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科学と疑似科学とを判別する(2)

1diamonds8888x:2021/03/06(土) 19:44:21 ID:Qix9q/lA
「科学と疑似科学とを判別する」のバート2です。1000件越えたら、こちらにどうぞ。

227diamonds8888x:2022/01/09(日) 17:46:49 ID:Qix9q/lA
>>226
 ちなみに執拗にEnt2の前提の根拠??を要求するのも妥当な論理法則が使えていない証。
[>>223]
>本当にEnt2の前提で、つまり第2法則が成立する条件で、起源問題を解決する理論があるのなら、是非うかがいたい。それだけでも、本スレッドの話を続けてきた甲斐があります。

 「単に可能性を列挙しただけ」[>>207,>>208]と明言したのにわかってない。
 単に「P∨¬P」という妥当な推論をしたに過ぎない

 しかし¬P、つまり遠い過去で第2法則が成立しないことがわかったとしても、それだけでは新たな理論にはならない。理論がない状態でしかない。もともと第2法則とは、「散らばった分子などは元に戻らない」などの現象をエントロピーという量を導入して定量的に議論できるようにしたもの。逆の現象など観測されていない以上は定量的理論も作ることができない。

 それでも、まず全ての可能性を列挙するのは漏れなく推論するための必須のテクニック。プロクグラムなら、IF文やCASE文の最後にELSE文を付けておけば暴走しない。根拠がなければELSE文を付けないなんて言うかね?

228Ken:2022/01/09(日) 23:51:58 ID:l3c2r2bk
>1-4を認めるのがいやだったら「Ent2を前提とする第2法則が「P∧¬P」に該当する」ということにしといていいですよ。

私の問いかけに対応する形で答えていただけませんか?

Ent2から出発して「P∧¬P」に至る論理のステップは、>>202>>206で説明しています。diamonds8888xさんご自身は「P∧¬P」にはならないと考えられるのなら、私のステップのどこかに誤りがあるはずです。「1-4」を用いることで誤りを指摘できるのなら、まずそのことからお願いします。

ちなみに、私は、現時点では、Ent2、つまり第2法則が成立する条件では、S=0が続くとは考えられません。エントロピーの増加が停止するのは熱平衡に達したときで、S=0はその対極だからです。

229Ken:2022/01/10(月) 01:50:53 ID:l3c2r2bk
誤解を避けるために、補足します。>>224で挙げられた1、2、3について。

過去にS=0が続き、ゆえに時間の経過もなく、結果的に過去が有限という主張は、第2法則と矛盾します。エントロピーの増大が止まるのは、熱平衡に達したときというのが、第2法則ですから。よって、S=0の想定はいかなる時も第2法則が成立するEnt2の前提をはずれるでしょう。

一方、観測される宇宙の外からの影響を受けるのなら、第2法則との矛盾はありません。たしかにEnt2を前提にした話になります。ですが、これは問題提議そのものと外れてしまいます。外の世界を含めた全体系において、エントロピーの極小状態はなぜ生じたのか、が元々の課題なのですから。部分空間を論じても無意味です。

230Ken:2022/01/12(水) 23:09:13 ID:l3c2r2bk
もしかして、混乱の原因はここですか?

>ちなみに執拗にEnt2の前提の根拠??を要求するのも

Ent2前提の根拠は求めていません。第2法則に適用範囲外があるというEnt1を、メカニズムの説明なしに想定してもよいというのがdiamonds8888xさんの主張ですよね。それは分かりましたから。

私は、diamonds8888xさんの想定とは異なることを承知の上で、もしEnt2を前提とするなら「P⋀¬P」になるのか。つまり「太陽が昇る⋀太陽が昇らない」が基準05違反であるように、Ent2もまた基準05違反の具体例なのかを明らかにしたいだけです。

231diamonds8888x:2022/02/04(金) 05:08:20 ID:Qix9q/lA
>>228,>>229,>>230

 要するに[>>224]の4つは全て否定するという前提ですね。

「S=0の想定はいかなる時も第2法則が成立するEnt2の前提をはずれる」=>1,2の否定
「外の世界を含めた全体系において、エントロピーの極小状態はなぜ生じたのか、が元々の課題なのですから。」=>3の否定

 それなら確かに「P⋀¬P」に至ります。ではどうぞ次へ。
 まあ「P⋀¬P」に至ったということは、以下のどちらかであるということと同値ですが。それが論理的推論というものです。
   Ent2は間違っている
   [>>224]の4つを全て否定することは間違っている


[>>226]は無視ですか? 2週間以上も時間があったのに?
>>202
> ちなみにエントロピー増大のメカニズムは確率の法則です。確率の法則は熱力学に限らず広汎な分野で事象を支配することが確認され、特に熱力学が扱うような、対象の物体(分子、原子、宇宙論なら素粒子?)の数が巨大な場合は、非常に正確な予測が可能です。

 論理法則は確率の法則よりも、もっと広汎な分野で事象を支配することが確認されてますよ。それをなぜ否定するの?

>まず、以下の言葉にはKenさんは賛成でしょうか?
>「科学的推論や科学的議論は論理的でなくてはならない。」

232diamonds8888x:2022/02/04(金) 05:09:09 ID:Qix9q/lA
【Kenさん以外の人向けです】

「外の世界を含めた全体系において、エントロピーの極小状態はなぜ生じたのか、が元々の課題なのですから。」=>3の否定

 4はどうした? という話もあるでしょうが、さすがに「未知の理論があるかも知れない」と言ってたら何も否定も肯定もできませんからね。「どこまで外の世界を想定しても第2法則は成立する」というのがEnt2だと定義するなら、これでOKです。「P⋀¬P」に至ることで問題ないし。ゆえにこの想定は間違いだという結論にもなります。つまり「どこまで外の世界を想定しても第2法則は成立する」とか「外の世界を含めた全体系において第2法則は成立する」とかいう理論は矛盾するから間違いに違いないとの結論に至る。ただそれだけの話。
 経験主義からみても無茶な理論ですけどね。未観測の外の世界なんてものを想定したら逆さ廻りの世界だってあるかも知れないのだから。

「S=0の想定はいかなる時も第2法則が成立するEnt2の前提をはずれる」=>1,2の否定

 Kenさんは理解しようともしないだろうから、わかったわかったで済ませましたが、実は間違い。

[>>202,>>206]より
 >さらなる過去では、時間に沿ってエントロピーが減少するか、少なくとも不変であるはずです。
 >結局、「エントロピーは増大する」から出発すると、論理を連ねてゆくだけで「エントロピーは増大しない」という結論に至ります

 わかってるじゃん。だから宇宙開闢まではS=0の状態がずーーーーっと続いていて、その間は「エントロピーは増大しなかった」。これは別に熱力学第2法則には反していません。熱力学第2法則は閉鎖系ではエントロピーは減少しないとしているだけで、増加しない状態は禁止してはいませんから。

 とはいえ、現実の観測事実はといえば、完全な断熱閉鎖系の内部でない限りは熱平衡状態にはなっておらず、結果としては熱平衡状態に向かってエントロピーが増加します。つまり現実には「熱平衡状態でない限りはエントロピーは増加している」というのが観測事実ですので、Kenさんの間違いも、起源問題の本質に関わるような間違いでもないのです。

 むしろ不思議なことは、ビッグバン以前の状態が一見熱平衡状態にしか見えないこと。それが膨張に従い不均一な構造が生じて来たというのは、まさしくエントロピー減少のようにも見えます。まあ体積膨張というか密度減少というのがエントロピー増加になるので局所的なエントロピー減少を補っているのでしょうけど。じゃあ、どこに体積膨張の余地があったのかというのが、なかなかにわかりにくい。そして、膨張が始まるまでは無限の過去からずーーーーっと狭い空間での熱平衡状態が続いていたのか? それがなぜ特定の時点で膨張が始まったのか?

 ブレーンが衝突とかして初期宇宙の泡が誕生したなどという理論は、まさに外の世界の想定で無限の過去のパラドックスを消したのだとも言えるでしょう。この外の世界は複数のブレーンが飛び交う低エントロピーの世界です。では、その外の世界の過去の起源は? とか無限に続けるのも無理筋にも見える。突き詰めると、「無限の過去という想定自体が論理的に矛盾だ」という理論なら検討の価値がありそうにも見えます。宇宙が空間的に無限というのとはちょっと違いそうな。

233diamonds8888x:2022/02/04(金) 05:16:58 ID:Qix9q/lA
【Kenさん以外の人向けです】
>>203
ミケさん、ちょっとコメントをします。

 漸近的接近の可能性をKenさんが理解してないのも確かですが、漸近的接近の事例では説得力不足な面もあります。現実の物理量は理想的数学関数とは違って揺らぎがあるからです。エントロピーが極大に達する未来の状態がわかりやすいと思いますので、それを例に取ります。

 一番簡単なモデルでホルツマンの自殺の原因とも噂のある(^_^)宇宙の熱的死では、エントロピーが極大に達し、これはつまり全ての素粒子(それが何かは不明だけど)が均一に散らばっている状態に達するわけです。この熱的平衡状態では各粒子の位置や速度はもちろん固定されているわけではなく常に変動しています。というか、そういう変動する状態の数の多さこそがまさに統計力学的エントロピーが極大であることに通じるのでしょう。
 では、熱的平衡状態に極めて接近した状態とは・・・、たぶん熱的平衡状態そのものと区別できません。揺らぎの範囲に収まったら、それはもう熱的平衡状態に達したということです。つまり宇宙の熱的死が起きるとしたら、それはいかに漸近的な速度であろうと有限の時間内に起きてしまい、それ以降は、時間が消失するとも定義できるということです。

 [>>217]で紹介していただいた Charles H. Lineweaver "A simple treatment of complexity: cosmological entropic boundary conditions on increasing complexity." では、この未来のことをテーマにして極大エントロピー量をグラフにしていましたね。

 結局、起源問題に関するKenさんの思考の問題点は、時間が有限である可能性を頑なに否定していることです。自分の感性だけを根拠にしてなんですが、そのことには気づいていない。つまり自分の感性が絶対の真理だと勘違いしていることが問題点なんです。論理は疑うくせにね。

[>>206]>そうでないのなら、S=0状態は有限の過去になり、さらなる過去が存在します。問題の要はそこです。

 未来の熱的死状態から類推して、過去のずーーーーっと続いた初期状態、時間が消失した状態とは、例えば超高密度の熱平衡状態みたいなのを思い浮かべるのですが、熱平衡状態とはエントロピー最大状態ではなのいか? と、

 ではS=0の状態とはどんなものなんでしょうか? 統計力学的エントロピーの定義からはたったひとつの状態だけとっている状態・・? 高度に秩序だった・・。どんなんだよ、それ? やっぱり狭い範囲で熱的平衡状態というのが納得しやすいけれど。宇宙全体がたったひとつの素粒子だけ、とかならあり得るでしょうかね?


なお、
> 「基準Xが間違いに違いない」という信念のもと
> 基準Xに違反していそうな科学理論を探し
> 基準Xに違反しているかのようにその理論を誤解し
> 延々と「この理論は違反ではないか」と言い続けることが可能なわけですね。

 まことにおっしゃる通り。

234Ken:2022/02/04(金) 22:27:39 ID:l3c2r2bk
>以下のどちらかであるということと同値ですが。それが論理的推論というものです。
>  Ent2は間違っている
>  [>>224]の4つを全て否定することは間違っている

そうですよね。そしてdiamonds8888xさんは、Ent2が間違っていると主張されていると理解します。

私自身はEnt2の否定には反対ですが、反対の根拠は、第2法則が適用範囲外になるメカニズムが考えられないというものですから、「メカニズムの説明が不要」と聞いて以後は、それが本スレッドで取るべき立場と認識しています。

よって、Ent2が正しくEnt1は誤りとは言いませんし、S=0が過去に続いたという主張にも反論しません。あるいは反論したと思われるかもしれませんが、それは、Ent2から出発するならそうなる、ということで、Ent2が基準05違反と確認するための仮定です。

整理します。diamonds8888xさんの論点は、

(1)第2法則に適用範囲外はないというEnt2からは「P∧¬P」が導かれてしまう
(2)しかし、正しい科学の中で「P∧¬P」を含む理論は許されない
(3)ゆえに、第2法則に適用範囲外があるEnt1を想定し、過去にS=0が続いたと考える
(4)どうすればEnt1がありうるのか、というメカニズムの説明は不要である

以上でよろしいですか?

235diamonds8888x:2022/02/08(火) 06:34:00 ID:Qix9q/lA
>>234
>そしてdiamonds8888xさんは、Ent2が間違っていると主張されていると理解します。

 その理解は間違いです。[>>224]の4つを全て否定して、Ent2が「P∧¬P」に該当すると主張しているのはKenさんです。そして、「Ent2は「P∧¬P」に該当するが、間違ってもいない」というのがKenさんの主張のように思えますが、そうなんですか?

 私は「(Ent2) 矛盾する可能性はあり」とは述べました。[>>224,>>189]。
 さらに[>>183]でも、こう述べました。
 >一応はEnt2を期待するかもしれないけれどもEnt1の可能性は常に心に留めるのが、世間一般の研究者の感覚です。

>それは、Ent2から出発するならそうなる、ということで、Ent2が基準05違反と確認するための仮定です。

 ここの「そうなる」とは、どうなることを指しているのですか? 仮定だとおっしゃる「反論したと思われるかもしれません」というのは具体的にどの文章部分を指しているのですか? どの話のことかわからないのですが? 「反論したと思われる」部分はたくさんありますから。


> (1)第2法則に適用範囲外はないというEnt2からは「P∧¬P」が導かれてしまう
> (2)しかし、正しい科学の中で「P∧¬P」を含む理論は許されない
> (3)ゆえに、第2法則に適用範囲外があるEnt1を想定し、過去にS=0が続いたと考える
> (4)どうすればEnt1がありうるのか、というメカニズムの説明は不要である

 (2)と(4)は私の主張です。

 前述の通り、(1)はKenさんの主張であり私の主張ではありません。今はひとまずKenさんの主張を受け入れて、その後の推論を知ろうとしているだけです。さっさと自分の主張を進めてください。

 (3)は2つのことを言ってて意味不明です。
 「第2法則に適用範囲外があるEnt1を想定し」
   私はEnt1もEnt2も可能性ありという立場です。
 「過去にS=0が続いたと考える」
   Kenさんの論理に従えばそうなることは認めた、という話であり、「必ずそうなる」というのは私の主張ではありません。


 繰り返すようですが、(2)を否定して、「「P∧¬P」を含む間違っていない理論があり得る」、具体的には「Ent2は「P∧¬P」に該当するが、間違ってもいない」というのがKenさんの主張のように思えますが、そうなんですか?

236Ken:2022/02/08(火) 22:57:27 ID:l3c2r2bk
>その理解は間違いです。[>>224]の4つを全て否定して、Ent2が「P∧¬P」に該当すると主張しているのはKenさんです。

やはり、この部分で同意がえられませんか? これまでの経緯を整理しましょう。

はじめに、Ent2が前提なら「P∧¬P」に行き着くと主張したのは私です。私の主張ですから説明責任は私にあります。

それを説明したのが>>202の後半と>>206で、要約すると、第2法則のもとではエントロピーは不可逆的に増大し、しかもエントロピーが小さいほど、つまり温度であれ濃度であれ他の何であれ、不均衡の勾配が大きいほど増大は速いから、S=0になるのは有限な過去で、それより前では、Ent2と矛盾する「エントロピーは増大しない」が導かれると述べました。

この私のロジックに誤りがあると主張されるなら、誤りを具体的に指摘する責任が、今度はdiamonds8888xさんに生じます。それをされたのが>>224の1-4でしょう。もっとも4の「その他、我々の知らない理論」は具体論ではありませんので、指摘したことになりません。

残りは3つですが、1の「過去は有限」の理由は、2で言われた「エントロピー増加こそ時間の源」でしょうから、1と2は同じことを言っているのでしょう。つまりS=0が続いてもEnt2と矛盾しないというもの。3は「ファインマン他の理論」つまり外部の影響を受けたというものです。

これに対して、私は、それでは>>202>>206で示したロジックの誤りの指摘にはなりませんと>>229で説明しました。その結論が>>231でまとめていただいた

>「S=0の想定はいかなる時も第2法則が成立するEnt2の前提をはずれる」=>1,2の否定
>「外の世界を含めた全体系において、エントロピーの極小状態はなぜ生じたのか、が元々の課題なのですから。」=>3の否定

になります。具体的な理由を語った上で、上のように主張しました。

これに対して、diamonds8888xさんから再反論が出ていないのです。再反論を出すか、もしくは下記の点に同意をいただかねばなりません。
> (1)第2法則に適用範囲外はないというEnt2からは「P∧¬P」が導かれてしまう


>「Ent2は「P∧¬P」に該当するが、間違ってもいない」というのがKenさんの主張のように思えますが、そうなんですか?

何度も繰り返してきましたが、本スレッドは私の主張を論じる場ではありません。

むろん、S=0は続かない、といったテクニカルな考証は述べますよ。これは第2法則はどういうものかの話だから、明らかにしなければ話が進みません。ですが、「正しい科学」に求められる基準については、diamonds8888xさんの主張を、そのまま受け入れると言っています。私の今の関心はEnt2が「P∧¬P」に該当するかです。該当するなら、Ent2は間違った理論になるでしょう。

237diamonds8888x:2022/02/11(金) 17:07:48 ID:Qix9q/lA
>>238
>私の今の関心はEnt2が「P∧¬P」に該当するかです。該当するなら、Ent2は間違った理論になるでしょう。

 了解。「Ent2は「P∧¬P」に該当するが、間違ってもいない」とは考えていないということですね。良かった。

再反論を出すか、もしくは下記の点に同意をいただかねばなりません。
> (1)第2法則に適用範囲外はないというEnt2からは「P∧¬P」が導かれてしまう

 だから、[>>231]で、「[>>224]の4つは全て否定するという前提ならばそうなるよ」、だからさっとと「それなら確かに「P⋀¬P」に至ります。ではどうぞ次へ。」と書いたでしょ。

 でも私自身は[>>224]の4つは全て否定するのは無理だと考えてますから、Ent2が間違っているとの主張はしません。つまり「diamonds8888xさんは、Ent2が間違っていると主張されていると理解します」との理解は間違いです。[>>224]の4つは全て否定するのは無理、ということをKenさんが理解しようとするかどうか、理解できるかできないかは関係ありません。

 でもKenさんの主張は、「[>>224]の4つは全て否定できる」ということだから、その主張を憂いれるならば「それなら確かに「P⋀¬P」に至ります。ではどうぞ次へ。」ということ。こういう意味でなら「下記の点に同意」はしてますよ。

 だからあ、早く次に進んでくださいな。


 私の主張、というよりも現在のKenさんへのお勧めは、「納得できるかどうかは置いといて、まず基準01-06は受け入れてみたらどうよ?」ということです。受けて入れた上で、Kenさん独自のデザイナー理論だかなんだかを展開していき、その中で基準01-06をどのように使うのかを学べばいいんですよ。慣れれば理解も深まりますから。

238Ken:2022/02/11(金) 20:32:34 ID:l3c2r2bk
>でも私自身は[>>224]の4つは全て否定するのは無理だと考えてますから、Ent2が間違っているとの主張はしません。

問題は、なぜ否定は無理かの説明がないことなのです。繰り返し尋ねているのに。

>[>>224]の4つは全て否定するという前提ならばそうなるよ

否定できない理由を示されないなら、否定は「前提」ではなく論理的帰結で、diamonds8888xさんにも同意していただかねばなりません。私の方は否定の理由を具体的に述べたのですから。

1,2:熱平衡以外でエントロピー増大は止まらない
3:部分空間の話でしかない
4:具体性がない

>まず基準01-06は受け入れてみたらどうよ?

何度も言ってるように、受け入れていますよ。受け入れた上で、Ent2は基準05に違反しますか、と尋ねています。

239diamonds8888x:2022/02/15(火) 05:11:53 ID:Qix9q/lA
>>238
> >まず基準01-06は受け入れてみたらどうよ?
> 何度も言ってるように、受け入れていますよ。

 いつどこで「受け入れていますよ」などと言いましたか?
 受け入れているのなら、何のためにこれまで議論してきたの? 受け入れ難いから、納得の上で受け入れようとして、色々と質問してきたのでしょ?
 受け入れているなら、その基準に従ってさっさと自分のやりたい進化論をやればいいじゃないですか?

 「受け入れている」の意味が違うのかな? どういう意味?

240Ken:2022/02/15(火) 22:13:12 ID:l3c2r2bk
今回はEnt2への言及がありませんが、P∧¬Pに該当することは了解されたのでしょうか?


基準を受け入れるとは、提示された基準は正しい、という前提から出発するという意味です。

ただし「P∧¬Pはありえない」のような文言を棒暗記してすませるのではありません。基準によって「正しくない科学」と判定される理論を具体化せねば、基準として役にたちませんから。その考えに同意されたからこそ「太陽が昇る∧太陽が昇らない」という具体例を挙げられたのですよね?

そして私の一番の関心は、よく知られた理論が基準でどう判定されるかで、その例に熱力学第2法則を出しました。基準は受け入れるのだから、あとは第2法則を突き詰めるだけで、違反するしないの結論が出るはずです。

私が受け入れられないのは基準05ではなく、第2法則の扱いなのです。ゆえに>>224の4つも否定せざるをえません。

1と2は、S=0のままエントロピーが変わらないという → 間違い
3は、部分空間を問題にしている → 筋違い
4は、具体論ですらない

もし私が正しく、>>224の1-4が否定されるのなら、Ent2は基準05違反の具体例になるはずです。それとも、やはりEnt2は基準05違反ではないと主張されるのなら、上に挙げた私の否定理由への再反論があるべきでしょう。

基準自体に反論していないことは、納得いただけますか?

241diamonds8888x:2022/02/20(日) 08:37:00 ID:Qix9q/lA
>>240
>今回はEnt2への言及がありませんが、P∧¬Pに該当することは了解されたのでしょうか?

 取り敢えずOKでもいいんだけど、いくらKenさんには理解が難しくても嘘もつけないからねえ。

 Ent1とEnt2については[>>167,>>168,>>169]で説明しましたが再掲します。

 熱力学第2法則1(Ent1)
  1)熱力学第2法則。閉鎖系のエントロピーは減少しない。
  2)熱力学第2法則は、過去には成立しない時があった。

 熱力学第2法則2(Ent2)
  1)熱力学第2法則。閉鎖系のエントロピーは減少しない。
  2)熱力学第2法則は、どれぼど遠い過去でも成立する。

 で、[>>224]の4つで外部世界の話がでたので、特にEnt2の方をもう一度定義し直すのがいいでしょう。

 熱力学第2法則2a(Ent2a)
  1)熱力学第2法則。閉鎖系のエントロピーは減少しない。
  2)熱力学第2法則は、現宇宙のどれぼど遠い過去でも成立する。
  2a)現宇宙の外部の宇宙がもし存在するとして、熱力学第2法則はいかなる外部宇宙でも全時間軸で成立する。

 熱力学第2法則2b(Ent2b)
  1)熱力学第2法則。閉鎖系のエントロピーは減少しない。
  2)熱力学第2法則は、どれぼど遠い過去でも成立する。
  2b)現宇宙の外部の宇宙がもし存在するとして、外部宇宙には熱力学第2法則が成立しない部分(空間的または時間的領域)を持つものがある。


 【さて回答。】(Ent2a)はP∧¬Pに該当します。これならまあ嘘じゃないな。
 [>>231]とほぼ同じことですから。
> 要するに[>>224]の4つは全て否定するという前提ですね。
>  〜中略〜
> それなら確かに「P⋀¬P」に至ります。ではどうぞ次へ。

242diamonds8888x:2022/02/20(日) 08:42:26 ID:Qix9q/lA
>>240
 もう、国語問題はうんざりなんだけど。

>基準によって「正しくない科学」と判定される理論を具体化せねば、基準として役にたちませんから。その考えに同意されたからこそ「太陽が昇る∧太陽が昇らない」という具体例を挙げられたのですよね?

 話の順序が逆です。
 具体例に役立てたいから基準01-06がある。本来の目的の具体例とは進化論でありクリエイター理論。
 Kenさんは基準01-06に納得してないから、もしくは(使い方が?)よく理解できないから、わかりやすい具体例で理解しようとしている。
 「太陽が昇る∧太陽が昇らない」なんてわかりやすい例だから出した。が、なぜかKenさんはそれでも混乱して納得できなかった。
 実際には、それ自体が最先端の物理学者も悩むほどの難しい熱力学第2法則とか、量子論とか持ち出して、生兵法でさらに混乱しているのが現状。さらに自分が理解不足だと認識していないのが事を難しくしている。

>私が受け入れられないのは基準05ではなく、第2法則の扱いなのです。

 いつの間に物理学のスレになったのさ? 第2法則に興味があるから議論したいというなら、ちゃんとそう宣言しなさいよ。

>基準自体に反論していないことは、納得いただけますか?

