり、何のため映画製作してるのか分からなくなり、ノイローゼ気味に。

いやあ、主人公が貧乏くじすぎて、可哀想でしたw監督の我がままの所為でいつも最後まで作業居残りで体ボロボロ。

でも、昔の仲間や双子の女優の加入で、閉塞感が和らいだので、読んでる方もホッとしました。映画を作るには人手が足りな過ぎるんですねw
そんなこんなで、映画完成した時は、感情移入しすぎてで架空の話なのに、嬉しくなりましたねwいやあ、面白い小説でした。映画の作り方も大まかではあるけどなんとなく勉強になりましたね。

そしてもう一つ語っておきたいことは、「哲学」についてですか。この本を読むと色んな哲学者の名前が出てきて、いろんな考えが紹介されてます。作る映画のテーマ「自分とは何か」はキングオブリドル(謎々の王)って本当に言われてるのか知りませんが、
そんなのを考えて悩むより他人との関わりを考えろっていうのがなかなかに痛快でした。
自主映画のコンテストに出品した後の続きを読みたいけど、これで完結のらしく残念。こういうお仕事などを丁寧に面白く描いた小説は好きです。

914とんたく:2018/01/08(月) 21:49:57 ID:gVk8kjHE
◆神様が殺してくれる

外国での連続殺人事件と同部屋だった美青年を追うインターポールの主人公のサイコサスペンスミステリー。
日本人作者が外国人主人公を使って外国を舞台に描いたミステリーは篠田 真由美女史ぐらいしか知らないので、珍しいなあって思いながら読みました。

主人公は、殺人事件の関係者が、学生時代に偶然学生寮の同部屋になったゾッとする様な美青年だったことを知る。その美青年は、主人公が殺したと証言し、身に覚えのない主人公はその後起こる殺人事件にも巻き込まれていくというストーリーなので、
その美青年が嘘をついてないのなら、主人公が無意識の内に殺人を犯してるって、自分は最初に考えましたね。すると、作者もそういう風に読者をリードしていくので、なんだセオリー通りのミステリーかって思ったら、ラストでどんでん返しに遭いましたw
その結末に吃驚はしたけど、えーそりゃあないっすよって思いました。そんなの主人公がもうちょっと頭がよければ何となく分かったんじゃないのかなあ。

ということで、ミステリーとしては、なんだか肩すかしを食わされた感じで、あまり感心はしなかったです。
しかし、ホラーサスペンス、サイコサスペンスとしては、楽しかったです。最後まで面白く読ませていただきました。

しかし、ホモホモしい、女性にしか見えない容疑者の美青年が、主人公にキスしたり抱き合ったり、腐女子歓喜な内容で、最初はドウナルコトカ、これは篠田真由美さんが書いてるんじゃないかwって思いました。
でも、ホモっぽい行動にも、ちゃんと意味があったんですね。彼は主人公を魔法を使う独占欲の神(悪魔)と畏怖していたんですね。絶対かなわないと思った相手には、ああする(自分を捧げるとか)しか方法がなかったってのも何となく分かります。

フランス・ベルギー・イタリア・ドイツ・日本と世界を股にかけて犯人を追うって書くと、偉い壮大なスケールの華やかな小説にも感じますが、意外と、閉じこもった世界のちょっと怖い小説でした。あと、じっと見つめられる(たぶん作中の美青年の実写版)表紙がねっとりしていて怖いですw

915めんたい:2018/01/16(火) 21:42:19 ID:gVk8kjHE
◆ペガサスの解は虚栄か?

ウォーカロン(W)シリーズ第七弾。人間の代わりに危険な仕事に従事する人造人間とも言うべき「ウォーカロン」が人間より多くなり、人間との違いが分からなくなった世界。
人間は医療技術の発展により長寿を得た代わりに、子孫を産めなくなり、主人公はその原因と解決を探るため、またウォーカロンと人間の新たな関係を探るために、日夜研究を続けている。
そして新たに、人工知能やトランスファーという第3第4の知性体の出現により、世の中はさらに複雑になっていく。またそれらを巡って、いろいろなトラブルが主人公に降りかかり、それらに対処していくという物語である。

第7巻まで来ると、最初は単純だった構図も、かなり複雑になってきて、全巻までの内容を思い出すのも大変になってきました。あれ?人工頭脳とトランスファーって違うんだっけ?とかチベットのスーパーコンピューターの名前何だったっけ?とか、脳だけになってヴァーチャル村に住むの博士ってどうなった?とか、フランスの危険なコンピュータはどうなったっけ?とか。
でも面白いです。淡々と話は進むけど、この人の文章は読みやすいし、本は厚くないのですが、しっかり起承転結で話がまとまっていて、だらだらしてなく、文章にもキャラクターに文章にも独特の味独特の味わいがあります。

