貧困層向けの住宅と土地を求めて闘っている団体「ソウェト無産者運動(Landless People’s Movement in Soweto)」の広報担当者、モーリーン・ミニシ氏は、「アパルトヘイトの時代には、少なくとも雇用はあった。どこへ行けば仕事がもらえるか、みんな知っていた。役人が責任を持ってくれた」と語る。
その一方、種々の社会運動団体は、W杯開催期間中のデモ行進敢行をちらつかせてきた。ヨハネスブルグにあるシンクタンク、南アフリカ人種関係研究所(South African Institute of Race Relations)の推定では、今年に入り、25の「主要抗議行動拠点」が浮上してきたが、そのほとんどは黒人居住区にある。W杯は抗議団体を活性化させてきた。同研究所のフランス・クロンイェ副所長によると、これは、円滑な大会運営を切望する国に対して抗議団体が持つ影響力によるところが大きい。