 私の定義では反論してるけど、Kenさんの定義では反論じゃないということは理解しました。
 いや、この趣旨だと、今後は基準01-06はきちんと使うという意味? もともと今は基準05だけとか言ってなかったっけ?

[>>238]
> >まず基準01-06は受け入れてみたらどうよ?
> 何度も言ってるように、受け入れていますよ。

基準01-06は受け入れてるんだよね? いつの間に? 今は基準05だけとか言ってなかったっけ?

 どうでもいいや。要するに、今現在は、純粋に「熱力学第2法則の謎」に興味があるんだよね? それならそれで私も興味はあるけどね。基準01-06を踏みにじるような変な論理は振り回さないでくれると嬉しいけど。

243diamonds8888x:2022/02/20(日) 09:14:28 ID:Qix9q/lA
【Kenさん以外の人向けです】
 [>>241]でおわかりの通り、KenさんはEnt2は「この宇宙の遠い過去全て」のみならず「外部宇宙の全て」でも第2法則が成立しないと決めつけていたのですね。{>>240,>>236,>>202,>>206]で「部分空間の話」と書いてる通り。観測もしてないのに、そんなのわからんだろ。

 初歩的というには難しい話も出てきたのでブログにまとめてみたものを紹介しておきます。

確率論は純粋数学ではない点について [ttps://blog.goo.ne.jp/diamonds8888x/e/a357b488ba86c4887e2a1eca81a81f00]

2つの位置という属性について [ttps://blog.goo.ne.jp/diamonds8888x/e/2d29c4bfb8fbbb29920b86012ce8d472]
 [ttps://blog.goo.ne.jp/diamonds8888x/e/beb6f904c7c6886afcf1f98477a8f361]

失敗したメカニズム論について
 [ttps://blog.goo.ne.jp/diamonds8888x/e/f13791d1c47040fc8a79b132854772f6]

244Ken:2022/02/20(日) 11:29:20 ID:l3c2r2bk
>【さて回答。】(Ent2a)はP∧¬Pに該当します。これならまあ嘘じゃないな。

なるほど。では、確認します。私は>>234で、diamonds8888xさんは以下の論理ステップを考えておられるのかと尋ねました。

(1)第2法則に適用範囲外はないというEnt2からは「P∧¬P」が導かれてしまう
(2)しかし、正しい科学の中で「P∧¬P」を含む理論は許されない
(3)ゆえに、第2法則に適用範囲外があるEnt1を想定し、過去にS=0が続いたと考える
(4)どうすればEnt1がありうるのか、というメカニズムの説明は不要である

上は正しくないが、以下のとおりなら正しいと考えるわけですね?

(1)第2法則には時間的にも空間的にも適用範囲外はないというEnt2aからは「P∧¬P」が導かれてしまう
(2)しかし、正しい科学の中で「P∧¬P」を含む理論は許されない
(3)ゆえに、時間的な適用範囲外があるEnt1もしくは空間的な適用外があるEnt2bを想定する
(4)どうすればEnt1やEnt2bがありうるのか、というメカニズムの説明は不要である

これでよろしいですか?

245ミケ:2022/02/23(水) 22:05:52 ID:liYNNt7Y
diamonds8888xさん

なんだか話が進んでしまっていて恐縮ですが、
私へのコメント等あったところに関してと、現状について。

まず、
>>224にて
>2.Sは漸近的にゼロに近づいている。(ミケさん推奨の理論)

とのことですが、
私は「Sは漸近的にゼロに近づいている。」を推奨したわけではありませんよ。

いや、確かに>>188
「x(時間)を無限に遡っていけば、どこかで必ず右肩下がりの場所がある(そうでなければゼロと交わる)はず」
の反例として、
「たとえば」と、左側がゼロに漸近するy=e^xを挙げましたけど、

単に、常に右上がりでかつ左にさかのぼっても絶対に特定の値以下にならないグラフの例として
たまたま特定の値が「ゼロ」となるy=e^xを出しただけであって、
特定の値は5でも100でも構わないわけでしょう。(たとえばy=5+e^xなど)

平衡とか揺らぎとかそういう広げた話はまず置いといて、純粋な論理(数学)の話として、
「変化した場合に常に右上がり」から、
「左にさかのぼればいつか必ず0にたどり着く」
は、論理的に導けないという話です。

※エントロピーの式から必ず有限の時間でS=0にたどり着くと演繹した
>>206の演繹が間違っているというのは、
本人は読んでいないでしょうが、>>217の後半部分で具体的に指摘しています。

一応、エントロピーの経時的変化に関して他にもざっくりネットで検索したところ
QuaraのQ and Aくらいしか見つからずちょっと自信がありませんが
エントロピーの変化速度は、途中の経過やいろいろな条件に依存し、
一概には言えないという私の認識で合ってそうな雰囲気でした。

エントロピーの法則で規定されるのは
あくまで
状態Aから状態Bへ不可逆変化した場合の変化量(変化速度ではない)ΔSがゼロ以上であること、
そして状態Aから状態Bへ移行する際の変化の過程(どれだけ、何種類の状態を経由するか等)は関係ない
ということですから
宇宙全体のエントロピーの上昇速度が過去に行くほど大きいはずだというのは
特に論理的根拠がないことになります。

ああ、Kenさんはこれや>>217は読まないだろうし、
もし彼に説明するのでしたらdiamonds8888xさんが翻訳してくださいね。

246ミケ:2022/02/23(水) 22:11:17 ID:liYNNt7Y
diamonds8888xさん
次に>>233のコメントに関しまして

>漸近的接近の事例では説得力不足な面もあります。現実の〜

現実の〜という文面からふと気付いたと言いますか、

えーっと、
もう話が進んでしまって遅いかもしれませんが今更ながら、
その理論(エントロピーの法則)内の矛盾と
その理論と他の既知の理論・事実との矛盾を区別された方がよろしかったかと思います。

「基準」は、まず理論の内部で矛盾があるかどうかでフィルターをかけ、
理論の内部で矛盾があるのならば科学理論として成立しない、ということですよね。

その上で(科学理論として提出されたうえで)、
理論と他の既知の理論・事実と矛盾があるかどうかが検証されるわけですね。
他の既知の理論・事実と矛盾がある科学理論はいくつも提出されており、
その理論はそれによって反証されたり、
逆に他の既知の理論や事実を塗り替えたり修正したりするわけですが、
この過程は科学と非科学を分けるフィルターではありません。

時間に始まりがあるのかとか、
揺らぎがあるからどうのとかは、エントロピーの法則の理論内の話ではないですよね。

エントロピーの法則は

Aという平衡状態からBという平衡状態への不可逆変化起こったとき
エントロピーは上昇する
(このときの変化量ΔSはかならず0以上で、AとBのみに依存し、途中経過は関係ない。「時間」の記述もない。)

この論理内で矛盾があるかどうかというのは
これがいついかなるときでも必ず成立するかとか
成立しないなら矛盾だとか
そういう話ではなくて
たとえば式展開していくと数式に矛盾が生じるとかそういう話で。

この式展開のようなノリで、
特定の理論に、別の理論や勝手な前提を組み入れて演繹して、
「ほら理論が言ってることと反対のことになったー矛盾だー」とやっているのがKenさんの>>206など。

そしてdiamonds8888xさんの言及しておられる
時間の矢や宇宙に始まりがあるのか等も、、、

エントロピーの法則と関連する話ではありますが、
エントロピーの法則が理論の内部に矛盾を抱えるかとはまた別問題ですね。
ペースに乗せられていると言いますか。

どうにも議論の進み方が
かっちり理屈を詰めているように見えるのに理系っぽくなくてなんだか大変です。

247Ken:2022/04/20(水) 22:22:13 ID:0EvyfUus
今日は4月20日です。私が最後の投稿(>>244)をしたのが2月20日だから、2ヶ月が経ちました。diamonds8888xさんの投稿にこれほどの間隔があくのは初めてなので、確認をさせてください。

この「科学と疑似科学とを判別する」というスレッドを、今後も続けてゆく意思はありますか?

間隔があきすぎているので、「基準05」に関するこれまでの経緯を整理しておきます。

基準05は「P∧¬P」つまり、ある命題とその否定命題が同時に成立するという主張を含む理論は「正しくない科学」であるというものです。そして私が本スレッドでやっているのは、提示される基準に違反する具体例を明らかにすることなので、私が知っている理論の中から熱力学第2法則を基準05違反の検証課題に挙げました。

熱力学第2法則とは、閉鎖系のエントロピーが減少することはないし、熱平衡でない限りは増大するというものです。そこには「不可逆性(ファインマンがいうirreversibility)」があり、不可逆変化であるなら、初期状態がなぜ生じたのかという起源問題が生じます。

「熱平衡でなければエントロピーは増大する」から出発すると、結局「熱平衡でなくてもエントロピーは増大しない」という結論に達してしまうのが第2法則で、ゆえに「P∧¬P」に該当するのでは、というのが私の問題提議でした。

議論を重ねてきた結果、>>241にて、第2法則には時間的にも空間的にも適用範囲外がない、つまりいかなる時も、いかなる場所でも第2法則が成立する「Ent2a」を想定するなら、たしかに「P∧¬P」に該当するという同意がdiamonds8888xさんから得られました。

本スレッドの主旨に関わる大切な点なので、念のために、それで間違いありませんか、と尋ねたのが>>244で、それへの回答を2ヶ月待っています。

248ゲジゲジ:2022/07/18(月) 17:26:49 ID:4uwYJKbA
ヨコからになりますがすみません。
diamonds8888x様は議論を途中で投げ出すような方だとは私には思えません。
とすると、何か書き込めないご事情(事故とか重いご病気とか・・・)ができたと考えざるを得ません。ブログの方も拝見しましたが、5月29日で更新が止まっていました。

さて、そこでKen様にご相談なのですが、私の以下の質問に答えて頂くことはできないでしょうか?

 >Ken様のID論が疑似科学である理由 投稿者:ゲジゲジ 投稿日:2018年 1月 2日(火)21時42分24秒
 >Ken様が、突然変異と自然選択では説明できなくて、
 >IDならすっきりと説明できると考えていらっしゃる具体的事例を挙げて頂けますか?


この質問に対する、当時のKen様の答えは以下でした。

 >ゲジゲジ様 投稿者:Ken 投稿日:2018年 1月 2日(火)23時28分9秒
 >申し訳ありませんが、diamonds8888xさんとの今の議論に結論を出すことを優先させていただけますでしょうか。
 >人間以外の存在が地球生物の進化に干渉したことを示す直接の証拠はありません。ですからID仮説を提唱する理由は、自然選択では説明できない進化があるという、それしか今はないのです。
 >ですから、そのような議論の進め方自体を認めない方と個別の進化を論じても、そもそも議論が成り立ちません。


というわけでKen様からの回答を4年半、お待ちしている状態です。
本来であればdiamonds8888x様との議論が終わるのを10年でも20年でもお待ちするべきところですが、議論が5ヶ月近くストップしており、この先再開されるのかどうかも難しそうに思える事からのご相談です。

もし、お答えを頂けるのでしたら、別スレッドにした方が良いかと思います。
このスレッドはこのまま、diamonds8888x様との議論再開の可能性がゼロでない以上、残しておかれるべきでしょう。

尚、上記の通り2018年の時点では私も「疑似科学」という言葉を使っていますが、お2人がこのスレッドでやられてきた議論を踏まえ、「疑似科学」という言い方はしないつもりです。
また、「自然選択では説明できない進化がある」というだけの理由でID仮説を提唱することが「正当な科学の手続」に該当するのか否か、といった論点には入り込まないよう、私の方も配慮するつもりです。

如何でしょうか?
どうかご検討を頂けますよう、よろしくお願い致します。

249Ken:2022/09/03(土) 11:22:00 ID:0EvyfUus
9月になりました。diamonds8888xさんの最後の投稿から半年以上も経っています。なぜ投稿をされなくなったのかは分かりません。本スレッドを続ける気がなくなったのか。何かの理由でネットへのアクセスができないのか。そもそもまだ存命しておられるのかも、私には判断のしようがありません。そう考えて、これまで待ってきましたが、無限に待つことはできませんので、このまま回答がないことを前提にして、ここまで続けてきたスレッドを総括しようと思います。

総括とは、提示された「科学と疑似科学を判別する基準」が、本当に基準となりうるのかです。ただし、最初に明らかにしておく点があります。

私は、diamonds8888xさんが提示される基準を検証するに際して、それらの基準は正しいという前提に立ってきました。基準自体に反論はせず、その基準から出発すると、具体的にどういう自然科学理論が「疑似科学」と判定されるのかを明らかにするためです。その目的は、もうお分かりと思います。

提示される基準が、本当は正しい科学理論を疑似科学と誤判定することはないのか。それを確認するため、近代以降の科学史で広く受け入れられた理論が、基準で「正しい科学」と判定されるのかを明らかにしようとしました。「熱力学第2法則」や「光の正体論争」は、その検証例に挙げたものです。

そして、もしdiamonds8888xさんとの議論がここで終わってしまうのなら、提示された基準では、広く受け入れられた理論が「疑似科学」と判定されると結論するしかありません。すると論理的な選択肢は2つです。

1つは、「基準」はあくまでも正しく、したがって熱力学第2法則も、かつての「光粒子説」も「光波動説」も、すべて「疑似科学」である、というものです。ID論もまた疑似科学でしょう。

もう1つは、これらを疑似科学と判定する「基準」の方が間違っているので、例に挙げた理論はどれひとつ疑似科学ではない、というものです。私自身は、熱力学のような現在の教科書で教えられる理論は正しいと考えますので、こちらの立場をとります。言い換えれば、もう提示された基準は正しいという前提には立ちません、ということです。

注意をいただきたいのは、もしこのままdiamonds8888xさんからの投稿が無ければ、私への反論もならず「言われっぱなし」になってしまうことです。だからこそ、半年、待ってきました。

もしも、それは容認できないのでしたら、本スレッドを継続することを希望します。まずは、>>244で尋ねたこと。

(1)第2法則には時間的にも空間的にも適用範囲外はないというEnt2aからは「P∧¬P」が導かれてしまう
(2)しかし、正しい科学の中で「P∧¬P」を含む理論は許されない
(3)ゆえに、時間的な適用範囲外があるEnt1もしくは空間的な適用外があるEnt2bを想定する
(4)どうすればEnt1やEnt2bがありうるのか、というメカニズムの説明は不要である

の論理ステップに同意をいただけるのかの回答をお願いします。

なお、付け加えますと、これまでdiamonds8888xさんの要請に従い、「疑似科学」ではなく「正しくない科学」といってきました。しかしその理由は「疑似科学」という表現が不正確だからではなく侮蔑的であり、感情的な反発を引き起こすから、というものでした(>>87)。ですが、そのような配慮はこれ以上の必要を認めません。「疑似科学(pseudoscience)」という表現は世に溢れていますし、diamonds8888xさんが決められた本スレッドのタイトルも「科学と疑似科学を判別する」ですから、以後は疑似科学と呼称します。

このまま総括に入れば、まずは、やりかけの基準05を決着させ、次に保留になった基準01、最後に、まだ議論に入っていない基準02の話をします。どの基準も、世間で受け入れられる理論を疑似科学と判定してしまう結論になるでしょう。

250Ken:2022/10/03(月) 00:18:33 ID:0EvyfUus
さらにひと月待ちましたが、回答がありませんので、私の総括を始めます。ここまで待ったうえで始めるのですから、総括は最後まで行います。もし議論に復帰されるのでしたら、ひととおりの総括を終えた後でお願いします。

[総括編第1回]

まず熱力学から考えた起源問題を整理しましょう。最初にこの問題を持ち出したのは旧スレッドの674(jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/study/5329/1524257541/674)でした。熱力学第2法則が正しいなら過去にエントロピー極小状態(S=0)があったと考えるしかないが、第2法則が正しいならそんな状態は生じえないのだから、第2法則は「P∧¬P」つまり基準05違反に該当するではないかというものです。「P∧¬P」を回避するには、diamonds8888xさんが仰るとおり第2法則の「適用範囲外」を想定するしかありません。

むろん、熱力学を用いる大半の場面では、適用範囲外を考える必要はないでしょう。適用範囲外ならニュートン力学にもありますが、原子レベル以下の微小な対象(量子力学が支配)や、非常な高速(特殊相対論が支配)等の条件がなければ、ニュートン力学で十分です。たとえば自動車の開発には相対論も量子論も必要ありません。ちなみに私は機械工学科の出身ですが、相対論や量子論の講義はあっても必修科目ではありませんでした。(その後の技術動向を考えると、機械技術者といえども、量子力学は必修になったかもしれません)

熱力学にしても、自動車のエンジンを設計したり、効率の良い電池を開発したり、昨年のノーベル賞のように気候変動の解析で用いるには、適用範囲外を考慮する必要はありません。

では、第2法則の適用範囲外を無視できないのはどういう場合かといえば、起源問題を考える時であるはずです。そして、私の問いかけは、適用範囲外を主張をする人は他にもいるのか、ということでした。それを最初に尋ねたのは>>180だと思います。

>diamonds8888xさん御自身以外の文章で、第2法則が過去に成立しなかったから、起源問題はないという記述を、見たことがありますか?

もしも、diamonds8888xさんの主張が、仰るような世間の常識なら、適用範囲外の話をする人は世に溢れているはずです。なにしろ、起源問題を論じる人は、ファインマンやアジモフをはじめ何人もいるのですから。ところが私自身は、そんな主張を見聞したことがないのです。私が見たのは、この矛盾は解決不可能として、そのままにしておく話ばかりでした。

251Ken:2022/10/03(月) 00:19:48 ID:0EvyfUus
例えば、アジモフが1972年に発表した「The Beginning and the End」というエッセイでは、宇宙の起源を考察していますが、ビッグバンでエントロピーの増大が、言い換えれば時間が、始まったのなら、ビッグバン以前はどうだったのかを最初に論じています。この「宇宙卵」では時間が止まっていたのか? なぜそんなことが可能なのか? 時間が止まっていたとして、それならなぜビッグバンは起こったのか? それを考えるとビッグバンを否定せねばならないが、観測事実はビッグバンを示すから、矛盾を回避できないと結論づけています。このエッセイはオンラインで公開されているので、該当の頁を紹介します。
archive.org/details/beginningend0000asim/page/132/mode/2up

右側の頁のFigure 3の直前の「We are stuck with its paradoxes」とあるのがそれです。結局アジモフは、ビッグバンで時間そのものが始まったという考えをあきらめ、エッセイの残りは、宇宙が膨張と収縮を繰り返すような、時間は過去にも未来にも無限に続くモデルを考察するわけですが、むろんこれでは起源問題の解にはなりません。宇宙が膨張しようが収縮しようが、マルチバースの間で影響を及ぼしあおうが、熱平衡は進行し、エントロピーは増大するからです。

アジモフは矛盾を回避するためになにをしたのか? 適用範囲外を想定したのか? それとも第2法則自体を否定したのか? 答えはどちらもNOです。それなら矛盾を容認したとしか解釈ができません。

ファインマンは矛盾という言葉は使いませんでしたが、適用範囲外を想定せず、起源問題を解決できないのはアジモフと同じです。また>>169で紹介された須藤という人は、

>膨張によって生み出された膨大な空間にエントロピーを捨てることで、自身のエントロピーを下げ秩序を形成する領域の誕生(ただし全系のエントロピーは増える)

と、部分空間のエントロピーが減少するメカニズムを提唱しましたが、「全系のエントロピーは増える」と述べています。この人も適用範囲外を持ち出すことはなく、起源問題の矛盾を残したままです。

そうなると、diamonds8888xさんが仰る「常識」に従う人はどこにいるのでしょうか? もし、どこにもいないのなら、常識から外れているのはdiamonds8888xさんではないのですか?

このことを考えると、今回の議論の中で私が最も驚いた主張を問題にせざるをえません。「メカニズムを説明できない仮説を唱えてもよい」というものです。次回は、これを語りましょう。

(続く)

252Ken:2022/10/10(月) 00:05:37 ID:0EvyfUus
[総括編第2回]

「メカニズムを説明できない仮説を唱えてもよい」と言葉でいうと、解釈によっては受け入れられることもあるでしょう。

例えば、重力は4種類の力(重力、電磁気力、強弱2種の核力)の中で、最も早くから知られ、17世紀のニュートンによって、

  重力 = (重力定数) × (質量1) × (質量2) ÷ (距離の2乗)

と、性質が明らかになりました。他の3つの力の法則が明らかになるのは、それよりずっと後のことです。ところが、最も早くから知られていたのに、重力が働くメカニズムは4つの中で最後まで解明ができていません。たとえば、重力だけはそれを伝える素粒子を確認できません。それでも、多くの観測から上記式の形で重力が働くことは分かっているし、この法則に基づく事象の予測はできますから、重力仮説はメカニズムが不明のまま支持されます。

あるいは、また、メンデルの法則を考えましょう。メンデルは、マメ科の植物の個体群の中で、背丈の高い個体と低い個体を交配させても中間的な背丈の個体は生じず、高いか低いかのどちらかになるような事象を観測し、生物の特徴を支配する、互いに混ざることがない因子があることに気づきました。遺伝子の存在が知られたわけですが、遺伝子が働くメカニズムは、染色体やDNAの実態が明らかになるまで数十年も謎でした。それでも観測事象に基づいて遺伝の法則は帰納的に確立されたわけです。

一方で、観測事実はないが、既知の理論から推測されることもあります。宇宙のエントロピーが増大を続ければ、やがて宇宙全体の「熱的死」にいたることは熱力学第2法則で予測されますが、むろん宇宙の熱的死を観測した人はいません。観測事実はなくても、演繹的に結論にいたる場合です。

このように、観測事象から帰納するか、既知の理論から演繹するか、少なくともどちらか一方を根拠に、仮説は提唱されるわけです。

ところが、今回「メカニズムを説明できなくてもよい」例に挙げられたのは、熱力学第2法則の適用範囲外があるという主張でした。この主張には観測事実もないし、既知の理論から導くこともできません。帰納もなければ演繹もない。通常の考察で要求される根拠はなにもないのです。

この「適用範囲外」を主張する根拠はただ1つ。第2法則が「P∧¬P」になることを避けるためです。でも、考えてみてください。その論法自体がおかしくありませんか?

基準05は、科学と疑似科学を判別する基準です。特定の理論を検証してみたら「P∧¬P」になるから、その理論は疑似科学とするのが基準05のはずです。ところが、その判定を覆すだけの理由で、帰納も演繹もない想定をしてもよいなら、あらゆる理論が基準05をパスしてしまい、基準の意味がなくなるではありませんか。

基準違反の例に挙げられた「太陽が昇る∧太陽が昇らない」を考えてみてください。一般的な知識体系ではこれは「P∧¬P」になります。量子ならともかく太陽のような物体が2つの位置に存在することは観測事象でも理論的演繹でも支持されないからです。ところが、もし次のような議論がなされたらどうなりますか?

「太陽が昇る∧太陽が昇らない、は実現可能です」
「なぜそんなことが可能なのですか?」
「そのメカニズムは説明不要です」

こんな強弁が通りますか。

要するにdiamonds8888xさんは、論理矛盾の排除を正しい科学の基準に掲げながら、論理矛盾の実例が示されると、論理矛盾であることを否定するために、「説明不要」と論理を断ち切っているのです。ある意味これこそ正真正銘の「P∧¬P」ではありませんか? 「P∧¬P」を疑似科学とする基準を主張しながら、結局はご自身が「P∧¬P」に該当する主張をされています。

以上の理由により、基準05は、科学と疑似科学を判別する基準としては不適当と考えます。

(続く)

253Lurker:2022/10/22(土) 01:32:39 ID:???
ゲジゲジさんの質問には答えないのですか?