今回は日本が誇るスパコン「ペガサス」の奇妙な発言をきっかけに、インドの富豪の家に脱走したウォーカロンが潜伏しているらしいという噂を調査しにいくという内容です。今回のパートナーはウォーカロンの「キガタ」と人間かウォ-カロンか不明の「アネバネ」の3人で、前パートナーのウグイはお休みで、あの夫婦漫才がもう読めないのかと残念な気持ちでしたがと、ところがどっこい後半でまた主人公とウグイが組んで仕事をするということで、なんかホッとしましたw(いやあ感情移入してるなあ)。
やっぱりウグイはひと味違う。っていうか今回のウグイは上目遣いに舌出しペロッですよ。やばい想像しただけで萌え〜でした〜(感情移入しすぎだろw〜(感情移入しすぎだろ)。
しかし、長い付き合いのあの人がお亡くなりになるとは、そこは残念でならなかったです。それもかなりの悲劇で。あと、トランスファーのデボラの存在も頼もしいですね。いやあ、主人公の周りには「間賀田四季博士」を始めとして、スーパーパートナー揃いで羨ましい。ただし、プライベートも覗かれてるのは嫌ですけど。

次回作も二冊(「血か、死か、無か?」と「天空の矢はどこへ?」)ほど予定が決まっているらしく、この比較的まったりとしたSF物語はどこへ突き進んでいくのだろうって楽しみです。

916めんたい:2018/01/24(水) 05:03:58 ID:gVk8kjHE
◆少年Nのいない世界 03

知ってる人知ってる、「少年N」シリーズと対をなすもう一つ「N無し」シリーズ第3巻。
猫を13匹殺してそれとともに屋上から飛び降りることで、巻き込み、巻き込まれて異世界へ行ってしまった7人の小学生達。
7年も費やしてようやく異世界で数人が再会して、あと3人で飛ばされてきた全員が揃うって所から始まります。

今回は猫殺しの張本人「和久田悦史」(敵側)の物語から始まり、少年Nシリーズのキャラ、無限総合保管業(宇宙の運び屋・一応味方かな)のトワコや謎の研究機関(敵)に「エース」と呼ばれる謎の権力を持った社長(今のところ味方)、音色をさらった美術屋のボス(悪)、
そして「少年Nのいない世界」なのにその少年N(行方不明)まで出てきて、結構お話が進みます。そしてついに最後の一人が・・。

いやあ、大変よくできた漫画やアニメを観てるかのようで、読んでて楽しかったです。文章が相変わらず上手い。
ただ、ラストの音色のバレエ公演前がやたら諄くて、ここだけ話のテンポがゆっくりじっくりだなあって思っていたら、嫌な予感が的中してやっぱりそうなったかって感じでした。
果たしてエースがどこまで味方してくれるか、運送屋がお金にならないことにどこまで協力してくれるかに掛かってますねえ。

気になるのは、エースやトワコがなぜ少年Nを旧友の所へ連れて行かなくて隠すのか?ですねえ。
何か裏がありそうな予感もします。そして研究所が異世界(つまり元の世界)についてどこまで、何故、研究してるのか、も気になります。

次は「次は少年Nの長い長い旅」の4巻が先でしょうか。結構読みやすいので、たまには読書したいという人にもお勧めですね。

917めんたい:2018/02/01(木) 22:13:14 ID:gVk8kjHE
◆バビロンⅢー終ー

堅実な検事ミステリー物と思わせて、実は哲学めいたオカルトサイコホラー物だったというストーリーと衝撃のラストを迎えた第二巻、この後どうこの話の後始末をつけるのか、またどう続けるのか続けられるのか?って事が一番の関心で興味津々の第3巻でした。関心で

内容は、東京の町田、八王子と神奈川の相模原を合併して、ある種の条例の実験都市「新域」を作り、そこの域長となった齋氏は最初の条例として「自由に死ぬ権利(自殺法)」を発令する。それにより「新域」では自殺する者が増加する。事態を憂いだ日本政府は齋氏の確保に乗り出すが、謎の超能力女「曲世愛」の能力により彼に近づこうとする者は次々と自殺した。
そして話は世界へと肥大する。世界の六カ所(アメリカ・ドイツ・カナダ・イタリアなど)の地方都市が「新域」に誘発され「自殺法」を発令した。一方主人公「正崎善」は「曲世愛」に部下や友人を次々に催眠自殺させられて、復讐のためFBIの力を借りることにした。奇しくも七カ国サミットが行われ、当然「自殺法」についても話し合いが持たれようとしていた。
そこへ、齋氏は同時期に六カ国の六つの地方都市地方に「自殺サミット」を呼びかける。齋氏は何を画策してるのか・・というサスペンスホラーな内容でした。

