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ライトノベル総合

870まほろ:2017/04/20(木) 22:57:56 ID:05iCaUEY
◆鹿の王(下)
黒狼熱という一国を滅ぼした病が流行るのを防ごうとする主人公サイドとその病を利用して大国に復讐しようとする一族との戦いを描いた異世界ファンタジー。
とはいっても、主題は戦いの行方にあるのでは無く、病とは何か、生命とは何か、死とは何か、生命と生命の関わりを描いているとこが深いなあって思います。

結局の所、題名の「鹿の王」とは何だったか、さらっと読んだだけでは良く分かりませんでした。
自分なりに解釈すると「鹿の王」とは主人公の生き方であるのですが、主人公は自分を犠牲にして仲間(一族)を助ける者を「鹿の王」などと称えることには否定的で、それをやれる能力がある者がやるのは当然のことだと思ってる。
つまり、「鹿の王」は主人公の諦観めいた生き方に対する皮肉っぽいものと思ってるらしい。それでも自己犠牲の精神はすばらしい生き方だと思うけどね。たしかにその能力が無いと自己犠牲な生き方なんて上手くいかないけどね。

物語は「鹿の王」ではなく「キンマの犬(病気を体内に抱えてる犬)」を操る「犬の王」を巡って進むので、あれ、いつになったら「鹿の王」が真ん中に来るのだろうってずっと思いながら読んでました。
結局最後まで「俺が鹿の王だ!」って展開にはなりませんでしたけどw

感想としては人間関係が複雑で絡み合ってるところと、病気とは生命とは何か人間の体の中の混沌さを話し合い探究してるぶぶん、病気の誕生や感染経路、征服した者や征服された複数の一族の思惑の違いが大変面白かったです。
主人公が二人(3人以上かも)いて交互に話が進み最後に交わるところも、興奮して読みましたw主人公ヴァンが格好いいねえ。
あとこの作者、やたらユナって幼女を可愛く描くので「子供好き」なんだなあってひしひし伝わってきましたwそれにしてもユナちゃんはたくましすぎますね。

あと、やたら「眉根しかませる」とか「微苦笑する」とか何度も出てくるので、また使ってるって自分も微苦笑してました、ごめんなさい。
でも、作者によって文書に特徴が出るなあって、そういう発見も面白いです。

面白かったので、未読の人(こういうジャンル好きでまだ読んでない人っているのかなw)にお勧めです。




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