254Ken:2022/10/23(日) 23:37:33 ID:/6TLb.aE
[総括編第3回]

次は、途中で保留になった基準01です。最初に言及されたのは旧スレッドの56でした。世界5分前仮説等を例に挙げ、観測事実で反証される可能性のない仮説は、疑似科学と判定されるというものです。
jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/study/5329/1524257541/56

これについては、旧スレッドの742から747で、現実に支持されている多くの理論も反証不能ではないかと述べました。

jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/study/5329/1524257541/742
jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/study/5329/1524257541/743
jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/study/5329/1524257541/744
jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/study/5329/1524257541/745
jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/study/5329/1524257541/746
jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/study/5329/1524257541/747

ここでは、もう少し深掘りと整理をしましょう。反証不可能な理論には2種類があります。1つは、観測自体が不可能なものです。

まだ第1掲示板にいた頃、私はブラックホール内部で起こる(とされる)事象は絶対に観測不可能だから、反証も不可能ではないかと述べました。ブラックホールの中心には特異点があるとか、ブラックホールの種類によっては他の宇宙への出口があるなどと主張されているようですが、観測ができないのだから検証も反証もやりようがありません。
en.wikipedia.org/wiki/Black_hole#Singularity

宇宙の熱的死も同様です。いかなる観測者であれ、熱的死が達成された状態を観測するのは絶対に不可能です。なぜなら熱的死では、あらゆる事象が止まるのだから、生物であれ機械であれ、観測者自身も活動はできません。要するに「観測」も1つの事象なのだから、一切の事象が起こらない熱的死では観測は不可能だし、観測ができる間は熱的死になってません。ゆえに、宇宙に熱的死が訪れるという理論を、検証も反証もできません。

そして、反証不可能なもう1つの種類が、上に挙げた、旧スレッドの投稿で説明したものです。一見反証に見える事象も、実は反証ではない条件があるかもしれず、それを反証と証明するには、そんな条件は存在しないという悪魔の証明をやらねばなりません。

具体例を想像すれば納得できることです。たとえば熱力学第2法則を反証する観測事象とはどういうものですか? 高温の物体と低温の物体が接触して、温度差がさらに拡大したら、反証とみなすのですか? その事象を目にしたとき、本当に第2法則を自分の中で否定されますか? 自然選択はどうでしょうか? 街並みが黒くなる中で、白い蛾が増えるのを観測したら、自分の中で自然選択を否定しますか? このような例をいくつも挙げてきました。

(続く)

255Ken:2022/10/30(日) 23:30:57 ID:/6TLb.aE
[総括編第4回]

基準01に議題が戻ったら確認しようと思ってましたが、この第2種の反証不可能については、厳密な証明でなくてもよいと言われるのかもしれません。「塗り分けに5色が必要な地図」を否定するような数学の問題とは異なり、対象の仮説に疑問を呈する程度のことができれば、反証とみなしてもよいのでしょうか? 例えば、低温の物体から高温の物体に熱が移動し、かつ冷蔵庫やエアコンのような原因が見つからなければ、それが見つかるまでは第2法則の反証とみなすのですか?

でも、そんなゆるい反証でよいのなら、一転してあらゆる理論が反証可能になり、結局、科学と疑似科学を判別する基準ではなくなるでしょう。一体、どんな理論が反証不可能なのでしょうか? 天地創造論ですか? それともID論でしょうか?

天地創造論とは、神が天と地と、動植物と、人間を創造したというものですね。旧約聖書の中で、その根拠とされるのは、何人もの預言者(ノア、アブラハム、モーセ、ヨブ等)に神が語ったとされる「お告げ」です。では、そのような天地創造論は、どうすれば反証できるでしょうか?

簡単です。神のお告げがあればよいのです。

神を自称する存在からコンタクトがあり、「天地を作ったのは私ではない」というお告げがあれば、天地創造論は否定されます。世界5分前仮説はこれの同類ですね。「世界ができたのは5分前ではなく150億年前だった」というメッセージがくればよいのです。

ID論はどうでしょうか? ID論の一番の根拠とされるのは、必要最小限の複雑さ(irreducible complexity)というものです。比喩的な例に挙げられるのが時計で、時計の歯車、ぜんまい、針など複雑な機構がそろわねば存在の意味がありません。そして、生物の体機構にも、部分的に完成しても、それだけでは選択圧に反応しないものがあるといいます。1例に挙げられるのが鞭毛で、機械でいえば軸や歯車やクランクやモータに相当する部品から構成されるが、個々の部品が突然変異で生じても何の役にも立たないのだから、全部がそろった形の鞭毛が作られたというものです。では、その反証はどういうものでしょうか?

これも簡単です。化石なり、その他の物証を調べて、各部品の登場に時間差があることを示せばよいのです。

結局、反証に厳密な証明を求めるなら、定説を含めて多くの理論が反証不能になるし、厳密な証明でなくてもよいのなら、反証不能な理論はなくなってしまいます。世界5分前説やID論は反証不能だから疑似科学という人は、ダブル・スタンダードを用いているのです。

(続く)

256ミケ:2022/10/31(月) 20:18:00 ID:???
総括途中ですが一応、議論当事者のdiamonds8888xさんKenさん以外の読者向け(多くないと思いますが、検索等で読み始めたひとも含む)

Kenさん自身が、diamonds8888xさん以外の投稿は読まないと言っておられるので
Kenさん宛てに書くことは無駄ですが、一応第三者に示しておく必要があると思ったので書いておきます。

>>255でKenさんが述べた部分

>ID論の一番の根拠とされるのは、必要最小限の複雑さ(irreducible complexity)というものです。(中略)
>1例に挙げられるのが鞭毛で、機械でいえば軸や歯車やクランクやモータに相当する部品から構成されるが、
>個々の部品が突然変異で生じても何の役にも立たないのだから、全部がそろった形の鞭毛が作られたというものです。

ベーエ(Behe)がirreducible complexityであると主張した
「鞭毛」「血液凝固系」は、反証可能であり、【既に反証されています。】

鞭毛にしても血液凝固系にしても、
「より単純な系」「前駆的な形質の存在」が存在していることが明らかになっています。
また、既にKenさんに対して指摘されています(後述※>>256)。

根拠が反証されているので科学的には「退場」ですね。(Kenさん自身のご意見参照)
しかもBehe教授もその支持者も、そしてKenさんも(後述※>>256)、この指摘を知っているはずなのに
まったく修正することなく
血液凝固系や鞭毛はirreducible complexityだと、IDの証拠だと主張する。
これは証拠の偽証、騙す行為です。ペテンと言える行為です。

Kenさん自身、「ペテン」は疑似科学だとおっしゃっているので(Kenさん自身のご意見参照)、
Kenさん定義で考えると、ID論、
少なくともアメリカでBeheの主張を根拠に教科書に載せろと喚いていた連中のID論は、
疑似科学ということになります。

参考
Kenさん自身のご意見
Kenさんの2011/02/27(日) 14:49:16の投稿
ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/study/13443/1659071428/3432
>たしかに、irreducible complexity(つまりダーウィニズムの穴)だけを根拠に、IDが正しいんだとして、問題を最終決着させたら、ひどい話です。
>研究が進めば、irreducible complexityがirreducible complexityでなくなるかもしれない。
>しかし、そうなったら、そのときに仮説としてのIDを退場させればよいのではないでしょうか?

Kenさん自身のご意見
Kenさんの2018/04/18(水) 19:26:37の投稿
ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/study/13443/1659071428/10470
>私自身は上で述べたように、疑似科学とは騙すこと、ペテンと定義するべきで、
>検証できないからといって疑似科学に(「半科学」にも)ならないと考えております。

257ミケ:2022/10/31(月) 20:19:11 ID:???
※Beheがよりどころにしたirreducible complexityは反証されている)については、
Kenさんが初めてこのサイトを訪れた際に既に指摘されています。

たとえば
7$¥ナナシーさんの2011/02/22(火) 02:15:26の投稿
ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/study/13443/1659071428/3382
>血液凝固については「忘却からの帰還」ですでに取り上げられていますね。
>他の2点についても探せば見つかるかもしれません。
>ttp://www24.atwiki.jp/kumicit/pages/229.html

shinok30さんの2011/02/24(木) 18:27:07の投稿
ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/study/13443/1659071428/3410
>「血液凝固系は還元不可能に複雑である」というID論者の主張は具体的なデータによって反論されています
>Doolittle RF, Jiang Y, Nand J. Genomic evidence for a simpler clotting scheme in jawless vertebrates. J Mol Evol. 2008 Feb;66(2):185-96.
>Michal B. Ponczek, David Gailani and Russell F. Doolittle. Evolution of the Contact Phase of Vertebrate Blood Coagulation. J Thromb Haemost. 2008 November; 6(11): 1876?1883.
>ID論者が「還元不可能に複雑な最小単位があること」をID論の根拠にするなら,
>「真に還元不可能な最小単位」を確認し,
>さらにその最小単位を構成する遺伝子が単体では有害でしかありえないことを示す必要があります

shinok30さんの2011/02/27(日) 18:45:03の投稿
ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/study/13443/1659071428/3436
>「忘却からの帰還」でも紹介されているように,
>鞭毛にしても血液凝固系にしても「還元不可能に複雑である」という主張は
>「より単純な系」「前駆的な形質の存在」という事実によって反論されています

なお、このとき、Kenさんは、
shinok30さんやナナシーさんのこれらに対して具体的な応答はしませんでした。
Kenさんが読み逃した可能性はありますが、その後数年経って再びこのサイトを訪れた際、
diamonds8888xさんが、
しっかりとshinok30さんの投稿の日時を指定しつつ言及しています。
ペテンの批判は逃れえません。

diamonds8888xさんの2017/12/31(日) 06:25:50の投稿
ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/study/13443/1659071428/8594
>十分に議論が尽くされていたではありませんか。どこらへんがまだ納得できないのでしょうか?
>・自然選択説で【説明ができそうにない現象】は見出されていない。
>・ゆえに説明しなきゃいけないことが増えるような【介入者仮説(ID論など)】の必要性はない。
上記、shinok30さんの発言への言及もありました。

258ミケ:2022/10/31(月) 20:23:42 ID:???
ちなみについでなので。
自然選択が反証不能であるかどうかについてはこの掲示板の「トンデモネタに対する突っ込み用情報ソース備忘録」に書いてあります。
ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/study/5329/1138967290/108-116
余談ですが、Kenさんが>>255にて、必要最小限の複雑さ(irreducible complexity)の反証可能性を挙げておられるのに違和感を持った人もいるでしょう。おそらくは「ID論が反証不能ゆえに疑似科学である」という言及を意識してのことでしょう。だから「ID論(の根拠)は反証不能だよ」と主張しているのだと思います。
しかしながら「ID論が反証不能」というのは、「どうやって」「どのように」「いつ」をまったく指定していないで、「何でもできる何者かが、どこかの段階で、どうにかして進化に介入した」
という論理構造のことを述べているのであって(上記自然選択の「反証」と比較してみてください)必要最小限の複雑さ(irreducible complexity)が反証不能だと述べている人はいません。
実はBeheの述べた必要最小限の複雑さ(irreducible complexity)は後付けで、科学的でないと言われたID論が科学を装うために後から証拠として(実は証拠にならないのだけど)ひり出したものなのですが、それはそれとして、必要最小限の複雑さ(irreducible complexity)が反証不能だと述べている人はいません。というか実際反証されていますね(>>256-257参照)。
さて、あらためましてKenさん自身のご意見

Ken:2011/02/27(日) 14:49:16
ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/study/13443/1659071428/3432
>たしかに、irreducible complexity(つまりダーウィニズムの穴)だけを根拠に、IDが正しいんだとして、問題を最終決着させたら、ひどい話です。研究が進めば、irreducible complexityがirreducible complexityでなくなるかもしれない。しかし、そうなったら、そのときに仮説としてのIDを退場させればよいのではないでしょうか?そうなる前に排除しようという考えが、どうしても納得できません。

だから、IDを擁護していたと。しかし、研究が進んで、Beheの述べたirreducible complexityは、irreducible complexityでなくなりました。というかKenさんがこれを書いている時点で既にirreducible complexityではなかった。ですから、仮説としてのIDは退場してOKですね。Kenさん自身がそうおっしゃっているので。
「それ(Beheが主張するirreducible complexityをよりどころにしたID論)を教えよ」という主張は既に仮説として退場していたがゆえに排除された。
「仮説として退場する前に排除された」という、Kenさん自身が「納得できない」と妄想した事実はどこにもなかったわけです。
さて、Kenさんは、ID論を考える前に、何が疑似科学なのかはっきりさせたいと述べ、diamonds8888xさんとの議論(というか、科学の基準を質問)をはじめ、いよいよ総括し、彼にとってID論を考える下地ができました。
しかし、Kenさん自身が「納得できない」と妄想した事実はどこにもなかった。Kenさん自身の考えによれば、「ID論は退場」のはずである。
それなのに「科学の授業でID論を教えること」に固執するとすれば、おそらくは宗教的な背景があるのでしょう。要注目ですね。

259Ken:2022/11/13(日) 22:02:01 ID:/6TLb.aE
[総括編第5回]

次は基準02です。最初に提示されたのは、基準01と同じく旧スレッドの56でした。

>基準02. 理論Aと対立する理論Bを否定しても理論Aの検証にはあまりならない。
>   *)検証になる特殊な場合はある。

基準02は議論にも入っておらず、具体的にどういう理論が違反例なのかも、まだ示されていません。それに上記の言い方も「検証にはあまりならない」とか「検証になる特殊な場合はある」と、えらく曖昧な表現で、どこまでが対象なのかが分かりません。ですから、ここでは「Aと対立するBの否定がAの検証とされる」事例が、特殊でもなんでもなく、世にありふれていることを説明します。まず、地動説の話から始めましょう。

私は、地動説が支持を集めてきた歴史的経緯には、3つのステップがあったと考えます。

むろん最初はコペルニクスです。地動説が出版されたのは1543年ですが、コペルニクスは16世紀の初めから地動説を主張していたといわれます。コペルニクスの根拠は、観測される惑星の動きでした。火星や木星は「行きつ戻りつ」のような複雑な動きを見せますが、当時の天動説は、それぞれの惑星が周回運動をしており、その周回の中心自体が地球を周回するという想定をしていました。図で表すとこうなります。
en.wikipedia.org/wiki/Geocentric_model#/media/File:Ptolemaic_elements.svg
これに対してコペルニクスは、地球を中心に据えるからそんな複雑な系になるので、太陽が中心で各惑星は太陽を単純に周回すると考えれば、そんな複雑な動きを考えなくてもよいと主張しました。コペルニクスが考えたのは、こういうモデルです。
en.wikipedia.org/wiki/Copernican_heliocentrism#/media/File:Copernican_heliocentrism_diagram-2.jpg

第2のステップを進めたのはケプラーでした。1609年から発表された「惑星運動の法則」で、惑星はコペルニクスが想定した円軌道ではなく、太陽を1焦点とする楕円軌道を描き、かつ太陽からの距離と惑星の速度には厳密な関係がある、というものでした。ケプラーの法則が登場したことで、天体位置の予測精度で、地動説は天動説に明確な差をつけるようになったのです。コペルニクスのモデルでは天動説に差をつけることはできませんでした。ここで地動説への支持が一気に拡大します。ちなみに、私は、この時代に地動説を支持した罪でガリレオを裁いた教会の人々も、内心では地動説が正しいと知ってたと考えます。

第3のステップは1851年に行われたフーコーの実験です。高い天井から吊り下げた振り子が時間の経過とともに振れる方向が変わってゆくのは、地球が自転していることの証明です。振れる方向が変わる速度は、実験が行われたパリの緯度から予測されるとおりでした。

以上のステップを経て地動説は支持されてきましたが、では、この中で基準02に違反しない「正しい科学」の手法に沿っているのはどれでしょうか? 天動説の否定ではなく、その仮説自体の証拠があるのはどれでしょうか? 最も決定的なのはフーコーの実験でしょう。これは天文観測にも依存しない力学解析の結果ですから。

常識的な考えをする人なら、ケプラーの段階で地動説を確信するはずです。この理論で行われた精密な予測が的中するのですから、証明として十分です。

問題は、ケプラーより1世紀前に現れたコペルニクスの主張です。この時点で地動説を支持する理由は、天動説では複雑な惑星運動を想定せねばならないという、天動説の難点だけでした。これは基準02に違反するのではありませんか? 近代科学の始まりといわれるコペルニクスの地動説は、じつは疑似科学だったのでしょうか?

(続く)

260GB:2022/11/14(月) 22:44:30 ID:tid4WkII
どのように科学理論が形作られていくのか、という見地から、プトレマイオスの天文学とコペルニクスの地動説を、理論A 対 理論Bとして捉えること自体に違和感を覚えます。

コペルニクスが出発したのは、「天空は完璧な円を描いて動き続ける」(アリストテレス)や、「惑星は天球に貼りついている」という考えが「常識」である時代です。
迷いますよね。地球ではなく太陽が中心である証拠を、どのように求めるべきか。

「コペルニクスは惑星の軌道の大きさが公転周期の順序にも当てはまることに気がついた。もっとも大きな円を描く土星は30年で1周し、最も内側にある水星は3か月しかかからなかった[35]。太陽は365日で地球のまわりを回る。これは火星の687日と金星の225日の間である。そこでコペルニクスは地球の円軌道を火星と金星の間に置いてみたが。こうしてすべての惑星が太陽のまわりを回ることになった[35]。コペルニクスは後に『天球の回転について』で「他のどんな配置にも、軌道の大きさと周期の間にこれほどの調和に満ちた確かな関係を見いだすことはない」と、この発見について書いている[6]。」(Wikipedia「コペルニクス」)

ケプラー、そしてフーコーへとつながる、確認できた事実に基づく解釈と理論構成の積み上げ、それが科学の営みってもんだと思います。

ダーウィンに関わる経緯とも通じますね、コペルニクスがなかなか地動説を公表しなかったことも含めて。
両者ともに、いわゆる「ヨーロッパ人達の精神界の不可避なコペルニクス的転回」だったこと…
カントの言うコペルニクス的転回が、人間社会に受け入れられるまでにはどうしても時間がかかるということも含めて。

さて、以上はもちろんKenさんに宛てたものではなく、私のひとり言です。

261Ken:2022/11/20(日) 22:26:49 ID:/6TLb.aE
[総括編第6回]

今回のスレッドでは、17世紀に始まる光の正体論争を論じました。最初に結論をいうと、「光粒子説」も「光波動説」も17、18世紀には基準02違反だったと、私は考えます。波動説が違反でなくなったのは19世紀で、粒子説は20世紀に違反でない形で復活しました。その歴史を語りましょう。

まず、基準02違反ではない、粒子説や波動説の証拠とは何でしょうか? 私は旧スレッドの687で「粒子は離散的なもの、波動は周期的なもの」と定義しました。
jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/study/5329/1524257541/687

光を観測して、そこに離散性を観測できれば粒子の証拠になるし、周期性を観測できれば波動の証拠になります。

まず、光の周期性が一般に認められたのは1801年のヤングの実験でした。1つの光源の光が2つのスリットを通ると、スクリーンに縞模様を作ります。これはまごうことなき周期性の現れですから、誰もが光は波動と信じるようになりました。

光の離散性が認められるのは20世紀になってからです。旧スレッドの688で述べたように、日光で日焼けしたり、光が目に見える事象は、光を離散的な「かたまり」と考え、「かたまり」の単位でもつエネルギーが、特定の範囲になければなりません。
jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/study/5329/1524257541/688

では、それらの観測が無かった、18世紀までの光粒子説と光波動説には、どんな証拠があったのでしょうか? 粒子説の根拠は、まず光が常に直進し、音のように障害物の背後に回り込まないことでした。衝立の反対側の人物と会話はできても姿は見えません。ゆえに光は波ではないというものです。これで分かるように、粒子説のこの根拠は離散性とは関係なく、波動説の否定にすぎません。もう1つの根拠だった光が宇宙空間を伝わる事象も、真空の宇宙には媒質がないのだから波動ではありえないという、対立説の否定でした。多くの人がこれに納得したので、この時代は粒子説が広く支持されたのです。

では18世紀までの、光波動説の根拠はなんだったのでしょうか? 一番の根拠は光同士がすり抜けることでした。例えば2人の人物が向き合って互いの顔を見るとします。特に相手の目を見るということは、相手の目からの光が自分の目に届いたということです。同時に自分の目も相手に見えているのだから、両者の目からの光は同じ軌道を反対方向に進むことになり、光が粒子なら衝突して散乱するはずというのが波動説の根拠でした。これも、粒子説という対立仮説を否定しただけです。

一方で17世紀のグリマルディは光では起こらないと考えられた回折が実は起こることを発見したといいます。またニュートンはプリズムによる分光を発見しました。今の私たちはこの2つは本来の定義による波動の証拠と知ってますが、当時の大半の人には理解されませんでした。ニュートンは自分が分光を発見し、グリマルディの発見も知ってましたが、彼は一貫して粒子説を支持しました。

結局、18世紀までの光の正体論争では、

粒子説の根拠は、波動説で説明できない現象
波動説の根拠は、粒子説で説明できない現象

であり、波動説の否定の方が強かったので粒子説が支持されるという、基準02違反をやってたことになります。

(続く)

262Ken:2022/11/27(日) 22:42:08 ID:/6TLb.aE
[総括編第7回]

基準02の違反事例として、コペルニクスの地動説と18世紀までの光の正体論争を挙げましたが、今度は継続中の論争を例にとります。私はIDで進化した可能性が最も高いのは鳥の飛行能力の獲得と考えてますが、今それは措いて、自然選択がこれをどう説明してるかを語りましょう。情報源はウィキペディアの記事です。
en.wikipedia.org/wiki/Origin_of_avian_flight

ここで語られる飛行能力にいたる仮説は4つです。まず「走行モデル(Cursorial model)」では鳥の先祖は地上を走る小型恐竜で、ときどき跳躍し、跳躍時に羽毛を持つ腕をはばたいて推進力を加えていたのが、進化を重ねて飛行能力にいたったというものです。たしかに始祖鳥の骨格に地上を走る2足恐竜との共通点が多いことは指摘されてますから、そのような恐竜が鳥に進化したと考えるのは合理的です。この仮説には体の特徴という根拠があるから基準02違反ではありません。

問題はこのモデルでは力学的な無理があることで、「Cursorial model」の項目の後半でそれが語られています。足で走る動物は足で地を蹴る回数を増やし空気抵抗を減らすことで加速するので、翼を広げて跳躍すれば瞬時に減速するしバランスも保持できません。本物の飛行能力を獲得すればよいとして、それまでは跳躍も羽ばたきも障害にしかなりません。もし何かの理由で跳躍しても、翼はできるだけたたんで空気抵抗を減らすのが合理的です。加えて、走るときの前肢は交互に動くが、飛ぶときの翼は左右同じ動きをするから、後者は前者の進化の結果とは思えません。

この走行モデルの対立仮説として提唱されるのが「樹上モデル(Arboreal model)」で、ムササビのように木から木へ飛び移ったり地上に落下するときに、羽根があれば距離を延ばしたり運動を制御できるので、それを利点として進化を重ね飛行能力にいたったというものです。これなら走行モデルのような力学的な無理はありません。

では、樹上モデルの証拠はなんでしょうか? 鳥の先祖が樹上生物なら樹上生物としての特徴をもつのでしょうが、始祖鳥と構造的な共通点があるのは地上を走る2足恐竜なのです。また樹上モデルの根拠になりうる観測事象として樹上にあったことを示す巣が考えられます。恐竜の中には巣が発見されているものがありますから、明らかに樹上にあった巣がみつかり、その生物が鳥につながる構造をもっていれば樹上モデルの証拠になりますが、そんな巣は発見されてません。

結局、走行モデルの証拠に匹敵するような、樹上モデルの証拠は見つかっていないのです。鳥と同構造の翼を持つのは始祖鳥で、始祖鳥と同構造の骨格を持つのが地上を走る恐竜だから、恐竜→始祖鳥→鳥という進化のラインが想定されるのに、あえて樹上モデルを唱える理由は上記の力学にあります。

でも物証がある走行モデルに難点があるから、物証のない樹上モデルを唱えるなら、あきらかに基準02違反でしょう。

263Ken:2022/11/27(日) 22:42:47 ID:/6TLb.aE
第3の仮説は「駆け上りモデル(wing-assisted incline running)」というものです。地上を走る恐竜が捕食者に追われると木の幹を駆け上がり、その際に今の鳥とは反対に翼を羽ばたき上げて下向きの力を得たというのです。その力で足が木の幹をしっかりと捉え効率よく駆け上がることができたといいます。やがて翼と翼を動かす機構が進化して飛行能力につながったという話です。

このモデルを考えた人は頭がよいというべきでしょう。骨格から判断すれば鳥の先祖は地上を走る恐竜であるはずだが、地上生物が木に登ることはありえます。走行モデルの力学的問題も、樹上モデルの体構造の問題も解決できるのですから。

ですが、この仮説の証拠がないのも事実なのです。たとえば恐竜の足跡が残る木の化石とかあればよいのですが、見つかってません。少なくとも記事に記載はありません。

4つ目の仮説は「飛びかかりモデル(Pouncing Proavis model)」です。高い所から獲物に飛びかかった羽毛恐竜が、羽根を利用して飛びかかる動作を制御するうちに、より能動的な羽根の用い方をするようになり、ついには飛行能力をもったというものです。駆け上がりモデルと同じく、始祖鳥の骨格と一致するし力学的合理性もある理論でしょう。記事ではこれが最初に紹介されています。