奇才って言葉がぴったりな内容でした。まさかワールドワイドに展開しようとは。面白い面白くないを問われれば、読んでいて面白いんだけど、二巻とほぼ展開が同じじゃね?曲世愛の能力は強すぎでやり過ぎではないか?って冷静に考えると素直に面白いって言いたくないんだよなあw
最初、凄く堅実で納得いく検事の捜査に感心して読んだあと、急にホラーのなんでもあり感が受け入れられなくて、それでも主人公が機転を利かせて解決するんだろうなって思ったら、事態は世界中を巻き込んで最悪な方へ。主人公は無力という・・。
主人公が主人公たらしめてるのって曲世愛の超能力は効かない?免疫がある?って事だけなんだよなあ。もう少し、曲世愛や齋氏の対して頭脳戦でも一矢報いる展開があれば嬉しいんだけど、今のところ「やられるがまま」ってのがストレスたまりますw

あと、終って書いてあったので、この第三巻で完結するのかと思ったら、曲世愛=悪=終わりの使者って事で、まだまだ続くみたいだ。
今後はサスペンスホラー物として頭を切り換えて読みたいと思います。
色々書いたけど、続きは読みたいです!また絶望と大量自殺で締めそうだけどw

918めんたい:2018/02/05(月) 18:20:22 ID:gVk8kjHE
◆イヴルズゲート 黒き堕天使の城

イヴルズゲートシリーズの第二弾。前回エジプト屋敷で異世界の門を何とか閉じる事に成功したルカと夜刀の腐れ縁の学者コンビは、今度はドイツの片田舎の水晶鉱山の前に建つクリスタルベルク城の奇怪な住人と鉱山内の「黒い門」の謎に挑む。そして、ルカの出生の秘密をかいまみると言う話です。

表紙を見ると、あれ?あまり内容と関係ない夜刀の妹で巫女で超能力者の瑠衣が描かれていて、違うだろうもっと描くべき人物がいるだろうって突っ込みを入れたくなったのですfが、最後まで読むとああなるほど、って納得せざるを得ませんでしたw
いやあ、異世界の悪魔さえも退治しちゃう神道はかっこいいね。
途中までは人間関係ドロドロで、レイプあり、ホモ行為あり、クビだけ実験人間はいて、人形のような奇怪な娘や、見た目二十代、四十代の百歳の老人はいるわ、人間と合体するデビルマンはいるわ、化け物屋敷のクリスタルクリスタルベルク城で、まさにホラーオブホラーって感じでしたが、最後の最後で「ブギーポップ」が無双するように、表紙の巫女が全部持って行っちゃったって感じですね。

感想としては、いつものお得意な耽美な感じでちょっと腐向けっぽいのは嫌だったけど、ホラー小説としてなかなかに怖くて面白かったですね。ルカに関する人間関係がちょっと複雑だったけど、何とか理解しましたわ。夜刀の兄妹は全員が超能力者なんでしょうか、これからの続刊で登場するのでしょうか、楽しみです。
ナチスとかヒトラーとかの話が出てきた時は、ヒトラーやドイツ帝国の復活が目的かなとか思ったけれど、ちょっと違いましたね。ていうか、異世界の住民は人間界を餌場に寄生宿主に利用しているだけで、世界征服とかの野心は今のところなさそうですね。でも謎のメッセージは前巻のあの男が生きているのか、異世界神を崇める宗教集団の仕業なのか、またはルカの出生の秘密に関わる邪悪な何かなのか、謎は残りますね。

このシリーズの続きも楽しみですが、早く「黎明の書」の最終巻を書いて欲しいですね。

919ガフ:2018/02/06(火) 21:48:18 ID:XPhZbFaE
〇小説 仮面ライダーアギト
オーバーロードとアギト関連の設定が変更されている以外は大体原作通り

