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ライトノベル総合

912まほろ:2017/12/23(土) 12:02:12 ID:gVk8kjHE
◆イヴルズ・ゲート 睡蓮のまどろむ館

イヴルズゲートシリーズ第一巻。角川ホラー文庫。イヴルズとは、多分EVIL(イヴル:悪魔・邪悪な)から来ていると思われます。つまり、邪悪な扉ってことですね。

物語は霊感や学識のある4人の男女が、謎の超心理学者に招待され、非業の死を遂げたエジプト学者の建てた奇妙な家「埃及屋敷」と呼ばれる幽霊屋敷に集まるところから始まります。そしてこの屋敷の怪奇現象を解明するため実験をするのですが、そこには邪悪な者の陰謀が蠢いていたという内容です。
4人の男女は「飼い犬を連れたエジプト考古学者」「元サイコメトリー心霊少女で訳ありの女性」「元サイコメトリー少女で今はお金持ちの女性」「ワイルドで女たらしの比較宗教学者」で、その他にも館の食事係やメイドも出ますが、主な登場人物は10人足らずと少ないです。
あと、設定として面白いのは、この舞台となる日本は1999年から始まる大災害(地震や原子力発電所のメルトダウンなど)で首都東京が壊滅して本州は放射能汚染と無政府状態で治安が悪く、北海道が首都となり、日本人は外国か北海道か九州に避難・移住しているという所ですね。怖い設定ですね。

さて感想ですが、この作者の書く物語は相変わらず、どろどろした恐怖、人の嫌な部分を描くのが上手く、そして序盤に何気なく提示される一筋の希望(ココが怖いだけの物語ではなく何かヒーロー的なカタルシスを期待)がそれによって際立つという実に上手い構成だなあと感心させられた。表現も独特で熟達していていつも感心させられます。
そして、久々の建築関係の専門知識、あの「建築探偵」シリーズを思い出しますね。そういえば、桜井恭介や栗山深春っぽい人がいますねw少し「龍の黙示録」のセバスティアーノが混じっていそうですがwまた飼い犬「アヌビス」が霊障に強そうで頼もしい。そいうえば、本に掲載されている広告に「バチカン奇跡調査官」ってのがありましたが、まさにそれっぽいです。ただし、相手にするのは奇跡ではなく邪悪なものですけどね。

いやー怖かった、怖かったけど読まずにはいられない面白さがあって、最後まで一気読みさせられましたね。一番心理描写の多い(多分この話の主役)が段々闇に落ちて、館に取り込まれるところが怖かったですね。でも真の主人公が何とかしてくれる!って期待しながら読んでいたので、ワクワクが止まりませんでした。結果的にやや後味の悪いものになりましたが、悪い事をした人には相当の罰が下ったという事でしょうか。ヒーローも万能ではないって所でしょうか。
そういえば「黒い聖母」の活躍が見れなかったのが残念。だが次巻以降の隠し玉っぽくて期待できます。まだまだ、サイキックな人達が出てきそうです。次巻もぜひ読んでみたいと思います。最後に、こんな某「双亡亭」みたいな屋敷で毎日食事係をしていた多和田さん、あんたが一番心臓が強い、よく憑りつかれなかったねw




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