ですが第2、第3の仮説と同様で、その証拠は見つかってません。これまた他の仮説の問題点を回避できるのが、この仮説を支持する理由です。

結局、飛行能力の獲得に至る4仮説を整理すると、

走行モデル:根拠は化石から分かる体構造
樹上モデル:根拠は走行モデルの力学的問題がなくなること
駆け上がりモデル:根拠は走行モデルの力学的問題も樹上モデルの体構造の問題もなくなること
飛びかかりモデル:駆け上がりモデルと同じ

となります。要するに物証があるのは走行モデルだが、力学的に無理があるので、想像を働かせて他のモデルを考えたのでしょう。ですが、基準02に照らせば走行モデルだけが違反せず、残る3つは違反してますから、樹上モデルや駆け上がりモデルを主張する人は疑似科学者ということになります。

(続く)

264とりあえず:2022/11/28(月) 22:49:18 ID:WubdfMmI
鳥の飛翔起源については別の場所で色々語り合ったことがあるので、ちょっと横からニュルっと

恐竜→始祖鳥→鳥

と言う流れで考えるから難しいのだと思います。
始祖鳥は地上生恐竜と飛翔鳥類の中間種ではなく、二次的に地上生に適応した鳥類への流れの傍流です。
まぁ、私は始祖鳥は半樹上生と思ってますが…

樹上生活に適応しているであろう鳥類と恐竜の中間的な生物でしたらミクロラプトルがいます。
地上生恐竜より湾曲した鉤爪や同系統の種より長い比率の尾、対抗した趾が構造的樹上生の証拠と言えます。

ミクロラプトルは中間種そのものではありませんがそう言う奴が実在しました。
同様の形質を持った祖先種がいたことは確実です。そいつを始祖鳥の部分に当てはめれば樹上モデルはなかなか良い仮説だと思います。

265Ken:2022/11/29(火) 21:50:33 ID:/6TLb.aE
とりあえずさんへ、
もしかすると本スレッドをよくご存じないかもしれないので、1回だけ投稿します。

この「科学と疑似科学を判別する」はdiamonds8888xさんとの1対1の意見交換の場です。私は複数の人を相手にした議論はやらないことを最初に断ってスレッドを始めました。ただしdiamonds8888xさんが誰と意見を交わすのも自由ですから、第三者の投稿はすべてdiamonds8888xさんに向けたものとみなします。

最初にそのことを指摘したうえで、例外的にとりあえずさんに回答するのは、上記の経緯をご存じないかもしれないからです。もしも今回の投稿がdiamonds8888xさんに向けたものでなく、一般問題として鳥の進化を議論されたいのでしたら、別スレッドを立ち上げられることをお勧めします。私自身が鳥の進化には関心があるので、もしかしたらそちらに参加できるかもしれません。

ただし本スレッドの総括にまだ数週間を要すると思うので、参加できるとしてもその後になるでしょう。また、今後もしdiamonds8888xさんが本スレッドに復帰されたら、そちらの対応を優先するので、なかなか参加はできないかもしれません。

もし参加できた場合には、今回の投稿を受けて、ミクロラプトルに関する2つの質問をすることになるでしょう。

(1)ミクロラプトル(または近縁種)を今の鳥の先祖と考える理由はなにか
(2)ミクロラプトル(または近縁種)を樹上生物と考える理由はなにか

正確にいうと(1)は始祖鳥よりもミクロラプトルを優先する理由です。(2)は、私のミクロラプトル理解と相反するからです。私の情報源はウィキペディアの記事で、記事の後半に「wings and flight」という項目があります。
en.wikipedia.org/wiki/Microraptor#Wings_and_flight

いくつかの段落に分かれてますが、2つめの段落に注目してください。ミクロラプトルは当初は樹上生物と考えられたという書き出しで始まりますが、最後の結論で、体構造が明らかになると、地上を走る鳥と同じもので、木登りをできるような骨格を持ってないことが分かったと語られます。参考文献として2011年と2016年の論文が紹介されてるようです。


もしも、とりあえずさんの今回の投稿がdiamonds8888xさんに向けたものでしたら、上記の提案は無視してください。

266とりあえず:2022/11/30(水) 22:02:41 ID:U4DToi3s
失礼しました。
とりあえずの横からニュルッとでた独り言として流して結構です。

鳥の飛翔の進化は私も興味があるので是非語り合いたいですね。
こちらが一段落したら別スレでも立ててチョコチョコお話ししましょう。
その時は宜しくお願いします。

267ミケ:2022/12/05(月) 23:45:26 ID:9/qn5aAA
一応、ここを読む第三者宛てのメモとして。

このスレッドはKenさんに対して、diamonds8888xさんが、科学的に正しいと考えるルールを挙げていくことになったもの。(Kenさん自身が、複数人から言われると処理しきれないと言ったため、diamonds8888xさんを指名)
ここでKenさんが述べている「基準02」とは、Kenさんにdiamonds8888xさんが科学の基準を教えてあげている中で出てきた基準の中の一つ、
基準02. 理論Aと対立する理論Bを否定しても理論Aの検証にはあまりならない。(ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/study/5329/1524257541/56)
この基準は、ID論が自然選択説を否定することによってしか自説を正しいと言えないことに関連しています。

Kenさんは、理論Bを否定すること(のみ)によって理論Aを正しいとしようとするこの「基準02」と、
理論Aの予測と理論Bの予測を比較し、理論Bに当てはまらず、理論Aにより当てはまる通常の科学的な検証を区別できていなようです。
Kenさんが違反例として挙げたものの大半は後者に当たります。

この総括のあと、進化論の批判あるいは自分のID論の開陳などにつなげ、diamonds8888xさん以外の意見にも目を通し始めるのでしょうが、
上記「基準02」への誤解のように最初からねじれて理解しているパターンが随所にあるため、理解してもらうのはとても大変だと思います。

268Ken:2022/12/11(日) 22:30:33 ID:YSF90CS6
[総括編第8回]

基準03、04、06はまだ論じてませんが、基準03〜06をまとめて「論理的な矛盾を含む理論は疑似科学」とすれば、熱力学第2法則が該当するとしてよいでしょう。結局、提示されたどの基準でも、正しい科学と認知される理論を疑似科学と判定してしまいます。

でも本当に疑似科学なのか? 私はそうは思いませんし、これらの理論を研究する人や教える人も同じでしょう。それなら間違ってるのは提示された基準の方になります。

私に言わせれば、これは当然すぎることです。自然科学に限らず、人間が何かを真剣に探求する時、知恵を絞って「あの手この手」を考え、そのアプローチは非常に多様な形をとるし、時には破天荒にみえる発想をします。コペルニクスの地動説などよい例でしょう。そうやって構築されてきたのが今の知識体系で、特定のアプローチは正しい形式をふんでないから疑似科学などと言い出せば、科学探求そのものを阻害するのは明らかです。現実の問題に取り組む人は、そんな空虚な評論家的なことを言いません。

よい機会なので、ここはひとつ疑似科学の代表格とされる天地創造論を語りましょう。ただし、疑似科学としてではなく、実は合理的なメカニズムと根拠を示すことができる仮説としてです。

創造論は、意思をもつ何者かが、自分で考えたとおりの世界を作り、その世界を支配する法則を定め、その世界の生物を作るという理論ですが、これについて大半の人が気づいてないことがあります。それは、このような天地創造は奇跡でもなんでもなく、私たちの周囲の日常茶飯事ということです。

端的な例が、コンピュータ・シミュレーションが作る仮想世界です。その世界の構造も、世界を支配する法則も、プログラマが自由に決められるし、意思をもつAIを住民として住まわせることも可能です。プログラムを起動した5分後の仮想世界では、まさしく「世界5分前仮説」が実現しています。住民であるAIは、世界は昔から続いている記憶を持つでしょうが、プログラマがAI住民と交信して、実は世界は5分前に出現したという「お告げ」を降すこともできます。

むろん、世にいう天地創造論は、私たち自身の世界が神に作られたという主張ですが、私たちが仮想世界を作るのなら、私たちの世界も何者かのシミュレーションかもしれないと想像することに論理の飛躍はありません。そして、そのとおりのことを主張したのが、ティレルという人です。旧スレッドで紹介したように、この人の主張は動画で見ることができます。
www.youtube.com/watch?v=3KH95YCSP_c
www.youtube.com/watch?v=QZj1kYRT-fw

ティレルが、私たちの世界をシミュレーションと考える根拠は、量子がシミュレーション要素になってるというものでした。たしかに、私たちに既知の技術で仮想世界を作るには、離散的な要素ですべてを構成せねばならない点で、ティレルの主張には一理があります。ただし、量子のように確率の支配を受け、計算だけで状態を確定できない存在を要素にするのは、プログラミングとして可能でも稚拙すぎると思いますので、私自身はティレル説に同意しませんが、可能性は否定できません。

269Ken:2022/12/11(日) 22:31:29 ID:YSF90CS6
誤解があってはいけないので、明確にいっておきましょう。

世界が量子のような離散的な要素で構成されることは、シミュレーションであることの証明にはなりません。しかし既知の技術でシミュレーション世界を作るには、その世界は離散的な要素で作らねばなりません。だから、なぜ世界が量子でできてるのかを考えた時、シミュレーションだから、という説明は1つの候補になるということです。もしかしたら、これまでに提示された唯一の候補かもしれません。

問題は、世界が意思をもつ神に作られたとして、それは検証可能であるかです。最も説得力のある根拠になるのは、やはりお告げでしょう。プログラマからAIへの直接的な言葉でもよいのですが、すこしひねった形のメッセージを提唱したのはカール・セーガンで、彼は『コンタクト』の中で、円周率に創造主のメッセージを見つけるというプロットを用いました。円周率は、

π = 4 × (1 - 1/3 + 1/5 - 1/7 + 1/9 . . .) = 3.1415926535 . . .

と、小数点以下を無限に計算できますが、計算を続けてゆくと、数字の並びの中に明確なメッセージが現れるという話です。なるほど、最も根源的に宇宙を創造した存在でもなければ、円周率の数値を操作はできないでしょう。もっとも私自身は、これはセーガンの勇み足で、全能の創造主といえども数学の結果は変えられないと思うのですが。それよりもティレルが言うように、離散的な要素が世界を構成することがコンピュータ・シミュレーションの特徴と考えるほうが、まだしも理にかなってます。

繰り返しますが、天地創造論や世界5分前仮説といえども、それが真相である可能性はあるのです。そのメカニズムはシミュレーションで、その根拠は量子、というのがティレル理論です。そして肝心なことは、それなら検証可能だということです。検証不能の例として世界5分前仮説を考案した人は、考えが足りなかったというしかありません。もし厳密な反対証明は不可能という意味なら、それはそうですが、厳密な反証なら熱力学も自然選択も、その他多くの理論も反証不能です。

それにしても疑似科学の代表格とされる天地創造論が真実かもしれないなら、疑似科学と称するにふさわしい理論などありうるのでしょうか? 次回はその話をしましょう。

(続く)

270Ken:2022/12/18(日) 23:23:02 ID:royALY2s
[総括編第9回]

今回提示された基準では科学と疑似科学を判別できないとなると、本当の意味で疑似科学とみなすべき理論はあるのでしょうか? 私は、理論自体の内容でそれを決めるのは不可能と考えます。

もし疑似科学とみなすべき科学理論があるとしたら、それはペテンのたぐいでしょう。提唱者自身がその仮説を信じておらず、意図的な嘘をつくものです。むろん、提唱者が自分で信じてるかは窮極的には本人にしか分かりませんから判別は困難ですが、それでもほぼペテンとみなせる事例はあります。

1912年に発見が報告されたピルトダウン人はその典型ですね。また、歴史上何度も、永久機関を発明したと発表し、機械の実演までやる人が現れました。実物の機械を動かしたのなら、そこには何かのトリックがあるとしか考えられません。私たちが知ってる物理法則が根本から覆らない限りは。

それよりも興味深い例を紹介しましょう。

ガリレオが地動説支持を公言したのは1610年ごろですが、1616年には教会が地動説を異端と認めて主張を禁じました。もっとも1600年にはブルーノが火刑に処せられてますので、ガリレオ以前から地動説は異端だったはずです。いわゆるガリレオ裁判でガリレオが自説の撤回に追い込まれたのは1633年でした。ところが、同じ時代にユーラシア大陸の反対側では、もう1つの事件が起こっていたのです。

当時のローマ教会は世界中に宣教師を派遣して布教に努めてました。日本にもフランシス・ザビエルたちが来て、多くの信者を獲得したことは知られてますが、宣教師は中国にも送られてました。布教自体は成功しませんでしたが、西欧の科学知識とりわけ中国で重視された天文学の知識をもたらしたことで、朝廷の高官に支持者が現れました。そのことから、中国の天文学者との対立が生じ、ついに両者で技術を競うことになりました。

時は1629年。ブルーノの処刑から29年後、地動説の異端公認から13年後、そしてガリレオ裁判の4年前になります。この年の5月に日食があることが予測されており、中国の天文学者と西洋の宣教師のどちらが正確な予測をするかを比べることになったのです。結果は宣教師たちの完勝でした。日食の時刻を正確に予測したのみか「北京では二分食、華南では皆既食、長城の北では日食なし」という精密な予測を的中させ、中国の天文学者に決定的な差をつけてみせました。

私はこの話を、中公文庫世界の歴史第9巻『最後の東洋的社会』で読みました。私の蔵書では323頁にあります。残念ながら、宣教師たちがどういう計算をしたのかは、この本には書かれてませんが、今の私たちの知識体系で判断すれば、天動説でそんな予測をできるはずがありません。宣教師たちは地動説それも1609年に発表されたケプラーの法則を利用したと考えるのが妥当でしょう。ブルーノの処刑や地動説の異端認定を中国にいた宣教師も知ってたはずなのに。

ローマ教会は本国のイタリアでは権力者であり、反対意見を暴力で封じることができましたが、それが通用しない国へ行けば、自分たちが本心から信じることを頼るしかありません。ことに中国で政治闘争に敗れると、ブルーノの火焙りなど比較にならない凄惨な処刑を受けたことでしょう。窮地に立たされた宣教師たちは、地動説に運命を託したことになります。これは言い換えれば、本国では自分たちが信じてもいない天動説を唱え、万人に強制したということです。これこそペテン、疑似科学の端的な例ではありませんか。

271Ken:2022/12/18(日) 23:23:44 ID:royALY2s
もっと微妙な例を挙げます。私はBBCのミニシリーズ「The Ascent of Man」の第12話で知りました。動画が公開されてるのでリンクを貼ります。メンデルの事績が語られますが、特に動画の15分からの2分間に注目してください。
archive.org/details/theascentofman12generationupongeneration

メンデルはマメ科の植物を研究して遺伝の法則を見つけました。彼は、各個体の背丈や豆の色や形など、合計7種の特性に注目して結果を得たのですが、重要な結論に、それぞれの遺伝は独立してることがあります。たとえば背丈が高いか低いかと、豆の色が緑色か黄色かは、別個の遺伝子が支配するという結論です。

ところがメンデルの時代には知られてませんでしたが、対象のマメには7対の染色体があり、彼が観察した7種の特徴を支配する遺伝子は、すべて異なる染色体にあることが、後世あきらかになったのです。もし同じ染色体に7つのどれか2つでもあれば、メンデルが認識した遺伝子の独立性は崩れていたはずです。あるいは、もし8番目の特徴に注目したら、7つのどれかと関連が見られたはずです。ちなみに、各染色体が同数の遺伝子を含むと仮定すると、7つの遺伝子が7つの染色体に分かれる確率は、

7! / 7⁷ = 5040 / 823543 ≈ 0.006

染色体の大きさが不均一なら確率はさらに低くなります。動画では「こんな幸運を神が授けるはずがない」と言ってますが、要するにメンデルは、遺伝子が独立して働く観測結果だけを報告するという、作為的なデータ操作をした可能性が大なのです。メンデルの功績は偉大ですが、彼には疑似科学者の側面もあったことになります。

(続く)

272ミケ:2022/12/25(日) 01:54:23 ID:9/qn5aAA
メモです。「総括」が終わったあとではタイミングが遅いのと、問題の書き込みの直近に書いておきたいので。

(>>69)1629年に宣教師たちが日食の場所と時期を正確に予測できたので彼らは天動説ではなく地動説で予測したに違いない。(だから彼らは天動説を信じていなかったのだ)
→ダウト。そもそも日食については、要するに太陽と月それぞれの(地球からの見た目上の)軌道の予測であり、惑星の運行よりも予測しやすく、天動説であろうと普通に予測できていたことでした。(※1)

(>>70)メンデルが実験で用いた七つの形質を支配する遺伝子は、全部で七つある染色体のうち、すべて別々の染色体上にある。(確率的に偶然選ぶなんてありえないからメンデルは都合よく別の染色体上にあるものを選んだのだ)
→ダウト。メンデルがエンドウマメの実験で用いた七つの形質のうち、いくつかの組み合わせはそれぞれ同一の染色体上にある可能性が高い(※2)と分かっています。少なくとも1970年代には(※3)。

Kenさんの議論は、前提の時点で良く調べずに思い込みで間違っている部分が非常に多いです。

※1中国の学者と差が出たのは、ちょっと調べたところ暦法の違いによるものだそうです。用いたモデルはティコ・ブラーエの天動モデルだったようです。
※2同一の染色体であっても染色体上の離れた位置にある場合はその間で交叉が起こるので独立に近い様態を示す場合があります。
※3Kenさん紹介の動画は1970年代に製作されたものなので、製作者が専門家でなかったゆえに当時の最新知見を追い切れていなかったのかもしれません。が、動画の製作者はともかく、それを現在の知見であるかのように紹介する人に擁護の余地はありません。ちょっとは調べてほしいものです。

273ミケ:2022/12/25(日) 02:01:16 ID:9/qn5aAA
>>272にアンカーミスがありました。
言及したかったのは69ではなく>>270、70ではなく>>271でした。

274Ken:2022/12/29(木) 21:54:13 ID:royALY2s
[総括編第10回]

本スレッドの発端になったID論を語っておきましょう。地球史の中で、人類以外の何者かが、特定の進化を意図的に導いたという仮説への私の立場は、次のようになります。

正しいかもしれないし、間違いかもしれないが、疑似科学ではない。

疑似科学でない理由は説明したとおりです。正しいかどうかは、スレッドの主題を外れますが、参考資料として述べておきます。

私がIDの可能性を一番に見てるのは、鳥が飛行能力を獲得したことです。根拠は自然選択で説明するには難点があることなので、基準02が正しいならこれは疑似科学になるでしょう。しかし、先に説明したとおり、基準02が正しいとは思いませんので、鳥の進化をIDで解するのは、正否はともかくとして、真っ当な考察と考えます。

前述のように、飛行能力の獲得には、
(1)走行モデル
(2)樹上モデル
(3)駆け上がりモデル
(4)飛びかかりモデル
が提唱されてますが(1)は力学的な無理があり(2)は化石に見られる体構造と合わないことを説明しました。

(3)と(4)はその難点を克服するアイデアなのでしょうが、私は納得できません。

(3)についてですが、木の幹を駆け上がる補助動作なら、未発達の翼をはばたくより、幹を掴めばよいではありませんか。記事では、現存する鳥の雛にはばたきながら駆け上がるものがあると説明されてますが、完全な鳥に進化した生物の子供と、進化する前の生物を、同列に扱うのはおかしいのではないでしょうか。鳥の先祖の恐竜には、今の鳥にはない前肢があったはずです。

(4)は、この中では最も合理的だと思いますが、やはり問題があります。獲物に飛びかかるとき羽を広げれば、軌道を修正する前に減速します。このモデルを考えた人が、地上の獲物を襲う現在の猛禽類から連想したのなら、これも進化を完成させた鳥と、そうなる前の生物を混同してます。

ウィキペディアの記事にはありませんが、性選択の可能性もあります。雌へのアピールとして、大きな翼と強い筋肉を発達させることです。これ自体は雄にとっての利点にしかなりませんが、変化した遺伝子は雌にも伝わるでしょう。

275Ken:2022/12/29(木) 21:54:53 ID:royALY2s
しかし最大の問題は、木に登ったり、飛び降りたり、雌を引き付けるだけが、生活行動ではないことなのです。基本が地を走る生物なのに、その機能を犠牲にする体形の変化ではないでしょうか? 人間に置き換えてみれば分かることです。たとえば高い所から降りるのにハンググライダーがあれば役立ちますが、1日中つけたままでは生活ができません。

つまり進化途上の代償が大きすぎるということです。2本の足で走るのと、2本の腕を翼として飛ぶのでは、要求される体構造が違いすぎるので、飛行の進化は走行の劣化から始めねばなりません。

地を走るには太くて長い脚が必要ですが、他の部位の発達は空気抵抗を増やすだけです。とりわけ飛行に不可欠な、空気を押す形態の羽毛(翼)は、地を走る時は大きな空気抵抗を受けるパーツになります。一方、走るための脚は空を飛ぶときは余分な重量でしかなく、とりわけ飛行能力が未熟な段階では障害になるはずです。

走行に有利 = 長く強い脚 & 小さく柔軟な翼 = 飛行に不利
飛行に有利 = 細く軽い脚 & 大きく堅牢な翼 = 走行に不利

飛行へ向かう進化が、翼を大きく脚を小さくすることなら、飛行生物になる前に、淘汰される走行生物になってしまいます。

結局、力学的な合理性をもつ説明は、樹上モデルなのです。それも、地上生物が木に登ることもある、という中途半端な形ではなく、地を走るという前提自体を外すことです。ムササビのような樹上生活者がジャンプする生活様式にこそ、飛行へいたる道があるでしょう。しかし化石から判断される体構造では、鳥の先祖は地上を走る恐竜となってます。だからこそ知恵を絞って、駆け上がりモデルや飛びかかりモデルを考えたのでしょうが、解決案として不十分なことを説明しました。

代案としてのIDを考える理由はここにあります。IDの利点は、特定の変異でなぜ選択圧が働いたのかという、自然選択に要求される説明の必要がなくなることです。この点で、惑星の複雑な動きの説明を不要にするために地動説が考えられたことと共通点があります。天動説で説明が難しいなら地球が中心という前提を外せばよい。同様に、光波動説で説明が難しいなら波という前提を外せばよい。その時点では地動説や粒子説の証拠がなくても、です。では自然選択では説明が困難な事象が観測されたら? 自然選択という前提を外せばよい。それだけのことです。しかも人類が実行してきた品種改良という実例があるのですから。

IDの物証は見つかりうるでしょうか? ID実行者が残した記録が見つかれば、これに優るものはないでしょう。もし過去の生物のDNAを解明できれば、異常なレベルの近親交配の証拠が見つかるかもしれません。あるいは特定の個体を優先的に繁殖させるため、去勢や不妊が施された痕跡がみつかるかもしれません。品種改良には、私たちに馴染みの手段がいくつもあります。

(続く)

276Ken:2022/12/31(土) 22:59:42 ID:royALY2s
[総括編第11回]

総括の最後に、diamonds8888xさんに提案したいことがあります。このスレッドがこれからも続くのなら、ご自身のスタンスを少し修正されてはどうでしょうか?

スレッドの後半に顕著になりましたが、私たちの間で話がもつれると、diamonds8888xさんは私(Ken)の不見識が原因と決め込み、罵倒を投げることが多かったと思います。私に問題があるのなら改善の努力をしますが、スレッドを省みる限りでは、むしろdiamonds8888xさんに基礎的な素養が欠落していたと思うのです。それを示す投稿を何度も目にしました。

例えば旧スレッドの795で

>エントロピー(ln[Ω])は増加することはない
>(平衡状態でなければ一般には減少する)

と書かれたのがそうです。802で「ポカです」と弁解されましたが、エントロピーが減少するなど「ものが下から上に落ちる」というのに等しく、物理の基礎を知る人なら、ポカでもそんなことを言いません。どこかの学生がこんなことを言えば、指導教官は、学生が意味も分からず公式だけを棒暗記しており、その挙句のポカと考えるでしょう。

第2法則はとりわけ難物でした。>>94にてエントロピーは

>エネルギー/温度、です。分子は正確には熱量変化

と言われ、私が>>99で、それはエントロピーではなくエントロピー変化、と指摘すると>>100

>ΔS=Δe/T
>  つまり、S=e/T でしょ?