小説版ですら不幸な葦原さん…むしろ原作より悪化しているような気すらする…救いはないのか…

〇小説 仮面ライダー龍騎
原作とは程遠いオリジナル設定満載、受け付けない人も多そう
犯人を誤射して壊れてしまった真面目な警官、心の傷に突き動かされてヒーロー行為に走る青年と、井上先生が書いてるなあというのを強く感じる

尺の都合でメインキャラを真司、蓮、浅倉、北岡、ファムに絞っているが、北岡の悲惨さがぶっちぎり、帝王トランザの栄光を思い出した
いくら悪徳弁護士とはいえあそこまでの仕打ちを受けるいわれはなかろう

920めんたい:2018/02/20(火) 23:47:43 ID:gVk8kjHE
◆虚実妖怪百物語 序

序・破・急と続く多分3部作だと思われる京極夏彦の妖怪物語の第一巻の序である。
序だけだと内容がつかみ所が無く、世の中がささくれ立って、妖怪を見かけなくなったと嘆く「水木しげる」を始めとして、妖怪好きな作家や編集者や妖怪学者たちが、突然現れた目に見える妖怪らしき物たちや妖怪を敵視する団体や世間や政府機関とのトラブルを滑稽に描いた話。
ただし、この現象・異変を操る黒幕(「帝都大戦」の加藤?イスラム辺りの悪魔?)がをいるらしく、最後はそいつと「京極さんと愉快な仲間達」が面白可笑しく戦うんじゃないかなあって感じです。序なんでまだ本格的には物語は始まってないって感じですね。(あと、エヴァンゲリヨンかよ!)。

本の分厚さは普通だったけど、読むのがきつかったわーw何がキツかったって、出てくる登場人物の量が半端なくて、こんなに沢山覚えられるかー!って最初本を放り投げたくなりましたくらい。
ざっと数えても、主な登場人物が70人〜80人います(アホかー!)。ほとんどが実在人物らしく、京極夏彦とその関係者や知り合いや友人達でした。

嘘だと思うなら、書きますよ出てくる人全員書いてもいいですよw
榎木津・京極・郡司・荒俣・夢枕・水木・村上・多田・青木・岡田・及川・梅沢・悦子・ナオコ・レオ若葉・黒・鴨下・平山・福澤・加門・木原・中山・伊藤・黒木・松村・ホンダ・佐藤・恩田・小松・高谷・榎村・西山・大江・久留島・清水・唐沢・松野・木場・久禮・山田・常光・纐纈・・まだ2/5かよw

まあ、主役っていうか、妖怪馬鹿達に馬鹿にされるのが二人出てくるんですけど(レオ☆若葉と榎木津平太郎)、どうやらそいつらが物語の主幹(ギャグ担当でもある)らしいですね。まだ序しか読んでないので、誰が最終的に重要人物になるのかは分りませんが。

さて感想、船酔いや陸酔いが慣れれば大丈夫になるように、最初は苦痛でしたが、慣れてくれば少し面白くなってきました(ランナーズハイみたいなw)w。文章とギャグ(言葉遊び)少々クドいですが、まあ、ここまで頑張ったから最後までつきあって読むつもりです。もう義務です、根性です、変な自己満足や達成感のためです。
独特の妖怪哲学が相変わらずだなあって読んでいて思いました。京極夏彦さんはもう「京極堂」ですね。「この世に不思議な物などないです」ってかんじで。この本を読むときは、登場人物のファイルを作ることをおすすめします。そこを乗り越えられれば、まあまあ面白くなると思います。

最後に、京極堂シリーズ?百鬼夜行シリーズ?どっちでもいいけど、新刊を早く出して欲しいです。また、薔薇十字探偵やヘッポコ小説家に会いたいですね。
さて、「急」(第二巻)を読みますか。エヴァかよ!(二回目)。

921めんたい:2018/02/26(月) 04:59:39 ID:gVk8kjHE
◆虚実妖怪百物語 破
何者かの陰謀によって(多分、帝都物語の加藤保憲)妖怪のような物が各地に出現して、おかしくなった日本で、操られた政府や妖怪排除団体と妖怪好きの妖怪馬鹿との戦いを描いたシリーズの第二巻。

登場人物がさらに増えて、もう100人はいるんじゃないかなあ。その中で基幹となる人物は「レオ若葉」「榎木津」って書いたけど、他にも「帝都物語」を書いた荒俣宏さんや頭にクトゥルーの邪神を乗せた黒史郎さん黒史郎も結構活躍しますね。
あと、郡司さんや及川さん、あと京極夏彦本人も結構発言が多いですね。
話は、妖怪書籍関係者や妖怪と接触した人妖怪が現れた家や区域は洗浄駆除対象で、妖怪撲滅民間団体の私刑に遭って粛正されるという、まさに隣人疑心暗鬼の永井豪原作の「デビルマン」状態。ついに、世界初のロボット「學天則」に荒俣宏が乗って、付喪神を率いて行進するという、なんとも言えない展開にw
都知事を暗殺しようとする妖怪関係の小説家もいたり、どうなってしまうのこの物語状態のまま、第3巻「急」に続くという感じでした。