と回答されました。これも物理的意味を理解せず、公式だけを棒暗記する典型のように私にはみえます。そもそも、エントロピーの概念がなぜ考案されたかを知ってれば、エントロピー変化とエントロピーを同義と考えるはずがありません。

この世は不均衡から均衡に向けて進むという理解が最初にあり、その「均衡」を数値化したのがエントロピーです。それなら均衡に近づくほど変化は収束することは直ちに理解されるはずではありませんか。エントロピー(S)は増大するが、エントロピー変化(ΔS)は減少し、最終到達点がSは最大でΔSはゼロの熱的死です。

たとえば、等量の0度の水と100度の水を混ぜると50度の水になります。0度と50度を混ぜると25度になります。前者の方が初期状態の不均衡は大きく、つまりエントロピーが小さく、水温を50度変化させる熱量が移動しました。一方後者は、初期状態の不均衡が小さく、つまりエントロピーが大きく、温度を25度変化させる熱量しか移動しませんでした。

Sが大きいとΔSは小さく、Sが小さいとΔSは大きいのです。エントロピーとエントロピー変化は同義どころか、不可逆変化の反対方向を示す指数にほかなりません。これが分かってないから、エントロピーが減少するなんて「ポカ」を言うのではありませんか? そういえば、過去へゆくほどエントロピー変化の勾配が大きいこともなかなか納得されませんでしたね。

277Ken:2022/12/31(土) 23:00:27 ID:royALY2s
とにかく、大学初年度で教わるような話が、さっぱり通じないケースが多すぎました。

旧スレッドで波動の定義は周期性と私がいうと、690で以下の例は該当するのかと質問がありました。

>・天体の日周運動や年周運動
>・氷河期の繰り返し
>・動かない縞模様(トラや豹の模様など)

私は692で、包括的な回答として、

>重要な点は、周期的な波動を起こすのは単振動で、単振動を起こすのは釣り合い位置からの変位に比例する復元力ということです。氷河期や縞模様の出現にそのようなメカニズムがあると明らかになれば、どちらも波動と見なせるでしょう。

と述べました。普通の学生なら、これ以上の説明は不要のはずです。なぜなら振動と波動の関係を教わってるからです。

たとえば、ばねで吊り下げたおもりの振動を考えましょう。ばね定数がkならつり合い位置からの変位xに比例した復元力kxが働きます。その力で加速度を生じ、また復元力は変位と反対方向に働くから、おもりの質量をm、加速度をaとすると、

kx = -ma

加速度は変位を時間で2度微分して得られるから、

kx = -m d²x/dt²
∴ -(k/m) x = d²x/dt²

この微分方程式の解は、

x = A cos ωt + B sin ωt ただしω = √(k/m)

という波を表す関数になります。この基礎知識があれば、私の上記の回答だけで意味が伝わるはずなのに、694を見ると明らかに伝わってない。だからトラの模様はどうだとまだ尋ねてくる。

また>>113で、私は「無限」という観測不可能の概念が力学計算で利用される例に、脱出速度の算出を挙げました。

地球の半径をR、質量をM、重力定数をGとすると、質量mの物体が地上から距離hまで登った時の位置エネルギーは、∫ GMm/x² dx で、積分範囲はRからhだから、GMm(1/R - 1/h)。

この結果にh=∞を代入すると、GMm/R。これが物体が地球に絶対戻ってこない距離の位置エネルギーで、射出時の運動エネルギーと等しくおくと、脱出速度が得られます。私は計算過程に∞が含まれるといいたかっただけなのです。こんなの高校物理ですよ。

それなのに、それに続く議論では、上限だの下限だのと見当違いの方に話が飛んでしまい、本来の意図がさっぱり通じません。なぜ通じないのかと首をひねってましたが、今おもえば、なんのことはない。脱出速度の計算方法すら知らないのですね。

最初の提案を繰り返しますが、議論の相手から期待した回答がなかったとき、相手の不見識が原因と信じ込む前に、もしかしたら教養がないのは自分かもしれないと反省してみてはどうでしょうか? スレッドをかえりみれば、思い当たるケースが見つかると思いますよ。


これにて、私の総括を終了します。

278Ken:2023/02/05(日) 21:52:20 ID:royALY2s
ログを見ると、diamonds8888xさんの最後の投稿が2022/02/20だから、もうじき1年が経ちます。私の総括が完了してからもひと月以上が経ってますし、もはや本スレッドに復帰されることは期待できません。よって、ここからは、相手のない独白になるかもしれませんが、私が言い残したことを、思いつくままに書きましょう。まず、天地創造論について言うことがあります。

創造論を支持する人の論点は一様ではありませんが、聖書の記述だから信じるという原理主義を別にすれば、最も頻繁に挙げられる根拠は、この世界は都合よくできすぎている、ということではないかと思います。

生物の発生や進化は複雑系すぎて偶然の産物とは思えないから、意思をもつ創造者がいたに違いないというのがそうです。生物の原料となる炭素、酸素、水素、窒素等の元素が、都合よくそろいすぎてるという論点もあります。

さらに、それらの元素が作られるには、物理法則に絶妙のバランスが必要になるといいます。たとえば、原子核の中で働く核力に対して電磁気力がいま少し強ければ、大半の元素が放射性物質として崩壊することでしょう。いや、その前に、それらの元素を作る核融合が容易に進行しないはずです。また、重力定数が、今より大きくても小さくても、太陽の実態と地球への影響は完全に異なるものになり、生物の発生も進化も期待できません。

かといって、それらの物理法則自体に必然性はないから、これは生命の発生を意図した創造主がそう決めたのだという主張です。物理法則が原因で、結果として生命が発生したのではなく、生命を発生させる目的が最初にあり、そこから逆算して、必要な物理法則が設定されたというわけです。

このような創造論への反論として、よく見るのが、創造主を想定しても、問題を先送りするだけというものがあります。複雑系の自然発生がありえないなら、より複雑な創造主の発生はなおさらありえない、というものです。実は、創造主が被造物より複雑であるかは議論の余地があり、たとえば、人間が作ったAIが人間より複雑で高度な知性になりうるのですが、それにしても、創造主の起源を説明できないなら、問題の解決にならないという主張は筋が通ってます。

これに対して、私たちが学校で教わる理論は、創造主(神)を想定しない形で構成されます。生物の進化を起こすのは、遺伝子の変異と、表現型に働く選択圧となってます。多様な元素の存在は、核融合と超新星と原子核崩壊で説明されます。

そして最も肝心な、物理法則が都合よすぎる事実の説明として提唱される理論に「マルチバース説」があります。私の理解が正しいなら、ビッグバンで生じたのは1つの宇宙(ユニバース)ではなく多くの宇宙(マルチバース)であり、個々のユニバースにおける物理法則は偶然の産物だが、ユニバースの数が膨大なので、中には「都合の良い」ユニバースがあってもおかしくない、というものです。ミチオ・カクの著書『Parallel Worlds』で、天文学者マーティン・リースの言葉が紹介されてるので、原文のまま引用しましょう。

"What's conventionally called 'the universe' could be just one member of an ensemble. Countless other ways may exist in which the laws are different. The universe in which we've emerged belongs to the unusual subset that permits complexity and consciousness to develop."(第1章4節)

このような事象を想定するなら、創造主を想定せずとも、観測される世界は説明されるでしょう。

279Ken:2023/02/05(日) 21:53:25 ID:royALY2s
しかし、これらを含む、現代科学が想定するあらゆる事象には、それが起こるための必須条件があります。それは、原初にエントロピー極小状態が存在したことなのです。あらゆる物理事象は、不均衡から均衡へ向かう、エントロピー増大に他ならないからです。

天地創造論は森羅万象の根源は神と考えますが、神の起源は説明できません。
現代科学は森羅万象の根源は極小エントロピーと考えますが、極小エントロピーの起源は説明できません。

天地創造論と現代科学は、同じ構造問題を内包することが理解されるでしょうか?

創造論を唱える人に「神はなぜ生じたのか」と尋ねれば、多くの場合、それは神秘の領域で、人智の及ぶところではないという回答があることでしょう。

現代科学を支持する人に「極小エントロピーはなぜ生じたのか」と尋ねたら、神秘という回答は、おそらく来ないでしょう。しかし、それを説明できないのみか、どういう研究をすれば解明されるという見通しもないなら、同じことです。

マルチバースの中の1つのユニバースでエントロピーが減少することならありえます。他のユニバースからエネルギーが入ることです。>>169で紹介された須藤の説は、つまるところ、これを言ってるのではありませんか?

しかし、私たちのユニバースがマルチバースの1つで、他のユニバースの影響を受けるのなら、私たちのユニバースだけを考えても無意味です。極小エントロピーの起源はマルチバース全体で説明されねばなりません。しかし、私が知る限りで、この問題を解決するどころか、正面から取り組んだ人すらいません。物理学の明快な説明で万人を魅了したファインマンですら、「外部からエントロピーの小さい状態が入ったかもしれない」といって、お茶を濁してます。つまり「外部」を含めた全体系の問題は、最初から匙を投げているのです。

なにも私は、天地創造論と現代科学が同じ価値しかもたないと言うのではありません。現代科学には具体事象を予測できる利点があります。熱力学第2法則も広範に応用されますから、根源的な矛盾があっても、物理や化学を学ぶ学生の必修科目になっているのです。

ただし、現代科学を受容する一方で、神の起源を説明できないという理由で創造論を排除するのは、整合性を欠くと言ってます。

280GB:2023/02/06(月) 21:55:28 ID:tid4WkII
>現代科学には具体事象を予測できる利点があります。

創造論はそれができないのは何故でしょう。そこが大事なところだと思います。

281ミケ:2023/02/06(月) 23:18:52 ID:RbySXTFU
「diamonds8888xさんとの議論を総括した」のなら、
そろそろ
他の方の意見に対して目を閉じ耳を塞いでいる状態を解除しないんですかね。

特にゲジゲジさんは>>248
「diamonds8888xさんとの議論に集中したいと言われたから、
質問への回答を4年も待っているが、
diamonds8888xさんとの議論が数か月もストップしているので、
別スレッドで回答いただけないか」
と真摯に質問をしていますが、それすら無視し続けるのでしょうか。

複数人相手では整理できないからdiamonds8888xさん以外に対して返答しない
というスタンスだったはずなのに
diamonds8888xさんが書き込んでいない現状、
しかも議論終結を自分で宣言した後でもそれを続ける理由があるのでしょうか。

282Ken:2023/02/07(火) 00:00:02 ID:royALY2s
>>280

>創造論はそれができないのは何故でしょう

正確には、今はできていない、というべきです。
もしも、ご質問の意味が、

創造論は創造論であるがゆえにできない
未来永劫できない
本質的に科学の対象になりえない

ということなら、それは私の考えとは異なります。

283GB:2023/02/07(火) 22:50:00 ID:tid4WkII
>本質的に科学の対象になりえない

そう考えています。
科学という方法論、つまり人が確認できることから論理を組み立て、修正を繰り返すというやり方の背景には、人の認識能力の限界を知るという大切な理解があります。
創造論は人の信念をもとに展開されており、客観的な事柄とは関係をもたないうえに、修正や廃棄をすることも難しい作業になります。

>正確には、今はできていない、というべきです。

ファンダメンタルな創造論、かつての創造科学、現代のインテリジェントデザイナー論、いずれも人の信念の表明と捉えるべきだと思いますし、
将来の科学が神の存在を実証するかも、なんていう主張はまるで意味がないでしょう。

284Ken:2023/02/07(火) 23:53:17 ID:royALY2s
それではお尋ねします。

私は天地創造論については>>268>>269で、またID論については>>274>>275で、それらが正しいかもしれない可能性と、具体的な検証方法を説明しました。

GBさんは、私のこれらの投稿を

(1)読んでない
(2)読んだが理解できない
(3)理解したが同意できない

このどれかに該当しますか? 理由もあわせてお聞かせください。

285GB:2023/02/08(水) 18:43:00 ID:tid4WkII
(4)読んだが同意できない、というところですね。

私は、自然理解について方法論的自然主義の立場を取っていますので。
科学と信念(信仰)の分かれ目、内容としては自然と超自然の線引きということになろうかと思います。

インテリジェントデザイナー論は、かつてイギリスで隆盛を誇った自然神学の現代版ですね。
自然神学は聖書の記述には重きを置かず、いわば造物主信仰のエキスを抽出したような思想です。
この考えを、アメリカのプロテスタント原理主義者たちが宗教色を消すために利用したわけですが、
デザイナーという自然をコントロールする意思を認めながら自然を見るという態度は、宗教的観念に基づく解釈としかいいようがないでしょう。
デザイナーという「客観的に確認も説明もできない存在」を根拠に自然の説明を試みても、「科学的」ではありえませんから。

>IDの物証は見つかりうるでしょうか? ID実行者が残した記録が見つかれば、これに優るものはないでしょう。もし過去の生物のDNAを解明できれば、異常なレベルの近親交配の証拠が見つかるかもしれません。あるいは特定の個体を優先的に繁殖させるため、去勢や不妊が施された痕跡がみつかるかもしれません。

そもそも、デザイナーを措けば、どのような生物学上の謎であれ、あらゆる解釈が可能になってしまいます。
人間のような特殊な存在は、デザイナーの意思がなければあり得るわけがない。
そのあたりから始まって、
生物の進化という奇跡というべき現象には、当然デザイナーの意思が要請される…

デザイナーを置けば何でも説明できますが、何も説明できない。
なぜなら、人が誰でも確認できる事柄を元に論理を組み立てるという科学の方法とは異なる、人の信念の領域にあるからだと思っています。

286Ken:2023/02/08(水) 21:33:52 ID:royALY2s
>>285

前半は、ID自体の可否ではなく、ID論が世界でどのように利用されてるかを述べたものと思います。それは今の議題ではありません。

ID自体の可否に言及されたのは、下の部分でしょうか?

>そもそも、デザイナーを措けば、どのような生物学上の謎であれ、あらゆる解釈が可能になってしまいます。

これは私の問いかけのポイントを外してます。私が挙げた以下のような物証が発見されたとして、

・品種改良作業の記録
・極端な近親交配の証拠
・去勢や不妊処置の証拠

その場合、意図的な干渉以上に合理的な解釈がありますか、ということなのですが。GBさんならどういう解釈をされますか?

>人が誰でも確認できる事柄を元に論理を組み立てるという科学の方法

上記の事象(記録、近親交配、去勢等)が、そのような事柄になるとは考えられませんか?

287GB:2023/02/08(水) 21:50:11 ID:tid4WkII
>これは私の問いかけのポイントを外してます。私が挙げた以下のような物証が発見されたとして、

・品種改良作業の記録
・極端な近親交配の証拠
・去勢や不妊処置の証拠

その場合、意図的な干渉以上に合理的な解釈がありますか、ということなのですが。GBさんならどういう解釈をされますか?


>以下のような物証が発見されたとして、

発見されていないのですから、科学の土俵には乗りません。
発見されてから、話題にしてください。

哲学的な話として捉えても、宗教ベースの展開になるでしょう。

288GB:2023/02/08(水) 22:02:05 ID:tid4WkII
というより、

・品種改良作業の記録
・極端な近親交配の証拠
・去勢や不妊処置の証拠

これらがデザイナーが行ったというということを、どのようにしたら立証できるというのでしょうか。

289GB:2023/02/08(水) 22:22:37 ID:tid4WkII
神様の意思なくして、こんな複雑極まりない自然などあり得るわけがない。

そういう強い思いが、自然神学(ID論)を含むアブラハムの宗教文化圏の特徴だと思っていますが、いかがでしょうか。

290Ken:2023/02/08(水) 22:38:30 ID:royALY2s
>発見されていないのですから、科学の土俵には乗りません。
>発見されてから、話題にしてください。

そうでしょうか?

仮説の根拠に未発見の事象が提唱されることはあるでしょう。

1915年に一般相対論が提唱されたとき、日食時に太陽の近傍に見える星の位置が普段と異なる事象が、仮説を裏付ける根拠に挙げられました。その時点では、そんな観測の記録はありませんでしたが。

その4年後に日食があり、理論の予測が裏付けられました。

科学の土俵に乗らないのは、そのような予測が行えないものではないのですか? 予測が的中するかは別の問題でしょう。

私は>>262>>263で、鳥の進化について提唱されてる仮説を列挙しましたが、「走行モデル」以外は、現時点で物証は見つかってません。それでも仮説は唱えられています。樹上の巣が見つかれば樹上モデルの証拠になる、のような説明ができればよいはずです。

>これらがデザイナーが行ったというということを、どのようにしたら立証できるというのでしょうか。

>>286で述べたことを思い出してください。

>その場合、意図的な干渉以上に合理的な解釈がありますか、ということなのですが。GBさんならどういう解釈をされますか?

291ミケ:2023/02/08(水) 22:43:43 ID:RbySXTFU
>>284
Kenさんへ質問です。

・このスレッドはもともと、diamonds8888xさん以外への返答はしないというスタンスだったはずでは(>>265参照)。他の方(GBさん)と議論を始めるのであれば、新しくスレッドを立てたほうが良いのではないですか?ここで続けるというのであれば私もKenさんに理解できるよう書き込み始めますが、他の方の書き込みを読むという宣言が欲しいところです。

・ゲジゲジさんは>>248で「diamonds8888xさんとの議論に集中したいと言われたから、質問への回答を4年も待っているが、diamonds8888xさんとの議論が数か月もストップしているので、別スレッドで回答いただけないか」と真摯に質問をしていますがこれに対してなにかリアクションは起こさないのですか。
まさかとは思いますが、「お前の質問に答えるのは別の人との議論が終わるまで待て」と言われて何年も待った人に対して、「俺の他の投稿を読めば分かるだろうから勝手に読め」などと思っていたりするのでしょうか?
せめて何らかの反応をするのが筋ではないかと思いますが。

292Ken:2023/02/08(水) 22:59:41 ID:royALY2s
>>291

スレッドの論点と無関係の問題ですが、1度だけ回答します。

GBさんに答えているのは、diamonds8888xさんの復帰はないと判断したからです。

ゲジゲジさんの質問とは、自然選択よりもIDが合理的と考える事例でした。すでに鳥の飛行能力の進化を挙げています。ゲジゲジさんに向けた発言としての回答が必要かは、ゲジゲジさんが判断されるでしょう。第三者が(つまりあなたが)口を出す筋ではありません。

私は複数相手の議論はしませんので、これ以上の回答はおこないません。

293Ken:2023/02/09(木) 21:57:57 ID:royALY2s
補足しましょう。

あらゆる理論を検証する切り口は2つあるはずです。

(1)その理論が科学の対象たりえるか
(2)その理論が事実を反映しているか

GBさんは>>285で、

>人が誰でも確認できる事柄

と言われましたが、観測による確認が不可能な理論は(1)の条件を満たさない、という意味ですよね。

私は、その点を説明をしているのです。私が挙げた「品種改良の記録」「極端な近親交配」「去勢や不妊」等は、もし見つかれば誰でも確認できますから、ID論は検証可能な科学理論になります。

一方、これらが実際にみつかるかどうかで(2)が決まります。これは(1)とは切り口が異なります。

今、問題になってるのは(1)ですから、上記のような、今はないが、将来見つかるかもしれない証拠は、大切な論点です。

ということですので、質問を繰り返します。もし上記の事象が観測された場合に、GBさんなら、ID以外のどういう解釈をされますか?

294ゲジゲジ:2023/02/09(木) 22:35:28 ID:3Fgfplnc
ちょっと忙しくしていて、なかなか書き込む時間が取れません。

まず、Ken様に提案です。
今のGB様との議論が終わったら、次は私のお相手をして頂けないでしょうか?
 >私は複数相手の議論はしませんので、これ以上の回答はおこないません。
との事ですので、GB様との1対1の議論が終わったら、次は私と1対1でお願いします。

本当は私の方がGB様より先でしたが、私が書き込めないうちにGB様との議論が始まってしまったので仕方がありません。
もし上記を認めて頂けるなら、Ken様がGB様と議論されているうちに、ある程度は投稿を書き溜めておきます。


 >ゲジゲジさんの質問とは、自然選択よりもIDが合理的と考える事例でした。
 >すでに鳥の飛行能力の進化を挙げています。
たしかに挙げて頂いていますが、diamonds8888x様との議論の[総括編第10回]としてですよね。
 >私は複数相手の議論はしませんので、(略)
と仰っているのだから、上記はdiamonds8888x様に向けたコメントだったのではないですか?
diamonds8888x様が読まれるかどうかに拘わらず。

これまで私も含め、diamonds8888x様以外の人に対してコメントを返すことを頑なに拒んで来られたにも拘わらず、上記だけは私に向けたコメントでもあった、というのは筋が違うと言いますか、普通にマナーとしてどうなんでしょう?
一言、「回答にかえて」とか「参照してください」とか言ってくださっても良かったのではないですか?



さて、鳥の飛行能力の進化ですが、ID論は全く合理的ではありません。
その理由を説明する前に、>>248のコメントを一部撤回します。

Ken様は2018年に以下の通りコメントされています。
 >ゲジゲジ様 投稿者:Ken 投稿日:2018年 1月 2日(火)23時28分9秒
 >申し訳ありませんが、diamonds8888xさんとの今の議論に結論を出すことを優先させていただけますでしょうか。
 >人間以外の存在が地球生物の進化に干渉したことを示す直接の証拠はありません。ですからID仮説を提唱する理由は、自然選択では説明できない進化があるという、それしか今はないのです。
 >ですから、そのような議論の進め方自体を認めない方と個別の進化を論じても、そもそも議論が成り立ちません。

Ken様の総括編1〜10を読んで、科学に対する考え方の根本が食い違っているように感じます。
まずはここの認識をすり合わせないと、Ken様も上記で仰っているように、個別の進化を論じても、そもそも議論が成り立たないでしょう。
つまり、GB様との議論が終わったら、科学と疑似科学を判別する基準についての議論の第2ラウンドを私とやりませんか? という提案になります。


科学理論において「P∧¬P」が認められるなんて無茶苦茶です。
反証可能性は、科学と疑似科学を見分ける基準として一般的なものです。
Ken様が
 >「Aと対立するBの否定がAの検証とされる」事例が、特殊でもなんでもなく、
 >世にありふれていることを説明します。
といって挙げられた事例は、ほとんどが「Aと対立するBの否定がAの検証とされる」事例ではありません。


もし私の提案を受けて頂けるなら、「Aと対立するBの否定がAの検証とされる」事例としてKen様が挙げられた事例が該当しないことをご説明します。
Ken様にとって「目からウロコ」かもしれませんよ。

次に、「P∧¬P」つまり矛盾について。
科学理論が矛盾してはいけないのは前提ですが、一方でほとんどの理論に矛盾があるのも事実です。
またdiamonds8888x様には失礼ながら、お2人の議論では「正しい科学と間違った科学を見分けるポイント」と「科学と疑似科学を見分けるポイント」とが混同されていたように感じます。
矛盾「P∧¬P」と科学理論との関係について、整理し直した方が良いかと思います。

最後に反証可能性です。反証できない理論とはどういう理論か?
実は「P∧¬P」の応用編になります。

以上の認識を共有した上で、鳥の進化においてID論が全く合理的でない理由を説明します。
これもある意味「P∧¬P」の応用編になるでしょう。


一応、以上を予定していますが、GB様との議論の行方によっては変更するかもしれません。
今Ken様がGB様とされている議論も、上記に関連する内容がありますから。

また、>>248では「疑似科学」という言葉は使わないと申し上げましたが、Ken様ご自身が表現にこだわっていらっしゃらないようなので、私も「疑似科学」と言います。「正当な科学とは認められない科学」などと言うよりシンプルですから。


以上、長くなりましたが一言お返事を頂けると幸いです。
あとはGB様との議論が終わるまでお待ちしております。

295ゲジゲジ:2023/02/09(木) 22:55:05 ID:3Fgfplnc
GB様へ

GB様との議論が始まってしまった以上、私はお待ちしていますので、なるべく効率的に進めて頂けたらと思います。
以下、Ken様への反論のヒントになれば・・・


Ken様が[>>290]で
 >仮説の根拠に未発見の事象が提唱されることはあるでしょう。
と仰っているのは、その通りかと思います。

但し
 >1915年に一般相対論が提唱されたとき、日食時に太陽の近傍に見える星の位置が
 >普段と異なる事象が、仮説を裏付ける根拠に挙げられました。

 ・品種改良作業の記録
 ・極端な近親交配の証拠
 ・去勢や不妊処置の証拠
では証拠の性質が違うでしょう。

 >日食時に太陽の近傍に見える星の位置が普段と異なる事象
と言えば、それはもうそのまま、見える星の位置が普段と違うことを云っています。

それに対して、「品種改良作業の記録」とは具体的にどんなものでしょう?
どんな事象が発見されたら、それは「品種改良作業の記録」と見なせるのでしょうか?
言い換えると「品種改良作業の記録」であると判断するのが最も合理的な事象とは、いったいどんな事象なのでしょうか?

あとの2つも同様です。
この辺りを突っついてみられては如何でしょう?