面白いかと言えばまあ面白いんだけど、人に勧められるかと言えば微妙で、噛めば味が出るガムみたいな小説でした。まず、人物を覚えるのが最初の壁かと思われ(何回も書くけど)。あと、ストーリー展開や構成に関しては、多数の主人公がいてそれぞれの行動がクロスする感じの「ブギーポップは笑わない」、「デュラララ!!」「博多豚骨ラーメンズ」とかゲームなら「街」「428」ののりですね。
映画でも多人数視点の「バンテージ・ポイント」ですか。そんな感じですね。
だから、ハマレバ面白いとは思いますよ。

さて最終巻「急」を読みたいと思います。もうなるべく新しい登場人物は勘弁して下さい、覚え切れませんわw

922めんたい:2018/03/05(月) 18:22:28 ID:gVk8kjHE
◆虚実妖怪百物語 急

このシリーズの第三巻。妖怪好きの妖怪馬鹿達とそれを粛清しようとする政府機関(警察・自衛隊・矯正施設)や民間組織や日本を滅ぼそうとする魔人との戦いを面白く滑稽に描いた最終巻。内容も「今度は戦争だ!」感じです(水木先生「戦争はいかんですよ」)。

もう早速感想。なんていうか「妖怪のスパロボ」ですよ、最終決戦では、自衛隊に対して「犬夜叉」「殺生丸」「うしおととら」「ゲゲゲの鬼太郎」「豆腐小僧」から「ガメラ」「ラドン」「大魔神」「クモンガ」「モスラ」の怪獣まで出てきます。読んでいてワラけてしまいましたw
エヴァやガンダムやゴジラも出そうとしたらしいけど、そこは大人の事情と自重らしいです。いやあ、犬夜叉と虎と貞子の共同戦線を映像で見たいなあ。もちろんその他の有名妖怪達の「百鬼夜行」も大活躍。
それだけじゃないです。声優の「野沢雅子」「戸田恵子」から俳優「佐野史郎」「島田久作」、漫画家「伊藤潤二」「ゆうきまさみ」「日野日出夫」「永井豪」やら小説家「小野不由美」「鈴木光司」まで出てきて、絶句「なんじゃこら?」状態。笑いが止まりませんでした。数え切れないですが、120人以上は色々な有名著名人が出てきてると思います。
故人の「柳田 國男」氏も出て喋ってますね。でも一番笑ったのはやっぱり巨大テレビから出てくる巨大な貞子さんでしょうかw妖怪とは関係ない鈴木光司さんが自ら出現させたとの事でした。でもホラー小説をよく書いてますから少しは関係あるのではないでしょうか。

ただ、オチが良く分からない理屈で大団円になったのはちょっと腑に落ちませんでした。あの薔薇十字探偵の名前が出てきたのは嬉しかったのですがね。多分、これだけのバカ騒ぎのお祭りみたいな小説は最初で最後ではないでしょうか。京極夏彦氏の妖怪にかかわる小説の集大成みたいな内容ですし、よくこれだけの登場人物を活躍させ書き切ったなあ、ってそこは凄いと思います。膨大なエネルギーが必要だったに違いないと想像します。
著者は京極堂になりきって、「この世に不思議なものなどありません」って颯爽と事件(戦争)を解決されて羨ましいですね(小説家の特権)。水木先生も最後は妖怪になられたのですね。

最後に「「鵺の碑(いしぶみ)」じゃなくてもいいから、京極堂シリーズ」の続編を強く希望します。
そういえばベガ(スト2)のモデルって「加藤保憲」というか島田久作さんなんでしょうかねw

923めんたい:2018/03/07(水) 23:59:05 ID:gVk8kjHE
◆少年Nの長い長い旅 04

知ってる人は知ってる「少年Nのシリーズ」の第4巻。猫を殺してビルから飛び降りたため、異世界に飛んでしまった7人の小学生。主人公の野依とヒロインの音色は偶然にも(原始の惑星ファリ)に飛ばされるが、音色は誘拐されて違う星へ連れて行かれる。
主人公は音色を探すため、ファリで知り合った宇宙の運送業のサット船長(店長)の宇宙船に乗り込み、そこで仕事を覚えながらこの世界で散り散りになった7人の友達(一人は友達では無いが)を探すことになった。そしてついにこの世界に飛ばされた仲間の一人と出会うことになるのだが・・・。と言う話です。

もう一つの物語「少年Nのいない世界」ではこの物語の数年後の話なのだが、そこではまだ飛ばされた七人の誰も誰とも会っていない所から始まるので、今回の友達生存情報はガセかと思いきや、なるほどなーそういう事かという感じでした(ネタバレなので書けませんが)。そしてサット船長の過去の謎と「少年Nのいない世界」での研究機関の正体の謎とが関係していて、二つのシリーズを上手く繋げたなあって、ちょっと感心しました。
少年向け小説だと侮るなかれ、結構面白いです。ただ、本の厚さが足りねえ、すぐ読み終えてしまう、もっと続きを読みてえ、って感じですね。週刊少年漫画を読んでる気分です。
改めて感想を書きますと、もう一つのシリーズに上手く繋げて、かつこのシリーズだけでも面白くするために苦労してるなあ凄いなあって感じでした。長い長い旅と言うからには、宇宙船で運搬業だけやっていては物足りないですよね、異世界の宇宙をあちこち波乱に満ちた冒険をしないと、題名に負けてしまいます。
だから、今回の物語はさらなる冒険(旅)へって感じの終わり方で題名通りだって思いました。

これから、どういう冒険の旅路を繰り広げてくれるのか楽しみです。もちろんこの異世界宇宙の謎や元の世界へ戻るための謎が解かれていきそうですね。
そして、サットの一族と二つのスーパーコンピューターや子供を使った謎の研究機関の研究内容も早く知りたいですね。
普段読書に縁の無い方におすすめです。片手間に読めて結構面白いかも。

924めんたい:2018/03/15(木) 17:58:43 ID:gVk8kjHE
◆書楼弔堂 炎昼

弔堂シリーズ第二弾。元僧侶の主人公がひっそりと営む、まるで陸の灯台の様な本屋(書舗)にやってくる悩みを抱えた人達に、その人のための一冊を選んでやって、悩みを解決する方向へ導いていく物語。
今回客側の主人公は片思いと自分の作品の価値に嘆いている「松岡國男」という新体詩人と父や祖父から毎日叱られて生き方に悩むお嬢様「天馬塔子」の二人。その二人に連れられて、色んな悩みを抱えた有名人もやってくる。

まあ、明治時代の有名人はよく知らないので、乃木大将って聞いても203高地で「山は死にますか〜(さだまさしの歌)」ぐらいしかピンとこなかったが、昔は泣き虫だったんだとか(何処まで本当かは知らないけど)勝海舟って枢密顧問官なんだとか、そういった蘊蓄が面白かったです。
しかし、有名人と知り合いすぎだろw松岡國男なんか、この人の小説で何度も出てきてリスペクトされてるお化けの教祖の一人だもんな。ていうか、お化け、妖怪、幽霊、怪談にはかなり主張も持っていて、毎回どの小説でも同じ事行ってる気がする。「実際幽霊なんか居ませんよ、それでも人は幽霊を見てしまう物です。それは何故かというと・・(略)」(説明が難しいので自分で読んで下さいw)
たしか、「虚実妖怪百物語」でも読んだぞ、似たようなお化け理論。お化けは世の中の潤滑油で遊び、馬鹿と一緒で居ないと世の中ギスギスする。あと、不思議な現象や結果が先で、納得するためにお化けの仕業にするだっけ?

さて感想、主人公の書店の主人の説教が耳に痛く少々理屈っぽいけど、納得できるところが大いにあって、面白かったです。「本は斜め読みしてはいけない」とか色んな「箴言」が多くて、納得のいく良い事をいうなあって読んでいて感心もしました。本当に明治時代ってこんな感じだったは怪しいですが、例え想像上の明治時代でも、上手く世界を構築してあって、その力量にも感心しました。
読んでると、著者のの思い描く明治時代の住民になれる、明治時代に浸れる小説ですね。大いに現実逃避できましたw多少理屈が難しいけど、良いこと、ためになることが書いてあって読んで良かったです。