296GB:2023/02/09(木) 23:24:16 ID:tid4WkII
Kenさん

進化理論が扱うのは生物の長い歴史です。
哺乳類だけを考えても、哺乳類型爬虫類を含めれば2億年以上の時間が経っています。
そうした時間の流れを踏まえつつ、「品種改良の記録」「極端な近親交配」「去勢や不妊」等の証拠を見出すというのは、どのようにしたら可能なのか、私には理解不能です。

おそらくあなたの考える「科学」や「事実」と、進化理論が扱う「事実」にはかなりの違いがあるんじゃないかと感じます。
そのあたり、別のスレッドで一度書いたことですが、そのまま再掲してみます。

「なぜ、生物学者たちが自然選択を含む進化理論を受け入れているのか。
その理解のためには、反証主義の提唱者であるポパーの議論が参考になると思います。
要するに物理学のようなハードサイエンスと歴史を扱う科学の違いを押さえることなんですけどね。

自然選択を、人が経験し得る時間の範囲内で確認することはできますが、たとえば魚類、両生類、爬虫類、鳥類、哺乳類を含む変化の過程を再現・確認することは不可能です。
ポパーは、当初「自然選択という原理の可能性」は実証できても、「事後的な説明」でしかありえない進化論は反証不能な理論でしかないと考えていました。
しかしその後、考えを変えます。「進化論は、科学的研究を進めるための枠組みを提供する重要な哲学である」という風に。

リサーチプログラムという概念ですね。
物理学のようにダイレクトな実験、再現、実証はできないが、積み重なる化石の発見や遺伝子の解析といった「事実」を通して、
「どのような説明が可能か、どのような説明が最もありそうか」という緩やかな反証可能性はもっていると。
歴史を扱う科学は、物理学が扱う普遍的法則とは異なる、「別の科学的説明方法を提供する」というわけですね。」

>GBさんなら、ID以外のどういう解釈をされますか?
「事実」をもとにあーでもないこーでもないと探索を繰り返すだけですね。
インテリジェントデザイナーという「人の思い」は、自然の理解には何の役にも立たないと思っていますから。

297Ken:2023/02/10(金) 00:25:54 ID:royALY2s
>>296

私に問われたのは、この点ですね。

>「品種改良の記録」「極端な近親交配」「去勢や不妊」等の証拠を見出すというのは、どのようにしたら可能なのか

まず、記録ですが、紙のように短時間で劣化する材料に記録するとは限りません。石や一部の金属(例えばゴールド)のように劣化しない材料があります。

近親交配の痕跡は、最初(>>275)に述べたようにDNAの塩基配列から判断します。染色体のそれぞれの対は、父親と母親から1体ずつ受け継ぎますから、そこに近親関係を探せばよいでしょう。ジュラシックパークで描かれたように、琥珀に封印されたDNAを復元できるかまでは分かりませんが、この場合は映画のように、恐竜をまるごと復元する必要はありません。近親関係を判定できる程度の量でよいのです。

去勢や不妊処置の痕跡も、生殖に関わる部位を観測できる材料があれば発見可能と思います。骨とは違って化石になりにくいでしょうが、始祖鳥の羽毛(蛋白質)の形状が分かるほどの化石が残るなら、ありえるのではないでしょうか。

投稿のその他の部分は、自然選択について説明されてるようですが、今の論点との関連がよく分かりません。ひとつ言いたいのは、私はなにも自然選択による進化を否定してはいない、ということです。むろん、自然選択による進化はあったでしょう。

ただし、生物の進化にはもう1つの形態があります。人類が、農作物や家畜に実行してきたことです。意図をもって進化を導くことで、つまりインテリジェントデザインです。それを実行したのが、地球史の中でホモサピエンスだけと、なぜ断言できるのですか? 現存する生物を観測して、過去の生物を想像することは、普通に行われています。鳥の進化の「駆け上がりモデル」を唱える人は、今の鳥の幼鳥の行為を参考にしています。同じことを人類の行動に適用することが問題ですか?

>「事実」をもとにあーでもないこーでもないと探索を繰り返すだけですね。

これは回答になってません。まさか、何も思いつかないということですか? 人間が真剣に何かを考えるとき、そんなことがありえますか?

298GB:2023/02/10(金) 20:42:22 ID:tid4WkII
更科功氏の『化石の分子生物学』という本(講談社新書 2012)を読むと、恐竜のDNA塩基配列を調べるのも難しいようですね。
ネアンデルタールぐらいの年代なら、ペーボが示したようになんとかなるようですが。
どれだけコンタミを避けようと慎重に作業を行っても、「古代DNA」の再現は難しいということがわかって、面白い本でした。

>人類が、農作物や家畜に実行してきたことです。意図をもって進化を導くことで、つまりインテリジェントデザインです。それを実行したのが、地球史の中でホモサピエンスだけと、なぜ断言できるのですか? 現存する生物を観測して、過去の生物を想像することは、普通に行われています。鳥の進化の「駆け上がりモデル」を唱える人は、今の鳥の幼鳥の行為を参考にしています。同じことを人類の行動に適用することが問題ですか?

人類が現実に存在し、意図をもって進化(生物の変化)を導いていることは誰でも確認できるし異論もないと思いますが、さて、インテリジェントデザイナーという存在はどこにいて、どのようにして進化を導いているのでしょう。
「ホモサピエンス」だけではないと主張するなら、「ほら、これだよ」と証拠を示して、承認を求めるのが科学的方法ってもんですよね。

そこに付け加えて、私としては、デザイナー論というものはアブラハムの宗教という人間集団の一部が生み出した想念、価値観の一部でしかないという主張をしているわけです。


>>「事実」をもとにあーでもないこーでもないと探索を繰り返すだけですね。

>これは回答になってません。まさか、何も思いつかないということですか? 人間が真剣に何かを考えるとき、そんなことがありえますか?

特定の価値観から離れて自然を理解しようとすれば、次々に明らかになる客観的な事実に基づいて、あーでもないこーでもないと解釈を練るしかないと思いますよ。


さて、仕事がかなり忙しくなってきたこともあり、私はこのあたりで撤退します。
このスレッドの主旨とはズレてますしね、まぁ続けるなら別のスレの方がいいだろうと。

というわけで、ゲジゲジさん、ミケさん、よろしくお願いします。

299Ken:2023/02/10(金) 23:08:18 ID:royALY2s
撤退されるのはご自由ですが、私は私で言うべきことを言います。

私は「品種改良の記録」「極端な近親交配」「去勢や不妊」の3つを候補に挙げましたが、>>298では2番目が「難しい」と言われただけです。それも現在の技術レベルがベースになってるのでしょう。でも検証不能を理由に疑似科学と判定されるのは、現在検証できないだけでなく、そもそも原理的に検証の見込みがないもののはずです。

そして1番目と3番目は言及すらありません。

>「ホモサピエンス」だけではないと主張するなら、「ほら、これだよ」と証拠を示して、承認を求めるのが科学的方法ってもんですよね。

そういう状態を目指すのはそのとおりです。でも、今はできないからといって、疑似科学になりますか? そんなことを言えば、進化の研究に頻出する「ミッシング・リンク」も、具体的な生物の証拠を示せるまでは疑似科学でしょう。なにしろ「ミッシング」ですから。

>デザイナー論というものはアブラハムの宗教という人間集団の一部が生み出した想念、価値観の一部でしかないという主張をしているわけです

IDを宗教に利用する人がいるのと、IDが宗教であるのとは、全く別の問題です。進化論は帝国主義・植民地主義の理論武装に利用されましたが、だからといって進化論イコール帝国主義になりますか?

>このスレッドの主旨とはズレてますしね

ずれてません。IDが科学か疑似科学かを論じてきたのですから「科学と疑似科学を判別する」のテーマです。

それと、元々は>>280

>創造論はそれができないのは何故でしょう

と発言されたことから始まりましたが、私が>>268>>269で具体的に説明した天地創造論は最後まで無視されましたね。ただ、IDは創造論だと連呼されただけです。天地創造とIDは、ビッグバンと品種改良ぐらいに違うのに。

それでも、撤退を明言して撤退されるのですから、diamonds8888xさんよりは、よほどまともですね。

300ミケ:2023/02/11(土) 13:44:42 ID:RbySXTFU
ゲジゲジさんへ

私としては、>>268>>269に関して、
Kenさんが読むのであれば書いても良いかと思っていたのですが

おそらくKenさん以外のまともな論理的思考能力を持つ人は
「オムファロス」や「世界5分前仮説」に対するKenさんの考えに同意せず、
かつ>>268>>269を「オムファロス」や「世界5分前仮説」と同類のものとみなすだろうと思うこともあり
Kenさん本人にとっても読者(まだいるのか?)にとっても
ゲジゲジさんとKenさんとの質疑応答のほうが有意義のように思いますのでよろしくお願いします。

(明言して遠慮するのですから指名して返信すらしない誰かさんよりよほどまともでしょう?)

そのかわり
議論周辺の、Kenさんの事実誤認を気ままに書いていくことにします。

301Ken:2023/02/11(土) 21:12:33 ID:royALY2s
>>294

それでは、どうぞ。おっしゃりたいことをおっしゃってください。

ただ、最初にいっておくことがあります。

(1)私は複数相手の議論はやりません。つまり、以後、本スレッドではあなたにしか回答しないということです。(diamonds8888xさんが復帰しても相手にしません。)ただし、あなたが第三者と意見を交わすのは自由です。もしそれをやるなら、私への発言は冒頭で、そのことを明示ねがいます。

第三者の意見を読むことを私に求めるなら、それがあなた自身の考えでもあり、ご自身が責任をもつことを明らかにしてください。その保証として、第三者の発言は、
 1.自分の言葉で言い直す
 2.利用できる部分を自分の文章に貼り付ける
 3.すべて自分の発言とみなせる場合のみ、投稿番号を指定する
のどれかの形をとってください。2と3は負担にならないはずです。なお、このルールはdiamonds8888xさんの過去の投稿にも適用します。

(2)複数の論点があるなら、議論は個別に1つずつで願います。これまでの例では、基準のそれぞれが論点で、最初は基準01から始めました。その中で基準05が追加され、こちらを先に論じる必要があるということで、基準01を中断し、基準05に論点が移りました。このような変更はかまいませんが、複数の論点の並列進行はできません。

(3)元々は(>>248)IDの事例について聞きたいという話でしたが、>>294は基準そのものに話が拡大してるようです。テーマを維持したままdiamonds8888xさんと選手交代をするのですね。

そうなると、これまでのスレッドとくにdiamonds8888xさんの主張のどの部分を継承するのかを、まず明らかにしてください。diamonds8888xさんの基準を継承するのですか? それともご自身の基準を立てるのですか?

以上3点の検討をお願いします。

もし、ご自身の条件を設定されたいのなら、最初に提示してください。


ところで>>294で私の「マナー」を問題にされたので、以下のことを言っておきます。

ご自身のマナーについて自覚はないのですか?

私がdiamonds8888xさんと1対1の議論をするために本スレッドにいたことは承知されてましたよね?

diamonds8888xさんと意見を交わすのは自由ですが、あなたの投稿には、明らかに私に向けたものがありました。1度や2度ではありません。

>私も含め、diamonds8888x様以外の人に対してコメントを返すことを頑なに拒んで来られた

というおっしゃりよう自体が、私に回答させようとしたことを、ものがたります。

このような行為は私の倫理観と鋭く対立します。「頑なに拒んで来られた」? あたりまえです。取り決めをなし崩しにする行為など容認できません。あるいはあなたの目にはくだらない取り決めなのかもしれませんが、だから破ってよい理由になりません。さらに言えば>>294の投稿も割り込みです。GBさんとの議論が終わるまで待つべきでした。

私からは以上です。

議論の開始は、互いの条件を受け入れた時になります。

302ゲジゲジ:2023/02/14(火) 02:26:23 ID:3Fgfplnc
まずはKen様の「マナーの基準」に従えばマナー違反をしていたことをお詫びします。
申し訳ありません。

私の「マナーの基準」によれば反論はありますが、やめておきます。
一言で言えば「公開の掲示板という場での投稿におけるマナー」に対する認識の違いでしょう。
しかし「マナーの基準」についての議論を始めたらスレッドの主旨から完全に外れてしまいますし、何よりも時間と労力の無駄です。
ですから、少なくとも今後このスレッドでは、Ken様の「マナーの基準」に合わせることにします。


さて、
(1)→ 同意します。
(2)→ 同意します。

(3)
 >テーマを維持したままdiamonds8888xさんと選手交代をするのですね。
そうです。「科学と疑似科学とを判別する基準」に関する議論を私とさせて頂きたいと提案しています。

 >diamonds8888xさんの基準を継承するのですか? それともご自身の基準を立てるのですか?
diamonds8888x様の基準を継承します。当たり前です。

そもそも「diamonds8888xさんの基準」と仰ること自体が不適切ですよ。
科学と疑似科学を判別する「基準」が人によって違って良いわけがないでしょう?
diamonds8888x様が述べていたのはdiamonds8888x様の基準ではなく、科学に関する真っ当な議論をしようとする誰もが受け入れるべき「基準」です。

ですからdiamonds8888x様は、Ken様がこの「基準」を納得して受け入れられるよう、説明を尽くしていたはずです。しかしKen様の総括編1〜10を読む限り、まったく理解されないまま、diamonds8888x様は撤退されてしまいました。
だから私が後を引き継ごうと申し出たのです。

但し、「基準」自体は変わりませんが、説明の都合上、以下のように整理し直します。

基準1:反証可能性の有無
これについてはdiamonds8888x様の基準01を踏襲します。

基準2:理論Aと対立する理論Bを否定しても理論Aの検証にはあまりならない。
これもdiamonds8888x様の基準02を踏襲します。

基準3:矛盾との関係
これはKen様が[>>268]で述べられている通り、diamonds8888x様の基準03〜基準06をまとめて扱います。

そして一応
基準4:根拠にならないことを根拠と主張する
を挙げておきます。
これは旧掲示板で10年ほど前にShinok30様が仰っていた基準ですね。
但し、根拠にならないことを根拠と主張するとは具体的にどういうことか? と掘り下げると、恐らくは基準1〜3のいずれか、もしくは複数に抵触することになると思われます。
ですから敢えて挙げる必要はないのかもしれませんが、議論の流れによっては言及する可能性も出てくるかもしれませんので、一応、最初の段階で挙げておきます。

そして議論の順番は、基準2,基準3,基準1、(基準4)の予定です。


最後に
 >もし、ご自身の条件を設定されたいのなら、最初に提示してください。

後々で揉めたりしないために、以下をルールとして提案します。

1.相手の回答(返事)を最低1週間は待つ。
2.相手の投稿に対して1週間以内に回答(返事)をする。

1について。
しっかりした回答をしようとすれば、十分に文章を推敲したり、また色々と調べなければならない場合もあるでしょう。纏まった時間がそうそう取れるわけではないでしょうから、お互いに1週間程度は待つことにしましょう。

2について
但し一方で、効率よく議論を進めるためにも、あまり相手を待たせるのもどうかと思われます。
忙しくて時間が作れない場合は、少なくともその旨をひとこと、返信するようにしましょう。

何も断らずに1週間を超えて回答しないのは、以下の事情でできない場合に限定します。
逆に言うと、相手からの回答が1週間、少し余裕を見て10日以上途絶えた場合は、相手は以下のいずれかの状況にあるものと判断して良いということです。
そのように判断して、どうするかは自由です。

<断りなく回答を途絶えさせて良い場合>
①死亡した場合
②意識のない植物状態、または両手が不随となり通信機器の操作ができなくなった場合
③災害により自宅が倒壊するなどして、掲示板どころではない状態になった場合
④その他、突然、上記①〜③に類する状況になった場合

②〜④の場合は、半年後とか1年後とかに復帰するかもしれません。
その時に議論を再開するかどうかは、その時の状況で相談することとしましょう。


以上、如何でしょうか?

よろしければ本題に入って行きますが、私自身が今月いっぱいは結構忙しいです。
私事ですが15日締切の案件を1件、24日締切の案件を3件抱えています。
GB様との議論が数ヶ月はかかると思っていたのですが、GB様の撤退で思いの外あっさりと終わってしまいましたので・・・

というわけで2月中はボチボチ議論を始めながら、3月に入った頃から本格的に進めて行かれたらと思います。

303Ken:2023/02/14(火) 21:22:01 ID:royALY2s
>今後このスレッドでは、Ken様の「マナーの基準」に合わせることにします。

1対1を守るだけの意味ではなく、約束したことは守るという意味なら、それで結構です。

2→3→1→(4)の順序を了解しました。

1週間ルールもそれで結構です。もともと私は1〜2日で回答してきたと思いますが、なるほどdiamonds8888xさんは、断りもなく数週間もあける人でしたね。スレッドが長期化した大きな原因です。あげく撤退宣言もしないから、1年間待たされる羽目になりました。

強くお願いするのは、基準を説明するときに、必ず基準違反の具体例を挙げていただくことです。diamonds8888xさんは基準01違反の実例に「へそ理論(オムファロス)や世界五分前仮説」、基準05には「太陽が昇る∧太陽が昇らない」を挙げましたが、説明が抽象的すぎて誤解と混乱を生みました。基準02違反は具体例をきく機会もありませんでした。

上の順序にしたがい、基準2違反の具体例を挙げていただくことから始まると期待します。

304ゲジゲジ:2023/02/19(日) 00:49:29 ID:bXWY2Oy2
まず申し訳ありませんが
 >基準2違反の具体例を挙げていただくことから始まると期待します。
ご期待には応じかねます。

既に[>>294]で、どのように議論を始めるか予告しておりますので、それに従って進めさせて頂きます。
 >もし私の提案を受けて頂けるなら、「Aと対立するBの否定がAの検証とされる」事例として
 >Ken様が挙げられた事例が該当しないことをご説明します。
 >Ken様にとって「目からウロコ」かもしれませんよ。

Ken様がdiamonds8888x様と議論されていた時と大きく前提が異なるのは、私はKen様の総括編1〜10を読んで、Ken様のお考えの全体像を知った上で議論に臨めるということです。ですからKen様がどこを誤解されているのか、予め大まかには把握できています。diamonds8888x様はその点を議論しながら手探りされていました。

私としてはどういう順序で説明したらKen様にご理解いただけるのか、ずっと考えながら総括編を読んでいました。その上で、[>>294]でdiamonds8888x様から議論のお相手を引き継ぐことを提案しています。基準違反の具体例から始めるよりも、まずはKen様にご自身の誤解に気付いて頂いた方が、理解が早いと思います。


と、いうわけで本題です。

Ken様は「『Aと対立するBの否定がAの検証とされる』事例が、特殊でもなんでもなく、世にありふれている」例として以下を挙げていらっしゃいますね。
・コペルニクスの地動説
・光の粒子説
・光の波動説
・鳥の進化の樹上モデル
・鳥の進化の駆け上がりモデル
・鳥の進化の飛びかかりモデル

では、これらが「Aと対立するBの否定がAの検証とされる」事例ではないことをご説明しましょう。

まずコペルニクスの地動説です。
Ken様の[>>259]より
 >これに対してコペルニクスは、地球を中心に据えるからそんな複雑な系になるので、
 >太陽が中心で各惑星は太陽を単純に周回すると考えれば、
 >そんな複雑な動きを考えなくてもよいと主張しました。

つまり、「複雑な動きを考えなくてもよい」ことが地動説の根拠であり検証です。決して天動説の否定“だけ”を検証としていません。


次に光の粒子説・波動説です。[>>261]
 >粒子説の根拠は、波動説で説明できない現象
 >波動説の根拠は、粒子説で説明できない現象
これはその通りかと思います。
しかしdiamonds8888x様は
 >*)検証になる特殊な場合はある。
と仰っていましたので、光の粒子説・波動説は対立仮説の否定が自説の検証になる特殊な例外と考えてよいでしょう。


次に鳥の進化の樹上モデルです。
[>>262]
 >(略)ムササビのように木から木へ飛び移ったり地上に落下するときに、
 >羽根があれば距離を延ばしたり運動を制御できるので、それを利点として進化を重ね(略)
そう、ムササビのように木から木へ滑空する生物が存在すること、そして滑空において羽が距離を延ばしたり運動を制御できるので利点になること、が樹上モデルの根拠です。

そして[>>275]
 >結局、力学的な合理性をもつ説明は、樹上モデルなのです。
 >それも、地上生物が木に登ることもある、という中途半端な形ではなく、
 >地を走るという前提自体を外すことです。
 >ムササビのような樹上生活者がジャンプする生活様式にこそ、飛行へいたる道があるでしょう。
まったくその通りで、力学的な合理性をもつことこそ、樹上モデルの根拠なのです。
決して走行モデルの否定“だけ”が根拠ではないのです。


もうお分かりでしょう? [>>263]より・・・
鳥の進化の駆け上がりモデル
 >骨格から判断すれば鳥の先祖は地上を走る恐竜であるはずだが、
 >地上生物が木に登ることはありえます。
飛びかかりモデル
 >駆け上がりモデルと同じく、始祖鳥の骨格と一致するし力学的合理性もある理論でしょう。

それぞれ、地上生物が木に登ることがあり得ること、骨格と一致し力学的合理性があること、が根拠です。

どうもKen様は、仮説の検証や根拠は、具体的な物証や観察事実でなければならないと思われているようです。しかしそんなことはありません。「合理的に説明できる」というのは、それだけで仮説の根拠になり得ます。
以上、まずはここまで。ご質問や反論があればどうぞ。



尚、この後ですが、以下の順序で進めて行くことを想定しています。

1)Ken様が挙げた「Aと対立するBの否定がAの検証とされる」事例がそのような事例に該当しないことを説明(今ココ)

2)実際に対立仮説の否定だけを根拠にした仮説(疑似科学になる)の具体例

3)光の粒子説・波動説を例に、対立仮説の否定だけを自説の検証としてよい特殊な場合というのは、どういう場合なのか説明

4)以上を踏まえて、どうして対立仮説の否定だけを自説の根拠にしてはいけないのか? 対立仮説の否定だけを自説の根拠にすると疑似科学になってしまうのか? を説明

305Ken:2023/02/19(日) 10:28:17 ID:royALY2s
>>304
私が挙げた基準02違反の例が、実はそれぞれに根拠があり、違反ではないという話ですね。こういう説明がされるかもとは思ってました。

直接の物証はなくても、とにかくその理論で説明できればよいということでしょうか。それなら、実は、光粒子説と光波動説も「特殊な例外」ではないのです。

光粒子説の根拠=真空を伝わる/必ず直進する

これは粒子で説明可能です。というより18世紀の知識体系では、粒子でしか説明できません。同じく、

光波動説の根拠=互いにすり抜ける

これも、波動で説明可能です。

>>304で挙げられた根拠と同じく、上も根拠になるでしょう。

しかし、基準を検証するには、違反になるものとならないものを並べ、どこで差がつくのかを知らねばなりません。ゆえに、

>2)実際に対立仮説の否定だけを根拠にした仮説(疑似科学になる)の具体例

が必要です。私が求めたのもそれですから、次へ進んでください。例にあがるのは、私がIDで説明した鳥の進化ですか?

306Ken:2023/02/19(日) 17:50:42 ID:royALY2s

>>305で言ったこととは別に、鳥の進化の4仮説について確認したいことがあります。

(1)走行モデル
(2)樹上モデル
(3)駆け上がりモデル
(4)飛びかかりモデル

(2)〜(4)は、>>304で言われたように「そういうこともありうる」という話で、物証はありません。鳥の先祖が本当に樹上生活者だったのか、はばたきながら木を駆け上がったのか、高所から獲物に飛び降りたのか。いずれも想像の産物です。

しかし、その生物が地上を走っていたことは確実なのです。骨格が地上を走る2足恐竜と共通するのですから。

それなら、走行モデルだけ唱えておればよいのではないですか?