最後に、しつこいですが「京極堂」シリーズの続編を書いて欲しいですねwもちろん、このシリーズの第3弾が出たら是非読みたいと思います。

925めんたい:2018/03/27(火) 01:20:41 ID:gVk8kjHE
◆卒業のカノン

「穂瑞沙羅華の課外活動」シリーズの最終巻。ゼレウトと言う会社の精子バンクシステムを利用して生まれてきた物理学の天才少女と主人公の綿貫基一が組んで、会社のコンサルティングや依頼された危険な難問・珍問を解決して行く、ちょっと専門的な内容や専門用語が飛び交うライトノベル風な小説です。
今回が最終巻(5巻目)と言うことでまだまだ続いて欲しいなと残念な気分で読みました。

今回の事件は、太陽光発電の出資者でゼレウトの社長の命を狙う何者かが、太陽光発電衛星を利用して車を暴走させて、車を使えなくして地球温暖化を防ごうとするテロ計画と社長暗殺を阻止するため、主人公達が立ち上がる話です。そして解決のヒントは パッヘルベル作曲の「カノン」。
波の性質で位相を二分の一にして、打ち消し合ったり、正弦波の方程式を二回微分とか弧度法でパイを足すコマンドを挿入って解決の仕方が何となくでしか分らなかったけど、まあ分ったつもりで読んでもなかなか楽しめました。
あと、地球温暖化問題に真っ向うと向き合った小説って所も面白かった。車を無くしても温暖化が止まるかどうかは分らないが、それ位厳しい規制や徹底的な方法でやらないともう駄目かも知れないなあって考えさせられたわ。

それから、キャラの名前に関するネタバレでちょっと吃驚、主人公達の名前って「ホームスとワトソン」で出てくるサブキャラの名前もホームス関係だったり、神話だったりしてたんだね。気づかなかったわ。
今更、小説の感想だけど、ヒロインは飛び級で大学に行ったり、高校生からやり直し足り、今度は仕事の所為で一年浪人したり、反って回り道していてちょっと気の毒だなあって思ったのと、最後はやっぱり浪人するのか、一時的に戻ってきたのか読んでいて迷ったけど、主人公ののろけで終わってるから留学とか全部嘘だったんだなあw
まあ、天才少女も冗談や嘘をつけるようになったと言うことで、ちょっと人間的に成長したんだなあ(凡人に近づいたw)って事でいいのかな。

総評。面白かったです。卒業とは言わずこれからもこの課外活動シリーズを書いて欲しいですね。

926めんたい:2018/04/07(土) 22:15:02 ID:gVk8kjHE
◆カムパネルラ

昔の童話や小説や歴史上の人物の逸話を基にアレンジして新しい物語を描く創作は多いけど、たいがい信長とか桃太郎とかヒットラーとかシンデレラとか有名な物ばかりなんだけど、この作者は宮沢賢治や「銀河鉄道の夜」などをベースに独特のSFサスペンスを書き上げてしまったというのがこの「カムパネルラ」である。
相変わらず,独特の表現・文章形態で読み解きづらく、理解するのに一苦労な物語でした。本のボリュームが300頁ほどで在ったのが救いだったwこの人の小説は時々面白いんだけど,クドくて読みにくい(自分はね)。でもこの小説に関しては結構スピーディな展開でくどさは感じ無かった。ただ面白かったかと問われれば,微妙だなあ。

簡単にストーリーを紹介すると、どこかの近未来日本、危険思想を排除するため第3稿の「銀河鉄道の夜」に描かれる自己犠牲の精神を掲げる国家機関であるメディア管理庁があった。主人公の母は第4稿の「銀河鉄道の夜」の研究をしていたために思想犯罪者として捕らえられて拷問の末死んでしまう。主人公は母の遺言通り遺骨を「宮沢賢治」の故郷の河に散骨しに行くのだが、不思議なアクシデントで宮沢賢治が死ぬ間際の昭和8年に飛ばされてしまう。その世界には宮沢賢治の描いた小説の登場人物や物語設定が混在していて、ジョパンニやカンパネルラや風の又三郎まで実在していた。そして、カムパネルラ殺人事件が起こりジョパンニと間違われた主人公が疑われる、果たして何がどうなってるのか真相は?と言うSFミステリーサスペンスです。