他の3つを唱える人は、なぜそんなことをすると思いますか? まさか、他人と違うことを言ってみたいという自我の産物でもないでしょうに。

奇妙な質問に思えるかもしれませんが、ここは明示的な言葉で回答をお願いします。

307ミケ:2023/02/20(月) 01:13:45 ID:RbySXTFU
このスレッドを現在・あるいは将来読む人への参考資料として、
Kenさんがしばしば科学的事実を誤認してそれを土台に主張することがあるので
あとでゆっくり書こうと思っていたけど鳥の進化に関してもう触れられてしまっているので
取り急ぎ鳥関連に関してここに書いておきます。

・Kenさんは、鳥の飛翔の進化に関して、樹上モデルに何の証拠もない(>>265)と考えているが、事実誤認で、それぞれ証拠が挙げられている。(いわゆる論争状態)
・Kenさんは、Wikipediaの記事でミクロラプトルが樹上性ではないと結論が出ていると考えているが、事実誤認で単にWikipediaの編集上、最後に記載されているというだけ。

たとえば、Kenさんは>>265
ミクロラプトルが樹上性ではない、と考える根拠として

>最後の結論で、体構造が明らかになると、地上を走る鳥と同じもので、木登りをできるような骨格を持ってないことが分かったと語られます。

と英語版Wikipediaの記事を挙げていますが
そこで文献として挙げられている一つ目の論文
(Assessing Arboreal Adaptations of Bird Antecedents: Testing the Ecological Setting of the Origin of the Avian Flight Stroke)を読めば
ミクロラプトルが樹上性であるとする根拠や証拠が既に挙げられていることが分かります。

そのうえで、「こちらのほうが良い証拠ですよ」と新しい手法で地上性の証拠を示したのが一つ目の論文わけです。
(二つ目の論文についてはもしかしたらWikipedia編集者のミスかもしれません。一つ目の論文を引用はしていますが、地上から飛ぶならどういう経路か、がテーマであり樹上か地上かというテーマではなかったようです。)

話がそれました。要するに樹上性を支持する証拠は挙げられているわけです。
そして、上記の論文以降にも、いろいろな鳥類・爬虫類で爪の湾曲を比較し、樹上性を支持する論文は出されています。
両者は論争状態(あるいは二つの説が並立した状態)にあるわけです。
一つの論文で答えが出るわけではありません。特に化石しかない古生物の場合は。

Wikipediaでも、確定しているとは書かれていないです。
単にその段落の最後の文が地上説を支持する内容で終わっているというだけ。

化石しかない古生物の習性や身体的能力の推測・復元は、ちょっとした発見で大きく変わります。
獣脚類の姿勢がゴジラ型から天秤型になったり、腕に翼のような羽毛が付いていることが分かったり。
ヴェロキラプトルやガリミムスは、ジュラシックパーク1で描かれた姿と現在の復元図ではかなり違う姿になっています。
ミクロラプトルのように、同じ化石から、別の人が、それぞれ異なる仮説を支持する証拠を見出すこともあります。

Kenさんのような「正解を決めつけずにはいられない(示されている中に正解があると思ってしまう)」タイプには、
古生物の進化的仮説の話は特に不向きだと思います。

308ミケ:2023/02/23(木) 22:49:58 ID:9/qn5aAA
科学理論の「検証」に関して少々。

多くの学術論文の構成は、序論(Introduction)―材料・方法(Materials & Methods)―結果(Results)―考察(Discussion)―結論(Conclution)という骨組みになっています。
序論で今まで分かっていることや課題が書かれ、材料方法でそれを検証するために採られた方法が書かれ、結果でその方法で得られた結果が書かれ、結果と今まで分かっている事実等から考察・結論が導かれます。
これはつまり、多くの学術論文はその時点で、その論文に書かれている「結論」を実験や計測・解析等の物的証拠によって検証しているというわけです。
Wikipediaは誰でも編集できるがゆえに過信は禁物ですが、文献として論文が引用されている場合、おおよそ、論文となっている時点で「物的証拠がある」と予想してよいと思います。掲載にあたって査読される論文についてはよりそう言えるでしょう。
鳥の進化の各モデルについても、学術誌に掲載された論文が文献として引用されているなら、単なる想像の産物ではないということは予想が付くことです
(実際に論文を読むべきなのでミクロラプトルの樹上説についてのみコメントしましたが)。
恐竜・鳥関連の議論が続く場合、読者の皆様は参考としてください。

ここからは余談となります。
そうした論文同士で、相反するように見えることを結論としている場合があります。
たとえば始祖鳥やミクロラプトルについては、同じ化石から、樹上性を主張する論文と地上性を主張する論文と中間的であるとする論文とがあったと思います。
これは別に、矛盾が許容されているわけではありません。
個々の研究者それぞれが、それぞれの説を支持している(いわゆる論争状態)だけの話。

科学というのは、ヒトの営みなので、当然間違いもあり得ます。
そして多くの個々の研究者が携わっているものなので、「その時点でどちらかが間違いかもしれない状態の複数の説」が各々証拠ありで並立している場合があります。
しかし、データを追加し、検証作業を続けることで、いずれより確からしい方が選ばれるだろう、と期待の元、科学者たちは日々努力しています。
重要なのは、真実の可能性があるかどうかではなくて、検証できること、現時点でも検証されていること。
これはいつだったかゲジゲジさん紹介の北村雄一氏のサイト(ttp://www5b.biglobe.ne.jp/hilihili/science/thinkforscitop.html)が参考となります。

さて、インテリジェントデザインは、論文になったことがありません。検証されていないわけです。
「品種改良作業の記録」「去勢や不妊処置の証拠」も、ヒト以外のインテリジェントな存在による進化の証拠など、何一つ見つかっていません。
(※ちなみに「極端な近親交配」は、ヒト(あるいは最近だとチーター)のように極端に個体数が減る状況を経由するとおのずとそうなるのでそもそもIDを支持する証拠になりません。)

したがって、そもそも自然選択説や中立説とはそもそも並立する資格がありません。
ですから、鳥の飛翔の起源の「走行仮説」「樹上仮説」などと違って、
ID説を自然選択説と並立して教科書に載せろと言われたら、それはペテンのたぐい・疑似科学になるということになります。

これをもしKenさんが議論相手から聞いたとすると、「一般性相対性理論だってまだ得られていない証拠を根拠に〜」と言うかもしれません(>>290)。
詳しくありませんが、「水星の近日点移動を(ニュートン力学より)説明できた」とか、あるいは単純に具体的な計算式の導出法とか、別の証拠があったのでは。
そもそもここで見られる予測とは、具体的な計算式に基づいて、いつ、どんな状況で得られるかまで予測されたものであり、
「どんな証拠がどこから出てくるか全然分からないけどデザインした証拠が出てきてくれるかも」といった願望とは異なるものです。
進化論で言うなら、たとえばティクターリクの化石は、
「この時代、この地域、この地層ならばこういう特徴(それまでの両生類的魚類と魚類的両生類の中間)を持った化石が見つかるはずだ」
と予測して掘り進めて見事見つかった事例がありますが、それとは対照的ですね。

309ゲジゲジ:2023/02/25(土) 23:37:38 ID:bXWY2Oy2
まず[>>306]から。

 >しかし、その生物が地上を走っていたことは確実なのです。
 >骨格が地上を走る2足恐竜と共通するのですから。
“骨格が地上を走る2足恐竜と共通する”からといって“地上を走っていたことは確実”とは言えません。

それにそもそも、上記のような具体性のないことを仰られても、「確実」かどうかなど判断できません。

「その生物」とは何ですか?
アーケオプテリクス? ミクロラプトル? アンキオルニス?

「地上を走る2足恐竜」とは?
オルニトミムス? オヴィラプトル? ヴェロキラプトル?

「骨格が共通する」とはどこの骨の構造がどの様に共通するのですか?

例えば上に挙げた6種類は、後肢の骨格構造に以下のような共通点があります。
・大腿骨、脛骨、腓骨、中足骨、指骨からなる。
・大腿骨と脛骨との間接は内側一方向にのみ曲がる構造である。
・脛骨に腓骨が付随している。
・指骨の数は指によって異なるが2個〜5個である。

こんな具合に、共通点を具体的に提示して頂かないと・・・


と、いうわけで
 >他の3つを唱える人は、なぜそんなことをすると思いますか?
 >(略)
 >ここは明示的な言葉で回答をお願いします。
に明示的に回答します。
走行モデルもまた、想像の産物に過ぎないからです。
よって、走行モデルだけ唱えていてはいけないからです。


尚、Ken様に従って「想像」という表現をしましたが、あまり適切ではありません。「推測」とか「推定」と言うべきでしょう。

根拠のない想像・妄想ではなく、いずれも根拠に基づいた推測・推定です。
走行モデルは骨格構造を根拠に、走行から飛行に至ったと推測しているのです。
樹上モデルは飛行に至る力学的合理性を根拠に、樹上から飛行に至ったと推測しているのです。
駆け上がりモデルは、そのような生態を示す現生鳥類の存在を根拠に推測しているのです。



ところで、Ken様に1つ伺いたいことがあります。
すぐに答えてくださらなくて結構です。
というより、今は答えないでください。今の論点は基準2なので。
基準2の議論が終わったら、少し予定を変更して、基準3に入る前にまた伺いたいと思いますので、それまでにお考えを纏めておいてください。


Ken様は[>>269]で
 >天地創造論や世界5分前仮説といえども、それが真相である可能性はあるのです。
と仰っています。

もし世界5分前仮説が正しいとしたら、鳥の先祖が地上を走っていたというのは間違いですよね。
鳥の先祖の化石も恐竜の化石も、5分前に作られたフェイクなのだから。
しかしKen様は[>>306]ではこう仰っています。
 >しかし、その生物が地上を走っていたことは確実なのです。
 >骨格が地上を走る2足恐竜と共通するのですから。

つまり鳥の進化を検討するにあたって、世界5分前仮説が正しい可能性を除外していませんか?
天地創造論や世界5分前仮説は、神様か外の世界のプログラマーか分かりませんが、世界を創った存在による「お告げ」によって検証できるのでしたよね?
世界を創った存在による「世界は130億年前にビッグバンによって創ったのだ」といったような「お告げ」は今のところ観察されていませんから、これらの仮説が正しい可能性は十分にあります。
にもかかわらず、なぜ検討すべき仮説の候補から、天地創造論や世界5分前仮説を排除してしまったのでしょう?

世界5分前仮説だと、この議論自体がフェイクということになり、[306]のコメント自体もフェイクということになって話がややこしくなるので、ここは「世界100年前仮説」で考えましょうか。
世界100年前仮説が正しいとすれば、私たちの議論やKen様が参照されたWikipediaの記事、そこから参照されている論文などはフェイクではありません。しかし過去の生物の化石は全てフェイクです。

鳥は進化などしていない。100年前に、初めから飛べる状態で作られた。
鳥の先祖も恐竜も過去に存在していない。化石は全て、100年前に作られたフェイク。
・・・という仮説を検討する土俵から排除してしまわれたのは、どうしてですか?

310ゲジゲジ:2023/02/25(土) 23:38:27 ID:bXWY2Oy2
さて、本題の基準2に戻ります。

[>>305]
 >直接の物証はなくても、とにかくその理論で説明できればよいということでしょうか。
 >それなら、実は、光粒子説と光波動説も「特殊な例外」ではないのです。
 >光粒子説の根拠=真空を伝わる/必ず直進する
 >これは粒子で説明可能です。(略)
 >光波動説の根拠=互いにすり抜ける
 >これも、波動で説明可能です。

たしかにそうですね。
それぞれ、対立仮説の否定だけではなく、きちんと自説を肯定する根拠が提示されています。

では[>>304]で述べた
3)光の粒子説・波動説を例に、対立仮説の否定だけを自説の検証としてよい特殊な場合というのは、どういう場合なのか説明
については、思考実験をしてみましょう。

18世紀の知識体系において、もし「光が真空を伝わる/必ず直進する」が否定されたとしたら、それは光波動説の根拠になり得たか?
逆にもし「光が互いにすり抜ける」が否定されたとしたら、光粒子説の根拠になり得たか?


まぁ、それは次の議題であって、まずは
2)実際に対立仮説の否定だけを根拠にした仮説(疑似科学になる)の具体例
ですね。

ただ[>>303]
 >強くお願いするのは、基準を説明するときに、必ず基準違反の具体例を挙げていただくことです。と言われますが、それはなかなかに無理筋の依頼であることをご理解ください。

話が逸れますが、私はあるNPO法人に関わっています。
NPO法人は法律(NPO法)で、犯罪を犯して刑務所に収監されている人や、認知症の人を理事にしてはいけないと定められています(他に暴力団関係者など)。それで私たちのNPO法人でも法律に従って、こうした人を理事にしない旨を内部規程に定めています。

しかしですね。そもそも刑務所に入っている人や認知症で正常な判断ができない人を、理事に据えるようなNPO法人があるでしょうか? 絶対にないとは言えませんが。
だいたい法律はNPOを運営するためのルールなのですから、普通はそのルールを守ってNPOは運営されます。ですからルール違反の実例を探すのは相当に困難です。


科学の基準についても同じです。基準1〜基準3は、科学的な議論を行う上でのルールのようなものです。

仮にある人が、対立する仮説Bの否定だけを根拠に、仮説Aを思い付いたとしましょう。
しかしそのままでは基準2に違反ですから、その人は仮説Aを発表しません。
仮説Aを肯定する根拠を考えたり、あるいは根拠となる事例を探したりするでしょう。
そして根拠が見付かったら、あるいは考え付いたら仮説Aを発表するでしょうから、仮説Aが発表された時点では基準2をクリアしていることになります。

ですから世の中に出回っている仮説はほとんどが基準をクリアしています。
基準違反の具体例を示すというのは、言うほど簡単なことではないのです。


というわけで、基準2違反の具体例はなんとか2つほど思い付きました。

1つは、進化論の否定だけを根拠にした創造論です。
キリスト教原理主義系のサイトで、自然選択説の矛盾点(本当に矛盾かどうかは別の議論が必要ですが)などを色々と指摘した上で、だから神様が5000年ほど前に聖書に書かれた通りの手順で世界を創ったのが正しい・・・と結論するものがあったように思います。
本当にあったかどうか、その点は私の記憶が曖昧で申し訳ないのですが、とにかくこういった論法が基準2違反の疑似科学になります。

もし創造論の根拠は聖書にそう書かれているから、世界を創造した神様が語られた真実を記述したものが聖書だから、といった論法だったら、取り敢えず基準2はクリアします。
少なくとも対立仮説の否定“だけ”が根拠ではないので。
挙げられた根拠が根拠として妥当かどうか? は基準1や基準3によって判定されます。


もう1つの具体例。これは挙げるかどうか悩みましたが・・・
Ken様が2018年1月22日(火)23時28分9秒に、旧掲示板に投稿されたID論が基準2違反ですね。
 >人間以外の存在が地球生物の進化に干渉したことを示す直接の証拠はありません。
 >ですからID仮説を提唱する理由は、自然選択では説明できない進化があるという、
 >それしか今はないのです。
対立仮説(自然選択)の否定“だけ”が根拠であると明言されているので。


一方で、[>>275]で述べられているID論は基準2をクリアします。
 >IDの利点は、特定の変異でなぜ選択圧が働いたのかという、
 >自然選択に要求される説明の必要がなくなることです。
つまりID論が鳥の進化をより合理的に説明できるという根拠が述べられていますから。

尚、本当にID論が合理的かどうかは、これも基準1と基準3によって判定されます。
ともかく自然選択の否定“だけ”ではなく、ID論を肯定する根拠が述べられてはいるので、基準2はクリアです。


以上、ご質問や反論があればどうぞ。
特になければ次に進みます。

311Ken:2023/02/26(日) 12:20:33 ID:royALY2s
>「その生物」とは何ですか?

ウィキペディアに記載があるのは、始祖鳥とミクロラプトルですね。
en.wikipedia.org/wiki/Origin_of_avian_flight
記事は始祖鳥を中心に語られますが、飛び掛かりモデルの項目でミクロラプトルも言及されてます。地上走行生物の身体特徴は

[始祖鳥]en.wikipedia.org/wiki/Archaeopteryx#Description
抜粋:
Archaeopteryx had many non-avian theropod dinosaur characteristics. it has a long ascending process of the ankle bone, interdental plates, an obturator process of the ischium, and long chevrons in the tail. In particular, Ostrom found that Archaeopteryx was remarkably similar to the theropod family Dromaeosauridae.

[ミクロラプトル]en.wikipedia.org/wiki/Microraptor#Wings_and_flight
抜粋:
study of its anatomy have shown that its limb proportions fall in line with modern ground birds rather than climbers, and its skeleton shows none of the expected adaptations in animals specialized for climbing trees.

>“骨格が地上を走る2足恐竜と共通する”からといって“地上を走っていたことは確実”とは言えません。
>走行モデルもまた、想像の産物に過ぎないからです。

地を走る現場の観測例はないという意味なら、そのとおりです。それこそタイムマシンを発明して過去に行かない限り、確実にいえることなどありません。そのようなスタンスでの発言なら反論はしませんが、地球史で生物が進化してきたという理論も不確実な想像になりますよ。

>今は答えないでください

尋ねておいて、そんな言い方がありますか。それなら尋ねなければよいでしょう。

この問いかけは曲解です。私は世界5分前説は正しい可能性があるといったので、正しくない可能性もむろんあります。鳥の先祖の恐竜が地上を走ってたのは、後者が前提です。

>[>>275]で述べられているID論は基準2をクリアします。

この回答は意外でした。私のID論は基準2違反の疑似科学と主張されると思ってましたから。すると問題は1と3ですか。ではその議論の中で論証されることを期待します。でも、それならなぜ2から始めたのですか?

>キリスト教原理主義系のサイトで、自然選択説の矛盾点(本当に矛盾かどうかは別の議論が必要ですが)などを色々と指摘した上で、だから神様が5000年ほど前に聖書に書かれた通りの手順で世界を創ったのが正しい・・・と結論するものがあったように思います。

矛盾があるなら、矛盾を解消するか、もしくは自然選択以外の代案を考えるかのどちらかとは思いませんか? >>268>>269で述べたように、創造論を今の私たちの知識体系で説明することはできるのです。

>18世紀の知識体系において、もし「光が真空を伝わる/必ず直進する」が否定されたとしたら、それは光波動説の根拠になり得たか?
>逆にもし「光が互いにすり抜ける」が否定されたとしたら、光粒子説の根拠になり得たか?

18世紀の知識体系では「空間を動くなにものか」は、粒子と波動しか知られてませんでした。ただし、その2つ以外にないという証明もありませんでした。粒子と波動の二者択一なら、一方の否定が他方の根拠になるでしょうが、現実には、二者択一かもわからないのに、対立説の否定を自説の根拠にしてました。(例)粒子は真空を伝わりますが、真空を伝わるのは粒子という証明はありません。

>世の中に出回っている仮説はほとんどが基準をクリアしています。
>基準違反の具体例を示すというのは、言うほど簡単なことではないのです。

実際に提唱されてる理論の必要はありません。「太陽が昇る∧太陽が昇らない」の同類でよいのです。ただし、それがどういう具体事象かは尋ねますよ。

「1つの太陽が2つの座標に存在し、一方はω>0、他方はω≤0の角速度をもつ」

最低でもこの程度の具体化が必要です。

312ゲジゲジ:2023/03/02(木) 21:16:03 ID:bXWY2Oy2
 >>今は答えないでください
 >尋ねておいて、そんな言い方がありますか。それなら尋ねなければよいでしょう。

引用された箇所のすぐ次に、理由を書いているのですが・・・

+++++ 以下再掲 ++++++++
今の論点は基準2なので。
基準2の議論が終わったら、少し予定を変更して、基準3に入る前にまた伺いたいと思いますので、それまでにお考えを纏めておいてください。
+++++ 再掲ココまで ++++++++

つまり今は基準2の議論をしています。具体例を挙げて、基準2違反となる場合とならない場合との違いを明らかにすることが、今の論点です。
鳥の進化の検討から世界5分前仮説を除外された理由についてやり取りを始めると、論点がずれます。今のテーマと一緒にやり取りをすれば、Ken様が[>>301]で提示されたルール
 >(2)複数の論点があるなら、議論は個別に1つずつで願います。
 >複数の論点の並列進行はできません。
に違反します。
だから基準2の議論が終わったら、その時にまた質問しますから、それまでによく考えて、考えを纏めておいてください、と申し上げています。よく考えた上での回答がほしいので、すぐには答えてほしくない質問を、敢えて今の段階でしています。



 >この問いかけは曲解です。
 >私は世界5分前説は正しい可能性があるといったので、正しくない可能性もむろんあります。
 >鳥の先祖の恐竜が地上を走ってたのは、後者が前提です。

曲解とは思いません。
なぜ、検証もしないで正しくないという前提に立たれたのですか? そして検討すべき仮説の候補から除外されたのですか? それって結局、検討の土俵から排除することと同じではないですか?
恐らく世界5分前仮説を他の仮説と同等に扱う価値はないと判断されたのではないですか? そのような判断をされたのは何故ですか? どのような「基準」に基づいて、その判断をされたのですか?
私が伺いたいのはそういう事です。

もういちど申し上げます。基準2の議論が終わったら、改めて質問しますので、それまでよく考えておいてください。熟考に熟考を重ねた上での回答を期待します。



 >>[>>275]で述べられているID論は基準2をクリアします。
 >この回答は意外でした。私のID論は基準2違反の疑似科学と主張されると思ってましたから。

これも、引用された箇所の前にこう書いているのですが・・・

+++++ 再掲A-1 ++++++++
Ken様が2018年1月22日(火)23時28分9秒に、旧掲示板に投稿されたID論が基準2違反ですね。
 >人間以外の存在が地球生物の進化に干渉したことを示す直接の証拠はありません。
 >ですからID仮説を提唱する理由は、自然選択では説明できない進化があるという、
 >それしか今はないのです。
対立仮説(自然選択)の否定“だけ”が根拠であると明言されているので。
+++++ 再掲ココまで ++++++++

その上で、こう書いています。
+++++ 再掲A-2 ++++++++
一方で、[>>275]で述べられているID論は基準2をクリアします。
 >IDの利点は、特定の変異でなぜ選択圧が働いたのかという、
 >自然選択に要求される説明の必要がなくなることです。
つまりID論が鳥の進化をより合理的に説明できるという根拠が述べられていますから。
+++++ 再掲ココまで ++++++++

Ken様に理解してほしいのは、再掲A-1と再掲A-2との違いです。



 >>キリスト教原理主義系のサイトで、(略)
 >矛盾があるなら、矛盾を解消するか、もしくは自然選択以外の代案を考えるかの
 >どちらかとは思いませんか?
思いますよ。

 > >>268>>269で述べたように、創造論を今の私たちの知識体系で説明することはできるのです。
説明することができるかどうかは、基準2とは無関係です。

これも、引用された箇所の前後を含めると、こう書いています。
+++++ 再掲B-1 ++++++++
1つは、進化論の否定だけを根拠にした創造論です。
キリスト教原理主義系のサイトで、自然選択説の矛盾点(本当に矛盾かどうかは別の議論が必要ですが)などを色々と指摘した上で、だから神様が5000年ほど前に聖書に書かれた通りの手順で世界を創ったのが正しい・・・と結論するものがあったように思います。
本当にあったかどうか、その点は私の記憶が曖昧で申し訳ないのですが、とにかくこういった論法が基準2違反の疑似科学になります。
+++++ 再掲ココまで ++++++++

そして引用された箇所の少し後に、こう書いています。
+++++ 再掲B-2 ++++++++
もし創造論の根拠は聖書にそう書かれているから、世界を創造した神様が語られた真実を記述したものが聖書だから、といった論法だったら、取り敢えず基準2はクリアします。
少なくとも対立仮説の否定“だけ”が根拠ではないので。
+++++ 再掲ココまで ++++++++

Ken様に理解してほしいのは、再掲B-1と再掲B-2との違いです。

313ゲジゲジ:2023/03/02(木) 21:18:27 ID:bXWY2Oy2
もしかして、こう書いたら分かりやすいでしょうかね?


自然選択では説明できない進化がある。よってIDが生物の進化に介入した。
(2018年1月22日(火)23時28分9秒に述べられたID論)
  → NG

自然選択では説明できない進化がある。そのような進化はIDが目的をもって進化させたと考えると合理的に説明できる。よってIDが生物の進化に介入した。
(275で述べられたID論)
  → OK


自然選択説には矛盾点がある。よって、神様が5000年ほど前に聖書に書かれた通りの手順で世界を創った。
  → NG

自然選択説には矛盾点がある。一方で聖書には神様が世界を創られた経緯が書いてあり、聖書は神様ご自身の言葉である。よって、神様が5000年ほど前に聖書に書かれた通りの手順で世界を創った。
  → OK


前に挙げた事例についても、なぜOKだったか、もういちど整理してみましょうか?


地球を中心に天体が周っていると考えると複雑な系になる。よって太陽を中心に地球が周っている。
  → NG

地球を中心に天体が周っていると考えると複雑な系になる。一方で各惑星が太陽を周回すると想定すれば複雑な動きを考えなくてよい。よって太陽を中心に地球が周っている。
(実際にコペルニクスが提唱した仮説)
  → OK

地球を中心に天体が周っていると考えると複雑な系になる。そもそも太陽神アポロは地球神ガイアより偉いので中心にいるべきである。よって太陽を中心に地球が周っている。
  → OK


鳥の進化の走行モデルでは、翼を広げると走行の障害になり、走行に適した脚は重くて飛行の障害になる。よって、鳥は樹上から進化した。
  → NG

鳥の進化の走行モデルでは、翼を広げると走行の障害になり、走行に適した脚は重くて飛行の障害になる。一方で、木から木へ飛び移ったり地上に落下するときに翼があれば、距離を延ばしたり運動を制御できる。よって、鳥は樹上から進化した。
(実際に提唱されている樹上モデル)
  → OK

鳥の進化の走行モデルでは、翼を広げると走行の障害になり、走行に適した脚は重くて飛行の障害になる。一方で、木の聖霊は生物を高所へと誘うパワーを秘めている。よって、鳥は樹上から進化した。
  → OK

鳥の進化の走行モデルでは、翼を広げると走行の障害になり、走行に適した脚は重くて飛行の障害になる。また、鳥が樹上から進化したことを示す化石は見付かっておらず、最初期の鳥類は走行に適した脚の構造をしていた。よって、鳥は地上から木に駆け上がることによって進化した。
  → NG

鳥の進化の走行モデルでは、翼を広げると走行の障害になり、走行に適した脚は重くて飛行の障害になる。また、鳥が樹上から進化したことを示す化石は見付かっておらず、最初期の鳥類は走行に適した脚の構造をしていた。一方で、現生鳥類の中に翼を羽ばたかせながら地上から木に登る者がいる。よって、鳥は地上から木に駆け上がることによって進化した。
(実際に提唱されている駆け上がりモデル)
  → OK


如何でしょう?
基準2に違反する仮説と、そうではない仮説との違いをご理解いただけたでしょうか?