感想:まず、宮沢賢治レイプってのが意外で奇想天外だった。あの宮沢賢治が何回も「銀河鉄道の夜」を書き直していたことの驚いた。(何処まで本当か知らないけれど)最初は国のための自己犠牲(愛国主義・祖国への滅私奉公)や「全体が幸福になれば個人も幸福になる」を謳った小説だという。そして死の間際で書き直していた第4稿「銀河鉄道の夜」は平凡に善良で無私に生きることこそ尊い、または「個人の幸福があって初めて全体の幸福がある」または「少年少女の自立心」を謳っていると作者は書いている。いやあ何もかもが新鮮でその辺は大いに興味を持ちました。
そして、訳の分らない展開(天気輪の柱によりタイムスリップで昭和8年に行ってしまったかと思えば、賢治キャラクターが闊歩してるし、賢治は5年前にとっくに死んでるし、賢治の妹は生きてるし、主人公はジョパンニと間違われて警察の捕まったり・・)でこの作者とうとうネジが飛んだんじゃ無いのかって一瞬いや何瞬も思ったよw物語の体を成してないぐらいぐちゃぐちゃな展開だもんなあ。しかし、中盤まで読み進むと、なるほどこれはちゃんと考えられたSFなんだって少し納得して安心した。
物語は意外な方へ二転三転し(ここがこの作者の真骨頂がネタバレなので書きません)で主人公が奮起してメディア管理庁の刺客達と戦うことになる。主人公は鍛えられた兵士では無いので、そこは運と頭で旨く乗り切るかんじだ。
まあ、人にはお勧めできないけど、この作者の作品に結構触れてきた自分としては面白くなくは無い。ただ、凄く面白いかと聞かれたらやっぱり微妙かなあwでも一回ちゃんと「銀河鉄道の夜」を読みたくなったわ。

この人の作品にしては分りやすく読みやすい方なので宮沢賢治に興味があったら読んでみて下さい。ただ大半の人が肌に合わないだろうなあ。まだ、「桜花忍法帖」の方が面白いと思うかも。

927めんたい:2018/04/23(月) 17:41:54 ID:gVk8kjHE
◆ここから先は何もない

内容が複雑難解で簡単に言い表せないです。それでもザックリいえば、火星周辺の小惑星に探査機を飛ばしたが、何者かによってプログラムを書き換えられて目的と違う「パンドラ」と名付けられた小惑星に着陸して、そこで人骨を拾ってきてしまう。
日本の探査機ではあったが、技術協力したアメリカが強引にその人骨(エルヴィスと命名)を奪って嘉手納基地周辺の研究所で解析を行った。日本側はそのエルヴィスの調査結果を知りたいが為に、主人公達のハッキングチームを雇って秘密裏に探らせるという内容です。
見所は、どうやって?誰が?何故?探査機のプログラミングを書き換えたのか?火星付近の小惑星になぜ人骨が埋まっていたのか?そして、ハッキングチームにいつの間にか紛れ込んでいた謎の美少女リカの正体は?題名の「ここから先は何もない」の意味するところは?ってところでしょうか。

いやあ、桜花忍法帖やクトゥルフ少女を書いた人とは思えない難解で専門用語が飛び交う硬派なSFでした。腑に落ちないところや理解できない箇所があったけど、山田正紀の本領発揮!って感じで面白かったですね〜。いや、「クトゥルフ少女」は難解なSFチックなんでこれと共通部分はあるか。
まあ、難解と言っても彼の書くSF小説の中では分りやすい方だと思います。最初、物語本流と全然関係のない人が主役で、主人公がちょい役だったんですが、次の章で主人公が中心の話になり、次の章ではサブメンバーが主役で、最後にみんなが集まって嘉手納基地や研究所に潜入するというのがニクイ構成でニヤニヤしながら読みました。
そして一見関係のない話だと思ったエピソードも問題解決に役に立ったり、ちょっと強引な部分もあるけど伏線が二重三重にも絡み合って繋がっていくところが凄いなあって思いました。
エルヴィスの正体が解明して行くにつれ、ゾクゾクと背筋が凍るような恐怖を感じましたよ。人類の存在意義、人類はもう用済み、人類に変わる種族の存在、そしてすべては〇〇の手のひらの上・・怖いですねえ、もうSFというよりホラーですよw惜しむらくは全てを理解する頭や知識が自分に無いこと、だからこの小説は大傑作にも思えるし、専門用語専門知識で煙に巻かれている気がして傑作だと思うけど絶賛は出来ないかなあっても思います。
暇があれば何度も何度も繰り返し読んで、もっと完全に理解したいって思いました(忙しいので結局しなかったんですけどw)。

ただね、オチのパンのバターで偶然指紋が正確に復元したというのは、調子良すぎでしょうw超人工知能を一瞬でも超えた主人公に「人間の未来」が「人類の新たな存在意義」あれば良いですね。
もう一度書きます。難しかったけれど、とても面白かったです。




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