尚、他にいくつか言及を頂いている内容がありますが、今の論点ではないので一旦保留します。
但し以下だけ、回答しておきましょう。議論の内容自体と関係ないので。

 >すると問題は1と3ですか。ではその議論の中で論証されることを期待します。
 >でも、それならなぜ2から始めたのですか?

1つずつ、納得をして頂いて、合意を取ってから進めて行く必要があると考えています。
基準2は差し当たっていちばん合意が得られやすそうなので、手始めにここから取り掛かっています。

314Ken:2023/03/03(金) 21:12:42 ID:royALY2s
>複数の論点の並列進行はできません
>に違反します。

現論点の基準2でない質問に回答してはいけないなら、質問もいけません。早くも合意を破ってるのはあなたです。

>よく考えた上での回答がほしいので、すぐには答えてほしくない質問を、敢えて今の段階でしています。
>それまでよく考えておいてください。熟考に熟考を重ねた上での回答を期待します

合意破りの弁解になってません。私がどれだけの時間をかけて考えるかは私の問題で、あなたが口を出すことではありません。私の回答の内容のみを判断すればよいのです。

>検証もしないで正しくないという前提に立たれたのですか? そして検討すべき仮説の候補から除外されたのですか?

それが誤解だといってます。

世界5分前説は、正しいかもしれないし、正しくないかもしれない。そして、正しいという仮定をおくのと、正しくないという仮定をおくのでは、その後の考察が異なります。

世界5分前説が正しいなら、鳥の進化どころか、あらゆる進化の考察は無意味で、問題になるのは5分前説を説明するメカニズムでしょう。一方、正しくないなら、進化を考察する意味がでてきます。

正しいという仮定では、コンピュータ・シミュレーションというメカニズムを提示しました。そして今は正しくないという仮定の下に鳥の進化を論じ、先祖の恐竜が地上を走ってたといってます。後者の話が続いてるのは、その質問が出たからです。前者の仮定での質問があるなら回答します。

A-1とA-2との違いとは、つまり「自然選択で説明できない」だけでは違反だが「自然選択に要求される説明の必要がなくなる」と入ってれば違反でないということですか?

でも、自然選択で説明できないという理由で代案を考えるなら、その代案は自然選択で説明する必要がないものに決まってるではありませんか。A-1とA-2は同じことをいってると思いませんか?

315ゲジゲジ:2023/03/09(木) 02:16:12 ID:.HOIJOVk
まずは基準2に決着を付けることを優先しましょう。

[>>312]と[>>313]で具体例を挙げましたが、どこまで納得できて、どこからどこまでが納得できないのか明示していただけますか?

 >自然選択で説明できないという理由で代案を考えるなら、
 >その代案は自然選択で説明する必要がないものに決まってるではありませんか。
 >A-1とA-2は同じことをいってると思いませんか?

納得がいかないのはA-1とA-2だけでよろしいでしょうか?
B-1とB-2は納得されましたか?
[313]で挙げた例はいかがでしょう?

1つ1つ確認しながら進めたいので、よろしくお願いします。

316Ken:2023/03/10(金) 00:18:07 ID:royALY2s
結論からいえば、NGとされた例は、OKとされた例の論点を含んでます。

[B-1とB-2]
聖書の記述に基づくのは両者共通です。B-2はそれをいってるだけですが、B-1はさらに対立仮設である自然選択を否定するという補強をしてます。OKにしやすいのはむしろB-1でしょう。

>>313の例もB-1とB-2のように記号化してもらうと便利なのですが、とにかく説明します。

>自然選択では説明できない進化がある。よってIDが生物の進化に介入した。 → NG
>自然選択では説明できない進化がある。そのような進化はIDが目的をもって進化させたと考えると合理的に説明できる。よってIDが生物の進化に介入した。 → OK

「ID」自体が目的をもって進化させるという意味ですから、後者がOKなら前者もOKのはずです。

>自然選択説には矛盾点がある。よって、神様が5000年ほど前に聖書に書かれた通りの手順で世界を創った。 → NG
>自然選択説には矛盾点がある。一方で聖書には神様が世界を創られた経緯が書いてあり、聖書は神様ご自身の言葉である。よって、神様が5000年ほど前に聖書に書かれた通りの手順で世界を創った。 → OK

B-1とB-2と同じですね。「神様が5000年ほど前に聖書に書かれた」なら「聖書は神様ご自身の言葉」ではありませんか。前者のみをNGにする理由がありません。

余談ですが、聖書を神が書いたという主張はありません。神の直筆は十戒やダニエル書の壁書などだけで、聖書自体は神の啓示を受けた人々(モーセ、イザヤ、エゼキエル、エズラ他)が書いたとされてます。人間が書いたものだから不完全なことは(私が知る限り)信仰を持つ人も承知してます。

>地球を中心に天体が周っていると考えると複雑な系になる。よって太陽を中心に地球が周っている。 → NG
>地球を中心に天体が周っていると考えると複雑な系になる。一方で各惑星が太陽を周回すると想定すれば複雑な動きを考えなくてよい。よって太陽を中心に地球が周っている。 → OK

「地球が中心では複雑だから太陽が中心」といえば、そこには当然「太陽が中心なら複雑ではない」が含まれます。言わずとも分かることを端折ってるにすぎません。

鳥の進化の樹上モデルも同様です。NGとされた例も、樹上モデルの力学的考察が前提です。そもそもそういう考察が無ければ「樹上モデル」という具体論にならず、単に「走行モデルは間違い」といえるだけです。

列挙されたNG例に問題があるなら、説明が少し不親切なことでしょうか。基準2の定義を「馬鹿でも分かる親切な説明になってないのは疑似科学」に変更されますか?

最後の例だけはロジックが異なります。現存する鳥の例を挙げるのは、駆け上がりモデルの根拠ではなく、補強にすぎません。現存する例が見つからないから疑似科学というなら、進化の仮説は疑似科学だらけになってしまいます。

317ゲジゲジ:2023/03/11(土) 01:53:25 ID:.HOIJOVk
 >結論からいえば、NGとされた例は、OKとされた例の論点を含んでます。

どうやら、「NGとした例がOKとした例の論点を含んでいるか否か?」に議論の論点は集約されそうですね。


===== 以下、前置き =====

さて[>>304]で、以下の順序で議論を進める予定と申し上げました。

2)実際に対立仮説の否定だけを根拠にした仮説(疑似科学になる)の具体例

3)光の粒子説・波動説を例に、対立仮説の否定だけを自説の検証としてよい特殊な場合というのは、どういう場合なのか説明

4)以上を踏まえて、どうして対立仮説の否定だけを自説の根拠にしてはいけないのか? 対立仮説の否定だけを自説の根拠にすると疑似科学になってしまうのか? を説明

具体例を挙げましたが納得が頂けませんでしたので、挙げた具体例について説明が必要になりました。
が、その説明は4)で想定していた内容になります。
しかも、その答えはKen様のコメントの中にあります。
というわけで、予定を変更して2)の次に4)をご説明します。


 >313の例もB-1とB-2のように記号化してもらうと便利なのですが、

失礼しました。
正直なところ、[313]で挙げた具体例に反論されて、そこからの議論が必要になるとは想定していませんでした。
議論になると想定していたら、議論の中で提示しやすいように記号化するのですが、私の考えが甘かったです。


 >列挙されたNG例に問題があるなら、説明が少し不親切なことでしょうか。
 >基準2の定義を「馬鹿でも分かる親切な説明になってないのは疑似科学」に変更されますか?

Ken様向けの説明として、それもよいかもしれませんね。
率直に申し上げて、「深読み」しすぎです。
せっかく疑似科学になる例を挙げているのに、わざわざ疑似科学にならないように解釈されるのですから・・・


どこから説明するか悩みましたが、鳥の進化の樹上モデルと、天動説/地動説に基づいて説明しましょう。
他の例も基本的に同じですから。

318ゲジゲジ:2023/03/11(土) 01:54:21 ID:.HOIJOVk
===== ココから本題 =====

 >>鳥の進化の走行モデルでは、翼を広げると走行の障害になり、走行に適した脚は重くて飛行の障害になる。よって、鳥は樹上から進化した。  → NG
 >NGとされた例も、樹上モデルの力学的考察が前提です。

前提ではありません。どこにも樹上モデルの力学的考察など書いてないですよね。

 >そもそもそういう考察が無ければ「樹上モデル」という具体論にならず、単に「走行モデルは間違い」といえるだけです。

その通りです。だからこの例はNGなんです。

つまり、走行モデルの否定だけで、樹上モデルの力学的考察なしに樹上モデルを提唱したら、それは疑似科学になりますよ、というのが基準2なのです。
別の言い方をすると、走行モデルの否定“だけ”を根拠に樹上モデルを提唱したら疑似科学、ということです。

もちろん、実際に提唱されている樹上モデルは力学的考察を前提にしていますよ。だから基準2違反ではないのです。


 >>地球を中心に天体が周っていると考えると複雑な系になる。よって太陽を中心に地球が周っている。 → NG
 >「地球が中心では複雑だから太陽が中心」といえば、そこには当然「太陽が中心なら複雑ではない」が含まれます。言わずとも分かることを端折ってるにすぎません。

「地球が中心では複雑だから」といって、「太陽が中心なら複雑ではない」とは言えません。
「地球が中心では複雑だから」から言えることは、「地球は中心ではない」ということだけです。

地球が中心であることを否定しただけなら、月を中心としたモデルだってあり得ます。木星とか土星を中心としたモデルだってあり得るでしょう。
そもそも地球も星々も動いていない、動いているように見えるのは幻覚か錯覚、という「天地不動説」だってあるかもしれません。
あるいは、ある時は太陽が中心となり、またある時は地球が中心となる、といったモデルも考えられます。

ではコペルニクスはなぜ、月を中心にしなかったのでしょうか? 木星を中心にしなかったのでしょうか? あるいはなぜ、「天地不動説」を提唱しなかったのでしょうか?
言うまでもありません。月や木星を中心にしたモデルでは、恐らく地球を中心にする以上に複雑になってしまうでしょう。「天地不動説」では、天体が動いているように見える幻覚や錯覚の仕組みが全く説明できません。
太陽を中心にすれば複雑にならなかったからこそ、コペルニクスは地動説を提唱したのです。

つまり、地球中心の否定だけで、太陽を中心にすれば複雑ではないということを言わずに地動説を提唱したら、それは疑似科学になりますよ、というのが基準2です。
別の言い方をすると、天動説の否定“だけ”を根拠に地動説を提唱したら疑似科学、ということです。


取り敢えず以上です。他の例も同じように考えてみてください。
まだ納得の行かない点はありますか?


===== 以下、余談 =====

 >>神様が5000年ほど前に聖書に書かれた通りの手順で世界を創った。
 >余談ですが、聖書を神が書いたという主張はありません。神の直筆は十戒やダニエル書の壁書などだけで、聖書自体は神の啓示を受けた人々(モーセ、イザヤ、エゼキエル、エズラ他)が書いたとされてます。

「神様が」が主語、「創った」が述語、「世界を」が目的語です。
「5000年ほど前に」と「聖書に書かれた通りの手順で」は「創った」に係る修飾語句です。
つまり「神様が聖書を書かれた」とは言っていません。

319Ken:2023/03/11(土) 11:32:21 ID:royALY2s
なるほど、おっしゃる意味が分かりましたよ。

仮説を考える人は、その結論にいたる道をたどってるはずであり、その道が基準違反かどうかを判定すると思ってましたが、そうではない。別の道を否定するだけで、自分は何の道もたどらず結論にいたるのが基準2違反ですか。

言い換えれば、対立仮説の否定で済ませるのは、自説に物証がないからではなく、自説にストーリーがないからですね。

そんな思考プロセスが現実に可能ですかね。どうやって「樹上モデル」や「太陽が中心」といった発想にいたるのでしょうか。たとえば、コンピュータをそういう形で樹上モデルに到達させるには、どういうプログラムを書けばよいのでしょうね。あなた自身は、基準違反の覚悟があれば、そんな発想をできると思いますか?

おっしゃるような基準2なら、たしかに、世間で流布されてる違反例を見つけるのは不可能でしょう。本スレッドの原因になったID論も、本サイトの名称に含まれる創造論も、人為選択であれ、神の超能力であれ、とにかく何かのストーリーを想定します。ただ、物証がない弱点を補強するため、対立仮説の否定を材料にしてるだけですから。

それにdiamonds8888xさんの基準を継承するといわれましたが、ほんとうに「基準02」と同じという確信がありますか? はたして、現実に唱えられてる理論には無用の基準だったのでしょうか? 現在だけの話ではありません。近代科学成立前の時代を含め、おっしゃるような基準2に違反する事例などなかったはずです。

では、天地創造論もID論も、世に流布するものや私が説明したものは、基準2はクリアする、でよろしいですね。

320ゲジゲジ:2023/03/14(火) 23:02:43 ID:St9PUH7Q
どうしてここまで嚙み合わないのかと思ったのですが、どうやら基準以前に問題がありそうです。どうも基準を適用する対象が異なっているようです。

 >(略)別の道を否定するだけで、自分は何の道もたどらず結論にいたるのが基準2違反ですか。
その通りです。

 >(略)対立仮説の否定で済ませるのは、(略)自説にストーリーがないからですね。
なるほど、そういう言い方もできますね。同意します。


さて、問題はここからです。

 >そんな思考プロセスが現実に可能ですかね。(略)
 >基準違反の覚悟があれば、そんな発想をできると思いますか?
さあ? 思考プロセスのことなど考えてもみませんでした。言われてみれば、そんな発想は相当に無理がありますね。

 >おっしゃるような基準2なら、たしかに、世間で流布されてる違反例を見つけるのは不可能でしょう。
難しいとは言いましたが、不可能とは言っていません。[>>312]で挙げた[A-1]と[B-1]は違反例です。[B-1]は実際に世間で流布されている違反例です。

 >ほんとうに「基準02」と同じという確信がありますか?
完全に同じかと言われるとdiamonds8888x様に確認が取れない以上なんとも言えませんが、少なくとも「いい線」まで同じである確信はあります。

 >はたして、現実に唱えられてる理論には無用の基準だったのでしょうか?
現実に唱えられている理論に有用な基準です。

 >近代科学成立前の時代を含め、おっしゃるような基準2に違反する事例などなかったはずです。
ありました。

 >(略)世に流布するものや私が説明したものは、基準2はクリアする、でよろしいですね。
よくありません。


「基準2」については恐らく合意できたのですよ。それなのになぜ? と思って考えてみた結果が冒頭の通りです。

と、いうわけで、いったん基準の話は中断します。基準以前のところ、そもそも基準を何に適用するのか? という点を確認しましょう。

私事ですみませんが、今週いっぱいはまた忙しいです。1週間以内には続きを書きますが、それまでお待ち頂いても、ここまでの内容で回答を頂いても構いません。

結論だけ申し上げておきます。
Ken様は「思考のプロセス」に基準を適用されていたようですが、私は思考のプロセスなどある意味どうでもよく、「主張のロジック」を基準に基づいて判定しています。

321Ken:2023/03/15(水) 00:17:12 ID:royALY2s
>[>>312]で挙げた[A-1]と[B-1]は違反例です。[B-1]は実際に世間で流布されている違反例です。

[A-1]と[A-2]は同じだと>>314で述べました。[B-1]の要点は以下の部分ですね。

〜キリスト教原理主義系のサイトで、自然選択説の矛盾点などを色々と指摘した上で、だから神様が5000年ほど前に聖書に書かれた通りの手順で世界を創ったのが正しい・・・と結論する〜

どの原理主義サイトをご覧になったのか知りませんが、ぜひそのサイトをもう1度チェックしてください。創造論を信じる理由は聖書であって、自然選択の矛盾点は補強材料だと分かるはずです。それなら[B-2]と同じでしょう。

322Ken:2023/03/15(水) 22:18:34 ID:royALY2s
よく見れば、私の指摘に納得されてるではありませんか。

>言われてみれば、そんな発想は相当に無理がありますね。

そのとおりです。自然選択を否定しても、自然選択の具体イメージが消えるだけで、天地創造の具体イメージは生じません。天地創造の具体イメージを与えるのは聖書またはそれに類する記述です。

まして、おっしゃるようなキリスト教原理主義なら、聖書の記述が思考の元になってるはずです。極端な原理主義なら聖書を根拠に挙げておわりでしょうが、中には補強のために自然選択を否定する場合もあるでしょう。でも、それは補強であって根幹ではありません。

もしかしたら、そのサイトの特定の記事は、自然選択の難点を指摘することに特化してるかもしれず、その記事だけをみれば、基準2違反に見えるかもしれません。でもサイト全体の趣旨をみれば、必ず、天地創造の具体イメージを与える、聖書のような文書を根拠にしてるはずです。まずは、そのサイトを紹介してください。

おっしゃるような基準2に反対はしませんが、基準2に違反する発想は、やりたくてもできないと言ってます。

323ゲジゲジ:2023/03/16(木) 20:38:28 ID:St9PUH7Q
時間がないので少しだけ。


+++++ 以下再掲 ++++++++
自然選択説には矛盾点がある。よって、神様が5000年ほど前に聖書に書かれた通りの手順で世界を創った。
  → NG

自然選択説には矛盾点がある。一方で聖書には神様が世界を創られた経緯が書いてあり、聖書は神様ご自身の言葉である。よって、神様が5000年ほど前に聖書に書かれた通りの手順で世界を創った。
  → OK
+++++ 再掲ココまで ++++++++


「神様が5000年ほど前に聖書に書かれた通りの手順で世界を創った。」という理論の根拠は、聖書ではあり得ませんよ。それだと「聖書の根拠は聖書」という主張になってしまいます。


要するにNG例はこう主張しているのです。
世界は聖書の記述通りに創られた。なぜなら進化論は間違っているからである。

対してOK例はこういう主張です。
世界は聖書の記述通りに創られた。なぜなら聖書は世界を創った神様ご本人の言葉だからである。

OK例は聖書が正しいとするストーリーがありますが、NG例にはそれがありません。


来週以降、もう少し丁寧に解説します。

324Ken:2023/03/16(木) 23:41:12 ID:royALY2s
>「神様が5000年ほど前に聖書に書かれた通りの手順で世界を創った。」という理論の根拠は、聖書ではあり得ませんよ。それだと「聖書の根拠は聖書」という主張になってしまいます。

いや、どう考えても創造論の根拠は聖書でしょう。(ティレルのような例外は別です。)

聖書を信じる根拠はむろん聖書ではありません。それを信じる人にとっては、現実に観察される事象が聖書の記述で合理的に説明されるのです。

例えば1963年に亡くなったC.S.ルイスという英国の作家がいます。この人はキリスト教について分かりやすい解説をしたことで知られてますが「Mere Christianity」という著書の最初の数章で、彼が神を信じる理由は人間の精神作用だと述べてます。人間は、良いことと悪いことを区別し、たとえ自分に不利になっても、良いことをせねばならないという意識を持ってるというのです。でも、自分や子孫の不利になることを「良いこと」と思うのは、進化の法則に反するではないか。そうなると「神が自分に似せて人を作った」という聖書の記述が説得力をもってくる、というわけです。

ルイス説が正しいかは問題ではありません。信仰をもつ人は、そのように自分で観察できる事象に基づいてバイブルを聖典とみなし、その聖典に書かれた創造論を信じてるのだと言っておきます。Mere Christianityはオンラインで公開されてるので、関心があればチェックしてみてください。
archive.org/details/merechristianity00lewi_1/mode/2up

来週以降で結構ですが、何よりも、自然選択を否定するだけでの根拠で、創造論が正しいと言ってるサイトの紹介をお願いします。

325Ken:2023/03/19(日) 13:40:35 ID:royALY2s
この文章は意味が通ってないと思います。
   ↓

>「神様が5000年ほど前に聖書に書かれた通りの手順で世界を創った。」という理論の根拠は、聖書ではあり得ませんよ。それだと「聖書の根拠は聖書」という主張になってしまいます。

よく考えてください。神が、

初日に光を作り昼と夜を分けた
2日目に空と水と地を分けた
3日目に植物を作った
4日目に日と月と星を作った
5日目に水中生物と飛行生物を作った
6日目に人を含む陸上生物を作った

というステップで世界を創造したという説の情報源は創世記の第1章です。「聖書に書かれた通りの手順」は、上記のステップを言い換えただけで、特定の文書の記述を根拠に、特定の事象があった、といってるだけです。

「聖書の根拠は聖書」とはまったく異なるロジックなのが分かりますか?


「なぜ聖書の記述を信じるのか?」

という問いに、

「聖書だから」

と回答するなら、おっしゃるような論理ループに落ちるでしょう。

326ゲジゲジ:2023/03/23(木) 22:28:48 ID:e9kexqF.
お待たせしました。

まず、もういちど論点を整理しましょう。

基準2:理論Aと対立する理論Bを否定しても理論Aの検証にはあまりならない。
これについてはお互いの認識が一致しましたよね。

[>>319]
 >別の道を否定するだけで、自分は何の道もたどらず結論にいたるのが基準2違反ですか。
 >言い換えれば、対立仮説の否定で済ませるのは、自説に物証がないからではなく、
 >自説にストーリーがないからですね。
このご発言に私も同意しました。

 >そんな思考プロセスが現実に可能ですかね。(略)
 >基準違反の覚悟があれば、そんな発想をできると思いますか?
つまり、そのような思考プロセスは不可能であろうというご指摘ですね。
このご指摘についても私は同意しました。

その上でKen様は、そもそも不可能な、やりたくてもできない思考を敢えて禁止するような基準が必要なのか? そんな基準に意味があるのか? 不可能な思考なのだから、過去から現在に至るまで基準に違反するような事例はあり得ないではないか? と仰っているものと認識しています。

私としてはこの点に同意ができず、[>>320]で、思考のプロセスなどある意味どうでもよく、「主張のロジック」を基準に基づいて判定するのだ、と申し上げました。


つまり論点は以下の③です。
① 対立仮説の否定だけで自説の根拠を述べないのは疑似科学(基準2違反)⇒ 合意
② 対立仮説の否定だけで自説の根拠を想定しない思考プロセスなど不可能 ⇒ 合意
③ やりたくてもできないのだから基準2違反はあり得ない。よって基準は無意味。⇒ 不合意


さて、③の論点について説明するために、基準2違反の具体例として「新しい地球の創造論」を挙げました。
しかしKen様からは、「新しい地球の創造論」は対立仮説である進化論の否定だけを根拠にはしていない、聖書の記述がこの世界の様々な観察事実を合理的に説明できると考えられることが根拠である(と当人たちは信じている)、という反論がありました。

しかし本来の論点は上記の③です。
Ken様が仰るように創造論が進化論の否定だけを根拠とはしていなかったとして、それは私が挙げた具体例が適切ではなかった、というだけの事です。
従って、創造論の根拠は何か? という論点は余談に過ぎません。


というわけで
===== 以下、余談 =====
[>>322]
 >まずは、そのサイトを紹介してください。
記憶にあったのは『創造論再評価』というサイトでしたが、ずいぶん前に閉鎖されています。
・世界は聖書の創世記にあるように7日間で作られた。
・昔は大量の水の層が地球を覆っていた。
・その水が雨となって「ノアの洪水」が起こり、やがて地球内部に吸収された。
・洪水の時に大陸が時速50〜70キロメートルという速度で現在の位置まで移動した。
こうした「仮説」を唱えていたのですが、その根拠を読んだ記憶がありません。

このサイトは今はありませんが、似たようなサイトがないか調べてみました。
ttps://www.gotquestions.org/Japanese/Japanese-creation-evolution.html
ttps://www.christiantoday.co.jp/articles/12706/20140128/creationist-ken-ham.htm

前者は創造論を明確に主張はしていませんが、進化論の否定をして、創造論こそが正しいと匂わせています。
後者はとにかく聖書に書かれている文字通りが正しいのだと主張しています。

どちらも私には、創造論が正しい根拠を述べているようには読み取れません。


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